内閣委員会 第13号
- 発言数
- 300 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/05/28
会議録
○中島委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、参考人として、本日、全国知事会事務総長石見隆三君及び来る三十日、地方制度調査会委員川越昭君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○中島委員長 この際、石見参考人に申し上げます。 本日は、御多忙のところ、本委員会に御出席いただきましてありがとうございます。 なお、御意見は質疑応答の形で聴取いたしますので、よろしくお願い申し上げます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
○新村(勝)委員 知事会の総長、いらしてますね。順序が不同になりますけれども、時間の都合で、先に知事会の事務総長から御意見を拝聴いたしたいと思います。 今、行政改革に関連をして、一方では国の関与という立場から、国の関与あるいは規制の問題、それから許認可の問題、こういったことが論議をされておりますが、もう一方の側面では、地方自治の健全な発達あるいは行政を能率的に執行するための分権の問題、これがやはり論議をされておるわけでありますし、これは古くて新しい問題であります。 そこで、そういうことを踏まえて、まず知事会の御意向をお伺いしたいと思いますが、地方、特に都道府県の段階からお考えをいただいて、現在、地方公共団体に対する広い意味での国の関与、この問題についてどうお考えになるか、まず総論的に御見解をいただきたいと思います。
○石見参考人 御案内のとおり、現在、ほとんどと申していいくらい、すべての行政分野にわたりましてその権限と責任が国、府県、市町村という各段階に分かれておりまして、しかもそれが上下の関係として位置づけられております。時にはその上下の関係が二以上の省庁にまたがって位置づけられておるというようなことがございまして、各地方団体におきましては、そのために調査あるいは報告、申請、許可認可といったようないわゆる役所間のかかわり合いに、大変な経費とエネルギーを費やしていることは御案内のとおりでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、何よりもまず、このような国と地方との複雑な関係を簡素化あるいは整理していただくということがぜひ必要ではないだろうか。その際お考えいただきたいのは、御案内のとおり住民に身近な行政はできる限り住民に身近な行政主体でございます地方団体に任じていただく、そして国は制度の企画立案ということに当たっていただくというのが最もいいのではないか。そういう観点から、私どもは、現在行われております国のいろいろな関与あるいは必置規制等につきまして、抜本的な見直しをお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。
○新村(勝)委員 国と自治体とは、もちろんこれは国の包括的な指導監督ということは当然あるわけでありますし、国の政策のもとに自治体の政策あるいは行政も行われるということは当然でありますけれども、国と自治体とは本来的に機能が違うはずでありまして、それぞれの機能をできる限り分離をしていかなければいけない、そのことが自治の発達にとっても、それからいわゆる自治体の活力を引き出すという意味からいっても、これは必要なことではないかと思うわけであります。 今の総長さんの御見解のとおりだと思いますが、今まで知事会さんでは、どういう方針でどういう活動を政府に対して要請なり働きかけをなさっておりますか、それの概略を伺いたいと思います。
○石見参考人 今お示しにございましたように、行政改革を進めるに当たりましてはまず国と地方との機能分担、いわゆる役割分担の徹底した見直しをやっていただく必要があるのではないだろうかということで、私どもといたしましては、さきの臨調の答申にもございましたように、国民に身近な行政は国民に身近な行政主体である地方団体の手に任せていただくということを、と同時に、地方の実態に応じて、地方団体が完結的に行政が行われるような体制をつくっていただくということを基本に考えておりまして、そういう考えに立って事務と財源の再配分をお願いしたいということをお願いをしてまいったわけであります。 知事会といたしましては基本的にはこういう考え方に立ちまして、国会を初め政府の関係機関に対しましてたびたび要望活動を行ってまいって、その実現方を強くお願いをしてきたところでございます。特に全国知事会議、これは年三回開かれるわけでございますが、全国知事会議等におきましては、各県知事は、内閣総理大臣あるいは各省庁の大臣に対しまして、直接このことを強くお願いをしてまいっておるのが実態でございます。 なお、さきの臨調あるいは現在審議されております行革審におきましては、私ども過去数回にわたりまして、この趣旨を要望あるいは陳述をいたしまして、あるいは具体的な提言もいたしまして、これの実現方を強くお願いをしてまいっておるというのが実態でございます。
○新村(勝)委員 知事会の御努力には敬意を表するわけでありますけれども、それに対して政府はどういうふうな対応をなさっているか。これは後で大臣に伺いますけれども、政府の対応についてどう評価をなさっているか。それからそれに対する対応については、今まで政府の方でもしばしばその対応を進めておるわけでありますが、第百国会においてもこの問題に対する政府の対応が示されたわけでありまして、行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律というのが出まして、これは通ったわけであります。この法律に対する知事会としての評価はいかがですか。
○石見参考人 私どもといたしましては、前段申し上げましたように国と地方との機能分担について徹底した見直しをお願いをしたいということで、ここ数年来、各方面に強くお願いをしてまいっておるわけであります。私どものお願いをいたしましたことがすべてかなえられるとはもとより思ってはおりませんけれども、しかし、現実にその結論としてとられました措置といいますものは、率直に申しまして、私どもからいたしますれば、まことに残念ながら不十分であると言わざるを得ないというふうに私どもは感じておるわけであります。 ただいまお示しにございましたような、百国会で成立いたしました行政の簡素合理化法についてどう考えておるかということでございますが、この点につきましても、一つは国の許認可事務の整理合理化でございますが、御案内のとおり、この法律の中で行われました整理合理化というのは、私どもから申し上げますれば主として民間に対する許認可の整理合理化が中心でございまして、地方団体の関係では麻薬の廃棄の許可の大臣権限が県知事に移されたという、いわばこの程度と申しては失礼でございますけれども、こういうものが若干県知事に移されたというにすぎないわけであります。あるいはまた、この中で取り上げられております機関委任事務の整理合理化につきましても、数の上では全体の約一〇%が整理されたということになっておりますけれども、内容的には興行場の営業の許可あるいは監督の事務が、従来機関委任事務でございましたものが団体委任とされたという程度のものでございます。ただいま申し上げましたように、この法律を見ましても、具体の、私どもがかねがね強くお願いをしてまいっておりますものとはほど遠いと言わざるを得ないというふうに思っておるわけであります。 今後、引き続きこれらの許認可あるいは機関委任事務の整理合理化につきましては御検討いただきまして、私どもの希望ができるだけかなえられますことを強くお願いをし、期待をいたしておるところでございます。
○新村(勝)委員 今総長のお話しのように、この問題は新しくて古い問題であります。そしてまた、この問題については国の方のガードが極めてかたいわけでありまして、なかなか理屈ではわかっていてもできないというのが実態であります。今のお話のように、第百国会で成立した法律にいたしましても、かねてから地方団体が主張しお願いをしておったこととはほど遠いというのが実態だと思います。そしてまた、今回もそれが出てまいりましたけれども、これもまた地方団体が一番問題にしております機関委任事務あるいは事務の移譲、こういう点については極めて微温的な対応でありまして、出たもの、それに対して反対はいたしませんけれども、大変不十分だと思うわけであります。 そこで、知事会さんとしては今回の法律案についてどういう評価をなさっていらっしゃいますか。
○石見参考人 本委員会におきましてただいま御審議中のこの法律案につきましては、御案内のとおり昨年十二月に行革審が政府に対して提出いたしました「地方公共団体に対する国の関与・必置規制の整理合理化に関する答申」を受けまして、その内容を盛り込んで今国会に提出されたものであるというふうに承知をいたしておるところであります。 本法律案の内容、私どもの拝見いたします限りでは、先ほど来申しておりますように、かねてから私どもが要望しておりましたものとはこれまたほど遠いものであると言わざるを得ないと思うのであります。とりわけ今回の内容が関与、必置規制という地方団体の行政のあり方、運営の仕方につきまして大きな意味を持っておりますものでございますだけに、私ども行革審の答申にもあるいはこの法律案にも大きな期待をかけておったわけでありますけれども、ただいま申し上げましたように、残念ながら私どもの期待からはほど遠いと言わざるを得ないと思うわけであります。 特に、ただいま申し上げましたように、この中に関与と必置規制とあるわけでございますけれども、必置規制の整理合理化につきましては、私どもは、かねてから、地方が自主的に地域の実情にあった簡素で効率的な行政を行うことができるようにいたしますためには、すべての必置規制を廃止をしていただきまして、仕事のやり方は地方に任していただきたい、そして国は包括的ないろいろな企画立案、指導監督、助言をしていただくのがいいんではないかという基本的な考え方を持っておったわけでございますけれども、内容はかようになっていないのはもう御案内のとおりでございます。 私どもは、先生ただいまお示しにございましたように、今回の法律改正は、地方に対する関与あるいは必置規制の合理化につきましては一応一歩前進したというふうには受けとめておりますけれども、決してこれでもって、失礼ではございますが地方団体がすべて満足したというものではないと理解しておるわけでありまして、引き続きまして、今後とも格段のこれらにつきましての御理解、あるいはまた国会の先生方の御支援、御協力をお願いいたしたいわけであります。 私どもといたしましては、何といたしましても地方の自主性、自律性あるいは住民の利便と行政の効率性という、この観点からの改正をぜひともお願いしたいというふうに存じておるところでございます。
○新村(勝)委員 そのとおりだと思います。特に石見総長さんは長く国の立場からこの問題を見ていらっしゃったわけであります。国の立場といいましても、統制する立場ではなくて自治省の立場からごらんになっていたわけでありまして、それと現在知事会の仕事をなさっているということで、総長さんの御見解は非常に貴重なものであると思います。 そういうことで、大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、こういうふうに、地方の立場からしますと国の対応は極めて手ぬるいという感じがするわけでありますけれども、特に国と地方の機能分担という点、この点については抜本的な改革、それから中央の皆さんの意識の改革というか意識の変革を求めざるを得ないと思うのです。先ほどもお話がありましたように、国と地方とは上下の関係で国が地方を統制するという思想が強かったわけですけれども、もちろんそれは国が包括的な監督をするということについては異論はありませんけれども、機能の面では両者は独立にそれぞれの機能をしていくというのが本来の姿であろうと思います。ところが現在の自治制度、これは歴史的にそうでありますけれども、すべて国が公権的な意識で、また公権的な制度で地方を支配し統制していくという色彩が、そういうことはどこにも書いてありませんけれども、実際には強い。こういうことについては大臣はどうお考えですか。
○後藤田国務大臣 先ほど来の質疑応答の中に出ておりますように、地方団体を含めた国全体の今日の行政の仕組み、仕事のあり方、これはそれぞれの役割分担、そしてそれに伴う財源措置、こういったようなことで今日までやってきておるわけでございますが、要はお互いの、中央政府、地方政府それぞれの間に、何よりも肝心なことは信頼関係であろうと思います。その信頼関係に基づく協力ということによって全体としての行政がうまく歯車がかみ合う、こういうように私は考えておるのですが、御案内のように戦後憲法の改正があって、憲法の第八章でわざわざ、国政民主化の基盤は地方の分権にあるんだといったようなことで、地方自治に関する数カ条の条文を置いて、戦前とはまるきり変わった地方自治体の行政を進めなければならぬ、こう規定をせられ、それにのっとって改革をしたわけでございますが、遺憾ながらこれが占領下における、異常な状態における改革であったということが基本で、どうもその間に、残念ながら中央政府と地方政府との間の信頼関係が欠如しておる、これが最大のネックだな、私はこう思わざるを得ません。 そこで、中央は地方を信頼をしない、しないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、そういう空気が色濃くある。同時に、地方は何でもかんでも中央に対する依存心が今日までずっと色濃く残っておる。この意識を変革しないと、国と地方との関係が本当にいい意味において歯車がかみ合うということはなかなか容易ではないのではなかろうか、私はかように考えておるのです。 そこで、現状を踏まえて改革をするという場合には、もちろん地方みずからに自主独立の精神で取り組んでいただかなければなりませんが、しかし、何といっても、国の関与なりあるいは必置規制なり、いろいろな許可認可、届け出、以後の検査あるいは地方団体の長なり団体に委任してある事務、これらについて、地方自治という立場に立って中央政府の方がいま少しく努力すべき点が大変に多い、私はさように考えておるのです。そういう意味合いで、第二臨調等の答申をも受けながら、同時に行革審の御意見を踏まえて逐次改革をやっていきたい。 ただ、御案内のように、一挙になかなか物事の改革は、中央政府には中央政府の言い分がございます、これは地方団体が言うとおりにはまいらないという面も率直に言ってあると私は思いますけれども、こういった点についてはやはりもう少しく、地方の行政処理能力も終戦直後等とは変わって相当高いレベルに達してきておるわけでございますから、中央政府が一段と努力をする必要がある。こういう観点で、累次にわたって法律の改正もお願いをし、さらに基本的な、対民間における許可認可の整理、これは思い切ってやらなければなりませんし、あるいは地方団体への移譲あるいは機関委任事務の思い切った整理、こういうような点を今後推進をしてまいりたい、かように考えているような次第でございます。
○新村(勝)委員 大臣の御答弁は、御答弁に関する限り私は評価をしたいと思います。そういうお考えで実は実際に実行していただければこれはそのとおりだと思いますけれども、ぜひひとつその線でそれを実際に実行に移していただくようにお願いしたいと思います。 知事会さんにもう一つお伺いしますが、国と地方の関与の問題で最大の問題は、やはり機関委任事務をどうするかということだと思います。これは、国と地方の機能分担をはっきりさせるという意味からいっても、それから国の、不当なとは言いませんけれども、過剰な自治体に対する干渉とは言いませんけれども関与、これを整理していく上からいっても、機関委任事務のあり方をはっきりさせるということが基本的な問題ですね。この問題について、知事会ではかつて膨大な調査資料も発表されておりますし、熱心に運動を展開されておりますけれども、私どもは、機関委任事務というのは原則的には全廃されるべきものである。現在は広範にわたっておりますけれども、これは基本的には、原理的には全廃されるべきである。地方自治体の長というのは住民から選挙をされた公選の首長でありますから、その機能の中で住民に責任を持って行政を執行するというのが建前でありますけれども、機関委任事務が多いということ、あるいは機関委任の形が中央集権的であるということになりますと、特に都道府県の段階では知事の性格を非常に曲げていると思うのですね。自治体の長としての知事の性格が、国の機関としての知事の性格に変わりつつある、こういうことが言えると思います。やはりこれを正していくためにも、機関委任事務を極力縮小し、またそのあり方を整理をして、国と地方の機能分担を明確化するということが最大の眼目であると思いますけれども、総長さんはいかにお考えですか。
○石見参考人 機関委任事務の整理合理化につきましては、私どもといたしましては、もう御案内のとおり、地方自治の強化、自主性の強化ということと、国、地方を通じます行政の簡素効率化、さらには住民の利便性という、この三つの観点から進められるべきであるというふうに考えております。と同時に、これを行うことによりまして、国と地方との機能分担を明らかにして、かつ、責任分野もはっきりさせるというのが一つのねらいであろうかと存じておるわけであります。 このような考え方に立ちまして、御案内のとおり本年二月に、全国知事会といたしましては、行革審の地方行革推進小委員会に対しまして、現在ございます機関委任事務の基本的な整理合理化の具体的な方策を提案してお示しをしたわけであります。 その内容につきましては、ごらんいただきますと知事会のお考え方がすべて御理解賜えると思うのでございますけれども、基本的には、地方公共団体の行政になじみますような事務はすべて地方公共団体の事務としていただきたい、そして機関委任という制度は、特別なものを除きましては原則として廃止をすべきであるという考え方に立っております。と同時に、他方、国と地方とがそれぞれの機能分担に応じまして相協力して実施しなければならない事務があることもこれまた事実でございますので、このような二つの側面から、現在の機関委任事務とされております事務につきましては、当面、それぞれの事務の性質あるいは現実の事務処理等を踏まえまして、その実態に即した具体的な整理合理化方策を提言した次第でございます。内容的には、既に御案内のとおり、私どもは現在の機関委任事務を五つの分類に整理をいたしまして、これに従って具体の内容も御提案申し上げたわけであります。 その五つと申しますまず第一は、本来国の事務ではございますが、地方公共団体が取り扱うことが適当と認められる仕事がございます。例えば国会議員の選挙に関する事務でありますとかあるいは国の指定統計に関する事務でありますとか、こういうものは本来国の事務ではございますが、地方団体が扱うことが適当であるというものは従来どおり機関委任事務として残していただいて結構でありますという考え方であります。 二つ目は、先ほども申し上げましたように、国と地方とが協力してやらなければならない仕事というのは、これは非常にたくさんあろうかと思っております。例えば生活保護に関します仕事あるいはまた身体障害者福祉法によります仕事、さらにはまた水質汚濁防止法あるいはまた結核予防法等に基づきます諸般の民生、衛生行政等につきましては、これは当然国と地方とが共同してやる仕事である、こういうグループが一つあるのではないかというふうに考えております。 三つ目は、もう既に地方の自主的な運用にゆだねていただいていいものがあろうと思っております。例えば駐車場法によります路上駐車場設置計画の決定というような事務は、これはもう地方団体にお任せいただいていいのじゃないだろうか、機関委任事務として残される必要はないのではなかろうかというのが三つ目のグループであります。 四つ目は、この際もうすべて行政としては廃止し、あるいは民間に任せていいのではないかという事務があるわけであります。一つは理容師法あるいは美容師法によります理容師の試験あるいは美容師の試験でありますとか、あるいは養鶏振興法によります標準鶏の認定に関する仕事、こういうものは時代の趨勢に従いまして、事務そのものを廃止するかあるいはもう民間団体に任せていい仕事ではないかというふうに考えております。 最後は、国が直接自分の手でおやりいただく仕事、例えば駐留軍従業員の雇い入れというよな仕事につきましては、これは直接国がおやりになっていいということで、現在行われております機関委任事務をただいま申し上げましたような五つのグループに分けまして、それぞれの事務に即した事務配分、財源配分の方法を行革審にお示しして、その実現方をお願いいたしておるところでございます。
○新村(勝)委員 ただいまのお話によりまして知事会のお考えがわかったわけでありますけれども、私どもはそのお考えをほぼそのまま御支持いたしたいと思います。地方自治の確立のために、ぜひひとつ今後とも御奮闘いただきたいと思います。 時間が参りましたので以上で終わりますけれども、石見総長さんには、大変お忙しいところわざわざおいでをいただきまして、ありがとうございました。今後の御建闘をお祈りいたします。
○中島委員長 石見参考人には、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
○新村(勝)委員 次に、これも順序が少し狂うのですけれども、答弁される方の御都合で、会計検査院法の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 この問題は、現在の会計検査院の権限を若干拡張して会計検査の機能を十分に発揮をしてもらいたいという趣旨でありまして、この問題のそもそもの起こりは、ロッキード事件等の一連の問題に端を発しておるわけであります。これは大臣御承知のとおりであります。そして、三木内閣、福田内閣の時代には、政府も大変前向きに取り組むという姿勢を示されたわけであります。そしてまた一方、決算委員会を中心にしてこの問題が毎年取り上げられまして、決算委員会の議決事項の中に、その冒頭に必ず毎年この問題については掲記をされていたわけです。そしてそれが両院の本会議で常に議決をされておった、こういう経過があるわけであります。ところが、この問題が起こってから十年になんなんとする現在においても、全くこの問題の進展を見ていないというのが実態であります。 この趣旨とするところは、検査院の権限拡大といってもそんなに他の行政機能との関係を阻害するような問題は含まれていないわけでありまして、国が資本金の二分の一以上を出しているいわゆる政府出資法人が財政援助をした場合に、その援助先についても検査院は検査をすることができるようにすべきだというのが主たるねらいであります。したがってこれは当然のことでありまして、これがないのが不思議なくらいなのでありますけれども、その当然の改正が依然として実現をしていないということは全く理解に苦しむわけであります。 そこで、まず会計検査院にお伺いしたいのですけれども、検査院のお考えを確かめたいのですが、検査院としては、かつて、その改正の趣旨を、改正が必要であるということを政府に対して意見を申し述べておられるわけであります。現在の検査院のお考えはどうであるのか。それから、この問題について、今後検査院が仕事をしていく上においてこういう点について欠けるところがないのかどうか、その点を伺いたいと思います。
○西川会計検査院説明員 会計検査院法改正問題につきましては、昭和五十二年以来数次にわたって国会の御決議があったわけでございます。また五十三年には、当時の福田総理からも会計検査院の検討結果を待っているというようなお話もございまして、五十四年にその改正案を内閣に送ったわけでございますが、融資先の実態を調査して検査の目的を達成するという必要性あるいは国会の御決議という趣旨を体しますと、会計検査院法を改正したいという会計検査院の態度は現在も変わっていないということでございます。 なお、現在、内閣におきましては、現段階では院法改正ということについては困難であるという御判断があり、そのかわり、いわゆる肩越し検査というもので十分協力し検査の実が上がるようにしたいという趣旨で、会計検査院とも協議の上、内閣官房から関係方面に通達を発しておられ、その内容はかなり評価できるものと考えられますので、当面はこれによって検査を実施してまいろうと考えているという実情にある次第でございます。
○新村(勝)委員 大臣にお伺いをいたします。 検査院としては依然として改正することが望ましい、しかし、当分の間は通達等でやっていきたいということでありますけれども、この問題は、先ほど申し上げたとおりでありまして、日本の政治の姿勢を正す、そういう基本的な観点から出発をしておるわけでありますし、また、今の政府が進めております行政改革の一番の基礎、その下敷きにもなる考え方であり、施策であるはずでありますけれども、そういう観点から見て、大臣はこの問題についてどういうお考えですか。
○後藤田国務大臣 私は、国費の適正な使用という観点から見て、会計検査院の機能を充実強化をするということは当然であろう、かように考えておるわけでございます。 ただ、この問題につきましては、御案内のように我が国は自由経済を建前にしておるわけでございます。したがって、国の機関が借り受け先の民間について一体どういうやり方でどこまで監査するのかということは、これはうっかりすると政策金融そのものを、その目的を阻害するというおそれもありはしないかという点を私は心配するわけでございます。しかし一方、経理の適正化という意味において、検査院もそれなりの検査を行うということも必要だろうと思います。したがって、そこらの接点をどこに求めるかということで、現状ではやはり検査院の法律を改正して民間にまで検査を及ぼすということはいかがなものであろうか、これはよほど慎重でなければならぬと私は思います。しかし、同時にやはり会計検査院の検査が適切に行われるような方法は考えなければなるまい、そういうことで、政府としてはこの問題を随分議論をしたのです。議論をした結果、従来肩越し検査に協力しないといったような特殊法人等もございましたが、これは改めてもらおうということで、政府としては先般結論を出して通達を出し、肩越し検査に協力をすべきであるということで、この問題には政府としては一応それなりの対応を今日しておる、これが実態でございます。 私は、ここらがまあ一番いいところではないのか。何でも法律を改正してその権限を与えて、それによってどこにでも指を突っ込んでいくということは一体いかがなものであろうかというのが私の率直な考え方でございます。
○新村(勝)委員 この問題については、今の御答弁でわからないことはないのでありますけれども、これは日本の政治の現状あるいは行政のあり方の反省から出てきたことなのでありますから、やはり重いと思うのですよ。それと決算委員会及び本会議における議決、これが通算をいたしますと十五、六回に及んでおるわけですね。しかもこの議決は、もちろん与党である自民党さんも含めての議決でありますから全会一致の議決であります。こういうことで、全会一致の議会の議決が、全く無視をされているとは言いませんけれども、少なくとも形式的には無視をされておるということはやはり問題ではないかと思うのですけれども、一その点は大臣、いかがですか。
○後藤田国務大臣 政府としては、国会の御決議を尊重しなければならぬということは当然我々心得ておるつもりでございます。そういったことで、この問題は、この問題が起きてきたそもそもの端緒、その後の経緯、それらを踏まえながら慎重な検討をやった結果が、先ほど言ったように会計検査の機能をどのようにして充実をしていくか、他方、民間の自由なる経済活動に国が一体どこまで指を突っ込むのが適切なのか、政策金融の目的がそれで果たせるであろうかというような接点を求めて、肩越し検査を拒否しておった法人に対して協力すべし、こういった措置をとったわけでございますので、それなりの国会の御決議そのもの、つまり法律を改正しろ、こういう点には政府としてそこまで踏み切ることができなかったわけでございますが、その精神は政府としては十分尊重して今回の措置を講じたのだ、かようにひとつ御理解を賜りたいと私は思うわけでございます。
○新村(勝)委員 院法の改正は以上で終わりますけれども、検査院の御健闘をお願いいたしたいと思います。検査院の方は以上でございますので、お帰りをいただいて結構です。 次に、順序が狂いましたけれども、基本的な問題についてもう一回大臣にお伺いをいたします。 今論議をされております法案、あるいは今までもずっと一連の法律改正が出ておりまして、政府としての対応については理解をするわけでありますけれども、何といっても日本の国と地方との関係、その関係全体は新しい地方自治法によって新しい出発をしたはずでありますし、歴史的な経過がかなりあるわけです。その歴史的な経過が現在の中央と地方のあり方に大きく影響を与えていると思うのです。 最初に明治政府が日本に自治制度を導入したときは、記録によりますと、ドイツの中央集権的な制度を基本として、法制的にはこれまたフランスの中央集権的な思想を導入しておる。そういう基本の上に立って、日本の地方自治を含む日本の行政制度が発達をしてきたという歴史的な経過があるわけですね。したがって、大陸法あるいは大陸の政治思想が一貫して流れておる、いわゆる中央集権的な思想が流れておるわけです。英米の自治観とは違うわけです。それとまた、明治政府としては、当然それまでの封建制を一掃して中央集権政府をつくったわけですから、中央集権志向が非常に強かった。もともと日本にはそういう要素があるところへもってきて、法制的にもドイツ、フランス等の中央集権的な法制を取り込んだものですから、非常に集権的な色彩が強い。知事は官選、中央の任命、一時は市長も、主要市長については中央が任命した時代があるわけですね。 こういう歴史的な経過をたどって現在に至っておるわけですが、戦後新しい憲法のもとに地方自治法ができましたけれども、その思想はその運営の面に色濃くあらわれている。制度は変わっても思想は変わらないということだと思うのです。それが今日の中央の地方に対する過剰な、過大な関与を生んだ、こう言わざるを得ないわけでありますけれども、そういう歴史的な経過を踏まえて、その歴史的な経過を大臣はどういうふうに評価なさいますか。
○後藤田国務大臣 地方制度の歴史的な経過は、新村さんが今御指摘になったとおりだと思います。 そこで、終戦後脚案内のような大改革ということが行われたのですが、少なくとも現状を踏まえて考えますというと、いまだ国の過剰関与等が色濃く残っておる。これはやはり順次改革をすべきものである。したがって、現在でも、今回のこの法律で、とりあえず昨年の暮れの行革審の御意見に従って、たしか国の関与、必置関係は五十項目、三十七法律についての改革をお願いをしているわけですね。しかし、私はこれで終わっているとは思いません。これからどうしてもやらなければならぬのは、民間、地方を含めたいわゆる国の規制の緩和、そして機関委任事務の改革、これをやはりやらなければならぬと思いますが、これらについては、本年の七月下旬ごろになろうかと思いますが、行革審から御意見をちょうだいすることになっておりますので、その上でそれを政府としては検討してさらに改革を行いたい、かように考えておるのです。 ただ、一つ新村さんにお考えいただきたいなと思うのは、国といいますか中央政府と地方との関係では、団体委任とか機関委任、こういった国の事務を地方にお願いしているわけですが、これは実際は日本的な知恵ですよということなんです。これを外国式にやりますと、国がまた末端まで国の機関を置いてそうしてをの仕事をやっていく、地方は地方としてやっていくといったようなことになりますと、国民負担という面から考えると、かえってその方は経費の増高を来して国民負担がふえていく、私はこういう心配を持つのです。そこで地方団体にお願いをして国の事務をやってもらっておるんだ、これは私は日本的知恵だなと思うのです。しかし、日本的な知恵でありながら、それじやもう少し地方団体に任じたらどうだという仕事が幾らでもあるわけですから、そういう点は、日本的知恵を生かしながら、余りにも中央集権的に指図をし過ぎるわけですから、そこらにこれからメスを入れていけば、私は、地方を含めた国全体の本当に効率的な行政が運営されるようになるのではないか、かように考えて、将来とも取り組んでいきたい。 ただ、この問題、いわゆる行政改革はどの仕事も大変難しいのですけれども、実際は一番厄介なのは、この規制緩和と機関委任事務の整理なんです。これは中央政府の各省庁にすればそれだけ権限がなくなるわけですから、そこらをこれから先どのように一体解決の糸口を見つけながら、今日の行き過ぎた国の態度を改めていくかということに全力を傾けてまいりたい、私はかように考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 機関委任事務を全廃するというのは原理原則でありまして、実際にはそれはできないと思いますし、今大臣がおっしゃったように、その方が効率的であるという面は確かにあるわけでありまして、それをも否定しようというわけではありませんけれども、現在は、地方に当然任して十分やっていけることを中央と地方が二重にやっておるということで、かえって経費が余計かかっているわけですよ。そういう点を思い切って改めるべきではないか、こう申し上げておるわけです。 それから、大臣今おっしゃったように、これはやはり中央の意識を変えていかなければならないわけですよ。権限が減ると言うが、権限が減るんじゃなくて、中央の皆さん方は国の立場で活躍する舞台は無限にあるわけですから、そういう方面で十分活動していただいて、国が関与しなくてもできることは地方に任せるということの方が、地方の活力を引き出すことになるわけでありますし、経費もその方が安くいく面が非常に多い。日本全体の政治の発展のためにもその方が好ましい面が多々あるわけでありますから、そういう面でひとつ抜本的な改革、改革の前に頭を切りかえるということをひとつ大臣を先頭にして、大臣は既にそのことをおっしゃっているわけですから、それを認めていらっしゃるわけですから、その線に沿って御努力をいただきたいと思うわけです。 次に、具体的な問題に入りまして、国の関与、これは三つに分けていらっしゃるようでありますが、国の関与、それから必置規制、許認可と分けているようですけれども、国の関与というのは三つを含めて国の関与と言えるわけですよ。それをさらに細分すれば、いわゆる国の関与、それから必置規制、許認可というふうに分けられると思います。さらに、機関委任事務というのはちょっと性質が違う分野ですけれども、この関与ということの概念はどういうことですか。関与の概念についてまた伺いたいと思います。
