文教委員会 第15号
- 発言数
- 169 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/05/31
会議録
○阿部委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中克彦君。
○田中(克)委員 私学に関係する教職員の年金の額の改定に関する法律の一部改正でありますけれども、これが私学に関係しております教職員の身分の安定あるいは生活の安定ということに大きく寄与していることは言うまでもありませんが、特にそういう観点から私学自体が我が国の教育に果たしてきた役割というものはまことに大きなものがあろうかと思うわけであります。特に大学、幼稚園につきましてはその占める比率も非常に高く、大学等におきましても八〇%が私学だ、こういうふうなことでありまして、しかるがゆえに、国といたしましてもこの私学助成に大幅に支出をいたしまして私学振興に努めているという状況にあろうと思うわけです。しかし、私自体も私学の果たしてきた役割を大きく評価しながらも、実際にはここ一、二年私どもこの文教委員会で取り上げられた私立大学の一部の乱脈経理や不祥事というものも後を絶っていないわけであります。九州産業大学、国士舘大学、東北福祉大学、富士大学あるいは松本歯科大学など取り上げられた主な大学を見ましてもそのように列挙ができますし、なお小さいそのほかの事件も数多くの私立大学にあったこともまた御承知のとおりであります。こういう状況の中で、ことしもまた私学助成につきましては昨年度並みの金額を確保して、文部省としても私学振興に一定の意欲を示されたことには敬意を表するわけであります。 そこで、私は本論に入る前に、まず文部大臣としての現在の私学の評価、そして、今私が前提として申し上げましたような状況の中で今後の望ましい私学のあり方、また文部省としての私学振興の方針、こういうものについてまず文部大臣の所信を伺いたい、こんなふうに思うわけです。
○松永国務大臣 私は、我が国の学校教育において私学の占める役割は極めて大きいものがあると認識いたしております。特に、先生御指摘のように、大学等の高等教育機関、そして幼児教育を担当する幼稚園、この分野におきましては、学生数あるいは園児数のほぼ八割程度を私学が受け持っていただいておるという状況なんでありまして、学生数あるいは園児数からいってそうでございますが、同時に、我が国の社会の発展に貢献しておるその貢献度の高さも私は高く評価をしなければならぬというふうに思っておるわけであります。 ただ、その私学がこれからも国民の理解と期待を受けながら順調に発展していくことが望まれるわけでありますが、そのためには、私学関係者自身が建学の精神に基づいて研究、教育活動に今後とも適切に努力をしていただくということが大切であります。先ほど先生御指摘のような、かりそめにも世間のひんしゅくを買うようなことがあってはならぬわけなのでありまして、これはごく一部のことなのでありますけれども、一部であってもそういうことがあることは大変遺憾なことであると思います。大部分の私学関係者には、学校教育における教育そして研究がいかに重要であるかということを御認識していただいておりまして、学校教育の重要性の認識のもとに真剣に努力をしていただいておる、こういうふうに思うわけであります。 一方、私学の経営は、その経費の大部分が人件費ということになっておるわけでありまして、人件費が年々上昇するということもありまして、それを放置しておきますと学生あるいは園児の父母負担の増加ということになってまいりますので、文部省としては、父母負担の増加をできるだけ抑制したい、同時にまた教育内容の充実向上を図ってまいりたいという見地から、私立学校振興助成法の規定に基づきまして、私学に対する経常費助成を、厳しい財政状況ではありますけれども、何とかして低下をさせない、できることならばより充実したものにしたいということで努力をしてきたわけでありますけれども、今後ともそういう努力を継続してまいりまして、私学が学校教育の場でその期待されておる教育活動、研究活動が的確になされるような措置を今後とも続けてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○田中(克)委員 今まで取り上げられた各大学で起きました問題等の議論をめぐっても明らかでありますように、大学は大学としての侵すべからざる自治が尊重されているわけであります。そういう点から、文部省のこういう大学に対する指導のあり方に対しましても、一定のもどかしさ、難しさ、そういうものを私ども感ずるわけであります。しかし、一方では、私大協の組織等がつくられて、大学の経営者あるいは教授陣、こういうものを一丸として、私学は私学としての特性を生かしながら私学の振興に努めるという自助努力が行われているわけでありますから、そういうものに大いに期待をしたいと思うわけでありますが、そういう組織的なものもでき上がってまいりましたので、今大臣の所信表明をいただきましたが、その方針に基づいた私学振興の正しいあり方、望ましいあり方、そういうものについて今後なお格段の御努力をお願いをしたい、こう要望を申し上げておきます。 さて、この私学の年金額の改定の問題に入ります前に、その前提となります給与水準であります。御承知のように、国家公務員の人勧等による給与の手直しに準じて私学等の給与の改定も行ってきている。必ずしもそれがそのままストレートではありませんけれども、そういうものに準拠をした形で一応年金額の改定も考えられてきている、こういうことでありますが、御承知の五十七年に財政非常事態宣言が出されまして、人勧は凍結をされ、それから五十八年には勧告を大きく下回って二・〇三%、昨年の場合でも勧告の約半分の三・三七%、こういうことがここ年々引き続いてきております。私が持っております資料で見ますと、国共、地共、それから農林漁業団体職員共済に比べて、私学の一人当たりの俸給月額は必ずしも低くなっておりません。しかし、その一方で、今回のこの改定にも見られますように、五十九年四月の水準で下限が七万七千円、今回これが八万円に引き上げられるわけでありますが、その際の説明でも、この七万七千円を下回る人が四千九百人、全体の一・四%いるという実態も一面にはあるわけであります。したがって、ここで出ておりますデータによって、必ずしもこのことは端的に私学に働く人たちの給与水準を示しているということにはならないと私は受けとめているわけでありますけれども、この実態についてどのように文部省は把握をされているのでしょうか。 それから、でき得ましたら、公務員給与との比較においてとうなっているのか。改正案により今回引き上げられたとはいいましても、八万円以下という人は一体何人で、どのくらいの比率を占めているのか、その点を明らかにしていただきたいと思うわけです。
○菱村政府委員 昭和五十八年度末におきます国家公務員共済組合、地方公務員共済組合等と私学共済組合との比較を見てまいりますと、国家公務員共済の平均給与は二十一万三千四百八十六円でございます。それから地方公務員共済組合の平均給与は二十二万三千九百五円となっております。これに対しまして私学共済組合の平均給与は若干多いのでございますが、二十三万三千四百二十二円となっております。 ちなみに、私学共済と並びます農林年金共済組合の平均給与は十九万一千百三十七円となっておりまして、比較してみますと私学共済が高いわけでございますが、ただ、もう少し詳細に見てまいりますと、私学共済と農林年金の組合は公務員の共済と違いまして諸手当を含む標準給与になっているわけでございます。これに対しまして公務員の場合は本俸のみの平均給与になっております。したがいまして、この私学の平均給与を公務員並みに本俸だけで考えてみますと、おおむね諸手当分が二五%ございますので、それを考慮しまして私学共済組合の平均給与を修正いたしますと十八万七千円になるということで、国家公務員、地方公務員に対して若干少なくなるということでございます。農林年金の場合も同じように諸手当込みでございますので、これを修正いたしますと十五万三千円ということでこれまた少し下がってくる、こういう実態でございます。 それから、第二点のお尋ねの、今回の標準給与の下限を御指摘のように七万七千円を八万円に引き上げる措置をとっておりますが、この下限の引き上げの対象となります組合員数は全組合員の一・〇九%に相当する三千九百十一人ということになっております。
○田中(克)委員 わかりました。今の説明によって、私が予想したとおり必ずしも私立学校の教職員の給与水準は公務員に比べて高くはない、逆に低いんだという点も明確になりました。 特に、私立学校の場合にこのデータで見ると問題なのは、幼稚園の数字であります。園数にして八千七百四十六ありまして、全体の二五%を占める八万四千七百二十四人組合員がいる。このうち男は一万三千二百二十人で、女が七万一千五百四人と、圧倒的に女性が占めておる。保母さんということになりますが、この給与水準の平均は、今の諸手当込みでも十四万一千二百八十二円でありまして、これをまた二五%差し引くということになると極めて低い水準にあるということで、こういうものが今の数字の中にも反映をしてきていると私は思っているわけであります。そういう実態を前提にして、これからなお中身に入っていきたいと思うわけです。 そこで、昨年一万二千五百七十四校であったものがことしは一万二千七百十六校ありまして、新規加入が百四十二校あるわけです。組合員にしても七千二百三十四人。これは私学振興等によって私学はふえてきている、こういう傾向にあろうと思うわけであります。そこで、私がお伺いをしたいのは、ここ数年新規加入の学校がふえてきている増加の傾向、それからこれからの見通し、そのことについて説明をいただきたい。 なお、今回百四十二校ふえたと出ておりますけれども、このうちの幼稚園、小中学校、高校、短大、大学、その他専修学校や各種学校等あろうと思うわけでありますけれども、その内容も同時に明らかにしてもらいたいと思う。
○菱村政府委員 私立学校共済組合への加入学校数の状況を申し上げますと、対五十七年の増分を見ますと、大学で四校、短大で八校、高等学校で二十五校、中学で十校、小学校で一校、幼稚園が多うございまして三十八校、それから各種学校が減っておりまして七校減でございますが、専修学校がふえておりまして六十三校増ということで、御指摘のように百四十二校でございます。 今後この私学共済組合の加入がどういうふうになっていくかということは大変難しゅうございまして、予測はなかなか困難でございますが、学齢人口の増減にもリンクしておりますし、また、必ずしも学齢人口の増加だけではなくて私立学校の設置者の問題等がございますので、あらかじめ予測はちょっと難しいと思いますが、従来の傾向をそのまま推計して増加をするとするならば、毎年一%くらいは今後もふえていくのかなというような感じでございます。
○田中(克)委員 大体傾向は御説明いただきましたが、さらにお伺いをしてまいりたいと思うわけですが、今回、この改定によって既裁定者の退職年金の引き上げとか、恩給財団の年金額の引き上げ、旧法の最低保障額の引き上げ、それにはさらに、掛金算定の基礎となる上下限の改定などが含まれる内容で改正案が出てきているわけでありますが、昨年の改定の際にもお伺いしてありますけれども、要するに、今回この引き上げによって年金会計を運営していくために増加していく費用、それからそのうちの国庫補助額、さらに政令改正による分の増加する費用額、こういうものも今回の場合はどういう数字になりますか。
○菱村政府委員 今回の年金改定によって増加いたします費用は、いろいろ中身がございますが、例えば既裁定年金の引き上げの部分とか最低保障額の引き上げの部分とかございますが、それらをひっくるめて申し上げますと、昭和六十年度におきましては十一億八千万円になります。これを平年度化して考えてみますと、十四億三千百万になるわけでございます。これに伴いまして、国庫補助額がどうなるかということを計算してみますと、昭和六十年度ベースで一億五千九百万円、平年度にならしてみますと、一億九千三百万円、こうした費用がかかるということでございます。
○田中(克)委員 今のは要するに政令改正の分も含めた総ぐるみですね。 それからさらに、これは数字上の問題ですけれども、この私学の年金の内容というものを見た場合に、先ほど私ちょっと指摘をしたのですが、幼稚園加入というのは二五%を占めている。この中には特に若い女性の保母さんも多くて、新陳代謝が激しいという性格があろうと思うのです。それから、一方大学等においては、高齢者の再就職だとか、そういうために通算退職年金者が多いという性格、また私学であります関係から、理事者や学校や大学の運営に当たる人、幼稚園の場合もそういうことは言えますが、それが学校の教職を兼務をするというような状況にあるために、退職年齢が非常に高いということや、逆に言えば、経営の問題と絡んで給与水準が低い、こういう性格が私学の持っている性格だ、こう思いますが、そういうようなものから見ましての性格が一つと、それからもう一つの一面の性格というのは、私学というのはここ急速に学校の設置もふえる、したがってそれに関係する教職員もふえる、組合員もふえる、今こういう傾向で進んできております。とは言いながらも、非常に歴史が新しいということから、成熟度についてはほかの年金に比べて非常に若い、これが私学の持っている特徴だと言われてきておりました。 そこで、現在国の国家公務員の共済、公立学校の共済、こういうものが二七・七とか二三とかいう数字に対して、私学の共済の方はわずかに三・七と非常に低い数字を示しているということであります。したがって、この持っている性格というのは年金制度のためには非常に好ましい状況にあるということは言えるわけであります。 昨年の際にもこの私学共済の今後の見通しというものについて成熟度についてはどうかという質問をしたわけでありますが、その際に六十年で四・四、七十五年になって一四・三、九十年になって二五・〇、このくらいの推移を示していくのではないかというふうに説明を聞いております。 しかし、一面、さっきも質問をいたしましたように、ここで新規加入の学校、幼稚園などが非常にふえる傾向にある。それも年々、明確には言えないけれども、今後の見通しとして一%ぐらいのものはふえていくのじゃないか、こういうことになります。そうすると、それはそのまま新規加入でありますから非常に成熟度とも関係をしてくるということになります。そういう点から、この新規加入の増加する傾向といわば成熟度との関係、こういうものは一体どういうふうに見ているのでしょうか。
○菱村政府委員 御指摘のように、私学共済の成熟度は他の共済に比べますと低いと申しますか、若いわけでございます。五十八年度で成熟度四%、これはほかの共済で見ますと、国家公務員共済は二九%とか、公立共済は二四%という数字でございますから、大変若いわけでございますが、長期的に見てまいりますと、やはりだんだん成熟度が熟していくといいますか、高くなっていくわけでございます。新規加入の分、先ほど一%と申し上げましたが、これも単に過去の傾向でいくならばこのくらいかなという話でございまして、児童生徒数は減っていくわけでございますから、新しい学校の設立、それに伴います新規加入というのは今後はそんなに見込めないであろうというふうに考えざるを得ないと思います。 年金財政の将来見通しをいたします場合にはいろいろな要素を仮定して行わなければならないわけでございますが、私どもが、将来私学共済がどのような見通しになっていくか、例えば昭和五十五年一月に実施いたしました所要財源率の再計算結果を踏まえまして計算をする、その場合には、組合員数等は六十二年度以降一定数に抑えたり、給与改定率を一定率に見込んだり、資産運用率をまた一定率に見込んだりして計算するわけでございますが、もちろん掛金率もどうするかという問題がございますが、そういうことでいろいろ計算してみますと、やはり将来的には私学共済も財政状況は必ずしも明るくはないということが言えるのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。
○田中(克)委員 年金者数と一人当たりの年金額の今回いただきました説明資料、それから昨年の説明資料を比較をして、その前ともちょっと対比をしてみたわけですが、結局、恩給財団年金というのは当然のこととしてこの受給者というのは逐次少なくなってきます。通算年金あるいは退職年金という方は当然のこととして年々増加傾向にある。加入全体もふえてきておるわけですから当然のこと、こう思うわけですけれども、しかし、この二つの年金の相互の関係のし合い方、そういうものから見ると、恩給財団年金の受給者が逐次少なくなっていくという傾向は、逆に言えば、この私学年金制度そのものにとっては、内容として、健全性といいますか成熟度といいますか、そういうものにプラス要因になってきているのでしょうか。
○菱村政府委員 過去の恩給財団の人たちがだんだん少なくなっていくのは御指摘のとおりでございます。ただ、一定年齢が参りますとだんだん死亡していくわけでございまして、いかなる共済制度におきましても高年齢者の方からだんだん少なくなっていくということでございますから、全体で考えました場合に、恩給財団分が軽くなったから全体の年金制度がよくなるとか悪くなるとかいうことではないと考えております。
○田中(克)委員 わかりました。 次に、掛金の負担率の問題に触れていきたいと思うのです。 これは、年々この問題の議論の際には言われてきていることでありますが、昭和五十七年七月の共済年金制度基本問題研究会で検討された結果、負担率の限界は標準報酬の二〇から二五%だと言われております。現在私学の場合は千分の百二ですか、組合員にとれば短期で千分の三十七・七五と五十二・二五、こういう負担率でありますから、そういう面から言えばこの辺はそれほど問題ではないというふうに言うことができると思います。しかし、その一方で、先ほどから議論してまいりました私学の特徴からして、都道府県の補助、これは千分の八を法人と組合員折半で補助するということでありますけれども、同時に私学振興財団からの助成が出されております。資料によれば、年々ずっと四十七都道府県出してきておりまして、五十八年の場合も五十二億六千三百万という助成がされています。しかし、御承知のように過般審議をされて成立いたしました補助金削減一括法案、そして地方財政への負担転嫁あるいは一般財源化、またそれと関連しながら地方行革の強い要求、こういうものも迫られております。そこで、昨年の際でさえも全学種に満額出しているのはこの四十七都道府県のうちの三十五県であることが明らかになっておりますし、一部大学をカットしている県あるいは八カ月の補助しか出していないという県もありまして、多少ばらつき——ばらつきというよりむしろ漸減傾向に陥りかねない、そういう要素を持っていると受けとめております。したがって、こういう折でありますだけに、私どもこういう実態について実は非常に危惧いたしているわけです。この都道府県の助成につきましては、私学振興の立場からぜひこの助成額を確保していくという都道府県との十分な意思疎通が図られてしかるべきだと思います。特に、このことにつきましては議員立法としてこういう措置がとられたという経過にかんがみまして、今政府が進めております地方行革との絡みでこの制度が後退するというようなことになるのは許されない、こう思います。しかも、私学共済組合法三十五条で決められております千分の八ではありますが、しかしながら予算の範囲内ということになっておりますから、これは地方公共団体の財政事情によっていわばさじかげんが起こり得る、そういう条件を持っていると思っておりますので、その辺についての文部省当局の考え方をこの際念押しをしておきたいと思うわけです。
