社会労働委員会 第22号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/05/23
会議録
○戸井田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び森井忠良君外十四名提出、原子爆弾被爆者等援護法案の両案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
○森井委員 今回、政府が御提出になっております特別措置法の改正案は、被爆者の皆さんの諸手当を引き上げる内容となっておりまして、結構なことだと思うわけでございます。ささやかであってもそれぞれの手当が引き上げられるわけでありますから、私どもも異論のあろうはずはございません。できることなら、せめて人事院勧告どおりの金額を満たしてもらうようにしてほしかったわけでありますが、その点がないのは極めて遺憾であります。しかし、冒頭に申し上げておきますが、内容については単純に手当を引き上げるものでありまして、その点については私どもとしても全く異論がないということを申し上げておきたいと思います。 ただし、ことしはよく言われておりますように被爆四十周年であります。四十周年と言えば節目の年でありますが、ちょこちょこ声がありまして、この次の四十五年もあるじゃないか、五十年もあるじゃないかという不見識な意見もありますけれども、既に十年前の厚生省の調査でも被爆者の老齢化というのが非常に進んでおることが明らかになっております。その当時の被爆者の平均年齢をとってみましても既に五十四歳ということでありますから、単純に十歳を足しますとこれはもうはるかに六十歳を超すことになるわけであります。そういう中にありまして単純に諸手当を引き上げるだけの法案というのは私どもとしてはまことに不満であります。 ですからこそ私どもは、与党も含めて議員立法で被爆者援護法を提案をしたかったわけでありますが、残念ながら与党さんが同意をしていただけませんでしたので、全野党による被爆者援護法案を提案をしたところであります。この問題については後でお伺いをいたしますが、ともかく今申し上げましたように、金銭面の引き上げというのは評価はいたしますけれども、残念ながらそういい点を上げるわけにいかない、被爆四十周年に当たっての配慮が全くない中身である、残念ながらそう申し上げておきたいと思うわけであります。 順不同になりますが、以下順次御質問を申し上げたいと思います。 第一は、今年度に行われます原爆被爆者実態調査であります。これはもう過去正式には二回おやりになっていますね。四十年調査、五十年調査とおやりになっているわけでありますが、今回の調査は過去二回とどこが違うのか、明らかにしていただきたいと存じます。
○大池政府委員 御指摘のとおり、原子爆弾被爆者実態調査につきましては昭和四十年度、昭和五十年度と実施いたしまして、それに引き続くものとして六十年度実施をすることといたしました。 そこで、本年二月に調査委員会を編成、発足させまして、自来調査委員会あるいはその内部に設置しました専門委員会に精力的に取り組んでいただいて、今相当に内容について煮詰めていただいておるところでございます。 近くその結論を得る見通しに立っておるわけでございますが、その結論をまだ得ない段階でこの点がこういうふうに具体的に違うということの個別のコメントはまだ委員会の作業が進行中ということもございましてなかなか申し上げかねるわけでありますが、大筋といたしましては、先ほど先生御指摘のございました高齢化の進行ということもよく見据えまして、そういった要素も織り込んで、また従前行っております生活、健康の実態を明らかにするという観点で相互に有機的に比較できるということも配慮して中身がつくられつつあるわけでございます。 また、かねて御指摘のございました死没者調査の問題につきましても、大臣からも当局しっかり検討せよという指示も受けまして、その委員会におきまして何か可能な方法はないかということで、かなり具体的にいろいろな御意見をちょうだいして煮詰めつつある段階でございます。
○森井委員 調査の方法は調査委員会で検討中ということでありますが、いつごろまでに具体的な方法が確定をするのですか。
○大池政府委員 次の委員会を五月二十九日に予定しておるわけでございますが、それに向かって結論をちょうだいできるのではなかろうか、かように期待しておるところでございます。
○森井委員 今の局長の御説明ですと、私どもが考えておることと中身が大分違うのですね。御存じのとおりことしは国勢調査の年になっておるわけです。それでこれは十月一日現在ということですが、かねがねこの原爆の実態調査もやはり十月一日ごろをめどにというふうに聞いております。これは非常に幸せなことだな、総務庁統計局がおやりになる国勢調査に合わせて被爆者あるいは死没者の実態調査ができるということになれば非常にもっけの幸いだと考えております。 特に、ことし私がラッキーだと思いましたのは、国勢調査がことしは簡易調査の年になっているのです。大がかりな調査だと調査項目が違うわけです。大がかりな調査、本調査ですと二十二項目の調査項目があるわけでありますが、今度の国勢調査は先ほど申し上げました簡易調査ということで十七項目、大がかりなものよりも項目が五項目少ない。これが一つ。 それから二つ目は、プライバシー等の問題がありまして、総務庁統計局におきましても相当な配慮をしておられる。ですから、調査の回答については、従来よりもさらにプライバシーが守れるように密封調査、具体的には封筒まで準備できる形で支度がされておるということであります。 それから、人的にも国勢調査と一緒にやりますと、調査員、まあ悪いですけれども便を貸してもらえばそれだけ手間も省ける。もちろん厚生省としても若干お金は出されるべきでしょうけれども、何もかも考えてみますとやはり国勢調査と合わせる方がいいというふうに思えるわけでありますが、一体二十九日に結論をお出しになって国勢調査と一緒にやれるのかどうなのか、お伺いをしたいと思うのです。
○大池政府委員 御指摘の国勢調査の件でございますが、先生も御案内のように、国勢調査は基本的には政策の基礎的データを得ることを目的として行うわけでございまして、個別の政策からの注文という形での調査を織り込むということはいろいろと困難な問題があるわけでございます。かつまた、御指摘の国勢調査のねらいとしまして、死没者調査のことをおっしゃっておるかと理解したわけでございますが、国勢調査の方はあくまでも人口の現況を調査するという性格のものでございまして、死没者という若干性格の異なる調査を織り込むことは困難だと考えておるわけでございます。 検討委員会でもそういった論議の中ではいろいろな論議がございましたけれども、現在煮詰めております案は厚生省独自の調査を考えて、その実施は秋にしたいと考えているところでございます。
○森井委員 今の局長の御答弁はかなり検討された結果の御答弁のように承ったわけでありますが、本件に関して統計局側と厚生省側とその可能性について話し合いをされたわけですか。
○大池政府委員 公式、非公式にいろいろな相談を重ねてきたところでございます。
○森井委員 役所の縦割り行政ということもありまして、私は極めて遺憾だと思うわけです。なるほど国勢調査というのは確かに生きた人間を調査するわけでありますけれども、しかし国勢調査のときに厚生省がもう一枚紙を持って回れば同時に調べることはできる。わかりますよ、総務庁側の言い分というのも。それだけ調査員の教育もしなければならぬ、何といいましてもせっかくの国勢調査のフィールドを荒らされるという統計局側の縄張り根性も出てくると思うわけであります。実は私も本委員会に総務庁からも来てもらいたいと思っておりましたけれども、仄聞いたしますと、もう役所同士で話し合いをされて結論が出ておるということでございましたので、来てもらって答弁してもらってもしようがないということで一応断念いたしましたけれども、これは極めて遺憾です。 先ほど局長が言われましたように、何といいましても厚生省がおやりになるのは被爆者の問題あるいはその遺族の問題については十年に一回なんです。だから、従来のテンポでいけば、今回を逃がすとあともう十年、それこそ被爆五十周年になってしまうという感じがするわけであります。だから、そうしますと取り返しのつかないことになるのじゃないか。一日も早く実態調査を正確にしておけば後々楽ですけれども、おっしゃったように死没者の調査、それから生存被爆者についても御存じのとおりまだ次から次へと申請が出ているわけです、いろいろな理由がありますけれども。ですから、今手帳を持っておられる方だけが被爆者というのはやや早過ぎると思うわけであります。これは異論のないところだと思うのですけれども、やはりなるべく広く調査した方がいいという観点からすれば、全国民を対象にする調査ができないものか。 もし国勢調査に乗っからないとすればどういう調査になるのか。まだ調査委員会の議論を綴られるのでしょうけれども、あらあらしたところで結構でございますから、明らかにしてもらいたい。例えば、先ほど言いましたけれども、調査対象をだれにするのか、手帳所持者だけなのか、あるいはそのほかのもう少し幅の広い意味での調査なのか、調査対象等についてどのようにお考えですか。
○大池政府委員 最終結論が出てはおりませんけれども、私どもが委員会に臨みましておおむねこのような結論が得られるのではなかろうかと考えておりますことで検討の方向を御紹介いたしますれば、対象といたしましては手帳保持者全員、前回は抽出というような方法で細かい項目は調査したわけでございますが、今回の調査におきましては、全員についてたくさんの項目についていろいろなことをお伺いすることになる見込みでございます。その項目の中には先ほど先生の御指摘のような要素も織り込まれるのではなかろうかと考えております。
○森井委員 そういう意味で、前回より抽出と全的な調査という違いがありまして、厚生省の前向きな姿勢は私はわかるのです。ただ、仮に今までのテンポでいけば、十年間調査をなさらないとすれば極めて問題が出るのではないかという感じがしておるわけであります。特に被爆者の要望が強く、また私どもも政治家の一人として非常に関心を持っておりますのは、亡くなられた方です。今厚生省は原爆で亡くなられた方の数をつかんでいらっしゃいますか。一体、今何人死没者が出ているのでしょうか。
○大池政府委員 死没者の数についてでございますけれども、被爆直後、いろいろな機関におきまして調査した結果が発表されている、そういうそれぞれの数値は承知しているわけでございますし、その後、被爆者として制度において掌握できました手帳交付者の方で亡くなられたというような方の年々の数も掌握しておるわけでございますが、全体で幾らというふうな一つの数としては掌握し切れておりません。
○森井委員 死没者やその遺族に対する行政的な措置を、あれだけ各般の要求がありながら今まで拒んできておられますから、死没者の数が必要なかったと言えばそれまでですけれども、そうはいかないと思うのです。原爆で何人亡くなられたかということは非常に重大なことだと思うのですけれども、残念ながら所管官庁の厚生省にその数字がない。 そうしますと、今度の調査は現存被爆者の方々の生活の問題、福祉の問題等々も当然お調べにならなければなりません。既に五十年調査でもその生活の困窮度、生きていく上の苦しさは非被爆者と比べて相当高いパーセンテージで進んでいるということが明らかになりました。今度の調査でもそのことがさらに浮き彫りにされるのではないかと思いますから、生存被爆者の方々に対する援護措置は一層強化をしていかなければならぬと思っております。 同時に、死没者の数を正確につかんでもらうことが非常に必要なことだと思うわけであります。今まででも公式には幾つか発表されていますね。例えば広島県の警察部とか広島市の社会課とか、最近は広島、長崎の原爆災害誌編集委員会とか、そういったところで一定の数を出していらっしゃいますけれども、確たるものがない。強いて言えば、広島、長崎でやっていらっしゃる、なかんずく広島が進んでおりますけれども、例の復元調査にあわせる補完調査という形で八万弱の方が明らかになっておる。しかし、先ほど言いました災害誌編集委員会等の推定の数字は十三万人ですから、その間まだ数万の空白がある。少なくとも今度の調査ではどうしてもそれを埋めるようにしてもらいたい。過去帳の数とも今のところ合っていないという感じでありますから、したがって死没者の調査は被爆者手帳を持っている方だけでなしに、もっと広範にやる工夫はないのですか。
○大池政府委員 かねて死没者調査の問題につきましては技術的に大変困難性を伴うものであることは御説明申し上げてきたところでございますが、今回それでも何か可能な方法はないかという観点から委員会に精力的に御議論いただいておるわけでございます。 その中で、このような方向でまとまるのではなかろうかと考えておりますのは、広島、長崎両市で従来から精力的に取り組んできております被爆者の動態調査、これが大変実際的、合理的なものとして有力な基盤になるのではないか。それに有機的につなげて、大いに相互に役立ち得るようなそういうデータを今回の調査に盛り込めないか。これは具体的には被爆者の全員の方々の家族の中で死没者がおられるものについての状況を正確に把握していく、こういう努力を一つの手法として検討いただいているところでございまして、そのような形で煮詰まるのではなかろうかと予測しております。
○森井委員 生存被爆者の調査というのは、これは確かに割とイージーにできますよね、名簿があるわけだから。それで郵送、手紙を出して郵便による回答を求める、こういうわけでしょう、やるとすれば。それはそれでいいんですけれども、これも必要なことです。しかし、前回の調査では二万人ばかりしかそれで出てこなかった。今度は全的な調査ですから少し違いますけれども、私もこれに期待をかけます。しかし問題は、正確に一人も違わないというのは無理にしても、相当確度の高い数字で死没者は大体これぐらいだということは国はつかむべきだ。 それぐらいの気構えがあるのかどうなのかということ、この点、決意のほどを、これは大臣からひとつ恐縮ですけれども、今度の調査で死没者をつかむための御決意を伺わしていただきたいと思うのです。
○増岡国務大臣 御指摘の調査につきましては、特に死没者調査ということについて、従来から長い年月がたっておるからなかなか困難だということが言われておったわけでございます。特に私からお願いをして、死没者調査もやってほしいということで現在実態調査委員会で御協議をいただいておるわけでございます。したがいまして、調査をやるからには、御指摘のようにできるだけ広範囲に、できるだけ正確にということは、必ずそういう趣旨でやらなければならないことであろうと思います。何分にも現在委員会で御協議をいただいておるわけでございますので、その御検討の結果を踏まえて対処したいと思います。
○森井委員 百歩譲って国勢調査と同時にできないということになった場合、私は一つの意見を持っておりますから、この点についてお考えを聞きたいと思うのですけれども、被爆者手帳を持っている方だけでなくて、死没者の数を調べる方法は幾つもあると思うんです。御存じのように、例えば一例を挙げますと、軍人、軍属、準軍属などなどは、現に戦傷病者戦没者遺族等援護法などによる国家補償法の適用を受けて国家補償を受けていらっしゃる方がありますね。これは恐らく被爆者手帳を持っている方と重複する方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでない方も、遺族なんか特にあると思うわけでございます。そういう方もやはり生存被爆者と同じように死没者調査をする上には非常に有効な手だてだと思います。それが一つ。 今、思いつくままですけれども、二つ目は、現在被爆者手帳を持っているのは、御存じのとおり、例えば直接被爆の場合ですと四キロ以内の方々ですね。四キロを少しでも超しますとこれはないわけですが、広島市を中心として四キロを外れた方々ですね。一例を申し上げますと私です。あるいは増岡大臣も同じだと思うのですけれども、周辺の町村に住んでいる住民というのは、やや広げて言えば広島県とか長崎県とか、それぐらいまで広げてもいいと思うのです。相当率が高い範囲で身内の方が死んでいらっしゃると思うのです。 その証拠に、八月六日前後の広島は、来ていただくとわかりますがお寺さんが忙しくてかなわないのです、ずっと法事が続くわけですから。ですから、そういう意味では、生存被爆者だけでなくて、いわゆる被爆者手帳を持っている人だけでなくて、せめて県内だけ広げても相当私は違いが出てくると思う。私自身も身内に死んだ方がありますから。調査対象になっていませんよ。問い合わせがありませんから、もちろん報告もしておりません。そういう感じですから、おやりになるのならもうちょっとやはり調査対象をそういうふうな意味で広げることが必要じゃないか。 それから答弁にございませんでしたけれども、付近の市町村のそれぞれ残っております亡くなられた方の埋葬許可証その他の書類、あるいは慰霊祭等行われればそういった名簿もあるわけでありますから、そういうふうなものの提出を求める。あるいは軍隊の名簿、学校の名簿、会社の名簿等々あるわけでありますが、そういったものも当然おやりになることと思うのですけれども、今の私の意見に対して局長どうですか。
○大池政府委員 ただいま先生が幾つか具体的な例としてお挙げになりました中には、検討委員会におきましても、このようなアプローチ、手法があるのではないかという有力な御意見も出ていることは事実でございます。恐らく委員会の結論の中にはそういったことも織り込まれて、そういう未利用の資料で利用可能なものを何とか探し出してきて今回の調査の解析の直接間接の資料として役立てるという努力は並行して必要となるだろう、かように考えておるところでございます。
○森井委員 ちょっとはっきりしませんでしたけれども、生存被爆者以外に対象をお広げになるのですね。
○大池政府委員 実態調査そのものの直接の対象、客体としては、先ほど申し上げましたように被爆者健康手帳の保持者でございますけれども、それと関連する附属的な調査としまして、未利用のそういった資料を探索して利用する努力をするということで御理解をお願いしたいと思います。
○森井委員 予算は若干かさむかもしれませんが、役所の予算の性格上一円も違わないという使い方はできないと思うので、足りなければそのために予備費等もある程度あるわけですから、例えば百歩譲って当時の広島市ですね、あるいは黒い雨地域などなど——私は広島県、長崎県と言いましたけれども、予算の関係もあるのなら、できるだけ精度を高めるという意味で、四キロを外れたために被爆者手帳がもらえないというのも相当あるわけですから、当時の名簿等、焼けたものもありますけれども、当時の名簿等照合しながら、せめて被爆者手帳を持っている人だけでなくてそういったところまで広げて、可能な限り精度を高めるという努力をされませんか。
○大池政府委員 委員会ともよく相談をいたしますし、またいずれにいたしましても、関係団体等の理解と協力を必要とするわけでございましょうから、実行可能な範囲でできるだけの努力はしたいと思います。
○森井委員 この問題で時間が余りかかりましても困るわけですからそろそろ締めくくりにしたいと思うのですけれども、先ほど大臣もおっしゃったんですけれども、そのようにしてお調べになったことで、どうでしょう、国としては、先ほど言いましたように、ほぼ死没者はこれぐらいであろうという死没者数の把握について確信の持てるようなことになりますでしょうか。
○大池政府委員 正確な数の把握というのは極めて困難であることは先生も御指摘になったとおりでございまして、私どもも大変難しいだろうと思っておりますけれども、先ほど申し上げましたような委員会で煮詰まりつつある手法を実行することによりまして死没者の実態に一歩でも接近できるのではないか、かように私どもも期待しておりますし、努力をしたいと思います。
○森井委員 慶応大学の中鉢教授等が五十年調査のときでも手がけられたことがあるわけです。五十年調査のときの調査でも、何とか推計学というふうなものを駆使した調査をもとにして死没者の数をつかみたいという努力はされたわけですね。今度の場合は、前回より進んだ調査ですから、そういったふうな権威ある専門家にお願いをして、何とか今回の調査を幅広くやっていただくことによって国としても確信の持てる数字をつかむという努力をされる御意思があるのかどうなのか、それが一つ。 それから二つ目でありますが、調査をなさいますと当然解析が必要になってきますね。そこで、その解析をなさる場合も、もちろんこれは昭和六十一年度の事業になると私は思うのですけれども、単純な数字の解析と言うと語弊がありますが、専門家をお願いして今申し上げましたような観点から死没者の数を正確につかむというための解析に全力を挙げる、この点はどうでしょう。
○大池政府委員 ただいまの計画におきましても、六十年度に本体の調査を行いまして、その集計、解析等は六十一年度に予定をいたしておるところでございます。御指摘のような中身につきましても、六十一年度におきます解析におきまして専門家の力も得ながら全力で取り組みたいと思います。
○森井委員 この際、明確にしておきたいと思うのですけれども、この調査というのは、済んだ後は国が責任を持つのですか、あるいは広島や長崎の県市が持つのですか。これは国の手で調査をするわけですし、今までも国には相当手伝っていただきましたね。復元調査に対しまして補完調査をずっと財政的にも援助していただきまして、今ごろは復元調査よりも補完調査の方に重点が移っているわけですけれども、いずれにいたしましても、やはり聞いてみますと、地元では限界があります、国の力をかりなければ大がかりな調査はできませんというわけです。したがって、最後の解析まで国が責任を持っていただきたいと思いますが、これは大変恐縮でありますけれども、大臣からお答えをいただきたいと思います。 二つ目は、大池局長で結構ですけれども、先ほど言いました会社、工場、学校などの調査というのは、これは何もことしに限ったことじゃないわけですね。次から次出てくればまたずっとやっていかなければならぬわけでありますから、調査は一件落着という形ではなくてこれからも進めていかなければならぬと思うわけでありますが、そういった諸資料の収集等々は、単にことし調査年ということではなくて、これからも継続しておやりになる意思があるのかどうなのか、この点についてお答えをいただきたいと思うわけでございます。 それからついでに三つ目でございます。三つ目は、せっかくこれだけの調査をおやりになりました。調査をしてそのままというのはないわけでありますから、調査の結果を何らかの政策に生かしていただくお気持ちが当然あると思うわけでございます。したがって、調査結果でどのように政策の見直し、拡大充実にお努めになろうとされるのか、この姿勢についてもぜひひとつ明らかにしていただきたいと思います。 ちなみに申し上げますと、五十年調査は、これは直接因果関係があったとは申しませんけれども、五十年には今までの法律の範疇にない保健手当という制度が新設をされておるわけであります。五十年調査でありますから、恐らく調査の時点で制度は既に考えられておったと思いますけれども、いずれにいたしましても調査結果をどう政策に生かされるのか、この点についても。一点と三点については、大変恐縮でありますが、厚生大臣からお答えいただきたいと思います。
○増岡国務大臣 国が調査をするわけでございますから、集計、解析まで国が責任を持ってやらなければならないと思います。ただその間、今先生も御指摘になりましたように、いろいろな資料その他で若干推計という分野が入ってこようかと思います。その点はお許しをいただきたいと思うわけでございます。 なお、その調査の結果につきましては、調査をするわけでございますから、それを政策に反映させることは当然だと思いますけれども、どのような形になるのかは調査の結果を待って判断をいたしたいと思います。
○大池政府委員 お答えいたします。 今回の調査につきましての国のまとめについての責任、これはただいま大臣からお答え申し上げたところでございますが、これまで広島、長崎両市におきまして長年にわたって努力してこられております被爆者動態調査、これも大変貴重な存在でございます。これは、私どもの調査もそちらの調査にとっても大いに有益であろうと思いますし、こちらのまとめにも有益であろうということで、国と両市とよく連携をし、相談をしながらそれぞれの持ち味を生かした形で有効に生かしていきたいと考えております。 それから、関連する諸資料の収集努力、これは平常から心がけるべきという御指摘はごもっともだと思いますし、そういう努力はいたしますけれども、今回の調査とも絡めてということについては、調査委員会の結論待ちでございますけれども、今回の六十年実施の全国調査と関連づけ、役立てられるような資料を探索するということが重点になろうかと思うわけでございまして、それを毎年というわけにはなかなか困難ではなかろうかという感じを持っております。
