法務委員会 第6号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/03/08
会議録
○片岡委員長 これより会議を開きます。 お諮りいたします。 本日、最高裁判所山口総務局長、上谷民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○片岡委員長 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、去る二月二十六日質疑を終了いたしております。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 反対の最大の理由は、裁判所一般職員の定員を二名削減する点であります。 下級裁判所における事件増は、裁判官や一般職員に過重な負担を強いるだけでなく、公正な裁判を担保する上で極めて厳しい状況となっております。裁判所職員の大幅な増員が求められているのであります。こうした情勢下にありながら、裁判官を九名増員したとはいえ、一般職員を逆に削減することは到底賛成できるものではありません。 全司法労働組合では、国民のための裁判所にするため、職場の管理職も支持でき国民の支持を得られることを前提に千五百二十二名の増員を要求しており、最高裁事務総長も下級裁判所の人員確保の必要性を認めているのであります。ちなみに最高裁の概算要求は、数年前と比べてぎりぎりに絞ったもので、一般職員の定員を一名増員するというものでした。ところが最終政府案の段階で、事もあろうに全く関係のない公務員定年制の導入を利用して、欠員不補充という名の定員削減という、政府の不当な定員削減にまで協力しました。そして三名の欠員不補充を受け入れ、本案の定員二名削減という結果になったのであります。 これは財政法上、裁判所に与えられた二重予算の権限を最高裁がかなぐり捨てて、政府に追従したものと言わざるを得ず、司法の独立の面からも憂慮すべき事態です。 裁判官が常駐しない簡易裁判所が百四十九庁もあり、地・家裁支部でさえ二百四十二庁のうち九十八庁が裁判官非常駐庁という実態であります。国民と最も身近な関係にある裁判所の分野におけるこの実態をこのまま放置することは許されません。その意味で、判事九名の増員も極めて不十分であることもまた明りかと言わなければなりません。 以上が本法律案に反対する理由であります。 最後に、私は、公正な裁判を確保し、国民の裁判を受ける権利をより保障するために、最高裁が毅然たる態度で必要な人員確保に努力することを重ねて強く政府に要求して、討論を終わります。
○片岡委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○片岡委員長 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○片岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○片岡委員長 次に、ただいま可決いたしました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、高村正彦君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革進共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。高村正彦君。
○高村委員 私は、提出者を代表して、ただいま議題となりました附帯決議案について、その趣旨を御説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府並びに最高裁判所は、最近における社会・経済事情等の著しい変化に伴い複雑多様化している各種紛争事件に裁判所が的確に対応し、適正・迅速な裁判が実現されるよう、特に下級裁判所の施設の充実、裁判官及びその他の裁判所職員の増員、適正な配置並びに執務態勢の充実について、更に努力すべきである。 本案の趣旨については、既に質疑の過程で明らかになっておりますので、その説明は省略いたします。 何とぞ本附帯決議案に御賛同あらんことをお願いいたします。
○片岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 直ちに採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○片岡委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、嶋崎法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。嶋崎法務大臣。
○嶋崎国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、今後とも努力してまいりたいと考えております。 —————————————
○片岡委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○片岡委員長 内閣提出、供託法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横山利秋君。
○横山委員 供託法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 まず第一に、供託法第一条を見ますと「法令ノ規定二体リテ供託スル金銭及ヒ有価証券ハ法務局若ハ地方法務局又ハ其支局若ハ法務大臣ノ指定スル出張所カ供託所トシテ之ヲ保管ス」とありまして、供託をする趣旨、供託の目的というものが法律にはないのでありますが、一体、供託の目的、趣旨というものはどういうものなんでありましょうか。
○枇杷田政府委員 供託と申しますのは、民法その他の規定に基づきまして、国の機関が債務の弁済あるいは保証の担保としてそれを補完をして、そのことによって一定の法律効果を認める制度だというふうに考えております。
○横山委員 私が聞いておりますのは、供託をするということは、要するに民間同士あるいは官と民、それぞれ当事者の争いなんですね、最も多いのは民間同士の争いが多いと思うのですが、その争いに政府が介入をする趣旨はどういう意味であるかと聞いているのです。
○枇杷田政府委員 これはある一定の紛争があります場合に、だれかがその債務の履行としての弁済に当たるものを受け取ることによって、そこで一定の効果を与えるというふうなことが私的な紛争の解決の場合に必要だということでございまして、それを全くの私人に与えるということではその法律的な効果が出てこない、要するに弁済を受領したというような形のものが形式的にも出てこないというところから、国がそのような場合に介入というとおかしいのですけれども、一定の関与をいたしまして、それによって法律的な効果をそこで付与さしていこう、そういう制度だろうというふうに思います。
○横山委員 政府が関与するということは、争いをしておるけれども何とかそれが円満に解決するように、一定の場所というか一定の土俵場というか、あるいは解決しやすいような条件づくりをしてやる、ある意味ではサービスをしてやる、こういうことになりますか。
○枇杷田政府委員 おっしゃるような趣旨であろうと思います。
○横山委員 供託によって国が一生懸命にお世話をしておるわけですが、供託事務をしておる人の数、その年間予算、それはどのくらいになりますか。
○枇杷田政府委員 法務局で供託事務に専従しておる職員が約二百四十名おります。そのほかに支局等で登記その他の事務と兼業的に扱っている職員の延べ人員が約五、六百おろうかと思います。これははっきりした数字はつかめませんが、合計いたしまして八百人程度の者が供託事務に関与していようかと思います。それらの職員の人件費、それから物件費等を合わせますと、年間約三十九億程度の経費を支出しているというふうに考えております。
○横山委員 三十九億、まあ考えてみれば、国民間あるいは官と民との紛争の土俵場づくりに対して大変なサービスをしておるということは、私は国としてはいろんな制度があるわけでありますが、供託事務というものは実に大変なサービスだと思うのです。 さて現在の法律を調べてみますと、その第一条ノ三「供託官ノ処分ヲ不当トスル者ハ監督法務局又ハ地方法務局ノ長二審査請求ヲ為スコトヲ得」とあります。そして四では「審査請求ハ供託所二審査請求書ヲ提出シテ之ヲ為ス」、五は「供託官ハ審査請求ヲ理由アリト認ムルトキハ処分ヲ変更シテ其旨ヲ審査請求人二通知スルコトヲ要ス」とあります。これを見て私は異様に思うのですけれども、私がこの処分が不当だと思って「法務局又ハ地方法務局ノ長二審査請求ヲ為スコトヲ得」と、おまえのやっていることは間違っているよと言って局長に審査請求をする。ところが第一条ノ五で突如として「供託官ハ審査請求ヲ理由アリト認ムルトキハ処分ヲ変更シテ其旨ヲ審査請求人二通知スルコトヲ要ス」となる。これは私は局長に審査請求を求めたのに、供託官が途中から、おれがまず判断してやると言って、なぜ途中から横やりを入れて出てくるのですか。どうしてこういう法体系になっているのですか。
○枇杷田政府委員 供託官と申しますのは独立の官庁でございまして、上級庁として供託法で法務局長または地方法務局長が定められておりますけれども、供託官の処分それ自体は供託官でなければ直せないという性質のものでございます。したがいまして、もし法務局長、地方法務局長が審査請求に理由ありというふうに考えましても、直接みずから受理だとかあるいは払い渡しの認可だとかという処分をするような立場にはないわけでございます。そういうふうなこともございますし、また時間的にも早く処理がつくようにということも考えまして、そこでまず処分庁の供託官のところに審査請求書を出してもらう。そこでいわば供託官が、なるほど言われてみればそうだったという再考の機会を与えまして、そこでもっともだということならば、直ちに供託官は従前の処分を取り消して審査請求を受け入れるような結果を生じさせるということにするのが適当であろうということから、供託の処分につきましては原処分庁を経由するというふうな態度をとっておるわけでございます。 そのような例は登記についてもあるわけでございまして、登記法でも処分をした登記官のところを経由して法務局長、地方法務局長の方に出すというふうな仕組みになっておるわけでございます。
○横山委員 登記がどっちになろうとそんなことは関係ない。もしそういう反論をするならば、僕はほかにもそうでない例があるということを幾らでも申し上げる。 大臣、法文をごらん願っていますか。持っていらっしゃいますね。大臣、民事局長は自分が担当者だものだから一応説明せざるを得ぬでしょう。客観的な常識論を私は言うのです。第一条ノ五は要りません。第一条ノ六にいきなりきていいのです。「法務局又ハ地方法務局ノ長ハ審査請求ヲ理由アリトスルトキハ供託官二相当ノ処分ヲ命スルコトヲ要ス」、いきなりこれにきていいのです。供託官に直させるという権限を一条ノ六で持っているのですから、一条ノ五は必要がないと私は言っているのです。 なぜそういうことを言うかというと、第一供託官は、これは白だ、これは黒だと決めた人なのです。決めた人におまえのやっていることは間違っておると言えば、何が間違っているんだと自分をまず弁護する立場になるのは当たり前です。白を黒だとか、あるいははっきりしたことなら、これは間違っておったと言うことができるけれども、争いのある問題について自分が判こを押したことを間違っておると言われれば、何をという立場になるのは当たり前です。ですから、一条ノ三で局長に審査請求をしたのだから、その局長が一条ノ六で自分が客観的に判断して、これは間違っておるぞ、供託官、おまえはこれを直せと相当の処分を命ずることをさせるというのが当然ではないか。供託官が自分で判こを押して、自分のやったことは間違っておったといって直すという仕掛けというのは、同じ穴のムジナがどうしてそういう客観的な判断ができるか、私の立論の趣旨はこうなんですよ。 民事局長は登記に例があると言うけれども、しかし税の方では国税不服審判所というものがあるのですね。それは税についての不満があったら客観的判断をする国税不服審判所へ持って行きなさい。それは、国税局長と対等の権限を持っている人です。その人が客観的判断をするということになっているんですよ。だから、登記法に例があるからこれは当たり前だではなくして、この際法案審査でございますので、なるほどそうかという気持ちに客観的に判断をしてもらわなければいかぬと私は思うんです。法務大臣、どうお考えですか。——いやいや、法務大臣が来ている。民事局長の言うことは決まっておる。民事局長は立場上そう説明せざるを得ないのだから、法務大臣として客観的答弁をしてもらいたい。あなたは同じ穴のムジナなんです。
○嶋崎国務大臣 今、例を国税に引かれましたけれども、国税も御承知のように従来は税務署長が再調査の権限というものを持っておりまして、そこで処分をしたという経緯があったわけでございます。そういう手続の系列を踏んでおるものだと私は思っておるわけでございます。
○横山委員 それは説明になりませんよ。気を楽にして——私は法律改正論ではある。けれども、今直ちに修正案を出そうと思わない。イデオロギーの問題でもない。今後検討すべきことではないかという立場で言っているんですから、そんなに民事局長をかばってやらなければならぬというような気持ちは捨てて、なるほど横山さん、あなたの言うのは筋が通る、これは一遍預からしてくれ、こう言うべき立場の問題ではないか。 もう一遍言いますけれども、供託官が自分のやったことに対して、国民からそれは間違っておるといって局長に審査請求するんでしょう。局長に審査請求したものを、供託官がそれは待て、局長が判断する前におれが判断するとこの文書を取り上げるんですよ。供託官に審査請求するんじゃないですよ。局長に審査請求したものを取り上げて、まずおれに判断させろというのはおかしいではないか。局長が判断して間違っておったら、おまえ、これを直せと供託官に命ずるという一条ノ六だけでいいではないかと言うんです。わかるでしょう。もっともでしょう。一遍ひとつ検討さしてくれとおっしゃれば、次に移ります。——いかぬよ民事局長は。おまえさんに質問しておるのじゃないんだよ。
○片岡委員長 それでは、まず枇杷田局長から。——枇杷田局長。
○枇杷田政府委員 行政不服審査法におきましても、審査請求書は原庁をも経由することができるということになっております。 それで、実際の審査のやり方からいたしますと、上級庁はいきなり審査書の提出を受けましても事情がわかりませんので、いずれにしても原処分庁の意見とか、あるいはどういういきさつであったかということは調査せざるを得ないわけでございます。供託の場合には、それを必要的に原処分庁に出させるということにいたしておりますけれども、その際に原処分庁の方では再度の考案の機会がそこにあるんだから、まあさっきおっしゃったように自分で判こを押したんだからひっくり返すことはすまいという、人間の心理としてはそういう面があろうかと思いますけれども、しかし法律に基づいて仕事をするという立場にある者でございますから、したがってなるほどと気がついた場合には、これは何も上級庁の方に送り込まないで自分限りでまた取り消してやるという道があってもいいではないかという意味で、理由ありと認めたときには処分をするということをそこでさせておるわけです。そして、なるべく早く上級庁の方に審査請求書を回さなければなりませんので、五日以内に回す、そしてそのときには意見とか事情とかを添えてやる。そういう仕組みにしておるわけでございまして、私はそれはそれなりで一つの合理的な制度ということが言えようかというふうに考えております。
○横山委員 仮に、百歩譲ってあなたの言うとおりだとしたら、一条ノ三は、供託官の処分を不当とする者は供託官に対して審査請求をすることができる、それならわからぬではない。けれども、私の言う同じ穴のムジナ論はちっとも消えない。これは人間ですよ。自分のやったことに対して文句を自分に言われたら、まず弁解するのが当たり前だ。普通だ。ああ大変恐縮でございますと、一遍気を新たにして、それじゃひとつもう一遍念を入れて検討しますと言う人はないですよ。だから私は一条ノ六で、局長が審査請求を理由ありとするときでもやはり供託官を呼んで、おまえのやったことに文句が出ているがおまえの言い分はどうかと聞くに決まっています。聞いたその上で局長の客観的判断をしていいではないか。一条ノ三がなければこうも言いませんよ。また、一条ノ三で供託官に審査請求をしろというなら、それもそうも言いませんよ。けれども、この一条ノ三、四、五、六は矛盾撞着の条文である、こういう論理です。わかりましたか、大臣。
○嶋崎国務大臣 ただいまの御質問でございますが、税の場合でも再調査と審査というような段階がありまして、原処分庁で整理をして、それで審査請求になりますと、今御指摘のように不服審判所というところで処理をするというような形になっておるわけですね。 私は、実態を、もっとよく突っ込んで供託制度の内容を検討してみなければ決定的なことはお話しできませんけれども、入り口が変わっておるというところは、いろんな整理をする場合の段取りとして別口で考えておるという——事実その供託官になっておられるというような形になってきますと重複になるのかもしれませんけれども、そういう手続を経て審査請求の処理をきちっとやるような手続にのせていく。そして、供託官が本当に間違いがあるとなったら、早くその訂正をした方が処理がスムーズにいくという現実があるとするならば、今の制度でもいいのじゃないかというふうには思いますけれども、御指摘のように今後の制度としてどういう姿がいいかどうかということは、もう少し実態を見て判断をさしていただきたいというふうに思っております。
○横山委員 実態論で言っているわけじゃない、法理論として私は言っているんです。実態論は後で聞きますけれども、法理論としてこの一条ノ三、四、五、六はおかしいと言っているんです。法体系としておかしいと言っているんです。矛盾があると言っているんです。その根底は、同じ穴のムジナが審査するということが根本的に間違いであるということ、これが一つ。もう一つは、恐れながらと局長に訴えたものを何で局長が第一義的に判断をしないか、その法体系がおかしいと言っているわけです。 これは民事局長、全然一考にも値しないのか。あなたが先制攻撃をするものだから、大臣の答弁はあなたに気兼ねしておるんだが、あなたは専門家だから私の言うことは一番よくわかっておるだろう。あなたは本当に矛盾を感じないかね。そうしたら何か法務局で困ることがあり得るかね。局長に恐れながらと訴えたものを、局長が判断する前に供託官が第一義的に判断しろという体系というものはおかしい。局長がもらったら、おい、ちょっと来いと言って、こういう文書が出たけれどもおまえもう一遍よく意見をおれに聞かせるというのが当たり前のことではないか。だから一条ノ六だけでいいではないか、これが普通ではないか、そういうことなんですが、どうなんですか。
