地方行政委員会 第9号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/04/12
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 まず最初に、私は地方自治の問題について若干の考え方を申し上げて、大臣の見解を伺いたいわけであります。 地方自治についてその施策や運用を論ずる場合には、自治体の政治と国の政治の中でどういう位置づけをするかということが問題だと思います。その基本的な考え方についてまず問わなければならないわけであります。 戦後、憲法の発布とともに日本の地方自治は新しい出発をして、以来四十年近く経過をいたしてまいりました。その間、日本の経済社会の変化によって自治の内容は大きく変化をいたしたわけでございます。その中で、最近の諸情勢は自治体の果たすべき役割をなお一層求めていると考えられるわけであります。住民や自治体当局はもちろんのこと、国の側においても、今までのような地方を国の下部機構と考えるような安易な気持ちでは自治を発展させることはできないと考えられるわけであります。住民の価値観も社会構造も変わったのでありますから、政府においてもこれに対応する新しい姿勢がなければならないわけであります。 地域の人たちも時代の変化とともに自治の重要性をよく認識をしてまいっておりまして、進んで各自の果たす役割を求めておるわけでございます。積極的に自治を発展させようとする意欲が地域には盛り上がってきておるというふうに見ておるわけでございます。もちろんそこには、権利を主張しいろいろな要求も出されるわけでありますけれども、決してそれは無秩序な、あるいはまた暴力に頼るようなものでは絶対にありません。今まで経験をしたことのない多くの困難と闘いながら、新しい状況の中で新しい秩序を求めて努力をしておるわけでございます。 ところが、国の方ではこういう住民の成長をした意識に対する十分な理解ないしは対応が欠けているのではないかと思われる節が多々あるわけでございます。ぜひともひとつ住民の創造力や前向きのエネルギーを生かすような行政を、国の立場から展開していただきたいわけでございます。財政対策だけ変えればいいということではなくて、自治体住民に対する国の政治姿勢をひとつこの際根本的に再検討をしていただきたいわけでございます。国が上で地方が下、国が地方を支配するというような思想、そういう思想はないでありましょうけれども、形は少なくともそうなっているわけでありまして、これらを再検討願いたい。文字どおり対等の関係に立って行政秩序を再編するぐらいの発想の転換が必要なのではないかと思うわけでございます。 また、今般進められようとしている地方行革大綱が、ややもすれば、わき起こっている住民の地方自治に対する意向をそぐようなおそれはないかと心配をするものでございます。 以上申し述べたような諸点について、大臣の率直な御見解を承りたいと存じます。
○古屋国務大臣 お答えいたします。 今先生が、地域の創造性やエネルギー、そういうものがそれぞれの特性ある形で出ておりますが、こういうものをうんと自治省としても生かしていくべきではないか、あるいはまた国に追随するような施策であってはならないというような御意見でございました。私は全くそういう御意見には賛成しております。 と申しますのは、御承知のように、言うまでもありませんが、地方自治の本旨というのはやはり住民のサイドから、地域の住民の自主性、自律性という観点からいたしまして、身近いところにある施策、町づくりをやっていくということが必要であると考えるからであります。私どもといたしましては、これだけ老齢人口が急速に進んでおりますことや、あるいは機械的技術の進歩、科学の進歩というものによりまして、相当暮らしも変わってくると思います。住民のニーズはさまざまに変わっておる実情でございます。 私は地域の自主性、創造性というものをどうしても生かしていくということが必要であると思いまして、昨年から自治省単独といたしまして町づくり対策、地域の活性化対策というものを推進しておりますが、こういうものの活用によりまして、あくまでも地域の住民にふさわしい独創性や、また地域のエネルギーを活用するような方策を講じていく必要があると考えております。 それから、行政改革についてお話がございました。 地方行革というのは、行革というとどうしても地域が沈滞みたいな感じをだれでも持たれるのでございますが、私はこの行政改革を推進する場合におきまして一応の基準を行革大綱としてお示ししたのでありますが、その中にもありますように、こういう審議を進めるに当たって民間の委員等を選ぶ場合には、各般の有識者を選んでいろいろ意見も聞いてもらいたい。また、行革大綱を決めた場合には住民に公表していただくというように、住民に身近い行政という感じをぜひ与えていただいてこういうものを推進していくことが必要であると考えまして、行革をすると地域が沈滞するとかそういうことではなしに、私は地域の活性化、自律化ということをあくまで頂点として地方には指針を示したのでありまして、こちらは強制はしていないことはこの前申し上げたとおりでございます。 以上でございます。
○小川(省)委員 ありがとうございました。ぜひ今おっしゃられたような気持ちで、地方自治の充実強化に向かってせっかくの御努力を要請いたしておきたいというふうに思っています。 今回、昭和六十年度の財源不足額は五千八百億円になったようでございます。これは補助金や負担金の一割カットの額に相当する額であるわけでありますが、もし一割カットをしなければ、地方財政は収支とんとんというか過不足なしという状況であったということでございますか。
○花岡政府委員 国庫補助負担率の引き下げが行われる前には、地方財政といたしましては収支が均衡しておったわけでございます。
○小川(省)委員 この補てん方法について若干伺いたいと思います。 通常の手法としては、交付税と建設地方債は従来はフィフティー・フィフティーということでやってまいってきたわけであります。今度は交付税は一千億になったわけでありますが、なぜこのようなことになったのかということについて伺いたいわけでありますが、一千億円は交付税の特例加算措置で、千六百億は建設地方債の発行による措置、これが経常経費系統による措置であるわけですね。残りの投資的経費系統の三千二百億円は、二千億が臨時財政特例債による措置であり、一千二百億円は建設地方債による措置のようになっております。 このうち建設地方債による措置でありますが、産炭地のような脆弱な財政力の団体では、建設事業が実施できないで、建設地方横を借り入れすることができないで、建設地方債による財源措置ができないということが出てくるのではないかというふうに心配をいたしておるわけであります。私はたまたま石炭対策委員長をやっておるわけでありますが、そういう財源措置ができるかできないのかということで大変心配なわけでありますが、財源措置ができるのですか。
○花岡政府委員 まず最初のお尋ねの、いわゆる一千億では少ないではないかということでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、六十年度におきましては、この国庫補助負担率を引き下げる前には収支が均衡しておったわけでございまして、従前、地方財源不足が生じた場合には、御指摘のように地方交付税の借り入れと、それから地方横の増発によって対処しておったところでございますけれども、この巨額の借入金残高を抱えて、これが地方財政の基盤を揺るがしかねないということから、五十九年度におきまして地方財政対策の見直しを行いまして、新たな借入金をやめたということでございます。 したがいまして、六十年度におきましても、できるだけこの厳しい財政状況に対処する必要があるわけでございますが、この交付税を確保するということで特例加算としての一千億円を措置したわけでございます。 それから産炭地についての御質問でございますけれども、今回の措置によりまして、どのような団体につきましても地方財政措置はそれぞれ完全にいたすわけでございますが、特にこの増発される建設地方債につきまして、これは九割程度はいわゆる政府資金を充てるということにいたしておるわけでございまして、そしてその元利償還金につきましても所要の交付税算入をいたしますので、起債制限の基準となる起債制限比率を大きく高めるということにはならないということで、御心配の点はないと私ども考えておるわけでございます。
○小川(省)委員 そうすると、産炭地であっても建設地方債を借りられる、そういう心配はないということでよろしゅうございますか。
○花岡政府委員 私も昔、福岡県に勤務いたしておりまして、産炭地の状況というのはよく知っております。そういったとしろの方々ともよくお話をしておりますが、この御心配の点はございません。
○小川(省)委員 安心をいたしました。 そこで、建設地方債の一千六百億プラス一千二百億円の二千八百億円でありますけれども、元利償還金の八〇%を地方交付税に算入をして、その四分の一は公債費で補てんをし、四分の三は単位費用で措置をするというように聞いております。昨日の一括法案の審議で我が党の関山さんから、自治省や自治大臣あるいは建設大臣にいろいろ会って、大蔵大臣も八〇%については検討をする、自治大臣も大蔵省と協議をしたいというふうなことを伺っておったわけでありますが、ぜひひとつそれは協議をしていっていただきたい、こう思っております。 そこで、建設地方債の借り入れをしていない団体が交付を受けるようなことが起きてくるのではないかというふうに心配をするわけでありますが、こういうことで二千八百億について措置をしていって、建設地方債の借り入れをしていない団体が交付を受けることになるおそれはないのかどうか、お伺いいたします。
○花岡政府委員 この元利償還費の対策につきまして、御指摘のような措置をするわけでございますけれども、たまたまある年に財源対策債が発行されない年度において事業を行う団体と、それから財源対策債が発行される年度に事業を行う団体との間に、交付税上の不均衡が生じてはいけないというふうなことで、御指摘のような措置をとったわけでございますので、むしろ、私どもはこういったやり方の方が公平であるというふうに考えているところでございます。
○小川(省)委員 高率補助金のカットの問題でありますが、地方は六十年度の予算編成で大分苦しんだようでございます。六十年度の地方の当初予算の編成の状況でありますが、自治省はどのように把握をいたしておりますか。
○花岡政府委員 六十年度の地方団体の当初予算につきましては、全体としては抑制的な基調のもとに編成されました結果、四十七都道府県の予算規模は二十九兆三千七百七十九億円ということで、対前年度伸び率は四・七%となっております。 予算編成の状況を見ますと、歳入面では税収の計上につきましては、全体ではほぼ財政計画に計上した伸び率となっておりますけれども、地域的な経済情勢の違いによりまして、団体間にはかなりの差がございます。 地方債につきましては、依存度は大きく減少しておりまして、全体として歳入構造の改善は進められておるわけでございますが、これはしかし、財源対策債を廃止したということの影響で景気の立ちおくれている団体、そういった地域にありましては、財政調整基金の取り崩しを余儀なくされるようなこともございまして、財源の確保にかなり苦慮した予算編成をされた団体も見受けられるところでございます。 一方歳出の面では、公債費等の義務的経費の増加で歳出構造の硬直化は進行しております。しかし、各団体におかれましては、社会資本の計画的な整備あるいは地域経済の安定的な発展を図るために、必要な単独事業というものを積極的に計上されている、こういった意欲的な計上がなされていると私どもは見ているところでございます。
○小川(省)委員 補助金、負担金の一割カットが当初予算の編成を大きく狂わしたというか、それで大きな問題になったというような事例は聞いておりませんか。
○花岡政府委員 地方団体の予算編成におきまして、先ほどいろいろ申し上げましたような税収の格差等によりまして、あるいは財源対策債の廃止というふうなこともございまして、なかなか御苦労されておるわけでございますが、この補助率の一割カットということにつきましては、財源補てんを行っておりますために苦しいというふうなお話は承っておりません。
○小川(省)委員 特に産炭地の自治体では生活保護の適用者が多く、失業者もたくさん抱えておって苦しんでおるわけでありますが、特に産炭地の実態に対して、交付税上で特別な配慮をしていただけますか。また、六十年度の特別交付税で何らかの配慮をして、財政の救援措置を行っていくような御意思が現在の段階でございますか。
○花岡政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の補助負担率の引き下げ措置に伴う地方負担の増加分に対しましては、それぞれ地方交付税の増額と建設地方債の増発によりまして補てんをいたしておるわけでございますし、六十年度の地方財政計画におきましては、地方税あるいは一般財源が大幅な伸びを示しておりますために、確かにマクロとして歳入構造は改善されておるわけでございます。ただ、個々の団体におきましては、税収の伸びの格差といったものもございましたために、それぞれ財政の運営に非常に御苦労される団体もあるわけでございます。 産炭地につきましても、税収の伸びというのは非常に低いところでございますし、特別な財政需要も抱えております。私どもこれまでもこういった地域につきましては個別にいろいろな配慮をしてまいりましたし、また今年度におきましても特別交付税におきまして所要の措置をするという考え方でございます。
○小川(省)委員 安心をいたしましたが、ぜひひとつ目を見開いていていただいて、特に産炭地の財政状況は脆弱でございますから、福岡県の筑豊地帯等におけるかつての産炭地、こういう自治体に対してぜひひとつ財政で苦しむようなことがないように配慮をしていっていただきたい、このようなことをお願いしておきたいというふうに思っています。 さて、厚生省でありますが、保護課長ですか、二百億円の上積みが厚生省にされたわけでありますが、この金額の配分について伺いたいわけであります。特に産炭地の自治体に対して特別の配慮をしてくださるのかどうか、その旨を伺いたいと思います。
○清水説明員 お答えをいたします。 今回お認めをいただきました生活保護の臨時財政調整補助金につきましては、御案内のとおり生活保護について地域によって保護率等に大変差がございまして、財政規模に占める生活保護費のウエートというものも大変差がございます。したがって、そういう実態を考えながら、今回の高率補助の見直しに伴います負担につきましては、地方財政全体の問題もさることながら、個々の団体ごとに見て財政運営に支障のないようにすることが大切だというふうに私どもも考えてお願いをしたわけでございます。 したがいまして、現在の段階ではまだ具体的な配分方針というものは決まっておりませんし、今後財政当局と協議の上で決定していくことになると思いますけれども、先生御指摘のように、例えば産炭地の代表である福岡県などにおきましては、五十八年度決算で見まして、歳出総額に占める保護費のウエートが一〇%を超えるというふうな団体が八市ほどございますので、私どもとしましては、産炭地なども含めまして、財政規模に占める保護費の割合が非常に高くて財政基盤が脆弱である、しかも一生懸命生活保護に努力しておられるというようなところに重点的に配分をすることによりまして、個々の団体の財政運営に支障のないようぜひ努力したいというふうに考えております。
○小川(省)委員 安心をいたしました。ぜひひとつそういうことで産炭地を含めて配慮をお願いしておきたいと思います。 今やちょうど春闘が高揚期を過ぎたようであります。公共企業体の職員や公務員の賃金についても要求は急であろうというふうに思っています。民間の賃上げは鉄鋼に始まって自動車、電機、私鉄等というふうに大体大波も過ぎたようでありますが、そうなれば勢い仲裁裁定や人勧の問題が、恐らくことしは賃上げもかなりの額にいくのではないかというふうに思っております。この公務員賃金の引き上げに対応できるようにことしの地財計画はなっておりますか。
○花岡政府委員 六十年度の地方公務員の給与改定財源といたしましては、地方財政計画におきましては国家公務員の措置と同様に一%アップ相当額、所要額といたしまして総額千四百六十三億、一般財源で千百七十七億円を計上しておるところでございます。
○小川(省)委員 恐らくそれだけでは足らないような勧告になると思いますが、予備費として三千億か三千五百億くらいあるのではないですか。
○花岡政府委員 御指摘のような追加財政需要額四千億円、このうち災害分を除いた三千四百億円は、そういった追加財政需要にも充てられるという性格のものを計上いたしております。
○小川(省)委員 追加財政需要額が三千四百億円程度あるからことしの人事院勧告には対応できる、こういうことですね。――はい、わかりました。 そこで、広域市町村圏構想について若干お伺いをしていきたいと思います。 広域市町村圏が、国土庁の定住圏構想や建設省の地方生活圏と複合をしたりあるいはダブることがあるんではないかと思います。これはダブってももちろん構わないわけでありますが、いかがですか。
○大林政府委員 広域行政の重点施策としまして御案内のような田園都市構想、定住構想の具体化施策、これが広域市町村圏計画あるいは国土庁の定住圏計画、建設省の地方生活圏計画、三つの枠で実施されておるわけであります。 そこで、最初こういった三つの圏域を決める区域の調整につきまして、三省でそれぞれ相談の上で決めておるわけでございますし、またおっしゃるようにそれぞれの計画がちぐはぐにならないように、その計画につきましても関係省庁の連絡会議を常に設けておりまして、その場で調整をするようにいたしてまいっておるところであります。今後とも御指摘の点を十分心得て調整に努めてまいる所存であります。
○小川(省)委員 田園都市構想推進事業助成交付金、これが今でも恐らく継続をして出されているんではないかと思います。この助成交付金の効果といいますか効用が恐らくかなりあったと思いますが、この効用の点についてお伺いをいたしたいというふうに思っています。
○大林政府委員 田園都市中核施設関係の補助金でありますけれども、昭和五十五年度から今日まで継続をいたしております。当初おおむね五十カ所程度を頭に置いておったわけでありますが、既に現在四十五カ所の地区決定が行われておりまして、今日まで約五十七億円余の助成金が交付されておるわけであります。現在までに四十五カ所のうちの二十一カ所につきましては既に完成をしておりまして、その地域の住民の交流の場として有効に活用されておりますし、残りました二十四カ所につきましてもおおむね順調に建設が進められておるところであります。 この補助金はまた、十分御承知のように、施設の複合化あるいは補助金の統合化という効用をも兼ね備えるものとしまして極めて多目的な、多角的な施設を予定して創設をされたものであります。既に完成をいたしております施設におきましても、その広域圏におきます各種住民サービスの拠点あるいはシンボル、住民の共通の広場としまして現在有効に活用されておるというふうに伺っております。
○小川(省)委員 次に、自治体病院について若干伺いたいと思います。 自治体病院に意を注いでおることはわかるんですが、どうも意の注ぎ方が十分ではないのではないかというような感を受けております。地方財政の悪化の中で、自治体病院の経営は大変苦しんでまいったわけでありますが、五十年代になって不良債務の棚上げ等をどのように、何回、どう実施をしたのかまず伺いたいわけであります。そしてまた現状における自治体病院の経営の実態はどのようになっておるのか、把握の状況についてお聞きをしたいと思います。また、六十年度でどのような手当てをしていかれようとしているのか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。
○井上(孝)政府委員 お尋ねのまず第一点でございますが、自治省といたしましては、御承知のように昭和四十一年度に地方公営企業法を改正いたしまして、七十六の病院事業につきまして、法律に基づきます財政再建を実施いたしてまいったところでございます。 さらに、これがおおむね完了いたしました昭和四十九年度には、行政上の措置といたしまして、公立病院特例債の発行によります健全化措置も実施したところでございます。この措置では、三百三事業を対象といたしまして、その不良債務五百六十八億円につきまして、特例債の発行により不良債務の棚上げ措置をとりました。また、その計画的解消を進めるとともに、病院経営の健全化の促進を図ってまいりました。その結果、昭和五十八年度末では五十三事業で、その未償還元金は約三十億円程度にまで減少してまいっております。 さらに、昭和五十四年度に入りまして、新規の措置といたしまして、医業収益に対する不良債務比率が一〇%を超えているもののうち、その病院自体の経営努力によりまして、単年度収支の均衡が図られると認められる市町村経営の百三事業を対象にいたしまして、経営健全化措置を講じてまいったところでございます。これらの事業は、当初約三百五十億円の不良債務を抱えておりましたが、経営努力によりましておおむね順調にその解消が進みまして、昭和五十八年度末では十八事業、約二十九億円の不良債務を残すのみとなるまでに減少いたしております。 さらに、地方公営企業法に基づきます準用再建団体といたしましては、昭和四十二年度以降十二団体を指定いたしまして、経営の改善と不良債務の解消を進めてまいりました。既に十団体が再建を終えまして、五十八年度末では二団体を残すのみとなっております。 以上のような措置の対象となりました団体につきましては、いずれも経営健全化計画の策定とその確実な実行を求めますとともに、特例債等の償還あるいは不良債務解消のための一般会計からの繰り入れに対しましては、その二分の一程度を交付税により措置いたしますとともに、特例債等から生じます利子に対しましても、一定部分を国庫補助あるいは交付税による措置等を行ってまいったわけでございます。 第二点目のお尋ねの、自治体病院の最近における経営状況でございますけれども、昭和五十三年度から五十五年度までは若干小康を得まして黒字となったわけでございますけれども、五十六年度から残念ながら胸院の経営状況は再び赤字に転じております。昭和五十八年度の決算によりますと、患者数の増加等によりまして、前年度に比べまして若干好転いたしまして、純損失額は、昭和五十年度二百九十四億円から二百五十七億円へと三十七億円程度減少しております。しかしながら、純損失を計上いたしました事業は全体の約半数にも上っております。また、過去の累積欠損金は三千五百億円を超えております。しかしながら、不良債務につきましては、前述のような数次にわたります解消措置の効果もございまして、不良債務の額は現在七百九十億円程度にとどまっておるわけでございます。 第三点のお尋ねの、今後の不良債務解消等のための措置でございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろな措置をとってまいってきております。今後は、現在、先ほども申し上げました解消措置を継続しております事業につきましては、引き続き経営健全化計画の着実な実行を進めるように指導してまいりたいと思っております。 さらに、先ほど経営状況のところで申し上げましたように、全体として再び赤字基調で病院の経営は推移しておりますので、従来の健全化措置の対象にならなかった団体、あるいはその後新たに不良債務を生じました団体につきましては、それぞれの経営の実態を踏まえまして、地方公営企業法によります準用再建制度の活用等も含めまして、現行制度のもとでの自主的な経営改善を進めるよう指導してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○小川(省)委員 今おっしゃったように、いろいろ手だてを講ぜられてまいったわけであります。しかし、自治体病院の経営というのは、医療費の関係もあって大変でございますから、ぜひひとつ今後も十分な手だてを講じていただいて、自治体病院の経営が健全化をしてまいりますように特段の御努力をお願いしておきたいと思います。 大蔵省においでをいただいておりますが、恐らく十月ぐらいまでに大蔵省は税調に対して諮問を行っていくのだろうと思っております。 そこで、諮問について若干お伺いをいたしたいわけでありますが、特に大型間接税をめぐる問題については、EC型の付加価値税がどうだこうだというふうに言われておるわけでありますが、大型間接税についてはどのように諮問をされていかれようとするのか、また、諮問をされる際に、所得税の減税についてもあわせ実施をするというふうなことがマスコミ等では言われておるわけでありますが、新税の創設とあわせて、いわゆる所得税の減税についてはどのような形で諮問の中に含めていこうとされるのか、その辺についてのお答えをお願いいたしたいと思います。
○薄井説明員 お答えいたします。 所得税の減税あるいは課税ベースの広い間接税についての御質問でございましたが、去年の十二月の税制改正作業を通じまして、税制改革論議というのが非常に華やかに行われてきております。これまで「増税なき財政再建」ということで、なかなか大きな税制改革ができないということから、各界から現行の税制一つ一つについて抜本的に見直すべきではないかという声が上がってきているというふうに私どもも承知いたしておる次第でございます。こういった議論を通じまして、所得税についてあるいは課税ベースの広い間接税、ただいま大型間接税という御質問がございましたが、そういった議論があるというふうに受けとめておるわけでございます。 これを今後どうしていくのかという御質問かと存じますが、ただいままだ国会でいろいろと御議論いただいておる次第でございますし、各界においてもいろいろな御意見もあるということで、私ども皆様の御意見を慎重に伺っている状況でございます。したがいまして、今後政府の税制調査会を通じていろいろ御議論いただきながら考え方を固めていくということになろうかと思いますが、まだ今の段階では、広範な御議論を伺わせていただいているという段階にあるというように御承知おきいただきたいと思います。
○小川(省)委員 承りました。確かに、増税なき再建といいますか、税源が入らなければ何ともならぬわけでありますから、大型間接税、どんな形になるかわかりませんが、いわゆる新税を起こしていくということになっていくだろう、そういう形で諮問をなさるのだろうと思っていますが、そういうふうなことが行われる場合には、何としても所得税の減税を抱き合わせていかないと、現在、いわゆる担税能力が大変オーバーをしてきておりますので、税に対する感覚が国民の中に大変重くのしかかっておるわけでありますから、所得税の減税というものを抱き合せにして出していくというふうなことでなければ、到底国民に受け入れられるような税の改革にはならぬと思っておりますが、その辺のことについていかがですか。
○薄井説明員 お答えいたします。 所得税の負担の問題につきましては、昨年度減税をさせていただきましてかなり改善してきていると承知している次第でございますが、ただ、税金といいますのは、やはり懐から払うということですから負担感というものが伴うわけでございます。その負担感といいますのは、税金が重いということだけでなしに、公平であるか公正であるか、そういったこととも絡んでくるわけでございまして、この辺も含めて今回の税制論議というのがあろうかと思います。 所得税につきましては、先生御指摘のように大変重いという御意見もあることは承知しておる次第でございまして、所得税のあるべき姿につきまして、税率構造がいいのかどうか、構造の面の問題もいろいろあろうと思います。この辺も十分議論させていただきたいと思っております。
○小川(省)委員 今おっしゃられたわけでありますが、現在の所得税を減税することが何としても必要だというふうに私は思っておりますので、ぜひひとつそれを加味した税調への諮問をお願いいたしたい、こういうことをつけ加えておきたいというふうに思っております。 続いて、若干細かい問題についてお伺いをいたしていきたいというふうに思っています。それは、清掃費にかかわる地方交付税の問題であります。 昭和六十年度交付税の清掃費にかかわる収集車一台当たりの配置基準は幾らになっておりますか。そしてその根拠はどういう根拠なのか、まずお伺いをいたしたいというふうに思っております。
○花岡政府委員 収集車一台当たりの平均収集職員数は二・六人となっておるところでございまして、これは五十八年度に実施いたしました全市町村に対する実態調査の結果を踏まえてこれを算定したわけでございます。
○小川(省)委員 今お答えがありましたように、昭和五十八年度の実態調査の結果の実態に合わせたようでございます。そういうように常に調査をされて実態に合わせていくというのは大変結構だというふうに思っていますが、直営部分についての収集車一台当たりの車付人員は平均が二・六になっているようでございますが、調査方法や調査の項目等について私ちょっと調べてみたいというふうに思っていますので、後ほどで結構でありますが、資料として出していただけるかどうかお伺いをしたいと思います。
○花岡政府委員 資料として御提出いたします。
○小川(省)委員 お願いをいたします。 厚生省が昨年十二月に作成をした「廃棄物処理事業における事故防止対策マニュアル」、この中で収集作業は事故防止のために二人以上でしなさいというふうになっております。厚生省、そうですね。
○加藤説明員 ただいま先生御指摘のレポート、すなわち私どもが五十九年十一月にまとめたわけでございますが、廃棄物処理事業における事故防止対策検討委員会報告書でございますが、その報告書におきましては、ごみ収集作業について、収集作業は二人以上で行うというふうにされております。
○小川(省)委員 そうすると、その場合、運転手を含めて車付人員は三名になるのではないかと思いますが、いかがですか。
○加藤説明員 私ども、作業をする人の人数は二人以上ということでございまして、場合によっては作業する人が二人に運転手が一人という場合もございますし、運転手が同時に作業する場合もございますが、いずれにいたしましても、二人以上で行って事故防止に努めることが望ましいというふうに思っているわけでございます。
○小川(省)委員 後ほどまた申し上げたいというふうに思っています。 次に、警察だと思うのですが、ちょっと伺いたいというふうに思っています。 道路交通法の七十一条に「運転者の遵守事項」というのがございますが、この第五号によりますと、運転手が「車両等を離れるときは、その原動機をとめ、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」というふうに書いてございます。そうですね。
○太田政府委員 ただいまお話しのとおりでございますが、道路交通法七十一条第五号は、運転者が車両等を離れている間に車両等が動き出す危険を防止するために、運転者が車両等を離れるときは、車両等が停止の状態を保つために必要な措置を講すべき義務を定めたものでございます。 その必要な措置の内容といたしまして、車両の種類やあるいは道路の形状等、具体的な状況によっていろいろ異なってくると考えられますが、法文におきましては、ただいまお話がございましたように、必要な措置の例示といたしまして、原動機をとめること及び完全にブレーキをかけることを掲げているところでございます。
○小川(省)委員 今御説明があったように、法令上はそうなっているわけですよ。しかしながら、運転手がエンジンをとめた場合には収集車のパッカーは回りません。だから、運転手はエンジンをかけたまま車両を離れて収集作業をしているのが実態でございます。この行為は明らかに道路交通法からは違反といいますか、違反に近い状態だと私は思いますが、いかがですか。
