農林水産委員会 第24号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1985/06/18
会議録
○今井委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 最初に、北海道はこの六月の十四日、十五日に全道的に霜がおりまして、六月というのに氷点下を記録して、小豆だとか菜豆類は再播をしなければならないというような状況であります。今のところどの程度回復可能か、また被害の実態等は今後を見なければわからないのですけれども、大臣にお願いしたいのは、長期予報がことしの場合は大変変化のある予報でありますし、気象に合わせて技術指導を徹底してやっていただきたい、とりあえずこのことを今強くお願いしておきたいと思います。また、共済の認定など、しかるべき時期になりましたら適切な御判断を特にお願いいたしたく、今から御要請をしておく次第であります。参考にこの新聞、北海道の道内紙を持ってきておりますので、後で大臣、ちょっと目を通していただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 鈴木先生にお答えいたします。 農業というのは、もう先生御存じだと思いますが、大変天候に左右されるということで、またこれをどうするかを考えないと安定的農業生産を進めるのは非常に難しい。したがって、気象変動に即応した適時適切な技術対策が必要ということでございます。このため、我が省としても、これまでも気象庁との密接な連携のもとに、施肥、水管理とか、病害虫防除等の基本技術の励行についてその徹底を指導するとともに、気象変動に即した適切な技術指導を行ったところでございます。今後ともその徹底を図りながら農業生産の安定に努めてまいるとともに、御指摘のようなことについて最善の努力を今後いたしたい、このように考えておるわけでございます。
○鈴木(宗)委員 ありがとうございます。 次に、昭和六十年産の麦の政府買い入れ価格の決定の時期が来たわけですけれども、この十九日に審議会を踏まえて決定がされるわけです。麦の再生産確保また農家所得の安定が図られるよう適正な価格を特にお願いをするわけですけれども、麦の価格決定に当たっての大臣のお考えと、あとパリティ指数はどうなっているか、お尋ねしたいのです。
○佐藤国務大臣 お答えします。 六十年産麦の政府買い入れ価格につきましては、現在事務当局において、最近における国内産麦の生産事情等に配慮しながら、今後とも麦生産の振興を図るという考え方に基づきまして最終的な調整を行っているところでございます。いずれにいたしましても、麦の政府買い入れ価格につきましては、食管法の規定に基づきまして、麦の再生産の確保を旨として、米価審議会の御意見を聞くとともに、関係各方面との意見調整を経まして適正に決定してまいりたいと考えております。 それから、パリティ指数につきましては長官より答えさせますのでよろしくお願いします。
○石川政府委員 農業パリティ指数は統計でやっておるわけでございますが、私からお答えしますが、近年大変安定的に推移しておりまして、三月の対前年同月上昇率〇・七四でございます。四、五につきましては実はきょう午後、統計の方で正式なものを出すようでございますが、数字はこの水準と余り変わっていないと思っております。
○鈴木(宗)委員 そういうパリティ指数ですと価格も横ばいという判断になるわけですが、長官どうなんでしょう。
○石川政府委員 御承知のように、パリティで出しました数字と生産振興奨励金とで麦価が今形成されておりますが、今おっしゃいましたように、パリティが非常に少ない変動でございますので、水準に大きな変更はないような形になろうかと思います。
○鈴木(宗)委員 北海道の場合、これは距離が遠く、また流通の円滑化を図るために、今運賃助成をやってもらっているわけですけれども、これは引き続き講じていただきたい。価格は抑えられる、運賃助成は切られるというのでは農家の皆さん方も本当に困るものですから、この運賃助成の件について強くお願いしたいのですけれども、食糧庁長官、いかがでしょうか。
○石川政府委員 今お話しのありましたように、北海道の場合、生産地と需要地の間が比較的遠隔地が多いというようなこともございまして、引き取りがなかなかしにくいというようなことがございます。 一つは、基本的には輸送手段でございますいろいろな流通の仕方、特に小さな袋でいろいろやっておりますと金がかかりますので、ばら輸送というようなことをやっておりますが、これは北海道が一番進んでおりまして、現在ばら輸送の比率が大変上がってきておりますから、そういう意味で合理化は進んでおります。それでもなお、若干のいろいろな引き取り費用の増高分というのがございますので、これは今お話しがありました麦管理改善対策の一環としまして運賃助成が行われてきたという経緯がございます。 この運賃助成の将来ということでございますが、これは今言いましたばら輸送のような、要するに、そもそも経費がかからぬようにという御努力を進めることがまず第一でございますが、それに至る間ということでございますが、格差が若干あるという間につきましては、これが継続されるのが適当ではなかろうかという考え方でございます。
○鈴木(宗)委員 長官、それではことしもこれは継続されると理解してよろしいのですね。
○石川政府委員 麦管理改善対策というのは引き取り契約の中でやられることでございますので、私どもがこうしろ、ああしろということではございませんけれども、当面、こういう関係は続くだろうと考えております。
○鈴木(宗)委員 次に、品質向上のため麦の乾燥施設などの予算の関係なんですけれども、例えば六十年度予算でも北海道は七カ所で五億二千五百万円要求しておりました。おかげさまで箇所数につきましては満席に認められたのですけれども、残念ながら補助金は四億三千二百十三万円、約一億円ぐらいカットされまして、農協も予定外の負担で今困っておるというのが現状なんです。さらにまた、品質改良などの面でも、試験場に対する予算の措置などもこれはあわせて考えてやらなければいけないのじゃないかと今私は考えておるのですけれども、この予算の確保についてどのように考えておるか、局長さん、お願いします。
○関谷政府委員 私の方からは乾燥調製施設関係についてお答え申し上げます。 ことしは全体の予算が大変厳しゅうございまして、総額、若干きついものですから、今先生のお尋ねにありましたような御希望に満額応ずるわけにいきませんので若干の圧縮をしたわけでございますが、いずれにしましても、この大規模乾燥調製施設等整備事業につきましては、米麦両方含めまして品質向上のため大変大事な予算でございますので、これからも、来年度以降も含めまして予算の確保、またその適正な執行に努めてまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 試験場の予算に対する担当の人は……。
○櫛渕政府委員 お答えします。 試験研究の面で麦の品質向上を図ることは、これまた従前から非常に重視をしてまいっておりまして、国の試験研究機関を初め、公立の試験研究機関と連携をとりながら、特に品種改良を中心に良質多収の優良品種の育成に向かってずっと研究を続けておるわけでございます。 そういう面で、予算措置に関してでございますけれども、従前から国の試験研究に関しましては、経常的な研究予算の中で、北海道を初め九州に至るほとんどの地域農業試験場の中に麦の育種あるいは栽培の研究がございまして、こういったものに対しての予算措置を講じておりますし、それからさらに、北海道の北見にありますような指定試験というのがございまして、これは公立の試験研究機関に人件費並びに育種の事業費を全部含めて国が助成をしておるわけでございますが、そういうのが全国五単位、五カ所ございます。こういうところの予算につきましてもそれぞれ予算措置を講じておりますし、さらには全国の公立機関、都道府県に、例えば転作に絡む転換畑での麦作の研究等に関する助成、こういったものも講じておるところでございます。 予算総額を申し上げますと、それはいろいろと、麦の品質向上単独ではございませんが、麦の試験研究全体の中で、もちろん品質向上に重点を置いておりますけれども、そういう研究に投じられております予算額というのは約二億六千万、これはその中で国立研究分が約一億、それから公立、都道府県でございますが、こういう中で指定試験事業の補助を含めまして約一億六千万が現状でございます。
○鈴木(宗)委員 品質向上あるいは品質改良のためには今の予算額でいいのかどうか。例えばもう少し予算をつけてほしいという希望があるのかどうか、原局としてはどうなのか、そこらを聞きたいのです。
○櫛渕政府委員 試験研究の予算と申しますのは多々ますます弁ずというようなところが当然ございますけれども、全体としては、御案内のように、バイオテクノロジー等の先端技術開発というところに今後の品種改良のベースを重点的に強化するというような方向で現在予算強化を図っておりまして、こういったものがいずれ将来、今申し上げましたような現場の品種改良にも非常に大きな成果を来す、そういうことを期待して予算措置を講じているわけでございます。
○鈴木(宗)委員 わかりました。 次に、先ほど食糧庁長官のお話を聞くと、麦の価格は上がらない、パリティ指数が横ばいであるから上がらないというお話でありました。しからば農業機械だとか肥料など農業の生産資材の価格抑制対策を私はがっちり行政指導でやってもらいたいと思うのですけれども、この点大臣いかがでしょうか。
○関谷政府委員 生産資材につきましては、この二、三年のところは比較的落ちついた動きを示しております。当面肥料関係については、七月からの新肥料年度に向けまして全農と肥料メーカーとの間の折衝が続いておりまして、実は当面、両者の話がまとまらないものですから、七月から一月間に限り従来の暫定価格で暫定的に据え置く、さらに折衝を続ける、こういうような決着もされたわけでございます。今後いずれにしましてもこの辺の資材価格の抑制、それから価格の抑制と一緒にいわゆる利用面の効率化、こういう面につきましても、大臣からも強い御要請、御指導がございますので、それに従いまして私ども努力してまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 その点重ねて強く行政指導もして、そのときに応じて対応するという姿勢でお願いをしたいと思います。 次に、私は六月の八日に根室、六月の十三日に紋別に行ってまいりました。現地で厳しい水産業界の生の声を聞いてきたわけですけれども、言われますことはやはりサケ・マス出漁の大幅なおくれに伴う数々の緊急措置を講じてもらいたいという切なる声でありました。 六月五日の当委員会でも私はお願いしておきましたけれども、北海道庁がいわゆる緊急融資四十七億円を行いました。これを改めて国の制度による救済措置をとってもらいたい、適用してもらいたい、国際規制関連経営安定資金の適用のお願いが正式に北海道から陳情が上がったと思うのですけれども、それに対して長官、どんなものでしょうか。
