商工委員会 第6号
- 発言数
- 358 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/03/26
会議録
○粕谷委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案の審査中、参考人として情報処理振興事業協会理事長安達次郎君及び同専務理事原田稔君の出席を願い、御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○粕谷委員長 本案に対し、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜西鉄雄君。
○浜西委員 多岐にわたっていろいろ質問しなければならぬ問題でありまして、基本はむしろセンター法という基盤整備に関連をして、その端末処理というソフトの部分、これを論議をするという順序が、この情報処理振興問題については順序とすれば正しいと思うのです。この情報処理問題だけを論じますと、かなり手落ちの部分、不足する部分が出てくるわけです。したがって、その点について一つ一つ解明する意味で質問いたします。 まず最初に、大臣の本法案説明の趣旨の中にございます高度利用の促進ということについては、特段疑義を挟むものではありません。ありませんが、このコンピューターという代物を連帯利用というか、たくさんな端末機に通信回線を通じて情報を高度に利用する、まあ一口に言えばそういうことだろうと思います。さて、わからなくなったのは、この提案の説明の中にもあったと思うのですが、一業種の中で相互に連帯利用、こういうふうな意味の提案なり法案の趣旨だと理解するわけですが、もともと情報処理については、異業種も含め、とにかく多様的にすべての端末機と将来は連携をして利用していくということの方が正しいと思うのです。 そうなってくると、一体通信という一つの性能、通信という業務と、その間に介在をするコンピューターあるいはその先につく端末機、これらのこれからの何といいますか、行政部門における責任分野、どこが所掌し、どこがそのことを管理監督し、研究開発していくのかという部分について、大変不明確でありますので、原則的な質問でありますが、この通信の分野というものと情報処理をするコンピューターというものと、これが混合して物事が進行しておるし、提案もそのようなことになっておると思うのですが、お聞きしたいのは、通信という分野と情報処理をするその機械、つまりコンピューターあるいはソフト、プログラマー、そういう人たちの任務、いろいろあるのですが、この整理というか、できるのかできぬのか、その辺から聞いておきたいと思うのです。
○木下政府委員 コンピューターの利用が非常に広まってまいりまして、産業各分野あるいは社会の各分野に非常に広く使われてくるようになっているのは今先生御指摘のとおりでございます。その過程におきまして、通信回線を利用してコンピューターとコンピューターとをつなげて利用するという形態も非常に広まってきておるのも先生御指摘のとおりでございます。 現在、汎用コンピューターは十五万台程度ございますが、そのうち四十数%ぐらいはそういう形で、オンラインでつながっているものがあるというふうに言われておりますけれども、そういうものについては、通信関係の施策とそれからコンピューター関係の施策、うまくお互いに連携をとり合いながら進めていくということが重要だと考えております。 通産省といたしましては、従来から情報処理の振興あるいは情報産業の振興ということで、四十年代以来コンピューターのハードウエアに関する施策あるいはソフトの開発振興に関する施策等々を進めてまいりましたし、オンラインの情報処理に関連いたしましては郵政省と十分協議して今まで物事を進めてきておるわけでございます。したがいまして、通信と情報処理の分野というのは非常に密接な関連はありますが、お互いにそれぞれの省庁で分野を決めながら十分に連携して仕事を進めることができると考えております。
○浜西委員 具体的に聞いた方がいいと思うのですが、今度、プログラムを組むことについて、コンピューターでできるようにしよう、わかりやすく言えばそういう提案でありますが、汎用プログラム、汎用とは共通性があり、どういった業種にも共通して使えるという、つまり汎用ですね、そういう意味にとらえておるわけですが、そうすると、いろいろなシステムがあるわけです。例えば特別に、特定のものしか使えないような部分が大変多くなってくると思うのです。科学技術の関係の計算用あるいは生産用のプログラムあるいは流通サービス用、経営計画管理用のもの、特殊な情報処理検査用、つまりアプリケーションプログラム、システムプログラム、こういうものに汎用というものが使えるのかどうなのか。汎用というのはごく一般的な、在庫の出し入れとか収支決算とか、そういう中小企業が手作業でやっておったその程度の部分のものを汎用として使えるようにするのか、今私が言ったような個別のプログラムについてそれが応用できるのかどうなのか、また性能なり、ねらっておるところ、これからそれがどのような効果をあらわすのか、それが知りたいわけですから、その辺の説明をしてください。
○木下政府委員 コンピューターを利用します場合には、今先生御指摘のように、プログラムを使って、プログラムによって電算機に指示を与えて計算をしたりいろいろな情報処理をやったりするわけでございます。したがって、コンピューターにとっては、コンピューター機械自身とそれからプログラムというのが二つとも非常に重要な要素として考えられております。プログラムの違いによってコンピューターのやる仕事は全く変わってくるというようなことでございまして、したがって、品質のいいプログラムをどんどん使っていくということが非常に重要になってまいります。 その場合に、プログラムをつくりますのには非常に人手がかかるということもございますので、通産省といたしましては、従来からできるだけ、一つつくられたプログラムは非常に広い範囲で使うように持っていった方がいいということで、汎用プログラムの普及ということに非常に重点を置いた施策を進めてきております。アメリカの場合には全体のプログラムの中で五十数%が汎用プログラムでございますが、日本の場合にはどちらかというと個々のユーザーの注文に応じたプログラムをつくってほしいという希望もありまして、一〇%にも満たないものが汎用プログラムということになっております。 ただ、プログラムをつくるのには非常に人手がかかりますので、できるだけ汎用プログラムみたいな形で一つのプログラムをみんなが使っていった方がいいということで考えております。そのような意味から、情報処理振興事業協会は従来からそういう意味での汎用プログラムの開発及び普及に当たってきておるわけでございます。 汎用プログラムといいますのは、各種の事業分野に共通した汎用的なものと、それから一つの事業分野におきましても、一つの企業だけじゃなくて複数、多数の企業が同じプログラムを使う場合でも汎用プログラムというふうに言えるわけでございまして、その両様の意味から汎用プログラムをどんどん利用していくということが情報化を進めていく上で非常に重要な要素であると考えております。
○浜西委員 汎用プログラム、抽象的にはわかるような気がするのですが、具体的に一つの例を出しますと、例えば警察庁が全国的に犯罪捜査に関係をするコンピュータープログラム、そういうソフトを研究開発しようとする場合に、これは特殊なソフトと思うのですが、その分野に汎用プログラムが利用できるのかどうなのか。 それから今度は金融機関。それぞれの銀行は企業秘密的なものはないにしても、預金者の保護あるいは犯罪防止のための特殊なプログラムを組んだりそういうソフトウエアを研究開発すると思うのです。むしろこれはないしょで、よそに知られたくない、特定されたそういうプログラムだと思うのです。 それから交通関係では、何もプライバシーとか企業秘密的なものはないと思うのですが、これもやはり一つの限定された特殊なプログラムであり、そういうソフトを考えると思うのです。 だから、一般的に汎用と見られるのは、中小の人たちが商業活動をやるということについてそれに必要なソフトを組んでプログラムというか、こういうふうなものではないかと私は思うのですが、今私がさきに述べたそういう特別な機関が使うようなものまでそれが及ぶのかどうなのか、それをちょっと説明してください。
○木下政府委員 ただいま御指摘のありましたような、警察関係で犯罪捜査用に使うようなコンピューターについてのプログラム、これは非常に特殊な分野のプログラムでございますから、全体として警察庁あるいは各県の警察本部が使う場合にはそれぞれの実情に応じたプログラムをつくっていかなくちゃいけないことだろうと思います。 ただ、そういうプログラムの中でも例えばデータの管理というような形になりますと、そのデータを取り出したりしていくというようなプログラムは一般のデータの管理のプログラムと同じようなものを使うことができることもあるわけでございまして、一部そういうデータの管理的な、汎用的なプログラムをそこの警察の管理のプログラムの中に入れていくということは十分可能かと思います。 それから交通管制というようなことになりますと、確かに町によって交通事情が違いますから当然管制のやり方は違うかもしれませんが、ただ交通管制という一般的なことを考えれば、東京でやるのと大阪でやるのと大きく違うわけじゃございませんので、そういう分野で東京でやっているプログラムを一部大阪の交通管制に使っていくというような意味での汎用性というのは十分考え得ることかと思います。 それから、中小企業の分野にしか汎用プログラムは余り利用できないのじゃないかというお話でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、アメリカでは非常に合理的な考え方が貫かれておりまして、他の企業が使っていてもそれが非常に有用で安く使えるならばほかの企業も使うということで、必ずしも中小企業だけで使っていくということはないだろうと思います。日本の場合には、中小企業の場合にプログラムの開発費用がたくさんかかりますから、でき上がったプログラムが自分の企業に十分使えるものであればその方が安く使えるという意味で中小企業には大いに使われていっていると思いますし、また今後もそれを普及していく必要があろうかと思いますが、私は、必ずしも汎用プログラムというのは中小企業分野だけではないと考えます。
○浜西委員 その辺が私はまだちょっと理解できないのですが、アメリカのIBMとの関係でいろいろ摩擦が起こってきている。もとをただせば、アメリカが開発をしたシステムというかソフトの使用について、著作権と言った方がいいか、日本が海賊版をつくることに対して問題を提起したと思うのです。 これは新聞その他で伝えられたことでありますからここで説明するまでもないと思うのですが、結局大きな会社が開発した中に吸収されていくというか、日本の企業が必要とするソフトの部分が大変やりにくいというか、独自に開発をしようと思えば膨大なお金がかかる。この種の、大企業が今悩んでおる、開発しようとするソフトの部分の開発について通産省はこれからどの程度介入し手助けをしようとするのかが、これでも全然わからぬわけです。金額的に見ても、そういう業者が開発するときにはその分について助けましょうということはこの中に書いてございますけれども、人材の育成というか、おくれておるところの、もとは人間が組むわけです。組んでしまったら機械がやるわけですけれども、そういう研究開発について通産省はどの程度かんでいくのか、私はよくわからない。 というのは、予算的に見ても、IBMの関係は物すごい予算、研究費を出しているわけです。日本円にして年間大体五千億円というふうに報道されておるわけです。日立の場合にはこれの十分の一ぐらいではないかと言われておるのです。それでも膨大な金額になるのですが、大企業が自分の会社独自のものを開発するために人材を育成をし、あるいは他から、後ほど問題にするわけですが、コンピューターサービス会社のようなところから人材を派遣してもらって一定の期間組んでいくということもどんどん今競争でやられているわけです。だから物すごくコンピューターサービス会社がふえているわけです。千を超えておるというふうに私は聞いております。 後ほどまた詳しいデータを私の方が調べて発表しますけれども、そういう方向へ行っておるのに、汎用プログラムということで事足りるだろうか。物すごい勢いで金を投資して、競争原理の中ですばらしいコンピューターと、それに関係するソフト技術がどんどん進んでおるわけです。今の説明を聞いても、何か汎用プログラムがかなりの役割を果たすように見えるわけですけれども、とてもじゃないが私はそういうふうに受けとめるわけにいきません。もう少し詳しくその辺の状態を説明してもらいたいと思うのです。 少し詳しいことを、ここにあるのを言ってもいいのですけれども、ちまたに言われる第五世代コンピューターというものだって、開発されれば、それこそ人間の言葉を解釈して、英語になるのかエスペラント語になるのかわかりませんが、そういうものによってプログラムを組んでいけるという時代がまさに来ようとしておるわけです。そういう問題に対して、日本政府、通産省、どこが窓口になるか知りませんが、そういう技術開発に向かってどのようにやろうとしておるのか。私から見れば、今回のけちな予算では、こんなお金ではとてもじゃないが太刀打ちできる代物じゃないと思います。だからその辺の関係について、私にわかるように説明してください。
○木下政府委員 コンピューターというものは非常に高速の計算をやるわけでございますが、高速の計算をやるに当たりまして、機械全体がうまく動く基本的な仕組みをまずプログラムで考える必要がある。コンピューターメーカーではそれを普通オペレーティングシステムと言っておるわけでございまして、一つのコンピューターが全体としてうまく動くような基本的なプログラムをまずつくるわけでございます。それをつくりました上で今度はユーザーとして必要な、例えば銀行業務をやるとすれば銀行業務用のアプリケーションのプログラムをそれにくっつけて使っていくという形でやっておるわけでございまして、IBMにおきましてはコンピューターの機械自身の開発、あるいは機械自身が基本的にうまく動くような仕組みになるかどうかというプログラムの開発に大変な開発費をかけているのは、今先生御指摘のとおりでございます。日本のコンピューターメーカーも同じような努力をやっておるわけでございまして、機械自身を開発すると同時に、基本的なオペレーティングシステムのプログラムの開発にも大変な人手と金をかけてやっております。その上で、個々の事業分野において使われるときにはその事業分野において使われるプログラムが必要になってくるわけでございまして、そのプログラムにつきましても、注文によってつくるプログラムとそれから汎用プログラムと両方があるわけでございます。 従来、先ほど申し上げましたように、日本におきましては、コンピューターというのはそれぞれ注文主が注文を出してプログラムをつくってもらうというような形でやっておりましたので、一つの銀行が新しいコンピューターシステムを入れるときには、その銀行のためにメーカーあるいはソフトウエア会社が多大な時間と資金をかけてプログラムをつくっておったということでございます。そのために何十億、何百億という費用がかかりますので、最近は銀行なんかでも、自分でつくったプログラムをほかの銀行がうまく使ってもらえるならばそれを売っていこうというような動きが出てきておりまして、そういうふうに自分のつくったプログラムをほかの人に売っていくということになれば、それは汎用プログラムになってくるわけでございます。私どもとしては、人手がかかり金がかかるプログラムについてはでき得る限り汎用的な扱いをして、一つの企業当たりのコストが下がっていくように利用していくのがコンピューターの利用のやり方としては一番適当なやり方ではないかと考えております。
○浜西委員 それでは事のついでに情報処理振興事業協会の方に、御苦労さんでございますが、汎用的なものと特別なもの、アプリケーションプログラム、そういったものの利用度というか開発割合と申しますか、その辺のことを素人の私にわかるように今日までの状態を御説明いただきたい。私は日々、日々は極端ですが、一、二年たつともう次の新しいプログラムの開発に次ぐ開発ということで、よりコンパクトに、より迅速に、より大型のものが凝縮できるような、そういった世代の発展と同時にいろいろ変わってくると思うのですが、現状、大体どのような利用度、利用割合と申しますか状況であるか、わかれば説明を願いたいと思うのです。
○原田参考人 私どもでつくっているといいますか外部に出しておりますのは汎用プログラムでございます。 恐らく先生の御質問の趣旨は、その汎用プログラムの中で基本的なもの、システム的なものと、それからいろいろな各業務に関連するものとの割合、こういう御質問ではないかと思いますが、その割合を申し上げますと、現在までに約二百二十本以上、二百二十五本のプログラムが完成いたしておりますが、そのうち基本部分と申しますか、システムに関連するもの、それが五十二本でございまして、全体の約二三%でございます。したがいまして、その残りの百七十三本がアプリケーションといいますか、いろいろな業務に適用される応用プログラムでございまして、これが約七七%、こういう割合になっております。
○浜西委員 そこで、システム的なものが五十二本、二三%程度で、あとは全部がアプリケーション、特別なプログラム、こういう大体大きく分ければ色分けできると思うのですが、これからやろうとしている汎用というものはアプリケーションプログラムの中でどの程度役に立つのか、これが私はちょっとわからないのです。 汎用的なものをつくるわけです。そういうものはコンピューターで組めるようにするわけですから、その組める汎用的なものはいろいろあると思うのですね。今さっき私言ったように、科学技術用の計算だとか生産用のプログラムだとかあるいは流通サービス用のプログラムだとがそれぞれ特殊なものがある。それから今言った、例えば警察犯罪捜査あるいは金融犯罪防止のための、あるいは預金者のプライバシーを守るようなプログラム、いろいろあると思うのですね。そういうものにこの汎用プログラムをどんどん普及のために今から金をかけてやるわけですが、これは使えるのかどうなのか。内容によっては使えると言いましたが、私は使える部分というのはごくわずかだと素人判断で思うのですが、その辺を、そうではないという数字なり実態なりがありましたら教えてください。
○木下政府委員 情報処理振興事業協会では、開発しました特定プログラムを普及する事業もやっております。 五十九年度の特定プログラムの普及実績を見ますと、プログラムの数全体が数十ありますけれども、全体として普及実績は九千七百六十一ということになっておりまして、プログラムによっては数十くらいの単位で普及されているものもありますし、特別によく皆に利用されているものでは、マイコン用のビジネスグラフ作成プログラムというのは昨年だけで何と一つのプログラムで九千二百三十件売れているというか、みんなが使っているということになっておりまして、昨年までの累計では一万件を超えるものが使われております。したがって、こういうものは非常に特殊な例ではございますが、一つのプログラムで一万企業以上のところが使っているというのは、そういう汎用プログラムの価値が十分に認められているということではないかと考えております。
○浜西委員 数字を聞く限りにおいては利用されていると思うのですが、いろいろな業界紙あるいは雑誌、新聞などで見る限りにおいてはかなり日進月歩、研究開発が進んでおり、しかも大企業は特別に人材を派遣をしてもらってそこでその会社独特のものを組む、組む中では当然企業秘密的なものもあるだろうし、今そういう状態になっておると思うのですね。 だからそれを逆な面から言えば、ソフトを組むために人材を必要としておる企業が大変多いために、その専門の人材派遣業というものが今花盛りと言った方がいいでしょう、大変収益を上げておるわけです。それとの関係を見ると、それじゃ汎用的なものをこれからどんどん開発し普及していけば、そういう人材派遣事業的なものが減る傾向になければならないのに、今の説明では今日まで汎用の問題が一万件を超える利用があったと言うけれども、実はいろいろの企業がそれはどこに派遣しているかは私全部つかんでおりませんが、かなりのところがそういう人材を派遣してもらって、つまり、わかりやすく言えばソフト人材ですが、それはプログラマーもおるし、キーパンチャーもおるだろうし、基本的な設定計画の人もおるだろうし、いろいろおると思うのです。 そういう一口に言ってソフトの部分におけるところの人材を派遣してもうかっておるということは、それだけにそれぞれの個別の企業が要求しておる、需要があるということなんですが、角度を変えてその辺の実態、人材派遣、コンピューター関係と言った方がいいでしょう、そういうコンピューターサービス関係がどの程度会社ができて、どこ方面に派遣をしておるのか、その説明をひとつお願いいたします。
○木下政府委員 コンピューターのソフトウエアをつくりますためには大変に人手がかかるわけでございまして、これはコンピューターメーカーが人手を使うだけではなくて、ユーザーであるところでも大変なプログラマー、システムエンジニア等を抱えております。最近におきましては、大きな企業でありますともう千人、二千人と毎年雇うというような形で新卒者を入れておるわけでありますけれども、それだけでは十分じゃないということで、それらの企業は、ソフトウエアを使う企業また専門にやっております企業との間で契約を結んで、そのソフトウエアの作成の業務をやっております。 それで、そういうソフトウエアをつくって生産に当たっております情報処理産業の各企業の側におきましては、自社の技術者を顧客に出向かせてユーザーの事業所において業務に従事させるといういわゆる顧客先作業の形態が一部見られるわけでございます。これは我が国におきましては汎用プログラムの開発利用が十分ではないために、大部分がユーザーとソフトウエア企業との間の相対契約による委託開発、注文生産のプログラムの生産に従事しているわけでありまして、ソフトウエア企業がユーザーのもとへ技術者を送ってユーザーの仕様に合わせてプログラムをつくる方式というのが広く行われているわけでございます。 このようなことはソフトウエア開発形態の特殊性から出てきたものでございまして、情報処理産業の創成期である昭和四十年代から行われてきていたということでございます。このような顧客先作業の実態を私どもとしては詳細に把握することは困難でございますけれども、売上高で見まして、平均して情報処理企業の売上高の約一〇%程度を占めているのではないかというふうな感じでおります。 それから、ソフトウエア関係の企業、千数百社ございますが、そのうちの約半数ぐらいが、これは全くの推計でございますが、そういう顧客先作業にみずからの従業員を従事させているというふうに言われております。
○浜西委員 私どもが知らない間に、情報産業の発達につれて人材派遣会社というものが急成長を遂げている。株式市場のそれこそ一部上場に、サービス関係が一番右の下の方にありますが、下から二番目の「コンピュータ」、コンピューターサービスKKの意味だろうと思うのですが、これは私の聞くところによれば、新宿の住友ビルの中にあるようです。これらは資本が要らずに、つまり人間だけ集めて、そういう学校で勉強した若い人を集めて一定の訓練をすれば直ちに派遣できる人材として実用化できておるわけですが、これの今私申し上げました例を挙げて、ひとつ労働省とすれば、この種の派遣事業、コンピューターだけじゃありませんが、職安法の四十四条ですか、これが戦後できたときのいきさつから見て、本来的にはこのコンピューター、特別技術者も含めてこれは職安法には明らかに違反しておると思うのです。 聞くところによると、これらの法改正ということに着手されておるようでありますが、これから情報産業がどんどん伸びて急成長を遂げていく。だとするならば、これらも含めて公的な派遣事業、派遣事業というよりか政府の方針で、外国に負けないようなあるいは国益を守る立場からも日本独特のそういう技術者を養成し、育成をして、そして公的な立場で派遣をしていくというようなことをやらない限り、各個ばらばらで、もうけるためには手段を選ばずで、あるいはそこには法の秩序はなくなるし、場合によってはその技術者が高く外国から買われるかもわからない。そういう、大きく言えば国益の問題にも影響する重大な問題だと私は思っておりますが、労働省は今日までのそういった状態についてどのようにこれを把握をし、指導し、規制をし、将来どうしようとするのか、この考えを聞かしてもらいたい。
○齋藤説明員 お答えをいたします。 先生御指摘のように、情報処理産業におきまして自分が雇用している労働者を、他人のと申しますか他の企業に派遣をして実際に就労させるという形態、いわゆる労働者派遣的な形態の事業と申しますのが間々見受けられるということは事実でございます。私たちといたしましても、いろいろな手段、関係業界からのヒアリングあるいは個別事業所等に対します指導等を通じまして実態の把握に努めてきておるわけでございますが、先生御指摘のございましたように、現在験業安定法四十四条におきまして労働者供給事業は禁止されておるということになっております。 私どもといたしましては、こういうような形態の事業が現行法で禁止されております形態にならないように、要するに現在禁止しております労働者供給事業の形にならないように、請負なら請負ということで適法に行われるように指導をしてきたところでございます。 私どもといたしましても、業界ではこういうことを十分踏まえて対応してきておられるものというふうに思っておるわけでございますが、いかんせん、先ほども御説明申し上げましたように、最近いろいろな経済社会の活動の変化に伴いまして、労働者側あるいは労働者を使われる方々のニーズといたしまして、こういうような派遣的な形態の事業が現実にふえてきておる、そういうような実態を踏まえまして、現在国会に御審議をお願いしておりますいわゆる派遣事業法、労働者派遣法を提出したわけでございます。すなわち、このような労働者派遣事業、要するに自己が雇用する労働者を他人の指揮命令のもとに就労させるという形態の事業、これを労働力の需給調整システムの一つとしまして制度化をして、そういうような労働者を就労させる場合の一定のルールを定めることによりまして、労働者の保護と雇用の安定を図ろう、こういう趣旨でございます。 現実にどのような対象業務につきましてこの法律を適用するかということは、法案が通りました後でいろいろ関係業界あるいは関係各省等の御意見を伺いながら政令をもって具体的に定めるということになりますので、コンピューターの関係の技術者につきましてどの程度この法律を適用するかということは今後の問題ではございますけれども、先生御指摘のいろいろな御議論も踏まえまして、十分関係者の方々の御意見を伺った上でこういうような形態をどのような分野に認めるかということについては検討してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○浜西委員 労働大臣がおられませんからここで基本的な問題で答弁を求めるのは無理ですから、これ以上の質問は労働省については無理だと思いますが、通産省関係のこのソフト部門について、我々はこれからの将来どうするかということを今まさに論議をする中で一つの問題がこういうふうに出てきたわけです。 ここにいろいろな資料を、新聞の切り抜きを持っております。そこでこれらを見れば、国鉄の場合は電算ソフト技術者を企業に派遣する、こういうことがここの新聞に載っております。出向先というか、それは、東芝が三十人、NECグループ四十人、自立が三十二人、三菱が二十人、富士通が二十五人、ユニバック十五人。これは電算ソフト技術者というふうに限定されておりますが、国鉄がこれらの要請にこたえて派遣をするという。これも一つの派遣の形態だと思うのです。 問題は、ここにあるのは寿命が三十五歳というふうに書いてある。私は、これは将来のソフト産業について、現在審議しておるこの情報処理の問題について大変重大な関係があると思うのです。非常に高度化されて確かに生活は便利になり、すべてが迅速に処理され、正確ですが、そういうものを組みあるいはそれを操作をするそういう人たちは、寿命が三十五歳だ。これは明らかに職業病によってだめになるということがはっきりしておると思うのですね。これらも含めてこの人材派遣というものは、ただ単純な労務の提供ならばまた別の角度で、これだって私は職安法に問題があると思いますけれども、せっかく労働省が、事態が起こった後、このように人材派遣について新しい法案作成について何とかしたいという気持ちはわかりますけれども、これはコンピューター関係については外すべきだと思うのです。これは大変な問題だと思うのですが、このようなコンピューターをうまく利用して、人材を抱えて派遣をして金をもうける。どの程度の利益を上げておるのか、これをちょっと聞いてみたいと思うのです。 聞くところによると、四分六だ、六分が技術者、つまり労働者、四分が会社側だ、こういうふうに聞いておりますが、それは少し極端にしても、かなりの収益を上げておるからこそ一部上場にのし上がってきたというふうに言われるわけですが、このようなことについて、今度は、自分たちの体を守るために、あるいは低賃金でやらされておるために、そのコンピューターの人材派遣の労働組合がみずから派遣事業というものを考えついて、つまり、中間搾取のないように、健康管理も十分注意を払おうということで、みずからが過酷な労働条件の改善をねらう、こう書いてある。労働組合が人材派遣業を始めようという。 これはちょっと労働省に聞いてみるのですが、これは届け出制でいいのか許可制なのか、これだけちょっと聞かせてください。
○齋藤説明員 今いろいろとコンピューターサービスの関係のところの問題について御指摘がございましたけれども、私どもといたしましても、従来から、こういうような企業におきまして、長時間労働ではないかとか、いろいろな基準法違反の関係があるのではないかということで、重点的に監督指導をしてきたところでございます。ただ、他の業種と若干違う要素がいろいろございますので、同一に論ずることは非常に難しい面もございますけれども、労働時間管理の適正等につきましてはいろいろ監督指導をしてきたところでございます。それからまた、今御指摘がございました、私ども国会に現在御提出申し上げております派遣法の関係で申し上げますと、いわゆる常用労働者のみを使って派遣的な形態の事業を行う場合、これは届け出制だということになっております。したがいまして、現在、コンピューターサービスの関係の業界の方々にいろいろお話を伺いますと、常用労働者として抱えておる者を他の企業に派遣するというような形態が多いのではないか、こういうふうに思っておりますので、そういう意味では届け出制でできるものが多いのではないか、こういうふうに思っておる次第でございます。
○浜西委員 届け出制ということになると大変問題があるので私は質問したわけです。 これは通産省、把握しておられると思うのですが、この新聞は通産省調べによると、こう書いてあるのですが、これは確実に把握されておるのかどうか。現在千八百社余りになるというのですね、こういう派遣事業をやっておる会社が。これは「急成長」と書いてある。「専門の技術者が不足していることに加え、派遣される側のユーザーにとってはプログラマーなどの専門技術者は、必要な期間だけですみ、」一定の時期来てもらえば、目的を果たせばそれでいいわけですから、そうすると結局、三角関係のような状態で技術者の仕事がなされるわけですね。派遣会社、人材を抱えておる会社とは労働契約が成立しておるけれども、派遣された向こう、日立なら日立、東芝なら東芝、あるいは警察庁なら警察庁へ行ってそういうものを組む、一定の仕事が完成するまではそこで仕事をするわけです。 では、その間、使用者なのか雇用者なのか不明確なままの状態が続く、万が一労働災害が起きたらどうなるのかとか、そういう問題も含めて、このコンピューターの関係についてはこれからどんどん成長する産業だけに、この問題はただ単に職安法四十四条の適用から除外するような意味で、届け出制、許可制、どちらでも私は問題だと思うのですけれども、いとも簡単にこのことが一緒くたにされて今や論議をされようとしておるが、これから先人材を育てていくという立場からも、この種のことについて通産省は口を挟むのか挟まないのか、野放しにするのか。一定の公的な機関として、日本の将来のソフト産業の発展のためにも、国益を守るためにも——あるいは各業者間の企業秘密もあるでしょう。あるいは個人の関係のプライバシーもあるでしょう。地方自治体がこれから、選挙の投票に行ったかどうかもわかるようなものも組むでしょう。あるいは税金を納めたかどうかわかるでしょう。一軒の家が一カ月に水道料を何ぼ払うかということもわかるでしょう。収入が何ぼあって口座で決済されるのが何ぼだという、これはやろうと思えば幾らでもわかるのです。逆探知もできる。 そういういろいろな問題も含めて、これからこの種のソフト部分については、公的な機関がタッチをし、育成をし、規制をし、指導をしていくというふうなことがなければならないと私は思うのですが、通産省の考えを聞いておきたいと思います。
○木下政府委員 ただいま先生御指摘のように、この情報処理の分野では、需要が急増しておりますために、システムエンジニアあるいはプログラマー等の数は毎年急増しておるわけでございます。現在、そういう人たちの数は約四十万人ぐらいいると言われておりまして、これはコンピューターメーカーあるいはユーザーあるいはソフトウエア会社等で雇用されております。 それで、ソフトウエア会社が雇用しております。そういうエンジニアあるいはプログラマー等がユーザーのもとに派遣されてそこで仕事をするというケースがあるのは確かでございます。これは本来、ユーザーのところにコンピューターがございますので、どうしてもそのつくったプログラムを、そこでうまく動くかどうかということで作業をするためにはユーザーのもとに行く必要があるわけでございまして、そのユーザーのもとに行かないで全くソフトウエア会社の中で作業を全部してしまうということは実際上不可能なわけでございます。 ただし、現在のそういう契約形態では、ソフトウエア会社で働いている人たちがユーザーのもとに行って仕事をして、長い時間そこにいるというのが実際いるわけでございますが、今後長期的に見まして、私どもとしては、ソフトウェア会社自身が技術開発力をつけて、みずからのソフトウエアをみずからつくっていって、それをユーザーのところで売り込んでいく、売り込む際には当然必要な技術者はそこに行っていろいろ作業する必要はありますが、そういう自主的な形でこの事業が伸びていくのが一番望ましいと考えております。ただ、当面は、労働省の方で現在提案されております法案の対象にこの事業を入れるかどうかという点につきましては、今後法律が通りました後において、その政令で指定する業種に指定するかどうかということで十分労働省と御相談していきたいというふうに考えております。 ただ、そのソフトウエアに従事する人たち全体の問題といたしまして公的な機関でやるべきではないかという先生の御指摘につきましては、こういう情報処理の仕事をやっておりますのは皆民間企業でございますし、今後もますます民間企業がそういう仕事に従事し、それで、ユーザーの分野でもほとんどが民間企業であるという状況でございますので、民間活力を活用して、民間企業が技術力をつけながらそういうソフトウエアの開発、それから、それの供給をやっていくという形態でいくのが一番望ましいことだと考えております。
○浜西委員 これは恐らくその認可をする業種の中に結果としては入ると私は見ています。入ることを私は望んでいるわけじゃありません。これはむしろこれから十分論議をし、将来の日本の情報通信と申しますか、これについての基本的な論議を十分やって、さらにその枝葉になっているこのソフト関係についても論議をし、その結果、これを、民間活力をどのようにこれに乗せていくかということで順次論議をやった上で、結論が出るならばいざ知らず、いきなり今回このソフト問題について、つまり情報処理の関係だけが出てきておるわけですから、本来、この種のことは冒頭言ったようにセンター法ですね、基盤技術も含めて、まず日本の国益に合ったこれからの将来展望を十分論議して、そのための手だてを十分尽くした中で、そのうちの一つとして今言う派遣事業の問題も扱いを決めていくべきであって、これをただ単に今既にやっておるから一定のところで、規制をしなければいかぬという事実が起こって跡を追っかけて法律をつくるというやり方でなくして、将来をずっと見通せば、見通しが幾らでも豊富なぐらいにどんどん広がっていく、つまり情報産業というものはとめどなく発展する問題だと私は思っておりますから、この法案審議の中でこのことを含めて結論を出していくのは大変せっかちだというふうに私は思っております。 この人材派遣は重大なのです。これは本当に大変な問題ですから、これの扱いについてはこの中で十分検討していくということで、態度を留保しておきたいと私は思うのです。これは、場合によっては連合審査というとおかしいのですが、現実にソフト産業に携わっている人たちが、そういう四十万なら四十万人、千八百なら千八百の業者がそのことでもうけているわけですから、もうけるなとは言いませんけれども、その実態が余りにも残酷であって、「大量棄民の時代」、こう書いてある。人間が捨てられる、民が捨てられるという時代だ。これは関係者をもっと呼んで、実態を十分説明を受けて、これは一体どうなのかということで十分論議を尽くした上で、この人材派遣業について、日本の将来のソフト部門に大きな影響を与えるわけですから、何回も言うようですけれども、公的な機関が一枚かむべきだ。公的な機関がそれには全然監視もできず、あるいは監督もできず、野放しで、もうけるところはどんどんもうけなさいということになれば、必ず最終的には大きな社会問題に発展していくことははっきりしておりますから、そういった意味で、この種のことについては留保しておきたいと思います。 それから、基本的な話にまた戻りますが、コンピューターの連携利用ということなのですけれども、言ってみれば、私がさっき述べたようなたくさんな業種、業者、企業があるわけですから、全く違った業者、業種、異業種でも通信回線を接続して、これから先はあらゆる情報が、データがお互いに行き来する、いながらにしてショッピングができる、いながらにしてホームバンキングといいますか、そういうことができる、あるいは飛行機の座席の予約もできる、映画館の入場券も買えるというようなキャプテンシステムを通じ、あるいは地域によってはCATV、そういう地域、地域の情報活動も通じ、そういうのがどんどん入り組んでいくと思うのです。 したがって、この種のコンピューターの連携利用の概念について通産省にまずお聞きをし、後ほど郵政省にも聞いておきたいのですが、私たち素人が考えると、一本の通信回線があって、通信回線も従来の分と光ファイバー、光通信の分と、それからマイクロウエーブ、言ってみればこの三つぐらい通信手段があると思うのですが、その途中にコンピューターがあったり、あるいはその先にコンピューターがあったりして、これがうまく連動してこれからの日本の国を動かしていくと思うのですが、この連携利用というのはたくさんの業種がその通信回線にぶら下がってやることを意味すると思いますが、通産省の考え方を説明してください。
○木下政府委員 今回の法律の改正案の中で、今御指摘ありました連携利用につきましては、第三条の二ということで一つの条を追加することで御提案申し上げておるわけでございます。 この条文では「主務大臣は、その事業の分野に属する事業者が広く連携して当該事業の分野における電子計算機の効率的な利用を図ることが必要であり、かつ、適切であると認めるときは、計画を勘案して、その事業の分野において事業者が連携して行う電子計算機の利用の態様、その実施の方法及びその実施に当たって配慮すべき事項に関する指針を定め、これを公表する」ということになっております。 連携利用の必要性につきましては、今先生御指摘のようにコンピューターが通信回線でつながれて、いろいろな分野でお互いにその情報を交換し合いながら使われるという形態がふえてきているという事実をバックにしておるわけでございます。現実には従来から、一つの企業の中では複数のコンピューターを一つの事業所の中あるいは異なる事業所の中でつなげていろいろ利用してきておったわけでありますが、最近は異なる企業同士の間でそういうことが行われてきているということでございます。その場合に、なぜこういう連携利用についての指針を出す必要性が出てきたかと申しますと、具体的な例で申し上げますと、例えば一つの企業が使っております伝票の書き方、それから商品のコードといいますか商品についていろいろと番号をつけたり何かする番号のつけ方というのが、一つの企業の中では完全に行われておりましても、他の企業においては別のやり方をやっているケースがある。そうするとお互いに企業同士の間でコンピューターで情報を交換し、あるいは原材料の注文を出し、あるいは製品を売るというような行為を行いますときに、コンピューターで伝票や何かの中に書いてある情報を相手の企業に送るときに、そのやり方が違うと相手の企業はそれを受けつけることができないということになるわけでございまして、その関係でどうしても関係企業同士の連携が必要になってまいります。ところが、一つの事業分野におきましてそのような行為が行われますと、今度は競争している企業同士で別々のシステムでやり合っていると別々のシステムをそれぞれの企業が全部入れていかなくてはいけないということが起こってコンピューターが非常に複雑になるし、あるいは複数のコンピューターを置かなくてはいけないというような事情が出てまいりますので、そういうことでむだがたくさん出てくるのを防ぐために、関連する分野で企業同士が協調し合い、話し合ってうまくそこを効率的にやっていく必要があるのではないかということで、そういうようなことをうまく進めるようにするために、ここで主務大臣が指針を出そうということになったわけでございます。 したがいまして、場合によってはその事業分野というのは一つの事業分野に限られることもございますが、またいろいろの異なった事業分野の間でそういうコンピューターを使って情報を流していくというようなことが起こるとすれば、そういう異なった事業分野全体を見ている主務大臣、場合によっては主務大臣が複数になることもあるかもしれませんが、そういう関係大臣が話し合ってこういう指針を出していくというようなことになってくるのではないかと思います。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○浜西委員 私はなぜそれを言うかというと、たくさんな分野があるわけですね。私がここで述べるまでもないと思うのです。各省庁と言ったら少し極端ですが、随分あると思うのです。行政関係のシステムもありましょうし、地域での共同利用のシステムもあるでしょう。今まで話が出たのは、大企業の話を少し中心にやりましたが、産業経済のシステムになると、それこそ銀行だとか新聞社だとか、そういうシステムが各個ぱらぱらで行われるわけであります。したがって、これから想定をされるあらゆる分野でソフトが組まれたり、その通信回線を利用しての端末機がそれぞれ作動し始めるわけですから、これを一定の規格といえばおかしいのですが、接続が簡単にできる、言ってみればここの会社の製品とこっちの会社の製品が合わないとつながらないということがあっては大変ですから、そういう単純な発想で恐れ入りますが、そういうつなぎの部分も含め、とにかく規格を統一するというか、そういう役割が今回の情報処理事業の中にあるのかどうなのか、これがちょっと私よくわかりかねるのです。これから先そういういろいろな異業種がどんどんやる、それらをある程度統一し、規格化し、それが容易につながるというか、接続できるというふうなこともこの中で開発し、そういうふうな行政指導、行政指導と言ってはおかしいですね、そういうものを国の責任で、公の立場から指導していこうとするのか、その仕事がこの情報処理振興事業の中にあるのかどうなのか、それを伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 コンピューターが非常に広い範囲で使われるようになった現状におきまして、一つの大きな問題は、異なったコンピューターを通信回線でつないで使用する場合に、それがうまくお互いにつながるかどうかという問題があるわけでございます。異なる企業のコンピューターとコンピューターが必ずしもすぐにはつながらない、あるいは一つの企業でつくられたコンピューターであっても機種が違ったりなんかすると必ずしもすぐにはつながらないという問題がありまして、通信回線で連携して使用する場合の、その異機箱間のコンピューターの連接の問題というのは非常に大きな問題となってきております。 この問題は、今御提案申し上げております電算機の連携利用に関する指針のテーマではございませんで、むしろそういう電算機の機器の標準化の問題あるいは通信のやり方の標準化の問題、規格化の問題、そういうような問題で処理すべき問題でございまして、その分野では、通産省としては、工業標準化法に基づくJISというようなものでそういうものを進めていくということが必要だと考えておりますし、それを進めていくためには、コンピューターあるいはソフトウエアの技術開発の面でも、そういう連携、相互運用がうまくいくような方式を考えていく必要があるということで、技術開発も必要だと考えております。 したがいまして、通産省といたしましては、その技術開発のためには、今年度新たな工業技術院の大型プロジェクトということで、コンピューターの相互運用性を高めるためのデータベースの研究開発というようなことも別途やろうとしておりますし、そういう技術開発あるいは標準化法の運用、そのようなものでコンピューター間のつながりをよくする問題というのは解決していきたいと考えております。 この法律で出ております連携利用につきましては、先ほど申し上げましたように、実際に企業同士でそのコンピューター間がつなかったという前提におきまして、各企業の間で流す情報の流し方について、私どもはそれをビジネスプロトコルと言っておりますけれども、ビジネスプロトコルをうまく統一していくというようなことをそれぞれの事業分野あるいは関係分野において進めていこうというのが趣旨でございます。
○浜西委員 私はなぜそれを言うかというと、これからのニューメディア時代に対して、新聞で、投書ではありませんが、これは新聞の記者が指摘しておることを私は注目に値すると思うのですが、それこそこれにも書いてあるように「「民」を生かす「官」の役割がいまほど重要なときはない。」ということで、その中に書いてあるのです。 例えばCATVですね。これあたりを、それじゃその地域で情報を送るためにそういう業者が考えついてCATVを始めようとする。そうすると、手続から何から物すごく煩瑣になるわけですね。例えば建設省は道路に線を引っ張ってはだめだと言う。そうすると建設省にも行ってそのことについての許可をもらわなきゃいけないとかということを初めとして、道路関係についてのあれは全部道路法三十二条に定めであることに従ってやらなきゃいけないというふうなことがこれにも書いてある。 もう一つは、例えば裁判所の関係でいくと、磁気テープによる経理データの保管は今のところ裁判の証拠能力がないというふうになっておるのですね。そうすると、これはまず法人税法の関係では、五年間ほど帳簿の形で保管すると書いてある、その帳簿の形という部分を変えて、こういうテープによるデータの保存というふうに書きかえていかなきゃいけないとか、気がつけば小さな部分、たくさん不統一な、つまり新しいメディアに対してうまくそれが乗っかっていかれない旧式の手続だとか法律があちらこちらにあるということをこの新聞は指摘をしておるわけです。 したがって、そういうことも含め、今私が言った接続のことも含め、このことについては統一してそれを指導する、そういう官庁というか省庁が必要になってくるのじゃないか。だから多岐にわたっておるのですね。先ほど言ったように、犯罪の関係ならば警察庁だとか、銀行関係でいろいろ新しい方式を取り入れて、いながらにしての預金の出し入れ、決済ができる、あるいは口座間同士、個人対個人がお互いに端末機を使ってそういうことができるというふうなこと、そうなっていくとこれは大蔵省関係だというふうに、建設省から大蔵省から警察庁から、農水省も入ってくるのですよ、あらゆるところが全部そういう問題について悩みを持ち、指導しなくてはならぬけれども、入り組んでおるわけですね。あらゆる省庁にまたがっておる。しかしそれは本来的な任務でないということでだれもが……。この新しい情報通信時代に責任を持って日本の国益を守り、国民の利益を守り、あるいは企業間の、言ってみれば何か著作権というかそういう権利の保護も考え、とにかく総体としてそれを管理監督するような省庁、省が必要だというふうに私は思うのです。 なぜかというと、セキュリティーの問題が今回全然出てないのです。それじゃ一体、大災害が起こったとき、犯罪が起こったとき、機密漏えいがあちらこちらで起こったとき、あるいは一つの例を挙げます。これは人の話ですから私が考えついたことではありませんが、ある病人を殺そうと思えば、その逆な入力をカルテにやればいいんです。遠隔操作でカルテを変更すればいいんです。そうすると、全然わからない看護婦さんは、これだからこういう薬を飲ませればいい、こういう注射を打てばいいということで、間接的に殺人することができるというふうな話も聞いたことがあります。あらゆる問題がこれから提起をされてくることについて、セキュリティーの問題が全くないが、一体この安全基準などは、いつ、どこの省庁がどういうふうにとらまえてこれを考えるのか、通産省がわかっておる範囲内で答えてください。