○竹村政府委員 国の関与の概念でございますが、一般的な定義といたしましてはちょっと的確なものが見当たらないわけでありますが、今御質問にもありましたように、広く必置規制といったものを含めて国の地方団体に対する規制一般を言う場合もあります。しかし、今回の法案で我々が整理しておりますのは、地方団体に対します関与とはこういった広い意味のものではなくて、地方団体が事務を行うに当たりまして国の立場から全国的統一あるいは広域的な調整を行う必要がある場合、こういった理由によりまして個別の法令あるいは通達等で国の許可や認可、承認、届け出等を義務づけていることを意味しております。 それから、地方団体に対する必置規制でございますけれども、これにつきましては、地方団体が事務を行うに当たりまして全国的に一定の行政水準を確保する必要があるといった場合に、法令等で行政機関や施設、例えば小中学校等も必置規制におっておるわけであります。それから特別の資格または職名を有する職員、例えて言いますと薬事監視員、それから附属機関の場合には県や市町村にあります防災会議、こういったものを義務づけておりますが、これらが必置規制になるというふうに理解しております。
○新村(勝)委員 必置規制というのは、これは関与というよりはむしろ制度の基準を示すわけですから、それ自体は関与ではないのですよ、関与は関与だけれども。今問題になっているのは、必置規制をして学校を置きなさいという制度的な枠組みを国の立場で決めるのは、これは必置規制というよりはむしろ制度的な問題だと思うのですね。関与というのはそうじゃなくて、学校を置きなさいというふうに決めておいて、それに関する細かい点を一々関与することが関与なんですよ。だから、必置規制はむしろ関与の概念から外した方がいいのじゃないか。そうじゃなくて、関与というのは、行政を執行するその過程で国が関与することが関与だ、そういう面ではむしろ、制度的な問題あるいは法律的な問題よりはそのほかの分野の方が大きいような気がするわけですよ。法律のほかに、政令、省令、あるいは都道府県の段階から市町村を規制をする場合には条例によっている場合もあります。それから訓令による場合もあります。通達による場合もあります。それから、そういう一切の成文的なものがなくて、慣例によって規制をしている部面もかなり多いわけです。むしろ慣例によってやっている部分なんか膨大なものだと思うのです。そういう面の分析がどうなっているかということが実は問題なんです。そういう法律以外の、もっと下の段階での諸規程あるいは慣例、これを通ずる規制が非常に多いのですが、その発想のもとは、さっきもその問題が出ましたけれども、国の地方に対する不信ということですよね。任せておいては何をするかわからないという考え方が中央におありになるのではないか、こういう気がする。確かにそういう面がありまして、同じことを何回も、例えば起債の許可をいただく場合にもこんなにたくさんの書類をつくって、市町村の職員は何十回と上級庁に通わなければならない。そういう法令で規定された以外の慣例による、あるいは行政執行の過程における中央の規制あるいは指導、こういうものが非常に多い。ですから、そういう中央の地方に対する不信という考え方はこの際もう一掃してもらう、一てきしてもらうということが必要ではないか。これは、政府の指導によって昭和三十年代に広範な市町村合併が行われまして、市町村の行政能力というのは格段に向上しております。昔の人口千、二千の規模の当時の第一線の自治体とは全く違う。今の自治体は平均でも、辺境に行っても大体一万、一万以下の自治体はありますけれども少ない。市も多くなっている。七百近い市があるということで、行政能力が格段に向上しておるわけですから、中央の地方不信というものはこの際ぜひ一掃していただいて、そういう意識の改革に立って関与の整理、規制、合理化、規制というのは必置規制の規制じゃなくて、中央の地方に対するいろいろな広い意味での規制をすることを廃止をするということにしていただきたいと思うわけですが、もう一回大臣の御所信を伺いたいと思います。
○後藤田国務大臣 意識の変革の問題が基本でございますから、なかなか一朝一夕に解決しない問題だとは思いますけれども、やはりどうしても新村さんおっしゃるような中央省庁の考え方を、地方自治というものはどういうものかといったようなことをよくお考えいただいて、全体としての行政の効率化をやるためにはどうすべきであるというようなことの物の考え方を変えていただかなければならぬ、こう私は思いますが、従来から大変抵抗の多いことでございますけれども、私が希望を持っておるのは、第二臨調以来、中央省庁もだんだんそういうことをお考え願うことができるような空気が最近色濃く、次第に醸成をしてきておるのではないか、かように思います。そういうような空気を背景に、今後ともできる限り御意見のような趣旨に沿って改革をすべきものである、かように考えているわけでございます。 同時に、地方にお願いしたいことは、やはり地方団体みずからも努力をしていただくと同時に、余りにも中央依存の物の考え方、殊に財政面でいえば国からもらえばよろしいといったような考え方はこれまた依存心が強過ぎますから、これらについても、納税者の立場をお考えいただいてやはり双方が努力をする。しかし、その努力の度合いは、最初お答えしましたように、現状を考えると中央がもう少し考えなければいけない、かように私は思っておりますので、そういう立場で今後改善をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○新村(勝)委員 中央がより責任が重いという大臣の御発言、これをひとつ銘記をして実行していただきたいと思いますけれども、もちろん地方団体に全然欠点がないというわけではありませんで、今の御発言の中にもありましたけれども、国に依存する、あるいは無用な国との対立を起こすというようなことは避けるべきだと思います。それからまた財政的にも、補助金をもらえればいいということで同じような施設をつくってみたりという面もなきにしもあらず、それは認めるわけですよ。しかし、そういう空気を醸成してきた責任はより国にあると言わざるを得ないわけです。それは大臣も認めているわけですから、答弁なさるだけではなくて実際に実行に移していただきたいと思うわけです。 それから、それに関連すれば議論は尽きないのですけれども、例えば財政問題にしても地方が国に依存をする気持ちが強いとおっしゃいました。それもありますけれども、国の財政制度が、地方に権限を与えないで国が財政権を握っていて国がリモートコントロールするという発想があるわけです。現実にそういう制度があるわけです。それをまず変えていかなければ、そしてまた地方もそれに応じて反省をすべき点は反省をしなければならないと思うのですね。そういう点で、国がまずきちっと姿勢を正してもらうということが必要だと思います。 それでは本題に入りますけれども、先ほどの関与の概念でありますが、次に、広い意味で現在国が地方に対してどの程度の関与をしているのか、国から見てどの程度支配網が密に張りめぐらされているかをまず確かめておかなければ、国の規制緩和あるいは整理合理化ということが本当にできないわけです。現在提案されている事項については大体特に反対すべき理由はないと思いますけれども、この出てきた各項目が全体の中でどういう地位を占めているのか、全体がどうなっているかがわからなければ本当の議論はできないわけです。ですから、まず国が地方に対してどの程度の規制の網をかぶせているかという実態を明らかにしていただかなければいけないと思うのです。
○竹村政府委員 国が地方団体に関与している状況でございますけれども、個別の法律によりますほか政省令、通達、あるいは場合によりましてはただいま御質問の中にありましたように、慣例とかいろいろな手段を通じまして義務づけ的なものが行われているわけであります。 それで、現在のところ私どもといたしましては、その総数とかあるいはそれがどのような根拠によって行われるか、この辺についてまだ全体を把握するに至っておりません。しかし、今回の法律案を作成する過程におきまして、これは行革審の審議があったわけでありますけれども、例えて申しますと、国の関与については、全貌はつかんでおりませんけれども、地方団体とか地方制度調査会といったところから意見が出ております。そういった改善意見の出ているものをもとに検討をしておるわけであります。 それからその数でありますが、大体まとめてみますと、関与関係で百三十七事項が当時整理されておりました。これは改善意見のあるものでございます。その中で、意見を出した後措置がとられたものを除きまして、大体百件程度が改善意見としてあるのではないかというふうな状況でございます。それから関与でなくて必置規制の方でございますが、現在のところ、これは名称数で百三十五ございます。それが全体の数でございます。
○新村(勝)委員 今のお答えは全く理解できないわけです。関与が百三十七事項というのは分野が百二十七あるというわけでしょう。事項じゃないですね。事項は今おっしゃったようにどのくらいあるのかわからないということでしょう。これは万単位ですよ。明文化されているものでも恐らく万単位あると思うのです。そのほかに明文化されていないもの、我々はそれを経験してきたわけですから、慣例によるものがこれまた数がわからない、こういう状態ですよ。だから、国の関与の全貌がわからないと今おっしゃっていますが全貌がわからないものがどうして整理ができますか。まずこの全貌を把握することが第一歩ですよ。 大臣、いかがですか。全貌がわからないと今おっしゃっているのです。全貌がわからないで全体の整理合理化ができるかということです。これは私の勘ですけれども、関与については明文化されているものが一万数千あると思います。これは勘と役人の方々の言葉を総合して申し上げるのですけれども、明文化されているものが少なくとも一万五、六千はある。そのほかに諸規程、省令、政令、通達、慣例といったものを含めたら数万になるでしょう。こういう全貌をどう把握するかということが問題なんですけれども、大臣、その点はいかがですか。
○後藤田国務大臣 私も新村さんと筋論においては全く同意見でございます。そういうようなことで、今回のこの法律案の作成過程、あるいは今行革審で御検討願っておるような事項等を含めまして、広い意味での国の関与の総件数は一体どれくらいあるのかを把握しておるのかということを私は事務当局に質問したのですが、残念ながら、国の法令あるいは通達以外にいわゆる行政指導、いろいろな面でたくさんのそういった関与が行われておって把握してないということですから、これは相当時間がかかる仕事のようでございますが、今後できる限り把握しろということを事務当局には頼んでございます。 そこで今回の改正、これは第二臨調、行革審からの御意見が出たわけですが、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、これらも地方制度調査会あるいは地方六団体といった地方団体側からの改善意見が出ているわけです。この改善意見を基礎にいたしまして、それで第二臨調なり行革審でお取り上げになって、これは是正すべきでないかという事項を取り上げて、立法措置を要するものは立法措置として国会に御審議をお願いしよう、こういうことになったのが経緯でございますので、この点はぜひ御理解をしておいていただきたい。したがって、私はこれで済んでいるとは思っていないのです。 今、数万件というお話がございましたが、人によってはそういうことを言う方がおるのです。しかし、許認可だけに絞りますと、民間に対する関係を含めて、これがほとんどでございますが、これは大体一万件前後と言われておるのです。しかし、これは今回お願いしているように地方団体に対するものではなしに、民間に対してそれぐらいのいわゆる許認可事項があるということも言われておるのです。 いずれにせよ、私どもの役所としても、今後これらは努力をして何とか全貌を把握していきたい、かように考えているわけでございます。
○新村(勝)委員 大臣が正直にわからないとおっしゃっているわけですからそれ以上進むわけにはまいりませんけれども、それが実態なんですね。これは何十年にわたって中央の偉い役人の方々がそういう規制なり規則なりをつくってきた、その膨大な累積が今規制の体系として存在しているわけですから、大変なものだと思います。それが、今まで一部手直しはされておりますけれども、ふえる一方ですよ。 一つの法律ができれば、その法律の中に地方に関与する条項がたくさんある。例えば都市計画法なんかは多い方ですけれども、都市計画法の中には地方団体に対して執行の上で関与していく条項が何十とあるのです。極めて細かいことでも市町村長には任せられない。一々お上の認可を受けなさい、承認を受けなさいということですね。一つの事項についてお上の承認を得るためには、これまた膨大な事務量と相当の経費がかかるというのです。そういう点については、先ほど申し上げたように、現在の市町村は行政能力も相当向上しているわけですから、これは任せてはどうかというふうに申し上げておるわけです。そういう点で今まではこういう国の関与は積もる一方、ふえる一方ですよ。 後でお伺いしたいのですが、これは確かに整理合理化をされておりますけれども、整理合理化の過程で、それを廃止するのじゃなくて形を変えて残っているわけです。それが多いのです。ですから、第一次の臨調以来七千六百件にわたって合理化をしましたと言いますけれども、それならば七千六百件がなくなったかといいますと、なくなっていないのです。別な形で残っているわけです。それはやはり地方不信、まだ地方には任せられない、何をするかわからないという意識が強く残っているからこういうことになるのですね。そこをひとつ何とかしてもらいたいということなんですけれども、大臣も今おっしゃっていますが、現在の規制関係の全貌を把握するように各省庁にということでありますけれども、これは本当に真剣にその全貌を調査なさいますか、どうなんですか。また、それができるとお考えですか。
○竹村政府委員 関与の形態が非常にいろいろな形で多方面にわたっておりますので、どの範囲でやるかということが問題でございますけれども、法律、政省令、そういうふうに形のはっきりしたものもございます。その辺をどのようにやるか、作業としてもいろいろ問題があろうかと思いますけれども、大臣が先ほど申されましたように、事務方といたしましてはぜひその把握をしたい。このためには我々だけでなくて関係省庁の協力もいただかなければいけないわけでありますけれども、今の時点でその辺がいつごろまでにできるかちょっと定かには申し上げられませんけれども、できるだけ努力をしてみたいと思っております。
○新村(勝)委員 大臣、これは提案というとおこがましいのですけれども、こういう事項というのは法律の制定、改廃の過程でどんどん際限なくふえていきますね。だから、その段階でチェックをする、あるいはその段階で、例えば新しい法律ができた場合には、この中には地方と国との関係ではこういう事項がありますということをリストをつくって審議のときに検討するとか、あるいは法律体系の中にそういうものを附属文書としてつけるとか、そういうことでもしなければどの程度これからふえていくのかわからないですよ。そういうようにこれから法律の制定、改廃の過程で増減していくもの、中には減るのもあるでしょう、減るというよりは死文化していくのですね、これがあります。しかし、この死文化していくのとふえていくのとの関係、これらの経過についても今は全くわからない。過去一年間にこういう事項がどのくらいふえたのか、あるいはどのくらい死文化したのかわからないわけですよ。そういう経過についても、厳重な監視というと失礼かもしれませんけれども、監察が必要ではないかと思うのですが、どうですか。
○竹村政府委員 国の関与の問題につきましてこれからさらに整理合理化を進めていく、そういう観点から見ますと、関与についての全貌を把握する必要があるわけでありますが、その場合に、関与の現在の姿、ストックだけでなくて、おっしゃいますようにそれがつくられる段階でのその辺のコントロールをどうするか、あるいは空文化していく、時代によりましてだんだん中身がなくなっていくもの、こういったものについても関心を持っていくということは必要なことだろうと思われますけれども、仰せこれから作業を始めてその辺を見定めなければいけないわけでありまして、そういった中でこの問題は検討してまいりたいというふうに考えております。
○新村(勝)委員 今の問題は、中央の役人さんが頭の切りかえができたかどうかということのテストケースにもなるわけです。これから新しい法律ができた場合に、それがどの程度国の関与を中央の方でセーブをし、規制をしているかということが実際にわかりますから、そういう点で、やはり新法の制定の場合あるいは改正の場合、ぜひそれを頭に置いて法律をつくったり改正したりしていただきたいと思うのですけれども、大臣、いかがですか。
○後藤田国務大臣 この問題は、国の関与だけでなしに、いわゆる行政改革というものを進める場合にはすべて全体を把握しましてネット減ということになりませんと、当面のものは減ったけれども新しいものはできた、結果はふえた、こういうことになりがちですから、これは行政改革全体としてネット減をやらなければならぬ、こう思うのです。それにはやはり現状を把握しなければならない。ところがその現状が、先ほど申しましたように調査がなかなか難しいのです。恐らく各省も、自分のところでどれぐらい数があるかというのを本当に正確に認識しておるのか、これまた大変疑問だと私は思うのです。だからそこらに根本の問題があるのですが、私どもとしてはとりあえずは、関係団体等から、これはやめてもらいたい、これは廃止してもらいたい、これは改正してもらいたいといったような事項を取り上げて、それをともかく整理していこう、こういう立場で今日までやってきておるわけです。しかし、これだけではおかしいではないかというのが私の基本的な考え方ですが、今日の現状からはなかなか難しいということが実態なんですよ。 例えば、これは話は別になりますが、今日、法律だけで大体千六百本あるのですよ。この法律を一つ一つ、これは本数が決まっておりますから、これを見直すということの方が一番行政改革としては早いのです。しかしながら、これだって、かつて法律の改廃、整理をしたことがございますけれども、なかなか厄介な問題である。そこで、法律があって、この法律の数だって、新しい事態になっていくわけですから、要らざる法律が出てくるわけです。これらもネット減ということで、できるだけ今民間に任せなければならぬ面が多いわけですから、そういうような意味合いでやらなければならぬかなとは思いますけれども、こういう席でお約束することはできません。しかし、御質問のような点は私ども大変苦慮しておるんで、いずれにせよ政府としては少なくとも関係者から直してもらいたいということだけは全力を挙げてやっていきたい、こう考えておるわけです。御意見は全くわからぬわけじやありませんが、私どもの置かれておる今日の現状についても率直にお答えをして御理解を仰いておきたい、かように思います。
○新村(勝)委員 大臣は、事態を認識はされているようであります。しかし、それを実行に移すことが重要でありますので、ぜひお願いをしたいと思います。 そこで伺いたいのですが、今度の整理合理化は行政改革の一環としてその流れの中でおやりになるということですよね。そうしますと、この法案の提出の動機というのはあくまで行政改革であって、国と地方の正常な関係を確立する、あるいは地方自治の確立を図る、中央集権から二足の地方分権を進める、そういう観点というのは薄いのですね。行政改革はそれなりの意味があるでしょうけれども、同時にまた国と地方の関係を明快にする、整理をする、自治権の確立を図っていく、自治権を正式に国が認知をしていく。認知と言うと失礼かもしれませんけれども、そういう観点が必要なわけなんですよ。そういう点で、もう少し明確な目的意識をお持ちいただきたいということなんですね。 この法案が出てきた背景というのは、臨調の答申、それからそれを受けて審議をした行革審の答申に基づいてこれを実施するということですね。行革審の答申については目標としては一〇〇%実施だ、そのまま全部実施しましょうということでありますけれども、この問題に取り組む姿勢なりその手続の流れというものについては我々は必ずしも賛成できないわけですよ。というのは、先ほども事務総長が言っておりましたけれども、この問題についてはかねてから、地方六団体では十年一日のごとく同じ問題を強く政府に要請してきたのですけれども、政府はほとんどお聞きにならなかった。それからまた、地方制度調査会においても同じことが論議をされていたはずでありますし、現在もされていると思いますけれども、その方の意見も政府はほとんど取り上げていらっしゃらない。ところが臨調、行革審については一〇〇%ということですね。そうすると、この問題に対する取り組みの姿勢というものが我々には不満なわけです。基本的には、地方六団体の意見なり六団体と国との協議の場なりにおいて原型が生まれてこなければ本当はいけないわけですよ、実際にこういった仕事をしているのは六団体ですから、地方の首長がこの問題の中に常に身を置いて日夜努力しているわけですから。そういう方の意見は余りお聞きにならない。もちろん行革審、臨調の皆さん方には敬意を表しますけれども、臨調、行革審の言うことは一〇〇%だ、それ以外の団体の言うことはお聞きできませんということでは困るのですね。そこらの政府の姿勢について大臣はいかがですか。
○後藤田国務大臣 その点は新村さんにぜひ御理解をしておいていただきたいのですが、行政改革というのは、やはり今日の仕組みの上から、国と地方一体になって車の両輪としてやらなければならない、こういう基本の立場に立って第二臨調なり行革審は御審議をせられて、そして私どもに御答申をいただいておる。その審議の過程では、当然のことながら地方制度調査会なり地方六団体なりそういった関係団体の意向も十分お聞きし、それをまたできる限り反映して、そして答申をいただいております。今日のような時代でございますから、やはり行革審も地方自治の重要性ということについては十分認識をした上で御答申を賜っておる、私はさように考えておるのです。 ただ、御質問の地方制度調査会あるいは第二臨調、これはひとしく総理大臣の諮問機関でございますが、各種の審議会がございますけれども、その審議会の目的、性格、置かれている立場、こういったことがそれぞれ違いますから、全く食い違った、正反対の意見が出ることは間々ございます。政府としてはそれらをすべて頭に置きながら、政府の責任において取捨選択をして、改正すべきものは改正する、こういう態度で臨んでおるわけでございます。したがって私どもとしては、臨調の答申は一〇〇%で、地方六団体の意見は余り考えておらぬ、こういうことではないつもりでございます。地方制度調査会なり六団体の意見は尊重してやっておるのですが、もちろん一〇〇%というわけにはいきません、審議会の性格によって違いますから。そこらは御理解をしておいていただきたい、かように思います。
○新村(勝)委員 ほかの団体の意見もぜひ真剣に御検討いただきたいわけであります。こういう状態が生まれてきたのはほとんど全部が中央の皆さん方の責任なんです。地方の責任ではないのですよ。中央の皆さん方は、地方に関与するそういう何万というたくさんの事項を次々に生み出してきたわけです。生み出してきて、その後は知らない、いわゆる垂れ流しと言うと失礼ですけれども、つくる一方でもって、後の処理は余りなさらないということからこういうことが起こったわけでありますから、本当に中央の方々が意識を変革して、これから新しい時代に即応する政治体制をつくるという御意思があるのならば、臨調、行革審にまつまでもなく、皆さん方でそれを検討して、皆さん方がその案を国会に出して討議をしてもらうということが本来なんですね。これが本来だと思うのですよ、皆さん方が一番よく知っているわけですから。臨調、行革審の先生方がいかに博識であろうとも、具体的な知識については皆さん方に及びません。だから皆さん方が素案を会議に出して、それを討議をしてもらって、そこでこれを廃止する、これを見直しをするというようなことが決まるわけです。実際に資料を持っていらっしゃるのは、実際に事情に精通していらっしゃるのは皆さん方であります。また皆さん方以外にはないわけです。そういう点で、みずからを律するという立場で、皆さん方がこの案をおつくりになるのが本来だと思うのです。臨調、行革審の先生方には敬意を表しますけれども、政府の皆さん方にみずから今までの日本の政治の軌跡を再検討するという意識も持っていただきたいと思います。いかがでしょう。
○後藤田国務大臣 おっしゃるように、この問題に限らず、それぞれの役所が時代の変化に対応して自己改革をやっていくことは基本であろうと私は思います。殊に地方自治に関する限りは、そういった地方団体の立場を踏まえて、中央各省の中で政府の一員として自治省が音頭をとって努力をしていくべきであると思いますけれども、新村さん御案内のように、役人というのはやはり限界があるのですよ。役所の窓からだけ見て改革案というのは、今日の官僚組織は大変立派だし、また優秀な人がそろっておるのですけれども、私はそれだけではいけないと思いますね。それらの人からいろいろな資料を出させて、役所の窓と違う、学識経験の深いいろいろな人から意見を聞いて改革案というものは出さないと、役人の立場に立った改革になりはせぬかという点を心配いたします。私も長い間役人をやっておりましたので、これは限界がございます。そういった意味で、行政改革とか財政の再建、こういった難しい問題になると、臨時行政調査会といったもので専門の資料も出してもらいながら、意見も聞きながら、広い視野から独自の判断で改革意見というものを出していただいて、それを政府は政府の責任において実施していく、これがやはりいいんじゃないかな。 ただ基本は、新村さんがおっしゃったように、みずからの役所のことなんだからみずからやれ、それはそのとおりでございますけれども、なかなかそこらには限界がありはしないか、かように私は認識をしておるわけでございます。
○新村(勝)委員 大臣みずから役人の限界をお認めになるということは、ある意味では正直だと思いますけれども、ある意味では困るわけですよ。 こういう問題を処理する場合には三つの分野がありますね。政府、国会、第三者。この中で一番軽んじられているのは国会ですね。実際は政府が資料を提供して案をつくって、それに臨調なり行革審なりがそこでお墨つきというか認知を与えて、それが国会に出てくるわけでありますけれども、国会はほとんどうのみにせざるを得ないという今の流れですようのみと言ってはまた失言かもしれませんけれども、そういうふうに国会が一番軽視をされておる、この問題の処理について。この問題だけじゃなくすべてそうですね。国権の最高機関というのは空文ですよ。そういう点の反省も大臣はなさっておられますか、どうですか。
○後藤田国務大臣 新村さんはえらい御謙遜なさって、国会が一番軽い役割しか果たしてない、こういう御意見です。私はそうは思っておりません。今日の議会制民主主義の中で私どもとして一番重きを置かなければならぬのは国会の御意思である、私はさように考えておるわけです。また、そうしなければとても民主主義の政治というものは発展しない、私はそういう基本の認識で対応をしていくつもりでございますし、今日までも対応したつもりでございますので、新村さんの御意見は少し御謙遜が過ぎるのじゃないでしょうか、私はさように考えるわけでございます。
○新村(勝)委員 いや、謙遜ではなくて、国会が軽視をされては困るわけですよ。これは議会制民主主義の根幹ですから、それでは困る。そういうことのないように、ひとつ政府に厳重な反省を願いたいという意味で言っているわけなんです。 というのは、この問題について処理をする場合にも、延べにしたらもう何十時間、何百時間が国会の外で論議されていますね。それで国会で何時間審議の時間があるかといいますと、ないのですよ。私はたった二時間。この問題を論議したら、これは数十時間あったって足らないわけですよ。ところが、そういう本当の論議の場がない。論議にしても、こうやって大臣と私がやりとりしていても、それが果たしてどの程度実があるものになって現実の政治に生きてくるかというと、これまたなかなか問題です。だから、そういう点で国会の軽視が進んでいる。これはここだけじゃなくて、すべての面で国会が空洞化されつつある。つつあるとは言いませんけれども、その懸念がある。そういう点での反省も同時にお願いしたいということでございます。これは答弁ではなくて、大臣も閣内の最有力な閣僚として、これから内閣をその方向に引っ張っていってくださいということを特にお願いしておきます。 次は、細かいことになります、この法案の具体的な問題になりますけれども、必置規制です。これは先ほども申し上げたように、国の関与とは概念が若干異なるものなんです、これは制度ですから。異なる概念ですけれども、国の方で考えていらっしゃるのは、この必置規制に関連をして、国がたくさんの行政指導の網をかぶせているという意味での整理合理化というふうにどらえていかなければならないわけなんです。だから、ある機関を設置しなければいけないということは、これは国の方針なり法律で当然やるべきです。小学校を設置しなければなりません、あるいは保育所を設置しなさいということは、これは制度としての整備であって、概念としては国の関与ではないのです。それを混同しないようにしてもらいたいのですが、そういう設置についての義務づけ、と同時に、その運用について大変な網がかぶっているということも問題だということです。 例えば保育所の運営にしても保母の定員にしても、年齢別に保母を何人置きなさいというようなこと、こういったことはむしろ地方団体に任せる方がよろしい。保育所を設置しなさいということは、これは制度的な整備ですから法律で決めればいいわけです。そういう点での混同をなさらないようにお願いしたいということなんです。 それから、必置規制に関連することですけれども、自治体、特に都道府県の段階では休眠状態の審議会、委員会というようなものも相当ありますね。国にも相当あります。まず国の方に、諮問機関ですけれども、委員会、審議会といったものは幾つありますか。
○竹村政府委員 国の審議会等の数でございますが、二百十四でございます。
○新村(勝)委員 これは全部活発に活動しておりますか、どうですか。それはまあ活動していますという答えだと思いますけれども、その活動状況はいかがですか。
○後藤田国務大臣 これは、審議会の整理もやはり一つの課題でございまして、多いときはたしか二百七、八十あったと思いますが、今お答えをしたように今日二百十四になっております。これらは活動しておる、私はかように認識しておりますが、その中で例えば選挙制度審議会、こういったものになりますと法律で生きているわけですね。しかしながら審議会の委員は今任命をしてない。こういったものもございますが、これはなかなか廃止をするわけにはいきません。選挙制度の基本の改正ということになると、これに付議しなければならぬということもありますから、そういうようなものもございますが、いずれにせよ今日置いてある二百十四は、現時点においてはこの程度のものは置かざるを得ないのではないか。今日まで相当整理をして現状に至っておるわけでございます。
○新村(勝)委員 選挙制度審議会の名前が出てきましたから一言申し上げますけれども、選挙制度審議会こそ、その機関が活動すべき問題ですよ。今定数是正が自民党さんの中でまとまらない、これじゃ困るのですね。そういう問題こそ第三者機関に諮問して、その大活躍をお願いしなければいけないものだと思うのです。これは余談になりますから答弁は要りませんけれども、そういう活用すべき機関があるのに活用しない、一方では議会軽視とも言われるような手続をとっていらっしゃるということは大変残念でありますから、意見として申し上げておきたいと思います。 それで、地方段階ではどうですか。地方段階では制度的に必置の機関であるものもあるし、そうでないものもあるわけですけれども、地方団体でも地方団体としては十分反省をしなければいけないことだと思うのです。かなり休眠状態の委員会があるようですが、それはいかがでしょうか。
○竹村政府委員 地方団体の場合、独自で置かれているものと必置規制で置いているものがあると思います。独自のものにつきましてはちょっと我々つかんでおりませんけれども、国が必置でその審議会を置くことを義務づけているもの、この中で活動が余り活発でないものといたしまして、例えば都道府県開拓審議会、これは対象が減っておりまして不活発なところが多いわけであります。それから麻薬中毒審査会、これは麻薬中毒患者の措置入院の延期のときにこの審査会にかけるわけでありますが、この制度ができてからほとんど開かないといったところもあるわけであります。それから公的医療機関連営審議会、これは県におきます。その地域の公的な医療機関についての運営、審議する機関でございますけれども、これにつきましても、医療機関の民間と公的なものとの最近の変動といった背景もございまして、余り活発でないものがある。そういったことで、今回の法案におきましても、必置規制を任意設置にするとか開拓審議会のように廃止するとか、麻薬中毒審査会のように常置するかまたは必要な都度置くことができる、そういった措置をとるようにしておるところでございます。
○新村(勝)委員 この方面についてもやはり適正な、地方団体ができれば自律的にやるべきだと思いますけれども、そういう面での十分な検討も必要だと思います。 次に、今回提案された内容は事項にしますと五十あるわけですね。提案の趣旨については必ずしも反対ではありませんけれども、整理の対象となっている内容については不要ということではないのですね。だから、これが通過した後も、その所管事項については継続的に他の機関に統合するとか、他の機関がそれを兼ねて所管するというような十分の配慮が必要だと思いますけれども、そういう事後の対策についてはどうなさいますか。