○松永国務大臣 先生御指摘の都道府県からの長期給付の掛金の千分の八相当額の補助の問題でございますが、財政状況が厳しいこと等から都道府県において補助が行われなかったり減額されたりしている状況が出てきたことは御指摘のとおりであります。また、この補助につきましていろいろな意見も出ていることも事実でありますけれども、文部省としては、都道府県のこの補助金が私学振興に果たしておる役割の重要性にかんがみまして、今後とも十分な補助が行われるように自治省、都道府県に対し要請をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○田中(克)委員 今の問題は、文部大臣の連合審査の際のお答えもそうでありますけれども、文部省の立場、建前から言えば当然そうであろうと私どもも思うわけですが、要は、その実績がどのように出るかということが問題でありますので、そういう点につきましては、今の御答弁を今後確実に現実のものとして頑張っていただきたい、このように要請を申し上げておきたいと思います。 その問題とは別に、掛金の国庫負担率の問題にも同時に触れておかなければならぬと思うのです。御承知のように、昭和五十三年に千分の十だったものが五十四年に千分の六引き上げられた。五十五年に千分の六・五引き上げられた。つまり五十四年と五十五年の引き上げによって、千分の十にプラスされましたから千分の二十二・五まで伸びてきているわけであります。今私申し上げましたのは組合員の負担の問題でありますが、それに対する国庫負担は、昭和三十年に百分の十五、昭和四十一年に百分の十六、昭和四十七年以来百分の十八、こういう数字で推移をしてきております。特に財源調整が一・八二プラスされまして百分の十九・八二になっているという説明でありますが、従前からこの負担率につきましてはせめて百分の二十に引き上げるべきだということで、この法案審議の際に衆参両院で何回も実は附帯決議が行われております。これは五十七年の際も衆参両院で行われておりますし、昨年の審議の際もこのことについては附帯決議をいたしまして明記をしてあるはずであります。前々回の審議の際も、速記録を見ますと柳川政府委員がこのことにつきまして確約をいたしました答弁が実は残っているわけであります。審議の際にも約束をし、附帯決議もその都度つけられているということでありながら、現実にはまだこの実態は手直しをされていない、こういうことでありますので、これについて私どもは非常に残念に思いますし、当然、政府としてもそういう約束をした以上、早急に引き上げるべきであるし、特にことしの場合にはそういう措置をとるべきではなかったかというふうにも思うわけでありますが、この附帯決議に何回か行われております関係、それから政府もそういう答弁をいたしております関係から、改めてこのことに対する見解をひとつ聞かしておいていただきたいと思うわけであります。
○菱村政府委員 大変申しわけないのでございますが、この私学共済組合の長期給付事業に対します国庫補助につきましては、ただいま御指摘がございましたように、私ども鋭意努力してきたつもりでございますけれども、百分の十八というところに据え置かれているわけでございます。学校法人とか教職員の負担能力などを考えまして、補助金率の引き上げにつきましては、昭和四十七年ごろまでは上げてきたわけでございますけれども、なかなかその後うまくいかないということがございます。特に昭和五十七年からは、行革関連特例法の関係で四分の一の減額措置をとるというようなこともございます。しかも、この行革関連特例法によります国庫負担の減額措置が、今回もまことに残念ではございますが一年延びるという、大変こういう厳しい国の財政事情がございます。その厳しい事情の中もございますし、公的年金制度がこれから一元化に向けて、私どもの共済年金の制度も改革をするというような中で、私学共済のこの長期給付に対する補助のみを取り上げましてその引き上げを図るということは大変困難な状況ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、今回も、たびたびの御決議等はございますけれども、その引き上げについてはできない、できなかったというところでございまして、財政状況の厳しいところをひとつ、そういう中で私どもが大変困難な立場にあるということも御理解を賜りたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○田中(克)委員 先日「当分の間」の問題で大分やり合ったわけでありますが、どうも附帯決議が何回ついても、何回確約の答弁がされてもそれが空振りに終わっている。こういうことになりますと、私どもせっかく審議をして議論をしてみても、何の意味があるのかという非常にむなしい感じを実は持つわけであります。少なくとも国会の場での議論のやりとりでありますから、答弁したことについては責任を持ってやってもらう、それから附帯決議についてはできるだけ尊重してもらうということの確固たる姿勢をやはり堅持してもらわないと、私どもの審議をする意味が全然なくなってしまうというように、私は非常に腹立たしいというよりもむなしく実は思っているわけでありまして、そういう点、特に注文をつけていきたいと思うわけであります。 今、行革関連法の問題が出ましたので、この問題の方がさらに重要でありますから、質問を前へ進めますが、実は、今言われましたように、五十六年十一月に成立いたしました行革関連の特例法によりまして、五十七年から五十九年まで、この特例の適用期間中は他の公的年金制度と同様に二五%の減額措置を講ずることにするということに基づいてカットをされてまいりました。昨年もこのことが議論になりまして、いろいろお伺いをいたしたわけでありますが、この特例法の減額分の返済規定の中で、一、事業の財政の安定が損なわれることのないように、二は、特例適用期間経過後において、三、国の財政状況を勘案しつつ、四、その他適切な措置を講ずるものとするという確認がされております。 この行革特例法の審議の際、行財政改革特別委員会がつくられまして、ここにおける鈴木総理の答弁の中でも、元本、利子、事業運用益をつけて返済するという答弁が行われていをことは御承知のとおりであります。 なお、この問題につきましても同じように、五十七年に衆議院、参議院双方、文教委員会でも附帯決議がされております。この際には、特例法の切れる六十年に返還すべきであるという附帯決議であります。 それが今回、補助金削減一括法案の中に、この行革特例法も一年延長という形でこの中に含まれて措置をされました。したがって、この四分の一の削減措置につきましては、ことしも引き続いてこれを継続をするということになってきております。 したがって、その際文部大臣も、連合審査の際においでになりますから十分御承知であろうと思いますが、我が党の村山富市委員から、この各種公的年金における国の補助額の削減分について一体扱いをどうするのだということで激しく詰め寄られました。その際に答弁が政府としてもできない状態になりまして、一定の時間を置いて政府の統一見解なるものが出されたわけです。これによりましても、確認されているのは、やはり積立金運用収入の減額分を含めて、将来にわたる年金財政の安定が損なわれることのないように、特例適用期間経過後において、国の財政状況を勘案しつつ、できる限り速やかに繰り入れに着手するという見解を示されております。 そういうことになりますと、私がお伺いをしたいと思いますのは、この私学の関係だけでも、三カ年分で五十二億を超える金額になっております。さらにことしこれが一年延長される、こういうことになりますと、その金額は概算で二億八百万、こういうことになりまして、今までの三カ年分とこれを合わせますと、実に五十四億六千五百万という金額になります。すべての公的年金の額を合わせると一兆円を超える金額になるということでありますから、せめてこの財政再建が可能になった時点、特例適用期間経過後において、国の財政状況を勘案しつつということになればそういうことになるでありましょうけれども、それだけの金額を年金会計の方へ返す、運用益まで含めて返す、こういう約束であります。当時議論されたことは、しからばその返すということは約束をされるとすれば、せめて、これだけの大きな金額になれば、今の政府の財政状況から見る限り、その返済について、一遍に返すわけにはいかぬだろうから、返済計画くらいについて明らかに示されなければそのことを了承するわけにはいかないという議論があったはずであります。 したがって、私もお伺いをするわけでありますが、これは私学共済に限らず、特に文部大臣としてはこの私学共済の五十五億になんなんとする金額、これをどういう形で返済していくという、さきの統一見解に基づいて今後返させていくという考え方に立っているのか、そこを私はどうしても聞いておきたい、こういうように思う。
○松永国務大臣 先生御指摘のように、国庫補助の減額分については、特例適用期間後において利子分を含めてできる限り速やかな返済に着手することが国会の答弁においても明言されているところでありますから、これに従って速やかな返済が行われるものと承知いたしております。 具体的にはどうなるのかということでございますが、具体的な返済方法及び返済時期につきましては、今後財政当局と十分協議してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○田中(克)委員 非常に常識的な答弁なんですけれども、私が確認をしておきたいと思いますのは、これからできるだけ皆年金へ向かっての制度改正の改正案が、年金法改正にさらに伴って、いわば共済にも基礎年金導入という形で一元化が図られようとする制度改正が後に待ち構えているということであります。しかし、私どもはまだその法案審議に入っているわけではありませんので、私はそこまで踏み込んだ議論を合しようとは思っておりませんが、しかし、年金会計に返すことが約束されているこの措置が、今言われますように制度改正問題と絡んでおりますだけに、私どもは実は非常にそこに心配を持っているわけであります。 したがって、この制度改正とは無関係に、その私学なら私学の年金会計に確実に返すんだ、このことはお約束していただけますか。
○菱村政府委員 この特例期間中の減額分、利子分もございますし、御指摘のように相当の額になるわけでございますが、これは私学共済の経営の安定という観点からも大変大きな額でございます。したがいまして、私どもはこの減額分につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、特例適用期間後におきましてできるだけ速やかに繰り入れに着手するということをしなければならない、してもらわなければならないというふうに考えておりますので、これは将来必ず返していただける、返していただくというふうに考えておるところでございます。
○田中(克)委員 私の質問したことに答えてください。要するに、制度改正とは無関係に行革特例法でいわばカット——私が前回の場合もカットという言い方をしたら、カットじゃありません、保留ですとあなた方の方がそういう答弁に訂正をしているわけですよ。私はそれが正しいと思う。保留をされているわけですから、当然保留すべき事由がなくなったときには返すべきだ。だから、その返す金は、制度改正が後で待ち構えているし、考えられているけれども、それとは無関係に私学なら私学の年金会計に返していただけますかという確認をできますかと私は聞いているわけです。
○松永国務大臣 私どもとしては、制度改正とはかかわりなく、国会答弁にもありますように、特例適用期間経過後におきまして利子分を含めて返していただきたい、あるいは返していただけるものと考えておるわけでございます。
○田中(克)委員 わかりました。 ただ、先ほどこの負担率の問題でも出ましたように、また都道府県の助成の問題でも出ましたように、附帯決議や答弁がされていても、それが単に政府の財政事情という形で遷延してきているということの中で、これが仮に制度改正の中へずれ込んでしまうと、せっかく積み上げてきた議論が雲散霧消してしまう、こういうことにもなりかねない。私どもは、国会審議を重ねながらそういう点で、さっき申し上げましたような国会審議って一体何だろうかというような疑問を非常に持たざるを得ないわけです。したがって、そうでない措置を明確に今約束をいただきましたので、それはそのとおり私どもは将来の審議に当たっても確認の上に立っていきたい、こんなふうに思っているわけです。 そこで、時間もありませんが、実は私は今までこの問題の議論の際に、どうも自分の胸にもひっかかっておったのですけれども、先ほどから議論をしてまいりましたように、給与水準というのは月額平均で二十三万何がしかになっている、こういうことでありますが、五十七年の人勧の凍結、それから五十八年に人勧は六・四七を出しているわけですね。それが二・〇三という率に抑え込まれてきている。昨年の場合は六・四四が出て、実際には三・三七、こうなっているわけです。したがって、私学の給与水準というのは必ずしもこの人勧、人勧というより公務員のベースアップに即準じているということではないでありましょうけれども、年金改定に関する限り、年金額にしてもこれに一応準拠して、公務員の給与引き上げに準拠して手直しをしてきているということから見ると、実は私が申し上げるまでもなく、人勧制度というのは労働基本権の代償ということで政府みずからがつくった措置でありまして、これは尊重するのが道理であります。道理でない措置が今とられている。そういうことは大臣も十分御承知のことだ、こう思います。 そこで、例えば五十七年の二十二万四千五百四十八円、こういう平均給与、これが仮に人勧が実施をされたとすれば四・五八上乗せをされるわけですね。そうなりますと、その金額は約一万百五円ぐらいになります。そうなりますと、完全実施した場合、これは二十三万四千六百五十三円という数字に引き上げられてくるわけですね。五十八年の場合、二十二万九千百六円、これが六・四七%、実際には抑え込まれて二・〇三ということですが、六・四七というもので計算をした場合には、これは一万四千五百二十八円プラスになるわけです。そうなりますと、二十二万九千百六円は二十三万九千七十六円という数字になります。五十九年もしかりであります。二十三万二千百五十七円という今回出された数字になっておりますけれども、六・四四という数字のアップを見れば、これは一万四千七百五十四円プラスになって二十四万三千八百六十円、こういう数字になります。こういうことを考えてみた場合、いわば行革特例法、今回の補助金削減一括法案によって政府が補助する額の二五%、四分の一が留保をされた、抑制をされたということの上に、当然道理として人事院勧告を完全実施した場合の金額からすれば、これだけ実際には給与関係でも抑え込まれてきている。この双方が実際に組合員の立場からいえばいわばこの年金改定にもはね返ってきている、こういうことになります。 したがって、私がお聞きしたいのは、こういう前提に立って人勧が完全に実施をされ、それに準拠して賃金の引き上げが行われた場合に、現在この給与水準で、今資料として出ている平均給与で計算をしている年金改定、これとの差額は一体どういうふうになりますか。
○菱村政府委員 大変難しい御質問でございますが、給付額の算出をいたしますには、年金にもいろいろな種別がございますので、その種別ごとに積み上げられなければならないということがございます。そして、その積み上げられたものにつきまして各年度ごとに、人事院勧告がもし完全に実施されたならばどうなるかという見直しをする必要があるわけでございます。したがいまして、御覧間にお答えするにはかなり時間をいただかないとその額の算定ができないわけでございますので、今ここで数字をお示しすることはちょっと困難であることをおわびしなければならないと思っております。
○田中(克)委員 私もこの問題にちょっと関心を持ちまして、今私が申し上げましたような数字を一応参考までに出してみたわけですけれども、実際に実額を把握するというのは今おっしゃるように非常に難しいことだし、手間も要することだと思うわけです。しかし、私どもは、そのことについては一応のめどとしてどうなるであろうという試算ぐらいは欲しいし持っていたい、こういうふうに実は思っております。したがって、これは委員長にお願いでありますけれども、後刻その資料をぜひ私どもの手元へ出していただくようにこの際お願いをしたい、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
○菱村政府委員 なかなか難しい要素がございますが、計算をしてみたいと思います。
○阿部委員長 委員長から申し上げます。 田中委員の今の申し出について、菱対審議官から答弁がありましたように、資料提出するように努力をさせたいと思います。
○田中(克)委員 それはぜひお願いしたいと思います。 時間が参りましたから質問をくくりますが、今申し上げましたように、私学の果たしている役割が非常に大きいことは私も認めるところであります。しかし、他の共済制度と比べまして、将来的な見通しの上から若干同じ傾向をたどるであろうということが言われるにいたしましても、私学が持っている成熟度の若さあるいはまた健全性、こういうものは私学の共済の非常な特徴でもあるわけであります。したがって、私学振興を図る上から、年金制度の制度改正などの議論も起こっておりますし、法案等も用意されておる折であります。そういう点につきまして、私は文部大臣からも、このような私学に働く人たちの身分の安定、この共済制度の恩給、年金というものによってこの人たちの将来ができるだけ安定するような配慮というものを十分に考えながら、ぜひ今後の制度改正にも臨んでいただきたい、そのことを心から期待をいたしまして、質問を終わらしていただきたいと思います。
○阿部委員長 佐藤誼君。
○佐藤(誼)委員 私は、議題になっている法案の審議に入る前に、関連はありますが、私学助成の点について若干質問いたします。 それで、これは大蔵省、国土庁にも関係がありますから、念のため確認をしておきますが、国土庁から仁科さんがおいでになることになっておりますが、おいでですか。それから、大蔵省の方、おいでですか。 それじゃ時間もありませんので、私の方から文部省に対して質問していきますが、関連することについては国土庁に質問いたしたいと思っております。 大蔵省は、先の見通しのことでありますし、直接金に関係ありまして、きょう直ちに質問に答えるという形はちょっと無理かと思いますので、この間の質問のやりとりを十分お聞き取りいただきまして、後ほどまた機会をとらえて詰めたいというふうに思っておりますので、そのようにとらえていただきたいというふうに思います。 そこで、文部省にお尋ねいたしますが、過疎地帯の私立高校に対する特別助成が昭和六十年度限りで打ち切られるのではないか、こういうことで、私学関係の方々がその延長と地域指定の改善措置について要望しているやに私聞いているわけです。この点を文部省は承知をしておるのか、また、どのようにその点を受けとめておるのか、まずそのことをお聞きします。
○國分政府委員 過疎地域に対します特別補助は、御指摘のとおり五十三年度から始まったわけでございますが、これについて六十一年度以降においても引き続き何らかの対応をしてほしいという関係県あるいは関係団体の意向というものはかねてから伺っているところでございます。
○佐藤(誼)委員 今答弁ありましたように、昭和五十三年から仮に六十年としますと、この間八年ですか、私も過疎地に住んでおりますが、地域の私学振興を含めた教育効果を上げる上で非常に大きな役割を果たし、効果を上げてきたと思うのです。これが六十年で切られるということはやはり私は問題だと思うのです。地域の実情からいうと過疎が解消したわけじゃないのですね。この場合ですと、対比するのは、昭和四十五年と六十年の高校入学可能者数が二〇%減ということでやってきておるようではありますけれども、やはりこの手法は今後も続けていって、私学の皆さんの御期待にこたえ、過疎地域の振興に資するべきだというふうに私は思うのであります。 そこで、この制度というのは、私学振興助成法並びに同法施行令に基づきながら、文部大臣裁定の取扱要領で実施されているというふうに私は理解しているわけであります。したがってこれは、当然大蔵省とも関係いたしますけれども、文部省の極めて専権的な一つの行政ではないのか。したがって、これを延ばすのかどうかというのは極めて文部大臣の考え方、姿勢にかかると私は思うのです。したがって、これを昭和六十年度から昭和六十五年度まで当面延ばす、そしてまた地域指定についても改善措置を行っていくんだ、私はこうあってしかるべきだというふうに思うのです。幸い今の新過疎法というのは十年の時限立法であります。昭和五十五年に制定されて、六十五年までの時限立法なわけです。ですから、時限立法の切れる六十五年まで、つまり六十年から五年間延ばすということは、法の制定の背景からいっても十分意味があるというふうに私は考えておりますので、その辺に対する文部大臣の考え方、取り組みの姿勢はどうですか。