○森井委員 若干の不満は残りますが、私の持ち時間の関係で次の質問に移らせていただきます。 次は韓国人の渡日治療の問題であります。たしか五十九年度は百人の予定でした。ことしは六十人になっていますね。せんだってある韓国人被爆者の方と話をしておりましたところ、私もびっくりしたわけでありますけれども、何とかその百人を渡日治療させたいというお気持ちが韓国側の団体にあるわけでありまして、六十人になって非常に困っておるということを聞いておるわけであります。これは、百人ペースが六十人ベースになったというのはどこに原因があるのですか。
○大池政府委員 つまびらかな事情は私ども聞いておりませんで、実際に韓国政府からの御連絡をいただきましたのは五十九年十二月でございますけれども、政府ペースとしては六十名を渡日させる旨の連絡を受けておるところでございます。
○森井委員 私、調べてみますと、例えば韓国被爆者援護協会というのがありますね。そこで人選をお進めになっているケースが多いわけでありますけれども、もちろん最終的には日本側からお医者さんも行きまして、渡日して治療されて効果の上がる方々などが中心になるわけでしょうけれども、いずれにいたしましても、希望としては毎年二百人くらいお願いをしたいという意向のようであります。 ですから、今御答弁をいただいて明らかになったわけでありますが、日本側としては百名でもいいわけですね。結局、韓国側の旅費の都合で六十人しか出せない。したがって、日本側としては、我が方としては六十人受け入れましょう、そういう形になっておると思うわけですが、これは、今申し上げましたような実情からいけば二百人と言いたいところだけれども、百人についてはもう人選が済んでいると私ども聞いておるわけでありますが、何とか追加はできないものですか。例えば外交交渉等を通じてやる御意思はございませんか。
○大池政府委員 御指摘のように、受け入れ態勢は確かに百名ということで関係方面の準備を整えたところでございますけれども、韓国政府の判断で六十名を連絡してきておるものでございますから、日本政府がそれ以上立ち入って四十名についてこちらから外交交渉という考えは目下持ち合わせておりません。
○森井委員 これは大臣にも御理解をいただきたいと思うのですけれども、先ほど言いましたように、ことしも百名だと思ってもう人選を済ましている。ところが、韓国保健社会部の予算は六十名しかない、四十名が渡日治療ができなくて頭を抱えておられるという実情を聞いたわけであります。しかも、涙ぐましいと思いましたのは、韓国政府がいろいろな予算上の都合で百名を六十名に削られたのですけれども、残りの四十名については関係者の努力で募金活動をされて、一人十万円として四百万円あればあと四十人来れるわけですね、それで、四百万円くらいの金をつくりたいということで一生懸命走り回っておられるという話を聞きました。 私に金があるなら本当に出してあげたいというふうな深刻な思い詰めた気持ちになったわけでありますけれども、こういう場合に、例えば残りの四十名については民間の資金で渡日をするから受け入れてほしいという要求があった場合には、局長、どうなりますか。
○大池政府委員 先生もよく御承知のとおり、このプロジェクトにつきましては、これまでの経緯といたしまして、両国政府の合意という形で進めでおる、そういう形で私どもが関与しておるわけでございますが、そういう合意の形で進めているプロジェクトとしては、今おっしゃったような方法では問題があろうかと思うわけでございまして、その点は韓国政府との協議にまつ部分であろうかと思うわけでございます。
○森井委員 立場はわかります。しかし、例えば韓国の被爆者と韓国政府とが話し合いをなさって、政府の予算は使わないが自前の旅費で渡日治療をしたい、それではパスポートなりビザなり韓国政府が発行しましょうという形で円満に渡日をされた場合、それは日本側としては受け入れる意思はありますね。これは一番きつい例は孫振斗さんの例がありますけれども、いずれにしても、韓国政府がビザを発行して渡日をされて治療を希望されれば、その場合受け入れられますね。つまり、日韓政府間でなしに韓国政府と韓国国民との間で了解点に達した場合の話をしているわけです。
○大池政府委員 この件と切り離しての仕組み上どうかというお尋ねでございましたら、これは、国内に在住する外国人は、どういう形でおられるにせよ、一定の要件を整えておれば国籍を問わず日本人と同様の原爆二法の適用はあるわけでございます。
○森井委員 この問題の最後ですけれども、もう協定の期限が切れるのですよ。「在韓被爆者渡日治療実施に関する合意書」というのがありますね。これは来年の十二月で期限切れであります。当然、今までの経過からいたしまして、渡日治療というのは万全ではないわけですね。こっちへ来て治療中はいいのですけれども、向こうへ帰りますと、アフターケアその他非常に困ったことになるわけでありますけれども、それでもやはり渡日治療というのは非常に希望も多いし、何とか継続してもらいたいということがあるわけであります。 これは今までの実績から見て、来年で終わるという形じゃなしに、期限が切れた後もさらに延長してもらいたい、また、非常にいいことだから延長すべきだと思うわけでありますが、いかがでしょうか。厚生大臣にお伺いしたいと思うのです。
○増岡国務大臣 この施策につきましては、制度がスタートいたします前に、いろいろ両国政府の間の仲立ちをしていただいた方々がおありになるようでございますので、そういう方々とも相談いたしながら、今日の社会常識で言いましても、来年で終わりということは被爆者の実態から考えて適切でないというふうに考えますので、その時期になりましたら韓国政府と協議をいたしたいと思います。
○森井委員 韓国人の方々も関連をいたしますが、この際、外国人被爆者の援護についてお伺いをしたいと思うのです。 これは、アメリカにしてもあるいは南米諸国にしても、被爆者の方がいらっしゃるわけですね。アメリカはどれくらいいらっしゃるのでしょうかね。主な国でよろしゅうございますから、大体、在外被爆者というのはどれくらいいると把握しておられますか。
○大池政府委員 在外被爆者の方々の状態につきまして正確な統計は把握しておりませんけれども、いろいろな情報によりますと、おおむね韓国内に約二万人、米国内に約千人、南米に約百数十人というようなことが言われておるところでございます。
○森井委員 そういった方々の放射線障害その他の治療等については、もう既に私が申し上げるまでもありませんが、大変苦労していらっしゃるのですね。医学の進んでいると言われるアメリカでも、やはり帰国といいますか、日本で、例えば原爆病院等権威ある医療機関で治療を受けたい、これはもう切実なお気持ちがあるわけです。せんだってはまた、南米に広島県知事等が行かれまして、実情をつぶさに見てこられて、早速援護措置を県なりに考えていきたいと。これも厚生省はお耳に入っておると思いますし、恐らく厚生省も応援をなさるおつもりだろうと思うのですけれども、主として言えば、今まで国以外の機関が、言葉は悪うございますが、ぽつりぽつりおやりになった。アメリカなんかもやってはおられますけれども、これは例えば広島市ですか、県ですかの医師会でありますとか、そういった方々が中心になっておやりになっている、あるいは韓国の場合も、原水禁運動を続けておられる方々のボランティアあるいは善意の募金によってやっておられるというふうな形でありまして、やはり何かもどかしさを感ずるわけであります。 資金的にも、国が主要なものについては、趣旨が賛成できるものについては資金的な援助も今までしてこられたと思うのですけれども、もうちょっとこの際きちっとした恒常的な、例えば在外被爆者援護センターというふうなものをおつくりになりまして、計画的に、先ほど話をいたしました渡日治療もありますけれども、逆にこっちから医師団を派遣する、あるいはアメリカなんか医師免許が大変でありますから、逆に向こうのお医者さんを日本側に受け入れて、やはり系統的な勉強を原爆病院等専門的な医療機関で研修をしてもらうなどなど、やれば切りがないと思うのでありますが、そういったものをおつくりになるお気持ちはないのか。私は、これだけ海外からニーズが出てきますと、そういう時期ではないかというふうに思うわけであります。 特に、去年は、アメリカの原爆被害者協会というのがありますけれども、妹尾サンフランシスコ総領事あてに、ぜひひとつ渡日治療を実現させてもらいたいということを、これはまあ総理あてでしようけれども、総領事を通じて要請書が出されておるというようなこともありますので、これはやはり無視をなさるのじゃなくて、かねがねもどかしさを感じておりましたので、恒常的な、できれば資金的にも国もですが民間の資金もある程度受け入れられる、半官半民といいますか、そういった法人をおつくりになっていいのではないかという感じがするわけでありますが、その点の御決意をお伺いしたいと思うのです。
○大池政府委員 在外被爆者の方々の相談等の動きにつきましては、これまでのところ、必要に応じまして関係者それぞれにおきまして随時対応をしてきたというような実態があることは御指摘のとおりでございます。いろいろと新しい話でもございますし、新しい動き等もありますので、今後の動向をよく見据えながら、当面窓口機能の強化等について私どもの立場としても適切な対応へ向かっての検討に着手してみたいと思います。何分、政府ベースというのはなかなか前面には押し出しにくい、いろいろそれぞれの国の主権の問題等も絡む問題でございますので、私どもの立場において適切な対応を検討してみたいと思っております。
○森井委員 つくるんですか、つくらないんですか、ちょっと今あなたの答弁ではよくわからなかった。私が申し上げておる趣旨については理解をして、賛同していただいているんですか、いただいてないんでしょうか。
○大池政府委員 一挙に有形のセンターというような形のものは、私ども政府の考えの中でにわかにひらめかないわけでございますけれども、そういったような趣旨は理解できますので、新しい動向を見据えながら、機能的な必要な強化を図っていく検討をいたしたいと思います。
○森井委員 それはだめですよ。今まではちょっと私、遠慮して余りきついことは申し上げませんでしたけれども、大げさに言いますと、国は今まで直接何もしていないんですよ。そこが私は問題だと言っておるのです。だから、国主導でやれば、今まで国以外のやっていた人たちがこの指たかれで全部そこへ集まってくるだろうと思うんです。そこが一番大事なことだと思うんです。大変恐縮でありますが、厚生大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○増岡国務大臣 今局長から御答弁申し上げましたのは、恐らくそういう機能を持つ機関が要るということは間違いないと思います。ただそれを、今行革の時代でありますので、すぐ直ちに何とか法人ということは困難であろうという気持ちを申し上げたのだと思います。 したがいまして、今当面私どもで考えられますことは、少なくとも厚生省の中にそういう問題をすべて御相談に応じて実態的には解決をしていく、そういう立場の機関をつくってはどうかという考え方ではないかと思います。私も、その方が実務的には早く解決するし、将来の構想としては御指摘の点も検討してまいりたいと思っております。
○森井委員 持ち時間が少なくなりまして、相当質問をはしょることになるわけで恐縮でありますが、この際ですから、もう一つ懸案事項についてお伺いをしておきたいと思うのです。 所得制限の問題です。かつては、年々所得制限緩和の方向にずっと動いてまいりましたけれども、どういうわけか五十六年以降は九六%、逆に言えば四%制限をつけたままで今日に至っておりまして、前進をしておりません。所得制限の問題につきましては、私から申し上げるまでもないわけでありますが、毎年の本委員会の附帯決議にも書かれておりまして、ぜひ所得制限を撤廃してもらいたいということがあるわけであります。冒頭にも申し上げましたが、被爆四十周年だったら、せめて所得制限の一つぐらいは撤廃してもらいたい。 厚生大臣は被爆者の御要望、御陳情をお受けになったときに、これは報道でありますからわからないのでありますし、院外でお話しになったことを私は問い詰めるつもりはございませんが、ある紙によりますと、九九・九%所得制限は撤廃をしたいと思っておるという趣旨の御発言をなさったりしておるわけでありまして、大臣のお気持ちの中には、立場を抜けば恐らくそういうことになるのじゃないか、九九・九ではなくて一〇〇と言いたいのじゃないかという感じがするわけでありますけれども、所得制限の問題についてもっと緩和をしてほしい。私どもはかねがねこれがあるから玉にきずと言えば大げさでありますが、なければ国家補償にさらに近づいてくるという気持ちもあるわけであります。これがあるから逆に所得制限は撤廃しないのだと言われるのなら、九九・九九%でもよろしゅうございますから所得制限の問題についてお考えをいただきたい。これが一つです。 それから二つ目は、諸手当の、なかんずく健康管理手当の手続の簡素化であります。今、行革の世の中ですよね。私どもは財界主導、政府主導の行革には疑いを持っておりますけれども、本来の意味の行革はよろしい。例えて言いますと、手当の更新期間が今一年ないし三年ですね。しかし、もう病状がほぼ固定したものがあります。例えば原爆白内障、これはもう私から申し上げるまでもありませんが、原爆と因果関係が明確に立証された唯一の疾病です。目の水晶体が放射線にやられますと御存じのとおりドーナツ型の混濁ができるわけでありますが、これは原爆しかないので、これだけはもう立証できている。しかも、残念ながら、この治癒ということになると相当時間がかかる、あるいは不可能である。現に石田原爆訴訟でも明確なとおりであります。白内障の場合は三年ですけれども、三年で更新をするというのは本当に目まぐるしいし、また事実むだなんです。 そういうことで考えてみますと、やはりこれはもうちょっと延長してもいいのではないか、あるいは原則としてもう更新をしなくてもいいのではないかという、そういう性質の病気もあるわけでありますから、そこいらを御勘案になると、今の一年ないし三年という規定はいかがなものか。被爆四十周年で、何もかも全部今までどおりだ、ちっとも直さないというのは、私はやはり問題があると思うわけでありまして、その点についての所信を承りたいと思います。
○増岡国務大臣 まず、所得制限のことでございますけれども、実は私も厚生大臣になります前から、この所得制限を緩和することに約十年間一生懸命やってまいったわけでございます。ただ、広い意味では国家補償と言われておりますけれども、現在のいわゆる社会保障制度の中の枠組みということから、これを撤廃するところまでには至らなかったわけでございまして、今後も法的にはそのようなことが考えられようかと思うわけでございます。ただし、障害の実態によりましては所得制限を外しておるものもあるわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。 次に、諸手当の更新期間のことでございます。これも、おっしゃるようにほとんど治癒不可能と思われるような病気もあるわけでございます。したがって、そういう疾病の状態を、国費を使うわけでございますから全然なしにするというわけにはいかないと思いますけれども、更新期間の延長を含めまして、手続上の負担の軽減ができるように検討をさせたいと思います。
○森井委員 これで終わりますけれども、私どもは被爆者援護法案を提出しておるわけであります。そして本委員会におきまして合意をしていただきまして、被爆四十周年に当たり、特に死没者や遺族に対する弔意の内容を含めた決議案をぜひ全党一致で合意をしていただきたいという考え方を持っております。この際、特にそれを強調させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○戸井田委員長 大原亨君。
○大原委員 最初に具体的な問題から入っていきたいと思うのです。 第一は、今も質問がありましたが、従来から繰り返して本院で附帯決議といたしまして議決をされている問題点の中かち重要な問題を拾い上げまして、まずこれを質問いたしたい。それから第二は、今の森井質問とダブリますけれども、被爆四十周年を期して、死没者の調査を含めて原爆被災白書をこの際政府の手でつくるべきではないか、こういう問題。第三は、援護法制定についての私どもの主張を集約的に述べて見解を聞きたい。こういうことで順次質問いたしたいと思います。 被爆四十周年であるとともに、増岡厚生大臣は前の前の総選挙のときには非常に不覚をとられまして、今度は見事にカムバックをされてこられたわけであります。そして厚生大臣におなりでございます。増岡厚生大臣は従来から与党の原爆対策小委員長等を長くされまして非常に努力をされましたし、ブレーキをかけられたりされた実績のある専門家でございますから、これを機会に、国会の論議を通じまして、被爆四十周年で党内にも影響がある増岡さんが厚生大臣のときに確実に一歩前進をしてもらいたい。どういう決意で臨んでおられるかということを聞きたい。特に冒頭で我が党の森井さんも質問いたしましたように、森井代議士は広島の二区でございまして、厚生大臣と同じ選挙区でございますから、ちょうど気を合わせてやれば非常にいいときでございますのでぜひやってもらいたい。私も二十五年間、長いこと議論してまいりましたから、そういう意味におきまして、そういう一つの集約といたしまして、限られた時間におきます質問をいたしましてそれぞれの見解を聞きたいと思います。 今までよく議論になりましたが、昭和五十五年十二月十一日に原爆被爆者対策基本問題懇談会で「原爆被爆者対策の基本理念及び基本的在り方について」という文書を出しましたことは御承知のとおりであります。これについては、被爆者の間におきまして原爆の被害者に対する国の補償責任や基本的な態度のあり方についてたくさんの不満が出ておることも御承知のとおりであります。 ただその中で、具体的な問題で七人委員会が積極的な提言をしておる問題が一つあるわけであります。それは私が申し上げる附帯決議の中にもございますが、被爆者の二世、三世の問題、遺伝的な影響に関する調査研究をずっと続けてきたわけですが、これからどういう展望を持つかということにも関係いたします。 この文書を読んでみますと、「多量の放射線を被曝したと推定される近距離被爆者に対しては、被爆の実態に即した各種手当の支給等に引き続き努力を傾注すべきである。」その次に「原爆放射線の身体的影響については、多くの事実が明らかにされているが、なお解明されていない分野がある。また、原爆放射線の遺伝的影響についても、現在までのところ有意な影響は認められていないものの、さらに研究を重ねる必要がある。」というふうに断言しております。「このため、研究体制の整備充実を図ることにより周到な研究を進め、問題を逐次解明することが、被爆者に対する国の重大な責務であると同時に、世界における唯一の被爆国であるわが国が国際社会の平和的発展に貢献する道といえるであろう。」こういうことをかなり明確に強調をした報告を末尾のところで結論的に出しているわけでございます。 七人委員会の答申が出ましてから政府は被爆者対策についてはかなり消極的になったという傾向があるわけですが、他の全体的な問題は国会独自に議論するといたしましても、当時の委員でありました大河内先生、あるいは西村熊雄元フランス大使は委員の途中でお亡くなりになりましたし、そして田中二郎さんも公法学者の代表ということで最高裁判事でございましたが、この方も亡くなられましてかわっておりますけれども、原爆の後障害の問題につきましては極めて重要な指摘をいたしておる、私はこういうふうに考えておるわけであります。 附帯決議におきましても「被爆者とその子及び孫に対する影響についての調査、研究及びその対策について十分配意し、二世の健康診断については、継続して行うとともに、その置かれている立場を理解して一層充実を図ること。」とあります。 当時胎内被爆をいたしました中で御承知のように小頭症というのがございまして、知能指数の非常に低い人でありますが、この対策につきましては、本院におきましても議論を重ねてきたところであります。この小頭症の方々は現在年齢は四十歳、被爆四十周年ですから、八月六日に胎内にあった人ですから四十歳を迎える人であります。年齢は加わってまいりまして体は大きいわけでありますが、非常に知能指数が低いということで独自な生活ができないということでございまして、親は将来これをどうするかということについて非常に心配をされておることは当然でございます。 原爆の影響の特色は、その問題も改めて質問いたしますけれども、後障害、つまり他の戦争手段、爆弾とか焼夷弾とも違いまして放射能の障害が後に残るということであります。胎児であったのは小頭症という現象で出ておるわけでありますが、その胎内から生まれるということの遺伝的な影響の問題があるわけであります。 まず小頭症については現状がどうなっておって、原爆は家族の生活も全面的に破壊されるわけですから、非常に不安を持って残っておるそういう人々の将来についてどういうことを考えておるのか、附帯決議もあることですから、まず二世、三世、遺伝的な問題を質問する前に、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
○大池政府委員 原爆の小頭症の患者の方につきましては、ただいま先生のお話にもございましたように、原爆の傷害作用の中でも放射線影響という意味におきまして大変重篤な影響のあらわれとしての病気でございます。そういうことに着目しまして、医療特別手当に加えまして原爆小頭症手当というような新しい仕組みも設けて手厚い支給をしているところでございます。 現在、全国で二十四名の方がこの制度の支給対象となっておられるところでございまして、大部分は広島、長崎周辺におられます。在宅の方、それからまた施設におられる方もございます。
○大原委員 人数は亡くなられた人を含めて非常に少人数なんですけれども、原爆を受けたときに胎内で胎児としてあったという人が放射能障害を受けたわけでございまして、そしてこれは社会的にも非常に深刻な問題でございます。 したがって、一人一人にきめ細かな施策をいたしまして、そしてこの人々がこれから生きていく上において人間といたしましての喜びが享受できるように、一人一人に親が亡くなっても、親が先に亡くなるのは決まっておるわけですから、それに対して一人一人が困らないような、そういうきめ細かな配慮をしてもらいたいと思います。そういう点を強く要望をいたしておきます。厚生大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○増岡国務大臣 先生御承知のように、小頭症の問題は、先生や私どもで一緒に新しくつくった制度でございますので、その制度が着実に実行されるよう、効果を上げるよう今後も配慮してまいりたいと思います。
○大原委員 二世、三世の影響の問題につきましては、今政府は政府自体あるいは関係した機関のどこで調査研究をいたしておりますか。——これはABCCの後の放影研もいたしておると思いますね。 この影響調査、私は七人委員会の具体的な提言として末尾に結論的に書いておるこの問題について申し上げたわけでございますが、それは放影研を含めて、広大の原医研とか、長崎とか、それぞれあると思うのですけれども、各研究機関におきましてどの程度の調査研究ができたか、小頭症は一応はっきりいたしておるわけです。そういう健康診断もあるわけでございます。その結果も出てくるわけでございますから、施策として結びつくわけでございますが、そういう点について、現状と、そしてこれからの調査研究のめど、ずっとずるずるやるというのではなしにめどをつけてやる、どこで研究をし、どういう段階にあって、どういうめどを持って今これに対応しているか、そういう点をお答えいただきたいと思います。
○大池政府委員 御質問の中に、もう既に研究機関の名前が出ておりましたところでございますけれども、厚生省として放射線の影響によります後障害については重視して取り組んできているところでございまして、その一環としての遺伝学的な研究というのも重要な柱であることはよく承知しているところでございます。 厚生省サイドから申しますと、放射線影響研究所が最も中軸になる推進役を担っておるわけでございまして、こちらにおきまして遺伝学の調査研究も長年にわたって継続的に鋭意取り組んできておるところでございます。 また、広島大学あるいは長崎大学におきますところのそれぞれの研究所あるいは研究施設とも密接な連携をとり、またいろいろなデータ、情報の交換というような面で原爆病院その他の関連する医療機関等との連携をとりながら取り組んでおるところでございます。 また、調査研究班のような形で、ただいまも申し上げましたようなところの専門家によりまして関連するプロジェクトも持っておりますし、また毎年後障害に関する研究会等も開きまして、相互の意見交換、情報交換も活発に行われておると承知しておるところでございます。 なお、どのぐらいめどを立てて続けるかという問題でございますけれども、何分にも事柄が人類未曾有の経験というような原爆からスタートをしておりますし、一般的に申しまして、放射線影響というものは長年観察を要するというようなことがございますので、現在までの取り組みの知識、経験の蓄積に立って、引き続き今後とも一層その調査研究の努力は続けていくべきものであろうと考えております。