○佐野(宏)政府委員 お答えをいたします。 ことしのサケ・マス漁は例年より一カ月漁期が遅延をいたしまして、そういう意味では私どももことしの漁期について大変事態を憂慮いたしております。それで、今後の出漁のおくれに伴いまして漁獲にどのような影響があるかということは、毎年漁海況による影響で左右をされるということもございますから、政府としては今後ともこうした影響を見きわめた上で救済対策について検討してまいりたいと存じておりますが、先生ただいま言及なさいました国際規制関連経営安定資金は元来このような事態を想定してつくったものでございますから、今申し上げました救済対策の中で当然私どもは念頭に入れております。
○鈴木(宗)委員 どうもありがとうございます。 次に、中小企業庁にお尋ねをするのですけれども、いわゆる水産加工業関連産業というのがあります。これはトラック運送屋さんだとか、網屋さん、箱屋さん、油会社あるいは造船、船舶電気機器等極めて広範囲にわたっておるのですけれども、これら関連産業もサケ・マスのあおりを受けて今困っておるというのが現実です。そのため北海道は五十億円、とりあえず半年間の特別融資を決めました。昭和五十二年、中小企業庁では二百海里に伴ったとき、北洋漁業関連中小企業経営安定対策特別資金というのを四十億の枠で五年償還、六・五%の金利で特別措置を講じてもらったのを記憶しておるのですが、今回もサケ・マスの出漁の大幅なおくれに伴いまして何とか五十二年当時のような緊急措置をとっていただきたいと思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
○土居説明員 本件につきましては、今先生お話しになりましたように先日北海道庁から新しい道の融資制度につきましてお話を伺ったところでございまして、この制度については当然中小企業庁としても信用保証協会を通ずる現行の信用保証制度の適用という形で御協力してまいりたいと思っております。 それから今先生御指摘になりました、国としての関連中小業者に対する特別措置の問題につきましては、これまでのところ北海道庁等の関係者から正式の要望としては承っておりませんけれども、いずれにしても道庁から十分実態をお聞きした上で関係省庁と協議してまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 それでは、道庁から正式に話が上がればそれは検討するということですか。
○土居説明員 道庁から正式に要望がございますれば、当然それについて御検討申し上げるということでございます。
○鈴木(宗)委員 ありがとうございます。 水産庁長官に再度お願いしたいのですけれども、本年度末までにサケ・マス漁業全体で大体百九十九億円の資金償還があるのです。何か水産庁関係に長期で低利の融資制度を新しく考えられるかどうか、お尋ねしたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。 私どもといたしましては、元来一般的に固定化債務の借りかえのための経営維持安定資金の制度を設けてございますので、先生今御指摘のような事態に陥った業者に対してその制度を御活用いただくということは私どもとしても対応可能であるというふうに考えております。それでまた間尺に合わないような事態が起こったらどうするかということにつきましては、一段まずそれでやらしてみていただいたらと思っております。
○鈴木(宗)委員 わかりました。特にこの融資制度、何か長期低利の方策を講じてもらいたい、長官、頭の隅に入れておいてほしいと思います。 次に、水産庁に大変御配慮なりあるいは熱心な折衝をしてもらったのですけれども、いわゆる北洋のカニ、ツブ、エビ漁業なんですけれども、今回の政府間交渉によって民間協定となり、さらに今までの民間協定、共同事業の交渉の結果、このカニ、ツブ、エビについては操業ができない状態に陥ったわけです。これらの関連業者は紋別だとかの方には大変多いものですから、今まさに、乗組員は確保したけれども、とにかく働く場所がない、その日暮らしで大変だというくらい切迫しておるのです。この共同事業の廃止に伴う減船補償なり廃棄処分に対する補償なりは国の方でやるしかないと思っているのです。長官、この点いかがなものでしょうか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。 カニ、ツブ、エビにつきましては、今回のサケ・マス交渉の過程で重なって協議が行われたわけでございますが、私どもといたしましても、大臣を煩わしてアブラシモフ大使に話をしていただくとか、私は鹿取大使と御一緒にカメンツェフ漁業大臣に強く再考を求めるとか、交渉の直接の担当者でございますソブルイブフロートのジガロフ総裁と私直接折衝をいたしまして、いろいろやってみたわけでございますが、残念ながら先生ただいま御指摘のように、東樺太のズワイガニが仮調印できたというだけで、あとは関係の漁業者はもうこれ以上だめだということで断念せざるを得ない事態に立ち至っております。 元来、この話は、ことしの一月から二月にかけて行われました日ソ漁業委員会の結果政府間協定の枠外に出されてしまったという経過があるものでございます。私自身、日ソ漁業委員会に政府代表として協議に臨みまして、断腸の思いで政府間協定の枠外にした経過がございます。したがいまして、この共同事業の話がうまくいかなかったということにつきましては役所として十分責任を痛感しているところでございまして、今後の関係漁業者の皆さん方の身の処し方については、関係の漁業者御自身あるいは道庁などの意見も十分聞かせていただいた上で対処してまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 具体的にどの程度の補償をしてくれあるいはこのぐらいのことは面倒を見てくれという話はまだ来てないと思うのですけれども、具体的に数字が来た場合、十分水産庁として対応してくれるという受けとめ方をしてよろしいのでしょうか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。 財政当局との御相談もございますので、軽々しく断定的にお答えをすることは差し控えさせていただきますが、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、政府間協定の枠外に出た経緯というものにつきまして、役所側として救済措置について十分責任を負うべきものであるということはよく認識をしておるということでお察しいただきたいと思います。
○鈴木(宗)委員 これは私の選挙区の重大な問題でありますので、この点、大臣からもひとつ決意といいますか対応の考え方をお答えいただきたいのです。
○佐藤国務大臣 鈴木先生にお答えします。 今長官の答えたとおりでございますが、十分かどうかは別としまして、最大限の努力をいたしたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 ありがとうございます。 次に、今も長官ちょっとお話しになりましたけれども、東樺太のズワイガニは二千四百トンの枠で一応出漁することになったのですが、これとて二十三隻から七隻以内に絞られ、さらに船も今までの百三十四トンのものが三百トン以上ということで、ほとんどが新規購入しなければいけない状況なんです。恐らく採算割れは覚悟で皆出漁していくと思うのですけれども、この東樺太ズワイガニの漁業者に対しても何がしかの補償をしてやらないとやっていけないと思うのですが、長官、この点いかがですか。 〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。 東樺太のズワイガニにつきましても、従来政府間協定のもとでやっておりました実績船が全部出られるとか同じ隻数が出られるとかいうことはないということは、先生御指摘のとおり、私ども重々承知をいたしております。それで、これにつきましても、先ほど申し上げましたようにことしの一月以来の経緯がございますので、政府間交渉の中で隻数が減らされた場合に準じて考えるべき問題であって、ともかく契約ができたのですから結構でしたねということでほうっておけるものではないというふうに心得ております。
○鈴木(宗)委員 このズワイガニの関係につきましても、ツブ、エビ、カニ同様、水産庁の手厚い救済措置といいますかいわゆる補償措置を心からお願いするものであります。 この日ソ交渉は大変厳しい交渉であり、これからも厳しい状況が続くと思うのです。これは大臣にお願いしたいのですが、サケ・マスの母川国主義あるいは公海の沖取り禁止をソ連は強く主張しているわけですけれども、またアメリカとて北西太平洋の公海及び二百海里内での全面禁漁を今要求をしております。これらの水産外交を考えた場合、今までのただ陳情する水産外交、ただとらせてくださいあるいはお金を出しますから操業させてくださいという姿勢では私はもうだめだと思うのです。もっと厳しく、例えば魚は買わないとかとらないとかいう厳しい姿勢で、そしてまた国内的には厳しい状況を説明して、そのためには国内的にはこういう対策を講じるのだというものを打ち出してこれからやっていかなければ、この水産外交というのはもう行き詰まりだと私は思うのです。 この点、サケ・マスについては大臣はどんな展望を持って、あるいはどのように再編整備をしていくか、お考えがあったらお聞きをしたいし、また水産庁長官からも具体的な役所としてのお話も伺いたいのです。
○佐野(宏)政府委員 お答えをいたします。 先生御指摘のとおり、日ソ漁業合同委員会のサケ・マス協議で大変御心配をかけた後、また引き続きアメリカから大変深刻な問題が提起されております。こういう事態でございますので、母川国主義の考え方が広まったもとでの我が国のサケ・マス漁業の今後の存立のあり方というのは、従来の延長線上ではなくて、根本的に問い直されなければならない時期に来ておるということは間違いのないことであろうというふうに思います。 私どもとしては、従来のサケ・マスの沖取りをやってきた日本側の姿勢の中にある母川国に対する、何と申しますか、語弊があったらお許しをいただきたいのですが、やや甘えと申しますか、そういう側面を切り捨てて考え直していくべき時期に来ておる。それが具体的に何を意味するかということにつきましては関係者と静かに御相談をしながら模索をしていくべきものでありまして、今の段階で私の方からある種の路線を示すというべきものではないと思っておりますが、ただそういう転換点に差しかかっておるということをよく踏まえた上で、関係者とよく御相談をしながら今後の路線を打ち出していきたい、こういうふうに思っております。 〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴木(宗)委員 今まで網走や紋別なんかではサケがとれないあるいは働きに行けないということで本当に乗組員は困っているのです。そういった空気の中で、一方では、商社なんかはここぞとばかりソ連に買い付けに行ったとかアメリカにまた働きかけているという話を聞くと、私はどうしても、本当にこれはどうなっているのだという気持ちを持たざるを得ないのです。ですから、さっきも言ったように、例えば大臣から、国内的なきちっとした措置を講じて、しばらくはサケを買わない、そのくらいの強いことをソ連やアメリカにも言うべき時期に来ているのじゃないか。非常に悪い表現かもしれませんけれども、今までのやり方はこじき的な外交といいますか交渉でないかというふうに私は考えているのです。今までの歴史的経過があってやむを得ないことかもしれませんけれども、今のままの、ただ拝みます、頼みます、頭下げれば何とかしてくれるのでないかという時期ではもうないと私は思っているのですけれども、この点、大臣はどんなお考えを持っていますか。
