地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/03/22
会議録
○高鳥委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 最初に大臣に御質問しますが、今地方税の審議をやっているわけですけれども、地方税の税目の是非についていろいろ議論があります。今回この地方税を審議するには地方財源全体の問題をとらえて審議せざるを得ない。なぜかと申しますと、もう大臣御案内のように、地方財政は今年度はプラス・マイナス・ゼロ、いわば地方財政としては健全財政の方向に向かっているわけです。残念ながら、国の一括法案に盛られている政策課題遂行のために、現実には五千八百億円の財源不足を生じて、これをどうするかということを地方税の財源の問題に絡んで審議せざるを得ません。 そこで、ひとつ大臣に最初にお聞きをするのですが、例の五十九年十二月二十二日に三大臣で覚書を交換されましたが、この覚書の交換によれば、一年間とにもかくにも検討してその調整を行うということになっています。いわば六十年度の一括法案に盛られている五千八百億円の一律削減はやや大蔵省サイドで決められたことで、自治省やあるいは地方団体にとってみれば、やや押しつけられた感なきにしもあらず。したがって、そのことを踏まえて六十一年度の予算前にひとつ検討してみよう、こういうことになったと私は思うのですね。 そうしますと、六十一年度予算が決まるのは、大体シーリングが始まりまして大蔵原案が固まるまでの間が非常に重要だと思うのです。夏ごろには恐らくその方向が決まるのではないでしょうか。そうなりますと、三省の大臣の間で結ばれた覚書条項に基づく調整という作業は、この六月ないしは七月、遅くとも八月ごろまでにはそのめどをつけなければなりませんけれども、いかがでしょうか、そういう目標を持ってお臨みでございましょうか。
○古屋国務大臣 ただいまお話しのように、ことしの予算編成に当たりまして、国の立場と私どもの立場とが十二月の予算編成の直前まで相反しておったのでございますが、非常に国の財政が厳しい。そこで、地方も厳しいけれども、それだけのものを、金額を完全に補てんし、しかも一年以内のものとする、特に、今お話しになりました厚生省関係の福祉関係につきましては、一年内に厚生、自治、大蔵において検討するということは先生御承知のとおりでございます。 私どもはこういうような関連におきまして、今も地方財政は御承知のように巨額の地方債あるいは交付税特別会計借入金残額というものを抱えておりまして、五十数兆の赤字を出しておるのでございます。そういうときに当たりまして、行政の果たすべき役割と国と地方の役割分担というものを見直しを行うのでありますが、私は国と地方を通ずる行政、財政改革の推進と、それから行財政の簡素効率化を図るということを基本といたしまして、地方自治の確立と地方財政の健全化を図る方向で対処してまいりたいと思いますので、ことし何月になるかわかりませんが、事務当局が恐らく協議して、私どもも入らなければ解決できない問題であると思いますが、地方の事情を十分勘案して対処してまいりたいと思います。
○加藤(万)委員 きょうは、残念ですが細かい質疑ができません。 六十年度の各都道府県の予算を見てみますと、率直に申し上げて、ことしはど地方の各都道府県の財政力格差が拡大している年はないような気が実はしてならないわけです。産業構造が定着したせいもあるでしょう。あるいはスクラップ・アンド・ビルドの中で、府県の法人事業税とかそれに伴う税収入の落ち込み、ふえた部分、いろいろあるでしょう。したがって、私は今度審議をされる補助金の一律カットという問題が、この地方の財政力格差の中では大変影響を持ってくると思うのです。 財政力格差があるにもかかわらず補助金が一律カットということになりますと、一千億円の交付税の積み上げあるいは二百億円の生活保護費の別途の財源、このお金では間に合わない状況が生まれてくる。三千三百の地方団体に対して、自治省側の指導といいましょうか助言といいましょうか、相当きめの細かさが必要になってくるのではないか、こう実は私は思うのです。この問題は、いずれ交付税の問題が出ますから、私はその際に議論させていただきたいと思います。 そこで、きょうは地方行革大綱に関して問題点を絞って幾つか御質問を申し上げますので、御答弁をいただきたいと思います。 まず大臣に御質問しますが、去る一月二十二日に自治省が定めた地方行革大綱では、「行政改革は、国と地方が相互の信頼の下に相協力して初めてその実効をあげることができる」とあります。ところが、政府の一連の行政改革は必ずしも自治体の信頼を得ているとは言えないのではないでしょうか。かつての行革特例法の制定や、今私が申し上げました昭和六十年度予算における高率補助の一律カット五千八百億円が示しますように、政府はむしろ自治体にそのしわ寄せをして犠牲を強いていると考えられると私は思うのであります。相互の信頼を壊しているのは、どうもほかならない政府の側にあるのではなかろうか。 そういう観点から見ますと、先ほどの補助金の一律カットとも相通ずる問題ではありますが、地方行革を政府が一律的に求めるのもこれまた少しおかしいのではないかと思いますが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○古屋国務大臣 地方行革を推進するに当たりましては、国と地方が相互の信頼のもとに協力して推進すべきものであるということは当然でございますが、まず地方行革を阻害している国の制度、施策の見直しが必要であると思います。同時に、地方公共団体としても今後さらに地方行革推進のための体制を整備して、自主的、総合的な行政改革に取り組む必要があるというように考えております。
○加藤(万)委員 大綱でも、自治体は、自主的に「国に先がけて行政改革の推進に努めてきた」とあります。自治省の調査でも、都道府県では全団体で行革の検討、推進体制がつくられて、中でも二十一県が昭和五十五年と国よりもはるかに早く推進機関が設置をされていることが明らかになっております。また、都市においても九二%が行革推進機構を既に設置して、町村に至っては日常的、機動的に行財政の減量を行っていますが、これまた地方六団体の調査で明らかになっているところであります。 このように極めて多くの自治体が、自主的にしかも国に先駆けて行革を推進しております。この現状を知らないのはどうも政府や財界あるいは行革審の委員だけではないか、こんな気がしてなりませんが、大臣いかがお考えでしょうか。
○古屋国務大臣 確かに、今の先生のお話のようにそういう誤解が一部にあることは私も否定できません。多くの自治体がこれまで国に先駆けて行革に取り組んでおり、かなりの成果を上げておるということは私も十分評価をしているところでございます。
○加藤(万)委員 ほとんどの自治体が、自主的にしかも国に先駆けて行革を推進しているということ、これは先ほど数字でも明らかにしたところであります。ところが、この自主的努力を妨げているのはむしろ政府にあることが明らかではないでしょうか。私は先般の国の行革の際にも委員会で申し上げたのでありますが、国の許認可の問題とかいろいろの問題が地方の行革を阻害していますよ、そういう問題の改正を国が先駆けてやるべきだ、こう申し上げたところであります。そういうように私は思うのですが、今度の事務次官通達は、いまだ行革に着手していない一部の自治体を主たる対象として出したもの、そういうように理解してよろしいのでございましょうか。
○古屋国務大臣 多くの地方自治体がこれまで国に先駆けまして行政改革に取り組み、かなりの成果を上げていることはただいまお話し申し上げたとおりでございますが、行政改革の努力が不十分なために、住民の激しい非難を受けている団体もまだあることは事実でございます。これらの地方公共団体が行政改革を推進すべきであることはもちろんでありますが、最近の地方公共団体をめぐります極めて厳しい環境下におきまして、住民の各種のニーズにこたえ、活力ある地方社会の形成、住民福祉の増進を図っていくには、この際、全地方公共団体が新たな決意を持って自主的、総合的に行政改革を進めることが必要であると考えております。
○加藤(万)委員 大臣にいま一問だけ質問をさせていただきますが、地方自治法第二百四十五条では、助言、勧告及び監査権を自治大臣に与えられておりますが、今回の通達は、これまでの答弁の趣旨からして、当然権力的な関与の極めて薄い助言であると私は理解して間違いありませんでしょうか。したがって、この通達どおり自治体が実施するかどうかは、あくまでも自治体の自主的な判断ということに理解をいたしたいと思います。ましてや行財政上の制裁措置がとられるということはないと思いますが、いかがでございましょうか。
○古屋国務大臣 今回の通達の性格は、御指摘のとおり、地方行革は地方公共団体が自主的、総合的に推進すべきものでありまして、地方行革大綱に直接関連して行財政上の制裁措置をとるということは全く考えておりません。
○加藤(万)委員 今度は自治省にお聞きをいたしますが、二月四日から二月八日まで全国の地方課長会議を開催したはずであります。また、そこでは、地方行革大綱だけではなくして、○○市行政改革大綱案、あるいは○○市行政改革推進本部設置要綱案、あるいはまた○○市行政改革推進委員会設置条例案、○○市行政改革懇談会設置要綱案及び想定質問なる六つの文書が配付されたと言われております。地方行革大綱は明らかになっていますが、それ以外の五つの文書はだれが作成してどういう配付をしたものですか。