○木下政府委員 情報関係の技術の進歩は非常に目覚ましいものがございますし、通信関係の技術の進歩も目覚ましいものがございます。したがいまして、情報化社会に向けて社会は急速に大きく変わっているのは先生御指摘のとおりでございます。 それの状況に合わせまして既存の法制が十分にそれを機能するかどうかという点についても、確かに御指摘のとおりでございまして、いろいろの分野において新しいそういう事態に応じた法制の整備は今後とも検討していかなくてはいけないことではないかと我々は考えております。 ただ、このような問題はひとり情報化の分野にとどまらず、従来からも同じようなことがあったわけでございまして、例えば工場を一つつくるということになりますと、建設省関係の仕事もあるし、労働省関係の仕事もあるし、郵政省関係の仕事もあるし、通産省関係の仕事もあるし、環境庁関係の仕事もある、すべていろいろな分野の問題をうまく処理していく必要があったわけでございますけれども、それはそれぞれの省庁と関係者が話し合いをすることで解決してきておったわけでございます。情報化の分野についても同じことが言えようかと思います。私どもは、関係する省庁はたくさんございますが、関係する省庁がお互いに十分に連携をとり合って、この新しい事態に応じた仕事を進めていくということは必要だし、また十分可能ではないかというふうに考えております。 先生の御質問になりましたコンピューターの安全対策でございますが、実は通産省は最初、御提出申し上げましたこの法案の中にそういう条項を入れてやったらどうかということでいろいろと検討をしたことがございます。各省庁といろいろ御相談申し上げました過程で、コンピューターの安全対策というのは、単に情報処理を円滑に進めるということだけではなくて、例えば犯罪防止的な観点の問題もあるということがはっきりしてきたわけでございます。関係省庁はいずれも安全対策の必要性は十分認めておって、そのためには関係省庁で協力してやっていく必要があるということは同意したわけでございます。 ただ、この法律の中に入れるということになりますと、例えば犯罪防止的観点を情報処理を促進しようというこの法律の体系の中へうまく織り込むことができるかどうかという問題点等も指摘されまして、通産省といたしましては、安全対策はこの法律から切り離して別途関係省庁と御相談して対策を講じていくことがベターであろうと考えて、この法律の案からは一応外してございますが、その必要性は先生御指摘のとおりでございますので、今後とも関係省庁とできるだけ早くその調整をとって必要な対策、案を考えていきたいと考えております。
○浜西委員 時間が大分切迫しましたから要点を急ぎます。 せっかく郵政省来てもらっておりますから、このことについて答えてください。 四月一日からいよいよ電電公社が公社でなくなって株式会社になるわけですが、これが民間活力、それこそ第二電電、第三電電というものを呼ぶきっかけにもなるだろうし、VAN事業というものもこれからどんどん進んでくると思うのです。これらも含めて今通産省がコンピューターの利用についていろいろ提起しておることについては、それなりに意味があって、それはそれでいいと思うのです。 問題は、私が今ちょっと述べましたセキュリティーの問題になってきますと、通信回線を通じて、それを利用し、いろいろな業者が新しい、一口に言えばVAN事業ができてくるわけです。通信回線は、警察庁にも行っているし、病院にも行っているし、銀行なんかにも行っている、どこでも行っているわけです。それらをこれから先想定して郵政省はどのように、私は逓信委員でありませんから、できれば逓信委員会に行って質問したい問題がありますが、一体今言う安全基準について考えておるのかどうなのか。お互いが顔を見合わせて、各省庁にまたがっているからそのうちそのうちということになれば大変なことだと思う。そういうことでこの法案を見逃すわけにはいかないと思う。 そういう基本的な問題があって初めて情報処理というものについて私どもはお互いに協力して、この法案を進めていこうということになりますが、その大事な問題が全然今日論議をされないでこの法案をこのままにすることは、絶対にいけないことだと私は思う。歴史的に振り返って必ず大失敗をしてかすと思う。お互いに商工委員として国民に対して申しわけない気がするので、通信回線をなりわいとしている郵政省は一体これをどう考えておるのか、お聞きしたいと思います。
○江川説明員 情報処理といいますか、コンピューターの利用と電気通信の利用技術とが大変進歩してまいりまして、先生御指摘のようにいわば両者が融合、ドッキングしまして情報を伝送し、処理し、交換し、受信する、一体として行われる新しい電気通信あるいは情報通信システムと言ってもよろしいかと思いますが、そういうものが発展してきているというのは先生御指摘のとおりでございますし、この傾向はますます進んでいくものと考えております。社会の各層各界、産業分野のみならず、いろいろに入っていきまして、我々これを社会システム化と言っておりますが、そういう状態になっていくのではないかと思っているところです。 そういう状況を踏まえて、これを助長するといいますか、二十一世紀の日本を展望したときに、その場合の電気通信のあり方ということを考えました結果、御指摘いただきましたように四月一日から新しい電気通信制度が発足する。いわゆる電電改革三法が通りましてこれが施行されるわけでございます。そういたしますと、先生おっしゃいます安全性、信頼性、セキュリティーという問題が大変クローズアップされてくることはおっしゃるとおりでありまして、今、通産省の局長からコンピューターのセキュリティーという視点でいろいろ御答弁ございましたけれども、我々といたしましても、電気通信システムの持つ安全性、信頼性の確保という点につきまして、単に電気通信法が持つ通信の秘密の確保という視点ばかりでなく、新しい視点に立った安全、信頼性の確保という点も考えていかなければならない、そう思っておりまして、現在、電気通信の高度化基盤整備に関する法律というのを政府部内で検討しているところでございます。先ほど来通産省の局長の答弁にございましたように、政府全体として議論していく部分もありますので、我々といたしましても、ひとり郵政省のみならず、関係省庁等の御意見も十分伺いながら、協議しながら、電気通信における安全性、信頼性の確保について十分を期していきたいと考えている次第でございます。
○浜西委員 抽象的な答弁でわからぬわけですが、安全性の問題は法案として検討中なのか。郵政省、私は法案は知らないのですが、これは今回、この国会では出すに至ってない、研究中、こういうことですか。
○江川説明員 ただいま申しました電気通信の高度化に関する基盤整備の法律につきましては、ただいま政府部内で調整中でございまして、まだ国会提出には至っておりません。その中には電気通信システムの安全性、信頼性というものも一応書き込んでいるところでございます。
○浜西委員 さあ、そうなるとやはり私が心配したとおりで、郵政省も通信回線を通じて情報を提供するそういう立場にある。もとの、言ってみればインフラストラクチャーの関係、本体そのものが、そういうものについて今研究中だとかいうことできちっとしたものを持っていない。名前は高度化だとか基盤整備だとか言っておるけれども、私はこれは大変なことだと思うのです。今さっきからずっと一貫して私が言ってきておるのは、日本の国益、国民の利益そして企業間の開発したソフトの権利も含め、ソフトの権利の問題はまた別の角度で、別の法案であるようでありますが、それを保護する施策、そして今言う安全性の問題もひっくるめて、これを十分論議をした上で、日本の情報通信、情報処理というものはかくかくしかじかだという基盤ができて、そのうちの一部である端末機であり人材であるソフト部分を論じて、そしてそれを仕上げていくということならば話は順当でありますけれども、これはまるきり逆さまであります。 ソフト部分だけ、技術の向上部分だけが前面に出て、基本的に一番大事な問題は全く論議をされないで、この国会にも提案をされないで、いずれそのうち関係する省庁が相談をしてということでは、これはとてもじゃないが責任を持てないと私は思うのです。したがって、先ほど聞きました人材派遣の問題を私は留保いたしました。さらにこのセキュリティーの問題について関係省庁と十分詰めて、どこかが窓口になってかくかくしかじかでこのようにまとめましたという一つの見通しがない限りは、この問題については私は法案審議について態度を留保しておきたいと思う。 具体的な扱いについては私は理事会に一任してもいいと思うのですが、それぞれ理事さんで相談してもらって、これでいいと理事さんがおっしゃれば私は何をか言わんやと思うのです。大変な問題が隠されておりますので、そういう統一指導ができる、手続的にも簡素化をもちろん含めて統一的な手続ができる、そういうふうな指導も含め、今言う安全性の問題も含め、あるいは労働基準法あるいは職業安定法などの関連もあるわけですから、それらをひっくるめて基本的な将来の情報通信の問題についての結論を出すための手だてを理事会でひとつ検討してもらいたい。その方法が出て初めてこの問題について私は論議に参画し、賛成なら賛成という立場を明らかにしたいと思います。そういう意味で、この法案審議というものについての扱いを、私の態度として表明をして、やれば切りがありませんから、これで私の質問を終わります。 通産省、何かその点についてお考えがあれば出しておいてもらいたい。
○村田国務大臣 浜西委員の御質問、先ほどからずっとこちらで拝聴いたしておりました。非常に御高見を伺わせていただいて、ありがとうございます。 先ほど来政府委員から御答弁、また関係各省からもありましたように、まさに高度情報化社会と技術開発というものがこれからの世の中を、世界を変えようというわけでありますから、そういった意味での情報の関係というのは非常に重要であると思います。したがいまして、浜西委員の御指摘になったような点は今までも政府部内でいろいろと論議をいたしております。 まず、安全確保、セキュリティーの問題でございますが、これにつきましては、この法律案を出す過程におきましても関係省庁といろいろ相談をいたしておりまして、ぜひひとつコンセンサスを得て安全対策を講じなければならないということで進んでおるところでございます。 また、郵政省との調整につきましては、今通産省そして郵政省それぞれ御答弁がありましたが、各省設置法で一応区分はされておるわけでございます。しかし郵政省、労働省あるいは内閣官房、総務庁等を含めまして情報は関係各省に広く行きわたっておるわけでございますから、これからの世の中を変えようとする情報化社会というものに対する政府の対応は極めて重要であるという考え方のもとに、私も郵政大臣と個別にいろいろなお話をしておりますし、今委員の御指摘になりました点も今後心して、内閣官房や総務庁やそういった調整機能を持っております官庁とも相談をいたしながら、広い立場で検討してまいりたいと思いますので、ぜひこの法律につきましては御理解を賜り、御賛成をいただきたいと思います。
○浜西委員 もう多く申しません。 私は今、大きく分ければ人材派遣の問題、それから統一指導のできるような窓口一本化の、できればこのための独立した省庁が必要だと思いますが、それがない場合でもどこかの省がまとめて窓口になって、中心になって安全性の問題、秘密漏えいの問題、国民のプライバシーを守る問題、いろいろなこれから想定される各種の犯罪も含めて、きちっとした基盤をこしらえた上で、この情報処理というものの振興について論議に参画をしたい。それまでは私は留保しておきたい。扱いについては理事会に一任ということをつけ加えまして、私の質問を終わります。
○浦野委員長代理 奥野一雄君。
○奥野(一)委員 最初に、基本的な問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 今、同僚の浜西議員の方からも触れられましたことにも関連をするわけでありますけれども、この法律案は情報処理の促進が主たる目的でありまして、そのための必要な施策を講ずることとしております。 しかし、今後の情報の発展という点から考えてみますと、ここ当分の間はいわゆる高度情報化社会に向かって今日私どもが予想し得ない分野にわたって発展していく可能性というものを持っていると思います。しかも、これは単にこの法案で述べているソフトウエアの開発促進及び電子計算機の高度利用という範疇にのみとどまらないで、その及ぼす影響というものは非常に大きいと判断をしているわけであります。そういう部面についての考慮をどうしても払っておく必要があるだろう、こう痛感をしているわけであります。 そういう点から考えますと、情報処理の問題というのは一つ一つの事象をとらえて法案をつくるということでは対応していけないのではないか、いろいろなものを想定した基本的なものをひとつつくる、それから各分野にわたる法案というものをつくっていくことが妥当ではないのか、こう思っているわけです。私どもは従来からそういう一つの大きなものというのは情報基本法という仮称で実は呼んでおりまして、今日までそういう面について主張してきた経過があるわけでありますが、その辺についてはどうなんでしょう。
○村田国務大臣 奥野委員にお答え申し上げます。 通産省としては、本法の改正によって我が国の情報化を推進する上で大きな前進が図られる、こういうふうに考えております。そして、今奥野委員が御指摘になった情報基本法というような問題の検討でございますが、情報の公開であるとかあるいはプライバシーの保護であるとか、情報基本法ということになりますと極めて広範多岐でありまして、相当の期間をかけて検討してまいることが必要であると思うわけでございます。 また、基本的人権にかかわる重要な問題等も含んでおるということで、関係各省も非常に膨大なものになると思いますので、政府全体としてこの問題は検討すべきであろう。当面はこの法律をぜひ通して情報化の進展をさせていただきたい、こう思うわけでございます。
○奥野(一)委員 大臣の言われることも私はわからないわけではないのです。これは後で具体的な問題については若干触れますが、例えば私がちょっと拾い上げてみた中でも、各省庁間にわたるいろいろな未解決になっている問題が十三、四くらいあるのです。 一つは権利保護の問題、これは先ほど触れられました。ソフトウエアの関係なんかでは著作権と通産省との間に若干まだ問題が残っています。あるいはICの集積回路の関係は今法案が出てくる、あるいは安全性確保の問題、それから企業系列化、独占化という形をとる可能性というのが出てくるわけです。それから雇用関係、これは先ほどもちょっと触れましたが、また別な意味でありますが、これも後で触れます。あるいは職業病に関する問題、それから防犯関係、それから各種許認可事務の法律の整備の問題、それから管理社会になっていく可能性を持っているわけで、そういう面についての対応あるいは地域情報化の格差の解消の問題、それから流通業務あるいは販売、こういう面に関する問題、それから社会生活にわたる問題、これは医療とか教育とかあるわけですが、そういう問題、あるいはテレビ会議など、これはまた商法との関連というのが出てくるわけでありまして、こういうような問題が未解決のまま残っている。しかし、そういうものが未解決でありますが、高度情報化社会というものに間違いなく今進んでいくという体制になっているわけですね。だから、そういうときにはもちろん個々の法律案について作成を急がなければいけないものは当然出てくるわけでありますけれども、しかしそういった基本的なものを放置をして、末端と言うと語弊がありますけれども、細部にわたるものだけがどんどん法案化をされていくということになりますと、どこかで混乱を生じるという場合だって出てくるのではないか、こういうふうに思われてならないわけですね。 確かに今大臣が言われましたとおりに、各省庁間にまたがるいろいろな問題があるわけでありますから、調整には相当時間がかかると思うのです。しかし、これからこの高度情報化社会というものを考えていった場合に、今からそういうことを考えて対応していかないというと、さて片っ方でどんどん情報化が進んでいって、その段階になってきてから改めて統一をした法律案が必要だということになって、それまで混乱が起きなければいいけれども、万が一混乱が起きたという場合にはどういうふうに責任をとっていかなければならないのかという問題も出てくるわけです。 ですから、私は従来から、関係する委員の皆さん方にも情報基本法のようなものはぜひつくらなければならないのだ、これはちょうど新電電の法案審議の際もそういう面については指摘して主張をしてきたわけなんですが、そういう面で、今すぐというわけにはこれはいかないでしょうけれども、それでは将来に向かって、そう遠い将来ではないと思うのでありまして、そういう将来に向かってそういう法律というものが必要であるのかどうか、そういう面について、これはどこが音頭をとるのかは別です。本来であれば、きょう総務庁ちょっと呼びたかったのですが、手続が間に合わなくて総務庁の方からおいでをいただくことができなかったわけでありますけれども、そういうようなことについて、これからどこが主宰をするのかは別として、通産がこういうものを仮にやっておるのであれば、やはり通産が音頭をとるとか、あるいは郵政に音頭をとらせるとか総務庁が音頭をとるとか、こういうものは別にしても、そういう基本的な法律案というものは必要であるかどうか、あるいはこれから取り組んでいくという考えがあるかどうか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○村田国務大臣 今奥野委員から広範ないろいろな各省にわたる通産省の問題について御指摘がありました。通産省は産業全体、貿易全体に関連がありますので、いろいろな意味で委員御指摘のような懸案をたくさん抱えております。 しかし、最近はこういった問題についていろいろと調整をし、解決を図っておるものが多いのでございまして、例えば半導体チップ法等は、今回提出いたします法律案件の中に半導体集積回路保護法ということで新法を計画いたしておりますし、またいわゆるプログラム権法と著作権法の関係、これは極めて重要でございまして、実はアメリカのブロック通商代表との話し合いのときにも出てきたのでございますが、これはブロック通商代表の意見を一〇〇%受け入れまして、著作権法の改正でいこうということで、これも今国会で解決をしたわけでございます。いろいろそういった懸案のものにつきまして着実に取り組み、着実に解決を一歩一歩してまいっておりますし、今後もする予定でございます。 ただ、情報基本法でございますが、これは余りにも広範な問題を含んでおりまして、先ほど申し上げましたようにいろいろな具体的な問題がございますので、憲法との関係であるとか関係各省が極めて広範であります。したがって、果たしてそういうものをどこがイニシアチブをとってどういうふうに進めていくかということの検討もこれからでございますし、この段階で今後どういうふうになるかということはまだ具体的に申し上げかねるのではないか、そういうふうに思います。
○奥野(一)委員 先ほど、ちょっと私各省庁間にまたがるものでまだ未解決のものがこれだけあるのだというふうに申し上げました。この情報処理というものを一つ考えてみた場合に、これだけの多くの問題が残っているということは、私は、今の国の縦割り行政の中だけでは処理できないものがこの情報処理というものの中にはあるのだ、こういうふうにまず思わなければならないと思うのですよ。ですから、これは国の方では行政改革とかなんとかということで、末端の方の削減とか統廃合なんというのはどんどんやるわけですけれども、こういう時代の流れに即応して、中央の官庁というのはさっぱり変わらないわけですね。 予算委員会では中曽根総理は、各省庁がいろいろなことを考えるのは活力があっていいんだ、それも確かに一面あるとは思うのですけれども、しかし、結果から見るというと後追い行政のような格好になってしまう。後になってから、いや、統合する何か法律案が必要だ。今まで基本法なんというのは大体そういう経過で生まれてきているのが非常に多いような感じがするわけですね。これだけ縦割り行政の中ではなじまないという、そういう性格をこの情報に関するものが持っているということになった場合には、やはりそういう社会の情勢に合わせた行政の機構というものについて考えていいんではないか。 通産省ができてからでももう相当な年数がたつわけでありまして、内部には、それぞれ新たに対応する部局というものがつくられたりしているわけですね。ですから、それぞれの官庁を見ますというと、同じような問題を扱う機構というものが生まれてきている。そういう面では、私はむしろ行政改革に非常に反するんではないかという感じさえ持つわけでございまして、そういう面ではこの法案の審議が始まりましたときに、与党の方の方からも、情報産業省ですか、というようなものをつくったらいいんではないか、こういう指摘もあったほどでございまして、やはりこれからの高度情報化社会というものを迎えていく場合には、そのくらいの発想の転換というものをもって処理をしていかないというと、結局最終的には問題が発生したときにはお互いに責任のなすり合い、あるいは新しい仕事をやる場合には、悪い言葉で言うと縄張り争い、そういうようなことが起こってきて、迷惑をするのは国民であり、情報を収集する人たちではないだろうか、こういうふうに考えられるわけでありますね。 そういう面で、どうなんでしょうか、国民の側から見ますというと、これがどこどこの所管とかということは余り関係ないわけです。要は情報なら情報というものを一貫した形の中で国民なりあるいは消費者というものは受け取る、こういうことになっているわけですね。違った形の中で法律が出て、その規制なり罰則なりがもし違うなんということになったら、迷惑を受けるのはこれは国民の方が受けるわけでありまして、そういう面では、やはり統一をした官庁なり、あるいは統一をした窓口なり、これは先ほど浜西議員も指摘をしておりましたが、そういうものについて考えておく必要があるのではないか、こう思うわけでありますけれども、その面についてもう一度見解をお聞かせいただきたいと思うわけです。
○村田国務大臣 奥野委員の御指摘の立脚点はよく理解できるわけであります。確かに日本の行政というのは明治以来縄張り行政というものが縦割りにありまして、そうして縦割り行政の相互間での連携というものが非常に少なかった面もある。したがって、そういう点がいろいろ縄張り行政の弊害として指摘されておるのは御承知のとおりであります。しかし中曽根内閣になりましてから、行政合理化あるいは内閣の調整機能ということに非常に思いをいたされまして、そういった点での機能はいろいろの面で私はあらわれてきておると思いますし、また中曽根内閣以前からこの問題は歴代内閣の一貫した方針でもあると思うのでございます。 特に情報というこれからの、先ほども申しましたが、これからの社会を変えようとする大きな問題を取り上げてみますと、情報技術開発は二十一世紀に対応する要請である。そういった意味では相互連関というのが極めて必要でございましょう。したがって、その意味の相互連関を行うべき調整機能、これは例えば内閣官房にもございますし、それから総務庁にもございますし、経済企画庁、自治省、大蔵省、そういった官庁は皆、言うなれば横糸の役目を果たす官庁でございます。しかし個々の官庁もそういった相互のいろいろな連携をとりながらやっていかなければ、委員御指摘のような縄張り行政の弊害が出てくるわけでありまして、したがって、出先機関その他を通じて行政合理化をいわゆる低成長の行政にふさわしくやっていく。また情報処理につきましても、例えば通産省が労働省あるいは郵政省、また総務庁、いろいろなところと連携をとりながらお互いに助け合っていくという努力がぜひ必要であると思います。 これは新しい時代に対応する当然の心構えでございまして、私どもは、今までも既に労働省とも、各スタッフが両大臣を交えて相当密接に打ち合わせをいたしましたし、郵政省ともいろいろ打ち合わせをしております。大蔵省とはもちろんでございます。そういった各省の努力が積み重ねられていけば、この情報化問題につきましても十分カバーすることができる。例えば情報産業省の設置であるとか、情報基本法の制定であるとか、委員御指摘になりました問題は、確かにアイデアではあると思いますが、当面の行政をしっかりと処理していくという上では、まだまだこれからいろいろ検討が必要であると思うのでございまして、したがって、例えば情報の問題は、この法律を通していただくことによって大きく前進をさせたい。また、技術開発の問題等につきましても、これは通産省の一丁目一番地であるということで努力をしておるところでございまして、そういった懸命の努力をしてまいりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思うのでございます。
○奥野(一)委員 今大臣は、情報処理に関しては二十一世紀を展望して、こういうようなことなんですね。確かに二十一世紀という時代を考えますというと、情報化社会というものはどんどん進むだろうということは予測はできるわけです。 さて、そういう高度情報化社会に備えての基本的な法律がないとか、あるいは、高度情報化社会に備えて各省にいろいろなものでまたがるものを統一的に見る官庁がないということは、私はやはり何か片手落ちのような感じがするのですね。二十一世紀を展望して高度情報化社会に到達をする、そのことが明らかであるならば、そのための対策というものは当然とっておく必要があるのではないか。こういう官庁機構というものを一挙に直したり、あるいはまた、各省庁間にまたがる基本的な法律を一本でつくるということの難しさということは私も十分承知をいたしますけれども、先行きわからないということでなくて、とにかくある程度の金さえかけていけば、この情報化社会というものは家庭の中にまで入り込んでくるし、あるいは地域の中にまで広まっていく、そういう要素を持っているわけでありますから、二十一世紀といったってあとほんのわずかで到達をするわけでありまして、到達をしてしまってからでは私はやはり遅いという感じを持っているのでありまして、そういう面、やはりもう一遍考え方をお尋ねをしておきたいと思うのです。
○与謝野政府委員 先生御指摘のとおり、経済社会の情報化の進展に伴いまして、近年、一省庁のみでは処理できない、対処し得ない問題がたくさんふえてきていることは事実でございます。この種の問題に対応し、対処するためには、関係省庁がそれぞれの設置法に基づく職務を全うするということはもちろんでございますが、また、必要に応じまして機動的に、また弾力的に、関係省庁の連絡会議の開催あるいは内閣官房の調整機能の活用を図るということ等によりまして、新しい事態に適時適切な対処を図る必要があると思いますし、そうすることによりまして、また国民の負託にこたえていくということであろうかと存じます。
○奥野(一)委員 納得はいたしませんけれども、そのことばかりやりとりしているわけにもまいりませんので、少し今度は中身に入らせてもらいたいと思います。しかしこれは、くどいようでありますけれども、やはり早目に手を打っていくということをぜひお考えをいただきたいと思うわけであります。 私どもは役人の生活というのは余りしたことがございませんから、どういう官庁同士の駆け引きがあるのかはわかりませんけれども、どこが所管をするとかなんとかということだけでなくて、やはりこれから高度情報化社会を迎えるに当たりましては、混乱が起きないように、そういう体制づくりのためにはひとつ全力を挙げていただきたい、そのことはぜひ要望しておきたいというふうに思っております。 次に、郵政省の方からもきょうはおいでをいただいているわけでありまして、今後の情報量の推移などについて若干お尋ねをしておきたいと思っているわけであります。 通産省の方には郵政省の見解を聞いた後でお尋ねをしていきたいというふうに思っておりますが、第一に情報量ということについて考えてみますと、郵政の方で出しております情報流通センサス、これは調査対象メディアというのは、電気通信系とかあるいは輸送系とか空間系、こういうものに分かれているわけでありまして、この情報流通量は供給情報量あるいは消費情報量、こういうものに分けられているわけでありますが、五十九年度の情報流通センサスによりますと、供給情報量というのは、四十八年度を一〇〇としたときに、五十八年度には一六四に増加をしているというふうになっているわけでありますが、この内訳を見ますと、電気通信系メディアというのが全体の九七・八%も占めている、こういう結果が出ているわけであります。 恐らくこれからもこの情報の量というのは国民生活の各分野にわたって爆発的に増加をしていくのではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、まず最初にお尋ねをしておきたいのは、どんな分野で情報量がどういうふうにふえていくというふうに考えておられるのか、その点ひとつお尋ねをしておきたいと思うわけです。
○正幡説明員 郵政省では、ただいま先生からもお話しございましたように、種々のメディアによります情報流通を共通の尺度で計量いたしまして、情報流通の状況を定量的に把握しようということで情報流通センサスを実施いたしております。 それによりますと、ただいま先生からも御指摘がございましたけれども、総供給情報量は前年度に比べまして四・二%ほど増加しております。十年間では一・六四倍というようなことでございますけれども、これをメディアの分野で見てみますと、郵便とか新聞等のいわゆる輸送系のメディア、こうしたものの伸びは比較的小そうございまして二・一%というようなことになってございます。それに反しまして、電気通信系のメディアは四・三%の伸びということになっておりまして、比較的には高い伸びを示しているということが言えると思います。 では、その中ではまたどうかと申しますと、電気通信系のメディアの中でも特に伸びの著しいのは、ファクシミリとかデータ通信、そうしたものでございます。あるいは有線テレビジョン放送というようなものも高い伸びを示している部類に入ろうかと思っております。このような傾向はこのところずっと何年間か続いておりますので、当面はこんな状況で推移するのではないかというふうに考えているところでございます。
○奥野(一)委員 今お答えいただいた分は、私も資料を見させていただきまして、そういう面についてはわかります。 そこで、一つ気になっていることは、これは郵政省の方にお尋ねをしておきたいのでありますけれども、情報量そのものはふえていっている、しかし、情報の消費率というのですか、それを見ますと下降線をたどっているという結果になっているわけですね。これはいろいろな理由があるのだろうと思うのですけれども、この供給される情報というものが消費者のニーズに合わないのか、あるいはまた同じ情報というものが多過ぎるのか、いわゆる情報過多という形になっているのか、そういう情報の消費率が下がっているということについてはどういう見解をお持ちでしょうか。
○正幡説明員 私どもの情報流通センサスによりますと、情報の供給量に比べまして情報の消費量の伸びが小さいということが例年出てくるわけでございます。これは情報の消費というものを人間を主体に考えておりますので、人口の伸びが低いとか、それから生活時間がどうしても限られてくる、二十四時間という制約があるというようなことで、情報活動の活発化等から着実に伸びておりますけれども、その伸びは低いということが言えようかと思います。一方、情報供給量はかなりの速度で伸びているということがございます。したがいまして、先生御指摘のように情報の消費率というものが年々低くなってきておるという傾向はずっと続いてきておるわけでございます。この辺の考え方でございますけれども、確かに情報過多というようなことを否定はできないかとも思いますけれども、これはこうした情報化社会を迎えまして情報化の進展の中で情報の選択の幅が広がっているというようなことでございまして、情報の消費率が下がっているということは、これは反面、情報の選択の幅が拡大しているんだ、こんなふうに考えている次第でございます。
○奥野(一)委員 次は通産省の方にちょっとお尋ねしてまいりますが、今郵政省の方の情報流通センサスの関係についてお聞きになっておられたと思うのでありますが、通産省としては、これから情報の量というものはどういうふうに伸びていくのか、そういう面では何かお考えがありますか。
○木下政府委員 情報量の伸びを定量的に推測するのは非常に難しいことでございますけれども、私どもの方で情報をコンピューターで処理するという形で量をはかってみた場合に、それでは過去においてどのくらい伸びているかということは一応推定できるかと思います。情報処理の分野におけるコンピューターの総処理能力という面で考えていけば一応の伸びが考えられると思いますが、汎用コンピューターの設置台数は過去五年間におきまして年率二〇%程度の割合で伸びております。 それから、御承知のようにコンピューターというのは毎年性能がどんどん向上しておりますので、一台のコンピューターの性能向上分というのを考える必要があろうかと思いますが、それを一応年に二〇%ぐらい伸びていると仮定いたしますと、総情報処理能力というのは、現在年率約四割程度で伸びているというふうにも考えられます。
○奥野(一)委員 郵政の方は結構でございます。 これはなかなか難しい点だというふうに今私も判断しておりますのは、今、年率四割程度で伸びているということですが、我々人間の能力の中で何年先ぐらいまで予測できるのか。情報の伸びというものは、もちろんハードのものをつくるとかソフトのものをつくるということにも当然関連していくわけですね。情報が全然ないんだったらつくる必要がないということになりますし、情報量が多いということになりますと、ハードの面でもソフトの面でもそれだけつくっていかなければならないということになる。また技術者も養成をしておかなければならないということになるわけですね。そういうものと兼ね合っていくだろうと思うんですね。ですから、情報の流通ということについて押さえるということは非常に難しい要素はたくさんあるわけでありますけれども、何らかの形で押さえておかないと、例えば今のようなこういう法案が仮にできても全然利用するものがないんだということになった場合には何にもならないわけですよ。未来を予測していくということは非常に難しいな、私はこう思っておるのです。 たまたま三月十日に青函トンネルが貫通いたしました。四十五年ごろに、たしか本格工事を始めるときに輸送の将来予測をやったわけですね。そのときは、開適時には新幹線規模だと千七百万人くらい需要があるだろう、在来線型でも千二百万人くらいの需要があるだろうというふうに予測はしたが、残念ながら二百十万くらいに落ちるだろう、現実にこうなって、さて、このトンネルの利用をどうするかということになって十五年後の今日困っておるという状況になっておるわけです。 ですから、情報の流通という問題についても、今二十一世紀の高度情報化社会を迎えるに当たって相当伸びるだろうということは私も現時点では予測できるわけですね。しかし、さて二十一世紀に到達をしてみたらもう今やっているものなんかではとてもだめだ、そういうふうにもなりかねないということにもなっていくわけでありまして、そういう面では、いろいろな角度から情報の量については難しいけれども押さえるという努力はしておかなければならないのじゃないか。多少のフリクションや何かがありましても、一定のものをどこかで押さえて、こうなっていくのだろう、だからハードの面ではこのくらいのものをつくらなければならないし、ソフトの面ではこのくらいつくらなければならないし、技術者はこういう養成をしていかなければならないということを前もってやっておかないと困るのではないか。私は、そういうものをきちんと通産の方では押さえておられて、だから今こういう法律案などをつくったり、あるいはこの後出てきます基盤技術の円滑化法案とか、あるいは中小企業の技術促進とか、そういうようなものが関連して出てくるのだろうと思っておったわけですね。そういう面では的確につかんでおられないということのようでございますけれども、難しい問題はあろうと思いますが、これからも研究をしてぜひつかんでいただいて、間違いのないような体制をとっていただくように一つはお願いをしておきたいと思うわけであります。 次の質問に入ります。 私も先ほどから、二十一世紀は高度情報化社会が到来するだろう、したがって相当に情報量がふえるだろう、今そういう予測をしておる反面、どこかで限界が来るのじゃないかという感じもしてならないわけなんですね。例えばある情報がほかの方々に行かなくて私のところにだけ来ているときにはその情報には大変な価値がある。いわゆる情報の効用というものは大変大きいとということになるわけです。しかし、それがだんだん広まっていきますと価値は低下をしてくる、いわゆる効用の限界というものが来るのではないか。特に社会生活面は日常生活の中で利用していくものですからいろいろなものがたくさん出てくると思うのですが、産業部門ということになっていきますと、一定の段階へ行ったら、飽和状態というのはちょっと表現が適当でないかもしれませんが、そういう段階が来るのではないかという感じがしているわけなんですが、そういう面はどういうふうにお考えになっておられますか。
○木下政府委員 通産省として情報化関係の施策を進めていく場合には、先生御指摘のように当然に将来の情報処理の需要がどのくらいかということを頭に置いてやっていかなくてはいけないわけでございます。 先ほど申し上げましたのは過去五年くらいの平均伸び率を御説明したわけでございますが、今後どうなっていくかという点についても、やはりそういう計画を考えていく必要があると思っておりまして、今回御提案申し上げております情報処理振興事業協会等に関する法律におきましても、今度は改正部分には入っておりませんが、電子計算機利用高度化計画というようなものがございまして、その計画に基づいて五年先くらいの需要に応じた電子計算機の設置台数というようなものを決めておるわけでございます。 そういうことで、私どもとしては、この今の利用計画は六十年度を最終年度としたものができておりますので、新しい法律になりました場合には、新しい法律に基づきまして、またそれから先、五年先ぐらいの計画をつくっていくということを考えておきたいと思っております。 〔浦野委員長代理退席、渡辺(秀)委員長 代理着席〕 情報というのは、先生も御指摘になりましたように、たくさん存在するわけでございまして、存在している情報を、従来は、コンピューターがない時代は、それぞれの人が自分で読んだり聞いたりした情報を頭で判断して物事を処理しておったわけでございますが、コンピューターというものができました以上、コンピューターに基づいて大量の情報をうまく機械的に処理することによって、それを人間生活に役立てるということになるわけでございますので、私どもとしては、そのコンピューターの情報処理が十分にコストが安く提供されれば、存在している情報を処理してほしいというその潜在的なニーズは非常に高いと思いますので、十分にそのニーズに合わせるだけの、むしろ供給の方を心配しなくちゃならぬというようなことではないかと思います。 今回私どもが御提案申し上げております情報処理振興事業協会等の法律の改正というのは、その中でも一番将来供給側で問題が起こると予想されておりますソフトウエアの供給につきまして、それがコストが安くいいものが大量に生産することができる方式をできるだけ早くつくり上げたい、そういうようなことを考えておるわけでございまして、それによって将来の潜在的な情報ニーズには対応できるように持っていかなくてはいけないというのが私どもの問題意識でございます。 〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕
○奥野(一)委員 その点については、これからの予測ということも私どもも入るわけでありまして、今、確定的にこうだというふうにはなかなか言われない部分が出てくるわけでありますから、これもなかなか予測をするということは難しい要素を持っているわけですが、できるだけ万全の態勢をとって対処されるように一つはお願いしたいと思います。 もう一つ、次の問題は、これも郵政の方で調べた情報流通センサスによりますと、情報の流通コスト、これは生産の方のコストではなくて、流通のコストというのが非常に上昇をしていっているわけですね。五十八年度は前年比でもって八・三%ふえて四十兆四千億という金額になっておるわけなんです。 これは、今私なぜそういうことを申し上げているかといいますと、情報の場合には、この情報をつくる経費それから流通の経費、実際に消費をする場合の経費と、こうかかっていくわけでありますけれども、流通の経費というのは、今言ったように、だんだん伸びていっているわけです。そして、先ほどもちょっと郵政の方に質問いたしましたように、情報の消費率というのは下がってきている。先ほどの御答弁だと、情報を選択する幅が広がったからそうなっているのではないか、こういうことですね。 それから、今お尋ねしましたように、一定の段階に来て効用の限界なんということに仮に到達をするということになった場合に、この経費という面については相当考えてやらないと情報流通の産業の安定的な経営というものができなくなっていくというおそれが一つは出てくるのではないか。 それからもう一つは、これと関連をいたしましてソフトウエアについての価格の問題ですね。これは一体どういうような形の中で策定をされていくのか。なかなか技術に対する面の価値というものは、日本人の場合には非常に価値判断が薄いという感じがするわけです。外国あたりでありますと、例えば建築設計なんかやっても設計だけで生活ができる。日本の場合にはなかなか、設計といっても一流の建築設計士でなければ生活ができないような状況というのがあって、どうしてもそっちの、技術の方の面は二義的に見られるという傾向があるわけでありますが、そういう面から考えて何かこの対策をとろうとしているのかということ。これは前段の方の、流通経費なり生産経費なりがかかっていく、下手して情報消費率なんかが落ちた場合に情報流通産業というものが成り立たないようなことになりはしないか、それに対する対策については何かお考えになっているか、これが一つです。 それからもう一つは、実際のプログラムを組む、その場合の価格設定ということについては何か基準というものがあるのかどうか。あるいは高度の技術を要するものについての、そういう技術に対する評価というのはどこでやられるのか。それがそういうものの価格にどういうふうに反映をされるような仕組みになっているのか、これをひとつあわせてお尋ねをしておきたいと思います。
○木下政府委員 ただいま二つのテーマについての御質問をいただいたわけでございます。 まず、情報の流通コストということでございますが、一般的な商品の流通の場合には、人件費が上がってくれば流通コストも当然上がってくる、したがって流通分野でもできるだけ合理化をしていく必要があるというようなことが一般的に言われております。ただ、情報につきましては、幸いなことに、コンピューターあるいはエレクトロニクス機器の基本となります半導体の値段が、非常にコストが下がっておりまして、十年前に比べますと、私は、単位当たりのコストは百分の一から二百分の一ぐらいに下がっているのではないかと思います。そのようなことを反映いたしまして、コンピューターのコストも、性能当たりのコストでしますと、私は、十年間で十分の一ぐらいに下がってきているのではないかという感じがいたします。 それから通信関係におきましても、従来のいわゆるケーブルを使ったのじゃなくて光ファイバーケーブルというようなものを使えば、光ファイバーケーブルの単価自身は高うございますが、一遍に大量の情報を送れるということで、送れる情報の量に対するコストという意味では、私は下がっているのではないかという感じがいたします。 したがいまして、今後そういう機器あるいは材料のコストが大幅に下がることによって、しかもそういうコストが下がって技術を十分に取り込んでいけば、社会的に見れば流通コストというのは下がっていき得る可能性があるので、コストがネックになって需要が伸びるのがとまっていくというようなことは余り予想できないのではないかという感じがいたします。 コンピューター間の通信におきましても、過去において通信コストというのは大幅に下がってきております。もし電気通信の回線コストが大幅に下がるといたしますと、現在は、例えば大量のコンピューターの情報を一つのコンピューターから他の情報へ移すときには磁気テープを車で運んでいって向こうに持っていくというようなことをしておりますけれども、それを逆に通信回線で一遍に高速で送ってしまうということも可能になってくるわけでございます。そういう形で技術改善の結果コストを下げることができれば、私は、まだまだ需要は十分に伸び得るし、また伸ばしていかなくちゃいかぬものであると考えております。 それからソフトウェアの価格決定の問題でございますけれども、ソフトウェアをつくりますのは人手をかけてつくるものでございますので、委託しまして注文生産でソフトウエアをつくります場合には、その技術者一人当たりの必要経費と、それからそのソフトウエアをつくるために必要な工数を掛け合わせた、いわゆる技術者何人で何日かけたというようなことでコストをはじき、あるいは価格を出すというような形でやっておるわけでございます。 ただ、その汎用ソフト、汎用プログラムの場合には、これが一般にどんどん販売されるわけでございますから、開発原価を基礎といたしまして、それがたくさん売られていけば売られていくだけどんどんコスト的には安くなっていくということでございます。したがいまして、似たような汎用プログラムがいろいろあってお互いに競争している場合には、そのように大量に売ることによってコストが下がってきたもの同士の競争によって、実勢価格というような形で値段が決まっていくということではないかと思います。したがって、私どもは、注文生産のプログラムよりも、同じコストをかけてもそれが十社、百社と需要先がふえていけば当然コストは下がりますし、コストが下がればマーケットメカニズムで価格も下がっていくということで、社会全体のソフトウエアコストというものは下がっていくことになるわけでございますから、そういう意味でもできるだけ汎用プログラムの使用を高めていくことが必要かと思っております。
○奥野(一)委員 前段の関係については私もわかります。確かに情報流通に関するコストというのは四十兆を超えている、しかし、そういうものが仮にかかっても大量の情報を送るということになりますと一つ一つのコストは下がるんだ、こういう面については私もわかるような感じがいたします。 ただ、後段のこと、これは関連があると思ったから質問を二つにして今お尋ねをしたわけなんだけれども、先ほど言いましたように、技術評価、そういう面は日本人の感覚では非常に薄い。お医者さんなんかも、医療費なんかの問題のときに技術の関係をどうするんだということで言われるわけでありまして、関連の業界の方からは技術の評価についていろいろな要望が出ているのじゃないか、こう思うのです。コストが下がっていくことはもちろんいいことなんだけれども、反面、技術者の養成などということを考えていった場合に、自分の技術を発揮してつくったソフトが安い、とても間尺に合わないなどということになると、これは士気にも影響するということにもなっていくだろうと思うのです。先ほどのお答えの中では技術評価についてお答えがなかったような感じがしたので、今再度お尋ねしているわけです。 もう一つは、これから情報化社会というのは一つの地域だけにとどまらないで、地球的な規模にまでいくということが当然考えられます。それから外国からも当然入ってくることについても考えなければならない。その場合の価格の問題というのは国際的にも関連し合うものだと思うので、そういう面については、日本へ入ってきたんだから日本の価格でということになるのかどうか。外国の場合には技術評価が非常に高くてということになりますというと、また一つのトラブルの原因にもなると思うのです。日本は技術評価が低いのじゃないか、そういう面はどういうふうにお考えになっておられますか。
○木下政府委員 ソフトウエアの技術評価というのは確かにおっしゃるように非常に重要なことでございますけれども、また非常に難しい問題でございます。例えば非常に優秀なシステムエンジニアが関与しましてプログラムをつくれば、ほかの人がつくるよりも非常に短い期間でプログラムができてしまう。そうすると同じ内容のプログラムであっても、その人の給料が若干高くても全体として見ればコストが非常に安くなってしまうわけですから、値段が安くなってくるわけで、その点、どういうふうに評価するかという点は非常に難しいわけでございます。現在のところ、残念ながら日本におきましてはソフトウエアの技術水準等を客観的に評価する方法もないし、また評価を行うための機関も存在しておりません。ただ、ソフトウエアが今後どんどん大幅に流通されるようになってきますと、当然そういう評価というものが必要になってくるだろうと思いますので、情報処理振興事業協会におきましてもその技術センターにおいて、このような問題をどういうふうに考えていったらいいかという研究を開始しているところでございます。 それから国際的な点でございますが、確かに外国からソフトウエアが入ってくるというようなこともあるわけでございますが、ソフトウェアのそういうものについての価格づけというのは、他の商品と同じように市場原理に従って行われることが基本でございまして、今のところソフトウエアの価格形成を原因といたしまして具体的に国際間で問題が発生するということは余り承知しておりません。いずれにしても、ソフトウエアの適正な価格面での評価につきましては、健全なソフトウエア流通市場の形成が極めて重要であると考えておりまして、これは単に国内問題に限らず、国際的な面も含めまして通産省といたしましても今後検討をしていきたいと考えております。
