商工委員会 第18号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/05/24
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 流通問題小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取したいというお申し出が小委員長からありました。つきましては、小委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○粕谷委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横江金夫君。
○横江委員 私はスーパーの関係についてまずお尋ねをいたしたいと思います。 スーパーの進出に絡みまして、この五月の十四日に愛知県長久手町の商調協の委員が多額の現金を受け取ったり接待を受けた事実が明らかになってまいりました。商調協委員に、金額的には三百万円を贈る、他のまた商調協委員に接待の攻勢をするとか、この大手スーパーは、住宅建設業界大手の大和ハウス工業がホームセンター長久手店のスーパー進出の工作の実態であるわけであります。 商業活動調整協議会、いわゆる商調協委員は、公正かつ誠実にその職務を遂行することを義務づけられており、この事件の実態を重視した管内の名古屋通産局は事実関係の調査を始めることを報じているわけであります。全国各地に進出する大手スーパーが商調協委員を接待する、金を贈るのは半ば常識的にもなっていると言われているわけでありますが、今回のこの事件はいみじくもそれを証明した形に相なったと私は思うのであります。金を贈ったスーパーの開発部長も、贈られた商調協委員も、額面三百万円の小切手を受け取った事実を実は認めておるわけであります。金の受け渡しがあったのは、商調協で出店を認める方針が固まったその時期であります。私は、商調協委員が多額の金品を受け取ったその実態があからさまになったのは今回が初めてじゃないかというふうに思うのであります。 そこで、まず第一に村田通産大臣にお尋ねいたしますが、この事件をどのように受けとめておみえになるのか。もちろん厳しく対処されるのは当然でありますが、この処分も含めて明らかにしていただきたいというふうに思うのであります。解決の仕方いかんによっては商調協そのもののかなえの軽重を問われると私は思うのです。また全国の商業者や消費者はかたずをのんでこの成り行きを私は見守っていると思います。そういう意味合い等から、まず大臣にこの問題の考え方を示していただきたいと思います。
○村田国務大臣 横江委員にお答え申し上げます。 商調協の委員はその調査審議に当たって疑惑を招く行為があってはならないことは御指摘のとおりでございまして、本件がもし事実とすればまことに遺憾なことであると思います。 ただ、本件につきましては、第二種大規模小売店舗であることから都道府県知事に権限が移譲されておりますので、現在通産局を通じて愛知県とともに事実関係の把握に努めているところでございます。したがって、どのような措置をとるかにつきましては、その事実関係の把握をまって検討をしてまいる所存でございます。
○横江委員 名古屋通産局の流通課長はこの件に対して、商調協委員はその職務の内容から判断をすると公務員に準ずる立場にあるわけでありまして、職務に絡んで金をもらったということが事実ならば非常に残念な行為だということを言っておみえになるのであります。 また商調協の規則の第四条にも、委員のあり方については「常にその品位と信用を保持するとともに、公正かつ誠実にその職務を遂行しなければならない」。商調協委員の規範といたしましては、私的な経済的利益を得るなど、委員としての社会的信頼を損なう行為は厳に慎まなくてはならないというふうに言っておるわけであります。 私は、今回のこの事件の商調協委員は、みずからの置かれている厳正、中立の地位を踏みにじって、商調協の審議が金で左右されないために設けられております商調協の規則やその規範にまさに触れておる、このように断ぜざるを得ないと思うのです。大臣はまだ今のところ事実関係を明確にしてからという話でございますけれども、流通課長も言っていますし、そして当事者間は金の受け渡しの事実を認めておるのです。今、事実関係、もちろんそれは慎重にしなくてはいけませんけれども、こういう規範とか規則から、そして公務員に準ずるという立場からいって、大臣はこれについてはどのようにお考えになっているのか。 なお、ここであわせて、警察庁も当然この問題については承知をしてみえると思いますが、今申し上げました公務員に準ずる立場にあると明言をしてみえる流通課長、その上からいきまして、商調協は法に基づいた一種の公の機関であると私は思うのです。こうした機関に従事する者に対する買収行為は贈収賄とみなすのが法の精神であるという意見も実は強いのであります。そういう点からまいりまして、この事件に対する警察庁の対応を含めてお尋ねをしていきたいと思っております。 まず、大臣から御答弁いただきたいと思います。
○矢橋政府委員 実は、私ども、本件を承知をいたしましたのは先週の月曜日でございます。ありていに申し上げますと、新聞社からの問い合わせがございまして、そこでこういうことがあったと言われているということを承知した段階でございまして、現在、その事実関係の把握に最大の努力を払っているところでございまして、その結果を待って必要な措置をとりたいということでございます。この点は先ほど大臣から申し上げましたとおりでございます。 先生御指摘のように、商調協委員につきましては、その職責から申しまして大変重要な責任を持っている役職でございます。これにつきましては、商業活動調整協議会規則、省令でございますが、その中におきまして、先生が御指摘になりましたように、「常にその品位と信用を保持するとともに、公正かつ誠実にその職務を遂行しなければならない」と定められているところでございますし、また同じく省令で、「委員が前条の規定に違反したと認める場合には、当該委員に弁明の機会を与えた上で、これを解嘱することができる」ということを規定しているわけでございまして、少なくとも委員の職責を解嘱するということで一応の担保をしているわけでございますが、さらにその趣旨を徹底するために、私ども、通達の中におきましても、商工会議所等の長は商調協委員規範をつくりまして、委員としての社会的信頼を損なう行為は厳に慎むということにつきまして各委員に周知徹底を図るよう指導しているところでございます。 私どもといたしましては、先生御指摘のとおり、大変重要な職責でありますところの商調協委員の公正さが疑われることのないよう、関係者に対し十分徹底を図ってまいる所存でございます。
○上野(浩)説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の事案につきまして、先日現地におきまして新聞報道されていることにつきましては、愛知県警察も承知しているところでございます。同県警察におきましては、御指摘の事案がただいまお話しありましたような犯罪を構成するかどうかという点も含めまして、現在、情報収集に努めているところでございます。
○横江委員 今の通産省の審議官の御答弁の中で、まず、この事件が発覚をしてから、商調協の委嘱者の責任者というのですか、十五日に呼び出しをしてみえるわけです。日にちは、きょうは二十四日でございますからもう九日もたっておりますが、その事実関係がまだ明確でないと言う。私は、この問題というのは世間の目も注目している関係から、もう十日もたっている中で、今のような答弁は非常になまぬるいと思うのです。 いま一つは、本人に弁明を与える、その話もまだ聞いておりません。そして、通達によってはその委員の解嘱、実はこの方は、この大手スーパーは昨年の十二月にオープンしまして、この委員の方の任期は五十七年九月から五十九年九月で、もう職にないのですね。今あなたは、解嘱ということで担保していると言われましたけれども、もう担保の意味はないのですね、解嘱しているのですから。こんな空文な御答弁というのは、あなたは真剣にお考えになってみえるのでしょうか。今委員であるならば、解嘱ということはそれなりに担保だと私は思うのです。もうやめているのですよ。私は、こんなそらぞらしい答弁はないと思います。 だから、その辺から、担保であるならば実のある担保にしなくてはいけないのですよ。その担保を明確にしていただきたいということ。そして、十日間もたっているのに事実関係がまだ明確にならないということ。二種だからといって県の責任じゃなしに、大店舗法からいっても通産省なんですよ。私は、法律の上からこの対応の仕方というのは非常になまぬるいということを申し上げて、いま一度答弁いただきたいと思うのです。 なお、警察の関係につきましては、犯罪を構成するかどうかを含めて情報収集しているということでございますから、ぜひ慎重にしていただきたいということを申し上げて、結構でございます。
○矢橋政府委員 まず、調査が遅いという御指摘をいただいたわけでございますが、これは先ほど大臣からも申し上げましたように、第二種案件でございますので、名古屋通産局及び愛知県が一緒になりまして調査をしつつあるわけでございます。これは、この商調協の設置者でありますとともに、かつ委員の委嘱者でございます商工会長からまず事情を聞くというのが最初のやるべきことであろうというふうに考えたわけでございまして、そこで、五月十五日の午後、商工会長を呼びまして事情を聞きましたが、商工会長とされましてはまだ状況をつかんでいないということでございましたので、早急に事実関係の把握を要請したわけでございます。 ただ、これは調査の入り口でございまして、その商工会長からやがて出てまいります報告を受けた上で、必要あらばさらに詳細な調査を行う方針でございます。若干のろいという御指摘がございますが、順序としてそのような順序を踏んでいる次第でございます。 それから、確かにこの委員本人は、今年の一月十一日で任期が切れましてやめている状況になっているわけでございますから、先ほど私から申し上げました解任というペナルティーというものは意味がないことは御指摘のとおりでございまして、先ほどは一般的な場合について申し上げたわけでございます。 このことでございますけれども、もう既に委員をやめておりますので、本人に対して法令あるいは法令に準ずる全体の体系の中での処置ということは、正直申しまして、特に具体的なすべはないように思うわけでございますが、もし、事実が一〇〇%明確になりまして、しかも、その内容がけしからぬ内容であるということになれば、そのことが世間に公になって、いわゆる社会的な制裁ということはあり得るのではないだろうか。ただ、これは既に委員をやめておられる方にかかわることでございますので、具体的な法令に基づく、あるいは法令に準ずるものに基づくペナルティーはとれないというのが実情でございます。 いずれにいたしましても、実情把握ということを先にいたしまして、その事実に基づいて云々しなければならないことだと思っております。現在は、先ほど、のろいという御指摘を受けましたけれども、とにかく調査中でございますので、いずれにしても調査の結果を待って考えたい、かように考えておるわけでございます。 きょうのところは、そのような状況で御了承を賜りたいと思います。
○横江委員 結論を言いますと、その委員の社会的な制裁、社会的ないわゆる世論にまつんだというと、通産省は何もしない。あなたも御存じだと思いますが、このスーパー進出に当たっての商調協委員の先ほど申し上げましたような金にまつわる問題から飲食の問題、もう公然としておるんですよ。このこと自体が例えば事実関係が明確であったにしても、けしからぬ行為であったにしても、社会的な制裁というあなた任せの話であるとするならば、これはもうもらい得だ、いや、もらい得だというよりも、わからないような状況で金を贈りながら、しかも大手スーパーはますます手の込んだやり方をしてくると私は思うのです。今これが一番の歯どめだ。委員が金をもらったという事実を認めているというのは初めてのケースなんです。この初めてのケースに対して社会的な制裁をまつだけでは、一体全体通産行政、スーパー行政は何たるものだということを私は声を大にして言わざるを得ないと思うのです。 大臣、一体社会的な制裁だけでいいのでしょうか。この前、上坂先輩も言いましたように、北海道あるいは大阪でもありましたし、全国どこでもそうなんですよ。それにもかかわらず、社会的な制裁で結構でございますという姿勢は、私は全くなまぬるいと思うんです。 同時に、事実関係を、これ以上九日間のことは申し上げませんけれども、聞いても事情がわからなかったからまだそれから聞いてない、十五日から今まで聞いてないなんて、こんな積極さのない事情聴取もおかしいと思うのです。であるとするなら、今大店舗法に罰則がないということで、例えば法的なそういう改正についても私は当然考えなくてはいけないと思うのです。その辺についてはどうなんでしょうか。
○村田国務大臣 今回の事件について横江委員の御指摘になる点はよくわかります。警察庁の方からも御答弁がございましたように、司直の手をまって裁くものは徹底的に究明をしていただく、これは当然だと思いますし、それからまた社会的な処断と申しますか、そういったことはいろいろな手続を踏んで、必ずそれはしっかりとPRをするようにしてまいりたいと思いますし、また、全国的にそういった信頼を傷つける行為がないようにという委員の御指摘もよくわかりますので、横江さんの御発言の趣旨を踏まえて、なお通産局あるいは県と至急に連絡をとってまいりたいと思います。
○横江委員 大臣にその辺はもっと積極的に、御理解をしていただいていますが、強い姿勢で臨んでいただきたいと思います。 問題なのは、この大店舗法に罰則がない、そこに裏づけというか担保がないわけですね。何でもかんでも罰則をつけなさいという意味じゃないんですけれども、しかし、こういう不幸な事態が出てきますと、罰則がないということでやはり野放しになるんじゃないかということが、この事件を見て痛感できるわけなんです。法改正というのはいろいろ難しい問題があるかもわかりませんけれども、しかし緊急の要は、また世間の信用というものを含めて考えた場合に、当然通産省は大店舗法あるいはまた商調協規則等も含めながら法改正の中で対応していくというような、そういう積極的かつ前向きな姿勢が出てきてもしかるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○村田国務大臣 商調協の委員につきましては、政府委員からも申し上げておりますが、商業活動調整協議会規則、これは省令でございますが、その第四条で「委員は、常にその品位と信用を保持するとともに、公正かつ誠実にその職務を遂行しなければならない」、さらに第五条では「委員が前条の規定に違反したと認める場合には、当該委員に弁明の機会を与えた上で、これを解嘱することができるものとする。」というふうに、委員の職責を解嘱するということで担保をしておる。これは矢橋審議官が申し上げたとおりでございます。通達の方でも、商工会議所等の長は商調協委員規範をつくって、委員としての社会的信頼を損なう行為は厳に慎むこと等について各委員に周知徹底を図るよう指導しているところでございます。 通産省としては、こうした具体的な事例があったわけでありますから、今後商調協の審議の公正さが疑われることのないよう、関係者に対していろいろな機会を通じて十分徹底を図ってまいりたいと思います。 なお、法改正の問題は今後の問題でございますので、検討をしてまいりたいと思います。
○横江委員 それでは、この問題については法改正も含めて十分検討していく、これに私どもとしては期待を持ってまいりたいと思います。 次に、公共施設の電気料金の関係についてお尋ねをしたいと思います。 学校などの公共施設の電気代、基本料金が、その施設の全電気設備を同時に全部使ったとき、いわゆるコンセントやらいろいろな余分なものがたくさんついているわけですが、これ全体を使った最大電力で契約されているのが多いわけであります。この公費のむだ遣いというのですか、最近この契約容量の適正化ということについて多くの自治体が乗り出しているというふうに実は伺っているわけであります。 例えば、愛知県の稲沢市におきましては、市内に十四の小学校、六の中学校など、二十八の公共施設があるわけでありますが、それぞれのピーク時の電気使用量を調査をしました結果、例えば稲沢中学の場合には契約容量が二百五十キロワットでありますけれども、実際には半分以下の百キロワットで十分であるということがわかったわけであります。同じように見直しを必要とする施設がこの稲沢の場合二十二もあるということがわかり、しかも、その契約容量を半分から二割くらいまで節約できることが明確になってきたわけであります。 これら公共施設の過大契約の見直しによって、稲沢市の場合には年間約一千五百万円も電気代の節約ができるというのであります。名古屋にしてもそうであります。いま一つ、愛知県の一宮市におきましても、十六小学校全部過大契約のため、むだ遣いが多いということで、この十六校すべて見直しを進めて、年間四百二十五万円も節約ができるという数字も実は出てまいっておるわけであります。 稲沢市、一宮市の一例を申し上げただけでもこういう実態でございますが、通産省、とりわけ資源エネルギー庁は、省資源、省エネの立場から、自治体のこれらの実態については十二分に掌握をしてみえると思うのでありますけれども、まず、それを明らかにしていただきたいと思います。
○山本(幸)政府委員 お答え申し上げます。 電気の供給につきましては、通産省の認可を受けた供給規程に基づきまして電力会社と需要家との間の需給契約によって行われている、これは先刻御承知のことでございます。したがって、当省としてはそういう個別の需給契約の内容については全部承知しているわけではございません。ただ、電力供給の中で五百キロワット以上の大口につきましては、これはほとんどの需要家については契約値と実績値は近似している、非常に近いということを聞いてございます。 契約電力が五百キロワット未満の場合でございますが、これにつきましては受電設備または負荷設備、これはトランスとモーターその他でございますけれども、それをもとにした計算値によって契約を行う方式をとっておりまして、電力使用の実績値を基準にしていないという契約をいたしておりますので、個別の実態については把握しがたいという実情にございます。 なお、先ほど御質問の公共施設ということでございますと、東京近辺には非常に多うございますので、これにつきましてサンプリング調査その他はいろいろやっております。その結果で見ますと、いわゆる契約電力と実績値との比率は最近は非常に近づいておるということでございまして、九〇%以上は非常に乖離が少ない。さらに実際に乖離している場合についてもそれを近づけようということで、実際に契約電力をそれに近づけて減少しているというケースも非常に多く見られる状況でございます。
○横江委員 当事者間の需給契約だ、そのことについては私もそのとおりだと思いますが、省エネ、省資源という立場からいくならば、今申し上げましたように実態というものは放置できない。やはり地方自治体に対して節約、省エネという立場でエネルギー庁は当然掌握をするべきだ。当事者間の問題だけじゃなしに、そういう別のサイドからも考えるべきだと私は思うのです。私が今申し上げたのはたった二つなんですね。稲沢、一宮で年間千五百万、五百万といったら、小都市では大変なことなんですよ。今通産省はそういう答弁ですが、自治省はこれについてはどのように承知してみえますか。
○横田説明員 実態を数字的には把握しておりません。ただ、この問題が非常に重要な御指摘だということは私ども十分認識しておりまして、「地方財政の運営について」という事務次官通達を出しておりますが、この中では物件費等の一般行政費について安易に前年度の実績によるというようなことがないよう十分注意するようにというようなことを各地方団体に申し上げておりますし、さらに本件の問題につきましては、去る五十九年五月十八日の衆議院決算委員会における決算委員長の御指摘等も受けまして、昨年、文書をもちまして地方公共団体に対し、改善すべき点が認められる場合には早急に改善措置をするようにということを指導しておるわけでございます。
○横江委員 そのような通達を出されて、実際やっている自治体、やっていない自治体、通達の出しっ放しじゃなしに、それこそその集計、掌握をしてみえなくちゃいけないと思うんですね。さもなければ言いっ放しで終わると思うのです。今の「地方財政の運営について」という貴重な通達も結果的には担保されないわけなんですね。エネルギー庁なのかあるいは自治省なのか知りませんけれども、現在自治体においてどの自治体がやってない、それを一々名前を挙げてもらうということまでは私考えませんけれども、数字的に大体これだけの数はやっています、これだけの数はやってません、これは当然承知してみえなくちゃいけないと思うのです。この辺を答弁いただくと同時に、稲沢の千五百万円料金が助かるというのは御存じでございましょうか。