○竹村政府委員 整理の内容といたしまして、廃止するものももちろんございます。例えば先ほどの開拓審議会のようなものでございますけれども、そうでなくて、その仕事が必要なもの、例えば水質審議会のような場合には、別に公害対策審議会というのがございますのでそれと統合するということで、同じ仕事はそちらの方に引き継がれるということになるわけであります。それから、児童審議会は地方の福祉審議会に統合してもよろしいし独立してもよろしい、そういうことになっておりまして、仕事として必要なものについては形を変えて残る、簡素合理化して残るというふうなことになっております。
○新村(勝)委員 次に、この中の一部には民間に委託する、民間の管理に任せる部分もございますけれども、そういう場合に、その運営の監督はどういうことにするわけですか。
○竹村政府委員 ただいまの御質問は許認可の整理の関係かと存じますけれども、理容師、美容師、クリーニング師、これの今まで県で行っておりました試験事務を厚生大臣の指定する民間団体に行わせることができるというふうな改革になっております。これにつきましては、厚生大臣が指定した後、国なり地方団体がその団体についてのいろいろな指導といいますか、そういったものは法律の上で措置できるような形をとっております。
○新村(勝)委員 最後に、大臣にお伺いします。その手続は一連の行革の中で行われているということでありますが、いつの段階でどの程度の措置をとるというような将来の見通しについて伺いたいと思います。
○後藤田国務大臣 これからの最大の問題は、やはり地方との関係で機関委任事務の整理に着手をしたい。それからもう一点は規制緩和、つまり対民間との関係ですね。これについて国及び地方団体の民間に対する規制を緩和をしていきたい。これが大体大きな課題として残っておる。 なお、地方行革それ自身はことしの重点事項でございますから、これは先般自治省から自治省としての考え方を地方にお示しになって、それに協力方を要請しておる。こういうことがこれからの課題であろう、かように考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 そのとおりだと思うのですね。やはり最大の問題は、繰り返しになりますけれども、日本の中央、地方を通ずる行政体系を合理的に整備をするということが必要だと思うのです。日本の行政制度壮世界に冠たる組織だと言われておりますけれども、残念ながら国と地方との機能分化という点ではまだまだ大変おくれていると思うのです。そういう点で、国と地方との機能を明確化する。これは必ずしも国が地方に口を出すなということとは別の次元で、国と地方の機能を明確化するということ、それから責任を明確化するということですね。今の状態ですと地方団体の監査委員は監査の権限が極めて狭いわけでありまして、補助事業とか国が関与している事業については監査の対象にならないということになっております。この点について、自治省からいらっしゃっていればお伺いしたいのですけれども、地方団体の監査委員の権限をどうしても再検討せざるを得ない。これは大臣、さっきおっしゃったような中央の会計検査院法の改正とは違うのです。ですから、地方と中央との機能分化を図っていくためにはどうしてもこの改正が伴うと思いますけれども、それはいかがですか。
○石山(努)政府委員 地方公共団体の監査委員の権限の問題でございますが、このことにつきましては、第十八次の地方制度調査会の答申におきまして、「地方公共団体の処理する行政全般について公正と能率が確保されるよう、監査委員は、機関委任事務も含め一般行政事務についても監査できることとすべきである。」というような内容についての指摘がなされているところでございます。 私どもといたしましては、公正で能率的な行政を確保するということに対する住民の関心と期待が一段と高まっている昨今でもございますし、今後この答申の方向に沿いまして監査委員の権限を強化することはぜひとも必要である、こういうような認識をいたしております。この点につきましては、今後引き続きその実現のために努力をしてまいりたいと考えております。
○新村(勝)委員 大臣、今度のあれは臨調の答申ですから、待ったなしたと思いますよ。ですから、これについてはぜひひとつ、行革あるいは整理合理化と関連をして早く実現できるようにお願いしたいと思います。 それと同時に、繰り返しになりますけれども、これと関連するのはやはり大もとの院法の改正ですから、これもひとつ頭に入れておいていただきたいと思います。 時間が参りましたので、これは大変細かい問題でありますけれども、法案の字句の問題でちょっと伺いたいわけです。 これは文部省に伺った方がいいのかもしれませんけれどもね。というのは、この三ページに「吏員若しくは」というのを「吏員又は」に変えるということなのですけれども、こんなことをしてどこかに実益があるのですか。それから、「若しくは」と「又は」はどう意味が違うのですか。
○竹村政府委員 恐れ入りますが、文部省が来ておりませんので、もう一度質問を確かめたいのですが、法律関係資料の三ページですか。
○新村(勝)委員 「吏員若しくは」というのがありますよね、「吏員若しくは」というのを「吏員又は」に変えようというのですが、わざわざそういう項目を起こして法律改正をしようというわけですけれども、こういうことは意味が同じなのじゃないか、実益があるのかどうかということです。
○竹村政府委員 これは一般に、法制用語といたしましては、大きなくくりの場合に「又は」、小さなくくりの場合に「若しくは」、そういった慣例になっているのではないかと思うのですけれども、今の改正案だけで見ますと前後の関係がちょっとわかりませんので、その辺をまた確かめて、その上で御説明をしたいというふうに考えます。
○新村(勝)委員 もう一つ、これは日本語の文法の問題です。それは、十二ページに「行なう」を「行う」、これは読めば同じですけれども、「行なう」を「行う」に変えようということですけれども、これはどういうことですか。これは仮名遣いの問題ですね。
○竹村政府委員 今の「行う」の場合でございますけれども、これも現代の法律の使い方に古い使い方を合わせるということでございます。 それから、先ほどちょっと十分な答弁ができませんでしたけれども、「吏員若しくは」を「吏員又は」に変えておりますが、これも最近の新しい法律での使い方に変えたものだということでございます。
○新村(勝)委員 そうしますと、六十七ページに「当っては」を「当たっては」にするということですね。読んでは同じですけれども、「当っては」を「当たっては」にするということですね。そうするとこれは十二ページと矛盾しはしませんかね。四段活用、これは昔の中学か高等学校の文法で習ったはずですけれども、私はそれを思い出したのですけれども、「当たっては」というのは、「当りては」の音便で「つ」になったわけですからね。これは「当りては」ですよ。だからこれは新しい仮名遣いによると「当りては」とやって、「りては」と、「り」からが仮名になって、「た」は漢字の中に含むはずなんですよ。新しい仮名遣いによると、活用で変化をする部分から仮名に変えるというのが原則でしょう。そうすると、これは十二ページと全く違うのですが、これはどうなんですか。
○竹村政府委員 今の「当たる、当てる」の場合でございますけれども、「当たる、当てる」、そういう使い方もございますので、そこの仮名を送るということのようでございます。
○新村(勝)委員 「当ら、当り、当る」というのは動詞じゃないんですか。動詞ですよね。動詞の場合には、活用で変化をするところから仮名になるというのが原則ですよ。だから「た」は要らないと思うんですがね。これは後で詳しく文部省に伺いますけれども、法律を扱う皆様方として、正しい日本語を使ってもらわなければ困るわけですけれども、この点はどうなんでしょう。
○竹村政府委員 今の御答弁は、法制局から的確にしていただいた方がいいかと思いますけれども、法制的な使い方としては、ただいま改正案にありますようなそういう使い方をしておるということのようでございます。したがいまして、一般の仮名遣いとその辺が同じなのか、あるいは特殊な使い方なのか、いずれにいたしましても、法律をつくる場合の使い方としては、この法律案にあるような使い方になるようでございます。
○新村(勝)委員 これは詳しくは文部省に伺いますけれども、そうすると、今までは間違った使い方をなぜやっていたのかですね。今までも法制局の御意見を聞いて皆さん方はつくっていらっしゃったと思うのですけれども、そうすると、法制局の見解では、これは間違っているということになりますと、これをつくったときはどうだったのかですね。それはいかがですか。
○竹村政府委員 法律ができます。その時点での使い方がございます。先ほどの「行う」もそうだと思いますけれども、その法律ができた時点では仮名を送るとか送らないとかそういう使い方をしておるわけですが、その後の方針で使い方が変わる場合に、そこの改正をいたしますときに合わせて新しい使い方をする。そういうことで多少ちぐはぐといいますか、改正時点で部分的に新しい改正をするとそういう事態が起こるわけでございます。
○新村(勝)委員 字句の問題で時間をとるのは不本意ですけれども、この中にこういう矛盾があるんですよ。動詞の活用と仮名遣いが不統一である。一方では余計な字が入っていたり一方では正しい送り仮名がしてあったり、これはいかに法律といえども、法律の文章は日本語を離れていいということは絶対ないですよね。法律も日本語に基づいて記載してあるわけですから、日本語を大事にするという意味からいってもこれはおろそかにはできない。大臣、そのお考えはいかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 私も昔はこういった立法に随分従事したのですが、その都度その都度の法制局としての立法用語の使い方があるわけでして、それがときどき変わっておるのじゃないかな、したがって当該事項を改めるときにはその時点における用語の使い方に改める、こういってやっているのだろうと思いますが、私も最近の実態を知りませんのですが、しかし、日本語の使い方というのはこれは余りでたらめなことをやってはいけません。そういうことでございますから、新村さんの御意見は法制局にも問い合わせまして、後刻お答えを事務当局からさせたいと思います。
○新村(勝)委員 ぜひそうしていただきたいと思うのです。 最近、日本語の乱れというのがひどいのですよ。外来語がやたらに入ってきたり、外来語に適当な送り仮名をつけて動詞にしてみたり、形容詞にしてみたりというのが至るところにあるわけですね。そういうのを改めてもらいたい。 それから、法制局にお伺いするということでありますけれども、法制局といえども日本語について治外法権ではないはずです。法制局といえども日本語、日本語の文法は守っていただかなければならないということですから、これは法制局の方へ厳重注意を願いたい。 今の問題については、これは明らかに文法上矛盾があるわけですから、その矛盾をどうするか。これは統一見解を後刻伺いたい。これは、なお詳しい点は文部省に伺いますけれども、そういう点も役人さんの頭に置いていただきたいということを申し上げたわけでありまして、これは本質からはちょっと外れますけれども、無視のできない問題だということで申し上げたわけであります。 以上で終わります。
○中島委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。日笠勝之君。
○日笠委員 まず、総務長官にお伺いを申し上げたいと思います。 これは新聞のインタビューでございますが、土光行革審会長がインタビューに答えまして「増税なき財政再建」を貫くべきである、このように強調されておられるところでございますが、これも新聞情報によりますと、長官は、四月十五日東京青年会議所主催のシンポジウムにおきまして、行革断行が大前提であるとしながらも、必要とあれば増税もやむを得ない、こういう旨の発言があったかのように仄聞をしておるわけでございますが、その真意は那辺にあったのでしょうか、お聞きしたいと思います。
○後藤田国務大臣 せんだってJCのパネルディスカッションに私と藤尾政務調査会長と加藤寛先生と三人が講師として出席を求められて、その席でただいまのような御質問が出たわけでございます。それに対する私の回答は、新聞に出ておるとおりではございません、これは私の真意とは離れておる、私はさように考えておるのです。 といいますのは、やはり「増税なき財政再建」というのは行政改革実施のためのてこであり、同時に政府として守らなければならない理念である。ところが、一部の論者の中には、「増税なき財政再建」なんてできるわけないじゃないか、だから増税を行うべきである、こういう議論があるけれども、ならば私は反対に聞きたい。それじゃ一体増税をすれば財政の再建ができるのか。今日の国の借金総額が百三十三兆円、これは増税だけでできますか、できるわけないでしょう。やはり肝心なことは、政府としてやるべきこと、それは行政の改革を進め、そして経費の削減、こういうことにまず全力を挙げるべきではないのか。ところが、それだけでそれじゃ一体財政の再建ができるのかという議論がある。これも私はなかなか困難だと認識をしておる。ならばどういうことだということになれば、税外収入の確保であるとか、あるいは国有資産の売却の問題であるとか、あるいは国債の管理政策について検討するとか、各般の施策があるのではありませんか。ところが、とかく我が国の論議というのは、何か問題が出ると一つの手段だけで解決しようとする傾向がある、それだけが突出した議論として出る、これは誤りである。やはり我々が考えなければならぬのは総合的な施策の展開だ。その上で全部やるべきことをやって、そしてさて収支計算、そろばんはどうなるということが出てくるのではありませんか。その際に、やれるだけのことをやったということで、そしてそろばん勘定が合わないとなれば、その段階で国民の選択、判断にゆだねるということだってあり得ると思う。 いずれにせよ、ただいまの議論は少し、一つの手段だけが突出して議論が行われるということは私は賛成しがたい、こういう答弁をしたのが私のあのときの発言の内容でございます。
○日笠委員 収支そろばん勘定決算をしてやむを得ない場合もあり得るかもしれない、こういうことでよろしゅうございますね。いわゆる「増税なき財政再建」、一つの大義名分ということでございますけれども、総理も過去この内閣委員会におきましても、増税ということに対しての御答弁を見ますと、増税というのは新しい税目を起こす、新しく税率を上げる、そういうような制度の改革は、税収をふやすやり方は増税と考えておる、このようにも当内閣委員会でも、昭和五十七年でございますけれども御答弁をされておられます。そういう意味におきまして、収支決算した、そろばん勘定した、やむを得ないというようなことがあるかもしれない。それは長官どうなんですか。いわゆる「増税なき財政再建」の御旗に反するというふうには考えなくてもいいわけですね。
○後藤田国務大臣 御承知のように第二臨調の答申は、「増税なき財政再建」という意味合いは、ともかく税そのものの中のでこぼこの調整あるいは不公平な税の是正、こういうことはやって差し支えない、しかしながら税負担全体として国民の負担を引き上げるということは認められない、こういう基本線に立っておると思いますね。私は、その線で総理は答弁をなさっておると思うのです。 同時に、あの答申の中にあるように、中長期的な課題としては、税の構造その他の面も見直してもよろしいし、それからまた、税負担と社会保障負担というものは漸増する傾向にあることは認めざるを得ない、しかしながら、その場合も、社会保障負担の方で考えるべきではないか、それに重点を置いて考えるべきではないのか、こういう答申が出ておりますから、総理なり私が言っていることは、あの答申の基本線に沿っていかなる場所においても発言もし、私自身もそういう考え方でございますから、いずれにいたしましても、今増税論議をやるべき時期ではない。これはうっかりすると、必ずや歳出要望圧力に屈して、必ず国民負担の増高を来して、やるべき行政の簡素化であるとか既定経費の削減、こういうことはできなくなる。これでは元も子もなくなりますよ。したがってそういう政策はとるべきではない、私はかように考えておるわけでございます。
○日笠委員 政府・与党内でも、いわゆる増税と減税をセットにしてというふうな話もちらほら聞こえてくるわけなんですが、この点はどうなんでしょうか。
○後藤田国務大臣 人によっていろいろのことを議論しておりますね。だけれども、私は、税構造の問題を検討することは先ほど言ったように第二臨調も否定をしておりませんから、検討することは一向差し支えないだろうと思いますけれども、その底意の中に増税を含めて言っているのであれば、今日の段階で私は賛成しがたい、こう思います。
○日笠委員 それでは、行政改革の積み残されておるという分でございましょうか、何点かお聞きしたいと思います。 一つは三庁統合、いわゆる国土庁、沖縄開発庁、北海道開発庁の三庁統合の件でございます。これはもう既に第三次基本答申で指摘をされておるところでございまして、五十八年の七月には国土行政関係三庁連絡会議が設置されまして、二年目を迎えようとしておるわけでございます。先日も行革審の有力な方の、六十六年統合が有力になってきたというふうな報道もなされておるわけでございますが、この三庁統合問題についての六十六年案というのはいかがなものか、どういうところからそういうのが出てきたのか。
○後藤田国務大臣 この点は第二臨調の答申の中にも、中央省庁の統廃合、総合調整機能を強化するという、その場合に三つの手段があるわけですね。一つは財政による調整、もう一つは企画による調整、もう一つは人による調整、三つが拍子がそろわなければいかぬわけですね。そこで、企画による調整の中の一つの手段として、やや相似た性格のある二庁についての統廃合の問題が検討をせられたわけでございます。しかし、その答申の結果は、沖縄等特殊な事情がありますから、そこらは慎重に考えなければなりませんよ、こういう御趣旨の御答申ですね。政府としては、その答申を受けて、三庁の間では連絡会議等を置いて、総合調整といった問題について現在も話し合いを進めておることは事実でございます。 しかし、それでは三庁の統廃合、本当に一つにしてしまうのか、こういうことになりますと、これはやはりいろいろな事情を総合的に判断をいたしませんと、今直ちにそれに踏み切るわけにはまいるまい。いずれにいたしましても、しかしこの問題は引き続いて行革審で御検討中でございますから、今お尋ねの六十六年ですかにやるべしといったことは、私は現在の段階においてはまだ承知をいたしておりません。いずれにいたしましても、行革審から御意見を受けた段階で政府の責任において判断を下したい、かように考えます。
○日笠委員 もう一つの積み残しております大きな問題はオンブズマン制度でございますが、昭和四十年ごろから学問的研究が云々され出しまして、昭和五十五年にはオンブズマン制度研究会というものが行政監察局の中にできまして開催をされてきておるわけでございます。座長の林元内閣法制局長官のもとに海外にも視察に行かれまして、五十六年には中間報告も発表されておるわけでございます。もう既に検討されて数年たっておるわけでございますし、このオンブズマン制度研究会はいつごろぐらいまでに最終報告といいましょうか、着地点を見出すつもりなのか、この点をお聞きしたいと思います。
○後藤田国務大臣 行政の監視あるいは救済措置が必要なことはもう申し上げるまでもございません。そういう意味合いから、第二臨調等でもこの問題についてそれなりの御答申をちょうだいしておりますから、私どもとしてはその検討を始めなければならぬということで、内部に研究会をつくりまして林修三さんを主査にして御検討願っておる段階でございます。まだその審議が終わっておりませんから、こういった審議をできる限り早目にやっていただきまして、結論を得ればそれに従ってやりたいと思います。 が、この問題はまた大変難しいのですね。それは、今日オンブズマン制度と広くひっくるめて言った場合に、まず一つは国政調査権があるわけです。それから制度としては行政訴訟制度がありますね。それから行政の不服制度がある。それから行政相談員あるいは私の方の役所の行政監察。こういったものが現在の制度でたくさんありますから、これらをどのように交通整理ができるのか、今検討していただいておる林さんのところの研究会でも、これは大変難しい課題ではないかな、こう思っておりますけれども、いずれにせよ研究会の結論が出れば政府としては検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○日笠委員 時間がありませんので、先をちょっと急がせていただきたいと思います。 昭和六十年度の行政監察計画、中央の分でございますが、第四・四半期に廃棄物処理についての行政監察を行う、こういうふうに計画されておるところでございますが、具体的にどのような方向性、また方法でやられる予定なのか、お聞きしたいと思います。
○竹村政府委員 廃棄物の問題につきましては、国民生活水準の向上あるいは産業活動の活発化等に伴いまして、量的にも拡大しておりますし質的な変化が進んでおります。そういうことで、その適正処理を確保することが必要になってきております。 国と地方団体におきましては、処理が困難な廃棄物の増大あるいは廃棄物処理施設の立地難、不法投棄等の不適正処理、こういった諸問題を抱えております。あるいは廃棄物の減量化、有効利用等の課題も抱えておりまして、その早急な解決を迫られているところであります。 本年度予定しております監察におきまして、このような状況を踏まえまして廃棄物の適正処理を推進する、そういう目的のもとに、処理実態でございますとかあるいは施策の実施状況を調査することにしております。 そこで、乾電池等現行の処理施設・システムでは処理が困難な廃棄物につきましては、処理技術とか処理システムあるいは関係者の役割分担についでいろいろ検討すべき課題があるところであります。本年度の最後の期に監察を予定しておりますけれども、御指摘の趣旨を踏まえて計画をつくってまいりたいと考えております。
○日笠委員 今乾電池のことが出ましたけれども、水銀汚染のおそれがあります使用済み乾電池について、地方自治体も分別収集で集めるのは集めた、ストックはしたけれども、そこから先の処理が困難だということで大変に困っておられまして、国に対しても環境庁あたりにも陳情がなされておると思います。特に乾電池のいわゆる分別収集等含めてどのように各市町村はやっておるか、どのようにストックをしておるか、どのような体制を望んでおるか、処理はどうなのか、こういう点をひとつ力を入れてお願い申し上げたいと思うわけでございます。一昨年秋に東京都公害研究所がごみの焼却炉の中から高濃度の水銀を検出したということがきっかけで、使用済み乾電池については地方自治体も力を入れてやっておるところでございますので、この点、使用済み乾電池の件はよろしくお願いをしておきたいと思います。 続きまして、昭和五十七年の十月から十二月に、老人対策に関する行政監察、老人福祉対策を中心にしてということで厚生省に勧告がされておることでございますが、いわゆる老人福祉施設、養護老人ホームであるとか特別養護老人ホーム、こういう施設を調査した結果、給食に関しましては六〇%が十七時以前、すなわち午後の五時以前に夕食を給しておる、こういうことで勧告がなされたわけでございまして、以来、厚生省は、課長会議等におきまして食事の適切な処遇と時間の適切な処遇ということについて改善をする、こういう回答を昨年の三月になされておるわけでございます。私、特別養護老人ホーム、何カ所かいろいろな皆さんにお聞きしましたけれども、今もって十七時以前に夕食を給しておるという施設が多々ございますが、その後この給食のことに関しましてどのようになっておるか、掌握されておられますか。また今後どのようにされるおつもりか、あわせて御答弁をお願いしたいと思います。
○阿部説明員 老人福祉施設、特に特別養護老人ホームでの食事の問題でございますが、食事の時間といいますのは先生御指摘のようにかなり早く、四時半とか五時前後とかということで給付されているケースもあることも事実でございます。ただ一方で、できるだけ私どもは日常的な生活形態に沿った食事時間ということで、一般的には六時半あるいは六時ぐらいというようなことでやるようにという指導はしておるのでございますけれども、一方でやはり職員の全体の勤務形態といいましょうか、調理員の準備の都合とか、あるいは特別養護老人ホームになりますと食事を出して自分で召し上がるという方はほとんどございませんで、皆さん長時間かけて、一時間ぐらいをかけまして、寮母さんといわれる介護に当たる方々がむしろ食べさせてあげるというケースが多いわけでございます。そうしますと、寮母さんたちの勤務時間等の関係からかなり長時間にわたりますので、少し早目に食事時間の開始になりませんと職務全体の回転がうまくいかないという事情もありまして、そんな面からなかなか改善が思うようにいかない点も事実でございます。ただ、できるだけ日常生活に近いような形でのホームでの生活ということが本来でございますので、今後ともそういったふうな指導の強化をしていきまして、できるだけ通常の時間に合った食事時間にするように努力していきたい、かように考えております。
○日笠委員 勧告の趣旨と今の回答の趣旨とちょっと違うと思うのですね。勧告の方は、確かに日常生活の実態に即してとありますけれども、それを受けて厚生省の方は、早急に改善するように指示をしたわけです。指示をしてもなおかつ改まらない、私が何カ所か調査した結果によりますとこういうことですね。これは勧告の趣旨が生かされてない、ただ言いっ放しである。勧告は適当に聞いて、後は課長会議で指示しておけばいいんだ、こういうことになりかねない。何のための改善の勧告であり、監察であったのか、こうなるわけでございます。 厚生省さん、できる限りと言うんじゃなくて、もう一度この趣旨を徹底すべきじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
○阿部説明員 現在、また各ブロックごとに担当者の会議等やっておりますので、その席でもその趣旨を徹底するように指示を私どもの方で出しているところでございます。
○日笠委員 行政監察局が一生懸命こうやって、厳しい予算の中、人数の厳しい中をやっておるわけでございます。回答をしたからには責任を持ってひとつ対処していただきたい、このことをお願い申し上げておきたいと思います。 それから、軍人恩給の支給の処理を速やかに。実はこれはことしの五月十七日の新聞の投書欄でございます。これは援護相談員の方の投書でございます。「主人が軍人恩給を受けていたが、死亡したので扶助料請求をしたところ、四か月たっても裁定されない。また傷病者の恩給で五年ごとの再審査請求をしたが、九か月たっても裁定されないので、どうして生活したらよいか困っている」方がいらっしゃる。この方の結論は、「特に総務庁は国全体の行政事務の指導監督をする立場にあり、その内部局で事務が遅滞していることは誠に残念です。」こういう投書でございます。 確かに、恩給関係の審査の裁定というものは、一年たっても不思議ではないというようなものも多々ございます。この点、行政改革、事務の迅速化、OA化、機械化、コンピューター化、こういうことで先鞭をつけなければいけない総務庁でございますが、現在扶助料請求をした場合どのくらいで裁定がおりるのですか、まずお聞きしたいと思います。
○藤江政府委員 ただいま新聞の投書につきましての御指摘がございましたけれども、実は私どもその点に関しまして、具体の事案につきまして投書者本人に照会いたしたわけでございますが、投書者は、投書者と言われている方は、自分がこれについて投書したものではないということを言っておられまして、現在新聞社との間で、あるいは投書者の方で、名誉棄損とか取り消しを求めるというふうなことを言っておられるようでございまして、新聞社の方から私どもにも謝罪の意思表示がございました。まずそれについて申し上げておきたいと思います。 それから、先生御指摘ございましたけれども、恩給受給者の立場を考慮いたしました場合、迅速な処理ということにつきましては、私ども至上の命題として対応いたしておるわけでございまして、今後ともその努力は続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 特に扶助料についての御指摘がございましたが、扶助料は現在一カ月ないし二カ月で請求に対しまして処理をいたしておるわけでございます。なお、特別なものにつきましては、書類が不備である、例えば義務づけられております戸籍謄本が添付されてない、あるいは生計についての調書がないというふうなことで返戻したりというふうなやりとりでおくれているものもございますが、原則としては、冒頭に申し上げました期間内に処理しておるところでございます。
○日笠委員 先ほどの新聞の投書について、出した人がしないとかしたとか、初めて聞いたものですから、ゆゆしき問題だと思いますが、私自身も恩給局の方に急いでもらいたいと心ならずもお願いをすることがございますが、一カ月くらいと言うが、現実に一カ月ということはないのじゃないでしょうかね。やればできるということでしょう。一カ月くらいでやればできるというふうなことは聞いておりますけれども、ひとつスピードアップをこれはしていかなければならないと思います。 特に問題なのは、傷病者の恩給の五年ごとの再審査請求でございます。これは鑑定医が少ない。精神科、耳鼻科が特に少ない。大体週一、二度顧問医師の方がされるわけでございますが、午後からの診察といいましょうか鑑定であるとか、こういうことで処理量が非常に限られておる。ですから何カ月というのが普通である。特に昭和四十六年改定になりましてから、来年は多くの方が再審査の請求をなされるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この傷病者の恩給の五年ごとの再審査請求、現時点では、先ほどのような書類の不備なんかもあるでしょうけれども、普通で書類の整備ができておる場合どのくらいでできておりますか。今後またどうされるおつもりか。
○藤江政府委員 迅速な処理ということで努力いたしておりますことは先ほど申し上げたとおりでございますが、五十九年度特有の事情といたしまして、五年ごとの再審査請求のちょうどピークに当たる年でございまして、請求件数が非常に一時的に膨大になったというふうなことがございます。また、戦後四十年を経過いたしておるわけでございまして、現在の症状はかなり加齢現象というものが加わったというふうな方が多いわけでございます。それにつきまして分離判断をしなければいけないというふうな事情、あるいは恩給診断書とその後の症状経過書との間に矛盾点などが出まして、顧問医の意見によりまして再度国立病院等の検診を受けなければいけない、あるいはレントゲン等の資料を取り寄せなければいけないというふうな事情が生ずるものもございまして、したがいまして、それらのケースにつきましては相当長期を要するというのも事実でございます。これに対しまして私どもとしましては、今先生からもお話がございましたが、顧問医につきましては特段のお願いをいたしまして、臨時の鑑定を回数をふやしていただくというようなこととか、事務処理体制につきましても集中的な処理体制を組むというふうなことで対応いたしておりまして、これは自画自賛になるかもしれませんが、最近特に処理件数については飛躍的に向上しているということを自負している次第でございます。 なお、平均処理月数につきましてのお尋ねでございましたが、これは先ほど申しましたように全く事案によるわけでございます。何もないケースであれば三カ月から数カ月というふうなことで御理解いただきたいと思います。平均しまして、何もなければ大体三カ月くらいということで御理解いただきたいと思います。
○日笠委員 いみじくも三カ月から数カ月と言われました。長官、どんなものですかね。特許庁なんかも一千億ですか、コンピューター化をして審査員もふやして特許審査を早めていこう、こういうふうに今回やられたわけでございますけれども、この恩給の問題も、生活の糧でございますから、これの審査がおくれる、裁定がおくれるということがあれば、その方の生活権まで脅かすということになるわけでございます。行財政改革のパイオニアである総務庁の長官としまして、恩給の支給処理を速やかにということについて、御見解いかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 申し上げるまでもなく、恩給のそういった審査はできるだけ早くやらなければなりませんし、そういう努力は恩給当局はやっておるつもりでございます。ただ、五年ごとの例の見直しがあるわけですね。そうすると、皆さん大変高齢な方が多いものですから、高齢に伴うふぐあいが出てきたのか、あるいは受傷が原因となっておってふぐあいが出てきておったのか、こういうところはよほどやはり医師の正確な診断、因果関係、こういうものをはっきりさせなければいけませんから、事例によっては——私もときどき陳情を受けるのです。大変時間がかかっているし、幾らやっても該当せずという回答が来る、はなはだ不都合だ、こういったことでございますが、よくその内容を調べてみますと、一方的な御意見だけでは処理はできない、これはやはり正確な診断に基づいてやらなければならない、こういう事例の方がかえって多いんだろう。統計資料を見ますと、五年ごとのその見直しの年は大変ピークは高いのです。ところが終戦後の経過を見ると、そのピークはだんだん低くなってきております。つまりその数ですね。普通の年であれば、ボーダーラインの厄介な診断を必要とするものは別として、そうでないものはそんな御迷惑をかけているような処理にはなっていない、こう私は思います。ただ、再審査の五年ごとの年になりますと、これはやはり数がうんとふえてくるわけですね。そうなると、その年はこれは遺憾ながら物理的な原因で若干期間がかかる、これも事実でございましょう。そこらをよくにらみまして、仰せのようにこれはできるだけ早くしなければなりませんから、それは一生懸命努力をしたい、こう考えております。