○松永国務大臣 先生御承知のとおり、この補助金は私立学校振興助成法の施行令に基づいて交付しているものでございます。したがいまして、過疎地域振興特別措置法に基づくものではないわけであります。しかし、この特別の補助金の交付が過疎地域の私立高等学校の教育の効果を上げる上で役割を果たしていることも事実であります。したがいまして、六十年度以降の取り扱いについてどうするかという問題につきましては、補助金の趣旨、効果、それから現在の財政事情が極めて厳しいということ、それにあわせてもう一つは、昭和六十五年度以降になりますと全国的な高校生の急減期を迎えるというふうな問題もあるわけでございまして、そういった点を総合的に検討して今後の対処方針を決めてまいりたいと考えているわけでございます。
○佐藤(誼)委員 失礼な言い方ですけれども、どうも答弁が一般論であり、非常に模範答弁のような感じがするのです。所管の大臣ですからもう少し腰を入れた答弁にしてもらいたいと思うのです。当然これは、予算になれば大蔵省、過疎法の関係では国土庁が関連いたしますけれども、所管の大臣としてはもっと腰を入れ肩を入れた肉感のある答弁にぜひしてほしいなと私は思うわけです。 これは、今言われましたように、私学振興助成法、同施行令に基づいてきておりますけれども、六十年云々というこのことは、私の理解では昭和五十九年三月五日文部大臣裁定という取扱要領に基づいているわけです。したがって、私は文部大臣のこの裁定は非常に意味を持っていると思いますから、あえて大臣ということで質問をしているわけなんです。この点を大臣はきちっと受けとめてもらいたい。そして、所管の大臣として、各私学の団体なり各般の方々から要望されているわけですから、それを前向きに積極的に受けとめてもらいたい。最後のところをここで答弁してほしいとは言いませんけれども、取り組みの態度と方向については、私はもう少し一歩足を踏み出したような答弁をしてもらいたいと思うのですが、どうなんですか、大臣。
○松永国務大臣 先生のお気持ちはわかりますが、実際のことを言うと、六十年度の私学の経常費助成の予算を前年度同額に確保するのは大変なことでございました。同時にまた、過疎地域もありますれば、人口がまだ増加しておりまして高等学校の新増設を続けていかなければならぬ地域もありますし、そして、先ほども言ったように、六十五年度以降は全般的に急減するという問題もありますので、先生のお気持ちはわかりますけれども、いろいろな点を総合的に考えますと現在のところこの程度しかお答えできないのです。わかっていただきたいと思うのです。
○佐藤(誼)委員 こういう時世ですからあれやこれや考えられて答弁されるのは私はそれなりに理解できなくはないのですけれども、すぐれてこれは文部省のしかも大臣の所管に直接かかわってくる内容の問題だと私は思うのです。先ほどから言うように、特に六十年という区切りを一応決めているのは文部大臣裁定の取扱要領が主たる根拠になっているわけですから、ここのところは大臣が一歩踏み出すようにならなければ、金目の大蔵省との折衝なり、それを全体的に進んで地域振興を図る国土庁の関係からいったって、私は打てば響く関係は出てこないと思うのです。このことはぜひひとつ大臣から前向きに姿勢として掲げていただきたい、このことを重ねて言いますが、どうなんですか。
○國分政府委員 大臣からお答えいたします前に、事務的にただいまの点について御説明申し上げたいと思います。 先生御指摘の、文部大臣裁定の取扱要領の昭和六十年度云々ということでございますが、これは過疎地域をどういう地域として指定するかといういわば指定要件でございまして、その指定に当たりまして、昭和四十五年度と昭和六十年度のいわば高校在学可能者数の比率が四十五年時点よりも二〇%を超えて減っていくというものをこの補助金の過疎地域といたしますというための規定でございます。 なお、この規定を定めるに当たりましては、当然具体の毎年度の財政当局との予算折衝を経るわけでございますが、形式的にももちろん文部大臣が定めることではございますが、私学振興助成法の政令におきましても、この定めをするに当たりましては大蔵大臣と協議するという仕組みになっておるわけでございます。 仕組みについて事務的に御説明申し上げました。
○佐藤(誼)委員 大臣答弁する前に、今仕組みについて話があったのだけれども、これは四十五年と六十年という比較で出しましたね。これは幸い新過疎法が六十五年まで時限立法としてあるわけです。ですから、五十年と六十五年というこの比較の中で今のような手法を使えば可能じゃないのかな。そういう手法を使いながら六十年を六十五年に五年間延ばすということも十分考えられて、そして大蔵省なりあるいはしかるべき省と折衝していく、こういうプログラムと行動がまだ先じゃないか。そういう過程の中で、財政といういろいろな制限が出てくることも想定しておかなければなりませんよ。しかし、そういうアクションは起こせるのじゃないかと私は思うのです。文部大臣、どうですか。
○松永国務大臣 これは先生よく御承知のとおり、六十一年度の問題につきましては、あるいは六十一年度以降の問題にいたしましては、まずことしの八月の概算要求の時点でどういう概算要求ができるかということで具体的な対応が始まってくるわけでありまして、その時点におきまして関係者の意見もよく聞きまして対処してまいりたいと考えておるわけでありますが、先ほども言いましたように、五十九年度が私立高校以下の経常費助成一〇%減、ことしは減もなしに前年度と同額に確保することは大変苦労の要ることでございました。そういう実情を考えますとそうたやすくないなということが予想されるわけでありまして、そういう事情、また先生の御指摘になったような問題も実はあるわけなんでございまして、関係者ともよく協議をして、そして検討した上で対処したい、これが実は正直なところなんでございます。
○佐藤(誼)委員 たやすいなどということを今私たちまた私は言っているのじゃないのです。金目にかかわるものは皆厳しいのですから、それはどの分野だって同じなんでありまして、特に今私が述べたような経過と現状と要望が取り巻いているわけですから、十分主体的に受けとめていただきたいと思います。なお、この点は過疎地域振興法にもかかわりますし、それを所管する国土庁の立場で、過疎地域振興という観点で今のやりとりにどういうふうな感想を持たれているか、それだけお聞きいたします。国土庁の方、おいでですか。
○仁科説明員 お答え申し上げます。 まず、御指摘のように過疎地域振興特別措置法は昭和六十五年までの時限立法となっているわけでございますが、この過疎地域振興特別措置法におきましては「過疎地域振興のための対策の目標」が第三条に掲げられておりますけれども、その中で過疎地域における教育施設の整備が挙げられておりまして、教育環境の格差があることによりまして過疎化が進行しないようにということで施策に努めることにしているところでございます。 最近の過疎地域における高等学校及び高専への進学につきましては、関係省庁やあるいは関係者の方々の御努力によりまして幸い相当上昇してきておりまして、非過疎地域との格差を見ましても昭和五十八年におきましてはほとんどないというような状況になっているところでございますけれども、先ほどから御議論のございます昭和六十一年度以降の過疎県の私立高等学校に対する特別補助の問題、これにつきましても、国土庁といたしましては過疎地域振興特別措置法の趣旨を十分踏まえまして、関係省庁におかれまして適切に対処されるように期待をする次第でございます。 以上であります。
○佐藤(誼)委員 国土庁の感想よくわかりました。文部省としても十分その辺も受けとめながらひとつ今後の対応を考えていただきたい。 なお、これは先ほどありましたように、具体的には大蔵省との折衝というふうになると思いますが、やや先の話でありますし、今概算要求の前段でもございますから、きょうはもう大蔵省の方にもこの間のやりとりを聞いていただきまして、上司の方にもお伝えいただき、後ほどこの問題については私の方としてもお伺いしたいと思っておりますので、ぜひそういうことで受けとめていただきたい。じゃ、大蔵省と国土庁の仁科さん、ありがとうございました。 それでは、次に法案に入ります。先ほど田中委員もいろいろ質問されましたから若干ダブる点もありますけれども、その点は御理解いただきながらひとつ御答弁いただきたいというふうに思います。 まず第一に、第百一回の国会の私学年金改正案に対する本委員会の附帯決議、これについてどのように文部省は今日まで対応してきたか、この点を端的にお答えいただきたいと思います。内容は一、二とありますね。これからまずお答えいただきたいと思うのです。
○菱村政府委員 百一回国会におきます附帯決議は、御指摘のように一、二とございます。 第一が、長期給付に要します費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるように努めることというのと、それから、五十七年から五十九年までの間の減額されました国庫補助金について補てんを行うことというのが第一の御指摘でございます。この補助率の引き上げにつきましては、行革関連特例法におきまして各公的年金制度に対する国の負担の特例措置が講じられている大変苦しい財政状況でございますので、この補助率の引き上げの概算要求は行っていないのが実情でございます。それから、行革関連特例法によります特例措置による減額分の補てんでございますが、これにつきましては、先ほど来御答弁しているようにこの特例期間経過後におきましてできるだけ速やかな繰り入れに着手するという統一見解がございますので、それに基づいて今後減額分の補てんを行っていきたいというふうに考えております。 それから、附帯決議の第二でございますが、日本私学振興財団からの助成についてその充実に努めることという御指摘をいただいているところでございます。この私学振興財団はこの私学共済に対しまして、旧の私学恩給財団の年金をもらっている人たちの年金の増額をする場合にその百分の八十二を助成するということになっておりますし、そのほか長期給付財源のうちの整理資源の一部についても助成を行うということになっているわけでございます。この既裁定年金の年金増分につきましてはちゃんと助成をいただいておりますけれども、整理資源の分につきましては、もともとが私学振興財団の助成が、利益金が生じた場合に行うということとなっておりますところから、このところその増額が難しいという状況であるわけでございます。既裁定年金の増額分が負担が大きくなっておりますし、私学振興財団の収支状況も従来に比しますとよくはないわけでございます。振興財団も大変苦しい収支状況の中に置かれているわけでございますが、私どもといたしましては、できる限り助成額の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから、もう一つ、都道府県からの助成についても、私学振興の見地からその充実に努めるようにという御指摘をいただいているところでございます。これにつきましても、もちろんこの私立学校が公教育に対して果たしております役割にかんがみまして、私どもも、都道府県の補助、長期給付の百分の八相当額でございますが、その充実に力を尽くしてまいりたいと思っております。実態は必ずしもよくはないわけでございますが、私どもとしましては、附帯決議の御趣旨に沿いまして、学校法人、組合員の掛金負担の軽減を図るために、例えば都道府県におきます私学担当課長会議が開かれます折にはそれを強く要請するというような努力を行ってその充実に努めている、こういう状況でございます。
○佐藤(誼)委員 一応の説明は聞きましたのですが、確かにいろんなめぐる環境は厳しいけれども、附帯決議が十分それなりに生かせるように今後ともひとつ努力をしていただきたいと思うのです。 そこで、大蔵省おいでですね。特例適用期間、今度は延長されまして四年間になりましたね。これは減額分が私学共済の場合合計とのぐらいになるか、これが一つですね。それから、特例適用期間終了後返済する云々、こうなっているわけですが、いつからどのような方法で返済するつもりでおるのか、これを可能な限り具体的に御説明いただきたいと思います。
○小村説明員 行革特例法に基づく減額分でございますが、一年分、六十年度につきまして先般国会で補助金一括法の中で承認された分を含めまして、五十七年から六十年まで七十六億でございます。なお、この削減分につきましては、積立金として運用した場合の運用収入相当分も含めましてできるだけ速やかにその補てんをしてまいりたいということにつきましては、従来からも変わっておりません。 なお、お尋ねのどういう方法によってその減額分の補てんをするか、その期間はどうだというようなことにつきましては、今後の財政状況等も勘案する必要がございまして、現時点では明らかにすることができないということでございますが、私どもとしましては、国の財政改革をさらに一層強力に推進する等誠意を持って対処し、特例期間経過後できるだけ速やかにその繰り入れに着手をしたいというふうに考えております。
○佐藤(誼)委員 大蔵省の、これからの問題ですし、金もかかっていますから、皿はあるけれども盛っているごちそうの中身はないといったような答弁でございまして、これはみんな非常に関心を持っているわけです。これから審議されますけれども、国民年金、厚生年金はああいう形で法律通りましたね。共済年金がこれから議論されていきまして、成るか成らぬかわからぬけれども、もくろみとしては、順調にいけば六十一年四月から改正された年金制度が発足するわけでしょう。それから、聞くところによれば六十五年には財政再建、つまり赤字国債からの脱却というようなことが言われているわけですね。その間、国鉄の共済組合の財政的な問題も議論されてきている。やがて、閣議決定によって七十年には公的年金の一元化ということが言われている。こういう中で制度も変わっていくわけです。その中で、答弁では期間終了後速やかに金利と適正な運用益を加えて返すのだと言ったって、これだけの答弁では本当に返してもらえるのかどうか。今の答弁を聞いたって、できるだけ速やかにとか誠意を持ってとか、こういうことしか出てこないわけです。 だから具体的に聞きますが、昭和六十一年三月三十一日でこの特例法の適用が終わるわけでしょう。そういう前提ですよ。とするならば、六十二年から返していきたいと思うのです、返し方はこういう刻みで返していきます、こういうようなことは言えないのですか。
○小村説明員 現在成立しております法案によりますと、六十年の措置としてお願いをしたわけでございますが、先ほど先生御指摘のように、私どもとしては六十一年度から新しい年金制度が発足をする、これはぜひ共済も参加していただきたいと思うのですが、そういう前提に立ちますと年金の国庫負担方式も完全に変わってまいります。各制度共通の公平な国庫負担ということでやっていただきたいというふうに考えております。したがいまして、現在のままの形でまた再度この措置を延長するというようなことは不可能ではないかというふうに考えております。しかしながら、財政状況等は非常に厳しいものがございまして、六十一年度予算をどういうふうに編成するか、あるいは御指摘の返済問題につきまして具体的にどういう形で返済をするかといった問題につきましては、残念ながら現在の財政状況等を考えてみますと、具体的にここでお約束するまでにはまだ至っていないというところが現状でございます。
○佐藤(誼)委員 特例法は、審議の過程で明らかになっているように、大臣も六十年度一年度限りだということを言っておりますから、そういう前提の上に立ってこれから返還の問題等も議論していかなければならぬのではないかというふうに思っておりますが、ただ、これは私学共済だけではありませんで、全部関連しますからね。きょうはこれ以上の答弁を求めてもちょっと無理だろうと思いますが、しかし、きちっと受けとめてもらいたいのは、国会でこの問題は終始議論になってきているわけですし、皆そのつもりで各共済もあるいは各年金制度も期待をしていると思いますから、それを裏切ることのないように、今から心してそれに対してはこたえる準備をしていただきたい、このことだけは特に私の方から申し上げておきたいと思います。 なお、文部省については、私学共済については所管ですから、これは必ず返してもらうということで、不退転の決意とは言わぬけれども、きちっとした対応をしていただきたい、このことを申し添えて次の質問に移ります。 次に、先ほども田中委員が質問いたしましたけれども、公務員の賃金にスライドした年金額の改定について質問してまいりたいと思います。 労働基本権の代償機能としての人勧を政府が一方的に値切ってきたことは、私は極めて不当な態度であると思いますが、その点を文部大臣はどう受けとめておるか。また、その値切られた公務員の賃金のアップ率を基礎に年金額を改定するということは問題があるのではないか。言うなれば、二重の罪を犯していることになるのではないかということを考えますが、その点どうですか。 それから、時間の節約の関係上続けていきます。 次に、昭和五十六年度は人事院の勧告率五・二三%、それを受けての公務員の賃金アップ率は四・七七%。これは年度別に同様に見ていきますと、昭和五十七年度は勧告率四・五八%、アップ率ゼロ、昭和五十八年度は勧告率六・四七%、アップ率二・〇三%、五十九年度は勧告率六・四四%、アップ率三・四。つまり今申し上げましたように、昭和五十六年からは全部値切られているわけですね。 そこで質問いたしますが、これら措置されることなく積み残されてきた人事院の勧告の内容、つまり人事院勧告と実際に実施された公務員の賃金のアップ率との差、積み残された部分、これをこれからどういうふうに扱っていくつもりなのか。特に、今度の私学共済制度が変わった、法改正されていったとすると、今までの賃金スライドから物価自動スライドに入ってしまうわけですね。そうすると、今私が申し述べたような人事院勧告の積み残された分が、どのような形で既裁定年金者の年金改定に反映させていくことができるのか、この辺のところをお尋ねします。
○松永国務大臣 人事院勧告が完全実施されなかったことに関する御質問でございますが、私は給与担当の大臣ではありませんので、その意味では私の方からいろいろお答えをする立場ではありませんけれども、一般的に言えば、人事院勧告はその制度ができた趣旨にかんがみまして、財政事情が許すならば完全実施がなされるべきものであると思います。そしてまた、要するに、完全実施されなかった分につきましてはあらゆる努力をして適切な措置がなされることが望ましいと、私は一般論としては考えておるわけであります。 なお、今回の私立共済の年金の額の改定でございますが、これは従来から、実際になされた公務員の給与改定率に基づきまして私学共済の年金の額も改定するということになっておりますので、それに基づきまして提案をし審議をお願いしておる、こういうことでございます。したがいまして、実施されなかった分についてどうなるのかということにつきましては、どうも私の方から答えることができないわけでございます。