○大原委員 遺伝的な影響について科学的、医学的な断定をするということは難しいと思うのですね。難しいと思うのですが、しかし、その疑いがあるから研究のテーマになっておるわけであります。ですから、その研究の現状について具体的な御答弁がいただけますか。 あるいは、これからこの構想でずっと進めていくといたしまして、大体何年ぐらいでこのことについての結果が出るというふうにお考えですか。それはその当時の人々が、被爆者が妊娠をされてお差されるということの限界はあるわけでありますから、そういう問題について一応目標を立ててやっておられますか、どうですか。 きょうは文部省も、大学の原医研の関係の説明員も見えているはずでありますが、局長が御答弁になりました以外に新しいそういう現状と見通しについて、見解があれば御答弁いただきたい。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 広島大学の原爆放射能医学研究所は、原子爆弾の放射能による障害の治療及び予防に関する学理及びその応用の研究をしているわけでございますが、実際には、被爆者の健康障害の直接的な研究から基礎的研究に、多岐にわたって研究を続けております。 先生御指摘の遺伝学等の部門、そのほか十部門を置きましてこの研究を続けておるわけでございますが、例えば最近では、白血病その他のがんの発生のメカニズムの研究あるいは治療の研究等を進めておるところでございます。 関係者によりますと、全体を通じましてさらに充実した研究を今後続けていきたい、こういう現状でございます。
○大原委員 これは研究調査を継続するということは、広島、長崎の原爆による傷害作用が遺伝的な影響、二世、三世にどういう影響を及ぼすかということを科学的に見定めることが対策の上においても必要である。こういうことと一緒に、やはりその調査や対策を通じまして、原爆の傷害作用の正体、恐ろしさというものをやはり明らかにしていくことも意味があるというふうに思います。 そこで、検査を続けておりますけれども、検査についての実態と、検査は一般検査と精密検査があるわけでありますが、こういう結果が出ましたものに対する対策、こういうものについて考え方を簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○大池政府委員 原爆医療法の仕組みによりまして、被爆者の方々には年間二回、定期の健康診断として一般健康診断を受けていただく、そして御希望があればさらに二回お受けいただける機会も提供するというような仕組みで現在とり行っておるわけでございますが、その中で医学的に特に問題がある、もう少し確かめる必要があるという方々について精密健康診断ということで、これは必要な検査項目をいろいろやっておるところでございます。それぞれの個別の検査結果に基づきましてそれぞれに例えば受療をお勧めするとか、あるいは生活上の注意を申し上げるとか、あなたは健康だから今は大丈夫ですとか、そういうような保健指導は個別にやっておるところでございます。
○大原委員 対策としてこういう点について踏み出す意思はありませんか。というのは、被爆者対策の中で、残留放射能の影響は非常に多いわけです。瞬間放射能よりも残留放射能が大きいというふうに理学的に言われておるわけであります。医学的にも言われておるわけであります。 そういたしますと、それと同じように、それは距離ですが、時間的に遺伝的なあるいは世代を超えての影響というものが、その精密検査の結果、あるというふうに出た場合には、その人には例えば被爆者手帳を交付する、あるいは健康管理をするとか、そういう施策について一歩踏み出すということで、疑わしい場合も治療や対策を立てるという建前でやっておるわけですから、そういう点について一歩踏み出すべきではないか。そういうことによって一般検査や精密検査というものがさらに充実してくるのではないか、こういうふうに思います。 これは普通の大臣とは違うわけですから、増岡厚生大臣はよく知っておられる人ですから、初めての厚生大臣でありましたら、それはもう局長から答弁いたしまして、それから大臣から聞くところなんですが、増岡大臣の場合は、大臣から答弁した方が局長よりもよくわかっていますから、大臣で御答弁いただきたいと思います。これは無理な質問じゃないですからね。
○増岡国務大臣 私もこの二世の問題につきましては従来から非常に慎重な考え方を持っております。 それは、放射能による影響が遺伝するという科学的な実証がない前に二世の問題を云々するということは、いわばある意味では、政治的にそういう影響があるという格付をすることになるわけでございますので、したがって二世問題についてはよほど慎重にしなければならない。あるいはこのごろ大分薄れましたけれども、先生御承知のように、終戦後は被爆者と結婚問題が起きますと大変難しい状態になる。すなわち、そのことが二世にもあらわれて新しい差別をつくるおそれがあるという考え方を持っておるわけでございます。しかしながら、その医学的な研究というものはやはりひそかに着実に行われなければならないと思うわけでございますので、この二世問題に限りましては、私は多少慎重な姿勢を保たざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、この影響があるのかないのかという学問的な結論というのは相当長くかかるわけでございますので、その間の対処の仕方というものも大変難しいなと苦慮いたしておるというのが現在の心境でございます。
○大原委員 私が申し上げておるのは、従来こういうことを繰り返して附帯決議してきたわけですが、一般検査をするなり精密検査をするということ自体がやはり一つの政策ですから、原爆被爆者対策というのは、結論が出てきて初めてやるということになりますと、事態はもう進んでいる、過去のものになっているということになります。手おくれということがあります。ですから、疑わしいという場合に、これは例えばたくさんの事例を挙げて、被爆者と非被爆者を対置しながら社会統計的にも放影研、ABCCはやっておるわけです。ですから、そういう中で、小頭症の問題を含めて胎内被爆に対して、あるいは遺伝的な因子に対しまして影響がある、疑いがあるということでやっておるわけですから、政策としては一定の段階で一歩前進しないと、この結果が明確になってからということになりますと、政策としては手おくれではないか。健康手帳をもらったからといってその人が遺伝的な決定的な影響があるというふうに学問的に立証されたということではなしに、そういうときには時間的に遅いわけですから。 ですから、私は、一定の段階で、人数はたとえ少なくてもそういう健康管理を常時国の手でしていくというふうな、被爆者手帳等の交付等について順次道を開いていくべきではないか、こう思いますが、もう一回、ひとつ厚生大臣。
○大池政府委員 二世の方の問題でございますけれども、これまで精力的に多角的に研究に取り組んでいただいて相当年月もたっておりますけれども、これまでに研究成果として上がってきた範囲では、御心配いただくような中身は、幸いと申しますか、まだ何も見出されていないというふうに報告を聞いておるところでございます。 しかし、二世の方々の長期的なそういう不安ということも、一方、私どもの行政としては重視して取り組んでおるわけでございまして、そういう観点から、二世の方々の希望者の方に健診サービスを提供する、こういう観点で進めているところでございます。 したがいまして、もう先生御案内のとおりの現行の原爆医療法におきましては、放射線の障害による特別の犠牲という観点でこの制度、仕組みができておりますので、そういう制度からする被爆者健康手帳を交付するということまではちょっと踏み込むことはできないと考えております。
○大原委員 じゃ、ずっとこのまま続けるのですか。一般検診と精密検診をずっとやって、原爆二世の調査をずっと続けるのですか。 そうでなしに、一定の政策に反映させる道としては、断定的なことではないわけですから、疑わしい場合に健康管理をするというのですから。はっきりしているのは認定被爆者でしょう。その認定の仕方とそうでない健康管理その他の仕方について議論があるのですから、健康管理の問題等については、被爆者手帳で医療の給付等についても十分できる条件をつくることが必要ではないか、一定の決断が必要ではないか。それはもう被爆四十周年ですが、四十年たった今日、そういう施策に一歩踏み出すことは決して不安を助長することではない、ずっと経過を踏んでいるわけですから。そしてその結果として学問的な結論が出れば、それはそれで処理をすればよろしいということではないか。一歩踏み出すべきではないかということで、この私の強い要望としてやっておきますから、厚生大臣、検討していただきたいと思います。
○増岡国務大臣 この問題につきましては、先ほど申し上げましたようなことでございまして、被爆者全体につきましても、ある意味では疑わしきは救済するということでありますけれども、また、ある意味では科学的な根拠に基づいて放射能の影響に基づくということでございますので、今後の検討課題としては承っておきますけれども、いろいろ研究をしてみたいとは思います。
○大原委員 最後に言っておきますが、七人委員会の結論の中にも、最後の提言として、これは余りはっきりしたところはないわけですが、ここだけははっきりしているのです。「研究体制の整備充実を図ることにより周到な研究を進め、問題を逐次解明することが、被爆者に対する国の重大な責務であると同時に、世界における唯一の被爆国であるわが国が国際社会」に対して寄与する道である、こういうことを強調いたしまして、この問題を取り上げて施策を充実せよというふうにあるわけですから、ぜひこのことをやってもらいたい、一定の段階で政策として具体的な裏づけをしてもらいたいということを強く要望をしておきます。 それから、広島、長崎によりまして原爆の種類は違うわけでありますが、広島の原爆の傷害作用について理学的あるいは医学的あるいは社会統計的な方法を駆使いたしまして原爆被災の全体像を、それぞれ今までずっと重ねて生存者を中心にしてやってきたわけですが、そのことも死没者があるということが前提ですから、そういうことについては先ほども森井委員からも話がありましたが、被爆四十周年に当たってすべての力を駆使して、死没者を含めて被災者の全体像を明らかにするような白書をつくるべきである、このことは去年の国会におきましてもしばしば議論をいたしまして、この問題に取り組むということについて決意の表明がありました。したがって、そのことをいつの時期に取りまとめをして、そして国の手で被災の実態の白書を発表するか、こういうことのめどを含めてお考えを伺いたいと思います。
○大池政府委員 今回の六十年度実態調査は、現在調査委員会におきまして最終的な段階の煮詰めをちょうだいしているわけでございますが、その結果を待ちまして、秋をめどに実施したいと予定しております。そして、その結果の集計、解析は六十一年度実行する予定としております。その際に、いろいろ関連する資料等のすり合わせというようなことも含めまして、先生のただいま御指摘のような、やや総合的な角度から取り組んで取りまとめを行っていくというようなことを予定しているところでございます。
○大原委員 中曽根総理も、長崎へ参りましてからそう言っておられますが、前の厚生大臣も、広島に八・六のときに参りましたときも言っておられますし、それから国会でもそういう答弁をしておられるわけです。つまり、「来年予定している被爆者実態調査には、死没者の調査も含めるつもりで、可能な限り正確なものにするため実施方法などを研究する。被爆者対策の資料にするだけでなく、世界に被爆の実相をアピールする原爆白書の内容を持ったものにしたい。」こういうことをしばしば言っておられるわけです。中曽根総理も言っておられるわけです。 ですから、単に今までのように調査をやって、そしてそのときどきの部分的な発表をするというだけではなしに、原爆の傷害作用、広島、長崎の傷害作用の実態像を死没者を含めて明らかにする、そういうことが原爆の影響というものがどういうものであるかということの実態を明らかにすることになる、そういうものをやはり社会統計的な、そういう専門家が今回の委員会にはいないのではないか、こういうふうに思いましたが、必ずしもそうではないようですから、社会学的な、統計的な考え方で資料をコンピューターで整理をするような能力、考え方もある人があるようでありますから、そういうことを含めて、原爆被災白書は来年なら来年を目標にいたしましてつくっていって、それを基礎として、さらに六十五年には国勢調査の大調査があるわけですから、そういうことに発展するかどうかは別にいたしまして、あるいは施策にどう発展するかは別にいたしまして、被爆四十周年で、ここにも書いてあるように「唯一の被爆国」、こう言っているのですから、それを完結するような白書を出してもらいたい。 そのことを、増岡厚生大臣の答弁にも気に食わぬことがいろいろありますけれども、このことだけはひとつはっきり約束をしてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
○増岡国務大臣 白書と申しますと、国会に提出いたすものを白書と通称言っておりますけれども、そういう科学的に正確なものができるかどうか、今行おうとしております実態調査につきましてもかなり推計の数字が入ってくると思います。しかし、おおよその社会常識的に考えられる範囲内での全容というものはある程度明らかになるのではないかというふうに思いますので、これが終わりまして解析をすることが、先生御指摘のような原爆の実態、全容をほぼ明らかにするという取りまとめの適当な時期ではないかというふうに思いますので、そのように進めてまいりたいと思います。
○大原委員 白書という言葉を使っている今までのペーパーは余りたくさんはないわけです。実態報告書とか実相報告書とかいうふうに報告書という名前であって、それを俗にペーパーの名前で呼ぶわけですから。それは形式はこだわらないですけれども、被爆四十周年で総括的なもの、まとまったものをひとつやってもらうということに理解をしてよろしいか、もう一回答弁。
○増岡国務大臣 御指摘のようなことに御理解いただいてよろしゅうございます。そのとおりでございます
○大原委員 そこで、私は非常に関心を持って追跡をいたしましたのが、昭和二十五年にABCCが、占領軍の意図を受けまして傷害の影響研究をやるためにつくったわけですけれども、二十五年の国勢調査の附帯調査をやった。そのときに死没者の調査をするかどうかということの議論はかなりあったようでありますが、しかし、二十五年のは生存者の調査でございました。しかし、昭和二十五年ということになりますと被爆との間において五年間たっておるわけです。五年間たっておるというのは、長いようであって短いことでございまして、それを生存者をもとにいたしましてずっと追跡をいたしますと、その後の障害によりまして死んだり疾病を受けたり、いろいろな影響を受けた人がわかるわけですから、これは今度の調査の中には、コンピューターを駆使するわけでしょうから、インプットして生かしていく必要があるのではないか、この点はどう考えておられるか。 あるいは今までの実態調査の中で死没者、行方不明者——行方不明者というのは決定的にこれは死没者であります、名前がわからぬということでありますから。そういうことで、それをトータルいたしますとかなりの数字の接近があるのですが、全部警察や市や県がやりましたものはばらばらでございます。その中で抜けているのは、今も話がありましたが、韓国、朝鮮の被爆者の問題が抜けている。特に広島、長崎の造船所に徴用工として働いた人の名簿があるはずであるのに、それがどこにあるかわからぬ。行方不明になっておる。それから軍人は追跡をしていない。これは恩給やその他をずっとやればあるわけですから、傷病に至るまで被爆者についてはわかるはずですが、こういう問題がやられていない。 あるいは入市者で、そして半死半生の形で付近の町村や他の県に避難をした人もありまして、そういう問題等もやるなり、話がありましたような団体等についても、生存者が死んだ、それの実は慰霊祭など者やっているわけですから、死没者やその後ずっと倒れていった人についても追跡をしておる、そういう学校関係とかグループがあるわけですから、それらの問題を駆使して、そして死没者の傷害作用の実態に近い形の完結するものをつくっていただきたいと思います。これは今まで議論になったことですから、時間の関係もありますので、厚生大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○増岡国務大臣 できるだけそういう既存の資料なり証言なりは参考にさせていただきたいと思います。
○大原委員 時間もあれですが、もう一回改めて厚生大臣にお尋ねいたします。 厚生大臣はこれから長く厚生大臣をやってもらいたい、総理大臣になるまでやってもらってもよろしい、こういう希望を持っているわけですが、そのことは別にいたしまして、一年でかわられるかもわからぬ、しかし被爆四十周年に厚生大臣になられたわけでありますから、この際、増岡厚生大臣のときに何と何をやろうとするのか。今いろいろ話がございました、世間でもうわさしておりますから、国会のこの場を通じまして——あなたはこの問題に積極的に取り組んでいただきたい、ブレーキをかけるだけではなしに積極的に何をするか、こういうことをはっきり議事録にとどめておきたいと思いますので、改めて質問いたします。
○増岡国務大臣 私が考えておりますのは、これは具体的に政策にあらわそうというところまで煮詰めたものではございませんけれども、これまで政府が広島、長崎両市におきましての式典に対しましていろいろ費用負担その他をしておるわけでございます。これも一つの被爆者に対する精神的な政府の気持ちのあらわれであると思いますけれども、しかし実態はそういうふうには受けとめられていない。ただ市長さん、市が補助金をもらっただけというような格好に受け取られておるのをまことに残念に私は思うわけであります。したがって、そういう気持ちが何らかの形であらわせるようなこと、しかも法の許す範囲内という規制もあるわけでございますので、就任しましてから後ずっとそのことを考え続けておるわけでございます。 ただ、来年の概算要求が八月末にあるわけでございますので、それまでの間にははっきり考え方を決めておかなければならないという思いでおるわけでございます。
○大原委員 中身を少し。今ありましたが、例えば所得の制限撤廃をやれば補償的になるわけですね。ですから、それを自分のときに一〇〇%を目指してやるんだとか、もう少しはっきりあなたの——ほかの説明員や政府委員が言わぬでもあなたが言えば一番いいわけだから、それをやるとか、実態調査の問題についてはかなり詰めて白書まで出すということですから、これは全力を挙げてやってもらいたい。 でれば非常におかしなことなんですよ。死没者についてもいろいろなところで発表してあるけれども、たくさんの説があるけれども、これらを集約して、この中身は大体どういうものなんだということを政府自体が明確にしないということは、毎年毎年調査費を出しているわけですから、これは非常に無責任な点でもあるわけです。これは集約して締めくくるということが必要だと思います。その他施策についても考え方を具体的に、今二つを挙げましたが、二つの点については今まで答弁がされたということでよろしいか、それを含めて答弁してください。
○増岡国務大臣 まだ厚生省内部の意見調整も全くやっていない状態でございますので、具体的に何と何ということは申し上げかねると思いますが、少なくとも先ほど来御審議いただいております、お答えいたしております範囲内のことはもちろん十分力を入れてやってまいりたいと思います。
○大原委員 一歩前進するということについて、そういう決意を十分持って対処するということでよろしいですか。
○増岡国務大臣 決意としてはそのようなつもりでおるわけでございます。ただ、政府全体の財政状況、厚生省全体の予算の枠内でできる限りのことはやってまいりたいと思います。
○大原委員 原爆二法案についてはともかくかなり努力はして、遅々としてではありますが、少しずつ前進はしているわけですから、私はそれは十分議論した結果が出ているというふうに考えます。 それで、時間の関係で最後ですが、援護局来ていますね。——私は、国家補償の精神による援護法をつくるという主張の中で、二つの点を挙げて今までずっと議論したわけです。 一つは、現行の戦傷病者戦没者遺族等援護法の、例えば沖縄の戦闘協力者とかあるいは義勇隊とか義勇兵役法の関係とか、本土決戦の段階における対応の仕方とか、そういうものについては今までやってきたわけです。最後に昭和四十九年にやった中で警防団、医療従事者のものがあるわけですが、私も取り上げてやりました。準軍属として出てきたわけですけれども、そのときに、昭和二十年の六月の九、十、十一、十二と四日間開かれました臨時帝国議会の義勇兵役法との関係を私が指摘をいたしましたら、警防団や医療従事者、それをさらに拡大して地域の防空隊や職域の防空隊がある、これが地域の義勇隊と職域の義勇隊にずっと発展しているわけですが、警防団、医療従事者については個人個人に対して従事令書が出ている。これが一つの基礎になっているということで準軍属に入れたということをあなたは言ったわけですが、それは私は了承してなかった。それは議事録を調べてもらえばわかるわけですが、これは自治省が全部の資料を出して、今、公文書館がありますけれども、國民義勇隊に関する件以降、極秘文書等を全部封印を解除して閣議決定を出し、法律についてのなにを出したときにこういう項目があったわけです。 国民義勇隊に関する閣議決定の最初は、三月十日に東京大空襲があって、沖縄も危なくなるし、それからドイツも負けるし、ヒトラーも自殺するという情勢の中で、これはもうだめだ、本土決戦をやるしかないということで閣議決定でやったわけですが、それが問題になって法律ということにしたわけです。したわけですが、そのとき警防団、医療従事者を入れたのは、従事令書の問題ではなしに、三月二十三日の閣議決定以降に四月十三日に閣議了解事項という文書が出てきまして「警防団ハ之ヲ國民義勇隊ノ組織ニ一体化スルコトヲ目途トシ一面警防二柳モ間隙支障ナガラシムルコトヲ確保シツツ必要ナル措置ヲ講スルモノトス」つまり警防団は義勇隊と一体の形でやれ、一体の形で戦闘態勢に臨め。こういうふうに、内務省と陸軍省との間で議論があったものを閣議了解で一本にしたわけです。 それは自治省が消防関係で出してきたわけです。出してきたというのは、私が出した資料に基づいて出してきたわけです。そこで、警防団は医療従事者と一緒に準軍属に入れたわけです。それを指摘しました。従事令書の話は私が指摘したことなんであって、それをあなたがとってこれでやったんだというようなことを言ってはだめだ。それは事実に反するということを私が言っておくから、後で議事録を十分調べてみたまえ。 それにいたしましても、私が言うのは、昭和二十年の六月に緊急の帝国議会を召集いたしまして、秘密議事録は国会議員しか見れないわけですけれども、全容はわかっているわけです。そして勅令を出しまして最後に省令を公布いたしましてやったのが七月五日なんです。これはここに出ておりますから、それは全部文書は陸軍省令、海軍省令で出ているわけです。 そこで、沖縄も陥落いたしまして本土決戦の段階で、十五歳から六十歳、女子は十七歳から四十歳、それでそれ以外の者も行動能力、戦闘能力のある者は全部加えるということで義勇兵役法が実施されたわけです。それは言うなれば、本土決戦の状況の中の権力関係にあった。ですから、それ以降は少なくとも法令上も戦闘協力者である、これが一つ。 もう一つは、国際法上の議論といたしましてヘーグの陸戦法規や毒ガスの法規等を引用いたしました議論ですが、これは昭和二十年八月九日に日本政府はスイスを通じましてアメリカに抗議文を出しておる、その文章の趣旨のとおりですが、つまり唯一の被爆者であるという以上は、これは人道上もこの戦争の名前においても許すことができない、こういう凶悪な兵器であるということであって、各方面から議論をしたその議論が集積をされておるわけですから、そういう見解は明確にしながら国家補償の精神による被爆者援護法をつくるべきである、こういう点を我々は強課して野党案ができておるということを言っておるわけです。 ですから、その点を十分厚生大臣も、これから長く厚生大臣をおやりにならぬかもしれぬので、これが最後かもわかりませんから、その経過を記録を政府委員等に命じて十分読んでいただいて、そしてこれから新しい政策をどう展開するかという腹構えをつくってもらいたい。これは大臣になられたら今までの議員とは違うわけですから、大臣の責任において十分これを検討してもらいたい。 二つの点を最後に指摘をしておきまして、そして施策の前進をするように要望いたしまして私の質問を終わりますが、大臣、いわゆる大臣答弁でなしに中身のある答弁をお願いします。
