地方行政委員会 第18号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/06/20
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。古屋自治大臣。 ————————————— 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法 律案 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○古屋国務大臣 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 この法律案は、高齢化社会の到来等社会経済情勢の変化に対応し、公的年金制度の長期的安定と整合性ある発展を図るため、公的年金制度の一元化等の改革の一環として、地方公務員等共済組合法に基づく長期給付についても、基礎年金制度を適用するとともに、給付水準の適正化を図る等の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、給付の通則に関する事項についてであります。 長期給付の種類は、退職共済年金、障害共済年金、遺族共済年金等とすることとしております。また、その給付額は、平均給料月額を基準として算定することとしております。 第二は、共済年金の給付の内容についてであります。 年金額につきましては、厚生年金相当部分の額と職域年金相当部分の額を合算して年金額といたしております。 次に、退職共済年金については、組合員期間等が二十五年以上である者が、退職した後に六十五歳に達したとき等に支給することとしております。なお、受給資格期間等については、必要な経過措置を講ずることとしております。 また、当分の間、退職共済年金の受給資格期間を満たしている者が、六十歳に達した後に退職したとき等には、退職共済年金の特別支給を行うこととしております。 さらに、支給開始年齢につきましては、現行の経過措置を短縮することとしております。 障害共済年金については、組合員である間に初診日のある傷病により、障害等級に該当する程度の障害の状態になったときに支給することとしております。 遺族共済年金については、組合員、退職共済年金の受給権者等が死亡したときに、その遺族に支給することとしております。 このほか、地方公共団体の長について、従前の取り扱い等を勘案した特例措置を講ずることとしております。 第三は、給付に関するその他の事項についてであります。 退職共済年金等の年金額の改定につきましては、消費者物価指数による自動改定とすることとしております。 また、退職共済年金等の受給権者が厚生年金保険の被保険者等となったときは、その間、その者の給与所得に応じ、年金額の一部の支給を停止することとしております。 さらに、受給権者が複数の共済年金の給付または他の法律に基づく年金である給付を受けることができる場合には、原則として、その選択する一の年金を支給することとしております。 第四は、既裁定年金に関する事項についてであります。 既裁定年金につきましては、その額をいわゆる通年方式による年金額に改定することとしております。この場合において、改定後の年金額が従前の年金額より少ないときは、従前の年金額をもって改定後の年金額とすることとしております。 第五は、費用負担に関する事項についてであります。 長期給付に要する費用は、組合員と地方公共団体等が折半して負担することとし、公的負担の額は基礎年金拠出金の三分の一に相当する額とすることとしております。 第六は、団体組合員に関する事項についてであります。 団体組合員につきましては、新たに、地方公務員等と通算措置を講ずることとするほか、地方公務員に対する措置と同様の改正を行うこととしております。 第七は、地方議会議員の年金に関する事項についてであります。 地方議会議員の年金につきましては、国会議員の互助年金の取り扱いに準じ、高額所得停止制度の導入及び支給開始年齢の引き上げを図る等の措置を講ずることとしております。 最後に、組合員等についても基礎年金制度を適用することとし、この法律により国民年金法等を改正する等所要の措置を講ずることとしております。 以上が、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○高鳥委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○高鳥委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。平林鴻三君。
○平林委員 ただいま趣旨説明を伺いました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきますが、この法律案は、いわゆる年金制度の改革の一環をなすものであります。 ところで、最近社会問題として新聞等に大きく取り上げられておりますし、また犯罪事件として警察庁でも捜査に当たっておりますいわゆる豊田商事事件であります。この事件は、年金生活にかかわりのある方がたくさんあるという話でありますし、この際、法案の内容の質疑に入ります前に、豊田商事事件につきまして、国家公安委員長及び警察庁当局に対しまして若干の質問をいたしたいと存じます。 豊田商事グループなる企業が、金やレジャー会員権のいわゆる現物取引を種にしまして、現物取引と言いながら現物を客に渡さずに、預り証券なるものを客に渡すという豊田商法なるものを編み出して、多くの人たちから金を集めていた、このいわゆる豊田商法が社会問題として取り上げられ、同時に刑事事件としても捜査が進行しておりましたが、そのさなかに、豊田商事の永野一男会長が、六月十八日の夕刻に大阪市内の自宅で二人の男に殺害されるというまことに衝撃的な事件が起こった、しかもその殺害事件は報道陣が詰めかけておるいわば衆人環視の中で起こったということで、まことに驚くべきことであったわけであります。 この豊田商法というものについては、詐欺まがいのやり方について、これに対して取り締まりの方法がないのか、あるいはまた被害者救済の方法がないのかというような問題が従来から厳しく提起をされ、国会でも論議をされておったところであります。そのさなかに中心人物が惨殺されるという事態が発生をいたしたわけでありますが、このような事態にかんがみまして、従来の警察の捜査が遅きに失したのではないかという指摘が巷間あるようにも思います。例えば既に証拠の隠滅が図られておって、一体何をしておったんだというような話まで伝わってくるような事態でもありますし、また中心人物である会長が殺害されるというようなことは、警察側の監視、警戒が甘かったのではないかというような話もあるわけであります。 今日までの捜査状況、まだ捜査進行中でありましょうからその詳細を公にすることは難しいかと思いますけれども、今日までの経過なり捜査状況について、この際警察庁当局から報告をいただきたいと思います。また、公安委員長からこの事件に対する所信と今後に対する方針を明らかにしていただきたいと存じます。
○中山政府委員 先生御指摘の豊田商事グループの事案につきましては、警察に対しましても住民からの相談等これまでに数百件寄せられている、ほかのところにも苦情、相談が寄せられているということでございまして、そこで、かねてこのグループの商法につきまして実態を把握し、犯罪行為となるような事態があれば捜査をして厳正に対処する、こういう方針でまいったところでございますが、その過程におきまして兵庫県警察で外国為替及び外国貿易管理法違反の事実をつかみまして、これにつきまして、先週の土曜日、十五日と今週の月曜日、十七日の二回にわたり外為法違反で捜索をして、目下その分について捜査をしているところでございますし、その他の点について全国の警察で鋭意調査を進めている、こういう段階でございます。
○古屋国務大臣 まず豊田商事の永野会長の殺害事件について私の所感を申し上げたいと思いますが、まことに残念な事件でございます。白昼衆人環視の中で強引な手段でマンションに侵入いたしましてこういうような殺人を行ったことは、まことに凶悪犯罪で法治国家としては許せないことでございまして、警察といたしましても犯行の動機、背後関係の有無等を現在厳しく追及をしておりまして、早期に事案の真相を解明すべく全力を挙げておるというふうに私は聞いております。 先般の本委員会におきまして、委員の御質問に対して豊田商事に対する私の態度を述べましたが、私は、豊田商事のような老人を対象とし、弱い者に対するこういうような事件につきましては、あらゆる法規を活用いたしまして積極的、慎重に対処するということを申し上げましたが、その間においてこういう殺害事件が発生しましたことは、まことに残念でなりません。 また、現在までの捜査と対応の問題でございますが、外国為替及び外国貿易管理法違反の疑いで捜査を実施するなど所要の措置を行っているのでございますが、今後とも私はこの実態の解明と厳正な法の運用にっきまして、警察庁として最善の努力をなすように指導をしてまいりたいと思っております。
○平林委員 ただいま警察庁当局並びに国家公安委員長から説明と見解の御表示がありましたが、公安委員長のお考えには私も同感であります。まことに残忍な事件が発生をした、そういうことに対してこれからも厳正な態度で臨んでいただかなければなりませんし、また豊田商事事件の解明には全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。現在進行中の事件でありますから私どもも今後を見守りたいと思いますが、一日も早い処理を要望をいたしておきます。 次いで共済組合法の関係の質疑に入りたいと存じます。 このたびの年金制度の改革は、いわば共済制度始まって以来の大改正であると思います。公務員の年金制度というのは恩給時代から続いた歴史を持っておるわけでありますから、我が国の公的年金の歴史の中では最も長い経過のもとに続いてきた年金であります。昭和三十七年に共済制度が発足をいたしまして大改正が行われたわけでありますが、今回の改正は三十七年の制度発足以来の大改正と申してよかろうかと思います。社会経済状態の変化に応じ、二十一世紀に向かっての改革だというふうに考えるわけでありますが、若干詳しくこの改正を必要とする理由につきまして伺っておきたいわけであります。 既に本会議等におきまして説明が行われ、答弁も伺っておりますが、委員会におきまして改めて大臣から、この改革の必要性につきまして伺っておきたいと思います。
○古屋国務大臣 高齢化社会の到来を控えまして、各年金制度ともに、程度の差はございましても成熟化が進みまして、このままでは年金財政の将来が極めて憂慮される。と同時に、保険料が負担の限界を超えまして、現役世代と受給世代との間に大きくバランスが崩れるというような問題が予想されます。したがいまして、公的年金制度全体の長期的安定と整合性ある発展が確保されるということを目標といたしまして、年金制度全般にわたりまして見直し、改革を推進することが極めて重要な課題であると思います。 国民年金、厚生年金、船員保険制度につきましては、さきに改革法が成立いたしまして来年の四月から実施されることとされておりますが、御審議をお願いしております各共済制度の改革も同じ趣旨に沿ったものでございまして、公的年金制度の一元化の観点からも早期成立、早期実施が必要であると考えましてこういうような改正を行った次第でございます。
○平林委員 改革の必要性というのは、大臣の御説明によりますと高齢化社会に備えるということでありますが、結局これからの年金制度というものは、年金の支払い財源がたくさん必要になってくる、その支払い財源がたくさん必要になってくることに応じて、これを負担する側の、いわば若い人たちの負担の上昇というものは避けられないという前提があるわけであります。ただ、これが非常に大きな負担になることも避けなければいかぬということからこういう発想が出てきたものだと思うのであります。 今回の制度改正というものは、そういう負担と給付との均衡というものを考えた制度改正であろうと思いますけれども、基本的にそのあたりの折り合いといいますか、そういうものはどこら辺が適当だということでお考えになったのか、基本的な制度改正の考え方、組み立ての基本的な考え方をお聞かせをいただきたいと存じます。
○古屋国務大臣 今先生のお話のように、高齢化社会の到来など社会経済情勢の変化に対応いたしまして、公的年金制度の長期的安定と整合性ある発展を図るために、地方公務員の共済制度につきましても、まず、先般国会で成立いたしました国民年金法の一部を改正する法律によって認められました国民共通の基礎年金を導入する、それから将来の給付水準の適正化を図るというほかに、現行公的年金制度の間の制度内容の相違等から生じます種々の議論にこたえるため、そういう点についての解決も図っていきたいということをねらいとしております。 改革に当たりましては、結局公務員の共済年金制度というものは公務員制度の一環であるというふうに位置づけられておりますので、公務の能率的運営に資するという目的を果たすことができますことを基本的姿勢といたしております。 そういうような観点からいたしまして、長期的展望に立って世代間の公平等の問題に対処することが一つ、二つ目は年金財政の長期的安定と組合員の負担の増加を抑制する、三つ目が公的年金制度につきまして整合性ある発展、つまり基礎年金の導入ということであります。それから、公務員制度の一環といたしまして、公務員が能率的運営に当たれるようこれに資すること、新制度への移行はできるだけ円滑に行われること、こういうようなことを制度改革の基本原則といたしたものでございます。
○平林委員 若干細かい制度の内容にわたりますから、以下は公務員部長で御答弁をいただきたいと思いますけれども、公的年金の一元化という話が前から議論になってきておるわけであります。ただいま大臣から基本的な考え方を伺いましたが、その中にも一元化の思想というものが相当織り込まれていて、しかも公務員の特別の事情といいますか、共済組合法の思想の中には公務の能率的な運営という思想が織り込まれるということで、この公的年金の一元化と公務員の特殊性の調和、そういう問題が今回の改正にも織り込まれ、また、将来公務員の年金制度におきましては絶えず議論になることかと思います。この公的年金の一元化と今回の制度改正との関係につきまして、少し詳しく公務員部長から説明を願いたいと思います。
○中島(忠)政府委員 公的年金の一元化というのは最近非常に議論されているわけでございますけれども、先ほど大臣もお話しになりましたが、なぜそれが必要なのかということは、簡単に申し上げますと、年金財政の将来というものを安定的に運営していく、かつ公的年金制度相互の調整といいますか、給付と負担のバランスを保っていくということからそういうことが考えられておるわけでございます。 今までの公的年金制度の改革の経過というものを振り返ってみますと、例えて言いますと、地方公務員の分野におきましても、本委員会で共済組合法を御審議いただきまして、地方公務員の共済組合の連合会というものを発足させていただきました。そしてその連合会で、警察官と教職員を除く一般地方公務員についての財政調整というのをやらしていただくようにいたしましたけれども、大きな目標といたしましては、やはり一元化という目標を据えてそういう連合会というものを発足させていただいたわけでございます。それと同じように国家公務員におきましても、国家公務員の共済組合と三公社の共済組合というものを統合いたしまして現在運営がなされているわけでございますけれども、国家公務員の分野におきましても、そういう一元化に向かっての制度改革というものがなされてきたわけでございます。 それで、今回御提案申し上げております法案というのは、まず基礎年金というものを地方公務員の共済組合の被保険者、またその被扶養配偶者にも適用させていただいて、公的年金制度全体といたしまして基礎的な部分というものを統合していこうというのが一元化に非常に大きな歩みになるということで、こういう法案を提出させていただいておるわけでございます。さらにその基礎年金制度の導入ということだけではなくして、昭和七十年にひとつ一元化しようじゃないかという目標がございますので、それに向けてのステップというものを着実に踏んでいかなければならない、そのためには公的年金制度相互間の給付と負担のバランスというものをできるだけ今から調整を図っていかなければならないというので、今回の法案におきましても、いわゆる制度間格差としていろいろ議論されております問題についてもそれなりの解決策というものを御提示申し上げておるわけでございます。 そういうことで、私たちは公的年金制度の一元化に向けての着実な歩みというものを今始めようとしておるわけでございますけれども、その究極の目的というのは、やはり年金制度というものが安定的に運営できる、そのための歩みでございます。 ただ、そういう中にありましても、公的年金制度それぞれ歴史も異なりますし、その性格も異なる。特に公務員共済におきましては、今先生がお話しになりましたように、公務員制度の一環としての性格を持っておる。公務というのは公正にかつ中立に運営されなければならない。しかも、公務を運営することによって収益性というものが直ちに反映されないという公務の特殊性もございますし、公務員というのは非常に厳しい規律のもとで業務をしなければならない。職務専念義務があったり、あるいはまた労働基本権が制約されておったり、あるいはまた営利企業への従事について一定の制限があるというような、厳しい服務規律のもとで仕事をしなければならないという性格を持っております。 そういうことを考え合わせますと、やはり今先生がお話しになりました公的年金部分としての年金のほかに、職域年金部分といいますか、公務の特殊性に由来する職域年金部分というものをその底に加味させていただいてもいいんじゃないか、そしてそうすることが別段公的年金制度の一元化というものに妨げになるものではない、将来の公的年金相互間の財政調整を仮に行うといたしましても、職域年金部分をこの際設けることによってそれが妨げになるものではない、そのこと自身は他の公的年金制度の皆さん方からも御了解いただけるものだというふうに私たちは考えて、今回の案をつくらせていただいたわけでございます。
