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102回国会衆議院1985/06/05

農林水産委員会 第22号

発言数
280
登壇者
24
会派数
5
開催日
1985/06/05

会議録

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松田九郎君。

松田九郎自由民主党・新自由国民連合

○松田委員 時間の関係がありますからかいつまんで質問をいたします。したがって、答弁をされる皆さん方においては、ひとつ的確に簡潔に要領を得て答弁をお願いします。  農林大臣に最初にひとつお聞きをするのですが、農業というものは、本議員の立場から考えれば常に保護政策が前提でなければならぬ。その理由は、御高承のとおりに農業というのはまず第一に、他の産業と違って計画生産ができない、同時に労働効率が極度に悪い、しかも気候、風土、天然自然現象に支配をされる。したがって、他の産業と同じスタートに並べて産業としてこれを育成していこうという立場をとれば、どうしても大きなおくれが生ずることは否めない。したがって、本質的には保護政策でもって政治的に行政的に、時には補助金制度をもってこれを賄っていく。  特に、日本に限らず世界の先進農業国家は皆、その例を言うまでもなくとっておる。ひとり日本の農政だけが最近殊のほか追いやられつつある。特にアメリカあるいはまたオーストラリア、カナダ、そういうところにおいて保護政策をとっておる、生産の増強をしておる国家は、いずれも現状隆々と栄えておる。片や、国を名指してはあるいは適当でないかもわかりませんが、私は他意のない意味においてあえて国名を挙げれば、農業に取り組んでいない、従来から農業をおろそかにしておったと思われる、言うなれば生産を怠っておったイギリスあるいはイタリアなどのかつての強大国、これが現状においてはまさに弱小国に転落をしておると言ってもいいでしょう。どこにそういう分かれ目があったかというと、生産を増強する姿勢をとったかどうかということなんであろうと私は思う。  ところで、大変残念な最近の風潮ですが、中曽根総理大臣が最近機会あるごとに貿易摩擦、黒字減らしの一環として、農業なんというものも格別聖域ではないのだ、聖域ではないと言うならば、逆から言えばこれも一緒くただ、すべての産業と同じだ、特別扱いはしないのだ、そういうことであろうと私はこれを受けとめざるを得ない。したがって私は、総理自身の直接の御意見を聞きたいと思って、委員部を通じて本委員会に総理の出席を手続をとってもらいたいということをお願いしたのですが、そういう前例がないというか、手続がおくれたというのか、そういうことできょうはどうしても本委員会に総理の出席を煩わすことはできないということでありますから、したがって、この問題について所要の見解を総理からじかに聞くことは別の機会に譲るとして、中曽根内閣の台閣に列せる、しかも日本の農民の父でなければならぬ最高の指導者である農林水産大臣は、最近の総理のこの種の発言についてどのようにお考えになっておるか。  今や日本列島の特に農業関係者及び農民あるいは団体においては、最近の総理の一連の行動について必ずしも信頼感を抱いていないことは否定し得ない。大変な疑念を抱いておると同時に、先行きを不安がっておる。この際、所管の大臣である農林水産大臣としては、一体この問題について大臣自身としてどういう見解を持っていらっしゃるか。  言うまでもなく、世界の先進農業国家、水産国家は食糧自給自足体制をすべての国家がとっておるわけでしょう。特にアメリカを除くいかなる国といえども、自給自足体制を食糧については確保するために、あえて戦略物資備蓄法という法律をすら法制化して、いかに生産コスト高になろうとも食糧自足体制をとっておる。スカンジナビアのあの白夜国と言われる生産条件の最も悪いスウェーデンなどにおいても、そういう前向きの姿勢をとって農業保護政策を確立しておる。私は詳細にスウェーデンにも行ってその実情を調査したことがあるけれども、そういうふうにその国家、その民族が食べる食糧というものは、どんなに生産条件が悪かろうとも、全体的に多少生産コストが割高になろうとも、自給自足体制が本質でなければならぬ。  そういうときに中曽根総理の最近の言動は、我々関係者をして、まことに遺憾というか不愉快というか、先行きを大変不安がらせもし、もう農業なんか今からやったってだめだ、そういう感じを全国の農民、農業団体に与えておることは否めない。しかるときに、総理の見解は先刻申し上げたとおり別の機会にお聞きするとして、大臣自身どういう見解を持っていらっしゃるか。  それといま一つお答えを願いたいのですが、総理がこれまた最近しばしば言っていらっしゃることに、黒字減らしのために外国製品を買うのだ、百ドル方買え、みずからは町に出て、報道機関などもついていったのか連れていったのか知らぬけれども、どっちにしてもテレビにだかだか写真をぶっ放して撮って、そしてあたかも外国製品を買わなければいかぬ、おれも買っているんだ、昔から言われる言葉に「上これを行えば下これに倣う」というのがある、まさに今そういう風潮になっておる。  最近私はある新聞を見ておったら、総理大臣の六十七歳の誕生祝いに役人や秘書官たちがこぞって、私も百ドル買いました、私も買いました、それを取り上げて首相が御満悦であったという記事が書いてある。世も末世だ、こういう亡国的な風潮が一体許されるのか、私はそういう憤りというか慨嘆というか、まさに残念きわまりないという感じを率直に持っております。  それだけの余裕が今の日本列島の中にあるのでしょうか。一人百ドルといえば三万円近い。農家の構成人員三人ないし五人とすれば、十万から十五万円外国製品を買え、舶来品なんというのは皆さんも行ってみればわかるとおり高いのですよ。三割から二割高いでしょう。そんな高い舶来品を、何で黒字減らしのためにそういうささやかな手段をとらなければいかぬのか。それよりももっとやるべきことは、内需拡大をやるとか、特にアメリカのドル高というのをみずからもやってもらわなければいけないのだ。アメリカのドル高を何一つやらせぬでおいて、日本にそのしわ寄せを持ってきて、農民にしわ寄せをする、そういうことを総理みずから提唱されるにおいては、私としては全く不愉快である。そういう考えは間違っておる。  御承知のとおり、今日までの日本の隆々たる経済大国がどうしてできたかといえば、荒廃した戦後の食糧難時代に、それこそ世界一勤勉性の高い日本の農村及び農民がせっせと努力をし、食糧生産に励んできた成果でしょう。共産主義国家が、笛吹けど踊らずというか、どんなに食糧生産を叫んでみても効果が上がっていない。共産主義国家の権化であるソビエト連邦に私は三年余りおったからよく知っている。共産主義国家の農業政策がいかに間違いであるか、いかに食糧事情が悪いか。ソビエトは少なくとも毎年千万トンから一千五百万トンの食糧をアメリカからだけでも輸入をしておる。ソビエトにおいては、スタハノフ運動というものまで起こして食糧増産を国が呼びかけておるけれども、しかもウクライナあるいはコーカサス、シベリア、そういう広大なる、肥沃な土地を持ちながらも生産が上がらない。これはアフリカにおける共産主義陣営国家の実情もそうでしょう。飢餓戦線である。何百万という飢餓者が出ておる。すべてこれは社会主義国家ですよ。  要するに、私がここで何を言わんとしているかということは、我が自民党の長い間の指導よろしきと相まって、特に日本農民がうまざる勤勉性を発揮して、国家の大本である農を基盤として食糧増産に励んできた結果が今日の日本の経済大国を助長してきたし、将来もまたそうでなければならぬと思う。そういうときに百ドル買えと言うてみたり、あるいは農業を聖域でないと言うような首相の政治の取り組み姿勢が妥当であるかどうか、大いに心していただきたい。  そうでないと農民は厭世気分になって、頑張ったってだめだ、今でさえも過疎なんでしょうが。今日本列島を支えておるのは、北は北海道から西は離島の多い長崎、鹿児島の九州に至る間の、俗に言う過疎地帯の純朴な農漁村が今日の日本の経済を推し進めてきたと言っていいでしょう。その裏で、政治が逆行しておるから過密現象というものを生んでおる。今日の我が国の発展の成果は、言うまでもなく、過疎地域における純朴なる生産性の高い意欲に富んだ日本の農漁民の長い間の蓄積であり努力である。そういう零細なる弱い純朴なる農漁民を今や切り捨て御免的に、黒字減らしのためなら手段を選ばないのだ、しかもそういうことを言うてどれだけ効果があるかということです。一体農漁民に買う力があるか。  言ってむだなこと、効果の上がらないことを一国の総理が言うべきじゃないですよ。サミットにおいて先進国家並みにどうしても何か言わなければいかぬというならば、それは外務大臣か官房長官か通産大臣あたりが言うべきことじゃないですか。一億二千万の総帥である総理みずからがそういうことをおっしゃることは不適当であると私は思う。そうでないでしょうか。私が願いたいのは、総理は総理として、農漁村の総大将である所管の農林水産大臣は、同じ内閣の中で閣内不統一は許されないでしょうし、そこら辺をどういうふうに受けとめていらっしゃるか、これが大臣にお聞きしたい第一問である。  第二問は、俗によく言われておる夏の陣というのがありますね。去年の夏の陣、六月をピークとして米価騒動がありました。去年は二・二%、ことしは前もって予告をして予防線を張っているのかどうか知らぬけれども、米価は引き下げなければいかぬということが盛んに言われておる。前段の私の質問と関連をしますけれども、よくも考えたものというか、逆さまになってきたと思うのです。     〔委員長退席、玉沢委員長代理着席〕 物価が上がり、建設資材が高騰を続け、人件費が四ないし五%上がっておる今日の日本の趨勢、公務員の給料などは年次四から五%上がっているのでしょう。そういうときに農民の主たる収入源である米価が去年辛うじてささやかに二・二%、それをことしは事もあろうに現状よりも引き下げるのだ、その米審が七月の都議選前に出すとか出さぬとか、まさにナンセンスというか常識を疑わざるを得ないというか、なぜ日本の食糧あるいは農政についてそんなに消極的な意見が出てくるのだ、私はそこら辺にも大いなる疑問を持つわけです。  したがって、質問の要旨は、米審などについては、経済事情の動向もあろうけれども、農林大臣としては慎重かつ適正に所要の御指導を願いたい。そうでないと、米価を引き下げるなんということをやったって、そんなもの自民党の中でも通しはしませんよ。そんなばかげたことでは天下は大乱だ。そこら辺を大臣は十分お考えいただいておると思うが、大臣の決意のほどをひとつお伺いしたい。  以上二点であります。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 松田先生にお答えいたします。  先生からいろいろ高邁なる御意見を聞かせていただいたわけですが、農業に対する認識は同じだと思います。そんなことで、三点について簡単にお答えいたしたいと思います。  第一点は、日本の農業の重要性は改めて言うまでもございません。そういう形の中に地域経済に大きな役割を持っておるということです。ただ問題は、農業というのは自然条件に大きく左右されるとともに、日本の農業は経営規模が小さいとか収益性が乏しいとか、そういう特異性がございます。そんなことで、やはり私はある一定の助成保護措置は必要だと思っております。  そういう形の中でございますが、中曽根総理の発言でございます。実はこれはややオーバーに伝わっておるということでございまして、実は、例えば木材の総合対策一つにいたしましても、非常に中曽根総理の御理解を得てあれができたということでございます。したがって、一時いろいろマスコミ等でかなり厳しく伝えられていますが、例えば先般の衆議院の本会議におきまして、総理の答弁はこういう答弁をされております。アクションプログラム、行動計画における農業の取り扱いについては、国際的に説明できるものでなければならないが、国民生活あるいは国民経済における役目等々も十分考えて、その特殊性に留意しつつ行うべきものであると考えておる旨答弁されております。そういうことでございまして、非常な御理解をいただいている、実は私はこんなように考えて、これから農林水産業を進めるに意を強くしておるというのが現状でございます。  そんなことで、私としても農業の重要性については今後とも各方面の理解を得るよう努めたいと思っておりますし、また行動計画の策定に当たりましては、我が国農業を生かしてその健全な発展をどうして図るかということを基本にし、関係国との友好関係にも配慮しながら慎重に対処してまいりたい、こういうように考えております。  第二点の総理の百ドルの件でございますが、これは実は、私は率直に言いますと一つの見識ではないか、こう思っております。ではおまえはどうしたかというと、一ドルも買っておりません。御存じと思いますが、私は絹の洋服を着ておりますし絹のシャツを着ております。百ドルあれば絹の洋服を買ったり靴下を買いたい、こう思っております。実は、この間「一日農林水産省」が岡山でありました。その席で中国、四国の農業関係者と昼食を食べましたときに、実はだれも百ドル買った人はおりませんでした。一ドルも買ってなかったということで意を強くしたということでございますが、でもこれは、総理とすればその立場として、やはり見識と御理解願いたいと思っております。  そんなことでございまして、先生御存じと思いますが、我が国は農林水産物については世界最大の輸入国、ただ国内におきましては過剰基調にある作目も少なくないということでございまして、今後はそんなことも考え、そして今先生がおっしゃったようなことでございますが、私は、これからの経済摩擦を解消するために、やはり内需拡大あるいは総合的な輸入、節度ある輸出、こんなことを含めて、それから先生先ほどおっしゃったアメリカのドル高等も大いにアメリカにも反省を求め、そういう形の中で、日本でもやはり内需拡大とか節度ある輸出とか、あるいはそういうものも含めて大いにやったらどうだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。  最後にお米の問題でございますが、これはもう先生が今おっしゃったとおりでございまして、いろいろマスコミに出ておりますが、私はまだ一切何も発言したことはございません。そんなことでございまして、先生が先ほど御指摘のとおり、食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しながら、再生産の確保を旨として、米価審議会の意見を聞いて適正に決定したいと考えております。

松田九郎自由民主党・新自由国民連合

○松田委員 時間がありませんから簡略に終わりますが、今農林大臣としては大変前向きの御答弁をいただいて大変恐縮です。心から敬意を表します。  百ドル問題については、今大臣もそういうことについては余り関心を払ってないということですから、農林省のお役人さんたちは、大臣がそういう気持ちだから百ドル買えなんというばかげたことをしてないと私は思いますが、ひとつ皆さんもそういうことでやってもらわないと困るな。とにかく百ドルは、農林省が何か買うてみたって始まらない。そんなことよりは本質的なドル減らしあるいは黒字減らしというものをやる以外にはないということであります。  米審については、今大臣がこれも非常に適正にやるぞという毅然たる方針で説明されたので、私としては了解をし、大臣のいわゆる決意のほどに私は共鳴しておきたいと思います。これはひとつ総括的に大臣にお願いしますよ。  とにかく農政というものが国の大本であることは何人も否定し得ないところですから、瑞穂の国と言われるように、やはり農業が日本立国の基調である、これはどんなに否定しようとも、日本の国がある限り永遠不変のものでなければならない、私はそういうことは言うまでもないことだと思います。したがって、今日のこのただならぬ風潮の中で、農林大臣は、特に閣議においてでも、時に総理大臣の我々が判断をしておるような言動ありとすれば、今後も大いにひとつ大喝、姿勢を正して意見を開陳をしていただきたい。このことを最後に要望して、時間がありませんので私の質問を終わることにします。ありがとうございました。

玉沢徳一郎自由民主党・新自由国民連合

○玉沢委員長代理 関連して、鈴木宗男君。

鈴木宗男自由民主党・新自由国民連合

○鈴木(宗)委員 きのう日ソサケ・マス交渉がやっと調印を見たわけですけれども、ソ連相手の外交交渉はきついな、本当に厳しいなとしみじみ感じながら成り行きを見守っていた一人です。その間、佐野長官初め日本側交渉団は大変よく頑張ってくれたと私は敬意を表するところであります。一部の心ない新聞などは日ソサケ・マス交渉「日本完敗」という表現をしておりますけれども、これなんかは外交交渉の経験のない、また本当に無責任な連中の表現だなと、私は憤りも感じておるわけです。  特にクォータの問題なんかを見ましても、ソ連側は三万五千トン、これを頑張って三万七千六百トンまで引き上げたし、漁業協力費にしてもソ連側は当初五十億から五十五億要求してきました。しかしこれも前年並みで決着を見たということは、私はやはり佐野長官初め代表団の粘り強い根気強さが効を奏したと、つくづく感謝をしているものであります。  しかし、今回の日ソ交渉なんかを見ましても、やはりこれから先細りするのは必至だなと私は考えております。政府、業界ともサケ・マスに頼ってきた今までの体質をこれからどういうふうに持っていくか、抜本的な改革といいますか展望を持たなければこれからやっていけないのではないかと私は危機感を持っておるわけでありますけれども、大臣はサケ・マス漁業交渉、対ソ関係の交渉あるいはサケ・マス業界の将来展望をどんなふうに考えておるか、お尋ねをしたいのです。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 鈴木先生にお答えします。  佐野長官以下に対しまして大変温かい、御理解のあるお言葉、ありがとうございます。実は、今おっしゃったのにつきましては、今度のサケ・マス漁業交渉というものはきのうやっと最終的な妥結を見たところでございます。そして、内容につきましては御承知のようにクォータが三万七千六百トン、本年の六月及び七月のクォータとしてはまずまずの数字ではないか、こういうふうに考えておるわけですが、実は今度の交渉を通じまして最後また一つの大きな問題になりましたのは、協定の枠組みにおきまして、議事録の署名の時点におきましてもやはり二百海里水域、しかも日本の二百海里経済水域の中におきましてもそのとれたサケについてはソ連が一方的にこれを決めるようにしてもらいたいというようなことで、あくまでも我が国の二百海里水域の中の母川国方式という形の中に主張したということでございまして、そんなことで、今後はもっともっと厳しい状況になるのじゃないか、このように実は考えて、そういう形で、水産庁等に命じましてこれからどうするかということを含めて十分検討したい。  ただその場合に、やはり今後のサケ・マス漁業につきましても、現地で十五万、二十万の方たちの雇用の問題があるとか、あるいは釧路とか根室におきましては大きな産業の一つというようなことでございますゆえ、粘り強い漁業外交を展開して何とかサケ・マス漁業が生き抜けるように努力いたしたいと考えております。

鈴木宗男自由民主党・新自由国民連合

○鈴木(宗)委員 漁期が一カ月おくれ、さらに頼みとした漁場転換もできなかったということで採算割れは必至だ、特に中型船なんかは一航海しかできないのじゃないかという考えを持ちながら漁に出ているわけですけれども、操業状況を見て、もしとれなかった場合、あるいは採算割れをした場合、十分な補償といいますか、あるいは融資等を講じてもらいたいと、私はこの点まず強くお願いをするものです。  さらにまた、現在北海道では沿岸漁業振興資金として、これは金利六%ですけれども約四十九億円緊急融資をしております。これを水産庁で持っている国際規制関連経営安定資金、いわゆる三%金利の融資事業、これに乗りかえてほしいという声が今北海道庁あるいは業界から出ておるのですけれども、この見通しなんかもちょっと水産庁からお聞かせいただきたいと思います。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 ただいま大臣からもお話がありましたように、サケ・マス漁船はきのう出港したばかりでございます。サケ・マスの漁況というのは年によってかなり変わるところがありますので、基本的には本年の操業結果を見た上で検討させていただきたいと思います。御指摘の緊急融資等につきましては、この操業結果を見た上で十分に検討させていただくつもりでございます。

鈴木宗男自由民主党・新自由国民連合

○鈴木(宗)委員 十分検討ということは、この水産庁が持っている国際規制関連経営安定資金は該当するということで理解してよろしいですか、次長。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 国際規制関連資金、三%資金の適用の可能性を含めて十分検討させていただきたいと思います。

鈴木宗男自由民主党・新自由国民連合

○鈴木(宗)委員 ありがとうございます。  続いて、共同事業についてひとつお尋ねしたいのですけれども、ズワイについては現在業界へ持ち帰って検討中であります。しかし、ツブ、カニ、エビ、特にツブは全船減船、カニは一部残りますけれども、これとて減船、この補償についてはどんなふうにお考えでしょうか。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 カニ、ツブ、エビの共同事業につきましては、先般、大日本水産会を窓口といたしましてソ連側のソブルイブフロート、船舶公団と交渉があったわけでございますが、残念ながら、ズワイガニ以外につきましては双方の条件が相入れませんで、交渉に当たった業界の代表者たちは帰ってきております。その後、佐藤農林水産大臣からアブラシモフ大使へ、それからまた佐野長官からソブルイブフロートに対して、もっと弾力的にやってくれ、あるいはカメンツェフ大臣も含めてそういうことを先方に申し入れましたところ、自分の方も弾力的にやるように指示をするから、日本側でも皆さん弾力的になってくれるように話し合ってみてくれないかということがございまして、ただいま関係の漁業者とさらに交渉を続けるか操業しないのかということを話し合っているところでございます。その上で判断させていただきたいと思います。

鈴木宗男自由民主党・新自由国民連合

○鈴木(宗)委員 最後に、今の水産業界、日ソ交渉はもとより、対米交渉あるいはカナダの問題、あるいはニュージー、いろいろ問題が山積しております。全般的に見て、水産業は一番厳しいのではないかというふうに私は認識をしておるのですけれども、これから業界も、あるいは北海道なんかは特に影響が多いものですから、成り立つようにやっていってもらいたい。そういったことにつきまして大臣の決意をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えします。  もう先生の御認識のとおり、大変厳しい状況を迎えているのは事実でございますが、我が国の伝統的漁業の確保とか、本当にいろいろなあらゆる努力をして粘り強い漁業外交を展開して、何とか北洋漁業が生き残れるように最大の努力をしたい、こう思っております。

鈴木宗男自由民主党・新自由国民連合

○鈴木(宗)委員 ありがとうございました。

玉沢徳一郎自由民主党・新自由国民連合

○玉沢委員長代理 月原茂皓君。

月原茂皓自由民主党・新自由国民連合

○月原委員 私、四国でございますが、この間テレビを見ておったら、農水大臣が岡山に来て、中国、四国の「一日農水省」を開かれて、具体的に、非常に誠意を持って答弁されておる。そのニュースを見まして、農林水産委員会に属する一人として非常に感銘を深くしたものであります。そしてまた、今我が同僚が申し上げたことと重なりますが、非常に厳しい、本当の意味のスタートの交渉に水産庁長官以下を指導して、粘り強い交渉をされた点は高く評価されるものと思うのであります。  そこで、非常に広範囲にわたりますが、質問をしたい、このように思います。  まず大臣にお尋ねをしたいのですが、今同僚議員の質問にもございましたが、生産者米価の問題、新聞報道によれば、据え置きだとか値下げだ、それから流通米の、良質米の奨励金は削るのだというようなニュースが流れておる。これについては大臣の方は、今お話があったように、まだそんな話はしていないのだ、今から食管法に基づいて一つ一つ詰めていくのだ、このように言われておりましたが、もう一回その決意というものを教えていただきたい。そしてまた、今後どういうようなスケジュールで進んでいくのかということを、事務当局の方でおわかりならば一応腹づもりをお尋ねしたい、このように思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 月原先生にお答えいたします。  先ほども実は答弁したとおりでございますが、この生産者米価の取り扱いにつきましては、いろいろマスコミで出ておりますが、まだ何も決めておりませんのは御指摘のとおりでございます。したがって、例年どおり、食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しながら、再生産の確保を旨として、米価審議会の意見を聞いて適正に決定したい、こう考えております。  また、お尋ねの自主流通米助成につきましては、従来から自主流通をめぐる事情の変化を踏まえ必要な見直しを行いつつ今日に至っているところでございますが、良質米奨励金と自主流通助成の今後の取り扱いにつきましては、自主流通制度の健全な発展を図る立場を堅持しながら、自主流通米の流通実態等を踏まえ、その縮減合理化につき現在検討を行っているところでございます。  また、スケジュールにつきましては事務当局から答弁させたいと思います。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 日程でございますが、例年、麦につきましては大体六月の中旬から下旬にかけましてやっていただいておるわけでございますが、そういう従来の日程等も踏まえまして、関係の米審の委員の方々とも御相談しまして近いうちに日程を決めていきたいと思っております。まだ決めてはおりません。

月原茂皓自由民主党・新自由国民連合

○月原委員 今の大臣の答弁でございましたが、再生産できる価格、それから流通米については健全な発展、こういう点をよく認識して、当然そのくらいのことは考えられておると思いますが、農業の基本に関することでございますので御高配をお願いしたい、このように思います。  次に、最近私の方の農家でよく聞くのですが、豚肉、ブロイラー、鶏卵、こういうものの値段が非常に下がっておる。それから非常に低いところで上下しておるのでしょう。そういうことで、それぞれについて非常に不安を持っておる。でございますから、この三つについて現在農水省としてはどのように取り組もうとしておるのか、その不安をなくするためにどのような取り組みを示そうとされておるのか、詳細にお答え願いたいと思います。

野明宏至農林水産省畜産局長

○野明政府委員 お答えいたします。  豚肉、ブロイラーそれから卵の問題についてお尋ねがあったわけでございますが、まず豚肉についてでございます。  豚肉につきましては、需要の面から見ますともう既にかなりの水準に達しておりまして、五十五年度以降需要が伸び悩みの状態でございます。それから生産につきましては、これはその拡大が比較的に容易な構造になっておりますので、やはり常に供給過剰になりやすいというふうな状態でございますので、五十四年度以降、生産者団体が中心になりまして自主的な計画生産を推進をいたしておるわけでございます。  最近の情勢を見ますと、豚肉の価格でございますが、四月以降、安定基準価格をやや下回る価格で推移をいたしておるわけでございます。ただ、六月に入りまして価格はかなり回復の傾向が見られてまいりまして、昨日の東京の値段では、基準価格六百円でございますが、六百九十八円というふうな値段が出ておるわけでございます。これは例年のパターンでございまして、今の時期から夏にかけては、需要期というふうなこともございまして価格が上がってまいるわけでございます。ただ、最近の生産のベースとなります子取り用の雌豚の飼養頭数を見てみますと、これが約百二十一万頭ということで、今までの状況の中で一番高い水準にありまして、これがふえる基調にある。それから例年のパターンといたしまして秋口以降消費が停滞するわけでございますが、逆に豚の出荷頭数はふえる、そういう基本的なパターンがございます。したがいまして、雌豚がふえているとかそういったような状況を考えますと、これからの豚肉の価格の動向を慎重に見守りながら対応していかなくてはいかぬというふうに考えているわけでございます。  生産者団体の方も、全国の養豚経営安定推進中央会議というのがございまして、五月の末に中央会議を開きまして、現状の認識なりあるいはこれから取り組むべき方向というものについて検討されまして、やはり需要に見合った計画的な生産あるいは消費の拡大というふうなことをやっていかなければいかぬというふうな申し合わせをいたしておるわけでございます。また、それを受けて政府の方でも対応をしてもらいたいというふうな要請が出されておるわけでございます。  その中で一つの問題といたしましては、需給バランスを保つためには子取り用の雌豚の飼養頭数の調整をしなければいけないという共通の認識に立っておるということを、その中央会議の中でも言っております。それに対応して必要な対策なり指導を政府の方でもしてもらいたいという要請が参っております。今、中央会議の中でいわば実施についての具体案の検討がなされておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この検討結果を踏まえて適切に需給調整が図られるように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。  それから鶏肉についてでございますが、これにつきましては、五十年代の初頭までは鶏肉の需要は年率一〇%以上の高い伸びを示してきたわけでございますが、最近は伸び悩み傾向にあるわけでございます。それから生産につきましては、潜在生産力がかなり高いものになっておりまして、需要を上回る生産が最近続いておるということで、最近二、三年間、毎年価格についても前年を下回るというふうな状態が続いておるわけでございます。したがいまして、生産者団体を中心に需要に見合った計画的な生産に努めておるわけでございますが、これにつきましても需給安定のための会議というものを三月に開いたわけでございます。そこで、六十年度については特に主産地での伸びが非常に大きいものでございますから、主産地を中心にして計画生産を徹底させていくということが必要だということで、その方向での取り組みがなされておるわけでございます。  ただ、そういう取り組みがなされておるわけでございますが、現在のところ、まだその効果が必ずしも十分に上がっていると言えない状況でございまして、値段も非常に低い水準にあるということでございますので、さらに、今申し上げましたような方向での指導をしてまいりたいと考えております。  それから卵につきましては、これも基本的に供給過剰になりやすい構造になっておりまして、需給安定を図るために、国と都道府県と生産者が一体となりまして需要に見合った計画生産を推進しておるわけでございます。ただ、卵の価格につきましては、五十五年、五十六年に非常に卵の値段が高かったということもございまして、増産意欲が高まったということで、五十七年以降低迷を続けている状況でございます。したがいまして、卵価安定基金によります鶏卵生産者に対する補てんを実施する、これが中心的な話になるわけでございますが、これ以外に需給調整の問題といたしまして、全国液卵公社というのがございますが、卵の市場隔離をやる、あるいは生産者団体による自主的な調整保管を行うというふうなことで、卵価の安定と養鶏経営の安定に努めているところであるわけでありますが、やはり基本的には需要に見合った計画生産というものが最も重要であるわけでありまして、今後その一層の徹底に努めていく必要があるというふうな状況であるわけでございます。  計画生産を進めるというふうなことで、先ほど申し上げましたように国、県、生産者一体となった取り組みをいたしておるわけでございますが、いわゆる計画生産を守らない無断増羽者というものがございます。これにつきましては、従来から鶏卵需給調整協議会を通じましてその是正を指導いたしますとともに、指導に従わない者につきましては、卵価安定基金とかあるいは飼料価格安定基金からの除外とか、いろいろな措置をとっておるわけでございます。この点につきましては、今後とも指導の一層の徹底を図って、こういった計画生産がやはり円滑に進められるようにしていきたいと思っておるわけでございます。

月原茂皓自由民主党・新自由国民連合

○月原委員 今の答弁でわかりましたが、その答弁の中のものについて要望しておきます。  豚肉については、今その中央会議で具体的な案を練っておるということでございますが、その結果が出れば果敢に、例えば母豚の問題とかそういうのをタイミングを失せずに手を打っていただきたい、そうしなければ不安が増してくる、このように思います。制度そのものがいかによくたって、それを発動するタイミングを失うと非常な不安感を与える、私はこのように思いますので、豚肉についてはそういう問題。  そして今おっしゃった中に、鶏卵の問題では無断増羽者というかアウトサイダー、こういう者について除外の徹底を図ると言われておりますが、もう少し何かそういう者を、アウトサイダーに対しては制裁というとあれですが、具体的にそういうことをしてはいかぬのだということができる方策を、今までいろいろ規則を決めながらでもそういう者が出ているということは、決め方なりにもう少し一工夫したらどうだという余地がまだ残っているのじゃないか、いろいろ知恵は出されておるのだと思いますが、そういう点をひとつ徹底していただきたい。田舎の道を歩いておっても、無断増羽者がおって我々はもう大変です、こういうふうなことを言うわけであります。そういうことについては、そういうことを担当している者は、そういう協議会があるとともに農水省自身に対しても非常な期待をしておるわけでありますから、それにこたえていただきたい、このように思うわけであります。  次に、牛肉の問題でございますが、今委員長席に座っておられる玉沢先生以下、そして農水省の方々の大変な努力によって五十九年の四月に日米交渉が成立をしたわけでありますが、はやもうその見直しのことについて、私たちの田舎で、歩いておると次はどうなるのだろうかということで不安で、牛を飼うのをやめようかとか、いろいろな不安が入りまじっておるのが実情であります。  そこで、今こういう早い時期にお尋ねするのはどうかと思いますが、よく自由化ということが議題になるわけであります。それについての農水省の現在の考え方、そしてまたそれが、ただ単に反対するということだけでは国内にもいろいろな勢力がございますから、どういう理屈から自由化に反対するのだということ、要するに都会の消費者に対してもその理論的な根拠、相手を納得さすだけの根拠がなければならないと思います。そして、大きな目標に向かってタイムスケジュールを組み、一つ一つ階段を上がることによって体質改善がされていくのだと思いますが、そういう意味におきまして、繰り返しますが、自由化についてどう考えるのか。そして自由化を阻止するとした場合、もちろん阻止してもらわぬといかぬわけですが、それに対する理論的根拠をどういうところに置いておるのかということを説明していただきたいと思います。

野明宏至農林水産省畜産局長

○野明政府委員 お答えいたします。  牛肉につきましては、やはり生産者にとってその経営安定の上から非常に大事である。同時に、消費者にとりましても安定供給ということがやはり望まれておるわけでございます。したがいまして、牛肉の輸入につきましては、国内需要につきましてまず合理的な国内生産を進めていく、それによって生産の安定的な拡大を図っていく。同時に不足する部分につきましては輸入割り当て制度のもとでこれを計画的に行う。それから第二点といたしましては、やはり輸入が国内農業の健全な発展と調和のとれた形で行われる、こういった点を基本としてやってまいっておるわけでございます。  まず、牛肉の国内生産につきましては、五十八年に酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律、酪農振興法を改正いたしまして、国内の大家畜生産というものに取り組むための法律改正をいたしておるわけでございます。これに基づきまして近代化のための基本方針というものを策定いたしておりますが、これに則しまして肉用牛生産を我が国の土地利用型農業の基軸として位置づけまして、それからまた、やはり消費者に理解してもらえる水準で国内生産をしていかなければいけないということで、将来EC並みの価格水準を実現していくべく経営体質の強化と生産性の向上に努めているところであるわけでございます。  先生お話しの自由化問題についてでございますが、これは主要輸出国あるいは生産国がいろいろあるわけでございますが、オーストラリアとかあるいはアメリカ、これは土地条件が日本とは根本的に異なるわけでございます。したがいまして、これらの国との競争はやはり困難でございます。ただ、土地条件が似通ったヨーロッパ諸国、こういうところの水準にはなるように国内生産についても努力をしていかなければいかぬということで、努力を続けていくということにいたしておるわけでございますが、基本的にこういった土地条件の違うアメリカあるいはオーストラリアというものと競争することはまず困難ということではなかろうかと思います。  それから、国内の生産あるいはそれに関連をした問題でございますが、一つは、やはり肉用牛生産農家が三十万戸ほどございます。それから、肉用牛生産は同時に酪農経営から行われておるわけでございます。したがいまして、酪農家も含めて関係農家は三十八万戸程度に及んでおるわけでございます。そういった関係農家の所得確保ということがやはり大事でございますが、同時に、地域農業あるいは山村振興といったような地域経済の安定のためにも重要な部門であるというふうに考えているわけでございます。  それから次に、肉用牛生産はやはり我が国農業の基幹的部門になっております。したがいまして、農業生産の再編成を進める上でも重要な部門となっておるわけでございます。さらに肉用牛生産、これは国土資源の有効利用というものともつながりますし、土づくりというものともつながっておるわけでございまして、そういった意味での役割も果たしておるわけでございます。  それから、供給の面でございますが、牛肉の供給というのは世界各国から幾らでもあると思ったら間違いであろう。やはり牛肉の国際貿易というのは数量なり価格の面で不安定でございまして、特に我が国は口蹄疫の清浄国でございます。口蹄疫という病気が入りますと大変なことになるわけでございますが、口蹄疫に汚染されてない地域の輸出量というのは極めて限られておるわけでございます。したがいまして、安定的に供給していく上から考えましても、合理的な国内生産が行われるような体制をつくっておかなければ安定供給の上からも問題である。  最後につけ加えますが、牛肉につきましては国境保護措置、これは日本だけではございませんで、ECはもちろんのこと、アメリカですら国境保護措置をとっているわけでございます。そういったような諸点を考えますと、やはり牛肉の自由化ということが可能であるとは考えられないというふうに考えるわけでございます。