○佐藤(誼)委員 時間を気にしながら何点かまとめて質問したので、ちょっと質問と答弁がかみ合わなかった部分もあるようですから、重ねて今のことに関連して質問いたします。 文部大臣、あなたは言うなれば教育公務員全体を所管する行政の中心にいるわけですね。今の国家公務員に対する人事院の勧告というのは、地方の教育公務員や国の教育公務員に全部関連していくわけです。ですから、やはりあなたは、この人事院勧告がどう実施されるかということは、つまり、使用者側の行政の立場に立ってもこれは非常に重要な責任ある立場にあると思うのです。ですからこれは、一般論として財政の事情が許すならばというようなこういう形の受けとめ方は、私は極めて消極的な受けとめ方ではないのかなというふうに思うわけです。 これは釈迦に説法であるかもしらぬけれども、少なくとも労働基本権このものは、まさに端的に言うならば、労働力を売るしかない労働者の生存権に匹敵する権利でしょう。その労働基本権が保障されることによって使用者と対等の渡り合いをすることによって自分の生活を維持することができるという、つまり、労働基本権というのは労働者の生存権に結びついているわけです。そのものを奪って、そのかわりにあなたの生存権を保障するのだということで人事院勧告が出てきているわけですから、人事院勧告の中身そのものは労働者の生存そのものに深くかかわっているわけですよ。そのことを、財政上の事情が許すならばとか、逆に言えば、財政上の事情が困難であるならば値切ってもいいということを敷衍していくならば、極論するならばゼロまでも値切られてしまうということになるわけです。では、もとの労働基本権を返してもらいたい、そうでなければ生存できないじゃないか、こういう議論に発展するのは、現憲法の建前からいって私は当然だと思う。これは、そういう厳しい受けとめ方を文部大臣にしておいていただかなければならぬと思うのです。そういう意味では、今日までの経過事情は全体の問題ですから、一文部大臣だけの責任ではありませんけれども、教育公務員を所管する行政をつかさどる文部大臣としては、少なくとも、非常に残念だ、今後とも努力していきたいというくらいの態度と決意はあっていいのではないかということを私は基本的に思うわけであります。 それから、第二点は、この人事院勧告と公務員のベースアップの差額、つまり積み残し分、このことについては答えられない、考え方、感想も答えられないということでは、これはやはり問題じゃないでしょうかね。一般の公務員ももちろんこのことは今最大の問題になっているわけです。しかるべき官房長官なり何なりは、積み残された額がどのくらいか私は精査しておりませんけれども、これは一挙にできなければ三年ぐらいに分割してもそれにこたえたいとか、いや、それは三年間では問題があるのではないか、過去既にもう我々の権利が失われているのだから、やはり早く実損回復してもらわなければならぬ、こういう議論になっているわけですよ。それは当然今問題になっているところの年金の改定額にかかわってくるわけですから、ここのところはもう少しきちっとした受けとめ方と対応の態度をはっきりしてもらわなければ困るわけです。大臣、どうですか。
○松永国務大臣 人事院勧告制度というものの設けられた趣旨、目的、これは先生今御指摘のとおりであると思います。私も先生と同じような理解をいたしております。したがいまして、教育公務員に教育行政の最高責任者としてかかわりを持っておるわけでありますから、そういう立場からいえば、人事院勧告というものが完全実施されることが望ましいし、私は私の立場でそうなるような努力はしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。 ただ、冒頭申したとおり、給与担当大臣でありませんので、私は具体的にそういう措置をする立場ではないわけでありますけれども、教育行政の最高責任者でありますから、教育公務員について深いかかわりを持っておる立場でありますので、その立場におきましては、今申し上げたとおり、人事院勧告が完全に実施されることが望ましいことなのでありますので、その考え方で今後とも努力はしていきたい、こういうように考えているわけであります。 なお、先ほども申し上げましたけれども、私学共済の年金の額の改定というものは、実際の公務員給与の改善率に基づきまして改善措置をしていくということになっております。したがいまして、実際に積み残し分についての改定がなされましたならば、それによりまして公務員給与の改善がなされることになるわけでありますから、それが現実になされた場合におきましては、これまた私学共済の方ではそれに基づく適切な対応策をしなければならぬことだというふうに考えるわけでございます。
○佐藤(誼)委員 人事院勧告の積み残し分、このことについては、私は重ねて若干の意見を含めて質問したいのですけれども、これは公務員にとって生活のかかっている重要な問題であることは私も言いましたし、ややそれに対する考え方、決意が今大臣から述べられました。 問題は、昭和五十六年からずっと積み残された部分が一つの格差となってあらわれているわけですね。一般の現職の公務員の方ですと、これからまだ人事院の勧告制度が続くと思いますから、その間それなりの解消がなされるかもしれません、完全な実損回復がならなくても。例えば、数字を私は押さえておりませんので、この昭和五十六年から五十九年まで仮に一〇%の差があったとすれば、これが六十年度に一挙になることがあるかもしれません、これは扱いによっては。しかしならなくとも、三年なり二年なり何なりの期間になっていくかもしらぬ。 ところが、問題は、今私学共済制度は、改正案ということで法律案が出されているわけです。これが審議されてもしそのとおり通ったとすれば、今の賃金スライドというやり方から物価自動スライド方式になっていくでしょう。そうなりますと、政府のとおり昭和六十一年度以降やったとすれば、その後に積み残し分が公務員の皆さんに反映されていっても、制度としてはそれを、今度は物価自動スライドになりますから既裁定年金者の年金額改定に反映できないじゃないか、簡単に言うと。こういう問題が出てくるんじゃないかということを私は考えるわけですよ。これから法案の審議をするわけなんだけれども、事実法案が出されているわけですから、今、年金額の改定の議論がされておりますから、この辺の問題をどう考えているのか、ひとつお答えいただきたいと思うのです。
○菱村政府委員 制度改正後の年金額の改定は、御指摘のように物価による自動スライドになりますので、その積み残し分がどうなるかということは一つの問題であろうかと思います。 今回の年金改定では、積み残しの一部を上乗せした改定を行っているわけでございますが、今年度もし仮に国家公務員の給与の改善措置が講ぜられました場合には、今年三月三十一日以前に退職されました方につきましては、政令でその現職の公務員の改善措置に準じて既裁定年金の額の算定の基礎となるその標準給与を引き上げるという措置ができることになっております。 六十二年度以降の年金改定についてはどうかということになりますと、これは確かに物価スライドにより行うこととなっておりますから、直ちにその年金改定に、給与改定にその積み残しを入れたとしても反映しないということが、ございます。ただ、この新しい共済年金制度の改正後におきましては、標準給与の再評価ということを行うことになっておりますので、その再評価を行う際の一つの要素としてそうしたものをどうしていくかということが検討課題になろうかと思うわけでございます。これは国家公務員共済年金等の取り扱いとの均衡ということがございますので、国家公務員共済ないしは地方公務員共済との均衡を考慮しながら関係各省で協議していく問題になろうか、こういうふうに受けとめております。
○佐藤(誼)委員 まあ、先の法案審議と絡めた議論になっておりますし、かなり細部に入った議論になっておりますから非常に答えづらいし、質問しづらいのでありますけれども、いずれにしても、今の賃金スライドから物価自動スライドになっていきますと、そういう積み残しがなければ、制度のよしあしは別としても、余り矛盾が出てこないと思うのです。ところが、今のように積み残しがある状態の中で賃金スライドから物価自動スライドになっていくと、どうしても今の問題が残ってしまうし、既裁定年金者の年金改定を受ける皆さんにとっては、どう考えてみても非常に不利な状態が来るのではないかということが考えられますので、その点は皆さんも心配していると思いますし、私は十分これから検討しなければならぬ問題だと思うのです。これはまあ人事院勧告全体の積み残しをどうするかという問題が基本にありますよ。 それから、もう一つは、今標準給与の再評価ということがございましたが、確かにこれも一つの考え方だとは思うのです。しかし、これは積み残された部分が改定されていったときに、これは新しい給与の中に出てくるわけですから、本人のそういう過去の問題についてまでさかのぼってこれに再評価をすることが可能なのかどうか、私もその辺までは深く勉強しておりませんが、一つの考え方ではあろうけれども果たしてそういうふうにうまくここに乗せてやることができるのかどうか、これは今後の研究課題だということでとらえておきたいと思います。 いずれにしても、人事院勧告が完全実施にならないというこのことが最大の問題でありますから、現職についても退職者についても、この問題は文部大臣もきちっと受けとめてもらいたい。間もなく八月十日前後にはまた人事院勧告が出ると思いますが、当然これは実施の問題も国会の内外で議論されていきます。その点は、現職の公務員の皆さんということと同時に、既裁定年金者の年金額改定に絡んできますから、ぜひ文部省あるいは文部大臣もきちっと受けとめてもらいたい。このことを申し述べておきます。 次の質問に移ります。これは大蔵省にも聞きます。 昨年の十月五日、共済年金制度改革検討委員会で「共済年金制度改革の方向」というのを報告しているわけです。その付記において次のことが述べられております。「国鉄共済組合の年金財政は破綻の状況にあり、国家公務員等共済組合の財政援助のみによって維持することは、昭和六十四年度末までが限度であり、昭和六十二年末までに、公的年金制度間の負担の調整等について結論を出すべきであることを強く主張しておく」、こういうふうに記述をしているわけであります。このことについて大蔵省はどうとらえ、どう対応するつもりなのか。つまり昭和六十四年度までしかもたないということを言われているわけでありますからね。この点、特に大蔵省の場合は、国家公務員の共済の所管であると同時に財政全体を見ているわけですから、そういう観点でどう受けとめて、どう対応するような考え方を持っているのかということが一つです。 次は、これは文部省に聞きますが、たしか私学共済組合の理事長の諮問機関である年金制度研究委員会から、今の「改革の方向」の付記を受けて、次のような答申がなされているわけです。答申の一部になりますけれども、それは「健全な発展を遂げて来た経緯から見て、今後もこの制度を阻害しないよう格別の配慮がはらわれるよう関係当局に強く要望する必要がある」というようなことであります。これは間接的ながら、私学共済年金制度は、自分たちが努力をして、言うなればすぐれた制度として財源の確保なりあるいは健全な経営をしてきたけれども、国鉄共済等のこういうものまで持たなければならぬとすれば問題があるのではないかというような趣旨で、この「格別の配慮がはらわれるよう」にということは言外にそういうこと空言っているというふうに受けとめられるわけです。「私学共済」という私学共済広報の中にもそういう趣旨で述べられております。ですから、その点を私学共済を所管する文部省としてはどういうふうに受けとめているのか。まず、大蔵省の方から伺いたい。
○坂本説明員 お答えいたします。 ただいま御指摘のように、共済関係担当者が集まりまして、共済制度全体をどう改革するかという検討を行った、その検討委員会の報告の付記は御指摘のとおりでございます。 私どもの基本的な考え方は、これはすべての公的年金を通じて現状の給付水準を維持いたしますと、どうしても負担が将来現在の四倍近くにも及んでしまうということから、現役とOBの方の生活水準の均衡を図るということで、どうしても給付の適正化が必要であるという基本的な立場にございます。 ただ、もう一点、公的年金が現在分立しております。その分立している結果、一つの年金制度でとってみますと、その制度の産業構造の栄枯盛衰というのがもろに反映して年金財政に影響を与える。これが例えば厚生年金のように全民間産業ということでありますと、例えば石炭産業だけで年金をつくっていれば大変でございますが、全産業でございますから、そういった問題が生じない。今御指摘の国鉄は、国鉄という一企業で年金をつくっていたために国鉄の構造というものがそのまま年金財政に影響する。つまり受給者と現役との関係で、受給者がどんどんふえてしまうという状況にございます。 そこで、そういう立場から、とりあえず国鉄共済に近い国家公務員及び日本たばこ株式会社及び日本電信電話株式会社の三共済組合で国鉄を応援しようということでございます。昭和六十年から六十四年度の五年間をとって考えますと、一年につき約四百五十億円を拠出すれば何とか国鉄共済が救える。これは公務員一人当たり平均いたしますと、年額約一万五千円程度を国鉄共済の組合員のために拠出するということでございます。しかしながら、その後国鉄の試算によりますと、要員等の変化もございまして、昭和六十五年以降の五年間については、先ほど申し上げました四百五十億円という赤字が三千億円にも達するというふうに見込まれているわけでございます。そういたしますと、国家公務員及びたばこ及び電電株式会社の共済百三十万人の組合員によってこれを救済することは事実上不可能でございます。そこで、政府といたしましては、昨年二月二十四日に、給付の調整をまず行い、公的年金全体を通じて負担の調整を行うべきであるという閣議決定を行っているところでございますが、私どもとしては、その閣議決定の線に沿いまして、あらゆる公的被用者年金の制度の間で給付と負担の調整を図って、そういった一企業の栄枯盛衰による年金財政の破綻というものを調整しなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
○菱村政府委員 国鉄共済の年金財政の状況につきましては、ただいまお話等ございまして、私どももその窮状については承知しているわけでございますが、この問題につきましては公的年金制度全体の中で対応すべきものと考えておりまして、私学共済として現在のところ国鉄の救済等のために対応するということは考えてないところでございます。
○佐藤(誼)委員 今の坂本共済課長の答弁の趣旨、それは私もわかります。これは全体の一つの共済的な側面を持っておりますからそういうことだろうと思うので、国鉄共済に入っている組合員の皆さんもこういう年金状態になって非常に肩身の狭い思いをしていると思うのです。しかし、それは御本人たちの非違によるものではなくて、これは戦後国鉄がたくさんの人を採用した、その方々が一度にどっと退職した、こういう一つの社会変化のもたらす現象を一人一人が負わなければならないということになっているわけですから、これはみんなで考えていかなければならぬことだろうというふうに私も思うのです。 しかし、一方から言うと、今私学共済担当の文部省の方が答弁されましたけれども、それぞれの共済の方々、それを担当する方から言えば、特に私学共済なんというのは、どちらかというと成熟度の低いせいもありますけれども健全財政で、運営も堅実にやってきて、財政的にも豊かに、豊かにと言ってはあれなんですけれども、立派にいっているわけですね。それを、いや国鉄の方でこうだからおまえの方も金を出せや、こういうふうな形になりますと、これまた、趣旨はわかるけれども肌で感じた考え方や感じ方から言えばどうも納得がいかぬというようなことにもなりかねないわけです。それはそれなりに全体的に調整していかなければならぬけれども、その場合に政府が果たす役割は何かということなんです。私はここに問題があるような気がするんですね。厚生年金なり国民年金については法律が制定されましてもう間もなく発足ということになるでしょうけれども、共済年金はこれから議論されていく。しかしその中で、どう考えてみてもこのたびの制度改正全体が、国民のそれぞれの年金制度に加入している皆さんの掛金が多くなっていくことは事実です。ところが、政府が従来国庫負担として出してきた金はどうなっていくのか、この際、このところを問題にしておかなければならぬのではないかということを私は言わざるを得ないわけです。 時間もありませんから、率直に申し上げた後で御返答いただきたいのですけれども、例えば今のことに関連して言いますと、ことしの四月十日の朝日新聞の報道によりますと、参議院の審議の過程をずっと報道しておるのですが、その見出しに「将来の国庫負担は二兆五千億円減る 厚生省が試算」、こう書いてあるんですね。もちろん、これは今の国民年金あるいは厚生年金にかかわってくると思います。ずっと中身が書いてありまして、「年金受給者数がピークに達する西暦二〇一五−二〇二五年の国庫負担は五兆八千億−五兆六千億円(現行制度のままだと八兆三千億−八兆一千億円)で、二兆五千億円前後削減される勘定だ。」こう言っているわけです。そして最後の方に、「社会党などは、今回の年金改正について「国庫負担の削減をねらったものではないか」と問題にしているが、厚生省の長期見通しは、こうした主張も裏づける内容だ。」こういう締めくくりになっている。これは新聞の報道ですから、私もすべて精査したわけではありませんけれども、新聞はこういう報道をしているわけです。 そうすると、今も議論になったように、国鉄はそういう状態になっている、それから私学の皆さんから言えば先ほどのような意見書が出ている。これを調整するときに、全体の意見のすり合わせをしていかなければなりませんよ。しかし、そのときに、制度の改正によって国の国庫負担だけは、先のことですけれども二兆五千億も減っていく、こういうことでは国民はなかなか納得できないのではないかというふうに私は言わざるを得ないわけであります。 特に、それに関連して、例えば私学共済で言えば、今国が出しているのは百分の十八ですか、今度基礎年金が導入されて制度が改正されていったときに国庫負担はかなり減るだろうと思う。基礎年金に対する三分の一は共通して国が持つようでありますけれども、そういうふうになっていったときに、またぞろ共済年金の改正によって国あるいは国庫負担が減っていく、これは見通されると思うのです。これは先ほど答弁が大蔵省と文部省からありましたけれども、この辺を考えたときに、国民の立場からいっても、このたびの改正で余りにもいい子になっているのは国側ではないか、国の負担が減り過ぎているのじゃないか、もっと国だって痛みを分かたなければだめじゃないかということを言わざるを得ないのでありますけれども、この辺大蔵省としてどうお考えになりますか。後で文部省の側の答弁をいただきたいと思います。
○小村説明員 将来の年金の負担、これは保険料であっても国庫負担であってもひとしく国民の負担であるわけでございますが、先般成立いたしました国民年金の分野、厚生年金、船員保険の分野におきまして、国庫負担の推移につきまして御指摘のあったところはそのとおりでございます。ただ、これは、年金の給付水準の適正化を通じて、保険料も安くなり、国庫負担も減っていくというシステムを通じて、将来国民が負担できる、こういう制度を構築していこうという発想でございます。私どもとしましては、こうした改革を通じまして基礎年金という共通の制度を導入いたしまして、国庫負担面において特定の、私学共済なら私学共済が優遇されるということは好ましくなく、共通の年金に対して共通の国庫負担をしていく、あと上積みの部分につきましては、各年金、共済につきましてそれぞれの御事情がございまして、保険料をもっていろいろな給付の仕組みを考えられるということは職務の特殊性等から考えられるわけですが、みずからの年金を維持できないような給付設計をする、したがって、それについて他の集団にそのツケを回すということは非常に難しいのではないか。ただ、先ほど共済課長がお答えいたしましたように、長期的に見て産業構造あるいは就業構造の大きな変化がございます。たまたまその集団に加入したために特定の人たちが大変困難に陥るということのないように、年金の一元化という方向に向かって努力していかなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。
