農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 339 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/03/28
会議録
○今井委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 いよいよあす、昭和六十年度の加工原料乳保証価格の決定を見るわけでありますけれども、依然として酪農家の経営は苦しいというのが実態であります。 昭和五十六年二千六百五十九万、五十七年二千七百三万、五十八年二千八百五十七万円、これは一戸当たり平均の負債でありますけれども、年々ふえております。加えて、昭和五十四年からは計画生産に入り、厳しい試練を今くぐっておるところであり、さらにまた今なお抑制ぎみであります。何としてでも乳価を上げたいといいますか、諸般の経済情勢を見るときは厳しいものがありますけれども、実態を見据えて乳価を上げてほしいという切実な酪農民の声があるわけですけれども、大臣はこの乳価に取り組む姿勢としていかがお考えでしょうか。
○佐藤国務大臣 鈴木先生にお答えいたします。 酪農家の現状は先生御指摘のとおりでございますが、乳価につきましては、本日、畜産振興審議会酪農部会に提出した六十年度の加工原料乳の保証価格の試算は、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の規定に基づきまして、主要加工原料乳地域における生産費を基礎とし、加工原料乳の再生産を確保することを旨として算定したものでございます。今後は畜産振興審議会の答申を踏まえ、関係方面との調整をして速やかに決定してまいりたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 大臣もおわかりかと思うのですけれども、お盆もお正月もなく働いているというのが酪農家の生活であります。さらにまた、国民の大事な食糧、たんぱく資源を供給しているわけですけれども、佐藤大臣は大変人情家だとお聞きしておりますし、私が最も尊敬している政治家であります金丸大幹事長に言わせますと、佐藤大臣は頼まれたら嫌と言わない男であると、極めて幹事長の評価は高い大臣でありますので、理屈抜きに何とか大臣、乳価を上げてほしい。こういう議論を私がいたしますと、鈴木はローカル議員だと、これは国会議員の見識がないという高級官僚のお考えもあろうかと思いますけれども、理屈抜きに私は乳価を上げていただきたいと思うのですけれども、大臣、その点いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 国会議員としまして、選挙区の実情を訴えてやるのは当たり前のことでございます。そんなことで先生の質問は高く評価します。今申し上げたようなことでございまして、よくお話の趣旨はわかりますが、やはり畜産振興審議会の答申を得まして、関係方面との調整を得て速やかに決定してまいりたい、このように考えておりますので、よろしくお願いする次第でございます。
○鈴木(宗)委員 乳価の時期になりますと配合飼料価格が下がる。このことが乳価が上がらない要素になって、しかもまだ、乳価の決定が終わると配合飼料が上がっていくという、酪農民は愚直なといいますか、ストレートな不信感を持っておるのですけれども、その実態はどうなっているのでしょうか。
○瓜生説明員 配合飼料の価格につきましては、その主原料が輸入されてまいるものでございますので、国際的な相場の影響をやはり大きく受けやすい、こういうことも否定できないところでございます。したがって、いわゆるシカゴの相場が上がってくる、あるいは円とドルのレートが動くということになりますと、やはりそれを調達するための価格というものも動いてまいるということになります。そういう中で、かつて、一昨年あたり、アメリカの作柄の影響を受けましてかなり高くなった時期がございますけれども、幸いにして、アメリカを中心とする主要作物の生産国での作柄が順調でございましたので、昨年来、こういう国際相場は下がってきております。 そこで、私どもも指導いたしまして、昨年の七月に、これはいわゆる建て値のベースではございますけれども、トン当たり三千二百円の値下げが行われました。ことしまた、一月に三千二百円の値下げということで、これはまさにそういう国際的な需給動向をにらみながら、しかも畜産農家の方々のニーズにこたえるという意味で、えさの供給者にそういう対応をさせているところでございまして、そういう意味では、まさに国際的な需給動向をにらみながらの畜産農家に対する対応であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○鈴木(宗)委員 なぜ今このような質問をしたかといいますと、末端酪農家は、その配合飼料の価格については、政府が価格操作をしているのではないか、介在しているのではないかという疑問があるものですから質問したわけでありますけれども、その点、これは自由競争である、特にそれぞれのメーカーの判断で、値段は相場によって変動しているのだということを末端農家までわかるように、農林省からもそこらをよく指導していただきたいと思います。 次に、昨年乳価の決定の際、自由民主党はびっしり農林部会なんかを開いて価格なりあるいは構造政策に頑張っておったのです。去年三つほど、自作農維持資金制度のいわゆる充実強化あるいは後継者対策の充実強化、さらには自給飼料生産対策の充実強化、この三つを農林省に特にお願いしておったわけでありますけれども、具体的にどのような予算措置を講じたか、それを明らかにしていただきたいと思います。
○瓜生説明員 今お尋ねの三点でございますが、自作農維持資金制度につきましては、六十年度から再建整備資金の特認の貸付限度枠を、従来の八百五十万円から千五百万円に引き上げる、こういう形でその措置の充実強化というお話に対応することにいたしております。 それから第二点は、後継者育成対策の充実強化ということでございますが、これは畜産振興事業団の指定助成事業として、五十九年度に酪農経営安定特別対策事業という事業を行いまして、自給飼料対策とあわせて後継者の育成確保を図るための教育研修を強力に実施したところでございます。 それから自給飼料生産対策の充実強化でございますが、これにつきましては、草地開発事業の内容の充実強化を図るということで、五十九年度にも既存草地の高度利用を図るための整備方の事業の創設を行うなど内容の充実を図っておりますし、それから六十年度、現在、予算の要求の中では、林地放牧を促進することによって肉用牛生産の低コスト化を図るための放牧林地について、その受益面積の採択要件を十ヘクタールから五十ヘクタールに緩和する、こんなようなことで、公共事業の中でも条件緩和あるいは新しい仕事を始めることにいたしております。厳しい財政事情の中でございますので、予算額においてはなかなかふやせない状況でありますが、いろいろ工夫をすることによって実質的に事業量をふやすということをしてまいりたいと考えております。 それからまた、既耕地での自給飼料の生産、利用の促進についても、五十九年に予算措置として無利子の畜産振興資金制度を創設いたしまして、六十年度にはこれを農業改良資金制度の中に位置づけるべく今法律の改正をお願いいたしておりますが、貸付枠も五十九年度は七十四億円、それを六十年度には九十億円に拡大していくということを考えております。 いずれにしても、今の飼料基盤の強化というのがいわば経営の基礎になる部分でございますので、この点についても各般にわたる対策を強化していきたいということで、昨年からことしにかけて今申し上げましたような対応をとっているところでございます。
○鈴木(宗)委員 農政を推進するためには価格政策はもちろん大事でありますけれども、今こういう経済情勢の中では構造政策も極めて大きなものがありますので、これからも大いにこの構造政策は進めていただきたいと思います。 次に、限度数量の問題についてであります。 生産者団体は、五十四年度以降今日まで、牛乳・乳製品の需要に見合った生乳の用途別計画生産をみずから実施してきているわけでありますけれども、その中で政府は昨年八千トンの脱粉輸入を行い、生産者の大変な不信を招いているわけです。これはひとえに政府の需要見通しの甘さがあったのではないかと私は指摘したいのですが、いかがでしょうか。
○瓜生説明員 五十九年度の乳製品の需給については、特に昨年の夏以降脱脂粉乳の需給が逼迫いたしまして、事業団の手持ちの脱脂粉乳を在庫量八千八百五十トン全量放出いたしましたが、なお、価格安定を図るという事業団の機能を推持するという見地から脱脂粉乳八千トンの輸入を行っております。 これが政府の乳製品の需給について見通しが甘かったのではないかという御批判につながっているかと思うわけでございますが、五十九年度の夏の気象というものが、めったにないような非常な暑さであったということもございまして、一方においては牛乳も含めて乳製品、これに対する需要、特にアイスクリームなどの需要がかなり伸びたということがございます。しかし、他方において乳牛の乳の出方が非常に落ちてきたということがありまして、私どもが予想していた以上にこの両方の動きが大きく働きました結果、一時的な需給ギャップが発生したものであると考えております。需要供給を考えます場合には、予想されます事態を十分把握して、そして生産者の皆さんにも消費者の皆さんにも、どちらもお困りにならないような対応をとっていきたいと私ども最大限の努力をしてきておりますが、残念ながら昨年のあの夏の暑さというのを予想できなかったということがああいう結果になったのかと思います。六十年度の脱脂粉乳の需給については、実態を十分に把握してから、需給が安定して推移するように私ども十分努力をしていきたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 きょう出される六十年度の限定数量の諮問では二百三十万トン、対前年比八万トン枠を広げてもらっておるのですけれども、私は、農林省の言うのも正しいと思いますが、それ以上に生産者団体が言っている数字の実態が合っていると思いますので、この限度数量についてはもう少し枠を広げるといいますか、要求どおりにしてもらいたいというのが私の率直な考えなのですけれども、どうでしょうか。
○瓜生説明員 限度数量を決めます場合、試算をいたしました際に、私どもが考えましたことの二つの要素がございます。 一つは、現在、本来生乳を使うことが可能であり、また適当と思われるようなものまでがいわゆる乳製品、脱脂粉乳であるとかバターからつくられているというような一つの流れがございます。そして、この脱脂粉乳なりバターというものが今の不足払い制度の中で国の補助金にかかわっている、そういうものがかなりあるような状況にございます。したがいまして、これからの乳製品の需給、生産者の生産した生乳を消費者に喜んで受け入れていただく、そして国の財政的な見地から見てもおかしくないような対応を考える場合には、できるだけ生乳を直接、例えば発酵乳等に使っていただくような方向に持っていく必要があるかと思います。したがって、不足払いの対象になるような形での加工原料乳もできるだけそういう方向に誘導していく必要がある、こういう考え方でこの限度数量の問題を考えたわけでございます。 それと同時に、需要全体はかつてのような大きな伸びではないまでもある程度伸びておりますから、そういったようなものを考慮しつついろいろ試算をした結果が今お話がありました二百三十万トン、こういう数字としてきょう畜産振興審議会に出しているところでございます。
○鈴木(宗)委員 この限度数量につきましても、どうか実態を踏まえて対応していただきたいと思います。 次に、負債対策について一、二お聞きしたいのですけれども、五十六年度から始まりました酪農経営負債整理資金、これは確かに実効も上がっておりますし、ありがたい施策だと思いますけれども、残念ながらことしが最終年であります。有終の美を飾るという意味でも、約百二十億円ぐらいの枠が必要でありますので、この百二十億円の枠は必ず確保していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○瓜生説明員 酪農経営の維持安定を図るための特別な長期低利の措置としまして、今お話がありましたように昭和五十六年度から酪農経営負債整理資金という措置を講じております。これは今の酪農がいろいろな事情によって経営が難しい状態になって、特にその経営規模を急速に拡大する過程での経済環境が、そういう経営拡大にとってなかなか恵まれた状況でなかった、そういう特殊な事情に対応する一種の臨時の措置として始められたわけであります。ただ、この事業が始められましてから生乳の需給事情なり飼料価格など、酪農をめぐる状況は安定的に推移しておりますし、六十年度で相当数の経営が再建できる見込みであると私ども見ております。ただ、一部の経営では安定に至らないものもあると考えられますので、六十年度については経営の実態とか酪農を取り巻く状況の変化をよく勘案した上で、これらの経営安定が図れるように適切に対処していきたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 酪農経営負債整理資金、ことしが最終年ということは先ほど言いましたけれども、六十一年度からこれにかわる制度またこれと似たようなものをそのまま推進していくという考えがあるかどうか。私は今あるこの制度以上のものをつくってもらいたいし、酪農家を救うために推進してもらいたいと思っているのですけれども、どうでしょう。
○佐藤国務大臣 今、ことしたしか千八百戸ぐらい残っていると思います。これが五十九年度にどのくらい整理されるかという問題ですが、残りにつきましては、まじめにやっている人につきましては何とか救済の方法を講じたい、このように考えております。 では、どういう方法を講ずるかということは、これからその様子を見てということになりますが、何とか助けたい、こう思っております。
○鈴木(宗)委員 もう今、農家が金利を払うために働いているといいますか、金利に泣いているのが実態でありますので、私は今の大臣の答弁を夫としておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 次に、消費の拡大についてちょっとお尋ねしたいのですけれども、大臣は毎日牛乳は飲んでおるのでしょうか。
○佐藤国務大臣 お答えいたしますが、毎日飲んでおりません。申しわけございませんが。
○鈴木(宗)委員 これは好き好きもありますし、いろいろ体質もありますから強制はできないのですけれども、所管大臣としては、消費の拡大にやはり大臣自身も一肌脱いでいただきたいというのが私の本音なんです。 今、日本人が一人当たり一日の牛乳の消費量は百ミリリットルであります。百ミリリットルというとこれの半分なんですね。もうあと五十cc飲んでもらうと、先ほど私が言った限度数量の話だとか細かな話をしなくても済むのであります。現在消費拡大のために幼稚園、老人ホーム、妊産婦さんに補助金を出しておるのですけれども、もっと消費拡大するために私は大量にばらまかぬといかぬと思う。そのためには、保育所にまで拡大した方がいいのではないかと考えているのですが、この点いかがでしょうか。
○瓜生説明員 今お話がありましたように、酪農の安定的発展を図る場合には、牛乳の消費拡大を図っていくということが非常に大事だというふうに考えております。したがいまして、農林水産省といたしましても従来から、学校給食における牛乳飲用の推進を図りますとか、あるいは今お話のありましたような幼稚園とか老人ホームでの集団飲用の推進とか妊産婦の牛乳飲用の促進、あるいは一般消費者を対象とした消費宣伝、消費者に対する啓発、こういったようなことをやってきております。 しかし、今の牛乳の需給状況の中で、ただいま先生からお話がありましたように、もっともっと消費を伸ばしてもらうような工夫が要るだろうと私どもも考えております。今、具体的なお話が保育所についてございましたが、これをやるかどうかということについては、今まだお答えできる段階ではございませんけれども、ただ、今までのやり方でそのまま走っていくというのではなくて、消費拡大のために少しいろいろ工夫をしてみたいと私ども考えております。
○鈴木(宗)委員 我々が聞くところによりますと、妊産婦さんが一々お店に行って、そして私はこうだからと言うのはお互いに余りよく思われていないようなニュースも聞くのです。ただその点、保育所なんというとたくさんありますし、食生活というのは子供のときから癖をつけないと長続きしないのです。そういった意味からも、保育所にまで広げる姿勢があるかどうか、それだけはっきり答えてください。
○瓜生説明員 やはりいろいろな形で消費拡大の工夫が要るだろうと思います。だから、保育所の問題も含めて、それから今の妊産婦のやり方についてはああいう形がいいかどうかということも含めて、今後至急検討していきたいと思っております。
○佐藤国務大臣 鈴木先生にお答えしますが、実は今飲まないと言ったのですが、私は孫が六人おります。実は牛乳と米との兼ね合いをどうするかという問題があると思うのです。私は毎日、朝昼晩お米を食べておりますが、お米を食べて牛乳が飲みにくいのですね。ところが、私の孫は牛乳でお米を食べるわけです。これは恐らく幼稚園、保育所でかなり飲んでいるせいだと思うのです。それをどのようにうまくするかということも一つの研究課題だ、こう思っております。
○鈴木(宗)委員 先ほど大臣は牛乳は飲んでおらぬと言いましたけれども、逆にお孫さんがたくさん飲んでくれているということで、これは敬意を表したいと思います。 さらにまた、消費拡大のためには、食生活が極めて多様化されておりまして、チーズなんかも随分と需要がふえてきております。この際、前から言われていることではありますけれども、ナチュラルチーズの国産振興のための施策、コストの面でいろいろ問題はありますけれども、まだ抜本的に取り組まなければならないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○瓜生説明員 現在の乳製品の需要の動向を見ますと、これからも伸びていくと思われるものはナチュラルチーズだというふうに私どもも考えておりますし、こうしたナチュラルチーズのいわば生産供給体制も含めました全体の進め方については、私どももいろいろ検討しているところでございます。今後とも、そういう意味でナチュラルチーズに焦点を当てたいろいろな検討を行い、対策も考えていきたいというように考えます。
○鈴木(宗)委員 このチーズの年間一人当たりの消費量を調べてみますと、日本の場合七百グラムなんです。七百グラムというとこれが三箱です。わずかなものなんですね。これなどもやはり癖をつけなければ、日本は米の歴史ですから急激な変え方はできないのですけれども、これも徐々に農林省の方で率先して消費の拡大の推進を図っていただきたいと思います。 次に、消費の拡大を口だけ言ってもこれは実効が上がりませんので、PRも必要ですし、あるいはそれなりの運動も必要だと私は考えております。農協の店舗にはコカコーラや何かは山ほど並んでいるのです。牛乳はどこにあるかわからぬというのが私が見た私の選挙区での農協の店舗の実態なんですけれども、少なくとも農協の店舗にはファンタだとかコカコーラは置かないでください、名前を出して恐縮ですけれども。とにかく消費の拡大のために農協は襟を正し、またこうやっているんだということが農民にわかるぐらい指導を徹底させなければいけないと思うのです。農林省からきちっとしたそういう指導ができるものかどうかお答えいただきたいのです。
○瓜生説明員 農協のスーパーでの商品の取り扱い方については、基本的にはそれはビジネスの世界の話でございますので、余り強く介入はしにくい部分ではございますけれども、特に農村というのは、まさにそういう意味では牛乳が生産されるあるいは農産物が生産される場でございますし、また地元で、自分たちのところでつくられているものが大いに消費されていくということに農協などが取り組んでいただくということは大変望ましいことだと思います。そういう意味で、そういう姿勢の対応をとってもらえるように私どもとしても強く期待をしていきたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 なぜこういうことを言うかといいますと、私の選挙区はびっしり酪農地帯ですから、農協に行っても出てくるのがジュースだとかサイダーでは本当にがっくりきてしまうのです。少なくともきちっと牛乳が出てくるくらいの、我々は消費拡大をしているのですよとわかるようなことをせぬといかぬと思うのです。 さらに、なぜ農林省にこういうことを言うかというと、農業団体、組織は補助金ももらっておりますし、いろいろ国の恩恵を受けているわけですから、少なくとも国家の施策に合ったことについてはびしっとめり張りをつけるべきだというのが私の考えなんです。少なくとも私などは、自分の後援会の会合では必ず牛乳を使っているのです。私自身がそれぐらいやっているのですから、組織としてできないわけはないと思うのです。そこらを審議官からもう一回、前向きな発言をいただきたいのです。
○佐藤国務大臣 先生にお答えしますが、実は私、農林水産省に参りまして今約五カ月ぐらいですが、非常に不思議に思うことは、農、林、水がばらばらなんです。したがって、農業の方は酪農に余り興味がない、そしてまた、林の方は水産に興味がない、そんなことで農林水産が一本になっていない。したがって、農林水産が仮に関係者八百万人、従業者を入れたら二千五百万から三千万おる、それが一体になれば何でもできるのです。そんな姿勢と教育が基本的に必要。じゃないかと思います。農協の場合はそうだと思います。そんなことですが、今先生の御指摘がございましたように、農協には全力を挙げてそのような方向をとらすように指導してまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 今の大臣の答弁、私は大変感銘を受けました。というのは、かつて中川一郎先生が農林水産大臣に就任したときも、農林省が農、林、水ばらばらだ、これではいかぬということを言っておりまして、いみじくも佐藤大臣がそういった認識に立って今御発言をいただいたということに対して私は大変うれしく思っておりますし、感銘を受けておりますので、どうか大臣、その姿勢で農政を思い切り推進をしていただきたいと思います。 時間もありませんので、最後にもう一度、私は乳価を上げていただきたい、乳価がだめならば何とか限度数量を諮問よりはもう少し色もつけてほしい、何とか枠を広げてほしいと再度陳情したいのですけれども、大臣の決意をいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 お答えします。 乳価につきましては、実は再々先生申しわけないのですが、お気持ちはよくわかりますが、畜産振興審議会の答申を得まして関係方面と調整の上速やかに決定してまいりたい、このように思います。 また限度数量につきましては、財政当局と実は昨日も徹夜で交渉しました。しましてやっとあの大台へ乗せたということで、とにかく最善を尽くしているというようなことで御理解を願いたいと思うわけでございます。
○鈴木(宗)委員 とにかく営農意欲の持てるような、また持たせるような農政だけはぜひとも推進していただきたいと思います。ありがとうございました。
○今井委員長 次に、新村源雄君。
○新村(源)委員 最初にお断りしておきますが、時間が非常に短うございますので、私の質問の通告した順序を多少違えて行いたいと思います。そしてきょう畜産振興審議会に諮問された酪農部会の諮問案を、お手元にありましたらいただきたいと思うのです。 第一点として、農林水産省は我が国の酪農をどういう方向にこれから指導していこうとしているのかということをお伺いしたいと思うのです。 御案内のように我が国の乳製品の需要の動向を見てまいりますと、これは極めて近年ですけれども、昭和五十二年に五百六十九万トンが消費されておるのです。そしてこれが五十九年には七百十九万トンが消費されている。これに加えて昭和五十七年にはナチュラルチーズあるいは飼料用脱粉、擬装乳製品その他を含めて二百五十八万トン、五十八年が二百四十八万トン、五十九年が二百六十万トンというように、これを両者を合わせますと約一千万トン近い乳製品の消費があるわけです。こういう状態にさらに加えて、先ほど鈴木委員の方からいろいろ御意見がございましたが、日本の乳製品の消費量は生乳で三十五・四キロ、チーズで〇・七キロ、バターで〇・六キロ。これをヨーロッパ、いろいろございますけれどもデンマークと比較をいたしてみますと、デンマークは生乳が七十七・六キロ、チーズが十・八キロ、それからバターが七・九キロ、このようにまさに生乳は約倍、チーズ、バターにおいては十倍以上も消費をされている。 そして私がいろいろお近づきをしております北海道の酪農研究所の所長の、かつての帯広畜産大学の学長の大原久友さんのお話によりますと、オリンピックで上位入賞するような国の牛乳の消費量というのは非常に高い、したがって日本はもっともっと牛乳を飲まなければいかぬ、そういう主張をなさっておりますし、昨年十月に中国を訪問いたしました。中国もこれからの食生活の改善は牛乳・乳製品だ、とにかく子供に牛乳を飲ませて中国の国民の体位というものを向上していかなければならぬ、こういうように言っているわけですね。こういう中で一体日本の酪農というものをどういう方向づけをしていくのか、こういうことをまずお伺いしたい。
○佐藤国務大臣 新村先生にお答えいたします。 今先生のおっしゃったとおりです。ただ問題は、日本と外国と見てみますと食生活が基本的に違うわけで、日本人は自然とお米、野菜で今日までやってきた。向こうはとにかく肉を食べてやってきている。そこら辺がやはり牛乳、バター、チーズ、なじみがどうなるかということだと思います。実は先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私、孫がおりまして、私、朝昼晩日本食、お米を食べておりますが、孫は牛乳を飲んで、御飯はお米を食べているのですね。ちょっと僕はそういう芸当できぬわけです。そういうところへどうして持っていくかということは、先ほど鈴木委員にも答えたようないろいろな方法があると思います。そんなことで、先生のおっしゃるとおり、これは非常に長い時間と努力が必要だ。それから国としてもそういう方向に持っていくことが大切だと思います。 先生御存じのことですが、今我が国の一戸当たりの飼養頭数では主要諸国の平均水準に達していると思います。ただ、経営体質はまだ非常に脆弱でございます。それは先生御存じのことでございますが、飼料自給率とか自己資本比率等非常に弱い、また牛乳・乳製品の消費の著しい伸びは現在望めない。望めないのはそんなことも一つあるかと思います。そこでとかく供給過剰に陥りやすいというのが今の酪農の現状ではないかと思います。 そんなことで、これは大変抽象的で申しわけないですが、今後の酪農政策の基本方向としては、酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律に基づく基本方針に即して、酪農を我が国の土地利用型農業の基軸として稲作の次の位置づけをして、長期的観点から総合的な振興合理化対策を図っていきたい、こういうふうに考えております。 そのためにはどうしたらいいかということでございますが、私は四つの施策を中心にやっていきたい、こう考えております。 その一つは、不足払い制度の適切な運営でございます。それから用途別の需要に見合った生乳の計画的生産の的確な推進でございます。その次は、飼料生産基盤に立脚した経営の育成と飼料自給度の向上、乳牛の能力向上、資本装備の効率化、経営管理技術の改善の推進でございます。その次は、配合飼料価格安定制度の適切な運営等に重点を置いて経営体質の強化と合理化を推進していく考えでございます。 いずれにいたしましても、農家の皆さんの御協力と国の施策、そういう形の中で、消費をふやすには辛抱強い忍耐と努力で、小さい子供から牛乳を飲ましていくとかチーズを食べさせる、バターを食べさせる、こんな習慣をつけていくことが大切だ、このように考えております。
○新村(源)委員 そこで、今申し上げましたように、食生活の違いがあることは当然です。しかし、先ほど申し上げましたように、年々乳製品の需要が高まっていることは歴史上明らかなわけですね。そうすれば、これに対して今大臣の言われたような的確な施策を重厚に施していくことによってこの需要にこたえる生産が確保できる、こういうように考えますので、こういう点についてはこれからいろいろな具体的な問題を挙げながらひとつ御質問をしていきたいと思います。 そこで、まず主としてきょうは乳製品の主要生産地であります北海道の現状から申し上げていきたいと思いますが、北海道の酪農は昭和五十二年において二万三千六百二十戸、これが昭和五十九年においては一万七千九百戸、実に七五・八%、この間の減少実戸数は五千七百二十戸、こういうように今までの経過としても毎年毎年酪農家の数が減少してきている。特に昭和五十九年の非常に経済的に緊迫した状況の中で、今年さらに大幅な酪農家の減少が予測されるわけです。しかも、それは昭和五十九年から六十年のみではなくて、もう酪農の現状というのは、一体このまま酪農を続けていっていいのかどうかという非常に暗いムードに包まれておるわけです。その原因は何といいましても負債です。 酪農主要地帯であります根室地区の負債の状況を見てまいりますと、昭和五十八年においては、これは農林水産省が北海道の負債は着実に減少してきているというようによく言っているのですけれども、しかしこれは昭和五十八年の一年間だけの一現象であって、昭和五十九年においてはさらに増加をしている。昭和五十九年の十二月末における根室管内の酪農家の平均負債額は三千六百三十六万五千円、これにはいわゆる別海の新酪農村が含まれておりますから、これを除いても三千百三十八万一千円、こういうように年々負債が増嵩してきている。先ほど申し上げましたように、負債の増高と酪農家の減少というものが正比例をしていっているわけですね。こういう問題というのは、乳価が正しく設定されないというところに、いわゆる農民の生産資材あるいは生活費というものと収入が見合わないところに負債というのは残っていくわけですが、こういう点をどういうように御理解をなさっていますか。
○瓜生説明員 今酪農経営の動向について北海道を例に挙げて先生からお話があったわけでございますが、農業経営を体質の強い経営にしていくためには規模の拡大を図っていくということが必要な面がございまして、この規模の拡大を急速に図ってくる過程で大きな負債を負った酪農家の方々がかなりいらっしゃることも事実だと思います。それからまた、規模を拡大する過程で、そういう大きな規模の酪農経営をやるよりは他に転身をすることを選択された方々がいらっしゃることも事実としてかなりあるかと思います。ただ、かつてのような高い伸びではないまでも、ほかの農産物に比べるならば増加しつつある消費の拡大に支えられながら、酪農は総体としては発展しつつあるというふうに私どもは考えております。ただ、先ほど申し上げましたような急速な規模の拡大の過程での大きな負債を持っているということも事実でございますし、ある時期におけるそういう経済変動に対応して先ほども触れましたような負債対策を講じたことがあるわけでございます。 ただ、今各農家の負債がふえているというお話がございましたけれども、規模の拡大の過程での負債の増ということでございますので、一頭当たりという角度から見ていきますと、必ずしもそういうふうな意味での負債がふえてきているということもないかと思われますし、それからいわば資産を規模拡大の過程でふやしておりますから、そういう意味で資産もかなりふえております。ですから、総じて言えば、資産と負債との関係等を見ましても、経営は向上しているのではないかというふうに考えております。特に経営の体質強化のための農家の方々の努力もありまして、一頭当たりの搾乳量はふえておりますし、その結果所得も向上しつつあるというふうに考えます。今後ともその経営の内容をよく把握した上での適切な経営指導を図る中で、酪農経営が全体としても発展するし、個々の経営も内容が改善されていくように努力してまいりたいというふうに考えております。
○新村(源)委員 今審議官が非常に楽観的なことをおっしゃっていますが、現状は昭和五十四年からいわゆる生産調整をやったわけですね。生産調整をやって、その時点から農家のいわゆる施設投資なり機械の購入、こういうものは全部差し控えてきているわけです。どちらかというと経営を安定的に拡大をしていかなければならないというムードが全体的に流れているわけです。こういう中で毎年毎年着実に負債が伸びてきている。五十八年だけは若干減りました。若干減りましたけれども、五十九年はさらにそれを上回って伸びていっている。資産がふえたとか一頭当たりの生産量がふえたというようなことは、結果としてはそういうことは空念仏なんですね。こういう現状をどう考えておりますか。
○瓜生説明員 個々の経営の実態に入ってまいりますと難しい問題を抱えている方々がかなりいらっしゃることも私ども承知いたしておりますし、そういう方々に対する対応というものを考えてきておるわけでございますけれども、それと同時に体質を強化していくということが日本の農業なり酪農にとっての一つの課題でございますし、またそれに真剣に取り組んで経営を展開しておられる方々については大いに支援をしていかなければいけないというふうに考えております。そういうことで、総じて言えば、私ども決して手放しの楽観ということではございませんけれども、酪農についての経営というのが非常に苦しい状況の中から少しずついい方に向かっているのではないかというふうに認識いたしております。
○新村(源)委員 審議官、私は特定の農家をとらえて言っているのではないのですよ。酪農主要地帯の根室地区の平均値をとらえて言っているのですよ。ですから、全体がそういう方向に落ち込んでいるということなんですよ。あなた方は特定のいい農家をピックアップして言っているのではないのですか。私は酪農主要地帯の平均値をとらえて言っている。
○瓜生説明員 具体的な今の地区での平均としても非常に苦しいというお話でございます。全体の全国的な統計の中でも、ちょっと五十八年は下がっておりますが、経営改善とのかかわりで負債がふえているということは一つの動向であるかと思いますが、他方、預貯金であるとかあるいは資産であるとか、こういったようなものも含めて総合的に見ていくならば、それから先ほど申し上げました経営技術の進展に伴っての一頭当たりの搾乳量の増加であるとか、そういったような側面も見ていきますならば、もちろん私ども、よくそういう意味での経営指導を適切にやっていかなければいけないと思いますけれども、そういうことによって酪農は発展をしていくものであるというふうに考えておるわけでございます。
○新村(源)委員 この酪農家の負債問題は、金融三法の中で改めて具体的なことを要求していきたいと思います。 大臣、昭和五十二年から昭和五十九年までに乳価の上がったのは一・四%、この間に上がった生産資材の価格は一八・九%、生活資材は二四・九%、この間に上がった公務員の給与ベースは二四%、こういう中で、一体酪農民が正常な経営や生活ができると思いますか。大臣、どうですか。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたしますが、先ほど先生のおっしゃるような数字もある。また逆に言えば、例えば農家の皆さん方の御努力によりまして一頭当たりの乳量が非常に増加したとか、あるいは、例えば飼料が七万円前後のが二回三千二百円、六千円下がったとか、そういう材料もある。また、家族労働報酬を見ておりましても、五十七年、五十八年が少し伸びているというような点もあることも御理解願いたいと思うわけでございます。 それで、先ほど審議官が答えました資産の問題でございますが、実はこれはよく錯覚を起こすわけですが、例えば資産が一億ある。土地代が七千万、六千万と。実はこの土地は、土地がなくちゃ酪農ができないわけですね、計算に入れちゃいかぬわけです。総合的に見た場合、資産バランスから見ると土地が出てくる。これは、実は土地があって初めて生きるわけでして、それの理解、どう見るかということによって先生の御指摘のような差が出てくると思います。したがって、今聞いておりまして、総合的にというのは土地なども皆入っておるわけですね。これを売っては酪農ができない。持っておるけれども、土地は評価をどのように見るかということによって違ってくることもありまして、そこらの計算をどうするかという問題が一つあるかと思います。 したがって、負債の問題につきましては、今先生が御指摘の点は五十一、二年急激に頭数をふやしたということで、それが大きな重荷になっているということで、五十六年から五カ年かけて負債整理資金等をつくりましてやっておるわけで、大体今千八百戸ぐらい残っておりますが、五十九年度。今それを整理しておるわけです。そんなことで、もちろんこれは農家の皆さんの自助努力、そういう形の中に先生おっしゃる乳価の問題、あるいはコストをどう引き下げるかという問題、そういう場合に指導その他、また国がどのように考えるかという問題でございます。総合的に判断しながらこの問題を進めていきたい、このように考えておるわけでございます。
○新村(源)委員 先ほどから審議官もしばしば言っておられるのですが、資産がふえた、今、大臣も言及されましたけれども。農家の資産がふえるということは、これは資産が、例えば預貯金とかあるいは運用不動産のように価格が上がっていくというものであれば、これは資産として見ていいでしょう。ところが、農家の資産というのは、土地にしろ施設にしろ機械にしろ、これは我々が事務をとっている机の上にペン皿が余計になったとか、そんなものでしかないのですよ。農民の経済がどうなっているかということは、そういう中からどのくらいの収益が上がってきたかということが一つの決め手なんですよ。それが、資産がふえたからとかなんとかというようなことをこういう農業の場合に言われるということは、これは認識不足も甚だしいと私は言わざるを得ないわけです。 そこで、一頭当たりの乳量が上がった、労働生産性が上がった、こうおっしゃいますけれども、農業というのは、それじゃ一体他産業よりもこの賃金体系というのは——例えば公務員の賃金体系というのは、日本の経済動向の中から生まれてくる労働者の賃金が人事院によって把握されて、そして適正な形で勧告をされるわけですね。そうすれば、農民の生産性というのは、今安定成長と言っていますけれども、こういう日本の経済成長よりもはるかに高かったということですか、どうなんですか。はるかに高かった、そういうことが実証できますか。
○瓜生説明員 私ども農業政策を進めていく場合の一つの目標がやはりそういう意味での所得、収入の均衡ということであるということは、逆に言いますと、そこに到達していない場合が非常に多い。そこを目指して生産性の向上とか規模の拡大とかをやっている、こういうことでございます。 それから、今の価格の問題などを考える場合にも、そういう意味での事柄を念頭に置いた対応をとっているつもりでございます。
○新村(源)委員 これはもう幾ら言っておってもかみ合わぬのだが、大臣、ここらはきっちり把握してもらわないと、前段で聞いたように、これから日本の乳製品、そういうものの需要がどんどん伸びていくことは必然的なんですね。必然的なのにむしろ減産の方向に向かっていく、ここのところをしっかりやってもらわなければいかぬと思うのです。そして、ただいまいただいた畜審に諮問された価格を見ますと、依然として同じなんですね。ただ、基準取引価格は、九十九銭ですか、これだけを引き上げた。しかし、最終的に農民のところに来るものはやはり依然として同じだ、こういうことですね。こんな価格で、今言っているような酪農の安定、さらに発展というのを望めますか。
○瓜生説明員 きょう畜産振興審議会の酪農部会に試算を提出いたしております内容でございますが、その特に保証価格について、生産者の手取りがまた動いていないということの御指摘でございます。これについての私どもの考え方でございますが、この最近の生乳の生産をめぐる事情を見ますと、先ほどもちょっと触れましたが、一頭当たりの乳量が増加しているということが一つございます。それから労働時間が減少してきているということがございます。それからさらに配合飼料価格は二回にわたって値下げが行われております。それから資材価格も非常に安定的に推移している。そういうような状況からいたしますと、昨年に比べて経官の状況、相対的なものでございますけれども、昨年に比べますとそういう意味での生産サイドの条件というものは非常にいい方向の要素はあります。少なくとも、悪くなっているような大きな要素があるわけではないものでございますから、そういったような状況を勘案いたしまして、保証価格については据え置く形での諮問をしているということでございます。 なお、基準取引価格については、これはメーカーの支払い可能の乳代でございますが、これらは、その安定指標価格等についての、バターは引き下げ、それから脱脂粉乳は上げるというような、そういったようなものとの関連、それから具体的なメーカーの支払いの可能の乳代の内容を精査いたしましたものを踏まえまして七十円十七銭ということで、九十九銭の引き上げを行ったということでございます。
○新村(源)委員 話は振り出しに戻りますけれども、大臣、毎年同じことをおっしゃるのですよ。毎年同じことを言って乳価を据え置いてきたのです。その結果が私が先ほど言ったように七年間で一・四%より上がらなかった。しかし、公務員の給与あるいは生産資材、生活資材、これらのものがすべて二〇%以上に上がっているわけですね。こんな中で農家だけが安定的な、発展的な生活ができるというようなことは到底考えられない、 今、乳価の問題は、ひとり農民の問題のみではなくて北海道の農業を基盤としているところの地域経済の問題にまで発展してきておるわけです。もう農業がだめになればそこに働いている商店街も何もだめになる、こういう地域ぐるみの問題になっているのですよ。ですから、この乳価を上げるということは、そういう地帯に対して公共事業に投資するというくらいの気持ちで乳価を上げてやらなかったら、農民も参る、その地域全体の経済も落ち込んでいくということになるのですよ。これはひとり農業サイドの問題のみではなくてもっと大きな社会問題を含んでいる。こういう見地から大臣、諮問はこういうようにおやりになったのですが、ぜひとも乳価を上げてください。これは農民だけの問題ではない。北海道の農業を基盤としている地域全体の問題です。そういう点について大臣、もう一回。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。 実は先生のおっしゃる趣旨を踏まえて、特に主要加工原料乳地域である北海道の生産費を基礎とし、加工原料乳の再生産を確保することを旨として適正に算定して、今最善の努力をした結果がそうでございます。