○大林政府委員 一月の総務部長会議におきまして地方行革大綱を示したところでありますけれども、その後二月四日から八日までかけまして、都道府県等から相当照会もございました。そういった質問に答えますために県の担当課長の打合会を行ったわけであります。 御指摘の資料等につきましては、地方行革大綱に関連をする都道府県等からの照会事項を事務執行上の参考資料として取りまとめたものでありまして、その考え方につきましては、その会議におきまして口頭で説明をいたしたところであります。
○加藤(万)委員 地方行革大綱を除いたあとの四つの文書は、一体どういう性格のものでどういう目的で配付されたものですか。
○大林政府委員 地方行革大綱自体につきまして、県の担当者の方から多数の照会がございました。その照会に答えますための一つの様式例として参考までに示したものでございます。
○加藤(万)委員 ここで配付された○○市行政改革大綱案を見ますと、基本方針と当面の措置事項の二本柱から成っております。○○市となっているところに自治体名や事務事業名、部、課、室、審議会名、削減する職員の数、公共施設名などを機械的に入れていけば、自動的に個々の自治体は行革大綱ができるようになっております。一体これはただの参考資料と言えるのでしょうか。自治省はこれによって三千三百の自治体に同一形式、同一内容の行革大綱をつくらせようとしているのではないですか。
○大林政府委員 地方行革大綱におきましては、地方行革を住民の理解と協力のもとに計画的に推進をしていきますために、行政改革推進本部の設置や、あるいは行政改革大綱の策定等を要請するとともに地方行革の重点事項を示しておるところでありますけれども、具体的に何をどのように改善、改革していくかにつきましては、それぞれの地域の実情に応じまして当該地方団体の方で自主的に選択するものとしております。○○市行革大綱案というものは、先ほど申し上げましたように、都道府県等の照会に応じて示しました一つの様式例にすぎません。
○加藤(万)委員 ところが、全国かなりの府県の地方課長が県下の市町村に対して、地方課長会議以降、一字一句変更は許さないというような言明をいたしまして、市町村に極めて強権的な指導を行っているということを私ども耳にするわけであります。今の答弁では各県の地方課長の態度とは全く違っているように言っておりますが、正しく指導をしていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
○大林政府委員 自治省といたしまして、都道府県に対しては、地方行革大綱に沿った自主的、総合的な行政改革を推進するよう市町村の指導をお願いしておるところでありまして、その趣旨は都道府県においても十分承知しておると考えておりますけれども、さらに御趣旨の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○加藤(万)委員 五月にヒアリングを行うと言っておりますが、何をヒアリングされようとしておられるのでしょうか。行革大綱の内容を事前にチェックしまして、地方行革大綱の内容に沿って是正をしようというものでしょうか。
○大林政府委員 ヒアリングの日程等につきましてはいまだ決めておりませんが、しかるべき時期に、各地方団体におきます行革推進体制の整備状況なり、行革大綱策定の進行状況等につきましてお聞きしたいと考えております。もちろん行革大綱、それぞれの地域において自主的に策定をしていただくものでありまして、各地方団体における自主的な行革対象の選定を行っていただくということは申し上げるまでもございません。
○加藤(万)委員 今各地方団体、三月議会を開会中でありますが、三月議会で行政改革推進委員会を設置して、五月にはヒアリングを行い、八月末を目途に策定せよというこの日程は余りにも急ぎ過ぎの感があると私は思うのであります。私の調べたところでは、審議会を設け、十二月ぐらいを目途に策定中の自治体が非常に多いのであります。自治省としては、この日程についてどのようなお考えをお示しになったのでございましょうか。
○大林政府委員 地方公共団体に対しましては、八月末を目途としまして行革大綱を策定するようお願いをしておるところであります。もちろんそれぞれの地方団体、それぞれにさまざまな事情があろうと思いますが、できるだけ速やかに策定するよう努力していただきたいというのが趣旨でございます。
○加藤(万)委員 ○○市行政改革推進委員会設置条例案と、○○市行政改革懇談会設置要綱案の二つのモデル文書が示されておりますが、この二つの文書はどのような性格のものでしょうか。自治省は条例によって設置されてもよいし、あるいは首長の私的諮問機関として要綱によって設置してもよいとお考えでしょうか。当然条例で設置をすべきだと私は考えますが、いかがでしょうか。
○大林政府委員 行革推進のための委員会等にはできるだけ民間有識者等を加えていただきたい、こうお願いをしておるところでありまして、その種の委員会につきましては、一般的に附属機関としての性格を持つものでありますので、その設置は原則として条例によることが適当であると考えております。
○加藤(万)委員 極力委員会を設置する、こう書いてありますが、住民の意向が適切に反映するものであれば、必ずしも委員会設置にこだわらないというように考えてもよいのでしょうか。
○大林政府委員 委員会は、地方行革を住民の理解と協力のもとに推進するために、各地方公共団体において原則として条例で設置していただきたいと考えておるわけでありますけれども、小規模な町村等におきまして委員会の設置が困難な場合もございましょう。そういった場合には、別途住民の意向が適切に反映されるような仕組みを整備されることによって対応することもやむを得ないと考えております。
○加藤(万)委員 ところで、推進本部と推進委員会の二つの機構をつくるとなっておりますが、地方行革大綱は当然住民の意見を広く聞いて推進委員会が策定するものと考えますが、どうでしょうか。両者の関係を明らかにしていただきたいというふうに思います。
○大林政府委員 民間の有識者などから成ります委員会は、その地方公共団体における行政改革に関して、意見あるいは答申をいただくものであります。行政改革推進本部は、そういったものを踏まえまして行革大綱の策定なり、さらには庁内各部局間の調整を図りつつ、その地方公共団体全体としての総合的、計画的な行政改革を進めていただくためのものでありまして、両者はそれぞれ役割、機能を異にするものと考えております。
○加藤(万)委員 地方行革大綱で、地方議会の合理化が重点事項として掲げられておりますが、議会のあり方をどうするかということは、自治体の議会がそれこそ自主的に考えるべきことではないでしょうか。特に、議会の定数に触れておりますが、これは定数の削減を行うべきだというふうに考えているのですか。
○大林政府委員 地方行革をやってまいりますための議会の地位の重要性にかんがみまして、特別に地方行革大綱におきまして議会についてもお願いをしておるところでありますけれども、本来、議会の問題は議会が自主的に考えられることが基本でございます。したがいまして、議員の定数等につきましても、各地方議会においてそれぞれの地域の実情を踏まえて自主的に検討、判断されるべきものと存じます。
○加藤(万)委員 行革推進本部の設置は、冒頭述べましたとおり、多くの自治体が既に同趣旨の組織を設置をしておりますし、また、自治省が掲げた課題についても、ほとんどの自治体は既に検討、策定をしているというように私は理解をしているところであります。したがって、組織、内容とも、従来あるものはそれなりにこれを尊重して、組織、内容を一律に改変させるべきものではないというふうに私は考えますが、いかがでございましょう。
○大林政府委員 行政改革につきまして、既存の組織があります場合には、それが地方行革大綱に沿ったものでございますれば、新しく組織を設ける必要はございません。 また、既に行政改革を検討あるいは実施しておる地方公共団体におきましては、その成果の上に立って、現時点で新たな決意のもとに一層積極的に行政改革を推進していただくべきものと考えております。
○加藤(万)委員 国に先駆けて行政改革に取り組んできた都道府県の行政改革に関する審議会等は、地域の労働団体の代表や労働団体の推薦する者を加えて運営をしているところもあります。今回の委員会につきましても、そうするのが適当ではないかというふうに私は思うのでありますが、いかがでございましょう。
○大林政府委員 委員会は、地方行革をできるだけ住民の理解と協力のもとに推進するために設けていただくものでございますので、具体的にどういう分野を選んでいただくかは、その趣旨に沿って各地方公共団体において自主的に御判断をされるべきものと考えております。
○加藤(万)委員 議会の問題につきましては先ほど則らかになりましたが、それ以外の重点六項目については、すべて必ず大綱に盛り込むべきものと考えているのでしょうか、いかがでしょうか。
○大林政府委員 地方行革大綱に盛り込みました項目は、地方公共団体において改革、改善を要すると考えられる重点事項を列挙いたしたものでありますが、具体的に何をどのように改革、改善するかは、もちろん各地方公共団体がそれぞれの地域の実情に応じて自主的に選択、決定すべきものであります。
○加藤(万)委員 策定された自治体の行革大綱の実施については、やはり当該自治体の職員団体の十分な理解と協力を得ることが必要でありますが、いかがお考えでございましょう。
○大林政府委員 地方行革を推進するに当たりましては、もちろん職員団体の理解と協力を得ることが望ましいと考えております。