○奥野(一)委員 確かに一つは市場原理で動くわけでありますが、市場原理ばかり言っておりますと、高度な技術を習得する努力をすることがむだになるということじゃないのだけれども、余り張り合いかないなということになってもまた技術の発展という面から考えると困るわけですね。しかし、余り技術を評価していってコストそのものが高くなっていったのではこれまた流通に影響をする。これもまた困ることになるわけであります。しかし、何らかの形で一定の技術に対する評価、保障、こういうものがなければこの種の技術者というものはなかなか育っていかないのじゃないかというような感じがしているわけでありまして、そういう面で今後御検討もお願いしたいと思います。 次の方に入らせていただきます。 これはちょっと難しい問題になるかと思うのですが、国民一人一人の負担の問題についてちょっと聞いておきたいわけであります。説明の中にもあったような気がするのですが、これから情報化の進展というのは、大企業とか大都市だけではなくて、中小企業も今どんどん含まっていっているし、地域的にはまた中小都市の方にも広まっている。それから、産業部門だけではなくて個人個人の社会活動あるいは生活の面までこの情報化社会というのは当然入っていくわけで、その中で今度またいろいろな問題が出てくると思うわけです。そういう面、特に社会活動だとか、あるいは家庭生活の面について影響が出てくる部分についてはある程度対策を考えておく必要があるのではないのかな、こういう感じがしているわけです。 この分野について予想される問題をすべて列挙するというわけにいきませんから一、二、例を申し上げておきたいと思うのですが、例えば医療の面、これは相当普及していく可能性というのは持っていると思うのですね。特に僻地なんかの場合とか、あるいは高齢者なんかの場合には、一々病院に行かなくてもテレビなどを通じて診療を受けるというのですか、そういうようなことなんかが可能になってくる。ただし、これは医療法の改正が必要になってくると思うのですが、新聞などの報ずるところによりますと、現実にそのことについて大変乗り気になって研究しているというところも具体的にはあるようでございます。あるいは子供さんたちが今塾などに通って勉強していますが、これは通わなくても今度はやれるということにもなっていくわけですね。その場合に医療費との関係が出てくる、あるいは教育費という問題が出てくる。教育の方はどういうふうになっていくかわかりませんが、例えば医療費なんかの場合、本来でありますと、病院に正式に通っていれば公的な面で援助される医療費が、テレビなどを通じてやるという場合に、これは情報消費の経費だ、これは個人負担ですよということになりかねないとも思うのですね。そういう面、一体これはどうするんだろう、こういうことを、これは通産省が考えることなのか厚生省が考えるべきことなのか、いろいろあると思うのですが、一つはそういうものについて考えなければならない。 それからもう一つは、これは私ども、数年前にこの問題について実は研究させていただきまして、将来どういうふうになっていくんだろうということで、六、七年くらい前だったと記憶しているのですが、いわゆる高度情報化社会ということについて私ども何回か研究し合ったことがあります。 そのときには、例えばこれからスーパーであろうがデパートであろうが、不特定多数のところにみずからダイレクトメールを送るのにいい、電話局のファクシミリを通じてそういう機械ができるよということで、その場合、勝手にデパートの方からどんどんダイレクトメールを送られてきたんでは、各家庭の持っている出てくる紙の使用料は一体だれが払うんだろう。そんなのは困る。やはり消費者の方からデパートを呼び出してダイレクトメールを送ってもらうという感じにしないと、そういうふうに直さないと、これは混乱が起きるよということで私ども研究し合ったことがあるわけなんですが、そういうものがこれから普及していく。あるいはテレビに出る画面をそのままファクシミリに写し出すという、そういうものもこれから出てくるということにもなるわけなんですが、そういう費用というものが今の段階の中では、いやそれは個人が使うんだから勝手に個人の方で金を払いなさい、こういうことになっていった場合、そういう情報を消費をするということを手控えるというようなことに通じていきはしないだろうか。 こういうようなことを一体どっちが考えるんだろう。通産省だけではちょっとこれは考え切れないような感じもしますし、いや、そんなのは将来それは個人が全部負担すればいいんだ、こういうことになっていくのか。これは後の方のデパートやなんかのやつは別にしまして、私はやはり医療関係なんかではいろんな問題が出てきそうな感じがしているので、そういう面というのはお考えになったことがございますか。
○木下政府委員 情報化社会が進むに伴って今後起こるであろう広範な分野における問題について、非常に深い御洞察に基づく御質問をいただいたわけでございますが、私どもも、新しい問題でございますのでいろいろと研究いたしているところでございます。 例えば、今医療の点の御質問がございましたが、医療につきましては、そういう新しい通信システム、情報システムを使って医師の診療を受けるというのは果たして医師法上できるのかどうかというような基本的な問題も提起されているようでございますが、私どもは、医師法上それが可能になったということになったとすれば、しかもそれが社会において非常に広く使われるようになってくれば、例えば健康保険の点数を、そういう場合にどういう点数で決めるかというような問題が起こってきて、長い年月がかかるかもしれませんが、そういう形で処理されていくものではないかと私は考えております。 それから、通産省がいろいろやっておりますニューメディアコミュニティー構想の中で、地方におきましては医療関係の情報システムをモデルとして考えたいということで御構想になっているところもありますけれども、そういう種類の医療情報システムということになりますと、どちらかというと地方公共団体がインフラストラクチャー的にそれを置いていって、みんながそれを利用するというような形で使われるようになってくるのではないのかなというような感じもしております。その場合、負担が全部地方公共団体になってしまうのか、個人が若干負担するのかという点は今後の検討すべき課題だと思います。 それから、商品の販売等におきまして、そういう新しいメディアを使います場合のそのメディアのコスト負担の問題でございますが、これは私どもも聞いた話でございますけれども、電電公社がキャプテンシステムを導入されてやっておられる中の大部分は、キャプテンシステムで供給される情報の費用の方は、情報を提供する側のいわゆる広告費みたいな形で払われていて、その情報を受け取る側が代金を払っている例は割に少ないと聞いております。 ただ今後は、外国の例等でも聞くところでございますが、そういう物にあらわれない情報とかコンピューターのソフトウェアとか、そういうものを適正に評価して、もしそれに十分な価値があるというふうに消費者個人が認めれば、むしろそれに対しては適正なコストを負担していくということの方が将来のソフト化する社会においてはより適切な考え方ではないかと思いますが、これは単に政府が、何かこういうふうにしろとか、ああいうふうにしろとかといって決めていくべきものでは必ずしもないのではないかと考えております。
○奥野(一)委員 想定をされる問題でございますから今どうのこうのということにはならないと思うのです。これからもまた申し上げますけれども、情報社会というものを考えると、単にハードのものをつくればいい、ソフトのものをつくればいいということだけでは済まない影響がいろいろな面に及ぶということを実は指摘をしたいわけでございまして、そういう面で、本当は前段に申し上げましたように、基本法とか情報産業省のようなものが必要ではないかというところに結びつくわけでありますけれども、例えばこれからまた出てくるのではないかというふうにも思われるのでは、雇用の関係についての変化、これは先ほど浜西議員の方からは人材派遣の方で触れられましたが、具体的なものはきょうは避けたいと思いますが、例えば現に今アメリカあたりでは在宅勤務制度というのをもうやっているわけです。日本の場合だって在宅勤務ということが技術的にはもう可能になってきているわけです。そうすればこれは雇用の形態が変わる。それからコンピューターを利用するということは、一面においては新しい雇用を創出はしますけれども、また一面においては大量の人を放出するというのですか、そういう役目も果たすのです。雇用の創出と雇用の減少、これが出てくるわけです。 今言ったように、在宅勤務制度なんというものが出てきますと雇用の形態が変わるし、そのことによって賃金構造も変わっていく、こういう問題もまた出てくるわけです。しかし、そういうことについて通産省がそこまで手を伸べるわけにはいかぬだろうと思うのです。これは労働省あたりとか何かが当然考えなければならないことになると思うのです。 しかし私が言いたいのは、コンピューターの利用がどんどん進んでいけばそういうことにも到達をするということは当然考えなければならない。そういうことを考えないで、いやいや結果はどうなろうが通産省は要はたくさんいろいろなものをつくればいいんだとか、そういうことだけでは済まされないということになってくるだろうと思うのです。だからそういうことについて、いや、ほかの省が考えればいいとか民間がそれに対する対応を考えればいいとかということだけでは済まされないのであって、そういうことについては一体どこが対応策を考えるのか。通産とは申し上げませんが、国として責任を持って、企業任せにするということだけではなくて考えていく、そういうような方針はもう既にできているのかどうかということもあると思うし、その辺の関係は一体どうお考えになっていますか。
○木下政府委員 先生御指摘のように、コンピューターの利用による情報化が進みますと、当然雇用関係にも影響が出てこようかと思います。そういうことで通産省といたしましては、ただコンピューター等が売れればいいということで政策を進めているわけではございませんで、産業政策局の中に研究会を設けて、そういう問題も十分取り組んで研究する必要があるのではないかということで勉強しているところでございます。 それで、当然のことながら在宅勤務とか賃金構造とかいうことにも将来は影響を及ぼしてくるとは思いますが、今のところはそういう問題は出始めの段階でございますので、どういうふうに今後なっていくかということはわかりません。ただ、雇用全体について、ある分野では雇用が減少し、ある分野では雇用が創出されるということは十分予想されるわけでございまして、工場部門でのロボット化、自動化によって人手が要らなくなるのではないかというような議論が一方では出ております。ただ、これにつきましては通産省としましていろいろ今までのところ調べましたところでは、余り具体的な形では影響が出てこないで、企業の中でうまくそういう問題は配置転換によって処理なさっているというふうに伺っております。 ただ、私どもがむしろ心配しておりますのは、今回の法案の提出の主な理由になっておりますソフトウエアの生産の問題でございまして、人手が非常にかかるソフトウエアに対する需要が今後も非常に急速な勢いで伸びていく、しかもその生産性を向上させることは非常に難しいということになりますと、ソフトウエアの生産に従事するシステムエンジニアとかプログラマー、こういう人たちの数が足りなくなるという問題が出てくるわけでございますし、これは教育問題にも波及することがあろうかと思いますし、先ほどから御質問がありますように、割合年齢の若い層の人たちがそういう仕事に従事しておりますので、そういう層だけで大量のソフトウエア生産従事者の需要を賄うことができるか、またそれらの人たちが高齢者になったときにはどういうふうにしていったらいいかという大きな問題があろうかと思います。 私どもが今回御提案申し上げておりますソフトウエアの生産工業化というものは、そういうものはできるだけ機械に頼る形にして、余りに無用な形で人手がそこに集中するというようなことを防いでいこう。しかも機械を使うようなことができれば、必ずしも若年の人じゃなくても十分にそういう仕事に従事することができるようになるかもしれませんので、そういう形で雇用問題にも好影響を与えていくように持っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○奥野(一)委員 雇用の問題あるいは雇用形態が変わる、賃金構造が変わる。これは一つには、確かに企業の内部においてそれぞれ努力をしなければならないという面も当然出てくるわけでありますけれども、これは国が、一つは情報化社会ということについて力を入れているわけですから、全国的なものから地域情報化社会というようなものもやはり国の方でも何らかの対応策というものを打ち出すべきだろうと私は思っているわけであります。 次は、簡単にお尋ねをしておきますが、コンピューター利用によって、各種許認可事務というものについての見直し、あるいは関係法律の整備、こういうものも一つは必要になってくるわけでありまして、そういう面についてはもう既にどこかで対応されておりますか、あるいはこれからということになりますか。
○木下政府委員 コンピューターの導入に伴って従来の取引ややり方が変わってくることに伴い、許認可の体制は当然見直す必要が出てくるのではないかという御指摘は全く私どもも同じような意見でございます。 高度情報化の進展に伴いまして、例えば双方向CATVとかビデオテックス等を利用した無店舗販売というようなものが出てきておりますけれども、このような販売形態に対して、もし法規制が必要な場合にどういうふうにやったらいいかというような問題もあろうかと思います。そういう点につきましては、私どもとしては、技術革新の成果や民間事業者の創意と活力の発揮が阻害されることのないよう配慮しながら、既存制度の見直し、情報化社会にふさわしい新たなルールづくりに取り組んでいきたいということでございまして、具体的な問題が生起した段階で個々にそういう新しい問題は対応していく必要があろうかと思っております。
○奥野(一)委員 これは早晩私はいろいろな問題が出てくると思うのですね。コンピューターを利用した例えば各種証明などという問題もあって、そのことが法的に認められるかどうかという問題だってあるわけでありまして、そういうものの対応を一つは急がなければならないのじゃないか。ただ、これは通産がやるのか、いや関係省庁がやるのかということは私どもの方ではわかりませんけれども、先ほどから言っていますように、通産の方では物さえつくって売ればいいんだということだけでは困るのでありまして、そういう面では関係各省庁とやはり連携を密にしてもらいたいと思うのです。 それから安全性の問題については後で同僚議員の方から詳しく触れることになっておりますから、これは省略をいたしますが、ひとつプライバシー保護についてお聞きをしておきたいと思うのです。 ネットワーク社会というものがだんだん進んでいきますというと、民間企業だとかあるいは公的機関にも個人情報というのはたくさん蓄積をされるということになると思うのですね。そういう情報が大量に蓄積をされていくということになるというと、漏れる可能性というものもふえるということになると思うのです。これは非常に大きな問題になってくると思うので、安全対策と恐らく並行して考えられていると思うのですが、例えば今、三鷹・武蔵野で地域INSの実験をやっているわけでありますが、その経過を見て、新聞の報ずるところによりますと、一橋大学の堀部教授が、消費者が企業に対して、個人情報を他の企業に貸したり転売したりするということを差しとめる、流通制限の措置をするということを求めたらどうか、こういう提起なんかもしているわけですが、このプライバシー保護ということについては通産としては何かお考えになっておりますか。
○木下政府委員 プライバシーの保護の問題というのは極めて重要な問題だと私ども考えております。 まず、政府がコンピューターを使っていろいろな行政をやっておりますけれども、その関係で政府としてどうしたらいいかということでございますが、現在臨調の答申を踏まえまして、行政機関の保有する個人データの保護については、行政情報システム各省庁連絡会議というものがございますが、その場において法的措置を含め制度的方策の具体的な検討を進めております。 それと同時に、民間部門で保有する各種の個人データの保護につきましては、その個人データの内容、規模、その処理方法が多種多様であることにもかんがみまして、その実態を踏まえつつ各省庁で考えていくべきものであろうかというふうに考えておりますが、今先生御指摘になりましたようにOECDにおきましても、取引の関係で得た個人のデータを他の人たちに売買の対象として売る、そういうのをどうやってチェックするかというような問題が取り上げられておりまして、そのような問題は現実に日本でも起こりつつある問題でございますので、そういう点については、その関連領域の調整、諸外国の制度や運営の実態等を見まして対策を考えていかなくちゃいけない。これも放置してよい問題だとは私ども考えておりません。
○奥野(一)委員 時間がちょっと少なくなってきましたので急ぎますが、このプライバシー保護の関係については今からでも実は手をつけなければならない問題でございますので、これも関係各省庁とやはり連携を密にされまして、安全性の問題と同時に提起できるような態勢というものをぜひとってもらいたいと思うのです。 では次に、ちょっとお尋ねをしておきたいのは、国の経済計画なりあるいは国土開発計画と情報供給という関係ですか、これは従来でありますというと、国の経済計画なりあるいは国土開発計画と情報通信なんかの場合には整合性を保たれた開発計画というものがなされてきていると思うのですね。それで、この情報処理という問題についても、これはただ単に情報をどんどん流せばいいということだとか、それをどんどん利用すればいいということではなくて、やはり国のいろんな開発計画の中との整合性というのはひとつ図っていかなければならないだろうと私は思っているのですが、そういう面がどうなっておるのかということが一つ。 それからもう一つは、今度の国会では通産も郵政も提案を断念をいたしました地域情報化の関係ですね。これは新聞の報ずるところによりますと、いや、予算の方で組んであるから無理してこの法案を通さなくてもいいんだというような報道がされているのですが、これは私はちょっと問題だと思っておるのですね。そういうのでなくて、地域情報化ということについても、これについては各省庁が縄張り争いをやるということではなくて、その地域に合った情報社会というものをどうつくっていくかということになると思うのですよ。 だから、こういう面、予算だけ通っていれば法案は通らなくても、郵政は郵政でやるし通産は通産でやるんだ、これではちょっと困るのではないかという気がするのですが、その辺も含めてひとつお尋ねしておきたいと思います。
○木下政府委員 情報化社会になってまいりますと、今先生御指摘のように、政府が策定いたします経済計画や国土開発計画等のマクロ計画におきましても、今後情報処理に関連する事項をその中に織り込んでいくという必要性が高まってくるというふうに考えております。そういう意味では、そういう計画をつくっておられる諸官庁において、今後十分にそれを検討されることになろうかと思います。 私ども通産省におきましても、この情報化を進めるに当たっての電子計算機利用高度化計画、この法律の中の三条に入っておりますけれども、このような計画の中に、今後のそういう日本社会全体としての利用の方向というのを考えながら計画をつくっていくということになろうかと思います、 それから、地域の情報化についての御質問でございますが、情報化が進んでいく場合に、情報の地域格差が広がっていくか狭まっていくかという点については二つの意見がございますが、私どもは、情報化が進むとむしろ情報が中央に集中するというような可能性があって、格差が広がっていくおそれもあるのではないかというふうな心配をしております。そういう意味から、地域の情報化というのは適切な施策でこれを進めていく必要があろうということで、私どもとしても、それに関連する法案を考えまして、現在各省庁と調整中でございます。ただ、調整がまだ済んでおりませんので提案するに至っておりませんけれども、そういう問題意識で私どもは地域の情報化を進めていきたいというふうに考えております。
○奥野(一)委員 休憩する時間がもう間近に迫っているのでありますが、この地域の情報化ということにつきましては、先ほども申し上げましたように、各省庁が違ったものをばらばら出されるのでは、大体、地域が混乱して迷惑するということが一つあります。 それと、今申し上げましたように、国の全体的な開発計画というのですか、そういうものとの整合性というのはどうしても図っておかなければならないのではないか。そういう面では、関係各省庁が同じようなものを出すということではなくて、統合できるものはどっちかの方に統合して、そして地域の均衡ある情報化社会をつくっていく、こういうようなことにしてもらわないと非常に迷惑をするだろう、こう思っているのです。そういう面については、なおこれからもまた関係省庁とはひとつ十分打ち合わせをしていただきたいと思います。 時間が来ましたので、一応休憩ということなそうですから……。
○粕谷委員長 それではこの際、本会議のため、暫時休憩をいたします。 午後零時五十四分休憩 ————◇————— 午後一時三十九分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。奥野一雄君。
○奥野(一)委員 それでは次の問題といたしまして、昨年の四月ごろだと思いますが、通産省では流通産業についての需要動向などについて、流通情報の利用状況に関するアンケート調査をやられているはずだと思うのでありますが、その結果を見ますと、コンピューターを使って処理した流通データの蓄積や利用が、企業ごとの秘密の壁などに阻まれて十分でないという実態が判明をしているわけであります。今回の法改正では、汎用プログラムとかあるいはプロトコルなどの開発を行っていわゆる電子計算機の連携利用などを図ることにしているわけであります。販売情報あるいは商品情報は流通データサービス業に集めていくということが全国的な傾向であるわけでありますが、前年の調査でも半数近くの企業が、企業秘密が漏れるおそれがある、こういうことで自社情報の提供に消極的であることが判明した、こういうことが実は報ぜられているわけであります。こうした状況につきまして通産省としては今日までどのような指導を行ってこられましたか。あるいはまた、これからどういうようにされようとするのか、今後の見通しなどについてお尋ねをしておきたいと思います。
○木下政府委員 確かに、企業間でコンピューターで取引等を行う場合に、個々の企業の情報が相手方あるいは第三者に渡ることを嫌がるということは十分考え得ることでございます。ただ、流通関係の情報化というのはほかの分野に比べますと非常に進んでおりまして、コンピューター利用における流通分野のウエートも四五%に達しているというようなことでございまして、今後も流通分野における効率化を進めていくためには、コンピューターを企業内だけじゃなくて企業間においても利用する必要性が高まってくるという認識も非常に高まっております。したがって、個々の企業の情報が流れる問題は、コンピューターのシステムをつくるところで本当に企業にとっての秘密事項が流れない仕組みをうまく考えながら、しかし必要な情報はお互いに流していく、それによって全体としての効率化を進めていく必要は十分にあるし、また、業界における認識も高まっていると私ども聞いております。
○奥野(一)委員 一年の間にそういう認識が高まったのかどうかということなんです。昨年調査したわけですね。流通産業についての需要動向調査というのをやられたと新聞が報じているわけなんです。その調査の結果では、今申し上げましたように、企業秘密が漏れるおそれがあるということで自社情報の提供に消極的であるということが判明しているわけなので、その時点では今お答えがあったような状況ではないと判断をされるわけです。ですから、その後その調査に基づいて通産省としては業界にこういう指導をいたしました、その結果状況がよくなった、これであれば話がわかるのでありますけれども、昨年の調査結果に基づいていろいろな指導というのはやられたのですか。
○木下政府委員 ただいま御指摘のありました委員会の報告というのは、どの委員会のことをおっしゃっているのか、ちょっと私手元に資料がございませんのではっきりいたしませんが、企業間の情報システムをつくる場合に、個々の企業の情報がほかの企業に漏れるのを嫌がるという問題があるのは確かでございます。ただ、そういう問題をうまく防ぐ措置を講じながら全体としてのシステムを構築していく必要があろうというのは、流通業界全体の認識ではないかと考えております。
○奥野(一)委員 私は、通産省が調査したものですから御承知だと思ったのですが、昨年の四月四日の新聞には「流通情報 宝の持ち腐れ 利用状況を通産省調査 企業秘密がカベに」こういう見出しで報道をしているわけですね。四月四日の報道ですから、恐らくそれ以前にアンケート調査をやられたのだと思う。昨年暮れというのですから五十八年の暮れに調査して、百貨店、スーパー、専門店などの小売業や卸売業、製造業八百九十七社から回答を得た。そういう調査を通産省自体がやっておられて、その結果では流通情報は宝の持ちぐされになっているという状態が判明をした、こうなっておるわけですね。ですから、その後どういうような指導をされてきたのかという点をお尋ねをしたわけです。
○木下政府委員 通産省の産業政策局におきまして「望ましい企業間情報ネットワークの構築に向けて」ということで、産業政策局の私的諮問機関である研究会から去年の十二月に報告書が出されておりますけれども、その中で「企業間の共同情報システムの問題点」ということで実は今先生から御指摘のあったようなことも書いてあって、そういうことのために異なる企業間で情報システムをつくることについては問題点として指摘されております。それと同時に「対応の方向」ということで書いておりまして、ただ、その個々の企業の中でのシステムだけに頼っていると、全体としてのネットワークが進んだときにむしろその企業としては取り残されてしまうというようなことで、他の構成企業等への情報漏えいや盗用の防止等セキュリティー対策を講ずることを前提に中長期的な観点から共同化を志向すべきだと考えるというような報告書も出ておりまして、通産省といたしましては、これは流通関係だけでは必ずしもございませんが、全般としてはそういう企業間の共同システムを進めることの方が結局全体にとって得である、有利である、必要性も高いと考えておる次第でございます。
○奥野(一)委員 その点はいいです。 それで、その調査の結果を踏まえて、通産省の方ではPOS、販売時点情報管理システムの一層の普及を図るとともに、各社の生データを加工し、秘密を守る形で情報を有効に使う流通データサービス産業の育成に乗り出す方針のようである、こういうふうに同じく新聞が報じているわけですが、流通業における高度情報化ということになりますと、通常はPOS、そこに行き着くことになると思うわけであります。売れ筋商品の迅速な把握とか売り場の販売効率の改善、機動的なマーケティングあるいは受発注の自動化、商品在庫の高度な管理など、こういうものがPOSの主な目的になっていく、こう思うわけでありますが、果たしてこれからPOSだけでいいのかどうかということなんですね。そういう問題が一つ出てくると思うのです。 それはなぜかといいますと、通産省の方でも御承知だと思うわけでありますけれども、三重県でフレッシュシステムですか、無店舗販売でありますけれども、一人一人のお客さんとの取引、そのことによってやっている方式があって、大変いい成績を上げているわけです。そうでない場合には在庫というものが当然出てくるわけでありますから、消費者のニーズをいかにして的確につかんで在庫を少なくして売り上げを伸ばすかということになると思うのです。 このフレッシュシステムの場合には、御案内のとおりに消費者との直接契約ですから、そういう在庫などという危険は負担しなくてもいいわけですね。これなんか特に中小企業なんかでは伸ばせるシステムではないか、こういう感じを持っているわけなんですが、こういう面はどうなんですか。 先ほど言いましたように、この一昨年の暮れ調査したアンケート調査で、通産省はPOSというシステムを普及させなければだめだ、こういうような方針をとっておられると新聞が報じているわけだけれども、中小企業という面から考えていった場合には、フレッシュシステムというような考え方も一つは有効な手段ではないか、私はこう考えておったわけなんですが、その辺は一体どういうものでしょう。
○木下政府委員 流通分野においては、最近いろいろの販売方式がどんどん伸びてきておるわけでございまして、今先生御指摘のような無店舗販売というのもカタログ販売やなんかと同じような形で非常に伸びていると聞いております。 ただ、POSといいますのは、販売時点情報管理システムということで、最近私どもが買います商品にはよくバーコードというのがついておりまして、それによって特にコンビニエンスストアやスーパーではそれを使って販売をしておるわけでございますけれども、それが急速に普及してまいりまして、この三年の間にそういうバーコードをつけるメーカーの数は、五十七年三月には二百十七しかなかったものが六十年二月には一万二百三十三ということで急速にふえてきております。これは流通関係の合理化には極めて重要な意味を持っておりまして、メーカー段階でそういう印をつけておきますと、後販売段階においては全部そのバーコードをベースにして情報管理ができる。したがって、在庫管理も同時にできますので、最低の在庫を抱えることによって販売することができるということで、極めて合理的な仕組みでございます。 それからまた、販売段階におけるいろいろな情報をそういうコンピューターのネットワークを通じて集めることもできるということで、小売の合理化には、効率化には極めて役立つものでございまして、それが急速に各企業の間に浸透しておるということでございますので、そういうシステムは今後も通産省としては大いに進めてまいりたいと考えております。
○奥野(一)委員 時間が少なくなってきましたので、私、この辺のシステムはおもしろいと思いまして少し御意見なども伺いたいと思ったのですが、時間の関係がありますから最後の方の質問に移らせていただきたいのです。 そのうちの一つは、今ソフト危機などと言われておりまして、あるいは適当な表現でないかもしれませんけれども、何か流行に乗りおくれるなということでソフト、ソフトというようなことになっている面もあるのではないか、こういうことに対していろんな方々から実は警告もなされているわけでございますが、大学の先生方の中にも、ソフト化重視の論議の行き過ぎというものは是正しなければならないのじゃないか、ソフトとハードの両面というものを適切なバランスを持って見るということも考えなければならないのではないのか、あるいはこういう観察方法とか分析方法というものが必要なのではないか、そういう面なんか指摘をしているわけですね。そして、現実の産業においては、実際にはソフトウエアはハードウエアと完全に切り離された形では有効に成立をしないのだ、ハードウエアを責任を持って生産をする部門、そこが適切なソフトウエアというものを生産することが可能なんだ、そういう可能性の方が多いんだということを指摘をしているわけなんですね。 私も、その面については一面そうだなと思う点もあるわけであります。何か情報化社会だから、ソフトだソフトだということで、そっちの方にばかり走り過ぎていって肝心な面を見落とす、そういうことに陥らないだろうかという危険性を一つは感じているわけです。 これも通産省の方では御存じだと思うのでありますが、堺市に本部を持っているフォルス、薬品の戸別販売というとちょっと変ですけれども、そういうところがあります。そのフォルスの顧問をしておられる方が、ソフトに価値というのはないのだということを言っているのです。価値があるのは情報なんだ。ですから高度ソフト化社会なんということは言わない。高度情報化社会と言うのであって、情報そのものに価値があるのであって、いかにいいソフトが仮にできても情報そのものがよくなければこんなものは価値がないのだ、こういうような意味のことを言っておられるわけであって、これも傾聴する言葉だ、私はこう思っておるのです。私どもはそういう面では間違いのないような対策というものをそこで考えていかなければならないのじゃないか、これが一つあります。 それから、これは私も非常に恐れていることでありますが、識者の中でもやはり同じように指摘している方があるのですが、高度情報化社会というものを私ども今頭の中で考えてみますと、下手すると人間疎外ということにつながるおそれが出てくる。表に出なくても家の中ですべての用事が足せるということになったりするわけです。キャプテンシステムなど利用してボタン一つでもって商品を注文し、支払いは銀行口座から自動的に振り込まれていくとか、いろいろなものが生活面に入ってくると、人間性というものが疎外をされるおそれも一面に出てくる。したがって、そういう面についても今から対応策ということについて考えていかないと、こういう高度情報化社会という巨大な機構の中に巻き込まれて、何か人間の方がそれに使われていくというか、そういうおそれがある社会になるのではないか、こういう面を識者の方々でも指摘している人があるわけでありまして、そういう面では、これも所管が通産省になるとは限らないと私は思うのでありますけれども、そういう高度情報化社会というものが人間性をむしろ高めることに役立つということでないと、人間性が疎外をされる社会がそのことによってつくられるというのであれば何も意味がない、こういうふうに思うわけでありまして、そういう面については通産省としてどう考えておられますか、見解を伺いたいと思うわけです。
○木下政府委員 コンピューターのハードウエア自身は、半導体の技術の進歩等によりまして性能は向上いたします一方で、コストは大幅に下がるということで、大変な進歩をこの十年、十五年の間に遂げてきておるわけでございます。コンピューターといいますのはソフトウエアがなければただ速く計算するだけの機械でございまして、ソフトウエアでいろいろな指示をすれば同じ機械がいろいろな方面に、交通関係でも使えれば金融関係でも使えれば、流通でも使えるということで、非常に広い範囲で使われるわけでございまして、したがってソフトがなければコンピューターというのはただの物にしか過ぎなくなるという意味で、ソフトウエアというのは非常に重要だと言われております。 ただ先生おっしゃるように、ソフトだけがそれじゃうまくいけばいいのかということはございませんで、ソフトがうまく使えるようなハードウエアでなければいかぬという意味では、両面がバランスのとれた格好で進んでいく必要があろうかと思います。ただ日本の場合で、ほかの国特にアメリカと比較をいたしますと、むしろハードではそれほど見劣りはしないけれども、ソフトの分野においてはまだアメリカにはるかに劣っているというふうに一般的に言われておりますので、そういう意味から私どもは、ソフトウエアについては今後もますます振興する必要がある、それによって初めて両方がバランスのとれた形になろうかと思います。 それと同時に、今御指摘がございました情報の価値の問題でございますが、確かにコンピューターというのは、機械があって、それから機械を動かす指令の集合体であるソフトウエアがあっても、それにどんどん情報をつぎ込んでいかなくちゃいけないし、また入っている情報をうまくコンピューターを使って出していかなくちゃいけないということで、私どもはデータベースというのが非常に重要だと思っております。したがって、今後もコンピューター政策を進めます場合には、ソフト、ハードとともにデータベースの充実を図っていく必要があろうと思いますが、データベースにつきましては、ソフトよりもはるかにまた日本のデータベースはおくれているというふうに言われております。これはまたソフトウエアと同じようにデータベースの構築には非常に人手がかかるというような問題がございまして、ここをいかに人手がかからないで非常に価値の高いデータベースをどんどんつくっていくかということが私どもの今後の政策の課題であろうかと考えております。したがって、そのようなものができ上がって、コンピューターを使ってうまく人々がそういう情報を取り出し、利用していくということで初めて情報化社会が進んでいくことになろうかと思います。 それから、最後におっしゃいました人間性の問題でございますが、私ども全く同感でございまして、情報化を進める場合に私は四つの柱があると考えておりますが、それは一つは、先ほど申しましたハード、ソフト、それからデータベース、それにもう一つが人間ということでございまして、そういう情報化社会を進めるに当たっての人間の重要性というのはますます高まってくるわけでございまして、人間を忘れてしまったようなシステムができ上がっても困るということでございまして、私どもとしてはまだ、例えばコンピューターのハードウエアにしても、非常に人間にとっては使いにくいものになってきているというようなことで、だれでもが使いやすいハードを開発していく必要があろうかと思います。 それと同時に、ソフトウエアの生産工業化ということで私どもが進めているこのような政策につきましても、ソフトをつくるのに、ただたくさんの人間と時間をつぎ込んで、ただ人海戦術でつくっていくというのは、ある意味では人間性無視のことでございまして、むしろそういう仕事はできるだけ機械にやってもらって、人間はもっと高度な創造的機能を営むような方向に活動を向けていかなくちゃいけないというふうに考えておりますので、今先生おっしゃったように、そういう四つの分野を並行してバランスのとれたような格好に進めていくのが重要かと考えております。
○奥野(一)委員 これで終わりますが、最後に大臣に、最後の人間性を疎外しないという関係について大臣の考えがありましたらひとつお尋ねして終わりたいと思います。 〔委員長退席、田原委員長代理着席〕
○村田国務大臣 非常に、コンピューターにいたしましてもロボットにいたしましても二十一世紀に向けて発展をしておるわけでございますが、今の段階では、いかにコンピューターが進みましても、それをつくった人間には及ばないのでありまして、したがって奥野委員の御指摘になったような、人間性の疎外という事態が起こればこれは大変なことだと思います。あくまでもこの世の中は人間のつくる社会でありますし、人間中心の社会でなければならない。そういった意味で、いわゆるコンピューター化、情報化というものが、委員の指摘するような弊害が起きないように人間がしっかり管理しなければならない、こういうふうに思っております。
○奥野(一)委員 終わります。
○田原委員長代理 城地豊司君。
○城地委員 最初に通産大臣の御所見を伺いたいと思うのですが、今本法案の審議をやっているわけでございますけれども、我が国の情報化の進展、これには非常に目覚ましいものがある。そしてこの情報産業そのものにしても昭和六十五年には約二十四兆円という規模になるというような見通しが立てられているという状況でございます。しかし、私、そうはいいましても情報化の進展の中で非常に心配していることが二つあります。 大きな意味で、後ほど申し上げますが、ハードの方はいいけれどもソフトが非常に欧米特にアメリカに比べておくれている。それを何とかしなければならないという課題が一つ。それからもう一つは、第五世代コンピューターの開発というのが非常に命題になってきているわけでございますが、この第五世代コンピューターの開発についても、着手をした当初は割合日本の場合には着想がいい、それから考えをまとめるというその計画もいいということでありましたが、昨年東京でこの第五世代コンピューターに関する国際会議が持たれた。それらの中でも、いろいろな海外の学者の指摘等見ますと、第五世代コンピューターの日本の開発の状況は大したことがない、言うなればそういうような記事を新聞等でたまたま見るわけでございます。そういうことでいきますと、どんどん進んでいく情報化社会そして情報産業、それらの中で非常に大事だと言われるソフトの部門もおくれている、第五世代コンピューターの開発もまごまごすると随分おくれるということでは、この後二十一世紀問題、いろいろ言われておりますけれども、この次のいわゆる国際競争といいますか、そういう点では立ちおくれていくのではないかという心配もいたしますし、そういう点でこの情報産業全体、さらに情報化でソフトの問題や第五世代コンピューターの開発の問題等々についてどういうように現状認識をしておられるか。さらには、大きな意味でこれからどういうような対策を立てて、そのおくれを取り戻すのか、それともまた第五世代コンピューターの開発については他の国に比べて遜色ないようにしていかれるお考えなのか、大枠で通産大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 非常に大事な御指摘であり、御質問であると思います。 まず、ソフトウエアの発達がおくれたらどうなるかという問題でございますが、よく言われる言葉にソフトウエアクライシス、ソフトウエアの危機ということが言われるのでございます。これはまさに委員御指摘の、そういった重要なソフトウエアの面がおくれてしまうと日本全体の発展がおくれていくのではないか、情報化がおくれていくのではないかということでございまして、したがって、この国会におきましては、情報処理振興事業協会、この振興事業協会等に関する法律、今この法律の改正と、また技術開発のセンターを設置するという法律案をお願いをしておるのでございまして、これはまさに、委員の御指摘のソフトウエアクライシスに対応する具体的な措置として進めている。私どもはこれらの法律を通していただいて、意欲的にソフトウエアの危機に対して対応をしてまいりたい、こう思っております。 それから後段の、第五世代コンピューターの開発についての問題でございますが、第五世代コンピューターの開発プロジェクトは、高度情報化社会の高度かつ多様な産業社会ニーズにこたえる画期的なコンピューターシステムの開発を行うものでございます。まさにコンピューターも最初の大がかりな設備から第五世代コンピューターに進展をして、ますますつくった人間の頭脳に近づいていくのではないかということを感じるのでございますが、ナショナルプロジェクトとして昭和五十七年から十カ年計画で推進をしておるところでございます。 御指摘のありました欧米諸国におきましても、我が国の第五世代コンピュータープロジェクトと同種のプロジェクトに着手し、積極的に研究開発を進めているというふうに聞いておりまして、現時点においてはまだ初期段階でもあり、日本とヨーロッパとのプロジェクトの比較は困難でございますけれども、いずれにしても、我が国としては将来の創造的技術立国を目指すために本プロジェクトの一層強力な推進が必要と考えておりまして、委員御指摘の二つの問題に適切な対応をしてまいりたいと思っております。
○城地委員 概括的なお話はいただきましたが、後ほどまた問題点は指摘をして大臣の御見解を伺いたいと思いますが、本法案が提出をされたその背景というものをいろいろ考えてみますと、いろいろな理由はありますけれども、今指摘をしたソフトが非常におくれてきたということ、それを何とか解決をしなければならない。ソフトの危機と言われている、その危機を克服をしなければこれから伸びていかないということでございますが、このいろいろな提案された理由の中にも、しからばなぜソフトがおくれたのだろうか、ハードはアメリカに比べても遜色がない、にもかかわらずソフトがおくれた、しかも、コンピューターを導入し、いろいろな仕事をやってきたその流れ、この十五年から二十年ぐらいの流れの中でなぜソフトだけがおくれてきたのだろうかということを我々は疑問に思うわけでございます。言うなれば、ソフトもハードも両方一緒に車の両輪のように伸びてくるということが当然なんですが、なぜソフトだけがそんなにおくれてきたのだろうか。その原因についてどういうふうにお考えになり、どういうふうに分析されていらっしゃるか、そのことについて伺いたいと思います。
○木下政府委員 コンピューターが開発されて一番進みましたのはアメリカでございまして、具体的な企業の名前を挙げてどうかと思いますが、IBM社等が非常に早い段階からコンピューターの技術開発を進めて、発展させてきたわけでございます。コンピューターは、先ほども申し上げましたけれども、ハードを動かすためのソフトウェアというのが非常に重要でございまして、コンピューターがアメリカで進んだというのは、ハードと同時に、コンピューターを動かすソフトウエア自身も非常に進歩が速かったという歴史的な経緯があろうかと思います。 我が国は、コンピューターの国産化を目指して四十年代初めから各社がいろいろと努力をしてまいりまして、ハードの面においては相当の進歩を見せてきておりますけれども、スタートの段階からアメリカがそういうようなことでソフトを中心に非常に力をつけていたという差があったということが今までも響いてきているということは言えようかと思います。 それから、大きいシステム、例えばアメリカにおきましては、NASAとか何かでいろいろ大きな、月へロケットを打ち上げるとかというような計画を進めておりますが、こういうものも全部コンピューターを使ってやっているわけでございまして、そういう大きなシステムをつくり上げていくという技術力という面においても、アメリカがはるかにまさっていたというところがあろうかと思います。ただ、最近におきましては、日本においてもソフトの重要性が叫ばれておりますので、その面においての努力もなされてはおります。 ただ、昨年の暮れにアメリカの商務省が発表しました世界のソフトウエア産業の報告書を見ますと、世界の中で七割の生産をアメリカの企業が占めているということを言っておりますし、今後もますますそのウエートは高まるだろうというふうに言っておりまして、アメリカ自身もその点は十分、アメリカが第一人者であるということは認識しておるわけでございます。 それは、ソフトの生産面についてもそうでございますが、もう一つ忘れてならない点は需要者側の意識でございまして、我が国においては、今申し上げましたように、コンピューター技術の歴史が浅いということと、それから、ユーザーサイドにおいてソフトウエアに対する評価が十分に過去において行われなかったということがありまして、ソフトウェアが重要だという認識が国内的に高くなかったという面があろうかと思います。しかし、アメリカでは、したがって、表には出ないソフトというものが十分取引の対象として確立しておりまして、七〇年代の中ごろからは、コンピューターメーカーはハードウエアとソフトウエアとを分けて販売するというようなことをずっとやっておりますし、独立のソフトウエアメーカーがたくさんできて、そこでどんどんソフトウェアだけをつくって、それを一般に販売しているというようなことがあります。 ところが、日本の場合には、従来なかなかソフトの価値を認めないために、機械と一緒にユーザーがソフトを買うということで、どこまでがソフトなのかどこまでがハードなのかはっきりしないようなのがずっと続いておりまして、日本も最近に至ってやっとソフトとハードとを分けるような取引ができ始めたということでございまして、そういう社会的な背景もありまして、日本のソフトウエア産業がまだ十分に伸びていないということが言えようかと思います。
○城地委員 今ソフトがおくれた理由について説明がありましたが、どうもちょっとぴんとこないのですが、私はむしろ、例えば最後に言われた、ソフトとハードが分離されないで一緒にして売られてきたというような問題もある。アメリカが非常に強大な力を持っていた等々ありますけれども、しかも、それでいてハードはアメリカが追いついてきたというようなことからすると、その過程でどうもソフトを軽視してきたんじゃないか。軽視という言葉は当たらないかもしれませんが、おろそかにしてきたと言うとおとなしい言葉になるかもしれませんが……。 そういうことで、ソフトの重要性、これはコンピューターとか情報化ということが始まった時点でもう既に十分わかり切っていることなんですが、その方に余り神経を使わないできた。物をつくる方とかコンピューターの開発というようなことでは、割合大企業が中心になってどんどんどんどん進めてきた。IBMに追いつき追い越せということで、例えば富士通だとか日本電気とか日立とかそういうメーカーがやってきたということのために、何とかそっちの面では追いついてきたということじゃないかなと。ソフトをおろそかにしてきたというか軽視をしてきたというか、そういうふうに感ずるのですが、その点についてはどういうふうにお考えになりますか。
○木下政府委員 昭和四十五年に私どもは情報処理振興事業協会というのをつくったわけでございまして、情報処理振興事業協会の事業の主たる目的はソフトの振興にあったわけでございますから、私ども関係者がソフトウエアの重要性を軽視していたということは必ずしも言えないかと思います。 ただ、コンピューターを使うに当たりまして、コンピューターを使う人たちが、そういうソフト自身がむしろコストがかかって大変なものだという認識が当初のうち非常に少なかった、したがって、あるコンピューターシステムを入れるときにはそのハードとソフトを一緒に入れるような感じでやっていったというようなことがあって、そのソフト自身が一つの独立の商品として認識され、それが売買の対象となるというような感じが少なかったがために、ソフトの関係がどっちかというとおくれを続けているということが言えるのではないかと思います。