○平林委員 基礎年金をいわば一元化のもとにするということ、また公務ということに関しては職域年金という部分を考えるということでこの一元化問題に対処するというお話であります。考え方としてはそういう考え方が成り立っていくものだと思いますが、公的年金の一元化に向けて進むということにはそれ相応の時間を要するものだ。これは年金制度の性格上当然のことであります。昭和七十年に一元化という目標が全体として立ててあるわけでありますけれども、スケジュールをどのように設定しておるか、現在の考え方を聞かしておいていただきたいと思います。
○中島(忠)政府委員 今回御提案申し上げております改正によりまして基礎年金制度というものを適用させていただく、そして給付と負担につきましても、他の公的年金制度をにらみながらバランスを保っていこうということによって一元化への大きな歩みが図られるんだということをただいま御説明させていただきました。そういうことによりまして年金制度の一元化への大きな基礎ができるというふうに私たちは考えておりますが、その後といいますか、この法案が成立いたしました後、どのように公的年金というものの一元化を具体的に進めていくのかという内容とその手順というのは、現在政府部内においても明らかに固まっておるわけではございません。 ただ、大臣からもお話し申し上げましたように、公的年金制度というものの長期的な安定、そして制度間の調整というものを図る見地から、給付と負担、特に給付の面につきましては今回の改正で相当調整されるというふうに考えておりますけれども、負担面につきましてはまだ問題が残っておるのじゃないかという議論がございます。そういう給付と負担面の調整というものをどのように図っていくかということを公的年金制度所管各省が集まりまして、六十一年度以降議論して、その具体的な内容、手順を決めていこうじゃないかということを現在考えておるわけでございます。その最終目標といたしましては、先ほど申し上げましたように昭和七十年というのを目標年度に掲げて進んでいきたいということでございます。
○平林委員 負担面の調整というのは、今公務員部長が説明をされた中でなかなか難しい問題を含んでおるように私も思いますが、とにかく公的年金の一元化を図る中で各年金の組合員の負担の調整ということは実際にはなかなか議論も要するし、また手間もかかることであろうかと心配をしておるところであります。実際に組織の数も相当あるわけでありますし、そこら辺のところにつきましては今後慎重にかつ周密な論議をした上で取り組んでいただくように要望をいたしておきたいと思います。 そこで基礎年金の問題でありますが、基礎年金を導入するということは、先ほど来の公的年金の一元化ということに関してやはり必要なことであるということはもちろんのことでありますが、結局、本人の基礎年金と妻の基礎年金、この二通りの基礎年金をつくっていく、そういうことにつきまして、もちろん同額にしていくわけでありましょうけれども、これまた経過的にはいろいろな手法が必要なものではないかと思いますし、考え方は結構でありますけれども、どういう進め方で基礎年金というものを固めていくか、基礎年金の制度の適用の仕方についてもちょっと伺っておきたいと思います。
○松本説明員 お答え申し上げます。 今回導入いたします基礎年金でございますが、これは従来サラリーマンの奥様、配偶者でございますけれども、サラリーマンの配偶者につきましては国民年金が任意加入ということになっておったわけでございます。今回の法律改正におきましては、そのサラリーマンの奥様の任意加入、特に配偶者といいますと奥様が多いわけでございますが、その任意加入ということが婦人の年金権の上でいろいろと問題がある、またそのことがひいては婦人の地位を不安定にするというようなお話がございまして、今回の改正によりましてサラリーマンの奥様も国民年金に加入していただく。その加入の仕方は、サラリーマンの保険料の中から奥様の基礎年金相当部分も一緒に払っていただく、そうしてサラリーマンの奥様の固有の年金としてこれを確立していくということでございます。 過去の期間につきましては、国民年金法が成立いたしました昭和三十六年以降の施行日までの期間につきましては空期間といたしまして、これを資格期間の中には算入していく、そういうことでもってこの基礎年金制度というものを確立していこう、そういう趣旨でございます。
○平林委員 いろいろな考え方で基礎年金をつくっていくということにつきましては、従来の公務員の年金との違いがあるものですから、どういうことでつくっていくか、なかなか私どもも理解がつきにくい面がありましたが、ここら辺の整理につきまして完成時まできちっとしたやり方でお願いをしたいと思います。 それから、もう一つは、いわゆる官民格差論であります。官民格差論というのはこれからもつきまとっていく問題ではないかと心配をしておりますけれども、現行の公務員の共済年金と厚生年金との比較において常に格差があると言われておって、今回の改正で格差をどうするかということが議論の対象になっておるわけであります。ここら辺の考え方でありますが、計算の基礎になります給料月額の計算方法を直すとかいろいろなことがあるわけでありますけれども、改革の主要点につきましてこの際詳細な説明をお願いしたいと思います。
○中島(忠)政府委員 先生のお話しになりました官民格差、制度間格差といいますか、そういうものにつきましては今までいろいろ議論されてまいりました。公務員共済と厚生年金との違いということでございますけれども、この違いというのは、先ほども少し説明させていただきましたけれども、公務員共済の公務員制度の一環としての性格、そしてまた公務員共済というものが、最初先生がお話しになりましたように恩給制度からの流れをくんでおるというような経緯もございまして、違いというものが生じてきておるわけでございますけれども、その違いの中でも国民に納得していただけるように説明できるものは残す、そうでないものは是正していくということでなければならないと思います。 そういうことで私たちが現在考えておりますのは五つございますが、第一点は、年金の計算方式における違いというのがあろうかと思います。公務員共済の場合には基本ルールと通年ルールというのがございまして、基本ルールというのは完全に報酬比例のルールに基づいて年金を計算するわけでございますけれども、通年ルールというのは厚生年金と同じ考え方に基づいて計算いたします。その二つの計算のいずれか有利な方を選択できるということで現在まで来ておりますけれども、それを今回基本ルールの方は廃止いたしまして、公務員共済年金の中の公的年金部分につきましては厚生年金と同じ方式に基づいて計算するという考え方をとりまして、第一番目の問題には答えていこうじゃないかということでございます。 〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕 第二番目は、算定基礎を何にとるかということでございますが、厚生年金の場合には全期間の標準報酬の平均に基づいて年金額を計算することになっておりますが、公務員の場合には最終一年間の給料に基づいて計算するということでございまして、そこに差があるという議論は前からございました。そこで私たちの方も、今回の改正におきましては全期間の給料の平均額に一定の補正率、これは手当を加味した補正率でございますけれども、それを掛けまして、それに基づいて年金額を計算していこうということで、第二番目の問題にもそういう形で答えていきたいということでございます。 第三番目に、支給開始年齢に差があるじゃないかということでございます。厚生年金の場合には、女性は除きまして、男性は六十歳だ。しかし公務員の場合は六十歳という到達目標ははっきりしておるけれども、現在の経過期間というのが少し長過ぎるのじゃないかということで、今回の改正におきましてもその経過期間というものを短くいたしまして、最終の六十歳に到達する時期というものを早めようということで改正案がつくられております。 第四番目は、公務員の場合には公務員を退職して年金を受けておる。しかし、例えて言いますと、民間に就職して相当な給与をもらっているにもかかわらず相当額の年金を受けているということの批判がございました。そこで今回の改正におきましては、退職年金を受けておる者が他の公的年金の被保険者になった場合、あるいはまた国会議員とか地方議会議員になりまして相当な所得がある場合には、その所得をもとにして年金額というものの一部支給停止をしていこうということを考えております。 そして、最後でございますけれども、制度間の給付調整というものを行っていかなければならない。これは厚生年金におきましては行われておるわけでございますけれども、厚生年金と同じような制度を今回つくっていって、そういう批判といいますか御意見にこたえていかなければならないということを考えております。 主要な点を御説明申し上げますと以上でございます。
○平林委員 結局考え方としては、共済側が厚生年金側に近づいていくといいますか、そういう考え方だと思ってもいいのでしょうか。要するに今回の改正がありました後は、共済年金の受給者と厚生年金の受給者との間で年金の水準というものはどのようになるのか、そこらのところをもう少しはっきりと説明をしておいていただきたいと思います。
○中島(忠)政府委員 もう少し詳しく御説明させていただきますと、方向といたしましては先生が今お話しになりましたように厚生年金の方に近づけていくという方向でございますが、そうは申しましても、その中には公務員共済年金としての特殊性といいますか、公務員制度の一環としての性格もございますので、違いというものは残っております。 そこで、改正後の共済年金というのは、一つは公的年金相当部分としてのものと、そしてもう一つは職域年金相当部分としてのもの、この職域年金相当部分としてのものが公務員制度の一環としての性格から説明されるわけでございますけれども、それを合わせたものを退職共済年金というふうに言うわけでございます。この退職共済年金というものと厚生年金というものを比較いたしました場合は、今申し上げました職域年金相当部分、完成時におきましては一千分の一・五という給付乗率になりますが、この部分が実は厚生年金よりも上乗せされる部分だということになります。 そしてもう少し、パーセントで言うとどうなるのかということでございますけれども、夫婦二人の基礎年金というものを合わせました年金額総体の中で計算してみますと、モデル年金の計算でございますけれども、厚生年金よりも大体八%ないし九%高くなるんじゃないかというふうに現在計算しております。そういうことに基づいて、今先生がお話しになりましたが、方向としては厚生年金の制度というものを頭に置いて改正案をつくったわけでございますけれども、今申し上げましたように公務員制度の一環としての性格そのものをやはり考えなければならないということで、年金額総体の中では八ないし九%の上積みがされるというふうに御理解いただければというふうに思います。 ただ、この部分につきましては、現在私たちの方でいろいろな方の御意見を伺っておりますけれども、そういう上積みでは少ないじゃないかという御意見もございますし、完全に厚生年金と同じにすべきだ、そういうものは不要だという意見も実はございます。双方それぞれ御意見がございますけれども、私たちといたしましては、厚生年金の水準というものをにらみながら、そしてまた公務員制度の一環としての性格というものを考えながら、また将来の現役の公務員というものの負担の限界というものを考えながら、今程度の上積みというのは御理解いただけるんじゃないだろうかということで案をつくらせていただいたわけでございます。
○平林委員 結局、職域年金部分というものをこれからまたどのように議論を詰めていくかということに帰すると思いますけれども、やはり恩給以来といいますか、従来の共済年金の歴史というものがあり、また先ほど来議論になっております官民格差論あるいは公的年金の一元化論という議論があり、そのあたりのいわば調和を図るというような考え方がやはり強く出てくるものかと思います。今後において当局でもその辺のことを十分頭に入れながら、公務員の処遇ということについての十分な配慮を望みたいと思っております。 それから、余り時間がありませんから簡単にお答えを願いたいと思いますけれども、恩給以来の歴史がありますから、恩給との関係は今回の改正はどういうことになるのか、その点を簡単に答えておいていただきたいと思います。
○中島(忠)政府委員 要点を申し上げますと、既に裁定されまして年金を受けておる方につきましても、施行日において先ほど申し上げました通年ルールで裁定がえさせていただくわけでございます。しかし、施行日の前日において受けておる年金額というものは保障していこうということでございます。ただ、その施行日の前日において受けておる年金額というものを計算する場合に、現行制度で老齢加算等がございますが、そういう制度はその場合に適用していこうというふうに考えております。 それから、施行日の前日から在職中で、施行日以後になお在職される方でございますけれども、そういう方につきましても、施行日の前日で退職したならば受けることができるであろう年金額というものは、施行日の後で退職されましてもその年金額は保障していかなければならないということでございます。その場合にも、先ほども申しました現行制度で適用されておる老齢加算等というものは適用していかなければならないということで、原則として考え方は従前額保障というものをとりまして、そして、制度の改革に伴う移行をスムーズにしていこうというふうに考えております。
○平林委員 簡単にもう少し聞きたいのですけれども、いわゆる恩給のベースアップというのがありますね。これからもあり得ると思うのですけれども、これは共済の考え方とはまた変わった考え方で行われるものかとも思います。といいますのは、このたびは共済の方は物価とのスライドで考えていくということになりますし、恩給はまだそういう考え方は成り立っていないはずでありますから、今後恩給の改定とこの共済との関係がどうなっていくのか、そこら辺はどうお考えなんですか。
○中島(忠)政府委員 おっしゃいますように、今度の共済年金のスライドは物価スライドということを考えております。恩給の場合でございますけれども、これは私たちが所管しておりませんので確たることを申し上げられませんが、ただ、共済年金と恩給との関連から申し上げまして、私たちも関心を寄せておるわけでございます。臨調の答申でも指摘されておりますように、公的年金とのバランスというものを考えて必要な見直しを行うというふうになっておりますので、総務庁においてその間の検討をされておると私たちは考えております。また、その点につきましては、総務庁の方の検討の推移というものも注意深く見守っていきたいと思います。
○平林委員 恩給の受給権者につきましては、共済とつながっている人もたくさんおるわけでありますけれども、既に恩給だけの人は相当の高齢になっておる人もありまして、いろいろな心配をしておられる方も多いわけであります。そこら辺についての配慮というものは、この共済制度の運営につきましても十分に行われるように、特に望んでおきたいと思っております。 次は、年金財政のことでありますけれども、年金の制度改革、共済年金の財政がこのまま放置すれば非常に悪化するということが改正の一つの原因であったろうとも思いますし、また、我が国の公的年金の財政自体が将来大変なことになるという全体の考え方のもとにおいての一連の年金の改革であると思うわけであります。このまま放置すれば大変なことになるというのはだれもが知っておったわけでありますが、今回の制度改正によって一体どのようになるのか、余り楽になるとも思えない面もあるわけであります。今までの年金の設計といいますか数理よりもそれは楽になるだろうと思いますけれども、そこら辺の制度改正後の財政見通しというものをこの際聞かしておいていただきたい。
○中島(忠)政府委員 お答え申し上げる前に、前提というのをひとつ置かさせていただきたいと思います。 地方公務員共済組合連合会についてでございますけれども、組合員数というのを、昨年の十二月に財政再計算を行いましたときの組合員数で一定をさせていただきたいというのが一点でございます。 第二点は、給与改定率及び年金改定率を毎年五%、そして積立金の運用利回りを年七%というふうにさせていただきたい。これは厚生年金の今回の改正のときと同じ前提でございます。 そして改正後の財源率でございますけれども、それは昭和六十五年度に厚生年金の水準と同一水準に持っていくという前提で財源率を設定させていただきまして、その後厚生年金と同じように五年ごとに引き上げていくという前提で計算をいたしますと、昭和九十二年度には単年度収支がやはりマイナスとなります。しかし五年ごとに財源率を引き上げますので、九十五年度には財源率が引き上がる関係で再び収支が安定いたしまして、昭和百年度には収支比率、これは収入を分母に置きまして支出を分子に置くわけでございますけれども、その収支比率というのが九一・四%という形で安定いたします。そしてその時点における積立金の状況でございますけれども、支出を分母に置きまして積立金を分子に置きますと、大体積立金が支出の三・一倍という形でございます。 昭和百年において大体年金財政というのがおおむね成熟状態となって安定していくだろうと見ておるわけでございますけれども、この時点における組合員の掛金といいますか、それは現在の制度のままで置いておくよりもおおむね二割ぐらい引き下げられるのではないか、こういう計算をいたしております。非常に粗い計算でございますけれども、現在の改革案というものをもとにして御説明申し上げるとそういうことが申し上げられるかと思います。
