運輸委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/08/02
会議録
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 運輸事情等に関する調査のうち、国鉄問題に関する件について、本日、日本国有鉄道再建監理委員会委員長亀井正夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(鶴岡洋君) それでは、運輸事情等に関する調査のうち、国鉄問題に関する件を議題といたします。 去る七月二十六日に提出された「国鉄改革に関する意見」について、亀井国鉄再建監理委員長より説明を聴取いたします。 この際、運輸委員会を代表して私から亀井国鉄再建監理委員長に対し一言申し述べます。 去る七月二十六日、「国鉄改革に関する意見」が国鉄再建監理委員会から政府に対し答申されたところでありますが、その際の監理委員会の当運輸委員会に対する対応が不十分で遺憾であります。この旨当委員会として注意いたします。 亀井国鉄再建監理委員長。
○参考人(亀井正夫君) 亀井でございます。 ただいまの運輸委員長の御指摘につきましては、十分留意してまいりたいと存じます。 去る七月二十六日、日本国有鉄道再建監理委員会は、「国鉄改革に関する意見」を内閣総理大臣に提出いたしました。 御承知のとおり、国鉄は今や二十二兆円もの累積債務を負い、しかもなおその債務は年々増大を続け、このまま推移するならば取り返しのつかない事態を招来しかねない危機的状況にございます。しかし、鉄道事業は国民生活充実のために極めて重要な役割を担っており、何としてもこの破綻に瀕している国鉄を新しい活力ある企業体に変革し、鉄道に課せられた重要な役割を十分に果たしていくことができるよう再生させなければなりません。 私どもは、改革方策の立案をゆだねられた責任の重大さを痛感するとともに、数次にわたるこれまでの再建案の失敗の歴史を繰り返すならば、国鉄事業の再生は不可能となるという危機意識を持って、二年余りの間にわたりあらゆる角度からの分析を行い、適切な改革方策を探求してまいりました。その結果、本改革案が国鉄事業を再生させ得る唯一の方策であり、かつ国民の負担を最小限のものとする最善の方策であることを確信して提言した次第でございます。 それでは、要点を絞りまして御説明申し上げます。 私どもの意見は四章から構成されております。まず第一章は、国鉄改革についての基本認識を述べており、国鉄経営が破綻した原因は、公社制度のもとで巨大組織による全国一元的な運営を行ってきたという制度そのものに内在する構造的なものであるとの認識を明らかにしています。このような認識のもとに、現行制度の枠内での手直しという従来の延長線上にある対症療法によっては国鉄事業の再建を実施することはもはや不可能であり、国鉄事業を民営化するとともに、同時に適切な事業単位に分割することが不可欠であるとしております。 次に第二章は、第一章を受けまして、国鉄事業を分割民営化し、効率的な経営形態を確立するに当たっての基本的な考え方、その具体的な内容等について述べております。 旅客部門の分割につきましては、適正な経営管理が可能な規模、地域の実情に即した運営が行われること等の要請をできるだけ満たし得るものとする必要がありますが、同時に、旅客の流動実態、分割に伴う技術上の問題やコストの最小化、各事業体の安定的な経営基盤の確保等といった点も総合的に考慮すべきであるとしています。その結果、具体的には、本州は東日本、東海、西日本の三つのグループに分けるとともに、北海道、四国、九州を分離した全国六地域の分割としております。 なお、経営形態につきましては、株式会社形態の特殊法人、すなわち特殊会社として、できるだけ民間企業と同様の経営の自由、自主性を有することとなるよう国の監督規制は必要最小限にとどめることとしております。 旅客事業を行う旅客鉄道会社は、国鉄から、現在法律に基づき対策を進めている特定地方交通線を除く全線を引き継ぐこととしております。本州の旅客鉄道会社については、新幹線間の収益性に著しい格差があり、各社の採算性のアンバランスが大きいため、新幹線利用者間の負担の均衡、長期債務等の処理に際しての国民負担の軽減等も勘案して新幹線一括保有方式、すなわちリース方式により収益調整を図ることとしております。また三島の旅客鉄道会社につきましては、いずれも利払い前の営業損益で赤字を生じることが見込まれるので、長期債務を承継しないこととした上で、営業損失を補てんし得る収益が生み出せるような基金を設けることによって経営基盤の確立を図ることとしております。 整備新幹線につきましては、二十一世紀に向けての高速交通手段として地域住民の要望が極めて強いが、現在の計画によれば膨大な投資を必要とし、また新会社の経営に大きな影響を及ぼすことが予想され、この問題については、予想旅客需要と投資の均衡、在来線の収支に与える影響、財源問題、技術開発によるコスト低減の可能性等を考慮に入れて慎重に判断する必要があるとしております。 要員規模につきましては、旅客部門は、私鉄並みの生産性を前提に積算した適正要員規模にその約二割程度を上乗せすることによって二十万人程度の要員規模にするのが妥当としております。貨物部門の要員規模は約一万五千人程度と見込まれますので、新事業体全体の総要員数は約二十一万五千人となるとしております。 第三章は、国鉄事業再建に際して解決すべき諸問題について述べており、そのうち余剰人員問題は、国鉄事業再建の成否にかかわる重要な課題であり、雇用の場の確保を図りつつ万全の対策を講じる必要があるとしております。 すなわち、新経営形態移行時の昭和六十二年度に約九万三千人の余剰人員が見込まれるので、具体的には、まず移行前において二万人程度の応募を目指した希望退職募集を行うとともに、先ほども述べましたとおり、移行時には旅客鉄道会社にその適正要員規模の二割程度に相当する約三万二千人の余剰人員をめどにして移籍させることとしております。このようにしてなお残る四万一千人の余剰人員につきましては、清算法人的組織に改組されることになる旧国鉄において三年を限度として再就職のための対策を実施するほか、生活の安定に十分配慮することとしております。 雇用の場の確保につきましては、特に国及び地方の公的部門に対して、採用の一定の割合を雇用の場として提供すること等の措置を求めております。また、これらの対策を講じるに当たっては、国鉄及び新事業体の積極的な努力を前提として、政府においてもこの問題に関する対策本部を直ちに設置し、強力な支援体制をとることとしております。 次に、長期債務等の問題につきましては、新経営形態移行に際して、国鉄の抱えている膨大な長期債務、年金負担等について適切な処置を行うことが不可欠であり、その際、現下の厳しい財政事情にかんがみ、公債に依存することなどを安易に行うべきではないとしております。具体的には、処理の対象となる長期債務、年金負担等が三十七兆三千億円に上るとした上で、これらの処理に当たっては、新事業体が最大限の効率的経営を行うことを前提に、当面収支が均衡し、かつ将来にわたって事業を健全に経営できる限度の長期債務等を負担し、それ以外のものは旧国鉄において別途処理することとしております。 この旧国鉄に残された長期債務等を処理するためには、まず国鉄用地の中から売却可能用地を最大限生み出して処理財源に充てる等、可能な限りの手段を尽くすこととしております。その上でなお残る十六兆七千億円程度の長期債務等につきましては、何らかの形で国民に負担を求めざるを得ないのでございますが、毎年の財源所要額が極めて大きいことから、「長期債務等の処理のための新たな財源・措置を講じることが必要であり、国は、長期的観点に立った総合的かつ全国民的な処理方策を検討・確立すべきである。」と提言しております。 最後に、第四章では、本意見提出後、速やかに政府におかれて国鉄改革に関する関係閣僚会議の設置等強力な実行推進体制を確保するとともに、国鉄においても実行推進体制を強化し、政府と密接な連携をとりつつ、分割民営化の円滑かつ確実な実施を期するものとし、分割民営化は昭和六十二年四月一日に実施することとしております。 以上が今回の意見の概要でございます。 国鉄改革は、幾多の困難を乗り越えていかなければ実現を図ることができない難事業であり、しかも、もはや一刻の猶予も許されない状況にございます。これをなし遂げない限り鉄道の未来を開くことは不可能でありまして、国鉄は、労使一丸となって直ちにこの難事業に取り組むことが必要であります。また、関係者の皆様には、国鉄改革を現下の最重要課題としてとらえられ、最大限の御協力を賜りますよう要望いたします。 鉄道は国民の貴重な財産であり、いかなる困難をも乗り越えて国鉄事業の再生を図り、これを健全な姿で次の世代に引き渡すことが我々の世代の責務であると考えております。昭和六十二年四月一日を期して本改革案が実施され、鉄道が新しい時代へ向かって歩み始めることを念願するものでございます。 以上をもちまして私の説明といたします。
○委員長(鶴岡洋君) 以上で説明の聴取は終わりました。 亀井参考人におかれましては、お忙しい中を本委員会に御出席くださいましてありがとうございました。 亀井参考人には御退席いただいて結構でございます。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○瀬谷英行君 亀井委員長に対する質疑は改めて行うことにしたいと思います。 とりあえずきょうは総理の出席を求めておったのでありますけれども、総理の出席がない場合には大蔵大臣の出席というふうに、これも理事懇で要求しておりましたが、いずれも与党側の同意を得ることができませんでしたので、残念ながら総理も大蔵大臣も出席されません。そこで運輸大臣は、当然、この答申が出た一番最初の委員会でありますから、総理の代弁もしくは大蔵大臣の代弁も兼ねたものとして御出席になったというふうに理解をいたしますので、責任を持ってお答えをいただきたいと思います。 まず、今も亀井委員長の方からいろいろとお話がございましたが、問題は長期債務であります。この膨大な累積債務が今日の国鉄問題の一番大きな焦点になるわけでありますが、十六兆七千億、あるいは北海道、四国、九州といったような地域に対する基金一兆円、いずれにいたしましても、少々の金じゃございません、大変なものであります。したがって、この長期債務の処理方針について目安が立たない限りは、経営形態をどうするこうするということを論じても始まらないわけであります。前提となります長期債務については予算的措置について政府として責任を持つ、このように理解をしてよろしいのかどうか、その場合の財源をどのようにお考えになっておるのか、これもあわせて運輸大臣からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 長期債務につきましては、再建監理委員会からおおよそ予定される長期債務の額につきまして明示をされておりまして、その割り振りについても監理委員会からそれぞれ意見をいただいているわけでございます。したがいまして、それらの最終的な処理の仕方につきましては、これから私どもが検討してまいらなきゃならぬ問題だと理解している次第でございます。
○瀬谷英行君 これから検討では困るんで、監理委員会が答申を出した、その答申は最大限に尊重するということを何回か我々も聞いているわけです。尊重するということであれば、この財政上の措置については、例えばこれを値引きをしたりなんかしないで少なくとも答申の範囲では問題なく処理をする、こういうふうに理解をしなければならぬと思いますが、その点の約束はよろしゅうございますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 若干答申の内容につきまして私から具体的に申し上げますと、おおよそ長期債務が三十七兆三千億円になっておりますが、その中で旧国鉄において処理するべきもの二十五兆九千億円初め幾つか具体的に示されておるのは御承知のとおりだと思います。したがいまして、これらを控除いたしました額の十六兆七千億円、これが最終的には国民の負担に帰すべきものだ、このように私は理解いたしておるのでございます。 この処理につきましては、この提言の中にも「長期的観点に立った総合的かつ全国民的な処理方策を検討・確立すべきである。」ということでございますし、この答申が出ました後に大蔵大臣の談話といたしましても、これは新たな財源が必要であり、さらにまた、今申し上げましたこの再建監理委員会の答申とほぼ同じように、全国民的な処理方策を検討すべきである、こういう大蔵大臣の談話も出ておりますし、私もそのように処理さるべきである、かように考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 新しい財源が必要であるということは大蔵大臣も認めておられる。しかし、全国民的な処理方針といったって極めて漠然とした話なんで、具体的には政府の方で新たな財源措置というものを国民の前にあるいは国会に提示をする必要があると思うんですね、当然のことながら。したがってその目安が立たないとこの答申自体が生きてこないわけですね。したがってその財源はどこに求めるのか。全国民的処理方針といったような言葉は要領を得ない点があるわけでありますが、具体的に一体どうするのか。事柄は金でありますから抽象論ではいけない。具体的にはどういう財源、これは大蔵大臣と詰めているのか、大蔵大臣が承知しているのか、総理大臣も承知しているのか、こういう点も明らかにしてほしいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 全国民的な処理方策と申しますのは、これは答申が出た段階でこれから私ども検討すべきでございますが、おおよそ察するに、全国民的な処理の仕方ということは、その財源を特定のものに求めるのではなくて、あまねく国民の負担においてお願いしたい、簡単に申し上げれば私はそのようなものであるかと現時点においては理解をいたしておるのでございますしからば一体、さらに具体的に言うならばそれは税であるかあるいは国債みたいなものであるかとか、いろいろ頭に浮かぶ、想定されるものは幾つかございますけれども、これらの問題をどれを選び、あるいはまたそれ以外にどういうものを選択しあるいはまた設定していくのかということにつきましては、これらはすべてこれから真剣に討議して結論を出すべき問題だ、かように理解をいたしておる次第でございます。
○瀬谷英行君 だから私は先般理事懇でも総理そして大蔵大臣の出席を求めるということを言ったわけなんです。しかし、所管大臣としてやはりその点について太鼓判を押されないと困るわけですよ。税か国債かといったって、そんなたくさん道があるわけじゃない。言いにくいかもしれないけれども、政府としてその方針を打ち出す必要があるでしょう。そうなるとおのずからもう道は決まってくると思うのでありますが、その点やはり所管大臣として、おれの所管じゃないというわけにはいかないと思うんです。したがって、きょうは総理も出ていない、大蔵大臣も出ていない、しかしそのかわりは運輸大臣がという条件で、きょうは総理並びに大蔵大臣は我々の方はあきらめたわけですから、その点はっきりしてもらいたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 例えば長期債務の処理等につきましては、これは政府が答申を最大限に尊重するということは既に閣議でも決定いたしているわけでございますから、そういう立場におきまして、運輸大臣としても当然責任があり、他の関係の大臣と十分協議をしながらそれらの処理について決定をするための努力をしなきゃならぬことは当然でございます。 ただ、具体的にそれではおまえが一人でかわって他の大臣の分までやるかという御指摘でございますが、それはおのずから所管事項というものがございまして、予算の編成等について運輸大臣である私が大蔵大臣等にかわってここでどうするということを申し上げることはできないし、そのためにこれから国鉄改革に関する閣僚会議を設置いたしまして、そこでまた十分検討いたしていかなきゃならぬ、かように思っております。
○瀬谷英行君 今までの運賃値上げ等のたびに附帯決議を参議院でもつけているわけですよ。その附帯決議では、例えば昭和五十一年の場合でも、「国鉄の過去債務は国鉄の負担を軽減するよう積極的に処理する。」といったようなこともありますし、「国家的政策にもとづく国鉄の公共負担は、それぞれの政策実行部門が負担するよう努力する。」「地方交通線等の赤字に対しては、一段と助成を強化し、国の責任において解決するよう努力する。」とか、この種の附帯決議が毎回付せられている。これはもう五十一年あるいは五十五年、古くはもう四十四年、あるいはその前から同趣旨の附帯決議がつけられているわけです。その附帯決議というものが実行に移されていなかったわけです。 それから、今までの国鉄再建計画でもそういったような過去債務をどうするか、処理しなきゃならないじゃないか、やがて首が回らなくなるじゃないかという論議は運輸委員会で何回も行われているんですよ。にもかかわらず、政府は附帯決議も実行しなかったし、当然注意しなければならない過去債務の処理も行わずにずるずる来たわけです。歴代の運輸大臣の中には中曽根総理大臣もいるわけですよ。したがって、国鉄の累積債務が今日こうなったという責任は明らかに政府の責任だというふうに考えざるを得ないんです。そのことを監理委員会はどういうわけかわざと触れておりません。それは任命をしてもらった政府に対する義理立てたろう、これは私の推察なんですけれどもね。しかし、実際はこの過去債務については明らかに政府の政治責任だと思うんです。単年度で処理をしないで毎年毎年債務を膨らましてきた、膨らませてくればやがてはパンクをする、こんなのは風船に空気を吹き込むのと同じで当然のことなんですよ。 今こういう状態に立ち至ったという責任について、やはり政府みずからが過去の政治責任であるということを認めなきゃならぬと思うのでありますが、その点どうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 過去幾たびか附帯決議がなされているということはおおよそ私も承知いたしておりますが、その附帯決議が実現に至らなかった、中曽根総理も元大臣であったということで、長い歴史の間にそういうことを今御指摘になったわけでございますが、私は、政府としては附帯決議の趣旨は尊重しなきゃならぬと思うのでございますが、やはり諸般の事情でそれができなかったというふうに思うわけでございます。 ただいま、だからそれが政府の責任であるということにつきましては、いろいろとこれは議論もあることかと思いますが、ただ、現時点においては、やれ政府の責任であるとかやれ国鉄だとかあるいは組合だとか、いろいろなことを申し上げることよりも、よって来る責任ではなくて原因についてこの機会にきちんとして、そしてその原因に対してどう対処するかということが私はこの際なさるべき問題ではないか、かように思う次第でございます。
○瀬谷英行君 多分に責任転嫁という点があると思うんですよ。国鉄予算というのは、国鉄の総裁が政府と別に予算を組んでそして成立させているわけじゃないんですよね。政府の予算として国会で審議をして、政府の方で提案をしてそして決められてきているわけなんですから。この内容については、過去のことはおれは知らぬ、おれのせいじゃないとは言い切れないんです。そういうことを言うべきじゃないと思うんです。それはもちろんいろんな要因はあった。いろんな要因はありましたけれども、やはり借金でもって膨大な投資をする、一言で言えば、国鉄の借金で膨大な投資をして、それが積もり積もれば首は回らなくなるというのは当たり前ですよ。特に今回の場合は累積赤字の何か水増しをしたような感じがあるわけです、当然国が責任を持つべき性格のものまで全部この累積債務の中に入れてしまっているという感じがいたします。したがって、こういう問題の処理というのは、他に責任を転嫁しないでみずから処理をするという姿勢こそ私は必要だろうというふうに思うのであります。 そこで、政府はこういう答申が出たらそれを尊重するということを言っておりますけれども、それならば、自民党の中で整備新幹線、これは整備新幹線の促進期成同盟というのがあって、そこが整備新幹線を実現するためにゴーサインが出たという解釈をしているという話を聞きました。これは一体どういうことなんだろうか。整備新幹線についての監理委員会の答申はよくわからないんです、やれというのかやめろというのか、慎重にしろというだけで。要するに右か左かわからないんですね。アクセルだかブレーキだかわからないんですよ。こういう状態で、自民党の、しかも分割民営を促進したと言われる三塚さんのところで、整備新幹線については一生懸命やろうじゃないか、こういう動きがある。 それじゃ整備新幹線はだれが金を出してどうやって建設をするのか。特にこんなふうに日本国じゅうをばらばらにされた中で、どこの会社がどうやって責任を持つのか、これはまことに難しい話なんですね。一体これはどういうことなのか、この点も大臣にお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(山下徳夫君) 国鉄の今日の現状が非常に厳しい、そういう中におきましても、新幹線の建設が予定されている地域の住民のこれに対する切望というものがその極に達しているという現状からして、何らかの措置をとらずばなるまいというのがこれは政治家として一様に考えたことである、それは私は当然のことだと思います。 ただ、そういう現状でございますから、しからばどうやってやるかということにつきまして、六十年の予算編成の当初におきまして、具体的に申し上げますと、党の四役との仲裁によって今年度の予算の編成の方針が決定したわけでございますが、それは、所要の立法措置を講ずることによって並行在来線を廃止するとか、あるいは国及び地方の負担等事業実施方式のあり方とか、その他幾つかの問題がございましたが、その中に、国鉄再建監理委員会の答申との関連ということもこの条件に入っているわけでございます。 したがいまして、今申し上げました再建監理委員会の答申以外の幾つかの条件を満たしたとしても、この再建監理委員会の答申次第ではいけなけよということ、はっきり申し上げればそういうことになるわけでございますが、その監理委員会の答申というものは、今お話がございましたように、「整備新幹線については、二十一世紀に向けての高速交通手段として地域住民の要望が極めて強い」ことを認めつつも、「膨大な投資を必要とし、また新会社の経営に大きな影響を及ぼすことが予想される。」ことから「慎重に判断する必要がある」、こういうことでございます。したがいまして、私どもも、以上申し上げました幾つかの条件を満たしたとしても、この監理委員会の御意見を十分尊重しながら慎重に対処するというのが現時点における新幹線に対する私どもの方針でございます。
○瀬谷英行君 慎重に判断をするということは具体的にどういうことなのか。積極的に進めることなのか、あきらめるということなのか、どっちかにしないとわからぬわけですよね。その点どうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 今の御質問の冒頭に申し上げましたように、六十年度の予算の編成方針の冒頭におきましては、これはゴーという方向で一応の予算の編成がなされている。しかしそれには条件がついているということでございますから、条件が満たされればあくまでゴーでございまして、慎重にということは、慎重に検討した結果できなければこれは着手できない、こういうことになるわけでございます。
○瀬谷英行君 そうすると、六十年度当初予算、ゴーサインを出した、ゴーサインを出したということはやりましょうということなんですね。
○国務大臣(山下徳夫君) 条件が満たされればやりましょうということでございます。
○瀬谷英行君 それは当然です。銭がないのにやれというわけにいかないですからね。ゴーサインを出すということは何とかしてやろうということです。それには、今の新幹線プラス整備新幹線ということになるわけです。私は、やはり新幹線の恩恵に浴することは過密地帯だけではいけないという気持ちは持っております。しかし、問題はこの新幹線の建設に当たってその財源をどこに求めるか。国鉄の借金でもって今までやってきたんですよ、早い話が。青函トンネルだってそうでしょう、本四架橋だってそうでしょう。これらの膨大な投資というのは本来ならば国鉄の借金でやるべき性格のものじゃないと思うんです。 そういうものを全部国鉄の借金でもってやらされてきたところに今日の累積債務という問題が生じているんですよ。まだ同じことを繰り返したならば、今度は赤字新幹線ができてしまうということを心配しなきゃなりません。だから慎重にというのかもしれませんけれども、ゴーサインが出たというならば今までのやり方についても反省しなきゃいけないし、それから在来線を廃止して新幹線をつくればいいじゃないか、こういう意見があるけれども、在来線と新幹線というのは動脈と静脈の関係なんですよね、幹と枝の関係なんですよ。在来線を廃止して新幹線だけ走ったんじゃ、新幹線の駅までどうやって行ったらいいのかということになる。少なくとも各駅停車の新幹線というのはないんだから、そうするとかなりの距離を置かなきゃいけない。そこへ在来線というものを廃止してしまったら、新幹線に乗り継ぐためにどういう方法を講じたらいいかということになります。 だから、在来線を廃止して新幹線をつくればいいなんというのはこれは全く愚かな素人の論議ですよ。こんなことはまともにやられたんじゃ大変なことになる。だから、もし新幹線を建設をするというならば、在来線との関係を十分に考えてやってもらわなきゃならぬということになると思うのでありますが、その点大臣のお考えはどうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま青函トンネルとあわせての御意見をお示しになりましたけれども、私もこれと新幹線は似たようなものだと思っております。つまり、よく私はこういう例を申すのでございます。国会の屋上に灯台をつけた場合に、だんだん距離が遠くなって僻地に行くに従ってその光が鈍くなる。そういうところには私はやっぱり政治の恩恵を垂れるべきである。そしてそういうところに新幹線を通すことによってもちろん交通が便利になる。そのことによって教育も文化も産業も経済も大都市に少しでも近づくことができるならば、私はその部分だけのそろばん勘定で判断すべきでない、それが政治だろうと思うという私の意見を何回か申し上げてまいりました。これは私はやはり青函トンネルと全く同じ立場に立って考えるべきであると思っておるからでございます。 そこで、ただいま御意見がございましたそういう観点に立って幾つかの条件の中の一つの在来線の廃止でございますが、これはただ単に在来線ではなくて並行在来線というふうに条件にはうたってございます。この並行した部分をそれじゃ直ちに鉄道を撤去するかということでございますが、この廃止の意味はいろいろあるわけでございまして、これもこれから詰めていかなきゃならぬ。あるいは政府が従来どおりの国鉄として運営することを廃止するのかどうかといういろんな問題があるかと思いますが、これはこれから一つの国鉄問題に関する閣僚会議等においても真剣に討議していかなきゃならぬ問題であろうかと思っております。