○加藤(万)委員 大臣、今地方行革が極めて重要でありますから、やや一問一答的に行政局長との間で私はやりとりをいたしました。恐らく地方議会でも、自治省の助言等をめぐりまして、あるいはこの流されておりますそれぞれの文章を見て、議論が多くあるところではなかろうか、こうも思うところであります。 最後に、この問題に関する大臣の所見をひとつお聞きをします。 地方行革大綱は三カ年計画を目途としておりますが、多くの自治体では、自治省が考えている以上に、多くの有識者を網羅いたしまして、行政の基本的なあり方そのものを審議、策定、答申をしておりますし、また、現にこのような形で作業をしているところも非常に多いのであります。それに対して三カ年計画とか八月末とか、日程、期間を限定することは、かえって本来の行政改革を阻害することになるのではないかと私は心配をするのであります。また、新たに設置、検討、策定する場合でも、多くの有識者の参加や住民の意見を反映させるためには十分な時間が必要ではないか、このように思いますが、大臣の御見解をひとつお聞きしたい、こう思います。
○古屋国務大臣 現に行われています地方公共団体の行革努力あるいは実績につきましては、私も大変これを高く評価しておりまして、今回の大綱や通達は、この評価を阻害するものではないのであります。 しかし、現下の行財政を取り巻く厳しい状況をよく見ますときに、全地方公共団体が足並みをそろえて自主的、総合的な行政改革に取り組む必要があり、そのためにはできるだけ早く明確な方針を定め、それを住民に公表して計画的に推進することが大切であると考えまして、行革大綱を策定するよう要請したところでございます。
○加藤(万)委員 大臣、御案内でしょうけれども、オイルショックの後の財源不足額は、自治体に大変な状況を実は招来をいたしました。当委員会でも、当時の赤字地方財政をどのような形で処理をするか、大変多く議論を積み重ねたところです。 私は、地方団体の財政状況を見ておりますと、例えば超過負担などもあのころ生まれているのですね。標準税率に対して最高限度額を徴収しようといったのは、オイルショックによって地方財源が赤字になった、これはいかぬ、したがってその財源対策といいますか、体質を強めよう、強化しようというので、上限いっぱいの税率をとっていく。それから、不必要な職員あるいはその機能というものを身を削っていって、そして地方の自治体の再建構想というのは成り立っているのです。 ですから私は、どうも今回のこの補助金の削減の場合も、先輩がこの場で論議をしましたけれども、地方裕福論の中で一律削減案が出たように見えてしようがない。そういう身を削ってやってきたことに対する評価というものを一方にしながら、同時に、車の両輪ではないが、地方の財政と国の財政とをどうドッキングするのか。由がもしもこれだけのことを地方に負担をかけるというならば、それに伴う権限の譲与をどうするのかという問題が一方になければ、これは片手落ちですよ。ましてや地方でそういうようなことをやってきた自治体であればあるほどそういう感を強くするのではなかろうか。 大臣が当初私の質問にお答えいただきましたように、今度の一律削減法案は、いわば地方にとってはやや寝耳に水、あるいはもう抵抗したくもするチャンスもないまま押しつけられたという感が深いと私は思うのです。今度のこの行革大綱でも、私はそのそしりを再び受けてはいけない。ましてや今度は自治省が指導するという中で生まれてくるこの地方行革ですから、それが今言ったように、大蔵省が地方の補助金を一律削減したと同じような形で自治省も見ているのかということになりますと、今度は地方自治体と国との一番結合点の深いそこが亀裂を生じてしまった場合には、私はまさに国と地方との有機的な関係といいましょうか、あるいは本来あるべき姿が壊れてしまうと思うのです。 したがって、今幾つか御質問したこと、そして御答弁いただきましたことをできる限り私の言った趣旨に基づいて各地方団体を指導していただきますように、そして当初申し上げましたように、それが一にかかって国と地方との行政、財政、地方税を含めた全体の財源の問題であるとするならば、これを一括してどういう判断のもとにこれからの地方の行財政改革という問題に取り組んでいくのか、あるいはここで論議していくのか、こういう議論を自治省側と私ども、あるいは各党間にも意見のあるところですから、お互いに討論を交わしながらすばらしい関係をつくっていきたい、こういう気持ちで私どもおるところなんです。 最後に、私どものそういう決意に対する大臣自身の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○古屋国務大臣 ただいまの加藤先生のお話は私も全く同感でございます。地方の行革は、率直に言いまして地域によっては国よりももっと進んでおるように私は感じております。広島県のごときは五カ年で一〇%数を減らすとか、国よりもはるかに進んでおります。ただ、そのアンバランスというか、総力を挙げてやりますためにこういうような大綱を示したのでございまして、これはあくまでも基準でございます。 私は今の先生のお話の国と地方との信頼関係あるいは今後の事務の見直しの問題、財源の配分等につきましても、十分に今の意見を参考にしながら、今後地方自治の健全化のために頑張ってまいる所存でございます。
○加藤(万)委員 ありがとうございました。終わります。
○高鳥委員長 柴田弘君。
○柴田(弘)委員 それでは私もできるだけ時間に協力することにいたしまして、簡潔に質問をいたしますので大臣の方も簡潔に御答弁をいただきたいと思います。 そこでまず第一に、減税問題についてお伺いしたいのです。 御承知のように、さきの予算修正問題の決着のときにいわゆる与野党合意がありました。一つは、所得税減税については鋭意かつ誠意を持って引き続き検討する、二つ目には、寝たきり老人介護の問題とか、教育あるいは単身赴任の三つの政策減税については今年中に結論を得て実施をする、その他ありますが、こういうふうになっております。これについてどうも政府部内には、約束は自民党の幹事長がやったので政府は関係ないよというような声もある、党と政府は別なんだというようなうわさがあるようでありますけれども、これは誠意を持って実行していただきたいというふうに私は考えるわけでありますが、簡潔で結構です、大臣どうでしょうか。
○古屋国務大臣 先般、予算審議に際してなされました与野党幹事長・書記長会談における合意事項につきましてはこれから検討が進められることと存じますが、その際、住民税も含めて何らかのしかるべき結論が出されれば、政府としてはそれを踏まえて対処したいと考えております。
○柴田(弘)委員 所得税と住民税との関係、これは税体系を整合性あるものにしていく、税のゆがみを生じないようにしていくという観点から、五十二年度のときも五十九年度のときもそうでしたが、当然所得税減税が行われれば住民税減税が連動するものであると私どもは考えております。また、所得税における政策減税が行われれば地方税、住民税における政策減税も行われるべきである、こんなふうに私は考えておりますけれども、大臣、そういう考えでよろしいでしょうか。
○古屋国務大臣 先般の与野党幹事長・書記長会談におきます所得税減税問題につきましては、経済状況を勘案しつつ、政調・政審会長会談において引き続き鋭意かつ誠意を持って検討を進めるということは先生御承知のとおりであります。いわゆる政策減税など、教育問題、寝たきり老人問題、単身赴任問題等につきまして政調・政審会長会談において検討するという内容の合意事項につきましては承知しておりまして、政府としてもこれを尊重してまいりたいと思っております。
○柴田(弘)委員 所得税減税が行われれば住民税減税、あるいは所得税における政策減税が行われれば住民税あるいは地方税における政策減税も行われるのだという理解でいいのですね。それだけ一言だけでいいです。
○古屋国務大臣 住民税減税につきましては五十九年度において大幅減税を行ったばかりであり、政府税制調査会の答申でもありますように、六十年度においてはさらに住民税減税を行える状況にはないということを御理解いただきたいと思います。しかし、政府としては、与野党幹事長・書記長会談における合意事項に基づいてしかるべき結論が出ますれば、これを尊重してまいりたいと存じます。
○柴田(弘)委員 そこで、この住民税減税を含めたいわゆる減税問題、御承知のように昭和五十二年度から六十年度までの八年間、サラリーマンの給与引き上げ率は六十年度見込みで四三%、ところが税金の伸びは、一人当たり六十年度予算見積もりベースで見ましても八八%強と二倍である。それから五十九年度に課税最低限の引き上げが行われたわけでありますが、これは一七%。物価上昇率はこの八年間に三三・四%、二倍であります。つまり税金は給与の伸びに比べて二倍以上のスピードで増加しておりますし、せっかくの減税も物価上昇率の半分である。 こういうことで、最近中曽根総理は口を開けば税制改正についていわゆる公平、公正、簡素、そして選択、この四つの原則に基づいて税制の抜本的な改正をやっていくのだということでありますが、それに活力が一つつけ加えられた。つまり活力とは減税であると私は思っておるわけでありまして、税の不公平感を解消するということ、あるいは国民生活を守るということ、いま一つは消費を拡大していわゆる内需拡大の経済政策をとっていく、こういう点から減税は今後の税制改正においては国民的要求であり、最大の課題であるというふうに取り上げていかなければならない、私はそんなふうに住民税減税を含めた減税を考えているわけでございますが、大臣の御所信はいかがですか。