○平林委員 年金の財政見込みというのは社会変動、経済変動等いろいろありますから、狂いがちといえば非常に狂いがちなものではありますけれども、とにかく現行の制度でやっておればこれは破綻が目に見えておるわけでありますから、今回の改正もやむを得ないという感じで私なども受け取っておるわけであります。四十年後に成熟をして何とか計算上は成り立っていくということであればそれで結構かと思いますが、今後の状況に応じて見直す機会というものもできてくるかとも思いますが、財政見通しにつきましてはやはりしっかりした計算を立てて臨んでいただきたいと思います。 先ほどもちょっと出てまいった問題でありますけれども、いわゆる既得権あるいは期待権ということがこの共済制度の改正には絶えず問題になるわけであります。既にこの年金を受けておる人についての裁定額が今後どのようになっていくか、あるいは現在勤めてはおるけれども、今までの制度で受け取ることができるはずであった年金額が受け取れなくなるのではないかというような心配が絶えずつきまとうということであります。いずれも保障するあるいは尊重するというような考え方に立つべきものであろうと思いますけれども、その点についての配慮はこのたびの制度改正についてはどのようになされておるか、説明を願いたいと思います。
○中島(忠)政府委員 先生が今おっしゃいますように、できるだけ期待権、既得権というものは尊重していかなければならないという前提で今回の改正案というのは実はつくってあるわけでございますが、ただ、最初に先生がお話しになりましたように、今度の改正案というのは三十七年に共済制度がスタートして以来の大きな改正だ。内容的には、基礎年金というものを導入するんだ、そして制度間のいろいろな格差の議論に対してもこたえていくんだということでございますので、なかなか期待権、既得権というものの尊重の過程においても難しい議論があったわけでございますけれども、その要点というのを御説明させていただきますと、 一つは、先ほども御説明申し上げましたように、施行日の前日において現に受けておった年金額というものは、通年ルールに裁定がえいたしますけれども、それは保障していくんだということ。 そして二番目に、施行日の前日において退職したとしたならば、現行のルールにより算定されるであろう年金額というものも保障していこうということでございます。 そして、先ほど少し御説明させていただきましたけれども、既に裁定されておる年金につきましても新しい所得制限というもののルールを適用していきますけれども、その場合でも従前の支給額というものは保障していこう。 そして、四番目でございますけれども、既に裁定されておる年金のうちに老齢者加算分というのが入っておるものがございます。先生がお話しになりますように、恩給期間の長い方についてはそれがございますけれども、その老齢者加算分についてはスライドというものを適用していこうということでございます。 それ以外にも、年金の受給資格期間というものを今度二十五年にいたしますけれども、施行日における年齢に応じて経過措置を設けていこうとか、あるいは年金の給付水準というものを徐々に適正化していこうということでございますけれども、それも施行日における年齢に基づきまして二十年間かけてその適正化を図っていこうということで、経過措置といたしましては、期待権、既得権というものを尊重する建前に立ちまして、慎重な配慮をしたつもりでございます。 〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
○平林委員 このたびの改正の中で要点の一つとして挙げられておりますのが、所得制限の強化ということであります。所得制限の強化は、現在の社会の状況からして導入をするということが適切であるというふうに考えられますけれども、どのような考え方で所得制限を強化したかということだけを簡単に説明しておいていただきたいと思います。
○中島(忠)政府委員 退職共済年金あるいは障害共済年金というのは、先生もよく御存じのように、退職あるいは障害によりまして稼得能力を喪失した者に対して所得保障をしていこうということでございます。ところが、退職された後他の公的年金の被保険者になったり、あるいはまた公的年金ではございませんけれども、互助年金制度の対象になったりいたしまして所得がある方につきましてはこの際遠慮をしていただこうじゃないかということで、その所得の額に応じまして年金の支給制限というものをしていこうということでございます。その細部につきましては現在検討中でございますが、政令で規定していきたいということでございます。
○平林委員 大体時間が参りましたのでこれで質問を終わりますが、このたびの共済年金の改革というのは、最初に私が申し上げましたように、一連の年金制度の改革の一環でありますが、公務員にとってはまさに大改革でありますし、従来の歴史からいたしまして、共済年金というものが非常に大きな性質の変貌を遂げるという感じであります。それだけに経過的な措置についてもいろいろと難しい面があると思います。また、それによって影響を受ける公務員の数も非常に大きな数でありますから、この法律につきましてはもちろん十分な論議をしなければならぬと思いますし、同時に法律の施行に当たっても、この問題の解決に皆さん方当局も極力努力をしていただくように要望いたしまして、質問を終わります。 ————◇—————
○高鳥委員長 次に、警察に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 悪徳商法ということで大変に世間の批判を浴びながら、二万人とも三万人とも言われているようなお方から約二千億円に上る大金を集め、関連企業百社近い会社の総帥として実権を握っていた永野一男豊田商事会長が、六月十八日白昼衆人環視の中で殺害をされたわけであります。しかも、その一部始終がテレビを通して茶の間に放映されるという何とも生々しい異常な事件であったというふうに思うのであります。 私もあのテレビを見て、これはまるでリンチじゃないか。どんな悪人であっても、言うまでもなく法治国家でありますから、法はそれを断じて守らなければならぬわけであります。ああいう状況が発生したというのは極めて遺憾に思うのであります。しかも、永野会長は豊田商事の外為法違反事件の最大の重要容疑者であった。そういう状況から言うと、警察当局の今回の責任というものが強く世間から問われるのは当然であろうというふうに思うわけであります。国民に与えた影響というものは非常に大きいものがあろうと思いますし、この際、これをめぐる諸問題についてぜひ御意見をいただきたいと思うのであります。 要人等の警備というものはいろいろな形であるようでありますが、永野会長を警備するような指示というものはあったのかどうか、まずその点をちょっとお伺いします。
○中山政府委員 警察が特定の方について警戒措置をどのように講ずるかということは、その方の生命、身体に危険が生ずるといった不穏な情勢のあるかないか、そういったことで判断すべきものでございまして、あくまでもケース・バイ・ケースの問題かと存じます。 本件についてはまことに不幸な事態が発生してしまったわけでございまして、まことに残念ではございますが、当時警察が把握していた情報としては、永野会長に対する直接的な危害を予想させるものはなかった。そのため当日は、報道関係の方も大勢おられましたので、現場での各種のトラブルを防止するなどという観点から重点警戒をしていたということでございます。
○五十嵐委員 兵庫県警から大阪府警に警備要請はあったのですか、ないのですか。
○中山政府委員 兵庫県警が前日に永野会長宅を捜索しております。そのときにも大阪府警の協力を求めてやっているところでもございますし、その後の対応につきましても随時連絡をとりながら、緊密に連携をとりながらやっていたところでございます。
○五十嵐委員 報道関係の人から聞きますと、実際にあそこに詰めていた報道関係の人たちが目撃した警らした警官の姿というのは、十八日の午後三時四十五分、その一回のみであった、こう言われているわけであります。しかも警らに立ち寄った天満署員の二人が、これは通常の巡回警らの一環、こう言っていたというのでありますが、重点警備というものはその程度のものですか。
○中山政府委員 当日は、当時の判断といたしまして、現場での各種トラブルを防止するためほぼ三時間置きに重点警戒のために二人の警察官が立ち寄るということにしておったわけでございます。一回目に十時半ごろ、二回目には一時四十分ごろ、それから三回目が三時三十分ごろでございます。この三回目を目撃された方のお話かと存じます。
○五十嵐委員 前日事情聴取らしい聴取を永野会長からしているわけでありますが、この永野会長に、自宅からこの際余り無断で外出はするなというようなことは警察で御指示はありましたか。
○中山政府委員 そういうことは警察からは申しておりません。
○五十嵐委員 しかし、本人が逃亡するかもしれぬし、そういうことは全く関心がなかったのですか。
○中山政府委員 当日は捜索に参りまして、ちょうど永野会長が自宅におりました。そこで捜索の立ち会いをしてもらったわけでございます。その後、署まで来てお話を伺いたい、こういうふうに警察側で申しましたところ、カメラが何か嫌いな方のようでして、大勢のカメラの中へ出るのはどうもしたくないということで、逮捕状の執行ということでなく、あくまでも任意捜査ということでございましたので、御本人の意思がそういうことであればやむを得ないということで帰ってまいったものでございます。
○五十嵐委員 本人が自宅でただ一人おったということはもちろん御承知ですね。
○鈴木(貞)政府委員 先生の警備要請をしたのかどうかという御質問が先ほどございましたけれども、この類のものは警備要請というものではなくて、やはり特定の個人にまつわってどういう格好で警察措置をするか、こういう問題であろうと思います。事犯の捜査は兵庫県警、現場が大阪である、こういう格好でございますけれども、当然一体的な警察運用という面から見まして、兵庫県警と大阪府警はそれぞれの連絡協調、そしてまた、捜索をする際は大阪の支援を得て一緒にやる、こういうふうな格好でございまして、この会長自身にどういう格好でいろいろの面で警察措置をするかということ、すなわち具体的に言えば、張りつけて警戒するのかあるいは重点的に警戒するのか等々の問題につきましては、やはり所轄の警察署長を含めた大阪府警が事犯の状況、個人に対するもろもろの情報、そういったものを勘案して、普通常識的には署長の判断というもので今回も処置したということであろうと思います。 今御質疑の一人でおったかどうか、保安部長も実はその辺の具体的なあれは即答できかねるのでしょうが、果たして一人なのかどうか、私自身の聞いているあれでも、室内の状況を完全に警察が把握しておったということまで断言できるというふうな状況ではなかったのではなかろうか、こういうふうに推測いたします。
○五十嵐委員 わかりましたか、部長。知っていたの、一人でいたかどうか。わからないならわからないでいい。
○中山政府委員 私どもそこまで報告を受けておりませんので、一人であったかどうか、今すぐにお答えすることはできません。
○五十嵐委員 しかし、一人でいたわけですね、殺害のときは。会社側のガードマンがあそこに二人だか三人、何か物を運びに行ってたまたまおったとかおらぬとかいうのですが、会社側のガードマンが会長の自宅を警備するというような状況はあったのですか、ないのですか。
○中山政府委員 会社で頼んだガードマンは会社の出入者のチェックとかそういうことで頼まれておったわけでございまして、永野会長の自宅の警備を頼まれたものではございませんでした。
○五十嵐委員 しかし、投資ジャーナルの中江元会長はもう随分長い間逃亡していたわけですね。逃亡する可能性だとか自殺する可能性だとか、そういうことについては全く関心なかったですか。わからないですよ、そこが。これは通常だと関心を持たないわけがない。警備をしないわけがない。私服であってもひそかに何人かそこに張りつけるくらいのことは常識でないですか。やっていたのでしょう、どうですか。
○中山政府委員 今回は外為法の捜査ということで、とりあえず十五日と十七日に関係箇所の捜索をしたわけでございますが、その段階で先ほど申しましたように任意捜査ということを考えておったわけでございます。私どもの捜査の段階から申しまして、逃亡のおそれということを懸念するまでの段階ではございませんで、私服がひそかに張っていたとか、そういう警戒はしておりません。
○五十嵐委員 六月十四日には、豊田商事の東京立川支店に日本刀を持った六十歳の元警官の被害者、今度の問題で豊田商事からの被害者が乱入して、千百万円の出資金を返還せよということを迫った事件があったばかりでしょう。最近の豊田商事をめぐる状況は、被害者から猛烈な怒りがそこに集中していた、あるいは社会的にも彼は非常な批判のあらしの中にあったということは間違いないでしょう。だからまたあれだけの報道陣の連中もあそこに詰めかけている。 重点警護というのですか、三時間に一遍ちょっと警らをするということだけだ、それはおかしいのではないですか。今度の犯人である飯田容疑者は、前の日警察が永野会長宅を捜索したとき、警察無線を傍受して駆けつけて警察官に阻止されたというようなこともあったというのですね。周りには報道関係はいたようだが、なぜその人間を中に入れたのか信じられないのですよ。これは警察としても警備上の大きな手落ちだ、大変な失態であったというふうに思うのでありますが、警察庁長官はいかがですか。
○鈴木(貞)政府委員 この種の捜査の一つのルールといいますか常道でございますが、御承知のとおり経済事犯でございます。社会経済の構造がどんどん変化をして、新しい形態のこの種の犯罪というのは投資ジャーナル等を含めて大変国民の関心を得ているところでございまして、我々警察としましてもこういう新しい犯罪に先手を打たなければならない。特に、老齢化社会あるいは弱者保護あるいは消費者保護、こういう観点から、この種の経済事犯は防犯、保安警察の分野でございますが、私たちは知恵を尽くして対処しなければならないという考えを持っております。 この種の事犯はやはり帳簿捜査、今回も捜索をしましてまず書類を押収するという段階から入りまして、それを多角的に検討し分析して、その結果犯罪というものを固めていく、こういうのが常道であるわけでございます。したがって、すぐ会長以下だれだれがこういう事犯でこういう犯罪を構成するという、いわゆる逮捕するあるいは令状を請求するという段階までいかない、とにかく証拠を、書類を押収して容疑を固める段階であるわけでございまして、したがって人については任意捜査の段階を出ない、こういう格好であるわけでございます。 帳簿捜査その他のことからいきまして、こういう全国的なあれですとやはり数カ月、投資ジャーナルでも大変な時間を要しているわけでございます。その上で人という問題について具体的な犯罪と結びつけてアクションをとる、こういうことでございますので、十五日以降の段階におきましての警察の措置につきましては、現場の状況あるいはマンションの構造の状況、そういった点から見まして総合的に判断して、所轄の警察署の重点警らというふうな措置はやむを得なかった、その程度の措置であったろうというふうに私も理解しておるわけでございます。
○五十嵐委員 長官は反省がないわけだな。現に殺されたのですよ。私は今その前後の事情をずっと話をした。しかし、あなたの答弁には反省がない。こういうことがあれば、再びないようなことを考えるのが普通じゃないですか。今の答弁でいいのですか。
○鈴木(貞)政府委員 大臣も答弁しておりましたように——(五十嵐委員「あなたに聞いているのです」と呼ぶ)私は、この事犯は犯罪史上まれに見る大変凶悪な事犯である、この警備について、先ほど申しましたように結果的に大変残念なことであるということは真摯に私も受けとめております。したがって、この事犯を契機に大阪府警としても捜査本部を設置いたしまして、この事犯の解明に全力を尽くしておるというふうなことでございます。
○五十嵐委員 現実にこういう結果になったわけですから、これを契機に警備体制等についても十分な再検討、配慮をするように要望しておきます。 逮捕直後に犯人の飯田容疑者が、ある人物から頼まれた、こう言ったという。しかし後でそのことは翻したようでありますが、依頼殺人の可能性はどうですか。
○金澤政府委員 二人を逮捕いたしまして現在取り調べ中でございますが、今までのところでは犯行の動機につきましては、これは本人たちの供述でございますが、永野会長らの一連の行為に義憤を感じた、こういうようなことを言っております。それと、背後関係については、きょう現在のところは特段の事情は出てまいっておりませんが、今の動機、それから背後関係の有無に捜査の重点を置きまして全力を尽くして捜査をやってまいりたいと考えております。
○五十嵐委員 この飯田は多額の借金があったというような報道があるが、それは事実ですか。
○金澤政府委員 昨年の秋に経営しておりました鉄工所が倒産をいたしております。そういったことでそういう話も出てまいっておると思いますけれども、現在経営の状態なり本人の経歴なりの詳しい点につきましては、いろいろと裏づけをやった上で確定をしていきたいというふうに考えております。
○五十嵐委員 聞くところによると、数億円の借金があるというような報道もあるようであります。 しかし、僕は今度のいろいろな報道なんかを見てどうもわからないのは、五年ぐらい前に飯田の鉄工所で一年くらい運転手を務めていたという矢野が、その後ずっと接触がない、最近二、三回ちょっとした接触があったようだが、そこで誘われて殺人に同意するということは、何かちょっと飲もうとかどうとかということでないですから、わからないのですよ。どうも飯田という人はかなり性格上特殊なものがあるなという感じもないでもないが、しかし矢野という人はそうでもなさそうだ。特殊な人間単独の特別な犯行というようなことはあり得ないことではないが、しかし複数の人間がこういうことで殺人を犯すということは常識上ちょっと考えられないわけですよ。どうも僕は、ただ義憤に駆られてなどということについて疑問を感ぜざるを得ないのです。どうですか。
○金澤政府委員 被疑者の矢野が昭和五十五年ごろ二年にわたって鉄工所に勤めておったという事実はございますし、そういった関係がきっかけで今回誘った、こういうふうに今のところ言っております。しかし、今お話しのような疑問、いろいろと確かにございますので、その辺も含めまして今後の取り調べの結果を待ちたいと思います。
○五十嵐委員 ある新聞の報道によると、ここ数日前から、永野会長を退陣させてグループ全体の経理を公開して被害者への長期返済をしながら収拾していこう、こういう案が豊田商事内部で実は検討されていた。しかし永野会長はこの案には難色を示していたと伝えられているのであります。その辺のところを情報としてはおつかみになっておられるかどうか。あるいは、これもその新聞報道ですが、どうもそれに対して永野会長が側近に、社内の一部に不穏な動きがあり、自分の身に何か起こるかもしれぬというようなことを言っていたというようなこともあるのですが、そういうようなことは情報としては得ておられますか。