○瀬谷英行君 今度は新幹線と在来線との関係ですけれども、新幹線と在来線というのはお互いに相補完をするという立場にあるわけです。例えば東京で新幹線に乗るといっても、山手線を使って東京駅へ行く、あるいは上野駅へ行くという利用者が大部分ですよ。もし新幹線だけ残して山手線をやめてしまったらこれは大変困ると思うんですね。そういうことはできないでしょう。そうすると、在来線と新幹線というものはお互いに持ちつ持たれつの立場にあるというふうに理解しなきゃならぬ。となると、今度の答申は新幹線というものを別個の機関にして、そして本州を三分割をする、そしてリース方式をとる、これはまことに不自然なやり方であるというふうに考えざるを得ない。何でこんなことをやったのか。 特に、本州の分割というのはつながっている線路を切るわけですから、そして別会社にするわけですから、その間に今までと同じように列車を運行するというようなことは非常に面倒な問題が生ずるのは素人が考えたってわかることです。特に新幹線と分割会社、別会社、リース方式、こういうことが果たして妥当だと思われるのかどうか。これを不自然だと思いませんか。その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(棚橋泰君) 今回の答申では、先生今お話にございましたように、新幹線というものを一括保有してこれをそれぞれの会社に貸し付ける、こういう形になっております。ただ、この方式は、あくまでも新幹線というものの機能とか性格というものに着目して、これを一括に保有するということであまねく国土の利用者に均等な形で利用するという意味ではこういう形が望ましいし、またそれによって新しい会社間の収益というもののバランスというものの調整にも役に立つ、こういう見地から今回の意見においてそのような御提言がなされているというふうに解釈をいたしております。 ただ、その場合、今瀬谷先生御指摘のように、そういう形だと大変在来線との関係において不便ではないかという御指摘につきましては、保有主体はあくまでもこの新幹線を保有するだけでございまして、それを運営するのはすべて旅客会社でございます。例えて申し上げますれば、先生方御利用いただいております上越新幹線というものは全く東北新幹線と同じように運営をされておりますけれども、上越新幹線というのは鉄道建設公団が保有をしてこれを国鉄に貸し付けておるわけでございます。ちょうどそれと同じ形でリース会社が新幹線を分割会社に貸し付ける、こういう運営を行ったらどうかという御提言であるというふうに理解をいたしておりますので、そういう意味で、新幹線と在来線との関係において著しい不都合が起こるということはないのではないかというふうに私どもは考えております。
○瀬谷英行君 不自然でないということを言うためには極めて無理な弁解をしなきゃならなくなってくると思うんですね。 今度端的に伺いますが、この答申によっていろいろ分割された、一体何人の社長あるいは総裁というものが出現をするんですか。今までは総裁一人だった。だけれども、今度はこういうふうにばらばらに分割をされた。新幹線のようなのもあるし、貨物会社のようなのもある、地域的な分割もある、バスもある。これ全部合わせると何人の社長さんができるんですか。その点お伺いしたいと思うんです。
○説明員(棚橋泰君) これは私どもというより監理委員会の御提言でございますので、私どもから云々申し上げるのはどうかと思いますが、一応答申をそのまま読ませていただいた結果によりますと、それが総裁であるのか社長であるのか理事長であるのか、そういうことは私どもちょっとわからないわけでございますけれども、会社としましては、旅客会社が全国六つ、それから貨物会社が一つ。それと、バスの場合はとりあえず旅客会社が抱えてスタートいたしますので、六十二年の四月の段階においては別会社ではございませんが、順次分離をするといたしますと十三の会社、それから新幹線の保有主体、おおよそこんな形になるのではないかと思っております。
○瀬谷英行君 地域別の社長さんだけじゃないんですよね。いろんな通信からバスから、要するに理事長だか総裁だか社長だか会長だかわからぬけれども、要するに国鉄の総裁に該当するような、俗な言葉で言えば親方が何人できるのかということを聞いているんですよ。
○説明員(棚橋泰君) ただいま先生お話しの通信会社とか、それから研究所を分離して財団にするという御提言でございますから、それらを合わせますとおおよそ二十三ではないかというふうに思っております。
○瀬谷英行君 一人だった総裁がこの答申によって二十三名の社長に今度は変わるわけですね。二十三名の社長あるいは総裁、理事長、名前はいろいろあるでしょうが、そういうところに重役がどうしても出てくるわけですよね。そうすると、行革行革と言うけれども、行革とは全然逆行するんじ中ないかという気がするんですね。 特に私は貨物の問題についてお伺いしたいと思うんですが、貨物は全国一社制だというんですよね。貨物を全国一社制にして旅客は六分割をする、新幹線はまた別だということになると、大変にややこしい鉄道になるわけですね。貨物を旅客と分離してどういうふうにやって経営するのか。同じ線路の上を走るわけでしょう。貨物会社用の線路を新しくつくるわけじゃないでしょう。そうすると同じ線路の上を貨物会社が使い旅客会社が使う、新幹線はまた別に走る、こういう格好になるわけですね。貨物なんかの場合は一つの会社が全国六つの新会社の間を渡り歩くという格好になるわけですね。そうすると、ダイヤをどうやってだれが設定するのか、それから乗務員はどうなるのか。今まで機関区というのがありました。機関区は別にあっちの会社こっちの会社じゃなかった、国鉄一本だった。機関区が別々になるのか、同じ機関区の中で貨物用の乗務員と旅客用の乗務員が別々になるのか、乗務員は一体どうなるのか、そういうことを考えると非常にわかりにくいんです。 しかもこの答申は結論を出していないんですよ。十一月までにというようなことを書いてある。これは一体どういうことになるんですか。その点をお伺いしたいと思うんです。
○説明員(棚橋泰君) 先生ただいま御指摘のように、今回の監理委員会の意見におきましては、貨物については、その性格から見て旅客とは異なる、輸送の足も長いし、また物流業とかそういうものとの密接な関係の中において位置づけられるものであるというような観点から、旅客とは分離して全国の一元的な会社として運営するのが望ましいという結論をお示しになっております。しかしながら、鉄道貨物の輸送にかかわるコストというものを明確化するというのは、今旅客と一本になって運営されておりますような関係で当面必ずしも明確でない。それから、今瀬谷先生御指摘になったように、分離した場合の運行方式の具体的なやり方という問題もございますし、また荷主等の利用の関係等についてもいろいろ見直しをしなきゃいけないというような意味で、専門的かつ技術的な観点からもう少し政府において詳しく検討した上で結論を出すべきであるということから、政府においてこれを今年の十一月三十日までに具体案を作成するように、こういうことになっておるわけでございます。 私どもといたしましても、貨物というものについてこれを旅客会社との関係においてどう位置づけるかということはなかなか難しい問題であるというふうに考えております。全国を幾つかの会社に分割いたしました場合に、貨物会社というものを果たしてそれぞれの旅客会社というものの中に抱えるのがいいのか、それともその足が非常に長いということから見て分離した方がいいのか、それは非常に難しい問題であるというふうに考えておったわけでございます。しかし、監理委員会の御提言にもありますように、貨物の特殊な性格から見てやはりこれは分離した方がいいというふうに考えておるわけでございます。その際に、今先生御指摘のように、乗員の問題、線路の問題、ダイヤの問題、機関区の問題、機関車の問題、いろいろ難しい問題があることはまさに御指摘のとおりだと思います。しかし、逆にそれだからといってそれはできないということではないというふうに考えております。 世界の各国の鉄道の例を見ましても、旅客会社と貨物会社が分離されている例はあるわけでございまして、それなりの運行というものが行われておるわけでございまして、それらの点を勘案しながら現実にどのような形でやったらいいか、もう私ども既に国鉄との間でこの点についての勉強を始めておりまして、十一月三十日までに、短い時間ではございますけれども全力を尽くして具体的な貨物のあり方について結論を得たい、かように思っているわけでございます。
○瀬谷英行君 要するに結論はまだ出ていないんですよ、この答申では。どうやっていいかわからないんでしょう。二年間かかって結論が出ていないものをあと三カ月で結論出せなんというのは随分無責任じゃないですか。そう思いませんか。しかもこの答申は、「この改革案を除いては他にあり得ない」と終わりに書いてあるんですよ。思い上がりも甚だしいんです。この改革案以外は他に案はないんだと言いながら、じゃ貨物はどうするんだ、結論が出ていない。運輸省と国鉄でもって十一月までに相談しろ。二年かかって結論の出ないものを三カ月で結論出せというのはどういうわけですか。随分ふざけた話だと思いませんか。これだけなめられたことを書かれて、ああごもっともだということで、これからせっせとやればうまい結論が出るとお考えになっているんでしょうか。極めて不自然じゃないですか。 新聞の社説を読んでも、特に本州の分割については疑義があるということを指摘している社説が多いです。これは当然だと思うんです。これはやはり不自然だし、初めから分割が目的だったんじゃないかというふうに考えざるを得ないですよ。 特に今の貨物の話に至っては問題にならないです。どうやっていいんだかさっぱりわからない。足が長い、じゃ旅客の方は足が短いのか。だけど線路は一つでしょう。同じ線路の上を違った会社が、しかも地域も違う会社が走る。右足にスキーを履いて左足にげたを履いて砂利道を歩くようなものです。それでスムーズに歩けというのは随分無理な話だと思いませんか。こういうむちゃなことを言って、しかもこれ以外に案はない、これは思い上がりだと思うんです。 大臣どう思いますか。これは新聞の社説でもみんを言っているんですよ。大臣の率直な感じを述べてもらいたいと思うんです。弁解の上手な人にかわって答弁させないで、大臣みずから答えてもらいたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 弁解の上手、下手は別としまして、事務局の方が細かな点までよく勉強いたしておりますから技術的な問題その他はかわって答弁をさせておる次第でございますから、この点は御了解いただきたいと思います。 ただいま御指摘の点につきましては、私は、過去における国鉄の今日までの経営の実態を振り返って、冒頭に申し上げました原因はどこにあるかということを考え、それが公社制度であり一元的運営であるというような点からずっと説き起こして今日までの経過を見ますというと、やはりまずこの問題に対処するということから例えば民営分割というものが出、そしてまた貨物の特殊性あるいはバスというものが出てきたわけでございます。したがいまして、そういう面から見まするというと、これはやっぱりやってみると試行錯誤は出てくると思いますが、それを最小限度に食いとめるために、今日まで二年有余にわたって百三十回の会議をやる、しかもその会議の前後には予習、復習とかいろいろなことをおやりになって、まるでこれに没頭されてきた、その結果のこの答申案というものを、現時点において急がなきゃならぬという一つの条件がありますから、そんなものも加味しますというと今回の出た答えというものは私はやっぱりベストであるというふうに思っております。 そこで、今の貨物会社の問題につきましても、具体的に、足が長いというけれどもとおっしゃいましたけれども、私の手元の資料では、旅客が二十八・四キロが平均である。貨物は車扱いが二百三十九キロ、トン当たり。それからコンテナがトン当たり八百六十六キロという格段のやっぱり開きがあるというような特殊性がある。あるいは人と物との違いもありましょう。私も素人でわかりませんが、北海道から送ったサケがどこで腐るかがわからないというのではこれは困るわけでございまして、そういう一つの例をとってみてもやはりこれは一元的に運営せざるを得ないのではないか。そんないろんな事情を勘案した結果の一本化というようなことも容易に私ども理解し得る問題でございまして、そういう意味からも私は今回の答申は十分評価すべきであると思っております。
○瀬谷英行君 北海道の場合はこれは毎年赤字だったわけです。これは基金を設定してその利息で何とかする、そうすれば黒字が出るというふうな極めて調子のいい答申が出ているんですけれども、北海道の人口は五百万、九州の人口が千二百万、つまり東京都の人口と九州の全体の人口は同じぐらい、それから四国の人口は四百万、こうなると、人口密度によって私はこういう交通業というものの黒字、赤字というものは決まっちゃうと思うんですよ。その地域においてどんなに合理化しようとしたって、北海道なんか現に無人駅ばかりですよね。無人駅を合理化して人減らししようといったって減らしょうがないわけです。ここでもって新たな収益を上げようといったって、北海道に首都を持っていってあそこの人口を三倍、四倍にしようというなら別だけれども、そうでない限り北海道の国鉄が鉄道会社になって収益が急激に上がるといううまい方法はないと思う。 北海道についての積算の基礎は一体何なのか、この点を御説明いただきたいと思うんです。
○説明員(棚橋泰君) 今回の意見におきまして三島を分離するということになっております。三島は、今先生御指摘のように、人口流動その他から見ましても本州とは格段の相違がございます。特に北海道につきましては、非常に広大な面積の中でございますけれども、人口その他から見て本州とは比較にならない状態であるというのは御指摘のとおりだと思います。 そこで今回の再建監理委員会の意見でもその点は大変苦慮された点ではないかというふうに思います。ただ、全国の旅客流動から見ますと、北海道は鉄道流動としては道内でほぼ九九%完結をしているわけでございまして、そういう意味でやはり本州とは分離するのが旅客の流動から見ると適当である。そこで、そのような会社をそのまま分離いたしますと大変な赤字になるということから、今回の意見では、一つはまず鉄道施設というものを全部無償で渡す、債務を一切しょわせない、無借金の経営にする。それでもなお赤字が出ますので、それについては三島で合わせまして約一兆円という基金を積みまして、その基金から生じます果実をもってその収入に充てるという形で黒字の経営ができるというふうな形を意見の中で示されておるわけでございます。 私どもも、そういう意味では、今回のまだ子細に点検をいたしておりませんけれども、そのような形でスタートするという場合には、今回の意見にあるように、それなりの黒字が生ずるのではないかというふうに思っております。以後、その経営というものについてなお効率的、私鉄並みの努力を行って鉄道経営を行っていけば三島の鉄道はそれなりの鉄道として成り立つのではないか、かように思っておるわけでございます。
○瀬谷英行君 積算の基礎について私は聞いているんで、ここに書いてあることを長々と言ってもらわなくてもいいんですよ。弁明のうまいというのはそういうことを言うんですよ。余分なことを言う、肝心なことは答えないということなんです。肝心なことが答えられないというのは、やはり何とかなるかもしれないというあいまいな点があるからだというふうに思わざるを得ないんです。 そこで、監理委員会の答申に対する質問は後日に回しますけれども、しかし、どうもこの答申にはまともに受けとめがたい点が多々ある。特に分割ということを最初に打ち出したのじゃないのか。敵は本能寺で、ねらいは分割だった、こういうふうに考えざるを得ないんです。国鉄再建じゃない。国鉄再建なんということはみじんも考えちゃいない。国鉄を解体しちゃって、そして分け前を山分けをしよう、そのためには本州も無理して三つに分けなければいけない、こういう結論が出たんじゃないかという心配があるんですよね。 そこで、一人の総裁から二十三名の社長ができるんですから、だれが社長になるかということは重要な問題ですよ。その任命をするに当たっていろいろ情実が入ってくるということがあっては非常に国民としても割り切れないものが残ると思う。特に、真偽のほどはわからないけれども、監理委員会の委員のメンバーの中でもう既に新しくできた分割会社の社長をねらっているという話も出ているわけなんですよね。もしも監理委員会のメンバーの人が新しくできた会社の社長に横滑りというか、天下りというか、なるということになるとまさにこれこそお手盛りもいいところですよ。こういうお手盛り人事をやったということになると、ああねらいは初めからここだったかということになるわけですね、どんなに美辞麗句を並べても。 そこで私はその点念を押しておきたいと思うんです。そういう人事は一切やらない、監理委員会のメンバーだった人、あるいは分割民営について具体的に参画をした人を天下りで、あるいは横滑りでもって新会社の役員に任命するというようなことは国民の疑惑を招くということになるんだから、そんなことは一切行うべきではないと思うんだが、その点大臣としてはお約束できますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 何分まだ二年先のことでございますし、私はそれまで運輸大臣をやっているわけでもございませんし、これからとにかく一定期間、この問題に関する閣僚会議でいろいろな問題を検討してより立派な一つの新しい会社を発足させようということでございますから、御趣旨はよくわかります。ただ、それじゃ今のそういう人たちの中に適任者が全くいないかということ、それはまた否定すべきでもございませんし、それだけを取り上げてやるかやらないかということはいかがなものであろうかと思っておりますが、今の時点からそれをどうするこうするという問題ではないのではないかと思われます。
○瀬谷英行君 今からその点ははっきりさせておかなければならないことなんです。こういう原案をつくってたくさんの会社ができる。その会社の社長とかあるいは役員とかに原案をつくった人がそのまま滑り込むなどということは極めて巧妙なやり口であって、庶民感情からして到底許せないものになると思うんです。初めからそういう意図があったんじゃないかということになるんです。この間も監理委員長にその点をお聞きしましたが、どうもはっきりした返事がございませんでした。これはやはり今後の問題として極めて重要でありますから私の方から念を押したわけであります。 時間が参りました。余剰人員の問題についてもお伺いしたいと思ったのでありますが、余剰人員についてはたくさんの字句が並べてあります。だけれども抽象的な美辞麗句ばかりなんですよ。具体的にこうするといったような点についてはどうもはっきりしていない。当てもなしに余剰人員をつくられたんじゃ迷惑な話です。この点、むしろ余剰人員をどうするかということよりも、余剰人員を出さないようにすべきだったんじゃないのか。そして、出た余剰人員については、その余剰人員を有効に使って、そして累積債務の処理に当たらせるというか、仕事をやって稼がせるということの方が私は具体的だというふうに思うのでありますけれども、そういう処方せんというものはどうもない。 一体これは政府において具体策が今あるのかないのか、これはどういうふうにこれから対処するお考えなのか、その点をお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(山下徳夫君) 余剰人員の問題につきましては、その内訳につきまして監理委員会から明示をされております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、国鉄改革に関する閣僚会議が既に今週の火曜日の閣議において発足いたしました。そして第一回のこの閣僚会議におきまして今度は余剰人員対策に関する本部を設置する予定でございまして、これには総理あるいは官房長官をお願いすることにいたしておりますが、なるたけ早い時期にこれを発足いたしまして、そこで真剣にこれをひとつ検討してまいりたい。 何といっても今回の問題で一番大きなものはこの余剰人員でございまして、避けて通れない問題であり、かつまた、これを路頭に迷わせてはいけないと委員長おっしゃっていたとおり、ただ路頭に迷わせないということよりも、よりなれたお仕事、そしてより立派なお仕事についていただくという、そんな方針をきちんとしてこれからそれらの問題に取り組んでまいりたいと思っている次第でございます。
○安恒良一君 私も、まず質問に入る前に、きょうはこれだけの大きい答申が出されまして第一回の運輸委員会ですから、ぜひとも総理それから大蔵大臣、運輸大臣、そして亀井国鉄再建監理委員長、皆さん御出席の中で質問をしたかったのでありますが、しかし、どういうふうに与党側がお考えになったのか知りませんが、与党側の賛成が得られなかったということは大変残念に思います。そこでやむを得ませんので国務大臣である運輸大臣にこれらの点を総合的にお答えを願わなきゃならぬと思います。万が一できないものは正直にできないと言っていただいて、次回なら次回には必ず総理や大蔵大臣、それから亀井監理委員長の御出席をいただいて真剣な議論をしなければならないだろう、こういうふうに私は思います。まずこの点を私の考えを申し上げておきます。 そこで、私は、今先輩の瀬谷先生からもいろいろありましたが、まず、国鉄再建監理委員会は国鉄の再建に限っての答申をしているわけです。ですからこれは亀井さんに聞くことになりますが、それは政府の問題だということになるでしょうが、私はこの案で本当に国鉄が再建されるのかどうかという点を大変心配をする。それはなぜかというと、大臣もおっしゃいましたように、まず、二十一世紀に向けての総合的な交通のあり方ということは監理委員会では全然お書きになっていないんですね。恐らく亀井さんからいえば、いや私は総理から国鉄をどう再建するか考えると言われたから二年間かかって考えたんだ、そのことは政府がお考えになることだ。それをなぜ私がこのことをあえて聞こうとしているかというと、仮にこの案で国鉄を再建をしたとしても、二十一世紀における我が国の総合交通体系はどうなるのか。すなわち、船舶の持つ輸送分野、航空機の持つ輸送分野、それからトラック等の輸送分野、そして国鉄や私鉄のバス等のお互いの輸送分野、こういうことをきちっとしないでやってきたところに今日の国鉄が大きく行き詰まった一つの原因があるわけですね。 すなわち、公社制度とか一元化の運営とかいろんなこともありますが、私はやっぱり一番大きい問題は、過去にも何回も議論されましたように、例えば国家の投資なら投資、高速道路をつくることに投資をする、そのことも政治のあり方の一つでしょう。港湾の整備に投資をすることも一つであります。また鉄道に投資をするということも国家の施策として私はあると思う。しかし、それらが総合的にされないできたところに大きい責任がある。 私はなぜこのことを聞くかというと、やはり政府・自民党としての政治責任をどうするのかということに論議が及んでいくわけです。ですから、まず運輸大臣として、この国鉄再建監理委員会の案をこれから二年間かかって国会の審議等を経てやっていくということでありますが、それと総合交通政策をどうするかということはどうしても一緒にやらなければ、例えば一つの例、瀬谷先輩からも出ましたが、新幹線の整備についてはどうも大臣はゴーのようでありますのではゴーのその新幹線と今度の再建とどうなるかというのを今瀬谷先生が聞かれましたが、それから在来線はどうなるのかということになると、どうも大臣の答弁を聞いておりましてもあいまいなんですね。ですから、私はこれから国会も真剣にこの国鉄再建に取り組まなきゃならぬと思いますが、取り組んだ、またぞろ失敗をしたんじゃこれは意味がないわけですね。 なぜ今まで失敗をしたかというと、国鉄が既に赤字に転落して以来国鉄再建計画というのは何回となく国会の中で議論をし、政府の方針に基づいて決めていかれたわけですね。ある場合には政府が強行的にお決めになった場合もあるわけなんです。にもかかわらず今日行き詰まったんですから。そうすると、いよいよこれから二年がかりでこの監理委員会の答申を政府としては尊重しながら再建されるというときに、そこのところがきちっとしないと私はうまくいかないんじゃないか。分厚い答申をいただいてこれを全部読ませていただきました。読ませていただきましたが、今申した二十一世紀に向けての総合的な交通体系のあり方と国鉄の再建をどうするのかということの関連性が全然わからないんです。亀井さんにそれを求めることが無理ならば、やはり運輸大臣は総合交通全体の責任者なんですから、その中でこの点はどういうふうにお考えになるのか、まずそれを聞かせてください。
○国務大臣(山下徳夫君) もう基本的には先生のおっしゃるとおりで、私も全く同感でございます。これから二十一世紀に向かってやはり総合的な交通体系というものは一日も早く確立されなければならぬ。もちろん一つの方針のもとに我が省としてもいろいろ作業も進めておるわけでございます。 例えば航空にいたしましても、現在七十七の空港があって、そのうちでジェット化されているのは三十八しかない。まずこれをやる。さらに、いわゆる航空の空白地帯といわれる、空港まで一時間半以上を要するこの日本国内における地域に対してどういう航空網を設定するかという問題、そんなものを合わせますとやはり空港も百ぐらい必要がな、さらに近距離のコミューター、あるいはさらにはヘリコプターとかいろいろな問題が今後出てまいりますから、まずこれから伸び行く航空の問題をさらに考える。あるいはモータリゼーション、いわゆる道路交通、そして今御指摘がありました船の問題もございます。これらとの総合的な関係の中における鉄道という、この鉄道の持っておる特徴というものは一つの大量輸送性であり定時性であるというようなことからするならば、やっぱりこれは大都市とその周辺を中心とすべきである、あるいは中都市間とか、あるいは地方都市に云々ということは既に何回か申し述べましたとおりでございます。 したがって、こういう一つのこれからの総合的な交通体系の中における鉄道の特性というものをいかに生かしていくかということが一番大事であり、このことは全く触れておらないとおっしゃいましたけれども、監理委員会の答申には総論のところでたしか述べてあった、今ちょっと手元にございませんが、私もさっと読みましたので細かなことは記憶いたしておりませんが、あったやに私も若干記憶いたしておるわけでございます。