○横田説明員 実は、数字的にどのように把握するかということは私ども内部でも検討したわけでございますけれども、本件の通達以前から実際問題といたしまして各地方公共団体はいろいろな形で節約をしている、そこら辺の関係をどうするのか、あるいは現実に気がつかない場合には数字的に上がってこないというようなこともございますので、当面、数字的に把握するというよりも、繰り返し地方公共団体に対し、国会でこういうような御指摘もある、したがって、十分やっていただきたいということを申し上げてまいりたいと思っております。実は私ども自治省の財政局には財務調査官という制度がございまして、都道府県、市町村と常時接触を保っております。したがって、その中で繰り返し申し上げていった方がより実効が上がるのではないかと考えておるわけでございます。 それから、具体的に稲沢の例を承知しているかという御指摘でございます。必ずしも稲沢ということだけではなくて、先般の国会の御審議等もございましたので、そういう形で各地方公共団体のかなりのところで是正措置がなされ、その場合にはかなりの成果が上がったと私ども承知しておるところでございます。
○横江委員 稲沢のような小都市が千五百万というのは、ほかの市町村がお聞きになってもびっくりされると私は思うのです。だから通達でも具体的にこうだよと言う、これが親切だと思うのです。だから稲沢を知っていますかと聞いたのです。そういう事実を含めて自治体に対して指導していく。私は今伺っていましても思うのですが、通達をするだけで成果が上がるんですというのはちょっと違うのじゃないでしょうか。通達を出して効果を見、実態を見ながらそれから通達を出していく。その通達の中身も変わってくると思うのです。通り一遍の同じような通達だけではちょっと味がないのです。だからその辺について、通達、実態、通達、掌握ということが必要じゃないでしょうか。僕はそういう意味合いからも、これからそういう面の考え方もぜひ入れていただきたい。これも後から答弁いただきたいと思います。 自治体の財政が非常に不如意だという点から問題を申し上げました。いま一つは、いわゆる省エネの問題も私はあると思うのです。財政的に電気代が浮く問題と、いわゆる省エネということもこの中にあると思うのです。こういう問題についてエネルギー庁はどう考えてみえますか。今のような公共施設の契約の見直しというのは省エネに余りつながらない、こんな考え方なんでしょうか。
○浜岡政府委員 御指摘のとおり、省エネルギーは全国民的課題であり、続けると思っております。契約電力の適正化につきましては、場合によりましては設計上の余裕をカットするというような対応が行われる場合もあろうかと思います。しかし、使用いたしますエネルギーの量を見直すことによりまして省エネルギーにつながっていくというケースも多々あろうかというぐあいに考えております。したがいまして、省エネルギーという観点からも契約電力の適正化ということは大きな意味をもっておるのではなかろうかというぐあいに思っておるわけでございます。
○横江委員 このような過大契約というのがどうしてこんなに多く自治体に出てきておるのか、それはいろいろな理由とか事情があると思うのですね。だけれども、なべていきますと、ほとんどが過大契約しておるわけなんですね。これは、電力会社には申しわけない話だけれども、電力会社は、それは過大契約すれば契約に基づいて基本料金をもらうのですから、それはいいかもしれませんけれども、税金を払う方はたまったものじゃないと思うのですね。どうしてこんなに過大契約が出てくるのか、その原因は何なのか。これは省エネが多々あるという、省エネという面からも考えなくちゃいけない、適正化ということを通産省、今言ってみえますね。私は、その意味と、そして自治省は、どうしてこんな過大契約が生まれてくるのか、その原因は何なのか、これはひとつ一遍わかりやすく説明してもらえませんでしょうか。
○浜岡政府委員 私個人の経験で恐縮でございますが、先般家を建てかえました際に、電力のレベルをどうするかということを考えました際、やはりややたくさんの機器を使いました結果ヒューズが飛ぶというようなことがあっても困るなということも考えたのは事実でございます。多分、多くの場合、ある程度の設計上の余裕あるいは時間的にロードが多くかかった場合への対応というような気持ちがユーザーサイドにも働くケースが多いのではなかろうかというぐあいに思っております。 しかし、国会の場等を通じまして、ユーザーサイドにおきましてもこの問題についての認識が高まってきておるように思います。今後とも関係方面と御協力いたしまして、ユーザーサイドからこの問題について真剣に積極的に電力会社と相談していただくような雰囲気をつくっていくことが必要かと思います。また、電力会社のサイドにおきましても、ユーザーサイドからの御相談を受けました場合には、本当に真剣に積極的に御相談に乗っていくというような構えをつくっていくということが必要なんではなかろうかというぐあいに思います。
○横田説明員 過大契約は、今通産の次長さんがお答えになったことが私も大きな理由だと思います。 ただ、単純に先例を踏襲したがために過大契約になったのであれば、これは見逃すべきことではないと思います。その点も含めまして、さらに徹底していく必要があるのではないかと考えております。 それから、先ほど御指摘の、通達、実態、通達、実態の繰り返しでなくちゃ実が上がらないじゃないかということでございます。言葉足らずで恐縮だったのですが、私ども一片の通達だけで事足れりとは思っておりません。あらゆる機会を通じて今後も徹底していきたいと思っておりますし、さらにその中で、どのような成果が上がったのかということも逐一把握してまいりたいと思っております。なかなか、全国一律に把握することが適当かどうかという問題があるかと思いますが、先生御指摘のように、実効の上がった団体について他の団体にお知らせするということは非常に大きな効果を生むものであろうと思います。そういう趣旨も踏まえて努力してまいりたいと思っております。
○横江委員 今のこの適正化契約のためにいわゆるPRと、それからそのような雰囲気をつくっていく。これは、雰囲気をつくっていかれるのは、今まででも随分国会とかなんとかの話であったと思うのですが、実際にその雰囲気のつくり方ですね。これはどんな手だてをお考えになってみえますか。ただ、今のお話のように通り一遍の、雰囲気をつくってまいりますだけでは、大きな成果は出てこないと思うのです。こういう手段を使って、こういう機関を使ってこういうふうに、あるいは省エネだという立場からパンフでもって通産省自身が宣伝をするとか、いろいろな手だては私はあると思うのです。 その辺の、電力会社に対して、あるいは需要家に対して具体的なその雰囲気づくり、その高揚についていま一度御答弁いただきたいと思います。
○浜岡政府委員 ただいま対応の方向につきまして基本的には先生の方から強い御示唆をいただいたと承知いたします。 やや繰り返しになろうかと思いますが、ユーザーサイドで、まさに自治省から御指摘のございましたように、実例に即してこの問題についての認識を深めていただくということがまず第一であろうかと思います。 それから、私どもも省エネルギー運動というものをやっておるわけでございますので、そういった運動の中にもこの問題を適宜取り込んでいくというようなことも考えてみたいと思います。 それから電力会社サイドにおきましては、従来からこの問題についての認識を深めるように指導してまいっておるところでございますけれども、一段と積極的に指導をしてまいりまして、真剣な御相談あるいはコンサルティングというようなものを展開していくようにいたしたいと存ずる次第でございます。
○横江委員 先般、名古屋市会でもこの問題が問題になったときに、建築局長はこんな答弁をしているのです。「電気設備容量の設備基準について、電気事業法に基づきます通産省令、電気設備技術基準等に準拠しており、現在のところ、設計上の最大電気使用量の五〇%から七〇%を基準に設備をしております。」こう言っているのですね。五〇%から七〇%。だから、この局長の答弁では、契約が過大なんですという答弁になっているんです。これは議事録にもしっかり出ています。 そうしてまいりますと、この通産省令や、申し上げましたその技術基準等の見直し等々によって、五〇、七〇を若干下げるとかという形の中で対応できるということに、これは公の場合ですが、どうなんでしょうか。これは市の本会議の答弁でございますので、これもひとつあわせて御答弁いただきたいと思います。
○松田政府委員 ただいま先生御質問の、電気設備に関します技術基準でございますが、この技術基準は設備の保安を維持するためにいろいろな設備として持つべき、例えば耐熱、温度上昇に対します余裕でありますとか、あるいは電流をどれぐらいまでオーバーに流せるかというようなことを決めている基準でございます。今議論になっております最大の負荷に対しましてどれぐらいの余裕を持った契約をするかというようなことは、この技術基準は全く決めておりませんし、本来その目的のための基準ではございません約 したがいまして、その議事録を私も見ておりませんので、どういう趣旨でその御発言がなされたか、今コメントすることはできませんけれども、技術基準といいますのは保安のための設備の基準でございまして、契約の基準ではないということを御承知願いたいと思いますし、もちろん、その契約をどうすべきかという問題は、別の立場で問題があるということは認識しておる次第でございます。
○横江委員 これは問題の中身は一緒なんですが、保安、安全ですね、これを高く見る、こういう指導があるんだということから過大契約につながる。保安という立場からあなた方のその指導に基づいていくと、結果的には使用量については過大契約をせざるを得ない、こういうのが、議事録を読んでもらえばわかるのです。だから、これに基づいているということを名古屋市の建築局長が明確に答えているのです。あなたの方は、今、これから読みますという話じゃなしに、知ってみえると思うのですよ。こういうように、これに準拠しながら過大契約をしていますというような答弁を局長がしていますから。 だから、その辺も含めて、私は、先ほど御答弁がありましたように、適正な契約にこれから積極的に取り組んでもらう、今のこの問題も含めてこれから強く取り組んでもらう、こういうことで、公の施設については終わってまいりたいと思います。 しからば、民間の場合はどうなんでしょう。私は、民間の場合についても過大契約が随分多い、ユーザーは知らないうちにそうなってしまっているというのが非常に多いのじゃないかと思うのです。これは週刊誌にも出ましたが、最近は景気は確かに拡大基調、よくなってきているとはいえ、低成長時代でございますから、民間企業、会社も経費の節約には当然血眼になっているわけなんです。それが企業の生きる道であることは当然なんです。もし月々の電気代が三割も四割も安くできたら民間企業の経営者は当然飛びつく。ところが、実際にそれが出てきたというのがこの前も週刊誌に出ておりました。 私は、週刊誌的な発想で物を言っているわけじゃありません、事実として言っているわけなんです。ある省エネルギー研究所が開発をした新装置で、何か無効電力を有効利用する新装置を開発したということでありますけれども、この節電システムを設置するだけで電気代が、先ほど申し上げましたように三割も四割も五割も節約できると言われているのです。これが事実かどうか。私は、今ここへ全国から中小企業者が新システム、新装置を設置してくれと言って大変殺到しているという話を伺っているわけで、大反響なんですね。果たして電気代節約の効果というのが本当に三割も四割もあるのかどうか。名前は言わないでもわかると思いますが、会社はたくさんありますが、週刊誌に出ているところからいって、この大きな効果があるのかどうかをひとつお答えいただきたいと思います。効果だけで結構です。
○松田政府委員 今、先生お取り上げになりました、最近の新しい設備をつけることによって効果があるかどうかという御質問でございますが、この多くは、先ほどから議論になっております契約電力を変更することによって電気料金を安くするために受電設備の容量を小さくするということをやっているわけであります。したがいまして、受電設備の容量の変更が非常に合理的でかつ安全で問題がないとすれば、電気料金節減が実際上起こって問題ないというふうに考えております。
○横江委員 受電設備の契約内容を小さくしていくということなんです。千何百件もあるというのです。 これはちょっと読ませてもらいますが、電気料金の計算ということで、昭和六十年四月三十日に出しているのですが、電力契約が三百八十三キロワット、改善後に二百六十八キロワット、その企業はそれでよかったんだ、それまで余分に契約しておったんだ。そして、それじゃ電気料金はどうだといいますと、この企業でまいりますと、年間の電気料金が、二千七百二十六万七千四百二円支払いしておったのが改善後に二千四百三十一万七千五百七十一円、二百九十四万九千八百三十一円浮くわけです。三百万も浮くわけなんです。 私の入手した資料によりますと、これはもう千三百件以上だというふうに伺いますが、この名前を読み上げていきますと、名古屋であろうが東京であろうが、例えば東京の飯田百貨店とか、たくさんあるのです。それも、今のトランスを小さくすることによって、百五キロワットが四十八キロ、二百七十キロが百七十一キロ等、これだけたくさんの効果があらわれていると非常に喜んでいる。こういうことが明確に出てきておるわけなんです。この装置を導入したことによってユーザーはもろ手を挙げて喜ぶ。一年間の電気料金が一億円以上節約できた。従来の電気料金が三二%も節約できて、一カ月に二十七万円も電気代が助かったという焼肉屋さんも週刊誌に出ていました。聞きましたら本当だというのです。貸しビルや病院、ホテル、銀行、スイミングスクール、出版会社、会社というものは何でもいいのですね。今私が資料を申し上げましたように、これだけたくさんの方が喜んでいるのです。今あなたの話によると、効果があることはわかりましたが、しからば安全性についてはどうなんでしょう。
○松田政府委員 現在までに既に行われておりますトランス容量の減少のやり方が、負荷実態から見て安全上問題があるかどうか、各個別に全部調べておりませんが、少なくとも現在までは大きな安全上の問題が起こったというふうには聞いておりません。しかし、一般的な傾向といたしまして、負荷実態をよく調べた上でそれが行われているとすれば安心できるわけですが、簡単に割り切りまして、ただ料金を安くするためにトランスの容量を削っていくという傾向が極端に行われますと、時によっては設備に対して非常に大きな負荷電流が流れるという可能性が出てまいります。そういう場合にはもちろん安全上問題があるわけでございますので、その容量の選定が非常に重要であると考えている次第でございます。
○横江委員 今まで千三百件のうちの一件も事故がなかったというのです。全部が全部お調べにならぬと思いますけれども、たまたま保安協会の人に、この新装置の導入は細い電線に大量の電気を流す、だから熱が出てきてパンクするのじゃないかと言われた。ユーザーは素人でございますから、温度計ではかったら全然熱が出なかったとか、何か笑い話のような話が出ているのです。導入後一週間ぐらい保安協会の人が毎日来てあらを探した。ところが最後には、いい勉強をさせてもらいました、何もないのです、安全ですと言って舌を巻いて帰られたということも出ているわけですね。千何百件が全然ない。そういう点から、ユーザーが非常に喜んでいるということからいって、中小業者に対して通産省としてももっと積極的に取り組んでいいんじゃないでしょうか。宣伝しているわけじゃないのですよ。積極的に取り組んでいいんじゃないかという気がするのです。 ただ心配なのは、ちょっとここで申し上げたいのですが、例えば老人ホームでこれを設置したら月に五十万円も電気代が安くなった。こういう老人ホームだとかスーパーだとか、体の不自由な方あるいは人の集まるところでこのような装置を導入して事故にでもなったら大変だと思うのです。そういう意味からいって、安全の上にも安全を期さなくてはいけませんけれども、今までの形では事故がなかった。その辺からいきまして、時間もありませんけれども、中小企業者が非常に喜んでいる。これは省エネにつながるかどうか知りませんけれども、少なくとも企業にしたら負担が軽くなる。エネルギー庁は、公共施設と同じように中小業者に対しても、こういう実態がある、しかも安全だというようなことを含めて取り組んでいかれるのは当たり前のような気がするのですが、どうなんでしょうか。
○浜岡政府委員 御指摘のとおり、技術面の創意工夫と安全面の配慮のバランスをどうとっていくかというところがポイントであろうかと思います。御指摘のように実施の事例もたくさん存在しておるわけでございますので、私どもの方もその辺をよく見きわめながらそのバランスをどういうぐあいにとっていけばいいか、あるいはそのバランス感をどういうぐあいに広く浸透させていけばいいか、一層工夫をしてまいりたいと存ずる次第でございます。
○横江委員 もう一つだけお尋ねしたいのですが、例えば需要家に対する公平の原則というのがあるわけですね。この新装置をつけた方が四〇%、五〇%電気代が安くなる。ところが、つけない方は従来と同じなんだ。端的に見ると非常にアンバランス、需要家に対する公平の原則を欠いているというような感じが出てくるわけでございます。全部一本にしてしまうのか、あるいは全部装置をつけさせるのか、何か考えなければ需要家に対する公平という大原則にもとると思いますけれども、この辺について御答弁をいただいて質問を終わりたいと思います。
○浜岡政府委員 冒頭申し上げました私的な経験と関連をいたしますけれども、ユーザーサイドで省エネなりあるいは負担の適正化という観点からロードのかけ方についてかなり強い節度を持っていただく場合と、それからある程度アローアンスをお考えになる場合があろうかと思います。全く一律に一つの考え方を適用していくというのも難しいかと思いますが、しかし、そういう実例があるということはユーザーに十分知っていただく必要はあろうかと思います。適正な情報を供与しながらユーザーサイドの的確な選択を待つという仕掛けを考えていきたいと存じております。
○横江委員 終わります。
○粕谷委員長 これにて横江金夫君の質疑は終わりました。 続きまして、水田稔君の質疑に入ります。水田稔君。
○水田委員 産構法に基づく基礎素材産業の構造改善、ずっと進めてきたわけですが、単純平均で言いますと、通産省の発表によりますと五八%が処理済み、こういうことになっておる。通産省はこれは着実に進行しておるんだ、こういうぐあいに見ておられるよってあります。 その中で私はきょうは石油化学の問題についてだけお伺いをしたいと思うのです。 第一番目には、エチレンセンター、これは石油化学の基本になるわけですが、エチレンセンターの構造改善は、設備処理は一体どういうぐあいに進んだのか、あるいは生産の受委託とかあるいは共同化といったいわゆる集約化はどういうぐあいに進んだのか、あるいはまたこのことによって稼働率がどうなったのか、あるいはコストの点でどういうぐあいなプラスが出てきておるのか、そういったいわゆる効率というのがどういうぐあいになったかということを、この全体の構造改善の進行の中で通産省としてはどういうぐあいに把握しておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○野々内政府委員 御説明申し上げます。 まず、エチレン製造業の中の設備処理でございますが、これは本年三月末をもって一応終了するということが目標になっておりまして、二百二万トンの設備処理が現在まで行われております。したがいまして、生産能力は六百三十五万トンから四百三十三万トンに縮小したということになるわけでございます。目標が二百二十九万トン程度でございましたので、約九割というような目標達成率じゃないかと思っております。 稼働率は、五十九暦年しかまだ持っておりませんが、ここでは平均能力が年間通しますとまだ五百六十万トン程度残っておりますので七七%程度でございますが、現在のように四百三十三万トンまで設備能力が縮小されますと、ことしのエチレン生産、どのくらいになりますか、まだ不確定な要因がたくさんございますが、四百万トンというふうに考えますとほぼ九割に近い、九割前後の稼働率になりますので、設備処理面から見ました構造改善というのはかなり進展をしていると考えていいんではないかと思っております。 それからそのほか生産の受委託等御質問がございましたが、産構法の制定当時はエチレン製造業は十四社十八工場ございましたが、その後設備処理の実施とか、あるいは高効率設備への生産集中というものが行われました結果、現在ではこれが十一社十三工場に集約されております。また、これらの各社とも省資源あるいは省エネルギー等の合理化投資を積極的に行っていると承知いたしておりますが、毎年通産省では設備投資の調査を行っておりますが、その中で石油化学産業につきましては、省エネルギーあるいは合理化投資というようなものが全投資の約四割ぐらいに達しておりまして、各社とも合理化投資に非常にウエートを置いているということが言えるかと思います。