○古屋国務大臣 ただいまお話しの現行税制の問題点あるいは検討課題といたしまして、税制全般を通じましていろいろの点があると存じますが、特に、地方税独自の検討課題といたしましては、一つは国、地方の機能分担の見直しに見合う税源配分のあり方、二つは普遍的でかつ応益原則に適合する税源の付与などが考えられるところでございます。税制調査会の五十八年十一月の中期答申におきましては、今後の社会経済情勢の変化に対応する地方税制の具体的課題としては、一つ、地方税源の充実確保、二つ、個人住民税の基礎控除……(柴田(弘)委員「僕は減税問題を聞いているんだ、それはその後の質問だ」と呼ぶ) 減税問題につきましては、先ほど申し上げましたが、国と地方との役割分担その他の関係もあり、税制調査会に意見を求める、あるいは党の決定した合意事項等に基づきまして減税は実施してまいります。
○柴田(弘)委員 それで大臣、今も加藤先生の方から議論が出ておったわけでありますが、やはり今後地方行革をやっていく、国としても税制改正をやっていく。さきの本会議の答弁において中曽根総理も、先ほど言いました公平、公正等の四つの原則から照らして地方税にも問題があるんだ、だから地方税も抜本的に改正をしていこう、こういうお話であるわけでありますよね。 そこで、先ほど答弁があったいわゆる地方と国との税源配分、いろいろあると私は思うのですね。時間もちょっと協力しなきゃならないので、税務局長でいいですから、簡単にひとつ、どこに問題があって、どういうところを改正していけばいいのか聞かしてください。
○矢野政府委員 先ほど大臣から全般的な御答弁があったところでございますが、地方税プロパーの問題といたしまして税制調査会で指摘されております事項が幾つかございます。 第一点は地方税源の充実確保、第二点は個人住民税の諸控除、税率構造のあり方、それから利子配当課税の適正化という問題でございます。第三点が事業税の外形標準課税導入の問題、第四点が固定資産税の充実及び評価のあり方、第五点として消費流通課税の課税対象の拡大という問題でございます。それから第六番目に、事業税における社会保険診療報酬の特例など非課税等特別措置の整理合理化、こういった諸点が指摘されておりまして、こういった点につきまして、今後の重要な検討課題であると認識をいたしております。
○柴田(弘)委員 わかりました。 そこで、私はこの税源配分の問題は、やはり地方税独自の問題としてあると思います。国と地方との機能分担の見直しに見合う税源配分のあり方、あるいは普遍的かつ応益原則に適合する税源の付与、こういった問題が今後の問題であろうかというふうに私は考えておるわけであります。 これは今後権限移譲あるいは事務の移譲、こういうことが行われてまいりますし、あるいはまた国庫補助金の整理、こういうことも行われてくるわけでありますね。そうすれば、今もこれは問題があるのですが、国、地方を通ずるこういった税源配分のあり方というものを抜本的に検討する、やはり財源を地方税あるいは地方交付税に張りかえるということも同時に検討するべきである、こういうふうに私は考えております。 さきの本会議においては大臣は、いわゆる地方交付税の税率を引き上げるとかあるいは対象税目をふやすとか、こんなような答弁があったわけでありますが、お聞きしたいのは、国と地方との配分というのは一体どこが適当であるかということ、どの程度が適当であるか、そしてまた今後そういった権限移譲、事務移譲等に伴っての地方に対する税源配分ということはきちっとどういった形でやっていかれるのか、そこら辺のところをひとつ簡潔にお聞かせをいただきたいと思います。
○花岡政府委員 地方行革を推進するに当たりましては、国、地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方分権の推進の観点から、住民に身近な事務は地方公共団体において処理するというふうな観点で、総体的には国、地方団体の事務の再配分及びこれに伴います財源配分の見直しを図ることが必要であるわけでございます。 しかし、具体的には個々の事務あるいは権限の移譲や地方団体の事務事業として同化定着している補助金等の整理合理化、こういったことが毎年度の事務事業の見直しの結果として行われることになるわけでございます。その場合に、いわゆる地方税や地方交付税によって振りかえられることが望ましいことは申すまでもございませんけれども、必ずしもすべて税財源の移譲に結びつくということにはなりませんで、全体の地方財政の収支見通し等を踏まえながら、その中で対処でき得る場合もあり得ると考えておるわけでございます。 もちろん、今後税源の配分の問題というふうなことになりますれば、地方財政の健全化の観点から、これは抜本的な方策を検討してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
○柴田(弘)委員 やはり今後地方行革が推進をされ、そしてまた同時に国と地方の役割分担の見直しというものも進められていくだろう。それからまた当然、権限の移譲、事務配分の移譲ということがなされれば、それに見合う税源、財源というのは地方へ譲与していかなければならない。そこで本当にきちっとした税源配分というものを定着させていかなければならない、こういう問題があろうかというふうに私は考えております。 あと一問でやめます、協力する意味におきまして。まだあと七分ありますけれどもね。 最後に、もう一遍減税問題。大臣は、今後地方税の減税については与野党の話し合いを見ながらやっていくということでありますが、税務局長でもいいんですが、税の整合性ということからいえば、所得税減税がなされれば、今までの例からいって当然一年おくれでも地方税の減税というのはなされるべきものであるというふうな理解を私自身はしているわけでありますけれども、そういった考え方でいいのかどうか。 あくまでもその話し合いの中で見きわめていくのだ、そういったいわゆる後ろ向きといいますか他力本願的な答弁でなくて、所得税減税が行われれば住民税減税というのは行って当然だ。これは税体系の上からいって、整合性、税のゆがみというものをきちっと直していくという意味から当然のことではないでしょうかということを私は質問をしてきたわけでありますが、その辺だけちょっとお聞かせいただいて質問を終わります。
○矢野政府委員 所得税と住民税の税体系上の整合性という観点からも、片方がやれば片方も同じようにやるべきではないか、こういう御質問でございますが、先ほども昭和五十二年あるいは五十九年の場合のお尋ねがございました。五十二年の場合も、所得税が五十一年に実施いたしまして、御承知のように一年おくれで五十二年から住民税を実施いたしました。五十九年の場合も、やはり住民税は年度内減税が非常に困難であるということから、基本的には年内減税分を上積みした形で五十九年から実施をするという形になったわけでございます。 従来所得税減税が行われております場合には、いわゆる戻し減税等の場合を除いてはほとんど住民税が同じように行われておる。したがって、課税最低限というもののバランスということもございますので、そういった意味では、一般論としてはおっしゃるように常にバランスをとっていくことが基本的に望ましいと思うわけでございます。先ほど大臣がお答え申し上げました与野党合意の問題はその点に関して特に申し上げたわけでございまして、一般論としてはそういうことは必要かと思います。
○柴田(弘)委員 一般論でなくて、どうぞひとつ与野党合意に基づく所得税減税の実施、そして政策減税の実施、あわせてそれに連動する住民税、地方税の減税もひとつ政府部内で誠意を持って行われますことを心から要望いたしまして、五分早いわけでありますが、質問を終わります。
○高鳥委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 大臣、できるだけ質問がダブらぬように、ちょっと大臣の感想、感じを聞いておきたいのです。 一%上がっても、これは上がったと言いますね。例えば税率の場合ですよ。それで今労働者の皆さんが賃上げ要求しております。新聞の報ずるところによりますと、経営者の方々に五%台が適当なところだ、こういうおっしゃり方ですね。労働団体の方は七%を超えなければいかぬ、こういうことを言っていますね。これが一〇%ということになったら大幅だと思いますか、小幅だと思いますか。感想ですよ、責任は持たぬでいいです。
○古屋国務大臣 昔流に考えれば、ちょっと機械的になりますが、五%と七%の食い違いがある。昔の、こういうことを言うと不謹慎と言われるかもしれませんが、大野先生のときなら、ではその間をとろうというようなことを考えるかもしれません、これは大変失礼な話でありますが。私はやはり日本の経済成長その他の状況を考えまして、この問題は労使が対峙しておりますけれども、その間によって円滑に常識的に話がつくということが一番望ましい姿と考えております。
○岡田(正)委員 そうすると、ベアの関係でも大体五%か七%か、七%行ったらすごいなというくらいの状況のときに税金が一〇%上がったら、これはやはり大幅に税を上げたということになりはしませんか、増税になったということになりませんか。いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 やはり一〇%というとちょっと大幅、そう思うと今固定資産税の問題で大変頭が痛いところでございます。地方財政が厳しいときだから、調整をしますけれども、ぜひこれで辛抱していただきたいというのが今度の固定資産税の考え方でございますが、一般的に言いますと、やはり一〇%以上というと高いという感じが私もいたします。