○安恒良一君 そうしますと、念を押しますと、皆さん方はこの答申を受けて百二十四ぐらいの法律をいろいろ改正について我々国会の審議に供するということでありますが、国会の審議に供されるときには必ず、既に機構改革して運輸省もいわゆる政策省に変わったわけですね、ですからどうしてもます総合交通体系というものを出されてその中でこの法案を審議していく。なぜかというと、大臣はいとも簡単におっしゃったんですが、空港が百ぐらい必要で、ジェット化という。それが便利になる反面、また今度は旅客が飛行機に移っていくわけですよ。例えば今日北海道-九州のいわゆる国鉄の持つ役割というのが、もう既にほとんど旅客輸送は飛行機が担当しているということなんですよね。 そういう状況からいうと、ただ単に簡単に空港を全部ジェット化すればいいとか、道をじゃんじゃんつくればいいということだけじゃないと思うんですね。それは一面性であって、それと、今国鉄をどうするのか、モータリゼーションをどうするのかということの総合的なものがあった中で、我々が国会でやっぱり十分にお互いに英知を傾けて議論をしなきゃならぬと思いますが、きょうはもう時間がありませんから、それはいずれこれについて国会で我々が議論を始めるときには、政府としては十分なる審議に値する諸資料を用意して、ただ再建監理委員会が書いているような、口頭で総合交通体系を云々ということじゃだめなんですよ、具体論ですからね。いわゆる鉄道の持つ分野をどうするんだ、航空機の持つ分野をどうするんだ、船舶の持つ分野をどうするんだ、いわゆる私鉄等が持つ分野をどうするんだ、さらに貨物トラック等が持つ分野をどうしていくということをかなり長期的展望を付して、そういう中で国鉄をこういうふうに再建をしたいという提案がないと私は議論が十分できないと思いますが、そのことはお約束してくれますね。
○国務大臣(山下徳夫君) 今おっしゃるとおり、これからの鉄道の特性をいかに生かしていくかということが国鉄を民営化した場合の一番の要素であると思いますから、関係閣僚会議においても御指摘の点は十分私は検討されるべきであると思っております。
○安恒良一君 続いて、これもきょう大臣にお答えといってもなかなか一遍にはいかないと思いますが、大臣答えられるなら答えてもらいたいんですが、瀬谷先輩からもありましたように、長期債務の処理というのは重大な問題なんです。国民に十六兆七千億を最終的に負担を求めると言われるんですが、国民の側から言わせるとなかなかそうは簡単には私はいかないと思うんです。それはなぜかというと、じゃなぜそんなに長期負債が出てきたのか、その原因と責任が明らかにされなければ国民的な私はコンセンサスを得られないと思います。 その原因は何かというと、それは大臣から言わせると、公社制度とか国鉄の一元的運営とか、もしくは国鉄の労使関係とかいろいろ言われるでしょう。私はそのこと全体を否定しません。しかしそれだけではないと思うんですね。まず国鉄の今日の問題は、例えば運賃のあり方の問題、公共割引の問題、輸送力増強のための新幹線の整備、投資の問題、それから政治家が自分の選挙区に、我が田に水を引くがごとく、つくるときから初めからわかっておるのに赤字路線をどんどん戦後四十年の間に敷いてきたことも事実なんですからね。これは与党だけ責められぬかもわかりません、野党側も自分の選挙区の問題がある。しかし、それがあったことは事実なんだから、そういうような問題等、それから御承知のように戦後満鉄や鮮鉄や台湾鉄道等からたくさんの職員が引き揚げてきた、これを大量に引き受けた、これも事実なんです。そういういろんなことが積み重なってきた、そういう中で赤字転落に入った。 そこで一番問題は、瀬谷先生からも言われたように、赤字転落に入ったときから、どうするかということ、少なくとも営業をやっていく以上私はやっぱり単年度の収支のバランスをとるというのが普通だと思うんですよ。私も同じ私鉄ですが、できるだけ単年度の収支のバランスをとっていく、どうしてもとれないときはそれは長期債務にしていくというのは私企業の場合でも全くないとは言えません。しかし、原則的にできるだけ単年度にバランスをとっていくという方法をやっていかなきゃならないのに、その点をやらないで繰り延べ繰り延べで来たところに今日の大きな赤字の原因が一つあるわけなんですね。そうしますと、これは私は率直に言って、そのうちの十六兆七千億を国民さん持ってくれよだけでは私はなかなか国民はうんと言わないと思う。その十六兆七千億の債務の仕方についても瀬谷先生からいろいろ質問があったんですが、まだこれからなんですね、どういうふうにさせるか。そのことをきょう私は聞こうと思いません。 やはり私は、今日まで戦後一貫をして日本の政治を、まあ片山内閣というのはありましたけれども、政府・自民党がずっと担当されてきたことは事実で、特に国鉄が赤字に転落して以降の歴代総理、運輸大臣等々の責任が非常に重大である。なるほど世界的に見てモータリゼーションの中で鉄道が赤字であることはほかの国も御多分に漏れないんです。しかし、日本のようにいわゆるツケをとにかく次から次にどんどん送っていく、それから、便利だからということでどんどん新幹線なんかつくってそれも投資をしていく、その投資も借金でやっていくという、こんなやり方はないんですよ、よその国では。ですから、ここのところの政治的な責任をどうするのかということは、いや、今責任の段階じゃないんだ、どうしたら国鉄を立て直すかということが政治的な責任だというふうに御答弁になっていますが、私はそれだけで国民に十六兆七千億を、例えば大臣がおっしゃったように、それは税の方向でやるのか、公債でやるのか、いろいろ方法ありましょう。ありましょうが、国民にただ単に持ってくれということには私はならぬと思う。 ですから、その政治的責任論についてやはり中曽根さんなら中曽根さんが十分関係閣僚会議で議論をされた上でまず明らかにする、その中で国民に協力を求められるということでなければ、単純に、赤字がある、このうち土地を幾ら売ってどうするこうする、残りだけは国民に持ってもらう。そうしますと、十六兆七千億というのは一世帯当たりでは四十四万円、国民一人当たりでは十四万円ですね。そして例えば十六兆七千億を二十五年で均等で返済をしていくとすると、毎年一兆四千億になるんですよ。そうするとこれを税金で取るとすると、いわゆる昭和五十六年度の史上最大と言われたときをかなり上回る大増税をやらなきゃこれは埋まらないんですよ。しかし、何とかしなきゃならぬことは事実なんですからそのままほっておくわけにはいかない。 その場合に、まず政府として、今までの総理、運輸大臣等は政治責任をどうするのかということをしないまま、赤字が出ちゃったんだからしょうがないじゃないか、国民も国鉄の利便を受けておったんだから十六兆七千億はひとつ持ってもらいましょうか、こんなことじゃ私はうんと――それはなぜ私がこのことを強調するかというと、そうは言いながら一方では、大臣もきょうの瀬谷先輩の質問に対して、採算の見通しもない、財源の見通しもないのに、整備新幹線はやはり政治として文化を、教育を辺地にもたらすために必要だ、こう言われるんですよね。その面では必要で、じゃその財源はこれとは別個にどうするんだ、こういうことがないと、ただ単に、整備新幹線は政治のあり方として地域の人が非常に希望しているからいいじゃないかということでは済まないと思うんですよ。そこらがどうも監理委員会の答申だけでは私は無理だろうと思いますが、監理委員会の方でもはっきりしておりませんし、さらに大臣のさっきからのやりとりを聞いておりましてもはっきりしていないわけです。 ですから、私は、ぜひ次回は総理に出ていただいて、総理としてしかとした政治的責任についてお聞きをしたいのでありますが、きょうのところは御出席でありませんので、大臣からその点をどうお考えくださっているのか、考えを聞かせてください。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど瀬谷先生の御質問にもお答えしたのでございますが、ここで他を責めるような責任論について私は申し上げたくないと申し上げたつもりでございますが、まあ関係者の総ざんげという意味からするならば、政治家自身がひとり超然としているわけにはまいらぬことは当然のことでございます。これはやっぱり政治の責任というそういう意味からは十分反省してまいらなきゃならぬと思います。ただ、それと同時に、よって来る原因、責任ということよりも原因についてより深く私はこの際検討していくべきであり、再建監理委員会としてもそこに意を用いられたということも申し上げたとおりでございます。 新幹線の問題につきましても、お答えしたとおりでございますが、やはりここまで大きな地域住民の希求とあるならば、これもまた政治の責任で私は解決すべきである。先ほどこれもお触れになりました、政治家があっちこっち地域線をつくったということ、これも地域住民の要請が強かったという点においては私は新幹線と同じであると思いますから、そこらあたり、ただ、金目の問題でございますから、新幹線は莫大な経費を必要とするという点においてはより慎重にかからなきゃならぬことは当然でございます。 さらに、三十年払いについて云々というお話がありました。数字はもうそのとおりでございまして、三十年とおっしゃいましたかね、二十五年で一兆四千億とおっしゃいましたね。これを三十年にいたしますと一兆三千億円になりますか、現在一般会計から六千数百億でございますから、ちょうどその程度のものをさらに持ってこなければということでございます。といって、今までの六千数百億円を今後も一般会計からというわけにはまいりませんから、数字的にはおっしゃるとおりでございますが、いろいろそれは考えようでございまして、どれだけの新たな財源を必要とするかということになると、そういう論拠も成り立つかと思います。 まあいずれにいたしましても、先ほどから申し上げましたように、「総合的かつ全国民的な処理方策」という以外には現時点において私からここで申し述べることはできないということは、これからこの作業に入るわけでございまして、なるべく早い機会に結論を出して国会にお諮りするという順序になるわけでございますから、きょうの時点においてはその程度で御了解をいただきたいということでございます。
○安恒良一君 大臣、ただ単に何か坊主総ざんげ的に、それは政府も自民党も悪いけれども、野党も責任ある、労使も責任ある、国民も責任ある、そんを言い方ではここは切り抜けられないと思うんです。やはり政治に対して与党として責任を持っておいでになったんですから、私はまずそこが、次回で結構ですから、総理なんかと御相談されて、どう責任を明らかにしていくのかということがないと、何となしお話を聞いているとやや坊主総ざんげ的なことで、私も国会議員の一人としてそれは責任の一端は野党としてもあると思います。ありますけれども、そこのところはやっぱり政治を担当している与党、政府と野党との間はおのずから違いがある。ですからそういう点について、まあきょうはこれ以上この点は議論をしませんが、次回までにはきちっとやはりどうする、例えば今おっしゃったこと一つとっても、新幹線をつくるならつくる、その場合の財源はどうするかということをきちっとしないとどうにもならないんですよ。 そこのところをあいまいにして利便性だけ追求する、今まではそれは利便性を追求してとにかく借金でやっておけ、借入金でやっておけということでやってきたわけでしょう。上越新幹線は鉄建公団が建てて今国鉄に運営させておると言いますけれども、今回の場合鉄建公団のあり方なんかこれまた非常にあいまいになっていますね、この答申は。どうするのかというのが出ぬ。ですから、もうちょっとこの次審議をするときには総合的に、何回も言いますように、国民がなるほどそうか、そういうふうにしてなるならまあお互いにしょうがないじゃないかという気持ちを持たせるような案で国会の審議に持ってきてもらわないと、今監理委員会が答申されたことを何かオウム返しにそのことだけを言われても説得力がないんですよ。しかし何とかしなきゃならぬことは事実なんだから、与野党問わず。今のままでいいと言っている人はだれもいないわけですから。国鉄をどうして再建するかというのは与野党ともそれぞれ真剣に考えているわけでしょう。真剣に考えているわけですから、そういうことを次回にあれしておきます。 そこで、私は次は余剰人員問題についてちょっとお聞きを、これは大臣と国鉄総裁にもお聞きをしたいと思います。 それはどういうことかというと、まず、監理委員会が、瀬谷先輩の質問にもありましたように、積算の基礎というものないし審議の過程が明らかにされていないんですよ。そして私たちがいただいたのはこの厚い答申書とそれからダイジェストしたやつだけですね。ですから、少なくとも余剰人員が九万三千人出るといういわゆる余剰人員の積算の中身がわかりませんから、これは次回にぜひ積算の中身を出してもらいたい。例えば九州の場合、適正要員が一万二千人ということになっているわけですね。それで余剰人員が三千おるけれどもということで、こういうふうにとりあえずは少し水増しで抱えておこうということになっているんですが、瀬谷先生からも質問ありましたように、今の国鉄の年間の総売り上げと、私は西日本鉄道株式会社に長くおったものですから、そこの九州の年間総売り上げはほぼ同じなんですよ、西日本はですね。人員は現在国鉄が約三万です、今までは三万ですね。西日本鉄道は約一万二、三千でやっています。たまたまこれは偶然の一致か知りませんが、これを見たら適正人員は一万二千人だと書いてあるんです。 この私鉄並みの生産性ということを盛んに言われるんですが、この私鉄並みの生産性といってもこれは千差万別でございまして、いわゆる政令指定都市周辺の大手私鉄と中小私鉄ではもう生産性が非常に違うんですね。そういう意味からいって、ちょっときょうは時間がありませんから、私鉄並み生産性に基づいてこの余剰人員がこれだけ出ると言われたその積算の基礎をひとつぜひ議論をするときに示してもらいたいと思いますのでないと、このままで、ああそうですか、九万三千人余るんですかということにはこれはならないわけです。ですから、そういう点についてはぜひとも資料をきょう出せるなら出してもらいたいけれども、出せなければ次回には必ずやはり積算の基礎を我々国会にも明らかにしてもらいたい。 私たちも交通関係は専門ですから、その立場から見て、例えば瀬谷先生が言われたように、余剰人員を出すがためじゃなくて、積極的に活用の方法があるのかどうかということの議論もこの場でしなきゃならぬわけですね。それがためには積算根拠が明らかでないとちょっと議論ができませんので、きょう明らかにしていただけるのか、それとも次回なら次回に積算根拠について、ただ単純に私鉄並み生産性ということだけではなくて、積算根拠についてひとつまず聞かせてもらいたいと思いますが、どうですか。
○説明員(棚橋泰君) 再建監理委員会の今回の意見におきます適正要員の推計につきましては、一応再建監理委員会の資料の中にその積算の推計のやり方というものについては、例えて言えば、駅職員については発着人員とか、それから運転士については列車キロとか、そういうようなものを根拠に積算したということだけは明示されておるわけでございますが、その詳しい内訳につきましては、まだ私ども十分知り得るところとなっておりません。次の機会と申しますか、先生御指摘のような審議の機会に、できる限り詳細にその点を聞きましてまた御説明を申し上げたい、かように思っております。
○安恒良一君 再建監理委員会からもおいでのようでありますが、ここに書いてあることはこれで承知しておりますから、これを導き出すに当たっての議論の経過、それから積算の基礎等々は出していただけますか、どうですか。
○説明員(林淳司君) いろいろ作業をした段階で資料を作成しておりますが、その中には性質上公表に適さないものもございますので、すべてというわけにはまいりませんけれども、必要に応じて逐次資料を公開していきたいというふうに考えております。
○安恒良一君 そんなばかなことはないですよ。今まで私たちが聞いたときは、答申が出るまではなかなか出せませんということであなたたちは一貫してきたんですよ。今度答申が出たんです。しかも、あなたたちは具体的に余剰人員が九万三千人出るんだということまで結論を導き出されたんです。そうすると、国会では果たして九万三千が正しいのかどうかという議論をするときには、その積算の細かい資料を、守秘義務も何もないですよ、こんなもの。 大臣も言っておられるでしょう。国鉄事業の再建に当たって職員や家族を路頭に迷わせることがあってはいけない、これは社会的な深刻な問題だ、政府自体も雇用対策特別委員会を総理か官房長官を頂点につくろうと言われているんですから。私たち国会も本当にこの九万三千の中身については議論をしなきゃなりませんから、私は、きょうは無理なら次回までには必要に応じてきちっと出してもらえますかと言っておるのに、あなたの答弁はあいまいですよ。何か資料によっては出せるとか出せぬとか、そんなことはないじゃないですか。九万三千人を算出した根拠についてきちっとやはり議論を私たちはしなきゃならぬと思いますが、その点どうですか。もう一遍聞きます、あなたに。
○説明員(林淳司君) ただいま余剰人員の問題についていろいろ御議論ございまして、その関連の資料ということでございますので、その点については私どもとしては極力お出しできるものはお出ししたいというふうに考えております。
○安恒良一君 わかりました。まあ極力と言われるけれども、そんなことを言わないで、私たち野党側もただ単に攻撃のための攻撃をしているんじゃないんですよ。本当に真剣に与党、野党一緒になって再建について考えようじゃないか、それがためにはきちっとした資料が要る、こう言っているんだから、極力とかなんとか修飾の言葉は要らぬですよ。全部出しなさいよ。我々何も攻撃のための攻撃をやろうと言っているんじゃないんだよ。国鉄を何とかしなきゃならぬというのはみんな考えておることでしょう。ただその手法についていろんな意見があるだけなんだから、その意味からいったら、あなたたちが九万三千人、例えば九州の場合はこれだけということについて積算をしたということで、やはりその資料を出してもらいたい。 これは今後の収支のバランスの中で一番大きい問題は一つはやっぱり人員の問題なんです。あなたたちは簡単に九州では十一億黒字が出る、どこでは何ぼ出るとかいろんなことを書いてあるけれども、我々は十分に専門家的な立場でこれを検討しなきゃなりませんから、それでその資料の一つとして言っているんです。それじゃそういうことで出すという約束をしていただきましたからいい。 そこで、大臣と総裁にお聞きしたいんですが、余剰人員の解消方法ですが、これもかなりラフじゃないですかね。例えば一つの例を挙げますと、希望退職を二万人募ると書いてあるんですよね。それがためには退職金の割り増しも若干やるということで法律をつくると書いてありますが、少々の退職金の割り増しをつけて、今日の状況で、非常に求人倍率が高くて人手があっちもこっちも足らぬというときならまた別だと思いますよ。そうじゃなくして、地域によっては非常に求人倍率も悪いんですね。例えば北海道であるとか九州なんかというのは特に求人倍率が悪いんですからね。そんなところで本当に二万人希望退職が出るというふうにお考えになっているんですか、これをひとつまず聞かせてください。 それから、旧国鉄が四万一千人を引き受けて、三年間いろいろ訓練をしてそれからはかせる、こう言われていますが、これもそう単純にできるんですか。というのは、私も鉄道に長くおった者ですが、ざっくばらんに言うと、鉄道やバスをやっていますと、そう簡単につぶしがきかないという議論があるんですよね、今の新しい時代になってコンピューターの時代になったときに。まあそれだから三年間いろんな訓練するということなんでしょうが、その三年間いろんな訓練をしてそれで四万一千人を、ここに書いてあるようなことで、百五ページですか、どこどこにどういうふうにするという、「雇用の場の確保」の問題で出ておりますが、例えば公的部門なら公的部門で毎年二十万人ほど採用しているかう、政府の各機関、政府関係特殊法人、地方公共団体にはかせるとか、それから一般産業にもと書いてありますが、この四万一千人を大体三年間の中で訓練をしながら、ここに書いてあるような公的部門それから一般産業、関連企業、どういうふうにはめていくつもりおんですか。これがないと、もうこれが出た途端に非常に国鉄で働いておる諸君は不安なんですね。 しかも、これを見ますとこう書いてあるんですね。新事業体に行くのかそれとも旧国鉄に残るのかというのは、各人の希望を調査してそれを参酌するというんですがね。まあこの参酌するというのはどういう意味なのかよくわかりませんけれども、私はそう簡単に本人の希望調査してうまく、いわゆる二万人は希望退職、四万一千人は旧国鉄、残りの三万二千は新事業体、そしてその四万一千人を三年間いろんな訓練をしながら今言ったような部面にはめていくということは、膨大な数ですから私は簡単にできないと思う。しかしこれが成功するかしないかというのは――この案ですよ、私はこの案全体を肯定しているわけじゃないですが、この案の一番重要なかなめでしょう、監理委員会の案のかなめなんですから。ですから、これが出たときに杉浦新国鉄総裁は、不退転の決意を持って努力すると言われていますけれども、これは不退転の決意だけでできることじゃないんですよね、人の問題は。 しかも、今全体が、まあ日本の場合は諸外国に比べて失業率が低い、非常にうまくいっている方であっても新規求人開拓というのはかなり難しいと思うんですが、ここのところは一番重要なところですから大臣と総裁のお考えを、ここに書いてあるようなことを言ってもらう必要はありません。ここに書いてあるものとか抽象的なことはもういいですが、具体的に本当にどうしようとするのか。例えば希望退職を二万人募ったら、それはやってみなければわからぬとおっしゃるかもわからぬ。すぐ答えがそう返ってくる。しかし、現実に一万五千しか出ない場合は、五千はどうするのかという問題はもうすぐ出てくるわけですからね。そう簡単に二万人、はいわかりました、それじゃ希望退職でやめていこうということには私はならぬと思う、今日の状況ではならぬと思う。そういうところについてどうされるのか、大臣と総裁のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(山下徳夫君) この問題は、基本的にやはり国鉄自体でこれは解決をしていただくということがまず基本でございます。しかし、国鉄だけでできるものではないということから、政府におきましても、先ほど来申し上げましたように、国鉄余剰人員雇用対策本部、これは仮の名称でございますが、それをもう来週ぐらいでもできれば設置してこの問題に真剣に取り組んでまいるということにいたしておるわけでございますが、そのためにはいろんな措置をとる。今先生から一々書いてあることを読むなとおっしゃるから申し上げませんが、再就職のためのいろんな措置をとって、二万人の希望退職全員がその方でひとつ御納得いただくような措置をとってまいりたいと思っております。
○説明員(棚橋泰君) 若干補足をさせていただきますと、今先生二つのことを御指摘いただいたと思っております。一つは希望退職であり、もう一つは四万人の人間の再就職の問題。それで、大臣がただいま申し上げました基本的に国鉄がやる問題だというのは、希望退職の方の問題を私ども常にそういうふうに思っております。まずこれは現国鉄の間においてできるだけの努力をしてやる。さらに将来の四万一千人の問題は、これは政府として責任を持ってやっていかなければならない性格の問題だというふうに考えております。 率直に申し上げまして、今大臣がお答え申し上げましたように、これは大変重要な問題でございますし、また先生の御指摘のとおり、これが本当に難しい問題であるという認識は十分持っております。したがいまして、政府の中につくります本部におきまして精力的に政府一体となってやっていきたい、こういうことでこれから取り組もうと思っております。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の余剰人員対策の問題は、先生御指摘のとおり最も重要な問題の一つである、また今後の国鉄の改革のいわばかなめといたしまして、これが成功できるかどうか、まあそれにかかっておるというふうにも私認識をしておるわけでございます。しかしながら、数字等の検討を我々具体的に今後やるわけでございますが、監理委員会のお示しの数字、これは我々ぜひとも達成しなきゃならぬというふうには考えておりますが、実に難しい数字の目標でございます。国鉄といたしましても、従来やっておりましたいわゆる三本柱、派遣あるいは休職あるいは勧奨退職の推進というような三本柱を今後も続けてまいります。派遣等におきましては、非常に優秀な人材だというふうに評価も得ておるところでございます。 そうした三本柱を今後続けますし、また希望退職の取り組みもこれから具体的にやってまいるつもりではございますが、全体の目標の達成におきましては、国鉄だけでやることはなかなか困難な点もございます。したがいまして、これから全国的にお願いをするわけでございますが、政府、地方公共団体、産業界全般、ひいては国民全体の御理解、御支援をいただきたいというふうに考えておりまして、これから大いに努力をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○安恒良一君 具体的中身については、これまたきょうは議論をするのが今の二人の御答弁を聞いているとちょっと難しいようですから中身に入るのは避けますが、二つのことは約束していただけるでしょうね。まず第一は、絶対に生首は飛ばさない、これは大臣としても総裁としてもいわゆる首切りの強行はやらない、この点が第一点。それから第二点目は、例えばこの案でいくとした場合に、新事業体に移行する者とそれから旧国鉄に残って特別対策の対象者になる者については、本人の希望を十分尊重してやる、この建前で案をつくられるのかどうか。私はきょうは案の中身に入ったかったんですが、なかなか案の中身にまでなっておりませんので、我々がこれから国会で議論するときに、まずその二つの原則だけはしっかりとした上で、我々が審議に値する案をつくってこられるんでしょうね。その点はどうですか。 もう一遍言いますと、我々がこの国会で議論をするに当たって、審議に値する人員の問題の第一は、首切りは絶対やらない、二つ目には、いろいろのことについては本人の希望を十分参酌をして尊重してやる、この建前に立って雇用対策本部としても政府の原案をつくられるし、総裁としても人員の問題について当たる、ここのところだけは間違いないでしょうね。その点について考え方を聞かせてください。
○国務大臣(山下徳夫君) この問題につきましては一番避けて通れない最も大切な問題であり、この場におきましてもいろいろと御質問に対して答弁もしてまいりました。そこで、最終的には結局官房長官から一つの政府見解として述べられたことは既に御承知と思いますが、この問題については、雇用の安定については十分留意しながら再建対策を進めていくべきであるという内閣の統一見解、政府の統一見解として申し上げましたのでこれを御了承いただき、その他の問題につきましては総裁から御答弁願った方が適切かと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 職員の今後の雇用の安定あるいは生活の安定ということにつきましては、私といたしまして最も重視しなければならぬというふうに考えております。そういう目標で今後とも最善の努力を尽くすつもりでございます。 また、新会社と旧会社のふるい分け等、これもまたなかなか難しい問題でございます。個人のそれぞれの御希望を聞きながら処理をしていかなきゃなりませんが、希望どおりいくかどうかはなかなか難しゅうございますが、そうした方向に沿ってやることが理想であるというふうに思いまして、これも努力してまいりたいと思います。