○佐藤国務大臣 先生にお答えします。 今長官の言ったとおりですが、例えば北洋漁業につきましても経済水域二百海里が五十二年の暫定から五十九年に恒久化した、これによって非常に厳しくなっております。それからもう一つは、これは実は一般に言われていないのですが、ソ連自体が諸外国から経済水域二百海里で大変厳しい目に遭っている。例えばEC六十万トンがゼロになって、アメリカは四十五万トンがゼロになってという姿がある。それからもう一つは、サケ・マスについても実は母川国主義をどうするかという問題がある。日本もソ連も署名しておるというようなことがあるということですが、今先生のおっしゃるとおり、私も気持ちはよくわかります。 ただ問題は、日本はやはりたんぱく質の確保で千二百万トンという魚がどうしても必要だということとともに、もう一つは、やはり基本的に諸外国とも、そういう形の中により付加価値を高くして実は雇用の確保と収入を上げたい、こういう気持ちもある、そんなこと。もう一つは、根室とかそういうところへ行ってみますと、一トンでも魚を売ってあげたいですな。例えば根室でも、約四割か五割はサケ・マスでしょう。そんなことがありまして、したがってお気持ちはよくわかります。いろいろな意見もございます。やはり忍の一字で、粘り強い漁業外交を展開していくというのが今の我々のとるべき態度じゃないかと思うので、よろしく御理解をお願いする次第でございます。
○鈴木(宗)委員 時間ですのでこれで終わらしていただきますけれども、特に厳しい水産業界の実態は大臣よく御存じだと思いますので、六十一年度の予算には、水産業というのは大変なんだということを踏まえて予算措置等を講じてもらうよう強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○今井委員長 次に、小川国彦君。
○小川(国)委員 いよいよことしも米価のシーズンが訪れてまいりまして、全国農民がことしの米価決定がどういうようになされるのかということで注目をされているわけであります。 そこで、こうした全国農民の期待にこたえて、農水省がことしの米価決定に対してどういうような考え方で臨もうとしているのか。特に農民団体、農業団体からそれぞれ要求金額も出てきているわけでございますが、農水省としては、まず計算の方式のやり方、これは昨年度の非常な不当な算式のやり方についてはいろいろ意見があったわけでありますが、特に資本利子とか地代のとり方はひど過ぎるというような不満が寄せられているわけでありますが、本年度の米価の算式については昨年度の方式を踏襲するのかどうか、まずその点を伺いたいと思います。
○石川政府委員 米価につきましては、生産費所得補償方式を採用しておりまして、その生産費所得補償方式という方式を踏襲いたしますことにつきましては前年と同様のつもりでございます。 今先生御指摘の中で、いろいろな評価をするときの、どういう数字を使うかといったような問題については、現在なお検討中でございます。これはいろいろな要素がございますので、あらゆる要素につきまして一応私どももいろいろな数字の変化等を踏まえて勉強しておりますが、これはまだ決定を見ていることではございません。
○小川(国)委員 そうすると、算定の方式は変わらない、しかし評価をするときの数字に変更が起こり得る場合もある、こういうように理解してよろしいですか。
○石川政府委員 今御指摘のように、起こり得るかもしれぬというところまでまだ実は詰めてはございませんで、いろいろな数字を詳細に今詰めているわけでございます。 と申しますのは、一番新しい五月の数字を使うわけでございますので、その中の数字自身がまだとまっておらないものがございます。例えば労賃の水準とか、それから、水準と申しますより、例えば地代の見方みたいなところ、いろいろございますので、これはそういう意味では変わることもあり得べしということもあるのですが、どれを変えるとかという意図を持ってまだ算定等をやっているわけではございませんで、いろいろな数字を詰めながら、いろいろな場合ということも考えて、いわば精査をしているというところでございます。
○小川(国)委員 去年の算式でいくと、いろいろな状況の変化というものがそれほど動かないということで考えますと、去年の非常に議論のある、不当な算式ではないかという農民団体からの反発を受けているのですが、その算式でいくと三%ぐらい下げになってくるんではないかというおそれを持っているわけですが、そういう懸念はないのですか。
○石川政府委員 ごく一般論で申し上げますと、よく御承知のように、三年間の平均を使って数字を出すわけでございますが、そうしますと五十六年、これは凶作年でございますが、凶作年の数字が抜けまして、五十九年という豊作年の数字に入れかわるということでございます。 そういう意味で、諸要素を全く変えませんと、いわば三角に出る可能性が大きいということは一般論として申し上げられますが、今おっしゃいましたように、何%程度というようなところまで私どもまだはっきり詰めてはおりません。入れかえの結果は三角に働く要素が大変多いということでございます。
○小川(国)委員 私ども一番懸念しているのはその点でありまして、やはり米価は農民の一番大きな期待の寄せられているところであって、それが引き下げられるというような事態になってまいりますと、これは一番、中堅農家といいますか中核農家が米価に依存して農業基盤というものが成り立っているわけでありまして、私はそういうようなことが決してあってはならないというふうに考えるわけで、この点は私ども、全体の状況というものを農水省がもう少し客観的に把握していただきたいというふうに思います。 特に、なぜ私ども一番懸念するかといいますと、今言ったような三角になるおそれがある。仮に去年の算定方式でいきますと三%下げになってくるというようなことになった場合には、売買逆ざやというものは、一・一%ぐらいの今度順ざやになってきてしまうのじゃないか。そういうふうになってまいりますと、良質米の一類一等でも四千円からの差が出てきてしまう。こういうふうになると、自主流通米というものが今半数に近い状況になっているわけで、それがもう完全自由化の状況にさらに追い込まれていくおそれがあるのじゃないか。 そうすると食管制度を我々が守っていこう、食管制度こそが日本の国民の命の綱である米を守っていくものなんだというふうに主張してまいりましても、順ざやの状況が大きな差になって出てまいりますと、これはとても食管制度維持の困難にもなってくるのじゃないか、食管制度を守っていく食糧庁としても、農水省としても、ここのところはそういった順ざや現象を来さないということだけは基本の考え方として据えておかないと、食管制度の根幹を失うおそれがあるのじゃないか、こういう懸念を感ずるわけでございますが、その点についてはいかがでございますか。
○石川政府委員 今、私お答えしましたのは、計算上のことのいわば一般論を申し上げたわけでございまして、米価水準についてはいろいろな要素も踏まえながら考えるわけでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。 それから順ざや、逆ざや問題でございますが、私ども、売買逆ざやにつきましては極力解消するようにということでやってきているわけでございますけれども、これはまだ管理経費は全く国が負担をしているわけでございますので、売買逆ざやが即、食管のいろいろな運営に破綻を来すということではないとは思っております。しかし、この逆ざやがなくなってくると、まあ管理経費は国が持っておると申しましても、いわば米の流通についていろいろと大きな変化が出てくることは間違いない現象だと思っております。 したがいまして、私どもも、こういう管理経費の問題のほかに、やはり米が正常な姿に流れるように、これは集荷の問題にしましても販売の問題にしても、より集荷業者、販売業者が力をつけて、米が正規に流れるような努力をしなければいかぬということで、そういう意味での改善策もやっているわけでございます。 いずれにしましても、私ども、非常に大きな逆ざやがあった事態と売買逆ざやが縮減されてきました事態では米の流通にいろいろ変化が生ずるわけでございますので、十分それを頭に置いた食管運営をしていくつもりでございます。
○小川(国)委員 次に、本年度の米価の問題で非常に懸念されておりますのは、自主流通米奨励金の中の良質米奨励金が減額されてくるのではないかというふうな懸念が起こっているわけであります。 しかしながら、これにつきましては昭和五十五年度以降、A1で千八百五十円、A2で千五百五十円、Bで千百円というものはもうこの五年来固定してきておりまして、これはいわば生産農家にとっては基本米価と同じだという考え方に立っていると思うのです。それから、米の嗜好についてはいろいろあるにいたしましても、やはり良質米というものが、米に対して国民が関心を持ち、あるいはまた嗜好を高め消費を拡大していく、そういう面では非常に大きな役割を果たしてきている、この奨励金が削られるということは結局米価の引き下げになってくる、こういうふうに私どもは感ずるわけでありますが、この点について、良質米奨励金を引き下げようという考え方があるのかどうか、その点をひとつ伺いたいと思います。