○日笠委員 恩給の請求をする場合、特に傷病の関係でありますと半年くらい前から請求していただければ結構なんです、いわゆる裁定が半年間くらいかかるのですよという意味のこと、半年くらい前から請求してください、そうすればうまくつなぐのです、こういうふうなことも現実に言われているわけです。また恩給局の方の方も、人事異動があったのでしょうか、私たちも余りよくわかりませんという声が局の中でも聞かれております。そういうようなことで、ひとつ、先ほどの投書は、私も確認をしなかったのはまずかったのですけれども、名前をかたって投書したということでしょうからゆゆしき問題でございますけれども、私自身も長官と同じように、具体的な例で何回か恩給局にお願いをしておる立場です。それはやはりおくれておるということは明確なことでございますし、今後の迅速な事務処理方をお願いしておきたいと思います。 続きまして、最近とみに話題になっております外国人の公務員の任用問題と指紋押捺問題でございます。 きょう文部省の方も来ていただいていると思いますけれども、ことしの二月二十二日の衆議院予算委員会の答弁では、現在高校以下の公立学校の教員として三十一名の方が任用されておられる、これで間違いないでしょうか。
○逸見説明員 現在三十一名、先生のおっしゃるとおりでございます。
○日笠委員 これは、私どもの党の斎藤議員が昭和五十八年三月十一日に出しました質問主意書がございます。それの答弁が四月一日付であるわけでございますが、これを見ますと「政府は、従来から、公務員に関する当然の法理として公権力の行使又は公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解している。 公立の小学校、中学校及び高等学校の教諭については、校長の行う校務の運営に参画することにより公の意思の形成への参画に携わることを職務としていると認められ」、こういうことですね。いわゆる日本国籍がなければなれないという質問主意書に対する答弁ですが、それでよろしいのでしょうか。
○逸見説明員 そのとおりでございます。
○日笠委員 私は決して三十一名の方々はおかしいではないか、やめるべきである、そう言うつもりはございません。どっちかというともっと、これは特殊事情があるわけでございますからなかなかいきませんが、私立学校においては外国人の方もちゃんと教えておるわけでございますし、公立の小中学校は地方公務員でございますからね。先生方が公の意思の形成への参画に携わるような仕事なのかどうか、日本の微妙な風土、歴史、伝統、文化、こういうものを教えていくのにいろいろな問題があるということでございましょうけれども、門戸を広げていくべきだというふうに私は個人的には考えておるわけでございます。 そこで、先ほど言いました指紋押捺の件でございますが、もしこの三十一名の方が再登録のときに指紋押捺を拒否した場合、これは文部省としてはどういうふうに考えられておるのですか。
○逸見説明員 お答えいたします。 この指紋押捺の問題につきましては、教員だけではございません、すべての外国人に共通する問題でございます。したがいまして、関係当局の御指導のもとにしかるべき適切な対応が図られるべきものというふうに考えておりまして、文部省として具体の指導をするという考えはございません。
○日笠委員 じゃ、もしその三十一名の中のどなたかが指紋押捺を拒否した場合、教育委員会から問い合わせがあったらどうされるのですか。
○逸見説明員 関係当局からの適切な御指示に従うように、こういったふうな指導になろうかと思います。
○日笠委員 じゃ、文部省は関係当局じゃないわけですね。その任用した任命権者の知事、その方の指示に従う、こういうことでよろしいですか。
○逸見説明員 私が関係当局と申し上げておりますのは、具体には法務省の入国管理局、そういったところから都道府県あるいは市町村に指導が参ります。それを正しくそのとおり受けとめて行うように、こういったことを県教育委員会に指導する、こういったことになろうかと思います。
○日笠委員 指紋押捺も最近特に問題になっておりますし、特殊な事情があるわけでございます。どちらかというと、個人的な私情を申し上げて申しわけないのですけれども、これは緩和していかなければいけないのではなかろうかと私個人は思うわけでございますので、三十一名の外国人の教諭の方が指紋押捺を拒否したら直ちに出動して何らかの対策を考える、こういうことがないようにひとつお願いを申し上げたいと思うわけでございます。関係当局の指示に従うということでございますけれども、柔軟な対応が必要じゃなかろうかとも思うわけでございます。 それで、総務庁にちょっとお聞きしたいのですけれども、これはどこの省庁も全然取りまとめておりませんので、総務庁は調整機能がある官庁でございますからお聞きしてみたいのですけれども、外国人の方を各省庁で公務員として採用されておられる人数は掌握されておられますか。
○藤井(良)政府委員 外国人の国家公務員の任用につきましては、先生が先ほど言われましたような法理あるいは外務公務員法七条の規定などを踏まえまして、各任命権者において行われております。 今言われました外国人の国家公務員に採用されておる数でございますが、これは全部は調べておりません。昭和五十九年七月現在で調べましたところ、常勤職員として文部省に約百二十名ばかり、内容としては教授、助教授、講師、助手等でございます。厚生省で約六十名ぐらい、医師、看護婦等でございます。これが任用されていることになっております。私どもとしては、必要があれば今後ともその把握に努めてまいりたいと思っております。
○日笠委員 郵政省にも若干おられますね、これは近畿の方ですか。いずれにしましても、調整機能があります総務庁でございますし、人事局長さん、外国人の採用問題は大変に各方面から陳情もあることもございますし、ひとつ掌握をしていただいた方が今後より的確にできるのではないかと思いますので、この点もあわせてお願いをしておきたいと思います。 いよいよ本題に入りまして、国の関与及び必置規制についての整理、合理化の法案の審議を少しさせていただきたいと思うわけでございます。 御存じのとおり、行革審は八十五の事項にわたる具体的答申があったわけでございます。そのうちの三十一事項は、いわゆる閣議決定されました「行政改革の推進に関する当面の実施方針について」ということで、五十九年度中に政省令等の改正で措置すべき事項とされています。八十五項目のうちの三十一は政省令改正で措置をする。これは、既に三十一事項につきましては改正をされたのでしょうか。されていなければ、どれくらいが改正されて、あと幾ら残っておりますでしょうか。
○竹村政府委員 答申をいただきました政省令、通達関係でございますが、これは三十一ございまして、このうち一つだけが六十二年度ということで、いろいろ条件を整備する必要がありまして外れておりますけれども、それ以外のものは原則として五十九年度中に措置するということになっておりますけれども、いろいろ関連する法案がまだ成立しないとかそういう事情がございまして、現在のところ政省令、通達等で七割程度が実施済みということになっております。
○日笠委員 三十の七割と理解していいですね。——はい、わかりました。 今回の法律案には、法律等措置に所要の期間を要するということで四事項が入っておりません。中でも都道府県の地代家賃審査会、これを廃止をする、あわせて地代家賃統制令も廃止、こういうことでございますが、これは今回法律案には入っておりません。これは既に行政監理委員会の答申においてはるか昔に指定されたものでございますね。それが今回も出てないということでございますが、その辺はどうなっておるのでしょうか。意味はわかりますね、言っている意味は。
○竹村政府委員 このたびの行革審からの答申によりますと、「都道府県地代家賃審査会は、廃止する。なお、臨時行政調査会答申等で指摘された地代家賃統制令の廃止と併せて措置する。」ということになっております。これにつきましては、所管は建設省でございますけれども、臨調答申のほか、ただいま申されました監理委員会あるいは建設省の住宅宅地審議会、こういうところでも答申がございます。それで建設省といたしまして、統制令の廃止についていろいろな答申がございますので、廃止のためのいろいろな条件整備のための検討を行っているということのようでございます。したがいまして、この統制令の廃止におわせて、その段階でこの審査会も廃止されるということになる見通してございます。
○日笠委員 それは、今さっき言いました行政監理委員会でも答申で指摘されて、長いわけですね。そういう非常に期間がかかっておる、積み残しをされておると言ってもいいでしょうか。その理由というのでしょうか、どの辺にあったのですか。
○竹村政府委員 この統制令につきましては、過去四回にわたりまして廃止法案が国会に提出されております。しかし、いずれも審議未了となっておりまして、そういうことで廃案になっておるようでございます。その後建設省におかれましても、その後の答申もございますし、検討はされていると思いますけれども、これを廃止するについてのいろいろな条件を検討するということでおくれておる状況のようでございます。
○日笠委員 わかりました。 時間の関係で次に移りますが、狂犬病予防法、これについてちょっとお聞きをしたいと思います。 現在登録されておる頭数、犬の数ですね。それから登録費が上限が決まっておりますけれども、昨年度で結構でございますが、登録費の合計ですね、全国どれぐらいあったのでしょうか。わかりますか。
○難波説明員 お答えいたします。 先生、昨年度ということでございましたけれども、五十八年度でお答えをさせていただきたいと思うわけでございます。 昭和五十八年における犬の登録総数は三百四十二万四千百六十九頭でございます。先生御指摘のように、地方公共団体手数料令でもって上限額を二千百円と定めてございますが、一部上限を取ってないところもございますが、仮にすべての都道府県が上限を取っていると計算いたしますと、犬の登録手数料、五十八年におきまして総額は約七十二億に計算されます。
○日笠委員 これはわからないわけですが、未登録の頭数ですね。雲をつかむような話でしょうが、推定で登録頭数の大体何倍ぐらいと見ておられますか。
○難波説明員 未登録犬につきましては、純然たる野犬のようなものと、飼育者がありながら登録義務を怠っているというようなものが含まれると思われますけれども、いかんせん全体の犬の数が非常に多うございまして、一〇〇%登録しているとはとても申し上げられないのでございますが、どれぐらいあるかというのは、私ども特に推計した数字はございませんけれども、二割とも三割とも言われているところでございます。
○日笠委員 私は獣医さんに聞くと、三倍ぐらいじゃないかと言っていますね。二割、三割じゃなくて三倍ぐらいじゃないかと。岡山市の例でいきますと、大体一万五千頭登録して、その約三倍、四万五千頭ぐらいは推計として未登録ではないか、こういう説もございます。 そこで、この未登録ですね、注射をしないとか登録しないというのは、これは罰則として三万円ですかありますが、ここ数年間で未登録のゆえに罰則を受けた人というのはいるのですか。
○難波説明員 お答えいたします。 法律の制度上は、未登録とか未注射の犬があった場合にはまず抑留をするということになっております。抑留をいたした犬につきまして、所有者の知れているものにつきましては引き取るべきことを通知し、あるいは所有者のわからないものについては、市町村を通じまして公示を二日間いたしまして、その後引き取りがない場合には殺処分をするということになっております。ちなみに、昭和五十八年の抑留頭数は全国でほぼ三十五万頭、そのうち引き取り手がなくて殺処分したのが三十四万頭でございます、それで、告発とか処罰をしたのがどれぐらいあるかということについては詳細承知をしておりません。
○日笠委員 狂犬病予防法を見ますと、これは犬の「注射済票をその犬に着けておかなければならない。」第五条第三項です。現実にそんな注射済票を犬につけておるような人はおりませんですね、家で飼っているペットに。そういうふうなことでございます。また、この狂犬病予防法を見ますと、二十年ですか三十年あたりかにわたって日本においてはほとんど狂犬病が発生していないということもございますし、一部審議の中では、もう注射もやめてもいいんではないか、こういうような話もあったかのように聞いておりますけれども、どうでしょうか、実態に即してこの狂犬病予防法も改正をしていかなければいけないのではないか、このように私自身は考えるわけでございます。 そこで、この四月一日から各市町村におきまして、注射は年一回ということで、登録と予防注射をやりましょう、忘れずに受けましょう、こういう市民便りとか何かが出ております。これを見ますと、これは何市かというのは語弊がありますから言えませんけれども、「もうことしから注射は一回」という活字の見出しなんです。それを今ごろ私たちは、ここで狂犬病予防法のことを審議をしておるわけであります。これは一月でございますか連絡会議をやりまして、年一回になるぞということについては連絡徹底をされたというように聞いておりますが、これを読みますと、あたかももう一年に一回になりました、こういうように何か既成事実ができて、我々が今ごろここの場において、長官も忙しい中を来ていただいて、審議をやること自体がもう陳腐なような感じがしないでもないのですね。もう既に年に一遍でいいワクチンを打っておるわけです。もしこの法律が通らなかったらどうなるわけですか。秋にまたもう一遍打たすのですか。何か独断専行というか勇み足というか、国会というかこの委員会なんか全然無視されておるというふうにもとれないことはないのですね。現実に年に一遍でいい、二千四百円ですか、少々値段は高くなりますが、一年効能のあるワクチンを打っておるわけですね。法律が通らなかったら、もし流れたらこれはどうなるのですか。
○難波説明員 今回の改正につきましては、五十七年の臨調の二次答申に基づきましてワクチンの開発がされてまいりまして、昨年一月農林水産大臣が新ワクチン、一年間の免疫持続期間を有するワクチンの製造承認を行った。私どもといたしましては、それらの安定供給体制を待って注射を切りかえるということでございますが、現行制度上は特に予防法でワクチンの種類を規定してございません。昨年秋に打った注射というのは旧ワクチンでございます。したがって免疫持続期間は六カ月と言われておるものでございますから、本年四月から打たなければならないということについては特に問題ないわけでございます。ただ、本年四月新しいワクチンを打ったということで秋に注射の必要がなくなるということで、法律改正をお願いしているわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、都道府県等については打ち合わせ会議であるとかその後の通知等によりましてその旨をよく通知をしていたところでございますが、既に一回になりましたというような行き過ぎがあったとすればまことに遺憾だと思うわけでございます。
○日笠委員 要は、年一回のワクチンを打っておるわけですね。一年に二通打つワクチンより注射代が高いわけですよ。法律は我々も反対すべきものじゃありませんし、これは臨調答申どおりでございますから大いに賛成はしたいと思います。しかし一面、このワクチンの試験データが発表されてないのではないか。これは農水省の関係なんですね。きょうは私ちょっとお呼びするのを忘れておりましたので、この点については御質問できませんけれども、試験データの発表をしたのか、間違いなく問題ないのかということも巷間言われておるわけでございます。本年の四月一日から年一回になるから急げ、こういうようなことで、ワクチンの開発試験データの積み重ねがいま一歩じゃないかというふうに言われながらも見切り発車してしまっておる、このように言えないこともないと思うのでございます。いずれにいたしましても独断専行、勇み足がないように、審議をして法律が通って注射は年一回、こうなって初めてそういうふうな対応をしていかなければいけないわけでございますので、今後気をつけていただきたいと思うわけでございます。 続きまして、文部省にお伺いをしたいと思います。 補助金については先ほどもお話がございましたし、この委員会でも行財政改革絡みでたびたび質問が出てきておるところでございます。その中で特に文部省にお伺いしたいのは、第二臨調におきましても第五次答申で、補助金等の整理合理化ということを大変厳しく指摘をされておるところでございますが、最近とみに問題になっておりますのが、学校法人になってない幼稚園の補助金でございます。これももらい得であるとか不適正な支出であるとか、このように言われておられることもお聞きをしております。既に文教委員会においてもこの問題は取り上げられたわけでございますが、施行されて本年の三月三十一日で期限が切れました。当初、昭和五十一年度には千九十五の幼稚園が五年間で学校法人にいたします、こう言ってスタートをいたしました。しかし、五年たっても学校法人にでさないということで、三年間延長されました。ことしの三月三十一日で八年間の延長は終わりましたけれども、なおかつ、未学校法人化の幼稚園があるということでございます。文部省としては、今どのくらいあるかということを掌握されておりますか。
○泊説明員 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘のありました件でございますけれども、現行の私学振興助成法によりますと、所定の学校法人措置化義務期間が経過をいたしますと、学校法人立以外の幼稚園等に対する助成につきましては打ち切られる、こういう形になっておるところでございます。 なお、今先生が御指摘ございましたように、この三月末日でその措置化期間が経過をいたしましたものが千九百七園でございます。ただいま先生御指摘ございましたように、私どもがこの二月の末日で調査をいたしましたところ、この千九百七園のうちなお三百三十四園が、その時点におきましては学校法人化の措置がとられていないという状況を把握いたしております。 〔委員長退席、戸塚委員長代理着席〕 最終的な状況につきましては、ただいま調査結果を取りまとめ中でございますけれども、数だけで申し上げますと、国庫補助金を受けながら最終的に学校法人化に至らなかったものが三十園と理解をいたしております。
○日笠委員 毎日新聞は、既にもう四月七日付で、独自調査で九十園ではないか、このようにしております。ちょっと遅いのではないかと思うのですが、ひとつ早急に掌握をして、これからいろいろと質問をいたしますけれども、今後の対応を考えていただきたいと思うわけでございます。 そこで、昭和五十七年四月二十八日、衆議院におきまして私立学校振興助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議がございます。三年延長をするというときの附帯決議でございますが、これを見ますと、「所轄庁は、補助金の交付を受けた学校法人以外の私立の学校の設置者で学校法人化をなし得なかった者について、なし得なかった理由及び経過についての報告書を提出させること。」この報告書は現実にとられたのでしょうか。
○泊説明員 各所轄庁として、各都道府県知事として、学法化の状況につきましては、その状況を文書等で提出をさせ、それによりまして状況を把握しているところでございます。 なお、これに関連いたしまして、先ほど概略の数字だけ申し上げましたけれども、学法化に至らなかった実態の状況、理由等につきましては、私どももただいま調査を取りまとめ中でございます。
○日笠委員 毎日新聞はちゃんと、全国調査網を使ってもう四月七日にぴしっと発表しているわけです。三月三十一日、もう二カ月ですね。取りまとめ中なら、その点を早くやっていただきたいというお願いを先ほどしたわけでございます。報告書は提出しているかどうか。 次のこれはどうでしょうか。「所轄庁は、学校法人以外の私立の学校の設置者で今回の期限延長に伴い、引き続き補助金の交付を受けようとする者について補助金の交付に先だち、学校法人化への計画及び学校法人化への努力を誠実に行う旨の文書を提出させること。」一種の誓約書のようなものですが、所轄庁はこれもちゃんととっているのでしょうか。
○泊説明員 各都道府県におきまして、いろいろな形で同趣旨の文書の提出を求めております。
○日笠委員 この第五項目の附帯決議、「政府は、前三項の進捗状況について、国会に適時報告すること。」こうありますが、五十七年の四月二十八日以降、何回、どういう形で適時報告をされましたか。
○泊説明員 本件につきましては、ただいまのところ具体の回数等承知いたしておりませんが、各文教委員会等におきまして質疑等の形でも御報告を申し上げておりますし、個々の先生方からの御要請がございますればその都度状況を御報告申し上げている、こういう状況でございます。
○日笠委員 附帯決議は盲腸のようなものだと昔から言われますけれども、ここに「前三項の進捗状況について、国会に適時報告すること。」とあるのですから、やはり何らかの形できちっと公表をすべきではなかったか、私はこう思うわけでございます。この附帯決議、これはまだ生きておるわけでしょう。生きておるわけですから、今後はひとつお願いをしたいと思うのです。 きょうは会計検査院に来ていただいていると思いますが、先ほどからの文部省の御答弁でございますが、会計検査院は、こういう巷間言われるところの補助金のもらい得、「学校法人にしますよ」こう言って、五年も三年も合計八年も引っ張ってきた。結局、七十とも九十とも言われておりますけれども、幼稚園は法人化せずに終わってしまった、こういうふうなことでございますが、こういうふうな志向園、学校法人を目指す幼稚園の補助金に対する検査というものは、何らかの形で過去やったことはございますか。
○佐藤会計検査院説明員 私立幼稚園に対します経常費助成費補助金の経理につきましては、補助事業が適切に実施され、補助の効果が発揮されているかなどという点に留意をいたしまして、従来から検査を行ってきているところでございます。
○日笠委員 特に最近マスコミにこういうふうに大きく出ましたので、新たに検査を行っておりますか。再度検査を行っておりますか。
○佐藤会計検査院説明員 先ほど先生からお話がございましたように新聞報道もなされておりますし、この問題につきまして国会での論議がございました。そういうことについては十分に承知しております。したがいまして、今後重大な関心を持ちまして調査をしていきたい、このように考えております。
○日笠委員 大体いつごろぐらいまでにそのめどが立つようでございますか。
○佐藤会計検査院説明員 ことし行っております実地検査は五十九年度の決算を中心として行っているわけでございます。実地検査の終了するのは大体九月の中旬ごろになりますので、検査の結果のめどがつきますのは、早くても秋以降になるというふうに考えております。
○日笠委員 秋ぐらいには一応検査の報告のめどがつく、こういうことでございますね。ちょっと時間がありませんので、会計検査院さん、ありがとうございました。以上でございます。 続いて厚生省にお聞きいたしたいと思います。 ペースメーカー、これはいわゆる心臓関係の疾患者に対してペースメーカーという器具を埋め込むわけでございますが、このペースメーカーでございますが、日本メドトロニック社のペースメーカーが、いわゆるリード線といいまして、電池を埋め込んで線を引っ張って心臓に電極を置くわけでございますが、このリード線の被膜、ポリウレタン樹脂でございますが、これが不良品ということで亀裂が生じて、そこから体液、血液が入って、電池が電気を送るわけでございますが、途中で漏電してしまう、こういうふうなことでページング不全、こういうわけでございますけれども、こういう事実があるということは承知しておられますでしょうか。
○渡辺説明員 御指摘の日本メドトロニック社がアメリカから輸入いたしますペースメーカーの件でございますが、昨年の二月に米国のメドトロニック社から公表されまして、その後三月に米国のFDAが本件につきまして公表するという形でございまして、私どもも、日本メドトロニック社から昨年の三月に報告を受けておりまして、承知いたしております。
○日笠委員 具体的に病院なりお医者さんの方から報告がございましたでしょうか。
○渡辺説明員 私ども、この日本メドトロニック社に対しまして、この報告を受けました後、直ちにこのリード線の不良という問題につきましてユーザーである先生方にお知らせするようにということで、これは私ども普通ドクターレターと申しておりますが、個々の先生方にお手紙の形で、メーカーから事の詳細、それからこれに対する処置といったものを連絡させるわけでございますが、そのような措置をとるように指導をいたしました。 ただ、本件につきまして、故障等が生じだというような医療機関の先生方からの私どもへの直接の報告というものは今のところございませんが、日本メドトロニック社におきましてはそのような先生方と接触した事例はございます。
○日笠委員 四月の三、四、五、仙台で行われました第八十五回日本外科学会総会におきまして、日本医科大学の田中助教授以下のプロジェクトチームが五例の報告をされております。これについては承知されていますか。
○渡辺説明員 日本医科大学が本年の四月に外科学会で報告いたしました報告の内容につきまして、私ども最近でございますが情報を入手してございますが、詳細につきましてはまだ私ども自身として調査してございません。
○日笠委員 ドクターレターを出されたと言いますが、私がお聞きした範囲では、日本医科大学にはドクターレターは来ておりません。 それともう一つは、この外科学会総会で田中先生が発表された結論は、これらを放置するとページング不全、電池の早期消耗の原因となるので、可及的早期の変換が望ましい。今は技術が非常に発達いたしまして、大体七、八年ぐらいもつのだそうです。しかし、日本医科大学では五例やった五例ともが、早いので三カ月半、長いので三年九カ月にはもうペーシング不全を起こす、目まいや吐き気がしてくるのだ、こういうふうに具体的に、第八十五回の日本外科学会総会で発表されているわけでございます。そういうことでございまして、これはドクターレターを出しているとおっしゃいましたけれども、私の地元の大学病院に聞きましても、さあ、そういうのがあったかしら、こういうようなお答えもございました。 問題はこの不良品でございます。FDAからも問題指摘された医療器具でございますが、この費用は高額医療ということで患者は個人負担をしませんですね。それでよろしいでしょうか。わかりませんか。
○渡辺説明員 私ども、個々のペースメーカーの値段につきましてはちょっと承知いたしておりませんが、現在資料を持っておりませんが、私どもは基本的な考え方といたしまして、今回のポリウレタン電極の不良の問題でございますが、日本メドトロニック社におきましては、この電極の不良に直接関連するものにつきましては、例えばその電極につきましての無償の交換というようなことで対応しているようでございます。個々のケースにつきましては、治療医と日本メドトロニック社の話し合いで一部補償したものがございますが、必ずしも本件との関係のないものもあるやに聞いておりまして、すべてがこの日本メドトロニック社の故障によるものばかりではない、患者さんが実際に負担されたものもあるようだというふうに聞いております。
○日笠委員 その外科学会総会で、先ほどの結論として、五例のポリウレタン電極にコーティング破損を認めた、五例全部そうなのだ、こう言われております。日本医科大学にはドクターレターが来ていない。ですから、手術代とか医療器具代はメドトロニック社には請求していない。全部高額医療費ということで処理しておる。こういうことでございますから、早く言えば、本来ならばメドトロニック社が責任を持って器具をかえ、手術代も出さなければいけない。そういう趣旨のドクターレターが行ったのだと思いますけれども、行ってないがゆえに、これは既に高額医療費で処理をされておる。こういうことがあるのですが、一度調査する必要がありはしませんか、どうですか。
○渡辺説明員 現在、私ども、このペースメーカーを発売されました全医療機関について大体把握されているというふうに聞いておりますので、実際に使われました担当医の先生、それから日本メドトロニック社に対しまして、このペースメーカーの交換事例につきまして十分に調査をさせる。先ほど十分に担当医の先生方に情報が徹底していないのではないかという御指摘をいただいたわけでございますが、一部に徹底の不十分なところがあったといたしますとまことに遺憾であると思いますので、私どもといたしましても、全医療機関に対しまして改めて情報を徹底させるということをまずいたしたいと思います。 それから費用負担につきましては、私ども直接費用負担に話を挟むというのはなかなか難しい点もあるわけでございますが、私どもといたしましても、当該企業に対しまして、この補償の問題も含めまして担当医の先生方と十分に話をするようにということで指導いたしたいというふうに考えます。
○日笠委員 一度日本医科大学に行って事情をよくお聞きになった方がいいと思いますので、その点もあわせてお願いしたいと思います。 時間が来ましたので、ちょっと飛ばしまして、最後にレセプト審査、医療機関に対する指導監督の強化、不正不当事項について厳重な、厳正な態度が要請をされるわけでございます。 そこで、昨日も大きく報道されておりました九州の方の病院が十億円の看護料の詐取、これは詐欺でございます、逮捕されております。特に最近医療機関に対する国民の目というものは非常に厳しいものがあります。私の弟も医者ですから余り医者の悪口は言いたくないのですけれども、非常に厳しい目で見られておる、医者と患者との信頼関係というものがだんだんと希薄化されておる、こういうふうな現状ではなかろうか。本当に一部の心ない医者の出現によりまして多くの医者が迷惑をこうむっておる、こういうふうにも考えるわけでございます。 そこで、具体的にレセプトにつきましてお伺いしたいと思います。 これはある病院のレセプトでございますけれども、心臓外科、いわゆる循環器関係の病院でございますが、心機図というもので検査いたします。これは点数は何点になっておりますか。
○寺松説明員 先生の今の御質問ですが、心機図の四誘導で二百三十点でございます。
○日笠委員 四百八十点と請求しているのは、これはいかがなものですか。
○寺松説明員 今先生四百八十点とおっしゃいましたが、これはそういう計算にはならないと存じます。間違いだと存じます。
○日笠委員 それではダイレーター、イントロデューサーカテーテルシースというものをカテーテルをするときに使いますけれども、これは請求できますか。あわせて、請求した場合はどうなりますか。
○寺松説明員 お答えいたします。 先生の御指摘のダイレーター、イントロデューサーのカテーテルにつきましては算定することができません。したがいまして、算定するということになるとそれはいわゆる不正ということになる、このように考えます。
○日笠委員 いわゆる不正でございますね。請求できないものを請求したということですね。 それからガイドワイヤーというものがございますね。カテーテルで水先案内のように心臓までずっと線を通すわけでございます。このガイドワイヤーでございますけれども、一人の患者に二本使うということは日常的に循環器関係の病院ではあるのでしょうか。
○寺松説明員 ガイドワイヤーと申しますのは、心臓カテーテルの検査を行います場合にカテーテルを挿入するわけでございます、その場合のガイドでございますから、その前に血管に通しておくというカテーテルでございます。このカテーテルガイドワイヤーにつきましては、長さや形、いろいろあるわけでございます。そこで、症例によりましては、医学的にと申しますか、いろいろ必要な場合いろいろな形のものを使わなければならぬということで、二本使用する場合も医学的にはあるわけでございます。
○日笠委員 これは直とJ型と二つあるわけですね。直を入れてだめだったらJ型にかえる、こういうことですね。ですから、本当は直のガイドワイヤーでいけば一番いいわけですね。専門のお医者さんに聞きますと、大体九〇%ぐらいカテーテルでは直のガイドワイヤーでいける、あとは直のがだめでJ型にかえる、その場合は二本請求ということもあり得るだろうけれども、日常的には二本ということは普通はない、一本で大体いけるんじゃないか。専門のお医者さんが日常的に二本必ず使うということは余りない、一本で大体九〇%ぐらいいけるのだ、こういうことですので、ガイドワイヤーのレセプトを見ますと、二本、二本、二本というのが非常に多い病院があるという場合は普通なんでしょうか、それともやはりちょっとおかしいのでしょうか。
○寺松説明員 今先生のお話でございますと、一般的には通常医学的には二本使うのはないということでございますが、私どもも顧問医師団等の循環器の専門家等にも聞きますと、必ずしもそうではない。今おっしゃっております当該病院の中身を私ども県から報告いただいておるわけでございますが、必ずしも二本使っておるわけではございません。それはやはり患者の病態に応じて、必要に応じて使っておるのではないか、こういうふうに考えます。
○日笠委員 その病院の中にも良心的なお医者さんがおるわけでして、自分でレセプトを見て、二本使ってないのだから一本にするという人もおるわけですから、必ずしも全患者が二本じゃないのですよ。大体直のガイドワイヤーで八〇パーから九〇パーいける。それを五百例でしたか、五百例じゃなかったかな、数は失念いたしましたけれども、相当の数の患者の方に二本のガイドワイヤーを使っているような請求が行われておる、こういうことでございます。この点についても、後でまとめて言いますけれども、若干の疑念が生ずるわけでございます。 それからクールナンド直孔カテーテルとスワンガンツサーモダイリューション用カテーテル、ちょっと言葉が長いですからクールナンドとスワンというふうに言わしていただきますけれども、そもそもこのクールナンドはどういうふうな目的で使うのでしょうか。
○寺松説明員 クールナンドカテーテルでございますが、これは右の心臓の心内圧測定あるいは採血用に用いられるカテーテルでございます。
○日笠委員 これは先天性のような病気で、造影を撮る、それから圧力測定をする、こういうものと理解してよろしいのでしょうか。
○寺松説明員 クールナンドカテーテルとかスワンガンツカテーテルというものは造影用ではございませんで、造影用に用いますのはアンギオバーマンカテーテルというのがございます。今先生のおっしゃっている後半の方はこれでやれると思いますが、造影する場合にはアンギオバーマンカテーテルというのを使う、こういうことになっております。
○日笠委員 そうすると、スワンガンツとクールナンド両方を一つの検査で使うということはあり得るわけですか。
○寺松説明員 端的にお答えしますと、使うことがあるわけでございます。