○金澤政府委員 ただいまのお話の点は、私どもの方は承知をしておりません。
○五十嵐委員 これもけさのある新聞の報道でありますが、外為法違反容疑で豊田商事本社を十五日午後に捜査したわけですね。ところがその直前、すなわち十二日から十五日午前にかけて、豊田商事側は関連会社から集めた会計帳簿などを、香港のホンニン・カンパニーというところですかに空輸しているという事実を突きとめているようであります。警察はその事実を承知しておられるかどうか、あるいはそのホンニン・カンパニーというのはこの豊田商事の関連会社のようなものなのか、あるいは他に海外にこのような関連会社的な現地法人のようなものもあるのか、この辺のところを差し支えのない範囲でお知らせいただきたいと思います
○中山政府委員 私どももけさの新聞報道で承知したところでございますが、目下外為法の捜査をしているところでございまして、今御指摘の点を含めて鋭意捜査、調査を進めてまいるという考えでございます。(五十嵐委員「現地法人については」と呼ぶ)現地法人につきましても、まだお話し申し上げる段階ではございません。
○五十嵐委員 かなり海外に巨額な金を隠匿しているというようなおそれもあるようなことは当然考えられるわけでありますし、ぜひよくお調べをいただきたいと思います。 それにしても、十五日の午後捜索した。その十五日の午前中までに重要な書類を集めて香港に送り出した。手際のいいものだと思うのですね。これは僕は新聞を見た範囲でありますし、今もお答えございますように皆さんの方も新聞でお知りで、これから御調査になられるわけでありますから、今それ以上の御質問をしても仕方がないと思いますが、何か非常に手際がよ過ぎるような感じがしてならない点も申し上げておきたいと思います。 十九日に、つまりきのう、弁護士会有志による被害者合同説明会が行われて、五百七十三人の被害者が集まったそうであります。その後、高見沢弁護士が記者会見をして、永野会長がある筋に金を流していたという黒いうわさもあり、捜査当局が思うようにやれなかったのではないかというようなことを述べていたという。投資ジャーナルや誠備なんかでも、何となくそういう絡みの話が言われておったのでありますが、豊田商事事件でも、会長個人を接点にして政治、政界との結びつきだとか、そういうようなことなどが今までは別に浮上はしていないか、どうですか。
○中山政府委員 現在までのところ、私どもではそういった事実は把握しておりません。
○五十嵐委員 今までの捜査等からいって、豊田商事あるいは投資ジャーナルもそうでありますが、海外にかなりの金額を隠匿している可能性は強いというように我々は思うのでありますが、捜査上そういうような可能性については何かお話しいただけるような面がありますか。
○中山政府委員 現に、目下捜査中の外為法違反というのも、台湾に五千万円送ったという事案でございます、ちょっと時期は古いわけでございますが。そういったことで、いろいろ海外との関連というのはあろうかと存じますが、そういった点も含めて捜査、調査をしていくという段階でございますので、御了承いただきたいと存じます。
○五十嵐委員 被害者にとってはその種の隠匿財産を摘発して、これを保全して、少しでも救済に充てていくようなことが大事なわけであって、ぜひ積極的なその面の解明をお願い申し上げたいというふうに思います。 それにしても、一般に言われていますのは、どうも行政や司法の対応が立ちおくれていたのではないか、どうも手ぬるいのではないか、こういうことが非常に言われておりますし、そのことがまた事件を助長した面は否定できないのではないかという説も多いのであります。あるいはさっき数百件の警察に対する被害者の相談というものもあったという御報告もございましたが、しかし、警察にいろいろ相談してもさっぱりどうも思うように取り合ってもらえなかったという苦情も一方ではあったようであります。けさの新聞を見ますと、通産省は行政指導をきのう文書で出して、豊田商法の停止について異例の指示をしたようでありますが、これもいかにもどうもおくればせの感じもするのであります。 さっきも長官のお話があったように、いわば新しい型の経済事件というようなこともあって、全体としてこれらの対応がなかなか追いついていけぬということもあろうというふうに思うのでありますが、これらについてこの機会に、国家公安委員長、どんなような御所見でありますか。
○古屋国務大臣 先ほども申し上げましたように極めて残念な事件でございますが、お話しのように首謀者の会長が殺されてしまったということは、何といってもこれは放任できない、法治国における重要な問題でありまして、この死亡ということが、これからこういう事件に当たりましては、今後そういうような警備の点につきましてもこれが一つの大きな資料であると考えておりまして、特に、相手方が御老人や社会的に弱い方というものにつきましては、これはもう本当に世間を騒がすどころじゃなく、暮らしの問題にひっかかる凶悪な事件だと私は考えております。 いろいろ捜査当局からもお話しございました。この機会にあらゆる法令を適用いたしまして、警察として、とにかく例えば被害者の救済という問題につきましても捜査を徹底的に行いまして、先ほどの外国法人の問題もございましたが、そういうような措置はまだ今捜査中であるということで係官の方から言わなかったのじゃないかと思いますが、国内はもとより国際的にも大変大きな問題でございますので、あらゆる法令を適用しながら、また、先ほどお話を聞きまして、書類等も警察が手を入れる前に随分よそへ持ち出されたというようなことも聞いております。こういうものに対してどういう手づるがあるか、大体こういうような重要問題につきましては、警察は検察庁とも十分連絡しながら捜査を進めるのが警察の常道ではないかと私は考えております。 ともあれ、この豊田商事の社長の死ということが、何千人か何万人がわからない老人や弱者に対する怒りと同時に失望のような念を与えたとすれば、警察としてもこの際あらゆる法令を適用して、少しのものでもできるなら回復できるような、そういう措置をとっていかなければならぬと思っておる。また、将来の問題といたしましても、この事件を契機としまして、どういう点が足りなかったか、どういう点をやるべきであったか、そういう点も十分検討を加えまして、まず内部においてこういう法律関係、外部に対する世論というものに対しましても、この際警察は全力を挙げまして、こういう事件が二度と起こらないようにやるべきだということを私は公安委員長として強く感じておるわけでございます。
○五十嵐委員 これは警察当局もそうでありますし、あるいは関係の行政のそれぞれのところもそうであろうと思うし、我々もそうであるし、みんな改めて思い知らされる点が少なからずあったというふうに思うのであります。特に、さっきも言いましたが、この事件がテレビを通じて茶の間にストレートに入っていった。あのテレビの直後にテレビ局やあるいは新聞社には猛烈に電話が殺到したと言われています。その殺到の大半は、どうしてあそこにいた人がとめられなかったんだという声も多かったようであります。実際我々、子供から、父さんどうしてあれとめないの、こう言われたときに返す言葉に窮するのであります。 けさ、ある新聞の社説で、僕は非常に感銘を受けて実は読んだのであります。 しかし、マスコミの使命である報道の自由、言論の自由というものは、人の生命身体を守るという基本原則を伴うものである。人間の尊厳をないがしろにする蛮行には、マスコミ人はこぞって勇気をふるい、対抗し、行動したい。 この事件にあたっての自戒と決意である。 という言葉があった。僕は非常に印象深くこれを読みました。このことは従前もさまざまあることであり、永遠のまた課題なのであります。非常に難しい問題も含めていることではあると思いますが、この機会に私ども本当にそれぞれの立場でよく考えてみなければならぬと思うところであります。 そこで、もうこの辺で切り上げたいと思いますが、何といったってトップの永野会長の死ということが、事件の解明を非常に困難にしているということは否めないことだと思うのであります。しかし、豊田商事にしたって、会長とともに代表権を持っている石川という社長がいるわけですね。傘下百社近い会社といったって、それはみんなそれぞれに責任のある、代表権のある社長なり何なりというものはいるわけですね。ですから、ワンマンの永野会長であったにしたって、これが亡くなったって、責任の追及ができないなんというものでは全くない。それぞれの会社が、それぞれの責任体制があるというふうに思いますから、したがって、永野会長が死んだからといって、捜査が極めて困難になってしまってどうにもならぬということにはなるわけがないし、なってはいけないと思います。それぞれの会社も責任者等、いわば実行行為にかかわった多くの人たちがいるわけでありますから、責任を死んだ人一人にかぶせてしまうなどということのないように、どうか責任転嫁させずにあくまで真相を究明していってほしいというぐあいに思います。そうして二万人とも三万人とも言われる多くの御心配になっている関係者の方々について最善の救済の努力をしてほしい、このことを申し上げたいと思います。 残った時間がわずかになったのでありますが、和田議員が関連で引き続いて御質問させていただきます。ありがとうございました。
○高鳥委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 この豊田商事の詐欺まがい商法によるところの事件は五万人に及ぶ被害者、二千億に及ぶ被害額で、あくまでも被害者救済という大前提に立ってこの問題の対応、処理をしていかなくてはならない責任が政府にあると私は思う。これには警察当局は警察当局として、法の範囲ではなかなか今日まで捜査が及ばなかったということを弁解されるでしょう。詐欺まがい商法を豊田商事が約六年間延々とやってきたというのは、やはり一つは法の盲点をくぐって巧みに多くの被害者を出してきたということで、おのずからそのような被害者が全国津々浦々に出てきて、あちらこちらで被害者の団体ができて訴訟事件を起こしていくということがふえてきているわけです。 だから、消費者保護の立場に立つ経済企画庁はこれ以上被害者が出ないように、特に被害者の大半は豊田の方は高齢者、老齢者、独居老人あるいは身動きもできないようなお年寄りを重点に目がけているわけでありますから、もっともっと啓発活動をする責任があったと私は思うのです。あるいは、訪問販売法という法律を担当しておる所管の通産省は、なぜこの国会にこの法案の改正というものを積極的に出してこないのか、少なくとも指定商品の中に金の地金を入れれば、もっと早い機会に捜査の手も伸ばしていくことができたのではないかという国民の通産省に対する憤りと不満があります。 あるいは、事もあろうに元検事をやっておった経歴を持つ弁護士が豊田商事の顧問弁護士ということで、微に入り細にわたったセールストーキングの仕方、あるいは顧客に接する態度、これは法には全然触れないんだ、民事上も刑事上も問題がないんだというような具体的な説明をし、教えた。それに自信を持って、多くの豊田商事のセールスマンは、良心的にこれはいけないことだということは少なくともあったと私は思うのでありますが、法に触れないということで悪事を繰り返す結果になってきた。そしてその社会的な批判がごうごうとなっておるわけでありますが、そのやさきに、大阪におけるところの実権力を持っておる永野会長が殺害された、こういう事件になったわけであります。 これは政府全体の責任ではありますが、特にこの事件が起こった以降、少なくとも警察当局としては、間もなく兵庫県警の外為法の任意捜査を契機に、やがては近い将来、そう遠くない時期に強制捜査に踏み切ることができるという自信はお持ちであったのではなかろうか、あるいは万が一のことがあれば、これから先の被害者を保護する前提に立って、この豊田問題を解決することに大きな支障を起こすのではないかということは重々知っておられたのではないかと私は思うのです。したがって、先ほど五十嵐委員の言われたように、そのような被害者を保護しなければならない、救済しなければならないという大前提に立つならば、先ほどからいろいろ答弁されておるようなことは出てこない、どんなことをしても実権者である永野を万が一のことにならないようにするための身辺警護はあって当然である、それに対する被害者の怒り、被害者の不安、国民的な警察当局に対する大きな批判が出てきておるのではないかと思うのであります。 警察庁長官、そういう前提に立って国民が理解できるような答弁をこの機会を通じて行ってもらいたいと思うのです。
○鈴木(貞)政府委員 この豊田商事会長殺人事件につきましては、お答えいたしましたように、捜査本部を設定して背後関係を含めその動機その他を徹底的に究明いたします。そして、大臣、国家公安委員長も御答弁いたしましたように、この殺人事件というのはまことに遺憾なことでございまして、しかしそういうものを乗り越えて、警察としては全国的な組織的な力を傾注いたしまして事犯の真相究明に努めてまいりたいと思っております。あしたも全国防犯部長会議がございまして、私も早朝そういう点について、全国的にこの種事犯の警察措置についていろいろ話したいと思っております。
○和田(貞)委員 永野一男殺害以後において捜査に支障がない、被害者の皆さん安心してくれ、被害者救済措置を講ずるために、警察としては実権者の永野一男は殺害されたとしてもその支障を乗り越えてでもやるということですね。
○鈴木(貞)政府委員 事犯の真相究明について、全国的に組織的な力を結集いたして努力してまいるということでございます。
○和田(貞)委員 先ほども触れましたように、検事の経歴を持つ弁護士が顧問弁護士になっておって、そして法律の裏を教えて、この商事のセールスマンは自信を持って、法律に触れないのだ、違反にはならないのだということで正々堂々と悪事を働いてきたわけなんです。この弁護士というのは独立しておるわけでありますので、この弁護士が弁護士としての正当な立場に立っておったのであるかどうか、あるいは弁護士は共通する社会的な使命を持っておるわけでありますから、そういうような道義的な面を含めて適切であったのかどうかというようなことは、当然のことながら登録されておる弁護士会の中で指弾されることであろうと私は思うのであります。法の裏を教えて悪事を働かせ、そして張本人の永野一男が亡くなった。これからは残った石川社長を中心に豊田商事の経営を続行していくということで経営の指針というものを議論をする。 ところが、そういうような経営の方針に基づいて今後対応することに責任は持てないということで、顧問弁護士がやめてしまったということが昨夜以来報道されておるわけです。悪事を働かせる裏の仕事をしておいて、いよいよこれから被害者救済をしなくちゃならないという大きな場面になってきたら、豊田商事の今後の経営の対応には責任持てぬということでやめてしまう。こんなことがあっていいのかどうか。警察当局としてはここらあたり不思議に思い、参考人としてでもこの顧問弁護士を招致するというようなお考えがあるのかどうかということをお答え願いたいと思います。
○中山政府委員 ただいま弁護士法を見ましたところ、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」というように第一条に書いてございます。こういう趣旨に基づいてやっておられる方が大部分と思いますが、中にはそうでない方があるのかもしれません。いずれにいたしましても、私どもとしては所要の捜査を遂げ、その過程で必要が生じた場合には事情を聞くとかすることもあり得ることではあろうと思いますが、現段階ではまだ何とも申せません。
○和田(貞)委員 今の段階では言えないと思いますが、常識的に国民の目に映る姿として、法の盲点をくぐって、こういうようにやれば悪事を働いても法には触れないということをセールスマンに教え込んで悪事を働かせていたわけです。そして今の時点になって、もう後の対応には責任が負えないということでやめてしまう。こういうことがまかり通るのであれば、今もお答えになったように、大方の社会正義に燃えた弁護士の皆さん、弁護士全体に対しても国民の信頼度というのは地に落ちるということになると思います。この点はひとつ適当なときに参考人としてでも招致して、警察当局としてはその実態をつかんでもらいたいということを意見として申し上げておきたいと思うのであります。 時間が参りましたので、最後に公安委員長たる自治大臣にひとつ申し上げたいと思いますが、警察庁長官の方から、永野一男が亡くなったとしても、捜査に万々支障のないように全力を傾注してやるというお答えをいただいたわけであります。しかし、この殺人事件を解決するという問題であってはいけない。この事件はたまたま起こったわけであります。豊田商事にまつわる詐欺まがいの商法によって多くの国民の皆さんが迷惑を受けておるのですから、これらの被害者の救済策を講じるためにこの事件の捜査を進めていくという前提に立ってもらわなくちゃならない。 お聞きいたしますと、遅まきながらではございますが、政府の方も関係六省庁によって対策会議をつくられたということを耳にしておるわけであります。経済企画庁の担当する消費者保護の立場に立った行政の強化、あるいは訪問販売法という法律の欠陥がこのような事件を起こしたということにもなるわけですから、通産大臣の所管だといたしましても、できるだけ早い機会に訪問販売法の根本的な改正をして、真に消費者保護の立場に立った訪販法にするために政府の責任としても努力してもらいたい。これは猶予がないわけでありますから、政府に対する国民の信頼を取り戻すために、政府としても早期に豊田事件の解決を図り、そして多くの被害者を救済できるような万全の対策を立ててもらいたいということを強く要望したいと思うわけでございます。 国家公安委員長兼自治大臣として、閣僚の一人として、この場を通して国民の前に決意のほどをひとつ述べてもらいたいと思います。