○新村(源)委員 大臣がそういうようにおっしゃっていることが今日こういう状態を迎えたのだということを深く認識してもらわなかったら、全く情けないですよ。このように多くの地域の皆さんが、この決定が一体これから酪農をやっていけるのかどうかということを息を潜めて見守っているわけですよ。それは、さっき言ったように農民ばかりではなくて地域経済全体の方がそう思って見ている。これは、この諮問を前にしてここでそういうように御要望にこたえますというようなことは言いにくいでしょうから、ひとつゆっくり、もう今月いっぱいかかってもらってこの実情をもう一回検討してください。 次に、不足払い方式が二十年たちました。不足払いの重要な核というのは三つあるわけですね。一つは乳業メーカーが酪農民に支払える、いわゆる乳業メーカーが一定の利潤を確保しながら酪農家に支払える額、これはすなわち基準取引乳価ですね。その次には、先ほどから言っておりますように農家の経営と生活が安定をできる、これが保証乳価。その次には、こういうものを支えていくためにいわゆる畜産振興事業団によるところの指定乳製品の一元輸入、こういうことによって今のこの補給金暫定措置法というものが守られているわけです。そこで、第一点の基準取引乳価の問題で、私は去年もこの問題について石川畜産局長とかなりやり合ったわけですが、現在酪農主要地帯においては、先ほどからおっしゃっていますように乳牛の改良、この資質の向上に向けて農家を問わず団体を問わず全力を挙げてやっているわけです、その結果脂肪分も高くなってきました。特に脱脂粉乳の原料になります無脂乳固形分が昭和四十六年に八・四一、そして昭和五十八年には八・五四というようになっておりますが、基準取引乳価の算定の基礎になっておりますのは八・三六なんです、これが今までずっとそのままになってきておるわけです。 そこで、私は去年もこれを指摘したのですが、今現場の原料乳、それから指定団体との間の取引の中ではこの無脂乳固形分というものが算定の基礎となっている。この差を見ていくと約一円近くあるわけです、これだけ見ても。そしてこれは大臣も御案内になったと思いますが、それを裏づけするように乳業メーカーのいわゆる利益というか、五十七年から毎年毎年百億円を超える利潤が出ているということは、これは中央酪農会議の資料ですが、農業新聞でもこういうことで明らかになっているわけです。そういう中にもかかわらず、いわゆる農民の努力した分が全部メーカーの利益になっていっている。こういうことで、先ほど申し上げた不足払いの一つの核というものが適正に行われていない、これをどういうように御理解なさっていますか。
○瓜生説明員 今基準取引価格の関係について二点の御指摘があったかと思います。一つは、この算定に当たっての無脂乳固形分の見方、それからそれとの関連を持って、この基準取引価格の見方が、ある意味ではメーカーがもうけるような状況になっているかどうか、こういうことかと思います。 実は第一点の無脂乳固形分につきましては、これまでもかなり議論があり、この委員会でもいろいろ御質問があったところでございます。ただ、かつて八・三六に改めました際に、その後この水準が維持されない乳がかなり出た。そういう実態もありましたものですから、最近無脂乳固形分の水準が非常に上がってきてはおりますけれども、推移を見きわめてそれを踏まえて対応する必要があろうかということで、去年の段階ではそういう意味での要検討事項ということになっていたかと思います。 そこで、本日試算を提出いたしております基準取引価格の算定に当たっては、無脂乳固形分については八・三六を八・四五に改めさせていただきました。こういう形で実態に合ったような方向に持っていきたいと考えております。 それから、それはそれとして、一部の報道あるいは団体の方々のいろいろな御意見の中に、最近のメーカーの収益に関連して特に脱脂粉乳が安定指標価格をかなり上回っている状況にある、その上回っている幅を考えると乳業ではそこに相当収益が上がっているのではないかというお話がよくございます。ただ、全体の収益として考えますと、かつて安定指標価格を大きく下回りました。一〇〇を切って九〇台が長く続いたときがございます。そういうときには、今度逆に言えば、今の益、損という角度のそういう発想から見ていきますと、その間はずっと損をしていたということにもなるわけでございます。安定指標価格というのは一つの価格安定のめどでございますから、現実に乳業メーカーがもうかっているかもうかっていないかということは、これは、私どもが生産の状況について調査をさせていただいておりますが、そういった調査を踏まえて点検をしていく事柄であろうかと思います。最近の市場価格が安定指標価格よりも非常に高い実勢価格にあるから、うんともうけているのだからそこは配慮すべしという議論は、逆からすれば安定指標価格をうんと下回っているときは損しているのだから何か面倒見ろという話にもつながりますが、ある意味では安定指標価格はまさに一つの指標でございますから、それと、メーカーの調査をし、そしてそれの内容、生産費をよく点検した上で必要なコストを考え、そして基準取引価格を決めるという姿勢をとるべきだろうと思いますし、私どもそういう姿勢を貫いた形で今回の試算をさせていただいたわけでございます。
○新村(源)委員 私が去年この問題を質問いたしまして、石川畜産局長は、これは乳業者と生産者団体との間で協議して、そして適切に、ひとつ実態に合ったいわゆる協議をしてくれる、議事録をきのう調べましたらこういうことを私の質問のうちに二回も答弁しているのですね。これは非常に重要な問題なんですが、この畜産局長の答弁に対して、農林水産省はメーカーや指定団体にどういう指導をしましたか。
○瓜生説明員 生乳の取引については、結局生産者団体とメーカーとの間の取引に関するビジネスの問題でございますから、その意味で基本的にはそういう取引の問題としてよくお話し合いをしていただくということでございますが、無脂乳、特に無脂乳固形分に関連いたしましては、新しい乳価基準を導入するについてもいろいろ技術的なめどを立てる必要があるということで、全国乳質改善協会を中心といたします委員会を設置して、これは大分前からでございますが検討してきておりまして、そういう検討の結果を見ましても、やはり大局的な観点に立ては無脂乳固形分を考慮した対応というものは一つの意義のあるものだというふうに考えられます。 ただ、技術的ないろいろな問題がありまして、取引の中で逐次どういう形で持っていくかということが醸成されることが必要かというふうに考えておりますので、当面は取引当事者の間で、こうした取引が必要な地域とかあるいは生乳の用途等について話し合いのもとで自主的に実施されることが好ましいと思いますが、交渉に当たって、当事者双方から交渉が円滑に進むように私どもの方にお話があれば、私どもとしても指導に努めていきたいというふうに考えております。
○新村(源)委員 無脂固形分を八・三六から八・四五にした、そして基準取引価格を九十九銭上げた、こういうことは結果的には農民の努力を全部政策吸収してしまう。農民の努力というのは最終的には保証価格なんですから、最終的には保証価格にこれが加えられるのではなくて政策吸収されてしまう。そうしたら何も、農民がいろいろな種畜改良あるいは基礎牝牛等に積極的に資本を投下して改良に努力をしてきたものは全然報われないという格好なんですね。政策吸収、今まではメーカーがもうけておった、そして今度は政策で吸収しちゃった、農民がどこで浮かばれるところがありますか。メーカーの利益になり、政策で吸収しちゃって、農民は金かけぬで何にもやらぬ方がいいということになりませんか、そういうことになったら。
○瓜生説明員 生産性の向上あるいは品質の向上の努力の成果というもの、これは生産者と、それから消費者、こういうところに還元されていくべきものだろうと思います。今回こういう形で計算の仕方としてこういう無脂乳固形分について上げておりますが、さらに改善の努力の中での、いろいろな無脂乳固形分の取り扱いということについては、今後努力をする中での、いわば取引関係の中で対応が行われることを期待いたしております。
○新村(源)委員 どうも時間が来てしまって本当に残念ですけれども、大臣、私の言っていることの真意はおわかりだと思うのですよ。非常に苦しんでいるのだから、ひとつこの諮問されました乳価について、大臣の決然たる態度で酪農民の立場が報いられるようにぜひとも御考慮していただきたい、こういうことを要請申し上げまして、私の質問を終わります。
○今井委員長 次に、島田琢郎君。
○島田委員 きょうは酪農部会が開かれておりまして、既に開会されております。例年は、諮問案は同時に当委員会に配られることになっておるのです。ことしは、なして配らぬのですか。きのうの畜産の諮問案といい、きょうの酪農の乳価諮問案といい、大変不親切ではないですか。
○瓜生説明員 諮問案といいますか、現在の試算の数字だと思いますが、ちょっと私ども不勉強で昨年の例をきちんとフォローしておりませんでしたので、大変失礼いたしました。今お配りいたします。
○島田委員 そういうあいさつはないでしょう。申しわけないという話にならなければ、去年の例を知りませんなんて言うのは、そんな失敬な言い方がありますか。
○瓜生説明員 大変申しわけありませんでした。
○島田委員 大変厳しい状況のもとで諮問案がつくられ、目下審議会で審議がなされておるようでありますが、限られた時間ですから散漫にならないようにポイントを絞ってお尋ねしてまいりたいと思いますので、ひとつ的確なる御答弁をいただきたい、こう思います。 一つは二百三十万トン、今配られてまいりました集約資料によりますと八万トン増の二百三十万トン、基準取引価格が九十九銭上げの七十円十七銭。昨年の諮問案といい決定乳価といい、またことしの諮問案といい、先ほど新村委員が指摘をいたしました幾つかの問題点はそのまま未解決で諮問がなされておるという点で、この諮問案に私は大変不満でございます。乳価決定に当たっては大臣の御決断をひとつぜひお願いしたい、このことを冒頭に申し上げて問題点の質疑に入りたいと思います。 審議官で結構ですが、一つは、この二百三十万トンからつくられます今一番話題になっております脱脂粉乳は、ことし実量で幾らを見込んでおられますか。
○瓜生説明員 今回、物別の算定ではなくて、生乳生産全体から自家消費とか飲用乳、あるいはその他、こういったようなものを差し引く中で限度数量を算定いたしておるわけでございまして、今の脱脂粉乳の見込みの数字を手元に持っておりません。
○島田委員 しかし、これは素人でもわかるような方程式があるのですね。そうでないですか。
○今井委員長 委員長から申し上げますが、極めて準備が不足のような気がします。しっかり答弁してください。
○島田委員 私は昨日も質問の内容については、こういう質問をしますよと言ってありますので、この点について答えられないこともおかしいが、今の審議官の答弁は、脱粉の生産目標がなくて全体の限度数量が決められるなんというようなことは断じてないのです。
○瓜生説明員 六十年度の限度数量の設定に当たりましては、生乳の生産事情とか飲用牛乳、乳製品の需給事情その他の経済事情を総合的に勘案する、それから、本来生乳等で賄い得る特定乳製品の需給が、いわゆる発酵乳等でございますが、約三十五万トンほどあるかというふうに見込んでおりますが、そのうち六十年度においては約二十一万トンを生乳等に置きかえられるのではないか、あるいは置きかえを推進していく、積極的にそういう対応をしていくということを基礎にしまして二百三十万トンというふうにしたわけでございます。六十年度について見ますと、消費の動向あるいは天候の動き等の変動要素はございますけれども、特定乳製品から生乳等への置きかえは相当進むことが期待されますので、しかも、その中で脱脂粉乳の需要の生乳への置きかえの伸展が見込まれるということであります。 それから、今回、安定指標価格の改定によりまして、ごくわずかではあるにしても脱脂粉乳の安定指標価格の水準が上がることが還元乳への志向を弱めることも期待をいたしまして、六十年度の生乳の需給については今のような形で全体が対応できるのではないか。つまり、二百三十万トンとし、生乳あるいはその他乳製品等で対応することが可能ではないかというふうに考えている次第でございます。
○島田委員 審議官は私がこれから聞くことを先取りしておっしゃいましたが、肝心なところは一つも言わなかったのです。仕方がありません。時間がもったいないですから、私がけさの諮問案を受けまして計算を今さっきしてみたのです。私のこの計算が正しいかどうかについてそれじゃ一言聞きますが、まずは二百三十万トンの限度数量、このうち今三十五万トンを発酵乳その他の乳量に仕向けるということをおっしゃいましたが、昨年の実績等を勘案いたしますと、おおよそ二十三トンほどはチーズに向けられるだろう、こういう計算であります。これは成り立つと思うのです。多少の違いはあると思いますよ。そして脱脂粉乳や脱線に仕向ける割合というものは全体の八割になっておりますわ。昨年も八割ですが、ことしも八割であります。それを掛けまして出た答えを脱粉の単位当たり製造必要乳量というので割ってまいりますと、脱粉は幾らできるというのが答えとして出てくるのです。これがなければ二百三十万トンという乳量は絶対に決まらぬ仕組みになっているのです。 これは脱粉の例を今申し上げましたよ。六品でみんなこういう計算がなされて初めてここに二百三十万トンという限度数量が割り当てられる仕組みになっているのです。こんなわかり切ったことを言い逃れしようという姿勢は私はどうしても納得できません。この算式を見てください。あなたの方でおつくりになっている算式をそのまま採用しているのですよ。あとは数字をはめ込めばいいだけになるのです。 そうしますと、昨年の実績で、政府がどういう乳量を必要としているのか今お答えになっておりませんから、昨年の実績、これはまだ三月でありますから見込みが入ります。見込みを入れて割り返しますと、脱粉の生産量は十三万八千トン、こういうふうに見込まれるのです。そうしますと、十三万八千トンという脱脂粉乳は——今いみじくも審議官がお話しになりましたように、ことしもかなり脱脂粉乳に対する志向性は高い。値段もがなりのところで推移するだろう。そう予測を立ててまいりますと、五十九年度の生産見込みは、これは試算ではございません、私のところの調査によりまして、いろいろ統計情報部等が発表いたしております見込み数字で見てまいりますと、おおよそ十五万五千三百トンの脱脂粉乳が生産される。 そうしますと十三万八千トンというのはいかにも少ない数字ですが、それは今おっしゃるように発酵乳等還元乳に流れるのを防ぎたい、つまり第二のダムに流れないように、真っ当なところに流れていくようにしたい、そういうお考えを今お示しになりましたから、それはわかりました。それはそうあってほしい。それはこれからの私の質問の項目でございますがあなたは先取りしておっしゃったから、それはそれで了解できますが、しかしそれにしても、十五万五千トンの生産がありながら、しかもそれは脱脂粉乳志向性が下降線をたどっているのではない、まだことしもかなり高い水準で脱脂粉乳に対する期待がかかっているというのにしては、余りにも脱脂粉乳の生産量が少な過ぎる。そしてまた、それは第二のダムではなくて真っ当な流れのところに持ってきたいというお気持ちがあるならば、一体その手だてをどのようにお考えになるのか。依然として脱脂粉乳で使うとすれば、足りない分は輸入しなければならないということになります。 全体の国民の期待する発酵乳、ヨーグルトその他のこういう製品に対しては大変期待が大きゅうございます。これだけしか乳は分けられないから国民の皆さん食べないでおいてくれというわけにはいきません。期待にこたえてつくらなければならない。だとすれば、第一には、国内の生乳をしっかりとそこに向けてやる、生乳でヨーグルトなどがつくられるという仕組みをしっかりとつくっていかなければなりませんが、その手だてがこの限度数量の中に含まれているという点については、今審議官がお答えになったから私は了解します。しかし、それは大丈夫ですかと聞きたい。もう一つは、どうしても安易に流れるのは外国から脱脂粉乳を入れてくるという仕組みになってしまう、そういうことは絶対にないのか、この際伺っておきたい。これは大臣、相当の決意がないとできないことでございますから、後ほど大臣からも御決意を伺いますが、まず事務局のお考えをお聞かせ願いたいと思うのです。
○瓜生説明員 生乳が使えるようなものについてはできるだけそれを振り向けていくという姿勢で対応いたしますとした場合、今の発酵乳の取引というのは去年から特に力を入れておりますが、これをどうやって進めていくかということでございます。去年も一応いろいろな発酵乳取引が進むような指導等をやってまいりましたが、最初の年でもありますし、去年の夏の暑さ、そういったような事情もあったためになお一層の努力が要るというふうに私どもも考えております。そこで、発酵乳取引がさらに推進されるような手だてをいろいろ今検討しているところでございます。
○島田委員 そうしますと、あなたがお考えになっている生乳で賄いたいというお気持ちは乳量にすると幾らになりますか。
○瓜生説明員 十二万トンくらいかと思っております。 いろいろな対応があるかと思いますが、生乳から真っすぐ入るもの、それから一たん脱脂乳に入って発酵乳になるもの、そしてまたそれ以外の発酵乳もあるでしょうし、その他のいろいろなものに入っていくもの、いろいろなルートがあるかと思いますが、とにかく全体として置きかえを期待するものが約二十一万トンを考えております。
○島田委員 十二万トンを持ち込んで、脱脂粉乳でつくられていた還元乳やあるいは発酵乳のことしの、つまり五十九年度の実績見合いからいいますと、それで大体需給が賄えるという数字になりますか。
○瓜生説明員 一応の見込み方としてその飲用乳での消費の量、それからその他での消費の量等々を突き合わせてみますと、今の十二万トンというのは実はむしろ生乳から真っすぐそういう飲用乳の分類になりましょうか、そういうようなものに向かう分でございます。直接生乳からそういう発酵乳に向かう分でございまして、そのほかでは一たん脱脂乳になってから回っていく分、これは統計上別な分類になりますので、それも入れますと、約二十一万トンくらいを期待いたしておりますが、そういたしましても、全体の脱脂粉乳なり乳製品の需給というものは安定的に対応できるというふうに私ども考えております。
○島田委員 考えておりますか。
○瓜生説明員 はい。
○島田委員 そうではないでしょう。どうしても数字がいません。私はこういう計算です。これも政府が計算されていることとほぼ一致するのです、常識でございますから。脱粉を一万トン生産するのには十二万トンの生乳が要るのですね。ところが、先ほど申し上げましたように、五十九年は十五万五千三百トンの脱脂粉乳、来年の、きょうの発表によりますと、私の試算で十三万八千トンの脱脂粉乳しか実はつくるとなっていない、あとの残りの足りない分は、ことしこれだけの需要があるのですから、まさか十三万八千トンではとてもじゃないが対応できないと思うのです。それなのに今あなたは二十一万トンの生乳があれば完全に対応できるとおっしゃる。計算し直してみてください、これはとんでもない違いなんですよ。ですから、裏を返せば、私が脱粉の単位当たり製造必要乳量を十二万トンと見ているよりも、実態は、政府の試算は、恐らくもっと乳量が少なくて済むのにもかかわらず、かなり多目の乳量を配分しているのではないかと疑われるのです。だから十三万八千トンという私の計算によって出てくる脱脂粉乳の量は、はるかにでかい数字になって出てくるのではないか、私はそう疑うのです。これは先ほど新村さんが質問されたことと同じことなんです。 つまり脱脂粉乳の諸要素になりますのは生乳の中に含まれる無脂固形分という成分でございます。御承知のとおりです。これが政府は依然として八・三六%で試算をしているのではないか。しかし実態は、北海道なんかを例にとりますと八・五をかなり上回るよい成分を持っている牛乳になっているのです。そうしますと、その差の分が実際の脱脂粉乳の生産増になっていくということに結果的にはなるわけですね。だからあなたと私の話が食い違うのです、かみ合わないのです。 そういうことをここ数年ずっと続けておりまして、例えば私は経済統計年鑑をちょっと見てみました。これは私たち食品関係を見るのに大事な統計数字でございますので、これを見てみますと、脱脂粉乳は五十七年に十三万トンそれから五十八年に十五万八千トン、そしてことしは十六万二千トン、このように需給関係は大変上向きで、あなたも認めているとおり脱脂粉乳に対する志向性はかなり強いのです。それは後ほど問題にしますが、発酵乳等、ヨーグルトなど生乳でつくらなければいけないものを脱脂粉乳でつくる、脱脂粉乳からもとの飲用乳になる還元乳などをつくる、こういうことが行われていることによってこのルールが物すごく乱れているということを示すものなんです。それを直そうとお考えになったことを私は評価すると言った。ところが、直すお考えを中身を聞いてみたら、それじゃ直ったことにならぬのですよ。生乳の仕向けがそんな程度でありますれば、恐らく外国から脱脂粉乳を輸入しなければならないという実態にことしもまた相なる。どうですか。
○瓜生説明員 需給関係からいたしますと、まさに今の脱脂粉乳の需要が今まで強かったというのは発酵乳その他に脱脂粉乳が相当回っていたということでございますから、それらが生乳で対応されるという中で脱脂粉乳への需要というものが生乳需要に置きかわっていくことを考えて今の需給試算をやっておりますが、そういたしますならば、その需給が均衡し、異常な事態があればともかくとして、十分に需要に対応できるというふうに私ども考えているわけでございます。
○島田委員 どうしてもかみ合わないですね。 もう一遍聞きますが、今度の試算に当たりまして、政府としては脱脂粉乳の配分をするに当たって幾らの生乳を必要として計算されたか。その数字を私は十二万トンと申し上げました。しかしあなたの方はどういう数字をお持ちになっているのか、もう一遍お聞きしたい。——ごめんなさい。十二万トンは十二トンです。あなたの方は幾らですか。
○瓜生説明員 正確な数字をちょっと今手元に持っておりません。今取り寄せておりますので、ちょっとお待ちいただきたいと思います。大変申しわけございません。
○島田委員 私の質問はかなり数字的になるので、諮問案が出たところですからもうお話しになってもいいはずだから、あしたはきちっと数字を持って対応してくださいよ、そういう気持ちできのうは私の質問の通告をしているのでございます。残念ながら、かみ合うような資料の提供がない。これではどうも審議が進められないのでありますが、しばらく待ってくれというのであれば、その間別な角度でお話しします。 それでは大臣、今お話しになっている中では全貌まだおわかりいただけていないかもしれません、専門的な話をかなりしておりますから。しかし、先ほど新村委員の指摘されたところの延長線上で私はお話を申し上げております。それは、保証価格を決めるに当たってのルールというのが三つございます。そのうちの一つに、基準取引価格というのが正常でないといけない。これがやはり分配の公平、公正を判断する大事な政府のお決めになる価格水準でございます。ところが実際には、その基準取引価格を決めるに当たって、甘く見ますと、これは一つのものを悪用するという格好になる。それは政府もお認めになって頭が痛いとおっしゃっている、脱脂粉乳から還元乳に流れる、本来生乳が飲まれていく、生乳からヨーグルトをつくられる、発酵乳もつくられるというのが本当でしょう。補助金のついた、しかも基準取引価格を安く設定すれば、それでもって実際の市価で高く売れればその間の利潤は確実に見込まれる。そこを見ながらメーカーは何をつくるかを決めていくわけです。今のところでは、脱脂粉乳からヨーグルトや還元乳をつくったらもうかるから、幾ら行政指導やったってそっちの方に流れていくわけです。 そこでことしは、限度数量を決定するに当たってそこのところを大変大事に考えられたという節はうかがい知れます。だから審議官のおっしゃっているように、私が指摘したように、十三万八千トンの脱脂粉乳しかつくらせない、あとは生乳で対応したいのだ、こうおっしゃる。しかし本当は、それだけでは答えになっておりませんで、恐らく必要乳量というのは私たちが考えている以上に、成分のいい牛乳になっておりますから少なくて済むのだろう、そして少ない乳量でたくさんの脱脂粉乳ができるのだろう、そう考えられますので、私の言っている十二トンは正しいかどうか、それからできる十三万八千トンの脱脂粉乳の生産量は政府の見込んでいる数字と同じなのかどうかということを聞いたのですが、ここが数字が出てこないのでわからないのですね。——出てきましたか。
○瓜生説明員 換算率でございますが、これは計算上の、一つの擬制計算の換算率になりますが、六・五〇という数字を使っております。これは、トータルの生乳を計算いたします場合に、一定の生乳の量からバターと脱粉と両方とれるわけでございますので、そこで脱粉自身については六・五〇という数字を使っております。
○島田委員 審議官、あなた、私の質問の中身がわかっておらぬのでしょうか。私はそんなことを聞いたのじゃないのですよ。どうもこれだけでえらい時間がロスしてしまいまして、大変残念でございます。ここはもう少し別なところで、時間がもうなくなってきましたから、これはひとつこれから詰めていきたいと思います。まだ価格の決定までには時間があるようでありますから、この質問時間でこれだけに費やすわけにはいかなくなりましたので……。 つまり、大臣、途中になりましたが、私はここ二、三年の傾向を見ていますと、残念ながら、不足払い法成立二十周年をことしは迎えておりながら、この不足払い法というのが実は使い方いかんによっては大変悪法になるということが言えるのではないかということに私は強い懸念を持つのです。つまり、一口に言えば一物二価、一つの物で一度もうけ、二度もうけ、そういうことを許すような法の運用になっていはしないか。これは新村さんが指摘したことと私は全く同じことでございます。したがって、基準取引価格の設定に当たってはこの点の配慮、つまり配慮というのは、試算の内容が私たちにとっては大変気になるのです。気になるから、今脱脂粉乳だけ言ったのです、あと五品目ありますからね。全部洗っていきますと、ややそういう傾向になっている。これでは分配の公平を欠くものではないでしょうか。 先ほどもお話にありましたように、大変苦しい経営を強いられておる酪農家が多い、負債整理対策も政府自身おやりになっている、こういう実態等を考えますと、私はきのうも金融三法の審議に当たって、借金が残らないようにしてほしい、赤字が残らないようにしてほしい、いわんやそれが固定化されていくような事態だけは避けてほしい、そのためには構造政策と価格政策は車の両輪でありますという認識をぜひ持っていただきたいということをくどくと言ったわけでありますが、そういう実態を考えますときに、今一番大事なのは、こうしたせっかくの不足払い法が見直しを迫られるような事態になっていることに私は一つの危機感を持つのです。こういう点をお直しになろうという意気込みは、先ほどの審議官の話の中から私はわかりました。しかし手だてとなると怪しい。これではどうも、意気込みとやろうと考えている結果がかなり違ったものになって出てくるのではないか、私はこういうふうに思います。この際、不足払い法についてどうお考えになっているのか、大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 島田先生にお答えいたします。 不足払い制度というのは、先生御存じのとおり昭和四十一年四月から発足したものです。加工原料乳地帯の生乳の生産振興と生乳の価格形成の合理化とか、あるいは牛乳・乳製品の価格安定等を目的としてできたのは御存じのとおりでございますが、そんなことで、これが発足前は乳価切り下げの紛争とかいろいろな問題があったわけですが、そういうのが解消され、生乳の価格形成の合理化等が図られたと思います。それからもう一つは、生乳生産の増大とともに経営規模の拡大が進むなど、加工原料乳地帯、特に北海道の酪農の発展が図られたと思います。また、乳製品価格の安定がおおむね図られてきたということは先生御理解されると思うのです。 ただ問題点としては、先ほど先生御指摘のようなことでございますが、財政負担の問題とかあるいは生乳流通の広域化と需給調整の問題、それから乳製品につき内外価格差の縮小が進展せず、国際競争力のおくれ、こういう問題点を一体どうするかということが大きな問題と思って、今鋭意取り組んでいるところでございます。
○島田委員 時間がなくなりましたから、私の方から少し先ほどのことを整理しながら最後の質問をもう一点だけやって終わりにしたいと思いますが、先ほど私なり新村委員が指摘をしてまいりましたものは、これは五十九年度の推算、まだ終わっておりませんから推算でございますが、全体では六十九円十八銭というのが現行の基準取引価格ですね。そして、保証価格がありましてその間の不足払いが行われていますが、これを分析してまいりますと、実際には五十九年度の乳価を決定するに当たって推算された数字というのは、私たちが考えている数字とは結果的にはかなり違ってきている。つまり、今申し上げました六十九円十八銭というのは、生産者のメーカーに売るときの基準取引価格でございます。それにことし一年間の見込みを入れまして、およそ見込まれる付加価値は二十三円四銭になります。端数のところはまだ幾日か残っておりますから推定が入るので多少動きますが、そんなに大きくは動きません。そして我々が売った牛乳は九十二円二十二銭という付加価値を生んで結果的には生産された、結論はこういうことになるのです。ところが、保証価格は九十円七銭でありますから、二円何がしか、実は我々の売った牛乳は市況のよい面に支えられて高く売れたという結論になるのですね。 したがって、それを推算して、二百二十万トン、二百二十二万トンでございますが、実はこのうち二十三万トンがらみはチーズに仕向けられている。それから、今度途中から足りなくなりまして不足払いの補給金のつかない牛乳が二十一万トンほどここに持ち込まれておりますから、差し引きいたしますと二百二十万トンがらみではないか、これも多少はトン数が違うかもしれません。しかしそんなに大きくは違わないはずであります。そして、それによって全体で得たといいますか、売った金額は二千二十八億七千八百万円を政府は推算いたしました。この程度では売れるだろう。ところが実際に売れるのはもっと大きゅうございまして、二千四百十五億と推定されます。えらい違いじゃないでしょうか。乳価決定に当たって昨年の今ごろ政府は推算をされ、そしてこれでほぼことしの乳価が決められましたが、それによると、全体で私たちが売った二百二十万トン、チーズは入っておりません、二百二十万トンの乳でつくられた乳製品六品目は、政府は二千二十八億と考えましたが、実は二千四百十五億になっているのです。こんなに大きく見込みが違う試算をするということはやはりいただけないのではないか。 しかし、実を言いますと、これは三つに分けられますよね。生産者と卸売マージンともとのメーカーの製造販売経費と利潤、これに分けられていくわけです。その配分が大変正当でないというところに問題があるということを私は指摘しているのです。しかし、そのうち脂肪スライド分というのは曲がりなりにも〇・一%当たり一円という支払いがなされておりますから、これは満足、不満足という問題は別として、制度上は一応仕組まれているわけです。ところが、無脂固形分の基準として政府がお考えになっている八・三六%は、実質は八・五をかなり上回る成分として、ことしは北海道なんかでもこの分はメーカーとしては乳量を少なくて済んだ、製造コストが少なくて済んだのだから、その全部とは言わぬが一部を返してくれという交渉が一年がかりで行われましたけれども、これはだめでした。 私は、この際、基準取引価格はこの不足払い制度の持つ最も大事なルールの一つである、このルールが崩れれば不信感が生まれ、酪農の前進に大きな阻害要因となってしまう、こういうことを考えますと、ここはメーカーと生産者がけんかするなどということは避けるべきである。そういう事態を避けて、政府がつまり行政の責任においてきちっと決めていけば、何も指定団体とメーカーがけんかしなくたって済むわけですね。そこをことしはちゃんとなったでしょうかという点を聞きたかったのですが、資料が不足のためにお答えできないということでございますので、残念ながらきょうは意を尽くすことができませんでした。 しかし、ならばますます、政府がお考えになっていることが現地においても大きなトラブルを起こす原因になるという心配がございますので、乳価決定に当たりましては大臣、ひとつその辺をしっかり踏まえていただいて、いやしくもそういう事態が現地に起きないように基準取引価格を正規にお決めいただくように、九十九銭が正しいかどうかというのは、きょう議論をもう少し深めればはっきりしてきたのでありますが、一方的な私の方の試算内容だけ発表して、政府側がそれを正しいか、正しくないかのコメントさえもできないというありさまでは論議ができないのでございます。 したがって、時間がもうなくなってしまいましたのでここでやめますが、まとめて申し上げますと、基準取引価格というのは不足払い制度の持っております核であるということを新村委員も申し上げました。私もそのことを繰り返して申し上げたわけであります、この点の確認はいただけるものと思います。それから、五十九年度は過小査定 ではなかったかという疑いが消えません、したがって、乳業に結果的には過剰利潤をもたらした、この事実関係はもう少しきわめていかなければならぬと思っています。きょうはこれができませんでした。こうやって、もしも仮に公平な査定を誤ったということになりますと、国費、つまり四百六十四億、せっかくのなけなしの金が乱用されたというそしりを免れないばかりか、財政当局からもそんなおかしな金の使い方をしているなどと目をつけられたら大変な話でございます。私はこの際申し上げておきますが、四百六十四億というお金を法外もなくボリュームを膨らませてくれと言っているのではありません。せっかくの四百六十四億は、不足払い財源として畜産局でも六割に達するという大きな予算ですから、これを適正、公平に運用することによってこのせっかくの予算を有効に使うということがこの法の目指すところではないでしょうか。そう考えますと私は大変疑問が残ります。 そういう意味で、きょう出されました乳価は、あるいは限度数量の分配、張りつけは、果たして公平、適正な査定をしているのかどうか、私はきょうのこれだけの質問ではその疑いを解くことができないままに終わらざるを得ません。生産者に一体この不足払い法という法律はだれのためにあるのだろうかなどという疑問を抱かせることがあってはなりません。最終決定までどうか特段の御努力をこの際お願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○今井委員長 次に、武田一夫君。
○武田委員 私は時間が二十二分と限られておりますので、三点お尋ねをいたします。 畜産、酪農の価格決定を前にしまして、農業者の皆さん方は懸命なる運動を展開しております。私はその決死の姿を拝見いたしますと、ここ数年間連続して価格の低迷、それから農家の負債の累増、あるいはまた畜産物の輸入増大等による非常に厳しい環境を何とかして突破したいという意気込みと決意のほどをひしひしと感ずるわけでございます。私は、そういう農家の皆さん方の心情を大臣よく察せられまして、適切なる善処をお願いをしたいわけでございます。 そこで、まず第一番目にお尋ねしたいのですが、畜産、酪農の基本的な政策としまして、今後どういうことをお考えなのか。これまでどおりでいくのか、あるいはまた何か畜産、酪農家があすに希望の持てる、そういうものを大臣のときにしかと確立していく決意があるものかどうか、その点をひとつ簡潔に御所見を聞かしていただきたいと思うのでございます。
○瓜生説明員 畜産、酪農のこれからの展開の方向でございますけれども、我が国の畜産というのはこれまで順調な発展を遂げてまいっておりまして、農業の発展を図る上で非常に重要な地位を占めていることは御承知のとおりでございます。それからまた、畜産物の需要は、ほかのものに比べれば伸びが鈍化しているとはいえ、今後も安定的な増加が期待できるものでございます。 したがいまして、国民への畜産物の安定供給と畜産経営の健全な発展を図ることを基本にして、各部門に応じて振興を図っていきたいと思っております。例えば、土地条件の制約が比較的小さい養豚であるとか養鶏などの中小家畜生産につきましては、ややもすれば供給過剰に陥りやすい生産構造にあることもございますので、今後は、需要に見合った計画的な生産の推進と経営体質の強化、あるいは配合飼料価格の安定等に努めることが重要だと考えております。それから、土地条件の制約が大きい酪農及び肉用牛生産などの大家畜生産につきましては、これを我が国の土地利用型農業の基軸として位置づけまして、酪農、肉用牛生産近代化基本方針に即して、経営体質の強化、生産性向上を図ってまいりたいと思っております。 まず、酪農につきましては、需要に見合った計画的な生産の推進と飼料自給度の向上、あるいは乳肉複合経営を育成していくというようなことを進めたいと思っております。それから、肉用牛につきましては、需要の増大に対応いたしまして、飼養規模の安定的な拡大を図るあるいは飼料自給度の向上を推進する、これらの事柄に力を入れることによりまして、それぞれの家畜の経営の安定的な発展を図ってまいりたいと考えております。
○佐藤国務大臣 武田先生にお答えいたします。 今、審議官が答えたとおりでございますが、やはり畜産というのは日本の土地利用型農業のいわゆる稲作に次ぐ位置づけをしておる、そんなことで、そういう形で大いに振興を図ってまいりたい、このように考えております。
○武田委員 大臣にもう一回聞きますけれども、畜産振興のためにどういう条件が必要かということで、その健全なる振興のためにはどういうものを充実したらいいということをお考えになっているか、それをちょっと聞かしてもらいましょうか。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。 結局、土地条件の制約が大きい酪農及び肉用牛生産などの大家畜生産については、先ほど言ったように、我が国の土地利用型農業の基軸として位置づけ、そして、基本的には、五十八年十月に策定しました酪農及び肉用牛生産近代化基本方針に基づき、まず経営体質の強化と生産性の向上を図るというようなことでございまして、酪農については、今後需要に見合った計画的な生産の推進とそれから飼料自給度の向上、乳肉複合経営の育成等を推進する、それからまた、肉用牛生産については、需要の増大に対応しまして、飼養規模の安定的拡大、飼料自給率の向上等を推進したい、こういうように考えております。
○武田委員 そこで審議官も大臣も、適切な価格の引き上げという生産農家にとって一番士事な点が出てこないのです。それは今言ったことも必要だけれども、やはりその価格の問題をきちっと評価する。特に、私が毎年農家の皆さん方が御苦労だと思うのは、自分たちの労働力の評価というのが非常にされていない。米価のときなんかも特に強調しているけれども、畜産、酪農の方々においてもこれは大変な苦労でしょう。御存じでしょう。朝早くから夜遅くまで休みもなく働き続けながら、自分たちの労働力というのがどうなんだという、これは価格決定の中にいろいろな要素はありますよ、これが今出てこないというところに問題がある。今度の価格据え置きとかいろいろなことを言っているその一番の原点がここにあると私は思うのです。そうでしょう。それが出てこないというところに問題があって、そこから先は進んでいかない。 今度の乳価あるいは豚や牛の価格の問題について、生産団体は農家の再生産と所得補償を図る観点から引き上げをぜひお願いしたい、これはもう一番の要望でございます。この要望にきちっとこたえてほしいと思うのですが、大臣どうですか。
○瓜生説明員 今回の価格につきまして、特に農家の再生産と所得補償の観点からというお話でございますが、食肉の安定価格につきましても、あるいは加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきます加工原料乳の保証価格等につきましても、それぞれ再生産の確保を旨として算定を行っておりまして、そうした算定をしたものをきょう畜産振興審議会で御議論をいただいているところでございます。これからこの答申を踏まえて、速やかに内容の決定をしていきたいと考えております。
○佐藤国務大臣 武田先生にお答えしますが、今審議官が言ったように、実は価格の決め方というのは非常に難しいと思うのです。生産それから需要供給の関係をどう見るかということで、例えば需要が多い場合は価格は上がる、供給が多い場合は価格が下がる。 そこで、先ほど言ったことに価格が入っておりませんが、計画的な生産をするということは価格を安定させるということでございます。今度の加工原料乳と指定食肉の価格につきましては、実はあらゆる角度で算定しまして、先生のおっしゃることを踏まえて算定したというわけでございまして、御理解賜りたいと思うわけでございます。
○武田委員 例えば保証価格の問題にしましても、これまでの例えば昭和五十五年からずっと今日までの要求価格と決定の推移を見てみますと、五十五年が率で言うと九四・五%、要求は満たしていません。これでもこのころは高い方です。五十六年には九〇・八%、下がってくる。五十七年には九〇・七%、また下がった。五十八年は九〇・四%ですよ。また下がった。それで五十九年は九〇・四%。いずれにしたって一〇〇%に一回も上がったことがない。これは五十五年からずっととってもこうなんです。 これではやはり意欲を持って仕事をやろうとしたってやれるわけがない。そういう姿を見て後継者がおやじの後を継いで一生懸命やろうなどというような気持ちになるはずがないでしょう。物価が上がり、諸条件が厳しい中で、こういう値段にさえこんな厳しい切り込みをやられたのじゃ、とてもじゃないけれども日本の畜産、酪農というものは大変な危機に陥る。それに輸入の自由化の問題が出てくる。枠拡大の問題が出てくる。本当に畜産、酪農を守る気が日本の政府や農林省にあるのかという声がもうふつふつと沸き起こっている。これを断ち切ってやるのが大臣の責任だと私は思うのです。 こういう意味で、今度の価格決定に当たりましては、そういう大変な状況を打開するための努力を私は大臣にお願いしたいと思うのです。どうですか。もう一度。
