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102回国会衆議院1985/06/14

文教委員会 第18号

発言数
337
登壇者
24
会派数
6
開催日
1985/06/14

会議録

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本体育・学校健康センター法案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、国立競技場理事長望月哲太郎君、日本体育協会専務理事鈴木祐一君及び日本学校健康会理事長松浦泰次郎君を参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中克彦君。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 百一国会へ提出をされましたけれども、結果的には廃案となりまして、今回再び提案をされて、いよいよ審議の段階を迎えたという大変重要な法案であります。  私の質問の立場は、この法人が持つ性格の上からも、従前統合によって誕生いたしました日本学校健康会と、これから統合しようとする考え方の対象とされております国立競技場とが、余りにも性格的に食い違っているという立場から、この問題点を、むしろ国立競技場あるいは体育のあり方、そういうものの観点から焦点を絞りまして、以下質問をしてまいりたい、こう思うわけであります。  そこで、最初にお伺いいたしますのは、昭和五十七年六月、九十六国会におきまして可決されました学校健康会法に基づきまして、従前ありました学校給食会、学校安全会が統合されたわけでありますが、現在この日本学校健康会はどこに所在をいたしますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 日本学校健康会の主たる事務所は、旧安全会の事務所でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 この健康会に統合されました給食部の主たる事務所はどこにありますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 給食部の主たる事務所は、旧日本学校給食会の事務所でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 私どもこの事務所の実態もかつて調査をいたしましたけれども、今答弁にありますように、法人としては統合をされましたけれども、実質的には学校健康会の主たる事務所は旧安全会の事務所である虎ノ門一の十五の十二であり、また、給食会の事務所でありましたものがそのまま給食部の主たる事務所として虎ノ門二の八の十六にある、こういう実態にあるわけであります。したがって、この法案の審議の際に、昭和五十五年の二月十八日の第九十一国会以来、九十三、九十四、九十五、そして九十六国会に至りまして初めて衆議院で可決をされて成立を見る、この経過が示しておりますものは、どう考えてみましてもこの二つの法人が本来持っている目的や性格の上から統合することに大変無理があり矛盾がある、こういう点が議論の対象として浮かび上がってきているからだと私ども認識をいたしております。  例えば、この際の統合を目的といたしております国立競技場につきましても、政府の提案趣旨の説明によりますと、「日本学校健康会は、学校安全及び学校給食に関する業務をそれぞれ行ってきており、その業務の対象に国民一般と児童生徒等との違いはありますが、広く国民の体力の向上や健康の保持増進の面で密接な関係を有するものであることにかんがみ、」云々、こういう説明になっております。この学校給食会と安全会の統合そのものがこのような矛盾や無理の上に推し進められております上に、さらに今回は、この提案趣旨からも認めておいでになりますように、「その業務の対象に国民一般と児童生徒等との違いはありますがこと、政府自体もこのことの矛盾は一面では肯定をされているわけであります。これはもちろん行革の、臨調の答申に基づいての措置だ、こうは言われるものの、私ども、この統合のあり方について大変矛盾を指摘せざるを得ないわけです。  そこで、改めてこの提案趣旨にかんがみまして、大臣のこの提案についての考え方をもう一度お伺いをしておきたい。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 先生もよく御承知のとおり、国立競技場、日本学校健康会、いずれも体育、スポーツの振興、あるいは児童生徒の体位の向上、そしてまた、日本学校健康会の方でありますが、そちらの方は災害の共済給付、学校給食、こういうふうな事業をやっておりまして、大変重要な役割を果たしてきておるわけであります。今先生御指摘のように、その対象が、国立競技場の方は国民一般、そして日本学校健康会の方は児童生徒というふうになっておりますが、いずれにせよ、国民の体位の向上、健康の保持増進という面では密接な関係を持っておるわけであります。ねらいとするところが違っている方向じゃないのでありまして、やはり同じ方向の、国民の体力の増進、向上、健康の維持、こういうことで極めて密接な関係を有する業務であることには間違いないというふうに思っておるわけであります。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 非常に広義な意味で国民全体の体位の向上、体力の増進、こういう立場に立ては、関連性はないとは私は申しません。しかし、それが密接にかかわっているということになりますと、法人としての組織的な運営の上でそれほど密接にかかわるものかどうかという点については、今の答弁ではどうしても納得がいかないわけです。  例えば、国立競技場法の第一条には、「国立競技場は、その設置する体育施設を適切かつ効率的に運営し、体育の普及振興を図り、もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする。」こういうふうに競技場の管理運営、体育の普及振興、こういうことにその目的を持ち、その目的を達成するために十八条では、「その設置する体育施設及び附属施設を運営すること。」「体育に関する内外の資料を収集し、整理し、保存し、及び一般の利用に供すること。」「その他その設置する体育施設及び附属施設を利用して、体育の普及振興のため必要な業務を行うこと。」と、この国立競技場法は、国立競技場の本来持っている目的を極めて明確に示し、また、その持っている施設が果たさなければならない役割というものを十八条によって明確に示しているわけで、したがってそのことと、今政府が提案趣旨の中で述べている問題と極めて密接にかかわっている学校給食会あるいは学校安全会、これを統合した学校健康会の業務とかかわっている、これはどうしても私どもは得心がいかない、納得がいかないですね。  さらに、私ちょっと伺いますけれども、統合しようとしている国立競技場が運営管理に当たっている施設というのは、どことどこにどんな施設がありますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 主な施設で申し上げますと、霞ケ丘に陸上競技場を主体とした施設、それから代々木にプールを主体とした施設、それから北区の西が丘でございますが、こちらにサッカー場を主体とした施設というふうに三つに分かれております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 霞ケ丘の競技場、代々木の競技場、西が丘の競技場、戸田の競艇の倉庫、それから大倉山のジャンプ競技場、こうなりますと、この体育に関係する施設を管理運営するということだけでもきちっとした体制がありませんと、またそれに対する人員がきちっと確保されておりませんと、この国立競技場は、さっき申し上げましたような本来の目的に沿って、その施設を非常に適正に運営管理をして、その目的のために施設が生かして使われていく、こういうことにはならないのじゃないかと私は思うのです。  そこで、こういうような性格を持っている国立競技場が、さっき文部大臣が言われるように、広義な意味で体育の振興に、国民一般と児童の違いはあるけれども、そういう役割を果たしているのであるから統一すべきだ、こういう考え方になっておりますけれども、一体、そういうことで正常な運営管理が今後も継続できるという確信に立って文部省はこの提案を考えておいででしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 確かにおっしゃるとおり、今あります日本学校健康会と国立競技場が合併をする、そこで、御指摘のように競技場の施設が数ケ所に分かれているという現状でございますが、その辺の管理体制につきましては、十分組織整備をいたしまして合理化を図って、それが円滑に運営できるような組織体制を組み上げられるというふうに思っております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 私どもは、この二つの法人を統合することに大変矛盾を感じているわけでありますけれども、この二つ一の法人を統合することによって、一体どういうメリットが期待できるのか、その点を具体的に示してください。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 御指摘のメリットと申し上げますと、この統合の直接のきっかけは臨時行政調査会の答申からきたわけでございまして、統合をして一つの法人になるという答申があって、私たち検討したわけでございますが、メリットといたしましては、現在の常勤役員が、両方の法人では九人おりますが、これを七人にするということで二人、それから、非常勤の役員が五人おりますが、それを四人にするということで一人、計常勤二人、非常勤一人の役員が減る。それによります経費の節減は、平年度化にいたしますと、一年間で大体三千三百万円ぐらいの経費が節約されるというふうに思っております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 行政改革というのは、いわばむだな経費を省いて国民が必要とする行政に重点を置く、そのことが行政改革だと私どもは思っております。したがって、その臨調の答申があったから行革をやるんだという発想は、私は基本が間違っていると思う。というのは、答申がある以上やらざるを得ないという前提に立ってお考えになっているように響くからです。そうではなくて、その臨調の答申で行革をやると、その一環としてこの二法人の統合をやるとすれば、その統合をやることによってどのような行政改革が行われ、どのようなむだが省かれ、いわばどのような行政としての効率的な運用がそこに期待をされるのか。今示されましたものは、いわば役員の報酬等に関する経費の節減、具体的に示されましたのはそのことだけであります。私どもが考えているのは、要するに、さっき文部大臣が肯定をされておりますように、国民全体あるいはここで考えている法人というのは児童生徒まで含めて国民全体の健康増進のために、いわばスポーツ振興や普及を通じて国民の体位の向上、体力の増進、この日本体育・学校健康センターをもしつくろうとしても、そのセンターがこういう役割を果たしていくという点がメリットとしてもっと浮かび上がってこなければ、統合する意味がないと思うのです。  そこで、今役員の問題が出ましたが、今競技場におります理事長一人、健康会におります理事長一人。統合しますと理事長は当然一人になります。理事は現在競技場に二人おりますが、一人は欠員です。健康会に三人おります。これを統合して理事は五人になります。そうなると今の陣容より一人ふえる計算になります。非常勤理事は今健康会に二人おりますが、統合されることによって三人になります。それから監事につきましては、競技場、健康会にそれぞれ二人おりますが、一人ずつ欠員で監事は二名になりますが、これはそのまま横滑りであります。実際、計算上はこの役員の定数が要ることによってはじかれた今の計算だと私は思うわけでありますけれども、今の実態からすれば、役員がそのことによって削減されたり、そのために経費の節減ができたりということにはならぬじゃありませんか。その点はどうです。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 御指摘のことは、実態の運営において理事、役員が全部はまっていない、欠員があるということとの比較においておっしゃっておられると思いますが、私たちが申し上げておりますのは、それぞれ組織として、定数として従来置いております常勤の役員の数と今度置きます常勤の役員の数あるいは非常勤の役員間の数を比較して、こういった行政改革としてのむだを省くということをやっていきたいということを考えているわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 文部大臣、今指摘をしたとおりなんです。大臣はこのことについてどうお考えになりますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 機構、組織の問題として言えば、定員を比較してそして合理化がされれば、それはメリットであると評価すべきものだと私は思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 現実に現員で運営は行われているわけですね。それが統合を前提にして考えられているということからすれば、政府の方は本来ならこれは去年に法案を出しているわけでありますから、六十年にはもうスタートをしているつもりであったわけです。おかしいじゃありませんか。今申し上げますように、定員があれば定員で計算をして、統合してこれだけ節減ができる、こう言ってみたところで、実態が既にそうなっているのに、統合することによって役員は逆に言えばふえる。私が行政改革の具体的なメリットを示してほしいとお伺いしたら、唯一の具体的な理由としてそのことを体育局長はお挙げになったけれども、それがこういう実態にあるということになれば何をか言わんやです。私は、今の答弁ではどうしても納得いきません。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 運用の問題において確かに役員の中で欠員を抱えておりますが、これは、いろいろな状況を見てこういった統合法案を出さざるを得ない、そのときには役員の縮減をどうしてもやっていかざるを得ないということを見越して、こういった役員の欠員のままで運営をしてまいったという実情はございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 私どもが納得がいくような答弁が全然得られないので、非常に残念に思います。しかし、まだ山積する問題がありますので、この問題については保留させていただいて、時間がありませんから先に進めます。  ちょっとお伺いしますが、全国学校給食会連合会という組織がありますね。これはどういう構成になっていますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 全国学校給食会連合会というのは、都道府県の学校給食会の集合した任意組織の団体であると理解いたしております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 一つ違うのですね。確かに都道府県の学校給食会が連合して全国学校給食会連合会になります。ところが、「及び日本学校健康会を会員として組織されている。」こうなっているわけです。大事なところを落とされている。  これを見てもわかりますように、もし学校給食会と学校安全会が一緒になってそれが学校健康会であるとしたら、給食会連合会に都道府県の給食会と日本学校健康会を会員としているというのはおかしいじゃありませんか。この実態は、さきに私が指摘しましたように、既に健康会法によってスタートはしているけれども、給食会と安全会の統合というものの矛盾を端的に示しているものだと私は思う。そうでしょう。実態として給食会というものは各都道府県にも確かにあります。運営はそこでかなり実質的にも行われるような体制になっている。安全会は各学校に組織があり、県に組織があり、その組織がまとまって全国学校安全会になりました。この方が組織的なんですね。都道府県の給食会が一緒に集まって連合会、これはだれが常識で考えてもわかります。この中に日本学校健康会が会員として入っているのですよ。そこに問題があります。したがってこのことは、私に言わせれば、依然として学校安全会と給食会は法人として名実ともに組織的に一つになっていない、そのことのあらわれだと思いませんか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 安全会と給食会が統合いたしましたときも、旧安全会と旧給食会の業務をそのまま引き継いで新しい日本学校健康会をつくるということでまいったわけでございまして、先ほど私ちょっと落としまして失礼いたしましたが、都道府県学校給食会と昔は日本学校給食会とが一緒になっておりました全国学校給食会連合会というものが組織としてあるわけです。そこで、その組織の中に、今度日本学校給食会から日本学校健康会に変わりましたときに、健康会そのものも給食の仕事をするわけでございますから、当然従来の仕事を引き継ぐということで全国学校給食会連合会の中に日本学校健康会が入ったということでございまして、安全会の仕組みというのは、従来からも日本学校安全会で都道府県支部を直接持っているという系列でございまして、これは日本学校健康会に行きましても日本学校健康会の支部として安全部の仕事をするというのが都道府県の支部であるという二本立ての組織になっているということは御承知のとおりでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今の答弁も大変矛盾に満ちていまして、それならなぜ学校健康会として給食会と安全会を統合して一つの法人にしたのか。そして一方、全国学校給食会連合会の中へ都道府県の給食会と日本学校健康会を会員として組織するなどということが実際運営上行われているということになれば、かえってそれは混乱ですよ。混乱であるか、そうでなければ実態として体をなしていない。運営は全然組織とは別の形で行われておると見なければならないものであろう、こういうふうに私は指摘をいたしておきます。こんなことで時間をとってもしようがありませんから、質問を前へ進めさせていただきます。  そこで、今指摘をしましたように、さまざまな矛盾を持ちながらこの統合というものが学校安全会のときも進められてきたし、今回も同じ轍で進められようとしております。したがって、前回この健康会が誕生した際に、衆参両院で附帯決議がつけられております。これは衆議院でも参議院でも趣旨はそれほど変わりませんが、この六項目にわたる附帯決議が行われましてから既に三年たっておりますので、この附帯決議がその後どのように生かされてきたのかということについて具体的に示してもらいたい。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 各項目について御説明いたしますと、第一項目は、「同本学校健康会の業務の総合的かつ効率的運営に努めるとともに、運営審議会の委員の選任に当たっては広く関係者の意見が反映されるよう」にしろという決議でございますが、それにつきましては、日本学校健康会の諸施策をより総合的かつ効率的に推進するために、健康保持増進事業総合的調査研究を実施いたしまして、児童生徒等の健康保持増進のための事業について長期的観点から調査研究を行っているところでございます。  また、運営審議会の委員につきましては、学校の設置者、学校及び教職員などの代表あるいは学識経験者というふうな、広く関係者の意見が反映されるような人的構成を持ったわけでございます。  第二点の、「学校の施設・設備の安全性、環境衛生の維持向上及び学校給食の普及充実を図るとともに、養護教諭、学校栄養職員等の適正配置に努めること。」でございますが、施設設備の安全性の向上につきましては、学校安全あるいは学校環境衛生に関する講習会の開催、安全指導の手引等の作成等によりまして、施設設備の安全点検あるいは学校環境衛生の維持改善の一層の推進を図っているところでございます。学校給食の普及充実につきましては、物資の適正円滑な供給、研修会の開催等によりまして、その充実に努めております。  また、養護教諭、学校栄養職員の配置につきましては、昭和五十五年度から発足いたしました教職員定数改善計画という御承知のとおりの計画によりまして、十二年計画でその配置率の改善を図っているということに相なっております。  第三項目の、「災害共済給付については、とくに重度障害者に対する給付及び不服審査の処理を含めて改善充実に努めること。」の御意見でございますが、これにつきましては、災害共済給付の充実については、昭和五十九年度において重度障害に重点を置いた障害見舞金の改定を行いました。  不服審査の処理の改善につきましては、各都道府県支部及び本部審査会の給付金決定、本部審査会の再審査などの機能の充実を図っているところでございます。  第四項目は、「学校食堂を含む給食施設・設備の整備を一層進め、とくに中学校、養護学校等における給食の普及に努めるとともに、共同調理場については学校及び地域の実情を踏まえて適切に対処すること。」という内容でございますが、これにつきましては、中学校等におきます給食の普及については、学校給食用施設設備に係る国庫補助の事業量の確保に努めるとともに、中学校及び養護学校において学校給食を実施するよう強く指導いたしております。  共同調理場の設置運営につきましては、学校及び地域の実情等を踏まえて適切に対処するよう指導いたしております。  第五項目の、「学校給食用物資に対する国庫補助の適正化、食品、食器等の検査の徹底及び関係者に対する必要な情報の提供、研修の充実に努めること。」についてでございますが、米あるいは牛乳等の学校給食用物資に対する国庫補助の適正化につきましては、農林水産省とも連絡をとりながら対処をいたしておるところでございます。検査の徹底につきましては、食品衛生行政として実施される検査のほか、健康会に独自にあります検査施設におきまして、都道府県の学校給食会の検査施設との連携のもとに、学校給食サイドに立った自主的な検査を行っているところであります。  また、情報の提供や研修の充実ということにつきましては、健康会取扱物資についてパンフレットを作成して、学校や共同調理場におきます物資の選定に資することといたしておるわけでございます。  第六項目の、「日本学校健康会の統合・発足に当たっては、職員の雇用及び処遇について、従前の労使間の慣行を尊重し、労働条件が低下しないよう十分配慮すること。」についてでございますが、健康会の発足に当たりまして、旧給食会及び安全会の職員は健康会の職員として引き継がれました。そのときに労働条件については職員にとって従来より不利にならないよう十分な調整を行ったということでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 この附帯決議を見まして、今まで文教委員会の中でいろいろな議論が行われてきた問題だけを考えてみましても、この附帯決議は残念ながら全然生かされていない、こういうふうに私どもは言わざるを得ないと思います。  特に二項の「養護教諭、学校栄養職員等の適正配置に努めること。」の問題につきましては、今局長からも答弁がありましたが、この問題につきましては私は例の補助金一括削減の連合審査の際にも申し上げたわけでございますけれども、養護につきましても小中で五千百二十四名、十二年計画でふやすということで決められておりますが、ふやされてきているのは年々百五十という数字であって、今まで七百五十名ふえた。そういたしましてもまだ四千三百七十四人不足をしているという実態で、計画そのものから見てもこのように大変おくれを見せている、こういう問題も指摘をしておいたところでもあります。  それから、特に学校給食の問題につきましては、ことしの予算を見ましても給食施設の整備についての予算は削減をされておりますし、また通達に示されておりますように、自校方式を強く希望する父母の願いとは逆に、センター化や民間委託を進める行政指導通達が出されているという現実。また、五項の問題は特に重要なわけでありますけれども、御承知のように、前回のこの文教委員会の中で、臭素米が学校給食に使われたということで佐藤委員の方から大変厳しい指摘が行われて問題になったことがございます。そういう点を考えてみても、果たして食品、食器等の検査の徹底及び安全というようなことについて十分な措置がとられているのかどうかという点については疑問を持たざるを得ない。そういうふうに一つ一つ挙げてみても問題は山積をしていると思うのです。このことにつきましては、もっと文部省が本気で議会の附帯決議を尊重するという立場に立って、ぜひ前向きな姿勢を示してもらいたいと思います。このことを強く要望しておきます。  そこで、一つお伺いをしておきますが、先ほどからも申し上げますように、学校安全会と学校給食会を統合した健康会、二つの場所が、従前の法人の事務所をそのまま主たる事務所として仕事が行われているという形の中で、さきに申し上げますような給与の調整あるいは人事管理ないしは人事の交流、こういうものが本当に一元化されているのかどうか。そういう上に立たなければ管理職と職員の完全な意思疎通というものは図れないではないか。言われるところの実態として統合していない、名目統合だと指摘をされるのは私はその辺に問題があろうか、こう思うわけでありますが、その点についてはいかがですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 統合いたしますときに、職員の給与をどうするかということがもちろん問題になるわけでございますが、職員の給与につきましては、旧安全会の給与体系をもとにして給与表の調整を行って、現在健康会の職員の給与はこれに基づいて支払われているというのが現状でございます。その際には旧給食会の職員の給与が統合前よりも不利にならないよう十分な配慮を行ったつもりでございます。  また、人事管理について具体的に一本化されているのかというお話でございますが、統合後は総務部の庶務課におきまして統一的に実施しておりますし、旧安全会職員と旧給食会の職員との人事交流についても鋭意努力をいたしておるということでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 確かに、人事の管理は管理上は一つの窓口で行われていると思います。しかし、実態としては全然そういうことではないでしょう。それから、今交流をしたいと言いましたけれども、した事実はあるのですか、ないのですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ことしの四月に旧給食会と旧安全会との間の人事交流を行ったというふうに聞いております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 これからこの法案では国立競技場をさらに統合していく、こういう前提に立っておりますけれども、その際に、給料表等を調べてみますと現在の健康会と国立競技場との間には格差がある。これも今の考え方の前提に立ては、一つの法人の中であるとすれば完全に解決をしていかなければならないと私ども思うわけでありますけれども、そのことについてはどう考えておいでになりますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 現在両法人においてはそれぞれの給与表によって給与が支払われておるということになっておりますが、統一いたしましたら当然一本の給与表にならざるを得ないというふうに考えています。したがって、そのときには現在の職員が受けております労働条件が悪くならないようということを十分配慮していかなければならぬ問題だというふうに考えております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今の答弁を私どもも大変重要な問題でありますから確認をしておきたいと思っております。  さらに、労働条件の問題にもかかわりますが、定員と現員の関係があります。特に国立競技場の場合、最近一部の業務については民間委託が行われてきております。定員と現員との関係というのを調べますと、昭和四十八年のときに二百十二の定員に対して百九十七名、欠員が十五ということで、このときに一番定員に対して現員が充足をされているというピークだったわけですね。それ以後ずっと定員に対して現員の方は低下の一途をたどってきておりまして、ちょうど中間の昭和五十五年、二百三名に対して百八十九名、十四名の欠員。それがまた逐次現員が減らされてきまして、六十年には百九十三名の定員に対して百七十三名、欠員として二十名、こういうことになっております。  したがって、このことについて現員をできるだけ確保をする、それから組合の意向あるいは現在職場にある人たちの雇用の安定、生活の安定、こういうことを前提に考えれば、民間委託というようなものは極力抑えていかなければいけないのじゃないかというふうに思います。逆に言えば、これだけ定員に対して欠員が多いということになると、これは結果的には働いている人たちにはいわば労働強化という形で返ってきているというふうに私どもはとらえなければならぬ、こう思うわけです。先ほど申し上げましたように、ああいう広い競技場の施設、いろいろな業務がある、しかもまだ大勢の人たちが利用する、それから管理運営する施設もいろいろな場所にまたがっている、こういう実態を考えてみますと、この点は非常に重要だと私ども思うわけです。そこで、この問題につきまして文部省の考え方を明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 現員に欠員があるというのは実態の話でございますが、定員があってそこに人を割り込むというのはそういう定員が必要だということからあるわけでございまして、そこに人を入れ込んでいくというのは当然なことだ、これは具体的には国立競技場において御判断されることだと思いますが、そういうふうに基本的に考えております。  なお、民間委託についてでございますが、今いろいろな業務につきまして民間委託できるものはしていくというふうな基本的な方向で仕事は動いていると思います。したがって、私たちも無理のない範囲でできるものはしていくということですが、何もかも民間委託をしていくというふうな基本的な考え方は持っておりません。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 前回の統合の際にも、附帯決議でそのような労働者の雇用の安定、労働条件の改善、その趣旨は盛り込まれておりますし、私ども今回の場合も、そこは一番注目をすべき統合の際の問題点だというふうにとらえておりますので、今の答弁、とにかく全力を挙げてその問題については前向きの姿勢での努力をさらに要請をしておきたい、こんなふうに思います。  そこで、時間が進んでおりますから残っている方の質問に進ましていただきますけれども、最近、生活が多様化する、それから食生活も非常に改善をされる、それから科学技術の進歩等によって生活の様式が非常に変化をしてきております。そういう状況の中で栄養が十分にとれる、運動する時間はなくなる、自動車等の普及によってなおそれに拍車がかかる、それから非常に情報化社会になってストレスがたまる、そういう状態の中で国民は生活している、こう思うわけです。そういうことになりますと、何といいましても健康の管理、そのためには運動、スポーツの普及、体育、スポーツが果たしていかなければならない役割、こういうものは非常に重要になってきております。その一方で高齢化も非常に進んでおりまして、高齢者に対する運動や健康の管理についての指導、こういうものもまた欠かせない大変重要な側面だと思うわけです。  そういう立場に立って、これから統合しようとしております国立競技場、この競技場が果たしていかなければならない役割、こういうものをいろいろ考えますと、さっき私触れておりますように、この競技場自体が持っている目的やその目的を果たすための施設の運営や管理のあり方、利用のあり方、そういうものを考える場合に非常に大事な点は、かつて、昭和三十二年でありますけれども、スポーツ振興審議会から内閣総理大臣に対して答申がされている中に、この国立競技場に触れまして、「国で建設中の陸上競技場については、この施設が国民スポーツ振興のための代表的施設であることに鑑み、その公共性と本来の使命を達成するよう弾力性のある経営を行うため、特殊法人によって管理運営し、併せてこの法人がスポーツ振興に必要な事業を実施できるよう考慮すべきである」、こういう答申が当時なされているわけであります。  昭和三十三年には、衆議院の文教委員会でやはりこの問題で質疑が行われまして、「国立競技場を活用する基本は国民の本当の意味におけるスポーツ振興の場になってもらいたい。そのために使用料もできるだけ低廉にし広くアマチュアスポーツに開放すべきである。スポーツ以外の行事はできるだけ避け、運営費については国が十分補助すべきである。また日本のスポーツ博物館のようなものを整備するほか、専属のコーチを置き、指導者の養成と再教育を行い、スポーツの科学的な研究調査をするため、スポーツ研究所を併置し、スポーツの振興を図ってもらいたい」、こういうような意見も当時参考人から陳述されているわけであります。  こう考えできますと、この国立競技場が本来的なスポーツの振興を通して国民の体力の増進、体位の向上というものに果たしていかなければならない役割というものは非常に重要だと思いますが、今申し上げましたような経過があるにもかかわらず、先ほどから申し上げておりますように、今回これを日本学校健康会と統合しようという構想が進んできておるわけであります。この経過にかんがみまして、国立競技場とは何か、この果たすべき目的や国立競技場が持っている意義、そういうものについて改めて文部大臣の見解を伺ってみたい、こう思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 先生も御指摘になりましたように、食生活が豊かになってまいりまして、かってに比べますと相当高い栄養をみんなが吸収する、こうなってきましたけれども、一方、社会環境が変化してまいりまして、体を動かすという機会は減ってきておる。それからまた、一般国民にストレスがたまりやすいという状況のあることも事実であります。そういう変化の中で、すべての国民が健康ではつらつとした人生が送れるような国にすることは極めて大事なことだというふうに思います。そのためにスポーツを振興する。そのスポーツも、すぐれたスポーツ選手を養成するということも大切なことでありますが、それと同時に、一般国民がスポーツに親しみ、みずからスポーツを行って、そしてそれぞれが体力の維持増進を図っていく、これがこれから非常に大事なことだというふうに思います。そうした一般国民がスポーツに親しむ、みずからがスポーツを行う、これを適切に行っていくために大事なことは、先生も御指摘になりましたように指導者の養成でございます。したがって、この国立競技場は、その設置する施設をいろんな大会等に貸与して利用していただくという仕事もありますが、同時に、スポーツ教室あるいは指導者養成講習会、こういったのを通じて、数の多いまたすぐれたスポーツの指導者を養成する、そうして、そのスポーツの指導者に全国民を対象にスポーツの普及、奨励をやってもらうということが私は今後の日本にとっては大事なことだというふうに思います。そういう大切な事業をする上で国立競技場は中心的な役割を果たしていただいておる、こういうふうに思うのでありますが、センターとして統合された後におきましてもそういう面は重要でありますので、より一層その事業の推進を図ってまいらなければならぬ、こういうふうに思っておる次第でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 この国立競技場の役員の中には日本体育協会からも代表が参加をされておりますし、またスポーツ諸団体の代表が網羅をされております。したがって、今の質問について、せっかくきょう日本体育協会の専務さんに来ていただいておりますので、スポーツ団体の立場から、私が今文部大臣に質問をいたしましたことについて考え方をお聞きしたいと思います。

鈴木祐一日本体育協会専務理事

○鈴木参考人 日本体育協会の立場でお答えを申し上げたいと存じます。  私ども、スポーツの普及の面で、国民スポーツの振興という面と国際競技力の向上という面と、二つの大きい柱で事業を進めさせていただいております。その両方とも、今文部省の方からお話がございましたように、いい施設で、いい指導者によってスポーツをするということは非常に大切であろうかと存じます。私ども加盟四十競技団体ございますけれども、そのそれぞれの団体がいろいろの面でスポーツの普及、振興を図っていく上で、今後とも国立競技場という施設、こういうものを十分活用して、今後の我が国のスポーツ振興に邁進してまいりたいというふうに考えております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 きょうは国立競技場の理事長さんにも来ていただいておりますが、昭和六十年度の国立競技場の予算の配賦の総括表を見ますと、政府の補助金は七億四千四百五十五万四千円で、全体の収入というのは二十四億五千三百六十七万七千円、こういうことであります。したがって、今政府の補助金というのは全体の収入の大体三分の一。それで、施設運営そのほか事業等の収入を合わせて十六億八千八百十二万三千円、これだけを見込んでおります。昭和五十年の十四億六千万円に対して、これは五三%ですね、補助金が。五十八年は二十五億九千万。実に八年間に一・八倍になったわけですが、五十六年から絶対額が前年より下回り始めて、昭和五十八年には政府の補助金というのは三五%。それで、六十年のを私がちょっと計算してみましたら三〇・三四%、こういうふうに落ち込んできているわけです。若干の使用料の値上げもいたしましたけれども、あとは結局、国立競技場で働いている人たちあるいは運営に当たっている人たちが、いわばその使用料収入あるいは事業収益をふやしていくために大変な努力をされて、政府の補助金が落ち込んできているのをカバーしている。絶対額というのはふえることはあっても減るようなことはありませんので、そういう現象がこの形から見る限りはっきり出ているわけです。そこで、言われるところの目的外利用というようなことまで実際に出てきておりまして、いろいろなコンサートや何かにまで施設を提供しなければならない。使用規程を見ますと、アマチュアスポーツとプロのスポーツの団体の中でも使用料金の格差をちゃんとつけているわけですね。第一類、二類と分けまして、そして、それがプロとアマチュアで差をつけるのに、施設の目的以外に施設を利用させる人たちまでいわばアマチュアでないという規定の中で扱われている、そういうところに私は若干問題を感じます。問題を感じるのだけれども、本来的には、さっき申し上げましたようなスポーツ振興審議会が答申をした際の趣旨にもありますように、その持っている目的以外に利用させるというようなことはあってはならないし、むしろ好ましいことではない。しかし、運営上それをやらざるを得ないという実態が今ここに出てきていると思うわけです。  そこで、私は、理事長さんに伺いたいのだけれども、さきの従業員の問題あるいは民間委託の問題などについて、私も厳しく注文をつけましたが、このような実態で努力をされているという前提に立って、この国立競技場のあり方というものについてどういう感想をお持ちですか。