○水田委員 答弁漏れなんですが、生産の受委託とか共同化はどういうぐあいに進んでおるのかということと、それからもう一つは、合理化投資いわゆる省エネ投資が行われているということじゃなくて、そのことによってどういう効果があらわれてきたのか。これはもちろんいわゆる稼働率によるコストの違いも出てきましょうし、そういうことで新しい設備投資による効率の向上あるいは稼働率の向上、そういった点でそういう合理化なり省エネ投資をやったことがコストに、細かい数字はわからなくても大体どういう効果が出てきているのかという二つの点を、これは答弁漏れと思いますので、お答えいただきたいと思います。
○野々内政府委員 まず生産受委託等でございますが、先ほど申し上げましたように十四社十八工場から十一社十三工場に減ったわけでございますが、これは浮島石油化学が受け皿になりまして三井石化、日本石油化学、こういうものが工場をとめてそちらに生産を委託するという形が行われたものが一つと、それから水島に三菱化成がございますが、これが水島エチレンに生産を委託することによって設備をとめるという形を行いまして、その結果、工場の数が減ってくるということになっております。 それから、先生の御質問になりましたこういう合理化投資等によって一体どの程度コストが下がったかというのは、これは非常に難しゅうございまして、私どもそこまで、まだ合理化が行われている途中でございますので、調査をいたしておりませんが、このエチレンセンターの経理状況は御承知のように最近では景気がいいということも含めまして、いろいろな状況から最近相当程度経理状況がよくなってまいりまして、石油化学部門では黒字になっているという状態でございますので、合理化あるいは省エネ投資による効果あるいは共販による効果、それが一体経理にどの程度影響しているかというのはちょっとまだ私どもとして把握いたしておりません。いずれ調査をいたしたいと思っております。
○水田委員 次に二番目には、ポリオレフィンの同じような構造改善なりあるいは共同化というのはどういうぐあいに進んできたのか。できればこれは低圧、高圧の生産能力の推移、五十八年対六十年で、できれば企業別にお答えいただきたいと思うのです。 それからもう一つ。直鎖型のものについては能力はどういうぐあいになっているのか。特にこれはサウジが稼働を始めたものですから、国内との関係というのは大変関連が深いものですから、どういうぐあいになっておるのか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○野々内政府委員 ポリオレフィン製造業でございますが、これにつきましては先ほどのエチレン製造業と同様に昭和五十八年から実施されておりまして、これは期限が本年の六月三十日でございますが、本年三月末までの設備処理は実績が七十六万五千トンでございまして、目標の進捗率が八五%となっておりますが、今後、期限までにはまだ若干の追加も見込まれておりますので、目標達成率は九〇%以上になるのではないかと考えております。この結果、生産能力は四百十二万五千トンから三百三十六万トンに落ちております。 今御質問のハイデン、ローデンに分けた設備の状態というのは今手元に持っておりませんので、後ほど調べて御説明させていただきます。 それから、ポリオレフィンの製造業の中の構造改善で特に重要なのは共同化でございますが、これはこの法律指定以前から非常に過当競争が行われておりまして、企業経営基盤の脆弱化ということが問題になっておりまして、これを改善するために共販会社が設立されたわけでございまして、これが生産、販売、流通というような各分野における合理化と一緒に過当競争の是正による経営基盤の確立に資するものということで、この共販会社の設立が非常に大きなポイントになっております。この観点から五十八年の六月から七月にかけまして四つの共販会社が公取の了解も得て設立されております。現在、この共販会社はそれぞれグループごとに内部でグレードの公開を行いまして、その統合に向けて努力を行っております。そのほか形式的だけな共販ではなしに実質的に一本化できるように販売組織の簡素化に向けて現在行っております。私どもも常時ウォッチしながら、形だけの共販ではなしに実質的に共販が行われ、かつ、それがグループ内で生産の合理化に結びつくように現在指導をいたしております。 それから、サウジで生産が行われております直鎖状の低密度ポリエチレン、通常LLと言っておりますが、これにつきましては、実は、先生の御専門かもしれませんが、LLの生産設備と申しますのはハイデンの生産設備との兼用でございまして、厳密な意味でのLLとハイデンを分けるというのは難しゅうございますので、現在私どもの公式統計では両方分けておりません。かつ、LLとローデンは用途も同じでございますのでそういう事情がございます。 ただ、私ども事実上把握いたしておるところによりますと、現在LLの生産は三井石化など七社が行っておりまして、最近の生産量は大体十六万トン程度ではないかと思います。日本ではこのLLは直接そのまま使われるというよりも、むしろ高圧法のポリエチレンとまぜてフィルムにして使われているのが実態ではないかと考えております。
○水田委員 今手元に数字を持っていないという答弁もありましたが、これは私どもは、こういう過当競争の中での雇用の問題が一体どうなるかということで数字が欲しいわけです。きのうお話ししましたら、統計法上の何とかということを言われたのです。そうじゃなくて、通産省がこういう法律に基づいて構造改善、共販をやる、そういう実態をつかまえておるということは指導上必要なことなんです。そういう数字は、我々はまた逆な立場でそこに働く人たちの問題としてどういうことになるのだろうかということで数字が欲しいわけですから、後で結構ですから資料としていただきたいと思うのですが、委員長、それを資料要求としてぜひ出していただくようにお願いしたいと思います。
○野々内政府委員 できるだけ資料として御提供させていただこうと思っておりますが、ただ個別の企業の数字になりますと提供について問題がございますので、可能な範囲で御提供申し上げるようにいたしたいと思っております。
○水田委員 我々としてもいろいろ判断しやすい数字をできるだけそろえていただきたい、こういうぐあいにお願いしておきます。 それから、これもちょっと答えにくいと思うのですが、そういうことからくるエチレンとかポリオレフィンのいわゆる構造改善で、これは構造改善だけではないと思うのです。それはアメリカの景気が回復することによってアメリカからの集中豪雨的な輸出がとまったという問題、そして国内的にも少し動き出した、あるいはもう一つは、共販によって全体の内部的な調整がとれる、いろいろな条件があると思うのですが、この構造改善を始めてから、これらの構造改善によって、いわゆる国際的なあるいは国内的な他の業種の変動等によってどういうぐあいに、これは具体的な数字じゃなくてパーセントでも結構ですが、一番低迷しておったときと今日そういうものがある程度構造改善が進んできた中における価格がどういうぐあいに推移してきたのか、お答えいただければと思います。
○野々内政府委員 お答えいたします。 まず価格でございますが、非常に安定的に推移しているということが一言で言えるかと思います。収益についても着工言及する必要があると思うのですが、石油化学企業の収益は、五十六、五十七年度が非常に需要が低迷したということで稼働率が大幅に下がっておりますし、それから輸入品も急増しているというような状態から赤字決算になっていったわけでございますが、五十八年になりますと、御承知のようにナフサ価格が非常に下がってまいりまして、かつ下期から需要が急速に回復したというような効果もございまして企業収益が非常に改善いたしております。これは当然製品の販売価格面における効果もあるわけでございますが、いろいろ統計がございますのでどれを申し上げればいいかと思いますが、日本経済新聞で日経市況というものが出されておりますが、これで見ますと、まず一番重要なのは原料ナフサの動きが一つございますが、これにつきましては御承知の石油ショックで五十五年にピークに達しまして以降大体低下傾向になっております。それからポリオレフィンでございますが、これはハイデン、ローデンともにこの石油ショックの直後、五十五年にピークを迎えまして、その後なだらかにおりてまいりまして、五十七年ころから大体横ばいと考えていいのではないかと思います。エチレンにつきましては、同じく五十五年にピークを迎えまして、その後低下傾向をたどっておりますが、これはナフサの低下傾向というものが反映しているのではないかと考えております。
○水田委員 次には、原料樹脂の関係がこういうぐあいに構造改善がずっと進んできた。ところが、合成樹脂の加工業界、いわゆる川下と言われるところは一体どういうぐあいにやってきたんだろうか。これは独自に構造改善を行っておるのか、あるいはそういう点では法的な援助も全くなしに、いわゆる自由競争の中で淘汰されるものはされていっておるのか、そういう点は一体どうなっておるのかということについて調査しておれば教えていただきたい、こういうぐあいに思います。
○野々内政府委員 このような川上におきます構造改善は、当然御指摘のように川下に影響を与えるわけでございます。現在、ポリオレフィンと、それから特に主要原料でありますが、塩化ビニール樹脂につきましては構造改善を行っておりまして、そのために先ほど申し上げましたようにかなり価格が安定化をいたしております。このために、川下産業にとりましてはこれが原料になるわけでございますので、この原料であるポリオレフィンあるいは塩ビ樹脂の価格の安定あるいは市況の安定というようなことが経営上非常にいい影響を与えているんではないかというふうに考えております。 それで、現在、ポリオレフィンでございますと、大きな川下産業としてはポリオレフィンのフィルムがございます。このフィルムにつきましては現在大体三百社ぐらい製造業がございまして、その九六%が中小企業者でございまして、これが非常に過当競争を起こしておりまして、各企業とも経営困難に陥っております。それで、ポリオレフィンの原料価格が比較的安定しているということで、フィルム製造業にとってもいい結果ではございますが、しかしながら、何といっても過当競争体質がございますので、これが依然改善をしていないということで、現在中小企業近代化促進法に基づきまして構造改善をやるべく準備中でございまして、間もなく発足できるかと思います。 この中小企業近代化促進法によります構造改善事業は実は五十七年から行われているのでございますが、この中の特に重要な転廃業の問題につきまして、業界の中でのコンセンサスができておりませんで、その点が延び延びになっておりましたが、最近やっとフィルムメーカー及びレジンの供給側、これの話がまとまりまして、残存者が負担をして転廃業者に資金を提供するという形でほぼ話がつきまして、まだ若干残っておりますが、近くこの転廃業の促進のための業界全体としての動きが発足をするという予定でございます。 また、塩ビ管につきましては、同じく産構法によりまして構造改善が現在行われておりますが、何分にも主たる需要家が公共事業でございますので需要が非常に低迷をいたしておりまして、依然苦しい状態が続いております。
○水田委員 この数年来構造改善が進められてきたわけですが、特にこの法律がつくられるときに、私どもは一番、企業が大変な状況にある、国の制度としてこれを援助して立ち直らせていこう、再活性化していこう、同時にそこに働く人たちは、不況だから余っておる者はやめてくれ、そしてその会社が生き残るということではいけませんよ、少なくとも、会社も生き残るけれどもそこに働く労働者の雇用を、その構造改善をやる企業も生き残ると同じウエートで考えてもらわなければなりませんよ、こう言って強く要求したわけです。法律上の用語としてはなかなか入りにくいものですから入っておりませんけれども、意見を聞くとか、そういうことになっておりますね。 そこで、このエチレンのいわゆる構造改善、石油化学の基礎素材の構造改善をやってきた中で一体労働者の雇用の状態というのはどういうぐあいに、これは細かい数字はなかなか難しいと思いますが、アバウトで結構でございますが、大体どういうぐあいに変わってきたか。日本のいわゆる労使関係というのは、アメリカのような、いわゆるレイオフをやって優先権制度で次にまたよくなれば帰ってこいということにはならないわけで、一たん出ると、とてもじゃないがもとのところには帰れないという労使の実態があるものですから、私どもが一番心配したのはその点ですが、通産省としては構造改善を進める中でどのように雇用確保の問題についての御努力をなされて、その結果がどうなっておるのかということをお伺いしたい。 また一方、労働省おいでになっていますね、労働省にも同じことで、私どもはこの法案ができるときにその問題、一番重要な課題として企業の再活性策はもちろん必要だ、しかし、そのときに労働者は余っておるのだから仕方がない、出てもらうということではいけませんよということで主張してきたわけであります。労働者の雇用という点では労働省が一番中心になって考えていただかなければならないのですが、この法律に基づく構造改善を進める中で労働省としてはどういうぐあいに実態を把握されて、どういう対応をされたかということをあわせてお答えいただきたいと思います。
○野々内政府委員 この産構法の目的は、先生も御指摘のように構造的に非常に不況になっております産業が、ほっておきますと急速な産業調整が行われまして、これが地域経済あるいは雇用あるいは関連産業に非常に急速かつ重大な影響を与える。それを計画的に推進することによってそういう好ましくない影響を排除しようというのが目的でございますので、したがいまして、構造改善を進めるに当たりましては当然従業員に対する影響というものも考慮しながら進めなければならないということだと思います。具体的に私ども特定の手段を持っておるわけではございませんが、構造改善計画が提出されます段階におきまして、十分労働者について配慮しているかどうかということについてそれぞれ可能な範囲で聞き、また指導をするという形によって行っております。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○坂根説明員 お答えいたします。 まず、石油化学工業の雇用者がこの特定産業構造改善臨時措置法施行前と後でどういうふうになったかという状況でございますけれども、石油化学工業の定義いかんによりますけれども、一般的に石油化学工業と言われているものにつきまして化学工業統計で見てみますと、施行前の五十八年四月時点では七万二千百四十九名ということでございましたが、最新の統計が判明しております六十年の二月時点では、その最初の時点と比較しまして一・八%減、千二百八十八入減の七万八百六十一名というふうになっております。 次に、それではどういう対策を講じたのかという御質問でございますが、既に御質問なり答弁がなされておりますように、この特定産業構造改善臨時措置法で四業種が特定産業に指定されまして、構造改善が実施されているわけですが、労働省では、これらの構造改善に伴う雇用問題に対処するということで、石油化学工業を五十八年の七月に、特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法という法律に基づきまして特定不況業種に指定しております。関係労働者の失業の予防、再就職の促進等の特別の雇用対策を講じてきているわけでございます。 具体的に申し上げますと、まず第一に、失業の予防を図るということが大事だと思いますが、失業の予防対策としまして休業、教育訓練あるいは出向ということによりまして失業の予防に努める事業主に対しまして、雇用調整助成金を支給いたしております。 それから、再就職援助計画に基づきまして特定不況業種の事業主が自分のところの労働者をあっせんいたしまして、直ちにほかの企業に雇い入れる、こういう場合に、その雇い入れた事業主に対しまして賃金の助成措置を行うというようなことをいたしております。 それから、にもかかわらず離職を余儀なくされたという方があった場合には手帳を発給いたしまして、積極的な就職指導、職業訓練の実施などによりまして再就職の促進を図っておりますし、一定の要件に該当する場合には雇用保険の延長給付でございますとか職業転換を容易にするための職業転換給付金などを支給いたしまして、生活の安定を図りながら早期に再就職ができますように種種の対策を講じております。 で、どういう状況にあるのかということでございますが、この石油化学工業の場合には、我々が持っているある程度の数字からいいましても、離職が比較的少なくてむしろ教育訓練なり休業なり出向なりが行われているということで、離職がなるべく出されないような方向でされているというふうに理解しております。
○水田委員 局長、計画の段階で御意見を言ったという、私が聞いたのは結果が、始めてから今日まで、エチレンセンターというのは石油化学の基本的なところですから、会社も大したことないわけですね。そこの労働者がどうなったかというのはすぐわかるわけです。構造改善が進む中で一体どうなったかというのはおわかりだと思うのです。それをどうなっていますかと、それでそれに対して今言われたように、計画の段階でどういう努力をされたけれども、なおかつこういう形で外へ出ざるを得なかった、こういうことだ。その数字はどうなんですか。 もう一つは、労働省の方は、法律の適用を受けたのは全部、金を出したりいろいろしていますから数字はわかるわけなんですね。その中の特定業種ですから、どれだけという統計はあると思うのですが、それは労働省の側として、起こった結果については法律に基づく手当てをした、後のフォローをした、こういうことになるわけですね。労働省の立場からいえば、むしろこの法律をつくるときに、本来失業者を出すことが目的じゃない。このままほっておけば、その業種全体がとにかくどうにもならぬということになる。これを再活性化していこう。その中ではもちろん設備廃棄もするけれども、新しい投資もして、そこの中の労働者を、余ったから外へ出すのではなく、中へ吸収する努力をしてくださいということを懇々と言ったわけです。ですから、そういう努力はどうされて、しかし、なおかつ結果はこういう数字になっています。今持っておられないのだったら後で、これは難しい数字じゃないと思うのです。例えば一人違ってもいけない、そんなことは言いませんから。石油化学のエチレンセンターを持っているところは、五十八年には人数はこれだけあった。しかし、それは今労働省の数字からいくとほとんど影響はないけれども、実態とは大分違うと思うのです。まさに相当程度の労働者が出ざるを得なかった。それは後で質問申し上げますが、今少し石油化学がいいといってもそう甘くはないと思うのです。そういう中で今後の対策を考える上でも、こういう構造改善をやってきたけれども、雇用関係ではこうなってきた、通産省も努力した、労働省はどうも後追いだけのようですが、今後についてはやはりそういう点はちゃんと考えてやってもらうという取り組みがなければならぬと私は思うのです。そのことを通産省と労働省、お願いしたいと思います。
○野々内政府委員 構造改善によりまして関連従業員に不当な影響が及ばないようにというのは基本的な考え方でございまして、私ども伺っております範囲では新規分野その他、内部における調整によって対処しているというふうに伺っておりまして、現在までのところ特に雇用問題についてのトラブルについては伺っておりません。 ただ、個別の数字につきましては私ども手元に持っておりませんので、勉強をさせていただきまして、別途また御説明をさせていただこうと思います。
○坂根説明員 どういう具体的な状況になっているのかということでございますが、私どもも全般の状況は必ずしも把握しておりません。 この法律に基づきました施策の運用状況ということでお話し申し上げますと、五十八年七月から六十年三月までの数字でございますが、まず雇用調整助成金の活用状況ということでございます。休業、教育訓練等が行われた事業所が三十三事業所、延べ八千七百五人日行われております。それから、出向が行われて助成金が支給された事業所が六十三事業所、百八十八名、それから、再就職のあっせんが行われて助成金が支給された事業所が六事業所、三十三人ということでございます。 それでは離職者はどうなっているのだということでございます。ちょっと数字はわかりませんが、これまた法律の運用状況から見ますと、離職者が出て事業主が再就職援助計画をつくった場合には手帳が発給されるということでございますが、私どもが知っている限り、この件数は数人ということで非常に少ないというふうに理解しております。