○菱村政府委員 基礎年金の導入等の制度改正が行われるわけでありますが、私学共済に対します国庫補助につきましても、他制度と同様にその補助形態が今後変わっていくことになろうと思います。したがいまして、今までの補助と改正後の補助とはどういうふうになっていくのかということは、補助形態の違いとか給付水準の違いなどがございますので一概には論じ得ない問題でございます。今後とも私どもとしては、私学共済の健全経営という観点からいろいろ努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○佐藤(誼)委員 時間になりましたので、これで終わりますが、私は、今大蔵省の答弁等を聞きましても、人にはそれぞれの履歴がありまして、そして人生の終着駅に達するわけですから、履歴によって、しかも職を失った時点でいろいろ差が出てくるというのは好ましいことではないわけです。ひとしく日本国民として均等に年金が保障されていく、この観点は貫くべきであるし、また共済という観点からいっても支え合う、これは大切な観点だと私は思うのですよ。ただ、先ほど言ったように国側、といっても税金といえば税金なんだけれども、ここのところがどんどん細っていって、国民の掛金だけがどんどん太っていくというようなことじゃ、どう考えてみたって納得できないのではないか。特に、きょうは年金全体の議論じゃありませんけれども、国民年金などを見たって、今でさえ六千八百円ぐらいですか、完全にこの制度が実施されていきますと一万三千円くらいになりますね。とても一万三千円なんというのは納められるものでない、こういう声等聞きますと、やはり国側がもっと考えなければならぬじゃないかということを私は痛感してならないわけです。そういう点で、逆に国庫負担がどんどん減っていくということは私は問題があるというふうに言わざるを得ないし、これはうがった見方かもしれませんけれども、政策の選択は政府でやるでしょうけれども、例えば今の国民年金なり共済年金の国庫負担の軽減分だけで二兆五千億、今度共済の四法案が通ったとすれば、さらにこの国庫負担の軽減は増加していくだろうと思うのです。 ちなみに申し上げますと、皆さん御承知のとおり、今防衛費のGNP一%が問題になっている、五九中業も今策定の過程にある。前に十七兆円相当のものが十九兆円と膨れ上がっている。国民の側からいえば、いろいろな経過はわかりますよ。この年金の改正によって国の負担は減って、議論の分かれるところだけれども、防衛費だけはふえていくという、これは納得できないのじゃないかという議論だって立論として成り立つと私は思うのです。 この辺のところは、政策論議でありますから強行できませんけれども、この全体を考えたときに、これはやはりこれから共済年金の議論になっていくかもしれません。やはりもう少し全体の政策の中で年金の問題も議論していかないと、もうその分野だけでは太刀打ちできない状況になってきている、このことを最後に意見として申し上げて、私の質問を終わります。
○阿部委員長 伏屋修治君。
○伏屋委員 まず最初に、大臣にお尋ねしたいと思います。 この私学共済組合の法案が出ておるわけでございますが、今までに果たしてきた私学の役割に対して、大臣としてはどのような評価を持つでおみえになるのか、その件と、それから、今後の私学振興に対する大臣の御見解等をお尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 先ほども御答弁を申し上げたわけでありますが、我が国の私学が学校教育の中で果たしている役割は極めて大きい、なかんずく幼稚園、そして短大あるいは専門学校等を含む高等教育に果たしておる役割は極めて大きいというふうに思っております。 したがいまして、私どもといたしましては、今後ともこの私学が建学の精神に基づきまして研究、教育の機関としての役割をより立派に果たしていただくことを希望しておると同時に、そういう役割を立派に果たしていけるように、私立学校振興助成法に基づく経常費助成等を的確に行ってまいりまして、私学の振興を図ってまいりたい、こう考えておるところでございます。
○伏屋委員 大臣の端的な御見解をお伺いいたしましたけれども、この私学共済の百一国会における法案成立に際しての附帯条件がいろいろつけられておるわけでありますが、この附帯条件というものはどれほどの法的拘束力を持つのか、その辺の御見解を文部省の方で持っておみえになりましたら、お尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 国会における議決につきましては、政府の側はこれを尊重して、その実現に向けて努力するという義務があるというふうに思うわけであります。
○伏屋委員 とするならば、毎国会に私学共済組合のこの法案が提出されるわけでございます。そのたびに、いわゆる附帯条件としまして、明らかにはなっておりませんけれども、この百一国会の附帯条件には、百分の二十、厚生年金並みの国庫補助率にしてもらいたいという附帯条件が、毎国会においてこれは附帯決議されるわけでございますけれども、一向にこれが実現されないということになっておるわけでございます。そして、もう今後、今の年金の財源が非常に悪くなってきたということから、いわゆる国鉄共済年金の救済のために、既に国家公務員共済が拠出金を今年度から実施をいたしておるようなわけでございますが、そういうような中で、今大蔵の方もお答えになりましたように、年金一元化の方向の流れが一層強まっておるわけでございます。 そうなってまいりますと、先ほども佐藤委員の方からもお尋ねがありましたが、物価を基準にした自動スライド方式の方向に行くということになってまいりますと、そういう一元化の方向で行くならば、私学共済に対する年金改定の法審議というものは今年が最後になるのではないかということになります。今までこの法案が出てくるたびに、百分の十八の国庫補助率を百分の二十にしてもらいたい、こういう非常に切なる願いが私学関係の方にあったわけでございますが、それがほごにされたまま物価基準による自動スライド方式の方へ行ってしまうということになりますと、何かなし崩しに、附帯条件というものの、今大臣の答弁がございましたけれども、尊重する尊重すると言いながら、それが実質的には尊重されてない、形式的に流されてしまっておる、このことを私は非常に心配するもので、大臣にお尋ねをしたわけでございます。今後の推移、対応について、もう一度御答弁を願いたいと思います。
○菱村政府委員 附帯決議を毎回いただきながら、私どもの力が足りなくて十分その内容の実現を果たしてないわけでございます。大変申しわけないわけでございますが、ただ、私学共済年金も、他の共済年金との関連で存在するわけでございますし、とりわけ、私学共済年金につきましては、国家公務員、地方公務員共済等々に準じて給付等がございます関係で、その負担につきましても、それにいわば横並びというような形があるわけでございます。 さらには、共済だけではなくて、これからは公的年金制度全体のバランスというような問題も出てくるわけでございますので、私ども、もちろん私学共済の充実ということにつきましては誠意を持って対応してまいりましたし、今後も対応するつもりでございますけれども、そうした諸般のバランスの問題、とりわけこの附帯決議で御指摘いただいておりますことは、財政負担の問題が中心でございます。そうしますと、先ほど来お答え申し上げておるわけでございますが、我が国の財政状況の厳しい折から、なかなか附帯決議いただきましたことが実現できないという状況になっているわけでございます。
○伏屋委員 今の国庫補助率の問題もそうですが、附帯条件の第二項にありますように、「私学振興の見地から、その充実について必要な措置を講ずるよう努めること。」という附帯条件がついておるわけです。 そして今、大臣の私学が果たしてきた役割への評価、また今後の私学振興への取り組みに対する大臣のお考えをお聞きしたわけでございますが、先ほど申し上げましたような年金一元化の方向の流れの中で、こういうものも非常に劣悪な方向に行くのではないか、そういうことが危惧されるわけでございます。 現在、私学振興財団からの助成また都道府県の交付金によるところの補助というものが行われておるわけでございますが、その辺の都道府県の補助にも多分にばらつきがある、このように聞いておるわけですが、その辺の実態は掌握しておみえになりますか。
○菱村政府委員 御指摘の、都道府県の私学共済組合に対します助成につきましては、昭和二十九年私学共済組合が発足いたしましたときから、この長期給付掛金の百分の八に相当する額を、補助する、百分の八程度を補助することになっておるわけでございます。 各都道府県でいろいろ御尽力いただいているわけでございますが、最近の都道府県の財政状況の悪化もございまして、なかなか十分ではないという点がございます。特に、大学、短大を補助対象から外したり、ないしはその補助率を下げたりというところがあるわけでございます。 私どもとしましては、私学共済組合に対します都道府県の助成というのは、私学振興の立場からも極めて意義のあるものだと考えておりますので、今後の制度改正等がございましても、この都道府県による私学共済への補助というのは継続していただくようにしたいと考えておるところでございます。
○伏屋委員 極めて大ざっぱな実態の御報告があったわけでございますが、きょうはここで御答弁いただかなくても結構でございますので、各都道府県の補助の実態というものを一応一覧表にして提出いただけますか。
○菱村政府委員 各都道府県の補助の状況につきまして御報告を後ほど申し上げたいと思います。
○伏屋委員 この附帯条件にもありましたように、私学振興財団あるいは都道府県の補助が私学の振興に果たしてきた役割は、今も御答弁にありましたように、非常に大きいものがあるわけでございます。今後の年金一元化の方向の流れの中で、これがどういうふうな形に存続をしていくのか、その辺の推移それから今後の対応というものについてお尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、船田委員長代理着席〕
○菱村政府委員 私学振興財団からの助成につきましては、今後制度改正がございましてもその助成を継続したいと考えておりますし、また、都道府県からの助成につきましても、制度改正のいかんにかかわらず、これは私学振興の趣旨から設けられておるものでございますので、都道府県の補助も継続してまいりたいと考えております。
○伏屋委員 都道府県の補助の問題については、実態は後ほどでございますが、基本的に今私学振興財団についてのお考えがありましたけれども、今後の予算編成における自治省とのいろいろな折衝もあるかと思いますけれども、その辺の基本的な文部省の態度もお尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 私学の振興という立場からいきまして、先ほど来問題になっておる都道府県の補助というものは極めて大事なことであると思いますので、今後とも財政当局に強く要望してまいりたいと考えるわけであります。
○伏屋委員 私学振興財団それから都道府県の補助というものが今後の私学の方向を決定すると言っても決して過言ではありませんので、そういう面からも、大臣の今の基本的な見解をお尋ねいたしましたけれども、不退転の決意でこれを存続し、劣悪の方向へ流れるのを阻止してもらいたい、このように強く要望をいたすわけでございます。 それに関連しまして、今教育の現状の中で、いわゆる振興財団あるいは振興財団から国の助成を受け入れておる私大に問題なしとは言いませんけれども、私大が国庫補助を削減されてくることによって安易な値上げをすることにも問題があります。 先ほど大臣の答弁がありましたように、私学助成が果たした役割というものは非常に大きいわけでございますが、そういうようなことを十分に考慮しながら、私学助成金の抑制というものは今後断じて行ってはならない。今まで果たしてきた私学の役割を考えるにつけましても、抑制、減額ということは断じて阻止していかなければならない、このように考えるわけでございますが、大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○松永国務大臣 私立学校に対する経常費補助の関係でございますが、先生御承知のとおり、私立学校振興助成法ができてそれに基づく補助が始まってから、急速に補助金の増額がなされてきたわけであります。 すなわち、昭和五十年当時は、大学等に関する分でありますが、国の補助金は約一千億であったものが、五十五年には二千六百億、五十六年には二千八百三十五億、そこまで増加してきたわけでありますけれども、五十八年、五十九年、国の財政事情が極めて厳しいということがございまして、五十八年は対前年比二・三%減、五十九年は一二%減であったわけであります。六十年度は、御承知のとおり、他の補助金等そのほとんどが削減をされた中で、大学等に対する経常費補助金は前年度同額の確保がなされたわけであります。 一方、高等学校、幼稚園等に関する分でございますが、これも、この関係は国の予算に計上されている分と交付税による措置の分とがあるわけでありますけれども、その合計額について言えば、これも私立学校振興助成法ができて以来急激な伸びを見ることができました。合計額について言えば、五十年度では九百七十九億であったものが、五十一年度は千二百七十一億、そして五十五年度は二千五百九十一億、五十七年度は三千億、こういうようになってきたわけでありまして、この関係では、文部省の予算に計上されている分は、五十八年度、五十九年度と実は減額になりましたけれども、交付税による措置が、十分とは言いませんけれども増額をされてまいりましたから、全体としてはプラスを続けてくることができたわけであります。六十年度について言えば、大学の場合と同じように前年度同額の予算を文部省の予算に計上すると同時に、交付税による措置といたしましては前年度を上回る財源措置ができましたので、合計して言えば、前年度よりも約三・四%増額できた文部省の予算及び交付税による財源措置がなされたわけであります。 今後とも、先生御指摘のように、私どもとしては、これが減額にならぬように、大学の関係も高等学校以下につきましても、不退転の決意で臨むのでありますけれども、何せ相手は財政当局がありますので、なかなか厳しゅうございますが、この問題につきましては、今後とも引き続き適切な財源措置がなされるように全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
○伏屋委員 とりわけ昭和六十一年度から大学への進学年齢に当たる十八歳人口が急増期に入ってくるわけでございまして、進学者の八割というのは私大の受け入れに頼らなければならないのが現実であるわけでございます。 その私立大学の場合、国立大学との格差、この問題が大きな問題でございますが、そういう意味からも私学振興助成法というものが誕生いたしたわけでございます。教員一人当たりの学生数あるいは学生の学費負担額が私学は国立の三倍にも当たっておるわけでございますし、学生一人当たりの校舎面積や教育費は逆に三分の一という貧困さでございます。国費負担額は十分の一と言われておるわけでございます。私学振興助成法によれば経常経費の二分の一国庫補助という形で出発したものの、財政劣悪の中でそれが劣悪化の方向に行き、せっかく二分の一に近づきながらまたもとの状態に返っておるというのが現状ではないか、このように考えるわけでございます。こういう情勢の中で、私学に対して国がどうこれからかかわっていくか、最初に大臣の御見解をお伺いしましたけれども、基本的な姿勢、そういうものをもう一度お尋ねをいたしたいと思います。
○國分政府委員 ただいま国立大学と私立大学の教育条件に関します格差の問題についての御指摘があったわけでございますが、御指摘のとおりのような格差になっているわけでございます。 ただ、最近五カ年くらいの推移を見てみますと、例えば、御指摘の教員一人当たりの学生数について言いますと、五十九年度は、御指摘のように国立と私立との関係で言いますと三倍という状況になっておりますが、これが五十四年度で見てみますと三・五倍でございました。このように、若干ではあろうかと思いますが、いろいろの面で国立と私立の大学間の格差というものは年々改善されてきているわけでございまして、やはり学校法人自体の経営努力あるいは私学助成の効果というものがあらわれているのではないかと思うわけでございます。 今後につきましては、先ほど大臣から御答弁がございましたように、私ども、私学のそれぞれの経営努力にも期待しながら、経常費助成を初めといたします私学助成の確保というものに努めてまいりたい、かように考えております。
○伏屋委員 公的年金が今後一元化の方向へ行くということで、まだ法案が国会には提出されておらないわけでございまして、また今後提案された中でいろいろと連合審査等々でこれは詰めていかなければならない問題だと思います。そういう公的年金の一元化に当たって、各制度の創設の経緯あるいはその後の運営、特質、十分考慮されなければならないわけでございますが、私学共済について、この点とのような認識を持っておられるのか、お尋ねしたい。
○菱村政府委員 公的年金制度の一元化につきましては、昨年二月の閣議におきまして、昭和七十年度を目途に制度全体の一元化を完了させるということを決めているわけでございます。この決定におきまして、共済年金につきましては昭和六十年度に基礎年金の導入を図るなどの制度改正を行う、そして昭和六十一年度以降は公的年金全体を通じまして給付と負担の両面の制度間調整を進めるということになっているわけでございます。私ども、私学共済の年金制度につきましても、こうしました過程全体を通じまして私学共済の創設の経緯とか特質とか運営の状況というものをできる限り考慮しながら、制度の一元化を展望しつつ改革を進める必要があろうと考えております。まさに御指摘のとおりであろうと思います。 しかし、私学共済年金は、教育基本法六条の趣旨に従いまして、従来から国家公務員または地方公務員の共済年金に準ずるということを建前としてきているわけでございます。したがいまして、今後この制度の一元化に向けて、国家公務員や地方公務員の共済年金制度との均衡というものを基本として私学共済の制度の改革を進めるということになろうと思います。私学共済のいろいろな事情も考慮しながら各公的年金制度の相互の調整を図っていく、こういうことに心がけていきたいというふうに考えております。
○伏屋委員 その法案の中で、標準給与の上下限の引き上げ措置による影響というものはあると思いますが、その辺はどのようにお考えになっておりますか。
○菱村政府委員 今回の改定に当たりまして、この標準給与の下限を七万七千円から八万円に上げております。そして、上限につきましては四十五万円を四十六万円に引き上げているわけでございますが、この措置の対象となります組合員数は、下限の場合では全組合員の一・〇九%に相当する三千九百十一人でございますし、上限の方は全組合員の八・五九%に当たります三万七百六十人となる見込みでございます。 これらの組合員の掛金負担がどういうふうに影響するであろうかということはもちろん問題になるわけでございますが、組合員の掛金負担の点につきましても、下限の引き上げても一月当たり二百七十円でございますし、上限引き上げの場合でも月当たりが九百円でございます。したがいまして、上限、下限の引き上げ措置による影響というものはそんなには大きくはないのではないかというふうに考えております。