望月哲太郎国立競技場理事長

○望月参考人 お答え申し上げます。  まず最初に、国立競技場のあり方の原則につきましては、先ほど来先生のおっしゃったとおりの方向でございまして、あくまで国民の体力の増強あるいはスポーツの普及、振興、そういう点に中核を置くということについては、現在でも同じでございます。その点については、将来ともその方針で行くことに変わりないということをまず最初にお答え申し上げておきます。  それから、現実問題といたしまして、ただいま補助金の問題等ございました。私どもといたしましても、ただいまの厳しい財政事情の中で、できるだけ職員の協力も得ながら努力をして収益を上げておるところでございますが、これとても限界がおのずからあるということは当然のことでございまして、今後のことにつきましては、十分関係当局の御理解ある対応をお願いしつつ、かつ我々としても、そうは言いながらやはり自助的な努力もあわせてしていくように、今後とも職員とのいろいろな交流を通して協力を得ながら努力をしていくべき面もあると考えております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 文部大臣、今国立競技場の管理運営につきましては、私が指摘をしましたように、年々政府の補助金というのは引き下げられてきまして、今やその運営に占める率というのは三〇%を割るかもしれない状況にまで落ち込んできている。こういう中で、いわば運営が非常に苦境に立っているから、それ民間委託だ、それ減員だ、こういうことでは、一体こういう姿勢の中から、本当にスポーツの振興や、先ほどから議論しておりますように、国立競技場が本来持っている目的、使命というものを果たすことができるとお考えでしょうか。その点いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 国の財政事情が厳しゅうございますから、補助金は一般的に縮減傾向にあることは先生御承知のとおりであります。公共的な施設の運営管理、こういったものにつきましては、できる限り経費の節減合理化を図って運営すると同時に、その内容を低下させないように努力をしていくのが関係者の責務であるというふうに私は思っております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 私ども、文部大臣のもう少し前向きな答弁を期待いたしたわけでありますが、今財政事情が非常に厳しいことも私も十分承知いたしております。私が申し上げておりますのは、今まで議論して進めてきた上に立って、国立競技場が本来持っている目的、使命、そういうもののいわば機能を発揮させるためにこれでいいのかということを私伺っているわけでありますから、それに応じた答えを欲しかったわけでありますけれども、ちょっと問題を変えます。  体育協会に伺いますが、日本体育協会が年間運用されております財源別予算の総括表というのをいただいております。簡単で結構でございますから、年間運営にどのくらいの予算を持ち、それから政府の補助をそのうちどのくらいとっているか、その点をちょっと説明してください。

鈴木祐一日本体育協会専務理事

○鈴木参考人 ただいま予算関係の点でございますが、先生のお手元に五十八年度の決算が多分あると存じます。五十八年度の決算で申し上げますと、総事業費が四十二億八千万円でございます。それに対しまして、国庫補助金十四億六千六百万円を、端数がございますけれども、ちょうだいしてございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 文部大臣、今お聞きになりましたように、日本体育協会の総事業費四十二億八千万円に対して、政府が出している補助金というのは十四億六千六百万円、私はこれは大変結構なことだと思ってはおりますが、この日本体育協会にこれだけスポーツ振興に力を入れている政府が、どうして、日本全体のスポーツのセンターともいうべき国立競技場に、さっき申し上げますように年々補助金を減らしてきて、現在の実態というものを見れば七億四千万円、これから見ましても、国立競技場の、先ほどから議論しておりますような果たしている役割の重要性というものから見れば、ここでもって民間委託だの、それからコンサートだのなんということまでやって、この日本体育協会へこれだけ補助を出して体育の振興、スポーツの振興ということに力を入れている政府の政策的な整合性がないじゃありませんか。私はそう思いますが、文部大臣、この点はいかがですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 日本体育協会は、御承知のとおり競技団体四十を統括する団体でございます。したがいまして、四十団体をそれぞれ日本体育協会が傘下に持っておりまして、国際競技力の向上なりあるいは国民スポーツの向上という仕事をしていただいております。それに対します補助金ということで十四億円の補助金を支出いたしておりますが、一方、国立競技場の方は、施設を管理運営する経費でございます。したがって、管理運営経費と、片方のそういった事業費に対する補助との相関関係というのはなかなか解明しにくい問題であるということで、私はそれぞれの事業がそれぞれできるような形での国庫補助金が出されているものであるというふうに理解いたしております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 時間が大分過ぎてきておりますから、はしょって、ちょっと前へ進めていきたい、こう思うわけですけれども、最近大変スポーツ熱が盛んになってきたことは喜ばしい限りであります。それで、文部省の先日新聞に発表した報道によれば、例えばソフトボールに一千六百万人、水泳に一千万人、ランニングに九百十万人、野球に七百五十万人、バレーに六百四十万人、ゴルフに六百四十万人、テニスに六百四十万人、こうスポーツ人口が大変ふえてきておるということであります。私が持っております。そういう資料というのは、昭和四十四年に日本体育協会が調査をしたのによりますと、スポーツ人口というのは五百四十四万四千四百四十四人とありますが、ほかの資料によりまして、これは「体協時報」というのに、八四年の七月号でありますが、五十八年のスポーツ保険の加入者というのは八百十六万二千八百十一人だ、こうあるわけです。そうすると、今や数千万の人たちがいずれかの形でスポーツをやり、スポーツを楽しんでおる、こういうことになります。これも非常に結構なことだと思いますが、こういうふうに底辺が広がってきている、学校から社会人に至るまで。それは結構なことでありますが、そういう層の広がりを見せておりますだけに、スポーツに対しまして指導者の養成、スポーツの指導、それから教育とスポーツとのかかわり、そういう点が非常に重要だ、こう思います。  したがって、私がお伺いしたいのは、このスポーツの指導者の養成についてどのような措置が今までとられているのか。それから、全国的に見た指導者の配置の状況というのはどういう実態にあるのか。それから資格認定の制度というのは一体どう考えているのか。この三つの点をお聞きしたい、こう思うのです。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 スポーツの指導者の全体の様相でございますが、行政として担当しているという職員を常勤、非常勤合わせまして、七万六千人おります。その内訳からいたしますと、市町村の社会体育担当の職員というのが一万六百人、それから都道府県から市町村に社会教育主事として派遣いたしますスポーツ担当社会教育主事が六百五十二人、それから市町村立の体育施設の職員が一万六千九百人、そのほかに体育指導委員として四万八千人というのが行政の担当の職員の様相でございます。  そこで、これらの人々のいわゆる養成といいますか、研修、資質の向上の問題でございますが、文部省といたしましては、いろいろな研修会を通じてあるいは体育指導委員の研修会というものを通じてその養成を図っているところでございますが、片方、こういった行政の担当者以外に民間の指導者というのが、大体、概算二十三万人くらいおります。その民間の指導者につきましては、それぞれ競技団体、例えばスキー連盟であるとか、そういったところがそれぞれの指導者の研修をして養成をしているというのが現状でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今資格についてもそれぞれでありますし、それから特に民間とかボランティアに依拠をしているという面も、二十三万人という指導者ということになれば、実際に制度的に置かれている指導者よりも圧倒的に多いわけでありますから、そういう点にも大変問題があるように思います。したがって、これらの養成とか指導とか研修とか、そういう点はどんなふうにされておりますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 現在それぞれの種目につきまして、例えばスキーの指導者ならばスキー連盟が、サッカーの指導者ならばサッカー協会がということで、それぞれの社会体育団体が養成をし、資格を与えているというのが現状でございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 先日この文教委員会の一般質問の中で、岐阜における中津商業高校の竹内恵美さんが、スポーツの厳しい練習、それから先生の暴力行為に耐えかねて、心身ともに疲れ果ててついに自殺に追い込まれたという問題が取り上げられました。大臣も御承知のとおりであります。これと相前後するように、今度はかつてのロスの五輪のハンドボールの選手でありました田口選手が横浜において恐喝未遂事件を起こしたということが、大きく新聞でもテレビでも報道されました。これについては、スポーツマンとして非常に恥すべきことだということで一定の制裁措置がすぐに後からとられて新聞でも報道されておりますが、私ども実は重大な関心を寄せております。と申しますのは、このオリンピックの際に、やはり大麻事件というのがありまして、これもいわばスポーツ界を震撼させた大変ショッキングなニュースだったわけです。今回はそれを上回る恐喝未遂という悪質な、いわばスポーツマンとして恥すべき行為ということで指弾をされていることは御承知のとおりであります。しかし、またこれと相前後して、今度は高知県の明徳高校、この学校の下にあります明徳中学で、三年生が集団で二年生をリンチしたという新聞報道が出ております。この高知県の明徳高校というのは、御承知のように野球の名門校として知られておったわけでありますが、例の太田監督が少女売春のあっせんを受けたということで、これもスポーツ界に大変話題をまいた事件のあった高校、その下にあります中学が、またしても集団リンチを起こしたわけですね。こういう相次いだスポーツにかかわる、スポーツの指導のあり方やスポーツの指導者のいわば姿勢やスポーツの選手のありよう、こういうものについて文部大臣はどうお考えになりますか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 スポーツというのは、その種目についてすぐれた能力を発揮して、そうして競技においていい成績を上げる、それもありますけれども、またもう一つは、スポーツをやる人の健康と体力の増進という面もあるわけですけれども、より大事なことは、すぐれた人間性を形成していく、特に精神力を強くしていく、こういう面が、私はスポーツの場合には非常に大事な目標でなければならぬというふうに思うわけであります。  先ほど田口選手のことや、あるいはオリンピックに参加した人の大麻にかかわった事件等がありましたけれども、あれは大変残念な嘆かわしい事件だというふうに思います。ややともすれば、スポーツの面で有名選手になれば、精神的な面が十分でき上がっていない人の場合に起こる例でありますけれども、周囲からちやほやされていい気になったりして、ついつい世間の批判を浴びるような者が出てきたりすることは、本当に嘆かわしいことだと思います。日本の選手が大会等に出た場合に平素の力を出し切れないなどという選手がおったりするわけでありますけれども、あれもやはり精神力の弱さだというふうに思うのでありまして、やはりスポーツというのは、自分自身の練習それから指導者からの注意や指導を的確に受けながら、同時にたくましい精神力を養成していくということが大事なことだと思うのであります。田口選手の場合にしろ、あるいは大麻事件にかかわった人の場合にしろ、精神力の養成が十分でなかったということがその背景にあるのではなかろうかというふうに思うわけでありまして、今後ともスポーツの面では、体力あるいは競技力の向上とともに精神力を強めていく、高めていくということが大切なことだと思うわけであります。  明徳中学校の集団リンチ事件、甚だ残念なことでありますけれども、やはりわざを磨くということのほかにあるいは競技力を高めるということのほかに、より大事なことは、正しい行いができる、そういう精神力の養成、育成ということが大事なことだと思うのでありまして、そういう方面で特に文教行政の場でも意を用いてまいりたいと考えておるわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 これは文部省にも聞いてもいいことだと思いますが、私は、今大臣が言われるように精神力が弱かったから起きたんだというようなことでは済まされない、もっともっとスポーツを取り巻く社会的な情勢というか根の深いものがあろう、こういうふうに見ているわけです。  そこで、体育協会の方お見えですから、これらの事件を協会としてはどう見て——私が思うところによると、指導者の資質あるいはまたスポーツ指導者の養成や配置、こういうものが決定的にまだ不足をしている、こういうふうに見ますが、その辺についていかがですか。

鈴木祐一日本体育協会専務理事

○鈴木参考人 御指摘のように、昨年の八月におきます大麻事件、今回のハンドボールの事件、これは心から私ども体育協会としてはおわびを申し上げる次第でございます。私どもの体育協会の事業というものは、御承知のように国の補助金あるいは公営競技からの補助金、さらには民間の浄財によって支えられております。すなわち、多くの国民の方々の御共感を得ながらでなければ進め得ない問題でございます。したがいまして、今回のような不祥事、これは大変申しわけなく思っているわけでございます。  これにつきましては、やはり私ども日本体育協会はもちろんでございますけれども、御加盟をいただいている各団体の指導体制、こういうものにさらに工夫を加えていかなければならない問題というふうに受けとめております。ただいま文部大臣からのお話の中にもございましたように、やはり選手の心技体というこの三つがそろうことが特に国際競技の面での活動には大事なことでございますけれども、国際的な技術というものの進歩の速さに追いつけ追い越せということが影響をしたと思います。多少メンタルの面での指導ということが今後一層加えていかなければならない問題だというふうに、私どもを初め加盟競技団体の、特にコーチの皆様方とのお話し合い等を進めております。  なお、先ほど先生の御指摘のありました精神的に弱いのじゃないかというような面、特に試合の場でのそういう面につきましては、六十年度から国庫補助の御配慮をいただきまして、メンタルマネジメントということで、これを科学的に少し研究をするということを進めさせていただいております。今後とも十分気をつけて頑張ってまいりたいと思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 時間がなくなってきておりますが、実はこれらの関係する事件というのがここ頻発をしましたので、私も重大な関心を寄せまして、この質問に立つ前に若干資料を集めてみました。  そこで、文部省の方にお願いをしたいわけですけれども、幼稚園から小中学校はもちろんのこと、高校、大学に至るまで、スポーツにかかわる不祥事というのは大変続発をしています。それで、社会人に至ればなおのことでありますけれども、そういう層別、それから問題別に、スポーツにかかわる不祥事とはいっても選手自体のそういう不祥事もあれば指導者の不祥事もあります。それから事件の質もいろいろであります。そういう問題別に整理をしたここ一、二年のデータをぜひいただきたいと思いますが、そのことを約束していただけますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 御要望に沿うよう善処いたします。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 実は私、スポーツにかかわる不祥事の最近ここしばらくの新聞の切り抜きを用意してみたら、それを見て愕然としたわけです。これは全部印をつけておりますから文部大臣にちょっと目を通してもらって、いかに深刻な事態にあるかという実感を私は持ってもらいたいと思う。中には見るにたえないようなスポーツマンが犯罪や事件を起こしたものもありますし、もっと指導者の質を問われるような問題もたくさんあります。これを渡しますから……。  時間がありませんから、大臣にはそれをちょっと日を通しておいてもらいたいと思う。ぱらっとで結構です。大分分厚くできておりますけれども、大変な問題です。  そこで、お伺いしたいわけですが、文部省も今局長に約束していただきましたように資料を出していただけるということですから、私どもそれを期待いたしておりますが、だからこそ私どもは、国立競技場が果たしていく役割あるいは日体協が果たしていかなければならない役割、それから指導者の養成、研修ということが大事ではないかと思います。また、教育現場にも大きくかかわってくる問題だと思うわけであります。  そこで、国立の体育研究研修センターなるものの構想というのが文部省の中にありまして、既に昭和五十六年から五十七、五十八、五十九、六十年と継続してこの調査費がついています。この総額は、ことしの分を入れると一千五百七十七万三千円。それに、昭和五十六年度の基本計画策定費、これが別に百四十七万三千円ありますから、締めて千七百二十四万六千円、これだけ予算措置がされているわけですね。結局、この間この調査費を使って、この国立体育研究研修センターなるものの構想は詰めてこられたと思うわけでありますけれども、この状況について答弁をいただきたい。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 国立総合体育研究研修センターをつくりたいということで、文部省でも検討いたしてまいりました。経過を申し上げますと、そのつくる場所をどこにするかということから始まりまして、ちょうど旧東京教育大学体育学部が筑波に移転したということで、その跡地があるということでその跡地に目をつけて、そこにつくりたいということで、国有財産のそちら側への転用ということを関係方面に折衝してまいったのが昭和五十三、四年ごろの状況でございます。そして、五十五年に国有財産中央審議会で、その土地の使用についての基本構想については一応決定をいたしましたが、五十七年の二月の国有財産関東地方審議会において研究研修センターへの土地の利用について具体的な答申をいただいたわけでございます。  そこで、早速五十七年三月から国立総合体育研究研修センター懇談会というのをいろいろな学識経験者の方に入っていただいて、どういう中身を構想していくかということで御検討いただきました。その結果、五十八年八月二十九日にその懇談会の報告をいただいたわけてございますが、内容といたしましては、諸科学を動員して体育の基礎的、実践的研究を総合的に行うというのが一つ。それから、体育関係者に対して専門的、技術的な研修を行うというのが二番目。それから、三番目として情報の提供。こういうふうな大まかに言いますと三つの機能を持たせたものが必要ではないかという答申をいただいたわけでございます。したがいまして、私たちとしては、これについて今後も十分検討していかなければならぬ問題であるというふうに考えております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 検討は重ねられてきておるようでありますから、いわば今度は構想の具体化を、私どもは今申し上げましたようなスポーツを取り巻いている状況の中から、この施設の持つ重要な意味というものを一層痛感をしながら、強く期待をするわけであります。  そこで、この体育研修センターの構想につきましても、笠原専門職員の方からそういう構想の既に発表された文書なども私どもいただいておりまして、大変結構なことだというふうに思うわけですが、こういう状況にあるだけにスポーツのあり方をもう一度問い直してみなければいけないのじゃないか。それはなぜかと言えば、スポーツ振興法の精神があります。特に、第一条にありますように、「国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与すること」を目的としてスポーツというものはされなければならぬ、結局、スポーツそのものを国民に強制をしたり、また、スポーツを今申し上げましたような目的以外のために利用するようなことがあってはならない、こういうスポーツの基本精神があります。その上に立って第三条の「施策」には、「国及び地方公共団体は、スポーツの振興に関する施策の実施に当たっては、国民の間において行なわれるスポーツに関する自発的な活動に協力しつつ、ひろく国民があらゆる機会とあらゆる場所において自主的にその適性及び健康状態に応じてスポーツをすることができるような諸条件の整備に努めなければならない。」こういうふうに決められています。特に、このスポーツ振興法の基本の精神というのは、国際オリンピック憲章に示された、政治や企業あるいは宗教の介入、干渉、利用を排除して、本来の国際的な平和原理というものと一致をしなければならぬ、ここに通じていると私は思うわけです。  そこで、今申し上げましたいろいろ日本の国内に起こっているスポーツのあり方、先ほど文部大臣がいわば精神力の弱さというようなことも言われましたけれども、例えば、なぜ特定のスポーツの選手、有望な選手をしごいてまでも、体罰を加えて自殺に追い込むようなむごい訓練の仕方をしても育てようとするのか。一流のスポーツの選手になればいい企業へ入れる、いい大学へ入れる。そこには優遇措置がある。そして、そこで優秀な選手を仕上げればその監督の名声はさらに上がって、さらにいい仕事につける。そして、そのスポーツ選手は、結局は一つの企業の中に抱え込まれてそこで育てられる。そのスポーツ選手はその企業の宣伝に一役買う。こういう関係がスポーツ界を非常に毒している根本的な原因じゃないかと私は思うわけです。スポーツ少年団も結構なんですけれども、スポーツの訓練やスポーツをやって鍛えることによって優秀な選手を育て上げる、そのことだけに集中するような考え方があるとすれば、それはスポーツを本来の目的から大変ゆがめていってしまっていると私は思っているわけです。そのもとのところが直らないから、今言うような数々の不祥事が出ている。選手を甘やかす問題もまたしかりであります。  どうか、そういう点を十分に検討していただいて、これからのスポーツのあり方を考えていく場合に、研究研修センター、そういう機能を十分に発揮をして、全国のスポーツの指導者、文部省が考えておりますようなある意味では国家の認定制度をつくったらどうだという考え方もあるようでありますが、そういうことにしていく必要があるのじゃないか。やはりスポーツの指導者の資質が問われているではないか。ボランティアに任せて二十三万人もいる指導者におんぶするという考え方、その人たちを一体だれがどういうふうに監督をし教育をするのかという問題が置き去りにされているように思われてならぬわけです。ぜひそういう意味で、研修センターの問題はもう一歩進めていってもらいたい、私はこういうことを強く要望し、期待をするわけですが、最後に、このことについて文部大臣の御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 スポーツというのは底辺が広くないといけないものだと私は思っています。私も数十年間、スポーツ団体をみずからつくり、私も指導者の一人として青少年を中心にしたスポーツの指導をやってまいりまして、私の経験から言えば、スポーツ団体を管理し運営する責任者、そのグループがしっかりしておれば、たとえ最初のうちはどうかと思うことがあっても徐々によくなっていくものでありまして、そうした底辺の広いスポーツを正しく発展させていくためには、民間のボランティアの活動、この力がなければとてもじゃないけれども日本のスポーツは底辺において広がりません。  例えば野球について言えば、各都道府県に軟式野球連盟あるいは硬式野球連盟等がありますが、それぞれスポーツ愛好者の中からいろいろな講習をやり、指導をし、そして審判員にする、あるいはコーチ要員にする。そういう人たちがボランティア活動で少年団体あるいは青年団体のスポーツの指導をし、あるいはアンパイアも務める。こういう熱心な人があって初めて我が国のスポーツはより一層普及し発展するものだと思います。  問題は、有名選手等になった場合に心のどこかにおごりとか甘え、そういう面が芽生えてきはしないか。これは先生方も経験あることと思いますけれども、ややともすれば、有名選手等になった場合に、就職等の場合に当然有力企業が採ってくれるはずだなどという甘えた気持ちで我々のところに相談に来る者もいたりいたします。それを見た場合に、これは甘えがあるな、先ほど体協の人が心技体と言いましたけれども、一番最初の心の方が十分でないなという感じを私は時たま受けることがあります。やはりスポーツというものは、体力を増進し向上させる、あるいはわざを磨くということの前に、心を鍛えることが大事なのでありまして、心技体、これがバランスのとれた形で伸びていくようなスポーツの指導、振興をしていかなければならぬと思うわけであります。  そういうことで、研修センターも指導者の養成、心構え、こういった面を特に重視してセンターの事業というものも発展をさせていかなければならぬと思うわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 終わります。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 佐藤徳雄君。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私は、本法案に対して、今質疑をいたしました田中議員に関連いたしまして幾つかの問題についてお尋ねをいたします。  非常にお忙しい中を学校健康会の松浦理事長さんお越しをいただきましてありがとうございました。感謝を申し上げます。後ほど幾つかの点についてお尋ねをいたしますから、ひとつ明快なお答えをいただきたいと存じます。  まず最初にお尋ねいたしますが、大臣、あなたが文部大臣に就任してから幾つかの学校を訪問されたと思いますけれども、その訪問された際に学校給食をお食べになった経験がございますか、お答えください。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 学校給食を生徒と一緒に食べた経験はあります。大変うまかったという記憶を今なお新しくしております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 質問の本旨はそこではありませんけれども、大変おいしかったという御感想でありますが、それは自校の単独調理方式ですか、あるいは民間の委託センター方式だったのでしょうか、いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 おかずは自校で調理したもの、それと一括購入したほかのものもあったような気がいたしますが、主として自校方式でやっている学校であったと思います。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 大変結構なお答えだと思います。自校方式は大変おいしいことは私も経験をしておりますから、そのとおりだと思いますが、今さまざま議論になっておりますけれども、私は両方の経験があります。  そこで、基本的にいい悪いは別にいたしまして、子供たちの健康を考えた場合に、自校の単独調理方式の方が望ましいと思いますか、それとも食生活の上からいってもセンター方式の食事の方が望ましいと思いますか。大臣、どうお考えですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 一概には言いがたいというのが私の認識でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 議論の多いところですから、それは後で私の見解を含めまして申し上げたいと存じます。  さて、学校給食にはそれぞれの分野がございまして、いろいろ目的があるわけであります。学校給食法には「学校給食の目標」も掲げられておりますけれども、基本的には学校教育活動の一環であると終始文部省が見解を明らかにしてきたところでありますが、そのように理解してよろしいのかどうか、内容を含めまして御説明をいただきたいと存じます。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 学校給食は従来からも学校教育活動の一環であるということで説明をし、今もそういうふうな指導をいたしております。その持っております意味は、学校給食の時間におきます給食指導というのが学校教育活動におきます特別活動の領域に入るということからでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 四つほどあると思いますが、その第一は「日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。」第二は「学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。」第三は「食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。」第四は「食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。」この四つだと思いますが、間違いございませんが。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 おっしゃるとおり、学校給食法第二条は「学校給食の目標」として御指摘の四点を掲げております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それでは、次に、参考人の松浦理事長さんにお伺いをいたします。  昭和五十九年十月四日発行の週刊新潮に、見出しがどぎつい表現なのでありますが、これは私が書いたのでありませんから御理解いただきたいのですけれども、「文部省なんか怖くない、この「甘い給食」が止められるか」、こういう見出してあります。そして小見出しに「給食を牛耳る「健康会」」とあるわけであります。そして、この中には、「「文部省、農水省の古手役人の天下り先。伝票上だけで、手数料稼ぎをしている組織」と評される「日本学校健康会」に、いわば支部みたいな「学校給食会」が、各都道府県にある。」「ともあれ、学校給食を牛耳る「日本学校健康会」の松浦泰次郎理事長(文部省元国際学術局長)はなんと答えるか。」とありまして、理事長さんのお顔も掲載されているわけであります。  その中を私は興味深く読んでみたわけでありますが、紹介をいたしますと、次のように書いてあるわけであります。「完全な民間委託はありえないでしょうね。そうなったら駅弁と同じではありませんか。それでは学校給食制度そのものが崩れることになる。完全に民間委託すると、とにかく儲からなきゃいけない。となると、安かろう、悪かろうということではありませんが、子供たちが安心して食べられるものが作られるかどうか、問題だと思いますね。」一般市販の米を使っている千葉県の臭素米問題についても触れておりますが、これは私が前の国会でやった関係上認識がちょっと違っているのですけれども、米の問題は別にいたしましても、今紹介いたしましたような談話が載っているわけであります。非常に立派な御意見だなと思って敬服しているわけでありますが、その気持ちは今もお変わりございませんか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 私の言いましたことと記事の文章はそのものずばりではないと思うのでございますが、基本的な気持ちは変わっておりません。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それでは、その基本に基づきまして参考人の松浦理事長さんに次の点を幾つかお尋ねいたします。  その一つは、日本学校健康会本部の組織体制及び学校給食関係の組織体制について御説明をいただきたいと存じます。そして、どこに何名配置されているのか、ひとつ具体的な内容についてもお知らせをいただきます。     〔委員長退席、船田委員長代理着席〕

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 本部の関係でございますが、役員、非常勤を入れまして八名、それから職員が七十七名でございます。その内訳は、総務部関係が三十名、学校安全部の関係が十六名、学校給食部が三十一名、合計七十七名でございます。総務部につきましては、庶務課十名、企画室七名、経理第一課六名、経理第二課六名。それから学校安全部の関係につきましては、業務課七名、普及課八名。学校給食部につきましては、物資課八名、穀類課十一名、普及室四名、検査室六名、参事一という内容になっております。  都道府県の学校給食会につきましては、おおむね財団法人として各都道府県ごとに設置されておりまして、私どもの組織とは独立した組織になっておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 本部に七十七名、昨年より減っていますね。昨年より二名減っていますね。(松浦参考人「減りました」と呼ぶ)それで、人件費、事務費等に対して国庫補助金が交付されているはずでありますが、間違いございませんか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 間違いございません。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 物資課及び穀類課の二つの課において、先ほど報告がありましたが、ここに何人か従事しているわけですが、そのうちの半数は国庫補助対象の職員のはずだと思いますけれども、その人数と、私が言いました中身について間違いございませんか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 先ほど申し上げました数字のうち十名が健康会の物資経理で措置いたしておりまして、その余が国庫補助金の対象でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そうしますと、学校給食部の国庫補助対象外職員は十名である、こういう理解でよろしいですね。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 そのとおりでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それでは、十名の人件費の年間総額は幾らになっておりますか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 五十九年の数字は六千二百二十七万円でございます。それから、六十年度の見込みは六千六百四十二万円でございます、

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 これはいつから実施をされておりますか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 四十六年度からでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 四十六年ですから、大分年数がたっております。そうすると、国庫補助対象外の職員に支払いました人件費は、四十六年以降合同までの間相当額に上りますね。そこで、その人件費の勘定科目は何ですか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 物資経理でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 物資経理、つまり物資勘定科目の中ですね。具体的商品名は何ですか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 物資に、指定物資と承認物資というふうに分類がございますが、そのうちこの物資経理で負担しております職員の関係は、小麦粉の取り扱い事務、米穀の取り扱い事務、輸入牛肉の取り扱い事務でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 奇妙な話ですね。学校給食部が取り扱っている中で、小麦粉と米穀と牛肉のどういう操作をして出したのか、つまり国庫補助あるいは父兄負担、いろいろなお金が重なって学校給食会というものが運営されているのだと私は思うのでありますが、一体何で小麦粉や米穀や牛肉のお金から人件費が捻出されるのか、私には理解ができません。どういう操作で小麦粉、米穀、牛肉から人件費を捻出されておりますのか、各品目ごとに具体的にしかもわかりやすく御説明をいただきます。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 当時事務量が大変ふえまして、それに伴って国の方に予算要求もいたしたのでございますが、なかなか予算的に必要な人件費が認められなかったというような経過がございまして、政府当局にもお話しして了承を得ましてこれを実施してまいっておるわけでございます。  六十年度の予定で申し上げますと、小麦粉の関係で五名、三千四百万円、米穀の関係で四名、二千四百万円、輸入牛肉の関係で一名、八百二十五万円というような内訳でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 例えば小麦粉が五名分で三千四百万円、それから米穀、牛肉とそれぞれお答えをいただきました。この五名、四名、一名というのはだれだれであると特定をされている職員ですか、そうでありませんか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 特定されております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 特定されているとすれば、将来にわたる身分の保障はどうなりますか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 その他の職員と全く同様でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 ちょっと立ち入ってお尋ねをいたします。小麦粉からなぜ、どういう手続で三千四百万円のお金が出るのでしょうか、どういうやり方なんですか。学校健康会からいただきました五十九年度の決算書を私は持っています。この取り扱いの中身を見ましたら、売り上げ供給高は実に年間四百三十億に達しておるわけであります。しかも、この中には国民の税金が含まれているわけであります。もちろん、会計は明らかにしなければいけませんけれども、どうも納得がいきません。小麦粉と米穀と牛肉からなぜ人件費が捻出されるのか、納得いくまで御説明ください。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 私どもも必ずしも好ましいやり方ではないと思うのでございますが、先ほど先生お話しのございましたような四百数十億の物資を扱いまして、その事務が大変複雑でございますし、給食部の職員などを私ども見ておりましても、毎日夜遅くまで担当を分担しまして残ってやっておるような状況でございます。各都道府県がどういう事情によってどういう物資が必要か、あるいは事故品などが出てまいりました場合、即刻それに対する対応措置を講ずる必要がございまして、必要な事務を処理するためにやむを得ずこのような措置をとったというような経過でございます。ちなみに、その十名分の人件費が取扱額に対しまして占める割合は、五十九年度で〇・一八一%という状況でございます。そのようなことでもう相当年数やってまいったわけでございますが、検査院等の検査がございましても一応これについては認めていただいておるというような状況でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 〇・一%、率が低いからやむを得ないなどということについては私は納得できません。職員の皆さんの御苦労については私も十分承知しているつもりであります。  そこで、ひとつ大臣にもお尋ねいたしますが、政府の承認を得ている、こうお答えをいただきました。ところが、私が見た範囲では決算書にはそれがどこにも出てないのですよ、どこにも。どこにあるのですか、決算書の。小麦粉のどこにあるのですか、米穀のどこにあるのですか、牛肉のどこにあるのですか。そして、それはどういう方法で人件費が捻出されたのか、出てないじゃありませんか。私の見落としかどうかわかりませんけれども。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 例えば小麦粉流通経費という科目がございまして、その中でこれを支出しておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 その流通経費をどういう操作でやっているのですか。確かに小麦粉流通経費あります。ここに出ております。三千六百万でしょう。しかし、米穀と牛肉は出てないですよ、幾ら見たって。どうして流通経費から人件費が出るのですか。出してもいいという根拠はどこにあるのですか。これは重大な問題なんです。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 この経費の支出内容としまして人件費も支出しておるわけでございます。ただ、その人件費の基準は一般職員と同様の……(佐藤(徳)委員「そんなこと聞いているんじゃないよ」と呼ぶ)そういうことで、私どもとしましては、検査院の検査でも一応了承していただいておりますので、これで差し支えないと思ってやってきておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それはおかしいじゃありませんか。私の質問に対する答弁になっていませんよ。  それじゃ、さらにお尋ねをいたしますが、この決算書の十二ページには学校健康会の予算総則があるでしょう。物資勘定科目から人件費を支出してもよろしいという条項はどこにあるのですか。この中に、何条にあるのですか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 総則には書いてございませんが、それはできるという考えで実施しておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 おかしいじゃありませんか。書いてないのにできるという判断はどこでするのですか。それじゃ法的根拠を示してください。何の法律の第何条に基づいてそういう支出が可能なのか、大臣の答弁を求めます。政府が承認していると言うのだから。あいまいなことじゃ審議できませんよ。

