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102回国会衆議院1985/06/21

文教委員会 第20号

発言数
97
登壇者
10
会派数
4
開催日
1985/06/21

会議録

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 これより会議を開きます。  木島喜兵衛君外二名提出、児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法案及び木島喜兵衛君外二名提出、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中克彦君。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 最近の教育問題の重要性にかんがみまして、特に教育環境の整備のうちで学校施設の整備につきまして、これは極めて重要な課題であることは言うまでもありませんが、今回出されました二つの議員立法に関係をいたしまして、私は、その提案者に大変深く敬意を表しながら、質問を続けさせていただきたい、こう思うわけであります。  政府の六十年度の教育関係予算を見ましても、特に学校施設の整備費につきましても、前年度の実績四千六億八千九百万円に対しまして、ことしの予算というのは三千六百二十三億九千七百万円ということで、実に三百八十二億九千二百万円と大きく落ち込んでおります。特にパーセントにいたしましても事業量では一一・九%落ち込み、こういうような状況になっておりまして、この二つの法案に関係する直接の課題であります児童生徒急増市町村の施設特別整備事業につきましても、事業量は横ばい、こういう状況になっているわけであります。一方、この教育施設の整備が市町村財政、地方公共団体の財政を非常に圧迫する要因になっておりまして、人口急増市町村につきましては教育費の負担が予算構成の中で実に二二・二%を占めるということでありますが、一般市町村の一七・一に比べてこれが大きな負担にもなっている、こういう状況にあります。したがって、これらの問題を解決していく手だてというものは非常に重要だ、こう思いますが、そういう視点から特に提案者に伺っておきたい、こう思うわけであります。  第一には、この衆法八号、九号の提案の趣旨及びその提案の内容のポイントがどこにあるのか、そういう点をまず最初にお伺いをしたい、こう思います。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 お答え申し上げます。  衆法八号は、児童生徒の急増地域における学校の施設整備を図ることをねらいとしております。また、衆法九号は、児童生徒急増対策の後遺症ともいえる過大規模校の分離促進をねらったものであります。  その趣旨とするところは、今日の教育の荒廃を克服し、一人一人の子供と青年に行き届いた教育を保障する教育条件の整備をするため、適正規模の学校と適正規模の学級を実現しようとするものであります。また、今も質問者から話がありましたように、この急増地域を抱える地方自治体の教育関係に関する財政負担は極めて大きいものであります。したがって、この法律の制定を通じまして、その急増地域の地方自治体の財政負担を軽減し、児童生徒の急増に伴う新増設計画を促進し、そのことによって教育基本法に基づく教育の機会均等を保障しようとするところにあります。  以上です。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 この提案の内容のポイントは今御説明をいただきましてわかりましたが、この種の条件整備は義務教育諸学校施設費国庫負担法の抜本的改正によって改善充実することが非常に重要だと思いますけれども、今次特別措置法として提出した理由は何でしょうか。それから、特別措置法は六十六年までの時限立法という提案になっておりますが、その点についてもあわせて御説明をいただきたい。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 今質問者が言われましたように、本来は負担法を改正して急増地域の新増設や過大規模校の解消に努めるのが至当であると私も思っております。しかし、現実は負担法に根拠を置く校舎の新増築においてもその補助率は低く、かつ昭和六十二年度までに限られております。その他用地の取得等についても予算補助であり、極めて不十分な対応になっていることは御案内のとおりであります。とりわけ、過大規模校の分離に対しては何ら具体的な措置がなされておりません。したがって、負担法の改正などで政府の対応を待っていたのではこれら急増地域や過大規模校の分離という緊急かつ重要な課題に対応できないのが現状であると言わざるを得ません。そこで、緊急対応の措置として特別措置法案としてこの法律案を提案した次第であります。  なお、六十六年度に時限ということは、御承知のとおり教職員定数増の例の第五次定数計画が六十六年度で一応終わることになっておりますし、また、政府の今までの答弁等でも、いろいろな曲折はありましたけれども、その出口の年度は守るということを言っておりますから、一応それに合わせて——当然四十人学級が蚕されていく過程の中では入れ物も重要な問題になってまいります。したがって、それとある程度見合いタイアップするという観点も含めましてこの法案を提案し、六十六年度という一応の区切りをしているところでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 提案の意味はわかりました。  そこで、文部省にお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、衆法八号の児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法案、それから、九号の義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案、この二案につきまして今回は議員立法という形で提案されているわけでありますけれども、文部省当局はこれについてどう評価されておりますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 児童生徒急増に対処するための小中高等学校の施設整備及び過大規模校の解消につきましては、文部省としてもこれまでできる限りの努力をしてきているところであります。  今回の御提案は、教育条件を改善しようとするその意図については理解できるところであります。しかしながら、今回の法案は、まず第一に、多大の追加財政需要を生じるという財政上の問題がございます。二番目は、義務教育ではない高等学校の用地取得費を補助するということになりますと、国の補助制度の根幹にかかわるという問題があります。三番目は、現行の補助制度との均衡を著しく失するという点もございます。  さようなことでありますし、もう一つの施設法一部改正法案の方は、現下の国の厳しい財政状況下で新たな補助制度を位置づけるということになると、なかなか難しい問題点があるというふうに思うわけでありまして、御提案者の意図については理解できますけれども、右申し上げましたような問題点等を考えまして、文部省といたしましては賛成することができないということでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今大臣のお答えをいただきましたけれども、議員立法の趣旨を文部省が今直ちに全面的に肯定するということにはならないまでも、今置かれております教育の現状の上から、私どもの立場からすれば、担当文部大臣としてせめてもう少し前向き積極的な意欲的な考え方が示されてもよいのではないかというふうに期待しながら質問いたしたわけでありますが、そういう点では私ども極めて遺憾に存ずるわけであります。  そこで、従前から文部省としてもこの児童急増市町村の学校施設の整備について努力を重ねられている点は私ども承知いたしておりますけれども、しからば、現在この特別措置によって六十二年まで継続して改善していく方針でありましょうが、これは六十二年度までの措置ということになっておりますから、今後、現行行われているこの特別措置を継続してさらに続ける意思がおありかどうか、また、少なくともこの制度を六十二年度以降実態に合わせて改善していくという意欲的な意思をお持ちではないかどうか、その辺をあわせてお伺いしたいと思います。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 急増関係の御質問かと思いますので、その点についてお答えさせていただきたいと存じます。  現在の急増関係の特例措置は、昭和四十八年度に五年間の時限措置ということでスタートいたしまして、五十三年度に延長し、五十八年度にさらにまた五年間延長したということで実施してまいったものでございます。小学校の方は五十六年でピークが終わる、もう既に過ぎておるわけでありますし、中学校の方は六十一年度でピークを迎え、それを通り過ぎるという時点でございますので、おおむねその時点は過ぎてきたということでございまして、六十二年度までというこの措置で、全国的に言えば一応の形がつくということになろうかと思うわけでありますが、ただ、これは。全国的な数値で申し上げておるわけでありまして、地域によっていろいろばらつきがございまして、急増急減の時期が大変すれておりまして、なおかつ今後とも急増期が続くというケースもございますし、いろいろな実態があろうかと思います。  そういうことで、私どもといたしましては、現在の段階では六十二年度の時限切れでこれをすべてやめるというふうには必ずしも考えておらないわけでありまして、それまでの間にさらに各都道府県、市町村の事情等をよくお聞きした上で、六十三年度以降の問題についての対応を検討したい、こういうふうに考えておるところでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今の局長の答弁によりますと、さしあたって現在持っております計画で六十二年までやってみて、その後、各地域の実態等を聞いた上で方針を決めていきたい教育のことでありますから、現時点で次の段階における長期的な展望というものの上に、そういう構えがないと、今から実態を十分調査をしてその実態に合わせてということでないと、期限が切れた段階で検討するという対応では教育行政としても非常に消極的ではないかというふうに私ども言わざるを得ません。これから中身の議論に入りますが、議員立法として提案をしております趣旨、内容につきまして文部当局としても十分精査し検討するという前向きな姿勢を期待いたしたい、こういうふうに思うわけであります。  そこで、問題を若干前に進めてまいりますが、実は、従前この文教委員会の中でも、義務教育課程における教育環境の整備、わけても施設整備につきましては、学校の規模、学級の規模というものが欠かせない重要な条件になってきているし、そのことが、言われているところの行き届いた教育、ゆとりの教育、あるいはまた子供の個性や能力を引き出していく教育、そういう条件をつくり上げる上に極めて重要である、こういう議論がかなり続いてきているわけであります。  そこで、そういう面に立ちまして、今問題にされております問題行動の発現現象、こういうものと学校の規模や学級の規模との関係ということについて考察をしなければいけないと思うわけであります。この点につきましては文部省も当然全面的に肯定されていると思いますが、まず、この基。本の問題についてどうお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 学校におきまして校内暴力とか非行といった極めて残念な問題行動を起こす児童生徒がございます。その原因や背景はさまざまでございまして、家庭、学校、社会、それぞれの要因が複雑に絡み合っておるわけでありまして、大規模校だけで発生しておるだけでなくして、小規模校においても発生しておるわけであります。ただ、いろいろな調査を見ますと、やはり学校規模が大きくなると発生率が高いという傾向があることは事実であります。これはだれでもわかることでありますが、大規模校になりますと児童生徒を掌握する上で困難が伴うという問題もあるわけであります。そこで、学校規模の適正化を図ることは必要なことであるというふうに考えておるわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 大臣の答弁でも、学級規模あるいは学校規模というものは児童生徒の教育上に極めて密接なかかわりを持っているという点では、その重要性を同じようにお考えになっているようであります。ただ、そのように考えておりましても、実態というものにどこまで踏み込んで認識していただいているのか、そういう点が問題であろうと思うわけであります。  そこで、私の手元にあります資料、「民研教育時報」というのに載っておったわけでありますけれども、茨城、埼玉、千葉などの県で小中学校四百四十八校、二千人余りの教師に依頼をいたしまして、八カ月間を費やして調査した結果が出ております。  