○岡田(正)委員 私は大臣好きですよ。そういうふうに正直におっしゃるのが一番いいですね。 今おっしゃった正直なところの分で、現実は今度の改正でどうなっておるかといいますと、固定資産の評価を宅地の関係でも平均で一九・九上げる。それから住民税の均等割におきましては、一番でかいものは五〇%のアップですよ。一番少ない分で二五%ですね。これはすごいと思いませんか、いかがですか。
○矢野政府委員 御指摘の点でございますが、固定資産税一九・九%、これは最近三カ年間の土地の上昇状況を反映したものでございまして、いわば後追い的でございますが、最近の地価の状況から考えれば確かに高いではないかという御印象をお持ちになられると思います。私どもとしては適正な評価をやるべきだと思っておりますけれども、ただ、負担軽減を図りますために、先ほど大臣も申し上げましたように単年度の税の引き上げ額としては一〇%ということでございます。ただ、固定資産税、特に居住用の固定資産税を見ますと、片方の宅地の方は一〇%でございますけれども、家屋の方は原則としては在来分は据え置きということにいたしておりますので、その辺も通じて考えますと、例えば給与等の上昇に比べて居住用の固定資産税がそう大きく上昇したということではないのじゃないかと考えられます。 それからまた均等割についてのお尋ねでございます。 均等割、定額課税でございますから過去五年上げておりません。この間の物価の上昇は二〇%強であると思います。ただ、それにしても最低二五、最高五〇、高過ぎるではないか、こういうことでございますが、均等割はやはり地域社会の費用を均等にする、均等に負担するという一番基礎的な部分でございます。したがいまして、そういった物価上昇などとあわせまして、例えば特に市町村の歳出の状況、三四、五%この間にふえておると思います。そういった状況もやはり勘案をする必要があろうかと思います。 なお、一方で五〇%上がりましたのは、市町村の三段階をそれぞれ五百円ずつ上げさせていただいた。特に財源の貧弱な市町村にも同じように均てんするようにという点も考えまして引き上げたために御指摘のような率になったわけでございまして、その辺を地方財政の実情とあわせて御理解を賜りたいと存じます。
○岡田(正)委員 今局長さん、大変苦心の作の答弁をされましたが、答弁の端々にちょっと私が不安に思いますことは、例えば住民税の均等割を五百円上げました。これは端々の市町村におきまして、千円のものを千五百円にというふうに五百円ほど上げましたという五百円というところに、どうも何かしらん軽い感じがするのですね。私は子供をしつける場合、おやじが私をしつけた場合、一円金が足らぬでも汽車に乗れぬぞと言われたものですよ。 それで、均等割だから、しかも基礎額が低いから五百円くらい、五〇%上がったって何ということはないやというような考え方が、ないと思いますよ、ないと思いますが、今の発言を聞きよると、どうも声の響きがそうとれるのですよ、これはお互いの認識の相違と言ってしまえばそれまででありますが。 それからいま一つ。例えば宅地の平均の一九・九%にいたしましても、それから均等割の五〇%から二五%アップにいたしましても、その間におけるいわゆる労働者の皆さんの賃上げも相当行っているし、物価の上昇率を考えてみると、それを上回るほどの物価上昇を示しておる、三五%ぐらい行っておるというようなことなんかもおっしゃるわけでございますが、問題は可処分所得がどのくらい上がったかということが一番問題ではないでしょうか。 幾ら名目が上がりましても、実際に財布から出せる金が上がったのか上がっていないのかということを考えてみると、三年間において可処分所得はプラス・マイナス・ゼロと言ってもいい状況であることを十分認識をした上で、こういう税法の改正にはひとつ手をつけていただきたいと思うのであります。 時間短縮に協力をいたしますのであと一問だけ申し上げますが、世にも不思議な物語でありまして、所得税の関係では寄附金の控除というのがありますね。ところが、地方税の住民税においてはこの寄附金の控除というのがないのですね。特に寄附金が多いというのはどういうところで多いのかと言えば、地方の自治体において多いのでありまして、例えば学校の問題あるいは福祉の問題、そういう関係に対していわゆる指定寄附をするというようなことで、住民の皆さんが大変協力をしてくれているのですね。 そして、つい最近のことを申し上げるならば、これは話が大き過ぎるかもわかりませんが、新幹線の停車駅をつくってもらいたいというので請願駅というのが五つほどありますね。これはいずれも先般承認になりましたが、地元で一切合財全部の経費を受け持つというので、全部寄附に頼るわけですね。私の隣の町の尾道というところなんかでは、ある一人の中田さんという人が個人で三カ年間に五億円寄附する、これはすごいものです。地元負担でやる金が全部で百億円ですから、そのうちの五億円を持ちましょうと。それから老人クラブの御老人が、自分の小遣いにもらっている金を千円ずつでもいいからカンパしようというので、老人クラブの人がみんなで集まって千円ずつ集めて市役所に持ってきたり、これは随分涙ぐましい努力をしていますよ。それは、おまえさんたちが勝手に新幹線の駅をつけてくれというんだから、金を出すのは勝手にやれやということになるかもしれぬ。 それから、学校を建てるのにもいろんな設備が足らない。特に今回なんかの、教材費まで全部補助をぶった切ってしまうというような乱暴なことまでしているのですから、なおさら学校に対する寄附というものはこれからだんだん多くなると思いますね。そういう場合でも、学校に寄附してもびた一文所得控除はやらないというような制度は、まさに私は悪制度だと思うのですね。悪いとわかったら直すのが当たり前ですね。いいと思いますか、悪いと思いますか。 何ぼ寄附してもらっても知らぬ顔をしている。ありがとうと言うだけ。ひどいのになると、市長や村長さんなんかでも、寄附してくれた人に一人一人手を握ってありがとうと言うことなんか恐らくないですよ。もうその地域地域でおさまってしまいますよ。こういうことが当たり前のことでしょうかね。寄附しても知らぬ顔をしている、国の方は所得控除をしてあげる、こういうやり方は当たり前でしょうか、どうでしょうか。大臣、いかがです。
○矢野政府委員 私から、どうしてそういう仕組みになっておるのかということの御説明をさせていただきたいと存じます。 確かに、おっしゃられるように、所得税に寄附金控除があって、住民税であるとそれがないというのは一見おかしいように見えるわけでございますが、住民税は音から寄附金控除という制度は、所得税が設けられたときもつくっていなかっなわけでございます。 一つは、住民税の性格が、限られた地域社会の費用を持つわけでございますので、できるだけ能力に応じて広く負担をしてもらうという意味で、所得税に比べますと、いろいろな政策的な減免と申しますか軽減が住民税の場合若干少なくなってきておるということと、それからもう一つ、この寄附が必ずしもその市町村と直接関係のない場合がある。ほかの市町村なりほかの市町村の団体というようなこともございますので、そういう観点から住民税においては寄附金控除という項目は設けてない、こういうことでございます。
○岡田(正)委員 質問はこれをもって終わらせていただきます。 時間を三分残して終わるのでありますが、今のように、同じ寄附をしても国の方は引いてくれるが、肝心のもらった本人の地方が所得控除をしないなんて、こんなでたらめなことがあっていいんですか。世の中というものは公正でなくちゃいかぬ、公平でなくちゃいかぬ。中曽根総理だってそんなことを言っているでしょう。公正、公平、簡素、選択、活力ということを言っている、私はそれを見習ってほしいと思います。言うばっかりじゃだめだ、演説だけの政治はやめてもらいたいということを申し上げて、質問を終わります。
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 大臣にお尋ねをしましても局長が答弁をしたがっておりますので、局長にちょっとお尋ねいたします。 局長、奥さんは家計簿をつけてはりますか、ちょっと個人的なことをお尋ねして恐縮ですが。といいますのは、局長のサラリーで、何年か前と比べてみて所得税と住民税がどういう割合になっているのか、あるいは収入に対してどういう比率になっているのか、これをお調べになったことがございますか。
○矢野政府委員 幾つか御質問があったように思いますが、まず、家内が家計簿をつけておるかどうか。時々つけておるようでございますけれども、三日坊主でございまして、見ておりますと、すぐやめてしまうようでございます。 それから、私の収入における所得税と住民税がどうなっておるかということでございますが、過去の分からどうなっておるかちょっと記憶がございませんが、まあ私自身のことでございますので、ことしの申告と明年の住民税の場合で、おおむね所得税二、住民税一の割合でございます。全体の所得に占める割合は二十数%であったと思います。ちょっと金額を申し上げるのは差し控えさせていただきますが、二十数%ではなかったかと思います。