船田元自由民主党・新自由国民連合

○船田委員長代理 速記をとめてください。     〔速記中止〕

船田元自由民主党・新自由国民連合

○船田委員長代理 速記を起こしてください。  古村体育局長。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 先ほど理事長から小麦粉流通経費によって小麦粉関係の職員の給与を支出しているというお話をいたしましたが、小麦粉流通経費といいますのは、小麦粉を末端の市町村まで持っていくのに要するいわゆる流通に関する経費でございます。したがって、その流通に関する経費の中にはいろいろなものが入っておりまして、それにかかわります使途にまつわる経費というのは当然その中に入ってくるというふうに考えております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そんなことは答えにならないでしょう。昭和四十六年から今日までかなりの年数だっているじゃありませんか。小麦粉が三千四百万円、十年間で三億四千万ですよ。それに米穀と牛肉がある。なぜここから人件費が出せるのですか。小麦粉や米穀や牛肉がなぜお金にすぐ変わっちゃうんですか。会計検査院が了解した、私から言わしたらぐるですよ、そうなれば。政府が承認しているとすれば、支出をしてもよろしいという法律的根拠を示しなさい。そんなことは納得できません。答えになりませんよ。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 法律の根拠といいますよりも、その予算としてそういう小麦粉流通経費という中で流通に要する経費を支出するという構造になっておるわけでございますから、その中に関係しますいろいろな経費がある、その中で人件費も含まれているということでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そうしますと、小麦粉や米穀や牛肉に限定していることがおかしい。そうじゃありませんか。そうだったらもっと出してもいいじゃありませんか。出せるはずがないところに出しているところに問題があると私は指摘している。思うなんということは、だれでも思うことはできるのですよ。法律的根拠どこにあるのですか。先ほど理事長はやむを得ずという言葉を使っているのですよ。本来人件費を支出する場合について、どこの企業だって官庁だってやむを得ずなんという表現が出ますか。これが政府の誠意ある答弁なんということはまさに国民を愚弄しています。

船田元自由民主党・新自由国民連合

○船田委員長代理 速記をとめてください。     〔速記中止〕

船田元自由民主党・新自由国民連合

○船田委員長代理 速記を起こしてください。  ただいまの佐藤徳雄君の御質問につきましては、二十分間時間を留保いたしまして、質問を先に進めていただきたいと思います。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そうしますと、私が提起をいたしました疑問につきましては、あと二十分間、午後になると思いますけれども、その時間の中で解明をしていただけるのですか。いかがですか。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 早速研究しまして二十分内にお答えできますよう努力してみます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それでは、理事長の答弁を期待をいたしまして、次の質問に移らせていただきますが、政府もこれを事前に承認しているということでありますから、大臣の方からも答弁をいただきますから、大臣答弁もぜひひとつ御用意をいただきます。(松永国務大臣「会計検査院がいたします」と呼ぶ)会計検査院は会計検査院として別にお尋ねをいたしますから、御心配なくお答えください。  それでは、次に、指定物資と承認物資についてお尋ねをいたしますが、指定物資の取扱品目は何でしょうか。これはどちらでもいいです。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 指定物資は米、小麦粉、脱脂粉乳、それから輸入牛肉、それとそれの加工品というふうになっております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 指定物資の取扱高を過去五年間にわたりまして年度別にぜひ明らかにしていただきたいと思います。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 五十五年度の状況でございますが、小麦粉、米類、脱脂粉乳、肉類、合わせまして三百四億五千六百五十四万一千円でございます。それから五十六年度は、三百三十億三百万円、五十七年度は三百四十九億七千八百万円、五十八年度は三百六十八億三千四百万円、五十九年度は三百七十六億八千八百万円でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それでは、承認物資の品目を教えてください。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 承認物資といたしまして六十年度に扱いますものは、一つはチーズでございます。それから強化精麦、麦でございます。それから油脂類としましてショートニングと食用油、砂糖、果実缶詰の一つとしましてミカン、もう一つは黄桃の缶詰でございます。野菜類としましてタケノコの缶詰、スイートコーンの缶詰、水産缶詰としましてサバの缶詰がございます。その他の缶詰としましてウズラの卵水煮、でん粉加工品としましてバレイショでん粉がございます。それから調味品類としましてトマトケチャップ、以上十四品目でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 今お答えをいただきましたが、その中身につきましては、先ほどの二十分間最後の段階で関連をいたしますので、その部分については答えをいただいただけにとめておきます。  さて、その次でありますが、体育局長にちょっとお尋ねをいたします。  昭和六十年、ことしの一月二十一日に局長名で通達が出されていますね。その中身について御説明ください。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ことしの一月二十一日付で体育局長から都道府県の教育委員会教育長に対して、「学校給食業務の運営の合理化について」という通知を出したわけでございます。     〔船田委員長代理退席、白川委員長代理着席〕  その内容は、まず業務の運営について、「臨時行政調査会、臨時行政改革推進審議会及び総務庁から合理化の必要性が指摘されているところであります。」として、ついては、各設置者がいろいろな事項に留意して、地域の実情等に応じた適切な方法によって運営の合理化を推進するよう、管下の市町村教育委員会に対して指導してほしいという前段を置きまして、内容といたしましては、まず第一に、「学校給食の質の低下を招くことのない」ということを前提にいたしております。二番目に、地域の実情に応じて、パートタイム職員の活用あるいは共同調理場方式、民間委託等の方法によって、人件費等の経常経費の適正化を図る必要があるということを述べ、第三におきまして、設置者が学校給食の合理化を進めるために、パートタイム職員の活用、共同調理場方式、民間委託を行う場合には、次の点に留意してほしいということで、それぞれ留意点を挙げております。  留意点について述べますと、一つは、パートタイム職員の活用をする場合には、常勤の職員との勤務時間の区別をはっきりしてほしい、あるいはパートタイム職員に対して必要な研修をしてほしいということ。  それから、共同調理場方式の採用に当たりましても、パートタイム職員の活用を図る場合には、調理員の稼働の効率を高めること。二番目として、近代的な施設設備を導入して、労働安全あるいは衛生管理の面に、配慮して調理工程の合理化を図ってほしいということを述べております。  第三番目に、民間委託を実施する場合には、献立の作成については設置者が直接責任を持って実施すべきものでありますから委託の対象にしないということを述べ、第二点に、物資の購入、調理業務等におきます衛生、安全の確保については、設置者の意思が十分反映できるような管理体制を設けてほしい。第三番目には、設置者が必要と認めた場合には、受託者に対して資料の提出を求めたり立入検査をする等、必要な措置がとれるよう契約上で明記してほしい。そして、受託者の選定に当たっては、学校給食の趣旨を十分理解して円滑な実施に協力する者であることを確認してから受託者を決めてほしいという、三つの合理化の方法についての留意点を挙げて指導をいたしたわけでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 昭和四十六年四月八日付の体育局長通知の中で、学校給食の食事内容について通達を出されていますね。その中身について御説明ください。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 昭和四十六年四月八日付の体育局長通知は「学校給食の食事内容について」ということでございまして、一番から六番まで項目があります。そして、一からずっといきますと、御指摘の学校給食の調理にかかわる事項について述べております通達の趣旨を申し上げますと、「学校給食の食事は、製パン加工等学校外に委託することが適当であると認められた場合を除き、学校または学校の設置者の設置管理する調理施設内において調理すること。」というふうに述べております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そういたしますと、先ほどお答えをいただきましたことしの一月二十一日に出しました通知の一番最後、五項目、これは今お答えをいただいた部分についてありますが、さらに「学校給食法第六条(経費の負担)の趣旨に基づき、学校給食の調理の原則を示したものであって、学校給食業務の民間委託を禁ずるものではないこと。」とわざわざつけ加えていますね。その理由は何ですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 学校給食をやっていく場合に、どこで調理するかということに相なりますと、共同調理場とか学校給食を実施いたします学校という場所で調理をする方がより責任が持てるということは当然なことであります。したがって、「学校給食の食事内容について」という昭和四十六年の通達はそういう観点から出されたものでございますが、今回、民間委託をした場合に設置者あるいは学校の手を全く離れたところで給食の調理が行われるということは好ましくないという観点から、この通達の規定は残したということでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 残したのはわかるんですよ。わかりますけれども、わざわざ「学校給食業務の民間委託を禁ずるものではない」ということをつけ加えたところに焦点を合わせて聞いているのだ。それはどうなんですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 したがいまして、学校給食を学校の調理場でやるということは、これはまさにストレートに考えれば給食業務そのものが直営になる。しかしながら、この通達の中で言っておりますのは、民間委託をしてもいいよと言ったわけです。それは、調理業務を民間に委託をして調理そのものは学校の中でやるということが通常考えられるいわゆる派遣方式、職員を派遣してきて学校の中で調理が行われるということができるようにしたということでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 局長としてはやむを得ない答弁なのかもしれません。しかし、日本学校健康会の組織の簡素合理化の勧告が総務庁から出されていますね、御承知ですか。もちろん当事者だから知っているはずなんでありますけれども、いかがですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 総務庁から、日本学校健康会についての事務の監察が行われましたので、それについての監察報告は受けております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 勧告されました中身につきまして要点をひとつ聞かせてください。どのような勧告を受けたのか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ただいまの監察でございますが、これは学校給食及び学校安全、両方についての監察が行われてございますが、お話は学校給食でございますので申し上げますと、学校給食関係業務の簡素合理化ということについて監察の報告がなされたというふうに存じております。(佐藤(徳)委員「その内容を聞いているんだ」と呼ぶ)内容につきましては、総務庁におきましていろいろな現場の調査をいたしまして、その結果、合理化を図ったらこういうふうな学校給食に係るコストが安くなるということを資料として持ちながら、私が一月に出しました通達の中身をもってそういった合理化を図れというふうな監察でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 問題は、私は冒頭に学校給食法に基づくところの目的は一体何なのかお尋ねをいたしました。そして、ねらいは何かと言ったら、学校教育の一環であると答えられたわけであります。ところが、今のお答えを聞いていますと、まさに文部省の主体的な条件を逸脱をして、そしてこの総務庁からの勧告に従って行ったものだと理解せざるを得ません。そうなりますと、今日学校給食が抱えているさまざまな問題があるわけでありますが、それでは、一体この学校給食法に定められているねらいというものが達成できるのかどうか私は非常に疑問に思うわけであります。かなり厳しい——私はその勧告の資料を手元に持っておりますが、これを読んで、そのまま文部省が受け入れたとすれば、学校健康会の理事長さんがいらっしゃいますけれども、学校健康会それでいったらなくなってしまいますよ。だから、午前中に田中議員がさまざまな質問をしているように、今出されております今度の法案というものは、明らかに国立競技場と学校健康会、異質なものを一緒にさせる、その原因はここにある、こういうふうに私は思っているわけでありますが、いかがですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 確かに、今の国家財政の中で、行財政改革を進めなければならぬというのは政府全体の姿勢でございますし、そのために第二次臨時行政調査会が置かれたわけでございます。そして、臨時行政調査会の中でも答申は、今の法案として出しております両法人の統合、それから学校給食業務の運営合理化というふうなことが答申の内容になってきたわけでございます。そういった点ではそのもとのところはつながっているといえばつながっているわけでございますが、法案としては両方の法人を統合するという法案を提出しているわけでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それは納得のできないお答えなんであります。  そこで、学校健康会の理事長さんにお尋ねをいたしますが、申し上げた趣旨とは若干違うという先ほどの週刊新潮の談話の答えでありましたけれども、あなたは立派なことをおっしゃっているのですよ。ところが、この私の手元にありますところの総務庁の勧告によりますと、まさに学校健康会全体、とりわけ学校給食の問題についてはずたずたにされてしまうのですね。こういう勧告についてどうお感じになっていますか。そして、将来をどう展望されておりますか、お答えください。

松浦泰次郎日本学校健康会理事長

○松浦参考人 先ほど古村局長からお話がありましたように、政府全体としては合理化、行財政改革に取り組んでおるということで、特殊法人の日本学校健康会としてもそういう方向でできるだけの努力をしなければならぬというふうに思っているわけでございます。  第六次の定員削減等も及んでまいっておりまして、それに伴う定員減ということもありますが、私どもとしましては、先ほど先生から御指摘ありましたような、学校給食法の精神に沿いまして、よい材料によるバランスのとれたものを発育期の子供たちに提供し、生涯にわたる幸福の基礎になりますよい食習慣を身につけさせる、あるいは子供たちの心の触れ合いにも資するということは非常に大切なことだというふうに考えていろいろ努力をいたしておる次第でございます。最近は事務機械等もある程度進歩してまいっておりますので、そういう電子計算機も備えておりますし、テレックスなどでの緊急の連絡もできるようなことで努力しておるわけでございますが、大局的に見まして、その勧告、行財政改革ということは避けられない、日本として取り組むべき方向かと存じますけれども、健康会としましては、その中で業務に支障のないよう最大限の配慮をしていただきたいというふうに思っている次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 あと三十分残っているわけでありますが、理事会の申し合わせもあるようでありますから、本会議の関係で中断してほしいという要請も事前に私にありました。ちょうど区切りでありますので、いま少しやろうかと思いましたけれども、残余の時間につきましては本会議終了後質問を続行させていただくことにいたしまして、一区切りをさせていただきます。

白川勝彦自由民主党・新自由国民連合

○白川委員長代理 これにて暫時休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ————◇—————     午後一時三十四分開議