国が指定しております児童生徒の急増市町村は五十九年で六百七十団体くらいあるようでありますけれども、この調査によりますと、教師の約五〇%は、小学校では一学年四クラス以上、全校で二十五クラス以上になるともう過大規模だと考えている、中学校の場合は一学年六クラス以上、全校で十九クラス以上になると過大規模だと考えている、こういう答えが出てきております。児童生徒の数では、九百人から一千人以上となると学校は教育上極めて好ましくない過大規模の状態になってくる、こういう指摘があります。中には、一千人以上ということになればもう学校という環境じゃないという厳しい指摘もあるようであります。  また、適正規模については、小学校の場合、十八クラス以下と答えられた人が実に六六・五%、三分の二は十八クラス以下がいいと考えられているようですし、中学校の場合は、十二クラス以下と考えている人が四〇%、十五クラス以下と考えている人は実に七一・九%に達しています。したがって、適正規模としてどういう規模が望ましいかということになりますと、小学校の方は一学年が三クラス、中学校の場合は一学年が四クラス、多くても五クラス以内、こういうふうに答えています。  過大規模校の場合の障害のトップは何といっても生徒の生活指導だと答えた人は、中学校の場合には七三・七%、小学校の場合は五八%、教員の交流やまとまりに大変支障があるというのは中学校の場合四一・八%、小学校の場合には五二・一%、子供との接触に大変問題が起こってしまうという答えが中学校の場合三八%、小学校で二四・七%。  私、ここが一番問題だと思うわけでありますけれども、子供の顔と名前が一致するというのは小学校の場合には百五十人。百五十人の子供なら子供の名前と顔が一致する。中学校の場合で二百五十人。二百八十人となったらもうこれは限界だ、こういうふうに答えられております。中学校の場合、二十三から二十五クラスのところでは、生徒の名前上顔が一致したというのが二百七十八、二八・四%・三分の一にいかない。一致しないという数が七百三、こうなってきます。そうなりますと、この子供が一体自分の学校の子供なのかどうかもわからない。こういう環境の中で本当に生徒と人間的に触れ合うような教育はできるはずがない、こういうふうに私どもは考えるわけであります。  こういう調査の結果が出ておりますので、参考にお話ししたわけでありますけれども、こういう実態をお聞きをいただいた上で、いわゆる望まれる行き届いた教育をするために、適正の規模、標準というものについて文部省はどのように考えているのでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 学校のいわゆる適正規模の問題でございますけれども、この点につきましては、小中学校に関しまして学校教育法の施行規則に規定があり、それからまた、施設費の国庫負担法の施行令に学校統合の場合の基準が示されておるわけでございます。  そういったものによりますと、土地の状況とか特別の事情のある場合を除きまして、十二学級以上十八学級以下、あるいは統合等の場合は二十四学級以下といったあたりのところが適正な妥当な規模であろう、こういうふうに示されておるわけでございます。私どもも、それは地域によったりいろいろな条件がございますので画一的に決めることは難しいと思いますけれども、おおむねこの程度の幅のものが適正なものではなかろうか、かように考えておるところでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 私どもも、少なくとも、今お答えになられましたように、学校教育法の施行規則十七条に、「小学校の学級数は、十二学級以上十八学級以下を標準とする。」こういうふうに決められておりますし、なお、義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令第三条に、標準として十二学級から十八学級、統合の場合に二十四学級、こう言われていることは御答弁いただいたとおりだと思うのですけれども、文部省もそのことを十分肯定をされ、法にまで、規則や施行令にまできちっとうたわれているそのことが望ましい、こう肯定をされるにもかかわらず、実態というのはかなりの乖離がある、そういうことでありますから、今回この法律を議員立法として提案をしている理由というのは実はそこにある、こういうふうに私ども考えるわけです。  そういう点につきまして、冒頭文部大臣からの見解を伺ったわけでありますけれども、今の局長の答弁と文部大臣から先ほどいただきました答弁とを比較いたしますと、必ずしも文部大臣の見解は今局長が答えたようなものとは一致をしないと私は思うわけでありますが、大臣、この点についてもう一度お答えいただけますか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 最初に大臣からお答え申し上げましたのは、今回の立法についてその意図するところを理解できるけれども、諸種の事情からいってにわかに賛同いたしがたいということを申し上げたわけでございまして、もちろん、ここで私が申し上げましたような標準的な姿というものを目指しながら、各地方公共団体がそれに向けて努力をしていただく、それに対して文部省としても必要な援助措置を講じていく、そういう態勢で今日まで進んできておりますので、立法のいかんにかかわらず、文部省としては過大規模校の解消の問題、できるだけ標準に近づけていくという問題について努力をしていくという姿勢に変わりはないわけでございます。  そういう意味で、最初大臣がお答えしましたのは、立法の必要の有無についてのお答えをいたしておるわけでございまして、事柄として大事なことでぜひ進めていきたいという点については変わりがない点だ、こう思っておるわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 これからこの法案の内容についてさらに審議が続くと思いますし、提案者に後からまた見解をお聞きをいたしますが、文部省があくまでも標準の規模として望ましい姿を追求するためにさらに努力を続けていくというお答えを今いただきましたから、そういう方向でひとつ努力を期待したい、こう思うわけです。  そこで、次の問題に移りますけれども、学校教育法三条に規定された学校の種類に応じた設置基準というのは、意外なことに小中学校だけこの設置基準が制定されていないということで、大変矛盾を感じます。実際には補助基準を設置基準にかえて運用上これでカバーをしている、こういう実態にあろうと思っているわけでありますけれども、この点についての文部省の見解をお伺いいたしたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 御指摘のように、学校教育法第三条では、監督庁の定めるところによる設置基準をつくらなければならないと書いてあるわけでありますが、具体的には学校教育法施行規則に、教育内容であるとか教職員の配置、施設設備等の基準を一応決めているわけでございます。そのほかに小中学校につきましては、施設設備ないしは教職員の定数、学級編制というものは別の法律で決めているわけでございます。  したがいまして、形式的にはおっしゃるとおりの形の設置基準がまとまった形でつくられておりませんけれども、学校の適正な運用、教育水準の確保という観点からは、そういう諸法令によってそれが整備されている。そして具体的には、その内容に従って市町村が学校を設置していくという形になっているわけでございます。したがいまして、私立をつくる場合には、そうした公立学校に適用される基準が参考にされまして、それが一応県の認可基準という取り扱いを受けて具体的に運用されているということで、形式的には確かに学校の設置基準はございませんけれども、実質的には諸法令によってそれが一応形づくられているという状況でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今のお答えですと、小中学校にだけ設置基準がない、しかしそのことは、今補助基準をこれに準用することによって法律上運用に支障がない、こういうお答えであります。しからば、そういうことになれば、小中学校以外の教育施設については設置基準がある、そのこととの矛盾を私は説明することにはならないと思いますが、その点についてはどうお考えになっておるわけですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 小中学校は義務教育でございますが、まず、高等学校、幼稚園との比較で考えますと、高等学校は義務教育でない。しかも、どういう地域につくるかということを地域の進学状況を見てつくるということで、ある意味においては純粋な、学校側から見た一定の理想的な規模、基準というものが想定できると思います。それから幼稚園についても、義務教育でないという点で、幼稚園運営上の観点でそういう意味の規模の基準をつくるということができると思うのです。  小中学校の場合には、子供が一人いても二人いても、とにかく就学の義務を保障しなければならない。そうすると、僻地の学校で、例えば十二学級が適正規模だといって十二学級の学校だけをつくられたのでは話にならないということで、そういう義務教育を保障するという子供の保障の観点では、小中学校の場合に必然的に差がある、差をもたらすということになろうと思うのです。したがいまして、文部省としては教育水準の維持を図る上で必要であると思いながらも、具体的にはそういう観点から理想的な規模はこうであるということをつくることはかえって障害が出てくる場合がある。例えば都市部と僻地の場合にはもう歴然たる差がある。しかし、僻地の場合にも十二学級は適正規模であるといって十二学級の学校をつくって、二里も三里も遠いところから就学させる、これはやはり非常に酷な状況になる。そういう非常に難しさがあるので、今まではいろいろな伝統的な沿革を考えて対応してきたわけでございます。しかし、設置基準をつくらなくていいということをここで説明しているわけではございませんので、そういうような歴史的な差というのが存在しているから、なかなか純粋理論の設置基準をつくるということは非常に難しい、こういうことでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 時間が迫ってきてしまって、お伺いしたいことがたくさんあるのですけれども、特に人口急増、児童生徒の急増地域、これは大都市を中心にして、また大都市のドーナツ化現象によるその周辺において非常に著しい、こういう傾向もありますから、特にその地域の自治体というのはこの対策に追われている、こう思っております。したがって、私の手元にありますのは、これは大阪の例なのですけれども、非常に教育施設の整備に追われておりまして、その財政負担も高い、こういう状況がございます。それでしかも大変超過負担が多い、こういう状況があります。  その中で、特に教育費の中で占めている学校建築費の比率、これは大阪の場合、特に高い箕面などにおいては五四・一%、教育費の中の半分以上がこの学校建築の費用だ、こういうことでありまして、またこの超過負担率というのは四三・四%、こういう驚くべき数字になっています。貝塚などの場合も超過負担の比率というのは四三・四%、こういうことでありまして、堺の場合には教育費に占める割合というのは五三・一%、茨木の場合に六一・七%、一番高いのは河内長野七三・七%、これだけ教育費の中に建築費でとられてしまうと、こういうところの建築費以外の教育費というのは一体どういう状態になっているだろうか、実際にはこう頭をかしげたくなります。こういう実情が示しておりますように、大都市と大都市周辺、こういうところの問題というのは非常に深刻な状況にあります。  五十七年をピークとして、だんだん児童生徒の減少傾向というものは、一面において大都市の中心部等では児童生徒の減少傾向というようなものがありまして、一方で空き教室の問題も出てきている、こういう矛盾はありますけれども、やはり全体として見れば、地域的には特に児童生徒の急増によって教育施設の整備に依然として追いまくられている、非常に財政負担を強いられている、こういう状況があります。  したがって、こういう問題を解決するために、今回このような立法措置がとられてきている、私はそういうふうに理解をしているわけでありますけれども、時間が迫っておりますから、特に今回提案をされたこの二本の法律につきまして提案者に伺いたいわけであります。  先ほど冒頭に答弁いただきましたように、六十六年を目標に四十人学級を完全実施をさせる、そして、それについての定数法の改正を続けていくという前提に立って、それに合わせて学級あるいは学校の規模というものを解決していくための手だて、こういうものが今求められているのだというふうに思うわけでありますが、そういう点についての考え方を提案者には聞きたい、こう思いますし、また文部省当局にちょっとこの点で伺っておきたいのですが、要するに、文部省が既に委員会で明らかにしておりますように、ことし四十人学級のいわば凍結が緩和された。