○太田政府委員 ごみ収集作業におきまして、運転者が車両からおりまして、車両の後部に回って当該作業に従事するというような場合には、同法文に言います車両から離れるときに一般的には当たるのではないかというふうに解しておるところでございますが、その場合におきましても、車両が停止の状態を保つために必要な措置を講じて、現に車両が停止の状態を保っているという場合には違反にならないと解しております。したがいまして、このような場合に仮にエンジンをかけていたといたしましても、それだけをもちまして直ちに当該義務違反に該当するというふうには解釈できないと考えておるところでございます。
○小川(省)委員 ところが、最近各地の警察署には婦人の交通巡視員というのですか交通監視員がおります。これは大変うるさいですよね。ちょっとエンジンをかけたままたばこを買いに行っても駐車違反だというふうなことですぐにやってくるわけです。こういうことを考えれば、この収集車だって違反ではないかと思いますが、いかがですか。
○太田政府委員 ただいま申し上げましたように、車両を停止の状態に保つために必要な措置が講ぜられ、現にその停止の状態が維持されているかどうかということが非常に大事な判断基準でございます。したがいまして、仮にエンジンをかけていたといたしましても、今申し上げましたような状態が確保されているということであれば直ちに違反にはならないということになるわけでございます。 私ども、第一線の方にもその辺の趣旨は十分徹底してまいりたいと考えております。
○小川(省)委員 今私が婦人の交通巡視貝という話を出しましたが、これは悪評さくさくでございますから、別に配慮しろとかなんとかということじゃありませんが、一般の人たちの気分をそぐようなおかしなことがないように、ひとつ十分な御指導をこの際ですからお願いをしておきたいと思っています。 ですから、収集車のような車は、とまっても運転手はエンジンをかけたまま車から離れられないはずなんですね。だから車付人員の二・六というのは誤りで、明らかにこれは三・〇でなければならないんだと思いますが、自治省いかがですか。
○花岡政府委員 先ほど警察庁からも御答弁ございましたが、道路交通法七十一条一項五号の関係から見て特に問題はないと私どもも警察庁から伺っておりますので、実態調査の結果に基づいて算定をして差し支えないのではないかと考えております。
○小川(省)委員 あくまでも実態調査に基づいてということですね。それならそれで結構でしょう。 それから、昭和六十年度の都道府県の道路橋梁費交付税の職員配置については、前年度に比べて落ちているのではないかと思っていますが、これはどうなっておりますか。そしてその根拠についても御説明をいただきたいと思っています。
○花岡政府委員 道路補修貝につきましては、これも地方公共団体定員管理調査の結果による数をとっておるわけでございますが、この結果によりまして道路補修員の数が相当減っております。また、砂利道面積もかなり減ってまいったわけでありますので、現在では交付税の算入人員がかなり過大になっているということから、標準団体数の規模是正を、激変緩和をいたしながら毎年度実施してきているということでございます。
○小川(省)委員 いずれにいたしましても、道路補修貝の配置基準は、六十年度は五十九年度に比べてさらに三名減員、百三十八名が百三十五名というふうになっておるようであります。 近年この職種は、バロネスという草刈り機を使ったりコンクリートを固めるバイブレーターを使ったり、あるいは突き固め用のランマーという機械を使ったりで振動病が多発しておるようでございます。この状況についてどの程度把握をしておられるのか、伺いたいわけであります。そしてまた、道路補修員の振動病は職業病に認定されるのかどうか、これは自治省というよりも労働省なのでしょうが、お伺いをしたいと思います。
○福渡説明員 お答えをいたします。 振動工具を使用する道路補修員等の建設労働者における振動障害の発生状況については、私どもも年々承知をしているところであり、また数値も把握をしております。 それから、先生御指摘のこの振動障害を職業病として認定すべきではないかということでございますけれども、労災保険の考え方は、業務と傷病等との間に相当因果関係の認められるものについて所要の保険給付を行うということになっております。したがいまして、振動工具を使用する労働者に発生いたしました疾病についても、振動業務従事歴、疾病の発生状況等について調査を行いまして、その結果で迅速かつ適正な認定に努めているところでございます。既に認定されている例もあることをつけ加えておきます。
○小川(省)委員 不幸にして振動病になったというのは適用をしていかれれば結構なんであります。道路補修員で振動病になった者には、振動工具を使用しているわけでありますから、ぜひひとつ適用をしていかれるようにお願いを申し上げておきたいと思います。 道路補修は、近年交通量が増加してきたのに伴いまして、作業環境が大変悪化いたしております。その中で道路補修員の配置基準を減員して労働強化をしていくことは労働災害の発生に結びついていくのではないかと思いますが、いかがですか。
○花岡政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、この道路補修員の交付税算入の人員は、実態調査の結果よりもかなり大きく算入されておりまして、これを徐々に直していきたいということでございます。先ほど先生の御指摘のこともございますけれども、この交付税に算入されましたそれぞれの人員というものは、何といいましても財政措置上の基準でございまして、職員の安全確保あるいは作業環境の悪化によるいろいろな問題がございますが、こういった安全確保の問題につきましては、各地方団体において、作業の形態とか交通事情とがそれぞれ地域の実情を踏まえて、必要な安全管理体制を講じていただくということになろうかと思います。 この実態調査の結果を見ますと、相当人員が算入過大ということが現状でございますので、御指摘のような労働強化というふうな問題は起こらないと私どもは考えております。
○小川(省)委員 いずれにしても、作業環境が悪化いたしておりますから、労働災害の発生に結びつきやすい職場だと私どもは思っておるわけでありまして、そういう点については労働省も自治省も十分に配慮していただきたい、このことをお願いしておきます。 それから、今の労働省の答弁で、労働省でも調査をなさっておるようでございますけれども、労働者の側でも道路補修員の振動病の実態調査を現在進めております。その調査結果をもとにして、労働省と労働者側で協議して振動病を一掃するための対策を立てていくべきだと思っておりますが、そういう際には労働省はこの協議に応じていただけますか。
○福渡説明員 労働災害防止の基本的な責任は、労働安全衛生法で事業者にあると定めております。それで私どもは、その労働安全衛生法におきまして、労働者の健康障害を防止するための委員会、衛生委員会を設置することを事業者に義務づけておりますが、この衛生委員会の構成メンバーには労働組合の推薦等による労働者を代表する委員が必ず入ることになっております。私どもは、それぞれの事業体の中で、この健康障害防止対策に労働者の意見が、この衛生委員会を通して十分に反映されるように今までも指導してまいりましたけれども、今後も、今先生の御指摘がありましたような実態があれば、この委員会の場を十分活用するように指導してまいりたいと考えております。
○小川(省)委員 労働者側でも振動病について特別に調査を進めておりますので、まとまった段階で協議に応じていただきたい、このことをお願いいたしておきたいと思います。 そこで、先ほども花岡局長の方から、いわゆる清掃費の五十八年度実態調査の結果に沿って是正をしたのだというお話があったわけでありますが、交付税の算定基準を見ておりますと、配置されている職員の実態に合わせて単位費用の算入方法を是正しているように見えます。恐らくそうだと思いますけれども、実態を上回っているようなことがあれば見直しをされるというか、是正をしていかれるようにしておるわけですか。
○花岡政府委員 交付税の積算基礎につきましては、絶えず調査を行ってできるだけ実態に近づけるように措置をしてまいる所存でございます。
○小川(省)委員 それでは学校給食について、昭和六十年度の交付税の配置基準についてはどうなっておりますか。
○花岡政府委員 学校給食の従事員は、標準施設規模の学校一校当たり四人を想定して算入いたしておるところでございます。
○小川(省)委員 文部省が昨年の五月に実施をした学校給食調理員の配置状況の調査によると、児童数七百一人から九百人の小学校規模での平均の学校給食調理員数は四・七人になっております。地方交付税の配置基準の四人に比べて実態は上回っておるわけでありますが、学校給食調理員の配置基準を実態に合わせて是正すべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○花岡政府委員 先ほど先生がお示しの四・七人と申しますのは、単独調理場を設置しておる小学校の給食従事員の結果でございます。先ほど私が普通交付税の算定におきまして四人と申し上げたのも小学校でございますけれども、現実の市町村におきましては共同調理場方式を採用しているところもございます。したがいまして、一校当たりの人員の実態を正確につかむのが実に難しいわけでございますので、小中学校におきます全国ベースの給食従事員の実数、それから普通交付税で財源措置されております総人員と比較をしてみますと、やや普通交付税の措置人員の方が多いように私どもは見ておるわけでございます。 さらに、単位費用の中には一部委託による経費も算入しておることを考えてみますと、交付税の算入というものは十分措置されておるのではないかと考えておるところでございます。
○小川(省)委員 共同調理場があるということでございますが、私は文部省の四・七というのを信頼しておりますし、共同調理場はそう多くはないというふうに思っていますから、交付税上でも四・〇ではなくて、四・三なり四・五というふうな数字が出てくるのではないかというふうに思いますが、ぜひひとつその辺のところは検討していただきたい、こう申し上げておきたいと思います。 次に、厚生省が昨年十二月に発表した昭和五十七年度版「日本の廃棄物処理」というものによりますと、昭和五十七年度のごみの排出量は、前年度に比べて四・三%の増加になっております。昭和五十五年度、五十六年度の二年間が減ってまいったわけですから、これは逆転をしてふえた形になっておるわけでございます。したがって、ごみの排出量がふえているにもかかわらず、ごみ収集車の車付人員を減らすことによって清掃労働者の労働強化につながってまいります。そういうことで、それが近年多発をしている清掃事業の死亡災害の一因ともなっていると思われます。私はこの前の委員会で清掃労働者の死亡災害について取り上げたわけでありまして、そういうことが災害の一因になっているのだというふうに思っておりますが、いかがでございますか。これは厚生省ですか。
○加藤説明員 一般に労働強化は労働安全衛生上の問題を引き起こす一つの要因であるというふうに私ども思っておりますけれども、地方交付税の算定基礎におきまして、収集車両一台当たりの収集作業員数を減らした場合に収集作業の労働強化になるのではないかという先生の御指摘につきましては、私どもといたしましては、収集車両一台当たりの作業員数だけでなく、収集車両の台数でありますとかごみの量でありますとか、収集方法あるいは作業の密度の実態といったようなものを総合的に勘案して判断すべきだというふうに考えておりまして、単に一台当たりの収集作業員数だけでは、労働強化につながるかどうかという判断はできないのではないかというふうに思っているわけであります。
○小川(省)委員 清掃事業における事故防止対策研究会で検討されたようでありますが、労働災害多発の一因が原因究明の不足や、そのための予算措置が十分できていなかったことにあるのではないかというふうに思っておるわけでございます。研究会のまとめの結果として、地方交付税の中での労災対策の予算措置は考えておるのかどうか。それと、研究会での取りまとめの具体的な結果はどうなっているのか伺いたいと思います。
○中島(忠)政府委員 お答えいたします。 研究会の発足に当たりましては先生からいろいろ御助言もいただきまして、私たち無事に研究することができたわけでございますけれども、本年の二月の末に最後の研究会を開きまして、現在その研究会のレポートがまとまりまして印刷中でございます。その印刷ができましたら早速関係省庁の課長さんにも御説明して協力をいただきたいと思いますし、また、その研究会のレポートというものをもとにいたしまして、地方団体に対しましていろいろ指導もしてまいりたいというふうに思います。 その研究会のレポートの内容でございますけれども、まず事業者とか現場の管理監督者あるいは直接仕事をなさる作業員、また指導助言する国とか都道府県、いろいろな関係者の方のそれぞれ果たすべき役割といいますか機能といいますか、そういうものをいろいろな角度から記述してございます。私たちはそういうものをもとにいたしまして、清掃事業における事故防止の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 今先生がお話しになられました事故の原因といいますのは、いろいろな要因が重なって事故が起こっているわけでございまして、一概にこういう原因で事故が起こっているということを断定するのは非常に無理があろうかというふうに思います。ただ、私たちが研究会でいろいろ議論いたしました結果、少なくともこういうことははっきり地方団体にこの際やっていただいた方がいいんじゃないかということもございます。そういうものを今度はしっかりと地方団体の方に周知徹底を図っていきたいというふうに思います。 交付税の方におきましては、講習会をやるとか、あるいはまた健康診断をやるとか安全器具を購入するとか、そういうものに必要な経費というものも六十年度の交付税の方に入れていただくように、現在財政局の方にお願いしておるわけでございます。財政局の方も非常に前向きにとらえていただいておりますので、私たちは前進するんじゃないかというふうに考えております。
○小川(省)委員 二月に最終の研究会を開いてレポートをまとめたそうでございますが、ぜひひとつこのレポートを活用していただいて、事故が再発することのないように特段の御配慮をお願いいたしたいと思うのであります。 仕事はずっと永久的に継続されていくわけでありますから、これっきりではないと思いますので、この研究会はまた再び聞くというふうなこともあるのではないか思いますが、前回のあれはあれっきりでございますか。もしまた今後やるようなことがあれば、現業職員の代表を加えた委員会をぜひひとつつくっていただきたい。このことをお願いをしておきますが、いかがでございますか。
○中島(忠)政府委員 自治省といたしまして、清掃事業の事故防止のための研究会というのは一区切りがついたというふうな認識でおります。そのレポートに基づきまして、これからいろいろな関係者の方の御協力をいただき、また私たちも努力をして事故防止に努めてまいりたいというふうに考えておりますが、そのレポートをまとめる過程におきましても、現業関係、直接作業をしておられる方の代表の方の意見を何度か聞かせていただきました。そういう考え方といいますか、そういう精神というのは今後もまた堅持してまいりたいというふうに思います。
○小川(省)委員 また、今日、ごみとして排出をされた廃乾電池の環境に及ぼす影響がいろいろ取りざたをされております。全国では、廃乾電池等の有害ごみを分別収集している自治体がふえてまいっております。昨年の厚生省の調査でも、分別収集実施の自治体は全国で七割になっているというふうに報告をされておるわけでございます。分別収集は収集作業が複雑なので、それに見合った算定基準を新たにつくるべきだと思いますが、検討をする気はございますか。
○花岡政府委員 御指摘の廃乾電池の分別収集につきましては、一部の市町村で行われているわけでございますが、これの処分方法とかあるいは処理責任というものが現在のところはっきりいたしておりません。この点につきましては、厚生省の方でもいろいろ御研究なさっておると伺っておりますけれども、やはりこの処分方法をどうするか、処理責任をどのように明確化していくのかということがまず先決ではなかろうかというふうなことを考えておりまして、現在の段階では交付税で措置するのは難しいのではないかというふうに見ております。
○小川(省)委員 一部ではなくて、厚生省の調査によれば七割というふうに育っておるのでありますから、ぜひひとつ検討をするように配慮していただきたいというふうに思っています。有限な資源を枯渇させないためにも、再資源化や省資源化を目指して行政を進めることは国民的な合意が形成をされてきたものと考えております。 そこで、分別収集は有害ごみを選別するだけではなく、水銀等の有機物の再資源化にも役立つものと考えられるわけでございます。自治省として、このような観点からも、分別収集に対して交付税上何らかの配慮をなすべき時期に来ているのだというふうに私は思っておるわけでありますが、再度ひとつ御答弁をお願いを申し上げます。
○花岡政府委員 確かに、限られた資源を有効に活用するということは現在極めて大事なことでございます。ただ、その処分方法というのがまだはっきりしないというふうなこともありまして、分別収集はしたものの野積みにしておるというふうな状況もかなりあるようでございます。私どもも、これらの経費というものがどのようなことになっているのか、実態を調査いたしまして研究を進めてまいりたいと存じます。
○小川(省)委員 ぜひひとつ、全国の自治体の七割にも達しているというような状況でありますから、交付税上でも何らかの措置をしてくださるようにお願いを申し上げておきたいというふうに思っています。 そこで、警察の保安部長においでをいただいておりますので、少しく伺いたいというふうに思っています。 風俗営業法が施行をされて二カ月になりました。風俗営業法については、本委員会で本当に時間をかけて十二分に議論をしたところでありますが、新風営法施行後の歌舞伎町の実態にどのような変化が起こったか、まずお伺いいたします。
○中山政府委員 御指摘のように改正法は去る二月十三日に施行されまして、風俗環境の浄化や少年の健全な育成を図るとともに、風俗営業の健全化に資するため、対象営業に対する指導、取り締まり等に当たっているところでございますが、施行後ちょうど二カ月を経過した現段階におきまして、全国的にも、例えば風俗関連営業の卑わいな看板が町から姿を消したり、風俗関連営業の時間規制によりまして深夜の環境が浄化されたりしたほか、風俗営業や深夜飲食店営業のカラオケ騒音規制によりまして静穏な環境が保持されることとなり、あるいは少年のたまり場となる営業の時間規制が遵守されているなど、法改正の趣旨に照らし、相当な効果があったものと考えられているわけでございます。 歌舞伎町におきましても同様の傾向でございますが、同地区につきましては、警視庁において特別取り締まりを実施しまして、改正法施行後、四十九件、九十八人を検挙しております。また、先月末に個室マッサージ等の十の営業所につきまして、三十日から六十日の営業停止処分をしているところでございます。こういった結果から、地元の住民からは卑わいな看板がなくなったり、あるいは客引きがなくなったということで好評を得ているところでございます。 警察といたしましては、今後とも法の適正な運用を図って法目的を達成してまいりたいと考えております。
○小川(省)委員 私どもの田舎では、十一時に営業をやめたが、十二時で一時間、時間が延びたというふうな点が言われているわけでありますが、歌舞伎町かいわいではかなりな変化が起こっておるのではないかというふうに思っております。大体昔から、この種の風俗営業の問題については、新たに法が変わると、必ず法の網をくぐって営業が営まれていくというような傾向があったのは事実でございます。伝えられているところによると、ホテクラとかキャバクラとか、あるいは営業の本拠をホテルに移した、そういう業者がかなり出てきたというふうに聞いておるわけでありますが、法の網をくぐろうとしている状況といいますか、くぐっている状況はどうなっておるのか、把握をしておりますか。
○中山政府委員 御案内のとおり、風営適正化法は、いわゆるセックス産業を個室つき浴場業、ラブホテル、ストリップ劇場等五つの形態にとらえて風俗関連営業、こういうふうにして規制を加えているところでございます。先生御指摘のように、法の規制を免れようとする向きは必ず出てくるわけでございまして、そういった免れようとする脱法的な営業形態で売春等を行う、こういうものにつきましては、私どもとしましても十分に目を光らせまして、売春防止法、刑法、児童福祉法等の諸法令を適用して、厳正な取り締まりを行ってまいる所存でございます。
○小川(省)委員 この法の審議のときにいろいろ申し上げたわけでありますが、警察の行き過ぎがあっても困るわけでありますが、この種の営業は場所がなくとも、ボックスがなくとも、女がいれば商売になるというような営業がかなりあるわけでありますから、行き過ぎがないように、しかも厳正に取り締まりをやっていただくようにお願いをいたしたいと思っています。 この風俗営業法の改正については、私は時間をかけてもう一回取り上げたいというふうに思っておるわけでありますが、最後に、取り締まるばかりで、これらの産業に寄食をしているといいますか、飲食店などは閑古鳥が鳴いているところもあるようでございます。要するに、終わる時間が早くなった、あるいはそういうようなことで、その産業に寄食をしているような飲食店等で非常に寂れたような状況があるようでありますが、その辺はどのように把握をしておるわけでありますか。もちろん警察はそういう飲食店がつぶれてもいいというふうなことでこの風営法を改正をしたわけではありませんけれども、その辺のところの受けとめ方はどうでございますか、ちょっとお伺いいたします。
○中山政府委員 そういう話も、風俗関連営業のまとまったところの周辺の飲食店が閑古鳥が鳴くというお話などもときどき伺うわけでございますが、私どものねらいとするところは風俗環境の浄化ということでございまして、そういう場所にある一般の飲食店営業につきましては、それに御協力する立場でいろいろ営業形態を工夫して風俗環境の健全化に御協力願いたい、こう思っております。
○小川(省)委員 くれぐれも申し上げておきますが、警察の権力を強化して過酷な取り締まりに走るばかりが能ではないわけでありますから、ぜひひとつ十分な配慮をして、全体的にうまくいくような方向で新風営法の実施については今後とも検討していっていただきたい、このことをお願いを申し上げておきたいと思っています。 まだ五分ぐらいあるようでありますが、一応私の質問をこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、小谷輝二君。
○小谷委員 最初に、自治省が監督しておられました財団法人有隣協会、ここの不透明な活動問題が最近問題になりまして、公益法人のあり方とか、また監督官庁の姿勢、これが問い直されておるところでございますが、この問題が参議院の予算委員会また内閣委員会でも論議され、そのときに後藤旧総務長官は、公益法人の不公正をなくするために立法措置を積極的に検討したい、このように表明されたやに承っております。 そこで、自治大臣にお伺いしたいわけでございますが、財団法人有隣協会、この問題を含めて公益法人のあり方、また監督官庁の姿勢、公益法人に対する官僚の天下り等の問題について大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか、所感を伺っておきたいと思います。
○古屋国務大臣 まず最初に、御指摘のございました自治省の有隣協会というような監督の団体でございます。たびたび新聞にも出ておりまして、私どもはその理事会の開催状況その他を十分監視をしながら対処しておりましたところ、三月三十日に事業を廃止する、やめたいということがございまして、認可を取り消した次第でございます。 それから公益法人全般につきましては、今お話しのように、私どもは、その定款その他の目的に沿って公正に処理することが担保されておるということは、法の精神に基づきまして当然だと考えております。しかし、よくいろいろ見ておりますと、これがお話にありましたように、一部の官僚が天下りをしておるというような事象も見られるのでございますが、天下りそのものにつきましては人事院の規制とかいろいろございます。私は天下りを別に奨励するものではございませんが、その公益法人の性格から考えて、その目的を達するように処理をしなければならぬことは当然でありますが、疑惑を招くような天下りのある方向につきましては今後十分検討して改めていかなければならないと考えております。 国会で、大蔵委員会でもたびたび公益法人に対する国の援助の問題、天下り等の問題が出ておりまして、私もその際に、こういう法人で眠っておるものはもっと補助率カットして、地方団体に対する今度のような一律カットはすべきじゃないというような御意見も承っておる次第でございます。公益法人につきましては、総務庁とも連絡をとりながら私の方としましては公正に、そしてまたこれに対して世間の疑惑を招くことのないよう、また自治省傘下のそういうものに対しては、運営についてあるいは経理の方について十分監視監督を続けていきたいと思っております。
○小谷委員 よくわかりました。 そこで、今回提案されております地方交付税法の一部を改正する法律案、その中に宝くじの発売に関する地方財政法第三十二条並びに当せん金附証票法の一部改正案、これが盛り込まれておるわけでございます。地方財政法節三十二条それから当せん金附証票法の第四条、これを今回改正しようとされる理由、これはいかがなものでしょうか。
○花岡政府委員 今回宝くじ、いわゆる当せん金附証票法の改正をお願いしておるわけでございますが、一つには、現在この宝くじの使途というものが、公共事業の財源に充てるということに限られておりますのを、いわゆる福祉の面にも使途を広げたいという考え方が一つございます。 それからもう一つは、宝くじのいわゆる倍率と申しますか、これにつきまして、今まで発売単価の十万倍が限度でございましたけれども、特定のものにつきましてはこれを倍額まで引き上げることができるというふうな措置を講じたいということでございます。これは現在前後賞とかいうふうなことを設けて賞金のアップを図っておるところでございますが、ここら辺の問題もありますので、現在の情勢にマッチしたような価格のものが売れ得る状況をひとつつくっておきたい、これは全部ではございませんが、特定のくじにつきましてはそのような措置をとりたいという趣旨で改正をお願いしたものでございます。
○小谷委員 この宝くじは、最近とみに苦しい状況に追い詰められた地方財政を支えるものとして非常に期待が大きいわけでございますが、この宝くじの売上金の一部または収益金、それを財源として活動している公益法人、財団法人、これが幾つかあるわけでございますが、今申し上げましたような法人、この内容、どういう種類のものがあるのか、ちょっと御報告いただきたい。
○花岡政府委員 宝くじに関して法人が三つございます。一つは日本宝くじ協会でございまして、これは宝くじの健全な発展を図るとともに、宝くじの公共性、社会性等の普及宣伝その他の事業を行うことを目的として、発売団体である都道府県及び指定都市を会員として昭和三十九年に設立された財団法人でございます。その業務は、宝くじに関する調査研究、公益事業に対する助成を行うこと等によって宝くじに関する普及宣伝、それから宝くじの運営に関する発売団体相互間の連絡協調、国営宝くじ国際協会やそのメンバー諸国との連絡協調というふうなことになっております。 それから自治総合センターというのがございます。これは地方自治の振興と住民福祉の増進に寄与することを目的として、地方六団体等の地方自治関係者によりまして、昭和五十二年に設立された財団法人でございます。その業務は、一つは住民の自治意識の向上、コミュニティー活動の推進等に資するための各種啓発活動、それから地方行財政運営の円滑化に資するための調査研究、提言等、それからコミュニティー活動の推進に資する事業を通じての宝くじの普及広報等となっておるわけでございます。 それからもう一つの全国市町村振興協会というのがございますが、これは市町村の災害対策、市町村振興事業等の財源に充てるための市町村振興宝くじ、これの発売に伴いまして、その収益金の一部について広く全国的な視野に立った広域的な運用を図ることを目的として、各都道府県の市町村振興協会を会員として昭和五十四年に設立された財団法人でございます。その業務は、地方協会からの納付金を原資として、災害対策等のため、地方協会が行う市町村の緊急融資事業等に対する融資事業を中心とした市町村振興のための各種事業となっております。 以上でございます。
○小谷委員 財団法人日本宝くじ協会、それから財団法人自治総合センター、それから四十七都道府県にある市町村振興協会、またその上部団体、全国市町村振興協会、こういうふうにあるやに御説明があるわけです。この財団法人の財源は宝くじの売上金、または収益金からどのような比率で財源として配分されているものですか。
○花岡政府委員 日本宝くじ協会の場合は宝くじ発売団体の協議に基づきまして、宝くじの発売実績額の二%をもって公益事業を助成すること等によりまして、宝くじの普及宣伝活動を行うことにされているわけでございます。 自治総合センターは宝くじ発売団体の協議に基づきまして、予約制宝くじ及び緑化宝くじの発売実績額の一・五%をもってコミュニティー活動の推進に資する事業に助成することによりまして、宝くじの普及宣伝を行うこととしております。 全国市町村振興協会は、市町村の災害対策事業等への融資事業のための資金といたしまして、各都道府県から各地方協会へ交付されたサマージャンボ宝くじの収益金のうち、その二〇%について地方協会から納付を受け、地方協会に対する大規模災害簿の融資に資するための原資としておるところでございます。
○小谷委員 財団法人日本宝くじ協会、それから財団法人自治総合センター、財団法人全国市町村振興協会、この三法人の役員構成はどうなっておりますか。
○花岡政府委員 日本宝くじ協会につきましては理事長が一人、理事が七人、このうち非常勤が六人でございます。監事、これは非常勤でございますが、二人となっております。 自治総合センターにつきましては、会長が一人、これは非常勤でございます。理事長一人、理事七人、このうち六人は非常勤でございます。監事は非常勤が一名となっております。 それから全国市町村振興協会につきましては、理事長が一人、これは非常勤でございます。理事が十人、うち非常勤が八人でございます。監事は非常勤の二人となっておるところでございます。
○小谷委員 役員構成の答弁があったわけでございますが、この三法人の役員のうち、自治省出身のOBの方々はどのくらいいらっしゃいますか。
○花岡政府委員 この三法人のうち宝くじ協会におきましては二人、自治総合センターにおきましては二人、市町村振興協会におきましては、これも二人でございます。
○小谷委員 私の手元に三法人の事業報告書、五十八年度の決算書、定款、役員名簿が届いておりますけれども、この事業報告書を見ますと、例えば財団法人日本宝くじ協会、これは三十九年四月に設立されて、宝くじの消化額、売り上げの二%を資金として普及宣伝事業を、受託銀行である第一勧業銀行からさらに委託を受けて行う、こういうふうになっておると思います。またこの決算書を見てみましても、支出総額の九八・七%、これは公共事業への助成並びに普及宣伝ということになっておるようでございます。 また、自治総合センターは五十二年四月に設立されて、これもジャンボ室くじの消化額の一・五%を財源として、主として普及広報事業、またコミュニティー助成事業、文化振興事業等がなされておるようでございます。これらの事業の法的な根拠、どのような法律に基づいてこのような公益事業がなされておるのか、この点はいかがですか。
