内閣委員会 第14号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1985/05/30
会議録
○中島委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上野建一君。
○上野委員 お許しをいただきまして、当委員会にかかっております合理化等に関する法律案について、この関連を幾つかの点で質問いたしたいと思います。 今度のこの法案との関連では、地方自治体に今後大幅に権限を移譲する、そういう方向での入り口だろうというふうに私どもは受けとめております。しかも、今度出された法律案の内容は、もう当然と思われるものが大部分でありまして、今までこんなのがあったのかという、むしろ遅きに失するぐらいのものが占めておるのじゃなかろうか、こう思います。 そこで、最初に後藤田長官にお伺いしたいのですけれども、当委員会の論議や今までの地方行革などのいろいろな議論がありますが、そういう中で、地方自治体に権限を移譲するという観点、これはどうしても必要だと思うのであります。そういう意味では、第二弾としてこの次には一体どういう方向で何を考えておられるだろうか、あるいは検討中、準備中というようなものがあるのだろうか、この論議の経過も踏まえて、この際まず冒頭に長官の御意見をお伺いしておきたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 今回お願いをいたしております法律案は、おっしゃるように国と地方との関係を整理するという一種の入り口的な考え方ではないのか。まさに国と地方の関係を見直す場合にはもう少し基本的なものが数多く残されておる。今回のは、とりあえず行革審から御提言のあった政省令合わせて八十五項目でございましたか、そのうち立法を要するものについての改正をお願いをしておる、こういう考え方でございます。 これから先は、何といっても、今の全体の仕組みの中では、身近な行政は身近な機関にやっていただくというのが基本であろうと思いますから、そういう観点に立って国と地方の機能分担、それに基づく役割、財政の問題、いろいろ残されておりますけれども、私どもがこれから一番肝心だなと思っているのは許認可権限、これは国と地方団体の関係のほかに今度は国、地方と民間との関係、これらの問題に手をつけなければならぬ。それからいま一つは、やはり委任事務がたくさんございますから、その中でも機関委任事務についてもう少し根本的なメスを入れまして、そしてできる限り移譲できるものは地方に移譲して団体事務にするとか、場合によれば廃止していいものもあるかもしれませんし、そういう点をこれから先やらなければならぬ。これは七月ごろに答申が出ると思いますので、それを受けて検討してまいりたい、かように考えております。
○上野委員 そこで、実は一昨日私は当委員会を傍聴いたしておりまして、後藤田長官の発言をお聞きしておりました。かなり思い切ったことも言われるし、大変明快な答弁もあるし、その点については結構なことだとは思うのでありますけれども、一つ大変気にかかったのは、地方は国に財政的に依存し過ぎる、国に依存する体制があり過ぎる、そういうふうにおっしゃいまして、地方自治に対する見方が大変古い考えだなというふうに率直なところ思ったのです。依存するような体制にしておきながら依存してけしからぬというのは、これは通らぬ話であります。 そこで、権限の移譲というのも、権限だけではだめなんで、これは財政的な移譲もしてもらわなければ困るのですね。かねてから七、三の理論とか国の金の集め方、徴収段階における国が七、しかし仕事は国は三だ、それで地方自治体は七の仕事をやっておるというのに三しか徴収能力がないじゃないか、そういうことは随分古くから言われてきたことであります。この点について、やはりそろそろ何とかしなければ地方自治というものの本当の意味の育て方にならないというように思います。住民自治の精神も育たない。おっしゃるように、何でも国から金を持ってこい、そういう傾向もそこから生ずるんだと思うのです。ですから、そういう意味では、この地方財政の問題について、やはり後藤田長官、もう一歩踏み入れて本格的な検討をする必要があるだろうと思います。特に金を国が集め過ぎるものですから、国からさらにその金をもらうために地方自治体がかかる費用、それから国が地方に金を流すためにかかる費用、それからその間には膨大な資料を要求される、これほどむだなことはないだろうと思います。だから、そのむだを省かないで本当の行革というものはない。そういう意味で、やはり財政の面における地方と国との関係を、おっしゃられるようなこれからの問題として検討されているのかどうか、あるいはされてないとするならこれからされる意思があるのかどうか、それはどうでしょうか。
○後藤田国務大臣 おっしゃるように、その問題はもうずっと戦前から今日まで続いている問題で、確かに七、三、仕事は地方が七で経費の方は三、こういったようなことを言われるのですが、それが実際は解決が一番難しい問題なんですね。やはりそれぞれの三千余りの団体ごとの経済力といいますか、それが背景にあるものですから、独立税源という主張もよく聞くのですけれども、さて、税源を与えてみても税の対象がないといったようなことですからね。昔は何と言いましたか、平衡交付金と言いましたかね。いろいろな経過を経て今日交付税制度といったようなことになっておるわけでして、そこらが解決としては非常に厄介だな。ただ問題は、やはりできる限り地方の一般財源を強化すべしという議論は、その立場に立ってできる限りの処置はすべきであろう、こう私は思うのですね。 やはり、そういった関係で、財政の面から見れば今一番地方を縛り過ぎているのは補助金じゃなかろうか。これが余りにも補助金行政で過剰介入が行われ、はしの上げおろしにまでくちばしを入れ過ぎるといった面があるわけですから、補助金については、個別の補助金からやや包括的な補助金にするとか、もう少しいろいろな改革の必要はあるだろうと私は思うのですね。しかし、おっしゃるように七、三を基本的に直せということになると、これは背景の経済力が違いますから、そこらはまあお互いに皆さん方のお知恵もかりて、今後とも国、地方の関係を律する場合の大きな検討の課題ではなかろうかな、私はそう思うのですね。 こういったことが背景にあって、せっかく地方自治と言いながらも三割自治とか二割自治とかと言われているゆえんはそこにあるので、ここらが解決が非常に難しいけれども検討しなければならぬな、こういうふうに私自身は考えておるわけでございます。
○上野委員 徴税段階で国と地方の関係が少なくとも五分五分にならなければこれは本当の意味の行政改革にもならぬし、それからおっしゃるような地方自治の育成にはならない、私はそう思いますし、これは既に学者や地方自治体の関係者含めてある意味では常識になっている問題だと思うのです。ですから、その常識になっているような問題になお政府がちゅうちょしている。おっしゃるようにいろいろな事情はわかりますけれども、どうも国が地方自治体をがんじがらめにして言うことを聞かせるということがあるからなかなか手がつかないんじゃないだろうか。こう思わざるを得ないような検討の遅きといいますか、思い切った踏み込みがない、こういうことだと思います。したがってこの点は、少なくとも地方が五、国が五ぐらいになるように努力をすべきだと思いますし、検討課題であるという御答弁ですから、ぜひ積極的な検討をいただきたい、こう思います。 そこで、それとも関連するのでありますけれども、実はそれに逆行するような形の大蔵省の方針が五月二十七日の各紙に出ました。地方交付税を特例減額をする、規模は数千億である、こういう見出しがありまして、私ども大変驚いたのであります。さきに申し上げましたように、地方財政を行革の一環としてむしろ逆に権限とともに与えなければいかぬ時代に、さきには補助金を一〇%一括カットする、今度は地方交付税を減額をする。これでは地方自治体が成り立つわけがないわけで、地方自治体が成り立たないということは民主主義も成り立ちませんし、住民生活を守る、国民を守るということにはならない。こういうことで大変私は驚いたわけでありますけれども、実際これは考えておるのかどうか。この新聞記事、千葉日報や京都新聞に出たのを私は拝見したのですけれども、一体考えておることがあるのかどうか。あってはならぬと思うけれども、一体どうなのか、御答弁をいただきたい。
○田波説明員 お答え申し上げます。 多少経緯的なものから御説明させていただきたいと思うわけでございます。 いわゆるオイルショックが起きまして、五十年度以降国の財政というのは非常に困難に陥ったわけでございますが、同時に、地方の財政も非常な収支不足に陥ったということは御高承のとおりでございます。そこで、五十年度から一貫して、いわゆる地方財政対策という名のもとにいろいろな措置が行われてきたわけでございますけれども、五十九年度に至りまして、地方の収支見通しを立ててみまして収支の不足が生じたときには、一つはいわゆる建設地方債を活用していただく、そのほかは交付税の特例措置一本でいこうということが決められたわけでございます。 その特例措置の内容でございますけれども、その制度が決まって以来、五十九年度、六十年度というのはいわゆる特例加算が行われたわけでございます。ただ、そのとき国会等でもいろいろ議論が行われたわけでございますけれども、その収支見通しを立ててみまして仮に収支に不足が生じない、余剰が生ずるというような場合には、特例措置というのは特例減額もあり得るという議論が行われたわけでございます。 そこで、理論的には特例減額というのはあり得るわけでございますけれども、先生御指摘の新聞に書かれてございますように、それでは現に六十一年度そういう状況になるかどうかということは、先ほど来の御議論にもございましたように、これから地方税がどうなるか、あるいは交付税と申しましても国税三税の三二%でございますから、そのもととなります国税三税の動向がどうなるか、あるいは先ほど長官から御答弁ございましたように補助金の整理がどういうふうに行われるか、そういういろいろな要素によって決まってくるわけでございますので、大蔵省が現段階でそういう方針を立てているというような事実はございません。
○上野委員 大蔵省の話では、理論的には減額はあり得る。そういうことを言うからこういう記事にもなるし、また事実上何か考えている点があるのだろうと思うのですね。例えば国税三税の三二%は、金が足りないときには三五%になり、四〇%にもなり得ると法律で決まっていますね。上げるのだということをちゃんと言っている。これは地方交付税法、そういうところで明確になっている。そういうことであるなら、こういう話は出てこないのだろうと思うのですけれども、これとも関連をして、まず自治省は一体どう考えておられるか、考え方を聞いておきたいと思います。
○石山(努)政府委員 地方交付税の特例減額ということで報道されたことに関連してのお尋ねでございますが、先ほど大蔵省の方からの御答弁もございましたけれども、現段階におきましては、六十一年度の経済の情勢がどういうように推移するのか、あるいは国の予算編成の方針なり、あるいは税制改正の動向など非常に未確定の要因が多いわけでございまして、来年度の地方財政の姿を現時点において把握するということが非常に難しい状況にあるわけでございます。私どもとしては、現在の地方財政というのは巨額の借入金残高を抱えておりまして極めて厳しい状況に置かれている、こういう認識をいたしております。 いずれにいたしましても、基本的には、今後とも交付税特会の借入金負担の軽減を含めましてできる限り後年度の負担を軽減して地方財政の健全化を図る、こういうような考え方で対処してまいりたい、こういうように考えております。
○上野委員 今のところは大蔵省は考えてない、こういうお話でありました。もう一度念を押しますが、情勢判断するのは難しい状態だ、こう言っていながら今は考えていない、こういうことですから、そうすると、三税の額の問題とか地方税の問題とか、そこら辺のことが少しよくなれば大蔵省は減額をするということでもあるのですか。そこの点はどうでしょう。
○田波説明員 この点は、先ほど申しましたように、あくまで理論的にはそういう事態はあり得るわけでございますし、五十年代を見ましても、実は特例減額と同じような、地方から一時お金をお借りするというような措置がとられたことは現にあるわけでございますので、そういう可能性がないというわけではないと思います。 ただ、私が申しますのは、現段階で考えてないというよりも、むしろこれからの経済情勢がどうなるか、あるいは補助金の整理がどう行われるか、税の動向はどうなるか、いろいろな要素があるわけでございますので、そういう問題を具体的な問題として検討する段階には至っていないということでございます。
○上野委員 お役所の方々の答弁はどうもわかりずらいのです、私の頭が悪いせいもあるかもしれませんが。もっとはっきり物を言ってもらいたいのですよ。それはもう、わからないと言ったって大体わかりますよ。予算編成の段階にもうそろそろ入っているわけでしょう。その前段にあるわけですから、そんなにわからないわけはない。地方税が少しはいいらしいという話も聞いています。いいらしいと言ったって、地方自治体にはいっぱい借金がある。今度の補助金のカットその他も含めて地方財政がいいわけはないですよね。しかも、地方交付税の欄にもちゃんとあるように、第六条には、三税の三二%という枠がちゃんと法律で決まっているのですね。それがもし足りない場合にはその三二%を上げることもできるのだとちゃんと法律に書いてある。そういうことがありながら特例減額とかそういうものを持ち出すというのは、これはどう考えても法律的には成り立たないのじゃないですか、理論的にはどうか知らぬけれども。あなたの言っていることは、法律上はどうなのですか。そのことを明確にしてください。
○田波説明員 先生御指摘の地方交付税法六条の三第二項というのがございまして、要するに交付税の総額というのが、三二%で計算した場合ですけれども、実際の収支不足と非常に異なる場合には「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」という規定があることは御指摘のとおりでございます。そこで、先ほど申しました五十九年度の改正、いわゆる特例措置というのは、ここで言うところの「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」、そういうものであるというふうに位置づけられているわけでございます。
○上野委員 そこで、自治省に明確にしていただきたいのは、いろいろな難しい情勢があるというようなことを言っていますが、この地方交付税の特例減額について、もし大蔵省がそういう方針を明確に出してきたら、自治省は一体どういう態度でこれに臨もうとするのか心自治省は地方自治体を育成する、あるいは守る立場にあると思いますけれども、そういう立場からいうと、これは今の地方自治体の借金その他を考えますと、税収が少しぐらいよくなったからと言ったってこういう減額にとても応じられる状態にないのが現実だと思うのですけれども、自治省はそういうことに対してどう考えるのか。それから、こういう新聞記事が出た場合に自治省はどういう対応をしたのでしょうか、そこら辺も聞かせていただきたいのです。
○石山(努)政府委員 地方財政の現状につきましては先ほどお答えいたしたところでございますけれども、交付税特会における借入金残高が五兆七千億近い、その他の借入金を含めますと、昭和六十年度末において五十六兆円にも上る借入金残高を抱えておりまして、私どもとしては地方財政の現状は非常に厳しいものがあるという認識をいたしているわけでございます。そういうことの関連から、基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、こういうような財政の現状から考えまして、交付税総額の減額をできるような状況にはない、こういう認識をいたしております。
○上野委員 そういう今の自治省の態度で少し頑張ってもらいたい。特に最近のいわゆる行政改革は、どうも地方自治体に国家財政の赤字の分を肩がわりさせるようにだんだん傾いている、そうとしか受け取れないような状態でありますので、この際自治省は少し頑張ってもらわなければならぬだろう、こう思います。 そこで、せっかく大蔵省おいでになっていますからもう一度お伺いしますと、そうすると、この新聞記事は誤報である、こう考えていいのですね。 そこで、さらに地方財政との関連では、地方債の許可の問題が最近厳しくなっていると思うのです。地方自治法によると、「地方債を起し並びに起債の方法、利率及び償還の方法を変更しようとするときは、当分の間、政令の定めるところにより、自治大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならない。」こうあるのです。起債の制限を全部野放しということを要求しているわけじゃありません。しかし、余りにもこの起債について許可を厳しくやり過ぎている。ところがこの法律によると「当分の間」とあるのです、この法律が決まったときに。「当分」というのは一体どのくらいのことを言っているのでしょう。私どもの常識では、拡大してもせいぜい数年じゃないでしょうか。どころが「当分」が三十年も続いているのです。これは前から我が党の議員の方々からも指摘があったと思うのですけれども、さっぱり改まらない。これは後藤田長官にも自治省の答弁の後にお聞きしたいのですけれども、幾ら何でも「当分」というのが三十年にわたる締めつけというのは無理じゃないですか。だから、やはり法治国家なんですから、ある法律は守っていく、そういう中でもしどうしてもだめなら法律を改正して、国民の理解を得た上でやらなければならぬ、こういうことだと思うのです。後藤田長官は一昨日の質疑の中でも、どうも頼り過ぎる、それから地方自治体に対する不信がある、金を渡せば何に使うかわからないというようなことを言われた。ところが国は、一方でこういうふうに法律で明記されているのに、これを拡大解釈してやっている。それから地方債、せっかく何か自治体でやりたいと思うと、何をやるかわからないということで締めつけていく。地方自治体はそれぞれ議会を持っているわけですから、議会で議決したらこれは素直に認めるなりそれに協力するというのが中央のあり方でなければいかぬだろうと思うのです。一つの例としてこの地方債の問題を挙げましたが、こういうものに対してどうお考えか、少し考え方を聞かせていただきたいと思うのです。
○柿本説明員 お答えいたします。 地方債許可の根拠になります地方自治法二百五十条に「当分の間」という規定がございます。「当分の間」という用語の使い方といたしましては、私どもといたしましては、不確定な期限を示す一つの法文形式だということで、必ずしもそれが、当然に短い期間とは限られないという考え方をとっているわけでございます。 ただ、御質問は、「当分の間」という規定が置かれて三十年余にわたってまだ行われているではないか、こういう趣旨かと思いますが、これはやはり地方債の許可制度が存在している理由、趣旨、先生よく御承知の上で御質問かと思いますが、三千三百ございます地方団体の財政の健全性とかあるいは財源の確保、あるいは団体間にかなりの財政力の格差がございますので、どちらかといいますと財政力の低い団体に良質の資金を調整して配分するとか、あるいは辺地、過疎のような特殊の地域的な要件を持ったところには手厚い対策をするとか、こういう面でそれなりの許可制度の存続意義があり、また、この二百五十条の規定ができた当時の財政状況、金融情勢が現在でも変わってないということでなお存続する必要があるかと考えております。 ただ、かといいまして、許可に際して地方団体の事業に細かくいろいろ口を差し挟むということではなくて、自主性を尊重するためにワーク配分をするとか事務を簡素化するとか、こういうことで従来から出されておりますので、五十三年度以降特にワーク配分あるいは簡素化を強力に進めまして、例えば普通会計債でございますと、市町村の普通会計債は現在九割以上がワーク配分になっております。そういうできるだけ地方自治体の自主性を尊重した形で地方債制度の適正な運用を図ってまいりたい、こういう形で運用の改善に努力しているわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○後藤田国務大臣 現在の地方債の許可制度についての法の「当分の間」という法令用語の使い方、またなぜ許可を依然として続けておるかといったようなことについては、自治省からお答えしたとおりであろうと私は思います。ただ、一般論としまして、「当分の間」が二十年も三十年も続いているというのはおかしいではないかというのは、私はごもっともだと思うのです。 現実の問題としては、例えば例の地方事務官制度は私が若いときに筆をとったのです。いまだにそれが続いていて、もうこれは四十年近いのですね。だから、こういうところまで来れば、やはり用語の使い方としてもまた制度の運用としても、きちんとすべきものはきちんとしたらいいではないか、基本的にはそうでなければならぬ、私はそう思うのですね。そういう意味合いから、地方事務官制度についても改革案が出ておる。 そうすると、起債の問題についても余りにも長過ぎるのではないか、こういうことですが、むしろこういうものは、お互いの信頼の上に立って、任すべきものは任せていいと思います。起債の問題というのは、むしろ「当分の間」というものをやめて許可制度にしておいた方がベターである。地方に全部任せるといいますと、なるほど地方は行政能力も上がっておりますし、むちゃをするとは思いませんけれども、やはり金融市場全体との関連その他も国としては見なければならぬ立場にありますから、「当分の間」ということがいけなければ、むしろこれは許可制度にした方がいいのではないかな、私はそういう考え方でございます。
○上野委員 大蔵省の方は、この新聞は誤報だということでよろしいですか。 それでは地方債の問題ですが、どうも自治省の言い方は無理がありますよね。今、後藤田長官は、三十年も「当分」というのは無理だ、こうおっしゃっておる。しかも、なぜそういうことを言うかというと、この法律の「当分の間」というそのことだけを言っておるわけじゃないのですよ。金を借りる、地方債を起こすのに膨大な資料が必要なんです。これは大変なんです。これほどむだなものはないのですよ。これは金が必要かどうかということはちょっと検討してもらえばわかることで、それを地方自治体が起債の許可を受けるためにはもう本当に何回も足を運ばなければならぬし、資料も膨大なものが要求される、そういうことが問題なんです。だから、地方と国との関係その他を考える場合に、こういう問題を解決しないでいかに行政改革と言ったってこれはだめですよ。本当の意味の行政改革にならない。安上がりの行政なんてとんでもない話で、本当に行政に金がかかるのは実はそういうところなんです。むしろ国の態度、姿勢から金がかかる行政になっている。極論ですけれども、そう言っても怒られないぐらい問題点が多いのです。そういう意味で地方債そのものも、もっと簡単に金を貸すような体制をとらなければいかぬではないか、こう思います。 それから、「当分の間」というなら「当分の間」は終わったのだから、自治省は不確定の間なんてことを言っていますけれども、何が不確定ですか。不確定というなら全部不確定ですよ。世の中には確定したことなんて何にもありゃしない。そういう意味で、やはり法律を守るというのが中央官庁の姿勢であり政府の姿勢でなければならぬと思いますから、そういうことも含めて、後藤田長官には、これから変えるポイントの中にひとつ入れておいていただきたい、こう思います。 そこで、交付税との関連においては、最近何か難しい問題が起こるとほとんど地方交付税でいろいろ措置をします、こういう話が多いのですね。地方の鉄道の問題から、半島振興法の問題もそうですし、改めていろいろな仕事をやらなければならぬということになると、あるいは行革の中でも出てくるいろいろな仕事があるわけですけれども、そういう中ではどうも地方交付税に頼るような話が非常に多いのです。きょうはほかのこともありますので、時間がありませんから深くは言いませんが。ところが、この地方交付税だけは三二%に依然として抑えられている。抑えておきながら、何かあると地方交付税で措置します、こういう答弁が非常に多いのです。 自治省にお伺いしたいのは、地方交付税について先ほどから私が言っていますような三二%という枠、この枠で物を考えないといかぬのじゃないだろうか。借金をしたりいろいろなことで足りない金の埋め合わせをしておるようでありますけれども、地方交付税の枠の三二%というのを自治省としては何とか拡大してもらいたいという気があるのだろうと思うのですが、その辺はどうでしょうか、もっとはっきり考え方を聞かしてもらえませんか。この三二%でやりくりしているのもそろそろ限度に来た、こういうことじゃないのでしょうか。きょうはせっかく大蔵省もいらっしゃいますし、これからの行革の件では主導的な役割を果たされる後藤田長官もいらっしゃるわけですから、この辺のところの自治省としての考え方をはっきり出しておいていただきたい、こう考えます。
