P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
102回国会衆議院1985/02/08

大蔵委員会 第4号

発言数
41
登壇者
7
会派数
2
開催日
1985/02/08

会議録

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 これより会議を開きます。  この際、新たに就任された大蔵省証券局長及び国税庁次長心得から、それぞれ発言の申し出がありますので、順次これを許します。岸田証券局長。

岸田俊輔大蔵省証券局長

○岸田(俊)政府委員 佐藤前証券局長が先月末死去いたしましたことに伴いまして、本日証券局長を拝命いたしました岸田でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 冨尾国税庁次長心得。

冨尾一郎国税庁直税部長

○冨尾政府委員 本日付で国税庁次長心得を拝命いたしました冨尾でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 税制に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 貴重な時間でありますが、委員長にも特に要望しておきます。大蔵委員会が、昼飯のときとか夜なべとか、こういう不健全な審議状態を続けていくことは、やはり歳入委員会の権威に関係することでもありますし、ひいては委員長の権威にも影響する、こういうことにもなるので、鋭意これから努力されることを望みます。特にきょうは水田の再編という、いわゆる日本の食糧の主体をなすものでありまして、各野党もそれぞれ御発言をする用意もあったようでありますけれども、極めて協力的に対応するということで、私がかわってというか、質問することにいたしました。念のため申し添えておきたいと思います。  まず第一に、これは簡明にお答えをいただきたいのでありますが、今日までずっと減反を行ってまいりました、その年次別の実績、そしてこれに要した経費。例えば来年度は二千三百九十億、予算に計上されております。今日までの減反の年次別の実績、そしてこれに支払った経費、その点まずお伺いいたします。

京谷昭夫農林水産省大臣官房審議官

○京谷説明員 ただいまのお尋ねの米の生産調整の経過でございますが、御承知のとおり四十年代半ばから米の過剰が発生をいたしまして、昭和四十四年から、いわゆる米の減反のための施策を今日まで続けてきておるわけでございます。  施策内容につきましては、時の経過で若干の変動はございますけれども、四十四年、四十五年につきましては、やや臨時応急的な措置ということでございまして、四十六年以降、多少長期的な年次計画をもちまして進めてきておるわけでございます。  米の需給事情に応じまして、年ごとに目標面積あるいはその実績が変動しておりますが、大変大まかに申し上げますと、四十五年から五十二年にかけましての状況は、数量といたしまして百万トンないし二百万トンの米の減産をするというところで推移をしております。その後、五十三年以降、今日の状態、現在進めております水田利用再編対策という形をとりまして、十年間の計画で進めておるわけでございますが、これも御承知のとおり、五十三年から三カ年の第一期の時期におきましては、面積といたしまして四十万ないし五十万ヘクタールの転作を行ってきております。それから、第二期に当たります五十六年から五十八年の時期におきましては、実績といたしましては六十五万ヘクタール強の転作を行っておる状況でございます。  それから、現在進めておりますこの水田利用再編対策の第三期の時期でございますが、御承知のとおり、五十九年から六十一年までの計画でただいま進めておるわけでございますけれども、その実績といたしまして、五十九年度は六十二万一千ヘクタールの転作、それから本年度の六十年度の目標といたしましては、米の需給事情を勘案をいたしまして、一応目標といたしまして五十七万四千ヘクタールを目途にしておるという状況に相なっております。  また、ただいま申し上げましたような減反を実施していくために、御承知のとおり奨励金を、御参加いただいている農家に交付をしております。その金額、五十九年まで約三兆二千億程度の総額になっております。六十年度予算におきましても、奨励補助金といたしまして二千二百三十七億円を予定をいたしまして、ただいま御提案申し上げております六十年度予算に盛り込んでおる次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 続いて五十三年から例をとりますと、五十三年の生産量、これは実績で言いましょう、千二百五十九万トン、五十四年千百九十六万トン、五十五年九百七十五万トン、五十六年一千二十六万トン、五十七年一千二十七万トン、五十八年一千三十七万トン、この実績で、減反は十分に生産性で補われているという実績が出ておりますが、そういうふうに理解してよろしいですか。