○花岡政府委員 これらはそれぞれいわゆる民法上の公益法人でございまして、宝くじ協会と自治総合センターにつきましては、それぞれ宝くじ発売団体の協議をもって設立されたものでございます。また、これらの経費というものは、第一勧銀の方のいわゆる普及宣伝の経費と申しますか、宝くじ発売の経費の一部をこれに使用していることとなっておるわけでございます。 また市町村振興協会は、先ほども申し上げましたように、各都道府県に収入になりましたもの、この中から各地方協会へ交付された収益、その一部を全国市町村振興協会の財源といたしておるということでございますので、いわゆる経費の中から支出されているものとはちょっと趣を異にしたものでございます。したがいまして、特に法的な根拠、これをつくるための特別な法律があるわけではございません。
○小谷委員 経費の見方がどうなのかわかりませんが、売上金の頭から二%ピンはねですわな。また一・五%ピンはねということですから、これは果たしてそのパーセントで経費とみなすということが妥当なのかどうか問題があろうかと思いますけれども、私は、この助成事業は社会福祉とか教育とか、またあるいは文化振興等々の有意義な事業に使用されておりますので、これは評価もし、また敬意も表しておるところです。 ところが、特に日本宝くじ協会、自治総合センター、この活動事業の内容は、いずれも宝くじの売上金の二%なり一・五%をピンはねして、ほとんど変わらないような事業、助成事業、これを行っておる。なぜこのような複数の法人をつくらなければならないのか非常に疑問を持つわけです。この点はいかがですか。
○花岡政府委員 宝くじのピンはねのようなお話でございました。別にピンはねをしておるわけではございませんで、これは宝くじの普及宣伝ということで発売団体が認めておるものでございまして、したがいまして、宝くじの発売の経費というふうに考えられておるわけでございます。特に、御指摘のこの日本宝くじ協会と自治総合センターというのは、割と似ておるといえば確かに似ておるわけでございますが、先ほど申しましたように、発売団体の協議によりまして宝くじの公共性等の普及宣伝として、公益事業とかあるいはコミュニティー活動に対する助成を通じて普及宣伝をしておるわけでございます。 全国市町村振興協会、これは都道府県の市町村振興協会でございますが、これらの法人というのは、いずれも発売団体であります都道府県、指定都市、これらの協議によりまして任意の原資提供を受けておのおのの事業を行っております財団法人でございまして、これも趣旨が似ているということではございますけれども、それぞれの活動の分野というものを一応分けておりまして、いわゆる一般の公益事業に対する助成を行うことによって、それを通じて普及宣伝をしておるもの、あるいはコミュニティー活動に対する助成を通じて宝くじの普及宣伝を行うというふうなことで、一応の区分けをして事業を進めておるところでございますので、似通ってはおりますけれども、特に統合しなくてはならないというふうなところまで考えていないというところでございます。
○小谷委員 今回改正をされようとする地方財政法第三十二条、これはこの団体の行事にかかわることも含まれるわけですか、これはいかがですか。
○花岡政府委員 これらの団体の行います事業は、三十二条の事業には入っておりません。
○小谷委員 当然これは宝くじの収益金の一部ですので含めるべきものである、そういうふうな三十二条の規定に基づいた中で行うべき制度のものである、このように思うわけです。これは非常に不明朗だと思うのですが、いかがですか。
○花岡政府委員 日本宝くじ協会と自治総合センターで行っております普及宣伝活動につきましては、これは経費でやっておるわけでございますので収益ではございません。それからもう一つの全国市町村振興協会というのは収益の中から行っておるわけでございますが、これは災害復旧等の事業の貸付資金に充てておるというふうなことでございますので、ちょっとこの二つのものは内容が違ってはおります。
○小谷委員 今局長おっしゃった全国市町村振興協会、これは昭和五十四年四月に発足をして、サマージャンボ宝くじの収益金の二〇%を財源としている、これもわからぬでもないのですが、地方の市町村振興協会が行う緊急融資事業、これに対して金を貸す、このように承っております。この市町村振興のための宝くじの収益金というものは、本来市町村の貴重な財源でありまして、これは全国の市町村の共有の財源ということでは間違いないわけでございますが、その市町村に貸し付ける融資、これを行うということで、これはまた当然融資を受けた市町村は金利もかかることであろうと思いますし、何となく複雑なシステムをあえてつくったというふうな気がしてならないわけですが、この点はいかがですか。
○花岡政府委員 全国市町村振興協会は、公益的な事業に対していろいろ貸し付けをする形になっておるわけでございます。これはもともとのいきさつからいきますと、市町村が宝くじを興したいというふうなことがございましたけれども、それぞれの市町村で興すということは技術的に非常に難しい点がございまして、各都道府県で発売をして、そして各地方協会にこれを入れるという形をとっておりますが、地域によりまして非常にこの収益に多寡がございますので、これは全国の協会に一部をプールいたしまして、非常な災害等が起こったところにはそこから融資をしたらどうかというふうなことで、市町村の御意向を受けて設立されたものでございます。
○小谷委員 先ほど局長は、これは売り上げの収益金ではない、経費だ、こうおっしゃっておられるわけですけれども、確かに二%とか一・五%ということです。しかし、宝くじの売り上げは年々巨額なものになっております。例えば五十八年度は二千七百六十五億の売り上げということでございまして、これに応じて日本宝くじ協会の収入も、五十八年度の決算書で見れば約五十二億二千八百八十九万円ということになっておるようです。また自治総合センターでも、五十八年度決算では二十五億五千七百万、このように巨額になっておるわけでございますが、これも、ただこれが経費ということになるのかどうか、これはあくまでも普及広報とか広報宣伝、こういうことに出費されておるわけでございますが、これはほとんど九十数%まで事業費補助金という形で支出されております。 これはもとは庶民が夢を求めて購入した宝くじの売上金でございます。また、これは適切に法律に基づいた処置を行い、事業に充てるとしても極力簡素化して、合理化して、そしてたとえどれだけでも市町村の公共事業、また社会福祉事業に貢献できるように取り計らうべきである、このように私たちは思っておるわけですが、この点はいかがですか。
○花岡政府委員 それぞれの団体が公益事業に対する助成なり、あるいはコミュニティー事業の普及についての助成なりを通じて宝くじの普及宣伝をしておるわけでございますが、この宝くじにつきましては、やはり普及宣伝ということが売れ行きについて非情に大きな影響を及ぼすわけでございますので、方々で見られますように、例えば公園のベンチに宝くじのマークがついておるとか、あるいは胃の検診車にも宝くじ号が走っておるとか、いろいろと工夫を凝らして宝くじの収益の増加に努めておるわけでございまして、発売団体がこういうことをやって普及宣伝に力を入れてほしいというふうなことでこういった支出をやっておるわけでございますので、今売り益が割と伸び悩んでおりますけれども、むしろさらに活動を強化しなければならぬというふうな考え方もございます。 しかし、御指摘もありますので、できるだけ合理化、簡素化していく必要があろうかと思いますので、その辺は発売団体と十分協議してまいりたいと存じます。
○小谷委員 財団法人日本宝くじ協会と全国市町村振興協会、特に全国市町村振興協会は巨額な基本財産ということになろうかと思いますけれども、これの取り扱い銀行、要するに預託されている銀行はどこになっているのですか。
○花岡政府委員 全国市町村振興協会の基本財産は安田信託銀行でございます。それから基金につきましては富士銀行、三菱銀行、第一勧銀、協和銀行でございます。 それから宝くじ協会につきましては、公営企業債券を持っておりますので、これは野村証券と第一勧銀でございます。
○小谷委員 宝くじの受託金融機関というのは銀行に限る、このようになっております。そこで、実際は今第一勧銀だけが受託銀行としてこの業務に携わっておるようでございますが、他の都市銀行とか金融機関、ここから受託の希望とか要望というのは出ていないのですか。
○花岡政府委員 最近特にそういうことを伺ったことはございません。かつて五十二年の末ごろでございましたか、全国市長会が市町村発行の宝くじの設立を要望いたしましたときに全信連が名のりを上げたということは聞いておりますが、新たに受託銀行になりたいということは現在のところ聞いておりません。
○小谷委員 先ほど来役員名簿から見ましても、宝くじ協会の理事長と自治総合センターの会長は同一人物であるようです、天自治省事務次官をされた方。また宝くじ協会の常務理事、自治総合センターの理事、全国市町村振興協会の理事を兼ねている人もいらっしゃるようでありますし、これらの方々はほとんど自治省出身者の方々でございますが、さらに自治総合センターの理事長は前自治省の事務次官の方でございます。このように宝くじにかかわる公益法人の事業、また役員構成など今まで二、三質問してまいりましたけれども、大臣いかがなものでしょうか。確かに必要な事業をなさっていらっしゃるわけでありますけれども、何となく同じような事業で幾つも重なりあって、屋上屋を重ねたような法人があるやに考えられます。 そこで、今、外郭団体なりそういう機関を整理統合して簡素化していくべきであるという世論、また国民の期待を受けてここらで思い切って、宝くじの財源というのは庶民の夢をかけたものでもあり、また地方自治体にとりましては貴重な財源でもございますので、検討する時期が来ておるのではなかろうか、こう思うわけでございますが、大臣、いかがでしょうか。
○花岡政府委員 ちょっと大臣のお答えになる前に申し上げておきますけれども、これはいわゆる特殊法人ではございませんで、国の方が整理統合すべきものであるというふうに、国からの援助を受けたりあるいは認可を受けたりというものでございませんので、これは現在のいわゆる行革というふうなものとの関連性はかなり薄いのではないかと存じております。
○古屋国務大臣 今局長から答弁いたしましたが、国民が宝くじに応じてこういう資金が出たものでありますから、最も有効に国民のために使われる、特に福祉だとか地方振興のために使われるという点から考えまして、私も岐阜県なんか見てみますと、県の振興協会というのは町村の財政が逼迫しておるときには大変ありがたい、いろいろの事業で、一事業について大体五百万円ぐらい貸しておるようでございます。これはいい悪いは別問題として、市町村の方は割合によくこれに頼っておるといいますか、現実の問題では私どもそういうように承知しております。 宝くじ協会と自治総合センターはお話しのように確かによく似たものでございます。また、自治省の幹部であった人がその会長におりますけれども、これはそういう団体を有効に利用するという意味において、ほとんど名誉職的にほかの仕事を兼務しながらやっているのではないかと私は考えております。いずれにいたしましても、先生の御意見を今後の検討項目といたしましてひとつ考えさせていただきたいと思います。
○小谷委員 それでは、地方交付税法の一部改正につきまして、今衆議院の大蔵委員会の方で、また連合審査等で大臣も毎日この問題に取り組んで意欲的に進めておいでになったことと思いますけれども、地方交付税にかなりストレートにかかってくる問題でございますので、この機会に大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。 補助金の一括処理法案につきましては、中曽根内閣の国民に対する約束でありまた施政方針の柱でもある、また国民の期待の大きい行政改革、また「増税なき財政再建」、これにこの一括法案、補助金の地方自治体の肩がわりというふうなものはどのようにかかわるのか、またどのような関連を持つものなのか、どのような位置づけをされてこの目的に携わるものなのか。私は、今回のこの処置は、国の財政が非常に逼迫した状況の中で、地方団体が肩がわりを受けるものにほかならない、このように思うわけでございますけれども、まず大臣の認識をお尋ねしておきたいと思います。
○古屋国務大臣 お話しのように、行政改革と「増税なき財政再建」というのは政府の基本目標でありまして、私どももそのもとでいろいろの施策が行われておると思います。 補助金の整理合理化ということは、行政改革を推進する上におきましてもこれを進んでしなければならないということは言われておるのでありまして、ただ今度の一括法案につきましては、実は国は財政の立場からこういうような補助金の一括カットを考えたのでありまして、私どもといたしましては、補助金というのはやはり事務の見直しとかそういうことによって考えていくべきであって、ただ一律的に切っても地方には何の役にも立たないという考えで進んでおりましたが、十二月の予算編成の直前に至りまして、極めて厳しい財政状況のもとにあって一年限りとし、しかもこれについては国で交付税あるいは建設地方債でその負担の分を処理するという決定がございました。私どもは、そういう意味ならひとつ一年限りの間に十分検討し直しますということで、残念でございますがこれを受け入れたといういきさつがございます。 私どもは、補助金の整理合理化ということはやはり事務事業の見直しということからどうしてもやっていかなければならぬと思います。今法案が出ておりまして、御承知のように見直しの問題やあるいは国の関与の問題や必置規制の問題は御審議を願うことにお願いをしておると思いますが、まだ肝心の、地方で一番考えております権限移譲の問題とか許認可の問題が、この六月ごろ行革審から答申がいただけるものと私どもは考えておりまして、そういうものが出てこないと、本当の地方と国の事務の分担、費用の配分ということは、どうしてもそういう点を考えてやっていかなければならないというのが私どもの考え方でございます。 実は、先般もこういう問題につきまして大蔵大臣に、今後の問題としてはぜひ事務の分担、費用の配分ということ、国と地方の事業の見直しとかそういうことを基底として補助金の見直しを考えてもらいたいということは、ちょっとこの間の閣議で大蔵大臣からそういう話が出ましたので、私は今の意見をお願いをし、総理の前で申し上げたところでございます。そういう意味におきましてこれを国で補てんする、一年限りということで自治省としてはやむなく承知したのでございますが、実は決まるまでは、こんな一括せぬでも補助金の整理合理化によって、社会保障などの金は、不必要な補助金の整理だとかあるいは地方に定着したものをもって充てればある程度出ますということで、いろいろ大蔵省と折衝しておったのでございます。 そういう観点でやったのでございますが、結局最後には厳しい財政状況のもとということで、今のように、国で足らぬ分、補てんの分を見る、それから交付税の一部と特別会計、建設地方債でございますが、それによりまして、一年限り、特に一番問題になる社会保障につきましては国の責務が非常に重大であるということで、これは御承知のように初めは七・二から七になったり、ちょっといろいろのいきさつもあったようでございますが、私の方としましては、これは完全に三大臣合意のもとで、六十年度中に検討して六十一年度の予算編成に向かって可検討しよう、こういうことでやっております。 私は、一括カットといいますと、先生のお話のように、一括カットすれば、要る事業もカットし要らぬ事業もカットするということで、これは国だけの財政上の立場だと考えて、いろいろそういうようなお願いをしておったのでございますが、六十一年度の予算の編成に当たりましては、そういうことを十分生かしましてひとつ大蔵省と折衝をしてまいりたいと考えております。
○小谷委員 総括的には、大臣のお考えは今るる御説明をいただきましたのでよくわかるわけですけれども、具体的に物事の判断をつけていきたい、こう思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 六十年度だけという時限立法的な措置であるという認識を大臣はしていらっしゃるわけです。そのとおりであろうと思いますけれども、この法案が成立しましたら、とりあえず六十年度五千八百億円という補助金が削減されるということになるわけです。これは即国の責務といいますか、国の責任を転嫁して地方がそのまま肩がわりするわけでございますが、これで地方団体は、一応局長の先ほどからの答弁によれば、何とか財政措置はした、だからそんなに困らへんのやというふうに聞こえるわけですけれども、それじゃこれは全く地方財政を大きく補うものであるかどうかといえば補うものではない、このように思うわけです。そういう点からいえば地方財政は、これを受けて、交付団体、不交付団体を含めて、地方団体全体的には、財政上より厳しい状況に追いやられることは間違いないと思う。このように私も判断するわけであります。 特に、今までの答弁の中でも、大臣も財源対策は、何とか六十年度においては財政運営に支障のないようにしていくというふうに答弁もされておるわけでございますが、国債の一時肩がわりということであって、地方債でほとんど補うことになって、あと何らかの交付税等で補いをつけろということでございますけれども、これは地方財政にとっては今までより以上に不健全化、硬直化を招くことになる、このように私たちは心配でならないわけです。この点については大臣はどうですか。
○花岡政府委員 六十年度の地方財政につきましては、御承知のように国庫補助負担率の引き下げを行わない場合にはその収支が均衡することになったわけでございまして、いわゆる財源対策債の発行は必要としない状況になったのでございます。今回の国庫補助負担率の引き下げに伴いまして、厳しい財政環境のもとで四千八百億円の建設地方債の増発を行うことになったわけでございますが、これを含めましても地方債依存度は昨年の九・九%から七・八%へ下がるという状況でございます。また、この建設地方債の償還につきましては、元利償還が行われる年度におきまして基準財政需要額に算入をすることとしておりますので、個々の地方団体に対しましては交付税を通じて所要の財源措置がされるということになるわけでございます。 今回の措置に際しまして、国が負担を約束している分を含めましてもなお交付税の総額に後年度不足を生じるというふうな場合には、地方財政計画の策定を通じまして所要の財政対策を講じて、必要な交付税の総額を確保してまいりたいと考えておるところでございます。 御指摘のように現在の地方財政の最重要な課題は借入金依存体質の脱却でございます。私どもといたしましても、この財政体質の抜本的改善を図っていくために、一般財源の充実に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○小谷委員 特に生活保護を中心にした社会保障関係、経常経費関係の中でほとんどこのような社会保障制度関係の補助金がカットになるわけでございますが、これは何回も論議されておりますけれども、日本国憲法に定められた国の責務の後退である、このように思うわけですが、この点、本会議でも総理大臣は、地方も一定の負担を今までしてきた、したがって今回も地方が幾分の負担をするのは当然であるかのごとき考え方を示されたように思えてならない。大臣、この点はどうですか。
○古屋国務大臣 私は、社会保障の点につきましては、さっき言いましたように、この十二月二十日ごろまで、地方制度調査会あるいは地方財政審議会からも御答申をいただいておりまして、一律カットではなくて補助金の合理的な整理というものを考えなければいけないという立場で推移しておったのでありますが、さっき申し上げた事情で、一年限りということと、それからそれを交付税と地方債で補うということで一応決着を見たわけであります。 私としましては、この三大臣の覚書によりまして、適当な時期に恐らく関係閣僚会議というものもできるのではなかろうかと思いますし、そのもとに事務的な懇談会もできると思いますが、そういう場合には地方の意見も十分聞きながら、また、今まで検討してまいりました、補助金の一括カットではなくて合理的な整理というような問題を頭に持ちながら、社会保障の責務ということを考えて三大臣の折衝に臨みたいと考えております。
○小谷委員 局長、これは先ほど申し上げましたように、国の責務の後退である、このように思うのですが、どう思いますか。
○花岡政府委員 私どもも、社会保障に関する補助率のカットということは事務事業の見直しをして後でなければこの費用負担というものは動かすべきではない、割合というものは変えるべきではないというふうな考え方を持っておるわけでございまして、今回、順序が逆になりましたけれども、六十年度におきまして一年間検討をするということになったというふうに考えております。
○小谷委員 次に、観点を変えまして、臨調の答申を尊重しながら、中曽根内閣は施政方針に基づいて行政を進めていらっしゃるわけでございますが、先ほどから大臣もおっしゃっておられますように、保護助成策の見直し、それから公的部門の分野に属する施策のあり方、国と地方との費用分担のあり方の見直し、ここらを詰めて、そうして補助金を総合的に見直していくということが大事であろうと思います。 臨調の最終答申におきましても整理合理化の提言があったわけですけれども、これによっても「補助金等の整理合理化は、単に保護助成策の見直しにとどまらず、公的部門の分野に属する施策の在り方及び国と地方との間の費用分担の在り方の見直しにまでわたるもの」を検討すべきである。そうして「補助金等の総額を一層厳しく抑制すべきである。」こういうふうな提言がなされておるわけでございます。したがって、今回のこの措置は、臨調答申の基本的な考え方にも大きく食い違うのではないか、こう思うわけでございますが、大臣、いかがですか。
○古屋国務大臣 今先生がお話しになりましたような補助金の整理合理化ということは、臨調の答申も出ておりますし、行政改革の重要な項目であると私は考えております。ただ、一律カットがいいか悪いかということは政策的な問題になりまして、自治省の立場はさっき申し上げたとおりでございまして、私どもは、補助金の事務分担その他を考えての廃止合理化ということはぜひやらなければならぬと思っておりますし、そのための事務の見直し、費用の分担の割合というようなことも検討していかなければならぬと思っておりますが、行政改革におきまして、そういうような補助金の整理合理化ということを提案されておりますことは、私どもも当然そういうふうにあるべきと思っております。 ただ、一律カットがそれに含まれるか含まれぬかということは政治的にいろいろあると思いますが、一年限りで、その間の、補てんをするからということで、臨調の精神に反することはないような感じでございますが、とにかく整理合理化のためには一生懸命で今後努力してまいるつもりでございます。
○小谷委員 地方交付税法の第一条に「地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」このように明文化されておるわけです。したがって、交付税法が直接の目的とする地方団体の財源の均衡化、また、計画的な行政執行をなし得るための財源の保障、これが特に交付税としては大事な目的でございます。ただし、それよりもなお大事なことは、地方自治の本旨に基づいて、地方団体の行政の自主性を損なってはならないということなんです。 ところが今回のような、完全に財源保障はした、したがって、財政の措置は講じてあるのだということであったとしても、これは国の一方的判断によって行われたものであるならば、これはあくまでも実質的には国の干渉に伴うものであって意味がない。したがって、地方交付税法第一条の基本的な、明文化された法律の立法精神といいますか趣旨に基づいても、補助金の一律カットというのは地方交付税法の目的から外れていくのではなかろうか、地方の自主性尊重ということにもとるのではなかろうか、こう思うのですが、大臣、いかがでございましょうか。
○花岡政府委員 私どもも、事務事業の見直しをしないで一律にカットするということはやるべきでないと考えておるわけでございますが、結局、六十年度は暫定的な措置としてこの補助負担率の引き下げが行われることになって地方負担が増加したわけでございますが、この地方負担の増加分につきましては、御承知のように地方交付税の特例加算と建設地方債の増発によって補てんすることにいたしております。 この結果、六十年度の地方財政計画における地方交付税総額というものは、前年度に比べまして一〇・九%増、九兆四千四百九十九億円というふうになりまして、地方団体がその行政水準を維持し、計画的に事務事業を遂行するために必要な総額が確保できた、そして地方団体の自主的な財政運営に支障がないように対処しておりますので、地方交付税法の趣旨には反していないと考えているものでございます。
○小谷委員 これから六十一年度予算についてもいろいろ始まるわけでございますけれども、私は、大蔵省には、地方財政には余裕がある、要するに地方財政ゆとり論といいますか、こういう考え方が基本的にはあるのではなかろうかと思うのでございます。そういう点で、大臣としても、これから非常に厳しい中、地方財政の問題にいろいろ取り組んで六十一年度の予算編成に臨まれると思いますけれども、大蔵省がこういうふうな考え方を持っているということを大臣はどのように認識されておりますか。
○古屋国務大臣 私としては、大蔵省に機会あるごとにそういうことはあり得ないということを言いまして、数字的にも五十七兆の借金を抱えており、また、地方団体個々に見ましても、全国の市町村の四分の一の八百二十団体が公債負担率におきまして赤信号という、二〇%以上の数字になっておる。同時に、税源の問題につきましても、地方は税でも割合に義務的な経費が多い、あるいは中央で国税中心にいろいろ考えておりますので、その制約等も受けまして裁量権が大変少ないというような状況になっております。 したがいまして、数字的な点から、例えば国は百三十兆の国債発行をしておるから、あるいはまた、地方自治体はその半分の五十七兆だから、借金が半分だからいいというような考え方は間違っておると私は考えておるのでありまして、そういうような点につきましては、機会あるごとに、大蔵省にもそういう一部の論があることは私どもあると思っております。ただ、この間の神奈川県の例のようなことがぼっと新聞に大きく出ますと、やはり地方は豊かだなというようなことも出てくるわけでありまして、交付税の制度というものが財源の均衡配分ということを目的としてできたものでありますが、こういうようなものにつきまして、私は交付税や地方税の税源確保、つまり自治体が自主性、自律性を持って措置できるだけの財源というものの確保は、自治省としては絶対にやっていかなければならぬという考え方でおります。
○小谷委員 大臣、今考え方をお聞きしたわけでございますが、全く大臣お説のとおりでございまして、一部には確かに地方公務員の給与の問題、また高額な退職金の支給問題等で余裕があるように見られておりますけれども、あくまでも一部でありまして、地方公共団体全体から見れば、ことしの一月十日に発表された都道府県普通会計五十八年度決算を見ましても、これは前年度比の伸び率は五十三年度以降六年連続してずっと低下しておるわけでございまして、昭和三十年度以来最低の伸び率になっておるわけでございます。また実質収支ということになれば千四百四十六億円の黒字となっておりますけれども、これは五十七年度の繰り越し分が千五百億あったので何とかつじつまが合ったということであって、単年度収支から見ましたら、これは差し引き五十四億の赤字ですね。このような単年度収支が赤字になったというのは昭和五十年度以来。このような状況にあることを再認識してかからなければならぬと思いますし、地方財政ゆとり論なんかとんでもない話である、このように私たちは思っております。 また、地方債の残高でも今大臣のおっしゃったとおりでございますし、まさに国の負担を地方負担に押しつけるというような考え方はもう当然持つべきではない、このように思うわけでございます。さらに、ことしの三月二十六日に参議院の方で開かれました公聴会で、青山学院大学の原教授は、こうした法案が出てきた背景には地方財政が好転したという政府の考え方があると思う、しかし、それは各自治体によって差があり、一括して削減しようというのはむちゃくちゃな考えだ、このように厳しく批判しておられます。 先ほどから何回も大臣にこの件についてお尋ねをしたわけでございますけれども、今回の削減がもうきょうあすに採決されるかと思いますが、これは来年にどのようにかかわり、今後の地方財政にどんな大きな影響を及ぼし、国の財政、予算編成にどうなっていくのか、非常に重要な政治選択が迫られるものであろうと思いますので、ここらの認識について、大臣、さらにいかがでございましょうか。
○古屋国務大臣 私はこの検討期間を全力を挙げて有効に生かし、そうして財政審議会あるいは地方制度調査会の御答申にもあるようなそういう意味の補助金の整理合理化、事務の見直し、費用の配分という点につきましては、そういう点を中心にいたしまして、六十一年度以降、御承知のように、今度地方債を出しましても六十一年度以降においてまたいろいろな償還、そういう問題が起こってまいりますので、このままじゃ地方財政はとてもやっていけないということで、ぜひこの補助金の整理合理化あるいは国の権限の移譲というような点につきましては深い配慮を用いまして、とにかく地方財源の確保、交付税の安定的な供給という点につきましては十分注意しながら進んでまいりたいと思っております。
○小谷委員 この機会に、昨年の十二月二十二日に大蔵、自治、厚生の三大臣が覚書で、「六十年度における暫定措置とする。」それから「六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得る」、こういうふうな覚書を交わされたということでございますけれども、このときに大蔵省は三年間削減をしたい、このように主張されたと聞いております。したがって、一年間の暫定措置が、さらに延長を繰り返して恒久化されることを心配するわけでございますけれども、大臣、この点についてはどうですか。
○古屋国務大臣 そういううわさは聞いたことはございますが、社会保障費についてはとにかく一番重要な問題で、実は十二月十五日ごろまでは大体社会保障中心で削っていくという考え方で私どもは進め、また大蔵省もそうだと思っておりましたが、その後、学校関係とかあるいは公共事業の問題が出てきました。そのときにたしか公共事業は三年間というようなうわさがあったことは聞いておりますが、これはちゃんと法律にも一年と書いてありますし、私どもも一年内に検討する、見直しするということになっておりますので、三年間やるということはうわさでございますが、そういううわさについては神経過敏にならなければならぬことは当然でございます。 ただ、約束は一年ということになっておりますが、きのうも御注意ございまして、自治省はまじめだからいつも大蔵省にやられるという話がありました。私も、そういう点お答えをいたしまして、きのうは加藤先生もおられたのですが、将来の総理大臣になる、自他ともに許しておる竹下さんがそんなうそをというか、言うことは私はないような気がしますというお答えをしたところでございますが、それはともあれ、私どもとしては、本当にこれはまじめに受けて検討していかなければならぬし、また検討させていただきたいというふうに考えております。