○日笠委員 押し問答になりますが、私の聞いた範囲では、クールナンドというのは先天性関係の病気で造影、圧力を中心に調べるもの、スワンガンツは圧力等々に使う、両方使うということは重複している面もあると一応聞いておりますけれども、専門家でございませんので、これはまた後ほどに譲るといたします。 続きまして、ヒス東用四極電極力テーテルないしは二極、こういうものは請求できないわけですね。
○寺松説明員 ヒス束心電図検査におきまして、検査料のほかにヒス束用カテーテルの材料費は算定することができません。
○日笠委員 それは二極、四極ともにですね。(寺松説明員「はい、さようでございます」と呼ぶ) 以上、概略いたしますと、この病院はヒス束用四極電極力テーテルを使っているように請求をしていること、それからダイレーターとかイントロデューサーカテーテルシースという請求できないものを請求していること、心機図二百三十点を四百八十点で請求しておる点、事ほどさようにレセプトの中からいろいろな疑問点が生ずるわけでございます。これは広島県福山のセントラル病院という病院でございますが、既に県の保険課の方も調査をされておりまして、合計四千五百万の返還命令が出ておるわけでございます。 先ほどから言いましたように、一つ、二つの不正請求もございました。不当もあったのでしょう。こういうものが積み重なるとちりも積もれば山となるで、一つ、二つならばまあこれはあれなんだろうが、三つも四つもというと不当で、厳重注意で終わるというようなことは——私は別に厳しく取り消しをしてもらいたいということではございませんけれども、もう一度何らかの形で、医療Gメン、顧問医師団の皆さんが行くなりして調査をすべきではないか。例えばカテーテル検査の解釈誤り三十四件、五十八万二千とありますが、これなんか完全な濃厚診療になっているのですね。濃厚診療はやるわ、点数の間違いは多い方の間違いがあるわ、請求できないものは三つも四つもしているわ、これで厳重注意で三年前にさかのぼって四千五百万返還命令。カルテは五年間あるわけですから五年前にさかのぼればいいのですね。三年前にさかのぼるというのは法的根拠があるのですか、五年前にさかのぼってはいけないのですか。 〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕
○寺松説明員 先生おっしゃいますようにカルテの保存については五年ございますが、私ども一応、指導監査をやる場合に三年間さかのぼってやるという通常のルールでやった、こういうことでございます。(日笠委員「法的根拠は……」と呼ぶ)法的根拠は特にございません。
○日笠委員 三年間でも大変な労作業だったとは理解しております。 最後に、事ほどさように大変問題がまだまだ残っておるかのように思いますが、実はここにレセプトがあるのです。時間もなくなりましたので一々できませんけれども、手紙の投書とか電話で、県の方にも何回か、あそこは医療費が高いと言われていながらずるずる来まして、結局広島県議会において質問されて初めて監査に行く。大体、病院関係、医療機関関係の一部の心ない人の問題が、いつも警察や議会か何かで一つ発言されてとかいうことで、厚生省にこれだけ医療Gメンがおられ、各県にもみんな監督官がおられるわけですが、その方たちが摘発したといいましょうか調べて、こういう問題があったというのが今までありますか。ほとんど警察か何かが所得税違反か何かにひっかけて調べたら問題が起こったとか、いつも厚生省さんはみずからがいろいろ指導監督しておりますと言うけれども、レセプトを見ながら、これはおかしいというようなことで、おたくは返還命令しなさい、水増しですとか過剰濃厚診療ですとかいうふうに指摘されて、処分をされたとか厳重注意した例は最近ございますか。
○寺松説明員 今先生御指摘の、県とか国が独自にやった調査によって摘発したケースがあるかという御質問でございますが、今ちょっと手元に事例は持っておりませんが、私どもの方は、実際に指導・監査に入ります場合には、もちろん新聞記事あるいは内部告発等による場合もございますけれども、それ以外に保険者とか被保険者からの直接のお話、あるいは県が独自にやっておりますいろいろな指導・監査、あるいは国が県と一緒になってやっております共同指導というような形で問題のケースを取り上げたこともございますので、事例は示せませんがそういうことでございます。
○日笠委員 それで、広島県議会におきまして、「今回の事例は保険課の調査では解釈の誤りによる過誤請求ということであり、国に照会したところ、過去の例に照らしても犯罪行為あるいは不正行為があったと認められないということであったので、医療法上の処分の対象にはならない」と、環境保健部長が答弁されております。「国に照会したところ」とありますが、いつ、どういう形で照会があったのですか。
○寺松説明員 今先生御指摘のこの事案につきましての処分等について、具体的に県から国に対して意見を求められたことはないように聞いております。 一般論といたしまして、日常、県との町では、点数表の解釈とか実際の処分の問題についていろいろと相談を受けております。その中で、県がいろいろ調査し、かつまた、県のいろいろなルールもございましょうし、そこら辺で御判断なさったものと理解しております。
○日笠委員 県が四千五百万の返還命令を出すべきような大きな問題になっておるのに、一般論で聞くのですか。具体論で聞いていなかったわけですか。こういう病院でこういう問題については国、厚生省はどうお考えですかと照会したというのです。会議録じゃ一般論で「照会した」ということですね。そのように理解していいわけですね。
○寺松説明員 先ほども申し上げたのでございますが、本件については何度かいろいろな形で照会を受けております。その際、いろいろの資料等から見まして、県の判断、これももちろん具体的に質問されたわけではないわけでありますけれども、感じと申しますか心証というようなことをいろいろ問われたことはあるのだろうと思います。そこで、国といたしまして、県の行いました判断についてそれを覆すだけの心証が得られなかったということで、県の今の厳重注意、これは指導・監査をやりましてからやったわけではございませんで、指導でもって調査をいろいろしたところによって厳重注意、こういう形で知事から出されたわけでございます。
○日笠委員 先ほどの過誤請求、広島県では三項目に分けて内訳が出ておりますね。先ほど言いました心機図二百三十点が四百八十点、これはこの三項目のどれに当てはまるのですか。
○寺松説明員 今先生御指摘の二百三十点が四百八十点、こういうケースにつきましては、県のあの内訳の中には入っていないというふうに聞いております。この辺は理解不足だということで、県では今後そういうことのないようにということで指導を行って改善を回らせる、こういうことになっておるようでございます。
○日笠委員 これはちょっと聞き捨てならないですね。二百三十点を四百八十点と請求した。それは指導で終わったのですか。返還はさせないのですか。
○寺松説明員 今確認をいたしましたところ、県がまとめた時点では入ってないのでございますが、今回の返還金の積算の段階では入ってございます。
○日笠委員 三項目のどの項目に入っているのですか。
○寺松説明員 今お答えしましたように、その時点では入っていないようでございます。したがって県は、今度、返還金等を被保険者別にいろいろ積算しているわけですが、そのときには返還金の中に入れる、こういうことを申しております。
○日笠委員 そうすると四千五百五万九千円じゃないということですね。それをプラスしなければいけないわけですね。
○寺松説明員 今先生御指摘の四千五百五万九千円でございましたか、これは恐らく今後少し異同があると思います。
○日笠委員 広島県議会に出した資料が異同するなんて信じられませんけれども、広島県議会もえらくなめられたものだと思います。 最後に、先ほどからいろいろお聞きしますと、一たん県議会へ報告した資料がまた異同するとか、一つ、二つ、三つ、四つ、五つと不当不正事項が重なっていく、こういうことでも、なおかつ厚生省さんは顧問医師団を一遍でも派遣してみたいというようなことは全然ないわけですか。もうこれで一件落着ですか。
○寺松説明員 まず最初に、今申し上げた県議会に出しました資料につきましては、何も県議会を無視したわけではございませんで、取り急ぎまとめろ、こういうふうなお話がございましたので、その時点でまとめたようでございます。したがってそれは、今後調査とかにおきまして多少の異同はある、こう御承知おき願いたいと思います。 それから今後の取り扱いでございますが、一応今県の方と打ち合わせをしておりますが、現時点では顧問医師団の派遣とかいうことまで必要ないのではないかと私どもとして考えておりまして、今後調査とか何かの上でどうしても必要だということになれば派遣も考慮いたしたい、こう存じます。
○日笠委員 私は一つの病院をいじめるつもりはありません。ただ、一部の心ない医者のために多くのお医者さんが非常に迷惑をこうむっておる。この前の投書欄なんかでも、日本医師会長殿何とかしてください、まじめな医者が困っているじゃないですか、なぜ医師会は黙っているのですか、こういう投書が出ておりました。一部の心あるお医者さんだと思います。医療費も十四兆円とか十五兆円とかいうようになっておるわけであります。財政改革という意味でも適正な請求というものが一番でございます。 私が最も不審に思いますのは、そういう四つも五つもの不当事項が、三年間もよく支払基金の方でチェックされなかったものだな。普通、小さい病院なら五十点、百点の小さなものだってどんどん削られてくる。それを再審査してもらいたいのだけれども、費用もかかるし時間もかかるということで、涙をのんで受けてしまっている。それをこういう大きな病院は、四千五百万円も、今お聞きしますとこれ以上まだあるのじゃないかということでございますが、そういう大きな金額の不正不当をやるような病院についてはどんどん見過ごして三年間もフリーパスである、こういうようなことは非常に腑に落ちません。広島県は特に厳しいと言われながら、三年間もフリーパスで通すようなことに対して、今後の厳重な対応を広島県にもお願いしていかなければいけないと思うわけでございます。趣旨を間違えないように、ひとつその点もよく今後とも御検討いただきまして、今後の対応によっては、医療Gメン、顧問医師団を含めて派遣の用意がある、このように理解をして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました、
○中島委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 法案の審査に入る前に、行革一般についてまずお伺いをしたいと思います。 朝からの審議の中で若干ダブる面もあろうかと思いますが、ひとつ私の立場からの質問ということで御理解をいただき、御答弁をいただきたいと思うわけでございます。 行政改革は今やっと五合目だ、こういうことも言われておりますし、山を越えたんだというようなことも聞かれるわけでございますけれども、この行革は、これを推進しておられる中曽根内閣の非常に大きな政治課題でございます。それを担当しておられる長官といたしまして、そういう評価が果たして当たっているのかどうか、むしろ大事な時期はこれからではないかと思うのですけれども、長官のお考えはいかがか、まずお伺いしたいと思います。
○後藤田国務大臣 行革をめぐっていろいろな御批判が各方面におることは承知をしておりますが、私自身は、行政改革はこれからが正念場である、かような認識でございます。
○和田(一)委員 きょう審議されておりますのは地方公共団体に係る国の関与等の整理、合理化の法案でございまして、国自体というよりは、むしろ国と地方との関連の中にあって、地方に対する行革というものが視点になっている法案だと思いますが、こういう法案の審議に入りまして、中央の行革はもう済んでしまったのではないか、いよいよこれからは地方の方に入っていくんだというようなことで、重点が地方に移ってしまった、中央はやれやれ一応これでめどが立ったなというような感じがするわけでございますけれども、そういうことはございませんか。
○後藤田国務大臣 私どもはさような認識は持っておりません。ことしの行革の一つの課題が地方行革であることは間違いございませんけれども、行革そのものが、国はどうやら一山越した、やれやれだ、これからは地方だという認識は全く間違いである。国もこれから山場にかかるし、地方もやはりこれからが正念場になるんだ、こういう認識でなければならぬ。かように考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 長官として、そのとおりの認識でまことに結構だと私は思います。 それで、そうなりますと、これからの残された行革の手順というものについて具体的な計画をひとつお示しいただきたい。いろいろな大きな問題があろうと思いますが、それを明示していただければありがたいと思います。
○後藤田国務大臣 それでは、今後の行政改革の段取りについてお答えをいたしておきたいと思います。 まず、ことしの七月が目途でございますが、一つは、国鉄再建監理委員会から国鉄の抜本的な再建方策の答申が出される予定でございますが、政府としてはこれを受けとめて実行に移さなければならぬ。二番目は、行革審から規制の緩和、機関委任事務、許認可権限の地方移譲、それから内閣機能の強化、こういったことについて改革意見が出される予定でございますが、国鉄と並んで規制緩和、許認可、機関委任、いずれも行革の中では一番難しい課題だと思っておりますが、それに全力を挙げて取り組んでいきたい。 その次の問題は、秋以降でございますが、年末の予算案編成の時期にかけては、一つは、審議会の提言を受けた具体的な方策を初めとして、特殊法人の民間法人化の問題がございます。いま一つは機構、定員の合理化、こういった各般の施策を講ずる必要がございます。 さらに今後、公的年金制度の一元化の問題が七十年を目途に今途中段階にあるわけでございますから、これをやり遂げなければなりません。 こういったような中長期の展望のもとに進めなければならぬ各般の課題がたくさん残っておりますので、これらについては計画的に、しかも着実に根気強く政府としては取り組んでいく決意でございます。
○和田(一)委員 今、国鉄再建を初めとして規制の緩和あるいは機関委任の権限移譲その他、内閣機能の強化等々具体的に御明示をいただいたわけでございますけれども、その中に行政組織そのものの改革についての御明示がなかった、私はこう思うわけなんです。 行政組織の改革につきましては、昨年の七月に総務庁ができまして、あるいは他の十省庁の内部組織の再編ということも行われておるわけですけれども、国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の三庁統合は、臨調の最終答申で行政組織そのものの改革として非常に大きく指摘されたものの一つだ、私はこう思うのですが、今のこれからの具体的な行革手順の中にこういうものが見当たらないような気がいたしますが、こういう問題はいかがですか。
○後藤田国務大臣 今お答えはいたしませんでしたけれども、先ほど前の方の御質問のときにお答えしましたように、もちろん国土庁、沖縄開発庁、北海道開発庁の三庁統合の問題は今後の課題として残されております。これは取り組まなければならぬ時期が来るであろう、かように考えております。 そのほかにも、今縦割り行政の弊害が非常に大きいわけですから、総務庁ができたのもその一つの解決の方法ではあったわけでございますが、さらに内閣機能そのものについての改革の問題が大きな課題として残っております。 それからさらに、行政改革という観点に立ては、これも先ほど御質問がありましたようにオンブズマンの問題ですね。それから情報公開、プライバシーの保護、こういったような厄介な問題がメジロ押しに並んでおることは事実でございます。これらも漸次取り組んでいかなければならない、かように思っております。
○和田(一)委員 その三庁統合につきまして、行革審の内閣機能等分科会が相当検討を進めておられるような報道記事を見るわけなんです。それによりますと六十六年をめどに統合していくのがいい、こういうような調整が本格的にもう始まっているというふうに報道されておるわけですね。六十六年というのはどういうタイミングなのかというと、これは沖縄振興開発計画がちょうどおしまいになる年であって、統合するには絶対いいチャンスだ、こういう観点から本格調整に入っている。こういう方向に対して、行革の一番大事なのは中央省庁の統合だと思うわけです。そういう大事な問題について、ここまで本格調整にもし入っているとするならば、私はこれをぜひ実現の方向で検討していただきたいし、中曽根総理は、行革は天の声である、これは最重要課題である、こういう取り組みを初めからされておるわけなんで、そういう意味で、この三庁統合に中曽根総理は意欲がございますか。身近にいられる長官としてどんなふうにお感じになっておられますか。そしてまた長官自身も、検討はされていることはわかりましたけれども、いかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 総理の行政改革に取り組む姿勢は当初からいささかも変わっておりません。私もやはり、これは国民的な課題でございますから政府全体として取り組んでいかなければならぬ、こういう決意でおります。 中央の行政組織の統廃合、これも行政改革として重要な課題でございますが、今御質問の三庁統合、これは先ほど来お答えいたしましたように、まだ私は詳細に内容を聞いておりません、新聞で読んだだけでございます。検討の結果どういった結論が出るのか、それを見た上で政府としては対応を考えていきたい、かように考えているわけでございます。 それで、行政改革の問題は、実際は中央省庁の統合も大変重要なんですよ。重要だけれども、それと並んで劣らないのはやはり規制緩和なんです。あるいは先ほど来議論のあった機関委任事務の整理の問題、あるいは案外見過ごされているのが特殊法人の活性化の問題なんです。これは今日九十九あるわけですから、大変たくさんの金を使っているのです。こういったような課題も行政改革の大きな目玉であろう、私はこういう認識でございます。
○和田(一)委員 今、長官が指摘されたような問題も後刻質問させていただきたいと思います。 積み残しというか、これから取り組まなければならない課題がたくさんございますけれども、行政改革審議会は来年の六月で一応期限が切れる、三年間の時限が来るわけでございますけれども、その後どうなるのでしょうか。行革は、今言われたこれだけのことをやるのはなかなか容易ではございません。そういったものに対してこれからどうしていくか。行革はもうここまでやったらおしまいというものではないと私は思うのですね。絶えず見直しというものは続けていかなければいけないし、新たに気がつくところがあればそれを検討して改めていく、こういうことが非常に大事であると思うのですが、来年六月以降の見通しについてどんなふうにお考えか。進め方、体制、あり方等についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 おっしゃるように、行政改革は絶えざる検討課題、そして変化への対応力を養うということでございますから、政府としてはいかなるときといえども絶えず心がけなければならぬ政治課題だ、かような認識でございます。 御質問の行革審をどうするかという問題は、まだ行革審がいろいろな厄介な問題の審議のさなかで、少なくとも来年の六月ですかそこまであるわけでございますから、今この段階でその議論をするのはいささか時期尚早であろう、私はかように考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 行革審の方、お見えですか。——審議会自体として来年六月までにいろいろ検討課題があるわけですが、それだけの期間内で、これから積み残されている、さっき明示されたような問題にどれぐらい取り組めるか、とてもそれは検討し切れないという場合にはどうしたらいいとお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいのです。
○山本(貞)政府委員 ただいま行革審におきましては、先ほど大臣から御答弁がございましたように、臨調答申の推進あるいは臨調答申が一般的な考え方について述べました事項につきまして、例えば内閣の総合調整の問題あるいは科学技術行政の問題、規制緩和、権限移譲あるいは機関委任あるいは国公有地の活用等々の問題につきまして、その具体化を図るために、五つの分科会を設けまして全力を挙げておる段階でございます。先ほどお話がございましたように、行革審は来年の六月二十七日までまだ一年有余あるわけでございますので、この間、行革審におきましては、残された課題につきまして全力を挙げて推進をしてまいる所存でございます。したがいまして、現段階におきまして、行革審の期限が到来した後どうするかということにつきましては、行革審におきましては議論されておらないといったような状況でございます。
○和田(一)委員 大事な問題、これからが正念場という言葉が先ほど長官から出ましたように、これから本当に大事な問題が検討されてくるわけでございまして、行革審においてもぜひひとつ効率のよい検討をされて、こういった行革が実行できるような答申を出していただきたい、こう思う次第でございます。 それでは、今度は、法案に関連いたしまして地方行革について少しくお尋ねをしたいと思います。 ことしは、地方行革推進の年というようなことを言われております。一月二十二日には地方行革大綱というものが示されまして、政府としては地方行革を推し進めよう、こういうことのようでございますけれども、それを進めていくに当たりまして基本的な考え方といいますか、地方行革は何のために必要なんだという点をひとつお教えいただきたい。
○後藤田国務大臣 行政改革は国、地方を車の両輪として双方で進めなければなりませんから、そこでことしは地方行革をやってもらいたいということで、自治省からもお示しをして協力をお願いしておる。だからやはり、基本は、地方団体みずからひとつ頑張っていただきたいというのが私の希望でございます。しかし、地方の行革をやる場合により以上努力しなければならないのは、言葉はちょっと適当でないかもしれませんけれども、地方行革の阻害要因となっておるのは中央官庁の今までの物の考え方であることも事実でございますから、これらについては、政府としてそういったことのないように地方行革にできるだけ協力をしていく、こういうことではなかろうか、かように考えております。 行革の基本は何かということになれば、最後はやはり納税者の立場に立って、国の行政の仕組み、あり方、こういうものを見直して、簡素効率化する。そして同時に、国とか地方団体というのは税で賄っているわけですからこれは倒産がないのです。会社と違うわけですね。しかも行政の成果というものを、的確に成果が上がっておるか上がっておらぬかというメルクマールは、会社のように収支決算で出てくるものではないわけですね。そこでどうしても変化に対応しにくい、やるべきことがどうしても手おくれになる、結局はそれが納税者の負担にはね返る、こういったようなことがございますので、行政改革というのは、終局は、国民からちょうだいをしておる税金の使い方、使い道、それらを本当に国民に御満足いただけるようなあり方に変えていくことではないのか、こういう基本に立って制度の見直し、改革をやるべきもの、私はかような認識で取り組んでおるつもりでございます。
○和田(一)委員 納税者の立場で見直すことが大事だという視点は、私は大変大事だと思います。それで、そういう基本的な考え方の中で、先ほど長官も触れられましたけれども、地方が行革を進めるに当たって阻害要因になっているようなものをとにかく少なくしていこうということで地方行革を進めるということのようでございますが、基本的には地方自治体自身がまず努力しなければいかぬというふうな言葉もございました。私もそれはそのとおりだと思います。しかし、そうなってくるときに、この行革の立場が本当に地方自治の尊重、自治権に基づいて自主的にやりなさいという観点に立っているのか、あるいは地方に今非常に求められておりますものは地方の独自性、自分のところは自分のところでという、どこもここも画一的な地方ではなくて、特徴ある町づくりをしていきたい、こういうような独自性が非常に大事にされている、そういう立場に立っての行革推進になっているかどうか。その辺を考えますと、私はこれはもう少しやり方があるのではないかな、こんなふうに思うわけなんです。 それで、まずその前に、今度のこの国の関与等整理、合理化法案自体も、地方行革を推し進めるための一環である、こう思うわけなんですが、これだけではもちろんないだろうと思います。このほかに、ではどのような方策を講じていこうとしているか。当然あると思うのですが、それをお知らせいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 地方の行政改革を進める場合の基本的な考え方は、やはり国と地方の役割分担といいますか、これをいま少しく明確にする、そして身近な仕事はできる限り地方にやらせる、そしてまた地方団体が望んでいるような特色ある地方団体の運営を可能にする、こういうようなことが大切であることは言うまでもない事柄であろう。私どもとしてはそういう観点に立って何とかできる限りひとつやってみたいな、これは私の念願でございます。 それには、先ほど来お答えしたように、やはり中央省庁がもう少し地方自治に対する認識を深めるということが必要であろう、こう思いますね。それから地方も、自主独立、こうおっしゃりながら、今までのやり方の結果であろうと思いますけれども、余りにも依存心が強過ぎる。やはりみずからのことはみずからでやるのだというぐらいの強い決意で、住民の立場に立って、地方みずからも行政改革に全力を挙げていただかなければならぬ団体が相当多いということも事実であろう、私はかような認識を持っているわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど言いましたように、やはりすべての基礎は納税者の立場に立って考えることだ。ところが地方の住民も、日本ぐらい画一的な、行政に対するニーズが同じの国はないのじゃないですかね。どこへ行ったって、町を見たって、北海道の町か四国の町がわからぬような町ばかりでしょう。これは外国では全く違う。ここらにも、やはりどこかにひずみがあるのではないかな、私はそう思うんですよ。ここらを一体どう改革していいのか。これは先の長い、いわば一種の理想論みたいな話ですけれども、そういったようなことを考えて、本当の自治にふさわしい自治のあり方、こういうものもお互いが考えていかなければいかぬのではないか。隣の町で公民館を建てればおれも建てる、隣の町で何とか会館を建てればおれも建てる、全く同じようなものがみんなそろって、これはちょっとおかしいんじゃないかな、こういう気もするんですね。 まあ、いずれにせよ大変厄介な問題でございますが、全力を挙げて取り組んでいきたい、こう思います。
○和田(一)委員 私もそういった点では全く同感でございまして、こうなったのはなぜなのだ、どこかにひずみがあるとおっしゃいましたけれども、私はそのひずみの一つとして、今までの自治省の、あるいは国の地方に対する指導、関与、こういうものが非常に大きく、こういう結果をつくり上げてきた一つの原因である、こんなふうに思うのです。何から何まで関与をしてそして規制をしていく、こういうことのために、それから、地方ももっと頑張れ、努力せい、足らぬぞ、こうおっしゃったけれども、その依存度を高くしてしまったのも、大変膨大な補助金、助成金、こういう中央からの指導や援助、補助等によって、自立していこうという意欲を逆の方向に持っていかせてしまった。 今、地方行政の中での事務量の七割は補助金をもらうために費やされている、ここまで言われております。これはある県の知事が言っている言葉ですけれども、百万円の補助金をもらうために、人件費が五十万円だ、そして書類をつくるために二十万円かかる、それであとは交通費、陳情、請願のために十万円かかっている。百万円の補助金をもらうために八十万円かかって二十万円が入るのだけれども、やらないわけにはいかないのだ、やればいいのだというようなことが言われるくらいに、そういうものをずっとやらせてきた中央のあり方が、今長官が嘆いておられるような、日本じゅうどこへ行っても、駅前広場を見ると間違えてしまうように同じようにできているし、公民館を初めとして何から何まで同じような設備が画一的にあって、いわゆる独自性あるいはそこの町の特徴というものが求められているにもかかわらず、なくなってしまっている。 そういう現状の中で、今、地方はやっと自治能力も高まってまいりましたし、今まで戦後四十年、日本の人口の動き方も、やはり農村から都市へ都市へというような非常に大きな流動の時代がございましたが、どうやら最近は、一応何やら持ち家もあり、そこへ定住の傾向も出てまいっております。したがいまして、従来より以上にやはり地域行政、自分の一番身近な行政のあり方、自分の住んでいる町というものに対する認識というものが高まってきている。そういったことがやはり背景に、地方のこれからのあり方というものは、やはり自分の町は自分でつくって、それがいいか悪いかは結果として自分らの責任でそれを受けとめればいいんだ、こういうぐらいにまで、独自な町づくりのために首長も議会も努力を始めていると思うんですね。それにこたえていけるような行革をぜひやっていただきたい、私はこう思っておるわけなのです。 そこで、一つお聞きをしたいのですけれども、一月二十二日にいわゆる地方行革大綱というものが示されまして、そして次官通達が出されました。その通達に基づいて、さらに細かく行政課から各自治体に向かって、地方行革を進めなさいよ、そしてその進め方についてはこんなふうにやりなさいよという指導がされておるわけです。その通達を見ますと、非常に事細かく指導をされているわけですね。これは当たっているかどうか知りませんが、自治省がつくったモデル案文について、全国のかなりの都道府県の担当の地方課長さんが、今度は市町村に対して、これは一言一句も変更は許さないよ、そう市町村に逆にまた指導している。どうしてかというと、その通達の内容の中で、○○市の行政改革大綱はこういうふうに書きなさいという非常に事細かな指導をされておるわけですね。これが、先ほど来言っているように、地方がまたそこでそういうものに対してそのとおりせにゃいかぬのだというふうになって、地方の独自性というものが失われてしまう。この大綱そのものの中には、自主的、総合的に行政改革を進めることが非常に必要である、自主的にと、こう強くうたわれているのです。ところが具体的になると、こういうふうにという非常に事細かな指導をされて、それも一言一句変更しない方がいいのだというような指導をされていることは、今お尋ねしてきた地方のあり方、スタンス、地方がどうあるべきかという中央のお考えからいうと、ちょっと違った、行き過ぎた指導ではないか。そして、その次官通達の中には、さらに期限が切ってございまして、八月の末までに基本方針を決めなさいよ、こういうふうに示されております。こういった指導そのものが適切なのかどうか。この八月末までにそれだけの、この種の行政改革大綱であるとか、あるいはこの事務は廃止する、この定員は何%減らすという具体的な数字まで明示して出せ、こう言っているのはいささか、地方の自主的な民間人を含めて相談をしてやってこい、こういう趣旨からいうと、この指導は地方をちょっと軽んじているのではないかと思うのですが、いかがでしょうかね。
○石山(努)政府委員 地方行革大綱についていろいろと御指摘をいただいたわけでございますが、行革の必要性については改めて申し上げるまでもないところでございまして、非常に厳しい環境の中で活力のある地域社会づくりを進めていくというためには、地方団体におきましても、行財政の全般にわたってその見直しを行うということが強く要請されているところでございます。そういうことから、今後の地方行革の指針とでもいいましょうか、そういう観点で地方行革大綱というのを定めたわけでございます。 これまでの地方公共団体の行政改革に対する取り組みを見ますと、かなり積極的な取り組みがされているところもございますけれども、中には必ずしもその取り組みが十分でないところもあるわけでございまして、先ほど申し上げましたような地方行革に取り組む必要性から、この際足並みをそろえて総力を挙げて行政改革に取り組む、そういうような観点で大綱を定めたわけでございます。ただ、これはあくまでも地方団体が行政改革に取り組む場合の指針でございまして、具体的にどういうような措置を講ずるかということは、それぞれの団体によって事情も違うわけでありますから、あくまでも地方団体が自主的に判断して具体的な措置を定め、これを実施するということになるわけでございまして、私どもとしては地方団体の自主性、自律性を損なうものとは考えていないわけでございます。 それから、八月末までにということで、そこに問題があるのではないかという御指摘があったわけでございますが、行革についてはこれまで地方団体はいろいろな形で取り組みをしてきておりますし、いろいろな検討も重ねてきているわけでございます。特に、現在における行革の必要性を考えますと、やはり早急にこれに取り組むことが必要ではないか。そういう観点から、一つのめどとして八月末ということを申し上げているわけでありまして、現在各地方団体でそれぞれ取り組みがなされておりますので、私どもとしては、それぞれの団体の実態に応じた自主的な行政改革の方向がその中に打ち出されることを強く期待いたしているわけでございます。
○和田(一)委員 行革が非常に進んでいる地方団体も当然ございますし、私はここで地方行政の格差がだんだんと出てきているような気がするのです。進んでいるところは、八月であろうが六月であろうが、自前の計画を持っておりますからそれで十分対応できると思うのですけれども、むしろやらねばならない、おくれている行政、そういうところに対してレベルアップでもって一応めどであるというならば結構なのですけれども、その期間までに出せ、出し方についてはこういうマニュアルを出すからそのとおり作文して出せというのでは、本当に地方住民との間の合意をつくりながら行革をやっていくという地方自治体の自主的な改革ではなくて、中央官庁へ向けての義務報告のための作文というものが出てきてしまう。そうなってしまうと、これは幾ら期限内に集計してみても自主的な地方行革の推進にはなっていかない。その辺が、中央はともすると従来のような考え方で、どこかで線を引かなければいかぬ、レベルも合わせなければいかぬというだけのことで、おくれている、なさねばならないようなそういうところへの配慮が少ないような気が私はします。もちろんそういうところは、さっき長官が言われたように、住民の意識も、もっともっと自分らで努力もし考えもしなければいけないのですけれども、同じ指導をするならばそういうような配慮があってしかるべきだと思うのですが、その点もう一回、どんなふうにお考えか。