○枇杷田政府委員 行政不服審査のやり方につきましては、いろんなやり方があろうかと思います。したがいまして、ただいま御指摘のように原処分庁といいますか、供託官のところを通らないでいきなり法務局長のところに審査請求書を提出させるということも、これも一つのやり方だろうと思います。ただ、法務局の登記とか供託とかという仕事は従前の裁判所の事務を引き継いでおるという経緯がございまして、そういう面で、裁判手続とすればいわば原裁判所に異議の申し立てをして、そこでなるべく早く再度の考案によって処理をするというふうな仕組みがあるわけでございます。 そういうふうなことを受け継いで、早く原処分庁で再度の考案をして処理ができるものならいいだろうというふうな形でできているものでございますが、ただいま御指摘のような形のものも、それは一般の行政不服審査としては通常のあり方だろうと思いますので、どちらがいいか、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、実態上の問題とも絡み合わせまして研究課題とはさしていただきたいと思います。
○横山委員 余りくどくは言いませんけれども、理論上また法律形態上これは検討課題であると強く申し上げておきます。 それでは、審査請求は今日までどのくらいあって、どのくらい却下したか、その却下の理由は何であったか、ひとつそれを報告を願います。
○枇杷田政府委員 過去三年の統計を見ておりますと、各年次とも審査請求は四件ずつ出ております。その結果はいずれも棄却ということになっておりますが、内容を全部私承知しておりませんけれども、二、三例を申し上げてみますと、まず弁済供託の受理決定に対しまして被供託者の方から、そういうような供託のもとになりました供託原因がそんなようなことはないんだ、したがって、架空のことであるから受理すべきではないというような形の審査請求が出されたケースがあります。これにつきましては、供託官は形式的な審査で供託書に書かれました供託原因自体が筋が通っていればそれで受理をするものであって、実態上供託原因が存在するかどうかということについては判断が及ぶものではないということで、却下をいたしました。それは、そういうことで処理をするのが供託上は当然なんだということで、不服審査についての棄却をいたしております。それからまた、受理を却下されたような事案につきましては、例えば弁済期を過ぎて供託をするのに、弁済期経過後の遅延損害金といいますか、違約金といいますか、そういうものが含まれた供託をされていないから、債務の本旨に従った弁済とは言えないということで却下した事案についての不服審査については、これはそのとおりだということで棄却になっております。そのほかにもそれに類したようなケースが出されて、いずれも棄却になっておるというふうに承知いたしております。
○横山委員 一条ノ五で審査請求を理由なしと認め、一条ノ六で長が審査請求を理由ありとした例はどのくらいありますか。
○枇杷田政府委員 そのようなケースはございません。
○横山委員 国民として長に出した、ところが、途中で供託官がそれを理由なしと認めた、供託官は理由なしと認めたものを局長に出した、局長がそれを理由なしと認可した、こういう例ばかりであるというわけですね。国民側から立ってみれば、局長に出したものを供託官がだめだと言ってきた、もう一遍出してやろうかといっても面倒くさいからまあ仕方がないわというふうに思うかもしれぬ。しかし何となく国民としては、そんなことを言っておれが局長に出したものを局長は何と思っておるのかしらと思うでしょうね。局長に審査請求をしたものに対して、供託官からおまえはだめだと言ってきた。おれはおまえからもらうつもりはない、法律の第一条ノ三で局長に出したのじゃないか、何で局長から返事くれぬということの矛盾はどうお考えですか。
○枇杷田政府委員 供託官は経由するだけでございますので、最終的な審査請求のいわば裁決は局長がするわけでございます。もし途中で供託官が審査請求が理由ありというふうに判断すれば、そこで前の処分を取り消すということでございますので、いわば審査請求のもとがなくなるということになるわけで、その点は審査請求人の方でもそれほど奇異は感じないのではないかというふうに思います。
○横山委員 奇異は感じないと言ったって、法律に基づいて局長に審査請求したものを、局長から何の返事もなくて供託官から返事が来た、一条ノ三に基づいて局長に出したものを局長から返事をくれぬのはおかしいよという論理は成り立つでしょうね。これは供託官が自分の権限だというならば、局長の判こと、そばに供託官の判こと、両方あるのも私は適当ではないかと思うのですけれども、ここでもやはり供託官のやったことに対して、実際問題として局長はめくら判で、おおそうか、おまえのやったことは間違いないな、はいはいと言って判こを押して、自分の責任というもの、局長の責任というものを行使をしない。したがって一条ノ六は空文になる。恐れながらと訴えて局長にしろと言っておいたものですから、もう少し供託法の審査請求のポイントである局長の責任というものを明白にすべきではないか、こういうふうに私は思うのです。 それからこの審査請求と行政不服審査法との法律的関係はどうなりますか。
○枇杷田政府委員 行政不服審査の問題でございますので、原則的には行政不服審査法の規定が適用になりますけれども、ただそこで、供託に関する行政不服審査についての特例を先ほどおっしゃいました一条ノ三以降に書いておって、その意味では修正をされておるということでございます。
○横山委員 この種の問題で裁判で問題になった裁判例はございますか。
○枇杷田政府委員 供託官の処分に関して争訟になったケースはかなりございますけれども、今の不服審査のやり方についてどうかという、その点が争点になるというふうな事件はございません。
○横山委員 供託官の処分に関してなった裁判例はどんな話題でございますか。
○枇杷田政府委員 これは有名なのが、昭和四十五年の最高裁の大法廷判決で取り上げました時効の関係をどう判断するかということで、供託官が弁済供託の場合に供託時から十年たてば時効が完成するというので払い渡しを却下した事案について、その却下処分を争うという事件がございました。そのほかいろいろな却下処分についての事件が幾つも出ておりまして、現在でも四件ぐらい係属中だというふうに承知いたしております。
○横山委員 そういう、あなたの方は当てにならぬで裁判所に訴えるという事案になっておることに、私が先ほどからくどく言っておるような点からいっても、審査請求のあり方についてはもう少し考えるべきではないかと思いますが、さて、この法案は昭和五十六年十月ごろの当法務委員会であらゆる角度から議論がされた問題でございます。今記録を見直しておるわけでありますが、前回法案審査の際に各党、各委員から問題になりました点について、本法案を作成をする機会に民事局長はどういうふうに問題点の整理をなさいましたか。
○枇杷田政府委員 いろいろな問題がございますけれども、一番大きく取り上げましたものが保証とか供託とかというような、殊に営業保証に関する問題でございますけれども、そういう問題について各法律がまちまちではないか、そういうものを整理したらどうだろうかというような点が中心であったろうと思います。現行法の制度としてはそういうところが問題だ。そのほかいろいろ問題がございますけれども、私どもも供託法自体がかなり古い法律でございますので、全面的に見直しをしなければならない法律だろうということはかねがね考えておりますけれども、ほかに民事部所管の緊急に改正をしなければならない法律がたくさんありますので、まだそこまで十分に手が届いておりませんし、またただいまの営業保証の関係につきましてもなかなか各省庁分かれておりますので、それがうまく話をまとめるというふうな段階に至っていないということでございまして、結果的には前回の御審議の際にいろいろ提起された問題がまだ未解決のままの状態に置かれておるということは、率直に認めざるを得ないと思っております。
○横山委員 前回の法案審査の際にはいろいろな角度で議論をされたのですけれども、今回提出されました法律案は極めて簡単で、利子をやらないこと、また延期させてくれという簡単な法律であります。大変私は残念だと思うのです。これだけ膨大な記録があって各委員からさまざま指摘されたことが、今のお話によれば、全面的改正をしなければならぬけれども、各省にまたがることもあるので、今回は利子を支払わないことを継続するからよろしく頼む、ということは国会の軽視である。本来ならば、問題になりました諸点についての討議の結果、経過、そういうものを全部出して、こういうわけだから結論はまだ得ないけれどもよろしく頼むというならわかりますけれども、言葉一片で、えらい済みませんけれども、ひとつ利子だけ取らぬでこの法律を通してくれというのは、私は国会の真摯なる討議をまことに軽率に扱っておる証拠だと思いますが、いかがですか。
○枇杷田政府委員 結果的には現在まで十分な検討が進んでおりませんので、何もしてないというふうな形になろうかと思いますけれども、内部的にはいろいろな面で研究はいたしております。利子の関係につきましても、何か財政の状況に左右されないといいますか、安定した形でのものができないだろうか、供託制度全体についての見直しができないだろうかということは、前の御審議の際にも御指摘を受けましたし、私どももそれは一々考えておるわけでございます。ただ、何分にも供託法の全面的な見直しということになりますと大作業にもなりますので、まだここでお答えをするような検討のまとまったものはございませんけれども、私どもも別に問題意識が全くないというわけではございませんで、むしろ民事部で抱えておりますいろいろな問題を一つ一つ解決するという過程の中で、供託法も見直していこうという気持ちは十分に持っておる次第でございます。
○横山委員 もう無責任だと思いますよ。まずその中で一、二前回話題になりましたことを取り上げてみましょう。 最高裁判所にお伺いしますが、民事執行法に準拠して最高裁規則でボンド制度がつくられておる。これは要するに、供託をするときに銀行と保険会社のみはボンド制度でよろしい、あとの相互銀行とか信用金庫とか信用組合とかそういうものはだめだという指摘に対して、将来ほかの金融機関を広げるということは課題だというふうに明確に御答弁になっていますが、その後の研究課題はどうですか。
○上谷最高裁判所長官代理者 前回の供託法の改正の際に私どもの前任の民事局長が答えておりますとおり、この点は確かに委員の御指摘のとおりだと考えまして、私どもといたしましてもその後の実際の扱いの実情を注目してまいりました。 ちなみに最近の数字を申し上げてみますと、これはいわゆる民事執行事件では利用されることは非常に少のうございます。むしろ保全処分の保証金を債権者が供託する分野でかなり利用率がふえてまいっておるようでございまして、例えば東京地方裁判所の民事第九部、保全部でございますが、こちらのお取扱事件で見てみますと大体一五%前後がいわゆるボンドを利用するというふうに、かなり利用率が高くなってきているという実態が明らかになってまいりました。したがいまして、この点につきましては、実は私どもも最近具体的に案を検討いたす段階に入っております。確かに銀行及び保険会社に限る必要は必ずしもないのではないかというふうに私どもも考えております。 ちょっと念のために申し上げますと、先ほど相互銀行が外れるという御指摘でございましたが、私どもの解釈といたしましては相互銀行は入る扱いでございます。そのほか、どのような金融機関にまでこれを広げていくかということにつきまして、例えば各省庁のお取り扱いの事情であるとかそういうようなものを、今鋭意私どもとしては材料を収集している段階でございまして、近くこの問題について各方面の御意見も伺いながら、早い段階で結論を出すようにしたいと思います。鋭意検討を進めておりますので、その点は御了承いただきたいと思います。
○横山委員 そんなことは、私が質問を通告したものだから慌てて鋭意、鋭意と言っていますけれども、これを質問したのは五十六年十月二十七日ですよ。そのときに長官代理者として「したがいまして、代表的な金融機関に支払い保証を委託するという制度をとったものと思われます。将来、いま御指摘の金融機関、そのほかの金融機関等の支払い保証委託まで広げていくかどうか、一つの課題であろうとは思います。」ごもっともでございますという立場に立って三年半、給料もらって何をやっておったのですか。こんな簡単なことが三年半もかかることですか。質問があったので慌てて答弁材料をつくったんじゃないですか。
○上谷最高裁判所長官代理者 御質問があったからというわけではございません。昨年から私ども内部的に既に検討を始めておるところでございます。
○横山委員 昨年からならもうここでもう少し具体的な、どことどこを広げる、そしていつからそれはやる、そのくらいの答弁ができておらなければうそじゃないですか。
○上谷最高裁判所長官代理者 確かに三年たっておるのにと言われればそのとおりかもしれません。(横山委員「そのとおりです、三年半だ。サボっておったんじゃないか」と呼ぶ)決してそうではございませんで、確かに御指摘の御意見はごもっともでございますので、例えば信用金庫であるとか、そういうふうな間違いのない金融機関をこの際規則を改正して広げていくということについて、今具体案を実際に私どもで検討いたしております。現に例えば信用金庫の協会等からもそういう点を考えてほしいということは昨年度にも言ってまいっておりまして、私どももその点は検討いたしますということを約束しておるところでございますので、できるだけ早く結論を出すようにしたいと思います。
○横山委員 もう三年半待つのは嫌です。いつごろまでにできますか。
○上谷最高裁判所長官代理者 期限を切られますと、いつまでにというのは非常に言いにくいのでございますが、できるだけ早くということで御了解いただきたいと思います。
○横山委員 この次に法案審査になったときに結論がついでなければ、本当にこれは国会軽視だと怒りますぜ。そのつもりでおってください。 それから、保証問題で例えば互助会保証会社、銀行等の保証、外国保険事業、原子力事業、船主保険株式会社の特例、不動産業者の保証供託、旅行業者の供託等、供託のあり方について横並びが極めて不十分である。一体だれが責任を持って横並びの供託の水準の統一性を図るかと言ってさんざんお話を聞いたら、最後に奥野法務大臣が「ここで私が統一を図りましょうと積極的に申し上げることは困難だと思うわけでございますけれども、いま大変貴重な御意見をお述べいただいたわけでございますので、こういう議論があったことを、いずれまた供託問題について法務省としても考えなければならないわけでございますので、関係各省に連絡をしたい。そして逐次関係各省において十分御検討いただかなければならないと考えておりますので、そのような努力はしたいと思います。」こう言っておる。私の聞いたところでは、どうも何にもやっておらぬ。 だから、大臣の答弁というものは一体どういうものかなとここで考えるわけですよ。各省の意思統一を図る責任が一体法務省にあるのかないのか、それは私はわからぬ。けれども、それでもやはり強言汗のごとしということがある。大臣というものは、ここで抽象的なことを言ってそれで事をおさめておくという仕事がなということを私は考えるんです。これは大変各省にまたがることだから面倒くさい。しかも、余り得なことでもない。国民に直接裨益をもたらすことでもないけれども、それにしても、法案を通すために大臣が最後に適当なことを言って、まあまあ人情論でひとつ頼むよと言ってこれは済むことか、大臣答弁というのはそういうものなのか。大臣、奥野さんの言ったこと、どう思いますか。
○嶋崎国務大臣 大臣の答弁というのはそういうものであってはならないともちろん思っておるわけでございまして、今後ともそういう問題につきましては、鋭意研究を進めるように段取りをつくっていかなければいけないというふうに思っております。
○横山委員 それを聞いて、民事局長は汗を流しながら答弁なさいますか。
○枇杷田政府委員 各省が所管しております業法についての問題でございますから、私どもが直接どうこう言うという立場にはございませんので、大変やりにくい問題であることは御理解いただけると思いますが、供託という方式をとってくるものについては、過去三年の間にも一定のものにするというふうなことで合議がございますので、そこでは努力をいたしておりますけれども、それを供託という形をとらないで保証でやる、しかもその保証の仕方がいろいろあるというふうなことでございますと、私どもは必ずしもそれを知り得ないというふうな関係にもございまして、法制局も前回の御審議の際にも答弁をいたしておりますので、法制局にも気をつけてもらうようにということはかねがねお話はしておりますけれども、今後もそういうような点を通じてなるべく足並みをそろえていくような方向にいくようには、機会あるごとに申し入れをしたいというふうに思っております。
○横山委員 前回は、各省の担当者を全部そこへ集めて、よく皆さんの前で言って、それを集約して、法務大臣から一遍整合性を考えましょうということになっておる。なっておるけれども、しかし今民事局長の言うように、私の仕事とは必ずしも思えぬ、私の権限だとは必ずしも思えぬということですね。それなら、大臣答弁というものは一体どういうものだ。法務大臣が、各省に法務省に従えとここで言っておしまいなのか、今後そういうふうに理解すべきなのか。こんなことでは私は困るのですよ。何のための質疑応答で、何のための大臣答弁が、困るんですよ。だから、今後こういうことが、大臣が答弁しても結局は答弁の議事録に終わるだけで何にもならぬものだということになれば、そのようにこちらは考えなければならぬ。きりきり舞いさせるような、そういう抽象的な大臣答弁で終わらないで、各省一人一人、ここでおまえはどうか、おまえはどうかと言って法案審査にえらい時間をとらなければいかぬ。いや法務大臣がそう言ったんだから、各省はその意向を体して、それじゃひとつ民事局で取りまとめをしてくれるかとか、あるいは法制局がそれじゃ私の方でやりましょうとか、こういうふうにきちんと締めくくりを政府内部でしてもらわなければ、私どもは法案審査をする上で非常に支障を来す。 これはもう大臣、今後緒言汗のごとし、一遍自分がここで言った以上は政府部内を督励してきちんとしてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○嶋崎国務大臣 御指摘のような気持ちで整理をさせてみたいというふうに思っております。