○佐藤国務大臣 先ほど言ったようなことでございまして、例えばいい場合と悪い場合の諸条件がございます。そんなことで、それを加味して最大限採算がとれるということで算定したわけでございます。 それからもう一つ、実は一番大切なことは、例えば牛乳にいたしましてもあるいは肉にいたしましても、国民がたくさん食べることだと思います。私の記憶で、例えば牛乳などは全国平均一人当たり三十六リットルで、北海道が三十八くらいだと思いましたが、そんなことで、もっと消費に努める、そうすればおのずからそういう問題は解決してくる、実はこのように考えておるわけでございます。
○武田委員 時間が来ましたので、もう一つお尋ねします。 我々、この間ずっと農村地帯を二日ばかり歩きました。私は宮城県、半分は広島県。そこで出てきたのは、負債をたくさん抱えてその対策に大変苦労している、農協の皆さん方もこの問題ではもうぎりぎりのところまで追い込まれているという感じでございますね。私の宮城県の川崎町というところは、複合経営をやりまして、地域としては典型的な非常にいい地域なのです。米は余りないですけれども、米、それからコンニャクとかたばことか、それに畜産、酪農、果樹というような非常に理想的なところです。次に、隣の刈田郡の蔵王町というところですが、ここも同じような地域なのです。その一番条件のいいところでさえも、酪農それから特に肥育牛の借金が一千万クラスの人がいる。これは大変だ。この対策は早急にしないと困る。 特にそのとき問題になったのは、農協が行っている預託牛制度の問題だったのです。今データを見ますと、五十九年十月で四十六万頭、これは全飼育頭数の一八%を占めているということで、我が国の肉用牛生産の振興上極めて重要な位置にあるという実態でございます。しかしながら、肉用牛の預託ということで、資本の回転が遅いし利益率が低い、さらに多額の資本を要するという特有のいわゆる肉用牛経営の中で、非常に金利が高いわけです。ですから、その金利負担が大変だ。利益率が少ない、金利が高い、八%ないし一〇%というところもあるらしいですね。最低見積もって八%としても、そういうプロパー資金を使うことによる経営に対する圧迫というものは大変なものだ。一つの試算をすると、何か年間三百万から四百万くらい返さなければならない人も出ているということでございます。 そういう意味で、こういうところに国がもっと低利の運転資金、いわゆる七号資金、五%、五・五%、六%くらいの手当てをしてもらえないかというのが一番最初に出てきた要望でございました。これからもこの制度はしっかりやっていきたい、また、農家の方々もその方向に来る方々がふえている、そういうことを考えるときに、この点は何とかひとつ大臣のお力添えをいただいて、こういう農協、農家の皆さん方の苦境を救ってほしい、こう思うのでございますが、いかがでしょうか。
○瓜生説明員 今農協が行っております預託牛の仕組みに何か低利融資の措置が講ぜられないかという御質問かと思います。 ただ、農協が今行っておりますいわゆる預託と言われているものもいろいろなタイプがございます。そうしたいろいろなタイプについて、これをどう評価していくかということについて、なお検討を要する面がございますので、私ども、今この辺についての研究を行っているところでございます。 その内容を見てみますと、農協が肥育牛を購入して農家に貸し付ける、肥育牛の素牛の所有権は農協にある現物預託方式というものがございます。これがどうも一番多いようでございます。ほかに購買未収金方式とか融資方式とか、分類してみますといろいろなタイプがございますが、そのそれぞれの方式について、農協の制度といいますか、農協法上あるいは民法契約上なお検討を要する部分が大分残されておりますので、これを直ちに政策の上で取り上げて対応していくということについてはなお検討の余地がかなり残されていると私ども考えております。 これは、農協の自身の仕事としておやりになることはそれは一つの行き方としてあるのかと思いますが、例えば農家とそれから農協の間の権利義務関係が法的にどんなふうなものになっているか、そういう権利関係が不明確であるということもありますので、これを明らかにした上で、そしてその肥育牛の預託というのが肉用牛経営の改善向上にどうかかわりを持っていくかについて少し関係者の間で内容の整理をしてみようではないかということで、今検討しているわけでございます。 そういう状況の中で低利融資という制度資金との結びつけを考えることになりますと、今度は、制度融資と預託とのかかわりというものが、預託牛そのものの性格がはっきり確定できないことがありますので、なかなか詰めることができない点がございます。 ただ、低利融資そのものの話といたしますと、肉用牛生産団地に対する低利資金の条件としましては、個々の農家、これが肥育経営者自身については近代化資金で五分五厘の肥育素牛購入資金の融通の道が開けておりますし、これを積極的に活用を図っていくということが一つの重要な手だてではないかと思います。むしろ農協預託というよりも個々の農家が借りられる資金をどううまく使っていくかというようなことを考えてはどうかというふうに私ども考えておりまして、そうした側面では農業近代化資金の貸付限度額の引き上げとかあるいは肥育牛の購入育成資金の償還期限、据置期間の延長というような形で、農家の方々に肥育牛の導入がしやすいような手だてはいろいろ工夫をしているところでございます。
○佐藤国務大臣 今審議官が答えたとおりですが、大体四十六万頭ぐらいあって、肥育牛の約二割が農協の預託牛だと思っております。そんなことで、実はいろいろな陳情を受けておりまして、権利義務関係とかあるいは預託の方法その他の改善についてどうしたらいいかということで今研究しておるということでございます。 私は、この問題については、やはり一つは、肥育牛につきましては技術的問題をどのように解決するか、そんなことを含めましてこの問題に取り組みたい。 特に私は、現在そういう農協の方たちは肉用牛生産団地に対する低利融資、こんなものを大いに活用してお願いしたい、こういう考えを持っております。
○武田委員 いろいろ答弁があったのですが、農家の独力による規模拡大というのは、非常に資金的余力に乏しいためにやはり農協を頼ってくるのですから、それに農協がこたえているということを考えたときに、やはりいろいろと細部にわたる検討の必要があるということでありますが、それは関係団体と農家の皆さん方とのお話し合いの中で、どの辺からこれが希望ある方向にいくものか、早くその糸口を切り開く努力をもっと積極的にして、それで理解をしていただけるような対応をひとつお願いしたいと思うのです。 そうしないと、この預託牛がこれからふえていくという中にあって、農協は今度は金は出ていく、返ってこない、ぐらぐらしてくるという不安、心配もございます。 農協の政府の足りない部分を補おうという懸命な姿勢を評価しながら、それに対する農林水産省の善処方を早急に期待をして、またお願いをして、質問を終わります。
○今井委員長 斎藤実君。
○斎藤(実)委員 先ほどの事務当局からの加工原料乳に対する不足払い制度の政府の試算が手元にあるわけでございます。限度数量がプラス八万トンで二百三十万トン、保証価格が据え置きという数字でございますが、これについては私も納得できませんし、非常に不満に思っておるわけでございまして、この限度数量あるいは保証価格についてお尋ねをいたします。 まず、保証価格でございます。 近年ほぼ横ばいで推移をいたしておるわけでございますけれども、一方、北海道の酪農家は経営の合理化だとか効率化に積極的に取り組んでおりまして、コストの低減に努力をしてきておるところでございます。しかし、価格の低迷だとか多額な借入金等によりまして、今時間もありませんからデータは申しませんが、依然として経営が苦しい状態が続いておるわけでございます。このために農家戸数はずっと減少してきておりまして、昭和四十一年には四万六千八十戸乳用牛の飼育戸数があったのが五十九年では一万七千九百戸、十九年間で二万八千百八十戸が離農いたしております。こういう状況の中で、このままで推移をいたしますと酪農の担い手が不足になることは明白でございまして、極めて深刻な問題になっておるわけでございます。これが即そのまま酪農の安定的発展に支障を来しているわけでございます。 先ほど審議官から、価格の決定については、物価上昇率が少ない、あるいは飼育労働時間が減少した、それから、確かにそのとおりですが、産乳量が増加しており、飼料も価格が低下していますから保証価格を上げる要素が少ないという答弁がございましたが、現実問題として、今のこの据置価格で今後国民の需要にこたえられる再生産が確保できるかどうかということを私は極めて心配するわけでございます。このままでいきますと、農家の生産意欲も失われてしまうし、国民のニーズにこたえられないだろうと私は思うわけですが、どのようにお考えですか。
○瓜生説明員 保証価格につきましては、今お話がありましたように、一頭当たりの搾乳量の増とか労働時間の減、配合飼料価格が下がるというような形で経営にとってのプラスの要素がかなり出てきております。酪農経営が非常に厳しい状況にあることは私ども承知しておりますが、そういう一つの改善の中で今回の価格の検討が行われたわけでございます。 それからもう一つ、今、牛乳・乳製品についての需要動向を見てみますと、安定的な伸びはございますけれども、生産の方はそれをさらに上回る生産余力を持っているのではないかという感じがいたします。そこで、安定的に経営を拡大していくためには、過度の過剰状態の中での混乱は避けていかなければならないという需給事情に対する配慮もあろうかと思います。 先ほど言いました生産条件とか需給条件といったものについて十分に検討した上で試算の値を審議会に本日提出したわけでございまして、十分に御審議をいただいた上でこの内容を決定していきたいと考えておるわけでございます。
○斎藤(実)委員 酪農農家にとって一番重大な関心は、限度数量をもっとふやしてくれ、それから再生産できる保証価格に上げてくれということなんです。これが車の両輪なわけです。 そこで大臣に、これは十分にお考えの上で善処していただきたいと思うわけでございますが、先ほど審議官がおっしゃったように、保証価格を上げる要素は少ない。しかし、大臣は政治家ですから、一生懸命に努力して飼育労働時間も減少させ、しかも産乳量もふやして合理化に努力してきたこれらの酪農農家に、一生懸命に努力したからこういう結果が出てきたのだ、もっともっとこれから合理化も一生懸命やろうという励みになるような、生産者の努力を価格の上に引き上げてもいいのではないかと私は思うのです。大臣いかがですか。
○佐藤国務大臣 斎藤先生にお答えいたします。 先生がおっしゃるとおり、日本の農業の将来を考えた場合、生産性の高い足腰の強い農業をつくっていく、そういう形の中に、農業をやる方が新しい夢を持てるという形に持っていくのが本当だと思います。そんなことで、先生からいろいろな御指摘を賜っておりますし、審議官がいろいろな数字を申し上げたということではございますが、現在我々があらゆる角度からそういうことを考慮しながらとった数字がああいうことでございます。 酪農経営につきましては、もちろん価格は大切でございますが、価格以外に、いろいろな助成をするし、また農家の皆さん方の自助努力を願う、そういう形の中にこれからの酪農経営の繁栄を図っていきたいと考えておるわけでございます。 それからもう一つ大切なことは、みんなが協力して牛乳を飲んでもらう、乳製品、バター、チーズを食べてもらう努力を一層やる、したがって消費がふえればおのずから生産がふえて価格も安定する、このように考えておるわけでございます。
○斎藤(実)委員 酪農の状況は非常に厳しいという認識の上に立って、大臣は政治家ですから、農林水産大臣でございますので、励みになるような、再生産ができるような価格にぜひひとつ十分に御配慮いただきたい、御要望を申し上げておくわけでございます。 次に、限度数量についてでございます。 先ほども御答弁がありましたように、北海道の酪農の生産基盤は非常に大きく拡大をしてきているわけでございます。したがいまして、潜在生産力は伸びる一方なんですね。しかし牛乳・乳製品の需要の伸びは鈍化をしている。しかも生産過剰となりやすい構造にあり、生産者団体は生産抑制的な計画生産で対応せざるを得ない状況になっている。こういうような状況下で、乳製品の市況は安定指標価格を大きく上回って推移をいたしておるわけでございます。さらに、毎年限度数量の枠を超えて大量の加工原料乳が発生しているわけです。五十九年度では北海道で十二万トン。したがって、実質的な手取り乳価が低下をしているわけです。昨年の乳製品の輸入量は生乳換算で二百五十万トンなんです。これは国産生乳の三五%に匹敵する数量なんですね。しかも、国内では苦労して計画生産をしていながら、一方では脱脂粉乳の輸入ということで、需給は逼迫をいたしております。 したがいまして、この五十九年度の需給状況から見まして、六十年度は限度数量を大幅に拡大すべきではないかと私は思うわけでございますが、いかがですか。
○瓜生説明員 今、五十九年度の需給状況から見てというお話がございましたが、五十九年度の需給状況については、特に夏が非常に暑かったということに伴う生乳生産の減少と飲用牛乳の消費の増などがございます。乳製品向け生乳処理量が減って、乳製品の生産量が減るというようなことがありました。他方、乳飲料の消費がふえるというようなことがございましたので、確かに夏場、脱脂粉乳を中心に需給が逼迫いたしたわけでございます。 そこで、先ほど来お話が出ておりますように、事業団の手持ち量を放出した後、脱脂粉乳を八千トン輸入して、今後の需給動向がもし逼迫するようなことがあればそれに備えるということをしているわけでございます。ただ、これは五十九年度の夏の猛暑が一つの原因でありまして、一時的な要素であるというふうに私どもは思っております。 そこで、六十年度の限度数量の設定に当たりましては、先ほど私もちょっと触れましたが、一つには、昭和五十二年度以降の生乳供給が大幅に過剰になって非常に苦い経験をした、そういうことがまた繰り返されないようにしなければならないという点への配慮が必要でございます。それからもう一つは、特定乳製品の需要が非常に強くなっている中には、本来生乳とか脱脂粉乳で賄えるものが相当入っていると思われますので、こういったものまで含めて不足払いの対象にするのは妥当ではないという考え方で、限度数量を二百三十万トンということに算定をして審議会に出したわけでございます。それでも前年に比べると八万トンの増という形になっております。これから審議会からの答申を受けて、速かやかな決定をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○斎藤(実)委員 大臣、限度数量の枠拡大については、財政的な予算を伴うわけですから、これはなかなか大臣としても苦慮をされておるだろうと思うのですが、財政的な問題も大事な問題かもしれませんけれども、国民のニーズにこたえて、しかもそれがまた酪農民の再生産につながるということでございますので、八万トンなんて言わぬで、もっともっと限度数量を拡大していただきたい、こう私は要望をいたすわけでございます。大臣、お答えいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 斎藤先生にお答えいたします。 限度数量の拡大につきましては、私も含めて農林省挙げてもっとふやしたいと努力したのです。それで、昨夜も徹夜して朝までかかりましてやっとあそこに持っていったということでございまして、その点特に御理解願いたいと思うわけでございます。
○斎藤(実)委員 まだ時間がありますから、十分ひとつこの辺御配慮いただいて、善処を御要望申し上げておきます。 それから、昨年異常な猛暑がありまして、脱脂粉乳の需給が予想を超えて逼迫いたしました。その結果、計画生産を実施しているにもかかわらず、脱脂粉乳が八千トン輸入をされました。これは政府の需給見通しに誤りがあったのではないか。それはそのとおりだと思うのですが、現在畜産振興事業団の在庫は、バターについてはゼロだ、脱脂粉乳は八千トンだけだという状況の中で、今後畜産振興事業団は、こうした異常事態に備えて国産の乳製品を買い上げ、需給調整機能を高めるために常に適正な在庫量を確保すべきだと私は思うわけでございます。昨年のようなことがあってはならないと思うのですが、いかがですか。
○瓜生説明員 畜産振興事業団は、乳製品につきましては安定指標価格よりも一定の率を上回るような市況になった場合に事業団の持っているものを放出する、また、それの一定の水準を下回る場合には買い上げを行うという形で、乳製品の価格安定を通じて牛乳あるいは生乳の安定的な取引を図るために機能いたしておるわけでございますから、一般的に全体の需給状況を見て、必要があれば放出する、あるいは在庫を持つということは基本的には当然ある考え方であるかと思います。 ただ、現在の民間での在庫の状況、事業団が脱脂粉乳を八千トン輸入してそれを今手持ちで持っております状況からいたしますと、ことしにつきましては、民間在庫も含めて考えていけば、需給の状況は現状で十分に対応できるというふうに考えております。
○斎藤(実)委員 先ほど来論議になっております酪農農家の負債の問題ですが、これは再生産を確保するために大きな障害になっておりまして、この負債対策を一体どうするのかは重大な問題でございます。 現在実施しております酪農負債対策と別に、肉用牛の農家の経営安定を図る上から、実態に即した経営資金に利子補給するような制度を新しく創設をしなければこの問題は解決しないのではないかと思うのですが、いかがですか。
○瓜生説明員 ただいま酪農と肉牛経営の両面にわたっての融資の問題についての御質問でございます。 酪農負債整理対策につきましては、これは五十六年にスタートいたしまして、ことし、六十年まで行っている対策でございますが、この成果全体の集約は、まだ一年ございますから、その段階で実態の把握をした上でないと最終的な結論は言えませんけれども、ただ、これまでの対策の成果というものはかなり上がっておりまして、かなりの農家の方々がこの対策を必要としないような状況になっております、六十年度、つまり来年度が最終の年になりますから、またそういうことも踏まえた来年の対策を講じていくという中で、経営の改善を図るための努力を、まず六十年までの仕事をしっかりやらなければいけないと思っておりますので、これに当面力を入れてまいりたいというふうに考えております。 それから、肉用牛につきましても、融資を、負債を抱えているので何とかしてほしいという御意見がかなりございますけれども、この経営の実態については、例えば特に肥育牛経営が今苦しいというようなお話なのでございますけれども、かつて非常に子牛の価格が高かった時代にこれを導入して、実際に売る段階では利益が得られなかったような農家の方々からの声かと思います。最近実は子牛の価格が低迷をして、繁殖経営の方からはいろいろ困っているというお話がありますが、これは逆に、肉用牛経営からすれば素畜が安いということで、経営の面では明るい要素にもなっているという点がございます。とはいえ、非常に今の負債整理についての御要望が強く出ておりますので、これは状況をよく調べて対処をしたいというふうに考えております。
○斎藤(実)委員 大臣、時間も参りましたからこれで質問を終わらせていただきますが、この加工原料乳に対する不足払い制度の充実強化、それから、六十年度畜産物価格の決定については十分ひとつ農民の期待にこたえられるように特段の大臣の御努力を期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○今井委員長 次に、神田厚君。
○神田委員 六十年度の畜産物の政策価格と、畜産酪農政策等につきまして御質問を申し上げます。 まず最初に、ただいま手元に六十年度の加工原料乳に対する不足払い制度及び限度数量の資料が参りました。これを見まして、私ども非常に納得ができない数字でございますが、特に限度数量の問題につきまして、ただいまも質問があったわけでありますが、どういう根拠でこの二百三十万トンという限度数量の値を出したのか、この点につきましてまず御答弁をお願いしたいと思います。
○瓜生説明員 六十年度の限度数量の設定に当たりましては、五十二年度以降の生乳供給が非常に過剰になりまして、五十四年度から生乳の計画生産を実施せざるを得なかったという苦い経験がございます。そういうものが一つ、これは私どもが今回の限度数量を決める場合に念頭にあったところでございます。つまり、特定乳製品の生産が傾向的に過剰につながるおそれがないような配慮が必要ではないかという点でございます。それからもう一つは、特定乳製品の需要の中には、本来生乳または脱脂乳で賄い得るものが相当程度ある。こういうものまで含めて不足払いの対象、国の財政負担の対象にするのは妥当ではないのではないかという意見がございます。こういうようなものも配慮をいたしました。 生乳生産として見込まれる生産量、それから自家消費なり飲用等に見込まれる量あるいは今の不足払いの対象になります特定乳製品以外の乳製品の需要の状況等を見込み、かつ、従来の特定乳製品で見込んでいたものについて、先ほど申し上げましたように、本来、これらの中には生乳または脱脂乳で賄えるものが含まれているはずであるから、これはそういうものに振り向けるべく政策的にもいろいろな対応を考えるということにいたしました上で、この限度数量を二百三十万トンという試算を出したわけでございます。
○神田委員 先ほども議論になっておりましたが、計画生産をしながら昨年は脱粉の緊急輸入をした、こういういきさつがあるわけであります。これは、減反をしながら韓国米を輸入したというようなことと並んで農政の失態だと言われているわけでありますが、そういう状況も一つありまして、さらに農協その他生産団体の需給の見通しは、政府が現在考えているものよりも相当多いわけであります、ですから私どもは、生産者団体の需給見通し二百五十三万トンというこの数字を踏まえて、限度数量をもう少し引き上げる努力をしていただかなければならない。わずか八万トンの引き上げでは、もう一度脱粉の緊急輸入というような事態を憂慮をしなければならないような状況でもありますから、その辺のところをどういうふうにお考えであるか、お答えをいただきたいと思います。
○瓜生説明員 今の特定乳製品の需要量を考えます場合に考慮しなければならないこととして、先ほど二つの要素を申し上げましたが、特に最近、飲用牛乳の流通で、ごく最近は大分おさまってまいりましたが、かなり流通で混乱があるといいますか、安い還元乳が出回る中で流通が混乱するような事態も一時見られました。そういうようなことのもとになっているものの一つに、やはり脱脂粉乳を使った還元乳がこの飲用乳の市場に入ってきて、いるというようなことがあるかと思います。 それから、需要の動向を見ますと、ヨーグルトなどについては、かつては生乳なり脱脂乳からつくられていたもの、それがかなりを占めていたものが、最近では脱脂粉乳によって賄われているというような状況がある。牛乳を使っての乳製品をつくっていく、そのプロセスの問題としてやはり正していかなければならないような流れが一方においてございますので、そういうものを考慮した上で、脱脂粉乳を経由し、不足払いをしょった上でヨーグルトになるとかあるいは還元乳になるというものはできるだけ減らしていく努力が必要だろう。 それらを勘案をいたしますと、私どもの考えでおります限度数量二百三十万トンというのは、需給の観点からも、それから今申し上げましたような状況をより正常化していく上からいっても、試算として妥当な水準ではないかというふうに考えているわけでございます。
○神田委員 農政当局と生産者団体の需給の見通しが食い違っておりますから、これはひとつその食い違いの中身を検討してもらわなければならないと思っているわけであります。 大臣、大蔵省との大変厳しい折衝を経過して一応こういう形で出されたわけでありますが、どうでしょうか、これは公平に見てもうちょっと限度数量を上げてもらえないかというのが大方の考え方でありますが、その辺のところ、今後の努力の余地がどういう形で残っているか、お聞かせいただきたいと思います。
○瓜生説明員 今の限度数量の見方については、結局、今の飲用とか、乳製品のうちの特定乳製品、その他の乳製品についてどのくらいの需要があり、あるいは生産が見込まれるかということから来ておりますし、生産者の方々の見通しと私どもの見通しについて比較してみますと、違いは先ほど申し上げましたような政策誘導の、あるいは今の流通の実態を正していくための対応というものをどこまで織り込んでいくかということだと思いますが、これらの方向については、私どもいろいろな対応を考えてそういう方向に誘導していきたいと考えております。それから、限度数量については、生産者の側については今回の水準よりはもっと厳しい水準でもいいのではないかという御議論もあった中で、いろいろな詰めを行った上での集約されたものでございます。 しかし、いずれにしても、きょう畜産振興審議会の酪農部会にこの試算を提出して御議論いただいておりますので、その答申を踏まえて早急に決定していきたいと考えております。
○佐藤国務大臣 神田先生にお答えいたしますが、このたびの保証価格と限度数量の問題ですが、実はいろいろなことで何とかひとつということで努力したのです。価格につきましてはなかなか引き上げ要因がないということで、ではこれはことしと同じにしようということにしたのですが、それならば限度数量ということで、最善の努力をしました。最善の努力をしまして、今は審議会で非常に厳しい状態でございます。したがって、私たちは何とか限度数量を一トンでも多くふやしたいというようなことでけさほどまでやったということですが、その結果が二百三十万トンということで、意に満たない点は多々あると思いますが、最善の努力をしたということで御理解願いたいと思うわけでございます。
○神田委員 時間がありませんので、この問題は一応なお大臣に御努力をお願いしまして、次に、肉用牛関係に移ります。 農業基本法の中の選択的拡大部門ということで、政府の奨励のもとで畜産振興策が図られたわけでありますが、残念ながら、現時点におきましては非常に経営等におきまして厳しい面に立たされているわけであります。 こういう状況の中で、畜産農家の皆さん方におかれましては、なお長期低利の特別融資措置を講ずるというような問題、さらには農業信用基金協会の保証基盤の拡充等々の問題が提起をされている。また同時に、酪農経営負債整理資金については、引き続き所要の貸し付けを行うための利子補給基金の拡充を行ってほしいというような強い要請がありますが、この点についてはどのようにお考えになりますか。
○瓜生説明員 今の畜産農家の負債について、この経営改善のために長期低利の特別の融資を講じてほしい、あるいはこれに関連して農業信用基金協会の保証基盤を拡充してほしいという声がございます。 もともとこういう肉牛経営に関連いたしましては、かつての生産資材価格の大きな変動の中で、生産性向上がおくれたために負債が累積、固定化した事態に対応して、五十七年に肉畜経営改善資金というものを行いました。これの貸し付けによって経営の向上を図っておりますが、繁殖経営に関しては、子牛価格がおととしぐらいからずっと低迷しておりましたものが昨年後半回復してきておりますし、それから、価格が低迷している間には、肉用牛の子牛価格安定制度とか子牛奨励制度といったようなものを通じて、補てん金あるいは奨励金等が交付されるというような形で経営の安定に努めているわけでございます。 それから肥育については、枝肉価格なり飼料価格が最近は比較的安定的に推移しておりますし、昨年の前半ぐらいまで素畜価格が非常に安かったことは肥育経営についてはプラスに働いているということで、全般的に状況はよくはなっておりますが、この肉用牛経営につきましても、肉をつくるための経営という形で経営の改善に本格的に向かってからは大変歴史が浅うございますので、急速に経営規模の拡大を行った経営の中には、借入金の依存度が非常に大きくなる、過去の素畜価格の高いときに入れた牛がいよいよこれを売る段階になると思うような値段で売れない、そのために借入金が返せないというような農家が個別には今もかなりあるのではないかというふうに考えております。 そこで、これらの個別経営の再建対策といたしましては、従来から自作農維持資金のうちの再建整備資金融通というのを行っておりますし、その貸付枠も確保するように今努力しているところであります。それから、その他の金融制度につきましても、六十年度には農業近代化資金の貸付限度額の拡大、肥育牛の購入育成資金の償還期限の延長、それから昨年度スタートいたしました畜産振興資金、これは前向きの肉牛経営の設備資金になりますが、こういった資金を農業改良資金制度の中に位置づけて貸付枠を拡大するというようなことで、肉用牛経営の改善のための対策の充実を今図りつつあります。 今、そういう意味では、固定負債のようなものを抱えている経営の再建対策としましては、農家自身が改善努力をしていただくということと、農協等の融資機関が償還条件についていろいろ配慮をしていただく、あるいは地方公共団体なり関係団体が強力な経営指導を図るというようなことで経営の改善に努めていくことが重要であり、これまでもそういうことをやってきておりますし、これからもまたそういうことで努力をしていくことが重要でございますが、これからの枝肉価格とか飼料価格とか素牛価格といったようなものの価格の動向によく留意をしながら、経営の実態の把握に努めて適切に対処をしていきたいと考えております。 なお、農業信用基金協会の保証基盤の拡充につきましては、農業信用基金協会が畜産特別資金に関係します債務保証を充実するための基金を拡大強化するという観点から、畜産振興事業団が畜産特別資金融通円滑化事業という事業を助成をいたしておりまして、これによりまして農業信用基金協会の基金の強化を行っておりますが、この畜産特別資金に限らず、一般資金についての国庫の補助事業というようなことで、信用基金協会や農業信用保険協会に国からも出資を行っております。状況に応じてこの協会の活動基盤の強化を図っていきたいと考えております。
○佐藤国務大臣 神田先生にお答えします。 今、審議官がお答えしましたが、何か考えなければいかぬでしょうね。というのは、私が見ておりまして、負債対策につきましては、これは先ほどから言っているようなことでございまして、現在五年の負債整理資金というのをやっておりまして、ことし、千八百戸ぐらい残っているのをさらにどうして解消していくかということで、それに基づきまして、また残りは、まじめにやっておる人については特に考えたいと思っております。 それとともに、素牛一頭は大体三十万前後、金利等で約二十万、約五十万です。しかも乳牛で十八カ月、黒牛で二十七カ月、長期にわたる。それから価格は絶えず変動しておる。そういう形の中で、価格が高いと肉は売れません、そうするとどうしてもコストを下げる、下げるには先生おっしゃるようないわゆる低利融資、例えば金利を下げるかコストを下げるか、これを考えないと農家の経営は成り立たないと思います。 そういうこともございますゆえ、今、審議官も前向きな答弁をしましたが、私もこれは本当に真剣に考えてみたいと思うのです。そうしないと日本の肉用牛はなかなか伸びていかない、こう考えておりますゆえ、努力したいと思っております。
○神田委員 大臣から前向きな御答弁をいただきました。ぜひそういうふうな形でお考えを進めていただきたいと思うのであります。 審議官の答弁は、かなり楽観的でありますね。そういうお答えを聞いていますと、一体農林省畜産局といたしましてはこういう肉用牛経営の実態をどのようにとらえているのか、かなり負債があって非常に苦しんでいるというものについての実態認識が非常に甘いという考えに立たざるを得ないのでありますが、この肉用牛経営の実態、特に負債の実態等についてはどの程度の把握をなさっておりますか。
○瓜生説明員 肉用牛経営の負債の状況でございますが、肉用牛経営につきまして私どもの調査で見てまいりますと、一戸当たりの負債額は少しずつ毎年ふえている状況にあることは否定できないところでございます。 ただ、経営全体として見ますと、これはまたそう言うとすぐ楽観的なことばかり言うとおしかりを受けるかもしれませんが、資産そのものもふえておりますし、すぐに使える現金の貯蓄額も平均的に見ますとふえてきております。経営規模を大きくする中で、そういう意味での資産も貯蓄も負債も少し全体に大きくなるような形になっていて、単純に販売牛一頭当たりで計算をしてみましても、そういう意味での資産、そのうちの貯蓄、負債、いずれもふえてきているような状況でございます。 御参考までに全国の平均でいきますと、肥育牛経営の場合でございますが、資産が四千六百万円強、それから、これは資産の内訳になりますが、貯蓄額が一千百万円弱、他方負債額は千五百六十万、そのうちの借入金が千三百万、残りが買掛未払い金というような形で、かなり負債も持っているということは、私どももその状況として認識しているところでございます。
○神田委員 時間がありませんのでここで細かい議論ができませんのは残念でありますが、ただいま答弁があったように、非常に負債が多いんですね。年々負債がふえていく。ですから、それは平均的な数値ですから、個々の多少経営につまずいた農家は物すごい負債を持って行き詰まっているというようなところもあるわけでございますから、先ほど大臣から前向きの御答弁をいただきましたような、長期で低利の特別融資等々についてひとつしっかりと取り組んでいただきたい、このようにお願いをいたします。 時間がありませんので最後でありますが、同じように肉用牛の問題でいわゆる預託牛制度があるわけでありますが、これが農業近代化資金七号資金の対象になっていないという問題があります。これはかなり取り扱いも多いわけでありますから、何とかして農業近代化資金七号資金の対象にして肉用牛生産の振興に供していただきたいということでありますが、この問題につきましてはどういうふうにお考えでありますか。
○瓜生説明員 農協が行っております預託牛と言われているものにはいろいろな方式があるようでございまして、この一年ほど私どもも農業団体の方々や関係者の方々と一緒になってこの実態を調べ、勉強してきておりますが、現物預託方式とか購買未収金方式とか融資方式とかいうようないろんな分類ができます。預託の中でも特に気になりますのが現物預託方式と言われるもの、これが預託と言われているものの相当な部分、大部分を占めておるわけです。この場合には牛の所有権が農協側に残されている。経営の主宰権なり損益の帰属が農家にあるのか、そこがあいまいになっていたりしまして、契約上両者の権利義務関係をもっとはっきりさせないといけないのではないかと思われるものがかなり見受けられる状況にございます。そこで、この肥育牛の預託が肉用牛経営改善向上に資することになるように。現在関係者が中心になりまして肥育牛の預託方式の改善あるいは契約の方法等について検討を進めているという状況でございます。 こういうことで、預託そのものがなおいろいろ検討を要する部分を残しておりますので、これに制度的な資金を結びつけるということについてはまだ問題が残されております。例えば、農業近代化資金については施設資金の融通が主目的でありますので、肥育素牛の購入育成資金ということについては、特例的な形で肥育牛経営を行う者が初度的投資を行う場合にだけ認められているというような状況でございますので、今の仕組みと農協の預託というものとはなじみにくいものを制度的に持っておりまして、これはなかなか難しいのではないかと思われます。 個々の農家について低利融資の資金の道が制度的にも開かれておりますので、これの活用の仕方あるいはこれの利用の方法の方式等についての知恵の出し方等はあろうかと思いますが、今の段階では預託牛そのものという形ではなかなか取り上げにくいと思いますが、それはそれとして、農家の方々が規模を安定的に拡大していくための低利資金というものは近代化資金を初めとしていろいろ用意をいたしておりますし、その条件の改善というようなことも図ることにいたしておりまして、これらによって肉用牛経営の前向きの対応ができるように措置してまいりたいと思っております。
○神田委員 答弁には不満でありますが、時間もありませんので、今後に議論を残しておきたいと思います。 最後に、大臣に、輸入問題でありますが、東南アジアからの骨抜きの鶏肉問題あるいはまた考えなければなりませんアメリカからの牛肉の問題等々がありまして、そういう輸入環境が非常に厳しくなっている反面、国内の生産対策も遅々として進んでいないというような状況であります。これは非常に大変な事態に直面をしているわけであります。 したがいまして、酪農、畜産を守るという農林省の、農林大臣の強い決意をここで披瀝していただいて、国内生産対策に万全を期すとともに、輸入問題には毅然とした態度で対応するということについての御意見を伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 神田先生にお答えいたします。 東南アジアについては骨なし鶏肉の関税引き下げ、アメリカにつきましては日米間で取り決めまして二年間くらいは現状維持というようなことで、その約束の誠実な努力をしておる、そういう形の中に、アメリカがやはり日本に肉を売りたいという気持ちは依然変わっていないというような現状でございます。 特に、とりあえずの問題は東南アジア、特にタイからの骨なし鶏肉の問題でございますが、これはもう先生御指摘のとおりでございまして、現在日本でブロイラーをつくっておるのは約七千四百ぐらいあると思います。事業所が大体七百ちょっと。大体一事業所で百万羽ぐらいつくっておると思います。ただ、経営の実態を見ておりますと、率直に言いますと、大体一日一万羽、約二十五日で、三百万羽で去年は採算が合っていましたが、ことしは三百万では難しいようです。そんなことで、五百万か六百万羽になっておる。そうしますと、それにたえ得る事業所は幾つあるかというと、数カ所しかないそうです。これが日本の現状。しかも、特に鶏につきましては日本は優等生でございまして、価格政策を含めて業界でやっているという姿。 しかも、特に大切なのは、例えば岩手県などにおきましては年間農産物の生産が千百億ぐらいで、骨なし鶏肉が三百億ちょっと、こういう現状で、実は大変人を使いますが、これが非常に安いのでして、時給三百円という姿。しかし、タイは一日に午後四時から朝の二時まで働いて、約十時間ですが、一日六十七バーツくらい。したがって六百七十円、一時間六十七、八円、ここに大きな差がある。特に骨をばらすときに非常に人手が必要だ、そんなことでございまして、私は前から言っておりますけれども、いろいろなことがございますけれども、この関税引き下げにつきましては極めて困難な状況がある、断固頑張りたい、こう思っております。
○今井委員長 次に、中林佳子君。
○中林委員 畜産問題を御質問する前に、まず、日米間の捕鯨をめぐる問題が緊迫しておりますので、この問題で大臣にお伺いしたいと思います。 政府は、IWCの商業捕鯨全面禁止決定に対する異議申し立てを今月末までに撤回する方針を固めたと報道されているわけです。また、三月二十五日の参議院予算委員会で外務大臣が異議申し立ての撤回を示唆する答弁をされております。もし異議申し立てを撤回することになれば、長い歴史を持つ我が国の捕鯨は終止符を打つことになって、そこに働く人々五万人の暮らしに大変な打撃を与える結果になってしまいます。 IWCの商業捕鯨全面禁止決定は、鯨資源の実態から見ても科学的根拠に非常に乏しいものでございます。また、一九八一年に日本が行いましたIWCの商業捕鯨全面禁止決定に対する異議申し立て、これは国際捕鯨取締条約に基づいたものです。ところが、アメリカは、四月一日までに異議申し立ての撤回を表明しなければPM法による対日制裁措置をとる、こういう圧力をかけています。これはアメリカの国内法が国際法に優先するという不当なもので、政府としてもこれは認められないという強い立場で臨んでほしいというふうに思うわけですけれども、この点での大臣の御見解はいかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。 米国政府は、昨年十一月の日米捕鯨協議におきまして、もし日本側が商業捕鯨モラトリアムに関する異議申し立ての撤回を行うことを六十年四月 一日までに表明する場合には、モラトリアム発効後さらに二漁期分の各捕鯨についてはパックウッド・マグナソン修正法及びペリー修正法の発動を行わない旨の意図を表明したのは御指摘のとおりでございます。 これに対して、米国連邦地裁は、本年三月五日、この意図表明を違法とし、米国政府に対しまして、我が国が既に行ったマッコウ捕鯨に対しパックウッド・マグナソン修正法及びペリー修正法による表明を行い我が国に対する漁獲割り当てを削限すること、また、IWCが決定した捕獲枠を超えて行う日本の捕鯨に対し制裁を行わないと合意することを今後一切禁ずるとの二点を内容とする判決を下したわけでございます。 このため、我が国としては、この意図表明の有効性について疑念が生じたことから、現在、ワシントンに水産庁次長を派遣し、この意図表明の有効性を含めた今後の日米協議のあり方について協議を行っております。また、実はきょう長官を派遣しまして、この点について最善の努力をいたしたいと頑張っておるわけでございます。
○中林委員 要するに、異議申し立て撤回はしない方針で臨むということですか。
○佐藤国務大臣 何とか捕鯨を残すように最善の努力をしておるということでございます。