○小林説明員 交付税の率につきましての御質問かと思いますが、我々が地方財政計画を組みまして、それから各省がいろいろな施策を講じまして、補助金制度あるいは国庫負担金制度ができまして、地方負担を伴う場合にはどうしても交付税の基準財政需要額で措置する、それによりまして各地方団体の財源を保障いたします。また均てん化もいたしまして、円滑に行政が執行できるようにしているわけでございます。 ところで、この率の引き上げというような趣旨の御質問かと思いますが、現実問題といたしまして今の三二%を引き上げ得るような状況にはございませんで、最近の例で申し上げますと、我々が財政計画を通じて過不足を計算いたしまして、不足を生じた場合には特例加算をしていただくというようなことをしてきておるわけでございます。 今後におきましても、個々の事務とかその他につきまして地方にやってもらうとか、そういうような話が出てくると思いますが、その際に、すべて国から地方への財源の移譲ということに結びつくことにはならないわけでございまして、全体といたしまして、地方が必要とする財源の確保につきましては地方財政計画等を通じまして適切な対策を講じてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○上野委員 実は自治省は、これはほかの官庁と横に並んでいる一つの省庁ですからやむを得ない点もあるのかもしれませんが、このたびの補助金一割カットなんかも、やはりあれは幾ら何でも困るという形で断固とした姿勢が自治省にあってしかるべきだったと思うのですが、残念ながらそういうものはなかったために地方財政に大きな影響を与えた、被害を与えた、こういうことになったのだと思うのです。ですから、私が要望しておきたいのは、自治省は地方自治体の今日の状態、それと国との関係などを含めてもっと積極的な方針を出して、正しい意味での、行政に金がかからない、あるいはこれから目指さなければならぬ権限の地方への移譲、こういうものをもっと積極的に図るべきだ、こう思います。したがって、ぜひ自治省の大臣も含めてそういう意見があることを反映をさせていただきたい、こう要望をいたしておきます。 次に、地方との関連において、権限の移譲の中で、私はもっと積極的にやるべきだという意味で、一つの方向といいますか、一つの事例を申し上げて考え方を聞いておきたいと思うのですが、実は運輸省の関連の中で、例えば地方のタクシーのいろいろな許可ですね、個人タクシーの問題とか、とにかく一地方の問題、限られた問題の中で、バス路線もありますし、いろいろ地方鉄道との関連、こういうものについては、地方の交通審議会などを含めてなのですけれども、知事に権限を移譲してもいいのじゃないだろうか。そして、それぞれの地方に見合う運賃などもあっていいのじゃないか。タクシーは何段階に分かれているか知りませんが、二つぐらいですか、地方に行くと少し安いですが、そういう運賃の差はありますが、余り変わりない。それで、上げるときも一斉に上げてしまうんですね。ところが、例えばタクシーなんかで運賃が上がったとき、その直後に聞いてみますと、乗客が減って困ると運転手は言っているわけです。しかも上がった分については、タクシーの運転手さんの取り分とそれから会社側の取り分の関係などでいつもごたごたする。そういうことで、必ずしも地方の実情が細かくわかった上で料金体系が決められるということでもない。これは運輸省はかなりいろいろな事情を調べているとは思いますけれども、やはり一地方のタクシーとかバスなんかの問題については権限をもっと移してもいいのじゃないか、こう考えられます。 それから、個人タクシーの許可認可についても、やはり足りないと思われるところには許可してもいいと思われる点がいっぱいあります。ところが、一方ではアンバランスがあって、非常に多くタクシーのあるところもあればほとんどない場所もある、こういう状態が今あります。それらのことを考えますと、運輸省の中で、地方におけるバス、タクシー、あるいはこれから地方鉄道というものがかなり第三セクターも含めていろいろ出てくるわけですけれども、ここら辺に対するいろいろな指導の問題についてはもっと地方に移すべきだ、こう考えますが、この点はどうでしょうか。 それとの関連で一つ例を申し上げたいのは、いかに地方の問題との関連でマイナスになっているかと申し上げますと、これは私どもの千葉県の成田空港ができた際に、成田新幹線というのを運輸省は考えまして、そして成田空港の地下に駅をつくったんですね。ところが、成田新幹線は現地の実情を無視してありますから、これはとてもできっこないです。もう町の真ん中を走らせるなんという状態、土地の購入だけで何百年もかかりそうな話ですから、これはできっこない、もうつぶれました。つぶれたけれども、駅だけは残った。鉄道は駅だけじゃどうにもなりませんから、これは大変な赤字になって、今建設費が五百七十九億円、そして利子が二百六十六億円、合計八百四十五億円というお金をむだ遣いしたわけです。もちろん今もありますよ、駅は。真っ暗な中に存在はしています。使われていない。しかも、これは維持しなければならぬものだから毎年一千万の金がかかるのです、維持費だけで。ところが、いつこれを利用しようとするのか検討中だ、検討中だという話は聞くけれども、さっぱりやられていない。このことは、運輸省の運輸行政がやはり地方の実情を無視した一つの立派な例だと思うのです。立派というのは、やったことが立派という意味ではなくて、例としては立派だという意味でありますが、そういう例があります。 こういうことなどを見ましても、運輸行政というものが、地方自治体なり地方のローカル性をどうも軽視をしておる。余りよく考えないでやっているからこういうことになるのだ、こういうことだと思うのです。だから、一方ではぎゅうぎゅう地方自治体の財政を締めつけながら、一方では八百四十五億もむだ遣いをしている。 そして、この間、実はほかの委員会で、京成のスカイライナーという空港の足になっている鉄道がつくられました。それで、これは今でも余り多く乗っていないのですけれども、もうほかの車を全部ストップさせて、びゅうんと飛んでいくわけですね。中間にストップさせないで成田空港駅から上野まですっとばすのです。これによってどれだけ踏切が閉鎖されるかわからないのですけれども、しかしこれは運輸省の要請で京成がやった。しかも、空港が使えるようになるまで時間がかかったんですね。京成が命令どおりやったら、その期間が何年間かかかった。その間、空車をぐるぐる回していなければ鉄道が腐ってしまいます、それから車もおかしくなりますから、京成は赤字なのですけれども、赤字の原因はこれも一つあるのです。ところが京成は、もっと乗客を乗せる可能性はあるのですけれども、京成の駅は空港から離れたところにあるんですよ。あいている、使わない駅になぜ入れてやらないのかとこの間、申し上げたのです。やらなかった。そして八百億もかかったものが眠っている。維持費に年間一千万もかかっている。こういうことなんですね。なぜ京成を駅に入れないのだと言ったら、新幹線の方で使うつもりでありました、こう言っているのです。そんなできもしないことをやっている、こういうことなんですね。そういうことで運輸行政も、もちろん全国にまたがるような問題、二つの県にまたがるとかそういう問題については、すぐ地方に移譲するなんということはいろいろと難しいでありましょうけれども、ローカルに限られた問題については権限を移譲して、県にもっと責任を持たせてやるべきじゃないのか、こういうことでありますが、運輸省並びにこういうむだ遣いについて後藤田長官はどう考えておられるか、せっかくですからお聞きしておきたいと思います。
○熊代政府委員 お答え申し上げます。 まず、先生御指摘の事例の一つとされました成田の新幹線の問題につきましては、一つは、新空港をつくらなければいかぬ、それのアクセスとして、当時の事情としては新幹線をということで始まったことは事実でございます。 それで現在、先生御指摘のように、京成は少し手前のところに空港駅があり、そこからバスでさらに今のターミナルに行くという輸送が行われている。第二期工事で新しいターミナルができますと、現在の駅がちょうどその中間ぐらいになるということであります。京成につきましては、単純に今ある駅に乗り入れることにつきましては、かなり手前の辺から線路等の移設を行わなければいかぬという、工事費がかなりかかるという問題がございまして、現在、運輸省といたしましては、いわゆるBルートといいますか、京成から北総住都公団線、それから空港へ入るというのを長期的な成田の高速鉄道によるアクセスということで、鋭意検討を進めているところでございます。 それから、バスあるいはタクシーの権限を地方にという問題でございますが、この点につきましては、我々としまして、地方の交通についてはできるだけ地域の実態を反映させて総合的にやるということで、御承知のように私が所属しております地域交通局というものを昨年の七月に発足させまして、あわせて地方も陸運局、海運局を一緒にしまして、地方の運輸局ということで発足したわけでございます。 自動車輸送関係の事務につきましては、昨年の陸運関係の地方事務官制度の廃止のための道路運送法等の一部改正法におきまして、輸送監理行政事務についても、車検登録といった安全行政とともに国の事務とするということで整理がなされ、バス、タクシーだけではございませんで、トラック関係もやっております全国で二百八十二人の輸送監理に従事しております地方事務官を国の事務官として、陸運支局という格好で、各県の陸運事務所を国の直轄機関ということにしたわけでございます。 基本的にバス、タクシー等につきまして、地方鉄道等との関連を含めて、先ほど申し上げました地域の実態を踏まえて総合的な交通政策を推進するという観点から調整をする必要がある。一県内という単純なだけには済まない問題がある。それから、自動車の広域的な活動に対応する。あるいは安全保安行政との一体性を確保する。あるいは、先ほど申し上げましたように二百八十二名という県単位の職員でございまして、これを一県当たりにしますと五人程度の人数でやっていたわけでございます。そういったような事情を考えますと、地方公共団体に移譲することについてはいろいろな困難な問題が多いというふうに考えておりますけれども、この旅客自動車運送事業に関する事務につきまして、昨年来進めております事業規制のあり方の見直し等を含めてさらに検討してまいりたいと思っております。先ほど総務庁長官からもお話がございましたように、臨時行革審の方でも検討を進めていただいておりますので、我々としてもそれにあわせて検討を進めてまいりたいと思っております。 なお、地方公共団体の意向を地域交通行政に反映させるという観点から、地方交通審議会の活用を、常設の府県単位の部会をつくるとかあるいは地方運輸局の企画部というものをつくりまして、そこに地域振興課といったような課をつくる、あるいは企画課といったような課をつくってございまして、特に都道府県を中心とした地方公共団体の交通に対するいろいろな意向の把握に努め、関係の強化を図ることによって、先生御指摘のような地域の実態の反映の仕方が薄いという問題については、今後我々として努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○後藤田国務大臣 私は、個別の問題については実情を詳細に承知いたしておりませんが、御質問のような点は耳にはいたしております。それらについては、ただいま運輸当局からお答えがありましたように、これはやはり早急に改革措置を講じていただくべきものであろう、私はそう考えます。 もともと運輸省という役所は、大体許認可官庁と言われるくらい許認可中心で運営しておられた。しかしそれではいけないということで、先般、政策官庁への脱皮ということで、一番各省の中で政策中心の役所に衣がえをした役所でございます。その線に沿って運輸省においても役所の性格そのものを変えていこう、こういうことでせっかく努力をしておるところでございます。そして同時に、今度行革審も許認可権限、つまり規制緩和という中で、運輸行政の見直しということで、運輸省等からもヒアリングをしながら、七月の答申の中でそういった点についてもいろいろな改革意見が出ると思いますので、その上で政府全体として取り組んでいきたい、かように考えております。
○上野委員 時間がなくなってまいりましたので、もうちょっとその点を突っ込みたいのですけれども、最後の問題に移りたいと思います。 実は、今度の改正の中に水質汚濁防止法二十一条の改正があります。これは水質審議会を公害対策審議会に含めてしまうということでありますが、これはいろいろな問題点が含まれていると思いますので、この際お尋ねをしておきたいのですけれども、まず、この水質審議会はこれからも重要な役割を果たすと思うのです。公害対策の関係だけは簡素化したり省略してはならぬのだと私は思うのです。ところが残念ながらそれが出てきている。 現に、図面をちょっと持ってきたんですけれども、(図面を示す)これは半導体の工場、それからこの赤い丸はテクノポリスなんです。この半導体の工場は、主要なものだけで百六十社あります。そして、さらに簡単なものを入れますと地図がもう真っ黒になるのです。ですからこれは主要なものしか書いてありませんが、この半導体の産業、半導体は産業の米だあるいは産業の石油だと言われるわけです。大変クリーンなもので無公害だということで、政府が盛んに進められるテクノポリス、技術集積都市と言うのだそうですけれども、このテクノポリスの中核になっているわけですね。これは無公害、クリーンだというふれ込みなんですけれども、ところがこのICの製造などの工場については、確かにそれ自体はきれいな空気と水が必要なんですけれども、しかしそうだからといって製造工場がきれいだとは限らぬのです。そのことでは大変大きな問題が出ております。例えば地下水が汚染をされる。これはアメリカなどでは大変なことになっております。カリフォルニア州の調査なんですけれども、ほかの職種に比べてこの工場で働いている人たちの病気が三倍になっているのです。それから、IC工場から猛毒の廃液が出て百三十人死亡しているという情報もあります。広く地下水を汚染をしているということなんで、アメリカなどでは大変なことになってきております。これは日本でも、前に兵庫県で報告が出されています。一九六七年からは十四件の事故、八人の死亡者が出ているということであります。ところが兵庫県は報告を非常におくらしておるということで、この半導体の工場、有害物質のいろいろな種類その他を含めて、きょうの法律との関連では水に絞りますけれども、水が大変汚染をされるという状態がある。 この監視体制あるいはこれに対する公害対策の体制が環境庁は大変弱いと思うのです。弱い上に地方における水質審議会をやめるということについては私はどうも納得がいかないのですけれども、この点についてはどうお考えであるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○杉戸説明員 お答えいたします。 先生の御指摘をいただきましたように、水質の安全性の確保は非常に重要なことでございまして、私ども全く同じような意見を持っておるものでございますが、都道府県に公害対策審議会が設けられておりますが、そのほかにもう一つ、水質汚濁の防止に関します重要な事項の調査・審議を行う水質審議会が必置されておることは先生御案内のとおりでございますが、この二つの審議会はかなり構成員が重複している場合もございます。また、その二つの審議会が合同で開催されるというような事例もかなりございます。そういったことから、簡素化とか合理化を図るというような余地も残されておったところでございます。 さらに、水質汚濁防止法は昭和四十五年に制定されておりますが、それ以来各都道府県におきましてはかなり経験の蓄積がございまして、審議会におきまして水質汚濁問題の処理を定型化するというようなこともなされてきておるところでございます。そういったことから、この水質審議会につきましては必置するという必要性は若干薄れてきているところでございます。 今回はこういう状況を踏まえまして、地方公共団体に対します整理合理化を図るという見地からの答申を私どもとしては尊重いたしまして、そして一元的にこのような調査・審議を行うことができるようにするための施策でございますが、環境庁といたしましては、先生御指摘のように、水質問題というのは大変重要な時期にも差しかかっております。今回の統合によりまして後退することのないように必要な措置、例えば必要に応じて部会を設けるとかそのようなことをいたしまして、水質保全対策が今後とも円滑かつ適切に行われるように努めてまいりたい、かように存じておるところでございます。 IC、先端産業関係の半導体工場から排出いたします汚水によります地下水の汚染問題につきましては、私どもも大変関心を持って取り組んでおるところでございます。これは昭和五十七年度から五十八年度にかけまして、環境庁では全国の十五都市で千三百六十本に及びます井戸の水質調査を行ったわけでございます。その調査の内容は、このIC工場などの関連もございます有機塩素系の化学物質を中心に広く調査をいたしたところでございまして、その結果はかなりの汚染なども確認されておるところでございます。 そこで、環境庁では、五十九年度から引き続きまして地下水の汚染機構の解明など多角的な調査検討に取り組んでおるところでございます。
○上野委員 時間がなくなりましたので、最後になりましたが、この問題は一方で対策をいろいろやらなきゃならぬ段階に新しく入ってきているわけですね。ところが、それなのに、審議会は今までやっておったものを削ってしまう。ダブっておったり同じ人がやっておるというなら運営の仕方を改めさせればいいのであって、この審議会は非常に重要な役割を果たしておると思うのです。そういう意味で、実は私も県会議員のころに委員をやったこともありますが、専門家を集中的に集めたり何かするには非常にいい機構なんですね。特にこのICとの関係では関係省庁とのこれからのいろいろな連携プレーも求められますし、それから取り締まり法規の整備もやらなければならぬ。けさの新聞にも明らかになっていますけれども、千葉県では今館山に進出したのが、この排水を工場の外に一切出さないで工場内で処理をする、こういうことでこの問題に取り組まれている。それを全国に及ぼさなければならぬと思うのですね。 そういう意味で、環境庁はこの問題については大変立ちおくれているのに、一方でこの審議会などを減らすというのは間違いだ、私はこう思います。今後、そこら辺のことも含めて万全の対策でこのICの汚染問題に取り組んでもらいたいと要望いたしまして、質問を終わらせてもらいたいと思います。 どうもありがとうございました。
○中島委員長 上原康助君。
○上原委員 最初に少しお断りをしておきたいのですが、若干法案についても冒頭にお尋ねをする予定にしているわけですが、きょうはどうしてもお尋ねをしなければいけない案件がありますので、後で時間に余裕があれば法案関係についても二、三点お尋ねしたいと思います。 そこで、法案と全く関係ないということではないわけですが、後藤田長官の関係することですので、最初に国土庁、それから沖縄開発庁、北海道開発庁の統合問題について少しばかりお尋ねをさせていただきたいと思うのです。 経過については細かく申し上げませんが、臨時行政調査会の基本答申の中でも、昭和五十七年七月でしたか、このことについては触れられておったわけですが、いわゆる沖縄の特殊事情というようなこともあって統合は当面見送ることとしたいというのが私どもの理解でしたが、最近臨時行政改革推進審議会の内閣機能等分科会において、にわかにこの問題がまたクローズアップしてきているやに聞いております。 そこで、最初にお尋ねしたい点は、後藤田長官は、たしか去る一月二十一日の参議院の決算委員会において、国土、沖縄、北海道の三庁の統廃合については中期の課題であって、中央省庁の統合が行革の目玉ではないという趣旨の御答弁をなさっておられると思うのですね。今もそのお考えに変わりはないのかどうか、まずその点を確かめておきたいと思います。
○後藤田国務大臣 行革の中で中央省庁の統廃合は一つの課題でございます。とりあえずは総務庁が昨年七月発足したわけでございますが、これで全部が終わりというわけではありません。それ以外にもいろいろ論議をせらるべきものもあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、御質問の国土庁等三庁の統合問題、これについては五十八年の行革の御答申を受けて、政府としても方針を決めまして、とりあえずは今三庁の連絡会議等で事務の総合調整、これをやっておりますが、現在は行革審でやはりこういった問題を御検討なさっていらっしゃるように聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、私は当面直ちに国土三庁の問題が課題になってくるというふうには考えておりません。 というのは、やはり御質問の中にございましたように、それぞれ地域に特殊性がございますから、それらを踏まえながら慎重に検討していかなければならぬ問題である、かような理解をいたしておるわけでございます。
○上原委員 そこで、指摘をするまでもないわけですが、北海道開発庁ができたのはたしか昭和二十五年ですよね。沖縄開発庁四十七年、国土庁四十九年でしたか、こういった設置経過もやはり判断に要する一つの材料にすべきだと私は思うのですね。確かに行政の簡素化ということと、いろいろな面で引き続いて推進をしていかなければいけないという点については、私たちもこれを否定するものではないわけです。だが、行革審の内部討議という中で、国土庁等三庁の統合問題について、主管大臣を一国務大臣に兼任をさせて統合すべきだ、しかもその目安というか目標として、現在の沖縄振興開発計画、第二次振計の最終期、昭和六十六年を目途とするという、具体的な統合日時を設定をしたような形でやるということは、いささか行き過ぎの面が私は感じられてならないわけですね。しかも事は、今も申し上げましたが、沖縄の特殊事情とか、あるいは北海道開発庁が設置をされた昭和二十五年から見て、そこには二十二年の経過がある、時間的に見ても年月を見ても。私が重視をしたいことは、しかも、この行革推進審議会の内閣機能等分科会においてこの問題が議論をされているということなのですね。一体、きょうは大臣はお一人しかいらっしゃらないし、しかも行革問題等について担当でありますので、——基地問題などあるいは第一次振計も七割程度しか達成し得なかった。また、第二次振計にしましても相当その進捗状況というものはおくれをとっている。まだ三年次、ようやく四年次に入ろうとする段階ですが、第三次振計も考えなければ、本土との格差の是正どころか、自立経済基盤の確立というものはなかなか容易でない。こういう状況の中で、具体的な目安を決めて統合問題が行革推進という立場で進められようということには、県民は挙げて非常なショックと、内閣機能強化というような立場でやるというのは、やはり今の中曽根内閣が沖縄開発庁を切り捨てるのか、そういう反発さえあるわけです、率直な県民感情として。そういう面を含めて、これは今後いろいろ議論が発展をしていくと思うので、行革の担当大臣として、また有力な閣僚のお一人としてどのような所見をお持ちなのか、改めて決意というか所見をお伺いをしておきたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 北海道開発庁は御承知のように昭和二十年代、当時の日本として、将来開発の可能性の一番大きな地域は北海道であるといったようなことで、特別な国の配慮を必要とするということで設置をせられて今日に至っておる。それから沖縄開発庁は、沖縄の本土復帰に伴って、長い間占領下にあり沖縄県民に大きな負担をかけておる、しかも返還後といえどもたくさんの軍事基地を抱えておる、こういった特殊な事情があるので、国としてやはり沖縄の開発という面に政府全体で取り組まなければなるまいということで置かれた。国土庁は、国土全体の総合開発計画を担当させるという意味で四十九年に設置をした。それぞれの背景があって設置をされて今日に至ったわけでございますけれども、やはりこういった開発関係中心の役所については統合を考えるべきであろうといったようなことで、第二臨調等でも議論があり御答申があったわけですね。 しかし、さればといって、それじゃ今直ちにこれをやるべきかどうかということになると、やはり今日までこの三庁が果たしてきた役割、それがどこまで推進しておるのかどうか、それをそのまま三つ置いて進めるのがいいのか、むしろ一つにしてやるのが実績が上がるのか、そこらは総合検討を踏まえながら、私は第二臨調等でも御審議があり、そしてそれを受けて今日行革審が検討なさっておるものである、私はそういうふうに理解をしておるのですが、内閣部会でなぜやっているのだ、こういうことになりますと、御案内のように、この三庁いずれも総理庁の外局なのですね。そういったようなことで、検討なさるとすればやはり内閣部会で行革審としてはやらざるを得ない、こういうことであろうと思います。 いずれにいたしましても現在審議中でございますので、それらを受けて政府としては、この問題は、先ほどお答えしたように、私はやはり、直ちに私どもとして着手しなければならない問題とは考えておりません。これはやはり三庁の置かれた経緯、それからそれぞれの地域の特殊性、そして利害得失、これらを慎重に判断をした上で取り組んでいかなければならぬ、かように考えております。
○上原委員 なかなか慎重な言い回しのようですが、今直ちにというお考えではないようですが、改めて、例えば北海道開発庁を統合するということでも、北海道挙げて反対をしているわけですね。だからなかなか行革は難しいのだと言われればまた別の議論になるわけですが、臨調答申が出た段階において与野党国会議員、道議会、道内経済団体、マスコミ等が挙げて統合に反対しており、特に道内各市町村議会においては二百十二議会全部が統合反対決議を行っておるわけですね。二十五年にできて昭和六十年、三十五年経過しても、北海道はこの北海道開発庁を統合することに道民挙げて反対という意思表示をしているわけですね。これを見ても推して知るべしで、復帰後まだ十三年しかたっていない。後で、今度の那覇空港における事故等についてもお尋ねをしながら、大臣の所見も聞いておきたいわけですが、こういう面からしても、私は何も沖縄開発庁の肩を持つとかそういう気持ちは毛頭ありませんが、やはり自分の郷土をどう平和で豊かな郷土づくりをするかというのは、それぞれお互いに国政を担当する議員であっても、まず第一に自分たちの郷里を考えることは人間の人情だと思うのですね。そういう面からしても、今の行革推進の中でこれが進められていることはいささか県民の期待を裏切る結果にもなりかねない。したがって、これから時間があればいろいろ具体的な例を挙げてお尋ねをするのがよりわかりやすいかもしれませんが、きょうはその余裕がありませんので、少なくともそういった特殊事情というもの、あるいは北海道と対比をしても、沖縄開発庁が今仮に統合された場合、人的にも予算確保の面においても沖縄振興開発計画に大きなブレーキになることは間違いない。それはまた、言葉は変な言い方になるかもしれませんが、第四の琉球処分に匹敵するような沖縄に冷たい態度、政治的仕打ちをやったということになりかねませんので、その点は篤と御留意をいただいてこの問題には慎重に対処していただきたいと思いますが、くどいようですが改めて所見をお聞かせいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 行政機関で特定地域だけを対象にした役所をつくれば、これの改廃ということになると、各地域いろいろ反対が出ることは当然予想しておかなければなりません。といって、それを無視するわけにはもちろんいきませんが、同時にやはり、国全体という立場に立っていずれがベターかということは、政策の判断としてまた別個の観点でやらなければならぬ、こう考えるわけでございます。これは一般論ですね。 しかし、三庁統廃合を今直ちにやるのかということになると、私は、先ほど言ったような観点に立って慎重な配慮をしなければならぬ課題である、かように考えております。
○上原委員 これはまた、いずれ沖特委やいろいろなところで議論をする機会もあると思いますので、特に今回、にわかにこの問題が出たことについては、県民の相当強い不満と反発が出ていることはぜひ政府全体として受けとめていただいて、対処をしていただくことを強く要望をしておきたいと思います。 そこで次に、きょうは内閣委員会でもありますので、どうしてもこれはお尋ねしておかなければいけない事故といいますか事件がありますので、その点から入りたいと思うのです。 今の開発庁存置問題とも関連するわけですが、最近、防衛施設庁というか防衛庁あるいは政府は、沖縄の軍事基地が日本全国に占める比重というものを数字的に大分低く抑えようとして、実質的には依然として日本全国の五三%、専用基地の場合は七五%あるのだが、北海道その他で日米の共同使用がふえたということで、三四%とか四四%とか、五割以下に抑えてきているわけです。しかし、沖縄の基地が減ってそういう状態になっていないわけです。まさにこれは数字のまやかしなんだ。後藤田さん、沖縄開発庁を統合するのならまず基地をなくしてもらってから、それなら話はわかりますよ。基地はどんどん強化をされて、県民の生活とかかわりのある問題はどんどん細っていく、これじゃ納得できない。そういう背景があるので、今度の那覇空港における事故も起きているわけです。 そこで具体的にお尋ねしますが、五月二十八日に発生した那覇空港滑走路上における全日空機と自衛隊機の接触事故については、一体どうしてこの事故が起きたのか、まずその点から運輸省、防衛庁それぞれ御説明をいただきたいと思います。
○星説明員 民間機と自衛隊機との接触事故につきましては、行政機関といたしましては、運輸省に置かれております航空事故調査委員会が事故原因の究明に当たることになっております。航空事故調査委員会といたしましては、事故発生の通報を受けましてから二名の航空事故調査官を現場に派遣いたしまして、現在、その調査官が現場において調査中の段階でございます。調査の結果はまだわかりません、現在調査中の段階でございます。
○大高政府委員 お答え申し上げます。 まず事故の概要でございますけれども、六十年の五月二十八日の午前十一時十四分ごろ、那覇空港の滑走路の北端から八百メートルの地点で、航空自衛隊の航空救難団の那覇救難隊のMU2型機でございますが、これが誘導路から滑走路上に出ようといたしまして、着陸してまいりました東京発の全日空ボーイング747型機と接触したというものでございます。 この事故によりまして、MU2の右チップタンク上面の中央付近、それからボーイング747の左エンジン下部に損傷が生じたわけでございますけれども、B747の乗員十八名、乗客二百四名、それからMU2の乗員四名、これは無事であったということでございます。 当日、事故機の所属いたします那覇救難隊におきましては、洋上に目標を設置いたしまして、MU2とバートル107型各一機を組み合わせまして、捜索救助を行う訓練を実施する予定でございまして、十一時ごろ訓練を開始したわけでございます。 事故機は、十一時三分ごろタワーと交信いたしまして、タワーに対しましてタクシークリアランスとスペシャルVFRクリアランスを要求いたしました。タクシークリアランスが出ましたので、このMU2はタクシーウエー、E2でございますが、この入り口まで行きまして、ランウエー手前で停止をしておった。そこで、タワーからスペシャルVFRクリアランスが出ましたので、事故機操縦士はこれを復唱しましてランウエーに進入、結果的にB747と接触したということでございます。 原因につきましては、ただいま運輸省の方から御説明がございましたように、現在運輸省におきましても航空事故調査委員会で調査中、また自衛隊につきましても自衛隊自体の航空事故調査委員会、これを派遣いたしまして調査をいたしておるわけでございますけれども、MU2の操縦士が特別有視界飛行の許可を離陸の許可というふうに勘違いした可能性があるということで、引き続き調査をやっておるというところでございます。 確かに、人員の死傷もなく、損害も比較的軽微であったわけでございますけれども、全日空機の乗客乗員の方々あるいは那覇空港の関係者、周辺住民の方々に大きな不安を与える結果になったわけでございまして、この点についてはまことに遺憾であると考えておりまして、今後再びこのような事故のないように徹底した事故調査を行いますとともに、事故防止対策を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○上原委員 防衛庁は今遺憾の意を表明したわけですが、御答弁には若干納得しかねる面もあるのですけれども、運輸省はどうしてそんなそっけない答弁するのですか。あなた方は何をおびえているの。本当にそんな答弁でいいんですか。だんだん聞きますからね。あなたの答弁は納得しませんよ。冗談じゃない。 そこで、この全日空機には乗務員、乗客、何名おったのか、MU2には何名乗務しておったのか、それをまず明らかにしてください。