月原茂皓自由民主党・新自由国民連合

○月原委員 今のお話で、合理的な理由に基づいて自由化に応ずるわけにいかない、こういうことは十分わかりましたが、やはり非常な借金を抱えて経営している人が多いだけに、今のような正しい位置づけを本人たちに自覚させて、誇りある方向で進めるようにしていただきたい、このように思うわけであります。  あと、経済肥育制度が五十七年度から五十九年度に実施されたようであります。私の郷里の方でも、そういうことで担当しておる農協もございますが、そこで、今後これがどういうふうになるのかということ、そして五十七年から五十九年度にかけた結果、どういう問題があって、それをどういうふうに解決して新しく取り組もうとされておるのか、こういうことを簡単で結構でございますがお答え願いたいと思います。

野明宏至農林水産省畜産局長

○野明政府委員 お答えいたします。  経済肥育の事業につきましては、最近の牛肉生産の傾向が肥育期間が長期化する、あるいは出荷体重がいたずらに大きくなっているという点がございますので、やはり低コスト生産というものを考えた場合には効率的な肉用牛生産に取り組んでいかなければいかぬということで、五十七年度から三カ年計画で進めておるわけでございます。  その効果といたしまして、三年間やってまいりまして出てまいっております点は、肥育期間を短くするということで増体効率が非常によくなっておる。えさの効率がよくなっておるわけであります。それから、粗飼料を活用してやっていくということで、生産コストの低減というものが出てまいっておるわけでございます。これはこの事業がねらっておる効果の一つであるわけでございます。  五十八年の成績で見てみますと、黒毛和種の場合に肥育期間が一般に比べて約五カ月短縮されております。その場合に出荷体重にはほとんど差がないということで、増体効率が非常によくなっておるわけでございまして、その結果、肥育期間が短いということで枝肉販売価格については従来のやり方に比べると低く評価されておるわけでございますが、しかしながら枝肉の生産コストが下がっておるということで、差し引き収益性はかなり上回っておる、こういうふうな効果が出ておるわけでございます。ただ、今申し上げましたように肉質、きめとか締まりとかいうことがあるわけでございますが、そういうこととか、あるいは肉の色とかいうものについてなお肥育技術の改善に取り組む必要がある面もあるわけでございます。  したがいまして、こういった三年間の事業の成果なり問題の所在というものを踏まえまして、六十年度におきましては、今後の一層の合理化と経済的な肥育、そういった技術を定着させるためにまた新しく事業を仕組みまして、乳雄も対象に加えるというふうなことによってこの事業を継続実施してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

月原茂皓自由民主党・新自由国民連合

○月原委員 時間が参りましたので、最後に、要望も兼ねまして農林水産大臣に対しましてその決意のほどをお伺いしたいと思います。  国連食糧農業機関も、実質的な食糧安全保障は損なわれつつあるというふうに言っております。また、農水省の資料等によりましても、二〇〇〇年には世界的には相当マイナスの方向が出てくる、こういうふうに言われております。食糧安全保障の問題について、現在の政治情勢では、そのときそのときの予算の土壇場に来たとき、何か価格安定しなければならないとか、つじつま合わせにだけ言われておる感じが非常に強くするわけでございます。しかし、今、農水省の資料あるいはFAOの資料等を見ましても非常に重大な問題だと思います。そういうことについて農水省も、皆、国民にわかるような説明ができる、そういうような体制を組んでいただきたい。そして真の意味の食糧安全保障の問題を提起していただきたい。そういう問題に一歩一歩前進して、適宜国民に知らせていただきたい。このことを要望して私の質問を終わります。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えします。  食糧の重要性は先生御指摘のとおりでございます。食糧の安定供給と安全保障を確保することは国政の基本というべき重大な課題であると思っております。  このために、実は自給率に三つの考え方を基本的に持っております。その一つは、国土を有効利用しまして生産性の向上を図りつつ、国内で生産可能なものは極力国内生産で賄うことを基本とした総合的な食糧自給力の維持強化を図る。その次に、どうしても不足するものは、輸入に依存せざるを得ないものについては安定的な輸入の確保を図る。そして世界の食糧需給の安定のための国際農業協力を推進する。三つ目には、輸入障害の発生などとか不測の事態に備えて備蓄を行うことを基本として食糧政策の推進に努めているところでございます。

月原茂皓自由民主党・新自由国民連合

○月原委員 終わります。

玉沢徳一郎自由民主党・新自由国民連合

○玉沢委員長代理 田中恒利君。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 開放経済に立ち向かうに当たって農林畜産物の取り扱いの問題、それから米価、お米の問題、二つに絞って、与えられました時間内で御質問をさせていただきます。  まず、この四月十九日に政府・与党は対外経済対策推進本部を発足をさせまして、アクションプログラムの策定つまり市場開放行動計画の策定を決定したわけでありますが、この際に、今も御質問がありましたように、担当大臣であります佐藤農林水産大臣は、農林水産物については「原則自由、例外制限」の例外制限品目に当たる、こういう御主張をせられたということで、農業関係者は大臣に対して敬意を表しておるところでありますが、最高責任者の中曽根総理は、農産物といえども例外ではない。聖域はない、こういうことを発言せられたということで、これはまさに日本の農林水産物の完全自由化が総理の口から出た、こういう形で全国へマスコミも報道いたしましたし、それぞれ末端までこのことが非常に大きな衝撃を与えて、御承知のような今日の状態になっておるということであります。  今もお話がありましたが、この際私は、市場開放の中で第一次産業、農林水産物の取り扱いについてはどういう比重、どういう位置づけで政府としてはお考えになっておるのか、このことを改めて大臣から直接お聞かせをいただきたい、こう思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 田中先生にお答えいたします。  農業につきましては、生命産業としてという、実はこれは中曽根総理がいつも生命産業と使っておるわけでございまして、もうこの重要性は言うまでもございません。先生と同じ認識でございます。そんなことで、実は中曽根総理の発言がやや誤解されて伝わっておると思いますが、あれは我が国の置かれておる立場を少し強調されたということでございまして、大変農林水産業には御理解を賜っておるわけでございます。  そんなことで、中曽根総理も農業の重要性とか特殊性にかんがみまして、五月九日の本会議におきましてアクションプログラムにおける農業の取り扱いにつきましてこう答弁されております。国際的に説明できるものでなければならないが、国民生活あるいは国民経済における役目等々も十分考えて、その特殊性に留意しながら行うべきものであると考えている旨答弁されております。そんなことで、私としても、農業の重要性について今後とも各方面の理解を得るよう努めてまいることとしておりますし、またアクションプログラムの策定に当たりましては、我が国農業を生かし、その健全な発展を図ることを基本にし、我が国の置かれている立場も認識しながら、関係国との友好関係にも留意しながら慎重に対処してまいりたいと考えております。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 農林大臣がこうで中曽根総理がこうだ、こういう個々の意見の問題よりも、農林水産物について政府がこれからどういう視点でこれを取り扱っていくのか、このことが大切なんで、私は、大臣はいつも最近、この間の本会議の御答弁をおっしゃるわけですけれども、細かく言えば、本会議の総理の答弁内容についても私ども疑問を出せばたくさん疑問はございます。が、全体として農産物についてのこの数年来の流れを見てみると、あるいは今度の通商摩擦に対応する中曽根内閣の姿勢を見てみると、ロン・ヤスとよく言われるが、レーガン・アメリカ大統領と非常に仲がおよろしい、これは結構なことでありますけれども、しかしレーガン政策は、この数年来一貫してアメリカの農産品輸出の市場として、世界、特にアジアでは我が国に対して目を向けておる、これはこれまでの経過の実態が私は示しておると思うのです。  だから今度なんかでも、いわゆるハワイの中曽根・レーガン会談で、我々が予想にもしなかった木材の問題がぽんと飛び出てきたわけでしょう。これは恐らくあそこで約束せられてきたから、三年間の一定の猶予期間を置いたけれども、いずれにせよ木材問題を改めて関税問題の角度で取り上げなければいけないという状態になっておるのです。  どうも中曽根さんは、農業といえども決して聖域ではないということの方が本音だ。あの閣議の発言があった後、あなたのところの自由民主党の農林関係の皆さん方が大分激高して総理にも文句を言った。団体も、中曽根さんに非常に親しい人が官邸に押しかけていった。それから多少ずつ言い回しが変わってきておることは承知をいたしております。おりますが、非常に危ない、どうもそんな感じを吹き消すことができないわけであります。  五月の二日—四日、ボン・サミットで新ラウンドへの移行について中曽根総理は積極的に指導性を発揮せられた動きをしたということも出てきております。この際、フランスのミッテランがいわゆる日時の決定については異議を差し挾んで決定していない。やるということは決まったが、いつやるかということはまだ決まっていない。これは、御承知のように、ECとアメリカとの農業問題をめぐっての対立でありまして、つまりECの中の農業中心であるフランスの、アメリカがECに乗り込んでいこうとするものに対するミッテランの徹底的な抵抗の姿があそこで示されたわけですね。私どもが今中曽根さんに期待するとすれば、ロンとの仲よりも、農業問題についてはむしろミッテラン的な立場で貫いてほしいというのが我々の偽らざる心情だろうと思うのですよ。  だから、中曽根さんという総理大臣の方のことじゃなくて、全体としてこの農林水産物の取り扱いについては、今慎重という言葉を出されたわけでありますけれども、第一次産業としての特質を十分にわきまえて、大臣がおっしゃるように、ここにも全国農業新聞、これは農業会議所の新聞ですけれども、池田さんと大臣とがお話をしていらっしゃる。農産物は例外だ、こうはっきり言い切っていらっしゃる。この姿勢を貫かなければいけないと思うのです。貫くことに自信がありますか。貫き得ますか。このことを重ねてお尋ねをしておきたい。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えします。  農林水産物の重要性につきましては先生と私は同じ認識でございます。それからまた、今度のアクションプログラムをつくる上におきましても、実は「原則自由、例外制限」でございますが、農林水産物は、一つあるいは複数におきまして、例えば国民生活の維持とか環境の保全等で例外に当たると私は認識しています。  そんなことで、そういう認識のもとに今後アクションプログラムの策定に当たりたいとは思いますが、ただ、いつも言っておりますようなことですが、我が国の農業を守り、その健全な発展をどう図るかということと、やはり友好国との関係を十分配慮する、そういう気持ちの上に慎重に対処したい、こう言っているわけでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 友好国との関係を十分に配慮しなければいけませんが、問題は、そのことによって我が国の農業の内部で該当する生産地帯なり生産関係者が痛めつけられるということがより重要でありますから、我が国の農業を守るということが前提であって、余裕があれば友好国との関係を考えていくということで進めてもらいたいと思います。  このアクションプログラムの策定についての基本方針、それからこれの進め方、こういうものについて、これは局長さんでしょうが、一応国会へもお伝えいただきたいと思うのです。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 行動計画の内容につきましては、関税の問題それから輸入制限の問題、基準・認証、政府調達、それに、農林水産関係には余り関係がございませんけれども、金融なり資本市場の問題とかサービスの問題といった、大まかに言って六つの広い分野にわたります検討課題があるわけでございますが、我が省といたしましても四月二十二日に事務次官を長とします策定委員会を設置いたしまして、その下に幹事会を設けて今検討を行っているところでございます。  考え方としましては、ただいまお話ございましたように、国内農業、農林水産業の健全な発展というものと我が国の置かれている国際的な立場なり友好国との関係をどうやって調和を図っていくか、その中で、大臣がお答えになりましたように、農業の重要性なり特殊性というものに関係方面の理解を得ながらこの問題に対処をしていきたいというふうに思っておるところでございます。現段階におきましては具体的な内容等につきましてお示しができるような段階にはないわけでございますが、今鋭意かつ慎重に検討を進めているという段階でございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 具体的な内容はなかなか示されぬということでありますが、考え方の幾つかの点についても若干質問を申し上げますが、わかる範囲でお答えをいただきたいと思います。  一つは、現在、残存輸入制限、つまりIQ品目が二十二ありますね。この二十二の残存制限品目というものについて縮小するなりあるいは輸入枠の拡大を認めるなり、そういうことは当然検討されていくのだろうと思うわけでありますが、この二十二の残存制限品目というものについて踏み込んでいくという方向で検討が進められているのかどうか。  特にオレンジ、牛肉の問題は一定の区切りがついておるわけでありますから、この問題に入らないと思いますが、しかし、既にアメリカは、米を除いて全品目の完全自由化ということをあちらの方は盛んに打ち上げて、きのう、おとといの新聞なんかを見ましても、ブロックさんは盛んにおっしゃっておるわけであります。そういう意味で、牛肉、オレンジの問題は今度の行動計画の外にあるのかどうか。あるいは御承知のようにハワイでガットに提訴をされたトマト加工品など十三品目の取り扱いは現在休戦中ということになっておるわけでありますが、これらの問題が今回の行動計画の中でやはり検討されていくのじゃなかろうか、こう思うわけであります。  そういう問題について、既に角道さんを中心に内部の検討が始まっておるし、当初の計画では、たしか五月ですか、基本方針、原則を決めて、方針を決めて、それから具体策を六月ごろに決めて、七月には大まかのものが決まる、こういう何か最初の申し合わせのようなものもあった、どうも思うように進まぬというような話も聞いておりますが、これまで事務当局を中心に検討されて、政治判断というところまでいっていないということはわかりますが、どういう問題がどういう方向でこのアクションプログラムの設定をめぐって議論をせられ、進められようとしておるのか、その点、言えぬことがたくさんあるのかもしれませんけれども、大まかな筋だけでもお示しをいただきたいと思います。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 ただいま検討の過程でございますのでなかなかお答えの申し上げにくいお尋ねでございますけれども、いわゆる残存輸入制限品目二十二品目について一体どういう検討をしておるのか、こういうお尋ねでございます。  これは行動計画の策定要領にも書いてございますように、我が国が置かれております国際的な立場ということから申しますと、貿易上のいろいろな措置につきましてやはり対外的に説明のつくようなものでなければいけないというようなことが一つの考え方として基本に置かれております。  そういう観点から申しますと、それぞれの品目につきまして、国内の需給事情なりその輸入制限をいたしております根拠なり、あるいはまた割り当て制度の運用の実態といったようなものにつきまして点検作業をやるということを今作業の中でやっておるという段階でございます。  いずれその枠の拡大とか一部の制限の撤廃というようなところに踏み込むのかどうかというようなお尋ねでございますけれども、その辺の点につきましては、まだ今申し上げましたような検討作業を行っているという段階でございますので結論めいたことを申し上げる段階にはないわけでございますが、いずれにいたしましても、過去にもいろいろ議論がありました中で、我が国の農業なり水産業の存立の上で基幹的なものあるいはまた地域振興上必要なものばかりでございますので、自由化というふうな点につきましては非常に困難なものばかりが今残っているというふうに、基本的な認識として私どもそういう認識は持っておるところでございます。  牛肉、かんきつなり十三品目につきましては、それぞれ昨年の四月、日米間で決着を見まして、現在、それぞれ四年間及び二年間、その合意の内容を日本側は誠実に履行する、そしてアメリカなり関係国はその間休戦するということで、今その合意の実施途上にございます。したがいまして、それぞれの期間の間につきましては、この約束を誠実に履行していくということでその期間については足りるものというふうに考えております。  最近、一部の新聞紙上等にアメリカの政府関係者の方々の記者会見の際の発言というようなことで、牛肉、かんきつ等についても云々というような話も報ぜられておりますけれども、私ども、いずれも個人的な感想なり見解というふうに受けとめております。アメリカの正式の当局から私どもそういうふうなことについての申し入れを受けておるという事実はないということを申し添えておきたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 これは、事務的には大体いつごろまでにまとまるわけですか。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 これは、行動計画はその骨格を七月の末までに作成をするということになっておりまして、その後においてできるだけ早く肉づけをしていくというような段取りになっております。六月中に進捗状況につきまして中間報告を推進本部に対していたすということになっておるところでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 恐らく、この関税の引き下げの問題がほとんど中心になっていくのだろう、こういうふうに考えるわけであります。  これは私どもの要望として聞いておっていただいたらいいと思いますが、いずれにせよ、日本の関税率も御承知のように相当下がってきて、ECなんかに比べると半分くらいですか。日本の場合、たしか六・四、五%くらいですか。ECは一二、三%あるのじゃないですか。品目も、東京ラウンドで百二十三品目、その後もたくさんやっておるわけであります。どれ一つとってもなかなか大変だし、特に地域的な特産物というか、国全体から見た場合にはそれほどじゃなくても、そのところにとっては決定的な影響を与えるようなものになっておるわけでありますから、そういう点は、言うまでもなく御承知の点でありますけれども、私は、これはぎりぎり勝負をしてもらわなければいけぬ、我々は関税引き下げはこれ以上もうできない、こういうつもりでおります。政府の置かれた立場はそんな簡単なものじゃないということもわかりますが、非常に厳しいということは申し上げておきたい。  それから、この輸入の手続問題、簡素化ですね。あるいは食品表示の問題、これがやはり決められておりますね。項目の中にありますね。これも、事務的にも簡素にするということも悪いことじゃないですけれども、外国のものについては簡素にすればたくさん入るということはまた裏側には必ず出てくる問題でもあるし、それから食品の問題は、特に輸入農畜産物については、御承知のようにやはり食品の安全性の問題が非常にやかましゅうなってきておる。  現実に私などもグレープフルーツの自由化、オレンジの自由化の問題から、この国会でもOPPやTBZの問題などについて、向こうで禁止しておるのに何でこっちで認めるのかというようなことで大分やり合いをやってきた長い論戦というか取り扱いの経過がありますね、この問題は。ですから、そういう意味では、これは厚生省とよく連携をしてやっていただかなければいけぬと思うわけでありますが、やはり表示の問題一つ取り上げても、私どもが聞いておるのでは、国際的な標準のものをつくるという意図がどうもアメリカ側にはあるやに見るが、そんなことをさせられたら大変だと思っておるわけです。日本は日本型食生活ということを言っておるわけでありますから、日本独自の判断をとらなければいけぬと思うわけで、そういうことについてやはりきちんと日本の農業を守るという姿勢に立って取り組んでいただきたい、こう思います。  特にこの際、これは大臣に御質問しておかなければいけぬと思いますが、一千万トンの穀物を買ってくれぬか、これは海外援助用ということで話があって、これはお断りになったということでありますが、この問題が今度のアクションプログラムの中で形を変えて行われるというようなことのないようにしてもらわなければいけないと思うのです。一部には、閣内でも、一千万トンというのは大きいけれども百万トンなり二百万トンなら大丈夫じゃないかとか、いや、向こうで買って備蓄するのだからそんなに影響ないじゃないかという意見もちらほら聞くわけなんでありますが、この点は、特に米輸入の問題を私どもはアメリカの食糧戦略としてにらんでおかなければいけないと思いますから、よほど考えておいてもらわないと、これはお断りをしたということだけで済まない、この点の歯どめは十分に、この際私といたしましても御注文申し上げておきたいと思います。  大臣の方から御意見ありましたらお聞かせいただきたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。  この外国産穀物を使っての食糧援助につきまして、実は、これは先生御存じのとおりで、外務省の所管でございまして、私から云々するような立場にはございませんが、私は二つの理由から非常に難しい問題である、こう考えております。  その一つは、我が国の食糧援助の中心となっておりますKR食糧援助の規模をはるかに上回る、たしか年間三十万トンであったと思いますが、規模をはるかに上回るものであること。第二点は、KR食糧援助においては、規約上、開発途上国産の穀物を優先使用すべきとされていること等によりまして、非常に難しい問題であると考えております。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 それからいま一つ、私は十分に承知をいたしておりませんからこういうところで自信を持って申し上げるのもどうかと思いますが、このアクションプログラムの策定をめぐって、やはり食糧問題については、日本とアメリカの関係というのはそうはいっても一番長く、また輸入量は我が国がアメリカの食糧に依存しておる度合いが非常に高いわけでありますから当然そうなるわけでありますが、アメリカとの関係で処理されていく分野が非常に大きかった。これに対して例えば、今度新しく大きな問題として出てきておりますASEAN、東南アジアの国々などは、アメリカにこれだけのことをしておるのだから我々の方も考えてもらわなければいけぬ、こういう話が高まってきておる。  そして今度のアクションプログラムの設定に当たっては、いわゆるEC、カナダ、豪州、韓国、こういう国々からも一斉に目が向けられて、しかもこれらの国々の目のつけどころは農林水産物というふうに聞いておる。そうなると、世界じゅうがそれぞれの国の国益のためにいろいろな問題を持ってくるわけでありますから、その辺の全体のバランスというか実態を見きわめながら処理をしていただかなければいけないと思うわけでありますが、この点については外務省の方で、最近の情勢でどういうふうに見ていらっしゃるか、外務省の御見解もお聞きをしたいし、それからやはり、これは大臣でしょうが、大臣としてその辺のにらみは、どういうふうに臨まれるか、お聞かせをいただきたい。

木村崇之外務大臣官房外務参事官

○木村説明員 お答えさせていただきます。  先生御指摘のとおり、外国の方からいろいろな要望が寄せられておるわけでございまして、それは先ほど経済局長からも御説明いたしました関税引き下げの問題それから輸入制限の見直しの問題、基準・認証、輸入プロセスの改善、政府調達、金融・資本市場それからサービス、こういうような種類のいずれにわたってもいろいろなところから要望があるわけでございます。御指摘の関税につきましても多くの国から要望がきておるところでございます。農産物につきましては、関税の引き下げそれから特恵制度の改善、それから関税を離れますと輸入制限の撤廃、緩和等、御指摘のとおり要望があるわけでございます。  これらにつきましては、外国の要望のよって立つところとともに国内の状況ということを政府を挙げて十分に相談をして、個別関税の問題については六月末まで、それからアクションプログラムについては先ほど申しましたように七月末までに取りまとめたいということで、政府の一員として外務省としても努力をしておるところでございます。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 我が国が極めて大きな貿易黒字を持っているというような状況の中で、今田中先生からお話がございましたように、世界の各国といいますかあるいは各地域から我が国に対しますいろいろな要請が出ておるわけでございます。  よく私ども各省の中で議論をいたしますときに話が出るわけでございますが、こういった現在の我が国の置かれております国際的な立場というものが一つあって、そして人間のさがというものは、欲望は無限でございますし、また、とかく右左を見て、向こうの方が自分よりも得をしたのではないかというような心理が働くということもございまして、いろいろ要請が出てまいってきておるわけでございますが、これはやはり内容を一つ一つ点検をいたしまして、相手方の言い分と私どもの国内事情を突き合わせる中で答えを出していかなければいけない問題でございます。     〔玉沢委員長代理退席、委員長着席〕  それからまた、問題の性格によりまして、国際的に一つの基準なり考え方が確立をされておるときに我が国が別の取り扱いをしているというような性格の問題と、それから関税のように、基本はガットの中で相互に交渉してやるのが基本だというような性格の問題とございます。我が国は新しいラウンドをやろうというような提唱もやっておるわけでございますので、こういった、例えば関税問題につきまして、我が国が独自の措置として処理すべき分野、それからまたそういったガットのような多角的な交渉の場で要求とそれに対する答えというものを相互に出し合って、もっと広いお座敷の中で解決すべきものと、いろいろ仕分けていく必要があるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、基本は、先ほど大臣からお答え申し上げましたような、我が国の農林水産業の健全な発展を守るという観点と関係国との友好関係への配慮というものを調和をさせるという観点で、慎重に対応していかなければいけない問題だというふうに考えております。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 そこで、少し具体的に一、二お尋ねしますが、当面六月二十七日、二十八日に東京で持たれる日本とASEANの経済閣僚会議、これまでに特にASEANから出てきておる幾つかの問題、タイの骨なし鶏肉の問題、フィリピンのバナナの問題、インドネシアの合板の問題あるいはフィリピンのパイナップルですか、パイン缶あるいはパーム油、あるいはマレーシアもあるのですかね。そういう問題について何らかのお答えをしなければいけないのじゃないかということが報道されておるわけでございますが、この点、特に骨なし鶏肉の問題は、御承知のように、さっきもお話がありましたが、今日本の養鶏業界が実質的な生産調整をやっておるわけでありますから、これはある意味ではガットの中に規定せられておる条項から除外されるというか、国際的にも説明がきく内容だと思うし、需要と生産の状況を見ましても、御承知のようなことで、国内は生産はだんだん減る、外国がどんどん入ってくる、こういう状態に今なっておるわけであります。  特に私どもがちょっと黙過しがたいのは、これについては、タイへ我が国の企業が入り込んで相当の生産を持っておる、それがまた向こうで生産したものをこっちへ戻していく。しかも御丁寧に、いろいろなその他の日本系の合弁会社は日本の国内には品物を持っていかないという経営戦略をとっておるのに、農産物については逆に日本に持っていく、こういうことが今伝えられておるのですね。こういうことが事実であるとすると、何のことはない、日本人の手によって日本の養鶏業をつぶしていく、こういうことが言われるわけでありまして、これは我々の気持ちとしても許せないことですね。そういう実情をあなた方は知ってないことはないので、この骨なしの問題はよく知っておるので、細かいことは私も持っておるけれども言いません、あなたの方もこれはよく御承知のことなので。  そういう状況にあることも踏まえると、私どもはどうも骨なしを差別関税だと言ってこれを同じにしていく、一一%ですか、そういうことが難しいということは国際的に説明できることだ、こういうふうに思っておるわけでありますが、どうでしょうか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。  先生御指摘のとおり、ASEAN諸国から骨なし鶏肉等の関税引き下げを初めいろいろな品目について強い要請があることは十分承知しております。  これらの品目については、特に骨なし鶏肉につきましては、先生からいろいろお話があったわけですが、また別に実は輸出特約条項があったり、あるいはまた国内では雇用の問題等もございます。また、骨なし鶏肉につきましては、実は、率直に言いますと、国内で業界自体が優等生というようなこともございます。そんなことで、非常に困難な国内事情もあり、苦慮しているところでありますが、ASEAN諸国との友好関係にも配慮しながら、今月末の日本・ASEAN経済閣僚会議に向けて現在検討を進めているところでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 ぜひこれは守るところはきちんと守ってもらうということで、大臣、ASEAN閣僚会議だけではなくて、今もう御承知のように非常に大きな国際問題でありますから、それは慎重にやってもらわなければいけません。あなたが一歩弱気になったら、ほかのところは外務省だって、通産だって、第一、中曽根総理だってまだ厳しいわけですから、あなたのところで腹を切るつもりで頑張ってもらわなければ、いろいろ言いましてもこの問題はいかぬと思うのだな。性根を据えてひとつかかっていただきたい、このことを強く要請をしておきます。  さらに、韓国からもどうもやがて難しいことが、特に皮はぎのクリですね。今の鶏と同じような意味ですが、これの輸入も韓国が非常に急増しておりますね。これは数字は、皮をむいておるのだから量は倍ぐらいになっておると思うのですけれども、これも恐らく国内と輸入が半々くらいになっておると思うのですね。そういう状態なので、これも今度の行動計画の中で恐らく日程としてあなた方検討しておるのだと思いますが、私のところも実はクリの産地であります。あと数県、茨城ですか、九州の方も、七、八県、これは地域的には御承知のように非常に過疎になって人がいなくて、そういうところの非常に大きな農産品になっておりますから、この点も十分配慮していただきたい。  それから、温州ミカンの解禁州を三十三州解禁する用意があるということを去年のたしか六月ごろブロック農務長官がおっしゃったが、それから大分時間がたったわけですけれども、どの程度まで話が進められておるのか、これもわかっておる範囲で状況を御説明いただきたい。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○関谷政府委員 まず、クリの問題でございます。  クリは、生で入るもの、むきグリで入るもの、缶詰で入るもの、三つあるわけですが、全体で国内生産量とほぼ同じぐらいの五万トンが入っております。その中で特にお尋ねのございましたむきグリでございますが、加工原料用ということで約一万一千トン余り、これは生果に換算いたしますとお尋ねのとおり約二倍になるわけでございますが、ほぼ全量韓国産ということでございます。国産の方はなかなかむき手の確保が難しいことから、我々の推定では愛媛、熊本県を中心に二千五百トンから三千トン余りということでございます。一方、生の方は、いわゆる天津甘栗に使われるものが大体中国から入ってくるという状況でございます。  いずれにしましても、クリ生産が日本の農山村で大変重要な作目でございます。国内生産の影響ということが非常に心配されるわけでございますので、今ASEAN諸国の中からこの辺の要求があるわけでございますけれども、国内生産に悪影響のないように十分検討いたしまして慎重に対応してまいりたい、かように考えております。  次に、ミカンの対米輸出解禁州の拡大の問題でございます。  これは、お尋ねのように、昨年六月来日されましたブロック農務長官が、現在の六州を三十八州に拡大するという意向表明がございまして、実は昨年秋にかけましてその解禁のための公聴会等の手続に入る予定でございましたが、夏、アメリカのフロリダ州の一部でアメリカの大変警戒しておりますかんきつ潰瘍病が発生いたしまして、これの対応ということで、この関係の解禁の手続を一時中断するという連絡がアメリカからあったわけでございます。その後、このかんきつ潰瘍病が大分対応が進んだというふうに私ども考えておりまして、昨年の暮れからつい最近に至りますまで、数次にわたりまして文書によりましてアメリカに、解禁州の拡大のための手続を進めるように、こういう要請をいたしております。  実は、今月初めになりましてアメリカの農務省の関係の方から連絡が参っておるわけでございますが、今アメリカとしては温州ミカンの輸入解禁州の拡大の公聴会の可能性について調査を行っている、アメリカとしては日本側がこの解決を切望しているということは十分承知しているので、はっきりとした返事ができるまでもうしばらく待っていただきたい、その状況になりましたら日本側にお知らせをする、こういう文書が向こうからも来ているという状況でございますので、引き続きこの手続の早期開始につきまして要請を続け、また向こう側の対応を見守りたい、かように思っておる次第でございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 いろいろございますが、残された時間が少なくなりましたので、ことしの生産者米価の決定の問題で一、二お尋ねをいたします。  先ほども御質疑があってお答えいただいたわけでありますが、本年産米価の決定をめぐるスケジュールはまだわかっていないということです。しかし大まかに、従来七月の中、下旬、昨年は二十何日でしたか、下旬であったと思うのですけれども、これが今のアクションプログラムとの関係もこれあり、少し早まる、特に総理のヨーロッパ訪問の日程などもあるというようなことも聞いておるわけでありますし、総理が不在中に米価を決めるということになる可能性もあるわけですか。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 先ほどお答えいたしましたように、夏にかけまして麦の米審、それから前広米審と称します事前米審と本米審があるわけでございますが、麦は大体六月の中、下旬ぐらいにやっておりまして、米につきましてはごく普通に申しますと大体七月の上旬から中旬にかけましてやったわけでございます。昨年は前広米審を七月の十九、二十日、それから本米審を七月の二十四日から二十五日とやったわけでございますが、昨年はちょっといろいろ問題がございまして異例に遅かったわけでございます。したがいまして、私どもとすれば、通例に考えますれば米の米審につきましては七月の上旬から中旬にかけてというのがごく普通の開催の仕方でございますが、先ほども申し上げましたようにまだ日時につきましては決定をいたしておりませんので、早急に決めていくつもりでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 長官、私の質問は、総理大臣がどこかヨーロッパに行くという話を聞くのだが、総理が日本にいらっしゃるうちに決めるのか、いなくても決めるのかということなんですよ。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 米価の決定につきましても、いろいろ重大な問題でございますので、極力いらっしゃらないときにというようなことがないようにとは考えますが、まだ決定をいたしておりませんので……。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 米価は農林大臣が決めるのですね。しかし、非常に政治的になり過ぎるほどなるから、だからそういう質問が出るわけでありますが、大体ニュアンスはわかりました。  そこで、米価については、これまた先ほどと同じ質問のようでありますが、少し深めさせてもらうとすれば、臨調、大蔵省、ともかく米下げい、こう言っておる。特に奨励金はことしは多少何か引き下げの方向で考えなければいけない、こういうことが盛んに流されておる。この時期になるといつもいろいろなことを言うわけでありますが、しかし、今もお答えがあったように、生産者米価の決定方式は食管法によって決められているわけでありますから、大臣の御答弁のように米価審議会を開いて生産費所得補償方式に基づいて決めます、こういうことになるわけであります。  しかし、大まかに大体の傾向は出ておると思う。まず経費、賃金、物価、余り変わらないと言うが、それでも賃金、物価は多少上がっておることは事実ですね。マイナスの分とすれば単収が去年よかったということなんでしょうが、これも三年平均なら平均の間で去年ちょっとよかったということなんですが、需給事情といったような問題も大まかに傾向が出てきておるわけなんでありますから、そういうことしの米価決定の基本になるべき幾つかの条件の特徴はどういうことになっておるのか、これをちょっと、簡単で結構ですがお知らせをいただきたい。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 いろいろ憶測をなさる方の言い方とすれば、例えば米価は御承知のように三年間の数字を使ってやるわけでございますから、ことしの米価算定に当たりましては、冷害等もございました五十六年の数字が抜けまして、比較的豊作でございました五十九年産の数字が入り込むわけでございますから、そういうことでいろいろな憶測をなさるわけでございます。  私どもはそういう憶測だけではだめでございまして、具体的な数字を入れて試算をいたしますので、いわばそういう憶測だけで申し上げますことにはいろいろ障害があろうと思います。したがいまして、五十九年産についてのいろいろな数値、それから御承知のように賃金その他につきましては現在の賃金水準等で評価がえをいたすわけでございます。それはなるべく近い時点の数字を使うわけでございますので、これから鋭意検討いたしまして、大臣からお答えいたしましたような所定の手続で決定をしていきたいと思っているわけでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 米価は、非常に高度な政治性を持った価格決定がこれまでもう何年もなされてきたわけでありますので、私は大臣のこの米価決定に臨む基本的な方針というのをお尋ねしておいた方がいいと思うのです。物価、賃金、需給事情、数字は細かくいろいろ言いますけれども、出てきた数字も、またあなた方腹を決めたら決めた方向で、何とか米価とよく言われるもの、つまり根拠のはっきりしない形の米価が組み立てられてきたのですよ。だからこれはきれいごとでは済まぬ。日本の農業の今日の状態、特に稲作農業の実態から見て、あるいは経済全体の傾向から見て、米価をせめて少しでも上げていくという姿勢で臨むのか、現状で据え置くのか、外がやかましいから今度は実質的には総体として多少下がってもしようがないのかなという考えで臨むのか、この腹決めができたら私はことしの米価の大まかな推測ができると思うのですね。大臣はどういうお考えですか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  先生のおっしゃるお気持ちはよく理解できるのですが、先ほど長官も答弁したとおりでございまして、私も重ねて言っておりますが、食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しつつ、再生産の確保を旨として、米価審議会の意見を聞いて適正に決定したい気持ちでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 米価の決定と絡んで、私はこれから当委員会でも食管制度の問題についていろいろ検討を加えなければいけないのじゃないかという気がしてなりません。ことしの米価決定をめぐっても当然そういう声が出てくると思うのですけれども、特に昨年、御承知のように長い四年連続の凶作から若干立ち直ったことなどを契機にし、米が足らないという実態から少し影が出たというふうにも言われておりますが、米の流通問題が非常に複雑になってきておるというか、食管制度の体質が相当大きく変質をしてきておる、そういう感じがしてなりません。  政府は政府管理米とやみ米を加えた自主流通米と半々くらいじゃないかと言っておるが、本当はひょっとすると政府管理米の方が少ないような状態になっておるのではないかと言う人も出てきておる。ともかく政府管理米があり自主流通米があり自由米と称するやみ米がある。しかもそれぞれが組み合わされて、政府米と自主流通米が組み合わせで末端では動いておるわけでありまして、米の管理は食管制度の枠の中で、基本計画でやっておると言うけれども、なかなか実態はつかみにくいという状況は強まってきているように思うのですね。  そういう中で、そうは言っても食管制度が日本の農政の骨であることは間違いない。その骨組みを堅持しなければいけないという立場に立って我々もこれまでも言ってきたし、これからだって大切な問題でありますが、何か食糧管理制度に大きな揺らぎが出てきておる。こういう点について、何年か前に食管法を改正してまだ過渡的な状況だとは思いますけれども、最近の食糧管理制度、特に流通の状況から見て担当の長官としてはどういうことが将来考えられるとお考えなのか、現状の問題点はどういうことなのか、御意見があろうかと思いますので、この際お尋ねをしておきたいと思うのです。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 食管の運用問題でございますが、一つは、ある程度のものを備蓄をしまして、昨年大変御心配をかけましたような端境期にこれを安定的に供給するということが絶対必要だと思っておりますので、御承知のように三期の計画の中でも各年積み増しをしていくということをやっておりますが、これも過去のいろいろな経験にかんがみまして原則低温保管をするということで、品質の面においてもボリュームの面においても安心して供給できる体制づくりをするつもりでございます。これは既に基本方針においてもはっきり定めておりまして、ことしからそういう形で運用していく。これが一つ昨年の経緯で重大なことだと思っております。  もう一つは、食管できちっとした流通を確保いたしますための集荷あるいは販売面についてのいろいろな改善が必要かと思っております。  五十六年法改正後、結果的には四年連続の不作になっておりまして、どちらかといいますと品質に応じてもっと活発な商活動を通じて流通させていくという点においては欠けておる面があったかと思います。小売等につきまして若干の販売所、ブランチの設置とか新規の許可というような形で販売力強化を図りましたけれども、卸の面なり集荷の面におきましては制度的に余り変わっていなかったわけでございます。私ども今日の状態を見ますと、今先生御指摘の不正規の流通の問題等は、集荷がより活発に米を集める必要があるわけでございまして、そのために大臣指定の制度もとったわけでございます。したがいまして、私どもは、今後集荷面における、これは生産者団体が主力でございますが、それ以外の商的な関係、商業系の集荷業者を含めまして、より活発な集荷活動が行えるような体制整備が一つ必要かと思います。  それから卸売につきましても、これは小売との結びつきという形で今単一に結びつきをさせておりますが、これについても品ぞろえその他の活発な商活動をいたしますためには、より広範な形あるいは複数という形で、これは全部が複数というわけでもないわけでございますけれども、その結びつきにいろいろな変化を持たせるような形で商業活動を活発にさせる要素が要るのではないか。  それからもう一つは、政府自身の販売の方針等につきまして、どちらかといいますとかつての実績を中心にしたいわば実績中心の販売方針から、より弾力的なと申しますか、真に販売力を持つ者については品ぞろえその他の面についてもより弾力的な販売の仕方をさせる必要があろうと思っておりまして、これらにつきましては、六月の更新が一応終わりましたので、今後新しい米穀年度に向かって流通改善対策というものを打ち出しまして、集荷団体、販売団体の協力を得ながらやっていきたいと思っております。  そのほか、食管自身の問題といたしましては、極力合理的な流通をやる必要がございますので、物流の合理化その他、行政庁がやっておることから非効率と言われるような部分を合理化していく努力もあわせて行うつもりでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 いろいろありますが、これは問題が非常に大きゅうございますし、米価の問題はこれから決定までの間、私どもとしても最大の関心事でありますから、なお具体的に基礎数字などが出ました段階で同僚議員を中心に議論させていただきたいと思います。  ただこの問題については、昨年の米不足時代のときに大変いろいろな議論をいたしまして、備蓄という問題が非常に大きな課題になって投げかけられてきた。最近は大分緩んだと言っておりますけれども、しかしどう考えても、この米だけではありませんが、日本農業の生産状況を見ると大変不安定になってきておる。これは一口で言えば、農業に対する自信の喪失、意欲の減退、そして労働力の荒廃化、土地そのものも決して十分な状況ではない、そういういろいろな総合的な状況が原因していると思うのです。  そういう面で、主食である米については、何かことし、去年比較的豊作であったから一遍に解決したのだというような甘いものではないと私は思う。数字を聞いたら、あなたのところがおっしゃる数字もわかっておるけれども、食糧庁が言うような形だけのようには思いません。特にこの備蓄の問題は、主食である限り我々がこれから毅然として追求していかなければならない問題でありますから、政府が考えておる備蓄の量が適正かどうかという問題も含めて、備蓄制度というものをことしの米穀政策の中にも柱としてきちんと立てて米政策に臨んでいただきたい、こういうことを特に強調いたしまして、もし大臣に御意見がございましたら聞かせてもらって質問を終わります。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 今申し上げましたように、ことしの三月に決定しました米の管理に関する基本方針の中で、量だけではございませんで、そういう低温保管をするというような質の問題も含めまして明定したわけでございます。私ども必要性は十分承知いたしておりますので、今後もそういう方針の上で、量につきましても少しずつ充実をしてまいりますし、それから使い方にしましても、原則的には低温のものを回転させながらやっていくという方向で御心配のないようにいたしたいと思っております。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  今、長官が言ったとおりでございますが、備蓄につきましては、やはり第三期水田利用再編対策、国の財政等からいきまして、年間四、五十万トンの備蓄、三年で百四、五十万トン、このような備蓄が一番適正ではないかと私は考えております。