○経塚委員 一度、天下国家の住民税を預かる立場におる局長として比較をされてみたらいかがかと私はお尋ねをしたわけであります。 といいますのは、これは私の御近所の方で大変家計簿をつけることに熱心な方がございまして、その方から資料が示されました。参考までにちょっと申し上げておきますと、昭和五十五年五月と五十九年五月、この間の比較ですが、収入がこの間に約八割ふえているのです。ところが、非消費支出が二六六であります。だから、非消費支出の割合が二・六倍ですね。それから、所得税が三二〇ですから三・二倍であります。これに対して住民税、地方税の割合が四五〇こうなんですよ。だから、先ほど言いましたように収入が八割前後ですけれども、非消費支出が収入をはるかに上回って倍率が高いわけです。この中でも、所得税よりも住民税、地方税の割合の方がはるかに高いのです。ここが問題だと思うのです。 これは一つの個人の比較でありますけれども、今度は租税総額に占める地方税の割合を見てみましょう。 昭和三十二年は租税総額の中で地方税三〇・五%なんです。五十年が三六%、六十年見込みで、そちらからの資料によりますと三六・九七%なんです。そうでしょう。これに対しまして、国税は五十年六四%、これが六十年見込みは六三%に減りますね。わずか地方税の上がる分が一%、国税の減る分が一%と言いますが、御承知のように、この一%は額にしますと六千二百億円でしょう。そうですね。 今度は、国民所得比でどうなるかと言えば、五十年は国民所得に対する地方税の割合が六・六%、これが六十年見込みでは何と九・三%でしょう。国税は一一・八%が一五・九%、国税は三〇岩の伸びですが、地方税は五割の伸びなんです。こう見てまいりますと、つまり租税総額の中で占める地方税の割合も、国民所得の中で占める地方税の伸びの割合も、国税が三割の伸びに対して地方税が五割と、異常な伸びなんです。 一体、税務当局としては、地方税と国税との割合の限界をどこに置いているのか、国民所得に対する比をどう見ているのか。それが私が最初にちょっと申し述べました個人の家計簿を見ますと、よりリアルに出てくをわけです。一体、この実情をどう考えておられるのか。これでもなお六十年度は財政の状況によって減税を行う事情にはないというようなことで、住民が、国民が、果たして納得できる論理になるのか、ここの点は一体どうなんですか。
○矢野政府委員 数字をお挙げになりまして幾つかの点についての御質問でございます。五十五年当時から五十九年当時の所得税と住民税の数字をお挙げになりまして、住民税の方が倍率が高いとおっしゃいましたが、この住民税はこれは地方税——民税だけでございましょうか。(経塚委員「住民税、地方税、合わせてね」と呼ぶ)住民税以外の地方税も含めてというと、恐らく固定資産税等が含まれておるのかと考えますが、つまり住民税について申しますと、これは結局従来の減税の仕方、課税最低限の水準の問題が一つあろうかと思いますが、五十五年当時から今日まで比べてみますと、それ以前のある時期においては、所得税に比べますと住民税の課税最低限がかなり低かった。比率にいたしまして七〇%ぐらいであったかと思いますが、その後、住民税で単独で課税最低限の引き上げをしたことが二度ほどございます。 今回、昭和五十九年度に、国と同じようなレベルで三控除の額を引き上げたわけでございます。その結果、課税最低限の割合は、所得税と住民税を比較いたしますと八五%ぐらいまで、住民税の方が所得税に少し追いっきかかってきておるという点から考えますと、住民税の方においては、そういった国民の税負担の点についてもいろいろ努力をしておるつもりでございます。数字でお示しになられましたものと、今私が申し上げましたものが直接どのように関係するのか、実はちょっとよくわかりませんけれども、住民税の課税最低限につきましては、そういった努力は従来してきておるところでございます。 それから、全体としての地方税と国税のウエートを見ました場合に、確かに三十年代の初めごろに比べますと、御指摘のとおり地方税の比率の方が上がってきております。地方税源の充実ということを踏まえて、もちろん国民負担のことも考えながらいろいろそれなりの努力をしてきたわけでございますが、この比率そのものは、五十年代に入りましてからはそう大きくは動いていないのではないか、こう考えております。一%前後の上がり下がりがございまして、確かに昭和六十年度の場合は三七%ということで、国民所得に対して九・三ということになっておりますが、一つは地方税源をできるだけ充実をしていきたいという今までの考え方も、過去の国税対地方税の比率に比べて上がってきたということの中にはそういう点もあるということを御理解賜りたいと思う次第でございます。
○経塚委員 大臣にお尋ねしますが、今申し上げましたように、租税総額の中で占める国税と地方税の割合、国民所得に占める割合、これは地方税の方がずっと上回ってきているんですよ。 これはまた次の機会にお尋ねしたいと思っておりますが、歳出抑制、歳出抑制と言っておりますが、歳出抑制の率は、国の予算よりも地方の予算の方が抑制されている率が高いんですよ。国の方は防衛予算が突出しておりますからこういう不均衡が出てくるのです。歳出抑制は地方の方が国よりも抑えられている。そして税負担は、国民所得でも租税総額の中でも地方税の方が伸び率も高い。そして国税は下がっておっても地方税の方が上がっているというような割合になってきているんですね。これは考えなければならぬ時期だと思いますよ。だから、一体どこに歯どめをかけるのか、どこに線を引くのか、これが重要な問題になってくると思うのです。 そこで、前回お尋ねしましたときに、五十五年度の課税最低限、それから生活保護基準額、これを比較しましたときに二百九万円程度に引き上げる必要があろうかという御答弁をいただいたわけでありますが、それで減収額が総額二千四百億円、こういうことになったわけであります。私どもは、住民税三千億減税を要求しておりますのはこういうことも一つの根拠でありますが、財政事情が厳しいとはいいながら、そういいました国税あるいは国民所得比等々を考えてみましても、六十年度は二千億ないしは三千億の思い切った減税をやるべきときだと考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 住民税減税につきましては、今のいろいろな事情を勘案いたしますと、私どもは五十九年度におきまして初年度ベース三千百億円を超える大幅減税を行ったのでございまして、税調でも住民税の減税を行う余地はないというように言われております。そんな次第でいろいろ検討しましたが、六十年度においては住民税減税を行えるような状況でないという判断のもとで、今回の地方税の改正法案を提出したような次第でございます。 ただ、共産党を除く与野党幹事長・書記長会談の結果につきましては、私どもは誠実にこれを守ってまいるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
○経塚委員 最後に、これは局長の答弁で結構ですからお尋ねしておきますが、今度出されております法案の中で、身体障害者雇用事業所の家屋、五分の四を六分の五に縮小ということがございますが、これは聞くところによりますと雇用率が上がってきているから、こういうことでございます。確かに昭和五十五年一・一三が五十九年一・二五と上昇しておりますが、問題は、千人以上の大企業の例を考えてみますと、これは未達成企業がまだ八五・七、圧倒的に多いのですよ。だからこれは縮小する段階じゃない、むしろまだ継続をする状況にある。全体の未達成企業が四六・四%なんですよ。これが一点。 それから、同じく身体障害者の固定資産税の評価問題であります。これは通常の、健常の家庭と比べてみまして、家屋の建設につきましても面積も広く必要だし非常に費用負担がかかる、こういうことで非課税にされたいという請願もあるわけでありますが、以上、二点についてお答えをいただきたいと思います。
○矢野政府委員 第一点の心身障害者を多数雇用する事業所の事業主の固定資産税の特例措置でございますが、御指摘のように今回期限が到来いたしましたので他の租税特例措置と同様に見直しの対象にしたわけでございますが、その際いろいろ関係省庁とも話し合いをいたしまして、御指摘のように雇用率がかなり上がってきておるということから、そういった誘い水と申しますか促進という意味での役割はかなり果たしてきておるのじゃないかということで、今回これを二年延長はいたしますが、そのかわり特例率を六分の五ということにしたわけでございます。国税の方におきましても、割り増し償却率の縮減をあわせて行うというようなこととも関係ございましたので、私どもの方としては政府部内の話し合いの結果このような形にしたわけでございます。もちろん身体障害者の雇用につきましては今後とも達成率を大いに高めなければならない問題でございますので、税制面のこういった役割につきましてはなお引き続き必要と考えて延長したということが実情でございます。 それからいま一点は、固定資産税において、身体障害者が居住する家屋等について、特別な広さなり設備などを要するのでその部分についての減免等を図る必要があるじゃないかということでございますが、固定資産税につきましては御承知のような物税としての性格もございます。いろいろ家族数の違いなどもございますし、こういった点を考えて特別の事情に基づく税負担の軽減ということは固定資産税の性格に照らして適当でない、こう考えて従来からそういった面については特に特例を設けていないわけでございます。 もちろん障害者のおられる家庭が生活が非常に困難である、担税力が非常に少ないというような状況で、市町村の条例に定めるところによって軽減するということは可能でございますので、そういった点での対応ができようかと思いますが、一般的な仕組みとしては固定資産税の性格上できにくいということでございますので、御了解を賜りたいと存じます。
○経塚委員 答弁は不満でございますが、これで終わります。
○高鳥委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○高鳥委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。臼井日出男君。