○水田委員 局長の答弁では、雇用問題でほとんど問題はなかった、こういうことですが、実際に起こっておることというのは、石油化学の人数というのはがたっと減っておるわけですね。ですから、それはもちろん構造改善をやる前から大変不況が続いたものですから、そういう中での、まだこの法律の適用を受ける前からの雇用問題というのは、対応されてきたという点もあるかもしれませんが、実は今私が申し上げましたように、エチレンセンターというのは基本ですから、たくさんはないわけですから、それの構造改善が始まってからと今日までのところの数字を、後で結構ですからいただきたいと思うのです。 それから、私がこれから質問しようと思ったのは、そのことに答えられたと思うのですが、今現実にあと幾らか残っておる構造改善の中で、合理化問題で雇用問題が問題になったのはない、そういう意味での御答弁だったわけですか、さっきのは。
○野々内政府委員 過去の構造改善について特にトラブルが起こったという報告は受けていないという意味でございます。
○水田委員 では、今はどうなんですか。今進んでおる中でそういう問題が起きておるというのはありますか、聞いていませんか。
○野々内政府委員 今現在聞いておりません。
○水田委員 最後の質問になりますが、国内で大変長い期間不況の中でサウジが動き出す、あるいはシンガポールの石油化学が動くということは、一体どういう影響を及ぼすのだろうかと心配してきたものです。幸い一昨年から石油化学は少し、いわゆる共販その他構造改善というものをしいて、それからもう一つ、アメリカの予想外の景気回復ということがあって持ち直してきた。そういうことで、たまたまそういう時期にサウジなりシンガポールの石油化学が動き始めたわけですが、これは今後どういうぐあいに国内の石油化学産業との絡みで影響をするように見ておられるのか。 それからこの中で、特に海外へ出ていく場合に、それが全部日本市場ではなくてヨーロッパとかほかのところで売れればいいけれども、売れなかった場合は、義務的に引き取りましょうという契約があるはずなんですね。それから、義務的な契約ではないけれども、通常どちらが安いかということで、企業の判断になりますけれども、通常のペースでの取引で引き取ってくるというものなのか、どういうぐあいになるように見ておられるのか。 それからもう一つは、最近のアメリカの景気動向が、GNP三・九%の見通しが一−三では〇・七ということで減速をしてきた。これはかって八年くらいの間アメリカの不況の中で、向こうで余ったものを、稼働率を上げるために、コストを下げるために集中豪雨的に日本へ輸出してきたわけですね。そのことが国内の石油化学の稼働率を一挙に落とす、とにかく価格は交渉しても通らなかった、そういう事態が大変深刻な状況を与えてきたわけです。 そういう面では、一つはサウジ、シンガポールの稼働によってどういう影響を与え、そしてまたアメリカの景気がこういうことになることによって、また再び石油化学が、去年はよかった、しかし、これから先では不安材料としてあるわけですが、そういう事態になるとするならば、一体次の場合どういうことを考えたらいいのか。そういう点についての御検討をなさっておられるのでしたら、局長からお答えいただいて、この状況というのは非常に大きな、国際的な経済あるいは日本の国内の経済の運営の仕方にも関連があるわけですから、大臣に最後に決意のほどをお伺いしたい、こういうぐあいに思います。
○野々内政府委員 まず、サウジ、シンガポールなどの海外で日本が関与いたしておりますプロジェクトでございますが、御指摘のとおり、大変幸運にも、昨年からことしにかけまして世界的な状態がいいということで、現段階ではまだ深刻な影響は受けておりません。 サウジで三菱グループが中心になりましたプロジェクト、SHARQと申しておりますが、これは日本が稼働率を七五%まで保証をいたしております。したがいまして、これを逆算をいたしますと、LLが大体十万トンぐらい、それからE・OGが約十一万トンぐらいになろうかと思っております。LLの場合は、同種の製品が競合いたします製品としましてはローデンシティーの製品でございますが、これの生産が国内で大体百四十万トンぐらいでございますので、価格的に、もし余り低価格で入ってこなければ、そう大きな影響はないかと思います。ただ、EGの方は国内生産が大体四十三万トンぐらいでございますので、ここに十一万トン入ってまいりますと、これはかなりの影響が出ると言わざるを得ないと思っております。 そのほか、サウジでは二つのプロジェクトがございますし、またシンガポールでは、引き取り義務はございませんけれども、日本が関与いたしております市場、そのマーケティングについてやはりある程度の責任もございまして、これがポリプロピレン、EGそれからLDというような製品でございますので、このEG、LDあたりにかなりの影響が出ると言わざるを得ないと思っております。 サウジにつきましては、サウジの工業・電力大臣が先々週お見えになりまして、村田大臣ともお会いいただきましていろいろお話し合いをいたしておりますが、先方もできるだけルールを守るということを言っておりますので、それに期待をいたしたいと思っております。 それから、アメリカの問題でございますが、御指摘のように、過去の例で見ますと、アメリカの景気が落ちたときに日本向けの輸出がふえるというような状態になっております。したがいまして、現実に今アメリカの景気がいいということでアメリカからの輸入が減っておりますので、それが石油化学の景気のいい大きな原因にもなっておりますが、ことし、アメリカは一−三のGNP伸び率が若干落ちておりますので、この辺を大変心配いたしております。 実は、ちょうどきのう、きょうとバリのOECDにおきまして、石油化学の専門家グループの第一回目の会合が開かれておりまして、私ども日本政府の代表といたしましては当省の堀田審議官が出席いたしております。私どもとしましては、これは日本が提案をして開かれた委員会でございますが、資源国における石油化学プラントの稼働というものと先進国における産業調整というものが世界的に現在問題になっておりますので、こういう問題について、各国それぞれどういう問題を抱え、かつ、それに対してどういう対応をしようとしているのか、こういう点について情報交換をやろうということで、第一回目の会合が昨日、きょうと開かれておりまして、そのあたりで国際的にいろいろな情勢分析をし、お互いに無理のない産業調整を進めるようにしたいと考えております。もちろん独禁法との関係もございまして、慎重な対応が必要だと思っておりますが、情報流通を円滑にすることによって何とか不測の事態が起こらないようにはしたいというふうに考えております。
○村田国務大臣 水田委員にお答え申し上げます。 ただいま野々内局長からも申し上げましたが、先般、サウジアラビアのザミル工業・電力大臣、この人は御承知のようにSABICの総裁も兼ねておる非常に重要な人でありますが、この人と会って相当意見を交換いたしました。また、シンガポールの石油化学プロジェクトにつきましては、私、一月に参りまして、現地を視察してまいりました。それからアメリカの景気、いずれもこういった問題は石油化学工業にとって大事な問題でございまして、非常に注意を払って見てまいっております。 石油化学工業は、各種素材の供給者として大きな役割を果たしておる重要な産業でありますが、二度にわたる石油危機、他素材との代替の一巡といった要因により困難に直面をしておりまして、この困難を克服するために、特定産業構造改善臨時措置法のもとで、設備処理等を骨子とする構造改善を実施しておるところでございます。 石油化学工業の今後につきましては、世界経済の動向、新興石油化学工業国製品の本格的進出といった懸念材料がありますが、構造改善事業の着実な実施、非価格面をも含めた総合的国際競争力の涵養など、石油化学工業関係者の一丸となった努力により対応してまいらなければならないと思っておりまして、水田委員は専門家でいらっしゃいますので、今後とも御指導をお願いしたいと思います。
○水田委員 かつての日本の高度経済成長を支えた一つの業種であったわけです。オイルショック以来大変長期にわたる低迷の中で、大変体力も消耗して構造改善でやってきた。しかし今、昨年は図らずもそういうことが効いたのと、アメリカの景気回復等に支えられて相当程度の収益を上げたけれども、今申し上げたような不安材料というものも決してないわけではない。再びかつてのあのオイルショックのときのような、何らのあれもなしにああいうことに入ったのでは、またそこに働く者も大変だと思います。 そういうことで、今局長がお答えいただいたように、情報を十分つかんで早目の対応策というのをぜひ考えていただくように要望いたしまして、質問を終わります。
○浦野委員長代理 以上で水田稔君の質疑は終了いたしました。 続いて、辻一彦君の質疑に入ります。
○辻(一)委員 きょう私は、石炭液化の問題、将来を展望して日中台作による石炭液化の可能性、それからもう一つ、北陸産地における繊維の不況がなお深刻であるのでその対策、二点についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一に石炭液化の問題ですが、今石油は、石油ショック二期を経てかなり需給が緩んで心配のない状況にある、これは大変結構でありますが、しかし長期に見たときに、資源的に石油は有限であるということと、もう一つは、産油国、中近東等の社会的な状況を考えると、やはり不安定要素が非常に多い。こういう点から、石油資源は一国に限らずに広く資源市場を分散して確保すべきである、これは大変大事だろうと思います。そういう努力を政府の方はやっておると思います。 そんな中で、長期に見ては、石油にかわるエネルギーの資源を確保するということが我が国に、とっては大変大事ではないか。原子力も有効でありますが、この再処理、さらに最終廃棄物の処理等を考えると、余りにもウエートを置き過ぎるということはやはり避けなくてはいかぬのじゃないか。そうなりますと、やはり石油、原子力、石炭等のバランスあるエネルギー資源の確保は大変大事だと思いますが、そんな中で、石炭の見直しの中で、特に将来における石炭液化を考えていく必要があるのではないか。これは既にいろいろな、豪州でも褐炭の液化のプラント等、また国内においても実験が進んでおりますが、大きく展望したときに、大きな力を入れる必要はないだろうか、こう思うわけであります。 そこで、まず最初に、我が国の立場から見て、石油、原子力、石炭を展望して、そしてどういうふうに石炭液化を位置づけるかということについての考え方を、まず最初にお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 基本的な問題でございますので、まず私からお答え申し上げたいと思います。 国際石油需給は現在緩和基調にありますが、中長期的には逼迫化するという認識が一般的であります。そして、我が国のエネルギー供給構造は、石油輸入の中東依存度、ホルムズ依存度の高さが六割内外というところでございまして、この高さに象徴されるように、諸外国と比較して依然極めて脆弱でございます。 このような内外のエネルギー事情に対処するには、石油の安定供給の確保、省エネルギーの推進とともに、石油代替エネルギーの開発導入の促進が不可欠であります。このために政府としては、石炭、LNG、あるいは辻委員御指摘の、原子力など既存の石油代替エネルギーの導入促進を図るとともに、石炭液化など新エネルギー技術開発に積極的に取り組んでいるところでございます。 特に石炭液化技術開発は、他の石油代替エネルギーでは代替困難な揮発油などの液体燃料の大量安定供給に資するものであること、それから、低品位炭など利用可能おる炭資源の範囲が飛躍的に増大をしておりまして、エネルギー源の多様化に資するものであることから、我が国のエネルギー政策上大きな意義を有するものと認識をいたしております。こうした石炭液化技術開発は、大規模複合的なプロジェクトであり、その開発導入には長時間を要するということから、今後とも計画的かつ着実に推進をしていく、こういう考え方で石炭液化の位置づけを考えておるところであります。
○辻(一)委員 基本的な考え方というものは一応わかりました。 そこで、現在進行中の豪州における石炭液化、それから次に、計画中の歴青炭の石炭液化等について、現状とこれからの取り組みについてお伺いいたしたい。
○等々力政府委員 初めに、褐炭の液化技術の開発でございますが、これは御承知のように、従来余り利用されていない、放置されておりますオーストラリアの非常に莫大な量の褐炭を対象といたしておりますが、これを経済的に輸送可能で、しかも石油代替利用が可能な液体燃料に転換するための技術を開発しようというねらいがあるわけでございます。 五十六年度から現地に一日当たり五十トンの規模の褐炭を処理する実験プラントの建設を始めております。昨年度、五十九年度に一次水添工程、一次水素添加の工程をほぼ完成したところでございますが、今年度、六十年度にはこの一次水添系の運転研究を行っていきたいと考えております。それと同時並行的に、二次水添糸の建設を今年度鋭意推進することにしておるわけでございます。 褐炭液化技術開発の今後はどうかということでございますが、この二次水添系の建設が終了しました段階で、システム全体の総合運転を行うことにしております。この運転研究によりまして基礎的技術の開発成果が集大成されて、実用化のプラントの方に移行できるのではないか、そういうふうに現在考えております。 それからもう一つ、歴青炭液化技術の開発の見通してございますが、これにつきましては従来サンシャイン計画の中で、直接水添法、溶剤抽出法、ソルボリシス法という三つの要素研究、これは非常に小規模なものでございましたが、こういう研究成果を踏まえまして、五十九年度からはこれを一本化いたしまして、まあ各方式のいいところをとりまして、そしてパイロットプラントの研究開発をこれから行おうということにしております。 新方式の歴青炭液化技術は、外国技術に比べますと、比較的温和な反応条件のもとで高い液化の収率を達成できるというのが非常に大きな特徴でございますが、このほか、高性能の触媒を使うことによって軽質油の収率も高めよう、そういうねらいを持っております。 具体的には、五十九年度から六十一年度にかけましてパイロットプラントの設計をまず行う、その後、この設計に基づきまして建設、それから運転研究をやっていこうということでございまして、これによりまして技術的な課題の主要な部分の解決が図られるというふうに期待しておるわけでございます。 以上でございます。
○辻(一)委員 歴青炭の液化の商業的採算が合うめどはいつごろに置いているのですか。この前、私は科学の委員会で質問したときに二〇〇〇年ということを、短い時間でありましたが聞きましたが、もう一度伺いたいと思います。
○等々力政府委員 経済性の問題につきましては、今後の技術開発といいますか技術進歩によりますコストダウン、それから今後の原油価格の動向、そういうようなかなり複雑な要素というか不確定な要素がたくさんございまして、定量的に精度の高い予測をすることは甚だ困難であると私ども思っておりますが、関係の委員会その他で試算いたしました結果によりますと、ただいま先生御指摘のように二〇〇〇年ころには何とか原油とコンパラブルのところに行くのではないか、そういうふうに考えております。
○辻(一)委員 二〇〇〇年というともう十五年後ということですね。時間があるようで、そう長い時間ではないと思います。 実は、私はこの五月三日から十六日まで、ちょっと国会の合間を縫ってでありますが、中国の経済特区、経済開発区、深セン、広州、大連を見て、あと北京に寄りまして、中国のエネルギー当局、石炭工業部それから核工業部の次官クラスと接触をしまして、エネルギーについてのいろいろな意見交換をしたわけです。その中で、中国側は石炭液化については、将来の展望としては十分な関心を持っているということを感触として実感をしたわけです。 そこで、我が国としてもエネルギー資源の国家的な安全保障という観点から、また中曽根総理も提唱しておりますが、環太平洋における経済協力という観点からも、将来この石炭液化を日中台作、合弁等によって切り開く必要が十分にあるのではないか、私はこう感じて帰ってきた次第なんです。 そこで、ひとつお伺いしたいのは、我が国でパイロットプラントを今検討して具体化をするという段階でありますが、歴青炭のパイロットブラントの上に立って次のいわゆるデモンストレーションプラントをどうするかという問題を考えていかなければいけないと思うのです。そこで、例えば中国と一緒にそういうことをやろうという場合に、相手の方にデモンストレーションプラントをつくる場合に、資本の割合を日本の民間が三分の一、国が三分の一、そして中国政府が三分の一を出してプラントをやる。そして実質的には、インフラ部分と石炭は現地中国側が提供して、我が国の方はプラント本体について金銭で全額出資をしてやる、オーストラリアでもこういう方式が始まっておりますが、こういうことが十分考えられるのではないかと思いますが、こういう問題について、大臣これからを見てどうお考えになりますか。
○浜岡政府委員 ちょっと事実関係を先に御説明させていただきたいと思います。 御指摘のパイロットプラントの段階の問題でございますが、現在のパイロットプラントを、現在の予定でございますと六十七年度に運転研究が終わるという予定になっております。その後実証プラントという段階があるわけでございますけれども、今の段階ではまずパイロットプラントを建設いたしまして、その運転成果を見きわめることが基本であろうかと思います。御承知のとおりパイロットプラントは国内に建てるということでございますけれども、その段階でどこの炭を使っていくか、さらに将来進んでいく場合にどういう地域に焦点を当てていくかという問題が御指摘のとおりあるわけでございます。中国の石炭を使うということも一つの可能性としては当然あるわけでございます。現在、それの布石と言うと少し強過ぎるかもしれませんが、前段階的な動きがございます。中国の石炭工業部の傘下に石炭化学研究所というのがございまして、北京にあるわけでございますが、中国側の要望にこたえまして、小規模な連続液化試験装置を日本でつくり、この研究所に持ち込みまして、中国にございますさまざまな石炭につきまして可能性を日中共同勉強をいたしておるわけでございます。当初は八四年度で終わるということになっておりましたけれども、さらに三年延長いたしまして八七年度まで続けるというようなことになっております。 そういった形で予備的な勉強はいたしておるわけでございますけれども、日本でのパイロットブラントの建設、運転の進行状況、それから中国との合同の勉強等をにらみ合わせながら、次の段階は果たしてどういうぐあいに組んでいくか、また中国側がどういうような希望を持っているか、広範に検討していくことが前段階といたしましては必要な手順であろうかと考えております。
○村田国務大臣 ただいま浜岡次長の方から基本的な問題についてのお答えを申し上げたわけでございますが、中国炭を石炭液化技術の対象とし得るか否かということについて、現在小型装置、石炭処理量〇・一トン・パー・デーを北京に設置して研究中でございます。今後、日中共同研究を含め、石炭液化技術開発全体をどう進めていくかについては、これらパイロットプラントを中心とする研究が取りまとめられる段階で、その研究成果を十分見きわめた上で判断してまいる所存でございます。 現在までのところ、本件については中国側からの働きかけがまだ何らございません。したがいまして、具体的に申し上げることは困難でございますが、御指摘の共同研究を具体的にどう進めるかについては、その前段階として共同研究の必要性、実現可能性について十分検討を加えた上のことといたしたいと思います。 ただ全般について申し上げますと、最近は日中交流が非常に活発になってきておりまして、アメリカに次ぎ中国がいろいろな問題で日本の協力者となる可能性がだんだん強くなっておるというふうに私は感じておりまして、いろいろ前向きに対応したい、このように考えています。