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 午後一時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時二分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。上西和郎君。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 私はまず、さきの三月末の本委員会でお尋ねをしたことについて、改めてその後の進捗状況等を尋ねたい。それは何か、牛肉の枝肉の格付基準の問題であります。  私は当日、生産農家が持っている日本食肉格付協会の格付方式に対する不満、批判、それがひいては日本の農林水産行政をつかさどっている農水省に対する不満となってうっせきをしている、こういう立場から厳しくお尋ねをしたところ、農水省側としては、抜本的に格付基準を改定したい、その作業に既に着手をしている、こういうお答えがあったのであります。その後私も選挙区を回りますと、日本一の畜産県でありますから、一体あれはいつ実行に移されるのか、どういう方針でやっているのか、そうした質問が随分と寄せられます。  常日ごろ申し上げますように、日本国のために、国民のために、昼夜を分かたず精励努力をいただいている農水省の幹部から、きょう改めてその辺の作業日程、スケジュール等について、あるいはその改定の内容、方向等についてつぶさに承りたい、このように考えます。御説明いただきたいと思います。

野明宏至農林水産省畜産局長

○野明政府委員 お答えいたします。  三月末の畜産物価格の際の当農林水産委員会において、上西先生からいろいろお尋ねいただいておりますことは、私、十分承知をいたしております。  牛の枝肉の取引規格の問題につきましては、先生御案内のように、取引の際の一つの基準であると同時に、こういった規格がどうあるかということは生産面への指標というふうな性質も持っておるわけでございます。この取引規格の問題につきましては、最近の牛肉をめぐる事情の変化といったものに対応いたしまして見直しを行っていく必要があるというふうなことで、五十八年度、五十九年度の両年度におきまして、中央畜産会に食肉取引規格検討会というものを設けまして検討が行われてまいったわけでございます。その検討結果につきましては、本年の一月に検討結果が出されまして、私ども、中央畜産会から報告を受けておるところでございます。  その検討結果の中身と申しますのは牛枝肉取引規格の見直しについての基本方向を取りまとめたものでございまして、具体的な中身としては、主なものといたしまして三点ございます。  一つは、枝肉にいたしましてそれを市場で取引いたします場合に、肉質を判断するということで肋骨の間を切開するわけでございますが、そのどこを切開するかというのが現状におきましては統一されていないわけでございます。そこで、その切開部位を統一する。具体的にどこへ統一するかというと、第六番目と第七番目の肋骨の間を切るという基本方向を出したのが第一点でございます。  それから第二点は、脂肪交雑評価適用基準の緩和というふうに私ども申しておりますが、その中身と申しますのは、いわゆるサシに偏った格付が行われているのではないかというふうな論議があるわけでございます。これは第三点の問題とも関連するわけでございますが、脂肪交雑評価それ自体の問題といたしましても、現在の基準ほど脂肪交雑がなくても標準的な評価を得られるように是正したらいいではないかというのが第二点の基本方向でございます。  それから第三点は、歩どまりの明確な評価ということで、現在は肉質とかあるいは肉の量も含めまして総合評価方式になっておるわけでございますが、それを歩どまり基準の新規導入というふうな観点から、そういった肉の質と歩どまりとを別々に評価する、いわば分離評価方式へ変えていく、この三点から成っておるわけでございます。  そういう二年間にわたって検討した結果の基本方向が出されてまいりましたので、私どもは、その報告を受けまして直ちにこれを具体化していかなければいけないということで、本年の一月に、日本食肉格付協会が格付の実施機関でございますが、日本食肉格付協会に対しまして、この検討会の報告書の趣旨が十分反映されて牛枝肉の取引規格の改善充実が図られるように通達をいたしました。  これを受けまして、日本食肉格付協会におきましては、学識経験者などで構成いたします専門委員会におきまして具体的な検討を進めるということで現在検討に入っておるわけでございます。これまで三月と五月に二回、専門委員会牛部会というのを設けまして規格見直しに関するデータの収集、分析についての実施設計とか、そういったようなものに着手いたしておるわけでございます。  それで、これからどういうふうなテンポでこれが進んでいくかということでございますが、先ほど申し上げました三点についての基本方向を実際に具体化してまいりますには、データを収集し、それを分析して実際の取引に適用可能な形に整理をしていかなければいかぬということで、それぞれの項目についてやはりテンポの違いが出てまいります。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、先ほどの報告書の趣旨が十分反映された規格が早期に実現するよう指導しておるところでございます。  そこで、やや具体的に申し上げますと、第一点の枝肉の切開部位の統一につきましては、本年度中に、卸売市場の荷受け会社とかそれから実際に今度は競りに参加いたします買参人とか、そういう方々との意見調整をやりまして、来年度以降にはこれが実施できるようにしてまいりたいと考えておるわけでございます。  それから第二点の脂肪交雑評価適用基準の緩和でございます。これは単に意見調整の問題だけではなくて、既存のデータの整理なり、あるいは補完的なデータの収集、分析、それから、その規格を基礎に取引が行われ価格形成が行われるわけでございますので、価格水準との調整とか、それから、新しい基準がやはり統一的に適用されるように格付員の研修というものも行わなければならないわけでございます。したがいまして、そういったデータの整理、収集、分析等々を、これもできるだけ本年度中に行うように努力をいたしまして、できれば来年度以降に実施できるようにしたいと思っておるわけでございます。  最後の、歩どまり基準を入れていく、これが非常に大事な問題でございます。アメリカあたりでも歩どまり基準の導入にはデータの収集、分析等々で約十年かかっているわけでございます。  これにつきましてはやはり三点あるわけでございますが、一つは、現在、歩どまりの程度を評価していくということに必要なデータは全くないわけでございます。したがいまして、そのデータの収集、分析をまず進めていく。それから、その歩どまりと同時に、肉質等それ以外の判定項目との関連がやはりあるわけでございますので、そういった調整を行っていかなくてはいかぬ。それから、先ほど申し上げましたような価格形成調査なり格付員の研修というものも必要でございます。そのプロセスでは仮基準を設けるとかいうふうな段階もあるわけでございますが、いずれにいたしましても相当の作業量になるわけでございます。  したがいまして、これにつきましては、六十一年度中、来年度中に新しい規格ができるように鋭意努力をいたしまして、その翌年度に今度は具体的にその新しい規格によって実施できるようにすることをめどに作業を急ぐというふうな手順、段取りを想定しまして、現在作業に着手しているということでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 局長、私が今あなたのお答えを聞き間違えでなければ、この報告書を食肉格付協会に通達したのは四月とおっしゃって、専門委員会の開催は三月から始まっている、こうなりますと、食格協はこの専門委員会の報告書が来ないうちから、自主的に、極端に言えばみずから現行格付基準の非を認めて作業を始めていた、こういうようなことになるのですか、その辺ちょっと明らかにしていただきたいと思います。

野明宏至農林水産省畜産局長

○野明政府委員 お答えいたします。  中央畜産会から私どもが報告をいただきましたのが一月でございます。ちょっと発音があれでございまして四月というふうにお聞き取りされたかもしれませんが、一月でございます。  それで、その報告を受けまして直ちに一月中に格付協会の方に対しまして私ども通達をいたしました。それで、三月までの間に諸般の準備をして、三月に第一回目、それから五月に第二回目、こんなような状況になっているわけでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 局長のお答えでおおよそのことはわかったのですが、ざっくばらんに言って、私の選挙区、とりわけ鹿児島県の大隅半島は和牛の生産では日本でもトップクラスのところです。ここでいろいろ聞きますと、例えば私の選挙区の中で一番大きな鹿屋市、人口七万五千で、最盛期には三百名の肥育牛の生産農家がいたわけですが、現在三十名に激減しているんですね。理由は何か。それは農畜産行政に対するいろいろなこともあるでしょう。しかし、やはりそこには牛が一向に上がらぬということがあるわけです。  そして回ってみますと、霜降り一辺倒だ。要するに霜が入っていないとだめだ、こういうことなものだから、例えば宮崎県の、全部じゃないでしょうけれども、部分的に但馬牛と交配してみた。そうしたら、霜降りはできたけれども牛が大きくならない、どうしても小型になってしまう。よくなったけれども量が出ないというショックを受ける。あるいは子牛の価格が低迷しているときに大隅半島の子牛価格が競りでぐんと上がるときがある。なぜだろうと調べると、中部地方のあたりから、あるいは松阪からかどこからか言いませんけれども、大量に鹿児島の優秀な子牛を買いにくるから、ぼんと子牛の価格が上がる、こういったようなことで、やはり生産農家の方々はいろいろなことを思っているわけですね。  そうして丹精込めて仕上げて持っていったら、だれも見ていないところで屠殺され、切り取られ、そして三、四日たったら、あなたのは並みだ、こうなって、この前御質問したときには、大臣も局長もたまたまお留守でございましたが、三年前の全国平均で、一六%の並みの率が二四%にふくれ上がっている。これじゃ、食格協の中に役員として顔を並べているいわゆる食品メーカーの方々のさじかげんで、おい、格付員の諸君、この際、並みをふやせとやっているのじゃないかとやはり思い込みたくなるわけですね。  だとするならば、今のお話を聞きますと、いわゆる脂肪交雑一辺倒というのも緩和をしたい、こういうことも含めて相当前向きのお考えのようでありますが、私としては、今のお答えでよくわかるし、これ以上この問題について、そこまでなさっていることについてとやかく申し上げませんが、あとは一言大臣が、やはり全国に点在するこの生産農家の方々の立場に立ってこの作業を、月世界にぼんぼん人間が行けるしゃばですから、再来年なんて言わずに、できれば全部来年の四月一日には実行に移すぞ、それぐらいのことは、最も英邁なる佐藤農水大臣から厳しい御指示をいただきたい、こう考えますが、御見解をいただきたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 上西先生にお答えします。  今も局長が答弁したとおりでございますが、早急に規格の見直しの指導を行います。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 大変ありがとうございました。それじゃ大臣のそうした御決意を含めて、畜産局が鋭意この作業のピッチを上げるように、そしてそれが全国の生産農家の皆さん方に大いなる安堵感を与え、そして信頼感を回復するように重ねての御努力をお願いをし、この問題を終わらせていただきます。  ここで、労働省がお見えになっていると思いますが、民間のここ五年間の死亡事故の発生状況を、業種別に、全部とは申し上げません、主なところ、ワーストスリーかワーストファイブぐらいは業種別に出てくると思いますが、それと同時に、林業はその中でどういうところにランクされているか、この辺についてデータを明らかにしていただきたいと思うのです。

長谷川正労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○長谷川説明員 お答えいたします。  今、先生の方から御指摘がございました全産業についてとりあえず申し上げますと、全産業における死亡災害は、昭和五十五年に三千九人ございました。それが昭和五十八年には二千五百八十八名と、四年間で一四%減少しております。しかし、五十九年には一時に八十三名の死亡者を伴う炭鉱における惨事もありまして、二千六百三十五名と、前年に比較して一・八%増加という遺憾な結果となっております。  今ちょっと手元に細かい数字がございませんが、業種別につにきましては、建設業それから製造業、これが大きな割合を占めるわけでございますが、そのほかに、ことしになって運輸関係と貨物取り扱い関係がちょっとふえております。  そういうことでよろしゅうございますか……。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 それはそれでいいのですが、その中で林業はどういうところに、格付というのはおかしいのですけれども、林業の事故はどういう推移をたどっているかを……。