○増岡国務大臣 非常に難しい、お答えするのになかなか時間がかかるように思うわけでございますけれども、国と被爆者との間柄というものがいわば援護法という法律になじまないということで従来からお答えを申し上げておるわけでございまして、その間柄というものは、私が一自民党議員であろうと厚生大臣であろうと同じ状態であると思うわけでございますので、今ここで直ちに前進を示すようなお答えができないことはまことに残念でございますけれども、ただ心情的に、被爆者の方々に対する措置はこれからも現在の二法を通じまして充実をさしていかなければならぬという気持ちには変わりございませんので、その点はよろしく御理解をいただき、御了解をいただきたいと思うわけで、ございます。
○大原委員 終わります。
○戸井田委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開講
○戸井田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村重光君。
○中村(重)委員 まず冒頭に大臣に要請をいたしておきます。 広島八月六日、長崎八月九日、また原爆の日がめぐり来るわけです。昨年は中曽根総理が長崎にお越しになりました。その前は広島でした。今度は被爆四十周年ですから、地元長崎市からも総理の出席要請をしているようであります。そのことは別にいたしまして、厚生大臣に対して、被爆県の出身の大臣であるということで長崎の期待も大きいわけです。総理の出席のいかんにかかわらず厚生大臣は広島、長崎ともに出席をしていただきたい、これが地元の願望でございます、この際、大臣の決意を伺っておきたいと思います。
○増岡国務大臣 昨年は中曽根総理が長崎においでになりましたけれども、ことしはおいでにならない、広島ということでございますので、厚生大臣といたしましてはぜひ長崎にお伺いをいたす所存でございます。
○中村(重)委員 先ほど森井、大原両委員の質疑を伺っておりました。きょうは党の方の会議がありまして森井委員の質問は最後のところを伺っていたわけでありますが、森井委員の質問の中で所得制限の問題について触れられたわけであります。 この所得制限の撤廃の問題に対しましては、私は増岡大臣が御就任になりました際、敬意を表する意味で大臣室を訪れまして、被爆県出身の大臣に対する期待は大きい、したがってさすがに被爆者の問題に対して熱意を持って対処しようとしているという評価を当然受けるべきであるし、また被爆者援護強化の問題は単に被爆者に対する援護にとどまらず平和にも大きく影響する問題であるという私の意見を申し上げながら、大臣が強い決意を持って対処してほしいということを要請をいたしました。その際、この所得制限の幅が広がっているように思う、これには相当力を入れていきたいというお答えが実はあったわけであります。 先ほど大臣から、広い意味の国家補償ではあるけれども、国家補償であるとは言われているけれども、社会保障であるから所得制限を撤廃することには問題があるというような意味のお答えがあったように私は聞いたのであります。したがって森井委員から、九九・九九%でもよろしい、ともかく前進する扱いをしてほしいという最後の意思表示がなされたわけであります。 私は、所得制限は当然撤廃すべきであるという考え方を持ちます。あなたは自民党の原爆対策小委員会委員長といたしまして、被爆者対策に対しましては熱意を持って対処してこられたことを私はよく承知いたしております。また厚生省は、この所得制限の撤廃については、大蔵省に予算の概算要求をする際にもう何年も撤廃を要求してこられたはずであります。大臣のお答えのごとく、広い意味の国家補償ではあるけれども社会保障であるから撤廃ということには問題があるというお答えをあなたから伺うということは、私は夢想だにしていなかったわけであります。今までの歴代大臣のもとで、所得制限の撤廃ということで予算の概算要求の段階においてそれを行ってきたわけです。であるのに、なぜに先ほどのような御答弁があなたの口から出るのであろうか、私はそのことを明確にしてほしいのであります。
○戸井田委員長 大池局長。(中村(重)委員「これは局長ではないでしょう、大臣です、事務的なことではありません」と呼ぶ)増岡厚生大臣。
○増岡国務大臣 私といたしましても、所得制限の緩和ということにつきましては終始努力をしてまいったわけでございます。ややともしますと、ただいま先生からお話がございましたように、緩和でなく厳しくするというのが財政当局の立場であろうかと思います。それに抵抗してやってまいったわけでございますけれども、この撤廃ということにつきましては、先ほど申し上げましたのはただいまの法律が援護法でないということからやむを得ざるものであろうかという意味のことを申し上げたわけでございまして、ただし、特別な障害の度合いによりまして所得制限が外れておるものもあるわけでございますので、今後も所得制限の緩和という面ではそれなりの努力はいたさなければならないというふうに考えております。
○中村(重)委員 財政上の問題でなくて本質の問題であるわけです。だから、厚生省としては所得制限の撤廃ということは当然であるとして概算要求を続けてこられたと私は思っているのです。さらに、広い意味の国家補償であると言われるように、例えば保健手当等のごときは年齢制限もなければ、あるいは病気等のそういう条件というものもついていないのです。その他、これは国家補償の範疇に入るのではないかと考えられる点も数点実はあるわけであります。であるとするならば、所得制限というのが財政上の問題というようなことでなく本質上の問題ということで、少なくとも原爆被爆県出身の政治家として、大臣としてあなたは対処していかれるということが当然であると私は考えますし、来年度の概算要求も八月に迫っているわけでありますから、そういうつもりで対処してもらいたい、そのことをひとつ要請いたします。もう一度明確にお答えをいただきたい。
○増岡国務大臣 限りなく前進をするという気持ちには変わりはないわけでございます。概算要求の段階でもいろいろ問題はあろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたような趣旨で頑張りたいと考えております。
○中村(重)委員 それから、健康管理手当等諸手当の手続の簡素化についても森井委員から指摘をされました。一年、三年、こういうことは廃止すべきであるという考え方の上に立たれたと私は思っております。私もそのとおり考えております。 私がお尋ねをすると、特にこれと関連はないと恐らく局長はお答えになるであろうと思うのでありますが、最近手帳の交付が非常に厳しくなったということです。それから、一年、三年で医師の診断を受けなければなりませんから、今まで支給されておったのにこれが打ち切りになるというケースが実はあるのです。私は昨年か一昨年の質問の際にそのことを申し上げましたが、そういう事実はないということをお答えになりました。また、データから見ますと、特別にそういうことを意識的にやっているというようなデータを私は見受けてはいません。 しかし、私どもの耳に入ってくるのは、今まで支給をしてもらっておったのだけれども今度はだめでした、何とかしてほしいという陳情を受けていることは事実です。それから、手帳の申請をいたします際に非常に厳しくなってきました。なるほど健保法の改正に伴いまして手帳の交付申請は非常に急増しておる。五〇%程度ふえているのではないかというぐらいに健保法の改正を引き金にして申請が増加していることは事実でありますけれども、手帳の交付というのは非常に厳しいということが言えると私は思うのですね。保証人を出すでしょう。そうすると、今までそういうことはやらなかったことですが、長崎市の場合で申し上げますと、市の専管事項でありますから市の方に保証人を呼び出すのですね。それから、長崎市以外は窓口である市町村から出して県が決定をいたしますから、その際に保証人を呼び出して根掘り葉掘り尋ねる。それだけではなくて、君の手帳まで取り上げなければならないことになるのだぞ、なぜ保証するのかと、まさに犯罪人扱いですよ。そういうケースが非常に多いのです。 私は、財政的な関係からというようなことで相当厳しく手帳の交付に当たってやっておられるのではなかろうかというように考えざるを得ないということであります。しかし、実際はもう放射線あるいは熱線、爆風等を受けられた被爆者は、その病気が全快するということは考えられないのではなかろうかというように思います。全被爆者に対して手当を支給すべきである、そうして障害の重い者に対しては特別の手当を支給すべきであるというのが野党の共同提案の中身ともなっているわけであります。このような考え方から、私どもに主張させていただきますならば、一年、三年というような制限は、森井委員指摘のとおり撤廃されることが当然ではなかろうかというのが私どもの率直な考え方であります。この点に対して、いま一度ひとつ私にもお答えをいただきたい。
○大池政府委員 幾つかの点の御質問でございましたが、まず手帳の交付に当たりまして最近非常に厳しくなっているのではないか、こういうことでございます。確かに被爆時点から年数がたつにつれまして、当時の状況について今それを立証することが年々困難性を増しているということもその背景にはあろうかと思います。ただ、それぞれの実情に応じてできるだけの客観的なことを立証していただくということで窓口におきますところのいろいろなやりとりがあろうかと思います。これは一面、そういうやむを得ない側面もありますし、また制度の適正維持という観点から客観性の立証ということについては大事な側面であろうと思うわけでございます。しかし、個々のケースについての十分実態に即した親切な対応ということも必要であろうと思いますので、その辺、個々に問題があれば必要な指導を行ってまいりたいと思っております。 それから、一年、三年というような認定のいわゆる有効期間の更新の問題でございますが、制度の建前で申し上げて恐縮でございますけれども、健康管理手当なりの要件となっております疾病はなかなか難しい疾病が多いわけでございますけれども、幸い治癒する、軽快するというケースも大いに期待できる面もございます。そのような治癒なさった、少なくとも負傷なり疾病が消退したというような方については更新のときに継続がなされないというケースも、それはあろうかと思います。しかし、全体として特に近年更新が厳しくなったとか、そういうことは全国的な流れとしても私どもそういうふうには見ておりません。事柄はすべて個々のケースごとに専門的な医学的な判断で適正に実施されておるというふうに私どもは考えておるところでございます。
○中村(重)委員 理屈を言うようですけれども、大体、健康管理手当でしょう。これは増岡大臣、あなたも私と共通した考え方をお持ちになるのではないかと思うのですけれども、健康管理手当というのは、病気にならないように、健康を保持することができるように手当を支給するということが名称からいたしますと私は当然だという感じがする。私どもが全被爆者に対して手当を支給せよ、障害の重い者にはそれだけ手当を増額して支給しなさいということは、被爆者はどうしても健康上影響というものがあるというように私は思うのです。障害というように明確でなくとも、やはり健康にいろいろなある程度の障害というものがあるのではないか。私も、いつも申し上げますように、家族十二名を奪われ、私自身もけがをした被爆者の一人であります。私自身がこうして被爆者問題に対して質疑をいたしておりますけれども、みずから健康上のことを感じることが実はあるのです。 ですから、なかなか治癒ということはあり得ないのではないかと——絶対的なことは申し上げませんけれども、なかなか治癒というものはあり得ないというように私は感じているわけです。にもかかわらず、制度として一年、三年という認定はそのまま変わらないでいるということはいかがなものであろうか。増岡大臣は、これは財政的に影響してくるのだというようなお答えになるかもしれませんけれども、こういうきめ細かいところに、被爆者の実態をつかんでいるあなたは配慮される必要があるのではないかというように考えます。この点に対してお答えがいただければ幸いだと思いますが、いかがでしょう。
○増岡国務大臣 被爆者の方々の中には病状が固定してなかなか治癒しにくいという方も多かろうと思うわけであります。したがって、認定の有効期間の更新につきましても、御指摘のような御趣旨もあろうかと思いますので、これから鋭意検討させていただきたいと思います。
○中村(重)委員 それから、これと関連をいたしますから、私は質問をいたします際に連絡をしておきましたから、お調べ願っていると思うのですが、長崎市の、今、東長崎町というのですけれども、西彼杵郡の旧矢上村の自動車教習所に臨時救護所というのが実はつくられた。広島もそうでしょうけれども、長崎には相当そうした救護所がつくられたのです。そして、亡くなったり、あるいはけがをした人をいろいろな方法でもって救護所に運びまして救護に当たったのです。矢上村の場合は田の浦国防婦人会という婦人団体が救護に当たった。初めは五十名ぐらいいたのですが、ずっと継続をして救護に当たった人が十五、六名、その中の一人が亡くなりまして一十五名の人たちがぜひ手帳を交付してほしい、二週間ぐらい救護に当たっているように実は伺っているわけですが、そういう申請をしたのですけれども、これは却下になった。 そこで、厚生省の方に異議申し立ての書類が上がったのかどうか、そこはつまびらかではないのでありますけれども、今度行政訴訟を実は五月中に起こすというようなことを決定をいたしているようであります。もうそういう手続をとっているのかどうか、伺っていないのでありますけれども、御調査になっておられると思うのでありますが、この点はどうお考えになるのか、ひとつお答えをいただきたい。
○大池政府委員 ただいま御設問の点につきまして、お伺いした後、現地にも照会したわけでございますが、確かにそのような却下されたケースがあることは確認しております。 それで、却下の理由のポイントとしては、申請人が主張しておられます当該自動車試験場におきます臨時の救護活動ということが確認できなかったというふうにとりあえず報告を聞いているわけで、ございます。 ただ、異議申し立てというようなことはなさっているというふうには私どもは聞いておりません。それから行政訴訟の話も、先生のお話で今承ったところでございます。
○中村(重)委員 もう少し明確にお答えくださいませんか。実は私は、質問しますのに明確なお答えを伺わなければいけないと思いまして、問い合わせがございましたから、このことに対して質問をいたしますからということを御連絡申し上げておきました。だから、当然長崎県なり長崎市の方にお問い合わせになったのではないかと思うのですが、いかがですか。
○大池政府委員 説明が不足して恐縮でございましたが、異議申し立てがあったかとこちらから聞いたのに対しては、そういう事実はなかったというふうに聞いております。 それから、行政訴訟が出る動きがあるということは、県の方からも市の方からも承知しているわけでございますけれども、まだ訴が上がってきておりませんので、内容は私どもはまだ承知しておりません。
○中村(重)委員 今、被爆四十周年でございますから、この矢上村の場合だけでなくて、あっちこっちにあるのです。例えば島原鉄道というのがあるのですが、島原鉄道で、これも上から、被爆者のけがをしている人がたくさん乗るから十分注意をするようにという指令が実は出ている。そうして、車掌さん方が、特に島鉄の場合は婦人が多かった、救護に当たったんですね。それで、当然手帳の申請を法的にすることができると言って申請をした。数が非常に多かったのです。それは厚生省まで書類が来たんですね。ところが、これも交付されていない。あっちこっちに救護所がつくられたのです。これは当然のことなんですよ。 そのときの状況は、皆さんにはおわかりにならないでしょうけれども、現地にいまして、特に私は救護作業をする責任の立場にありましたから、本当に実態をよくつかんでいるのです。だから、もう少し親切に、誠意を持ってなぜに対処しないのだろうかというのが率直な私の感じです。むしろ憤りと言ってもいいほどの感情を私は持っているのです。だから、この問題に対しましても、行政訴訟を起こすというような動きがある、そういう決定が被爆者手帳友の会でなされたということを承知をいたしましたので、実は御連絡を申し上げたのです。 少なくとももっと積極的に、国会でこれらの問題が取り上げられるというようなことであるならば、その実態をつかんでこれに対してお答えをされるというぐらいの誠意があってしかるべきではないかと私は思います。このことに対しては異議の申し立てというものは出ていないということであるといたしますならば、異議の申し立てがあったからということだけではなくて、そういうような集団的なことで行政訴訟を起こすというような動きがある以上は、私は、その実態をつかむ、そうしてまた適当な指導等もされるということが誠意ある態度ではないかと思いますが、いかがですか。
○大池政府委員 御指摘のように、そのふうな訴状が正式になる段階でございますれば、当然に国は国としての対処を市とともになさなければならないと考えております。現段階ではまだそういう事態になっていない、仮定のことでいろいろ申し上げることが不正確になってはということで、先ほど申し上げたような、とりあえず市に照会した件について御報告申し上げたわけでございます。
○中村(重)委員 局長、あなた、あくまで形式論で終始しようとするのですか。私はこの問題について質問をいたしますと、調査を要請しておるのですよ。それならば、それに対する誠意のある答弁が行われるであろうと私は期待をします。あなたは正式にそういうことが手続的に上に上がってこなければその問題に対しては対処しないということになる。それならば、なぜにどういうことを質問いたしますかということを質問の前にいろいろと問い合わせ等をなさるのですか。私どもも質問をする、明確な答えを受けたい、だからして質問の内容を詳細に御報告申し上げるのですよ。そうしたにもかかわらず、現段階においては云々と、余りにも不誠意きわまると私は申し上げざるを得ない。大臣、お聞きになってどうお考えになりますか。あなたからお答えください。
○増岡国務大臣 それなりの対応を局としてはしておると思うわけでございますので、なおもう一度政府委員から説明をいたさせます。
○大池政府委員 経緯につきましては、五十六年九月、その当該関係者の方が手帳の交付を長崎市に申請をいたしたわけでございますが、五十七年十一月になりまして長崎市が却下の処分を行ったところでございます。本年に入りまして六十年四月四日の新聞報道でございますが、訴訟を起こす旨の報道がございました。それから六十年四月十六日には弁護士法に基づく照会がございました。 このようなことでございますので、先生の御指摘のように関係の十五名の方々が恐らく原告という形で訴訟が起こされるということは市としても予測をしておる。その場合の想定されるポイントは、先ほど先生の御指摘のございましたように矢上村の自動車試験場において救護活動が行われたかという事実関係が大切なポイントになるであろう。長崎市におきましては、この手帳の交付の申請の処理に当たりまして必要な調査、判断をし、その却下という処分については自信を持っておるという旨の報告を私どもの方に寄せておるところでございます。現断面ではそういう状況でございます。
○中村(重)委員 だから、初めからそういうように答弁をされれば私は大きな声を出さないですよ。 私が矢上村の云々ということを言ったときに、どなただったんでしょう、ここにおられますか、私に電話をされた方。ああ、あの深堀さんの件ですね、こうおっしゃった。ということは、被爆者手帳友の会の深堀会長は厚生省に何回も足を運んでこのことについて陳情し、実態の説明をしているのですよ。だから、それを言ったときああ深堀さんのことですね、こう私に返ってきたんでしょう。 それをあなたが先ほどのようなああいう形式的な答弁をされるものだから、私も声を荒立てて申し上げるということになった。実態を調査してください。そしてできるならば行政訴訟等にならないように解決がされるようにしてほしいと思います。どうしても交付できないものはできない、それは、しかし四十年もたっているわけですから、だから記憶も薄らいでいるでしょうし、市の方もほとんど変わってしまってというので、なかなか実態をつかむことはできない。 それから、手帳を交付しなければならないということで対処する場合と、いや、できれば手帳を交付しないでいたい、できるならば交付したくない、そういうことで対応するのとで変わってくるのです。例えば申請をする人と、長崎県なんか離島がありますから船で来ます、四十年も前のことですから、何月何日何時ごろということになる場合、申請者と同じ船に乗って来た人とでは、どうしてもわずかな日にちでも日にちの違いがあったり時間の違いがある。そういう場合に手帳交付をしたくないという立場から申請者に不利になるような意見というものを採用しようとするのです。これは実態なんです。 私がこう申し上げるのは、そういう問題にまみれてきたから、そういうことに対して市と話し合いをしたり、あるいはそういう申請者にいろいろと事情を聞いたりした私の体験から申し上げているのですから、決してまた聞きとかなんとかいうことじゃないのです。できるならば手帳を交付したくない、いや、できるならば交付しなければならぬ、交付するようにしたい、それによって受けとめ方が変わってくるのです。そういう実態もひとつ十分お考えになるように注意を喚起しておきたいと思います。 何も事実でないものを事実として手帳を交付するようにしなさいなんということは、私も国会議員の一人としてそのような無責任なことを申し上げようとは考えていない、申し上げてはいないのです。十分生きた行政、親切な行政をひとつやってもらいたいということを強く求めておきます。 それから却下になります場合、異議の申し立てを厚生大臣にするわけですが、全国から出てくるわけですから異議の申し立ても多いのだろうと思うのですね。三年も五年も七年もかかるというのが実態でございましたが、最近の状態はいかがですか。
○大池政府委員 建前でお答えして恐縮でございますが、当然迅速に処理すべきものでございますけれども、実態上いろいろと事実関係を過去にさかのぼって調べるというようなことで現地の市なり県なりとやりとりがございまして時間がかかっているということを今担当からちょっと聞きました。(中村(重)委員「どれくらいかかる」と呼ぶ)物によっては数カ月から一年にまたがるようなものもあるのじゃないか。今ちょっと正確には掌握しておりませんけれども、手元の資料では若干時間のかかっているものもあるということでございます。
○中村(重)委員 正確に実態を把握するのは当然ですけれども、若干時間がかかるというものじゃないですよ。私どもは、そういう申請をした人からこういう申請をしていますからということで、当然のことですが、いろいろ陳情等も受けますからね。そういうもので私が承知しているのでは、五年なんというのは本当にざらですよ。これは若干というものではありませんよ。大臣、いかがですか。こういう事態に対してもう少し人をふやさなければならない点はふやして親切にしてあげたらいかがですか。
○増岡国務大臣 私も詳しく知りませんが、もし仮にそのような四年も五年もということがあるとしますならば、それは理不尽なことだと思いますので、できるだけ早急に処理ができるように検討してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 それから死没者調査の件でございますが、これは大原委員の質問でございましたが、死没者の数は正確にどのくらいいるのですか。把握しているのですか。
○大池政府委員 お答え申し上げます。 国の段階におきまして、死没者数はという正確な数値としては掌握しておりません。
○中村(重)委員 あなた方は原爆殉難者の霊をお慰めしたい、心から弔意を表したいというお気持ちがありますか。大臣、いかがでしょう。これは大臣からお答えいただきたい。
○増岡国務大臣 国としましても、そのような観点から記念式典その他のことにつきましてもかなり気を配ったつもりでおります。ただ、そのことが実際に被爆者の方々お一人お一人に伝わっておるかどうかということは、まことに残念ながら必ずしもそうでない面があるのではないかというふうに思っております。