○伏屋委員 先ほど申し上げましたように、年金一元化の方向の中で、いわゆる物価を基準にした自動スライド方式、こういうものを採用するというようなことを聞いておるわけでございますが、その理由あるいはそれの長所、欠点等々、おわかりの範囲で御説明をいただきたいと思います。
○菱村政府委員 現在御提案をしておりますいわゆる基礎年金を導入する私学共済法の改正案では、御指摘のように他の共済組合と同様に、年金のスライドについて、厚生年金及び国民年金が採用している物価スライド方式を導入するということにしております。——現在御提案と申しましたが、この法案ではなくて、もう一つ法案を御提案しているわけで、そちらの方の分でございます。 それで、この年金のスライドをどうするかということは、もちろんいろんな考え方があるわけでございます。物価上昇を基準とするのか、賃金上昇を基準とするのか、いろいろ方式はございますし、それにつきましての御論議もいろいろあろうかと存じます。物価を基準にしましたスライド方式をとりますと、退職時に支給が決定されました年金額による一定の購買力とか生活水準が維持されるということがございます。年金生活者の生活の安定を図るという点で年金制度の目的にかなった方式ではないかというふうに考えているのでございます。しかし、一方、スライドの基準を賃金上昇に合わせた場合には、場合によっては物価上昇分プラス生活上昇分と申しますか、そういうものが加味されるスライドが行われるということもあろうかと思います。一概には言えないわけでございますが、そのときどきの経済情勢とか社会情勢によりましては賃金上昇が物価上昇に及ばないこともございますし、また、逆の場合もあるわけでございますが、賃金上昇を基準にした場合には、この年金生活者の生活水準がそのときどきの情勢に左右される。いろいろなメリット、デメリットがあろうかと思います。しかし、私学共済の将来の制度改正におきましては、他の共済組合さらには厚生年金や国民年金等の例ということからこの物価スライド方式ということを採用することを考えているわけでございます。
○伏屋委員 最後に、六十一年度から大学受験年齢層が急増するわけでございますが、現実的には大学受験に対して、本人の意欲、資質によるところも大ですけれども、多くは経済力で若い世代の学習機会が左右される、こういうような現実でございます。教育の機会均等というような大切な原理がはや既に崩れ出しているわけでございますので、そういう面を踏まえながら、今後に果たす私学の役割等を考えるにつけ、私学振興財団あるいは都道府県の私学助成、こういうものは決してなおざりにしてはならない。先ほども私は強調しておるわけでございますが、その点についての大臣の見解も不退転の決意で臨むとおっしゃってみえましたけれども、再度ここで大臣の決意をお伺いしまして、私は質問を終わりたいと思います。
○松永国務大臣 私学等における授業料等の負担が多額になってまいりますというと、結果的には親の経済力のいかんによって学習の機会が損なわれるということになってまいります。そのことは結果としては教育の機会均等という精神に反することになりますので、私どもはそうならないように、先ほど来申し上げておりますように、私学に対する経常費助成等補助の充実、そして育英奨学事業の拡充、こういった施策を進めていくことが極めて大事であると思っております。今後ともこうした施策を進めることが当面の文教行政の中では極めて大事なことであるという認識のもとに、全力を挙げてこのことの推進に取り組んでまいる決意であります。
○伏屋委員 終わります。
○船田委員長代理 この際、休憩いたします。 午後一時十二分休憩 ————◇————— 午後二時二十六分開講
○阿部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。滝沢幸助君。
○滝沢委員 委員長どうも御苦労さま、文部大臣御苦労さまです。 私が質問する筋は、先ほど各党の先輩方の御質問の中に言い尽くされており、また大臣初め懇切丁寧な御答弁もあったところで、さっぱり残されたることはございませんけれども、しかし質問しないことにもいけませんから、本論の方はささっといきまして、残りました時間を少し領域を広げてお願いしたいと思うのでございます。 ところで、実は昨年私はある短歌会の講師様になって行きましたところ、こういう歌がございました。歌そのものの評論は別といたしまして、「末の子の事業資金に与えんか少なき年金の使途に迷えり」——「末の子の事業資金に与えんか少なき年金の使途に迷えり」というのであります。年金によって生活していらっしゃる方は、本当に少ない年金を大変苦労されているということであります。ところが、なかなか制度は思うように改善されませんし、そういうことではこれは念願の念、祈る方の念金ということになるのじゃないでしょうか。しかし、大蔵省も見えていていただきますけれども、大臣の方といいますか政府の方としますと、捻出の捻ということで、捻出する金に苦労していらっしゃるというようなことで捨金なのかなと思ったりしております。 しかし、余談はさておきまして、今回の年金の改定が私学共済の年金財政に及ぼす影響、こういうことは先ほどからたびたび言われたことでありますけれども、一応私からもこれはどのようなものであるかお伺いして、改定に伴う国庫補助金の額などについてもお話を及ぼしていただきまして、一言のお答えをお願いします。
○菱村政府委員 今回の年金改定によりまして増加する費用はいろいろございますが、全部ひっくるめますと、昭和六十年度におきまして十一億八千万円でございます。これを平年度化いたしますと十四億三千百万円でございます。これに見合います国庫補助金額を申し上げますと、昭和六十年度で一億五千九百万円でございます。これも平年度化して考えますと一億九千三百万円となるわけで、ございます。 これらの増加いたします費用が私学共済年金にどのような影響を与えるかという御質問でございますが、ただいまの増加します経費を財源率にしてみますと千分の〇・六程度の増加でございます。これから国庫補助分を差し引きますと、もう少し下がりまして千分の〇・四九程度となるわけでございます。したがいまして、この程度の増加分でございますと、財源調整費やそのほか資金運用の利益差などもございますので、十分埋め合わせがつく。ですから、私学共済の年金財政に及ぼす影響というのはそんなに問題にはならないというふうに考えております。
○滝沢委員 そこで、これも先ほどからたびたび議論のあったところでありますが、補助金一括法、俗称ですね、このいわゆる行革関連の特別の制度、この特例法の適用でありますが、この期間が一年間延長されたという結果でございます。しかし、これによりまして、私学共済に対する昭和六十年度の国庫補助金にはどのように影響しておるものか、どのようなことになっておるものか、伺いたいと思います。
○菱村政府委員 お尋ねの件につきましては、昭和六十年度の国庫補助の予算額で申し上げますと、長期給付事業費補助約七十九億八千万円、それから事務費補助が約二億八千八百万円ございます。したがいまして、両方合わせまして約八十二億六千八百万円となります。これは前年度の予算額に対して考えてみますと一五・八%増加しております。主な要因は、年金者数がふえていることとか一人当たりの年金額が増加している、そういうことがございまして、昨年よりふえている、そういうことでございます。
○滝沢委員 そうしますと、一年延長されたことによって四年間、こういうことになるわけでありますが、これによりまして国庫補助金は減額はされませんか。減額されているならばどれだけでございましょうか。
○菱村政府委員 行革関連法によります国庫補助の減額分は、ただいま申し上げました金額からいいますと二十三億円になります。また、これまで四カ年間の減額分がございます。それは予算ベースで七十六億円でございますが、それに伴います利子分を年率五・五%で仮に計算いたしますと、昭和六十年度末現在で約八億円ございますから、合わせまして四カ年間の減額分は八十四億円になる、こういうことでございます。
○滝沢委員 そこで、これも先ほどからたびたび議論されたところでありますが、この八十数億円の減額分に対するこの補てんの措置でありますけれども、先ほど返す返さぬという話もあったわけでありますけれども、重ねてこれに対しての文部省の見解、大臣からひとつ。
○松永国務大臣 先生御指摘の国庫補助の減額分につきましては、特例適用期間経過後において利子分を含めて年金財政の安定が損なわれることのないようできる限り速やかに返済がなされることに政府側の統一した答弁としてはっきりしておるところでございますので、私どもとしてはそうなされるものと期待をいたしておるわけでありますが、具体的には返済の時期、方法につきまして今後財政当局と十分協議してまいりたい、そして返済を図ってまいりたい、こう考えているところでございます。
○滝沢委員 午前中の議論もそこまででとまりとなっておりまするけれども、大蔵省からも見えていていただいております。できるだけ早くというようなことでございますが、これに対していわば確たる保証というふうなことを議会は求めている。しかし、いわばはっきりしないということになっているようでございまするが、せっかく大蔵省からも見えていていただいておりますので、ここら辺について文部大臣の御答弁の裏づけをお願いしたいと思います。
○小村説明員 ただいま大臣のお話にありましたように、大蔵省といたしましてもできるだけ速やかに減額分及びその運用利子相当分について返済に着手したいという考えには変更はございません。ただ、具体的にいつ、どういう形で減額分の補てんをするか、どういう期間で補てんをするか、こういった点につきまして、ただいまの財政状況におきましては確たることはまだ申し上げられないということでございまして、私どもとしては、一日も早く財政改革を達成いたしまして、減額分の補てん等に努めてまいりたいというふうに考えております。
○滝沢委員 そうしますと、今のお答えを逆にたどっていきますと、財政改革が思うように進まない場合はこの補てんはいわば不確かなものということですか。
○小村説明員 減額分の補てんについては必ずこれをやりたいということには考えは変わっておりません。ただ、補てんをする際の財源といたしまして、現在もなお多額の特例公債に依存をしているというときでございまして、減額分について仮にそれを補てんする場合に他の歳出を削減するか新たな財源を求めるか等々の方法しかないわけでございまして、そのためには、まず私どもとしては財政改革により財政体質の強化を行って、返済できるような財政を一日も早く実現したいという趣旨でございます。
○滝沢委員 大臣、今のようなことですが、財政改革が思うように進まぬということになれば、今のこの約束は何年も何年も空証文としてさらされるということにもなりかねないだろうと思いますが、挙げてこれは、しかし各年度の予算編成期における各省庁大臣のいわば力関係といいますか、そのような折衝もあろうことであります。このことについて十年後でも二十年後でもいいというようなものはつまり不渡りと言ってもよろしいことでありまして、その点につきまして大臣の決意のほどをもう一度表明してちょうだいしたい。
○松永国務大臣 これは私学共済だけではなくして、他の共済も横並びの問題でございますが、先ほどもお答えいたしましたように、国会におきまして大蔵大臣と厚生大臣同意の上、答弁をはっきり申し上げておるわけでございまして、減額分につきましては、積立金運用収入の減額分も含め、年金財政の安定が損なわれることのないよう、特例適用期間経過後において国の財政状況を勘案しつつできる限り速やかに繰り入れに着手するとの考えに変更はない、これが大蔵大臣と厚生大臣の合意の上での国会における答弁でございますから、このとおり措置されることは間違いないというふうに思っております。 ただ、いつの時期からどういう方法で始まるかということにつきまして、これは国の財政状況を勘案しながら具体的な措置がなされるわけでありまして、それらの点につきましては今後私どもとしては財政当局と十分協議してまいりたい、こういうことになっておるわけであります。したがいまして、いつになることやらわからぬ、そういうことではないというふうに思います。
○滝沢委員 それは極めて近い年度というふうに理解していいですね。——大蔵省はどうですか。
○小村説明員 私どもとしましてはできるだけ速やかに減額分の補てんを行いたいと考えておりまして、残念ながら、いつ何月何日から行うとか、具体的な時期をここで明示することが現在のところできないという状況であることを御理解願いたいと思います。
○滝沢委員 帰られたら大蔵大臣におっしゃってちょうだい。それはお話としてはそのような筋かもしれませんけれども、国民の税金を預かって国家の財政運用を任されている政府、またその中の大蔵大臣でございますから、言ったとおりにできないということは多々ありますよ。言ったとおりできないことについてはそれなりの責任なり措置なりがあるわけでありますから、これがただ単に速やかにというようなことで済まされようはずはありません。あなたがここでお答えもできないのでありましょうが、どうぞひとつ帰られたら大臣におっしゃっていただきまして、文部大臣、もちろん横並びという意味では関係省庁がありましょうけれども、合意をいただきまして、政府としての計画、考え方としては、何年度中にないしは例えば六十年代の前半、後半というようないろいろ表現の方法もあろうけれども、よそのことではそのようにおっしゃっているわけです。ですから、長期計画を持たないということはあり得ないはずでありますから、このようなことについても一つのめどを模索してちょうだいするように、これは文部大臣にもお願いをしまするし、ひとつお帰りになりましたら大蔵大臣にも本日各党からの議論のところをつぶさにおっしゃってちょうだいしたいと思います。 さて、そのようなことで一年間延長されましたけれども、私学共済年金の支給にはよもや支障は生じませんね。
○菱村政府委員 一年延長になっているわけでございますが、私学共済組合の年金財政の収支状況を見てまいりますと、昭和五十八年度の決算で言いますと、収入が千五百三十四億円で、ございます。これに対しまして支出の方は、私学共済、成熟度が若いということがございますが、支出は三百八十六億円でございます。その差が千百四十八億円ございますので、これは将来の支払いのために積立金として計上いたしております。したがいまして、こうした状況から見まして、今回の補助金の減額措置、一年延長されましても私学共済組合の年金の支出に直ちに支障が生ずるという状況ではないというふうに考えます。
○滝沢委員 成熟度の話出ましたが、これも午前中からいろいろと御議論のあったことであります。これは若い。しかし将来これも老いていく。形勢が変わってくるわけでありますけれども、いわゆる今後の見通しをも含めて、この成熟度にわたりましての年金財政の基礎というようなことについてもう一度言及してちょうだいしたい。つまりは、組合員の数も他の年金に比較して大変少ないことでもあり、いろいろと憂慮されると思うのであります。他の年金との比較をも含めて、成熟度と財政力の問題についておっしゃってちょうだいしたいと思います。
○菱村政府委員 私学共済と他の共済との比較でこの成熟度を見てまいりますと、大体次のようになっております。 まず、私学共済は、五十八年度末でございますが、四%でございます。これに対しまして国家公務員共済は二九・四%、かなりの率になっております。また、公立学校共済も国家公務員共済とほぼ同じでございまして二四・八%、さらに私学と並んでおります農林共済について見ますと、これは一六・二%、こういう数字になっているわけでございます。 私立学校共済の成熟度、現在若いけれども、今後どうなるかという見通しでございますが、これも将来推計でございますのでいろいろ難しい要素はございますが、昭和五十五年度に実施いたしました所要財源率の再計算結果を踏まえまして今後の成熟度の見通しを推計いたしますと、昭和六十五年度には七・三%になり、昭和七十年度には一〇・七%になるということで、だんだん成熟度は上がっていくということになっております。
○滝沢委員 そこで、今回の標準給与の上限、下限が、いわゆる引き上げの措置をされたわけであります。その対象となる組合員の数とそのことが及ぼす影響はいかがなもので、ございましょうか。
○菱村政府委員 御指摘のように、標準給与の上限、下限を引き上げているわけでございます。下限につきましては、七万七千円を八万円にいたしておりますし、上限につきましては、四十五万円を四十六万円に引き上げているわけでございます。 そこで、この措置によりまして組合員数は、例えば下限の引き上げでどの程度になるかと申しますと、全組合員の一・〇九%に相当いたします三千九百十一人がこの中に入っているわけでございます。また一方、上限の場合で見てまいりますと、全組合員の八・五九%、すなわち三万七百六十人がこの上限に該当しております。それぞれ率は一%、八%でそんなに多くはないわけでございますが、引き上げたことによって掛金負担がどうなるか、その影響はどうかということがございます。 掛金負担の増額を見てまいりますと、下限の場合には、一月当たりにしまして二百七十円でございますし、上限の引き上げの場合は、一月当たりにしまして九百円でございますので、組合員の掛金負担への影響というのは比較的少ないのではないかと考えております。
○滝沢委員 わかりました。 先に進みますが、長期給付の掛金に対するいわゆる都道府県の補助の状況についてでありますが、このことは、昨年度のこのことの委員会で我が党の中野寛成先生からもるるお伺いしているところであります。つまり大学、短大、高等専門学校等について補助を行っていない県があったり、あるいはまた減額をしている県があったり、いわばアンバランスなわけであります。しかし、先ほどもこれは議論もあったことでありますが、一千分の八という標準、これはやはりきちんと守ってちょうだいすることが望ましいことだし、特に、府県によってばらつきがあることはいわゆる公平を欠くということでもあります。このことにつきまして、今日の状況を改めて御説明いただくとともに、今後いかにしてこの標準を守ることができようものか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○菱村政府委員 都道府県が私学共済組合に対して補助をいたしているわけでございますが、これは私学の公教育に果たしております役割にかんがみまして昭和二十九年から始まっている制度でございます。御指摘のように、長期給付の掛金の千分の八相当額を補助できるということになっているわけでございます。 御質問の、現在のその補助の状況から申し上げますと、小、中、高、大学、短大といろいろ学校の種類がございますが、すべての学校の種類にこの千分の八という満額補助をしております県は二十九県でございます。また、高等学校以下には満額補助をするけれども、大学、短大には補助がないというところもございまして、それが一都一府三県ということになっております。さらに、高校以下は満額補助でございますが、大学と短大につきましては補助期間を短縮しましたり補助率を引き下げているというのもございます。これは数にしまして一府五県でございます。また、もう少し続けて見ますと、高校以下は同じく満額補助でございますが、大学、短大はその組合員にのみ補助をしている、学校法人の方にはしていないのですが組合員の方には補助をしている、その場合も補助期間の短縮や補助率の引き下げを行っている場合が多いわけでございますが、こうしたものが五県ございます。それから、大学、短大だけではなくて小中高などの高校以下も、すべての学校の種別に対しまして組合員だけに対する補助を行っている、その場合も補助期間を若干短縮したり補助率を引き下げているものもあるわけでございますが、それが一道一県となっております。 今申し上げましたように、結果的には必ずしも十分な都道府県補助が行われていないという状況でございますが、補助金総額にいたしますと、五十八年度で五十二億六千四百万円に達しております。私どもといたしましては、なるべくこの附帯決議の御趣旨等にも沿いまして都道府県補助が十分行われるように努力していきたいと考えているわけでございますが、最近におきます都道府県の財政事情等も、かなり逼迫しているところもございますし、なかなか御期待に沿えないのは残念でございます。あらゆる機会に、都道府県に対しまして今後ともその充実方の要請をしていきたいというふうに考えております。