○中林委員 IWCが捕鯨禁止の鯨の種類を次々とふやして、ついに全面禁止にまで至ったその背景には、国際的な反捕鯨の世論、これはもちろんありますし、それから日本の大企業を含む鯨の乱獲の歴史、これもあったと思うのですね。ですから、政府としては乱獲の歴史を反省するとともに、鯨資源の保護と、可能な資源を有効に利用する、こういう立場から、鯨資源に関する科学的な根拠に基づく説得力のある資料を整えて関係諸国との話し合いを強めることが非常に大切だというふうに思います。 アメリカの不当な圧力に対して、アメリカの二百海里水域内での合弁事業によるスケトウの洋上買い付けとか、アメリカの水産物輸出の約半分を日本が輸入しているという点からも、アメリカの漁業にとっても日本の漁業協力が必要なものであることの指摘をアメリカに対してしなければならないというふうに思うわけです。ですから、こうした日本側の毅然とした外交姿勢というものが非常に必要だというふうに思うわけです。 現に、米国の下院漁業小委員会で論議されていますマグナソン漁業保存管理法修正案のフェーズアウト条項、つまり外国船締め出し条項というのが、日本の水産庁などの修正要求によって削除されるという報道があるわけですね。ですから、これはまさに日本側の自主的な積極的漁業外交といいますか、そういうものが一つは功を奏していると思いますので、今後とも大臣、自主的で積極的な漁業外交を進めることが捕鯨を守るという上でも非常に大切だと思いますが、その点についての御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。 実は非常に基本的に問題がありますのは、先生御存じのようなことで、日本とアメリカの鯨に対する認識が違うわけです。アメリカにおいては鯨は高級な動物でございまして、鯨を食べる人間は野蛮人だ、その他いろいろな例がある、そういう感覚のもとに実は話し合いに入っておるというのが現況でございます。 それともう一つは、日米漁業関係下において、我が省としては二つの点に特にポイントを置いて向こうと折衝しております。一つは、米国政府に対しまして、異議申し立てに基づく捕鯨について米国国内法発動により我が国を制裁することの不当性を主張しています。それからもう一つは、米国の二百海里水域から外国漁業を締め出そうとしていることに対しては、条理を尽くした粘り強い漁業外交を現在やっておる最中でございます。
○中林委員 それでは次に、畜産問題でお伺いしたいと思うわけです。 酪農振興を図る乳製品輸入問題を含めてちょっとお聞きするわけですけれども、大臣は所信表明で、国内で生産可能なものは極力国内生産で賄う、このように言われています。ところが、酪農民は乳価据え置きに加えて、五十四年から生産調整に追い込まれ、一方、輸入はどんどんふえ続けております。この一、二年は横ばいだというふうに畜産局の方はおっしゃるのですけれども、その横ばいにしても、高水準で横ばいしているという状況なんです。 特に問題なのは、調製食用脂やココア調製品という擬装乳製品の輸入ですね。昭和五十四年から五十八年、この五年間で生乳生産が一・一倍に抑えられているのに比較して、調製食用脂は一・二六倍、ココア調製品が一・四五倍、いわば国内で生産できるものを抑えて輸入がふえている、これはまことに国内の生産農民にとっては大変な打撃になっているというふうに思います。 こういう輸入を規制すること、そして、乳価決定の前でございますので、今団体や農家の方々が強く要望しておられます、実質七年据え置きというような状況をぜひこの際乳価引き上げということで前進をされるよう、まず大臣の御見解をお聞きします。
○瓜生説明員 今、乳製品の輸入のお話がございました。輸入乳製品については、基本的には畜産振興事業団の一元輸入それからIQというような形で輸入規制をやっておるわけでございますが、日本の国内では大変割高で供給できないようなもの、例えば乳糖とかカゼインとか、こういったものはオープンになっている。それから……(中林委員「国内で賄えるものを言っているのです」と呼ぶ)だから極力国内で対応していくという考え方、あるいは国内の需要との結びつきで、国内でのチーズの需要拡大という見地からナチュラルチーズを入れて、これを国内のナチュラルチーズと一緒にしてチーズの消費拡大に使っていくという形が行われておるわけでございます。 それとは別に、今ちょっとお話がありましたココア調製品だとかあるいは調製食用油脂といわれる分類の中で、乳製品をかなり使ったものが日本に入ってきているということは事実としてございます。これもある時期大変急増したことはございます。しかも、これらは自由化されているものでございますので門戸を閉ざすというわけにはいきませんが、関係する方々にこの事態を十分理解していただき、そして輸入を自粛していくという形の対応をとってきておるわけでございます。 調製食用油脂の場合には、国内の実需者とかあるいは輸入業者に対して自粛を指導しておりますし、輸出の相手国にもその辺の抑制のお願いをしております。それから、輸入貿易管理令に基づく事前確認制ということで入ってくる状況をよく観察している、こういうような対応で抑制を図っております。それから、ココア調製品の場合にも実需者団体に対する自粛の指導という形で輸入の抑制に努めてまいっておりまして、その効果がこのところ出てきていると私ども考えております。今お話しありましたような五十九年のこれらの輸入の品目は、前年の水準を下回って推移しております。 今後ともこういう今までとってまいりました方法で輸入の抑制を図ることで、全体の混乱を招かないようにしてまいりたいと考えております。
○中林委員 輸入の問題と乳価の問題で大臣の見解を一言だけ。——じゃいいです。 きょうは大臣の拘束時間というのが限られておりますので、私は極力大臣への質問をということで、あと政府委員に対する質問は午後にさせていただきますので、ぜひ大臣の御答弁をお願いしたいと思いますし、自由化品目だといいながらも国内で賄えるものを輸入している、これはやはり行政指導で厳しく規制をしていかなければならないものだと思いますので、大臣にぜひその点よろしくお願いいたします。 次に、肉用牛を中心とした問題でお伺いするわけですけれども、この国会でもたびたび問題になりました日米諮問委員会報告書では、土地基盤の小さい日本では米や牛の放牧は非効率だ、こう言って、牛肉生産への手厚い保護は、効率的農業への転換を妨げているなどと、肉牛生産振興にとんでもないことを提言しているわけですね。 大臣は六十年度の予算説明の中で、畜産総合対策について、肉用牛生産の振興に重点を置き、その推進を図る、このように述べておられますし、この日米諮問委員会に対しても子算委員会で、この提言の農業や林産物貿易については見解を異にする面が多い、こういう答弁もなさっているところでございます。ですから、このような肉牛生産に水をかけるような提言は今後もきっぱりと拒否をして、肉牛生産振興に全力を尽くす、こういう言明ができますでしょうか。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。 実は、日米諮問委員会の報告におきましては、農林業関連の総括のコメントで、見解が異なると明確に言っています。それは三つございまして、一つは、比較優位原則と特化に基づいた農産物貿易の拡大、二番目には、小規模農地で効率的に生産し得る農産物への生産構造の転換、それから食糧安全保障政策の見直しでございます。 これらについては、農林業というのは自然に大きく影響を受ける産業でございまして、単に経済ベースで割り切れない多くの側面がございます。したがって、工業とは異なった扱いをする必要があると考えております。 二番目には、食糧の安全保障、国土の保全等の観点から、土地利用型農業の維持と発展が極めて重要であること等、見解を異にすると申し上げておるわけでございます。 先生御指摘の肉用牛生産につきましては、地域農業の展開や農山村の振興及び国土資源の有効利用等を図る観点から、稲作に次ぐ土地利用型農業の基軸として位置づけ、一昨年十月に策定、公表いたしました「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」に即しつつ、長期的な視点に立ってその振興を図ってまいりたいと考えております。
○中林委員 振興を図るために力を入れるとおっしゃるわけですけれども、昨日の答申、その前に出されました農水省の食肉安定価格に対する諮問、そして農水省のこの価格に対する方針を見ますと、四年連続据え置きだということで、これではとても振興という先ほどの大臣の答弁とは相反する、大変なものだと思います、しかも去勢和牛の場合は、農水省の計算方式で出てきたこの試算値をすら値切る、そういうものになっているわけですね。生産条件、需給事情その他の経済事情を総合的に考慮して決める、こういうことをずっとおっしゃっているわけですけれども、畜安法の三条には、そういう事情を考慮しつつ、「これらの再生産を確保することを旨とし、」とある、この立場は一体どうなっているかと疑いたくなるわけですね。 私の地元島根は和牛生産が大変盛んなところですけれども、ここでお話を聞くと、労賃をどんなに少なく見ても一頭の肉牛を出荷するまでには七十八万円かかるとおっしゃるのです。実際には、これは平均的な話ですが七十五万円でしか売れていない。三万円の赤字だ。もし農業団体の要求されているように一キロ八十円以上の引き上げをすれば、この三万円の赤字は埋まるわけなんです。ですから、農協などが出していらっしゃるこのたびの要求というのは、ぎりぎりの要求なんです。自分たちの働く労賃というのを本当にぎりぎりに抑えた要求なんですね。 ですから、要求価格に対してこたえるという立場で、農水省として、大臣としてぜひ再検討していただいて、価格引き上げの決定をすべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。 指定食肉の安定価格につきましては、先生御存じのとおりでございますが、畜産物の価格安定等に関する法律に基づきまして、それぞれの生産条件や需給事情の変化、畜産経営の状況等各種の要素を総合的に考慮し、再生産を確保することを旨とし、いわゆる畜産振興審議会の意見を聞いて、この月末までに適正に決定することとしております。 そして、実は私は、畜産振興対策はもちろん価格も大切でございますが、そのほか諸施策を含めて総合的にやりたい、このように考えているわけでございます。
○中林委員 総合的にという中の四年連続据え置き、価格か抑えられているということが農家の経営を大変な状況にさせている。先ほどからも、各委員がいろいろ質問なさっている中で負債の問題が出ておりますけれども、ほとんどの農家が一千万円以上の負債を抱えているという実情を、大臣もそういう和牛生産の非常に盛んなところからの選出でございますのでよく御承知だと思いますから、まだ価格決定にまでは至っておりませんので、ぜひ再検討を強く要望しておきます。 最後に、この間、三月十五日ですけれども、農水省から畜産振興審議会総会で報告をされておりますが、私はこの報告を見まして、大変甘い判断をなさっているというふうに大変腹が立ちました。農家の実態を見てないんじゃないかというふうに思ったわけですね。 この報告によりますと、肉牛について需要はふえた、これはそうだと思うのですね。肉専用子牛も回復している。これは回復は若干しているけれども、余りにも低かったわけですから。それから、輸入拡大は国内生産に悪影響を及ぼさない、規模拡大の収益性も改善されているなどと、一部の現象面のみをとらえて一方的な評価を加えておられるわけです。農水省の「畜産関係資料」を見ますと、とてもこういう楽観的な見方はできないと思うのですね。 こういう評価をされており、特に、輸入拡大は国内生産に悪影響を及ぼさないというのは、これはどこの農家に行っても、あの輸入拡大の話が出る前、そして拡大が決まった後、大変悪影響があるということを口をそろえておっしゃっているのですよ。今こういう評価が日本の農水省から出たら、先ほど大臣もアメリカの牛肉の輸入攻勢はまだずっと強いものがあるとおっしゃっているので、それこそ期限を待たずにアメリカが牛肉輸入攻勢を、こういう状況を見てもっとかけてくる一つの促進材料になるんじゃないかと思うわけです。 大臣は、アメリカの合板、木材の関税引き下げ要求の問題で、自分としては態度は変わってないときのうのこの委員会での我が党の中川議員の質問に対してもお答えになったのですけれども、しかし大臣のお言葉は、この一カ月余りの間をとってみますと随分変わっているのですね。 二月二十日の大臣所信の質問の際に、アメリカの要求には一切応じないつもりだと、私の質問に対してまことに頼もしい答弁をなさっております。それから一カ月もたたないうちに、今度は、長期的な救済策が必要となっている、こうおっしゃって、アメリカの圧力に屈するかのような発言が見受けられて、大変懸念しておりました。三月二十六日には記者会見で、きのう中川議員が指摘しましたように、中長期的に振興策を実施し、業界の体質が強化された上で関税の引き下げに応じると、当初の一切応じないということから比べますと、この記者会見での御発言というのは大変後退しているわけですよ。 ですから、私は今この木材の問題を追及するわけじゃないのですけれども、最初、守るとか毅然とした立場をとるとおっしゃりながら実はどんどん後退していく、この状況が大変不安なんですね。 牛肉の輸入についても、これからアメリカの大攻勢が十分予測されておるわけでございますし、こういう畜産審議会での悪影響を及ぼさないという甘い認識ではとても太刀打ちできないと思います。ですから大臣、国内の肉牛生産振興のためにも、今後アメリカからの牛肉輸入枠拡大だとか自由化攻勢にはきっぱりとした態度で臨んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。 木材、合板の関税引き下げにつきましては、以前から同じ考えと態度でございます。 基本的に今大切なことは、どうして森林林野、木材環境をよくするかということでございます。今のまま放置すれば、森林林野は将来非常に厳しい状況が来ます。そうしますと森林の持つ公益的機能が失われてくる、水資源を含めて失われてくる、大変な事態。そのときに、どうしたらこれに活性を与え、そして将来本当に森林をよくすることができるかに基本的に全力を注いでおるということでございまして、関税引き下げとは関係ございません。 関税引き下げについては、極めて厳しい状況であると考えて対処しております。 また、牛肉等につきましては、先ほどちょっと言ったようなことでございますが、同じ考えで今後とも進みたい、私はこう思っております。
○中林委員 終わります。
○今井委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後一時五十六分開議
○今井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。上西和郎君。
○上西委員 私は、本日畜産の問題について若干御質問いたしたいと思いますが、冒頭、まず私の選挙区に関係をすることで農水省当局の御見解を承りたいことがあるのであります。 それは、世間を騒がせました志布志湾埋め立て、このことに関してその是非を論ずる場ではございませんが、伝え聞くところ、この埋め立てが完了した後、商社系の飼料工場が該当の地区に進出をしたい、そういう希望があり、そういった経過があるやに承っておりますが、まずその点についてお答えいただきたいと思います。
○瓜生説明員 鹿児島県の志布志湾におきましては、県が志布志港湾整備計画に基づきましてこの志布志港湾の埋め立てを行いまして、現在造成用地の整備が行われておりますが、ここに配合飼料関係の企業も進出することを検討しているものがあるというふうに聞いております。
○上西委員 飼料工場が進出することについて私は別に異議を唱えるものじゃありません。ただ、率直に言って大変深い心配があるのであります。それは、従来、全国至るところで飼料工場が進出をする、それに連動するかのようにやみ増羽が行われている。私の選挙区は、牛、豚、鶏、飼育頭数日本一と言われている畜産県であります。そこへもし仮に飼料工場が進出した後やみ増羽がどかっとやられたら、これは正直言ってたまったものじゃありません。ただでさえ養鶏、鶏卵、いろいろと問題が多いときに、そうしたことについて、大変強い権限をお持ちの農林水産省、やみ増羽には、まあ法律的なこともあるでしょうが、従来ともすれば、及び腰とまでは言いませんが、やや手抜きの傾向が見られてしようがない。果たしてこうしたやみ増羽に対して、どのような御見解なり今後の対策をお持ちなのか、お示しをいただきたいと思います。
○近藤(元)政府委員 先生のお尋ねの向き、御心配の向きがあろうかと思いますけれども、過去、養鶏協会という養鶏団体、生産者ともどもが、畜産の中では大変御努力をいただき、生産調整をして需給の安定に努めてこられたところでもございます。 このような状態で、飼料工場の新設に伴って、いやしくもやみ増羽が、無断増羽が出てくるようなことがないように厳重に注意をしてまいりたいと思いますし、また関係団体にも、先生からの御趣旨もございましたし、なお一層私ども、志布志湾の飼料工場の新設については、かねてより古いものを廃棄して新設ということを認めてきておるところでもございますので、一層努力をしていきたい、こう思っております。
○上西委員 ただいま次官から極めて頼もしいお答えをいただきましたが、過去の実績を見ますと、東北にしろどこにしろ、そういう今の次官のお答えとは全然別な結果ができ上がっているわけですね。立ち入ることもできない。一億二千万羽あればいいのに、一千三百万羽、これは推測でありますが、必要な羽数の一割以上も、今私がやみ増羽と言ったので、ついやみ増羽と次官もおっしゃいましたが、それは野放しになっておるじゃないか、こういう行政に対する不信感、これをやはりぬぐい去るために、今のお言葉をぴしゃり、農水省を初め都道府県、市町村を含めて実行されることを私は心から期待を申し上げ、ただいまの答弁をぜひ実行に移していただきたい、こうお願いを申し上げておきます。 次は、酪農の問題であります。 需要の拡大がないために、とりわけ生乳関係の酪農の方々は今大変な苦しみにあえいでおります。私は、そうした観点からしますと、文部省がお見えと思いますが、いかがなものでしょうか、文部省の指導によって、義務制の小学校、中学校で学校給食が行われている、この学校給食がほとんど月曜から金曜に限られていて、土曜給食を実行しているところは極めて少ない、こう承っておるのでありますが、土曜給食を今後進める、あるいは拡大する、そうしたお考えありや否や、まずお尋ねしたいと思います。
○小西説明員 文部省といたしましては、学校給食の実施状況につきましては毎年調査をしているのでございますけれども、先生今御指摘の土曜給食の実施状況につきましては、それだけを取り出して調査することはしていないわけでございまして、私どもの調査による結果は持たないのでございますけれども、ただ、農林水産省が出していらっしゃいます「畜産振興事業団関係参考資料」というのがございまして、その中を拝見いたしますと、五十八年度におけるいわゆる土曜給食実施率、これは牛乳を供給している学校数の中における土曜日に牛乳を供給している学校数の割合という形で出ているのでございますけれども、これは全国平均で二三・五%のようでございます。 実は、文部省といたしましても学校給食における牛乳飲用というのを促進するという観点から、かねてから、この土曜日におけるミルク給食の実施というのをできる限り推進するように、そういう指導をしているところでございまして、今後ともそのような方向で努力したいと考えている次第でございます。
○上西委員 私は、長男が小学校に上がったときに家内の里の田舎の方に住んでおりましたから、PTAに行きましたら、お父さんやお母さん方が大変熱心に土曜給食をやってほしい、共働きが多い、あるいは農村地帯で農繁期などにがんぜない子供が帰ってくる、昼御飯の用意をしなければいかぬ、こう言いましたら、率直に言って校長先生は猛烈に反対なさったのです。それは教育委員会の指導方針に合致しません。大変文部省の力が強うございまして、小学校の校長先生までがんじがらめにしている傾向があるかと思ったのであります。それで、私たちはPTAでいろいろ議論をして町当局とかけ合いましたら、町の方でよろしい、そして給食の方々の超過勤務を特別予算を計上して、もちろん父母負担は若干ふえましたけれども、以来十数年土曜給食が行われております。 ですから、私、今お言葉を聞いて大変安心したのでありますが、もう一つそのことについて、土曜給食をできるだけやれ、やってほしい、こうした文部省の方針というものが徹底されるように注文をつけておきたいと思うのであります。 あわせまして、二点お尋ねしたいのです。 一つは、新一年生、コマーシャルでいえばピッカピカの一年生、間もなく誕生でありますが、この子供たちは、給食開始は五月からでございましょう。それを、入学したその日からとは言いませんけれども、授業開始と同時にピッカピカの一年生も給食対象にし、給食を四月から始める、それだけでもずんと生乳の消費は変わってくる、また子供たちの体力も違ってくる、一番最初が大事だと思うのであります。 それとあわせましてもう一点は、どうも米飯給食をしたら牛乳はつけない、パンの場合に牛乳をつける、文部省が悪いのか農林水産省が悪いのかわかりませんが、何かミルクを飲ませるのを、食べる米飯かパンによって画然たる線引きをやっている、こういう傾向がうかがえます。実は午前中の質問の際にお聞きしておりましたら、佐藤大臣のお孫さんは御飯を食べてちゃんと牛乳を飲んでいる、さすがは農林水産大臣、お孫さんにまで徹底した教育をなさっていると感服をいたしたのでありますが、子供さん方はそういうことが可能なんです。ですから、いわゆる線引きをせずに、給食の都度、それが米飯であろうとパン食であろうと牛乳だけは必ず飲用させる、そうした長期的な子供たち、児童生徒の体力づくり、この二点について御見解を承りたいと思います。
○小西説明員 小学校における新一年生に対する学校給食につきましては、一年生が学校の生活になれてくる四月下旬から五月にかけて学校給食が始まるという例が非常に多いようでございます。一年生の場合、学年の初めは午前中だけで家に帰るというケースも多うございますし、その間に徐々に学校の生活になれさせていかなければいけないというようなことがございまして、学校給食を始める日にちというのは必ずしも四月当初からということにはなっていないようでございますけれども、そのあたりの判断はやはり子供たちの実態というものを見きわめながらやるべきだと考えておりまして、学校の校長にそのあたりの判断をゆだねているというのが実態でございます。したがって、従来私どももいつから始めるということは指導いたしておりませんし、今後もそのあたりのことは学校の判断にゆだねた方がいい事柄ではないか、このように考えている次第でございます。 それから二点目の、先生御指摘になりましたいわゆる米飯のときにおけるミルクの飲用の問題でございますけれども、実は五十一年度から学校給食におきましても米飯給食というのを導入いたしまして、年々非常に増加いたしているわけでございますが、私どもの指導いたしております内容は、パンの場合であれ米飯の場合であれ牛乳を飲むということを前提といたしておりまして、現実にも、米飯の場合も大体すべての学校がミルクを飲用しているというのが実態でございます。
○上西委員 そういうことであれば後半の方は理解できます。ただ前半の方、私のように昭和一けたの者は、幼稚園に入っていて小学校に上がるという子供はごく一部でありました。言うなれば、特権階級と言ってはなんですけれども、極めて限られていた。ところが今や、幼稚園、保育園に通わずして小学校に上がってくる子供は逆にほとんどいないわけでしょう。大部分、圧倒的多数の子供たちは一年なり二年なり三年なり、若干の年限の差があっても、幼稚園、保育園の経験を持って、集団の体験を持って新一年生になってくる。こうなりますと、給食の豊富な体験を持っているわけです、そういった集団で食べることは。それから、昔から同じかまの飯を食うと言うことがありますが、先生とクラスメートと、米飯であれパン食であれ、一緒に御飯を食べるというのが学校になじむ最短の道じゃないでしょうか。そうした意味合いで、今課長さんのお答えを聞きますと、何かなじんでから、四月下旬から五月上旬とおっしゃっていますが、むしろ逆な意味の効果があるのじゃないか、こう考えられますので、ここでこれ以上のお答えをいただこうと思いませんが、文部省も前向きにお取り組みいただきたいし、農林水産省側も、そうしたことを文部省とタイアップして御協議をいただく中で、やはり大きくは児童生徒のために、やや幅を狭めるならばいわゆる酪農、生乳の消費拡大のために、そうしたこともぜひやっていただきたい、これは御要望を申し上げておきたいと思います。 さて、私は本日、格付問題ということについて今から若干質問をさせていただきたいと思うのであります。 まず最初に、最近五カ年間、去勢で結構でありますが、和牛の格付割合及び格付別平均価格の推移について、若干数字をお示しいただきたいと思います。
○瓜生説明員 和牛去勢の格付等級の割合をまず申し上げたいと思います。 格付の区分といたしましては、特選、極上それから上、中、並みとございますが、特選というのは一、二%台、それから極上というのが四、五%台で推移しておりまして、極上以上は極めて少ない比重になっております。それから、上につきましては、五十四年から五十六年の間は二〇%台、五十七年、五十八年では一七、八%台というような推移になっております。それから、中に格付されますものが、約半分といいますか四九から五二%台で推移をいたしておりまして、この中の比率が一番高く、また一定した傾向を示しております。それから、並みになりますと、五十四、五年ごろは約一五、六%台、五十六年から五十八年にかけては二〇から二四%ぐらいのところに推移をいたしておりまして、最近、並みも少しふえているという傾向にございます。これは格付を受ける牛がふえてきているということと関係することかと思われます。それから、等外というのがございますが、これは非常に少なくて一%台でございます。 それから、次に格付等級別の平均取引価格でございますが、特選ではキログラム当たりで二千五百円から二千九百円ぐらいで推移しております。それから極上が二千二百円から二千四百円、上が千九百円から二千百円、中が、五十五年が千八百円でちょっと高目な時期がございましたが、その後、千七百円台で推移をいたしております。それからまた、並みが、五十四年の千五百円台を除いては大体千四百円台、等外が千百十円から九百円、こういう形でございまして、和牛去勢は、格付等級割合を見ましても等級別の平均単価から見ましても、ばらつきがかなり大きい感じがいたします。
○上西委員 それでは、次にお尋ねしますが、今お答えいただいたように、この格付の実際を見ますと非常にばらつきがある、今ちょっとお聞きしただけでも並みがうんとふえていますね。そうしたことに関して、もともとの、一番最初の繁殖段階といいましょうか生産段階、肥育牛で買い取る、その以前の生産段階では、こういったばらつきが起きないようにどのような指導や対策を強めておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○瓜生説明員 今ちょっと並みがふえているというお話しございました。私も先ほどお答え申し上げる中でちょっと触れましたが、格付を受ける頭数全体がふえてきている中で並みがふえてきているということではありますが、ただ、去勢和牛が全体としてはらつきがあるということは、経営の安定という角度から見ましてもやはりこれは改善しなければならない分野だと私どもも思っております。したがって、改良増殖対策の中でも、肉用牛の産肉性の斉一化という言い方をしておりますが、そのばらつきをなくしていく方向でのいろいろな対策を講じてきております。 今までの和牛の改良の流れを見ておりますと、全体的な能力の向上、特に発育速度の向上という点では相当改良の成果が上がってきておりますが、肉質はいいけれども増体が悪いといったような形のばらつきが見られますし、全国的な能力向上が十分でないという感じがいたします。したがって、どのような雌牛に交配しても肉用牛として全体的な産肉能力を向上させ得る、そういう種雄牛をつくり出して、これの広域利用ができるようにしたいということを私ども考えたわけでございます。 そこで、五十五年度以降各県で実施しております産肉能力の直接検定の成績のいいものについて、広域的な間接検定というものを実施いたしまして、そして、優良な種雄牛を選抜してこれを全国的に共用できるような体制にしたいということで、少し長い名前でございますが、肉用牛産肉能力平準化促進事業という名前の事業を行っております。そういう中で、全国的に利用できる、そしてばらつきのない産肉能力を向上できるような種雄牛の選抜をやっております。 さらに、これは雄の方のサイドの対策でございますが、雌の方の対策といたしましては、御承知のように、最近、受精卵移植技術などの新しい技術が出てきておりますので、これを活用いたしまして雌側の改良を促進していく。それから雄側につきましては、今申し上げました広域的な間接検定を充実して肥育牛の産肉能力の全国的水準での斉一化を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○上西委員 おやりになっていることは大変立派なようでありますが、残念ながら、私なんかが日本一と言われている和牛生産地に住んでおって、この肥育期間がどうも延びてきているような傾向が最近強まっているのですわ。例えば、前だったら十三、四カ月からせいぜい十六カ月ぐらいで出していた。このごろは二十カ月かかってようやくというようなところが随所に出てきているわけです。ですから、子牛を見てこれならいいだろうと思ってやってみたら、思ったよりかさらに四カ月、五カ月長くなりますと、どうしたって生産農家に対して負担がかかる。結果としてはコストに響いてくるわけでしょう。 ですから、今のお答えわかりますけれども、こうしたことについて生産コストのアップを防ぐ、こうした意味の改善策はどのようにおとりになっているか、お尋ねしたいと思います。
○瓜生説明員 さっきお答えいたしましたのは肉牛の素質をよくしていくということでございますが、それと同時に、飼い方をよりいい合理的なものにしていかなければいけないと思います。最近の傾向を見ますと、今先生御指摘のように、去勢和牛にいたしましても乳用雄牛にいたしましても、肥育期間が長期化している傾向がございます。長期化をいたしますと体は大きくなりますので、一見何かいいような感じがするかと思いますが、やはりその間、えさ、飼料代は余計かかることになります。 私ども、いろいろ調査をいたしてみますと、従来の去勢和牛の二十五カ月強ぐらいのものだったものを二十八カ月以上も飼いますと、確かに体重はふえますけれども、その間にえさ代が最悪三五%ぐらいふえてくる。乳雄の場合で十九二八カ月で仕上げていたものを二十・二カ月まで育てますと、やはり体は相当大きくなりますが、えさ代が四五%占めている。したがって、肉牛を飼っていらっしゃる方々もそういう意味でのコストの感覚を持っていただいて、そして一番いい時期に出荷する、こういう対応をしていただくことが大変望ましいことだと思っております。 そこで、昭和五十八年に「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」を策定いたしましたが、この中でも、肉用牛経営の基本的な指標として、肥育牛の出荷月齢に関する共通指標として、肉専用種については二十四カ月齢以下、それから乳用種につきましては十八カ月齢以下という一つの指標を示しておりまして、県や団体を通じて適正化を図っておるわけでございます。 ただ、そういう一般的なことを言っても、個々の農家の方々は何となくのみ込めないという感じがあるかと思いますので、そうした肥育期間を短縮し、粗飼料を多給飼することによって経済的な肥育が行えるのだという、その技術の実証展示とその普及を行うための仕事を五十七年度から事業として実施しておりまして、こうした事業の成果を踏まえながらさらにこういう方向の指導を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○上西委員 それなりの御努力をなさっていることはわかるのです。ただ、せっかくやってみた、太った、これならと思って行ったら脂肪ばかりふえていて肉の歩どまりが悪い、こういう例があちこち出てきているわけです。上を信ずるなかれとは言いませんが、やはり相互に信頼関係が本当に生まれるような、よりきめ細かな指導というか、そうしたことについて一層の御努力をお願いしたいと思うのです。 さて、私が回った生産農家の方々が一番共通して言われたのは、日本食肉格付協会は一体何者か。なぜあんな格付をするのか。悪いけれども、役員の中にいろいろ食肉関係の大幹部も入っているが、あっちの方の減収になったという話は聞かないが、なぜおれたちの肉の格付はどんどん落ちていくのだ。出した、目の前では絶対肉は取らない、屠殺は一両日後。そうして切り取った肉が冷凍されて、それから品質検査をし格付が行われる。立ち会いも何もできない。この前出したよりかずっといい肉だと思っても悪くなる、おかしい。 どうしてかというと、出したサンプルの肉は確かにおっしゃるとおり悪くないのだけれども、いや、あっちがこうだこっちがどうだ、格付基準がああだこうだということで、今や生産農家の不満は格付員に対して集中している、こういう実態があることをまず私は鋭く指摘をした上で、以下、順次現状について御質問したいと思うのです。 格付場所、格付頭数及び格付員の人数、こうしたことについて現状を簡単に御説明いただきたいと思います。
○瓜生説明員 日本食肉格付協会が食肉の格付を行っておりますが、今お尋ねの格付場所は、五十九年現在で九十三カ所ございます。それから頭数は七十六万九千頭ということで、格付率で見ますと五一・五%の牛がこの格付を受けているということになります。これは牛でございます。それから豚の場合が九百三十七万九千頭、四八・七%ということで、これも半数弱がこの格付を受けた形で流通している、こういう状況でございます。 それから、格付職員については全部で百八十三人ということになっております。
○上西委員 では次にお尋ねします。 格付員を配置する基準はどうなのですか。
○瓜生説明員 格付場所に配置する格付員の人数というのは、枝肉の格付頭数の規模によって基準を定めておりまして、これは一つの基準ではありますが、豚換算にいたしますと、年間七万五千頭以上の格付を実施している場所に専従の格付員を配置する、こういうことにいたしております。あと、格付頭数規模別の配置人数は、おおむね八万頭増加するごとに一名増員する、こういうことにいたしております。 それから、格付員についても資格を設けておりますが、資格別の配置人員についても、配置人数の増加に伴って一つの配置場所でそれぞれの資格がうまく分布するような配慮も行っております。
○上西委員 ちょっとひっかかるのですが、百八十三名とおっしゃったのは、格付員なのですか。何か補佐とか補助とかいろいろあるようなのですが、その分布はどうなっているのですか。そのことを含めて今の配置基準をお示しください。
○瓜生説明員 今申し上げました数字は格付員でございます。
○上西委員 わかりました。それでは全部格付員ということで申し上げます。 では、一人当たり年間の格付頭数はどうなっておりますか。それと、一番多いところはこれだけ、一番少ないところはこれだけということもあわせてちょっとお示しいただきたいと思います。
○瓜生説明員 格付員一人当たりの年間平均格付頭数は、五十九年で豚換算で約六万六千頭となっておりますが、これは平均でございますので、場所によって格差がございます。
○上西委員 だから、一番多いところと一番少ないところを示してくださいと申し上げておる。
○瓜生説明員 多いところで一人当たり九万頭を超えているようなところもございます。少ないところは、格付員という形で対応いたしておりますものについては七万頭ということになっております。
○上西委員 ちょっと待ってください。そうすると、優秀な国家公務員の皆さん方ですからあれだと思うのですが、私、今お聞きしたのは平均六万六千頭、それで一番少ないのが七万頭というのは、どうなるのですか、私ちょっと今の数字は……。
○瓜生説明員 間違えました。一番少ないところは五万頭のところがございます。
○上西委員 わかりました。私は生産農家の立場で申し上げておりますから、常々どの質問でも申し上げますように、大臣初め皆さん方が一生懸命日本の農業を考えてされている、そのことを私はかたく信じてお尋ねしているのですから、数字などは的確にお答えいただきたいと思うのです。 問題は、この格付員の資格、例えば大卒だったら幾ら、高卒何年、いただいた資料を見るとこうなっておりますが、資格の付与に当たって——まあ今日本じゅうで、そう言っちゃ悪いけれども、日本政府が出す免許証、許可証、資格というのは物すごく多いでしょう。この格付員というのは社会的に、公的にどういう資格になるのですか。どういうことで付与するのですか、ちょっと御説明いただきたいと思うのです。
○瓜生説明員 この格付の事業というのは、今の格付協会が行っております一つの自主的な、しかし流通改善にとっては大変重要な仕事でございますが、具体的な格付員の資格というのは、格付協会の登録資格ということでございます。
○上西委員 では、極端なことを言うと、格付協会に登録をしておけば格付員としての仕事ができる、こういうふうに理解していいんですね。農水省も関知しない。食格協で職員として採用して、食格協の内部での若干のそういった基準を満たせば格付員として格付ができる、こう理解していいんですか。
○瓜生説明員 格付協会の今の登録の関係も含めまして、この規定は私ども農林水産省の方が認可をする形になっておりまして、その中で今の格付が公正に行われるようにチェックをするということでございます。 また、そういう見地から、格付員については一番最初補助員的な形で修業を始めることになりますが、その後いろいろな研修を受けながら技術を磨いて、そして何年かの年数の後に正式の格付員になる、こういうプロセスをとっているわけでございます。
○上西委員 米の検査は国家公務員である農林水産省の職員の方がなさる。でん粉またしかりですね。生鮮食料品みなそうだ。ところが、牛、豚を問わず、人間の口の中に入っていく一番貴重な食べ物になっていくその物を格付協会に仕事を委託している。そのことについては私は是非を問いません。しかしその格付を行う職員が、格付協会の中だけでの研修とか登録とかそういうことでいっていいのか。例えば、これを見てみますと、大学を出て一年以上たてば格付員にさせますよ、高校を出て四年たったら格付員だ。私は何も個々の人にどうこうありませんけれども、今の日本の全体を考えたときに、食肉格付協会の格付員の登録基準といいますか資格基準というか、そうしたものがこれで万全である、こうあなた方は自信を持ってお答えできるのかどうか確認をしたいと思います。
○瓜生説明員 格付自身の公平を期するためには、絶えず私どもも十分な注意を払っていかなければならないことだと思っております。 ただ、流通過程における商品のある種の分類ということでございますから、必ずしも国ではなくて、民間の自主的な対応を国が監督する形で行うということで公正に実施できるならば、そういう方式でいいのではないかということでこの事業をやってきておるわけでございます。 ただ、今いろいろな御指摘、御意見などがございますので、その状況をよく点検をいたしまして、公平公正に格付が今後とも実施できるように十分配慮してまいりたいと思っております。
○上西委員 それじゃ少し細かいことをお尋ねしますが、先ほど、一番少なくても豚に換算して五万頭だ、平均七万頭も処理している、そうした格付員の方々の労働条件はどうなっているのですか。賃金、超過勤務、有給休暇の消化状況、こうしたことを含めて実態を御説明いただきたいと思います。
○瓜生説明員 まず、賃金は国家公務員並みということになっております。それから、実際の休暇等のとり方あるいは超過勤務の状況でございます。これは場所ごとに大分違っておりまして、私ども正確に把握してない点がありますが、平均的に言いますと、一カ月当たりの超過勤務は約二・五時間、年間の有給休暇が約十日となっております。 ただ、業務の特殊性から長時間にわたって注意力の集中が要求されるという意味で、かなり厳しいという表現がいいかどうかわかりませんが、緊張を要する職場であると考えております。
○上西委員 私、余り小さな枝葉のことをお尋ねしたくないのですけれども、先ほどの事業所の数あるいは格付員の数などを見ますと、一人しかいないところが結構あるんじゃありませんか。格付員が一人しかいない。そうでしょう。有給休暇平均十日とおっしゃるが、そういうところで例えば十日とったと仮定すると、そのときに遅滞なく正規の有資格者を交流をし派遣をし、生産農家にこたえる体制があるのですか。その辺を明確にお答えいただきたい。
○瓜生説明員 格付員の配置人数が少ない場所で、病気になるとかどうしても休まなければならないような事情が生ずる場合があるかと思いますが、そうした場合に格付業務がストップいたしますと関係者の方に多大の御迷惑をおかけすることになるということで、ブロック単位で応援体制を組んでおりまして、それで対応してきております。