○辻(一)委員 私も、段階を踏んで、北京でこちらが寄贈した小型の試験設備でやっている、それから歴青炭の実験ブラントがまずつくられる、その上でなければならないということはわかります。ただ中国の経済を見ると、あの国は五カ年計画単位で計画を区切ってやっているので、急に言ってもなかなか間に合わないという点が私はあると思うのです。そこでかなり率直な意見交換をしてみたのですが、石炭液化については一緒にやるということは歓迎をする、こう次官クラスが言っておるのです。もし中国にそういう施設をつくるとすれば土地と石炭は提供できる、ただ、今資金分配ということがなかなか大変なときであるので、国家資金を第七次五カ年計画の中でこれに分配するというようには今なっていない。ところが、中国の負担分を石炭で、現物で将来返済するということであればできないことはない、こういうように言っておるわけです。 だから、外貨の事情もなかなか大変だし、資金の分配もなかなか大変であるが、向こうも非常に関心を持っている。そして、やりようによっては今、一歩進めることも可能でないか。こういうことを考えますと、実験を順番に待ってこれから七年後に考えておったのでは間に合わないので、かなり早目に、少なくも来年度から始まる次の五カ年計画の中である検討はされるというような段階まで考えてみる必要があるのじゃないか。どちらが働きかけるかいろいろあると思いますが、積極的に進めてみる必要はあるのじゃないかと思いますが、この点、重ねて大臣いかがでしょうか。
○浜岡政府委員 私ども気持ちの上では先生の御指摘、十分理解できるわけでございます。ただ、今後のスケジュールを考えますときに、私どもの乗り越えなければならない一つの大きな課題は、次のステップに参りますときの資金面の手当てを日本側でどう考えるかという問題がございます。特に豪州でやっております褐炭液化の方は、パイロットプラントの運転研究が今の計画でございますと六十二年度に終わることになっておりまして、次のステップをどうするかという問題がこのプロジェクトについても出てまいります。現在のパイロットプラントは石油特会を通じましていわば金利のかからない資金で取り組んでおるわけでございますけれども、次のステップへ移るとなりますと資金需要も大変大きくなってまいります。果たして日本側が石油特会で対応できるかといいますとかなり苦しいところがございまして、例えば輸銀とかそういったあたりの金利がつく金を使った場合に、今度は経済性の面でどういう影響が出てくるかというような大きな課題があるわけでございます。 その辺をにらみながら、しかし日本のエネルギーの将来、それから太平洋をめぐる日本と各国との協力関係をにらみ合わせて考えなければならないというところが大変難しいところだろうかというぐあいには思っております。
○村田国務大臣 事務的には浜岡次長がるる御説明申し上げたとおりであります。こういったエネルギー問題のカウンターパートとしてオーストラリアも非常に積極的でございます。そうしたオーストラリアの状況、また中国の状況等を踏まえながら、いろいろまだ前提条件がありますから対応して検討してまいりたいと思います。
○辻(一)委員 もう一点だけ大臣にお考えをお聞きしたいのですが、今のようないろいろな状況から日本のエネルギーの技術、それから国家安全保障等々から考えると、豪州の褐炭も大変大事だと思うのですが、隣の非常に近いところで、しかも石炭部が言っておるのは、褐炭に限らず液化に合う炭種は数種類ある、だから場所はどこでもやろうと思えばやれる、こう言っておりますね。だから、そういう条件と地理的な近さを考えれば、私は事務的な話はよくわかりますが、やはり早目に日中の高級事務レベルの協議の議題にのせて、この問題について検討すべきであると思いますが、その点、ひとつ大臣のお考えを聞きたいと思うのです。
○村田国務大臣 辻委員の御指摘は見識だと存じます。 豪州の褐炭を対象とした褐炭液化技術、それから広範な炭種を対象とした歴青炭液化技術について、技術的課題の克服を主目的とするパイロットプラントによる研究を現在推進しておるところでございまして、国家のエネルギー需給の問題は極めて重要でありますから、真剣に検討してまいりたい、このように考えております。
○辻(一)委員 きょうは四十分という時間ですので、この問題はこれで切り上げて、また後日いろいろな具体的な状況を少し勉強さしていただきたいと思います。 次に、私は、繊維問題について一点お伺いいたしたい。 北陸産地は、前回の予算の分科会でも申し上げましたし、また大臣にも無理を言って、社会党・護憲共同の方で繊維特別対策委員会のメンバーと一緒にいろいろと申し入れをしたこともあります。いろいろと産地それから政府の方も、メーカーも努力はしておるのでありますが、依然として世界第一と言われる合繊の産地である北陸産地の市況は回復をしていない、バランスがなかなかとれていないという状況ですね。ということは、需給のバランスがなお失調状況にあるということになるのではないか。 そこで産地では、まず第一に自主操短に取り組んでおります。それから政府も非常に力を入れてもらって在庫凍結、第三に、原糸の需給ガイドラインの設定を指導する、四つ目に、織機の共同廃棄事業というものが今進められておる。総合的に対策がいろいろ立てられておりますが、にもかかわらず市況は混迷し、なかなか状況が変わっていかないという主たる要因はどこにあるというように通産はお考えか、まずお伺いしたい。
○篠島政府委員 基本的には特にウオータージェットルームというような大変生産効率の高い織機が近年急速に流入いたしまして、その一〇〇%——経済的な稼働ということになりますと一〇〇%ではありませんが、実質的な経済性にのっとった一〇〇%稼働をやれば、現在の内地向けあるいは輸出向けの需要を足しても、その供給能力がかなり上回るという状態にございまして、それからまた、品種間の転換というのも、これまたある程度流動的にできるものでございますから、在庫凍結だとか、あるいは合繊メーカーがいろいろルートを絞るとかいうことをやり、さらに最近では、合繊メーカー系列の機屋の織機を具体的に休業補償までやってとめるというようなことまでやっておりますが、なかなかそういう構造的な供給能力過剰という状態を簡単に克服できないというのが現状だというふうに認識しております。
○辻(一)委員 そういう御認識で私は結構だと思いますが、いろいろ努力をしている中で、今もちょっと触れられましたが、穴が一つあいておると思うのですね。だから、ほかで努力しても、その穴から水がどんどん漏れて、需給バランスが回復しがたい。一体その水漏れの大きな穴は何かといいますと、例えばこれは北陸三県の中で福井県が一番合繊の生産が多いので、一応県の状況を資料として提示したいと思うのです。 六十年度の化合繊織機共廃売買契約が大体終わって、二百九十一件、これは二千二百八十四業者の一二・七%に当たりますが、廃業する。その織機の数は、四千八百八十八台ですね。だから同じく七・六%に及んで、これが今廃業、廃棄をされる、こうなっておるのですね。それで県内では、例えば福井では二千二百八十四業者があって、六万四千二百四十七台の織機がありますが、そのうち二百三十業者が持つ一万三千七百二十台のウオータージェット、これが大体七〇%生産をしている、こういう状況になっております。 そこで、昨年一年に千五百八十三台のウオータージェットルームがふえておるのですね、一年間で。また、ことしの一月から五月までに四百七十二台のウオータージェットルームがふえているわけです。簡単に言って去年一年に千五百台としますと、これはどこからどういうふうにつくられたかというと、大体県外から、ほとんどは古い織機を導入して、それを交換をして革新織機にかえて新増設をやっておる。 言うならば、スクラップ・アンド・ビルドが行われておるのでありますが、これを考えてみると、千五百八十三台、約千五百台と見て、古い織機の四倍ないし五倍の性能を今日、革新織機は持っておる。そうすれば、千五百台は六千台から七千五百台の古い織機に該当する生産能力を持って今ふやされておるのですね。そうすると、これから一年かかって四千八百八十台、約五千台、そんな最新の織機を廃棄するのじゃなしに、これは大体古い、性能の低いのを廃棄をする、五千台廃棄をして、それを上回る革新織機が既に去年で入って、これがこのまま放任されておったら、どんどんこういう傾向でいけば、片方で政策を持って共同廃棄事業をやっても、大きなところに大きな水漏れができて、政策は完結しない、実現しないというように思うのですが、これに対して有効なる対策を立てない限り、なかなかこの需給バランスは回復しないと思いますが、これをひとつどうお考えになるか、お伺いしたい。
○篠島政府委員 前々からこの点については登録がえの際の織機の換算率の問題、それから県外からの綿あるいはもの織機を流入させて、これをもとにしてウオータージェットに切りかえる、この二つについて何か換算率をもっと上げるとか、県外からの流入を制限できないかというような話があるわけでございますが、前者については、これは登録制の運用とも絡みまして、過去一貫してそういうある率で余り大幅な変更なしに続けてきたという経緯もございますし、ここで急に大きくかえるということにやや問題があるという点がございます。 それから県外から綿あるいはもの織機が入ってきてウオータージェットにかわるという点については、産地の方でもとりあえずは自主調整で何か抑えられないかということでいろいろ検討しておるというふうに承知しております。
○辻(一)委員 ちょっと後の方、聞こえなかったので、もう一度。
○篠島政府委員 県外から綿あるいはもの織機を持ち込みまして、北陸産地でそれをスクラップして、そのかわりにウォータージェトを入れて合繊織物を織る、この流れを断ち切るために、県外からの流入を、かつてやっておりました認定制度という自主調整を行って、事実上認めないという形で対応できないかということを産地で検討しておると承知しております。
○辻(一)委員 その第二の方でありますが、現実に北陸産地では、例えば五月の二十八日に福井県織物構造改善工業組合が認定制度を決議してこれを申請するという、決議の運びを今進めておるのですね、前段にあります。それから、同じ日、五月二十八日に富山の織物構造改善組合もこの総代会を開いて同様の決議をするという運びになっておると聞いておりますし、また翌五月の二十九日には石川県の織物構造改善組合が同様の決議をする。二年前には北陸と言っても福井県一県がやったのでありますが、今度は三県が足並みをそろえて認定制度を決議して、そして通産省に申請をしよう、こういう動きになっております。 これら三県が認定という制度を決議して、そして通産に申請した場合に私は認めるべきであると思いますが、これはいかがでしょうか。
○篠島政府委員 現状を十分踏まえまして、産地の議論の結果につきまして、団体法に基づいてその要件を満たしているかどうか、適切に判断して対処してまいりたいと考えます。
○辻(一)委員 しかし、局長、何回も福井に足を運ばれて北陸三県はもういやというほどよく御存じなので、この三県が足並みをそろえてこれを要請するというのはよくよくの段階に来ていると私は思います。御承知のとおりの状況で、もうちょっと今日の時点で前に向いた御見解を一遍伺いたいと思います。
○篠島政府委員 前向きに検討いたします。
○辻(一)委員 これはぜひひとつ検討と同時に認めるように努力をお願いしたい。 大臣にも、この点もう一言お伺いしたい。
○村田国務大臣 現地を非常によく知っております篠島局長がたびたびこの問題で検討しておるところでありまして、北陸各産地においてまず認定制をめぐる種々の問題について十分な話し合いを行っていただく。今承りますと、それをやっていっていただいておるということで、産地としてのまとまった方針を固めることが肝要だと思います。当省としても、産地の方針がまとまれば、それを受けて中小企業団体法の規定に照らして検討してまいる所存でございます。
○辻(一)委員 それは申請であれば認めていただける、こう私は思いますが、その場合に、もう一つ、ちょっと小さな水漏れ、これも場合によるとかなり大きくなるのですが、それはアウトサイダーをどういうようにするかという難しい問題があります。 例えば福井の例で言えば、二千二百八十四業者、これは組合に入っておるのですが、そのほかに百業者ぐらいがアウトサイダーになっております。これがなかなか難しい問題ですが、法的にその規制といっても、これはなかなか容易ではない、難しいのです。しかし、ここから水が漏れるとまた全体が非常に困難になっていく。何か有効なこれらに対する対策が、知恵を絞ってもらって出ないかどうか。いかがでしょうか。
○篠島政府委員 おっしゃるとおり、アウトサイダー命令をかけるということになりますと、北陸産地だけではなくて全国をベースとしてかけるということになりますので、各産地でそこまできちんとまとまるかどうか。それからまた、アウトサイダーの要件の問題もございます。したがって、現実にはなかなか難しいかと思いますが、例えば合繊メーカーあるいは商社と産地の話し合いで、合繊メーカーの系列の織布業者に関する限りはアウトサイダー的なウオータージェットの新増設はやらないというようなことについての話し合いなどが、あるいは検討可能かというふうに一案として考えております。 〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕
○辻(一)委員 今局長のお話のように、なかなか難しいのですが、革新織機を相当数入れるようになると相当な資本力が要りますから、やはりその背景には大手が介入する場合がかつてもありました。だから、これらの行政的な指導といいますか、しかるべき助言を適切にお願いして、このアウトサイダーにつきましてもひとつ有効な考え方をさらに検討いただきたいと思います。 最後に一点。石油製品の自由化ということがナフサ等を含めて今だんだん問題になってきております。日本のこの原糸、糸の値段を考えるときに、国際価格に比べて一五ないし二〇%割高という状況が出ております。これは常にナフサ等国産のものを使わなければいかぬからいつも糸は高くなるんだ、こういうことであったのですが、全般的な趨勢の中で石油製品の自由化等が進むとすると、その前提はかなり変わっていくと思いますが、そのときには原糸の価格について適切なる変動というものが考えられるのかどうか、この点いかがでしょうか。
○篠島政府委員 糸の段階の国際競争力というのは中長期的に見ても非常に問題でございますが、現在のところ、むしろ需給の状況によって価格が決まるというのが実態でございます。しかし、中長期的に国際競争力を原糸の段階でもできるだけつけるように、合繊メーカーとしても、そうした原料段階での価格が少しでも安く手に入る、この努力は懸命にやっておりまして、その努力に期待したいと考えております。
○辻(一)委員 今後の検討の課題として、ひとつまたいろいろ御検討いただきたいと思います。 時間が参りましたので終わりますが、ともあれ、深刻な繊維不況で、私も大分長い間この問題に頭を突っ込んできたんですが、今度ほど長期かつ構造的な不況は珍しいといいますか、初めてのような感じがしますので、通産当局もいろいろと御苦労いただいておりますが、なお今後ともひとつ御努力をいただきたい。このことを要望して、終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○粕谷委員長 これをもちまして辻一彦君の質疑は終わりました。 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後一時十三分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。福岡康夫君。
○福岡委員 まず最初に、今社会的問題になっております大手ミシンメーカー、リッカーの大型粉飾事件及び背任横領事件につきまして、これに関連しての問題を私、取り上げてみたいと思うわけでございます。 このリッカーの巨額の粉飾決算は、リッカーが急成長の武器にしてきたミシンの前払い方式割賦販売が助長した、こういうふうに見ておるわけでございます。 そこで、通産省にお尋ねいたします。それは、昨年の七月二十六日に行いました我が党商工部会長の長田議員から小此木通産大臣に提出されましたリッカー倒産に関する申し入れ書のことであります。十一項目の申し入れ事項のうち、前払い積立契約者に関する六項目についてその後いかに処置をなさったのか、この点をお伺いいたしたいと思うわけでございます。また、リッカーのほかの前払い積立販売業者についていかに処置されたのか、御報告をお願いしたいと思います。
○矢橋政府委員 リッカーの問題につきましては、先生既に御承知のとおり、昨年の七月二十三日に和議開始の申し立てをしたわけでございますが、その直後の七月二十六日に公明党商工部会から商品の引き渡しが速やかに行われることなど、消費者保護に万全を期するよう申し入れを私どもに対してちょうだいをした次第でございます。 その後の状況でございますけれども、リッカー株式会社は去年の八月二十二日に改めて会社更生手続開始の申し立てを行い、本年に至りまして二月十八日に東京地裁におきまして会社更生手続開始の決定がなされたところでございます。そして現在、管財人を初めとする関係者が再建のために尽力中という状況にございます。 私どもといたしましては、和議開始申し立て以降、消費者保護の見地から、リッカー等に対しまして前払い方式による顧客の新規募集の停止及び既存の前払い契約に係る前受け金の集金停止を指示し、被害の拡大防止を図りますとともに、既契約者のうち商品の引き渡しを希望する者については後払いへの切りかえ等によりまして、商品の引き渡しに応じるように指導をしてまいったところでございます。この点につきましては、信販会社などの協力もございまして商品の引き渡しは順調に行われております。 今般、会社更生法の更生開始決定が行われたわけでございまして、これは会社更生法の規定によりまして商品の引き渡しが従前以上に円滑に行われることとなった次第でございます。つまり、消費者からの商品の引き渡し請求権等は、会社更生法によりまして共益債権という扱いになりまして、更生手続によらないで弁済が可能であるという裁判所の見解でございます。そういったことからこのたびの更生開始決定は、消費者対策の上でも非常に大きくプラスになっていると考えているわけでございます。 それで、全体を通じまして、昨年夏の公明党からのお申し入れの趣旨に沿った努力を私どもしてまいったわけでございますし、また成果も一応上がっているものと考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、この問題につきましては今後とも消費者保護に万全を期するべく所要の指導等に最大の努力を払う所存でございます。 それから二番目の御質問でございますが、リッカー以外の前払い式業者に対してとった措置はどうかということでございます。 これは割賦販売法あるいはその一連の政省令等によりまして、前払い式取引業者は一定期間ごとに財産、収支に関する調書等の届け出が義務づけられているわけ、ございます。私どもといたしましては、それらの届け出に基づきまして財務状況、経理内容等をチェックしているところでございます。 さらに、今回のこういった経緯もございますし、また、実は昨年の八月三日と記憶しておりますが、当委員会におきまして木内先生への私の答弁の中でもお約束と申しますか、申し上げましたように、昨年の十一月一日には私どもから各地方の通商産業局に対しまして、届け出を受理するに当たりましては単に書類を受け取るということだけでなくて当該業者の業況などについて詳細なヒアリングを行うということと、それから必要に応じ特別の立入検査を行うよう指導したところでございます。今後はこれらの一連の措置に基づきまして前払い式取引業者の財務、事業状況等について引き続き強力なチェックを行ってまいる方針でございます。
○福岡委員 十分消費者保護対策、中小企業対策に留意の上、この問題の解決に当たってほしいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 次の問題に入らしていただきたいわけでございますが、去る五月六日東京目黒区の環状七号線交差点において、ガソリン及び軽油二万リットルを積んだタンクトレーラーが横転、炎上いたしました。この点につきまして警察庁の方からまず冒頭に概況報告をお願いしたいと思います。
○上野(治)説明員 お答えいたします。 本件事故は、去る五月六日午前十一時三十分ごろ発生いたしました。タンクローリー車がガソリン十六キロリットル、軽油田キロリットルを積載し、環状七号線外回りを走行中、東京都目黒区柿の木坂三丁目の野沢交差点付近において御案内の事故が発生したわけでございます。 前に走っていた乗用車が信号待ちのために停車しようとしたのを見て自分も急停車しようとしたところ、折からの雨にスリップして蛇行し、前を走っておりました乗用車にぶつかり、その乗用車の同乗者一名にけがをさせたほか、そのタンクローリーが横転してガソリンと軽油が漏れて火災になり、付近の民家一棟四世帯を全焼、七棟の半焼、車両合計三台の損壊、停電五十二世帯、ガス供給停止が十二世帯という事故が発生しております。 事故発生を認知した直後から警視庁では今日まで毎日数十名の捜査員を動員しまして、事故現場及び事故車両の鑑識あるいは運転者、付近の住民等の関係者からの事情聴取等鋭意捜査しておる次第でございますが、タンクローリーの横転原因、ガソリン、軽油の流出原因等の事故原因及びその経過については現在まだ正確なところが解明されておらない段階でございます。解明されるまでまだしばらくの間時間がかかると思っておる次第でございます。