○中村(重)委員 広島でもって二十年十一月末現在、これは広島県警の調査、七万八千百五十人。二十年十一月一日現在、十三万人前後、これは広島市長崎市原爆災害誌編集委員会の調査で、五十四年の推定なのですね。長崎が二十年十一月一日現在、六—七万人、これも広島市長崎市原爆災害誌編集委員会の五十四年の推定なのです。二十五年七月現在、これも長崎市ですが、七万三千八百八十四人、これは長崎市原爆資料保存委員会の調査です。このように数が違う。厚生省も今日に至るまで把握してない。原爆によってとうとい生命を失った人たち、この数を正確に把握せずして、犠牲者に対する弔意を表するということになりますか。私は不見識きわまると申し上げたいのであります。 生存者の健康管理の面からもこの調査は大切なのです。しかし、本当に原爆による犠牲者、この責任はだれにあるかということをお考えにならなければならない。そういうような認識がないから、死没者調査というものに誠意を持って取り組もうとなさらないのです。 「昭和三十八年十二月七日の東京地方裁判所におきます広島、長崎原爆判決は、その判決文の中で、広島、長崎に対する原爆投下は国際法に違反するものと断定し、さらに判決文は、国家は、みずからの権限とみずからの責任において開始した戦争により、国民の多くの人々を死に導き、傷害を負わせ、不安な生活に追い込んだ、しかも、その被害の甚大さはとうてい一般災害の比ではない、したがって、国家が十分な救済策を講ずべきである」と指摘しているのです。「さらに、高度の経済成長を遂げたわが国において、国家財政上、これが不可能であるとはとうてい考えられない」こういうことがつけ加えられであったのです。 このことを考えてまいりましても、死没者の実態調査であるとか、被爆者援護法の制定、国家補償によるところの被爆者に手厚い措置を講じてくるということは、もう国の責任であるということは明確ではありませんか。 先ほど生存者調査をして、その結果としてひとつ死没者調査、いわゆる白書ということをおっしゃいましたが、前向きの答弁はありましたけれども、私はもっと責任を持って死没者調査をされるべきであると考えます。同時に、援護法の制定も当然である、そのように考えますが、これらの点についてお答えをいただきたい。
○増岡国務大臣 御指摘のようなことでございますので、本年度行います実態調査におきましても、死没者調査を含んでほしいということは委員会の方々にお願いをしておりまして、現在その可能な方法について検討していただいておるわけでございますので、御趣旨に沿った調査をできるだけ行いたいというふうに思っておるわけでございます。 ただ、援護法の問題になりますと、例えば一般戦災者との均衡の問題等があるわけでございますので、これまでのところは、国民的な合意が得られるということを考えますと、被爆による放射能の影響ということに着目をいたしまして、そういう点から原爆二法の充実によりまして被爆者の方々にできるだけ手厚い措置を講じようというふうに努力をしてまいったわけでございまして、今後ともそのように対処してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 援護法の制定がなぜにできないのですか。
○増岡国務大臣 現在の法制のもとにおきましては、援護法というものは国と雇用関係その他命令関係のあった方々に対して行うというのが援護法の趣旨でございまして、したがって、そういう関係にない方々に対する問題をもし援護法として行います場合には、先ほど申し上げました一般戦災者との均衡の問題が出てくるわけでございます。
○中村(重)委員 軍人であるとか軍属であるとか、あるいは徴用、動員学徒、そういったいわゆる国家命令において拘束をした人と、それから現在の制度と、こうおっしゃるのだろうと私は思うのです。しかし東京地裁判決にあるように、国が戦争を起こす、そのことによって原爆が投下され、その犠牲になった。しかも原爆は国際法に違反をしている。当然国際法に基づいてアメリカはその責任を負わなければならない。いわゆる補償の義務が生じてくる。しかし、講和会議において日本政府はその請求権というのを放棄したではありませんか。被爆者に対し何らかの相談をして、被爆者の意思を受けて被爆者が持っておる請求権を放棄したのではないのです。一方的に国が放棄したのです。 ならば、アメリカにかわって日本政府が被爆者に対する補償をする、国家がその責任を負う、そのことは当然ではないでしょうか。単に、今お答えのように、国が拘束をしている身分関係でなかったのだから、国家補償による援護法の制定、援護措置を講ずるというものではないという答えは、被爆者の納得するところではありません。いかがですか。
○大池政府委員 国際法等の絡む問題でございますので、当職の専門外かとは存じますけれども、原爆そのものが国際法の根底の精神に反するということはよく承知しているわけでございますが、実定法としての国際法に直ちに、明文の規定もないというようなこともございまして、国際法違反で断ずることはできないというふうな政府見解をとっているということも承知しているところでございます。 また、我が国は対米請求権を放棄はしております。だからといって国が法的に被爆者の方々に補償を行う責任を負うというふうには直ちにはつながらないものというふうに考えているところでございます。そのようなことで、法的な違法性を踏まえての国の補償という観点ではございません。そうではなくて、むしろ人類未曾有の原爆、それに伴う原爆放射能の影響による健康の重篤な障害という特別な犠牲というところに着目して、結果責任としての広い意味の国家補償という観点で現行の制度は基本的に組み立てられているということでございますので、そういう意味における広い意味の国家補償で私どもは対処している所存でございます。
○中村(重)委員 あなた方はそういう解釈をとっている。ところが私は、東京地裁の権威ある判決、そういったような点からいたしましても、また国際法違反という申し上げたような観点からいたしましても、当然国が責任を負うべきである、この考え方を持つのです。あなた方の考え方が絶対ではないはずなんです。だから、十分議論をし、検討を行って対策を講じていくということが当然でなければならない。しかも隠れみの的な存在、被爆者対策に対するところの歯どめみたいな役割を果たすことになりました七人委員会、その七人委員会においても、何と言っていますか。被爆者の受けた放射線による健康障害は特別の犠牲である、そういう意味で国家補償の見地に立った対策を講ずべきであると言っているじゃありませんか。被爆者対策を後ろ向きにする役割を果たした七人委員会、この七人委員会ですらこういうようなことを政府に答申しなければならなかったのです。 こういう点を重視して積極的に被爆者対策あるいは死没者に対するところの誠意を、情意を表するような措置を講じ、そしてそのことが世界の恒久平和にも役立ってくる、犠牲者を犬死にさせない、そういう考え方の上に立って対処するということが当然じゃありませんか。私は、被爆県出身の増岡厚生大臣にこれらの点に対して誠意のある答弁をいま一度伺いたいのです。いかがです。
○増岡国務大臣 同じことを繰り返すようで恐縮でございますけれども、戦争による被害という意味では一般の戦災者も同じ状況であるわけでございます。したがいまして、何とか被爆者を救済する方法がないものかという医療法、特別措置法ができた当時の御苦心の作が、放射能の影響による特別の状態ということに着目をして公平の原則から外れることがないような大義名分をお考えいただいたものと思うわけであります。したがいまして、そういう立場から、この二法の充実をすることによって対策を拡大、拡充してまいったわけでございますので、その枠を乗り越えるということは一般戦災者との公平の原則ということもございますので、なかなか困難であり、難しいということを申し上げておるわけでございます。
○中村(重)委員 一般戦災者との公平の原則とは何ですか。一般戦災者に何をしているんです。何もやっていないじゃありませんか。ゼロじゃありませんか。どうして公平の原則という答弁が出てくるのですか。そういうことは答弁にならない。一般戦災者にも本当に気の毒な人たちがいます。そういう人たちにも誠意を示して何らかの措置を講ずる、そして被爆者に対してはこういう措置を講じている、そこに公平の原則とかなんとかという言葉が出てくるのです。ゼロにしておいて公平の原則、そんなことは答弁になりませんよ。 また、私はここで議論しようと思いませんが、一般戦災者と原爆被爆者、その背景、被害の程度、生活をしている被爆者の人たちの社会的環境、いろいろな面において相違があります。しかし、一般戦災者も犠牲を受けられたんですから、私はこの委員会においてその軽重を議論しようとは思いません。ただ、一般戦災者との公平の原則といったような答弁は答弁にならないということで、あなたに返上をいたします。 さらに、先ほどの死没者の実態調査ということにもう一つつけ加えておきますが、同じ被爆者が、千鳥ケ淵墓苑において、あるいは長崎、広島においても同じようなことが行われているのではないかと思いますが、名前がわからない人たちは無縁仏ということで、長崎の場合は平和像のもとにその氏名が書かれていないのです。そして原爆殉難者慰霊奉賛会の霊を慰める対象から外されているのです。そして民生委員なんかが無縁仏だったら気の毒だというので、こういう人たちが霊を慰めているのです。死没者の実態調査が行われていない、そのことがいろいろな面において大きな矛盾を生み出している、弔意を表していることにならないということを改めて指摘をして、私は重ねてこの点に対する注意を促しておきます。 さらに、時間がもうわずかしかございませんから、もう一点申し上げますが、被爆地域の是正の問題に対して、ご承知のとおり広島は黒い雨の降った地域、長崎は東西南北十二キロ、そういう地域にわたって指定をすべきであるということが強く要請をされてまいりました。あなたは自民党の原爆小委員会の委員長として、黒い雨の降った地域については広島の要請が一〇〇%入れられたのではありませんけれども、相当程度この地域の指定が行われました。しかし、長崎の場合は南北は十二キロ、東西は今七キロであります。頭上五百メートルのところで炸裂をする、影響は同じように受けている、それならば東西南北ともに十二キロというようなことを指定すべきであるということに対して、あなたを中心として頑強に十二キロに対して抵抗してきました。 今、厚生大臣になられて、いわゆる公平の原則の上にお立ちになって、同じように影響を受けている人たちに対して同じように公平にそれに対する措置を講じていくということは当然だとはお考えになりませんか。いかがです。
○増岡国務大臣 被爆地域の拡大につきましては、私の記憶いたしております限りでは、広島、長崎双方から出ましたものを対等に扱って、それぞれの御主張を同じように認めてまいったと確信をいたしております。したがって、そのような不公平な扱いをした覚えはございません。 なお、今の長崎の問題につきましては、双方のそれぞれの御主張のとおり地域を拡大しました後から長崎県だけ出てきた問題でございまして、広島県からはそのような拡大の御意向はございませんので、双方対等に扱うという立場から私は当時その指定をお断り申し上げた記憶はございます。
○中村(重)委員 広島と長崎の不公平を言っているのではありません。広島もこういう要求はあったけれどもそれも十分受け入れられてはいないと、こう言っている。黒い雨の降った地域について、地元からの要請がそのまま指定にはなっていないのです。長崎の場合の東西南北を申し上げた。南北は十二キロまで指定されている、東西は七キロまでだ。同じような影響を受けているんだから東西南北同じような指定がされてしかるべきである、これがいわゆる公平の原則ということになるのではないか、こう申し上げましたから、誤解がないように。 私は、この委員会で長崎と広島を対比していろいろ議論しようなどということは毛頭考えていない。十二キロというようなことで政治的にこれを解決するというようなことはなかなか難しいでしょう。ですけれども、地域によっては当然申請というものが行われてくるでしょうから、行われてまいりましたならば、その申請された書類を十分検討されてそれに対する扱いをされることが当然であるというように考えます。だからこの点は、歴代大臣のもとに、また局長もおかわりになりますが、私の質問に対しては、そのとおり書類が来ましたら受け付けて十分審査をし、適切な決定をいたしますとずっとお答えになっていますから、まあ行政の継続性でもありますから、それには異論がなかろうとは思いますが、改めてひとつお答えをいただきます。
○大池政府委員 地域の指定に当たりましては、一番基本になりますのは直接の放射線量とか残留放射能といったような放射線の大きさという科学的、合理的な基盤が最も大切な部分でございます。当該地域につきましては、これまでもいろいろな形で御相談、要望というような形で承っておるわけでございますが、こういった科学的な裏打ちという面においてまだ十分な資料がないというふうに私どもは判断しておるところでございます。なお、私どももそういう御要望なり御意見なりいつも耳を開いておるわけでございまして、現地の方からの声は十分承っていきたいと思います。
○中村(重)委員 科学的云々ということは歴代の大臣なり局長が、特に局長がそういう答弁をしてきたのです。しかし、地域を広げたときに佐分利局長が私の質問に対してどう答えているか等々、議事録もありますからお調べになって、そして申請が出ましたならばそれらを対比しながら、今まで地域が一挙に十二キロになったり七キロになったりしているのではないのですから、出た書類によってつぶさに検討して指定をされているわけですから、そういうことをひとつ行政の継続性という面から子細に検討して決定をしてもらいたい、そのことを要請をいたしますが、最後に大臣の総括的なお答えをいただきます。
○増岡国務大臣 ただいま局長からお答え申し上げたとおりでありまして、これからもいろいろお話を承ってまいりたいと思います。
○中村(重)委員 終わります。
○戸井田委員長 福岡康夫君。
○福岡委員 私は、原爆被爆者援護問題を質問するに当たりまして、被爆地広島の出身議員として、核兵器は絶対に使われてはならない、過ちは二度と繰り返さないという信念から冒頭外務省にお尋ねいたします。 中曽根総理は、さきのボン・サミットの際、次のサミットは来年五月初め東京で開きたい旨提案し、各国首脳の了承を得たということを発表されております。今日、世界で広島型の原爆が百万発と言われる核軍拡競争の中で、世界ただ一つの被爆国日本こそ全世界における核軍縮と平和のリーダーシップをとるべきだと考えております。しかして、来年の第十二回東京サミットこそは核軍縮と平和を先進国首脳者がお互いに肌で感じ取る絶好の機会ではないかと思っておるわけでございます。サミットを広島で開くことは警備上困難だといたしましても、東京サミットの前後の日時を、出席者のうちのできるだけ多くの方々に人類最初の被爆地広島に来ていただき、平和記念公園の原爆慰霊碑の前で犠牲者の御冥福を祈念するとともに、核軍縮と平和を誓い合っていただく機会を与えてほしいと思いますが、いかがでございましょうか。
○恩田政府委員 先生御指摘のとおり、広島は核爆弾によって最初の犠牲になった都市でございます。したがいまして、サミットの機会に平和と軍縮への願いを訴えたい、かようなお気持ちは十分理解できるところでございまして、これは日本の気持ちであろうかと思います。しかしながら、サミットは従来から会議主体の日程をつくっておりまして、実質二日でございますが、今度の東京サミットは第十二回になりますが、過去十一回のときもサミットとしての日程は会議ということになっておりますので、サミットの日程として広島訪問をオーガナイズするようなことは難しいのじゃないか、かように考えております。
○福岡委員 当然、私お断りいたしまして、東京サミット前後の日時をということを申し上げておりますので、その点御見解をお願いしたいと思うのです。
○恩田政府委員 東京サミット出席の機会に参集される諸外国の首脳が別途日本を公式訪問されるという御希望が出て、日本側の都合もそれがよい、こういうことになって、そうなった場合の日本の政府としての賓客の日程を考える場合、先生のおっしゃった広島訪問を検討したらどうかというお尋ねかと思いますが、公式訪問の賓客の場合は、基本的には訪問される賓客の御希望を第一に考えなければいけない、御希望を伺った上で滞在の日程を決めることになろうか、かように思います。もし、東京サミットの場合に別途日本を公式訪問したいという賓客が出て、それについて日本側の都合も合うということになった場合において、先方からぜひ広島を訪問したいという希望がある場合は、当然日程の許す限りにおいてこれをアレンジするということは可能ではないか、かように考えております。
○福岡委員 外務省の今の御答弁、非常に含みのある発言で、私非常にうれしく思っております。ぜひともメニューと申しますかプランを挙げていただきたい、そして御検討していただけるもの、こういうように理解させていただきます。 次に、これはサミットだけではなく、例えば米ソ首脳会談を広島で開けという運動もアメリカで起きています。また、先日の新聞で国連事務総長が軍縮会議を広島で開くことは大変意味があると発言しておりましたが、原爆被爆者援護行政を担当する増岡国務大臣、政府の閣僚の一人として、このような軍縮・平和のための国際的な会議をぜひ広島で開くよう政府として各国に働きかけていただきたいと思いますが、増岡国務大臣、御見解をひとつよろしくお願いいたします。
○増岡国務大臣 直接厚生大臣の所管ではございませんけれども、国務大臣としてどう考えるかというお尋ねだろうと思います。またお気持ちの中には、できるだけ世界の首脳に核兵器の惨禍というものを実際に見てもらって、そして核兵器の廃絶あるいは恒久平和というものを導き出そうというお気持ちであろうというふうに思うわけでございますので、そういう御趣旨にも沿うように、また訪問をいただくことは私どもといたしましても一番いいことだと思いますので、そのことを含めて、これからどういうふうにお役に立つことができるかわかりませんけれども、できる限りのことはやらせていただきたいと思っております。
○福岡委員 どうもありがとうございます。ぜひとも広島選出の議員として国務大臣増岡大臣に今後ともよろしくお願いいたします。 さて次に、被爆者対策に移りたいと思いますが、私ども野党五党はさきに被爆者援護法案を提出しましたが、核兵器は二度と使わせてはならないという誓いを新たにするという意味でも、国の責任で被爆者を救済すべきだというのが私たちの長年の主張してきた意見でございます。私たちのこの言葉は自民党の中にさえだんだん支持されてきています。増岡厚生大臣もこの問題にはだれにもまして理解が深いと承っております。しかしながら、厚生大臣も自民党議員として自民党の方針の枠の中におられることも私は理解できます。 そこで、さしあたって大臣として努力されるべきことは、国の被爆者対策を私たちが主張している援護法にできるだけ近いものに改めていく、実質上の援護法に持っていく、そのような御努力が必要ではないかと思います。そのためには、現在の諸手当の所得制限を来年度から全廃するとか、医療特別手当等を生活保護の収入認定から除外するといったような施策が必要だと私は思いますが、いかがでございましょうか。
○増岡国務大臣 健康管理手当の所得制限を撤廃するということは、実はそのことが既に援護法という体系の中に組み込まれるということでございますので、大変難しい話でございますけれども、しかし、できるだけ所得制限を緩和するという方向でこれまでもやってまいったわけでございますが、これからもそういう姿勢で臨んでまいりたい。可能な限り中身的には国の責任ということを明らかに打ち出すということも必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。 生活保護との関係につきましては、多少事務的な面が数字その他ございますので、政府委員から説明をいたさせます。
○正木政府委員 生活保護との関係につきましては、昨年七月の当委員会におきましても先生からお尋ねがあったというふうに承知をいたしております。 先生御案内のように、現在、原爆の諸手当と生活保護との関係につきましては、原子爆弾小頭症手当、健康管理手当、保健手当につきましては収入認定から除外をする。医療特別手当につきましては、これも先生も経緯十分御承知のとおりでございまして、従来の医療手当とその高額の特別手当を合体して医療特別手当ということでございまして、その医療手当相当分につきましては収入認定から除外をいたしまして、特別手当相当額につきましては、これは生活援護的な意味合いを持つということで、やはり生活保護の補足性の原則からいたしまして収入認定をいたすわけでございます。 〔委員長退席、稲垣委員長代理着席〕 しかし、一方におきまして、対象者の方々の特別事情というものを考慮いたしまして、放射線障害者加算というものを設けておるわけでございます。やはり生活保護の性格からいきまして、そういった建前というものはどうしてもとっていかなければならぬと思うわけでございますが、障害者加算につきましては従来から徐々にではございますが改善を行ってきた。今後も、この法案で諸手当の改善がなされることになりますれば、他との均衡も考えながらこの改善というものには努めていきたいというふうに考えております。
○福岡委員 国の六十一年度予算は間もなく概算要求の時期に入ってまいると思いますが、ことしも福祉予算がねらい撃ちにされているのではないかと私大変心配しております。大臣、去年は就任早々で予算には途中から参加されたと思いますが、ことしは概算要求の段階から大臣の意向が十分反映できる状況にあります。在任中に被爆者のためにこれだけのことをしたと被爆者の前で胸を張って言えるような実績をぜひ残していただきたいと思います。 大臣、六十一年度予算ではどんなところに重点を置いて予算要求をやろうとお考えでしょうか、率直にお話を承りたいと思います。
○増岡国務大臣 就任以来、六十年度の予算につきましても予算編成の過程で私は私なりにかなり努力をして上積みをしたつもりでおります。今後も、厚生行政の中で大変大きな重要な柱でございます被爆者対策につきましても充実をしていかなければならないと考えておるところでございます。特に、常識で考えましても来年の予算編成は大変厳しいということは予測できるわけでございますので、その中でいかような対策ができるかということを今日いろいろ模索をしておるわけでございます。 いまだ厚生省内部あるいは財政当局との打ち合わせもいたしておりませんので、責任あるお答えができないのが残念でありますけれども、少なくともことし始めました実態調査、その中に死没者調査を含むわけでありますけれども、これは来年まで集計、解析、分析その他がかかるわけでございますが、この面では一つの大きな画期的なことに相なろうかというふうに思っておるわけでございます。 なお、詳細につきましては八月いっぱいの概算要求の時期までできるだけ詰めて検討してまいりたいというふうに思っております。
○福岡委員 今厚生大臣からお話がありましたように、国の財政事情が非常に厳しいこと、そしてその中で福祉予算が財政当局から削りに削られていることは私も承知しております。しかし、例えて言うならば、胎内被爆小頭症患者に年金を支給して、親が亡くなった後も独立して生計を営めるようにしてあげること、これを実現しただけでも世間は被爆者対策が前進したと認めることでしょう。小頭症の親たちでつくっているキノコ会も昨年厚生大臣に陳情しておりますが、自分たちが面倒を見てやるうちはまだいい、自分たちが亡くなった後、あの子供たちはどうなるんだろうかと思うと死ぬに死に切れないというのが親の叫びでございます。こうした親御さんの心配を一日も早く解決してあげていただきたい。 現在、二十四人の小頭症患者に対して医療特別手当と小頭症手当を合わせて十四万二百円の手当が出されていますが、これを大幅に引き上げるべきだと私は考えますが、大臣、いかがでございましょうか。
○増岡国務大臣 現在、小頭症患者に対する親御さんの御心配は、扶養者がいなくなったときにどうなるかということでございますので、私はむしろ障害福祉年金の方をかなり大幅に上げることができるんではないか。これは過日成立させていただきました国民年金、厚生年金の改正案の中にもそのような面がございますから、これは来年の予算ではかなり思い切った措置を講じていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、そういう面で御心配の——こういう方々でありますから心配が一つもなくなるということはないかと思いますけれども、幾分か緩和して差し上げることにお役に立つことができればというふうに今考えておるわけでございます。
○福岡委員 ひとつ十分なる御配慮を、幾分と言わぬで大幅にひとつよろしくお願い申し上げます。 次に、被爆者手帳の交付をめぐって若干御質問させていただきますけれども、被爆者手帳を受けるということは、被爆者にとっては国の援護のパスポートをいただくのと同じことでございます。ところが、このパスポートをもらうのがなかなか大変だと被爆者の皆さんから苦情を聞いています。被爆後四十年たっているんですが、最近数年間の手帳の交付申請の数と実際に交付された数は幾らになっておるか、事務当局、ちょっとお示し願いたいと思います。