○上西委員 今お答えいただいて、それなりに理解はできるのです。ただ、ざっくばらんに言って、生産農家の方々の声は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、丹精込めて、今度は中だろう、ひょっとしたら上になるかもしらぬ。長い間一貫して肥育牛をやっておるわけですから、長年の経験を積んでいる、自信もある。行ってみた、風袋もかかった歩どまり六〇%で、これで四百キロ取れる、上で売ったら幾らだ。こう見ると、極端なことを言うとさじかげん一つで一頭当たり十万単位の金が減っていくわけでしょう。等級によっては十万円超えますよ。 そうしますと、今生産農家に満ち満ちている空気は、一言で言えば、何かしら市況が悪くなれば並みがふえる、そういう声が随分あるのです。それで不満だから言うと、先ほど言ったように、いやいや、ここに出ている脂肪交雑、霜降りの状況は確かにおっしゃるとおり中に見えるかもしらぬですけれども、あなたの牛は、鹿児島ではべぶと言うのですけれども、おまんさ、あのべぶはしりの肉が薄かったの滑ったの転んだのと言って、もう屠殺した後だから比べようがないわけでしょう。 私は、生産農家と格付員の方々、さらには農林水産省を含む日本政府のあり方、これらの間に深い信頼関係が結ばれない限り、お互いの努力はむだに終わっていくのではなかろうか、こう考えざるを得ないのであります。そうした点で、やはり納得のいく格付——ちょっと先ほど申し上げましたが、役員の中に有名な方々もいますよ、学識経験者もいらっしゃれば食肉産業なんかの代表的な方もいらっしゃる。そうした方々が、おい、このごろちょっと市況が悪いから並みをふやせ。そうすると食格協で働く職員の方々は、上の方からずっと流れできますと、さじかげんで、一%並みを上げろということになるのではないか。こういう懸念を抱かせているだけでも危険なことなんだ。現にあるのです。四十年来やっているグループのリーダーがずばり言いましたよ。市況に並行して並みがふえていく、日米農畜産物で輸入自由化でアメリカから入ってくるが、どんな肉が入ってきてもおれたちの肉の方がいい、良心に誓って言うと彼は断言しました。ところが、並みでいくとアメリカの肉と結果的には値段が一緒になってしまうのでしょう。そうしたことで、何か、外圧に屈してとは言いませんけれども——本所の職員入れてわずか二百名そこそこの格付協会、創立十周年になったばかりでございますが、こういったところにその重要な業務を委託するのはやむを得ぬでしょう。また、それも当然かもしれません。しかし、食格協の皆さん方がみずからの良心に恥じず、俯仰天地に恥じずという言葉がございますが、少なくとも生産農家の方々に向かって胸を張って、あなたはこういう事情、基準で並みだった、あなたの場合は今度は中だった、やあおめでとう上になったということが言えるような実態に、格付員の方々の待遇、労働条件一切をひっくるめてまず確立していただきたい。 それと同時にもう一点は、この格付基準、確かに農水省でおつくりになっているものが今あるけれども、それがだれが見てもああこういう規定か、こういう基準かとわかるようなもの、そしてそれがいろいろな系統を通して生産農家にまで十二分に周知徹底できる、そうしたことが今後やられるのか。今までおやりになっているのかもしれませんが、おやりになるのか。あるいはこの際、いろいろ声がある、私がこのくらい聞いているのですから、賢明なあなた方にそういう声が届いていないはずがないと思います。そうした観点から、農林水産省としてはこの格付基準について、今後抜本的に改正し生産農家に安堵感を与えていこうというお気持ちありや否や、それらを含めてお答えいただきたいと思います。
○瓜生説明員 まず、今の格付協会の格付員の活動に関しまして、これは公平公正に行われなければならないことは当然のことでございますし、いやしくもとやかく言われることがないように、私どももその辺については指導してまいりたいと思います。 それから、今の取引規格の見直しについてでございますが、今の取引規格というのも、長い肉の取引の歴史の中でできているものでございますだけに、それなりの合理性があると同時に、新しい動きに対応すべき部分も含まれているように私どもも思っております。 例えば、最近の牛肉全体で言いますと、国産牛肉の中での乳用牛の比重が非常に高くなっておりますこととか、先ほど先生からお話がございました経済的肥育といいますか肥育期間に関するいろいろな問題提起でありますとか、あるいは消費の仕方も脂の比較的少ない焼き内需要などが増大しておりますこと、こういうような状況を考えますと、現在の枝肉取引規格というのは見直しが必要であると私ども考えまして、今この検討を行ってきております。 特にその中で、サシを非常に重視している今の格付に対して、脂肪交雑がなくても標準的な評価が得られるような基準の緩和でありますとか、それから、今の評価は枝肉重量とか外観、肉質を総合的に評価するやり方になっておりますが、歩どまりは歩どまり、肉質は肉質で評価するという形で、歩どまりが明確に評価できるような方向へ移向する、こういった点の改善を図りたいということで、そうした検討結果を具体的な規格の見直しにどう織り込んでいくか、そういう基本的な方向をどう織り込んでいくかということについて今検討を行っております。 具体的には、肉の現実の実態といいますか、肉の品質に関する実態を踏まえた形でデータを収集し分析を行って、今言ったような基本方向を規格の具体的なものに移していかなければならない作業がございます。これが的確に行われませんとかけ声倒れになってしまうという点がございますので、日本格付協会に専門委員会を設けまして、今そこで専門的な立場からの検討を行っておるところでございます。基本方向は先ごろ打ち出しましたが、それをさらに具体的におろしていく作業に入っているという段階でございます。
○上西委員 非常に前向きにお取り組みになっておるようでありますが、くどいようでありますけれども、私が生で聞いた表現を出してみますと、生産農家の方は格付員のことを認定技師と言っているのですが、認定技師の方々の検査基準は不統一である、肉質なのか食品メーカーの方々の経営状態が基準になっているのかということを生でぶつけられたのです。私が質問するチャンスがあると言ったら、異口同音に言われたのです。長年にわたって肥育牛一本でやってきているリーダー格の方、中には農業委員とかいった公職を長くされている方もいて、異口同音におっしゃるのです。問題は、認定技師のやり方、いわゆる格付基準ですね、ここにある。 だから、そうしたことが累年うっせきしていることだけはよく御理解いただいて、ちょっと言葉じりをとらえるようでありますが、格付協会が専門委員会を開いているなんておっしゃっていましたが、農林水産省としてもそういうことには積極的に一枚も二枚もがみ込んでいって、信頼される格付のやり方、だれが見てもわかる、納得できる格付基準の決定、こういったことを一日も早くなさり、そうして生産農家が大いなる意欲をかき立てる方向へぜひ御努力いただきたい。 本日大臣がおられなかったのは残念でありますが、せっかく意欲に満ちた次官もおいでのことであります。農林水産省挙げての御努力を心から御期待をし、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○今井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の振興に関する件について、本日、畜産振興事業団理事長森整治君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○今井委員長 次は、小川国彦君。
○小川(国)委員 今、畜産価格問題が大きな焦点になっているわけでありますが、これに関連をいたしまして、牛肉輸入の差益金を運用しております畜産振興事業団の出資金、補助金のあり方についてただしてまいりたいと思うわけであります。 私どもがこれを見聞してまいります中で、大変な出資金、補助金のむだ遣い、焦げつき、乱費が目立つわけでありまして、ぜひこれを適正化してもらいたい、こういう観点から順次質問したいと思うわけです。 畜産振興事業団は、外国から安く輸入した牛肉を国内で販売して、大体年間二百五十億円から三百億円の差益金を生んでいるわけであります。その差益金の中からさまざまな補助金が支給されているわけでありますが、そのうち、各種団体に対して支出する指定助成対象事業費という予算が組まれているわけでありますけれども、この出資金、補助金としてまかれておりますものの実態を見ますと、相当に検討を要するところがあると感ずるわけであります。 まず最初に、指定助成対象事業費について伺いたいと思いますが、私の調査によれば、この事業費は五十六年は二百八十九億千七百四十二万円余、五十七年は二百四十六億四千五百二十七万円余、五十八年は二百五億二千百四十三万円余というように伺っておりますが、この数字でよろしいのかどうか。
○瓜生説明員 畜産振興事業団が行っております指定助成対象事業費の額といたしましては、今先生がおっしゃいましたように、五十六年度二百八十九億一千七百万円、五十七年度二百四十六億四千五百万円、五十八年度二百五億二千百万円でございます。
○小川(国)委員 五十九年度はお幾らになっておりますか。
○瓜生説明員 五十九年度はまだ年度が終わっておりませんので見込みの数字になりますが、三百二十二億強となっております。
○小川(国)委員 次に、事業団の助成金は毎年使用し切れませんで、膨大な資金が次年度への繰り越しとして積み立てられている。こうしただぶついた資金状況がずさんな運用を発生させる原因になっているのではないかと思うわけです。事業団助成勘定の繰越額は、五十五年度が三百八十三億、五十六年度が三百五十三億、五十七年度が四百三十四億、五十八年度は五百十五億と承っておりますが、この数字でよろしいのか。それから五十九年度の繰越額はお幾らになっておるか、その数字を伺いたいと思います。
○瓜生説明員 繰越額の件でございますが、その額の性格についてちょっとコメントさせていただきたいと思います。 指定助成対象事業については、その年度で使用可能な資金の総額を当初予算で計上いたしまして、具体的な事業の執行に当たっては、財政当局と協議して予算計上額の範囲内で事業費を決定するという形になっております。そうなりますと、予算計上額の残余が次期繰越資金として次年度に繰り越されるということになります。こうした繰越金は、変動の大きい差益金が主な財源になっておりますために、資金を長期にわたって安定的に活用する観点から、その調整財源という性格を持っているものでございます。 なお、金額につきましては今お話しのとおりでございます。五十九年度については、まだ全体を締めておりませんが、四百九十億程度でございます。
○小川(国)委員 いずれにしても大変な資金の余裕がある。 こういうことで、指定助成対象事業費の大部分が補助金として出されておりますが、五十六年二百七十二億、五十七年二百四十二億、五十八年百九十八億、出資は十七億、四億、六億、この数字でよろしゅうございますか。
○瓜生説明員 そのとおりでございます。
○小川(国)委員 五十九年度はお幾らになっておりますか。——時間がございませんので、次の質問を進めておりまして、その後でまた数字を御答弁願いたいと思います。 五十八年一月の行政監察局の報告書によれば、昭和五十五年までの間に百六十一法人に約四百億円の出資をしている。それで出資の回収状況は、解散あるいは組織変更したものを除いて全くない。「指定助成対象事業に係る出資については、出資金の全部又は一部を回収してもその事業の遂行に支障がない場合には、出資金の回収を行うなど、出資財源の有効な活用を図ることについて、事業団を指導すること。」こういう勧告が出されているわけであります。 そういう中で、具体的なケースとして、川崎市川崎区東扇島二十四番地に、財団法人日本食肉流通センター、俗称部分肉センターというものが百四十八億円の総事業費をかけてできているわけです。国庫補助金が二十四億円、畜産振興事業団の出資金が九十五億円、それから自己資金と言っておりますが、これも事業団の資金だと思いますけれども二十九億円を加えて、百四十八億円という大変な金をかけて流通センターをつくった。 これは、多数の売り手と買い手との大量集中取引による広域的な需給を反映した価格形成の場として機能し、そしてまた、そこで形成された部位別取引内容を公表することにより、部分肉取引価格を明確化、合理化する、そして食肉流通の改善に寄与する、こういう目的でつくられたセンターでありますが、このセンターの実態を調査してまいりますと、実は果たすべき機能を全く果たしていない。 特に、五十六年五月から営業を開始、五十六年十月から価格公表業務というのを開始して既に三年五カ月を経過しているわけでありますが、今日においてもここにプットインされているデータは全取引の七〇%にすぎない。これでは百四十八億円もかけた事業の目的が果たされていないのではないかというふうに思うわけです。 しかも、この価格公表業務のために畜産振興事業団は二十五億円の運用基金という元金を出して、その運用益を価格公表のための費用に充てているわけであります。早く言えばこの利息です。利息が大体年間二億円、それで取引公表事業費を一億四千五百万、管理事務費を五千五百万出しているわけです。早く言えば、畜産振興事業団が二十五億円という元金を出してやって、その利息でこの機械の運営を図っているということなのです。 ところがその機械が、端末機があそこに出ている各店舗に配置をされているのですが、現実にはそれが完全に利用されていない。そういうことから、出店の卸業者の七〇%しかデータが集まっていない。実質、公表してもそれが利用されていない。そうすると、その百五十億も金をかけてつくった施設が全く無用の長物化しているのじゃないか。 この点についてはどういうふうに皆さんの方は反省しておられるのか、それから、改善についてどういうふうに考えておられるのか、これをそれぞれ事業団、農水省の方から御答弁いただきたいと思います。 〔委員長退席、衛藤委員長代理着席〕
○瓜生説明員 その前に、先ほどのお尋ねでございますが、五十九年度、これはあくまでまだ見込みでございますが、出資が約五億、したがって助成が三百十七億という、これはあくまで約がつきますが、そういう状況と見込まれております。 それから、今、部分肉センターについてのお尋ねがございました。部分肉の流通というのは、過去におきます日本での肉の流通は、枝肉中心あるいは小売の段階でもうスライスされた形で売られるという、そういうものから、より合理的な形で部位に応じた価格形成が行われて、流通のコストも低減するし、消費者も利用しやすい方向になる、出荷する側からしても流通が改善されるような、そういう新しい方向ということを助長する意味で、いわゆる部分肉センターというものを事業団の方で出資し活動を始めさせたわけでございます。 五十六年五月に開始いたしましてから、牛、豚の部分肉のほかに、食肉加工品とか食鶏とか副生物、そういった関連商品も品ぞろえすることによって利用者の便宜を図るということで、流通量が逐次増加をいたしてきておりまして、五十九年には年間、牛、豚その他も合わせますと一日当たり四百二十トン程度の取引が行われるまでになっております。これは、全国での部分肉仕向け流通割合が牛で六〇%、豚が六四%ぐらいでございますのに対しまして、このセンターの流通量というのは牛で一八%、豚で約七%ぐらいになっているかと思われますが、かなり部分肉流通の中で大きな位置を占めつつございます。 そういう形で、このセンターが部分肉の流通の中で大きな地位を占めていくと同時に、そこでの取引の状況が公表されることによって部分肉の流通全体が円滑に進む、そういう指標ができることを期待をいたしまして、また、このセンターはそうした部分肉の価格の公表の活動を今やっているわけでございますけれども、先ほどちょっと触れましたように、取扱品目の対象はかなり広範にわたっておりますし、部分肉自身については、価格公表を行うことになっておりますのが牛肉と豚肉でございますが、これらについては、五十九年平均で、ほかを全部含めますと六九%ですが、この牛肉、豚肉だけについて見ますと七四%というような状況で、さらにまた上がってきているという状況でございます。 見方があるかと思います。「七〇%しか」という見方と、「も」という見方があろうかと思いますが、私どもとしては、ここでの公表の比率を高めて、そして、それが部分肉の全国での流通の指標として大いに機能することを期待をしているところでございます。
○森参考人 畜産振興事業団としてどう見ているかという御質問でございますが、川崎の流通センターは、ある意味では、生体から枝肉、枝肉から部分肉へという流通を合理化していく、また流通を変えていくという非常に重要な流れの中の一つの大きな拠点と考えておるわけでございます。 そこで、最初に御指摘ございました、百五十億も金をかけてというお話がございましたけれども、その内訳の約百億に近いお金というのは用地取得費でございます。首都圏の中で最近ああいう施設にふさわしい土地を新しく求めるということが非常に困難であったという事情もございます。先生御承知のように、川崎市長の御協力によりましてあの土地を確保することができたわけでございます。なお、そういう関係で埋立地しかああいう広い土地はございません。交通の便のいいところというのはございませんものですから、軟弱でございますので、そのために施設の基礎工事に相当金がかかったということがございます。 それから、今の取引量はどうかという考え方につきましては、私どもは、例えば、比較するところがございますとすれば芝浦の市場ではないか。芝浦の市場の牛につきましては、部分肉が一・二倍、それから豚につきましては一・八倍の扱い量を示しておることからいたしますと、私どもは相当な影響を産地に与えておるというふうに判断をいたしておるわけでございます。
○小川(国)委員 いろいろと経過は承りましたけれども、ここをつくった一番大きな目的というのは、部分肉の取引がここで完全に全体的に行われること、それから、そこの取引の実態の数字が全部コンピューターにインプットされて、一〇〇%入ったもので公表されて、初めてそこに部分肉の価格形成の上での、今おっしゃった指標の数字というものが生まれてくるのじゃないかと思うんですね。 私、その四十三店舗の出店の関係、現地へも行きましたし、それからその卸肉屋さんですね、メーカーと称されるところの卸肉屋さんにできる限り電話をかけて聞いたんですよ。皆さんは部分肉の取り扱いをしていて、どういう取引を参考にされていますかということを白紙で聞いてみたんですね。そうしますと、ほとんどの、ハム屋さんにしても食品会社にしても、あるいは肉製品の会社にしましても、川崎の部分肉センターの取引を参考にしているというのは皆無なんですよ。全部芝浦の市場なんですね。 A社の場合を聞いてみると、これはハムの会社ですが、九五%部分肉を扱っている。しかし、芝浦の競りの新聞相場を基準にしている。そして、上物の一・何倍という掛け率を掛けて価格としている。部分肉センターの資料は全く使っていない。また、現実にあそこで取引はされていない、こういう見方。それからまたB社に聞いてみますと、例えば、あそこの川崎では豚肉は毎日発表しているというのですけれども、豚肉中心だが、芝浦、大宮、立川、横浜の四市場の平均を聞いている、あるいは茨城の公社のテレホンサービスを使っている。あるいはまた、Cという食品会社では、芝浦市場がやはり中心だ。立川、横浜があるが芝浦中心。それからD社、これもハムの会社ですが、芝浦市場。それからフーズという会社、これも芝浦の相場が基本というので、どこに聞いても、川崎の部分肉センターの取引の発表は、神奈川新聞とかラジオ放送とか所内掲示とかやっておられるようなんですが、ちっとも指標になっていないのですね。 そうしてみると、これは、あそこで取引が活発に行われて、そしてその取引の行われた価格というものが全部きちんと集計されて、それがいわゆる部分肉価格というものを——今おっしゃるように、国内で牛で六〇%、豚で六四%の部分肉取引になってきている、二十キロから二十五キロのバッグに、骨を全部抜いて、肩だとか胴だとか腰だとかしりだとかいう部分を全部ダンボールに入れて、それで取引できる。確かに非常に便利になってきている。そのセンターとしてつくったものでありながら、さっき皆さんの方は七四%と言うのですけれども、そこの四十三社入っている資料がぴしっと入って、四十三社が一〇〇%取引の実態を報告をしてそれがインプットされて出た統計ならば、各社も信用して、全国の畜産業者が川崎の部分肉センターの取引価格を指標にしていこうということになると思うのですよ。皆さんはそれを目標にしてつくったと思うのです。 ところが現実には、あそこに入っている四十三社のうちで七〇%しか入ってこない。しかも、さっき我が党の上西議員から質問したように、いろいろな部位のとり方、切り方がまちまちです。それから、手形決済、現金決済、あるいは店頭売り、配送、みんな条件が違うものを一緒にしているから、だれも利用しない情報になっていると思うのです。これは私は、皆さんが百五十億、土地代に百億かかったか知りませんが、かけた投資は百五十億なんですから、それを活用されなかったらこの出資金は生きたものになっていない、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○瓜生説明員 今のお話の中で、芝浦が非常に参考にされているということでございます。今までの肉の取引が枝肉中心の流通であったということから、そういう一種の伝統が芝浦というところを一つの指標にする強い誘因になっているかと思います。 ただ、これから枝肉から部分肉への流通の変革を考えていく場合には、そこに一つ新しい指標が必要だということで、この部分肉センターの活動に私ども期待をしておるわけでございますが、全国的に見てもまだまだ部分肉の流通をさらに伸ばしていかなければならない点がありまして、及ばない点、これからさらに徹底していかなければならない点もあろうかと思いますので、こうした点は十分に対応してまいりたいと考えております。
○小川(国)委員 この中の問題点はありますが、それはまたさらに伺いたいと思うのです。 それから、皆さん方が大変な出資金、補助金を出してきているわけでありますが、それの中で、全国の畜産、肉用牛の開発公社ですね、青森県肉用牛開発公社、岩手県肉牛生産公社、宮城県農業公社、秋田県畜産開発公社、山形県畜産振興公社、福島県畜産公社、群馬県畜産開発公社、岐阜県畜産開発公社、鳥取県畜産振興協会、島根県畜産開発事業団、岡山県畜産公社、広島畜産開発事業団、熊本県畜産開発公社、大分県畜産振興公社、それから沖縄県肉用牛生産供給公社、十五県の肉牛の生産公社で総額三十六億五千三百七十八万という繰越欠損を出しているのです。この出資先が、皆役人の方でつくった役人公社みたいなものですから、既に設立以来十年前後経過しているのですが、最高は岩手県の十二億三千五百九十一万という繰越欠損を初めとして、青森県の七億六百八十六万あるいは群馬県の五億一千二百九十四万といずれも赤字で、先ほどの行政監察局の勧告にあるように、出資したものは、回収できるものは回収して効率的な次の運用を考えるべきだということなんですが、どこも回収できるような状況にないような出資の状況なんですが、この状況についてはどういうふうに理解し、把握をされておられますか。
○瓜生説明員 畜産開発公社と言われているものは、特に大家畜の振興合理化を図るために、乳用牛や肉用牛の育成段階の仕事あるいは家畜の改良増殖の仕事、それから先駆的な経営技術の実証展示の仕事あるいは各種調査、研究等、公共性の強い事業を行う牧場が主たるものでございまして、非常に公共性の強いもので、しかもこういうものが活動することによって個々の大家畜経営に裨益することを期待して県段階でつくられておる公社でございます。 もともとそういう牧場をつくろうという意欲を持たれた県レベルの方々がこういう牧場をつくる計画を立てられ、それを事業団から出資等を行って支援をしてきているというものでございます。今お話しのように、この仕事が公益的な性格であるということもありますけれども、損益を見てみますと、かなりの赤字になっているものが多うございます。 ただ、この経営収支の悪化の状況というのは、これは公社ごとに事情がいろいろございますけれども、総じて言いますと、今の家畜を受け入れて預託をする場合に、どうしても公共的な性格から預託料を高くできないとか、そこで育てた家畜を売ろうとする場合に比較的安い価格で売るというような場合があるということとか、それから、先ほど来申し上げました実証展示といった非収益部門を持っているようなケース、さらには牧場経営技術に未熟な点が新しい試みであるだけにどうしても見られることもございますし、そういう意味で運営も弾力的に対応ができていないようなものも見られます。 そこで、個別の状況を私どもも見ながら、しかし公共性という側面ももちろん念頭に置かなければなりませんが、やはり経営そのものとして効率を高めるための措置をとる必要があるというふうに考えております。 そこで、事業の内容の見直しとかあるいは経営技術の交流を図るというような形で経営改善のだめのいろいろな手だてを今まで打ってきておりますし、こうした中で経営内容がよくなってきつつある公社もかなり見られますので、今後とも、畜産振興事業団や公社が置かれております県と連携をとりながら指導をしてまいりたいと思っております。
○小川(国)委員 いろいろと理由はおっしゃられておりますけれども、現実には、私も岩手から福島、群馬、直接現地へ行っていろいろ牧場なり公社の実態を見てきたのですが、とてもあなたのおっしゃるように回復できるような見込みはどこもないですよ。赤字は毎年増大していくばかりでね。しかも経営が、今民間でも、酪農をやっても養豚をやっても肥育をやっても、民間の人が一生懸命血みどろになってやったって赤字の時代に、皆さんは公共的な性格などと言いますけれども、いわば県の役人が出向した形で構成していったような殿様の畜産経営で、黒字に改善できる見通しなんて全くないんですね。だから、皆さんが毎年二百五十億から三百億今の補助金、出資金をどんどん出していっても、その後というものを全然監督もしなければ指導もしてなかったら改善される状況というのはないんですね。 これは畜産振興事業団の理事長としていかがですか。あなたの出資されたところが、川崎の部分肉センターにしてもその機能を果たしていない。それから、こういう全国の畜産公社も全部赤字が累増していくばかりで、とても赤字を克服できる状況にない。県によっては県の一般会計から毎年補てんしている、こういう状況なんです。こういうところへ出資しっ放しでよろしいんですか。いかがなものですか。
○森参考人 先生の御指摘の点につきましては、確かに非常に問題が多うございますが、考え方といたしますと、やはり事業団が出資するわけでございますから、公共性が高いということが一つの要件になっていると思います。それからもう一つは、採算になかなか乗りがたい、かといって、それでは今先生の御指摘のように赤字の出っ放していいのかというとそうではないので、やはり長期的にバランスをさせるという考え方で対処しなければならない問題だろうというふうに思っております。 今先生から御指摘がございましたけれども、当初はやはり赤字であることはやむを得ない。しかし、それが長期化するということは絶対に避けねばならないということで、この二、三年、監査といいますか実態をよく調べる、個々の牧場でどういう事態で赤字になっているかということをいろいろ調査をしておるわけでございます。 そこで、元来大規模牧場というのは、地元の市町村あるいは農業団体それに県の御要望で事業団が無利子の金を入れて何とか経営を維持していきたいという発想でございますから、何としましてもこの赤字は絶対に今後累積をさせない、ということは、逆に言いますと当期の損益で黒字をまず出す、そういうことが絶対に必要だという考え方で御協力を求めていきたいと思っています。また、現にそういう考え方で指導をいたしておりまして、そういう黒字に変わった法人というのは、例は少のうございますがふえてきております。 〔衛藤委員長代理退席、委員長着席〕 それから、当期の損失が総額としても減ってきておる、これは先生も恐らく資料的に御存じかと思います。 なお、これを強力に進めますと公共性を維持できなくなるということもございますので、その辺の絡み合いを考えながら、また地元の協力なしには絶対に解決困難な問題でございますから、そういうことで御協力を得ながら、また、事業団だけではとても処理できませんので、農林省、県庁、そういう行政当局と緊密な連絡をとって、先生の御指摘の問題をともかく解消してまいりたいというふうに考えております。
○小川(国)委員 十五法人のうち黒字の法人は何法人ですか。
○森参考人 三法人でございます。累積でございます。
○小川(国)委員 それから、残った十二法人のうち、赤字解消のめどが立っている法人は何法人ありますか。
○森参考人 ただいまのところ、考え方といたしましては、ともかく少しでもいいから当期の損益を黒にするということから始めているということで、当期損益黒字の法人が五法人から今七法人になっておるわけでございますから、その七法人をもっとふやしていくということを考えていきたいと思っております。
○小川(国)委員 当期の損益が黒字になっているところは、なぜ黒字かと調べてみたら、県の一般会計から金を入れているのですよ。それは黒字になるのは決まり切っているわけで、そうじゃなくて、畜産経営としての努力で改善していくという方向がなければいけないのじゃないかと思うのです。それは指摘しておきたいと思います。 それから、もう一度戻りまして、川崎の部分肉センターの運営が、皆さんは公共的性格なものだ、だからそうなんだと言っているんですが、公共的な性格というのは一体何なんだろうか。調べてみますと、ここの場合などは、給与の支払い方、それから統計をとるためのコンピューターの機械代、これは全部金利で賄われているのですよ。畜産振興事業団のやった二十五億円という補助金、それを出資と言ってもいいのですが、百二十億円で土地と建物をつくった。そこへ約二十五億円の原資をやっている、そうすると毎年二億円の利息が出てくる。その中で一億二千万のコンピューター代を払っている。残った八千万を役員の給与あるいは職員の給与に充てている。 しかも、役員の給与も本省の局長以上の給与になっているのです。理事長で言えば年俸千三百五十万、専務理事あるいは常勤理事も九百万を超える。いずれもこれは農水省の天下りの皆さんがやっているのですが、こういうふうに年間の給与、人件費を利息で全部出していたら、それから維持費を利息で出しているのなら、これは何にも経営努力は要らないのですよ。公共的性格がどこにあるかわかりませんが、そういうところに公共的性格があるのかどうかわかりませんけれども、せっかく百五十億もの金をかけながらこれを有名無実の組織に終わらせている。本当に全国の部分肉取引のセンターになるということを指導し得ていない。 それから、私、昼間行ったのです。電話をかけて、芝浦の市場を想像して、いつおたくへ行ったら活発な取引をやっているかと言ったら、お昼ごろいらっしゃってください。お昼に行ったら、店舗どこを回っても人っ子一人いないのですよ。全部店じまいなんですよ。店頭取引はもうほとんどゼロに等しいと私は思いましたね。結局、あそこの冷蔵庫と事務所を便利で安いから使う。それで、皆さんの方の人件費はその店の貸し料とこっちの利息から出しているのですから、これは貸し家業をやっているようなものですよ。だから、そういう姿勢ではこの改善はできないのじゃないか。 しかも、皆さんの方は統計をとるために全部の四十三店舗にコンピューターの端末機を置いているのですよ。ところが、めいめいの使っているコンピューターは、自分の本社と取引するコンピューター、お得意と取引するコンピューターですから、こっちの方は第二次的に、二重の手間になっているのです。自分の商売をやったほかにこっちの集計報告をしなければならないから、二台のコンピューター使うのめんどうだ、しかしお義理でしょうがないから入れなければならない。だから七四%しか集計が集まらないのですよ。それで、皆さんはここで全国の指標をつくるんだ、相対取引のセンターにするんだと言ったって、枝肉の持ち込みも認めてない。だから、店頭取引なんて私はまずないと思いましたね。 畜産振興事業団の原資というものは、日本の畜産農民の価格を抑える輸入内がどんどん入ってくる、それを安く入れて高く売ったその差益金ですよね。あなた方は、労せずして入ってくる金だから、出資金や補助金にするときに出しっ放しということになってしまうのじゃないかと私は思うのですよ。そういうところを厳しく反省していかないと、年間二百五十億から三百億の出資金や補助金を出していっても全部出しっ放しということになってしまうのじゃないか。 この点について、行政監察局と会計検査院がおいでになっていると思いますが、皆さん方はこれをどういうふうに把握して判断されるか、ちょっとその見解を伺いたいと思う。
○平田説明員 総務庁では行政管理庁時代に五十六年に調査をいたしまして、五十八年にこの問題を含めて勧告をいたしておるところでございます。 その後も何度か改善状況について農林省と接触をし、その把握に努めておるところでございまして、今後とも、農林省の畜産事業団に対する指導監督の状況を見守ってまいりたいというふうに考えております。
○岡村会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、畜産振興事業団の検査に際しまして、先生御指摘の趣旨を踏まえまして、十分調査してまいりたい考えでございます。
○小川(国)委員 それぞれ行政監察局なり会計検査院もこれに意欲的にぜひ取り組んでいただきたい。 全国の農民の立場から見れば、今、畜産というのは畜産価格の決定で、乳価の決定にしましても、あるいは肉の価格の決定にしても、あるいは養鶏問題にしましても、大変悲惨な苦境のどん底にあるという状況で、この価格引き上げなども必死で求めている。しかし、それに対して政府自体が十分対応できない。 一方では、こういう輸入牛肉の差益が補助金、出資金という形で出されているのだけれども、本当に生産農民のところに届いていない。しかし、具体的には事業団のやっていらっしゃる中でも、子牛の安定基金であるとか、繁殖雌牛の資源確保対策であるとか、肥育牛の導入対策であるとか、あるいは肥育加工肉の実験事業であるとか、酪農経営負債整理資金であるとか、いろいろと酪農関係でもあるいは肥育の関係でもやってこられているのですね。こういうところをもっと重点的に、効率的に、本当に輸入牛肉によって犠牲を受ける国内の生産農民のところに具体的に恩典や利益をもたらせるような、そういう出資金、補助金というものを考えていくべきじゃないか。 皆さんが天下りしていく、あるいは地方の役人が天下りしていく、そういう外郭団体や公社にこの補助金や出資金を使っていって、本当の犠牲になっている生産農民、ある意味ではまた消費者も犠牲になっておると思うのですが、皆さんの方では生協にも若干出資金、補助金を出しているようでありますけれども、そういう意味では生産者を第一義に、それからまた消費者に対してもこの金を有効活用していくべきじゃないかというふうに思うのです。 そういう点について、現在までは酪農、肉牛が中心でありますけれども、養豚とか養鶏も畜産部門ではやはり輸入牛肉の影響を受けているわけでありますから、こういう点に対する助成も強めていく、こういう点も考えていただきたいと思うのでありますが、その点について、きょうは次官もおいでになっていますから、今までの質疑を踏まえまして、こういう畜産振興事業団の輸入差益金の運用の問題、これについてどういう御見解をお持ちになるか、ひとつ伺いたいと思います。
○近藤(元)政府委員 小川先生の御質問の過程における御指摘につきましては、なお農林水産省も調査をして適切な指導をしてまいりたいと思います。 取りまとめの御発言に対しましては全く同感でございますので、その趣旨に沿って畜産事業団並びに出資先その他についても指導してまいりたい、こう思うわけであります。 とりわけ畜産問題につきましては、いろいろ生産者が大変苦況の中に負債を抱えて経営をいたしておる過程でもございますし、さりとて価格で万全の措置がとれるような情勢でもございません。したがって、消費の拡大、流通の部門についても、従来の生産者に対する農林水産省の力を入れてきたところに、なおさらに一層、流通、消費の部分についても努力を傾けてまいりたい、こう思っておる次第でございます、
○小川(国)委員 今私の申し上げました畜産振興事業団の差益金の運営、それから補助対象事業に対する考え方、この私の指摘した問題点に基づいて、農水省として、あるいは畜産振興事業団としてどうお考えになるか、その点、審議官とそれから理事長の方からそれぞれその見解を承りたいと思います。
○瓜生説明員 畜産を振興してまいります場合には、生産、流通、消費、各方面にわたっていろいろ解決しなければならない問題があり、しかも、それがなかなか一朝一夕にいかない側面がございますので、これらを進める場合に、国の仕事とあわせて畜産振興事業団の活動というものが大きく期待されているところだと思います。それであるだけに、その仕事が効率的に行われなければならないということ、そして、難しい状況なら難しい状況なりに適切な対応をしていかなければならないというふうに私どもも思っておりますので、そういった見地に立って今後対応してまいりたいと思っております。
○森参考人 最後に先生が申されました点につきましては、農林水産省とよく協議をいたしまして、善処をしてまいりたいというふうに考えております。
○小川(国)委員 終わります。
○今井委員長 次に、田中恒利君。
○田中(恒)委員 畜産問題の幾つかにわたりまして御質問いたしたいと思います。 きょうは三番町で酪農部会に乳価等の諮問案が提出をされておるわけであります。詳細の資料をまだ精査をしておりませんが、審議会でも議論をされているのだと思いますが、ここで六十年度、本年度の乳の需給推定表が示されていると思うのですが、一体どういうふうになっておるのか、概略ひとつ御説明いただきたいと思います。
○瓜生説明員 六十年度の生乳需給表でございますが、生乳の生産の総合計は七百三十一万五千トンから七百三十九万五千トンという幅がございますが、そうした幅の中であるというふうに見ております。 それから、その生産の内訳でございますが、飲用等が四百五十二万六千トンないし四百五十六万二千トンということでございます。それから、乳製品が二百六十三万八千トンないし二百七十五万四千トンということでございまして、今の飲用等と乳製品、それから自家消費の合計が、先ほどの総合計になるわけでございます。 それから、乳製品の内訳が特定乳製品とその他に分かれます。特定乳製品が二百二十二万四千トンないし二百四十二万五千トンということで、その他が三十二万九千トンないし四十一万四千トンということになっております。この考え方は、全体の生産の動向を最近のデータも含めて見ました一つの幅がございますが、それと飲用等の見込み方、それから乳製品のうちの特にその他といいますか、クリームなり脱脂乳なり調製粉乳なり、こういったようなものの見方について一つの試算を行いまして、残りを特定乳製品という形で見込んでおるわけでございます。
○田中(恒)委員 それで、昨年は発酵乳が十八万トンと言っておりましたが、実際は三万トンぐらいの取引に終わったようでありまして、十五万トンがつまり保証のない乳製品ということになったわけでありますが、この数字は、本年度の場合は昨年に比べてどういうふうに予測されておるわけですか。
○瓜生説明員 昨年は、発酵乳などに特定乳製品を充てておりましたものを、生乳あるいは脱脂乳で対応できるようなものの量として二十万トン程度見込んでおりましたが、結果的には夏の段階で生産が私どもの予想よりも落ちる、あるいは需要が非常な暑さの中でアイスクリーム等を中心にあるいは飲用牛乳を中心に非常に伸びるという中で、発酵乳取引を推進する準備にかかる話し合いを始めたわけでございますが、思うような話し合いが始まりましたのは秋口にかかってしまったということがありまして、目標の水準からいたしますとかなり下回る四万トン程度にとどまったわけでございます。ことしは二年目でもございますし、この点については、さらに生乳を利用できるものについては生乳を利用していくという見地に立ちまして、二十一万トンを見込んでおります。
○田中(恒)委員 その二十一万トンを見込んで、昨年は三万トンから四万トンぐらいだったのですが、ことしはそれは大丈夫なんですか、そんなにやれるのですか。
○瓜生説明員 この中心になりますのは発酵乳取引に期待する部分が大きいかと思いますが、現実にはこういう置きかえが可能なものというのはそれよりもさらに大きい数字がございまして、三十五万トン程度あるのではないかと思いますが、そのうちの全部というわけにはなかなかいかないだろう、季節変動その他の中で還元乳をつくらなければならないところもあるでしょうし、あるいはローファットミルクとかその他の特殊な商品もございますから、それはそれとしつつ、できる限り置きかえていくことを考え、またそれに必要ないろいろな対応も工夫をしてみたいと思っておりますが、そういう中でことしはぜひこれだけの置きかえを実現したいと思っております。 また、それができますと、今の飲用乳市場で、ようやく今おさまりつつありますが、まだ何となく落ちついておりません流通の混乱を是正する上からも、こういう措置が非常に効果があると思いますので、関係者に十分その事態の御理解をいただいて、それがまた酪農、乳業自身にとってプラスになることであるというふうに考え、また関係者の方々にも御認識いただいて対応を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○田中(恒)委員 どうもここのところのものが、計画の数字は案外合うようになっておるのだが、実際には思うようにいかなくて、結局これが乱売なり安売りなりいろいろな方面に流されていく、その流通上の混乱もある。 それから、私が一番心配しておるのは、今酪農家は農林省の御指導を受けて例の生産調整というものを強力にやっておる、キロ当たり二十銭のお金を乳価の中から皆拠出して二十億ぐらいの金をもってやっておるわけですね。ところがことしの需給計画を見ると、限度数量を八万トン上げて二百三十万トン。しかし、どうも二十二、三万トンぐらいの乳はやはりメーカーの加工原料乳の法律の外の牛乳として動いていく、そういう可能性を非常に強く感じるわけですが、そういう心配はないですか。
○瓜生説明員 加工原料乳が還元乳に回るという場合に、結局脱脂粉乳が非常に割安でありますと、そういうものを使って還元乳にして、それが飲用乳の世界に入っていくという傾向がございます。そういうことになりますと、また飲用牛乳の世界が混乱することになるわけでございます。今回の乳価の試算の中ではいわゆるバターとか脱粉とかこういったものの価格についても検討を加えまして、脱脂粉乳については安定指標価格を二%上に上げました。安定指標価格というのもあくまで指標でマーケットプライスそのものではございませんけれども、現在既に脱脂粉乳はかなり高い水準に推移しております。そういう趨勢を踏まえて、それに合わせた形で対応することになっております。 これも還元乳に脱粉が回ることに対するブレーキとして働いてくれる面もあろうかと思いますし、それから、発酵乳、いわゆるヨーグルトなどについても、生乳からつくられるあるいはその中間製品の脱脂乳からつくられるという形の中で、商品としてのよさというものの認識が高まってまいりますならば、こうした形での発酵乳等に対して生乳が振り向けられるものは、私どもが考えているような方向で進むものだと考えております。