○城地委員 私の独断と偏見かもしれませんが、考え方はそういうふうに考えているのですが、しからば、このソフトがおくれている、そして、今言われた情報処理振興事業協会をつくって努力をされたということは私は十分認めております。ただ、その問題は、情報処理振興事業協会の十五年の歩みといいますか、実績については後ほど伺いますけれども、仮にそういうものをつくって何とか振興しようとした、しかし、十五年たって今見てみたら、アメリカにはるかに引き離されているという現状であるわけでございます。 その中には、このソフトの関係で、言うなればコンピューター、ソフトがなければただの箱という言葉が一般に通用しているわけでありますけれども、そういう意味では、ソフトウエアに関係する技術者、そういう技術者の養成というようなことに対して非常に気を使わなかったのではないか。といいますのは、極端な言い方でありますけれども、大企業なんかでは、コンピューターとかソフトウエアとかそういうことに対して採用する人員は、仮に若干景気が下向いていても非常に多くの人を採用してきている。要するに頭脳がなければ商売にならないということで採用してきているわけで、ここ数年の傾向を見てもかなり多いわけでございます。そして、例えば私の知っているある会社なんかは、理工系の学生でなくて、むしろ法文系の学生の方が教育をすればソフトに使えるということで非常に積極的に採用しているという話もあるわけですね。 しかし、裏返して見ますと、要するに、そういう技術者を学校で教育をするのではなくて、むしろ学校では基礎教育をしてきて、企業に採用してそこから特殊な教育をすれば何とか企業は成り立っていったということが、ある意味でこのソフトの面でおくれをとった一つの原因じゃないか、全部の原因ではありませんが、私はそういうふうに考えているのです。 といいますのは、もっと突っ込んで言いますと、大企業は多くのいろいろな人を採用することもできる、そして、そういう技術者の教育、さらには再教育というようなこともできる、そういう面を中心にやってこられた。大企業は自分で生きていくためにそれをやっていかざるを得ないわけでやってきた、したがって何とか追いついてきた。しかしソフトの面を除いていたというのではなくて、大企業の場合にはソフトもハードも一緒にしてある程度自分の製品開発のためにはやってきたというのは事実じゃないかと私は思うんですね。これは大企業でなくてもいい、大銀行でもいいし大のつくところであればみんなそういうものを入れて、今、銀行のいろいろなシステムの管理、預金管理やそういうものにしても、ある意味では欧米と同じくらいの水準にいっているわけですね。しかし中小企業やそれから社会一般としては、御答弁がありましたように、ソフトがおくれてきたということが確かに言えるのじゃないかな、そういうことが原因ではないかと私は思うのですが、その辺についてはどのようにお考えですか。
○木下政府委員 御指摘になりましたように大企業、特にコンピューターのメーンフレーマーといいますコンピューターメーカーにおきましては、ソフトウエアの従事者も充実したものを持っておりまして、従来からそれらの技術者の教育等も熱心に行ってきております。ただ全体として見ますと、日本の場合には情報処理技術者の数が不足しておりますし、それから質の高い従事者も必ずしもたくさんいないというような状況がございます。したがって私どもとしては、従来から、この情報処理振興事業協会等に関する法律ができました四十五年から、例えば情報処理技術者試験というようなものを実施いたしまして、それによって関係者の人たちの向上意欲を出させ、それで技術力の高い技術者の数をふやすような施策を進めてきておりますが、最近この試験についても大変な関心が持たれておりまして、昨年度は十七万四千人の人が応募してきたというようなこともあって、この技術者試験制度も定着し、また高度の技術力を持った技術者の数もふえてきているということは当然言えようかと思います。 それからまた、情報処理振興事業協会でやっております債務保証の事業の対象といたしましても、情報関連企業が技術者を育成するための借金に対して債務保証をすることができるというような制度も導入しております。 そのようなことで、通産省としてもいろいろな施策を講じておりますけれども、基本的には学校教育の面を含めてもう少しその面を充実する必要があろうということで、私どもの方からは文部省に対して小中学校教育も含めた学校教育の充実をお願いしているところでございます。 文系の人たちがソフトウエア会社に入っているような実情のために水準が余り高くないのではないかという御指摘がございましたけれども、確かに理系の人たちの卒業生の絶対数が非常に少ないので、需要が非常に多いために文系の卒業生の人たちをソフトウェア会社はどうしても使わざるを得ないという事情もあろうかと思います。ただ、ソフトウェアをつくりますのは論理的な作業でございますから、理系の人だけが論理的な作業ができて文系の人はできないということでも必ずしもありませんので、優秀な人が集まれば十分な技術者に成長するということは十分考え得ることだと思います。
○城地委員 ソフトのおくれを取り戻す、ソフトの危機を克服するためには技術者の養成ということが最も必要なことなのではないか。その他にもやらねばならぬ課題がたくさんあることは知っておりますけれども、いろいろな資料によりましても、近々六十万人ぐらい技術者が不足であるということであります。一遍に六十万人の穴を埋めるといっても容易ではありませんが、五万でも八万でもそういう不足している技術者の穴を埋める、それが緊急な課題になると思うのですけれども、それらについては今後どういうような対策を立てられるか。 文部省等で小学校の教育からずっとそういうものを取り入れてそれに即応できるようなことにしていく、これは将来の課題としてはいいのですが、近々この五年間くらいのことを考えればそれでは間に合わないわけであって、通産省としてはどういうようにそれをお考えになっておられるのか、また解決方法として何が決め手と考えておられるか御質問いたします。
○木下政府委員 最近ソフトウエアの企業が地方にどんどん進出しておりますけれども、これは一つは東京や大阪、こういう都市周辺ではソフトウエアの技術者を十分に集めることはできなくなってきたというようなことも反映しているというふうに言われております。したがって私どもとしては、今のようなテンポでコンピューターの需要が伸び、ソフトウエアに対する需要が伸びていった場合には、今お話がございましたように何十万人というソフトウェアの技術者を短年月のうちにつくり出すということはどうしても必要になってくるわけでございまして、それが果たして可能かというような御質問になりますと、私どもとしてははっきり言ってちゃんとした見通しを持てる状況ではございません。 例えば大学から出ます時報処理技術者は、毎年卒業する人数は五千人くらいでございますし、それから高校、高専から卒業する技術関係の人たちも合わせて二、三万人くらいしかいない、そういうことでございますから、そういう人たちを全部こういう分野に集めたとしても到底充足し得ない状況でございます。したがいまして、私どもはそのような深刻な情勢を解決するためには、今からでは遅いではないかという御指摘があるかもしれませんが、ソフトウエアの生産性を上げて、ソフトウエアの需要がふえればそれだけ技術者に対する需要がふえるということじゃないような形で、むしろ生産性を上げてそういう問題を解決していくということをやっていく必要があろうかと思いますし、ユーザー企業を含めまして、一般の企業においてコンピューターを扱える人たちを社内教育等でどんどん広げていくというようなことも必要かと思います。 それから、ソフトウエア自身の生産性を上げるのは、つくる面での生産性を上げると同時に、先ほどから申し上げておりますように、販売面において、一度つくったソフトウエアを多数の企業で使っていけばそれだけ生産性が上がるということにもなるわけでございますので、そういう意味での汎用ソフトウエアの普及というようなことでいろいろな施策を講じながら、深刻なソフトウエア危機に対処していく必要があろうかと考えております。
○城地委員 今局長から御答弁がありましたが、要するに見通しが持てない、正直な御答弁だし御見解だと思います。確かに口で何十万人といってもその教育をするのに年月もかかります。しかし今ソフトの危機だと言っているのですから、危機だとすればそれを乗り越えるための処方せんが必要になってくる。処方せんの一つが今度のこの法律の改正でもありますけれども、技術者の養成は緊急な課題ではないかと思うのです。 今コンピューター関係の卒業生一年五千人、さらに専門学校とかその他いろいろありますけれども、そういうものを集めても追いつかない。しかし追いつかないと言っていたら危機からそのままとんざを来してしまうということになるのですから、見通しが持てないでなくて、今見通しが持てないにしても何かやらなくちゃならない。その技術者の養成については、何をさておいても日本全体が生きていくためにはやらなければならない課題じゃないかというような考え方を持つわけです。ですから、新たな何か決め手になるようなカンフル注射に近いようなことをやっていく。そのためには例えば新たに専門学校を、今あちこちに大分あるようでありますけれども、私はまだ不十分じゃないかと思うのです。ですから、学校をつくるということだけではないのですが、そういうことをやれば二万人が三万人になり四万人になると考えるのです。それらのカンフル注射的な、特効薬的なことを何か技術者養成についてやらなければならないと思うのですが、それについて通産大臣が通産大臣としての責任で、とにかく日本が生きていくためにはこれしかないんだということで処置されれば道はおのずから開けるのじゃないか。 今度のこの法案の内容については後ほどいろいろと質疑をいたしますけれども、その技術者の養成ということだけにしぼって、大臣の御見解があれば伺いたいと思います。
○村田国務大臣 ソフトウェアの技術者の養成は、委員の御指摘のように高度情報化社会をもたらしていくために欠くことのできない点であり、また、まさにアメリカやヨーロッパと比較して日本の情報化産業がおくれないためにも喫緊の問題であろうかと思います。 〔田原委員長代理退席、委員長着席〕 政府委員からもいろいろ御説明申し上げたわけでございますが、何よりもやる気というのが非常に重要だと思いますので、委員御指摘のような点を体して技術者の養成については今後全力を尽くしてまいりたいと思います。
○城地委員 では、技術者の養成の問題については、そういうことで前向きでぜひ対処をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 次に、時間が余りありませんので少しはしょって申し上げますが、ソフトウエアのいわゆる保護をするために、それからこの情報産業を伸ばしていくためにも、いろいろな安全基準が必要であるということが言われておるわけでございますが、新聞その他の報道の伝えるところによりますと、安全基準がいわゆる政府部内の意見の統一ができないためにまとまらないというようなことが報じられております。私はただ単にそれだけではないと思うのでありますけれども、その安全基準がまとまらない理由はどこにあるのかということと、それから、いつそれらをまとめて法案として提案されるのか。三月八日付の新聞によりますと、今回もまたまとまらなかったようなニュアンスの新聞報道もありますし、それらについてはどういうようにお考えになっていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
○木下政府委員 コンピューターの安全対策につきましては、従来から通産省は、五十二年ごろからだったと思いますけれども、電子計算機の安全対策基準というのをつくりまして、情報処理サービス業者中心にその安全対策をいわゆる行政指導ベースで進めてきておるわけでございますが、最近におけるシステムの大型化に伴って、コンピューターがダウンするというようなときの社会的影響も大きくなっておりますので、今までのような単なる行政指導ベースでやるよりも、何か法律をバックにした安全対策の必要性があるのではないかという認識が高まっておるわけでございます。 そのようなことを背景にいたしまして、今回情報処理振興事業協会等の法律を改正するに当たりまして、安全対策の条項を入れるべくいろいろ検討を加えたわけでございます。しかも、関係各省多うございますので、関係各省とも調整をいろいろ行ったわけでございますが、その過程においてはっきりいたしましたことは、安全対策ということになりますと、単に情報システム、コンピューターシステムが故障でダウンするという対策のほかに、情報が漏れるというようなことを防止するという意味での安全対策もありますので、そういう面につきましては、どちらかというとやや犯罪防止的な見地も入れていかなくてはいけない。行政指導ベースでやっているときにはそういう問題はそれほど大きな問題となりませんが、法律の中で書き込むということになりますと、その点をはっきりさせていかないと法律の中に必ずしもうまく織り込めないというようなこともありまして、いろいろと関係各省と議論をしたわけでございますが、事業者の情報処理の振興をやることを主たる目的としております本法において、そのような見地の法益を含んだ条文を入れるというのはなかなか技術的にも難しいということがありまして、一応切り離したわけでございます。ただし、切り離しましても、関係各省においてはその安全対策の必要性は十分認めておりますので、どのような形でやるかということについてまだ関係各省との間で話し合いを進めておる段階でございまして、話し合いがつき次第、私どもとしては法案を提出したいと考えておるわけでございます。
○城地委員 話し合いを進めているということでございますが、できるだけ早急にこれはやっていただきたいということを要請しておきたいと思います。 時間の関係がありますので次へ飛ばさせていただきますが、次に、情報処理振興事業協会の理事長、専務においでいただいておりますので、情報処理振興事業協会の関係について伺いたいと存じます。 情報処理振興事業協会と言うと非常に長いものですから、略称のIPAということで今後発言をさせていただきます。このIPAの十五年間の実績ですね、それらを、直接やってこられた方でございますが、当初協会を設立してやってきた十五年の歩み、それを総体的に見てどのように評価をされますか。実績について御報告をし、できれば評価の面でも、みずからやってこられたことはこれは合格点だ、八十点という採点をつけるとか、百点満点であるとかいうようなことで、評価と自己採点も含めて、本当は細かく一つ一つ伺っていって、これはどうだ、あれはどうだということでやることも考えたのですが、時間の関係がありますのでそのことについて最初に御質問申し上げます。
○安達参考人 IPAといたしましては設立以来十五年経過したわけでございますが、その間には、当協会の業務として、民間企業で開発が困難な先進的な汎用的なプログラムの委託開発及びその普及の事業をまず第一に取り上げております。 それから第二に、情報処理サービス企業、ソフトウエア企業の育成のために、これらの企業が金融機関から借り入れるいわばコンピューターの導入、ソフトウエアの開発あるいは技術者の研修というような関係の所要資金の債務保証、それから一般企業が金融機関から借り入れるプログラムの開発資金の融資などについての債務保証を第二の業務として実行しております。 それから第三には、先進的な情報処理技術の開発を促進するために、研究所、試験所その他の高度の技術的な成果、これを具体的に情報処理に適用することの可能性及びその方途についての調査研究などを実施してまいっております。 主に申せばその三つが主要な業務でございますが、このような業務につきまして十五年間にわたる事業の実施をいたしました結果としては、結論を申し上げますと、立ちおくれていたソフトウェア技術の振興あるいはソフトウエア産業の育成、汎用プログラムの開発、利用の促進あるいは一般社会の汎用プログラムに対する認識の高揚というようなことを通じて、我が国の情報化の健全な発展に大いに貢献してきたものと自負しております。 なお、例としてただいま申し上げました特定プログラムの委託開発について申しますと、既に本年三月末までには二百二十五本の開発が終わりまして、そして累計百四十億円の財政資金を投じてやってきておりますが、これが、できたものをユーザーなり何なりに普及、販売するわけでございます。延べ一万二千百数十の案件となっております。 あるいは債務保証につきましても、本年の二月末までに約千三百件、累計の保証金額では五百四十二億に上る融資の保証をいたしております。なお、現在の債務保証残高は四十八億程度でございます。 このような規模でこのような成果を上げ、これがやはり先ほど申し上げました我が国の高度情報化社会の実現へのためにある程度貢献できたもの、こういうふうに考えております。
○城地委員 今御説明がありましたので、私も、この十五年間でこの陣容でいろいろな汎用プログラムさらには特定プログラムの開発等々、非常に精力的にやってこられたことは十分認めております。ただ、日本の国は全体的にソフトウエアでおくれたという中に、汎用プログラムが少ない、しかも、つくってもその利用状況が悪いということが指摘されるのじゃないかと思うのですが、汎用プログラムの利用状況についてはどのようにお考えですか。
○原田参考人 最近におきましては、汎用プログラム、特に協会が開発いたしました汎用プログラムの普及の状況、販売の状況は非常によくなっております。 全体で申し上げますと、この十五年間で一万二千百五十件余りの販売実績を上げておりますが、私どもの開発した二百二十五本のうちまだ販売活動を開始していないものを除きました、現実に販売活動を開始しているものにつきまして一本当たりの販売件数を申し上げますと、六十五件に上っております。この中には一本当たりの販売件数が非常に多いものもございますから、そういう例外的なものを除きましても一本当たりで約七件弱になっておりまして、私どもひそかに、この汎用プログラムの開発につきまして相当な成果を上げてきつつあるのではないか、かように実は考えております。
○城地委員 そういう物の見方もありますが、業績が上がってきたのはここ数年ですね。十五年の歴史の中ではやはりソフトウエアのおくれというものがある。それは、世間全体の無関心もある、それからいろいろなものの立ちおくれもあります。ここ数年間は確かに世の中全体がオフィスオートメーションとかパソコンの普及とかということで、非常に関心も持たれてきている、汎用プログラムの活用も多くなってきている。しかし、十五年全体で見ますと、前半から中盤にかけてはそういう点で活用がおくれていたということが言えるのじゃないか。最近の実績については私は敬意を表しますが、そういうことで実績が上がってきた、これからもどんどんプログラムを開発していって、さらにそういうものの活用を十分やっていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、IPAが新規事業として今回、低利融資事業、債務保証事業の拡大、さらにはシグマシステムとかいうことでやられることは非常に結構なことだと私は思うのです。ただ、これは大臣にも伺いたいのですが、昨年の十一月に通産省から出された六十年度予算の概算要求、それによりますと、低利融資は六十億円の金をもってやりたいということが通産月報か何かに出ていたのを拝見したのです。その後、予算編成の過程の中でそれが抑えられてしまったということがあるわけであります。当初六十億円の低利融資事業をやる、それが半分以下にさせられて今度は二十五億円ですね。 ことしの場合には半年で十二億五千万ですか、そういうことでありますが、私は、一つの考え方ですが、新たな事業をやる、それは何も、新しくやるからサバを読んで多く出すというようなものじゃないと思うのです。これをやるためにこれだけ必要だというから予算というのは出すのだと思うのです。 私は民間企業の出身だから言うわけじゃありませんが、民間企業の場合には、何かの要請をするときにサバを読んで出したらもうそれでペケですね。サバを読んだということがわかれば、そういうふらちなことはないと。ある程度削られることまで考えて出すということは許されないわけであります。差し迫ったものでこれだけは必要だと。そのかわり絶対に引き下がらないわけです。例えば、これをやらなければ会社の命運はもうだめだということになれば、そのことを主張するわけです。その正当性が認められてその予算を入れるか入れないかなんです。 ところがお役所の場合、全体の状況もありますから、削られたからだめだとか、半分にさせられたからどうだということで、一概に言うのはどうかと思いますけれども、今回の場合のように新しい目玉としてどんどん進めていくためにはやはり低利融資というようなもので、しかも当初四・五%か何かの非常に低い利子でやる、今は五%ということで提案されていますが、そういう低い利子でやることがこの普及、それから情報産業全体を育成していくために非常にいいんだ。その目玉であるからということでそういう金額を要請されたと思うのです。だから私は、幾ら行革であっても何であっても、日本の国の将来を考えて今これをやらなければだめだというときには、一歩でも半歩でも引き下がってはいけないのではないかと思うのですね。そういう意味合いでこの低利融資事業がどういう過程で、なぜこうなったのか、非常に不満なんでございますが、それらの問題についてお答えいただきたいと思います。
○木下政府委員 昨年私どもが予算要求いたしますときには、日本開発銀行からの出資ということで、今御提案申し上げておりますシグマ計画等を含めまして予算要求をしたわけでございます。その中の一つの事業として低利融資事業を考えておったわけでございますが、そのときの構想は、出資をされた資金と、それから市中から借りてきた資金をまぜまして低い金利で融資するという事業をやろうということだったわけでございますが、最終的な予算編成の過程におきまして、シグマ計画が一番重要であるとするならば、その計画についてだけ産投会計出資で行おうということで大蔵省との間で話がついたわけでございます。 そのときに、低利融資事業も非常に重要だったので、何かほかに方策はないかということを考えたわけでございますが、その過程で考えましたのは、出資を受けて、借りた資金で薄めてやるという方式じゃなくて、むしろ一種の利子補給的な感じで、情報処理振興事業協会が持っております自己資金の中から、少し金利を安くする分についてだけは補てんするような形で事業をやれば、事業協会自身の持っている金を使ってある程度の規模の低利融資ができるということを考えました。したがって、低利融資の規模も当初の予想規模よりはずっと小さくなりましたけれども、情報処理振興事業協会の自己事業というような形でやっていこうというようなことに方式を変えて、今回の低利融資ということになったわけでございます。
○城地委員 その経過についてはわかりましたが、IPAの事業は、先ほど理事長、専務さんからお話がありましたように、非常に重要な役割を担ってきた、これからもますます重要性が増していくと私は思うのですね。しかも、今回新規事業を取り入れて範囲を拡大していく。これはまさにソフトの危機を克服するための一つの大きな手段じゃないかと思うのです。 そういう意味でいきますと、私は人員だけのことで言うわけではありませんが、今回二名増員というお話を伺いました。どうしてこういうことになるのかなかなか理解できないのですが、新しいことをやっていく場合にはそれなりの人的な補充が必要だ。例えばある会社は、どんな不景気なときでも大学卒を五百人でも千人でも採用して五年後に備えるというようなことを平気でやるわけですね。それが投資だと思うのです。将来を見てやる。今すぐでも事業を大きくするためにそういうことをやる。そういう点で非常に物足りないわけでありまして、IPAの関係についてはそういう点で今すぐというわけにはいかないと思います。これは年々の問題でありますから、通産大臣にもお願いしたいと思うのですが、これでなければ成り立っていかない、これでなければ日本全体がおくれる、これでなければ日本の将来にとってだめだというようなことだとすれば、幾ら行革で人数がどうだといっても、不必要なところは削ってもいいんですが、必要なところはどんどんふやしていく、事業も拡大していく、そして仕事がやりやすいような形にしていくという積極的な姿勢が必要なんじゃないかと思います。 時間がありませんので、そのことは要請だけにとどめたいと思いますが、ぜひそういう積極的な前向きの姿勢をお願いしたい。そのことについて何か御答弁がありましたら伺いたいと思います。
○村田国務大臣 委員御指摘のそういった予算について、ぜひ頼む、そういう気迫を持って対応することが大事だと思います。 私は、情報化対策と技術開発、この問題はもう本当に通産行政のポイントであると思いますので、御激励をいただきましたように一生懸命頑張りたいと思います。
○城地委員 では、時間がありませんので最後の質問になるかと思いますが、ソフトウエアを保護するために、昨年プログラム権法という法律が提案されそうになった、十分検討された。その中で、アメリカ等ではソフトの開発のプログラムについては著作権法でやっているという凡例がたくさん出ているわけであります。そしてあのときに文部省の文化庁と通産省との間でいろいろなすり合わせがあったがなかなかそれがまとまらなかったということでございました。しかし、ソフトを保護し、この仕事を伸ばしていくためにはやはりこれらの法律が必要であるし重要であると考えるわけであります。 このプログラム権法、著作権法の一部改正でもいいのですが、最近のいろいろな情報機関の話を聞きますと、どうも著作権法の一部改正ということで提案を準備されているとかいないとかいうようなお話があるのですが、やはりソフトの危機を乗り越え、さらに開発を進めていくために非常に重要な問題の一つだと思うのです。これについて現在どのように考えておられるか、どのように準備をしておられるか、このことについて伺いたいと思います。
○村田国務大臣 この問題は御指摘のように最近非常に話題になっておりますので、私からお答えしたいと思います。 実は、二月九、十、十一と四極の貿易大臣会議が京都で行われました。日本で行われましたので私が議長役をいたしたのでございますが、そのときにアメリカのブロック通商代表からお話がありまして、この問題についてはできるだけ長い年月を保護してもらいたい、そのためには日本が言っておるプログラム権法では非常に短いし不十分である、むしろ著作権法で対応していただけば六十年という期間保護してもらえるということから、ぜひこれは国際的に見て極めて大事な問題であるので、著作権法の改正でいくような御考慮をいただけないかというお話がありました。 このブロックさんの御提案を承って、いろいろ関係各省と折衝いたしたわけでございますが、この際は、文部省で所管をしております著作権法の改正をし、そしてその中に通産省の主張しておりますことも盛り込みましてやっていけば非常に日米間の関係も円滑にいくし、またブロックさんと私と相談したことに対するよい回答も出るであろうという判断のもとに著作権法の改正でいこうということで今国会に提案を予定をしておるわけでございます。 また、これにつきましては、ブロック通商代表、今度労務長官に転出が決定になったわけでございますが、私は非常に大事だと思いまして親書を送りましてこのことをお伝えしましたところ、最近になりましてブロック通商代表から私あての返事がございまして、日本の私村田通産大臣の配慮を心から感謝をするという非常に丁重な御返事があり、またアメリカのワシントンポスト等にもその記事が載ったところでございまして、その点、日米通商関係にも役立ち、また私どもの考え方も著作権法の中に盛り込むということで対応することができた、こういうふうに感じております。
○城地委員 今大臣が言われた著作権法は、今国会に提案されるわけですか。いつされる予定ですか。
○木下政府委員 文化庁の方で今国会に提出すべく現在準備されていると聞いております。
○城地委員 先ほどからいろいろ質疑でただしているのでございますが、この情報処理の関係の法律案全体を見ましても、さらにはそれに付随するいろいろな対策にいたしましても、たくさんの問題点が含まれていると思います。 最初に申し上げましたように、情報化の進展と第五世代コンピューターの開発も非常に重要である、そしてソフトがおくれている、ソフトの危機であるからこれを何とか乗り越えていかなければならない、さらにはそれに関連して技術者の養成、これも緊急な課題である、さらに安全対策基準等についても早急にまとめて法案として提出をしたい、さらに著作権法、プログラム権法の関係についても現在準備中である、さらにはIPAの関係についてもさらには新規事業も拡大してやるというふうに、この法案をめぐるいろいろな関係での問題点が非常に多いわけでございます。 先ほどから同僚議員の質問にもありましたが、法案の提出との関連性ということを考えますと、どうも全体的に散発的な、一つのことがまとまったからこれを出すというのじゃなくて、私は申し上げませんでしたが、総体的に例えばプライバシーの問題その他をめぐっても結局情報基本法というものの必要もあるような気もいたします。これからますます多様化していく、しかも産業的にもいろいろと課題が多い、そして六十五年度にはその生産額が二十四兆円になるという産業の育成等等考えても、今後に非常にたくさんの問題が残されている。しかもまだ、我々が生きていくためにぜひともそれは乗り越えていかなければならない課題が非常に多いということでございます。 それ以外でこの法案の全体について、今後のあり方について、最後に通産大臣の御決意のほどを伺って質問を終わりたいと思います。
○村田国務大臣 私自身の考え方から申しますと、今委員御指摘になりました通産行政というのは一つの体系であって、自由主義経済社会をひとつしっかりと進展をする、そして現在の時局に対応したいろいろな施策を図っていくという意味で全体が一つの体系でなければならないという考え方で思想統一をしていると私は思います。情報化に係る問題は広範多岐にわたっておりまして、今委員御指摘になりましたように、それぞれにきめの細かな対応が要請をされております。 したがって、政府といたしましては必要に応じて関係省庁の連絡会議の開催でありますとか内閣官房による調整などによりまして整合的かつ統一的な情報化施策の展開を図ることが重要であると認識をいたしております。今回の法改正は関係各省庁の御協力を得まして情報処理の促進を目指すものでございまして、我が国の情報化の推進にとって大きな前進であると認識をしております。我が国の健全な情報化に対して責任を持っております私といたしましては、本法の適切な運用を図るとともに、情報化関連施策を一層充実させ、高度情報化社会の実現に向けて鋭意努力をし続けてまいる所存でございます。よろしくお願い申し上げます。
○城地委員 質疑時間若干ありますが、質疑に協力する意味で、以上で終わりたいと思います。
○粕谷委員長 次に、西中清君の質疑に入ります。西中清君。
○西中委員 最初に、情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案について、この法律案を改正しなければならないことになった背景、これについてまず御説明をいただきたいと思います。
○村田国務大臣 お答え申し上げます。 本法が制定されました昭和四十五年以来、我が国の情報化は広範かつ急速な進展を見せておりまして、御承知のように汎用電子計算機の実働台数は実に十五万台を超えるようになりました。そして、今後ますます増勢をたどっていく一途であると思います。しかしながら、このような情報化の進展に伴いまして従来とは異なった新たな課題に直面をいたしております。その第一は、急速な情報化に伴うソフトウエアの需給ギャップ、需要と供給のギャップが非常に深刻化をしてきたということでございます。そして第二は、より効率的で開かれた産業の情報化を促進していかなければならないということでございます。こうした新しい情報化社会の要請にこたえることが今回の法改正の趣旨でございます。
○西中委員 この電子機器産業、情報処理産業と言われるいわゆる情報産業の成長、これは近年目覚ましい勢いでございますけれども、昭和五十八年、約十兆円、六十五年の予測では二十四兆円ぐらいじゃないかという予測もされておるわけでございます。 ここで大臣にお伺いしておきたいのですけれども、この情報産業に対する通産省としてのお考えは一体どういうところにあるのかということを確認をしておきたいということでございます。 やはり日本が、このように国民の生活レベルが上昇し、そして二十一世紀に向かって生活の安定とそして経済の安定的な持続というものを考えていく、さらにはまた高齢社会にいや応なしに突入して、生活レベルというものを確保していくためにはそれ相当のお金がかかる、こういう背景があると私は思います。同時にまた、今日まで日本は家電そして自動車等々、こういったいわば成熟した工業社会の産物である工業製品を輸出をして今日日本の黒字というものが生まれ、そして生活が成り立っておるわけでございます。しかし、二十一世紀に至って、果たしてこの自動車やまた造船なり家電なりが本当に日本の経済の中核産業として力量が十分あるのかないのかという問題は非常に問題が多いと思います。当然これはなくなるわけはありませんけれども、しかし、これからのそういった国民生活というものを判断していきますというと、より付加価値の高いものを強化し、国際競争力をつけていかなければならない、私はそういう認識を実は持っておるわけでございます。 そこで、考えられるのは現時点において付加価値が高いといえば、宇宙産業であり、原子力産業であり、同時にまた、この通信情報産業ではなかろうかというように判断をいたしております。その他バイオでありますとか、さまざまな新しい技術がありますけれども、やはり我が国が、宇宙産業にしても原子力産業にしてもさまざまな制約がございますけれども、生きていくために一番基本となるべき中核の産業はやはり情報産業だというふうに判断せざるを得ないというふうに私は思います。 したがいまして、今、日本政府がこういった問題について民間と一緒になって力をつけるのはけしからぬというような世界の批判もあることもまた事実でありますけれども、一面考えれば我が国益のためにはこれは一歩も譲ってはならない、私たちの子供や子孫のためにはこの線を何とか日本の基幹産業として育て、強化していくという必要があるというふうに私は思うわけでございます。 中でも、今国会の法案の成立に大きなポイントとなっておりますのは、今大臣も御説明がありました、日本は今日まで何だかんだ言いながらハード部門ではアメリカを追い越して、今第五世代でアメリカにまだ追いつかないという状況にあると思いますけれども、ほかの部門は、汎用にいたしましても、またスーパーにしましても、コンピューターはハードの部門では少し追いついたんじゃないかというような感じでございます。しかし、ソフトとなりますと、これは非常に残念ではありますけれども、五年なり物によっては十年の差があると言われるくらいリードをされておる。とりわけコンピューター部門でいきましたならば、IBMなんかを見ますと、これはやっぱりハードは劣っておってもソフトでリードしているだけに、機械は優秀でも出てくる答えは遅いというのが今の日本の実情だと思います。 したがいまして、私はこの法律を審議いたす前提といたしまして、やはり国家利益のために通産省はこの問題についてはしっかり頑張ってもらわなければならないし、同時にまた、本改正案程度でいいのかなという疑問も私は実は持っておる。こういう点について、この情報産業及び今回の改正の上から考えられまして、今後どのようにこの産業を育てるようお考えなのか、哲学をひとつお伺いしたいと思っております。
○村田国務大臣 大変重要な問題について御指摘になりました。 産業分野全体について申し上げますと、委員御指摘のように、例えばかつては世界を風靡した繊維産業であるとか、あるいは日本でも一時期非常に繁栄をいたしました石油の関係でございますとか、いろいろな産業が栄え、そしてまた時代の要請とともにそれがLDCの国家に移るとか、そういういろいろな産業の世界での消長があるわけでございます。そういった意味ではもう時代の進展に対応でき得なくなった産業については、そうしたいろいろな収束を考えながらその産業の分野の発展を今後とも図っていかなければならない。そして新しく発展をすることが期待をされる産業、例えば今御指摘になりました情報産業でございますとか、そういう分野についてはこれが大いに伸びるようなことを考えていかなければならない、これは全体の産業にわたる、全部通用する哲学であろうかと私は思っております。 その対応を正しくしていけば、いわゆる通産行政というのは前向きの非常にすぐれた行政ということになるでありましょうし、そうでなくて逆のことを考えていけば、これはとんでもない通産行政ということになるんだろうと思います。したがって産業の進展に対する時代感覚と申しますか、これは非常に重要で、産業の選別そしてそれに対する対応を誤ってはならない。このことは委員と全く同じ感覚でございます。その意味で、御指摘になりました航空機産業でございますとか、自動車工業でありますとか、情報産業でありますとか、そういうものは今非常に世界的にも注目を浴びている産業と申してよかろうかと思います。 情報産業に移りますが、いわゆるハードな面での電子機器産業、これは産業用電子機器、中はコンピューターとか通信機器とか、いろいろございましょう。それから電子部品になりますと半導体その他ということになろうかと思います。それからソフトな面での情報処理産業ということになりますればソフトウエア業、いわゆるソフトウエア開発、プログラム作成というようなものがそれに当たりますし、また情報処理サービス業では情報処理であるとか計算のサービスであるとか、そういうものが当たるわけであります。情報提供サービス業になればデータベースサービス、こういったような分類がされようかと思うのでございまして、委員御指摘のように、ハードな電子機器産業におきましては日本は非常な発達をしておるわけでございますが、先ほど来の御質問にもあらわれておりますように、ソフト面が非常に危機に面しておる。したがって、これからソフト面での情報処理産業をひとつしっかり育てなければいけないという認識を持っておるわけでございます。 今御審議を願っておる法律もそれに対する重要な施策になるわけでございますし、またいわゆる基盤技術センターの設立等の関係法律も、やはりそういった重要な面を担っておると思うのでございまして、そういった考え方、哲学の上に今後の産業の進展を考えていく、情報産業の位置づけと今後の発展動向を考えていく、そういう考え方でございまして、恐らく西中委員と同じ考え方ではないかと思っております。
○西中委員 そこで、この情報産業に関しまして我が国は研究開発費をどういうふうに投入しておるのか、こういう問題があると思うのです。ハードとソフトに分けて、そしてまた官民比率等について御説明をいただきたいと思います。
○村田国務大臣 研究開発費でございますが、通信・電子・電気計測器工業分野における研究開発費は、総理府の「科学技術研究調査報告」によりますと五十七年度が七千九百六億円、それから全産業が四兆三百九十億円でございますから、約二割を占めておるわけでございます。そのうち電子計算機産業が四千九百五十七億円ということになります。それからハードとソフトの内訳は明らかではございませんが、電子計算機産業においては約半分程度がソフトの開発に向けられていると言われております。これは詳細はちょっと明らかではございません。 それから、高度情報化社会の実現を図る上で情報産業は中核的役割を担うところでございますし、この分野における政府の施策が重要な役割を演ずることは言うまでもございません。とりわけソフトの分野については、ソフトウエア機器が社会問題化しつつある今日でございまして、その重要性は極めて高いと考えております。政府の財政事情は極めて厳しい折でございますが、通産省としてはソフトウエアに係る施策の充実にしっかりと努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○西中委員 何を比較して多いと言うのか少ないと言うのかということになるのですが、私はこの面に対する研究開発という費用がまだレベルが低いのではないかというような認識を強くいたしております。御承知のようにIBM一社を見ましても、一九八四年売り上げが十二兆二千四百億円、それの八・九%を費やしておる。金額にして一兆九百二十億円という膨大な研究費でございます。一社の研究費がこのような大きなものでございますから、状況としてはなかなか厳しいのではないかという判断をいたしております。いずれにしても、先ほどもちょっと触れましたけれども、日米双方の例えばスーパーコンピューターを見ましても、日本の三社のスーパーコンピューターはハード面ではアメリカを抜いた、こういう感じでありますけれども、アーキテクチャー、また利用技術の面、こういった面ではまだおくれが見られる。また、世界じゅうの汎用コンピューターを見ましても、命令というものはやはりIBMが大半を占めておる。要するに今、日本のメーカーは優秀だとか科学が進んでおるとか言うけれども、コンピューター産業において一番の問題になるのはソフトであり、それが力なんです。この部分に力がないということはやはり致命的な弱点と言わなければならぬと思うのですね。 ですから、日本の技術力云々という問題は、二十一世紀を展望した場合には、このソフトウエアの世界でどう戦えるのか、ここに真価が問われると思うのです。したがって、今大臣も決意を述べていただきましたけれども、なお力強い施策をこの分野において展開されるように要望をいたしておきたいと思います。もしも御意見があれば伺っておきたいと思いますが。
○村田国務大臣 西中委員の御要望、極めて適切なものだと考えます。その意味でひとつしっかり力を入れてやってまいりたいと思います。
○西中委員 次に、この改正に当たりまして今日までの総括と言ったらおかしいですが、四十五年以来今日までさまざまの施策を続けてこられたわけでありますけれども、その当初の法律のねらいは、平易に言えば三点ぐらいあったのではないかというように私は認識をいたしております。 その一点は、ソフトウエア会社の技術力を高めるということ、第二点は、会社の経営体質を向上させるということ、第三点はプログラムの普及促進にあったというふうに考えております。これは間違いがあればまた指摘をしていただきたいのですけれども、こういうような目的、四十五年以来今日までやられて、目的は達せられたかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○木下政府委員 ソフトウェア産業の技術力の向上、経営体質の改善等につきましては、私どもとして鋭意努力しておりますし、それから情報処理振興事業協会から、債務保証等によってその援助もいたしております。それから今御質問ありましたように、委託開発しましたプログラムを普及することによって、受託します企業は全部ソフトウエア企業でございますから、そういう企業が具体的なテーマを出してきて、それが十分協会として普及事業の開発をするに当たり先導的なプログラムであるということがわかれば、そういうものに対して資金を出して委託開発をする。委託開発をした結果、普及をした成果はもちろん協会の方にも売り上げという形で入ってきますが、また担当しました企業にとっても、みずからが開発したプログラムをそれで広く普及販売することができるという意味で、企業側及び協会側にとっていいものができれば、十分にそれで成果が上がる形になろうかと思います。
○西中委員 私の申し上げました、会社の技術力を高めるとか経営体質の改善はかなりの部分まで目標を達成したのではないかというふうに評価をいたしております。ただ、特定プログラムの普及という点では一体どうなのかということがちょっとわからぬのですが、どれくらいのお金を投入して何本のプログラムを開発されたのか、まず伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 特定プログラムの委託開発、昭和四十五年度からの開発普及状況の全体の数字を申し上げますと、受託いたしました企業の数は延べで二百四十六、それから委託しましたプログラムの数は二百三十七本でございますが、完成したものは二百二十五本でございます。それで、そのために支出しました額は全部で百四十一億円ということになっております。それで、その中で普及いたしましたものは、一つだけ特別に一万本以上売れたものがございますが、それを全部足しますと一万二千百五十本ということになっております。
○西中委員 それに対する売上高はどうなっておりますでしょうか。
○木下政府委員 四十一億一千三百万円でございます。
○西中委員 この時点において、百億ぐらいは大体持ち出しという形になっておりますね。その点で、一つの種類が一万本以上というようなことでございまして、これが果たしてうまく普及したと言えるのか言えないのか、ちょっと判断に苦しんでおります。いずれにしても、この普及促進ということについて、やはりこの改正に当たりまして、もう少し見直した方がいいのではないかという気がいたしております。ということは、これはなかなか思うように普及しておらないのではないかというふうに私は判断せざるを得ない。今お話がありましたけれども、投入した資金が全部回収できればそれにこしたことはありませんけれども、でき得ればもう一歩積極的に、回収以上に利益を生んでくる、こういうところまで普及に力を入れるということも、やはり協会としての一つの仕事として考えていってもいいのではないかというふうに思いますね。 現にIPAの機構を見てみますと普及課というのがあるようでございますけれども、どうもここは人数からいってもそう力があるようには思えません。同時にまた、普及がもう一つ思わしくないので、ソフトウエアを開発した会社に普及まで押しつける、そういう話も聞いておるわけでございまして、どうもこの辺がもう少し、設立の目標の一つの柱であった問題でありますから、ここで一遍体制を立て直すなり、新しい組織で普及を図るなり、別会社をつくるなり、いろいろな方法はあると思いますけれども、たくさん普及しコストを下げる、同時にまた、協会としての財政を豊かにし、新しいプログラムの開発にそのお金を投入できるような体制まで持っていく。とりわけ、今財政事情が非常に厳しいところでございますから、毎年何十億というお金を投入してこのプログラムをつくるというのもそれは一つの方法でありますけれども、厳しい財政を考えたならば、協会がもう少し積極的に乗り出していってもいいのではないかというふうに思うわけですけれども、御意見を伺いたいと思います。
○木下政府委員 確かに、日本においていわゆる汎用プログラムを普及するということは、ほかの国とは随分事情が違って難しいという要素が過去においてあったということは事実でございます。そのために、特定プログラムの普及につきましても、振興事業協会が発足当初は、我が国のソフトウェア企業の汎用プログラムの作成についての技術力が十分でなった、それからまた、ユーザーサイドにおいても、汎用プログラムを利用するというよりむしろ個別発注によるオーダーメードのプログラムを皆希望したというような理由がありまして、制度運用初期においては必ずしも十分な成果は上げていなかったということは事実でございます。 ただ、近年に至りまして、汎用プログラムというものが一般的に見直され始めたというようなこともあり、また、いいプログラムがたくさんできるようになってきたということもございまして、急速な普及件数の伸びが見られるわけでございます。先ほど申し上げました特別のマイコン用のビジネスグラフ作成プログラムを除きましても、この五十七年、五十八年、五十九年ころにつくりましたプログラムで、数十件のオーダーで普及されているものがたくさん出てきているというのはお認めいただけることかと思います。 普及いたします際には、協会自身ももちろん普及いたしますが、委託をいたしました委託先の企業がみずから普及するというようなことでやっているわけでございまして、協会及びその企業自身の今後の努力も、私どもとしては、大いにしてもらうように指導していきたいというふうに考えております。 近年におきましては、今財政事情のお話もございましたけれども、予算として投入する金額は、十四億円ぐらい毎年投入しておりますけれども、普及しまして、売り上げで収入として入ってくるものは九億円ぐらいまでになってきているということで、発足当初に比べますと財政支出額に対する普及による成果額というのはずっとふえてきて、ほぼ一対一に近づきつつある状況であるというふうに考えております。
○西中委員 これからコンピューターも設置台数がどんどんふえるわけでありますから、そういう傾向にはなると思いますけれども、ここでもう一度、強化することについていろいろな施策をお考えいただきたいと要望しておきます。 次に、連携指針の策定についてお伺いをしておきたいと思います。 今回の改正の一つの柱でありますけれども、電子計算機の連携利用に関する指針の策定ということは、一体具体的に言うとどういうものを言うのか、まず御説明をいただきたいと思います。また、なぜこういうものが必要なのか伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 今回の改正案の中で三条の二に「電子計算機の連携利用に関する指針」という規定がございまして、主務大臣が連携利用をうまく進むようにするために指針を定めるというようなことになっております。 この条項のねらいは、ある事業分野におきます関係事業者がコンピューターを使って情報化を進めていきます場合に、場合によっては、異なる企業間で通信回線でそれをつなぐこともありますし、必ずしもつながないでお互いに協力する場合もあろうかと思いますけれども、そのつないで事業を行います場合に、異なる企業ごとに異なるシステムをたくさん導入することによってコンピューターが全体としては効率的に使われなくなるおそれがある。したがって、特定の分野において、ビジネスプロトコルと私どもは言っておりますけれども、伝票類とかあるいは商品のコードとかそういうものについて関係企業間で統一的なものを定めておけば、コンピューター間でつなげて取引を行う場合でも、複数のシステムが交錯しないでそれをうまく進めることができるということになり、全体としての効率性が上がるということになるわけでございます。 そのようなことを進めるためには、主務大臣が指針を定めて、それで業界全体を指導していくという形の方が適当だということで考えておるわけでございまして、そのような指針を進める場合の連携して行う電子計算機の利用の態様というのは、複数の事業者が互いに連携して電子計算機の利用をする場合の事業者間の連携の仕方でございまして、具体的には、コンピューター間の相互運用性の確保された複数の企業間情報処理システムをうまく形成する形成の仕方、あるいは共同情報処理センターあるいは共同データベースの構築、運営等が挙げられるわけでございます。 またその実施の方法としましては、具体的には、先ほど申し上げましたように、帳票やコード等のビジネスプロトコルの共通化に関する事項あるいは共同情報処理センター、共同データベースの構築、運営等のための業界のコンセンサス形成の方法等に関する事項というような点が挙げられると思います。 それから、この条項に「実施に当たって配慮すべき事項」ということがございますけれども、その中では、連携利用を行う際に事業者が配慮すべき事項として、具体的には、その際、中小企業等特定の事業者への過重な投資負担を回避するような問題、システムへの参加の不当な制限、価格等に関する情報の授受等による競争阻害の回避というような事項を挙げるというようなことが考えられるわけでございます。