これをきっかけとして六十六年までには四十人学級を前進させていって、すべての計画を完了したいという考え方が示されているわけでありますが、それと、この現在進められている、さっき六十二年以降の問題も検討すると言われておりますが、過大規模校の解消と、それから四十人学級を前進させる定数法の改正との、児童生徒の器との整合性、こういうものについて、文部省は先ほどの答弁から言えば、いや、それは実情調査をしてこれから検討して決めていけばいいことだ、こういうふうに言われていますが、そういうものを六十六年までに双方ともに整合性を持たせて完結をしていく、こういう前提に立って考えられているのだというふうに理解をしておいていいかどうか、その点を文部省にはお伺いをしたい、こう思います。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 四十人学級の問題と施設の問題についての御指摘があったわけでございますが、私ども、これは少し事柄が別のことであるというふうに考えておるわけでございます。  四十人学級につきましては、六十六年度までに完成ということを目指して最大限の努力をしていきたいと思っておりますし、それにつきましては、急増地域であるか急増地域でないか、マンモス校であるかないかということにかかわりなく、やはり必要な校舎の整備はしなければならない、こう思っておるわけでございまして、そのための校舎整備につきましては、それぞれの地域の事情をなおよく調べながら対応していく必要があると思いますけれども、現在の見通しから申しますれば、各年度で現在計上しております施設整備費関係の予算のうちの数%程度をそれに割けば実施可能であるという程度の見込みでございますので、この点については余り御心配をいただく必要はないのではないかと思っておるわけでございます。  なお、マンモス校解消問題につきましては、それとは切り離す別の問題ではございますけれども、この点につきまして一層指導等を重ね、あるいは必要な予算措置の検討等も含めまして努力をしてまいりたい、かように存じております。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 今質問されましたことについては、冒頭の本法律案を提案した趣旨及び内容のポイントについてお答えした点で大体話をしているところでございます。しかし、今日の教育荒廃をなくして、ゆとりを持ち、行き届いた教育、そのことによって充実した生徒指導、そして学力の向上、つまり教育効果を上げるためには、最大の条件はやはり教育の諸条件を整備することだと思うのです。その最たるものは、この法律案にも提案しているような、適正な学校の規模、適正な学級の規模を実現することだというふうに思っているわけであります。したがって、そういう教育効果を上げるという点から言うならば、今の国庫負担法を初めとする諸法律並びに予算制は極めて劣悪であるというふうに言わざるを得ません。したがって、この法律案を提案しているわけでございます。  それから、一般的にそういうことが言えますが、その中でもとりわけ急増地域での校舎及び用地の取得等を含めたそういう設備等の条件整備は極めて重要な課題であるわけです。特にこの点は地方財政の負担からいっても極めて重要でありますから、そういう点でこの法律案でも、例えば従来校舎については二分の一、それをさらに四分の三にするというようなこともその中に入れているわけであります。同時にまた、過大規模校の解消、これはどちらかというとネガティブな方だと言ってもいいと思うのです。つまり、それにどう対応するか、アダプトするかというのが急増地域に対する対応であり、過大規模校の解消だと思うのです。しかし、より積極的にこれから考えるならば、お話しありましたように、今緊急の課題は四十人学級を中心とした適正な教育効果を上げる、そういう規模にしていくことだと思うのですね。そのことを考えますと、昭和六十六年を期して四十人学級を実現し完結するんだと言っておりますが、入れ物の関係からいいますと、より積極的にそういう面での施設設備の充実を今から考えていく必要があるんじゃないかと私は考えております。  そういう点で、一般的な教育効果を上げるための施設設備の充実と、とりわけその中でも急増地、過大規模の学校をどう解決するか、より積極的に四十人学級を実現するために入れ物をどうつくるのか、この辺を全体的に見通しを明らかにして、整合性を持った制度体系をつくっていかなければならぬ、こう考えて、そのための重要な一環として本法律案を提案している、このように御理解いただきたいと思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 終わります、

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 中西績介君。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 同僚の田中委員に引き続きまして質問を申し上げたいと思います。  私は、まず、学校教育法第三条によりますと学校の種類に応じて設置基準を決めなければならないことになっているのに、小中の場合には設置基準がまだ設定されておりません。その理由をお聞きしたいと思うわけであります。ただ、その際に、先ほど田中委員の質問に対しましても答えておりましたけれども、局長の答弁の中には大変な矛盾がある、私はこう理解をしておるわけであります。この点、明確にお答えください。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 先ほども答弁したわけでございますけれども、具体的に小中学校の場合に設置基準という形の内容がつくられていないことは御指摘のとおりでございます。ただ、設置基準で決めることが予想される学級数であるとか教職員の配置であるとか施設設備、こういうものはそれぞれの省令ないしは法律——補助のための法律でございますけれども、そういう内容で一応基準を明らかにしているということで、その内容も、年々歳々とまではいきませんが、社会の変化に応じて変わっていくというような形で改善を図ってきているわけでございます。したがいまして、形式的な設置基準はないけれども、実質的に教育活動が展開できる支障のないような形での条件整備は現行の法令の中でも行ってきているということでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 そうしますと、高校では二十三年に設置されていますね。大学では三十一年、短期大学五十年、高等専門学校三十六年、幼稚園三十一年、専修学校まで含めて五十一年、こうなっています。今、最後に言われたけれども、形式的という言葉を使いました。この設置基準というのは形式なんですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 言葉の使い方が十分でない点があったかと思いますが、設置基準で決めるべき具体的、実質的な内容は現在の諸法令の中でも一定の基準をつくっている、こういう意味で申し上げたわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 それでは、私が先ほど申し上げた高校以下専修学校まで、これは要らないのですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 要らないということではなくして、義務教育についての一つの歴史的な流れで、義務教育、小中学校は公立を中心として整備されてきているわけでございます。高等学校であるとか大学、大学の場合は八割近いものが私学、高等学校についても三割ぐらいが私学というような形で、公立てつくる以外の場合にはどうしてもそういう具体的な目安がより明確にされてないと、学校をつくる場合に教育上の支障が多いということでつくられてきたと思います。もちろん、小中学校の私学もあるわけでございますから、そういう意味で小中学校の設置基準ということが必要であるというふうには思いますけれども、今までつくられなかった歴史的な経過は先ほど申し上げたとおりでございます。     〔委員長退席、船田委員長代理着席〕

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 わかりません。歴史的経過とは何ですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 明治以来、小中学校の教育を展開してきているわけでございますが、その教育を展開するのに、例えば施設設備についても、現に戦後の基準面積を見ても明らかなように補助基準も三倍ぐらいにふくれ上がっているわけです。そういう形で対応してきたので、小中学校の教育水準を維持し向上させるための施策は政府としては十分な対応をとってきたので支障がない、そういう意味の歴史的な経過でございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 公立だとかなんとかということになりますと、じゃ高等専門学校の場合はどうですか。私立はごくわずかでしょう、ほとんど大部分国立じゃないですか。だから、詭弁を弄しちゃいかぬというのですよ。歴史的なものを聞きましても、歴史的に考えても設置するこうした基準をつくる必要がないということは何もないのです。ほかの法律でもってたくさんそれをつくっていかなくちゃならぬそれぞれのを。ということになれば、一つのものをちゃんとつくってそれを補足するという形態が、今までのあれを見ましてもそうあるべきじゃないのですか。ほかに何か理由があるのですか。隠した理由がありますか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 隠した理由はございませんが、高専の場合には、高等専門学校という教育を展開する上に、いわば学校教育の側からどういう教科、学科をつくってどれだけの生徒を入れればこれだけの施設が必要だ、そういう意味で、国公立、私立を通じての設置基準をつくりやすいわけでございますが、小中学校の場合に、先ほども申し上げましたじゃ山間僻地で一学級、二学級、これも一つの必要としてつくらざるを得ないわけですね。したがって、義務教育の場合の背景と、それから義務教育でない学校の場合の背景、これはおのずから違うというふうな観点があるわけでございます。  したがいまして、小中学校に設置基準をつくるといった場合に、例えば山間僻地で十二学級が適正規模である、じゃ町村で十二学級一校の小学校をつくればそれでいいというふうになるかと言えば、やはりだめでございまして、地域の状況によっては六学級の学校もつくらなければならないし、三学級の学校もつくらなければならない、そういうようないろいろ複雑な絡みがあるわけですね。したがいまして、形式的に高等学校とか専門学校でいうような固まりの設置基準というものを非常につくりにくい状況があるということを申し上げているわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 それは特例で済まされることなんですね。特例を設ければいいわけなんです。山間僻地の場合には、先ほど田中委員の質問に対して答弁しましたように、十キロも二十キロも離れるようなところでつくれとは言っていないのですよ。じゃ、それのできるような今問題になっている急増地域においてはそういうことはできませんか。むしろだからこそ必要じゃないのですか。だから、そういう特例は特例として認めるべきであって、それまで全部画一的に押しはめて、それしかできませんよ、すべてそういうようにやっているかといったら、ほかのものだってみんな特例を設けているじゃないですか。だから、基準は基準として明確にすべきですよ。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 ちなみに小学校で申し上げますと、例えば学校規模が十二から十八学級、これを標準としてと一応学校教育法施行規則では書いておるわけでございますが、現実的な小学校百年の歴史の歩みではどういう学校規模になっているかというと、十一学級以下が一万一千六百五十九ということで、十二以上の学級の半分以上である。いわば標準として決めた十二−十八ということを想定し、一定の設置基準、それにふさわしい内容というような形でつくる特例の方がむしろ多い。中学校の場合も十一学級が五千を超えるというようなことでございます。  したがいまして、義務教育は、要するに設置基準が優先するか、それとも小中学校における教育の保障を優先するかというような形で、小中学校の教育の保障ということを考えた際に、それぞれの学校で必要な施設設備、そして教職員、そういうものが配置されていかなければならない。