○田中(恒)委員 あなたのところと今議論したって、相当幅があるから、さっき島田さんの質問に対する答弁を聞きながら、なかなか難しいわけだけれども、ただ、この点だけはあなたのところも気をつけておらないと、今牛肉、牛乳、それから鶏卵、豚なども含めて需給調整というものをやっていらっしゃるわけだが、一番効いておるというか、ほとんど正確に動いているのはこの乳の生産調整だと思うのですね。 これは今も申し上げたように、農家が二十億程度の金を積んでやっておるわけですよ。この二十億で支えられる範囲は大体十万トン程度までだと私は思っているのです。これは、もし私が心配しておるように十五万トンなり二十万トンなりのものが出ると補給金は二分の一になるわけでありますから、そうでなくても、今生産調整で、酪農家の諸君が乳を搾ってもいいんじゃないかと言っておるのを抑えておるわけですから、そして自分は金を出しておるわけですから。ところが、今のお話の数字や物が動き出して、二十万トンだ二十五万トンだということになれば、補助金はぐっと下がる、意味ないじゃないか、何のためだということになって、これは崩れていくわけですよ。 そういうことになっていくと、恐らく今の牛乳の流通は非常に大変な混乱を起こすことが想定されるわけでありますから、ここのところはよっぽど考えてもらわないと、昨年の結果などもありますから私は特にここで注意を申し上げておきたいと思います。 それから、不足払い制度を発足してもう二十年になるわけなんでありまして、その間に情勢はいろいろ変わってきたことも事実でありますが、やはり最近この委員会でも議論されておるように、この数年来の需給動向から見てみると、どうも生産者の取り分よりも乳業界の取り分の方が大きい、運営について一遍検討してみてはどうかというような意見があちこちで聞かれることは事実です。私どもも前々から言っておるように、確かにこれはいろいろ問題がある。 例えば、保証価格の算定というものを、これは北海道が大半だということで、北海道から生産費はとっておるですね。しかし、内地だって乳の動きがこれだけ全国的に、LLなどの問題を考えたら国際的に心配しなければいけない、こういう状況になっておるわけです。だから、これだけになっておるのに果たして北海道だけの生産費でいいのかどうかという問題も一つあります。 あるいは、きょう細かく議論がありました基準取引価格の算定をめぐって、脂肪率の問題にしてもあるいは無脂固形の成分にしても、生産のやり方が非常に上手に、上手というのか成長してきて、非常に栄養価の高い乳を出し始めてきておる。だから、そのメリット、その取り分がこの基準取引価格の中にどういうふうに含まれていくかということで、生産者側の要求は非常に強い。片やメーカーは非常に設備投資を近代化し、企業を合理化して、私などが聞く範囲では、最近の乳の加工のやり方というのは非常に発展して、付加価値を十分に吸収し得るような、そして、生乳じゃなくたってほかの方でもうけるわけだから、そっちの方にどんどん力を入れてきているわけです。 そういう状況が出てきておる中で、不足払い制度をつくった当時の本質に立って運営していくという姿勢がないと、農業経営と工場経営とは、これはいろいろ言ったって生産性をめぐって競争は格段の差があることは事実でありますから、企業の方にメリットが取り上げられていく可能性はだんだん強くなっていくと私は思うのですね。それを行政的に適正な判断をどうしていくかということになると思うのです。 そうすると、一つは、あなたのところは製造過程に対する立入検査、どういう形でつくっておるのかといったようなことの調査をやっているはずですね。なかなか資料をお見せいただかぬけれども、こういう問題は厳格に今やられておるわけです。大体全国でどのくらいの地域に、何工場くらいやっておるわけですか。
○瓜生説明員 今の御質問にお答えいたします前に、先ほど私言い間違えましたが、脱脂粉乳については上げ幅が三%でございます。さっき二%というふうに申し上げましたが、これは言い間違えでございます。訂正させていただきたいと思います。 それから、メーカーの生産コストに関しましては、私ども生産費の調査を毎年行っておりまして、その調査の際に必要に応じて立入調査をいたしております。そして、そうした生産費調査の結果を私どもなりに審査、査定をいたしまして、その上で基準取引価格の水準を決めるという作業を行っております。この作業に関しましては、メーカーの側からしますと、ほかの業種に比べて例えば利益率などの見方が非常に低いというような不満もあるくらい、私どもとしてはそこは厳正に内容を審査させていただいております。 ちょっと今、工場の数を資料を開きまして御説明させていただきます。
○田中(恒)委員 後でいいです。 工場の調査も恐らく全国、メーカーごと、フロックごとにやっていらっしゃるんだと思いますけれども、私が最初に申し上げたように、保証価格の生産費の調査を北海道でやって、そして今度は工場の方の製造過程の調査は全国でやっておる。こういうのもちょっと矛盾しておると思うのだな。北海道だけじゃないはずなんだから、そういう意味で、保証価格の水準を決めるに当たっては、やはり全国的段階に広げて、生産費は、内地の酪農は北海道に比べたら生産性は低いけれども、コストがかかっておるものだから、なかなかやれぬのじゃないかと百姓は悪口を言うわけなんですけれども、そういう点も合理的なものに変えてもらわなければいけぬと思うのだ。 そのほかいろいろありますけれども、不足払い制度の運用について、巷間ともすると、乳業界に偏り過ぎておる、だから乳業が大分もうけている。そういう可能性があるわけだ、加工乳がこれだけはんらんしてきますと。現実にあなたのところの相当の技術者の諸君に聞いたって、今加工乳と生乳の区別が非常に難しくなってきておる。やり方によっては、本当に生乳を使わなくて、どんどん牛乳まがいのものをはんらんさせることができる。それだけもうけるということになっておるのですよ。しかし不足払い制度から言えば、そういうあり方は大きく規制しなければいけぬわけですから、私は、このことについての行政的な指導や、特に検査、製造過程について、乳がどれだけ的確に使われておるのか、こういう問題を中心にしたものは強化をしてもらわなければいけぬと思います。このことも申し上げておきたいと思います。 それからLL牛乳についてです。これは厚生省が、LLは大丈夫だ、冷蔵は要らぬのだ、こういうことを言い出してもう二年ほどたつわけで、農林省にげたを預けたようなことになっておるわけですが、おたくの方ではLL問題の取り扱いをどういうふうにせられてきておるのか、今日段階の状況を御報告していただきたい。
○瓜生説明員 その前に、工場の方の調査でございますが、これは不足払い対象の工場全部やっておりますが、毎年やります中で、やはり生産性が上がってくる、コストダウンができてくる分は当然コストダウンとして見込んでいくというような形で、算定は合理的に対応しておるつもりでございます。それからなお、乳製品工場はやはり全国にございますし、それなりの大きな規模のものが各所にございますので、それらを調査することによって、より適正な製造コストのデータを得るということでやっているわけでございます。 他方、生産者につきましては、経営の合理化を図りながら活動している加工原料乳地帯というのが現在は北海道になっておりますので、北海道のデータを使うという形になっているわけでございます。 それから次に、今LL牛乳についての御質問でございます。LL牛乳につきましては、御承知のように厚生省が五十八年の三月に、いろいろな技術的な検討をした結果として、要冷蔵要件を外しても食品衛生上には問題はないという見解を公表いたしました。ただ、その場合に想定される流通上の問題について私どもの方に検討を依頼してきたわけでございます。 LL牛乳というのは、消費拡大をするという上からしますと一つの手段として有効なものでありますが、こういうメリットがある一方、飲用牛乳の流通にもし混乱が起きるようなことがあってはいけないということで、生産者あるいはメーカー、販売関係の方々の間の意見を伺いながら、秩序ある形でLL牛乳の生産、流通が進められるような体制をつくっていくことが必要であろう、そういうことで、一昨年来関係者の方々、つまり生産者とか乳業者、販売業者の方々の意見を聞きながら調整中でございます。今後これらの意見の集約をした上で適切に対処してまいりたいと思っております。
○田中(恒)委員 LLの問題は、私は、日本の酪農の長期的視点に立った場合に、外国との競争関係を含めて非常に大きな問題を与える、こういう立場に立っておりますし、私どもの党としても、もう一年前からこの問題についての小委員会をつくって長い間かかって議論をしてまいりました。 確かに生産者段階でも賛否両論あり、流通担当機関においても賛否両論、メーカーも同じ、消費者も同じ、国民世論は真っ二つに分かれておるわけであります。厚生省が要冷蔵、必要ない、こういうことを出しました。しかし、学界においても厚生省のその判断に対して、そうとは言えない、こういう意見も依然としてたくさんある。特に最近、消費者の中にはいわゆる自然食品というか、健康という視点に立っての食物に対する関心が非常に高まってきておる。だから、御承知のように今LLの問題では消費者サイドのこの問題に対する関心が非常に高まって、当初はこれは何か非常に便利なものでという層が多かったようですけれども、最近はLLに対して強く反対、これは困る、心配だ、こういう世論が非常に高まっておる。 行政当局は、国民の世論が真っ二つに分かれておる中で、LLに対して一つの方向を出していくというふうなことは、今までの例ではめったにない。今までは世論の大体七割、八割、おおよそが向いた段階で行政が方向づけをしていくということなんだが、今度の場合は、私ども見る限りではそんなになっていないと思います。私は反対ですから反対の立場の意識が強いかもしれないが、どう見ても真っ二つとしか言えない。そういう中で、農林水産省はだんだんこれを取り上げていくような方向に動いておるように聞こえてならない。 懇談会の中でLL三原則にかわって五原則なるものが言われておるようですが、この五原則というのは一体どういうものなんですか。
○瓜生説明員 現在、LL三原則と言われているものがございますが、このLL三原則といいますのは、牛乳については普通牛乳が基本である、それからLL牛乳の輸入には反対だ、それから要冷蔵要件を維持するというのが、五十二年当時に生産者や乳業者の間で合意された原則でございます。 厚生省の方から、技術的な問題として食品衛生上問題はないという見解が公表され、私どもの方に検討が依頼されてきて以降、この三原則にかわる新しいいろいろな考え方で論点を整理して、流通上の問題がないようにするには一体どういうことをしたらいいだろうかということで、関係する方々からいろいろな意見が出されておりまして、それらを集約をいたしますと五つくらいにまとめられるかというまとめの考え方、いろいろな御意見のグルーピングの考え方として五原則ということが言われておりますが、いわゆるこういう五原則としてからっとしたものが打ち出されているということではございませんが、いろいろな方が出されておられる御意見、そしてその流通上の混乱を防止するためにはこんなことが必要ではなかろうかという御意見をまとめたものとして世上五原則ということが言われているわけでございます。 これはフレッシュ牛乳といいますか、普通牛乳が基本になる、あるいは輸入は行わない、それからLL向けの乳価については飲用向けと同じとすべきではないか、それから衛生的な取り扱いについてやはりきちっとさせておく必要があるだろう、それからいろいろ問題が起きた場合に十分協議ができるような場をつくる必要があるであろう、こういうような項目がいわゆる五原則というような言われ方をしております。今まで出ておりますいろいろな論点を項目的にまとめたという性格のものと御理解いただければと思います。
○田中(恒)委員 今お話を聞くと、余りLLの問題は協議の段階から出てきてないようでありますが、私どもはLLの三原則を堅持して、需要は伸びておるわけですから、そういうものはありますけれども、これを大幅に緩和をしていくという方向はとるべきでない、こういう主張を持っておりますから、この際に改めて申し上げておきたいと思います。 それから、肉用牛の問題が一つ大きな問題でありますが、いろいろあるのですけれども、時間がありませんから一つだけ指摘をしておきたいのです。 農協が預託牛というものをやっておる。この預託牛について、私どもに対する要請の中には、近代化資金の七号資金の対象にしてくれというのがあるのだが、農水省の方がこれの対象にするのはなかなか難しい、こういう意見のようですが、この難しいとする理由は一体どこにあるのですか。
○瓜生説明員 農協等が行っておりますいわゆる肥育牛の預託と言われているものあるいは預託牛と言われているものには、実は取引の過程、あるいは農協と農家との具体的な共同活動の中で自然発生的に生まれてきたものであるだけに、いろいろなタイプ、態様がございます。一番多いのは、農協が肥育素牛を買ってこれを農家に貸し付ける、所有権は農協側にあるという基本的な形で現物を農家に預ける方式のものでございます。このほかに、農協が素牛を買って農家に渡す、そして肥育素牛の所有権は農家に移ってしまうといういわば購買未収金方式であるとか、あるいは金融の一態様としての形、これは融資方式とでも名づけるのでしょうか、いろいろなタイプがございます。 他方、今の近代化資金について見ますと、農業近代化資金というのは元来が施設資金の融通が主目的で、運転資金的なものは対象にしないのがもともとの資金の性格でございます。肥育素牛の購入育成資金については、肥育経営を行う人が規模拡大をやる、その際の初度的投資を行う場合に牛の購入育成資金も融資の対象にする、そういう考え方で、具体的な規模拡大を行います農業経営を対象にして例外的に運転資金的なものを初度投資という形で認めているという、近代化資金の性格からすればぎりぎりのものでありますだけに、さらにいわゆる預託牛について農協に近代化資金を貸すということになりますと、資金の性格との整合の問題がございます。 それから、先ほど申し上げましたように、預託牛の方式というのが社会的実態として多様な形をしておりますものですから、これについてそれぞれのタイプをどういうふうに評価し、農協と農家の間の権利義務関係をどういうものとして集約していくかといった問題も残されておりますので、まずは当面は預託牛方式の問題については昨年来そういう具体的な事例の分析なり検討会を農業団体の方々とやってきておりまして、これを踏まえてまたこれをどう位置づけていくか、預託牛方式そのものをどう位置づけていくかということを考えていきたいと思っているわけでございます。 ただ、預託牛方式をやってほしいとおっしゃっていることの動機の一つには、個々の農家が経営規模拡大をするときに低利の金が借りにくいという声が、またそういう状況を受けた農協預託方式のケースというのも少なくないと思いますので、例えば、先ほど申し上げました農業近代化資金で肥育牛の購入育成資金の貸し付けを行っておりますけれども、これは個々の農家への貸し付けでございますが、これの限度額を引き上げるとか、あるいは償還期限や据置期間の延長等を行うというようなことを六十年度から実施をしたいと思っておるわけで、個々の農家の経営規模拡大の手法としては、私どもはそういう個別農家に対する貸し付けで当面は対応していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 これは、さまざまな形態があるようでありまするが、しかし案外伸びておるのですよ、通称言う農協預託というのは。これは和牛の性格からいって、相当な長期の肥育期間が要るし、素牛の購入資金も高いし、その間えさも要るし、恐らく百頭やれば四、五千万円金が要るわけだから、なかなか個人としてはいけないから全体としてやる。全体としてやれば、技術指導も簡単にいくし、肉質の規格の統一化もできるし、資金的措置もいい。そういう意味ではいいのですけれども、それは農協という一つの団体が中心にやっておるというところで、あなたのところは法律的にそれが権利義務の関係どうだこうだと言っておるようだ。しかしまた、専門の法律学者に聞くと、それは構わない、やれる、法律論的にはおかしくない、こういう議論もあるようですね。いろいろな意見があるようです。 しかし、それは実態はいろいろあるようなので、今も言われたが、これはひとつよく検討してみて、共同部に、しかも出荷の肉質なり資金措置が効果的にいくというような方向はいいわけでありますから、そして現実にいいから伸びておるわけでありますから、それを近代化資金の利子補給をもらってやれば金利は安い、五分五厘か六分でいく。プロパーでいけば八分から、えさの焦げつきなどを入れれば一割を超す。これでは、現にあなたのところで去年、おととしですかからやった肉畜経営の資金、これはやったけれども、短期であるということもあるが、なかなか返らぬわけでしょう。実際正直なところ弱っておるわけでしょう。 そういうものも含めて、一遍農協預託制度というものについて一つの写真をつくってみて——今の中でも私は可能なものはあると思うのだ、私などは、前から農協は農業をやったらいかぬなどということはおかしい。農協というか協同組織がむしろ農業をやる、でないと、個別の農家にリスクの負担を全部任すようなやり方をするから、価格が上がったり下がったりして、豚だ牛だ肉だといってみんな頭を抱えているわけですよ。私は、協同組合が本当のものになるためには、農業経営のリスクを負担をしていくという姿勢を示さなければ本気にならぬと思うのですね。そういう意味で、こういう事業こそむしろ協同組合事業の中で大きくさせていくべきだと思うのです。それで畜産がやれないということで真剣になっていくわけでありますから、そういう意味も含めて、これは一遍検討していただいて、何かいい知恵を出して、そういう方向が曲がらないようにぜひあなたのところの方で妙案をつくり上げていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わりますが、最後に何か御意見があったら……。
○瓜生説明員 今、預託牛方式と言われるものがかなりの広がりで行われておりますので、これについてどういう実態にあるかという検討を去年からやってきております。新年度に入りましてから、それらのいろいろなタイプを分けたものについてどう評価をするかというような検討を進めたいというふうに考えております。
○今井委員長 次に、細谷昭雄君。
○細谷(昭)委員 畜産農家の負債問題というのが今回の食肉それから乳価に対する農業団体の共通した問題としてクローズアップされておるわけでありますが、私は、この負債問題を中心にして農水省の考え方をお聞きしたい、こういうように思っております。 まず最初に、農水省は、大変な負債を抱えておるというこの現実、そういう問題についてどのような御認識を持っておられるでしょうか。
○瓜生説明員 現在、畜産経営のいろいろな経営調査などを行いますと、やはり各経営部門ともかなりの負債を持っているということは否めないところでございますが、他方、資産とか預金とか、こういったようなものもかなりの額でございまして、農業粗収入も平均的に見ますとやはり増大をしているということでございますので、個々の経営になりますと、やはり負債を抱えて困っておられる方もいるでしょうし、かなり経営内容がよくて全体に展開をしつつあるものもあろうかと思いますが、総じて言いますと、やや負債というものをしょってはおりますが、まあ経営を前進させつつあるというふうに私どもは認識いたしております。
○細谷(昭)委員 酪農部門の、北海道を筆頭にしまして、それより規模としては小さい東北の専業酪農または複合経営をしております酪農農家、こういったところも慢性的な負債というものが増加しておるというふうに見ておるわけでありますが、昨年、秋田県関係の酪農で特に負債を抱えておる十四酪農家の負債について、畜産局と秋田県の対応をいただきまして、酪農といいますか、自作農維持資金、これは経営再建整備資金でございますが、これによって十四農家の中の十一農家が現在負債整理に取り組んでおるわけでありまして、大変ありがたく思っておるわけであります。しかし、これは氷山の一角でございまして、食肉部門の肥育牛ないしは養豚、養鶏、これも合わせまして、慢性的な負債に苦しんでおるという状況がさらに広がっておるというふうに見ておるわけであります。今審議官としましては一面的には負債がふえているとは見えないというようにおっしゃられるわけでありますが、これは実感としましては、我々回ってみますと、至るところに慢性的な負債がふえておるというように見ておるわけであります。肉牛、酪農に限らず、せっかく国の拡大作目として取り組んでおるまじめな人こそどうも負債が多くなってきている、こんな実態を見ておるわけでありますが、この負債原因というものが主に何に起因しておるとお考えですか。
○瓜生説明員 確かに、畜産経営の実態を見ますと、負債がかなり金額的に大きいものがございますが、資産との比較で見ますと、高いもの、低いもの、これは畜種によってまちまちかと思います。 ただ問題意識として、負債ということがよく畜産経営に関して論ぜられます一つの背景につきましては、一つには、やはり畜産については、農業経営の各種の作物の中でも規模の拡大というものにそれぞれの経営の方々が意欲を持っておられて、そして投資をやってきておられるという、そういう投資がいわば負債という形になっている、ある意味では他人資本的な生産を生む財になっている面もあるのだと思います。 他方、そういう借り入れということでございますから負債の金利とか償還とかいう問題に直面するのだろうと思いますが、特に負債が話題になりますような時期といいますのは、例えばかつて酪農で負債対策を講じたときというのも、そういう規模の拡大を急速に進めているそのさなかに需給不均衡になって、そして計画的生産を行わなければならなくなってくる、ちょうどそのときに資材その他経営の環境が余りよくないというような、過渡的なことではありますが、そういう状況に直面したということでそういう負債の問題が出てきたということでございますので、酪農を含めて畜産の世界で負債が話題になっているということは、それ自体は経営にとって深刻なことではございますけれども、畜産自身が苦しい中で、特に経営をやっておられる方々が経営の改善のためにあるいは拡大のために努力しておられるという環境が一つの条件としてあるのではなかろうか、やや個人的な感じでございますが、そういう気持ちを持っております。
○細谷(昭)委員 この問題、例えば経営規模の拡大の問題につきましては私もそう思いますが、この問題はまた後におきまして、こういうふうな負債増加の第一の原因は、何といいましても価格というものが生産費を下回るというところにある、そこから来るというふうに私は思っているわけであります。 今回の六十年度の食肉の価格ないしは牛乳の価格というものからしましても、大筋においては据え置きの決定であります。いずれもこれは生産者団体の要求価格とはかなりの差があるわけでございまして、例えば食肉関係できのうの総括表によりますと、農業団体の要求からしまして、去勢和牛肉で上位価格がマイナス九十三円、つまり九十三円の格差、基準価格でも七十二円の格差、その他の去勢牛肉では上位価格が九十三円の格差、それから豚肉につきましては、上位価格が四十四円の格差、基準価格で三十四円の格差というように、いずれも据え置きの結果、農業団体のこういう要求よりも下回っておるわけであります。 問題は、この生産者団体においての要求価格というのは、決してでたらめにはじき出されたのではなくて、それなりのきちっとした皆さん方のいろんな要素を操作いたしまして出した要求価格でございます。にもかかわらず、このような据え置きということによりまして、まず第一に生産者の意欲を極めて喪失させる、より一層累積赤字を慢性化させていくのではないだろうか、このように私は非常に心配しておるわけでありますが、この政策的な据え置きというふうにしか考えられないその据え置いた理由をお聞かせ願いたいと思うわけです。要素については説明要旨がありますので、この点は政策的な据え置きじゃないか、私はこんなふうに思っております。
○瓜生説明員 今、政府の算定した価格の水準と団体の水準との間の差を挙げての御質問でございますが、農業団体の価格についての試算は生産費所得補償方式によって算定したものでございますが、政府の指定食肉安定価格の算定については、需給実勢を基準とするという方式を採用しております。その結果でその差が出ているわけでございますが、もともと指定食肉の価格安定制度というのは、自由な市場取引での価格形成を前提にいたしまして、価格が暴騰したり暴落したりすることで経営が打撃を受けることを防止することを通じて再生産の確保を図ろうとするものでございますので、そうした自由な市場取引の中での上限、下限を決めていくという考え方からいたしますと、やはり需給実勢方式の方が現実的ではないかというふうに私ども考えて、この方式を政策的にとっているわけでございます。生産費所得補償方式で算定した価格を導入して実勢価格と大きな乖離が生じますと、また慢性的な過剰問題など、いろいろな混乱を生ずるおそれなしとしないわけでございますので、需給実勢方式をとっているということでございます。 それから、その需給実勢方式の中で、現実に牛肉なり豚肉の生産というのは、年々の変動はございますけれども、安定的に拡大しているという意味では、特にこの方式を変える必要はないというふうに私ども考えまして、この需給実勢方式で、その市場での価格形成をベースにしながらそれを安定させていくという制度の基本的な考え方に即した算定をやっているわけでございます。 なお、五十九年度から六十年度にかけてのいろいろな経営の要素を見てみますと、えさの値段もむしろ下がってきておるとか、経営の生産費的な角度から見ました状況は、どちらかといえばいい方向に向いておりますし、それから私どもの方式で試算をいたしますと、もうほとんど試算値が去年の価格とは変わらないようなところになりますので、この形で据え置きということで諮問し、きのう答申をいただいたということでございます。
○細谷(昭)委員 私は、そういう意味で、価格決定の方式というのが極めて政策的だというふうに思っているわけであります。しかし、この論議はまた別の機会にいたしますけれども、実情としまして、秋田県の例から各地の例を引きまして政府の対策を要望したい、私はこういうふうに思います。 秋田県では農家の負債が非常に深刻になりまして、現在、累積負債は百億円、それ以上になるだろうというふうに言われております。その中で不良負債といいますのは、十五億程度しかないというふうに言われておりますけれども、各農協単位で、現在、単協ごとに負債整理委員会をつくりまして、農協自体が農家の負債整理に乗り出しておる現状でございます。その結果、担保物件の田んぼや畑、田地ですね、これを農協が取得をする。そこで担保整理のために競売を行うわけでありますが、なかなか買い手がつかない、こういうふうになっておるところがだんだん広がっておるという状況でございます。 その地域は、以前は大体十アール二百二十万、こういう田んぼでございますが、競売の農協の希望価格が百七十万円であったそうです。それでもなおかつ買い手がつかない。一説によりますと、百四十万まで下がったら買うというふうに、値下がりを待っておるという向きもあるそうでございますが、いずれにせよ、各単協は農家の負債整理を本腰でやらなければならないということで、現在、乗り出しておるわけでありますが、負債問題というのはこのとおり農家を崩壊させてきておる、そこまできておるわけであります。恐らく秋田県ばかりではないと思います。全国的にこれが広がっておる。 秋田県の隣の岩手県なんですが、岩手県は同じように負債に苦しんでおる。しかも秋田県よりももっと畜産県でございます。聞くところによりますと、この岩手県は三百億円の累積負債を抱えておるというように言われておりますが、五十九年度より農業経営更生特別融通資金という特別融資事業を県と市町村と農業団体の三者が協力して創設をしたというふうに言われております。ここに要綱がございますので、委員長、政府の方にこれをお上げしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○今井委員長 どうぞ。
○細谷(昭)委員 これを見ますと、百億円を三カ年計画で五%利子、これに三者が利子補給をする。実質一・五%という極めて有利な資金ということになるわけでありまして、三年据え置き、二十年償還、これは非常に負債農家にとってはありがたい制度だというふうにお聞きしております。 私は、岩手県ばかりでなくて各県でこういうふうな取り組みが行われておるのじゃないかというふうに思いますので、ぜひこの際政府に要請をいたしたいと思いますことは、食肉ないしは乳価の据え置きをされた今日的な状況からしまして一層負債が重くなるのではないかというふうに心配されますし、岩手県のこういう例、この事例を踏まえながら、政府としましても具体的に五十六年の九月の酪農負債整理特別融通事業ですか、こういうものに準じた負債整理のための助成資金の創設かまたは利子補給の特別な施策、こういったものを今日の段階で打ち出す必要があるのではないか、こんなふうに思うわけでありますが、政府の考え方をお聞きしたいと思うわけです。
○瓜生説明員 今先生のお話にもありましたし、それから先ほど私の答弁でも申し上げましたが、借入金で急速に規模拡大した畜産経営の一部には、借入金の償還が非常に困難になっているものが見られます。ただ一般には、これは一般的ないろいろ経営改善の対策の中で対応すべきことであるとは思いますけれども、経営環境が非常に急変したり悪化したことがそれに重なったような場合については特例の措置として対応をとった例が過去にございます。それは昭和五十六年度から来年までかけて行われます酪農経営負債整理資金の融通がその一つでございますし、それから、五十七年度には肉畜経営改善資金の融通というものを行っております。その後一般的な畜産の環境は、生産資材価格なり畜産物価格なりが比較的安定的に推移しておりますものですから、経営の環境自身は改善されつつあるというふうに私どもは考えておるわけでございます。 ただ、肉用牛について、体質を強化しなければいかぬという一つの命題にこたえて急速に規模拡大を行った方々や、それから素畜価格が数年前非常に高い時期がございましたが、そのときに素畜を買って規模拡大を行ったという農家の中には、その後の生産性向上のおくれなどもあって負債が固定化して借入金の償還に困っているという方がおられるのも私ども承知いたしております。そこで、こういう形で困っておられる個別の経営の対策としては、一定の条件に当てはまるものについては、従来から自作農維持資金の中にあります再建整備資金で対応するというやり方をやっておりましたけれども、これの限度額が十分ではないという声もございましたので、これは六十年度からその限度額を従来の倍近い千五百万円まで拡大するというような措置もとっております。 それから、過去の負債の問題ではなくて、将来に向かっての対応ではございますけれども、畜産振興資金という制度を昨年予算措置としてとりまして、前向きの経営改善のための投資について一定の要件に当てはまるものについては無利子の資金を貸すような仕組みも考えたわけでございます。これは今国会で御審議いただいております改良資金制度の中に取り込んでいただくという形で、内容をより恒常的、安定的な制度にさせていただくようお願いをしておるわけでございますが、これらの措置もそういう意味ではこれからの投資についての負担を軽くしていく、そういう措置かと思われます。 いずれにしましても、今ありますいろいろな制度についての条件の改善などについても私ども図っておりますし、そういうものを背景にしながら、また、農家自身の経営改善努力がやはり一番基本になります。それから、そこに融資をしております農協のそういう融資の面でのいろいろな配慮なり、あるいは農協なりその他の経営指導組織の経営改善に対する指導ということも大事なことだと思いますし、それから、経営環境の改善のためのいろいろな対応ということも行政的にも必要なことだと思います。それらを総合しながら指導をし、かつ、今の経営がどういう状況にあるかの実態の把握を行って適切に対応していきたい、こう考えております。
○細谷(昭)委員 つまり、従来のいろいろな制度、システム、こういったものを条件その他を緩和をさせながら十分対応するというふうなことだと思いますが、それで一体間に合うのかという問題なんです。先ほど来各委員から取り上げられております負債整理の問題につきましては、やはりそれでは間に合わぬのじゃないか。格別のこういうふうな処置に対処するためにやはり要請をしたいというのが我々の一致した考え方なんですけれども、その点について今すぐに返答はできないにしても、六十年度の予算の中で可能な限り負債整理のために特段の配慮をするという点のお考えがないのかどうか、これを改めてもう一度お聞きしたいと思うわけであります。
○近藤(元)政府委員 先生御指摘の負債の問題は、ようやく畜産関係も単年度的にはやや経営上の安定を図りつつも、なお過去の大型の負債によって単年度の経営の足を引っ張るという状態が間々見受けられておることを御指摘をいただいたのでございます。 今審議官からお話がございましたように、素牛の高いときに規模拡大をし、設備投資をし、かついろいろな条件でその負債が今日も金利負担に耐えかねて経営に大変な御苦労をいたしておる実態でございます、そういうものを今、地方自治体においてもあるいは単協においても、先生から今ほど御紹介のございましたような地域において積極的に進めていこうという、そういう末端からの負債整理に対する積極的な姿勢も出てまいりました。でありますから、私ども農林水産省としても、過去の負債がこれから将来における畜産の振興に障害にならないように最善の努力をする検討を進めていきたい、こう思っております。
○細谷(昭)委員 大変前向きの次官の御答弁がございましたが、ひとつよろしく御検討願いたいというふうに重ねて御要望申し上げたいと思います。 私は、また日本の畜産の常にアキレス腱になる問題が一つあると思うのです。それは、外国からの食肉ないしは乳製品の輸入問題でございます。 農林水産省は五十八年十月に「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」を策定いたしまして、この第二項に「国内供給の確保と価格の安定」これを打ち出しました。要旨は、食肉、乳製品等につきましては、国内の需給計画の見通しを立てて、国内生産の不足分を輸入する、こういうふうな原則を立てられたわけでありますが、これは間違いありませんね。
○瓜生説明員 一般に農産物全体を通ずる基本的な考え方でもございますが、やはり国内の合理的な生産で対応できるものは国内で対応していくという考え方に立っております。
○細谷(昭)委員 そこで、通産省においで願っておりますのでお尋ねをしたいと思います。 と申しますのは、まだ我々の記憶に新しいところでございますが、昨年のアメリカのいわゆる牛肉輸入枠拡大の問題、それからオレンジ問題もございました。こういうものに見られるように、農林省の原則がありますにもかかわらず、いとも簡単にこの原則が変更されるというふうに私どもには見えるわけであります。そして今後もこういう懸念というのがありますので、通産省はこの農林省の原則というものをどのように認識をされかつ尊重されるつもりなのか、このことをお伺いしたいと思うわけであります。輸入貿易管理令の第九条によりましてこれは法制的にも決められておる問題でございますので、通産省の基本的なお考えというものをこの際しかとお伺いしたい、こういうふうに思っています。
○町田説明員 畜産物の輸入問題についてのお尋ねでございますけれども、畜産物の輸入割り当て枠につきましては、基本的には国内の需給動向を十分見きわめるということと同時に、他方、関係国との友好関係にも留意しながら設定するということが必要であるというのが私どもの基本的な考えでございます。こういうことから、輸入割り当て枠の設定に当たりましては、畜産物の生産あるいは流通あるいは消費等を直接所管をされております農林水産省の御意見を十分伺って実施するということにいたしておりまして、制度的にもただいま先生御指摘のとおりでございまして、輸入貿管令九条の規定によりまして輸入割り当て枠は農林水産大臣の御同意をいただいた上で設定するということになっておるところでございます。
○細谷(昭)委員 さらに、外務省にもおいで願っておりますので、同様の趣旨で外務省にもお伺いしたいと思います。 外交上の調整機能というのを付与されておる政府機関としまして、国際経済の上からいろいろ外務省の立場があるということは理解できますが、何といいましても国内の生産者の苦悩は今まで見てきたとおりでございます。したがいまして、農林水産省のこの輸入の原則を十分に認識していただきたいと思いますが、外務省の基本的な考え方をこの際、これもしかとお伺いしたいと思うわけであります。
○松井説明員 お答え申し上げます。 外務省としても、農業が国の基本をなすものとして重要であることは十分認識しております。ただし、我が国は土地、資源の面で制約を受けておりますので、食糧を安定的に確保していくためには海外からの供給に依存する面もございます。したがいまして、こうした観点から、外国からの輸入に際しては諸外国との友好関係の維持ということにも配慮しなければならないと思っております。 外務省としましては、こうした事情を総合的に考えまして、外国との協議に当たりましては常に農水省と十分事前に意見調整を行った上で臨んできておりますし、これからもそういう考え方で参りたいと思っております。
○細谷(昭)委員 通産、外務両省のお答えではっきりしたことは、この要綱に従いまして、農畜産物の輸入につきましては、少なくとも需給計画の見通しを立て、国内で不足をするものについて輸入をするという原則が極めて明確につくられておいでになり、しかもそれを両省もお認めになっておる。要は、農林水産大臣が首を縦に振らない限りは外務、通産両省の勝手には輸入問題というのは牛耳ることができないということははっきりしておるわけであります。だとすれば、結局はそれ以上上の方というと総理しかないわけであります。これはもちろん、今お話がございましたとおり、国際的ないろいろな海外の事情、国際感情、こういったものを考慮するという調整上の問題はありますけれども、法制的には少なくとも両省は農林省の同意が必要だ、こういうことになっているわけです。 そこで、きょうは大臣がおいでになっておりませんので、大臣にかわって責任ある御答弁を次官からお願いしたいと思うわけであります。 第一に、今言いました原則に従いまして、現在米国から極めて強い圧力があると言われております木材、合板の関税引き下げ、これについてどういうふうに対処されるつもりなのか。第二に、せんだってもNHKのテレビで放映されまして国民の皆さん方が非常に関心を持ったと思うのですが、東南アジアの骨なし鶏肉、これの一八%の関税引き下げの問題。第三には、これから懸念されております乳製品のいわゆる枠拡大、それから飲用乳の輸入。この三つの点について国内の生産者の利益を守るという立場から次官の断固たる御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○近藤(元)政府委員 お答えをいたします。 林業の問題につきましては、今世上いろいろなニュースが伝わって大変御心配をおかけいたしております。 先生既に御承知のように、我が国の林産業界そのものが長期にわたり慢性的に深刻な状態に置かれており、まだ回復の兆しが見られでないのが現状でございます。こうした林産業界の不振が我が国の森林・林業に深刻な影響を与え、森林の持つ公益的な機能にも悪影響をもたらしておるのも現状であります。ましてや木材製品の対外問題につきましては、関係国の友好関係にも留意はしなければなりませんけれども、我が国の林業を生かすという観点に立って、その健全な発展との調和を図りながら対応することが基本的な重要な問題でもありまして、関税の引き下げについては極めて困難であると考えており、その上にも慎重に対処してまいりたいということで大臣ともども考えておるところでございます。 なお、骨なし鶏肉の関税の引き下げについては、これまだかなり長期にわたっての要請がございます。しかし、我が国の鶏肉需給は近年一貫して過剰基調にあり、その推移の結果、価格は長期にわたって低迷をいたしておるところであります。このために、鶏肉の国内生産を需要に見合ったものに抑制するため生産者は計画的な生産調整に努力をいたしておるところでもありまして、厳しい環境下に置かれております。さらに、鶏肉産業は地域の雇用確保の場として欠くことのできないものであり、しかもその雇用の拡大の場がおおむね山村に位置しておる。このような国内事情の中で、鶏肉輸入はタイ国からの輸入もまたかなり顕著に伸びておる、この現況下で関税が障害になっておるというようなことは今のところ考えられないので、引き下げということもまた慎重に考えていかなければならぬと思っております。 最後に乳製品につきましては、主要な品目は畜産振興事業団の一元輸入の対象となっておりますし、その他の品目の多くも輸入割り当ての対象として国内需給に悪影響を及ぼさないようにしているところでございますから、これも、輸入制度上非自由化品目、IQ品目としておったり、輸入割り当てを行ってないようなものその他を勘案して、拡大するということを今のところ私どもは考えていない状況でございます。
○細谷(昭)委員 今、大臣にかわりまして次官から三つの問題についての決意を含めてお話がございました。ただ、私たち新聞で見るところ、けさほど来の各委員の心配がにじみ出ておるわけでありまして、どうかひとつ佐藤大臣に、先ほどの原則というものがございますし、これによって、例えば合板一つとりましても壊滅的な打撃を受けることは必至でありますので、農林漁業の生産者の利益を守るという主管大臣の決意というものをぜひ総理にもはっきり示していただきたいということを重ねて要望したいと思うわけであります。 そこで、食肉価格や乳価の安定のためにも、今言いました原則から照らしましても輸入枠の拡大を防ぐことが前提条件であるとすれば、需給見通しの国内不足分を埋めていく、つまり裏返しにしますと自給率を高めていくことが、いろいろな意味で畜産の安定経営のために必須条件になってくるわけであります。私は、そういう点から問題提起といいますか、お伺いしたいと思うのです。 最近の農林統計によりますと、酪農部門は、肉牛部門も含めまして、総頭数といいますか総体数は漸増しておりますけれども、畜産農家の戸数は漸減しておるというふうになっております。これは自給率を高めるということに関連して考えた場合に、決して好ましい現象ではないと私は考えております。先ほど来、規模拡大をする際にいろいろなことに遭遇して負債がふえているということを瓜生さんからお話しいただきまして、政府の政策的な問題として規模拡大、そして多頭化という方向に畜産の流れがずっと向いていることも事実でありますけれども、私はそれだけではどうしても日本全体の自給率を高めるということにならないという立場からお伺いしたいと思うわけであります。