○横山委員 次は、供託の利子はしばらく付さないから勘弁してくれという法律案で、私ども前回も、そんなことは国民の権利を阻害するから、またいろんなところで支障があるからと言って反対したんですが、もらった供託金に利子を付さないということと同時に、もう一つ問題は、先ほどお話によれば全国で約八百人、三十九億円の国費を投じて供託の事務をやっておるという。何のためにやっておるかというのが、最初の私の質問です。それは国に何の利益もない。国民のけんかを、供託によって十分土俵場をつくってやるから、そこで話をしてくれという条件づくりのために三十九億円出す。供託というのは、全く国民に対する無料サービスですね。これほど行革のときに、国費をひとつ節約しろとか、あるいは登記所が一生懸命に人が足らぬと言っておるときに、思いを新たにして考えてみるときに、三十九億円無料サービスをするという必要性というものはちょっと考え直す必要——野党の私が言うのもちょっとおかしいんだけれども、考え直す必要がありはせぬか。これは特定の国民同士の争いですわね。銭よこせ、よこさぬ、何だ、けんかだ、それじゃけんかのために供託をしていくという国民同士の争いが主ですね。そこへ三十九億円金を投下して条件づくりをやる、無料でサービスをしてやるというのはちょっとおかしいじゃないか。無料でサービスといったって、あなたの金じゃないですからね。国民の税金だ。何の関係もない人たちから税金を集めて、けんかしておる二人のために三十九億円無料サービスするというのは、ちょっと考えてみるとおかしいと大臣思いませんか。
○枇杷田政府委員 確かに一つ一つの事件を見ますと、私人間の紛争についての一つの解決の場を与えるということでございますけれども、そういうような場を与えることが、国民全般のいわば司法秩序というものを維持していくという面では意味のあることだろうと思います。そういう意味では、訴訟などもそういうふうなことになろうかと思います。ただ、それだからといいましても、具体的には各紛争の当事者というものの利益ということになるわけでございますので、考え方としては手数料をとるとかいうようなことも十分に考えられる、そういうものではあろうと思っております。
○横山委員 三十九億円放出して、ただで私人間の争い、その中にはキツネとタヌキの争いみたいなことがある、中には片一方が正当で片一方がひどく悪いこともあるけれども、いずれにしても金銭の争いだ、不動産の争いだ。そういう私人間の争いを、何で三十九億も無料サービスをしてやらなければならぬのか。供託法というものの精神は一体何だということを私は考える。民事局長は法秩序の維持だとかなんとか言いましたけれども、関係のない国民がなんでそんなことに協力をしなければならぬのか、キツネとタヌキの争いが多いとしたら。そう思うと、ただでなくて、供託手数料という問題が考えられてしかるべきではないか。 ただ、私がそこまで言って、はたと思いますのは、家賃値上げの問題ですね。大家が一万円の家賃を二万円にしたいと言ってきた。借家人法があり、あるいはまた借家人が零細な人たちだから、それに抵抗する。抵抗するために、じゃ今までどおり一万円を供託しておこう。それが五年続くか十年続くか知らぬけれども、しかし供託について利子はついておった。その利子というものと手数料との関連というものを考えなければならぬのですけれども、そういう借家人紛争というような問題は別の角度で考えてもいいと思うのですが、有価証券の供託の問題などというものは、これはただでやっている必要はないではないかと思うのです。 これは稲葉さんの論文ですが、「供託の法制上の諸問題」上巻です。 現行制度で特に問題となるのは、有価証券の供託の手数料である。有価証券の供託は、供託有価証券寄託書の作成をはじめ、利札の管理・払渡等金銭供託より面倒な事務が多い。その保管自体も金銭供託の場合のような消費寄託ではなく、特定物の寄託になるから厄介である。しかも、国でこれを運用して利益をあげるという余地は全くない。これについては当然、手数料をとるべきであろう。ただ、この場合の手数料の体系をどのようなものにするかは問題がある。 こう書いてありますね。あなたの部下が書いたらしいな。これは一体どう思いますか。
○枇杷田政府委員 私どもも、有価証券の供託については手数料を取るということは十分考慮に値することではないかというふうに考えております。立法例といたしましても、西ドイツなどでは手数料を取っておりますし、今後そういう問題も含めて供託のあり方というものを全面的に洗い直しをしなければならないだろうということで、先ほど申し上げましたように供託制度全体について考えていかなければならない。その一環として、有価証券は少なくとも手数料を取るかどうかというふうなことは十分に研究しなければならぬ課題であろうと思っております。
○横山委員 さらに言葉を続けて稲葉さんは、払渡しについても手数料を徴収することが全く考えられないわけではない。 供託金元本あるいは供託有価証券自体の払渡しについては供託の手数料を徴収するとすれば、これによって賄われるといえないこともないが、元本払渡しとともにしない利息払渡しや利札請求については別に手数料を要求することも考える余地がある。 なお、閲覧や供託証明の制度を創設した場合には、これについても手数料の徴収を考えるべきであろう。 この前も手数料についての質疑応答がありました。中島政府委員は「今回はそういう点の検討ができませんでしたので、今後慎重に検討してまいりたい、このように考えております。」これも懸案になっている。これも一体三年半ほうりっ放しかね。
○枇杷田政府委員 実はこの三年の間に、当時の委員会で御議論になりました特別会計にしたらどうだろうかとかいうようなこと、それから手数料を整理したらどうだろうかというふうなことも含めまして、いろいろ検討は加えてまいりました。ところが、いろいろな意味で問題がございますので、現在のところ、これならばうまくいけるだろうというふうな成案を得ておらないところでございますが、今回の法案で六年間の延長をお願いをいたしておりますが、その間には何かの方法を考えざるを得ないだろうというふうに思っております。
○横山委員 これは私は、鬼が六遍笑ってから答えを出す、こんなことでは困りますな。そんなことで私がはあそうですかと言って議事録に残していくというのは私としても耐えられぬことであるから、早急にこれはやってもらわなければ困ると思います。 それから、その次に「営業保証金として供託することができる有価証券の種類及び価額一覧表」というものがここにございます。それから、ある出版社が出しました「各裁判所の有価証券担保率一覧」というものがございます。これを見まして、裁判所で有価証券の担保として取る場合の担保換価率がまことにばらばらであるということに驚いたわけであります。何でこんなことになるんでしょうか。 例えば例を国庫債券に引いてみましょう。こちらの一覧表を見ますと、国債証券は宅地建物取引業では百分の百、それから積立式宅地建物販売業では百分の九十五となっています。こちらの方の一覧表では、国庫債券は、東京地方裁判所では額面の七割ないし八割五分、横浜で八割ないし九割、水戸で七割から八割、宇都宮で七割から八割、名古屋、私のところは、国庫債券は額面どおりになっておるな。金沢では七割、山口では額面の七割ないし八割。国庫債券というのはそんなものですかね。裁判官の判断で、百万円の国庫債券を持っていってもあかん、これは百万円として通らぬ、名古屋では百万円で通るけれども、おれのところは七割から八割五分しか通さぬ、こんなことはどういうわけですか。
○上谷最高裁判所長官代理者 委員もよく御承知のとおり、有価証券を幾らの金額で換算するかというのは裁判所が決めるいわゆる裁判でございますので、実は私どもの事務当局の立場としては非常にお答えしにくいわけでございますが、確かに換価率が各裁判所によって扱いが若干違っているというところはあるようでございます。全国的に見まして、正確な統計を別にとっておるわけじゃございませんので正確な数字で申し上げることはできませんが、大体七割ないし八割程度の金額で見ているところが多いというのが実態であることは今おっしゃったとおりでございます。 なぜこういうふうになっているかということは、これは個々的にはそれぞれの裁判官のお考え方でございますので一つ一つを調べるわけにはまいりませんが、たまたま東京地方裁判所でどういうふうな一般的な考え方で処理しておられるかというところは、聞いてみましたところ、やはり昭和五十五年前後のことのようですが、国債の市場価格と申しますか、それがかなり下がった時期があったようでございます。そういうふうな経験がございましたので、国債にあっても必ずしも満額で取るわけにはいかないというふうなお考え方で、例えば七割ないし八割というふうな金額で換価率を定めておられるということのようでございます。ただ、これはほかの行政庁等で行われます供託と、例えば民事の保全処分におきます保証金とはかなり性格が違う面があることをひとつ御理解いただきたいと思います。 具体的には、当該事件の損害賠償の担保として具体的に債務者に生ずるかもしれない権利の保障という意味がございますので、一般的な保証とは違って、当該事件の債務者を十分保護してあげなければならないという配慮がございまして、若干、ほかの場合に比べて裁判官が換価率を考える場合に厳しくなるという向きがあろうかと思います。国債等につきましては、例えば償還時期がいつであるとか、あるいはまた利札がついておるかどうかということもいろいろ勘案して決められますので、個々の事例について幾らということは必ずしも統計的には申し上げられませんですが、ごく一般的な基準から申しますと、先ほども申しましたとおり、大体七割から八割という基準が多いわけですが、その基準のもとになっているお考えというのは、先ほど説明したようなところを勘案してなされるのが通常のようでございます。
○横山委員 どうにもわかりませんな。その御説明はわからぬ。裁判官の判断によるといったって、国債がA裁判官は七割だという。B裁判官が七割だという。そんなことを、裁判官が経済的に今の国債の状況なんかそんなに判断ができるものでしょうか。これは極めて技術的なことである。しかも国債というものである。国が出しておる国庫債券である。それを国が、裁判所は別格だとしても、それは額面どおりにいけないよとけちをつけることがおかしいんじゃないか。こんなことぐらい最高裁判所で、有価証券の担保率は科学的に、経済的に統計をとって、大体最高裁判所としては換価率、担保率はこのくらいだと考えるというものが出てしかるべきである。それを出すと裁判官は怒るかね。おれの仕事をとってしまって最高裁が画一的に家庭裁判所みたいなことをやりやがると言って怒るかね。怒る筋合いのものかね。
○上谷最高裁判所長官代理者 何しろ中身が裁判なものでございますから、直接このようにという指示は私どもとしてはするわけにはまいらないわけでございますが、できるだけ全国で同じような取り扱い、不公平でない取り扱いがなされるのが望ましいということは申すまでもないことでございますので、私どもとしてはそういうふうな各裁判官の意見を交換していただく場あるいは資料を提供することによりまして、できるだけ全国的なばらつきがなくなるようなお考えで処理していただくようなことを考えてみたいと思います。こういうふうな判断の材料を示す、あるいはまたその機会をいろいろつくりますことについて各裁判官からおしかりを受けることはもちろんないはずでございます。
○横山委員 そんなものは当たりまえだ。最高裁判所はサボっておるわね。こういう裁判関係の書籍の一番最後についておるわけですね、「各裁判所の有価証券担保率一覧」。これはだれが見ても、横山さん、おまえさんのところは額面どおりでいいな、水戸はあかんか、七割が、こういうことです。どうしてこんなばかげたことが堂々と裁判関係の書籍の一番最後につくか、だれが見てもおかしいですよ。これは検討していただかなければなりません。 「営業保証金として供託することができる有価証券の種類及び価額一覧表」を見ますと、これも例えば公社債、公団債、公庫債その他の特殊債等の欄を見てみますと、これは省令によって担保率を決めておるところがございますが、一応一覧を整理されたものを見ますと、百分の九十のもの宅地建物取引業、九十五のもの割賦販売業、百分の百旅行業、それから商品券発行者百分の九十、それから内航運送業百分の百、外国証券業百分の九十、原子力事業百分の百。 これは、各省庁が自分のところで省令や何かで勝手に決めるのですか。どこで調整をして一調整をする機関はないのですか。
○枇杷田政府委員 省令で行っております場合には、各省の御判断でされておられることでございます。中に政令で定めておるものもあろうかと思いますが、それは内閣でということでございますので、法制局等で横並びを見ながら考えていくということになろうかと思います。
○横山委員 同じ公団債、同じ公社債あるいはその他の特殊債、同じものであっても業界によって評価が違うということは、百分の百をやっておる内航運送業は信用ができるから、あるいはまた百分の九十をやっておる商品券発行者等は信用がならぬからという業界に対する評価の問題ですか。
○枇杷田政府委員 各省で考える際にどういうふうな御判断でされておるかは私どもよくわかりませんけれども、恐らく業法によって保証金としてどうしたらいいかというふうな面はないのではないかと思います。したがいまして、債券の種類によるいわゆる信頼性と申しますか、そういうもので各省独自でいろいろな御判断をされてそのような省令をつくっておられるのだろうと思っております。
○横山委員 これは大臣どうですか。さっきの大臣答弁じゃないけれども、これはまた民事局はわしの知らぬこっちゃと言っておるわな。これはどうしたらいい。法制局に言いつけてくれますか、検討しろと言って。
○枇杷田政府委員 実は私どもの供託の事務といたしましても、各業法によって換価率が違うということは、供託書の受け入れの審査の際に一々それを引き合わしてみなければわからないという問題もございますので、統一することが望ましいというふうに考えておりますが、いろいろな業法の関係について改正の都度各省との合議もございますので、そういう機会を利用しながらなるべく合わせるようにというふうなことはしてまいりたいと思っております。
○横山委員 先ほど供託手数料の問題を議論いたしましたが、銀行や倉庫業者に供託することが認められておる。その供託を受けた銀行や倉庫業者は手数料を取ってもいいことになっておる。国は取らない。銀行や倉庫業者へは手数料を取れとなっておる理由は何でしょうか。
○枇杷田政府委員 これはいわば国でそういう倉庫業といいますか、物品を預かるという制度をつくってもいいわけでございますけれども、そこまではちょっと国としてはできかねるということで倉庫業者にそういうことをやらせて紛争の解決に一つの場を与えようということでございます。しかし、倉庫業者も営業でございますので無料でやるというわけにはまいりませんので、そこでいわば実際にほかの物品で通常受け取るべき倉庫料を徴収することができるというふうにしておるわけでございます。これは国が直接やる場合には供託金に利子をつけておるというふうなことから、手数料を取ることについて今控えておるわけでございますが、直接倉庫業者自体がやるという場合には無料というわけにはいかない。そうかといって、無料にして実際上の手数料に当たるようなものを国から補てんをするというふうなこともなかなかしがたいということから、いわば折衷的と申すと語弊があるかもしれませんけれども、倉庫業者には一般の預かり料と同じ程度のものを取るというふうな制度にしておるものと理解いたしております。
○横山委員 それはまた整合性のない話で、おれのところに来たらただでやってやる。しかし銀行や倉庫業者へ行ったら手数料を取られる。供託というものの本旨から言って、だからやかましく言ったのだが、供託というものが国の無料サービスだとするならば、銀行や倉庫業者に供託したって、その分は国が無料サービスの分から銀行や倉庫業者に払ってやらなければおかし。いじゃないか。整合性がないじゃないですか。わかるでしょう、大臣。どう思いますかね。今民事局長の言うようなことで、それで済みますかね。
○枇杷田政府委員 御指摘のように、整合性がないということは御指摘のとおりだと言わざるを得ないと思います。そういうような制度になっておりますことを全般的に考え直して、どう組み立てていいかということが課題だろうというふうに思っております。
○横山委員 とにかくこういうふうな問題点を挙げてみると、これは大分問題があるのです。 では、銀行や倉庫業者へ供託をした実績だとかあるいはどのくらいの手数料を払っておるとかいう統計はありますか。
○枇杷田政府委員 最近の事例を調べてみましたけれども、ほとんどございませんで、唯一ありましたのが下関で一件、五十八年に受け入れて五十九年にその同じものを引き渡したという事例がございます。その場合に、倉庫料としては受けるときと払うときとに二千円ずつ取っておるというふうなことがわかっております。
○横山委員 支払い手数料の問題の中に含めて考えてもらわなければならぬ課題だと思います。 それから、最高裁の判決を見ました、いわゆる供託金支払いの請求権の消滅時期、時効論が課題になっております。これは面倒くさいから、局長からこの時効の判決の争いの内容と結果を簡潔にまず説明してください。
○枇杷田政府委員 この四十五年七月十五日の最高裁の判決は、供託をしてから十年たった供託金の払い渡しの請求がございまして、それに対して供託官の方では、これは十年時効がかかるものであるから、もはや時効にかかっておるので払い渡しに応じられないということで却下した事案について、その払い渡し却下に対する取り消し訴訟という形で行われた事件でございます。それに対して最高裁の方では、私法上の紛争の解決として供託されたものについては、実際上紛争が解決をしなければその権利を行使することができないのだから、その時点から十年間の時効が進行するものである、したがって当該事案については、供託時から十年では時効が完成しておらない、したがって供託官は払い渡しの認可処分をすべきであるということで、供託官の却下処分を取り消しを命じた原審の判決をそのまま引用したという内容でございます。
○横山委員 要するに、供託したときから十年か、それとも供託して争っておる話がそのうちに話がついた、話がついてから十年かという問題で国は負けた、敗訴したということなんでありますね。私は、何でそんなことを国はいつまでも争わねばならぬか、どうして最高裁までそんなことを争うのか、ちょっと疑問を生じたのです。最高裁も忙しいのだから、国はそんな、供託してから十年か、問題が解決してから十年か、自分が金を預かっているものを、もう話がついた、それじゃ返してくれ、いや十二年たっておるからもうだめだ、そんなやぼなことをいつまでも争う価値があったのか、そこまで争わなければならぬ法理論があったのか、不思議でしょうがないのです。これはどういうわけでそんなに最高裁まで争うのですか。
○枇杷田政府委員 私どもの当時の見解といたしましては、供託をいたしました場合に、供託者の方はいつでも取り戻し権を行使できる、それから被供託者の方ではこれまた還付請求ができるという状況であるから、理論的に権利の行使をすることができるのは、供託時からあるのだという法律的な解釈で、ずっとそういう事務処理をしてまいったわけでございます。それに対して争いが起きましたので、私どもは法律的な見解とすれば、時効の起算日は供託時からであろうということで、そこら辺は法律的に決着をつけるということで最高裁まで持ち込んだということになりますけれども、現在は最高裁でそういう判例がもう確定をいたしましたので、私どもの方ではそういうことについて争う気持ちはございませんが、当時といたしましては、そういう供託時起算説というのをずっと供託所の実務として行ってきた、それがまた正しいというふうに考えてやっておりましたので、したがって最高裁まで行って、判例によってその問題の決着をつけてもらおうというふうな考えでやったというふうに承知いたしております。