○赤尾説明員 お答えいたします。 全日空八一便ボーイング747型機につきましては、乗組員十八名、乗客は幼児五名を含めまして二百四名、合計二百二十二名が搭乗をしておりました。 MU2につきましては、機長、副操縦士、そのほか二名、合計四名と聞いております。
○上原委員 これはもうマスコミでも既に明らかにされたことなんですが、これは二百二十六名の大量の人命にかかわる事故なんですよ。一歩誤れば大惨事になる事故なんですね。そのことについて、なぜこの事故が起きたかということは既に明確にされていると言ってもいいのに、目下調査中であるとは何事ですか。そういう感覚だから、事故が起きて、二度と再び起こさないように注意しますと言ったって、しょっちゅう起きている。改めて、事故原因は何なのか明らかにしてください。
○星説明員 本件の事故につきましては、一般に報じられておることは相当報道されておるところでございますが、まず関係機関として、事故機、全日空という民間機と防衛庁の航空機、それから航空当局の航空管制機関といったような諸種の機関が関係しております。それで、これらの防衛庁あるいは運輸省それぞれの立場でそれぞれの調査は進めておられますが、これらとは別に、すべてのデータ、情報を客観的に細部にわたって収集いたしまして、そして時間をかけて厳正中立に事故の原因を究明するというのが、一応運輸省のもとに置かれてはおりますが、別の機関であります航空事故調査委員会の役割でございますので、航空事故調査委員会といたしましては原因を現在調査中でございます。
○上原委員 それじゃ少し角度を変えてお尋ねしますが、このMU2型機を操縦しておったのはだれですか。
○大高政府委員 当日この事故機を運転いたしておりましたのは、操縦士の田中繁利でございまして、一尉でございます。それから、これ以外に機長として善光一等空尉、これがいたということでございます。
○上原委員 防衛庁の最初のこの事故当時の報告を見ていますと、機長の善光恵一郎一尉が操縦しておったというふうになっているわけですね、後で訂正をしたようですがね。なぜ田中一尉が操縦をしておったのか、副操縦士が操縦しておったのか、この関係は一体どうだったのかということを明確にしていただきたい。 それと、運輸省はそんな情けない答弁しかできないとなると本当にもう何をか言わんやですが、では、管制塔はこのMU2型機に対して離陸の許可は与えておったんですか。この二点をまず。
○大高政府委員 ただいまの同僚の機長でない方の田中操縦士が操縦しておった点でございますけれども、操縦の場合は必ずしも機長が操縦を行うわけではございませんで、この両名とも経験年数、飛行時間とも同程度の操縦士でございまして、善光操縦士は三十三歳、田中繁利操縦士の場合は三十五歳、それぞれ飛行時間につきましても、善光機長の方は二千四百七十七・七時間、田中一等空尉の方は二千八百三十九・七時間というふうに経験のある操縦士でございまして、機長が当日田中操縦士の方に運転を命じたということでございます。
○平井説明員 MU2機に対します管制指示の件でございますが、先ほど防衛庁からの御答弁にもありましたとおり、滑走路の十八番への地上滑走の許可を求めてまいりまして、管制塔からこれを許可し、誘導路のEの八というところにおきまして、滑走路の手前で待機するように指示をいたしました。その後MU2型機から、特別有視界飛行方式による飛行の許可を求めてまいりました。管制塔がこれに対して特別有視界飛行に係る許可を与えたわけでございますが、まだ離陸をしてよいという許可は与えていなかったというのが実情でございます。
○上原委員 そうすると、はっきりするのじゃないですか。離陸許可を管制塔が与えていないのに誘導路から滑走路に進入した。それが事故原因なんでしょう。そうでないのですか。何をもっと調査するのですか。今の答弁ではっきりするのじゃないですか、事故原因は。
○星説明員 私どもの調査は、すべてのデータを総合して確実に裏づけをとって、最後に本当に事故の再発防止のために資するような原因究明を行うのが役割でございまして、個々の断片的事実だけでは物事を推定しないという立場に立っております。あしからず御了承いただきたいと思います。
○上原委員 管制塔から離陸許可を得ていなかった。通常、離陸許可を得るまでには幾つかの段階があるわけでしょう。あなたは盛んに弁解がましいことを言っておる。だからひさしを貸して母屋を取られているんだよ。防衛庁にみんな占領されて。こんなに事故原因が、自衛隊機が管制塔の指示を無視してやったということがはっきりしているのに、もっと詳細な調査をしなければと——こうなると、質問もしたくないですね。ばかげているよ、全く。 そこでさっきのことなんですが、局長がおっしゃるのはわかるのですが、たまたまその日は田中一尉が操縦しておったのか、善光一尉と交代をしておったのか。これは事故原因としては、僕は場合によっては重要な問題だと思うのですよ。それは資格は確かにあるでしょう。あるいは運航時間数というかそういうものも同等くらいあるんだろう。年齢はむしろ三十三より三十五の方が年がいっている。しかし、年がいっているから必ずしも偉いとは限らないのだ。その点はもう一遍はっきりさせてください。なぜそういうふうな操縦を交代しておったのかどうか。
○大高政府委員 そういったさらに詳細な状況については、我が方におきましてもいろいろ調査をやっておる段階でございますけれども、一般論として申し上げまして、こういうお互いに操縦士であるといった場合において、いずれが操縦をするかということにつきましては、例えば操縦士にさらに経験を積ませるといったような見地からやらせることもございます。 いずれにいたしましても、先ほど御説明いたしましたように、この両名とも十分な飛行時間を持っておりますし、またMU2をとりましても、善光一等空尉については千八百時間余、それから田中操縦士につきましては千五百六十二というような形で、十分なキャリアがあるというふうに理解いたしております。
○上原委員 あなた、そんな千五百何時間飛行経験があるとか、それだけある人がでは何でこんな事故を起こすの、そんな初歩的事故を。おかしいんじゃないですか。たくさん経験を積んでいるからということで何かあたかもその事故とは関係ないみたいなことを言うのだが、これだけの経験を積んでいる人が何でこんな初歩的ミスを犯すんだよ。それはやはり自衛隊の本質なんだ、軍事を優先させる。そのことに対する今何らの反省もない、答弁もないじゃないですか。運輸省はびくびくして防衛庁には物を言わぬ。これで本当に民間空港の安全性の確保というのができるのですか。しかも民間機に搭乗員、お客さんが二百二十二名乗っているんだよ。改めて答弁くださいよ。今千何百時間あるからと言うが、千何百時間も経験ある有能なパイロットが何んでこんな初歩的ミスを犯すんだよ。その原因を私は聞いている。
○大高政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、現在、自衛隊の方におきましても、航空事故調査委員会、これは当日でございますけれども、その委員会の中から四人の人間を派遣いたしまして実情の把握に当たっておるというところでございまして、そういった操縦士がどういう形でこういう事故を起こしたのか私どもの方でもさらに調査をやりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○上原委員 これは運輸省はもうあなたでは答弁できない、できないというより、あなたの答弁では私は納得しません。 それで、もう一遍確認をしておきたいわけですが、今も何度か答弁があったのですが、管制塔の管制官のクリアード・フォー・スペシャル・VFR、いわゆる特別有視界飛行許可の指示は受けておったわけですね。しかしそれはクリアード・フォーニアークオフ、いわゆる離陸許可は受けていなかったということは間違いないですね。現時点で調査をいろいろやるのもいいでしょう、あるなら調査も十分にしてごらんなさい。しかし、離陸していいという許可は管制塔から受けていなかったということははっきりしていますね。運輸省も防衛庁も、もう一度この点にだけ明確に答えてください。
○平井説明員 離陸を許可するという発言はいたしておりません。
○大高政府委員 パイロット二名からのとりあえずの事情聴取でございますが、離陸許可については明確な証言がございません。したがいまして、勘違いの可能性は否定できないというふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、現地調査等を実施いたしまして事実関係を詳細に把握いたしたいというふうに考えております。
○上原委員 勘違いで済ませる問題じゃないのですよ。これは航空のルールを乱したということですからね。パイロットにとってはこれはもう絶対守らにゃいけないことなんだよ。テークオフクリアランスがない限り進入路に入ってはいけない。ここでスタンバイせにゃいかぬわけです。あれはちゃんと線も引っ張っているんじゃないですか。そういう初歩的なミスを、千何百時間も操縦経験があるとか言ったって、それじゃ納得できない。 そこで、勘違いである、運輸省はまだその離陸許可を与えていなかったということであれば、これは責任の所在を明らかにせにゃいかぬですね、そういうパイロットについては。どういう責任を運輸省も、特にこの事故の原因になった防衛庁としてはお考えなのか、その点もお聞かせください。パイロット並びにこの那覇救難隊の責任者を含めてどういう処置をお考えなのか。
○大高政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、事故原因につきましては、運輸省並びに防衛庁といたしましてもそれぞれ調査を継続しておる段階でございます。また司法当局においても調査をされておるというふうに聞いておりますので、現段階におきましては責任の所在について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。 いずれにしましても、本件の事故につきましてはまことに遺憾であるというふうに考えておりまして、みずからも徹底的に事故原因の究明を図りまして適切な措置をとってまいりたい、かように考えております。
○上原委員 責任の所在は現段階では明らかにできないということですが、それも納得しがたいですね。 しからば、森空幕長は二十八日、この事故が起きた段階で遺憾の意を表明しているでしょう。これはマスコミでやっておったな。NHKのほか、現地の新聞や中央の新聞紙にも載った。森空幕長の遺憾の意を表明というのは何ですか。防衛庁に、自衛隊側に落ち度があったから、航空自衛隊の最高責任者が遺憾の意を表明したのでしょう。その関係はどうなんですか。何でこういう公式の場になると隠そう、隠そうという、あるいははっきりした責任の所在を不問にしようという態度をとるのですか、両方とも。そういう態度には納得できないです。空幕長が遺憾の意を表明したということは、明らかに自衛隊側に落ち度があったということの証明ではないですか。そうであるならば、少なくともこういう初歩的ミスをやったパイロットについてはしかるべき行政処分なりいろいろ措置をとるのが、綱紀の粛正とか二度とこのような事故を起こさないという一つの皆さんの反省点になるのじゃないですか。それはどうなんですか。この点は運輸省も両方ともお答えください。
○星説明員 先生が御指摘になりました、管制の許可を得ずに離陸しようとしたのかどうか、あるいは十分な経験を積んでおったはずのパイロットがなぜ初歩的ミスということをやろうとしたのか、そういうことはもちろん我々非常に重大な関心事でございますので、その点十分踏まえまして今後とも調査を続けてまいりたいと思います。
○上原委員 今の答弁は取り消せよ。何を言いますか、あなた。冗談じゃない。離陸の許可を得ないで離陸しようとしたかどうかわからぬと言っているが、はっきりしているじゃありませんか。あなたも運輸省でしょう、あなた。あっちの方は私の質問に対しては、離陸の許可を得てないとはっきり答弁しているんだよ。だのにあなたは、離陸の許可があったかどうかを含めて調査するとは、一体そんなばかな答弁ありますか。引っ込め。冗談じゃない。
○星説明員 申しわけございません。運輸省の中でも非常に関係機関が分かれております。そして、運輸省の航空局は空港管理者であり、かつ、管制の当局者でございます。それから、防衛庁は一種の運航者の立場でございます。航空事故調査委員会は厳正中立に事実を認定しなくてはいけませんので、たとえその当事者の一方が認めましても、それを完全に、例えば交信テープの内容を分析いたしますとか、それを片側で実際にその管制官の言った言葉をいつの時点で明瞭に認識したのかどうか、そういうことをきちんと調査をいたしましてから事実を認定するものでありますので、直ちにお答えができないことをお許し願いたいと思います。
○上原委員 後藤田長官、こういうばらばら行政をやるところからまず行政改革しなさいよ。冗談じゃない。それはむだだよ、むだ。はっきりしているじゃありませんか、あなた。離陸許可を得ずしてやったということは。 防衛庁は、さっき私が言ったことに対してどういうお考えか。責任の所在を含めてもう一度お答えください。森空幕長の遺憾の意の表明のこととの関連ですよ。
○大高政府委員 お答え申し上げます。 二十八日、空幕長が記者会見をやっておりますけれども、今回の接触事故によりまして負傷者は出なかったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、全日空の乗客あるいは那覇空港の関係者、周辺住民の方々にも大きな不安を与えたということにつきまして、事故原因の調査は調査としてこれは当然行うわけでございますが、ただいま申し上げました大きな不安を与えたという点につきまして、衷心より遺憾の意を表したものでございます。
○上原委員 人身事故にはつながらなかった、いわゆる死傷者がなかったというようなことでこれは済ませる問題じゃないのですよね。二百二十二名の人々の人命にかかわる重大な事故であったという認識に立ては、もう少し防衛庁もその責任の所在というものを明らかにすべきだ。 そこで、じゃ皆さんが言うように調査結果が明らかになった段階で、自衛隊機のパイロットの勘違いでなくして初歩的ミスによる事故であったということにおいてはお考えになりますね。
○大高政府委員 事故原因の詳細な内容につきましては、再々申し上げておりますとおりに、今後徹底して究明をしてまいるということでございます。
○上原委員 大高さん、原因究明はこれは当然じゃないですか。私が聞いているのは、原因究明した結果、パイロットの明らかなミスであったという場合は、そのパイロットに対してどういう処分をするかということを聞いているのです。
○大高政府委員 詳細な調査をいたしまして、その状況により、具体的状況に応じて判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 那覇空港を取り巻く状況については今さら申し上げるまでもありませんが、これはこのような状況ではいずれ大惨事が起きかねない懸念を私たちは非常に持つわけですよね。私は何回か、この沖縄の空域の問題とかあるいは進入路の問題であるとか、ACMIであるとか米軍の訓練空域の問題等について、本委員会なりあるいは運輸委員会その他で尋ねてきましたが、我々が懸念をしてきたことが一つ一つ現実の問題となりつつあるんですよ、実際問題として。本当に私も冗談で言っているわけじゃないんだ。いつもこういう事故の問題とか航空問題、危険だということでとらえている。しょっちゅう飛行機に乗っているから心配なんだよ。いつ自分がそういう目に遭うかもしれぬ。それほど県民にとってはこれは大事なことなんですよ。自分の生命、生活にかかわる日常的な問題なんです。その認識が運輸省や防衛庁、政府全体にないと困りますよ、これは。 今までのやりとりを聞いていて、鋭い感覚の持ち主である後藤田長官、どういう御認識を持たれるか、まず一言。あれば感想でもいいし、また、あなたが運輸大臣ならこうするとか、防衛庁長官ならこうするという考えがあるのじゃないですか。聞かしてください。(「総理大臣だ」と呼ぶ者あり)総理大臣か。それはまだ早いや。
○後藤田国務大臣 今回、このような事故が起きましたことは政府としてもまことに遺憾な事柄である、かように考えております。したがいまして、いずれにしても事故原因がどこにあったのか、関係者すべてについて詳細な調査をできるだけ早く行って、その結果に基づいて再発防止という点に立ってきちんとした対応策を講ずべきものであろう、かように考えるわけでございます。
○上原委員 そこで、時間の都合もありますから、これとの関連で少し質問を進めてまいりますが、問題は、こういう事故が起きるというのも、現在の那覇空港というのが自衛隊との共同使用になっているからなんですよね。これは、沖縄復帰のときには民間専用空港にするということが約束だったんです。後で、いやそんな約束はしなかった、アメリカがあそこを使わない約束をしたんだというように言って、今は三五%、約四割近くは自衛隊の使用になっている。しかし、面積からいうと、自衛隊の方がどんどんこれは侵略、侵攻して、本当に運輸省はひさしを貸して母屋を取られるというような状態になっている。あんな答弁じゃそうなるよね。どうしようもない、あなたのようなへっぴり腰な、事故調査でもわからぬ、そういうような態度じゃ。失礼な言い方かもしれませんが。 そこで、私どもは、この那覇空港の自衛隊共同使用というものはやめなさいということをこれまで言ってきたのですが、このことについて、今度の事故もあったことだし、今のような状況ではまたこれからも起きないという保証はない。改めて運輸省、開発庁、防衛庁、どういうようにお考えか、まず見解を聞いてから、具体的な意見を含めて質問したいと思うのです。
○松村説明員 運輸省といたしましては、一般論でございますけれども、軍民の共用空港は決して望ましいものと考えておりません。しかしながら、我が国の国土事情、また飛行場の事情からいきまして、やむを得ず共用している空港が多数ございます。こういった実情にかんがみまして、一歩一歩軍民の分離を図っていくという観点から、千歳空港におきましては、運輸省の方で新千歳空港をつくるべく鋭意努力中でございます。 那覇空港につきましても内部でいろいろ検討はしておりますけれども、現段階におきましては、離着陸回数から見まして、現在の滑走路に余裕がございます。したがいまして、諸般の事情からやむを得ないものではないか、かように那覇空港については考えております。
○西田説明員 答弁いたします。 沖縄開発庁といたしましても、那覇空港の民間専用化につきましては、基本的にはもちろん望ましいと考えております。ただいま運輸省から御答弁がありましたように、現空港の利用状況その他もろもろの事情を勘案しまして、今直ちにというふうにはなかなか難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。当面、重点は何といいましても運用の安全を図るということが重点でございます。 開発庁といたしましては、各方面にその旨要請をいたしまして、民間の専用化につきましては長期的課題ということで検討してまいりたい、こういう姿勢でおるわけでございます。
○上原委員 防衛庁は出ていくつもりありますか。
○宝珠山説明員 御説明いたします。 防衛庁としましては、沖縄の防衛任務を果たすという観点から、陸海空の自衛隊を那覇に配備しているわけでございます。特に那覇空港には航空自衛隊の要撃戦闘機の部隊、先ほどの救難部隊も含めてでございますが、それから海上自衛隊の対潜哨戒機の部隊を配備いたしまして、日々の防衛任務に当たっているわけでございます。那覇空港以外にこのような部隊を配備できる飛行場というものを求められる状況ではございませんので、安全対策には、先ほど局長からお話がございましたようなことで十分注意しながら、引き続き使用さしていただきたいというふうに考えております。
○上原委員 大体そんな答弁だろうと思っておったのだが、一応聞いておかなければいけないものですから。 そこで、それは現実問題としてなかなか容易でないということは私も理解しないわけではないのですよ。だが、今のように滑走路に余裕があるから共同使用で当分やむを得ないという立場ではいけないわけですね。沖縄の将来図を考えて、観光産業を含めてのいろいろなことを考えました場合には、我々から見ると、少なくとも現在過密なんだ、空域もその空港全体にしても。それをこのままにしておくわけにいかない。しかも皮肉なことには、この事故が、沖縄の朝野を挙げて七十六団体が、那覇空港を国際空港にして民間専用の空港にしてもらいたい、こういう要望を政府関係筋にやった段階で起きているわけですよ。那覇国際空港早期建設促進県民大会を開いて、その大会長の國場幸太郎さんが要請書を持ってあげた段階で起きているわけですね。これは、例えば私であるとか自衛隊に反対をする上原一個人の意見じゃないわけですよ。あるいは革新とか民主勢力だけの意見じゃないわけですよ。今の共同使用をやめてもらいたい、民間専用の空港に今の那覇空港をどうしてもしてもらいたいというのが、後藤田さん、運輸省、防衛庁、これは県民全体の要望なんですよ。したがって、どういう現実的対応があるかは行政側の仕事だが、今自衛隊をなくしなさいと言ったって、反対する方々もいるから、この那覇空港をどういうふうな形で民間空港にするかという面ではお互いがみ合わない、そのことは私も理解をする。したがって、民間専用空港にするということを大前提にしたいわゆる自衛隊との分離使用というものを真剣に考えていただきたい。どういう形でやるかは、皆さんはそれだけ権力も握っている、行政も握っている、知恵もある方がたくさんいるわけだから。我々の石橋内閣ができれば、正直申し上げてそれからすぐ私はやりますよ。そういう意味で、この要望書を含めて今回の事故を反省点として、やはり近い将来すぐというわけにいかないかもしらぬということはわかるけれども、この七二年に復帰して十三年たって、第二次振計が六十六年で一応終わるわけですから、後藤田さんぜひお力をかしていただきたい、お力になっていただきたいわけですが、六十六年のこの第二次振計が進行中である間に、現在の那覇空港は民間専用の空港にするということで、自衛隊との分離使用をお考えになっていただいて、その計画というか調査というものをぜひ進めていただきたい。このことについて、これは県民挙げての要望であるということと、今の沖縄の軍事事情あるいは空港事情そういうものを考えて、当然政府はその程度のことをやっていいと私は思うのですよ。皆さんがおっしゃるように、沖縄を含めて安保があって日本が繁栄したとか、あるいはそれは国民の生活、権利、財産、国土を守るという点で本当に必要という全国民的視野、立場に立ってお考えになるならば、何のかんばせあって七五%も沖縄に米軍の専用基地を置いて、こういうしわ寄せを我々が背負わなければいかぬのか。そういう面から考えると、財政が逼迫しているとか行革とかいろいろあっても、二千四、五百億でできるという専門家の見方もあるわけだから、それは真剣に考えていただいて、これは私の意見であり、提案なんだが、このことについては締めくくって大臣の方からお答えをいただいて、これはひとつ運輸省と開発庁に聞いておきましょうか。
○松村説明員 ただいま先生御指摘の大那覇空港と言われております空港計画があることは、我々承知しております。 先日も地元の方々が大勢運輸省に見えまして、陳情を受けました。こういった空港、我々内部でもいろいろ検討はしておったわけでございますけれども、なかなかいろいろ問題がございます。例えば埋め立てをいたすということになりますと、環境の問題、また二つの滑走路をつくりますと、そういったときにどういうふうな運用をするか、そういった問題がいろいろございますので、こういったことについて鋭意検討を進めていかなくてはいかぬ、かように考えております。
○西田説明員 沖縄開発庁といたしましても、沖縄県を初め地元関係団体等から、現在の那覇空港の沖合を埋め立てまして、新たに滑走路をもう一本建設するといういわゆる大那覇空港構想については、かねてより強い御要望があるというのを承知いたしておるわけでございます。 先ほど来運輸省からも御答弁があったと思いますが、現空港の利用状況等考えますと、私どもとしては長期的な課題ではあると思いますが、運輸省と地元とも御相談をいたしまして、長い目で検討いたしていきたい、このように考えておるわけでございます。
○上原委員 これで終えますが、最後に長官、これは事務当局だけに任じておってはこの種の問題は解決しないのですよ。やはり私が今言ったようなこれは政治判断なんです。だから、それをどういうふうに運用するかという面は非常に難しい面もあるかもしらぬ、しかし、それは調整してできないはずはないと思うのですよ。現在のように、共同使用という面で大変な危険性あるいは困難性というものがあるわけですから、さっき申し上げましたように、六十六年の第二次振計進行中に政府全体としてそういう目途を立てる、内閣においてもそれはぜひ検討していただきたい。開発庁長官とも御相談あるいは運輸大臣とも御協議をいただいて、その点についてひとつ後藤田長官の御所見を聞いて、質問を終えたいと思います。
○後藤田国務大臣 沖縄県民の方々の御要望、またあなたの御意見等を踏まえまして、これはしっかり心にとめて政府としては対応を研究していきたい、かように思います。
○上原委員 終わります。
○中島委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 本日は、参考人として地方制度調査会委員川越昭君に御出席をいただいております。 川越参考人には、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。 なお、御意見は質疑応答の形で聴取いたしますので、よろしくお願いを申し上げます。 質疑を続行いたします。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 きょうは川越さんに参考人としておいでいただきまして、大変お忙しい中御参加を賜りましたことに、心からお礼を申し上げたいと思います。 去年の十二月に、地方制度調査会が、地方行財政に関する当面の措置についての答申というのを出しているわけであります。この中で、国において国と地方のかかわりの諸事務について合理化するために講すべき措置として、権限移譲の推進、機関委任事務の見直し、あるいは必置規制の整理合理化、職員配置基準の見直しというようなものについて提言をしていただいているわけであります。 川越さんは、もう長くこの地方制度調査会に委員として御参加をいただいて、熱心に御審議をいただいているわけでありますが、その調査会側から見て、今回の地方公共団体事務合理化法案をどのようにごらんになっているか、御意見をいただきたいと思います。