○福岡委員 被害状況がわかりましたら御報告願いたいと思います。
○上野(治)説明員 お答えいたします。 被害に遭いましたのは、タンクローリーの前に走っておりました乗用車の助手席に乗っていた女性が一人けがしたこと、その車が壊されたということが一つございます。それからタンクローリーそのものが焼却してしまったということがありますが、そのほかには、環七に面しております木造モルタル二階建ての建物一棟、二百十一平米が全焼、それから七棟が半焼、一部損壊となっております。乗用車、オートバイ、自転車がそれぞれ一台焼燬、それから信号機や電柱が相当壊されております。そのほか、付近の停電になった家が五十二、ガスがとまった家が十二世帯ということでございます。
○福岡委員 続いて警察庁の方にお尋ねいたしますが、警察庁と東京消防庁は、二十日から三十一日まで都内の十一カ所で危険物運搬車両の特別一斉取り締まりをするとのことでありましたが、二十日取り締まりにおいて、わずか二時間十分の間に、検査対象七十二台中十台の消防法、道交法違反があったとのことですが、きのうまでの取り締まりの結果の状況を御報告願いたいと思います。
○上野(治)説明員 お答えいたします。 お尋ねの件につきましては、警察としまして、事故が発生直後から関係の行政機関との連絡を密にしまして、本件事故の善後策等について検討しておる次第でございますが、その一環として警視庁につきまして、東京消防庁と協力の上、現在特別取り締まりを行っている段階でございます。 先生御指摘になりました五月二十日からの取り締まりの結果につきましては、まだ現在取り締まりを継続中でございますので、しばらく行う予定にしておりますので正確な数字を集計しておらない段階でございますが、最初の五月二十日に行いました取り締まりの場合は、検問を行った場所でのとめた車のうち七台に一台は何らかの違反をしておった次第でございます。それから二日後に別な場所でやった際にもおよそ四台に一台が何らかの違反をしておりました。 この違反の内容につきましては、必要な書類を携行していなかったというような事務手続に関するものもたくさんあるわけでございますが、そのほか安全弁が緩んでいたとか、あるいは静電気除去のためのアース線が壊れていたというような違反もかなり出ておる次第でございます。 この種の取り締まりというのは、過去にも消防法の精神にかんがみまして全国の消防と協力して取り締まりを行っているわけでございますが、昨年十一月に取り締まった際の数字でいきますと、全国で一万九千台の車の停止を求めて検査しておりますが、そのうちで二千七百台、すなわち七台に一台の車が何らかの違反をしていたということが、その時点で判明しております。過去の例でもおおむねその程度の実態でございます。
○福岡委員 私、警察庁の今の概況報告で皆様方にお知りになっていただきたいのは、二点の御質問をさせていただいたわけでございますが、一たびこの問題が起これば、被害状況は先ほど警察庁の御報告のように二戸全焼、七戸半焼、その他相当数の被害が出ております。まだ被害金額は現在警察庁が調査中だ、こういうことで、私個人の判断としても何億円以上かの被害が起こっていることは事実ではないか、このように私は考えるものでございます。 また、その事故の直後、二十日から都内の十一カ所で取り締まりをして、二十日だけでも先ほど警察庁の方から御報告がありましたように、七台に一台はこのような違反の行為が起こっておる、こういうことを御認識の上質問を続けさせていただきたい、かように思うわけでございます。警察庁の方、どうも御多忙のところ御苦労さまでございます。結構でございます。 私、現在のトラック運送の実態についていろいろと運送事業者の方にお聞きしております。どうも運賃のことについては、経済的に優越した地位にある荷主側に運賃決定権があると私業界の方から聞いておるわけでございますが、荷主側が認可運賃を下回る水準での運賃設定を運送業者に強要することがあるとすれば独禁法上に問題があるかないか、この点について一般論として公正取引委員会にお伺いしたいと思います。
○利部政府委員 一般論としてではございますが、荷主が相手方の運送業者に比べて取引上優位な地位にあって、その地位を利用して不当に低い運賃等を押しつけたりいたしますと、独占禁止法の優越的地位の乱用ということで、不公正な取引に当たるおそれがございます。
○福岡委員 ただいま公正取引委員会の御見解をよく御認識の上、後でまた通産省、運輸省側の方にお聞きしますので、今の御答弁ひとつ御認識の上で後の御答弁をよろしくお願い申し上げます。 昨年の三月二十三日の商工委員会で我が党の長田議員から下請法の規制対象に運輸業と建設業を入れたらどうかとの要望が出されております。そのときの高橋公取委員長の答弁によると、運輸業についてはまず実態の把握の必要があるとのことでしたが、実態調査の方はいかになっておりますか。ちょっと私の方に御報告願いたいと思うのです。
○利部政府委員 運輸業の関係につきましては、過去数年間に四回ぐらい下請取引の実態を知る観点から調査をしておりますが、その後の経済構造の変化に伴って問題となり得る下請取引の実態の変化も考えられると思います。取引上弱い立場にある中小企業の利益を保護するという観点から、その取引の実情を運輸業の場合においてもさらに調査したいと考えております。できますれば本年度中に着手したいと考えております。
○福岡委員 認可運賃の収受が行われていない場合に、運送業者が荷主側に運賃の値上げを要請したとき、荷主側が同業者と横の連絡を取り合ったり、加入団体で値上げ要求を拒否することは独禁法上問題があるかどうか、御見解をお聞きしたいと思うのです。
○利部政府委員 荷主側に、御指摘のような行為がありましたら独占禁止法違反の疑いが相当濃いことだと思います。
○福岡委員 以上の関連官庁の御見解を今お聞きした上で、直接関係官庁である運輸省にお尋ねいたしますが、去る六日東京目黒の環状七号線で起きたタンクトレーラー横転、炎工事故について、このような事故を再び起こさないために運輸省としてはどのように処理を行ったのか、御報告願いたいと思います。
○松波説明員 お答えをいたします。 今先生の御質問の件でございますが、私たちは危険物の輸送に関しましては、先ほどお話がございましたように、事故発生の場合の被害の甚大性にかんがみ、従来から機会あるごとに輸送の安全確保につきましては注意を喚起してきたところでございますけれども、今回見られるような事故がございましたので、その再発を防止するために、運輸省といたしましては、危険物運送事業者に対しまして、日ごろ実施されておる安全に関する業務の実施状況とか施設について総点検を緊急に行うよう、先ほど先生からもお話がございましたが、この五月十四日ではございますけれども、各地方運輸局長に対し通達を出し、危険物輸送の安全確保に万全を期しているところでございます。 総点検の内容でございますけれども、それに当たっての留意すべき項目といたしましては、第一に安全運転の徹底でございます。特に制限速度の厳守あるいは適正な車間距離の確保、制動装置、操縦装置の適正な操作等の基本的な事項の励行について徹底を図ることといたしております。 第二番目でございますけれども、車両の安全確保でございますが、運行前の点検あるいは定期点検の確実な実施、特に危険物を運送するタンク及び附属品についての細心の注意を払うことといたしております。 第三番目でございますが、関係法令の遵守でございます。道路運送法に基づく運行管理の徹底及び消防法等の徹底を図ることといたしております。 これらの総点検結果につきましては、七月十五日までに取りまとめをいたしまして運輸省に報告させまして、その結果を確認してまいる所存でございます。
○福岡委員 私、道路運送法をつぶさに見ましたところ、道路運送事業者には上限価格と下限価格の設定がございますが、この運賃の決定につきましてこういう上限、下限価格を設定して独禁法の適用除外の形になっておりますが、こういう制度を設けた根拠をお示し願いたい。
○植村説明員 道路運送法の第八条で運賃の認可の根拠規定がございます。トラック運送の運賃が認可制になっておる理由でございますけれども、トラック運送事業の公共性にかんがみまして、安全で良質なトラック輸送サービスを安定的に供給するということから、これがまた荷主、利用者の利便につながる、こういう見地から認可制がとられているものだと思います。 また、先生御指摘のとおり、トラック運賃は上一〇%、下一〇%の幅がございます。この幅をつくっております理由は、一つは事業者間の生産性の違いを反映して自由な契約の中で、幅の中で適正な運賃の収受ができるようにということでございますし、もう一つは、季節あるいは地域によりまして需要の変動がございます。そういった需要変動をこの幅の中で吸収させようという見地でございます。
○福岡委員 私、今お話を聞きまして、なるほどそうだろうと思っております。やはりこの業界には特殊事情がある。いわゆる運輸業者そのものには非常に優越的な地位において少し弱いところがある、それから第二は社会公共性がある、こういう形から独禁法の対象から外されておると理解しておるわけでございます。そこで、通常の業界と違って、需給のバランスの上に価格が決定されるという形のものから政府の厚い保護があったものと理解しておりますが、いかがでございましょうか。運輸省の方でお答え願いたいと思います。
○植村説明員 御指摘のとおりの考え方で道路運送法に認可制の規定があり、また独禁法の適用除外の規定があるものと承知しております。
○福岡委員 それでは運輸省にお尋ねいたしますが、そのような価格問題について、通常の場合運輸業界につきましてはどういうような価格の行政指導を行っておりますか。また、つぶさに立入検査、帳簿の提出等とか、そういうような形で現在までおやりになった事実があるかどうか、この点について御報告願いたいと思います。
○植村説明員 お答えいたします。 認可運賃の収受はトラック運送事業の健全な発達を図る上で非常に重要なことでございますので、私どもとして認可運賃を適正に収受させることが非常に大事な行政であると認識しております。五十八年四月に参議院の運輸委員会でございますけれども、そこで全会一致の決議、輸送秩序の確立に関する決議がございます。この中でもそのことがうたわれておるわけでございます。 私どもとしましては、それを受けまして、認可運賃を守るために、一つは荷主団体を所管しておられます通産省等にお願いの文書を出させていただいたり、あるいは荷主懇談会と称しておりますけれども、荷主の方々とトラック運送事業者のいろいろな安全問題も含めた問題点を相互に意見交換して、トラック運送事業の健全な発達と良質な貨物輸送サービスの提供という見地からの懇談をさせる等のことをやっておるわけでございます。 御指摘の運賃の収受状況についてつぶさに調査したことがあるかという点でございますけれども、私ども毎年定期的に監査をしております。あるいはまた、事故等が発生しました場合に特別監査をいたします。こういった際に、運賃の問題につきましても調査をいたします。それから運賃の変更の認可申請が出ましたような場合に、その際に実際の運賃がどういう水準にあるかということにつきましては調査するということでございます。ただ、一つ一つの取引すべてにつきましてつぶさに調査することはできないものですからやっておりません。
○福岡委員 ただいまのお話の中で、毎年定期検査をやっておる。定期検査の中には価格、いわゆる運賃の調査も対象になっているのかどうか。もし調査の対象になっておれば、毎年全国的にまた地域的に運賃がどういうような動向で、上限、下限の中で、道路運送法に基づいて一般貨物とか限定貨物とかありますが、運賃の動向関係は運輸省は今までおつかみになっているのかどうか、この点について、もし調査をしてそういうものをつかんでいれば御発表願いたい、こう思いますので、ひとつ御回答をお願いしたいと思います。
○植村説明員 お答えいたします。 トラック運送事業者というのは三万六千ぐらいございます。したがいまして、その数字から見ると少ないという御指摘を受けるかもしれませんが、例えば昭和五十八年度におきましては全国で二千六百七十四事業者につきまして監査をいたしております。そして、監査の項目の中には先生御指摘の運賃、料金違反も入ってございまして、この五十八年度の監査の指摘の中では五十七件の運賃、料金違反を見つけておる、こういうことでございます。 ただ、先生御指摘の一般的な傾向といいましょうか、過去どういう状況で推移しておるか等の傾向をつかむにはこの監査の結果だけでは不十分であろうかと反省しておるところでございます。
○福岡委員 私、業界の方からいろいろお話を聞きましたところ、ほとんど監査らしい監査はない。それから価格関係についても書類調査だけで形式的なものに終わっておるんだ。そこで我々が下限価格を下回った価格で運賃をしておっても、我々としては力の弱い関係で荷主側の方が強いんだ、第三者の方から介入して直していただけば是正はできるんだけれども、自分の方からその当地の陸運局等に申し入れをして是正をしてもらうということはやはり取引上非常に不可能な状態にある。ところが陸運局等においての調査というものがほとんどない。今のお話の中にも、非常に十分ではないかという御発言もありましたが、ほとんど立入調査みたいなのはやってない、こういうように聞いておりますが、その点はいかがでございましょうか。
○植村説明員 先ほども申し上げましたとおり非常に事業者の数が多いものですから、先ほど申し上げた数字というのは全体の事業者の数からいけば非常に少ない。事業者さん一人一人とってみれば、自分が前回監査を受けてからまた次の監査を受けるまで非常に間があいてしまう、これが実態でございます。これは役所の方のいわば仕事の能力との関係もございまして、私どもとしては、残念であるけれどもやむを得ないと思っておるわけでございます。 それから、監査の内容の方でございますけれども、今申し上げたとおり対象事業者数は少のうございますけれども、監査しますときは当該監査対象事業者の営業所、本社に赴きまして、先生御指摘のとおり書類上ではございますけれども、書類をつぶさに点検するということでやっております。
○福岡委員 つぶさに点検するというのは、具体的にはどの程度のものを指しているのですか。
○植村説明員 例えば運賃関係につきましては、取引の伝票をチェックするということでございます。
○福岡委員 私、今のお話を聞きまして、なるほど業界の方からのお話で、やはり運輸省の調査というものが形式的に終わっているんだ、こういうような裏づけを強く持ったわけでございますが、この調査を今までやってきたのでこれ以上のことはできないのかどうか、これ以上、下限価格はせっかく設定があるので、やはり弱者救済のために第三者がこれに入っていってこの是正をやる必要があると私は思うのでございますが、運輸省当局の方のお考えはどうなのでございますか。
○植村説明員 お答えいたします。 監査につきましては、引き続きその充実に努めてまいりたい、このように思います。 それから認可運賃を収受するための私どもの今後の指導でございますけれども、先生も御指摘のとおり荷主との間の力関係といったものが背景にないとは言えないと思います。したがいまして、まずはトラック運送事業というもののいわば地位を高めるといいましょうか、現在も進めております構造改善事業、これを進めまして、中小企業ではあるけれども、体力をつけてその交渉力を高めるような、そういう基盤の整備ということについて引き続き努力してまいりたいというのが一点でございます。 それからもう一点は、やはり荷主団体を所管しておられる官庁の方に私どもとしてもお願いをして、何とか認可運賃の収受に努めていただくように御協力をお願いしたいと思います。 それからもう一つ、これは非常に残念なことでございますけれども、認可運賃の収受ができない場合、その裏にあります事情に、一つは、トラック運送事業者同士の競争というものもございます。これにつきましては、まさに私どもの行政の範囲内でございますので、トラック運送事業者に対して今後ともそういう、言葉はよくないですが、いわば足の引っ張り合いのようなことをして、それが結局認可運賃の遵守ができなくなることに結びつく場合も間々あるようでございますので、ここら辺は私どもとして引き続き指導を強めてまいりたい、こんなふうに思います。
○福岡委員 今までに、荷主側の監督官庁である通産省とか農林水産省と一緒になってこの価格の是正に努力されたことがあれば、その行われた内容について御披露願いたいと思います。
○植村説明員 先ほどお答えいたしました五十八年の春の決議を受けまして、私どもとしましては、例えば通産省さんには昭和五十八年の十月に文書でお願いをいたしました。その結果、通産省本省からは出先の通産局あてにその趣旨の徹底を図っていただいた、こんなふうに承知しております。
○福岡委員 運輸省当局にお尋ねいたしますが、価格決定権は、私、本業種の場合には、ちょうど前に三越事件という独禁法違反事件があったように、優越的地位のある者とない者の取引が両方の合意によって行われない場合という形で、優越的地位にある者が、納入業者の方よりも従にならないで、価格決定権がそれを買う側に一方的にあると、これはやはりその力関係の問題が大きな問題をはらんでおると思うわけでございます。まさに運輸業者の場合も、特に今回の事件のように相手が大きな企業であれば価格決定権はまさに荷主側の方にある。運輸事業者の方はただその言いなりになるような状況。またタンクローリーのように業種が限定された、タンクローリーを持った者というのは会社の数も非常に限定されます。単位も小さいです。その場合にはやはり競争関係が非常に制約される形での取引関係になるわけでございます。先ほど運輸省当局自体もおっしゃっておったように、この上限、下限価格という設定はそういう非常に特殊な状況にある業種だから設定がされてあるんだ、こういうお話でございます。そういう法律の制定がある以上、その遵守について、十分これからもあらゆる力を出しまして、この問題の遵守に努めていただきたいと思います。その点どういうようなお考えか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○植村説明員 トラック運送事業は非常に公共性が高い上に、万が一事故が起こりますと、道路上を仕事の場としておりますので大きな影響を社会に及ぼすということでございますので、私どもとしては、認可運賃の収受のために従来から進めております諸般の施策、構造的には中小企業の構造改善といったようなこともございますけれども、それ以外に荷主、官庁さんとの協力体制をつくり、あるいは事業者と荷主団体との懇談会、これの開催の充実を図る等々によりまして地道に努力してまいりたい、こんなふうに思います。
○福岡委員 今の御回答のように、運輸省も本件の問題を契機といたしまして、今警察庁の方から御報告がありましたように七台に一台はこういう危険性をはらんだものが走っておるわけでございます。いつ同じような現象が次から次起こってくるかわかりません。この価格問題については十分留意しなければいかぬのじゃないか。 というのは、なぜ私が価格問題を取り上げたかといいますと、次の問題に入る前提でございますが、価格が安いので保険にも加入できない。私、今回の事件の、運輸事業者の問題についていろいろお聞きしてみたところ、任意保険にはたった二百万の対物しか入っておりません。今の警察庁の被害状況のお話のように、金額にすればだれが見ても何億円以上の被害が出ておるわけでございます。やはり特に運送事業者というものは中小企業が多くございます。この価格の強制によって労働状況、福利厚生の面、その他いろいろな問題に派生してくる問題があります。運送業者の方は皆さん言っております。ひとつ運輸省、助けてくれ、いかに今下限価格を下回って我々はダンピングの形で事業活動を行っているか、この実態をよく調べて、自分たちには力がない、力の大きい荷主側に第三者機関である運輸省なり通産省が入っていただいて是正していただく、こういう措置しか我我を救済することはできないのだ、こういうことを叫んでおりますので、この点を十分御留意していただきたい、かように思うわけでございます。 次に通産省にお伺いします。 このたびのタンクトレーラー横転、炎工事故を契機として、荷主側の監督官庁としてどのようなことをなされたのか、ひとつお伺いしたいと思います。