○安恒良一君 どうもお二人の御答弁大変あいまいで、官房長官が言われたことも知っています。 〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕 私は、この案の中身をこれからいろいろ政府側が提出をされて我々が審議するとき一番前提になるところを聞いているんです。それはまず首切りはやらない、これは何としても私は前提である。二つ目には、新会社に移行する人、旧国鉄に残る人等々いろいろあるでしょう、三本柱もあるでしょう、その場合もやはり本人の希望というのは十分尊重される。この二つの前提がきちっと立った中で、余剰人員をこうしたいああしたいということで、やっぱりここの中で与野党が合意しながら議論をするし、労使が一致をしながら私は円満にしていかなきゃならぬことだと思うんです。 この原則のところを私が聞くとどうもお二人の方は、私は誠心誠意、労使問題の解決というのはそこにあると思うんですが、双方がやっぱり信頼し合わなきゃならぬわけです。国会でいうなら与野党なり政府が一体とならなきゃ私はこの問題は解決しないと思うんですよ。与野党が一体、政府一体となる、労使が双方信頼し合うということには、人員整理に当たっては今言った二つの原則はこれは基本原則なんですよ。ですから、安恒さん心配要らぬよ、運輸大臣としてきちっとその原則を踏まえてやる、国鉄総裁としてもその原則を踏まえてやる、こうおっしゃれば、じゃ今度は中身がどうかという議論になるんですよ。これはきょう無理なら、具体的な案を示していただいて中身をお互いが議論すればいいと思う。しかし、その前の前提のところはこれは極めて重要ですから、私の持ち時間は四十六分までということですから、もう時間がありませんから重ねて二つの点についてもう一遍お二人に聞きます。
○国務大臣(山下徳夫君) 繰り返しになりますが、いろいろ議論した結果、官房長官が政府の見解として申し上げたとおりでございますが、あわせまして、監理委員長から路頭に迷わせないということはこれまた再三答弁をいたされておりますし、私どもはこの再建監理委員会の意見を最大限に尊重するという趣旨から、このお言葉を十分私ども尊重しながら対処してまいりたいと思っております。
○説明員(杉浦喬也君) 先ほど申し上げましたように、職員個々人の雇用の安定と生活の安定につきましては私としまして最大の努力をしたいということが第一点。 それから今後の新会社あるいは旧国鉄とのふるい分けの問題等の問題の処理に当たりましては、前提となる諸条件の整備ということを強く希望するわけでございますが、なお、そうしたことを前提として本人の希望を十分聞きながらやるということが非常に理想的な姿である、そうしたことに向かいまして努力をしたいというふうなことでございます。
○目黒今朝次郎君 私は、国鉄問題に入る前に、ちょっと緊急な問題が一、二あります、前の委員会の関係として。 一つは沖縄の二社合併問題があります。七月三十一日までに合併する、こういうことであるわけでありますが、やはり同じ二百六十一名の余剰人員を含めてこれが一体きのうの段階でどうなっているのか、この問題を一つ。 それから浅口ダクシーの問題についてもお願いしておったが、これが一つ。 それから規制緩和の問題については、答申がありましたが、これについてもやっぱり関係組合と十分意見をやった上で作業に入ってもらいたい。 この三点を簡単で結構ですから局長から御答弁願いたいと思います。
○説明員(服部経治君) 三点にわたりましてお尋ねがございましたので、それぞれにつきましてお答え申し上げます。 まず、沖縄のバスの統廃合の問題でございますが、 〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕 これにつきましては、七月三十日に労使間におきまして、三百五十名の要員の合理化、それから実乗務時間の変更といったような項目を内容といたします五項目の基本的事項につきまして合意が見られたというふうに承知しておるところでございます。私どもといたしましては、直接のこの問題の当事者でございます労使がこういった合意に係る基本的事項をもとに十一月三十日を目途といたしました新会社の発足に向けて最大限の努力をするということを前提にしまして、沖縄開発庁、労働省、沖縄県等と密接な連携を図りながら可能な限りの支援、協力を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。 それから岡山県の浅口タクシーの件でございますが、これにつきましては、中国運輸局におきまして先般事業者から事情聴取を行いますとともに、立入調査も行ったところでございまして、現在その内容を整理いたしておる段階でございますので、その結果を待ちまして、今後労働省当局とも緊密な連絡をとりまして適切な対応を回らせるようにいたしたいというふうに思っております。 最後に、行革審の規制緩和に関する答申が先般七月の二十二日に出たわけでございますが、この答申に盛り込まれました運輸関係の規制緩和の内容は極めて広範多岐にわたっております。ただ、私ども運輸省といたしましては、先生も御承知のように、新組織の発足以来、新しい組織のもとで自主的に運輸事業に関する規制のあり方について見直しを進めてまいってきておるところでございまして、行革審でこのたびお取り上げになった事項も、その大方はこれまで私どもが検討してきた見直しの方向にも合致する内容のものだということもございますし、私どもといたしましては、答申の内容を真摯に受けとめまして、これを円滑に実施に移すべく精いっぱいの努力を今後とも積み重ねてまいりたいというふうに思っておりますが、それに当たりましては、ただいま先生の御指摘のことも十分念頭に置いて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 じゃ地域交通局長結構です。その三点よろしくお願いします。 それじゃ国鉄問題、瀬谷先輩あるいは安恒同志から長期債務の問題、余剰人員の問題などについてありました。私はダブらない範囲でまず大臣にお伺いしますが、私もこの本を三回ほど通読しましたが、私も昭和十二年に国鉄に入った人間として一番ぴんときたのは、この答申の中に、従来の国鉄といいますか、日鉄法の問題、いわゆる鉄道事業を経営して公共の福祉を増進する、あるいは公共企業体、第一条の問題、事業の能率的な経営によって公共の福祉を増進する、いわゆる公共交通の拠点が私は国鉄だ、こう理解して国鉄に就職したし、またOBも含めて現職の皆さんも働いておると思うんです。 考えますと、今回の答申は、その国鉄の公共性はもう終わった、あえてあるとすれば私鉄並みの公共性だ、こういうふうにずっと終始一貫述べておるわけでありますが、私はその点は非常に残念であります。航空機が発達し、マイカーが発達したとしても、都会においては都会なりに、過疎地においては過疎地なりに国鉄として国民に奉仕する公共交通の拠点というのはやはり現在の国鉄にある、なければならない。二十一世紀の問題を議論するにしても、総合交通問題を議論するにしても、やっぱり北海道から九州まで、裏日本、四国を通じるその公共性というのは存置さるべきだ、こういうのが私の考えてありますが、この答申はそれを全面的に否定している。あえて言えば私鉄並みと、こういうふうになっているのでありますが、この点を大臣としてどうお受け取りになったか。あるいは監理委員会の言うとおり国鉄の公共性は終わったというふうにあなた自身も主管大臣としてお考えになられているのかどうか。まずこの点を最初に聞きます、大臣とそれから国鉄総裁の両方に。
○国務大臣(山下徳夫君) この答申の中で公益性を初めから否定してかかっているのではないんではないかと私は思うのでございます。再建監理委員会の意見においては、現在国鉄が行っている鉄道輸送は、鉄道事業あるいは広く公益事業一般の有する公益性を持っているにすぎない、公益性は持っているということは初め肯定をされておるわけでございます。ただ、その公益性というものを越えてそれ以上の過重な負担を負わせるべきではない。それは今日国鉄が全く独占的な企業ではないから、競争相手もたくさんいることだし、社会福祉的な、社会保障的なものまで含ませてもそれは無理だよと、こういう趣旨であろうと私は理解をいたしておるのでございます。日本国有鉄道法の第一条にも、「能率的な運営により、」事業を「発展せしめ、もって公共の福祉を増進する」、こういうふうになっておりまして、このことと今回の改革の趣旨は基本的には私は矛盾しておらない、かように理解いたしております。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の歴史のスタート時点におきましては、先生おっしゃいますように、企業的な能率を持ちながらなお公共の福祉を増進する、いわば公共性を企業性によりましてより増進するという趣旨で公共企業体が発足したというふうに理解をしておるわけでございます。しかしながら、先生も御案内のとおり、その後の社会情勢は非常に変わってきておるわけでございまして、国鉄の有する事業分野というものが大変競争裏にさらされてきた。独占的な意味の公共性からいたしますと非常に公共性の中身が変わってきたということは確かに言えるかと思います。 しかしながら、私ども鉄道の将来はどうかということを考えますと、依然として、例えば大都市圏の輸送あるいは都市間輸送、あるいは大量の貨物輸送、こういうような面におきましては、なお日本の輸送の中で非常に重要な役割を果たしておる、また今後も果たさなければいけない、監理委員会の御意見の中にもそのように書いてございます。私はそういうふうにも思うわけでございまして、公共性と公益性の言葉の違いがニュアンスとしていろいろと差異はございますが、重要性におきましては、私は鉄道は将来もなお重要な担い手となるものであるというふうに考えておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 大臣、違わないとあなたが言うなら、公共性、例えば独占時代にやっておったことが変わったんだからというならば、社会党が長い間、公共負担の問題、あるいは公社制でいうならばいわゆる当事者能力の付与、労使関係が困難ならやっぱり総裁にもう少し権限を与えなさい、そういうことをここ十何年来運輸委員会で機会あるごとに我々は言ってきたんですよ。 公社制が悪い、あるいは一元的運用が悪いとさっき亀井委員長が言っていましたが、公社制が悪いならば、公社制の問題点を電電並みに、専売並みに、こういうふうに少し国鉄も弾力を持って考えていったらどうか。独占性が解けて公共性がなくなったというならば、公共負担法ということで、学割なりあるいは厚生省の関係、教育の問題を解決したらいいじゃないか。労使問題が困難であるならばもう少し総裁に権限を与える、組合にはスト権を与える、私鉄の問題を挙げるならば、私鉄の手法を考えて内容を能率化しよう、それには積極的に運輸省も政府も考えるべきじゃないかというのを我々社会党は主張してきたんです、私自身も国会で四十九年から。 それを全面的に政府・自民党が否定をして問答無用にやって、そして今日に来て今回の答申を受けて、あなた方は自分で公社制をつくって、自分で全国一元制をやりながら、そのみずからのことを全然反省しない。社会党の提案をその都度否定しておって、それで今になってどうのこうのというのはどうも本末転倒ではないかというふうに思うんですよ。公社制の中にも随分改善の提案を我々してきた。あなた方はやらなかったでしょう。公共負担でも同じです。 だから、それから見るとこの答申はどうもそういう原点をすりかえて、先ほど瀬谷先輩が言った、分割ありき、いわゆる優秀な土地ありき、政治献金ありきということで、ありきが先行しちゃって後でその方程式の解説を加えた、こう思うんです。それはあなたと私の認識の相違ですからこれ以上言いません。十何年社会党が主張してきた、それを全く否定されて、公社制がけしからぬとか、一元制がけしからぬといったってお門違いのナンセンスというのが社会党の基本的見解だということだけは言っておきます。文句があったら、なぜそのときやらなかったと、国会議事録全部読んで言ってください。それはこれ以上言いません。そういうことを社会党の立場として言っておきます。 それから二つ目、これは安恒先生からもあったんですが、これはいろいろなデータを書いてあります。私も読ませてもらいました。読めば読むほど奇怪な、まあ余剰人員しかり、経営形態しかり、いろいろあります。ですから、基本的に、国鉄は国民の財産でありますから、その国民の財産を今解体しようというふうにあなた方は考えておるわけでありますから、これは監理委員会にひとつお願いします。 これに盛られておるすべてのデータ、これを国民の前に明らかにすべきだ。国民の財産だからすべてのデータを、もう審議が終わったんですから、ぜひ国会を通じて全国民に、マスコミに対してもやはりきちっとデータを公表すべきだ。そのデータの公表を受けた上で、私が言った基本的な社会党の考えと、このデータを分析してそこに合意点があるかどうか、あるいは改善する点があるかどうかということを、データの提出を求めて初めて議論が前へ進むというのがまず共通的な私の基本的な考えてあります。 したがって、監理委員会はすべてのデータを公表しなさい。運輸省もあるいは国鉄も監理委員会から請求されてどういうデータをやったのか、それがこの監理委員会の報告にどういうふうに生かされているのか、否定されているのか、その全般を見なければ国会として議論できない。したがって、監理委員会も運輸省も国鉄もすべてこの段階で、この二年間にわたったデータを国民の前に公表すべきだ、委員会に提出をしてください。それから議論が始まる、こう思うのでありますが、まず監理委員会、大臣、総裁、三者から見解を聞きます。
○説明員(林淳司君) すべてというわけにはまいりませんが、この審議にお差し支えないようにできる限りデータをお出ししたいというふうに考えております。
○説明員(棚橋泰君) 運輸省といたしましては、従来再建監理委員会の審議につきましていろいろ求められて御意見を申し述べたり共同でむしろ作業をするというような形で作業をしてまいっております。その結果がどういうふうに監理委員会の御答申に反映しておるかということにつきましては、もうちょっと詳細に検討させていただきますが、その過程において、監理委員会の方においてそれを処理されましたデータその他につき必要がございましたらそれなりの対応をいたしたい、かように思っております。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄といたしまして、今までの議論がございましたデータにつきまして極力お出ししたいと思います。
○目黒今朝次郎君 極力とか可能な限りだというようなそんな美辞麗句は要らないんですよ。私も亀井委員長には、ここに議事録いっぱいありますが、随分質問しました。私事務局次長もここに来られました。あるいは棚橋審議官も、まあ監理委員会の了解を得た範囲で出しますということは、瀬谷先生の質問に対する資料要求の回答と私は記憶しています。それは審議中であるから我々は一歩下がりました。今は、国民の財産、もう明治以来のこの国鉄の財産をこうしようというんですから、こういうデータでこういう角度でやりましたということをむしろ国民の前に明らかにするのが当然の帰結じゃないですか。それを必要などうとか可能な限りだとか、そんな美辞麗句は要らない。その資料を全部出しますというのがこの委員会のやっぱり審議の始まりですよ。 このことの確約がない限りは、私が質問したって何の一全部出す、監理委員会も運輸省も国鉄も全部出す、こういうことをきちっと公約してもらいたい。このことがなければ、委員長、私は審議に入れません。 そんな自分のデータをしまっておく、自民党の何々部会ではすり合わせする、国鉄の都合の悪いところは運輸省とすり合わせする、国鉄だけ徹底的にいじめる。この前亀井委員長に言ったけれども、あなたの正体は何なんだと、亀井委員長の正体は。資料を使い分けて自分の都合のいいようにやって、それで、今まで北海道は三千億も赤字なのを一年半たったら九億円も黒字になるなんて、こんな数字の魔術、丹下左膳だってできません、こんなこと。書いたんだから、書いた根拠は何かということを国民の前に明らかにするというのは当然じゃないですか。そこからいわゆる国民の代表である我々の審議が始まる。これが私は絶対の条件だと思うんです。したがって、これがなければ委員会の審議は入っても無理、むだと思いますから、その点を公約するまでは私は発言を中止します。
○説明員(林淳司君) データの中には公表に適さないものもございます。したがいまして、そういうところを十分見きわめた上で、少なくともこの運輸委員会でいろいろ御審議をいただくのに差し支えが出ないように、その点には十分配慮してデータの方はお出しするというふうなことでいきたいというふうに考えております。
○説明員(棚橋泰君) 先ほどお答え申し上げましたとおりでございまして、私どもの提出いたしました監理委員会の資料、監理委員会の方においてどう処理、どう御判断されたかという問題につきましては、私どもまだ十分わかっておりませんけれども、本委員会の御審議に必要な資料というものは提出したい、かように思っております。
○瀬谷英行君 委員長、議事進行について。 今目黒委員から、データを出さなければ審議に入れない、こういう話がありました。それで、数字的な問題はこれはやはり積算の根拠というものがあるわけですよ。ただ結論だけ出してこれを承知してくれというのでは、これは審議をしろといっても無理な話です。だから余剰人員が幾ら、例えば「鉄道貨物事業の要員数は、」「一万五千人弱の要員体制となるものと見込まれる。」と書いてあります。ところが、鉄道貨物会社の問題については結論が出ていないんです。出ていないにもかかわらず人数だけ出ている。こういうばかなことはないんですよ。だから事数字に関係するものは、例えば要員数は北海道が幾ら、東日本が幾らとか書いてありますけれども、数字に関する問題は根拠があって出ているんですから、その根拠を明らかにするということは当然のことだと私は思う。 だから、運輸省、国鉄から資料を出した、あるいは監理委員会としてもその資料に基づいて答えを出した、こういう問題については、極力とかできる限りということではなくて、条件抜きにしてその積算の根拠になるデータを提出をするということを約束をしていただきたいというふうに思います。
○委員長(鶴岡洋君) それではもう一度申し上げますけれども、もう一回答弁してください。
○説明員(林淳司君) 何遍も申し上げて恐縮でございますけれども、私どもの作成した、あるいは調査したデータの中には対外的に公表すると非常に支障の出るものがございます。そういうものもございますので、その辺のところを十分見きわめた上で、少なくともこの答申の内容についての御審議をいただくのに差し支えないように対応はしてまいりたい、このように考えております。
○説明員(棚橋泰君) 先ほど申し上げましたように、私ども監理委員会から求められましたデータは、監理委員会がそれを何の目的でどういうふうな意味で提出するようにあったのかとか、そこらの点についてまだ詳細に確かめておりませんので、どういうデータがあったか、そういう点につきまして十分調べまして、また監理委員会の方とも御相談いたしまして、審議に御支障のないように提出をいたしたい、かように思います。
○説明員(杉浦喬也君) 国民の皆様方にわかりやすく御理解いただけるようデータを提出したいと思います。
○小柳勇君 関連。 きょうこの答申が出まして第一回の参議院の運輸委員会です。したがいまして、きょうは理事会でも随分検討されたようだけれども、監理委員長及び監理委員会の皆さんが列席されるか、あるいは総理、大蔵大臣が列席して、これからの大方針を討議した上で法制化に入るのが私は筋だと思う。法律に、答申を内閣は尊重しなければならないとあるから、閣議で尊重することを決めたことはこれはやむを得ぬと思うんです。そのとおりです。しかし、その後いろいろ矛盾点があるんだから、特に、全国一本の貨物会社は十一月までにこれから運輸省と国鉄はつくれということになっている。また、長期債務の返済ももう五里霧中、全然具体案がない。したがって、国鉄再建は累積債務が二十三兆円あるから、破産会社であるから再建監理委員会ができた。にもかかわらず、その再建をする具体的な方策を示さないままこれは政府がやりなさい、国民が負担しなさいと大枠が出て、そしてあとは全部政府及び国鉄に投げかけている。 そういう要するに真意を、監理委員会ではこう論議したけれどもできませんでしたと、それをこの国会で言わなければならぬ。国会軽視も甚だしい。私はきょう出て、監理委員長が見えたから、ああやっぱり監理委員会というのは良識あるなと思っておったらさっと帰られた。全くもう国会軽視も甚だしいですよ。したがいまして、今目黒君が言いました資料提出、これはもう最大のまた最小限の条件。これができなければ、法案をつくりましてもこの運輸委員会で我々は審議できない。それをまず言明しておきます。今の答弁ではまだ不満です。 それから第二に、かつて一月十日に国鉄の基本方策なるものができた。今回のこの答申をずっと読ましてもらって、結果的に、この人員の問題なりあるいは累積債務の返済なり今後の処理なり、あの国鉄の基本方策をやっていけばできないことはない。にもかかわらず、それはもうみそくそに監理委員会は官僚的にこれを排斥して意見も聞かなかったと聞いておる。もしも監理委員会が呼んでこれはどうかと聞かれたら十分に我々は意見を述べるつもりであった、そういう機会もなかったと。そういう一方的な、初めに分割ありき、そしてもう分割に反対する者は首を切っている。そういうようなことで、国民の足を奪い国民に負担をかける、そういう一方的な審議は我々は了承できない。 したがいまして、これからは大臣の見解を聞きますけれども、皆さんが法案をもう既に運輸省、国鉄など法案審議の方に入ったようでありまするが、もっとその法案を固定する前に衆参両院の関係委員会でこの答申を十分に論議して、資料を全部出して、その資料を検討しながら、この矛盾点を明らかにした上で法案の作成にかかるのが私は筋ではないかと思うのです。でないと、この後、今自民党が多数を持っているから、多数の力で法案を押し切るかもしれない。それはしかし国会軽視であるし、あるいは国民の意思を無視することになる。したがいまして、また来る二十日の日には参議院の運輸委員会も開会されるとか瀬谷理事からちょっと聞きましたけれども、まだ定かでない。衆議院の方でも開かれるかどうか聞いていない。 私は、まず、監理委員会の委員の先生方五人とも国会に来ていただいて、二年間の審議の中で我々はかく論議しました、そういう意見を聞きながらこれを煮詰めていきたい。 したがいまして、委員長にもお願いいたしますけれども、大臣は自民党員でありますから、自民党の方針がありましょうから、自民党の中で、あるいは閣僚会議で、そういう二つの意見があったということを発表していただきまして、我々が納得して、やむを得ない、この答申は現状としてはベストです、あるいはベターですという話がつくまで法案の固定化には入らぬ、そのことを好約束願いたいと思うんです。大臣の見解を聞きます。
○委員長(鶴岡洋君) 答弁の前に目黒君にお願いしますが、先ほどの資料提出の件については理事、会で図りたいと思います。 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(鶴岡洋君) 速記を起こして。
○説明員(林淳司君) たびたび同じことで恐縮でございますけれども、私どもこの二年間、答申を作成するためにいろんな調査とか、あるいは各方面からデータを集めるというふうなことをやったわけです。それで、その中には会社の企業秘密に属するようなこともございます。それからまた土地について、これは私どもが一体どこの土地をどういうふうにするかというようなことについては、それが外へ出ますとこれは今後の取引に非常に重大な影響を及ぼす。これは私どもとしては守秘義務に属する事項であるということにもなります。 もろもろそういうこともございますので、その辺の性質を十分見きわめた上で、少なくとも当委員会でこの答申についての御審議をいただくのに差し支えない範囲でできるだけ対応させていただきたいということで、先ほどそのように申し上げたわけでございます。
○説明員(棚橋泰君) 私の方の御答弁はもう既に申し上げているとおりで、先生の御意向に極力沿うようにいたしたいということでございます。先ほどの御答弁で御了解をいただけると存じております。
○説明員(杉浦喬也君) 大変難しい問題でございます。諸先生の御理解あるいは国民全体が理解しなければならぬということが今後の重大な問題でございます。そういう意味におきまして、国民の皆様方にわかりやすく御理解いただけるようデータを提出をいたします。
○目黒今朝次郎君 きょう私は、この問題は私事務局次長さんにこれ以上の答弁をせいというのはちょっと酷だと思うんですよ。少なくとも委員長か委員長代理かが出てきておって判断するのならあれだが、きょうの段階は林次長の答弁はそれとして、それ以上は追及しません。 しかし、速やかに亀井委員長あるいは加藤寛委員長代行、そのほか三人いらっしゃるわけですから、委員会を開いて、この目黒提案に対して監理委員会としてイエスかノーか、あるいは限定がということについて委員会の合意を、早急に開いてそれを委員長に報告してもらって、それで理事会で相談して、その答えによって今後その審議に入るか入らないかということにするという取り扱いにして、きょうの段階は説明を聞いたけれども納得しない、保留ということで、委員会で早急に結論を出して理事会でということでやっていきたい、そこまで私は下がってもいい。これ以上林さんを追及したって無理だと思いますから、そういう取り扱いにしてもらいたい。この際いかがですか。
○委員長(鶴岡洋君) わかりました。じゃそのようにいたします。
○目黒今朝次郎君 では国鉄、ですから監理委員会の方の質問はそういうことでありますから、そうとなれば、国鉄が一月十日に出した基本方策、それから六月二十日、亀井委員会に、全国一本ネットワークでなければならないという業務運営上の、事業運営上の根拠を七項目か出しました。この問題についてもひとつ基本的に積算のデータを出してもらいたい。ここにありますが、亀井委員会からデータだけもらって、あなたの方で出したデータをもらわないと片手落ちになりますから、国鉄は国鉄として再建はこうだというデータを出してもらいたい。 両方出して、我々は国会で審議する。社会党は社会党のデータがある。そういうことでありますから、社会党は社会党のデータ、自民党は自民党のデータがあるだろうから、あるいは他の政党もいろいろのデータがあると思いますから、そういうデータを出し合って議論するためには、国鉄側にもこの六十年一月、いわゆる「経営改革のための基本方策」、これでも要員は十八万八千人、それで黒字が二百億、六十五年、こういうデータを持っているわけでありますから、このデータの積算の根拠を亀井委員会と同様に提出願いたい。要求します。
○説明員(杉浦喬也君) 先生の方に御提出……委員会でございますか。
○目黒今朝次郎君 それはどちらでも結構ですよ。
○説明員(杉浦喬也君) 極力そういうことで、今までも整理をいたしまして(「委員会」と呼ぶ者あり)委員会。データといたしまして極力出したいと思っております。