○石山(努)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、行革大綱はあくまで今後の行政改革を進めていくための指針でございまして、具体的な措置等につきましては、各地方団体がそれぞれの地方の実態に合わせて検討をし、決定してこれを進めるということになるわけでございまして、御指摘のございました資料につきましては、いわばその一つのモデルと申しますか参考資料ということで配付したものでございまして、そのとおりのものにすべきだという指導をいたしているわけではないわけであります。 それから、八月末の問題でございますけれども、これももちろん地方団体によって取り組みにそれぞれ違いがございますので、確かに御指摘のような面がないとは言えないかと思いますが、この点につきましてはまだ若干の日時もあることでもございますので、今後の推移を見ながら、必要に応じては若干弾力的な対応をすることを含めて対処してまいりたいと考えております。
○和田(一)委員 地方のために、中央がいろいろ関与をし規制をしているものをだんだん取り外していこうということでございますけれども、住民にとりまして自分らに最も身近な行政、身近な問題についてはやはり身近な行政庁にやってもらうということが望まれておるわけでございまして、そういう意味からも、またほかにある機関委任事務の整理であるとか許認可権限の地方への移譲、そういった地方分権を進めていくということがこの行政の一つの大きなねらいではないか、簡素合理化ということだけではなくてそういう方向が非常に大事だ、こう思うわけでございます。 先ほど来の長官のお話では、今この法案以外の残された規制の問題とか機関委任の問題、そういった問題について行革審の答申待ちである、こういうお話でございますが、今行革審がこの合理化法案の次に答申をしてくる内容について大事な問題が検討の中で本当に網羅されているかどうか、大事なものが落とされてはいないか、その辺が気になるわけでございますが、その審議の対象になっている内容、こういったものはどうでございましょうか。漏れがありはしないかという心配なのですが、漏れなくおやりいただいているかどうか。
○山本(貞)政府委員 御指摘の機関委任事務のあり方の問題あるいは国、地方を通じます許認可権限等のあり方の問題、この二つにつきましては、現在行革審に設けられております地方行革推進小委員会におきまして審議中でございます。 審議の対象事項でございますが、これは数次にわたります全国知事会等の御意見、あるいは臨調答申や地方制度調査会の答申、さらには自治省がおまとめになりましたさまざまな意見等々を対象といたしておりまして、私どもといたしましては大きな項目上の漏れはない、このように考えておる次第でございます。
○和田(一)委員 いつごろまでに答申は出されるのでしょうか。
○山本(貞)政府委員 小委員会といたしましては、六月中に報告を取りまとめまして、行革審では七月をめどに答申を御提出いたしたい、このように考えております。
○和田(一)委員 それでは、ここで私ちょっと整理をさせていただきたいのですが、六十年行革大綱で、「国と地方の機能分担の適正化」ということで、先ほども言われておりますこの法案が一つ出てきたわけですが、この「機能分担の適正化」という中で国の関与、それから必置規制、これから出てきます機関委任事務、権限移譲、こういった問題があるわけなのですけれども、どれも非常に関連しているように思うのですが、それぞれの違い、それから先ほども長官が言われていた許認可、これは民間に対する許認可の整理、これは非常に大変なことでございますけれども、そういうものがありますが、この辺をどういうふうに区分けをしていったらいいのか、概念をお知らせいただきたいと思います。
○竹村政府委員 ただいま五つの概念についてのお尋ねがございましたが、まず今回の法案に関係いたします国の関与でございますけれども、これは地方団体の事務に対する国の許認可等でございます。例えて申しますと、県が漁港管理規程をつくる場合に、現在農林水産大臣の認可が必要になっております。今度の法案ではこれを届け出に改めるということにしております。 それから、次は必置規制でございますけれども、これは地方団体の組織等の設置の義務づけでございます。組織のほかに職員の問題でありますとかあるいは行政機関、こういったものが入ってまいります。組織の中に附属機関も入るわけでございます。今度の法案の関連で言いますと都道府県の開拓審議会、これは廃止することにしております。 それから三番目に、これは行革審でただいま御審議をいただいている事項でございますが、権限移譲の問題でございます。これは民間に対します許認可権限を国から地方に移譲するという問題でございまして、例えば社会福祉法人の設立につきまして都道府県内のものは、これを国から地方に任せてくれといった種類のことでございます。 それから、次は機関委任でございますが、これは国の事務を知事とか市町村長といった機関に委任することでございます。これも行革審で審議中でございますが、例えば二級河川の管理、国の事務でありますけれども、法律上そうなっておりますが、これを知事に委任する、これが機関委任の場合でございます。 それから、ちょっとこれらと違いますけれども、許認可等の整理の関係の問題になります許認可でありますが、これは民間のいろいろな活動に対します国や地方団体、これが許可とか認可でかかわっているという場合でございます。例えて申しますと、旅館業の営業をする場合の許可でありますとかあるいは医師の免許、こういったものが許認可の中に入るわけでございます。
○和田(一)委員 今度の法案ではございませんが、これからそういった大事な問題が出てくるわけでございまして、それでは、今伺いました中で必置規制というものがございまして、組織、職員といったものの規制だと伺います。今度の法案の中にはそれの廃止というのもあるわけですね。例えば民生委員法第十九条にかかわる「民生委員の指導訓練に従事する吏員は、廃止する。」こういうふうになっていますね。これは必置規制の廃止でございますね。このとおり廃止した場合には、この吏員は要らない、置く必要はないと考えていいわけですか。
○竹村政府委員 吏員を置くというそのことの必置を外すということでございまして、事務そのものは必要なものは残るわけでございます。ただ、その事務をやるのに、今法律で書いてありますような何々の吏員というものでなくても一般の職員でもできる、こういうことになるわけでございます。
○和田(一)委員 いろいろ規制を緩和していくという中で、実質的に、身分が規定されている身分でない人でもいいというふうに規制が解除されるのはいいのですが、事務は残る。事務は残り、そしてやるべきことはやらなければならぬということになりますと、地方としては何ら変わらないということになる場合もあるように思うのです。 私は、実質的には、基本的に先ほど来言っているように、地方が自主的にやれるような判断を与えてやる、地方が判断してやれるというふうな外され方であってほしいと思うのです。今まで中央で、こういう資格の人を置きなさい、しかしその資格でなくてもよろしいというが、中身はそのままだよというのであると、これは余り変わらないのではないかと思うのでお尋ねしたわけでございます。 それはそれといたしまして、さらにもう少しお聞きしたいのですけれども、実はこれは地方の行財政の改革そのものではないのですが、地方改革という意味合いで一つの提言があるわけなんです。これは社会経済国民会議というところの提言を見ました。五つ、六つの項目にわたって提言が出されております。こういった提言が出されるような背景を考えまして、今、地方自治制度を所管しておられる自治省としての見解を少しくお尋ねしたいと思うのです。 十分御存じだと思いますが、念のため申し上げますと、この社会経済国民会議の提言の一つには、地方六団体のいわゆる権限強化、それから自治体に行財政委員会というものを置いてほしい、自治体の組織形態にあっても画一的な規定による地方自治である今の自治法を改めてほしい、それから自治体自身の行財政の自主権というものをもっと確立してやるために財源の配分を改めていかなければいけないだろう、こういう提言ですね。補助金だとかそういったものに頼らせるのではなくて、自主的な事業ができるような方向での税源配分を考えてやれ、あるいはまた自治省を初めとして中央官庁から地方へ余り人を出してくるな、天下りはやめろというような提言がございまして、全部が全部そのとおりだともなかなか言いがたいものがございますけれども、しかし地方の声としては、この提言の中にはそうあってほしいというものが相当多いと私は思うのですが、自治省として、こういった提言がある中で、これからの地方自治制度の指導の立場からいってひとつコメントをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○石山(努)政府委員 御指摘の社会経済国民会議の提言につきましては、分権、多様化を基軸として地方自治制度を抜本的に改革をするという観点から、御指摘のございましたようないろいろな提言がなされているところでございます。 この会議は、人口の高齢化や国民の価値観の多様化あるいは高度情報化、そういうようなさまざまな今後の経済社会の変化に対応をして、それぞれの地域が自主的、主体的に、個性的で活力のある地域社会の実現を目指すことが今後の我が国の将来にとって必要であるという観点に立ちまして、地方分権の強力な推進と地方自治制度の多様化、個性化を進めることが必要であるということで、この提言に及んだものであると承知をいたしておりまして、地方分権の一層の推進を図る立場からなされたものという理解をいたしておるわけでございます。 ただ、この提言の内容は、御指摘もございましたように非常に多方面にわたっておりまして、地方自治の推進という観点から見ますと一つの御意克であるとは考えておりますが、国及び地方公共団体の組織の抜本的改正等制度の根幹にかかわる問題も含んでおりますので、今日の時点で、これに対して軽々な評価をするということは差し控えたいというように考えております。
○和田(一)委員 長官、先ほど長官の御答弁の中にもありました。地方の住民が納税者として自分の自治体のあり方、こういうものを見ておりますね。それからもちろん国の行政も見ておるわけでございますけれども、そういう中で、さっきも長官は言われたのですけれども、地方自身が自覚をして自主的に改革を進めなければいかぬ。そういう立場からいいますと、この提言の中の幾つかはなるほどと思うところがあるわけなんです。地方六団体の権限強化と言いますけれども、こんなものはみずからしっかりやればいいのであって、行政も議会もその気にならなければいけないので、こんなものは外から権限強化するのではなしにみずから努力すべきだと私は思うのですが、中央とのかかわり合いの中にあってそういった方向を助けてやるというものがあっていいと思うのですね。 ところが、先ほど長官の午前中の御答弁の中に、中央と地方の信頼関係がないというお言葉がございました。どうもまだ中央は地方を十分信頼してない。任せてしまうと何をやるかわからぬというような不安がおありのように伺いました。私は、そうだとすると、地方がいかに努力しながらも、中央からそういうふうな信頼感のない目で見られておりますと、なかなかそれに伴うような権限移譲やら自由な裁量の範囲が少なくなってくるので、言われるような地方の分権化、自治の確立、こういうものはなかなか実現しないと思うのですけれども、そうではございませんか。いかがでしょう。
○後藤田国務大臣 まさにおっしゃるように、必ずしも信頼関係が十分でないといったようなことで、なかなか中央の、政府各省庁の立場としては、ここまで地方に任じたい、しかし果たして本当にそのようにうまく運営してくれるであろうか、今のようなやかましい時代でも、どうしたってこれは地方にやってもらわなければならぬという仕事をやってくれてない県があるのですよ、重要な仕事で。そういうような団体もあるものですから、そこらの信頼関係をうまくやらないと、なかなか抵抗があってやりにくいということもこれは否定し得ないと思います。 しかし、先般来申し上げておりますように、現在の仕組みを反省した場合には、いま少しく中央省庁も信頼をして任せるべきものは任じた方がいいのではないか。そういう仕事が大変多いということは事実でございますから、これらは今後十分各省庁とも話し合いを遂げて、できる限りの権限移譲なりあるいは機関委任事務の整理なり、こういうものをやっていきたいと思います。 なお、御質問の中に社会経済国民会議の御提言、これは私、詳細は承知いたしておりません。ただ主な点は読まさしてもらっておるのですが、これは地方分権の立場に立っての御意見で、傾聴すべき御意見が相当あるな、私はこういう認識でございますが、同時に、絶対こんなことはやるべきでない、やってはいけないというものもあるわけでございます。そこらは私どもとしては取捨選択は峻別をしたい、そして対応すべきものは率直に対応していく、こういう考え方で臨みたいと考えております。
○和田(一)委員 法案について少し御質問をしたいと思います。 なお、今長官のお答えの中で、地方の団体にあってはときに重要なこともなかなかようこなせない、いわゆる自治能力というかそういう行政能力のないような地方団体もあるやにお答えでしたが、私はそういうところこそ中央依存の体質になり切ってしまっているんだと思うのですね。そういうところが、住民からはこれからそんな体質でないものを求められてくると、自主的な行政をやるのに本当に努力しなければいかぬところだと思うので、そういう地方行政の中での格差の低い方のところ、中央というのはそういうところへ向かって、地方自治の自主的なあり方を指導していっていただきたい、こう思います。 法案についてちょっと触れさせていただきます。 先ほども法案についての御質問がございましたので、ごく簡単にお聞きしたいと思いますけれども、今度の法案の中で、答申事項と法案との関係で盛り込まれたものと盛り込まれてないものとがあるわけなので、その中で特に四つばかり落ちております。こういったものがなぜ今度の法案の中に盛り込まれなかったのか。それとその措置方針、今後どうするのかを御説明いただきたいと思います。これは各省庁来ていただいておりまして、各省庁からとも思ったのですが、まず総務庁の方からお伺いしたいと思います。
○竹村政府委員 行革審から答申をいただきました法律事項は五十四事項でございますが、このうち国の関与と必置規制、この関連で入っておりますのが五十事項でございます。その差の四事項が今回の法案に盛り込まれておりませんけれども、一つは、国の関与の関係で例えば牧野法の関係でありますが、牧野管理規程を知事が定める場合に農林水産大臣の認可が必要だ、これを牧野法の見直しの際にやるという内容でございまして、これにつきましては、昨年の行革大綱の中で、次期通常国会に所要の法律案を提出すべく諸般の準備、調整を進めるということにしております。 それから、必置規制の関係では三つになるわけですが、福祉事務所に関します設置基準あるいは職員の配置基準の法制化の廃止、その内容の見直し、これは社会福祉体系全般の見直しを早急に進めてその際に行うということになっておりまして、その見直しの結果措置が行われるということになるわけであります。 それから優生保護相談所でありますが、これについては廃止の方向で検討するということで、優生保護行政についての見直しの中でその方向が検討されるということでございます。 それから、都道府県地代家賃審査会は廃止するということでありますが、これにつきましては地代家賃統制令の廃止とあわせて措置するということになっておりまして、この統制令の廃止が行われるときにあわせて行われるということでございます。
○和田(一)委員 牧野法等については比較的早い時期にというようなニュアンスでしたけれども、それぞれの盛られなかった理由は今お伺いしたのですが、いつごろにそれが措置されるかという見通しは全くないわけですか。それぞれ違うとは思うのですけれどもね。例えば家賃統制令の廃止、これとあわせてやるんだと言っているのですが、この検討は、先ほども検討中というようなお話でしたけれども、見通しなんというものがあるのでしょうか。
○鹿島説明員 地代家賃統制令の廃止の検討方向につきましてのお尋ねでございます。 先生御案内のとおり、統制令は戦後の著しい住宅難の中で制定されたものでございます。今日では経済社会情勢も変わってまいりました。また、住宅の需給につきましても緩和が図られてまいっております。そういう状況のもとに統制が長期化してまいるということになりますと、統制対象住宅につきまして適正な維持、改善、建てかえ、そういったことを妨げるというような問題も出てまいるわけでございます。そこで、住宅宅地審議会の答申あるいはまた臨時行政調査会の答申等におきまして、既に廃止の方向づけがなされておるわけでございまして、私どもといたしましては、これらの答申を受けまして、現在、この統制令を廃止した場合の影響というもの、それに対してまたどういった対策をあらかじめ講じておく必要があるかというようなことにつきまして、地方自治体とも一緒になりまして鋭意検討を進めておるところでございます。 その中で、現在統制対象の家屋に入っておられます居住者の方々への配慮、あるいはまた統制令廃止をする場合の条件整備といったものを確立するよう急いでおるわけでございますけれども、そういった状況を踏まえまして早急に廃止させていただきたいというふうに考えております。
○和田(一)委員 今度のこの整理、合理化法案を見ておりますと、各省庁にわたってあるわけですが、中でも多いのが厚生省関係、農水関係だと私は思うのですね。特に厚生省関係が非常にたくさんあります。関与で八、必置規制で十五、その他で六、五十六項目のうちの二十九というふうに過半数以上なわけでございますけれども、これを見ておりまして、厚生省の所管事項というものが、国民の健康やら衛生やら保険やら、こういう非常に密接な関係のある行政なだけに、地方との関連が非常に深いことはよくわかります。また同時に、一方では、こういった法案ができた時代、昭和の二十年とか三十年とかいう時代に制定されたものが多いというふうに思うので、そういった実情は大分変わってきているために、その当時決めた関与や規制が合わなくなってきているという意味から、こういうふうにどんどん改めようということだと思うのです。 そういう観点から思いますと、もう少し地方の行財政能力を向上させることとあわせて、今の社会経済情勢の変化に見合うような積極的な見直しが全体的に行われてもいいのじゃないかと私は思うのですけれども、これは厚生省、いかがでしょうか。
○造酒説明員 御説明申し上げます。 厚生省関係は社会福祉あるいは衛生関係と多岐にわたっておりますが、私からは社会福祉関係につきまして御説明申し上げたいと思います。 先生ただいま御指摘のとおり、社会福祉関係の法律の中には、社会福祉事業法を初めといたしまして、昭和二十年代に制定されたものがございます。しかしながら、当時に比べまして人口の高齢化あるいは経済、社会の著しい変化、福祉を取り巻く状況にはかなり大きな変化が見られております。また、福祉行政の進め方そのものにつきましても、従来は施設でお世話をするという考え方でございましたが、最近では地域福祉の重視と申しますか、あるいは在宅福祉対策の重視というように少しずつ考え方も変わってまいっているわけでございます。 私どもといたしましては、このような社会福祉を取り巻く状況の変化を踏まえまして、人生八十年時代にふさわしい社会福祉制度をつくり上げていきたい、こういうような観点で、社会福祉体系につきましてただいま先生御指摘のような観点も含めまして全般的に検討をいたしたい、このように考えております。
○多田説明員 私の方からは衛生関係についてお答え申し上げたいと思いますが、従来から、国民の衛生の確保という観点から各種の法令による所要の措置を講じているところでございますけれども、その内容については、行政の効率性とか事務の簡素化といったような見地から必要に応じて見直しを行ってはきているところでございます。 今回も、その一環として法案に幾つか盛り込ませていただいておりますが、今後とも国民衛生の確保を図ることを基本としつつ、社会情勢の変化を踏まえまして効率的に行政を推進する観点から、必要な見直しを進めてまいりたいと考えております。
○和田(一)委員 大分時間もたってしまいまして、お伺いしたいことがいっぱいあるのですけれども、こういった関与やら必置規制やらを緩和していく、外していく、ところが全体像がよくわからない、こういうお話が午前中ございました。提言があるものからまず検討したのだ、こういうお話でございました。全体がわからないのでは、向こうから言われてくれば検討することでやむを得ないのかもしれませんが、法律がどんどんできて、その法律のたびにいろいろな関与が地方にあるわけなのです。きょうも一つ本会議で通りました。ああいうこともやはり地方にとっては一つの関与になっていくわけです。その都度その都度集約していかないとわからなくなってしまう、そうではないかと思うのです。 しかし、当面いろいろ下からの声やら地方からの声に基づいて検討してこういうものが出たとおっしゃるのですが、地方からのいろいろな提言の中で落ちているのがあるのですよ。これは答申の中の八十五からのあれではなくて、地方はこういうものもこうしてくれ、ああしてくれといういろいろな声は出しているわけなのです。それに耳を傾けていただいているはずなのですが、なおかつ落ちている、こういうものがいっぱいあるわけなのです。 一つ、二つ申し上げますと、都市計画法というのがございまして、この都市計画法の中で、区域の指定やら都市計画の決定または変更に関しては、建設大臣または都道府県知事の承認制度がある、これは廃止して協議制度に改める、こういうことを要望していたり、また同じように、その事業をやる場合に知事の認可またはこの事業にかかわる建設大臣の認可というのがある、こういうのは廃止してくれ、こういう要望であるとか、あるいは植物防疫法、これは病害虫の発生を防ごうということで、あらかじめ中央が、どこそこでどういうものが出始めだというような情報のもとに、それを周辺の行政庁に通知をした上、防除の方策を立てさせる、これは一々農林大臣の承認が要る、こういうものは廃止してほしい、地方はそういう要望を出したり、あるいは種子法であるとか、教育長の文部大臣の承認の件であるとか、いろいろあります。保健所の所長さんの資格が医師でなければならないというのを、現状はもうそういう必要はないではないか、医師である上に必要な条件が三つぐらいあるわけですが、その条件を満たすような技術吏員であればいいではないかというような声もあるわけなのですが、こういう地方の声がまだ落ちている。どうしてもやはり取りこぼしというかこういうものが残っている。これは一つ一つ実は理由を聞きたいわけなのですけれども、もう時間もございません。 私が先ほど来言っているのは、これから七月の幾日かに答申されると言っている、一番長官が大事だと言っている許認可ですね、規制の緩和あるいは権限の移譲、こういうものの中で、私が今申し上げたように、国の関与や規制の中でも、地方からいえばこういうやってほしいというものが落ちているので、これからの規制緩和や権限移譲の問題、こういう中で地方の声を十分聞いていただきたいのですよ。やはり都合のいいもの、やりやすいもの、やれるもの、これはどうでもいいもの、実はこの法案を見ますと、今までこんなものがあったのかと言われるようなものばかり集まっているのです。だから、これは中身からいっても、こんなもの当然とっくに外されたり統合されたりしていいものばかりなんですよ。もっと地方がしてほしいというものは、やりにくいせいか何か知らぬが、こういうふうに外れちゃっているわけです。ですから、これから七月に出てくる答申にはそういうものを十分検討したというものを出していただきたい。検討してだめなら、なぜだということを私はやります。そうでないと、さっき言ったように全体像がつかめてない中で、言われたものがこれだけだったと言われてしまうと、さあ、出てくるものは皆当然であるというようなものばかりですから、本当に地方が求めているものに対応できないで、そういう大事なものでも残るものができる、こういうことになってしまうので、私は、先ほど申し上げた七月に向かっていわゆる規制緩和だとか許認可事項、あるいは機関委任の問題、権限移譲の問題では、地方が求めているそういう本当の声を十分聞いて答申をしてもらいたい、こう思うのですが、長官そうですね。いかがですか。
○後藤田国務大臣 これは私が答えたらぐあいが悪いのじゃないでしょうか。それは行革審がどういう御態度をとるかということなんですが、私はやはり御質問にあった厚生関係、農林、建設、こういったところ、あるいは運輸もそうですかな、いろいろ役所によって大変介入の多いところもあるし、そうでないところもある。ところが厚生省の行政というのは、御案内のように社会福祉の関係とかあるいは薬だとかお医者さんとか、国民の健康、安全に関する仕事、こういった仕事が多いわけですから、これはなかなか地方に任せきりにできない仕事も相当多いのじゃないか、私はこう思います。それから農林関係は、やはり何といっても農林関係が非常に経済的な立場が弱いといったようなことで、国の立場でてこ入れをしなければならぬではないか、こういうこと。あるいはまた建設省等について見れば、これは相当高度の技術を要する面がございますから、そういったようなことで、それぞれの役所の性格でやむを得ない面もあるのではないか。 殊に、終戦直後から最近までの間というのは、国がいろいろなところにてこ入れすることによって今日まで進んできたわけです。しかし世の中が変わりつつある、あるいは変わったということであれば、同時にまた地方団体のそういった技術水準なり何なりというものが上がってきているわけですから、そこらをにらんで、この際地方に任すべきものは任したらどうだ、こういう考え方で私は臨んでいきたい。 なお、許認可等について地方団体からあるいはその他の団体からやめてもらいたい、直してもらいたいというものは、これは取り上げて行革審で審議をお願いしているのですけれども、各省なり関係者から意見を十分聞いているのですが、なかなかこれは抵抗が多いのです。行革審だって本当に汗を流してやらぬと、各省がなかなか頑強に抵抗していることだけはもう事実なんです。 そこで私は、私の立場で申しますと、本当はだれが抵抗しているんだということになりますと、現在の制度の中で特権を得ている民間の団体が全部反対でございます。そこらにむしろ問題がある。その民間の団体のこれは個別利害ですよ。それを受けて、だれが抵抗しておるか。これは、これから先は私は申しません。そういうようなことで、本当にこれはみんなが一体になってやらなければ、なかなか規制緩和で活性化を図るという仕事は難しいんだ。そこらはぜひひとつ御理解をしていただいて、御支援なり御鞭撻を賜りたい、かように思うわけでございます。
○和田(一)委員 時間がもうなくなりましたので、ちょっと細かいことを伺いたいと思うのですが、厚生省は先般国立病院・療養所の整理合理化の方針を発表されたようですね。これは簡素化、効率化という点からは評価してもいいと思うのですけれども、具体的な整理合理化に当たって、これはやはりもう少しきめ細かな配慮があっていいのではないか。 この中身を見ますと、六十一年から十年間をめどに大幅な再編をやる、合理化を進める。ベッドですね、病床数三百未満の施設はこれを対象に統廃合の考えを持っているようですが、これはどういう考えか、これが一つ。経営的な問題であるのかどうか。それから、それを廃止してしまうと地域医療に対してこれは非常にマイナスになるのではないかと思いますが、廃止してしまうのかどうか。むしろ、これを廃止ではなくてどこかに渡すということにするのか、統合して別のところへ持っていくのか。基本的に、簡素化や効率化をねらうために地域医療の中で果たしてきた大事な面がおろそかになりはしないかという心配がありますが、いかがでしょうか。
○羽毛田説明員 お答えをさせていただきます。 今、先生お話のございました国立病院・療養所の再編成の問題でございますけれども、御案内のとおり、臨調答申を受けました閣議決定をもって実施をいたそうとしておる事業でございます。これにつきましては、私ども、今後、国立病院・療養所が時代の要請にこたえまして国立医療機関にふさわしい医療機関として育つためには、その一面におきまして、やはり統廃合した方が医療をよりよくできるというような場合については統廃合というような方法も考え、また、国の役割というようなことを考えた場合にそのほかの経営主体にゆだねた方がよろしい、こう考えられる場合については経営移譲というようなことをも一方に考えながら、それをやっていきながら、国立医療機関としてふさわしい機能を充実していく、こういう道を選びたい。こういうことで、先般、先生先ほどございました国立病院・療養所の再編成、合理化の基本指針というものを厚生省として決定をいたしまして、閣議に御報告を申し上げた、こういうことでございます。 なお、これにつきましては、この六十年度に具体的な構想をこれから決めていくということに相なるわけでございますが、その基本指針の中で、三百床というような統廃合いたしますときの一つのめど、指標の一つとしては、余りに小さい施設の場合ですと、やはり経営効率の問題ももちろんございますのみならず、今後の機能というものを考えました場合に、国立はやはり今後できるだけ専門性あるいは高度性の高いものをやっていきたい、こういうふうなことを考えますと、症例という面からも医療スタッフの充実という面からも、ある程度以上の規模があることが重要であろうということで、これも一概には論ぜられませんので、弾力的に考えるということを付記しつつ、一つの目安としてそういうことを考えた、こういうことでございます。 それから、これを今後の中で統廃合なり再編成というものをどういうふうな方向で考えていくかということについてでございますけれども、その方法といたしましては、一つ、二つのものを統合してやった方がより機能が充実していくというような方向のあるものにつきましては統廃合というような方策をとり、また、他の経営主体が経営をしていただくのが適当だと言われるようなものについては経営移譲というようなことを考えるということで、それはそれぞれのケースに応じましてこれから十分検討してまいりたいと思います。また、そういうことをすることに伴いまして、地域の医療との関係でいろいろ調整を要するような事項につきましては、十分地元関係者等とも協議をしてまいりたい、こんなふうなことで考えておるところでございます。
○和田(一)委員 地域医療に関連して、ちょっと一つ具体的な問題でお尋ねしたいのですけれども、職域病院というものを持っておりますね、官庁関係で。例えば滝野川に大蔵省の印刷局があって、そこの職域病院があるわけですが、こういう病院が一般に地域医療に開放されていない。住民から見ればぜひ開放してほしいという非常に強い希望があるのです。こういうものに対して医療行政も、指導的立場で、同じ官庁関係の中でのこういう職域病院ですから、開放してあげるような指導をすべきではないかと思うのですが、そういう点はどうか。 例えば、何年か前に新宿でバスにガソリンをぶっかけて焼かれて、何人か犠牲が出ました。あのときも、あのそばにある職域病院に救急車が向かったけれども断られる。こういうことでは、私は、少なくも官庁がやっていると住民は見ているわけですから、そういう職域病院が余りにも閉鎖的過ぎる。全面開放はできないにしても、救急医療体制ぐらいはやってしかるべきだと思うのですが、一向そういうことが、住民の強い声があるにもかかわらず開放されていない。こういう点に対して指導の立場でどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたい。——大蔵省お見えでしたら、まずその病院の方のお考えを聞かせてください。
○平北説明員 先ほど実例で出ました私の方の印刷局の滝野川の病院につきましては、一般開放をできるだけ早くやりたいということで、地元の北区医師会と現在折衝中でございます。
○谷説明員 今お尋ねのございましたいわゆる職域病院の一般開放ということでございますが、その地域におきます医療の確保という観点、あるいはその地域におきますいろいろな医療機関の機能の分担というような観点も含めまして、それぞれの病院の実情に応じて地域に開放されていくということは必要であろうというふうに考えております。 ただ、その場合には、必要に応じてその地域の医師会なりあるいは地方公共団体あるいはまた住民といったような方たちの話し合いの中で、円満な形で開放されていくということが望ましいのではないかというふうに私どもは考えております。
○和田(一)委員 これからの行革の大きな柱として、国鉄あるいは機関委任、規制緩和、内閣機能強化、あるいはその他の問題として特殊法人、こういった問題を長官は挙げられました。私も、国鉄の問題を初めとして特殊法人のあり方等についてのいわゆる活性化、こういうものについてお尋ねをしたいと思ったのですが、時間がもうなくなってしまいました。今度の法案を見ておりますと、必置規制の廃止であるとか緩和であるとか、関与の廃止であるとか緩和であるとか、たくさん盛られておりますが、私はこれがこれで十分だとは思っておりません。まだまだ行うべきものがたくさんあるというふうに思うわけでございまして、むしろ先ほども申し上げましたように、この法案の中で出てきたものはもう既に機能がされていない、もう実際に機能していないというようなものばかりがよう集まったなと思うぐらいでございまして、もっと大事なものが残されている、こういう認識を持っております。したがいまして、これからも、どうしても検討して改めていかなければならないそういうものに対して、これから残されたいわゆる正念場の行革の時期に向かって、十分にそういった問題を取り上げて検討して行革の実を上げていただきたい、こう思うわけです。 最後に、私はもう時間がございませんので、こういった私の気持ちに対して長官のお考えを聞いて、質問を終わりたいと思います。