○大池政府委員 御説明申し上げます。 とりあえず私どもとしましては、広島、長崎四県市が圧倒的に数も多いものでございますから、そちらの数年にわたっての実情を照会したわけでございますが、五十九年、これらの広島、長崎両県市におきます申請件数は四千百九十件、交付件数が三千百五十一件ということで、交付の割合は七五・二%、こんなような状況が一番新しい数字でございます。
○福岡委員 手帳の交付は相当な数になると思います。少々古い資料ですけれども、広島市が昭和五十二年度に手帳の交付申請をした人たちについて、今までなぜ申請をしなかったのかというアンケート調査をしたことがあります。それによりますと、健康であるため必要と思わなかったというのが三九%、手帳が交付されることを知らなかったというのが一六・八%、健康保険に加入していたという理由なのが一五・三%、それから証人がはっきりしなかったというのが七・一%、被爆者であることを知らなかったというのが六・五%、その他一五・三%となっています。 被爆者の老齢化が進み、病気がちの人がふえる一方で退職して健康保険で受診できなくなりますと、この際、手帳をもらっておこうという人がふえるのは当然のことでございます。ところが、いざ申請しようという段になるとなかなか審査が厳しいのが現実でございます。例えば申請に行くと窓口で証人二人をつけることを要求をされる。その二人の証人を探しますのがとても難しいので申請をあきらめてしまったという話はよく私聞かされております。 厚生省は、昭和三十二年五月十四日付衛発第三百八十七号通達で、必ずしも証人二人を義務づけておりません。第三者の証明がなくても申請はできるし、証明人は本人以外、つまり親であっても兄弟姉妹、おじでもおばでも本人以外であればよい。それもいない場合は申し立て書と誓約書を出せばよいようになっておりますが、担当者が次々にかわる中で窓口での対応がかたくなになってきております。三十二年の通達の趣旨が現在生きていることは、厚生省当局、いかがでございましょうか、お認めになりますでしょうか。
○大池政府委員 お答えいたします。 当時の通達の考え方は現在も引き続き生きておるわけでございます。手帳の交付につきましては、この通達において述べておりますように、公の機関の証明書、それが整わない事情のある場合には第三者による証明等によりそれを代替する、それも難しい場合にはということで、逐次いろいろな場合を挙げておるわけでございます。しかし、制度の適正運用という観点、公平を期するという観点からいたしますと、この制度の運用に当たる立場といたしましては、できるだけ客観的な事実確認ということの裏打ちになるようなそういったものを求めるという立場も御理解賜りたいところでございます。ケースことによって適切な運用がなされますように必要に応じてまた指導を行ってまいりたいと思っております。
○福岡委員 しからば、実際に被爆者であって申請が受け付けてもらえずに困っておる人が大勢いるんですから、この通達の趣旨を広島、長崎両市長、各都道府県知事にもう一度徹底されるお考えがございますか、いかがでございましょうか。
○大池政府委員 ただいま御指摘のようなことが全国に一般的であるかどうかというあたり、私ども必ずしもそのように承知しておりませんけれども、少し実態も調べますが、私どもとしては担当者を呼び集める機会も多うございます。そのような席を、機会を十分に利用しまして先生の御指摘のような趣旨の徹底を図りたいと思っております。
○福岡委員 時間がないので急ぎますが、次に、いわゆる三号被爆者の認定問題でありますけれども、医療法二条三号は、「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」を被爆者として取り扱っております。ところが、この「影響を受けるような事情」にあったとはどんな状態を意味するかがはっきりしておりません。時間が本当にないので詳しいことを省略しますが、この三号の扱いについては、昭和四十三年九月三十日に広島県が厚生省の暗黙の了解のもとに被爆者の定義なるものを打ち出し、これをもとに被爆者の権利の取り扱いが決められていると聞いておりますが、それは事実かどうか、御見解をお聞きしたいと思います。
○大池政府委員 ただいま御指摘の広島におきますそのような通達が出ておることも承知しておりますし、当時いろいろと御相談の上でということも、そのように理解しておるところでございます。
○福岡委員 この中には例えば十名以上の被爆した者の移送とか救護に当たった人あるいは施設で看護したり死体を処理したりしたような人を被爆者とするように決めております。この定義自体が非常にあいまいでいろいろな解釈の仕方ができます。その上、この種のことは、本来、私の知り得るところでは行政慣行としては省令や通達といったような形で中央官庁は定めておるわけでございますが、この定義というような一片の文書でこの場合は処理されておりますけれども、これは全く不可解と私は思うわけでございます。この際、この被爆者の定義の内容の形式を再検討される必要があるかどうか、事務当局の御見解をお伺いしたいと思います、
○大池政府委員 この件につきましては、通知という形では発簡されておりませんけれども、当時の対応といたしまして全国の原爆の事務担当者会議、この席を活用しまして、その席での指示事項ということで徹底を図ったということでございます。当時の判断としては、それが一番具体的に効果的な方法であるという判断であったと考えます。
○福岡委員 ただいま厚生事務当局は、当時の立場としては当たり前の措置だ、連絡会議等において口頭でそういうことの周知徹底を行った、こういうように言われておりますが、定義というのは大事なことです。行政は時代との対話であると同時に、現在はこの定義についていろいろ悩んでおる人がおるわけでございます。これをひとつ再検討されて、省令か通達、公文書で御指示願いたいと思いますが、いかがでございますか。
○大池政府委員 御指摘のような趣旨も踏まえまして検討してみたいと思います。
○福岡委員 増岡厚生大臣に最後にお願いいたします。 原爆被爆者援護行政については、ただいま私が三、四指摘したようないろいろの問題点がまだございます。十分事務当局を叱咤督励をされまして原爆被爆者が自分の希望が十分かなうように御指導願うことを最後にお願いいたしまして、私の質問を打ち切らしていただきます。
○稲垣委員長代理 宮崎角治君。
○宮崎(角)委員 今回、原爆被爆者等援護法制定へ向けまして増岡厚生大臣に質問するわけでございますが、長崎一区の公明党の宮崎でございます。 さきの予算委員会の分科会で本日のこの質問のことにつきまして大臣に通告いたしておりましたが、今年は被爆四十周年、この節目に当たるわけでございます。今日手帳保持者が三十六万八千、そしていわゆる晩発障害の発生に悩まされている被爆者の方が多い。そして認定の患者が、私の調査では、昨年まで広島で二千一人ですか、長崎で八百三十五人、全国で三千七百六十八人。また、五十九年度はこの方々が二十五人もダウン、減りまして三千七百四十三人ということになっております。特に、我が長崎県におきましては、昨年、被爆者手帳保持者がこういった認定患者を含めまして千三百人が亡くなられている事実にかんがみまして、昭和四十七年からですか、長年にわたる先輩議員の力と論陣によってなされている野党の援護法の制定、ことしこそ本当に制定に向けて実を上げるべきときが来たのではないかと心の底から叫び、提言し、提唱しているわけでございます。 今日までいろいろな議事録や、そしてまた論議の経過を踏まえまして私なりに感じることは、五十三年三月三十日における最高裁の判決、さらには五十五年十二月十一日、原爆被爆者対策基本問題懇談会が時の厚生大臣に答申されまして国としての対応とか対処策を迫られてきたこともまた明々白々でございます。 私も、四十年前に中心地より一・三キロのところで被爆をいたしました直接被爆者、生の体験を持っている特別被爆者であります。その体験者といたしまして、本当にいろいろな原爆援護対策あるいはまた各種の手当等の決定をする最高の所轄大臣の厚生大臣に、今回を節目として、特に広島出身の増岡大臣がこのときに当たって大臣の責務を果たされようとされるこの就任ということはまた大きな意義があるかと思うわけであります。そこで、質問の進行に伴いまして大臣の御所見とか御決意を伺いたいと思うわけでありますが、限られた時間でございますので、初めに私は——本日の質問は何も陳情でもありません、基本的な問題と国民が望んでいる問題につきまして論点を展開してみたいと思うわけでございます。 その前に、午前中からとただいま福岡議員の触れました手帳交付の問題につきまして、私は一週間前に長崎へ帰って手帳申請者の生の声を聞いたときに、例えば、名前を言って大変恐縮ですけれども、国鉄職員であった山村正人さんあるいは垣添さん兄妹とかいう名前を挙げざるを得ない問題が露呈しているわけであります。前者は国鉄マンで救援列車で入市した方であります。今日まで手帳申請で遅延をした理由はともあれ、公的証明である上司は他界されている。後者は七歳と五歳の兄妹であった。今日まで、父親は持っておるけれども、三親等その他いろいろな制約がある中で、これもまた手帳交付というところまでなってない。 そうしますと、この人たちは先ほどの三十二年のそういった確認事項あるいは厚生省としての方向づけについては果たしてどうなのかという危惧を今度に座っていて非常に不安に感じるわけでありますが、こういった方々は一生もらえぬずくになるのか、後者の人はようやく長崎市の方で受け付けができたと聞いているのでありますが、本当に憂え心に閉ざされることも多々あるわけでございます。この点につきまして事務レベルの局長の方から御答弁を求めたいのであります。
○大池政府委員 ただいまの先生のお話の具体的な方のことにつきましては、私ども詳細を承知しておりませんので直ちにコメントはできませんけれども、一般的に申しまして、そういったような方々につきましてもできるだけ客観的な資料の裏打ちができるような、そういう意味において個別の方々と窓口である行政当局がよくお話し合いをいただきまして、できるだけの努力をしていただくということで私どもとしては対処したいと思います。
○宮崎(角)委員 それでは、五十五年に出ました原爆問題の基本懇の答申につきましてひとつ御質問申し上げたいと思うわけであります。 基本懇答申についての政府の御見解はどのようにお持ちであるのか、定かに願いたいのでございます。
○大池政府委員 基本懇の御意見は、それぞれ非常に高い立場に立っての専門的な角度からのこの問題につきましての御意見をちょうだいしたわけでございまして、私どもの原爆二法の考え方というものについての一つの整理をしていただいたものと認識しております。 そこにおきまして、現行の原爆医療法並びに特別措置法の基本的な考え方の部分は、広い意味の国家補償の見地に立って結果責任として相当の補償を行うものとしての施策である、こういうような考え方、さらにそれから敷衍されるいろいろな問題を提起されたものと認識しておるところでございます。
○宮崎(角)委員 広島、長崎の原爆投下による被害者の犠牲につきましては、極めて特殊性が強い、また、先ほども申し上げましたように、晩発障害もあって際立った特殊性を持った被害である、こういった基本理念が一つ。もう一つは、戦争の犠牲について、法律論として開戦、講和というようないわゆる政治行為、これについては国の不法行為等法律上の責任を追及し、その法律的救済を求める道は開かれていない、また政府の原爆被爆者対策については、我が国が現在福祉国家の理想に基づき戦争被害の一環としての広島、長崎の原爆被爆者の損害に対し被爆の実態に即した対策を講じてきたことは一応評価しなければならないと言っているわけであります。 しかし、従来、政府は特別の社会保障制度という見解をとっていた。本日のこの委員会での質疑応答の中に、広い意味という言葉、今また局長がいわゆる原爆二法に基本懇のこの問題が大きく導入される、あるいは広い意味における国家補償といった問題が出たわけでありますが、私は広い意味における国家補償についてなかなか理解が苦しいのであります。この辺について再度、広い意味の国家補償、また反対に狭い意味の国家補償とは何ぞや、このように自問自答したときに解決ができない。今言われる広い意味の国家補償、あわせまして狭い意味の国家補償、この二点について定かに答弁を求めたいのでございます。
○大池政府委員 基本懇で述べられております広い意味の国家補償、これにつきまして私どもが理解しておりますところは、単なる社会保障ということにとどまるのではなくて、原爆被爆者が受けられました放射線による健康障害が戦争による一般の障害等と比べまして際立った特殊性を持った特別の犠牲であるということに着目しまして、その原因行為の違法性あるいは故意、過失の有無等々にはかかわりなく、先ほどもお答え申し上げました結果責任として被害に想応する相当の補償を行うべきであるという趣旨でございます。 〔稲垣委員長代理退席、浜田(卓)委員長代理着席〕 それから、その裏返しというような意味でございますか、狭いとはどういうものを指すかということでございますが、私も法律の専門家ではございませんが、まず真っ先に連想するのは、例えば不法行為に基づく国家賠償というような仕組みで言うところの不法行為に基づく国家補償というようなものも一つであろうと思います。
○宮崎(角)委員 局長から今広い意味の概論あるいはまた法的見解あるいは基本懇の言っている内容についてるる説明があったわけでありますが、私はここで先ほどの大臣の答弁ともあわせて非常に不可解な問題が一つあるわけであります。 ここに持ってきたわけでありますが、昭和二十七年四月三十日に出ております戦傷病者戦没者遺族等援護法、この第一条に「この法律は、軍人軍属等の公務上の負傷若しくは疾病又は死亡に関し、国家補償の精神に基き」云々というのがございます。この戦傷病者戦没者遺族等援護法というのは、今言われる不法、適法どちらの行為に基づく国家補償でございましょうか。
○入江政府委員 援護法におきます「国家補償の精神に基き」と申しますのは、御存じのように援護法は軍人軍属等国との間に一定の身分関係のある者に対する使用者としての国の責任という意味でございます。 それで、ただいまお尋ねの国の国家賠償責任、大池局長から申し上げた狭い意味の責任、その関係で申し上げますと、狭い意味の国家補償と申しますのは故意、過失に基づく国家補償でございますけれども、その不法行為論の一つの対応といたしまして、御存じのように使用者責任論というのがございます。これは過失の有無にかかわらず使用者は過失があったものと推定されて責任を持つわけでございます。そういう意味で援護法におきます「国家補償の精神に基き」と申しますのは、不法行為論の体系の中で使用者責任に属する責任というふうに私どもは解しております。
○宮崎(角)委員 しかし、国との身分関係の有無と国家補償との間に関係はないはずですよ。使用者責任に基づきということは使用者と被使用者という身分関係ではないですか。不法、適法どちらでもないとすれば、この法律も広い意味における国家補償ではないかと私は思うのでありますが、同じように原爆も使用者責任であると言ってもいいのじゃないか、この辺についての解明はどのようにお考えでしょうか。
○入江政府委員 今私が申し上げましたのは、要するに不法行為責任論と申しますのは原則として故意、過失を必要とするわけでございますが、その不法行為責任論の中の使用者責任論と申しますのは、故意、過失がなくても使用者であるということのゆえに過失があるということが推定されて責任を問われるわけでございます。それで、援護法におきます国家補償の精神と申しますのはその後者でございまして、国が召集とか徴用とか、そういう特定の行為によりまして権力関係のもとに属せしめた人々に対する使用者としての責任、それに基づく責任でございまして、そういう意味で、不法行為責任論の体系に属するという意味で狭い意味の責任論であるということを申し上げたのでございます。
○宮崎(角)委員 今のそれからしますと、使用者責任といっても結果が発生しなければ補償自体はあり得ないでしょう。原爆というのは国の戦争行為ということによっての結果でしょう。では、この戦傷病者戦没者遺族等援護法も結果責任に基づく広い意味の国家補償の概念に含めてもよいのじゃないですか。
○入江政府委員 要するに不法行為責任論と申しますのは故意、過失というものを前提とした責任論でございまして、一方、結果責任論と申しますのは、因果関係との関連で原因との関係を問わず結果に着目した責任ということでございまして、不法行為責任論と結果責任論というのは全然次元の異なる問題でございます。したがいまして、ただいまお話しのような広い意味の国家補償と不法行為責任論というものを同一の次元でお話しになりますと、ちょっと問題が、何といいますか説明できないということになるのではないかというふうに思います。
○宮崎(角)委員 そんな理解に苦しむような苦しい答弁じゃなくて、すきっとした答弁を求めたいのであります。 この戦傷病者戦没者遺族等援護法というのは軍人軍属だけですね。そうでしょう。もう一つ、今度は民間人も含めた法律があるわけです。現在生きているはずです。御存じでしょう。未帰還者留守家族等援護法というのがある。これは昭和二十八年八月一日法百六十一号、五十九年法七十三号であります。この法律のまず一条には「未帰還者が置かれている特別の状態にかんがみ、国の責任において、」こういう条文がある。この未帰還者留守家族等援護法では軍人軍属のほかに何も身分関係のない一般の民間人も対象になっているわけです。そうすると、この法律は、不法行為、違法行為、どちらの行為に基づく国家補償ですか。
○入江政府委員 大変難しい御質問でございますけれども、援護法は先ほどお話のありましたように「国家補償の精神に基き」ということを書いてございます。それで、ただいま御指摘の未帰還者留守家族等援護法は「国の責任において」と書いてございまして、明らかに表現が違うわけでございます。 その表現がなぜ違うかということでございますが、援護法と未帰還者留守家族等援護法の違いの第一点は、まさにただいま御指摘のありましたように、片っ方は軍人軍属のみ、片っ方は軍人軍属プラス一般邦人になっております。その点が違います。もう一点は、援護法の方は公務により受傷あるいは死亡したということでございまして、法律的に言いますと損失補償の制度でございます。ところが、一方の未帰還者留守家族等援護法というのはそういう損失補償の制度ではないということで、その二点で明らかに両方の法体系が違うわけでございます。 それでは、国家補償と国家の責任においてというのはどこが違うかということになるわけでございますが、それは非常に難しいわけでございますけれども、当時の立法の状況等から私どもが推察をいたしまするに、未帰還者留守家族等援護法の考え方と申しますのは、要するにソ連、中国等におきまして自己の意思に関係なく残留を余儀なくされた、その中には軍人軍属もおられますし、一般邦人もおられます。そういう方々をまず日本に帰すというのが国の責務である、また、帰せなくてもそういう方がどういう状況にあるかの事情を調査究明するのが国の責務であるという前提を置きまして、その責務を果たせない間は、本来残留された方が果たすべき扶養義務等が自己の意思にかかわりなく果たせないわけでございますから、したがいまして、国がそういう方々に同情しあるいは関心を持ち、特別の責任という観点から留守家族に手当を支給しましたりあるいは葬祭料を支給する、あるいは先ほど申し上げましたように、未帰還者の状況の事情を究明するというような未帰還者全体についての非常に広い援護措置を定めているのが未帰還者留守家族等援護法でございます。そういう意味で、冒頭におっしゃいました遺族援護法とは明らかに責任の考え方というのは違うというふうに私どもは理解しております。
○宮崎(角)委員 内地に帰還したくても帰還できない未帰還者が置かれた、言葉をかえますと特別の状態と考えてよろしいのですか、これに該当する人は今日本に何人いるのですか。
○入江政府委員 六十年一月一日現在での未帰還者は千二百九十四名でございますが、未帰還者留守家族等援護法の対象になります未帰還者と申しますのは、要するに自己の意思によらずに帰還できない者ということで現在この法律の適用になっているのは一名でございます。
○宮崎(角)委員 オンリーワン、たった一名ですわ。原爆は三十六万八千人おるのですわ。この法律も広い意味における国家補償の法律と言ってもよいのではないかと思うのです。それとも、今言いました特別な状態に基づく国家補償というのがほかにあるのかどうなのか、この辺についてもう少し定かに援護局長の答弁を求めます。
○入江政府委員 援護局で所管している法律で特別な状況に着目した制度というのは、この未帰還者留守家族等援護法だけでございます。
○宮崎(角)委員 今そういった答弁になると思って、私は秘書と一緒にこんな表をつくってみたのです。これはちょっと了承を得て……。 この表は、今、日本の援護法制定における重大な私なりの図表化でありますが、この「国家補償の概念」の中に「二区分論」がある。例えば憲法十七条、国家賠償法は「違法行為による不法な結果発生」、それから、これは「損害賠償責任」ということだ。右の方は「適法行為による不法な結果発生 損失補償責任」、これは憲法二十九条三項あるいは土地収用法の問題、農地法の問題とか。そこで、今論陣を張ってきました中で、二番目の右がいわゆる戦傷病者戦没者遺族等援護法、「使用者責任に基づく国家補償」なんです。これは軍人軍属のみなんです。差別している。左の方が未帰還者留守家族等援護法、「特別の状態に基づく国家補償」、これは軍人軍属、民間人も含む。どちらも結果責任です。 だから、原爆投下、戦争行為という国の責任に起因した結果というものが今全国に三十六万八千人もおるということになれば、皆結果責任です。そんな広い意味における国家補償。ですから、これをひっくるめて原爆援護法という法律をつくらなければ、平和憲法を持つ日本、恒久平和の樹立を標榜している日本が世界に向かって誇るべきこういう援護法というものの制定を今急がねばならぬと私は思うのだけれども、この辺で増岡厚生大臣、明快な答弁を局長の後に頼みます。
○入江政府委員 御説明が不十分だったかと思いますが、未帰還者留守家族等援護法は結果責任ではございませんで、先ほど申し上げましたように、要するに終戦後のああいう特別な事情によって自己の意思にかかわりなくソ連、中国等に残留を余儀なくされた軍人軍属がおったわけでございます。そういう方々のそういう特別な状況に着目した制度でございますが、旧満州等におりました一般邦人は軍人軍属と同一の状況に追い込まれた、そういう意味で一般邦人についても軍人軍属との公平の観点から取り入れたということでございまして、被爆者に対する結果責任の問題とはちょっと別だと私どもは理解をしております。 〔浜田(卓)委員長代理退席、稲垣委員長代理着席〕
○宮崎(角)委員 そんな答弁を蒸し返して聞く必要はないわけでありますけれども、いずれにしても結果責任じゃございませんか、一条からいきますと。「未帰還者が置かれている特別の状態にかんがみ、国の責任において」というのが第一条にあるわけですから、これは結果責任の範疇に入るのではないかと私は思うのです。 ですから、論点になったのは、午前中の、また先ほどの質疑の中に、民間人あるいは一般の戦傷者との差別、区別、一線を画するという問題の答弁の中からどうしてもそこが理解ができなかったので、それならばこの問題は何も軍人軍属だけには限らない、民間人も入っているじゃないか、そういうことで、先ほどの増岡大臣の答弁は承服しがたい問題があるので、今定かに答弁を求めているわけでございます。
○入江政府委員 この未帰還者留守家族等援護法は、御存じのように、一般邦人は二十年八月九日以降の一般邦人でございまして、八月九日以降においては軍人軍属と一般邦人とを区別する理由がございません。全く同一の状態に追い込まれた、そういう意味で八月九日以降についての一般邦人、残留を余儀なくされた一般邦人という限定つきの一般邦人でございます。
○増岡国務大臣 今援護局長から御説明申し上げましたように、未帰還者の場合には国との間柄というものが特別な関係にあると言わざるを得ないと思うわけでございます。したがって、多少被爆者の方々とは違う状態でございますし、それから何よりも私ども考えますのは、一般の戦災者の方々に対する施策は全く行われていないわけでございまして、その中で被爆者の方々が——実は私がこの問題を手がけました当時は五十数億円の予算でありましたけれども、今日では一千億円になっております。その公の金を使う根拠としては、やはり放射能による後遺症といいますか障害というものに着目する以外に道はないということでこの原爆二法ができておると思うわけでございます。 したがいまして、そういう意味合いからいきましても、この二法を、従来もそうでありましたが、今後もその趣旨を活用することによりまして被爆者対策を考えざるを得ないなということでございまして、一般戦災者との均衡上の問題ということもございますので、なかなか援護法ということに踏み切れない、現在の二法に頼るよりいたし方ないなという気持ちでございます。