○目黒今朝次郎君 極力と言わないで、やっぱり原則は出す。しかし、総裁の首が飛んだあれでありますから、意見があることはわかります。ただ、あなたを責めてもしようがありませんが、前の仁杉総裁は私の質問に対して、これは半年かかりました、縄田副総裁を中心にプロジェクトをつくりました、いろいろな作業をやりました、地方の管理局長の意見も聞きました、これは仁杉総裁以下国鉄の首脳陣全会一致で出した案でげ」ざいますと、こういうことの国会答弁ですよ。全会一致で出したこの基本方策ならば、何も極力とか原則とかということをつける必要はない、邪魔になる人は首を切られて追放食ったんだから。やっぱりきちっと、これはあなたの方で出さないと向こうも出さないから、出しますという答弁をぜひ、あなたは最高責任者だから、出しますということを言ってもらえば、私は次はとんとんとんといくんですが、どうですか。出しますと約束してください。
○説明員(杉浦喬也君) 中身をもう一回実は精査させてください。その上でお答えしたいと思いますが、先生の御趣旨は十分わかっております。
○目黒今朝次郎君 この文書ができたとき、私の担当が岩崎常務だったかなんか知りませんが、伊能常務が手分けしまして先生方に報告しますといって岩崎常務が私のところに来たんです。口頭でやったことをいろいろメモ書いてあります。だからこれは大っぴらになったんですから、データを出すのに何もそんなにこだわる必要ないと思うんですよね。やっぱりガラス張りでやりましょうと言っておるんだから、我々もガラス張りでやりましょう。それでいいものはいい、悪いものは悪い。 ただ、あなたが心配することは、特にこれは自民党から強く言われてきたと思うんですがね。自民党の委員さんも聞いておる。土地の問題にこだわっている点もなるほどわからないわけじゃないけれどもなという気がしますよ。あの汐留が相場が一兆円、今新橋あたりで飲んでいると、二兆円ですよ、あの汐留の跡。二兆円でも財界は買う。今に二兆五千億。そういう土地の問題があるからまだこだわっているのかなと思うのでありますが、しかし土地の問題は、そっちの方でも二千六百ヘクタール、五兆八千億、こう言っているんですから、二千六百ヘクタールとは一体どことどこなんだ、五兆八千億と算定しているんだから時価相場は一体何ばに見ているんだ、これもやっぱり資料として出してもらうことになるんですよ。 そういうことをやらないと、国民の財産を、財界の方にはそでの下で、まあこのくらいですよ、汐留は一兆五千だけれども二兆円ぐらい出してくれ、大宮構内はこうですよとが、うちの仙台の長町はこうですよ、そういうそでの下でやっておって国民には明らかにしない、それはだめ。やっぱり国民共通の財産だから、こういうきちっと数字を出した以上はその積算の根拠を国民の前に明らかにする、国民は、そこまで国鉄は無理する必要ないんじゃないか、いや持っておればいいじゃないかということが出てくるでしょう。それは明らかにすることによって国民がわかるんですよ、我々国会の審議もできるんですよ。それを全部臭いものにふたをせいと言っておったのでは困りますから、結論はやっぱり総裁も基本的には出す、そういうことで再検討をさせてくれというんならそれなりに私はわかりますがね。
○説明員(杉浦喬也君) 基本的には、先生のおっしゃる御趣旨は全く私も了解といいますかわかります。そういう方向で頑張りたいと思います。
○目黒今朝次郎君 精いっぱいの表現はしておるんだろうと思いますが、私が心配するのは、今の総裁のことと、今度それはずっと裏街道を通ってそっちの亀井委員会の方にいっちゃって、両方でツーツーになって、まあこの程度にしようや、こんな格好でやられたんではこれは国会審議できませんからね。当面は理事会で相談するとなっていますから、頑張るということもどの辺まで頑張るのか、それも出してもらって、その両方相あわせて、今後の審議に応ずるかどうかということを含めて理事会の検討を待って我々の態度を決めるということにしていきたい、こう思っていますから、これ以上時間が痛ましいからそうします。大いに頑張ってください。 それから、先ほど聞いておって、これは林次長にお伺いしたい。 きのう亀井委員長が日本記者クラブの講演で、十六兆七千億の財源については、公債ではだめだ、やはり税収確保でやるように政府に申し入れている、口頭で、そういう意味の新聞記事が出ているんです。新聞記事です、私が立ち合ったわけではないですから。だから、答申には広く国民の理解を得ると書いても、中身は税収で確保せい、こういうことが監理委員会の内々の合意事項であったのではないか。税収で確保、この点についてはあなたが答えられるのか答えられないのか、事務方だからわかりませんと言えばそれで結構です。 運輸大臣は、この件については、亀井委員長からもらうのにあなた立ち会ったんだろうから、この長期債務の財源確保については、公債ではだめ、税収だということを亀井さんはきちっと政府に言った、こう新聞記事に出ているんですが、記者クラブの講演で。これはどうですか、知りませんか。
○説明員(林淳司君) 昨日私も同席しておりましたので、お答え申し上げます。 きのうの日本記者クラブでの講演ではそのような具体的な財源についての話をしておりません。公債の問題につきましては、これは答申の中にも、「長期債務等の処理に際しては、現下の厳しい財政事情にかんがみ、公債に依存することなどを安易に行うべきではない。」ということが書いてあるわけですね。したがいまして、公債の方向というのを安易にやるべきではないという考え方は言っておりますけれども、ただ、それじゃ具体的にどういう一体財源でそれをどういう方法でいつやるかということについては、これはこれからの問題でございまして、これは政府の方で専門的な御検討をいただく事項でございます。したがって、監理委員会としてそのようなことを具体的に政府に申し上げたこともありませんし、昨日の講演会でも、いろいろな方法は考えられる、しかし具体的にそれは政府の方でお決め願うことになっておるということを申し上げたわけであります。したがいまして、具体的に今先生御指摘のようなことを端的に申し上げたということはないわけでございます。
○国務大臣(山下徳夫君) 亀井委員長から全く財源問題については私聞いたことはございません。
○目黒今朝次郎君 そうするとこれは新聞記者の皆さんが勝手に書いたということなんですか。天下の新聞が、しかも日本記者クラブで講演やっておるその講演内容を聞いておって、天下の新聞が最も大事な国民的課題についてうそを書く、少なくとも私は新聞社を信頼したいんですがね。新聞社がうそを書いたのか、あなたたちが言われてもそっぽ向いているのか、そのどっちかだね。しかし、税収という問題は焦点になっているということだけは客観的に私はわかります。これ以上言ったってあなたはうんと言わないだろうから。 それからもう一つ、人事の問題を言っているんです。新しい事業体の大事については、国鉄の皆さんは優秀な人が多いから国鉄内部から登用ということは基本的にいいじゃないか、しかし地元経済界からも入れるということもやっぱり真剣に考えた方がいいじゃないか、それについては設立委員会の段階で委員会は見解を表明すると言っているんですよ。設立委員会をつくるのは運輸省でしょう、棚橋審議官。新しい会社の設立委員会をつくるのは運輸省だと思うんですが、その運輸省のある程度意向でどうにもなる。 さっき瀬谷先生の質問に対してはもやもやとここを答弁しましたが、当該の大臣として、設立委員会には監理委員会の委員の方には御遠慮してもらうとか、国鉄の紛争の種になった方については遠慮してもらうとか、やっぱり清新な地方の優秀な方に設立委員になってもらう。それは人選をするのは運輸省だ、やっぱりあなたの胸三寸に新しい人事というのはあると言っても言い過ぎではないじゃありませんか。関西新空港しかり。関西新空港だって、あなた知らない知らないと言っている間に私が言ったとおりちゃんと運輸省のOBがなったじゃありませんか。だから人事権はあなたの胸三寸にあるんですよ。この人事問題については、基本的に、先ほど瀬谷先生が言ったことについてどう考えるか。あなたは考えていないということはもう言い得ないと思うんですがね。あなたの基本的な考えが大事に影響する、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) まだたくさんの法案の中身も固まらないときに人事が先行することは私はあり得ないと思うんです。先ほど申し上げましたとおり、これはもっと先の問題でございますし、今からとおっしゃいますけれども、例えば過去の例の電電にいたしましても、あれはもう土壇場で決まった人事でございますことはおおよそ御承知と思いますが、そう人事というものは初めから、何年も前からレールが敷かれてそのとおりということは私はあり得ないと思うんです。 なお、亀井委員長がいろいろおっしゃったそうですが、これも個人的な意見でおっしゃるのは、絶対言っちゃいかぬということでもございませんし、ただ、私は関知しておりませんし、あくまで個人的な意見だろうと思っております。
○目黒今朝次郎君 国会ではそういうきれい答弁を前の細田運輸大臣もしておって、二、三日すると社会党が指摘したとおり、国会で提起した方が関西新空港の総裁に発令されている、こういう事実行為だけは事実ですから、あなたはそういうそぶりであっても、現在監理委員会の元運輸政務次官が大体東日本鉄道株式会社の社長になるのである、北海道関係はこれこれだ、四国関係は後藤田総務長官の御意向があるから大体この方だと。私は全国区ですから一番生の声を聞くんです。そうすると大体九八%そのとおりになっている、今まで過去十カ年。これはこれ以上あなたに言っても仕方がありませんから言いません。 最後、時間が来ましたから二つだけ聞きます。 一つは、七月二十八日、NHKの討論で総裁なりいろいろ言われておったそうであります。私は聞いておりませんが、そのNHKの討論で総裁が勤労の委員長にいろいろお答えになったこと、これについてはやっぱり国会の場でも私は再確認してもいいと思うんですが、これはテレビ生放送入っていますから、マスコミにうそは言わないだろうね。大体テレビで言ったとおり新総裁は守りますということを確認していいですな。
○説明員(杉浦喬也君) いろんな中身がございますが、私が発言したことは責任を持ちまして今後とも守るつもりでございます。
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、私は今回のこの監理委員会の問題やらないと言ったから触れません。触れませんが、能登の事故についてあるいは西明石の事故について考えますと、いろいろ国鉄の安全点検、線路、橋梁、トンネル、いろんな意味で私は老朽化が目立っていると思うんです。それで、老朽化が目立っておって、事故が起きればそれは天災だと言って逃げられたのでは亡くなった人はたまったものじゃない、刑務所に引っ張っていかれる乗務員もたまったものじゃない、こう私は思うんです。 ですから、民営分割論議の以前に、やはり能登の事故を教訓として全国一斉に運転保安の点検をして、やはり危険なところはきちっと民営分割議論よりも先行させてこれはやる、こういうのが国鉄の当面の私は任務だと思うのでありますが、この安全点検、もうどこどこと言いません、何カ所ということは言いませんが、全国の安全点検をして、民営分割の議論の前にきちっと旅客の生命と従業員の安全を守るということを総裁として確約してほしい、こう思うんですが、いかがですか。
○説明員(杉浦喬也君) 能登線の事故につきましては、私も現場に参りまして追悼法要に参加いたしまして、改めて鉄道安全の重大性というものを痛感をいたした次第でございます。経営形態がどのようになろうと、運輸に従事する者の最大の使命は安全の確保でございます。こういった基本理念を持ちまして今後とも対処していきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 それから最後に、この前亀井委員長は国鉄の分割問題の話をした際に、鉄道業自体で自立ができるようにという視点で検討している、こういうお話がありました。私鉄の経営などを見ると三〇%関連事業で収入を上げている。そういう形態から見ると、それは言うことは簡単だけれどもそれは無理じゃないかと、こう言って反論をしたんですが、今回の土地問題などを見ますとやっぱりその点が極めてあいまいです。国鉄総裁として、鉄道業をやるためには、関連事業ということを私鉄並みの三〇%を目安に、国鉄も自由競争に勝つためにはそういうことも必要だということを、きちっと目標を持って国鉄の再建というものを考えられる気持ちがあるのか。亀井さんが言っているとおりレールだけでいい、こう思っていられるのか。その点の基本的な国鉄の活性化の考え方をあなたはどう考えていらっしゃるか教えてもらいたい。 我々は、やっぱり私鉄の学ぶところは学ぶ、そして活性化は活性化として頑張るべきじゃないかといって、終始関連事業の拡大と雇用の安定ということを言っているんですが、総裁としてこの点はどう考えるんですか。
○説明員(杉浦喬也君) この意見のポイントとしてのねらいどころは、私鉄並みの生産性、私鉄並みの活性化ということがあろうかと思いますが、そういう意味におきまして、私も、新しくできる会社におきましては従業員が意欲を持って、あるいは経営者が意欲を持って経営できるように多角的な事業なり、あるいはまた最小限必要な用地の中で関連事業を経営するというようなことをやはりぜひやっていくべきであるというふうに思っておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 最後に要望ですが、先ほど安恒先生も言ったんですが、何回も言われているんです、私鉄並み私鉄並みというのを。我々専門屋から言えば、乗務員は乗務員の査定基準、駅は駅の査定基準、あるいは保線は保線の査定基準、電気屋は電気屋の査定基準、営業は営業の査定基準があるんですよ。その現在の国鉄の査定基準と、あなた方が言う、二言目に言う私鉄並みというのはどういう因果関係があるのかということをぜひ専門的に出してほしい、出してほしいと何回か委員会で言ってきたけれども、まだ国鉄からも亀井委員会からも来ない。ですからこれをぜひ――亀井委員会も、ここにありますが、乗務員の運行回数が何キロ、そんなことは言われなくても我々専門屋はわかっている。だから、査定基準というのは私鉄並みということでどういうことなのか。また、列車なども私鉄は夜行列車ありませんな、寝台列車、私鉄並みというのは寝台列車を全部ぶった切るということを意味するのかどうかということも、これは国鉄側に聞きたいんです。 そういうことで、私鉄並みということに対して、具体的に査定基準の関係で、これは亀井委員会と国鉄に再度資料提出を要求いたして私の質問を終わります。答弁してください。
○説明員(林淳司君) 先生の御趣旨を十分踏まえて調整したいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 先生のおっしゃるとおりに努めたいと思います。
○委員長(鶴岡洋君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十一分開会
○委員長(鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査のうち、国鉄問題に関する件を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○矢原秀男君 まず国鉄総裁に伺いますけれども、午前中も論議をされたわけでございますけれども、国鉄がこの改革の現状まで来るまでに、この破綻の原因というものは何回でも我々は再確認をして、そこから出発するのがやはり将来の大きな成功のもとになると思うわけでございます。そういう意味で、破綻の原因、常に四点挙げておられますけれども、改めて国鉄総裁に、現場の総指揮官のあなたにまずお伺いをしたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 過去におきまして再建計画を何回も策定をいたしました。国鉄財政の悪化の原因につきまして、その都度いろいろと検討をしたわけでございます。 概括的に申し上げますれば、戦後非常に独占的な形で国鉄の、鉄道の社会に与える有効性といいますか有意義な仕組みが、戦後の非常に大きな社会変化、特に交通事情の変化によりまして国鉄の独占性がなくなってきたというような情勢に本当ならば的確に各種の政策を講じまして対応していかなければならなかった、これが対策がおくれたというところ、この辺が基本ではございます。 なお、その他長期債務の問題あるいは運賃改定の問題等々いろいろと原因がございますが、今回の監理委員会の答申におきましてさらにその辺の原因の根本的な究明というものがなされたというふうに私どもは拝見をしておるところでございます。
○矢原秀男君 既に御承知のとおりでございますけれども、昭和六十年度予算においても実質的な赤字が単年度で二兆三千億円、また毎日六十三億円近くの赤字が増加していく勘定である。また、借金の残高も一昭和六十年度末で実に二十三兆六千億円の巨額に達する見込みである。民間会社なら既に破産した状態、こういうことでございます。「六十年度予算では、二兆五千億円という巨額の借金をしても、過去の借金の返済に一兆円、さらに利子の支払に一兆三千億円と元利合計が二兆三千億円にも及び、まさにサラ金地獄に陥っている。」こういうふうに言われているわけでございます。 ここで運輸大臣に質問をしたいわけでございますけれども、破綻の原因の一つの中に、外部からの干渉ということが監理委員会からも強く指摘をされております。午前中も質疑があったわけでございますけれども、その一つの問題は、国の関与の度合いが非常に大きいことである、こういうことで外部干渉を避けがたい体質を持っている、こういうことが大きく問題点として取り上げられております。 「公社は、そもそも設立の経緯からその事業が高度の公共性を有するものとして、厳しい国の監督規制を受けることとされている。国鉄においても、予算、役員人事、運賃、重要施設に対する投資等経営上の重要事項をはじめとして、非常に広範囲にわたり国会あるいは政府の関与を受けている。」国会あるいはまた特に政府の関与を受けている、これは非常に重大な問題だと思います。「このように国の関与の度合いが大きい場合には、その本来の趣旨を逸脱し、経営を無視した外部からの干渉を招く余地を生じることになる。」こういうことが国鉄の一つの大きな問題点にも取り上げられているわけでございます。この点、大臣の所見をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 私が答弁申し上げることは先生今私にかわって答弁していただいたようなものでございますけれども、おっしゃるとおりでございまして、外部干渉のその原因というものはやっぱり公社制度が悪かったということ、これはしばしば私も委員会で御答弁申し上げますし、監理委員会においてもこれははっきりとその点はうたっておられるわけでございます。 中身につきましては、今御指摘ございましたように、運賃一つとってみても、あるいは予算でも人事でも仕組みがそのようになっているということでございますから、的確にしかも迅速に対応できなかった。例えば運賃にいたしましても、国会において与野党でいろいろ意見が違っておって議論をする、そして決着がついたときには一年もたっておって、そのときには次の運賃の値上げをまた申請しなければならなかったということで、そんな状態で来ているということが一つの大きな原因であろうかと思います。 さらにまた、労使関係につきましても、やっぱり親方日の丸的なことがこれはあったということを私は指摘せざるを得ないわけでございまして、そういった公社制度に基本的にメスを入れなければ今後の国鉄の再建はあり得ないということで、この点につきましては監理委員会の答申は全く私どもと意見が一致いたしておることを申し添えておきたいと思います。
○矢原秀男君 ここで関連の問題をまた御答弁お願いしたいと思うんですが、先般四全総の会議に出させていただいたのでございますけれども、確かに、全国各地で要望の第一位が道路の問題、そうして鉄道関係の要求です。北海道も九州も四国も、新幹線建設の要望というものが四全総の表題の第一行のところにやはりそのまま載っているわけですね。確かに国民の皆さんから見ますと非常に大切なことでございますけれども、国の立場から見ましたときに、その財源はどうするのか。財源を民活の中から、政府の方ではしきりにそういう問題提起をされていらっしゃいますけれども、たとえそういうことがあったとしても、その運営というものは、今後は分割民営されたその民営株式においてまた経営をしていかなくちゃいけない。 そうしますと、国民の要求にこたえたいことはお互いにわかるけれども、また赤字というものがサラ金の状態のような形になって、今日のような第二の国鉄問題を起こしかねない。こういうことが政権政党の中で平気で省庁協力のもとの中で、今四全総の問題を取り上げておりますけれども、そういう現在の国鉄の破綻の元凶、そうして将来構想の中でどういうふうになっていくかという問題のことも余りにも検討されずにそういう課題が平気で載っている。こういう問題について運輸大臣として危機感はないのか、そういう点をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) これも午前中瀬谷先生の御質問にお答え申し上げましたように、やはり青函トンネルと同じように、整備新幹線につきましても、これはなかなかそろばんに乗らないことは私どもよくわかるわけでございますが、国土の均衡ある発展、限られた、狭められた今日の日本の国土というものの均衡ある発展ということを考えた場合に、これをやるのもまた国の責務がなという立場から私どもはこれを推進しなきゃならぬと思っております。しかしながら、このことにつきましては多額の経費を要するということから、よほどこれはその財源その他についても考えてまいらなきゃなりませんし、あるいは従来のような広軌、そんなスピードでもってやるべきかということ、いろんな問題が今後起きてくると思います。 同時にまた、従来の新幹線のようなあり方、東海道線でいえばいわゆる「ひかり」や「こだま」的な超スピードの、しかもかなり駅と駅との間隔が遠い、そういう従来のイメージの新幹線をやるべきか。特に並行在来線の廃止の問題も出てきておりますし、中短距離のお客さんにも御利用いただくというふうに、やはり新幹線自体の性格についても今後いろいろ検討しながら少しでも採算に乗るように、そういうふうに心がけた一つの新幹線でなきゃならぬ。そういうことは、私は危機感とともにこれからの一つの方策についてはまたいろいろと考えてまいらなきゃならぬと思っております。
○矢原秀男君 林次長、今の問題点について監理委員会では、同じような赤字問題が、全国に新幹線を網羅したときに、財源の問題はもちろんだけれども、その後の維持について、やはり利用度というものが離れていく、それはもう統計の中でも明らかになっておりますけれども、そういう中でどういうふうにその点は問題になったのか。そして、まあ政府に任じたらいいじゃないかというようなことでなしに、責任のある討議がそこで行われたのかどうか、お願いします。
○説明員(林淳司君) 私ども監理委員会が今回の意見をまとめるに当たりまして、この問題については基本的には監理委員会の検討の枠外の問題であるという認識でございました。ただしかし、今回の国鉄改革というのが、その目的が将来にわたって事業の健全経営の基盤を確立するということでございますので、それを考慮いたしますと、整備新幹線の建設によりまして新しい会社の採算に悪影響が及ぶということがあってはならぬ。そこについては監理委員会としてもそういう観点からのコメントをやっぱり出す必要があるということになりまして、ここに書いてございますようなことになったわけであります。 その考え方は、要するに一言で申せば、「慎重に判断する必要がある」ということでございますが、前提となるいろいろなものがございます。予想旅客需要と投資とのバランスの問題、在来線の収支に与える影響の問題、それから財源問題、そういったいろんな諸点を十分検討しまして、その上で「慎重に判断する必要がある」、こういう考え方を打ち出したわけでございます。
○矢原秀男君 国鉄総裁は、そういう問題についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○説明員(杉浦喬也君) 整備新幹線の問題につきましては、これは非常にすぐれて政治的な問題ということが言えるかと思いますが、国鉄といたしまして、一般的なこうした国家的プロジェクトあるいは公共投資的なプロジェクト、こういうような問題につきまして、過去におきましては、そうした社会資本の充実にお役に立ちながらなおかつ経営面では何とかやっていけた時代があったわけでございます。なかなか国鉄自身の経営が難しくなりまして、そうしたことができにくくなった状態の中で、この公共部門の投資というものがもっともっと問題にされるべきであったかなという反省はしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、そうしたものが鉄道事業の経営上に悪影響を及ぼしてはならないということは、今後のあり方といたしましてまず基本ではなかろうかと思います。