○川越参考人 お答えいたします。 改めてこんなことを申し上げる必要はあるいはないのかと思うのでありますけれども、今回に限らず、地方制度調査会全体といたしましても、かねてから地方自治体の、地方の行政改革というのは二つの基本的な方向、考え方がなければならないということを言ってまいりました。一つは、国と地方を通じる行財政の簡素効率化ということであり、もう一つは、地方分権の推進、この二点を中心に据えて、これを基本的な方向として行う必要がある、こういうふうなことを地方制度調査会では基本的な考え方としてとってまいりました。 これは、第二臨調の基本答申の中にも一部こういう表現があったと記憶しておりますけれども、住民に身近な行政は住民に身近な地方自治体でこれを行うというような表現があったと思いますけれども、考え方としてはこれと全く同じ考え方だと言っていいと思います。これを平たく申しますと、国がやっても地方がやってもどちらがやってもできるのだったら、それは地方でやったらいいではないか、そういうようなことだというふうに置きかえてもそう違ったことではない、こんなふうに理解しているわけであります。 こういう考え方を前提にいたしまして、地方自治体の行革ということは、これは国の方針としても強力に推進していくということなんですが、そのためには、一つには、地方自治体みずからがその体質を改めるべきは改め、改善していくということは当然のことでありますが、あわせて、御承知のように、地方自治体の行財政というものは非常に国とかかわっている部分がある。国の制度なりやり方なり、そういったものを思い切って改善しなければ、実は地方自治体の、地方の行革というものが十分に推進していかないのではないか、こういうような基本的考え方が、地方制度調査会の内部には前から多くの人の間でそういう意見が大変強い、こういうことなんであります。 そういうことを前提にして考えますと、さまざまな国の関与あるいは組織・定員、定員というのは職員数なんかに関します必置規制、こういうふうなものは、いわば国の方として積極的に取り組んで改革をしてもらいたい項目、こういうことになるわけであります。 そういう観点から考えますと、今回のこの法案は、私は地方制度調査会の一員としては積極的に評価していいのではないか、こんなふうに考えているわけであります。 ただ、残念ながらと申しましょうか、かねてから地方制度調査会なり全国の地方公共団体、あるいはその関係の六つの連合体がございますが、地方六団体などが言っている点と照らし合わせてみますと、あくまでも今回の法律の中に盛り込まれた考え方、内容というのは、大変大きな前進ではございますけれども、まだまだこれで一〇〇%十分だということではないのではないか、こういう受け取り方を地方制度調査会全体としてしていると私は承知しております。したがいまして、先ほど御指摘のような去年の十二月の地方行財政に関する当面の措置についての答申、こんな形でもその考え方を表現した、明らかにした、こういうふうなことでございまして、今回のこの改正を大変重要な大きな第一歩として、いわばこういう形でまとめたというのは初めてのことなんだと思いますので、そういう意味では大いに賛成し大変評価するとともに、これを第一歩としまして一層の整理合理化というものをこの関係でも進めていくようにということを希望しますし期待したい、こんなふうに考えるわけです。 以上であります。
○五十嵐委員 ありがとうございました。 ついこの間でありますが、この四月に開かれました地方自治経営学会の研究大会で横浜の細郷市長さんが発表なさっていたことなのでありますが、横浜市では五十九年一月から十二月末まで丸一年間に国や県から一万二千七百九十六件に上る文書が来ている。そのうち国からが四千五百五十三件、県からが八千二百四十三件、この数字は日曜日を除いて一日平均約四百件ということになるわけであります。まことに膨大な文書が来ている。その大半が地方の行財政に重く影響を与えていることは言うまでもないわけであります。 一方、地方自治経営学会が昨年の秋、発表した報告であります。これはもう皆さん御存じだと思うのでありますが、あのレポートでは、都道府県では国庫補助金をもらうための申請書類づくり、あるいは国への報告書づくり、調査依頼にこたえてのさまざまな仕事、こんなものを合わせると職員の勤務時間の実に六三・九%が国関連の仕事に時間を費やされている。これに対して住民に対応する時間は一一%。それから、みずから企画したり勉強したりする時間は一四・九%しかない。これは県レベルでのことでありますが、市町村レベルでの調査によりますとそれよりも少し率は低いのでありますが、それでも国関係の仕事に費やす時間は四一・二%という報告が出ている。大変なウエートであります。ここにもいわゆる三割自治の実態のようなものが出ているのではないかというふうに思うわけであります。 こういう実態の中で、今回の地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案が出され、今審議をしているということになるのでありますが、こういう自治体の仕事の現場からこの法律というものを点検してみますと、さまざまな思いが出てくるのは当然なわけであります。これは去年の暮れの行革審の答申そのものに対しても意見が出ているところでありますが、一体この程度でいいのか。今川越さんからお話がございましたように、それは一つの風穴をあけるといいますか、第一歩としての評価は私どももしていいのではないかというふうに思うのであります。しかし、常日ごろ今のような実態の中で考えてみると、こんなおざなりの微々たるものでいいのだろうかという気持ちが出るのは当然であります。 それで、先ほど申し上げました研究大会で、これは岡山県の長野知事の発言なんでありますが、国の臨調でも総論ではかなり地方分権が言われたが、各論になるとだんだん怪しくなり、さらに目下国会に提案されている一括整理法案ではまことにおざなりなものになっている、方向としてはむしろ逆の方向に行っているものさえもある、こう強く批判を長野さんはしているのでありますが、確かに非常に不満足だという感じが多くの地方団体の関係者の気持ちにあるというふうに率直に思わなければならぬと思うのであります。やはりもっと本腰を入れて、しかもそれは、今も川越さんからお話がございましたように、一つは事務の合理化、簡素化ということと同時に、もう一つは地方自治ということの視座、この二つを据えてかからなければいかぬということになるわけでありまして、そういう視座を明確にしながら勇断をもって、地方団体等の意見をよく受けとめて、国の関与、介入を極力排除していくべきではないかというふうに思うわけであります。 これには、国全体の各省を通しての意識改革のようなものが非常に大事であろうというふうに思うのであります。もとより地方も一生懸命改善の努力をしていかなければいかぬと思いますが、先ほどの参考人のお話にございましたように、国と地方のかかわりに関する勘どころについては、国のそういう意識改革と勇断を伴った努力が要るのではないかと思うのでありますが、この点について後藤田総務庁長官の御見解をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 今回御提案を申し上げてある事項は、申し上げるまでもなく、行革審から御提言を受けた内容そのままを立法化して御提案を申し上げているわけでございますが、国の関与あるいは必置規制、こういったものについて、これで十分であるとは私自身も考えておりません。その都度見直しをして、できる限り地方でできる仕事は地方に任せていくという基本の立場で考えていかなければならぬ、かように考えております。 今川越さんから地方制度調査会の立場に立っての御意見がございましたが、基本的な認識、考え方は、川越さんがお述べになった考え方と私は全く同じような考え方でおるわけでございまして、その間に開きは持っておりません。何といいましてもお互いに信頼感を持って協力して、任すべきものは任じていくんだといったような、今日の行政の実態から見れば、中央各省庁がそういう考え方に立つことが何よりも肝心であろう、私はこう考えるわけです。また、御質問の中に細郷君とか長野君の御意見がございましたけれども、これはごもっともな御意見だと思います。 ただ一つ私はお考え願いたいなと思うのは、日本の全体の行政の仕組みは諸外国とは違う立場、つまり自治団体は自治団体だけで仕事をやる、国は末端まで国の機関でやるということではなくて、やはり日本的な一つの知恵だと私は思っているのですが、別個の機関を末端まで持つというのではなくて、地方に任すべきものは任じて、そして委任事務ということで処理してもらっているわけですね。だから、これはいい制度だと私は思っているのです。ただし、その場合に、任すべき仕事を任じておらぬとか、あるいは信頼ができないから細かな指図まで一々やって、そして事務の手続も大変複雑になり、膨大な人員を要するといったような、そういうやり方は基本的に改善をしなければならないのではないか、私はかように考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 殊に、今も機関委任事務等の整理についていろいろ御審議いただいているようでありますから、ぜひ今長官のおっしゃったようなお気持で、機関委任事務の整理等につきましても、抜本的に今までとは意識を変えた御検討の結果をお示しいただきたい、こんなふうに思うわけであります。 今、それぞれ内容等について細かく触れていく時間もないようにも思うのでありますが、しかし一点だけ、私、かねがね思っていたことでこの機会に御意見をいただきたいと思うことがあるのであります。 それは、教育長の任命に当たっての文部省等のこれに対する承認制度の問題であります。 ついこの間、全国知事会の自治制度研究会が「教育・文化行政と府県」という報告書を発表した。これは現在臨教審と行革審等でそれぞれにさまざまな審議が真っ盛りという折でございますから、この報告書というのはそれなりに意味のあるタイムリーなものだというふうに思うのでありますが、今その内容を詳しくは申し上げる余裕がございませんが、御存じのことと思いますので、特に私が注目している点だけ申します。 それは、その報告書の中で教育行政における国の関与、これは助言や勧告にとどめて、現行の都道府県あるいは政令都市の教育長の文部大臣承認制度を廃止するように求めているわけであります。これと同様の提言は、最近のものだけでずっと見ましても、地方自治経営学会あるいは社会経済国民会議など多くの団体から出されているところであります。あるいは古くは川越さんの地方制度調査会の方で、これは昭和四十年の当時第十次の地方制度調査会の答申でもそれは出されているのであります。そのときのこの答申のその部分だけちょっと言いますと、「都道府県教育委員会が教育長を任命する場合は国の承認を、また、市町村教育委員会が教育長を任命する場合は都道府県教育委員会の承認を要することになっているが、この承認制は廃止することとする。」こういう提言が総理大臣に対して地方制度調査会から出されているところであります。 この際、川越参考人にこの趣旨といいますかお考えについて、簡単で結構でございますが、お述べいただきたい。
○川越参考人 お答えいたします。 今の点なんですけれども、御指摘のように地方制度調査会でも過去においてそういう内容の答申、提言というのをまとめたことがございます。これは考え方としましては、もう改めて申し上げるまでもないことだと思うのですが、地方自治の本旨という憲法で規定されました基本的な考え方に基づいて、当然かくあるべきではないか、そういう趣旨でございます。 地方自治の本旨というのはいろんな解釈があるようですが、平たく申しますと、地方自治体は、それぞれ自分の判断でいろいろなことをやっていいんだよといったらいいでしょうか、さまざまな制約があるにいたしましても。そんなふうなことだと理解しておりますので、それぞれの地方公共団体、地方自治体のこれはいわば大事にかかわることなんでございまして、その大事については国の今行われているような関与というものはやめまして、それぞれの地方公共団体の人事権の行使といいましょうか、その判断としてこれを行うのが妥当ではないか、こういう基本的な考え方があるからであります。 その意味で、こういうシステムは、ぜひ廃止の方向で御検討いただければ大変いいのではないか、こんなふうに調査会としては考えております。 以上です。
○五十嵐委員 ありがとうございました。 これはもう今日の世論のようなものであろうと思うのでありますが、総務庁長官、まさに関与是正の目の玉のようなことであります。御意見をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 この問題は、私よりは直接的には文部大臣がお答えになるべきであろうと思いますが、いらっしゃいませんので、私なりの見解でお答えいたしたい、こう思うわけでございます。 これは、五十嵐さんももう既に御承知のとおり、戦後、教育の民主化、地方分権化ということで教育制度の大改革が行われて、その際、地方に教育委員会制度を設けて、そしてその委員公選制ということでしばらくやったわけですね。ところが、行き過ぎの面、いろいろな面が出たと思います。そういったことで大変な論争の結果、昭和三十一年、大達さんが文部大臣のときだったと思いますが、公選制を廃止する、その際に教育長も承認制に変わったのではないかと私、記憶しております。国会審議等も、当時役人をやっておりましたから大変な争いがあって、結果、今日のような制度になったわけですね。 ところが、その後、地方制度調査会あるいは佐藤さんが長をなさった第一次の行政調査会等の御答申の中でも、この点については廃止をすべきである、こういう御答申が出たわけですね。それで第二臨調でもこういう問題を論議なさったと思います。それから、行革審でも御議論があったんじゃないかと私は仄聞はしておるのですけれども、結局この問題は、やはり現時点では私どもとしては教育の責任は一体どこにあるのだろうかというと、教育の制度とか枠組みあるいは保障、こういうものは国の責任、実施は国と地方団体双方が持つ、こういったような基本的な教育についての責任のあり方であろうと思いますね。 そして、この教育長の承認制というものは、これは教育制度の根幹にかかわるものでございますから、第二臨調、行革審等でも御議論なさったと思いますけれども、これには既に党内においてもまた政府との間でも随分議論を重ねたわけでございます。そういったことで、現行制度がよかろう、こういったことになっておるものですから、あえて行革審なり第二臨調では結論をお出しにならなかった問題であろう、私はかように考えているのです。 時あたかも教育改革の問題が出たわけでございますから、この問題については当然、臨時教育審議会が今開かれておりますから、ここで縦横の御議論をなさって、何らかのお答えが出るのではないかと私は思います。そういった際に政府としては改めて慎重な検討を必要とする、今直ちにどうこうするのが適当であるというような意見は差し控えるべきではなかろうか、私はかように考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 まさに地方からいいますと、地方の教育自治権といいますか、そういうものの大きな侵害であるという意識はもとより大きいわけです。これはもういろいろなアンケート調査だとかなんかをどの層に向けてやりましても、教育の関係者、殊に教育委員会の幹部職員に対して四年ぐらい前に、これは都市経営総合研究所がやったことがあるのですが、その結果なんかを見ましても、九三・三%の幹部職員が承認制度は必要ない、廃止すべきだ、こういうことを出してきているのですね。おもしろいことは、私なんかは中野区の教育委員準公選制は支持しているのですけれども、このアンケートでは、幹部職員ということもあって、これには余り積極的でないのですよ、そのアンケートの結果を見ると。しかし、今の教育長の承認制度は廃止すべきだというのは、今のように圧倒的、ほとんど全部の人がそう言っているという実情というものもお考えになって、先ほどから言ういわゆる意識改革というもののいいモデルではないかというふうにも思われますので、長官お話しのように、今臨教審でも御論議をいただいているところでありますが、ぜひこの際そういう方向で、ひとつ明確な方向を出していかれますように心から期待をしたいと思います。 この間の、私どもも地方の団体の人たちと本当に、もうはらわたの——このごろ五臓六腑が何とかというのがはやるようでありますが、そんなような思いで、例の高率補助金の一律カットについて拝見をいたしました。あの経過なんかを見ていて、私は改めてそれを痛感をしている。あるいは地方の各関係者なんかとも話す機会がありますと、みんなやはり同じようなことを言っているのでありますが、国と地方の重要なかかわり合いの問題についてはやはり地方公共団体にも発言の場を与えてほしい。これは自分たちが主体的にそれにかかわることはできないで、仕事の方は日本の全体の行政量のうちの七割ぐらいは地方がやっているわけですから、その七割やっている当事者がそれに直接発言する何の機会も持つことができないで、ああいう重要なことが決まっていくということはたえられないという感じがあるわけであります。これはもう僕は全くそのとおりであろうと思うのであります。 あの問題等につきましても、地方制度調査会は提言をして、あれは適当でないという非常に厳しい御意見もいただいておるところであります。 しかし、あの問題を今聞こうということではございませんが、そういうような地方自治体が直接これらの問題を決めるのにかかわることのできない格好で、自治省を代理者として大蔵省との交渉が行われる、その代理交渉というものをただ見ているだけだということについてのこういう実情を、調査会側としてごらんいただいて、まあこれは調査会としても二、三脚提言があるところでありますから一定の見解を持っているとは思いますが、川越さんの個人的な見解でも結構でございますが、御意見をいただきたいと思います。
○川越参考人 今お話しのように、調査会としても、ただいま御指摘の点については過去において、ストレートを言い方ではなかったのですけれども、答申、提言の中に触れたことがございます。一回ではなしに何回かの場所で、表現の仕方にはそれぞれ若干の違いがありますが、あったように記憶しております。 〔委員長退席、戸塚委員長代理着席〕 一番はっきりと書いたのが第十七次の地方制度調査会、これは社会経済の変化に即応した今後の地方行財政のあり方というようなものを大変総括的にまとめて答申をいたしました。当時としては最近にない大型答申というふうに言われたものでありますが、その中で、ちょっと今手元にありませんので表現は若干違うかもしれませんけれども、地方公共団体の考え方を、特に地方公共団体と利害の関係ある問題については、あるいは「密接」と書いてあったかどうか忘れましたが、利害の関係のある問題については、地方公共団体側の意見を適正にかあるいは適確に反映できるような仕組み、システムということを検討すべきではないかと、表現は正確じゃございませんが、そういうような趣旨で十七次のその答申の中に触れたことがありました。 このときはその程度の表現でありまして、じゃそのためにどうするのかという点は若干内部的な議論は審議会としてはありましたけれども、実際の答申の中にはそれほど具体的には表現はしませんでした。法令の制定とか改廃についてという表現があったのじゃないかと思います。 じゃ具体的に、地方制度調査会のメンバーの一員としてのやや個人的見解でありますけれども、何人かの人と意見を交わしたりしたものを踏まえて申しますと、具体的に例えば、御承知のように国が立法措置をとるときにはといいましょうか法律をつくるときには、中央各省庁の提案によって議案として論議するあるいは皆さん方の議員立法という形でやる、こういうことなんでありますけれども、それぞれの地方自治体の住民にとって密接な関係のあるものについてはもっと何かストレートに強く反映する方法はないか。議案の提案権というところまで言っているわけじゃないのでありますけれども、つまり、地方自治法という現在の法律では、あるいはその他関連の法律を見ましても、御承知のように、地方六団体というものを法的に明確に位置づけているわけではございません。したがって従来も、自治省なりあるいは関係の省庁、あるいは議員立法の場合各議員さんの方々は地方団体の考え方というものを十分に聴取した上での御提案ということにはなっているのでありますけれども、もし仮に地方自治法というものを何らかの形で手直しを行いまして、今の地方六団体という関連の団体を法的な位置づけをする、つまりつくらねばならぬかどうかわかりませんけれどもそういうことにして、そうしますと、当然のことながら、地方関係の六団体の権限と言ったらいいでしょうか、仕事の内容というものも法律の中に明記をするということになるでしょうから、そうしますと、例えば要望書を地方の六団体から国会等に提出をする、それを十分に尊重しておられるわけですけれども、法的な位置づけをしますとそれを尊重しなければならないということになるのかもしれませんので、かなりニュアンス、トーンがそれだけでも違ってくるかもしれないというような個人的な考え方を私は持っております。 そこで、大変積極論を言う人は、あるいは国会議員の皆さんあるいは中央省庁にさらに加えて、地方自治体にも議案の提案権をというふうな極論があるかもしれませんけれども、それは別の議論といたしまして、当面は少なくともそういう形での国政参加への道といいましょうか、あるいはそれぞれの地域の住民の考え方というものを最もよく掌握しているはずの地方公共団体の意見を反映させるということはできるのではないか、こんなふうにも思っております。 したがいまして、多分この議論を進めていきますと、現在の地方自治法等関係法令の手直し、改正というような議論にもつながっていくのかもしれない、そんなふうにも考えております。 以上であります。
○五十嵐委員 ありがとうございました。 この前、例の高率補助の一律削減の問題で自治省は大変苦労した。ある月刊誌に書いてありましたことで、私はしかし、本当に正直にその気持ちが出たんだなと思って、非常に好意的にそれを受け取っているのでありますが、自治省の石原事務次官がこう言っている。「私どもの役所は地方自治を守るという役割を担っているが、全体としての国政を円滑に運営するための政府機構の一部であることからくる制約は否定できない」、それはそういうことですわな。何といったって、地方を代弁して一生懸命やっているということではあるものの、それも内閣の一つでありますし、それは何といったって政府機関であるということからの制約は逃れることはできないわけであります。ギリシャ神話のケンタウロスじゃないけれども、上半身は人間で下半身は馬だというような、そういう性格があるわけであります。 そこで、私どもとしては、今も川越さんからお話がございましたように、何らかの格好でもっと自治体が直接意見を述べ協議をする場が欲しい、こういうぐあいに思うわけであります。 これはついこの間、社会経済国民会議、これは議長は有沢広巳さんがやっておるわけでありますが、あそこから自治省に公開質問があった。これは何項かございまして、これもすべてを言う時間はありませんから省略いたしますが、そのうちの第五項目に「自治体の国政参加について。 自治体の国政参加を制度化することが急務と思われますが、地方六団体の権限強化ならびに地方六団体の国政参加について、貴省の具体的な方針をお聞かせ下さい。」自治省にこういうことを出しているわけであります。 あるいは、これは最近の知事会からの要望事項でありますが、ここでも「国と地方との協力関係の確立」として、「都道府県および市町村の全国的な連合組織は、地方公共団体の利害に関係する法令の制定改廃について、国会または関係行政庁に意見を提出することができるようにするとともに、国の大規模プロジェクト等についても計画段階から地方公共団体の意向が適切に反映するような方途を講ずる等、国と地方との協力関係の確立に努めること。」こういう提言もなされている。地方制度調査会が第十七次答申でこれに触れていることはさっきもお話があったとおりであります。 最近、いずれの関係機関も同様の趣旨の提言をしているところであります。そういう提言がさまざま出ているようでありますが、自治省の方で、これをお受けになられてどんなような御見解をお持ちですか。
○石山(努)政府委員 いろいろと御指摘がございましたが、まず、社会経済国民会議の提言につきましては、今お話もございましたように、地方六団体の代表者なり政府代表者、さらに学識経験者の三者構成に成る委員会を設置をして、地方行財政にかかわるいろいろな施策の立案などにつきまして機能し得るようなものにしたらどうかというような趣旨の御提言があったわけであります。 これは私どもとして、地方自治を充実発展させる、そういう意図のもとに提言をされたものという理解をいたしているわけでございますが、このことにつきましては、議院内閣制のもとにおける行政委員会制度をどうするかというような基本的なあり方にかかわる問題でもございますし、五十嵐委員御案内のとおり、かつて地方財政委員会というのがございました。これがいろいろな検討の経過を経て廃止をされたというような経過もございます。そういうようなこともございますので、この御提言をいただいておりますけれども、現時点においてこれについて軽々に論評するというのは差し控えたいというように考えております。 そのほか、地方団体の意見を国政に反映させるためのいろいろな考え方、提案というのがこれまであるわけでございますが、先ほど参考人の方からお話のございました十七次の地方制度調査会の答申に基づく問題につきましては、かつて第九十四国会にこれらの答申の趣旨を盛り込んだ地方自治法の一部改正案の提出の準備もいたしたわけでありますが、関係省庁との間で調整ができないために提出するに至らなかったという経過がございます。 これらの点については、御指摘もいただきましたけれども、やはり地方団体の意見というものを国政の上にできるだけ反映をしていくということの必要性につきましては申し上げるまでもないところでございまして、私どもとしても、今後いろいろな機会を通じてその趣旨が実現できますような努力を重ねてまいりたい、かように考えています。
○五十嵐委員 今お答えございましたように、僕もあのときに大変な実は期待を持ったのであります。自治省としては本当に従前にない思い切った改正案を出そうと試みた。ところが、各省庁がこれに猛然と反対をした、結局はまとめるに至らなかったということで、地方の各団体も私どもも、その立法化断念については非常に残念に思ったのであります。 あれから四年ぐらいたった。しかし、今、そういうことの必要性は実は一層みんなが認識をしてきている状況にあるのではないかと思います。あの当時の地方自治法改正案、あれはそのほかにもさまざまあるわけです。機関委任事務を地方議会で審議の対象にしたり監査の対象にしたりすることも含めたり、いろいろな内容があるのでありますが、今申し上げた国政への参画についての当時の考え方について、再提案をするという考え方は自治省にありますか。
○石山(努)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、第九十四国会に地方自治法の一部改正案を提出するということで準備を重ねたわけでございますが、関係省庁との間の調整のめどが立たないまま提出を見送ったという経過がございます。 ただ、これらの事項につきましては、地方制度調査会の答申の具体化を図るものでもございますし、今後の地方自治制度の改善に欠かせないものという認識をいたしておりまして、今後ともその実現に向けてさらに努力をしてまいりたいと思います。
○五十嵐委員 再提出の考えはあるわけですか。
○石山(努)政府委員 現時点においてはまだそこまで結論を得ているわけではございませんけれども、基本的な考え方としては今後ともその実現に向けて努力をしていきたい、かように考えております。
○五十嵐委員 各省庁が大変な抵抗をしたということは後藤田長官もよく御存じのとおりでありまして、こういうことの取りまとめ、推進は長官の力も大いにおかりしなければならぬことではないかと思うわけですが、御所見をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 各省で政策を立案する場合に、地方に重大な関係のあるような事項につきましては、地方の意見を十分聞いて、地方の意見がその中に反映せられるやり方でやらなければいけないのではないかという基本の認識は同じでございます。 問題はその方法論であろうと思うのであります。現在は、各省では各省なりに審議会等をつくって、基本の政策立案の際には参考意見を徴していると思うのですが、その際に、知事なり市町村長なりあるいは地方六団体の意見を十分聞いてやっていくことが必要である。同時にまた、自治省は、地方自治を守る、地方団体の要望を色濃く国政の上に反映させるという基本的な任務があるわけでありますから、そういう立場において、国政との調和の中でできる限り努力をすべき筋合いであろう。さらに、それが国会に法律案あるいは予算案として出てくる場合には、国会でも当然地方側の意見を十分反映した御審議が行われる、これは当然のことであろうと思いますが、今手段、方法としてはそういうやり方をやっているわけですから、制度的ということになると、今あるこの制度を地方自治を伸長させるという立場に立ってどのように運営していくかという運用の問題ではなかろうかな、かように私は思うのです。 〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕 それでは足りない、したがって立法措置によってやるべきであるというのも一つの考え方ではありましょうけれども、今ここでお答えをするということになると、やはり運用改善ではなかろうかな。それがために何らかの制度を別に設けていくということになると、かえって混乱を大きくするおそれもあるのではないか、かような危惧の念もあるわけでございます。 今自治省から答弁があったように、五十六年でございましたか、機関委任事務の監査の問題、これらもあるのですが、こういったときには、それじゃマンデーマス・プロシーディンクの規定があのままで一体いいのかという厄介な問題も必ず出てこざるを得ぬのではないかな、こういう気もするのです。さればといって、それじゃ、皆さん方に大変御面倒をおかけした今度の補助金の一括削減、こういうやり方で果たしていいのであろうかという問題、これは政府としても相当考えなければならぬ面も多くある。 いずれにいたしましてもそういう厄介な問題がございますが、今ある仕組みでもう少し地方団体の意見が反映できるような仕事のやり方はあるのではないか、これを一挙に乗り越えて何らかの新しい制度ということになると、果たしてうまく車回しができるであろうかという心配もしておるというのが私の率直な所感でございます。