○臼井委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、政府提案の地方税法等の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。 地方財政は、累積した借入金残高が本年度末で五十四兆円を超すなど、引き続き極めて厳しい状況にあり、今後その健全性の回復を早急に図っていく必要があります。 また、最近の社会経済情勢の推移に対応し、地方公共団体の自主性、自律性を高めながら活力ある地域社会を形成していくことも緊要な課題であります。 このためには、地方公共団体においても、従来にも増して事務事業の見直し等を行い、行財政の簡素効率化と経費の節減合理化を推進し、節度ある財政運営を行うとともに、地方自主財源、なかんずく地方税の充実を図っていくことが不可欠であります。 また、近年、税負担の公平性に対する国民の関心は極めて強く、国税、地方税を通じて税負担の公平確保を図ることが重要な課題となっております。 以上のような観点に立って政府提出の本法律案を見ますと、地方税負担の公平、適正化を推進する観点から、個人住民税均等割の税率の見直しを行うほか、事業税における新聞業等七事業に係る非課税措置の廃止等、地方税における非課税等特別措置の整理合理化等を行うことといたしております。 また、厳しい地方財政事情下ではありますが、住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人事業税の事業主控除額の引き上げ、不動産取得税の新築住宅に係る課税標準の特例控除額の引き上げ等を行うとともに、固定資産税及び郡市計画税の評価がえに伴う税負担の増加を緩和するため、負担調整措置を講じております。 さらに、地方道路財源の確保のため、自動車取得税及び軽油引取税の税率等の特例措置の適用期限を延長することとしております。 これらの改正の基本とするところは、引き続き地方税負担の公平、適正化を推進する一方、住民負担の軽減及び合理化にも配慮しつつ地方税源の充実確保を図るものであり、最近における地方税負担の状況及び地方財政の実情から見て、当面の課題に適応するものであり、適切妥当なものと考える次第であります。 以上の理由により、私は、政府原案に賛成の意を表するものであります。 以上をもって、私の政府原案賛成の討論といたします。(拍手)
○高鳥委員長 次に、安田修三君。
○安田委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、政府原案に反対の討論を行うものであります。 今日、国と地方自治体及び住民の間には、住民の欲求に対応する民主的な行財政の確立、国と自治体の財政秩序の樹立、地方税収の安定的確保、税負担の公平性の実現などが求められているのであります。今回、本案は、一部を除き、このような国民的期待にこたえた地方行財政に発展させようという税制改正にほど遠いものがあるのであります。 第一に、本案には、勤労国民諸階層の要求である個人住民税の減税が含まれておりません。逆に、個人住民税の均等割の引き上げを図り、その持つ逆進性から不公平の拡大をもたらそうとしているのであります。 我が党は、四党予算修正要求の中で、所得税減税、政策減税とあわせて、住民税減税一千七百億円及び住民税での政策減税三百七十六億円を求めております。改めて政府の善処を要求するものであります。 第二に、不公平税制の是正を図るため、事業税非課税規定の全面的な見直しを行うべきであります。しかるに、本案は、わずかに新聞輸送等七業種に対する非課税特例措置の是正が行われたにすぎません。社会保険診療報酬課税の適正化、利子所得等に対する総合課税の適用を初めとした諸改革を速やかに行うべきであります。医師の必要経費の確保、勤労国民の貯蓄保護の上に立ちながらも、こうした保護措置を隠れみのとした不公平税制に対して課税適正化を行うことが不可欠と考えるのであります。 第三に、住民の負担を軽くしつつも、地方税財源の安定的な確保を図るため、担税力、応益などの観点から、地方税の体系を整備充実していくことが課題であります。そのために、かねて懸案の事業税の外形標準課税を行い、多様化した住民生活に対応する行政需要と都市開発のため事業所税の適用拡大を図るなど、豊富な税改革の発想が必要であります。しかしながら、本案は、特別土地保有税の緩和、固定資産税の大幅引き上げ、個人住民税均等割引き上げなど、むしろ矛盾拡大すら行われているのであります。 地方財政は、累積五十四兆円を超える借入金を残しており、来年度において政府の予算編成上収支均衡という枠組みに押さえつけられながら、補助金一律削減によって、逆に国による新たな地方負担転嫁による五千八百億円の財源不足を生じさせております。地方の行政需要の増大に応じた脆弱な地方財政を強めることが必要であり、我が党の提起に耳を傾けられたいのであります。 ここに、本案に反対するものであります。 以上をもって、討論を終わります。(拍手)
○高鳥委員長 柴田弘君。
○柴田(弘)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行うものであります。 以下、その主な理由を申し述べます。 まず初めに、国、地方間を通ずる税源配分についてであります。 現行の国、地方間の税源配分は、国六五に対し地方三五となっている反面、支出面では、国二五に対し地方七五と逆転しております。この国、地方間の税源配分の現状は、国が財源を握り、補助金等を通じて地方を統制する、いわゆる中央集権的行財政構造であることを如実に示しているのであります。 このような国、地方を通ずる行財政の仕組みでは、地方自治体が、地方自治の本旨に沿って、地域の特性を発揮した自主的な行財政運営を推進することが極めて困難と言わざるを得ません。 また、地方自治体は、今後高齢化、都市化、国際化、高度情報化など新たな時代への変化に対応した施策、個性的で豊かな活力ある地域社会の実現が迫られているのであります。しかも、本年は、戦後四十年目に当たりますが、これまで一貫して、要求されてきた地方制度改革の大きな課題は、まさに、地方税源充実を柱とした地方行財政の確立てありました。 中曽根内閣は戦後政治の総決算を標榜しておりますが、このためにも、現状の実態に即した国、地方間の抜本的税源配分を行うべきでありますが、今回、地方税改正においては、これらの措置がとられておりません。これが反対の第一の理由であります。 次に、事業税についてであります。 現行の事業税は、保険事業等四事業以外は所得に対し課税されるという、いわゆる所得課税方式がとられております。このために、現行制度では、地方公共団体からさまざまな行政サービスを受けている大企業でも、欠損法人ならば、国、地方税を通じて、法人均等割しか納めていないという事態を招いております。所得課税方式は、また景気の変動に左右されるため税収が不安定となり、これまでも地方公共団体の計画的財政運営にしばしば重大な支障を来してまいりました。 地方自治体がその本旨に基づいた行財政を運営するためには、これらの税制の改革を行う必要があると考えるものであります。こうした点から、法人事業税において、所得課税と外形課税が併用して行えるよう、所要の措置をとるよう早急に検討すべきであります。これが第二の理由であります。 次に、個人住民税についてであります。 今回の政府原案では、課税最低限の引き上げなど本格的な減税は行わないで、むしろ、個人住民税の均等割の大幅引き上げを行おうとしております。ここ数年、個人住民税は、減税が据え置かれたり、また、実施されても十分な減税が行われないために、所得税とともに過重な負担となっております。 このため、減税問題は、今国会最大の政治課題とされ、予算修正問題を通じ、与野党間で話し合いが持たれ、その結果、単身赴任減税、在宅寝たきり老人介護控除などの政策減税の創設とともに、本格的減税を行うべく、与野党間で合意がなされております。本来ならば、減税についての修正案を提出すべきところでありますが、我々は、今後、政府・自民党が誠意を持って、この合意が可及的速やかに実現されることを期待するものであります。 ところで、政府は、個人住民税均等割の大幅引き上げを行おうとしております。政府は「増税なき財政再建」を掲げておりますが、今回の引き上げはこの趣旨に反するものであります。したがいまして、この際、住民の税負担の一層の軽減を図るために、政府原案にある個人住民税の均等割については現行どおり据え置くべきでありますが、こうした措置がとられておりません。これが反対の理由の第三であります。 次に、不公正税制の是正についてであります。 現行の地方税制度は、電気税、固定資産税等を初め各種の非課税措置がとられており、その上国の租税特別措置等により、地方税は減収する仕組みになっております。このような税制度は、地方自治体の自主的財政運営を阻害するとともに、税の不公正をもたらしていることはこれまで指摘してきたところであります。 また、現行の利子配当所得については、分離課税をとる場合、地方税が課税されておらず、地方財政の減収と税の不公正を生じております。したがって、税の公正、地方税源の充実を図るために税制度の抜本的改革を図るべきでありますが、これらの施策が講じられておりません。これが反対の第四の理由であります。 次に、固定資産税についてであります。 本年は、三年に一回の固定資産税の評価がえの年に当たります。評価の基本となる各都道府県ごとの基準地四十七地点の路線価の平均上昇率は、一九・九%であります。これに対して、国土庁の地価動向調査によると、全国平均の上昇率は二・六%となっており、しかも、この四年間連続して上昇率が低下しております。 このために、三年前の前回の評価がえの時点に比べると一〇%弱になっており、固定資産税の上昇率は地価上昇の二倍にもなっているのであります。固定資産税は、土地等の評価額に基づいて算定されるのでありますが、その税金は、所得によって負担されているところから考えた場合、サラリーマンや年金生活者の所得の実態を考えたとき、今回の固定資産税の大幅引き上げは、国民生活をますます圧迫するものであります。 また、法人等の土地建物は経済活動の基盤となっておりますが、個人住宅の場合は、地価上昇によって何ら利益を受けるものではありません。こうしたことから、生活の根拠となっている一定規模以下の宅地及び建物の固定資産税は大幅に減免すべきでありますが、当面、地価よりも著しい上昇率を示している土地の固定資産税の激増を緩和する必要があると考えるものであります。こうしたことから、土地の固定資産税について負担調整措置をより緩和すべきであります。 最後に私は重ねて申し上げますが、さきの予算修正問題決着の際の与野党合意に基づき、所得税減税、寝たきり老人、教育、単身赴任の三つの政策減税が可及的速やかに実現されることを要求して、討論を終わります。(拍手)