○横山委員 これは大臣、まことに官僚的な日本のお役所の考え方の標本だと私思いますよ。今までやってきたから、これを変えるには判決をしてもらった方がいいという思想も極端に言えばある。そういう思想は日本の官僚制度の中にたくさんあるのです。国と民との争いの中でも、会計検査院が来て妥協して話をつけたと言うととやかく言われるから、判決いただいてくれ。おれの力負けてもいいからとにかく判決をいただいてくれ。判決を土台にして会計検査院に説明して、こういうふうに負けましたからこれは外してください。 この前法務委員会で訟務局長を呼んで話をしましたときにも、訟務局は国を代表して裁判で争っておるんだ。あなたの立場は勝てばいいという問題じゃない。やはり負けるべきだったら一刻も早く負けるべきだ。そのためには担当の衝の裁判係あるいは担当の局部長に、あなたこの際負けるべきだと勧めるべきだ、そう言ったら、いやその点は御趣旨はようわかっております、何も判決が出ればいいという問題でなくて、国としてこれはもう長い目で見て負けるべきだというときには、私はそう思っておりますと言いました。言いましたけれども、本当にそうなっているかどうかわかりません。 今のこの最高裁の判決は極めて簡単なことであります。供託の日から十年間、話がついてから十年間、簡単なことであります。そんなことを法務省がとことんまで争わなければならぬ問題であったかと私は言うのです。どうですかね。今の民事局長の説明を聞いて、反省すべき点があるんじゃないでしょうかね。
○嶋崎国務大臣 今民事局長から説明がありましたとおり、供託の制度というものを考えまして、供託したものをいつでも取り返しできる、また、受け取る方でそれを受け取って整理ができるというような、そういう背景の中でずっと時効問題というものが考えられてきた経緯があったんだろうと思うのです。やはり理論的にもそういう考え方は一つあり得るという考え方で従来やってきたものですから、そういう結論になったんではないかというふうに思うのです。 しかし、今御指摘のように、きちっとした整理ができておるわけでございますから、そのときによかったか悪かったかという評価は、私ちょっと今どういう材料がそこにあってそういう経緯になったのかというのを、よく承知をしておりませんが、今となればきちっと整理をされた事柄でございますから、そういうことで整理をしていくことになっておるだろうと思います。当時までの経緯は、それ相当の理屈があってやっていたんじゃないかと思っておるのですが、調べてみなければよくわかりません。よく調べさせていただきたいと思います。
○横山委員 どんな理屈がありましょうか、こんなことに。どんな理屈があるでしょうか。しかも最高裁の判決があったら、途端にさっと命令一下服従する、そして通達も出すということでしょう。別に抵抗なかったんですよ。私はそう思っている。だから、これからも法務行政というものは、この間も最初、冒頭にあなたに苦言を呈したように、各省に比べて全く弾力性がない、機動性がない、もっと適切な判断と時世を見る目、事情判断というものを的確にやはりなさるべき問題ではないかと思いますよ。 ただ、そうは言いましても、窓口の担当者としてはという問題が残るわけなんです。窓口の担当者としては、供託の日からずっと計算して、十年たった、争っておるものが妥結したかどうかわからぬじゃなか、わからぬものをどうしてくれるという問題がある。向こうが言ってくればいいけれども、言ってこやせぬものをいつまでも待っていなければならぬかという問題が残りますね。それは、今どういう措置をしていますか。
○枇杷田政府委員 現在は十年を経過したものにつきましても、払い渡しの請求があればそれに応じております。ただ、内部の事務処理といたしますと、供託時から二十年たったものについては、便宜的にそれを、時効にかかっている可能性が強いものとして、一応国庫金の方に入れておりますけれども、払い渡し請求があれば、それは十年たっておろうと、二十年経過しているものについても払い渡しに応じております。
○横山委員 極めてスムーズにいっておるというわけですね。そうスムーズにいっておるものが、なんでこんな最高裁まで争わなければならぬかということを考えるわけでございます。 それから、最高裁の判決は、この点に関しては満場一致でしたね。ところが、この問題の扱いについて、時効論の争いの入口で、これは行政訴訟か民事訴訟かの争いで、少数意見五人の最高裁判官が、これは民事訴訟でやるべきだという論理を展開をいたしました。この行政訴訟か民事訴訟かという違いについて、ちょっと説明してください。
○枇杷田政府委員 御指摘のように、この四十五年の最高裁の判決になりましたものは、行政訴訟の形で訴えの提起がなされた事件でございます。それについて、大法廷では、多数説は行政訴訟説をとったわけでございますが、五人でしたか、六人でしたかの裁判官は民事訴訟説をとっておるわけでございます。 この違いと申しますのは、いわば形で申しますと主文の書き方が、いつ幾日なしたどこそこの供託官のこれこれの処分は取り消すというような形でするか、あるいは直接に払い渡しを請求した金額を国に対して支払えという形か、どちらかということで違ってくるわけでございまして、効果といたしますと、行政処分説をとって、払い渡し認可をしなかったというものについての取り消しがあれば、直ちに供託官は支払うことは間違いがないわけでございます。ただ、その行政処分の取り消してございますと、いきなりそれが国に対する債務名義にはならないということで、金銭の給付そのものを求めるということにはなりがたいものでございます。民訴でいく場合には金幾ら支払えということでございますので、国は直ちに金銭を支払わなければならぬ、場合によっては強制執行も可能だというふうな形になる、その辺が違いでございますが、実際的な問題といたしますと、それほど違いはないだろう。むしろ法律構成として、どちらの方が筋が通っておるかというような理論的な問題が中心になってくるような気がいたしております。
○横山委員 大体わかりましたが、これも私がその立場になった場合、法務局長に行政処分はけしからぬからおまえのところをやったけれども、おまえのところはうんと言わぬから、おれは裁判で争う、目的は銭返してもらいたいということですね。銭返してもらうときにも、もうおまえは相手にせぬ、おれは裁判所に行くわい、銭返してくれという方が極めてわかりやすいと思う。わかりやすい、直接効果があると思うのです。だから私は裁判については学問もないけれども、庶民としては民事訴訟はいかぬ、そんなことで来たら門前払い食わせるという論理がどうも納得ができかねる。またこれはどっちでもいいではないか、こうも思われる。それを最高裁が少数意見として退けて、これから民事訴訟として銭返せと言ってきた者は門前払いを食わせるという判例を残してしまったということはどうも納得ができぬような気がするが、これはどなたに答弁をしてもらった方がいいかな。これは答弁する人はいないかな。
○枇杷田政府委員 確かに少数意見などでも、直接に金銭の給付訴訟を起こせるのが一番簡明直截でいいじゃないか、その方が訴える側の気持ちにも一番合っているじゃないかといっただいまの委員の御指摘のような見解から、民事訴訟説を立てておられるわけでございます。その供託というものを性質論から言いまして、単なる民法上の寄託契約だけではなくて、その上に行政処分というものがかぶさっているというふうな構成になっているというふうな理解をいたしますと、いきなり金銭給付訴訟を起こしましても、そのかぶさっている行政処分というものが解けない限りは、これは払い戻し請求というものはできないんじゃないかというふうな関係もございますので、多数説の方はそういう行政処分がかぶさっている、それを取り除くことが訴訟の目的として一番妥当だというふうな見解だろうとは思いますので、それはたくさんいろいろな意見があるということは私も承知しておりますけれども、訴訟の形の問題でございまして、余り実際上はどちらでなければならないといいますか、結果としてはどちらでもそう違いがない、そういうものではないかというふうに考えております。
○横山委員 供託金の年計表、供託有価証券の年計表をいただきました。極めて莫大な供託金がされている模様であります。この莫大な供託金の扱い、そして約八百人の人が三十九億を投じて法務省、最高裁でいろいろ仕事をしておる。 そこで三年前の本委員会において、これだけの貢献をしておるんだが、供託金の運用益は一体どうなっておるんだという論争が極めて各党から出ましたね。 ところが政府側は、大蔵省も言っておるのですけれども、供託金に色がついていないから、みんな日本銀行にほうり込んでしまって、供託金によってこれだけの利益、運用益があったという点は、どうも色がついていないからわからない。運用によって、この仕事というものは、国家に裨益をしておるに違いないだろうと思われるにとどまっておるわけです。今もそういうことですか。
○枇杷田政府委員 私どもの方でもその関係がよくわかりません。正直に申しまして、供託官が国庫金として日銀に預金をいたしますと当座預金でございまして、それ自体は利子がつかないわけでございますが、国庫金として入ったものがいろいろな形で運用されておるというようなことはあるわけでございますので、何がしかの利益にはなっているだろうというということはわかるわけでございますが、どれがどういうふうなものでどれだけの利益になっておるかということは、私どもではつかまえられない、恐らく大蔵省の方でもそういうふうな考えではなかろうかと思いますが、現在でも三年前の御質問に対するお答えと変わっておりません。
○横山委員 これを見ますと、供託金年計表、昭和五十八年現在高二千三十九億五千三百万円、供託有価証券年計表、現在高千五百五十九億三千一百万円ですか、そこで、色がついてないからわからないとは言いながら、法務大臣、これは政治的にこれだけ貢献しているんだからということが一声何かのときにあってしかるべきではないか、三年前質問いたしました諸君の気持ちはそういうことですね。法務省の予算はいつも少ない、いろいろなことで苦しんでおるわけですが、供託金の運用益について少しはおれのところの面倒をいろいろな角度で見てもらってもよさそうではいう物の考え方はありませんか。
○嶋崎国務大臣 御承知のように、今供託でられたものというのは日銀預託になっていて、座預金になっておりまして、そのこと自体には付利をしないという建前になっておるのでしょうか、それを前提として国のいろいろな融資全体が考えられる背景にはなっているんじゃないかというふうに思うものでございます。そういう意味で、何か運用の妙というものはあるいはあるのではないかというような感覚は実は私は持っておるわけでございますけれども、しかし、そういう整理の立て方というのですか、これはなかなか難しいところが多いのではないかと思うのですね。したがって、何か特定な収益を上げるような運用というのですか、そういうことができるのかどうかということを区分別建てで整理が可能なのかどうかということは、今の制度を前提にしてはなかなか難しい形になっておりますけれども、そういうことも含めていろいろ検討してその答えを出すための努力をしてみなければいかぬのではないかという気持ちがするわけでございます。
○横山委員 今度登記所の問題については、大臣も民事局も特別会計の開設等でいろいろ御研究をなさったことだと思うのですね。その経緯からいいましても供託金が膨大に仕事をしておる、これは国家の無料サービスであるということにも問題があると私は思っているのですけれども、今後この問題を議論する上において、なるほど色はついておらぬ。色はついておらぬけれども我々が供託事務をやって、ただ国家としてはサービス事業としてやっているけれども、それによって莫大な運用益が浮いているはずである。このはずであるということは、何かの関係で供託法を改正するとか供託制度を考えるとかいう場合に十分念頭に置いていろいろとうまみをつけてもらうということを私は期待いたしたいと思うわけでございます。 それから最後、時間がなくなりましたからひとつ御説明をしてほしいと思いますが、この供託制度について国際的比較の問題であります。 余り時間がございませんから、国際的な各国の比較上、特に私どもに参考になるような各国の供託の問題点といいますか、あり方、特徴点、それをちょっと聞かしていただきましょう。
○枇杷田政府委員 私どもも供託制度について十分な調査ができているというわけではございませんけれども、概略、欧米諸国についての制度のあらましは検討いたしております。 大体供託というのは趣旨からいたしましても各先進国では同じようなものとしてとらえておるようでございます。ただ、それを運用する場合にどういう形でするかということについては、各国少しずつ違うようでございます。供託金について利子をつけておるところもあるし、つけてないところもある、それからまた扱っている機関がいろいろ違うというふうな面はございますが、供託そのものについては基本的にはそれほど違っていないんじゃないかという感じでおります。
○横山委員 終わります。
○片岡委員長 午後一時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○片岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村巖君。
○中村(巖)委員 本法律案は、現在の供託法の中に第十五条として供託金の利息を付さないことにするというふうにある部分を昭和六十六年三月三十一日までに改めようとする法律でありまして、この第十五条それ自体は昭和五十六年の第九十五回国会でもって審議をされたわけでございまして、この審議の中におきまして、今申したように六十年三月まで三年間利息を付さない、こういうことを決めたわけでございます。その際、私どもはこの法案に対して賛成をいたしたわけでございます。しかしながら、このたびは私どもはこの法案に対して賛成をするわけにはいかないという考え方に立っているわけでございます。私どもは、五十六年の段階でこの法案が出されましたときには、財政再建、こういう考え方にその時点としては協力をしなければならないという考え方でございました。私ども考えてみまするに、その時点ではこれは他の三十六の法律を一括した行革関連法案という特例法案と同時に提出をされたわけでございまして、その際に、私どもは、基本的には今日でも行政改革に対しては大変賛成である、今日肥大化した行政機構を整理してスリム化をしなければならない、さらにまた、行政そのものも、許認可行政等々整理をして効率化、合理化を図らなければならないという考えに立っておるわけでありますから、行政改革そのものに賛成である。五十七年の時点でそれを実現するためにどうしても当面国の財政の緊縮を図らなければならない、こういうことであったわけでありますから、三年間に限るこの法律に対しましてはやむを得ないというふうに考えておったところであるわけでありますけれども、今度またこの法律の利息の停止という中身をさらに六年間延長しよう、こういうことになったわけであります。 そこで質問に入るわけでありますけれども、昭和五十七年時点での利息支払いを停止するという考え方の理由というか、それはいろいろな形で前回五十六年の九十五国会の会議録の中に出ているわけでありますけれども、改めてどういう理由であったのか、お聞きをしておきたいと思います。
○枇杷田政府委員 五十七年四月一日から六十年三月三十一日まで三年間供託金の利息を停止するという措置をお願いをいたしました理由は、財政が非常に逼迫をしておりまして、そして歳出をなるべく縮減しなければならないという要請がある、したがって、その当時は財政再建三二年間になし遂げようという努力目標を政府として掲げておりましたので、その努力目標を達成する期間としての三年間は歳出を縮減をして赤字公債依存体質から幾らかでも脱却できるようなことをしようというので、三年間の付利停止措置をお願いした、こういうことでございます。
○中村(巖)委員 その当時、一般的に政府として財政を緊縮しなければならないという状況であったことはわかっておるわけでありますけれども、それと同時に、まず前回の九十五国会の会議録の中でも言われておりますけれども、法務省御自身としてもゼロシーリングという枠の中でいろいろ考えなければならなかったということがあるようでございますが、その点はいかがでございましょう。
○枇杷田政府委員 ただいま申し上げましたように、歳出を縮減しなければならない財政事情であるというもとに、法務省の予算といたしましても、当時はゼロシーリング、要するに前年度と同額の予算要求しかできないという状況になっておったわけでございます。 そのような中で、供託金利子の金額が二十億近い予算を必要といたしておりまして、これがまた年々とふえていくという状況のもとでは、供託金利子の予算を獲得することに伴いまして、これは法律が改正されませんと義務経費になりますので、当然ほかの経費に圧迫ができて、法務行政といいますか法務局の行政全体に支障を生ずることになりかねない、そういう実際上の問題があるということも改正法案の提案理由の一つとして申し上げておったところでございます。
○中村(巖)委員 その当時も、こういう形での法務省予算の経費というか支出の削減を図らなければ、既定経費というかそういうものの削減をしなければならないような状況であるという御説明は確かにあったわけでありますけれども、その中で、ゼロシーリングということになれば、いろいろな形で経費が増大をする中でございますから、確かにどこか経費を一部削ってこなければゼロシーリングにつじつまが合わない、こういうことになることは当然であろうと思いますが、ことに供託金の利息に目をつけられた、そういう理由は何であったのかということでございます。
○枇杷田政府委員 供託金の利息につきましては、かねがね議論があるところでございます。午前中にも横山委員からの御質問もございましたけれども、もともと利息をつけるべき性質のものであるかどうか、あるいは、むしろ逆に手数料を徴収すべきものではないかというふうな議論がかねがねあるわけでございます。したがいまして、一番削減をするということになりますと、財政の緊迫の折から、かねがね利息というのは当然につけなければならないという性質のものではないということもございますので、それにひとつ縮減をお願いしたらどうかということで供託金の利息の方に歳出縮減の目を向けたということでございます。