○五十嵐委員 後藤田長官にして今の御答弁では、私どもとしてはまことに残念に思うわけであります。しかし、冒頭お話がございましたように、自治体を信頼して、とにかく総体の行政事務量からいくと七割を超すものを現に地方がやっているわけですから、車の両輪論が常に行われるわけでありますが、お互いにそんな気持ちで一緒に話し合う場があっていいのではないか。そうすると、地方側にも主体的なさまざまな責任だとかいろいろな意識だって強まってくることも間違いのないことであって、つまり国と地方の行政、それぞれが真っすぐというのじゃなくて、現場の方は地方にやってもらうというようなことが日本の一つの仕組みとしてある意味ではメリットもあるんだという長官のお話がさっきあった。もしそういう考え方に立つとすれば、その裏側には両者が対等で十分に腹を割って話し合うという場のない限り、さっきの理論は成り立たないと僕は思うのです。この面につきましては、自治省等のことは後藤田長官はまことに詳しいわけでありますから、ぜひひとつ長官も一層の御努力をいただきたい、こういうぐあいに御要望申し上げておきたいと思います。 そこで、今長官は、当面は運用のことでさまざま改善できる範囲もあるのではないかというお話があった。それは確かにぜひそうしてほしい、僕はこういうぐあいに思うのであります。 そこで、一つお聞きしたい点がある。それは、国家行政組織法第八条に基づく審議会というものが今二百十四あるわけであります。この委員は総数で五千二百人に上っておる。大変な規模であります。有名無実なもの等につきましては次第に整理をしていくことも一つの方法でありますが、この審議会に、こんなに厚い名簿があるわけでありますが、私どもそれを一べつするといかにも地方関係者が少ない。そういうことなんかは改善しようとすれば直ちに改善のできるものであります。私は、この際、地方にかかわりのある審議会についてはぜひ地方関係者ももっと積極的に入れるようにした方がいいのではないかと思います。特に見ているうちに気がついたのでありますが、今とにかく中曽根総理の陣頭指揮で行政改革が大変な推進力で強行されている。その行政改革のあり方だとか方向だとか進め方だとかについて評価が大いに分かれていることは言うまでもないことでありますが、しかし、中曽根行革の基本パターンとして、まず何か審議会をつくる、その審議会の答申を得て、これをにしきの御旗にしながら進めていく、これがやや定着した方向といいますかパターンとして行われている。このそれぞれの大事な審議会の委員というものをどう選定しているかということなどは、中曽根総理の地方に対する考え方だとかあるいは行革の進め方の基本的な理念だとか、そんなものをうかがうのに非常にバロメーターになるのじゃないかという感じが私はするのであります。 そこで、ちょっと見てみますと、まず第二次臨時行政調査会はどうであったか。これは委員は九人、このうち地方自治体の代表者は一人もいない。専門委員は二十一人、地方自治体の代表者は一人もいない。顧問は六人、地方自治体の代表者は一人もいない。参与は五十六人、そのうち地方自治体の代表者はわずかに一人。これはおかしいのではないですか。それから臨時行政改革推進審議会、今盛んにやっていただいておるわけであります。委員は七人、地方自治体の代表者は一人もいない。顧問は十人、地方自治体の代表者は一人もいない。参与は八人、この参与の中で地方行革推進小委員会というのがつくられている。この八人のうち一人だけ地方自治体の代表者がいる。それから、昭和六十年度行財政改革小委員会というのがその中にある。メンバーは十二人、地方自治体の代表者は一人もいない。これはどういうことですか。これまた今盛んにやっておる臨時教育審議会、委員は全部で二十五人、二十五人のうち地方自治体の代表者はたった一人だ。後藤田長官、これはちょっとひどいのではないですか。こういう選任の仕方が行われていて、それは自治体を尊重するの、車の両輪のと言えるものではないと私は思いますよ。 先ほどから話があるように、実際の行政事務の七割以上のものをやっておるわけですよ。その行政事務を、国、地方を通じてのそういうようなものを、あるいはそのかかわりについて一体どうしようかというこの論議をする審議会に、肝心の地方自治体側からちっとも加わらせておらない。当面の運用でどうと言ったって、こんなことではどうもならないのじゃないですか。こういうことなら皆さんがやる気になれば直ちにできるではないですか。閣議等で後藤田長官がぜひこの点についての御指導をいただいて、各省庁で審議会をつくるときはもっと地方自治体を参加させるようにすべきでないですか。 ついでですから、ちょっと眺めてみてこれは少ないなという幾つかのところだけ、余り詳しく見たわけじゃないですが、ちょっと指摘しますと、自然環境保全審議会、委員定数四十五人、今実際には四十人の委員が任命されているようですが、このうち地方自治体関係者は二人ですよ。国土審議会、四十五人の定員、現在の委員の数は四十四人、このうち地方自治体代表は三人。国土利用計画審議会、定員二十五人、現委員は二十三人、これに対して地方自治体代表は二人。河川審議会、三十人の委員定数、現委員は二十一人ですが、そのうち地方団体の代表者は三人。おもしろいのに河川審議会の委員に地方競馬協会会長というのが入っている。これも何かOBであろうと思いますが、河川審議会に競馬協会の会長が入るというのもどうも余りわけのわからない選任の仕方だなと思いますね。税制調査会、三十人の定員のうち地方代表は三人。水資源開発審議会、十五人の委員のうち地方代表は一人だ。住宅宅地審議会、二十五人の定数に対して地方代表は一人ですよ。消防審議会、消防というのは地方がやっておるわけですね。そうですね。これは川越さんも入っているようでありますが、この審議会では、消防庁なんというのは地方関係者と言えますから、そういうのも含めて二人ですよ。知事会の事務総長か何か入っていると思いましたが、それと二人。現実には消防というのは市町村がやっておるわけですけれども、その市町村の代表は一人もいないです。 長官、こういうことではうまくないのじゃないですか、御意見をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 各種審議会の委員の選定はできるだけ各界から広く適材の方をお願いする、こういうことでやっておるわけでございます。 個々の審議会にどういった人が入っているのか、私も詳細を承知しておりませんが、ただお話の中で、例えば今やっておる第二臨調あるいは行革審、こういうものの中には、私自身が頼みに行ったのですから、第二臨調の委員にはたしか地方制度調査会会長というお立場でお願いしたいということで、会長の林敬三さんが入っているはずでございます。それから行革審の七名の中には、公営企業の総裁をやっておりましたか、地方団体側の御推薦の委員として柴田護君が入っております。それからまた参与等にも首藤君が入ったり近藤君が入ったり、その他たくさんの地方団体側の御推薦の人が入っておるつもりでございまして、何かその点は、恐らく五十嵐さんの御質問は、地方団体で現在長をやっておる知事なり市町村長を入れておらぬのがおかしい、こういう御議論ではなかろうか。 しかし、地方六団体あるいは自治省といったところに政府としてはお願いして、それぞれの審議会には地方団体の御推薦する人ということでそれなりに入ってもらっているつもりでおるわけでございますが、たくさん審議会がありますから、それらについてどうなっておるのかということについてはひとつ各省にお答えをさせていただきたい、かように思います。
○五十嵐委員 私は総務庁長官にお願いしているわけですね。私の言った数字が誤っていればまた後で言ってください。私も謝ります。しかし私も一通り目を通して数を言っておるわけですから大体間違ってないと思います。だれが聞いたってこれはちょっとおかしいと思いますよ。 地方自治体から、あるいは地方六団体なり自治省なりから推薦をしてもらって、OBだとか割合に理解のある人を頼んでいると言ったって、それは長官だめですよ。やはり地方団体からきちんと代表をしかるべき数のものを入れる。そういう審議会もあるんですよ。地方関係から三人だとか五人だとかきちっと決めてありまして、そこに県知事だとか市町村長だとかがちゃんと出ておるところもある。少なくとも現状では問題がある。今私が指摘したことがうそなら別ですよ。それが本当だとすれば、総務庁長官としてはこれはやはりちょっと問題があるなという意識は出てこないですか。もしそういう意識が出てくれば閣議でしかるべき御指導をいただけないですか。総務庁長官の仕事でしょう。いかがですか。
○後藤田国務大臣 総務庁長官の仕事ではないのですけれども。それは各省それぞれのお立場で選んでいるのですが、私はそれなりに入っているのじゃないかと思うのですよ。第二臨調だって地方制度調査会長の林敬三さんが入っていますし、今の行革審だって柴田さんが入っている。それから、山梨の知事の望月君も第二臨調のときはたしか参与か何かでちゃんと入っております。私は地方団体の関係者は相当入っておると認識しておりますが、具体的にどの委員会にだれがどう入っているということは、私は各省のものはよく知りませんから、これはよく検討しまして、もし地方に関係がある事項について地方を代表して出るべき委員の数が少ないとか出ていないということであれば、各省にそういうことを御要望申し上げたい、かように思います。
○五十嵐委員 ぜひひとつこの機会に、殊に今度の法案にも関連しますが、審議会等について意味のないものはなくしていく、意味のあるものはそれなりの意味に即した充実強化を図りながら、効率のよい審議会の運営をしていかなくちゃいけない。そして、国と地方との関係においても、長官おっしゃったように、まさに当面の運用でそういうものを強化していきたいということであればなおさらのことであろうというふうに思われるわけです。この際全面的に御検討いただいて、もし地方自治体が入るべきところで入ってないなというようなところにつきましては、関係各省庁と御協議いただきながら適切な強化の措置をおとりいただきたい、こういうぐあいに思います。よろしいですね。
○後藤田国務大臣 結構でございます。
○五十嵐委員 時間を少し超過いたしまして佐藤敬治委員に申しわけないのでありますが、ぜひ地方に対する一層の御理解を深めていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 去年の九月の知事会ですが、後藤田長官も御出席になっておられたと思うのです。私、後で活字になったものを見ましたが、中曽根総理のお言葉で「唇歯輔車」という言葉が出てくるのです。私は初めちょっとわからなかった。長官、おわかりですか。
○後藤田国務大臣 わかります。
○五十嵐委員 そうですな、さすがですね。まことに総理のおっしゃるように、国と地方は唇歯輔車の関係にある。そうであるとすれば、ぜひそれにふさわしい地方への御配慮というものを行財政すべての面についてお考えいただきたい、こういうぐあいに思います。 地方制度調査会、私も以前委員であったときがあるのでありますが、これにいたしましても、総理の諮問機関ということでやっているのだけれども、一生懸命討議して答申はするのだが、結果としてはどうもむなしい思いが多いのであります。昭和五十四年九月の第十七次答申で、本調査会は事務の再配分について具体的事例を示して繰り返し答申を行っているにもかかわらず、現在までほとんど実行されていないのはまことに遺憾である、こういうような異例の苦言まで出たりする状況であります。いやしくも総理の諮問機関でありますから、ぜひひとつ調査会の答申につきましては尊重してもらうようにこの機会にお願い申し上げ、川越参考人に、お忙しいところ御出席を賜りましたことにお礼を申し上げまして、質問を終えたいと思います。 どうもありがとうございました。
○中島委員長 川越参考人には、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 現在行政改革推進審議会を中心にいたしまして、機関委任事務、許認可、関与、必置規制、補助金、こういうものの整理、見直しが行われておりますね。先ほどから後藤田長官のお話を聞いておりますと、さすがに自治省出身だけあってこういうことに大変詳しい、しかも大変御理解があるようです。しかし、今国会に五十項目にわたる国の関与、必置規制の整理の一括法案が出されて審議をしておるわけですが、この内容というものは大変期待外れで、一遍も発動したこともないようなものばかりなくしている。あってもなくてもいいようなものばかりよくも五十項目も並べてなくしているのですね。こういうのは、先ほどから地方自治体の話が出ておりますが、地方自治体の期待しているものとは大変かけ離れていて、自治体関係者は失望の色を濃くしておるわけです。あってもなくてもいいようなものではなくて、外せば本当に実効のあるようなものを出していただきたいと思いましたが、その点で今回出された法案は大変残念に思う。特に後藤田長官のような地方に理解のある人が主宰している総務庁が管理してこういうものを出すというのは、大変残念に思います。 先ほどから第十七次地方制度調査会の話が出ていました。川越さんはお帰りになりましたけれども、私もあれば大変立派なものだと思っておりました。あれをあのとおりやっておれば今ごろこんな大騒ぎしなくてもいいと思うのですよ。ところが、あれを一顧だにしないでとうとう流してしまって、そして今度は、第二臨調と称してああいうわけのわからないものをつくってやっているのです。初めは地方の改革についても大分毛色の違ったものでしたが、三年、四年たってきましたら、あの地方制度調査会のものと同じことにだんだんなってきたのです。今さら、第十七次の地方制度調査会の答申というものは本当に立派なものだな、こういうふうに再認識をしているところです。 そこで、地方制度のいろいろな問題の中で、一番中心的な課題になって、長い間問題になっておるのは機関委任事務の問題です。これも市長会、知事会、あるいは最近になりますと地方六団体が整理をして大変すばらしいものをつくってきてくれているのです。機関委任事務の問題につきましては詳細に、精密に整理検討されまして、ほとんどこれを実行すればいいようになっているのですが、長い間何にも実行されないで今まで放置されてきて、今これをやろうということになっております。 第二臨調によりますと、一割を二年かかってやれ、こういうようなことで去年でしたか、五十項目ばかり出て、一応やったことになりました。あれを見ましても、今出ておる国の関与と同じで、何にも役に立たないようなものをすっとみんななくして、やった、やったと言って威張っておるわけですけれども、それを引き継ぎまして今度また行革審の小委員会で検討しております。あれが七月に出ることになっておるようですが、この前、一括法案のときに私が、もう七月が近いから大綱ができておるのじゃないかというので、もらいたいと思いましたら、そんなものをやるわけにはいかぬと言って断られました。ところが、五月二十六日の某新聞に「機関委任事務 八十項目を合理化 行革審小委案 地方の自主性尊重」とかなんとかといって、かなり詳しく書いておるのです。これは切り抜きですが、かなり詳しく書いてある。そして、私どもの地方行政委員会の調査室からもらいに行きましたら、そんなものはしゃべったこともないし、やるわけにはいかぬと言ってはんと断られてきた。 この行革審なんというものは一体どういうものですか。国会審議をやっている国会には何ぼやっても絶対にくれない、そんなことを言ったこともないと言って、新聞には物すごく詳しくどんどん出ているのですよ。こんな議会を軽視したようなばかな話が一体ありますか。これは何ですか、行革何とか小委員会というのは。新聞に勝手にどんどん発表しておいて国会には出されない。こんな不届きな、議会を軽視した話がありますか。これをぜひひとつ出してください。
○山本(貞)政府委員 ただいま先生御指摘の機関委任事務の審議の模様でございますが、現在行革審の地方行革推進小委員会におきまして、機関委任事務の問題につきまして関係省庁のヒアリングあるいは関係地方団体等の意見聴取等々を終えまして、ただいまから具体的な検討に入る段階でございます。 新聞に一部報道されておるということでございますが、これはあくまで新聞社における独自の取材で行われました観測の記事というふうに私どもは理解しております。 なお、行革審におきましては、各委員が自由かつ公平中立に審議を行いますために、審議の内容及び資料につきましては非公開というふうにさせていただいておる次第でございます。 なお、本審議会の審議の状況につきましては、各委員の自由濶達な御審議に影響のない範囲におきまして、その都度記者発表を行っておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 新聞社が独自に取材して書いたと言うのですね。そうするとこれは一体うそですか、本当ですか。これははっきり合っているの、全然でたらめなの。
○山本(貞)政府委員 ただいま申し上げましたように、行革審の分科会におきましてはただいま具体的な審議をいよいよ始める段階でございます。したがいまして、その新聞記事と申しますのはあくまで新聞記者の方々の独自の取材に基づきました観測的な記事であるということを先ほど申し上げましたが、そのように御理解いただきたいと思います。
○佐藤(敬)委員 だれかが話しているに違いないですよ。だからこの記事は本当だか、うそだかと聞いているのですよ。これは本当ですか、うそですか。
○山本(貞)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、行革審の分科会におきましては、これから具体的な個々の事項につきまして審議、煮詰めを行うわけでございますので、現在それぞれの事項につきまして結論はいまだ出ておらない、それが事実でございます。
○佐藤(敬)委員 だから、これは本当だか、うそだかと言っているのですよ。結論が出ないといったって、断定的に書いているのですよ、こういうことじゃないかと。だれかがこれを言っていなければ出てこないのですよ。そんなに秘密の事項で公正を守らなければならないと言うのなら、こんなことを出さなければいいじゃないですか。これは一体だれが出したの。
○山本(貞)政府委員 たびたび申し上げましてまことに恐縮でございますが、御理解いただきたいのは、行革審の分科会におきましては、いまだ個々の事項につきまして具体的な結論を出しておりませんので、間もなく、一カ月のうちには結論に到達すると思いますので、それまでの間はいまだ具体的に結論は出ていない、それが実態でございます。
○佐藤(敬)委員 七月というともうすぐなんですよ。今は五月でも、もう二、三日すれば六月でしょう。あさっては六月ですね。そうすれば、印刷する期間、配付する期間を除いてごらんなさい、あと何日もないのですよ。 まだ何にも決まってないのですか。何にも決まってないものは、新聞社だってはかばかしくて恐らく書かないですよ。これはかなりきちっと決まっているものなんですよ。そこまで決まったらもう出したっていいのです、これは新聞がこうして発表しているのですから。これが全然でたらめだというなら、でたらめだと言ってください。これはこのとおりであるというなら、発表してもいいじゃないですか、これはもう決まっているんだもの。あなた方、そんなに厳密に秘密を守らなければいかぬものだったら、箝口令をしいて出させなければいいんだもの。あなた方のうちだれかがしゃべっているのですよ。 これが出てごらんなさい。我々国会が何にも知らぬ、新聞にどんどん本当のところは出ている、これは一体我々の立場というものはどうなるのですか。知らないのは議員ばかりなりけりじゃないですか。一体そんなばかな話がありますか。あなた方は国会を何だと思っているのですか。発表するならきちっと発表すればいいじゃないの。
○山本(貞)政府委員 機関委任事務の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、この分科会におきましてこれまで、例えば全国知事会等の御意見、御要望、あるいはその他の地方団体等の意見、要望等々、既往のものをすべて検討対象にいたしまして、関係省庁あるいは有識者、地方団体等々から一連のヒアリングを行っておりまして、現在、それをもとにこれから具体的な審議を約一月間かけまして、これは週一回ではございませんで週何回か精力的な会議を行いまして、その結果に基づいて具体的な結論を出す。したがいまして、現段階におきましてはあくまで結論は出ていない、これが実態でございます。
○佐藤(敬)委員 結論が出ていなければ出さなければいいじゃないかと言っているんだよ。どんどん出ている。これは全国紙ですよ。こんなに詳しく書いてある。そうしておいて、結論は出さないから発表できない、そんな統制のとれない、一方じゃどんどんしゃべっておきながら片一方じゃしゃべられません、一体こんな矛盾した話ってありますか。機関委任事務なんというものは、さっきも言いましたけれども、地方の側からも地方制度調査会の側からも、あらゆる側からもう何回にもわたって精密な分類の整理合意の案が出ているのです。これはもうほとんど討論する場がない、あとはこれを実行していくかどうかなんですよ。そんなに秘密にして隠しておかなければ大騒動になるようなものじゃない。それじゃ、こうして出てからどこからかうんと文句が行きましたか。これが出て、あなたのところの何とか小委員会の機関委任事務が混乱するような大きな問題が何か出ましたか。
○山本(貞)政府委員 先ほども申し上げましたように、新聞に観測的な記事が書かれておるわけでございますが、個々にそういった事項につきまして、私ども現在関係省庁等からも事務的なヒアリングをさらに行っておる段階でございまして、関係省庁に対しましては、この新聞記事はあくまで観測的なものであっていまだ分科会においては結論は出ていないということを私どもから申し上げておりますので、直接それについてのクレームというものは現段階では出ていないということでございます。
○佐藤(敬)委員 あなたは、根比べしてそのうちに飽きるだろうと思って同じことをしゃべっているのかもしれませんけれども——本当に飽きてきたからやめましょう。そうでなくても、臨行審は議会の上を行く枢密院だとかなんとか言って、大変な非難をこうむっているのですよ。国会には何にもしゃべらない。概要でもいいから今こういう審議になっていると報告してもいいじゃないですか。これは大変な関心事なんですよ。それを勝手な取材だかどうだかわからぬけれども、これはネタを出す人がいなければ取材はできないのです。冗談じゃないですよ、あなた。後で理事会か何かで善処してもらうように、委員長さん、ひとつお計らいください。それはそれで理事会に任せまして、次の質問に入ります。 この機関委任事務というものは、先ほど申し上げましたように、第二臨調でもって一割を二年間で整理するというふうに出ております。それに従って去年出ました。そして、五十何項目か七項目でしたか整理したと称しております。そしてまた行革審の小委員会でやっておるわけですが、今度は大体何項目ぐらいになるのですか。
○山本(貞)政府委員 機関委任事務の行革審分科会における審議条項でございますが、先ほど申し上げましたように、分科会におきましては、これまでいろいろな地方団体等から提出されました改善意見、要望というものをすべて検討の対象にいたしまして、これはトータルでは二百数十あろうと思いますが、これにつきまして一つ一つ実態を調べ、かつ、ヒアリングを行っておるわけでございます。 現在、この分科会におきましては、機関委任事務というものを一つはまず廃止すべきものは廃止する、それから同化定着したものについてはできるだけ団体事務化を図っていく、またさらに、市町村等行政能力の相当向上しております実態をとらえましてできるだけ市町村に下部移譲をしていく、こういった観点から、ただいま一つ一つ実態を調べ、かつ、検討をいたしておる段階でございまして、先ほど申し上げましたように、これから約一月間かけまして細かく具体的に検討を進めてまいる。したがいまして、現在幾つになるか、これは先ほど来申し上げておりますように、現段階では結論が出ておりませんので、御理解をいただきたいと思います。
○佐藤(敬)委員 あと一月しかないのに、これを整理して本数なりいろいろなものを決めると言っておりますが、もうほとんど出ていると思います。それはそれといたしまして、二年かかって去年出ました、一年かかってまたことし出てきました、これを出してから今度は実施をするなんといってまた一年かかれば、大体四年くらいかかるのですね。そうしますと、四年も五年もかかればもう時代は別の方に推移していってしまいますよ。こんなに時間をかけて、緊急の大変なあれでたった今やらなければいかぬと大騒ぎして、四年も五年もかけてこんなことをやっていて、あなた、この忙しい世の中に追いつかないでしょう。そうすると、この機関委任事務の検討は、全体を検討して今度ので終わりですか。今度答申になってくれば機関委任事務の審議と検討というものはこれで終わりということですか、まだ続くのですか。
○山本(貞)政府委員 行革審におきましては、地方行革の問題以外にさまざまな問題の具体化につきまして各分科会を設けまして検討中でございますが、地方行革の問題に絞って申し上げますと、先ほど来先生の御指摘のように、行革審では、地方行革の問題というのは、一つは国、地方を通ずる行政改革、つまり国サイドからの手かせ足かせとなっておる問題等々を、地方自治の立場で、かつ、行革推進の立場で解決していくという問題と地方みずからの行革の問題、そういう観点で検討いたしております。 前者につきましては、関与、必置あるいは機関委任事務、権利移譲、そういうようなものをやっておるわけでございまして、そこにおのずからいわば能力的、時間的な限界がございます。したがいまして、ただいま機関委任事務につきましては、これまで出ておりますすべての意見、要望というものを検討の対象にいたしますので、現段階におきましては、その結果やるべきものは合理化を指摘する、しかしながら、それ以外のものにつきましても今後出てくるわけでございますから、行革審といたしましてはその合理化の考え方、基準というものをあわせて示しまして、今後は政府におきまして、これ以外に引き続き整理合理化をお進めいただく、このような形で恐らく意見が提出されるかと存じます。
○佐藤(敬)委員 これはどこまで続くぬかるみぞで、いつになったら終わるかわからぬですね、あなたの話を聞いていると。例えば第二臨調が言っているように、一割を二年かかってやりなさい、これが一つのルールであるとするならば、十回やらなければみんな審議が終わらないのですよ。それに二年かけるということは二十年かかりますよ。そんなことできるものじゃないから、途中でうやむやになって何もやらなくなってしまう。恐らくそうですよ。やれないのだ。各省が抵抗するものだからやれない。各省は、出すのはベロ出すのも嫌だと絶対に抵抗するものだから、この前の第十七次のあれを見なさい、自治省がばさっとやられて、反対されて、全然出せなかったじゃないですか。今だって同じですよ。このままで一割ずつやったら本当に二十年かかりますよ。二十年かけているわけにいかないから、そのうちにこんなものはうやむやになってなくなってしまう。行政改革も何もない。こういう国と地方の間に介在する複雑怪奇なものは、全部整理していかなければ、行革を幾らやろうといったってできるものじゃないです。地方の行政制度というものは全部がんじがらめになっているでしょう。 今度の自治省から出している地方行革大綱を見なさい。あの中でやれるものは七つありますね。あの中で実際にやれるものというのはほとんどないんですよ、みんな縛られているから。こういう機関委任事務であるとか許認可であるとか、それからいろいろな法律、ああいうものを整理しないうちは、自治省が幾らあれを出したって、行政改革なんかできっこないのです。七項目出しておりますけれども、あの中でできるのは民間委託だけですよ。あとは何もできないでしょう、現実の問題として。あれをやるためには、こういう国と地方の間の機関委任事務みたいなものを整理しなければいかぬ。それをやらないであれをやろうとしたってできないのです。 ところが、あなたの今のお話を聞いてみますと、それこそ本当に二年かかって一割ずつやったら、牛のよだれみたいなものでいつ終わるかわかりませんよ。結局何もやらないということだ。やらないということは行革ができないということなんですよ、地方行革も。 さっきから言っているとおり、いろいろなものである程度のあれが出ている。あとはどれとどれをやるかと政府が決断するだけの問題なのです。それをやらないのです。これは長官、各省を抑えるしかやる方法はないんですよ。向こうから答申を出してきたって、どこかでうやむやになってしまう。あるいは答申を出す前に抑えられて、何にも役に立たないものだけ出てきて、役に立つものはみんな抑えられてだめになってしまう、こういう可能性が今までの経験から見てうんとあるのです。これは本気になってやる意思があるのかどうか、私は大変疑問だと思っていますよ。もう既に今までだって四年かかっていますよ。大至急やらなければ、これは緊急事態で大変だ大変だと言いながら、四年もかかっているのです。改革できる、本気になってやるつもりであるのかどうか。多分やると言うでしょうが、どうですか。