長谷川正労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○長谷川説明員 林業につきましては、死亡者数が昭和五十五年には百十七人で全産業の三・九%を占めていたところでございます。過去五年間の林業における死亡者数はほぼ横ばいでございまして、昭和五十八年には百二十一名で全産業の四・七%になります。それから、昭和五十九年には百二十名で全産業の四・六%になっております。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 以下、これからは林野庁にきめ細かにお尋ねをしていきたいのであります。  ただいま労働省から出ましたように、労働省と言いません、関係のそれぞれのところが懸命に努力をし、労働安全に力を注いだ結果、五十五年から五十八年まででとりわけ死亡事故が相当減少してきている。ところが極めて残念なことに、林業に関しては完全に横ばいと言っていい状態でございますね。私は昨年の本委員会でも、五年間ほとんど変わっていないではないか、こういうことで当時の部長だった長官にお答えいただいているのでありますが、私は林業における災害発生状況に非常に深い関心を持っておりますので、長官、この五年間の林業における災害の発生状況、とりわけその中での死亡事故について、国有林関係、民有林関係等についてデータがあればまずお示しいただきたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 林業におきます労働災害の発生状況でございますが、五年あるいは六年くらいのデータにつきまして御説明を申し上げます。  まず、国有林、民有林合わせました全体の災害件数でございますが、五十四年に一万二千六百五十四件でありましたが、幸い総件数につきましては多少の減少傾向を見ておりまして、五十八年には九千七百六十一件まで減少いたしております。このうちの死亡災害事故でございますけれども、先生のお話にございましたように、五十四年が百十五件でございましたが、ほぼ横ばいと申し上げてよろしいわけでございますが、五十八年が百二十一件でございまして、さらに昨年五十九年も百二十件と、遺憾ながら横ばいの状態でございます。  この中の国有林野事業の関係でございますが、総件数につきましては五十四年が二千二百十件でございましたが、総件数は減少傾向を続けておりまして、五十八年には千五百十八件までの減少を見ております。ただ、これもまことに遺憾なことでございますが、死亡災害につきましては、五十四年度が十二件でありまして、五十八年度は八件といささか減少いたしましたが、五十九年が十件と、傾向といたしましては横ばいという残念な結果でございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 ざっくばらんに申し上げて、昨年も私申し上げたのでありますが、とりわけ重大災害と言っていい死亡事故に関しては完全に横ばいの状態なのです。昨年も林野庁のいろいろなお考えをただしたのでありますが、確かに全体の件数は減ってきている。しかし逆に言えば、その中の最も避けなければならない、防がなければならない死亡事故は依然として多発の傾向にある。一つも減ってないと言っても過言ではない現状に対して、林野庁としては、国有林、民有林関係を合わせまして、具体的に関係業者等には一体どのようなきめ細かい安全対策の指導をやっておられるのか、その辺を明らかにしていただきたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 民間林業事業体につきましては、労働力の新規参入も極めて少ない、年々高齢化をしていくという労務事情にございまして、これからの日本の林業を担っていく上でどうしても健全な発展をしてほしいということから、林野庁といたしましても関係の労働基準監督局署等の行政機関と緊密な連絡をとりましていろいろ指導に努めておるところでございます。  具体的に申し上げますと、特に本年の例をとりまして申し上げたいと思いますけれども、まず、安全パトロール事業と申しておりますけれども、各作業現場の集材機でありますとかトラクターあるいはチェーンソー等の施設、機械器具、あるいは個々の労働者の作業動作に至るまで安全点検をして指導する事業を計画いたしております。  また、事業体がみずからそういうことが組織的、体系的にできますように、そういう体制を自分で持つように、会議で啓蒙、指導したりあるいは研修会を開くなどの事業も考えております。  また、何といいましても事業体の経営基盤と雇用体制もしっかりしたものでなければならぬということで、そういうものにつきましてセミナーを開催するとか、あるいは優良事業所を表彰いたしまして刺激をするとかいうふうな事業を実行しております。  さらに、これはこれまでも実行してきた事業でもありますが、本年は特に林業関係の就業者が相当多い市町村を選びまして、そういうところにつきましては林業の担い手を育成する事業と銘打ちまして、特に健康管理の器具を備えつけますとか、振動障害などを考えますとチェーンソーの共同目立機器なども非常に有効でありますのでそういうものを備えるとか、そういうことについての計画的な物の考え方を進めて、整備も計画的にやるために市町村も積極的に関与してもらうとか、そういうふうな育成対策事業を考えているわけでございます。  特に、国有林を通じまして関係の深い請負事業体につきましては、これは直接的な指導と申しますか、営林署と所轄の労働基準監督署との双方が定期的に連絡会議を持つ。これは数年前からずっとやらせておるわけでございますけれども、災害防止につきましていろいろ情報交換をし対策を検討する、どのような事故が最近多いか、何が原因でそういうことになっておるのか、どういう対策が有効であるか等、いろいろ情報交換をしているわけでございます。また、事業体を集めまして事業体相互の間でのそういう体制整備をするようにも指導いたしております。  また、日常的な行動でありますけれども、営林署におきまして、生産等の請負契約をするあるいは立木を販売するときなど、労働安全衛生に関係いたしました注意事項を掲載いたしましたパンフレットを渡す、それを最低限守れば一応大事な基礎的なものは整備されるといったものを網羅いたしましたパンフレットを配る。さらには、作業計画をつくらせまして、それを営林署を経由いたしまして監督署に提出させる、そういった直接の事業体につきましては大分濃密な指導をやるように努めているところでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 長官のお答えを私何も否定するものじゃありません。ただ、それだけのことをおやりになってなおかつ減ってない、ここに基本的な問題があると思うのです。私たちは、戦後、人間の命は地球よりも重いということを徹底的に教え込まれた世代の一人であります。ですから、民間の労働者の方々が国有林関係で命を奪われている、大変悲しく、それを防ぐことは決して労働省ではない、監督署の責任でもない、直接間接、道義的に林野庁にその責めありと私はあえて申し上げたいのであります。  ですから、今おっしゃったことを私は否定するわけではありませんけれども、では所轄の営林署長さんは、そうした民林の方々が集まったところへ最低月に一回ぐらい行って、担当の課長さんなども一緒にして、きめ細かな直接の指導や訓話をなさっているのだろうか。私は昨年も、NTTと名前は変わりましたが、電電公社ではこうやっていると申し上げました。ことし四月十五日、私は自分の地元の、いわゆるNTTの一番大きな関連のところの安全ミーティングに行ってみた。そうしたら、必ずNTTからは従来も電話局の担当者が来ていましたが、四月十五日は局の次長さんが来ていました。看板も変わりました、名前も変わりました、新たな意欲でやりますから皆さん安全第一にというごあいさつです。俗に言う孫請の方も含めて百数十名集まっています。そして訓辞が済む、私たちもごあいさつした後は、今度は全員が向かい合って、作業帽から作業靴、検電器その他全部の点検をぴしっとやる。ボタンをかけているか、一切合財やって、その上で安全のきめ細かなミーティングを始めていくのです。  私、残念ながら、営林署関係でそういうことが的確に行われているということについては、確たるものはまだ知らないのであります。やっておられれば結構でありますが、今のお言葉を聞いていても、安全パトロール事業などはことしからおやりになるようにちょっと聞こえました。ざっくばらんに言って、私は幾つも体験があるのです。山の中に、国有林関係に入っていく。そうすると、私たちの姿を見たら慌ててヘルメットをかぶるということを私は体験しているのです。確かにおやりになっているでしょう、御努力なさっているでしょう。しかし、それが現実に働いている労働者の一人一人に徹底をし、守らせることの重要性を教育しなければ、効果はなかなか上がらないと思うのです。  ですから、お役所仕事という言葉は僕は嫌いなのでありますが、こういう書類をつくった、こういうパンフレットを配布した、会議でこれだけ伝達した、それだけにとどめずに、やはりせっかく長官がそこまでお考えのことが働く人たち一人一人に完全に周知徹底していくようなことにあと一つ御努力をいただきたい。そして、きめ細かな御配慮については何かございますか、あと一つお答えいただきたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 全国の営林署は大体同じだと思うのですけれども、大体その地域におきましては林業事業体としては一番大きい存在でありまして、また、事業を発注いたしますと同時にみずからの直営の事業も持っておりまして、そこで結局、災害などの経験もするといったぐあいでございます。これが、労働基準監督署とかそういう監督行政だけでなく、営林署みずからもやっておるという、足が地についた、現実のよくわかる利点ではないかと思っております。  そういうことで、特に今の林業労働災害の実情から見ますと、労災の負担金等におきましても大変な実情にありまして、このまま推移いたしますと、本当に日本の林業がその面からも破壊されかねないという危機意識もあります。したがいまして、特に重大災害の絶滅というものは本当に口が酸くなるほど現場末端では言っているわけでございますけれども、先生のお話がありましたように、直接国有林の事業を請け負う事業につきましては、私どもふだんからいろいろな関連の接触がございますので、それなりに十分やっておったつもりではございますけれども、ただ、今の例に取り上げられましたことも参考にいたしまして、さらに災害絶滅に向かって事業体も機能するように指導を強めてまいりたいと思います。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 長官から大変結構なお答えをいただきました。それが直ちに全国の営林署の第一線の現場まで浸透するように、ぜひ一層の御努力をお願いしたいと思うのです。  私は、ここであえて申し上げておきます。私は電力の出身ですが、電力では一番忌み嫌うのが公衆感電死亡事故なんであります。何の罪とがもない子供たちが、例えば高圧電線に登っていってたこを取ろうとして感電する。家を建てているときに屋根に登っていって、ちょっと金属を持っていって配電線に触れて死亡する。こういう事故が全国に枚挙にいとまがないほど出るのであります。  そういうときに、結果としてどういうことが起きるか。どんなに優秀な所長であれ、どんなに前途を嘱望された課長であれ、その所轄の営業所、電力所等の責任ある地位にある者は昇進がストップするのであります。無条件です。だから、そういう事故が起きたときに気の毒だということがしばしばあるのでありますが、ワンポイントおくれていくのです。民間でありながらそれほど襟を正し、努力をし、そして常に市町村その他、学校、教育委員会あたりと連絡をとって、例えば子供のたこ揚げのシーズンになると、本当に口が酸っぱくなるほど教育委員会から小中学校の現場にいろいろなそういった連絡を流してもらうとか、常々努力をしながらも、結果として出ましたら、そこの所長さんは一期昇進がおくれる、勤務評定、成績は全部落とす。これだけの厳しさを持ってもなおかつ事故は絶滅できないのです。  遺憾ながら、日本の行政をつかさどっておる各省庁で、そうした事故が起きたときに、責任者に、自発的か他発的かは別として、そうした厳しいもので対処するというような空気は余りうかがえませんので、林野庁とは言いません、そうしたものを日本政府全体として持ちながら、人の命をより一層大事にするというような気風といいますか、空気も確立をしていただきたい。これはお願いを申し上げておきます。  あと少し、きめ細かに申し上げます。  昨年、私、お願いをし、実行されていると思うのでありますが、営林署の所在地は必ずしも労働基準監督署や社会保険事務所の所在地とはオーバーラップしません。営林署はどうしても山が重点になりますから、大変そういうところと遠くなるわけです。民林の方々が国有林の中で倒れた、あるいは事故に遭ってお亡くなりになる。そうすると、うろたえるのは遺族なんですね。極端なことを言うと役場しかないわけです。監督署なんて行ったこともない、見たこともない。社会保険事務所なんて監督署よりかさらにまた数が少なくなるわけです。  こういうときに、行政改革のあおりで大変今御苦労いただいており、人手も十分じゃないかもしれませんが、少なくとも営林署がそうしたことについて肩がわりといいますか窓口になって、監督署へ行ってあげましょう、あるいは社会保険事務所へ行ってあげましょう、こうしたことについて、去年、秋山長官からお約束をいただいたのでありますが、その後、具体的な実施状況はどうなっているか、長官、御説明いただきたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 昨年そういうふうな御指摘もいただきまして、その後、営林局総務部長会議等を開きました折に、役所の配置状況等もあろうかと思いますけれども、そういう要請を受けた場合には、ともかく親身にと申しますか、その種の業務に明るい職員が必ず営林署におりますので、十分指導をするようにという達しを会議におきまして総務部長にいたしたところでございます。  なお、そのことにつきましては、そのほかの課長会議等におきましても徹底を図っておるところでございますが、筋がどうこうということではなくて、現実にそういう条件に置かれているところは、ともかく我が職員が要請にこたえ得るように、そういう気持ちで対応するように指導をいたしておるところでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 大変うれしく聞きますが、さらに重ねて要望したいのは、労働省もお見えでありますけれども、労働者災害補償保険が時々変わりますね。例えば死亡一時金が二百万が三百万になる、葬祭料が変わる。こうしたことを、私も死亡事故を重点的に考えているものですからあえて申し上げるのですが、そうした問題等について労働省と林野庁は密接に連携をとって、とにかく変わったら、それを林野庁は林野庁で縦の系列で営林署末端まで通達、連絡をする。そしてもし最悪の場合、事故が発生したら遅滞なくそうしたことに対応できるようなことも、所管外かもしれませんが十二分の御配慮をいただきたい。労働省もまた御協力をいただきたいと考えるのですが、その点よろしゅうございましょうか。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 労働災害関係それからまた社会保険関係、なかなか難しい事務でございますけれども、全国の営林署におきましては労働基準監督署と定期的な連絡協議会が開催されておりまして、労働省としてはどのような指導をなさっておるのかということ、特に、近くで起きました是正勧告等の内容を知ることは私ども非常に重要でございますので、そういう情報を把握するとか、あるいは双方で安全パトロールを作業現場を選定いたしまして行う、こういうことは随分と行っておるわけでございます。また、営林署の安全大会などには必ず監督署から係官に来ていただいておりますし、特に振動障害防止につきましては一番重点を置きまして、指導の徹底を図っております。  また、社会保険事務所につきましても日ごろから連絡を密にしておるわけでございますが、時々制度の改変あるいは給付率の変更等がございますので、その際は直ちに保険事務所の御指導を受ける。さらに、我が営林署関係の職員のみならず、国有林野事業に関係いたします事業を請け負っておる事業体にもこれらにつきまして周知徹底をするというようなこともやってまいったわけでございますが、さらにこのやり方につきましては十分指導して万全を期してまいりたいと思っております。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 じゃ、安全問題でここで大臣にお尋ねしたいのです。  きのうも、一公社四現業の賃金問題で給与関係閣僚会議が開かれるとか、マスコミも報道しておりましたが、「赤字の林野」という言葉が私は正直言って一番嫌いなのです。山に緑をと言ってやる。林業というのは単年度で収支決算がとれるものじゃないでしょう。五十年、百年かけなければ、大きな意味の収支計算も何もできない。片一方、森林浴という言葉が今はやっているほど、森林が持っている人類の生活に対する大変な広範な機能、私たちからいえば恩恵に浴している。  こういうことを一切抜きにして、何か国有林事業は赤字だ、けしからぬ、人減らしだ何だ、そういうことで、非常に冷酷非情な方が上の方におられまして、ドイツ語でローレライの歌を歌う暇があれば、もうちょっと考えを変えてくれと私は言いたいのですよ。ドイツへ行って何を見てこられたのだろうか。何もレーガン大統領の腰ぎんちゃくになってほしいと思いませんよ。本当の意味で日本の林業を守ってほしい。それが総理の責任であり、直接の所管大臣である佐藤さん、あなたの責任でもあると思う。  ところが、何かというと、マスコミを見てごらんなさい、はっきり言って、ボーナス時期になる、人勧の時期になる、仲裁裁定、いろいろ出てくると、必ず嫌でも目につくのが「赤字の林野」でしょう。私は山村前大臣にも申し上げました、「赤字の林野」という言葉を閣議でやめてください。山村さんはお約束なさいました。現在の閣議なんて私うかがい知ることもできませんが、佐藤大臣、まず閣議の中で「赤字の林野」という言葉を使わないようにしようじゃありませんか。マスコミに向かって、あなたの責任において、林野の赤字は意味が違うのだ、間違っても諸君使ってくれるな。「赤字の林野」という言葉をマスコミから消しましょうよ。そして、国有林、民有林を問わず、本当にまじめに営々として働いている、林業に携わるすべての方々が、家族を含めて誇りを持って働ける、そうした環境をつくっていただけませんか。  「貧すれば鈍する」という言葉があります。私は、この民林だけをきょう数字を挙げておりますけれども、林業関係で最も忌まわしい重大死亡事故が全然減っていかないという裏には、何か「赤字の林野」という言葉にあらわれている無形の圧力、逆に言えば関係者の精神的な萎縮を招いているのではないか。これをひたすら憂えるがゆえに、大臣にこの辺について明確な御所存を承り、そのことをぜひ中曽根内閣の方針として打ち出していただきたい、このことを、要望を含めてお尋ねしたいと思うのです。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 上西先生にお答えいたします。  実は私、昨年十一月に農林水産大臣になりましたときに、驚いたことが二つある。  その一つは、林に関してですが、役所が農水大臣、農水と言うのです。林が抜けておるのです。それで私は第一番に言いましたのは、おかしいじゃないか。そんなことで林を入れるよう努力して、今かなり新聞、テレビで林を言うようになりましたが、もう一歩だと思っております。  それからもう一つ、私は林というのはよく知らなかったのですが、杉は五十年、ヒノキは六十年、しかも単年度会計、おかしいじゃないか。したがって、林は赤字じゃないのだ、こういうことを言えということで、実は林野庁に、林は赤字じゃないという本をつくれと言うて、まだつくってないようですが。だから、私はそういう意味で実は頑張っております。そんなことでございまして、その気持ちで主張しております。  ただ問題は、林野庁、特に国有林野事業等におきましては、あのままでいいかというと、必ずしもそうではございません。これは御存じのことで、今の財政厳しい状況におきましては、やはり合理化するというようなことでやりながら、そういう方向で全力を尽くしたい、このように考えております。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 大臣のその姿勢を堅持されまして、そうして、少なくとも「赤字の林野」という言葉が消えていくように、私たちも頑張りますけれども、大臣以下の皆さんの御努力を、重ねてお願いしておきたいと思います。  ここで話題を一転しまして、職員の健康管理上の問題で林野庁のことについて少しくお尋ねしたいのです。  それは、重度障害、一級障害に該当する人工透析の患者が林野庁の職員並びに家族の中にどの程度おられるのか、まずそのことと、あわせまして、昼間透析、夜間透析の別、あるいは職種によって、人工透析を受けるような状態になった方を職種転換その他温かい配慮がされているものかどうか、その辺を少し明らかにしていただきたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 現在、国有林野事業の職員の中で人工透析を受けております人数でありますが、全体では二十六名でございます。そのうち、主として昼間人工透析を受けている方は十九名、夜間が三名、入院四名でございます。  なお、家族につきまして、人工透析を受けている人数は三十二名でございます。家族も合計いたしますと五十八名でございます。  勤務関係への配慮でございますが、まず、こういう人工透析を受ける職員の勤務につきましては、第一義的に医師の指示を尊重するということで、医師の指示に従って治療に専念できるように配慮をいたしているところでございます。昼間透析を受けた者につきましては、これは病気休暇といたしますし、夜間の透析でもよろしいという者につきましては、昼間の勤務が十分できますように配慮しておるところでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 長官以下、もちろん大臣も含めてですが、人工透析のことを十分御承知と思います。私が気になるのは、今長官のおっしゃったようなことで林野庁の中は十二分だと思うのです。この方々は更生医療ということで、人工透析に関するものは自己負担はほとんどゼロに近い状態で林野庁共済組合で持つわけですね。  ところが、あと一つ問題なのは、例えば人工透析を受ける状況になれば、家族運転であろうと本人運転であろうと、二千ccまでの乗用車、ライトバンなら自動車税も物品税も免除される。家族だったら、これは一級でございますから、重度心身障害者医療費助成措置というようなものの適用を受けられて、人工透析以外のすべての病気やけがについても治療費は自己負担でなくなっている。いろいろあるわけですね。そうしたきめ細かいことに対して果たして林野庁や農水省は適切な指導をしているんだろうかという素朴な疑問を私は持っているのです。  林野庁になぜこのことをお尋ねしたかといいますと、国家公務員共済組合の中の短期給付で、家族の療養費の自己負担三〇%、付加給付なしというのは林野庁と郵政省だけでしょう。ところが、この家族の方々三十二名は、放置しておくと、人工透析は何とか自己負担はほとんどゼロに近い状態だが、一般の病気については何も知らないまま三割自己負担をしているということがあるのじゃないかと僕は思うのです。その辺について、長官、ちょっと具体的であなたのようなトップの方はなんでしょうが、そうしたきめ細かな指導が、いわゆる共済組合等を通じ、あるいは管理部といいましょうか、そういうところを通じて下部末端まで十二分に届いているのかどうか、その辺ちょっとお答えいただきたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 ただいまの自動車の税、そのほかの病気の給付のことにつきましては、私もまだよく現在承知しておりませんので、直ちに調べまして後ほどお答えいたしたいと思います。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 もう一つ重ねて申し上げますと、私は実は自分の選挙区でおたくの正式な職員の方をお世話した実例が二人あります。一級障害になっている。もちろん在職中だ。重度障害者。そうすると、子供さんが十八歳未満ですと、奥さんの収入が年間三百六十一万円未満なら子供一人で月額三万三千円という児童扶養手当が出る。このことをだれも知らない。署長さん以下も御存じない。労働組合側も御存じない。この三年間にお二人をお世話した。自分の選挙区だけですよ、選挙区外ならもっとふえますけれども。  そのときに、私は野にあって思うのです。なぜ農林水産省や林野庁のような優秀な頭脳の集団の方々がこういうきめ細かいことをお示しいただけないのだろうか。何も私はこれは厚生省の仕事だなんて言いませんよ。そうしたことを職員、家族を含めて周知徹底をさせることが、本当の意味で職員を大事にし、そして仕事に頑張っていただく大きな要因になっていくのじゃないでしょうか。これ以上のことは申し上げませんが、大臣、林野庁だけではありません、農林水産省も挙げてひとつそうしたことをぜひ末端まで徹底していただきたい。そして、そうしたハンディのある重度障害の立場になった方々が、せっかく日本政府のつくっている制度ですから、それの恩恵に浴していない失権者が出ないように万般の御配慮を願いたい。そのことが温かい人間関係を築くことになっていく、こう考えますので、特に大臣と長官にお願いをしておきたいと思うのです。  さて最後に、間もなく開かれることになります志布志湾の柏原地区の埋め立て問題に絡む聴聞会の開催について少しくお尋ねをしたいのであります。  聴聞会の出席希望者はどれだけおったのですか。何名に絞りましたか。その選考基準等はどれほど公平かつ民主的に行われたか。それらについて長官、御説明いただきたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 お答えします。  保安林の解除につきまして異議意見書の提出がございましたのは、百三十九名の方々でございます。そのうち十五名の方を聴聞会の陳述者として決定をいたしております。  その選考の基準でございますけれども、保安林の解除につきまして異議意見書を提出できます方は、保安林の解除に対しまして直接の利害関係を有する方とされておりまして、そういう規定に則し、どの範囲の方が直接の利害関係を有するかということについて判断をしたわけでございます。まず、保安林につきましていろいろ森林の立木地区もしくは土地につきまして使用収益をしている方が第一。それから二番目といたしまして、防風保安林でございますので、この解除によりまして風の影響が及ぶと考えられる範囲内に住んでおる、あるいは建物を持っておられる、そういうふうな方々を直接の利害関係者とすることが相当であると考えまして、百三十九名の方々から十五名を選んだわけでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 ちょっと突っ込んでお尋ねしますが、最初から十五名しか意見陳述をさせないということで選ばれたのですか。この基準に照らして公平に徹底的に選考した結果、十五名しか該当しないということなんですか。その辺の因果関係、どちらが優先しているのですか。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 最初に数があったわけではございません。該当する方、異議を申し立てになった方の中から選びまして十五名になったわけでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 そのお言葉を私は信じたいと思いますが、ただ、御承知のようにあの地区はそれこそ江戸時代から俗に言う松葉組合というのがありまして、地元で防風林の自主管理をやっているわけですね。これは何も林野庁とか戦前の帝室御料林からくる云々じゃなくて、もう全く防風防潮だという形で、だから歴史的にも学術的にも高く評価をされるクロマツ林がずっと残っておるわけです。だから地元の方々が自発的に松葉組合と言われているものをつくり、言うならば入会権みたいなものを持ってやっている。こうしたことについての御配慮はどうだったのですか、その選考に当たって。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 先生のお話のとおりでございまして、百年以上の木がありますように、長い間、昔は委託林と申しましたが、今は新しい名前で共用林契約というのを結んでおりますけれども、そういう松林を管理していただく、そのかわりに落葉、落種とかは営農用に採取するとか、そういう密接な関係があります共用林の関係の方々で異議の出ている方は全部網羅したところでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 そこはわかりました。  それでは、十三日に開かれる、十四日も県の林務部がまた引き続きやりますけれども、十三日にこれら十五名の方々から意見の陳述が行われますね。その結果出された意見に対しては、今後林野庁としては具体的に作業を進める上でどの程度のウエートをかけていくのか、あるいはその意見をどのように具体的に反映させていくのか、そうした方針なりお考えをお示しいただきたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 この保安林の解除につきまして、解除の要件に照らしまして慎重に判断をした上での予定告示を行ったところでありますが、最終的な判断を行うに当たりましては、今回の聴聞会におきまして陳述されます意見を十分に参酌することといたしておるところでございます。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 大臣も長官も、もちろんその他の方々も、あの志布志湾、とりわけ柏原地区において昭和四十六年の十二月からどれだけの激しい運動や闘いがあったか、その間、県の計画が二転、三転したか、そうしたことは十二分に御承知と思いますが、私たち、特に私はあそこに直接住んでいるものですから、その運動の経過なり県の対応なりをつぶさに見てきた一人であります。そういう者の目から見ますと、あの埋め立てが強行されたことについても釈然としないものが残るし、とりわけ取りつけ道路をめぐって、百年を超える歴史を持ち、先ほど言ったように学術的にも高く評価をされているところにメスを入れるなんということは本当に忍びがたいものがあるわけです。  そういう意味合いで私たちは、今度開かれます聴聞会に、関係者を含め、林野庁が本当に公平、民主的な運営をする、こうお約束をなさって陳述人を募集されたわけですから、今の選考の経過もお聞きして一安心しました。そして、その意見等も十二分に参酌をしたい、こうおっしゃっている、そのことを私はかたく信じたいのであります。  しかし、従来のいろいろな動きを見ますと、さきの百一国会が終わったらすぐ環境庁がゴーサインを出すとか、そういうことで根強く行政不信が残っていることもまた事実であります。そうした意味合いで、大臣、この聴聞会の開催後のいわゆる取りつけ道路その他の問題をめぐって、保安林解除については最も厳正公平な方針でやっていく、林野庁だけではなく農林水産省全体として、とりわけ担当大臣として、これは埋め立ての方の関係がありますから、大臣からも御決意を一言明確にお示しいただければありがたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 上西先生にお答えします。  今、長官が答えたとおりでございまして、保安林の解除につきましては、解除の要件に照らしまして慎重に判断の上、予定告示を行っているところでございますが、最終的な判断を行うに当たっては、聴聞会などにおいて陳述された意見を十分にしんしゃくして決めたいと思っております。

上西和郎日本社会党・護憲共同

○上西委員 大臣からそういうお言葉をいただいて、私、本当に安心するのでありますが、何しろ十三年半に及ぶ長い運動やら何やら見てまいりますと、それだけではと——天の声ではという言葉が鹿児島でははやっておりますので、だからそうしたことが絶対に起きないように、大臣並びに長官から今お示しいただいた、十二分に陳述意見を参酌し本当に慎重にやっていく、この言葉が文字どおりこの地域で具現されますように、そのことが日本政府に対する信頼の回復になっていく、こう考えますので、万般のことを重ねてお願いを申し上げ、終わらせていただきます。  ありがとうございました。

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 次に、辻一彦君。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 きょうは森林・林業対策、水産問題、それから米の問題に若干触れたいと思います。  まず大臣にお伺いしたいのは、四月九日の対外経済対策で、森林と林業並びに木材産業の活力を回復するために三点挙げておりますが、「木材需要の拡大、木材産業の体質強化、間伐・保育等森林・林業の活性化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五か年にわたり特に講ずる」、こういうようになっております。佐藤農林大臣は当時いろいろ談話を発表されておりますが、特別の財政措置をとるというような意味のように私は受けとめたのですが、しかしまた、大蔵省側は、いや特別な枠ではない、シーリングの中である、こういうように否定をしている向きもありますし、ここらの真意はどうなのか、お伺いいたします。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 辻先生にお答えいたします。  実は今御指摘のとおりでございまして、「特に」という言葉の中にいろいろな意味があるわけで、「特に講ずる」という経過は詳しくはお話しできませんが、あのときのいろいろな経過におきまして、いろいろな政府の関係者と話しまして「特に講ずる」ことにしたということでございまして、これは私は別枠という理解をしております。また、別枠で処理されるべきものと考えております。そして、現在その実現に努力している状態であります。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 ということは、財政金融措置を、シーリングで抑えるのではなしに別枠で確保して対処する、こういうように理解していいのですか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 そのとおりでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 日本の川上では森林・林業、川下になればいわゆる木材産業、それから合板というものが、今自由化の前、関税引き下げという重大な問題にぶつかって、川上、川下とも全部非常な危機感を持っておると思うのですね。  そういう中で、この関税引き下げはもちろん望ましいことではないと思いますが、政府が決定しているこういう方針が仮に進められるとすると、そのときには今の大臣の答弁のような対策をもって十分に対処しなければ、日本の森林や林業を守り切れないと私は思いますが、大蔵の抵抗はかなり——かなりというよりも壁は大いに厚い感じはいたしますが、それらをぶち破って突き進む決意が大臣にありますか、ひとつお伺いしたい。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えします。  今回の措置は、先生も御存じのとおり、森林・林業及び木材産業の活力を回復させるため所要の措置を特に講じようとするものであり、関税問題については、かかる国内対策の進捗状況を見つつ、おおむね三年目から関税の引き下げを行うべく前向きに取り組むこととしているところでございまして、最善の努力をしたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私は、前段の「特に」ということを今御答弁のあった決意で進めていただくことが大変大事だと思います。  そこで、一時、国内林業や木材産業に対して二千億とか三千億の経費が必要であるというようなことが談話等で言われておりますが、これは一体どういう根拠からこういう数字が出たのか、これをひとつお伺いしたい。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  実は、今回の関税問題に関連しまして現在の森林・林業の置かれた厳しい状況を見ると、単に合板業界の体質改善のみならず、中長期の視点に立って木材産業及び林業を通じた対策を進める必要があると思います。  特に基本的に言いますれば、木材が高過ぎることだと思います。どうして木材を下げるか。木材を安くすることによって初めて国内の活性化を図れる。例えば合板でも、現在原木は大体全部外国から輸入しています。国産材が高いから外材を使っている。そんなことで、私は少なくとも国産材の価格をどう下げるかということが大きな問題というように考えて、そのため木材とか森林産業の活力を回復する観点から、木材需要の拡大とかあるいは木材産業の体質強化、間伐、保育等森林・林業の活性化等を中心に、財政、金融その他所要の措置を当面五カ年にわたり特に講ずることとし、その具体的内容については、現在鋭意検討中でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 新聞紙上の記事でありますが、ある人は、かつて繊維不況が日米間で問題になって非常に苦境に陥ったときがありますが、繊維対策に二千億かかったのだから今の価格に直せば三千億くらいだと極めて大ざっぱな根拠からのお話が出ておりましたが、大臣のそれはそんな大ざっぱなお話ではないと思うのですが、重ねてその点はいかがでしょう。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えしますが、いろいろな方の中にはそういう意見の人もいました。ただ、今私が申しましたようなことで、三つの活性化の柱を中心に、現在林野庁において全国を一つずつ丹念に調査しながら積み重ねて、一体どのぐらいお金があったらできるかということで鋭意検討中と申し上げたわけでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 そういうことを今詰めることもないとは思いますが、川下の当面する、合板も大変ですし、またその上の方の林業も大変な状況でありますから、これは農水大臣として十分御認識のことでありますが、今の御発言をひとつしっかり守って頑張ってやっていただきたいと思います。  そこで、十年ほど前ですが、私は国会派遣で一カ月ほど東南アジア各国の農業政策や食糧事情を見に行ったことがあるのですが、インドネシアのスマトラへしばらく行って、あそこでやっている農業開発を中心に見ました。同時に、インドネシアで熱帯林の広範な乱伐が行われている、伐採がなされている、そういう実態も見て、そこに幾つかの問題があることを痛感したのです。  それは、日本で高度成長の後でありますから木材需要が非常に多いというので、インドネシアあたりの熱帯林をどんどん伐採をした、そのために洪水が出て現地は非常に困っているということ。それからもう一つは、今度は川の河口にたくさんの材木を貯木をしている、流してきている、ところが日本は第一次石油ショックで急に不況になっていく、その中で木材需要が下がっていく、そのために河口に山のように積み上げ、あるいは河口にいっぱいある貯木を買い取れないというか引き取ることができない、こういうことで現地の木材関係者が倒産をするとか非常に問題になっている。こういうことの実態を私もこの目で見、また話もいろいろ聞いてまいったのです。この大型化している日本の経済というものは、よきにつけあしきにつけ周辺アジア諸国にもいろいろな影響を与えることは避けることができないと思うのですね。  そこで、この間出された科学技術庁の資源調査会の報告書を見ると、毎年熱帯林は一千百三十万ヘクタール伐採をしてそれが消えていく、熱帯の大きな木は切ってしまったらなかなか後で簡単には造林をしてふやすというわけにはいかない、これは日本の森林全面積の四五%に当たると報告されていますね。日本の全森林は相当な面積ですが、その四五%に当たる千百三十万ヘクタールの熱帯林が毎年消滅をしていく。それは何も日本だけじゃなしに、薪にしたりいろいろなのがあると思うのですが、大きな木を使うのは主として我が国になるわけですね。このままでいくと、熱帯林の消滅というか、こういうことが非常に懸念をされるという報告をちょっと見ましたが、こういう熱帯林の維持、再生に対して今までどういうことをやっているのか、これからどうするのか。これは質問通告を直接していなかったので問題とは思いますが、御専門である林野庁長官、ひとつお願いしたいと思うのです。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 地球的な規模で森林が消滅していくと言われておりますことは、先生今お話しのとおりでございまして、千百三十万あるいは千百万ヘクタールと言われておりますのは、やはり焼き畑なども大変大きいと聞いております。それから、過放牧によります減少、それから燃料材の採取等が非常に大きい原因を占めておりまして、日本で主として入れております大変太いラワン系の木につきましては、大体が択伐的な伐採法をいたしておりますので、それが直ちにそこでの大規模な自然条件の大きな変更になるとは私ども考えておりませんけれども、それにしましてもあれだけ大きい体積の木材を持ち出すわけでありまして、その後の森林の再生、造成等につきましては、世界一の輸入国であります日本といたしましても大変関心を持っておりまして、いろいろと海外技術協力によりまして森林再造成へのお手伝いなどもいたしておるところでございます。  具体的に、もう相当期間になりますけれども、フィリピン等におきましても、本当の裸地状になったところへの森林造成をいたしております。あるいはインドネシア、スマトラ等、それからビルマ等におきましても、あるいはまた中南米諸国等におきましても、最近は、森林再造成への協力は、林野庁職員等を中心といたしまして、国際協力事業団と組みまして相当な援助協力をいたしておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 きょうは時間の点からこの問題には深く触れませんけれども、我が国としてはひとつ十分気をつけて、国内の森林も大事ですが、余り東南アジアの方の山が荒れてしまうとこれはまた大変後に問題を残すと私は思いますので、海外経済協力の中で熱帯林の維持ということについても配慮すべきであると思うので要望しておきます。  四月二十日の一部新聞記事で、合板の関税引き下げが行われた場合に、マレーシアは丸太生産をして専ら輸出をしている、だから逆に困る、だから関税を下げずにおいてくれ、こういうような要望もあるということが報じられておりますが、いろいろな各国の国益が錯綜する問題ですが、こういう場合に、マレーシアでかなり日本を対象にして丸太の生産に取り組んでいる業界、こういうものに対してどういうような対処をしていくのか、この点をひとつ伺いたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 先生のお話にもございましたように、関税引き下げを強く迫っておりますのはインドネシアでございますが、マレーシアのサラワクそれからサバ州などでは、丸太輸出の継続のためには我が国の合板関税の引き下げにはむしろ反対であるというふうな意見があることは私どもも承知をいたしております。  したがって、関税問題はやはりしかく単純ではないと申しますか、このような事情も慎重に検討した上で、総合的な判断で対応をする必要があるものと考えておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 現在アメリカから輸入されている合板は金額で大体六億円ぐらいと聞いておりますが、これは日本の合板全体の一・五%、規格も違う等々の状況から、関税を下げてもそんなに輸入がふえるわけではない、あるいは仮に輸入量が数倍になったとしても、金額からすれば、三百五十億ドル、八兆円の黒字に比べて、六億掛ける何倍かはまことに小さな数字だと思うのですね。  しかるに、日米貿易摩擦の四つのうちの一つにこの問題が取り上げられて、まさに日米の貿易摩擦、日本の黒字問題のシンボルのような形になったのは、どうも私としては理解しがたい点があるのですが、この点、政府はどういうようにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 確かに、そういう数量的な面から見ますと、ウエートは大きくないという印象を持つわけでございますけれども、この背景になっておりますのは、これまで米国で林産界の中心でありました北西部のワシントンあるいはオレゴン等の諸州の林業、林産業が、現在日本にもまさるとも劣らない大変な苦境にあるようであります。その原因が、米国南部で、サザンパインと言っておるようでありますが、林業、林産業が非常に伸びてきた、製材も伸びてきた、さらにカナダ産製材がどんどん米国内に流入しておるというようなことから、大変激しい競争に見舞われておる、その活路を特に我が国に求めておる、さらに中国あるいは韓国なども新しい市場として一生懸命模索しておるようですけれども、当面日本に非常に大きな期待をかけて売り込みにかかってきておるということ、大統領選をめぐってのいろいろなことが重なり合いまして、貿易摩擦のシンボルであるかのように要求されてきておるという事情があると考えております。  そういうことにつきましては、やはり我が国の事情を正しく理解してもらいたいということで、これまでのいろいろな協議の場、いろいろな接触の場におきまして、日本の置かれております、アメリカの林業、林産業とはまるで違う自然的な条件、歴史的な条件を十分説明いたしまして、基本的なところから理解をしてもらうようには努めておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 大臣、これが四つのうちの一つに取り上げられて、全くこの貿易摩擦のシンボルのようになったのは、中身から見ると非常に問題があると思うのですが、事実はもう既に進行しておるわけですけれども、こういう国内の実態、そんなのも、総理を初め農水大臣、外務大臣を含めて、アメリカ側と率直にやり合って十分理解をさせるような努力をしていただいているとは思いますが、そこらの対米説得の度合いはどんなものですか。これはもう率直にやっておるのですか、いかがですか。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 米国側で非常に理解しがたいと言っておりましたのは、例えば、なぜ合板についての関税が日本の国土の保安にまで結びつくのかというようなことなど、再々疑問を提示されたところでありますけれども、やはり合板の関税が下がりそうだというだけで合板の市況がどんどん春以来軟化をいたしております。それによりまして、せっかく最近は間伐材から板をつくる、小幅板といいまして、横にひっつけてつくったりあるいは縦に重ねたり、ようやくそういう板をつくる技術も進んでまいったのですが、その板の価格も合板に引きずられまして下がってくる、そうすると、ただでさえ売りにくい間伐材がさらに売れないというようなことで、日本の山は大半が、四〇%が人工造林地でありますので、そこの経営に直接響く、それが山全体の脆弱化を促すのだ、それが国土保安であるというようなことは大分口を酸くして言っておるのですが、幾らか理解が行き届いたのではないかと思っております。  それから、日本国民が日本のこの狭い国土で山を繰り返し繰り返し利用して、燃料から建築材からすべて人の働きによって山を林につくりかえた、その営為によって今日まで暮らしておる、それはやはり相当程度崩すわけにはいかない、日本の国の保全といいますか、存立のためにもそういう自然循環産業を維持することが大事である、単なる林産工業の関税問題としてとらえるものではないというようなことを根底に据えまして説明いたしておりまして、相当程度理解してもらっておると思いますが、交渉でありますので、なかなかわかったとは言っておりません。依然として要求は強く掲げられたままで交渉が続いております。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  今、長官が答えたとおりですが、MOSS協議の責任者で長官は日米交渉をやっておるわけですが、私の方とすれば、我が国の事情につきましては米国議会関係者及び林業関係者等に十分説明をして現在頑張っているわけでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 それぞれ努力されていることは理解をしますが、なおひとつ頑張っていただきたいと思います。やはり率直に言うことが大事と思いますから。  しかしこの問題は、私は林業に限らずに農林水産全般について言えることじゃないかと思うのです。貿易立国をもって任ずる我が国ですから、自由化ということが大事だということを否定するわけではないし、これは大事だと思います。しかし、たとえ米以外の農産物を全部自由化したとしても、その輸入のふえる量は十億ドル以内じゃないかというようにも言われておるのですね。それと三百五十億ドルのこの黒字と比べたときに、黒字問題を解消するというか解決をしていく道はもっとほかに求められなくてはならないのじゃないか。一番弱い農林水産の方にともするとしわが寄せられる感じがします。そんなことで、今政府でも随分論議になっておりますが、内需拡大政策をとって貿易のバランスをとるということがやはり大事じゃないか、そうでないと、常に農林水産というのは工業製品輸出の陰に隠されていく、極端な言い方をすれば犠牲になりかねないおそれがある、現にあると私は思います。  そういう意味で、本当の農業を守っていくという点になりますと、経済政策のある軌道修正をしなければ日本農業は守り切れないというように感じますが、大臣、その点についてはいかがでしょうか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  先生の御指摘のとおりだと私も理解しております。先生御存じのことでございますが、現在日本の貿易収支はかつてない黒字となっておりますし、また、農林水産物につきまして我が国は大幅な輸入超過、大体二百五十五億ドルぐらいとなっております。そんなことで、貿易黒字は、今先生も御指摘のとおりでございますが、アメリカの財政赤字とか高金利によるドル高に最大の原因があると考えておりますが、我が国の側としては、特定品目、ある分野における輸出の急増等もその背景となっておると考えております。  したがって、貿易黒字解消のためには、米国に対しまして高金利、ドル高の是正等を主張していきますとともに、我が国としても内需の拡大あるいは節度ある輸出とか経済協力の拡大等を総合的に実施することが大切であると実は考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 総合的な対策は当然大事ですが、その中でやはり内需拡大の問題は非常に大事だと思うのです。それは、もう一つ観点を変えて言えば、とにかくこれから国産材の需要がふえなければどうにもならないわけですね。しかも、十五年もたてば——国産材が二十年以内に伐採期に入って日本の自給率は三五%から半分以上に上げられる、こう林業白書は述べておるわけですね。そうすれば、その中で国産材の需要が拡大されなければ問題はなかなか解決されない。  国産材の需要の一番の道は、やはり木造の建築、住宅をふやしていくというところが一番大きいのじゃないかと思うのですが、そういう意味で、住宅の建設、そして内需拡大、こういう一連の方向をとらないと農業全般も林業もなかなか守り切れない、私はこういう感じがしますが、大臣は閣内で所管大臣として内需拡大論に頑張る覚悟はありますか、いかがですか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  木材の需要拡大、これは一番大きな問題でございまして、実はいつもその気持ち、姿勢で頑張っておるということでございます。  それで、現在木材に対しまして私は五つの誤解があると思っています。というのは、木材というのは地震に弱いとか火災に弱い、長もちしない、居住性が悪いとか建築費が高くつく、こんな誤解をまず解く必要がある。  そういう形の中に、木材のよさの普及啓発を積極的にやるために三つの大きな方向づけを持っています。その一つが公共施設とか補助事業施設等の木造化の推進、それから建築物の床、壁、天井等の内装材としての木材利用の促進、特に、実は今先生御指摘の住宅につきましては百十万戸台ですが、ただ問題はマンションが戸数に入っていること、そんなことで非常に需要が減っていることと、それからもう一つは、率直に言いますと木材が高いということ、この辺をどうするかという問題が一つあるかと思います。それとLVLというような新製品の開発、こんなことで努力してみたいと思っています。  したがって今後とも、実は私は閣内においての需要拡大ということは、率直に言いますと日本政府でもっと使わしたらどうか、これは意味があると思うので、建設省等関係省庁とも緊密な連絡をとりながら、官民一体となりまして木造住宅の建設促進を初めとした木材の需要拡大を積極的に図ってまいりたい、こう考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 ぜひひとつ閣内でそういう意味の強力な発言を期待をします。  それから、林業関係で間伐対策が非常に大事で特別の措置を講ずる、その「特に」の中にも間伐、保育等々が挙げられておりますが、樹齢期から見て戦後造林がもう大事な間伐の時期に入っておるにかかわらず、百九十万ヘクタールの間伐の必要な面積があるにかかわらず二十四、五万ヘクタール前後しか間伐が進んでいないというのは非常に問題がある。特に私のところのような積雪地は、間伐が適切に行われないと木が弱くなって、雪が降ったりするとじきに枝が折れたり倒れたりするという問題もありますので、いろいろな面から非常に間伐が大事だと思うのです。しかしなかなか間伐が進まないのですが、長官、一番間伐が進まない原因は何ですか。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 かつて間伐材の用途は、いわゆる押し角と称します角類とか足場丸太、くい、くいにいたしましてもいろいろ、土木関係のくいもございますけれども、一番細いものでも稲を干す稲かけ棒とか、常に足りないくらいで、私どもの記憶にあります、三十年代までは捨てるところがなく間伐材が売れておったと思います。そういうふうな需要の構造が、鉄パイプでありますとか稲も直接コンバインで収穫するとかいろいろな変化がございまして、全く需要が停滞といいますか道を断たれたというところに一番大きい原因があると思っております。したがいまして、先生のお話のとおり、間伐はやらないわけにはまいらない、やらないと残った木の根張りも悪い、非常に弱々しい林になりますので、どうしてもやらなければいかぬ。  二つ方向があると思いますのは、需要の関係と、あとは生産をいかにして安くコストを下げて生産できるようにするか、この二つからアプローチするということでございまして、新製品の関係はただいま大臣からも申し上げたとおりでございますが、いろいろ板類に重ねたり横に継いだりというようなこと、それから量的に使うためには、つぶして動物の飼料にするとか、あるいはキノコの材料にするとか敷きわらにするとか、いろいろ量的に使うこと、最近はいろいろログハウスなどもございますけれども、そういう需要の方をうんとふやすこと。  あとは、生産費につきましては、特に作業道、林道を整備いたしまして、林道はなかなか規格等もありますけれども、作業道の場合ですと林道のほとんど一割か一割五分ぐらいの作設費で開設できますので、そういう作業道を、路網を整備してともかく生産費の大幅な低下をする、またそういう関係者が集まり合いまして、間伐材を量的に安定して供給できるような仕組みをその地域地域で考える、そういうようなことによりまして、ともかく間伐は今最大の林業の問題だと思っております。これに全力を挙げて取り組んでいきたいと考えているところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 林野庁の木材対策室ですか、木のいすに座って頑張っていらっしゃるというのも大変いいことだと思いますが、そういう努力は多としますが、これは林野庁、農林省、政府を挙げて、国産材の中で間伐材をどういうふうに使うかという新しい需要開拓に特に力を入れてほしいと思うのです。  山へ行くと、切ってほっておるのですね。持って山をおりれば労賃が出ないから捨てておいた方がいい。その後には、切るのももう経費がかかってかなわないというのでそのままほっておく。そうすると、育ててきたせっかくの森林資源が非常に弱くなっていくのじゃないか。そんな点で間伐材の需要開拓に特にひとつ力を入れて取り組んでいただきたい。  大臣、この気持ちといいますか、決意を一言聞きたいと思うのです。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  今、長官が答えたとおりで、一番の問題は高いということです。例えば、先生御存じでございますが、私には孫がおりまして、小学校の孫に間伐材の机といすを買いました。八千円です。これがスチール製等ですと五千円です。問題はそこにあるわけです。  したがって、先ほどのなぜ間伐ができないかという理由の中に、かつては間伐材を切って出せばその費用が出たわけでありますが、今実は間伐のコストが高くて、しかも市況が安い、そんなことでその費用が出ないから逆に間伐ができないという点があるということ、そんなことでございまして、木材原価を見てみますと、原木、植林、間伐、人件費、それから輸送費がかかりますが、輸送費が一番高いですね。そんなことで林道、作業道を早く整備すべきじゃないか、そうするとコストが下がる、コストが下がると売れるということでございまして、まずそれを先にやる。  したがって、今需要の拡大と言いますが、率直に言いますとなかなか高くて売れません。今林野庁で座っておるいすですが、一万八千円か二万円です。率直に言いますとだれも買いません。これが現実なんです。ただ、林野庁だから机といすが置いてある。机といすが五脚、全部で大体十二、三万です。もっとほかのを買います。  そんなことでございまして、まず第一番目にコストをどう下げるか。そのためにはやはり林道、作業道をどう整備するか。林道、作業道は、先生御存じのことで、林道がメーター五万円ぐらいなら作業道は一割、したがって、早く作業道を整備する、そういう形の中で輸送費を安くして間伐のコストを下げる、その作業をしながら需要拡大を図りたい、こう思っておるわけでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 第二に、今穀物の輸入問題、米の問題がありますので、若干これに触れたいと思います。  ブロック米農務長官の最近の発言を見ると、アメリカは日本に対して、米は聖域で自由化を求めないが、ほかは全部自由化を求めるというような発言をしておりますね。私はこれはなかなか額面どおり受け取れない。というのは、合板の関税引き下げに対して、林業関係のみならず今農業関係も反対をしている。なぜかというと、合板の次に米にまた自由化が及ばないかという懸念をみんな持ってこういう運動が盛り上がっておると思うのですね。そこで、そういうのを分断をするためにかなりこういう発言をしているのじゃないかという感じが受け取れますが、アメリカは本当に米は自由化の聖域であるというふうに認識をしていると思うかどうか、大臣、いかがですか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  今回のブロック農務長官の発言については、私も実は新聞報道以上のことは承知しておりません。が、我が省としては、これまでアメリカに対しまして、我が国の農業及び農政における米の重要性、位置づけについては十分説明しておりまして、またアメリカからも米の輸入を要請されたことはございません。米国も、米が我が国の主食であり、我が国農業にとって最も重要な作物であって、食糧の安全保障の観点からも国内産でいわゆる全量自給することを十分理解しているところでございます。  いずれにいたしましても、国民の主食であり、かつ我が国の農業の基幹作物である米については、国会における米の需給安定に関する決議等の趣旨を体しまして、国内産で自給する方針を堅持していく考えは、アメリカも十分承知していると私は理解しております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これは国会の決議もありますから、米は絶対に譲れない問題である、大臣の決意をひとつ信じて、努力をいただきたいと思います。  そこで、さらにブロック長官は、日本に対して、途上国向けの援助のためにアメリカの過剰穀物を買ってもらいたい、買うべきだという期待をなお持っている、こういう発言をしておりますね。言うなら、態度待ちというか返事待ちというような発言に見えますが、これは総理も、外務大臣も、農水大臣もそれぞれアメリカにはっきり断っているはずであると思いますが、どうも向こうの受けとめは、まだはっきり断っていないような、期待感を抱かせている感じがします。この点は政府としてそれぞれ若干のニュアンスの違ったような答えをしているのじゃないかという懸念がありますが、この点いかがですか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  実はこれは外務省の所管でございまして、私の所管ではございませんが、外国産穀物を使っての食糧援助につきましては、そしてアメリカのその要求に対しましては、二つの点から非常に難しい問題だと思っております。  その一つは、我が国の食糧援助の中心になっておりますのはKRの食糧援助の規模、年間大体三十万トンであると思いますが、この規模をはるかに上回るということ、それからもう一つは、KR食糧援助においては、規約上開発途上国産の穀物を優先使用すべきとされている、その点からいきまして、私の担当ではございませんが、非常に難しい問題である、私はこのように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 きょうは全国農協中央会で要求米価が多分決まったのか、あるいは間もなしに決まるのじゃないかと思うのですが、そういう時期でもあるし、米価のシーズンになってきたと思うのです。  まだまだこれからの問題であるとは思いますが、ことしの生産者米価に対する考え方と、それから東北から北陸にかけて、いわゆる良質米生産地と言われる二十二県は、良質米奨励金の存続ということに最大の関心を持っております。これが削減されるとなれば、農民の実質所得が大きく切り下げられることになる、だから何としてもこれは存続をしてほしいというのが東北、北陸路の米場地帯の農民の大きな気持ちだと思いますが、これをぜひ反映して実現してもらいたいと思います。これからの問題でありますが、この二つについて大臣のお考えを伺っておきたい。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。  まず生産者米価の問題でございますが、いろいろ言われておりますが、その取り扱いについてはまだ何も決めてはございません。例年どおりでございますが、食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しながら、再生産の確保を旨として、米価審議会の意見を聞いて適正に決定したいと考えております。  また、自主流通米助成につきましては、従来から自主流通をめぐる事情の変化を踏まえまして必要な見直しを行いつつ今日に至っておるわけでございますが、良質米奨励金等自主流通助成の今後の取り扱いにつきましては、自主流通制度の健全な発展を図る立場を堅持しながら、自主流通米の流通実態等を踏まえ、その縮減合理化につき現在検討を行っている最中でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 まあそういうお答えしかなかなか難しいとは思いますが、これは非常に切実な農民の願いでありますので、努力をいただきたいと思います。  食糧庁長官にお伺いするつもりでしたが、大臣にお答えいただきましたから、時間の点から、あと漁業水産問題について二、三伺いたいのです。  日ソサケ・マスの漁業交渉が妥結をして、水産庁非常に努力をされた、これは大いに労を多としたいと思います。しかし、日ソの漁業交渉が毎年のように難航して対立点だけが目立っております。  時間の点から多くを伺えませんが、ことし四十二億五千万円のいわゆる漁業協力金を払っておりますね。そしてここ数年、この制度が出発してから概算すると約三百億の協力金になっておる。今、日ソ間でサケ・マスは資源の問題をめぐっていろいろ難しい問題があると思うのですが、こういうお金を日ソ協力でサケ・マスの資源確保という方向につぎ込んで資源問題にもっと取り組む、こういうふうにして日ソの漁業協力というような点を進めるような道が開けないものかどうか、この点はいかがでしょうか。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 ソ連にこれまでサケ・マス関係で支払いました協力金が、ことし支払う予定になっております分を含めまして三百億円近くになっておるということは先生御指摘のとおりでございます。ただ、日ソ間ではこういうソ連がやっておりますサケ・マス増殖の経費の一部負担、補てんという形での協力のほかに、まだいろいろな分野で協力をやっておるわけでございまして、例えば、今回も合意されました事項でございますが、サケ・マスの資源保存のあり方、そのための漁場の使い方というようなことについて日ソの科学者間でことしの九月に会議を行うということや、サケ・マス以外につきましても、スケソウダラ、サバ、サンマ等について、双方が共通に関心を持っているこれらの魚種につきまして科学者間で会議を開いて資源状態等の共同検討を行う、あるいは双方で科学者の交換視察計画を合意するといったようないろいろな形での協力を行っているところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 時間がちょっと切迫して詳しく論議をしている時間がありませんので、項目を伝えてそれにお答えをいただきたいと思います。  一つは、日中の漁業協力の可能性なのですが、私は五月の三日から十六日まで、中国の経済特別区と開発区、深セン、広州から大連まで見て回ったのです。大連で、東洋一と言われておるのでありますが、大連漁業公司と接触をした。その中で、日中間で養殖等を含めた漁業の合作、協力を希望する声が随分と聞かれたのですが、こんな問題を今後積極的に進めていく考えはないかということが一つ。  それから、実は福井県に小浜水産高校という高校があります。この間九十周年式典をやったのですが、これは日本で一番古い水産学校なんです。明治から長い間卒業生をたくさん送って、日本の水産漁業界に随分と卒業生を出しております。そこでこういうお話をしたら、全国から集まられた漁業関係の方が非常に関心を持っておられたのです。民間レベルでも結構ですし、今までもなされていると思いますが、大連の将来を展望すると非常に重要な拠点であるし、そういう意味の日中漁業のこれからの交流といいますか、それを促進できないかどうか、それらについてひとつ政府の考え方を聞きたいと思います。  それから、遠洋漁業が残念なことですが非常に制約を受けている。そこで、沿岸漁業、沖合漁業の役割が非常にふえてまいったのです。その中で一つ具体的な問題に触れて恐縮ですが、日本海にズワイガニ、これは越前ガニとも言って非常に名産になっておりまして、カニでは越前ガニが宮内庁御用達になっておると聞いておるのです。そういう面ではかなり良質のカニですが、この資源が、例えば越前漁港での水揚げを見ると、前は千九百トンというのが、今は二百五十トンから三百トンぐらいに毎年ずっと水揚げが減ってきている。ということは、ズワイガニの資源が枯渇に近い状況にあると、いわば非常に心配されておるわけです。  したがって、沿岸漁業、沖合漁業という観点から、ズワイガニの資源確保という点について、県は県なりにそれぞれ努力をして、栽培漁業センターで、国営も含めて、県も随分取り組んでおりますが、一層力を入れて対策を考えてほしいと思うのです。  それから、はしょって恐縮ですが、日本海でイカ釣り漁業が非常に不振に陥っております。特に、ちょっと福井のことになりますが、昭和五十一年に非常に大きな高波が日本海に出て、激甚災害の指定を受けたことがあります。そのために代替船あるいは船の修理等に非常にお金をかけた。その次には二百海里問題が出てくる、次には燃費が上がる、魚価低迷、こういう中で倒産、また倒産するにもできないというような深刻な状況がある。それで県の方も今、着漁、漁業に着手をするための特別融資を三億程度やっておりますが、とても及びがつかぬ状況にあります。こういう日本海のイカ釣り漁業の不振に対しての対策はどうか。  それから最後に、代位弁済が随分とふえて、基金制度は支払いが非常に危なくなって困難になっている。そこで、中央の基金に対してもう少し国の出資であるとかあるいは協会に対する出資の補助ということがなされないと、代位弁済ももたなくなってくる状況がどんどん出ております。詳しいことを申し上げたいのですが、時間の点でごく要点だけ申し上げて、これに対するお答えを伺って、終わりたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えしますが、先生の質問は四問であったと思います。私は日中漁業関係の一問を答弁し、あと、ズワイガニ、イカ釣り漁業、代位弁済につきましては次長から答弁させますので、よろしくお願いしたいと思います。  中国との合弁事業につきましては、中国が先生御存じのように昭和五十四年に合弁企業法を制定し、昭和五十八年に同法実施条例を公布した後に緒についたものでございます。そんなことで、日中友好の関係から、技術的、経済的に成り立ち得るものであれば合弁事業は大いに歓迎しておるという状況でございます。しかしながら、現在、舟山、大連等の二、三の事例を除いては、具体的にどこにかつどのような分野でかかる条件が成り立ち得るかを模索しているのが現状でございます。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 ただいま大臣からお話がありました大連というのは、水産加工の分野の合弁事業でございますが、今御質問のありました栽培漁業関係につきましては、合弁事業という形ではございませんけれども、別途、栽培漁業の分野での協力を大連地域から要請が来ております。これはどういう形で取り組むか、関係の栽培協会等で検討しているところでございます。  それから、日本海の若狭湾のズワイガニでございます。先生御指摘のとおり、ここ数年極めて低い水準にあるわけでございまして、水産庁といたしましては、やはり資源保存のために隻数とか漁期とか、そういったものを制限しなければいかぬということで、省令を制定いたしまして、資源の管理という立場からの努力はしてきております。それに加えまして、最近では、関係県の方々の御努力で、日本海中央にあります大和堆のあたりから親ガニをとってきて、北陸から山陰にかけての海域にまきまして、それで増殖を図るというようなことをやっておりますが、さらにそれに加えまして、小浜の栽培センターの事業所等で、種苗の採取、このための技術開発に最大限の努力をやっておるところでございます。  それから次は、イカ釣り漁業でございますが、イカ釣り漁業も、先生御指摘のように日本海のイカ資源が最近比較的低い水準にございまして、コストが高い、特に燃費が高いということで非常に困難な状況にあるわけでございます。そこで、沖合いかつり漁業協会、これは全国的な組織でございますが、五十七年から三カ年計画で減船をやりまして、ちょうど三年間で百五十隻ほど減船をいたしました。それに加えまして、特に負債整理のために、単なる負債整理ということだけではなくて、そのために漁業が前向きに進むように、合理化と組み合わせた形での負債整理資金の融通ということを鋭意やっておるところでございます。  最後に、代位弁済事故につきましては、まさに御指摘のとおり、そういう案件がふえておるわけでございますが、昨年度は三十四億円を保証保険資金として計上いたしまして、途中多少、補正予算によって十五億円の追加出資をいたしました。今年度は四十二億円の出資を予定しておりまして、同時にまた、漁業信用基金協会に対しましても必要な補助を確保しているところでございます。今後ともこの方向で努力をしてまいりたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 終わります。