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐藤徳雄君。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 午前中に引き続きまして、与えられた時間があと十分しかありませんから簡潔にお尋ねをしたいと思います。大臣を初めそれぞれの方々から午前中御答弁をいただいたわけでありますが、時間の関係上なかなか論議がかみ合わなかったのではないかと思っているわけであります。  さてそこで、「給食は単独枚方式に戻せ」という主張を朝日新聞の「論壇」に投稿いたしました小崎光子さんという方は、東京の武蔵野市の学校給食センターで働いておりまして、そしてセンター方式になった関係上センターに移行した人の意見が載せられているわけでありますが、私はこれを非常に興味深く読んでみたわけであります。まさにみずから経験をしてきているその実態というものを主張されているわけでありますが、例えば次のようなことを述べられています。  「東京都武蔵野市の学校給食センターで十年を過ごす前は、約二十年、同市の小学校で単独給食の栄養士であった。日常、子どもと接することによって、充実した思いで働くことができた。」と述べているわけであります。しかし、センターに移ってからは「大型化、工場化のもたらすムダに気付き、センター給食の安さは、見かけだけだと知ったのである。」ともつけ加えているわけであります。また「食材料の購入に手間暇かけて入札し、安く買っても、センターの仕組みはその効果を消し去ってしまう。」とまで実例を幾つか挙げて述べているわけであります。  さて、午前中体育局長からお答えをいただいたわけでありますが、一月二十一日に出されましたあの通達以降、文部省の通達によりまして全国的にどういうような変動がありましたのか、実態をおつかみでありましたらお答えをいただきたいと思います。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 通達は一月二十日過ぎに出したわけでありまして、県がそれを受けて市町村の指導に入ったのが二月なり三月という感じだと思います。したがって、私どもで感じておりますのは、あの通達によってまだ具体的な動きというのは出てないというふうに思っております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 かなりの日にちがたっているのにもかかわらず、その実態が出ておらない。実は出ない方がいいわけなんであります、私の考え方としてはそうなんであります。  そこで、先ほど紹介いたしました方の実例が載っておりますから、それを紹介申し上げますので、ひとつ感想をお聞かせいただきたいと思います。  この投稿をされている方の実例の第一は、給食が余った場合に一体どうするか、この問題が実は問題になっているわけでありますが、センターに移行してからの方が毎日むだが非常に多いということを指摘しているわけであります。これを金に換算いたしまして、「毎日消えるひとり二円分の給食費」とつづってあります。二つ目は、「捨てる分も買わねばならぬ」とまで言っているわけであります。そして三つ目は、「冬でもキュウリ」を使う。御承知のとおりハウス栽培が全国的に非常に発展をしておりまして、季節に関係なくいろいろな野菜がつくられるわけでありますが、季節外に購入する場合には非常に値段も高いというのは常識であります。そういうものを取り入れて金が非常に高くつく、実はこういうことまでも指摘しているところであります。  センター方式がよろしいのか、あるいは自校単独の調理方式がよいのか、さまざまな議論があるところであります。一概に言えないという大臣答弁でありましたが、しかし、少なくとも学校給食法に掲記をされております。そのねらいからいいましても、子供たちの健康を守るという立場に立ちましても、より安全で衛生的で、しかもおいしくて新鮮なものを食べさせられるのは、何といっても自校単独の方式であると私は考えるわけであります。この点について幾つか私の意見なども午前中に申し上げたわけでありますが、何はともあれ、経済やあるいは行政改革で示されているようなああいう状態に振り回されるのではなくて、子供を守るという立場から文部省もその主体性を発揮していただきたいと実は思うわけであります。  もう時間もほとんどございませんが、最後に、文部大臣の総括的な御感想なり御意見を承って、私の質問を終わりたいと存じます。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達に資する上で相当の成果を上げてきておるというふうに私たちは認識いたしております。  もともとこのスタートは、戦後の物資不足の時代に、子供に対しては昼食はみんな同じものが食べられるように、貧しいからあるいは食べ物がないからということでつらい思いをする子供がないようにというふうなことからはなはスタートしたと思うのでありますけれども、そのことが国民の理解と支持を得て今日の普及発達をしてきたというふうに思います。やはりすべての制度は、国民の理解と支持が発達するかどうかの決め手になると思うのでありまして、国民の理解と支持を得てここまで発達をしてきた。最近におきましては、一部では学校給食よりは母親が弁当をつくって子供に持たした方がいいんだという意見もあるわけでありますが、私どもといたしましては、豊かになってきたけれども、やはり子供に対してはバランスのとれた栄養豊かな食事を提供することが大切だ、あるいは学校給食を通じて教師と児童生徒あるいは児童生徒相互間の心の触れ合いの場ができておる、あるいは学校給食の準備、後片づけ等等を子供たちがするわけでありまして、それを通して協力とか責任とかそういったものが身についてくるという意味で、相当豊かになってきたことは事実でありますけれども、やはり学校給食は必要だというふうに考えておるわけであります。一部において家庭で弁当をつくらしたらいいじゃないかという意見もあることを聞きますというと、学校給食を継続するにいたしましても、その運営につきましては経費の合理化というものは考えていかなければならぬ。自校方式がいいかセンター方式がいいか一概には判定しにくいと申し上げたわけでありますが、センター方式をやるにしてもあるいは自校方式でやるにしても、いろいろ知恵を絞って経費の合理化を図っていかなければ国民の支持は得られないだろうというふうに私は思います。  そういうことで、先ほど御指摘のありましたようなことしの通達、こうなったわけであります。学校給食の質を下げないでかつ合理化する方法を考えなさい、こういう趣旨の通達を出したわけなのでありまして、その趣旨に基づいて、学校給食の運営については知恵を絞って合理化を図りながら進めていただきたいというふうに考えておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 大臣のおっしゃっていることはその立場からのお話だとは思いますけれども、私は、教育全体もそうでありますが、子供を置き去りにしたような教育をしてはならない、子供を忘れたような給食をしてはならない、これが本来の姿であろう、こう実は思っているわけであります。  ちょうど時間が参りました。学校健康会の理事長さんに御出席をいただき、御答弁をいただいてありがとうございました。留保した二十分の時間がありますので、次回、ぜひひとつ先ほどお答えいただけなかった中身について解明をしていただき、納得のいくような答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 有島重武君。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 日本体育・学校健康センター法案、議題となっておりますこの法案についての審査をさせていただきます。  初めに、この提案理由の御説明によりますと、「臨時行政調査会の答申に沿って、特殊法人の整理合理化を図るため、」であるということでございますが、この法改正によりましてどういった合理化につながっていくのかということでございます。私たちは行革を進めていかなければならぬ、そういった立場でございますけれども、これは人的あるいは財政的にどのような行革効果が期待されるのか。行革というのは、必ずしもそれによって人員が減り、財政的には予算が減るということだけではないということは理解できますけれども、これがどういった人減らしに通じていくのかあるいは仕事減らしに通じていくのか、この辺の効果についてまず伺っておきたいと思います。これは大臣から承った方がよろしいでしょうか。全体的な話になりますが、いかがでしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 両法人が統合いたしまして、いわゆる機構整備ということからいえば、第一点は役員の縮減でございます。常勤役員というのは九人おりますが、これを七人にするということで二人の常勤役員を減らします。それから、非常勤の役員が両方で合わせて五人おりますから、それを四人にいたしますと一人減らしますということで、常勤二人、非常勤一人の減ということで、予算金額にいたしまして大体三千三百万円というのが年間の縮減できる経費でございます。  そのほか、両法人が統合いたしますと、両方に総務部門があるわけでございますが、総務部門というものが一つになっていく。とすれば、総務部門に投じておりました力をほかのサービス面、情報の提供とかそういった利用者へのサービス面というものに力を注ぐことができるということで、機構整備をしてより国民に使いやすいものにいたしたいという二つの面を考えているわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 常勤役員が二名なくなり、非常勤役員が一名なくなる、それで三千三百万円の人件費の節減になる、こういったことですけれども、それとは別に、また人員が別なところでふえるというようなことにはなりませんか。全体でこうした節減、こうなりますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 定員の面で言えば今の役員の削減だけでございまして、ほかのところの定員をふやすというふうなことには相なりません。ほかの点につきましては従来の定員をそのまま持っていくということでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 では、次の問題に行きます。  名前のことなんだけれども、日本体育・学校健康センターとあるわけですが、これはもう少し国民に親しまれるような名前のつけ方というのがあるのではないか。こういったことは、文部省も知恵者がそろっていらっしゃることでございますからいろいろ議論があったのではないかと思うのだけれども、これはどうにかならぬものですかね。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 この法律案を提出いたしますまでに、この法人の名称をもっとスマートにしたいということはかねがね私たちも思っておりましたが、他方名は体をあらわすということがどうしてもなければならないということがございまして、現在体育の振興をしております国立競技場、そして子供の健康にかかわっております学校健康会、この二つを合わせたという、いわゆる名は体をあらわしたという形で名称を決めさせていただいたわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 今こうやって提出された法案は法案として、これで名は体をあらわしてわかりやすいかもしれません。それは今までの経緯を知って、これが統合されてこうなったのだということですけれども、これからのこれにかかわってくる国民の一般、まだお子さん方ということから見ると、もう一工夫あってもいいんじゃないかなと思いますけれども、大臣いかがでしょうかね。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 今局長が答えましたように、スマートな名前がいいという意見もたくさんあると思いますが、やはり体もあらわした方がいいだろうということで、苦心の末こういう名前になったのだろうというふうに思うのでございますので、何とかこれで御了承願いたいわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 御了承しないわけでもないけれども、もう一つ工夫をするという検討の余地は残されてもよろしいのじゃないだろうかと思いますね、今後の問題として。  次に行きます。業務の対象が、健康会は児童生徒に限られておりましたね。それで、国立競技場の方は国民一般ということでございますね。それでこれを統合していく。そうすると、今までとやはり大分変わってくるといいますか、例えば国立競技場、それから附属施設、これは国民一般ということに今なっている。特に児童生徒にも開放するというようなこともあり得るということですよね。それから、安全会の方の加入対象ですね。これは現行よりか大幅に広げる、一般国民の体育、スポーツ団体、ここまで広げるような可能性も見えてくるのじゃないだろうか、こういったことを思うわけだけれども、そういった可能性といいますか、対象の幅が広がっていく、そういった可能性についても将来考えられますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ただいまのお話は、この機会にいわゆる学校健康会の安全部が行っております災害共済給付制度をもうちょっと一般に広げたらどうかというお話かと思いますが、この法律の発想そのものは、従来の特殊法人の行っております業務をそのまま延長して引き継ぎたいということから出ておるわけでございます。そこで、災害共済給付につきましては、今行っておりますような高等専門学校以下の学校の児童生徒の学校事故に対する補償といいますか、給付を行うということにいたしたいというふうに現法案ではなっております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 これもさっきの名前とちょっと似た話ですけれども、これを持ってきた、これを持ってきた、足した、だからこれ以上のものはしないのだ、それは文部当局としてはそうでしょう。だけれども、こういう措置をやっていく、それで国会でこういった議論をしている、将来にそういうような発展的な何か考え方を含んで出発するということがあっていいのじゃないだろうかと私なんかは思いますけれども、これは局長のお立場はそうでしょう。大臣、お考えとしてはどうでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 災害共済給付の問題でございますが、先生御承知のとおり、児童生徒の登校、下校まで入るわけでありますが、小中高等学校の場合には、学校における行動それから登校、下校は、大体一般的に言えば決まったパターンで行動しておるわけでありますから、そういう意味でこの共済になじみやすいわけであります。しかし、大学となりますと、登校、下校、これはもう小学校や中学校と相当異なった登校やあるいは下校の行動ですね、大学生の場合は。したがいまして、これはどうも小学校や中学校の児童生徒の場合と同じような考え方で災害共済の対象にはなかなかなりにくい、こういうふうに思われるわけであります。したがいまして、大学あるいは専門学校、これとは小学校、中学校、高等学校は大分違っておりますので、大学や専門学校の方に災害共済給付の方を広げるということは、事実上ちょっと難しいのじゃなかろうかなというふうに私は感じております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 局長に伺いますけれども、統合によって何か新しい事業を始めていくというようなこともあり得るのかどうかですね。これは第二臨調という存在があって、その外圧によってこの統合を余儀なくされておる。したがって、このものとこのものとをこう寄せ集めただけだ、人員が多少減った、これでいいじゃないか、こういうようなものであるのか。何か積極的にこれをチャンスにこういうふうに少し開いていこう、新しい事業を興していこう、こういった積極的なメリットがあるのだ、こういうふうなことなのか。むしろ何かもっと積極的な意味合いというものを持たした方がよろしいのじゃないかと思うのですけれども、局長いかがですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 この統合そのものは、行政改革の一環ということでやってまいったわけでございますが、いわゆる大臣の提案理由の中にも書いてありますが、両法人は一般国民と児童生徒という対象の差異はあるけれども、体育、健康の振興という点で両方非常に近い関係にある仕事をやっているわけでございます。したがって、これからは新しい法人ができましたときの研究課題として、やはりそういったマクロで見た国民の体育、健康というものが、それぞれの分野にわたって、分野ごとでやっているのではなくて、それを統合したものができるかどうか、これは十分検討していかなければならない問題だろうというふうに考えております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 体育、健康、それから安全、こういったものを含んでのいろいろな総合的な政策を立案していくための審議会といいますか、大臣の諮問機関というようなものを、今までのものは組みかえてまたつくっていく、そういったお考えもあるのでしょうか。これは大臣に一言承っておきたい。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 保健体育審議会の御意見等を伺って、そうした上で、国民のあるいは児童生徒の体位向上、健康増進の上で有益な事業であってかつ新しい特殊法人が取り組むのにふさわしいというのがあれば、それはその段階で十分考えていかなければならぬ課題であると思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 次に行きます。国立競技場についてです。  国立競技場法の第一条によれば、「国立競技場は、その設置する体育施設を適切かつ効率的に運営し、体育の普及振興を図り、もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする。」こういうことになっております。国立競技場ではスポーツ振興のためにどのような活動をしているのか、これを基本的にお伺いします。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 国立競技場におきましては、国際的あるいは全国的なスポーツ競技大会の開催に施設を貸与する、あるいは一般の人がその施設を利用してスポーツ活動をする、例えばテニスをするとか水泳をするとかいうふうなことも行われております。また、国立競技場が主催してスポーツ教室であるとか指導者の養成講座をやるとか、そういったものもいろいろな形で行われているということでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 こうした統合を契機として、今後この施設の利用、活用というものが従来以上に前進をしなければならないのではないだろうかと思います。国立競技場の中にも霞ケ丘、代々木、それから西が丘のサッカー場と三つあるようでございますけれども、特に霞ケ丘の方、ここに関して今まで以上に活用、利用の工夫を何かなさる御用意がおありになるのかどうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 霞ケ丘の競技場は、大きく分けますと陸上競技場とサッカー場それからテニスコートということになろうかと思います。そこで、大きな陸上競技場を活用していくというのは、実際のことを言って、一般の国民があれだけの施設を借りて使うというのは非常に困難なことだろうと思いますが、いずれにしても、先ほど申し上げましたように、統合した機会に情報提供面でのサービスが今までよりももっとできる体制を組んでおきたい。そうしますと、こういう形でこの施設を使えるのかという情報がよくわかれば、それについての対応の仕方が国民の方に出てくるということで、統合を機会に機構整備を図るというのはそういう意味でございます。  なお、サッカー場があるわけでございますが、サッカー場については、前々からスタンドが非常に狭いというサッカー関係者の強い意向もございます。若干老朽化しているということもございまして、現在サッカー場は二万人の収容でございますが、もう一万人ふやして三万人ぐらい収容のサッカー場にしたいということで計画をいたしております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 陸上競技場なんか年に何回ぐらい使われているのですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ちょっとその前に、サッカー場と申し上げましたが、霞ケ丘にあるのはラグビー場でございまして、サッカー場は西が丘ですから、ラグビー場の改修工事というお話をさっきいたしたわけでございまして、ここで訂正させていただきます。  陸上競技場を年に何回ということでございますが、大きな国際大会はほとんどここでやっておりまして、五十九年度におきまして使いました日にちは九十日でございます。九十日そこにおいて陸上競技なりラグビーなりサッカーなりアメリカンフットボールが行われたということでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 それはラグビー場ではなくて、あそこのメーンのいわゆる国立競技場ですね。それだけで九十日ですね。そうすると、ナイターなんかはどのくらいやっていらっしゃいますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 夜、照明をつけてやりますナイターというのは、五十九年度におきましては七回でございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 七回というと非常に少ないように思いますけれども、聞くところによればナイターの電力料金というのが非常に高いということですね。一晩の電気の使用料というのはどのくらいになっているのか。それから、競技場の使用料というのは幾らぐらいなのか、七回とか八回とかということで。一体どういうことになっていますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ナイターをやりますときには電気料が大変高いというのは、おっしゃるとおりでございます。一千百万円の基本料金を年間——これは基本料金でございますから、それに使用料を継ぎ足しますと、一回にかかる経費が大体百四、五十万円ということになります。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 それは電力料金だけですか、それとも競技場の使用料込みですか。百五十万程度。もっと高いような話を前には聞いておりましたけれども、去年なんかで百五十万円程度ですか。それは電気料だけなのか、あるいは競技場使用料も全部でなのですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 ただいま申し上げましたのは電力の使用料ということに相なります。それプラス陸上競技場の使用料ということになります。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 じゃ、競技場の使用料は幾らですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 陸上競技場の使用料を申し上げますと、アマチュアスポーツで平日一日二十七万五千円、平日以外が三十二万円、アマチュアスポーツ以外は平日が百四十二万円、平日以外が百六十六万円ということになっております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 電気料ですけれども、例えば後楽園球場など一晩二十五万円程度というのですよね。国立競技場なども非常に立派なナイター施設を持っております。随分明るいものを持っております。この利用回数が少ないのは何か非常にもったいない感じがするわけだけれども、これはどうにかならぬものですかね。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 電力利用料は、基本料金が一千万円を超すということでございまして、利用者負担ということで、それを使う回数で割り込むわけです。したがって、使う回数が多くなればだんだん安くなるわけですが、昨年度は七回ぐらいになりますからそういう形になったというふうに御理解いただきたいと思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 イタチごっこみたいなもので、高いから使いにくいというのがあるのです。使わないから高いとそちらはおっしゃるわけだけれども。だから、僕は、どうにか工夫してそれをもっと利用効果をあらしめることはないのだろうか、そういったことを今後工夫しなければならないのではないかと思うのだけれども、これは局長からも今事情を伺いましたが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 電力料金というのは電力会社との契約になりますから、一般的な契約料金というのは、国立競技場だからといってほかの料金体系をとるというわけにはなかなかいかない。したがって、西が丘のサッカー場は自家発電でやっているわけですから、これはナイターをやっても利用料は非常に安くなるということはございます。  そこで、国立競技場の霞ケ丘の陸上競技場にそれでは自家発電をつければどうかということは、確かに問題意識として私たちは持っているわけでございますが、設備費そのものを試算いたしますと、自家発電装置をつけるためには大体一億円ぐらいかかるということで、今の財政事情の中ではなかなかそこまで手が回らないというのが現状である。将来やはりそういったものを持って安い料金でということは、私たちも将来の課題として十分意識いたしております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 何か工夫の余地があるのではないだろうか、もっと工夫なさるべきではないのだろうかということなんですけれども、大臣いかがですか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 私は、スポーツというのはおてんとうさまの、太陽を浴びながらやるのが一番望ましいと思っている。しかしながら、いろいろ仕事の関係もある、なかなか昼間の日程はとれない、そういう場合にやむを得ずナイターを使うという場合があろうかと思います。その人たちは、ある意味では太陽のもとでやろうとしてもなかなかそのチャンスに恵まれないという方でございますから、いろいろな知恵を絞って合理的な料金でナイターでスポーツをやれるようになることはいいことだというふうに思うのです。  したがいまして、先ほど話がありましたように、自家発電装置をするのに一億以上もかかるとなればなかなか大変なことだなということでありますが、恐らくナイターが七回程度だったというのは、価格が高いということもあるかもしれませんが、やはり本来、昼間やりたいという人が多いのじゃなかろうか。いろいろな工夫はありましょうけれども、工夫はしなければならぬなと思うのでありまして、今すぐどうこうということはちょっと返答いたしかねます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 一つの検討課題にしてみてください。  それで、この利用状況といいますか管理状況。霞ケ丘の競技場も一般の方々に個別的に開放して使っていただいているということがあるようですね。これは、非常に喜んでみんな使っておるようです。だから、芝やトラックなどの傷みがやはりある。そうなると今度は、国際的な競技や何かのときに、芝生が荒れている、あるいはトラックの土の締まりぐあいというのですか、そういったものが荒れている、記録に微妙な影響を及ぼすじゃないかというようなクレームがつくというようなことも聞いていますけれども、そうした使用状況と管理状況の兼ね合いについては、古村局長、どんなふうに把握していらっしゃいますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 六万人を収容するスタンドを持った施設でございますから、かなり大きな一つのエベントなどがなければ、一般にあの競技場を開放するということは難しいわけでございます。  そこで、あの一面に芝が張ってある。従来、大きなサッカーゲームとかラグビーゲームはあの芝を利用してやるわけでございますので、そういったゲームに支障のない範囲での、芝が傷まないということを前提にしてそこをやっていく。あるいは芝がある程度傷んでも、梅雨の期間に張りかえますから、梅雨の期間前であればそれを貸して、後、芝を梅雨の期間に張りかえて、秋からのラグビー、サッカーに対して支障がないようにやっていくというふうな、あの陸上競技場は一般に開放するにはかなり難しい条件があるということだと思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 例えばロサンゼルスのメモリアル・コロシアムあるいはイギリスではクリスタルパレス・ナショナルスポーツセンターというのがありますね。こういうところの利用と管理についてはどんなふうにやっているのか、何か調べられていることがありますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 アメリカのいわゆる管理の運営状況というのはなかなか私たちも調べられないことでございますが、この競技場はこの間のロサンゼルスのオリンピック大会でのメーン競技場として使われたわけでございます。一九三二年につくられて、そして昨年のロサンゼルス大会にもメーンスタジアムとしてつくられたわけでございまして、芝の状況は非常にいいというふうなことは聞いておりますが、これをそれではどういうふうに一般開放しているのかとか、あるいはその管理をどうしているのかということについては、私たちも承知いたしておりません。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 こういった点、御研究なさる余地が随分あるのじゃなかろうかと思いますね。  それから、例えばアメリカの場合などは、国際競技をやるというような場合に多分四つくらいのサブのトラックがあったはずですね。そういったものは平素から多目的に随分使われている。ヨーロッパなんかの場合にも、グラウンドがただのグリーンだけ張ってあってそれを随分多目的に使って平素も使わせるようになっておりますね。日本の場合は国立競技場を初め、県立のグラウンドというのが国体をすると大変立派にできていくわけですね。一般使用と管理という問題は、これは国立競技場だけにとどまらない。また、国立競技場でもってこのことを一つ解決できれば、各県にそれが及んでいくようなことになるわけなんですけれども、どうもあそこの霞ケ丘を見る限り、一点豪華主義といいますか、その周りにそれを支えていくというものが少ない。これは日本が狭い国だから仕方がない生言えば仕方がないかもしれないけれども、この際ひとつ、他国のことも研究なさると同時に、サブになる競技場というものももっと積極的につくっていく、こういうようなことも考えていかなくてはいけないんじゃないだろうか。これは大臣、大変予算がかかっていくことでございますけれども、こういった点の御研究を積極的に御推進なさるお考えはありませんか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 スポーツ施設は多いにこしたことはないわけでありますけれども、今の国の財政状況下でサブ運動場ができるかどうか、なかなか困難なことでございます。この六万人収容のすばらしい陸上競技場でありますが、九十回使われたそうでありますけれども、これはもっと有効的に使われればもっと回数をふやすことができるんじゃないかなというふうに思いますので、今後この競技場の利用方法についてはさらに国民にお知らせをして、そして有効に使っていただくというふうな方向に持っていきたいと思うわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 一般使用するときに、中で競技をする。スタンドというのはそのときにはほとんど使われないわけですね。何か非常に見ごたえのあるものがあって、それで入場料を取ってみんなが入って見物をする、そういったことがありますでしょうし、それはショー的なスポーツですね、見るスポーツ。大臣、今お答えの中にはそういったものも含まれているかもしれないけれども、みずからやっていくスポーツ、そういった意味も非常におありになるわけですね。なければいけない。見るスポーツからやるスポーツへというスローガンも私たちは採用しているわけです。  それで、そうなると、スタンドは余り持っていないけれども、さっきのラグビー場に二万人しか入れないから三万にするという話がありましたが、スタンドの方はないけれども、そこでもって大いに利用する、そういうようなものもあっていいんじゃないだろうか。アメリカの場合、イギリスの場合なんかも、スタンドは組み立てスタンドで、何かみんなで大勢で見ましょうというときにはスタンドを運んできて組み立ててしまう、そういうのもあるんですね。それがお粗末なものなら危ないかもしれないけれども、向こうでもそれによっての事故というのは今まで別にないようです。この間ベルギーであったのですか、あれは何か古い競技場であって、火事が起こって事故が起こった、そういったことはありましたけれども、必要に応じて組み立てる、必要がなければ、自分たちで楽しむという場合には畳んで広い場所にして使う、そういうようなこともある。今の日本の建築技術といいますか建造の技術でいけば、もっと優秀なものができるのじゃなかろうかと思います。だから、そういった面も推進なさる、研究してみるということが必要なんじゃないか、提案したいわけなんだけれども、大臣のお考えいかがでしょうか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 住民がとにかく手近にスポーツができる、みずからスポーツをやる、施設が要るということはおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、文部省としましては、地方公共団体が主体となってつくります運動場であるとかあるいは体育館であるとかプールとかいうものについては、補助金を出して奨励をいたしていく、そういったことで今まで対処してまいっております。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 今局長がお答えいたしましたように、我が国のスポーツを振興する上で、施設はたくさんあることは望ましいわけでありますが、身近なスポーツ施設はそれぞれの地方公共団体が整備をしていただいているわけでありまして、それに対して国の方は応援をするという形で補助金を出している、こういうことでございます。  先ほど先生、見るときに分解する組み立て式のというお話がございましたが、これはたくさんの人の場合にはよほど組み立ての頑丈なものでないと危ない場合もあります。私は、大体スポーツというのは、少なくともアマチュアスポーツというのはみずからやるのが原則、中でも特にすぐれたスポーツの場合には多くの人が見に来てくれる、そのことのために観覧席もつくっている、こういうふうになっているのだろうと思います。プロスポーツというのは見せてお金を取るのでありますから、これはお客さんがたくさん来て、そして見せて料金をちょうだいする、こういう仕組みになっているんだと思いますが、アマチュアスポーツというのは、あくまでもみずからスポーツをやって体力を増進し、健康を保持していく、しかしすぐれた場合には多くの人がそれを見に来る、それに備えて観覧席はきちっとしたものを用意しておく、こういうふうになっているのだろうと思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 少し御研究をいただいた方がよろしいのじゃないのだろうかというふうに私は思いますので、それも要望いたしておきます。  時間がなくなりますので、先に行きます。  学校安全ということにつきまして、昭和五十七年七月二十六日に設立された日本学校健康会というのがある。災害共済給付事業は、当時の日本学校安全会、昭和五十三年この給付内容を大幅に改善なさったということですね。そして、その後昭和五十九年度にも一部が改善された、そういうことになっておりますが、この日本学校安全会法の法案の提出当時、昭和三十四年境三十三回国会と言われておりますが、この対象範囲が義務教育の児童生徒、こういうことであった。それで、幼稚園と高枝は加入できるけれども全額保護者負担、こういうことでもってスタートしたわけでございます。現在はこの対象はずっと広げられているはずでありますが、どの辺まで広げられていますか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 学校の種別でいきますと、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、それから保育所でございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 それで、その掛金が四百円、大体その負担は設置者と保護者とが二百円ずつ半額負担になっておるということですね。法律では十分の四から十分の六が保護者の負担になっておるということのようですね。  しかし、そこで幾つかの問題がある。義務教育以外ではこの掛金負担率は今どのようになっておるか。また、私立学校についてはどうなのか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 義務教育以外というお話でございますので、高等学校の設置者の負担率を申し上げますと、国立学校については十分の二・五、二五%。それから、県立学校におきましても同様でございます。市町村立学校につきましては、二五%を持っておりますのが九〇%の学校、それから五〇%を持っておりますのが六%、全額持っておりますのが四%ということに相なっています。それから、私立につきましては、二五%を持っておりますのが九九%ということになっております。  それから、幼稚園でございますが、国立の学校は全部二五%でございます。それから、県立の幼稚園につきましては、二五%の学校が六二%、五〇%の学校が七%、一〇〇%が三一%。それから、市町村立につきましては、二五%を持っておりますのが八一%、五〇%を持っておりますのが四%、一〇〇%を持っておりますのが一五%。私立幼稚園では、二五%の負担をいたしてぶりますのが九八%、一〇〇%を持っておりますのが二%ということに相なっております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 私立学校でございますけれども、これは設置者と保護者というふうに言っていますけれども、設置者といってもこれは学校の授業料によって賄われているわけですね。だから、結局は丸々保護者負担である、こういうことですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 突き詰めれば、財源は保護者から出ているというふうに思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 この点、何か保護者と設置者との何%、何%なんというのは非常にそらぞらしい、形式的なふうに思えますね。しかし、あえてこういうふうに分けているのは、国公立ということに準じてこれができているのでそういった言い回しになるわけで、その精神から言えば、これは保護者負担というのが二五%ないし五〇%というようなことである。とすれば、これは公費でもってこれを補てんしていく、賄っていくというようなことが工夫されなければいけないのじゃないだろうかと思うのだけれども、どうでしょうかね。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 これは、学校健康会といいますかその前の日本学校安全会ができたときの生い立ちということから考えましたときに、学校の中で子供が事故を起こす、それについて設置者の責任であるかあるいは子供の不注意であるかということが種々議論された時代がございました。そういった点を何とか救っていって、学校の中でトラブルが起きないようにするということから始まった制度だというふうに私は認識いたしておりますが、それは保護者と学校の設置者との間でそこのところは共済制度を持ち込んでいくのだ、負担はその両者でもって、とにかく保護者と設置者と、設置者の責任もあるわけですから、その設置者の責任ということで財源を賄いつつ、そういった学校事故に対して補てんをしていって、学校教育がうまくいくようにということでスタートしたということになりますと、やはり設置者負担分については学校の設置者で持つ。私学の場合、それでは設置者負担といったって保護者に返るではないかということですが、この辺は、私立学校というものの持っている今度は財政の構造の話になりまして、どの部分が個人の負担になっているのかなかなか解明できないわけでございますけれども、私が申し上げましたのは、結局、私学については二五%の国公立に準じて持っているところが非常に多い。というのは、父兄に向かって、二五%は設置者が持ちますから七五%は父兄として金を出してくださいということで毎年お金を集めているのがこういう形で生まれたのだろうということでございまして、突き詰めれば、設置者と父兄ということでこの災害共済給付制度は生まれたという経緯からしますと、設置者負担分について公費を持ち込むことについてはいささか疑問があるというふうに思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 それはお役所の方から言うとそうなんでしょうけれども、私立学校に子供を出している親御さんの立場から言うと、何か奇妙な感じがする。まあ経常費の中に入れるというわけにはいかないかもしれない。しかし、これは何か一つの工夫をすべき問題じゃなかろうかというふうに私は感ずるわけですけれども、大臣はいかがでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 公立の場合は公費負担、設置者負担という意味は納税者負担ということなのです。私立の場合にも納税者負担を持ち込めということだと思いますけれども、しかし、私立は私立として学校を経営しておる』その私立を選ばれた父兄が、その趣旨を了承の上で私立に子供を通わせていらっしゃる、こういうことなのでありまして、それは公立の場合と同じようにするわけにはいかぬだろう。私立と公立とはその経費の運営の仕方からいってやはりある程度の差があるのはいたし方ない。ただ、経常費助成という関係で、ある程度の保護者じゃない一般の税金の金も経常費助成という形で学校には入っているわけでありますから、その中から学校側で一部負担しているということは、ある程度は一般の税金も使われているということになってきようかと思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 これも工夫の余地があるのじゃないかと私は思っております。  それから、学校教育法の第一条にある、学校という規定がございますね。その規定にある学校が一条校ということになっている。小中高校、大学、高等専門学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園、こういうふうになっています。この一条校に入っておらぬというか・文部省の管轄でない保育所というのですか、これが加入の対象になっておる。これは私は結構なことだと思いますよ。だけれども、一条校に入っている大学は加入の対象になっていない、これはどういうわけなんですか。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 大学あるいは各種学校等が入ってないということにつきましては、先ほど大臣もちょっとお触れになりましたが、いわゆる学校におきます教育を受ける形態がばらばらである。そして、登下校の形態も非常にばらばらであるということ。小中高等学校というふうなことになりますと、きちっと学校での授業時間があって、そして休憩時間があって、子供が帰ってくるというシステムになっているわけでして、そこのところを学校の管理下として押さえるというのはなかなか難しい。大学には、先生が休めば休講という制度があるわけですから、休講で何時間も授業を受けないでいるというふうな、そういった学校におきます学生の授業を受ける形態が大分千差万別であるということから、なかなかとらえにくいということでございます。  したがって、それについての救済策ということになりますが、大学生につきましては、昭和五十一年度から財団法人学徒援護会が、損害保険会社との間に、学生教育研究災害傷害保険契約を締結して、そういった学校におきます学生の災害についての救済が図られるということに相なっております。また、専修学校、各種学校等につきましても、昭和五十六年度から財団法人の専修学校教育振興会が、損害保険会社との間に、専修学校各種学校学生生徒災害傷害保険契約を締結して、教育活動中などの事故についての災害救済を図るというふうなことで、現実問題は処理がなされているわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 いろいろな大学があって、そこに参加している学生さんたちの授業形態はいろいろである、これは捕捉しがたい、こういうことはあるでしょう。ただ、高校段階におきましても、農業や工業や水産、こういったものがあるわけだし、それから、これから高校段階における単位の累積の高校、単位制高校というのですか、そういったようなことも起こってくる。随分高校以上は多様化されてくると思いますね。それに対しての配慮というもの、いろいろこれからまた工夫しなければならない。それから短大も加えて、これもひとつ工夫をしてもらいたい。時間がなくなってしまいましたので、先に行きます。  学校給食につきまして、先ほど同僚の方の質問の最後のところでもって大臣も言っていらっしゃいましたけれども、今学校給食というものが児童生徒の心身の健全な発達に大変役に立ってきた、それからそのほかの教育効果というものもあるということ、これは給食が始められてから三十年たつ、国民的な一つの支持を得ている、そういうふうに言われましたけれども、私も大体同じような認識を持っております。これはいろいろな問題がある。お母さんのつくったお弁当の方がよい、こういった意見もあります。しかし、私はそれも本当に賛成ですけれども、家庭におけるお母さんのお料理ということをどうも一層やってもらうということが前提にあって、それでお弁当にも及んでくるというのはいいけれども、お弁当のことばかり家庭のことを言って、そういうようなことを言っている家庭がつい、お母さんの本当の手料理というものから遠ざかりつつあるような、いわゆる便利主義というような傾向もないわけじゃない。それはここでの話ではありませんけれども。  そういうことを総合的に考えてみると、学校給食というものは今後もずっと充実していかなければならないのしゃないだろうかと思うわけです。その中で、発足当初はお子さん方に食べ物を与えるということ、そのころはいわゆる物の時代であったということになりますね。その時代から比べると、日本全体が物が潤沢になった。それで、物から心への時代だというようなことを言われておる。給食のあり方、給食のねらいということについても、これは大臣の御所感をまず承っておこうと思うのですけれども、知育、徳育、体育とありますね。初めは主に体育といいますか、健康といいますか、そこら辺に重点があった。同じ給食ということを通じての教育効果でございますけれども、それが体育というところから多少広がっていく傾向がある、あるいは広げていくべきであるというふうに私なんかも感じておりますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 先ほども答弁をいたしましたように、そもそも学校給食のスタートというのは、物の不足の時代に、子供に対しては昼食が栄養のあるものが確実に食べられるようなそういう仕組みが必要だということで学校給食はスタートしたものだと思います。現在では、先生御指摘のように物は潤沢になってまいりました。飽食時代と言われるようにたくさん物が食べられる時代になってまいりましたから、そこで、学校給食よりは母親がつくった弁当の方が、子は母親の愛情が身にしみてわかるだろうし、母と子の心のつながりはより密接になる、そういう意味で、学校給食よりは母親の手づくりの弁当を持たせてやった方が教育上はいいんだという意見が相当あることは事実であります。しかし、実態をさらに見てまいりますと、物が豊かになってまいりましたけれども、栄養のバランスは必ずしもとれていない。であるとすれば、学校給食の場を通じて、専門的な知識、経験を持っていらっしゃる栄養士が献立をつくる、それに基づいた給食がなされることによって、子供に対してバランスのとれた栄養豊かな食事が提供される、それは子供の成長にとって非常にプラスになるという面が一つ。二番目は、学校給食を通じて正しい食慣習の形成を図る。望ましい食事の行儀作法といいましょうか、そういったものが身につく。三番目は、学校で教師と生徒あるいは生徒同士一緒に食事をすることによって、教師と生徒の間の、さらにはまた児童生徒相互間の心の触れ合いの場がつくられて、好ましい人間関係が育成される。四番目が、学校給食の事前の準備、後片づけ等を通じて、協力とかあるいは責任とか清潔とかあるいは決まりを守る、こういった共同生活における必要な規律、あるいは行動様式というものが身についてくる、そういう教育的な効果を考えまして、学校給食は今後とも継続すべきであるというふうに考える次第でございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 私も同感です。  最初に母親のお弁当の話もまた出ましたけれども、今や学校給食というものが家庭料理に対して一種の指導性を持つようにもなっているようですね。子供たちの、ハンバーグが好きだとかカレーが好きだとかなんとかという、そういった嗜好、好みというものですね。これがやはり学校給食によってかなり好みが引っ張られている。そうすると、家庭のお料理のあり方というものもそういうふうに引っ張られていく。または、今の主婦の方方が多く給食によって育てられている。こういうことになりますと、一層また工夫をしなければならぬのじゃないだろうか。いろいろお献立やなんかも今までのカロリー計算だけの、だけということは言わない。だが、まあカロリー計算というものによって左右されていたということからも、もう一つ一歩踏み出さなければならない。これは学校給食が家庭料理、家庭生活というものに対しての一種の指導性も発揮し出している、こういったことは認識していかなければならないのじゃないだろうかと私は思っております。これが一つ。  それから、一つにはしつけ、規律ですね。後片づけだとか行儀だとかということですね。そういったことに重点がかかってくる。よく言われているように、先割れスプーンで犬食いだなんていうのがひところ言われておりましたけれども、最近、私はあちこち見て回っておりますと、そういった点も随分何か姿勢もよくなったようだし、変わってきていると思います。  それから、教師と生徒それから生徒同士の人間関係ということを言われました。こうした道徳的効果といいますか、あるいは家事、家庭にわたっての知識の一つの効果といいますか、こういったことが給食の中に大きく、昔もあったのでしょうけれども、そのウエートが非常に大きくなっているのじゃないだろうかというふうに思います。今後もそれが大きくなっていくだろうと思います。  そこで、この前の日本学校健康会法が成立したときに、衆議院でもそれから参議院の方でもあったと思いますけれども、附帯決議が六項目ついておりました。その大体四番目だったと思いますけれども、「学校食堂を含む給食施設・設備の整備を一層進め」よ、こういうことがありました。これはそのように心がけると言って、そのときの大臣も表明されたわけでございますけれども、この学校食堂、ランチルームの設置校、こういったことを全国でどのくらいやっておるか、特にふえておるのか、こういったことも掌握していらっしゃるのじゃないかと思います。特にこの中で、私がかねがね主張しております異年齢混成でもっての給食、その効果というものがこれは著しいものじゃないかと思っております。それで、このランチルームは、できるところとできないところとあるようです。これは過疎校ですと、教室があいてしまうものだから、そこをランチルームにする、あるいは二教室ぶち抜いてランチルームにしているところもある。しかし、そうじゃなくて、本当に給食の総合的な教育効果ということを大きく見込んで新しくランチルームをつくろうじゃないか、あるいは改造しようじゃないか、こういうような場合に、何かそれを補助していくというか、奨励していくような予算措置というものを今後考えなければいけないのじゃないだろうかと思います。  時間がなくなったから全部言ってしまいましたけれども、一つには、学校食堂の普及率をどんどん掌握してもらいたい。それから、その中でもって異年齢混成でもってこれを進めているところ、これもひとつ光を当てて掌握していっていただきたい。それから、ランチルームをつくっていくというようなところに何かの奨励策を設けてもらいたい。こう三つ大臣にお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

古村澄一文部省体育局長

○古村政府委員 食堂の設置学校の数でございますが、これは五十九年五月一日現在でございます。小学校で千六百九校、これは学校給食の実施校数の六・三%でございます。それから中学校が二百九十三校、これが四・〇%というようなこと、それから特殊学校では若干比率が高くて三百二十八校で四九・八%というふうになっております。  そこで、これの異年齢の併用でございますが、小学校を見てみますと、そういった異年齢の子供をランチルームに入れて指導しているというのは、大体五〇%ぐらいの学校だというふうに把握いたしております。  それから、学校食堂に対する財政援助でございますが、四十九年度から細々とやっておりまして、現在六十年度の予算としては百二十一校の予算額として十八億円というものを計上いたしております。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 今局長から状況の報告がありましたけれども、これは一層進めていってもらいたい。大臣からお答えをいただいて終わります。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 先ほど有島委員御指摘のように、過疎地帯等は教室があいてくる、その教室を活用するということもできるでしょう。しかし、東京とかそういう都会地におきましては、食堂を建設するための用地の問題その他もあるでしょうから、設置者が税金によってそれを積極的にしようというところがそれほど多くはないのじゃなかろうかと思いますが、しかし、それを希望するところにつきましては、先ほど局長が答弁いたしましたように、補助を出しておる、こういうことでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島委員 終わります。ありがとうございました。      ————◇—————