京谷昭夫農林水産省大臣官房審議官

○京谷説明員 米の生産調整を織り込んだ上で現実に行われた米の生産数量は、ただいま先生から御指摘のあったとおりでございます。そういった生産量を前提といたしまして、おおむね米の需給事情につきましては安定した状況が確保されておるというふうに考えておりますけれども、ただ、御承知のとおり、五十五年から四カ年にわたりましていわゆる不作の状況、天候にも左右されましたが不作の状況がございまして、短期的に見ますとやや窮迫の状態が出たことも事実でございますが、大勢として見ますと、この米の生産調整を通じまして非常に大量の過剰状態が発生することを防ぎ得たというふうに考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 時間がないですから、余計なことは言わなくていいです。じゃ水田転換のいわゆる効果、どれだけの転換が行われて、どれだけつぶれてきたのか、そしてその転換の作物、いわゆる耕作物、作別と種類別の面積はどの程度なのか、この点お聞かせいただきたいと思います。

京谷昭夫農林水産省大臣官房審議官

○京谷説明員 米の生産調整のための施策によりまして、私どもといたしましては、米以外の農産物への転換を進めたいということで行っておるわけでございます。  その状況を最近時、五十九年度の実施状況で御説明をいたしますと、総体として転換面積の全体が六十二万一千ヘクタールでございますが、そのうちの八四%に当たる約五十二万ヘクタールに麦、大豆、野菜等といった転作作物が栽培をされておるという状況でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 もういいです。これは口頭じゃなくて、後で資料でひとつ委員長、提示していただくように。これ以上、どれがどうと細かく聞いても仕方がありませんから、水田転換の後の作付がどうなって、どういうものにかわって、いわゆる滅失したものはどのくらいか、それは後で資料として提出していただくようにお願いいたします。

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 わかりました。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 では、続いて次に参りますけれども、今税制上の優遇措置をとっているというのでありますが、聞くところによると、ほとんどが非常に少ない金額になってきた。さっきは、今二千二、三百億ぐらいの金額である、総枠で。そうすると、ほとんど一時所得の対象とならない分が多い、また、事実上なっても課税対象にはならない。そういう状況だから、現実的には無申告の人がほとんどになってしまうのではないのか。一部北海道程度に散在するかどうかというくらいな、実態はそうなのじゃないかというふうにも言われるわけでありますが、その点はいかがでしょうか。

冨尾一郎国税庁直税部長

○冨尾政府委員 お答えをいたします。  いろいろそういう例につきましては、私どもとしては取り扱い、区々ございますが、基本的にはそれぞれの補償等の実態に応じて扱いをするということになっております。資産の譲渡につきましてはこれを譲渡所得または山林所得に、その他のいわゆる収益の補償的なものにつきましては事業所得などというふうに原則的には区分をいたしますが、なお実態等よく伺った上で、どうするかは決めさせていただいておるということでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これは十年も続けてきているんですよ。毎年毎年我々やってきている。ただ、その結果がちっとも判明しない。今の答弁でもほとんど一あなた、なったばかりだから、これ以上いじめちゃかわいそうかもしれぬが、さっぱりわからない。要すれば、農林の方も把握してなければ税務の方も把握してない。我々は農民の方々のために、これは無理に減反させられたんだから、その点はかわいそうだからという気持ちで今一生懸命こうやってやっているわけで、それが税法上どういう効果を持ったのか、どういう影響を与えているのか、その辺は、きょうはいいですけれども、引き続きその効果なりあるいはマイナス面なりについては調査をしていただく。せっかくの議員提案として、法案として国会で決めることですから、それがちっともプラスもマイナスもわからぬ、こういうことは許されることではないというふうに思いますから、どれだけ効果があったかなかったか、そういう点についての改めての点検を特に委員長から要請していただきたいと思うのです。これはこの前も言ったことで、その後全然進んでないということでは困る話ですから、特に要請をしておきたいと思います。いいですね。