○畠山政府委員 先ほど来若干御説明もございましたように、今回の事故は、東亜燃料の川崎からエッソの八坂のステーションへ荷物を運んでおる最中の事故であったわけでございまして、荷主がエッソ石油ということでございましたものですから、たまたま公明党の池田克也議員の方から御要請もあったこともございまして、エッソ石油から十分事情を聴取いたしたところでございます。それで消防、警察当局とも連絡をとりながら、今後とも荷主の側においても、今御指摘の輸送の安全ということにより一層の配慮を行って運送会社に当たるというふうにしてもらいたいということを要請しているところでございます。先ほどの運輸省の協力要請もございますので、今後とも十分荷主の側においても、運送の安全の配慮ということについて指導してまいりたいと思っております。
○福岡委員 私、先日荷主と運送事業者との間に取り交わした契約書を見ることができたわけでございますが、この中で輸送上の一切の事故の責任は荷主にはなく、運送事業者にあると規定されております。このことを見て、運送事業者の責任の重大さを改めて感じさせられた一人でございますが、労働集約産業と言われる運送事業は、車両と運転者がいれば容易にこの業界に参入できるわけでございます。過当競争は必至であり、お互いに足の引っ張り合いをしている実態もあるのです。ひとつ官庁間の横の連絡をしっかりとっていただいて、荷主側である通産省、農林水産省、また運輸事業者の監督官庁である運輸省、垣根を捨てて一致団結いたしまして、このようなことが二度と行われないように御指導願いたいと思いますが、運輸省及び通産省の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
○植村説明員 私ども運輸省といたしましては、まさにトラック運送事業の健全な発展のために非常に重要なことでございますので、通産省、農水省にお願いをし協力して、先生御指摘の方向で努力してまいりたいと思います。
○畠山政府委員 輸送の安全の確保のために荷主であります石油業界の協力が必要であることは十分理解をいたしておりますので、御指摘の趣旨を踏まえまして、今後とも関係省庁と連絡をとりながら輸送の安全確保に十分配慮するように指導をしていきたいと思っております。 ただ、石油業界というのも輸送業界とはいろんな関係がございまして、確かに輸送業者の買い手であるという関係もございますが、輸送業者に石油を納めておるという側でもございますので、同時に石油業界の健全な発展ということも配慮してまいりたいと思っております。
○福岡委員 運輸省にお尋ねいたしますが、道路運送法によって下限価格を守られなかった場合は処罰規定があるのかどうか。もしあれば、だれが処罰されるのか、その点ひとつ御説明願いたいと思うのです。
○植村説明員 道路運送法で認可制度が設けられておりまして、認可運賃を守らない場合、そういう違反については処罰規定がございます。処罰の対象は道路運送事業者、トラック運送事業者でございます。
○福岡委員 私は、この業界の実態をいろいろお聞きしたところ、どうも価格決定権は荷主側にあるのじゃないか、こういうように理解しておるわけでございます。ところが今お話を聞きますと、この下限価格を下回った場合に、運輸業者の方が処罰される、こういうことになっております。これでは力のない者が処罰されてどうにもならない。私、何か納得できないものがあるわけでございますが、根本の解決は、運輸省がセットをしているような、さきにちょっとお話がありましたが、やはり荷主懇談会に通産省とか農林水産省の人も参加していただいて、いろいろと協議し合ってこの問題を解決しなければ、この問題は解決しないと思うわけでございますが、この点について通産省側の御意見をちょっとお聞きしたいと思うのです。
○畠山政府委員 先ほど申し上げましたように、石油業界と輸送業界、相互にいろいろな関係がございまして、そこの取引の具体的な内容にまで官庁が介入をしていくということがいいかどうかという基本的な問題はございますが、今御指摘のように荷主懇談会、これは運輸省がやっておられるのか、都道府県がやっておられる荷主懇談会というのがございまして、その荷主懇談会の中に石油業界は事実上参加をいたしておりまして、いろいろお話等も伺っておるようでございますので、今後ともその都道府県の荷主懇談会のような場を通じて、安全問題等について、私どもも機会があれば十分指導もし、また、石油業界も自覚をしていくということであろうかと思っております。
○福岡委員 ただいまのお話によりますと、何か行政官庁が価格に介入するのは云々という御答弁がございましたが、確かに、法律で制定されていない場合には問題はあると私は思います。やはり日本の現在の経済は、需給のバランスの上に価格が形成されるというのが原則です。しかし、本件のように、上限価格、下限価格が法律によってきちっと設定されておる以上、これについて行政官庁が介入することがどこが悪いか、こういうように考えますが、いかがでございますか。
○畠山政府委員 私どもがお答えすべきかどうかあれでございますが、運輸業者が、その契約約款でございますか、法律に基づいて定められた、あるいは認可を受けた契約約款どおりに仕事をなさるということは、これは当然だと思っております。また、石油会社の側におきましても、運輸会社がそれを守れなくなるような、そういうことを強制したりなんかしてはいけない、これは当然のことでございますので、そういう観点から石油会社に対しても十分指導をしてまいりたいと思っております。
○福岡委員 では、通産省の方に続けてお尋ねしたいのでございますが、石油会社においては、運輸部門を独立させ、いわゆる物流子会社なるものを設立しておりますが、その子会社に運賃として認可運賃額を渡し、その子会社を中継点としてさらに別の運送会社に運営委託をしておるような実情をお聞きしておるわけでございますが、この点についてどういうようになっているのか、ひとつ御披露願いたいと思います。
○畠山政府委員 五月六日に問題になりましたこのエッソ石油につきましては、今御指摘の物流子会社は有していないというふうに報告を受けておりますが、ほかの石油元売企業について一応調べてみましたところ、御指摘のように、出資比率が五〇%を超えるものだけを調べてみましたが、五〇%を超える出資比率を有する輸送会社が二社ございました。 それで、この会社が、今おっしゃったように、さらに下請に輸送業務をやってもらっているというケースもあるようでございますけれども、その運賃は、認可運賃と同一の運賃ということでやっておるというふうに報告を受けております。
○福岡委員 運輸省にお尋ねいたしますが、こういう物流子会社の場合、荷主、物流子会社、それから運送事業者、こういうような三つの取引の場合に、道路運送法による処罰規定はどれを対象にしておりますか。
○植村説明員 先生がおっしゃった物流子会社というのは、道路運送法上登録制度になっておる取扱業に該当すると思います。私どもがいわゆる認可運賃と称していますのは、真の荷主と運送事業者、取扱業を含めた運送事業者の関係でございまして、取扱業者さんとその下請をするトラック運送事業者さんとの関係は運ぶ側の内部の関係であるという観点から、認可運賃は及ばない、こんなふうに考えております。
○福岡委員 通産省の方、今お聞きしましたような形になっておりますので、そういう問題点もあるんだ、こういうことを認識の上、いろいろ通産と運輸とで御処理願いたい、こういうことでございますので、ひとつよろしくお願いいたします。 次に、労働省の方にお尋ねするわけでございますが、トラック運送業界の自主的調査による内部資料を一昨日見せていただきましたが、LPガスのタンクローリーの運転者の中には、労働基準法に違反して一日十時間以上も働く人が大勢いるということです。ひどい例を挙げますと、仕業点検から車庫入りまでの実働時間が何と十六時間というのがあります。この記録は、間違いなく運転者本人が署名入りで書いた日報でありますから、いいかげんな話ではないと私は理解しておるわけでございます。もし公にすれば、当然労働基準法違反ということで労働省の方からおしかりを受けることは必至だと私は思うわけでございますが、ひとつ労働省はこのような実態を把握する必要が一度あるんじゃないか、こういうように思うのです。 そこで強調しておきたいことは、LPガスのタンクローリー等の輸送業者は、労基法に定められた労働時間を守っていたのでは経営が成り立たない、今いろいろお話も聞いていましたような状況がありますので、こういう厳しい現実からこういう問題は行われておるわけでございます。 この点について、労働省側の御見解をひとつお伺いしたいと思います。
○菊地説明員 自動車運転者の労働時間の問題につきましては、他産業に比べまして非常に問題を多く抱えてございます。 労働基準法上は、御案内のとおりかと思いますが、労使が三六協定を結びまして時間外労働を一定の枠内で合意してやるという限りでは、違反の問題は起こっておりません。 しかしながら、先ほど来御議論がありましたように、交通安全の問題、あるいは、一たん事故が起こりますと非常に社会的に波及が大きいということもございまして、運輸省とも協力のもとに、二七通達によりまして、基準法とは別の次元から、全体的な労働時間管理の適正化を進めているところでございます。 御指摘のような労働基準法違反が現実にあるということにつきましては、我々も、見つけ次第、所要の措置をこれまで講じてきているところでございます。
○福岡委員 運輸省にお尋ねいたしますが、本件の事故のように、対物がたった二百万というような形では、いざ鎌倉というときに保険の用が成り立たないのじゃないかと私は思うのでございます。当然任意保険については運輸省もいろいろ御指導されておると思いますが、その対策について御披露願いたいと思います。
○植村説明員 トラック運送事業の事故が、まず事故を起こさないようにするというのが一番大事でございますけれども、万一事故が起こった場合に、大きな影響を社会に与える。中でも危険品輸送というのは、前回の事故にも見られますように、大きな被害を与えるわけでございます。したがいまして、そういったことが起こった場合の補償力をつけるというのは、基本的に重要なことであると認識しております。 私どもとしては、免許の際、保険加入方につきまして行政指導を従来からしておるわけでございますけれども、今後とも、特に危険品輸送の関係につきましては、十分な補償ができるような対策をとるように、いわゆる指導をしてまいりたいと思います。 ただこれは、補償力というのは必ずしも保険だけの問題ではございません。会社が資力があって、保険に入っていなくても補償できる場合もあるでしょうし、いろいろなケースがあろうかと思いますので、強制という形はとれませんけれども、総体として補償力を充実させるということについて引き続き努力してまいりたいと思います。
○福岡委員 通産省にお尋ねいたしますが、爆発保険の行政指導の面についてひとつお話を承りたいと思います。
○平河政府委員 LPガスの移動中の災害防止につきましては高圧ガス取締法で安全策を講じておりますけれども、万一の災害の場合の爆発保険につきましても、私どもは非常に重要視しておりまして、いろいろPR等を通じて進めているところでございます。現在、事業者が単独で加入します保険と、高圧ガス保安協会でまとめて加入している保険がございます。協会でまとめております保険の加入率が四三・一%、これと先ほどの事業者単独で加入しております加入率を合わせますと、合計で九五・四%、かようになっております。
○福岡委員 私は、先ほどからいろいろ各省にまたがってお伺いしたわけでございますが、私の言わんとすることは、このような問題は今後も発生する危険が非常に大きい。いろいろ価格面から保険には入れない、労働過重になる、その労働過重の結果、取引の相手方と自分の方との事件ではなくて、何ら関係のない第三者を巻き込んでの問題点がある。それに対しての補償についてはまたいろいろの問題点が出てくる、大きな問題を含んでおる。いわゆる中央官庁の縦割り行政をやめて、運輸省、通産省、農林水産省、あらゆる関係官庁、また労働省も入って、一緒になって、この問題をひとつ総合政策としてお進め願いたい、こういうことを私は主張したいわけでございます。最後に、通産大臣のこの点についての御見解をお聞きしたいと思います。
○村田国務大臣 先生の先ほど来の御質問を承りました。運輸省ともよく協力をし、また関係官庁が協力をいたしまして、この問題に対して取り組んでまいりたいと思います。
○福岡委員 いろいろ多々の方にお聞きしましたが、総合政策をひとつよろしくお願いする、こういうことで私の質問を打ち切らせていただきます。
○粕谷委員長 福岡康夫君の質疑は終わりました。 引き続きまして、野間友一君の質疑に入ります。 速記をちょっととめてください。 〔速記中止〕
○粕谷委員長 速記を起こしてください。 野間君。
○野間委員 私は今から、世界一と言われます日本の鉄鋼産業に関連して質問したいと思います。約束の時間がありますので、できるだけ簡潔に聞いたことにお答えいただきたいと思います。長々とやられまして約束の時間をオーバーした場合には挙げて政府に責任がありますから、そのことを最初に申し上げて質問したいと思います。 今申し上げましたように、我が国の鉄鋼産業の座と申しますか位置づけでありますけれども、粗鋼生産シェアはソ連を除いて第一位、それから輸出のシェアを見てみましてもこれまた日本は第一位、それから連続鋳造、技術革新ですね、この比率も今では日本が九〇%という状況でありまして、これももちろん世界一、それから粗鋼トン当たりのエネルギーの消費原単位、これも一九七三年の日本を一〇〇として今、八二年時点ですけれども、日本が八八でこれまた世界一、それから鉄鋼労働者一人当たりの粗鋼生産量、これも断然トップというようなこと、さらにその上に加えて言いますと、最近注目されますコンピューター導入の利用とか情報化、この現状を見てみましても欧米諸国に比べてもトップ、こういう状況だというふうに私は認識しております。これらの世界一の座を占めるということは、単に企業が努力をしたということだけではなくて、その背景を考えてみますと、戦後、価格差の補給金がずっとありました。それから、一九六〇年代から七〇年代を経て今日に至るまでの予算等を中心とする大型プロジェクトによる公共事業等々、財政政策の問題とか、あるいは低利の世銀等の借款、開銀、輸銀等の融資、これの集中的な投入、それから租税特別措置もたくさんございますけれども、こういうような全般にわたる政府の施策が大きな役割を果たしてきたということは紛れもない事実だと思いますが、その点について、まず大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 今野間委員お述べになりましたように、我が国鉄鋼業は従来から省エネルギー対策、代替エネルギー対策、公害防止対策等の政府の施策に沿った設備投資、技術研究等を行っておりまして、その際に技術研究遂行のための税、財投等のスキームを利用してきております。例えばエネルギー利用効率化等投資促進税制では改良型の連続式鋳造装置、連続式焼鈍装置等が対象設備となっておりますし、また共通基盤型石油代替エネルギー技術開発費補助金の交付を受け、スラグ顕熱総合回収等の研究を実施しております。また、現在重要性を増しつつある新技術の開発施策についても、鉄鋼業が新たに創設された基盤技術研究開発促進税制を積極的に利用して、今後、同期型連続鋳造圧延等革新プロセスの研究、各種新素材の開発を推進していくことが期待をされております。 こういったわけで、鉄鋼業は世界にもまれな非常な発展をしておるわけでございますが、通産省としては、鉄鋼業がこのようないろいろな国家の制度を利用いたしまして体質の強化を遂げ、我が国の重要な産業として、また地域社会の活力の源泉として発展をしていくということを期待いたしております。
○野間委員 冒頭から長々と、お聞きせぬことについても答弁があったのですけれども、大蔵省にお聞きしたいのは、先ほど概括的にいろいろな施策の実態について申し上げたのですが、特に第一次の石油ショック以降、租税の特別措置について、例えば先ほど大臣の答弁にもありましたが省エネの設備あるいはエネルギーの有効利用設備、公害防止設備等、これは特に鉄鋼産業との関係が非常に深い優遇税制措置になっておりますけれども、この三つについて十年間どういう統計になっておるかということ、特に六十年度減収額は一体幾らになるのか、この点について数字だけをまずお聞きしたいと思います。
○伊藤説明員 お答え申し上げます。 お尋ねの三つの制度に関連する六十年度の減収をまず申し上げますと、公害対策のための課税の特例の関係では三百八十億円、それから特定設備等の特別償却制度では同じ年度二百十億円、三番目のエネルギー利用効率化等の投資促進税制の関係では四百八十億円になると見込んでおります。 それから過去の累計額というお尋ねでございますが、御案内のように各年度の減収額はそれぞれの年度におきます新規取得にかかる設備等の取得価格をもとに計算しております。それぞれの年度に出されたものを単純合計した数字で申し上げたいと思います。 その関係では、一番目の公害対策の関係は五十一から六十年度で三千三百十億、それから二番目の特定設備等の特別償却制度の関係では同じく五十一から六十年度で千四百九十億、三番目のエネルギー利用の効率化等の関係では、これは五十三から六十の合計でございますけれども三千四百二十億円になっております。
○野間委員 そういうことですね。トータルしますと七六年、五十一年から六十年までの十年間の合計は八千二百二十億円になるわけです。今の世界一という座を占めるために大変大きな役割を果たしてきたということがこのことからもわかると思いますし、またこの中で、先ほど申し上げたように鉄鋼産業が利用しておるウエートが非常に高いということもこれまた御承知のとおりであります。 さらに税制の問題で言いますと、先ほどこれまた大臣から答弁もありましたが、この増加試験研究費の税額控除制度への追加措置として基盤技術研究開発促進税制、いわゆるハイテク減税、これが新たに創設される。これは減税額は初年度が百三十億円、平年度が百六十億円、こういうことになっていますが、大蔵省にお聞きしたいのは、減税対象品目、設備、これは今既に決定されておりますが、鉄鋼関係の対象設備は一体何項目で何設備、これは新素材と革新プロセスでお答えいただきたいと思います。
○伊藤説明員 先生御案内のように、今年度創設されましたハイテク減税は、特定の業種を想定しての措置ということでございませんで、各業種を通じての普遍的なものとして設備の指定がされております。 したがいまして、鉄鋼関係で端的に幾らかという点は、私どもも数字を押さえておりませんが、トータルといたしましては、今お話にございましたように、初年度で百三十億円、平年度で百六十億円というふうに見込んでおります。 ただ、業界誌等で、鉄鋼業界がこういうものを使うというようなことで、それぞれの業界がお考えになっておられる設備というのがそれぞれあろうかと思いますけれども、挙げられておるのがすべて鉄鋼業界に限るというわけでもございませんので、それに即した数字というのはちょっと私ども持ち合わせておりません。
○野間委員 「鉄鋼界報」の六十年五月一日、十一日の合併号、これを見ますと、「鉄鋼業関係のものは以下のとおりである」として、新素材で十三項目、二十設備、革新プロセスで三項目、六設備、こういうふうに書いてありますね。これを恐らく指して言われたんじゃないかと思いますが、ほぼ間違いないと思います。 こう考えてみますと、常に業界が要求し、新たな対応をし始めると、直ちに施策の上でもこれを生かすということになっておるわけですね。 私の地元の住友金属工業、住金というふうに以下省略しますが、ここもいろいろな社内の資料等を見ておりますと、新しい先端技術等への分野、特にセラミックス、チタン、アルミ合金、こういう新材料さらには電子材料、石炭化学、こういうとこ砂に、大体将来十年後ですが、会社の売り上げの約三割をこういうところでというふうに社長等のあいさつの中でも書いてありますし、今必死の取り組みをしておりますが、それに対応する施策が今申し上げました新たな税制の措置になるわけですね。 補助金についてもちょっと調べてみますと、これまた住友金属関係、住金について、五十三年から六十年までずっと調べてみましたが、このうち特に五十六年から六十年にかけて石炭液化技術研究開発あるいは石油資源遠隔探知技術研究開発等等の補助金、これは委託費も含めますが、補助金のトータルが七十五億八千万円、こういうふうになっております。 こう考えてみますと、冒頭にも大臣がお認めになりましたように、住金を含んだ鉄鋼産業について、財政上それから税制上、金融上あるいは予算の上で、さまざまな形で優遇税制、優遇措置がやられてきまして、それが鉄鋼産業が世界第一位という今の地位を占めるに至ったというふうに私も思うわけであります。 そう考えてみますと、世界一というのは決して単に企業だけが努力をして、その結果でなくて、そういう総合的な背景にある施策の結果こうなったんだということからいたしますと、やはり企業の社会的な責任あるいは地域経済に持つ責務等、こういう企業の役割というのは非常に大きいと私は思いますし、また同時に大臣にお聞きしたいのは、産業全般あるいは特に鉄鋼産業に限って言いましても、これからいかに産業の施策を、あるいは具体的な指導をしていくかということについては、今申し上げたように、企業の中での労働者のさまざまな問題、雇用の確保とか健康や生命の問題、こういうものも十分その要素として施策や指導をしていくというのが、私は当然通産省の責務だというように思いますが、その点についての御認識をまず伺いたいと思います。