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 次に、水谷弘君。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 最初に、去る二月二十一日当農林水産委員会において、日本の農林水産業の新たな展望を切り開く上で大切な国民合意の形成を図る一つとして、佐藤農林水産大臣は私の質問に対して「一日農水省」「食料博覧会」の開催に取り組む旨の発言がございました。早速、五月二十日盛岡市内、続いてこの六月三日岡山市内で「一日農林水産省」を開催されました。大変御苦労さまでございました。  大臣に、今回の開催について率直な感想と、そこにおいていろいろな問題が提起されたわけでありますが、それらを踏まえて今後の御決意をお伺いしておきたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 水谷先生にお答えいたします。  私はそのときも申し上げましたけれども、農林水産行政を円滑に推進していくためには、単に農林水産業関係者だけじゃなくして、消費者、経済界など広く国民一般の意見を伺い、その理解と協力を得ていくことが基本的に重要であると考えております。今回の「一日農林水産省」にもこんなような期待を持って実は参ったわけでございます。特に今回は、地方における生の声を直接伺うことができ、私を初め農林水産省の幹部一同大変勉強になったと思っております。また一方では、我々の考え方についても公述人の方々を初め参加者の皆様方にある程度理解を得られたものと思っております。  そんなことで、地元の県知事から、今回の「一日農林水産省」はまあ大成功であったという評価をいただいており、意を強くしている状況でございます。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 全体をお伺いするわけにいきませんけれども、公述人の皆様から出された御注文とか御意見、主なものでどんなことがございましたか。

田中宏尚農林水産大臣官房長

○田中(宏尚)政府委員 二カ所で行われました「一日農林水産省」、それぞれ十数人ずつ公述人の方から詳細な御意見の開陳があったわけでございますけれども、その中で特徴的なことをかいつまんで申し上げますと、やはり何といいましても食糧の安定確保の重要性ということにつきましては、農林水産関係者だけじゃなくて、経済界の方それから特に消費者の方、こういう方々から強い御指摘がございました。  それに関連いたしまして、国内の農林水産業の育成強化を図ることに対する認識でございますとか、それから日本型食生活を定着させるというようなことにつきましても相当多数の方から御意見がございました。それから安定確保ということにも絡みまして自給率向上のための諸施策、これは特に農業関係の方を中心にいたしましてそういうことについての御意見が強うございましたし、これとも関係いたしまして、ここのところ一番問題になってきております対外経済問題、これにつきましても第一次産業関係者の方からそれぞれ地元に即した真剣な御議論が出ておりました。  それから特に、消費者でございますとか経済関係の中で、そういう食糧の安全保障ということにつきまして、量的な安全保障だけじゃなくて、質的な安全といいますか、食品衛生でございますとか防疫あるいは植防でございますとか、こういうことにつきましての御指摘がかなりございましたし、それから消費者の方々から、何とか安定的に農産物というものを量的にも質的にも価格的にも供給してほしいという熱い願いといいますか、そういうものが強く投げかけられまして、我々といたしましては非常に勉強になったという感じがいたしております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 公述人の皆さん、いわゆる農業者以外の方の御意見等も今承りました。これが本当に、その地域の住民の声、ひいては国民の皆さんが今農林水産業に対して何を求めていらっしゃるか、また国政の中でどのように位置づけをしていくべきか、いろいろな御意見が出されるわけでありますけれども、公述人のメンバーの構成については、そういう農業者以外の皆さん方の声も十分に反映できるようなメンバーの構成であったかどうか、その辺私はちょっと心配になりますが、その辺はいかがでございますか。

田中宏尚農林水産大臣官房長

○田中(宏尚)政府委員 特にその点につきましては、開催の前に大臣から強い御指示がございまして、第一次産業といいますか農林漁業関係者だけの意見ですと、中央でも常日ごろ接触しておりますので、それは十分聞けるので、できるだけ地元の消費者なり経済界、率直に言いまして、我々常日ごろ余りつき合ってない方々、そういう方々をできるだけたくさん入れるようにという御指示に従いまして、各地域とも十二、三人の参集者のうち半分は農林水産業関係以外の人で充てるということで参集をお願いいたしましたので、そういう点につきましてはかなり公平といいますか、国民全体を代表する御意見を聞けたのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 どうか今後もその公述人のメンバーについてはいろいろ配慮をされまして、場合によっては、団体の長とかそういう方たちではなくて、本当に第一線で農業をやっておられる方それからまた純粋な家庭の主婦の代表とか、そういう方々を極力多く入れていただきまして、生の声をしっかりと受けとめていっていただきたい、こう思うわけです。  そして、今農林水産業に対する市場開放要求とかいろいろなものが巻き起こっておりますけれども、食糧の安全確保という問題から考えますと、安易な市場開放に対する国民の不安といいますか心配は予想以上に大きい、今回のこの開催でもそれらが相当出てきたと私は思います。これは農業者だけではなくて消費者にとっても大変心配な問題であります。そういうことから、今後開催される分も含めて、せっかく大変な労力をかけて積極的に取り組んでおられるこの「一日農水省」で出てきた皆さん方の御議論を、どうかひとつ克明に政治の中に反映させる努力をお願いしたい。と同時に、私どももまたしっかり勉強していきたいという考えもございます。  ですから、そこで行われたいろいろなやりとりを議事録等をしっかり公開するというか、はっきりしたものをつくっていただくとか、また、短い時間でありますから、農水省の皆さん方も、そこにお集まりになった方々に対して農水省の考え方についての、また今日までの取り組みについての十分なお話はできなかったかもしれません。ですから、そういう不十分な点を補っていったり、そこへ出席された方に対するアフターケアといいますか、聞きっ放しではなくて、そういうやりとり等も含めて今後の取り組みをしていただきたい、これは注文でございますけれども、申し上げておきたいと思います。  それと、今後どういうスケジュールで開催をされていくのか、ここで教えておいていただきたいと思います。

田中宏尚農林水産大臣官房長

○田中(宏尚)政府委員 第一回を盛岡でし、第二回を岡山でやったわけでございますけれども、第三回目は来週の月曜日の十日に鹿児島でやるということまでスケジュールはセットしてあるわけでございますが、各地を歩いてみまして、それぞれ要望が非常に強うございますので、その後の計画につきましてはまだ現時点で詰めておりませんけれども、せっかく「一日農水省」をしばらくぶりに開きましたので、こういうものを何とか定着させるということで、将来どこで開くかということをまた検討してまいりたいと思っております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 先ほど申し上げましたけれども、どうぞしっかりそれを生かしておこたえをできるようにしていっていただきたい、お願いをしておきます。  それから「食料博覧会」の開催についてでありますけれども、あのときの大臣の御発言は、私の構想の一つであるがと前置きをされておっしゃっているわけでありまして、構想がそんなに早急に実現に向けて動くわけはございませんが、しかし具体的にどのように取り組んでおられるか、お伺いをしておきたいと思います。  建設省が中心になって「花と緑の万博構想」みたいなものを出されておりますけれども、ぜひこの「食料博覧会」は、地球的規模の食糧問題をテーマにするような、それと同時に我が国における農林水産業がどういう環境の中でどういう創意と工夫を凝らしながら歴史的に発展してきたか、いろいろなものもひっくるめて、欲張りなようでありますが万博のような規模でしっかりしたものを、どうせやるのならちゃちなものをやってもやる意味がないわけでありまして、しっかりしたものを政府を挙げて取り組むというような形での開催に向けて取り組みをしていくべきだろう、こう考えているわけでありますけれども、いかがでございましょうか。

芝田博農林水産大臣官房審議官

○芝田説明員 広く国民の理解と合意に支えられた農林水産行政の推進を図ってまいる、そのためには、御指摘のように消費者、食品産業、農林水産業従事者ももちろんでございますが、そのような関係国民の皆さんの声を集約する必要があるわけでございます。そしてそのような消費者、農林漁業従事者、食品産業、この三つを結びます接点に、御指摘のように食の問題があり、もちろん緑の問題もございますが、そういう観点から、この問題を国民的な広がりの中で考えていくためのイベント、こういうものにつきまして、大臣の御指示もございまして我々検討しておるところでございます。  その検討の方向といたしましては、まず、この問題についての関係者、地方自治体、民間等の意向の把握ということも重要でございまして、そのような意向の把握に努めながら、またそのような民間、地方自治体の活力を最大限にくみ上げていくということで、全国民的な広がりの中でイベントを考えてまいりたい、そのように考えております。  具体的な検討といたしましては、現在省内に、関係課長を主体にいたしまして、私が主宰して検討会、「食と緑についての博覧会」等のイベントの検討体制を整備して検討を開始したところでございます。もちろん省内だけの検討ではなくて、関係専門機関からいろいろ勉強のための意見を聞くとか、そういうことをやっておりますが、ここにおきまして、イベントの種類とそれをどのような形で実施していくかということ、また、国内また外国でどのような類似のイベントが催されているか、そのようなものも検討し、把握して、これを役立てながら検討を続けてまいりたい、そういうように考えているところでございます。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  今事務当局が答弁したとおりでございます。やはり基本的には産業とか生活とか技術、そういう形の中に食のあり方、食べ物への感謝、アフリカの難民、飢餓問題、バイオテクノロジー、ニューメディア、将来宇宙ステーションにおける食糧基地の問題、グルメ、食べ物、こういうものを含めた今先生のおっしゃったような雄大な構想。  実は私がこれを考えましたのは、基本的に一つは、農林水産業には夢がないのです。毎日攻められています。役人は非常に優秀で立派ですが、毎日守りでいっぱい。そこで、どう攻めに転ずるかということで、夢を与えたい。そういう形で活性化を図りたい。こんなことでこの構想を練って、最初は大分役所は渋っておりましたけれども、どうやら本格的検討に入ったというのが実情でございます。  そんなことで、今私が考えておりますのは、こういう形と並行しまして、来年度の予算でできれば調査費をつける、そういう形の中に、ひとつオールジャパンというような形でやりたいということで、例えば経団連の稲山さんとか、大槻さんとか日商の五島さん、そういう者を含めた委員会をつくりまして、うちの食品流通局が事務局長でやってみたいということでございます。  現在、例えば市でも、立候補してぜひやりたいというところがございます。また県でも十数県ございます。中には、驚いたのですが、我が省より進んでおりまして、数年前から県費を出して民間と協力して調査しておる県がございました。そんなことで、大いに頑張りたいと思っております。  それから、先ほどちょっと建設省の花と緑、一切聞いておりません。大臣が勝手にしゃべったのじゃないでしょうか。そのように理解しております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 大臣の夢のあるお話でございますので、どうぞひとつしっかり頑張っていただきまして、夢と希望を与えていただきたい、こう思います。  次の質問に移ります。  特定米穀についてお尋ねをいたします。くず米、砕米、規格外米、これらは食管法の改正によって特定米穀として位置づけをして、集荷については国の指定、販売については都道府県知事の許可による業者によって流通する、このように定められ、その流通については政府も一定の役割と責任を担っていると私は考えます。  この特定米穀は、食糧庁としても、いわゆる食管制度の周辺の問題かもしれませんけれども、これは食管に係る問題としてしっかり対応しなければならないものである、そのように私は考えますが、これが昨年、需給事情や取引価格において大変大きな問題を引き起こしました。加工業者の中には経営が危機的状況に追い込まれているところもございます。岩手のある工場は、経営にも問題があったわけでありますが、この大変異常な原料の高騰のために倒産したというようなうわさも伝わっておりますし、私も各地を歩きまして、特にせんべい業者の皆さん方というのは本当に零細、家内工業という方々が非常に多い。そういう中でべらぼうな異常な原材料の高値で大変な苦労をしてこられた。  食糧庁は、この異常とも言える特定米穀の需給の実態を当然前々から把握をし、対応してきておられると思うのでありますけれども、実態をどのように把握しておられるか、最初にお伺いをいたします。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 特定米穀の世界につきましては、主食であります米との関連もございますので、その集荷ないし販売について指定なり許可の形を今とっているわけでございますが、価格の面につきましては御承知のように自由な価格でやるという大前提がございます。  そこで、何と申しましても五十九年産米穀が大変豊作でございまして、したがいましてくず米の出が少なかった。今は一年間全体のものは推測できませんけれども、大体三十万トン前後のものが常に流れていたわけでございますが、ことしの十月になりませんとまだ前年と比較できませんけれども、我々の推察でも若干少ない出方になっていると思っております。  したがいまして、価格等につきましても、これは物によって大変値段が違うものでございますが、比較的良質のものを使っております酒米の世界で申しますと、酒用に充当される特定米穀につきましてはことしの三月あたりが最高でございまして、去年の出回りの時期のものに加えて二割程度上昇している。それから、一番価格が安い形で今まで流通しておりました、例えばビール原料等につきましては三月でちょうど倍くらい。これは物が少ないということだけではないのではないかと思っております。というのは、御承知のように四月ごろから逆に下がってまいっております。これはある種の相場と申しますか、ないものを前提でいろいろと値段をつり上げていたのではないかと思うわけです。  そういう状態で、特定米穀だけに依存されている方にとっては経営上大変問題の事態でございまして、特定米穀というものはあくまで自由な価格で動くものでございますけれども、その外側に過去におきましては過剰米の砕米、それから去年一部につきましては韓国からの返還米、それからことしになりまして他用途米というものを私どもそこにつぎ込んでおります。したがいまして、全体の業界として値上げによるいろいろな経営上の問題がございましたけれども、従来から砕米の世界と両方に足を置いて経営しておりました方々にとってはそれだけショックが少なかったわけでございます。  特にせんべい等の業者の方で専らくず米の世界だけに依存なさった方が原料不足というようなお話もございまして、これは各全国団体がございますけれども、例えば全国の米菓工業組合等を通じてそういう御要請もありましたので、その後において若干量的にもプラスをしてやっていただくようなことをやったわけでございます。二、三非常にお困りだというようなお話も出ておりましたけれども、最近におきましては価格が下がってきたことと、それから去年からことしにかけましては結果的には前年を上回る原料米の供給をする予定でございますので、問題はだんだん鎮静化すると思っております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 確かに酒類についてはかなりアップ率は低いわけですけれども、おせんべい用については七二・四%。私の手元には食糧庁からいただいた三月現在の、一番高値のときだと思いますけれども、データがございますが、それによると、せんべいの方は七二・四%アップ、みそ用は八四%、ビール用に至っては二五八・六%、二・五倍という数字が出ております。余りにもビールのくず白米が高過ぎるので、麒麟麦酒は四月三十日、もう使用しない、こういう発表を商社にいたしました。大体年間五万トン、その九割ぐらいはもう使わない。こんなことが発表になっておる。そういう要素も含めて、ここのところかなり値動きが激しくなってきている。値動きが激しいだけでなくて、先へ行くと逆に途中のいわゆる搗精業者とかそういう人たちは大変なことになるだろう、こういうふうなことまで言われております。  確かに自由市場の中で動いていく品物でありますから、政府が価格に介入するなんということはできない。しかし、片方では米消費拡大。これからもう主食用の米をふやすということはできない。ならば、いわゆる新規用途拡大と同時に、現在米が使われているものについては極力それを維持し、さらにはそれを発展させる。たとえそれが特定米穀であっても米には変わりないわけであります。そういう米に対する消費が一歩でも二歩でも後退するような現象が出てきた場合に、これは重大な問題だととらえながらでき得る限りの対応をしていくべきだ。  特にことしはこの二月から他用途米が市場に出ていくという、他用途米にとっては元年であります。いわゆる加工用原料米を政府が指導しながら生産農家にもお願いをし、転作作物の一つとして新たに導入してきた大事な元年にもなるこういうときに、去年は韓国米まで入れた、そういういろいろな状況が一遍に今一つのしわ寄せのような形でここに出てきてしまった。こんなことが年じゅうこれから続いたのでは困りますけれども、こういうことが起きないように万全の対応がやはり必要だろうと思うのであります。  言われているところによると、いわゆる他用途米も高騰するのじゃないかとか、また長官が今おっしゃったように、今までくず米を中心に使っていた人のところには、いわゆる政府の過剰米処理のあの破砕米の割り当てのない人には今度の他用途米も割り当てをもらえないのじゃないかとか、いろいろな心配がまだまだございます。そういうことで、ひとつ食糧庁にとっても大事な問題としてしっかり取り組んでいただきたい。  こういうところから食管制度そのものが実態はほとんどもうがたがたなんだというような議論までどんどん起きてきている。そういう面で責任の立場におありになる長官、ひとつ現場で本当にお米を、くず米を使いながらせっせと働いていらっしゃるそういう加工業者の方たちに同じような苦しみを与えないように、今後しっかり取り組んでいただきたい、このように考えますが、今後の取り組みについて御決意を伺っておきたいと思います。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 いわば破砕米なりあるいは特定米穀を利用する業界といいますのは、どうやってみましても今の特定米穀の世界だけでは量的に充足できないわけでございます。その外側に三十万トン弱のものが常に投入されませんとそういう需給関係がおかしくなりますので、私どもそうかといって、特定米穀の大きさをこちらがコントロールするのはなかなか難しゅうございます。これは豊凶差によってうんと違いますので、常に両方に足をかけておいて経営をしていただかないとこういう問題があるということで、実は各需要者団体が自分の組織内にそういうことを非常に強くPRをして、両方に足場を持ってやろうという形でやっておったわけでございますが、特に比較的潤沢に流れていた過剰米処理という場合ですと、これは幾らでも出そうと思えば出せるというような気持ちがありまして、安いときは専ら特定米穀に走るというような嫌いがあったわけでございます。  今回はそれの大変いい反省材料になったわけでございまして、実は業界も内部でそう指導しておりますし、私どもも、他用途米生産というものをある程度安定させますためには、自分の都合のいいときだけ使うということでは他用途米生産自身にも問題がございますので、今申しましたような両方に足を置いてバランスよくやっていこうということを業界に指導しておりますし、そういうことが浸透し、他用途米生産の方にとっても安定的な需要先になってくれるように、そういう指導を今後ともやっていくつもりでございます。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 どうぞひとつしっかりお取り組みをいただきたいと思います。  次に、他用途利用米の生産についてでございますけれども、昨年は他用途利用米を主食用にというような要請等もありまして、いろいろな問題がございました。この他用途利用米についてはまだまだ議論しなければならない問題点がたくさんあると私は思っております。その中でも、この生産に対する取り組みについて地域的にいろいろな格差が目立ち始めてきたということについて、食糧庁としてどう対応していかれるか、最初に伺っておきます。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 五十九年産につきましては、発足当初のこともございまして比較的一律的な割り当てという形になりまして、結果といたしまして、どちらかというと米の主産地と申しますか、米生産の比重の大きいところは積極性がございましたけれども、西の方を中心にいろいろと問題があったわけでございます。  今回は、他用途米生産を県別に割り当てます際に、県の意向というものをなるべく反映させようということでいろいろ調整いたしました結果、関東、北陸以東と申しますか以北と申しますか、そちらの地域では前年を上回るような形での御要望がございまして、そういう地域では昨年度の枠以上の消化と申しますか手を挙げてこられた。それに対して、中部から西の方にかけましてはどちらかというと取り組み方に消極的なところがございましたので、前年以下というような形で割り当てられた県が多うございます。  これを非常に安定した形にいたしますためには大規模な団地生産に向かっていくべきだと思っておりまして、例えばモチ米等につきましては、今モチ米生産団地というような、固まってかなり大規模におやりになるという形が進んでおりますが、この他用途米につきましても、できるだけ高能率の生産をしますためにはそういう方向が望ましゅうございます。ただ、現段階ですぐさまそれに移れませんのは、全体としての絶対量の確保ということがございますので、ことし考えておりましたようなことを徐々に拡大いたしまして、より効率的なところに生産を集中させていきたい。  この場合でも、地域もそうでございますと同時に、生産の単位としましてもなるべく共同でやるかあるいは特定の方に集中するかをいたしまして、今の体系の中でもより効率的な生産のできるところに集中させたいと思っております。各県等におきましてもそういう指導等もございますので、六十年産米においては前年産よりはるかに効率の上がる形になると思っておりますけれども、こういう傾向はさらに助長すべきものと考えております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 ちょっと時間が迫っておりますので、御答弁を簡明にお願いしたいと思います。  では、いわゆる助成策でございますけれども、都道府県、市町村また農協、いろいろな助成をしておられます。この助成策について、このままでいいのかなということも私は考えておりますが、同時に一番大事な問題は、現在政府が助成をしておるトン七万円、これについては最低限の助成だと私は思っております。これでは農家の皆さんにとっては全く不満でありますけれども、しかしこれだけは将来とも最低限確保しておくべきである。これをひとつ言明しておいていただきたい。どうでしょうか。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 私どもは当面七万円の水準を動かす気持ちはございません。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 次に、多収穫品種の開発に向けて逆七五三計画、試験開発を進めておられますが、多収穫であり、良質であり大量性の高い、そういう品種を一刻も早く開発していかなければならない、私はこういうふうに考えております。現在までのその取り組み、試験研究の成果、これは中間段階でいろいろなことはなかなか発表できないかもしれませんが、やはり研究開発というのは民間もまた役所も含めてオープンにして、どんどんいろいろな知恵を絞っていかなければならない。そういう意味で、ある程度わかっておれば明らかにしておいていただきたい。それをお伺いいたします。