○瓜生説明員 最近の畜産経営の動向を見ますと、頭数そのものは、特に大家畜については少しずつふえているという状況でございますが、戸数が減っているということで、先生は自給率を高めるという意味からするとむしろ伸びにとまりが来るのではないかという御懸念かと思います。 これは、酪農について見ますと、今需要そのものほかつてのような高い伸びではないということもございますものですから、そうした需要に合わせた形での生産者の皆さん方の計画的な対応の一つとして、そういう頭数がかつてのような伸びではない、そういう微増の水準になっているということでございまして、ある意味では需要の状況を反映した形で生産が少しずつ拡大しているということかと思います。 それから肉については、牛肉の輸入の問題があって、肉牛生産者の方々がかなり心配をお持ちの向きもございますけれども、昨年の日米あるいは日豪の牛肉交渉におきましても、長期見通しで示されております需要と生産の見通しの枠組みを基本にしながら、その足らざる部分を輸入するという基本原則に立った上で交渉を妥結にこぎつけることができたということでは、その原則を守ることができたと思っております。 ただ、さらに自給率を高めるために、大規模ということでなくて別な形の肉牛経営も考えるべきではないかという御指摘だろうと思います。特に肉用牛経営については、肉用牛だけで生活を支えていくだけの規模に一気に持っていくことが難しい地域はかなりたくさんあると思いますし、そういうところについては複合の形というのは位置づけとしてある程度考えていく必要があろうかと思います。そこで、例えば稲作と肉牛という組み合わせ、その他の作物との組み合わせ、いろいろな組み合わせを私どもも考えておりますし、酪農及び肉牛の振興に関する基本方針の中でも、そういう意味では、土地条件に恵まれて大きい規模がつくれるようなところの専業的な経営から土地条件に恵まれないところでの複合経営まで、いろいろなタイプを想定いたしまして、地域の条件に応じた経営の振興あるいは生産の振興を図る方針をとっております。
○細谷(昭)委員 経営形態の問題については今お話しのとおりだと私も思うわけであります。一つは専業化の方向、これは当然多頭飼育といったことでありますが、もう一つは複合経営という形での小頭飼育、この面にむしろもっと力を入れていくべきじゃないかと私は思っているわけであります。それぞれの地域でこの二つのものが立地されておるわけでありまして、今後もこういう面で進んでいくのではないか。いろいろなタイプがある、多様性を持たせた経営形態というのがあるわけでありまして、どうも今までの日本の畜産の指導方向というのは、多頭化、専業化の方にだけ力点を置いたように見受けられるわけであります。したがって負債が多くなる、そしてせっかくの複合経営というものが育っていかない、こういう面があるのではないかと思うので、特に私は取り上げておるわけであります。 専業化という面でも、北海道と東北ないしは九州といった地域とでは、同じ専業化でも頭数が全然違うと思うのです。北海道であれば何百頭もあるかもしれません。しかし東北の場合は、専業化といっても百頭前後といった頭数でございます。同じ多頭化でもかなり規模が違う。これは土地の価格差にもよるわけでありますし、土地の狭隘、広大ということにもよると思うのですが、複合化になりますともっと多様な形態があると思います。 瓜生審議官も秋田県におられましたが、私どもいろいろ工夫しましてやったものに田園畜舎制度がございます。これは私が一つの提案をいたしまして、小頭飼育という点に重点を置きまして二頭飼いから十頭飼いですか、秋田県としてもこういう比較的少頭飼育の方に重点を置くべきではないか、そして複合経営を図っていく、こういう一つの施策であったわけであります。今も続いておるわけでありますけれども、私はいろいろな面のよさがあると思います。 例えば繁殖などにつきましては、特に私は、一頭から五頭までの小頭飼育でなければなかなか繁殖農家というのは複合経営が成り立たないのではないかと思いますし、同じ複合でも肥育の場合は五頭以上から二、三十頭というところが限界ではないかと思うのです。この繁殖複合経営のメリットを考えた場合、第一にコストは余り考えなくてもいいという問題がございます。例えば家族労働、現在特に家庭的には仕事の分担があいまいになっております老人、子供、婦人、こういった方々による一頭ないし三頭ぐらいまでの繁殖牛の飼育というのは非常に格好なものになっておるわけであります。第二は耕種農業と結びつけることができる。堆肥の問題その他をとりましても少なくとも耕種農業と結びつくという点。三番目には日本の畜産全体の底辺を広げることができる。第四には安定的に子牛を生産し供給することができる。一頭から五頭ぐらいまでの小頭飼育にはこのような大きなメリットがあると私は思うのです。 かつて東北や九州ではどこの農家でも必ず馬がおったのですね。四十年前まではそういう状況があったわけです。そうして、そういうふうな飼育の経験といいますか、情感としても東北の農家にはどこにもあるわけであります。現在は生活様式が変わってきた、混住化してきたということで、そういう傾向はどんどん絶たれてしまっておる。この問題を私は非常に残念だと思うわけでありまして、政策的にも多頭化にだけ重点を置いた欠陥が、このような形で非常に小頭飼育が軽んじられる、結果的には農家戸数がどんどん減少する、こういうことにつながっておるのではないかと思うわけであります。特に小頭飼育に関する施策の重点履行というか、こういう問題でどのようにお考えなのか、この点をお伺いしたいと思います。
○瓜生説明員 今複合経営のメリットについて先生からいろいろ御指摘がございました。 それぞれの経営が置かれている条件に合わせた経営、畜産をそこへどう組み合わせていくか、そしてどうメリットを生かすかということで、ただ専業の大型化だけではない考え方が必要だということは、私どももそういう気持ちでおります。ただ、経営を営みながら生計を立てていくということになりますと、ある程度の規模がありませんと生活をしていけないという面もございますし、消費者の側から見ますと、リーズナブルな価格でいい品質のものが欲しい、しかもある程度まとまった形で欲しいという要請もございます。したがいまして、小頭飼育の場合でも、ある水準の技術を身につけ、ある能率性を持って生産ができるようなことを考えていくことが必要であろうと思います。 私どもも一つの指標という形で肉用牛の経営の基本的な方向というものを打ち出しておりますが、そういう意味では土地条件の制約が比較的大きいようなところでは、繁殖経営で、一番小さいところでも五頭以上ぐらいを一つのめどにするということもあるのではないかと考えております。この場合でも、一頭当たりの管理労働時間であるとか飼料作の供給の基盤であるとかいったようなものは、やはり大きいものと同じあるいは負けないくらいのある基準を達成していただけるような経営でなければならないだろうと思っております。 いずれにしましても、農産物、特に畜産物については消費者からもいろいろな御要望がございますから、それにこたえられるようなもの、それだけのコストの低いものということを考えますと、多頭飼養というものも必要で、また大いに規模の拡大を進めていかなければいけないと思いますが、ただやみくもに大きいものだけがいいのだということではないということは私どもも考えております。
○細谷(昭)委員 次の機会がございましたらいろいろな点でお答え願いたいと思うのですが、きょうは要望にとどめて中身には入りませんけれども、ポイントの一つは飼料問題だと思うのです。粗飼料の自給率を高めること。そのためには飼料コストを下げるということで、特にえさ米のホールクロップサイレージは第三期転作で政策的に導入していただきましたが、このホールクロップサイレージや濃厚飼料の代替になりますグレーンサイレージ、こういったものをどのように推進していくのかという点の具体策が欠けておるのではないかと思います。 もう一つは、大規模の畜産農家を造成するためにもどうしても必要なのが草地の造成、拡大でございます。この草地の拡大のためには、できれば平場の国有林野の、払い下げというよりも貸与、貸し出しの制度です。さらには都道府県とか市町村の公有林野の貸与制度といったものを検討できないかという問題でございます。 この問題につきましては、時間がありませんので御回答は要りませんけれども、次の機会がありましたら議論をしていきたいと思います。 終わります。
○今井委員長 次に、吉浦忠治君。
○吉浦委員 私は、養鶏とブロイラー関係に絞りまして、ほんの二、三質問いたしますので、ひとつよろしくお願いを申し上げます。 先月質問いたしました続きでございますけれども、長期低卵価の傾向というものが少し上向いてきたようでございますけれども、基調としてはその長期低卵価の基調でございますので、これを何とかやはり生活可能なような状態まで持っていかなければいけないというふうに考えるわけでございます。したがいまして、五十三年の国会決議をいたしましたように、農業の一部門というふうに位置づけたわけでございますから、養鶏農家を守るということが大事な点でありますので、この点で、経済問題だけでなくていわゆる抜本的な立て直し対策というものが必要なときになっているのではないかというふうに思うわけでございます。こういう点についてどのように政府はお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○瓜生説明員 卵の価格は、この一月には二百三十円程度で始まりました。二月には若干回復をいたしましたが、三月の初旬、中旬が再び低下する、下旬になって、ここ二、三日また少しよくなってくるというような形で、かなり卵の価格はこのところ上がり下がりが激しゅうございますが、やはり今の需給関係からいたしますと、価格の水準がかつてのような高い水準ではないような状況がしばらく続いております。 こういう環境の中で養鶏経営を考えます場合、非常に羽数を多く飼う中で、利幅も少ない中での経営でございますから、価格が下がることの打撃というのもかなり大きいものがあろうかと思います。その意味で需要に見合った生産が行われるような体制をつくっていくということが必要だということで、かつての国会の決議にもございましたし、私どももその後、そういう形での計画的な生産が行われるような指導を行っております。一部には、そういう計画的な生産の対応に同調しない人たちが時々あらわれまして、いろいろ問題を起こしてはおりますけれども、これらについては、私どもが行っておりますいろいろな施策に今の計画的な生産を結びつける形で安定的な生産が続けられるような対応を考え、もし一時的に需給が不均衡になれば、液卵公社での対応なり、あるいは生産者団体での隔離という対応、あるいは卵価安定基金での対応等々でもって、養鶏経営が大きな価格の乱高下でショックを受けないような体制をとりながら養鶏の発展を図っているところでございます。
○吉浦委員 前にも申し上げましたけれども、この段階に来ては、当初大変な抵抗がありました法案の問題ですけれども、やはりもう限度じゃないかというふうに考えるわけでありまして、この時期をどう乗り切るかというのは、養鶏安定法、仮称でございますが、そういう法案を生産者も、あるいはこの企業の方々も、あるいは消費者も、何らかの対応がなくてはならぬのじゃないかというようなぎりぎりの線まで来ているように思うわけでございます。 そこで、当初この問題に対する大変な反対もありましたけれども、最近は、時限立法でもやむを得ないじゃないかという声が強くなっているようでございますけれども、前のときにも私、これは質問申し上げましたが、政府の態度がどのように変化をいたしているか、お答えをいただきたいと思うわけでございます。
○瓜生説明員 今、鶏卵の計画生産について、需要に見合った安定的な供給体制を整備するための対応というのを私どもずっととってまいっておりますが、その対応をさらに徹底してといいましょうか、制度としていろいろな規制を強める中で需給の安定を図ろうという構想があることは私どもも承知いたしておりますが、元来、鶏に関連するといいますか、養鶏経営というものは自助努力を中心にしながら今日までの姿に発展してきた分野でございます。その意味で、非常に自主的な活力を内に秘めている分野でありますだけに、今の生産を計画的に行う、あるいは需給の調整を行うという場合にも、そういった側面への配慮というものが非常に重要ではないのかという感じで私どもおります。 そこで、計画生産を推進する手法としては、そういう見地からしますと、やはり行政指導を一層徹底するということと、生産者による自主的な調整活動を助長していくということ、あるいはこういう計画生産を推進する上で卵価安定基金制度とか配合飼料価格安定基金制度とか、各種の補助事業あるいは制度金融、こういったようなものを組み合わせて進めていくということが、養鶏産業の今までの歴史と実態、現状からすると、それの方がより実態に合っているのではないかというのが私どもの現在の考え方でございまして、むしろ法制化よりも行政指導と関連施策の総合的な結びつけをさらに徹底するために、今行っておりますやり方に関していろいろ御不満、御批判があれば、そういったような点についての点検をして、そしていろいろな対応を強めていきたい、こういうふうに考えております。
○吉浦委員 その行政指導の点でほとんどなされていないという現状を見て、いわゆる計画生産も、任せられたような形の、都道府県なりあるいは市町村なりという需給調整協議会等に任されておりますが、これが完全に機能を発揮しているとはいえないわけでありますので、私は、こういうことがもう長年続けられていくならば、行政指導もできない、需給調整機能も失ってきているという現状では、計画生産そのものをもう考え直さなければならぬのじゃないか。いわゆる自由競争の原理でそういうまじめな者だけが縛りつけられて、ふまじめな者が大変得をしているというふうな行き方のものをこれ以上続けるわけにいかない、こう考えているものです。したがいまして、私は前回にもここで提案をいたしましたが、計画生産そのものをもうやめたらいいじゃないか。極論して申しわけないのですが、法案もまだそこまでは考えていないということであるならば、みすみす優良の、いわゆるまじめな養鶏農家がつぶれることを黙って見ているわけにいかない。私は、生きる方法は、縛りつけることにあったのじゃないかと思うくらい何ら手だてを打たなかったならば、計画生産をやめたらどうだ、こういう考え方を持っている。いかがなお考えですか。
○瓜生説明員 鶏につきましては、やはり需要の動向に合った生産を進めていくという場合に、簡単に羽数が増減するような性質のものでありますだけに、計画という言葉をどの程度までのものと見るかにもよりますけれども、やはりそこにある種のコントロールないし調整機能が働くような、そういう状況は必要であろうと思います。ただ、それが働きつつ、活力がある産業として育てていく場合にどういう手法がいいかということでございますが、いわゆる無断増羽の方々たちがそのままの状態で、そして全体の状況に見合った対応をしている方が損をするようなことにならないような対応が必要だろうと思います。これまでもやってまいりましたが、さらに趣旨を徹底する手法といたしましては、例えば卵価安定基金にそういう無断増羽をするような人は入れない、あるいは入っている方は出ていただく、あるいはえさについての価格安定基金がございますが、これについてもそういう対応をとる。それから、国の補助事業とか制度融資とかいったようなものについても対象にしないというような形で、全体の需給の状況に見合った対応をする養鶏農家の方々がばかを見ないような対応をとるべくこれまでもやってまいりましたが、さらに内容的に不十分なところがあればそこら辺を点検をいたしまして行政指導を強めていきたい、こういうふうに考えております。
○吉浦委員 納得できませんけれども、前に私が提案申し上げました飼料の無税の問題ですけれども、トウモロコシに事例をとられて前にも畜産局長から御説明をいただきましたが、マイロや大豆等にも敷衍して無税の対象とする、皆さん方ではいろいろこの問題については対策をお考えのようでございますけれども、私どもとしては、配合飼料をつくる場合に横流しがあるとか何かの問題よりも、直接にそういう監視の目を光らしておけばそういう問題は心配ないのではないかというふうに考えるわけです。 したがいまして、優良な農家を守るということは、総合商社なりあるいは飼料メーカーなりというふうな経済力の強いところには対応できないわけですから、やはりそれなりに面倒を見てあげることが必要ではないかと考えるわけですが、飼料の面からもう一度お尋ねをいたしたい、こう考えるわけです。いかがでございますか。
○瓜生説明員 飼料については特に関税の免税の手法を使ってというお話かと思いますが、今、自家配合用に使用する輸入飼料原料というものについては、これはこの前も局長からお答えしたことがあるかと思いますが、えさの主な原料でありますトウモロコシに対する対策といたしまして、自家配合用の飼料工場制度を設けまして、横流れの防止という見地から、魚粉等と必要最小限度まぜることを条件にして関税を無税にしております。そういう手法が一つございます。それからあと、自家配合飼料の関係で特例の流れ方といたしましては、食糧管理特別会計で大麦を取り扱っておりますが、これを単体飼料として使う場合には、指定加工工場に売り渡して、圧扁、挽砕等の加工を加えて畜産農家に供給するというルートがございます。そのほか、自家配合用に使用する飼料原料については、大豆油かすを初めとしてほとんどが無税になっておりますので、これらについてはそれなりに自家配合飼料としても農家の段階までかなり広く流通をしております。 今申し上げましたようなトウモロコシの場合、大麦の場合等々、直接飼料原料を輸入できる手法はございますが、これはまたそれなりの流通あるいは入手の仕方がございますので、これと今の計画生産との結びつけということについてはうまい手法があるかどうか、やや私ども見通しがない状況でございます。
○吉浦委員 飼料の問題は十分検討していただいて、私が提案を申し上げているような点についてひとつ御要望を申し上げて、その点で終わりたいと思います。 次に、ブロイラーの問題で少々お尋ねをいたしたいのですが、今国内ブロイラーが大変あふれている中で、いわゆる発展途上国向けの市場開放策の一つといたしまして、骨なし鶏肉の一般関税引き下げ問題が起こっているわけであります。これは昨年の四月にこの関税が二〇%から一八%に引き下げられておりますが、再度の引き下げは国内のブロイラー業者の方々あるいは市場が大混乱を来すと考えるわけですけれども、政府は、昨年末に対外経済問題関係閣僚会議で継続審議となさっているわけです。これは異例の二日間にわたって審議をされたようでございますけれども、そのときにどういうふうに漏れたかわかりませんが、今後とも引き続き検討するということが言われたように流れているわけです。 そうしますとASEAN等の東南アジア、タイ側では、約束をしてもらったというふうにお考えのようでございまして、この引き下げを期待しているようでございます。また四月以降にはこの問題が起こってくるだろうと考えているわけでございますが、国内生産は抑制されるし、また外圧としてこういう問題が大きな問題になろうかというように思っておりますが、政府としてどのようにお考えなのかお尋ねをいたしたいと思います。
○近藤(元)政府委員 骨なし鶏肉の関税の引き下げの問題について、かなり長期にわたってタイを中心にして要請がございます。御心配をかけておるところでありますけれども、国内の鶏肉需給は、近年なお過剰基調に推移をしておりますし、鶏肉の価格は長期にわたってまた低迷をしておる現況でもございます。国内では生産の需要に見合った抑制をするための計画生産に努力をしておる現況でもございます。したがって、鶏肉の輸入は、特にタイ国からは過去八年間で十倍以上の輸入の伸びにもなっておる現況から考え、骨つきもも肉の関税引き下げのステージングが開始された昭和五十五年度以降について見ても、タイ国からの鶏肉の輸入数量は大幅にふえ、また輸入に占めるタイのシェアも着実に伸びておる状況から、関税がタイ国からの輸入の障害になっているというふうには考えられてない状況でもございます。したがって、関税引き下げという問題については極めて困難な状況にあるというふうに農林水産省は考えております。
○吉浦委員 外務省、お見えになっておりますか。——農水省は関税引き下げについては引き下げないでほしいという要望があるわけでございますが、外務省の方の窓口では、タイの方のお話を一方的にお聞きになっているか、あるいは総理がいわゆる自由化の方向を示しておられますので、そういう面で特に関心を持っていらっしゃるか、私、この立場からいたしますと、タイ国の要求を一方的にお聞きになっておられるような向きが受け取れるわけであります。関税引き下げについて、もしも引き下げられますと、タイ側だけではなくて、今ブラジル等から大量の輸入がなされているわけでありまして、もちろんこれはAA品目でございますので自由でございますから、どこの国からも入ってくる。やはりその歯どめがなければならないわけでありますので、そういう面でタイ側のことだけを何か窓口として大変心配なさるのはわかりますけれども、その付近の見解を聞かせてもらいたいことが一点。 もう一つは、窓口は当然だろうと思いますけれども、それが余りにも、一国だけの問題が大きな記事になって日本の国情を騒がしているような気がいたしてならない。こういう点についてどういうお考えなのか。もう少し大局的見地に立って物事を判断してくださるのが外務省だというふうに考えております。お答えをいただきたい。
○登説明員 お答えいたします。 タイからは過去数年間にわたりまして骨なし鶏肉の関税の引き下げの要求があるわけでございますが、その理由としてタイ側が申しておりますのは、骨なし鶏肉と骨つき鶏肉との関税の差ということを指摘しているわけでございますが、これに対して外務省といたしましては、タイ側に対して、この関税の差というのは国別に設けられているものではない、これは我が国の国産品との競合等の国内事情に基づくものであるということを重ねて説明して、タイ側の理解を求めるように努めてきている次第でございます。この問題につきましては、今後とも我が国の国内事情を十分に勘案し、さらにタイとの友好関係をも総合的に判断して取り組む必要があるというふうに考えております、 先生の具体的な御指摘の点でございますけれども、私ども外務省といたしましても、そのタイ側の見解を一方的に聞いているのではなくて、現在日本の国内養鶏業界、ブロイラー業界が直面している困難な問題についてはあらゆる機会をとらえてタイ側にこれまで説明してきております。さらに、これは単にタイ側の政府に対して説明するだけではなくて、こういう問題がタイ側において過大な騒ぎとならないように、これまた機会をとらえましてタイ側の報道機関等に対しても日本側の意のあるところを十分説明してきておりますし、これからも重ねてかかる説明を続けていく所存でございます。
○吉浦委員 当面、外務省として関税引き下げの要求には応じないという決意でございますか。
○登説明員 その点につきましては、さっき申し上げましたように、国内事情が非常に重要であるということをタイ側には改めて説明しておきますが、それと同時に日タイ両国間の友好関係というのも等しく重要でございます、したがいまして、この両者を総合的に判断して決めていく必要があるというのが外務省の考えでございます。
○吉浦委員 もう少し頑張ってもらいたい。外務省、結構でございます。通産省、お見えになっておりますか。——タイから骨なし鶏肉の関税引き下げの要求が出ておりますが、日本とタイとの間の貿易不均衡のゆえにタイの農産物をもっと買えというふうな要求が出ているのだろう、こういうふうに考えるわけです。ところが、三月十九日の日本農業新聞の記事を見て私びっくりしたのですが、「骨なし鶏肉の関税下げ要求」として、日本の工業製品の代役として農産物の輸出、特に骨なし鶏肉に悪玉みたいにしわ寄せが来ているような記事がちゃんと出ている。ごらんになりましたか。私はこれを見てびっくりしたのです。これには、自動車あるいは家庭電化製品等の合弁会社をつくるときに、その契約に輸出制限条項が盛り込まれている、そうなりますと、日本から必要なものだけどんどんタイの方へ、そして向こうでつくった製品は日本には送らないということになっている。その工業製品のしわ寄せを完全に農産物へ持ってきている、こういうふうに受け取られる。日本とタイとの合弁の会社が現地の生産品を日本に輸出しないというふうな特約を締結している、そういう事業の事例がここにちゃんと出ています。五つの会社名が出ておりまして、輸出制限条項というのがありまして、そういう中に明記されております。こういうふうに工業製品のみを優先して、そのしわ寄せを農産物に持ってこられている事実がちゃんと出ている。どういう見解を持っていらっしゃいますか。
○小澤説明員 今先生の御指摘にございました日タイの貿易問題でございますけれども、私どもといたしましても、この問題は単に骨なし鶏肉等のそういう個別品目の問題ではなくて、日本とタイの貿易、産業構造というものが基本的に違うわけでございまして、それに基づくものであるというふうに認識をしております。そういう意味で、今タイにおきましては日本との経済関係全般を見直そう、その中で輸出産業の振興をぜひ図っていきたいという希望を持っておるわけでございまして、輸出志向型産業を育成していこうという方向がございます。その一環といたしまして、今先生御指摘のような、そういう輸出制限条項を持っている既存の合弁企業がある、これはタイの輸出振興にとって望ましくないということをタイの政府も指摘しておるわけでございます。 ただ、過去の経緯を申し上げますと、タイにおきましての日本の合弁企業は六〇年代の末から七〇年代の初めにかけて進出した企業が多いわけでございまして、その当時におきましてはタイでは輸入代替型産業の育成ということを中心にやっていたわけでございます。そういう意味で、今タイに進出しております日本の企業の中にはそういう輸出制限条項というようなものを持ったものもあるかというふうに思いますが、そういう歴史的な背景もあるということをひとつ理解をしていただく必要があるというふうに思っております。 ただ、今後におきましては、ただいま申し上げましたように、タイにおいては輸出振興ということで、こういうものについてもできるだけ輸出を促進していきたいという希望を持っておりますので、そういうタイの法令及びその政策に従って、そういう輸出制限条項等についても必要最小限のものにとどめるということで、そういうものを過度に、不必要なものまでやっていくということは望ましくないというふうに思っております。
○吉浦委員 最後に、洪水的にタイあるいはブラジルから大量に骨なし鶏肉等が入ってきているわけでございまして、国内の生産者を守るというのが第一義でなくてはならぬというふうに私は考えるわけですが、この国内対策をどのようにこれからなさろうとなさるのかが第一点。 もう一点は、骨なし鶏肉というものに大変私は疑問を持っておりまして、この範疇といいますか定義というものをどういうふうにとらえていらっしゃるのか。ほんのちょっぴり骨がついていても骨なし鶏肉として扱われているような向きもあるやにも聞いているわけでありまして、こういう面のことが明確でないような気がいたすわけです。こういう点でどういうふうにお考えなのかどうか、時間になりましたので、簡潔で結構でございますから、お答えいただきたい。
○瓜生説明員 まず最初に鶏肉の分類のことについてごく簡単に申し上げますと、骨つきのもも肉、これが割合に小型なもので日本の国内の鶏と比較的競合しないということで関税が低くなっておりまして、それ以外は実はその他という分類になっております。ただ、その他の中では主力が骨を外した正肉の形のものでございますので、通常骨なし鶏肉と言っておりますが、普通の分類では骨つきのももとその他という分かれ方になって別々の関税が適用になっている、こういうことでございます。 それから、今輸入がどんどん入ってきている中で国内の対応をどうするかということでございますが、最近ちょっと国内生産は過剰ぎみでございますので、鶏肉につきましても国内で計画的な生産が行われるような指導が始められているところでございます。それとの関連において、輸入につきましても国内生産者と輸入を行っている業者の方々の間で定期的な懇談会を開いて、需給見通しについての情報交換という形ではございますが、いろいろな話し合いをし、こういう会合を通じて状況認識をしてもらい、秩序ある輸入をしてもらう、こういう形をとって対応を行っているところでございます。
○吉浦委員 外務省、通産省、忙しいところありがとう。ございました。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○今井委員長 次に、菅原喜重郎君。
○菅原委員 昭和六十年度の畜産物政府支持価格を審議する畜産振興審議会が昨二十七日開かれ、食肉部会で豚肉、牛肉の行政価格については四年据え置きになります諮問がなされました。生産者団体では五、六%の価格アップの要求をしているわけであります。また、本日は酪農部会が開かれまして、限度数量は昨年比八万トン増の二百三十万トンが諮問されたわけであります、生産者団体は、最近における乳製品需給見通しを踏まえ、二百五十二万トンを決定してもらいたいと要求しているわけであります。同じく加工原料乳の保証価格についても一〇・八%の価格アップ要求が行われています。 ついては、私も、政府の行政価格、限度数量等の決定についての考え方と、こういう生産者団体の要求を政府はどう評価し、どう考えるのか、見解をまずお伺いしたいと思います。
○瓜生説明員 生産者団体の方々から食肉価格あるいは加工原料乳の保証価格等に関しまして要求、要望が出ておりました。 食肉関連につきましては、生産者団体の方々はその算定方式として生産費所得補償方式に基づいた形での要求ということでございますが、私どもはこの食肉に関しては、市場における需給実勢の中で価格が形成される食肉の価格について、暴騰、暴落を防止する、そういう見地での事業団での買い支えとかあるいは放出とか、そういうものの指標になるものとしての価格でございますので、需給実勢方式をとっている、こういうことで、ちょっと水準が若干違う点がございますが、去年からことしにかけての肉に関連する経営の環境、この一年という形の期間について見ますと、いろいろな動きはありますが、総じて言いますと、比較的生産費、コストの面について、あるいは需給の動向の点について見ましても、余り上げの要素が少ない状況でございます。私どもの需給実勢方式で試算をいたしますと、ごくわずかな上げ下げになりますし、特にこのところの生産が着実に拡大している、あるいは生産条件や需要の伸びも以前のような高い伸びではないというようなこと等を総合的に勘案いたしまして、指定食肉の安定価格については前年度の水準に据え置くことが適当ではないかと考えまして、審議会の御意見を伺って、昨日、この答申をいただいたところでございます。 それから加工原料乳保証価格等につきましては、これも生産費の調査のベースの違いもございますし、それからその要素の評価の仕方、見方の違いということで価格の水準の見方に少し違いがございますが、私どもとしては、この価格を検討いたしますに当たって、やはりこの一年の経営環境なり生産条件なり需給事情なりを見た上で、据え置きが適当であろうというふうに考えて、きょう、その線での、保証価格については据え置き、その他につきましては若干の動きがございますが、限度数量については二百三十万トンということで審議会の意見を聞き、現在審議会で検討いただいているところでございます。
○菅原委員 何せ昨年は乳製品需要の増大で事業団が脱脂粉乳の放出を行った結果、在庫がゼロとなり、急遽八千トンの脱脂粉乳の輸入を行ったという経緯がございます。政府の見通しの甘さに、国内で計画生産に苦労している生産者からは、全く納得できないという声も聞かれているのでございますので、まずこの点について、政府はどう反省しているか、お伺いしたいと思っております。
○瓜生説明員 まず、昨年の牛乳・乳製品の需給に関しましては、結果的には八千トンの脱脂粉乳を輸入するというようなことになりましたが、これは昨年の夏の気象条件が本当に異例な状況の中で、生産が伸びない、逆に需要が非常に伸びる、そういう状況から、脱脂粉乳に対する需要が非常に強く、価格も高騰する、こういう中でやむを得ざる、しかも例外的な対応であったというふうに私ども思っております。 ただ、そういうことであるにせよ、需要供給の見通しが当初考えていたことと違う結果になったということについては、残念なことだと思います。ただし、これからのことを考えますと、これはやはりこれからの需給事情をよく検討して対応を考えていかなければならないわけでございますし、限度数量を考えます場合には、需給の動きを単純に計測するだけでなくて、今酪農なり乳業が抱えております問題を大きくしないような方向で考えていかなければいけないというふうに私ども考えたわけでございます。 特に、限度数量を大きく拡大するということが生産刺激をし、生産の増というようなことにつながりますと、こうした生産拡大生乳が実際には原料乳に仕向けられずに飲用向けに仕向けられて、飲用牛乳市場の混乱につながるおそれがあるというのが一つございます。 それから加工原料乳の限度数量を考えます場合に、その加工原料乳から生産されます乳製品の需給の状況というものを踏まえる必要があるわけでございますが、同じ牛乳からとれます脱脂粉乳とバターとが、需給動向が逆の方向に動いているということが、一つ難しい要素としてございます。脱脂粉乳の方は需給がタイトに推移し、バターは少し軟調である、こういうことであるわけでございます。そこで、生乳の生産をふやしてそれから脱脂粉乳をとるということになれば、自動的にバターが生産されますから、そこでバターの過剰というような問題が起きる心配もございます。それから、生産刺激的に動いた結果が流通なり製品の需給の混乱にもしつながるとしますと、数年前に経験をいたしましたような苦しい思いをまた酪農経営がしなければならない可能性もないわけではございません。 それやこれやの要素を判断をいたしましたことと、それからもう一つ、現在脱脂粉乳の需要といわれているものの中に、本来ならば生乳などで賄い得るような需要が相当程度あるものと見込まれますから、こういうものまで限度数量の中に組み入れて、財政資金がついたものがまた還元乳などの形で大量に流通するようなことは余り望ましいことでもありませんので、以上のような諸要素を考慮いたしまして二百三十万トンと算定したわけでございます。
○菅原委員 実は今答弁いただきました中にも触れられてあったのですが、還元乳が、またこれに類似するところの牛乳製品がふえております、このことは不足払いの精神に反するものであると思うわけでございますし、乳業者に対し適切な行政指導が必要だと思うのでございます。このことの対処方針、政府はどのようにされるのか、ひとつこの実態と一緒にお伺いしたいと思います。
○瓜生説明員 還元乳の量についてはなかなか把握が難しい面がございまして、明確に数字でお示しすることは難しい点がございますけれども、牛乳、いわゆる何らの加工が加えられていない生乳からつくられた牛乳と分類されるものといろいろな加工が加わっている加工乳と呼ばれているものの生産量、それと飲用牛乳等向けの生乳処理量との差を一応還元乳の生産量と推定をいたしますと、昭和五十八年度において十三万四千トンという数字が出てまいります。同じような考え方で見ますと、五十一年から五十五年当時の量よりは現在の五十八年の数字は多いように思われます。しかし、四十五年から五十年ごろについて同じような推算をやってみますと二十三万トン程度になりますから、そのころに比べますと大分最近は減ってきております。 もともと還元乳は季節的、地域的に生乳が不足するような地域で飲用乳を供給するという形としては必要なものでございますし、それから消費者のニーズが多様化する中で新しい製品を考える場合に、やはり還元乳がその材料として使われることもあながち全面的に否定するということはできない面がございます。しかし私どもといたしましては、飲用牛乳というのは極力生乳で賄っていくということが、国民経済的に見ましても、それから生産者手取り乳価の向上とかあるいは飲用牛乳流通の混乱の是正という観点からも望ましいと考えております。こうした観点で、昭和五十八年に飲用牛乳の流通に関する取扱指針というのを示しまして、乳業者に対してできる限り生乳を使用すること、それから関係都道府県、全国連とも連絡をとって、指定団体が乳業者が必要とするだけの量の生乳はできるだけ供給するような、そういう体制をとるように指導をいたしておるわけでございます。それから、指導の徹底を図るために必要に応じて全国的に工場の立入調査等も実施いたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、この還元乳の生産の問題というのは需要の問題に立ち入っていかなければなかなか解決しにくい面がありますし、現在比較的需要のありますヨーグルトなどの発酵乳等に向ける生乳取引の推進を行うことにより、また還元乳を抑制していくというようなことによりまして、生乳需要の拡大について、また関係者の努力によって対応を適切にやっていくように指導してまいりたいと思っております。
○菅原委員 このことは適切な指導をお願いするわけでございますが、いずれにしても酪農家にとって生乳の需要拡大を図ることが何よりでございます。最近化学調製による人工飲料がはんらんしておりますし、長い目で見るとこれは青少年の健康に決してよくないと思うわけでございます。また私は、需要拡大のためには玄米フレークスと牛乳と各種果汁、ジャム等を学校給食したらどうかということも再三要望をしてきたわけでございますが、この需要拡大の方策、さらに今言いましたような健康によくないと思われるような人工飲料のはんらんに対してどのような方策がとれるのかお伺いしたいと思います。
○瓜生説明員 国民の食生活も、量的に満たされてまいりますといろいろな食べ物や飲み物が出てまいります。それらの商品の多様化というのはそれなりに生活を豊かにしていくという意味で意味があるとは思いますけれども、やはり自然の食品である牛乳の消費が大いに伸びていくことは私どもにとっても非常に望ましいことでございます。しかもその牛乳・乳製品を生産するに当たって生乳が使われていくということは、牛乳乳製品の需給の関係の仕事を扱っております私どもにとって、不足払い制度の適正な運営とか、一たんコストをかけて加工したものをまたコストをかけて還元するという国民経済的に見ると大変迂回をするようなやり方はいかがかというような観点から見ても、できるだけ生乳の直接使用を推進することが私どもも非常に必要だと考えております。 そういう意味で、発酵乳等へ生乳を直接使用するような取引を促進するためのいろいろな対策を私どもとしてもとってまいっておりますし、それから先ほどもお答えいたしましたように還元乳生産を抑制するための指導もやっております。ただ、酪農の発展を考えます場合には、生乳使用ということだけでなくて、やはり牛乳・乳製品全体の需要を大きくしていくための努力というものも必要であろうと思いますので、その牛乳・乳製品全体の需要を拡大していく努力、それからそれに使われる生乳を大いにふやしていく努力、こういうようなものを総合的に進めていくためのいろいろな方策も考えてまいりたいと考えております。
○菅原委員 次に畜産農家の負債対策についてですが、畜産物価格の低迷、急激な規模拡大による借入金の増加などによって畜産農家の負債が累積しているわけでございます。このことは、農業基本法による農業生産の選択的拡大とか、需要供給の展望とか、一応農林省の指導指針に従って補助助成を受けて拡大した農家が今こういう負債で苦しんでいる、そういう実態でございます。 新聞等の報道によると、佐藤農林水産大臣が三月二十日に全中等の代表の要請に対して、負債整理問題には対応するというような記事が見えたわけでございますが、具体断には政府はどのような措置を講じようとする考えなのか。岩手県では、農業経営更生特別融通資金を昭和五十九年度に農協中央会が創設するので、県としてもこれに利子補給補助を行うことにいたしました。これは融資枠百億円、それから利子補給率が三・五%、県が〇・六、市町村〇・六、農業団体二・三%、こういうような対策も行われているわけでございます。ついては政府のお考えを伺いたいと思うわけでございます。
○瓜生説明員 これからの畜産経営を進めていきます場合に、規模を拡大し体力を強めていくことは長期的には大変大事なことであると思いますし、これまでもそういう形で畜産農家の方々が経営の拡大なり強化に努力をしてこられたのだと思います。そうした場合に、特に借入金で規模の拡大を急速に行った畜産経営の一部の方々が、ちょうど規模を拡大した時点の経済環境の中で非常に難しい状況に直面いたしまして、借入金の償還が困難になっているものが見られます。そこで、五十六年から六十年までは酪農経営負債整理資金、あるいは五十七年には肉畜経営改善資金の融通というようなことを臨時的な措置として行ったわけでございます。 その後畜産経営をめぐる環境は一般的には非常によくなっておりますが、個別的にはやはり苦しいものがあるのも見受けられますので、現在あります資金といたしましては、例えば自作農維持資金制度の中にある再建整備資金というのがまさにそういう負債整理に対応する一般的な資金でございます。これによるということが一つの方法がと思います。ただ、従来これについては限度額が少し小さいのではないかという声もございましたので、六十年度には特認の限度額を千五百万まで拡大するというような対応をとるなど、いろいろな制度資金の条件を改善するような対応をとっているところであります。 これからも、負債を整理する場合にはただ単に金目の手当てだけではなくて、経営の内容をよりいいものにしていくための指導も必要だと低いますので、関係団体等によるそうした指導に努めながら、今置かれております畜産経営の実態の把握に努めて適切に対処していきたいと考えております。