○古屋国務大臣 今の先生のお話は私も全く同感でございます。 会長の生死にかかわらず、こういう事態になりましたことは事実でございます。これによって捜査がどういう影響を受けるか、こういう点について、今の先生のお話や世論——けさも私、委員会に出る前にテレビを見て、世間のこういうことについてのいろいろな問題点を承ったのでありますが、これは本当に重大な問題でございます。警察としては、こういう事態に対しまして全力を挙げて捜査を続けてまいりますが、同時に政府といたしましては、今度の事件を契機にいたしまして、消費者の救済にどういう方法があるのか、こういう問題について、早速閣議等の場におきまして今の御意見を十分伝えまして、消費者の方が本当に安心できる境地になれるように、ひとつ一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 終わります。
○高鳥委員長 午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開講
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。柴田弘君。
○柴田(弘)委員 私は、午前中に引き続きまして、豊田商事の詐欺まがいの事件につきまして何点かについて質問をしていきたいと思います。 まず今政府として、昭和五十七年以来長年にわたり被害があちらこちら全国的に数多く出ているわけでありますが、一説には五万人とも言われておりますし、被害金額は二千億から三千億、こう言われておるのですが、そこら辺の実態というものについてはどう把握をしていられるか、わかる範囲でひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○中山政府委員 お尋ねの件につきましては、ただいま外為法で捜査をしているところでございます。全貌についてはまだ申し上げる段階に至っておりませんので、御理解いただきたいと思います。
○柴田(弘)委員 それからもう一つ、これも同じような答弁になるかもわかりませんが、今回、いわゆる金のぺーパー商法、こういうことでありますが、それに付随して関連企業は約百社ある、ゴルフの会員権などレジャー部門にも進出をしている、こういうことでありますが、こういった関連企業の実態あるいはまた経緯というもの、そこら辺のことも今まだ解明中ですか。
○中山政府委員 おっしゃるとおり、豊田商事の関連会社は百社近くあるということでございますが、まだ完全に掌握するに至っておらないわけで、先ほど申しました外為法につきましては捜査をしております。それ以外の関係会社等の実態についても鋭意調査を続けているところでございます。
○柴田(弘)委員 そこで永野会長の刺殺事件の問題でありますが、永野会長というのは、現在全警察を挙げて捜査中の豊田商事の詐欺まがい商法の中心人物であり、焦点の人物であったわけでありますね。とにかく全国何万という無数の被害者たちの不満が限界点に達していつ爆発するかわからない、こう思われた状況であったときに、なぜ警察当局は会長の身辺警戒を怠ったのかということが私は不思議に思えてならないわけであります。 しかも、去る十四日には立川におきまして元警官が、これは被害者でありますが、日本刀を持って乗り込んだ、こういった事例もあったわけでありまして、やはり警察当局というのはもっと被害者の立場に立って厳正的確、しかも早急な対処をしてくるべきではなかったか、この事件の責任というのは非常に重大である、私はこういうふうに考えておるわけでありますが、この辺ひとつ国家公安委員長と警察庁長官の御答弁を伺いたい、こう思うわけであります。
○鈴木(貞)政府委員 会長の警察措置といいますか、そういう点につきましては午前中からいろいろ御質疑がございましたが、警察としても兵庫県警、大阪府警それぞれ情報交換をし合いながら、当時としてはその状況に応じた重点警らというふうな措置をやっておったわけでございます。しかし、結果としましてああいう殺人事件が起きたということにつきましては、これはまことに遺憾なことであり、この件につきましては、早速捜査本部を設置して、その背後関係を含め、真相を徹底して究明していくということで現在努力しておるという次第でございます。
○古屋国務大臣 お話の点はまことに遺憾でありまして、私も残念に思っております。こういう事件を二度と繰り返さないように、国民全体の暮らしに関する問題でありますので、普通の犯罪と異っておるということで、この刺殺事件につきましては、絶対にこういうことを起こさないように今後警察体制におきましても十分努力をしてまいりたいし、またこのために、先ほどからいろいろ御質問がありました海外へ資産の一部をという新聞に出ておりますようなことにつきましても、現行のあらゆる法令を適用いたしまして、少なくとも被害者が安心できるような、そういうものがいやしくもあるとすれば、どうしても徹底的に捜査を行わなければならぬと思っております。大体世界的にそういう機構もできておりますので、そういうものを十分活用いたしまして遺憾ないようにいたしたいと思っております。
○柴田(弘)委員 私も今回の問題は非常に遺憾なことであるというふうに思うわけでありますが、今警察庁長官から御答弁がありましたように、重点的な警ら対象というふうに指定をされたということですね。しかし、現実はどうかというと、天満署の警官二人が三時間置きにパトロールしていたにすぎない、こういう実態がある。私がこの刺殺事件を通して思い出したのは、あの横浜における大学生の刺殺事件であるわけですね。やはりあのときも派出所に一人も警官がいなかった、通報するにもなかなか通報できなかったということで、こういった点を含めて考えますと、こういったいわゆる警戒態勢というものについてもこの際よき教訓として再検討してみてもいいんじゃないか、このような考え方を持っているわけであります。この辺についてはどういうふうにお考えになっているのか。
○中山政府委員 国民の生命、身体、財産の保護に任ずるというのが警察の使命でございまして、警察力の配分をいかにしたら国民へのそういった使命、責務を全うすることができるかということを常々考えながらやっているわけでございまして、今後とも不穏な動向等情報を総合的に判断いたしまして、必要な程度の警戒等の措置を講じていくことにいたしたいと考えております。
○柴田(弘)委員 そこで、今回の永野会長の死ということですね。ワンマン会長でございました。それで資金の流れの問題あるいはまた詐欺商法であるかどうかという問題、今後の事件の解明あるいは法的手続、こういった点において、ワンマン会長の死でこういった問題が遠のいていくのではないか、こういう点を私は非常に危惧をいたしておりますし、詐欺まがいの商法で集めた二千億という巨額な資金の使途というものもうやむやになっていくんだろう、結局被害者が丸損、こういうことになるのではないか。しかもワンマン会長であったがゆえに、今後会社崩壊の危機というものも仄聞するところによると間近に迫っている、こういうふうにも言われているわけでありますが、今後の解明、そして被害者救済という点が一体どうなっていくのか、その辺のところの、警察庁だけでなくて政府側の答弁、どういうふうに考えているのか一遍お聞かせいただきたいと思うのです。
○中山政府委員 永野会長の死亡という事態は、今後の捜査に何らかの影響を与えるであろうことは否定できないわけでございますが、豊田商事関連会社について、私どもは、永野会長が死亡したからやめたとかそういうことは絶対になく、引き続き調査を進めながら真相の究明に当たってまいりたいと考えております。
○柴田(弘)委員 永野会長が死んだからそれはやめるというわけにはいかぬでしょう。私の言っているのは、結局解明がしにくくなったのではないか。代表取締役社長もいるわけだし、会社の幹部もいろいろとおると思います。しかし、ワンマン会長であったがゆえに、いや、そういうことはおれは知らぬのだ、会長がやっていたのだ、こういうことになればやはり解明ができないのではないか、結局被害者が丸損、こういうことになってくることを憂慮しているわけであります。これは今後問題が解明されていくのですから、今後の結論にまちたいわけでありますが、そのように考えております。 それから、今回の豊田商事の悪徳商法というものを考えてまいりますと、私は大事なことは三点あると思います。一つは、まず活動の実態を明らかにして、出資法違反はもとより、詐欺事件になるかどうかということをはっきりと解明をして、国民の理解と納得を得ていかなければならないという点があると思います。 それから二つ目には、やはり被害者の四分の三が老人である、年金生活者も多い、こういうことでありますが、こういった被害者、弱者に対する万全の救済策を国としても、大臣、しっかりと講じていくべきであると私は思いますが、その辺ができるのかどうかという問題があります。 それから三つ目には、やはり今後の問題でありますが、このような悪徳商法の被害から国民を守る、現行法の改正あるいは立法措置等々を含めた万全な対処というものが必要である、こういうふうに当面三点が大事であると私は考えておるわけでありますが、この辺の政府の見解あるいは警察庁としての見解を簡潔にひとつ御答弁を賜りたいわけてあります。
○中山政府委員 御指摘の第一点目の活動実態を明らかにするという点につきましては、たびたび申し上げておるところでございますが、私ども全国の警察でその実態を明らかにするように努めておりまして、それが犯罪行為を構成するのかどうか鋭意検討をしているということでございます。 第二点の救済策につきましては、警察は直接その担当正面としてやるものではございません。事案の真相解明を通じてそれに稗益する、こういう立場で努力してまいりたいと考えております。 それにあわせて、第三点目におっしゃった点につきましては関係省庁といろいろ協議する場もございます。そういったことで鋭意検討してまいりたいと考えているわけでございます。
○柴田(弘)委員 実態の解明の諸問題につきましてはまた後で質問しますが、被害者の救済という問題ですね、昨日、首都圏の豊田商事被害者弁護士グループ、これが被害者の会の結成を呼びかけまして、国家賠償を求める集団訴訟を行おうではないか、あるいは破産の申し立てによる財産の保全、こういうことを言っているわけであります。私はこれはやはり当然のことであると思うのでありますが、永野会長がワンマン会長であったがゆえに果たしてどうなのか。裁判所が仮執行の財産差し押さえに行っても金は全然ない、お金もない、財産も全然ない、何もなかったということで、私は被害者の被害金救済という問題を心配しているわけでありますが、この辺は政府としてどう考えていらっしゃいますか。
○山下説明員 私どもの関係では、現在京都の方から国家賠償を求める訴訟が提起されておるというふうに理解しておりまして、昨日付で法務省の方から通知を受けたところでございます。これから法務省の方とも十分連絡をとりながら対応するということにしております。
○柴田(弘)委員 とにかく国家賠償の請求もどんどん出てくる、集団訴訟がどんどん出てくる。財産保全という問題とも絡んで今後非常に難しい問題が出てくると思うのですよ。私は思いますが、とにかくこの問題が発生してからもう数年たつわけであります。被害者の会ができてからもう四年たつということも聞いておるわけでありますが、それまで行政としてあるいは政治として、政府が何の対応もとらなかったという責任は重大であると私は思います。 もちろん今後こういった問題は起こらないように種々検討する、六省庁による会議も行われる、これは当然のことでありますが、それじゃ、こうした数万人の何千億という被害を受けた人たちの救済というものを、国家賠償の請求だけ、勝手に裁判の方でやりなさいと言うだけなのか。政府として積極的にこういった被害者救済に対してどう対応したらいいかということを考えるべきであると私は思っているのですが、そういったいわゆる一歩踏み込んだ被害者救済という考え方は政府にないのか、閣僚の一人である自治大臣、国家公安委員長に私はお聞をしていきたいと思っておりますが、どうですか、大臣。
○古屋国務大臣 これはこれから大変検討すべき問題と考えておりますが、私の方としては、とにかく実態解明と、それから現在これ以上に分散せぬように保全をしていくということが一番大切じゃないかと思います。そういう意味におきまして、私どもといたしましては、とりあえずは警察力をもって実態を調査しますと同時に、きょうの新聞にありますような外国法人の問題等につきましても、できるだけ現行法令の枠を十分活用いたしまして、被害者の立場からするそういう気持ち、その保全ということには十分尽くしてまいりたいと思います。 その実態の解明とともに、国家賠償とか、そういう問題は検討すべき問題だと私は考えておりますが、先生のそういう御意見は、私も閣僚の一人といたしまして十分閣議等の席を利用いたしまして、こういう問題がある、この対策をいかにすべきか、連絡会議の問題についてもさらに十分検討して、とにかく被害者が一人でも救済できるような方向に向かいまして努力をしなければならぬと思っております。
○柴田(弘)委員 実態の解明も必要でしょうし、今後の再発防止も僕は必要だと思う。しかし、今日まで長年にわたってこうした被害者を放置しておった、こういった商法というものに手をこまぬいておった政府の責任というものも僕はあると思います。そういったことをひとつ十分に把握していただきまして、先ほど大臣がおっしゃったように、いわゆる閣僚会議の席においてもどんどんそういう意見があるということを、これは被害者の切実な叫びであると思いますので、どうかひとつ政府として何らかの対応策を講じられないかどうかを前向きに検討をしていただきたい、これを心から要望をしてまいりたい、私はこういうふうに思います。 それともう一つは、私の意見として言わせてもらえば、やはり政府の責任ということを申しますが、こうしたお年寄りたちが、安易にと言ったら語弊がありますけれども、こういった詐欺まがいの商法にひっかかるといいますか、これは言葉が悪いわけでありますが、こういったことになっていくという社会的な背景というものもやはり政府としてひとつ真剣に考えていただかなければならぬ。老後の生活安定のためにそういうふうに少しでも運用益のいい方向へということ、あるいは年金等々がどんどん切り下げられてくる、福祉、医療が後退をしてくる、やはり老後の生活の安定のために少しでも利率のいい運用の方向へお金を預託していきたい、こういうようなことでこの問題が発生をしているし、また独居老人が多いということから考えますと、そこに今日の本当に高齢化社会を迎え、大いに、国としても政府としても、また私どもとしても考えていかなければならない重大な責任があるということを今度の事件を通してかいま見る気がするわけであります。それが偽らざる実感でありますが、大臣はどうですか、お考えは。
○古屋国務大臣 やはり今までのこういう社会の進み方と、これを規制する立法措置というもののアンバランスといいますか、新たなそういうような経済社会の流れが起こってきたものに対しまして、例えば警察におきましても、詐欺でできるかどうか、いろいろ連絡してもなかなかはっきりしない、事態はどんどん進んでいくというような状況でありますので、この事件を契機といたしまして、対応の必要な場合には行政措置あるいはまた法令の改正ということもお願いしなければならぬかと思いますが、とりあえず総合対策としていかにするかということは、関係省みんな関係ある問題だと私思っております。 警察としてはとりあえず実態保全と外国法人の問題等の取り締まり、それから再度こういう事件のないということを起点として努力いたしますが、ただ警察だけではできない分野も随分ありますので、ひとつそういう問題につきましては、関係省が五つ、六つあるようでございますので、閣議等の席を利用いたしまして、そういう対策の推進に向かいましてぜひ前進するように努力をいたしたいと思っております。
○柴田(弘)委員 それで実態の解明でありますが、これは果たして詐欺商法であるかどうか、あるいは出資法違反になるかどうか、こういう問題もあります。とりあえず警察当局といたしましては、外国為替管理法違反で捜査のメスが入ったが、しかし台湾の現地法人に五千万不正に持ち出した。ところが一部マスコミの報道するところによると、この金がやくざに流れたのではないかという話もあるわけであります。それから先般、埼玉県警だと思いますが、豊田商事が証拠書類隠滅を図るために廃棄処分にしようとしたのを押さえました。その中には、いわゆる政治献金の流れがあったということを言っている人があるわけであります。私は見ておりませんが、仄聞をしたわけであります。 やはり国民が願っておるのは、実態解明というのは、一つはこうした金が一体どういうふうに流れていったのか、どういうふうに使われたかということを徹底的に調査をして、そして国民の前に公表すべきである、こういうふうに私は思っておるわけでありますが、この金の流れの解明ということについては現在どこまでいって、そういったやくざということはなかったのかどうか、政治献金に流れたかどうか、その点も含めて今後の警察当局の方針というものもお聞かせをいただければと思うのですが、どうですか。
○中山政府委員 豊田商事関係、繰り返しで恐縮でございますが、私どもとして実態の解明に努めている、この中には先生御指摘のような点も含めて考えているところでございます。詳細にわたる点についてはちょっと今申しかねますが、私どもとして実態解明のために適時適切な措置を講じてまいりたいという考えでございます。
○柴田(弘)委員 これは今後の解明にまたなければならないと思うのですが、私は出資法の問題でひとつお尋ねしておきたい。 今回の豊田商事の悪徳商法、いわゆる金のペーパー商法というのは、純金ファミリー契約証券というぺーパーでお金を集める。これは事実上は不特定多数の者から免許のない業者が預かり金を募集するということであって、これは出資法二条に明らかに違反をしているわけである。だから私は出資法違反になると思うのでありますが、この点について、一体どういう条件が整えば出資法違反になるのか。 それからもう一つは詐欺でありますが、詐欺罪の適用ということ。これは被害者が元金を取り戻そうとしても、支払いを約束した和解金さえ今日払われていない。だんだん延び延びになっていった。あるいは裁判所の命令による強制執行でも金はないわけでありまして、まだ発見をされていない。これは明らかに現金をだまし取る意思のあらわれではないか、こういうことを考えているわけでありますが、一体どのようになれば詐欺罪が適用され、出資法違反が適用されるか、今後の見通しを含めてひとつ当局から御答弁をいただきたい。