そのためにはきめ細かな補助基準であるとか標準法、そういうもので整備してきているということでございまして、そういう意味から、実質上小中学校の教育展開に支障のないような一応の基準、そういうものが整備されてきている、こういうふうに申し上げておるわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 整備されておるということを言いますけれども、四十人学級等についてもきめ細かな配慮をするなら、そういうことこそどんどんやっていくべきなのであって、こういう設置基準というものをしておらないというところを追及すると、今度はそういうものは全部整備されておるからとこうくるわけでしょう。しかも、きめ細かいそうした配慮をされておると言いますけれども、では、実質的に配慮されておるのかどうか、このことを考えますと、そうした点については大変冷淡である。だから、論理に一貫性がないのですよ。特例が多いから——多いはずなんですよ、昔のあれからいきますと、あなたが言う歴史的なものからいいますと。小さな村という行政組織からいうと、それを統合して小学校などということにはなり得ぬわけです。だからそれは当然なんですよ、そういうことがあっても。だから、設置基準が不必要だとは、そのことをもってして当てはめることはできぬのじゃないか。設置基準というのはちゃんとあって、そのことに沿ってやるべきだということが、これからどんどん私立だとか中学校の場合なんかに出てくるでしょう。そうしたときに、設置基準もなしということになってくれば、今とられているのは補助基準で代行しておるということになっているでしょう。みんなそうじゃないですか。補助をするための法律をつくってそれによって全部枠をはめておる、こういうことになっているのじゃないですか。だから、法律のあり方としては逆さまとなっているのですよ。私はこれにばかり時間を食うわけにいきませんので、この点は大変な問題があるということを指摘をして、その次に移りたいと思います。  そこで、私は絞りまして、提案者にちょっとお聞きしますけれども、小中学校における適正規模というのは、文部省の言っておるところの負担法の三条一項四号、これに基づく施行令三条の条件を「おおむね十二学級から十八学級まで」、文部省はこういう措置をしています。こういう関係、どのようにお考えですか。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 十二から十八という今言った法律上の根拠が一応ありますが、私たちが知り得る範囲内といいますか、学者の研究とか、あるいは現場からの声等を聞きますと、少なくとも十二から十八以下という線がふさわしいものだというふうに思うわけであります。じゃ下の方をどこへ置くかとなればいろいろ議論の分かれるところでありますが、そのように考えております。  ただしかし、にわかに十二ないし十八という、ここに持っていくことが困難な現実も一面あるわけです。それじゃ、私たちはこの提案している過大規模校をどこから過大規模校と考えるかということで、提案の趣旨としては、小学校においては二十五学級以上を過大規模の学校、それから中学校においては十九学級以上というようなところに線を引きながら、当面それを解消していくというようなことで考えている、こういうことでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 この過大規模校を小学校二十五、中学校十九、これを分離するという根拠あるいは理由は何ですか。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 これはこの法案を提案した最大の理由なんですけれども、過大規模校における非行の問題なり、教育効果が上がらない、生徒指導の手が届かないということは、先ほどのいろいろなやりとりの中ではっきりしておりますが、特に学校の規模、それから学級の規模が大きくなるに従って教育効果が上がらない、生徒指導の手が行き届かない。  これは先ほどの国民教育研究所の中でも出ておりますけれども、御承知だと思いますが、特にこの点についてはアメリカに非常にすぐれたデータがあるわけです。つまりアメリカの学級規模と学力との関係、グラスとスミスの曲線という有名な曲線でありますが、これはコロラド大学のグラスとスミス教授が、数理統計学の分析法を用いて過去数世紀にわたって実施された調査研究の結果を分析し、活用できるデータからその傾向を示した曲線である。詳細は省きますけれども、その内容とするところは、学級規模が小さくなるにつれて学習効果が上がる、つまり学力が向上する。これはもう今言ったことではっきり出ているわけです。それは同時に、生徒指導についても行き届いた教育ができるということは常識的に明らかです。ただしかし、その学級の生徒数が限りなくゼロに近づけばいいのかということになりますとそうもいかぬと思います、集団の指導の問題がありますから。したがって、その辺のところ、アメリカの場合に、全米の教育界で調査したところによりますと、望んでいる最適の学級規模というのは二十九人以下を大体望んでいるんですね。しかもどのくらいの規模かということを見ますと、大体二十人から二十九大規模という、回答した先生方の八〇%がそういう答えをしている。私はこれは大体当たっているのじゃないかと思うのですね。ですから、我々は四十人学級の早期完結ということを望みながらも、さらに三十人以下に持っていく、学級規模を考えますと。この辺のところが教育的に非常に重要な観点ではないかということを考えますし、同時に、これは学級規模ということを考えた場合にも同じようなことが言えると私は思います。時間がありませんから、それにとどめます。  なお、今問題になっている学校規模と校内暴力の発生の関係、これは先ほど文部大臣もちょっと言われましたが、これは文部省調査でも明確なんですね、その相関関係は。ちなみにちょっと申し上げますと、例えば学校規模が一から十一の場合は発生率が五・七%、それから三十一から三十六学級三五・八%、三十七学級以上は四四・六%という数字がはっきり出ている。これは昭和五十七年度の文部省の調査。しかもこれは六府県、埼玉、千葉その他、このデータがはっきり出ておりますから、そういう点でも、今日の非行を防止するという観点からも、将来、より効果を上げる点からも、学校規模の適正化、この点は追求していかなければならぬ課題だというふうに思っております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 大ざっぱなところはわかりましたけれども、今問題になっておる過大規模校と教育荒廃は大変な関係がある、こういうふうにいろいろなデータが出ているのではないかと私は思うのです。例えば、教育指導の面においてどうなのか、あるいは人間関係、教員間の話し合いがどうなるかとか、あるいは子供の触れ合いだとか、さらにまた運営、施設、特に運営面でどういう問題が出てくるのか、あるいは今最後に言われました暴力問題等を含めて、非行問題を含めて問題行動がどうなってくるのか、こうした点で提案者がおわかりのところがあればもう少し触れてください。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 まず、学校規模の点から申し上げますと、校長のもとで職員が一体化して生徒指導あるいは広い意味の教育指導を行っているわけでありますけれども、それが一つの有機体としてまとまって統一的に生徒指導なり教育活動を行うためには、過大な学級を持つ大規模校ではそれが徹底しないということですね。これは常識的にもわかりますけれども、実際、先ほどありました国民教育研究所の研究等についても、まとまった有機的な学校の教育活動ができない、それがひいては一つの学年が一つの学校のような形になってしまう、したがって学年相互の関連というのは出てこない、こういうことがはっきりしております。  それから、関連して、学級規模の点からいいますと、先ほど申し上げたように、行き届いたしかもゆとりのある教育、しかも今日非行、暴力の問題が言われているときに、私たちは、やはりそういう管理強化よりは一人一人の子供に行き届いた手が差し伸べられるような、そういう適正なるクラス員の学級規模がぜひ必要だ。その点では管理強化とか入試の改善と言う前に、当面する四十人学級の実現、さらにその先にある三十五、三十という、これが今日の緊急の教育政策上の課題だということを私は申し上げたいと思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私は、いろいろな資料なんかをずっと見ましても、やはり今一番の問題点は、例えば過大学級がどう子供に投影をするか、この問題につきまして、教室あるいは職員室、運動場、校具あるいはその他の施設設備、こうしたものが不備なために異常な形態で教育活動を行わなくてはならない、あるいは、局長はさっき答弁を避けておるのだけれども、特に都市における子供の遊び場なんかを考えてみた場合に、設置基準を設けると、急増地域を含めまして、今都市における多くの学校が設置基準が満たされていない。だから、今度は父母の要求が強まってくればその要求に対応できぬという、軍事費はどんどん増大はするけれども、こういう点については、まさに教育費などというのは無視をされておるというのがわかるから基準をつくらぬのだと私は思っているのです。ここに一番のネックがあるのじゃないですか。だから、こうしたことを考えてまいりますと、この子供の遊び場の問題、あるいはそれを奪われている条件、こういう状況から考えますと、結局、子供同士の人間関係だとかこうしたものがつくられようとしても全く困難だという結果が出てくるのではないですか。あるいは教職員と子供との関係、あるいは教職員同士の人間関係、これをつくるのに過大学級のために大変な苦労をしなくてはならぬ。さらにまた、教育的対人関係がこうして破壊をされていくわけですから、今指摘をいたしました校内暴力の問題、学力低下あるいは精神的な不安定、あるいは非行問題、挙げていくとたくさんの問題がそこから派生をしてくるだろう、こう私は考えています。したがって、そうした点で、今時に学級とのかかわりで言われましたね、この過大規模校との関係で、学級が余りにも多いために、それと今度はまた、東京なんかの場合には一つのクラスで四十六人という生徒数の場合が出てきておるわけでしょう。こういうものが複雑に二つ絡み合っていった場合に、どのように教育の面で相関的な関係があって影響が出てくるのか、この点、簡単にお答えください。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 それでは、過大規模校が校内暴力とどういう関係があるか。先ほども申し上げましたが、私が指摘したとおりで、規模が大きくなればなるほど校内暴力というものは発生件数が多くなる。これははっきり文部省の調査でも出ておる。これをまず一つ指摘しておきます。  それから、もう一つは、その調査をしたときの文部省の担当者は、先ほどちょっと舌足らずでございましたが、過大規模校というものがどういう問題点を抱えているか、幾つかの点にまとめておるのです。例えば「過大規模校においては、学年間の交流がほとんど図れず、したがって各学年がそれぞれ一つの学校であるという様相を呈している」とか、「児童・生徒数の割に校地が極めて狭く、過密状態となっていることから、」云々というようなことや、「校長が教員一人一人に、教員が児童・生徒一人一人に目を届かせたきめ細かな教育的配慮を行うことは不可能」であるとか、ずっとあるのです。ですから、このことは文部省がちゃんと調査というか、把握しておるはずなんですね。この点ははっきり私たちが指摘しておかなければならぬのです。過大規模校の解消は緊急の課題だ。  それから、学級規模のことを言われました。若干ダブりますが、私も先ほど言ったように、やはり学級内でのいろいろな問題、それを排除するということと同時に、適切な教育指導、生徒指導、加えて学力の向上という点からいいますと、先ほど申し上げたようにアメリカのコロラド大学のグラスとスミス曲線で明らかなように、日本だって同じですけれども、そういうことがはっきり言えるということ。  それから、この学級規模の点でいいますと、日本の場合には今ようやく四十人学級が成るか成らぬかというような状況ですが、これは御承知のとおりでありまして、アメリカのインディアナ州などでは、一年生から三学年に対して大体三十人、それから、九年から十二年になりますと二十八人、三十人以下ですよ。先進国はほとんどそういう状況ですから、今ようやく四十人学級に手をかけたなどというのは、GNP世界第二位、先進国でサミットに臨む日本としては大変恥ずかしい話である。  したがって、まずこの非行、暴力を克服して教育効果を上げるためには、この教育諸条件の整備、とりわけ急増地における適正なる学校規模、学級規模をつくるための補助の問題、それから過大規模校の分離、そういうものをやることが早急の課題であり、四十人学級を実現することは極めて焦眉の課題だということを特に強調しておきたいと思います。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 時間が参りましたので、文部大臣に一言だけお聞きしますけれども、今言われました過大規模校、そしてこの過大学級とのかかわりですね、その中で多くの問題が出てくる。