○石川政府委員 良質米奨励金につきましては、私どもも良質米奨励の必要性というのは認めておるわけでございまして、良質米については単収が必ずしも高くないとか、いろいろな経費がかかるというようなこともございまして、良質米を一定水準の所得として確保できるようにということで、かねがねやっていたわけでございます。 ただ、その水準で申しますと、御承知のように今の水準、先生御指摘のように昭和五十五年に決まった水準でございますが、実はその前の年、昭和五十四年は、五十三年と五十四年の連続豊作がございまして、いわば自主流通米、良質米の生産が急速に伸びました結果、建て値を維持できなくなった。結果的には、奨励はしましたけれども農家の手取りが逆に下がってくるという現象が生じまして、五十五年に見直しをいたしました結果、見直しというのは若干の減額を伴ったわけでございますが、減額を伴った見直しをしました結果、その後、これは減額ということだけではございませんで、比較的作が豊作ではなくて生産自身が落ちついたという経緯もございまして、良質米の農家手取りはその後一般の政府買い入れ米に比べまして高まってきたという経緯がございます。 それが五十五年以降続いたわけでございますが、昨年の豊作の状態の中で、五十四年のように建て値まで下げるというところまではまだいっておりませんが、良質米が大変売りにくい条件になってきている。結局、豊作のときはどうしてもそうなのですが、良質米と政府が管理をしております一般米との格差が縮まってまいります。そうなりますと、値段の格差が大き過ぎますと、いわば良質米が売りにくくなるという条件は出てきているわけでございます。 したがいまして、私どもが考えておりますのは、良質米奨励が要らないとか、あるいは良質米奨励を単なる財政論として削減すべきだというような考え方ではございませんで、良質米奨励金の水準が適正なものでございませんと、結果論として財政負担をしながら農家手取りが物によっては減るということも、過去に現実に事例があったわけでございます。私どももちろん財政的な論点も皆無とは申しませんけれども、それにも増して、やはり良質米奨励を適正な水準にして農家の手取り水準を安定させるということを頭に入れて考えなければいかぬということで、目下検討しております。 したがいまして、このことは私どもそういう何か一律的な補助金削減論みたいな話ではなくて、適正な助成水準をやりながら、結果として農家の所得も安定させる、それから良質米を志向します消費者の需要にもこたえる、そのためにはどんな水準が望ましいかということで検討中でございます。
○小川(国)委員 今検討中ということで、引き上げられるのか引き下げられるのか、現状維持になるのか、その辺がまだ明確でないのでありますが、私ども銘柄奨励金、例えばコシヒカリとかササニシキに代表されるこういうものをつくってまいりますと、どうしてもこれは単収減になるおそれがあるわけです。おいしい米であるだけにいろいろな災害に対して弱いということで、災害や病気その他に対する危険度が非常に高い。そういう意味では単収減につながっていくという面がありまして、そういう補償的な役割もこの良質米奨励金には一つあるのじゃないか。 それからもう一つは、消費者の需要というのはやはりおいしいお米ということになりますと、良質米の負担があって初めて消費者負担の軽減というものも成り立っている、こういうふうにも考えなければいけないと思いますし、さらには、今私ども見ますと、非常に逆ざやであるべき食管が、実態としてはもう順ざやになってきている。 例えば一類一等の買い上げ価格を一万八千九百五円としまして、売り渡し価格が一万九千九百八十七円、これが単体のままで移動していったと考えますと、標準米の手数料二千五百九十七円、これを政府売り渡しの一万九千九百八十七円に加えますと、二万二千五百八十四円になる。これから買い上げ価格の一万八千九百五円を引きますと、順ざやは何と三千六百七十九円になる、一類一等で。さらに二類二等で見ますと、やはり三千百七十九円の順ざやで、消費者米が高くなっている、消費者に渡る米価が高くなっている。三類一等で言えば二千百四十円、こういう計算が出てくる。 こういうふうになりますと、三千円以上の順ざやということになると、一般的にはこういう食管制度の枠内の政府米とか自主流通米の枠を超えた不正規流通で、農家から少し高く買って消費者にもう少し安く売ることもできるということになって、さっき申し上げたように、これは本当に食管制度の完全な枠外にこういう米が流れていくおそれがあるのじゃないか。良質米奨励金があってこそ、これが自流ベースに乗っかって維持されてきているのじゃないかというふうに考えられるのですが、こういう点についてはいかがお考えになりますか。
○石川政府委員 今の売買逆ざやの順逆の問題でございますが、売買逆ざやだけで申しますれば、御承知のように、一類が順ざや、二類がどんどん、三類から四類、五類が逆ざや、それから三等が一番大きい逆ざやでございます。 今先生おっしゃいました販売経費を足してというお話でございますが、いずれにしましても流通関係経費がやみで流しても実は要るわけでございます。それから利潤というものがありますので、売買逆ざやが縮減すると、いわばやみの米が流しやすい条件ができるということはおっしゃるとおりだと思いますが、やはりそういう流通関係経費、政府で申しますと政府関係経費があるわけでございますので、形の上では、やはり現状では政府の流通ルートで流れる方が農民にとっても有利、それから消費者にとっても有利の条件があろうと思います。しかし、そういうことをだんだん加速させる、かつて大きな売買逆ざやがあったときに比べて、いわば不正規の流通が流しやすいということは、これまた実態だと思います。 したがいまして、ここは私ども価格政策のほかに、やはり流通問題、これは集荷面において適切に競争しながら集荷をしていくとか、販売面においてもより競争的に販売をしていくような体制整備がぜひ必要だと思っておりまして、流通改善問題として、今集荷団体あるいは販売団体にいろいろと働きかけをし、実行に移そうと思っているわけでございます。 それから良質米奨励金は、何度も申しますが、私どもは要らないという立場ではございませんで、要るのですが、どんな水準の助成が現状で必要かということでございますので、初めから良質米奨励金は既に目的を達したというような論議は私どもはいたしておりません。一定のものをしておきませんと、生産者手取りの問題であったり、あるいは消費者の要するに価格問題に移る性質のことでございますので、どんな水準が一番よかろうか。これは極端に申しまして、うんと手厚くしてみんなそっちに流れて、結果的に建て値が下がって農民手取りが下がるなんというのは一番下手なやり方でございます。 私どもそういう水準が、これは豊凶にもよりますのでなかなか難しいのですが、一般論としまして、五十五年以降自主流通米をおつくりになる方のいわばメリット、今先生がおっしゃった普通の米をつくるのに比べてのメリットは若干ずつ高くなってきたという経緯もございますので、その辺もよく考えながら精査をしているところでございます。
○小川(国)委員 いずれにしても、これはこれからの米審に対する政府の諮問の考え方の中に出てくると思いますが、ひとつそういった面で自流米のメリットであり、しかもまだ農民、消費者にとっても重要な意味を持っているこの良質米奨励金でございますから、現行を維持されるような御努力をお願いしたい、こういうふうに思います。 次に、水田再編の問題と関連いたしまして、他用途利用米の政策的な位置づけ、これはどういうふうに今後やっていくのか。豊作になった場合に一体これをどうするのか。また、これがぐらついてまいりますと農政不信のもとになってまいりますので、他用途利用米の政策的位置づけというものは今後どういうようになすっていくお考えなのか、この辺をひとつ簡潔に御答弁をお願いいたします。
○石川政府委員 他用途米につきましては、転作がある程度限界というような形に達しました段階で、やはり米の生産力というのは将来も温存をしておきたい。ただし、需要者の立場から申しますと主食並みの価格ではとても利用ができない。したがいまして、そういう中で政府も所要の助成をしながら、生産者の方としては特別の新しい投資も必要でない、いわばプラスアルファの米をつくっていくことによって転作と同じ効果を出すという意味で、これは農業団体にもいろいろ御相談をしながら昨年から発足させたわけでございます。 できるだけ国内で自給をするという基本でございますので、需要として今考えられております年間二十七万トン前後のものはこの他用途の形で出していただいて、これを需要者が引き受けまして、おせんべいだとかおみそだとかそういう特定用途に振り向けるということで始まったわけでございます。私ども、これは日本の水田を守っていくという立場からも大事でございますし、せっかく国内でできるものは極力国内で供給をしていって、しかも関連産業としてもある程度の経営が成り立つということでございますので、ぜひこの考え方を定着化させたいと思っております。 生産者サイドからは、例えば規格問題その他いろいろな御要望もございました。これにつきましても私ども一年かけていろいろと勉強しましたけれども、現段階では新しい特別の規格をつくることはかえって制度の混乱を招くということで、三期の対策の間は当面こういうような昨年つくりました三等を超えればいい、要するにぎりぎり三等という規格があればいいということで、今までやりました方式でやっていただきたいということを今農業団体と話しております。 それから、受け入れサイドからのことで申しますと、昨年いろいろ問題があったわけでございますが、ことしはかなりこれに向けたい、例えば青刈りというようなことをやめて専ら他用途米にいきたいというような御要望もございまして、主として関東から以北の県で、現段階では二十七万トンを若干上回る形で御要望がございます。 それから、この問題は今先生御指摘あった豊凶問題もやはり考えてまいらなければいかぬと思います。これを国内でやるということになりますと、多いときにある程度留保をして足らぬときに備えるということも必要でございますので、実はモチ米につきましてそういう需給調整のようなことをやっておりますが、この他用途米の世界についても遠からずそういう問題が出てくると思いますので、これは生産者組織とも、それから需要サイドとも十分相談をしながら、そういう年を越してバランスをとっていくという考え方も、もういわば検討から実施に移さなければいかぬ時期に近づいていると思っております。
○小川(国)委員 私は、そうした前進的な考え方でぜひこの他用途米の問題にもモチ米の制度のような調整保管の制度を取り入れていっていただけたらと思います。 それから、米問題の最後に、ゆとりある米管理、ゆとりある備蓄、こういうことが言われてきているわけであります。本年度も四十五万トンの備蓄についてということで、それを確保していく、こういう考え方が出されているわけでありますが、私ども、食管経費が削られていく中で国民食糧の確保ということを守っていくためには、この備蓄制度を、積み増しという考え方からもう一歩前進した、きちっと四十五万トンなら四十五万トン、最終的な百五十万トンなら百五十万トンという数字を明確に確保していく。もちろんそのための財政負担は最小限度に切り詰めた中で確然とした備蓄というものを確立していく必要があるのではないかというふうに考えるわけでありますが、この点については今どのようなお考えを持っておられるか伺いたい。