○滝沢委員 そのことと絡んでいきますが、共済年金制度の基礎年金を導入するいわゆる制度改正案が今度国会に提出されてございます。新しい制度のもとにおいてもこの私学振興のための都道府県の補助というものは一層充実を図っていくべきであると考えるのでありますが、どうでありますか。大臣、ひとつお考えを示してちょうだいしたいと思います。
○松永国務大臣 私どもとしては、私学共済組合に対する都道府県の補助というのは、私学振興のためになされていることでありますが、極めて大切な補助だというふうに考えておりますので、基礎年金の導入がなされた場合におきましても、この都道府県の補助の考え方は維持すべきものと考えておるわけでありまして、今後とも、自治省や都道府県に対しまして、そうした措置がなされるように要請を続けてまいりたい、こういうように考えているわけであります。
○滝沢委員 自治省から見えていただいているわけでありますけれども、今のことをお聞きいただきまして、おっしゃるとおりでありまして、このようなことにつきまして都道府県ごとにばらつき、格差があってはこれはいけないことでありまして、これをひとつきちんといわゆる標準どおりに全府県に対して指導をしていただかなくてはいかぬと思うわけであります。また、今のお話の、この制度改正の後にもこれを維持しようという文部省の方針に対しての自治省としての立場をも含めて、御説明を願いたいと思います。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。 各都道府県における私学共済に対する補助につきましては、都道府県独自の判断で補助をいたしているというのが実態でありまして、私どもとしては、それに対する財源措置といたしまして、高等学校以下の私学共済に対する補助につきましては、地方交付税の基準財政需要額に千分の八を算入することによって財源措置をいたしているということになっております。 大学及び短大の私学共済につきましては、私ども、大学、短大に対する経常費の補助を含めまして、第一義的には国が行うべきものではないかという考え方のもとに、普通交付税の算入はいたしていないところであります。そういうことと、委員御指摘のように、各県で非常に財政状況が厳しくなってきているというようなことから、短大、大学については補助の実態がかなりばらつきがあるということになっているのではないかと思っております。
○滝沢委員 これはしかし、大学、短大等に対しても手助けをしている府県とそれをしない府県があることは決して望ましいことではない。どうかひとつ自治省においても、下の方に下げるのじゃなくて、いわゆる頑張っているところに足並みをそろえるように御指導をいただきたい。いかがですか。
○遠藤説明員 先ほどもお答えいたしましたように、大学、短大に対する助成のあり方、これはやはり第一義的には国という考え方でございますので、普通交付税におきましても、府県が実態を判断しまして自分のところの独自の判断で助成をいたすということは、これは一向に構わないわけでございますけれども、普通交付税の算入を通じて一定のルールをつくるとか、そういうことはただいまのところ考えていないところであります。
○滝沢委員 それをぜひともひとつ考えていただきたいというのが、申し上げている趣旨であります。 ところで、このたびはいわゆる人事院勧告による賃金改定ということに対するいわばスライド的立場の提案でありますが、この人事院勧告とこれが実施という関係について大蔵省はどのようにお考えなんでしょうか。これをきちんと完全実施いただくのが、人事院の制度また人事院勧告の趣旨だと思うのでありますが、ここ数年来これは完全に実施されないのが例となってきました。このようなことになっていくならば、人事院制度そのものが問われる時期である、こう申し上げても決して過言ではない、こう私は思うのでありますが、いかがお考えてありますか。
○竹島説明員 お答え申し上げます。 御存じのとおりでございますけれども、人事院勧告制度というのは、国家公務員につきまして労働基本権が制約されていることに対する代償としての重要な措置でございまして、そういう重みを持った制度でございますから、政府は従来からこれを維持尊重してまいりますということを申し上げてきているわけでございます。現に、毎年毎年人事院勧告を受けまして、その実施に当たりましては閣僚会議を開きまして慎重に検討した上で、政府としてなし得るぎりぎりの実施方針というものを決めまして、それを給与法の改正案として国会でお諮りをいただいているということでございます。確かに五十六年度以降不完全実施という事態になっておりますが、これも、財政事情を初めといたしまして、いろいろと人勧を取り巻く情勢が大変厳しいということでございます。その中でも、最初に申し上げましたとおり、最大限尊重という立場をずっと維持して慎重に検討させていただいた。殊に五十九年度、昨年度の場合につきましても、あえて官房長官談話ということで、人勧制度尊重の姿勢のあかしといたしまして、関係方面の御要望もございましたので、昨年度を含めて三年をめどに完全実施に復するように努力をしたいというところまで申し上げているところにあらわれておりますように、今後ともそういうことで努力をしてまいりたいと思っております。
○滝沢委員 どうぞひとつ、人事院勧告制度の精神を踏まえて御勉強をお願いしたいと思います。 ところで、話は違いますが、厚生省からお見えになっていただいております。実はこの共済制度の中で、短期給付つまり医療給付という一面がございます。昨年いわゆる保険法改正ということで、ゼロ負担であったものが一割負担に結果としてなった。しかし、政府のあのときの御説明の中では、これは将来二割負担というところに持っていきたいのである。しかし一方、国民健康保険のごとく三割負担を余儀なくされているものも二割にこれを引き下げる、いわゆる平等の原則というようなことで持っていくのである、その過程であるという説明があったわけであります。しかし、現実に今、この私学年金、さらには国家公務員の共済制度、地方公務員の共済制度ないしは農林共済、健康保険組合の制度、また政府管掌による保険というように複雑多岐にわたっている中で、例えば国家公務員の共済ないしは地方公務員の共済等が一割負担をいたしたものについて後でこれをいわゆる還元しているということでありまして、これは一面から見るならば、それをすることのできない零細中小企業の組合等に属している者にとりましては、公平の原則を欠くのではないか。あのときの政府のうたい文句はどうなったかということにもなるわけでありまして、この間の事情をひとつ御説明願いたいと思います。
○奥村説明員 お答えを申し上げます。 先生御指摘のように、昨年の制度改革で本人の定率一割自己負担ということが導入されたわけでございますが、これはコスト意識の喚起あるいは給付の公平化を図る観点から行われたわけでございまして、このような観点から見ますと、先生御指摘のような付加給付につきましては、私どもは好ましいものと考えておるわけではございません。ただ、現実的に、健保組合等でこれまで家族の付加給付を長年にわたって行ってきておりますことの関連や、健保組合等の自主的運営というような観点を考慮いたしまして、現実の段階としてこれを禁止するというのは難しい、現実的に認めざるを得ないというふうに判断をしておるところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように各制度の均衡というようなこともございますので、一定額、まあ健保組合では三千円以上ということで指導しておりますが、一定額以下の場合には付加給付を行わないということで、その適切な実施を指導いたしておるところでございます。
○滝沢委員 御自分の組合の財政力によってそれは決定することであるからよろしい、特に足切りという俗語で言われているこのこともあるし、意義があるというおっしゃり方でありますが、それはそのとおりでありましょう。しかし、後で仮に国民健康保険を二割に上げるというようなことになりましたときに、果たして、国民健康保険がこの二割を還元することができるかどうかということを考えれば、これは大変な課題と言わなければなりません。そういう意味で、どうかひとつ、これは今受けている者の既得の権利を剥奪せよと言っているわけではありませんけれども、いわゆる国民公平の原則に立って、さきのこの健保制度の改定をなされたときの精神を確認していただきたい。それがないならば、この一連の保険、年金等の政府の施策は架空なもの、偽りなものと言わざるを得ません。そういう意味で、各省庁においてこの間のこともひとつ検討していただきたいというふうに望みます。 最後に、文部大臣、このようなことにおきまして、私学は今あらしの前にさらされていると言っても過言ではないでありましょう。しかし、一面、そのような中で、たびたび新聞等では私学の経営者の中におけるいわば不心得の状況も出ているというときに、私は、私学の存在とはそもそも何ぞやということがやはり議論されなければならぬ時期だと思っております。各大学その他の私学がそれぞれの建学の精神、特質があってしかるべきものでありまするのに、仮に、例はいけませんが、早稲田大学の中に大隈重信がいかほどに生きているものぞや、まことに難しい課題でありまするが、私学というものは将来どのようになりまするか、また、これからどのようにしていかれるお考えなのか。例えば公の大学との比率を、私学をよりふやしていくのか、減らしていくのか。私学の今後果たすべき役割は何なのか。そのようなことについて、ごく簡単に大臣の決意のほどを承って終わりにしたいと思います。
○松永国務大臣 午前中からしばしば申し上げておりますように、我が国の学校教育の中で私学は大変大きな役割を果たしておるというふうに思っております。特に、高等教育それから幼稚園教育の分野では、学生数あるいは園児数において私学の方が八割を担当しておるわけでありまして、私学の役割は大変大きいわけであります。 そしてまた、つけ加えて申し上げますならば、日本の経済の復興期に、高度成長期に、我が国の社会は高い学習を経た人を実は必要としたわけでありまして、その時期において国立、公立は必ずしもたくさんの学習を受けた人材を世の中に輩出するというそういうことに対応できなかったそのときに、私学は拡充をし、また入学定員を増加するなどという大変思い切った措置をして、そして社会の要請にこたえたといういきさつもございます。そういうことでありますので、今日まで私学の果たしてきた役割を考えると、これからも私学というものが大いに我が国の学校教育の中で大きな役割を果たし続けてもらいたいというふうに私は思います。 私学というものは、そもそも建学の精神に基づきましていろいろな自助努力、創意工夫を凝らして研究機関としての役割を果たしていく、あるいは教育機関としての機能をより一層高めながら果たしていくことが実は大事なのであります。そういう意味では、かつては私学というのはいろいろな関係者の善意に基づく寄附等に基づきまして財政を充実させながらやってきてくれておったわけでありますけれども、最近はそれがなかなか思うに任せません。しかも、私学の果たしている役割は公教育でありますから、そういう点に着眼して、私立学校振興助成法を制定し、それに基づいて公費による、すなわち国民の税金による補助を始めて今日に至っておるわけであります。国民の税金による応援を受けてということであるからには、今までより以上に私学がその課せられておる任務を自覚していただいて、かりそめにも一般国民から指摘を受けるような事態が起こらぬようにしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。そういうふうにして、国民の期待にこたえる立派な学校教育機関として今後の発展を図ってもらいたい。また、私どもは、そういう発展を図っておる私学に対しましては、厳しい財政状況ではありますけれども、今後ともできる限りの努力をしそ、私学に対する経常費助成その他の応援を続けるだけの予算が確保されるように努力をしていきたい、こう考えておる次第でございます。
○滝沢委員 どうもありがとうございました。終わります。
○阿部委員長 山原健二郎君。
○山原委員 今までの委員の皆さんも取り上げた問題で少し重複しますけれども、最初に私学共済への国庫補助四分の一カット分のいわゆる返済問題でございますが、三年間の四分の一カットに引き続いて、今回の補助金一律カットの一括法案によって再び一年カットということで、最初の約束が破られるという非常に遺憾な事態を迎えておるわけです。これに対して竹下大蔵大臣の発言を見ますと、五月十五日の参議院のいわゆる特別委員会における大蔵大臣の発言が一番端的に示しておると思いますが、「特例適用期間経過後、積立金運用収入の減額分」、いわゆる利子分でありますが、「も含む年金の減額分のできる限り速やかな繰り入れに着手しなければならない。」と答弁いたしております。ところが、同時に、その答弁の少し前の部分で、「特例適用期間経過後において、国の財政状況を勘案しながらできる限り速やかに繰り入れに着手する」、こういうふうに言っておりまして、つきまとっているのが国の財政状況云々という言葉でございます。今度の場合、一年延長しましたのもやはり国の財政状況云々ということでやられたわけですから、結局、三年前に約束したことが本当に守られるのかどうかということが心配になるのは当然でございますが、それは単なる杞憂にすぎないのかどうか、この点をどういうふうにお考えになっていますか。
○松永国務大臣 今回の行革関連特例法の一年延長によりまして国庫補助の減額が一年延長されたという結果になったわけでありますが、これは国の財政状況が極めて厳しく、多額の特例公債に依存せざるを得ないという厳しい事情にあるためやむを得ざる措置としてとられたものであるというふうに理解しておるわけであります。 そこで、問題の減額分の補てんでございますが、今お話がありましたように、また私どももしばしば答弁をいたしておりますように、特例適用期間経過後において利子分も含めて、年金財政の安定が損なわれることのないように、国の財政状況を勘案しながら、できる限り速やかに返済がなされるというふうに私どもは承知しているわけでございます。ただ、具体的な返済時期等につきましては、今後財政当局と十分協議してまいりたい、こういうふうに考えているわけであります。
○山原委員 もちろん私学だけの問題ではございませんから、非常に困難な問題もあると思いますが、とにかくこのままでは、いつまでたっても財政状況ということで遷延をされる可能性がないとは言えないと思うのです。そういう意味で、よほど決意を固めてかからないとこの問題の解決にはならぬと思うのですが、この四分の一カット分の実際の影響額、それからその利子、大体どれくらいになるか、ちょっとお答えいただきます。
○菱村政府委員 六十年度で見ますると、減額分は二十三億円、その利子分は四億円で、合わせて二十七億円ということでございますが、五十七年からでございますので、五十七年から四カ年間の減額措置の累計を予算ベースで見ますと七十六億円になるわけでございます。そして、それの運用利子につきましては八億円でございますので、合わせますと、ここ四カ年間の行革関連特例法によります減額措置は八十四億円になるということでございます。
○山原委員 審議官としては、大臣は今お答えになったようなお考えですね、実際事務担当の部署におられて、この問題をどういうふうに解決をしていくのかという点では何か見通しを持っておりますか。
○菱村政府委員 これは、先ほど大臣から御答弁がありましたように、経過期間後にはできる限り速やかに返済がなされるものと承知しているわけでございます。そのことは先般の補助金等一括法案の審議の際にもしばしば問題になりまして、政府の統一見解も出ているところでございますので、私どもとしましては、その線に沿って私学共済の健全な財政運営が損なわれないように、減額措置のありました分については速やかに返還していただく、またしていただけるものというふうに承知しているわけでございます。
○山原委員 約束したことを守らぬというのは、うそは泥棒の始まりと言いますけれども、ぬけぬけと国の財政状況ということで次々と遷延されてはたまったものではないわけでありまして、それはお互い同じ気持ちだと思いますが、決意を固めてこの問題の解決に文部大臣も先ほどおっしゃったようにぜひ頑張っていただきたいということを申し上げて、次へ移りたいと思います。 次に、私学共済の運営審議会についてでございますが、この問題も今まで何遍もここで取り上げてきましたけれども、なかなか思うようにならないというのが実情でございまして、ことしの二月十五日付で文部大臣が委嘱をされました名簿を見ますと、やはり私どもが指摘した改善がなされておるようには思えません。具体的に伺いますと、個人の名前を挙げて大変恐縮でございますが、例えばこの委嘱された名簿の中に魚津貞夫さんという方がおいでになります。東京物理学園事務局次長、この人は組合員代表が、あるいは経営者代表が、あるいは学識経験者代表が、どちらでしょうか。
○菱村政府委員 お尋ねのありました東京理科大学の魚津さんは、組合員関係の代表として委員になっていらっしゃいます。
○山原委員 組合員代表ということですけれども、例えばこの方は、教職員組合と経営者側との団体交渉が行われました場合には、経営者側に座っておる方のようでございます。 結局、もちろんおわかりのように、私学共済の運営委員というのは、組合員代表七名、経営者代表七名、学識経験者七名ということに構成が決められておりまして、組合員代表という場合、例えば教職員組合あるいは労働組合の代表を何人か入れるのが他の共済などでは普通になっておるわけでございます。 例えば、公立学校共済、中央の場合には日教組代表が入っておると思いますが、これは間違いないと思いますが、そういうふうに確認してよろしいでしょうか。
○菱村政府委員 公立学校共済等は二者構成になっているわけでございますが、私学共済の運営審議会につきましては、三者構成ということで、組合員関係、法人関係、学識経験者等それぞれ七名の委員が出て構成されているわけでございます。 お尋ねの魚津さんの件で申し上げますと、これは推薦団体でございます全私学連合に依頼いたしまして、そこの推薦に基づきまして私どもは委嘱しているわけでございます。 具体的に、交渉のときにどういう席に着かれるかどうかというようなことは、私ども承知していないわけでございますが、従来から全私学連合の御推薦をいただいて、それによって委嘱するということをしておりますので、この場合もそういう手続で発令が出ているということでございます。
○山原委員 公立共済の場合、共済組合員代表八名のうち、たしか日教組の関係の方が七名、全日教連の方が一名というふうにお聞きしております。 私学共済の場合は、今おっしゃったように、全私学連合に委員代表の推薦を委託をして、その中から文部大臣が委嘱をするという、そういう制度になっているわけです。全私学連合は実質経営者の組織なんですね。だから、例えば日教組に加盟している組合の方たち、随分たくさんおいでになるわけですが、その代表も入っておりません。率直に言って、実際これでは、共済組合員の意見といいますか、あるいは組織的なまとまった意見、意向というものが運営審議会に反映される保証はないわけでございまして、これはやり方としては非常に公平を欠くのではないかというふうに思います。 私学共済法第十二条第三項で、文部大臣が委嘱する場合には「一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」と規定をされておるわけでございまして、教職員組合の推薦した人を運営委員に任命するというふうなやり方を取り入れても、ちっともおかしくないと私は思うのですね。その辺が、私学連合に対していろいろ御指示をなさるか、あるいは指導なさるか、これはもうぜひしていただきたいと思うのですが、これは前から言っておるのですが、そんなことは絶対できないことなのか、もう一回伺いたいのです。