○後藤田国務大臣 地方行革というのは、行政改革全体の中で相当大きな、我々として取り組まなければならぬ課題でございますから、全力を挙げて取り組んで、できる限り期待に沿いたい、かように考えているわけでございます。長くかかり過ぎて何にもやらぬのじゃないかという御意見でございますけれども、そんなことはありません。これは全力を挙げてやるつもりです。 それで、これで終わりになるのか、こういう御質問は、今地方団体その他から全部意見が出てきておりますから、それを個別審議しておりますから、それらの結果、行革審でどういう改革意見を出されるか、その中ですぐにやるべきものと、あるいは場合によれば政府でもう少し、こういう基本原則に立って検討して結論を出せといったような御答申もあるかもしれません。そうなれば、それはまた引き続いてやっていくということでございますし、それから同時に、機関委任事務そのものは全廃するわけにいかぬわけでございますから、それらについてはやはり時代の変化に応じて、そのときどき、政府としては改善すべきものが出てくれば改善していくということにならざるを得ないのではないか、またそれが当たり前のやり方であろう、私はかように考えております。
○佐藤(敬)委員 これは長年の懸案でありますので、国のものは国がやり、県がやるべきものは県がやり、市町村がやるべきものは市町村がやることにして一この機関委任事務という概念そのものをまず頭の中からなくさなければ、何ぼやっても各省庁との整合性がとれてこないと思うのです。本当に私は老婆心ながら言いますが、このままずるずるやっていけば、そのうちにどこかで、砂漠の中の川みたいになくなってしまう。ぜひひとつ早急にこれを検討して、そして早急に実施する、こういうことをひとつ心がけていただきたい、こういうふうに強く要望しておきます。 先ほど五十嵐委員が「地方改革に関する提言」というのを出しました。長官、これを出しました。さっき地方六団体を参加させるというので出しましたね。これをこの間私は見まして、大変感じたことがありましたので、ちょっと御参考に申し上げておきます。 第二臨調が答申を出しました。あれも財界が主力になって、ああいうような大変株式会社臭い日本にしようというので、いろいろなのが出てきました。しかし、これも主力がほとんど財界人なんですね。委員長が日立造船の代表取締役だとか、委員が山陽パルプだとか富士銀行だとか東芝の相談役だとか日産自動車の会長、いろいろなこういう財界の人が出てやっております。しかし、この答申というものと第二臨調の系統の地方改革のあれを見ますと、非常に大きな違いがあるんですね。 これを見ますと、例えば補助金を削れとか、あるいは清掃を民間委託にしろとか、職員が多いから首を切れとか、あるいは議員を減らせとか、自律だとか自助だとか、こういうようなことをこの中には一切書いてない。そして根本は、今の地方自治のあれを改革するためには、この過度に集中した権力を、中央集権のこれを直して地方分権にしなければだめだと書いてある。それしかこれには書いてないのです。同じ財界から出た答申でも、片方はまことにみみっちいし、片方はまことに気宇壮大な、根本に触れたすばらしいものだなあと思って見ておりました。一つ一つ詳細では私ども必ずしも賛成できないものもあるかもしれませんけれども、その根本に切り込んだこの考え方というのは、私は、財界人が委員長だからというふうにばかり見てきましたが、見直しました。これは大変参考になるいい意見だと思っております。 先ほどから後藤田長官のお話を聞いておりますと、ここに書いてあるようなことを実行できるかどうかわかりませんが、同じようなことを言っています。私、これは非常に参考になると思います。地方自治を確立するためには、今のような国が政策を立案し、実行し、監督していく、こういうようなことじゃなくて、政策的な官庁に国はなって、そして実行は地方にやらせて、その間に調整をとっていく、こうすればいろいろな二重、三重、四重、ああいう行政のむだがうんとなくなってくると思います。そこにこそ財政再建、それから地方自治の確立、民主主義の確立、こういうものができる、こう書いてあるのです。これはまことに至言だと思って、感心して読みました。同じ財界人でも、目刺しを食う人もいるし、鯨を食べている人もいるんじゃないかなと思って、感心してこれを読んでいましたけれども、長官には詳しいことを言う必要は何にもないと思いますけれども、どうかひとつそういう立場で、地方分権、地方自治の確立、そしてまた財政の確立、こういうことをひとつ考えていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○後藤田国務大臣 私は、地方行革の重要性を認識しておりますので、各方面からの御意見には率直に耳を傾けて、やるべきことはやっていきたい、かように考えております。
○佐藤(敬)委員 自治省にお伺いしますが、私は、これは何遍も地方行政委員会でお話ししているのですけれども、今、自治体と一口に言うけれども大変大きな差があります。東京都も自治体ですし、私のところに三千人の小さい村もありますが、これも自治体です。同じ地方自治法という法律でもって縛られている。しかし、これはありさまに大変大きな差がある。ここのあたりをこれから、どうも一本の法律でもってこういう多種多様、多岐にわたるものを縛っていくということは無理が出てくるのではないか、こういう気がします。 さらにまた、財源の問題を考えてみますと、今地方交付税という制度がありますが、この制度でもらっていない自治体というのは一つか二つぐらいしかないのですね。県では東京都ぐらいのものでしょう。(「愛知」と呼ぶ者あり)愛知も金持ちだな。ときどきなったりならなかったりするからわかりませんけれども、まず東京ぐらいで、一つか二つです。市町村におきましては、大都市のところは川崎みたいなところだとかもらわないところはかなりあるけれども、まず大部分、九〇%以上がもらっているのです。これだけ皆もらえば交付税制度は無意味なんですね。私は無意味だと思いますよ。みんなこれを広げ、全部で交付税をもらっていれば、だんだん形というものが無意味になってくると思います。 そして例えば地方税法というのがありますね。地方税法というのは、やはり大きなところから小さなところまでたった一本の法律でやっておるわけです。そうすると、大都市におきましては探せば課税の客体が幾らでもあるのですよ。ところが地方税によって課税されない、だから取られない、客体があっても課税して収入を上げることができない。小さい村へ行きますと、税法によって課税しようと思ったって課税の客体がないのです。一つの法律でもって大きいところも小さいところも一緒にやろうとするものだから、過疎も過密もどっちも苦しんでいるのですね。だから、これをその状態によって、あるいは大都市、中都市、小都市ぐらいに分けるかどうかわかりませんけれども、税法だって変えて、大きな都市のところでは自分の財源で自分の都市を経営していく、それだけの実力があるのだからそういうふうにしてやって、税金も取れない貧乏なところは交付税で賄ってやるというふうにすれば、かなりシビルミニマムは上がっていくと私は思うのですが、どうも今のやつは、物すごい大きな差が出てきているにもかかわらず、自治法あるいは地方税法、そういうたった一本の法律で全部を律する、ここに多少無理が出てきているのではないか。これに対する改革が必要ではないかと思いますけれども、あるいは後藤田長官でもよろしいのですが、御答弁をお願いしたい。
○後藤田国務大臣 今日の地方自治法というものは、三千幾つの団体を頭に置いて、基本的なあるいは標準的な枠組みを決めているのですね。その枠組みの中で、よく条文を読んでやっていただければ、これは条例で、可なり村なり地方団体の体質相応のやり方が幾らでもできるような規定になっているのですよ。ただ、その運用の仕方として、住民の行政に対するニーズがどんなところでも同じようになっているものですから、貧乏団体もともかく身丈の合わないものまでつくりたいというようなことで、いろいろなふぐあいが出ていることは事実ですけれども、そこらは地方が自主的におれのところはこれをやるというように決めていただければ、職員の数だってあるいは組織だって全部標準を決めているだけで、これは条例で幾らでもできるようになっていると私は思うのですよ。そういう運営を期待しているのです。そこらは十分お考えいただいて、実情に合うように個性的な地方団体の運営を私は心から期待したい。標準的な制度そのものには、そんなに佐藤さんおっしゃるようにふぐあいなところはない。 殊に交付税などというものは、確かにあなたのおっしゃるように税金の客体がどだい違うのですから、どんなことをしても交付税制度がなければとても行政ニーズに応じられないのですから、そこらはぜひ御理解をしていただきたい、こう思います。
○佐藤(敬)委員 私は、交付税制度を否定しているのじゃないのですよ。自分で自律的に経営できるような大きな都市は自分で経営するように税金を取れるようにしてやればいいじゃないか、税金を取れないところは交付税でいろいろカバーしてやる必要があるだろうと思います。 それからもう一つ、条例で皆できると言うけれども、自治省がおりますけれども、自治省は、目的税なんかたくさんつくるのには大変反対しますし、超過税率をやるのも絶対反対しているのですよ。だから、制度としてはあるかもしれないけれども、現実としてはなかなかそんなことはできないのですよ。石山さん、どうですか。——今は答弁はいい。時間がないからもう一つしゃべって、せっかく出てきたから自治省にちょっとあれしますが、私は五、六年前に予算委員会に出まして、自治省は二重人格じゃないか、ジキルとハイドみたいなものだ。大蔵省の方、国の方に向けばあたかも地方自治の守り神みたいな顔をしているし、地方自治体の方を向けば中央集権の権化みたいな格好をしていると言って冷やかしたら、後からひどいことを言いますなと言ってきたのです。しかし、私は今でもその考え方は変えておりません。いろいろな事例を言うことができますけれども、例えば起債一つ見ても、この間新聞を見てあれしたのですが、石原事務次官が、起債制限するのは決して制裁じゃない、そこのところ、そこのところの財政状態をよく考えて制限しておるのですと言っていますね。しかし、我々はあれは制限だと思っています。どうも考えが分裂していまして、よく私どもの面倒を見てくれますと言って感涙にむせんだらいいのか、ペナルティーを食らって悲しい涙を流したらいいのか、同じ涙でも大分出どころが違うような感じなのでして、自治省には非常にそういう二重大格的なところがある。先ほど私の方の五十嵐さんは、上半身は人間で下の方は馬だというようなことを言っていましたけれども、それよりももっと全然正反対の性格を持っているのじゃないかというような感じがします。 というのは、私は先ほどから言っていますように、地方分権というものを徹底させなければ地方の自治なり経営なりというのは確立していかないという考えを持っています。ところが、自治省の考え方を見ると、あるときは中央集権の代表になりあるときは地方分権の代表になる、全く反対の行動をしているのです。 ちょっと学のあるところを申し上げれば、素粒子に中性子というのがあります。なぜ中性子というかというと、マイナスの電子とプラスの電子が同じぐらい入っているから、プラス・マイナス・ゼロで電子の性格が全然出てこないから中性子というのですが、自治省も全く同じで、分権の電子と集権の電子と同じぐらい入っているものだからプラス・マイナス・ゼロで、一生懸命動いているように見えるけれども、さっぱり効果があらわれない。いつまでたっても自治体というのは貧乏だ、うだつが上がらない。自治省が一生懸命頑張っている割にはさっぱりうだつが上がらないという状態になっている。 だから、私が自治省にお願いしたいのは、常に地方分権という立場に立って、自治省の頭をぽんとたたいたら地方分権の音がする、これぐらい地方分権に徹すれば自治体がもっとよくなるのじゃないか。最後にこれを申し上げますが、いかがですか、石山さん。
○石山(努)政府委員 いろいろと御指摘をいただきまして恐縮でございますが、私どもとしては、これまで地方自治の自主自律、発展のためにできるだけの努力を重ねてきたつもりでございます。民主政治の基盤となるものは地方自治でございまして、その地方自治の自主自律、発展を図るということが民主政治の展開を図る上において不可欠なものであるという理解をいたしているわけでございまして、今後とも御指摘の点も十分念頭に置きながら対処してまいりたいと考えております。
○佐藤(敬)委員 終わります。
○中島委員長 田中恒利君。
○田中(恒)委員 地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律の中で、農林水産関係を中心に若干質問いたします。 長官にお尋ねいたしますが、先ほど来いろいろお話がありましたように、この法律は臨調、つまり行政改革の中で国と地方の機能分担、こういう立場で事務改善、事務合理化について具体策を提案されたわけでありますが、新聞などでは既にいろいろ発表されておるわけでありますが、これに引き続いてどういう問題がいつごろ出されてくるのか、その辺のスケジュールというか計画をちょっと明らかにしていただきたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 地方行革との関連におきまして今後のスケジュールでございますが、現在、機関委任事務のあり方の見直し、いま一つは許認可権限の地方移譲ということについて御検討をお願いしておりますが、大体七月ごろに答申が出てまいると思いますので、その答申を受けて政府としては対応してまいりたい、かように考えております。
○田中(恒)委員 機関委任事務、権限移譲、後で私も若干お尋ねをいたしたいと思いますが、この行革審議会の一つの考え方の中心に、民間活力の導入という立場が非常に強く出てきておる、こういうふうに新聞などではいつも書かれておりますし、まさにこれはまくら言葉になっているわけでありますが、この民間活力ということが、特に農林水産業の問題とつながった場合に、一体反間活力を強くするのか弱くするのか、この辺の問題について私どもは非常に心配をしておるわけであります。 つまり農業というのは、農業基本法という法律がありますが、そこにもはっきりと明示をしておりますように、他産業に比べて社会的、経済的、自然的に不利な条件を持っておる、したがってこれは国の責任でそういうものを除去していかなければいけないということが、たくさん法律がありますが、農業基本法の基本としてうたわれておるわけですね。それに伴って、相当長い歴史がありますからいろいろな制度や仕組みができておる。つまり補助金なども役所の中では一番多いというふうに聞かされておる。いろいろ複雑な、多様なものを持っておることは事実です。 後でいろいろ議論いたしますが、その中で整理をしなければいけないもの、たくさんありましょう。しかし、全体的に今日の日本農業の実態を見た場合に、やはり非常に厳しい。跡を取る人はだんだんいなくなり、年とった人、女の人が農業をやっておる。しかも日本経済全体は大きく成長した。今通商摩擦の問題が大きな課題になっておりますけれども、我々から言わせれば、自動車や電気製品を集中豪雨的に外国へ持っていく、見返りにオレンジを買え、肉を買え、こういう形の通商摩擦というのがいつも農業問題にぶつかってきておる。 こういう状態の中で、臨調なり行革路線の中で言われておるような方向、つまり農業の補助金をぶち切れ、そして自立させた方がいいんだというような考え、食管制度を大きく合理化していけ、あるいは米価の時期になりましたが、これは長官を初め政治家は皆、選挙区へ行ったら米価を上げろ上げろと言うわけですね。しかし、臨調行革は数年前から米価を抑えよということは天の声になっておるわけでありますが、こういう情勢の中で進められる臨調行革路線というものの中で、一体この農林水産業という第一次産業の位置づけをどういうふうに長官は頭の中に描いて、そしてこれからの行革路線というか行政改革というか、いろいろな権限移譲などを含めた諸方策を進めていくお考えか、この際基本的な考えを承っておきたい、こういうふうに思うのです。
○後藤田国務大臣 今回の第二臨調の御答申というものは、財政を含め我が国を取り巻いておる内外の厳しい状況の中で、行政全般にわたって聖域は設けないという立場に立って、改革の基本の方針をお示しになっておるわけでございます。 もちろん、現在、農業を取り巻いておる環境あるいは農村の実態等から見ますと、これはやはり全体の中では弱者の立場に立っておりますから、そこらは十分配慮なさっておるもの、私はかように考えておりますが、今回の行政改革の切り口は何によってやったかといいますと、一つは自主自律、もう一つは受益者負担、もう一つは民間活力、この三本の切り口で行政全般の改革を御提言になっておる。そういった中で聖域は設けていないということでございますから、農村なり農家が置かれている立場は十分配慮はいたしておりますけれども、やはり全般的な改革の中の一環として、農業についても改革の御提言が出ておるわけでございます。 そこで、我が国の農業のあり方につきましては、一つは、国際化の進展のもとで需要に即した農業生産の再編成、生産性の向上、産業として自立し得る農業を確立するということが重要である、こういう御指摘のもとに、米の問題あるいは農家の経営規模の問題あるいは農業基盤整備の問題、こういった点についてのいろいろな御意見をちょうだいしておるところでございます。そこで、農水省としては当然のことながら、政府としてもこれに対応すべく適切な施策を推進してまいろう、こういう考え方で今日諸般の検討を行っておる、これが現状でございます。
○田中(恒)委員 長官、合理的とか自立とかいろいろありますが、今、日本の産業全体の中で農業の占めておる比率というのは、たしか関連産業全体を含めて一四%程度だと思うのです。金額にして恐らく三十四、五兆円。そのうち農林水産分野というのは八兆円か九兆円まで、一八%か一九%だと思いますね、ちょっと頭覚えですけれども。関連産業部門が大体十六兆から十七兆ぐらいあると思うのです。ちょうど倍ぐらい。それから流通部門があと二割ぐらいですね。したがって生産部門のいわゆる農産物、食糧に付加価値を加えていくという過程がぐっと大きくなっているわけなんですね。そして生産段階の農業の分野というのはずっと小さくなっているわけです。これが今の実態であります。こういう実態の中でどこを合理化し、どこを直していくかという問題を考えないと、食糧確保という国家の大前提というものにひびが入ってくると思うのです。 例えば最近、新聞を見ると、種子の法律があるんだが、この種子の法律を今度、あなたのところだろうと思うが、臨調行革の中でこれを変える。これはバイオテクですね、新しい先端技術、こういうものの流通というものを想定して、今の種子法では非常に不十分だということでありますが、これは昨年のたしか九月ごろであったと思いますが、財界からこの問題についての提言がなされておる。つまり、今の種子法では民間の導入の余地がないから、これを民間が自由に動くようにせよということでありますが、これは私は、そういうことを考えなければいけない分野もあると思いますから全面的に反対はしませんけれども、しかしその裏側には、私どもからすると、米の種で約五百億ぐらい、麦から大豆から芋を入れて六百億ぐらい、一千億以上の市場があるわけなんですよ。こういうものに対する民間の非常に大きな思惑が動いておる。そういうものと臨調行革、どこか知りませんがこういうものを検討されて、この間大きな新聞に発表になっているわけですけれども、恐らく今度七月に出るだろうということになっておるわけですが、しかしそういう視点だけで進められると、私は、自立させなければいけない農家の方向とがあり方とかいったような問題が逆に弱まってくるという気がいたしますので、そういう点はそれこそ十分配慮をしながら考えていただきたい、こういうふうに私は思っておるのですが、長官はどうでしょうか。
○後藤田国務大臣 農林関係についての臨調の御提言は、先ほど言ったような立場で御提言をちょうだいしておるのですが、おっしゃるように確かに生産の面あるいは流通の面それから食品加工の面、全般を頭に置きながらの第二臨調の御提言であろう、そういった中で、厳しい情勢の中に置かれておる農家あるいは農村、これらも十分配慮をした上での御提言であろう、私はかように考えておりますが、御質問の中で専門的な事項がございましたので、それは農林当局から答弁をさせたいと思います。
○管原説明員 ただいま先生からお話のありました件は、特に米麦の種子というような範疇に入ると思いますけれども、主要農作物種子法では米麦、大豆を対象にしておるわけでございますけれども、こういう作物は我が国の基本食糧でございまして、かつ、農業の部面で言いましても基幹作物というようなことでございますので、私ども農林水産省としましては、農業者への優良な種子の安定供給ということを基本理念といたしまして、我が国の実情に即しまして都道府県の責任のもとに品種育成並びに生産、普及を推進しているというのが実態でございます。 主要農作物種子法は民間の参入を必ずしも排除しているわけではございませんけれども、ビール麦を除きましては技術的な蓄積が少ないというようなこともございまして、これまで民間の参入がなかったというのが実情でございます。最近、バイオテクノロジーの急速な進展等もありますので、種子の分野においても新たな可能性が生じてきておりますけれども、今直ちに種子法を改正しなければ支障を生ずるというような状態には至っていないというふうに考えておりますが、今後の技術の進歩を十分見きわめながらこの点は的確な対応をしていかなければなるまいというふうに考えておる次第でございます。 いずれにいたしましても、主要農作物の農業生産、それから国民の食生活における重要性という方面から見ますと、種子については今後とも優良なものを安定供給するという基本原則のもとに、適切な種子行政を推進していかなければいけないというふうに感じておる次第でございます。
○田中(恒)委員 法案の内容に関連したことについて具体的にお聞きしますけれども、農林水産省、一体地方自治体への国の関与事務、それから必置規制はどれほどあるのか。そして今度のこの法案でどれだけ変えられたのか。聞くと行政監察局も調査をしておるようですが、ここから出されておるものは、まだ相当たくさんあったようですけれども、その中からごく振り落とされたものがここへ来ておるわけですが、全体で一体どのくらいあるのか。 今度どのくらいその中で具体的に整理をしてきたのか。なぜたくさんあったものの中からこういう状態になったのか。個別にはいろいろあるわけだけれども、一般的にその理由をお示しをいただきたい。
○吉國政府委員 お答えを申し上げます。 まず、国の地方公共団体の事務に対する関与がどのくらいあるかという点が第一点であったと思いますが、この国の関与というのも先生御承知のとおりいろいろな形態のものがございまして、数を数えることが必ずしも実は容易でないわけでございますが、全体として相当な数になっておることは間違いないと思いますけれども、現在のところ全体数を把握しておるわけではございません。必置規制の方につきましては、現在、農林水産省関係でこの法律改正前の姿で十八あるというふうに理解をいたしておる次第でございます。今回どのような数のものについて検討が行われたかという点でございますが、総務庁の方でいろいろ御調査をいただいたものと合わせまして、私どもの理解では、行革審の方では、地方公共団体からの御要望なり要請なりといったようなものも踏まえて私どもに対して説明の御要求があったわけでございますが、その説明を求められた件数で申し上げますと、国の関与につきましては十七項目あったわけでございます。このうちで今回の法律案で措置することとされておりますものが九事項ございまして、政令改正等で処理するものを合わせまして全体として十一事項について何らかの措置をすることとしておるわけでございます。一方、必置規制の方につきましては、先ほど十八件あるということを申し上げましたが、そのうちの十二件について説明を求められておった次第でございますが、今回の法案で三件につきまして措置をする、その他通達によりまして二件合理化を進めたというものがございまして、合計五件の措置をするという状況になっておる次第でございます。 基本的な考え方をどういうことで振り分けたかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、国と地方との間で相提携しながら農林水産行政を進めていかなければならないわけでございますが、やはり全国的な見地から統一的な処理が必要である、また、例えば病害虫防除といったようなものにつきましては全国的なネットワークというようなものが非常に大事だといったような分野がございますし、そういったものにつきましては、最小限の国の関与なりあるいは必置規制を残していくということは確保しながら、事務の簡素化という点から、最近の社会経済情勢というものに応じまして簡素化を図れるものについては図るといった考え方で対応をしてまいったつもりでございます。
○田中(恒)委員 あなたの話を聞いたら、えらい国の関与の事務はわからないというのだけれども、わからないほどたくさんあるんだと私は思っているんですよ。物すごくあるんじゃないの。細かいところをぴしゃっと把握してなくて、国の関与の事務の整理をするとかいうようなことが出てくるんですか。そして十七件、これは法案か何かに関係したことでしょうけれども、今度の項目だってあなたの言われたことを聞いたら、言われたことの大体七割か八割やっておるということだけれども、その前にたくさんの項目があったのじゃないですか。これは全体の二割に達するか達しないかの程度なんじゃないですか、実際にここへ法案として出してきているのは。まだほかにたくさんあるんじゃないですか。
○吉國政府委員 全体としまして国の関与と言われるものの数が相当たくさんの数に上るということはお話しのとおりでございまして、そのうちで先ほど申し上げました十七件というのは、今回の見直しに当たりまして農林水産省に対して説明を求められた件数が十七件であったということで、これはお話しのとおり全体の農林水産省関係の国の関与の中のほんの一部分であるというふうに申し上げてよろしかろうかと思いますが、全体数がきちんと幾らかということを現段階で把握しておらないということを先ほど申し上げた次第でございます。
○田中(恒)委員 これはともかくたくさんなものがあり過ぎるほどあるんですよ。今度あなたのところが出されたものは、どうも金も人もそれほど関係ない、存在価値も大分薄らいだものが大半ではないか、こういう声がある。これは農林水産省だけではない。先ほど来の議論の中にもいろいろ出ておったようなことで、他省庁についても同じようで、何か補助金の一括法案のかわりにこれを出してきたんだ、こういう声すらあちこちあるんで、ともかくこれでは効果があるのか、極めて不十分だ、こういうところが強いように私は思うのですが、自治省はこの問題について地方制度調査会などから数次にわたって指摘を受けておるわけでありますけれども、今回のこの法案は、長官おっしゃるように、今までいろいろ言ったけれども物にならなかったが、一発穴があいて具体的に前へ進み出したという点は初めてかもしれないけれども、一体こういう程度でよろしいというふうに自治省の方は理解していらっしゃるわけですか。