○石川政府委員 御承知のように、食管における米管理で、過去において、昨年までの間にいわば過剰といいまして六百数十万トン積み上げたこともございますし、昨年のように大変苦しい端境期を迎えたということもございますので、私どもことしの米管理の基本計画を立てる際に、積み上げについては今御指摘のように三期の期中においてできれば毎年四十五万トン程度ずつ、これは豊凶がございますから何トンとぴしゃっと押さえられませんけれども、考え方としてその水準にだんだん積み増しをしていく。 それからもう一つ大事なことは、積み増したものが必ずうまく回転して主食に充当できるという保証がありませんと、結果的には豊作年が重なると過剰の物資にしてしまうということでございますので、新しい考え方として、原則として低温保管。原則としてと申し上げましたのは、もみで貯蔵するカントリーエレベーターはその必要がございませんし、北海道や内地の一部で、高冷なところで低温倉庫を持ちませんでも品質の劣化が比較的少ないところもございますので、そういうことも含めて原則として低温保管をして、できれば一年の回転、それから豊作年が重なった場合でも、最悪の場合でも二年回転くらいで回せば、主食として品質も劣化をしてないし内容的にも十分いいものがお渡しできるということです。 今先生御指摘のように、物を持ちますことはそのことだけで食管の負担がありますけれども、それは食管のそもそもの使命でございますので、ほかの経費についていろいろな努力はしますが、こういう適正な管理をするために必要な経費というのは、当然食糧管理費として私どもも必要なものは確保をしていく、そういう考え方でやっております。 それから、私どもは今まで方針のようなことで御説明をしておりましたけれども、これは食管法に基づく米の管理に関する基本計画というものの中に明記をして、ことしの三月に出しました計画に明記をいたしまして、そういう方針で必ずやるのだということを明らかにしておるところでございます。
○小川(国)委員 この問題については、国会の党の中でも備蓄法をつくりたいという考え方も非常に高まっている折でありますから、その基本計画の明示をきちっと守っていくようにお願いをしたい。さらにそれをまた発展させていただきたいと思います。 最後に大臣に、今、長官とのやりとりをずっとお聞きいただいたわけでありますが、最終的には、七月三日、四日の米審に向けての大臣の諮問案がどう出てくるであろうかというところに国民、農民の大きな期待がある。その点では、少なくも米価あるいは良質米奨励金についても現行の基本線は維持していくという大臣の御決意を伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 小川先生にお答えいたします。 今、石川長官が答えたとおりでございますが、今度の米価については、お米の価格をどうするかという問題、先生御指摘のように良質米奨励金をどうするかという問題、それから他用途利用米等をどうするかという問題、そういう形の中で実は総合的に資材、肥料、機械等の価格をどうするかという問題に絞られると思います。 先生の御貴重な御意見をお聞きしたわけですが、基本的には、再生産を旨とし、そして農家の皆さんが意欲を失わないような形でどう決めるかということでございます。そんなことで、先生の御意見、貴重な御意見として承っておきたいと思います。
○小川(国)委員 大臣からそれよりもう一つ突っ込んだ御答弁というのはこの時期になかなか難しいように思いますので、米の問題についてはこの程度で終わりたいと思います。 次に、先般金融三法の際に、農家負債、特に畜産農家の負債の問題についていろいろ審議をしたわけでありますが、その際、畜産局長の答弁の中で、畜産農家の負債総額についてはまだ把握されていない。個々の経営の負債状態については、形態別に見た農家の経済調査、こういうものによって、例えば酪農の場合は昭和五十八年度で負債総額が約一千万、資産が約四千三百万、こういうことで、規模拡大というものが少しずつ進んでまいっているので、一頭当たりにすると負債の額というのは五十八年度につきましては前年より四%減で出ているという状況でございます、こういう答弁をいただいているわけであります。 しかしその際、やはり当農水委員会でいろいろ農業団体の代表の方々から意見を開陳願った、そういう中のいろいろな資料を見てまいりますと、例えば全中が五十六年十二月末に実施した畜産負債状況調査、一万一千戸のサンプル調査、こういうのを見ますと、負債額が年間販売額の一・五倍以上の農家が三一%で、その負債額は一戸平均二千五百万。それからまた、この調査の中で肉用牛の肥育農家二千九百四十四戸について見ると、負債額が年間販売額の一・五倍以上の農家は三四%、一戸平均負債額は三千万円、こういうことになっているわけです。 あるいはまた、全国開拓農協連の昭和六十年一月の肉牛肥育経営実態調査、平均肥育頭数百四十九頭の大型経営の乳用雄牛肥育農家四百九十二戸について調査したものによりますと、五十九年三月末、一戸当たり負債額が六千四百万円、五十九年度は約四〇%の農家が借入金償還後の収支がマイナスという見込みとなっている、こういう数字が報告されているわけであります。 こうして見ますと、実態は畜産局長の答弁より、より深刻な状況にある。したがって政府としては、こうした畜産農家の負債については、酪農あるいは肥育、そういう両面における全体としての負債状況、個々の形態別の中における負債状況、こういうものをより具体的に、より明確に把握する必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。こうした実態把握が行われて、初めて畜産農業の安定の方策というものが見出されてくるのじゃないかと考えるわけでありますが、この畜産農家の負債の状況について、農水省としてさらに突っ込んだ調査なり検討に取り組む姿勢、考え方、そういうものをひとつお示しいただきたい。
○野明政府委員 農家負債の状況につきましては、この前倒説明申し上げましたのは平均的な姿でございます。したがいまして、個々の経営について見ますといろいろ問題のある経営もあるわけでございます。 そういうことで、六十年度から三カ年計画で肉用牛につきまして肉用牛経営合理化資金というものを融通することといたしておるわけでございますが、そういった融通を行うにつきましても、ただいまお話しございましたように肉用牛経営の実態をきちっと把握してやっていかなければいかぬということでございますので、肉用牛経営につきましてはその実態を把握するための調査を実施いたしたいと考えておりまして、現在その準備を進めておるわけでございます。 それから、肉用牛以外の分野、肉畜経営につきましても経営全般の調査を行いましてその実態を把握していきたいということで、各都道府県にお願いをしたいということであわせて準備を進めているところでございます。
○小川(国)委員 この調査につきましては、大体どのくらいの年次計画で、調査の終了のめどはいつごろというふうにお考えになって取り組みをされていましょうか。
○野明政府委員 ただいまの調査、いろいろな点を含んでおりますが、秋から年末にかけてをめどにしたいと考えております。
○小川(国)委員 私ども、できるだけそういう調査を綿密に取り組んでいただきたいと思います。 それからもう一つ、そういった実態調査をおやりになる場合に、例えば畜産農家の負債については平均値でこれをとらえるやり方が行われてきているわけです。例えば組合員千人、融資残高を仮に八十五億としますと、一人当たりの借入額は八百五十万円。ところが、千人の組合員の中で大体上位百人で三割ぐらいの負債を持っている。そうすると、百人で二十五億五千万の借入金があるということになりますと、一戸当たり二千五百五十万、こういう負債になってしまう。農業経営上、畜産負債の実態は、今申し上げたように一割ぐらいの組合員で三割近い借入金を持っているというような実態があると思うのですね。 私は、対策を立てなければならないのは、一割程度の農家で農協なりその母体の三割くらいの負債額に達しちゃっている、こういうところをしっかり把握する必要があるのじゃないかと思うわけです。こういうことを調査に当たって念頭に置いた取り組みをしてもらいたいことが一つ。 それからもう一つは、最近アメリカにおいて地方銀行の倒産が起こっている。特に農業貸し付けが問題となって倒産が起こっている。もちろんアメリカと日本の状況は違うと思うのですが、私どもはアメリカのそういった農業貸し付けによる地方銀行の倒産を考えると、じゃ日本ではどういうところで起こるかと考えれば、末端の農協なり漁協でそういう問題が起こってくるのじゃないか。 どころが、今の政府の金融政策のあり方は、系統資金とか公庫資金とか農業改良資金というものがそれぞればらばらというか、まちまちといいますか、それぞれの流れの中で行われておりますので、一番末端の農協がこれを全部把握するという形が一番望ましいのじゃないか。いわゆる単協こそ農家負債の実態把握を一番行えるところじゃないかと思うわけですね。それからまた逆に、現状、単協が一番借金の吹きだまりになっているのじゃないか、そういうふうにも見られるわけでありまして、こうした農家負債、畜産農家の負債状況の把握をしていくには、あらゆる系続から流れていく借入金が末端の単協で把握できるような仕組みをきちっとつくっておく、そして、そこに対してどういう指導を行っていくかを政府がこの際真剣に考えるべきじゃないか。 アメリカで起こったことが大体二、三年すると日本で起こる。アメリカのそういう農業貸し付けての地方銀行の倒産は日本における末端の農協の倒産というような形でやはり起こりかねないと考えるわけでございまして、そういった点の取り組み、対策、どうお考えになっているか、その点をひとつ関係部局から御答弁いただきたい。
○野明政府委員 お答えいたします。 第一点の、平均的な姿ではなくて個別経営の姿がわかるような調査をしなければならないという点については御指摘のとおりでございまして、特に今回実施いたしたいと考えております調査は、肉用牛経営合理化資金を具体的に貸し付けていくことの前提になるものでございます。したがいまして、肉用牛経営につきまして、経営なりあるいは家計全般についての状況というものを的確に把握するようにしていきたいと思っております。 それから第二点の問題につきましては、農家の借入金は、これは経営によって異なるわけでございますが、近代化資金あるいは公庫資金、さらにはプロパー資金と、いろいろな資金を借り入れているのが実態でございます。したがいまして、そういったもののいわば償還期限に来ているものがどれだけあるのか、あるいはその償還について自助努力なり、あるいは関係団体の支援も含めてどういうふうな経営合理化計画というものをつくっていくことができるかというものとつながってまいるわけでございます。したがいまして、そういった点に配慮して実態の把握をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○小川(国)委員 私、今質問申し上げたのは、畜産を中心にして申しましたので畜産局長から御答弁いただいたわけでありますが、これは畜産の問題だけではなくて、ひとつ日本の農家全体の負債状況の把握というようなものはやはり農水省としてもきちんと把握していく。階層別に見て農家がどういう負債状況にあるのか、そこにどういう指導が必要なのか、やはりそれは実態把握から出発していくというふうに思うわけです。 そういう意味では、従来の農水省の農家経済調査だけではやはり実態に迫るになお不十分な面があるのじゃないかと私は考えるわけでありまして、第二点目のその辺の問題については、経済局の方でもどういうふうにお考えになっているかひとつ御答弁願いたい。