○中村(巖)委員 これから、供託金に利息を付することの必要があるかどうかという問題は本質的な問題ですから、いろいろあろうと思いますけれども、少なくとも五十七年の時点におきましても供託法三条でもって利息がつくのだということになっておったわけでありますから、国民の側とすれば、それは一つの利益というか権利というか、そういうものとして意識をされておって、ある意味で既得権であった、そういうものを剥奪をするという格好で供託金利息の支払い停止をやられることについては、法務省内部にもそれは多分に抵抗があったのではないかと思われますが、あえてそういうものをやって、ほかの経費を削るところは本当になかったのだろうかということになりますと、やはり本来的にはそういう国民の権利をいわば奪ってしまうような経費の削減の仕方をすべきではなくて、ほかに削減をすべき支出項目を捜すべきであったのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○枇杷田政府委員 私どもも、好んで供託金の利息の停止をしたわけではございません。やむなくということでございます。ほかに経費の節減ができるものがあればもちろんそれによってやることも十分に考えられるところでございます。 法務省全体といたしますと、御承知だろうと思いますけれども、矯正関係の作業の経費を、いわば民間を通じてやるということによりまして原材料費を予算から落とすというようなことも配慮をいたしております。ほかに何かまとまって落とせるものがないかということもかねがね私どもも検討はいたしておるのでございますが、何分にも御承知のとおり法務省の予算というのは人件費が九〇%を超えるというようなものでございまして、シーリングがかかってきます物件費についてはほとんど弾力値がないという状況でございます。そういう中で、法務局で申しますと一般の窓口の経費であるとか、そういうようなものを需要に応じて整備をしていくためには、供託金利子を停止をして、それによっていわば財源的な枠を捻出する以外にないという結論に達した上での措置でございます。
○中村(巖)委員 そういうことでおやりになったのでしょうけれども、その時点で三年たてばまた利息を復活するのだということを法務省は心底から考えておられたのかどうかということをお伺いしたいわけであります。前回の五十六年の国会審議の際には前の民事局長も、あるいは奥野法務大臣も、三年たったらばもう一度利息をつけたいというふうにおっしゃっておられるわけで、いろいろなところで言っておられるようでありますけれども、例えば奥野法務大臣の林吾郎議員に対するお答えの中で、「特例三年間だけ、特別な事情がございますので利息をつけないようにさせていただきたい、こういう御審議をいただいているわけでございます。したがいまして、三年たてばまたもとどおり利息をつけたいというのが、われわれの基本的な考え方でございます。」こういうふうに言われているわけでございます。先ほど来の供託金利息というところに目をづけられたという動機というものと考え合わせますと、本当に三年前に、三年たてば利息をもう一度つけるんだというふうに考えて法案を御提案になったのかどうか、多分に疑わしい点もあるかに思われるわけで、その辺はいかがでございましょう。
○枇杷田政府委員 五十六年、当初といたしますと、政府の努力目標期間である三年間が過ぎれば財政が再建されて、そしてシーリングの関係も緩和をされて供託金利息を復活するということができる状況になるのではないかという期待を心底から法務省は考えて、三年間だけお願いをいたしたいということを申し上げたと思っております。
○中村(巖)委員 三年間という期間ができました経緯というか理由でありますけれども、先ほどの御説明によれば、その当時は三年間でもって財政事情が転換をするんだ、言ってみれば財政再建というものが三年の間にできることになるだろうという見通しであったようでございますけれども、そういう見通しというものは法務省としてはどういうことでお持ちになったのか。それは今日になれば結果的に誤っているわけでありますけれども、その場合に、大蔵省がそう言っているからだだ単にそれに従っただけだ、こういうことなのでございましょうか、その辺はいかがでしょう。
○枇杷田政府委員 私どもは財政の専門家ではございませんので、当時財政的な見通しを我々自身の目で見通すというふうなことはできなかったわけでございますが、当時は財政再建に向けて、何でもそれを実現しようという雰囲気がみなぎっておりました。シーリングの関係も、そういうことで各省に協力を求めるというふうに言われておりましたし、大幅な歳出削減の措置によって財政が再建されるであろうという期待を、私どもとしては十分に持っておったわけでございます。それが結果としてはそうはならなかったということは御指摘のとおりでございます。
○中村(巖)委員 それがこのたびの法案では六年間延長しようということであるわけでありますけれども、端的に言って、六年間延長しようという根拠というか、その六年間という年限についての理由はどういうことでございましょうか。
○嶋崎国務大臣 今度六十五年度まで延ばそうというようなことを考えたのは、御承知のようにさきのときにも、何とか公債依存体質から脱出したい、それは六十年が一つのめどであるということを考えて、努力してやってきました。ところが、御承知のように第二次石油ショックの後非常に経済的に困難な状況が続いておりまして、税収の伸びも少ない、そういう雰囲気で、ついにそれを脱却することができなかったというようなことになったわけでございます。 今回の場合もいろいろ議論はあったわけでございますけれども、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」というもので公債依存体質から脱却をする目標年次として六十五年を一応設定いたしまして、それに届くようないろいろな面の努力を現在積み重ねておるわけでございます。そういうことを背景にいたしまして、六十五年度までの間歳出削減に最大の努力をする、その一環として供託金の利子につきましても無利子にしていこうという考え方で整理をしたというのが現実でございます。
○中村(巖)委員 大臣にお答えいただきましたので、大臣にさらにお伺いをいたします。 五十六年に行革関連法案で三十六の法律が一括提出をされまして、その中でいろいろな形で支出を削減するということが行われたわけでありますけれども、今度、それら五十六年に提出され五十七年から行われている一括法案の関係での期限がいずれも三年で、来たわけでございます。今大臣から、三カ年あればというその当時のお話があったわけで、その三年が経過してしまった。そこでまた、その関連の法案も同時に期限の延長をしなければならないというような状況になっているようでございまして、今度政府の方では、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案というようなもので、また多くの法律の改正を一括して出してこられている。その中で、前回の五十七年関係のものにつきましてもやはり一定の措置をしているわけでございまして、前回にカットというか、それを三年間やってきたものについて、延長しないというものも一部あるようでございますけれども、多くの部分についてまた一年間だけ延長するというような形の法案になっているように思うわけであります。それと横並びにならないで、この供託法だけが六年間という長きにわたって特例措置をする、こういうことになったのはどういうわけでございましょうか。
○嶋崎国務大臣 今申し上げましたように供託法の利子については六十五年度までということにしたわけでございます。 今の御指摘のように、行革関連の特例法の特例措置は一年限りというようなことになっておるわけでございますが、それは、その間に恒久的な制度改正が実施されるということを前提に、この一年間でひとつ工夫をしてやっていこうというような考え方で決まったものであるというふうに私たちは承知をしておるわけでございます。 しかし、供託制度の性質というものを考えてみますと、こういう制度というのは一年ごとにぐらぐら動くというような性格のものでもないし、その取引の安定性、安全性というのですか、あるいは秩序をきちっとして維持をしていくというような考え方からするならば、やはりある程度の期限というものを考えて処理した方がいいんじゃないかという考え方で、六十五年度までということにしたわけでございます。したがいまして、今度の改正におきまして、今後この利子を付すか付さないかということがいつまでも長期の中で動いていくということは余り適当であるというふうには思っておりませんので、やはり真剣にこの供託問題というものを根本的に検討してみる必要もあるんではないか、そういうことも考えて六十五年というようなところに設定をしていただいたわけでございます。
○中村(巖)委員 供託制度を根本的に考え直すかどうかという問題、それは確かにあるわけでございまして、それを考えるならば前回の三年間に十分考えることができたはずで、それをまた今回さらに六年もなければ考えられないんだ、こういう話は私はないだろうというふうに思っておるわけでありますけれども、とりあえずは大臣のお考えでもあるいは民事局長のお考えでも財政再建まで、大蔵省が今度六年かかる、昭和六十五年までかかるんだというふうなことを言っておられるから、とにかくそこまで延ばしておくんだ、こういうようなことでございます。 確かに民事局長が先ほど御答弁になったように、法務省は財政の専門家ではないわけでありますけれども、やはり六十五年になれば一応財政再建ができるんだということを法務省としては信じているというか、お考えになっておられるわけでございましょうか。
○枇杷田政府委員 六十五年度中に赤字公債依存体質から脱却するというのは、ひとり大蔵省のお考えだけではなくて、閣議でそのような目標を立てておるわけでございます。したがいまして、政府全体としてそれまでに財政再建をしていくんだということでございます。私どもとしては、その六十五年度中には赤字公債依存体質から脱却できるものだというふうな大きな期待を持っておる次第でございます。
○中村(巖)委員 そこで、大蔵省においでをいただいているわけでございまして、大蔵省の方にお伺いをしたいわけでありますけれども、まず第一番目に、財政再建ということがいろいろな形で言われているわけでございますけれども、財政再建ということはすなわちイコール特例公債の発行がゼロになるような状態を言っているのかどうか、その辺の財政再建という言葉の意味をひとつ大蔵省の方からお聞かせをいただきたいと思います。
○中島説明員 財政再建の意味というお尋ねでございますけれども、考え方といたしましては、財政再建といいますのは財政が新たな経済社会の動向に即応いたしまして弾力的に対応する力を回復すること、すなわち財政が対応力を回復することであるというふうに考えておるわけです。そのためには、今日のような国債の利払いに圧迫されまして財政が思うような予算が組めない、財政に期待されておりますさまざまの機能を必ずしも十分に発揮し得ないような状況にあるということは大変残念な状況でございまして、この状態から脱却することでございますけれども、結局は、国債の残高が累増していくことを抑えることなしには財政はそういった力を回復することができないわけでございます。 そこで、私どもは、財政再建の究極的な目標は国債残高の累増を抑制いたしまして、これの経済全体に占める比率、すなわちGNP比といったものをできるだけ低くするということにあると考えております。そのためのまず第一段階といたしまして、今日多額の特例公債に依存しておりますような財政の状況を改めるということがあろうかと思います。六十年度、特例公債は依然として五兆七千三百億円というものを計上いたしておりますけれども、このような多額の特例公債を毎年発行しているようではますます財政の状況は悪化する一方でございますので、この特例公債の発行をゼロにすることがまず第一段階の財政改革の目標であるというふうに考えております。 こういった意味における財政改革の目標を、先ほど法務省の方から御答弁ありましたように、五十八年八月の「一九八〇年代経済社会の展望と指針」ということではっきりと示しまして、それを閣議決定いたしておるわけでございます。
○中村(巖)委員 そういう意味で財政再建というのは本当は多岐的だと思いますけれども、とりあえずその第一段階とおっしゃるわけで、それが六十五年までに達成をされるだろうという大蔵省のお考え方、それはいろいろな機会に示されているというふうに思いますけれども、それはどういうことでそういう見通しというか考え方をお持ちになっているのか、その辺もちょっと御説明をいただきたい。
○中島説明員 先ほど申し上げました財政の健全化のためには一刻も早く特例公債の依存体質から脱却することが望ましいわけでございますけれども、しかし現実の毎年の予算編成過程における努力ということにも限界がございますし、急激な措置をとるということをいたしますと、歳出の思い切った削減でございますとか歳入の大幅な増加とかいった措置をとらなければこれは達成できないわけでございますが、そういった急激な措置がまた社会経済に与える影響なども考えていかなければならないと思われます。そういったもろもろのことを考慮いたしまして、「一九八〇年代の経済社会の展望と指針」を決定するに当たりまして、その最終年次までには少なくともこの状況から脱却したいということで、政府がみずからに課した目標がこの六十五年度であったということであろうかと思います。
○中村(巖)委員 政府としてはそれがための一つの中期経済計画というか、財政計画というか、その試算というものを出しておられるようでございます。その内容のことをどうこう言っている時間もないわけでありますけれども、そういう一定の試算の上に立ってそういうことは可能であるというお考えに立っておられるのかどうかをお伺いします。
○中島説明員 確かに昭和六十五年度までに特例公債の発行をゼロにするという目標はなかなか厳しい目標であろうと考えております。御承知のように、今般大蔵省から国会にお出しいたしました財政の中期試算で見ますと、大変機械的な前提は置いておりますものの、例えば昭和六十五年度における収支の差額を見ますと、これから一般歳出を仮に機械的に五%伸ばすというような前提に立ちますと、七・七兆円も収支ギャップが生ずる。仮にこれをおおむね「展望と指針」で見ております物価上昇率並みの三%で抑えるということをいたしましても、なお四兆円弱の収支ギャップが生ずる。これを仮に五年間一般歳出をずっと横ばいにしていくというような前提を置きますと、初めてそこで脱却できるというような姿が描かれておりまして、こういったことを考えますと、六十五年度までに特例公債依存体質から脱却するという努力目標の達成はなかなか容易ならざる課題であるというふうに考えております。しかしながら、これからの我が国の経済、社会を取り巻くいろいろな状況などを考えますと、一刻も早く財政改革を推進する必要があるということを強く考えておりまして、そのためにたとえ容易ならざる課題ではございましても、全力を挙げてこれに取り組みたいと考えております。 そこで、六十五年度というのは大変難しいということで、これを先に延ばしてはどうかというような御意見も実は聞かれるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように財政の対応力の回復ということは現下の大変喫緊の課題であるとともに、仮にこの目標年次を先に延ばすということにいたしますと特例公債の累増がさらに一層進むということで、長期的には財政に与える負担がまた大きくなってくるという問題もあろうかと思います。また、ここで六十五年脱却という旗をおろしますと、実際問題といたしまして歳出増加の圧力が強まるというようなことも考えられまして、これまでせっかく歯を食いしばって進めてまいりました歳出の削減合理化の努力がまた逆戻りしてしまうというようなこともあろうかと思います。こういったことから、政府といたしましては六十五年度脱却ということにつきまして最大限の努力を傾けて、これを達成いたしたいと考えておるところでございます。
○中村(巖)委員 今の御説明によりましても、中期財政試算というか、そういうものの中で政府のいわゆる要調整額というものが莫大に六十五年までの各年次に出てきてしまう、こういうことであるわけでありますから、そういう状況の中で、特例公債を発行しないで済ませることはできるんだという状況がだんだんつくられていくとは到底思われないわけでございます。しかも、なおかつその試算の基礎にされているのは、一般財政需要の伸びを実質ゼロというようなベースでお考えになっておられるような試算でございますから、私ども予算委員会でもいろいろ申し上げましたけれども、やはりそういうような計画というものは現実性はない。ただ単に机上の計算としてはそういうふうになるという計算の一例を示したものにすぎないというふうに思わざるを得ない。確かに政府は何とかしたいということを思っておられることは事実でありますけれども、それはただ単に願望にとどまっているのであって、現実的には不可能であろうというふうに思わざるを得ないわけでございます。 確かに財政というものはいろいろな要素があるわけでありますから、今後の税収の伸びとか景気の動向とか、そういうものも影響するわけでございまして、願望としてはともかくとして、一つの見通しとして六十五年までにということを設定をすること、そのこと自体は大変当を得ないのではないかというふうに思います。つまり、ここなら大丈夫ですよというような形の中で、今の問題の供託法みたいなものもこういう年限の設定がされるということは、これは大変おかしなことであるというふうに思うわけでありますけれども、大蔵省としては言ってみれば赤字国債、特例国債の発行を六十五年ごろまでにはゼロにできる、それがために財政そのものが弾力性を持てるというか、そういうような状況になると本当にお考えになっておられるのでしょうか。
○中島説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、確かに六十五年脱却というのは容易でない課題であるということは私ども十分認識いたしております。しかしながら、歳出歳入両面にわたりまして最大限の努力を傾けることによりまして何とか達成いたしたい。そういった意味では決して不可能な目標とは考えておりません。
○中村(巖)委員 続いて伺っておきますけれども、そういうふうな大蔵省の試算のベースに立ちましても、公債の残高というものは現在百二十二兆円とかと言われ、六十年末で百三十三兆円だと言われている残高が六十五年度末にはさらに一層増大をするということになるはずでありますけれども、どれくらいに見ておられるわけでございましょうか。
○中島説明員 私どもがお示しいたしました中期試算はある意味で機械的な前提に立っておりますので、公債残高の試算もそういった機械的な前提のもとでということでお許しいただきたいのでございますが、中期的な試算をもとにはじきますと、六十五年度におきます国債残高は約百六十六兆円程度というふうに思われます。なお、国債が経済全体に占める比率というものをGNPに対する比率で見ますと、六十年度末で現在四二・三%というふうにはじかれますが、これが六十五年度におきましては、わずかながら低下いたしまして三八・五%程度になるというふうに試算しておるところでございます。