○石山(努)政府委員 地方公共団体に対する国の関与や必置規制につきましては、国、地方を通ずる行政の簡素効率化、地方分権の推進という観点から考えまして、極力これを整理縮小することが必要であるというのが基本的な考え方でございます。 今回のこの整理合理化につきましては、非常に短期間に多方面にわたる検討を行った結果取りまとめられたものでございまして、当面の改善案としては評価をすべきもの、こういうように考えているわけでございます。しかしながら、御指摘もございましたけれども、これまでの地方制度調査会の答申でございますとか地方公共団体の長年にわたる要望、意見等からいたしますと、今回の措置をいたしましてもなお残されている問題が少なくないわけでございまして、今後あらゆる機会をとらえてさらに一層の整理合理化を進めていくということが不可欠である、かような認識をいたしております。
○田中(恒)委員 事務の配分については、いろいろお話をお伺いすると、一つはやはり行政責任というものを明確にしなければいけない、次は効率というものを考えなければいけない、そして国なり地方公共団体があるわけですけれども、住民が直接触れておる市町村というところに基盤を置いた事務の合理的な配分というものが基本である、こういうように我々は聞いておるわけでありますが、今回のこの法律改正をてこにしながら、これから特に県と市町村ということになるのでしょうか、もちろん国が機関委任事務などを初めとして相当分野入り込んでいるわけでありますけれども、この市町村の権限移譲というか事務合理化というか、そういったようなものについてはどういうふうにお進めになる予定でいらっしゃるわけですか。
○石山(努)政府委員 御質問の趣旨がそのとおりであるかどうか必ずしも自信ございませんが、都道府県と市町村との関係におきましては、都道府県の事務を市町村に移譲するということがかねてからの課題でございますし、相当数の府県でその取り組みをいたしているわけでございます。私どもの調べたところによりますと、既に四十五の都道府県においてその市町村移譲が行われておりますけれども、このような都道府県の自主的な事務移譲につきましては、管下の市町村と十分協議をした上で、市町村の受け入れ態勢にも十分配慮しながらこれを取り進めていくということが必要であろう、かように考えております。
○田中(恒)委員 農水省にお尋ねをしますが、農業の動向も変わってきたわけでありますが、農業政策というか裏打ちをしておる行政の流れ全体が確かに変化をしなければ、こういう事務の問題から権限移譲の問題など解決できないわけでありますが、国と地方の農業政策の機能分担というものは基本的にどうあるべきか、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○吉國政府委員 大変幅広い御質問のように承ったわけでございますが、農業に関しましては、先生よく御承知のとおり、非常に地域によっていろいろ条件が異なっておりますので、地域の実情に合った農業政策を展開していかなければならないということが確かに基本にあろうというふうに思っておるわけでございます。 そういう観点から、特に近年の農政の展開におきましては、極力地域の自主性に即した事業、施策の推進が行われるように、補助事業の面で、例えば統一化、総合メニュー化ということを進めるといったような努力をいたしてまいっておるわけでございます。 また、構造政策の推進等におきましても、地域の農業者の話し合い路線というものを重視し、また各種の関係機関がそれに協力をするといったような形で、地域ごとの農政を進めていくというような考え方で進めておるわけでございます。 ただ、農政全般という点から申し上げますと、やはり広域的な観点から一定の規制が必要であるというものがございます。土地利用関係におきましてもあるいは流通関係におきましてもそういった問題がございますし、あるいは生産面でも病害虫の防除でありますとか家畜の伝染病予防でございますとか、そういった広域的な見地から統一的に行政が進められるという分野があるわけでございます。 さらには、御案内のとおり、需給実勢に合わせました生産調整でございますとか価格政策といったような、全国的でなければ実施でき得ない施策というものもあるわけでございまして、こういったいろいろな局面の行政を組み合わせて農林水産行政ができ上がっておるわけでございまして、私どもとしましては、地方と国との間で極力それぞれの施策の政策に応じまして合理的、能率的な分担関係が行われるというような観点から、その都度客観情勢に応じて見直しをしながら進めてまいる必要があろうというふうに考えておる次第でございます。
○田中(恒)委員 確かに、最近の農林省の予算を見ても総合化とか地域のメニュー化のようなものが出てきておりますけれども、しかし、これは例えば農林予算が非常に狭められてきておる、その逃げ場を何かいろいろなものを寄せ集めて総合化ということで処理していく、そういう意図もなきにしもあらず、そんな感じもいたします。 いろいろ言っても、日本の農業政策というのは、中央集権型の農政というものが中心になって組み立てられてきた、またそれでやれてきた時代であったと私は思うのですね、ある時期までは。しかし、少なくとも昭和三十年代ごろを契機として、これだけ地域、地域に農業の形態が分化をして、それぞれ味のある地域の農業生産というものが展開をし始めてきたわけでありますから、相当思い切った地域政策というものを打ち出さなければ、今日の激しい対応に立ち向かうことができない、そんなように思います。 そういう面では、確かに多少そういうふうに目は向け出したけれども、もう少し大胆に、国がやるべき機能のあり方、市町村なり地方でこれから方向づけるべきもの、こんなものが基本的に整理をせられた上でこういうふうな事務合理化などの方向が打ち出されないと、どうも我々には、どこかに引っ張られたり、嫌々ながらほかの省庁右へ倣えで、これだけはやらなければいけないからという程度のもので進められておるような気がしてならない。 特に、これは農林水産省だけではないが、やはり行政の縦割りというものがこれだけ徹底して進められて、下までこれが響いてきておる、この行政機構の改革まで前提にないと、私は完全に機能し得ないと思うのですよ。そういう面で、思い切って地域の農政というものを国の段階で考えるというのは、これはちょっと横着など言えば横着という気もなきにしもあらずだけれども、国も考えていく、地方は地方で独自の動きを、御承知のように一品一作とか一村一品運動であるとか、いろいろな形で出てき始めてきておるわけでありますから、そういうものに十分目を向けながら、思い切って地域農政というものについての方向づけをこの際やらないと、こういうものをぽんぽん出しても、このことによって本当に日本の農業の生産性なり自立自助なりそういったような方向に向かう道にはならぬ、こういうふうに思うわけですよ。そういう意味も込めて、なお御意見があればお聞かせいただきたい。
○吉國政府委員 地域農政の確立をしていかなければならないという方向については、確かに御指摘のとおりであろうというふうに考えております。 農林水産省としましても、各関係部局間の——農林水産省の中でも縦割りの弊に関する指摘があるような状況でございますので、関係部局間の連絡協調を密にするということが無論必要でございますけれども、先ほど申し上げましたような、地方公共団体のレベルでの自主的な農政の推進ということを側面から支援していくという形での施策というものも逐次充実をしてまいっておるわけでございますし、また、地方公共団体と国との関係ということだけでなく、農業団体とか農林水産行政を末端で進めていきます各種の組織、そういったものとの間の連携ということも考えなければならないということで、各種のそういった機関が知恵を出し合って総合的な計画をつくり、それに従ってまた各種の事業を進めていくといったような組み立てにここ数年努めてまいっておるわけでございます。 こういった方向を今後とも助長していきながら、御指摘のような地域の実情、自主性にのっとった効率的な農政の展開ができるように努力をしてまいる必要があろうというふうに考えておる次第でございます。
○田中(恒)委員 それで今度の場合も、例えば開拓審議会を廃止をした、そしてこれは都道府県の農業会議にその業務が移管される、こういうことのようであります。これは恐らく、開拓といったようなものが現実問題として、開拓する人もいなくなったし、審議会などもそんなに開かれないといったようなことから、あってもこれはもう存在価値がなくなったということだと思いますが、何か理由がありましたらおっしゃっていただきたいが、ただ、私ども、先ほど来申し上げておるように国全体の農業、食糧をどうするかという視点で物を考えた場合に、やはり日本の農業は土地利用型農業がおくれておるわけでありますから、土地をどう拡大していくかということが基本なんです、だれが考えても。 現実に、我が国の国土面積の中で農用地に仕向けられておる分野は非常に狭いわけですね。そこで、土地を造成していくということは農政の基本でなければいけない。現に農地の拡大の土地改良事業ですね、これは相当長期の計画で金をぶち込んでおるわけですね。そういう大きな国の農政の路線というものがありながら、開拓審議会というものが動かなくなってきた。これはいろいろな矛盾というか組み合わせの結果でありますけれども、しかし、そういうところはどうも我々にはぴんと来ぬのだな。開拓の必要はないのか。開拓してもやれないからつぶれるわけなんで、これをやれるようなことを考えなければいつまでたっても農地はだんだん狭められてくるじゃありませんか。だからそういう意味では、政策論として考えた場合には、現実にこれは意味がなくなったから消すのだと言うのだけれども、こういう姿勢の中に——それは農業会議へ持っていくのだから、農家がやるのだから同じだと言えばそれまでですけれども、やはり土地を深めて、今からまだ草地などで利用しなければいけない分野がたくさんあるのだから、そういうものに力を入れていくというような姿勢が出てこないと本当にならぬと思うのですね。そういう意味では、開拓審議会の廃止ということも、よく考えてみるとどこかやはり間違っておるところがあるのじゃないか、こんな気がしてなりません。 病害虫の防除所を一県一カ所にしていく、こういう整理統合も出てきておるわけでありますが、これも実際に病害虫防除所が大体各県に二つ、三つあるんだと思うのですがね。まあ、人数が少なくなったから一カ所でやった方が機動的にいいのだということなのかもしれぬが、これで果たしてやれるのか。病害虫の防除所というのはやはり植物検疫という仕事も持っておるわけでありまして、最近の実態は、いろいろわけのわからぬものが、土地から農薬から肥料から、いろいろな植物にそんなものが非常にたくさん出始めてきておる。そういうものの発生予察を含めて、県に一つあるということでこれはいいのか。ここは現状をふやせとか、ここは県に一つあれば事足りるのだというようなことにもつながりはないようですけれども、私は、二つか三つあるのをただ単に一つにすればそれでいいんだ、事は済むんだということで処理しておるのじゃないか、こういうふうな気がしてならないわけであります。 以上の二つの問題について、もし御意見があったらお聞かせいただきたい。
○日下部説明員 第一点の開拓審議会の問題でございますが、御指摘のとおり、開拓審議会は、現在農地法に基づく未墾地の買収、売り渡しに関する諮問機関として位置づけられてございますが、昭和三十六年以来、いわゆる開拓の方式が変わりまして、持ち込み参加方式という形になりました関係上、それ以来、対象となる未墾地財産が非常に減少いたしまして、したがいましてこの審議会の活動もやや不活発の面があるということでございます。 これを契機としまして、その審議事項を都道府県農業会議に移管させることとした次第でございます。 なお、農地開発の必要性につきまして御指摘がございますが、私どもとしてもその点十分承知いたしておるつもりでございますが、今回の開拓審議会の問題は、いわゆる農地法上の、現在残っております未墾地に係る処分の問題に絡むだけの問題でございますので、そのような方向に相反するようなことにはならないというふうに考えております。
○岩本説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘のように、病害虫防除所の持つ機能の重要性につきましては、私どもも現在いささかも変化してないという認識に立っております。ただ、昨今のいろいろな情勢の変化に対応いたしまして、病害虫防除所の運営をより効率的に、かつ、機能を十分発揮させるという観点から、一県一カ所の整理統合を進めてまいりたいというふうに考えております。 ただ、その際、それぞれの県の実情がございますので、地域の実情を十分勘案しながら、支所の設置あるいは病害虫防除員制度というものがございますので、そういったものの活用、あるいは非常に能率的な病害虫発生予察技術の導入といったようなものを十分かみ合わせながら、その整理統合が円滑に進むように対処してまいりたいというふうに考えております。
○田中(恒)委員 これは今度の問題の中には入っていないわけですけれども、どうもちらほらいろいろなところから入ってくる情報というか、話では農業改良普及所を相当縮小合理化をしていく、こういう話を聞くわけです。あるいは生活改善指導員というのがあるのですね。この生活改善指導員というのは、農家の台所改善は終わったからもう必要ない、こういう話を聞くのですけれども、これについて農水省の方ではどんなふうに改良普及所を、普及員、生活指導員、こういうものについてどういう方針で臨まれておるわけですか。
○坂柳説明員 先生御指摘のように、一部におきましては先生御指摘のような声もあるわけでございますが、先生御承知のとおり、今我が国農業につきましては、農業生産の再編成の問題でございますとか、生産性の向上、あるいは農業経営の体質の強化、こういったようなことが大変緊急な課題になっておるわけでございます。そこで現地といいますか現場におきましては、転作作物の技術指導でございますとか、他作物への転換の問題でございますとか、あるいはコストダウンの技術等々、また最近は農家の経営問題、経営に対する指導、こういったようなことが求められておるわけでございます。こういったような課題に的確にこたえてまいりますためには、今後とも高度な技術と知識を持っております普及員が、現地で農家に対しまして的確な指導を行っていくことが要請されておるわけでございます。 そこで、普及所というのは、こういった普及員が総合的あるいは統一的に指導を行うためのいわば拠点となるものでございます。そういった重要性にかんがみまして、私どもといたしましては、この普及所につきましてこれを廃止する、こういった考え方は持っていないわけでございます。 それからまた、生活改良普及員について触れられましたが、確かに先生ちょっと触れられましたが、農家の生活の現状を都市と比較してみますと、確かに改善されておる面もあるわけでございますが、一方では依然として農家、農村に特有といいますか、特徴的な幾つかの困難な問題があるわけでございます。 先ほどちょっと触れておられましたが、最近では農村のいわゆる農作業を担当する人がだんだんと御婦人に偏ってきておる、こういう問題がございますし、当然のことながら農作業、農業労働というのは季節的に大変過重な時期がある、こういうふうな問題がございます。そこで、農業生産というものを安定的に維持発展させていくためには、そういった農家の方々の健康問題、こういう問題につきまして適切な診断なりアドバイスをしなければいけない、こういう面もあるわけでございます。それからまた、最近の調べによりますと、農村のいわゆる高齢化という問題が進んでおるわけでございまして、農家特有の問題としていわゆるお年寄りを抱えた三世代世帯といいますか、そういう農家もふえておるわけでございます。そういう中で、農家の主婦に対するいろいろな困難な状況というものがあるわけでございます。その他生活環境の問題もございますし、申し上げましたように、依然として農家、農村に特徴的な課題が相当あるわけでございます。 私どもといたしましては、そういった現状を踏まえまして、今後におきましても、高度な技術なり知識を持った生活改良普及員が、現地におきまして的確な指導を行うことが心要であると考えておるわけでございます。したがいまして、生活改良普及員を廃止するという考えは持っていないわけでございます。各方面からの御指摘等につきましては、そういった事情を十分御説明をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○田中(恒)委員 総務庁ですかね、先ほども質疑が交わされたわけですが、五月二十九日の日本経済新聞、「総務庁は「国から地方への権限移譲」に関する行政監察結果をまとめ、二十八日の臨時行政改革推進審議会の地方行革推進小委員会に報告した。それによると、三十八項目の権限を国から地方へ移譲するよう指摘をしておる。」こういうふうな報道がなされておるわけでありますが、これは農林水産関係ではどういう項目のものがあるのか、これはここで明らかにできないのですか。
○竹村政府委員 権限移譲の調査につきましては、地方六団体あるいは自治省、さらにはそのほかかつての行政監理委員会あるいは臨調、こういったところから権限移譲関係で出ておりまして、まだ実施が行われていないそういうものを対象に調査をしておりまして、農林関係で申しますと、例えば県内の農業関係の団体に対します指導監督の問題、そのほか農地の転用についての知事と大臣との権限分担、こういったものを内容にしております。
○田中(恒)委員 農協あるいは漁協、これらの設立、あるいは定款変更の許可権を知事段階でよろしい、こういうようなこととか、あるいは農地法の農地転用の許可権、土地配分計画の作成権、あるいは未墾地等の処分の許可権を県に移してはどうかといったような問題ですね。あるいは森林法の保安林の指定あるいは解除、こういうものは従来から都道府県段階でほとんど実態を把握して処理をしておるので、いろいろ制限のあるものもあって、国の許可が必要なものと知事で処分できるものとあるわけでありますけれども、こういうものを一切地方に権限を移譲してくれ、こういう要望がこれまで地方六団体などからも出ておるわけでありますが、そうしたらこれらの問題が、総務庁の行政監察結果としてこういうものをすべきだ、こういうことで報告をされたわけですか。
○竹村政府委員 この調査は、行革審の方から依頼を受けまして、それで先ほど申し上げたような意見をもとにして調査をしたものでございまして、あくまでも行革審の審議の資料にするということでございますから、そこについて我々の方で断定的に申し上げるというものではなくて、その辺の方向づけをしていただくのはやはり行革審である、こういう関係になるものでございます。
○田中(恒)委員 長官、こういう問題は、確かにこれから小委員会か何かで審議をして七月ごろに答申が出るのだと思いますが、前々から地方ではよく言われたことですね。例えば山村振興法、この間の議院でまた延長をいたしましたが、これも知事が計画を樹立して内閣総理大臣の承認が必要であるというようなことになっておるのだが、山村振興法なんというのは、市町村長が計画を立てて知事がそれを認定すれば、内閣総理大臣まで持っていかなければいけない理由がどこにあるのかなと前々から思っておったわけですが、こういうものも含めてたくさんの地方への権限移譲というものがあるように思います。いろいろ調査をせられたものも決して十分なものではないように思うのでありますが、こういうものが果たして各省庁の間で——今度の事務の場合もそうでありますが、やはり各省のそれぞれの縄張りがこの種の問題については一番の隘路であるし、難しいところであります。そういうものを長官としては、答申を受けてからということなんでしょうが、出されたものについて、この権限移譲については相当思い切った形で進む、こういうお考えで進められると思うのですけれども、長官の方からちょっと御意見をお聞きしたいと思うのです。
○後藤田国務大臣 権限移譲とか機関委任事務の整理というのは、御承知のようになかなか各省の抵抗の多い仕事でございますけれども、やはり基本的な考え方は、できる限り譲るべきものは地方に任じていく、こういう観点に立って私どもとしては改革をやっていきたい、こう考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 農林省の方はこれについてはどういうお考えですか。
○吉國政府委員 権限移譲関係で、私ども行政改革審議会の方から幾つかの問題について説明を求められております。私どもといたしましては、基本的には先ほどもちょっと申し上げましたが、国の立場から全国的な統一的な行政処理を確保するといった立場、あるいは権利義務にかかわります行政について公平を期していくといったような立場、そういった立場がございますし、また、開拓地等につきましては国費を投じて国家的見地から農地造成を進めてきておるといった立場との関係、そういった問題がございますので、私どもの考え方を行革審の方に御説明を申し上げたわけでございますが、今後、事務簡素化といった一方での課題と、国家的見地からどれだけの規制を国みずからとして行っていく必要があるかという、両方の観点をにらみ合わせて調整をしていくことになるであろうということで、現在慎重な検討を進めておる、そういう段階でございます。
○田中(恒)委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わりたいと思いますが、最後に後藤田長官に……。 この農業問題というのは、一面非常に合理性を追求しながら、一面それがなかなか貫きがたい壁がありまして、そういうものは、理屈の上ではこうだけれども、実際の行政の運営とかいろいろな今までやってきた仕組み、そういうものの実態に立って、しかもそれについての関係住民あるいは関係農林漁業者の期待というものもあるわけでありまして、そういうものの中から取捨選択をするということになっていくと非常に厄介な問題もあろうかと思います。 しかし、大きな視点から、農政の基本的な道筋というものを踏まえて、そこで切るものは切っていくし、それから切るだけで終わったのでは困るので、ふやさなければいけないところ、力を入れなければいけないところはたくさんあるわけなんです。そういうところにもう少し目を向けていって、行政改革というのは、ともかくぜい肉を落としてしまうということではなくて、つけるものもたくさんつけていく、こういう方向を考えていただかないと、特に弱いこういう産業の中には与える打撃が非常に強いと思うのです。そういう意味を私は常時思いながら、きょうは不十分でしたけれども質問をさせていただいたわけですが、最後に、長官のこれらについての御意見を承りたいと思います。
○後藤田国務大臣 おっしゃるように行政改革というのは、何も切って捨てればいいというような、そういうことでやるべきではない、私はこう考えておるわけでございます。要は、むだなものをなくし合理性を追求していく、そうして同時にその過程の中で、農業なんかのような弱い立場にある人に対しては国としてのそれなりの十分な配慮をしなければならぬというような考え方で、一面そういうことを考えながら行政の改革というのは変化への対応力をつけていく、こういうことが基本の考え方で私はやっていきたい、かように考えているわけでございます。
○田中(恒)委員 終わります。
○中島委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 地方公共団体に対する関与、規制に関連して、許認可などについてお尋ねします。 最初に法制局に伺うことになると思いますが、許認可等臨時措置法、これは昭和十八年の法律第七十六号、戦前の法律ですが、この法律と、この法律に基づく政令で、許認可等臨時措置令というものがあるわけですけれども、この立法趣旨と内容の概略をまず説明していただきたいと思います。
○関(守)政府委員 今お話しの許可認可等臨時措置法の趣旨でございますけれども、これは行政簡素化のために、勅令の定めるところにより、法律によります許可認可等を省略し、あるいはある行政庁の権限を他の行政庁に移譲する等の行政上の手続あるいは処理につきまして簡素化をするというための措置を定めることを、この法律で認めることにしたものでございます。なお、同法に「大東亜戦争二際シ」とございますけれども、これはその制定の動機を示したものと解されるところでございます。 そうしまして、今お話しの許可認可等臨時措置令につきましては、許可認可等臨時措置法を受けまして、昭和十九年六月一日、この法律の施行の際に効力を有します法令による許認可等に関しまして、行政簡素化の措置の内容を定めているわけでございます。
○柴田(睦)委員 今言われましたように、結局「大東亜戦争二際シ行政簡素化ノ為必要アルトキハ」やるという法律内容になっておりまして、それが現存しているということです。これは侵略戦争だったのですけれども、こういう戦争遂行のために手続の簡素化を定めるということになっておりますが、こういうものは本来もう廃止されていなくちゃならないと思うわけであります。その点で、この廃止の問題についていろいろ伺いましたけれども、何しろ所管庁がはっきりしないということでありました。今許認可が問題になっておりますからこれは長官に伺う以外には仕方がないように思うわけですが、戦時法令が戦後四十年たった今日もなお存在するというのは、非常に問題だと思うのです。これに基づきまして、内閣及び総理府関係許可認可等臨時措置令施行規則、これは昭和三十五年総理府令四十六号、それから大蔵大臣の許認可等の職権の特例を定める省令、これは昭和三十年の大蔵省令五十四号、こうした府令、省令などが定められているわけです。これらの法令、規則で臨時措置の対象とされている許認可等は、公益法人や公益信託に係るものなどに限定されております。しかし、これらの政令や規則は、時と場合によっては政府の方針で部分的な改正が必要になるかもしれませんけれども、政府の判断で改変できる、そして臨時措置の対象をすべての許認可等に及ぼすことができる仕組みであるというふうに考えるわけです。 そこで、戦後政治の総決算ということが言われるわけでありますけれども、こうした侵略戦争の遺物というような戦時法令、所管庁をはっきりしなければならないでしょうが、これははっきりした上で、あるいは各省にまたがることであるかもしれませんが、行革という今日の問題点から見れば、全体に目配りをしなければならないのはやはり総務庁だというように考えております。必要であれば官房とも協議をしなければならないと思いますけれども、こうした侵略戦争の遺物とも言うべき戦時法令は直ちに廃止すべきであると思いますが、長官の御見解を伺っておきたいと思います。
○増島説明員 冒頭の、どこの所管であるのかということでございますが、私どもの理解では、これはいわば各省共通の法制といいますか通則法的なものでございますので、強いて言えば共管法というようなものであると理解しております。 それから、冒頭に法制局の方から御答弁もございましたけれども、戦時においてつくられましたことからおのずと現時点においては限定がございますけれども、しかし行政の簡素化という趣旨、そういうものは生きておるわけでございます。また、現にそういう趣旨に従いまして、例えば民法上主務官庁何々大臣の権限といいますのが都道府県知事におりている、そういうような趣旨は生かされていると考えておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 ちゃんと条文にも書いてあるわけですから、そういう法律は今日においてはちゃんと整理し、廃止するというのが当然じゃないかと思うので、政治的な判断として長官にお聞きしたわけです。
○後藤田国務大臣 実効性を喪失した法律、これはやはり廃止すべきですね。そういう意味においてせんだって法律の一括整理を行ったわけですが、その際の検討状況を聞いてみますと、この法律は実効性がある法律であるということで整理法の中に入らなかった、こういう経緯があるようでございます。 そこで、問題は、御質問の中にありましたように「大東亜戦争二際シ」云々と、当時はできる限り地方に権限をおろしておかぬと間に合わぬというようなことで、本来各省大臣が民法三十四条によって承認するというものを地方長官に委任をする、こういう形になった法律であろう、こう思うのですけれども、問題は、この法律自体は有効に作動しておる、しかし、「大東亜戦争二際シ」云々、こうありますから、そこらは、実際上特別支障はない法律ではあると思いますが、やはり法令の用語というものの整序という観点が私は別にあると思いますね。そういう意味合いからこれは一つの検討の課題ではあろう、かような私の認識でございます。