○小谷委員 六十一年度以降の補助金の削減について、政府は関係の閣僚会議を設けて、そうして来年度の予算のシーリングを決める、このように承っておるわけでございますし、この閣僚会議に官房長官中心に、大蔵、自治、厚生の三大臣のほかに、学識経験者とかそのほかこういう財政について詳しい方々をも入れて、そうして検討会を始めるというふうな話もちょっと聞いておるわけですけれども、この三大臣を含めての閣僚会議の運営、構成、この点についてはいかがでしょうか。
○古屋国務大臣 これはまだ何とも聞いておりません。それで今、事務方でいろいろの姿を検討しておりますが、私見的な考え方、こういうふうにしたらいいのじゃないかという考え方を持っております。 私は閣僚会議にして、その下に有識者の懇談会というものをつくりまして、そこで閣僚も出て地方の意見を十分聞いて、そして閣僚は閣僚会議で官房長官中心に進めていかれるのではないだろうか、そういう内部の感じを持っておるのでございます。ただ一般的に、有識者を入れるという従来のやり方の場合には恐らく結論はなかなか難しいような感じがしておりますが、とにかく意見を聞く必要の場というのは懇談会とか協議会で持たなければならぬと思っております。それを閣僚会議に入れるか閣僚会議のもとに置くかということは、もうちょっとお時間をいただかなくてはわからぬと思いますが、ともあれ私どもは、地方自治団体の代表の方とか地方制度調査会の方、財政審議会の方というのは自治省としてはどんな方法によりましても必ず御意見を承って対処したいと考えております。
○小谷委員 大蔵、厚生、自治の三大臣の覚書、合意、これは社会保障関係のみとなっておるようでございます。社会保障関係以外、要するに公共事業等の投資的経費系統については今回の補助金の削減措置がとられたわけでございますけれども、これはこの三大臣の覚書の中には含まれておらぬようでございまして、これは恒久化したものかという論議があるのです。いかがですか。
○花岡政府委員 今回の三大臣の覚書は、社会保障に関する議論について哲学的なと申しますか、社会保障の基本にかかわる問題があるということで大きな論争になったわけでございまして、そういう意味合いで、この社会保障に関しては三大臣で検討しようという話になったわけでございます。もちろん社会保障以外についても必要に応じて検討をするという考え方になっておるところでございます。 ただ、公共事業につきましては、御承知のようにこれまでも補助率の変動等がそのときそのときにおいて行われておりますので、こういう大議論までしてやらなければならぬことであるかどうかということは別途ございますが、これを除外したという趣旨ではございません。
○古屋国務大臣 ちょっとつけ加えて。 私の記憶では、今の三大臣の覚書には入っておりませんが、その後に、必要によってはその他の大臣とも協議をしてまいりたいと考えております。
○小谷委員 補助金の削減問題につきましては、議事録を見てみましても、大蔵大臣は各所で「この問題についてはもう一年かけて議論をして恒久化した方がよかろうという判断の上に立ちましたので、一年ぽっきりという形でこの御審議をいただこう、こういうことにいたしました。」このように言われておるわけです。したがって、昨年十二月の三大臣合意では「今後一年以内に結論を得るもの」となっておりますけれども、大蔵大臣の答弁から読み取れるのは、一年間種々論議はするが、論議をするのは補助金の削減を恒久化するために論議をするのであって、これはあくまでも削減の恒久化が前提である、その上に立っての論議を一年間かけてするのだ、このように答弁されておるように聞こえてならないわけです。 そういうことであれば、この覚書も意味がなくなるように思いますし、またそのようなねらいのまま今後進められるといたしましたら、一年間の暫定措置というものがそんな生易しいものではなくなっていくと思うわけです。この点について、先ほどから何回も大臣からお答えいただいておるわけですけれども、一緒に連合審査等において大蔵との考え方の中での接点でいかがですか。
○古屋国務大臣 大蔵委員会あるいは合同の委員会での大蔵大臣の発言中で私が感じましたことは、事務の分担を改めたり費用負担をどうするかというのはいろいろな方の御意見を聞くが、この国会の場の御論議も頭に十分置きましてということを言っておるわけであります。 これは私どもとしては、地方団体あるいは地方制度調査会とか地方財政審議会というところでは、一律カット反対ということはもう既に出ておるわけでございますので、これからのやり方は、あくまでもそういう問題と同時に、国会の論議で先生方の御意見を十分に勘案してという大蔵大臣の話を私もそういうように受けとめて、とにかく国権の最高機関の論議の上で出たことは私も十分考えていかなければならぬし、まさか大蔵大臣がそれを完全に無視するということは、さっき申しましたように竹下さんもそこまではあれしない、そう言うと私が甘いとお考えになるかもしれませんが、私はそんな感じでおるわけでございます。
○小谷委員 今回の一律カットにつきましては、何回もそれぞれの委員会で指摘されたことと思いますけれども、地方財政法第二条第二項に、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」とあるわけですが、これに抵触するのではないかと思うわけでございます。大臣、いかがですか。
○古屋国務大臣 そういう御意見があることは当然でございますが、大蔵委員会等で質問を受けまして私がお答えしておりますのは、こういうように国の立場と地方の立場が違っておって、それで厳しい財政状況だから一年限り、一年の間に検討するということで、これをやるという覚書も特に社会保障についてはそういうふうに出ておるわけでございます。 ですから私は、何としてもこういう点は地方の立場あるいは国会の論議というものが考え方の一番基礎にならなければならぬと考えておるわけでございまして、先生方に言っていただくのは、地方自治あるいは地方財政のために大変ありがたい意見だと思って心の中では感激しながら、自分のやっておることをいろいろ反省しながらお聞きしておるわけでございまして、こういう問題につきましては、率直に申しまして一年限りという受け方を私はしまして、この間に十分な検討をして対処していく決意でございます。
○小谷委員 大臣は昼から大蔵委員会があるようでございますから、食事もあることと思いますので、どうぞ引き取ってください。あと、私は局長に二、三質問を続けたいと思います。 それでは、交付税の基準財政需要額の問題についてお尋ねしたいと思います。 地方財政の現状は、最近において特に厳しい状況にあることは御承知のとおりでありまして、地方財政の財源の充実確保を図るためにそれぞれいろいろな措置を講じ、また、地方交付税においてもそれぞれいろいろな地方の実情、実態に即して対応されておられるように認識しております。そこで、まず地方交付税法の基本的な趣旨を局長に御説明いただきたいと思います。
○花岡政府委員 地方交付税は、地方団体の自主性を損なわずにその財源の均衡化を図り、あわせて地方行政の計画的な運営を保障することによって地方自治の本旨を実現するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とするものであります。
○小谷委員 基準財政需要額の算定基準について、余りにも地方自治体に相違があり過ぎる、こう思うわけです。いわば過疎県とか人口の急増府県との差ですね。かなりいろいろな角度から、今自治省の方で一括して考えられたような網をごっそりかぶせて、これが基準だということにしていろいろな指数を掛け合わせて額をはじき出すということにはかなり無理があるのではなかろうか、このように常々思うわけでございます。特に私、大都市圏でございますので、質、量ともに需要が非常に高騰しつつある状況の中で府県の格差を十分配慮しなければならないのではなかろうか、こう思います。 例えば国庫補助の事業費におきましても、単価差というのがちゃんとあるわけです。交付税上はこの点の配慮がほとんどなされていないというふうな問題でございます。具体的に二、三申し上げましたら、普通態容補正係数、人口の積み上げ分ですが、これの算定基礎となる種地、要するに調整手当ですね。調整手当率というのが、人事院の規則で定められた傘と、自治省の方で基準財政需要額の中ではじき出される算定基礎が全く合致していない。この点はいかがでしょうか。
○花岡政府委員 交付税は、客観的な算定をいたすということから画一的になりがちであることは御承知のとおりだと思います。しかし私ども、できるだけ地方団体の実態を反映させるような指数を使っていろいろな補正をしております。普通態容補正係数は、御承知のように、都市化の程度等、地方団体の態容によりまして行政の質あるいは量に差がある、そこで単位当たりの経費が割高、割安になるものについて適用をしておるわけでございます。適用に当たりましては、全市町村を甲地と乙地に分けて、さらに都市化の程度によりまして。それぞれ一種地から十種地まで区分して、都市的な財政需要の差を反映させておるわけでございます。普通態容補正係数の基礎には、調整手当以外にも、期末・勤勉手当それから通勤・住居手当、また時間外勤務手当、こういった要素が含まれております。 これらの各種の手当と調整手当を切り離して算定するということは、交付税の算定が極めて複雑になってくるというふうな技術的な問題がございますので、現在御指摘のように、都市的財政需要の地域区分に基づく差異について、原則として交付税上の措置によってこれを反映させることにしております。したがいまして、御指摘の調整手当の支給率につきましては、人事院の規則で定めました支給区分を用いずに、交付税上の種地区分を用いて算定をしておるわけでございまして、その加重平均した支給率をもって各種地の支給率としておるのは、先ほど申し上げましたような技術的な問題もありまして、これをできるだけ簡略化する算定方式を用いたということでございます。
○小谷委員 簡略化はいいと思いますけれども、大阪あたりは大都市圏で、態容係数で、人事院の規則に基づいたものに的確に合致すれば五十八年ベースでも五十八億円需要額が上乗せできる、そういうことになります。したがって、確かに人事院の規則には段階が多いようですし、いろいろ複雑でありますけれども、これは大きな問題ですからもう一回検討する必要があるのではなかろうかと思いますが、いかがですか。
○花岡政府委員 こういうことを申し上げてはなんですけれども、交付税の基本から申しますと、できるだけそれぞれの団体の実態を反映いたすように努力はしてまいりますけれども、これを余りに複雑化し過ぎているのではないかというふうな御批判もあるわけでございます。この算定方式を御指摘のような形へ持っていくというのは、いろいろ検討はいたしますけれども、かなり難しいのではなかろうかと思うわけでございます。特に、種地の高いところにつきましては、御承知のように、留保財源もかなりあるではないかというふうなこともございます。 私も大阪におりますときにかなりそういうふうなことを言われたことがございまして、余りそういうふうなことは下の方から上がってこなかったので、今初めて聞いたわけでございますけれども、そういう事情もございまして、どういうふうな算定方式が一番適正であるかという点につきましては、今後とも常々に十分研究はしてまいりたいと存じます。
○小谷委員 花岡さん、大阪副知事してはったんやから、一番ようわかってるからさらに尋ねておるわけです。 それで、時間も余りないようですけれども、道路橋梁費中の交通安全施設、これなんかでも、それは指定都市を持ったところはたまりまへんで、施設費全部外されてまんねん。公安委員会の所管に基づく信号機とか、また道路標識とか道路面の区分帯とか、これは福岡県とか神奈川県、指定都市を二つも持っているところは大変なものですよ。これは要するに公安委員会の所管する大都市内での交通安全施設は入ってないですよ。どうですか。
○花岡政府委員 指定都市を含む都道府県の場合には、国府県道のうち指定都市の区域内にある道路につきましては都道府県にかわって指定都市が管理することとされておりますので、都道府県分の測定単位の数値にはこれは含めないということになっております。
○小谷委員 何で含めまへんのや。おかしいおまっしゃろ。含めるべきじゃないですか。 それからさらに、ちょっと時間が狂いようですけれども、基準財政収入額で、料理飲食等消費税の補正係数、これに特級酒の消費量が根拠になっていますね。これはちょっと問題ですね。 これは全国の消費量を一〇〇〇と見た場合に、大阪府はそのうちの四分の一、東京が九八で大阪は二五八です。これはなぜこういうことになっているかといいましたら、大阪という地域性、開店祝い、新築祝い、あらゆる祝い事に全部特級酒が贈答用に使われておる。これは料理飲食税にかかわるものではないわけです。これが係数の中に組み入れられて算定基準にされておるということで、大変なことですよ。京都が八一、兵庫県が一〇一です。東京よりも多い。こんな地域性のある使用量、これをそのまま基準財政収入額の中に指数として入れるのは矛盾じゃないですか、どうですか。一番よく知っていらっしゃるから……。
○花岡政府委員 先ほどの信号機等の問題について、解決策の一つとして、例えば指定区域内の道路を道府県分の測定単位の数値に含めたらどうかということも考えられるわけですけれども、やはりみずから管理していないという点においてこういうやり方も問題があるということでございますので、何かいい方法があればそういったものを算定するような指標を研究してみたいと存じます。 それから、料飲税の基準税額の算定に当たりまして、これは地方団体の課税実績に基づいて算定をいたしますと、税が税だけに、徴税努力を行った団体が基準税額が少なくなってくるというふうな不合理が生ずるようなこともございます。 したがいまして、できるだけ客観的な事例に基づいて算定するように工夫してきたところでございますが、この料飲税の場合には、料飲税と清酒、ウイスキーの特級の消費量にかかる税額との相関度というのが一番高いという指数が出たわけでございまして、そういうことでこれが消費の実態を反映しておるのではないかということから、各都道府県ごとの料飲税の特級酒の消費量に対する税額の割合が全国平均を下回っている団体は、税の捕捉徴収率が低いというふうなことも考えられますので、売上額の補正を適用いたしまして客観的なあるべき基準税額を算定しておるところでございます。 ああいう大阪のようにキタやミナミのありますところでは、公給領収証の発行、こういったことがどの程度適正に行われるか、徴税職員の方も努力されてはおりますけれども、この捕捉の問題があるわけでございますので、こういった相関度の高い指標を使って算定をするのが、現段階では一応的確なものに近いのではないかということで採用しておるわけでございます。
○小谷委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○高鳥委員長 午後二時三十分から再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ――――◇――――― 午後二時三十分開議
○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。安田修三君。
○安田委員 それでは、地方交付税法の一部改正案の質疑を行いたいと思います。大臣が見えるまでちょっと時間がございますので、少し技術的な問題のあるところを先にお聞きしていきたいと思います。 まず交付税の算定方式の関係でありますが、行政項目、測定単位、単位費用、補正係数の設定、こういうものが非常に見えにくい。見えにくいというよりも、なかなか見ることができない。私も先日担当官の方に聞いてみましたら、それは非公開じゃないという。確かに非公開じゃなくて係数と書いてある書類はあるわけでありますが、かといってどこにも振りかざす品物でもなし、また振りかざしてもらってもなかなかわかりがたい専門的なものであります。しかし、ではこれらの基礎数字になっている指標というものはどういうぐあいに集めて、どういう算定でなっていったかということをいろいろ知りたい場合には、なかなか手に入りがたいこともございます。そういう点で、交付税の算定というのは忍術じゃないけれどもなかなかわかりにくいというのが定評でございます。また、事実中を突っ込みますと我々素人ではわかりません。恐らく自治省の偉い方々になりますと、偉くなればなるほどそういうものだ程度でやはりわからないのじゃないだろうかと私は思うわけであります。 そこで、学識経験者、地方代表など、そういう関係にお詳しく、しかもいろいろな角度からそうしたものの基礎算定に知識のある方、そういう人たちがこの決定に参画できるようなことができないだろうかと私考えまして、中にはそういう意見もたくさんでございます。二面、余り見え過ぎるとかえって財政のコントロールが効き過ぎる、だからある程度複雑怪奇でわかりがたいところがまたいいんだという面もあるという意見がありますが、そういう地方代表等が参画できるような方法はないだろうかということをお聞きしたいと思います。
○花岡政府委員 交付税法には各行政費目ごとに測定単位及び単位費用、それから測定単位の補正の種類といったことがいろいろございまして、非常にわかりにくいということは私ども聞くわけでございます。しかし、具体的な算定方法につきましても地方交付税法の規定に基づいて自治省令に明示しておるわけでございます。 確かに、私なども若いころ、交付税法を見てもよくわからない、あるいは算定の省令を見てもよくわからない、実際に計算機を回してみたらなるほどこんなものかというふうな状況であったわけでございますが、しかし、わかりにくい方がコントロールできるとかそういうものではございません。できるだけ地方団体の御要望を聞きながら実態に即した算定をするというふうなことでだんだん複雑になってきたことも事実でございますし、世の中が大変複雑多様化してまいりましたために算定の内容も細かくなってきたということもあろうかと思います。 私ども、自治省令の改正とかあるいは地方団体に交付すべき額の決定等につきましては、地方六団体の推薦を得た地方財政審議会の委員の方々の意見も聞いておりますし、また具体的な算定方法については毎年地方団体の御意見を随時お聞きしておるわけでございまして、そういった担当の方々の御意見を十分尊重しながら現在算定しておるところでございますので、そのように御了解いただきたいと思います。
○安田委員 地方財政審議会等がありましても、ここまでの分野になりますとなかなか立ち入った議論のしにくいところだろうと私は思います。それは国会のこの場でも一緒です。仮にその種の専門家がおりましても、皆さんとこの場でああいう係数や単位費用を操ってというのはとてもじゃないができるわけがございません。 そこで、長年の間、自治省もこういう方式を積み上げてこられて、今一日でできたわけではございませんので、今局長がいろいろとおっしゃったように、それを社会の動態に合わせて補正係数やいろいろな態容や段階によって補正されるということをやってこられたわけですから、それを一挙にどうのこうのということは我々のような素人的な発想ではなかなかできがたい。だが、素人的な発想のいいところは、何かもっとわかりやすい方法がないだろうか、例えば外国の場合はこの種の方法でもっとわかりやすい方法もやっておることを文献で読んだりするのですが、そういう点では皆さんは専門でありますから、そういう何かわかりやすいものを編み出せぬかということになれば、それなりにまた創意工夫されていい知恵が出てくるのじゃないかとも思います。 特に大都市や過疎地の財政需要の実態に合った基準財政需要の算定方式については、皆さんはいろいろと補正を工夫されて、係数を掛ける、あるいはそこにプラスをする、方式を見ますといろいろなことをやっておられますが、しかし、今言ったような大都市化、あるいは片方には過疎が進むという極めて格差の大きいアンバラが出てくる、これをいろいろな係数の補正をやってもなかなか直りがたいという点では、こういう算定方式をこれらの実態に合った方法を編み出すことも新しい時代に必要なんじゃないだろうかと思いますし、そういう点を検討されていってしかるべき価値があるのではないかと私は思います。その点、局長の考えを聞きたいと思います。
○花岡政府委員 現行の交付税の算定におきましては、簡素化とともに実態に合った需要額の算定が要請されているわけでございます。 大都市におきましては、例えば都市計画、公園、下水道といった都市的な財政需要を関係費目に置いてそれぞれ算定いたしますとともに、特に都市化の程度に応じた普通態容補正による需要額の割り増し、人口急増都市に対処するための人口急増補正、小中学校等における数値急増補正による割り増し等も行っておるわけでございます。また、最近におきましては、大都市等の財政需要の動向にかんがみまして、義務教育施設整備事業債や地下鉄事業の出資債等の元利償還金の算入率も引き上げておるという措置を講じております。 また過疎市町村に対しましては、従来から小中学校の遠距離通学対策費あるいは僻地医療対策費、産業経済対策費等に係る需要の割り増し算入とか人口急減補正の適用、過疎債、辺地債の元利償還金の需要額算入といったほかに、その他の諸費の面積分において需要の充実を行う等の措置を講じておるわけでございます。 こういうふうなことで、できるだけ実態を反映するように算定してきておるのが実態でございまして、確かに一説にはもう少し簡単に人口と面積を基本として配分したら結果は余り変わらぬのではないかということもございます。しかし、各地方団体の需要がこれだけ複雑多岐にわたってまいりますと、どうしてもそういった需要の方に沿っていく計算といいますか算定方法がとられなければなかなか不満も多いというふうなことで、私どももこの簡素化につきましてはいろいろ研究はいたしておりますが、かつてからこういう複雑なことを言っておるのかもしれませんけれども、日本の交付税制度というものは世界に冠たるものであるというふうにも言われておるところでございまして、その内容の精緻さというものは外国の制度よりも確かにすぐれている、しかしそのために、反面わかりにぐいということもございますので、御指摘の点も踏まえながらこの研究に努めてまいりたいと思います心
○安田委員 今大都市のいろいろな補正問題が出ました。後から大都市の財源問題でまた少しコストの問題も触れたいと思いますので、それまでにします。 そこで、高齢化社会に入ってきておるわけでありますけれども、対人的な社会サービスの需要というものがこれから多くなってくるわけでありますが、そういうものは当然これから基準財政需要の算定においてウエートを大きくしていかなければならぬという時代が来るのではなかろうか。イギリスの場合などは、割合方式は簡素にして、今言いましたこういう対人的社会サービスの需要が大きく見られている、こう言われておるわけでありますけれども、これは今の社会変化に対応した一つの需要の見方ということなのでありまして、その点自治省のお考えはどうでしょうか。
○花岡政府委員 社会情勢の変化に伴います交付税の算定方法の変化の問題でございますが、御指摘のように高齢化社会を迎えていろいろと対人的サービスの需要が多くなってきておるわけでございます。交付税におきましても、最近の事例を申し上げますと、昭和五十四年度から養護学校の義務化に伴いまして教育費の中に新たに特殊教育諸学校費の行政項目を設けましたほか、五十八年度に創設されました新しい老人保健制度の実施に要する経費につきまして単位費用に算入する措置を講じております。また本年度、六十年度におきましては徴税費あるいは下水道費の測定単位を変更することを現在御審議願っておるわけでございますが、こういったことで社会経済の動向に応じました地方交付税の算定に努めておるところでございます。 今後も人口の高齢化などに伴います地方団体の行政需要の質的な変化に対応いたしまして、交付税算定の複雑化を招かないように留意しながら、合理的な交付税の算定に努めてまいりたいと存じます。
○安田委員 そこで、地方交付税法で規定されておる項目がありますが、「合理的、且つ、妥当な水準」とは、もちろんいわゆる合期的かつ妥当な水準の行政というものを維持するという点で地方交付税法での財源保障というものは決めております。 そこで、これを私たち考えた場合に、それの尺度でございますけれども、地方自治体の自主的な、いわゆる自治的格判断の入る余地というものはなかなか少ないのじゃないか。言うなれば国が一つの枠をつくって、最近は特に臨調ができましてから標準行政という話がよく出まして、それよりはみ出たものはもうだめだ、例えば給与のように、おまえのところは標準よりは高いぞ、かといって低いところは余り上げてもらえないのじゃないか、これは給与に限らずその他の場面も、といういろいろな意見も出てまいるわけでありますが、とにかく標準行政というものが出てまいります。出過ぎたものを抑えて、低いものを引き上げていただくということは、ある面でそれは妥当、合理的ということが冷静に見るとできるのですけれども、一面、裏からしますと、すべて画一的になってしまう。それでは地方自治体の住民による地方自治という特色がなくなるじゃないかという問題点がこれから出ておるところであります。 そこで、交付税の算定の場合も、今言いましたような判断からして、さきに言いましたような私の考えからしますと、合理的かつ妥当な水準を得るように交付税の算定がなされておるという点についてどうも疑問に思わざるを得ない。これはとかく交付税の配分というものだけで済まされる問題じゃない。配分だけなら、先ほどから局長おっしゃるように特殊教育関係の学校費のやりくり、下水道のやりくり、いろいろな面でできるのですが、そういう問題じゃない。一体何かというと、要は財源保障。地方自治体が創意工夫を凝らしてやる仕事に対しての財源保障、これが本来の地方交付税法の精神じゃないだろうか。そういう点で、ここしばらくの間の財政危機やその他に直面して変わってきた中身を見ますと、最近は交付税本来の本質からだんだん外れて変質してしまっているんじゃないだろうかという見方をせざるを得ません。 そこで一例を申し上げますと、これは極めてわかりやすい語で、また一面妥当なように見えるわけでありますが、例えばこの五年間ほどの基準財政需要額の変化、投資的経費の変化ですが、それを見ました場合に都道府県で五十五年が二一%、五十六年が二三%、五十七年がピークで二五%、五十八年からで九%、五十九年一八%と下がっていくわけですが、これは当然専門の皆さんが一番よく御存じのとおり。市町村の場合も五十七年がピークであります。 国がいわゆる不況克服対策として一生懸命公共事業を地方にやらせた。そのときには、財政需要額ではぐんぐん投資的経費はふえておる。しかもそれは先ほど局長のおっしゃったようないろいろな需要費の算定の中で、私たちに言わせれば四十年初頭から言われたいわゆる計画的事業費の算入方式がそもそもこういうぐあいにやっている。以前のようにいわゆる実績ある維持費の算定じゃなくて、計画的事業費の算入が、国の政策が誘導して、こういうぐあいに進んできた。それはそれで新しい時代に即応して先進的な事業その他をやる場面もありますけれども、余りにも国の政策だけに地方自治体は振り回される。地方自治体は膨大な借金を抱えたということで、そのツケで今日悩んでいるわけでありますから、そういう点で、私が今言いましたように地方交付税の合理的かつ妥当な水準というものが変えられてきてしまっている、こう思うのでありますが、その点ひとつ局長のお考えを聞きたいと思います。
○花岡政府委員 投資的経費のうち、補助事業につきましては、確かに国の公共事業等の予算措置に見合う額を計画に計上いたしておるわけでございます。しかし、単独事業につきましては、住民生活に身近な公共施設の整備及び地域経済の安定的成長を図る上で重要な役割を果たしているものでございますので、その趣旨に沿って、毎年度地方団体の実情に応じて必要な額を地方財政計商に計上してきたところでございます。 そういった意味におきまして、地方財政計画の上で補助事業と単独事業の比率を見てみますと、五十年度におきましては補助事業が五六、単独が四四という比率でございました。その後単独事業費を充実してまいりました結果、五十七年度を境として補助と単独の比率というのは逆転をいたしております。六十一年度において見ますと、これが四九対五一というふうなことで、地方単独事業の方が補助事業費を上回っておるというふうな姿になってきたわけでございます。これは一つには国の財政の制約という問題もありましょうけれども、自治省といたしましては、先ほど先生、住民による特色とおっしゃいましたけれども、そのようなことを生かすためにできるだけ単独事業の確保に努めてきておるわけでございまして、そういった意味で、厳しい財政の中ではございますけれども、自治体における自主性、合理的、妥当な水準を確保できるように措置してきておるつもりでございます。
○安田委員 私は深く議論しようとは思わないのですけれども、今、局長のおっしゃった中でこういうことだけ一つ聞いておきたいと思うのです。 単独事業をふやしてこられた。確かにそうなんです。だが、それも今私が言いましたような計画的な事業費の算入ということについて自治省は理論的な計算だけで先に走っておるところがあったのじゃないか。というのは、その結果、今計画額と決算の間に非常に大きな乖離がある。去年皆さん、五千億円ですか、かなりばっさり切り捨てられたと思うのですが、ことしは地域対策一〇%、約三千三百億ですか、ふやしておられるはずですが、とにかく決算に非常に乖離がある。これは、なぜ決算に乖離があるかということは皆さんの方でも専門的になかなかわからないと去年おっしゃっていたと思うのです。これはなぜか、どうしてこういう問題が起きたのだろうか。 大枠から言えばそれは国のいわゆる景気浮揚策に何とか合わせたい。そこで、金はない、単独事業費で皆さんの方でどんどん算定して入れていかれたということから乖離もできておったのじゃないだろうか。地方にすれば多少そういう遊びの、ゆとりの部分もあって運営上もよかったということがたまたま表面化しなくて進んできたのじゃないだろうかと私は思います。 しかし、これは後から触れますが、ことしの場合は確かにそういう公共事業費がふえておる。その中で単独事業がふえておりますが、中身を全部見ますと道路以外はふえてない、前年と同一です。道路だけでふえている。その分だけがふえている。ですから、今住宅からいろいろなことをおっしゃるのだけれども、単独事業がふえて、道路も国民生活には関係があるが、しかしより広くいろいろな業種に影響を与えて地域の活性化なりあるいは産業にモーメントを与えていくというようなところには余り力が入っていないような感じを受けるわけです。その点どうでしょう。
○花岡政府委員 確かに計画と実績の間に乖離がございまして、いろいろ議論を呼んでおるところでございますが、私ども、できるだけ地方団体に単独事業を実施していただきたいということでこの辺はお願いをしてきております。 今年度の地方財政計画におきまして、道路交付金等の問題がございますので、単独事業がふえております。今年度においては昨年度から始めましたまちづくり特別対策事業というものを強化いたしたいということで、昨年度よりもこの事業費を一割増額いたしておるところでございまして、こういった意味で活性化、活力ある町づくり対策にも取り組んでおるところでございます。
○安田委員 そこで、大臣もお見えになりまして、次の質問に移りたいと思いますが、国庫補助負担金を伴う事業で起きる超過負担額の問題であります。 長年議論されて自治省も努力され、今日までにかなりの部分で解消もされてまいりましたが、同時に、また新しい事業も起きますから、別の分野からまた出てくるということになっております。 そこで、一体どの程度超過負担額があるだろうかということでいろいろ聞きますと、なかなかわからないとおっしゃる。先般も資料をいただきまして、去年は三つの事業で十二億円、六十年度は三つの事業で百五十四億円、これを解消したということで計上されたということで資料をいただきました。各省にまたがるので、一生懸命やっているけれども、なかなかつかみがたいというお話でありまして、確かに日本の今の縦割り行政からしますとそうだろうと思います。問題は超過負担、これは自治体にとりまして、余りがたがた言うとまた仕事がもらえない、かといってやる以上は余り差額のないようにしてもらいたい、こういう考えに立ちますし、その点自治省では超過負担額の解消についてどういうぐあいに考えておるか。