○中村(巖)委員 六十五年度で百六十六兆円の公債残高ということになれば、その後償還をしなければならないということになる。それを何年間で償還をするのかは別といたしまして、それが財政それ自体を非常に圧迫をするということになって、六十五年以降も極めて厳しい財政状況が続くのではなかろうかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○中島説明員 六十五年度に特例公債の発行をゼロにしたときにどういった財政状況になっておるかということにつきましては、そのときの経済情勢とか税収動向等いろいろと不確定な要素が多く、ちょっと今から予測しがたい面があろうかと存じますけれども、六十五年度までに歳出歳入両面で傾けてまいりました努力の効果というものが出てまいることを考えますと、六十五年度に特例公債発行をゼロにいたしました後におきましては、財政状況は今日に比べますとかなりの程度改善しておるのではないかと期待いたしております。少なくとも毎年特例公債の発行をゼロにするというその減額部分はその負担がなくなるわけでございますので、そういった意味からも今日よりは改善されておるものと期待しておるところでございます。
○中村(巖)委員 今、昭和六十五年までの話を聞いたわけでありますけれども、先ほど法務省に御質問しましたように、昭和五十六年の鈴木内閣の時代、三年間で赤字公債の発行体質から脱却ができるのだ、こういうふうなことを言われておったわけであります。それはそれなりに大蔵省もそのことを財政的な計算上の裏づけを持って考えておられたのだろうというふうに思うわけでありますけれども、それが実際には三カ年でとてもとても赤字公債発行体質から脱却するどころではなくて、今年度も建設国債も含めれば膨大な国債の発行高で、赤字国債だけでも五兆幾らの発行高ということになっているわけで、そういうふうに五十七年から三年間で財政再建ができるという計画が挫折をしてしまったというかだめになってしまった、こういう原因というのはどこにあるわけですか。
○中島説明員 かつて五十九年度までに特例公債依存体質からの脱却を図るということを政府が公約として掲げておったことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、ちょうどこういった目標を掲げました五十四年ごろから、大変残念なことでございますけれども、我が国の経済が非常に大きな変貌を遂げてまいりました。その直接のきっかけは、いわゆる第二次オイルショックにあったかと存じます。 それまで、例えば名目成長率が大体年九%から一〇%の平均成長率であったものが、急にここで伸び率を下げまして、具体的に申し上げますと、昭和五十六年度には政府の当初見通しが九・一%であったのですが、これが実績では五・八%に落ち込む。続いて昭和五十七年度には、政府の当初見通しが八・四%であったのでございますが、これが実績では五%に落ちてしまうというように、非常に急激な経済成長率の低下というものがあったわけでございます。これに伴いまして、税収も当然のことながら大きく落ち込んでしまいまして、五十六年度では、当初予算で見込んでおりました税収に対しまして、決算では三兆円も下回る。五十七年度では、当初予算で見込んでおりました税収に対しまして、決算では実に六兆円も下回るというようなことになりました。 このような財政経済を取り巻く環境の激変というのは、当時としましては予測しがたかったことでございまして、私どもといたしましては、こういった予期せぬ出来事に遭遇した結果、大変残念ながら五十九年度脱却という目標を改めざるを得なかったというふうに考えておるところでございます。
○中村(巖)委員 最後に大蔵省に一点だけお伺いしておきますけれども、先ほど来の今後六十五年までの展望の問題も、今の五十七年からの三年間の問題と同じように、財政の状況というものはいろいろと予見というか、そういうもので変貌せざるを得ない、変動せざるを得ないということで、昭和六十五年までのいわゆる財政再建、特例公債をゼロにするという計画そのものも、可能性としてそのとおりになる確率というものが極めて低いのではないか、こういうふうに思うわけですけれども、大蔵省そうお思いになりませんか。
○中島説明員 ただいま先生より大変厳しい御指摘をいただいたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、確かに容易でない目標であるということは、私どもも十分に認識しておるわけでございます。そのためにこそ、これから歳出面、歳入面、あらゆる項目にわたりまして真剣な検討を加えまして、この目標達成に全力を傾けてまいりたいというふうに考えております。
○中村(巖)委員 大蔵省、結構です。 そこで、大臣にここでお伺いをしますけれども、今大蔵省からいろいろ御説明を聴取をいたしました。繰り返しになるようでありますけれども、そういう状況の中で六年間という期間を設定をして、そこまで延長しようという考え方を今打ち出してくるということは大変問題であろうかというふうに思うわけで、その点について再度大臣のお考えをお伺いをいたします。
○嶋崎国務大臣 ただいま大蔵省からも説明がありましたように、今の財政状態というのは非常に厳しい状況にあることは、我々も十分承知をしておるところでございます。しかし、日本の社会の変化、特に老齢化社会にどんどん進んでおるというような現実を考えてみますと、いつまでも公債依存の財政というものが続いていくというふうなことになれば、それこそ本当に世代間の不公平というようなことを招きかねないような状況になっていくんだろうというふうに思うのです。したがって、政府としても、歳出面はもちろんのことでございますが、財政全体の構図というものを十分考えて、どうしてもその時分には公債依存体質から脱却する、そして財政の機能というものを健全な状態に持っていくということをやっておかなければ、これはもう何ともならぬ状態だろうと私たちは思っておるわけでございまして、そういう意味合いから一つの目標として、ぜひともそれを実現をするように努力をしていくということが基本的にあるわけでございます。したがって、そういうことを前提に六十五年度までこの供託金の利息の問題も考えておるということを御了解願いたいと思い良す。
○中村(巖)委員 そういうお話は承るわけでありますけれども、私が思うには、どうも法務省は余りこの六年間ということを経済見通しの上に立ってとか、そういうことでお考えになったんではないのではなかろうか。とりあえず前回やった三年の期限が来ちゃったものだから、これを何とか先に延ばさなくちゃならない、どういう年数を考えたらいいかということを考えたときに、たまたま六十五年までの財政再建という政府の言葉があったんで、それに便乗して六年間延ばしちゃえ、こういうような考え方で、とりあえず六年間のうちには何とかなるだろうという、どうも安易な考え方でおやりになったような感じがしないでもないわけでございまして、今後六年間経過した後に利息は払っていくんだという考え方に真実立っておられるのかどうか、その辺をお伺いをしたいと思います。
○枇杷田政府委員 結論から申しますと、私どもとしますと、六年経過した後には利息を支払っていくようにしたいという考えております。 ただいまお話のありました三年経過したときの私どもの考え方でございますけれども、私どもといたしましては、三つの選択肢があったわけでございます。一つは、期限が切れるわけでございますので、ほかの経費を何とか抑えてそして利息を復活するという方法が一つ。それからもう一つは、恒久的に利子制度というものをやめてしまうというのが一つ。もう一つは、財政が好転するまでの間、利子を支払うのをとめる、いわば延長するという三つの選択肢が現実問題としてあったわけでございます。 第一の、ほかの経費を節減してということは、先ほども申し上げましたように、法務省の予算事情から申しますと、これは法務行政全般から見ますととても耐えられるところではないということで、その選択はできないということになりました。それから利息制度自体をやめてしまうということにつきましては、これは先ほどもちょっと御指摘ございましたように、長年利息制度というものを続けてきたということ、またそれに対する国民の利息はつくものだという期待といいますか、そういう考え方もあるわけでございますので、にわかにやめるというのは避けるべきではないかということで、その選択もいたしませんでした。最後に残るのは、財政が好転をするまでの間付利停止を延長するというところしか残らないわけでございます。そういう関係で、ではいつまで延ばせばいいか。無限に延ばすということもこれは不見識な話でございますので、そうなりますと、先ほど申しましたように、財政再建が期待できる六十五年度いっぱいまでは延ばすということで考えてお願いをいたしておるわけでございます。 ただ、もう一つの面で私どもが考えておりますのは、財政が好転するとかあるいは苦しいとかということによって、供託金の利息がついたりつかなかったりするということ自体が余り好ましいことではないんじゃないか。したがって、供託制度を何か工夫することによって、財政の問題と切り離した何らかの体制というものがつくれないものかということを、私どもとしては課題として受けとめておるわけでございます。それを五十七年以降もずっといろいろな面で検討してまいりまして、まだ成案は得ておりませんけれども、そういうことも今後十分に検討していって、そして何かいい工夫ができればそういうふうに切りかえていくということも考えなければいけないという課題を、みずから感じておるところでございます。
○中村(巖)委員 六十五年以降は利息を払いたいというお考えである、こういうことでございますけれども、そのことと、先ほど来の中にもありますけれども、供託制度は本来利息を付するべきものかどうかという議論との関係でございますけれども、法務省としては、今供託法三条は利息をつけるということになっている、この三条そのものを恒久的に今後へ向かって廃止をしてしまうというお考えは現時点ではないわけですか。
○枇杷田政府委員 ただいま申し上げましたとおり、三条そのものを削減してしまうということは適当でないというふうに考えております。
○中村(巖)委員 今までいろいろな形で、前の国会の審議の中でも、本来供託には利息を付するべきなのかどうかということは大変疑問であるというような考え方が法務省の方から示されているわけでありますけれども、その疑問であるという考え方は、即、供託法三条を廃止してしまうということには結びつかない、こういうことでございますか。
○枇杷田政府委員 供託法の三条を廃止するという考えはないというふうにただいま申し上げましたが、理論的に供託金について利息を付すべきものであるかどうかについてはいろいろな議論があります。ただ、沿革的な問題とか、あるいはその後の国民生活の中で長年そういう付利制度というものが行われてきたというふうなことから考えますと、利息を廃止するというのは適当でないという結論を持っておるわけでございます。したがいまして、抜本的な改正をする際にどういう方向に行くかわかりませんけれども、利息が払えるというふうなことで工夫ができるものならばそれにこしたことはないというように考えております。
○中村(巖)委員 そういうお考えだとするならば、しかもなおかつ民事局長もおっしゃられるように、国民の間にも供託については、現金供託の場合に利息がもらえるんだという意識が確定をしているというか、そういうものが確固としたものになっている、そして制度としては、供託というのは利息のあるものだ、そういうものが供託の制度なんだというふうに理解をされているということになると、やはりよほどの緊急のときに一時的に短い期間利息を付さない、一つのエマージェンシーですからそういうときに利息を付さないということはまあやむを得ないものとしても、かつて三年間も今までやってきてさらに六年間延長するということは、九年間にわたって利息を付さないという状態をつくり出すことであるわけでありまして、そういう状態を軽々に、軽々にと言ったら語弊がありますけれども、軽々につくり出していたのでは制度そのものが揺らいでいるではないかというふうに見られてもいたし方ないと思うわけでありますけれども、その点はどうお考えになりますか。
○枇杷田政府委員 原則的に利息を付すという条文を残しながらある一定期間停止をするというのは、御指摘のとおり異常なことであって、一時的な措置というものと言えようかと思います。したがいまして、三年にプラスして六年、合計九年の停止ということになりますと一時的ではないじゃないかという御指摘はごもっともでございますけれども、実は五十六年に現在の三年間の付利停止をお願いをした時点における財政の異常さというものは現在も続いておるわけでございます。むしろ深刻になっておると言ってもいいのかもしれません。そういう状態が、先ほども御議論に出ました閣議決定の線でも六十五年度には何とかしようということでございますので、いわばその異常な状態が少なくとも九年間は続くということでございまして、それ自体もまた異常なことであるのかもしれませんが、要するに、一月とか二月とかそういうものではなくて財政の逼迫状態というものが続けば、それが九年であっても異常な状態が継続しているということで、その間は付利停止をお願いするということもまあやむを得ないというふうに考えております。
○中村(巖)委員 そこで、私が先ほどから御指摘を申し上げているのですが、私どもの見通したって昭和六十五年になったら財政再建ができるんだということはどうもないようである。そうなると、昭和六十五年になってまだ財政が逼迫しております、だからさらに五年間延長をいたします。あるいは六年間延長をいたしますというと、今まで九年間のものがさらに十五年になり、あるいはそれ以上になってくる。こういうことはやはりあり得べからざることで、抜本的に供託制度そのものを利息がつかない形に変えるということであるならばともかくとして、こういう異常な状態をただ単に状態が続くからと何度も何度も、何度もと言うのも語弊がありますけれども、やるような可能性の中で今回の措置にお出になったということは私は納得がいかないわけです。そうなると今の局長のお話のように、現実に昭和六十五年度に財政がまだ緊縮財政を必要とする状態であればさらに延長をしていく、こういうことになるわけですか。
○枇杷田政府委員 そういう事態は私どもは余り想定したくはないのでございますけれども、そういうことになりました場合には、またそこで先ほど申し上げましたような三つの選択のうちのどれかを選ばなければならないということになると思いますが、私は、その中でも軽々に付利制度というものを簡単にやめるというふうな方向での解決はしたくはないというふうに考えております。
○中村(巖)委員 言葉は悪いんですけれども、そういう形で付利制度というか利息をつける制度はやめません、やめませんけれども、それは九年、さらには十五年であれ、つけていかないんですということになれば、それはやはり掲げているそういうタイトルというか、そういう宣伝というか、それと実質とが相入れない状態であるわけで、それはやはりおかしなことだ、まあ人をだましていると言ったら語弊があるかもわかりませんけれども、ごまかしをしていると言わざるを得ないものだというふうに私は思うわけで、その点で、それは法務省それ自体の財政が大変に苦しい状況というものは私どももよく承知をしておりますけれども、三年間今までやってきたわけでありますから、どこかにまた別な形で財源を探すというような格好で、そういうごまかしの状態は、まあそれは三年間はやむを得ないとしても、今後六年間もお続けになるべきでないというふうに思うわけであります。やはりその辺法務省として何とか財源をお探しになるなり、大蔵省との折衝の中で付利制度というか利息をつけないことを延長しないでも済むような方策を講ずべきだったんではないか、こういうふうに思いますけれども、大臣いかがでございましょう。
○嶋崎国務大臣 御指摘のように、三年間無利子でやってきまして、また六年間延長をするということになるわけでございます。したがいまして、こういうことが財政状況だけでつけたりつけなかったりするような事情が長く続くということは、余り適当なことではないというふうに私たちは思っておるわけでございます。先ほど民事局長からも御説明がありましたように、三つの選択肢を考える中で、さらに将来そういうこととは別に供託の制度自体を真剣にいろいろ考え直して、そういう中できちっと予算というものが整理をされるというような状態に持っていく努力をしなければならないのではないかというふうに思っておるわけでございまして、今後ともそういう面について真剣な努力を進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○中村(巖)委員 今私がいろいろ御質問申し上げましたように、そういう状況の中では私どもは今回の延長というものに安易に賛成をすることはできない、これ自体極めて安易なやり方であるというふうに申し上げまして、私の質問を終わります。
○片岡委員長 林吾郎君。
○林(百)委員 ことしは固定資産税、都市計画税の見直しの年でございますので、それが借地人、借家人にどう影響してくるか。その紛争の間に借地料あるいは家賃を一応供託するというような問題が起きまして、供託金に利息がつくかつかないかは、そういう紛争を解決する上において大きな影響を及ぼしてきますので、その関係について御質問をしたいと思います。 まず最初に自治省にお尋ねしますが、ことしは固定資産税、それから都市計画税、この見直しをする年であることは間違いないでしょうね。
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。 御指摘のように昭和六十年度は三年に一回の評価がえの年でございまして、土地と家屋につきましてそれぞれ評価がえの作業を現在進めているところでございます。
○林(百)委員 平均して大体どのくらいの引き上げになりそうですか。
○鶴岡説明員 現在作業中でございまして全体のはまだ掌握しておりませんが、土地で申し上げますと各県庁所在地市に基準地というのを設けておりまして、その基準地価格は昨年の九月末に自治大臣が調整しまして各県に指示しております。このアップ率は一九・九%でございますので、宅地について言いますとおおむね二〇%前後、ところによりまして、例えば新幹線が通ったとか駅前が整備されたとか、そういうところは別にしますと、通常のところは二〇%程度のアップ率になるのじゃないか。それから家屋の関係につきましては、これは最近三年間の家屋の価格が非常に安定しておりますので、木造で三%のアップでございます。ただ、家屋につきましては従来から新造分、いわば五十九年中に建ちまして六十年度に新たに課税されるものから原則として上げまして、それ以前の、私どもの言葉で在来分と言っていますが、これは評価がえをした結果評価額が下がるときは当然下げますが、仮に上がる場合も原則として据え置くということをしておりますので、家屋につきましては評価がえに伴う税負担の増というのはないと思います。 それからなお土地について申し上げますと、宅地につきまして現在地方税法の改正案を提案しておりますが、今回も負担調整措置をとることにしておりますので、宅地の場合で一般的な今の二〇%程度の上昇になる土地の場合には、税負担として比べますと五十九年度に対して六十年度は一〇%、一・一という負担調整率のところが大部分でございますので、通常の宅地は一割程度税額が上がるのじゃないかというふうに見ております。