○柴田(睦)委員 では今度の法案に関してですけれども、市町村が生活保護施設や老人保護施設、児童福祉施設などを自主的に設置しようとする場合の都道府県知事の認可を事前届け出に改めるとか、都道府県知事が首都圏、近畿圏の工場等の制限区域における制限施設の新設などの許可を取り消す場合の国土庁長官等の承認を廃止する、こうした当然の措置と言えるものも織り込んではおりますけれども、全体として見ますと、福祉、教育など住民生活に密着した行政分野の減量化、民営化、民間委託化というようなことを柱とする地方行革を全面的に推進するてことして利用されるおそれをはらんでいるというふうに私は考えております。 具体的にお尋ねしますが、本法案で整理合理化の対象とされました国等の関与、必置規制は、第一に施設、機関の設置、休廃止にかかわる関与、規制、二つ目は職員の必置規制と任免等にかかわる関与、規制、三つ目は各種審議機関の必置規制、四番目は事務事業の執行にかかわる関与、規制、大きくはこの四つに分けることができると思います。市町村が自主的に福祉施設や文教施設などを設置しようとすることに対する国や都道府県の関与、規制は、可能な限り廃止、緩和すべきであると考えております。しかし、その休廃止にかかわる関与、規制については、むしろこの分野における行政水準を維持増進するために存置しなければならないと思います。仮にこのような関与、規制が存置しているからといって、それによって直ちに地方自治侵害という問題が起こることはないと思うのです。この点で、市町村立の老人福祉施設や児童福祉施設の休廃止に係る都道府県知事の認可を事前届け出制に改変するということは問題があるというふうに思います。この措置がこのような施設の民営化、民間委託化に一層拍車をかけ、サービス低下、受益者負担増、こういうことにつながっていく、これは必然であると考えます。現に自治体関係者も、今回の措置によって施設の民営化や統廃合などが進めやすくなる、こういうように語っておられます。 そこで、福祉施設の休廃止に係る関与、規制をなぜ緩和しなければならないのか、現行どおり存置しておいて不都合だとする積極的理由があるのか、今回の措置はいわば地方行革推進の足かせを取り外すそれだけの意味を持つにすぎないものではないか、このように考えますが、このあたりについての見解を伺います。
○竹村政府委員 ただいまの老人福祉関係あるいは児童福祉関係を休廃止する場合の規制の緩和の問題でございますが、要するに県と市町村の関係でございますけれども、権力的な関与を緩和する、そういうことでございます。 具体的に申しますと、市町村立の老人福祉施設を休廃止する場合につきましては、一般的に言いますと、それぞれやむを得ない事情があろうかと思われますけれども、公の施設としてその設置主体である市町村の議会の関与のもとにある、それに加えまして市町村の行政能力も充実してまいってきております。そういったことで、今回、老人福祉施設の休廃止につきましては、休廃止の時期について、現在都道府県知事の認可制になっておりますが、これを休廃止の日の一月前までに都道府県知事に届ける、こういう制度に変えることになっております。都道府県知事が事前に届け出によってその事情を掌握できるわけでありまして、例えば被収容者の適切な処遇、こういったことが必要な場合にも指導が可能である、そういったことで施設設置の市町村の自主性を尊重する、そういう観点から、休廃止の時期についての認可制を改めまして事前届け出制にしたものであります。制度が変わることによりまして、都道府県の市町村に対します認可という権力的な関与から、事前届け出というふうに規制が緩和されるものでございます。 児童福祉施設につきましても、同様の観点から、承認制を事前届け出制に変えたものでございます。
○柴田(睦)委員 その答弁を聞いておりましても、そういう問題についてのサービス低下という懸念が非常にうかがえるわけであります。 次に、民生委員の指導訓練に従事する吏員、それから県、市などの本庁に置くこととされております社会福祉主事、公害相談員、土地調査員、学校保健技師、これは一定の資格を必要とする職員の必置規制と任免などに係る関与の手直し部分の問題ですが、この部分の措置も、当該職員が担当する分野の行政水準の引き下げと事務事業の民営化、民間委託化などを柱とする地方行革の推進のてこにされるおそれをはらんでいるというふうに考えます。職員の設置、廃止等に係る関与規制は、中曽根内閣が主張しております地方行革の中でどのような位置づけになるのでしょうか。
○竹村政府委員 職員の必置規制につきまして、廃止でありますとかあるいは緩和の措置を内容とした措置を今回とることにしておりますけれども、これを行いますのは、その関係の地方団体の事務そのものを縮小するとかあるいは廃止するということを目的としたものでは当然ございません。いろいろその事務のやり方があるわけでありますが、その事務の執行の仕方でありますとか、どのような職員を置いてどのような組織でやるか、こういったものにつきまして必要性の乏しくなったもの、こういったものの規制を廃止したり緩和する、そういうことによりまして地方の自主性を高める、そういった趣旨でございます。 お尋ねの、例えば民生委員の指導訓練に従事する吏員の場合でありますけれども、これも、その業務が必要でないとかそういうことではなくて、この法制定当時、これは昭和二十三年になりますが、この当時に比べまして、県の本庁の職員は学歴も高くなっている、そういったようなことで資格者の配置が容易であり、地方団体の通常の人事で対応できる状況になっている。また、都道府県の実態を見ますと、民生委員の指導訓練を担当するといいました単一の職務を越えて、もっと広い範囲で係を置いてこういった仕事をこなしていく。そういう実情にありますので、この問題については必置を廃止する、そういうことにしております。 同じように、県等本庁に置かれております社会福祉主事につきましても、社会福祉関係各法の施行事務はもちろん必要でありますけれども、法制定当時に比べますと資格者の配置が容易である、地方団体の通常の人事で対応する状況になっている。そういうことで、例えば福祉事務所の現場におります社会福祉主事、これとは区分いたしまして、本庁におけるこの種の職を廃止する、こういうものでございます。 それから公害相談員でございますが、これも公害関係の苦情相談業務の重要であることはもちろんでありますが、資格要件も特別にない。また、この制度ができましてほぼ十五年になるわけでありますが、この事務が特定の地方団体に限らず広く定着している。また、相談件数も団体によってかなりのばらつきがある。そういったようなことで、地方団体の実情に応じましてこの相談員を置くことができる、こういうふうに変えたものでございます。
○柴田(睦)委員 じゃ次の問題ですが、各種審議機関の設置、統廃合に係る関与規制の手直し部分についてです。 住民生活に不必要な審議機関については大胆に統廃合すべきであるわけですが、住民生活に密着した審議機関の統廃合については、合理的かつ積極的な理由がある場合はともかく、関係住民が反対するような場合にはこれは安易にやってはいけないと思います。こういう点から見ますと、今回の措置はやはり問題が多いと考えております。 例えば民生委員審査会の地方社会福祉審議会への統合、これは社会福祉審議会に民生委員の審査という全く異質の参与機能を持ち込むことになりますし、また、民生委員審査会本来の公平公正な第三者機関としての機能を薄めることにもなります。行政経費節減という点から見ればこれは見るべきほどのものはない。それから、児童福祉審議会の地方社会福祉審議会への統合自由化、これも子供の尊厳や人権問題を社会福祉一般に解消する、そして児童福祉行政の後退を引き起こすおそれをはらんでいるというように考えますし、現に日本子どもを守る会など多くの関係者も反対しているところであります。統合によって行政経費節減効果もほとんどないと言って過言ではないと思います。 各種審議機関というのは、根本から言えば、戦後の行政民生化の中で、行政運営に国民各層の意見を反映させ、各分野の専門的知識を導入することなどによって公正、民主的かつ効率的な行政を実現するために広く採用されたものでありまして、それに要する経費は委員の日当と若干の事務費くらいであって、大きな額ではないわけです。今日における審議会の中心問題というのは統廃合ということではなくて、委員の構成と運営を民生化して国民本位の行政実現に役立てる、ここに中心があるというように考えます。 全般的に言いまして、今度の審議機関の統合によって大きな行政経費の節減効果が期待できると考えていらっしゃるのかどうか、お伺いします。
○竹村政府委員 今回の法案の中で措置することとしております審議会等の整理合理化でありますが、廃止が一件、任意設置が二件、統合または統合自由化が三件、規制の緩和三、合計九つの審議会等についての措置をとっております。 それで、これを統合する措置をとった場合の経費の節減でございますが、この措置によりまして、審議会についての規制がこの分野について緩和が行われます。その緩和の措置に従いまして、今後地方団体の対応が行われるわけでありますが、現時点におきまして、そういうこともありますので、その効果を経費面で幾らになるということは的確には把握できませんけれども、今言ったような措置によりまして、それぞれの対応に応じた経費節減が図られるもの、こういうふうに考えております。
○柴田(睦)委員 四番目の問題ですが、これは行革審の方にお尋ねしますけれども、自治体の事務事業執行に係る関与、規制の手直し部分の問題です。 この点につきましては、我が党もいろいろ提言してきております。本法案に盛り込まれました事務事業の執行に係る関与、規制の廃止、緩和、これは我が党が提案しているところから見てもおおむね妥当であるわけです。しかし、地方自治権の拡充という点では手直しをしないよりはましという程度のもので、自治体関係者が長年にわたって繰り返し要求してきた関与、規制の廃止、緩和については取り上げられていないという欠点があります。 その一つは、都市計画法に基づく各種の関与、規制についてであります。都市計画の問題につきましては部分的には出ておりますけれども、根本的な問題として、自治体が住民のニーズに基づいて住民本位に行えるようにすべきであって、国が一々くちばしを入れるべきではないというように思いますけれども、これを取り上げていないということ。それから地方教育行政の問題でも同じですが、都道府県知事が教育長を任命する、そういう場合の文部省の承認を義務づけているわけですけれども、これもやはり、地方自治を尊重すると口にするならば、このような地方教育行政に対する不当な関与は廃止しなければならないと思うわけです。 〔委員長退席、戸塚委員長代理着席〕 それから、補助金などの交付や起債に係る国の関与、規制の廃止、緩和、これも何も出ておりません。各省、各局、各課に細分化されております補助金などを、社会福祉、文教、あるいは公共事業、各分野別に統合して総合補助金制度に改めてもらいたいとか、あるいは起債に係る国の関与、規制を原則的に廃止して権限を都道府県知事に移譲する、そうした思い切った措置を講すべきであるという意見があるわけです。これは実行すれば、臨調の設置法のときに審議されておりましたところから見ますと、二重行政による浪費が省けて国、地方合わせて一兆円以上の経費節減ができるというようなお答えがありますけれども、そういう効果も期待できるわけです。 これらの問題は行革審において問題にならなかったのか、そういう根本的な改革ということはどういうように考えておるのか、説明を伺いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。四点ばかり御質問があったかと存じます。 まず、都市計画法上の知事権限に係る大臣認可の廃止の問題が一番目であったかと存じます。御案内のとおり、都市計画法上の知事権限のうち、一定規模以上の極めて基幹的、基本的な事項につきましては建設大臣認可となっておる、そういう建前に立っておるわけであります。行革審でこういった問題につきまして見直しを行います基準といたしまして、一つは、国の重要な政策にかかわり、その影響が全国的にまたがり、かつ、広域的な調整を要するというふうな問題、あるいは重大な権利制限を伴うがゆえに全国的な公平性あるいは統一性というものを要する、そういったものはやはり大臣認可に係らしめることが適当である、こういった観点から見直しを行いまして、その結果、例えば都市計画区域の指定とか都市計画決定、こういったものは基本的には権利制限を伴うものでございますし、また、特に区域の指定につきましては国の政策との調整等を要する面がございます。また、都市計画事業の施行の認定と申しますのは、御案内のとおり、これによって直ちに土地収用法の手続をかけられるわけでございます。そういったことから、基本的には現在の制度を現行維持というふうにしたわけでございますが、しかしながら、個々に具体的に詰めまして、その施設等が単に一地方公共団体の区域内の関係を有するにすぎないとか等々の問題につきまして約五事項、これを大臣の認可を廃止するとかそういった指摘をいたしたということでございます。 それから、二番目のいわゆる教育長の大臣承認の廃止の問題でございますが、これにつきましては行革審におきましても検討いたしたわけでございますが、御案内のとおり教育につきましては、国といたしまして、これは教育基本法その他の法律にもございますが、全国的に教育水準の維持向上を図るとともに、教育の機会均等等を図ることが重要であるということがまずあるわけでございます。一方、御案内のとおり、地方教育行政といいますものは、広く一般的に教育につきまして議論することを期待されております教育委員によって構成されます教育委員会、それから教育に関します高度の専門家でございます教育長、こういったものを中心に行われておるということでございますので、教育長というものがいわば教育の専門家でございまして、かつ、地方教育行政のかなめである、こういうことから、教育に関する広く深い見識、かつ、高い行政能力を持つ、こういうことが期待されておるわけでございます。したがいまして、教育長の任命承認制度と申しますのは、御案内のとおり地方自治の原則との調和を図りながら、このような重要な職に広く適材を求めることによりまして、教育行政の国、県、市町村を一体としての運営、こういったものを期しながら、全国的に教育水準の確保あるいは教育の機会均等等を図る上で必要である、このように判断いたしまして、整理合理化の対象としなかったということでございます。 それから、三番目の地方公共団体の起債許可の問題でございますが、これにつきましては、御案内のとおり県、政令指定都市にありましては自治大臣、一般市町村にありましては知事の許可を受ける、そして、この許可に当たりましては自治大臣は大蔵大臣と協議するというふうになっておるわけでございます。この許可を廃止して県、市町村が自由に発行事務を行うということにつきまして行革審では検討いたしたわけでございますが、この検討に当たりまして大蔵省、自治省両省から聴取を受けまして、その結果、自治省におきましては、この許可制度を通じて有力な団体への資金の偏在を防止する、そして財源に余裕のない団体には長期低利の政府資金等を重点的に配分する、こういった資金配分の公平を期すということから自治大臣認可が必要である、片や大蔵省といたしましては、総合的に国と地方公共団体及び民間の資金需要の調整を図る必要がある等々の説明がございまして、当面そういった理由を理解いたしまして、整理合理化の対象とはいたさなかった次第でございます。 〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕 それから四番目でございますが、規制緩和、ただいま御検討いただいております関与、必置、この問題とは必ずしも直に結びつかないと思いますが、先生御指摘の総合補助金制度について検討がされるべきであると思うがいかがかという御指摘でございます。 総合補助金ということにつきましてはいろいろ考え方があるかと存じますが、補助目的とか対象を概括的に定めまして、その範囲内での具体的執行は地方公共団体にゆだねるという趣旨のものではないかと考えております。このような総合補助金制度というものは、確かに地方自治体の自主性を尊重する、あるいは行政事務の簡素化になる等々のメリットはあると存ずるのでございますが、同時に、補助金というものは、やはり全国的観点から一定の行政水準を維持しながら、自治体のイニシアチブを引き出して、国の特定の施策を実現するというふうな重要な政策手段であるということもあわせて考えてみますと、その補助目的や補助対象の総合化ということにもおのずから限界があるかと存ずる次第でございます。したがいまして、このように補助金に関しては具体的な国の行政目的あるいは行政運営とのかかわりが深い問題でございますので、どこまで総合化が可能であるかということはやはり政府において検討すべき問題ではなかろうかと存ずる次第でございます。
○柴田(睦)委員 地方自治権の拡充ということを言われるならば、一方では言われておりますけれども、そういう一番大事な問題を解決しなければならない、このことを要求しておきます。 次は、行革審の地方行革推進小委員会の川島主査は、昨年十二月十八日の答申は国の関与、必置規制見直しの第一弾であるということを言われております。これから第二弾、第三弾ということになっていくでありましょうけれども、行革審では一方では、民間活力活性化の見地から銀行や証券、保険、道路運送、航空、海運、エネルギーなどの各種の営業規制、それから消防、高圧ガス、労働安全など各種の工業保安規制、輸出検査、都市整備その他の規制の緩和などの調査検討を並行して行っているやに伺っておりますが、その中で労働安全など各種の工業保安規制の問題について、規制緩和分科会で検討しているかどうか、その基本を伺いたいと思います。
○山本(貞)政府委員 御指摘の規制緩和問題につきましては、ただいま分科会で関係省庁のヒアリングあるいは関係団体等の御意見を聴取いたしますとともに、総務庁行政監察局の調査結果をヒアリング、聴取いたしておる次第でございます。 ただいま御指摘の労働安全衛生法等を含めたいわゆる保安四法問題につきましては、臨調の五次答申で具体的な指摘をいたしておりまして、その推進を政府の方において行っておりまして、その保安四法の臨調の指摘事項の推進状況につきましては、現段階ではまだ総務庁からの御説明は受けてないわけでございます。しかしながら、御指摘のとおり、この事項につきましては行革審としていずれ聴取を受けまして検討を行う予定にしております。
○柴田(睦)委員 この問題は、今日の労働者の健康と安全という問題から見ると非常に重要な問題でありまして、安易な規制緩和、こういうことはやってはならない問題であるというように考えるわけです。 労働省の方に伺いますけれども、この労働災害による死傷者は、企業はいろいろと、実際に回ってみますと労災隠しをやっておりますが、統計から出てきているところから見ますと、この労働災害は長期的には減少傾向にあります。それにもかかわらず、労働災害による被災者総数というのは年間九十三万人にも及んでおりまして、交通事故の被災者総数六十六万人余り、あるいは火災による被災者総数の六千人余り、こういうものと比べても非常に高い水準にあるわけです。 労働省の労働災害動向調査を見てみましても、これは昭和五十八年ですけれども、この労働災害の度数率や強度率、長期的には低下傾向を示しておりますけれども、死傷者一人平均労働損失日数、これは五十六年、五十七年に比べますと五十八年は減ったことになっておりますけれども、その前などから比べればまだはるかに多いということを示しております。それで、労働災害の動向についてお伺いしたいと思います。
○長谷川説明員 お答えいたします。 今先生御指摘のように、労働災害による死傷者数は、昭和三十六年をピークとしてその後減少の傾向で推移してきております。一番最近の数字としては、五十九年の数字が最近やっと出たところでございますが、休業四日以上の死傷者数は二十七万一千八百八十四人ということになっておりまして、昭和五十八年に比べまして六千七百二十九人、比率にしまして二・四%減少となっております。ただし、死亡者につきましては二千六百三十五人という数字が出ておりまして、昭和五十八年に比べまして四十七人、一・八%の増という結果を見ております。
○柴田(睦)委員 先ほど触れましたけれども、実際いろいろな職場を回ってみますと、いわゆる労働災害隠し、これが企業によって行われている事実をたくさん聞くわけです。そうした隠された労働災害を含めて考えてみますと、労働災害は減少するというところか、実際はふえているんじゃないかというように思われます。 労働省は、この企業の労災隠しの実態、こういう問題は調査して把握しておられますか。
○長谷川説明員 お答えいたします。 事業場において一定規模以上の労働災害が発生した場合には、遅滞なくその旨を所轄の労働基準監督署長に報告することが事業者に義務づけられております。 そういうことでございまして、労働省としてはこの規定が十分に履行されるように指導しているところでございまして、私の方の限りにおきましては労災隠しというようなことについては把握いたしておりません。
○柴田(睦)委員 例えば川崎製鉄所の千葉製鉄所でのことですけれども、ここではいわゆる人権無視の出向、配転、社外派遣などによる人減らし、合理化ということで、労働者の健康破壊が進んで、労働災害が頻発しております。これを会社側は、そのほとんどを私傷病扱いにして労災を表に出さないということをやっているわけです。私たちが調査した結果によっても、昨年までの三年間に定年前に死亡した労働者は川鉄全体で百六十五人、そのうち千葉製鉄所では六十一人に及んでおります。夜勤の連続で四十八歳の労働者がロッカーで倒れたまま急死する、これは八〇年の八月にありました。また、派遣先から復帰した三十九歳の労働者が会社のふろ場で倒れて死亡する、これは八四年の十月ですが、こうした過労による死亡も増加しているわけです。自殺者も頻発しまして、一昨年だけで八人もの労働者が自殺されて、自殺が重大な問題になっております。 私は、この問題につきまして、去年の十月に千葉労働基準局と千葉労働基準監督署に対しまして、同製鉄所に勤務する労働者と一緒に行きまして、労働災害を私傷病にする災害隠しをやめさせて、ちゃんと届け出、公表させること、それから過労死は労働災害として扱うようにするようにということを申し入れましたが、労働省としてはその後どのような調査、指導を行われたか、そして調査の結果この労災隠しの実態はどうであったか、また会社側は労働省の指導に対して是正措置をどう講じたか、お伺いします。
○畠中説明員 その件につきましては、昨年十一月、先生の方から私どもの千葉の監督署の方に御指摘を受けたわけでございます。私どもの監督署といたしましては、川崎製鉄の千葉工場に立入検査を行い、あるいは関係者から事情聴取を行うなどによりまして御指摘の点につきましての調査をいたしたわけでございます。 それで、御指摘の労働者の死亡の件につきましては、突発性の心筋症あるいは脳内出血等によるものであって、労働災害による死亡事故ではないというふうに聞いておるわけではございますけれども、先生御存じのように、労災保険につきましては、遺族等からの労災保険給付の請求がございますれば、これらの労働者の死亡と業務との間に相当因果関係があるか否かを医学的専門的な見地から詳細に検討いたしまして、業務上内・外の認定を行う、そういう仕掛けになっておりますので、私どもそういうふうに措置いたしたいと考えておるわけでございます。 それから、冒頭に申し上げました調査の結果でございますけれども、本年の三月に会社に対しまして所要事項を指導し、会社の方からは、必要な点につきましては現場の管理者に周知徹底するなど必要な措置をとりたい、そういう回答をいただいておるところでございます。
○柴田(睦)委員 この千葉製鉄所では、下請労働者に労安法が義務づけております感電防止装置を使わせずに作業させて、感電事故を引き起こした。それから転炉スラグ精製プラントで、鉄から出た不純物を粉砕するロッドミルの故障点検中にロッド棒が急に作動して巻き込まれて全身骨折で即死という事故、これはことしの五月二十一日です。こういう労働安全衛生法無視の労働災害が続いております。こうした労働災害の実態と原因、会社側の責任についても、これはもう公になっておりますので、調査しておられると思いますけれども、この調査結果の概要を報告していただきたいと思います。
○長谷川説明員 ただいま先生御指摘の災害でございますが、直ちに所轄の労働基準監督署において調査を実施して、その発生状況等について把握いたしております。 概要といたしましては、感電事故の方につきましては、ことしの四月二十七日に発生しておりまして、川崎製鉄の千葉製鉄所変電室において作業中の二名が感電し、一名が重傷、一名が軽傷というような事実を報告を受けております。また、もう一方の災害は、ことしの五月二十一日に、同事務所のスラグ処理装置の点検修理作業を行っていた一名がスラグを粉砕するロッドミルに巻き込まれて死亡したというような事故と聞いております。 なお、その災害の詳細につきましては、また法違反その他につきましては、現在所轄の労働基準監督署の方で調査中でございます。
○柴田(睦)委員 これも私から千葉の方で申し入れした問題ですけれども、千葉の製鉄所では、週休二日制になっておりますけれども、職制のほとんどが、月曜日に提出する報告書をつくらなければならないので無給で休日に出勤しているという状態、それから一般労働者も就業時間外に無給の朝礼や終礼に駆り出される、それから無給の長時間残業が事実上強制される、朝のミーティングということで就業時間の一時間前に出てこい、出勤せよという通達文書が出される職場もあるわけです。それについてはもちろん賃金が支払われていなかった。これに対しまして私の方から、千葉の基準局と監督署に対しまして、時間外就業強制の通達を撤回してこれまでの分にはきちんと賃金を支払わせるように、また就業時間外の朝礼や終礼には賃金を支払わせるように、それから無給の長時間残業や休日出勤の強制はやめるように、こうした指導を申し入れておきましたけれども、その後どのような調査、指導が行われたか、そしてそれに対して会社側はどういう措置を講じたか、お伺いします。
○畠中説明員 御指摘の件につきましては、先ほど申し上げましたように昨年の十二月に当該事業場に対しまして立入調査を行いましたところ、一部の職場におきまして朝礼を所定労働時間外に行っていたこと、あるいは自主管理活動について自由参加が原則であるとしながら一部労働者に対しまして休日に労働するよう指示していたことなど、労働時間管理に適正を欠く面が認められましたので、本年の三月に改善方を指導いたしたところでございます。 その後、当該事業場からは、現場管理者にその趣旨を徹底し改善を図る旨の報告を受けておるところでございまして、その是正状況につきましては今後ともに注意深く見守ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○柴田(睦)委員 社会的責任が大きい川鉄のような大企業で労働安全衛生法に違反する、あるいは労働基準法に違反する、そういう事態が実際上まかり通っているということを非常に危惧するわけであります。労働基準局や監督署は、この労基法や労安法の遵守状況をきちんと調査して把握しなければならないと思うわけです。一体その人員と体制はできているのか、また、こうした状況のもとで労働安全衛生法に基づく保安規制を緩和するということは今日の状況の中では容認できることではありません。労働者の健康破壊が一層進んで、労働災害を一層増加させることになることは明らかであると思うわけです。決してこの保安規制の緩和などはあってはならない。こういうことについて労働省の見解をお伺いします。
○長谷川説明員 お答えいたします。 労働省においては、職場における労働者の安全と健康の確保をするという観点から、労働安全衛生法を中心に労働災害防止のため各種の施策を講じてきたところであり、これまでも新技術の開発、労働災害の動向等社会経済情勢の変化に対応して適宜所要の法令の改正を行ってきたところであり、今後ともこのような努力を重ねていきたいというふうに考えております。 なお、現在、政府全体として、臨時行政調査会の答申等を踏まえ各種の制度、法規制についての合理化の検討が進められているところでございますが、労働省としては、労働安全衛生法が労働災害の防止という特別な目的を有しているということを十分踏まえてこの問題には対応してまいりたいというふうに考えております。
○柴田(睦)委員 時間が参りましたので、人事院の方に来ていただきましたが、失礼します。 終わります。
○中島委員長 次回は、来る六月四日火曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十八分散会