○西中委員 これは非常に大事な問題で、これが十分に活用されるということになれば非常に結構なことだと思います。しかしながら、やはり陰の部分もあるようでございまして、関連企業や業界の利害が微妙に影響するというか、そういう問題だろうと思います。したがって、この扱いは非常に慎重さを要するのではないかというように考えております。 これは、電算機の利用ということはもう時代の流れで、どの企業もいや応なしに利用していかなければならないということでございますけれども、この指針を策定されますとまず心配なのは、企業の系列化、再組織化、こういうものが避けがたいのではないか、行き過ぎが起こらないかということですね。さらには、取引先が幾つかの分野に分かれている、グループに分かれているというような取引をしておりますと、こっちの指針にも従わなければならぬし、こっちの指針にも従わなければならぬ、プロトコルが違う、こうなってきますと、両方に二重投資をしなければならぬ。それから、最近の企業は、多角経営はもとより異業種への進出、こういういわば業域革命ともいうべき問題が顕著にあらわれてきておりまして、生き残りのために大手企業があらゆる分野に出ていく。そうなるとこれは、通産だけではなくて郵政にも農水にも厚生省にも、あらゆる省庁にまたがっての事業展開が行われる。この辺のところをどういうように整理をされていくのかというような問題が出てくると思います。 こういう点について、先ほどもお話がありましたけれども、中小零細企業においては力以上の設備投資をしなければならぬという問題も出てくると思うのです。ですから、この辺のところをどういうふうにやっていかれるのか。私は、できるだけ緩やかな形がいいんじゃないかなという感じはいたしておるのですが、御意見を伺いたいと思います。
○木下政府委員 連携利用を進めます必要性については先ほど御説明したとおりでございますけれども、連携利用を進めることによって、むしろ各企業が持っておりますコンピューターシステムについての負担が軽減されるように持っていきたいというふうに私どもは考えております。先ほど申し上げましたように、特定の企業ごとにいろいろコンピューターに入れます帳票類、コード類の打ち込み方が違ってきますと、関係企業は、複数の企業と取引しているときには全部のシステムを自分のところに入れなくてはいけない。ところが、もし関係企業間において合意ができておりますれば一種類のものだけで足りるということになってくるわけでございますから、そういう意味での設備の負担あるいはソフトウエアの開発の負担は下がってくるわけでございます。そういう点を私どもはねらいとしていきたいというふうに考えておるわけでございますので、むしろ先生が今御指摘になる二重投資のような形になるのは、こういうような政策を進めることによって避けることができるのではないかという気がいたします。 それで、最近は一つの企業がいろいろな業種分野に展開しておりますので、今先生御指摘のように、異なる主務大臣から異なる指針が出ることによって、かえっていろいろ迷惑を受けるというようなおそれも十分あるわけでございます。そういうときには関係大臣間での協議を十分に行って、そのような不都合が生じないように持っていきたいというふうに考えております。 それから、このような連携指針をつくることによって企業間の系列化がますます進むのではないかという御指摘でございますが、そのようなおそれも十分にあります。ただ、逆に、業界全体が同じような方式を採用することによって競争がむしろスムーズに進むというプラスの面もあろうかと思います。したがいまして、私どもとしては、このような連携利用を進めますときには今先生がおっしゃいましたようないろいろな問題点を頭に置いて、余り特定の分野だけをがっちりした形でそれを進めることによって全体がぎくしゃくしないように、ソフトな形での連携利用を進めるように、これは主務大臣間での協議も十分に行っていくようにしていきたいというふうに考えております。
○西中委員 各省庁間の連絡、これは非常に大きなポイントであろうと思いますので、十分なる注意を促しておきたいと思います。 同時に、先ほどもちょっと触れましたけれども、問題はやはり中小企業じゃないかというように思います。指針に基づいて一つのシステムができるということになりますと、中核となる企業からこれでいくぞということになれば、その傘下にあります中小企業はそれに合わせなければならない。しかし、資金的に、半分ぐらいなら何とかできるけれども、これだけ大きいのはちょっと無理だというようなことになりかねない面もあると思うのです。そういった面で、場合によってはこれに参画しないと取引できないぞという、まあほかの理由であってもこれを理由にして、取引上不利な状況に追い込まれるということも十分考えられるわけです。ですから、そういった点で中小企業をどう守っていくかという問題、それから、実際その設備が過重であるというときに何らかの融資なり対応ができないのかという問題、この二点についてお答えを願いたいと思います。
○木下政府委員 今回御提案申し上げております三条の二におきましても、第一項で「その実施に当たって配慮すべき事項」ということが書いてございますので、本来であれば、その中に関連中小企業対策のことも含めて読めるわけでございますから、特別に二項を置く必要はなかったわけでございますが、中小企業対策の重要性にもかんがみまして、二項に特別に「前項の指針は、関連中小企業者の利益が不当に害されることのないよう配慮されたものでなければならない。」という規定を置きまして、その点は十分配慮するようにいたしたいと考えております。したがいまして、連携利用を進めますことによって関連中小企業者が不当に資金負担を強いられるということのないようなうまい仕組みを考えて、大企業が中小企業にしわ寄せすることがないようにやりたいと考えております。 ただ、いずれにしましても、中小企業者がこのようなコンピューターシステムを導入することによって資金を必要とすることも考えられるわけでございますので、そのためには、プログラムの開発資金等についてはIPAの新規低利融資制度の対象となって、低利融資によって中小企業者の経営負担を少なくするということも考えられますし、また情報処理高度化融資とか情報処理通信システム化促進融資というような開発銀行あるいは中小公庫等の政府系金融機関による融資制度を活用いたしまして、複数企業間の情報処理システム等を構築する場合に必要な資金については十分な配慮を払っていきたいというふうに考えております。
○西中委員 まあ法律はそうなんですが、また、いろいろな制度もあるわけですが、実際は運用という点でしばしば問題が起こるわけでございますので、ひとつ特段の指導をお願いいたしたいと思います。 次に、シグマシステムについてお伺いをしておきたいと思います。 まず、この事業の概要について説明をお願いいたしたいと思います。
○木下政府委員 今回の改正の大きな眼目の一つでありますいわゆるシグマシステムの概要について御説明申し上げます。 一言で申し上げまして、現在ほとんど手作業の域を出ていないコンピュータープログラムの作成工程をコンピューターを使って自動化、機械化を図り、それによってプログラムの生産性を上げる、それと同時にプログラムの品質を向上して信頼性を大幅に向上させるということを目的としたものでございます。そのためには、まず第一に電子計算機を利用してプログラム作成を効率化するためのプログラム——プログラム作成を効率化するためにやはりまたソフトウエアがもう一つ要るわけでございますが、そういうものを開発するということでございます。それから、プログラム作成の効率化に資する情報を全国のプログラム作成者に提供するためのコンピューターシステムを情報処理振興事業協会に設置するわけでございます。 プログラム作成の効率化のためのプログラムというのは、具体的には道具とか部品とかというものに当たるプログラムを大量にデータベースとして情報処理振興事業協会に置きまして、そのデータベースを各関係企業が通信回線を利用して利用していくというような形で、日本における各ソフトウエア関係企業者が平等にこの事業に参加できるようにしたいというふうに考えております。 具体的には、全体の事業規模は二百五十億円程度を考えておりまして、昭和六十年度事業費としては、産業投資特別会計から出資二十億円、民間からの出資、出損金五億円、それから金融機関からの借入金五億円、合計三十億円で初年度の事業を実施したいと考えております。
○西中委員 六十一年度から六十四年度までの資金計画はできておりますか。
○木下政府委員 総事業規模といたしましては二百五十億円ということで、一応の毎年度の内訳等は頭に入れておりますけれども、当面、具体的にはっきり大蔵省との間で計画が決まっておりますのは六十年度部分の三十億円に関するものだけでございます。
○西中委員 民間の出捐金というのは多く期待されておるのでしょうか。年度、年度の計画はないかもしれませんけれども、大ざっぱに産投会計であるとか、長期の借り入れであるとか、ほぼ大まかなところがあるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
○木下政府委員 民間からの出資、いわゆる金銭によって出資していただく部分として我々期待しておりますのは五年間で約二十五億円ぐらいでございます。そのほかに現物出資、いわゆるプログラム等を現物で出資していただくものも相当額予定しておりまして、そのほかに一番大きな規模としては産投会計からの出資を期待して、全体として二百五十億円になるように考えておるわけでございます。
○西中委員 事業の採算という点ではどのようなお考えを持っておられるか、伺っておきたいと思います。 産投特会から相当な出資を期待されておると思うのですが、その辺のところがある程度きちっとしておらなければ事業としてうまくないのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
○木下政府委員 五年計画でこのシグマシステムというものは構築するわけでございます。したがいまして、六十四年度にでき上がりましたものをそれ以降で利用して、関係ソフトウエア企業あるいはコンピューター会社あるいはユーザー企業等がこのシステムを利用していくわけでございまして、まだ料金体系をどういうふうに決めるとかなんとかということは決めておりませんが、いずれにしましても、情報処理振興事業協会に置いてあります各種のプログラムあるいは情報類を利用するに当たって、特定の料金によって料金を取っていくという形でこの事業に収益性を持たせるようにしていきたいと考えておりますけれども、一応私どものもくろみでは、スタート後五、六年で期間損益がとんとんになるというような形に持っていきたいと思っております。したがいまして、それまでの累積赤字分の償却はもう少し日がたつことになると思いますので、今回のプロジェクトを始めて十数年たった段階で、全体としての累積赤字もなくするような形で持っていきたいというふうに一応考えております。
○西中委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、この面においても、財政の厳しい状況の中でございますので、しっかりした計画を立ててできるだけ早く償還する、こういう方向で努力を願いたいと思います。 そこで、我が国の情報産業の保護育成策というものがかねてから行われてきたわけでありますけれども、大ざっぱに言って電振法であるとか情振法であるとか機電法であるとか機情法、こういう流れの中で政府の補助金がかなり出ていると思うわけでありますけれども、どの程度の金額になっているのか、ソフトとハードに分けて御説明いただきたいと思います。
○木下政府委員 昭和三十年代の初めから機械工業に関してはその振興法、事業法をずっとやっておりまして、それに関連していろいろな助成策を講じてきておりますが、今ちょっとその数字全体をまとめておりますので……。 たくさんございますが、主なものだけについて申し上げさせていただきたいと思います。 昭和三十年代でも高性能大型電子計算機の開発の補助金を出したり何かしておりまして、それが約四億円。それから四十年代に入りまして超高性能電子計算機の開発委託費ということで約百億円。それから昭和四十六年度から五十五年度にかけましてパターン情報処理システムの開発ということで、これも委託費でございますが、約二百二十億円。それからコンピューターの自由化対策ということで昭和四十七年度から五十一年度までいろいろな補助金を出しております。例えば新機種開発促進とか周辺装置等の開発促進補助金とか、そういう種類のものを出しておりますが、そういうものを合計しまして約六百八十六億円。それから第四世代電子計算機の基本技術開発ということで昭和五十一年度から五十八年度にかけて、具体的には大規模集積回路の開発とか基本ソフトウエア技術開発及び新周辺末端装置技術の開発というようなもので五百十三億円。それから光応用計測制御システムの開発、これは昭和六十年度まででございますが、これが百二十四億円。それから科学技術用高速計算システムの開発、これに約七十三億円。それから次世代産業基盤技術開発制度に対して約六十三億円。それから電子計算機基礎技術開発、いわゆる第五世代コンピューターでございますが、これは三年間分を合わせまして約百三十億円、そのような金額でございます。
○西中委員 トータルをお伺いしたかったわけでございますが、出ないようで非常に残念であります。 日本のソフトウエアがアメリカに比べて非常におくれておるということはよく耳にするし、しばしば口にもするわけでありますけれども、一体どのくらいおくれておるのか、そしておくれた理由は一体何なのか、この辺のところをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○木下政府委員 先ほど資料を項目ごとに御説明申し上げてしまいましたが、現在まで総額として、ハード関係で約千九百億円、それからソフト関係で三百億円くらいの補助を昭和三十年代以降しております。 それから、我が国のソフトウェア開発が欧米諸国、特にアメリカに比して劣っている理由でございますが、我が国のソフトウエア開発につきましては、近年かなりの進展は示しておりますけれども、まだ格差があるのは事実でございます。その理由といたしましては、我が国のコンピューター技術の歴史が浅いということ、それから市場におけるソフトウエアに対する評価が十分に行われていなかったこと、先ほどから申し上げておりましたように、ソフトウエアに対する国民全体の評価が十分でなかったということがあって、欧米諸国に比しておくれておるということが言えようかと思います。
○西中委員 ことしの二月にIBMが汎用コンピューター、シエラを発売した。間髪を入れずに日本のメーカーがそれを上回る機械を出しておる。非常に力強いのですけれども、ソフト面でいきますとIBMのオペレーションシステムの方がどちらかといえばやはり上だ、こういうような状況ですね。先ほど私は政府の補助をお聞きしたわけですけれども、ソフトに対する通産省としての取り組みもどうもハードほどではなかったのではないか。初期の段階ではコンピューター本体は言うに及ばず、部品、半導体その他の問題について、どうしてもそちらの方に力が入るという事情はよくわかるのですけれども、ちょっとその辺のかじ取りがどうだったかなというような感じもしないわけではないのですが、その辺はいかがでしょうか。
○木下政府委員 私が先ほど申し上げました数字をちょっと訂正させていただきたいと思います。千九百億円の内訳として、三百億円くらいのソフトの開発の関係の補助金を出しているということでございます。したがいまして、この金額から申し上げますと、千六百億円がハードに行って、三百億円がソフトに行ったということでございますから、金額的には確かにハードの部分が大きかったと思います。 ただ、私どもとしては従来からソフトウェアの重要性というのは十分認識しておりますし、特にコンピューター自身を動かす基本的なソフト、いわゆるオペレーティングシステムの重要性というものは認識しておりましたので、昭和五十一年度から五十八年度の第四世代電子計算機の基本技術開発というものの中では、このオペレーティングシステムの開発の補助金も出しておったわけでございます。
○西中委員 次に、このソフトウエアの需給についてお伺いしておきたいと思います。 我が国のソフトウエア技術者は四十一万人と言われておりますけれども、いわゆるプログラマーの不足、これは各方面に深刻な悩みとなっております。この需給ギャップというもの、これはどういう現状にあるのか、そして将来の予測はどのようになさっておるのか、まず伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 現在、コンピューターに対する需要、過去五年平均いたしますと約二〇%くらいの割合で伸びておりますが、ソフトウエアに対する需要は、コンピューターの設置台数の伸びよりも上回っておりまして、毎年二五、六%の伸びということになっております。 したがいまして、これだけ急速な伸びを示しておりますソフトウエアの需要に応じて、もし技術者をふやしていくというようなことをやるとすると、技術者につきましてもある程度の生産性の向上は見込めますが、現在四十万人くらいいますシステムエンジニア、プログラマー等を、五、六年先には百五、六十万人まで持っていかないと間に合わないというようなことになるだろうと思います。これは過去の趨勢をそのまま伸ばしていった数字でございますので、現実にそれだけの人間を集めることができるかというと、実際上非常に難しいかと思いますので、集めることができなければ、それだけのソフトウエアの供給ができない、供給ができなければ、結局コンピューター、ソフトウェアをそれだけのテンポで今後も伸ばしていくことは難しいということになろうかと思います。
○西中委員 どちらへ参りましても、この需給のギャップというものは深刻な状況でございまして、それだけにやはりこのシグマシステムというものが、いわば起死回生の手段として何とかこのクライシスを回避しようというあらわれだろうと思いますけれども、これがある程度完成といいますか、開発されて、生産性がどれくらい上がるのか。それから、今おっしゃっておるクライシスを回避するために十分なる機能を果たすことになるのか、この辺はどういう判断をなさっておるか、伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 コンピュータープログラムをつくりますにはいろいろな過程があるわけでございますけれども、最初から設計をしましてプログラムをつくっていって、最後はテストをして、うまく動くかどうかをテストした上で、それを需要家に渡すという過程がございますが、最初の設計段階の方は、なかなかその設計段階というか、こういう仕様でつくっていこうというような段階は、やはり人間が物を考えなくちゃいけない部分が非常に多うございますので自動化しにくいわけでございますが、あとどんどんコーディングをするとか、それから、できたプログラムがいわゆるバッグがないかどうかというようなテストをするとか、そういう部門になりますと、機械化が非常にできやすくなる、そういう部門の機械化をコンピューターによって進めるということにいたしますと、私どもとしては現在よりも四倍ぐらいに生産性を上げることができるのではないかというふうに期待しておるわけでございます。
○西中委員 四倍ぐらいに上がって、クライシスは回避できるということですか。
○木下政府委員 日本全体でつくられるコンピュータープログラムが、全部ここの情報処理振興事業協会のこのシステムを利用するということになれば、観念的には百六十万人ぐらい必要な技術者の数が、四分の一で足りるということになるわけでございましょうが、実際にはそういうことは考えられないわけでございますけれども、ただ四倍に生産性を上げることができればソフトウェアクライシスの改善には相当に役立つというふうに考えております。
○西中委員 そこで、この開発は極めて難しい開発だというように伺っておるわけですが、先行しておる国なり研究者なり、そういうものがあるんじゃないかと思いますけれども、その辺の事情はどうなっておるのでしょうか。 それから、そういう人たちと協力してやっていくということも一つの手だと思うのですが、その辺のところの状況を御説明いただきたいと思います。
○木下政府委員 このソフトウエア危機という問題は、単に日本だけではございませんで、世界的に危機意識というのはあるわけでございます。アメリカにおきましても、同じようにソフトウェアをつくるのに大変に人手をかけているということで、それを自動化したい、機械化したいという意欲が非常に高いわけでございまして、これは非常に特定の分野でございますが、アメリカの国防省でも、国防関係に使っておりますソフトウエアの生産性を上げるために、いわゆるスターズ計画というような計画を進めているというふうに聞いております。 そのようなことで、日本として始めようとしておりますこのシグマ計画に対しましても、各国としては非常に関心を持ってきております。 私どもとしては、このシグマ計画を進めるのは、単に日本の企業だけで、しかも日本のためだけにあるということを考えておりませんので、もしその必要あれば外国企業の参加も求めるということで考えておりまして、今のところ、アメリカのATTがこの私どもの計画に協力したいということを申し出ておりますので、そういう意味でATTとの協力も進めたいと考えておりますし、また西独の、ちょうど日本のIPAに当たるような機関からも、日本と一緒にやりたいというようなことを言っておりますので、そういう機関とどのような協力ができるかを現在検討中でございます。
○西中委員 そこで、この開発の体制でありますけれども、IPAではどういう体制でこの開発を行おうとしておられるのか、御説明いただきたいと思います。
○木下政府委員 この法律が成立いたしましてシグマ計画をIPAでやることができましたときには、シグマ計画推進本部というような本部をつくりまして、そこで一つの別働隊みたいな形でこの計画を推進したいと考えておりまして、その本部には関係、協力する会社あるいは出資をする企業等から専門家を出していただいて、二、三十人ぐらいの組織で進めたいというふうに考えております。
○西中委員 これは本部をつくられて、その中に人を集めるという形になるわけですか。というのは、このシグマ計画というものは極めて高度の研究開発でありますから、人を集めるとなると、やはり民間会社の協力を要請しなければならぬ。その場合に、技術者としてはトップクラスの人を集めなければならないということだと思うのですね。ですからこれは民間企業にとってもなかなか負担のかかる話だそうで、やはりこの辺のところの運営はかなり考えていかなければならないんじゃないかと思うのですね。もう一度御説明いただきたいと思いますが。
○木下政府委員 確かにおっしゃいますように、こういう関係の技術者というのは、民間各企業にとっても貴重な存在でございますので、その方々に全部こちらに、事業協会の方に来ていただいて仕事を進めるというのは必ずしも適切ではないのかもしれません。 今度の法律改正の中では、業務の委託ができるような規定も入っておりますので、私どもとしては本部にはできるだけ、最低限の方々に集まっていただいて、あとはその関係企業のそういう技術者の方々にうまくその企業の中でこの事業に参加していただけるような仕組みを、関係企業の方々と御相談しながら考えていきたいと考えております。
○西中委員 各企業ともトップクラスの技術者を手放すというか提供するということは非常に問題があって、自分のところの商売の方に使いたい、研究に使いたい、当然だろうと思うのですね。この辺のところは十分な配慮が必要ではないかと思っております。 そこで、次に融資業務について伺っておきたいと思うのでありますけれども、この融資業務は、まず電算機の「共同利用のうち事業活動の効率化に特に寄与すると認められる態様の共同利用に用いられるプログラムの開発に必要な資金の貸付けを行うこと。」こうなっておりますが、具体的にはどういう条件で貸し付けをなさるのか、お伺いしておきたいと思います。
○木下政府委員 この低利融資の条件でございますが、初年度の融資規模、全体としては十二・五億円ぐらいのものを考えておりまして、金利といたしましては五%程度、期間については三、四年を考えております。 いずれにいたしましても、事業者のニーズや原資等を勘案いたしまして実効ある融資制度を確立したいと考えております。
○西中委員 こういうプログラムの開発に充てる資金でありますから、その性格上からいきますと、やはり時間がかかるという点、そして特に、この種の事業で融資を受けようとされる方はこれからは中小企業が中心になるのではないか、こういうように思うのですね。したがいまして、今条件がありましたけれども、もう少し手厚くして、据え置きを一年なり二年なり考えていくということも大事ではないだろうかと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○木下政府委員 融資期間というのは、その融資の対象となる事業がどのくらいかかるかということとの関連において決まるものでございますので、こういうソフトウエアの開発については、三、四年というものであれば私どもは適切な期間ではないかと考えております。 それから、融資金利の点につきましては、五%も中小企業者に対しては高いじゃないかという御指摘かもしれませんが、御承知のように、中小企業金融公庫や商工中金あたりが中小企業に貸しております金利は七%台でございまして、もっと高い金利でございますので、私どもとしては、五%の金利ということになると相当優遇したものではないかと考えております。
○西中委員 この種の仕事というのはやはりリスクが伴っておるわけでございますから、普通の製造業とかその他と横並びで物を考えていくということは無理があるのじゃないかという気がしないわけではない。できれば御再考を願っておきたいと思います。 そこで、今度は債務保証の問題でありますけれども、これは新たに、今までの債務保証以外に技術者の技術向上のために必要な資金を追加する、こういう措置をとられることになるわけですが、具体的にはどういうことになるのか、何か条件があるのか、伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 今回の債務保証の対象の拡大は、従来やっておりませんでした一般企業、いわゆるユーザー企業におけるシステムエンジニア、プログラマー等、プログラムの開発に関する業務を行う人たちの技術向上のための教育研修の費用の融資のための債務保証でございまして、保証の範囲は融資額の九五%、保証料は保証元本の〇・七%という条件を考えております。
○西中委員 今御説明もありましたけれども、いわゆるプログラム開発に携わる技術者の技術の向上のために教育研修、その費用に充てるんだ、そういう条件だ、こういうお話なんですが、この場合の技術者というのは一体どういう人を指しておるのかということが明確でないと思うのです。御説明いただきたいと思うのです。 というのは、中小企業の場合ですと、二、三カ月訓練してそのまま第一線にほうり出すというような、非常にレベルの低いところからどんどん現場に出しておるというのが実情ですね。しかし、高度なプログラム開発に携わる技術者ということになれば、これは二年、三年とやはり経験を経て出てくる、こういう技術者ですね。ですから、技術者といったって、今申し上げたようにわずかな期間で教育する、こういう技術者もあれば、長期にわたって教育研修する技術者もあるわけなんですね。これはどっちの方ですか、全部ですか、対象は。
○木下政府委員 対象としては両方考えております。一般の企業でいわゆるプログラマーを初級のところから研修していくのに約二年ぐらいかかるそうでございますけれども、そういう研修を受ける方々のための資金の債務保証もございますし、それからもっと高度になってシステムエンジニア等、高度の技術を身につけるというための研修費用、両方を対象としたいと考えております。
○西中委員 もうちょっと確認しておきたいのですが、今のお話はよくわかりましたが、あくまでもこれは研修、教育費のための債務保証なのか、人件費補助的な性格はあるのかないのか、その辺はどうなんでしょうか。
○木下政府委員 人件費に対する補助的な要素は全くございません。教育研修に対してかかる費用を借りるときの債務保証でございます。
○西中委員 今日まで債務保証を続けてこられたわけでありますけれども、その実行件数は、どちらかといえば年々減少しているような感じもしないわけではないのですが、それは一体どういう理由によるか、お伺いをしておきたいと思います。
○木下政府委員 確かに御指摘のように債務保証の実行額というのは昔に比べて少なくなってきております。これは、従来金融債の引き受けということをやっておりました、その金額とリンクしておりました関係で、その金融債の引き受けの規模が縮小されてきたということもあって、全体としての債務保証額も小さくなってきたということが言えると思います。ただ、その金融債とのリンクを最近取りましたので、今後は普通の市中銀行からの融資というような形のものに対する債務保証もできるようになりますので、今後はまだこの制度の活用がふえていくと思います。 それからもう一つ、原因としては、保証料率もありまして、保証料率と融資金利を足したものの、いわゆる広い意味での金利負担、これが高いために利用がしにくいという面があったと思いますので、保証料率の点についても今後もし可能であれば引き下げる方向も検討してみたいと考えております。
○西中委員 そういった点の改善をひとつ十分やっていただくことと、もう一つ、債務保証の手続が非常に煩瑣だという声があるのですね。今度は融資業務も加わるわけでありますけれども、簡素化、迅速化、これが強く望まれておるわけでありますけれども、これに対して対応をどうお考えか、伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 従来は金融債の引き受けと関連がついておりましたために、手続上、通産省に個個の案件で聞いてくるというような形があったために非常に手続が煩瑣になっていたのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、今後金融債との関連を切った形で運用したいと思っておりますので、すべての手続はIPAにゆだねて、通産省としては個々のケースについてタッチしないという形にいたしまして、手続をできるだけ簡素化し、借りやすいものにしたいというふうに考えております。
○西中委員 そういった点の改善を強く要望をしておきたいと思います。 そこで今度は、ソフトウエアのおくれを取り戻すという意味も含めまして、さらにはまた、これからの社会がいや応なしにコンピューターのといいますか、情報通信社会に突入をしていくという背景から考えまして、学校教育という点でやはり問題が起こってきていると思います。そういう点で、今後の学校教育をどういうふうにしていったらいいのかということ、これもいろいろ考えがあると思うのですけれども、大臣に何かお考えがあれば伺っておきたいと思います。
○木下政府委員 コンピューターが社会の各方面に利用されるようになってまいりますと、先ほど申し上げましたように、コンピューターの操作に従事する人あるいはソフトウエアをつくる人ということで非常に広い範囲で人材が必要になってくるわけでございます。 それと同時に、家庭にまでコンピューターが入るというようなことになってまいりますと、コンピューター自身をみんなが使えるような形になってこなくてはいけないというようなこともありまして、私どもとしては、学校教育の中でコンピュターの利用が読み書きそろばんみたいな形で今後使われるようになることを考慮した学校教育をやっていただきたいというような感じを持っております。既に、アメリカあるいはヨーロッパ等の一部の諸国においてはコンピューターを小中学校の教育課程に入れて教えているというところもふえてきているというふうに聞いておりますので、私どもとしては、文部省にお願いいたしまして、文部省の方でいろいろとこういう新しいコンピューターの教育問題等を前向きに検討していただくようにお願いしておるところでございます。
○西中委員 これは新聞のデータでありますけれども、正確かどうかわかりませんが、我が国の場合、公立てありますけれども、小中学校三万六千校中、設置は四校だ、高校は五千二百校中、設置は三百八十校だ、大体七%、こういうような状況です。若干数字が違いがあるかと思いますけれども、極めて低い設置率であることは間違いないと思います。一方アメリカでは、一九八三年まで、公立学校八万五千校中、約七割、五万六千校に三十三万台のコンピューターが入っております。一校当たり六台平均ということですね。一両年中に全米の全教室に導入される見通しと言われております。 このような義務教育段階へのコンピューターの計画的導入ということは、アメリカのみならず、カナダ、フランス、イギリス等の先進諸国、さらには韓国、シンガポール、フィリピン、インドなどの国々も、国の発展のためには不可欠の問題であるというように考えておるように伝えられております。こうした世界の趨勢から見て、日本のおくれというものは深刻な問題として認識をしておく必要があると私は思っております。 そこで、この状況に対しまして、文部省は一体どういう認識をし、今この問題についてどういう取り組みをしておるのか伺っておきたいと思います。
○遠山説明員 情報化社会が進展してまいりまして、今後の社会がいや応なしにコンピューターとのかかわりを要する社会になるということは十分考えられるところでございます。 そのような社会におきまして、学校教育のみがコンピューターと無縁ということはできないというふうに考えております。ただ、学校教育、特に小中学校におきます教育といいますものは、国民として必要な資質を培うという要請がございますし、また、児童生徒の知徳体の調和のとれた教育を展開する必要があるわけでございます。そのために、教育内容も基礎的、基本的なものに精選しているという現在の状況があるわけでございます。 したがいまして、学校におけるコンピューター教育がどうあったらいいかということを考えますにつきましても、このような学校教育の目的に照らしまして、また、児童生徒の発達段階というものを十分考慮した上で、なおかつ将来における情報化社会においての適応力を身につけ、あるいはその社会においての力を発揮し得るような知識、技術をいかにして身につけさせるかということは大きな課題というふうに考えております。 このために文部省では、去る二月に情報化社会に対応する初等中等教育のあり方に関する調査研究協力者会議というものを発足させました。ここにおきましていろいろな専門家の御意見も伺いながら、今後の学校教育におけるコンピューター教育のあり方を含めまして、コンピューター利用のあり方を幅広く検討していただき、それにのっとって対策を立ててまいりたいというふうに考えております。
○西中委員 おっしゃるように、やはり教育というのは今日まで一つの流れの中であって、バランスのとれた人間を育てるという点では、こういう新しいものを導入するということは非常に難しい問題だと思うのです。健康上の問題もないとは言えないと思います。しかしながら、この種の問題は二十一世紀にかけまして、我々の年代ですとかなり抵抗のある問題でありますけれども、まず水か空気ぐらいの感じてこれを処理していけるようなことでなければ、なかなか大変なことになると思うのですね。ですから、教育効果を高める上からいっても、職業の選択の拡大という面からいってもいろいろな要素を含んでおるわけでございますから、慌てる必要はないと思いますし、拙速に陥ったらまずいと思いますが、しかし、反面では世界の流れが教育面でもこの問題が非常に強く入ってきておるということを考えたときには、当面のソフトウエアクライシスの問題にすぐ結びつけるつもりはありませんけれども、しかし、二十一世紀を見たときには、大きなおくれになったときには取り返しがつかないという感じも深くいたしておるわけでございまして、これはひとつ通産大臣も、文部省の問題なんということじゃなくて、政府として強力な取り組みをするように、ぜひ力を尽くしていただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○村田国務大臣 コンピューターの問題をめぐって学校教育の問題にお触れになって御質問いただきました。 先ほど来、通産省の政府委員からも、また文部省の方からもお答えがあったわけでございますが、まさに考えてみますると、私どもの子供の時代、育った時代のいわゆる読み書きそろばん、そして今の時代のコンピューター、非常な時代の差があるわけでございますが、人間としての適応力という意味からいいますと、今の子供がコンピューターに対しては非常に速い適応力を持っておる、そろばんに対しては我々が非常に速い適応力を持っておる。頭の中で考える場合は、むしろ私どもの子供のころの方がはるかに速かったのではないかということをときどき思うことがあるのでございますが、いずれにしても西中委員御指摘のように、西欧社会においても、あるいはその他の国々においても、コンピューターに対応する二十一世紀に向かっての教育ということは本当に大切な問題でございます。 したがって、当面、教育の衝に当たる文部省は言うまでもありませんが、内閣全般としてそういった問題は情報化社会に対応する教育のあり方ということで考えなければならないのでありまして、通産省の場合は産業を所管しておるわけでございますから、そういった将来の産業のあり方等も考え合わせながら御指摘の点にしっかりと対応していかなければならぬ、このように考えております。
○西中委員 時間が参りまして、あとソフトウエアの法的保護であるとか安全対策とかに触れたかったのでありますが、以上で終わりたいと思います。 ただ、今の問題で重ねて要望しておきたいのは、これは政府挙げての施策でなければならぬと思っております。とりわけ通産省としては、所管しておるだけに、学校にこういうものを設置するならば設置する者に対しては減免措置を考えるくらいの、また、非常に価格の安いものを提供させるという強力な支援をやっていくんだというくらいのお取り組みをいただくように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○粕谷委員長 これにて西中清君の質疑は終わりました。 続いて、草野威君の質疑に入ります。草野威君。
○草野委員 初めに基本的な問題につきまして一、二お尋ねをしたいと思います。 高度情報化社会への対応の基本的なあり方、こういうことであります。 今日、情報化の進展は、第四世代に達したコンピューターの発達、また、光ファイバー通信回線など通信網の普及、その接合による多種多様な利用形態等によりまして極めて日覚ましいものがあるわけであります。コンピューターの本格的導入はほんの三十年ほど前のことでございますけれども、産業界では既に、製造部門また事務部門はもとより、流通販売部門にも及びまして、また、中央地方の行政、社会の各部門、さらには家庭まで及びつつあるわけでございます。このような情報化はますます進展の度を加えて高度情報化社会が構築されていくものだ、このように認識しているわけでございますが、本日も、高度情報化社会、こういう問題につきましてあらゆる角度からの議論がございました。私どもが観念的にとらえる範囲内におきましても、家庭生活、また社会経済全般に及ぼす影響ははかり知れない、こういうものであると思っております。 そこで、我々の世代以上の者はともかくとして、これから成長してくる若い世代の人たちにとっては、人間としてのあり方にまでいろいろな影響が出てくるのじゃないか、重大な影響があるのではないか、このように思われるわけであります。もちろんこうした問題は通産省だけの問題ではないと思います。しかし、通産省といたしましても、第五世代コンピューターの研究開発とかまたソフトウエア技術の開発、ネットワーク化の推進、高度情報化社会の構築への取り組みに当たりまして、常にこういうことを問題意識として持って対処することが非常に重要ではないか、このように思うわけでございますけれども、大臣の御見解をまずお尋ねしたいと思います。 〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○村田国務大臣 基本的な問題でございますからぜひお答えを申し上げたいと思います。 今の時代を一体どういう時代と考えるのかという問いかけに対しまして、例えば情報化時代だ、インフォメーションエイジだ、それからまた、電子工学時代だ、エレクトロニクスイアラである、そういう規定の仕方があります。また、ダニエル・ベルは脱工業化社会だというような規定の仕方もしております。まさに私は考えるのでございますが、ジェームス・ワットが蒸気機関を発明して産業革命が西欧社会を基点として起こった。考えてみますると、それは十八世紀の後半でありますから今から二百数十年前のことでありますが、そして近代国家が世界にたくさん成立をしました。 ここへ来てまた世界を一変させるような新しい時代が到来をしておる。それは何かと言えば、今申し上げたような電子工学時代であり、情報化時代であろう。まさに委員が御指摘になられましたように、二十一世紀まであと十数年でありますけれども、電子工学あるいはエレクトロニクス、情報化産業時代、こういう新しい時代の到来によって地球の様相が一変をしようとしておる、人間生活が一変しようとしておる、そういう印象を我々も肌に触れて感じるわけでございます。 日本の場合は明治以来、農業社会に新しい近代国家としての工業が発展をしてきたわけでございますけれども、戦後四十年の発展というものは、昭和以前の発展を全く一変させるような形が出てきたわけでございます。したがって、この高度情報化社会においては、社会のあらゆる分野を有機的に結合する情報システムが構築をされておる、そして多様なサービスが提供されるなど、非常に大きな恩恵が期待をされるわけでございます。 しかし、その実現のためには、ソフトウエア危機への対応でございますとか、電子計算機安全対策の推進などの解決しなければならない問題がたくさん存在すると同時に、情報化に対する国民的なコンセンサスの形成というものも不可欠になってまいるわけでございます。したがって、御指摘のように、これは通産省だけで対応する問題ではございませんけれども、通産省は特に産業社会というものに対応するという意味で極めて重要な役割を持っておる、そういう使命感を私は持つのでございますが、今申し上げましたような認識の上に立って今後とも健全な高度情報化社会の円滑な実現、国内そしてまた国際社会に向かって努力をしてまいりたい、こういうような考え方でございます。
○草野委員 情報化社会を迎えるに当たりまして数々の問題点を含んでいる、このことにつきまして大臣からも今お話があったとおりでございますが、私はこういう観点からお尋ねをしたいと思います。 それは、我が国の情報化は電子計算機の急速かつ順調な進展とは別に、従来とは違った異質の問題を今いろいろと抱えている。例えば、今お話のございましたソフトウェアコストの増大だとか情報化社会の脆弱性の増大だとか、また電子計算機の高度かつ多様な利用展開に伴う問題等、こういうものが挙げられているわけでございます。これらの諸問題は火急の対応を要するものばかりでございますが、従来とは異なった新たな視点に立った総合的な施策の展開が極めて重要なものだ、このように指摘されているわけでございます。 このような状態で現状をこのまま放置しておくと、高度情報化社会の実現の陸路となるおそれのあることは御承知のとおりでございますが、今日のような状況は情報化の初期の段階から既に予測をされて、またその対応について指摘がされてきたところでございまして、今日このような事態に至った要因等につきまして、政府のお考えを伺いたいと思います。
○木下政府委員 ソフトウエア危機という言葉自身は、コンピューターを使い始めて割に初期のころから言われていたことでございまして、それは、コンピューターを動かすためにはどうしても人手をかけたプログラムをつくっていかなければいかぬということがあって、そういうようなことを言われておったわけでございます。 ただ、現実的な問題として危機の問題が大きく取り上げられるようになりましたのは、一九七〇年代の後半ぐらいからかと思います。そのころからコンピューターの利用がオンラインということで通信回線を通じて広範に利用されるような事態ができてまいりまして、そのようなときからこのソフトウエア危機の問題というのが出てきたわけでございます。 通産省といたしましては、そういう問題意識は既に当時から持っておったわけでございまして、ソフトウエア生産に係る技術開発あるいはソフトウェアの流通促進ということで汎用プログラムの流通促進あるいは技術者の養成というような施策を講じてきておりましたし、また第五世代コンピューターの計画自身も、第五世代コンピューターがソフトウエア危機に対応するコンピューターであるという認識のもとにそういう第五世代コンピューターの開発も始めてきたわけでございます。 ただ、最近に至りましてコンピューターが急速に社会各般で利用されるようなことになってまいりまして、ソフトウエアの需要が爆発的に増加しているということ、それからそれに反しましてソフトウエアの生産工程の自動化、機械化が不十分である、したがって、生産性も上がらないというような情勢ができてきておりまして、従来観念的に言われておりましたソフトウエア危機という問題が現実的な問題になってきたというふうに私どもは認識しております。したがって、それに対する対応策もできるだけ早く講じなければいかぬということになってきておると考えております。
○草野委員 そういう中で今回いわゆるシグマシステムがスタートしたわけでございますが、IPA協会はこのソフトウエアの振興の分野では唯一の国家的な機関でございまして、民間の創意と自主性を十分に取り入れて昭和四十五年以来今日まで数々の事業を行ってきたわけでございますが、その業務の実績につきまして政府としてはどのような評価をなさっていらっしゃいますか。また関係業界のIPAに対する評価、こういうものにつきましてもどのように受けとめられていらっしゃいますか。この点についてまずお尋ねをしたいと存じます。
○木下政府委員 情報処理振興事業協会は、ソフトウエアの開発あるいはソフトウエアの普及、それからソフトウエアをつくります企業に対する債務保証というような事業を行うことによって、専ら情報処理の分野におけるハードではないソフトの部分を担当してそれを助成、促進する役割を担って活動してきたわけでございます。それで、法律ができまして十五年たつわけでございまして、例えば汎用ソフトウエアの開発についても二百二十五本というものを数えておりますし、最近におきましてはその開発されましたソフトウエアの普及も徐々に率が上がってきているというような状況でございます。 ただ、発足当初、汎用プログラムというものに焦点を置いてやりました開発事業、普及事業というものは、汎用プログラム自身に対する世間の評価がまだ十分ではなかったというようなこともあり、またソフトウェア会社のプログラムの開発についての技術力が十分でなかったというようなこともありまして、できたものは十分に普及されないという時代が続いたわけでございますが、最近に至ってはそういう汎用プログラムの有用性が十分に認識され、また十分に価値のあるプログラムがどんどん開発されてきているというようなことになってきておりまして、日本のソフトウエアの水準の向上には大きく貢献しているというふうに考えております。
○草野委員 この信頼性の問題だとか技術開発の問題でございますけれども、非常に向上してきた、また汎用プログラムの流通のおくれにつきましても、従来に比べるとこれも非常によくなってきておる、こういうような今お話がございました。しかし、これらの問題についてはまだまだ力を入れて取り組んでいかなければならない部分がたくさんあろうかと思いますけれども、特に今回のシグマシステムのスタートの中で、ソフトウェアの上級技術者の育成、これに力点が置かれているのではないか、このように思いますけれども、この技術者の養成の問題につきまして情報処理技術者試験制度、これが行われておるわけでございますが、現在はどのような形でこれが行われているか。また第一線の技術者が合格しにくいとか、また合格後のフォローがないため、せっかくの技術試験が陳腐化をするとか、このような問題が指摘されているわけでございますけれども、これらについてはどのように対処されようとしておりますか。
○木下政府委員 現行法におきまして、情報処理技術者試験を政府が行うというような規定がありまして、それに基づきまして昭和四十五年から毎年試験を行ってきておるわけでございますが、最近においてはその情報処理技術者試験に応募する人の数も非常にふえまして、五十九年度では十七万五千人、前年度比二〇・七%という大幅な増加を示してきております。累計といたしましては、四十五年以来九十七万四千人の人が応募してきております。 合格者でございますが、実際実務に従事しておる人たちがこの試験を受かるのは非常に難しいじゃないかという御指摘でございますが、最近は合格率が約一五、六%というようなことになっておりまして、五十九年度の合格者は二万人、累計の合格者は十万二千人というようなことになっております。昨年の合格率は、その応募率が二〇%の増に対して合格者の伸びは三四・八%ということでございまして、この試験制度に対する関心が高まると同時に、やはりその技術力を高めている技術者が全国的に広がってきているということが言えるのではないかと思います。現在、試験しております場所は九カ所でございますが、六十年度以降は希望が非常に多うございますので地方都市にも試験の場所を広げまして、各地におけるそういう技術者の方々の便宜を図り、この制度の充実を図っていきたいというふうに考えております。