○林(百)委員 家屋についての評価がえはするんですか。評価がえの結果固定資産税の引き上げはやらないという意味ですか、よくその辺がわからなかったのです。
○鶴岡説明員 お答えを申し上げます。 評価がえそのものの作業はしまして、出た結果としまして、今回の場合ですと例えば木造ですと三%ぐらいですから、例えば五十六年に建って五十七年に新たに査定された、五十七年の基準で評価されているような家屋の場合ですと、三年間の軽減率といいますか、経年による減価率の方が三%より大きいですから、これは当然下がります。こういうものは当然評価がえの結果評価額そのものが下がりますので、これは評価がえをします。先ほど言いましたほかの分は、例えば過去に建ったものはその時点で評価しておりますので、今の評価基準で評価した結果、五十九年の評価額といいますか台帳に登録されている価格に比べて上がるものが出てまいります。大半のものは上がるわけですけれども、そこは従来から家屋について在来分は原則として据え置くという評価基準の経過措置で取り扱ってきておりますので、作業した結果として五十九年の台帳登録価格に比べて上がるものは、原則据え置きですので同額を台帳に載せる。ですから、評価がえの作業そのものはしますが、評価額そのものは動かない、結果的に税負担も上がらない、通常の家屋の場合にはそうなるということでございます。
○林(百)委員 そうすると、通常の場合はそうであって、したがって家屋については固定資産税あるいは都市計画税ですか、それは評価がえの年であっても上がらない、そう考えておいていいんですか。
○鶴岡説明員 そのとおりでございます。ただ先生御案内のように、新築の家屋やなんかの場合で、住宅の場合には三年間二分の一に税額を軽減するというのがございます。これは評価がえに関係なくある年度に建ったら三年間、基本的に言いますと税負担を百平方メートルまでの住宅は二分の一にするという措置がありますから、これがたまたま六十年度に切れるというのは、評価がえの結果は上がりませんが、新築の軽減措置の適用期間が切れるということで上がる。これは別の意味で上がるのはございますが、評価がえに伴っては、先ほどから御説明しておりますように基本的には五十九年度の税額と六十年度は変わらないと見ていただいて結構です。
○林(百)委員 そうすると、固定資産税の評価がえの年は、評価が上がったということを理由にして地主、家主が地代や家賃にその上がった分を不当に転嫁してくるという事例が非常に多くて、そのための紛争が起きているんですが、そういうことは知っておりますか。
○鶴岡説明員 前回は五十七年に評価がえしましたけれども、その後私どもの方としては特に具体的なケースがどうこうというのは、直接何か照会があったというのは余りございません。ただ、先生おっしゃりますように、評価がえに伴いまして便乗値上げといいますか、不当な値上げがあるということは好ましいことではございませんので、従来から評価がえに伴う際に便乗値上げを抑止するために建設省と協議をしまして通達を出して、地方公共団体にそういうことのないように指導をしております。今回も法案が通過し次第できるだけ早く指導の通達を出して、できるだけそういう混乱が生じないように措置をしていきたいというふうに考えております。
○林(百)委員 この前、土地、家屋の評価がえをしたのは五十七年ですが、こういう際には先ほど自治省の答弁にもありますように、地主、家主が不当に固定資産税あるいは都市計画税、まあ固定資産税と言いましょうか、引き上げを理由にして地代、家賃の引き上げが行われて、それに対して借地人、借家人側はその値上げは不当であるということでいろいろ訴訟が起きる、民事訴訟が起きるあるいは調停事件が起きるということがあることは民事局では御存じですか。
○枇杷田政府委員 統計数字的にそのことは私どもはわかりませんけれども、事柄の性質上そういうことは多分にあり得るというふうに思っております。
○林(百)委員 そういう場合に家主や地主が不払いを理由にして明け渡しを請求することを防ぐためにとりあえず現状の家賃あるいは地代を支払おうとしますけれども、家主や地主は値上げを請求しているからそれを受け取らない。そのために現状の家賃や地代を供託するという事例のあることは民事局では御承知ですか。
○枇杷田政府委員 そういうことで供託事件になるということは十分予想されますけれども、供託するといたしますと固定資産税が上がったことを理由とした地代、家賃の値上げたからということが明記されての供託ではございませんので、その点は明確には承知しておりません。しかし、傾向としてはそういうことは大いにあり得るだろうと思います。
○林(百)委員 法務省の資料を拝見しますと、土地家屋の固定資産税の引き上げられた年は五十七年ですが、このときの供託の受け高が千二百五億で前年に比べて約百億ぐらい多いけれども、これはどういう理由ですか。
○枇杷田政府委員 これは原因を分析しておりませんし、また統計の上からはっきりつかまえられませんのでいかなる理由かはわかりません。ただいまおっしゃったような地代、家賃の値上げに伴うものであるかどうかも、ちょっと私どもの資料からは明確には把握しかねます。
○林(百)委員 私たちの経験から言いますと、地代、家賃の一方的な値上げが宣告されるとそれに対して貸借人の方は権利確保のために従来の地代、家賃を供託するということが評価がえの年にはありますので、それによって一躍前年より供託金が百億ふえたのではないかと推考されるわけなんですけれども、どういう理由でこれだけふえたか、それはわからない。しかし、私たちは実際上の経験から申し上げましてもそう解釈しているわけです。 そこで、大蔵省の方へお尋ねしますが、一体この供託金というのは会計上、予算上はどういうところへ繰り入れられているわけですか。
○熊澤説明員 供託金が会計上どういうところに運用されているのかというお尋ねでございますので、御説明いたします。 供託金が受け入れられますと、国の会計法規、具体的には予算決算及び会計令第百三条というのがございまして、「各省各庁の長の保管に係る現金は、これを日本銀行に払い込まなければならない。」こういった規定によりまして政府の日本銀行に開設しております当座預金勘定に入ることになります。そのほかのいろいろな歳入も同様にこの政府の当座勘定に入るわけでございますが、また同時に、供託金が払い出される場合、そのほか歳出が起こる場合、いろいろな政府の支払いが行われます場合にはこの日本銀行に開設されております当座勘定から払い出されるという仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、国庫金の一部を供託金も構成する、一言で言えば仕組みとしてそういうことになっております。
○林(百)委員 これが資金運用部資金に繰り込まれて資金運用部資金として使われるということはないですか。
○熊澤説明員 政府の当座勘定に入るわけでございますが、私ども政府の当座勘定からいろいろな金が支払われるわけでございますので、常日ごろからこの当座勘定が必要な額がいつも維持されているようにいろいろ努めているわけでございます。 ところで、そうした政府の当座勘定にそうした必要と思われる資金以上の金が残高として残った場合はどうするかという問題があるわけでございますが、その場合には、現状ではそういった事態が起こることは普通はなかなか少ないわけでございますが、そういうことが起こりますと、制度としては特別会計等の資金として繰りかえ使用をするというような仕組みがございます。これは特別会計等も借り入れを起こしたりしておりまして資金不足が生じている会計がございますので、そういった会計がそういうことによって利子負担が助かるということになるわけでございますが、その場合の繰りかえ使用というのは無利子でやっているわけでございます。 それから、お尋ねの運用部に預託することもあるではないかということでございますが、そういうこともございます。制度としてはございます。しかし、最近、事実の問題といたしましては、そういうことがずっと起こっておりません。預託している場合もございますけれども、運用部の場合、一月以上預けないと利子を支払わないことになっておりますので、そういう長い期間にわたって国庫金の余裕金が生ずるという事態は実際問題としてはないという実情でございます。
○林(百)委員 そうすると、日銀の国の当座会計として預金される場合に、日銀の方はそれに対する利息はつかないのですか。そして仮に、あなたが言うように仮の場合を考えて、資金運用部資金として運用した場合にそれに利息はつかないのですか。
○熊澤説明員 最初の点でございますが、日本銀行に開設しております政府の当座預金でございますが、これは民間の企業が銀行に持つ当座預金と同じような性格のものでございますので、そのほかのことがございまして、日本銀行からは利子はいただいていないわけでございます。 それから、第二点の資金運用部に預託した場合の利率ということでございますが、もし仮にそういうようなことができれば、一月以上三月未満の運用部預託金の利率は年二%、三月以上一年未満になりますと年三・五%、一年以上三年未満なら年四・五%というような利率が決められているわけでございます。
○林(百)委員 そうすると、資金運用部資金にもし回るとすれば、そういう余裕金が出るか出ないかは別としても、原則として利息がつくような制度にはなっているわけですね。 そこで、これが国庫預かり金として日銀に入っているのですが、ただ預けているだけですが、全然運用されないのですか、
○熊澤説明員 先生十分御承知のことと思いますけれども、政府の今の資金繰りと申しますのは大変苦しくなっておりまして、当座勘定に必要な額を積むこと自身、通常の場合、政府短期証券によって資金を調達してまいりませんと間に合わないような実情になっております。 そういうようなことで、実際に運用部に預託するというような状況にはずっとなっていないわけでございます。しかし、制度として運用部に預託できれば、それは利子はつくのではないかとおっしゃる点はそのとおりではございます。 それから、日銀の当座勘定に残っているものがあるだろう、それは運用されておるのではないか、こういうお尋ねかと存じます。 日銀もいろいろな資産運用はいたしております。一方、いろいろな負債勘定を持っておりますので、その対応関係、どこに運用されているか、何に運用されているのか、国債に運用されているか、手形に運用されているか、どうなっているのか、その金が経費として使われたのか、お金のことでございますのでそれにひもをつけて追跡するようなことはできないかと思いますけれども、一般的に申しますれば、民間の銀行が預金を預かって何かに運用している、日本銀行も政府の当座預金を預かっている、その資金が何かには使われているだろうとおっしゃる点はそのとおりであろうと思います。
○林(百)委員 ですから、この供託金がとにかく利息のつくところへ使われるというのが原則です。それは、いろいろの場合もありますが、原則であることは間違いはないというように聞いておきます。それはいろいろな使い方もあるでしょうけれども、日銀へ当座預金しておるのに日銀が全然利子もつかない方に使うとか、あるいは万一、資金運用部資金へ行けば、もう利息がつくことは間違いない。 そうすると、個人から預かっている金を原則としては利息のつくような方面へ使うことができるというのに、その個人へ返す場合は利息はつけないというのは矛盾していると思いますが、どうですか、これは民事局に聞きますが。
○枇杷田政府委員 金融機関などでございますと、預かった金については利息をつけるというのが原則であることはおっしゃるとおりでございますが、供託の場合には利殖のためにということではなくて、いわば私人間の紛争の解決の一場面として国がかわりに受け取るというようなことでございますので、したがいまして、必ずしも利息をつけなければならぬという性格のものではないと思います。
○林(百)委員 しかし、借家人や借地人からいえば、供託する金を供託をしなくて民間銀行へ預金しておけば利息がつぐわけなんですからね。供託したためにその金については利息がついてこないというのはおかしいと思うんですよね。しかも、受け取る方の家主、地主から言わせれば、当然自分のもらう家賃あるいは地代について、それをもらって銀行へ預金しておけばそれも利息がつくわけですよ。だから民間同士では利息がつくのに、たまたま供託といって国へ供託したら何の利息もつかないということは、国民にとって不利な条件を押しつけることになるんじゃないですか。それは、民間人で運用すれば利息がどっちへ転んだってつくものが、供託したからといって全然利息がついてこないというようなことを強いることは、例えば地代、家賃の紛争についても、借地人、借家人が自分の権利を確保するために、とりあえず現状の地代、家賃を供託する、それが今度は話がつくなりして、その金が地主、家主に行く場合に、利息がついているのと利息がついていないのとは、紛争の解決の場合は非常に違うと思うんですよ。だから、借家人や借地人にとっては非常に不利になると思うんですよ。ちゃんと利息までついて地主、家主さんのところに行きますと、もうその時点で払ったと同じですというように話がつくのを、供託したからといって無利子になってくると、地主や家主の方から、これは前にもらっていれば利息がつくのに、利息がついていないから、あなた、利息を下さいと言って、供託したゆえにもらうべき利息がもらえないために、自分がそれを立てかえなければならないという事態が起きやしませんか。そんな制度を国がいつまでも存続しておくということはいいんでしょうかね。
○枇杷田政府委員 確かに、長期間資金が寝るというふうな側面を考えまして、供託法の三条では利子をつけるということになっているわけでございます。ただ、しかし銀行に預ける場合と違いまして、銀行の場合には、預かりました金を今度は貸し付けということで運用して、そしてそこで利益を上げていくという関係でございますが、国は、いわば紛争の解決の一場面としてそれを受け取って、それによって法律的に弁済の効果を生じさせるということでございます。そして、国は何も、その預かった供託金を運用して利益を上げるという目的で預かっているわけのものではございませんので、そこら辺は性質上の違いはあろうかと思います。
○林(百)委員 それじゃ、供託法の三条に「利息ヲ付スルコトヲ要ス」といっているのはどういうわけですか。供託した金は利息がつかないようにただ預かっているだけじゃないですよ。大蔵省の方で日銀の方に預けたり、あるいは資金運用部資金に使うかもしれない。いずれも利息がつくような方法に使われる場合もあるわけなんですよ。あなた、法務省の金庫の中に入っているわけじゃないですよ。日銀に入って、そして日銀という銀行がそれをどう運用するか、基本的にはやはり利息がつくようになっている。だから、この供託法を見ましても、「供託金ニハ命令ノ走ムル所二体リ利息ヲ付スルコトヲ要ス」とあるじゃないですか。「要ス」のを、こんなにカットしてしまっていいという理屈を急に民事局の方で立てたというのはどういうわけですか。もともとあなたの言うようなことなら、こんな法律をつくらなければいいじゃないですか。「利息ヲ付スルコトヲ要ス」なんて、これは何でつけたのですか。
○枇杷田政府委員 これは、明治三十年代にこの供託法ができました際に、いわばまだ近代法の取引になれない国民を、紛争の解決の一方法として供託制度を大いに利用してもらおうという一つの奨励策の意味もあり、また反面、先ほど申し上げましたように長期間資金を寝かすということには違いありませんので、そういう意味で利息をつけることにするのが適当だということで供託法の三条が制定されたというふうに考えております。 しかしながら、先ほど申しましたように、国が預かるのは、結果としては国庫金として何がしかの利益を生み出すというふうなこともなくはないと思いますけれども、金融機関と同じように、いわば貸付金との差額で利潤を上げていくというような関係で供託金を預かる性質のものではございません。また、先ほどもほかの委員の方から御質問があったわけでありますけれども、国が相当な経費を支出しながら供託制度というものを運用しておるわけでございます。 そういうところから見ますと、本来的には、供託法の三条に規定されておりますように、利息を支払うということが望ましい、あるべき姿だということではございますけれども、諸般の事情で、やむを得ない場合には、一時期付利停止をするということもできなくはないというふうな考えに立っておるわけでございます。
○林(百)委員 初めはなれなかったから、なれさせるためにやったと言ったって、明治三十二年から昭和五十九年までやったんですよ。その間、みんな利息がついていたんですよ。それが、まだなれないからと言って五十九年までやっていたのを、六十年から、もうなれたからつけないよ、そんな理屈が通りますか、あなた。諸般の事情って何ですか。率直に言ってくださいよ、あなた。
○枇杷田政府委員 先ほどは、明治三十二年の制定当時のことを申し上げたわけでありますが、それが長年続きまして、供託金には利息がつくものだというようなことは、いわば国民の中に定着した一つの考え方だろうと思います。そういうふうなことでずっと利息の制度は残すべきだというふうに考えております。したがいまして、今度の法案は、その三条を削除して利子をつけなくするということを恒久的に決めるという法案ではないわけでございまして、先ほど、諸般の事情と申し上げましたけれども、先ほど来、各委員の方からの御質問にお答えしているとおり、現在の財政事情のもとにおいては、できるだけ歳出縮減を考えていかなければならない。その一つとして、供託金の利子については、財政再建ができるまでの間、そのお支払いを停止するようにしたいという臨時的な措置としてこの法案をお願いいたしておる次第でございます。
○林(百)委員 理屈が通らないですね。それじゃ、昭和六十年の三月になって、供託制度に親しんできた、だからもう利息なんかやらなんでも供託するだろうと、どうして昭和六十年の三月からそう考えたのですか。その根拠はどうなんですか。
○枇杷田政府委員 前回の昭和五十六年のときに、現行法の附則の第十五条で、三年間利息の支払いを停止するということになっておるわけでございますが、そのときにもその提案理由として御説明申し上げましたとおり、財政事情が厳しいので、したがって、利息を支払うというのが望ましい姿だけれども、一時期その支払いをとめることということの内容の法案でお願いをいたしたわけでございます。それが三年間たちまして、現在でも財政事情が当初予期したような状況になりませんので、引き続き歳出縮減のためにその利息の支払いをとめるという期間を延長していただきたいというのがこの法案の趣旨でございます。