櫛渕欽也農林水産技術会議事務局長

○櫛渕政府委員 逆七五三計画に基づきます研究開発の成果でございますけれども、御案内のように昭和五十六年から始めておりまして、十五年間で五割増収というのをこの研究の最終的な目標として、十五年計画のプロジェクトで進めております。  現在のところ第一段階の成果といたしまして、我が国の温暖地の西部を中心に非常に適性の高いアケノホシという品種を昭和五十九年度に育成をいたしたところでございまして、この品種はその地方の通常の栽培品種よりも明らかに一割増のものでございます。それで、さらに他の地域におきましてもかなり有望な系統が現在育成されております。これは北海道あるいは北陸地域に適応するものでございます。  それから、今後の展開の見通しでございますけれども、この研究計画では、育種の手法といたしまして、従来と異なりまして非常に収量の高い外国の品種、特にインド型の品種、こういったものと日本の品種との交配というものを中心に進めております。さらにまた、最近はハイブリッドライスということでF1の育種、これも手法の中に取り入れてございます。F1の育種、ハイブリッドライスにつきましては、先般北陸交一号という、この面の第一号を育成いたしたところでございまして、今後さらにこれにかわる多収のものが育成される予定でございます。  なお、先生が先般ごらんになりましたように、筑波の研究所等ではバイオテクノロジーで稲のプロトプラストから植物体を再生させる、これは世界に先駆けた非常に画期的な成果でございますが、こういう成果も最近上がっておりますし、さらに非常に広い遺伝資源として野生種あるいは在来種、こういうものを中国雲南省等との共同研究で最近導入しておりまして、こういった広い遺伝資源あるいはバイオテクノロジーの手法といったものを一層活用して、おっしゃるような非常に高収で良質、大量のものの育成を指導するように今後とも努力していきたいと思っております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 大変御苦労さまです。どうぞしっかりお取り組みをいただきたいと思います。  次に、臭素汚染米の処分についてでございますが、これは大変食糧庁が苦慮されておられるわけですけれども、これからもかなりの保管経費がかかるということで、各方面から指摘をされております。今具体的にどういうふうに取り組んでおられるか。かなり大事な国民の財産でございますから、本当に本格的な取り組みをして、一刻も早くぴしっと方向づけをする必要があると思いますので、お伺いをしておきたいと思います。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 臭素汚染米で五〇ppmを超えますものについては、これを早期に処理するという観点でいろいろ実行もいたしているわけでございますが、これにはやはり、そういう害がないということ、それから横流れを絶対させないこと、それから財政負担もなるべく軽減できること、この三つの条件で考えております。現在既に処理をいたしておりますものは、人間の口に、直接的にはもちろん間接的にも入らないということで、合板用ののりとか、それからミンクの飼育用のえさといったようなものには現在処理をいたしておりますが、これを動物のえさにします場合には、やはりそれがどんな結果が出るかというようなことの試験、それからもう一つ、アルコールにいたしました場合の試験というものを二つ続けてやっておりまして、近々結論が出ますので、厚生省とも十分連絡をとりまして早期に極力合理的な処理をするつもりでございます。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 頑張ってください。  最後に、ビール麦のしま萎縮病に対する抵抗品種のことについて、私、先般の委員会で御質問いたしました。農蚕園芸局長からは、この最近の激発に対してできるだけ速やかに対応するということで御答弁もあり、真剣に各関係者と協議を進めていただいております。  そこで、やみくもにすぐいわゆる契約品種にせよというようなこと、これは当然できないことであります。よくわかっております。そういう中で、六十一年度の大量醸造試験用としての生産、その中で関東二条二十二号の作付をできるだけ拡大をしていっていただけるように指導をしていくべきではないかな、私はそう考えるわけでありますが、お伺いをしておきたいと思います。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○関谷政府委員 六十一年産のビール麦の中で、お尋ねの関東二条二十二号の大量醸造試験の数量の問題でございます。  これは、もともとは特例的に一千トン生産する予定でございますが、お尋ねのようなしま萎縮病の多発の状況に対処しまして数量の拡大を図りたいということで、今関係者との協議を進めておるわけでございますが、やはりことしやっております小規模醸造試験の結果も見ること、それから二条二十二号自体の種の生産状況、これらも踏まえまして、私どもとしましては今月中を目途に関係者を指導しまして、できるだけ数量拡大の方向で指導いたしたい、かように考えております。

水谷弘公明党・国民会議

○水谷委員 以上で終わります。ありがとうございました。

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 次に、武田一夫君。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 私は、まず北洋サケ・マスの問題を中心にお尋ねをいたします。  随分御苦労があったようであります。いろいろと難航しておりました日ソサケ・マス交渉が決着をして、先ほどの昼のテレビを見ていますと、出港している様子が映っておりました。あの中で、見送りの人が涙をこぼしていましたね。あれはどういう涙かわからぬけれども、苦労の思いが、見送る人の心情があのような姿にしたのではないかと思うのであります。  現地で交渉に当たられた長官等、大変御苦労したようでありまして、それには敬意を表したいのですが、一カ月以上も港に足をとめられ、やっと船が出ていく、しかし出ていく船は果たしてサケ・マスが十分にとれるのかなという不安が随分あるのじゃないかということも私は考えられますし、そういうことを思うと、今後漁を終わって帰ってきて、漁期が終わった後、いろいろな問題がまたここに出てくるのではないかということも考えられますので、そういうことも含めまして大臣にひとつお尋ねしたいのですが、非常に交渉の内容が厳しかったということ、二千四百トン前年より少ない漁獲量ということ、それからまた、漁期が一カ月おくれということは、もう三分の一食い込んでいるということ、そういうことでございまして、サケ・マス漁業関係者は約二十万人もいるという話も聞いておりますし、特に北海道というのはその割合が非常に多いということでございまして、そういう方々の不安をひとつこの場で解消をしておいてほしいなという思いもあるわけでございます。  そこで、まず最初に、外務省に来ていただいておりますからこれは一般論としてお聞きしたいのですが、外務省としては、農林水産省といつもいろいろな面で御協力をいただかなくちゃならない点が多々あるわけであります。そこで、日本の水産外交の基本姿勢というもの、これは農林大臣には後でお尋ねするつもりでありますが、どういうふうに考えているのか。特にソ連との漁業問題について、ソ連の水産外交というものについてはどういうふうに考えているのか。ある人は、今転換期に差しかかっているのじゃないか、ということを考えますと、ここでやはりはっきりした方向性というものを打ち出しておかなければならぬというふうに私、思うものですから、その問題を外務省とそれから大臣にもひとつ御所見を聞いておきたいな、こう思うのであります。

野村一成外務省欧亜局ソヴィエト連邦課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のとおり、二百海里時代というのがもう定着しつつございまして、今般のサケ・マス交渉につきましても、新しい海洋法条約に基づく海洋秩序という一般的な枠組みができておるというのが実情でございまして、その中で母川国の立場、これはソ連でございますけれども、それと伝統的漁業国の立場、これは日本でございます。その場合に、どうしても母川国の立場というのが、実際の交渉になりますとより強く反映されるというのが実情でございます。  したがいまして、新しい海洋秩序の定着化に伴いまして非常に厳しい状況になってきているということでございますけれども、先ほど先生から御指摘のございましたように、私ども、農林水産省とも十分緊密に、日ソ漁業交渉については、従来、非常に緊密に一致してやっておるわけでございますが、今後ともその協力関係を緊密にいたしまして、漁業の分野における協力関係の推進ということをソ連との間で図りながら、日本漁業の、我が国漁業の安定的操業の確保という方向に最大限努めてまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 武田先生にお答えいたします。  今外務省から御答弁があったわけですが、実はこのたびの日ソサケ・マス漁業についても、先ごろ外務大臣の御英断によってうまく片づいたこと、いつも外務省には感謝しておるわけでございます。  そんなことですが、米国、ソ連を初めとする各国の二百海里水域におきます我が国漁船の操業問題につきましては、先ほど外務省から御答弁がありましたように、沿岸国の資源ナショナリズム等を背景として、またサケ・マスについては、いわゆる母川国主義が国際ルール化したことによりまして締めつけが強まりつつあり、ますます漁業交渉の難しさが増してきておりますが、我が省といたしましては、今後とも粘り強い漁業交渉に最大の努力を払うとともに、漁業の分野における協力の推進等を通じまして、我が国遠洋漁業の存続に努めてまいりたいと考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 この母川国主義というのを事実上認めたということで、新協定の発効で日本のサケ・マス漁業というのは冬の時代に入ったのだというような評論もされておるわけです。もうこういう今日の事態は四、五年前から予想されていたんだ、ですから、業界もそれに対する対応がちょっと甘かったのじゃないか、政府もそういうものに対する予想される対応をきちっとすべきであったのが、非常に現状認識というものが甘かったのじゃないかといって評論される方々もいるわけでございまして、そういうことを考えますと、やはりそれは謙虚に聞かなければならないのじゃないか。  今回見ていますと、全体的にはもう向こうのペースで全部やられてしまったと言わざるを得ない。一生懸命努力したという評価はあったとしても、結果としては全部向こうが一切合財仕切ってしまった、こういうことであります。そうなりますと、今後この状態というのがまた続くとすれば、北洋の漁場から日本の漁業者を締め出すような方向に行くのじゃないか、そういう一つのスケジュールの中での交渉の今回の厳しさじゃないかということを心配する向きもあるわけであります。そういう点はいかがお考えでございますか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  実は二つございまして、一つは日ソサケ・マス漁業の件でございますが、海洋法条約というのがございまして、これはまだ批准されておりませんが、日本は一九八三年にこれに署名しております。それからソ連は一九八二年に署名しておる。これが母川国主義を認めておるということでございまして、今度の交渉におきましては本当に外務省と水産庁はよくやりましたが、その方向に従ってやむを得なかった、このように考えておるわけでございます。また、二百海里経済水域につきましては、昭和五十二年の暫定が昨年恒久化したわけでございまして、これはともに資源ナショナリズム等を実は背景として、かなり厳しくなってきた。  ただ問題は、ソ連が日本に対しましてかなり厳しいということでございますが、実は二百海里経済水域につきましては世界ともみんな厳しく、例えばソ連のことを言いますれば、EC六十万トンがゼロになりましたし、またカナダはゼロになりましたし、アメリカは四十五万トンがゼロになった、ニュージーランドもゼロになったということで、ソ連も日本以上に世界じゅうの経済水域から締め出されたということでございまして、今後とも二百海里経済水域につきましては各国とも厳しい状況が続くものだ、このように考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 そういう厳しさを乗り越えるためにどうしていくかということを本格的に考えなくてはいけない。そうなれば、これから冬の時代、厳寒の時代に入っていくと覚悟しなくてはいけない。そうなればやはり、こうした現状の打開のために政府としては長中期の展望をしっかりと提示しながら、業界にもいろいろと働きかけ、指導しながらこれを乗り切っていく対応をしなくてはいけないのではないか、こういうふうに思っているわけです。  特に私は、国内資源のサケ・マスの問題をもっと重視した方向というものを本格的に考えながら、全体的に含めた構造改善のための取り組みをしっかりとする、それについては国もしっかりと財政的な裏づけをしてあげるということで、これはひとつ業界をバックアップしてやらぬと、今減船とかいろいろな話が出てきたらえらいことになるのじゃないかと思います。  実は、北転船の減船で宮城県も相当苦労した。それで非常に今問題が出ているわけです。非常な離職者の問題。大体この間の北転船の減船で五百九十人ほどが船をおりたわけです。そうしましたら、現在まで一生懸命努力しているのですが、わずか百五十九人しか職につけないのですよね。この問題を云々ということはしませんが、万が一それと同じような事態がサケ・マスの中に出てきたら、これは相当地域経済に対する影響も大きい、大変な問題になるのじゃないかと思うわけでありまして、この問題を一つ考えただけでも、やはり今後の万全の体制をこの機会に政府としてはとっていかなくてはならないと私は思うのですが、どうお考えでしょうか。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 サケ・マス漁業が今後ますます厳しくなるという御指摘は、恐らくそのとおりになる可能性が高いのではないかと思います。これまでも決して情勢は易しいものでは到底あり得なかったわけでございますが、さらにこれ以上に厳しくなる可能性が強いというふうに認識しております。  今後の措置につきましては、今回の協定の交渉の結果が実際の操業に及ぼす影響、それからまた、ことしの漁業自体がどういうふうにいくかということを見定めた上で、長期の問題もあわせながら考えていかなくてはいけないと思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 この問題は悠長に考えておれないわけですから、また来年も聞くわけですから、その前に、七月に終わって帰ってくればいろいろ問題が出て、恐らく政府の方に何だかんだと注文がついてくるのではないかと思いますので、それまでにある程度のことは頭の中で整理をしておいた方がよいのではないかと思います。  そこで私は、もう一つ大きく心配するのは、漁獲量の削減と一カ月おくれの出漁による漁業関係者に対する打撃が相当深刻に襲ってくるのじゃないか。昨年も四万トン丸々とれないで一航海だけで帰ってきたと聞いております。行ってもとれないから帰ってきている。しかしながら協力金は丸々取られちゃったわけです。まけろと言ってもまけない。なかなか向こうは商売が上手ですね、あれは見習わなくてはいけない。ことしはその二の舞をさらに重ねるのじゃないかというような気がしてならない。  そうしますと、私が第一番目に心配なのは、特に太平洋の中型流し網業界の皆さん方の受ける打撃というものをある程度想定しておかなければいかぬのではないかという気がしてなりません。こういう方々がもし万が一その不振によって、漁獲量が思うようになかった、いろいろな経費の問題、借金の問題等でいろいろな救済措置を求めてきた場合の対応を今から考えておいてほしいと思うのでありますが、この点についての取り組みをどういうふうになさるつもりか、お尋ねをしたいと思います。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 特に中型流し網について御指摘があったわけでございますが、最近三年ほどの操業結果を見てみますと、五月中の漁獲量が、大体一万八千トンぐらいのクォータの中で平均しまして約五千トンぐらいでございます。昨年クォータを達成しなかった業種はこの業種でございますが、ことしの漁況との関係で、ことしの一カ月おくれというものがどういう形に出るか、その結果を見てから実際にどういう措置をとるかということについては検討させていただきたいと思いますが、それまでに十分研究はいたしておきたいと思います。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 これは大臣、借金の償還期限の延長とかあるいはまた赤字補てんの融資の問題とか、あるいは場合によっては減船の問題が出てくるという心配もあるようなことがあるとすれば、それなりに考えられる項目があるわけですから、そのときに、こうすべきだ、心配するなというくらいの対応はひとつ考えてほしい。七月いっぱいとれればありがたいのですが、どうもそれが心配でなりませんので、こういう対策については万々手落ちのないようにお願いをしたいと思うのであります。  それで、次の問題でありますが、協力金というのをちょっと聞いておきたいのですが、協力金の性格というのはどういうものであって、これはどこからその金が出ているのか、その金の出どころをまずひとつ説明をしてもらいたい。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 昨年の場合で申し上げますと、四十二億五千万円のうち十七億円が国庫の補助、その他の部分が関係漁業者の負担になっております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 そうすると、十七億円というのは国民の税金だということになりますね。国民の税金でありますから、どういう内容の協力金としての使用というのを、国民が納得するような方向で説明をしてもらいたい、こう思うのです。どういうふうなところで向こうがお使いになっているものか、知らせてもらいたいと思います。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 この協力金につきましては、ソ連側は、北洋サケ・マス資源の維持増大のために投資した経費の一部を日本に補てんをしてもらいたいということを言っておるわけでございまして、日本側からは、大日本水産会を通じましてソ連側に対しまして毎年機械及び設備を提供してきております。具体的には、その設備の内容としましては、サケ・マスの幼魚飼育設備あるいはサケ・マスふ化飼育研究設備、あるいは稚魚の豊度等を測定するための魚群探知機等になっております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 そういうものが資源の維持拡大のために相当役立っているものかどうか、その点はどうなんですか。協力してあげたのだから、こちらが魚をとらせてくれと言ったときにはもっと快くとらせてもらいたいなという気持ちがあるわけです。それが資源がどんどん減っていくとか資源が厳しいとか言われれば、やはりこれも一匹の魚当たり幾らかの計算でやっているのでしょう。そうなると、国民の税金を正当に使っていただかないと困るわけでございまして、いかに外国の方といえども、その点は我々日本国民としてはよくその内容を知りながら、直すべきところは直さなくてはいけないのではないか。特に計算の中身が果たして合理的なものか。四十二億のうち十七億を国が出している、その点なんかも疑問を持っている人が相当いるわけです。その点なんかもここでちょっと聞かせていただきたいと思います。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 ソ連側が常に主張しておりますのは、ソ連がサケ・マス再生産のためにかけている費用が全体で百数十億から二百億に近い金であるということを言っておりまして、毎年のソ連の漁獲量と日本の漁獲量でこれを案分しまして、日本側にそれを割り当てて払ってもらいたいのであるということを言っております。しかしながら、ソ連側がかけております総額は聞かされるわけでございますが、具体的に何に幾らかけたか、いろいろ河川改修等の土木事業や何かの費用も含んでいるやに聞きますし、ですから、我が方としてはそのような算式を受け入れるということではなくて、実際に我が国の漁業者がある程度の国の補助のもとに負担し得る範囲内で何とか交渉をおさめているというのが実情でございます。  現にことしの交渉におきましても、ソ連が最初に言いました額は五十億から五十五億、それから日本に渡す漁獲量は三万五千トンであるという主張から始まったわけでございますが、佐野長官以下交渉団の粘りによりまして何とか金額については昨年並みのところまで引き下げ、それから漁獲量については当初の先方の提案よりはわずかながらとにかく上乗せすることができたというのが実情でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 それから最後に、漁業交渉の過程でやはり日本の漁船の違反操業の問題が指摘されたそうですね。私はこれは前から、国際信義の上から、きちっと指導監督しながら、そうしたふらちな行為がないようにすべきだと言ってきたのですが、こういうふうに厳しくなるとますます出るという気がするのです。採算のことを考えますとどうしても私は心配なんです。この点の指導監督をきちっとやっておかぬと、それをまた盾に来年の材料として使われてしまうということで、この問題について相当目を光らせて、苦しい中でもやはりそういう不法な違反行為というのはやらないようにしていかなくちゃいけないのじゃないか。漁業者にとっては大変つらいのだけれども、そういうソ連の方の厳しい目を逃れることはできないようです。それでもなおかつ出てくるわけですからね。  何か韓国や台湾の方では全然そういうことは関係なくやっているのだそうですね。ですから、台湾や韓国は違法を承知の上で取り締まりを逃れながらやっていると日本も抗議しているのだけれども、一向にらちが明かないというような話も聞いていると、これはもう各関係国で、そうしたことのないような、きちっといろいろ守るような、取り締まりの対応の一番の模範的な国として進んでいってほしい、こう思うので、対応をしかとやってほしいと思うのですが、いかがでしょうか。

斉藤達夫水産庁次長

○斉藤(達)政府委員 ただいま先生から御指摘いただきましたこと、肝に銘ずるつもりでございます。これまでも鋭意努力をいたしまして、漁業者の自覚もかなり深まってはおるのでございますが、まだまだ違反は後を絶っていないというのが現状でございまして、御指摘のように、今回の交渉でもその問題を向こうから持ち出されて、交渉にある程度の影響が出たということは事実であったと思います。水産庁といたしましては、まさに先生がおっしゃるように、違反をすることが翌年の交渉に響く、自分の首を絞めるということをさらに漁業者に認識願いまして、他方、取り締まりも強化をするということで、その根絶を期してまいりたいと思うわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 大臣もひとつその点よろしく御配慮いただきたい。  時間の関係でこの問題は以上にしまして、次は経済摩擦、市場開放の問題で二点ほどお尋ねします。  大臣は四月二十日ごろですか、政府の対外経済推進本部の初会合においでになりまして、農林水産業は生命産業、「原則自由、例外制限」の「例外」に該当する、こう一生懸命頑張ったそうであります。そうしたら、周りにいた総理初め閣僚、党の首脳からたしなめられたと新聞記事に出ているのですな、ちょっと古い新聞をめくってみましたら。そして、会合が終わってから、こんなことでは農林大臣のなり手がない、次の選挙では落選するからなというような率直な胸のうちを述べられたと新聞に書いてあるわけです。四月二十三日の日経新聞に書いてある。正直な大臣だから、私はこれは本当だなと思うのです。  そこで、非常に大変な六、七月という時期に来ているわけですが、政府は四月九日に対外経済対策、それから四月十九日には市場開放行動計画、いわゆるアクションプログラムの策定要領を決定して、七月をめどにアクションプログラムの策定を進めているということでございます。その現況はどうなっているのか、まず聞かせていただきたい。  それからもう一つ、この計画の策定の過程にあって、中曽根総理が、これは原則自由であり、農産物といえども聖域ではないという発言をしたという、その発言の中に、農林水産物の市場開放を進めるような考えを披瀝しているということも聞いておりまして、この問題についてはもう農業者団体から随分抗議の電報やらはがきが舞い込んで、余り舞い込むものだから、これはだれかがけしかけて書かせているのではないかとか言って、そんなことは自粛せよ、こういうようなことを言ったという話も出ている。そんなに責められるのが嫌だったらそういうことを言わなければいいものをという気がするわけであります。それが事実とすれば、大臣としてはそうした総理の考えを説得をしなくてはいけない。その責任があると思う、農業者を守る、農業を守るという観点から。  そのこととあわせまして、今後恐らく農業者団体は大会を開くということでありますから、その中でこの農産物の市場開放の問題については徹底して反対するように働きをかけながら要請をしてくると思うわけであります。先ほど来ずっと大臣は非常にかたい決意を披瀝されておりまして、私も心強いわけでありますけれども、関係閣僚の中にまたそれを否定するというか、けしかけるのがいるというのは、閣内の不統一というのは一番怖いわけであります。おのおの分分に従って、自分の利益、自分のセクションだけの利益でなくて、国全体の利益、農業というものを守る、これが国の大事な基本方針であるということを踏まえた上で説得をしてほしい。これをやるのは農林大臣をおいてないと思っている。この点についての大臣の決意をお聞きしたいと思うのであります。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 武田先生にお答えいたしますが、ちょっと話がオーバーに伝わっておるもので、中曽根総理は農林水産物には大変御理解をいただいて御後援いただいております。また閣僚は全部私の味方、こう理解しております。また、この間のときのいろいろな発言がございますが、これは新聞が少しオーバーに書いたので、私に対する激励と温かく受けとめておるというわけでございます。  それで、中曽根総理の発言につきましては、これは先生御存じのとおりでございますけれども、例えば五月九日本会議におきまして、アクションプログラムにおける農業の取り扱いについては、国際的に説明できるものでなければならないが、国民生活あるいは国民経済における役目等々も十分考えて、その特殊性に留意しつつ行うべきものであると考えている旨答弁されています。そんなことでございまして、我が省としてもこのアクションプログラムの策定につきましては、四月二十二日に事務次官を長とする策定委員会を設置して検討を行っております。  また、実は農林水産物につきましては、一応アクションプログラムの基準につきましては「原則自由、例外制限」とございますが、私は農林水産物個々につきまして、策定基準に例えば国民生活維持とか環境の保全とかいろいろな項目がございますが、そういうことで農林水産物の個々につきましてはあるいは単数あるいは複数で例外に当たるものだ、こう理解している、そういうことでございまして、農業は生命産業として大変重要なものである、こういう理解のもとに今後とも関係各方面の理解を求めるように説得に努めたいと考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 随分温かい大臣ですね。気持ちの非常に豊かな大臣だとしみじみ今思いました。だけれども、それであればやはりその席で、それはそうだという一人二人の発言がちょっと出てきても私はいいと思うのですよ、新聞だもの。私も新聞記者を六年やりましたよ。それがどこを見ても、ずっと見てみますと残念ながらないのですよ。そういうことを考えますと、私はもう一度この機会に、よく大臣の今お述べになった心情を体を張って訴えて説得をしながら、そして農家の皆さん方に御心配をかけませんと言ってほしいわけであります。その時期が間もなく来ます。どうか今度全中なんかの大会があったら大臣は出てきて、その感情の露頭するところをひとつしゃべってほしいなと思うのです。代理なんかよこさないでくださいよ、いいですね。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 今閣僚のお話が出ましたけれども、実は正直に言いますと、閣僚になりますと所管外の発言はなかなか厳しい点がございます。そんなことですが、目が物を言うということで、目で大体わかりますね。皆温かい御理解をいただいている、こう考えております。  そんなことで、今先生の言われたような気持ちで、農業の重要性を特に皆さん方に御理解を求めるよう大いに努力しますとともに、いつも言っておりますけれども、やはり日本農業を守り、その健全な発展をどうして図るかということとともに、関係各国との友好関係にも配慮しながら慎重に対処いたしたい、このように考えているわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 これから関税引き下げの問題等いろいろと御苦労があると思います。だけれども、やはり対日貿易赤字の解消等には根本的な解決策ではないというのは重々知っているわけです。しかもいろいろと関係省庁の、特に一番苦労されている課長さんや現場の人に聞きますと、タイの骨なし鶏肉の問題にしたって合板の問題にしたって、何も日本は特別に差別しているわけでもないのでしょう。向こうは経済的には収入も非常に少ない、働く方々が非常に貧乏である、地域の皆さん方は極端に悪いですね。そういうことがあるかどうかわからぬけれども、日本としてはいろいろな面で、どちらかというと御協力申し上げているわけでしょう。それは皆さん方も知っているわけですよ。もちろん総理を初め関係閣僚も全部知っているわけですから、そういうことをしかと理解を進めて、もう一回——立派なデータがちゃんとあるわけですから、私も見せてもらいましたが、どこをとっても責められるところはないのですね。  だからそういうことで、この次に新聞記者に会ったときにはきちっと書いてもらうように、また今度は新聞記者に対する闘いもあるわけですから、オーバーに書かないで、こういうところをオーバーに書いてくれと、これも世間に対する、国民に対する一つの大事な責任だと私は思うのです。その頑張りに期待しておりますから、今度新聞に出るのを楽しみに待っております。  最後に、米の問題を一つ聞いておきたいのであります。ことしの米価のシーズンが間もなくやってきます。毎年のことでありますが、引き下げの話が出たり据え置きの話を出してくるわけですね。昨年がよくたって農家の皆さん、特に米作を中心とした生活をやっている皆さん方の経営なんて、そんなに好転しているものではないのですよ。四年間のいろいろな苦労を考えたら、あと四年くらいこういう去年みたいな状況がなければ本当を言うとこんな話は出せないと私は思うのです。財政当局は財政論を盾に言ってくる。しかしながら財政論だけで物事を考えれば農業なんというのはとてもとても問題にならない、範疇外にいってしまいます。  ここで私は先ほどからずっと聞いていると、大臣は、値下げなどは絶対しない、新聞でも、この間大蔵省が値下げなどと言うけれども絶対阻止する、こう言っていますから、これは間違いなく阻止するように頑張ってもらえると思うのだけれども、据え置きもしないとは言っていないわけですね。  据え置きの話なんというのは農家の経営の実態をよく見たら言えるものは一つもないですよ。財政当局が言うのは表面的な、家を建てたとか自動車を持っているとか貯金が幾らあるとかということでしょうが、しかしその中身をよく理解しての話はさっぱりないわけです。一千万くらいの貯金を持っている、一般の勤労者は四百万しか持っていないと言うけれども、農家の方々のその貯金の六割か七割というのは農業経営のためにいろいろと使うためのいわゆる資金だ。しかも一人の稼ぎではない、四、五人、最低でも二、三人ある。労働時間だって全部違うだろう。それから世帯主の年齢を見ても、農業が平均五十四、五歳、勤労者が四十三歳のデータでもって比較するというような、こういうのを一つ一つとっていけばまだまだ農家の活力というのは——去年一年くらいの米価の、しかも値上げしたってたった二・二ですよ、大臣。今まで五%とか三%というのはないのですよ、ここ五、六年見ても。どうです、大臣、ことしは思い切って、こういうときにもっと農家の活力を大きくするために、去年が二・二%だから三%や四%は、いや、これから出てくる要求、幾ら出てくるかわからぬけれども、それくらいは今後の日本の農業を守るための大事なエネルギーだとしてきちっと認めていくのだというくらいの発言をすれば、新聞記者はきちっと正確に書いてくれる。御所見を聞かしてもらいたい。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えします。  先生のおっしゃる気持ちと意味は理解できないことはありませんが、生産者米価についてはまだ何も決めておりません。  それから、これはいつも言っているとおりのことで申しわけございませんが、例年どおり食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しつつ、再生産の確保を旨として、米価審議会の意見を聞いて適正に決定したいと考えております。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 同じ答弁じゃなくて、たまには変わっためり張りのある答弁を期待したいのです。言えなければ、腹の中ではそういう決意をきちっと持ってほしいのです。内鑑冷然という言葉がありますので、心に思っていても言わない、大臣は心にそういう決意を持って米価のシーズンを迎えてほしいと思う。  それからもう一つ、私が納得いかないのは、良質米の奨励金削減の話が出てくるのですよ。おいしい米を食べて消費拡大に役立っていながら、しかも自主流通米として多くの皆さん方にどんどん食べてもらってその志向度が高くなっているときに、それをカットするなどというのではつくる方の苦労というのは全然報われませんよ。全然報われなくなったら、少ない量の良質米をつくるよりも標準米で収入をたくさんとっていこうという方向に転換せざるを得ない。こんなことを考えるのはどこのどいつだと言いたいのです。特に都会においてはもう八〇%近くが自主流通米だ、東京にお住まいの方あるいは大阪とかそういう大都会が。我々宮城県の良質米をつくっている人間は三〇%くらいでしょう、みんなこっちにとられるものですから。私なんかこっちに来たごはんの方がおいしいときもあります。  ですから、これくらい一生懸命頑張っている、しかも数量が先ほど言いましたように少ない、それから経費もかかる、苦労の度合いが違う、そういうものを削減の対象にするというのは、これこそまことにもって矛盾の見本のようなものなんです。大臣もひとつ今度、この間盛岡に行ったそうでありますから、宮城県においでいただいて、鹿児島の次は宮城県あたりで農業の関係者とのお話し合いをしていただければ、私もおいしい米を提供して、温泉に泊めてでも食べていただいて、米のおいしさと、それからおいしい米が出てくるのにどれほど苦労があるか、経費はどうなんだというのを御説明したいと思うくらいであります。  この点もことしは大きな焦点になろうと思うので、今から大臣にこの心がけをしていただきたいと思う意味合いを含めまして、こういうものに対する正当な評価をしてほしい。過分の評価でなくて正当な評価をして、しかとそういうものを守り育てていく決意を私は聞きたいと思うのであります。いかがでしょうか。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 良質米奨励金を含みます自主流通米に係る奨励措置につきましては、いろいろな形で見直しをしながら現在まできているわけでございます。私ども良質米奨励ということの必要性は十分考えておりますけれども、どういう水準でどのように助成することが一番いいか。例えば、御承知のように過去におきましても自主流通米の総体数量がふえ過ぎまして、結果的に値引き販売をするようなことになったとかいろいろな経緯がございます。私ども、そういう自主流通米の持っております意味というものは十分考えまして、しかしどういう形のが一番望ましいかということで検討いたしておるわけでございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 いずれそのときが来ましたら、またいろいろなデータを持って御質問をいたしますけれども、生産農家にとってはもうこれは希望の光です。その光を絶やすことなく、よき農政を展開してもらいたい。ただ絶やすだけでなく、細々とじゃなくて少しずつでもいいから明るく燃え続いていくような農政にしてほしい。そうでなければ、その明かりがしょぼしょぼと消えていく、ここのしょぼしょぼ消えていく中で農業を支え守っていくという意欲も気力も衰えていくのだという一つの象徴であるということも知ってほしいわけでありまして、この点私は、大臣が今度の米価における主導権を握って、最後は農林大臣が決めるわけですから、総理が何と言おうと大蔵大臣が何と言おうと、本当にそういう正当な公正な物の見方の上での判断を十分して、農家の皆さん方にさすが男佐藤守良農林大臣だと、歴史に残るようなことしの米価にしてほしい。私は、ことしの米価というのが一つの転換期を迎えていくのではないかと思うだけに、そのことを強く切望するわけでありますが、最後に御決意を聞いて、まだ時間がありますけれども、決意の中身によってやめたいと思います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。  今、実は食糧庁長官が答えたとおりでございますが、夢のある農政、これは私も全く同じでございます。そのためにはどうするかということに今努力しているわけでございますが、自主流通米制度の健全な発展を図る立場を堅持しながら、自主流通米の流通実態等を踏まえ、その縮減合理化につき現在検討を行っている最中でございます。