○花岡政府委員 超過負担につきましては、基本的には国と地方間の財政秩序を適正に保つためこれは是正に努めていかなければならないものでございます。そういった意味で、四十二年度以来大蔵省と自治省と補助金を所管している関係の省庁と特定の補助金をピックアップいたしまして共同実態調査を行いまして、その結果に基づきまして超過負担の解消を図ってきたところでございます。 五十九年度におきましては、保育所措置費の補助金と職業訓練費補助金等について大蔵、厚生、労働の各省とともに共同実態調査を実施いたしまして、六十年度の予算においてこの結果に基づきましてそれぞれ改善をしたわけでございます。保育所措置費の補助金の改善分としましては、国費ベースでございますが三十四億円、職業訓練費補助金につきましては三億円の改善を図った上で交付金化いたしたところでございます。また、特に五十九年の調査ではございませんが、このほか千葉県警察新東京国際空港警備隊費補助金の補助単価の改善及び公立学校施設整備費補助金の面積基準の改善等に係る改善分としても三十八億円を措置することにいたしておりまして、六十年度の改善総額は国費ベースで七十二億円となっておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、この超過負担の解消は国と地方の財政秩序の確立のために我々としてもゆるがせにできない問題であるということで、今後とも知事会等関係団体の意見を聞きながら、関係各省に対しましてその完全解消を要請してまいりたいと存じております。
○安田委員 これからさらに努力されるということでありますから、ぜひそうしていただきたいと思います。 大臣にも聞いていただきたいわけでありますが、ことしはそういうことで、説明があったように百五十四億円。大都市だけの調査。これは公に出ておる資料でありますから皆さんのお手元に全部配られているだろうと思いますが、この場合にも五十九年度で保育所措置費で超過負担額が三百八十四億円、これの補助金の差三百七億円、国保事務費の場合は八十三億円、これは施設等何もございませんから事務費そのまま八十三億円が超過負担、こういう関係いろいろなものをまぜますと七百一億円、これに対する差額補助金五百九億円をもらわなければ勘定に合いません、こういうことであります。 ですから、全国になりますと非常に大きいものになってくる。これは事務的にはなかなか解決しにくい問題。国の方も補助金を削られたりいろいろなときでありますから、こういう国が出しておる、出しておると言いながら地方が裏負担をしておるものをぜひ解消してもらいたい、大臣の方からも各省に格段の要請をしていただきたいと思います。どうでしょうか。
○古屋国務大臣 お話しの点は当然のことでございますし、超過負担の解消につきましては。国と地方の財政秩序の確立ということからも大変必要でございますので、各省との予算折衝その他を通じまして十分に御趣旨の点は、また私どもの意向としましても今の御意見の趣旨を承りまして、一生懸命に超過負担の解消を各省に強く強く申し入れるつもりでございます。
○安田委員 そこで、厚生省からお見えだと存じますので、お聞きいたします。 昨年、健康保険法が改正されまして十月一日から施行されました。さて、これの改正前にいろいろな議論があったわけであります。当委員会でも既に健康保険法が提出された段階から、国保にどういう影響が出るだろうか、かなり影響が出るのじゃないかという質疑がございました。いろんな見方があって、出ないのか出るのか、とにかく目の子算用でお互いに計算をしてどうだろうかということであっちこっちで話が出たんでありますけれども、当局関係は厚生省を初め、公式、非公式を通じまして、一貫して国保財政には、かえって退職者医療制度ができることによって一番金のかかる人たちが国保から抜けるわけでありますから、ゆとりが出るというお話が大筋であったろうと思います。 そして、結果的には補助金は実質六・五%減になりましょうか、さきのはオール国保財政に対する四五%補助、後のは医療給付に対する五〇%ですから実質は六・五%減ほどになりましょうか。結果的には、当時指摘されたように各国保事業は今赤字だ。五十九年度は一斉に赤字になるんじゃないかという話で持ち切りになってまいっておるようであります。その点、厚生省はどういうぐあいに把握をしておられるのでしょうか。
○近藤説明員 お答えいたします。 先生の御指摘のとおり、昨年の制度改正におきましては、退職者等が国保被保険者総数の一〇%程度いるということを前提にいたしまして、市町村の方で医療費の適正化の努力をしていただく、こういうことを勘案いたしまして国庫補助の引き下げを行ったわけでございます。 現在のところ、退職者医療制度の対象者数がかなり当初見込みを下回ってございますので、このために国保財政に影響を与えているということは確かだということでございます。現在、市町村におきまして積極的に加入の促進を講じていただいているわけでございますけれども、国保の財政的な要因といたしましてはこのほかにもいろいろあるわけでございまして、例えば被保険者の高齢化の度合いでございますとか、高額な医療費の発生状況、こういったもろもろの要素があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、退職者医療制度によります市町村国保への財政影響というものを調査いたしまして、この結果を踏まえまして市町村の国保が財政的に安定的に運営できるような方策を検討していきたいと考えております。
○安田委員 退職者医療制度への加入者が見込みより少ないというのはどういう原因なのでしょう。この制度そのものは、決して退職者医療への加入資格を持つ人にとっては不利な条件じゃないのですから、皆さんのように綿密に計算された人たちがいてどうしてそういうような結果になったのか。 それからもう一つは、この補助金を削るときに既に赤字になるんじゃないかと指摘されたんです。また、実際私たちもそれぞれの自治体にその当時当たってみますと、いや、うちは二千万国会度持ち出しになりますねと言う。お互いに目の子算用だけれども計算しておいでだったですね。あるいはうちはどうも五千万なり三千万ほど今度は持ち出しになるようですねという話を私たちは聞いておったものだから、いろいろとこの場でもそれぞれ各委員から議論が出たわけでありまして、厚生省だけは頑としてそういうことはございませんということだった。 もう一つ、高額医療がふえたといいますが、確かにそれは年々一人当たり五百万、中には一千万という高額医療費の人がふえてまいっておりますが、逆に去年からは受診抑制がてきめんにありました。もちろん国保の場合は普通健保と違う。それは初めかも本人負担もついておるのだから、新たに本人負担の導入された健保とは違うとおっしゃるかもしれませんが、現にこの受診者の統計からしますと去年の十月からてきめんに減っております。ですから、それらを勘案すると、こういう結果になるのは、明らかにこれは補助金の削減がもろに響いた、こう断定せざるを得ないのじゃないでしょうか。
○近藤説明員 退職者の数が把握できないということでございますが、私どもとしましては、各種の統計に基づきまして、年金の受給権者の数でございますとかその方の国保への加入状況、こういったものの統計を用いましてできるだけ正確にしたつもりでございますけれども、まだ十分に周知徹底がされてないということでございますとか、あるいは五十九年度に新たに年金の受給権者になられた方々の年金のリストを送りましてそれで認定しているわけでございます。そのリストが六十二万件ぐらいあるわけでございますけれども、これが行きまして間がない。いろいろな要件が重なっているというふうに考えているわけでございまして、確かに退職者医療制度とそれに伴う国庫補助の引き下げ、こういったものによりまして財政的な影響を与えているということは事実でございますので、この辺を調査いたしまして、その結果を踏まえて対応策を検討してまいりたいというふうに考えております。
○安田委員 とにかくこれは制度改正前も、例えば市町村国保事業に対してそれぞれの都道府県の方で、国保の強化資金としてそれぞれ単独の助成を出すとかいろいろなやりくりを既にやっているところがあっちこっちにあるわけですね。ですから、そういう点で私は厚生省の方は、何か去年も財政問題だけに合わせて無理にしたような感じがあるように思います。今年度は今の見方からしますとかなりの国保事業は赤字決算になるようでありますが、そうなった場合にそれに対していろいろ調査して対応したいということでありますけれども、そうなった場合にはこの補助制度の見直しということをやりますか。
○近藤説明員 先ほどもお答えいたしましたように、いろいろな状況がこれから出てこようと思いますけれども、具体的な方策というものは政府部内でこれから検討しなければいけないというふうに考えております。
○安田委員 自治省の方の担当の局長にお尋ねしますけれども、こういう実情であります。自治体の方では、国保財政が赤字なら、では一般会計から繰り出ししようか、繰り出ししなければどうしようもございませんので、大変なことになってまいります。そこで、これまた国のツケ回しがこういう結果になるわけでありまして、自治省としてはこれは黙っておるわけにはいきません。自治省としてどういうぐあいにこれまた厚生省に物を言っていただけますか。その点お伺いしたいと思います。
○花岡政府委員 国民健康保険制度につきましては、私どもこれに対する一般会計からの繰り入れというのは、これが一般住民に対する施策であるという部分を除きましては、これは保険料と国庫補助金で賄っていくべきであると考えておるところでございまして、今回の退職者医療制度の創設に伴いますいわゆる見込み違いと申しますか、非常な穴があいてきている点につきましては私どもも大変心配しておりまして、これは現在市町村におきましてもかなり大きな問題として取り上げてきておるところでございます。私どもも実態調査をいたしますとともに、厚生省に対しましてもこれの完全補てんということをお願いしておるところでございます。
○安田委員 それでは次に、公営競技の納付金のことで少しお尋ねいたします。 まず、今度財政の均てん化ということで納付金の率の引き上げ、さらにはそれに伴って財政的に弱い団体の支えとして最低保障額の制度を入れるという地財法の改正が出ております。 そこでまず、いろいろとその中に地方制度調査会の答申の引用があちこちによく出てまいります。調査会の答申について尊重されることは非常に結構でございまして、さきに私も大臣に、これらの財政審議会とか調査会の答申はどのように生かされておりますかと聞いたことがありますが、今度の場合も、均てん化のため納付金制度の延長、拡充を図れ、もちろんこう言っておりますし、そういうことをまた理由にしておられますが、私はこの延長、拡充――延長はわかります。制度をとにかくこのままもう一遍延ばせ、そういう点ではわかりますが、拡充というのは直ちに率の引き上げという単純なそれだけだろうか。この点、私はちょっと疑問に思ったのですが、これはどういうぐあいに考えておられるのでしょう。
○花岡政府委員 私ども、地方制度調査会あるいは財政審等の御意見、また臨調の意見によりましてもこの均てん化の促進というふうな言葉を使っておられるところもございますけれども、この延長、拡充の場合の拡充というのは、私ども、均てん化をさらに促進するために現在の率を引き上げるべきではないかというふうに受け取っておるところでございます。
○安田委員 調査会の委員の人たちはどういうぐあいに議論されたか、私はかいま見ることはできないのでわからないのですが、ただ私は事業の中身を見たときに多少疑問に思ったわけです。それでは、この納付金が、いろいろと公営企業金融公庫を通じて利子の補給に充てられておりますけれども、これは大体どの程度のいわゆる均てん化の影響になっているか、お聞きしたいと思います。
○花岡政府委員 現在、公営企業金融公庫の基準金利、七・六でございますが、それを一般的に七・二に引き下げるということで、特利の七事業と臨時三事業等に対しましてこの利率の引き下げをやっておるところでございます。
○安田委員 私、実はなぜこういうことを聞くかといいますと、例えば納付金は五十九年度まで三千四百五億三千六百万円、こういうことになっておるわけでありますが、もちろんこの金融公庫は一兆二千億円ほど貸し付けておるわけでありますから、地方自治体にとってはこのお金の貸し付けというのは非常に大きい作用をなしておると私は思います。問題はこの貸付内容で、二つの点を私はちょっと皆さんにお聞きしたい。 一つは、まず都道府県と市町村の関係なんです。公営競技の開催団体が四百八十七、このうちで都道府県の開催は三十なんです。そして、指定都市と市町村合わせますと、四百五十七がいわゆる市町村ということになります。このうち競輪が二百四十四、競輪が圧倒的、半分占めているわけですね。したがいまして、ウエートから言うと市町村が圧倒的に多いわけです。これを今度は団体別に貸付金の額を見ますと、例えば一般貸し付けで、都道府県が三千二百六十億九千八百五十万円、これは五十八年度の決算ですね。それから市の方が七千二百三十一億三千三十万、町が一千五十六億二千三十万。これでいきますと都道府県が大体三分の一、こういうことになります。 この関係を、今度は公社貸し付け、いろいろな公社公団、公団はありませんが、道路公社とか公社関係、これの関係でいきますと、都道府県が五十四億三百三十万、市が五十三億五千万。それから受託貸し付けは、都道府県が百二十一億八千百万、市が三十八億八千八百八十万、町が九十六億一千二百五十万。開催団体数は都道府県がわずか十分の一にもならない。都道府県だからといって余計収益が上がるわけじゃないのです。当たれば、競馬とか競輪でも場所のいいところは確かによく入りますが、そうでなければ都道府県が開催しようと市が開催しようと余り関係がない。ところが、貸し付けからしますとこういうぐあいに三分の一以上を占めていく。 私は別に都道府県に余計貸しているのだからどうだと言うわけじゃないのだけれども、均てん化、均てん化と言うけれどもこれじゃ市町村がかわいそうじゃないか。やはり都道府県あたりになれば国の金がかなり流れ込むところ。だから私は、どうも国の財政の肩がわりだけ考えていくような感じになってくる。決算でしますと都道府県と市町村は約半々です。五十七年度決算で都道府県が二十七兆、市町村も二十七兆、大体半々。 そこで、借入内容はどうか。都道府県になりますと、何といいましてもやはり工業用水、電気、臨海工業、それから流域下水道はもちろん大切な生活基盤でありますが、どちらかというとこういう産業基盤関係が多くなる。もちろん上水道もありますが、市町村の上水道とはウエートが断然違います。市町村になりますと、臨時地方道を初めとして上水道、下水道、公営住宅。公営住宅は都道府県も市町村と大体ハッタハッタですけれども、ちょっと方向が違ってくるのです。もちろん産業基盤にも必要だが、どちらかといえば庶民が競輪や競馬あるいは競艇で遊んで入ってきた金だから、やはり直接そこらの周辺に回るような金の使い方の方に回してあげるのが均てん化の上からいっていいのじゃなかろうか。もちろん公の金ですからどちらもあったってどうということはないのだけれども、均てん化と言う以上は市町村の方に余計流れた方がいいのじゃなかろうか。私はこの二つの疑問から、実は今度の納付金の引き上げについて疑問を持ったわけなんです。 だから、これは先ほど言ったように、拡充という意味は単に率の引き上げではなくして、対象事業は金融公庫法で決まっておりますので、対象事業の拡大。拡大することによって、例えば今貸し付けの受けられない市町村が貸し付けの受けられる事業対象を持っておる、過疎地と過密都市とは全然事業の内容は違うのですから、そんなようなもので出てくる。 だから私は、拡充というのはあながち率だけではない。皆さんは、即、傘としたが、しかし地方制度調査会は率という問題じゃなくて、均てん化ということはあまねく金が行き渡るようにせよということだから、今対象事業を持たないところも対象事業を指定することによって低利の金融を受けられるということも指しておるのじゃなかろうかと。私はもちろん当時制度調査会の委員でも何でもございませんから、論議の中身も何もわかりません。だが、事業の内容から私は疑問に思ったのですが、局長どうでしょう。
○花岡政府委員 公営競技の均てん化の主眼と申しますのは、申し上げるまでもなく一部の施行団体に偏在した財源がある、これが大きな団体になりますと、大きなといいますか、要するにその団体の財政規模に比して収益金の額というものが非常に大きな団体も生じておるわけでございまして、こういった団体間の財源のアンバランスというものはある程度均てん化していくべきであるという考え方に立っておるわけでございます。 いろいろ指標はございますが、例えば公営企業金融公庫におきます五十八年度の特利事業の貸付金がございますが、その貸付実績を見てまいりますと、都道府県と市町村の間では、都道府県が二六%程度、市町村が七四%程度という格好で市町村のウエートが大きくなっておるわけでございます。また市町村につきましては、私ども資金を配分いたしますときも政府資金をできるだけ市町村に配分いたしておるというふうなこともございます。しかし、御指摘の対象事業の拡大ということでございますが、現在収益事業につきましては非常に売り上げが鈍化してきておる、むしろ下がりつつあるというふうな状況でございますので、今回のこのいわゆる納付率の引き上げをいたしましても、なかなか現行の対象事業と申しますか、この特利の制度を維持するのが精いっぱいというふうな状況でございます。 いろいろな事情もございまして、今最高一・二までということでお願いいたしておりますけれども、もっと上げられるような状況でも現在ないということで、この率の大きな引き上げというのは実現はなかなか困難な状況でございますので、先ほど申し上げましたように対象事業の拡大というところまではちょっと手が回りかねたということでございます。
○安田委員 そこで、今度こういう率を引き上げる。しかしこれはかなり大変なんでして、今競輪の場合でも一号交付金一・七%、二号交付金一・七%、三号交付金〇・三%、合計三。七%、そこへ今度は一・二%ということに、今一%ですから今は四・七%、八億引くのを今度は十億引いてやるから〇・二%上げさせてくれという。これによって各自治体でかなりの変化が出てまいります。 今競輪で見た場合に、九十団体中赤字団体が五、低収益率の団体が十九ということになっております。二十四が実は今度の引き上げによってかなり困ってくるわけです。そこで皆さんは、二百億までの売り上げの団体に対して最低保障額をつくるというのですが、二百億まで入る団体は九十のうち七十二団体が入ります。大方入ってしまう。要するに、一番ドル箱のところはみんな入ってしまう。そしてこれを皆さんの率でいろいろ計算してみますと、これは収益率がどの程度がによって違うのですが、たまたま一・三%の収益率ということで、皆さんの売り上げ掛ける収益率、それを二分の一保障されるということで、どの団体が最もその自治体の所得の保障になるか、こうなりますと、何といいましても余計収入を上げておるところはそれだけ保障率が高くなってまいります。これは一・三で計算しようと一・五で計算しようと一・一で計算しようと勝手なんですけれども、とにかく二百億の方が一番最低保障の率が高くなる。三十億、五十億程度のところは、これはやっておってももうけは余り確保されない、こういうことになってくるわけです。 私は、均てん化、均てん化といって名前はきれいなんですが、競輪、競馬その他をやって最近は収益も下がってきたところへ均てん化といってまた金を吸い上げるということが、さて本当に均てん化のためになるのだろうか、そしてさっき言ったのです。率の引き上げたけが均てん化なんだろうかという疑問を持ったのは、さっき言った二つの理由からなんですけれども、今局長がおっしゃったように経営が最近は決してよくない、下がってきておる、そしてまた金を吸い上げる、しかも低収益の団体から金の吸い上がるような方法。皆さんは、そのかわり二百億までは収益率掛けて二分の一は保障してやるぞ、こうおっしゃるのだが、それがやはりまた二十億、三十億、五十億というような余り売り上げのないところによけい負担がかかるようなことになっていく。そういう点で私は疑問を持つわけでありまして、ここらあたり皆さんはどういうぐあいに割り切ってこういう引き上げ率を出されたのでしょうか。まず、こういう引き上げ率の根拠はあるのでしょうか。
○花岡政府委員 この公庫の納付金につきましては、交付金と異なりまして、御承知のように赤字の場合には取らないということになっております。また基礎控除もかねてから適用しておったところでございます。収益の二分の一の保障の適用を受ける最大の収益率は、売上高が二十億円のような小さなところよりも二百億円の団体の方が大きくなるという、一見売上額の少ない団体が不利のように見えるわけでございますが、これは、売上額の小さい団体の納付金額を軽減するためには、かねてからありましたいわゆる基礎控除、従来から売上高の八億円でございましたが、今度十億円に引き上げたわけでございます。これが非常に効いておりますために、今回こういった二分の一軽減という措置をとりましても軽減率が低く見えるわけでございます。 現実には基礎控除と二百億円までの収益の二分の一保障の両方の軽減措置を適用して、軽減後の納付金額を売上額で割った実質的な納付率といいますか、いわゆる売上額に対する納付金の比率というものを見てみますと、結局は売上高に対する納付率というものは、売上高の小さい団体よりも売上額の大きな団体ほど高くなってくるということが数字の上で出てくるわけでございます。一見今までの基礎控除という制度の働きによりまして、そういった既に恩恵といいますか――恩恵と言うのは語弊がございますけれども、そのような措置を講じて軽減しておりますために、小さな団体が余り今回の恩恵を受けないように見えるということでございます。 この率の一・二%はなぜ決めたかということでございます。私どもは、現在のまだ一部の団体に偏在しております収益の状況から見ますと、もう少し上げられるならば上げたいというふうなことを考えておったわけでございますが、やはり何と申しましても、現在売上高が非常に伸び悩んでおる、あるいは減少しておる、こういうふうな状況の厳しい中でございますので、関係各省あるいは施行者団体ともいろいろ協議いたしまして一・二%、これも六十二年度に一・一、六十四年度に一・二%にというふうに長い目で上げていって余り影響をもたらさないようにしようというふうな措置を講じたわけでございます。
○安田委員 いろいろな経過はありますが、例えば競輪の場合でも、戦災復興事業の資金稼ぎということから出発して、全部丸裸になったところへ営々と競輪の金等もつぎ込んでやってきたのですから、まあ戦後も四十年たつと風化されてはおるけれども、おまえのところは最近少し金持っておるなという見方もどうかと思いますね。そういう点では引き上げ率そのものについて多少疑問も持っているわけです。 さて次に、大臣にちょっと聞いていただきたいわけでありますが、地方財政の見通しが厳しいということは、大臣も再三この間から補助金削減の連合審査でも言っておられます。これは、私たちも皆さんもそういう見方では一緒だろうと思います。 全国知事会の機関誌「都道府県展望」の対談の中で、大臣はこういう三点を言っておられます。一つは「財政運営の基本的な指標である公債費負担比率が、年々著しく上昇し、危険信号といわれる二〇%を超える団体が、昭和五十八年度決算ベースでは八二〇団体を超えるなど、財政の硬直化が進んでおる。」それから二つ目は「累積した借入金依存体質からの脱却と地方債依存度の引下げに努める一方、経費全般について徹底した節減合理化を行い、財政構造の健全化を図る。」三点目は「その際、政府としては、財政構造の健全化を図るためには、地方の一般財源の充実、特に地方税及び地方交付税の充実強化が必要である。」こう述べておられまして、私たちも大臣のおっしゃるとおりだと思うのです。ここで、地方税及び地方交付税の充実強化が必要だとおっしゃるのだが、これはかねがね地方税の論議のときにも質疑がありましたが、さて、この充実強化が必要という、いつも情勢は刻々変わっておるわけでありますが、現時点で、大臣はどういうぐあいに強化されようとしておるのか。 〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
○古屋国務大臣 地方財源の充実という点からでございますが、この前の地方税の御審査の場合には、私もことしの経験にかんがみまして、事業所税だとか、あるいはちょっと不公平になっておる社会保険診療の税だとか、あるいは利子配当課税の源泉分離の問題、いろいろなことを申し上げましたが、こういうのは国でもいろいろ検討しておりますが、こういうのは国が源泉でやっておるので地方税に何にもはね返ってこない。実際は地方でもこれは大事なものだと思っております。そういう意味で、私は地方税制というものの見直し、これはどうしても国税と一緒にそう遠くない機会にやらなければならぬ問題だと思っております。 それと、今度補助金カットで私一番感じましたのは、これはほかっておくと交付税に手をつけられては大変だというのが率直な私の感想でございまして、それに先手を打って地方の財政の充実、特に交付税の問題でお話のように三二%に実質上なってないというような状況でございますし、補助金カットをされると今度はもう交付税に恐らく、あってはならぬと思うのですが、そういうものに手がついてくるのではないかということを私は一番心配しまして、これがなくなると、地方の固有の税であります交付税というものの安定的確保を図っていかなければもう地方はどうにもならぬ問題でありますし、それから、地方のいろいろの財政秩序あるいは状況の均衡をとるためにも、交付税というものが今あります一番重要な財源でありますが、下手するとこれに手をつけられたら大変だ、それが私は一番心配で、それに対してはできるだけ機会を多くして、また先生方にも御支持いただかなければならぬし、地方制度調査会においてもそういう点はいろいろ御支持いただいておりますが、なお一層考えていかぬと、補助金の問題が済んだら今度は交付税に手をつけられるということを私は正直に言って一番心配しているわけです。こうなると地方というのはもうどうにもならなくなってしまう。だから、これだけはもうどうしても確保していかなければいけない一線だという意味におきまして、交付税の安定確保というものが一番必要であるということを申し述べたのでございます。 そうしないと、先ほどもお話がありましたように地方もこれだけの借金抱えておって、きのうも大蔵委員会で私話を聞いておりますと、先生も御承知のように、数字だけでいうと百三十兆の借金と五十数兆の借金だ、どっちがあれだと、ところが預金がある人とない人で違うじゃないかという話を率直に聞きまして、私もそのとおりや、こう思っておりましたけれども、そういう意味で、とにかくどうありましょうとも地方交付税というものは一番大事な固有のあれでございますし、これを充実していかなければいけない、仮にもこれに手をつけられることは大変だ、ふやすことはあっても減らすことはまかりならぬという決意を私持っておりますので、そういう点から、地方の財政の充実について交付税の問題が一番大事だということを申し上げた次第でございます。
○安田委員 自治大臣としての見識を示していただきまして、ぜひひとつおっしゃったように頑張っていただきたいと存じますが、問題は、それを具体的にではどうすべきか。例えば今の段階で率を引き上げて先手を打つと言っても、これはとてもじゃないが何を言っておるのだと、こうなってしまいます。 〔平林委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、先ほどの均てん化の話で地方制度調査会の引用が出てくるわけでありますが、そういえば地方制度調査会の答申の中には、交付税を地方譲与税と同様に国税収納金整理資金から交付税特別会計へ直接繰り入れるよう制度改善を行いなさいと、これはきぱっと言っているわけですね。ちょいちょい政府の方で、こういう答申が出る場合虫食いが随分あって、都合のいいところはちょっちょっとつまみ食いするけれども、あとはなかなか……。自治省の場合は、どちらかというと大蔵の怖いのが一つおりますから、皆さんの方は全部やりたいと思ってもなかなかできがたい、こうなのでしょうが、これなんかは、交付税を守るという立場からしますと、皆さんにとっては大変有効な手段になるように思うのですが、こういう点、地方制度調査会の答申を盾にした皆さんの内部における主張というのはできませんか。
○花岡政府委員 交付税の特会直入論は、かねてから自治省の主張しているところでございますし、御指摘のように地方制度調査会からも御答申を承っております。交付税が地方自治体の固有の財源であるということを明確にする趣旨からこういった措置をとりたいということを、かねて大蔵省とも話はしているところでございます。やはり大蔵省といたしましては、一般会計の規模が激変をするという問題とか、あるいは国税三税の収納状況が、一体三二%はどこへ行ったのだろうかというふうな見方がされるとか、また技術的な問題としまして、そこの特会に入りました金額しか地方にその時期には配れないではないかというふうなこともお話がございまして、なかなか大蔵省の方ではこれに、それはそうだと乗ってくるような状況ではございません。私ども、今後ともこういった点につきましては、交付税の性格を明確にするという点におきまして十分また話し合っていきたいと存じております。
○安田委員 そこで、私は財政危機の問題でちょっと皆さんに聞いておきたいと思うのですが、十二月四日に地方制度調査会の答申、それから十八日に地方財政審議会の答申があったでしょう。どちらも、六十年度の地方財政の見通しは厳しい、大変だ、こういうことが載っているのですね。 ところがその一週間後には、収支はまさに均衡とれてと、補助金カットがあったから五千八百億円の負担増なんだということになって、財政は好転ということになってくるのです。これは私は、素人筋がとやかくわいわい炉辺談話やっているのと違って、専門の皆さん方がバックにあって、そして資料を提出してやっているところで、どうしてたった一週間や十日の間にまるっきり別の見方になってしまったんだろうか。これはどういう操作なんでしょう。
○花岡政府委員 地方財政の収支見通しは、昨年度当委員会に御提出申し上げましたように、参考試算にございましたように、六十年度においては一兆五千百億円の要調整額が生ずるということであったわけでございます。しかし、その後、国税の方の税制改正等もございまして、あるいは景気の回復によります地方税、地方交付税の増加というものが非常に大きく伸びてまいった、同時に国の歳出抑制の基調に乗りまして同様な趣旨におきまして地方におきましても歳出の抑制をするというふうな措置を講じました結果、結局六十年度では補助率の引き下げを行う以前では収支が均衡したということでございます。