○宮崎(角)委員 時間が来ましたので、次回、また分科会とか本委員会で大橋理事にお願いしまして時間をもらいましてシリーズでこの問題については解明をしていきたいと思いますので、通告しておきます。 以上でございます。ありがとうございました。
○稲垣委員長代理 古川雅司君。
○古川委員 ただいま議題になっております法案に関連をいたしまして、厚生大臣に若干の質問をいたします。 被爆四十周年という非常に大事な節目の年でございまして、厚生省はことしの秋、十年ぶりに懸案の死没者調査を初めて実施することを含めて被爆者の実態調査を行うと伺っております。 特に死没者調査につきましても、被爆直後、昭和二十年代というような状況下であれば無理であったにしても、四十年にして国が主体になってこの調査に乗り出すということ、これは進め方によっては非常に高く評価をしなければならないと思いますが、ただ今日を迎えた——これは国が怠り続けてきた、もっとはっきり言えば原爆の実相を世界に訴える責務を政府みずからが放棄してきた、そういう声もあるわけでありまして、これは厚生省が悪いのかあるいは大蔵省が費用を出し渋ったからできなかったのか、そういういろいろな言い分はあるでしょうけれども、こうした声に対して大臣はどうおこたえになるのでありましようか、御見解を伺っておきます。
○増岡国務大臣 過去におきまして死没者調査ということは全然考えていなかったわけではございませんで、広島、長崎における復元調査に毎年予算を計上してお手伝いをしておるということが積み重なってきて自然に死没者の調査も行われるであろうという考え方であったのが多少甘かったと思います。 そのようなことではなかなか事実の解明ができないということで年月がたって今日に及んでいるわけでございますので、その調査についてはかなり困難であろうかと思いますけれども、よほどかたい決意でこれに臨んでまいりたいと思っておるわけでございまして、私どもとしましては決して死没者に対する弔意を怠っておったという気持ちはございませんけれども、結果論からいきますと多少そういうことに相なるかと思います。
○古川委員 ことしの秋行われるこの調査につきまして、生存者調査については前回の約三倍の三十項目にわたって、今回は、新規に子供との同居の状態であるとか、受診の状態であるとか、老後の生活といったところにまで及んでかなり広範な調査を考えていらっしゃるようでありますけれども、死没者調査の方については、これは手法、方法論についてまだ御検討中である、特に厚生省の原爆被爆者実態調査委員会にお任せになってここに検討をゆだねているという感じを受けるわけでございますが、厚生省御自身として、大臣御自身として明確な指針を持ってこの実態調査委員会をリードしていかれた方がいいのじゃないかと私は思うわけでございます。 話は変わりますけれども、ちょうど今中国新聞社が原爆被害追跡レポート「段原の七〇〇人」という実態調査を新聞に連載いたしております。広島出身の大臣も当然これはもうごらんになっていると思いますが、大臣、これをごらんになりまして御感想なり御評価を一言いただければと思うのですが、いかがでしょう。
○増岡国務大臣 原爆というものが悲惨なものであるだけに、それぞれの立場で、グループで、いろいろな行事を行ったり調査を行ったりしておられることは数多くございます。したがいまして、そういうものも今回の調査の中ではできるだけ資料として取り入れることは考えなければならないと思うわけでございますので、そのような意味合いも委員会の方々には申し上げておきたいと思います。
○古川委員 この中国新聞社の実態調査については、非常に小規模であります。しかし、その手法あるいは取り組みは極めて被害の原点に迫るという内容のものでありまして、これから厚生省が取り組んでいかれるこの実態調査についても、特にこの死没者調査についても大いにこれは参考になり、また貴重な資料になるのじゃないかと私も思うわけでございます。ぜひその点をお含みおきいただきたいと思います。 今回のこの死没者調査を含めた実態調査に臨むに当たっていろいろな声があるわけでありますけれども、この実態調査委員会の委員のお一人の発言の中にも、最も大切なのは調査方法についてあらゆる可能性を徹底的に議論して専門的にも批判にたえられるようなそういう調査結果をつくり出すべきだ、生み出すべきだという意見も出ているわけでございますが、この辺については大臣はこの実態調査についてどういうお考えを持っていらっしゃるか。 例えば、この死没者調査について厚生省は当初五十年の調査以降の新規の手帳の取得者のみというふうに限定して考えていらしたというふうにも聞いております。しかし、この委員会の御意見もあって三十七万人の被爆者手帳の所持者を対象にしたアンケートという方向に固まってきたようでございますが、先ほど申し上げたような調査の進め方、またその調査の結果に期待するもの、この調査の内容の質、量的にどのような決意で臨んでいかれるのか、その点をお聞かせいただきたい。
○増岡国務大臣 この調査の委員会というものはできるだけ自由に新しい発想も加えて、また先生先ほど御指摘になりました新聞社の手法も入れなければならぬということで同社の方に委員会に入っていただいておるわけでございます。したがって、そういう英和を絞るという姿でおやりいただくのが一番よろしいのではないかと思うわけでありますけれども、これは決してそれに任せて無責任でこっちの考えを申し上げないという意味合いにとられると困るのですけれども、ともかく自由な立場でいろいろなことを、私らがあるいは厚生省が知らないいろいろな資料とか手法とかというものをよく研究していただきたいというのが私どもの願いでございます。 しかも、それができる限り広範な調査であり、また正確でなければならぬということはもちろんでありますけれども、ある意味では推定の数字も入らざるを得ないかなという気もいたしますが、できるだけ社会常識から考えて、いわば丸い、ラウンドナンバーにおきましては狂いのないようなものにいたしたいと考えております。
○古川委員 この死没者調査につきましても、これは従来から長崎市、広島市を中心に調査してきたわけでありまして、今回、国が主体になって行う調査につきましては、いわゆる長崎、広島両市の被災調査を補完するという意味づけをしていらっしゃるようでございます。この辺は被爆者団体等の強い要求によって今回国が主体になってこの調査を行うということになりますと、やはりもう少し国の責任において、厚生省の責任において調査を進め、また、その結果についても責任を明確にしていかなければならないのじゃないかと考えるわけでございます。 その点のお考えを大臣からお聞きしたいのと、この調査結果の集計とか解析といったものを含めて、これはどこが一体責任を持っていくのか。これは既に大臣の御答弁で長崎とか広島に預けてしまうというような言い方もあったわけでございますけれども、大臣がこれは国の責任においてやると既に午前中お答えになっているのでありますから、死没者調査についても国の責任においてきちんと集計、解析、その結果の取りまとめまで進めていくということを明確に御表明いただきたいと思います。
○増岡国務大臣 国の手で実態調査を行うわけでありますし、その中に死没者調査も含まるわけでございますから、集計、解析まで含めまして国の責任でやらせていただきたいと思います。 なお、詳細は担当局長からお話し申し上げます。
○古川委員 先ほど実態調査委員会の一委員の方の御意見を引いたわけでございますが、これはあくまでも非常に限られた費用で行う調査でありますから、もっと広範に、もっと立ち入った、もっと詳細な、それこそさっき申し上げた被害の原点に迫るような調査までを期待したいわけでありますけれども、費用の制約を考えるとそれも非常に難しくなってくる。例えば三十七万人の被爆者手帳の所持者を対象にして調査を進めるということでありますけれども、これもちょっと考えてみれば、例えば手帳の所持者が亡くなった場合このアンケートの対象にはならなくなるわけでありますし、もっと四十年前にさかのぼれば、原爆で全減した家族については調査のしようがないということになってくるわけであります。 そうしてみれば、友人であるとか知人であるとか、そういうところも含めて調査対象にしていくことになりますと、これもまたいろいろな手法上の問題はあるかと思いますけれども、そこまでいかなければいわゆる調査精度を高めていくことはできないのじゃないか。してみれば、これはこの四十周年、ことし限りということではなくて、今回限りじゃなくて、今後ともこの調査を繰り返していく、そういうこともきちんと今回の調査を通してお考えの中に含めておいていただかなければせっかくの今回の調査が不完全なものに終わってしまうのじゃないかと思うわけでございますが、大臣、この点いかがでございますか。
○大池政府委員 既に大臣からかなり具体的なお話があったわけでございますけれども、この調査につきましては、月末へ向かって現在最終的な調査委員会で煮詰めていただいている段階でございます。それでそのようにまとまるであろうという予測のもとにいろいろ申し上げておるわけでございますが、ただいま先生からいろいろ御指摘のありました点も含めまして非常に精力的に委員会では御論議を賜ったわけでございます。大臣からも申し上げたとおりでございまして、自由にいろいろなお立場からの専門的なお話を承ってその中で自然と収れんする、集約されるというような形で一つの実行可能な実際的な合理的な案が固まってきたように私どもは理解しておるわけでございます。 もちろん予算がだぶだぶあるという御時世ではございません。そういう要因がないとは申しませんけれども、そういうことは、先生が御心配のような何か調査結果に制約としてひずみを来したではないかということは私どもはなかったというふうに考えているところでございます。
○古川委員 その点もう一度繰り返してお伺いをするわけでございますが、この調査をこういう規模で進めていく、これは大変なことであって、最初から申し上げているとおり手法もこれは問題があると思います。しかし、被爆四十周年にして被爆者の平均年齢がもう六十歳を超えている。被爆者の間では、我々に被爆五十年はないんだということも盛んに言われているわけでございます。 そうしてみれば、今年この死没者調査を含めて大がかりな調査に着手する、その調査の内容、調査の方法についてその調査精度を高めていくためには、もしことし期待したような調査ができなければ来年も引き続き、五年後だ、十年後だと言わないで、引き続いて取り組んでいくだけの積極性、覚悟が必要なんじゃないかというように思うわけでございますが、その点はひとつ大臣にお伺いしたいと思います。
○増岡国務大臣 今年度の予算並びに来年度の集計、解析の費用で、大宗におきましてはほぼ調査が済むといいますか、完成の域までに達しないにしてもほぼ大体の全貌が明らかになるものと思います。しかし、これはこれからやるわけでございますので、もし仮にその結果補完すべき要素がある、部分的にこういうものがあるということでございますならば、その時点で検討さしていただきたいと思います。
○古川委員 被爆者団体も、今回の調査に対する厚生省の取り組みに対しては非常に高い関心を持って注目をいたしております。これは徹底した精度の高い調査をして、その結果を集計をして解析をして、被爆者の皆さんが本当に期待するような結果が出るとすれば、これはむしろ援護法制定の資料になるんだという思い込みも皆さん持っていらっしゃるわけですね。この点は大臣はどうお考えになりますか。
○増岡国務大臣 援護法の問題につきましては、先ほどからお答えいたしておりますように、一般戦災者との均衡の問題が一番問題であろうかというふうに思うわけでございます。 私どもといたしましては、それと直結をするという気持ちではございませんで、ただ悲惨な状況を明らかにすることによって、あるいはまた今後二法の中で対処すべきものがあれば対処いたしたいという考え方でございますので、直ちに直結するものではないというふうに考えております。
○古川委員 これはさっきもお伺いしたとおり、死没者調査に対しましても、全体にこの調査結果について国が主体になっておやりになる以上は国が責任をお持ちになるということを既にお伺いをしたわけでございますが、この生存者の調査結果につきましても被爆者団体の間で一つの不安があるようでございます。 これは非常にマイナス面でございますし、ただ国に対してその答えを求めている内容でございますので、この際、大臣に伺っておきますが、この実態調査の結果の取り扱いであります。当然、これは今後援護施策の指針としていくということが大事になると思いますけれども、その取り扱いを明確にしてほしい。これは単に実態調査委員会に手法や調査の進め方をお願いをして検討していただくということだけでなくて、その結果出てくる調査の結果についてもひとつ国としてははっきりしておいてほしいということを言っております。 これは先ほど既にお話がございましたけれども、この長崎県の被爆者手帳友の会の五月十一日の集会で、五十年ごろに起こった問題で、三十五年度の調査結果を県と市が被爆者健康手帳の交付の審査資料に使用して、これを却下理由にしたケースがあるという具体例を挙げて、今回の調査についてもそういうことはないだろうか、成り行き次第ではこれは調査への協力も考えなければならない、その点、国の姿勢をはっきりしてほしいという声でありますけれども、この点についてはどうお考えでございますか。
○増岡国務大臣 調査の過程におきまして、プライバシーの問題やらあるいは個人に対していろいろ影響が出てくるということは極力避けなければならない問題だと思いますので、十分慎重を期してまいりたいと思います。
○古川委員 では、実態調査に関しましてはお伺いすることがまだ不十分でありますけれども、この程度にいたしまして、以下二点ほど被爆者の高齢化に伴う問題について、厚生省、大臣の御所感を伺っておきたいと思います。 さっきも触れましたとおり、被爆者の平均年齢がもう六十歳を超えているわけでございますから、特に健康管理の問題については高齢者独得のいろいろな特徴があらわれてきております。これから申し上げる二つの点については、大臣も地元で被爆者の方から随分いろいろな御要請を受けてお取り組みになっていらっしゃると私は推測をいたすわけでございますが、一つは、現行の健康診断制度にがん検診を加える必要が出てきたんじゃないか。先ほど触れました中国新聞の原爆被害追跡レポート「段原の七〇〇人」、この実態調査の中でも、亡くなった方の二四%が甲状腺、肝臓、肺等のがんで亡くなっているという結果が出ておりますし、それから五十八年度の広島原爆病院では、お亡くなりになった方の五七%が、がんによるものである。ということになりますと、これはこれまでいろいろ議論もあったと思いますし、厚生省でも検討は繰り返されてきたと思いますけれども、ここまで高齢化をした、くどいようですが、我々被爆者にはもう被爆五十年はないというそういう状況の中で、この問題に対してどうお考えか、ひとつ伺っておきたいと思います。
○大池政府委員 ただいま御指摘の点、がんが非常に皆様方の関心の的であり、また重要な位置づけの疾病であることは、私どももそのように認識しておるところでございます。現在被爆者の健康診断におきましても、これに当たります専門的な目はそういう観点の目で見ておるわけでございますが、なお突っ込んだ専門的な精密検査等につきましては、一方で老人保健法の体系におきまして、男性におきましては四十歳以上、女性におきましては子宮がんを含めまして三十歳まで及んでおりますけれども、いずれにしましても、原爆被爆者の方々が対象になり得るそういう仕組みを別途専門的にしいております。そちらの方で専門的ながんについては主力を注いで対処してまいりたいというふうに考えております。
○古川委員 これは私の聞き違いだったらお許しをいただきたいのでございますが、やっぱりその点で被爆者だからという特別の事情自体よりも、むしろ老人としてもうすべてくくって見てしまった方がやりやすいというふうにもとれるのですが、被爆者として、さっき数字を挙げたように非常にがんによる死亡率が高いというようなことからも、いわゆる被爆者対策、そのほとんどの高齢者に対する対策として特にそのがん検診ということを強化していく、そういう意味ではいかがなんでございましょう。
○大池政府委員 被爆者の方々が平均年齢がだんだん高くなってきたということで老人保健法とつながるわけではございませんで、老人保健法は、ただいま申し上げましたように四十歳台というところから早期発見をして、高齢者で発病してからということではないような対策を早期に講ずるというところに力点があるわけでございまして、その点は御理解を賜りたいと思います。 それから、現在の被爆者健康診断におきましても、一般検査におきましていろいろながんの初期症状というものは、その目をもって見守っていけばいろいろ警戒信号は出てくるわけでございますし、それに引き続く精密健康診断の段階におきましても、個別のケースに応じて必要な検査等も行える仕組みになっておるわけでございまして、そちらでもがんという配慮はそれぞれ力を入れてもらっているところでございます。
○古川委員 時間がなくなりました。今の問題について、いわゆる健康診断制度の中に被爆者に対してがん検診を強化していく、そういう配慮についての大臣のお考えを次の質問とあわせて御答弁をいただきたいと思います。 〔稲垣委員長代理退席、委員長着席〕 次は高齢者の、皆さん高齢者になるのですが、健康管理手当の受給のための更新手続であります。これは現在三年ごとに行われていると思うのでありますけれども、この障害については省令の第二十条に定めているわけですね。これは特別の場合を除いてはほとんどがもう成人病あるいは老人病と言われるようなものでありまして、お年をとった方々が更新手続をすることについて非常に苦痛を感じているわけでございます。恐らく大臣のところにもそういういろいろな声が達しているのではないかと思います。 これは高齢者の病気でありますから、不幸にも終生、お亡くなりになるまで治療を要するというものが多いわけでございまして、窓口における更新手続のそういう心理的な負担、もっと言うなれば行政上の、こんなこと一々やらなくてもという、ロスと言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、少なくとも高齢者については、その病種にもよるかもしれませんけれども、三年ごとの更新というのは、あと十年か二十年か三十年かわかりませんが、これは何とか厚生省で考えていただけないものか。 はっきり申し上げれば、健康管理手当の支給については、支給期間を廃止する、終身支給にする、そういうことを望みたいわけでございます。手続の簡素化というようなことじゃなくて、ひとつこういう思い切った対策をお考えいただきたいと思うのですが、その点についての大臣のお考え、先ほどの質問とあわせて御答弁を伺いまして、私の質問を終わります。
○増岡国務大臣 健康管理手当につきましての有効期間、すなわち更新でございますが、これは御指摘のように病状固定という現象があろうかと思うわけでございますので、できるだけ手続上の負担軽減ができるように事務当局に検討させたいと思います。ただ、これも全くなくするというわけには、やはり国費を使います以上はそういうわけにもまいらないかと思いますけれども、実情に即した対策を講じたいというふうに考えます。 それから、がんの検査でございますけれども、従来から一般検査、精密検査があるわけでございますので、その精密検査の段階でいわば検査をする人が本当に親切にやってくれるかどうかということの問題があろうかと思います。その点に十分注意をしてもらって、御指摘のような趣旨に沿ってやってまいりたいと思います。
○古川委員 終わります。
○戸井田委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 私は、与えられた時間ですが、後のスケジュールの関係で短縮しなくちゃいけませんので、要点だけ、ポイントを絞って二、三点御質問申し上げます。 原子爆弾の被爆者援護法につきましては、午前中から各委員それぞれの立場から強く主張されておるわけでありますので多くを語ることもないと思いますが、やはりポイントだけははっきりさせたいと思いますので申し上げます。 大体一貫して大臣の御答弁をお聞きしますと、援護法制定については一般戦災者との関係でやはり問題がある、無理があるんだ、要約するとこういうことではないかと思います。要するに、原子爆弾被爆者の人たちに対する特殊性については十分理解するけれども、同じ戦争で被災したという立場から見ると、一般戦災者とのバランスといいますか、基本懇では公平という問題を言っておりますが、そういう関係から問題があるんだということを強く言われておるわけですね。 そうすると、問題は、法理論的に援護法を制定すること自体に無理は別にないのか、ただ一般戦災者との兼ね合いからどうしても踏み切り切らぬという形になっておるのか、その点をまず明らかにしていただきたいと思います。 もっとはっきり言いますと、一般戦災者まで含めた援護法をつくればいいじゃないかという議論も当然出てくるわけですね。国が行った戦争行為のもとに結果的に起きた問題ですから、広い意味でこういう問題を取り上げていくか狭い意味で取り上げていくかによって違うと思いますけれども、そういう意味では、私は、原爆被爆者援護法の制定については、国さえ前向きにその姿勢に立つならば、当然のこととしてこれを受けとめて行えるものだ、また法理論的にも問題はないと思うわけでありますが、まず、そこらあたりについての大臣の御所見をお伺いいたします。
○増岡国務大臣 この援護法の問題につきましては、まず法制面では、やはり国と雇用関係でありますとか命令関係があるということ、それで援護法の枠に入るか入らないかということでございますので、法制上の面からも難しい面があるわけでございます。 また、そういう法制を乗り越えてというお考えもあるかもしれませんけれども、そういう面では一般戦災者との均衡上問題がありますし、それから、もし仮に一般戦災者も一緒に救済するとなりますと、私はむしる今の被爆者対策費というものが全国民の間に薄められて、結局は中身の濃い対策というものができなくなるというおそれもあるのではないかというふうにもいろいろ考えて、なかなか難しいということを申し上げておるわけでございます。
○小渕(正)委員 国との関係についても法制上、法理論的に問題があるようなお話でございますが、国が起こした戦争行為によって、国の責任によってこういう事態が発生したわけでありますから、ただ、それが直接的に国の命令によって戦争に参加していったかどうかという直接的な指示命令、雇用関係にあったかどうかは跡といたしまして、広い意味では、あくまでも国の統治行為の中で発生した内容でございますから、私はここで論争することは、多くは時間をとることは避けますが、そういう意味で何も無理はないのではないか。 西ドイツの例を挙げても、国内はすべて戦場になってしまった。しかし西ドイツでは戦争被害者救済法というか、名称はちょっと変わりましたけれども、それぞれ濃淡の差はあったにいたしましても、国民の皆さん方に対して、あらゆる戦争の犠牲者に対しては何らかの形で国としての責任ある補償、どこまで補償かそれはいろいろありますけれども、戦争犠牲者に対して国としての責任においてきちっとけじめをつけてきた。戦後、一九五〇年代から始まった措置でございますから、もう七五年くらいでほとんど完全に終わってしまったようなところまで行き届いている。 そういう事例を考えるなら、同じ第二次大戦の中で、我が国の場合は部分的には沖縄あたりが戦場になりましたけれども、そういう意味ではドイツと比較にならない、それは空襲の面における被害はありますが……。そういう点を考えると、またあわせて原子爆弾という大量殺人、これはもう明らかに国際法に違反する行為でありますから、そういうこと等を考えますならば、これを援護法的な性格として位置づけてやることについては何も無理はない。 そういう意味で、問題は、政府自身、国自身のこういう問題に対する心構えといいますか取り組みといいますか姿勢といいますか、そういうものがきちっとすれば、この問題についてはもっと前向きに進んでいくのではないか。戦後四十年、先ほどから言われておりますように、被爆者にもう五十年はないのだと言われているようなそういう中において、何としてでもここらあたりで一つの決着をつけて何とかしたいという、そういう切なる気持ちについては私も十分理解いたしますし、また、増岡大臣も広島県出身でございますからそれなりに理解されていると思いますが、要するに、問題はまずそういうスタートをどうするかということで、中身をどうしていくかということはまた次の議論で私はよろしいと思います。 したがって、そういう意味で、まず、原子爆弾の被爆者が戦争行為の犠牲の中において特段の、しかも国際法に違反するような形の中で大きくそういう犠牲を背負わされたということだけ考えますならば、私は、これは当然前向きに取り組んでよろしい内容ではないかと思います。そういう点で、今お話のありますように、ただ法理論的にも問題があるということでは当たらないのではないか。もちろんそれぞれの国の行政の仕方はありますけれども、身近な例として、戦後、第二次大戦の同じ敗戦国の中での、しかも国内が戦場になってしまったドイツのような例を見ましても、あえて我々だけが、被爆者の皆さん方が無理を言っていることではない、かように私は思うわけであります。 もう一度そこらあたりについて、そういう同じ敗戦国のドイツ、しかも今日、我が先進諸国の同じつき合いをしている国のドイツでさえそういうことをしているということを考えた上に立って、果たして大臣はどのような御見解をお持ちですか。