○北村説明員 お答えいたします。 出資法の第二条は、法律によりまして預かり金をすることが認められている者以外の者が預かり金をすることを禁止しているわけでございます。この預かり金とは、預金と同様の経済的性質を有するものというふうにされているわけでございます。御指摘のような金取引のような現物の裏づけのない取引につきましては、預金と同様の経済的性質を有するものであるかどうか、会社の勧誘行為の実態及び資金拠出者の意識等につきましての解明が必要であろうかと思われます。 この預かり金に該当するかどうかということにつきましては、一般的には四つの要件というものが言われているわけでございます。まず第一点は、不特定かつ多数の者が相手であること、二つ目は、金銭の受け入れであること、三つ目は、元本の返還が約されていること、四つ目は、主として預け主の便宜のためになされたものであること、こういった四つの要件があるわけでございます。実態がこういうふうな要件に該当するかどうか、こういった問題を検討する必要があるものと思われます。 いずれにいたしましても、この実態解明につきましては現段階では捜査当局で鋭意調査中ということでございますので、これ以上のお答えは差し控えさしていただきたいと思います。
○松尾説明員 お尋ねの詐欺罪でございますが、豊田商事に関しての詐欺罪の成否につきましては、現に捜査中の事件にかかわることでありますので、お答えは差し控えさしていただきたいわけでございますが、一般的に申し上げれば、刑法の条文で言いますと二百四十六条が詐欺罪の規定でございますが、「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル者は十年以下ノ懲役二処ス」とございまして、例えば金の売買で言いますれば、金の現物を渡す意思が毛頭ないにもかかわらずそれがあるかのように申し向けてその旨誤信させて、その対価としての金員を取得するという形態でございますれば、ここに言います「人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シダ」ということに該当しようかと思います。
○柴田(弘)委員 この問題は、今後当局によって解明が待たれるところでありますが、先ほど申しましたように、私は明らかに出資法違反、詐欺罪が適用されてしかるべきではないか、このように考えているわけであります。 そこで大臣、現在の被害者をどう救済していくかということです。これは今後の検討ということでありますが、六省庁の会議をされるということであれば、国家賠償の集団訴訟云々という前にできないものであろうかということを真剣に自分なりに考えておるわけですね。もちろん実態の解明も必要でしょうし、また今後の再発防止というものも必要でしょう。ところが、被害者が被害者であるだけに万全な被害者の救済措置というものを政府の責任の上においてなされなければならない、していってもいいのではないか、私はこういうことを考えるわけでありますが、この辺他省庁との関係もあるわけでありますが、ひとつ簡潔で結構ですから大臣からお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○古屋国務大臣 承りますと、六省庁の会議が開かれておるということでございます。これをどういうふうに効果的に運用するかということについては高度の政治判断も必要な点もあると私は思っております。特に、お話しのように、被害者の救済ということは何といっても一番根本の大事な問題だと考えておりますので、早急に六省庁の会議をその方面を中心に活用して、できるだけ被害者の救済というものに最重点を置いて進めますように私からも適宜申しまして、御期待に沿うようにやっていきたいと思います。
○柴田(弘)委員 他の省庁はどうなんですか。通産省が、経企庁あたりでその辺のことをお聞かせいただきたいと思います。
○山下説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましても、これから豊田商事がどういうようになっていくのか、既に契約をしている方々との関係で大変注視していかなければならない事態だと考えております。ただ、御指摘の既契約の方々の豊田商事に対する債権といいますか請求権の問題というのは、基本的には民事手続で豊田商事と契約をされた方が解決をすべき問題ではないかと考えておりまして、通産省として特別の措置というものを現在用意しているわけではございませんので、そういう意味で私どもがやれることに限界があろうかと思っております。 ただ、個々の被害者の方々の救済をどうするかという御相談には私ども相談窓口も持っておりますし、個々のケースに応じまして適切にアドバイスをしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○里田説明員 本件につきましては先生も御指摘のとおり、特に老人の方が非常に多いものですから私ども非常に心を痛めておるわけでございますけれども、現在国民生活センター、それから地方に消費生活センターとございますが、そちらの方にとりわけ五月ぐらいから相談が急増してございます。それで、国民生活センター、地方消費生活センターともども組織を挙げてこの御相談に応じるように指導しているところでございますけれども、とりあえず私どもとしてはそういう方向で全力を挙げてやっていきたいと思っております。
○柴田(弘)委員 大臣、今お聞きしますと、他の省庁も相談には応ずるが、これをどうこうということは考えてないということなんです。非常に後退的だと私は思うのです。私がお願いしておるのは、お年寄りであり、老後の生活のために蓄えたなけなしの金を根こそぎやられてしまった、丸損だ、今まで政府として一体何をやっていたのだ、そういった怒りが集団訴訟、国家賠償ということにきていると私は思うので、こういった被害者の心情を酌んで国が先んじて、閣僚会議あるいは省庁会議で何とかできないものだろうかということを自治大臣の方から真剣に申し出ていただいて、速やかな前向きな被害者救済に向かって進んでいただきたい、これが私の願いなんです。どうですか、ひとつはっきり言ってください。
○古屋国務大臣 これは六省庁の会議でも相当政治的な高度の判断を必要とするということをさっき申し上げたのでございますが、そういう意味において担当者会議はもとより必要だと思いますが、高度の政治的レベルの判断をできる方々の迅速なる会議をやるべきだと思いまして、こういう調整をやっていただくように私はよく官房長官にお願いいたしまして、高度の判断のできる六省庁の会議ができますようにひとつ処置をいたしたいと思います。
○柴田(弘)委員 わかりました。どうするかという具体的な内容についてまでは申しませんが、これが私は政治だと思うのです。取り締まることも大事だ、再発防止も大事だ、また警察当局がどんどん解明をしていくことも大事であるけれども、現実に何万人という人たちを今どう救っていくかということが私は本当の行政であり政治であると思いますから、特にその点を申したわけであります。今後の高度な政治判断、閣議の中で中曽根総理にも言っていただいて、裁判ということでなくて、現在の段階において政府が被害者救済の先陣を切ってやっていただきたいと思います。 時間があと数分しかありませんので、最後に一つだけ聞いておきますが、昨日投資ジャーナル事件の中江元会長以下十一人が逮捕されました。詐欺罪ということであります。この問題も五十七年夏ごろからいろいろ問題になってきた。昨日やっと逮捕されたということであります。しかも新聞を見ますと、何か向こうから警視庁の方に言うてきたということでありますが、一体今まで逮捕がおくれた理由はどこにあるかという問題、それからこれもマスコミ報道でありますが、中江元会長がうそぶいているのは、政治家にしても警察にしても一切金だ、相当政治資金が流れたというふうにも聞いておるのでありますが、今後警察の方ではっきりとこの金の流れを解明するのかどうか、三つ目は、再発防止ということで被害者の皆さん方は今後国に対して投資顧問業法の制定を働きかけることに本腰を入れよう、こういうことでありますが、この辺については大蔵省どういった見解を持たれるのか、この三点について伺っておきたいと思います。
○中山政府委員 投資ジャーナルグループにつきましては、昨年の八月の下旬に捜索を実施いたしました。何分にも規模が大きかったものですから、押収した多数の証拠品の分析等がなり時間がかかったわけでございます。その結果、容疑がある段階まで固まったということで元投資ジャーナルの中江滋樹会長ら十一名を警視庁において詐欺罪で逮捕しているところでございます。詐欺罪の立証の過程で、その立証に必要な金の流れ等を警視庁で鋭意捜査しているところでございます。
○北村説明員 投資顧問業法に関連する御質問なわけでございますが、この問題につきましては今後証券局におきまして検討が進められるというふうに承知しております。私は銀行局の担当をしておりまして、直接お答えする立場でございませんので、以上のお答えで失礼させていただきたいと思います。
○柴田(弘)委員 では時間が参りましたからこれで終わりますが、いずれにいたしましても、大臣、ひとつ国民の納得のいく実態の解明をまずきちっとやっていただく、そして高度な政治判断をもとにして現在のこういったお気の毒な被害者に対する救済措置というものをしっかりと講じていく、そしてあとは、こういった諸問題が今後起こらないような再発防止、これをきちっとひとつやっていただく、この三点を重ねて私は要望して質問を終わりたいと思います。
○高鳥委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 大臣、冒頭にお尋ねいたしますが、今何人かの先生方からこの問題についていろいろと御質問がありました。お答えも立派なものでありますが、大臣怒らぬでくださいよ、ひょっとして大臣の腹の底に、被害者、被害者としきりに言われるが、一皮むいてみたら被害者も欲の皮が突っ張っておったのじゃないのかな、仕方がないじゃありませんかというようなことはよもや思っていらっしゃらぬと思いますが、いかがでございますか。
○古屋国務大臣 この問題、この前もお答えしたのでございますが、本当に老人の方が多くてお気の毒な状況であったわけでありまして、そういう方が欲でやったという見方は私は全然しておりませんし、また警察もそういう見方はしておりません。何といっても弱者救済という意味で警察としても最善の努力をいたしますし、また六省庁の会議もそういうことを中心にして進めていくべきであると私は考えております。
○岡田(正)委員 大変正直な腹の内を打ち明けていただきましてありがとうございました。 以下質問に入らせていただきますが、警察が豊田商事事件を追及し始めたのはいつからですか。
○中山政府委員 昭和五十七年ころから警察の窓口に相談に来るようなことがございまして、関心を持って調査を始めたところでございまして、実際にその犯罪の容疑として捜索をしたのは今月の十五日からでございます。
○岡田(正)委員 三年くらいの日にちの間警察としては関心をお持ちになっておった、具体的な行動に出たのは六月十五日からということでございますが、永野会長は国会での証人喚問を要請されているなど、その身辺を警護すべき地位に置かれていたと私は思うのでありますが、警察は永野会長の身辺をどのように警護しておられたのかお答えください。
○中山政府委員 個人の生命、身体、財産の保護、そのために特定の個人について警戒措置を講ずるというのは、やはりケース・バイ・ケースで、不穏な情報があるとかそういう場合に実施するものと理解しておりますが、当時警察で把握しておりました情報では、永野会長に対する直接的な危害を予想させるものがなかった、一方で会長の自宅の周辺には報道陣も大勢おられる、いろいろなトラブルがあり得ないことでもないということで、所轄警察署長の指示によりまして警察官二名が三時間置き程度の重点警戒を行っていたものでございます。
○岡田(正)委員 この十八日の永野会長殺害のとき、警察がその場に居合わせなかったという理由は何ですか。三時間ごとの巡察だけだったからというようなことなのですか。どのような事情があったのでしょうか。
○中山政府委員 当日二名の警察官の会長宅へのパトロールは、一回目が十時半ごろ、二回目が一時四十分ごろ、三回目が三時半ごろ、こういうことでございまして、先ほどからの繰り返しで恐縮でございますが、特に不穏な動向を入手しておりません。現場のトラブルを防止するためにはこの程度が適当であろうかという判断で重点警戒を行うこととしたということでございます。
○岡田(正)委員 そこで、私大変関心を持っておりますのは、警察が一般の人を警備すべきケースの基準は一体何でありますか。これまでどのようなケースがあったのかお答えいただきたいと思います。
○中山政府委員 繰り返しになりますが、そのときどきの情勢等を見合わせて、あくまでもケース・バイ・ケースということで必要な警戒を実施する、場合によっては張りつけて警戒をするとか、いろいろなことをやるわけでございます。例えば暴力団のお礼参りが危険なようなときには、その被害に遭いそうな人につけるとか、そういう場合もあり得ることかと存じます。
○岡田(正)委員 犯罪捜査の視点のみならず被害者救済という視点からも、今回のケースのような場合は常時警備態勢をしくべきではなかったのであろうかと思いますが、いかがですか。
○中山政府委員 犯罪捜査の視点と申しますと、私ども今外為法の捜索を実施したわけでございまして、この捜索の結果等による資料の分析、それらを行って特定の人の容疑が固まったらその者について事情を聴取する、こういった段階になるのだろうと思います。 それとは別に、永野会長個人について考えて、彼が大変危険な状態であるという認定がなされれば、それはそれに合った警戒をするということでございます。当時は特に不穏な情報も入手しておりませんでしたものですから、各般のトラブルの防止のために重点警戒が適当かと考えてやったものでございます。
○岡田(正)委員 そこで、お言葉を返すようでございますが、この永野会長さんという人は、私は初め、弱者をだまかして随分悪とい商法をやっておるというぐらいの程度でありますから、被害金額はまあせいぜい二、三億かなと思っておりましたら、あに図らんやどこでつかんだ情報か知りませんけれども、新聞では二千億を超える悪徳商法をやっておったということを聞きます。そういうことは、警察の方はもう三年前から逐次内情調査等をされておってとうの昔にわかっておるはずである。二千億ということになりますと、例えば十万円ずつだまされたとしても二百万人でございましょう。百万円ずつだまされたとしても二十万人でございましょう。随分大勢の被害者がおるなということは警察は知ってますわね。 そうすると、地獄のさたも金次第と昔から言いますけれども、昔から金の恨みというのは怖いですよ。金のことになったらもう親も兄弟もあったものじゃないというのがこのごろの時代じゃないでしょうか。そういう風潮でしょう。この間だってあったじゃないですか、わずか二万五千円借りておる金を、顔が合うたびに何遍も返せ返せと言われるのがうるさくて殺したというのがあったでしょう。二万五千円で殺されるのならその人も言わなかったと思うのですね、殺されるとわかっておれば。だけれども、これほど大がかりな、もう本当に詐欺と言っていいようなやり方で、我々がうわさに聞いておりますのには、この会社というのは一たん入社したら最後会社をやめるということが許されない会社だと聞いております。それだけに相当なことをやっている会社じゃないかなということは、もう警察はとうの昔につかんでいるはずなんですね。 ということになれば、これは大勢の人から相当な恨みを買っておるぞということは、もうとうの昔に予想がついておったはずではないかと私は思います。しかも国会の証人喚問に、ふてぶてしくおれは出られぬと言って拒否をして恬として恥じないというような厚かましい男でありますから、どこからどういうトラブルが起きるかもわからぬぞということは容易に想像がついておるのじゃないでしょうか。それほどの要警戒人物と我々一般人ですら考えるようなものを、警察の方はこれは別に常時警戒をしなければならぬような状況にないと判断をされたというのは、何でそういう判断をしたのでしょうか。そこらがどうもちょっとわかりかねるのですが、それをおっしゃってください。
○中山政府委員 繰り返しになりますが、当時警察で把握した情報では、永野会長に対する直接的な危害を予想させるものがなかったわけでございまして、そのために重点警戒という措置をとらせていただいていたわけでございます。
○岡田(正)委員 それでは、これは幾らやっても押し問答ですから希望を申し上げておきますが、世間一般の人が考えても、これは相当な恨みを買っておる人物だな、しかもこれからの捜査上の重要人物であるな、この人間が今途中で不意に消えたらえらいことになるなということが想像できるような問題については、私は常時警戒の措置をちゅうちょなくとられるべきであるというふうに考えております。少なくともやくざの親分衆が相対立する仲にあるんだから、ひょっとしたらいつやられるかもわからぬからといってその近所を警戒することよりは、私はもっともっと大事なことではないかと思うのです。やくざの親分の警備態勢なんというものは速やかにほどいて、もっとこういう悪い連中、世間の恨みを買っている連中から目を外してはいけない。保護するという名をもってでも結構ですから、そういう連中がのさばり歩かぬようにひとつ十分な警戒態勢をとっていただきたいということを希望を申し上げて、次に進ませていただきます。 今回の新聞報道によりますと、豊田商事の会計帳簿などの重要書類が香港の系列会社に送付されていることが明らかになった。このことによりまして事件の真相解明が一段と進んでいくのじゃないか、それがわかっただけでも進むのではないかと思われますが、いかがでございますか。