○高鳥委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、反対の討論を行うものであります。 その大きな理由は、財政再建ということは国も地方も同じだと思います。財政再建ということについては、臨調の答申でも御存じのとおり、「増税なき財政再建」を貫いてもらわなければなりません。今回のごとく住民税の均等割でも五〇%から二五%も大幅に引き上げる、あるいは固定資産評価額も宅地の平均で一九・九%も引き上げるなどというのは大変大幅な引き上げでありまして、この固定資産の評価額の引き上げたけをとりましても、これを引き上げることによって固定資産税が増税になり、都市計画税が増税になり、国民健康保険税が増税になるという連動的な増税になって、まさにすごい増税になるわけであります。 増税を行おうとする場合には、その反対に一体どこにどれだけの行政改革を行ったのか、あるいは行おうとするのか、これだけの節約をするから、それでも金が足らぬのでこうしてもらいたいというものがなくてはならないと思います。それにしては国民を納得させるだけの理由が見当たりません。 さらに、私どもが四党で要望いたしました幹事長・書記長会談における合意事項、これは国、地方を通じまして全体で一兆一千百六十六億円の要望でございます。これは地方の関係では住民税で千七百億円、そして政策減税の地方の関係では三百七十六億円を要望しておるのでありますが、これがまだ政審・政調会議で協議中でありまして、これの結論が出ないままに本案に賛成をするということは、私どもとしては耐えられません。 何と申しましても、増税よりも減税をもって住民に報いるというような姿勢こそ望ましい。その減税をしないで増税をやって、行政改革に対してはっきりした答えが出ないそのままで、私は本案に賛成をすることはできませんので、反対の趣旨を申し上げた次第であります。よろしくお願いいたします。(拍手)
○高鳥委員長 経塚幸夫君。
○経塚委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 政府の税金に関する世論調査でも、税の負担を感じている人は実に全体の七四%に及んでいます。そして負担を感じる税目としては、所得税四六%とともに、住民税、固定資産税、国保税など地方税関係が実に四九%に達しております。 とりわけ地方税は、住民税非課税限度額が生活保護基準並みの水準で据え置かれているのを見ても明らかなように、国税と比べて低所得者にとりましては重い負担になっており、勤労市民、低所得者層の税負担の軽減はまさに焦眉の急であります。 ところが、今回の政府提出案は、減税どころか逆に増税となっております。課税最低限の据え置きに加えて、中世の人頭税の名残とさえ言われている均等割の引き上げであります。 このために、昨年のいわゆる三千億減税にもかかわらず、個人住民税の税収は前年比五千五百億円もふえ、五十八年度以来三年連続して法人関係税を上回る状態が続いておるのであります。 特に、五十九年度から六十年度への年収上昇率を五%と仮定して税額の推移を試算すれば、年収三百万円台では一七%、一千万円台では八・七%となり、低所得者層への負担強化は歴然としているのであります。 さらに、固定資産税の大幅な評価がえは、増税を加速させるとともに、とりわけ年金生活者、障害者、小規模所有者等にとりましては重課となっているのであります。 また、戦前の営業税時代から非課税とされておりました新聞業など七業種に対する事業税の非課税制度の撤廃は、これらの事業が公益的性格が強い事業であるとともに、圧倒的多数が中小零細企業、個人であることを考えるとき、消費者への負担転嫁が困難であり、小事業者への負担増が避けられないことは必至であります。 第二の反対の理由は、国民大衆や中小零細企業などへの課税強化の一方で、大企業、大資産家に対するさまざまな優遇措置のほとんどが温存されたばかりか、拡大さえされていることであります。 とりわけ特別土地保有税では、市街化調整区域外のいわゆる白地区域内の保有十年を超える土地が課税対象外とされております。 これは、昭和五十七年度の土地税制緩和に続くものであり、四十年代後半、投機的土地買い占めに狂奔した大企業を免罪する不当なものであります。 また、大企業優遇の典型である産業用電気の非課税や固定資産税の課税標準の特例につきましては、地方財源の確保のためにも、公平な税制確立のためにも、本格的なメスを入れるべきであるにもかかわらず、ほとんど見直しが行われておらないのであります。 以上が政府案に対する反対の理由であります。 日本共産党・革新共同議員団は、住民税三千億円減税、固定資産税増税をやめることなど一兆円減税を初め、軍縮、生活擁護の予算、組み替えを要求いたしましたが、所得向上で国民の活力導入こそ景気回復、地方財政健全化の道であることを改めて強調いたしまして、討論を終わります。
○高鳥委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○高鳥委員長 これより採決に入ります。 地方税法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) —————————————
○高鳥委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して平林鴻三君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。平林鴻三君。
○平林委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。 地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について所要の措置を講ずべきである。 一 地方税収の安定確保を図るため、事業税の非課税規定の整理、法人事業税において所得課税と外形標準課税の併用等、課税標準の見直しを図るよう所要の措置を検討すること。 二 利子所得等の課税適正化を図るため、源泉分離による所得税の課税が行われているものについては、住民税の課税に関する適切な対応策を検討すること。 三 国民の租税負担の現状にかんがみ、個人住民税減税の促進を図るよう努めること。 四 固定資産税の課税について、居住用資産等に係る負担軽減措置を更に検討すること。 五 事業所税については、その課税団体の範囲等を含め所要の検討を行うこと。 六 地方自治の発展充実を図るため、国、地方間の事務権限及び税財源のあり方を抜本的に検討し、地方財政の財源強化を図ること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○高鳥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高鳥委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、古屋自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。古屋自治大臣。
○古屋国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して、善処してまいりたいと存じます。(拍手) —————————————
○高鳥委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○高鳥委員長 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についてお諮りいたします。 ただいま大蔵委員会において審査中の内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律案について、大蔵委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、大蔵委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたしたいと存じますので、御了承願います。 次回は、来る二十八日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時十三分散会