○林(百)委員 だから国の都合だということでしょう。何もあなたは国民の方がなれなかったからならせるために今まで利息をやったけれども、もうなれたからいいということじゃないじゃないですか。国の財政が厳しいからこういう制度をやむを得ずやっている、初めからそう言ったらいいのじゃないですか。それでもういいです、あなた。 大臣、国の事情でそうだというのだから、これは当然またもとへ復活をさせるべきだと思うのですよ。これは国民のなけなしのお金を、とにかくいろいろの紛争が起きて、ことに地代、家賃を——固定資産税が上がるからと言って家主や地主がそれを地代や家賃に転嫁してくる。そのためにやむを得ず紛争が起きるということは、もう国民にとってはやむを得ない事情だと思うのですよ。それで本来なら利息のつく会も、その紛争を解決するために、これも固定資産税が上がるためにやるわけですから、もう、もともとこれはもとに戻すべきである、局長もそう言っていますけれども、本来からいってもとへ戻してちゃんと利息をつけてやるべきだというように思うのですが、大臣はどう思うのですかな。
○嶋崎国務大臣 もう既に御承知だと思いますが、非常に長い歴史を持っておるわけでございますが、その中で利息の金額等についても相当変化をして今日までやってきました。御承知のように、さきの改正のときに非常に財政事情が困難である、そういう背景の中で無利子でお願いをしたいというようなことで、三年間無利子でまいったわけでございます。今回も財政事情は当時以上に厳しいというような事態がありましたので、今後六十五年度までひとつ無利子でお願いをしたいということをこの法案で考えておるわけでございます。 今お話がありましたように、考え方としましては、現在ある法律で利子を付するという考え方をとっておるわけでございまして、それ自身を放てきしているわけではないわけでございまして、今後、せっかくこの問題については研究をいたしまして、何とか利子を付するというような形で根本的な解決ができるかどうかということを、法務省自身としても考えていかなければならないのではないかとういうふうに思っておる次第でございます。
○林(百)委員 大臣の言うことならわかりますが、局長の言うように利息をつけないのは当たり前だ、国の方だって何も利息をつけて運用してないじゃないか、そういう乱暴な言い方をすべきでないと思うのですね。国民が供託せざるを得ないのは、やむを得ない事情で供託する場合があるのですよ。今言った借地人や借家人のように、固定資産税が上がる、それが不当に押しつけられてくる。本来ならそういう金は銀行に預金しておけば、利息がつくのですよ。ですから、そういうことを考慮して、財政も苦しい折だからやむを得ずこういう制度をやりました、しかしこれは本来またもとへ戻すべきだという答弁ならわかるのですが、あなたのは当たり前だ、国に供託した金で利息なんか欲しいというのは、欲しい方が悪いのだなんという意味の、そうはあなたは言っておりませんけれども、そんなふうに受け取れるような答弁をしたのなら、こっちは反発したくなりますよね。 そこで、私は地代、家賃に関する供託の問題だけに絞ってお聞きしますので、この点についてさらに自治省の方にお尋ねしますが、先ほども課長さんの答弁にありましたように、建設省と相談して固定資産税や都市計画税の値上げに伴う地代、家賃の不当な引き上げを抑止するようにという通達を五十七年に出しているので、ことしも出したいと思うというようなお話だったのですが、これはお出しになる予定ですかどうですか。
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。 五十七年に出しておりますし、今回も建設省と協議しまして、新年度に入りましたらできるだけ早い機会に指導通達を出したいと考えております。
○林(百)委員 できるだけ早い機会というのですが、これは先に延びれば延びるほどいろいろな紛争が起きてきますので、この前も四月に出しておりますが、月がかわったらお出しになって、なるべく早く出した方がいいと思いますが、こういう便乗値上げや紛争が起きないために、そこはお考えになっていますか。
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。 前回も四月に出しておりまして、四月もできるだけ早く出すように、ただいま建設省の方でいろいろな基礎数値を集めておりますので、その作業も急ぐように今お願いしているところでございまして、少なくとも前回よりおくれることのないように、四月中もできるだけ早い機会に出したいということで作業を進めているところでございます。
○林(百)委員 最後に、先ほど自治省の課長さんの答弁にもありましたように、家屋の方の固定資産税は原則として上がらないことになっている。いろいろ例外はありますけれども、そういうような場合に、不当な固定資産税の値上げと一般的な風潮に乗じて家賃を引き上げられるような場合に、一体実際に家主さんが固定資産税やあるいは都市計画税が上げられたかどうかということを調べたいというように思うわけですが、そういう調べる方法はどうしたらいいのでしょうか。何とか親切によく説明をしてもらう、あるいはこういう事情になっていますと、今課長さんがここで説明したようなことを説明してもらうか、あるいはそういう資料を見せていただくか、そういう措置をとるようにはしてありますか。
○鶴岡説明員 固定資産税が地代や家賃の一定部分を占めていることは当然でございますので、従来から自治省では、評価がえに伴いまして借地人あるいは借家人に関係します当該借地や借家の固定資産税負担の増加について照会を受けた場合については、その地域の土地で言えば、この場合ですとおたくのところあたりは一・一倍ですとか、家屋について言いますと、これは何年ぐらいに建ったので、今回は据え置きの家屋ですとか、そういうような地代、家賃が円滑に決定する一助となるような適切な対応をするように指導しておりまして、四月に出す予定をしております便乗値上げの抑制の通知の中にも、そのことを付記したいというふうに考えております。
○林(百)委員 これで終わりますが、もう一つ。 よくわかりました。ただ、土地台帳や家屋台帳は、借地人、借家人以外には利害関係人でないということで、直接の地主、家主に関する部分は見せないのが原則になっているようですけれども、しかし説明は今言ったように、課長さんの言うような説明をしていただければわかるし、また近隣のものは見せていただけるようになっていると思いますけれども、利害関係人でありませんからね。しかし、それはなかなか素人ではわかりませんので、今課長さんの言ったような説明を親切に、この前の通達にもありますが、「税負担の状況及び負担調整措置に伴う税負担の増加額を示すこと等により実情に即した対応を行うよう努めるものとする。」ということも述べられておりますので、ひとつ親切によく説明してやるようにということを、四月に出すと思われる通達の中にも明記しておいていただきたい。実情に対応して行うようにということがこの前の通達にもありますので、そういうことを希望しておきます。その答弁を求めて、私の質問を終わります。
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。 今言ったような趣旨をも入れまして、通達を出すように作業を進めたいと思います。
○林(百)委員 終わります。
○片岡委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 供託法の十五条の改正で、三年前から十五条を新設して利息を付さない、三年間利息をつけないということにしたわけです。これは明治三十二年に現行法ができてから八十年以上にわたって利息を払うということにしてきたわけですが、この三年間だけ、六十年三月三十一日まで利息をつけないとこの前にしたわけです。そして当時の政府の答弁を見ても、三年後にはまた利息を払うかのような返事があったわけですけれども、そういう法律の形態から考えてみて、国民の間では、三年たてばまた利息がつくようになるという考えを持っていたと思うのですが、そういう点はお認めになりますか。
○枇杷田政府委員 前回の改正法では三年間とめるということでございますので、その法律の形式からいたしましても、三年たったらば利息の支払いは復活するであろうというふうに一般に認識されたであろうということは、私もそのように思います。
○柴田(睦)委員 供託金の保管方法はいろいろ変わってきておりますけれども、現在の保管方法から言いますと、いろいろ議論で出ていますけれども、まとめますと、供託金は国庫金の一つとして日本銀行に払い込まれる、日本銀行はこれを国の預金とする、国庫金は供託金だけではなくてもろもろのものが集まって全体を通じて融通し合う、こういう関係になっていると思うのですが、そういう中では供託金が国庫金の一部として国の資金の効率的な活用に役立っているということは否定できないと思いますが、これはどうでしょうか。
○枇杷田政府委員 今おっしゃったような形で何らかの役には立っているだろうというふうには思います。
○柴田(睦)委員 現在の会計制度のもとでは、供託金だけを独立してその収支を明らかにする制度というようにはなっていないわけです。そういう仕組みだものですから、いろいろ議論がなされておりますけれども、いろいろな考え方があるわけですけれども、法律的に供託金に利息をつけるのが正しいのかどうかという点を運用利益という点から見て判断はできない、そういう関係になっていると思うのです。しかし、供託金に利息をつける政策、その政策が正しいかどうかという判断の要素には、国がどのような利益を受けているかということは十分考慮しなければならない問題であると思いますが、これはいかがですか。
○枇杷田政府委員 利息をつけるべきかどうかということにつきましては、供託する側の事情あるいは被供託者の事情などもありますし、そういう面を総合した、いわば一つの民事的な政策の問題もあります。それからもう一つは、保管金をどのように運用しているかというふうなこともそれは考慮の中には入ってこようかと思いますけれども、供託法の立場から申しますと、どちらかと言えば前者の政策的な配慮というものが中心に考えられることになろうかと思います。
○柴田(睦)委員 供託法だけではなくて、やはり政策的な問題。だから、こういうものはなるべくならば大臣が答えられた方がいいと思うのです。 結局は、利息つきの保管金制度を残す必要性があるかどうかということでの政府の政策判断の結果が今日、国民は当然利息が復活すると思っていたのに反して今度は六年間も利息をつけない期間を延長するというのが今度の改正案です。どうして六年間にしたかということにつきましては、大臣が先ほど同僚議員の質問に対して答弁なさっておりましたけれども、この前のときにもこの委員会で三年間と決めておいて、三年たってまた何年も延長するということになれば、国会の権威が失墜するぞということを質問の中で議員から言われているわけです。今度六年間つけない期間を決めるということですけれども、六年後には本当に利息が復活できる、復活しなければならない、そういう気持ちを持っておられるかどうか、お伺いします。
○嶋崎国務大臣 御承知のように、供託をするということになれば相当資金的に固定をするというような状況でもありますし、また、過去長い間利息を付してきたという経過もあるわけでございます。ところが、さきに御承知のとおり公債依存度を、何とか財政的に体質を直さなければいけないということで、三年間無利息でやってまいったわけでございます。御承知のようにそれ以後もなかなか税収が伸びないというような実情にあり、必死に財政再建のために歳出の削減というようなこともやって今日までやってまいったわけでございますけれども、なかなかそのめどがつかないというのが実情であることは御承知のとおりでございます。そういう意味合いから「展望と指針」の中で明らかにしておりますように、六十五年までには何とか財政再建を政府を挙げて努力をしなければいけないというようなことに相なっておりまして、そういう事態を踏まえましてさらに六十五年度まで無利子でお願いをしたいということをお願いしておるような実情であるわけでございます。今後もいろいろな問題があろうと思いますけれども、どうも利子がついたりつかなかったりというような状況ができるというのは余り適当なことではありませんと思いますから、やはり基本的に供託の制度というものを考えて、安定した制度をつくるように努力をしていかなければいけないというふうに思っておる次第でございます。
○柴田(睦)委員 理論的な検討の問題をお答えになられましたけれども、やはり法律において三年間と言えば、三年すれば復活する。それをまた六年というのは非常にけしからぬことだと思うのですけれども、六年間ずればまた復活するというのが法律の建前だと思うのです。それを理論的検討の結果利息はつけないことにするということになるならば、法律自体に何年間ということを決めないで、当分の間とか、別に法律で決める期間とか、こういう形の立法の方法もあるわけです。年限を区切るということは、それで本来の利息を付することを要すということが復活する、そういうことでなくちゃならないと思います。 大蔵省の方に伺いますが、日本銀行が市中銀行に貸し出す場合の利息、三年前の利息と今日の利息との差額を教えていただきたいと思います。
○北村説明員 ただいまお話がございましたが、公定歩合の水準の問題でございますが、六年前でございますが、五十四年三月八日現在三・五%、三年前の五十七年三月が五・五%、現在は五%という状況でございます。
○柴田(睦)委員 これは直接に供託金を活用したということにはつながりませんけれども、市中銀行に貸し出す利息の方は三年前と比べると五・五%から五%に下がる、市中銀行は三年前に比べればそれだけ安い利息で済む。国民の方は一・二%三年前まではもらえたものがもらえなくなる、こういう矛盾が現実に生じているというように考えております。 それから、日銀の役員の給与、期末手当、それからその間にやめられた退職金など、役員に三年間に払われた金額は幾らでしょうか。
○北村説明員 五十九年度につきましては現段階ではまだ見込みということでございますので、それを前提にお答えさせていただきますが、五十七年度、五十八年度、五十九年度、合計いたしまして九億七千九十五万円という状況でございます。
○柴田(睦)委員 これは別な機会にお伺いしたものでありますけれども、現在日銀総裁の給与が二百二十四万円、大臣の倍近くあるわけですね。そして三権の長の百六十三万円と比べてもはるかに大きいという金額になっているわけですが、この例えば日銀総裁の退職金、今の金額で計算してみますと、日銀総裁を十年間勤めますとその退職金が一億一千八百二十七万円になるわけです。日銀総裁が勤続十年の間に手にする金というのは、給与が二億六千八百八十万円、一時金が一億五千四百万円、退職すればそういうふうに一億一千八百二十七万円、合わせると十年間で五億円もらう。これはもう非常に、総理大臣を十年間やったってこれよりずっと少ないわけです。こういうふうにして、今の日銀自体、総裁がそうですし、それからほかの理事や監事、こうした人たちも計算すれば非常に高い金額になっております。 そういう点から見まして、結局供託金、これは利息をつけないようにしたわけですが、この供託金を日銀に入れて、そして日銀はそれを活用する、市中銀行などに貸し出す、こういうことになっていくわけですが、国民にとっては当然利息が来ると思っていたものを法律で払わないようにする。私も弁護士をやっておりまして、保全処分をやって、そんなに積む金がかかるのですかと聞かれると、まあ銀行ほどではないけれども幾らか利息もつくから我慢しろということで話をしておりましたけれども、今度は積むとき、そんなに人から借金してきて金を積んで、そして長い間、裁判の間積んでおかなくてはならないというようなことになるわけですから、国民にとっては大変な被害が現実に生じているわけです。これに対して市中銀行は、現実に貸し出しの利息が三年の間下がっている。それから日銀の総裁や理事、役員、こうした人たちに対しては、総理大臣なんかさえも及ばないようなはるかに大きな金額が計算されているというようなことを考えてみました場合に、私は非常に矛盾を感じ、こういう供託金の利息の支払いはやめる、こういうものはやってはいけないことだ、こういうふうに思いますが、この点について直接の担当ではありませんけれども、行政改革を進める内閣の閣僚の一員として法務大臣の感想がありましたらお伺いしたいと思います。
○嶋崎国務大臣 日銀の役員の給与のお話とストレートに供託金の利子の問題を結びつけられた御質問でございまして、何ともお答えするのに非常に困難なお話でございますけれども、我々としましても過去三年間そういうことで無利子でやってまいりまして、こういう財政事情の中ではさらにこの六十五年度まで無利子でお願いをするというようなことを、今の財政事情がいかにも窮屈であるということ、またそれを何とか打開しなければならぬということを背景にお願いをしておるわけでございますけれども、ある意味では三条の規定をそのままにしながらそれをお願いをしているという、そういう気持ちをお察し願いたいと思うのです。それはいかにも現在の財政事情が厳しいということであろうかというふうに思っております。 また、国の供託金を預託をしておる、当座預金に入っておる、それが全体的に運用されておる、そのことが何らかの意味でプラスに作用する面がないわけではないと思いますけれども、どうも今までの物の考え方というのは、ともかく財政の話をやるときには利子の話を度外視して物を考えるという傾向があったような感じもするわけでございます。これからやはりそういう点も十分配慮して、この供託金の利子が年によってついたりつかなかったり、またそういう変化の中でそういうことが長続きするというようなことは本当に適当じゃないと思いますので、やはり基本的にこの供託制度というものをどう考えるのかというようなことに取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○柴田(睦)委員 もう時間がなくなりました。それで、法務省の方にはほかの質問も予定するように言っておきましたけれども、そこに入りますと時間をオーバーいたしますので、二分前ですが終わります。
○片岡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○片岡委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 供託法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○片岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○片岡委員長 次回は、来る十九日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十九分散会