○中山政府委員 本日の新聞報道で、帳簿が香港の系列会社に送付されたという話を私も拝見いたしました。おっしゃった点に関連して申し上げれば、そういった重要書類の問題を含め適切に捜査を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○岡田(正)委員 これは捜査の問題でありますからお答えをされることは非常に難しいと思いますから、素人としての要らざる意見かもわかりませんが申し上げておきますけれども、航空貨物便として二十数個送られたというようなことが新聞に出てきましたね。私は、警察なんかはとうの昔にそんなことは知っているのじゃないかと思うのです。それを知らぬような捜査をやっておったのじゃないと私は思っておるのでありますが、それを聞いてもいたし方ありませんから聞きません。聞きませんが、新聞にあの報道が出てから警察が動き出して、あるいはきょうぐらいには香港に行ってその会社に踏み込んでみたらもぬけの殻で一切荷物はなかった、全部パアでありましたというような新聞があしたぐらい出るようなことはないでしょうな。そんなことがあったとしたら、国民からは一体何をやっておるんだという憤慨した声が出てくるであろうということを私は心配しておるのであります。しかしこれはお答えはできないと思いますから、次の質問にいかしていただきます。 とにかく一たん入社したらやめることは許さないというような厳しい、何のためにそこまで厳しくしておる会社かよくわかりませんが、そういう豊田商事は後業員が七千人の大会社ですね。すべて永野会長がワン・マンとして取り仕切っていると言われておりますけれども、少なくともその会長を取り巻くトップグループは事実を周知しておるはずであります。何もかも一人でできるはずはありません。警察は永野会長以外の関係者を参考人として事情聴取をしていますか。
○中山政府委員 外為法の捜査、それからそれ以外の事案にかかわる調査等をやっているところでございますが、その進みぐあいに応じていろいろな手を打つ、捜査上適切な対処をしていく、こういう考えでございます。具体的な点につきましてはちょっと御遠慮させていただきたいと思います。
○岡田(正)委員 それはやむを得ぬと思います。 そこで、今回の事件以後、豊田商事関係で第二、第三の永野事件の発生が予想されると私は思うのでありますが、警察の豊田商事に対する今後の警備態勢は一体どうなさるおつもりですか。
○中山政府委員 やはりケース・バイ・ケースではございますが、人的あるいは物的対象に関し、それに関する不穏な情報等がある場合にはそれに見合った警戒態勢をとる、こういうことをいたしたいと考えます。
○岡田(正)委員 なかなか答えにくいのだろうと思うのですけれども、具体にやはり社長というのはおるわけですよね。永野さんは会長ですよ。社長以下専務もおれば常務取締もおるわけですよ。それで先般のあの二人のような、何とまあつまらぬときに会長を殺したりするな、私個人はそう思っておるのでありますが、これで警察の捜査は大変困難な状態に陥る、ばかなことをするものだと私個人は非常に憤慨をしておるのでありますが、現実に、具体的に社長がおり、専務がおり、常務取締がおり、その中にはいわゆる財務担当の重役もおるわけですから、だから資金の流れ等について知っちゃおらぬということは言えない立場におる人たちが具体的におるのですから、そういう人たちが、常備態勢をしいてないために第二、第三の、いわゆる会長と同じような運命に陥って、そのためにますます捜査が困難となって、本件はもうパアになってしまうというようなことが起きてはならぬと思うのですよ。 だから、警察がまさかそんなことはないだろうと思っておった会長でさえこういう被害に遭っているわけですから、私はそういう点ではもっと入念な警備態勢というものをとっておくべきではないかというふうに思っておりますが、いかがですか。
○中山政府委員 やはりそれぞれの豊田商事の幹部等、どれだけ具体的な危険な状態になるかどうか、それらについての情報を検討いたしまして、それに見合った態勢で警戒に当たる、こういうことにいたしたいと存じます。
○岡田(正)委員 常時警戒態勢をしくかしかぬかということは捜査上の秘密でも何でもないと私は思いますね。もっと虚心にお答えをいただきたいと思いますが、会長亡き後は社長というのがトップですよ。まさかと思った会長がやられておるぐらいでありますから、社長がねらわれないはずはないと私は思うのです。一般の国民もそう考えておると思うのです。それに対して万が一のことがないように常時警戒態勢をしくということは、何でもない当たり前のことじゃないかと思うのですがね。やくざの親分に警戒態勢をとるよりはよっぽど世間から褒めてもらえることじゃないのですか。それ言えないのですか。まだ警察はわからぬのですか。そんなに危険が迫っておるとは思わないのですか。お答えください。
○中山政府委員 先ほどから申しておりますように、ケース・バイ・ケースで必要な態勢をつくるということでございまして、それぞれの幹部の人についての不穏な動向、あるいはその宅の構造とか、そういうものをケース・バイ・ケースで検討した上で必要な態勢を組む、こういうことにしたいと思っております。
○岡田(正)委員 何かあるのですか。どこかへ遠慮があるのですかね。常時警戒態勢をとる、あるいはとらぬまでも二度と会長事件のようなことがないように、それはもう捜査上の支障が出ないように我々としては万全の措置をとる、二度と再びこんな苦い思いはしないというくらいのことは言っちゃいけないのですか。
○中山政府委員 方針といたしましては二度と再びこういった事件を起こさないようにしたいということでございまして、それに警察力をどういうふうに向けるかというのはやはりケース・バイ・ケースの判断になるということでございますので、御理解賜りたいと思います。
○岡田(正)委員 しつこいようでありますが、ケース・バイ・ケースで対処する、これは言葉としてわかりますよ。これはケース・バイ・ケースのケースに当たるのじゃないのですか。会長がやられたら、その次のトップは社長でしょう。全重役に常時警備態勢をしくということは、それは人員の関係等もあって無理かもわかりませんね。しかしながら、その次に残されておるトップというのは社長しかないじゃないか。その社長がねらわれる可能性というのは、国民だれが見たって判然としておることでしょう。危害が及ぶ、そのケースにあるということはだれが考えたってわかることでしょう。それに対してケース・バイ・ケースで——それじゃ社長に危害が及ぶと警察は全然判断していないとおっしゃるのですか。
○鈴木(貞)政府委員 保安部長からるるお答えしまして、その真意といいますか、先生をいら立たせるような感じで聞いておるわけでございましたが、言う意味のものは、おっしゃるとおり、それぞれの情報を詳細に収集し分析して必要な措置をとっていくということでございまして、本人の生活態様、すなわち会社での態様、自宅での態様、あるいは出勤途上がどういう形態が、さらにまた本人自身のいわゆる自衛的な措置がどうであるか、本人のプライバシーその他を含めての意向がどうであるか、そういったものをもろもろ勘案して、その場その場に応じた措置をとりたい、こういう保安部長の真意でありまして、したがって一括して強行尾行のように一日じゅう、四六時中本人の周辺にまとわりついているような格好で警備するとか、そういうあれはいろいろ変化があるだろうということも含めて、具体的には大変言いづらい、こういう点でございまして、おっしゃる趣旨を我々も踏まえてひとつ対処していきたい、こう思います。
○岡田(正)委員 さすがは長官、ありがとうございました。部長さん、立場があってなかなかはっきり言えなかったんだと思いますが、お心持ちはよくわかりました、長官の今の弁護で。私どもの言いましたその趣旨を体して万全の態勢をとろう、こうおっしゃるのでありますから、大変安心をしました。さすがに長官であります。 それでは次に、通産お越しになっていますか。——最近、投資ジャーナル事件あるいは豊田商事事件など、金あるいはゴルフ会員権など、強引な訪問販売で人の弱みにつけ込んだ悪徳商法が盛んになってきておりますね。政府はこのような悪徳商法の追放についてどのような対策を講ずるおつもりであるか。 それからいま一つ、次の質問もあわせて時間がないようですから申し上げておきますが、少なくとも訪問販売に対する規制をより強化すべきではないかと思っておりますが、いかがでございましょうか。一括答えてください。
○糟谷説明員 お答え申し上げます。 私ども通産省には消費者相談窓口というのがございまして、全国各地で消費者の相談を受け付けているわけでございますけれども、その中に金の現物まがい商法の被害者と思われる方、特に豊田商事に関連する被害者の方からの御相談も数多く寄せられております。私ども、そういうケースにつきましては一件一件適切な方法でいろいろなサゼスチョンをしているところでございます。 それで、ただいま訪問販売法についての御示唆がございましたけれども、実はこの訪問販売法と申します法律は五十一年にできておりますが、通常訪問販売と申しますのは、いろいろな化粧品とか家庭用品を家を訪れて売るという行為でございまして、これ自身には特に問題がないわけでございますが、訪問販売という形態をとる場合には時としていろいろなトラブルが多いわけでございまして、それを予防する観点から、契約書面を交付するとか、あるいはクーリングオフを認めるとか、そういう幾つかの特例を設けて、そういう訪問販売のトラブルを防ぐという対策をとってきているわけでございます。 しかしながら、先生今御指摘の豊田商事の事案のようなケースにつきまして、果たしてこの法律で対応できるかということになりますと、私どもの前提としております商行為というのは、家庭で普通に行われている訪問販売でございますので、かなり基本的な性格を異にするのではないかというふうに考えております。 それからさらに、現在の法律では物品だけが対象でございますので、サービスであるとかあるいは会員権、こういうのは法律的に対象になりませんし、また金と申しますのは非常に相場がある、価格が変動する、こういったものでございますので、現在の訪問販売法での対応は難しいのではないかというふうに考えている次第でございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、被害者が非常に多いということにつきましては私ども心を痛めておりまして、関係各省の会議もございますので、そういうところで誠心誠意どういう対応ができるか全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
○岡田(正)委員 商品の訪問販売や生命保険の勧誘それから新聞の勧誘などにおいて、強引な手口というのが最近目立ってきております。警察は住民のこれらの事項に関する苦情をどのように処理されておるのか、苦情の件数等もあわせてお答えいただきたいと思います。
○中山政府委員 そういった苦情相談事に関しましては、私ども困り事相談ということで一括してとらえております。各都道府県警察におきまして、困り事の電話や困りごと相談室を設けるなどして取り組んでいるわけでございます。五十九年中の相談の受理件数を申し上げますと、防犯関係六万件余、家事関係七万件余、民事関係五万件余、その他二万件余、合計二十万件余の相談があるわけでございます。 このうち民事関係で申しますと、不動産の売買に絡むもの、金銭の貸借に絡むもの、経済取引に絡むものといったものがございますが、警察といたしましては、警察で解決できるものは解決に努力いたしますが、他官庁等適当な機関に引き継ぐべきものはそこに紹介して引き継ぐという助言、指導を行っております。まれにそれが犯罪の被害であるというような場合にはこれは検挙をする、そういった事柄に応じた対応をしているわけでございます。何と申しましても、住民の生活に密着するものが多いわけでございまして、誠心誠意その解決の手助けをして国民の期待にこたえたいと思っているところでございます。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。 最後に大臣の決意を伺って質問をやめたいと思いますが、先ほど来の議論を聞いておりますと、自治、通産、法務、経企、大蔵等いわゆる六省庁でお互いに連絡をとり合って、本件について善処方を考えたいというので懸命の努力をしておられるそうでありますが、何と言っても被害に遭いました者はみんな弱者であります。だまされやすい人たちでございます。それは欲の皮が突っ張っておるからしようがないよというようなことは、大臣は毛頭思っていない、本当に心の底から気の毒だと思っている、こういう決意も承りました。どうぞ本件の調査をいっときも早く進めていただきまして、被害者の救済を初め、この悪徳商法の防止のための対策をひとつ早く立てていただきたいと考えておるのでありますが、大臣のお考えを承って、終わりたいと思います。
○古屋国務大臣 今の先生のお話、私も全く同感でございます。 弱者保護という見地と、最近における新たに起こったここ数年来の商法まがいのこういう行為に対しまして、法例の適用その他問題がいろいろありますので、法例がそのままだから遅くなるというようなことは絶対にないように、この六者会談も、場合によりましては政治的にもう少し局長の会議にするとか、そういう点もひとつあわせ含めまして、私も適切に、今のお話を聞きましたので、処理するように努力をしてまいります。
○岡田(正)委員 ありがとうございました。
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 最初に数字的なことをちょっとお尋ねしたいと思うのです。 警察の方で豊田商事の問題について関心を持ち、調査とたしかお答えになったと思いますが、というようなことを考え始めたのは五十七年ごろから、こういうことでありますが、豊田商事に関しての警察への相談件数はどれくらいになっておりますか。 それからさらに、全国的に見まして告訴、告発の件数はどういう状況になっておりますか。
○中山政府委員 警察への相談件数でございますが、昭和五十七年以降約七百件の相談件数が寄せられております。また、豊田商事との取引などに絡む相談受理の過程で、六件の告訴を受理しております。
○経塚委員 六件の告訴、一番古い年度は何年度の告訴になっていますか。
○中山政府委員 いずれもことしに入ってからでございます。
○経塚委員 そうしますと、相談件数はもう五十七年ごろからある程度あった。告訴が六十年度ですか。 法務省の方へお尋ねをしたいわけでありますが、五十九年の三月に代理弁護人百三十二人の連名で、告訴人十人だったと思いますが、詐欺と出資法違反で大阪地検に告訴状が出されておりますが、これはどのように対処されているのですか。
○松尾説明員 お答えいたします。 大阪地方検察庁に昨年四月、詐欺、出資法違反で豊田商事の関係者、合計十名になりますが、告訴がなされておりまして、現在、同地検におきまして真相解明に努力中ということでございます。
○経塚委員 真相解明に努力中という御答弁でありますが、これはもう告訴を地検で受理されて一年有余たっておるわけですね。まだその結論が出ないわけですか。どうしてこんなに手間取っているわけですか。
○松尾説明員 具体的な事件にかかることでございまして、現在、捜査がどのような段階にあるのかということについては答弁を差し控えさせていただきたいと思うのでありますが、本日の当委員会で警察庁の側からの答弁にもございましたように、本件のように会社の営業、通常の営業という形を仮装したといいましょうか、あるいはとったというような犯罪につきましては、膨大な捜査の積み重ねが必要でございまして、問題点も多々あるわけでございます。そうした事情が、かかる犯罪では、一般的にはそういうことは申し上げられると思うのですが、そうしたことも本件の捜査にいまだ結論を出していない事情としては申し上げられるかと思います。
○経塚委員 どうも合点がいきませんね。 詐欺が成立するかしないかということについてお尋ねをしたいわけでありますが、金がないのにあるかのように見せかけて、そして金を出させる、買い取らせる、これはもう明らかに詐欺罪が成立するんじゃないですか。その点はどうなんですか。
○松尾説明員 豊田商事の件につきましては、現に捜査継続中の事案でございますので、これにかかわる事実を前提にしまして何罪が成立するか、あるいは詐欺罪が成立するかというような具体的な答弁はいたしかねるわけでございますが、一般論ということで、いかなる場合に詐欺罪が成立するのかということでありますればある程度の御答弁はいたしたいと思っているわけでございますが、それでよろしゅうございましょうか。——詐欺罪といいますと、人をだましてその旨誤信させまして財物を騙取するということでございまして、まずその犯意があること、これが前提になるわけでございます。その上で行為について見ますと、まずだますという行為、つまり虚偽の事実を申し向ける、そのような行為が存在するかどうかという点がまず問題になろうかと思うわけでございます。 それから第二は、そのだます行為で相手方がどう受け取ったのか、だまされたのか、欺罔されたかということに相なろうかと思いますが、そういう事実のつながりがあるかどうかという問題でございます。 次には、だまされたことによって相手がいろいろな錯誤を生じまして、例えばそのものを受け取れる、あるいはそのものが買えるというようなことで対価を払うというような、その因果関係が存在する交付行為というものが必要なわけでございます。そうした一連の行為がございますと、刑法二百四十六条に言います詐欺罪が成立するわけでございます。 そのほかに、これに関連しまして申し上げれば、だれが被疑者になるのかという問題がございます。つまり関係者が多数の場合、実際に虚偽の事実を申し向けた者がおるわけでございます。その上に会社でありますと上司がおるわけであります。例えば本店でありますればその上下関係、あるいは本支店でありますればさらに複雑な形になっていこうかと思いますが、その中でだれが責任を負うのかという問題、つまり共犯の問題もございます。そうしたいろいろな事実そのものが確定をする必要があるわけでございます。先生がお尋ねの、金の例をお挙げになりましたが、それが具体的に今の私が申し上げました事実関係のどこに該当するのか、具体的な事案に応じて検討されていくということであろうかと思っております。