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。     〔委員長退席、白川委員長代理着席〕

白川勝彦自由民主党・新自由国民連合

○白川委員長代理 池田克也君。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 今国会最後の一般質疑ということでございまして、今国会の一番大きな課題、いろいろとテーマがありましたけれども、臨時教育審議会によって議論されております教育の改革、これは二十一世紀を目指しての我が国の教育、子供たちの将来あるいは高齢化社会と言われる時代を迎えでのさまざまな問題がここに盛り込まれるのではないかという国民の大きな期待があるわけでございまして、臨時教育審議会が、六月二十六日と言われておりますが、第一次の、これは中間答申ということになりましょうか、非常に関心が集まっているところであります。臨教審から出てくる答申に沿って、文部省としてはそれに必要な対策を講じていくということになると思うわけであります。  私たち公明党としては、先般も臨教審と懇談をいたしまして、その折に要望というものを提出をいたしました。五月二十九日に、わずか一時間半という短い時間でございましたので十分に意を尽くせなかった面もあるわけでありますが、この要望をまとめるに当たりまして、党内で鋭意努力をいたしまして、教育改革推進本部という機関を設けまして、浅井副委員長を中心としたそれなりの研究の機関を設けて勉強を重ねてきた、こういう経過があるわけでございます。  大臣も御承知と思いますが、私ども公明党は、教育の改革は重大な課題であるというふうに認識をいたしまして、昨年の設置法の審議に当たりましても、党利党略を排し政争の具にしない、国民的合意を形成するということを基本的な考え方として、法案の採決に当たっては賛成をした、こういう経緯があるわけでございます。したがって、きょうは、この答申を目前にして、いろいろと文部省としてお考えもあると思うわけでありますので、臨教審と文部省と両方おいでいただいているわけでありますので、忌憚のない御意見を承って、残念ながらちょうど国会が幕を閉じてから答申が出されるという状況でございまして、やがて閉会中審査等もお願いして議論するようになるかと思いますけれども、当面今いろいろ報ぜられていることをテーマとしてできるだけ明らかにしてみたい、こう思っているわけでございます。  そこで、大臣にお伺いしたいのですが、臨教審は今次教育改革の基本方向として個性主義というのを打ち出してきたわけでありますが、この教育改革の個性主義、これまでいろいろ議論があるわけでありますが、これと別に教育改革の基本理念を示すべきであると私は思っているわけであります。何にしても、大きな改革でありますので、その基本的な考え方のベースがはっきりしないと後後ぐらつく面があるのではないか、こう思っておりますので、まずこの一番基本になる問題について大臣のお考えをお伺いしたいと思うわけでございます。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 臨時教育審議会では、発足以来積極的な審議を進めていただき、合宿をしていただいたり、教育関係諸団体から熱心に意見を聴取をしていただいたり、あるいは公聴会を開いていただいたり、頭の下がる思いがするぐらい熱心な審議を続けていただいております。そうして、論議を重ねていただいた上で、大体論議がまとまったものから答申をしていただくという形で、いわゆる第一次答申なるものが今月の末あたりをめどに出されるということを聞いておるわけであります。  そうした答申を出していただくに当たりまして、臨時教育審議会の方では、今次教育改革の基本的な考え方、これは基本理念という表現でもよろしいかと思うのでありますけれども、この点についてもいろいろ議論をしていただいて、個性主義という言葉が使われておったこともございましたが、主義というのが、どうもイデオロギーをよく何々主義というように世間一般では使われていることから、わかりにくい面があるあるいは誤解を招きやすいといったことから、個性の尊重あるいは個性の重視といったようなことの方が表現としてはわかりやすいのではないか。こういうことで、個性の重視あるいは個性の尊重、さらにそれに加えて基礎、基本の重視あるいは生涯学習社会の建設といったことを今次教育改革の基本的な考え方として、今論議を練り上げてまとめに入っておるというふうに聞いております。  いずれにいたしましても、多くの国民が臨時教育審議会の答申に期待をしておるところでありますから、その国民の期待にこたえる立派な答申がなされることを私どもは期待をしておるわけであります。  そうして、答申が出されましたならば、臨教審設置法にありますように、政府はこれを尊重する責任があるわけでありますから、義務があるわけでありますから、これを尊重し、そしてその具体的な実現に向けて文部省としては全力で取り組んでまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 この問題だけでもいろいろやりとりすると長くなるのですが、今回の教育改革の一番発端になったのは、やはり教育荒廃と言われる実情ではないか。忠生中学の事件であったり、横浜市内で子供たちが、私たちから見ると本当に慄然とするような行為があったり、その後いろいろなことも出てきておりますけれども、逆にその後の事例はそれなりに議論をされておりますが、一番最初の事件であっただけに私も非常にショックを受けたわけでございます。大臣は率直に、教育荒廃の原因というのをどうお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 学校の現場におけるさまざまな現象、病理的な現象と言われる事項についてでございますが、落ちこぼれとか校内暴力、登校拒否、あるいは体育教師暴力とかいじめ、そういった困った現象が実はあるわけでありまして、これを総称して教育荒廃と言われておるのでありますが、その原因、その背景、これは私はさまざまであろうと思います。  幾つか考えられますことは、教育荒廃が主として起こってきているのは、小学校でいえば低学年でなくて高学年、あるいは中学校、高等学校等に多く見られるわけでありまして、その学校荒廃あるいは教育荒廃にかかわっておる児童生徒は、中学生になって、高校生になって突然そういうふうに変わったとは思われないのであります。その意味では、その子供の幼いときからの家庭におけるしつけや育てられ方がどういう状況であったのか、そういうことで家庭における子供の養育態度、これが一つ問題にされなければならぬと思います。それからまた、社会全般がいわゆる学歴偏重といいましょうか、学歴社会ということについての意識がまだまだ相当根強く残っておる、そういったこともいろいろな問題が起こってくる要因の一つに挙げられます。三番目には、物質的に豊かになってまいりましたから、その中で他人への思いやりとか弱者へのいたわりとか、そういった心の大切さを見失いがちな社会的な風潮がある。四番目には、テレビなどが、これは深夜放送等でありますけれども、青少年の健全育成にとっては随分害になるような放送がなされておるという問題、あるいは雑誌などにも随分いかがわしいものが依然として出回っておる。こういった種々さまざまなことがその原因あるいは背景になっているであろう、こういうふうに思います。  そこで、これをどう解決していくかという問題でございますが、教育問題というのは、頓服薬みたいな、これをすればすぐ治るなどという簡単な問題ではないわけでありまして、教育というものはその効果があらわれるのにある程度の時間がかかる。そういうことで、即効性のものはなかなか見出しがたい、やはりいろいろな施策を総合的に進めていくことによって解決するしかないというふうに実は思うわけであります。  忠生中学の問題にいたしましても、これが、言うなれば学校荒廃の現象としては一番最初に世間を騒がせた事柄であったわけでありますが、この忠生中学の収拾のためにあるいは教育荒廃の現場を改善するために大変な御苦労をしていただいておるのが忠生中学の長谷川先生という校長先生であるわけでありますが、この長谷川先生も五月二十日に臨教審の第三部会で参考人としていろいろな意見を述べていただいたようであります。結局、その長谷川校長先生の結論は、教育荒廃につきましてはやはり教師の側にもいろいろ問題がある。教師が乱れていれば生徒も乱れてくる。そこで教師が、校長、教頭そしてその他の教員がお互いに協力し合って学校の秩序を回復する、そこから教育荒廃の解消は始まるんだ、こういったことを忠生中学の長谷川校長先生は強調されたようであります。これだけに尽きるわけではありませんけれども、教育に関連するあらゆる分野でこの問題の早期解決に向けての努力を進めていかなければならぬと思っておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 臨教審の内部ではいろいろと個性主義——最初は自由化という話が出ておって、それから個性主義、個性尊重、しかもそれが第一次の中間報告ですか答申には表に出ないという話もあったり、いや今度はそれが出るんだという話があったり、いろいろ報道を見ておりますと実に目まぐるしく変わっておりますが、これは実態でいいと思うのです。私は審議の公開を強く要求した、そして委員の方々あるいは専門委員の方々が本音で激しく議論されることが望ましいと思っておりますので、いろいろ変化することは私は結構だと思います。しかし、どんなふうな状況で今日推移しておられるのか、その状況について政府委員の方からなるべく詳しくお伺いをしたいと思うわけでございます。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 臨時教育審議会におきましては、第一部会において今後の教育の基本的なあり方が審議されておるわけでございますけれども、主としてその場におきまして、今お話のありました自由化とか個性主義とかあるいは個性の重視とか、こういうことが検討されておるわけであります。  自由化につきましては、外部の講師等を呼んでお話を聞いたときにそういうような考え方があるという披露がされまして、それについてのいろいろな考え方が披瀝されました。また、これに関連して文部省の施策、考え方というようなものの説明もあったりしたわけでございます。その段階でいわゆる教育の自由化ということが再三報道されたわけでございます。ただ、臨教審といたしましては、第一部会といたしましてはそういう意見も参考にしながら考え方をまとめられたわけでありますけれども、去る四月二十四日に公表した「審議経過の概要(その2)」におきましては、第一部会が今次の教育改革の基本方向として個性主義という考え方を打ち出したい、その個性主義というのは「個人の尊厳、個性の尊重、自由、自律、自己責任の原則の確立」である、こういうように述べている次第であります。  第一部会としてはそういう考え方でありましたけれども、五月以降、各部会で審議されたメモを中心にいわゆる総会主義ということで総会で委員がいろいろ検討したわけでございます。そこにおきまして、個性主義の言わんとする趣旨、内容はわかるけれども、国民の理解の得やすい言葉に改めるべきではないか、こういう意見が出たわけでございます。こういう意見が出たよってもってのゆえんは、例えばいろいろな公聴会でありますとかあるいは各団体の意見等で、個性主義というのは十分意味がわからないとか、これは一体何であるかとか、そういうような意見が数多く寄せられた。そういうような意見も委員の考え方に反映しているのではないか、こう見ておる次第であります。そういうことで、改革の基本方向としては個性の尊重とか個性の重視とかわかりやすい言葉に置きかえるべきではないか。考え方の基本は、個個の人格の尊重がなされなければならない、そういう考え方に基本的な違いはないんだけれども、十分わかりやすい言葉に改めるべきではないかという方向で、目下第一次答申に向けて検討がなされているところでございます。  ただ、改革の基本方向としましては、個性の重視だけでは不十分であって、先ほども大臣が申しましたが、基礎、基本の重視とか生涯学習社会の視点、あるいは創造性でありますとかそのほか国際化とか情報化、こういうもろもろの対応の視点があるのではないか、こういう意見が目下総会で交わされているところでございまして、そういう意見を踏まえて答申がつくられるのではないか、こういう状況に相なっているところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 第一部会と第三部会の対立というのはどんな状況なんでしょうか。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 対立ととらえていいのかどうか、若干難しい点があろうかと思いますけれども、やはり率直に事務局の立場で見ておりまして意見の相違がございます。どういうところに相違があるかと申しますと、第一部会では、例えば個性主義というそういうようなところを非常に重点に出しておられる。ところが、この「審議経過の概要」にも載っておるわけでありますけれども、第三部会では、特に義務教育におきましては共通性の確保と個性を伸ばすべき面と両方あるのではないか、こういうことが述べられているわけでありまして、やはり義務教育を対象とする、そういう意味では審議の対象による考え方の違いではなかろうか、こういうようにも見えるわけでありますけれども、そういう点について明らかに表現上の違いは出ておるわけでございます。ただ、そうは申しましても、第一部会ではいわゆる一般論として個性主義とかそういうようにとらえられているようではございますけれども、「審議経過の概要」を具体的に見てまいりますと、例えば「画一主義の打破」とか「個性主義の推進」、そういうことを考える具体的方策を例示する、これはあくまでも例示でありますけれども、例示をしておるわけでありまして、そこでは「大学設置基準、許認可条件の見直しなどによる画一性の排除、」そういうところにウエートを置いております。あるいは「共通一次試験を含めた各種試験制度の改革」、この辺は明確に言っておるわけでありますけれども、「義務教育段階においても、過度の画一化を戒め、少なくとも学校選択について配慮する。」そういう意味では相当慎重な書き方を第一部会自体がしているのではないか、こういうように読み取れるわけでありまして、そういう意味では必ずしも意見の対立と言っていいのかどうか若干問題もあるのではないか、こういうように思っておるわけでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私どもが心配しましたのは、当初、文部省は専門ばかだ、こういう文部省不要論のような激しい議論がなされたように、私は報道を通じて承知をしておるだけですけれども、あるいは学校選択の自由というか、親がどこの学校でも選んで子供に行かせる、こういうふうな問題、あるいは教師も選べる、教科書も選べる、今日の学校の問題の一番の根源は画一化である、こういうふうな非常に激しい議論が出てまいりまして、これは関係者に非常に大きな衝撃を与えたんだろうと私は思うのですね。  今お話を伺いますと、確かにそれぞれが良識を持って歩み寄ればそんな大きな開きはない、こう言われておりますけれども、その背後に何か一つの意図があったのではないか。実は予算委員会で中曽根総理にも私はお尋ねしたわけでありますが、中曽根総理は、人選に当たって荒わざ師を入れたんだ、こういうふうに、これは週刊誌の報道だったのですが——私は予算委員会の席で総理にお伺いしました、荒わざ師を入れたんですかと。総理は否定されませんでした。要するに、個性的な人でなければ今日の教育に風穴をあげられない。歴年の弊害と申しましょうか、長い間いろいろな問題の積み重ねの上に教育というものの国民的な心配、変えなければならないという気持ちがそこにある。それを変えていくためにはよほど個性的な人でなければだめだ、荒わざ師だ、こういうふうに総理はおっしゃっておりまして、私はその言葉を非常に、印象深く聞いたわけです。 したがって、一つの問題提起として、動執生疑というのでしょうか、執着を動かして疑いを生じせしむ、要するに、ねらいよりも少し違う角度で問題を提起しまして、そして人々の間にいろいろな議論を巻き起こしながら、大胆など申しますかそうとっぴでもないところに結局決着がつくということであろうかと私は思っておりますけれども、しかし、非常に大きな問題提起がなされ、振り上げたこぶしがおろせなくなるということもあるのじゃなかろうか。これは論理でいろいろ議論をしていきますし、記録も残されておりますし、あなたの書いたこのメモは一体どうなっているのだ、かつてこう言ったじゃないか、こういうふうなことがだんだんひとり歩きをしていきますと、そういうことがどうしても後に引けなくなるような形になってゆがんだ形の教育の議論になっていく、そしてそれが答申にまで発展し、尊重しなければならないという法律の規定の上から、それが具体的な教育の変化になっていくことは好ましいことではない、私はそんなふうに思ってきょうはお尋ねをしているわけなんです。  今の第一部会、第三部会の対立は伝えられているほどではない、こういうふうな御答弁でございますので、私はそれ以上のことをここでひっかかって申し上げるつもりはございません。しかしながら、状況から見て、私が承知している限りでは、一たん個性主義の議論はちょっと棚上げにしておいて、もう少し各論をやっていった上でその中から理解される面も出てくるのじゃないか、私は、四月二十四日でしたか、岡本会長が文教委員会においでいただきましたときに、各党の質問にお答えになっている岡本会長の言葉の端々からそんな印象を受けたわけなんです。ちょっともうこれはここでもってしばらく幕を閉めておこう、確かに各論からいきますと、六年制の中等学校の問題であるとか、単位制高校の問題であるとか、むしろ第三部会から出ているいろいろなテーマは、教育の自由化と申しましょうか、従来の規制というものについてかなり緩和措置や弾力的な応用というものを含んでいる内容でございまして、それをずっと積み重ねていくと、第一部会が言っていることとそう違わないところに落ちつくかな、問題は、問題の立て方や議論の立て方。にあるんであって、双方とも落ちつくところはかなりいい線にいくんじゃないかという気も私はするのですけれども、見ておりますと、問題の立て方がそういういきさつだったためにぶつかり合っておった。岡本会長はそこをしばらく棚上げにしておこうというふうなお考えだったんじゃないかなというふうに私は思う。  事務局としてごらんになっていてどんなふうな状況なのか。私は最近の新聞をちょっと見ますと、また専門委員の方が、どうなっているんだとか、おれが前に言ったのにどうしたんだとか、専門委員に語らないで方向転換したとか、いろいろな議論が出ているようであります。恐らくは既に筆をおき、でき上がっているのかもしれませんが、その内部での状況について、この問題についてもこれだけにいたしますが、真相をお聞かせいただければと思います。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 確かに、専門委員の中には個性的な方もおいでになるのではないか、こう思うわけでございます。事実、先生が御指摘になりましたような点も具体的にあるわけでございます。それは委員自身が別なところで論高答低、議論を非常に高くして答申のところは低く答えるんだ、論高谷低でいこう、そういうような自分の考えを述べたりもしておられるわけでございます。そういうふうなところが先生の御指摘のような点にもなっているのではないか、こういう面が実際あるわけでございます。  それから、例えば第一部会で、画一主義と硬直化がもたらした教育荒廃の病理現象というふうな書き方で、教育の荒廃を画一主義と硬直化だけに原因を絞って、非常に鮮明にするために若干鋭く書いておられる、こういう面も事実あるわけでございます。ただ、委員さん方としては、世の中の関心が非常に強いということでもありましょうか、これはそんなに大きく新聞等で取り上げられるという、そういうふうなところも若干感触違い等もあったりいたしまして、そういう点では世の中に若干の混乱を招くような責任が自分。たちにあったのではないか、そういうふうな話も実際出たりしておるところでございます。そういう意味では、できるだけ詳しく外部に記者会見等も行わなければならないけれども、同時に、十分責任を持って会見をする必要もあるのではないか、会長は再三そういうように言っておられるわけでございます。しかし、そういうような議論は高くして、それを踏まえながらどう答申にあらわしていくか、そういうところで今総会が絶えず議論をしておりまして、実は本来は月に二回が定例総会であったわけでありますけれども、さらにそのほかに二回ないし三回の臨時総会を加えまして議論がなされているわけでございます。議論がなされたものを部会に持ち帰りまして、その際に部会の従来の原案とは必ずしも違う方向に行く部分もあるわけでございます。それは表現だけもありましょうし、若干考え方の違う方向等もあったりいたしまして、その辺、総会の議論に加わっていない専門委員等については十分事情がわからないという点もあるわけでございます。これは運営におきましていわゆる総会中心主義という方式をとられた欠点があるわけでございますが、反対に言えば、それも長所でありまして、そこのところを十分補強する運営面の工夫というものが今後さらに必要ではないか、そういうように今内部で言われておるわけでございますが、いずれにしても、専門委員等にも十分理解とそれからサゼスチョンをいただきながら立派な答申にまとめていきたい、こういうことで、今総会の中で特に運営委員が起草に当たっているわけでございますけれども、起草委員がその案文を作成して、それを総会にかけながら二十六日を目指して作業を進めているという状況になっているところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 あらあら状況はわかりましたけれども、しかし、この自由化論というのは私は非常に心配したわけであります。この自由化論の最初の意気込みというものを拝見しておりまして、これは教育基本法が危ないのじゃないかと率直に思ったわけでございます。教育基本法は今日の教育を形づくっております。したがって、画一化とか管理化とか言われておりますけれども、とにもかくにも教育の法体系というものの原点をなしているように私は理解しておりまして、なぜそうなったかといえば、やはり戦争に対する当時の強い反省、今日戦争に対する反省は国民の意識から随分と薄れてしまったような心配を私はしております。したがって、いろいろな御議論が国民の中にあってしかるべきだと思いますが、改めて戦争への警戒心、絶対に戦争はしてはならないという憲法の強い決意というものを私たちは確認していかなければならないし、そうした点から言うならば、教育基本法は、国家に対する個人というものを対比した場合にあくまでも個人、そういうものを強く主張したものであったろうと思います。しかし、そういうことをいろいろ議論される中に、教育が自由化されていったその先に、自由な教育でありますからイデオロギー的な教育もそこに出てくるでありましょう、それは左右両方の議論が出てくるでありましょうし、日本の戦争責任についてもあるいは日本が過去にたどってきたさまざまな国家観というものについてもいろいろな議論があり、特に昨今におきましては戦争是認論のような議論というものも一部に出ており、非常に警戒しなければならない部分であろうと私は思うのです。そうしたことが教育の現場で子供たちに教えられていくということがあるならば、これはゆゆしき問題であり、むしろ、いろいろ弊害はありますけれども、教育制度については慎重にしながら、各般の議論の上で、教科書においてもあるいは教員の資格においても、あるいは教室内でのカリキュラムの編成等においても慎重な態勢の中から少しずつ動かしていくべきではないか、こういう考え方を持ったわけなんです。  公明党としては先般も臨教審の皆さん方に申し上げたのですが、教育改革の教育理念として、人間を原点とする教育、そして文化的、科学技術的な創造性の重視、日本文化の継承、発展と新しい形の国際人の育成、活力とたくましさを踏まえた自己教育、この四つの視点を提言をしてきたわけです。これについて実は岡本会長と先般若干の時間議論をいたしました。私たちが人間を原点とすると言っている場合の人間は、国家を原点とするという教育に対比しての人間を原点とする、こういう意味でございます。また、経済至上主義を原点とするという教育、これはまあそういうのがあろうはずはございませんが、巷間そういう面も見えるという意味で御理解をいただきたいのでありますが、それに対する人間を原点としたもの。あるいは科学技術を原点とする、これまたそうあるべきではありませんが、激しい科学技術の進歩発展の中にどうしても取り込まれて、それに引っ張り回されそうな人間というものが出てくる、これに対する人間を原点とした、こういう三つの観点から申し上げたわけでございまして、岡本会長は科学者でいらっしゃるわけで、科学と調和できるあるいは科学と共存できる人間ということに共鳴を持たれまして、その日は終わったわけなんです。  私は、そういう意味で、この教育理念の部分については、今お話がありましたように、いろいろな議論の中で個性尊重というふうに今日答申に書かれるように伺っておりますけれども、ぜひこれからもこの部分については慎重な議論を臨教審でしていただきたいし、それをなるべく国民の目に触れるようにしていただきたい。今回も学歴の問題についていろいろと議論が出ましたが、いろいろ修正されてよかったと思います。私は、大事な審議会であり、答申は尊重すべきだという権威のある以上は、その以前にどんな議論があってどんな修正があっても差し支えないと思うのです。その上で、みんながある程度こういう方向だと、この審議会は心配ないんだと、こういう信頼性のあるものでなければならない、こんなふうに思っているわけでございます。  次のお尋ねとして、この答申の位置づけについて政府委員にお伺いしたいのですが、報道によりますと、この次に出てくる、六十一年の四月もしくは六月に出てくる第二次答申を基本答申とする、こんなふうに私は新聞報道を拝見しました。となると、今のは一体どういう答申なのかな、予備答申というのでしょうかあるいは緊急課題に対する答申というのでしょうか、その辺、名前のつけ方はともかくとして、どういうとらえ方をしたらいいのかな、私としては緊急的な課題についていろいろ対応するというふうなとらえ方ならば理解できますが、若干基本問題について議論がまだはっきりしないし、もうちょっと時間をかけようということで基本的なものは第二番目に置いていこうということであるのかな、こんな推測をしておるわけでして、今回の答申の位置づけ、次への助走が少しあるようですので、その部分をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 今回の答申をどういう名称で呼ぶかはまだ決まっていないわけでございますけれども、まず基本的には逐次答申の原則でいこうということ、これが従来から決められておるわけでございます。その逐次答申をどういう形で出すか、そういう話の機会におきまして、とりあえずこの六月をめどに最初の作業を行う。この作業の過程におきまして、二次以降をどういうようにするかというときに、今回の経過を通じましてなかなか難しい問題もある、そういう意味では若干の時間をかけながら第二回目以降の答申を行う必要があるのではないか、そういう意見が総会で再三出てきたわけでございます。若干時間をかけて基本的な問題を扱うべきではないか、こういうような議論が総会でなされまして、それが世の中にいわゆる基本答申というような言葉であるいは報ぜられたのではないか、こういうように見えるわけでございます。  したがいまして、今回の答申でありますけれども、それではどういう位置づけなのかということでございますが、実は「審議経過の概要(その2)」にも書かれているのでありますけれども、この審議会は「基本的方策を求めて長期的視野に立って検討することを基本にすると同時に、今日国民的要請の強い課題等についても、基本的課題との関連を考慮しながら、検討を進めてきた」、こういうように書いておるわけでございまして、国民的要請の強い課題等についても基本問題と関連しながら検討を進めてきて、それについて結論を得たものから答申を出していきたい、こういうことでございます。したがいまして、国民的要請の強い問題であっても結論に至らないものは次回以降に送らざるを得ない、こういうことでございます。     〔白川委員長代理退席、委員長着席〕 これが公聴会等におきましても、若干の制度の問題が入っておって十分その位置づけがわからないではないか、そういう御批判もあったりしたわけでございますけれども、それがたまたま結論を得たものについて第一次答申に盛り込もう、こういうことでございます。別の言い方からしますれば、全体として改革されるべき突破口として結論の得たものをこの第一次答申の中に盛り込んでいこう、こういう位置づけがなされたわけでございます。ただ、それだけでは全体の構成がわからないので、二次以降にどういうような形でこの審議会は検討をしていくのかという方向性なり課題というものを何らかの形で示せないものか、そういう作業並びに検討が目下なされているということでございます。この主要課題につきましては、国民の要請の強いものについて検討される、こういうことでございます。  具体的に申し上げますれば、先般東京の公聴会で第三部会長から、例えば第三部会としてはこういうことを考えているんだというようなことで、徳育といいますか道徳教育でありますとか、教師の資質の向上でありますとか、そういうことを例に挙げたりしておられました。総会でどのようにオーソライズされるかはまたこれからの作業でございますけれども、例えば第三部会ではそういうことを例に挙げられておったということを御紹介させていただきたいと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 時間がなくなりましたので少し各論の方をお伺いしたいと思うのですが、六年制中等学校のねらい、これは従来、特に私学では中高一貫教育というふうに言われて具体的にはそういう姿があったわけでございますが、これと今答申が出ようとしている六年制中等学校とはどんなふうに違うと考えていいのでしょうか。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 中高一貫教育というものは、例えば現在の制度を前提にしても教育課程、教育内容、教育方法等を関連させることによって中高一貫教育の実現がなされるのではないか、こういうことではないかと思うわけであります。ところが、六年制中等教育機関の場合には、制度としてそのことができるようにそういう新しい学校教育制度を設けたいというのが今回の六年制中等学校のねらいでございます。具体的な内容は、専門的なことでありますとか、あるいは理数科でありますとか、そういうことが「経過概要」にも挙げられておるわけでございますけれども、そういう意味では、内容的なものではあるいは中高一貫教育と類似のものもありますけれども、制度上の取り扱いとしては若干異なるという立場で打ち出されている改革案でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 どのくらいの数の生徒をここに収容するということが見込まれているのでしょうか。一説には一%ぐらいかもしれないなどというお話をちらっと伺ったことがあるのですが、全体の規模についてお伺いしたいと思います。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 その点につきましては、計画的にそういうものを設置するという考え方ではなしに、制度としてそういう道を開きたいという考え方でございます。したがいまして、全体として何枚ぐらいになるのかとか、学生の数がどういう程度になるのかとか、そういう議論は審議会の内部ではほとんどなされておりません。ただ、具体的な制度としてその点を十分検討したい、実際にそれが動かされる場合には、文部省なり各都道府県教育委員会なり、あるいは学校法人なりが主体的にいろいろ考えていただく、そういう姿勢をとっているところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私立学校は六年制中等学校に反対の意向が強いというふうに聞いております。つまり、私立学校は経営の問題があると思います。公立でばんばん六年制をつくられていくということについては、自分たちが切り開いてき、いろいろとノーハウも固まってきた中高一貫の教育であるという点から、公立学校がどういうあり方でやるかというのはいろいろな意味で危惧を抱いておられると思いますし、また、中学三年が義務教育、高校は義務教育ではないという状況の中でそれをどうつないでいくのがいいのか、あるいは中学の場合には、私立の場合には入試というものを小学校卒で課して、ある程度粒のそろった生徒さんを集めて教育するので中高一貫のメリットというのが出てきている。しかしながら、義務教育でありますので、入学段階では試験が行われない。そういう子供たちが入ってきて果たして六年間きちっとした形でやっていけるかどうか、いろいろな心配を私立学校の関係者はしております。  今の段階で、私学関係者が六年制中等学校に反対の意向が強いということについてどう認識しておられるか、お伺いをしたいと思います。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 「審議経過の概要(その2)」を出してから各界から意見が寄せられたわけでございます。これには六年制中等学校について賛成の意見ももちろんあったわけでございますけれども、日本私立中学高等学校連合会とか東京私立中学高等学校協会等については、これについて必ずしも賛成でない、反対である。その理由といたしましては、安易なこういう制度の導入には深く危惧の念を感ずる、こういうようなことが言われております。その理由としては、六年制中等学校が安易になされるとエリート校化される、そういうことを理由に挙げたりしておられるわけであります。これは日本私立中学高等学校連合会とか東京私立中学高等学校協会も大体同じような傾向の反対論でございます。そのほか、今先生もお話がありましたが、せっかく私立が苦労して工夫を重ねてやっている、その工夫が十分生かされなければ意味がないのではないか、こういうような貴重な意見もその中に入っているわけでございます。  なお、臨時教育審議会といたしましては、三部会のこの報告にも出ておりますけれども、六年制中等教育機関にはいろいろ欠点もある、留意すべき点があるということをきっちり指摘はしております。しかしまた長所も特色もある、そういう特色を生かしながら、半面そういう留意すべき点を十分注意して実施に移すべき、そういう注意を喚起しておるわけでございまして、そういう意味では公立におきましても十分その点が生かされるような配慮が必要である、こういう考え方でございます。  なお、それとは別に、臨教審の総会の内部におきましても、そうは言っても、私立学校が教育に果たしておる役割というものも十分認識してこういう新しい制度の運用は考える必要があるのではないか、そういうように指摘する委員もおられるところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 初中局長、この六年制中等学校の問題ですが、もう既に答申に書かれることは間違いないという状況になってまいりまして、決してこれは仮定の話ではなくなってきたわけです。具体的に今どのくらいの数を予定するかというふうには臨教審では考えておられないそうですが、具体的にそういう道を開き制度をつくる場合に、どの程度の法律の改正というものが具体的に考えられるのか。あるいはまた、それに伴って予算措置をして、各県にどのくらいの学校をつくりなさいとか、具体的なプロジェクト、研究機関を発足させていらっしゃるというふうにも聞いておりますけれども、その辺の事情をお聞かせいただきたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 具体的な答申が出ましたらそれについて対応できるように、文部省としては前向きに仕事を進めていかなければ基本的にならないというふうに思っております。いろいろな角度で事務的に予想しながら、こういう問題点があるということは今論議を詰めているわけです。例えば、まず制度をつくる以上は学校教育法の改正というのが必要になるであろう。それから、六年制という一つの一貫教育をやる場合には、教育内容についてどういう形の内容を構成していくかということが必要であろう。そうしますと、その内容は教育課程審議会においていろいろ論議をしていただかなければならない、そういう手順をとらなければならないであろう。それから、教職員の免許制度というのが現在は中、高のそれぞれ免許制度になっておりますので、六年制になった場合には免許制度をどうするかというような問題があるであろう。それから、都道府県立といった場合に、教員の給与負担が国と地方との関係では一体どうなるであろうかというような問題。それから、施設をつくるわけでございますから、施設をつくる際に国と地方との関係、役割をどういうふうに考えていくか。そういうもろもろの内容、かなり広範にわたって検討していかなければならない内容があるというふうに理解しております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 たくさんの制度の改正をしなければ一つも動いていかないような状況だと思うのです。ですから、これは非常に大きな影響力を持つ制度の改革だと思います。  次に、単位制高校の問題なんですけれども、教育の責任とか母校意識とか、日本の場合に教育の非常に重要な部分というのは、社会へ出てからもやはり母校というものについての誇りを持ったりあるいはつながりを持ったり、これは非常に大事な要素であると私は思うのです。そういう点から考えて、この単位制高校という場合に、たくさんの単位が用意されてそれを集積して卒業できるというふうな制度と理解しておりますが、この具体的な運用の問題についても臨教審の部内で議論がされているだろうと思うのです。その辺の状況をお聞かせいただきたいと思います。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 単位制高等学校は、その機能といたしまして、教科、科目ごとの単位の取得の認定をする、そういうこととか、あるいは同時に行わなくても従来の取った単位を累積加算するという、これは従来から方々で御指摘のあった点でございますけれども、そういうようなことも考えておるわけでございます。  ところが、えてしてこういうふうな対象になる生徒というのは、高等学校の中途退学者でありますとか、何らかの理由で若いころに高等学校教育を受けられなかった、あるいは旧制中学校しか出てなかった、こういうような人でございまして、今お話のありましたように、通常の学校のように一定の時期に集まって一つの同窓が形成されるという、なかなか難しい問題も中に含んでいるわけでございます。なお、「審議経過の概要」につきましては、その点も若干の懸念はしておりますけれども、具体的にどういうようにそれに対応するかという、そこのところは述べておりません。この点については、制度としてそういう考え方があるということが答申され、具体的なそのような問題については制度を具体化される段階において十分御検討をまつ、そういう姿勢で検討がされている、こういう状況でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これも同じように初中局長に伺わなくてはならない問題なんですけれども、この単位制高校を具体的に動かすとなるとどことどこの制度がどう変わることになるのでしょうか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 実は単位制高校について、まず基本的にどういう性格の学校と考えるかということが第一の問題点でございます。その内容、方向づけについては、まだ臨教審自体としてもこういう中身の学校であるというような固まりの一定方向を示すようなところまでは審議の状況から見ると出ていないというような感じがするわけでございます。  ただ、言えますことは、単位制高校は従来の高等学校という枠を超えて生涯教育苗な機能を持つような高等学校レベルの教育機関であるということに考えなければならないであろう。そうなりますと、その高等学校というのは、要するに学校教育の機能と社会教育的な機能をあわせ持つような新しいスタイルの高等学校ということになるであろうというようなことが一つでございます。それから、社会教育的な機能を持つとすれば、放送大学的な高等学校版と申しますか、そういうような目的、機能も持たなければならないであろうというようなことで、そういう新しいタイプの高等学校ということでございますから、これは相当事務的に詰めて、今までの我々の観念を超えた物差しをつくって対応していかなければならないであろうと思っております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私どもと臨教審との懇談のときに、有田第三部会長はこんなことをおっしゃっていました。私どもから、緊急的な問題について答えが出てないじゃないか、先ほど大臣にもお伺いした非行、暴行、いじめといったようなそうした学校現場での大変な問題について、国民の要望が強いのに答えが出てない、こういう話をしましたときに、有田第三部会長が、この単位制高校なんかはそれに当たるのじゃないか、子供たちの中には、今のような普通教育のカリキュラムというようなものがなかなかなじまない、こういうようなものを少し時間をかけて、反面、働きながら、またはそれに応じて若干の長い期間を経て高校の資格を取っていく、あるいは中高一貫なんかもそれに類するというような話も私ちょっと伺ったように思うのです。この「審議経過の概要」なんかを見ましても、中高一貫の中には、体育系とか芸術系とか外国語だとか、そういうようなところについては他の専修学校等との分野の相乗りみたいなこともうたわれているように私は理解しました。つまり、今の初中局長の答弁では、生涯教育、一生かかって、あるいは社会教育というふうな、大人の教育のような受けとめ方もなさっていらっしゃるように私は感じましたけれども、これは現実の教育の課題を改善していくためにもうちょっと役に立つのではないかなと私は思っている。これは、こうやってぽんと単位制高校と出ますと、受け取り方は百人百色であろうと思うのですね。しかし、恐らく六月二十六日にぽんと発表されてまいりますと、これについてかなり早い時期に、多分こういうことであってこうなるであろうということは、絵にかいて国民に見せてあけなければならないのじゃないか。そうすると、それがはっきりしないと、またああだこうだという議論になって、結局つぶれていくということであっては、何のために臨教審をつくってこうやって答申をもらったのかわからないわけですね。ですから、ある意味では、文部省としても、こういうA案の場合にはこういう制度の改革が必要だ、B案のこういう場合にはこういうものが必要だ、やはり臨教審の持っている幾つかの考え方を受けとめてやって、そしてそれについての案を用意してどれをとるか、あるいはこれならこういう用意がある、そういうような形を今ごろから用意して、そして突き合わしていくくらいでなければ具体的な効果を生まないだろうし、逆に誤解を生むのじゃないか。その辺、心配するのですが、用意はいかんということになるわけですけれども、来てから考えるということではうまくないのじゃないか。大臣、その辺、聞いていらしてどうでしょうか。近々に、もう幾日かで答申が出まして、単位制高校なんて言うと、どうなるのだということで、テレビでも何でも来ると思います、今は気が早いですから。それを期待していいのかわからないというようなことであってはうまくないと思うのですが、大臣、具体的にお考えでなければ、初中局長、もう一つこの問題についてお答えいただけないでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 今の単位制高校とか六年制中等学校というのは、こういう仕組みを構想してそれが実現できる道を開いたらどうかというような感じの意見じゃなかろうかと私は思うのです。今池田委員のお話の中にありましたが、どのくらいつくらせるのだとかそんな問題でないと思うのです。結局、多様なタイプの高等学校を考えるべきじゃないのか。その一つの方策として六年制中等学校というタイプがある、あるいは単位制高等学校というタイプもある、それが実現できるようなことを文部省としては、いろいろな法改正とか、あるいは教育課程審議会の議を経て、教育課程の新たなあり方を決めるとか、そういったことをした上で実際の仕組みはでき上がり、かつそれが実現に移される、こういうことだろうと思います。  ただ、高等学校というのは、現在の法の建前としては、地方分権ということで都道府県で高等学校の教育を行うという形になっておりますから、この間も申し上げましたけれども、現実にある県では随分特色のある高等学校を県立てつくりまして、それが各方面の反響を呼んで全国の人たちが見学、視察にもおいでになっているという高等学校も実際にはあるわけであります。また、御承知のとおり、私立ては中高一貫の学校はたくさんありますし、十二年制も行われておるところがありまして、これも大変な好評を得ておるということでございます。私立てやっておっていい点と悪い点が出ておるわけでありますが、悪い点が出ないような形で公立てもそういうことを始める道を開いてはどうか、こういう形の臨教審の提案だろうと私は思います。だから、それが出た後に我々としては直ちに対応をして、実施したいというところがあれば実施していただくように応援をしていく、こういうことだろうと思います。  それからまた、現在学校に起こっておる大変残念な事態でありますけれども、病理現象と言われるようないじめの問題とか、学校暴力の問題、これの対策なんでございますが、これは率直に言えば、臨教審のいろいろな指摘をまつまでもなく、教育行政の担当官庁である文部省も積極的に対応を始めているわけであります。もちろん臨教審の方で大変いい答申を出してくださればそれはありがたいことでありますけれども、その答申を待ってどうこうするという問題ではありません。学校の荒廃という問題は背景は非常に複雑でありますし、また多様でありますから、幼少時からのそれぞれの家庭における子育て、しつけの問題、あるいは教師の生徒に対する指導のあり方、あるいは社会的な風潮、そういったいろいろな点が絡み合っているわけでありますから、それぞれの分野でこの問題の解決に取り組んでいくべき事柄である。しかも、こういう問題というのは即効性のある方式というものはなかなかないわけでありまして、いろいろなことをやりながら結果として直ってくる。忠生中学の場合にも、校長、教頭あるいは教員が中心になって校内の秩序を保ち、あるいは父兄の協力を得て、荒廃した現象が解決を見つつある、こういう状況なんであります。教育に関連するあらゆる立場の人たちがそれぞれの責任を立派に果たしていく、そういう中から初めて教育荒廃、学校荒廃という問題は解決されていくものだというふうに私たちは認識をし、今この問題の解決に努力中のところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 今の後半部分の大臣のお話は、私ちょっと認識が違うのです。森文部大臣のときですが、臨教審をつくったときにいろいろ議論をしました。確かに、臨教審の指摘をまつまでもなく教育荒廃について文部省は手を打っておる、これは当然のことだと思います。しかし、当時の議論を振り返ってみますと、中教審の答申もあったけれども具体的にできたものとできなかったものがある、あるいはまた、その後いろいろ時代の変化の中で文教行政だけではカバーし切れない、さっきおっしゃったような社会のあらゆるものの入り組んだ状況の中に学歴の偏重もある、あるいは科学技術が進むにつれて産業界としてはどうしても練度の高い学生を就職させたい、激しい選抜が青田刈りのようにして行われる、そのために特に理工系においては学校の序列化が進んでくる、そういう中で落ちこぼれた子供たちができる、あるいは学習塾がはやる、予備校がはやる、家計はますます苦しくなるから、親は子供の塾等の費用を捻出する目的もあって家をあけて働いたりする、それが弟や妹たちのしつけにも響いてくる、さまざまな循環の構造の流れの中で教育荒廃が進んでいるので、単に文部省だけの問題ではなしに、国家全体の問題として総理の直属の諮問機関として研究していこうじゃないか、私はこういう認識がありまして、臨教審の答申の中に教育荒廃を救っていく何らかの糸口を見出せるはずだ、どこにそれがあるのかといったら、有田さんの言われるには、単位制高枝とか中高一貫制の問題もあるのだ、こういう話です。これは私たちから見るならばそうでなければならない。何のためにこれだけの法律をつくり議論をしたのか。五年、十年先、遠い将来に何かが起きてくる、そんなものならば何も期待はしません。やはりそこで絵をかいて、何年後かにはこういう制度をつくってこういうことで改善がなされていくということでなければ、国民は納得しないのじゃないか。中曽根総理が、自分の一つの業績として教育の改革をいたします、行政改革の後は教育改革だ、そのために責任を持ってやるのだ、こうおっしゃっている。私は、そのことについての国民の関心も非常に大きいと思うのです。したがって、そういう意味から言うならば、道が開かれたというだけでそれから先は検討だ、いつ何ができるのかわからない、私はこういうことであってはならないと思うのです。現行法制の中でこれとこれをこう組み合わせればこれだけはできる、臨教審の提案の中で、全部じゃないかもしれないけれども、その精神を生かしたこういうことは応急的にこれとこれはできるんだ、これは長くかかるのだ、いろいろな対応を用意して、六月二十六日に出てきたら、できるものはこれとこれなんだ、これはできません——これから考えます、どうなるかわかりません、こんなことでは臨教審の答申が出てきても具体的に国民の信頼は得られないのじゃないか。どう世また紙に書いた学者や偉い人たちの作戦なんだ、プランなんだ、具体的にはどうにもなりはしない、結局は激しい競争に、どんなに家計を切り詰めても塾へ通わしていい学校へ入れておしりたたいていく以外に道はないのだ、そういうふうに父兄たちが思ってくるならば、今非常に心配な状況にさらに輪をかけてしまうのじゃないか。かすかながらでもこの改革の答申に期待が持たれ、これで新しい道があるのじゃなかろうかという声は私はあろうと思います。そうしたものにこたえていくために今文部省内にどんな用意があるのだろうか。あと幾日かで臨教審が発表する、そういう状況の中でどういうことが行われているのだろうかということを伺いたくて開いているわけですので、先ほどの大臣のお話、私の受け取り方が間違っているかもしれませんが、出てからの話でどういうことになるのかこれから先の話だというのであればちょっと心もとないな、こんな感じがするのですが、誤解があったらいけませんので、大臣からその辺についてもう二言お伺いさせていただきたいのです。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 答申が出る前に制度改革に取り組むわけにいかぬのです。答申が出ましたならば、その答申を受けて直ちに教育課程審議会にかけて、そして教育課程で改正すべき点は改正する、あるいは学校教育法の改正をしなければならぬ面については学校教育法の改正に取り組む、そういった手続を経て制度、仕組みができるわけであります。  それから、教育荒廃等の問題は、誤解があってはいかぬわけでありますけれども、こういう制度にしたら直ちに教育荒廃が直る、こういう事柄じゃないということを申し上げたわけです。ペニシリンを打ったら熱がすぐ下がるといったたぐいの問題じゃないのです。教育のいろいろな現象というものは、いろいろな要因が絡み合って好ましくない状態になっておるわけでありまして、その原因には、先ほど言ったように家庭における子育ての問題がある、あるいは学校における教育指導の問題がある、あるいは学歴社会という世間の問題もある、あるいは子供の健全な成長にとって有害なテレビの放送とかあるいは書籍のはんらんとかそういった問題もある。それを一つ一つ改革をし改善をしていくことによって徐々に物事はよくなっていくものだというふうに思うわけであります。そして、ここで何よりも大事なことは、他罰主義というのはよくないと思うのです。これが悪いからこうなったんだとみずからの責任を他に転嫁するという風潮はよろしくないというふうに私は思うわけであります。親はまず自分の子をしっかり育てる、教師は自分の担当はもちろん自分の学校の児童生徒に対してそれぞれの責任をきちっと果たしていく、それからまた行政当局も文部省もその責務を果たしていく、みんなが他を非難するのじゃなくして、みずからの責務をお互いに果たし合っていくところから初めて教育も世の中もよくなっていくのではなかろうかというふうに思うわけであります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 確かに、大臣がおっしゃるように、ペニシリンを打ったらすぐ熱が下がる、私はそういうことを言っているのじゃないのです。やはり教育の問題は家庭の中ではかなり心理的な問題だと私は思うのです。子供が三人いる、その三人とも大学を出さねばならないか、あるいは普通の高校を出さねばならないか。子供の中にも勉強の好きな子供もいれば嫌いな子供もいます。あるいは手に職をつけてそれを伸ばしたいという子供もいます。あるいは海外に出して勉強させたいという子供もいます。さまざまな状況の中で、今はみんな大学や短大へ、普通高校へという道筋が考えられ、できる子もできない子も、やはりお兄ちゃんが行くから私も、お姉さんが行くから私も、あの近所の子供が行くからこうだという形の中で、親の見えもあるかもしれませんが、社会の現象として私はあると思うのです。しかし、子供はそう型にはまっておりません。多様だと思います。そうしたことの中から単位制高校や専修学校との単位互換や新しい六年制中等学校とか、そうしたものがいろいろできてくる。私は、そうした一つの発想というものは、そうした家庭におけるこの子をどうしていこうかという考え方に新しい風を吹き込んで、なるほどこういうこともあるんだな、全部が全部塾へ行かして上の学校へ上げなくても、それなりの道がこれから開かれてくるんだなという一つの新しい道筋は、家庭に対して、全国民に対して何がしかの希望というものを与えるのではないか、甘い考えかもしれませんが、私はそういう気持ちを持っているわけです。制度というものは、それは確かにいろいろ時間がかかり、制度をつくるということは私は大変だと思いますけれども、しかし、制度の中にも制度の応用ということもありましょうし、これからはこういう時代でこういう学校も用意されていくんだという道筋は、文部省側としても、かたいことではなしにソフトな面として用意されて、この臨教審の答申の発表後に、国民の前にこれとこれはあり得る、そしてこういうことが具体的にはこれから何年か後にできるんだという図面を示してもいいんじゃないかな、私はこういうことを申し上げただけで、制度というものと同時に、その背後にある物の考え方の柔軟さについて、臨教審もそれを問うているのだし、それを受ける文部行政もそれについて柔軟な対応をすべきだ、こう思って私は申し上げているようなわけなんです。  もう時間がなくなってしまいましたので、本当は大学の入試について、新しいテストの問題等がいろいろ出てくると思われますのでお伺いしたかったのですが、しかしこれまたいろいろと機会があろうと思いますので、きょうはこれだけにして終わりたいと思いますが、せっかく高等教育局長に来ていただいたのですが、大学の入試の改善については、ぜひ、子供たちが本当に伸び伸びと勉強し、なおかつ科学技術に強い立派な国民ができるように改善をお願いしたいと思っております。  最後に、大臣、私はいろいろ申し上げたのですけれども、臨教審に私たちは新しい発想を期待しておりますので、一言だけ臨教審の答申を受ける側の大臣の今の感想をお伺いしたいと思っております。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 二十一世紀の日本をしっかり支えることのできる心身ともにたくましい、思いやりの心やいたわりの心を持った、そういう人間を育成する教育の実現が今最も要請をされているところでありますので、そうした教育の実現に向けて立派に参考になる、そういう答申が出されることをひたすら期待しておるわけであります。出されましたならば、先生から先ほど御指摘がありましたように、これを尊重して、これが具体的な実行に移されるようにスピーディーに対応していきたい、こういうふうに考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ありがとうございました。終わります。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 中野寛成君。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 私は、大学医学部の体質の問題について、最近起こった事件をもとにしてお尋ねをいたしたいと思います。  この医学部の体質問題につきましては、ここ数年たびたび取り上げてまいりました。そしてまた、文部省もその体質改善のために随分と努力をしてこられたことを知っておりますし、また評価もいたしております。しかし残念なことに今なおこういう事件が起こってくる、しかも外部で起こった事件を捜査している段階において国立大学の医学部教授がそれに絡んでいることが発覚をしてくる、こういうようなことが大変残念でなりません。医師の過剰時代とも言われ、大学の医学部の縮小といいますか、学生数をこれから減らしていくというふうな話も文部省、厚生省の間でされている段階でありますが、しかし一方では、私立病院に限らず、とりわけ辺地の過疎地帯の公立病院等が医師を誘致するために随分無理なことをしなければならないというふうなことは今なお存在をしているわけであります。こういうことを含めまして、きょうは文教委員会でありますから、その医師を養成する大学の体質という観点からお伺いをいたしたいと思うわけであります。  まず最初に、この日本メディック財団・北九州病院グループの一連の不正事件につきましてその概要を警察から、そして、これに絡む大学教授の贈収賄疑惑について文部省がどう把握しておられるかについてお伺いいたします。