武田一夫公明党・国民会議

○武田委員 それじゃ、よしとして質問を終わりにいたします。ありがとうございました。

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 次に、滝沢幸助君。     〔委員長退席、田名部委員長代理着席〕

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 発言の機会を与えていただきまして、御配慮ありがとうございます。大臣、長官、どうも御苦労さまです。  今ほども武田先生よりるる米価のお話をいただいたところでありますが、またことしもいわゆる米価の季節がやってまいりました。  初めにお伺いしますが、今日まで各委員よりもお話のあったことと思いまするけれども、ことしの米価の決定に至りますまでのスケジュールをちょっとお伺いさせていただきます。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 まだ日程を決めておりませんが、従来からの例で申しますと、最初に麦の価格をやります審議会を六月の下旬に大体開いておりますが、それに引き続きまして七月の初旬から中旬にかけて前広米審なりあるいは本米審を開くというのが従来のパターンでございます。昨年は著しくおくれておりますので、昨年のようなおくれたタイミングではやりたくないと考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 ひとつ速やかに作業を進めていただきたいというふうにまず要望申し上げておきます。  ところで、今も、ことしの米価決定の作業は一つの転機であろう、こうおっしゃっているわけでありますけれども、実は私はこの五月七日に——私自身が何十年継続したことになりましょうか、恐らくは五十年がほど継続していることでありまするけれども、父母と一緒に田んぼに入って幼いときに田植えの手伝いをいたしました。以来、ことしまた朝から作業服に着がえて田植えをさせていただきました。つまり私は今日まで、兵隊にとられておりました一年を除いては、田んぼに入ってみずからの手で稲を植えない年は一年もないといういわゆる生産農家でございます。  これから申し上げることは、その日にみんなが田のあぜに集うて、そしてお握りを食べながらのお話の伝達というふうに承っていただけばありがたい。つまり、党の農政部会で、文書で、資料で論議したことではなくて、いわゆる田のあぜの農政談義であります。  私は、今日まで日本の農政に過ちありとするならば、農林省が大きなビルの中で立派なお部屋で議論されているところに、本当に農家の方のかゆいところに手の届かない、痛みに手を触れることのできない農政の弱みがあったのではないか、こう思うのです。つまりは私は、農林省は田んぼにおりてきなさい、こういうふうにまずもって要望を申し上げながら、これからの議論を申し上げさせていただきます。つまり、これは田んぼのくろで、滝沢、おまえはあしたもう東京に行くんだろう、国会じゃどういうことになっておるのかということで、大臣ないしは長官にかわって私がしどろもどろにお答えをしたことのお伝えであります。そういう気持ちで聞いてちょうだいしたいのですけれども、このスケジュールの話から始まっていったわけであります。  ところで、米の値段が決まるその基本は何だろう、こういうことでありました。そこで、今ほどもいろいろと議論のあったところでありまするけれども、私は、私の知っている範囲のことをそれこそ率直に申し上げました。つまりは、今いろいろなこういう物価指数、物価体系の中で、しかも公務員のいわばベースアップを初めこういう賃金体系の中で、幾らの米を食べていただくことが適切なのかということがそもそも米価のあの制度の発足であったように思うよ、こういうふうに私は答えたところでありますが、いろいろその後変遷はしてきておりまするけれども、大体そういうことではないでしょうか。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 今、先生御指摘になりましたのは、消費者米価に関しまして、家計の中で安定した形で消費できるような形で消費者米価を決めていくというのが今の御趣旨であろうかと思います。  それから、もう一つの生産者米価につきましては、御承知のように今の生産費所得補償方式ということで、一定の生産費を掛けまして、その人たちが働いている家族労働等も含めて所得がある程度均衡した形で得られるように、しかも再生産が確保できるようにということで決めておるわけでございまして、二つの米価につきましてはそれぞれ違った原則で決めているのが現状でございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 わかりました。そういうことでありますから、消費者米価の方はおっしゃるとおり、私がお答えしたとおりでございますね。  しかし一面、生産者米価の方になりますると、農家では米をつくるために幾らの金がかかるんだろう、このことですね。その接点の合わない部分の落差がつまりは食管赤字でしょう、そういうことですね。そうだとするならば、果たして今の米価は生産費を補償しているんだろうか、このことが議論されるところであります。  しかしその議論は、いろいろと諮問の数字もこれから苦労されることでありましょうから、今私はしばらく触れることをおきまして、率直な、これまたいわゆる田のあぜの素朴な議論を質問の中からお伺いさせていただきますけれども、どうして米価が決まるときには一切よその電力料金、肥料、そしてその他条件を全部オーケーとのんで、なれば米価はということになるのでしょう。昔は米の値段は経済の基本と言われた時代が長かったように私は承っております。米はこれだけだよ、その米を食べたならば、よその賃金、よその肥料、その他の物価、これはどうなるべきだろうか。食糧というものを物価の一番最初の条件に数えるのか、そうではなしに、今のように一番最後の条件に数えてくるのか。このことはいかがなものでしょう。この発想の違いはどこに説明がいくのでしょう。この問いに対しては私は、そうさな、農家はだまされているんじゃないのかななんということでごまかしてきたのだけれども、これはどうでしょうね。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 何が先で何が後かという言い方は私はちょっと難しいわけでございますけれども、今の考え方は、米をつくるについて必要な資材等につきましては、なるべく近い時点、これは三年間でやっておりますが、三年間の物の動きというものを全部織り込みまして、そして、そういうものと先ほど申しました幾つかの評価をしなければいかぬもの、労賃とか地代とか、それから自分たちの資本をどう使ったかということ、これは評価がえと称しまして、一定のものと置きかえましてつくっているわけでございますので、そういう諸物価その他の動きというものを織り込んだ米価を決めているということになろうかと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 私はきょうのこれからの論議の速記録をあのときに田のあぜに集うてくれた隣近所の農家の方々にお分けして、これが本当の答えなそうだよというふうに申し上げるわけでありますけれども、今もおっしゃっていただきましたが、なるべく近い諸物価の状況を反映して米価を決める。逆に、なるべく近い米価を反映して諸物価がどうして決まらないのでしょう。ここに農家の方々の一つの疑問がございます。しかしそれを明確に今お答えしてちょうだいと言っても、長官、無理でしょうね。  そこで進ましていただきますけれども、どこの世界に、仮に大工さんでも、この家をつくってちょうだい、そして七分が通りできたときに初めて、おい、これは一千万ではどうだろうというような決め方をなさる方がありますか。着手する前に報酬の約束ができるというのが世界の古今の常識ではないかと私は思うのです。既に田は稲が植えられて、今すくすくと育っております。その次元に立ってことしの米の値段は幾らかという作業をする。まことにけしからぬじゃありませんか。これから秋に向かって来年の米価を決めて、来年は米の値段はこれこれだよ、だからつくってちょうだい、こういうふうに農家に対してお願いするのが筋じゃないでしょうか。このことについての説明はいかがなものでしょう。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 今申し上げましたように、極力近い時点の諸物価を反映させてということを申し上げましたけれども、結局、前年産までの米に係るいろいろな計数というものを使いますと、どうしても作付期以前ではできないわけでございます。もう一つの方法として、思い切って割り切りますれば、前々年産のところで決めてしまうという手法がありますと、比較的早い時期に数字を全部埋めましてやることが可能かと思いますけれども、実は私ども生産費調査というのをやっておりまして、相当膨大な農家の方々から実際かかりましたものをずっと集めてきてそれを素材にすると同時に、今私どもは実は五月の時点までの物価変動等も織り込んでやっておるわけでございますが、そういう作業をいたしますと、どうしてもこういう作付前に決めるという手法ができないわけでございます。  かつておっしゃるような早い時期にという御議論があったことも長い米価の中にはあったわけでございますが、結局いろいろな御審議の中で、それよりもなるべく近時点の数字までとってやることがいいのではないかという形で、そういう意味では生産者の方には御納得いかないというお気持ちもありますけれども、この七月前後の時期ということがかなり恒例的に使われていると御理解いただきたいと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 いや、私も遠慮しいしい申し上げているのですから、今のようなお答えなんだけれども、どこの世界に、着手前に報酬を決めずに、仕事が途中になってしまってもうどうにも後に引けないときになってその報酬を決めるものがあろうか、こう言っているわけです。それは計算ができないとおっしゃるんだけれども、しかし国家の運用というものは、来年のこと、再来年のことを予想して一つの決定をなさるのでしょう。建設省が請負契約の基準、工事の基準を決めるときもそうでしょう。来年はセメントはこうなるであろう、来年は鉄鋼はこうなるであろうというところからあの基準が出てくるのでしょう。鉄橋をかけてちょうだいや、いやわかりました、そして橋げたがかかったぐらいの段階で、最近の鉄鋼のなにはこうだから、セメントの値はこうだからこれでやってくれというようなことで請負契約をなさる業者がありますか。  つまり私は、農家がこのような決定の方法に甘んじているのは、長官がおっしゃることと違うと思うのです。あの戦争中、勝ち抜くためには食糧が必要だ、それにはもうとにかくいや応なしに食糧はつくっていただく以外にはない、こういうところにあったんじゃありませんか。あの勝ち抜くまでは欲しがりませんという精神の中に、農家も勝ち抜くまでは食糧増産頑張りましょうというところに私はそもそもの発想の基準があったと思うのであります。  それはそれとしまして、大臣、ことしは米価は上がるのが望ましいですか、下がるのが望ましいですか、このままであるのが望ましいですか、どこかの新聞社のアンケートみたいな話ですが、この三つのいずれか、それともわからないということも答えの中にはありますが、何か下げるという議論もあったと聞いておりますが、この四つのいずれですか。単純に、簡単にどうぞ。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 滝沢先生にお答えいたします。  いろいろな議論がありますが、また新聞で時々拝見しますが、生産者米価の取り扱いについてはまだ何も決めておりません。毎回答弁しておるのですが、例年どおり、食糧管理法の規定に従いまして、物価その他の事情に配慮しつつ、再生産の確保を旨として、米価審議会の意見を聞いて適正に決定する所存でございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 大臣、私はあなたにメモを見ながらそういうありきたりのスタンプを押したようなお答えをいただこうとは思っていないのです。政治家として、いやしくも日本の農政を総括される立場において、米価は上がることが望ましい、下がることがやむを得ない、あるいはこのままであるのが妥当だろうというようなことをおっしゃるべきだと思うし、おっしゃることを期待しておりました。去年採用になった農林職員といえども、今のような書いた物を読むようなことだったらば答えられるわけです。そうじゃなくて、山村農林大臣から今度大臣にかわられましたけれども、そのことについてどのような政治家としての見識、見解をお持ちか、こういうふうなことでお尋ねをしたことでございます。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  先生のおっしゃるような気持ちはわからぬことはありませんが、大臣としては今申し上げたとおりでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 誠心誠意やっていることとその結果は違う。一生懸命はわかるけれども、それではいやしくも国会において議員から問われたときの農林大臣の答えにはなってないと思う。そのとおりになるかならぬかは別として、米価は上がることが私としては望ましいと思っておる、下がることはやむを得ないと思っておると。そのとおりにならなくともいいじゃありませんか。私はそのことをお伺いできなかったのは非常に残念なことです。そのような姿勢に、今日日本の農政が袋小路に来て脱出できない一つの原因があろうではないか。つまり、官僚が一切をリードしていくところに日本の今日の政治の一切の悩みがあるけれども、農政においてもやはり同様だ、私はこういうふうに申し上げさしていただきます。  さて次に、これも田のあぜでの議論をお伝えするのでありますけれども、食糧管理制度というものは今後も守られていくのでありましょうか、それともこれはいずれ将来改廃されるものでありましょうか、いずれでしょうか。これこそ大臣の政治家としての御判断を承っているわけであります。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えしますが、食糧管理制度というのは、先生御存じのとおりでありますが、国民の主食でございます米を政府が責任を持って管理することによって、国民の必要とするお米を消費者に対し安定的に供給するという重要な役割を果たしています。  そして、今後とも本制度については、事情の変化に即応して必要な運営面での改善を図りますが、これを堅持してまいる考えでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 前段のくだりは、これは存じていることであり、これはパンフレットに書いてあることであります。  つまり、多少形が変わるかもしれないけれども食糧管理制度は今後とも堅持される、このように承って帰ってよろしゅうございますか。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 そのとおりでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 そういうお答えを前提として、以下二、三お尋ねさせていただきますけれども、この食管制度は、これはどういうものでしょうね。つまり、今、日本の悩みの一つは大きなる財政赤字、こういうことですよね。財政赤字の最たるものはいわゆる国鉄と言われまして、これは七月以前に、つまり六月の末ごろには改善の方向についての例の審議会の意見が出ようとしているわけであります。二番目か三番目か知りませんけれども、この食管赤字というものもございますわな。その食管赤字の責任はだれが負うべきぞやということになるわけであります。国民感情、特に消費者というような立場に立ちますると、これは挙げて農家が補助金その他国のお金をたくさんちょうだいしたことのツケだというふうにおっしゃっているわけだけれども、私は逆にこういうことが言えるのじゃないかと思うのですよ。これは長官も聞いていただいて、どちらのお答えでも結構でありますけれども、米価を決める、これは生産米価であると消費米価であるとを問わず、そこら辺のところは多少幅があるにしても、基本は幾らの米が望ましいかということでありますが、農家の素朴な疑問は、米の値はこの五、六年実質的にはほとんど値下げと言ってもよろしいほど上がってはいません、だけれども農機が上がりました、電力が上がりました、ビニールが上がりました、肥料が上がりました、滝沢君、あなたは国会に行っているのだけれども、米の値が上がらないのにどうしてあのように電力も機械もビニールも上がるのか、この質問にはとても答えにくいことでありました。どうでしょう、お二人のどちらでも結構ですけれども。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 御承知のように、算定をいたします際にはそういう資材費等の上がり部分というのは全部計算上織り込むわけでございます。農家のお気持ちとして値上がり分みたいなものの方が強く感ぜられるという事実はあろうかと思いますが、算定の中に必要な資材費につきましてはすべてこれを織り込んだ上で、それで再生産が確保できるかどうかという計算をしているわけでございます。どういう農家の方の再生産を確保するかという観点からいいますと、比較的規模の大きい方にとっては利潤が出やすい姿でございますが、規模の大変小さな方にとってはなかなか再生産確保が難しいという問題は別にございますけれども、私どもは、資材費等の値上がり部分というのは、三年間ならすわけでございますけれども、織り込んだ計算をし、それによって再生産が確保できるという形の米価を決定しているつもりでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 今ほど男女格差撤廃のお話を実は文教委員会でも承ってきたんだけれども、昔は「弱き者、汝の名は女なり」、こう言ったものであります。弱きがゆえに、女というのは事情の変遷について、口にはおっしゃらないけれども大変機敏な判断を持っていらっしゃいますね。  そこで、かつて私たちが青年たりしころは、若い見習い士官は乙女子の尊敬の的、あこがれの太陽でございました。兵隊検査で丙種なんというのはだれもついてくる人はありませんでした。だけど戦争が終わりましたならば、その若き奥さん方は連隊長夫人にはなりませんで、田舎に帰ってこられまして開拓等に入られたわけであります。その当時、終戦直後のころは、仲人をいたしますると、大変御無礼でありますがその青年の家は農家ですか、はい、そうですよ。田んぼありますか、ございます。そうならば、私は兵隊さんの奥さんになってひもじい思いをしたけれども娘には腹満腹にというようなことでと、縁談はまとまったものであります。しかし最近は、その青年は今は学校の先生と聞いておりますが、農家出身ですか、いや、そうなんです。田んぼありますか、あるんですが、今は実は御両親が健在でやっていらっしゃるものですから。じゃ学校の先生を退職したら農家になるんですか、そこら辺のところはまあ。このお話はないことにしていただきますというようなことになるんですよね。  そこで大臣、どうしてこの将来を見詰めること機敏なる女性、お母さんも娘さんも、これは本当に機会均等法が実施されて男と女と全く平等なる立場になったら、案外女の方々の将来を見通す鋭敏なる感覚も鈍ってくるのか知りませんけれども、しかし今の時点においてはそのようなことで、どうして農村に花嫁がないのですか。そして、農家の一番の悩み、息子が農家を継いでくれない、これはなぜでしょう。大臣、これはなぜですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○関谷政府委員 大変難しい問題でございまして、これは恐らく先生の方がよく御事情を御承知だと思いますが、全体的に申しますならば、女性がなかなか農家の嫁に行きたがらない、あるいは農家の息子さん自身も、なかなか農家というと希望が強くない、これは全体的に見ますと、やはり日本の農業の将来に対する一つの魅力を感じる度合いが少ないということであろうというふうに考えております。  ただ、そうかと申しまして、現在、これから農業を自分の将来の職業として農業につこうという方が全国に全くおられないわけではございませんで、学校を卒業して新しく農業につかれる方もおられますし、一たんほかの職業につかれて、それから農業につかれる、いわゆるUターンの道をとられる方もおられます。ただ総体的には、今お話があったような、若い男女の方が農業を継ぐ、あるいは農家に入るということを希望される方は割合少ないという状況にあろうと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 いや、少ないことはわかっているのですよ。だから苦労しているのです。なぜですかと、こう聞いているわけで、これはやはり大臣がこのことは一番身にしみて感じていらっしゃるはずですから、私は大臣に、この農家の後継ぎがない、農家に花嫁がない、私の知っている範囲でも四十代、五十代の方々が、農家であるというだけで、優秀な、青年でもなくなってしまったが、そういう人々に奥さんが来られないのです。このことは本当に深刻な問題と言わなくてはなりませんが、これはなぜだろうか、こう申し上げているわけであります。今ほどもちょっと触れていただきましたが、農家の将来性とおっしゃっていただいておりますが、そのようなことじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょう。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  今の局長の答弁に加えますが、実はやはり私は地方によって違うと思うのです。私の方のところは農家にお嫁さん随分来ますね。それは一つは環境的に都市に近いということもあるし、また収入もそう悪くない。例えば、専業農家と兼業農家という点もありますが、全国平均年収大体六百四、五十万、農業収入が百万前後。ある地域では三割か四割。この間私は盛岡へ行った。遠野へ行きましたら、農業所得が三割でしたね。ここは農業所得は、四百四十万の三割ぐらいということでちょっと低かったのですが、そんなことでございます。そういうことで、地方によって違う。  それからもう一つは、やはり日本農業につきまして、率直に言って専業農家につきましてもう一歩という点があるということで、だから環境づくりをもう一歩したい。それと、特に農家自体の御両親がもっと農業に自信を持ってもらいたい。例えば、よく私も、先生もそうだと思いますが、選挙区を歩いておりますと、農家のお母さん方が、自分の娘はどこの大学に行っているとか、あるいは来年卒業するとか、あるいは卒業して帰っておるとかいう話がありまして、ぜひどこかへ世話してもらいたい。そのときに、農家というのは一つも言いませんね。どこか都市のサラリーマンに嫁ぎたい。この辺もやはり認識を変えてもらう必要がある。  こんなことでございまして、私は先生がおっしゃるように農家のお嫁さんはちっとも悲観しておりません、逆に農家に行きたいという人も随分おるものですから。そういうことでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 実は、そのような恵まれた農家の事情、希望ある農家の事情をつぶさに見ていていただく大臣、何か私の見ているのとは違うところを見ていただいているように思うのでありますけれども、実はこの春、予算委員会の分科会のとき、大変そのようにいろいろとおっしゃるものですから、私は最後に申し上げました。そのように日本農業の将来に自信がおありならば、どうぞひとつ定年になられましたならば、一流企業に天下りなさる、政府の関連企業、外郭団体等に、新聞に批判されて何とか局長さん何の公団というふうに指摘されてもそちらに行かれるような姿勢ではなく、半生をかけて育成された農家を、私があの農林省のぴかぴかのビルの中で夢見た農業はこれなんだというふうに、定年になりましたならばどうかひとつみずから農家を経営されて、農林省から定年になって来られた人の農業はさすがに違うという標本をつくっていただいたらいかがなものでしょうか。  ついでに申し上げたいのでありますが、どうぞひとつ農林省の若き官僚の皆さんの意識調査等をなさいまして、将来私が定年になったらば農家をみずから経営するというような方がいらっしゃるのかどうか、ここら辺のところはいかがなものでしょう。局長ないしは長官もそろそろ定年の足音が聞こえてくるお年でありましょうけれども、後で、どうでしょう、みずからくわをとって農業をなさるお考えがありますか。これは大臣でなくて、このことは官僚の皆さんにお伺いさせていただきます。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 率直に申しまして、農業を開始するためにも、今の日本の農地価格だとかいろいろなものを考えますと、私どもの退職金等でそれをやるというのはなかなか困難で、もっと大きな資本を持っておりませんと実は他の人の農業経営を受け継ぐことは不可能だと思っております。  私、畜産局長をいたしておりましたときに、よく根釧原野の開拓者の方々が乳価交渉等においでになるときいろいろお話を聞いておりますけれども、例えばああいう方々の資本装備というのはかなり大きいものでございます。それから、例えば米作ということ一つ考えましても、今の土地価格というようなもので考えましてもこれは膨大な資本が必要でございまして、先生のおっしゃる意味として私ども常に生産者のそういう気持ちは持っておりますが、かつて私どもの先輩で退職されまして開拓地に入られたというような方も実はございますけれども、今の私たちの現状では、そういう形で転換をしていくというのは事実上は大変難しいと思っております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 いろいろおっしゃいますが、資本がなくて農家ができないということではないのではないか。資本がなくとも、例えば田んぼを提供なさる方、いわゆる所有権は別として、私の田んぼをひとつ委託しますからどうぞつくってくださいというような方はたくさんあると思います。何百人、何千人おいでなのか知りませんけれども、中央だけを言っているわけではありません、全国の県、市町村等を通じて農政に携わってとにかく半生を過ごされた方々は、せめてそのうちの幾人かは、みずから田んぼにおりて、私が描いた農政の姿、農家の姿勢はこれだということを示していただく情熱と責任感、また、そのような希望のある農政をとお願いせざるを得ません。  しかし、これはそれとしまして、ここで私は一つの議論を吹っかけるわけじゃありませんけれども、どだい今の食管制度というものは無理じゃありませんか。これはまた申し上げるようでありまするけれども、あの戦中戦後の飢餓対策として、等しからざるを憂えるという立場に立っての統制でありました。つまりこれは、今社会主義も随分と摩滅をしてきましたから、変遷をしてきましたから、ちょっとなじまぬ言葉ではありまするけれども、いわば軍部主導の国家社会主義の中における統制経済の一つの大きなる柱としての食糧管理制度じゃありませんか。ないしは、その後に短い期間ではありましたが社会党ないしは社会党との連合という政権もございました。これはそういうときにまかり通った経済体系ではありませんか。それと今のこの自由経済社会とのつながりのところがうまくつながらぬというのが、この食管制度の一つのほころびの糸口でもあろうと私は思うのです。しかし、このことについて議論を申し上げる気持ちはございません。私はそのように理解しておる。  ゆえに私は、とてもこれはあの手この手と多少模様がえをしましても長く続くものではない。一日も早く政府が勇気を持って新しい食糧の生産ないしは価格の体系を選ばれることの方が賢明なのではないか、こう思うのですけれども、この点はいかがですか。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 食管制度ができました経緯は、御承知のような絶対不足の中での公平配分ということではございましたけれども、そういう制度の中でやはり主食たる米の暴騰とか暴落というようなものを防いできたわけでございます。その後いろいろと経済体制が変わるに応じまして、例えば自主流通米制度のようなより自由な価格形成、品質に応じた価格というものを取り入れてまいりまして、さらに五十六年改正におきまして、いわゆる配給の統制ということではなくて、全体としての管理はいたしますが、流通を規制する、そこで暴騰暴落というものをなくして品質に応じたものをなるべく流していけるようにというので、体制を変換しておるわけでございます。  先ほどもちょっと水谷委員からの御質問の中で、特定米穀、例のくず米がちょっとしたショートから二倍になったというようなこともございます。そういうぐあいに、これを投機の対象とかあるいはそういう自由な売買の対象にいたします場合には、かなりそういう危険な要素もあるわけでございます。私ども、事態の変化に応じて法律も直しましたし、その運営についても、そういういわば自主的な、あるいはそういう商売としての運用のよさというものは取り入れる必要があろうかと思いますが、その基本でありますところの再生産確保なり安定供給ということは、ぜひ今後もやっていきたいと思っております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 その議論をしてもどうにもなりませんけれども、私は断言してもよろしいと思う。極めて近い将来にこの食管制度は大きなる、これはもう改廃と言っていい変革を迫られるものと信じておりまするけれども、長官、あなたの今の立場でそれに同調するようなお答えはできないだろうが、私はここでそれを申し上げて、今大臣は席を外されましたけれども、大臣の政治家としての一つの見識を問うておきたい、こういうふうに思うわけであります。  ところで、米の生産調整はことしも続けられるでありましょうが、これは去年も聞かしていただきましたけれども、いつまで、どのような形で行われますか。つまり、私は、今投機の対象としての何とかと承りましたけれども、米は上限下限を規制する程度のいわば間接統制というようなものにしていくことの方が賢明だと思うし、そうなれば、生産調整と言わずとも、農家みずからが鋭敏な感覚でもって、米はみっちりつくった方がよろしい、米はこれ以上つくったらば生産過剰になってかえって痛手を負うというような選択をなされて、他の物品がそうでありまするように、需要供給が不調和の中の調和を得ていくであろう、こういうふうに思うのだけれども、その間のことについてはいかがお考えですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○関谷政府委員 今の日本の米の供給能力、将来を見通しましても、やはり年間一千三百万トンを超えるくらいの供給能力を持っているわけでございます。これは、日本の水田というものがこれだけ生産力を持っておるという証拠でございますが、一方需要の方は、御承知のように将来を見ましても大体一千万トン前後ぐらいよりもっとふえるということはなかなか期待しにくいわけでございますので、やはりどうしてもそこにかなり大きなギャップがあるわけでございます。  これについて、農民の自由選択でもっていけばいいじゃないかという御議論もございましょうけれども、やはり日本の基盤となっております水田の有効利用、これを農産物の需要の動向に応じてうまく使うということからいたしますと、それを農民の完全な選択で無計画に使うということではございませんで、需要に応じた米の生産を確保する、一方で、余剰の生産能力についてはむしろ需要のあるようなほかの生産物をつくっていく、こういう方向に誘導するというのが生産調整の基本的な考え方でございます。  したがいまして、現在の水田利用再編第三期対策は六十一年の米で一応終了するわけでございますが、今申し上げましたような関係から申しますと、その後、いわゆるポスト三期という状態になりましたときにも、何らかの形で米の生産をそうやって調整していく政策は必要になるのではないかと考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 話は違いますが、今度待望の東北新幹線もようやく開通しまして、上野乗り入れ、いずれは東京となるでありましょうけれども、その上野の新幹線に乗りかえるところに、啄木の「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」という碑がありまして、あの改札を通るたびにほろりとするのですが、啄木がそのように懐かしがっておりましたそのふるさとを思いまして、「百姓の多くは酒をやめしといふ もっと困らば何をやめるらん」という歌があるわけです。  ところが、啄木が青春を送りましたあの当時も、農家は疲弊しておりました。その後、あの戦中戦後の農家が繁栄する時期になってくるんだけれども、悲しいことに、いつの世においても農家が繁栄するときは農家以外の人々の苦しみ悩むとき、みんなが繁栄していくときは農家が悲しむときなんです。  これは私は全く悲しい農家の宿命だと思うのだけれども、それにしても、今いろいろと、食糧管理法体制は今後も大きな改変をしない、ないしは生産の調整もこれを継続するという姿勢の中で、米の値段は、私はせめて大臣は、できるかできぬかわからぬけれども、農家の立場を思うなら米の値段は上がることが望ましいと思って祈っているというようなお答えをいただくならばありがたいと思うけれども、それもいただけない。それも仕方がないけれども、米の値段は決まっている、肥料やなんかは上がってくる、資材が上がってくる、その格差が農家のつらみであり、また、生産者米価と消費者米価との差がいわゆる食管赤字です。  しかし、米の値をここに抑えるならば、肥料はこれ以上上げちゃだめですよ、資材はこれ以上上げちゃだめですよ、いや、しかし肥料会社はもうやっていけません、ならば肥料会社に対して農家に供給した分についての減税を見ましょうか、ないしはこれに対して融資補助をしましょうかということになれば、赤字のツケは肥料会社につくんです。そうでなくて、今赤字のツケは全部農家につきますね。ここに私は農家が虐げられている一つの組織的な欠陥もあろうと思うけれども、それにしても、この間に処して生き延びているのは農協じゃありませんか。  農協の立場というものを、時間がありませんから簡単に私の考えも含めて申し上げながらお答えをちょうだいしたいと思うけれども、私は、今日の日本の農協は、いわば鬼子ができた。  初めに、終戦後、昭和二十二年の十月でしたか、国会が農業協同組合法を可決しました。そのときにちょうど農協運動の親とも言われました賀川豊彦が私の町の会津においでになりました。そして講演のときの開口一番、皆さん、きょうは日本が歴史上革命的な事件のあった翌日なんですけれども、何ですかと言われた。だれもわかりませんわな。おっしゃったのには、ゆうべ国会は農業協同組合法を通過させた、いいことなんだけれども、しかし残念なことに日本の国会は真剣にこれを議論する姿勢がなかったように思う、なればこそきょうの新聞は本当に小さく農協法通過というふうに書いただけだ、本当ならばこれは号外が出てもおかしくないほどの大きなる革命的なことなんだ、こういうふうにおっしゃっていただきました。そして、このようなことならば日本に果たして農協はうまく育つんだろうかどうか案じる、こうおっしゃっていました。今にして思えば、総理大臣は戦後四十年の総決算とおっしゃっておりまするけれども、まことに感慨無量と言ってよろしいと思うわけであります。  御存じのごとく、協同組合というあり方は、あの十九世紀にイギリスのロッチデールの紡績工場に働く人々が、生活を守り、特に資本主義体制の中におきまする労働者に押し寄せてくる矛盾に対して、みんなの力で、闘いではなくて協力によって、協調によって頑張っていこうということで始まったのが原点でありまするけれども、残念ながら戦後日本に育ちました協同組合、特に農協というものは、農協運動の立脚点を失って、俗に言うと、町の議員に出ましょうか、ちょっと無理だったらば農協の理事になりましょうかというようなことであります。なればこそ、本当にあのことが真に議論されているのならば、かね太鼓で奨励しても、圧力をかけても、私はその精神には反対だ、だから私は農協には絶対入らぬという人があってもいいのだけれども、日本じゅうの農家が一戸残らずお入りになって、数週間のうちに農協があまねく行き渡ったではありませんか。その安易なる変化が今日の農協をしてこの過ちをなさしめているわけです。  過ちの一々を申し上げる時間はありませんけれども、例えば購買の事業だって、あれは大資本がつくりましたそこら辺のお店がやっている物品と競合して売っているだけではありませんか。信用事業だってそうです。銀行や郵便局と競合して同じことをやっているだけではありませんか。特に農業者以外、つまり組合員以外の人々や企業等に巨大な資本が融資されているあたりは、私は大変な問題点ではなかろうか。ところがこの農協が、もう観光事業からホテルから葬儀屋までやりまして、これが農協のあの法律を盾に着て、一般のあきんどさん、一般の各種の企業さんを、むしろ競合を超えていじめている姿になっているではありませんか。そして、ついででありますから申し上げさせていただくならば、選挙のたびごとに、これは自民党の下請とは言いませんよ、自民党を支持なさるから一生懸命頑張っていただいているんでありましょうけれども、そのような姿になっているんではありませんか。  これが真に農家のための農協の本源に返っていただくのはいつの日ぞ、こういうふうに私は憂えるのでありまするけれども、大臣、これはいわゆるあぜ道の議論の最後に出てきたんであります。農協はおいらのための農協だろうか、政府のための農協だろうか、自民党のための農協だろうか、滝沢さん、この辺はどうなんだ。そこら辺でそろそろ時間となりましたというのがあぜ道の談議でありました。  大臣、このことについてのお答えをどうぞお願いいたします。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 農協法発足当時のお話がございましたが、確かに戦時中の農業会からの切りかえというようなこと、それと当時の米の統制というようなものとの関係がございまして、一夜にしてほとんどの農家の方が加入をされたということ、事実でございます。  ただ、農業協同組合の組織は、加入脱退自由でございますし、それから、いろいろ御批判ございますけれども、私ども、戦後、長い目で見まして農家の方々の経済的、社会的地位の向上に役立ってきたと思います。ただ、社会事情の変化に伴いましていろいろ農村の混住化だとか兼業化だとか、それからまた系統資金でも余裕金がふえてくるといったような状況の変化の中で、いろいろな御指摘なり御批判があるということも事実でございます。  大変広範な問題の御指摘でございますのですべてを尽くせませんけれども、私ども、農民の自主的な協同組織という本来の使命をいつも再確認をしながら、状況の変化に対応して業務運営のあり方というものを農協は見直しながら、適切な事業推進をしていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。  今、局長の答弁したとおりでございますが、農協につきましては、非難もございますが非常に期待もある。今まで果たした役割の大きさ、これも先生おわかり願いたい。  そんなことで、我が省としては自主的な協同組合組織本来の使命を再確認して、そして常に業務運営のあり方を見直して、組合員のニーズにこたえた事業活動を推進することが必要と考え、そのような指導をしているわけでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 時間がなにでありますが、農協が今日まで果たしました役割と功績は評価するにやぶさかでありません。しかし、少なくとも農協というものは、組合社会主義とも言われた、いわば資本主義のよってもって生じた矛盾に対して、みんなの力で、革命にあらずして相互の協調と協力によって道を開こうということにあろうと思うのだけれども、その間のことを思いながら今日の農協を考えるときには、これに対して大きなる矛盾を、私は一、二指摘させていただきましたけれども、これをお認めにならざるを得ないだろうと思うのです。  これを本来の姿に立ち返らせるためには、いかなる具体的な御指導ないしは対策をなさる考えであるか、承りたいと思います。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 これも大変広範な御質問でございますけれども、やはり農家の方々のニーズを本当につかまえていく、それからまた、総合農協でございますから、とかくいろいろな事業をやっておりますけれども、それぞれの事業が県連段階に参りますと一本になります。そうしますと、いわば県連ごとに事業推進の指導が行われるというようなことで、それぞれの事業の数字を伸ばせばいいというふうなことに流れがちな面が間々見られるというようなことがございますが、本当に農家のためになるにはどうしたらいいかというふうなことをやはり一番基本に据えてやっていく必要があるのじゃないか。  それからまた、地域の他のいろいろな商工業者の方々との問題も御指摘にございましたけれども、この辺につきましても、大規模店舗法というようなものができましてからのいろいろな議論の中で、五百平米以上の大きさの店舗の設置につきまして私ども抑制の指導もいたしておりますし、生活協同組合に比べますと、私ども、農業協同組合は今地元でそういったトラブルを起こしているところはほとんどなくなっているというふうに理解をいたしております。  いずれにいたしましても、農協本来の使命というものと、組合員農家のニーズにこたえその役に立つという原点を常に忘れないということが一番大事じゃないかと思っております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 時間がありませんけれども、思っていらっしゃることはわかりますから、法律を改正するなり、指導員を派遣するなり、何か知りませんけれども、具体的な方策をお持ちか、こう承っているわけです。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 今までも、例えば今一番最後に申し上げましたような店舗の設置というようなことにつきましては、指導の通達を出し、また、中央団体を通じまして各県に適切な指導なり通知をしてもらっております。  農協そのものが非常に広範な仕事をいたしておりますので、一々個別に例を挙げれば切りがない話でございますが、さらにもう一つは、ことし三年に一度の農業協同組合の全国の大会がございます。これに向けまして、今、今後の三年間、農業協同組合の業務運営なりあるいは活動の推進というのをどういう観点でやったらいいかということについて、全国的な組織討議にかけながら、今後の農協のあり方というようなものを系統組織自身もいろいろ検討をいたしているところでございます。私どももその議論を関心を持って見ておりますし、また、そういう議論の中に私どもも入っていきまして、今後の農協のあり方につきまして、私どもなりにいろいろ働きかけもし指導もしてまいりたいと思っております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 実はそうじゃないのですよ。農協の今日抱えております多くの矛盾、私は過ちと言っても過言ではないと思う。現実は、農協栄えて農家滅びいくというのが今日の農村の実態でございます。  大変小さな話とお聞きかもしれませんけれども、例えばあきんどさんにこういう物品をお借りしても、ああ滝沢というのは払いの悪いやつだと思うけれども、一年後、二年後にでもお払いしますよと言うと、それこそ手ぬぐいの一本も持って、来年もどうぞよろしゅう、ありがとうございますと言っておいでになるというものです。ところが、自分が投資していないあきんどがそうなのに、自分が組合員で、組合長を選んで、そして投資をしている自分のしもべであるはずの農協が、お借りした次の月からは利子がついてくるではありませんか。そして、手ぬぐいの一本も持って毎度ありいとおいでになりますか。この精神が、官僚的立場に立って農家を見ていらっしゃる。農協の今立っていらっしゃる力点は、これは官僚体質なんですよ。  つまり、組合社会主義とさっきから申し上げておるはずです。これは大変語弊はありまするけれども、政府とかそういうものに対する、物理的な抵抗ではありませんけれども、これに対して対立と抵抗の概念であるはずなんです。それが逆に、政府の方に向かって忠誠を尽くし、自民党さんに対して忠勤を励み、そして農家を搾取しているのではありませんか。ここに農協の過ちがある。このことは農協の精神に立ち返ることから出発しなくてはならぬということでありまして、今おっしゃったような農協の指導対策はまことに適切を欠くものだと私は思うし、政府ないしは農林省全体の農協に対する理解ないしは見方が間違っておるのではないか。  これは農政の今後のために私はひとつ警告と申しますか、申し上げさせていただきまして、質問を終わらしていただきます。  委員長、いろいろと御配慮、どうもありがとうございました。大臣、長官、どうも御苦労さまでした。諸先生、御苦労さまでした。     〔田名部委員長代理退席、委員長着席〕