○菅原委員 次に、肉用子牛価格安定事業についてお伺いします。 肉用子牛価格は昭和五十七年春以降低落を続けており、最近になってから回復基調にあると言われておりますが、この間、肉用子牛価格安定基金から補てん金の交付が続けられております。基金の財源についてその不足が懸念されておりますが、補てん実績がどうなっているのか、並びに今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
○瓜生説明員 肉用子牛の価格につきましては五十七年の春以降すっと低迷を続けておりまして、五十八年度では雄雌平均で言いますと一頭二十二万八千八百円という水準、それから五十九年六月には二十万円台にまで低下をいたしました。 この価格低迷の要因としましては、供給面で肉用子牛の生産が増加したこと、それから昭和五十五年、五十六年の子牛価格が非常に高かったときに導入をいたしました子牛の出荷時期を迎えまして、結局肥育経営がそういう高い子牛を買って出荷時期を迎えてそして経営の収支が悪くなる、そうしますと次に子牛を買う力が弱まる、そこで需要が少し停滞をする、こういうことで価格が低迷したということもあろうかと思います。それから、昨年はまだ牛肉に関するアメリカやオーストラリアとの交渉などが行われておりましたのが心理的にある影響を与えていたのではないかという見方もございます。 いずれにいたしましても、去年前半まではそういう意味での子牛の価格がかなり低迷いたしまして、各県にあります子牛価格安定基金協会から、繁殖農家に対して経営の安定を図るために生産者補給金の交付が行われたところでございます。五十七年度では百十六億円、五十八年度には約二百三十八億円の補てんが行われたところでありますし、五十九年度の上期には約百三十億円程度の補てんが見込まれております。ただ、去年の秋ぐらいから子牛価格が大分回復をいたしておりまして、平均二十七万円程度まで回復しております。したがって、五十九年度の下期の補てん額は上期よりはかなり少なくなるのではないかと考えております。 それから六十年度についての見通してございますが、子牛出荷頭数は前年度並みないし一時的には若干減るのではないかと見込まれておりますし、他方肥育経営については収益性が大分改善してきておりますから、子牛に対する需要が増加すると見込まれますので、子牛価格は引き続き回復傾向をたどるのではないか。したがって価格安定基金からの補てん額も急速に減少していくであろうと見込んでおります。
○菅原委員 昨年は鶏肉の輸入が過去最高の数量となったわけでございますが、生産者側からは関税引き下げ要求に対して反対の声があります。これについて再三質問されてきたところでございますが、私からもどのように対処をする方針であるのかお伺いいたしますし、鶏卵の価格安定基金の現状もどうなっているのか、基金の補てん状況及び補てん財源の見通しについてお伺いします。
○瓜生説明員 まず鶏肉の関税引き下げの動きに対する対応でございますが、骨なし鶏肉の関税を引き下げることにつきましては、我が国の鶏肉需給が近年過剰ぎみに推移しておりまして、価格が長期にわたって低迷をしております。そこで、鶏肉の国内生産を需給に見合ったものに抑制するために生産者が計画生産に努力中でありまして、生産者は非常に厳しい状況の中に置かれております。他方、鶏肉の輸入は急増しております。タイから過去八年間で十倍以上の伸びということでございますし、それから日本の国に外国から入ってまいります鶏肉の輸入のうちのタイのシェアも着実に伸びておりますので、関税がタイからの輸入の障害になっているとは私ども考えておりません。こういうような状況でございますので、私どもも関税の引き下げは極めて困難な状況にある、こう考えております。 それから卵価安定基金の補てんの状況についてのお尋ねでございますが、五十九年度の鶏卵価格は四月には前年を上回る水準でありましたが、五月から八月まではかなり下がりまして、補てん基準価格を下回る水準で推移をいたしました。その後回復に向かいましたが、ことしに入って再び軟調に推移をしている状況でございます。 こういう状況の中で、卵価安定基金から約百二十二億円の補てんが行われることになるかと見込んでおります。そういたしますと、卵価安定基金の収支の状況として見ますと、ことしについて見ますと、掛金等の収入と、それから補てん金としての支払いということで見てまいりますと、約四十四億円の赤字ということになります。ただ、幸いなことに前年度からの繰り越しが六十四億円ほどありますので、こうした赤の分を埋めまして六十年への繰り越しは約二十億円ぐらいになると見込まれております。
○菅原委員 いずれにしても、今日本の畜産業は大変な危機に立たされております。やはり畜産の振興は自給飼料の確保、飼料の自給度の向上を何といってもこれから重点的な施策にしていかなければならない、私はこう考えておるわけでございます。今日本の耕地の利用率が非常に下がっておりまして、水田の裏作等もほとんど行われなくなっております。さらに昨年の夏の干ばつ害など見ましても、あのぐらいの日照りで牧野が大変な被害を受けている。こういうような状況からいたしまして、ぜひ自給率向上のための、また粗飼料確保のための施策を強力に進めてもらいたい、こういうことを要望いたしまして、時間が来ましたので私の質問を終わります。
○今井委員長 次に、中林佳子君。
○中林委員 午前中の大臣のときにも取り上げた問題なんですけれども、擬装乳製品の一つの例としてココア調製品の問題でお聞きするわけですけれども、これは相当の乳製品を含んでおります。先ほどの御答弁でも自粛指導を実は実需者にやっているのだ、こういうふうな御答弁があったわけですけれども、しかし、自粛指導をしているということでどれだけ効果が上がっているかという点で大変疑問なわけですね。 といいますのは、昭和五十三年三月二十三日の参議院の農水委員会で我が党の下田議員の質問に対して当時の佐野審議官が、輸入数量につきましては四十七年の水準でとどめるよう自粛してもらうという一札をとっている、こういう答弁をなさっていらっしゃるわけです。ところが、昭和四十七年の一万七千五百トンから何と二万七千五百トンの水準、一・六倍に現在ふえているわけですね。これでは、自粛指導している、自粛してもらう一札をとっているという答弁からすれば随分隔たりがあると見なければならない。農水省としては大変手ぬるい指導なのではないかと思うわけですけれども、今後どのような措置をとられるのか御答弁いただきたいと思います。
○瓜生説明員 ココア調製品につきましては、その用途がいわばチョコレート、お菓子の原料というのが主力でございますし、今からもう十数年前の段階になりますと、当時ある意味ではそういう需要そのものがむしろ停滞ぎみの状況の中で当時の自粛に関するいろいろな話し合いが関係者等で行われた結果、そういう形の見通しを踏まえての自粛の一つの方向づけが当時行われたのだろうと思います。その後、そういうお菓子の世界での動向が変わっている中で若干のさま変わりがあったかと思いますが、少なくともこの三年ほどの間について言いますと、その自粛の措置に沿って輸入の数量も大体横ばいの状況でございまして、特に五十九年度については、わずかではございますが五十八年よりは少ない数量になっているという状況でございます。今後とも自粛についての指導を強めて、国内の乳製品の世界の需給に悪い影響が出ないように対応していきたい、こういうふうに考えております。
○中林委員 要は、国内で賄えるわけですね。一方で生産調整をしておいて、実は自由化品目だということで無制限に輸入を認めるようなことになったらいけないと思うのです。十数年前の話だとおっしゃいましたけれども、私が取り上げましたのは五十三年の参議院の農水委員会での御答弁なんです。そのとき、四十七年の水準にとどめるよう実は自粛の一札をつけているのだ、こういう答弁なんですよ。だから、御答弁そのものは十数年前のものではないわけですよ。わずか数年前の御答弁なわけですからね。それから一・六倍もふえている。これでは実は指導の成果が見えないではないか。一体どのような指導をなさっているのか。わずかながら五十九年は下がったとおっしゃるわけですけれども、それは高いところで下がっているわけですから、私は、乳牛を飼っていらっしゃる方々に一方で生産調整を押しつけておいてこのようにふえていくというのは、やはり指導がなまぬるいとしか言いようがないと思うのですけれども、もう一度御答弁を求めます。
○瓜生説明員 先ほどもちょっと触れましたが、このココア調製品といいますのは、チョコレートとかあるいはココア飲料など非常に限られた分野にしか使われないものでございます。したがって、この分野について、ココアなりチョコレートという形での需要があるものについては、ココアの部分に関しては国内では生産できない部分でございますから、その範囲を超えない形での自粛をしていただくというのがその一つの対応であろうというふうに考えておるわけでございまして、これを超えるということになりますと、ある意味ではココアという名目で粉乳が入ってくる、それでほかに使われるということになるわけでございますから、そういう見地からの自粛ということで指導をすることがやはり指導の上でも効果的であろう、いずれにしても自由化されているものでございますから、そういう意味では自粛のめどというものがあるかと思います。 かつてこれの伸びが余り大きくないと見ていた時代には、したがってもっと少ない見通しもあったかと思いますが、このチョコレートなりココア飲料というものの需要がやはり最近伸びた段階で、自粛をしている中でも少し量がふえてきているということでありますが、これが急増しますとやはり国内の乳製品のマーケットにいろいろ影響が出てまいりますが、こういう形のものであれば、しかも限定されたマーケットの中の部分の原料であるという限りにおいては我が国の酪農への影響は小さいというふうに見て、ここに封じ込めておくという形の対応でこの問題を取り扱っておるところでございます。
○中林委員 酪農農家への影響が小さいと見るというのは、これは大変だと私は思いますね。やはり大きいからこそ擬装乳製品の輸入の規制を強く求めているところでございますし、そうでないと、自粛指導などということは要らないわけでございますから、ぜひ国内で賄えるものについては本当に国内で賄えるような自粛指導というものを今後とも強化していただきたいということを強く要望しておきます。 次に、昨日、肉畜に対する価格は据え置くということの答申が出て、大変遺憾だというふうに思うわけです。大臣への質問のときには、農家の実態から本当に引き上げなければ大変なんだというお話をさせていただいたのですけれども、農水省自身が出していらっしゃるこの資料から見ましても、私は、やはり引き上げなければならないという状況があるのじゃないかと思うのですね。 繁殖牛の場合、五十七年、五十八年には一日当たりの家族労働報酬が全く出てこない。出てこないから数字も出てないわけなんですけれども、こういう大変な数字になっておりますし、肥育牛についてもわずかな額にしか上らないという完全な赤字経営になっているわけです。全国的な統計でこういう実態で、非常に深刻な状況がうかがえるわけです。この間の政府が決める畜産物の行政価格を見ますと、牛肉は五十六年から五十九年の四年間ずっと据え置かれております。養頭規模というのは、逆に一戸当たり五十五年の五・九頭から五十九年八・二頭へとふえているわけです。つまり、規模は大きくしたけれども、生産コストは高くついて収益はマイナスとなっている。一方で行政価格はずっと据え置かれている。だから、規模を大きくした農家ほど当然負債が大変多くなっているわけです。このことは、実際、この資料の中でも端的に裏づけられているわけです。 先ほどの御答弁をずっと聞いておりますと、実は貯蓄額というのは上がっているのだ、だから、何だか肥育農家でも経営がよくなっているかのようなお話がありましたけれども、私は、これは大変大きな錯覚を農家の人たちに与えるものだと思うのですね。確かに貯蓄額というのは伸びておりますけれども、一方、負債額が大変なんですよ。昭和五十六年の肥育経営一戸当たりの貯蓄額が七百三十万円で負債額が七百五十九万円、かなり近くなっていたのですけれども、昭和五十八年の貯蓄額というのは千九十六万円、それに対して負債額が千五百六十万円ということでその差がどんどん開いていって、負債額の方がこんなに大きい畜産物というのは、この資料を見ましても肥育だけなんですね。ほかのものを見ますと、貯蓄額の方が大きくて負債額の方が少ない。これがほかの畜産物についてはすべて言えて、肥育牛の経営だけが貯蓄額と負債額が逆転している。いかに経営が大変かという実態を、農水省が出していらっしゃるこの資料からもはっきり読み取ることができるわけです。ですから、こういう資料を見ただけでも、六十年度の政策価格というのは大幅に引き上げなければとても経営が成り立たないと言えるのじゃないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○近藤(元)政府委員 お答えいたします。 先生や生産者側から要求されておるのは、たびたびお答えをいたしておりますように所得補償方式、私ども農林水産省が試算をしておるものは、需給事情を勘案してということでお答えをさせていただいておるわけでございます。 細かい数字は政府委員から答弁をさせていただくことにいたしましても、今経営実態が大変苦しいこと、そして、その主たる原因は過去における負債がこれからの規模拡大、経営意欲にかなり障害になる部分があるという認識には立たせていただいておる次第でございます。したがって、委員各位から御要請、御指摘もございます負債の問題については、積極的に従来の制度金融を活用しながら、新たにまた負債整理についての金融対策の検討もさせていただきたいと考えておる次第でございます。短期的に今やや経営の安定しておる畜産状況の中で、過去の負債の問題の処理はやはり重要な問題と考えており、かつ、今の価格の問題だけで処理をさしていくということは、過去の統計上からいっても、畜産価格が上がったときには消費の減退を来しておるということも明らかになっておりますので、それだけで価格を抑えるという意味では全くございませんけれども、それよりも過去の負債の問題に最重点を置いて対処していきたい、そういう基本的な考え方を持っておることもひとつ御理解をいただきたいと思います。 数字の面は政府委員から答弁させていただきます。
○瓜生説明員 価格そのものの件に関しましては今政務次官からお答えいたしましたように、私ども需給実勢方式をとっておりまして、そして去年からことしへかけてのそれに織り込むべき要素を織り込んで試算をいたしますと、去勢和牛肉、その他去勢牛肉、豚肉、いずれもごくわずかな動きでございますので、この時点で今の置かれている状況あるいは消費地、消費者の動向などを考えますと、しかもこれが市場で価格が形成される場合の一つの指標であるということを考えますと、このまま据え置いた方がいいという判断で、昨日、畜産振興審議会の食肉部会に諮問させていただいたということでございます。 それから今の負債と貯金の関係。確かに統計的には肥育牛については負債額の方が若干貯蓄額よりも多いという数字が見られますが、これは資産全体として見ますれば——これは資産の見方というのはいろいろ議論があるところでございましょうが、一戸当たりの資産全体として見ますと、肥育牛の五十八年度の状況では四千六百万円、五十七年度が四千五百万円でございますので百万ふえているという状況でございます。それから負債の方は、五十七年の千五百四十五万四千円が千五百六十万四千円というような形で、これもちょっとふえている。こんな形でございますので、一応このところ小康状態にあるということは言えるかと思いまして、今の価格の趨勢を需給実勢なり消費とのかかわりで考える場合には据え置くということが適当だろう、こう判断しているわけでございます。
○中林委員 私はとんでもないお話だと思いますよ。と言うのは、価格を引き上げれば消費が落ちる、これは何を根拠にしておっしゃっているのでしょうかね。今まで生産者価格というのはずっと上がったり下がったりしているわけです。その中で一貫して上がっているのは小売価格ですよ。落ちたときに下がるというようなことはないです。それは農水省の統計の中にちゃんと出ていますでしょう。そういうようないかにも生産者価格が上がっていけば消費者価格が、要するに小売価格が上がるみたいな、こんな今の実際の統計からも出てこないようなことで消費者と生産者を離反させるような御答弁というのは、どうしても納得がいきません。これは数字が示しておりますから後で見ていただければわかりますけれども、本来は私は、生産者価格そのものも今落ち込んでいる中で、小売価格というのはもっと下がってもいいのじゃないかと思っているんですよ。しかしきょうは時間がありませんから、その流通の問題では御質問はいたしませんけれども、私は、そういうような認識のもとで御答弁をされるのは納得がいかないことだけ申し添えておきます。 そこで、牛肉の自給率は現在どのくらいで、今後の見通しはどこまで引き上げていく方針なのか。需要量、生産量、飼養頭数などの見込みも含めて、昭和六十五年の見込みをおっしゃっていただきたいと思います。
○瓜生説明員 牛肉の自給率は、需要と生産の年ごとの変動等で年によってある程度変化しておりますが、近年では大体七〇%前後で推移をいたしております。 それから、昭和五十五年に策定されました昭和六十五年度を目標年度といたします「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、六十五年度の自給率は七一%と、ほぼ現状と同じ水準を見込んでおります。
○中林委員 あと需要量、生産量、頭数。
○瓜生説明員 六十五年までの需要の伸びといたしまして、五十三年をスタートとしておりますが、三・六ないし四・三%ぐらいかと見ておりますので、六十五年の需要の見通しは八十五万トンから九十二万トンというふうに見ております。それから、生産は六十三万トンというふうに見ておりまして、したがって自給率が七一、こういうことでございます。
○中林委員 頭数もお願いしたのですが、答えていただけなかったのですけれども、頭数も現在の二百五十万頭ぐらいから三百九十二万頭ぐらいまで拡大されるという長期見通しをお立てになっていると思いますが、自給率を見て、私ちょっと不思議に思ったのですね。五十八年度でもう七〇%の自給率ですから、六十五年で七一%、ほぼ横ばいということがこれで明らかになったわけですね。畜産の中で、牛肉が七一%というのは最低なんですね。ほかの牛乳・乳製品が八九%、豚肉が九五%、鶏肉が九六%、鶏卵が九九%と、それぞれ高水準を目途としているわけです。ですから、日本の畜産業を守って育てていくべき立場の農水省が牛肉についての自給率の見通しをこんなに低く見積もっているのは、私は、そこにはアメリカなどの外国からの牛肉輸入の攻勢をあらかじめ織り込んでいるのじゃないかと考えざるを得ないのですけれども、その点いかがですか。
○瓜生説明員 食糧につきましては、国内で生産可能なものは、生産性の向上を図りながら極力国内生産で賄うということを基本にいたしております。そして合理的な国内生産で不足する分については輸入で対応することにいたしております。このことは牛肉等の畜産物についても同様であるわけでございます。 ただ、肉用牛の生産といいますのは、どうしても土地条件の制約が大きいということがございますし、肉用牛については、本格的な肉用としての生産が始まりましてからは歴史が必ずしも長くない状況にございます。かっては、役用でありかつ肉用である、こういう形の飼われ方、そして一戸で飼われている頭数も一頭とか二頭という状況であった。ですから、肉用として少し多頭飼養していくという生産形態、肉用牛の産地として育っていくという形態、こういうものが始まりましてから二十年ぐらいかと思いますが、そのような状況でございます。それからもう一つ、頭数を拡大していくそのテンポも中小家畜よりはどうしても高めにくい面がございます。一年一産、もうちょっと縮める努力は可能かと思いますが、大体一年一産というところが一つのめどで今まで経営が行われてきておりますから、頭数の増大という面も生理的に思うに任せない面がありますし、それから経営条件についても、飼料基盤等からいいますと、一気にふやせないという状況がございます。 他方、牛肉の需要については、かつてのような非常に高い伸びではないけれども、ほかの食べ物に比べますとやはりその需要の伸びがかなり高いという状況にございますので、これからを見通しましてそういう生産条件を整備し、そして今まで積み上げてまいりました肉牛経営の基礎づくりを踏まえこれから大いに生産を拡大するとしても、伸びを示しておりますこの需要に追いつくにはなかなか大変であり、現在と同水準の七一%ぐらいの自給率になるのではないか、こういうふうに見通しているわけでございます。
○中林委員 昨年、アメリカの牛肉の輸入枠拡大を押しつけられたことに対する大変激しい農家からの反発があったばかりでございますから、輸入を見越したものではないというふうにおっしゃるのだろうと思うのです。しかし、今の御答弁の中にもありましたけれども、私はやはり、我が国で生産拡大可能な数少ない作目ではないか、こういうふうに思うわけですよ。しかも、我が国の牛肉生産の力量というのは、今のままではだめですけれども、本当に国がきちっとした施策さえ十分とれば、自給率をもっと高めていくことができるのではないかと私は思います。歴史が浅いというふうにおっしゃったわけですけれども、これは需要量との関係もありますけれども、かつては九五%の自給率になっていた、これが昭和四十年ですね。それからどんどん下がって、若干上向いたという状況なんですよ。どんどん下がっていったのは、やはり牛肉の輸入がなったその時点から非常に自給率が低下している歴史的な数字が示されていると思います。ですから、本当に輸入量を抑えていけば、その分、国内の牛肉生産量はもっと伸ばすことができると私は思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○瓜生説明員 牛肉の自給状況の過去の流れを見てみますと、ある段階で非常に国内での供給力が落ちてきた時期がございます。これは、いわば役肉用の牛の飼い方から肉専用の牛の飼い方へ移り変わっていく段階で役用の牛がトラクターなどに置きかわっていく、そういうプロセスが一つ、もう一つは、酪農で生産されます乳雅子牛がまだ必ずしも十分に活用されていないような状況の段階、こんな時期に牛肉の国内での供給力が落ちまして輸入がふえるというような状態の時期があったというふうに考えております。国内で供給できるものはやはり国内でできるだけ供給していくという見地は、特に大家畜の場合には、国土の高度利用とか地域農業の振興という角度から見ましても非常に重要でございますので、そういう側面も踏まえて生産力を高めたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、いろいろ技術条件なり経営条件で思うように伸ばしにくい状況もあることは事実でございますので、それだけにいろいろなことに力を入れていかなければいけないと思っておりまして、個々の経営の中での飼養規模の安定的な拡大を図りますとか担い手を育成するとか、それから飼料自給度を向上させていきますとか、あるいは肥育期間を短縮して、経営としてより経済的な飼い方を考えていく、あるいは地域内あるいは経営内の一貫生産を推進して産地をつくっていくというような形で生産を増強していきたいと思いますし、さらには、最近いわゆるバイオテクノロジーの展開の中で、受精卵移植の技術などもかなり成果を上げつつありますので、こういったようなものも実用化をする中で、今まで私どもが前提条件にしていたものを変えていくような新しい動きが出てくることも期待できるかと思いますので、今後とも国内での肉用牛振興に大いに力を入れていきたい、こういうふうに考えております。
○中林委員 基本的には自給率を高める努力をするためにさまざまな施策をするとおっしゃっていて、ぜひそれは強めていただきたいと思いますけれども、私がこれから述べたいと思いますのは、具体的な地元での事例などを挙げさせていただいて、今ある肥育農家の人たちが意欲を持って取り組めるように、その方々は今経営が大変困難だから、できればやめたいとまでおっしゃっているのですね。ただ、やめるにやめられない事情もあるというふうにおっしゃっているわけです。そういう方々がやめれば大変ですから、今ある既存の肥育農家の方々の要求にぜひこたえていただきたいと思うわけです。 その中で、島根県は二年後に全国和牛能力共進会が開かれるということで、かつて昭和五十三年の共進会で優勝したこともあって、農家の人たちの期待も非常に大きいし、県なども力を入れているのです。しかし、今のように肥育和牛が大変経営危機になっているというようなことで、県の老人牛飼い事業なども来年度からはもうやめるのだという後退したような施策までとられる状況になっているのです。 特に、ある事例でお話をしたいと思うのですけれども、これは出雲市の山間地、三十六歳の方の経営していらっしゃるところなんですけれども、育成牛が二頭、繁殖牛十一頭、子牛出荷用九頭の規模で肉用牛飼養をやっているわけです。子牛を月一頭の割で出荷するには家族労賃を最低見込んでも一頭当たり三十数万円はかかるのに、去年の春ごろは二十万そこそこでしかなかった。幸いにも、タケノコとかシイタケ栽培などで複合経営をやっているので、その穴埋めはそういうものでやった。この方は、牛舎などは間伐材を使ったり、飼料も自給体制を確立するなどでコストも極力安くするように努めた、それでも系統のよい親牛の導入や子牛のコスト割れ、施設改善などで非常に多くの借金が残されて、その利息払いで大変だ、しかも昨年十一月から肉畜経営改善資金の償還も始まっていて、借金払いに拍車をかけている、こういう状況なんですね。政府の子牛の保証基準価格も生産費を償うほどにはほど遠い状況なんです。現に、農水省の調べでも、第一次生産費、これは五十八年ですけれども四十万円を超えているわけです。ですから、子牛生産者に対して保証基準価格が生産費を最低償えるように算定方法の検討を行うべきだと思うのです。しかし、これは五十九年から六十二年まではそのままだという状況があるのですけれども、今の大変な状況を考えれば、ぜひこの検討を行っていただきたいということが一点です。 それから子牛生産拡大の奨励金、今一万円ですけれども、これのアップも検討いただけないでしょうか。
○瓜生説明員 肉用子牛価格の保証基準価格につきましては、肉用子牛価格安定制度でとっております価格保証の一つの水準でございまして、子牛価格が異常に低落した場合に生産者補給金を交付することによって繁殖経営に及ぼす影響を緩和する、こういう仕組みの制度でございます。やはり肉用牛生産の振興をバランスする場合には、子牛を生産する繁殖経営とこれを素牛として購入する肥育農家の経営の安定、両方の立場を考慮した適正な子牛価格の形成が望まれます。 それから、価格についても、一つの趨勢としての実勢価格よりも高い水準に保証基準価格を設定いたしますと、この基金制度自身が絶えず補てんをしなければならないということで、制度そのものが崩れてしまうおそれがございますので、やはり需給実勢をにらんだ形で一つの価格の基準の水準を決めていくことが必要であろうというふうに考えております。したがって、生産の条件というのは、肉牛経営、特に繁殖経営ではいろいろな形がございますので、コストの雨その他についてもいろいろ開きもありましょうし、需給実勢方式をとる中で、市場価格に見合った、生産者の活動を通じてある価格の水準が形成されてくることをねらっていくことが合理的ではないかというふうにも私ども考えておるわけでございます。 ただ、いずれにしましても、この価格安定制度そのものがちゃんと働いて、価格が下がったときに農家に補てん金が支払われるような体制は非常に大事だと思っておりますので、この制度を私どもも大事にしていきたいと考えております。 それから、子牛生産拡大奨励金につきましては、これは所得補償とか価格安定というような角度からやっている仕事というよりは、むしろ繁殖用の雌牛の頭数を拡大していくということ、全体として肉牛生産の基礎になりますのは雌牛でございます。したがって、雌牛を大いに拡大していくという視点からの奨励金でございますので、この奨励金の水準ということになりますと、助長策としての対応でございますので、現在の水準が適当ではなかろうか、こういうふうに考えております。
○中林委員 次から次に御答弁されることが、これではとても救われないなという状況なんですけれども、もう一つ非常に要望の強い肉用牛の預託制度を安い近代化資金の七号資金の対象にという話がどなたからも出たわけですが、非常に難しい難しいというお話ばかりなんです。しかし、私ずっと農家を回ってみると、昔は牛がいたというところで牛舎などもあいている、利息が安くて長期の資金があればというお話や、本当に預託牛でも飼ってそれで採算が合えばやりたいんだけれどもという方々が多いわけです。自給率を高める努力はするとおっしゃっているわけですから、こういう要望があるときだけに、難しいという立場じゃなくて何とかならないかということで前向きにこの資金の導入を検討していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○瓜生説明員 先ほどから預託牛についてはいろいろお話が出ておりますが、いずれにしましても預託牛という形で農協が行っておりますものの内容にいろいろなものがあるということで、やはり私どもなりに実態を把握して整理をしてよく考えてみなければいけないという意味では、決してこの問題について私ども否定的な対応であるということではないわけでございますが、なおいろいろなことを検討してみませんと御要望の線に沿った対応ができるかどうか結論が出し得ない部分も多く残している、こういう角度から今お答えができない状況にございます。 それから、農家の方々が低利融資を受ける手だて、道は、近代化資金の中でも肥育牛の購入育成の資金の手当てというのが五分五厘でできておりますから、こういうものを使っていただくのが一つあるのだと思いますけれども、ただその金が非常に使いにくいというお話も聞かないではありませんので、そういったことも少し検討はしてみなければいけないと思っております。 それから、いろいろな生産奨励事業の一環として、あるいは家畜導入事業というものがございます。その家畜導入事業を上手に使う方策というものも考えられないだろうか。家畜導入を考えるときに、やはり今その方式じゃない方式しかとりにくいという事情がもしあるとすればそれは何だろうということでいろいろ私どもなりに勉強はしているところでございますが、預託制度そのものについてあるいはそれと近代化資金を結びつけるということについてはなお解決すべき事項が幾つかあるというふうに考えているわけでございます。
○中林委員 それで、今一番肥育農家の方々の要望は負債整理の問題なんですね。負債をどのように解決していくかということなんですけれども、酪農においては五十六年から酪農経営負債整理資金がもうできたわけで、一定の成果があったし、効果も上がっているというふうに思うわけですね。その点はどの程度効果が上がっているのか、できれば簡単にお答えいただきたい。
○瓜生説明員 この酪農経営負債整理資金というのは五十六年度から来年度までの予定で行っております資金でございますが、この貸し付け対象になりました戸数が一番最初の五十六年には三千三百二十八戸ございました。その年に償還の時期を迎えてしかもそれを返せない、借りかえなければならないようなそういう農家について、低利資金をお貸しする、こういう仕組みでございますので、経営の内容がよくなってくれば返せるようになってまいりますから、徐々にこの制度が必要でなくなってくるということになります。 そこで、五十六年に三千三百二十八戸が対象になっておりましたが、五十九年の段階ではこれが千八百七十四戸という状態で、この資金を必要としなくなった農家の大部分はもう経営が安定をし、みずからの経営活動から上がる収入をもって今までの借りているもの、償還時期に来たものを賄い、生活費あるいは経営活動費も賄えるような状態になっているものでございます。その意味ではかなりの成果が上がりましたが、この成果を上げるに当たりましては、ただ単にお金をお貸しするというだけではなくて、経営面についての各方面の指導をかなり行い、それから農家自身がやはりみずからの努力でもって経営、家計全般を改善するための努力をしていただいているところでございまして、これらが相まって今のような状況になっているのだというふうに考えております。
○中林委員 実は大変悲惨な事例を聞いたのですわ。これは島根県で優秀な牛を出している広瀬町というところなんですけれども、ここの肥育農家は一時期八十頭から百頭育てていたわけです。投入した設備資金などが五十八年で三千五百万円の借金、これでとても払えなくなってしまったわけです。特に、農協から借りた素牛代だとかそれから飼料代金の借金がそのうちの大半で、利息がすごく高くて一〇・三%というのですね。ですから、もうこれは倒産になりまして、その借金払いに親戚から一千万円借りた、それから水田、畑、山、家財道具、牛舎、トラック、農機具一切売って千五百万円、それから一千万円をまた借りて毎月十万円ずつ返済して、その返済のために共働きで賃労働に出ている。 百頭の肥育というのはまさに農水省がお進めになっている自立した農家、中核農家の一つだと私は思うのですよ。それが借金が払えなくなってより一層高いお金を借りて、そのお金を返すためについに農業そのものをやめて働きに出る、こういうことで、少なくともこの方々がおっしゃっているのは、酪農関係にとられたような効果のある制度がこういう肉畜にも適用されたら、こういう思いを語っておられるわけです。今肥育農家の方々は、据え置き一年、償還期限七年などという非常に短い資金しかないわけですよ。ですから、少なくとも据え置き三年、償還期限十五年、このくらいの長期の、しかも低利の制度が必要だとおっしゃっております。ですから、酪農のようなこういう負債整理資金の方途が肉畜の経営に対しても考えられないか、この点ぜひ検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○瓜生説明員 今例に挙げられました経営自身に関しましては、いろいろな事情がおありだろうと思いますし、詳細がわかりませんのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、やはり肉畜経営をやっておられる方で経営がいろいろ苦しい状況にある、特に高い時期に素畜を借金で購入された方あるいはえさ代が非常にかさむ方、そういう状況がある方は私どももよく聞いておりますが、その経営の実態として、例えば技術上の問題とかあるいは経営計画上の問題とか、こういうものがどうしてそういうふうになったかという点をよく実態を把握いたしませんと、仮に何らかの対策をとりましてもその時期が来ますと再びまた経営がおかしくなるような状態にもなりかねない点がありますので、当面とにかく実態をよく把握して適切に対処したいと思っております。
○中林委員 実態もまだ調査されてないようですね。県では取り組んでいらっしゃるようなところもありますけれども。 時間が来ましたので、私は、今までの質問を通じまして御答弁いただいたのが、もう決して畜産農家に手厚い農水省というイメージは全くわかないわけです。ですから、少なくとも実態を把握してとおっしゃったわけですから、肥育農家の負債の実態は必ず調べていただきますよう申し添えて、私の質問を終わります。 ————◇—————
○今井委員長 この際、衛藤征士郎君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の共同提案による畜産物価格等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。新村源雄君。
○新村(源)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同を代表して、畜産物価格等に関する件につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 畜産物価格等に関する件(案) 我が国畜産業をめぐる情勢は、畜産物需要の伸び悩み、農家負債の累増、海外からの畜産物の市場開放要求など内外ともに極めて厳しい事態に直面している。 よって政府は、昭和六十年度加工原料乳保証価格及び豚肉、牛肉の安定基準価格の決定等に当たっては、左記事項の実現に努め、畜産業の安定的発展に万遺憾なきを期すべきである。 記 一 加工原料乳保証価格については、最近の酪農の経営環境や六カ年にわたり計画生産に取り組んでいる酪農家への影響を考慮し、生乳の再生産を確保することを旨として適正な水準に決定すること。 また、加工原料乳限度数量については、最近における乳製品需要の増大、脱脂粉乳の輸入等を踏まえ、適正に決定すること。 二 豚肉、牛肉の安定基準価格等については、再生産の確保を図ることを旨として適正な水準に決定すること。 三 酪農負債整理資金については、酪農家の負債の実態を踏まえ、継続して貸付けを行うこと。 また、畜産農家の経営を改善するため、特別の融資措置等を講ずること。 四 酪農経営の安定と牛肉生産の拡大等に資するため、乳用種の肉資源としての活用対策を整備すること。 また、肉用子牛価格安定事業の充実に努めるとともに、子牛生産拡大奨励事業を継続実施すること。 五 乳製品の輸入については、国内需給に悪影響を及ぼさないよう適切な指導を行うこと。 六 過度の還元乳生産が国内生乳生産を阻害している現状にかんがみ、乳業者等に対し還元乳生産抑制のための適切な指導を行うこと。 七 生産者団体等が行っている豚肉、鶏卵、ブロイラーの需給調整対策について、その実効があがるよう積極的な指導を行うこと。 また、不当増羽を行っている養鶏経営に対し抑制の指導を強化すること。 八 食肉の生産及び需要の変化に対応した食肉取引規格の見直しを行うこと。 九 濃厚飼料の需給並びに価格の安定を図るとともに、自給飼料生産対策の充実、強化を図ること。 右決議する。 以上でありますが、決議の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じ、委員各位の既に御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○今井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 衛藤征士郎君外四名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○今井委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。 この際、ただいまの決議について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。近藤農林水産政務次官。
○近藤(元)政府委員 ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従い、最近の我が国畜産業をめぐる厳しい情勢を踏まえつつ、十分検討いたしてまいる所存でございます。(拍手) —————————————
○今井委員長 次に、田名部匡省君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の共同提案による日米漁業対策に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。提出者から趣旨の説明を求めます。武田一夫君。
○武田委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同を代表し、ただいま議題となりました日米漁業対策に関する件につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます、 まず、案文を朗読いたします。 日米漁業対策に関する件(案) 鯨は、我々日本人にとって魚介類と並ぶ貴重な生物資源であるとともに、特定地域における基幹産業となっている等、現在なお重要な役割を担っている。 また、米国二百海里水域内における北洋漁業は永年にわたり、我が国最大の遠洋漁業となっており、その実績確保が重要な課題となっている。 しかるに、国際捕鯨委員会(IWC)は科学的根拠に基づくことなく一九八五年秋より、商業捕鯨全面禁止の決定を行う一方、米国はパックウッド・マグナソン修正法及びペリー修正法により日本の鯨肉の消費慣習の放棄、鯨肉輸入の禁止及び捕鯨業の全廃を企図し、これに応じなければ制裁措置として北洋漁業を二年間で全面的に締め出すことを規定するなど極めて遺憾な事態を生じさせている。 よって、政府は国際捕鯨取締条約の基本精神に基づくIWCの機能の正常化に努めるとともに、毅然たる態度をもって我が国捕鯨を維持存続し、かつ、北洋漁業を確保するため対米漁業外交の推進に最大の努力を行うべきである。 右決議する。 以上でありますが、決議の趣旨につきましては、委員各位の既に御承知のところと存じますので、説明を省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○今井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 田名部匡省君外四名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○今井委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。 この際、ただいまの決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。近藤農林水産政務次官。
○近藤(元)政府委員 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、最近の厳しい日米漁業関係を踏まえつつ、今後とも最大限の努力を払ってまいります。(拍手)
○今井委員長 なお、ただいまの両決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じ、ますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る四月二日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十七分散会