○草野委員 この試験制度の現状につきましては今局長から御説明があったとおりであろうと思いますが、問題点として第一線の技術者が合格しにくいとか、その合格後のフォローがないためにせっかくの技術、知識が陳腐化をする、こういう問題が指摘されているわけですね。この点のお答えがなかったようですので、もう一度ひとつお願いいたします。
○木下政府委員 確かに合格率が一五、六%ということでございますから、現場で従事している人だから受かりにくいということじゃなくて、全体として非常に試験の合格率が低いということではないかと思います。私どもとしては、やはりあるレベル以上の技術を持った方じゃないと、合格率を上げるためだけに試験の制度をやさしくするということも適当ではないと考えておりますので、現在の技術水準を維持しながら別途教育等も実施して、その合格する人たちの努力に報いるような形に今後持っていきたいと考えております。 情報処理開発協会におきまして研修センターというのがございますから、私どもとしては、そういう研修センターを利用していただいて大いに技術の向上に努めていただく、あるいはそれ以外の各種の専修学校等で最近はコンピューターの技術者の養成等もやっておりますので、そういうところでできるだけ系統的に勉強していただいて高いレベルの技術を習得し、この試験に合格していただくように持っていきたいというふうに考えております。
○草野委員 じゃ今度は、ソフトウエア危機という問題につきまして先ほど来いろいろと議論がございました。 通産省の予測によりますと、ソフトウエアに対する需要が年率二六%増加するにもかかわらず、供給の方はせいぜい一七%くらいの伸びしか期待できない、こういうようになっているわけでございます。そして六十五年度には六十万人の技術者が不足する、まさにソフトウェア危機である、このように指摘されているわけでございますが、このような状況を生じた背景には我が国のコンピューター業界の特殊な事情がいろいろと存在するものと思うわけでございますが、いわゆるソフトウエア危機を招いた背景、こういうものについて通産省はどのように考えておられますか。
○木下政府委員 ソフトウエア危機等の問題というのは単に日本だけの問題ではございませんで、アメリカを初めとして世界各国において同じような問題点が指摘されておるわけでございます。したがいまして、コンピューターが今のようなコンピューターである限りにおいては、コンピューターの利用が高まっていけば当然ソフトウエアに対する需要も高まって、そのソフトウエアの生産がうまく自動化できない限りにおいてはそこで人手が足りなくなるという問題は必然的に起こってくる問題かと思います。 最近特に日本においてこの問題が深刻に受けとめられ始めましたのは、具体的にコンピューターを注文し、ソフトウエアを注文しても二年くらい待たないと実際上ソフトができてこないというような事態もよく指摘されるようになりましたし、またコンピューター会社あるいはソフトウエア会社で人を集めようと思ってもなかなか必要な若い人たちが集まらないという事態になってきたということもあって、そういう点の認識が急速に高まってきていると思いますが、これは反面、今先生の御指摘にありましたように、コンピューターの利用が毎年二〇%という非常に高いペースで高まってきているということが根本にあろうかと思います。したがいまして、今のようなままでいけば、ソフトウェアの面から供給がなかなか難しくなって、全体としての情報化のペースをおくらさざるを得なくなるということになるのではないかと考えております。
○草野委員 この問題は日本だけの問題ではない、世界的な問題であるということでございますが、先日の資料の中で、米国のBWベームの研究によりますと、八五年にはソフトコストの割合は八割に達する、このようになっているわけでございます。我が国の場合、この比率は将来どのようにこれから変化するか、どのように予測をされていらっしゃいますか、この点が一つ。 それからもう一つは、汎用ソフトウエアの普及率は日本は五%である、アメリカの場合は五〇%、このように言われているわけでございますが、今後はこれがどのように変わっていくか、この二点についてお尋ねをいたします。
○木下政府委員 アメリカにおいて情報処理コストの中で占めるハードとソフトの割合が徐々にソフトの割合が高まる方向に向かうという図は非常に世間で一般に使われておるものでございます。 これは一方で、ハードウエアの方が半導体のコスト低減によって値段が下がっていくということに反しまして、ソフトウエアの方は人手を使うために人件費が上がればコストはどんどん上がっていくということの結果と、それからもう一つは、コンピューターのシステム自身が非常に複雑になってまいりますと、機械をつくるよりもむしろソフトをつくるためにますます手間がかかるようになってくるという事情を反映したものだと思います。 それから、そういうようなことでアメリカではソフトの割合が八割に達していると言われておりますが、その八割に達しているものの中でもいわゆるユーザーサイドでメンテナンスのために必要なコストがまたその六、七割に達しているということでございまして、ソフトウエアの負担は単にメーカーやそのソフトウエア産業の問題だけじゃなくて、ユーザーにおいても大きな負担になってきております。これは現実に、日本においても銀行等においてそういう関係が非常に大変になってきたという認識が高まってきているのはそれをあらわしていると思います。 ただ比率的に見まして、日本とアメリカと比べてどうかという御質問でございますが、日本の方がまだややソフトのウエートが低いということは言えるのじゃないかと思いますが、それでも三分の二くらいは既にソフトのウエートになっているとお考えおきいただいてよろしいかと思います。 それから、汎用ソフトウエアの比率でございますが、アメリカの場合には五十数%がいわゆるパッケージドソフトということで、汎用ソフトウエアでございます。ところが日本では五%に満たないということを言われております。この事情は、日本においてはコンピューターを導入する人たちは特別な目的を持って導入するものですから、したがってソフトも注文生産によってつくったものを使いたがるという傾向が従来からずっとあったわけでございます。ところがアメリカの場合には、比較的に他の会社で使っているものであっても、それが非常に有効であれば自分のところで使う。しかもその方がはるかに安いということであればそちらの方に向かうわけでございますが、日本の場合にはコンピューターというのは何か非常に特殊なものと考えられていたために、いわゆる注文生産のソフトがウエートが非常に高かったわけでございます。しかし、ソフトウエアの生産コストが非常に高くなってまいりますと、今後はソフトウェアの利用も、従来型のオーダーメード型から汎用型にどんどん変っていくのは必然の趨勢ではないかと思います。
○草野委員 協会の理事長さんにおいでをいただいておりますので、若干質問をさせていただきます。 IPAでは、今もお話がございましたように先進的、汎用的プログラム、これを三月末までに二百二十五本開発をしてきた。今までの開発費用は百四十一億ですかに上るというお話も先ほど来ございました。 そこで、大変具体的な問題で恐縮でございますがお尋ねをいたします。一本当たりの開発費はどのくらいになっておりますか、また最高、最低、平均、これはどのくらいになっておりますか。
○安達参考人 申し上げます。 御質問の一本当たりの開発費でございますが、これは五十七年度から五十九年度まで三カ年間の平均で出してみましたが、特定プログラム一本当たりの開発費は四千六百万円でございます。同時にそのとぎに中小企業向けのプログラムは二千六百万円となっております。 それから、最高開発費でございますが、特定プログラム二本につきましては一億二千二百万円、中小企業向けのプログラムにつきましては五千四百万円であります。 それから、最低開発費は一本の特定プログラムで千三百万円、中小企業向けのプログラムで千二百万円となっております。
○草野委員 平均はどうですか。
○原田参考人 お答え申し上げます。 平均は、この最近三年間の平均で申し上げますと約四千六百万円でございます。ただ中小企業向けのソフトウエアにつきましては五十八年度から別な形でやっておりますが、その中小企業向けのものだけを取り出しますと平均二千六百万円、そういう状況になっております。
○草野委員 中小企業向けの割合はどのくらいになっておりますか。
○原田参考人 五十八年度から新しくできた制度でもありますので、まださほど大きなウエートを占めておりませんが、全体の開発本数の中で約三割程度のウエートを占めております。
○草野委員 二百二十五本、二百二十五テーマといいますか、これを現在まで開発をされてきたわけでございますが、この二百二十五のうち何テーマぐらい現在まで販売といいますか普及といいますか、されたのですか。
○原田参考人 現在まで二百二十五テーマ完成したわけでございますが、そのうち、まだ開発したばかりで販売活動に入っていないものもございますので、それを差し引きまして現在までに販売されたプログラムの本数は百八十八テーマでございます。 それから、先ほど私、中小企業のウエートを三割と申し上げましたが、大変失礼申し上げました。中小企業向けの開発本数は三十本でございまして、したがいまして二百二十五本中約一三%でございます。
○草野委員 それから債務保証業務につきましてお尋ねをしたいと思います。 先ほど来いろいろ質疑がありまして、手続が非常に複雑であるとか、もっと簡素化できないかというような議論もございましたので、まずその点が第一点。それから保証料を含む金利は市中金利と余り変わらないというように指摘されているわけでございまして、その保証料につきましても現在引き下げの検討をされているようでございますけれども、どのくらいまで下げる予定でございますか。
○原田参考人 まず債務保証関係の手続でございますが、私ども、債務保証を行う場合に実態を見ておりますと、ソフトウエア業者に対するいろいろな指導面がどうしても出てまいります。そういった点も含めまして手続が複雑と申しますか、ある程度の手続が必要になっているわけでございますけれども、今後とも諸手続の簡素化につきましては、例えば必要な書類につきましても本当に必要な書類、ぜひとも必要な書類に限定するとか、いろいろ工夫を凝らしまして、なるべく手続を簡素なものにしていきたいと思っております。 それから保証料の引き下げの問題でございますが、これは協会の収入といった問題も片やあるわけでございまして、これは通産省ともよく相談をして今後どの程度の保証料の引き下げが可能になるか、よく検討してまいりたいと思っております。
○草野委員 保証料の問題につきましては、先ほども通産省の方で保証料の引き下げを検討しているというようなお話がございましたのでお尋ねしたわけでございますので、ぜひとも早急に検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それから、新規事業として資金の貸付業務を開始されるわけでございますけれども、この貸付業務はどこの部門でおやりになるわけですか。
○原田参考人 現在信用保証を担当しております信用保証部で担当することになると思っております。
○草野委員 このIPAの組織を見ますと、総務部、開発振頭部、信用保証部、技術事業部、職員の数は全部で四十六人になっているわけです。新規の貸付業務でございますけれども、信用保証部におきましては役付の方が三人、業務第一課、第二課で合わせて五人というような陣容になっておると思うのです。このくらいの陣容で果たして新規の貸付業務ができるのかな、大丈夫かなという気がするわけでございますが、この点はいかがでしょうか。それからもう一つは、委託業務にしてもよかったのじゃないかな、このようにも思ったわけでございますが、委託業務にしなかったその理由もあわせてお尋ねしたいと思います。
○原田参考人 従来から私ども信用保証業務を十数年実施いたしております。したがいまして、融資に関する審査業務につきましては相当の実績、経験を持っております。私ども当面は、一応新規事業全体につきまして二名程度の増員が認められているわけでございますが、その範囲内で十分に対応できるのではないかと思っております。なお、今後この業務が拡充していきます場合には、当然その体制の整備強化につきましては私ども努力をしていくつもりであるわけでございます。 それから、委託か直接かということでございますが、私どもはこういう非常に政策的と申しますか、政策色の強い融資につきましては直接に融資をする体制をとった方がよろしいのではないかと考えております。
○草野委員 シグマシステムがスタートするわけでございますけれども、IPAとしてこのシステムがスタートした場合どんな形でこれを進められるのか。それから当然これは企業からの研究員の派遣という問題もあると思いますし、企業からの出資、出捐金という問題もあろうと思いますけれども、この辺は今の段階でどのようにお考えになっておりますか。
○原田参考人 このシグマシステムは関係業界の総合的な力を結集いたしまして、できるだけ立派なものをつくっていきたいと思っております。そういう意味におきまして、この協会の中に開発本部といったようなものを設置いたしまして、そこには関係の業界からできるだけ優秀なスタッフに出向していただきまして、そこが核になりまして基本的な計画をつくったり全体の作業の進捗の管理を行う、こういったような体制で進めてまいりたいと思っております。 また、出資、出捐につきましては通産省ともよく相談をしながら進めていくわけでございますけれども、ユーザーあるいはソフトウエアあるいはハードメーカー、なるべく広い業界から御協力を得たいと考えております。
○草野委員 今の研究員の問題と出資、出捐金の問題につきましては通産省からお答えいただきたいと思います。 もう一つ最後に伺いたいことは、六十五年度から運用が開始されるわけでございますが、そうなるとIPAの中央処理センターと全国のネットワークが端末で結ばれましてさまざまなサービスが開始されることになりますね」その場合、例えば六十五年度なら六十五年度の場合、予想される端末機の数はどのくらいか。それから、その際の使用料はどの程度になるのだろうか。この辺の見通しについておわかりでしたら御説明いただきたいと思います。
○木下政府委員 六十五年度から構築されましたシグマシステムの運用が始まるわけでございますが、当初私どもとして端末として予想しておりますのは五千台くらい、将来はそれを一万台くらいの規模まで広げていくことも考えております。 シグマシステムの使用料につきましては、まだ具体的にシステムができ上がっておらない段階でございますので検討もしておりませんが、端末機器一台当たり百万円を超えるようなことにはならないようにしたいというふうに考えております。 それで、使用料の取り方でございますけれども、加入料に相当する固定料金と、それからシステム使用料に相当する従量料金との組み合わせになるというようなことで考えておりまして、最初にそれぞれのユーザーとの間で契約をして、ちょうど電話と同じような格好で固定料金をいただき、あるいは度数料金を時間に応じていただくというような形で運用していくことになるのではないかと考えております。
○草野委員 じゃ、次の問題に移りたいと思います。参考人の方、どうぞ、結構でございます。 次に、政府は産業の情報化につきまして、本改正案の成立によりましてビジネスプロトコルの統一だとかデータベースを含む共同企業間システムの構築に積極的に対応を現在しようとされているわけでございますが、そこで私はきょうは参考までに伺いたいわけでございますが、政府の各省庁また地方公共団体、こういうところでも現在コンピューターの利用が急速に進んでいるわけでございますが、情報処理コストも当然急増化しているわけでございます。そういう中で、プロトコルの統一だとかまたプログラム等の統一、基準化、こういうことも当然考えていらっしゃると思いますけれども、これらにつきまして現在どのようになっているか、また中央省庁におけるアプリケーションプログラムの保有数、こういうものもおわかりになりましたらひとつ御説明をいただきたいと思います。
○浦野委員長代理 安達参考人には長時間にわたり御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
○木下政府委員 昭和五十九年度におきまして、地方公共団体で電子計算機関係に要しました経費は約二千億円に達しております。非常に広い範囲でコンピューターを使った情報処理が行われていると考えられます。 それから、中央省庁でアプリケーションソフトがどのぐらいあるかという御質問でございますが、ちょっと私ども手元にその資料を持っておりませんので今すぐにはお答えできません。
○草野委員 自治省においでをいただいておりますので、若干質問をさせていただきたいと思います。地方公共団体におけるコンピューターの利用状況、その概要につきまして何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず第一点は、利用団体数それから利用台数それから経費、職員の状況及び最近の利用態様の特徴などにつきましてまず承りたいと思います。
○後藤説明員 コンピューターの利用状況につきまして、昭和五十九年四月一日現在における全地方公共団体、都道府県四十七に市町村三千二百七十八でございますが、それを対象にいたしましたコンピューター利用状況調査によりましてお話し申し上げたいと思います。 まず、利用団体でございますけれども、都道府県は全団体が導入利用団体になっております。市町村の場合には、導入利用団体が千四十八団体、委託利用団体が二千八十一団体、合わせまして三千百二十九団体が利用団体になっておりまして、全市町村の団体数に対しまして九五%を超える現状になっております。 それから、利用台数でございますけれども、現在二千二百七十三台、大型が二百六十五台、中型が七百十五台、小型が七百三十九台、超小型が五百五十四台でございます。ここ一年間で三百二十二台、一六・五%の伸長を示しております。 それから、経費でございますけれども、五十九年度の当初予算額で申し上げますと、千九百二十六億八千四百万になっておりまして、前年度に対しまして一五・三%の伸びになっております。 それから職員数でございますけれども、所属職員数が九千四百二十二人、それから委託先であるソフトウェアハウス等からの派遣要員、これが二千三百八十六人でございまして、合わせて一万一千八百八人となっております。 それからアプリケーションプログラムの数でございますけれども、都道府県の場合には、五十九年三月三十一日現在でございますけれども、十八万三千五百二十九となっております。市町村の場合には六十万二千九百九十でございます。合わせまして七十八万六千五百十九になっておりまして、ちょうど五十八年度中の一年間で十一万八千九百二のアプリケーションプログラムが増加しております。 それから最近の傾向でございますけれども、統計とかあるいは税務事務とか、こういった大量定型業務、これは都道府県の場合にはほとんど全部手がけております。市町村の場合にもほとんどの市町村でこれを手がけておりまして、最近におきましては財務管理等のいわゆる管理的業務ですね、そういう方向に処理業務の対象が移ってきております。それからオンラインシステムとか、いわゆるデータベースシステムあるいは漢字情報処理システムといった電算機の高度利用、こういうものを図る地方公共団体が増加する傾向になってきております。
○草野委員 私どもは日常例えば区役所へ参ります。住民登録票だとかそれから印鑑証明だとか、こういうものをもらう場合が多くあるわけでございますが、何しろ昔と違って最近は、もう行けば窓口ですぐ渡してもらえる、こういう状況に今なっているわけですね。今のお話を伺いましても、これはやはり地方公共団体のほとんど全部が、九十何%だというお話でございますが、ほとんど全部が今コンピューターを利用している、この結果だろうと思います。 そこで例えばアプリケーションプログラムですね、七十八万、都道府県と市町村で現在持っているということでございますが、ともかく地方公共団体が処理すべきこととされている事務の多くは、全部これは法律で定められているわけですね。したがって、その業務内容というものはほとんど似ているわけです。印鑑証明一つもらっても、全国どこへ行ったって大体同じようなものがもらえるわけでございますが、違うのは判こが右に押してあるか左に押してあるかくらいの違いでございまして、ほとんど同じようなものが統一されているわけですね。しかし実際にそこで使われているコンピューターのソフトウェアだとかプログラム、これはもう全然ばらばらである、こういう現状ですね、たしか。そこでいろんな問題もあろうかと思いますけれども、このソフト、プログラム等につきましては、やはりこれから早急に統一化また基準化、こういうものを推進をして、地方公共団体におけるいわゆる二重投資、こういうものを避けるべきじゃないか、こういう方向で検討すべきじゃないかな、このように私は思いますけれども、いかがでしょうか。 例えばこういうことの推進が地方自治体に対する中央政府の介入、こういう問題になるのかどうか、また業界の利害関係にも大きな影響を及ぼすようなことがあるのかどうか。さらにまた、私はこういう問題につきまして、これは地方行革の推進の立場から検討すべきじゃないか、こういう考え方も持っているわけでございますけれども、そこら辺につきましてあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○後藤説明員 先生御指摘のとおり同種の地方公共団体、都道府県なら都道府県、市町村なら市町村でございますが、同種の地方公共団体におきましては、その人口規模等にかかわらず、ほぼ同様の行政事務を行っておるわけでございます。したがいまして、地方公共団体が使用するコンピューターのソフトウェア、プログラムにつきましても、各団体の計画に基づいてそれぞれ独自に開発しているといったような問題点もございますけれども、標準的に規格化されたものを普及することによりまして、できる限り二重投資を避けるといったようなことなどをしまして、経費節減を図るということを検討する必要があるものと思っております。このような見地から御指摘の御趣旨に十分留意いたしまして、最後に御指摘ありましたような地方行革等の問題もございますので、今後とも地方公共団体の事務処理の効率化、情報管理システムの構築等、経営の近代化、効率化といったものに一層努力してまいりたいというふうに考えております。 最後にありましたような、地方自治に介入するようなことにならぬかということでございますけれども、こういった技術的なことにつきまして標準化等をして、その経費節減に対応できるように協力していくということにつきましては、そのようなことはないというふうに思っております。
○草野委員 これは大臣にお尋ねする問題じゃないと思いますけれども、地方公共団体だけではなくて中央省庁という問題も当然出てくると思います。そういうことで、もしこの問題について何か御感想がございましたらひとつお答えいただきたいと思います。
○木下政府委員 情報処理の問題は、今先生から御指摘ありましたように単に企業の問題だけじゃなくて、コンピューターを使っております地方自治体あるいは中央官庁の場合も同じ問題があろうかと思います。今自治省の方からお話ございましたけれども、同じような仕事をやっていて、プログラムが別のプログラムであるためにプログラムの開発費が二重、三重になっているじゃないかという御指摘は、確かにそういう面もあろうかと思います。これは一般産業についても同じようなことがあるわけでございますし、また中央官庁についても場合によっては、似たような仕事をやっているのに別々の役所が別々にコンピューター会社にプログラムを要求してそれをつくらせているということもあろうかと思います。それはすべて重複投資の問題とも絡む問題でございまして、私どもとしてはその汎用プログラムの普及という精神は、こういう官庁のコンピューターシステム、あるいはプログラムを導入する場合においても同じように生かされていくべきだし、生かすことによって地方、中央を通じて経費の節減を図っていくということは極めて重要なことだと思います。したがいまして、今後通産省といたしましても、コンピューターやソフトウェアを担当している役所といたしまして、こういうプログラムの汎用利用というものを大いに進めるようにいろいろと施策を考えていきたいと思っております。
○草野委員 最後に、ソフトウェアに対する法的保護の問題につきまして若干お尋ねをしたいと思います。 この法的保護の問題につきましては、過日、通産、文部両省は著作権法改正ということで基本的な合意を見た、このように伝えられているわけでございます。文部省にお尋ねをしたいと思いますが、著作権法の改正法案につきましては今国会に提案をする用意があるのかないのか、まずその点についてお伺いをしたいと思います。
○岡村説明員 コンピュータープログラムの著作者の権利の保護のあり方につきましては、通産省とお話し合いを続けてきておったわけでございますが、このたび、著作権法による保護でいくということ、及び今国会にそのための著作権法の改正案を提出するということにつきまして御理解をいただいた次第でございます。私どもとしては急遽の作業ということになるわけでございますが、全力を尽くしまして今国会に提出いたしたいということで今立案作業を進めている最中でございます。
○草野委員 この問題をめぐりましてかなりのいろいろな議論があったわけでございますが、これは国際問題とも非常に重要なかかわり合いを持っておりますので、きょうはその背景などについてまず通産省にお尋ねをしたいと思います。 このコンピューターのソフトウェアのいわゆる、この間六十年二月二十五日ですか、WIPO・ユネスコ合同専門家会合におきまして、その結果では、このソフトにつきましては著作権で対処する、これが世界の大勢になっている、こういうような報道がなされているわけでございます。しかし通産省からいろいろいただきました資料を読んでみますと、世界各国確かに著作権を認めている国がたくさんございますけれども、「著作権法による保護を認めつつも、それで対処できない問題を指摘する国がかなりあった。」このようになっているわけでございます。 そこで我々、ニュアンスとして世界のほとんどの国が、大勢が著作権で認める、こういうふうに報道されている面、それから、しかしそういう中で著作権を認めつつもそれで対処できない問題もかなりあるんだという通産省の意見、こういうところを含めて、この背景等につきまして通産省の御見解をひとつ承りたいと思います。
○村田国務大臣 コンピュータープログラムの法的保護の問題は、昨年四月二十七日の経済対策閣僚会議における「より良い権利保護の在り方につき、国際的調和にも留意しつつ更に調整を進めるものとする。」という決定を受けまして、通産省としては、本問題に係る国際的秩序形成に我が国が積極的に貢献するという立場に基づいて、内外関係者との調整を精力的に行ったわけでございます。このほど、WIPO、世界知的所有権機関における検討状況等に留意をしながら、本問題の処理の緊急性にかんがみ、次のような対応を図ることとして文部省とも合意に達したわけです。 その一つは「コンピューター・プログラムのよりよい権利保護の在り方については、今後とも中長期的観点から両省で協力して、国の内外の場において検討を続ける」ということ。それで、特に使用についての権利保護、保護期間の問題等があった。それから二に「当面の対応としては、著作権法の改正によりコンピューター・プログラムの保護を図ることとし、著作権関連条約の範囲内で通商産業省の主張を極力盛り込むこと。」、こういうことで合意をしたわけでございます。 〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕 実は、ことし二月十日、十一日と京都で開かれました四極貿易大臣会議のときに、この問題に関しましてブロック・アメリカ通商代表から、ぜひ著作権法の改正でいってくれという強い御要望がありました。そして、これは委員御指摘の点とまさに一致すると思うのでございますが、著作権法で保護される期間が非常に長いわけであります。五十年であります。コンピューター法だと期間が短いわけでございますので、そういったブロック通商代表とのバイラテラルの会談、私非常にこれを重要視いたしまして、文部省との対応その他につきましても、先ほど申し上げたような決定で結論を出しまして、そしてブロック通商代表とも連絡をとりましたところ、アメリカとしても日本のその決定に非常に感謝いたしますという親書が私のところに参りました。 これはアメリカの対応でございますが、先ほど申し上げた世界知的所有権機関のいろいろな検討状況その他から見ますと、やはりこの方法で現在はいくのが正しい考え方であるということで、先ほど文化庁からもお答えがありましたが、決定を見、この国会に著作権法の改正を出す、こういうことになっているわけでございます。
○草野委員 時間も参りましたので、通産省にまだいろいろお聞きしたいのですが、これで終わりにしたいと思いますが、ただ文部省に最後に一点だけお尋ねをしたいと思います。 定義の問題でございますが、この著作権法が保護してきた著作物ですね、著作者の思想また感情が他の人間に知覚され、その精神活動に影響を与えるような表現を持ったものである、我々としてはこういうような考え方を持っているわけですね。この定義について、これから当然その改正法案の中で定義というものがきちっとされると思います。この定義というものが明確でなければ、これからもいろいろな面で混乱のもとになると思いますので、この定義というものにつきましては、ぜひともひとつ慎重に、きちっと明確に定めていただきたいと思うのです。 そこで、本当に恐れ入りますけれども、きょうは、最後にこの点だけお答えいただきたいと思うのですが、例えば、コンピューターソフトウエアを構成するもろもろの要素がございますけれども、その諸要素の定義についてどのようにお考えになっているか。また、広義の意味におけるコンピュータープログラムの、三つのカテゴリーに分かれていると思いますが、その三つのカテゴリーにつきましてどのような御見解を持っていらっしゃるか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○岡村説明員 定義の点につきましては、先生の御指摘も踏まえまして、できるだけ紛れのないような定義にすべく、今全力を挙げて立案作業に取り組んでいるところでございます。 なお、三つの要素ということにつきましては、ちょっと私理解しかねる点がございますものですから、恐縮でございますが、三つの要素というのは何でございましょうか。
○草野委員 時間も過ぎましてあれですから、きょうはこれでやめたいと思いますけれども、この定義についてやはり明確にしてもらわなければ、本当にいろいろな面で混乱すると思うのですね。恐らく今国会で改正案を提出ということになりますと、文教委員会でも当然この問題についての議論がされると思いますので、またその場を利用させていただいて質問をしたいと思っておりますけれども、この問題については、ひとつ十分に慎重に取り組んでいただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わりにさせていただきます。
○粕谷委員長 これにて草野威君の質疑は終了いたしました。 続いて、宮田早苗君の質疑に入ります。
○宮田委員 まず最初にお聞きいたしますのは、この法律は情報処理振興事業協会等に関する法律ということになっておりますが、内容を見てみますと、振興事業協会の事業そのものが相当重要視されておるにもかかわらず、協会はのけて、情報処理の促進に関する法律、こういうふうに改められたわけでございますが、その理由をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○木下政府委員 四十五年にこの法律が制定されましたときに、今御指摘のような名前で法律ができたわけでございますが、内容は、法律をごらんになりますとおわかりのように、情報処理振興事業協会の業務、組織等を決めました部分が後ろの方についておりまして、その前に、電算機の高度利用等と、電算機の利用に関する計画をつくる部分等があるわけでございます。 そういうことで、「情報処理振興事業協会等」ということで、「等」というのがついた形の法律になっておりまして、内容的には、単に協会の組織の法律ではない、情報処理に関連したいろいろな施策を含めた法律だと当時から考えられておったわけでございます。 このたびの改正案におきましては、三条の二の規定を入れまして、「電子計算機の連携利用に関する指針」を追加することになったわけでございます。また、その従来からありました「電子計算機利用高度化計画」という規定と相まって、今後の情報処理の促進を図る上での国としての指針をつくるという意味で、電子計算機利用高度化計画のつくり方も、当然この連携利用の指針を頭に置いたつくり方になってこようというようなことでございます。これらの改正を考慮いたしますと、従来の題名が必ずしもそれにそぐわなくなったという面がまずあろうかと思います。 それと同時に、法律制定されました後十五年間における情報処理の進展に伴いまして、電子計算機利用高度化計画あるいは情報処理技術者試験の制度というようなものの役割が高まりまして、そういうような施策自身が定着化してきたということは言えると思いますので、従来の「等」ということだけで読み込むことには必ずしも不十分だという感じがいたしまして、今回、情報処理の促進に関する法律ということで名前を変えさせていただきたいというふうに考えて、そのような御提案をした次第でございます。
○宮田委員 次に、法律の条文について二、三お伺い申し上げます。 第一は、この法律の「目的」において、電子計算機の利用の促進が電子計算機の高度利用の促進、こういうふうに改められたわけでございますが、まず、これの理由について御説明願いたいと思います。
○木下政府委員 昭和四十五年にこの法律が制定されました当時、電算機の利用を大いに進めるべきだという意識では今と同じであったわけでございますが、利用が非常に限られた範囲内でしか行われていなかったということで、利用の促進をするという、促進そのものが必要であると考えられたために、「電子計算機の利用」という言葉を使ったのだと私どもは考えております。 これに対しまして、その後の法律運用を経た現在では、電子計算機は極めて広範に利用されるようになっておりまして、このような状況のもとで、本法をもって促進すべきものは、単に利用ということではなくて、事業者の連携による効率的な利用を初めとする電算機の高度な利用というものが主眼であるというふうに考えまして、法律の「目的」の中で、電子計算機の高度利用の促進ということで、「高度」という言葉をつけ加えさせていただいた次第でございます。
○宮田委員 電子計算機利用高度化計画についてお問いするわけでございますが、一つは、この計画はコンピューターハードに関しては、法制定時、昭和四十五年には、普及を促進する上で意義を持つものであったと思いますが、ハード面における現在の高度化計画の内容についてどうなっておるかということと、もう一つは、設置目標の意義と効果がどうなっているか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○木下政府委員 電子計算機利用高度化計画を書いております第三条では、二つのものについて決めることになっております。一つは電子計算機自身についての計画と、それからプログラムについての計画ということになっておりまして、その二項において、「計画には、電子計算機の設置及びプログラムの開発の目標となるべき事項について定めるものとする。」ということになっております。 そういうことで、ハードである電子計算機の設置につきましても現在目標が定められておりまして、汎用計数型電子計算機の設置の目標として、規模別の設置金額でその目標を示しております。昭和五十六年七月に策定された本計画の目標年度である昭和六十年度末における汎用計数型電子計算機の設置目標は合計で八兆三千億円となっておりまして、これが昭和五十八年度末で五兆九千億円に達しているところから見られるとおり、目標に向けて確実に普及が進んでいると認識いたしております。 実は、コンピューターの値段は性能に比べて大幅に下がってきておりますので、実質で言うと、本当はこの目標に相当近いところまで行っているということは言えるのかもしれないと思います。また本計画につきましては、政府における所要資金の確保努力と相まちまして、我が国の情報処理能力を計画的に高めていく上で効果があったものと考えておりますけれども、昭和六十一年度から適用される新計画におきましては、先ほど申し上げましたように連携利用というようなことも頭に置きまして、情報処理の質的側面にも十分配慮した新しい情報化時代にふさわしい計画を策定すべく、鋭意準備、検討してまいりたいと考えております。
○宮田委員 次に、次回改定時における考え方をお聞きするわけですが、目的が利用促進から高度利用促進に改定されたわけでございますが、次回の見直しに対する対応を考えておいでになるならば、御説明願いたいと思います。
○木下政府委員 「電子計算機利用高度化計画」には、先ほども申し上げましたように「情報処理の振興を図るため利用を特に促進する必要がある電子計算機」の設置の目標と、それから「情報処理の振興を図るため開発を特に促進する必要があり、かつ、広く利用される種類のプログラム」の開発の目標について定めることとしております。本計画は、電子計算機の連携利用のための指針を定めるに当たっても勘案されるということになっておりますので、今後策定される計画には、知識情報処理や共同利用等、電子計算機の高度な利用に関する事項を加えるなど、電子計算機の利用に係る質的な側面にも留意いたしまして、電子計算機の高度利用の促進に関する目標を定める所存でございます。
○宮田委員 さきの答弁にもございましたように、第三条の二「電子計算機の連携利用に関する指針」において「計画を勘案して」、こうされておるわけでございますが、今後におきまして策定される計画は、どのように関連づけておいでになるか。その点もどうぞお願いします。
○木下政府委員 ただいま御指摘のように、三条の二では「計画を勘案して」という字句が入っておるわけでございます。したがいまして、本計画を見直して六十一年度以降改正するに際しましては、今次法律改正の趣旨を踏まえまして、電子計算機の高度利用の促進も含め、今日段階における情報処理の現状、今後の技術革新の展望等を踏まえました電子計算機の設置及びプログラム開発の目標を定めるつもりでございます。その際、各事業所管大臣がそれぞれの事業分野についての連携指針を策定するに当たって十分考慮するに足る事項、いわば政府として情報化施策を講ずるに当たっての基本的な事項、例えば知識情報処理や共同利用等、電算機の高度な利用に関する目標についても定めていきたいというふうに考えております。
○宮田委員 次に、シグマ計画の問題についてお伺いをいたします。 ソフトウエア生産工業化システムについて、いわゆるソフトウェアクライシスが提起されて久しいわけですが、いまだ具体的に顕著な社会現象が生じているとは言えないと思います。しかしながら、ソフトウエアにおきます需給ギャップは現に存在するところでございまして、ソフトウエアの生産力不足が社会の発展の妨げになる可能性は大きいと言えるわけでございます。このような問題を解決するための方策として、生産効率化、品質の向上を図る必要性は大きいものと考えられますので、まず、シグマ計画の概要について御説明をしていただきたい、こう思います。
○木下政府委員 現在ソフトウエアの注文をいたしましても二年ぐらい待たないとできないというようなケースが出ているということは、言われておりますソフトウエア危機が現実にそういう形であらわれつつあるということが言えるのではないかということでございますが、このような状況が続きまして情報化の円滑な進展を図る上のボトルネックとなることが、私どもとしては非常に危惧している点でございます。そのような意味で、ソフトウエアの生産性の向上あるいは信頼性の向上というものは喫緊の課題であるというふうに考えております。 私どもがシグマ計画ということでソフトウェアの生産を自動化し、工業化する計画を進めようとする趣旨は、今申し上げたようなことを解決するためのものであるということで御理解いただきたいと思いますが、具体的にそれじゃどのようにその計画を進めていくかと申しますと、電子計算機のプログラム自身を今人手を使ってつくっているということで、その電子計算機のプログラムを電子計算機を利用して効率化するようなプログラム、プログラムのプログラムをつくっていくというようなことが一つ必要かと思います。それと同時に、プログラム作成の効率化に資する情報を情報処理振興事業協会に集めまして全国のプログラムの作成者に提供していくというようなシステムをつくり上げまして、そういう情報をオンラインを通じて各ソフトウエア企業あるいはコンピューター企業、あるいはコンピューターのユーザーというところとつなげて、プログラムの作成をできるだけ人手を使わないで自動化していくようにしていきたいというふうに考えております。
○宮田委員 次に、ソフトウエアの生産工程は現在ほとんど手作業というふうに言われておりますが、その実態について御説明をしていただきたいと思います。
○木下政府委員 ソフトウェアのプログラムをつくっている現場にいらっしゃるとおわかりだと思いますが、手作業といっても、自分の手で書いているわけじゃなくて、コンピューターにいろいろ打ち込んでみて、それで出てくるものをいろいろ見ながらそれを直すというようなことで作業をやっておるわけでございますが、ソフトウェアを生産いたしますときには、まず最初にユーザーの要求提議がどういうものであるかというところから始まりましてソフトウエア全体の設計をする。それからコーディングということで、プログラムを一定の表記法に従って記述するようなことが必要になります。でき上がったものをまたテストする。それから、プログラムの中に記述ミス等がたくさんございますので、テストした結果記述ミスがあればその記述ミスを直す。というように各段階が分けられるわけでございますけれども、後者のコーディングとか記述ミスを直す部分はある程度現在でもコンピューター化されておりますけれども、それ以外の部分は技術者の個人的な経験や能力に基づくいわゆる手作業によって行われているというのが実情でございます。それで私どもの計算では、日本におけるソフトウエアの自動化率というのはせいぜい一〇%程度ではないかというふうに考えております。ちなみにアメリカでは三、四〇%のものが自動化されているというふうに聞いております。
○宮田委員 ただいまの答弁に関連するわけでございますが、このシグマ計画におきます自動化、機械化の目標、さらに計画達成の見通しについて御説明をお願いします。
○木下政府委員 実は産業の広い部分におきまして、コンピューターを使って同じようなことをやっている部門があるわけでございます。例えば自動車なら自動車を設計するときに、設計自身を、従来は全部手で線を引いてやっていたものを、最近はコンピューターを使って設計作業をする、それをコンピューター・エーデッド・デザインというようなことで言っておるものがあるわけでございますが、不思議なことにコンピューター産業の中ではソフトウエアをつくるのがコンピューターを使って余り進められていない。言ってみれば紺屋の白ばかまみたいなような感じになっておるわけでございます。したがって、そのようなコンピューター・エーデッド・デザインというようなことが現にほかの分野において行われておるわけでございますが、コンピューターのソフトウエアにつきましても、同じようにうまく全体のシステムをつくり上げればプログラムの作成の自動化というのはやれるのではないかというふうに我々は考えております。 それで、先ほど申し上げましたように、現在の自動化率は一〇%程度でございますが、もしこれがうまく成功すれば自動化率は八〇%ぐらいまで向上することは可能かというふうに考えております。
○宮田委員 さらにシグマ計画の認識のためにお伺いしておきたいことは、現在コンピューターメーカー等はソフトウエア生産に関し独自の自動化、機械化システムを構築しているようですが、現状のこのようなシステムの評価について、まず今おっしゃいましたようなことなんですが、自動化、機械化の達成状況、二つ目に開発期間、開発、保守の経費の問題について、さらにプログラム生産における効果の問題、もう一つは既存のシステム、プログラムの利用の可能性の問題について、以上四つ質問をいたします。
○木下政府委員 御指摘のように、現在コンピューターメーカーにおきましても、ソフトウエア開発の生産性向上のためのシステムを構築しているものもございます。それで自動化を図っているわけでございますが、ただ、これらのシステムは非常に限定された分野のプログラムの開発にしか適用できない、かつその会社のコンピューター向けのプログラムの開発のみにしか使えない。したがって、ほかの会社の部分、ほかの会社のコンピューターのプログラムのためには必ずしも使えないというような限定があるわけでございます。 このようなシステムの概要につきましては、システムごとに差があるので一概なことは言えませんけれども、一例を挙げますと、例えばそういう自動化することによって生産性を上げ得た部分は非常に限定された分野のみでございますけれども、それを使わない場合に比べて二倍から五倍ぐらい、それから開発期間はそういうシステムをつくりあげるのに三年ぐらいかかっておりますし、開発経費はそういう限られた分野についてのみでございますけれども、五億円から十億円ぐらいかかっているということでございます。もちろん、このような各社で開発された自動化のプログラムの中で、もし私どもがやろうとしておりますシグマ計画に応用できるものがあれば、それは大いに応用させていただきたいと思いますが、ただシグマ計画でやろうとしておりますのは、日本にありますコンピュータープログラムのどのプログラムにも適用できるような標準化されたものをつくりたいというようなことを考えておりますので、標準化されたものになり得ないようなものですと、私どものこのシグマ計画にはなかなか使わせていただきにくいということになるのではないかと考えられます。
○宮田委員 もう一つは、この本計画にアメリカ、ドイツから共同研究の申し込みがあると聞いておりますが、その場合どのように共同開発を進められるのか、もう一つは、開発成果はどのようになっていくのか、もう一つは共同開発のメリット、これは何か等をひとつお聞きします。
○木下政府委員 御指摘のとおり、本プロジェクトにつきましては、アメリカのATT社それからドイツのGMDという研究所から協力の申し入れがなされてきているところでございますけれども、現在具体的なプロジェクト運営体制につきましては、これらの機関と検討を行っているところでございまして、成果の取り扱いをどうするかというような詳細な点についてはまだ未定でございます。 なお、本プロジェクトは先進各国共通の深刻な課題となりつつあるソフトウエアの需給ギャップを打開するためのものでありますので、外国からの協力に関しましても、プロジェクトの実りある遂行に役立つものにつきましては、積極的にこれを進めていきたいというふうに考えております。
○宮田委員 UNIXの導入について、このプロジェクトではATTのベル研究所が開発したUNIXを導入して、ソフト開発用の標準オペレーションシステムとして使用すると聞いておりますが、その点はどういうことなんですか。
○木下政府委員 ただいま申し上げましたように、アメリカのATT社との間の協力のあり方についても、現在、ATT社とも話し合いをしているわけでございますけれども、そのATT社が開発いたしました標準オペレーティングシステムとしてUNIXというものがあるわけでございまして、このUNIXが今回の私どもが進めようとしておりますシグマ計画にとっては最も適当なものではないかというようなことで、そのUNIXのオペレーティングシステムを基本としたものを採用したいというふうに考えております。 それで導入のメリットとして私どもとして考えておりますのは、UNIXがソフトウエア開発のために極めてすぐれた機能を有している、それでまた多くの種類のコンピューターに対する高い移植性を有しているということでございまして、親コンピューターと端末のコンピューターとの間の対話型のオペレーティングシステムとしては、このUNIXは非常にすぐれたものだというふうに言われております。ただ、今後のライセンスフィー等の費用負担の問題については、今後、同社と話し合ってやることでまだ全く決まっておりません。 それから、アメリカにこれを依存することに伴いまして問題があるじゃないかというようなことでございますが、このようなコンピュータープログラムの自動化の事業というのは、世界に先駆けて我が国が構築するものでございまして、本システムを構築するに当たりましては、国の内外を問わず、利用する技術それからその参加する企業を募って内外無差別の形で進めていきたいというふうに考えておりますので、これを採用することによって、特にアメリカに依存するようなものになるというふうには、必ずしも私どもは考えておりません。
○宮田委員 ただいまの説明に関連するわけですが、導入に当たりましてライセンス関係、費用についてはどうなるか、お聞かせ願いたいと思います。
○木下政府委員 ちょっと費用のことを先に私、申し上げ過ぎたのかもしれませんが、費用の点は今後ATT社と話し合いでやっていく問題でございまして、今のところ、まだ具体的なことは決まっておりません。
○宮田委員 次に、中小ソフトウエア企業への影響についてお伺いをいたします。 現在、労働集約的に紙と鉛筆で作製されていると言われておりますソフトウエア開発が機械化された場合、特に小規模ソフトハウスに与える影響は大きいと考えますが、次の点についてお伺いをいたします。 端末機の増設、機械化の必要等、いわば装置産業化へ進んだ場合、資本の蓄積等によります格差が拡大すると言われておりますが、その辺はどういうお考えですか。