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 できるだけ努力してください。

冨尾一郎国税庁直税部長

○冨尾政府委員 この問題は農林省とも関係があると思いますので、協議をした上でできるだけの対応をさしていただきたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 続いて、優遇措置はさっき言ったように、強制減反に対する、農民に対する思いやりだ、そういうことで申告義務あるいは一時所得としての課税対象から外す、こういうことになったものだと思いますが、議会の意思を行政府としてはどのように受けとめているのか、その辺の解釈をまずお聞かせいただきたい。

中村正三郎自由民主党・新自由国民連合大蔵政務次官

○中村(正三郎)政府委員 この措置は、米の過剰傾向ということを背景として、農家に転作等を要請するという国の施策に基づく異例の措置として、議員立法によって講じられているものでございまして、このように議員提案が国会の意思として政策的配慮に基づいてとられる措置であるということで、稲作転換の必要にかんがみ、あえて反対いたしませんという発言を毎年大臣がしているところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 だから、例えばこの前この国会でも雪おろしの費用を免税にしたこともありますが、これは引き続いて免税措置として継続していると解釈してよろしいですか。

冨尾一郎国税庁直税部長

○冨尾政府委員 先生がおっしゃいました雪おろしの費用につきましては、現在雑損控除の適用対象として、私ども取り扱いをさしていただいております。  この問題につきましては、私どもとして手元にございます資料に基づいて申し上げますと、昭和五十八年中に雪おろし費用として支払いをいたしました費用を申告上控除してまいりました申告書が、五十八年分として合計で百三十九件提出されておりまして、この問題につきましてはかなり御利用あったものと私どもは理解しております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 十三万九千件じゃないですか。百三十九件ですか。

冨尾一郎国税庁直税部長

○冨尾政府委員 私どもとして申告書の上で雪おろし費用を控除したものでございます。実は雪おろし費用につきましては、いわゆる災害関連費用ということでございますので、実際にかかった費用から五万円を控除した金額を税務上控除するということになっておりますので、五万円未満の場合にはこの制度に乗ってきておりませんが、そういうことも含めて、五十八年度の場合にはそういうことになったのかと思います。ちなみに、昭和五十六年分について私どもが調査をしておりますが、この際には合計で五千三百件ほどの適用がございました。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 続いて、こういうようなものと関連して、ダムなんかによって埋没される家庭には、補償料その他適正に払われるわけでありますけれども、家をなくし土地をなくしていく人たちについてさらに配慮をしていく。こういうことも同じ路線上にあるのではないかということで、これはちなみの例に挙げたのでありますが、そういうふうに思われるのでありますけれども、その点はいかがでしょうか。

冨尾一郎国税庁直税部長

○冨尾政府委員 ダムの補償ということにつきましては、実はいろいろな理由に基づく補償があるわけでございまして、資産を譲渡した対価としての補償もございますし、営業の補償というものもございます。先生のおっしゃる移転に伴う補償というものは、実はいろいろなものを含んだものでございますので、その実情に応じましてどういうものに対する補償がということを個々に当たらしていただきませんと、ちょっと一概には申し上げられない面がございますが、私どもとしては、そういう補償につきましてはそれぞれの規定を適用し、実情に沿った取り扱いをするように努めているところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 もう時間の関係がありますから次にいきますが、今後の食糧事情、展望と対応、特にこれからは遺伝子工学などの発展によって、多収穫米なんというものはどんどんできてくるだろうと思いますし、寒さに強い水もできてくるだろうと思うのですね。そうすると、さらにこれは減反を進めていかなければ、収穫量はさらにオーバーしてしまう。こういうことになるのではないかと思いますが、今後の米作への展望と対応についてお答えをいただきたい、こういうふうに思います。