上野浩靖警察庁刑事局捜査第二課長

○上野説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のことにつきましては、去る六月三日までに医療法人北九州病院理事長外三名を、基準看護料を加算計上するなどの方法によりまして福岡県国民健康保険団体連合会から診療報酬名下に、これは昭和五十九年の七月と八月分でございますが、約三千万円を騙取した事実等によりまして逮捕いたしまして、現在福岡県警察において捜査中でございます。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 かねてこの文教委員会におきまして先生から、特に医師養成に関連しての医学部の事柄についてはその都度御指摘をいただき、私どもも医師養成の重要性というようなことから努力をいたしてきておるわけでございます。今回、日本メディック財団・北九州病院グループの事件に関連をいたしまして、国立大学の医学部教官等が関与をしておるということが報道されまして、私どもとしても、そのこと自身については大変遺憾に存じておるわけでございます。具体的に報道がなされまして、私どもとしても関係大学に対しまして事実関係を早急に調査するよう指示をいたしたわけでございます。具体的には、広島大学において六月七日、長崎大学において六月十日、九州大学において六月十一日、それぞれ教授会に調査委員会を設けまして調査に取り組んでいるところでございます。ほかの関係大学についてもそれぞれ事実関係の調査を進めているところでございます。  これまでの調査で、報道のございました大学について私どもとして確認をした点について御報告を申し上げますと、現に大学に所属しております医師の名義貸しの問題でございますけれども、現在までの調査では事実がないということで聞いております。  なお、兼業の許可を得て北九州病院グループ関係に行っている者の数でございますけれども、広島大学で五十九年度以降九名、九州大学で五十九年度以降三名、千葉大学、長崎大学及び島根医科大学については兼業している者がないというぐあいに聞いております。なお、報道にございましたような兼業の許可を得ずに行っている者についてはさらに調査をいたしているところでございます。  そのほか、大学に勤めておりまして、これはいずれも常勤の一般職の国家公務員として勤務している者についてのケースでございますけれども、大学に勤めておりまして、その後辞職をして北九州病院グループ関係に就職をしました者の数でございますが、広島大学関係で十四名、九州大学で四名、長崎大学で十四名という報告を聞いております。  なお、この北九州病院グループ関係からの奨学寄附金の問題でございますけれども、広島大学で二千四百四十万、長崎大学で九百五十万を受け入れているという報告を聞いております。千葉大学、島根医科大学及び九州大学については受け入れをしていないという報告を聞いております。  なお、北九州病院から研究助成金として受け入れております寄附金を一部、奨学寄附金としての手続を経ずに、つまり正規の手続を経ないで講座の研究費等に充てていたものについては、島根医科大学、広島大学、九州大学及び長崎大学にあったということを聞いておりますけれども、その点については詳細についてさらに調査をいたしておるところでございます。  以上のような点を私ども現時点で調査をいたしておるわけでございまして、例えば、ただいま申しましたように正規の奨学寄附金としての手続を経ない処理をしているケースがあったというようなことなどは、まことに処理として不適切な事実であったというぐあいに考えております。  なお、以上のほか、私どもとしても、なるたけ速やかに実態を把握をするように調査を可及的速やかに行うよう督励をいたしているところでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 警察庁にお聞きいたしますが、現在の捜査の状況を細部にわたって御答弁いただくことはできないとは思いますけれども、しかし、大学教授等に給与名目で一人数十万円毎月振り込まれておったとか、そのほかの贈収賄絡みのことがかなり詳しく新聞報道等ではなされているわけであります。これらのことについて警察はどれだけ把握をしておられるのか、できる限り大学と北九州病院との関係について御答弁をお願いしたいと思います。

上野浩靖警察庁刑事局捜査第二課長

○上野説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、福岡県警察におきましては、先ほど申し上げました詐欺事件につきまして現在鋭意その真相解明に取り組んでいるような状況でございまして、ただいま御指摘の件につきましては捜査中であるとの報告はいまだ受けていない状況でございます。  なお、詐欺事件捜査の過程で刑罰法令に触れるような事実が把握された場合におきましては、当然のことでございますけれども、福岡県警察におきましてこれに適切に対応するというふうに考えているところでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 こういう報道はややもすると先走ってしまう。どこで聞いたんだろう。日本の取材能力というのは大変なものでございますから、我々も時々その取材能力のすごさに驚かされたりすることはありますけれども、しかし、おおよそ基本的に、こうして先走って報道されたことが全く間違っていたということはそうめったにない。しかしながら、確かに全然間違っているということが全くないわけでもない。警察の立場からすれば、今の御答弁以上のことは私ども今日までの経験からしてもなかなか出ないのかなと思ったりもいたしますけれども、しかし、これだけ詳しく報道されております段階で、現在まだ捜査中であるからということだけの御答弁では我々としてもちょっと納得いたしかねる。まして文部省としても独自の調査を進められているわけでありますけれども、こういうことはせめて本当にこういう事件が起こったときにでも大変厳しい措置、的確な措置が講ぜられないと、それが今度は逆効果になって、ああ、あのくらいやっても大丈夫だという逆な安心感を招いて、そういうことがまたますます慣例化して広がっていく、私はこういうことがあると思うのであります。そのことで警察を責めるわけにはいきませんけれども、しかし、今日段階でもう少し詳しい内容について警察の方で御答弁いただけることがあれば、再度お尋ねをいたしたいと思います。

上野浩靖警察庁刑事局捜査第二課長

○上野説明員 繰り返すようで恐縮でございますが、詐欺事件につきましては、先ほど申し上げましたように五十九年の七月と八月分につきまして逮捕事実といたしましてやっておるわけでございますが、そのほかにも詐欺事件の余罪といいますか、そういうものがあるようでございまして、それを解明いたしませんと全容をつかめないということもございまして、現実に、先ほど申し上げましたように、御指摘の件につきまして今現在捜査がまだそこまで至っていないというような状況でございます。そういうことで、具体的にまだ事実関係を把握しておりませんので、先ほど御指摘のございましたような事実についてどういう犯罪が成立するかというようなことは、今の段階ではちょっと申しかねるような状況でございまして、その点御理解いただきたいと思います。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 捜査が至っていないのですか、捜査は至っているけれども、しかし公表できる段階ではないということですか。

上野浩靖警察庁刑事局捜査第二課長

○上野説明員 繰り返すようでございますが、その点はまだ捜査に至っていないということでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 これ以上警察と押し問答いたしましても、立場もあることですから切りがありませんので、警察庁へのお尋ねは以上にいたします。  それで、国立大学をめぐる動き、事件というのは、例えば東京大学の精神病棟の問題も、今の事務次官が大学局長のころに随分この文教委員会で私からも御指摘を申し上げて、御苦労いただいた。何となく表面上おさまっているように、今それほど注目を集めない状態にあるけれども、あれだって完全に解決したわけじゃない。むしろ不正常な状態に今日段階だってあると言っても過言ではないと思います。そのことを今ここで具体的にお尋ねしようとするのではありませんけれども、しかしながら、今回のこの広島大学、そして長崎大学、まして長崎大学の医学部といえば「この子を残して」という本を書かれた永井隆博士のこと等を思い出して、私は自分の生まれ故郷でもある、大臣もそうですけれども、それなりに何かノスタルジーを感じますし、そしてむしろすばらしい大学というイメージの方が強いわけで、それがこういう事件の渦中にあるということは大変残念でならない。それだけに、こういう事件が起こらないようになお一層十分御指導もいただきたいと思うのであります。ましてこういう医学部等々、その教授、その医師にかえられない、その人でなければできない、またその人だけでやっている研究というふうなものもありまして、時にそういう方方が事件に巻き込まれて、その研究がそれによってストップしてしまうというふうなことがあるとすれば、これは国民にとっても大変な損失なわけであります。むしろ、そういう体質を払拭をして、本当に真剣にそしてまじめな姿勢で研究に取り組んでいただくという体質を確立しなければ、我々だってやはり大きな損失をこうむることになると思うのであります。そういう意味で、私自身は、とりわけこの国立大学医学部の体質ということを憂慮するわけであります。  こういう不祥事件が今なお続いていることについて、文部省として今日までどういう指導をしてこられたのか、なぜそれが効果が上がらないのか、そのことについて今どうお考えでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、私どもとしては、機会を見まして、医学部長会議でございますとか、あらゆる機会にこの事柄について各大学の自覚といいますかそういうものを促すように注意を喚起をしてきておるわけでございます。さらに、医学教育そのものが医の倫理の確立ということが大変重要な事柄でございますし、また医師に対する社会的要請にこたえていくためにも、医学教育が非常に重要であることはもとよりでございまして、そのためにも手だてを尽くして、あらゆる機会に大学のみずからの努力ということを促すようにいたしております。  現時点で対応している点で申し上げますと、基本的には医学教育の質的な改善ということに取り組むために、医学教育の改善に関する調査研究協力者会議というものを設けまして、これは国公私立の医学教育関係者にお入りをいただいて広く検討をいただいておるわけでございますけれども、その基本には、もちろん医学教育の質の向上ということが一番基本に据えられていることでございますし、その中に医の倫理の確立というようなことに関連して、そういう課題にどう取り組むかということを専門家の御検討を煩わしている点でございます。  過去にも何度が御指摘がございまして申し上げたわけでございますが、医学教育、基礎部門と臨床部門と大きく分けてそうぐあいに分けられるかと思いますけれども、基礎の分野においてこういう問題が出てくるということはもちろんまずないわけでございまして、臨床部門に関連して幾多の問題が現象面であらわれてきております。これは本来、医療に従事する医師のモラルの問題が一番基本にはあろうかと思いますけれども、やはり医療そのものの問題にかかわっている面もあろうかと思っております。私どもとしては、基本的には大学人がみずからのこととして医の倫理の確立に、みずから切磋琢磨をして確立を図っていただくということがまず第一に必要でございますし、また、後継者養成に当たってもそのことをまず第一に念頭に置いていただくことが必要であろうかと思っております。私どもとしてはかねてそのことは努力をし、これは大学人みずからの努力にまつ以外にないわけでございまして、そのための手だてをどうするかということは、専門家の御意見も伺いながら、さらに努力をしてまいりたい、かように考えております。しかしながら、基本的には、もちろん国家公務員法上のいろいろな手続等を厳正に行うというようなことはもとより必要でございますけれども、本来的な事柄で申せば、やはりそれは法例、規則等で規制をされるという事柄以前の問題であろうかと思っております。大学人みずからの自律と申しますか、そういうことが基本には一番肝心なことであって、そのことが確立されることが一番大事なことではないか、かように考えております。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 法例等で縛ることによって解決できる問題ではない、大学人の自覚の問題だ、まさにそのとおりだと思います。しかしながら、その自律神経が麻痺してしまっているのではないのでしょうか。私はそのことを痛切に感じるのです。麻痺しているというだけではなくて、むしろそれは当たり前のこと、慣例化してしまっている。それにメスを入れようとすると、何を余計なことをするのだと言って反発が返ってくる、それがむしろ実態なのではないでしょうか。私自身もそれに近い経験を今日までの経緯の中で持つものであります。そこで、文部省が手をこまねいているわけではありませんけれども、しかしなお一層の努力が必要なのではないか、こう思うのであります。  実態調査、具体的には督励をしておやりになっておられるようでありますけれども、この一連の事件、とりわけ広島大学、長崎大学が象徴的に、例えば何人の教授が幾らもらった、ブレザーをもらった、そういうことが数字から、金額から既に報道をされているわけであります。こういう報道を一つ一つもちろんお確かめになるのでありましょうけれども、しかし、どこかへ聞いた、そういう事実はありませんという答えが返ってきた、文部省はそれでおしまいなのかしら。私は、こういう事態については、医学教育、教育の問題だと言ったって、教育をする方の人たちがこういう事件を起こしているわけでありますから、これは何をかいわんやということなんであります。学生に医の倫理を求めたって、教えてくれる先生がこんなことでは、学生にそれを要求したって、学生だって、何を言うか、こういうことになってしまうでしょう。ですから、よほどの決意を持ってこれらの一連の事件に臨まなければいけないはずでありますが、広島大学、長崎大学について督励をして調査をさせていると局長はおっしゃいますが、具体的にはどういう督励で、どういう調査をさせているのでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先ほど最初に全体的な状況について御説明をいたしたわけでございますけれども、具体的な事柄として、例えば奨学寄附金としての手続を経ずに講座の研究費等に充てていたものがあったということが言われておるわけでございまして、具体的にそれらについて詳細をさらに調査をするように督励をいたしております。  それから、もう一つは、兼業の許可を得て行っている者の数について御報告を申し上げたわけでございますけれども、報道されておりますように、兼業の許可を得ずに行っている者がどれだけあったかということについて、さらに調査を進めさせているわけでございます。  私どもとしては、そのほか、先ほど申しましたように、常勤の一般職の国家公務員として勤務をしております医師について、名義貸しが行われていたかどうかについてでございますけれども、現在までの調査ではその事実はないという報告を聞いているわけでございますけれども、報道されているような事柄については、さらに、その点についても各教授会において調査委員会が設けられているわけでございますので、各大学における調査委員会の調査を待って具体的な報告を求めたい、かように各大学に指示をしているところでございます。  医師の名義貸しの有無の問題、医師派遣の実態については、兼業の手続を経ている者、あるいは退職してから就職した者、勤務時間外にアルバイトに行っている者、それから、奨学寄附金の受け入れについては、手続を経ているもの、あるいは手続を経ていなかったもので事実上奨学寄附金的な使用をしているもの、金品等の授受についてはその有無と理由などについて報告を求めているところでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 項目的には今局長のおっしゃられたようなことだろうと思います。  これは全く報道から見るのでありますが、例えば、「捜査当局や北九州病院グループ幹部の証言によると、教授への銀行振り込みは、名越五郎前専務理事が同グループに就職したあとの五十七年ごろから。」「医師派遣などに対する謝礼として、広島大教授に現金を手渡そうとしたが「現金授受は人目につきやすい」と二、三人が難色を示した。そこで教授らをグループの病院で実体のない役職に付け、その「給与」の形で銀行振り込みを行っていた、という。「給与」の振り込みは一般職員の給与振り込みと同じ日に定期的になされていることから、捜査当局は国立大学教授が民間法人と兼業していたと判断できるとみている。」こういう報道がされているわけです。  こういうことも当然調査をされているわけでしょう。そしてまた、これが事実だったらこの教授たちはどういうふうになるのですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先ほど挙げましたような項目について調査を求めているわけでございまして、したがって、金品等の授受についてその有無と理由ということについて報告を求めているわけでございまして、現時点までにおいてはそれらの点については私ども確認するものを持っていないわけでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 国税庁の方からお越しいただいていますが、この月々給与として振り込まれている、これは当然納税の、徴税の対象になるはずでございますが、こういうふうなことについて国税庁の立場からは調査をされているのでしょうか、されたことがあるのでしょうか、それとも今日まで納税されてきたのでしょうか。  あわせて、先般大阪国税局管内で大学教授等々について調査をしていただいたことがありますが、その調査対象となった方々の九七%の方々が何らかの形で瑕疵があったわけですね。もちろん大きく報道もされましたし、ここでも御答弁をいただきました。これは今までのところそういうまとまった調査というのは大阪国税局管内くらいかなと思うのでありますが、ほかについては私自身はまだ承知をしていないのでありますが、国税庁としてはこれらのことについて、大阪局であれだけのことがあるならばほかでも当然あり得るというふうに考えるものでありますけれども、こういうことの調査についてはどう考えておられるでしょうか。

岡本吉司国税庁直税所得税課長

○岡本説明員 お答え申し上げます。  再三、国会の席で御答弁申し上げるときに最初にお断りさせていただくのでございますが、我々立場上の問題もございまして、個別の話を調査するとかしないとか、あるいはその結果がどうであったかということはなかなか申し上げにくい立場にございますので、そこは御了解いただきたいと思います。  ただ、一般論として申し上げさせていただきますと、我々国税当局といたしましては、報道されているような新聞、雑誌、そういった事柄、あるいは国会でこういった御議論をされている事柄等につきまして常に重大な情報といたしましてちょうだいしているわけでございまして、それと我々の内部で収集した資料、あるいは納税者から提出されました申告書等をもとに検討いたしまして、これは課税上問題があるなどいう場合が生じましたならば、必要に応じまして実地調査等を行うことによって適正な課税を行っているという状況でございます。  それから、今大阪の話で御指摘ございましたけれども、昨年たまたまああいった数字がございましたものですから、この席で御答弁させていただいております。ただ、大変申しわけございませんけれども、我々、同じような例があるのだろうということは十分承知しているわけでございますが、あのような統計をその役とっておりませんので、ここで御披露申し上げることはできないわけでございます。  ただ、あえて申し上げますと、昨年はいわばもらったサイドの個人の方の数字でございましたが、別の数字といたしまして医療機関、払った方からの源泉サイドの数字がございますので、それでよろしければごく簡単でございますが御披露させていただきたいと思っております。  これも一部の局でまとめたものでございますけれども、昭和五十八事務年度におきまして、三百六十九件の医療機関に対しまして源泉調査を実施いたしました。そのうち二百五十件から加算税を含めまして四億一千万円の税金を追徴している、こういう事実がございます。  以上でございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 それは一つの局ですね。