○後藤(康)政府委員 お答え申し上げます。 金融三法の御審議に当たりましてもこの負債の問題が何回か御議論になったところでございます。大臣からもやはり実態の把握に努めたい、こういう御答弁を申し上げまして、その後各都道府県に、固定化負債を中心にして負債の状況、特にまた今小川先生からお話のございましたような農協の状態とかそういうものを含めて今照会をいたしておるところでございます。また、特に御議論のございました北海道などにつきましては、道庁がことしの夏に負債問題についての調査をやる意向だというふうにも承知をいたしておりますので、それらに基づきまして私ども実態の把握には今後とも努めてまいりたいと思います。 確かに、農家経済調査というようなことになりますと、経営形態とかあるいは地域というのを分けましても、そこに出てきているのは平均値でございまして、借入金の分布の状況というようなところまではなかなかつかまえられないわけでございますが、できるだけそういった立体的な実態把握に努力をしてまいりたいと思っております。 それから第二点の、農協にいろいろな負債がいわば吹きだまって固定債権がたまっているのではないかというお話でございますが、これは、私ども農協についてのセンサスのようなことをやっておりまして概数は把握をいたしておりますけれども、個々に内容に立ち入ってということになりますと、農協の検査のときというケースがございます。こういう場合には、回収不能なものが貸付金の中でどれだけあるか、また、回収に懸念があるけれどもその額が確定し得ないものはどのぐらいあるのかというような貸付債権の分類などもやって農協を指導いたしております。 アメリカなどで農業融資から金融機関の倒産が起きているというような御指摘もございました。私ども、金融三法の施行に当たりましてもできるだけそういう趣旨を徹底させたいと思っておりますが、負債が固定化しておるというような農家につきまして、再建可能なものにつきましては、再建計画に基づきまして関係の指導員なり農協の指導員なり関係機関の指導のもとに適切な再建が行われますように努力をし、また指導していかなければならないというふうに思っております。 なお、農協自身の経営につきましては、先生も御案内のとおり相互援助制度というものがございまして、これによりまして万一の場合の対応もなし得るような仕組みをつくっております。
○小川(国)委員 そうした面にはさらに今後取り組みの努力を願いたいと思います。 それから、金融の問題の最後に、農林漁業金融公庫の肥大化と、それから総合施設資金のあり方という点についてお尋ねをしたい。 農林漁業金融公庫というものが、今九百五十一名の職員を持ち、本店、支店を持ち、そういう中でおよそ七十億円の人件費、それから一般会計からいうならば千三百億円の補給金を出しておる。しかし、このままこれからの金融戦争の中にこの農林公庫が生き残っていこうとすると、ますますこういった細かい貸し付けをしていって肥大化していく。これでは、国の会計の中におけるいろいろな問題と同じように、この公庫の存在そのものが農林金融の大きな手かせ足かせになりかねないというふうな懸念も私は感ずるわけであります。 そういう意味では、民間や農協を使って任せられる部門はこれは任せていく。そして、公庫そのものが果たすべき機能、やっている機能、これはやはり維持していかなければならない。しかし、その機能維持のために肥大化の方向がどんどん進んでいくということは、今後大きな問題を引き起こすおそれがあるのではないか、そういうことで、公庫の今後のあり方というものをやはり抜本的に考えていく必要があるのではないかと思うのですが、その点はいかがでございますか。
○後藤(康)政府委員 農林漁業金融公庫の肥大化というお話がございましたけれども、確かに、かつて公庫の業務が非常に増加をいたし、また、特に都市基盤整備でございますとかそういうものの融資が非常に伸びましたときに組織なり人員が増加をしたことは、過去の歴史的な経緯としてございますけれども、近年は御案内のとおりこういった特殊法人につきましても定員の削減というふうなことも厳しく行われておるわけでございまして、私どもは近年農林公庫がそういう意味で肥大化の傾向にあるというふうには思っておらないわけでございます。今手元に詳細な資料を持ち合わせておりませんけれども、公庫としましても、定員の抑制を初めといたしましていろいろな合理化努力を払っておるところでございます。 それから、御指摘のように系統資金を活用できるところはできるだけ系統資金を活用していくという点につきましては、私どももそういう方向でこれまでもやってまいりましたし、いわゆる財投資金そのものの伸びが非常に鈍っている状況でございますので、そういう意味でも、全体的には基本的な方向として御指摘のような線で考えていく必要があると思っております。ただ、農林公庫の融資の過半を占めます土地改良なり農地取得というような非常に長期でまた低利の資金ということになりますと、これはやはり今後とも農林公庫が専ら責任を持って融資をしていく分野だというふうに私どもは考えております。
○小川(国)委員 最後に局長がおっしゃられた土地改良なり農地取得の資金をこういう公庫資金で確保していく、これは当然なことで、やっていかなければならぬと私は思いますが、総合資金のような系統資金と完全にかち合ってきているというふうな部門はむしろこれからは系統に任せる、そのときの財政的な措置はするという形で、公庫の組織というものは最小限で機能は最大限果たせるような、そういう仕組みを系統と両方にらんで今後御検討願いたいというふうに要望申し上げまして、この点は終わりたいと思います。 それから、前回ちょっと論議が不十分で未消化でありましたのでお尋ねをしたいと思うのですが、四全総における農業や農村の位置づけというものをどういうふうに考えるか、四全総策定のための最終的な詰めの作業が進んでいるというふうに聞いているわけでありますが、農林水産省としては国土庁とどのような協議を今進めているのか、あるいはまた進めてきたのか。特に、四全総は二十一世紀を目指した国づくりの指針として作成されると言われているのですが、その中における農業や農村の位置づけというのは大変重要なものだと思うわけです。農水省はこの四全総の中に日本農業の将来というものを一体どう描き出そうとしているのか。 特に、昨年十一月に発表された四全総の中間報告によりますと、日本の農業就業人口は、一九八〇年七百万人、それから二〇〇〇年においては三百四十万人、二〇二五年では八十万人、それで、その中の六十五歳以上の人が一九八〇年では二四・五%、二〇〇〇年では四八・四%、二〇二五年では六五%と非常に高齢化現象が進む、こういうふうに予測されているのですが、こういう数字を前提として日本農業の将来像というものは一体どう描かれるのか。現状における中間報告の中では日本農業の将来に私ども非常な不安を感ぜざるを得ないのですが、農水省としてはこの予測に対して具体的にどういう方針なり対策を持って臨んでいるか、この点を伺いたい。
○田中(宏尚)政府委員 四全総の作業につきましては、目標年次を七十五年といたしまして、現在、六十年にその基本構想というものを取りまとめ、六十一年に計画全体を閣議で決定したいということで、内々の事務的な作業につきまして国土庁が中心になりまして関係各省と鋭意詰めておるところでございます。 先生から御指摘がございました中間報告でございますけれども、ただいまございましたように、「二十一世紀への展望」という形で公表したわけでございますけれども、この中で、農業につきましては、高齢化による世代交代でございますとか、それから農地の流動化というものが進みまして、農業構造は先進的な経営体と生きがい的営農を志向するものへと分化が進む、先進的な経営体は、高度な技術なり経営能力、それから高能率な機械施設、こういうものを備えまして、西欧並みあるいはそれ以上の低コスト化を進めつつ、我が国食糧生産の大宗を担うであろうというような展望を農業についてはいたしております。 それから、農村につきましては、農村に生活の基盤を持たない都市勤労者の増大、それから農家も専業農家から第二種兼業農家まで各層への分化、こういうことで農村居住者の多様化というものが進む。それからさらに、ただいま御指摘がありましたように高齢化が著しく進みますし、それからまた農村と都市との相互交流、こういうものもいろいろと強まってくるであろうということを展望いたしまして、特に農村と都市との関係につきまして、両者が「融合し、またあい補っていくものとしてとらえ、その道を各地域の特性に応じて探ることが一層必要となろう。」というふうに農村の姿については結んでいるわけでございます。 こういう全体の姿を前提といたしまして、ただいま先生から数字の御指摘もございましたように、二〇二五年におきます就業人口でございますとかあるいは農地面積、こういうものについてある程度ショッキングな数字の展望をいたしておるわけでございます。この数字につきましては、あくまでも高度成長を通じまして日本の農村が変貌してまいりました従来の姿をそのまま延長するとこうなるであろうという、非常に大胆な仮定に基づく試算値でございまして、これそのものを四全総の計画数値とするというふうには我々も承知しておりませんし、聞いてないわけでございます。 それで、確かに今まで高度成長というものを踏まえまして農村が大きく変貌してきたわけでございますけれども、今後の見通しといたしましては、高度成長期に若年労働者が流出した後、農業従事者がかなり高齢化してまいりましたし、それから世代交代というものも依然として進むということで、農業労働力の減少というものは相当程度避けられないことは事実でございますけれども、そのテンポというものは、いろいろな事情からいいましてこれからはかなり従来とは違って落ちてくるのじゃないか。 例えば今後の経済成長のあり方でございますとかあるいは雇用情勢、あるいは居住地に対する住民の選好の変わり方あるいは職業選択の変わり方というような、いろいろな価値観なり労働者の意識の変化というものもいろいろあろうかと思いますので、単に過去の推計のままで延ばすというような推計方式というようなものは必ずしも将来を的確に見通す材料ではないのではないかということで、我々は我々なりに、そういういろいろな社会情勢なり意識の変化というものを踏まえて、農業就業人口なりがどうなるかということを、独自の作業として現在内々いろいろと進めているところでございます。 それと同時に、農地面積につきましても相当減るということになっているわけでございますけれども、先生御承知のとおり、高度成長を終えましてから、農地の壊廃面積というものも三十年代、四十年代に比べますと大幅に減ってきておりますので、国土庁が現在計算しているような姿には必ずしもならないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。 そういう中で、四全総におきまして農業なり農村のあり方というものをこれからどういうふうに位置づけるように我々として働きかけていくかということでございますけれども、非常に基本的な問題でございまして、これからやるとしますと、農林省の中だけじゃなくて、いろいろ農林水産省関係の審議会でございますとか有識者、こういう方々の御意見も聞きながら進めてまいりたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、今後人口の高齢化なり地方定住化等が進む中で、農山漁村地域は、食糧とか木材、こういう物的な供給の場だけじゃなくて、多数の国民が居住し就業するという生活の空間なり、あるいはさらに都市住民に緑なり小なり空気なりというものを供給する空間というような、両方の役割というものを大きく担っていくのじゃないかと思っているわけでございます。 こうした展望の中で農林水産業の振興とこれを基盤とする活力ある地域社会というものを建設してまいりますことが、単に農業政策としてだけではなくて、日本国全体の経済政策なり社会政策、こういうものの上で極めて重要であるということで、四全総の作成に当たりましては、農林水産業でございますとか農山漁村、こういうものの果たすべき役割というものが的確に位置づけられ、それから農林水産業が健全に発展するという方向でいろいろと知恵を出しながら、これから注文をつけ、将来を間違わないように誘導できる四全総というものに心がけていきたいと思っておるわけでございます。