京谷昭夫農林水産省大臣官房審議官

○京谷説明員 米は、先生御承知のとおり、我が国の国民食糧の大宗を占める地位は今後とも続いていくというふうに私ども展望しております。そういった中で、ただいまお話しございましたように、米の生産性を上げるために遺伝子工学と申しますか、いわゆるバイオテクノロジーを活用した新しい品種の創出といったような形で、従来よりも高テンポで生産力を高める可能性は、まだ大分時間がかかると思いますけれども、そういう可能性を秘めておるわけでございます。  一方、消費面ではかなり停滞の度を加えておるということもございまして、潜在的に見ますと過剰の傾向を持っておりますので、私どもこれまで進めてきておりますこの生産調整という考え方を米以外の作物へ何とか転換、定着をさせていくことが必要であると思うわけでございますが、米作そのものにつきましても、先生御指摘のような、これまでの技術的な改良等を足場に生産性をより一層高めて、コストの安い米づくりが行われ、かつまた需給面において過剰を発生しないような手当てというものを考えていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 次に、今までの減反のやり方なんでありますが、耕作権というものがあるために、虫食い状態に減反が行われる。そうしますと、一つの雑草地が生まれると他の隣接の農地は大変損害を受ける。また、埋め立てなどが行われますと、用水の供給にも支障がある。あるいは排水にも支障があるし、あるいは缶の捨て場所になってしまう。こういうことで、他の隣地が非常に迷惑を受けるということが今日までの現状であったと思うのです。ですから、本人の意思を尊重することはいいのでありますが、地域的に見ると、この虫食い状態の減反のやり方というものは、他の迷惑なり損害、公費のむだが極めて多くなる、こういうふうに思います。その点の反省はないですか。その点お聞かせいただきます。

京谷昭夫農林水産省大臣官房審議官

○京谷説明員 従来から進めております米の生産調整、実は全国で三百万戸に上る稲作農家の協力を得て行っておるわけでございますが、先生御指摘のとおり、この生産調整に対する対応が非常に虫食い的に行われるケースがありまして、転作生産そのものの生産性向上上問題があるとか、あるいは残存して行われる稲作にいろいろな意味で影響を与えるというケースがございまして、何とか転作の形態を場所的に固まった状態、団地化を進めるということが大変大きな課題であると私どもも認識をしておるわけでございます。  そのために、御承知のとおり、五十六年から始めております第二期対策の中に、その団地化を進めるための特別の加算制度を設けたところでございますし、また、五十九年から発足をしております第三期対策におきましても、団地化を推進するための特別の加算制度を織り込んで、内地でございますと一ヘクタール単位、北海道でございますと三ヘクタールというふうな基準を設けまして、団地化転作の推進に心がけておるところでございます。  五十九年の状況で申しますと、私どもの申し上げておりますこの団地化の要件に当てはまる転作が全体の三〇%程度になっておりますが、地方公共団体あるいは生産者団体等を通じまして、御指摘のように団地化の比率がさらに一層進みますよう努力してまいりたいと考える次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 その心がけは結構でありますけれども、実質上はそういう状況がなくならないということで、立法措置か何かを必要とするんじゃないのかというふうに思うのであります。もしこのままでただ呼びかけているだけでは、恐らくこれはなくならないだろう、かえってその弊害を多くするのではないのかというふうに思います。これは今お答えはできないかもわかりませんが、検討の材料として——今の答弁ではちょっと了解しがたいのでありますが、恐らくあなたの言ったとおりにはならぬと断言してはばからないのでありまして、そういうふうなことで立法措置を含めて対応を検討してほしい、こういうふうに思いますが、いかがですか。