○矢原秀男君 私は、二度とこういう国鉄の大きな赤字問題が解決できないようなことに今後もなれば大変だと思うからです。例えば、北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、このうち北海道、四国、九州は収益では既に営業損益を見ましても赤になっていくことはもうはっきりしているんです。これは皆基金によって、そしてその利子補給によって赤を埋めていく。これだって推定なんですから、午前中も積算の根拠はどこにあるのかということは、余剰人員の問題で出ておりましたが、この問題でもしかりでございます。 こういうところへ、例えば明石-鳴門架橋にしても、上が車道、下が新幹線、鉄道でしょう。それが今度明石の計画は鉄道は廃止なんです。四国のようなところへ新幹線だけぐるぐるの計画が将来構想として四全総でできたとしても、本州に全然つながっていない。そういうようなことになると、将来、国鉄で研究している軽量化のリニアモーターカーを近距離輸送の高速化をした方がいいのかどうか、そういう問題だって当然議題にならなくちゃいけない。そうして地域的な空の問題についても、ヘリコプターの輸送はどうするのか、経費等はどうなるのか、そういうようなことの課題も余り出ておらない。とにかくつくればいい。もう赤字になることは目に見えております。そうなりますと、四全総の計画どおりに、まあ四全総は今審議されておりますけれども、計画どおりに整備新幹線が次から次へできできますと、それは政権政党で、自民党さんの方で検討されているんですから責任持たれるんでしょうけれども、北海道、四国、九州はまたまた赤字になります。 監理委員長の亀井さんの話を聞いておりますと、今まで政府の方で四回も立て直しをしたけれども失敗だった。だから分割民営に行かざるを得ないのだ、こう言われている。それで今回の答申になった。それでもなおかつ、総理大臣も当時の運輸大臣も、そして国鉄の総裁も、国民の前に大きな責任を持っておるのに、歴代のそういう人たちを見ておると責任をとっておらない。そのままで、今四点ぐらいの国鉄破綻の問題はこれとこれとこれとこれなんだと言いながら、首脳陣はだれも責任をとろうとしておらない。そういう中でまた、国民は皆整備新幹線欲しいです、欲しいけれども、現在のこれだけの膨大な負担というものが国民がまたまた背負っていく。そういう中でだれが責任を持って、政府の方でやっていくのか非常に心配でなりません。 運輸大臣どうなんでしょう、今国鉄の現況についてどうにもならないから、民間から亀井さんにやってきてもらって、そうして再生するものがあればやってくれといって民営分割の案をつくった。これがまだ解決をしない。そして今申し上げた国や政府の責任というものが非常にここヘクローズアップされている。そういう中で、別に政権政党の中で、日本じゅうに新幹線をまた網羅する計画が四全総の中で織り込まれておる。 そうすれば、本州は別として三島では分割後これだけの基金というものでやっと黒になる数字というものが出ておりますけれども、財源は別につくるんですからということで新幹線がどんどんできてくる。維持はだれがするんですか、運営はだれがするんですか。もし分割した会社がやるとすれば、北海道や四国、九州というものは、国民の皆さんには本当に申しわけないけれども、各府県から上がっているそういう交通の要望の御期待には気の毒であるけれども、今こういう問題を抱えて討議している中で、平気で一方では全国にさらに新幹線をつくり上げていったらいい、財源は別につくるんだ。運営やそういうものはだれがやるのか。分割されたこういう民間の会社でやっていくと、たちまち北海道、四国、九州というものは赤になっていく。 これは専門家の国鉄総裁どうですか。そういう懸念はないんでしょうか。あなたはさっき、私答弁いただきましたら、それは政治的な解決云々というものが今お言葉の中にありましたけれども、そういうことだけで済まされていくのかどうか、ひとつお願いしたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 先ほども申し上げましたように、いわば公共的なプロジェクト、そういうものを国鉄みずからが建設をすることによって、それを包含しなおかつ経営が成り立ってきた時代があるわけでございますが、今やそうした時代ではございません。やはり今後の経営は大変厳しい中で合理化努力をし続けてやっと何とかなるという見通してございますので、仮にそうした公共的な御要請の強いものがある場合におきましても、そうしたことの実施に当たりましては、事業の経営に悪い影響のないような仕組みを持って当たっていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。時代の変革とともにそうした要請の対応というものも変わらなくてはならないというふうに考えるわけでございます。 なお、日本全体にわたりまする国土開発あるいは国土計画の問題等の基本的な問題もございますので、そうした諸点はまた政府等におきまして十分御検討をいただきたいというふうに思っております。
○矢原秀男君 運輸大臣、本当に私は心配をしているんです。建設だってよそから財源があって簡単にやるわけじゃないんです。できたってやはり人が乗ってくれないと黒にならないんです。マイカー状況の中で、今申し上げたように明石-鳴門架橋だってもう既に計画変更されているでしょう。それは建設の資金の問題もあり、将来はもう、ちょっと国鉄を通じていく巨大な資金はこれは大変だな、見込みがない、そういう計画分析の中で、今度明石架橋の方では鉄道関係は除外をしていこうというふうにもなっている。 だから、国民の皆さんの御要望というのは本当にこれは大切にしていかなくちゃいけないけれども、やはり今国鉄総裁もおっしゃっていますように、これは政治の分野で、それがまた国鉄と同じように、今申し上げたように国鉄の破綻の原因の一つに国や政府の介入が過度であるから、経営や大事に、いろいろな問題に、それが長期にわたっていたから破綻の原因であるというふうに亀井監理委員長以下監理委の人たちが合意をしていらっしやる。 全国に網羅する国鉄の建設についても、今国鉄総裁、専門家に聞いても、いやそれは政府の分野でと。じゃまた同じような過程になって、もし責任が起きたときにはだれが責任を負うのかという問題なんです。今回だって、今までに本当は総理大臣が国民の皆さんの前に、私の政治責任ですから責任あります、こういうふうにして歴代の総理の中で一番大変な要素のときのその当時の総理大臣が本当は責任とらなくちゃいけない。運輸大臣だってそうです。国鉄総裁だって真っ先に、それが責任をとらずにずっときた。 私はくどいほど今言っておりますのは、第二の今日のような国鉄のまた赤字問題というものが、将来この分割された会社、特に三島については必ずこれは赤で破綻をしてくるのは目に見えているわけです。だから今国鉄総裁も、技術的にはこうこうこうですでなしに、それは政治の分野ですと。こういう点運輸大臣どうなんですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 重ねての御質問でございますから、私の意見の一端を申し上げてみたいと思うのでございますけれども、要するに、今日の破綻を招いたものの一つに鉄道の特性が生かし切れなかったということが今指摘されているわけであります。これからの複合的な、いわゆる陸海空等総合的に判断した鉄道の持つ特性とは一体何か。このことにつきましても午前中にも御答弁申し上げたのでございますけれども、問題は、鉄道を利用する人のおおよその限界と申しますか、大体世論調査等をやってみますと四時間ぐらいでございます。時間価値と申しますか、特にドア・ツー・ドアという時代に鉄道は比較的にドアからドアに近いところに駅があるわけでございますが、それにしても、大体時間価値を非常に尊重する今日の時代において四時間ぐらいが一応鉄道の利用者の限界であろうということでございます。 したがって、同じ四時間でもって全国的に鉄道網というものを敷くとするならば、これは私は新幹線がいわゆる鉄道の特性という面から見ると最も理想であると思います。したがって、これを全国的に新幹線を敷設することは当然でございますけれども、ただ、現時点においては非常に多額の経費を要する新幹線をそのような理想どおりにやるわけにはまいらぬということで、整備新幹線に限って六十年度の予算に一応計上をいたしたわけでございます。しかも、今御指摘がございましたように、他の問題につきまして、整備新幹線以外につきましては、理想図としてはいいけれども、なるたけひとつそれから先の問題、整備新幹線以後の問題にするということで、とりあえず鳴門-明石のあのルートにも新幹線はとにかくこれはもう通しませんよということを私どもも申し上げてきたとおりで、日本列島の地図から見た場合にも、やはり新幹線、今の五線程度はこれは必要ではないかという前提に立って私どもは今回の予算措置をお願いしてきたわけでございます。 しかし、その予算措置の中にも、これもしばしば申し上げておりますように、幾つかの条件がついております。幾らかでもいわゆる新幹線の運営上の赤字を少なくするという意味におきまして、並行在来線の問題あるいは地元の負担の問題であるとかいろいろ条件がついておりますし、その上にさらに監理委員会の意見も十分尊重せよということで、監理委員会からは、一口に言えば慎重にやりなさいということで、先ほど林さんからも答弁があったとおりでございまして、これらの問題をあわせてこれからひとつ新幹線の問題についてはさらに検討を重ねてまいりたいと思っておる次第でございます。
○矢原秀男君 本当によく検討していただきたいと思います。 林さんに伺いますけれども、亀井委員長は我々の質問に対して、やはり経営者が目の届く守備範囲というものは三万人前後、多くても四万人、こういうようなことで経営のいわゆる効率というものを亀井委員長の経営哲学の中から非常に強くおっしゃっていたわけなんですが、東日本の要員が八万九千、西日本の要員が五万三千、こういうふうに大きく変更された審議過程ですね、これを明確に伺いたいと思います。
○説明員(林淳司君) 分割の視点といたしましてはいろいろな観点があるわけですが、例えば経営管理限界の問題あるいは全国画一運営というものを脱却するにはどうしたらいいかというふうな問題、地域の実情に即した運営をしていく、そういう視点、それから不合理な依存関係というものを排除していくにはどうしたらいいのか、そういう幾つかの視点があるわけでございますが、また一方におきまして、分割をするとした場合、やはりこれは交通業でございますので、旅客の流動実態とかあるいは列車の運行実態というものにできるだけ適合していなきゃいけない。それから、分割に伴いますところの技術上の諸問題というものについて、できるだけそれを最小化していく必要がある。あるいは安定的な経営基盤の確保という観点も欠かすことができないということでありまして、そういう要請というものを総合的に勘案した結果、それぞれの項目をとると必ずしも百点満点とは言えないかもわかりませんが、最大公約数をとって検討した結果がこの六分割という考え方に落ちついたわけでございます。 したがいまして、一つ一つの、経営管理限界という一つの問題をとれば、やや不満足といいますか、そういう点がなきにしもあらずでございますけれども、判断のウエートを、旅客の流動実態とか、あるいは分割に伴う技術的な諸問題の最小化とかいうところにむしろウエートを置いて検討した結果が、こういう六分割という案になったというふうに御理解をいただきたいと思います。
○矢原秀男君 その点運輸大臣いかがでございますか。
○説明員(棚橋泰君) 私どもも、今林次長からお話のございましたように、この分割の場合の基本的考え方というのは、流動もございますし、地域密着性もございますし、管理能力もございます。それを全部満たす答案というものはないのではないかと思います。そういう中において効率的な経営形態というもので、しかも国民に対して御不便のない鉄道を提供していくというような考え方の中からいろいろ努力された結果、今回のような答申になったものというふうに理解をいたしておりまして、そういう意味では認識を同じくするところでございます。
○矢原秀男君 私は、今度別な問題でございますけれども、国民が国鉄を利用する立場から、やはり経費的に安定したものであること、それから一つは身の安全の問題、この二点というのは国民の本当の利用する場合に心配をしていることです。そこで、もし事故が起きたときにはどんなにお金を積んでもその人の生命というのは返ってこない、亡くなられた場合には。けがをされた場合でもやはり医療の手厚い保護を受けてもそこまで返ってこない。そういう非常に不幸な問題があるから、例えば今申し上げたように分割をされた場合に、特に懸念をされる北海道や四国、九州というところは収益では黒にならないんです、今申し上げているように。基金をつくってその利子やいろんなものでやっと黒というもの、これは事故がないときに私は想定をしているわけなんです。だから、安全の問題、老朽施設の問題、そういうようなことでこの前も少し亀井さんに質問いたしましたけれども、亀井さんは、そういうような問題よりも、感覚的に、長期債務の問題、余剰人員の問題は当然大事でございますけれども、そういうふうなところへお考えというのが非常に急に走っておられました。 そこで、私はまず国民の立場から安全の問題について非常に心配でございますので質問をしたいと思います。 やはり国鉄を含めて輸送の最大の使命は、乗客や荷物を大量、安全、迅速に輸送することでございます。その基盤は、車両、線路、橋梁、トンネル等の設備が整備をされて保安上の対策がとられているということが必要でございます。こういう意味から考えておりまして、トンネルや線路などが明治や大正時代に建設をされたものがもし多くあって、特に北海道、四国、九州の方にそういうふうな施設がそのまま移行をされているときには、監理委員会でしきりにおっしゃっておられます、三陸鉄道のような、近代的なトンネルの構造建築、線路も新しい、そういうふうな状況とは一転変わって保安上のこういう問題がいろいろと起きてくるわけでございます。だから、私は国民のそういう安全という立場の中からしきりにずっと質問をしていたわけでございますけれども、この点についてまず具体的な問題から取り上げてみたいと思います。 最近では、国鉄では能登線の列車の転覆事故に関する大きな災害がございました。これは七月の十一日に国鉄の能登線で崩壊した築堤に急行列車が突っ込んで全車両が脱線、前の三両は築堤下の水田に横転落下するという事故でございました。七名の方がお亡くなりになり、二十六名の方が重軽傷を負われたわけでございます。 今国鉄の再建論議がこういうふうに論議をされておりますけれども、ともすれば経済性が優先をする中で進められている、こういう事態も私は委員会の当事者として非常に感じるわけでございます。だから、この事故というものを改めて国民の安全輸送というこの立場に置きかえながら、単なるそこだけで事故が起きたんではない、全国的にどうなのか、こういうふうな展開の中でまず質問をしてまいりたいと思います。 重点警備箇所が全国で約三千八百カ所あるように聞いておりますけれども、この点はいかがでございますか、国鉄関係。
○説明員(岡田宏君) そのとおりでございます。
○矢原秀男君 この重点警備箇所全国約三千八百カ所のうち、北海道、四国、九州と振り分けた場合にはどういう数字になりますか。
○説明員(岡田宏君) 甚だ申しわけございませんが、今ちょっと手元に数字を持ち合わせておりませんので、後刻調べてすぐ御報告を申し上げます。
○矢原秀男君 じゃ私の質問の時間の中で報告してください。 しかしながら、この能登線の事故についてはこれ以外の場所で起きたわけでございます。こういう路床の問題については六百カ所というのが国鉄関係では言われているわけなんですが、そのとおりでございますか。
○説明員(岡田宏君) 現在、能登線の災害を起こしましたような類似の地形の地区について調査をいたしている段階でございまして、この調査、七月三十日までに調査を終わって現在集計中でございますので、ちょっと正確な数値を今申し上げるまでの段階に至っておりませんが、おおよそ先生のおっしゃったぐらいの数であるかと考えております。
○矢原秀男君 これは重点警備箇所の全国約三千八百カ所とこの六百の箇所というものは重複されているのかも全然、まあ能登の場合は重点警備箇所全国約三千八百カ所以外の場所で起きた、こうなっているんですけれども、この能登と同じような場所が今言われたのは六百カ所、それについての運転規制というものの許可の今指示を出しているということですけれども、この六百カ所と、先ほど私が申し上げている三千八百カ所というのは重複しているところがあるかどうか。もしあれば、そういう点は整理をしていただいて、特に北海道、四国、九州何カ所あるか、こういうことは至急に調べていただきたいと思います。 こういう中で、これが今私が申し上げたように、重点警備箇所約三千八百カ所以外の場所で起きたという問題に私は重大な意味を感じているわけでございます。これがもし分割をされて移行されたときに、後で数字が出ると思いますけれども、東日本、西日本、特に北海道、四国、九州の非常に経営が苦しいところでは、国鉄が現在こういう過程の中でも大きくこれを取り残している。これが分割をされた場合に、経営主体が先行をしてこういう保安箇所について力点がいかない。これは民間の経営者の方は一生懸命安全というのは努力をされていらっしやいますけれども、どうしてもおろそかになっていく面が出てくるわけでございます。だから私は非常に心配をしているんです。 先般も監理委員長に、私が県会時代に、民間の私鉄の踏切に非常に警察で調べて事故が多い。それでよく調べたら、私鉄関係の踏切が非常に不備である。それでも経費の問題で国の補助がなかなかとれないとか、いろんな問題で非常に遅くなった。そういう意味で、民鉄感覚の中で移行した場合に、経営者や皆さんは心配されていらっしゃいますけれども、ここで見るように正常の営業努力では黒にならないんですから、どうしても経営の方に一生懸命になっていく。そうすると、こういうふうな気をつけていかなくちゃいけない問題というものは本当におろそかになっていく。これは運輸大臣、私が言っていることが間違いなのかどうか、非常に私懸念をいたしているわけでございますけれども、伺います。
○国務大臣(山下徳夫君) 現在、運輸省には二千件以上の許認可がございますが、この中で一番やっぱり件数で多いのが安全でございます。事ほどさように、交通機関における安全はこれは最優先的でなきゃならぬという観念に私ども徹しているつもりでございます。だからこそ監理委員会におきましても、第二次提言の中でも、老朽化したものと安全に関する施設については別だよということでお示しをいただいて、私どももそれを拳々服膺してまいったわけでございますから、今後ともやはりその方針が貫かれることが当然のことであり、また私どもその作業の過程においてそれを強く主張してまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 私が先般監理委員長に質問いたしましたときにも、それに準じたような答弁という形になっていたわけでございます。 この安全投資に対してもう一つ質問いたしますけれども、この民営分割、安全保安の問題はどうしても軽視されていく傾向になろうかと思うんです。今運輸大臣から答弁いただいているから少しは安心しておりますけれども、国鉄の橋梁、トンネル、線路等で、明治、大正時代に建設されたものが多く残っている。橋梁で六万四千カ所あるんですね、比率で三〇%、トンネルが三百キロ、比率で二一%、こういうふうに私資料の中で見るわけですけれども、明治、大正時代から建設されて今残っている、これは今どこへどれだけ移行されるかというのはこれも数字に出していただきたいんですけれども、橋梁で六万四千カ所、これもちょっと調べてください。特にやはり経営的に非常に大変である北海道、四国、九州がどれだけかかっているのか。トンネルで三百キロ。この点はどうなんですか。
○説明員(岡田宏君) 全国の数値といたしましては、今先生のおっしゃいました数値のとおりでございます。これらの島別の内訳につきましては、ちょっと今手元に資料がございませんので、まことに申しわけございませんが、早急に整理をさせていただきたいというふうに思います。
○矢原秀男君 この問題は、林さん、監理委員会では本当に真剣に討議をされたんですか、伺います。
○説明員(林淳司君) この安全対策の問題については、非常に重要事項であるということで、監理委員会におきましても何遍も何遍も討議をいたしましたし、いろんなデータに基づいての作業もしたわけでございます。例えば収支計算の面で見ますと、老朽設備の取りかえでありますとか、あるいはその安全対策費とかいうものは十分これが投資ができるようにそれを見込んで収支計算をしておるということでございます。
○矢原秀男君 今速度制限を実施している危険な箇所、昭和六十年七月段階で全国に百五カ所あるわけですが、その理由と、そしてまたこれが分割されたときに、六分割の中で三島に該当するところは何カ所なのか、答えてください。
○説明員(岡田宏君) 今の速度制限をしております箇所につきまして、まず原因で申し上げますと、例えばトンネルの断面が小さいということのためにスピードを上げることが適当でないという意味から速度制限をいたしているものが今の百五カ所の中に含まれております。したがいまして、い方ゆる老朽でございますとか防災上の観点から速度制限をいたしております箇所は、この断面狭小のものを除きますと五十カ所ということになるわけでございます。この五十カ所の地域別の内訳につきましては、ちょっと集計をいたしますとすぐ出ます資料がございますけれども……。
○矢原秀男君 じゃ後で。 それから、国鉄では、橋梁、トンネル等の建造物で、形が変わって進行している、変状の状況ですね、修理が必要と考えられるものをAランクと称している。このAランクのうち、取りかえを検討しているものが、私の方で言いますけれども、橋梁の上部工の方で総数が八万のうちAランクが五千、そのうち取りかえの検討が二千。橋梁の下部、基礎の方ですね、この方が十三万の総数で、Aランクが六千、取りがえの検討が二千。トンネルが総数が一万四千で、Aランクが九十、取りかえ検討が十五。これは数字は大体この程度でございますか。
○説明員(岡田宏君) 今おっしゃいましたとおりでございます。取りかえを検討しておりますのは、橋梁上部工におきまして二千連、下部工におきまして二千基、トンネル延長にいたしまして十五キロメートルということでございます。
○矢原秀男君 これらが国鉄では五カ年計画等で工事計画を策定をしているように聞いているわけでございますけれども、この安全投資に関する保安の長期計画について二点ほど伺いますけれども、この取りかえに必要な五年間の総予算、金額、それから取りかえ箇所のうち、また何回もくどいようで言いますけれども、財政的に非常に分割後懸念をされる北海道や四国、九州の三島、これはそのまま移行されて分割会社が責任を持ってやるのかどうか、これは運輸大臣にも明確に答えていただかなくちゃいけないと思います。当局そして運輸大臣に。
○説明員(岡田宏君) 今先生から御質問がございましたように、先ほど申し上げました橋梁上部工の取りかえ二千連、下部工の取りかえ二千基、トンネルの延長十五キロ、これにつきましては大体五年間のペースでほぼ取りかえられるものというふうに考えております。そのために要する単年度の、一年間の予算につきましては三百億から三百五十億程度というふうに考えております。 それのうち、今三島別にというお話がございましたが、三島にいたしますと、年間の所要額に直してみまして、北海道の場合に約二十億ぐらいではないかというふうに推計をされます。四国におきましては約七億、九州におきましては二十億余りというくらいの所要額ではないかというふうに考えております。なお、この程度の所要額につきましては、分割民営後の三島の会社におきましても長期債務の負担ということもないわけでございますので、十分対応が可能であるというふうに考えております。
○説明員(棚橋泰君) ただいま国鉄から答弁がございましたとおりでございますが、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、輸送におきましては安全がまず前提でございます。したがいまして、新しく分割いたしました会社につきましても、まず基本的に必要な安全のための維持更新投資というものが大前提でございます。監理委員会の方の御答申の中身におきましても、その試算の中には所要の安全取りかえというものを含めて収支の採算をはじいておられるというふうに聞いております。いずれにいたしましても、新しい会社になったために安全が損なわれるということにはならないというふうに考えております。
○矢原秀男君 今金額をおっしゃっていましたけれども、我々が災害の事故現場へ行きますと、ちょっと手おくれのためにその金額というものは想像できないような巨大な金額になっておりますから、机上だけでそのような、今御報告されておりますけれども、物すごい金額がかかりますから、これは意欲的な手を打っていただきたいと思います。 累積債務の問題にちょっと入りますけれども、午前中と重複しますので端的に申し上げますけれども、長期債務の十六兆七千億円、これは監理委員会の計算された金額なんですけれども、国民の立場から見てこれだけ迷惑なことはないわけです。これは運輸大臣、本当に国民に負担のかからない、国民に迷惑をかけない、そういう意味でこの金額というものはどういうふうな財源でもってそれを解消されようとしているのか。実際に国民の皆さんの負担というものはどの程度で終わっていくのか、その点端的に伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま十七兆円について国民の負担にならないようなという御意見でございますが、三十七兆円の中で最も国民の負担になりそうなのがむしろ逆にこの十七兆円でございます。したがいまして、この十七兆円をどうするかということが避けて通れないこれからの施策として最重点、余剰人員の問題どこの二つが最重点であろうかと思います。この国民に対する負担のかけ方、これをどうするかということがこれからひとつ審議をいただくわけでございまして、関係閣僚会議を発足いたしまして、その場において十分あらゆる角度から検討し、関係省庁等の十分御意見を承りながら詰めてまいりたいと思います。
○矢原秀男君 郵政省がいろんな発言の中で、国鉄の長期債務については、はっきり言えば協力できない、不安である、こういうような問題点の発言があったように伺っているけれども、どういうように対応していらっしゃるのか、伺います。
○説明員(棚橋泰君) 先日新聞に、今先生の御指摘のように簡保からの融資についての記事が出ておりまして、事実でございます。また、過去におきましても簡保資金についてその将来性その他についていろいろ御腐心と申しますか、不安と申しますか、そういう点があって、いろいろな国鉄への貸し出しについていろいろ話題になったこともございます。国民の皆様から零細な資金を集めておられる簡保の資金といたしましてそのような不安を持たれるのは、それはそれなりに理由のあることかと存じます。 ただ、国鉄は国有鉄道でございますので、その債務につきましては基本的には国の債務と同様の立場で考えていくべきだというふうに考えておりますので、そのような不安を持たずに引き続き簡保からの貸し出しをお願いをしたい。過去におきましてもそういうふうにお願いをいたしておりますし、今後もそのようにお願いをしていきたい、かように思っております。
○矢原秀男君 余剰人員の問題に入りますけれども、再雇用という問題は将来やはり大きな問題になろうかと思いますけれども、これは監理委員会で想定をされたそれぞれの人数でございますから、これも午前中討議をされておりましたように、どういうふうに基本的な数字が出てきたのか、そういう問題が論議をされておりました。私が一点だけ懸念している問題を伺いたいのでございますが、まず希望退職の問題、これは勧奨という問題になるでしょうけれども、そのほか余剰人員の受け入れが方々に出てくるわけですけれども、労組との話し合いというものがやはり真剣に続けられなくちゃいけないと思うんですが、この点は国鉄総裁はどのように考えていらっしゃいますか。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の現下のいろんな問題、大変重要な問題がたくさんございます。特に職員に関する問題は最も重要であるというように考えておるわけでございますが、これから国鉄の労働組合に対しましても私どもの方から積極的にいろんな提案をいたしまして、労働組合の方の御意見も十分お伺いをしながら、この困難な問題につきまして職員全体の理解を深め、円滑に実施するように労働組合に要請をしてまいりたいと思っております。
○矢原秀男君 きょうは時間がございませんから簡単に申し上げますけれども、この余剰人員対策というのは、大臣もおっしゃっておられましたけれども、本当にこれは大変なことでございまして、一人でも少なく、犠牲者というものを出さずに適正なところにやはりきちっとしていかなくちゃいけない問題でございます。これは本当に根気よく労組との根回し、こういうことをよくしていただきたいと思います。 大臣、もう一点伺いますけれども、国や地方自治体で年間二十万人近い職員の採用というものがあって、そのうちの何%かを、これは一期か二期に分けて、やはり国鉄の皆さんというのは優秀な技能、才能、素質を持っていらっしゃいます。訓練教育も必要でございますけれども、しかし河期かに分けて、私は国や自治体がやはりそういう対応をしていく、これがまず第一ではないかと思うんですけれども、そういうふうな心構えというのはどういうふうに考えていらっしゃるのか、伺います。