○村田国務大臣 鉄鋼業は基幹的産業でございますし、そして国家全体のいろいろな産業を引っ張っていくと申しますか、推進していく上での非常に重要な産業である。したがって、いろいろ税制上その他の国家の措置もそれに対応しておりますことは、私が先ほど申し上げたとおりでございます。 したがって、そういった産業面での鉄鋼業の占めておる大きな位置から、企業経営についての社会的責任も同時にあると考えます。
○野間委員 社会的責任と言われますが、今申し上げた、中で働く労働者の雇用の確保とか、あるいは生命、健康の留意等とも含めておっしゃった、今うなずかれましたけれども。 そこでお聞きしたいと思いますが、御案内のとおり和歌山に住金の製鉄所がございます。ここで働く労働者からさまざまな電話とか投書が私のところに来るわけであります。 そこで聞きますと、私びっくりしたのは、三十代から四十代、それから五十歳台、まさに働き盛りの労働者が数多く亡くなる、とうとい命を落とすというのが今特徴的に出ております。例えて言いますと、昨年の三月に製銑保全の四十一歳の副長ですけれども、構内で作業中に倒れてクモ膜下出血で間もなく亡くなる、こういうことがありました。聞きますと、残業残業で毎晩十一時ごろまで働いていたということのようであります。十月には製管部、これは三交代勤務の労働者三名、このうち四十一歳が二名で四十五歳が一名、こういう方々も脳出血等で亡くなっておるということであります。このうちの一名は、夜勤中気分が悪くなって倒れて、そのまま三日後に亡くなる、こういうケースであります。そして昨年の一年間、和歌山の製鉄所だけでとってみましても、三十代が二名、四十代が七名、五十代が六名、合計十五名、不幸にもとうとい命を落とすという悲惨な状況があるわけであります。 ちなみに、昨年一年間に和歌山の製鉄所を退職された方は何人あるのか、これは五十七人です。定年延長の問題がありまして数は少ないのですけれども、五十七名退職されたのです。この中で十五名、率からいいますと二六%以上が不幸にして仕事中の死亡も含めて、定年を全うすることなく亡くなる、こういう痛ましい事故、事件が起こっておるわけですね。 これは鹿島でも、聞いておりますと同じようにこういう働き盛りの方が亡くなるという数がふえておるというふうにも聞いております。そこで私は、通産省は一体こういう実態を御存じなのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○野々内政府委員 合理化につきましては、当然従業員の協力がなければできないわけですから、企業といたしまして従業員の健康管理については当然注意すべきものと思っております。 今御指摘の具体的な数字について、私ども特に把握いたしておりません。ただ、健康診断を年四回やることによって、十分健康管理も行われているというような報告は受けております。
○野間委員 これは、きのうもいろいろ申し上げておったのですけれども、実態はこうなんです。 ちなみに過去の数字を拾ってみますと、一九八〇年が八件、八一年が六件、八二年が八件、八三年が七件、八四年は十五件、非常にふえておるわけですね。この周辺のうわさと申しますか不安として、住金は四十でころりいかれるのだ、こういうことまで言われる始末で、私は大変深刻なそういう話も聞いてきたわけであります。 社内報というのがありますね。どこでもそうです。住金でもあります。なぜわかるかといいますと、退職された方々がずっと社内報に出るのですね。それで、定年まで働いてやめられた方、こういう方には「いつまでもお元気で」こういうような文言が出るわけですね。ところが、途中で亡くなられた方については「お悔やみを申し上げます」こういう文言が出るわけですね。今、住金の中では、せめて「いつまでもお元気で」と社内報に出るような、そういう身分になりたいということが本当に切実に言われておるわけですね。これは誇張でも何でもないのです。みんなそういうふうな不安な気持ちで暮らしておるというのが実態であります。 先ほど野々内さんは、いろいろな健康管理を年四回やっておるから云々というお話でありましたけれども、特に深刻なのは末端職制、工長あるいは作業長ですね。ここらあたりが中心だと思いますが、この訴えの中ではいろいろなことが言われております。例えば工長もネット化されて定員化されておる。申し送りやその対策等に、これが時間中では消化し切れない。安全から始まり交通、健康それから勤怠管理、こういうことなど多岐にわたる報告があり、時間内でできない。あるいは五十歳前後では、交代勤務がきつくて、多くの人がおりたがっておる。会議も多く、早くから出てくるケースが間々ある。ポスト減少傾向で、若くて有能な者に押し出される、そういう体制になっておる。その日の申し送りを次番にし、事務所へ寄って帰る体制になっておる。これが十五分から二時間ぐらいかかる場合がある。これは作業長等とも話し合いをした後で帰る、こういう状況ですね。事故があればさらに長時間になる。新しい定年制で五十五歳前後で解任という文言があるようですが、五十歳前後で勤まらないと降格、出向、こういうようなことも起こっておる。これは後で申し上げますけれども、そういう事態が起こっております。それから、短納期でなおかつ歩どまり向上、省エネ等、ノルマに対する厳しい追求に神経がすり減るんだ。これが工長のいろいろな方から私のところに訴えがあったその中身であります。 作業長の中ではこういうように訴えております。これは、日勤者も交代勤務者も長時間勤務を余儀なくされている。朝八時までに前日のすべてを把握するために出勤は七時過ぎになる。午前八時以降、会議が毎日ある。夜勤者は、早くて十時過ぎまで帰れない。それから異常があるとその対策等で遅くなる。それから、新品種も多く、短納期が多いので、その対策に追い回される。新設備の効果を六カ月以内に出さなくてはならない。その効果、問題点などで振り回される。それから、職場内配転も多く、その仕事になれるまで大変だ。休日も研修会が頻繁にある。会社行事も多くあり、休日もゆっくりできない。工場内では一日前、他工場への配転も二、三日前に命令される、そのため、なかなかそれにフィットするような体制がとれないとか、あるいは五十歳前後でいつ出向、配転されるかわからない、非常にびくびくしておる等々、さまざまなことが電話でも訴えられますし、手紙、投書でも来るわけですね。ですから、年四回ばかり今健康診断をやっておるから云々と言われますけれども、実態はこういうことであります。 ですから、今申し上げたように、せめて定年まで命を長らえて「いつまでもお元気で」と社内報に書かれるような、そういう健康でありたいというのが切実に出されてきておりますし、また家族の方々の心配も大変なんです。 ですから、確かに産業そのものは世界一、住金も高炉五社の有数な企業であります。私は、鉄鋼産業の重要性そのものはもちろん認識もしておりますし、適正な合理化も否定するものではありません。しかし、こういう訴えがどんどんなされるということは、内部における労務管理やあるいは合理化の中身に一体問題がありはせぬかというふうに私は思うわけであります。先ほどもお聞きしたように、鉄鋼産業そのものを通産省が発展を図っていくという中には、当然、中で働く労働者の雇用の問題から健康や生命の問題についてまで十分考慮した上で、配慮した上で決めなければならぬ、これは当然のことであります。そういう点で、一体こういう事象、実態についてどういうふうに認識なり所見を持たれるのか、大臣に一遍お聞きしたいと思います。
○野々内政府委員 和歌山の住金の工場の従業員が大体八千八百人程度かと私は思いますが、死亡退職者が十五人というような数字も伺っておりますが、大体〇・二%ぐらいになりますでしょうか、こういう数字が特に高いものかどうか、私は実は専門家ではございませんので、よく認識しておりません。ただ、従業員の協力があって初めて合理化もできるということだと認識いたしておりますので、今後とも会社、従業員、地元、それぞれが発展をするような合理化というものが望ましいのではないかと考えております。
○野間委員 全体の率の問題はともかくとして、退職者の関係で、私、二六・何%と申し上げた。と同時に、先ほど、八〇年から五名ないしは六名というような今までの事故死、こういう数字に比べて八四年は異常に高い、こう申し上げたつもりであります。したがって、一体どこにどういう原因があるのか、合理化に無理がありはせぬのか、そのあたりは、私は、通産省としても大変重要な問題、今後のそういう産業を発展させていくためにもゆるがせにできない問題だと思うのです。 私は、たまたま地元にある住金の問題を取り上げましたけれども、これは鉄鋼産業全体についてここ十年間に三万三千人の、現場の労働者、事務職を含めて、人間が減っておるわけですね。ところが、粗鋼生産はどうなのかといいますと、かつて一億トンを割ったことが一、二度ありますけれども、八四年度は一億六百五十万トンですか、というようなことでずっと一億トン以上で推移しておるわけですね。数は三万三千入減っておる。これは高炉五社ですね。 ですから、適正な合理化はやむを得ない、私はそう申し上げた。しかし、こういう中での訴えとか、あるいは現実に亡くなった方々が八四年度は異常にふえておるということについて、何か問題がありはしないのかということを私は申し上げたつもりなんですが、これは往金も含めた鉄鋼産業全体についてのこういう合理化に無理がありはせぬかですね。これは野々内さん、一遍十分検討して、会社からも聞き取りをしていただきたい。これはあなたの責務だと思いますが、いかがですか。
○野々内政府委員 鉄鋼に限らず、およそ、無理な合理化をいたしますと、現場の士気も衰え、また事故もふえるというのは当然でございまして、それは好ましくないことであろうかと思っております。 したがいまして、むしろ専門家は労働省の方かもしれませんけれども、私どもも各社に対しまして、鉄鋼の合理化に当たってはそのあたりも十分配慮するようにという指導は今後とも続けていきたいと思っております。
○野間委員 今後ともという言葉が入るとうまくないわけで、こういう実態を踏まえて、ぜひそういう意識でもって指導していただきたい。よろしいですね、それは。野々内さん、よろしいですね。
○野々内政府委員 具体的にどういう方法がいいか、私もいい知恵がございませんが、当然そういう意識を踏まえて指導いたしたいと思っております。
○野間委員 最初からそう言えばいいわけですよ。 この住金の場合、中期四カ年計画、これは五十七年から六十年まで、この中でも「コスト合理化の徹底的追求と、高付加価値化の推進」あるいは「時代に適応した生産・販売体制の確立」、「鉄鋼部門における要員の効率化と新規事業の開発」、これが重点として、中期の四カ年計画の中で課題として挙げられております。コスト合理化の面で言いますと、トン当たり、年間四千円、三年連続で一万二千円コストダウン、こういう努力をしております。 それから、要員の合理化を見てみますと、全社員の一五%、約四千五百人の削減目標ですね。これは大体順調に進んでおるようです。六十一年の三月末、これはいくというように言っております。今のところ約七割に当たります三千百人、これが退職あるいは出向、新規事業部門の強化、このことによって削減されておりますけれども、中の幹部の方の話によりますと、この目標達成は間違いないというふうに言っております。一万一千余名が、今では、先ほども言われたけれども八千七百七十七名から、今申し上げたような数でずっとまた減るわけですね。 さらに、ことし一月の社内報「鉄っこ」というのですが、これを見ておりますと、熊谷社長が「年頭の辞」の中で、これまたいろいろとコストの合理化あるいは要員の効率化、こう言っております。それを受けて和歌山の製鉄所の所長、この方も同じ「年頭の辞」の中で、これを受けてやっていくんだということを言い、そしてその中で特に先ほど申し上げた中期計画ですね、これを操業、要員体制の徹底的効率化を図っていく、余力の積極的活用、これも大きく挙げられております。 しかも私、この社内報二つを読みましてびっくりしたのは、社長が今年度、新年度の目標についてコストダウンがやはりトン当たり四千円、これに挑戦せい、するんだ、こう言っているわけですね。ところが、和歌山の製鉄所の所長は、五千円のコストダウンに挑戦をお願いします。これは、社長が言うのと所長が言うのと一千円も違うわけですね。だから和歌山ではさらにコストダウンが進められる。人員についても新しく今度六十一年から三カ年の計画がことしの秋に立てられるようですけれども、この中では、和歌山製鉄所で言いますと五千人体制にするんだ、協力会社の人たちは七千人から四千人に削減する、こう言っておられるわけですね。私が今申し上げておりますように、定年までもたずに途中で亡くなるという方がふえておるということは、こういう合理化とは決して無縁ではない、むしろ密接な関係にあるのじゃないかというふうに私は思うわけであります。 そこで、今申し上げたように、中期の計画を達成し、また新しい中期の計画を立てる、その中で和歌山では五千人体制にしていくんだ、こういうことまで言われておるようであります。ですから、生産第一主義の立場をとると、これは大変なことになりますので、恐らく通産省はそういう立場はとれないし、おとりにならないと思います。ですから、そういう中で働く労働者の健康管理や命の問題を十分考慮した上で計画を立てるように、大臣、ぜひ正しい指導をしていただきたいとお願いします。いかがですか。
○村田国務大臣 住友金属工業を例にとって健康管理その他の労働の条件と申しますか、非常に重要な問題のお話がございました。もちろん極力そういった点を注意して行うようにやってまいります。
○野間委員 たくさん聞きたいことがあるのですけれども、もう一つの別の問題ですが、住金和歌山ゼネラルサービスという会社の問題についてお聞きをしたいと思います。 今申し上げたように、合理化がずっと進んでまいりました、そして余力の活用ということで、協力会社に対する出向とかあるいは他社に対する派遣、こういうものはずっと毎年毎年繰り返しております。その中の出向の対象である一つの会社に住金和歌山ゼネラルサービス、こういう会社をつくりました。これは、資本金が二百万、そのすべてを住金が出資をしております。スタートしたときには三十二名、これはグラウンドの整備とか構内のメール、あるいは標識、看板、これをつくる、つまり住金の工場維持に必要な、そういう範囲でずっと仕事をしてきたわけですね。ところが、どんどん数がふえまして、今何人かといいますと三百五十人。このうちの二百八十八名が住金からの出向者。業種で見てみますと、発足時四業種、これが十六業種に拡大されております。 この中身を見てびっくりしたのは、ふすまの張りかえから畳の表がえ、あるいはクリーニング、それから緑化、造園あるいは住宅の増改築、補修、とにかくさまざまな、いわゆる地場の零細な企業が必要なそういう仕事のところまでどんどんやってくるというのが実態であります。私、ここにパンフレットを持ってまいりましたが、これがそうなんで、これを見たらびっくりしました。今申し上げたようなことが全部書かれております。 ですから、余力の活用、これは非常に大事だと思いますし、それなりにやられるのは当然かと思うのですけれども、ただ、実際に市内の零細な業者がいろいろやって、苦労して、しかも不景気の中で困っているわけでしょう、こういうところにどんどん出てくるということになりましたら、これはえらいこっちゃということで、実際零細な中小業者は困惑しているわけですね。これは行く行くは六百五十人体制にするんだ、こういうことのようです。大臣、サービス業務で六百五十人の会社というのは大企業ですよね。これがどんどん本格的に動き出しましたら、これは大変だということで、実際ここに出向された労働者の中でも、我我は今までの地元の業者の仕事を取ると思ったら不安でしょうがないとか、気の毒でしょうがない、こういう声まで出ておるわけですね。 中小企業の分野調整法、これに直接ひっかかるかどうか、法律上の議論は私は別にして、法律の精神からしても、こういう世界一の鉄鋼産業の中枢を占めます住友金属が、ふすまの張りかえから庭掃除まで含めた十六業種に進出をして、そして地元の零細業者の仕事を取るというふうになったら、これは大変だと思うのですね。こういう点についてどういう所見を持たれるのかということと、これはやはり地元のそういう零細業者に圧迫がないような形で強力な指導をお願いしたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○遠山政府委員 ただいまのお話の会社でございますけれども、私どもも、今お話がございましたようないろいろな業種につきまして事業を展開しているということは承知しております。ただ、現在までのところ同社の事業の展開が、同じような事業を行っております中小企業者の経営に影響を与えているというお話を特段伺ってはいないわけでございます。 ただ、先生のお話にございましたように、分野調整法に基づきます法律上の措置ということは別にしてということでございますけれども、中小企業が主として行っております事業につきまして、大企業がその中小企業の経営に大きな影響を及ぼすような事態になることは避けなければならないということにつきまして、私どもも十分必要な措置を講じていきたい、こういうふうに考えてはおります。
○野間委員 時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思いますが、鉄鋼産業そのものは非常に大きな国際競争力をつけまして世界一になった。鉄鋼産業の将来は一体どうなのか、これはいろいろな見通しについては統計や数字がございます。産業研究所が日本経済研究センターに委託して去年の三月に発表した日米産業比較に関する調査研究報告書、これも技術開発上のブレークスルーの実現により日本鉄鋼業の優位性は二十一世紀初頭においても揺らぐことはあるまい——たしか世界の今後の、あと十年か、何か長期の見通しの中でも、ずっとこの鉄鋼生産そのものは伸びていこう、こういうことがよく言われております。 私もそうだと思っておるわけで、決して斜陽ではなくて、それなりにこれからも伸びていくということは事実だし、また、そういう企業がそれぞれ努力をして新規産業、こういうところまで手を伸ばしているわけです。利益の面をとりましても、ことしの三月期の決算では大幅黒字。昨年三月期で初めて赤字を出したのですが、こういうふうに景気も回復しておりますし、内部留保を見ましても積み増しをずっとしております。ですから、そういう点で鉄鋼産業そのものについて、一つは生活密着型の事業をうんと興していって鉄の需要を伸ばしていく、これは施策の中心でなげればならぬというように私は思うわけですけれども、そういう意味での施策なり行政の指導と同時に、何遍も申し上げておりますように、適正な合理化はやむを得ないとしても、地域の経済や業者に圧迫を加えるような、あるいはその中での労働者の健康や生命をむしばむようなことじゃなくて、やはり天下の鉄鋼だし住友ですから、それにふさわしいようなこれからの企業努力をするべきじゃないか、このことを再度大臣に要求して答弁を求めて、終わりたいと思います。
○村田国務大臣 鉄鋼企業、大規模装置工業の立地が非常に進んでおります高度成長時期においてはまさに花形産業であり続けたのでございますが、現在いろいろな世界の情勢から、特に韓国でありますとかメキシコでありますとか、そういった中進国の鉄鋼業の追い上げ、そういった問題でいろいろ新しい試練に面しておりますが、鉄鋼業はまさに国家とともに基幹産業として繁栄をしていってもらわなければならぬ、そのために技術革新あるいは情報化への対応等の新しい脱皮をぜひしてもらわなければならないと思います。それと同時に、野間委員御指摘の、地域の中小企業との関係あるいは地域の住民の生活との関係、これは言うなれば企業繁栄の一番基礎的な問題でございますので、御指摘の点等も注意をしながら指導してまいりたいと思います。
○野間委員 終わります。
○粕谷委員長 野間友一君の質疑は終わりました。 次回は、来る六月七日金曜日、午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二分散会