○経塚委員 警察庁の方へお尋ねをしたいわけでありますが、五十七年ごろから関心を持たれたということでありますが、問題の焦点は、豊田商事が言っているとおりの金を保有しておったのかどうなのか、これが焦点だったと思うのですね、詐欺罪が成立するかしないか、あるいは被害をこれ以上拡大をさせないという予防の対策の上からも。それで、警察庁の方としてはそういう調査をしたことがあるんですか。
○中山政府委員 私どもの調査の手段といたしましては、強制的にやることができる場合、それからそれはできない場合、いろいろございまして、その事態に応じて法で許される範囲の調査をしているわけでありますから、その事態に合った調査ということでやっているわけでございます。 詳細の点についてはお答えを遠慮させていただければと思うわけでございます。
○経塚委員 五十七年ごろから調査という答弁があり、そして法の許される範囲内での調査だ、内容については答弁を差し控えさせてほしいということであります。しかし私は、これは極めて重大な問題だと思うのですよ。どういう調査をやられたのか、調査の結果はどうであったのか、これは重大な問題だと思うのです。五十七年の七月六日の参議院の商工委員会で仲村保安課長が、既にこのときにこういう答弁をされているのですね。関心を持っておる、しかしやり方が非常に巧妙だ、あらゆる法令に該当しないかどうか慎重に検討していきたい、こういう答弁をされておるわけでありますが、私は、もうこのときに既に、果たして金を豊田商事が持っておったのかおらなかったのかが、我々素人目で考えても最大の焦点だったと思いますし、警察も恐らくそういう判断をされておったと思うのですがね。 五十八年の九月九日の朝日新聞の大阪版に、豊田商事の薮内博取締役本部長はこう言っているのですね。「取引高は昨年二百二十億から二百三十億円ぐらいあった。常時二、三億円分は持っている。客に返した分はすぐ買い増ししている。昨年一年間の購入量は約八トンになった。」こういう記事が出ているのですね。これに対して資源エネルギー庁の鉱業課が、これは読売新聞の岡山版でありますが、「金の輸出入は自由になったが、年間何百億円分もの金を扱う会社はわかる。年商三百億円という豊田はその中に入っていない。」こういうことで豊田の言を覆しているわけですね。それから日本金地金流通協会、同じく先ほどの豊田の談話が載りました同じ新聞に同じ日付で武田専務理事がこう言っているのです。「八トンも購入したのなら我々の耳に入るはずだが、聞いたこともない。豊田商事と取引したところもない。」こういう報道が既に当時なされておったわけです。 これは何でかといいますと、五十七年から五十八年にかけていわゆる豊田商事の商法が大変問題になり、国会でも取り上げられ、被害者も騒ぎ出すという状況の中でこういう報道がされたのですね。それですから私は、当然調査をしなければならぬという必要を警察庁が感じておったとするならば、こういう関係者の相反する報道について関心を持たれて調査をされたことだと思うのですがね。 もう一回改めてお尋ねしますが、いろいろ法の範囲で調査した結果、豊田に金があると判断されたのですか、それとも逆な結果だと判断されたのですか、その点はいかがですか。
○中山政府委員 いろいろな方法で調査をしているわけでございまして、お示しになった新聞記事等も十分参考になるわけでございますが、具体的なその内容についてはちょっとこの場合お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○経塚委員 それはどうも了解ができません。 私は、これほどまでに事件が拡大をした原因と責任は、挙げて検察、警察を含めまして対応がおくれてきたところにある。社会的に問題になっておった五十七年から五十八年にかけて、果たして豊田商事に金があるのかないのか、これを解明できるのは検察、警察当局だけなんですよ、やれる立場にあるのは。我々が何と騒いだところでそれだけの権限を持っておらぬわけであります。 したがって、これだけ社会問題になり始めた五十七年、五十八年当時にかけて、いち早く検察、警察の手において全貌を解明するための手だてをもしあの時点でとっておったら、事態は今日ほど深刻にならなくて済んだと思うのです。それはそうです、金がないことがわかっておったらだれが買いますか。ないものをあるように見せかけて、そうして二万人、二千億円の取引をやったわけでしょう。それが今集中的にここにしわ寄せが来ているわけでしょう。だから、なぜそのとき手を打たなかったのか、この点は私は極めて疑問に思うわけであります。 先ほどの、参議院における仲村保安課長の答弁を豊田が悪用しているのでしょう。五十八年の十月に、全国の弁護士二百十八名と悪徳商法被害者対策委員会と連名で、豊田に対して公開質問状を出しているわけですね。これの豊田の回答をごらんになりましたか。
○中山政府委員 私はちょっと見ておりませんでした。
○経塚委員 それでは何を関心を持っていると御答弁できるのですか。被害者対策の委員会と弁護士が、三人や五人じゃなしに全国ですよ。札幌から熊本に至るまで二百十八名連名でもって豊田に公開質問状を出した。公開で出したのですよ。その豊田の答弁書すらごらんになっていないということで、果たして関心を持っておったと言えますか。五十八年十月ですよ。本当に御存じないのですか。
○中山政府委員 申しわけございませんが、私、それを見る機会を持ちませんでした。 なお、五十七年から長いと申しますが、できるだけの手だてを尽くして調査をしているわけでございまして、そういう中で、今月の十五日に捜索を実施した五千万円の出資法違反というのがあったわけで、それについて捜査を開始した、こういうわけでございまして、法の許す範囲で必要な調査を引き続き継続しているところでございますので、御理解いただきたいと思います。
○経塚委員 この公開質問状が出た時点といいますのは、私ちょっと触れましたけれども、五十八年十月であります。これは国民生活センターが受けつけた豊田それから鹿島商事の苦情相談件数でありますが、五十六年度はたった五件ですね。ところが、五十七年は二十八件、五十八年は急増しまして六十七件、五十九年が百七件、そして六十年、四月、五月二カ月間だけで四十八件であります。本拠の大阪の例をとりましても、これは豊田以外も含まれておりますが、五十五年が十件であったのが五十七年は七十三件、五十八年は八十五件、五十九年から六十年にかけましては豊田だけで五十六件と急増しているのですね。こういうさなかに出された公開質問状なんですよ。しかも、これで豊田が回答したのでしょう。関心を持っているということであれば、どういう回答をしたのか、これは警察庁としても当然究明すべき問題だったと思うのですよ。 しかも、この当時の豊田の回答が、大手を振って合法的商法だとまかり通る根拠にされているわけです。これは回答文でこう書いてあるのですよ。「契約は完全に履行いたしております。五七年七月六日の参院商工委員会で警察庁仲村保安課長も犯罪に該当しないと答弁いたしております。」これは、長官、豊田の回答文書なんですよ。テレビをごらんになった方はみんな感じられたと思うのですが、あの抗議に対して豊田の幹部はどう言っていたのですか。何も違反をやっておらぬじゃないか、どこが一体法令違反なんだ、法令違反であれば検察、警察が黙っているはずはないと豪語していたでしょう。 この回答文を唯一のにしきの御旗として社内を統一して、そしてさらに今回の事件が表面化するに至るまで全国で二万人、二千億の取引を進めてきたわけですね。もしこのときに警察庁が本当に関心を持っておるのなら、この回答文を手に入れて、そして、いやしくも国会の場における警察庁幹部の答弁を故意にゆがめた、このこと自体が重大な問題なんですよ。天下国家に警察庁の見解というものを改めて明らかにすべきだったと思うのですよ。 ところが、この豊田は公然と「警察庁仲村保安課長も犯罪に該当しないと答弁いたしております。」ということをにしきの御旗にして、さらに豊田商法なるものをエスカレートしていったわけでしょう。五十八年十月といえば重大な時期なんですよ。一体どういうふうに対処されておったのか、私は答弁を聞くたびに疑念を深めざるを得ないわけであります。私は警察庁にも重大な責任があると思いますが、長官、いかがですか。
○鈴木(貞)政府委員 本事件は、擬律判断その他において大変難しいケースであり、それだけに各省庁知恵を絞りまして、六省庁会議等も開催いたしまして情報交換をし、いろいろやったわけでございますが、そういう中で警察が今回外為法違反ということで捜索に踏み切った、こういうことでございます。 先生は先ほど来、法務、警察の責任だ、こうおっしゃいますけれども、こういった商行為、やはり警察としましては証拠を得て、それによって違反になった際には検挙していく、こういう立場でございますので、当時金があったかなかったか、そういうことが最初からわかっておれば、これは擬律判断は簡単なわけでございまして、いわゆる堂々と行われている商行為の中での犯意なりそういった実体というものが、解明が非常に難しいということにおいて相当の時間をとったということで御理解願いたいと思います。
○経塚委員 解明が非常に難しいので時間がかかった、こうおっしゃいますけれども、私、先ほど法務省の方へ、詐欺罪が成立するのかしないのか、去年の三月から四月にかけまして告訴状が大阪地検に出されておることを例に挙げて申し上げたわけでありますが、これはもう明々白々たる事実で、しかもその事実が事実であるかないか、つまり金があるかないかというようなことは、あなた方がその気になって捜査をするということになれば簡単に、まあ簡単と言っては言い過ぎかもわかりませんが、やれる問題なんでしょう。それをなぜやらなかったのか、この疑念はどうしても消えません。 しかも、きのうきょう起きてあしたやれと言っているわけじゃないのです。既に五十七年の国会でも問題になったのです。それでどういう法令に該当するかしないかを今検討中だ、五十七年の答弁ならそれで済んだでしょう。三年たっておるじゃないですか。それで法務省の方へも、大阪地検に告訴状が百三十二人の弁護士の連名で出されて、これも一年三カ月たっておるわけでしょうが。一体何をしておるのか。一年、二年前に真剣に事件の解明に検察、警察が乗り出しておれば今度の事態には至らなかった。金がないということが、いやなさそうだというようなことがちょっと報道されるだけでだれだって買いやしませんよ。犠牲にならなくて済んだわけですよ。だから対応が、手だてがおくれておる。その対応、手だてのおくれが集中的にあらわれたのが今度の殺人事件だ、私はこう見ているのですよ。 あれは偶然じゃないですよ。過去数年間、これだけ社会問題になりながら、五十七年に国会で答弁もしておきながら、詐欺罪が成立するのかしないのか、出資法に違反するのかしないのかということについて、真剣に総力を挙げて事実調査と相まって結論を早く出しておればこういう事態にならなかったが、それを怠ってきた集中的な問題が今度の警備のいわば不手際、ここになってきていると思うのです。 それは、経済事犯だとかあるいは資料収集に大変時間がかかるだとか、逃亡のおそれがあるとは予測しておらなかったとか、襲撃されるとは考えておらなかったとか、今になっていろいろおっしゃいますけれども、元警察官で、恨みつらみが重なって日本刀を持って抗議に行った人も出たわけでしょう。被害者も押しかけておったわけでしょう。銀河計画のサンシャインヘ移転に対しましては、ある右翼団体が阻止行動を起こしたわけでしょう。その右翼団体に対して暴力団がその右翼団体の事務所を襲ったという事件もあったわけでしょう。こういう話がつきまとっておったわけです。 それですから、素人が常識的に判断をしたって、客観的に見てそういう状況にあるということは疑う余地はなかったと思うのですよ。ただひとり警察庁だけが襲撃されるとは予想もしておらなかったというのは、プロであるべき警察が、一般の国民が考えておるよりもはるかにおくれた考え方を持っておったというのは、ずっと数年来の経過の立ちおくれがここに来て集中的にあらわれたとしか私は判断できないのですよ。そうじゃないのですか、どうですか。
○中山政府委員 私どもは、先生おっしゃるようなそんな怠けていたということではございませんで、先ほど法務省の参事官からのお話もございましたが、こういった事犯については難しい面が多々あるわけでございまして、それで犯罪行為になるのかならないのか、やり方もかなり巧妙でございますから、具体的なケースに応じてそれがなるのかならないのかというのを鋭意検討して、そういった過程で、これは外為法違反というのが成立するということで検挙に着手したというものでございまして、遅かったというおしかりは、時間的に言えばそれはあるかもしれませんけれども、捜査、調査のやり方としまして、法の許す範囲でやるという点ではこれがやむを得ないものではないかということで御理解いただきたいと思います。
○経塚委員 そういう答弁では了解するわけにはまいりませんが、時間の関係もございますのでお尋ねをいたします。 五十八年の警察白書、「商品取引をめぐる犯罪」という項を一項わざわざ設けて、「今後の課題」としてこういうふうに述べておりますね。「違法事案については、あらゆる法令を駆使して早期検挙を図るとともに、取締りの及ばない領域については、関係省庁と協力して、取締りに必要な法令の整備を検討していく」、こう述べておるわけですが、この「必要な法令の整備」とはどういうふうに考えておられるわけですか。
○中山政府委員 住民の方からの苦情やら相談、そういうので多い被害といったようなもの、これを今後防止するにはどういうふうにしたらいいかというのを関係省庁と相談していこう、こういうことでございます。
○経塚委員 いこうということで、現に検討には入ってないわけなんですか。
○中山政府委員 そういった点につきましては、いろいろな経済法令の関係など、随時関係省庁と協議をしながら、消費者等の保護に益するようにということで相談しているところでございます。
○経塚委員 これも私は、この五十八年の警察白書で、警察庁自身が現在のいろいろな法令の範囲内においてはどうも取り締まることもできないんじゃないかという危惧を抱いたればこそ、法令の整備検討を今後の課題として打ち出されたんだろうと思うのですよ。どういう法をどういうふうに改正すべきかというようなことについては、これは五十八年度に見解を表明されたわけでありますから、当然もう協議にかかっておらなければならぬ、こう考えられるわけだけれども、これはもう随分手おくれじゃないですか。何かかかっているのですか、どうですか。
○中山政府委員 突然の御質問でございますので、具体的な例については私、不勉強で承知しておりません。勉強させていただきたいと思います。
○経塚委員 突然の御質問と言うが、これはちゃんと聞きますよと言うてありまんがな。警察白書を引用して、法令の整備検討にかかると言うておるが、それはどういうことなのかとお尋ねしますよとちゃんと言うてあります、突然じゃないですよ。三日も四日も前に言わないと突然ということになるのですか。 最後に、長官、大臣にお尋ねをしたいわけであります。 一つは、殺人犯二人の背後関係について、警察の方は大方の見方としては否定をされる傾向にあるようでありますが、本人の義憤からやったという報道がなされておりますけれども、やはりこの点についての疑惑は残っているわけですね。それですから、背後関係があるとするならば、これはやはり早期に解明をする必要がある。サンシャインヘの移転計画の問題のときも右翼、暴力団が出てきたわけでありますから。 二つ目の問題としては、去年のいわゆる百三十二名の弁護士の連名で告訴状を出しました中にも、永野以下九名、全部で十名を告発の対象にしておるわけでありますが、幹部全体についての容疑の究明を徹底的にやるべきだ。 三つ目の問題でありますが、これはもう再建不能だというようなことで、恐らく豊田は店を畳む、この際に火事場泥棒的な、いわば幹部の財産の横領だとか財産隠しだとかいうようなことが懸念されるわけでありますが、そんなことは絶対に許しちゃならぬと思います。 四つ目の問題は、二千億の取引があったわけでありますから、この金の流れが一体どうなったのか、百社に上るところの豊田グループ全体をひっくるめまして金の流れ、財産、こういうようなものについての解明を急ぐべきだ。特にこの点は、いわゆる犯人逮捕という犯罪捜査の面も重要でありますが、今、被害者の多くは、我々が出したこの二千億の金の流れが一体どこへどういったのか、金があるのかないのか、財産はどんなものなんだ、我々が報われるのかどうなのか、これが最大の関心の的なんですね。したがって、救済そのものの対策はまた別ではありましょうけれども、捜査の範囲もそのことを念頭に置いて、今申し上げましたようなことの解明を急ぐ必要がある。 最後に、今お尋ねをいたしました必要な法令の整備、法改正の問題についてどのようにお考えなのか、長官、大臣にお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
○鈴木(貞)政府委員 御質疑のまず第一点の殺人事件の真相解明という問題でございますが、こういった情報化社会でいろいろの情報が率直に言って乱れ飛ぶということでございます。しかし、警察としましては、それぞれの情報、これをやはり情報は情報としてその裏づけをとる、あるいはそれを精査するということで、幅広くそういう情報等も参考にしながら真相究明にひとつ全力を尽くしてまいりたい、こう思います。 また、この豊田商事全体の外為法から入りました事犯につきましては、おっしゃいましたいろいろな金の流れの問題あるいは財産を隠匿しないというふうな被害者の立場に立ったそういう配慮、そういった面につきましても、捜査を進める過程で十分配慮をしてやってまいりたい、こう思います。 最後の法改正が必要かどうかという問題、これは我々としましても、今回のケースで真相解明に全力を尽くしまして、その間、やはりいろいろの手口なりというものがまた解明されていくわけでございますが、そういったものを素材に関係省庁と十分協議をしながら、被害者、消費者保護あるいはそういった老齢者保護、弱者保護という観点から、いかなる法的規制が必要かどうかということも含めまして、十分検討してまいりたい、こう思います。
○古屋国務大臣 今警察庁長官が答弁いたしましたその線によって、私ども措置してまいります。
○経塚委員 終わります。
○高鳥委員長 次回は、明二十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十分散会