○後藤田国務大臣 私も同じような認識のもとに精いっぱい努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○和田(一)委員 終わります。
○中島委員長 三浦久君。
○三浦(久)委員 最初に、後藤田長官にお尋ねをいたしたいと思います。 いわゆる臨調行革というのが、中央でもまた地方でもどんどん進んでいます。私どもは行政改革というものに反対しているのではありません。我々は、やはり簡素で効率のいい行政機構をつくる、そしてお金のかからない政府をつくる、そして国民の負担を軽くする、そして国民の生活を向上させる、そういう行政改革が本当の行政改革だという立場で、今までずっと国会でも論戦をしてきたわけですね。ところが、今政府の行っている行政改革というのは、行政改革という名によって、福祉であるとか教育であるとか、そういう国民生活に密着する行政部門、こういうものをどんどん切り捨てていってしまう。そして逆に、聖域はない、ないと言いながら、私が何度も言っているように、自衛隊などのこういう軍事部門、こういう国家機構はどんどん増大をさせていく。また、民間活力の導入というようなことで財界に利益を与えていく。そういうような行政改革になっているのですね。ですから、我々は、一貫して今の政府のやっている行政改革というものには反対だ、そういう立場を貫いてきたわけであります。 今回の法案、いわゆる地方自治体への国の関与、必置規制の廃止、緩和、こういうものはやはり私は今までの行政改革の路線上のものだというふうに思うのですね。法案を見ますと、地方公共団体の自主性を尊重する、こういうことを銘打って出されてきているわけでありますけれども、しかし実際には、こういういわゆる反国民的な行政改革というものを地方にも拡大をする、私はそういうものになっているというふうに思わざるを得ないのであります。このことは行革審の答申の中にも、「国の関与や必置規制が地方公共団体の自主的な行政改革を妨げ、地方行財政の膨張の原因の一つ」になっている、こう言っていることでも明らかだと私は思うのです。 それで、私は最初に総務庁長官にお尋ねをいたしたいのですが、この関与、必置規制の廃止、緩和、こういうものが政府としてのいわゆる地方行革というもの、この全体の中でどういうような位置づけを持っているのかということを最初にお尋ねしたいというふうに思います。
○後藤田国務大臣 これは、行政改革についての基本の認識が共産党さんと私とでは違います。私どもは、別段反国民的行革なんていささかも考えておりません。やはり第二臨調なり行革審なりは、国内のあらゆる階層の方々から十分御意見を拝聴して、その中で今改革すべきものはどういう点にあるのだといったようなことで御答申をちょうだいをして、政府としてはそれを最大限に尊重をして取り組んでおるわけでございまするので、別段反国民的であるなんということはとんでもないことで、私どもは国民のために行政改革をやっているのだ、まずこの点は基本認識が異なりますので、お答えをいたしておきたい、かように考えるわけでございます。 それから、御質問の今回の改革の位置づけは、やはり地方行革というのは非常に肝心なことですね。だから、その地方行革を進める上においての一つの環境づくりをやらなければならない。国が余りにも過剰な介入といいますか過剰関与、あるいは必置規制その他で余りにも現状に合わないいろいろな制約を地方団体に課しておりますから、まずこれは解く必要がある。こういう立場で今回の御提案を——もちろん、先ほど和田さんの御質問のようにこれで十分と思っておりません、今後もやらなければなりませんが、認識としてはそういう考え方で環境づくりを進めていかなければならぬ、こういう意味合いで御提案を申し上げておるわけでございます。
○三浦(久)委員 今度の法案についても、私は国民の生活に非常に大きな影響を及ぼす問題だということをまた後で具体的に指摘をしていきたいと思いますが、まず最初に総論的にお伺いをしておきたい問題があります。 例えば、政府はそういう立場ですから、今後も地方行革というものをどんどん進めていかれるだろうと思うのですね。もう既に補助金の一括一律カット法案、こんなものも成立をさせておりますね。それから今度の法案の提案もしておる。それからまた、今後もいわゆる地方への国の権限移譲というような問題についてもまた行革審の答申が改めて予定をされておるという状況でございますね。ですから、この地方行革全体のタイムテーブルといいますか、いつごろまでにどういうことをやっていくんだという方針、それをちょっと最初にお尋ね申し上げたいと思うのです。
○竹村政府委員 必置規制と国の関与の整理合理化、これにつきまして今回法案を出しておるわけですが、これに続く地方行革で、国からの環境整備、国の方での措置という点で申しますと、一つが機関委任の問題であります。もう一つが権限移譲になろうかと思いますが、いずれも現在行革審で審議をいただいております。二つの問題とも七月中には答申をいただけるという見込みでございます。
○三浦(久)委員 地方行革をやる場合に、今度の法案でもそうですけれども、地方自治体の自主性の尊重ということが言われているのですね。今度の法案の提案理由の説明の中にもそれが強調されております。しかし、では実際に地方自治体に対して国家が、政府がやっていること、それは果たして全体的に見て自主性の尊重というようなことになっているのかどうか。私は全く逆ではないかということを思わざるを得ない。 例えば交付税法、これを改悪しまして、国が地方財政をコントロールしやすくしたりする。また地方債の許可条件、こういうものに給与条項を新たに加えて、そして中央統制を強めるというような方向を現実にやっておられるわけですね。そしてまた、先ほども同僚委員の質問でも出ておりますけれども、いわゆる地方行革、これの行革大綱のモデルをつくって、そして全国の自治体をこれで指導する、そういうことまで行われているわけであり、自主性の尊重どころか、全く逆にそういう政府の方針を自治体に押しつけるというのが実態になっているのではないかというふうに私は思うわけであります。 ですから、そういう意味で、本当に政府自身が地方自治体の自主性を尊重するというのであれば、今私が言ったような行革大綱のモデルをどんどん押しつけるとか、起債の許可条件に新たにそういう給与が高ければ起債を許可しないとか、起債の許可なんというのは全く地方自治体の運営そのものに介入することです。起債がなければ地方自治体は経営、運営はやっていけないのです。そういうものをてこにしながら、自分たちの思うような地方自治体につくり上げていこうというそういうやり方は、私は本当に自主性を尊重するという立場に立つならばやめるべきだと思うのですが、この点の長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○後藤田国務大臣 私どもは、地方ができる限り自主性が発揮できるような制度に逐次持っていきたい、こういう基本の考え方で取り組んでおるわけでございます。 御質問の中にありました交付税の問題も、逆であるとおっしゃいますけれども、日本のそれぞれの地域ごとの経済の格差が一体どれくらいあるのだということをお考えいただければ、この交付税制度によって貧弱な市町村も初めて少なくとも最低限の行政を行うことができる、こういう措置でございまして、これが独立財源だけでできるのならこんなものは要らないのです。しかしながら、独立財源だけで処理するとすれば、いかなる税財源でやっても、経済の豊かな団体は歳入が余ってしまってぜいたくが行われるおそれは多分にある。同時に、財政力の豊かでない団体は最低限の行政すらできなくなるではないか。こういうことをお考えいただければ、この交付税制度がいかに地方自治推進のために、これは地方団体の固有財源でございますから、いかに役立っておるかということは御理解願えるのではないか。 いま一つの御質問の起債の問題、これはあなたがおっしゃるような議論を私もしばしば聞きます。ただ、これは起債の市場における国全体の金融情勢、これらに大きな影響を与えるわけでございますから、地方団体がどんこらどんこら自分たちの考えだけでやられては、金融市場が混乱をするという意味合いでああいう制度があるので、これまた理解をしていただかなければならぬことではないのか、私はかように考えます。 それから、地方団体に今度の地方行革について自治省から指針みたいなものを出して押しつけておる、これまた見方によれば、あなたがおっしゃるようにまさにこれこそ関与ではないか、こういう御議論がありますけれども、先ほど自治省当局から御答弁がありましたように、そうではないのだ、一応の指針というものを示して、それぞれの団体みずからが、自分の団体は一体どこに余分なものがあるのか、不適切なものがあるのか、それをそれぞれの団体の自主的判断で取り上げてやってください、こういうことを申し上げておるので、あそこにあるものみんなどこも同じように全部やりなさいと言っているものではない。私はかように理解をしておるわけでございますから、別段これであなたが余りやかましくおっしゃるようなことはないのではなかろうかな、かように思います。
○三浦(久)委員 一つ一つ反論していると時間がなくなりますので一つだけ反論しておきますが、例えば起債の許可の問題ですけれども、これは模律ではどうなっているのですか。「当分の間」というふうになっているのでしょう。当分の間が何年続いておりますか。三十八年間続いておるのですよ。結局、政府自身は、地方自治体を自分のコントロール下に置くために必要なものは握って放さないということなんです。それで、どうでもいいというか大したことはないというようなものだけちょろちょろとやっている。それからまた、国民生活に影響のあるようなものについての関与をやめていくとか必置規制を緩和していくとか、そういうことをやっている。私はそういうことを指摘したいわけなんです。 行革大綱のモデルの問題でも、それは強制じゃないんだ、自主的判断なんだと言うけれども、それに従わないとあらゆる意味でペナルティーを科していくというようなやり方は、これは自主的でも何でもないのです。ですから、本当に地方自治の本旨というものに基づいて地方自治体の運営をやらせるというのであれば、もっと大きな立場から、地方自治体の自主権というものを尊重するという態度こそが私は必要だと思うわけです。 今度のこの国の関与並びに必置規制の緩和等の法案について言えば、私はこの問題は二つの側面があると思っているのです。一つの側面は、やはり行政水準というものを全国的にどこの自治体でも一定に確保していこうという面が一つありますね。それから、今私が言ったように国が地方自治体をコントロールしよう、そういう二つの側面があると私は思うのです。しかし実際に、ではその両面があるもののうち、どれに今重点を置いて関与とか必置規制等を緩和しようとしているのかというと、私は前者だと思うのですね。前者というのは要するに行政水準を一定に確保していこうという、それは国民のために必要なもの、そういうものをどんどん緩和したり廃止したりしていく、そちらに重点がいっていると私は思うのです。私もこの法案のすべての項目に反対じゃないのですよ。賛成するものもありますよ。これは恐らく四割か五割ぐらいあるでしょう。しかしあとの六割か五割は、これは個別的に見て賛成できないものがたくさんあるということですね。 具体的にちょっと指摘をいたしますと、総務庁の所管の問題ですが、統計主事の問題がありますね。この統計主事、これは今までは必置規制だったのが今度は任意設置に改められるわけです。これも私は、今の統計事務というものをもっと充実しなければならぬという立場からいえば、時代に逆行したものだと思わざるを得ないのです。 ちょっと個別にお尋ねしますが、都道府県にこういう統計主事を置いているという理由は何でしょうか、総務庁にお尋ねしたいのです。
○時田政府委員 お答えいたします。 都道府県に統計主事を置いておりますのは、都道府県の統計組織は国勢調査等の国の重要な統計調査の実施におきますかなめでございます。これら統計の正確性の確保を初めとする統計の質の向上を図るために、専門的技術的な事務を担当する職員として統計主事を置くこととしているところであります。
○三浦(久)委員 統計主事というのは、我々の調査によると、昨年十月一日現在で全国で二百八十八人になっているのですね。そして、これはまさに総務庁が世界に誇る統計水準、これをつくるのに貢献をしてきているわけです。そして現在でも、地方においてより質の高い統計調査員を確保することが求められていると思うのです。 そのことは、統計審議会というのがあるでしょう、そこからこの前建議が出されておりますね、それを見ても理解できると私は思うのです。例えばこの建議によりますと、「国と地方を通じて統計調査の実施体制を充実し、またこれに活力を与えることは、統計の質の安定・向上のために不可欠である。このような観点から、次の措置を講ずる必要がある。」というので、「職員研修の充実、統計経験職員の配置の推進等を通じて、統計の専門知識を身に付けた職員が統計主管部局に配置されるよう十分配慮すること。」とかいろいろ書いていますね。これは全部読んでいるわけにいきませんけれども。もっと充実をしなければならぬというふうに審議会自身も言っているのに、全く逆行したこと、今まで必置規制だったものを、いや置いても置かなくてもいいのですよと。これは一体どういうことなんですか。国の政策として何となく一貫性を欠いていると私は思わざるを得ないのですが、いかがでしょうか。
○時田政府委員 お答えいたします。 国勢調査を初めとして、国の基幹的な統計調査は、都道府県、市町村を通じて実施しているものでございます。したがって、これら統計の正確性の確保を初めとする統計の質の向上を図るためには、地方におきます統計調査の実施体制の充実を図る必要があり、建議はそのことを指摘したものでございます。 一方、今回の法案におきまして、地方公共団体の自主性を尊重し、地域の実情に合った総合的、効率的な行政の実現を図る観点から、地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理合理化等を行おうとする趣旨で統計主事の設置を任意に改めようとするものであり、地方公共団体における統計調査の実施体制の充実の必要性について否定するものではないと考えておるところでございます。
○三浦(久)委員 それなら今までどおり必置規制でいいじゃないですか。今までどおりでいいのであって、統計の実施体制の充実というものはこれからも図っていくんだと言っているのなら、今の制度をもっと拡充していく方向で考えるべきなのであって、それを置いても置かなくてもいいですよというようなものに改めるということは、今あなたの言っていることとも矛盾していることを私は指摘しておきたいと思うのです。 次に厚生省所管の問題ですが、家庭用品衛生監視員、それから毒物劇物監視員、この問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 最初に形式的なことなんですが、総務庁にちょっとお尋ねしますけれども、これは総務庁の区分では「他職の活用」の項に入っているのですね。しかし、今まで家庭用品衛生監視員とか毒物劇物監視員は「置く」というふうになって、必置規制になっていたわけでしょう。それを今度は第八条を削除しちゃっていますね。第八条というのは家庭用品の規制に関する法律の方ですが、第八条を削除して必置規制じゃなくしているわけです。ですからこれは、必置規制の廃止ないしは緩和、そういう分類の中に入れるのが当たり前だと思うのですけれども、どうして「他職の活用」というような分類の中に入れているのですか。ちょっと最初にそれをお尋ねします。
○竹村政府委員 今回の家庭用品衛生監視員及び毒物劇物監視員の整理合理化の方向といたしましては、お尋ねにありましたように「他職の活用」という分類に入れております。任意設置の場合ですと、一定の事務を執行するに当たりまして、特定の名称でありますとか資格を有する職員が行ってもあるいはその名称を持たない一般の職員が行ってもいいわけでございます。任意設置でありますと、その判断、その辺については地方団体の自主性に任せるというものでありますが、今回の場合、つまり「他職の活用」の場合は、特定の業務を行うためには一定の資格要件を有する者、この場合には薬事監視員等でありますが、そういう資格を持っている者の中から指定するということで、任意設置とは違うわけでございます。
○三浦(久)委員 確かに「他職の活用」という面はあるのですよね、食品衛生監視員をそれに充てるとかいろいろやっていますから。しかし、置かなきゃならないということにはなっていないわけでしょう。どうなんですか、そうするとこれは、こういう仕事をしてもしなくてもいいということになるのですか、しなければならないということになるのですか、どちらなんですか。
○竹村政府委員 ただいま家庭用品監視員とかあるいは毒物劇物監視員がやっております仕事はそのままやるわけです。つまり、いろいろな製造所等への立入検査等でありますが、その仕事はあるわけでありますが、類似しております薬事監視員等その者を指定いたしまして、その仕事をする者は、家庭用品監視員でありますとかあるいは毒物劇物監視員と「称する」というふうに法律もしておるわけであります。
○三浦(久)委員 そうすると、家庭用品衛生監視員とか毒物劇物監視員ですか、これは置かなければならないのですかね。「称する」というふうになっておりますけれども、「称する」という人間は置かなければいけないのですか、どうなんでしょうか、そこがよくわからない。
○竹村政府委員 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律の七条をごらんいただきますとわかりますけれども、その者に関係する仕事でありますが、それを施行するために必要があると認めるときには、今の薬事監視員とかそういう者の中から指定した者がその業務を行う、つまり必要があると認めるときには、そういった業務が必要であればその者をもってやらすということでございます。
○三浦(久)委員 そうすると、必要がなければ指定しなくてもいいということなんですね。やはりこれは置いても置かなくてもいい、指定してもしなくてもいいということでしょう。ですから、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律の第八条は、今の法律では「家庭用品衛生監視員を置く」ということになっているけれども、今度の法案ではこの八条は削除になっているわけですね。ですから、何でこれが「他職の活用」なのか。「他職の活用」という面もあるけれども、もっと根本的には、必置規制の緩和といいますか必置規制の廃止というか、そういう分類の中へ入れなければならない。それを入れないのはやはり何か政治的な意図があるのじゃないか。例えば有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律に基づいていろいろな業務をやるいそれをやってもやらなくてもいいというような、そんなふうな印象を国民に与えたらちょっとぐあいが悪いぞとか、また毒物及び劇物取締法に基づく毒物劇物監視員ですか、これも置いても置かなくてもいいぞというような印象を国民に与えるとどうもぐあいが悪いぞ、この法案の反国民性が明らかになってしまうぞというので「他職の活用」というような分類の中にぼんと入れて、それで少しほおかぶりしているというふうにも私は思えるのですけれども、そうじゃないのですか。
○竹村政府委員 業務はこれは必要な業務でありまして、ただ、実際上の法の書き方として「その必要があるときには」というわけでありますけれども、その業務はこの法律の施行ということでございますから、その実態に応じてこの業務が必要ないというわけではないわけでございます。
○三浦(久)委員 ですから必要なんでしょう。これからじゃんじゃんやっていかなければならない仕事ですよ、国民の生命とか健康に関する問題なんですから。じゃんじゃんやっていかなければならない問題ですよ。だから、何でそれを必要のあるときにはさせることができる、他職の活用でいいんですと、そんなふうに改めなければいけないのですか。あなたたちそういう業務が必要だというのであれば、今までどおりでやっていけばいいんじゃないですか。それをやってもやらなくてもいいぞ、そして地方自治体の仕事の減量化、これが地方行革でしょう、減量化を図っていこうということで、結局この法案を出してきているわけなんじゃないですか。本当に仕事が必要であって、ただ単純な他職の活用ということであれば、第八条を削除する必要はないのです。この家庭用品の方ですね、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律の第八条削除は要らないのです。「家庭用品衛生監視員を置く。しかし、それは薬事監視員の中から指定する。」そういうふうにしておけばそれでいいわけです。それを何で八条を削除してしまうのか。あなたたちが、いや仕事は必要なんですよと言っても、やってもやらなくてもいいですよということなんですから、こんなばかげた法律はないと私は思うのですよ。 それで、ちょっと先に進ましていただきますけれども、厚生省にお尋ねします。家庭用品衛生監視員の全国的な設置状況とその業務内容、これをちょっと簡単に説明してください。
○齋藤説明員 家庭用品衛生監視員の設置状況でございますが、全国の都道府県及び保健所を設置する市に、五十九年十二月末現在で二千四百五十二名が設置されております。 家庭用品衛生監視員の業務といたしましては、有害物質を含有する家庭用品に起因する健康被害を防止するために、家庭用品の工場、店舗等に立ち入りまして、違反品が販売されることのないよう帳簿その他の物件を検査する、こういった業務を実施しているところであります。
○三浦(久)委員 現在、指定有害物質というのは十七物質ですね。これは年々どんどんふえているのです。例えば昭和四十九年には二物質が指定されましたけれども、五十年には六物質になりました。そして現在は十七物質になった。増加をしているんですよ。お尋ねしますが、今後この指定有害物質は減る傾向にあるのかふえる傾向にあるのか、いかがでしょう。
○齋藤説明員 厚生省におきましては、家庭用品に含まれます化学物質の使用状況、危害情報、または毒性情報等の収集に努めているところでございますが、これらにつきましては順次専門家による評価、検討を行いまして、必要に応じ今後とも有害物質の指定を行うなどの基準の整備に努めて、家庭用晶安全対策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
○三浦(久)委員 大体増加の傾向にあるということをお認めになっておると思うのですね。私、東京都に聞いてみましたら、やはりふえていくだろうという予測ですよ。そして東京都の場合は、五十九年度実績では立入件数、それから苦情処理相談、こういうものが年間に千三百件もあるのですよ。違反件数は十五件だというふうに報告を受けています。また都の消費者センター、ここにも年間を通じてそういう家庭用品に有害物質が入っているかどうかという相談がどんどん来ているというわけですね。やはり有害物質が家庭用品に含まれているということですから、その有害家庭用品から国民の傘とか健康というようなものを守っていくという仕事は絶対に必要なことなんですよ。ですから、今までは必置規制にしておったものを廃止してしまう。私はとんでもない話だというふうに思うのですよ。 後藤田長官にお尋ねしますが、この問題はどうですか。何でこれは必置規制を外さなければならぬ必然性があるのですか。その点お尋ねしたいのです。
○後藤田国務大臣 この統計の仕事は重要であることは言うまでもないわけですね。だけれども、例えばこの統計主事の現在の制度というものは、統計事務の資格要件が、統計調査に関する事務に通算二年以上従事しておればよろしい、比較的緩やかなものになっているのです。ところが一年程度の人が仮に二人しかおらぬということになりますと、二年以上の人間をどこからか引っ張ってこなければならぬ、そういう無理が生じるのです。それならばむしろこういうのを緩和することによって、それを教えながらやっていったって十分できるではないかということで、こういった必置規制を今回の改正で直していった、こういうことですね。 もう一つは家庭用品ですか、これは実際の職員の任命状況、これを見ますと、大部分の職員が、事務内容が類似した食品衛生の監視員あるいは薬事監視員、これらの兼務になっているのですね。だから、こういったような実情がありますので、従来独立の必置職、こうしてあった規制を緩和して、類似業務を行う者にその業務をあわせて行うことができるとした方が地方団体の人事行政上ベターであろう、こういうことで今回の改正は行った、かように私は承知しております。
○三浦(久)委員 一つ一つこういう反論をしておると時間がなくなってしまうのですけれども。統計主事の問題でも、統計主事というものを外さないで、統計主事というそういう任命をして、そして実際に統計の仕事に情熱を持ち、責任を持たせるということの方が、よりこの統計事務に堪能な職員が出てくるということはもうはっきりしている話ですよ。 それから、今の家庭用品監視員ですかの問題、確かに兼務の実情なんですね、あなたがおっしゃるとおりです。だから、それは必置規制であれば兼務でいいですよ。他職の活用で結構ですよ。けれども、私が今指摘しているのはそうじゃなくて、やってもやらなくてもいいという制度に変えるから、それはおかしいじゃないですかということを言っているわけなんですよ。だから、長官の今の御答弁は私の質問に対する御答弁にはなっていないのですよ。何で必置規制を外すのですかということを聞いているのです。いかがでしょうか。
○竹村政府委員 要するに必置規制というのは、一定の事務を行う場合に一定の職名を有する者を必ず置かなければならない、そういう法律の表現をしておるもの、これが必置規制でございます。しかし食品衛生監視員、この場合には薬事監視員とかほかの職にある者、兼務の実態にあるわけでありますが、その者が同じ業務、家庭用品衛生監視員、今までやっておりましたこの業務をその職員に行わせるということでございますから、仕事の内容としては変わらないわけでありまして、ただ、今までの必置でありますとあたかも個別に置くかのごときことでございますけれども、実態から見ましても、兼務の職員でそれをやらすということでございます。
○三浦(久)委員 そこは押し問答になるからもう次に進みます。 しかし、少なくともこの食品衛生監視員に兼務させる、兼務させるから必置規制を外さなければならないというそんな必然性は全くない、そんなことは全く詭弁ですよ。結局はもう地方自治体の業務量の縮小ですよ。こんな国民の生活に重大な影響を及ぼすそういう行政サービス機構というものを、やってもやらなくてもいいというものに変更するということは絶対に許せないと私は思いますね。 それから、次に毒物劇物監視員、この問題についてちょっとお聞きしますけれども、厚生省、今怪人二十一面相とかなんとかというのがあるでしょう、あれだってこれに関係しているわけですよ。これも結局必置規制の廃止なんだけれども、しかし、これも「他職の活用」という項目の中に入れていますね。そして、この問題というのはやはり大変重要な問題でしょう。例えばメッキ工場なんてありますね。そういうところにやはりいろいろ違反がないか監視に行ったりなんかするわけですよ。ですから国民の生活、健康、今、そういうものに直接関係をしている問題、これもやはり必置規制を外しているのですね。そして、その薬事監視員のうちからこれを指定してさせることができる、こういうふうにして、そして都道府県に毒物劇物監視員を置かなければならないというこの第十八条を削除してしまっておるわけですよ。これも必置規制をなくしておるわけですよ。何でこんなことが必要なんですか。 厚生省にちょっとお尋ねいたしますが、全国的な監視員の設置数、それから立入検査等の監視率、それからその結果どの程度の違反数が発見されたのか、ここ数年の推移をお尋ねいたしたいというふうに思います。
○渡辺説明員 毒物劇物監視員の数でございますが、昭和六十年の四月一日現在で二千七百三十三名となっております。 それから立入検査の状況でございますが、全国にこの立入検査の対象の施設数が約九万五千カ所ほどございまして、ここ五年間の立入検査の状況を見ますと、大体毎年九万件の立入検査が行われております。 それから違反件数等でございますが、この毒物劇物取扱業者の営業を停止するというような重篤な違反は毎年数件発生しております。それからそのほかに、この毒物劇物監視員が立ち入りの際に発見いたしました軽微な違反、あるいは私どもの毒物劇物に関係する通達に違反するというようなもの、例えば毒物劇物の保管場所に施錠を忘れたというような問題でありますとかあるいは保管の状況が悪いというような事例に対しまして、この立入検査におきまして年間一万三千件から一万四千件程度の指導措置を行っております。 以上でございます。
○三浦(久)委員 長官、お聞きのとおりですね。九万件も立入調査やなんかしておるのですよ。それほど重要な問題ですね、この毒物劇物監視というのは。私、厚生白書をちょっと見てみました。厚生白書によりますと、現在その登録されている箇所が五千二百三十七カ所ふえた。これはいつからふえておるかというと、この五年間、五十四年から五十九年までの間のことですが、現在九万六千四百二十七カ所になっていますね。これに対して監視員は七十三人しかふえておりません。そして立入検査はかなりやっておりまして、登録されている箇所に一年に一遍行きます。五十四年には一〇一%を記録しているのですね。だから、全部行って、二回行ったところもあるということでしょう。かなりやっておるのです。またやる必要があるわけです。国民の健康を守るためにはやらなければいけないのです。ところが五十八年になりますと、その監視率が一〇一%から九二%に減ってきています。監視率が減っているにもかかわらず、違反発見箇所というのがこの五年間に千九百十八カ所もふえているという状況です。それで、ふえてどのぐらいになったかというと、違反箇所が一万六千九百九十六カ所になっているのですね。ですから、これを見たって、毒物劇物監視員による立入検査はどうしても必要なことなんです。これからもっとどんどんやっていかなければいけない問題なんです。それにもかかわらずこれを必置規制から外してしまう。私はこれはどうしても納得いかないのですよね。違反件数も、調査の結果どんどんどんどんふえているわけでしょう。それならもっと体制を強化するということの方に力を入れなければならないのに、必置規制から外して、さあ置いても置かなくてもいいですよ、これじゃ全く行政改革というのは何のためにやるのかということですよ。国民の生活、健康、安全、そういうものに大きな不安を与えることになるじゃありませんか。この点いかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 統計とか劇物とか、いろいろ御質問がございますが、これはまさに重要な仕事であることは間違いありません。しかし、さればといって、中央で一定のそういう職名のついたものを置かなければならぬという必要はないではないか。やはりそれは地方の実情に応じて、他職の活用ができるなら他職の活用でいいではないか。しかも類似の仕事をしておる薬事監視員とかたくさんおるわけですから、それらを十分に活用せられたらいいではないか、こういうことで改正をしようということですから、別にあなたがおっしゃるように、毒物とか劇物の監視はこれからやらなくていいよなんて言っているわけじゃ毛頭ないわけですから、そこらは必置規制という特別の職名を持ったものを置かなければならぬという、そこの点と仕事の重要性というものをちょっと混同しておられるのではないかな、私はそういう理解の仕方でございます。
○三浦(久)委員 それは違いますよ。だって、今までは必要性があるから毒物劇物監視員というのを置いておったのでしょう。これは置かなければいかぬことになっているのです。「国及び都道府県に毒物劇物監視員を置く。」置いて、その仕事を専門にさせているわけですよ。ですから、今度は「他職の活用」ということで、薬事監視員のうちからあらかじめ指定する者にやらせる、その者は結局「毒物劇物監視員と称する。」こういうふうに変えているわけでしょう。 それじゃ、何でそんなことを変える必要があるのですか。してもしなくてもいいという法律の建前になっているのですよ。これは法律の改正ですよ。少なくとも内閣でもって決定をして、そして国会に提案をして国民の代表者である我々がそれを審議するという法案なんですよ。もっと権威のあるものでなきゃいけないんじゃないでしょうか。何で必置規制から外さなければならないのか。必ず置かなければならない必要性があるから今まで置いておったのでしょう。それを今、仕事量はふえる、違反者はどんどんふえる、だからもっとこれから仕事を充実してやっていかなければならぬというときに、何もわざわざ、いや置いても置かなくてもいいですよ、他職の活用ですよ、そんなやり方というのはないと私は思うのです。 例えば、この毒物劇物監視員というのが少ない、それだから結局薬事監視員の方からも他職の活用で補っていこうというのならわかりますよ、それなら私はわかる。そうじゃないんだ。今まであるものをやめちゃうんだ、必置規制から外しちゃうんだ、そして薬事監視員で他職の活用でやらせる。じゃそれも必ず指定してやらなければならないかというと、そうじゃない、必要があればやればいいというだけの話。それじゃ余りにも、法案というのを出してくるという場合にはそれなりの必然性、これをどうしても変えなければならぬという必然性があるから出してくると私は思うのですね。そういう必然性というものは全くないのですよ、私に言わせると。むしろ全く今の行政、今の毒物劇物行政ですか、そういうものと逆行するような法案になっているというふうに思わざるを得ないわけですね。これはもう幾ら議論してもしようがないですから、次に移りますけれども、私はこういうものは、やはり今までどおり国民の健康、生活を守る、そういう意味から、今までどおり必置規制にして、国民に不安感を与えないようにすべきだということを申し上げておきたいと思います。 それから次は、これもやはり国民の健康、命に重要な問題があります。これも行政改革という名前でやられているのですが、国立病院・療養所の統廃合の問題ですよ。これは私は大変重要な問題だと思いますね。 さっきもちょっとお話が出ていましたけれども、三百床を基準にして統廃合を検討する。統廃合と言えば聞こえはいいけれども、廃止じゃありませんか。たまに統合するのもあるかもしれぬ。しかし廃止ですよ。三百床のベッドを持っている病院といったら大病院ですよ。東京でだって大病院でしょう。ましてや地方に行ったら大病院です。例えば三百床のベッド数を持っている病院が倒産したなんと言えば、これは地方新聞のトップニュースでしょうね、社会的大事件ですよ。そういう病院や療養所というものを今度ずたずた廃止してしまおうという、そういう計画がこの前出されておるのですよね。それが三月二十八日に出されている厚生省の「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」というものなんです。 総務庁長官、現在この国立病院とか国立の療養所というのは二百五十三ございます。そしてベッドは九万床ですね。ですから非常に国民に、そしてまあ国立病院だということで国民から大変信頼を受けている。そういう意味では地域医療の中核的な医療機関として存在しているものなんです。そういうものを統廃合してしまうというわけですね。これはもう私には驚きとしか言いようがない。これが行政改革なんですよ。私は、これこそまさに反国民的なものの典型的なものだというふうに言わざるを得ないと思うのです。それで結局は、国立医療機関の機能というものを拡充するんだ、充実させるんだ、だから統廃合するんだ、そんな理屈なんですよ。まさにスクラップ・アンド・ビルドなんです。ビルドの方は努力目標。スクラップの方だけは確実にやっていこうという、そういう計画がこの基本方針じゃありませんか。 厚生省にお尋ねしますが、こういう統廃合とか、また自治体等に移譲をする、その検討対象になる医療機関、これは二百五十三のうち幾つぐらいになりますか。