この点について、今提案者の方から言われましたような多くのこうした問題について調査をし、まとめておられるといいますけれども、これに対する文部省の反省はどういうふうになっているのですか。この点についての認識とこの点についての評価をどのようにしてあるのですか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 特に過大規模校の問題につきましては、一昨年でございましたか、各都道府県の教育委員会あるいは市町村あるいは学校現場の方々、いろいろな方からお話を伺いまして、問題点というものを認識しておるつもりでございます。国会の席でもたびたびお答えをいたしました。それに基づきまして、とにかく用地難の問題について何か対応いたしたいということで、五十八年度予算から用地費の補助につきましても新しい制度を設けたというようなことで努力をしてきておるわけでございますし、これはもちろん文部省が、この点は先生がよく御存じのことでございますけれども、金の問題よりはそれ以前に校区の問題、あるいは具体に土地が見つかるかという問題の方が大きな問題でございますけれども、そういう点につきまして、市町村の教育委員会等であきらめずに粘り強くその問題に対応してほしいというような指導も重ねてまいっておるわけでございます。  また、四十人学級問題につきましても、先生御案内のように、六十六年度までという計画を立て、その実現についていろいろ、本当にできるのかという御質問、御心配等を多々この国会でもいただいておりますけれども、私どもとしては法律の示すとおりに実現を図っていくために最大限の努力をする、こういう対応で来ておるということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 時間も参りましたのでこれで終わりますが、いずれにしましても、こうした法案提案者の意見なりを聞きましても、さらに文部省でこうした問題があるという意識はあるということは明らかですから、これをどう政策的に実現をするかというのがこれからの大きな課題です。ということになってくれば、こうした法案が一つの政策的なものとして提案をされておる、そのことが今大変重要だし、また、そのことを今どう実現するかということが財政的な面ということではないというような、言葉じりでなくて受け取ってほしいんだけれども、こういう言い方のようでありますけれども、ぜひ具体的にどう施策を進めるかという方針なり長期の展望なりをやはり出していくべきだと、私は行政者の立場からいたしますならばぜひ要求をしたいと思います。提案者には、大変内容的にむしろ文部省のしりをたたくような格好になるわけですから、これからまた一緒にこうした問題について追求をしていきたいと思っております。  以上、終わります。

船田元自由民主党・新自由国民連合

○船田委員長代理 池田克也君。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 公明党の池田克也でございます。  議員立法として提案されまして、その準備あるいはまた今日までのさまざまな答弁等の御労苦に対して大変敬意を表しつつ、私どもの立場から、現状の過密教育あるいは大規模校、そうした問題についてお伺いをしたいと思います。  最初に、提案者にお伺いをしたいのですが、先ほど同僚議員からも質問があり、答弁がありましたのですが、四十人学級という今までの一つの状況というものをさらに超えて、三十人あるいはそれ以下というふうな目標設定をしておられるわけであります。先進国の状況も今若干お述べになったわけでありますが、これは私の個人的なことで恐縮ですが、私の子供もようやく小学校を卒業してことし中学へ入りまして、卒業式などへ行ってみますと現状は三十八人でございました。状況によって全国がなりまちまちであろうと思います。次第にそうした状況が自然と申しましょうか人口移動によってそういう地域も出てきている。また一方では、人口急増地域に大変多くのお子さんたちが集まって、私の地域でも校庭にプレハブを建てて大変な授業を展開しているところもあるわけであります。  そこで、こうした法案が提出をされてきておるわけでありますが、子供の数と学力の相関関係、これは一般論としては私はわかるわけでありますけれども、科目ごとに、例えばこの科目はとりわけ少ない方がいい、この科目はまあまあだという、学力と一般に言いますけれども、科目とか学校行事とか、さまざまな分野についてそこに少し変化があるんじゃないかという気がするわけであります。諸外国の例などをお調べでありますので、もしできればそうした科目問題なども含めて御答弁をいただければありがたいと思うわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 学級規模と学力との関係、さらに突っ込んで学科の問題まで言われましたけれども、そこまで突っ込んだ資料は私は手元にありません。ただ、国際的によく比較されるのは数学ですね。ちょっと話は余談になりますけれども、日本の場合にはこの数学の平均的な学力は高いのですね。しかし、それは頭がそろっているということでありまして、すぐれた者とやや劣る者との関係からいうと、諸外国の方は凹凸がある。すぐれた者は物すごくすぐれている。こういうデータの違いがある。この辺のところを我々がどう考えたらいいのか。これは学級の規模、指導のあり方、あるいは今日議論になっている画一主義と自由主義、自由化、この辺の問題を全体的に考えなければならぬ点だろうとは思います。ただはっきりしているのは、学級規模と学力との関係、先ほど挙げましたグラスとスミスの曲線というのを見ますと、私の手元にあるのですけれども、明確なのは、三十人のところまでは学力は上がらないのです。二十九人以下ずっと学力が上がっていくのですね。これは一つの集団をなしますから、一人であればなお上がるかということになりますと、その辺は難しいところなんですけれども。したがって、学力との相関関係からいっても、アメリカの教師の皆さんは、二十九人以下、大体生徒指導を集団として扱うためには二十人くらいのところの範囲が適切ではないか、学力との相関関係は、もちろん一つの小集団として行き届いた生活指導を行うという点からも、そういう総合的な判断をアメリカの先生方はあらわし、統計的にはっきり出ているということです。日本の場合には、過大規模がどのような悪影響を与えるかというデータは、先ほど申し上げたような昭和五十八年の文部省の調査にありますが、今申し上げたような学級規模と学力、あるいは生徒指導の集団としてのあり方、この辺のデータが不足しているのじゃないだろうかなというふうに私は思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ありがとうございました。  私たちの党の中で、学級規模についていろいろ議論をしているのです。まあ素人の意見が多いと思いますけれども、私どもはどっちかというと学ぶ側、父母の側に立ってというふうに考えておりますけれども、小学校の低学年、一年生あるいは二年生などは、非常に少ない学級規模での教育が一つ必要であろう、それから高学年も、学科内容がかなり細かくなってまいりますので、これも必要であろう。特に五年、六年などは、私どもの政策の中では、中学校で行われているように教科を担任する——今小学校では全科を担任しておられますけれども、五年、六年などはそうした点で教科を担任するということもあっていいんじゃないか。一、二年は割と細分化して担任をして、五年、六年はまた細分化して教科を担任する。真ん中はかなり集団的な勉強というものもあるのじゃないか。一律に一年生から六年生まで規模はこれこれというのが今までの状況なんですけれども、変化があってもいいんじゃないか。中間的な案もあるのですけれども、こういう御研究をされたことがあるでしょうか。急なことで恐縮ですが、率直な御意見を例えればありがたいのです。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 答弁は極めて私見にわたりますけれども、小学校の場合に、一人の教師が一年から六年まで全教科を持つというこのことの是非はやはり研究してみなければならぬのではないか。低学年の場合には、どちらかというと育児を含めて学習させるということになりますからそれはいいと思いますが、やはり五年、六年になりますと特徴が出てまいりますから、そうなりますとこれはどうかなと思いますが、専任的な教科、そういう分野については、学級担任の方ではなくてそういう方が教えるということがあってもいいのではないだろうかというふうに思います。  ただ、私は諸外国の中でも社会主義の国なども行ってまいりましたが、こういう共通した学科なりを教えることと同時に、その子供の特性をどう伸ばすか、このことに随分留意をしている。したがって、放課後などそういうグループを全部つくって、例えば技術、絵、ダンスとかそういうものを専門的に指導しているのです。ですから、子供のときから基礎的な勉強、基本は人格の完成、その上にあって個性の尊重と個性をいかに伸ばすか、このバランスをどうとるかということで随分腐心しているようでありますが、日本の場合にはそういう点が、受験体制という、しかも知育偏重のテスト教育ということの中にどうしてもくくられてしまっている。こういうところが子供の成長。なり子供の個性の尊重、発展という点からやはり問題にすべき点ではなかろうかというふうに考えます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 貴重な御意見、大変ありがとうございます。  私ども政党の組織を各地域に編成しておりまして、この規模についてもいろいろ議論をするところなんです。何人が適当なのか、多くても行き届かないし、余り少ないと元気が出ないという面がありまして、いろいろ頭を痛めるのですが、実験的に担当を複数にしたことがあるのです。そうすると、相談しながらいろいろなことが進む。片方には厳しい人がいて、もう一人の先生は優しい人がいる。双方おもしろい取り合わせの中で、組織編制あるいは組織のリードというものが進むという経験がありまして、これからの学級編制の中で副担任というような考え方、教室の規模ということもあろうと思いますが、実際、教室を経営していらっしゃる学校の先生の立場の中から副担任なんという考え方は今後あってしかるべきなのかな、私ども非常に素人考えなんですが、この辺については、私見で結構ですが、佐藤先生の御意見が例えればありがたいのです。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 現場に即した発想と御質問だと思いますので、私はやはりこういう文教委員会の中でもそういう議論をするべきだと思うのです。そういう点で非常に貴重な御質問をいただいたなと私は思っているのです。  子供を考えるときに、教師というのは最も重要な教育環境の一つですよね。その場合に、学校があるいは教師集団が全体としてまとまってそれぞれ子供に当たるということは基本的に重要だと思うのです。     〔船田委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、同時に、個性を持った教師が一人の子供にいろいろな角度からぶつかっていくというか、こういう点もまた重要だと私は思うのです。ですから、そういう点からいうと、今たまたま先生は複数の担任制ということを言われましたけれども、私はやはり考えられる一つの方法じゃないかなというふうに思います。ですから、そういう点では、特定の子供に対しても教師集団がまとめて教育に当たる、しかし、個性を持った教師がいろいろな角度から子供を育てる、そういう点があっていいのではないか。  それから、私、学級のことを考えますと、どうしても子供の個性ということよりは、先ほど言ったように進学とかテストとか偏差値、こういうところにくくっちゃうものですから、どうもおもしろみのない均一化された子供が出てくる。こういう点を考えたときに、学力の点からいっても、その子供の能力、個性を尊重する、伸ばすという点からいっても、いろいろな触れ合いがあっていいのではないか。今の非常に大きな教育の問題点は、そういう画一的なものにくくると同時に、子供をばらばらにしてしまう、協力する体制をつくらない、テスト主義なり偏差値、序列をつくる、それがやはり子供を孤立化させてしまったり、そういう問題につながっていくのではないかということで、今先生が指摘された御質問というのは、教育現場にとっては非常に重要な指摘ではないかというふうに私は思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 大変にありがとうございます。これからもいろいろと、時代の変化に伴って、母親の声あるいは父親の声等が具体的にこの場で議論されるようにお互いに研究していきたいと思うのです。  きょうは大臣も御出席ですので、今提案されている二つの法案についての大臣の御所見を伺いたいのです。あわせて、恐らく政府としてもよりきめの細かい教育をしよう、私はその意図は十分あると思うのですが、問題は、財政の問題と絡んで難しいところだろうと思うのです。