○安田委員 それはそのとおりなんですよ。そのとおりなんだけれども。財政が厳しい厳しいというのは、例えば六十年度予算で公債費が九・八%増にもなって構成比が一一・二、今までの歴史上最高の公債費を出すようになって、いや借金を持っておりますよ、先ほどもおっしゃったように五十六兆円の借金もあるんだ、ところが国の方は百三十兆からあるからそれどころじゃありませんよという議論が出てきてしまう。これもだめだ、こういうことなんですね。 そこで、今おっしゃったような数字はわかっておるんだけれども、さっき言った一兆五千百億円の不足という見通しは立った、しかし、大蔵の国税の収入でも皆さん別にそういう基礎資料というのがなくしてやっておったわけじゃなくして、例えば十一月の委員会でも、既に地方税収入、国税収入の資料は皆さんの方でもちゃんと持っておられたわけですから、こういうような審議会のときにはもう少し厳密な見方があって、本当に地方の財政というのが厳しいんなら、どうしてその後の財政計画の中にもそれらしきものがもっと反映されるようにならなかったのか、この点、疑問なんです。ただ、私たちの見方からしますと、これは皆さん同じ政府部内のやりくりですから、いわゆる国の一般会計予算の緊縮という枠に合わせた、やりくり上出たという、私たちの見方からすれば極めて単純に答えは出てしまうのですが、皆さんの場合はそうも言えないのでしょう。 ただ私、こういう点、自治省の場合、立場だけは明らかにしておいてもらいたいと思いますのは、例えば今局長おっしゃった一兆五千百億円の不足額というのは、これは皆さんも初め去年の試算を発表するときに、既に大蔵の中期の財政計算の資料を使って、これに経済成長率、それに弾性値を掛けたわけですから、これはあくまで土台はあやふやなものだ、決してこれは指標にはならないということを前提にして出しておられますから、狂ったところでどうということはない。 ところが、ことしはどういうものか、たまたまこれがおおよそ合ったわけですね、偶然にも。例えば試算と地財計画の比較が、これは支出ですが、公債費五兆六千六百億円の試算に対して計画額は五兆六千七百億円、プラス百億円の差、極めてうまく合ったわけです。一般歳出が四十五兆三千七百億円に対して計画が四十四兆八千三百億円、これはマイナス五千四百億円。合わせて五十一兆三百億円、これに対する計画が五十兆五千億円、マイナス五千三百億円の狂い。局長、聞いていただければわかるのです、難しいものではないのですから、皆さんの頭に入っているものですから。要するに五千三百億円の狂いだけ、こういうことになったわけですね。 そこで、この五千三百億円の狂いに国庫削減率の地方負担五千八百億円を加えると一兆一千百億円の減少ということになって、結局、言うなれば本来一兆五千百億円不足すると見ていたところ、五千三百億円のマイナスということですから、約一兆円ほど全部、一兆一千百億円切り詰めてしまった。これはいわゆる支出を枠でぎゆっと圧縮してしまった、私はこういうことになるんだろうと思うのです。ですから、数字面からするとまことにうまく合ってくるわけです。 そういう点で、歳入面から見ましてもこういう逆の面がまた見えるわけですが、本来は、これはやはり一兆五千百億円ほどの赤字が計上になるんだ、だがそれを無理に赤字を出さぬように切り詰めましたのですよというものが皆さんの中にあっていいと私は思うのです。これでいきますとそういうことになるのですよ。ただ収入は先ほどおっしゃったように、いわゆる地方税が伸びたためにその一般財源は一兆三千九百四億円当初の試算よりもふえてきたということになって、極めて好転した。だからこの赤字を埋めてしまった。これは偶然の効果です。これは決していつもコンスタントに続く問題ではございません。偶然にふえたということなんでしょうね。そういう点で、自治省はこの実質面をもうちょっと強調される必要があるのじゃないか。どうも厳しい厳しいということは言われるが、収支の均衡がとれたということで何か満足しておられるような感じを受けるのですが、どうでしょうか。
○花岡政府委員 参考試算と地方財政計画との比較におきまして御指摘ございましたが、公債費につきましては積み上げ計算しておりますので、実際狂いは少ないわけでございます。結局は一般財源の増加がかなり大きかったということから、一般歳出の抑制ということもあわせまして均衡したわけでございます。その意味で無理やりに合わせたということではございませんで、その他の歳入でごらんになっていただきますように、ここらでもまだ五十億減らしてでも、そのようになっているわけです。 しかし、だからといって、地方財政がよくなったというふうに見るのもちょっと問題があるのじゃなかろうか。やはり、六十六年度以降に交付税の借入金を返さなければならないというように先送りいたしておるわけでございます。また、個々の団体の財政運営にとってみましても非常に窮屈になっておる、こういう意味におきましては、私どももできるだけ地方単独事業といいますか、こういった点の拡充というものは考えていかなければならないと思っておりますが、現在のところ、歳出につきましては国と抑制基調を同じくするという形で組まざるを得なかったためにこういったことになっておるわけでございまして、決して地方財政がこれで一挙によくなったというふうなことはございませんし、むしろ今後ともこの地方税源あるいは地方交付税等の一般財源の確保に努めてまいらなければならないと考えているところでございます。
○安田委員 そこで、今度の補助金カットの穴埋めの交付税関係の措置のことでちょっとお聞きします。 さて、地方債で充てて、これで完全に補てんしましたということになっておるのでして、補てんの中身についてはきのうも連合審査でやったように、地方債の八〇%繰り入れ問題ではいろいろなやりとりがありましたが、私はそれはきょうは触れません。 そこで、問題は、経常的経費の穴埋めに建設地方債を充てるということは、いわゆる地方財政法の建前からして邪道じゃないか。もちろん法違反じゃないですよ、法違反じゃないが、皆さん堂々とこの穴埋めは建設地方債で充てますと言っておるので、これはおかしいんじゃないか。投資的経費に充てるべきものを経常経費の穴埋めに建設地方債を充てますというのは、これはどうもちょっと邪道じゃないだろうかということですね。 そして、もう一つ、早いものでもう時間がなくなってきましたので続けて聞きますけれども、国庫補助負担金のそういう特定財源が減額されたら、やはり本来は一般財源で何らかの増額措置をしなければならぬ。これを皆さんが、皆さんというよりも国がやらなかった。だから去年、地方交付税法が変わって、制度改正かどうかということでここで議論やりましたが、あれは、私は従来の方法とはかなり変わった、こう言わざるを得ません。そこで、去年の皆さんのあの特例措置という方向からしますと、本来は本則の改正でこれは対処すべきであった。それをもやらなくて、去年特会の借入金制度をなくしたのに、それと同じ方式がことしまた入ってきたじゃないですか。 こうなると、筋というものは全然なくなってしまって、交付税制度というのは、先ほど大臣は大変税率切り下げへの危機感を持っている、私も同感なんだが、それ以上に、交付税のさきに述べた財源保障としての筋はどこかへいってしまっているのじゃないだろうか。その筋を立てないと、交付税率も切り下げられる運命になってくるという点で、今言いましたように本来は本則改正でやるべきものをやらなかった。それからもう一つは、去年はああいう特別会計の借り入れというものをなくしたんだから、ことしはそれをああいう繰り入れ方式で同じようなことをまたやるんだけれども、これも去年の筋とすると違っているじゃないか。 もう一つ、いわゆる財政需要額のやりくりですけれども、投資的経費に建設地方債を充当したということにして、そしてその投資的経費の基準財政需要額の削減した分を今度は経常的経費の基準財政需要額の増加へ持っていく、こういういわゆる山手線みたいにぐるぐる遠回りをしてやるという、まことに器用と言うべきかあるいは複雑怪奇と言うべきか、こういうやり方をしなければならぬということは、何でも金さえ埋まればいいということで、私は筋じゃない、これをやっておったら自治省の存在価値さえなくなってしまう、こう思うのです。 その点で、もう時間がございませんので、幾つか連続言いましたが、局長、答弁を聞きたいと思います。
○花岡政府委員 建設地方横で経常経費に充てることは地財法の建前からおかしいではないかという御指摘でございます。 今回、経常経費系統に係る国庫補助負担率の引き下げに伴います地方負担の増加額二千六百億円につきましては、個々の地方団体に対する財源措置としてこれを基準財政需要額に算入することとしたわけでございます。ただ、交付税の総額に特例加算された額は、御承知のように、二千六百億円のうち交付団体に係る額二千億円、そのうちの一千億円に相当する額であったわけでございまして、残余の千六百億円に相当する額につきましては、地方交付税の総額で不足するために、投資的経費に係る基準財政需要額を減額して、その対応分について建設地方債を増発して財源に充てることにしたということでございます。したがいまして、この建設地方債の増発分千六百億円は公共事業等の投資的経費に充てられるものでございまして、経営経費の財源に充てられるというわけではございません。 それから、こういうふうにくるくると追い出していくということでございますけれども、結局はやむを得ない措置としてこのようなことをやっておるわけでございまして、地方団体も、それは赤字地方債を出したらどうかというような意見もございます。しかし、やはり地方団体はそういうふうなことをするべきではないということから、やむを得ず交付税の中の投資的経費を外へ出しまして、それに対して建設地方債を充てるという、非常に暫定的な措置ではございますけれども、これまでそのような措置を講じて地方財政対策をやってきたわけでございます。 本則の改正を行うべきではないかという御指摘でございますけれども、今回の特例加算につきましては、昨年度当分の間のいわゆる暫定の改正をお願いしたわけでございまして、その附則三条の規定に基づきまして、特例加算はその規定によって加算をするという措置を講じたわけでございます。
○安田委員 そこで大臣、初めおられれば私はこの地方自治体のこれからの行政展開のビジョンを少しお聞きして、それから交付税の問題へ入ろうと思ったのですが、逆にしたので、そうしたら先のものが時間がなくなりましたので、これはいずれまたお聞きすることにして、その中で一つだけ、都市財源の問題でちょっとお聞きします。 簡単に言って都市財源の拡充を図ってもらいたい。これは大臣のおられぬときも都市財源の問題、答弁の中でちょっと出ておったのですが、これは簡単に言って、都市財源拡充ということは、逆に言えば地方の弱小団体も財政的にまた強化される、要するに、食っていくのが少ないわけですから分け前が多くなるという理屈になってくるわけです。御存じのように過疎過密化、自治体の格差という問題が進んできておるというか、皆さんの中にもときどき指摘がございます。 特に中都市以上の中に、昼夜間のいわゆる都市の需要量といいましょうか、例えば下水道、水、ごみ、余り差がなくなってくるというのは最近の統計でも出てまいってきております。特に、そのために一人当たりのいろいろな、都市における建設事業等のコスト、こういうものが以前と違って随分負担になってきておる、こういうことでいろいろなデータも出てまいっております。どちらかといえば小さい都市の方が、これは頭数が少ないからどうしてもコストが高くなる、そういう性格のものであったのが、最近は大都市や中都市が高くなってきた。例えば公共事業費一人当たりのコストが、大都市が七・四万円、中都市が五・九万円、そしてそれ以下のところが五万円ほどになるのでしょうか。大都市の方が非常に大きい。しかし、以前から見れば格差は小さくなっておりますが、依然として多い。 それで、維持補修費というのは、大都市の場合は今度は中の二倍ほどかかってくる。こういうことで、昼夜間の都市需要量ということについては都市の間に負担が大変重くなっておる。したがって、大きいところが最近は財源不足に悩む。財源不足に悩むことは、大きいところだからいいというわけにいかなくて、このことがかえって、交付税の配分からしますと、不交付団体がたくさんふえればそれにこしたことはないのですが、そうすれば、地方の弱小団体は余計配分はいいわけですから、そういう点では、都市税源の拡充ということが、こういう都市化する中で新たな対応が迫られつつあるわけでありますが、これについての考え方を聞きたいと思います。
○花岡政府委員 御指摘のように、昼間人口の多い団体といいますものがコストが割高につくということで、この昼間流入人口の多い団体にありましては、交付税の算入におきましても高い態容補正係数を適用することによって割り増し算入をしておるところでございます。やはり何と申しましても、都市財源の拡充ということが必要だということは仰せのとおりでございまして、これまでも税制改正におきまして都市税源の充実を図ってきたわけでございます。 例えば、最近におきましても事業所税の税率の引き上げとか、あるいは市町村民税の法人税割の引き上げあるいは均等割の引き上げというふうなことで措置をしてきたわけでございます。これからもこういった傾向というものは、都市財源というものにつきましてはやはりその需要というものが非常に大きくなってまいる、これは否めないところでございますので、私どももその税源の充実に努力いたしますとともに、地方交付税の総額の安定的な確保に努めまして、弱小市町村、また大きな市町村、すべての地方団体が安定的に財政運営ができるようにこれらの財源の確保に努力してまいりたいと存じております。
○安田委員 それでは委員長、時間が来ましたので終わります。
○高鳥委員長 次に、岡田正勝君。
○岡田(正)委員 冒頭に委員長にちょっとお願いがあるのであります。 私ども地方行政委員会というのは、事地方自治の問題については自治省の応援団的な気持ちでおるのであります。しかも、きょう私は質問者としては四番バッターです。野球で四番バッターといったら花形なんですが、どうも委員会における四番バッターというのはほとんどの質問が尽くされておりまして、後を振り返ってみたら草も生えていなかったというぐらい皆やられております。 きょうも理事会で話しておりましたが、大臣におかれましては予算委員会に続く連合審査、また大蔵委員会、あちらこちらでとにかく食事をする暇もないほど走り回っておられる。大臣というのは非常に大事な立場の人でありまして、余り疲れるといい知恵も出ません。きょう私が予定しておりました大臣に対する質問も午前中からの質疑で十分こなされておりますので、大臣に対する質問は次回に譲ることにいたしまして、ほんのしばらくでも私の時間の間お休みをいただいて、英気を養っていただいて、大蔵省と張り合ってもらいたい、こう思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○高鳥委員長 差し支えなければひとつそのようにお取り計らいいたします。――では大臣、そういうことで……。
○岡田(正)委員 それでは、当局の方にお尋ねをさしていただきます。 まず、地方財政の現状についてでありますが、今回の補助率カットの理由の一つといたしまして、地方財政の方が国に比べて余裕がある、いわゆる地方財政余裕論があったことは御承知のとおりであります。そこで当局にお尋ねをいたしますが、地方財政は本当に余裕があると思っていらっしゃいますか。
○花岡政府委員 国と地方の財政比較におきましては、いわゆる公債費の残高だとか、あるいは公債費の比率だとか、このような点を指しまして、国の方がひどいではないかというふうな議論がされるわけでございます。しかし、先生十分御承知のように、現在の地方財政というものは五十六兆円の借入金がある。また、個々の三千三百の団体の運営を見ましても非常に苦しい運営をなされておって、その公債費負担が年々上昇しておるということは御承知のとおりでございます。 このような三千の団体がいろいろ運営をされておる集合体が地方財政でございますので、単一の国の財政と比較して、これで地方財政が裕福だというふうな比較ということはできないのではないかというふうに私は考えておりまして、これはもう先生に申し上げるまでもなく、こういったことでございますから、やはり地方財政におきましても、行政改革というものを積極的に推進いたしますとともに、地方財源の充実強化に努めてまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
○岡田(正)委員 昭和五十八年度の地方財政の決算報告が出ましたよね。そこでこの決算報告に基づきまして、地方財政の状況は一体今どうなっておるか、かいつまんで御説明願います。
○花岡政府委員 五十八年度の地方公共団体の普通会計の決算規模は、対前年度伸び率で見ますと、歳入で二・五%、歳出が二・三%ということで前年度の伸び率を下回っておりますとともに、昭和五十三年度以降六年連続の低下で、昭和三十年度以来の低い伸びとなっております。実質収支は八千六十五億円の黒字でございまして、実質収支の赤字団体数は五十五団体、前年度に比べて九団体減少いたしております。それから都道府県は、前年度に引き続き全団体が実質収支黒字でございます。 このように地方財政は全体としては引き続き黒字決算となっておりますが、これは主として五十八年度におきます巨額の地方財源不足に対処するために講じられました財源対策債の発行、一兆二千三百五十二億円でございますが、交付税特別会計におきます交付税原資の借り入れ、これが一兆八千九百五十八億円でございます。こういった特例措置に支えられたものであるという報告を出しておるわけでございます。
○岡田(正)委員 地方財政の財政運営の基本的な指数であります公債費の負担比率が、危険信号と言われております二〇%を超える団体が現在八百二十団体に及ぶというように、財政の硬直化が著しくなってきているんじゃないかなと思えるのであります。この財政の硬直化はどの程度進んでいると見ておられますか。
○花岡政府委員 御指摘のように公債費が非常に伸びてまいりました結果、地方財政の硬直化が非常に進んでまいりまして、個々の地方団体の財政構造の弾力性を示す指標でございます経常収支比率は五十四年度から五十七年度までは七八%台、こういったことでほぼ横ばいで推移してきておりました。五十八年度は八〇%に上昇しており、地方財政の近年の硬直化は著しい状況でございます。
○岡田(正)委員 自治省は昨年私の質問に対しまして、これまでのテンポで地方債発行を続ければ三分の一の地方団体が危険ラインに達する可能性があり、その事態は避けなければならない、五十六年度に二〇%を超えていた三百六十団体についてはそれぞれその原因を追求し、財政体質の改善を個別指導していくと答弁をされたのでありますが、三百六十団体に対してはどのような指導を行ってこられましたか。またさらに、危険ラインを超える団体が五十六年の三百六十団体から五十九年の八百二十団体へ約二・三倍に急増したというこの現状をどうごらんになっておりますか。
○花岡政府委員 自治省におきましては、五十七年度から市町村におきます赤字団体、経常収支比率及び地方債許可制限比率の高い団体等、財政運営上種々の問題を生じておる団体につきまして、地域担当財務調査官が都道府県からそれぞれの市町村の財政運営の状況等財政事情の聴取を行いまして、財政構造の改善等について個別の指導、助言を行っておるところでございます。今後とも、自治省といたしましては、都道府県において市町村の行財政運営の適正合理化、財政構造の健全化等につきまして的確な指導をしてまいりたいと考えておるところでございます。 それから、危険ラインを超える団体の著しい増加の現状をどう見るかという御指摘でございますが、五十一年度以降、地方財源の不足対策の一環として発行されました財源対策債等に係る元利償還金がふえてきたのが一つの原因でございます。各地方団体が一般財源の伸び悩みの中で事業の執行に当たって地方債を活用しなければならなかったということ、これも一つの原因でございます。 ただ、地方財政をこれ以上硬直化させないために極力借入金依存体質からの脱却を図っていかなければならないと考えておるところでございまして、六十年度の地方財政計面におきましては地方債依存度が前年度の九・九%から七・八%に下がったわけでございます。今後ともそういった借金依存体質からの脱却のために、一般財源の安定的な確保に努めてまいらなければならないと考えております。
○岡田(正)委員 六十年度の当初予算におきまして、地方団体は財政調整基金を取り崩してようやくその収支のバランスをとった団体が非常に多いと聞いておりますが、当初予算における財政調整基金の取り崩しの状況は一体どのようになっていますか。
○花岡政府委員 都道府県の六十年度当初予算におきます財調基金の取り崩しの状況は、三十七団体で二千三百十七億円となっております。昭和五十九年度当初予算に比べまして、団体数では一団体の城となっておりますが、取り崩しの額では二百六十六億円、一三%の増加となっております。
○岡田(正)委員 財政調整基金を大きく取り崩した団体について、その取り崩しの理由は一体何であったのでしょうか。
○花岡政府委員 六十年度の都道府県の当初予算におきまして財調基金を取り崩した団体のうち額の大きいところは、例えば福岡県が二百億円、千葉県が百九十億円、北海道が百五十六億円というふうに百五十億円を超える大きな取り崩し額となっているところがございます。 これらの団体につきまして調べてみますと、一つには地域づくりなど、地方単独事業について積極的に意欲的な計上を行っておるというのが見られるわけでございます。北海道につきましてはそうでなくて、景気回復のおくれによります税収の増加が見込まれないということで、この財調基金を取り崩して財源の確保を図っているということでございました。
○岡田(正)委員 今の御説明、一見もっとものように思うのでありますが、六十年度の財政調整基金の取り崩しが目立ってきているということは、地方財政計画で無理やりに収支を均衡させたということが大きな原因じゃないのでしょうか。
○花岡政府委員 御承知のように六十年度の地方財政計画におきましては、国、地方を通ずる行財政改革推進の要請を踏まえまして、歳出面ではおおむね国と同一基調によりまして抑制されたものになっております。また、地方単独事業等につきまして所要の額の計上に努めてきておるところでございます。 ところが、この都道府県におきます当初予算の編成状況を見ますと、先ほどのような財調基金の取り崩しがいろいろあるわけでございます。しかし、六十年度の地方財政計画というものは、先ほどちょっと御答弁申し上げましたように、税収の増加あるいは交付税の増加といった一般財源のかなりな伸びが見込まれましたために、この収支が均衡したわけでございまして、無理やり歳入歳出とも収支を均衡させたというふうなものではございません。
○岡田(正)委員 それでは次に移ります。 当初予算の編成に当たっては、いわゆる財源対策債の廃止の影響で公共事業の財源確保に苦しむ団体が多いと聞いております。財源対策債の廃止の影響をどのように考えておられますか。
○花岡政府委員 先ほど申し上げましたように、六十年度の財政計画は国庫補助負担率の引き下げを行う前では収支が均衡することになっていたわけでございまして、これに伴いまして従来のいわゆる財源対策債の措置は講じないこととしたわけでございます。このために、従来財源対策債を充当してきた公共事業等につきまして地方債の充当率が引き下げられる、それから地方債の対象とならなくなったというものもございますので、地方団体がこれらの事業につきましては一般財源で負担すべき額がふえるという結果になるわけでございます。 これらにつきましては、その財源対策債相当分は地方交付税の基準財政需要額に算入することといたしておりますので、原則といたしましては事業の執行あるいは地方団体の財政運営には支障はないというふうに考えておるところでございますが、やはり個別の団体に対しましてはいろいろ問題もございますので、私どもはそれぞれの団体の財政状況等を考慮いたしまして、地方債の配分等に当たりましてそういった財政運営に支障が生ずることがないように適切な配慮をしてまいりたいと考えております。
○岡田(正)委員 そこで、今回と同じく地方財政収支のバランスがとれたとして、財源対策債を廃止した五十七年度においても千二百五十億円の激変緩和措置をとりましたね。今回このような激変緩和措置をとらなかった理由は何でありますか。
○花岡政府委員 現在の地方財政は、借入金に依存する体質から脱却することが最重要課題となっておりますことから、五十七年度におきますような激変緩和措置はとらなかったわけでございます。五十七年度の場合を見てまいりますと、当時の前年度の税収の決算見込みでございますが、決算に対する税の伸び率と五十九年度の決算におきます税収、これからの六十年度当初への伸び率、こういったものを見てみますと、五十七年度の場合にはすき間と申しますか、五十七年度の当初見込み額の算定というのがかなりシビアに見積もられておった、計画上一一一・七%、一一・七%の伸びでございますが、決算の見込みに対しましても一一・六というふうなことでございます。かなりきつい見積もりが行われておったのではなかろうか。 六十年度の場合を見てみますと、計画の伸びは一〇・六%でございます。これが決算見込みに対しましては八・二%ということでございますので、その意味におきましては五十七年度のときのようなきつい見方をしておるというふうには見られないわけでございまして、こういった意味からも、先ほど申し上げました借金依存体質からの脱却という意味からいたしましても、激変緩和のための地方債を措置いたさなかったわけでございます。
○岡田(正)委員 どうもちょっと納得がいかぬのですがね。くどいようでありますが、今回の高率補助率のカットということで、地方団体は財源確保がこれまで以上に困難になってきていることは御承知のとおりですよね。これは各地方団体が非常に困っております。五十七年度と同様の激変緩和措置すらとらなかったという理由、重ねてのようでありますが、何でありますか。それから五十七年度とどこが事情が特に異なっておりますか。
○花岡政府委員 先ほど申し上げましたように地方財政の現状と申しますのは五十六兆円にも上る借入金残高を抱えておるわけでございまして、そういった意味で極めて厳しい状況にあるわけでございます。また、個々の地方団体の財政状況を見ましても公債費負担比率が著しく上昇してきておるということでございまして、現下の地方財政というものは、借入金体質からの早期脱却が必要であるということからそのような措置をとらなかったわけでございます。 先ほど申し上げましたように、五十七年度のときの税収のきつい見積もり、六十年度におきましては、余裕があると言ってはおかしいのですけれども、確実に見込まれるという数字でございますので、五十七年度の場合のような措置は講ずる必要はないというふうに考えたところでございます。
○岡田(正)委員 異議がございますけれども、時間の関係もございますので、次の問題に移らせていただきます。 昭和六十年度の地方交付税措置に関係をして、以下質問を申し上げます。 第一は、自治省は今回の高率補助率の原則一割カットを初めといたします補助金の整理合理化に対して、これをどのように受けとめ、どのように対処してこられたのか、お答え願います。
○花岡政府委員 国庫補助金等の整理合理化につきましては、自治省としましては、地方制度調査会の答申に示されておりますように、国、地方を通ずる行財政の簡素合理化、地方団体の自主性、自律性の尊重の観点から、事務事業の廃止縮減を行うとともに、本来地方の自主性にゆだねるべきものは一般財源に移行することを基本として推進されるべきである、そして、国と地方の間の機能分担と費用負担のあり方を根本から見直すことなく国庫補助負担割合を一律に引き下げるようなことは行うべきではないという基本的な態度をとっておったわけでございます。 六十年度の国の予算におきましては、一部の国庫補助金等の一般財源化あるいは交付金化が図られたわけではございますけれども、国庫補助負担率の引き下げにつきましては、地方の立場と国の立場に最後まで大きな食い違いがあったわけでございまして、六十年度の予算編成に当たりましては、予算編成のぎりぎりの段階まで平行線をたどってきたわけでございます。最終的には、かねがねお答えいたしておりますように、地方負担の増加分に対します措置、それから六十年度限りの暫定措置とする、また社会保障に関する国庫補助負担率のあり方につきましては今後検討するというふうなことで協力をすることとしたわけでございます。
○岡田(正)委員 国庫補助負担率の引き下げに伴う地方の財政負担増、この五千八百億円については地方財政対策において万全の措置を講じたと述べておられるのでありますが、万全と言えるその根拠は何でありますか。
○花岡政府委員 今回の国庫補助負担率の引き下げに伴います地方負担の増加額五千八百億円に対しましては、地方交付税の増額一千億円と建設地方債の増発四千八百億円により補てんしたところでございます。 まず、経常経費系統に係る地方負担の増加額二千六百億円につきましては、地方交付税の増額による一千億円と、建設地方債の増発千六百億円で対処することといたしたわけでございます。この二千六百億円のうち交付団体分に相当いたします二千億円につきましては、先ほど申し述べました特例措置で一千億円、残余の一千億円につきましては当面の暫定措置として六十六年度以降において加算することといたしておるわけでございます。 それから投資的経費系統に係る三千二百億円につきましては、経費の性格にかんがみまして建設地方債の増発で対処することとしたところでございます。そのうち国庫補助負担率の引き下げによる国費減額相当額二千億円につきましては、いわゆる行革関連特例法に基づく特定地域に係るかさ上げ補助等の縮減措置に伴う財政金融上の措置に準じまして、地方債措置及びそれに係る元利償還に要する経費につきまして地方交付税措置を行うことといたしまして、国はその元利償還に要する経費の二分の一に相当する額を六十一年度以降交付税特会に繰り入れることといたしております。また、これ以外の建設地方債の増発分千二百億円につきましては、経常経費系統の建設地方債の増発分千六百億円とともに、その元利償還に要する経費につきましては地方交付税措置を講ずることとしておるわけでございます。 このように、今回の国庫補助負担率の引き下げによる地方負担の増加に対しましては所要の地方財政措置を講じまして、地方団体の財政運営に支障が生じないように措置を講じたところでございます。
○岡田(正)委員 ただいまの説明にもありましたが、地方の負担増五千八百億円のうち、地方交付税の特例加算として措置をしたのはわずか一千億円のみでありまして、残りの四千八百億円は建設地方債の発行で措置することになっているということであります。これは補助金の削減という今日の負担を軽減する見返りとして、基本的には建設地方債の発行という借金、しかも利子つきの借金という形で後代へその負担をツケ回すことにほかならぬのではありませんか。
○花岡政府委員 今回の補助率カットに伴う地方負担の増加につきましては昭和六十年度におきまして、また増発した建設地方債につきましてはその元利償還が行われる年度におきまして、基準財政需要額に増額算入することといたしておりまして、個々の地方団体に対しては所要の財源措置がなされるものでございます。 今回増発する建設地方債四千八百億円に関しましては、国は経常経費系統に係る地方負担の増加額のうち一千億円につきましては暫定的に六十六年度以降地方交付税の総額に加算することといたしておりますし、公共事業のカット分に対して発行される臨時財政特例債の元利償還金の二分の一に相当する額につきましても、六十一年度以降地方交付税の総額に加算することとされております。こういったことで地方財政計画の策定を通じまして地方団体の財政運営に支障がないように対処してまいるわけでございます。