○羽毛田説明員 お答え申し上げます。 先ほどの先生のお尋ねにも申し上げましたとおりでございますけれども、今回厚生省が、この国立病院・療養所の再編成問題を取り上げようといたしました趣旨は、やはり今日の厳しい条件のもとで、国立病院・療養所がそれにふさわしい機能を充実していくためには、国立機関の役割を見直しまして、充実すべきものは充実する。しかしその一方で……(三浦(久)委員「ちょっと、質問は検討対象は幾つかということだ。あなたの今言いたいことは後で聞きますから」と呼ぶ)余分なことを申し上げまして、失礼いたしました。 検討対象という意味合いでは、六十年度に具体的にそのリストアップをするというのが、閣議決定をされたスケジュールになってございますので、今日のところでは何カ所を廃止するということにはなってございません。これからの検討の結果として出てまいることになるわけでございます。 なお、先ほど三百床未満という形でのお話がございましたけれども、この箇所数を申し上げますと約百十三ということが数としては今ございますけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、三百床というのは統廃合の場合の一つの目安としてやっておりますから、この百十三が直ちに検討対象になるという性格のものではございません。
○三浦(久)委員 ですから一応、しかし、三百床以下の病院並びに療養所というのは百十三あるということでしょう。二百五十三の百十三というと、これは四〇%以上ですね。四十四、五%になりましょう。大変な数ですよ。約半分近くの国立病院とか療養所というものがつぶされてしまうということ、みんなつぶれるということじゃないでしょう、統合するのもありましょう。それからまた、検討した結果、残すというのもそれは若干出てくるかもしらぬけれども、少なくとも統廃合や移譲の検討対象にはなるわけですよ、この百十三というのは。私は大変な問題だと思います。 それでお尋ねしたいのですが、こういう国立病院とか療養所というのは、今日まで地域の中核的な医療機関として医療を行ってきたのではありませんか。どうでしょうか。
○羽毛田説明員 お答えを申し上げます。 国立病院・療養所につきましては、御案内のとおり、沿革的に申し上げれば、旧軍の病院あるいは日本医療団の病院を引き継いで今日まで運営をされてきておるというのが全体的な状況でございますが、この運営につきましては、私どもその衝に当たる者といたしましては、従来から、できるだけ広域を対象とします高度かつ専門的な医療機関として、政策的な側面で国家全体の役割に資するような方向に持っていきたいということで、医療の面あるいは臨床研究の面あるいは教育、研修といったような面、こういったところでそれぞれの機能の向上ということに今日までも努めてきたことはおっしゃるとおりでございます。 しかし、その中で、今日、一方において他の公私の医療機関というものも随分全体としては整備もされてきたという中で、今日、先般の臨調答申の中でも、国立病院・療養所の機能というものが必ずしも明確でない、あるいは十分でない面があるというような御批判をいただいていることもまた事実でございます。
○三浦(久)委員 ちょっと質問に答えていませんね。今、あなたは、高度医療とか先駆的な医療というものを中心にやってきた、それで私のおっしゃるとおりですと。私、そんなこと言ってないですよ。高度医療も先駆的な医療もやりながら、地域におけるいわゆる地域医療の中核的な医療機関としての機能を果たしてきたんじゃありませんかと聞いているのです。それをあなたは言えないですか。 これはあなたたちが、諮問というのか何というのか知らぬけれども、諮問した懇談会がありますね。「国立病院・療養所の再編成等について」という意見書が出ていますでしょう。この中でだって、「国立病院・療養所が、戦後四十年の歴史のなかで、」四十年といったら今日までのことですよ。十年前までのことじゃないのですよ。今日までのことです。「戦後四十年の歴史のなかで、なんらかの面で地域医療に中心的な役割を果たしてきたことは、否定のできない事実であろう。」と言っているじゃないですか。 〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕 それから、これは五十九年度の厚生白書です。二百一ページ。ここに国立病院と国立療養所の組織図があります。その下に説明がありまして、「高度・先駆的医療及び地域の中核的医療機関としての医療を行うほか、医療従事者の研修・養成並びに開発途上国に対する国際医療協力を行っている。」と書いていますよ。だから高度・先駆的医療だけをやってきたわけじゃないのです。地域の中核的医療機関として医療を行ってきたのです。それは否定されますか。そのとおりでしょう。
○羽毛田説明員 失礼を申し上げました。 今先生お読み上げいただきましたとおり、今日までの歩みの中で、地域医療というものの側面におきましても、国立がそれなりの役割を果たしてきたということについては事実でございますし、そういう中で、中核的な役割というような面に力を入れてやってきた部分もあったことは事実でございます。ただ、今日、そのことにつきまして見直す中で、国の役割あるいは公私の役割を見直して、今日、国にふさわしい役割ということでもう一回その点を、この時点に立ちまして見直して、新たに重点的に整備をする方向を見出していこうというのが今回の再編成のいわば基本的なスタンスでございます。
○三浦(久)委員 ですから、私らは、それがけしからぬと言っているわけなんです。現在も、地域の中核的な医療機関として、本当にその地域の国民から信頼されて、そして立派な医療機関として医療活動をやっているようなものを、もっと充実するためだといってそれをみんな廃止してしまう、そんなばかげたやり方がありますか。 今度の基本方針によれば、この中にまずこう書いていますね。「地域における医療供給体制の中で基本的・一般的医療の提供は私的医療機関」または自治体等にゆだねる、政策的な医療、これは高度・先駆的な医療でしょう。そうですね。がんであるとか循環器であるとか難病であるとか、いろいろあるでしょう。そういう政策的な医療、そういうものを中心にして運営していく、こういうふうになっている。 そうすると、今回の基本方針によって、従来の国立医療機関設置の目的というものは変わったというふうに考えてよろしいのでしょうか。
○羽毛田説明員 お答え申し上げます。 今お読み上げいただきましたところにつきましてはそのとおりでございますが、今回の再編成に当たりまして国立の役割といたしまして考えました場合に、地域の一般的な医療、通常よく見られる疾病等に対する外来医療でございますとかあるいは通常の入院医療等々の側面につきましては、地方公共団体の役割等の側面からも、また今日我が国の医療供給体制が私的な医療機関も参入する中で支えられている側面からいたしましても、そういう部分については極力他の経営主体にゆだねていこう。それで国立は、そういう中で、先ほどお読み上げいただいたような役割、それは高度・先駆という形だけで言い切ることについては問題があろうと思います、それ以外の国策的な医療ということで、基本指針の中ではいろいろ挙げておりますし、また研究とかあるいは教育、研修といったような面についてはすぐれて国の役割として今後も考えていかなければいかぬだろう、こんなふうに思っておりますが、そういった側面を充実をしていくという方向に持っていきたいというふうなことで考えておるわけでございます。 それで、しからばそのことが国立病院あるいは国立療養所の目的を変えることになったのか、こういうお話でございますけれども、この点については、何といいましてもこれは変革を求めておるという意味合いにおいてはそのとおりでございますけれども、言ってみれば、力点の置きどころを国の医療機関のあり方として変えていくという変革をしようとしておる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○三浦(久)委員 それは理解できませんよ。そんなこと、理解できません。なぜ現在、地域の中核的な医療機関として立派な仕事をしているそういう国立病院とか療養所を廃止しなきゃいけないのですか。何で自治体に移譲しなきゃならないのですか。その点もう一回はっきりおっしゃってください。どうしてしなきゃいけないのですか。相手は病人なんですからね。三百床もあって三百人も入っているそういう病院をつぶすなんて、そんなことをあなた、一体常識でできるものですか。何を考えているのかと言いたいですよ。どうしてこれを廃止しなきゃいけないのですか。
○羽毛田説明員 お答えを申し上げます。 今日、国の役割というものが全体について非常に厳しく問い直され、選択と優先度が非常に厳しく問われている中で、やはり全体的に資源の重点投下という形でいかに効果を上げていくかというその視点は、私どもの中でもこれは決して捨ててはならない視点として要求をされておるわけでございます。 そうした背景の中で、国立が国立らしいことを、今後国立にふさわしい体制をより充実していこうというふうに考えますならば、やはり地域の一般的な医療につきましては、住民福祉という観点からも地方自治のあり方という観点からも、できるだけこの地域に近い市町村あるいは都道府県という形が一般的な医療の側面ではこれを支えていただく。もちろんその前提としては、私的な医療機関によってこれらを支えるという体制があるわけですが、そういう形で役割はそちらにできるだけゆだねて、貴重な国家の資源というものを、国立の医療機関につきましてはそれにふさわしい体制に注いでいきたい、こんなふうなことで今回取り組んでおるわけでございます。
○三浦(久)委員 全くあきれ果てた方針だと言わなければならないですよ。 今あなたは、国立病院や療養機関としての機能をうんと充実していくんだ、それにふさわしい国民に役立つものにつくりかえていくんだ、こうおっしゃっているわけでしょう。それは結構です。地域医療もやり、そしてなおかつ、普通の医療機関ではできないような不採算部門とかいろいろありますね、そういうもの、いわゆる高度医療、それからまた先駆的な医療、難病、そういうようなものにまた国立機関が取り組んでいくというのなら、それはそれで話はわかりますよ。そうじゃないんだ。それを口実にして、あなたたちは百十三の三百床もベッド数を持っている病院や療養所を廃止の検討対象にしよう。今の方針だと恐らく廃止されてしまうでしょう。それが私はけしからぬ。何で国立療養所や病院の機能をそれにふさわしく充実するために百十三も廃止しなければいけないのですか。結局は金の問題でしょう。金の問題じゃないですか。あなたたちの指針にも書いてありますよ。「今後国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていかなければならない。しかし、国立病院・療養所の機能、要員等の現状及び国家財政の長期にわたる窮迫等を考えると、国立医療機関として維持すべき施設について機能強化を図るなめには、その一方で、統廃合又は他の経営主体への経営移譲が適当と考えられる」、そして「計画的に統廃合等を実施することが不可欠である。」、何が不可欠ですか。要するに金を出したくないということなんですよ。 また、この懇談会の意見書もそういうことを言っていますね。しかし、何回も言うけれども、今百十三もある、それも三百床もある百十三の施設、一つの施設で三百床もベッドを持っているそういうものを、金がないから、金が惜しいからといってどんどん廃止していく、それが行政改革ですか。これは私に言わせると、反国民的ですよ。 それで、総務庁長官にお尋ねしますが、これは参議院でも内藤議員から質問されていますね。四国からも来ているぞというようなことを言われておられましたけれども、地方自治体が反対の決議をしています。あちこちでやっています。あれからまたふえているのです。どんどんふえているのですよ。あのときは七四%ぐらいの自治体だったでしょう。現在は、全国の自治体が三千三百二十五ございますけれども、そのうち二千五百五十九です。七七%になっている。これはもっとどんどんふえていくと思いますけれども、決議というものは全会一致ですからね、一党でも反対したらやっておりません。全会一致なんです。自民党も、そして社会党も公明党も民社党も共産党も全会一致です、もちろん無所属も多いですが。全部この決議に賛成をしているわけですね。だから、そういう意味では、この国立療養所や病院を地域の中心的な医療機関として残してほしいというのは、私は国民的なコンセンサスだと思うのですよ。こういう国民の意思を尊重することこそが本当の政治だと私は思いますが、いかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 行政の改革というのはやはりいろいろな面からの反対意見が当然出るわけでございますが、それらに謙虚に耳を傾けなければならぬということは当然のことであろうと私は考えておりますが、同時に、それに流されては改革はできないということもまた一つの事実であろう。これは一般論でございますね。 で、御質問の国立病院の統廃合の問題は、今厚生省の羽毛田君からるる御答弁を申し上げておりましたように、やはり今の国立病院なり療養所の配置というものが旧陸海軍の病院をそのまま受け継いでおるといったようなことで、配置その他必ずしも私は適切にいっているとは思いません。それが一つと、もう一つは、なるほど地域医療に役立っておることも事実でございますが、やはり国立病院というものの機能というものはいかにあるべきか、政策医療あるいは高度医療、難病治療、こういったような面にやはり純化していく必要はあるだろう。そして、それ以外の普通の一般的な医療については、これは今日自治体病院等もあるし、それからまた、同時に民間の医療機関も随分発達してきておりますから、それらはそれらにゆだねていく。つまり一つの役割分担とでもいいますか、そういうような形で、できる限り国立病院というものは国立病院にふさわしい役割を持たせよう、こういう意味合いから私は今日の統廃合問題が起きているもの、かように理解をしているわけでございます。 〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○三浦(久)委員 今地域的な偏在というようなことを言われましたけれども、そういう地域的な偏在をなくすためにこういう再編成が行われているんじゃありませんですよ、長官。これは「基本指針」を見ればはっきりしています。そんなことじゃないのです。後者のいわゆる高度医療であるとか先駆的な医療、それに限定してしまおう、地域医療というのはちょっとつけ足しにできる範囲でやろう、そういう方針に切りかえつつあるわけですね。そこが私は問題なんです。国立医療機関としての機能を充実させていくということに我々は反対しておりません。高度医療もやってそしてまた先駆的な医療もやる、それは国民のそういう医療要求にこたえることですから。しかし、だからといって百十三もあるそういうものを廃止するというのはどういうことなんだということなんです。これは十年計画でやっていくのですね。十年かけてやっていく。十年かけてやっていくなら、むしろ今ある二百五十二の国立病院とか療養所を十年間でもっていかに全体として充実させていくのか、そこのことを考えるべきではありませんか。それは確かに国立病院とか療養所の中で高度医療とか先駆的医療、そういう要求に十分にこたえられていないようなところがもちろんありますよ。だから、それはこたえられるように国が厚い保護をして成長させていったらいいじゃないですか。それを、まさに一部分の病院とか療養所だけにそういう先駆的な医療をやらせるんだ、あとはみんな廃止だ、これじゃ全く国民は泣くに泣けないと思うのですよ。医療の問題にしても、国民の生活、健康、今、こういうものを守るためです。私らの反対にもかかわらず軍事予算がどんどんふえていますけれども、それは政府だって、軍事予算をふやすのは国民の生活とか生命とか健康とか安全とか平和とか、そういうものを守るためなんだ、こう言ってふやしているわけでしょう。軍事予算をもっとふやしてくれという要求がありますか、地方議会の決議がありますか、ありませんでしょう。私は聞いたことがない。それは財界の陳情は大臣あたりにあるかもしれないけれども、一般の国民から軍事予算をふやしてくれというような要求、陳情はないと思う。議会の決議もないと思う。あるのはアメリカの圧力だけでしょう。そうであれば、これだけ多くの国民が残してほしいというものを、それもただでやっているわけじゃないのです、療養所だって病院だってみんな収入は上がっているのですよ。それは若干の赤字にはなっています。確かに特別会計に一般会計から千二、三百億ですか出ていますけれども、ただでやっているわけじゃないのです。それを残してほしいという要望に何でこたえられないか。アメリカの方を向かないで、私は国民の方を向いた政治をやるべきだというふうに思うのですよ。これは長官、どうしてもやる腹ですか。
○後藤田国務大臣 十分厚生省で御検討なさって、政府としてはやらせていただくつもりでございます。 三浦さんのお話を聞いておれば、一般論として、何といいますか、医療の問題あるいは福祉の問題、これは大変重要でないか、これはよくわかるのです。それはそのとおりなんですよ。しかし、それだって効率化すべき面は効率化しなければならぬ面があることもこれまた事実ですよ。だから、そこらはやらなければならない。 ただ、軍事予算云々になると、残念ながらあなたと僕は意見が違うのです。あなたのところへ聞きにくる人は恐らく軍事費けしからぬという人ばかりでしょう。私は、ともかく選挙をやっていますから、随分全国各地を歩きます、私の選挙区はもちろんのこと。そうしますと多くの人は、先生、このままでいいのですか、戦後四十年、少し平和、安全になれて、平和を守るというためにはそれなりの国としてのやはり犠牲というものも払わなければならぬのじゃないですかという議論の方がむしろ多い。私はかように考えて、そういう受けとめ方でございます。もちろんそれに限界はございますよ。そう簡単に軍事予算をどんどん伸ばしていいというようなことは私は考えておりませんが、しかし同時に、あなたがおっしゃるように何でもかんでも、大財閥奉仕であるとか、軍事偏重である、けしからぬなんというのは、これは少し硬直した議論ではないのか、私はさように考えます。
○三浦(久)委員 硬直しているのは長官の方だと私は思うのです。長官自身がいろいろ国民と接触して、ほとんどの人が軍事費をもっとふやせと言う、そんなことはありませんよ。この前、もう二年ほどになりますか、NHKの世論調査がありましたね。ここだって、軍事予算の拡大を望まないというのは七十何%かありましたよ、ちょっと細かい数字は忘れましたけれども。ですから、あなたはあとの二十数%の、そのうちの一部分の人だけと会っているということですよ。長官のような考えたから、今度の五九中業の問題でも、加藤長官が、金がないのにパトリオットを導入するとか、それからまたオーバー・ザ・ホライゾンをまた導入するとか、何か好き勝手なことを言っているじゃありませんか。あんなことを許さないで、P3Cを一機か二機減らすとかF15を減らすとかすれば、このくらいの金は出てくるのじゃありませんか。もっと国立療養所や病院を拡充強化するという費用は、十年計画でやれば私は十分に出てくるというふうに思います。どうしても長官がこのことをやるというのであれば、我々はこれは反対でありますから、もう多くの国民世論を結集して、世論の力でこういうことは許さぬ、そういう闘いをこれからやっていきたいと思うのです。 それで、そういう意味では「基本指針」なんですが、ここも大変たくさんの反対が予想されるということで、結局この「患者への配慮」ですね。「患者への配慮」、「再編成によって患者の診療に支障を来さないよう、統廃合後の受診先の確保、福祉施設との連携等に配慮するものとする。」とか、全くひどい話ですよ。それから「職員への配慮」だとかそういうようなことを言われているのですね。もうかなり強い抵抗があるということは承知の上でやっているのです。 私はお尋ねしたいのですが、ここで職員の問題で、「職員の身分、勤務条件、給与処遇等に関する事項について十分配慮するものとする。」こうなっています。そしてまた、職員についての協力と理解を求めるというようなこともあるのですね。協力と理解を求めるというのは、一方的に自分たちの考えを押しつけて、それに協力させる、理解させるということですね。これじゃ私は本当に広範な人々の意見を聞いたことにならぬと思うのです。特に医療従事者というのは毎日毎日患者さんに接触している人たちですから、そういう人たちの団体と、職員団体とこれを実行するに当たって十分に協議をすべきだというふうに思いますが、いかがでありましょうか。
○羽毛田説明員 お答えをさせていただきます。 この再編成の問題、一方において、先ほど来のお話がございますような地域との関係あるいは患者さんとの関係あるいは私どもの施設の職員との関係、いろいろな面で克服すべき課題がいろいろある問題であることは十分承知をいたしております。 そういう意味合いにおきまして、今御指摘のございました職員団体あるいは地方公共団体等も含めまして、特に職員団体についてのお話でございましたけれども、これにつきましては十分な意思疎通を図るように今後も努めてまいりたい、こんなふうに思っております。
○三浦(久)委員 話し合いというのではなくて協議しますか。協議はしませんか、しますか。
○羽毛田説明員 厳密な言葉の定義の問題はあろうかと思いますけれども、やはり私ども同じ国立に携わる管理者と施設の職員という間でございますから、十分な話し合いを持たせていただきたいと思っておりますけれども、しかしながら、物事を進めていくときに両者の合意がなければこれはできないとか、そういうようなことになりますとなかなか難しい問題もございますので、そこは先ほど申し上げました十分な意思疎通、あるいは話し合いということを十分やっていきたいということで進めてまいりたいというふうに思っております。
○三浦(久)委員 この統廃合の対象になる病院や療養所ですね、九州を私はちょっと調べてみたのです。これはかなり多いですね。そのために自治体の反対決議も非常に多くて、大分県、宮崎県、沖縄県の三県は、これは一〇〇%であります。すべての地方自治体が反対の決議をしています。それで、九州全体では九三・三%が現在段階で反対決議をしているわけですね。 私の選挙区の問題で恐縮ですが、田川に田川新生病院というのがありますね。これは現在結核病床が百五十あります。そして一般の病床が八十です。ですから計二百三十床あるわけですね。こういう病院もやはり廃止ないしは移譲の検討対象になるのですか。結核をやっていますけれども。
○羽毛田説明員 お答えをさせていただきます。 事実関係として、現在先生からお話のございました国立療養所田川新生病院が、医療法のベッド数で二百三十、現在運営しております病床数で申しますと百二十床でございますけれども、そういう病床数であることは事実でございますし、そういう意味合いにおきまして、先ほど百十三と申し上げた数字の中に入っていることもまた事実でございます。 ただ、先ほど申し上げましたとおり、三百床というものにつきましてはおおよその一つの目安としてこれを考えていくということでございますので、したがって、この田川新生病院が具体的にこの統廃合、六十年度の再編成問題の具体論の中でどのようになるかにつきましては、今後の検討ということでございまして、今のところまだ具体的にどうするということを決めておるわけではございません。
○三浦(久)委員 ここは結核の病棟が百五十床でしょう。そうすると、あなたたちが言っているいわゆる政策的な医療をやっているところなんですよ。だから、確かにここでは機械的に三百床というものを適用するのじゃない、弾力的に考えていく、それは政策医療の内容等々を検討しながら考えていく、こう言っていますね。しかしそうはいっても、百五十の結核病床があり、一般が八十というようなそういう病院までこの百十三の中に入っているんだ、廃止の検討対象だというのでは、ちょっと何かあなたたちの方針とも違うのじゃありませんかと言いたいのですが、どうでしょう。
○羽毛田説明員 お答えを申し上げます。 今医療法の許可病床で、田川新生病院の場合に結核百五十床、確かに許可病床をとっております。ただ現在、結核は相当減っておりますから、実際の運営ですと、結核関係は今五十そこそこぐらいの入院患者数になってございますけれども、それはともかくといたしまして、いずれにしても結核はこれに入っております。 それでもう一つ、先ほどお話のございましたとおり、今後の国立の役割というものの中で結核の医療をやっていくことについては、今後とも政策医療として国の、国立の役割というもので考えていくということもそのとおりでございます。しかしながら、その結核の医療をどのような体制でやっていくかということにつきましては、やはり一面において、医療の側面をも含みをした、あるいは経営の側面も含めましたいかに効果的な体制でやっていくか、効率的な体制でやっていくかというような視点も一面において考えていきたいと思っておりますので、そういう意味では、結核を今後ともやる、その結核の医療をどのような体制あるいはどのような施設の組み合わせによってやっていくかという点については、六十年度の宿題として残っておるということでございます。 したがいまして、その意味では、田川新生病院につきましても、現在のところ、ただ、今現在結核をやっているからということだけで逆にこれを残していくという確実な方針が決まったわけではございませんし、逆にこれを廃止する、あるいは統合する、あるいは経営移譲するという方針が現在決まったわけでもございません。そういう意味では、それを含めてこの六十年度の作業として検討いたしておるということでございます。
○三浦(久)委員 だから、大変な不安定な状態に今置かれているということですよね。患者さんたちも本当に心配しておるだろうと私は思います。 私、地元から話を聞いたんですけれども、この病院を地方自治体に移譲しよう、そういう動きがあると聞いたんですが、そうですか。
○羽毛田説明員 先ほどお答えを申し上げましたとおりでございますが、現在のところ、田川新生病院という具体的な名前を腹固めをいたしまして地方へ移譲しようとか、そういう形での方針決定をいたしたわけではございません。 しかしながら、先ほど申し上げましたように不安定な状態ということでの御指摘をいただきましたけれども、今国立病院・療養所をみんなまないたの上にのせて検討いたしておるところでございますから、そういう意味での全体の検討の俎上にはのっておるということでございます。
○三浦(久)委員 自治省にお尋ねしますが、赤字の病院だからといって、だから地域医療は自治体の責任だ、県や市町村の責任だ、こういうようなことでこの移譲をさせられるということはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○石田説明員 お答えいたします。 先ほど管理課長から答弁ありましたように、厚生省は、せんだって決められました「基本指針」に従って、これに基づいて昭和六十年度から、再編成の対象となる施設について具体的なリストアップの作業に入ると聞いております。 国立病院・療養所の再編成自体の問題は厚生省の所管でございまして、自治省としては深く立ち入る立場にはございませんが、もし仮に一部施設を地方団体に経営移譲するという問題が出てくる場合には、地方財政の状況、それから自治体病院をめぐる経営状況といった問題がございますので、移譲の対象がリストアップされ、私どもの方に提示された段階で厚生省と十分協議していきたい、かように考えております。
○三浦(久)委員 十分協議して引き受けるのですか。あなたは参議院で内藤議員の質問にはそう答えていませんね。そういうことは困るというふうに答弁されていますよ。どうですか。議事録ありますから、読み上げましょうか。
○石田説明員 私たちのこの国立病院・療養所の再編成の問題に対する基本的な考え方は、前にも答弁しておると思いますが、国及び地方団体を通じて行政の簡素効率化を図るという行政改革の基本理念に沿って進められるべきである、単に国の財政負担の軽減を図るため地方団体に経営移譲することのないようにすべきであるということが基本理念でございます。この基本理念に立って、今具体的に対象病院がリストアップされた段階で、十分我々としては、今後の経営状況の問題等ございますので、厚生省と十分協議をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○三浦(久)委員 厚生省にお尋ねしますが、自治体にこれを移譲するということで話し合いますね。話し合った結果、とても引き受けられぬということになる可能性が強い、特に筑豊の場合は。田川市郡なんというのはどこだってみんな赤字ですから大変な財政困難に陥って、もう赤字財政団体になっているところがいっぱいあるわけですから。またいわゆる旧産炭地としての傷跡がいえていないのですよ。生活保護者だって非常に多い、失業者だって多いところでしょう。そういうところで、国が赤字だからおれはやるのは嫌だからおまえさん引き受けなさいといったって、地方自治体は引き受けないと私は思うのです。引き受けなかった場合、そういう場合つぶすのですか、どうするのですか。
○羽毛田説明員 先生、今、国の赤字だということで地方に押しつけるのではないかという視点からのお尋ねがございまして、それを引き受けなかったらつぶすのか、こういうお尋ねでございましたけれども、私ども国立病院・療養所の再編成を進めておりますゆえんは、やはり国なり分あるいは民間の役割分担の上に立ちまして、国がやるにふさわしいところは充実をしていく、その一方で、先ほどの経営移譲の側面で申しますと、他の経営主体がやっていただくのが適当だと考えられる部分については、これを経営移譲ということで検討していくということでございます。 当然のことながら、これはいわば相手のある話でございます。したがいまして、相手方が仮に地方公共団体といたしますならば、その地方公共団体の最終的な御理解をいただかなければ、これは経営移譲しようと思ってもなかなか進まないことは事実であります。そのために、この十年という長い年月の形の中で理解を求めていくような努力をしたいと思っております。それが得られなかった場合の対応につきましては、これは全体の中でどうしていくか、先ほどの役割分担論なりあるいは国としての病院として残していく場合のその病院の行く末について、国の機関としてどうかということのあれを含めてさらに検討を重ねなければならないということになると思います。
○三浦(久)委員 結局はどこも引き受け手がなければ廃止してしまうという運命じゃありませんか、この「基本指針」に従えば。どこの地域の医療機関でもそれぞれの長い間の歴史というものを持っているのです。特に筑豊の場合には、特にこの田川新生病院の場合には、炭鉱労働者はもう本当に、あの傾斜生産の時代から働いて働いて働き抜いて、そして結核になったり何かして、今は結核は少なくなっているけれども、そういういわゆる戦後の傾斜生産の時代に働いた、そういう人たちは年をとっておりますよ。じん肺あるいはけい肺、そういうものになっている、そういう人たちだってたくさん入っているのですよ。そういう人たちに対する医療の責任というものをどう考えるのか。一般的な問題じゃなくて、やはり自分たちの責任を二重に回避するものだと私は思うのです。 特にこの筑豊の場合にはどうなっているかといえば、国の政策でもって石炭産業がつぶされる、その打撃からまだ立ち直っていないという状況の中、ですから自治体が引き受けるなんという状況にはないわけです。そしてまた労働者も、そういうように石炭産業に働いたその後遺症として今病気になっている、そういう人たちに対する医療の責任というのを放棄するなんということは、国としては許されないことだと私は思うのです。これは何も田川新生病院の問題だけじゃなくて、それぞれの地域の病院はみんなそれぞれの歴史を背負っていると私は思うのです。そういう意味で、それを三百床を基準にしてはさばさ廃止してしまう。こんな反国民的・非人間的なそういう計画というものは、絶対にやめてもらいたいと私は思うのです。やめると言ったって「うん」と言いませんから後藤田長官には質問はしませんけれども、ぜひ計画をもう一回練り直すということを私は強く要求して、質問を終わりたいと思います。
○中島委員長 次回は、来る三十日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時九分散会