岡本吉司国税庁直税所得税課長

○岡本説明員 はい。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 一つの局でそれだけのものがある。しかし、全国で国税局幾つあったかな、全国にその率で広げたら、これはまた大変な数字になるだろうと思うのであります。こういうふうに医療機関を取り巻く問題というのは、税金の面から考えても実に大変な状態なんです。  例えば、今回こういう事件が起こりましたけれども、やはりこういう事件が起こった場合には、当然国税当局としては改めて御調査はなさるわけですか。

岡本吉司国税庁直税所得税課長

○岡本説明員 やはり個別の事柄でございますので、調査するとかしないとかというような答弁は差し控えさせていただきたいと思うわけでございますが、今回のように例えば一つの刑事事件になっているというようなことになりますと、我々の一般的なやり方からいたしますと、捜査当局の捜査に支障が生じてもいけませんので、その捜査当局の捜査状況を見ながら我々の調査を進めていくこともある、問題があればそういうことでやっていく、こういうことでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 前回ここでお尋ねしたときにも申し上げたのですが、一つの局——一つの局でと先ほどおっしゃったけれども、これは国会の答弁だからとにかくとおっしゃらないのでしょうけれども、私どももまたそれなりにお尋ねすればわかることで、しかし、どの局だからと今特定することは必要ありませんから聞きません。しかし、一つの局でやってそういう数字が出てくるということは、これは大変な数字なんですから。人手の問題だとかいろいろ皆さんの御苦労はわかりますが、しかし、こういう国民の重大な関心を呼ぶ事柄が起こってまいりますと、より一層御努力をいただいて、そして、例えば医療機関だとかそしてまた大学の医療関係者、医学部関係者、そういう方々に本当の意味での反省を促す、そしてより一層すばらしい医師が誕生していく、そのことのためにも——何もそういう使命は国税庁が担当してないとおっしゃるかもしれないけれども、しかし、広い意味で言えばそれもまた大きな使命の一つではないかと思うわけでありますがそういう御調査をもっと全国的に広げるお考えはありませんか。

岡本吉司国税庁直税所得税課長

○岡本説明員 私の答弁がやや不十分でございまして申しわけございませんでした。調査そのものは全国的に問題意識を持っておりますのでやっております。ただ、たまたま計数がまとまっているのが一部の局、一つの局ということでございますので、今先生のおっしゃるような御趣旨で、我々、課税上問題があるものにつきまして税務調査等を行って課税の適正を期している、こういうことでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 ありがとうございました。国税庁へのお尋ねは以上で終わりますから、岡本さん、加藤さん、結構でございます。  去年の暮れに文部省は奨学寄附金外部資金の受け入れについて通達をお出しになりました。これは私も、大学関係者の方々が大変めり張りのきいた実態に即した通達を出していただいたとして喜んでおられたのを承知をいたしております。しかしながら、同時に、それはもう一つの条件がついておって、ガラス張りにしなければならないという条件が当然ついておったと私は思うのであります。この奨学寄附金、受託研究費、いろいろな形のものが絡むわけでありますし、おまけに先ほど宮地局長は臨床医学の方でこういう事件がよく起こるとおっしゃった。これは前回私がお尋ねしたときの御答弁でもそういうことがあったのですね。ところが、基礎医学の面でないとは言えないのですね。財団法人何とか研究所、こういうのをつくりますな、そうするとそこへの企業からり寄附というのもあるわけですね。その財団法人何とか研究所に大学の医学部教授が関与している。むしろその方が中心であるということはあるわけでしょう。  この前、私のところに税理士を通じましてこういう相談がありました。新薬をつくったんだけれども、それを公式に認定してもらいたい、しかしながら、大学の先生にこの程度のものであれば一千万ないし二千万積まないと認めてもらえないんです、しかし、これを表に出しますと相手はもちろん受け取ってくれないし、これは事件だ、大変なことになる、当然裏金でなければならない、裏金にするとこれは経費として認められませんから税務上大変困りますということで、いろいろ税制上の研究をした結果、税理士から私に、これは金を積まぬでも何とかこの研究をちゃんとしてもらえるようになりませんやろか、大学に頼んでくれませんかと言って相談に見えた。そういうケースがあったのです。事ほどさように、そういうことはもうその世界では通説化しているわけです。これはむしろ基礎医学の部門でしょう。  そしてもう一つ、事のついでにと言ったら恐縮ですが、きのうかおとといか、私の部屋に投書が入っていました。これは文教委員全員に出したんだろうと思うのです。仙台局で来ています。ただ、これは名前は入っているんだけれども住所は入ってないですね。これは先生方も皆さん来ている。宮城県の色麻町立病院で一千万円近い使途不明金が出て、どうもそれが医師に来てもらうために東北大学の方へそのお金が使われたというふうなこと、また、その東北大学の教授から町会議員に、この問題について追及しないでほしい、また、有線放送で町議会の様子を放送する予定をしていたら、その有線放送も中止しろという手紙が行ったということで、これは新聞報道もされているわけですね。北九州の場合は私立の病院でありますが、これは公立の病院。以前にこの問題を私が医師派遣の問題でここでお尋ねした。新聞報道等がなされて、公立病院の事務長さんたちから私、随分言われました。先生、あれ徹底してやってください、しかし私の名前は出さないでくださいうちの病院にお医者さんを派遣してもらえなくなったらえらいことであります、しかし、あの裏金をつくるのが私たちの仕事みたいなものです。結局、こういうのが慣例化している一方、大学の医学部の先生に言わせるとどうおっしゃるか。そういうお金がどうしても必要なんです。この前奨学寄附金についての外部資金の受け入れができるようになったというので、一部分先生方も喜んでおられるけれども、しかしながら、やはり研究を進めていこうとする、また自分がその大学の中でそれなりの力を持っていこうとする、また、やくざではないけれども、大学の医学部についてはジッツというドイツ語か何か知らぬけれども、縄張り拡大のあれがあるんですな。どこどこの県の病院は大体うちの医学部で押さえているとか、どこそこは大体うちから派遣することになっている、それができることによって大学の医学部の格が上がるんですね。だから結局、こういうことはまさに構造化しているし、もうその体質のものになってきているわけですよ。この北九州病院のケースは、言うならばその一つにしかすぎないのではないか、こういうふうにも思うわけであります。  今までずっと大臣にお聞きいただいたんですが、大臣の御感想をお聞きし、そして具体的に今幾つかの指摘を申し上げましたことについて、また局長さんからでも御答弁いただきたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 国立大学医学部の関係で世間を騒がせているような事件が発生いたしまして、まことに遺憾なことであると思います。これにつきましては、先ほど来先生御指摘のように、東大の医学部の精神病研究室でしたかあれは依然としてずっと前からでございまして、そういう問題もまだ肝心な意味では解決をしないというまま推移していることもございます。結局どうしてこうなるかという問題でございますが、私は、大学なかんずく国立大学の閉鎖性というのが一つあるような感じがいたします。大学の関係者が外部の批判に余り神経質にならないで、ある意味では下下の者が何を言っているかというほどではないにいたしましても、それに似たような感じで物事を深刻に受けとめる度合いが一般社会よりも低いんじゃなかろうか、こう思われる筋もなきにしもあらずだ、こう思います。したがって、今回の広島大学や長崎大学の件等まだ調査中でありますので何とも言いかねますけれども、調査が終わった段階でより厳しく適切な指導をしなければならぬ、こういうふうに思います。  それから、もう一つは、医学部の関係でございますが、先生御承知のように、医師というのは医師の資格を取っても数年あるいはそれ以上すぐれた先輩について技を磨いてそして優秀な臨床医師になるわけでありまして、それまでの間大学の医局におる。そうすると、一方、民間の病院の場合には大学の先生に来てもらっているということがその病院の、いい先生が来ているということで信用度が高まる。そこで、大学の医学部の方にお願いして医学部にいらっしゃる医師に来てもらうということがしばしばのようであります。また、それをしてもらうためには大学の医学部の上の方の先生にお願いをして若い人を派遣してもらう、こういったことから疑惑を招くような事態が起こっているというふうに思うわけであります。そこで、先ほど局長がお答えいたしましたように、兼業の許可を得て民間の病院に行っておった者につきましては先ほど報告したわけでありますか、兼業の許可を得ないで行った者がどうなっているか、これは現在まだ調査中であります。それから、医学部の関係者が民間の病院から報酬ないし謝金を受け取っておったかどうか、新聞には一部物等受け取ったような記事も出ておりますけれども、それの真相はどうなのか、これも調査中でございます。  それから、奨学寄附金という正規の手続を経ないで研究の応援として金を受け取っていないかどうか、これも調査中でありますが、これは御承知のとおり、我々の側は捜査当局と違いまして強制捜査権を持っておりませんが、しかし、大学に指示をいたしまして、しっかりした調査をして報告するように督促をしておるところでありますけれども、捜査機関の捜査が済めばその面からも真相の把握ができる、こういうふうに我々は思っておりまして、この問題については特に厳しく真相の調査を進めまして、その結果を得て適切な対処をしてまいりたい、こういうように考えておるわけであります。  同時にまた、奨学寄附金の関係でございますが、大学の研究者が民間の病院その他と協力して研究をするということは、研究の成果を上げる上においてもまた大学の持っている研究機能を民間の方に還元する意味においてもこれは意義のあることでありますけれども、また、その研究をしている過程におきまして、民間の側から研究機関たる大学ないしは大学の研究者に対して研究費等の寄附がなされることもあるわけでありまして、それは適切な会計経理処理をするならば許されるわけでありますけれども、先ほどから先生御指摘のとおり、ガラス張りで、国民の疑惑を招かないように、きちっとした経理をした上での寄附受け付けでなければならぬし、またその資金の使い方でなければならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、この点もより一層適切になされるように指導を強化してまいりたいと考えているわけでございます。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のございました色麻町立病院の関係の事案でございますけれども、大学からの報告によりますと、病院長が病院の使途不明金や診療態度等について町議会から抗議を受け、病院長が先輩でございます東北大学の後藤教授に相談をいたしまして、病院長が作成しました後藤教授名の書簡を町議会議員に送付したという報告を受けておるわけでございます。そして、気持ちとしては、大学から派遣をしております医師を大事にしてほしいという気持ちからのものでございまして、大学側として圧力をかけるというような性質のものではないというぐあいな報告を聞いております。そして、その後、来学しました町長あるいは町議会議長に説明をして、関係者の間では円満な話し合いが行われたというぐあいに伺っておるわけでございまして、使途不明金については事務長の支出見通しの誤りから生じたものということでの報告をいただいております。  なお、背景等がいろいろあってそのような扱いになったかと思いますけれども、いずれにいたしましても、基本的に、後藤教授の慎重さを欠きます町議会との対応の問題については、東北大学の医学部附属病院長から注意を行って処理をしておるという報告を聞いておるところでございます。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 こういう問題は、なぜ慎重さを欠くかといえば、やはり派遣してやっているという気持ちが根底にあるからではないのか。今名前が出ました後藤教授御本人はどうか知りません。しかし、一般的にやはり一私は派遣することは大事だと思います。それは地域医療を充実させるために大事なことです。またその医師にとっても、みずからの技術を磨くために必要なことです。それをいけないとは言いませんけれども、その派遣のシステムが、金が絡んだり、それがまた大変してやっているといりふうなことになったりということであっては日本の医療は進みません。まして、辺地の医療というのはますます大変になるだろうと思うのであります。辺地に限らず、都市部の公立病院においてさえ医師を呼ぶのに大変苦労しているという事態が現実にあるのでありますから、その体質改善というのはこれからもなかなか大変であろうというふうに思うのであります。  しかし、そういう大学医学部を取り巻く、先ほど指摘した財団法人の設置に至るまで、その財団法人の運営に至るまで、その財団法人から飲み代が出るということがあるわけでありますから、そういう体質を含めまして、金はどういうふうに動くのか、大学医学部を中心にしてどういうお金の動き方があるのか、それがどういう弊害を生むのか、どういう事件につながりやすいのか、こういうことを文部省としてもっと詳しく調査をされて、そしてその対策を確立される必要があると思うわけでありまして、もう時間が来ましたので、その基本的な姿勢について大臣からの御答弁をちょうだいして、質問を終わりたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 先生の御指摘、ごもっともだと思いますので、そういう方向で努力してまいりたいと思います。

中野寛成民社党・国民連合

○中野(寛)委員 終わります。

阿部文男自由民主党・新自由国民連合

○阿部委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 最初に、きょう新聞に東京都立大島南高等学校の寄宿舎寮拓本寮の上級生による暴力事件というのが出ております。「集団しごき」というふうに書かれておりまして、下級生の中に鼓膜損傷、胸部打撲、中には三階のベランダから逆づりをされたとかいうようなことが書かれておりまして、これは、たくましい海の男を育てるという名目で暴力行為がかなり以前から繰り返されており、過去七年間に中途退学者の率は三〇%を超す、昨年六月に上級生十七人を自宅謹慎処分にした、こういう記事が出ておりますが、これは事実そういうことがあったのでしょうか、ちょっと情勢を聞かせていただきたいのですが……。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 まだ事実状況について報告を受けておりませんし、そういう内容についての掌握はしておりません。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これをどう思いますか。これは校長さんも認めております。新聞はお読みになりましたか。どんな感想を持っておりますか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 ちょっと朝から国会その他で飛び国っておりまして、新聞、その事件について内容をまだ読んでおりませんので……。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 中身はそういうことですが、九十五名の生徒が在籍しておりまして、一年生が四十人、そのうち大島出身、地元ですね、その五名を除き、九十人が寮に入っておる。寮の規律を守らないということで殴られる、あるいは両腕にパンチをするのを腕パンという、それからかかとで太ももを強打するのをようかんという、まあ一種の制裁だと思いますが、そういうことが七、八年前から繰り返され、過去七年間に入学者二百三十九名のうち七十三名が中途退学をしている。その中退の率は三〇・五%。校長先生は、「最近は非常に厳しく指導し、人間尊重ということでやっている。」「上級生が腹を立て暴力を振るったようで胸の骨にひびが入った。」「昨年六月、上級生十七人を自宅謹慎処分にした。それ以降は大きな暴力事件は起きていないはずだ。」それで、「なぜ、暴力事件が繰り返されるのか。」という、これは恐らく新聞記者の質問だと思いますが、それに対して校長は、「集団生活を維持するにはある程度の規律の厳しさが必要だが、それが暴力につながるのは本当に困ったことだ。本腰を入れて改善しなければと思っている。」こういう記事になっております。  私はなぜこれを取り上げたかといいますと、私ども事実はわかりません。けれども、今日本の学校においてあり得ないことではないのです。私たちの経験からしましても、昔は鍛えるとか、そして女学校などにおいてもお説教するとかいうふうな、上下関係の中でいわゆる秩序、規律というものを維持していく、そのためには下級生に対して場合によっては武力によって鎮圧をするといいますか、そういうことがあるのですね。私は、これは戦前からの教育がこういう意味では継承されているのじゃないか。戦後一時期はなかったんですね。少なくともそういうことは減っておりましたが、またまたそれが起こっておりまして、最近ではいじめの問題、今度は体罰の問題というふうに次次あるわけです。体罰はもともとあったと思います。いじめの方はまたちょっと新しい情勢の中で生まれてきたように思いますが、いわゆる下級生に対するしごき、これは体育関係におきましては当たり前のごとくしごきがなされている。そういう力の動きといいますか、そういうものが日本の教育界に依然として存在しておるのじゃないかということを感じまして、やはり教育の場にはそれなりにふさわしい教育の雰囲気というものがなければならぬわけで、そこに暴力がどんな形であれ存在するということに対しては、これはお互いそれを絶滅するということで努力をしなければならぬと私は思っております。体罰だってそうです。  そういう意味で、先ほど田中委員が質問の中で、例えば私の県にあります明徳高等学校、これは中学校、高等学校併設の学校でございますけれども、ここの問題が出まして、大変恥ずかしい思いをしているわけですが、ここの学校は道徳教育を主眼にしておる学校なんです。最高道徳です。それでこういう事件が起こるのですね。私は、今度の臨教審の答申の中に道徳という言葉が強調されるということを聞いております。また、文部大臣の先日の体罰についての答弁の中で、学校というのは秩序が大事だということをおっしゃった意味はわからぬではありませんけれども、その秩序を守るあるいは規律を守るということが場合によっては暴力の存在を許す、そういう雰囲気を日本の学校はまだ温存しておるのではないかという点を非常に心配するわけです。  したがって、こういう意味で、今申しました都立の学校における今度の事件は、真相はよくわかりません、これはお調べいただいて、どうしてこういうことが起こったかということは今後の教訓としてやはり正確にしておいた方がいいのじゃないかと思います。そういう意味でも、学校の中にいかなる形であれ暴力が存在するということに対しては、この間の委員会でも随分各委員から強調されましたけれども、この点では当文教委員会は一致した認識として持つ必要があるのではないかと思いますが、その点、どういうふうにお考えになっておりましょうか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 御指摘のように、生徒同士の暴力それから教師と生徒の暴力を含めて学校内における暴力行為というのは、厳に慎まなければならないし、絶滅しなければならない重要な課題であろうと思います。そのことと、子供たちにきちっとしたしつけをやるということと、これはまた別個の問題でございまして、やはりそういう暴力行為を慎まなければならないということで、生徒の自由勝手な行動について気ままに放任するというようなことはまたいけないことだと思うので、その付近の、生徒のしつけの問題、秩序の維持の問題、これは極めて重要なことでございますし、そして、一方において暴力の排除ということも非常に重要なことであると思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これはあいまいにしてはならぬ問題でありまして、これからも論議されるところだと思いますが、子供たちは尊敬されなければならぬと私は思っています。本当に子供たちというものが人間的にその尊厳が認められれば、秩序は確立するのです。もともと力で教育をするという理論が比較的我が国の場合は許容されているのです。けれども、それは決して人間を育てる教育の場で使うべきものではない。野獣を調教する場合には使い得ても、力をもって制圧をするということでは本当の教育は生まれない。私も教員生活をしておりますが、一遍子供を打ったことがあるのです。いまだにそのときの子供の目が私の目に焼きついて離れませんね。何であんなことをしたんだろう。これは、例えば日本の軍隊組織が海軍魂注入棒などという棒を持っておしりをたたくとかいろいろな形で行われてきた、いわゆるしごき体制というものが、比較的戦時中において教育の場にも入り込んできたものが何となく残っているという意味では、やはりこれは教育基本法の平和的しかも民主的な人間形成という立場からするならば、教育者も行政機関も考えなければならぬところだという点で、今度の事件はやはり一つの教訓として学ぶ必要があるんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。  二つ目の問題は、教科書問題でございます。これについてはきょうの読売新聞等にも書かれておりまして、来春からの小学校社会科の教科書に対する文部省検定が十三日までにほぼ終わったと書かれておりますが、検定は終わったのでしょうか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 検定の作業のあらかたは終わっておりますが、最終的には六月二十四日に教科用図書検定審議会の総括部会を開きまして、そこで最終の承認を得て、そして出すということになっているわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この際、新聞にも報道されておりますが、例えば南京大虐殺あるいは沖縄戦の記述、自衛隊あるいは北方領土に対する記述などにつきまして、そういう項目について中学校、高等学校の社会科同様大変厳しい検定姿勢が今回も貫かれているというふうに執筆者の中には指摘をする人もいると書かれておるわけでございまして、「こうした検定が続けば、教科書の内容は画一化する一方。ますます事実上の国定教科書に近づく」ということを言っておる人もいるわけでございます。この問題については南京問題、沖縄問題もそうですが、随分この席で論議をしてきましたので、私はこれをここで蒸し返すつもりはありません。  しかし、沖縄の問題について一例として申し上げたいと思うのですが、なぜこれが変えられたのか。例えば沖縄戦のときに「なかには、日本軍によって命をうばわれた人もいました」という記述、これについて心身発達の考慮という理由で削除を求め、執筆者側も結局指示に従って削除したというふうに書かれておりまして、どういうふうに変わるかというと、検定前の原稿本のときには「沖縄では、県民が約十五万人も死にました。なかには、日本軍によって命をうばわれた人もいました。」これが「沖縄では、県民約六十万人のうち、十二万人以上もの人々がなくなりました。」こういうふうに変わるわけでございますが、これなどはどうしてこういうふうになるのか。そのほか沖縄の記述について、例えば小学校四年生の下ですが、「冬でも暖かい沖縄」という中で「戦争のときの沖縄」 「戦争後の沖縄」と二項目を設けて四ページにわたって戦中戦後のことを書いておる教科書が、これは指導要領からの逸脱であると削除を要求されております。そして、犠牲者が出たことを書いた「戦争のときの沖縄」は二ページ分全面カット、そして「沖縄のきせつのうつりかわり」に差しかえられた。「戦争後の沖縄」はタイトルが変わりまして「観光の島沖縄」に変わった。記述内容も基地色が薄められ、観光色が強められた。こういうふうに新聞の記事はなっておるわけでございますが、何でここまで検定する必要があるのか。  今度国家機密法がこの国会に提出をされまして、私はいろいろ新聞の記事を見てみたのですが、大新聞、朝日、毎日、読売、すべてそれに対する危惧の念の社説が出ておりますが、地方新聞もほとんど危惧の念を社説で書いておりますけれども、沖縄の新聞を読んでみますと、非常に胸が詰まるような社説が出ております。これは五月三十一日の沖縄タイムスですけれども、壁に耳あり障子に目ありとお互いにお互いを監視し合った暗い時代を、カメラを向けることはおろか地図も黒塗りにされた要塞の町の暮らしがどんなものであったかを思い起こすとき、とても許せる法案ではない。これは沖縄タイムス。琉球新報はこういうふうに書いているのです。沖縄戦を想起する。方言を使う。普通語がうまくしゃべれないというだけでスパイの疑いをかけられ、日本兵によって殺害された。戦場を逃げ回っただけでもスパイ容疑で殺された。これは社説にほんのこの間出ているのです。  沖縄の歴史というのは、戦前から、島明けの当時から、また長い薩摩の苛斂誅求、沖縄戦争、そして戦後は外国軍隊による支配が続く沖縄の歴史を見ましたときに、本当に沖縄県民の実感として、心のこもった記述、本当に戦争とはそんなむごいものだ、だから平和への希求がそこから生まれてくるのだ、まさに基本法に言うところの平和の希求、それは事実をゆがめずに書くことも大事だと思いますが、それをあえて沖縄県民の実感とは違う形になぜ文部省が変えなければならぬのか。  私は今度調べてみたのですけれども、あの沖縄戦のときに牛島軍団三十二軍が、残念ですけれども軍の回状の中に現地語、現地語というのは沖縄の方言です、現地語を使う者、こうに近づく者、軍事施設に近づく者はスパイとみなすということが出て、そのために砲弾の中で倒れていった沖縄県民も多いわけでございますが、こういう戦争の悲惨な事実を書くことは、恥でもなければ何でもない。まして平和への希求ということから考えますと、そのことが、真実を記述することがむしろ大事なのである。それを少なくとも、考え方が違うからといってそれを消すという検定の仕方が正しいのかどうか、これはやはりお互いに考える必要があると思いますが、この点について文部省はどのようにお考えになっているでしょうか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 まず、歴史的な事実を客観的に公正に述べていかなければならない。それから二番目には、子供の発達段階に応じて理解ができるような内容になっていなければならない。それから三番目には、それぞれの教科で取り扱う指導上の目標、ねらいというのがありますから、そういう教科のねらい、目的に沿うような内容に精選されていなければならない。こういうもろもろの要件で検定作業を進めるわけでございます。  したがいまして、今御指摘がありました幾つかの中の一つとしては、例えば四年生の段階で、四年生の教科書では自然条件から見て、国内の例えば寒い地域、暖かい地域ということを教える、こうなっている際に、暖かい地域として沖縄のことを説明をしていくということはあるわけでございます。その際に、そういう沖縄戦のことまで四年生の段階で教えるということは必要ないのであって、それは六年生の段階の人物や歴史、そういうものを教える段階で取り上げればいい。したがって、四年生の教科書の段階でその内容を入れ込むということは過重負担になるし、基本的な内容に精選するという観点では適当でないというような調整をして検定をしていくわけでございますので、何年生の教科書でどういうねらいで書かれた教科書についてどういう意見が述べられたかということをもとにして考えていただく必要がございますので、今幾つかの御指摘がありましたけれども、我々としては、公正、客観的に子供の発達段階を十分配慮した内容になるようにということで検定をしているつもりでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 物には見方がありますから、私はその考え方を全部否定するわけじゃありません。でも、やはり文部省、戦後教育は画一化だと臨教審の一部の人たちが言っておりますけれども、私は、あれには賛成ではありません。むしろあの指摘の仕方に対して、そういう断定の仕方に対しては非常に違った意見を持っておりますけれども、しかし、本当に民間の会社が教科書を作成するわけですから、多種多様なものが出てくる。現に沖縄には基地がある。あなたも沖縄へ行かれたわけです、私も一緒に行ったわけですけれども。本当に私は最初に目の前に沖縄のひめゆりの塔を見ましたときに、上からのぞいて下にいっぱいシダが生えている、あれを見たときに、本当にここで人間が生きておったのかというすさまじい衝撃を受けたことを今も覚えておりますけれども、そういう実感を持った県民がいるわけですからね。だから、それに対して、基地の写真が出るとそれを石油タンクのものにかえるとか写真も変わっていく。確かに石油タンクもたくさんある、宮城島の状態なんかもあるわけですけれども、しかし、それはそれなりに幾つもの教科書があるわけですから、石油タンクを書いたところもあるでしょうし、観光の島沖縄を強調したところもあるでしょうし、その辺の多様性というようなものについては、そこまで検定をやっていくということになりますと、やはり検閲的検定になりかねないし、場合によっては政権党の考え方あるいは政権党の考え方に近寄った形で教科書を眺めていき、そこを変えさせていくということになれば、これはやはり憲法、基本法の「教育は、不当な支配に服することなくこというものにも抵触するとまでは言いませんけれども、やはり問題が生じてくるというふうに考えるわけです。  そういう意味で、この問題、これ以上言いませんけれども、本当に今度新聞に出たばかりでございまして、私も教科書そのものを今手に持っていませんから、またこの問題は今後続けていきたいと思いますが、こういう問題は、やはり今あなたがおっしゃった、子供の発達段階に応じてと言うならば、その問題として論議をしていく必要があるんじゃないかということを痛切に感じておりますから、意見だけ申し上げておきます。  次に、大規模改修事業の起債措置についてでございますが、これは文部省努力をされいろいろ改善されておりますので、簡単に申し上げたいと思いますが、鉄筋校舎等の窓枠、あるいは屋根の防水及び給排水設備等の大規模改修に要する経費への補助制度、いわゆる大規模改修補助事業が昭和五十八年度からスタートしまして、今年度から地域制限が撤廃されて対象区域が全国に広がり、予算額も昨年度比五八・五%増の九十一億円、去年は五十七億円でございましたからふえております。施設関係予算が軒並みに削減されている中で、この点でこの改善は評価されてよいものだと私は思うわけです。ただ、単純に喜べない面もありまして、御承知のように、大規模改修事業の起債が措置されないため、手をつけたいけれども単年度の財政負担が重過ぎるために見合わせるとか、あるいは一つの学校の改修事業を何年かに分けてやらざるを得ないというケースがたくさんあります。  そこで、最初に、昭和五十九年度の大規模改修事業の実績がどのくらいの額になっているか確認をしたいわけですが、正確な最終数字は出ていないかもしれませんけれども、見込みとしては今どんな状態でしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 昭和五十九年度の大規模改修関係の経費でございますけれども、予算措置が五十七億でございました。実績が、各地方からの御要望等を踏まえて取り上げましたものが約五十億実績として実施をいたしております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 五十七億が計上されていたわけですが、実績は五十億と今おっしゃったわけです。そうしますと、各自治体とも非常にこれに対する要望は強いわけでございまして、その要望に基づいて制度化されたわけですから、本来なら予算枠を残すというようなことはちょっと考えられないわけですが、結局これは起債が認められないということが大きく影響しておるのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 御要望はいろいろあったわけでございますけれども、補助の要件等から照らし合わせまして、合わないというようなことで落とさざるを得なかったというケースがあるわけでございます。なお、今年度、昭和六十年度は九十一億予算額では計上いたしておりますが、各地方からの御要望は大変強いので、これを相当上回って具体の執行としては考えたいと思っております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 この前、うちの藤木議員がお尋ねしましたときに、たしか自治省の方の答弁が、「維持修繕の範囲にとどまるものにつきましては起債対象とならない」と述べておりますが、その後で、「個々の地方団体の財政事情、これを十分検討しながら、いわゆる建設事業と見られるもの、起債対象になじむ事業に限って起債措置を講じたい」と答弁をしておりますが、この答弁との関係でお聞きしたいのですけれども、学校教育施設について維持修繕の範囲が、建設事業と見るか、起債を認める事業と認めない事業を区別する基準というのは、自治省との関係で取り決められているのでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 地方財政法の規定によりまして、起債を認める場合には学校の場合に建設事業というふうに法律上規定をされておるわけでございます。したがいまして、先般自治省からお答えを申し上げましたように、この大規模改修、一般的には維持修繕の範囲に入るであろうというようなことから、原則として認めないというのが自治省の態度でございますが、その中で具体に規模等が相当大きいとかいうようなことで建設事業に該当すると認められるような場合については、個別に審査の上これを認めるというのが自治省の態度でございまして、これにつきまして具体にどういうケースにということを文部省と自治省の間で取り決めているというようなことには至っておらないわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 そうしますと、これはもう全国的に非常に要望が高くて、結局、昭和三十年ごろに建てた鉄筋校舎の老朽化が予想以上に早くて、海砂を使った関係とか材質が余りよくなかったということが影響して、耐用年数が来ないうちに雨漏り、外壁のひび割れ等が深刻だという例が多く出ております。できたら改築をしたいということですけれども、耐用年数に満たないとか、財政事情等もあって、当面大規模改修に頼らざるを得ないという問題があるわけです。こうした点は全国的であるわけでございますが、この点では、今局長おっしゃったように全国の要望も非常に強いと思うのですが、こういう実績を見て、今後補助制度を有効に活用する上でも、大規模改修事業の起債措置が実現するよう文部省としても自治省に働きかけるなど最大限の努力をすべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 先生の御指摘にもございましたように、木造建築の改築というのが大変な宿題で今日まで来たおけでございますけれども、既に九〇%を超えるところまで非木造化が進んで、不燃化というのが進んでまいりましたので、これからの課題は、御指摘のような昭和二十年代から三十年代ごろにかけてつくられました鉄筋の建物のいわば脆弱なものについててこ入れをしていく、場合によっては改築をしあるいは補強をするというような仕事であろうと思うわけでございまして、数年前からこの問題に取り組んでき、御指摘にもございましたように、五十八年度に大規模改修費を計上いたしまして以来、五十九年度には五倍に伸ばし、六十年度はさらに五割増というような、大変財政の厳しい中では私ども最大限の努力をこれに注いできたつもりでございます。  お話にございます起債の問題につきましても、財政力の弱い市町村の場合に起債が認められるということがこの事業を進めていくために大切なことであると考えておりますので、自治省当局に対しましても何回かいろいろな形でお願いをいたしておりますし、昨年の暮れには公文で財政局長に対して御検討をお願いしたいというような依頼も行っておるわけでございまして、今後とも引き続き自治省当局の理解を求める努力を重ねたい、かように考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 局長あのようにおっしゃいましたが、大臣、いかがでしょうか。概算要求の時期も近づいておりますが、ぜひ起債を出してほしいという全国の要望に、せっかく今までこたえてきたわけですが、今後もぜひそのような努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 御指摘のように、大規模改修について、その事業の個別的な事情では起債の対象になる場合もあるようでありますけれども、一般的には地方債の充当が行われていないということでありまして、そのことが大規模改修の推進の妨げになっておるとするならば、これは改修が進まないことになりますので、財政事情は厳しい状況ではありますけれども、大規模改修に積極的に取り組むという立場から、自治省に対して地方債の充当についての要請を今後とも行ってまいりたいと考えておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これと関連しまして、小中学校の建物の地震対策の問題でございますが、耐震強化を目的に建築基準法が改正されましたのは昭和四十六年と昭和五十六年でございます。したがって、四十六年以前の学校建物は新しい基準にのっとっていないため危険建物が多いであろうことは容易に推察できると思いますが、文部省としてこの実態について調査をなされているでしょうか。もしなされておったら、その調査結果はどのように。なっていますか、お伺いいたします。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 いわゆる危険建物につきましては、文部省といたしましては、木造の場合には耐力度点数で五千五百点以下のもの、それから鉄筋等の非木造建築の場合には別途の耐力度点数がございますが、それで五千点以下のものをその対象として考えるということで措置をいたしておるものでございます。  現在把握しておるところで申し上げますと、木造の危険建物は全国で四百三十四万平米、全木造のうちの約三〇%という数字になっております。また、鉄筋の方の危険建物につきましては五十四万平米で、非木造全体の〇・四%、これが文部省として把握をしている数字でございます。これらにつきましては、必要な予算を計上いたしまして各市町村等の御要望にこたえて改築を進めるべく努力をしておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 国は東海地域を地震対象として力を入れておりますが、地震予知連絡会では御承知のようにそれに加えまして南関東を観測強化地域に指定しております。これまで予知連絡会がマークしておりました地域で地震が発生をして大きな被害を出しておるところがあるわけでして、それは日本海中部地震がそうです。また長野県西部地震もそうですが、東京でも耐震対策は非常に急務となっております。特に、学校は避難場所として位置づけられておりまして、その安全性の確保の重要性は言うまでもありませんが、東京の場合はどのような実態になっているか、この点についてちょっとお伺いしたいのですが、いかがですか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 先般東京都関係の調査の結果が新聞等に報道されましたので、東京都から実態を聴取いたしたわけでございますけれども、四十四年から五十三年までに建築されました学校八百九十五校のうち改築を要するという判断が行われたのが八十二校、パーセンテージにいたしまして九・二%。ただし、このうちの四十六校は既に改築が済んでおります。それから、五十六年から五十七年に建築されましたものが百二十三校、その中の三十一校、約二五%が耐震性の上で問題があるという資料が出ていると聞いておるところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 今おっしゃったパーセント、ちょっと聞き漏らしましたが、昭和四十六年以前に建てられた小中高等学校のほぼ四分の一が危険な状態にあると東京都の調査では出ておると聞いておりますが、そういうふうな把握で大体よろしいでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 大変失礼いたしました。五十六年から五十七年に建築されたと申し上げましたが、五十六、五十七年に調査いたしました四十六年以前に建築した学校百二十三校のうち耐震性が不足しているものが三十一校ということでございまして、二五%になるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これは東京都の地図で、危険な地域が地図で出ているのですが、大変なものです。これはちょっとわかりにくいのですけれども、色の濃厚なものがこういうふうに何カ所かございまして、この地域に学校がたくさんあるわけです。この地域における学校の安全性というのが、もし地震が起こりました場合に、例えばこれは東京都が作成した「総合危険度図」でございますけれども、マグニチュード七・九クラスの地震があった場合、危険な区域はもう相当広くなっておるわけです。当然大地震などの場合に近くの学校に避難する避難場所になっているわけですから、その学校が大地震によって校舎や体育館が破壊されたらまた大変な事態で、災害を大きくしないためにも学校施設が大地震に強いことが非常に重要になってきたと思うわけです。  新たな耐震基準に沿った小中学校の改築、補強が求められておると思いますが、特に東京都南部を含む南関東は観測強化地域でございまして、その指定されているところに対しての取り組みは急を要するのではないかと思いますけれども、この点についての改築その他については何か特別な検討をされているのでしょうか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 先ほどのお話にもございましたけれども、昭和五十六年に建築基準法施行令の改正がございまして、耐震性能の問題が取り上げられておるわけでございます。これに沿いまして、文部省といたしましては、同じ昭和五十六年に大規模地震に係る耐震性能の診断方法を決めまして、これを全国の市町村、都道府県にお示しいたしまして既にその診断方法についての指導を行っておるわけでございます。さらに、昭和五十八年度には、この耐震性能の問題も含めて一般的に鉄筋コンクリートづくりあるいは鉄骨等の建物の耐力度測定方法を定式化いたしまして、従来に比べて比較的簡単に、一級建築士程度の能力のある方であるとすればこの判定ができるという方式をつくりまして、これによってその危険度を計算していただくという方式を新しくつくったわけでございます。  文部省といたしましては、これらに基づいて改築の申請が出てきた場合には、それについての補助を行うということを考えて対応いたしておるわけでございます。  南関東等についていろいろ御指摘がなされておるわけでございますので、関係の都道府県等を通じて各市町村において適切に調査等を行った上で必要なものについては改築等を進めるように、そしてそれについて文部省としては対応する用意があるということはなお趣旨を徹底してまいりたいと思っております。  なお、つけ加えて申し上げておきますが、この危険なものについて補強という仕組みがあり得るわけでございますけれども、危険な建物について補強する場合に従来は補助の仕組みがなかったわけでございますが、今年度からは補強についても大規模改修の一環として対応できる措置も講じようとしておるところでございまして、そういうようなことで、この問題については万全を期するように努めてまいりたいと考えております。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 あとわずかな時間ですが、臨教審の方へお伺いしたいと思います。  第一次答申を六月二十六日に出されるというわけですが、なぜ六月二十六日なのか、ちょっとわかりにくいのです。これはどういうことでこういうふうになったのでしょうか。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 臨時教育審議会では、逐次答申の方針を原則として作業が進められたわけでございますが、その方針に従って各部会で審議を行って、それの方向性の出たものについてまとまり次第答申をしたい、そういうことでこの二月から作業がなされておったわけでございます。そのときから五月ないし六月をめどに作業を進めるということで、その作業の日程に従って行われたものでございます。     〔委員長退席、白川委員長代理着席〕