京谷昭夫農林水産省大臣官房審議官

○京谷説明員 御承知のとおり、現在進めております水田利用再編対策の基本は、法律制度等に基づく強制的なものではなくて、あくまで稲作農家の理解と御協力を賜って、自主的な運動として進めておるわけでございます。その中にありまして、先生御指摘のような団地化の推進ということで私どもいろいろな工夫をし、また末端での指導を進めておるところでございますが、御指摘のとおりなかなかその成果が一〇〇%達成されない。特にその傾向は都市近郊において多いわけでございます。  せっかく立法措置によって云々というふうなお話でございますが、もともとの制度が法律制度に基づくものでないということでもございますので、私どもとして、そのために立法措置を講ずるということについてはなかなか難点があろうかと思いますが、いずれにいたしましても団地化を進めまして、転作作物の生産性の向上あるいは残った稲作部分の生産性への悪影響を排除するために、引き続き諸般の努力をしてまいりたいと存ずる次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 最後の一問でありますが、現在都市計画区域内における農地というものの地位は、農地法の上から見ても都市計画法の上から見ても極めてあいまいな立場になっておる、そのために紛争が常に絶えない、こういう状況が続いているわけであります。いわゆる農林の管理する農地法の農地と、都市計画法で言う市街化区域における条件、この点がともに相矛盾するわけでありますから、その総合調整が必要になる。私の見解によれば、昭和四十三年に都市計画法ができたときに、農林省はこの都市計画法には関知しなかった。そのことから今日、この農地の存在というものそれ自体も、人格がどうなっているのかということすらあいまいになっておる。  簡単に聞きますけれども、これは法制局かわかりませんが、市街化区域内における農地とは果たして何ぞやということになるわけであります。市街化区域は常に届け出によって宅地に転換できる、農地であって農地でない、こういうこともあるわけでありますが、農地法は農地法で、農業委員会の議を経なければならぬと書いてある。こういうふうな人格の矛盾もありますので、時間が長くなることは差し控えますから、きょうは研究課題として提起をしておきまして、いずれ分科会か何かの際にこの問題はとことんまで質問することにいたします。  本日は、農民の方々の苦衷を察し、大蔵委員各位の同意を得て、水田の再編のための所得に対して税制上の優遇措置をとろう、こういう意思に基づいて委員会が開かれたわけでありますから、その趣旨を十分体して、大蔵においても対応に過ちなきを期していただきたいし、また今後、それがより有効的に農民の生産意欲をつくっていただけるような対策を講じていただきたいと思っております。  大臣が来たところでちょうど終わりということになりかけたんですが、大臣おいでになりましたから一、二問で。もう水田の方は終わりますが、大蔵としても緊急な問題でありますから。  今の円安の状況で、ある意味においては市中関係も、あるいはダウ一万千円以上の相当な株高も出ておりますし、これからの貿易摩擦の行方も不安があります。そういうようなことで、国民は、これでこのままあるいは金利の引き上げというようなことにも連動するのじゃなかろうかという不安もなくはありません。時間がありませんから、そういうことを総体的に含めて、大蔵大臣として、おなかもいっぱいになったと思いますから、ひとつきちっとした御報告なり御説明をいただいて質問を終わりたいと思います。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 二つの点から見てみますと、まず第一は、今、日銀総裁の予算委員会における答弁をも聞いておりましたが、新聞紙上できよう、いわゆる短期金利の高目誘導、こういうような記事が出ておった。それについて確かに、具体的に言えば、公定歩合等をいじればそれが一つの円高要因になるでおろうが、そういうことを自分は念頭に置いて言ったものではないという、これは否定的な答弁でございました。  で、いろんな分析がございますが、先週来とでも申しましょうか、いわゆるアメリカのマネーサプライが予想以上に大きかった。それから連銀当局者が、なお金利の先高観という印象を与えるような発言もした。そこで、いわゆるドルの独歩高、こういうような感じがしておる。きょうの寄りつきも二百六十円ちょっと上でございましたが、二百六十円七十五銭で寄りついた。しかしまた、今度はヨーロッパ通貨との比較を昨日の分でやってみますと、ヨーロッパ通貨に比べればまだ安定基調のような感じではございます。がしかし、いずれにしてもドルの独歩高という感じは、だれしも今持っております。だが、現段階で、少なくとも短期金利の高目誘導というようなものを念頭に置く段階ではなかろう。そこで、むしろ我が国の国内金融が緩んでおりますから、あんまり我が国の金融市場の金利に先安観が出るのも、また為替に影響をするだろう。いろんな慎重な配慮をして、結論から言うと、やはり乱高下——まあ乱高下とはどこまでが基準かというと、これもまた議論のあるところですけれども、それには介入で対応していくというのが真っ当な考え方であろうということでした。  