○岡田(正)委員 経常的経費の地方負担増二千六百億円のうちの一千億円については当面建設地方債の増発で対処し、昭和六十六年度以降に精算するということになっていますね。同時に投資的経費に係る地方負担増三千二百億円のうち、純粋に国庫負担率の引き下げによる国費の減額相当額約二千億円については臨時財政特例債という建設地方債を発行して、国はその元利償還の二分の一相当額を交付税特別会計へ繰り入れるというようになっておると御説明がありました。 しかし、地方交付税率三二%の引き上げがないとするならば、これらの措置は実質的に地方交付税の減額となるのではありませんか。入れ物が三二%、その中へ何でもかんでもほうり込んでいくのでありますから、当然三二%は引き上げなければ理屈が合わないことになりますが、実質的には地方交付税の減額という結果になるのではありませんか。いかがですか。
○花岡政府委員 御指摘のように、経常経費に係る地方負担の増加額二千六百億円のうちの千億円につきましては、国が暫定的に六十六年度以降において交付税総額に加算することとしており、また投資的経費に係る国費減額相当額二千億円につきましては、国がその元利償還金の二分の一相当額を交付税に加算することにしております。しかし、これらを含めましてなお交付税の総額が不足するという場合には、毎年度の財政計画の策定を通じまして所要の財源措置を講じて、全体として必要な交付税総額の確保に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。 本年度におきましては国税の税制改正等によりまして地方交付税が増額されているところでございますけれども、今後とも地方財源の充実確保のため、地方税源の充実強化とあわせまして地方交付税の所要額を安定的に確保してまいりたいと存じております。
○岡田(正)委員 それでは、地方交付税の税率の引き上げということは今お考えになっておりますか、あるいはその考えは捨てましたか。
○花岡政府委員 地方交付税の総額を安定的に確保していくということは今後の地方財政を運営する上で非常に重要なことでございますので、この点につきましては、地方制度調査会の御意見等を承りながら、地方財政をめぐる情勢の推移に即応して、具体的な方策について十分検討してまいりたいと考えております。
○岡田(正)委員 花岡さんの答弁はなかなか見事なものであります。言葉は非常にはっきりしているのですね、よくわかるのです。だけれども、内容が何かちょっとすかすかしたような感じがしますので、もう一遍えげつなくお尋ねをするのでありますが、交付税率の引き上げということについては現在も将来も考えておらぬということなのか、場合によっては考えるのだというのか、税率を引き上げるという旗印はおろしてはおらぬというふうに言明されるのか。それは大臣でないと困るよと言うのなら答弁はされぬでも結構であります。
○花岡政府委員 地方交付税の率をどのようにするかということは、現在の状況では非常に困難な問題であろうかと考えております。しかし、今後とも、いわゆる国の権限移譲その他地方の行政権限の充実等によりまして地方団体の果たすべき役割というものが大きくなってくるものと考えております。そういった意味におきまして国と地方の事務配分、これに伴います財源配分というものをきちんとしなければならない、そういう段階におきましては当然に地方交付税率の引き上げということはやっていかなければならないものだというふうに考えております。
○岡田(正)委員 自治省は本年度支払うべき利差臨特、地域特例臨時、それから財対臨時の合わせて千三百五十五億円を六十六年度以降に繰り延べましたね。その理由は何でありますか。
○花岡政府委員 六十年度の地方財政収支見通しによりますと、国庫補助負担率の引き下げ前におきましては地方財政の収支は均衡したわけでございます。このため国庫補助負担率の引き下げに伴う財源対策といたしまして、地方交付税の特例増額等により対処することとして、従来の自治、大蔵大臣覚書によります地方交付税に特例加算されるべき千三百五十五億円については地方財政の中期的な健全化を図る観点から昭和六十六年度以降地方交付税に加算するところとしたところでございます。この措置につきましては、法律上明確にする必要がありますために、現在御審議いただいております地方交付税法等の一部を改正する法律案に明定しているところでございます。
○岡田(正)委員 地方交付税特別会計の借入金が今五兆六千九百四十一億円ありますね、これを昭和六十六年度から償還、そして昨年度の地方交付税の特例加算三百億円の同じく昭和六十六年度以降の精算減額、それから今回の利差臨特等の負担の繰り延べなど、すべての対策が昭和六十六年度以降に先送りをされています。これは昭和六十五年までに国が赤字国債脱却という大きな表題を掲げておりますが、この六十五年度に赤字国債体質の脱却という国の財政再建を前提として六十六という数字が出てきたのではないかと思いますが、いかがですか。
○花岡政府委員 五十九年度の地方財政対策におきまして、交付税特会における既往の借入金の償還繰り延べの措置を講ずることとしたわけでございますが、これは交付税特別会計の借入金の償還に係る国の負担額について、国の方が厳しい財政事情のもとで「一九八〇年代経済社会の展望と指針」に示された財政再建期間中は償還を繰り延べる措置を講ずることとした、これに対応いたしまして地方もまた早急に償還を行うことができるような状況にはないということから、国と同様六十六年度以降に償還を繰り延べることにしたものでございます。
○岡田(正)委員 それでは、話をがらっと変えますが、今までので納得したのではありませんよ。それで、現在の租税負担率を変えないで六十五年度に国の財政再建は実現できると思っていらっしゃいますか。
○花岡政府委員 我が国の財政事情は、国、地方を通じて中期的に見て極めて厳しい状況に置かれておるわけでございます。このために、国と地方の財政は歩調を合わせて行政改革、財政改革の推進に取り組む必要がございまして、国の六十五年度までの特例公債依存体質からの脱却が容易とは考えませんけれども、最重要の課題として取り組まなければならないと考えております。
○岡田(正)委員 今のようなお答えが出るでしょう。そこで、仮に国の財政再建が昭和六十五年度に不可能であったという場合、六十六年度以降の地方交付税の繰り延べ措置、または地方交付税特別会計の借入金の償還等の措置は一体どうなるのでありますか。
○花岡政府委員 国、地方を通じます課題としての行財政改革の推進と財政体質の抜本的な改善ということは、今後とも最大の努力をしていかなければならないわけでございますが、仮に六十五年度までに国の財政再建ができなくなるような事態が生ずる場合におきましても、地方の行政水準の充実確保が図られますように地方交付税の安定的な確保を図りまして、地方団体の財政運営に支障のないように措置をしてまいりたいと考えております。
○岡田(正)委員 昭和六十六年度以降、地方財政の運営上不可欠な地方交付税総額の安定的確保が果たしてできるのだろうか、それが自治省としては保証できますか。
○花岡政府委員 現段階におきまして昭和六十六年度以降の地方財政の状況について予測することは極めて難しいわけでございますが、交付税特会における借入金の償還等の問題もありますし、地方交付税総額を安定的に確保していくには格段の努力を要するものと考えております。今後経費支出の節減合理化に努める一方、地方税源の充実を図りつつ地方交付税の所要額の確保に努めてまいりたいと存じます。
○岡田(正)委員 今続けて質問しました二、三問というのは、いずれもこれから五年先、六年先の話ですから、来年の話をしたら鬼が笑うと言いますので、そういうおつもりで話をしてはおらぬと思うのですよ。だけれども、これ以上今申し上げても始まりませんので、次に移らせていただきます。 高率補助率のカットというのは、当局としては本当に六十年度限りの措置と見ていますか。
○花岡政府委員 今回の国庫補助負担率の引き下げ措置につきましては、六十年度限りの措置でございます。しかし、昭和六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、国と地方の間の役割分担、費用負担の見直しとともに六十年度において検討するということになっております。
○岡田(正)委員 これは大蔵大臣にも出てもらわぬとなかなか詰まらぬ話ですから、余り申し上げないことにいたしますが、さてその大蔵大臣が、九日に閣議がありましてその中で、昭和六十年度の予算編成は引き続き厳しい概算要求基準、いわゆるシーリングを設けると報告をしておりますね。とすれば、国の一般会計予算の二七・五%、国債費や地方交付税を除く一般歳出の実に四四・三%は国庫補助金でありますよね。したがって、来年度も概算要求基準を続ける、シーリングを続けるとするならば、国庫補助金の削減に手をつけなければ不可能ではないかと私も思っておるのでありますが、自治省はどう受けとめておりますか。 それから、六十年度限りの措置というのはまやかしじゃないのですか。重ねてお尋ねします。
○花岡政府委員 去る四月九日の閣議の席におきまして、大蔵大臣から御指摘のようなお話があったわけでございますが、その際、自治大臣から、六十一年度の予算編成については、これから概算要求基準の設定を初め種々の検討がなされると思いますが、国と地方との機能分担及び費用負担の見直しが検討されることを踏まえて行われるよう配慮されたいという発言を行ったところでございます。 どのような基準が設定されるかはこれから検討をされるわけでございますが、この点につきましては財政当局と十分話し合いをしてまいりたいと考えております。 なお、六十年度限りの措置がどうかということにつきましては、この一年間の検討結果を踏まえて結論が出されるという形になっておることは、先ほど申し上げたとおりでございます。
○岡田(正)委員 むしろ高率補助率のカットの恒久化、これは六十年度限りじゃありませんよ、今予算を通すために三大臣の覚書というのをやっておるのであって、その場さえうまく切り抜ければいいので、これは恒久化するんだぞということが持ち出されてくるのではないかと見た方が素直じゃないかと思うのでありますが、どう思っていらっしゃいますか。
○花岡政府委員 確かにこれはいろいろの立場の者が集まって話をするわけでございますから、財政当局の万ではそういった考え方を持ち出す可能性は十分に予測されるわけでございます。しかし、この問題につきましては国と地方の役割分担、費用負担の見直しとともに六十年度において検討ずみということになっておるわけでございます。
○岡田(正)委員 重ねて同じことを聞きますが、どうも隔靴掻痒の感がしますね。本当に足の裏がかゆいのですが、靴の外からかいているような感じがしてならぬのであります。これはまあ性質上そうなるのでありましょう。 再度お尋ねしておきますが、高率補助率のカットのときに大蔵、自治、厚生の三大臣で交わされた覚書の意味は、補助率カットは恒久化を目指すのだよというようなことが内々は実は、文章とは裏腹にお互い了解をしておるのではありませんか。
○花岡政府委員 裏でそのような恒久化を話し合っているのではないかという御指摘でございますけれども、先ほど申し上げましたように、私ども地方団体の立場からの主張と大蔵省の立場とはぎりぎりの線まで話し合いがつかなかったわけでございまして、その結果、本来私どもは事務事業の見直しをしないで負担率を変えるというのはよろしくないということであったわけでございますので、結局順序は逆になりましたけれども、一年間検討をしようということになったわけでございまして、恒久化について約束があるものではございません。
○岡田(正)委員 自治省としましては補助率カットの継続あるいは補助率カットの恒久化というような方針が今年中に提示された場合、これは仮定でありますが、どのような方針で臨むつもりでございますか。
○花岡政府委員 結局、検討の結果にまつわけでございますけれども、この検討に当たりましては、行政の果たすべき役割及び国と地方の間の機能分担等の見直しを行いまして、地方自治の確立と地方財政の健全化を図る方向で対処してまいりたいと考えておるところでございます。特に社会保障関係につきましては、国の基本的な責務が貫徹されることを基本として検討されるべきものであると考えております。
○岡田(正)委員 それではちょっと念を押しておきますが、今回行われた高率補助率のカットという金額のカットだけではなくて、実質それに見合うところの行政事務の移管ということは今回、それははっきりと法律とかいうもので明確になっておりますか。
○土田政府委員 今回の一括法におきましては財政関係だけでございます。行政関係については規定されておりません。
○岡田(正)委員 そうでしょう。先ほど来局長さんの御答弁の中に、事務事業の移管がなければどうにもならぬ、そういうものも含めて見直しをするべきであるというお言葉が再三再四出てきておるのでありますが、私ども民社党といたしましては、こういう補助率一律カットというような乱暴な財政上の措置をとるだけじゃなくて、それに伴ういわゆる事務の移転がなければ本当の行政改革にはつながらない、だから今度の補助率一括カット法案というのは行政改革に伴う法案とは我々は見ていないのであります。行政改革の法案ではない、そういう厳しい立場から私どもは論議をしておるのでありまして、それはまた次に発言する機会がありますから、きょうはそれ以上申し上げないことにさせていただきまして次に参りますが、非常に不満を持っておることだけ申し上げておきます。 そこで、結局来年度も補助金の削減を中心として、六十六年度以降の負担繰り延べを前提とした地方財政対策を講じられるということになりはしないかという大きな心配があるのでありますが、いかがでありますか。
○花岡政府委員 現段階におきましては、明年度の国の予算編成方針あるいは税制改正の動向が不確かでございまして、地方財政の姿がどのようなことになるのか、御答弁申し上げるような状況にはございませんが、基本的には地方財政の健全化を図って自主性、自律性を高める方向で対処してまいりたいと考えております。
○岡田(正)委員 地方団体にとって中長期的に安定をした行政運営を行うためには地方交付税や国庫支出金などの収入にある程度の予測がつくということが不可欠ですよね。この点、補助率のカットが本当に六十年度限りの措置なのかそれとも継続していくのかというようなことが不明な場合、地方団体の財政運営に支障を来してくるのではないでしょうか。計画性を持った財政運営というものが不可能になるのではないでしょうか。したがって、補助率カットは本当に六十年度限りの措置であるのかそれとも継続するのか、明確にすることがこの際不可欠ではないかと思うのでありますが、自治省としてはこれに対してどのように対処していかれますか。
○花岡政府委員 地方団体の計画的な財政運営を可能にするために明年度以降の取り扱いを明らかにすべきだという御指摘はごもっともでございますが、国庫補助負担制度のあり方というものは国、地方の行財政制度の根幹にかかわる重要な問題でございまして、十分な検討が必要でございます。また、先ほど申し上げましたように、六十年度の予算編成における経緯を踏まえまして、六十年度において改めて検討することとされておりますので、御理解いただきたいと存ずるわけでございます。自治省といたしましては、できるだけ早く検討を進めまして、地方団体の財政運営に支障の生じないように対処してまいる考え方でございます。
○岡田(正)委員 そこで、ちょっと伺っておきますが、その検討が終わるのは大体いつごろであってほしいと自治省はお考えになっておりますか。
○花岡政府委員 私どもが考えているような方向で固まるならばできるだけ早い方がいいわけでございますが、これは実際問題といたしまして相当いろいろな意見が出るものと思われます。したがいまして、現実の問題といたしまして事務的な判断をいたしますれば、明年度予算編成の前になるのではなかろうかというふうに考えております。
○岡田(正)委員 それでは次に移らせていただきます。 新聞報道によりますと、大蔵省は補助率のカット以外に地方交付税率の引き下げをも検討されているということでありますが、自治省は大蔵省のこの動きをどう見ていらっしゃいますか。そしてこれにどう対処なされるおつもりでありますか。
○花岡政府委員 大蔵省の方では、考え方といたしましてはすべてのものについては検討を常時すべきであるという一般論を述べておられるものと考えるわけでございますが、御承知のように現行の交付税率は、国と地方との間におきます行政事務配分と費用負担のあり方、あるいは地方税制、国庫補助負担制度を総合的に勘案して定められたものでございます。 地方財政の現状は、先ほど来申し上げておりますように非常に大きな借入金残高を抱えておりますし、個々の団体においても極めて厳しい財政状況にある、このような状況でございますから、地方の行財政改革は積極的に推進して財政の健全化に努めてまいらなければなりませんけれども、あわせて交付税の安定的確保というものは必要でございます。特に現在交付税特会におきまして五兆六千九百億円の借入金残高がございますので、交付税率を引き下げるような状況にあるとは考えておりません。
○岡田(正)委員 わかりました。せっかく頑張ってください。 国の施策の後追いとして地方財政対策が講じられている現状を見ますと、六十六年度以降への交付税の繰り延べというような形で地方交付税率の実質的な引き下げというものが先取りをした形で行われてくるんじゃないかという心配を私はしておるのでありますが、そういう心配は要らぬことですか。
○花岡政府委員 先ほど申し上げましたように、交付税特会におきましては、五兆六千九百億円に上る借入金残高を抱えて六十六年度以降に償還を繰り延べておる状況でございます。本年度の地方財政対策におきましては所要の交付税総額が確保されましたので、中期的視点に立って利差臨特等に相当する分について六十六年度以降に交付税総額に加算することとしたわけでございます。今後におきましても毎年度地方財政計画の策定を通じまして所要の財源措置を講じて、全体として必要な交付税の総額の確保に努めてまいりたいと存じております。
○岡田(正)委員 地方交付税が今回のように国の政策の補てんとして措置されることになってくると、地方団体の固有の財源であり地方団体の重要な一般財源である地方交付税の性格がゆがめられることになりませんか。時に国庫補助金の持つ不公平性、これは全地域的にわたりませんから、政治力のある地域により多く配分されるというようなことなどが地方交付税制度に持ち込まれることになりはせぬかと心配しておりますが、いかがですか。
○花岡政府委員 六十年度におきましては、国庫補助負担率の暫定的な引き下げと国庫補助負担金の一般財源化等が行われたところでございますが、地方財政対策を通じて地方団体の自主性を損なわずにその財源の均衡化を図るとともに、地方行政の計画的な運営を保障するため所要の交付税総額を確保したところでありますので、今回の措置が地方交付税の性格をゆがめることになるとは考えておらないところでございます。 また、地方交付税の配分に当たりまして、国庫補助負担率の引き下げに伴う地方負担の増加に対応いたしまして、単位費用の引き上げ及び建設地方債の元利償還費を基準財政需要額に算入する措置を講ずることとしておりますが、これは暫定的に行われた国庫補助負担率の引き下げによって地方団体の財政運営に支障が生じないようにするための措置であります。 特に、国庫負担事業につきましては御指摘のような不公平があるとは思っておりませんけれども、また、地方団体が負担する経費は交付税措置を講ずべきであると定めております地方財政法十一条の二の規定によって行っておるものであります。これら算入措置額は地方交付税総額に占めるウエートが極めて小さいこと等もございまして、今回の措置が地方交付税制度に国庫補助金の不公平性を持ち込むようなものとなるとは考えておりません。
○岡田(正)委員 これも私は不満なのでありまして、今回のこういう措置で地方交付税の性格がゆがめられるようなことにならぬかということについて、それはならぬ、こういうふうに明確におっしゃいましたが、財政力のあるところと財政力のないところとでは、例えば建設地方債を発行するにいたしましてもこれはなかなか大変なことでありまして、借りようと思ってもどうすることもできないというような哀れな状態にだんだんと押し込まれていくわけでありまして、私はその心配を捨て切れないのであります。 さて、時間が参りましたので、最後の質問にさせていただきます。 いずれにしろ補助率のカットはこれまでの事業をより少ない費用で遂行できるという意味で、国の各省庁にとってはまことに都合のよい措置なのであります。しかし、それでは国、地方合わせた国民の負担は変わりません。補助金制度に伴う問題も何ら変わるところはなく、先ほど申し上げたように行財政改革に何ら寄与するものでもありません。行財政改革の趣旨に沿った国庫補助金の整理合理化が不可欠であると思っておりますが、自治省は来年度予算において予想される大蔵省などの大攻勢に対して具体的にどのような方針で臨まれるおつもりか、お答え願います。
○花岡政府委員 国庫補助金等の整理合理化に当たりましては、行政の果たすべき役割及び国と地方の間の役割分担等の見直しを行いまして、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化と地方団体の自主性、自律性を尊重する観点に立ってこれを積極的に推進してまいらなければならないと考えておるところでございます。したがいまして、国と地方との共同責任で実施されております事務事業に関する国庫負担制度に係るものを別といたしまして、事務事業の廃止縮減を行いますとともに、本来地方の自主性にゆだねるべきものは一般財源に移行することを基本として推進されるべきであると考えておるところでございまして、このような基本的な考え方に立って対処してまいりたいと存じております。
○岡田(正)委員 時間が来ましたのでこれをもって終わらしていただきますが、どうも納得のいかないところが随分ありまして、局長さんもなかなか答えるのにお困りになった点もたくさんあったと思うのでありますが、この次は、大臣も出ていらっしゃるところでひとつ十分ゆっくりと質問をさしていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○高鳥委員長 次に、五十嵐広三君。
○五十嵐委員 大臣、お疲れのところ恐縮でございますが、時間も大分遅くなってきましたので、二つ三つの問題に絞って御質問を申し上げたいと思います。 その前に、今岡田委員から御質問のことに関連して、ちょっと財政局長の御意見を承りたいというふうに思うのでありますが、総理も大蔵大臣も、今年はこれから抜本的な税制の見直しをしよう、こう言っているわけであります。殊に、大型間接税の導入等を中心にして直間比率の是正をしよう、ここを中心に戦後税制の基本的な見直しをするんだ、こういうことであります。 そうなりますと、今も議論がございましたけれども、地方交付税の算定の基礎そのものが大きく構造が変化するということになるわけでありますから、したがって、税率論議だけではなくて、地方交付税の制度といいますか仕組みといいますか、そのもの自身を検討、議論していかなければならぬ。もちろん、関連して国と地方の財政の入り組みの諸般のすべてについて、つまり地方税制度あるいは補助金制度、一方ではまた、事務事業等についても同じことであろうと思いますが、こういう行財政のすべてについて議論をしながら対応していかなければならぬ。まあ、我が国の地方自治制度史上かつてない重大な時代を迎えるというふうな感じがするのでありますが、そういう認識でいいものかどうか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○花岡政府委員 大型間接税の問題を初め、いろいろ税制の問題とか行財政の問題、事務移譲あるいは規制緩和の問題、現在いろいろなものが検討される時期に来ておるわけでございまして、この税制の改正に伴います地方交付税をどう持っていくかというふうなこと、これは減税がどのようなことで行われるのか、新しい税制がどのようにできるのか、この辺はまだ全然わかっておりませんので、白紙の状態ではございますけれども、五十三年度の税調の答申におきます当時の一般消費税の問題のときには、この一般消費税のうち地方に配分される額の一部は地方消費税とするということでございましたので、それ以外にもいわゆる交付税としての配分も考えられておったといういきさつもあるわけでございます。 そういったことも踏まえまして、現在のようにあらゆる行財政制度が改革をされていくという中におきまして、この地方自治制度、これも大きく見直しをすべき時期に来ておると思うわけでございますが、そういった新しい制度をどのように構築していくかということは、今後地方制度調査会等においても御議論いただくことになっておりますが、それに伴いましての新しい地方財政制度というものも組み立てていかなければならない、こういう重大な時期に来ておると認識いたしております。 〔委員長退席、平林委員長代理着席〕
○五十嵐委員 この大事な時期に、日本の民主主義のいわば根幹をなす地方自治の仕組みが一層健全に発展をしていくための財政的な基盤あるいは行政的な仕組み等について、ぜひひとつ自治省としてはこの際おくれをとらないように、諸般の可能性全体を展望しながら、十分な検討を地方各団体とともに練っていただいて、この大事なしかも難しい時代を正しい自治の発展の方向で乗り切っていかれるように心からひとつ念願をし、期待をしたいというふうに思います。 そこで、一、二具体的な質問に入りたいと思うのでありますが、一つは、最近とみに議論になっております外国人登録法に関する問題であります。 まず、外国人登録業務に係る経費の算定基準、そしてその交付の仕方というようなものについて、これは法務省、ちょっとお知らせをいただきたいと思います。
○黒木説明員 外国人登録事務の市町村委託費、それから都道府県に対する委託費と二種類あるわけでございますが、都道府県に対する委託費は、全国で九十七名の職員定員ということになっておりまして、この人件費を中心に出しておるわけでございます。それから市町村につきましては、業務の実績主義をとっておりまして、その実績に応じた件数を算出いたしまして、これを委託費として交付する、こういう仕組みになっております。
○五十嵐委員 それぞれの単価を御説明いただきたいと思います。それから、総体の金額につきましてもあわせてお願いしたいと思います。
○黒木説明員 ちょっと細かい数字になりますけれども、私ども外国人登録事務経費といたしまして、実はことしは御承知のように登録証明書の大量切りかえ年に当たっておりまして、平年度の場合と若干予算の組み立てが違っております。平年度の経費として御説明いたしますと、外国人登録事務経費として約十三億円計上しておりますけれども、この中で都道府県委託費といたしましては十二億四千三百九十五万九千円という額になっております。そのほかに、先ほど申しました、ことしは登録証明書の大量切りかえ年ということで別枠で予算要求をいたしておりまして、この分につきましては約三億七千五百万余りの予算があり、その中で都道府県、市町村に対する業務委託費として三億七百四十九万二千円という額を計上しているわけでございます。 それで、その金額の積算の内訳でございますけれども、市町村委託費の人件費について見ますと、経常分として八億六千六百五十七万二千円、それから先ほどの大量切りかえ分として二億七千八百十八万七千円という金額、それから都道府県の委託費の人件費としましては、経常分といたしまして三億五千七百七十二万四千円、切りかえ分として一千三十五万五千円ということでございますが、この積算につきましては、市町村分につきましては一時間当たりの単価千四百六円という計算をしております。それから都道府県分につきましては、国家公務員の給与で申しまして行政(一)六等級七号俸の給与をベースに計算をしております。
○五十嵐委員 いつもこの問題についても、全国市長会なんかから超過負担としての強い指摘や要望がずっと続いてきておるのでありますけれども、相当不満が自治体側にはあるようですね。そういうような声はお聞きになっておられるかどうか、あるいはこれで十分に措置されているとお考えになっておられるかどうか。 〔平林委員長代理退席、委員長着席〕
○黒木説明員 外国人登録の委託費につきましてはかねてから超過負担の御議論がございまして、私どもといたしましてもこれの是正には努めております。特にこの経費の負担につきまして、昭和五十二、三年ごろだったと思いますけれども、自治省、大蔵省と一緒になりまして実態調査もいたしました。それから二年ほど前には、この給与の積み上げ方式の算定基準を変更いたしまして、正確な額はちょっと覚えておりませんけれども、かなりの額の増額を図ったということでございます。 先ほどお話しありましたように、全国市長会その他からいろいろ要望もございます。私、昭和五十二年ごろ調査をしたと申し上げましたけれども、それから若干時間もたっておりますので、改めて機会があれば調査をしてみたいと思っておりますが、私ども基本的には、五十七年に法改正もいたしまして事務の軽減化を図るというような措置も講じておりまして、そういう超過負担にならないように努力を続けておるわけでございます。
○五十嵐委員 御承知のように外国人登録事務に要する経費というのは、地財法でいえば十条の四ですか、つまり全額を国が負担すべきものとなっているわけですね。したがって、地財法二条二項に言うように、地方の団体に負担を転嫁することはだめだよということもあるわけでありますし、そういう点についてはぜひよく御検討いただいて実態に沿った措置をしていただきたいと思います。殊に今年は大量の切りかえということもあるわけでありますから、したがって、さっきお伺いしたような金額で私は間に合うのだろうかという感じが非常にするのでございますが、ぜひそれらの点についても遺漏のないようにお願いを申し上げたいと思う次第であります。 そこで、今年は大量の切りかえ時になる、この切りかえの対象の人数は大体どのくらいになるか。また月別で見て、それぞれ各月、恐らく七月から十月か十一月くらいまでではないかと思うのですが、月々どのくらいの人数になるものか。かつ、それだけのそれぞれの大量な切りかえの方々が窓口に行くわけでありますから大変なことであろうと思うのですが、それの対応について心配ないものなのか、混乱はないのかというようなことについてお答えをいただきたいと思います。
○黒木説明員 お答えする前に、一言先ほどの発言を訂正させていただきたいのですが、都道府県の職員の数を私、九十七名と言ったようでございますが、九十五名が正しいようでございますので訂正させていただきます。 ことしは今御指摘のように登録証明書の大量切りかえ年ということでございまして、前回の大量切りかえが昭和五十五年にございまして、実は五年ぶりということでございます。私どもの推定数でございますが、ことし一年間で登録証明書を切りかえる外国人の数は三十七万人と予定しております。その中で、特に八月から十一月にかけて集中いたすわけでございまして、この四カ月間だけで約二十四万人が切りかえるであろうという想定になっております。ちなみに申し上げますと、八月が七万二千余り、九月が九万二千弱、十月が五万九千余り、十一月が一万六千余り、こういうような数字でございます。 私ども、この大量切りかえと申しますのは、昭和二十二年にこの制度が始まりましてから今度が十三回目ということでございまして、これまでこのような大量切りかえ事務を処理している経験はあるわけでございます。ただ、五十七年の法改正によりましてこの切りかえの期間が五年に延びたために、市町村の窓口にとりましては久しぶりの業務ということになるわけでございまして、私どもといたしましては窓口の混乱が起こらないように、先ほど御説明しましたような大量切りかえ分の予算も、ほぼ私どもの要求の満額に近い予算の獲得もできましたし、それから事務そのものが混乱しないように、特にこの五月、六月にかけまして各都道府県、市町村に対する指導をしっかりやっていきたいと思っているところでございます。