○小川(国)委員 私が伺い落としてしまいました今後の農地の壊廃、農地がつぶれていくという問題についても今御答弁がありまして、私どもも、四全総の中でさらに現状の一・五倍から二倍ぐらいの農地が都市に利用されていく、こういう懸念も感じているわけであります。 新たな市街地の供給源というものは結局農地であり、あるいは林地であり、そういうところに及んでくるということも十分対応を考えていかなければならないと思いますし、それから、市街化地域供給のための農村、あるいは農村には都会にない自然があればいい、こういう考え方で都市を中心とした発想で農村というものが考えられてくる、そういうことではなくて、私どもは、やはり農村には農村の生活があり、文化があり、それが豊かに育っていくという環境を考えなければいけないと思うのですね。 市街地に新鮮な緑や空間が少ないからそれは農村に求めていけばいいという考え方じゃなくて、市街地の中にも都市計画で緑もつくっていかなければいけない。例えばモスコーにしても、一つの市街地があればそれと同じ面積の緑がある、また市街地があれば緑があるというように、人間の住むところと緑とが五分五分に存在する、そういう都市づくりをしていかなければいけない。都市はもうだめだからその緑は農村に求めるという考えではなくて、都市は都市の中で緑をつくっていくべきだ、農村は農村の中で新しい村起こしなり文化をつくっていくべきだ、そういうことを四全総の中でも私はしっかり位置づけしていってもらいたい。都市の補完として農村があるんじゃなくて、農村は農村に独自の文化や施設を持っていく、こういう考え方をひとつ今後にお示しいただきたい。 この点を最後に要望申し上げまして、ちょうど時間が参ったようでございますので、これで質問を終わりたいと思います。
○今井委員長 次に、斎藤実君。
○斎藤(実)委員 まず最初に大臣にお伺いいたします。 生産者の米麦、これは非常に価格も厳しい状態でございまして、麦につきましては三年連続据え置きということで、米につきましては五十九年度は二・二%ということで引き上げられましたが、実質は据え置きでございます。したがって、米麦農家の所得は実質的にはダウンしているわけでございますが、こうした中で、農地買い入れで借りた資金の金利の支払いあるいは償還金、借入農家の小作料、上昇する地代、地価が上がっているわけでございます。したがいまして、米麦農家の経営が非常に圧迫をされている現状にあるわけでございますが、米麦農家等は土地利用型農業、経営規模を拡大して中核農家を育てるという政策がこのままでは達成が不可能になるのではないか、私はこう思うわけでございまして、経営規模拡大に力を与えるためにはやはり適当な価格というものに引き上げる必要があるのではないかと思うわけでございます。 この六十年度麦の政府買い入れ価格の決定が間近になっているわけでございますが、政府はどのような態度で臨むのか、大臣の基本的な考えを伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 斎藤先生にお答えいたします。 六十年産麦の政府買い入れ価格につきましては、現在事務当局におきまして、最近における国内産麦の生産事情等に配慮しつつ、今後とも麦生産の振興を図るという考え方に基づき、最終的な調整を行っているところでございます。いずれにしましても、麦の政府買い入れ価格につきましては、食管法の規定に基づき、麦の再生産の確保を旨として、米価審議会の御意見を聞くとともに、関係各方面と意見調整を経まして適正に決定してまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 ここ数年来生産性向上部分をカットするという算定方式をとられているわけでございますが、こういう生産性向上部分をカットするということは生産者の生産性向上努力を損なうものではないかと思うのですが、この方式を適当と考えているかどうか伺いたいと思います。
○石川政府委員 麦の政府買い入れ価格につきましては、御承知のように、生産振興というようなことで、五十二年以降は、それまで価格ではなくて生産振興奨励金ということで外側にありましたものを所要の調整をいたしまして、パリティで出ます価格に加えましてそれを価格にしておるわけでございますが、その結果五十三年以降大変生産も伸びてまいりましたし、経営規模も着実に大きくなっている、特に労働時間その他は非常な合理化をしてきたわけでございます。 そういうことから、五十六年産の麦の算定に当たりまして、パリティの外側にいたしておりました生産振興奨励金を算定しますときに生産性向上、これは労働時間が少なくなっているという問題やら単収が上がってきているという、結果的には所得が上がるわけでございますが、そういう要素を加味して決めたらいいのじゃないかということが米審の論議の中でも出まして、米審にも諮りました結果、そういう方式を採用しまして、五十六年産以降そういう考え方をとっております。 その後の事情も見ておりますが、やはりそういう要素というのは十分ございまして、これは例えばてん菜、ビートでございますが、ビートその他の作目の価格決定の際にも、やはり生産性向上部分について、これは全部引きはがすという話ではございません、そういうものを加味してやるという方式を使っておりますので、私ども、六十年産麦につきましても、昨年考えておりましたような形で、生産振興奨励のための調整額を算出いたします際に、単収の問題なりあるいは労働時間短縮という問題というのは加味をいたしました上で、加算をしていくという考え方をとりたいと思っております。
○斎藤(実)委員 最近、麦の作付面積が横ばい状態になっておるわけでございますが、この横ばいの原因は一体どこにあるのか伺いたいと思うのです。麦の三年連続据え置きが影響していると私は思っておるわけでございますが、いかがですか。
○石川政府委員 麦の作付でございますが、大きく分けますと大体三つあるわけでございます。一つは水田転作でやっております転作麦、それから北海道を中心の畑作麦、もう一つが水田、これは九州に大変多うございますが裏表、米をつくって裏に麦をつくるという裏作麦でございます。 最初の転作麦のところは、御承知のように転作を緩和いたしまして、特に他用途米というようなものが入ってまいりましたので、転作面積そのものが小さくなってまいりました。その結果、転作麦も若干、縮減してきておる。それからもう一つの北海道中心の畑麦につきましては、御承知のように、てん菜だとかバレイショだとか、いろいろなものとの輪作の中で位置づけるものでございますので、その輪作との関連で適正な規模のところに大体落ちついてきているというようなことで、これも大きな伸びをしていないわけでございますが、実は水田裏の九州の麦は大変な勢いで伸びております。したがいまして、そういうようなことが要因ではなかろうか。 これは、面積はそうでございますが、実は単収が上がってきておりますので、生産量としては漸増をいたしております。私ども、そういう面では価格の三年間の据え置きが直ちに面積に及んでいるのではないのじゃなかろうかと思っております。
○斎藤(実)委員 御承知のように麦は米と並んで国民の主食でございまして、その自給力の向上を図ることが重要だと私は思うわけでございますが、麦作振興についての農林省の基本的な考えは一体どうなのかお伺いしたい。
○関谷政府委員 麦生産の基本的な考え方でございますが、これは昭和六十五年の農業の生産需要長期見通しについても考え方がうたわれておりますけれども、品質面で国内産麦が適する日本めん用等については極力自給するという考え方のもとに、ある規模につきまして生産振興を図っていく、こういう基本的な考え方でございます。したがいまして、麦の生産振興ということになりますと、一つは今申し上げましたような需要の動向、またその用途別の需要、そういうものによく応じました生産の誘導というものが必要である、これが第一点でございます。 それからもう一つは、何と申しましても生産コストの低減ということで、生産性の向上を進める、これをもう一つの目標にしなければいけないと考えております。それからさらに、品質の向上面につきましては、ばら出荷等流通の合理化を図りまして、良質のものを安定的に供給していく、こういうことで、需要の動向に応じました麦作の定着化に向けましてさらに各般の対策を講じてまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 麦の生産振興と麦をつくる農家の経営安定を図るために今年度産の麦価は引き上げるべきではないかと私は思うわけでございます。麦価算定の基準となっております農業パリティ指数は上昇していると思うわけでございますが、どういう推移になっているのか明らかにしていただきたいと思います。
○石川政府委員 パリティの推移はここのところ大変落ちついておりまして、ほとんど微少な変動しかございません。公表しておりますのは三月までのが出ておるわけでございますが、三月、総合で〇・七四でございますが、経営の方のパリティは逆に下がって三角の一・一四、家計のパリティが上がっておりまして一・三七、これを相殺しましてプラスの〇・七四という数字でございます。私ども算定に使いますのは四、五月パリティを使って算定いたしますが、きょう午後にその最終数字を公表することになっておりますが、水準は今申しました三月パリティとそう大きく変わらないだろうと思っております。
○斎藤(実)委員 北海道の畑作におきましては輪作体系を確立することが重要だと考えるわけでございますが、政府はどういう指導を行っているのかお尋ねをしたい。