○菱村政府委員 私学連合は、私学制度の振興を図るのを目的としまして、学校自体が加盟員となっている団体でございますが、そこは当然、先生が学校の中心でございますから、それの加盟している団体で教職員の意向も十分反映されているものであるというふうに考えているわけでございます。 私どもとしましては、この推薦団体であります全私学連合に対しましても、候補者の推薦に当たっては、組合員の意向を十分反映し、また組合員を代表するにふさわしい者を推薦するよう、かねてからお願いしているところでございまして、そういう趣旨に基づいて、私学連合ではそれぞれメンバーを御推薦いただいているものというふうに承知しているわけでございます。
○山原委員 その私学共済の運営審議会は傍聴できますでしょうか。
○菱村政府委員 これは私学共済組合でやることでございますので、私どもちょっと今どちらの方式をとっているか承知いたしておりません。
○山原委員 傍聴を認めていないのです。だから、これも本当に異例でして、公立共済の運営審議会の場合は傍聴させておりますね。 そういう点から見ましても、私学共済のあり方というのを、実際に金を出している組合員、たくさんおるわけで、それを全く——文部省のお答えは、意識的に排除しておるのではなくて、私学連合にお頼みしておるのだということですけれども、実際は、そっちの大部分の人たちが折半で出している、組合員の方が意思が反映できない、あるいはどういうふうな実質的な運営がなされているかもわからないということでは、これはもう非常に不十分だと思うわけです。自分たちが支払っている掛金が一体どういうふうに運用されているかということを知りたいのは当然のことでございまして、また代表を通じてもちろん意見も直接反映させてもらいたいというのは当然のことでございまして、これがいろいろな理由をつけて排除されるということになりますと、これほど不公平なことはないわけでございます。 私学共済法が成立する際のこの委員会での附帯決議が、これは御承知だと思いますが、昭和二十八年七月二十八日になされておりますけれども、「役員の任命については、文部大臣が任命することになっているが、出来るだけ各界の代表を選び、将来運営審議会が選任する方法を考慮すること。」「運営審議会の役員の構成については、組合員たる教職員代表、学校法人代表を各同数とし、選挙制にて選出するよう今後努力すること。」というのが、これは国会の決議でございまして、参議院も同じようにこういう決議をいたしておるわけでございます。 そういう国会の決議から見ましても、やはりこれは当然、もう何年も何年もこの場所で、運審の民主化といいますか組合員の意見反映の態勢をとってもらいたいという要望があるのにかかわらず、選出される方、推薦される方、これがほとんど経営者側だということでは、不公平千万なやり方だと思うのです。同じように掛金を出しているじゃありませんか。お金を出している者の声を聞く努力をすることが大事なのであって、それを排除することが大事なのではないわけですからね。 この点は、ぜひ努力をしていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○松永国務大臣 先ほどから審議官が答えておりますように、私学共済の運営審議会の委員、組合員関係、法人役員関係、学識経験者、三者構成になっているわけでありまして、組合員関係につきましては、全私学連合の方に組合員、すなわち掛金をかけている人の意向が反映されるような立派な人を推薦してもらいたいということで推薦方をお願いし、その推薦に基づいて委嘱している、こういうことなのでございます。 したがいまして、組合員関係を見ますというと、学校現場の教頭さんや教諭の人や教授さん等々が大部分になっておるわけでありまして、それなりに組合員の代表者が入っていただいておるというふうに思っておるわけでありますけれども、今後とも組合員の意向が反映されるような的確な人事になるような努力は続けていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。
○山原委員 今大臣のおっしゃったとおり努力をしていただきたいと思います。 だから、私学連合が悪いと言っているのじゃありませんよ。でも、結局推薦してきますと、経営者の集まりの組織としては、私学で言えば校長さんといっても経営者側に近い人でしょう。だから、国会はわざわざ決議をして、「組合員たる教職員代表、学校法人代表を各同数とし、」という決議をつけたわけですから、この精神が生かされるように、推薦をされるであろう私学連合に対してもやはり的確な指導をしていただくのは当然だと思いますので、今大臣のおっしゃったことをぜひ実現のために進めていただきたいと思います。 次に、これも御質問あったのではないかと思いますが、過疎特別助成制度の継続の問題についてお尋ねをしたいと思います。 昭和五十三年より実施されました過疎地帯私学への特別助成は、困難な中で大変苦しみ続けてきた過疎地域の私学に大きな励ましとなっております。父母負担を軽減し、子供たちに学ぶ希望と教師たちに教育への意欲を与えておりまして、この点では経営者にとりましてもその健全な経営を行うために非常に貴重な財源となっておることが事実のようでございます。 ところで、この制度を六十一年度以降もぜひ継続してもらいたいという強い要望が関係者から出されています。ぜひこれにこたえるべきだと思いますが、この点についてどういうふうにお考えになっておるでしょうか。
○松永国務大臣 御指摘の過疎地域の私立高校に対する特別補助というのが、私立学校振興助成法に基づく経常費補助の中で措置されておるわけでありますが、人口の流出など高校の生徒減少地域のような特定地域に所在する私立高校に対して、一般的な補助にがさ上げをして特別に補助するという制度でありまして、昭和五十三年度に創設をしたわけであります。六十年度では実は前年度比二億二千万円減になっておるわけでありますけれども、これは補助対象人員が減少したためであり、単価は三・七%増をいたしたわけであります。 この補助金につきまして六十一年度以降どうするかという御指摘でございますが、これにつきましては、この補助金の趣旨、効果、それから現在の国の財政事情は決して楽なものじゃないということ、それからさらに、それに加えて言えば、六十五年度以降において全国的な高校生の急減期を迎えるという問題もありますので、こういった点を総合的に判断して、六十一年度以降どうするか、これを検討して決めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでありまして、具体的に言えば、ことしの概算要求を取りまとめることしの八月末までの間に文部省としての態度は決めたい。それに対して大蔵省がどう厳しい措置をとるか、これはなかなか見通しは困難であるわけでありますけれども、そういう方針で対処してまいりたいと考えております。
○山原委員 今大臣からお答えいただきましたが、ちょっと数字を聞き逃がしたのですけれども、集計によりますと、五十八年度で見ますと、学校数にしまして五十七校、平均してこれは私学の九・八四%でしょうか。それから国の補助額としては六十年度で四億六千百万円ということでございまして、補助総額で見ますとそれほど大きな金額ではないわけでございます。これはさらに、高等学校以下の私学に対する国の補助がことしは昨年同様七百十六億円でございますから、その中でわずかに〇・六%を占めておるにすぎません。こういうふうに金額としては、率直に言って大した金額ではありませんが、しかし、この五十数校の過疎地帯私学の一校一校にとってみますと、これが大変貴重な重要な財源となっておったようでございまして、それぞれの学校の帰属収益に占める過疎特別補助の割合は平均で九・八四%、昭和五十八年度ですが、一〇%を超えるところは五十七校のうち二十三校に上っておるようでございます。苦しい過疎の私学にとってはまさにこの金額が命綱だというふうに言われておるわけでございまして、これが打ち切られましたならば、これらの私学にとってははかり知れない打撃になるだけでなくて、過疎地帯における教育に非常に否定的な側面が出てくるのではないかというふうに心配をされておるわけでございますが、こういう認識についてはどうお考えでしょうか。
○國分政府委員 金額的には、例えば六十年度予算で申しますと、御指摘のとおり四億六千一百万ということで、ございますが「個々の私学にとりましては、特に過疎地域で生徒がなかなか定員まで集まらないという地域についての補助のウェートというのは、一般補助と並びまして大変大きなウエートを占めているということは十分承知しているわけでございます。こういうことから、私学の関係の団体ないしは関係の県から、六十一年度以降におきましてもこの過疎特別補助という制度を維持してほしいという声が私どものところにも届いておるところでございます。 ただ、大臣も先ほどお答え申し上げましたように、この制度が、全国的に高校生がふえている中で過疎地域ということで十五歳人口が落ちていくというものについて、ある程度安定的な段階まで補助をしていこうではないか、こういう趣旨で五十三年に創設され、今日まで大変大きな効果を上げてきたものというふうに理解しているわけでございますが、一応仕組みといたしまして、発足のときには、昭和四十五年度と昭和四十六年度の児童生徒数の減の状況を前提に積算いたしてこの補助制度がスタートしたというようなこと、それから、先ほど大臣の御答弁にも、ございましたように、今後は全国的に十五歳人口が減少していくという時期を迎えますので、従来の考え方とおりにいくかどうかということをさらに検討していく必要があるだろうということでございまして、私ども、夏の概算要求までにそれらの点も踏まえまして検討を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○山原委員 出発当初のお考え方もあろうと思いますし、また、改めてこれは打ち切りをさせないということになりますと、まあ言うならば一種の理論構成といいますか、そういうものも必要になってくると思うのです。しかし、これは、金額としては今おっしゃったようにそう大した額ではなくとも、それぞれの学校にとりましては本当に福音といいますか、そういう意味で善政の一つだと私は思うわけです。ところが、実際にこれを国が打ち切ったら都道府県の場合も、県段階でも次々と打ち切る構えが出ておりまして、各県で県当局の話を聞きますと、そういう意向が強くなっておるわけです。だから、国が制度を継続するということが本当に大事になってまいりましたから、そういう意味で、高等学校は県の責任だというのが一般論でございますけれども、この際は改めて理論の構成をして、この継続をぜひ続けていただきたいというふうに考えます。仮に打ち切られた場合、授業料をさらに値上げをせざるを得ないということで、経営者の人に聞いてみますと、月額で四千ないし五千円は値上げが必要だ、あるいは七千円値上げが必要だというような実態もあるようでございます。昨日ちょっと現地の先生方にお聞きしたのですが、現在でも授業料が高くて、数カ月滞納しておる生徒もおる、これはクラスに何名もおるというような話、あるいは東北のある県では、例えば授業料が払えない理由で学校をやめる例も相当数出ておるわけでございます。私学に通う生徒の方が公立の生徒より家計が苦しいのが現実だということはもうおわかりと思います。そういう意味で、本当にこれは大事な中身を持っておりますから、いよいよ過疎地帯における私学を本当に守るために、財政当局との関係もあると思いますけれども、この点では文部省としてぜひ継続を実現する立場で財政当局とも折衝して、継続実現のために最大限の努力をしていただきたいと思いますが、大臣、お答えになりましたけれども、いま一度この問題について御決意を伺いたいのであります。
○松永国務大臣 先ほど来申し上げましたようないろいろな事情を総合的に勘案をいたしまして、ことし八月末の来年度予算に関する概算要求の時期までに検討して、そして対応策を考えてまいりたい、こう考えておるわけであります。
○山原委員 私学振興助成法第一条には、「修学上の経済的負担の軽減を図るとともに私立学校の経営の健全性を高め、もって私立学校の健全な発達に資する」というのがこの委員会で論議されました私学助成法の第一条の精神でございますから、今お答えになりましたように、ぜひ御努力を重ねてお願いを申し上げたい次第で、ございます。 さて、私の党はこの法案に対しまして一定の見解を持っておりまして、物価上昇率が積み残し分を含め約四。八%であり、人事院勧告が六・四%であるのに対しまして三・四%の引き上げにとどめることは、人事院勧告を無視する行為に連動したいわゆる臨調行革による事実上の制度の改悪ではないかということで、残念ながら賛成する立場をとっておりません。そのことを申し上げておきたいと思います。 最後に、私学助成の問題でございますけれども、前年同様の金額でございまして、それを見ますと、もう大臣も御承知のように、経常費につきましては二〇・二%にしかならないわけでございまして、国会の決議である経常費二分の一というのが残念ながら次第に遠のいております。この法律ができる前年が経常費に対して二〇・六%でございましたから、結局法律ができる以前よりも低劣な私学助成の比率になっておるのではないかというふうに考えます。そうして、一方、そのために学費の値上げが、ある調査によりますと二百九十九校の私学の中で二百十八校、七三%が学費値上げを計画をいたしておりますし、また、中には早稲田大学のように、いわゆるスライド制を採用しておる大学が四割にも達しております。そして一方では、奨学金制度の有利子化が取り入れられましたが、この有利子化も、お聞きしますと、無利子貸与の分については一〇〇%の応募者があるそうですが、有利子化の貸与につきましては応募者が、今何%になっておるか、よくわかりませんけれども、なかなか応募する人がいないという状態の中で、ある学生たちは、アメリカの州立大学へ奨学金をもらって行った方が日本で勉強するよりもまだ安くいくんだというような声も起こる今日でございます。 また、国公私立間の格差是正、学歴社会というものを解消するためにはこのことがまず手がけられなければなりませんが、このままではいわゆる国公私立間の格差もなかなか解消しない。しかも、その私学に対して、十八歳人口の増によりまして臨時増募もやっていただかなければならぬという、私学に対するしわ寄せが強化されるわけですね。そういう点から考えまして、やはり私学に対する助成の問題は、文教行政だけでなくて国政上の重大な問題として把握をいたしまして、これに対する運動を続けていかなければならぬと思いますが、この点、何遍も大臣は御答弁をなさっておりますけれども、最後にこの私学助成についてのお考えを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○松永国務大臣 前々から何回も御答弁申し上げましたように、我が国の学校教育において私学の果たしている役割の重要性にかんがみまして、私学の教育、研究機関としての内容を充実させる、一方、父兄の負担が過大にならないようにするという考え方から、私立学校振興助成法を制定をいたしまして、自来、着実に私学に対する公費助成の予算は増額を見てきたわけでありますけれども、国の厳しい財政事情から、五十八、五十九年度はいずれも対前年比で減額のやむなきに至ったわけでありますが、六十年度は、他の補助金等が削減を受けた中で、私学助成の予算だけは削減を受けずに前年同額の予算が確保された、これは私学に対する我々の、そしてまた関係者の大変な熱意のあらわれだというふうに評価をしていただきたいわけでありますけれども、今後とも、この予算の確保は極めて大事なことであると思いますので、一生懸命努力をしてまいる所存でございます。
○山原委員 終わります。
○阿部委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○阿部委員長 この際、本案に対し、船田元君から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。船田元君。 ————————————— 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共 済組合からの年金の額の改定に関する法律等 の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○船田委員 私は、ただいま議題となりました修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この法律の施行期日は、本年「四月一日」としておりますが、既にその期日を経過しておりますので、これを「公布の日」に改め、これに伴い、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 何とぞ委員各位の御賛成をお願い申し上げます。
○阿部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○阿部委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、採決に入ります。 内閣提出、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、船田元君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○阿部委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○阿部委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○阿部委員長 この際、船田元君外五名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤誼君。
○佐藤(誼)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案についての御説明を申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について検討し、速やかにその実現を図るべきである。 一 行革関連特例法により減額されることとなった長期給付に対する国庫補助額については、特例適用期間終了後適正な利子を付して、その減額分の補てんを行うこと。 二 日本私学振興財団及び都道府県からの助成については、私学振興の見地から、その充実について必要な措置を講ずるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○阿部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○阿部委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。松永文部大臣。
○松永国務大臣 ただいま御決議がごさいました事項につきましては、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。 —————————————
○阿部委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○阿部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○阿部委員長 次回は、来る六月五日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十四分散会 ————◇—————