○国務大臣(山下徳夫君) この点もおっしゃるとおりでございまして、運輸省といたしましては、六月の二十八日付をもって国鉄余剰人員の受け入れを支援することを徹底をいたしました。運輸省職員の採用と、所管の法人、事業者等への受け入れ要請を開始しているところでございます。さらにこれからは、しばしばお答え申し上げておりますとおり、なるたけ近い時期、できますれば来週でも国鉄余剰人員雇用対策本部を設置いたしまして、強力に推進してまいりたいと思っております。
○小笠原貞子君 大臣と監理委員会の林さんにお伺いしたいと思います。 この答申を見てまいりますと、その答申のすべては民営分割のために、そして文言ではいろいろと述べられているわけです。その民営分割ということをするためには、長期債務、六十二年度で二十五・四兆円のうち約七〇%の十七兆円を国で処理するということになっております。今まで長期債務の解消を要求していた国鉄ではだめだ。国鉄が要求していてもそれはだめで、だけれども民営分割会社ならよろしい、出しましょう、こういうことになります。それだけではございません、特定人件費、これも解消しましょう。これも国鉄の責任で出たものではない。それからまだあります、公共割引負担もなくしてあげましょう、これも今まで国鉄などが要求していた問題です。そして過重な年金負担もなくする、そういうふうになります。 そういたしますと、国鉄の責任に属さない、政府が負うべきものであったこれらのものを、国鉄が何度も要求していたけれどもこれはやらない。そして民営分割したその会社にはしてあげましょう。その大変な国鉄の今までの重荷、この重荷を全部とってあげましょうということになると大変身軽になってまいります。 具体的に数字をちょっと申しますと、取り除かれる、重荷を外されるというものを五十八年度決算に置きかえてみました。御承知のように五十八年度の赤字額は一兆六千六百億でございます。その中で、五十八年度に置きかえてみますと、重荷が外される長期債務は六千八百五十億円になります。それから特定人件費は六千六百二十九億、年金の分として千九百十億、それから公共割引負担額が五百八十五億、鉄建公団への資本費、これが八十四億、それにまたプラスされるものが加わってまいります。三島への基金、これが七百五十五億になります。余剰人員対策費という名前のものが六百七十五億。これは五十八年度で置きかえてみた。そうすると、重荷がなくなるというその総額は約一兆七千五百億。今まで身軽にしてくださいと頼んだけれどもだめだといっていた分を、民営のこの会社には重荷を外してあげましょう。五十八年度一兆六千六百億、差し引きますと約一千億の黒字が出てくるんですよね。 まして、地交線すべてを残して労働者の十万人首切りをしない現状でもこういう赤字が黒字でやっていけるという計算が出てくる。何も赤字をなくすために分割民営にしなくても、出す分をきちっと国鉄の今まで要求されていたとおり出してあげればそれで済むのではないか。その点について大臣いかがお考えになりますか。林さんの方もそれについてどういうふうに検討されてきたか伺いたいと思います。
○説明員(林淳司君) ただいまの御質問でございますが、新しい事業体が健全に経営していくためにはいろんな超過負担を除去しなきゃならぬ、これはどういう経営形態であっても理屈の上からはそういうことになるわけでございます。ただ、私ども今回国鉄の改革を考える基本といたしまして、そういう超過負担というものを除去するかわりに、今後企業体は絶対に赤字を出さない、国が救済しなくても自前で健全に経営がやっていける、こういうきちっとした体制を確立するということが大前提でございまして、この二つがセットになって初めて改革はできるということでございます。 そういう観点からいいますと、従来の経験にかんがみましても、二兆五千億の棚上げを二回やって五兆円の棚上げをやってなおかつ赤字がどんどん累積してきたという過去の例から見まして、従来の制度をそのままにしてその延長線上で対策を講じてもうまくいかない、やはりこの際今後の経営というものをしっかりさせるためには分割民営というものがどうしても必要だ、したがってそれをセットにして改革を講じていく必要がある、こういうふうに判断したわけでございます。
○説明員(棚橋泰君) 先生のただいまの数字、私どもも五十八年度に引きかえた計算をまだやっておりませんので、今の先生の計算の中身について云々申し上げるあれはございませんが、ただ、ちょっと伺いましたところでは、赤字一兆六千億ということでございますが、それは助成後の赤字でございまして、そのほかに助成が七千億、当時五十八年入っております。したがいまして、そういうものも考慮に入れながら先生の先ほどの御数字をもう少し吟味をさせていただきたい、かように思います。
○小笠原貞子君 答申の手法でやれば、私は今の国鉄でも経営ができるというふうに考えているわけなんです。何もわざわざ地交線を切り捨てて、たくさんの労働者の首を切って国民の足を奪う必要はないんだと言わざるを得ない。だからといって今までの国鉄のままでいいとは私は言っていないんです。制度的にもいろいろと改善しなければならないものはあると思います。当然のことだと思います。 しかし、それにしても分割民営会社のためには今言ったような大変な重荷を外して莫大なお金を出してやる、そして国民共有の財産である国鉄というもの、とりわけ国鉄の本当に便利な駅頭の超一等地というようなところも含めて払い下げてもらおう、まさに民営、だれが受け持って何のために願っているか、そのためには本当に至れり尽くせりのサービスぶりだと言わざるを得ない。決して国民のためなんという格好いい、きれいごとではなくて、まさに民営分割化することによって考えられないような大サービスをして、そしてだれかが利益を受けるという関係にあるということが私はここではっきりするのではないかというふうに思うわけですけれども、大臣としてのお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど林さんからもお話がございましたように、過去におきましても二回にわたって五兆数千億円のものを棚上げしたりいたしております。御議論の中には、毎年毎年これをちゃんとしていけばよかったではないかというのでございますが、さらにその後累積いたしておりますし、毎年毎年二兆数千億円という赤字をその年その年で決済することはこれはまず不可能でございます。 したがいまして、この際やはり基本的にこれはもうその原因を剔扶しながら大改正をやらなきゃならぬということは、これは先生も大方御承知のことであろうと思うのでございまして、このまま、がんに例えるならば、ますます転移していくならばこれはもう国鉄自体が全部死んでしまうということでございますから、先生はどういう御判断で今のままでも救えるとおっしゃっているのか、私はちょっと理解しかねるのでございますけれども、そういう意味におきまして民営分割という抜本的な対策を講じなければこれは軌道に乗らないということを繰り返し申し上げておきたいと思います。
○小笠原貞子君 国鉄再建の最大ポイントである長期債務の問題について答申は解決のための具体的な答えというのは出していない。国民負担十六・七兆円、一体これはどこからどういうふうに出すんだろうか。監理委員会は国鉄再建のため経営形態の検討、長期債務の検討が大きな任務だと言ってきたわけですよね。だけれども、さっさと経営形態の分割民営のところだけは決めて、そして長期債務はこれは政府に検討してくれというわけですよね。全く気楽な話というもんだという歌みたいなもんですわ、これではね。 亀井委員長はここに至って、財政問題は本来財政制度審議会で詰めると言われたり、総合的な対策をとれば財源は確保できる、こういうふうにおっしゃっているわけなんです。確保できるはずだ、やればできるはずだ、じゃそれをどこからどういうお金を持ってきてどういう充て方をするのだという具体的なものが出ていないということ、これは私は答申なんという中身に値しないと思うんです。それは具体的にどういうふうに大臣は受けとめられて対処されるんですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 決して私は再建監理委員会の肩を持つわけじゃございませんけれども、三十七兆円という長期債務の内訳、だれがどの程度しょうべきかということについてはそれぞれ明示がしてあるわけでございます。そして残りました十六兆七千億ですか、約十七兆につきましてはこれはもうどうしようもないよ、これはひとつ国民において何らかの形で負担してもらいたい、その国民の負担というものは普遍的にひとつ国民にしょってもらう以外にないんだというところまで明示されております。それ以上のことはこれは税であるとか国債であるとかいろいろ議論が出ております。 私は、これがいかようにこれから解決されるかということは、現時点において申し上げるだけのまだ私も確信はございませんが、それから先はやはり政治的にゆだねられるべき問題である、私もそう思っているんですよ。そこまで具体的に、これは税だよとか、やれ何だよということはそれは監理委員会として言えない。したがって、私は、十七兆円についての内訳は、この趣旨、財源について明記されなかったことはこれは私はいたし方のないことだと理解をいたしております。
○小笠原貞子君 監理委員会の肩を持つわけじゃないけれどもなんて、全く肩の持ちっ放しじゃないですか。お金が足りなくなった、国民負担をお願いしますなんて、こんなのなんて対策でないでしょう。金がなくなった、国民出してください、だから気楽なもんだというんですよね。そうじゃなくて、この長期債務、一体何が原因で出たか。私は毎回言っているんだけれども、いろんなことあるけれども、非常に大きな問題は、多大な借金による設備投資ということはこれは否定できないですよね。それなのにそれをすりかえちゃって、いや結果的に処理しなきゃならない、これが今問題なんだということで、国民におっかぶせちゃっている。戦争の後の一億総ざんげみたいなものですよ。 私はいろいろ言いたいことあるけれども、とりわけ、国鉄の公共事業によって経済界、財界というものにどういうことが起こっていたかということを考えてもらいたいですよね。いろいろと、あっちに線路をつくれとか、ああだとかこうだとかといった財界の強い要望がありました。そして、あの当時景気浮揚のための設備投資というものを余儀なくされてきた結果ということも言われるわけですよね。具体的に挙げて言えば幾らでも事実があるわけですよ。例えば、きょう亀井さんがいなくて残念だけれども、この前も言ったみたいに、亀井さんの住友グループで五年間に二百五十億も国鉄から工事をもらっているわけでしょう。こうやって赤字が出ましたよという陰には、たくさんの設備投資の中で仕事をもらっている財界、企業というものが介在するわけですよね。しかも、監理委員長がそれで二百五十億も自分のグループでもらっていてよく監理委員長なんてやれるなと思って、私はきょうもつくづく顔を見たんだけれども。 だからそういうふうな関係というものを具体的に考えれば、自民党政府としてももうちょっとまじめにこの問題を考えてもらいたいと思うんですよ。財界からもらう献金をちょっと抑えて、そして国鉄のこの赤字に充てましょう、長期債務の支払いに入れましょう、それくらいの私はまじめさが欲しいと思いますよ。たくさん仕事をさせて仕事をもらって、もうけさせてもらって、赤字になって、国民ほい出しなさい、後は知らぬよなんて全く無責任きわまると思う。私は、自民党政府としてもできること、自民党の政治献金を少し遠慮してちょっと回すというくらい考えたらどうですか、大臣。
○国務大臣(山下徳夫君) 尊敬する先生にはなるたけ丁寧に答弁いたしたいのでございますが、ただいまの御質問はどうもちょっとここで議論するものと場違いでございまして、党に対するいろいろ企業の献金とかいうものと全く違いまして、御指摘のとおり、今日までの赤字の原因に施設整備費が大きな負担になっていることはそのとおりであろうと思います。しかし、是非善悪は別として、それはそれなりに国鉄も国民のために役割を果たしてきている。それは通勤線であるとかあるいは新幹線とか、多大の経費を伴うけれどもそれなりのやっぱりお役目は果たしている。貨物は貨物なりに役割は果たしてきているということでございます。 したがいまして、それらの観点から、可能な限り今日までいろんな手を尽してきたけれどもどうにもいかないということで、これから先どうするかという、それからが私は議論だろうと思うのでございまして、これからの議論につきましては、これまた先ほどからるる御説明申し上げましたとおり、何らかの形で国民にお願いするということで、これから真剣にこの問題はひとつ詰めてまいりたいということでございます。
○小笠原貞子君 時間がないから貨物に移りますけれども、長期債務と同じように国鉄再建を図る上で抜本的な改革が求められているのは御承知のとおり貨物なんです。その貨物に対しても具体的な対策は何にも、先ほどから同僚委員も言ったけれども、具体的な対策が出されていないですね。「政府は、国鉄との密接な連携の下に荷主・物流事業者の意見も聴きつつ専門的かつ技術的な立場から検討を加え早急(昭和六十年十一月まで)に実行可能な具体案を作成するものとする。」と、こう書いてあるわけです。この答申の意味しているところは、一番難しい貨物の問題、これすべて自分の責任で具体的に出していない。国鉄に全部げたをあずけている。 二番目に私が言いたいのは、ここの答申の文章にも書いてあるように、「専門的かつ技術的な立場から検討を加え」云々と書いてあるわけです。つまり監理委員会としてはもうお手上げなんだ、専門的にも技術的にも何にもわからないということを告白しているわけでしょう。自分たちはもうお手上げた、素人でわからないよ、よろしく頼むよという、そのわからない監理委員会がこれからの問題をどうしろああしろというふうに言っているという、全く驚くべき立場に立っているんだなということを私はつくづく考えさせられました。専門家でない人たちが百年の歴史を持つ国鉄の運命を決定づけるということになります。 こういうように、国鉄再建のキーポイントである長期債務の問題、それから貨物のあり方について全く具体的に提示できない。国鉄が、出してくる計画について気に入らないと言えば、役員の更迭まで起こっている。まさに無責任と言わざるを得ないと思うのです。 この貨物を分離して一つの会社で全国一本にする、こういうふうにおっしゃっているけれども、経営の見通しはどうなっているんですか。経営の見通しはどういうふうに考えていらっしゃるか。林さん、六十二年度の見通し、黒字になるのか赤字になるのか、どういうふうな見通しを立てられますか。
○説明員(林淳司君) 貨物につきましては、先生今御指摘ございましたけれども、監理委員会としての基本認識は相当詳しく述べております。そういう基本認識を踏まえて、さらに技術的な問題が幾つかございますので、そういう問題を詰めて具体的な案をつくっていただきたい、こういうふうに提案しているわけでございます。 六十二年度の貨物の経営の見通してございますけれども、これについても私どもとしてはかなりいろいろな検討をいたしまして、少なくとも回避可能経費であれば六十二年の時点で収支相償う、こういう状態でやれるという前提を置いた上でいろいろな認識を述べ、具体案を作成していただくように答申では述べたということでございます。
○小笠原貞子君 あなた小さい声なものだから私ちょっと聞き取れなかったんだけれども、この経営見通し、六十二年度やっていけるんですか。赤字になるんですか、黒字になるんですか。そしてその後の見通しはどういうふうに持っていらっしゃるんですか。端的にちょっと答えてください。
○説明員(林淳司君) 今申し上げましたように、六十二年の時点で一応私どもめどをつけましたのは、回避可能経費であれば採算がとれる、こういうふうに見当をつけたわけでございます。ただしかし、今後の貨物会社というものが一体どういう経営をやっていくかということについて、今の輸送体制というもので果たしていいのかどうか、もう少し輸送体制についても見通しが必要なんじゃなかろうかという問題もございますし、もろもろの問題、まだ詰めるべき技術的事項がたくさんございますので、一定期間結論を先に送った、こういうことでございます。
○小笠原貞子君 じゃ、今のところはもろもろのいろんなことの検討が詰まっていないからわからぬというわけですね、はっきり出せない。それじゃ貨物の場合、答申で考えている以上に大きな赤字が出たというような問題も起こってくる、あとはもうどうなるかわからない。まさに国鉄改革という代物でない、この答申は。肝心なところで一番大事な問題については具体的な見通しもない。具体的にどうなるかということもはっきりしていない。まさに本当に欠陥答申ですよ。欠陥もいいところ、大欠陥答申だと私は言わざるを得ないと思うんです。 大臣、この貨物の問題についてどういうふうに考えていらっしゃるか、ちょっと御意見聞かせてください。
○説明員(棚橋泰君) 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、私どもは、この貨物の問題については監理委員会の御答申は基本的な線、進むべき方向は明確にお出しいただいておるというふうに思っております。あとはそれを具体化するための専門的、技術的作業がいろいろ残っておりますので、それにつきましては十一月末までに国鉄と緊密な連絡をとって中身を詰めまして結論を得たい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○小笠原貞子君 基本的な問題が出ているなんて抽象的な理念だけで、それじゃ具体的にどうなんだというものが本当に抜けているんですよね。だから私はもう大欠陥も大々欠陥と言いたいところです。 それじゃ経営の見通しについて伺いますけれども、六十二年度の経営見通し、それはどういう根拠であの数字が出てきたのか。さっき目黒さんでしたか、同僚委員からも言われておりました。全くけしからぬと思うのは、この数字が出てくる、結論的には。じゃその数字が出てくるのは、いきなりどこかからぱっと出てきたわけじゃなくて、やっぱり根拠があるでしょう。この根拠があってこの数字が出たんだから、これを出すためには根拠がわからなかったら審議もしょうがないじゃないですか。だから、当然先ほど要求があったように出していただきたいと思うんです。だけれども、私は六十二年度の経営見通しだけのものではだめだと思うんですね。なぜなら、六十二年度だけではだめで、六十三年以後どういうふうになっていくかというものが出されなければ答申の意味がおいんですよね。 そこで伺いますけれども、亀井委員長は五年ないし十年の試算もしたと、こうおっしゃっているんですけれども、林さんそうなんでしょうね、当然。
○説明員(林淳司君) 私どもの作業につきましては、最も危険性が少ないといいますか、予測のぶれが少ない時点で経営の判断をするのが適当であろう、こういうことで六十二年度の姿というもので判断をしたということでございますが、当然、その後それがどういうふうに推移していくかということについてはその検証を監理委員会としても十分検討したわけでございます。いろんな予測値が入りますので、いろんなケースに分けまして具体的な検証はしたということでございます。
○小笠原貞子君 当然六十二年度で済むものじゃないですよね。六十二年度以降もどうなるんだとある程度の見通しを持たなければならない。それで検証なすったわけね、五年ないし十年に細かく。そしたらそれを当然ぜひ国会に私は出していただきたいと思う。どうですか。
○説明員(林淳司君) 将来の予測値ということで、これは人件費とかあるいは石油のアップ率とかGNPとか、いろんな要素が現段階で一義的になかなか確定しにくいということでいろんなケースを置いてその組み合わせでやっております。したがいまして、それについてこれが正しいというふうになかなか言い切れない面がありまして、私どもとしては、そういうものはある意味で、外へ出しますと、その一点だけで非常に誤解を招くおそれがあるので今回出すのを控えたわけであります。したがいまして、その辺のところについてはこれからさらにデータをよく整理をした上で検討をさせていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 朝からそれが問題になっているんだけれども、一点だけ出すといろいろと誤解を招いたり、そこだけが強調される、だからみんな出しなさいというのよ。一つ出せばそういうことになるからみんな出しなさい。みんな出さなくてもいいですということは、国会の運輸委員会の我々なんか質問する必要ない、審議する必要ない、仁杉さんを首切るみたいに、本当ならばこの運輸委員のうるさいのを首切りたいんだけれども、それもできないからという態度でしょう。 きょうの亀井さんのあいさつ、何ですか。委員長から忠告されたことに対して、留意します、こんなことで私は黙っていられませんよ。マスコミの皆さんには二十二日に資料を渡してレクして、そして我々国会議員のところにはさっぱり持ってこないでしょう。やんや言って、けんかしてやっと持ってきた。持ってきて、数字が出たけれどもこの中身はどうなんですか、聞きたい、レクしたいと言ったら、見ればわかりますと、こうくるんだもの。全く監理委員会というのはひどいものですよね。大臣なんかもなめられているよ、監理委員会に。本当、大臣なんか要らないんだ、総裁も要らない、監理委員会だけあればいいというようなことになるわけです。 だから、さっき言ったみたいに、それぞれ五年ないし十年検討されたというのは、本当にいろいろな御苦労もあったと思いますけれども、それも当然出すべきでしょう、出していただきたいと思います。これから監理委員会が握っていたってだめなんだから、それを当然出してもらいたいと思う。 それから運輸省、国鉄に伺いますけれども、試算見通しは提出してもらっているのですか、六十三年度以降やなんか、六十二年度までの分も含めて、そういう試算はもらっているんですか。
○説明員(棚橋泰君) 先生の御質問が、監理委員会からその年度までの試算を運輸省が受けておるか、こういうことでございますが、私どもは、現在の段階では、先生方と同様このいただいた答申だけを現在受け取っておるという段階でございます。
○説明員(室賀実君) 国鉄につきましても同様でございますが、六十三年から先の問題につきましては、輸送量等につきましては監理委員会の末尾の資料等にもございますような形で示されておるということで、収支計画その他につきましてはただいま運輸省からお答えいただいたとおりでございます。
○小笠原貞子君 これからどういう会社でどういうふうにやっていくかというのは、今度国鉄、運輸省、実践部隊としていろいろ考えなければならないわけでしょう。それだから、その資料をきちっともらって検討しなければ、あの答申だけでなんて検討できないでしょう。当然もらってやるべきだと思うし、おたくの方ももらいます、私たちもそれを検討させてもらわなければなりません。当然監理委員会としては出すべきです、その試算表。どうですか、お出しになりますか。
○説明員(林淳司君) 先ほど申し上げましたように、今ワークシートの段階で非常に膨大な資料でございますので、これを十分整理した上で検討をさせていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 整理して出すんですか、整理した段階で。いつごろ出せるんですか。
○説明員(林淳司君) まず整理をしてみなければ何とも申し上げられませんが、整理をした上で十分検討をさせていただきたい、その上で考えさせていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 本当に歯切れが悪いんだよね、もうこの上なしに。 それじゃ運輸省、国鉄どうなの。それをもらわないと仕事が進まないでしょう、実践部隊として、そういう資料。
○説明員(棚橋泰君) 政府といたしましては、再建監理委員会に御検討をいただいてそしてこのような御答申をいただいたわけでございますが、答申が出ました後はこれを実施に移していくのは政府の責任でございます。したがいまして、その点十分監理委員会の方からはいろいろもう既に作業の段階から承っている点もございますし、御協力申し上げた点もございますし、今後も、わからないところについては監理委員会にいろいろ伺いながら、その上に立って政府としてそれなりの将来の見通しその他を立てて対処をしていきたい、かように思っております。
○説明員(室賀実君) 国鉄といたしましても、この監理委員会の意見書にも付記されてございますように、ここに示されております数値は現時点での推計値であるということでございまして、今後の実績等を踏まえつつ、ただいま運輸省の方からも御答弁がございましたように、政府とも御相談しながら内容について詰めてまいりたいと思っているところでございます。
○小笠原貞子君 そっちはちょっとこう話が通じるみたいだけれども、こっちの国会の方には、我々にはなるべく出したくない、そういう体質だね、もうこうなっちゃったら。林さんだけじゃしょうがない、今度亀井さんが来たときにまた伺いたいと思いますけれども、まさに民営分割によって、そしてそこのところにもう群がっていると言いたいくらいですよね、ほかのことは知っちゃいないというような。 具体的に次の問題へ移ります。 国鉄に伺いたいんですけれども、北海道の場合、答申では六十二年の収入は八百七十億というふうに出ていますね。国鉄独自で試算をしていらっしゃったようですが、伺いますと六百ないし七百億の収入しか出てこないというふうに言われている。答申の収入見込みと比べてどういうふうにその点考えたらよろしいでしょうか。
○説明員(須田寛君) 今先生の御指摘がございました六百億内外という数字でございますが、これは恐らく新聞報道になされたものだろうと思います。これで六百億余りと申しておりますのは北海道の鉄道の旅客収入だけを意味しておるのでございまして、北海道の会社の収入の中にはこのほかに船舶収入と自動車収入、それから関連事業その他のものがございまして、これは五十八年度数値で申し上げますと、船舶が約百二十八億ございます。それから自動車が五十一億、関連事業等が六十六億ございまして、鉄道以外のもので実は二百四十五億あるわけでございますので、今回の監理委員会の御答申によります収入は八百六十八億というふうになっておりますが、それらを足しますとそう大きな食い違いがあるものではない、おおむねその数値になろうかと考えております。
○小笠原貞子君 わかりました。 今度は労働者の問題なんだけれども、六十年四月現在で労働者の数は三十万七千人というふうな数になっていると思います。答申では六十二年には二十一万五千人ということになっていますね。そうしますと、現在と比べますと、現在の中から九万二千人差し引きますと、この人たちは本当に職を奪われるということになるわけですよね。まさにこの数は驚くべき異常な多数の人たちの実質的首切りにつながると言わざるを得ないんです。教育訓練をするとか、ああだのこうだのとおっしゃいますけれども、その人たちを路頭に迷わせないというような保証が全くないと私は言わざるを得ないんだけれども、その問題について、監理委員会はどういうふうに考えますか。