過大規模校は相当数残っておりますが、この解決が進まないのはやはり用地難であるというふうに私は理解をいたしております。  私の地域の隣に川崎市というのがございますけれども、建築の業者さんなんかの話を聞いてみますと、学校が十分に用意できないのでここに許可できないという話もあります。あるいはまた、その学校の何らかの費用のために建築費から若干のそうした資金というものを地方自治体に出すという話も聞いております。現実に次々とそうした開発が進んで子供たちがふえてくる、行政としても予測がなかなか難しい。片方では、住宅難の状況の中からそうしたものが次々と展開をされていく。この教育と住宅事情、そして都市の郊外化というのはなかなか大きな課題でして、単に文部省だけの問題ではない、国土庁あるいはまた大蔵省、さまざまな官庁が総合的に議論していかなければ解決しない問題だというふうに私は思います。六十一年度予算において過大規模校について用地取得費が補助できるように抜本的な対策を講じていくべきではないか。六十年までは一応のめどがついているようですが、一応の区切りとして、これからの問題があるように聞いておりますが、その辺についての御所見を例えればと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 議題となっている法案につきましての考え方はどうかという御質問でございましたが、先刻も田中先生の御質問に対するお答えとして申し上げたわけでありますけれども、私どもとしては、児童生徒急増に対処するために、小中高等学校の施設の整備、それから過大規模校の解消につきましてできる限りの努力をしてきたところでございます。  御提案の二つの法案につきましても、私どもの評価あるいは見解といたしましては、教育条件を改善しようとする意図に基づいて御提案と思いますので、御提案の意図は理解できます。しかし、多くの追加財政需要額を生じるわけでありまして、これをどうするのかという問題が一つ。  それから、高等学校の用地取得費について補助制度の創設という問題でございますが、義務教育でない高等学校の用地取得費について国が補助をするという制度をつくるということは、現行の国の補助制度の根幹にかかわる問題でありまして、これは国全体の問題でありますので、容易に了承することは難しい問題だ。  三番目には、補助率のアップの関係でございますが、現行の補助制度との均衡が著しく損なわれるという問題点がある、こういうことでございます。  それから、義務教育施設法の一部改正法案でございますが、これは、現行の厳しい財政状況のもとで、法律上新たな補助制度を位置づけるということになることは非常に大きな問題がある、こういったことでありますので、提案の意図は理解できますけれども、文部省といたしましては、両法案とも賛成することができない、こういう結論に実はなるわけでございます。  過大規模校、これは先生御承知のとおり、過大規模校の分離につきましては、分離による学校建設のための用地取得費につきまして、急増地域の用地取得制度を拡充して一定の要件のもとで分離に伴う校地取得費について補助を行っておるわけでありますが、そうした補助制度も実施したということもありまして、年々過大規模校の解消が進んできておる、我々は今後ともその政策を進めてまいりたいと考えておるわけであります。なお、このことにつきまして期限が来るわけでありますけれども、その時点で諸般の事情を十分考慮して適切な対応をしていきたい、こういうふうに考えるわけであります。  なお、過大規模校を分離した場合にはいろいろな問題が起こっているようでありまして、新しくできた学校に行くようにと学校の指定を受けた場合に、どうも自分は行きたくない、元の学校に行きたいんだということで、地域でいろいろなトラブルが起こっているという実情なのでありまして、せっかく分離のための新校舎ができましても、実際には地域の住民が必ずしもそれを望まないでなかなか新しい学校に行かない、そのことから生ずる紛争をそれぞれの市町村、市町が大部分と思いますが、できるだけ速やかに円満な話し合いで解決をしてもらいたいものだと思っているわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 高校生の問題が今お話に出ましたけれども、昭和六十四年にピークがやってくると言われておりますが、さらに急増していくと見込まれております。この急増対策としての高校新増設の補助の期限が六十年度で切れるわけでありますが、これは六十一年度以降も継続されていくと考えていいのでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 高校新増設に対する補助制度は、先生御指摘のとおり六十年度で切れるわけでありますが、六十一年度以降の問題につきましては、各都道府県の対応策を踏まえた上で私どもとしては何とか延長に持っていきたいという気持ちが実はあるわけでありまして、関係方面の意見を聴取した上で適切な対応を図ってまいりたい、こう考えておるわけであります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 文教予算の一般論としてお伺いしたいのですが、私は予算は単年度主義であるということはよく承知をしております。しかし、教育的な観点から考えますと、毎年毎年の処置ということもありますが、親の側から見ますと、これから自分の子供が何年か先にどういうふうな学校が用意されてどういう教育を経て社会人になっていくのか、かなりお金をためたり、あるいは子供の進路を考えたり相当な見通しを持って当たっていると思うのです、そうじゃない人もいますけれども。学齢期を迎えて、特に小学校から中学へ行くあたりは、親としては先について非常に不安を持ち、この地域にいたのではなかなかいい学校に入れないからとか、いろいろ家を買ったり引っ越したり、都道府県の高等学校の状況とか通学の時間とか、さまざまな問題を含めて家庭では考えているわけです。むしろうちの中の一番の話題は、子供の学校と家計がどれほど支出できるかということであるというふうに言われておりまして、私どももそうした懇談などをいたしますと、真っ先にそういう話が出るわけであります。したがって、予算の処置として、教育に関しては制度的に格別の意味合いを持って、かなり先に向かっての処置というものをしていくべきではないか。臨時教育審議会の方でもそういう議論があるのかなと思っておりましたが、その点は余り触れられていないように私は思っております。  教育の場合には、教育荒廃ということが言われて対症療法みたいになっておりますが、日本の財政需要の中から産業というものに力を入れ今日までやってまいりましたけれども、その一つのひずみのようなものが教育に出てきてしまって今日こういう事態を迎えたのではないか。財政投融資の計画なんかでも、産業的なものは一つの目標を終えたみたいな感じもいたしますし、新聞の社説なんかでもそうしたことが指摘をされております。私は、ある意味では四権分立、教育権を独立させるなどという議論もかつてあったように、予算の単年度処置をもう少し長期的な展望の上に立って考えるような議論があっていいのじゃないかと思っておりますが、大臣の率直な御所見を例えればと思うのです。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 今先生のお話の中に、小学校の子供を持っている親が、中学校に進む段階になった場合に、この中学校に行っておっては希望するような高等学校にはなかなか入れない、ならば転居していわゆるいいと言われる中学校に入れるようにしたい、こういったことを考えていろいろ議論をしたりあるいは悩んでいる親がいらっしゃるという御指摘でございました。こういう問題はいろいろ世間でも議論のあるところでございまして、ただ、だからといっていわゆる越境入学などが慣例化してくれば、教育行政はやりにくうございます。根本は、地域の父母と学校とが協力し合ってよりよい学校にしていくということが大事だろうと思います。父母の側で、義務教育である中学校について学校選択の自由があるというふうにすることは、実際問題として行政の立場からすればなかなか難しい問題でありまして、そのことよりは、地域の人たちと学校、特に教師とが相互に連絡をとりながら協力し合って、地域の父母が満足してくれるような学校をつくり上げていくということが大事であろうと私は思います。  なお、予算の関係でございますが、先生御指摘のように、文教施策の推進に当たっては長期的な観点からの配慮が必要ではないのかということは、私どもも同感でございまして、したがいまして、文教施策の推進をしていく上ではそういう観点に立ちながら努力をしてきているところでございます。例えば幼稚園振興何カ年計画というのを一応立てまして、それに基づいて予算の確保を年々確実にやっていくとか等々のことをやっておるわけであります。ただ、予算そのものは、我が国の予算の立て方が単年度主義ということになっておりますので、この原則を見直すということは、国全体の予算制度にかかわることでございますので、慎重な検討が必要だと考えます。いずれにしても、我々としては、財政事情がまことに厳しい折ではありますけれども、文教施策を進めていく上で必要な予算を確保するよう今後とも最大限の努力を説けてまいりたいと考えておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 おっしゃる趣旨は私もよくわかるのです。今日財政が非常に厳しいという状況を考えますと、景気がいまひとつというところなんですが、私予算委員会でもこれは議論したのですけれども、景気がよくない理由の一つに教育投資もあるのじゃないか。非常に教育経費がかかるために家計の中ではとても家を買うところまで手が回らないとか、これはずっとフローしているお金のことであります。しかし、そういう考え方に立って見るならば、ちょうど一番購買力のある家計が子供のために非常な出費を強いられている。学校経費だけではなしに、予備校であるとか塾であるとか、さまざまな出費が家計から出されまして、結局それが消費の抑制効果を持ってしまう、したがって税収もなかなか上がってこない。一つの循環形態として、教育の家計出費をもっと深刻にとらえて、これをどこかでとめていかなければならない。そのためには国が思い切った——建設公債というのは建設の場合にありまして、これは物が残っていくから今日まで認められてまいりましたけれども、教育は物が残らないといいますけれども、日本における資源の最大のものは人間でありますし、それは教育に置かれているわけでありますから、そうした点から考えるならば、財政が厳しい厳しいと言っていたのではいつまでたってもこの問題は解決しないのではないか。これだけ関心を持たれた臨時教育審議会の答申が出、これから具体的に着手するに当たって、財政支出が厳しければ何らか別の方途で、民間活力を投入するにしても、そうした債券などの問題も含めまして教育と経費の問題というのをもっと大々的に議論の場に上げて、文部大臣と大蔵大臣がひざ詰めてこの問題を協議されて、そして明年度の予算の折衝などは、臨時教育審議会からの答申を受けて、恐らく今日までの長い教育の歴史の中では一番重要な文部大臣と大蔵大臣の予算折衝の場になるのではないか、そんな意味も込めまして、文部、大蔵両大臣でこの財政支出の——今単年度主義じゃなしに何かの長期的なものを方向としてはお考えだという答弁でございました。予算折衝の前に文部、大蔵両大臣のこれからの財政支出についての意見の交換というものがあってしかるべきじゃないか、こう思っているわけですが、御所見を例えればと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 先生御承知のとおり、六十年度の文教予算については、深刻な財政事情のもとではありますが、四十人学級の推進、私学助成の確保、科研費の充実、留学生事業の拡充等々、文教政策上必要な予算は、国の財政事情は厳しゅうございますけれども、所要の措置が行えたわけでございます。  来年度の問題でございますが、概算要求の時期が間もなく来るわけでありますけれども、昨年以上の深刻な財政事情でございますので、相当の苦労が要るだろうというふうに考えておりますが、まだ具体的な概算要求をする段階ではありませんので、来年度の文教予算について具体的に申し上げることはできる段階ではないわけであります。しかし、いずれにせよ私どもとして、種々の文教施策の遂行について必要な予算の確保充実に最大限の努力をしていく考えでございます。また、そうした予算の確保充実の上から必要がある場合には、随時財政当局に要請等を行ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ありがとうございました。  時間が短いので十分議論を詰めるわけにはいきませんでしたけれども、これからさらにまた私も勉強させていただきたいと思います。提案者の御苦労に対して敬意を表しながら、質問を終わらせていただきます。