○関谷政府委員 輪作体系の問題でございます。北海道の特に畑作農業の基幹的なあり方としましては、御指摘ございましたような輪作体系の確立ということが必要でございまして、私ども、十勝、網走、そういう地方の実情に応じました一つの輪作体系士しまして、豆科、禾本科、根菜類、こういうものを組み合わせました適正な輪作体系を想定しまして、その維持に向けて努力しておるわけでございまして、これが連作障害の防止、地方の増強、労力配分の平準化、こういう面で非常に畑作農業の確立の上で不可欠な要件でございます。 これに対しまして私ども対策としましては、基盤整備のような基本的な条件整備、生産技術の改善、農業生産の組織化、これは一つの集団的な営農組織を確立して共同部に営農をしていく、こういうような諸般のことを組み合わせて実施をするということを考えておりまして、具体的には畑作総合改善事業、この中では小規模の土地基盤整備なり案出荷貯蔵施設なり処理加工施設、集団営農用機械、こういうものを組み合わせて総合的な助成をしていく、こういうことも一つの中心的な事業と仕組みまして、輪作体系の確立に向けまして引き続き指導してまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 麦作農家の安定のためには生産資材の安定が必要だと考えるわけでございます。例えば農業機械あるいは肥料などの農業生産資材の価格抑制対策を講ずる必要が私はあると思うのですが、どういうふうな対策を考えておられるのかお尋ねしたい。
○関谷政府委員 肥料、農業機械等の生産資材でございますが、このところ五十九年度の推移等見ますと比較的安定をしておりまして、全体的にこういう物価の不安定な中では、生産資材全体としましては、例えば五十九年度で概算いたしますと前年に対しまして〇・三%の上昇、実質的に据え置きというような横ばい状態で推移をするというようなことで、生産資材全体としては安定しておりますし、肥料、農業機械等についてもむしろこの二、三年は価格指数で見ますとわずかに下がるというような傾向が見えております。 こういう中で、価格問題につきましては、御承知のように肥料につきましては、昨年御審議いただきました肥料価格安定臨時措置法によりまして全農とメーカーとの価格取り決め、これを適正に進めるということで、実は七月から始まります肥料年度につきましてはこの両者の交渉もかなり進みまして、ただ、なかなか価格の幅が折り合いがつかないものですから、当面七月一カ月に限り従来の価格で据え置く、さらに交渉を続けるというようなことで、私どももこの価格の適正な決定について指導しているわけでございます。 なお、農機具等につきましても、大体肥料の方式に準じまして全農とメーカーとの交渉の中で決めました価格が基準となって価格が形成されているわけでございまして、こういうようなシステムというか努力を通じまして、今申し上げましたように現在のところは比較的安定した動きを示しておるという状況でございます。
○斎藤(実)委員 最近のビール麦の需給状況は一体どうなっているのかお伺いしたいと思います。 もう一点は、計画的な生産、流通を確保するためにビール業界等と中長期の契約ができるように要望されておるわけでございますが、今後の生産指導をどうするかもあわせてお尋ねをいたしたい。
○関谷政府委員 ビール麦全体の需給の動向につきましては、御承知のように、少し前ですと総体の麦芽消費量の中で国産物の割合というものは実は一〇%台ぐらいでございましたが、最近、その後若干これが上がってまいりまして、前年度で約一七%ぐらいというようなことになっています。五十九年十月から六十年九月にかけまして、いわゆる五十九麦芽年度の全体の大麦需要量、大麦換算で七十五万トン、そういう数字でございまして、国内産は大体二〇%を少し超えるぐらいの供給量になるという見込みでございます。ビール麦につきましては、これは生産者団体、需要者団体の御承知のような一種の協議に基づきます契約栽培ということによる安定的な供給が図られているということでございます。 お尋ねのございました中長期的な対策、こういうことにつきましては、実は現在は五十八年から六十年産までの間の第一次の中長期対策でビール大麦の対策を講じたわけですが、ことし六月、つい先般でございますが、第二次のビール大麦中長期対策、六十一−六十三年度ということで合意がなされました。実はこの過程で私どもも適正な内容の合意がされますよう指導したわけでございますが、全体の数量としては全国で十八万トン、六十一年から六十三年産まで各年産十八万トン、こういうことで合意をいたしました。 ただ、御承知のように従来契約超過麦については取り扱いの方針が決まっておらなかったわけでございますが、今回全国的に県の間の調整をやりまして、その全国の契約限度数量十八万トンの中で県間調整をいたしまして、いわゆる契約を超過しまして豊作により発生しました良品質の麦については会社が追加買い入れを行う、こういう大変画期的な改善をいたしまして先般合意をいたした次第でございまして、私ども、こういうラインに沿いまして、引き続きビール麦の生産の安定、品質の向上に向けて努力してまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 国内麦の優先利用を基本とする食管制度の運営を十分図っていく必要があると思うわけでございますが、麦の全量について流通契約が達成できるような措置を講ずべきであると私は思うわけでございますけれども、この点について伺いたいと思うわけでございます。 なお、流通契約に当たりましては、運賃助成等必要な措置を引き続き講じていただきたい、こう思うわけでございますが、これについて伺いたいと思います。 なお、麦の品質向上が課題となっておりますが、麦の品質向上に向けての試験研究の成果が上がっているのかどうか、これもお答えいただきたいと思います。 なお、物流合理化を図るためにばら調製保管施設等について引き続き助成が必要だろうと思うわけでございますが、これに伴う必要な予算をぜひ確保していただきたい。 この四点について政府の方針をお伺いしたいと思います。
○石川政府委員 私から前の二点についてお答えをいたします。 国内麦の優先利用ということにつきましては、私ども、食糧管理の制度の中で、国内で使えるもの、生産できるものはまず第一に使って、それで足らないものを輸入でやるという方針でございますので、したがいまして、麦につきましても当然国内産麦を優先利用するということで食管を運営しているわけでございます。 それをやります場合には、やはり麦の場合、御承知のように、もう既に、数量的に言いますと輸入品が多いわけでございますので、輸入品に比べて使いにくいということではなかなか問題でございますのでいろいろ考えておりまして、例えば品質問題、品質を向上させる、それから輸送しましたり使用しましたりするロットが大変小さいと問題でございますので、ばら流通とか取引単位の拡大、そういうこともやりまして、生産者にも努力していただきながら、需要サイドの方からもそれに対する評価を受けていると思っております。そういう面では、これからも、今申しましたような流通改善、品質改善等をやりますれば国内産麦が実需者にうまく渡るということでございまして、今先生御指摘の、例の運賃助成などもそういうものの一環でございます。 そういうことをやりました結果、実は五十八年産麦も五十九年産麦も全量流通契約を結んでおります。したがいまして、今後も私どもそういう麦管理改善対策、これはその中には運賃助成も入るわけでございますが、そういうものを適切に運用しながら、国内でつくられた麦が実需者にきちっと結びつきがされまして消化されるように、そういう考え方で今後もやっていくつもりでございます。
○櫛渕政府委員 麦の品質向上に向けての試験研究でございます。 先生御指摘のように、国内産麦の生産の安定それから需要の拡大、こういったことを図っていくためには特に品質向上が重要である、そういうふうな観点から、従来から国の試験研究機関と都道府県の試験研究機関が連携いたしまして、こういった特に良質の品種の改良等を中心に研究を進めてきておるわけでございます。 この結果、最近育成をいたしました良質の品種として大変好評のものとして、良質で特にめん類に適する品種といたしましてシロガネコムギというのがございます。これは九州農業試験場で育成したものです。それからチホクコムギ、これは御案内のように北海道の北見農試の指定試験で育成したものでございます。それからさらに醸造用に適するビール麦といたしましてヤシオゴールデン、これは栃木の指定試験地で育成したものでございます。さらにまた穂発芽しにくい品種として最近育成しましたものにニシカゼコムギというのがございます。こういったそれぞれ良質な小麦あるいはビール麦を育成し、普及に移してまいっております。 このほか、さらに栽培管理等を通じまして品質の劣化を防ぐ技術といたしまして、一つは赤カビ病、これは特に暖地の病気ですけれども、これの防除法あるいは収穫時の穀実の水分の含量に応じた適正な乾燥法の確立、こういった面での研究の成果を得てまいっておるところでございます。 今後ともそういった生産者、実需者のニーズに応じた良質しかも多収、こういった品種改良等についての試験研究の推進に努力してまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 北海道では畑作農家が多額の負債を抱えて大変苦労しているわけでございます。これが経営を非常に圧迫しているわけでございまして、この負債を軽減するために実効のある具体的な対策を政府は早急に講ずべきだろうと思うのですが、いかがでしょうか。
○関谷政府委員 負債農家対策の前に、前の質問で、私どもの局の所管で、ばら調製関係につきましては、米麦品質向上物流合理化事業、これは六十年度予算額二十八億円でございます。この中で米麦を含めましたばら流通あるいは共同調製集約化、こういうことを講じておりますので、御質問にもございましたが、こういう予算の確保、またその適正な執行に努めてまいりたいと考えております。 負債の問題でございますが、北海道畑作農家の負債は、農家経済調査の上で見ますと、五十八年度末一千二百三十四万円平均でございまして、前年千百六十五万円より若干増加をしております。 この負債対策については、必要に応じまして、既に貸し付けられた資金の償還猶予などの貸付条件の緩和なり自作農維持資金の活用を図っているわけでございまして、こういう経営の状況でございますので、六十年度については、北海道庁の方で農家経営調査、これは既に予算計上して実施するということになっておりますので、こういう調査の状況、これは道庁とも十分連絡をとりながら実態の把握に努めて、また対策についてはさらに努力してまいりたいと考えておりますが、当面の問題としては、六十年度自作農維持資金の中の再建整備資金につきまして貸付限度額特認八百五十万円を一千五百万円に引き上げる、こういうようなことで対処しながら、畑作農家の経営安定にはさらに努力してまいりたいと考えております。
○斎藤(実)委員 麦作の定着化あるいは低コスト生産を推進するために、生産性の高い麦作経営が確立されるよう、高水準技術の開発導入だとか普及等の諸施策をさらに強化されるように御要望申し上げると同時に、経営規模拡大、麦作農家の安定のため、買い入れ価格等についても十分配慮いただきますよう御要望申し上げて、時間も参りましたので私の質問を終わらせていただきます。
○今井委員長 次回は、明十九日水曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十分散会