ことしの一月の五カ国大蔵大臣会議をやりました際にも、大体は五カ国大蔵大臣会議というのは、十カ国大蔵大臣会議があったりするときに、それとなく寄って話し合う会でありましたのが、ポンド安からして、イギリスの方はむしろオープンにした方がいいじゃないかということでオープンになりまして、そのときにもいろんな議論を重ねた結果、結局協調介入というものも時期に応じてはやろうという合意をしたわけです。そういう協調介入の合意をしたということは、協調介入をやることそのものよりも、そういう合意をしたということが市場に警報を与えて、一時少し落ちついた。しかしまた、ドルの独歩高という感じが今日出ておるということが実態じゃなかろうかと思います。  ただ、我が国の円の立場から見ますと、私はなお円高基調を期待しておる。言葉の限界は「期待しておる」まででございましょうけれども、期待して、しかるべき経済の諸情勢、ファンダメンタルズはそれなりにいい状態にあるというふうに理解をしておるということが、ドルの独歩高の現状に対する分析ではないかな、そして円安に対する懸念というものも、いわば、なおファンダメンタルズがいいから円高基調が期待できるという表現が限界かな、こんな感じがしておるところでございます。  それからもう一つ、いわゆる対米貿易の問題でございます。政府もいろんな手をそれぞれ打っておりますが、言われておるのは、いわゆる円ドル問題のように、それは第三者が見ていいことも悪いこともありますけれども、あんなように、うまくテンポよく進めるようにほかのものもしたらどうだ、こういうのが確かに米政府当局にあろうかと思いますけれども、円ドル問題というのはいわゆる円の自由化あるいは国際化というのが究極的に、今金融大国でございますから、日本のためになるメリットの方が大きいから、やっぱり環境を逐次整備したら、それが比較的スムーズに進んでおるというふうに理解をすべきであって、個々の問題につきましては、それぞれ東京ラウンドの前倒しとかいろんなことをやっておりますが、個別的にも絶えず経済情勢の推移を見ながらこれに手を打っていくことが必要であって、特に相互の理解不足のためにいろいろなクレームがつく問題については、積極的に理解を深める努力をすれば、なお理解は深まっていくんじゃないか。  何しろ、石油価格が下がって、我が国は原材料の価格が下がって、そして米国の景気が予想以上によくて輸出が伸びていくという、ある種の構造的なものもあります。一方、それよりもかなり多い資本流出が、結果として資本不足国に対して資本提供をしておりますし、日本の資本の流出が幾らか金利を下げておるという要素も議論の中には出て、逐次理解をしていただいておるところではなかろうか。いずれにしても、やっぱりこの対米貿易問題というのは、絶えず繊細な神経を使いながらこれに対応していかなければならぬ問題であるという理解は、私もいたしております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。      ————◇—————

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 この際、昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来、理事会において御協議願いました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。  まず、本起草案の趣旨及び概要を御説明申し上げます。  本起草案は、昭和五十九年度に政府から交付される水田利用再編奨励補助金について、税制上、次の軽減措置を講ずるものであります。  第一に、個人が交付を受ける同補助金については、一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、一時所得の必要経費とみなすことといたしております。  第二に、農業生産法人が交付を受ける同補助金については、圧縮記帳の特例を設け、当該法人が交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入することといたしております。  なお、本特例措置による国税の減収額は約九億円と見込まれております。  以上が本起草案の趣旨及び概要であります。     —————————————  昭和五十九年度の水田利用再編奨励補助金につ   いての所得税及び法人税の臨時特例に関する   法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。竹下大蔵大臣。

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○竹下国務大臣 この法律案につきましては、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対いたしません。

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 お諮りいたします。  本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

越智伊平自由民主党・新自由国民連合

○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