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 津川君。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 きのう大臣は記者会見で、「二十五日の対外経済対策推進本部の第三回会合で、農産品の関税引き下げについても「ズバリ決定」することを明らかにした。」そう新聞が報じております。また、「政治の世界なので百点満点はとれない」とも述べております。これは、決定が間近に迫っておるASEANの鶏肉の関税を引き下げるということなんでございましょうか。お答え願います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 津川先生にお答えしますが、農業の重要性については今さら言うまでもございません。また、地域社会においても、地域経済社会の健全な発展を図る上で大変大切であります。  そんなことで、農業につきましては、個々の産品ごとの事情によりまして、アクションプログラムの策定要領において例外として掲げておる基準のいずれか、または複数の基準に該当するものが多いと考えており、このような農業の役割について各方面の理解を求めていく考えでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 中曽根内閣が七月をめどに市場開放を強力に推し進めようとしております。全国の農林漁業団体から次々と反対の声が寄せられております。私の地元青森からも、農協中央会、農業委員会、農業会議所、漁業協同組合などから切実な訴えが寄せられております。例えば青森県農業会議の要望書では、「中曽根首相自ら「市場開放は原則自由であり、農林水産物といえども例外ではない」ことを言明し、市場開放行動計画策定には二十二輸入制限品目及び関税の引き下げが取り上げられる危険性が強まっており、」こう農業団体は指摘し、「これ以上の農林水産業の衰退は独立国家としての存亡にかかわるものである。 よって、絶対行わないよう強く要望する。」これが農業団体の意見でございます。全国至るところからのこの農業団体の声に、どのようにこたえるつもりでございますか。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 現在、私ども省内においていろいろ検討を進めている最中でございますが、ただいま大臣からお答えございましたように、国内の農業が果たしております役割というものをやはり基本に据えなければいけないというふうに思っておりますし、また、輸入制限品目につきましては、我が国の農業なり水産業の中で基幹的なものあるいは地域振興に必要なものでございますので、そういった点を十分踏まえて、関係国とのいろいろな友好関係への配慮ということも我が国の国際的な今置かれている立場からいたしますと考えなければいけないわけでございますが、やはり国内の農林水産業の健全な発展を図るということを基本にして、慎重に検討し対処していきたいというふうに考えておるところでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 けさ、この質問の劈頭で自民党の委員が口をきわめて中曽根総理の批判をやりまして、我が佐藤大臣もそれに従わないだろう、独自にやれ、そういう意味の要求をしております。自民党の中からもこういう声が出てきております。  そこで、大臣にお尋ねしますが、あなたは、農林水産物は市場開放の例外だと再三発言してまいりました。一昨日の日本農業新聞でも、インタビューに答えて同様のことを言っております。これは当たり前のことで、私は、あなたは偉いと思っております。  そこで、中曽根総理のあの態度のもとであなたのこの市場開放は例外だという再三の発言がほごにされるのではないか、こういう点であなたに対する批判も強まっております。けさの自民党の委員の質問にあなたは、中曽根総理は私のことをよく理解してくれている、こう言っております。中曽根総理の言動は大げさに報道されていると言っておりますが、私は、大きく報道しようが小さく報道しようが本質に変わりないと思っているわけであります。  そこで、あなたの農林水産物は市場開放の例外だというのは、中曽根内閣の基本方針と一致しているのですか。中曽根総理があなたをよく理解してくれていると言っておりますが、この理解というものは、市場開放は例外だという内容でございますか。明確にお答え願います。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  中曽根総理は、私ではなくして日本の農林水産物について十分理解していただいておる、こういう意味でございます。そんなことで、実は五月九日の衆議院本会議の答弁におきましても、農産物の取り扱いにつきましては、国際的に説明できるものでなければならないが、国民生活あるいは国民経済における役目等々も十分考えて、その特殊性に留意しつつ行うべきものであると考えている旨、総理は答弁されております。  実は、農業については、個々の産品ごとの事情により例外的に掲げられている基準のいずれか、または複数の基準に該当するものが多いと考えておりますが、個々の産品がどの基準に該当するかは、それぞれの事情を踏まえて個別に点検することが必要と考えております。したがって、今後の具体的な扱いについては個別に検討してまいる考えでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 その個別に検討するというのは、もうASEANの問題は時期が迫ってきたわけね。そこで、鶏肉、バナナ、これは具体的にどうなさるつもりですか。

野明宏至農林水産省畜産局長

○野明政府委員 お答えいたします。  鶏肉につきましては、先生御案内のように、我が国の鶏肉需給というのは大変過剰状態にございまして、価格も長期にわたって低迷いたしております。また、国内生産におきましては、需要に見合った生産ということで生産者が計画生産に努力中でございます。そういう中でタイからの輸入がまたふえておるというふうな状況でございまして、非常に困難な状況にあるわけでございますので、この問題についてはやはり慎重に対処することにいたしたいということで今臨んでおるわけでございます。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○関谷政府委員 バナナの関税の問題でございますが、バナナは御承知のように、その消費形態からいいますと、国内産果実でも特にリンゴのような周年消費される、あるいは子供に好まれるものとの競合関係がかなり懸念されるわけでございます。一方、消費の動向でございますが、最近、年間大体七十万トン前後で推移しておりまして、私どもの見方では、果実総消費量の大体一割でございますが、最近の果実の多品目少量消費の動向から見ますと、この辺の需要が、これから伸びるというよりも、むしろ横ばいないし少し減少のような傾向も見られるんじゃないかということもございます。  いずれにしましても、フィリピン中心に大変強い関心品目になっておりますが、今申し上げましたような国産果実の関係、それから価格との関連におきます消費の動向、この両面をよく見定めまして、これから国内産の果実生産に悪影響のないよう慎重に対応したいと考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 今のお話を伺っていると、鶏肉は日本で困る、バナナは何か消費が安定しているから差し支えないんじゃないかなどということですが、バナナに対して私は非常に深刻な思い出があるのは、自由化されたときリンゴとミカンが俄然売れなくなってしまって、リンゴを山と川に捨てた記憶というものを私は強く持っているわけです。今国民の経済生活が、懐が苦しくなっているので、バナナの関税が引き下がることによって消費がそこに向くこともまた必至なわけであります。  そういう事情を指摘しながら、農林次官を中心に今、行動計画策定委員会が設置されておりますが、この委員会では、バナナ、鶏肉というものはどこいらまで論議されて、バナナをどうする、鶏肉をどうするという結論をいつ出すつもりか。農民の方は被害が来るので、そのことを目を皿にして待っているわけでありますが、この点いかがでございますか。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 省内の検討委員会におきましては、関税のみならず、いわゆる行動計画の対象事項につきましていろいろ議論をするということでやっておるわけでございますが、まだ現在検討の過程でございますので、今の段階でどういう方向づけで考えているかというようなことを申し上げられる段階にはないわけでございます。  ただ、関税の問題につきましては、四月九日の対外経済対策におきまして、本年前半中に個別産品の関税については決定をするということになっておりますし、今、先生が言及されましたような品目はASEAN諸国の関心品目でございます。六月末には日本とASEANとの間の経済関係の閣僚会議が予定をされております。先ほど来話が出ておりますように、国内にもいろいろ厳しい状況を抱えまして、ASEAN諸国にはそういう事情もよく話しておりますけれども、向こうは向こうで、それは日本のそういう御事情もわかるけれども、自分たちの方はもっと苦しいのだというお話もまたいろいろあるわけでございます。  この問題の検討につきましては、正直言って非常に苦慮しているところでございますが、いずれにいたしましても今月末までには結論を出さなければいけないというつもりで今考えておるところでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 今月末までに結論を出すという、まあいいでしょう。  ところで、思い出すのは昨年の牛肉、オレンジの自由化要求、枠拡大。決まるまで検討中検討中と言って、いきなりぼかんと決まる。私は本当は意地悪い人ではないのだけれども、皆さんのやり方を見ていると意地悪く考えざるを得ない。今も検討中検討中と言って、ASEANと日本との閣僚会議の中で、あるいはその直前に発表して、農民の皆さんに対して要求する期間をなくしてしまって、闘う期間も闘う武器も農民から奪ってしまって決めるのじゃないか、これを人のいい私に農民が言ってくるのです。したがって、私もこういうことを聞かなければならないのです。この点は、向こうと決める前に日本の農民に必ず明らかにしてくれますね。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 それぞれの物資に関係いたします諸団体なりあるいはまた農業団体からは常日ごろ我が省はいろいろ御意見を伺い、そういうことも十分頭に入れながらいろいろな政策の判断をし決定をしているわけでございます。既に新聞紙上にもいろいろ書かれておるところでございますので、私ども、そういった各方面からの御意見なりあるいはまたそういった関係方面との対話というようなことも当然決定までの間にいろいろあり得るものというふうに考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 大臣、局長は答えてくれない。しかし、ASEAN閣僚との経済会議の前にいきなり発表するようなことはなくて、農民が十分意見を開陳できるような格好に事前に農民に発表してから交渉すべきだ、妥結すべきだと思いますが、この点、大臣いかがでございますか。ぜひそうしなければならないと思うのですが……。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えします。  今のいろいろな点で、関税引き下げ等の問題についてのいろいろな個別のものにつきましては、実は例えば骨なし鶏肉を含めて常々そういう関係の方から十分意見は聞いております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 二十二品目のことについて、また農業団体は皆さんに対して不信感を持っている。既に態度を決めてしまっているのじゃないか、そしてそれを明らかにしないで延ばしているのじゃないかというわけですが、二十二品目については態度は決まってしまったのですか、これからですか。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、関税につきましても輸入制限の問題につきましても、今鋭意慎重に検討中ということでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 骨なし鶏肉の関税引き下げについて、ASEAN諸国を回って帰ってきた藤尾自民党政調会長は、日本に対する要請の象徴のようなもので、やらねばならないと述べております。しかしそれは、粗生産額で四千四百億円、関連産業の従業員としても五十万人を超えておる我が国のブロイラー産業にとってみては大変なことなのです。こういう点で自民党が圧力をかけてくる。今、自民党は佐藤農林大臣にこのことでどのようなことを相談しておりますか、相談なしですか。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 私どもが聞いておりますところでは、政調会長がASEANを回られましたときに、タイ国でこの問題につきまして向こうから要請がありました際に、政調会長としては、関税の差についても、これは輸出国別につけているのではなくて、鶏肉の骨つきとその他ということでつけているのであって、タイ国も骨つきを輸出をすれば当然骨つきの関税が適用されるのであるということを初めといたしまして、我が国にも、外から見れば非常に繁栄しているようだけれども、日の当たる産業地域と日の当たらない産業地域があるというようなこともるる説明をされたというふうに承っております。  ただ、先方の方の意見、要請といたしましては、そういう御事情もあるかもしれないけれども、雇用機会というような点ではタイは日本よりもはるかに恵まれてない、我々のそういう気持ちなり事情というものを理解してほしい、こういう非常に強い要請が向こうからもあったというふうに政調会長のやりとりを承っております。  やはりタイからは極めて強い要請がある、これを国内事情を勘案して何とか対応ができないものかということを検討してほしい、こういうことが、率直に申しまして私どもが拝聴をいたしておるところでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 繰り返しになるかもわかりませんが、私たちはなかなか情報はわからない。皆さんが的確に答えてくれない。検討中だと延ばす。そこで、情報は、マスコミなどを通じて得られる情報が国民の中にかなり広がっております。  読売新聞の六月一日付によれば、政府・自民党は、六月二十日前後の対外経済対策推進本部の会議で、ASEANの関心品目である「骨なし鶏肉、パーム油、バナナの三品目の関税引き下げを決定する意向を固めた。」と伝えられております。結局農業は大企業の経済政策の犠牲にされて、農村が押しつぶされていく。それを、そういう農水省自身も問題をごまかす、延ばす、あいまいにする形で農民に押しつけているのじゃないか、こういう見解なのですが、ここいらはどうです。このとおりになるのですか、新聞の報道どおりになりますか。

後藤康夫農林水産省経済局長

○後藤(康)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、まだ農林水産省としてはこの問題について結論を出しておるわけではございませんし、方向づけにつきましても、まだ決定をいたしておらない状態でございます。  新聞報道の中には、こういった問題になりますといろいろな意見をお持ちの方々がおられますし、そういう方々の希望というようなことも含めたニュースが流れる場合も間々あろうかというふうに思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 次に、オルマー・アメリカ商務次官が、昨年四年間の合意を見た牛肉、オレンジについて期中見直しの発言を行っておりますが、これはどういうことでございますか。具体的に日本にどう来るのでございましょうか。牛肉にしてもオレンジにしてみても、日本の畜産、果樹産業に、ミカンでもリンゴでもかなり影響を受けるのでございますが、これはどうなっており、これにどう対処するつもりでございますか。  こういうことは、心配があればやはり政府が明らかにしておかないと、オルマー商務次官が言ったことをあいまいにしておくとまた農民が心配するわけです。その都度政府の態度を明らかにしておいてくれると農民も安心できる、こういう状況でございます。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 お答えいたします。  先生御指摘の、五月二十四日に米国のオルマー商務次官が、対日農作物輸出に関連して牛肉、かんきつ合意の見直し等を示唆するような発言をしたということですが、この発言は、ワシントンにおいて外国人記者団との会見の際言われたものでございまして、発言の詳細、真意については、新聞報道以上のことは承知しておりません。オルマー次官は、本来農産物問題については米国政府を代表して発言する立場ではないので、そのような発言があったとしても、オルマー次官の個人的な意見を述べたものであると考えております。  日米農産物問題に関しては、ブロック農務長官が四月十八日の松永大使との会談の場で、牛肉、かんきつの交渉の決着後は平穏な状況であると見ている旨述べており、米国農業団体は今のところ比較的平静であります。  いずれにいたしましても、牛肉、かんきつの合意については米政府から正式に見直し要請があったものではなく、合意が誠実に履行されておれば、合意期間でございます一九八七年度末までの間は問題は生じないと考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 貿易摩擦に対してはこのぐらいにして、次に、青秋林道とブナの問題に移っていきます。  きょうから六月十一日まで環境週間で、日本の自然保護協会が、きょう新聞の全ページを使いましてこんなことを言っております。  「拝啓 内閣総理大臣 中曽根康弘殿」「日本の文化をはぐくんできたブナの森が、伐採や開発のために各地で急速に失われつつあります。」「現在、この原生林の中に建設の進んでいる広域基幹林道「青秋線」や「奥赤石川林道」などは、この原始の森を分断し、縮小しようとするものです。」「原生林の中に延びつつある林道建設と伐採計画を再検討されるよう、お願いいたします。白神山地のブナ原生林を、このままそおっと子孫に残してやって下さい。」これには四十四の都道府県の自然保護団体も名前を連ねております。政府はこれにどう答えてくれます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 青秋林道につきましては、一部自然保護団体の方々のお話しのような意見もございますけれども、青森県、秋田県両方の直接の地元市町村におきましてもこの林道の開設を希望する声は大変強うございまして、県におきましても開設ということで現在これを進めておるところでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 私が秋田県と青森県の県境地帯にある西目屋村、相馬村という村に入りますと、地域の人が一斉に私に向かって要求することは、林道をつくってくれということでございます。この林道に対する要求はかなり大きなものです。そこで、この間三十一日の日に、地元営林局の事業部長と弘前、鰺ケ沢、深浦の営林署の三署長に案内してもらいまして、青秋林道の作業現場と赤石川の奥地を見てまいりました。  いろいろなことがそこでわかったのでございますが、ブナ林はかなりよく育っていました。谷を行くと、川を行くと、こっち側はがけで、このがけにはブナが非常によく生えている。谷側のこっち側には林道を開いている。その林道の周りはブナが択伐されてここは寂しい。しかし、択伐されたブナの下に実生のブナが成長しておること、これまた非常に感銘を受けて楽しかったわけです。皆伐したところを見せてもらいました。ここにも実生のブナの若い芽がかなり育っている。こういうことなんですが、十数年前に私ずっとあの地域を歩いてみたときに比べたら、今ブナはかなり減っています。寂しくなってまいりました。皆さんが懸命に育てておることは、私、目にしてきましたけれども。  そこで、昭和三十年以降、ブナの蓄積量がどうなっているか、ひとつ教えていただきます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 ブナの蓄積量についてでございますが、ブナは水平的に見ますと九州の鹿児島から北海道の南部まで、非常に広域に生育をしております冷温帯の代表的な樹種でございます。  昭和三十年からの蓄積を五年刻みで申し上げたいと思いますが、三十年が一億四千二百万立方、三十五年一億三千七百万立方、四十年一億三千万立方、四十五年一億二千二百万立方、五十年一億一千百万立方、五十五年一億四百万立方、五十九年一億立方であります。  このように蓄積が減少をしてきておるわけでございますけれども、これはほとんどのブナ林が成長のとまった、あるいは極めて低い天然林でありますので、この林相を改良いたしまして林産物の供給に対応いたしますと同時に、成長量の高い針葉樹に樹種転換をいたしてまいりました経緯によるものが主な原因でございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 ブナを伐採する量、これに対してブナが伸びていく成長量、これはどのくらい違っておりますか。つまりその分だけブナが減ることになります。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 これまで伐採してまいりましたブナにありましては、ほとんどが極盛的な林相になっておりますので、成長量としてはほとんど量的には期待できない、むしろ若い針葉樹に切りかえてまいったわけでございますけれども、ですから差し引きの蓄積の減少が顕著に出てくるわけでございます。全体としての森林資源の保続のために、将来的にはその針葉樹の成長量がそれをカバーしていく、そういう見通しを持っておりますけれども、樹種を切りかえてまいります過程におきましては相当急速な蓄積の減少が行われるわけでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 長官、現地に行ってみたら、針葉樹と広葉樹の比率はもう固定したと言うのだよ。このごろは、ブナを切って杉を植えることは幾らかやるかもわからぬけれども、そんなに大きな変化がなくて、ブナを切った伐採量よりも広葉樹の成長量の方が大きいと言っている。だから山がある程度まで守られる、これが現地の人たちの自信だ、誇りだ。喜んで私に話してくれる。だが、ブナ林を切った分だけブナ林は成長していないから、ここのところを何とかしなければならぬ、これが今、秋田でシンポジウムをやる自然保護協会の人たちの主張なんでございまして、やはり林野庁としてブナを切った分だけ伸ばす、こういう政策をとらなければならないと思います。時間がだんだん迫ってきたので、これを一つ。  その次に、行ってみましたら、腐ってしまった木があって、周りが荒れてササやぶになっている。弘前におろすと一本十万円になるブナの木が立ち枯れている。風倒木があってそこに猿が巣をくっている。こういう形で山の荒れている姿を見ましたが、これはなぜこうなるのか、これを防ぐためにはどうすればいいのか、ひとつお答え願います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 白神山地の自然条件から考えますと、あの地帯におきましては天然林施業、ブナの跡地をブナで更新するというやり方が最も条件に合ったやり方である。それで、やり方といたしましては、択伐によって抜き切りする方法、母樹といいまして種のなる母の木を、ブナというのは種が豊作のときと凶作のときがありますので豊作まで母樹を残しまして待つ、そういういろいろな技術的な方法がありますけれども、いずれにせよ、ブナをもって更新するという天然林施業が最もよろしいであろうと思います。  お話にございました腐朽したり倒れたりといいますのは、やはり極盛を過ぎますといろいろな条件によってはそこで病原菌が入ったりして倒れる、被害を受けるということがあると思います。大体二百五十年前後からそういう兆候が出てくるのではないかと思います。それ以前の旺盛な成長を示しておるときを極力維持しながら収穫を継続するというやり方が一番よろしいのだろうと考えております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 林野庁長官、私、専門家に事を教えるようになりますけれども、あの山の奥で二百年、三百年たって自然に腐っていく木をどうすればいいか。これは林道が必要なんですよ。あの立ち枯れた木を腐らない前にとってくる、林道がないから腐る。風倒木が出る、風倒木になる前に道路をつくって切ってくればいい。そういう林道が必要なんですよ。  その次に、皆伐しているところ、択伐しているところを見せてもらいました。若い芽が育っていて非常に気持ちがいい、うれしかった。ここいらまで来るところもある。ところが、密生のために、間伐しないために十分成長できない。これに手当てしているところは伸びている、手当てしていないところはブナ林が伸びていない。  そこで、ブナを天然更新でやる、実生で育てるが、手入れをしなければならぬ、保育をしなければならぬ。この保育がまさに欠けているんだな。一部だけやっている。このブナ林の保育に対して長官の指導方針を伺います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 先ほど申し落としましたが、適正に利用し適正な管理をするためにも林道は必要だと考えております。  ただいまの稚樹が旺盛な発育を示しておるその後のことでありますけれども、いろいろ経過を観察いたしまして、競合状態になりますとこれは適当な間引き、私ども刈り出しなどと言っておりますけれども、そういう方法をとるとか、あるいはごく自然に優勝劣敗で優勢木がはっきりする木もございますけれども、そうでなく競合してお互いが弱くなるようでございましたら、やはりどれか選んでいく、そういう刈り出しが必要だろうと思います。  林の移り行く姿を常時観察することによりまして、どういう保育手だてを加えればいい方向に山が向かっていくか、そういう周到な観察と手入れがこれから天然林については特に必要であろうと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 ブナ林に対する保育を要求しながら、もう一つ進めていきます。  こういうふうに林道は必要なんですが、峰越し林道だけはいただけない。今度、林道をつくっているところを見に行った。川に沿うてやっている。片一方で、川に沿ってずっと林道をつくっている。したがって、これは地形、水系が乱れない。川がこうある。こっち側でなくてこっち側に林道を開いていく。したがって、この川の流れに水が流れているから問題がない。ところが峰越し林道は違う。峰を越えて小さい川がちょろちょろ流れている。だから一遍に流れの上の方から崩れてくる。雪も滑ってくる。したがって、頂上のところを保育する、手入れするとすれば、幾つかの細い林道を通せばいい。峰越し林道をやるというから問題が出てくる。  したがって、峰越し林道でなくて、交通を結ぶような迂回した形で、この計画でもかなり迂回していると思います。こういう形でやらなければならぬ。現在進んでいる峰越し林道は危ない。破壊される根源になります。この点、いかがでございますか。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)政府委員 林道の工法につきましては、切り取る土砂の量を盛り土をする土砂の量と均衡させまして、あるいはどうしても捨てなければならない場合は非常に安全なところに捨てるとか、土砂の取り扱いには極めて気を使っているところであります。  そのためには、自然の地形になじんだといいますか、無理のない線形をとる。そのために何回か予備的な測量をいたしまして、環境へ与える影響の最も少ない線形を選ぶことが必要だと思っておりますが、この青秋林道につきましても、各方面からの環境保全についての御意見が大変強いことから、最初の設計を随分と慎重な再検討を加えまして、これでやれば環境保全的には十分対応し得る設計であり線形であるということで現在でき上がっておるわけでございます。  なお、実行に当たりましても、予測しないようなことがあることも考えられないわけでもないわけでございます。十分慎重な施工に努めてまいりたいと思っております。特にのり面の角度とかのり面処理につきましては、それが崩壊いたしませんように、最近は保全工法というものも私ども随分苦労した末にだんだん開発しておりまして、そういうことを採用して自然保護、環境保全に十分意を尽くした設計と施工に努めたいと思っております。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 そこで、峰越し林道の設計変更はぜひ必要です。林道は必要だ、しかし、そうすると林道にもまた問題が出てくるので、これを重ねて要求して、次の質問を進めていきます。  食糧庁に対して、青森県のお米が、お米をたくさん食べる国民、外食のお米などにかなり人気があって貢献してきておりますが、このかなりの部分がまずい米とのレッテルを張られて四類米でございまして、豊作もあったしいい作柄にもなっておりますので、これを何とか三類米に上げる計画をつくっていただきたい。その計画がどうなっているか、これが第一点です。  時間がないので全部まとめて質問いたしますが、第二点は、青森県の五所川原市でも、地図を持ってきましたけれども、市の南の方は三類、北の方は四類、四類と三類の中のところの三十アールの田の南の方は三類、北の方に育つと四類、こんなふうな矛盾が五所川原市と木造町にあります。農民が同じ田でどうしてこんなふうに差別されるのだろうとかなり首をかしげておりますので、この一つの市と町を直ちに全部三類に上げて皆さんを納得させる必要があると思いますが、この点の所見が二つ目でございます。  第三点は、ことし四類米の需要が多いと私たちも聞いておりますが、青森県産は四類米のレッテルが張られているために価格が上がらないという形になっております。どうしてこんなになったのかと政府に聞くと、卸が青森県の四類米はまずいと言っているからと言う。ところが、標準価格米を食べている消費者に聞くとそうでもない。したがって、評価は卸だけではなくて——卸は当然安い米を買うために評価を厳しくするに決まっている。そこで、純消費者の意見で青森県の四類米を処理しなければならないと思います。  この三点をお答え願います。

石川弘食糧庁長官

○石川政府委員 まず、類別区分でございますが、まずい米と言っているわけではございませんで、値段それから品質がバランスがとれるようにということで一類から五類まで分けているわけでございます。したがいまして、特に豊作年等につきましては、御承知のようにこういう豊作のときは類のこともさることながら全般に評価が高うなりますので、おっしゃいましたことし四類に需要が多いというのは、むしろ大変な豊作でございまして三等米がほとんど量的に少なかった、それにかわるものとして比較的値段が安い四類、五類の需要が多くなっているということでございます。  それから、最初に御質問の類の問題でございますが、これは品質と価格のバランスをとるということから私どもきちっとした基準をつくっておりまして、この基準は全部御存じでございます。したがいまして、そういう形で類が上がるような状態になりますれば十分私どもも対応できるわけでございます。  先ほど御指摘の五所川原ないし木造で一つの市あるいは町で分かれているという問題でございますが、これは格上げをいたします際に青森県から御相談がございました。全部ということだといろいろと問題がある。これは品種の問題もございますし、やませの当たる地域というようなこともございまして、青森県の方から、こういう地域に分けて、こういう地域については十分三類として通用するのではないかということでございまして、分けたと申しましても、あれは旧市町村の単位で境界線をつくっておりますので、私ども上げるためにはそういうこともやむを得ない、むしろ全部にしますと全部上げられなくなるというようなことがございまして、ああいう経過があるわけでございます。  これは、いずれにしましても土地条件だとか——これも土地改良をやりまして比較的よくするというような手法もございますし、比較的いい種類の方に変えていくという方法もあります。ただ、やませが当たるというようなことになりますと、これは自然条件でございますのでなかなか難しいところがございますけれども、この類の問題は、今申し上げましたようなことを十分——これは単に卸だけではなくて、結果的には売れる売れぬというのは消費者の選択でございますので、そういうことに応じた物差しを的確に当てながら、生産者の方にもそういうある種の品種改良なり産米改良の努力をしていただくことと並行して見直しをしていくつもりでございます。

津川武一日本共産党・革新共同

○津川委員 四類米を決めるのに一つの基準があると言っているけれども、その基準は同じ田の中で片一方が四類、片一方が三類、こういうことなので、ぜひひとつ基準を考え直してほしいし、五所川原も木造もやませは余りないところなんであります。したがって再検討していただく。県の方に連絡したら、県の方からは、それは全部皆さんのところにお願いに来ると言っておりましたから、そのお願いを十分聞いて実現していただくことを要請して、質問を終わります。      ————◇—————

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 この際、玉沢徳一郎君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の共同提案による農林水産物の市場開放問題に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。田中恒利君。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同を代表して、農林水産物の市場開放問題に関する件の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     農林水産物の市場開放問題に関する件(案)   我が国の農林水産業は、国民生活の安全保障、国土と自然環境の保全等に極めて重要な役割を果たしている。   しかるに、最近の農林水産業をめぐる情勢は、食糧自給率の低下、主要農産物の需給の不均衡、農業所得の低迷、木材需要の減退等に伴う林業・木材産業の不振、国際的漁業規制の強化等による漁業経営の悪化等深刻な事態に直面している。   この厳しい状況の下にも拘らず、我が国は累次にわたり農林水産物の市場開放措置を講じてきたところであるが、最近に至り、諸外国の市場開放要求は一段と強まり、農林水産業関係者に不安と動揺を与えている。   よって、政府は、市場開放問題の処理に当たっては、我が国の農林水産業を取り巻く状況について諸外国の十分な認識を得るよう一層努めるとともに、既に深刻な事態にある我が国の農林水産業の存立を脅かしひいては食料安全保障等の面で国民生活に不安を与えることのないよう万全を期し、去る第九十一回国会の「食糧自給力強化に関する決議」及び第九十六回国会の当委員会における「農畜水産物の輸入自由化反対に関する件」の決議の趣旨に従い、決然たる態度で対処すべきである。   併せて、生命産業である農林水産業の体質強化をさらに促進し、その安定・発展に遺憾なきを期すべきである。   右決議する。 以上でありますが、決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の十分御承知のところでありますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。(拍手)

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  玉沢徳一郎君外四名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。  この際、ただいまの決議について、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤農林水産大臣。

佐藤守良自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○佐藤国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体しまして、今後鋭意努力をいたしてまいります。

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 なお、ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今井勇自由民主党・新自由国民連合

○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時七分散会

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