○木下政府委員 今回、構築しようとしております本システムの完成によりまして、私どもはむしろ中小のソフトウエア企業がその大きな利益を受けるのではないかというふうなことを考えております。と申しますのは、中小のソフトウエア企業は単独では導入が困難な、高度かつ効率的なソフトウエア生産支援システムを多額の負担なしに利用することができる。加入料と利用料を払いさえすれば利用することができるということで、それらの中小ソフトウエア企業のソフトウエア開発の近代化に大いに資するものになると考えております。もちろん、その場合に端末設備が必要になってくるわけでございますが、私どもが考えておりますユーザー側の設備にきましては、シグマシステムの標準オペレーティングシステムを搭載したものであれば、パーソナルコンピューター程度のものであれば十分だというふうに考えておりますので、小規模なソフトウエアハウスにとっても、特段の負担なしにこのシステムを利用できるというふうになろうと考えております。
○宮田委員 このシグマシステムの利用に当たっての料金の負担、これはどうなるのですか。
○木下政府委員 利用料金につきましては現在検討を進めているところで、まだ決まっておりません。ただ、考え方といたしましては、加入料に相当する固定料金とシステム使用料に相当する従量料金との組み合わせになるものと考えておりまして、政府の多額の出資によって全体としての資金コストを下げるような形でこのシステムを構築していきたいと考えておりますので、ユーザーに対して大きな負担となるような利用料とはならないように十分配慮していきたいと考えております。
○宮田委員 ソフト生産が五年後に八〇%まで機械化された場合、現在、要員の確保に苦労しているものが、一転をして過剰人員を抱えることになりかねないという指摘もありますが、この辺はどうですか。労働省の方もお見えになっておりますが、その辺は、後でこれに関連する御質問をいたしますので、そのときにお願いします。さしあたりお願いします。
○木下政府委員 私どもが今最大の問題意識としておりますのは、そういうソフトウエア技術者が大幅に不足するのではないかということを懸念してこういう政策を進めておるわけでございまして、したがって、このシグマ計画ができた場合において、当然生産性は上がりますけれども、ただ、上がるといっても全体のソフトウエアに対する需要はもっと大きくふえるわけでございますから、したがって、私どもとしては、そういう技術者の方々の雇用問題を起こすことはないのではなかろうかと思います。むしろ、機械化によって非常に単純な作業から解放されることによって、もっと高度な仕事をできるようになるチャンスがふえると考えております。
○宮田委員 ただいまの質問にも関連するわけでございますが、高度になりますと中高年の方々のソフト技術者に対する影響ということもこれは別な問題として通産省としても考えてもらっておかなければならぬことと思いますが、その点、お考えありますか。
○木下政府委員 ソフトウエア技術者にはいろいろのレベルがありますが、いわゆる普通のプログラマーという人たちとシステムエンジニアという人たちがおるわけでございます。システムエンジニアというのは、いろいろのプログラムの作成作業で経験を積んで、全体として大きなシステムについての知識、経験を生かしながら、より高度なソフトウェアの開発に当たるわけでございますが、今度自動化しようということで考えておりますのは、どちらかというとむしろ単純な作業の部分をできるだけ機械によってなくしていこうということでございますので、中高年齢者の方々は、そういう単純労働から解放されて、むしろより高度なシステムエンジニア的な仕事をやることができるようになってくると考えられます。 我々がプログラマーの人たちの雇用問題等で一番心配しておりますのは、年齢が若いときでないとこういう仕事はできないということで、年をとってこられたらその方々はどういう仕事の可能性があるだろうかということを心配しておるわけでございますが、むしろ、こういうシグマ計画のようなものができれば、そういうだんご状態の割合若い層の技術者の人たちだけでやらなくてはいけないということにならなくて済むという意味で、雇用関係にもプラスの要素になると我々は考えております。
○宮田委員 ソフトウエア生産においてこの技術者の量の確保の必要性は大きいと思いますが、ある程度は生産性の向上によって対応する、こう思います。しかしながら、技術者の能力差はかなり大きいと思われる。この質の確保も重要なものがあると思いますが、当局の認識、さらに、育成等についてどのようなお考えを持っておいでになるか、お聞きします。
○木下政府委員 情報処理技術者につきましては、四十五年にこの法律をつくりましたときから技術者試験制度というものを導入して、高いレベルの技術者がたくさん出るような、それを促進するような制度をつくってきております。それ以降、通産省といたしましては、研修センターというようなものをつくって、技術者の研修も大いに進めるというようなことをやってきております。したがいまして、私どもとしては、今後とも質の高いソフトウエア技術者を確保するという意味から、今申し上げましたような施策に加えまして、情報処理振興事業協会による技術者の研修資金借り入れに対する債務保証というような事業を行うということで、今後とも技術者の質の向上には各般の施策を講じてまいりたいと考えております。
○宮田委員 プログラムの委託開発事業の概要についてこれからお伺いをいたします。 まず第一に、公募の方法、そしてその応募数、プログラム専門委員会の構成、さらには選定方法、この件についてお伺いします。
○木下政府委員 特定プログラムの委託開発制度は、情報処理振興事業協会がソフトウエアの企業等に対しましてテーマの公募を行い、この中から先進性のあるもの、汎用性のあるもの等の要件を満たすテーマを選定して、応募ソフト企業等に対してその開発を委託する制度でございます。その委託して開発されました結果のプログラムにつきましては、IPA自身が広く一般に対する普及に努めると同時に、その開発に当たった企業も大いにそれを普及していくということをやって、汎用プログラムの市場の確立を目指すことになるわけでございます。 テーマの公募は、毎年二回、四月と十月に行われておりますが、昭和五十九年度におきましては八十二件の応募がありまして、そのうち採用テーマ数は三十一件ということになっておりました。採用テーマの選定に当たりましては、応募テーマに対する書類審査や応募者との面接審査のほか、学識経験者、ソフトウエア専門家、ユーザー関係者から成りますプログラム専門委員会において十分な審査を行って選定をしておるわけでございます。
○宮田委員 次にお伺いしますのは、これまでの実績についてお伺いをいたします。 まず一番が、完成プログラムの本数それから概要。次にお伺いいたしますのが、作成費。これは最高、最低、平均ですね。三番目に、不評、好評のプログラムの例がありましたら例示していただきたいということ。それから四番目に、この収益の状況、使用料の決定方法、テーマによります採算動向、この四つについてお伺いをいたします。
○木下政府委員 現在までに特定プログラムとして開発しました本数は、六十年二月末現在で二百二十五本でございます。分野別に見ますと、約八割が種々の業務を行うための応用プログラムでありまして、経営計画関係、流通サービス関係等々でございます。 それから、特定プログラムの開発費でございますが、これは物によって違いますが、これまでに開発した開発費は平均いたしまして約六千万円でございます。最も開発費がかかったものは生産財総合流通システムというプログラムでございまして、これには約三億八百万円かかっておりますし、最も安かったものはCOBOLブローチャータというものの機能強化のプログラムでございまして、約三百十万円でございます。 今まで開発したプログラムのうち特別に好評だったもの、不評だったものの例でございますけれども、特別に好評であったものはマイコン用のビジネスグラフ作成プログラムというものでございまして、五十七年度に完成したものでございます。開発費が約三千七百万円、今まで普及した本数は実に一万六百五十九件ということで、ほかのプログラムに比べまして極端に普及本数が高いものでございます。その他の例としては、企業財務分析診断システムというようなものもございます。それから不評であったものという点でございますけれども、四十年代から五十年代初期に開発されたものの中には、汎用プログラムを利用することが一般化されてない時期であったために、開発されても余り利用されなかったものが幾つかあったということでございます。 最後の御質問の、特定プログラムの普及に当たっての使用料の決定あるいはその使用料収入や採算状況でございます。 使用料は、プログラムの性格に応じて多少の差違がございますけれども、基本的には開発者が普及に関する権利を得る際にIPAに支払う料金と開発者が当該プログラムを一本普及するごとにIPAに支払う料金とから構成されております。また五十八年度の採算状況でございますが、総開発費十三億四千万円に対し普及による収入が六億六千万円ということでございまして、五十九年度においてはその比率はもう少しよくなって九億くらいの収入を上げるようになっております。
○宮田委員 パソコンの普及に伴いましてこのクラスにおきます優秀なプログラムへのニーズも高いと思われますが、対応状況はどうなっておるか、お伺いいたします。
○木下政府委員 今御質問のパソコンにつきましては、過去数年間、毎年倍々ゲームというような形で売り上げが伸びてきておりまして、昨年は百数十万台売れたと言われております。 ただ最近、新聞紙上で言われておりますけれども、パソコンの売り上げの伸びが急激に鈍ってきたと言われております。これは、一つは、使いたい人たちの間に一応初期の普及が済んだということもあろうかと思いますが、もう一つの理由としては、ソフトウエアの量の問題、質の問題があろうかと思います。パソコンを利用するためには優秀なソフトウェアが大量にあることが必要でございますが、この点について関係企業も相当努力していろいろ新しいものを出しておりますけれども、まだまだソフトウエアの供給の方が足りないということもあって、パソコンの普及に最近ややブレーキがかかっているというのが現状ではないかと考えられます。
○宮田委員 さらに、関連がございますからお聞きするわけですが、パソコン普及とユーザー保護の必要性についてお聞きしたいわけです。 最近のハード、ソフト両面の技術進歩を受けて、パソコンの技術的進歩も著しいものがあるわけです。既に実用にも十分使用できる段階に達していると言われておるわけですが、大企業、中小企業はもとより家庭にも広く普及しているところでございます。 問題になりますのはパソコンのソフトウエアでございます。パソコンソフトにおいては、アプリケーションプログラムの使用が中心となっておりまして、比較的廉価なものが主体ではございますが、現状は玉石混交でございまして、かつ購入前には内容が判断できないものが多いと言われております。 そこで、パソコンにおける流通ソフトの現状と当局の認識について、どのようなお考えを持っておいでになるか、聞かしていただきたいと思います。
○木下政府委員 パソコンを利用する人たちは、自分でプログラムをつくるより、むしろつくられたプログラムを買ってきていろいろな形で利用するということがあるわけでございますので、ユーザーというか消費者にとっては、そのソフトウエアがどういうものがあるか、またそれの内容が適当かが非常に大きな関心事になるわけでございます。 現在、パーソナルコンピューター用のソフトウェアの多くは、フロッピーディスクやテープ等の記憶媒体に記憶させまして、それをパッケージにしてユーザーに渡されているわけでありますけれども、今先生御指摘のように、買うときにユーザーが内容がよくわからないということがありまして、買ってみて使ってみたら余り大したことではなかったということもあるわけでございますので、私どもとしては、その供給者の方がソフトウエアの内容表示の充実を図るようにすべきだということで、業界側の指導をしておるわけでございます。それから、パソコンショップの店頭におきましてソフトウェアをデモンストレーションさせるというようなことで、ユーザーがソフトの中身を実際に見て買うことができるような制度もできるだけ普及させるようにしたいと考えております。
○宮田委員 さらに、関連するわけでございますが、ユーザー保護の必要性について、現在は購入して使用してみなければ自分の業務に適応するか判断できないわけです。返品できない等の状況があると思います。そこで、使用の機会を拡大すべきじゃないかと言われてもおりますが、どうか。 もう一つは、現在は専門誌等の評価記事を参考にしているものが多いわけです。公正な第三者機関における性能評価、製品の紹介等をもって普及を図る必要があると思いますけれども、その辺はどうですか。 さらに、ソフト業界の対応状況についてお伺いいたします。
○木下政府委員 パソコンソフトにつきましては、一度買ってしまったら返品できないということもございますので、通産省といたしましては、できるだけその内容がわかるような表示をさせることと、可能であれば店頭においてデモンストレーションさせて、内容を見て納得した上で消費者の方に買っていただくということをするように指導しているわけでございます。そういうようなことで、日本パソコンソフトウエア協会という任憲法人がありますので、私どもとしては、そういう業界団体を使いまして業界内の内容表示の基準の検討等を行わせております。 それから、ソフトウエアにつきましては、性能評価を適正に行うことが非常に難しいということで確立された評価手法は存在しないわけでございますけれども、ソフトウエアの流通が順調に進むように適正な性能評価を行うことは重要でありますので、そのための研究もあわせ情報処理振興事業協会等で行わせていきたいと考えております。
○宮田委員 中小メーカーが多いために購入後のサポート体制が不十分と指摘されておるわけです。プログラムの誤りの訂正、機能強化のためのバージョンアップ等の対応、こういう現状の認識、何らかの対応が必要ではないかと思いますが、その点はどうです。
○木下政府委員 ソフトウエアーをいわゆる注文をして委託開発させた場合には、注文主から生産者に対して、契約に基づいてそのプログラムにミス等があった場合にはそのミスを修正するというようなサポート業務を当然受けることができるわけでございますけれども、汎用プログラムを購入しました場合にはサポートに関する責任関係が不明確であるというような問題があります。したがいまして、購入者がそのために不利な影響を受けたということもあったわけでございますので、通産省といたしましても、ユーザー保護の観点から、内容表示等においてサポートに関する責任関係をはっきりさせるというようなこと、あるいはバグといいますかミスが見つかった場合においては、誠意をもってそれを修理してやるというような条項を入れさせるような形での普及というか販売条件を指導していきたいと考えております。
○宮田委員 プログラムの権利保護が明確化されていないこともありまして、ソフトに対しコピー防止のためのプロテクトがかけられる例が多くなっておる。しかしながら、ユーザーにとってみますと、万一システムプログラムを入れたフロッピーディスクが破損した場合、業務の中断を招く等の弊害も生じると言われております。そこで、何らかの調整策が必要と考えられますが、この点はどうですか。
○木下政府委員 確かにおっしゃる問題がございます。メーカーの方としては、つくったプログラムを勝手にコピーされてそれを転売されるというようなことがあってはまずいので、そういうコピーができないようにコピー防止のための特別の措置をフロッピーディスクに講じておるわけでございます。ところが、ユーザーサイドにおきましては、フロッピーディスク等が破損いたしますとそのプログラムを使えなくなってしまうというようなことで、予備のフロッピーディスクを持っておきたいという要望があるわけでございますが、コピーができないようになっているからユーザーの方でその予備を持つことができないというような面があるわけでございます。したがいまして、この問題に対処するためには、そのような措置を講じたフロッピーディスクを売るソフトウエア生産者側は、通常コピー防止措置を講じた場合にはユーザーに対して予備フロッピーディスクを一緒に渡すというようなことで指導いたしておりまして、そのようなユーザー側の不便を解消するようにしたいというふうなことを考えております。
○宮田委員 ソフトウエアの権利保護の必要性についてお伺いいたします。 ソフトウェア問題解決への対応策として、シグマシステムの構築のように生産性の向上を図ることが重要であります。ほかにもソフトウエアの流通を促すことによってソフトウエアの利用効率の向上も重要であると考えます。そのためにもソフトウエア製作者の権利を明確化することは重要であると思いますが、その辺はどういうお考えですか。
○木下政府委員 現在の情報処理振興事業協会等に関する法律によりましても、権利の売り渡しというようなことが法文上書いてあるわけでございますが、その権利の内容が今まではっきりしないままずっと推移しておったわけでございます。今度シグマシステムを情報処理振興事業協会で構築するに当たりましても、つくったシグマシステムを料金を取って利用者に利用してもらうことになるわけでございますから、当然その関係の権利関係もはっきりしてなくてはいけないということは我々としても十分認識しております。 それで、先ほどから別の先生の御質問のときにもお答えいたしたわけでございますが、ソフトウエアの権利の保護につきましては、従来通産省は、ソフトウエアの実態に即してプログラム権法というような法律で保護していった方がいいのではないかということでずっと検討しておりましたけれども、世界の情勢が当面著作権法で保護するのが適当だというような動きも強まってきておりますし、中長期的にはコンピュータープログラムの性格に応じた権利の保護の仕方を研究していく必要がございますが、当面いろいろとその権利の保護の必要性が叫ばれるようになってきておる要請に応ずるために、文部省の方と相談いたしまして、文部省の方が著作権法の改正でコンピューターのプログラムの保護をやっていくことにつき、文部省と通産省との間で意見が一致いたしましたので、現在文部省の方でその法案の提出を準備されているところでございます。
○宮田委員 次いで安全問題についてお聞きいたします。 まず電算機システムの安全対策について、政府は安全対策基準を一本化する方向で検討されているようですが、この件について御質問をするわけでございます。 この法律の中にも安全基準をつくれという議論が多かったというふうにもいろいろ報道されておるわけでございますが、これがなぜ入れられなかったかということもついでに御説明していただきたいと思います。
○木下政府委員 今回の法律案を検討いたします過程で、今先生御指摘のような項目をこの法律に入れるべく検討いたしたわけでございます。それで私どもとしては、情報化がここまで進んでまいりました場合には、情報処理の関係あるいはコンピューター関係で従来通産省がいろいろな施策を講じてきておりましたけれども、今後は各方面で使われる以上、それぞれの所管大臣がコンピューターに関連する対策を進めていく必要もあろうということで、例えばコンピューターの連携利用につきましては主務大臣が指針をつくるということで、主務大臣の中には通産大臣も当然入りますけれども、大蔵大臣あるいは運輸大臣というような大臣がそれぞれの分野で連携指針をつくるようなことを考えておるわけでございます。 それで、安全対策につきましても、通産省といたしましては同じような考え方で、一般的な統一的な基準はどこかでまとめてつくるにいたしましても、実際に安全対策を進めていく場合には、それぞれの事業分野の省庁がそれに対応するのが一番ベターであろうというような考え方で案をつくって、その案をこの法律案の中に入れようと考えたわけでございますけれども、コンピューターの安全対策というのはいろいろ目的が広くて、情報処理の促進という目的の上からやる分野もありますけれども、情報の漏えいというような意味では犯罪防止的な面もある。犯罪防止的なものをこの情報処理の振興をやる法律の中に入れるのは必ずしも適切ではないのではないかという意見もございまして、この法律からは切り離して、関係各省と現在お話し合いをしながら、最もいい安全対策の法律はどういうものがいいかということを調整している段階でございます。
○宮田委員 電算機関係に携わっておる者といたしましては、安全問題というのは当然という気持ちを持っておるわけであります。法制化のたびごとに安全基準をつくれという声も起きていることはもうお聞きのとおりでございまして、ただ検討中ということでおっしゃっておるわけでございますが、これは放置するということは大変問題があるところと思いますので、今後この安全問題に対する法制化はできるだけ、できるだけじゃなくて早く法制化をしてもらわなければいけないと思うわけでございます。 後から大臣にも決意のほどをお伺いしたいと思いますが、通産省といたしましては、法制化ということを今すぐでもお考えになっておるかどうか、他省庁との連携をとりながらですよ、お開かせ願いたいと思います。
○木下政府委員 通産省といたしましては、昭和五十二年からコンピューターの安全対策基準というものをつくりまして、情報処理サービス業者中心に安全対策を行政指導ベースで進めておったわけでございますが、現在コンピューターシステムが大型化し、社会各層で使われるようになりますと、そのコンピューターシステムが故障でダウンするというような場合には非常に社会的影響も大きくなりますし、またコンピューターシステムに入っております情報がいたずらに他人によって消されたり、あるいは他人によってその情報が不当に取られたりというようなことが起こるのも適切ではないということでございます。 つい先日も、国鉄の切符を売るコンピューターが故障して、切符の販売ができなくなったというようなことが言われておりますけれども、そのような事態はできるだけ防ぐ必要があるわけでございまして、そのためには単に行政指導ではなくて、それぞれの業種、実態に応じた基準をつくって、それに基づいて対策を講じていくということが必要だと我々は考えております。したがいまして、この法律案の中には含まれませんでしたけれども、できるだけ早く私どもは関係各省庁と調整を済ませて法案を出してみたいというふうに考えております。
○宮田委員 せっかく大臣が御出席でございますので、通産省、特に所管大臣の村田大臣、リードしてつくっていただきたいと思います。その決意のほどをひとつお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 ただいま委員御指摘になりました安全対策の問題でございますが、高度情報化社会の円滑な実現に向けて、電子計算機への過度の依存ということによって我が国経済社会の脆弱性が出てくるということを克服いたしますために、電子計算機安全対策の実施は極めて重要であると私も認識いたしております。私といたしましては、関係大臣とも連携を図りながら、引き続き電子計算機安全対策の立法化を含め、その的確な実施の推進に努めてまいる所存でございます。
○宮田委員 次に、労働省の関係の方にお伺いをいたします。 電算機の災害問題についてお伺いするわけです。いろいろな機関を通じまして、これに携わる者の調査が行われておるようでございまして、例えば目が疲れたとか首筋が疲れたとか、あるいはまた物がぼやけて見え出したとか、腕が疲れる、頭がぼんやりするというようなことが、調査の結果、だんだんに判明し出してきたようでございまして、これは健康障害ということで取り上げなければならぬというふうに思うわけでございます。労働省も、聞くところによりますと、この問題に取り組んでおられるようでございますが、今のところ、どういう取り組み方をされておいでになるか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
○福渡説明員 お答えをいたします。 先生御指摘のように、マイクロエレクトロニクスを中心といたしました技術革新によりまして、オフィスオートメーション、これはコンピューターを中心にして盛んにオフィスオートメーションが進められておりますが、この中で特にVDTを用いる作業について、今先生から御指摘がございましたようなことが言われておるわけでございます。ただこの場合に、労働衛生上の配慮を欠くことになれば、いわゆる手指の機能に疲れが出るとか、あるいは視覚への過度の負担に伴う目の疲れが出るというようなことがあるように私どもは承知をしております。 そういうような事態がございますので、労働省といたしましては、このOA化に伴う作業環境や労働態様等の変化が労働者の健康に及ぼす影響等につきまして、昭和五十八年度から三カ年計画で産業医学総合研究所及び産業医科大学において研究を進めているところでございます。 しかし、一方では、職場におけるVDT作業の急速な普及が見られておりますので、これに対応するために昭和五十九年二月に照明などの作業環境管理、それから作業休止時間などの作業管理、健康診断や体操などの健康管理等を主な内容とするVDT作業における労働衛生管理のあり方につきましてのガイドラインを公表いたしまして、関係事業所における自主的な対策の推進を図っているところでございます。 今後は、上記の研究成果等を踏まえまして、VDT作業に関する指導指針を作成し、行政指導を強化していくことにしております。
○宮田委員 もう一つお伺いいたしますのは、この種の関係者というよりは、我が国よりはコンピューター化が進んでおりますアメリカ、カナダ、こういうところも当然ながらこういう問題が起きておるというふうに思っておるわけですが、この種類に関する限りの先進国ですね、どういう措置がとられておるかということを調査をされておいでになりますならば聞かしていただきたい、こう思います。
○福渡説明員 諸外国においても幾つかの対応が行われておりますが、まず米国におきましては、一九八一年に米国国立労働安全衛生研究所がVDT作業に関する調査を行っておりまして、その結果を発表し、あわせて必要な勧告を行っております。この勧告の主な内容は、作業環境の明るさ、一連続作業時間と休止時間及び視機能検査などと承知をしております。 それから西ドイツにおきましては、一九八〇年にドイツ工業規格によるVDTの規格、それから作業環境について定めているというように聞いております。 それから、さらにカナダにおきましては、一九七八年にカナダ防衛・民間環境医学研究技術報告書が発表されておりますが、これはカナダの政府機関で用いるディスプレー装置の選択基準設定の参考とすることを目的として作成されたものである、このように承知をしております。 このほか、スウェーデンにおいてもVDT作業についての指導要領が出されておりますけれども、これらのいずれの国におきましても、政府等の公的機関より出されたものは法的拘束力を持たない勧告あるいは指導指針になっているように承知をしております。
○宮田委員 さらに、人材派遣についてお伺いいたします。 聞きますと、人材派遣業の法制化が言われておるようでございますが、これに対する経緯をお聞かせ願いたいということと、また派遣上の対象業務について、コンピューターソフトウエアの関係が考えられると思いますけれども、その点はどうかということと、同時に、対象の予想業務としては、どういう対象業種を考えておいでになるか等等をお聞かせ願いたいと思います。
○齋藤説明員 お答えをいたします。 最近の技術革新の進展あるいは女子の職場進出、そういうようなものを背景にいたしまして、労働力の需要供給の面でもいろいろな変化が起こってきており、そこを背景といたしまして、自分が雇用している労働者を他の企業に派遣をしましてそこで就業させるという、いわば労働者派遣的な形態の事業というものもまた増加してきておるわけでございます。 〔委員長退席、田原委員長代理着席〕 このような形態の事業を見てまいりますと、労働基準法等の労働者保護法規の適用に当たりまして、使用者責任をどこに負っているのか、そういう点で非常に不明確な場合が間々ございます。また現在、職業安定法の四十四条では労働者供給事業というのを禁止しております。この関係でも問題と思われる事例も間々見受けられます。 そういうような観点から、私どもといたしましては現在の経済的あるいは社会的状況を踏まえまして、こういうようなところで働いておられる労働者の保護を図る、あるいは雇用の安定というものを図るために一定のルールを決めて、このルールのもとに働いていただく必要があるのではないか、こういうことで従来から検討を続けてまいってきたわけでございますが、ほぼ関係審議会等あるいは関係者の御議論も終わることができましたので、今国会にこの労働者派遣法を御提案をいたしまして、これから今国会で御議論をいただきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。 それからもう一つ、このような形態の事業は、自分が雇用する労働者を他人の指揮命令のもとに就業させる、こういう形態でございますので、やはり必要な分野に限ってこういう形態の事業を認めるべきではないかという観点から二つの基準、すなわち専門的な知識、技術あるいは経験を必要とするような業務、それからもう一つは特別の雇用管理の行われているような業務、この二つの業務について対象として認めようではないかというふうに思っております。 具体的には、法律が通りました後で政令によって定めるというような形になっておるわけでございますが、今先生御指摘がございましたコンピューター関係の業務につきましては、この問題につきまして長年御議論をいただいてまいりました職業安定審議会の議論の中では、検討の対象として十分考えるべきではないかというような御指摘もいただいてあるわけでございます。私どもといたしましては、法律が通りました後で政令で定めるということになっておりますので、関係各省、通産省とも十分御相談をいたしますし、また関係業界等の御議論も十分伺った上で、どのようにするか決めさせていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○宮田委員 ただいまの人材派遣の関係についての質問に関連するわけでございますけれども、職業安定法というのがありますね。職業安定法と人材派遣という関係はどういうふうになるのか、ちょっと私ども重複してわかりにくいところがあるわけですけれども、解釈をひとつ説明していただきたいと思います。
○齋藤説明員 先ほど申し上げましたように、現在職業安定法四十四条では労働者供給事業というのは禁止されておるわけでございます。したがいまして、現在ではそういうような形態のものは許されておらない、こういうことになっておるわけでございます。したがって、先ほどいろいろ労働者派遣的事業と申し上げましたのは、現在行われておりますのは請負の形態をとって行われておるものと我々は理解しておるわけでございまして、法律違反的なものにつきましては私ども、御相談したりいろいろ指導をして請負の形態に直していただく、要するに法律に違反しないような形態でやっていただくように指導しておるわけでございます。 ところが、先ほど申し上げましたように、いろいろと問題があることも事実でございますので、現在禁止されております労働者供給事業のうち一定のものにつきまして、必要なルールを定めた上で認めていこうではないか、こういうのが今回国会に御審議をお願いしております法案の内容でございます。
○宮田委員 労働省の方に対する質問はこれで終わりますが、ただ、一つ要望がございますのは、さっきの通産省の方に質問いたしましたソフト生産が五年後に八〇%になる、それに対しますところの要員をどんどん養成をしていく、したがいまして過剰人員になりはせぬかという懸念が別な面で生まれてくる。これは通産省の方の説明では、そのことなら大丈夫だとおっしゃっておるわけです。しかし、労働省といたしましても大丈夫のように十分に対策を立てていただかなければならぬと思いますし、またこの関係については、中高年のソフトウエア技術者の問題にも非常に大きく波及してくるのではないかと思いますので、その辺を十分にお考えをしておいていただきたいということを、要望ですけれども申し上げておきます。 最後でございますが、通産大臣に決意のほどをお伺いをしておきますのは、朝から質疑がずっと続けられておるわけでありますが、聞いておる範囲の中で、いよいよ我が国も情報化時代に突入した、こういう感がするわけであります。大臣もあらゆる場面でおっしゃっておるとおりでございます。したがいまして、今日の我が国の経済社会は従来と異なった新しい課題に直面をするというふうに思いますが、これに対する対策が、この種の一部改正ということだけではまだまだというふうに思います。しかし、情報化ということになるとそれぞれの関係省庁にもかかわるわけでございますが、何はおいても通産省がリードということでないといけないというふうに私は思います。したがいまして、大臣の指導性というのが非常に大きな影響を持つのじゃないかと思っておるところでございますので、この際、大臣のはっきりした決意のほどをお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○村田国務大臣 宮田委員の先ほど来の御質問をこちらで拝聴いたしておった次第でございます。 情報化時代というのは、まさに私は、技術開発とともに二十一世紀に向けて一番大切な、時代の変革であろうと思います。したがって、こうした時代の変革というものを行政の上でしっかりと先取りをいたしまして、時代の進む方向に向けて国民生活というものを考えていかなければならぬ。特に、通産省は産業部門全般を持つ役所でありますから、そういった意味でのカバーをする範囲は国民生活全般に及んでおるわけでございます。したがって、先ほど来委員の御質問の御精神も承っておったわけでございますが、まさに同感でありまして、情報化時代に対応するいろいろなソフトウエア対策でございますとか、あるいは産業全般的ないろいろな問題でございますとか、広範にこれを考えまして対応をしてまいりたい、このように決意を固めておる次第でございます。
○宮田委員 終わります。
○田原委員長代理 野間友一君。
○野間委員 この改正案が出たんですが、この経過についてはいろいろ紆余曲折があったことは私もさまざまな報道等で承知しておりますが、特に郵政省の電気通信高度化法案との絡みもありましたね。しかし、こうやって改正案を見ておりますと、特にタイトルというか法案の名前を、装いをころっと変えたと申しますか、情報処理促進法ということにしたわけですね。大臣にお伺いしたいのは、今後の高度な情報社会化に向けての基本法的なものとしてこれはお考えになっておるのかどうか、その点……。
○村田国務大臣 この法律はもちろん通産省が対応いたします最も基本的な法律の一つでございますが、全般的な施策の面で情報化社会に対応してやっていくという意味で今回の改正は非常に重要な意味を持っておると思っております。
○野間委員 確かに、現行法の役割もありまして、情報化は急速に進んだと私も思います。ただ、最近における情報化社会の要請にこたえるため、これが改正の理由になっておりますが、しかし考えてみますと、今当面します重要かつ緊急の課題が山積みしておるというふうに私は思うのです。 衆議院商工委員会調査室の「要点及び問題点」を見ましても、いろいろ書いてありますが、例えば「産業の系列化・再組織化が進む」とか「企業間格差が拡大し、大企業と資金力等において対応しきれない中小企業等の間に格差が拡大する惧れがある」あるいは「中核企業が取引関係上劣位にある中小企業等に対し、過重な投資負担を強制したり、それに応じない企業との取引を拒否したり、」云々というのは確かに今深刻だと思いますし、あるいは先ほどから論議されておりますコンピューターセキュリティーの確保の問題、さらには管理社会化の弊害とかプライバシーの確保の危惧、さらに雇用問題、これもいろいろ論議がありましたけれども、人材派遣の問題あるいは健康障害、さまざまな情報化のいわば表と裏の関係、陰の部分で相当深刻な事態が今進行しておるということは大臣も御承知だろうと思うのです。 ところが、今回の改正法は、私はどう考えても、産業の情報化ということだけが法案に盛り込まれて、非常に重要な、今申し上げましたような点がすべてネグられておるというところに今度の法案の大きな欠陥と申しますか、問題点があるというふうに言わざるを得ないと思うのです。特に中小企業問題に関して言っても、例えば中小企業白書、あるいは情報化の進展と産業組織に関する研究会の報告、それから公正取引委員会の企業間データ通信システム、あるいはPOS、販売時点情報管理システム、これについての実態調査結果などがいろいろ出されております。ここで大体共通して強調されておりますのが、大企業と、先ほど申し上げた中小企業との格差の拡大あるいは大企業の中小企業への支配の強化、こういう危険性の指摘ですね。私もいろいろ聞きましたけれども、将来の問題でなくて、現在相当深刻に、特に運送あるいは製造業というところでは影響が出ておるというふうに私は思うのです。 ところで、白書によりますと、コンピューターの導入企業、これが大企業では七二・六%、中小企業の場合には一八%、こういうのがありますね。コンピューターの単体の利用の、今申し上げました比率とか度合い、これだけでもこれだけの大きな深刻な事態が生まれておる。ところが、今後オンライン化あるいはネットワーク化というものがずっと進みますと、一層深刻な影響がさまざまな形で出てくるということは避けられないと思うのです。 したがって、改正案の提案の理由として大臣も言われました、情報化社会の要請にこたえると言われるなら、既に現在緊急かつ重要な、深刻な問題に対応する施策が、あるいは法的な措置が当然必要であった。とりわけ大企業への規制とか歯どめの措置というものが、調査の結果よく言われておるにもかかわらず、なされていない。どういうわけでこういうものが盛り込まれなかったのか、その点お答えいただきたいと思います。
○木下政府委員 コンピューターの利用が進みますと今までとは違った取引の形態があらわれるというようなことで、企業間の関係にもいろいろな影響が出てくるのは先生のおっしゃったとおりであると思います。 ただ、中小企業白書の例をお挙げになりましたけれども、確かに中小企業関係のコンピューターの利用の度合いは大企業に比べておくれているというのは事実でございます。最近のコンピューターというのは、御承知のように十年前のコンピューターでは大型のコンピューターと言われておりましたものが、机の上に載るパソコンで十分の能力を発揮できるように変わってきております。コストも非常に安くなってきております。したがって、十年前に比べますとコンピューターを利用できる範囲ははるかに拡大して、中企業、小企業あるいは個人に至るまでもコンピューターを容易に利用できるような状況になってきているわけでございます。したがって、通産省といたしましては、そのように発展してきましたコンピューターシステムをできるだけ社会各層において有効に利用していただくような施策を進めていく必要があるだろうということで、従来からもそういう施策を講じてきておりますし、今後もますますその施策を進めていきたいというふうに考えております。 したがって、コンピューターの利用が直ちに大企業と中小企業との格差につながってしまうということはないわけでございまして、先ほど先生から御指摘のありました情報化の進展と産業組織に関する研究会の報告を見ましても、今のオンライン等によるコンピューターの利用が直ちに産業組織的な面で企業に格差を生み、あるいは競争を制限するということには必ずしもならず、むしろ競争を促進し企業間の格差を縮めるのにも役立つ可能性があるということを言っておるわけでございます。したがいまして、そういう格差を縮める方向に進む可能性のある情報化の進展をうまく進めるように通産省としても施策を進めたいというふうに考えております。 今回の改正案の中でも、三条の二で、電子計算機の連携利用に関する指針を主務大臣はつくることができるようになっておりますけれども、それでも二項におきまして関連中小企業者の利益が不当に害されることのないように配慮しろというようなことを言っておるように、中小企業対策というのは十分に配慮した案を我々は考えておるわけでございます。 コンピューターセキュリティーの問題とか、プライバシーの問題等いろいろ情報化に伴って起こってくる問題があるのは御指摘のとおりでございますが、この問題は私どもとしても、この法案の体系の中で処理できるものであればそういう案も考え得たのでありますけれども、必要性は十分各省で認識しながらも、その法益が少し異なるというようなこともありますので、私どもとしては各種の立法の中でそういう問題を解決していくようにしたいというふうに考えております。
○野間委員 今のお答えの中で二点ばかり気になるのです。一つは、中小企業との格差とか競争制限と配慮の問題とか、これはもしそれが事実ないというような認識に立っておられるならば、これは大きな誤りで、そういうような認識で法律をつくり、あるいは運用されるということになれば、これは大変な問題だと思います。これは時間がありませんから、この点また後でもし必要あれば触れたいと思います。 と同時に、二つ目の問題ですけれども、私も今なお弁護士の端くれですけれども、法律をつくる際の手法として、今申し上げた幾つか、局長も言われましたけれども、こういうものを法案の中へ盛り込むということは、これはできるわけです。しかし、今までの経過の中で、いろいろな各省庁との縄張りの争いとか、話がつかなかったということもこれあろうと思いますけれども、少なくともこれは本当に重要な緊急な課題が山積しておりますので、こういうものが欠落しておるということについては、私は大変遺憾だというふうに言わざるを得ないと思うわけであります。 そこで、具体的に若干触れてみたいと思いますが、まずシグマシステムについてであります。これは協会の業務として追加されますよね。二十八条の一項の四号、それから二十八条の二ですね。これに関してお聞きをしたいと思います。 いわゆるシグマシステム、これについて、五カ年計画で開発費が二百五十億円、当面六十年度予算案では、産投出資が二十億、それから開銀融資等が五億、民間出資等が五億円、合計三十億、これが開発費として計上されております。ところで、二十八条の一項四号で規定されております開発業務、これについて、二十八条の二では委託の問題、委託することができる、こういう規定がありますね。今までの経過からいたしますと、私は、協会自体が開発主体になるのか、あるいは大部分がコンピューターメーカーに委託されるということになるのか、これはいろいろと考え方があると思いますけれども、経過からすれば委託業務としてコンピューターメーカー等に大部分が委託をされるのじゃないか、そう思うのです。と同時に、委託先に、これも先ほどから論議がありましたけれどもATT、こういうものも含まれるという危惧を持つのです。あるいは新電電も入るのではないかと思いますけれども、その点についてはどうでしょう。
○木下政府委員 シグマ計画をつくります場合に、今先生御指摘のように、二十八条一項四号において、プログラムの作成支援ツール、モジュール等の効率化のプログラムを開発するということになっております。それで、私どもは、この計画をあくまでも情報処理振興事業協会が主体となってそこに本部を置いて実行していくというようなつもりで計画を考えておるわけでございますが、行革の時代に、そこに全部人を集めてやるというのは必ずしも効率的でもないし、こういう作業をする技術者の人というのは日本国内にも数が限られているという状況でもございますので、必要な方々だけこの情報処理振興事業協会の本部に出向してきていただいて、いろいろ作業していただく。その中核となる方々の作業の一部手足となるような形で、委託業務で関係の企業にいろいろと委託することもあり得るかと思います。 例えば、プログラムの作成支援ツールというようなものを委託する先としては、私どもとしてはソフトウエア作成企業というようなものが当然対象となると考えられますけれども、具体的な開発のやり方、委託のやり方につきましては、ケース・バイ・ケースの判断で、最も開発能力を有しており、かつ公益性の確保の観点から、特段の支障のないものについてはそういう企業に委託をする形で、全体を最も効率的な開発を進めていきたいというふうに考えております。
○野間委員 ATT、これも私、質問したわけですけれども、これも参加するわけでしょう。
○木下政府委員 ちょっとお答えが不十分で申しわけございません。 ATTのUNIXというオペレーティングシステムを導入することで、ATTと現在話を進めております。その関係で、ATTの研究所の方から研究者の人たちが、このシグマ計画の作成に協力してくるということも考えられると思います。それからまた、四月一日から発足いたします新電電におきましても、研究所には優秀な技術者の方がたくさんおられますので、そういう方々にも御協力をお願いしたいというふうに考えております。
○野間委員 ですから、今日までもこれは委託ということでいろいろと開発をやってこられた。今後も、確かに協会としてやられるのと委託と両方あるというお話が今ありましたけれども、いずれにしても、今までの例からいたしますと、ハードメーカーとかあるいはATT、今言われましたけれども、あるいは新電電、あるいは大手の処理業者、こういうところが開発の主体になることは明らかだと私は思うわけであります。 そこで、二十八条に関して次にお聞きしたいのは、ことさらシグマシステムというような形で一項四号を追加しなくても、従来IPAの事業として、例えば七六年から八一年度までの六年間に六十五億円かけましてソフトウエア生産技術開発をやられましたですね。それから、八一年から五カ年計画でこれは三十一億円をかけて開発が進められておりますソフトウエアの保守技術開発、こういうのがありますね。ですから、それじゃ一体、これらとシグマシステム、これらはどういう関係なのか、とりわけこの四号がなくても、従来一号でやっておったというふうに私は思うのですけれども、どうなんでしょうか、この関係。 それからもう一つは、このシグマシステム、今申し上げたように二百五十億円かけて五カ年で開発されるようですけれども、ソフトウエア生産の自動化がこれで大きく前進して、この種の開発プロジェクトはこれで一切必要ないという判断なのか、それともエンドレスでずっとまだ続いていくということなのか、どうでしょうか。
○木下政府委員 御指摘のように、過去におきましても、情報処理振興事業協会の委託開発事業の対象として、プログラムの作成関係の事業をやったことは事実でございます。今度のシグマ計画は、過去におきましてやりましたそういう成果も全部取り入れて、一つの大きなシステムをつくり上げたいというふうに考えております。 法律的に申し上げますと、情報処理振興事業協会等に関する法律の二十八条の一号に、その委託開発のことが書いてございますけれども、「企業等が自ら開発することが困難なものについて、委託して開発すること。」ということになっております。それから二号では、「特定プログラム」というのは前号のプログラムですが、「特定プログラムであって、企業等が開発したものについて、対価を支払い、その利用に関する権利を取得すること。」それをまた三号で「普及すること。」という規定がございますが、今回シグマ計画でやろうとしておりますのは、委託して開発するということではなくて、あくまでも情報処理振興事業協会がみずから開発するというもので、みずからのために開発するものをこの中に掲げようということでございますので、やはり現在までの規定の中では読み込めないということで、私どもとしては新たに四、五、六、九という、四つの号を起こしたものでございます。 それから、将来こういうソフトウエアの生産工業化に関する事業は、シグマ計画が終われば全部終わるのかという御質問でございますが、それにつきましては、プログラムというものは全部そうでございますけれども、今後も、いわゆる英語でいうバージョンアップということでどんどん内容をよくしていく作業が必要になってまいりますので、シグマ計画ができ上がりました後も当然その内容をよくしていく作業は続くことだと思います。
○野間委員 先ほど挙げましたソフトウェアの生産技術開発あるいはその保守技術開発これは九十六億円かけ、またこれからもかけるわけですが、これはそれぞれ委託事業として今まで行われてきたわけですね。そこで委託先をということで、通産省から資料をもらいまして、いろいろ調べてみましたところが、ほとんどがコンピューターメーカー、それから大銀行あるいは大商社、この大企業の一〇〇%出資ないし大企業の系列のソフト会社、こういうところがほとんどです。例えて言いますと、ソフトウエア生産技術開発は日本電気が一〇〇%出資の日本電気ソフトウエア、富士通の富士通エフアイピー、それから日立の日本ビジネスコンサルタント、東芝の日本ビジネスオートメーション、その他三井グループ等々ありますね。これはソフトウェアの保守技術開発、これについても全く同じなんですね。この点についてはお認めですね。
○木下政府委員 五十一年度以降、プログラムの生産技術開発あるいはプログラムの保守技術開発ということで、委託開発事業を協会の特別開発事業費ということでやっておりますが、これらはいずれも委託開発でございますので、企業に対して注文を出しておるわけでございます。具体的には、今先生がおっしゃいましたようなコンピューターメーカーじゃございませんが、ソフトウエアの生産に従事しているメーカーに委託をいたしております。
○野間委員 これは全部ハードメーカーの系列でしょう。 そこで、この自動化について今までもずっと取り組んでこられた。この自動化がどのような取り組みをされてきたのかということで、これまた若干調べてみたわけですが、いわゆる機電法ですね。これが改正されて機情法になりましたが、こに基づいて一九七八年十二月二十一日告示のソフトウエア業の高度化計画というのがありますね。これは江崎通産大臣のころであります。この告示によりますと、「生産体制の高度化」すなわち「ソフトウエア生産工程の省力化、自動化等を促進し、供給するソフトウエアの質の向上」、これは第二番目として挙げられておりますね。さらに、「プログラミング支援技術」あるいは「デバッグテスト技術」それから「自動プログラミング技術」この実用化の目標まで具体的に定められておりますね。 こういう経過から私は考えてみますと、要するにソフトウエア生産の自動化あるいは機械化、工業化ですね。こういうことは今急にぽっと出てきたというものではなくて、これまでもコンピューターメーカー中心にして一貫して取り組んできた課題だし、これに対して委託なり補助なりそれなりに助成措置も講じてきたわけですね。結局考えてみますと、このシグマシステムというものをこれは新たに導入された。これは結局ハード面ではIBM等へのキャッチアップが実現しつつある。今度はソフトだということで、思い切って今までのような補助金、助成金、こういうものを大幅に拡充する第一歩になるのじゃないか、私は、おんぶにだっこじゃないかという感じがするわけですね。この点については、私、言い過ぎでしょうかしら。私はそう思えてしようがない、思わざるを得ないと思うのですが。