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 今回の児童急増地域施設の整備法、衆法八号、それから義務教育施設費国庫負担法、衆法九号ですが、これを提案されましたことが、今日の教育のひずみやあるいは荒廃を防ぐ意味で最も焦眉の問題として非常に重要な時期に提案されたということにつきまして、全く当を得たものであるというふうに思います。特に、今までもこの問題は提起をされてきましたけれども、今度はいよいよ臨教審の答申が目前に迫っておりますが、その中でまだ成案を見ておりませんけれども、新聞の情報で見る限り、臨教審においては、例えば定数是正の問題やあるいは施設整備、教育条件の整備の問題についてほとんど触れていないように思います。検討するということになっておりますし、また、この前の四月二十四日の概要報告によりますと、将来の展望を持ってというふうに書かれておりまして、焦眉の問題として本当に切実にこれをとらえているかどうかということが疑われるわけでございますが、そういう状態の中でこの法案が提起されたことは、今までよりも一層重みを持っておると思います。  その意味におきまして、最初に、提案者の佐藤議員にお考えを伺いたいのですけれども、臨教審。との関係で本当にこれは実現しなければならぬものだというお気持ちで出されたと思いますが、その辺のことについて一言御意見を伺いたいのであります。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 臨教審とのかかわりを中心に質問されておるわけですが、今の臨教審は、六月二十六日に第一次答申をなさる予定になっているわけですけれども、我々が知る限りではどうも国民の期待に十分こたえ得る方向には進んでいないのではないか。これは新聞の論調やあるいは調査でも明らかですね。私はあえて言わせてもらうならば、机上の議論が多過ぎるのじゃないか、したがって、教育現場のきっちりしたデータに基づいた議論でもなければ、教育現場の実態を押さえた議論でもない。とりわけ、今もありましたけれども、そういう理念の論争と同時に、それを具体化するための例えば教育の諸条件をどうするのか、その財政の裏づけはどうなるのか、こういう議論が、これからなされるかもしれませんけれども現在までにはほとんどなされていない。本当にそれを教育現場に生かそうと思うならば表裏一体のものなんですよ。だから、そういう点から言うと極めて問題であり、今指摘されたような今後二十一世紀に向けての教育のあり方、当面する教育荒廃を克服して国民の教育改革への期待にこたえるということになりますと、いろいろございますけれども、先ほどから議論されているような急増期における施設設備の充実、それからまた過大規模校の解消、そして一学級定数を少なくしていく、当面四十人ですね、こういうことを急ぐことがまず先決ではないか。それは教育荒廃をなくしていく、教育効果をより高めていく最も基礎的な条件だというふうに私は考えておりますから、そういう観点からの一助として、この法律案も緊急焦眉の課題を解決するという点で提起しているものであります。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 私も本当に同感でございまして、この問題に臨教審がほとんど触れないというようなことで教育改革などと呼べるのかどうかという疑問すら持っておりまして、その意味でこの法案の重要性をひとしお今日痛感をいたしております。  次に、ちょっと義務教育から話がそれますけれども、高等学校の生徒の急増、急減の問題です。高等学校の入学者は昭和六十四年度に全国的ピークを迎えるわけですが、その段階で現在よりどれだけ生徒数が増加するか、文部省にお伺いしたいのです。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 高等学校の生徒数の見込みでございますけれども、各都道府県において御推計いただいたものを踏まえながら、全国的な数字というようなことで検討いたしますと、これは在学者数ではじいておりますけれども、昭和六十四年度がピークになりまして五百六十五万、それに対しまして現在、昭和六十年度は五百十八万というところでございますので、四十七万の増ということが見込まれるということになるわけでございます。これは在学者数でございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 その急増に対して、文部省としてどういう対策を持っておられますか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 高校生の増加の見込みというのはただいま申し上げたわけでございますけれども、そういう形で六十四年度まで増加をいたしまして、六十五年度以降はまた急減をしていく、こういうような状況にあるわけでございます。  高等学校のこういった状況に対する対策につきましては、各都道府県が第一義的にこの問題を担当しておるわけでございますけれども、各都道府県におきましては、公立学校と私立学校とのバランスの問題というものを考えながら、全体の入学者数の見込み等を考慮し、そういった中で公立学校のシェアの分につきましては、各都道府県の教育委員会がその後の急減期の状況も踏まえながら、高校の新増設で対応する、あるいは既設校について学級増をする、さらには一部のものについて一学級の定員増をするというような、いろいろな形でこれに対して対応しておるわけでございますCこれに対する文部省の施策といたしましては、公立高等学校の新増設に要する経費というのは、従来は地方債それから地方交付税によって財源措置をされてきたわけでございまして、今回のいわゆるベビーブームの前の第一次のベビーブームの時期にはそういう形のままで対応したわけでございますけれども、今回につきましては、高校急増の実情その他諸般の状況を考えまして、昭和五十一年度から一定の要件のもとに臨時的な措置としての国庫補助を行うということを行ってまいっておるわけでございまして、各都道府県の整備計画に対応して必要事業量についてこれを確保し、補助を行うという措置を行ってきておるところでございます。昭和六十年度の予算につきましても、全体の予算を相当削減という中にございましても、この関係の経費につきましては前年同額、二百二十二億という金額を計上して対応するということにいたしておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 高等学校の生徒が激しい入学試験をくぐり抜けて学校へ入ってみると、過密学級で勉強しなければならぬという状態に置かれているわけですね。これに対して、急増するが急減をするということを見越して、結局、一過性のものとして一クラスの定員増あるいは私学へのしわ寄せというような形で乗り切る結果になりはしないか。今局長のおっしゃることを聞きましても、確かに心を配っておられることはわかりますけれども、しかし、文部省の対策としてはやはり不十分ではないかということを痛感をいたします。特に東京などの場合を見てみますと、四十五人じゃなくて四十九人以上の学校が三分の二を占めているとか、あるいは五十四人のクラスができているとかいうようなことで、大都市において大変なひずみが出てきておるわけで、これでは行き届いた教育といったところでとてもできるものではないわけですね。特に成長期にある高校生ですから、かけがえのないこの時期をそういう状態に置かれるということは果たしていいのかという点を指摘をしておきたいのです。文部省としては学級定数法で高等学校の場合は例外規定があるということでございますけれども、しかし、それはあくまでも不測の事態、例えば新しい団地が生まれたとかあるいは災害などの場合のことであって、今日の生徒の増というのは予測されないことではないわけですね。それに対して不断に手を打っておくというのが行政のあり方ではないか、そして同時に、急増、急減の時期がやはり高等学校の一クラス四十人とかあるいは三十五人の実現を可能にするいわば絶好のチャンスではないかというふうに私は考えるわけでございまして、そういう意味で、文部省として大きな構えてこの問題に対処してほしいと思うのですけれども、この点についてはいかがですか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 ただいま先生のお言葉にも出てまいりましたように、高校標準法にはやむを得ない場合を除き四十五人という規定になっておるというわけでございまして、これを盾にして、したがって幾ら入れても構わないんだというようなことを申し上げるつもりはないわけでございますけれども、しかしながら、やはり現実に実態として考えました場合に、急増をしそしてその後急減をしていくということを考え、そういう急減後の状況というものについての対応を考えた場合に、すべてこれをどこかに学校を新設しなければならないとかいうことで縛ってしまうというようなことも、大変現実的には難しい問題だと思うわけでございまして、私ども、都道府県がそれぞれの実態に応じて大変苦吟をしながら対応しておられるということをよく承知をしておりますだけに、やむを得ないことではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。  東京都のお話がございましたけれども、東京都の場合も四十八人ぐらいをいわば定員増の限界としておられるようでございまして、たまたま今年度は、毎年私学へ抜けていかれる生徒の数が大変多かったというようなことから、その程度抜けるであろうという推定をしたところ、ことしはいわゆる歩どまりが意外に高かったというようなことで、大変見込み違いが出てきたということの結果であるというような説明も東京都から受けておるわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう中で各都道府県が最大限適切な対応をしていただくように希望もし、そして学校の新設をするという関係の補助につきましては、十分要望にこたえられるだけの対応を文部省としてはしていくということでおりますということで、御理解をいただきたいと思うわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いずれにしても困難なことは重々わかっているわけでございますけれども、ここで教育に対する考え方ですね、文部省としても今日の財政事情の中でそれは難しいことはわかり切ったことです。でも、日本の教育がそれでいいのかという問題になってくるとまた別の問題でございます。  次に、マンモス校解消の問題についてですが、これも確かに困難な問題ですけれども、マンモス校の弊害についてはもう論をまたないわけで、文部省は五十九年、六十年の二年間で約五十校分を解消するという計画を立てられたわけですが、それは現在どのようになっているでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 マンモス校解消問題につきましては、先生御承知のことでございますけれども、念のため申し上げさせていただきますと、一般的には急造用地の整備費補助、それから急造関係の建物の補助という、用地、建物の両面の従来からあります補助制度で対応してきておるわけでございまして、それによって対応しております数が、年々大体三百校ぐらいずつ分離、新設というものについて対応してきているということが基本にあるわけでございます。そして、それ。に加えまして、五十九年、六十年には、さらに従来の補助基準に該当しなかったものについて約五十校分を新たに補助基準を拡大いたしまして補助の対象に加えるという措置を行ったわけでございます。そういうことで五十九年に予算措置等も講じたわけでございますけれども、実態といたしまして五十九年度一年間にできましたものが二つの市で二つの小学校でございます。これは、五十九年度にいわば市町村等から見れば突如としてそういう補助制。度ができたわけでございまして、これまでは補助資格がないと思ってあきらめていたものが急に補助資格が生じたということになるわけでございますので、事柄の性格上、それから用地を見つける、あるいは地区の住民の同意を取りつける等々のいろいろの難しい課題がございます関係上、恐らく分離は検討していても、具体に用地を購入いたします、そのための補助金を下さいという段階までは至らなかったものだろう、こういうふうに理解しておるわけでございます。