○説明員(林淳司君) まずただいまの数字でございますが、三十万七千人というのは今年度当初の人数でございます。これから六十二年四月までにまだ二年弱あるわけでございまして、私どもとしてはその間の自然退職というものを計算いたしますと六十二年度首には二十七万六千人に実員がなる、こう考えております。したがいまして、事業体に移行する二十一万五千という人数との差は六万一千人ということになるわけであります。 それでこの六万一千につきましては、二万人は先ほどから議論が出ておりますように、現在の国鉄の間に、移行までの間に希望退職募集で対応をしていただけないか、あとの四万一千人は旧国鉄に残りまして、公的部門を中心とする雇用開拓、それから職業訓練、再就職あっせんというふうな対策を国が積極的に支援に乗り出した上で講じていくということで、全員再就職を目指して努力をしていただく、こういう考え方でございます。
○小笠原貞子君 この問題について先ほども大臣もいろいろお答えになったけれども、教育訓練して、ほいと入れるような職場がないということですよね、今の情勢の中で。その保証が全くないと言ってもいいではないか。それから希望退職といっても、希望退職じゃなくて、希望を無理やりさせられて物すごいことが今まででも起きているではないかという問題ですよね。そして、先ほども出たけれども、本人の意思を尊重してということも、できるだけ尊重します、だけど減らさなきゃならないんだ、意思なんか尊重していられないという結果になるわけですよね。 私はもう幾つも経験しました。北海道であの夕張炭鉱の大災害が起きたときも、山は再開しますと約束されて、そしてもう断固胸を張って、大臣がやめたらおしまいでしょう。それから就職についても保証はいたします。生懸命保証しますとおっしゃったって、その保証というのは口だけで何にも具体的な保証はないですよね。さっきも大臣おっしゃったけれども、この問題について関係閣僚の特別の対策、いろんな対策会議や委員会だか何だかいっぱいできるけれども、具体的な保証というものは何にもないんですよね。だから、私がさっき言ったように、それだけの重荷を外したんだったら、この人たちを首切るんじゃなくて生かす道にお金は使うべきではないかというのが私の考え方ですよ。炭鉱のときもそうだったんです。今もう黒手帳も切れるという秋を迎えて、どれだけ大臣や何かがいろいろ保証したって何にも保証はないですよ。山へ行ったってどこへ行ったって本当に見事に裏切られ裏切られての労働者の生活を考えると、私は簡単にやりますとか何かでは済まないと思うわけなんです。 それで、もう時間がないから私はこれでやめなければなりませんけれども、例えば人数がどれだけ要るといったって、さっきおっしゃったように具体的な裏づけの数字もお出しにならない。まさにどんぶり勘定でみんなやっているみたいな、だれかの都合のいいような数字をどこかから出してきて、それだから国会にも出せないと言わざるを得ないんです。だから私はこの答申というものを見れば見るほど、質疑すればするほど、国鉄の真の再建なんかには全くなっていない、もう本当に欠陥の答申だ。逆に国民の共有財産である国鉄をみんなからこれが食い物にされてしまっている。先ほども言ったように、長期債務十六・七兆円は政府任せ、そして国、国民の負担ということだけでしょう。貨物にしたって、大赤字の元凶なのに、この再建について基本的には言われているとおっしゃるけれども、全く具体的な答申というものが出されていない、先の見通しもきちっと出されていない。経営の見通しについても六十二年後ははっきり出されていない、全く無責任もいいところですよ。そして労働者の方は首を切る。まさに分割し民営にするだけの、それだけの調整、運営の中身になっている。 本当にこれは考えるとまさに分割民営にするだけがはっきりしていて、そのために全部しわ寄せは我々の方にきてしまうというこの答申というのはもう本当に欠陥答申なんだから、こんな答申をはいはいなんて受けて、そして一生懸命やりますなんという、そういう立場に立たれたら、私はこれは取り返しのつかなくなることだと思うんです。だから、もう一つ大臣もこの答申というものを、何せ偉い監理委員会の言うことだからはいはいなんというんじゃなくて、こういうものについて物を言えるくらい毅然とした態度に私は立ってもらいたい。こういう答申というものは、具体的な問題をまたこれからも言いますけれども、これは大変なことですよね。このときに大臣だったというあなたの名誉のためにも私はちょっと考えてもらいたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) いろいろ御指摘いただきましたけれども、先生御承知のとおり、これは正式に意見が出されましてからまだ一週間でございます。その前にいろいろすり合わせはしてまいりましたからおおよそのことは承知いたしておりますけれども、これに対応して正式に政府が策を講じていくのはこれから、やっぱり正式に意見が出てからでございますから、したがって、早速間髪を入れず今週の火曜日には関係閣僚会議を設置いたしまして、その第一回の会合を来週開いて、そしてそこで今度は余剰人員対策の本部も設置をする。何も具体的にやらぬじゃないかとおっしゃるけれども、これから具体的にやっていくのでございますから、どうかそのように御了承いただきたいと思います。
○伊藤郁男君 最初に国鉄総裁にお伺いをしたいと思うんですが、国鉄という現場を預かる立場から、今回の答申が一体最良なものであると総裁としては受け取っておられるのかどうか、これを第一点お伺いします。
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄再建の問題につきましては、過去何回も再建計画をつくりまして、原因の探求をしたわけでございますが、今回の意見の中身を拝見いたしますと、そうしたいろんな原因の中のさらにもう一つ奥深い根本的な問題にメスを入れられたというふうに拝見をしておるわけでございます。分割民営という新しい方式を考えられてそれを実行するというような段階になっておるわけでございますが、政府といたしまして答申を最大限に尊重するということを御決定になったわけでございますので、我々といたしましても、政府と一体となりまして今後その具体的な中身を詰めて実施に移すように努力をしてまいりたい、こう考えております。
○伊藤郁男君 そこで、これは大臣に私は注文をしておきたいことが基本的な問題であるわけですが、実は私は昨年のこの委員会におきましても、監理委員長の御出席をいただいて質問を申し上げたときに意見として申し上げていたことがあるわけです。それは、最終答申をいきなりばさっと出すのではなしに、すべての論議の経過を抜きにして最終答申を出すということは、この大改革に当たりまして国民に与えるショックが大変大きいのではないか。そこで、例えば余剰人員はこの程度になります、それについてはこういたしたい、あるいは分割はこういう形で分割をしたいとか、具体的な問題について一つ一つ中間答申といいますか、そういう形で骨格を国民に示すべきではないか。そういうことによりまして国民の意見を新たにまた吸収する、そういう形で答申案に次第に厚みを加えていく必要があるのではないか、そういうことを私は提案をいたしました。 亀井委員長もその時点では、一月か三月ごろにはそのような方向である程度のものは出していきたい、こういうように御答弁もされておったわけですけれども、いろいろな事情がございましたでしょう、そういう中間答申的なものは全部なしに最終七月の答申になった、こういう結果になっているわけですね。そこが私は非常に残念なんです。残念なんですが、しかし、今日の時点においては最終答申が具体的に国民の前に初めて監理委員会としての意見が提出をされたわけでありますが、そこで注文をしたいんですが、この答申案を見ます限りにおきましては、政府が今後さまざまな面で詰めていかなきゃならない具体的な問題がたくさんあるわけですね。したがいまして、そういうものが残されている答申案とするならば、この際監理委員会の答申案というものをたたき台にしまして国民に意見を求める、そういうことを通じて政府自身の法案作成の基本的なものに基礎としてやっていっていただきたい。 そのためには、先ほど来からさまざまな議論がありましたけれども、少なくとも今日の答申案の基礎となりましたデータは、これはもうできる限り国民の前に公表をしていく、これは私も主張をしていきたいと思うわけです。それと同時に、そういう情報の公開といいますか、そういうものを通じてさらに一層国民の前向きの意見を求める念そして、その中に例えばこの十六兆七千億円という巨大な国民の負担を求めるわけですから、それだけの巨大な負担を求めなくても、こうやればいいんだという国民の間からいい意見も出てくるかもしれない。出てくるかもしれないんですから、そういうものを吸収しながら最終的な法案の作成に臨んでいただきたい、これが国鉄改革の大きな前提として私は重要ではないか、こういうように考えますが、この点についての大臣の所見をお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 御意見ごもっともであると存じております。そして、今お話がございました十七兆円に上る長期債務の問題にいたしましても、これを公債に依存するというようなそんな安易なことじゃいけないのでございますから、再建監理委員会の答申、またこのことに対する大蔵大臣の談話にもございますように、これは全国民的な処理方策というものを考えていかなきゃならない。このことからいたしましても、広く国民の意見を聞かなきゃならないことは当然だと心得ておりますので、今後そのような機会を見て御意見、御趣旨に沿うように心がけてまいりたいと思っております。
○伊藤郁男君 ぜひそうしていただきたいと思うんです。 それからもう一つ大臣にお伺いをしておきたいんですが、答申案によると六十二年の四月一日から分割民営ということに移行するということになっておるわけでありますが、考えてみますと、あと一年八カ月後ということになるわけですね。大変私は短い期間ではないかというように思うわけです。しかも百二十九の関連法案を修正したりしなきゃならぬ。大変膨大な作業が残っているわけですね。 そこで大臣にお伺いしたいんですが、今後のスケジュールですけれども、六十二年四月の段階で恐らく新しい会社十個はつくらなきゃいかぬですね、バスの十三を除けば。先ほどの話で二十三ということになるんですが、バスは新会社に一応当面は運営を任せる、それから順次分割していく、こうなるわけですが、そうなると十の会社を新たにつくるということですね。電電の法案の際にも、電電は分割はないんですけれども、新会社に移行するにはかなりの時間が要るということで、昨年の十二月の国会の冒頭で法案を与野党の合意で処理したという経緯もあるんですが、法案ができてから十の新会社をつくるまでに一体準備期間がどのくらいかかるだろうか。そしてその準備期間を想定しまして逆算をしますと、一体この国鉄関連法案というものを最終的に処理するその最終の期限は一体どの程度のところにいくだろうか。 私は、少なくとも来年の六月ぐらいには処理しなきゃならぬと思うんですけれども、しかし六月には参議院選挙がある。法案を整理していつ出そうと考えておるのか。そして、法案を整理して次の通常国会に出すとしても、その審議が始まるのが、参議院で予算が通過した以後ということになると四月以降。そうすると、通常国会は五月には終わる、参議院選挙があるということになると、とても六月には間に合わない。とすれば、参議院選挙後臨時国会でも開いて急速な形で処理しなきゃならぬという事態になるかもしれませんが、その辺のスケジュールというものを一体どのように考えておられるのか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 非常にこれは急がなければ間に合わない大変な問題だと思っております。しかも、法律修正、基本法等の数におきましても、かつての電電、専売、あるいは遠くさかのぼって沖縄、これらよりもはるかに多いわけでございますから大変な作業だと心得ております。 しかしながら、これまた法に定められた一つの期限というものがございますから、私どもはあくまでも昭和六十二年の四月一日から新会社の発足、そこに照準を置いてそれに間に合うように急いでいかなければならない。そうなりますと、逆算と申しますか、作業を急ぎましても、次期通常国会の一月の休会明けと申しますか、大体一月の休会明けの二月あるいは遅くとも三月の初めぐらいまでには法案を提案いたしまして、御審議が直ちにそれからできるかどうか別といたしまして、いつでも御審議いただける体制はそういう時期までにちゃんと整えておかなければならない、こういうように考えておる次第でございます。
○伊藤郁男君 私が今心配しておることは、自民党の首脳の発言ではありませんが、答申案は六十二年四月一日ということになっておるけれども、四、五年かかるかもしれないというような発言も出ている。今の国鉄の現状を考えますとこれは一刻の猶予もならぬ状況だと思うんですが、これは審議を四、五年もしておったら一体どうなるんだろうか。この答申案はもうそのままつぶれてしまうのではないかというようにも心配せざるを得ないんです。したがって、今大臣が言われましたように、まさにこれは精力的にやっていかないと私は答申の線に沿ったものができないと思いますので、その点はひとつ注文を私はしておきたい、こういうように思います。 それから次に、杉浦新総裁にまたお伺いをしたいんですが、総裁は就任の際の記者会見で、役員の中で私の考えに合わない者は去ってもらうより仕方ない、こう言われて新たな人事を構築されたわけですが、私は、これだけの改革案を実行するに当たっては総裁のリーダーシップが大変重要なことだと思いますし、そのことはそのこととして是とするわけですが、ただ問題は、今までトップの人たちの意向を受けながら分割反対という形で私は中堅職員の中でかなり動いてきた人がいると思うんですよ。そういう人たちが今現に残存をしている。職員はみんなそういう姿を見ておりますね。今度は、きのうまでは分割反対だけれども、いよいよ新総裁になって新体制ができて、今日の段階では手のひらを返すように、それは今度は分割民営だというような形で中堅職員が動けるものかどうか。動いたとしても、私は職員がそれらの人々を信用しないと思うんですよ。 そうなりますと、新しい総裁として、体制というものがある程度できて、そして推進本部もできて、政府との関係も十分に連携がとれている体制が確立されたといいながら、まだ問題は私は残っていると思うんですね。そういう問題をどのような形で解決をして、真に新総裁としてのリーダーシップを発揮するのか、こういうことが私は心配なんですが、その点についての総裁としての自信といいますか、対処方針といいますか、そういうものをお伺いをしておきたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) このような大変な時期でございますので、国鉄の中がいろんな意味で意見の対立等があっては絶対に改革の道は開けてまいりません。そういう意味におきまして、まず国鉄の幹部、本社の幹部は心を一つにしてこの難局に当たれということで、私みずから先頭に立ちまして皆さんと毎日のように対話をしておるわけでございます。 先生御心配のような職員の動揺ということがこれも私本当は心配をしておるわけでございます。そういうことがあってはならないということで、中堅幹部とも毎日顔を合わせ、議論をし、それから、これからは私時間があれば地方に参りまして、地方の幹部とも、あるいは現場も十分に見させていただきながら、私自身、あるいは本社の現在の傾向、今後の進むべき道につきまして十分に話をし、理解をとるという方向を今後進めてまいりたい。そうすることによりまして、必ずや国鉄の全幹部あるいは全職員が今後の新しい道につきまして理解をしていただけるというふうに確信をしておるところでございます。
○伊藤郁男君 何といいましても、国鉄の現状から考えまして、これは午前の亀井監理委員長の最後の言葉ではありませんが、この大改革を進めるにおきましてはやっぱり労使一体となって、一丸となってやらなければならない、これが一番重要な課題だと私は思いますので、総裁のリーダーシップを発揮していただきたい、こう思います。 そこでもう一点、そういう体制を築くためにも私は必要なことは、特に余剰人員対策なども含めまして労働組合との積極的な協議の場を設ける必要があると思うんです。ここ数年国鉄当局は、特に経営の問題につきましては、経営実態がどうなっているとかそういう問題も含めまして、労働組合とは話すに足らず、なかなかそういうことについて労働。組合との話し合いというものをやってこなかった。これは明らかであります。しかしこれからはそうはいかないだろう、こういうように思います。 先ほども総裁は、国鉄の組合の皆さんとも十分に協議をしていきたいということを同僚委員の質問にお答えをされておるわけでありますが、ぜひ私はこの問題については、新総裁として、いろいろ困難な問題が想定されるかもしれませんが、労働組合とのやはり接触、協議、そういうものがこれからこそ重要だと私は思うのでありますが、その点についてのお考えをお聞きをしておきたいと思います。
○説明員(杉浦喬也君) 全く先生のおっしゃるとおりでございまして、これからの大改革を実行する、特に余剰人員対策を中心とする職員対策、これが決め手であるというふうにも言っていいかと思います。そういう意味におきまして、労働組合との話し合い、これはもう緊密にやっていく必要があるということで、私は先般から各組合の幹部と公式にお会いいたしまして、これからはいろんな問題を積極的に提案する、皆さんも十分にそれについて検討し、意見を交わそうではないかというふうに申し上げたところでございまして、今後ともそういう姿勢で組合とは話し合いを続けていきたいというふうに思っております。
○伊藤郁男君 この余剰人員対策、いろいろ議論がございますが、まさにこれが最大の壁であり、この解決ができれば私は答申案に沿った実行というものがかなりスムーズにいくのではないか、こう考えるわけですが、しかし、民営に移行する前の二万人の希望退職といい、あるいは移行後旧国鉄に残す四万一千人、これはやり方いかんによっては、三年間で就職先を見つけるというわけでありますから、やり方が間違えますと実質的な指名解雇に通ずるものだと思うんです。だからよほどきめ細かくこの問題はやっていかなきゃならない。 答申案では、本人の希望を聞くとかということで簡単に触れておりますけれども、旧国鉄に残す、新会社に移行する者というものの仕分けなんというものを考えますと、この選別なんというものはもう容易なことではないと私は思うんです。だからよほどこの点についてのきめ細かな対策、こういうものが必要だと思うんですが、一体この選別そのものは総裁可能なものなのかどうか、自信がおありなのかどうか、その点をお伺いしておきます。
○説明員(杉浦喬也君) おっしゃるように大変難しい問題でございますし、数が大変多いということでありますので、私並びに国鉄の幹部の一番頭の痛いところである、正直に申し上げていいと思います。しかし、全体のやはり一つの環境といいますか、選別に当たりましても各個人個人の希望が全く聞けないという状態にならないように、例えば退職金の積み増しの問題等も解決し、あるいは雇用先の様子なども多数あるよというような状況を端的に示しながら、各個人の希望が聞き得るようなそういう状況をつくり出したい。これは国鉄だけではなかなかできないところもございます。政府、地方公共団体、産業界全体等にこれからぜひともお願いを申し上げ、そうした環境づくりを整備いたしながら、できますれば各個人の希望を聞いていくことが一つの理想ではないか、またそういうようなことでぜひともこの難問題を実行していかなきゃならないというふうに考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 これはこれからの問題ですから大変神経を使わなきゃならぬと思うんですが、ぜひとも、一人の首も切らない、不安を醸し出さないという方向で対処をしていただきたいと思うんです。 そこで大臣、私は余剰人員対策の決め手は、これは答申案にも書かれておりますように、国の各機関、それから特殊法人あるいは地方公共団体あるいは既に国鉄に関連をしている各企業、こういうものがどのようにその余剰人員を受け入れるか、これが決め手だと思いますし、ここに書かれておりますように、特に公的部門の国の各機関、政府関係特殊法人、地方公共団体、これらがここに書いてあるように一定割合でその職員を受け入れる、その一定割合を決めることが私は大変決め手だと思うんです。例えば、ここにも書いておりますように年間二十万人の新規採用がある、その中で一五%程度のものをそれぞれが義務的に受け入れるという形のものがとれれば、先ほど触れました選別の問題といい、かなりスムーズにいくと思うんです。その一定割合というものをはっきりする、こういうことが重要だと思うんですが、そのパーセントを一体どのくらいに政府としては考えておられるのか。余剰人員は数は明らかですから、それを受け入れるということになればある程度のものは既に頭に描いていると思うんです。 そしてしかも、この答申案は六十一年の四月の新規採用からそういう一定割合を採用するように検討しなさいとなっているわけですから、来年の四月からということになるわけですからもうわずかの期間しかありません。だからある程度のことが頭にあると、こういうようにこちら自身が想定をしておるわけですよ。これが私は重大な決め手だと思うんですが、その点についての御見解をお伺いをしたいと思います。これからその点も検討していくんだということじゃなしに、ある程度、このくらいのことは考えておるんだということが私はこの時点でお聞きできれば国鉄職員の動揺もかなり薄まるのではないか、こういうように思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(棚橋泰君) 伊藤先生の御指摘のとおり、そこらあたりが一つのポイントでございまして、答申にも、公的部門での採用、それの立法措置というようなことは書いてございます。 御承知のように、現在の法制では、中高年齢者の問題につきましては一定の部分を採用するように努めなければならないという努力義務が課されておりますし、身体障害者につきましては、政令で定める率の採用計画をつくって採用していかなきゃいかぬということになっております。そういうようなことで既に立法例もございますが、ただ、それらの立法と国鉄の場合とが同じようなレベルで論じられるかどうか、これまた立法論としていろいろあると思います。それから、実際に公的部門で御採用いただくためには関係の各省、さらには地方公共団体というところにそれぞれそれに対して御協力、御納得をいただかなければならないというような点もございます。 したがいまして、まことに先生の御質問に対して的確なお答えはできませんけれども、今ここで何%とかそういう数字を持ち合わせているということではございません。政府もそのために政府の雇用対策本部をつくりまして、関係各省、関係各大臣にもお集まりをいただきましてそこらの点について御納得をいただいた上で立法化を早急に、どういう形で行うのが可能かどうかということを検討してまいりたい、このように存じております。
○伊藤郁男君 それではもう時間がございませんので、先ほど来議論になっておりました貨物新会社の問題に関連をいたしまして御質問をしておきたいと思うんですが、国鉄の今日の状況を醸し出した大きな一つの原因は貨物、この業績が非常に悪いということだと思うんです。ところがこの答申案は、まさにこの貨物の問題についてはその青写真を示さないままになっておる。十一月の段階までに政府として考えをまとめる、こういうことになっておるわけですね。だから、私どもから見ましてもこの答申案の欠陥の一つはここにある、こういうように私は思っているんです。 監理委員会のお話を聞きますと、この貨物会社の問題が十一月に先送りされた原因は国鉄当局とのすり合わせがおくれたと言っているわけですね。私の知り得たところによりますと、この貨物会社の問題について国鉄当局としての見解を早い時期に取りまとめてもらいたいということを監理委員会は国鉄に注文をしている、できれば六月くらいの時点にそういう国鉄当局の案を出せ、こう言われていたと思うんですね。これは事実だと思うんです。ところが国鉄が例のいろいろな事情があって、そういうものがありながらおくれたと思うんですが、問題は、国鉄と密接に関連をしている通運会社等々の関連というものが、この貨物会社の青写真をつくる上でその辺のところのすり合わせが十分でなかったのではないかとも思います。しかしこれはもう十一月というとわずかな期間ですが、国鉄当局としてはこうすればいいという案がもう既にできていなければおかしいと思うんですよね。できていると私は思うんです。 そこで、答申案に青写真が出せなかった、国鉄当局とのすり合わせがおくれた、こういうことを監理委員会が言っておるわけですが、その辺の事情はどうなのか。国鉄当局としては既にこの貨物新会社についてはある程度の青写真が私はでき上がっていると思うんですが、もしそうだとするならば骨格程度は示してもいいのではないか。 けさほど来の議論にあるとおり、国鉄改革そのものはまさに国民的な課題であるわけでありまして、そして、私が大臣に冒頭御注文を申し上げたように、今後さらに国民的な意見を、しかも建設的な意見を聞くという機会を十分に持つということからも考えますと、貨物の問題については早急に見解を明らかにすることが非常に必要不可欠なことであり重要なことだと私は考えておりますが、この点についてのお考えをお聞きをいたしまして、私の質問を終わります。
○説明員(須田寛君) ただいま先生御指摘ございましたように、監理委員会から国鉄の貨物のあり方についての御宿題をちょうだいしておったことも事実でございます。ただ、それを詰めまして六月ぐらいまでの段階で事務当局に御説明はいたしたわけでございますが、やや不十分なものに終わったことも事実でございます。と申しますのは、やはり貨物を詰めます際には、先生の今おっしゃいました荷主あるいは物流業者との関係をどうするかということと、それから旅客会社との連携をどうとっていくかということが非常に重要でございましたのですが、その作業の段階でまだ旅客会社をどのようなものにするかという明確なお考えが私どもの方で必ずしもわからなかったということで、それから物流業者とやりますには少し時間的な不足がございまして、やや不十分な結果に終わったことは事実でございます。 ただ、先生御指摘のように、もう十一月まであと三カ月余りしかございませんので、その後も鋭意作業をいたしておりまして、きょうも作業をいたしておる真っ最中でございますけれども、なるべく早く物流業界と密接な連携をとりました案をまとめまして、運輸省ともよく御相談を申し上げ、御指導いただきまして世の中にお示しするに足る立派な貨物会社案をつくるべくこれから努力をいたしたいと思っております。また現にいたしておるところでございます。
○委員長(鶴岡洋君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十三分散会