○木下政府委員 プログラムの生産技術、あるいは保守技術等を改善する必要性というのは、先生おっしゃいましたように、従来からもその必要性が認められてきておったわけでございまして、だからこそ、いろいろな形での予算を使っていろいろな事業を従来からもやってきておったわけでございます。それで、機情法に基づいて計画をつくりますものも当然そういうような考え方に基づいて、その必要性があるからこそ、そういう計画をつくってやってきたわけでございます。 ただ従来のプログラムの生産性向上施策というのは、どちらかというと、個々の企業ベースの話になってきたわけでございまして、全国的につくり上げたそういうプログラムをそのすべての機種のコンピューターとつないで、すべての種類のプログラムの作成に使えるような形でやってきたわけではございませんで、特定の機種についての特定の分野における生産技術あるいは保守技術の開発ということで、それなりに十分意味があり、それなりにいろいろな方面で利用されておりますけれども、そういうような形でやってきたものでございます。 今回私どもが考えておりますのは、そのような体制とそのような実績を踏まえまして、むしろそのような実績の中で取り入れられるものは全部入れて全国一本のシステムをつくり上げ、それを大企業だけではなく、中小企業、中小のソフトウエアメーカー等が比較的低コストでどんどん利用できるようなシステムをつくり、全体としての日本のプログラムの生産性の向上に役立てようというような計画でございまして、もちろんソフトウエアというのは非常に重要な要素でございますから、今後もいろいろな施策を講じていく必要はありますが、今回のものを契機に急速にそういう予算的措置を拡大しようというほど日本の財政事情も豊かではないというふうに考えております。
○野間委員 相当ほうり込んでいますし、これからもほうり込もうとしていますよ、後で触れますが。 そこでお聞きしたいのは、これは先ほど同僚議員の御質問にもお答えがあったと思いますが、一九六二年の高性能大型電子計算機開発から現在の第五世代電子計算機開発、あるいは科学技術用高速計算システム開発、新機能素子開発、ここに至るまで一体コンピューター関係の開発についての補助金、委託費ですね、これらの名称と、当初予算ベースで結構ですから、金額をぜひ聞かせていただきたい、こう思います。
○木下政府委員 昭和三十年代以来通産省といたしましてはコンピューター情報処理関係のいろいろな施策を講じてきておるわけでございまして、その予算の総額は千九百億円ぐらいになるわけでございます。そのうちソフトの関係が約三百億円ぐらい使われているということになるわけでございますが、そのような施策をいろいろ講じてきました結果が、最近におけるエレクトロニクス、あるいは特に情報処理関係機器の非常に世界と肩を並べるような高水準の機器がどんどんできるようになった背景になったと我々は考えておるわけでございます。 そのような予算の中で主なものについて申し上げますと、三十年代は高性能大型電子計算機の関係で四億円、四十年代に入りまして超高性能電子計算機の開発百億円、それからコンピューターの貿易自由化対策というようなことで、各種の施策を講じましたのが約六百八十六億円、それから五十年代に入りまして第四世代電子計算機の基本技術開発として補助金で出しました金額が五百十三億円、それからいわゆるスーパーコンピューターと言っております科学技術用高速計算システムの開発七十三億円、光応用計測制御システム百二十四億円、それから第五世代コンピューター百三十億円、こういうふうなものがその内訳でございます。
○野間委員 それに先ほど挙げましたソフトウエアの生産技術開発、あるいは保守技術開発、これも入れましたら、これは二千億をオーバーするわけですね。もう相当な金が使われておるということだと思うのです。これは一九五七年制定の電振法から七一年に改正された機電法、それから七八年から今日に至る機情法ですね、そして七〇年に制定され今に至るIPAですね。この二つの法律体系を軸に情報産業企業に対して二十数年間にわたってこれだけ大きな金がつき込まれてきたということだと思うのです。このほかにも開銀の融資等、金融上の措置あるいは税制上の措置、これも相当大きく政府は施策をとってきた、こう思うわけであります。 それで、振り返ってみますと、なぜこんなにうんと金が投入されたのか、いろいろな措置がとられたのかということですけれども、一九七〇年に産業技術会議が発行しました「情報産業の施策と動向」というのがございますね。これは八月二十日に出したものであります。私はコピーをここに持っております。この本に、一九六九年一月、これは自民党の情報産業振興議員連盟が橋本登美三郎さんを会長として発足して以降の活動が詳しく紹介されております。そのうち、六九年四月十八日の振興議員連盟の二回総会で奥村綱雄さん、当時経団連の情報処理懇談会の委員長ですね、この方が、「ソフトウエアの開発についてはチビチビとカネを出していたのでは育ちません。政府の方で大量のカネを出してもらわないととても育たない」、こういうことを言っておられるわけですね。それから加藤弁三郎さん、経団連の情報処理懇談会の委員ですね、この方も、「民間だけではどうしてもできないことが多い」「政府もしっかり助成していただきたい」、こう言っておられます。このほかいろいろ読んでおりますと、財界の方からうんとこういう要請が強かった。そして法律が今申し上げたように体系がずっとできまして、この中で今通産省が言われるだけでも千九百億円以上が投入された。そして、ソフトウエア、ソフトウェアと言われますけれども、今に始まったことではなくて従前からいろいろな手厚い施策がなされてきた、こういう経過をたどっておるというふうに私は思うのです。 これは社会全体の要請だと言われるかもわかりません、おくれているから云々と言われるかもわかりませんけれども、二十数年間にわたってこれだけ手厚い手当てをしてきたのは我が国が異例だと思うのです。これはほかの諸外国ではないと思うのですね。これはやはり、もっともっとやらなければならぬ冒頭に申し上げましたような施策がありながら、こういうところにうんと金をつぎ込む。これはうんともうけている企業ですので自力でも当然できるわけですから、やる必要があるのに、私はどうもこの点については不可解だと思います。この点、いかがですか。 〔田原委員長代理退席、委員長着席〕
○木下政府委員 コンピューターというか、情報産業というのは先進各国とも国の命運にもかかわる産業だということでいろいろ手厚い施策を講じているのは御承知のとおりでございます。アメリカにおきましてはNASA等の計画すべてコンピューターの計画とつながるわけでございますし、国防関係でも講じている施策がコンピューターの開発、素子の開発にそのままつながっているという状況であるのは御承知のとおりでございます。またヨーロッパにおきましても、コンピューター産業自身の育成ということで、日本と同じように従来から施策を講じてきておったわけでございまして、日本においても同じような考え方で、将来の社会経済を担う情報産業をほかの国の産業と肩を並べるところまで持っていくために、いろいろと施策を講じる必要があるということで、二十数年来にわたってそういう施策を進めてきたわけでございまして、今やっと少しずつその成果があらわれてきたということは言えると思います。 ただ、先ほどからも御説明申し上げておりますように、ハードの部門においてもまだ劣っている面はたくさんございますが、ソフトウエアあるいはデータベースというような面になりますと、まだまだ日本は劣っている面があると思いますので、それらの施策は今後とも十分続けていく必要があろうというふうに考えておりますが、これは国民経済全体のために役に立つものであるからこそ通産省は進めているものでございます。
○野間委員 欧米の例を今言われましたけれども、ちょっと調べてみますと、例えばアメリカの場合、これは異例なんです。国防総省を中心にしたVHIC計画あるいはスターウォーズ計画、これは軍事目的との関係で行われています。だから、こういうものを比較の対象にされることはおかしい。それともアメリカと同じように軍事目的でうんとつぎ込めというようなことならともかくとして、おかしいと思いますし、ヨーロッパの場合も調べてみますと、ECのエスプリ計画に見られますように、むしろ我が国がうんと政府の金をつぎ込む超LSI開発などに見倣って近年スタートしたということは局長もつとに御案内のとおりだと思うのです。ですから私は、こういう諸外国の例から考えてもやはり異例だということはぬぐい去ることはできないと思うわけです。 とにかく、二十数年来法律の上でも予算の上でもあるいは金融、税制の上でも、こんなに総合的系統的に手厚く特定の企業に対する補助金や助成金、こういうものをやりまして育成を図ってきた例はないと言わざるを得ないと私は思うのです。しかも、先ほども言いましたように空前の利益をそれぞれの企業は上げているわけですから、そういう点は通産省としても政府としてもきっちりするべきじゃないか。 一方、中小企業の倒産が戦後最悪、通産大臣も、中小企業大臣でなければならぬと言われたわけでありますけれども、非常に厳しい。同時に、コンピューターメーカーが五年、十年とずっと増収増益を繰り返しておりますのにかかわらず、後でまた工藤議員の方からもお話があると思いますが、そこで働く労働者あるいは関連中小企業のソフトウエア労働者、これは本当に奴隷的な労働で非常に深刻な実態を今強いられておるわけであります。ですから、こういうところにやはり光を当てることが大事でありまして、私からすればどうも政府が今やっておる施策、政策は、本来当てなければならぬところはネグって、そうでないところには厚い手当てをするというふうにやっておると考えざるを得ないのです。 もっとも、情報処理技術の進歩、これは国民生活や安全の向上あるいは障害者の社会参加、医療、福祉の向上、災害の予防、こういう点に大きく貢献する要素はもちろんありますし、また活用しなくちゃならぬ、これは当然のことでありますが、冒頭に戻りますけれども、そういう点で当面非常に大事で本当にやらなきゃならぬ課題が山積みしておりますから、その点についてやはり抜本的にきちっと法制化もやっていく、私は、こういうことを除いては、提案理由にあります情報化時代の要請にこたえてということにはなり得ないと思えて仕方がありません。 時間がありませんのでこれで終わりますけれども、私はそういう点で、これは非常に大事な点が欠落した法案だと言わざるを得ないということをつけ加えまして、質問を終わりたいと思います。
○粕谷委員長 これをもちまして野間友一君の質疑は終わりました。 引き続いて、工藤晃君の質疑に入ります。工藤君。
○工藤(晃)委員 通産省のこれまで発表した文書などを見ますと、情報産業ないしは情報関連産業はいわばこれから一層発展する成長産業である、あるいは知識集約型産業である、リーディングインダストリーである、そういうような位置づけをやっていると思います。ところで、先ほど大臣も言われましたように、通産省としてこういう情報産業をどうするかというときに、ただそこで投資がどんどん行われるようにするというだけでなしに、全国民生活的な広がりを持った視野で進めなければならぬという考えも持っていると言われましたが、果たしてそうでしょうか。大臣、お願いします。
○村田国務大臣 この法律が初めて制定されましたのは昭和四十五年でございますが、我が国の情報化というのは広範かつ急速な進展で進んでおります。約十五年を経過して、今日電子計算機の実働台数が十五万台になった。また、我が国情報産業は十兆円産業と言われるまでに成長した。これは民間事業者のたゆまぬ努力のたまものであると同時に、本法を初めとする各種の情報処理関連施策の成果であると考えております。そして情報化、技術開発というのは、今工藤委員がリーディング産業であるという御指摘をなさったように、まさにこれからの世の中の進む方向の中で一番大切な産業であると私は思っておりまして、そういった意味では日本の国民生活を豊かにし、そしてまた経済を一割国家にまで進めるための大きな寄与をなしてきておる、これからもしてもらわなければならない、こういうふうに考えております。
○工藤(晃)委員 本来リーディングインダストリーであるとか知識集約型であるとか、そういうことは最初私もちょっと言いました、大臣の全国民生活的立場ということからいえば、当然そこで一番進んだ労働条件とか労働の環境だとか、そういうものができなければおかしいと思うわけであります。特にソフト産業、ソフトハウスなどの賃金水準について大体どういう状況にあるか、これは労働省よりも通産省の認識を伺いたいわけです。
○木下政府委員 ソフト産業における技術者の方方の給与水準はほぼ電機労連並みだというふうに伺っております。
○工藤(晃)委員 残業を百時間も二百時間もやって高くなるかどうかということも含めて答えなければだめですね。 それで、電算機関連労働組合協議会、以下電算労と私申しますけれども、その最近のアンケートを見ましても中位数、大体半分になるところの数が残業とかああいうものは除いて十六万台から十五万円台ということです。特に見てほしいんですが、日本興業銀行の「興銀調査」八五年NO.1というのがあります。コンピューターにもいろいろかかわりがあるからよくおわかりだと思うのですけれども、この中で特にプログラマーにしろ、システムエンジニアにしろ、情報処理産業の方が今言った電機労連のメーカーの中にいるプログラマーとかシステムエンジニアと比べまして、プログラマーで一九%低い、システムエンジニアで一四%低い、こういうことも書いてありますし、それから同じ調査で七七年から八二年、ソフト産業でソフトウエア技術者の定例給与は五年間で年間五%上がったにすぎない、これはむしろ民間企業の定例給与の六%上昇よりも低いんだ、こういう事実さえ挙げられておりますね。 それからもう一つ、これは私びっくりしたのですけれども、同じこの調査の中の公認会計士の団体であるTKC経営指標というのを見ますと、特にソフトウエア業の付加価値生産性とか売上高経常利益率を見ますと、付加価値生産性、つまり月一人当たり何千円かというので見ますと、ソフトウエア産業と消毒業、自動車整備業、旅館業、電気修理業、写真業とを比べると、ソフトウエア業の方が低いんですよ。それから売上高経常利益率に至っては、さっき言ったようなもの、あるいは美容業、飲食業、そこらにほぼ並ぶぐらいであって、およそ知識集約型産業とは言えないということがこの興銀のレポートには書いてありますね。これは百九ページです。もしあったら見ておいてください。 ですから、さっき私が問題提起したのは、リーディング産業である、一番新しい未来のある明るい日の当たった産業であるところで働く人たちの労働条件が、実は日が当たらないという問題については深刻に考えなければいけない、これは産業政策の進め方として考えなければいけない、こういうふうに思うわけなんです。 そこで、以下ちょっと労働省に伺うことになるわけでありますが、先ほど来ここでいろいろ問題になっておりました人入れ稼業、労働者派遣業は職安法四十四条で禁止されている。それから労基法では中間搾取が禁止されている。ところが、先ほど私が引用しました電算労のアンケートを見ますと、「現在あなたは派遣されていますか。」「はい」が三二・六%ですね。「はい」と言った人で期間について一年以上が五八・〇%、三年以上は二四・三%、五年以上は九・八%。派遣先の勤務形態はどうか、「派遣先の会社に従っている」が六四・四%ですね。ソフトウエア産業の中には今の職安法で禁止されている労働者派遣業が明らかにあるのではないか。この点について、どうでしょうか。
○菊地説明員 お答えいたします。 労働者派遣的な実態があるのではないかという御指摘でございますが、私ども派遣事業法制の立案の関係もございまして、関係業界からヒアリングをしたり、あるいは個別事業場に対する指導等によってある程度の実態は把握してございます。 いずれにしろ、現在は職業安定法で言う労働者供給事業の違反にならない形で、一定の要件のもとで請負という形で実態を指導している状況にございます。
○工藤(晃)委員 業界の人を呼んで聞いたって実態はわからないですね、もっとまじめに調べないと。今のいわゆるソフトハウスというのは、私もいろいろ調べましたけれども、三種類なんですね。一つは、実際に技術を蓄積しながら小さいながらもやっていっている。確かにあります。それからもう一つは、ソフトを販売する、こういう業態もあります。三つ目は、これは明らかに人の派遣が目的ですね。だから実際にそんな施設とか設備とかなくて、狭い社長室があって、あと下宿屋のあれで若い労働者を泊めて派遣に応じてどんどん出していくというやり方ですね。 これは興銀の調査を見てもいろいろ書いてあります。一人当たりの売上高とか見ると物すごく少ない、人件費すれすれじゃないかと思うようなところがいっぱいありますね。そこで本当に設備を持ってソフトの仕事をやっていて時々派遣されるというようなことじゃなしに、もう明らかに派遣そのものが目的で人を集めているという実態があるわけなんです。だからこそ、さっき言った答えの中にも、向こうへ行って向こうの会社の労働者と一緒になって、そこの指揮系統に従って仕事をするというのであって、いわゆる請負師が請負して、請け負ったところの会社が行ってそこで指揮をしながらとか監督を受けながらとか、そういう形でないところがあるわけなんです。だから通産省としてもそういう実態をぜひ調査しないと、これから大変なことになります。どうでしょうか。
○木下政府委員 ソフトウエア企業の場合に、ユーザーとの間で契約を進めていくためにはユーザーの持っておりますコンピューター等のプログラムをつくるわけでございますから、どうしても現場に派遣されて仕事をせざるを得ないという実情があるわけでございます。そういうことでございますから、請負形式というようなことで実際にユーザーのもとに行って働いているというケースがあるのは確かだと思いますけれども、これはあくまでもソフトウエアをユーザーのためにつくる過程においてそういうようなことをやっておるわけでございまして、そういうものが即禁止されているような労働者派遣事業をやっているということは必ずしも言えないのではないかというふうに考えられます。 ただ、ソフトウエア業自身がみずからの技術力をもって個性を持った経営をやっていくということは非常に重要でございますので、私どもとしても、個々の企業がソフトウエアの開発技術をさらに改善して、それをベースにユーザーとの間で取引を行っていくような体制に持っていくことは重要だということは認めておりまして、そのための施策をいろいろと進めておるわけでございます。
○工藤(晃)委員 今の認識は大変不十分だと思います。さっき言った、私がわざわざ三つの形態ということを挙げたのは、明らかに一部分にもう人入れ稼業そのものを目的にした形態があるから言っているわけで、私も調査をしながら言っているわけであります。 そこでもう一つ労働省に聞いておきたいのですけれども、先ほどから労働者供給事業的だとか、あるいは法律違反的だとか「的」という言葉でいろいろ言っていたのですが、「的」と「違反」とどう違うのか。実際違反しているのはあるわけでしょう。それで、もっと言うならば、大体今度の人材派遣ですか、労働者派遣業法という法案をつくり出したのは、そういう実態があるからそれを合法化するためじゃないのですか。実態がないものにわざわざそういう法の改正をやるのですか。そういう点で、違反的であるとか、いわゆる労働者派遣事業的であるとか、「的」じゃなしに実態があるのだから、労働省としてもっとまじめに調査するべきじゃないですか。そのことを私は言っているわけです。
○菊地説明員 職業安定法の施行規則の四条に具体的な要件が明定されておりまして、請負契約によりまして受注の範囲を明確にしまして、受注者は業務の遂行についてすべての責任を持つというのが第一点です。それから、雇用する労働者に対しまして請け負った人が使用者としての責任を負っているということが第二点です。それから第三点は、発注者側において個々の労働者の作業上の指揮監督を行うものではないこと、このような要件のもとに労働者供給事業でないという形で指導しているところでございます。しかしこの要件が、昨今の状態を見てみますと要件に欠くおそれが出てまいりましたので、派遣事業法制という、法律を制定いたしまして、雇用した事業主以外の派遣先の事業場で働いてかつ派遣先で一定の責任を明確にするというルールを確立したいということを考えている次第でございます。
○工藤(晃)委員 今言ったように大変抽象的に、要件を欠くものがだんだんふえてきた、そういうことじゃないですか。今言った幾つかの要件だって、五年も派遣されていてどうしてもとの会社が責任を持っていることになるのですか。ならないでしょう、そんなこと。しかもAという会社に行ってからBへ派遣される、BからCへ派遣される、こんな実態があるじゃないですか。だから、今私がここではっきりさせなければいけないのは、情報産業、ソフトウエア、大変新しい産業なんだけれども、そこで驚くべき前近代的労働条件の実態があるということを、これは通産省も、それから労働省もはっきり認めて実態を調査しなければいけないということなのです。そういうことなしに、今度は派遣業を法律でつくって認めましょうということになれば、まさに今までに違法の限りを尽くしたことを合法化することじゃないですか。ですから、我々はそういうやり方に反対しているわけなのです。 それからもう一つ、労働省に聞きたいことなのですけれども、労働時間の問題なのですね。これはやはりソフト産業の労働者の問題で、過去一年間月間最高残業時間は六十時間以上というのを三六%が答えております。もちろん中には百時間以上、二百時間以上というのがあるわけです。ですから、いわゆる三六協定を超える残業については組合でぜひ規制してほしいという要求が大変強く出されているわけなのです。 ところで、労働省としてはこれまでこの三六協定につきまして月五十時間以上を超えないようにする、こういう指導をやっているわけですね。それで、三カ月で百五十時間以上を超えてはならないと言っている。それにもかかわらず、さっき言った三六%の人が六十時間以上というふうに答えているわけですから、この実態が正しいとすると、その労働省の通達というものは全くなきに等しいわけなんです。 そういう点で一つ伺いたいのは、電算労の林書記長が「労働の科学」という雑誌に書いていることでありますけれども、ある大手コンピューターメーカーが下請のソフトの会社に対して「貴社の三六協定申請内容のうち延長することができる時間を一日につき一三時間、一カ月につき一〇〇時間に変更したうえで協定書の写しをご送付願います。」といって一斉にそういう百時間に変更した協定書を送れ、こういう事実を指摘されております。これがもし事実だとすると、労働省としては当然そういうやり方に対して一定の行政指導をすると思いますが、その点どうでしょうか。
○菊地説明員 先生御存じのことかとは思いますが、労働基準法は、三六協定を結びますと、その協定した範囲内で時間外労働をすることを認めているところでございます。御指摘の行政指導は、いわゆる目安時間という形で行政指導という次元で指導している点でございます。その行政指導の対象に新技術、新商品等の研究開発の業務等というものを除いておりまして、御指摘の業務がそれに該当する限りでは行政指導の除外業務になるという観点もございますが、いずれにしましても、この通達を出した趣旨は過大なあるいは過重な残業時間をできるだけ短くするという方針に基づくわけでございますから、御指摘のようなことが事実であるとしますれば、我々としては指導を進めたい、かように考えております。
○工藤(晃)委員 商工委員会で労働省ばかりを相手にやりたくはないのですけれども、しかし、この指針そのものが大変よくないのですよ。よくないのだけれども、少なくとも五十時間にとめなさいと言っているときに、百時間にしなさいという命令を出す大手のコンピューターメーカーがある。そして、ソフトの労働者の労働条件がますます悪化するということをいろいろ理屈をつけて見過ごすようなことに対しては、私は黙っているわけにいかないのでついつい聞いたわけであります。 それでもう一つ非常に大事なのは、プログラマーの人はなぜ三十五歳で自分たちはもうやめたいと言うように大勢の人がなっているのか。この問題は大変深刻だと思うのですが、これは大臣、どうお考えでしょうか。
○木下政府委員 コンピューターのプログラマーのやっております仕事は非常に最新の技術を使ったものでございまして、非常に根の要る仕事だということで、若い年齢の方々の方が仕事に向いているというような感じがありまして、それで比較的若年層の方々がたくさんこの仕事に従事しておるわけでございます。現実に四十歳を過ぎますと、プログラムをつくるということ自身について、肉体的にも精神的にもそれがなかなか難しくなってくるというようなことがあって、ほかの仕事に移られるというケースが多いように伺っております。例えば、私がもしコンビユーターのプログラムを今から勉強してやるとしてもなかなかできないものが、若い十代あるいは二十代の前半の人たちであれば簡単に覚えることができるというような感じの仕事でございますので、そのコンピューターのプログラムをつくる仕事自身の性格から、そのようなことがきているのではないかというふうに考えられます。 したがって、私どもとしては、自動化を進めようというのはそういうことを配慮してのこともあるわけでございまして、自動化を進めてコンピューターでできるだけ機械を使ってやれることができれば、将来はプログラマーの人たちはもう少し高度な仕事に移っていくことができるというようなことで、全体としての雇用構造も安定したものになることになるだろうと我々は期待しておるわけでございます。そういう意味で、仕事の内容が若い人だけでなくてはいけないような仕事にしないように、少しコンピューターの導入等で改善をしていきたいというのが我々の考え方でございます。
○工藤(晃)委員 いささか最後の答弁は我田引水になったんじゃないかと思います。 そこで、私、ソフトクライシスということについて少し伺ってみたいのですが、ソフトクライシスで、今までソフトの需要が二十数%年々伸びたということだとか、ソフトウエアの技術者が年々一五%とか一六%伸びていって将来六十万足りなくなるということなんですが、これもちょっとついでに言っておきましょう。 さっき言いました興銀の調査の中で、ソフトクライシスというのは神話じゃないかとかなり批判しておりますね。何となれば、さっき言った二十数%ふえたというのはいわゆるソフト産業の売り上げとか需要がふえたのであって、もっと大勢のソフト産業で働く人というのは、全体のソフトの仕事をやる中の二十数%でしょう。コンピューターメーカー、ユーザーに大勢いますね。新日鉄なんか随分大勢いるはずです。そういう中の二十数%の人が働いている、その売り上げが二十数%ずつふえたというのであって、全体としての伸びはそれほど大きくない、それほど緊迫してない、せいぜい十数%であろう、そういうことも言っております。また、ソフトウエア労働者の伸びも過去年々一六%というけれども、そういうコンピューターメーカーだとか大きなユーザーなんかを全部総合して見るならば、せいぜい九%くらいであろう、こういう見方をしています。何よりも痛烈なのは、もし本当にソフトがそんなに緊迫していたら、なぜソフトウエア労働者の賃金が上がらないのか、労働条件はよくならないのかと書いてありますよ。興銀はIPAにも参加しておりますからよく聞いてほしいのですけれども、私はいささか誇張していると思うのですが、こういう実態があるのです。 もう一つ、これは私の意見としてぜひ聞いていただきたい。今認められましたように、三十五歳になったらもうとても働けないような労働が現にやられているということは大変なことだと思うのですね。残業に継ぐ残業、しかもどんどん職場を転々として移らなければならない、賃金も安いという、本当に労働を搾り取られるような状態があるからこそ、また長く働けないというわけであって、私に言わせれば、今情報産業で起きているのはソフトクライシスじゃなしにヒューマンクライシスである、人間の危機である、こう思いまして、こういうことを解決していかないと、自動化を進めたって何したってよくならないと僕は思いますよ。 それは、自動化の一番進んだ製造工場へ行ったって、なるほど楽になった労働はあるかもしれないけれども、逆にロボットに使われるような労働者はいっぱいふえていくわけですからね。自動化になれはすべて楽になりますなんていうのは大変のんきなお話なんで、そういうことで、やはり一番進んだ労働の環境、労働条件が生み出されるべきリーディング産業の中で一番劣悪な、ある意味で言えば前近代的な、人入れ稼業なんていったらひどいものですから、そういうものさえがある。ここにメスを入れていかないと、自動化をやったって何やったって決してよくならない、こう思います。この辺、大臣どうでしょうか
○村田国務大臣 先ほど来工藤委員の御質問、こちらで拝聴いたしておりました。私の認識といたしましては、情報産業分野は技術革新の著しい分野であって、通産省としては、民間事業者の創意と活力が最大限に発揮し得るような環境基盤を整備していくことが最も重要である、こういう認識を持っているわけです。 そうして、情報化の進展は、競争の活発化、労働時間の短縮、労働災害の防止、単純繰り返し作業からの解放などの面で重要と考えておりますが、ただ一方、大企業と中小企業との間で情報化格差、ひいては経営力格差が拡大をしたり、労働条件の変動が生ずるなどの影響を懸念する向きがあることも事実だと思います。通産省としては、情報化の進展がもたらす経済社会への影響については引き続き十分注意いたしまして、適時適切な対応を図り、そしてまた労働省とも連絡をとりまして、情報化による便益を国民一人一人が享受し得るようにすることが重要である、こういう認識を持っております。
○工藤(晃)委員 時間がかなりなくなりましたので、最後の一間はIPAの組織について伺いたいのですが、IPAは役員のほかに評議員会というのがありますね。今十九名ですか、十九名で例えばシグマ計画なんかも評議員会で最後的には決めるとか、決めるのかどうか知りませんが、ともかくここで審議をするということだと思うのです。この顔ぶれを見ると、どう見ても銀行の代表、あるいは財界団体の代表、あるいは業界団体、企業団体、財界が後ろにいる調査機関、その顔ぶればかりで、これからいろいろコンピューターのソフトの計画をつくるとか協議をするには、学術的な要素とか科学者とかいうのが大変少ないように思うのですが、十九名のうち一体何人が学者ですか、ちょっと答えてください。
○木下政府委員 情報処理振興事業協会の評議員会は定款によって置かれているものでございまして、情報処理振興事業協会の事業の重要な事項について意見を聞くという機関になっております。それでその評議員の方々は、それぞれ各界を代表して、情報処理振興事業協会の運営について、その各界の立場から意見を述べられる方々をお選びして評議員になっていただいておるわけでございます。もちろん重要な事項については評議員会の意見は聞きますけれども、最終的には、例えばシグマ計画の資金計画、事業計画等は通産大臣の認可を受けるということになっておりますので、政府の規制はそういう形で受けることになっております。 それで、学者の先生あるいはそういう専門家の方々の意見は聞かないのかという御質問でございますけれども、IPAにはたくさんの委員会がございまして、それぞれの委員会の中には学者の先生、専門家の方々にたくさん入っていただいております。例えばプログラム専門委員会の委員長は東京大学の名誉教授である渡辺茂先生がなっておられますし、それから汎用プログラム登録審査委員会では筑波大学の西野教授がなっておられるということで、各般の学者、専門家の方々に入っていただいてこの事業を遂行しておるわけでございます。
○工藤(晃)委員 時間が来たということでありますが、要するに、一番大事な問題をここでいろいろ審議するという評議員の中に、学術的な要素を代表するような人というのはほとんどいなくて、さっき言ったように渡辺さんは入っていますけれども、それを除いてはいなくて、言ってみればみんな財界人の代表みたいなので、私はこんな集まりであったらシグマ計画やなんかはうまく進められないと思いますよ、利害代表者ですから。それがどうしてこう長期的に計画的なものを練っていけるか、そういう疑問を出したいわけなんです。まして二百五十億というお金をどうするかというようなことを、こういう一番利害を持って、その分野で商売をやってもうけている人たちの代表みたいなのが多いような評議員会とかなんとかでは、とても国民の期待に添うような方向でやれないという疑問を持たざるを得ないのです。 時間が来ましたので、この意見だけ述べて終わります。
○粕谷委員長 以上をもちまして、本案に対する質疑は終了いたしました。 原田参考人には、本委員会に長時間にわたり御出席をいただきまして、大変ありがとうございました。 —————————————
○粕谷委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。浦野恷興君。
○浦野委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、本法律案に賛成の討論を行うものであります。 御承知のとおり、我が国の情報化は、一九六〇年代後半から一九七〇年代にかけて、産業界を中心とした第一次情報化革命と呼ばれる時代を経て、現在、第二次情報化革命ともいうべき新しい発展段階にあります。 すなわち、最近における情報化の波は、情報処理技術と通信技術の飛躍的発達及びその結合によるネットワーク化の進展によりもたらされたものであり、産業界は言うに及ばず、地域、広範な社会活動、さらには家庭生活へと広がりを見せる面的展開が急速に進展しつつあります。 さらに、情報化の内容も質的に複雑、高度なものになりつつあります。 このような情報化を今後とも円滑に進展させ、健全な高度情報社会を構築するためには、解決を迫られている課題も少なくないことも事実であります。 その第一は、急速な情報化に伴うソフトウエアの需給ギャップの一層の深刻化であります。現状を放置いたしますならば、五年後の昭和六十五年には約六十万人の情報処理技術者の不足が見込まれていること。さらには、ソフトウェアコストが今後とも増大していく傾向にあり、ソフトウエアコストの急増が情報化の進展を阻害することが懸念されているところであります。 第二は、最近の産業分野における情報化は、従来の企業内システムから企業間システムへと大きな変化を見せつつあり、今後、ネットワーク化が本格的に展開を遂げていこうとする段階にあります。これを事業者間の連携によって、効率的かつ開かれた形で進展させていくためには、帳票、コード等のビジネスプロトコルを統一していくことが喫緊の課題となっております。 以上のような最近における情報化社会の要請にこたえるため、本法律案が提出されたものと理解をいたすところであります。 本法律案によって、現在、労働集約的な作業によって行われているプログラムの開発を、その工程を自動化、機械化し、その生産性を向上させるためのソフトウエア生産工業化システムの開発が推進されることとなっております。それにより、その開発の成果は、中小規模の情報処理事業者等に広く提供されるとともに、情報処理技術者が単調、煩雑な作業から解放される等労働環境が改善されることとなります。 なお、このソフトウェア生産工業化システムの開発計画が計画的かつ着実に実行できるよう、所要の事業資金が十分に確保されるよう、政府として万全を期するよう強く求めるものであります。 また、電子計算機の連携利用に関する指針が策定されることにより、事業者が広く連携してその事業の分野における電子計算機の効率的な利用が図られることになるわけであります。 このような内容の本法律案は、情報化の促進を図るための施策の重要な一環をなすものでありますので、私どもは、本法律案に賛成をいたす次第であります。 なお、一言付言いたしますならば、高度情報社会の実現を円滑に促進するためには、電子計算機システムの安全対策、地域における情報化の促進対策、情報関連機器間及びシステム間の相互運用基盤の確保策、あるいはまた、情報化の進展に伴うプライバシーの確保への危惧、新たな健康障害の増大及び雇用問題への影響等いわば情報化の陰の部分に対する適時的確な対応が求められる等直面する課題も少なくありません。 これらの問題につきましては、今後、政府として、真剣に取り組むことを強く要請しておきます。 以上で本法律案に対する賛成の討論といたします。(拍手)
○粕谷委員長 浦野君の討論は終わりました。 野間友一君。
○野間委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、情報処理振興事業協会等に関する法律の一部改正案に反対の討論を行います。 今日、我が国のコンピューター利用は、産業から国民生活に至るまで急速に進む一方、雇用、労働問題の深刻化や大企業と中小企業間格差、地域間格差の拡大、プライバシーの侵害など新たな社会問題を生み出しています。 我が党は、かねがねコンピューターによる情報処理技術が経済や科学技術、国民生活に与える影響の重大性を指摘し、国民の利益に全面的に奉仕する方向で、量的にも質的にも進歩発展させることの重要性を強調してきました。 我が党が本法案に反対する理由の第一は、大企業への恩典的施策をさらに拡大しようとしていることです。ソフトウエアクライシスなる虚構のもとに進められるプログラム作成効率化のためのシグマシステムの開発は、総額二百五十億円もの資金をコンピューターメーカーや大手情報処理業者、ユーザーである大企業などの要求に沿って注ぎ込み、一層大企業奉仕を強めるものであります。 第二は、大企業と中小企業の格差を一層拡大することです。 今日、大企業と中小企業の情報化格差は歴然たるものとなっており、情報処理産業の中でも、メーカー系や大企業系と独立系中小業者間の格差が拡大しております。新たに設けられる連携利用制度は、開銀融資による大企業援助にとどまらず、帳票の統一化など、連携利用に名をかりた行政指導、オンライン化で、セメント業界などの整理合理化、家電流通業界の中小零細業者切り捨てによる産業再編成を進める危険性を強めるものであります。 第三は、劣悪化する労働者の雇用、労働条件への対策が放棄されていることであります。 大企業のFA化、OA化が人減らし、合理化を進め、職業病を深刻化させており、情報処理産業の場合は、人貸しともいうべき人材派遣、低賃金、超超過勤務の常態化、職業病の多発など、労働者はまさに使い捨てになっております。ヒューマンクライシスともいうべきこの異常な事態を放置する本法案では、状況悪化は必至と言わざるを得ません。 第四は、我が国独自の技術開発をなおざりにし、対米技術依存を強める可能性があることであります。 我が国の情報産業は、ソフトウエアを中心にますますアメリカへの技術依存を強めております。ATT・UNIXへの依存を基本にした本法のシグマシステム開発では、我が国独自の技術研究開発がなおざりになる可能性が強まらざるを得ません。アメリカに追随するのみではなく、自主的立場を踏まえ、大学や国、公立機関での基礎研究を重視しつつ、国民生活の向上と安全の確保に役立たせ、調和のとれた情報産業と技術の発展をこそ目指すべきであります。 以上、主要な問題点を指摘し、反対討論を終わります。(拍手)
○粕谷委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○粕谷委員長 これより採決に入ります。 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○粕谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○粕谷委員長 この際、本案に対し、渡辺秀央君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。城地豊司君。
○城地委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、最近における目覚ましい情報化の進展に適確に対応するとともに、健全な高度情報社会の実現を円滑に促進するため、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 電子計算機の連携利用に関する指針の策定に当たっては、業種間の整合性の確保に努めるとともに、異業種間の連携利用の進展に十分留意し、その対応に遺憾なきを期すること。 二 電子計算機の連携利用の拡大に伴い、競争秩序に悪影響を生じないよう独占禁止法の運用に留意し、関連中小企業者及び一般消費者の利益の保護に配慮すること。 三 ソフトウエア生産の効率化、高度化については、ソフトウエア生産工業化システムの開発を中核として一層推進するとともに、情報処理技術者試験の充実を図る等、情報処理技術者の育成・確保に積極的に取組むこと。 四 電子計算機の正常な機能を維持し、情報処理の適確な実施を確保することは、情報化社会の極めて重要な課題であることにかんがみ、電子計算機システムの安全対策のための法的整備について、早急に政府部内の調整を図ること。 五 地域間の情報格差を是正し、地域における情報化を促進するため、政策的支援を積極的に展開するとともに、必要に応じ、法的措置について検討すること。 六 情報関連機器間及びシステム間の相互他用に係る技術開発並びに第五世代コンピュータ等の開発を一層推進すること。 七 情報化の進展が円滑に促進されるよう、高度情報社会を展望した基本法制について早急に検討するとともに、当面、関係法律及び諸制度等の見直し、検討を可及的速やかに行うこと。 八 情報化の進展に伴うプライバシーの確保への危惧、新たな健康障害の増大等に対し、適切な対策を講ずるとともに、雇用問題への影響について十分配慮すること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○粕谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 渡辺秀央君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○粕谷委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村田通産大臣。
○村田国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、本制度の運用に万遺漏なきを期してまいる所存であります。ありがとうございました。 —————————————
○粕谷委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○粕谷委員長 次に、内閣提出、基盤技術研究円滑化法案及び貿易研修センター法を廃止する等の法律案、両案を議題とし、それぞれ趣旨の説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。 ————————————— 基盤技術研究円滑化法案 貿易研修センター法を廃止する等の法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○村田国務大臣 基盤技術研究円滑化法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 一九八〇年代も半ばに至った今日、世界経済は技術革新の胎動期を迎えております。とりわけ、新素材、マイクロエレクトロニクス、電気通信などの基盤技術分野における技術開発は、国民経済や国民生活の基盤の強化に大きく寄与するものであり、二十一世紀における新技術文明の幕あけを告げるものであります。このような分野における技術開発を積極的に推進し、その萌芽を将来に大きく開花させていくことは、我々の世代の責務であります。 我が国は、戦後四十年間、比較的恵まれた国際経済環境のもとで欧米諸国から先進的な技術を導入し、国民のたゆまざる努力によって今日の経済的繁栄を手にすることができました。しかし、かかる繁栄を次の世代に引き継いでいくためには、みずからの創造性に富む技術力が充実強化されなければなりません。同時に、国際経済社会の有力な一員となった今日、我が国としてもこれまでの蓄積を生かし、ニューフロンティアの開拓に努力し、広く人類の福祉向上に貢献していくことが、諸外国からの期待にこたえる道でもあります。 現在、欧米諸国は、国を挙げて先端的な技術開発に取り組んでおります。これまで我が国は、ともすれば、欧米諸国に比べ基礎、応用段階の技術開発の取り組みが必ずしも十分でなかったのが現状であります。しかし、みずからの創造的な技術力が育ち、我が国産業活動や国民生活が一層充実したものとなるためには、波及効果も大きい基盤技術分野における基礎、応用研究段階の技術開発に格段の努力を払っていくことが重要であります。 基礎研究、応用研究等を推進していく上で、国の果たすべき役割が大きいことは申すまでもありませんが、同時に、民間企業が我が国全体の技術開発費の約七割を支出している現状を考えますと、民間企業が基盤技術分野の技術開発に向けてその活力を最大限に発揮し得るようその環境条件の整備を図ることこそ、まさに喫緊の課題であります。 政府は、かかる認識のもとに、民間において行われる基盤技術に関する試験研究を円滑化し、民間の基盤技術の向上を図るために、国の財産を弾力的に活用し得る道を開くほか、民間において行われる基盤技術に関する試験研究の推進機関として、基盤技術研究促進センターを設立することなどを内容といたしまして、この法律案を提出いたした次第であります。 次に、この法案の要旨につきまして、御説明申し上げます。 第一は、国有試験研究施設等の積極的活用についてであります。 政府は、基盤技術に関する試験研究を行う者に国有の試験研究施設を使用させる場合において、基盤技術の向上を図るため特に必要があると認めるときは、その施設を廉価で使用させることができることとしております。 また、政府は、基盤技術に関して外国政府等と共同して行った国際共同研究の結果として国有となった特許権等について無償または廉価で通常実施権を許諾できることとしております。 第二は、基盤技術研究促進センターについてであります。 基盤技術研究促進センターは、民間活力を最大限に活用して民間において行われる基盤技術に関する試験研究を推進するための機関であり、民間の発起により特別認可法人として設立するものであります。 このセンターにおいては、民間が行う試験研究に必要な資金を供給するために出資事業や融資事業を行うほか、国立試験研究所と民間とが行う共同研究のあっせん、海外の研究者の招聘その他民間において行われる基盤技術に関する試験研究を促進するために必要な業務を総合的に行うこととしております。なお、政府は、センターの事業の運営に当たっては、民間の創意と活力が十分発揮されるよう、その自主性を最大限尊重することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。 次に、貿易研修センター法を廃止する等の法律案の提案理由の御説明を申し上げます。 ただいま議題となりました貿易研修センター法を廃止する等の法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 貿易研修センターは、昭和四十二年に貿易研修センター法に基づく特別認可法人として設立され、以来、静岡県富士宮市の施設を中心に、我が国と外国との間の経済の交流促進に資するため、貿易を主とする国際的な経済活動に係る業務に従事する者等に対し、専門的かつ効率的な研修等を実施することにより、我が国の国際化に大きく貢献してまいりました。 このような研修は、世界経済の相互依存関係の高まりの中で、今日ますますその重要性を増しておりますが、一方で、複雑化、多様化する国際経済情勢に円滑かつ機動的に対処していくためには、民間活力の一層の活用を図ることが必要となってきております。 このような状況にかんがみ、政府といたしましては、昨今の行政改革の要請をも踏まえつつ、これら研修事業の実施について民間活力の一層の活用を図るという観点から、貿易研修センター法を廃止するとともに、貿易研修センターの民法上の財団法人への組織変更を可能にするための措置を講ずることとし、ここに貿易研修センター法を廃止する等の法律案として提案した次第でございます。 次に、この法律案の内容の概要について、御説明申し上げます。 第一に、貿易研修センター法は、この法律の施行の際に廃止することとし、その際、現に存する貿易研修センターにつきましては、一定期間内は経過的な措置として旧貿易研修センター法は、なおその効力を有することといたしております。 なお、昭和六十一年三月三十一日を経過するときにおいて、貿易研修センターが存在する場合は、昨年十二月に閣議決定された「行政改革の推進に関する当面の実施方針について」を踏まえまして、これを解散させることとしております。 第二に、貿易研修センターは、昭和六十一年三月三十一日までの間において、その発意に基づき民法による財団法人に組織変更できることとし、民間の創意を生かしつつ、業務を引き続き行うことができるようにいたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○粕谷委員長 これにて両案の趣旨説明は終わりました。 次回は、明二十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時十二分散会 ————◇—————