そういうことでございまして、いずれにしても、この制度が六十年度までは適用されることになっておるわけでございますので、六十年度につきましては相当数の補助申請が出てくるものと期待をいたしておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 六十一年度以降については何か計画を持っておられますか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 現在実施されております急増対策の用地費補助制度、これは六十年度までの時限措置ということで財政当局との了解のもとに実施をしてまいったものでございますので、六十年度をもちまして、先ほど申し上げましたように、毎年三百校程度に補助をしておったというその制度そのものの本体が切れることになるわけでございますので、私どもの方といたしましては、この切れた時期に、六十一年度以降はその取り扱いをどうするのかという問題との関連におきまして、過大規模校の解消問題という、急増対策だけではない、ほかにもある大規模校解消問題というのをあわせて検討し、対応措置を考えたい、こう思っておるわけでございますが、いずれにいたしましても、夏の概算要求の時期までまだ時間がございますので、十分対策を練ってまいりたいと思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 五十九年五月現在でいわゆる三十一クラス以上のマンモス校というのは、小学校で千二百四十八校、中学校で五百九十校ということで、今局長おっしゃいましたように、用地の取得の困難とかいろいろ問題があることは私ども知っておりまして、これを全部が全部解決するということはもう相当の困難が伴うということはわかりますけれども、しかし、これまた常時努力をしなければ問題の解決にはならぬわけでございますから、この点、文部省としても一層の努力をお願いをいたしたいと思います。  最後に、この補助金の問題と絡みまして、これは文部省の方へ通告してなかったのですが、一つだけ、気になることもありますのでお伺いします。  いわゆる東京都中野区の準公選の問題に絡みまして、御承知のようにこの準公選は第二期目に入っておると聞いております。これについて三月二十二日に文部大臣が談話を発表しておられますが、その談話の中に、「今後とも、準公選制の是正を強く指導していく所存である。」と述べておられます。この是正を強く指導していくというお考えは、これは具体的にはどういうことを指しておるのかお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 東京都の教育委員会に対して、中野区の教育委員の選任手続が法に基づいてなされるよう指導をしていきたい、こういうことでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 いわゆる文部省として持っている指導勧告という意味だろうと思いますが、準公選制そのものの功罪、あるいはこれについて法的にどうというようなことをきょう論議するつもりはありません。むしろ、開かれた教育とおっしゃるならば、また教育基本法十条の精神からいけば、国民に直接責任を持つという考えからいくならば、文部省のとっておる態度に対して、もちろん私ども反対でございますけれども、しかしそのことを今論じているのではありませんが、この強く指導するという中に、例えば補助金を削減するとかいうような制裁措置まではまさかお考えにはなっていないだろうと思いますけれども、いわゆる指導助言の立場だろうと思うのですが、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 この問題と直結して補助金を削減するとか国庫負担金を削減するとか、そういうふうに考えておるわけではございません。ただ、補助金の中にはいろいろな各地区の条件を見ながら考えていかなければならないもの等もございますので、すべての都道府県、市町村等に、特に奨励的補助金等の場合に、一律に配っているわけではございませんので、すべてが一律というわけではないと思いますけれども、この件に関していわゆる懲罰的な意味でどうこうというようなことを考えてはおりません。  なお、もちろん、大臣からもお答えいたしましたように、都道府県教育委員会を通じての指導ということにつきましては、これはいろいろな形と申しますか、いろいろな機会をつかんで今後とも続けていく必要がある、かように考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 「教育は、不当な支配に服することなくこということで、行政の介入は禁止しているわけですね。そして、行政の行うべきものは条件の整備であるということがあるわけでございますから、私は、このことに関して一地方自治体の動きに対して制裁的措置をとるというのは当然誤りであると思いますし、まして補助金をカットするなどということはあり得ないことだと思っております。今の答弁でほぼ内容はわかりましたが、そういうことはないように、その是非についての論争はもちろん結構でございますけれども、そういうことはすべきではないというふうに考えておりますので、この点を私自身の考えで申し上げておきたいと思います。  最後に、提案者の佐藤議員にお伺いしますが、この提案されました二つの問題を含めまして幾つかの法律案を提案をされておるわけでございますが、これらについては、先ほどのお話で、焦眉の問題として早く決着をつけたいというお話がございましたが、そのように理解をしてよろしいでしょうか。そのことを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)議員 先ほどからずっと質問、答弁のやりとりの中で明らかなように、まさに緊急焦眉の問題でありますし、これは先ほどから申し上げているような両面がありまして、今日の非行、暴力の克服、より教育的な成果を上げる、しかも地方自治体に対する財政負担を軽減する、こういうことのために提起をしておりますので、これは御承知のとおりの環境にありますから、ぜひ早急にこの法案を通して施行されることを望んでおります。したがって、この法律案について本日は採決をしていただきたい、このことをぜひこの場からも御要請を申し上げたいというふうに思っております。  以上です。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 もうこれで終わります。提案者、どうも御苦労でございました。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十八分休憩      ————◇—————     午後五時四分開議

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。松永文部大臣。  私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 このたび、政府から提出いたしました私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申しげます。  私立学校教職員共済組合の年金制度については、共済組合設立以来、国公立学校教職員の年金制度に準じて、その充実を図ってまいりましたが、近時、人口の高齢化の進行等により年金制度のよって立つ基盤そのものに大きな変化が生じております。  このような社会経済情勢の変化に対応し、長期的に安定した年金制度が維持されるよう公的年金制度全般にわたる見直しが必要となり、政府としては、制度全体の長期的安定と整合性ある発展を図るため、公的年金制度の一元化を展望しつつ、その改革を推進することといたしたところであります。  今回、提出いたしました法律案は、私立学校教職員共済組合の組合員等についても、国公立学校の教職員と同様に、国民年金の基礎年金の制度を適用することとし、同時に、共済年金制度における給付と負担の長期的均衡を確保するため、給付水準の適正化を図る等の措置を計画的に講ずることとするものであります。  次に、この法律案の概要について申し上げます。  第一に、共済年金制度に基づく給付は、原則として基礎年金に上乗せして支給する報酬比例年金とし、給付の種類としては、退職共済年金、障害共済年金及び遺族共済年金等といたしております。  第二に、長期給付の給付額の算定の基礎となる平均標準給与月額は、組合員であった期間の全期間平均の標準給与の月額としております。  第三に、長期給付の支給等に関する事項については、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案における該当規定を準用することといたしております。  このことにより、共済年金の年金額については、厚生年金と同様の算定方式による厚生年金相当部分の年金額に、その二割に相当する職域年金相当部分の年金額を加えたものをもって年金額とするほか、支給開始年齢については、経過措置を短縮し、昭和七十年から六十歳となるようにいたしております。  また、退職共済年金について加給年金制度及び低所得者に対する在職中支給の制度を設け、障害共済年金について事後重症の制限期間を撤廃し、遺族共済年金について給付率を引き上げる等の措置を講ずるほか、公的年金の併給調整の実施、所得制限の強化等を行うことといたしております。  さらに、既裁定年金の取り扱いについては、改正後の年金額の算定方式に類似している、いわゆる通年方式により算定した額に改定することといたしておりますが、従前の年金額はこれを保障することといたしております。  なお、年金額の改定方式については、消費者物価による自動スライド制を採用することといたしております。  第四に、共済年金の給付に要する費用については、使用者としての学校法人等と組合員との折半負担とすることとし、国庫補助については、基礎年金拠出金の三分の一とすることといたしております。  第五に、共済組合の組合員等に対して基礎年金制度を適用するため、国民年金法等について、所要の改正を行うこととしております。  最後に、この法律の施行日につきましては、各公的年金の制度改正と同様に昭和六十一年四月一日といたしております。  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 次に、請願の審査を行います。  本会期中、本委員会に付託されました請願は、本日の請願日程に掲載してありますとおり八百四十四件であります。  本日の請願日程を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。  各請願の内容につきましては、文書表等により既に御承知のことと存じますし、また、先ほどの理事会におきまして慎重に御検討願いましたので、この際、紹介議員からの説明の聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  お諮りいたします。  本日の請願日程中、第二六七、第二六八、第三二一、第三六七、第五二三、第五三一、第五四三、第五七一、第五八三、第五八七ないし第五九八、第八三八及び第八三九、以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     〔報告書は附録に掲載〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 なお、今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、中学校の租税教育推進に関する陳情書外三十二件であります。      ————◇—————

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  内閣提出、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 起立多数。よって、本案は、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに決しました。  佐藤誼君外二名提出、学校教育法の一部を改正する法律案  中西績介君外二名提出、学校教育法等の一部を改正する法律案  中西績介君外二名提出、公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案  馬場昇君外二名提出、公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案  木島喜兵衛君外二名提出、児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法案 及び木島喜兵衛君外二名提出、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案並びに  文教行政の基本施策に関する件  学校教育に関する件  社会教育に関する件  体育に関する件  学術研究及び宗教に関する件  国際文化交流に関する件 及び  文化財保護に関する件 以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査案件が付託されました場合の諸件についてお諮りいたします。  まず、閉会中審査におきまして、委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出頭を求めることとし、その人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時十二分散会      ————◇—————

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