○五十嵐委員 何かお聞きしますと、七月も四万三、四千くらいあるようでありますし、なかなか大変であろうと思いますが、どうか混乱のない対応を願いたいと思うのであります。 さてそこで、去年、全斗煥韓国大統領が来日したわけでありますが、そのときに中曽根総理と大統領との共同声明が出た。そこではこういうぐあいに述べているわけであります。 総理大臣と大統領は、在日韓国人の特殊な歴史的背景を考慮し、その法的地位及び待遇の問題が両国民間の友好関係の増進に深くかかわっていることに留意した。 大統領は、これに関連し、これまで日本政府がとってきた措置を評価しつつ、日本政府がこの問題について今後とも努力を継続するよう要請し、総理大臣は、引き続き努力する旨述べた。 こうなっておるわけであります。 外務省のお方にお聞きしますが、ここで言う「法的地位及び待遇」、これは私どもの見たところ、常識的に、今日問題になっている指紋の押捺問題であろう、これが象徴的な中心課題であろうというふうに思うのでありますが、外務省としてもそういうぐあいにお考えかどうか。
○渋谷説明員 日韓共同声明第九項は、在日韓国人の待遇問題一般について言及しているものでございます。個々の具体的問題についての具体的な方針がそこに示されているというわけではございません。 在日韓国人の待遇問題につきましては、全斗煥大統領来日の際に日本側より我が方の措置を説明いたしました。これに対し韓国側より、我が方の対応を評価するけれども、今後とも努力を続けてほしいという要請がございまして、これに対して我が方も引き続き努力する旨答えた経緯がございます。 指紋問題につきましては、外務省としてはこの問題を直接所掌する立場にはございませんけれども、韓国側の関心を踏まえ、引き続き関係省庁と相談してまいりたいと思います。
○五十嵐委員 今のことでいいとは思いますが、端的にもう一度念を押しておきたいと思います。 今、法的地位及び待遇の問題ということになると、それら一般についてということは仰せのとおりであろうと思いますが、今日、在日韓国人の法的地位及び待遇の問題、ここで言っているように「在日韓国人の特殊な歴史的背景を考慮し、その法的地位及び待遇の問題が」云々、こうなっているわけだ。しかしこれは、今一番大きな問題はやはり指紋の問題であろうと思うのですが、それ以外に何かありますか。あるいは、指紋の問題がやはり最大の問題というぐあいにお考えになっておられるか。どうですか。
○渋谷説明員 在日韓国人の法的地位及び待遇問題につきましては、従来から例えば実務者協議の場等を通じましていろいろな問題が議論されてまいりました。指紋押捺問題もその一つでございます。指紋押捺問題につきましては、外国人登録法が昭和五十七年に改正されたばかりであるという事情もございますが、他方におきまして指紋押捺制度の撤廃ないし緩和を求める意見があることも十分承知いたしておりますので、日韓共同声明の趣旨をも踏まえ、制度上及び運用上の各般の問題点について関係省庁において目下検討を重ねているところでございます。
○五十嵐委員 簡単な答えでいいのですけれども、つまりここで言われている「法的地位及び待遇の問題」ということの最大の問題と今言えるのは、それは指紋をめぐる問題だというように思っていいですか、どうですか。もちろんそのほかにもあるのだろうが、当面最大の問題としては。
○渋谷説明員 指紋押捺問題につきましては、従来から韓国側に対しまして外交問題として取り上げないように要請しております。これに対して韓国側も、現在のところこの要請に応じた態度をとっております。しかしながら、他方におきまして、現在我が方が行っております検討の結果に対し強い期待と関心を持っているということを我が方に伝えてまいっております。(五十嵐委員「最大の問題がどうかという点を言わなければだめだよ、もう一遍聞かなきゃだめかな」と呼ぶ)韓国側の関心等から考えまして、非常に重要な問題の一つだと思っております。
○五十嵐委員 今年の二月八日の衆議院予算委員会における矢野委員の質問に対して嶋崎法務大臣は、前向きの答弁としてはこのときが初めてであったのではないか、その検討の必要について答弁しておられるわけであります。 四月五日に参議院予算委員会で、この問題に関する太田委員の質問に答えて中曽根総理はこう言っているわけであります。「できるだけ早く改善方をやった方がいいと思いまして、いろいろ事務手続を早く進めるように督促しておるところであります。」と答えているわけです。恐らくこの問題に関しては総理の指示に基づいて、総理がおっしゃるように、共同声明の趣旨に沿って法務省を中心として鋭意作業を進めているというふうに思うのでありますが、今日どんな状況まで来ておるか、その辺をちょっとお知らせいただきたいのです。
○黒木説明員 法務省におきましては五十七年に外国人登録法の基本的問題を含む大きな改正をいたしまして、外国人の負担を軽減するような措置を講じたわけでございます。その際に指紋押捺制度の必要性につきましても十分議論いたしましたし、国会の御審議も受けたということでございまして、法を施行しましてからまだ二年半ぐらいしかたっていないわけでございます。そういった中でにわかに法改正するかどうかということについてはいろいろ議論もあるようでございますが、私どもといたしましては、先ほどお話のありましたような韓国大統領の訪日に際しての共同声明とか、外国人の間にも改正を求める声があるとか、そういった問題もありますので、法改正を含む制度上の問題ないしは運用上の問題、これはいろいろな見方があるわけでございまして、一つはことしの夏の大量切りかえを一つの焦点に置いた議論と、それよりももっと長い中長期的な議論と、議論としては二種類の議論があろうかと思いますが、それぞれにつきましていろいろ検討しているわけでございます。 ただ、結論的にはっきり申し上げることができますのは、ことしの大量切りかえを前提とした場合の法改正につきましては、私どもとしましてはまだ検討の結論が出ておりませんので、今国会に外国人登録法の改正を提案するという運びには至らないであろうということははっきり申し上げられるわけでございますが、その余の問題につきましては、目下いろいろ検討、研究をいたしておりまして、運用上の問題につきましては、ことしの大量切りかえを前提として何がしかの措置が講じられるのではないかというふうに思っておりますけれども、今の時点では最終的な結論を得ておりませんので、ここで御説明することはできないわけでございます。
○五十嵐委員 お話では八月が七万数千、その前も、七月も四万数千あるのですからこれは大変だと思うのですが、これらに間に合わせてそれぞれ都道府県及び市町村の担当者にきちっと対応の仕方についてお知らせする、そして混乱のないように処置していくということになりますと、やはり六月の上旬ぐらいにはそれぞれ通告を出さなければいかぬということになりますね。 そうなりますと、やはり五月中、いや、もっと早くでしょうね、これは。これはもう時間的な余裕なんていうのはほとんど残っていないような気もするのでありますが、どうなんですか、その辺の日程的なものは。今言うように八月だって――七月は四万三千六百九十というぐあいに我々は実は仄聞しているのですけれども、これも相当な人数である。窓口のことを考えますとやはり早目にきちっと対応していかなければいけないわけですから、改めるべき点は早く結論を出して、そしておろしていかなければいかぬということになりますでしょうね。作業の順序からいって、これは早急に結論を出さなければいかぬということになりそうに思うのだけれども、どうですか。
○黒木説明員 私ども、大量切りかえを控えましてことしの業務計画でございますけれども、五月に全国六ブロックで都道府県の会議を開く予定でございます。したがいまして、私どもの基本方針と申しますのは、この五月のブロック会議前に方針を決めまして、ここで各都道府県に示達をし、それをさらに五月下旬から六月にかけて各市区町村におろしてもらう、こういうような作業日程を考えておりまして、私どものことしの夏に向けての諸措置は、五月の連休明け以降を考えております。そういうブロック会議に間に合わせるように作業を進めておるわけでございます。
○五十嵐委員 これはもちろん、先ほどからお話をしておりますように、日韓の首脳会談の共同声明の趣旨等に基づいてそういう方向での前進的な一部改正を考えていくということでありますか。ただ、今のお話ですと、それは法改正を含む改め方と、まあ運用上のことだとか当面のこと、あるいは中長期にわたることなどそれぞれあると思われる、取り急ぎやることになるわけだから、今国会に法改正として出すというようなことにはならないと思うがというお話もあったわけであります。ちょっとその辺のところをもう少しお話をいただきたいというふうに思います。
○黒木説明員 大量切りかえ事務と申しますのは、三十七万人が一時期に集中して窓口に出てまいる、こういうことでございますので、この事務をスムーズに行うということが最大の主眼でございます。したがいまして、都道府県、市町村に対する指導も、このような大量の人たちをスムーズに処理するための方策ということはまず第一にあるわけでございます。その中で、昨今問題になっております指紋押捺拒否というものがこの大量切りかえの中で出てくる可能性があるわけでございます。 それからもう一つは、そういう外国人の中で指紋押捺制度を快く思わないと申しますか、という人たちがいて、窓口で押し問答等があるということも予測しなければならないということでございまして、私が先ほど申し上げた制度上、運用上の問題についての検討と申しますのは、大量切りかえ全体の問題ではなくて、その中の指紋押捺制度についての問題ということでございます。その中で、少なくともことしの夏を控えて今国会に外国人登録法の改正、すなわち指紋制度をいじるということは現在の日程にはない、こういうことを申し上げたわけでございます。 ただ、法律はそうでございますけれども、運用面その他について何がしかの手が打てるのではないかということで鋭意検討しておりまして、先ほど申し上げた五月のブロック会議の前にはそういった方向をはっきり打ち出して、新しいやり方のもとで大量切りかえに臨みたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 大体わかりました。 同時に、先ほどお話がございましたように中長期の、これはもちろん法改正を含めてということであろうと思いますが、そういう検討もまたしている、その結論が今出ているというものではないと思いますが、そういうお話も先ほどお伺いしたのですが、そういうことですね。
○黒木説明員 中長期の問題につきましては関係省庁とも意見を交換しながら、将来あるべき姿ということについて現在検討はいたしております。
○五十嵐委員 これは市長会の議決等は言うまでもないのでありますが、この種の関係のものとしては非常に異例に数の多いことでないかと思うのです。全国の地方公共団体から意見書の議決等が寄せられていると思うのですが、最近現在で何件ぐらい寄せられたか、もしおわかりなら伺いたい。
○黒木説明員 外国人登録法の緩和措置を講ずるようになどという内容の意見書の提出をされました地方議会の数は、昭和五十七年の秋以降でございますが、この三月末現在で私どもの方に届いておりますのが六百六十九の地方議会でございます。
○五十嵐委員 日韓首脳会談における共同声明であるとか、あるいはその趣旨に基づいての総理の発言であるとか、あるいはその指揮に基づいての法務省等の作業の状況であるとか、あるいはそれを現実に扱っている地方自治体の窓口の苦悩というようなものの中からの意見書の多数の提出の状況であるとか、こういうようなものがそれぞれ明らかになってまいりました。あるいは法務省としての一定の当面の改善についての意向も表明された。あるいは中長期については検討中である、こういうぐあいのお話をお聞きしたのであります。 そこで、古屋国家公安委員長にお伺いいたしますが、こういうような諸情勢の流動性、新しい状況というものを十分に御理解をいただかなくてはならぬと思うのでありますが、これらの状況の認識につきましてはいかがでしょう。
○古屋国務大臣 正直言いますと、この二月まで自民党の日韓議員連盟の法的地位の私は責任者をやらしていただいておりましたもので、今先生のお話を聞いたり、法務省、外務省の話を聞いておりましていろいろ感じておるところでございます。 初め在日韓国人の方がいろいろ要望されたのは、御承知のように金融の問題、それから福祉の問題では、厚生年金法が今度改正になりますと韓国人も同じような扱いになるということでございます。 それから、国会で問題になりましたのは、長野県の学校の先生、これを内定して取り消したという問題で、大変この前問題になったことは先生も御承知のとおりでありますが、非常勤職員ということで、文部省は、そういう方ならこれは県の教育委員会で決めることであるということを松永文部大臣が言いまして、日本では公権力の行使の地位にはつけない、公務員だとか学校の先生、そういうことも考えますと、いいか悪いか再検討すべき時期に来ているんじゃないだろうか。プロ野球でもいろいろな問題、韓国出身者の方が立派な成績を上げられる。また、バスケットでもバレーでもなにしておる状況を見ますと、そんな扱いを、公権力の行使というのを今ごろやらなければならぬかなという疑問も私は持っております。 それから、この法的地位の問題で、一つ外務省関係で、椎名さんが行きましてあれしましたときの話を聞きますと、韓国人に対して外国人と同じように扱う。今度指紋の問題も、外国人に拒否されて裁判になっておることも御承知のとおりであります。そういう場合に、昔から、おじいちゃん時代からおる韓国人とこっちへ五年ぐらいおる外国人とどういう区別をするかというような問題もあります。 それからもう一つは、実はこれは私ちょっと古いかもしれぬと思って今いろいろ考えておるのですが、北鮮からの密入国というのを警察で大体この十年間、百五十件ばかり扱っておる。それがあの登録証とか指紋で、そればかりではありませんが、そういうところで検挙されておる事例も割合にあるわけであります。そうすると、今韓国がオリンピックを控えておるときに、日本が北鮮のそういうスパイ活動の基地になってしまって、指紋を廃止して、日本の人が、これは韓国人である、これは朝鮮の人であるということはちょっと顔では私どもは判断できないわけですね。だからそういう場合にどうしたらいいのだろうか、いろいろなことを私も考えておるわけでございます。 警察だけの立場、外事警察の立場でいうとなかなか難しい問題だと思いますが、実はこの問題は総理のお話もあったとみえまして、聞いておりますと、官房副長官が中心になって、警察庁の次長だとか、法務省の方は言われなかったが、私、言って恐縮でございますが、そういう次官級あるいはそれに匹敵するトップレベルで事務的協議を続けておるというのが今の実情じゃないかと私は思っております。 そういう意味で、もしおじいちゃん時代から日本におる人、そういうものを改正したらほかの外人の関係がどうなるだろうか。そんな先の方の、これはちょっと苦労が過ぎておる、そんなことまで考えぬでもいいとおっしゃればそういう点もあるような気がしますが、そういうことで、これ以外に五十七年に改正になったばかりでありまして、去年ぐらいは総理も、改正になったばかりだからまだこれはちょっと早過ぎるというようなことを国会で答弁されておりました。 ただ、大統領との会談以後、会談でもお話しになられましたああいうことが出てまいりまして、前の住法務大臣は国会で、あなたは日本の法的地位のあれだからおれもこれを頑張って、韓国にはどうしてもあれだからなんというような見解を住さんは持っておりました。これは人によってみんな違う問題でございます。 だから私は、おじいちゃんからおるようなそういう韓国人は、外国人でも何らか特別な扱いをすることを考えられぬかしらんということを――まあ率直に言うと、私、内輪だけで言えば、そんなに嫌だったら日本人に帰化したらいいじゃないか、こういう暴論も出てくるわけであります。これは韓国の人の誇りを傷つけることになりますので、そういうことを公になかなか言いにくいことでございます。だからそういう特別の人、おじいちゃんぐらいからおったその子供たち、そういう人に対してはもう日本人と何ら変わりない、扱い方も変えることもないしというような感じも私はひとしく持っておるのであります。 実はそういう意味で、こういうところできょうも先生方の御意見を聞きながら私もいろいろ考えておったのでございますが、いきさつはそういうふうでございますので、今、事務官のトップレベルにおきまして、次官、官房副長官が中心になってこれを相談しているということを私知っておるわけでありますが、その結果につきましてはまだまとまっていないのじゃないかと思っております。 公安委員長という立場じゃなくていろいろ私見を入れて申し上げましたが、そういう悩みを持ちながら、この問題にどういうふうに対処するのが一番韓国でも日本でもいいかという点で私も非常に苦慮しておるのでありまして、また先生方いろいろ御意見があったらお教え願いたいと思っております。
○五十嵐委員 国家公安委員長としての古屋大臣から率直な御所見をいただいたわけでありますが、その内容につきましてはいろいろ議論のあるところが多い。しかし、今はそのことよりも少し先に詰めていきたいと思うのでありますが、今のお話を伺うと、全体的なこういう情勢の流動、変化というものについては十分に御理解をいただいておるというふうに思えます。 そこで、そういうことになれば、法の運用等につきましても、今いろいろ法務省から、近々その運用の改正であるとかあるいは中長期的にはもっと抜本的なことであるとか、こういうことについての御意見もあったりもしたのでありますが、ぜひひとつ慎重にしてほしい。何でも既存のしきたりがあるからどうだとかというのじゃなくて、やはりそういう新しい全体の状況をよく見て、それを踏まえてどうかひとつ慎重な扱いをしてほしい。それはもう自治体の現場ではえらい困っているのです。首長でもそうですね。この間川崎市が告発しないという方針を出した。あるいはその他でも十数カ所ぐらいはそういう方針を出したりして、そうでないところも全く困り切っておる。しかも、大量の切りかえ時期を迎えるということでありますから、ここで慎重な法権力の扱いについての御配慮をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○古屋国務大臣 元来これは、御承知のように、理論的に言いますと法務大臣の権限でございまして、その機関委任事務として町村長がやっている。だから私、自治大臣としては、末端の町村で扱っておるのが円滑に進んでいくように期待しているということは確かなことでございまして、そういうことは期待しております。 それから、私もいろいろ民団の方とお話ししまして、ちょっと話が長くなって恐縮ですが、いろいろ聞くと、一番嫌なのは、おまわりさんに交通違反でつかまったとき免許証を出すと、そこに韓国人と書いてある、そうするとよけいとっちめられるような気がするということを私は民団の方からよく聞きまして、正直に申しましてこれもあり得ることだという感じがしまして、そういうことがあったらひとつおれのところへ言ってくださいと、まだ私は大臣になる前でございましたが、ぜひそういう問題もお互いに力を合わせて解決していこうじゃないか、そういうことで感情の問題があっては、日本と韓国の間の相互発展のために大変おもしろくないからということを言っておるのであります。法違反は放置できないという警察の立場もありますけれども、それなら市町村でその前に告発しなければ、違反になれば警察がどうするかといういろいろな問題の対処の仕方があるわけでございまして、私はそういう意味でこの問題いろいろ考えさせられておるわけであります。 今のお話を聞きまして、やはり慎重にやらなければいかぬなということで、私も実は、事務当局の官房副長官を中心とするこの状況を見守っておりながら、また、日韓の総理と大統領との、先ほどお話しになりました法的地位あるいは待遇の問題についてということもよく頭に置きまして、さっき言ったように、おじいちゃんの時代から日本におる諸君、何とかして御希望に沿える方法はないかということを今慎重に考えておるというのが私の偽らざる今の心境でございます。
○五十嵐委員 ぜひ慎重にお願いを申し上げたい。 きょうは忙しい中、警察庁から柴田警備局長さんお見えになっておられて、日箱、最近いろいろな問題があって大変な御苦労をいただいておるわけで、御苦労さまと申し上げたいわけでありますが、どうかこの問題につきましても、今までずっと約一時間この問題について議論を重ねてきたわけでありますが、こういう状況を踏まえてひとつこの指紋の押捺問題についても慎重な対応を願いたい、このように思うわけであります。 ちょうどけさたまたま新聞に出ておりまして、これは川崎の臨港署で既に三たび出頭要請を受けていた川崎在住の李相鎬さんが、指紋押捺を拒否してきていたわけですね、それで出頭要請を受けていた。警察庁長官あるいは県警本部長、そして川崎臨港署長あてに質問書を送ったということが出ておりまして、これによりますと、殊に川崎なものですから、川崎市長が二月二十二日ですか、押捺拒否者を告発せずという方針を発表してからこういうような呼び出し状が届けられたということの疑問、あるいは時効上いわゆる継続犯というのですか、そういうものだと思うのだが、どうしてこうなるのかとか、あるいは参議院で中曽根総理が言っておられるような情勢の中にあるのではないだろうかと、さまざまな六項目にわたっての質問が出ているようであります。 その一つ一つに今どうこうということではなくて、先ほど大臣もおっしゃったように、いろいろな迷いだとか悩みだとかそんなものが、あるいは不満だとかというものが横溢しているような感じがするのですね。殊に、大臣お話しのように、対象者の八割ぐらいは二代も三代も前の時代からずっとおって、我々と同じようにこの日本で生まれて育って、一緒になって、地域ではまさに住民としての何ら変わらない、税金も納めていますし、さまざまな社会的な貢献もしている、こういういわゆる在日韓国、朝鮮人といいますか、そういう方々が八割ぐらいいるということなども、そういう心情というものはやはり考えていかなければならぬわけでありますし、どうかひとつ慎重を期してもらいたい。全体の状況の流動的な折柄だけに慎重におこたえをいただきたい。しかも、大量な切りかえ期を迎えているのでありますから、その現場でいたずらな混乱が起こらないようにひとつ御配慮を願いたいというふうに思う次第であります。 もう一つ、二つあるのですが、一つだけ、ごく短くやりますので、恐縮です。 この間、ちょっと変な本が、こういうのが、これは恐らく大臣のお宅にも行っているのではないかと思うのですが、各代議士の宿舎に送りつけられているのです。「自治医大はどこへ行く 破綻した〝へき地医療政策〟 公的医療研究グループ編著」、こうなっているのです。どうも読みますと、これによると建学の当時の精神なんか、十三年前ですか、どこへ行ったかという感じになっているのであります。特にこの中で問題なのは、卒業生が必ずしもどうも僻地に行っていないというようなことを書いているのですね。しかし、そんなことはないのではないかというふうに感ずるのですが、この際、汚名挽回の意味からも、どのくらい卒業生がいて、そのうち僻地で一生懸命苦労して働いている方がどのぐらいおられるか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
○井上(孝)政府委員 昭和五十九年春までの自治医大の卒業生は七百五十名でございます。そのうち臨床研修中の医師が二百二十五名おります。それから後期研修中の医師が八十九名おります。その他が十名でございまして、これらを合わせますと三百二十四名となりますけれども、先ほどの七百五十名から三百二十四名を差し引きました四百二十六名は、五十九年の七月現在で第一線医療機関に勤務しております。そのうち僻地、離島におきまして医療業務に従事いたしております者は三百二十一名でございまして、その割合は七五・四%にのぼっております。 なお、この場合の僻地、離島には、過疎地域対策緊急措置法、山村振興法、離島振興法及び豪雪地帯対策特別措置法に指定されました地域にございます病院、診療所、保健所及び僻地中核病院に勤務いたします医師を指しておるわけでございます。 御指摘の図書では、僻地勤務者を診療所のみに勤務する医師、私どもの方の調査では九十五名でございますが、これのみを指しておるわけでございまして、そのような考え方は僻地の範囲を狭くとり過ぎているのではなかろうかと考えております。
○五十嵐委員 これには、百二ページですが、こんなことも書いてあるのです。「「本音をいえばもう自治医大生は必要ないのだが、自治省に楯つくと交付金が下りないので、地方自治体はしかたなく学生を送りこんでいる」という見方をする医療関係者もいる。自治医大は自治省の地方支配の手段として利用されている怖れがあるというのである。」これはえらいことであります。 どうしてこういう本が出ているのかなと思いましたら、最近新聞に、大宮で自治医大の第二附属病院の問題をめぐって医師会とえらいごたごたしており、あそこの医師会が学校医なんかも返上した、そんなこともございまして、その辺がどうも煙の出どころかなという感じもするのでありますが、これはいずれにしたって早く解決して、こんなことのないようにしていかないといかぬと思うのです。厚生省は、この関係者は来ておりませんね。――いかがですか。御意見ございましたら……。
○井上(孝)政府委員 お尋ねの自治医科大学の附属第二病院の構想でございますけれども、昨年の七月に自治医科大学におきまして取りまとめたものがございます。その内容は、同病院設置地域におきます医療需要に応じまして必要な医療の提供をしながら、主として卒業後十年程度を経過した同大学卒業生に最新の医学に対応した研修を行いまして、その後に勤務が予定されております僻地等の地域医療水準の一層の向上を図るために、大宮市内に設置しようとするものでございます。 候補地の大宮市におきましては、市当局がこの第二病院の誘致に非常に熱心でございまして、また市議会におきましても、先月二十七日には誘致促進の請願を全会一致で採択したところでございます。しかしながら、大宮市医師会におかれましては、この第二病院誘致には絶対反対との立場を堅持しておられまして、反対運動を繰り広げられておるところでございます。私どもといたしましては、自治医科大学が今後とも粘り強く関係方面との交渉を続けていただきまして、できるだけ早い機会に解決されることを期待いたしておる次第でございます。
○五十嵐委員 この機会に、僻地医療に関連して御意見をお聞きしておきたいのですが、三月二十八日ですか、厚生省が国立病院、療養所の再編合理化の基本指針を出しまして、我々地方に住まいしておる者としましてはかなり困ったものだなという感じが多いのであります。三百床以下のものをなるべく統廃合するとか、あるいは小さな病院等でできれば市町村に経営を移譲してしまおうというようなことだとか、そんなことがさまざま出ているのでありますが、自治省としてはこれについてどんな見解を持っておりますか。
○井上(孝)政府委員 国立病院、療養所の再編成に当たりましては、国と地方団体双方を通じまして行政の簡素効率化を図るという行政改革の基本理念に沿って進められるべきであると考えておりまして、単に国の財政負担の軽減を図るために地方団体にその経営の移譲を図るというようなことは、絶対に避けるべきであると考えております。 お話しのように、厚生省におきましては、先般、国立病院、療養所の再編合理化の基本指針というものを定められまして、これに基づきまして昭和六十年度から再編成の対象になる施設につきまして具体的なリストアップに入るというふうに伺っておるところでございます。私どもといたしましては、この再編成自体の問題は厚生省の所管事項でございますので、自治省といたしましては深く立ち入る立場にはございませんが、これらの施設を仮に地方団体に経営移譲するというような問題が出てまいります場合には大いに関心を持つべき事項でございまして、移譲の対象がリストアップされますような段階におきまして厚生省と十分協議していきたいと考えております。このことにつきましては両省で合意しておるところでございます。
○五十嵐委員 どうかひとつがっちり取り組んでいただきたいと思いますが、厚生省、来ていましたか。――というわけでございまして、そういう点ではいろいろ御配慮いただいてお考えになっておられるようではありますが、余り乱暴な統廃合、これはほかのこととは違いまして、ただ役所の出先をどうするとかこうするとかということじゃないわけですね。これはそれぞれの健康や命にかかわる問題でありまして、私のところの北海道の一番北の例えば稚内とか名寄なんかだってそうですよ。 あそこは本当に医療過疎地域でありますけれども、あそこにおたくのものがある。しかも特色のある役割を持っていて、結核だとかあるいは脳血管障害の慢性疾患担当ということで、地域としては非常に期待の多いところなんですね。だから余り経営の角度だけでお考えにならないで、地域の実情であるとか住民の意見だとかあるいは今の自治省等との協議だとか、そんなこともあわせてお考えになりながら、ひとつ地域の皆さんに余り心配をかけぬようにしてほしいと思いますが、御意見いただけますか。
○羽毛田説明員 お答えをさせていただきます。 今先生からお話のございました国立病院、療養所の再編成の問題でございますが、これは御案内のとおり臨調答申、さらにはそれに基づく政府決定に基づきまして行っておるものでございます。そのスケジュールにつきましては、先ほど自治省の方からも御答弁がございましたように、具体的な施設をどのようにしていくかということは、昭和六十年度中に結論を出していくということで、日下部内検討をいたしておるところでございます。 この再編成問題につきましては、先ほど経営赤字をただ地方に押しつけるだけのことであってはならないという御指摘でございましたが、私どもといたしましても、再編成そのものの目的というのは、現下の厳しい情勢のもとで今後国立病院、療養所を国立医療機関にふさわしい医療機関としていわば育てていくという視点から、その担うべき役割というものをもう一回見直す、単に現在国立病院をそこに持っているから経営をするというような姿勢ではいかぬということで、もう一回それをよく見直しました上で、その観点から国立がやるにふさわしいものは充実をしていく。 その一方で、国立がやるにしても、統廃合等をやって、その体質をより適切かつ効率的に医療供給を図れるような体制に持っていくべきものは持っていく、またその中で他の経営主体が経営をしていただくにふさわしいものは、この際化の経営主体でお願いをするというような形での再編成は不可欠であろうというふうに思っておるわけでございます。 そこで、そのことをおよそ六十年度に具体論をつくりまして、十年ぐらいをかけてやっていこう、こういうことでやっておるわけでございます。その過程におきましては、先生今御指摘のございましたように、当然地方公共団体、現にそこに立地をしております以上、その地域の医療体制の中に組み込まれているという側面がございますから、地域の地方公共団体等との十分な御協議、あるいはそれを御所管なさっております自治省との十分な協議等もしていかなければならない、こんなふうに考えております。 そこらのところも協議を進めながら、しかしながらやはり再編成というものは、長い将来にわたる国の医療供給体制をいかに効率化していくかというような、あるいは適切に対処していくかという視点からはやはり避けられない課題であろう、こんなふうに考えて取り組んでおるところでございます。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。 大臣、お疲れのところどうも恐縮でございました。
○高鳥委員長 次回は、来る十五日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十一分散会