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 これはとにかくちょっとおもしろい論文です。第一次答申について、「とうてい答申などという責任を持ったまとめができる段階にきているとは思えない。」という論文が六月十三日付の教育新聞の「主張」の中に出ているのです。これはかなり痛烈な批判がございまして、例えばこの前発表されました「概要(その2)」につきましても、拙速の見本だ、悪文、拙劣な表現というふうに書いておりまして、基本理念についても、内部にさえ疑義、議論が起こっている、これは答申延期の決断を迫るというふうにまで書いているのですね。この新聞自体、宿舎へ送ってくる新聞でございまして、私もけさ起きて読みましたけれども、かなり痛烈な書き方でございまして、例えば個性尊重というのが今度の第一次答申の中に理念の基本部分として出てくるのだろうけれども、戦後教育を貫く大きな柱は個性尊重であった、今さら臨教審に教えられなくてもそれはわかっていることではないか、それがなぜ生かされなかったかということについての反省点を明らかにすることが臨時教育審議会の仕事ではなかろうかというようなことも好意的に書かれているのですね。それから、六年制中等学校にいたしましても、本当に六年制中等学校という、言うならば一つの目玉として出てきた具体的な制度、これは先ほどのどなたかに対するお答えで次長さんは、制度として打ち出したとおっしゃっていますけれども、もともと臨教審ができる教育改革の基礎には、今日の落ちこぼれや非行や校内暴力その他、この教育のひずみや荒廃をどう解決していくかということから出たのですけれども、六年制中等学校という目玉商品が落ちこぼれをなくするのか、あるいは入試地獄の解消につながるのか、むしろ入試を小学校段階にまでおろす結果になりはしないかというような疑問が出てくるのは当然でして、そういうものにこたえ得るのかという点になりますと、これはだれが考えてもこたえる中身にはなっていない。そして、先ほどからの文部省側の答弁をお聞きしましても、答申が出なければそれから先どうなるかという御心配を持っておられる点がわかったわけでございますが、こういう状態ですね。  基本理念の問題につきましても、本当にもっと討議をして出されるならばわかりますけれども、六月二十六日といえば、いよいよもう目の前に迫りまして、二十五日に国会が閉会になる翌日に第一次答申が出るわけでございますが、たしか六月十日に運営委員会を開きまして原案を決めた、しかもそれは全会一致で決まったと新聞に出ておりますが、そういうところまで来ているのでしょうか。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 総会の中に起草委員会が設けられまして、その起草委員会で総会で審議をする原案がまとまった、こういうことでございます。したがいまして、総会の審議を経てなお修正がなされるということでございまして、目下のところ十九日、二十日、二十一日、二十六日とそういうような総会が予定されているところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 例えば今度発表される中に、これは変わるかもしれませんけれども、今まで知・徳・体というふうに言っておったのが、今度はたしか徳・知・情・体、情は情操でしょうか、これの調和のとれた教育、わからぬではございませんけれども、戦時中も、私ども教育に携わっておりますときに、知・徳・体じゃない、中には徳・知・体というような言葉が出てきましたね。戦前においても論争があったのですよ。また、田中元首相は、知恵太りの徳やせという言葉を使いまして、例の五切十省が出たわけでございますけれども、今度臨教審の中に、知・徳・体と言われておったものが徳・知・情・体というふうになりそうでございますけれども、それじゃ知が偏重しているのかというようなことについて本当に深い論議がなされているのだろうかというような気もするわけです。そして今度は、特徴として出てきますのは、知育偏重から徳育教育の重視への転換と、国を愛する心、伝統文化の重要性をうたっているわけですね。そしてその中に、不易のものという言葉が出てまいります。この不易のものというのは変わらざるものという意味だと思いますけれども、これは中曽根首相も使われる言葉です。風本道雄会長も使われる言葉ですが、突然ではありませんけれども、不易というのが出てくる。不易なんて国民にわかるでしょうかね。何を指しているのでしょうか。これは論議されておりますか。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 教育におきましては、人間形成の基礎、基本としていつの時代にも養成しなければならないものがある。他方、時代の情勢に応じて考え直さなければならないものがある。そういうようなことが第一部会並びに総会においても再三議論がなされておりまして、そういう考え方が何らかの形で答申に盛り込まれることになるのではないか、こういう予定になっておるわけでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 二十一世紀からの要請にこたえる教育とは何ですか。

齋藤諦淳臨時教育審議会事務局長

○齋藤(諦)政府委員 具体的にどういう文言になるか今審議されておるわけでございますが、諮問におきましては、二十一世紀に向けての教育のあり方ということが諮問の「理由」に書かれておるわけでございますが、いずれにいたしましても、来るべき社会の変化なり文化の発展、こういうものに対して教育がいかにあるべきかという観点から検討されているところでございます。

山原健二郎日本共産党・革新共同

○山原委員 時間が参りましたのでこれでおきますけれども、いかにも心もとない感じがしますし、私どももこの間臨教審の方々とお会いしましたときに申し上げたわけですが、本当に教育を語るといいますか、そういう意味では臨教審成立そのことに反対してきた私どもですから、拙速はいかぬとか慎重にやれとか言う立場ではないかのようにも思いますけれども、四月二十四日に「概要(その2)」を発表されまして、そうしてこの間我々各党とお会いになった。その次の日でしたか、六月四日か五日でございますか、そのときには、新聞を見ますと、専門委員の方の意向が無視されたために廊下に聞こえるほどのどなり合いをやったというようなことまで出ているわけです。本当に六月二十六日にきちんとしたものが出るのかどうか。私は今そんな状態にないということを客観的に言わざるを得ないのですけれども、これはもうあなたに申し上げてもこれ以上進まぬわけですから、そのことの危惧の念を申し上げて、私の質問を終わります。

白川勝彦自由民主党・新自由国民連合

○白川委員長代理 江田五月君。

江田五月社会民主連合

○江田委員 女子差別撤廃条約がやっと間もなく批准という運びになりまして、いよいよ男女平等新時代ということになろうかと思います。  私は、前々からこの委員会で中学校と高等学校の家庭科の勉強の仕方についてこだわってきておるのですが、外務省の皆さんにお伺いすると、高等学校の家庭一般の履修の方法のみならず、中学の技術・家庭の履修の方法も今のこの女子差別撤廃条約が予定しているような同一課程の教育ということになっていないというお答えで、文部省の方は、高等学校の方はそうだけれども、中学の方は必ずしもそうでない、しかし高校の教育課程を改めるに伴って中学の方も改めなければならぬというお考えのようです。いずれにしても一歩踏み出たところで女子差別撤廃条約は批准になる。家庭科問題に取り組んできておる者からいうと、何か、汽車は出ていく煙は残る、煙は一体どうなってしまうのかなという不安があるわけです。  この条約は漸進性を持っているんだ、少しずつ前へ向かって進んでいくんだ、条約の目標としているところに一歩一歩近づいていく、そういう性格を持った条約だということです。  さてそこで、外務省に伺うのですが、批准後、その漸進性を担保するといいますか、一歩一歩前へ進んで行くということを確保するために、外務省はどういうことをお考えになっていらっしゃいますか。

瀬崎克己外務省大臣官房外務参事官

○瀬崎説明員 お答え申し上げます。  この条約の十八条によりますと、批准した国がとります措置、立法上、司法上、行政上その他の措置、この措置を国連に置きます委員会に報告することになっております。まず一年以内に、その後は四年ごとに当該国がとります措置につきまして報告することになっておるわけでございます。この取りまとめはかなり広範囲な各省庁にわたるわけでございますが、外務省が中心になりまして取りまとめるわけでございます。こういった見地から、外務省といたしましては、この条約が誠実に履行されるようきちんとフォローいたしまして報告書を取りまとめたいと考えておるわけでございますけれども、こういった条約の制度上からも、条約をきちんと監視していくということは外務省に課された任務かと、かように考えておるところでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 その外務省の任務を遂行していくために特別な機構か何かをおつくりになるのですか。例えば今女子差別撤廃条約批准準備室ですかがありますが、これはこれからどうなっていくのですか。

瀬崎克己外務省大臣官房外務参事官

○瀬崎説明員 先生御指摘の準備室には現在五名の職員が働いているわけでございます。この五名が約一年間にわたりまして、この条約の批准のために、関係省庁と協議したりいろいろな書類をつくりまして広報措置に当たる等、かなり広範な仕事をやってきたわけでございます。幸いこの条約の批准のめどもほぼつきかけているということでございまして、これからまだ参議院の方で御審議いただくわけでございますが、私どもといたしましては、この五名につきましては一応それぞれもとの課に戻すということで、特別の機構というのは考えておりません。  ただ、条約上諸般の措置を講ずる必要があるわけでございまして、これにつきましては、一応国際連合局内の社会協力課におきまして条約の実施をきちんとフォローしていくということを考えておるわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 そうすると、この中学及び高校の家庭科の履修についての改善は、今のペースだと一年後に国連にいい報告ができるというようなことにはちょっとならないようですが、それから四年後ですから五年後ぐらいにはいい報告ができるように外務省としてはこれを監視していくということのようですね。  今度は文部省に伺いますが、中学の技術・家庭がこの条約に抵触するかしないかがどうもはっきりしなくて、技術・家庭という一つの科目の中の中身だからどういう材料でその科目を構成するかということである、その科目自体は男の子も女の子も学ぶんだからいいんだ、そんなような説明ですが、しかし、学ぶ子供の方からすれば、男の子は技術領域を中心として、女の子は家庭領域を中心として、こうなって、やはり男女で学ぶ中身が違うということははっきりしておる。男の子はこう、女の子はこうというふうに違うというのはこの条約に違反をする、素直に考えれば当然そうなると思うのですが、そこのところをもう一度説明していただけませんか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 高等学校と中学校の基本的な違いは、まず高等学校は一般家庭については女子のみ必修、男性は選択ができるというような形になっていますから、これは明らかに違うわけでございます。中学校の場合は、技術・家庭科を必要な単位修得させるというその前提は男女とも同じである、ただ、技術・家庭科の中で幾つかの領域がありますが、その中で、家庭科に類するような領域から幾つ選びなさい、それから技術系続から幾つ選びなさいという意味で男女に差があるという点があるわけでございます。そこで、構成の仕方として、技術・家庭科という現在の履修単位はそのままにしておいて、その選び方の領域を、七領域から一つとかいうような制限を取っ払って、もう少し内容をふやしたりして、男女とも平等にそれが履修できるという形態にしていけば別段問題がないというふうになろうかと思います。したがいまして、高等学校の家庭科のあり方が検討されれば、現在の高等学校の家庭科も、一般家庭科という領域をもう少し広げて、男性も勉強しやすいような、いわばもう少し生活的な要素の領域を広げていくという検討が当然に行われると思います。そうしますと中学校におけるその領域もおのずから拡大してくる、拡大された中から平等に選ぶというような仕掛けにすればおのずから解消していく、そういう意味で申し上げておりまして、現在の中学校における技術・家庭科が条約上全く問題ないというふうには考えておりません。

江田五月社会民主連合

○江田委員 そうすると、中学の場合も、一定の領域があってその中でどう選択するかを、男子はこう、女子はこうというふうに選択の仕方まで決めてしまってはいけないのだ、そうではなくて、そこの選択の仕方はやはり個人個人に任されるんだ、高校の場合にも家庭一般にほかのものをくっつけてある領域をつくって、女子は家庭一般、男子は何々とやると同じことになるので、仮に家庭一般を選択必修にする場合にも、周辺領域まで広く取り込んだ上で、男子、女子の区別でなくて個人の選択に従ってその領域の中から選択させる、そういう方向だ、要約してこうお伺いしておけば間違いないですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 基本的にはそういうふうに考えております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 中学の場合に、そういうように技術・家庭という科目の中の幾つかの領域、それが幾つになるかはこれからの検討課題だとして、これを男女の区別でなくて個々の生徒の選択に従って選ばせるというふうにすればこの条約には適合することになるのでしょうか。外務省、いかがですか。

瀬崎克己外務省大臣官房外務参事官

○瀬崎説明員 ただいまの文部省側の御説明のとおりであれば、条約上特に抵触するということはないと思います。

江田五月社会民主連合

○江田委員 したがって、外務省としてはそういう方向を監視していただくということにもなるわけですね。

瀬崎克己外務省大臣官房外務参事官

○瀬崎説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 そうしていきますと、やはり問題が残るのは、家庭科というものの重要性を一体どう認識するのか、あるいは家庭科をご札からどういうふうに位置づけて、これをどう改革していって時代に適合した家庭科にしていくのか、その必要ありやなしや、そこに移っていくわけで、これはもう女子差別撤廃条約との関係ではなしにまさに家庭科の問題になるわけです。  文部大臣、これからの高齢化社会あるいは核家族という時代に生きていく人間として、家の中のことは女子に任せておけばいいんだ、男は外に出て働いて、あとは、家に帰れば飯、ふろ、寝るで家のことはもう全部お任せという時代じゃない。本当に子育てにしても家庭経済にしても、さまざまな家庭生活一般、男も女もともに一これは簡単じゃないですが、どちらかというと力は男の方が強いかもしらぬ。だけれども、本当にやってみるとそれはわかりませんけれども、もちろんそういうような男子、女子の多少の違いはあるし、また子供を産み育てるというのは、育てるは別ですが、産む方は女子しかできない、逆に産ませる方は男子しかできない、そんな違いはあるでしょう。しかし、もっとお互いに共同の役割を受け持ちながらやっていく、そういう時代が来ているので、家庭科というのは今までのような女子だけに向いた、調理とか裁縫とかに中心が置かれている家庭科から大きく変質をしていかなければならない、変えていかなければならぬ、こういう主張を私は前々からしておるのですが、文部大臣のお考えを伺いたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 私は、家庭といえば、夫婦が中心でそこに子供がおるという状態を頭の中に浮かべるわけでありますが、どういうふうな形で家庭を運営するか、これは夫婦が対等の立場でじっくり協議して決めるべき事柄であって、どういうふうにすべきだ、どうなるであろうという予測は私はしない人間なんでございます。ある夫婦は話し合いの上、専ら奥さんの方が家庭をきちっと守る、御主人は外に行って働いて帰ってくる、そういう家庭も、夫婦が円満な話し合いの上でそう決めたならばそれはそれでよかろうと思います。あるいは一日交代でやるのも結構でしょうし、一カ月交代でやるのも結構でしょうし、あるいは常に一緒にやるのも結構でしょう。いずれにせよ、家庭の運営、家庭の経営というものは夫婦が対等の立場で協議をした上でやっていくべきことだというふうに私は思っております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 協議というのがどういうことになるのか、余り協議、協議と言うと大変かた苦しいような感じもするけれども、いずれにしても対等でそれぞれの夫婦の型をつくっていく。しかし、そのためには男はこうで女はこうでとあらかじめ決めてしまっておっては協議も何も成り立たないわけですから、男の子もあるいは男の親もいろいろ家庭の雑務もやる能力と感覚とを身につけていかないと、これからはどうしようもないという気はしておるのです。  家庭科の問題はこの程度にいたします。外務省、御苦労さまでした。ありがとうございました。  それから、次に、時間が余りありませんが、法務省の人権擁護局がいじめの問題について乗り出してきた。ひとついじめの問題と取り組もうという野崎局長のハッスルぶりが報道されたりしておりますが、これはどういうところまで踏み込むおつもりなのか伺わしてください。

堤守生法務省人権擁護局総務課長

○堤説明員 最近深刻な社会問題となっているいじめの問題につきまして、これはひとり学校教育の問題にとどまらず人権問題でもある、こういう認識に立ちまして、三月十二日に人権局長の通達をもって各法務局長、地方法務局長あてに、このいじめの問題の解決に積極的に取り組むようにということで指示をいたしまして、六月五日、六日に人権擁護部長会同を開催いたしまして、この問題についての具体的な取り組みの方策について実は協議いたしたわけでございます。  まず第一に、いじめは実は相手の人権を侵害するものであるということとともに、その背景を見てみますと、やはり他人に対する思いやりとかいたわりの心というものが欠けておる、すなわち人権意識の立ちおくれがあるということでございまして、私どもといたしましては、この基本的人権の中核にある個人の尊厳性、人間の尊重ということを基盤に据えた啓発活動を積極的に展開したいと思うわけです。  第二番目は、これまで各法務局、地方法務局あるいは人権擁護委員の先生方で人権相談というものを実施してきておるわけですが、そうした人権相談の体制を強化することによっていじめの情報というものを把握していく。情報を把握した場合の処置でございますが、これは学校教育ともかなり深く関係する問題でございますので、原則としては、これを学校にお伝えして、学校側に御対応を願うということになるわけでございますが、人権擁護機関としても保護者や地域社会に対してはやはりそれなりに啓発活動をやっていく。それに、できるものなら各地域社会においていじめの問題対策の懇談会みたいなものができる可能性ということも探ってみようというようなことで、そういった方針でこの問題に取り組んでいくことにいたしておるわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 啓発活動と情報収集活動はそれなりに意味があると思うのですが、具体的事案の解決ということになりますと、いじめの問題が例えば訴えとなって出てくるようなケースというのは非常に少ないわけで、どっちかというと、親にも言わない、先生にも言わない、陰に隠れたところでいじめが陰湿に進行するというのが現実で、人権擁護局が乗り出してきたから、地方の法務局が乗り出してきたから、人権の観点から具体的事案が見事にどんどん解決されたというぐあいにはなかなかいかないんじゃないかと思います。その心意気は買いますが、これはやはり文部省としては、人権擁護局が出てきてくれたからもう安心だなんて言っていたら大間違い。確かに人権という観点からの見方は非常に重要だし、そのことは大切にしなければなりませんが、むしろ逆に、教育の場のことですから、教育という立場から見ると、人権侵害をする方もされる方もともに、教育のゆがみあるいは学校のゆがみ、社会のひずみの犠牲者であり、人権侵害をする方はする方で、やはり心を痛め人格を害しながらそういうことに陥ってしまっているわけですから、文部省としては、法務省に立ち上がられてむしろ大変に残念なことだと思わなきゃいけないと思うのですが、そのことについての御見解と、それから、このいじめの問題について文部大臣は、通学区の規制の緩和ということをおっしゃいましたね、これはどういう趣旨でおっしゃったのか、もう少し敷衍して御説明をいただきたいと思います。

松永光自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○松永国務大臣 法務省がこの問題について、いじめられておる子供の人権を守るという立場、それからまた、いじめをする子供が思いやり、いたわりといった人権思想が欠落しているという視点、こういう点から人権擁護あるいは人権思想の普及という立場でこの問題に積極的に取り組んでいただくということは極めて結構なことであると思っております。  このいじめの問題は、先生御指摘のように、例えば少年犯罪がふえたとかあるいはその他の犯罪がふえた、これに対する対応策をやって、そしてその犯罪の増加をとめるなどということよりはさらにやり方が難しい、また時間のかかる、即効的な薬のない、そういう問題だと私は思っておるわけでありまして、これをやったからこれで治ったというふうなことにはなかなかなりにくい難しい問題だというふうに思います。  今先生御指摘のように、この問題の背景には、社会的な風潮の問題もあれば、学校における教師の指導のあり方の問題もあれば、あるいはいじめをする子供が幼少のころから家庭でどういう育てられ方をしたのか、家庭環境はどうであったのか、いろいろな問題が絡み合ってこのいじめという陰湿な、そしてまた継続的にあるいは人にわからぬような状態でやっていくいじめですね、そういうものが起こっておるというふうに思うわけでありまして、問題の解決には、これが特効薬だというものはない、いろいろな方面から手を打っていかなければならぬというふうに思うわけでありまして、文部省としては、臨教審などの答申を待つまでもなく、これは重大問題として既に取り組んでおるわけでありまして、生徒指導の充実を図るような措置を各都道府県教育委員会を通じて徹底をすると同時に、教師向けの指導資料の作成もし、それを配付して、教師が生徒指導に当たる場合の資料を届けた、さらにまた、今後さらに対応策を立てていくために、専門家、有識者を集めての検討会議をこの四月に発足をさせたわけでありまして、その有識者や専門家のいろいろな意見を闘わせていただいた上の対応策をいただきまして、それに基づいてこのいじめの問題が早急に、できるだけ早い機会に静まるように、少なくなるように、そして最終的には根絶できるように、積極的に努力してまいる所存でございます。  なお、私は、いじめの問題に関連をして学校の転校の問題に触れたわけでありますけれども、教育の立場からすれば、いじめをする子供あるいはそのグループがある、一方においていじめられておる子供がおるという場合に、教育の立場からすれば、いじめをする子供がいなくなる、いじめをするグループをなくしていくということが教育でございましょう。しかし、そうたやすく直らぬということはあり得まずし、そういうことを考えますと、このいじめられておる子供の健全な成長を図っていく上であおいはまたその人権を守る上で、父兄と学校と教育委員会とが協議をした上、この際ほかの学校に移したならばこのいじめのグループからねらわれずに済むというような場合には、現在の法律を弾力的に運用をして、そうして学校の指定がえをするということが認められていいのじゃないか。そのことが、いじめられている子供を健全に教育していく上でも、また人権を守る上でも適切であるという考え方を申し上げたわけでございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 今の通学区についての文部大臣のお考えは、それは通達か何かにして実現をするということになるわけですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 現在の学校教育法施行令の八条で、 「市町村の教育委員会は、第五条第二項の場合において、相当と認めるときは、保護者の申立により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる。」ということで、現行政令上も可能であるわけです。ただ、一般的に市町村は学区を設けて、住所が移れば移すということをやってきておりますので、そういう意味の教育的な観点での配慮、そういう運用措置ということには余り力を入れてやっていなかったわけでございます。したがいまして、今後そういう事態に対応できるようになるためには、運用上この政令の解釈をより広げて運用していけば十分に対応できる、こういうふうに考えております。

江田五月社会民主連合

○江田委員 時間が参りましたが、最後に一問だけ……。  私、これはびっくりしたのですが、徳島新聞という新聞がありまして、ここは社団法一人だそうで、しかも去年の八月一日の法務委員会での質疑を見ますと、監督官庁が決まっていないというような状態がある。その後、この監督官庁が文化庁に決まったということですが、全国でもう一社とこかにあるらしいのですが、いずれにしてもレアケースですね。こんな新聞を発行している機関が社団法人なんというのを前提にして、公益性を満たす新聞に変えるために一生懸命に新聞の報道の仕方とか経営の仕方とか全部文化庁の方で御指導なさるのか。それとも、これはやはりほかと同じように株式会社でやりなさいよというふうに御指導なさるのか、その方針はもうそろそろお決まりでしょうか、伺いたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 御質問のございました徳島新聞社は、昭和十九年の五月に、当時の内閣総理大臣及び内務大臣によりまして、民法三十四条の法人として設立の許可を受けたわけでございますが、その後、わずか半月でその監督権限が地方長官、当時の徳島県知事に権限が委任されまして、今日に至っているわけでございます。この問題につきましては、中央官庁つまり主務官庁はどこになるのかということにつきまして不明確なままで今日まで推移したわけでございますが、昨年の国会におきます御質問もございました関係上、一応関係する省庁と思われます総理府、自治省、文部省の三者間で協議をいたしまして、四月に至りまして、この問題は、文化を所掌する文部省において主務官庁としての取り扱いをするということが三者協議として意見がまとまったわけでございます。  現在、徳島新聞につきましては、当方といたしまして、まず今までの経緯、事実関係の把握に努めているわけでございまして、徳島県からいろいろな事情を聴取しておる段階でございまして、いずれ事実関係を把握した上で関係省庁とも相談しながら、今後の対応を考えてまいりたいという段階でございます。

江田五月社会民主連合

○江田委員 終わります。

白川勝彦自由民主党・新自由国民連合

○白川委員長代理 次回は、来る十九日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時二十九分散会

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