○増岡国務大臣 ドイツの場合には地上戦闘に巻き込まれたわけでございまして、日本の沖縄がそれに相当すると思うわけでございます。その場合と、空襲による災害が軽いというわけではありませんけれども、その程度の差というものはやはりあるのではないかというふうに思います。だからといって軽く考えてよろしいというわけではございません。 ただ、そういう御指摘のような趣旨がございますので、これまでも、いわば一千億円の予算でございますから、三十七万人で割りますと一人頭が三十万円ぐらい年間使っておるわけでございますので、国としてもそういう意味では今後もできる限りのことはしてまいらなければならない、そういう意味からは、国の考え方というものも被爆者の方々にも御理解をいただかなければならないというふうに思っております。
○小渕(正)委員 被爆者の皆さん方も、国が年々少しずつでありますが、いろいろと施策の中身を充実されてきたことについては、これはもう十分お認めになっておられるし、感謝もしていると思います。 しかし、これをただそれだけでなしに全体的などういう位置づけを国がきちっとするかということについて見ますならば、被爆者の遺族の方、いろいろな人たちが非常に国に対して御不満を持っているわけでありますので、先ほどからドイツのことを言われましたが、ドイツはともかく空襲、地上戦闘、その他貨幣の変動、あらゆるそういう戦争によって起こったいろいろな犠牲の中におけるいろいろな段階別に、そういうものについての何らかの形での国としての措置をしているわけでありますから、そこらあたり、もう少しドイツの本当の事例等も調べていただいて、もう一度前向きに御検討いただきたいということを強く申し上げまして、時間がございませんので、次に移りたいと思います。 次に、昨年のこの社労委員会の中で、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部改正ということで、これは毎年少し金額が変わりますから、提案されて、附帯決議を行っているわけですね。御存じでしょう。 この附帯決議に対しては、行政当局はこの一年間どのような取り組みをなさってきたのか。その中身について取り組んでこられたのか、全然何もしていないのか、取り組んできたけれども現状はどうなのか、その点について、この衆議院の社会労働委員会でこれだけ附帯決議をしていることについてのその後の行政当局の対応の中身について御説明いただきたいと思うのです。
○大池政府委員 附帯決議の取り扱いにつきましては、その趣旨を尊重し、個別の問題ごとに検討の上、実行できるものについては逐次実施するという姿勢で取り組んできているところでございます。 その一環として、例えば死没者調査の問題につきましても、先ほど来の御質疑にも申し述べましたように、今回実施いたします、全国規模の全数調査が予想されておりますが、実態調査におきまして、死没者という要素を織り込んで実施に移したい、こういう方向で進めているところでございます。 あるいは研究体制の整備充実につきましても、放射線影響研究所を中軸に引き続きその充実に努めておるところでございますし、原爆病院の運営の問題につきましても、国としてのてこ入れを引き続き継続をしているところでございますし、また、相談業務等につきましても相談員の増員を図る等、あるいは家庭奉仕員等につきましても単価のアップを図る等、それぞれの実行可能なものについては私どもとして引き続き全力を挙げて努力を続けているところでございます。
○小渕(正)委員 予算をつけた関係の点について言われていると思いますが、中身の充実という点について、前年度より今年度はなお内容が充実したというところだけ、金額的にそういうことでこの附帯決議に沿って努力されたというところだけでいいですから、まずその点をはっきりお示しいただきたいと思います。
○大池政府委員 予算の金額として今数字的に持ち合わせておりませんけれども、原爆の実態調査は、前年は準備段階でございましたので、記憶では百六十六万ぐらいだったと思いますけれども、今回は八千百五十万というような規模で、一挙に膨らんだわけでございます。 また予算的な観点で申しますと、相談員、これは人数はささやかでございますけれども、非常に活動をやっていただいておりますが、十四名を十五名ということで増員を図っておるところでございます。
○小渕(正)委員 要するに、昨年の社労委員会で附帯決議をしたのが一から十項目あるのです。それで、今御答弁なさったのでは、二の被爆者についての実態調査、これはことしは前向きに前年度よりも取り組んだ。八の家庭奉仕員制度の充実ということでは、これも人数がささやかかどうかは別として少しは増員したということのようでありますが、結局、あとは、一、三、四、五、六、七、九、十とありますが、これについては形としては発表できるところの中身まで何もなかったということですか。その点、いかがですか。
○大池政府委員 そのように申し上げたわけではございませんで、増額を図った例を挙げただけでございまして、放射線影響研究所等につきましても、アメリカと折半でございますけれども、たしか日本の負担としても十八億何がしかあったと思いますし、その他、研究費あるいは原爆病院に対する国のてこ入れ、それぞれ例年並みではございますけれども、相当の巨額の予算を引き続き六十年度で確保しているところでございます。 御案内のような極めて厳しい財政事情下ではございますけれども、原爆の予算につきましては、私どもとしても極めて力こぶを入れて、国会の附帯決議の趣旨も尊重しながら、それぞれの項目の趣旨の考えに立ちまして頑張っておるところでございます。
○小渕(正)委員 まあ、厳しい財政事情の中で現状維持でも大変だ、精いっぱいだというお気持ちはわかりますけれども、しかし、いやしくも委員会が附帯決議として項目を挙げてそれらの問題点を出しておるわけでありますから、やはり前向きに少しは中身を充実して、少なくとも去年と同じような附帯決議を出さにゃいかぬようなことだけは避けなければいかぬ。一つぐらいは中身が変わっていく、減っていくという形にしないことには、せっかくの委員会の附帯決議が生きてこないのではないかという意味で私は申し上げたわけでありますが、その点は今後の問題として指摘しておきたいと思います。 それから、これは大臣がもう御承知のことで多くを申し上げることはございませんが、先ほども中村委員の方からも話があっておりましたが、長崎の場合の地域是正の問題です。これはどんなに理屈を言っても、こんな不合理なことはないことだけははっきりしているわけです。東西六キロ、南北十二キロ、長崎の地形、地理をそれぞれ見ても、きょうは土地の全体の図面を持ってきておりませんけれども、理屈に合わぬわけですから、これはどうしても何らかの形で是正措置を講ずる必要があるわけであります。五十一年、五十二年に一部部分的な手直しをしたときに、もう少しこのあたりをきちっとすればよかったのでしょうけれども、まあ当時のいろいろな事情があったと思いますが、しかし政治の中で先ほどから公平の原則ということを強く言われているならば、それだけ言うならば言うだけ、この地域是正の問題についてもやはりそういう公平の原則に立って物事を考えていただかなくてはいかぬのではないか。 都合のいいところは公平の原則、都合の悪いところはもう全然そっちは目をつぶる。これでは政治としての一貫性がない、行政としての一貫性がない。いろいろと理由は言われておりますが、それはもう単なるへ理屈と一緒です。何も理論的根拠がない。ただはっきりしているのは、余りにも地域が偏った形で、まあ当時の行政区分によって地域が決められたということから出た問題ですけれども、これはちょっと余りにもひど過ぎる、かように思われますので、大臣、政治のその公平の原則ということを先ほどから盛んに言われておるわけですから、それにのっとって、ひとつぜひこれはもう一度御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○増岡国務大臣 この地域の問題は、長い交渉の歴史がございまして、広島県の方は比較的中心から同心円で何キロという考え方を持っておられる。長崎県の方々は、被爆当時の風向き、地形等の主張をなさいました。その結果、広島、長崎双方に基準の差ができてきておるわけでございます。 私どもがそういうことを申しますと、逆に言えば、その当時余り政治的な判断に走り過ぎた、科学的な根拠というものをもう少し厳密に適用すればよかったという反省はございますけれども、そういう状態になっておりましたときに、その後で被爆者の被曝の放射能の残留調査というものを行いました。その調査の結果、両市とも格別それを変更しなければならないという数字が出ませんでしたので、今日に至っておるわけでございまして、したがいまして、今後この問題についてはなお慎重な検討を続けなければならないというふうに考えております。
○小渕(正)委員 確かに長崎がやれ地形がどうだ、風向きがどうだというのは、実はああいう形になったがゆえにそういうことを盛んに言っているわけでありまして、だから、広島と同じように同心円を描いて、その範囲の中で考えていく。まあ内の区切りが難しいですけれども、そこらあたりであればまだ違ったお話もあったかと思いますが、いずれにいたしましても、今非常に変形した形でありますので、先ほどの大臣の御答弁を了として期待をするわけであります。 ただ、前のお亡くなりになった園田大臣、それから森下大臣、渡部大臣、増岡大臣、一年置きに大臣がかわるものですから、同じことを毎年委員会で言わなければいかぬ。園田大臣のときは基本懇答申が出た後だった。いろいろ言われておったけれども、何かしらん感触的には前向きに何とか今後もやっていこうという感じがした。それが今度かわられると、また振り出しに戻ったような形の議論をしなければいかぬ。本当に、この原子爆弾の被爆者対策については、はっきり言うとやり切れぬ気持ちなんです。だから、せめて毎年毎年大臣がかわるたびに同じことを繰り返すようなことのないように、ひとつ厚生省当局の皆さん考えてほしいと思いますね。そうせぬと、せっかく毎年やっている委員会が同じことの繰り返しになっては、私は余りにも中身がなさ過ぎると思いますので、この点ちょっと駄弁でしたけれども、特に大臣にもお願いいたしまして、この地域是正の問題はしかとひとつ御検討方をお願いしたいと思います。 それから、先ほどの方も触れられておりましたが、今回の実態調査の中で一番不安に思われている問題は、健康手帳申請の審査の対象に前の資料が利用されたということで非常に不信感をお持ちのようであります。大臣は、今回実態調査をなされることについては、個人のプライバシーその他については十分尊重してやっていかなければいかぬと宣言われたわけでありますが、それはそれとして了といたしますが、ともかく何らかのそういう形の資料としてこれが流用されないように、その点だけはしかとここで約束していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○増岡国務大臣 御指摘の点はごもっともでございますので、十分注意をしてまいりたいと思います。
○小渕(正)委員 それから、あと一つ。広島にしても、長崎にしても、それぞれの市の自治体がかなり負担しながら独自の被爆者対策をやっているわけです。特に、高齢になられた人たちに対する老人ホームの問題、または医療という立場からの病院の問題等がありますが、ここらあたりは、今のようにその都度その都度厚生省に予算の編成前には盛んにみんな陳情に出てきてお願いしては何とかいろいろ配慮していただくということではなしに、法的な形の中でこれを義務づけてきちっとそういうものができないのかどうか、その点ひとつ検討していただきたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○増岡国務大臣 この問題は、それぞれの病院でありますとか老人ホームでありますとか、そういう立場からの制度の問題もあろうかと思いますし、また特に地域の特性といいますか、その地域の御要望にできるだけ応じてまいりたいということから、なかなか画一的なものができにくいということで現在に至っておると思うわけでございます。しかし、できる限りにおいてはまだ見直しするということも必要でございましょうが、今、一律に制度化するということをお約束するところまではまいらないというふうに思うわけであります。
○小渕(正)委員 これを検討課題としてぜひ取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、終わります。
○戸井田委員長 浦井洋君。
○浦井委員 特別措置法と被爆者援護法が今議題になっておりますので、私はまず被爆者援護法案について森井先生に一言お聞きをしたいわけであります。 被爆者援護法制定に向けて先生が常日ごろ並み並みならぬ決意と熱意を持って頑張っておられることに私は心から敬意を表するわけであります。ちょうどことしは被爆四十周年であります。今ずっとお話が出ておりますように、現実に被爆者の方々も高齢化してきておる。しかも援護法の制定はかなりたくさんの自治体で決議しておる。まさに国民の声になっておると言っても言い過ぎではないと私は思うわけであります。国際的にも反核運動が盛んになってきておる。だから、ことしは援護法の制定をぜひやる一つの節目であるし、必要があるし、また緊急性があるというふうに私は思うわけでありますけれども、森井先生の御意見と御決意とを聞かしていただきたいと思います。
○森井議員 政府は現行二法でいいと言っている。ところが、肝心の被爆者の方は現行二法では足りない、こう言っているわけであります。しかもその声が続き続いて四十周年になったわけです。ですから、そういう意味では、被爆者の声にこたえないというのは世界初の被爆国として恥ずかしい、また核軍縮を盛んに世界に提唱している日本政府としてもこれはおかしいのではないかというふうに思います。 そういう見地から、今日まで全野党の各位の御協力をいただきまして、振り返ってみますと昭和四十九年以来、一九七四年以来毎年被爆者援護法案を提出してきたわけですが、にもかかわりませず成立しないということは私は極めて遺憾だと思うわけでございまして、四十周年の節目に当たり、何としても成立させたいと思うわけです。そのためには提出していただいた各党の御協力と御理解を得なければなりませんけれども、援護法案は二千億強の予算であります。現行二法の予算の総額も既に一千億をはるかに超しております。ですから、その意味では、例えば私どもが提出しております援護法案の給付水準をある程度落としても、この際、与党の皆さんとじっくり話をしたい。与党の皆さんとじっくり話をして、そして譲るものは譲ってでも、この節目に当たりまして援護法案が何としても成立するように全力を傾けていきたいと思うわけです。 特に現行法の最大の欠陥というのは、亡くなられた方と遺族の方々に率直なところ国は何もしていない、ここに最大の欠陥がありますから、その辺に焦点を絞ってぜひこの国会でけじめをつけたいと考えるわけであります。
○浦井委員 国家補償の精神に基づく援護法案の成立のために今後とも御努力を重ねられることを心からお願いをして、私の森井先生に対する質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 そこで大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、自民党という政党が、大臣も自民党に所属されるわけですが、地方議会の自民党議員団でしょうか、これに対しまして被爆者援護法制定の決議には、もし出てきたら反対するようにというような指示文書を出している、こういうことなんです。ところが、ことしの平和行進なんかでは既に自治体の長で千十七人、それから地方議会の議長さんで千二百十六人、合計すると二千二百三十三人の方が被爆者援護法制定の決議に賛成署名をされておるわけなんです。広島の御出身でもございますし、大臣の自民党に所属する議員としての立場と大臣の立場と二律背反かもわかりませんが、こういう現実をどう受けとめておられるのか、大臣の御所見をお尋ねしておきたいと思います。
○増岡国務大臣 いろいろな団体でそういう御意見のあることは承知をいたしておるわけでございます。ただ私どもが考えますのに、果たして本当の意味で現行二法を御理解いただき、国が果たしておる責任、予算の額を承知した上でそういうことをなさっておるのかどうかということが言えると思うわけでございます。したがいまして、もちろんそういうお考えを無視するというわけではございませんが、私どもといたしましては現行二法の考え方でやるということが現在一番妥当な線であるというふうに思っておるわけでございます。 自民党が文書を回したとかどうとかということは私よく存じませんけれども、それは自民党の方針としてそういうことであるという趣旨のものではないかというふうに思われます。
○浦井委員 私は公党としてやられるのは自由だということは前提にして申し上げておるわけです。ここにその資料はございます。「原爆被爆者援護法制定に関する請願の取り扱いについて 自由民主党政務調査会」という格好なんです。ことしの二月です。しかし、こういうことをされておるけれども、実際には首長さんなりあるいは地方議会などで決議をされておる。それが現実なんだということを申し上げたいわけなのであります。 一例を申し上げますと、埼玉県なんかの場合は全会一致で被爆者援護法制定の決議をしたわけでありますが、自民党に属しておられる県会議員さんに要請をしたところ、自分はもちろんしたいけれども自民党本部からしてはならないときつく言ってきておるので賛成できないというふうに一たん要請を断られた。しかし、結局は自民党という党派も含めて全会一致で埼玉県では県会の決議が行われた。そこに要請に行かれた被爆者の方の感想を私お聞きしたのですけれども、援護法制定に反対することがいかに道理に合わないことであるかということを実感したというふうに言われておるわけです。 私は、この辺を大臣に知っていただきたいわけであります。大臣は広島の御出身でありますから、もちろん被爆者の心情なりあるいは援護法制定の必要性は十分に心得ておられると思うし、今度は現実にその担当大臣になられたわけでありますから、やはりやらなければならぬというお気持ちが十分におありだろうというふうに思うわけでありますけれども、重ねて大臣の御決意といいますかお気持ち、心情を吐露していただきたい、このように思うわけであります。
○増岡国務大臣 被爆者に対しましての対策を充実しなければならぬということは、私も人後に落ちないつもりでおります。それがために自民党の小委員長を約十年近くもやってまいったわけでございます。 ただ、その中で考えられますことは、被爆者の対策というものを重点に考えます場合には、やはり一般戦災者との区別というものも考えておかなくてはならないわけでありまして、もし仮に援護法というものを適用するといたしますと、恐らく一般戦災者まで波及することは必至であろうと思います。 そうしますと、結局は広く薄くということになるのであって、被爆者の放射能による後遺症という障害に対する日の当たりようが、案外かえって影が差すのではないかということまで考えながら、私はやはり現行二法で充実を図っていくことが一番得策だというふうに考えておる次第でございます。
○浦井委員 大臣としては非常に苦しいお答えであろうと思うのです。一般戦災者との区別を持ち出されるというのは、非常に苦しい御答弁だと思いますし、大臣御自身はよくわかっておられると思うわけでありまして、そこのところを私はここの項では指摘をしておきたいと思うわけです。 そこで、私の手元に日本原水爆被害者団体協議会、略して被団協というのでありますけれども、ここが出しました「原爆被害者の基本要求」というところを見てみますと、これは大臣も厚生省当局もよく御承知だと思うのですけれども、基本要求と改善要求から成っておるわけであります。 一つは、基本要求というのは「ふたたび被爆者をつくらないために」というのが基本要求、それからこの改善要求というのは「被爆者の高齢化に伴う現行施策の改善要求」、これが改善要求であるわけなんです。基本要求はさらに二つに分かれておりまして、一つは「核戦争起こすな、核兵器なくせ」ということである、こう書いてありますね。これはもう大臣もよく御承知だと思う。 ところが、これは厚生大臣というよりも中曽根内閣の一員、一人の閣僚としての増岡大臣にお尋ねするのでありますけれども、日本の政府は、国連において全面核実験禁止の二つの決議案が去年の十一月に出てきた、これに対して賛成をせずに棄権という態度をとっておるわけなんです。これは閣僚の一員として、大臣どう思われるのか、なぜ賛成しないのだろうか、私は不思議で仕方がないわけなんです。やはりこれはけしからぬと思うのでありますが、どうでしょう。
○増岡国務大臣 そのときの決議案はそれぞれ核禁止ではありますけれども、内容を異にする三つの提案があったように聞いておるわけでございます。 したがって、日本としてはその第三の禁止案に賛成をしたわけでございますので、したがって、第一、第二については棄権ということに相なったわけでございます。 私は考えますのに、そういうふうな同じ目的でありながら三つもタイプの違う決議案が出されるということ、このこと自体が現在の国際社会を物語っておると思います。どこの国も賛成できるような、そういう決議案が出されることをこいねがっておるわけでございます。
○浦井委員 第一と第二に棄権し、第三に賛成をした。第一、第二、第三に全部例えば賛成、反対——第三に賛成をしたから、第一と第二には賛成できないんだということはないわけで、やはり日本の国の政府というのは、ずっと反対だったのが棄権に回ってきて、今棄権というところに例年落ちついておるようでありますけれども、私は、中曽根内閣の一員として、やはり第一、第二の問題についても賛成に回っていくように、ひとつ大臣として努力をしていただきたいというふうに要望をしておきたいと思います。 それから、その基本要求の第二の問題は、今問題になっております被爆者援護法の即時制定であります。 そこに文書が書いてありますけれども、読み上げますと、その趣旨ですね、再び被爆者をつくらないとの決意を込め、原爆被害に対する国家補償を行うことを趣旨とする。それで、原爆被害への国際補償行うことは、核戦争被害を国民に受忍させないと国が誓うことであり、再び被爆者をつくらないための大前提となるものであります。こういうことが書かれておるわけであります。 こういう趣旨に大臣は、どういうふうにお尋ねしたらよろしいですか、賛成でしょうか、反対でしょうか。それとも、こういう趣旨には理解を示されるのか、理解を示されないのか、どういうお答えを大臣はされるでしょうか。
○増岡国務大臣 私は、核兵器廃絶ということはぜひとも行われなければならないというふうに考えておるわけでございます。それは主として外交交渉の努力の成果によらなければならない、国内法としては一応表面的には無関係であるというふうに考えておるわけであります。しかし、気持ちの上では、被爆者は大変困窮されておられる、これは国内的には、政府としてはできる限りのことはお手伝いしなければならぬというふうに思っておるわけでございます。 したがいまして、現行二法につきまして、私も被団協の方々とたびたび、もう十年来しょっちゅうお会いいたしておりますけれども、現行二法でやっていくことが先ほど来申し上げておるように一番有効であり、適切ではないか。援護法という問題につきましては、まだまだ法制上も予算上も、国民の合意を得る上でも問題があり得るという立場からお話をいたしております。 被団協の方はもちろん私の説に賛成なさるわけではございませんで、お互い平行線ということでありますけれども、私の言わんとしておる被爆者に対する感情というものは酌み取っていただけておるのではないかというふうに思っております。
○浦井委員 大臣がそれ以上言えないということも、私よくわかるのです。私も現行二法を改善することにやぶさかではないし、当然だと思うのです。もっともっとよいようにしなければならぬ。しかし、我が国がサンフランシスコ条約で不当な残虐な核兵器を使ったアメリカに対して賠償請求権を放棄をしたということですから、当面やはり国が援護をする、国が援護法を制定して援護をするということが必要だということを、だからこそ被爆者援護法が必要だというふうに被爆者の方も考えて一生懸命運動されているし、私もそのとおりだと思うわけなんです。それは、広島御出身の大臣にはよくおわかりだと思うので、これ以上は私申し上げませんけれども、ひとつ与党の中でも努力をしていただきたい、このことを強く要求をしておきたいと思います。 その次の問題で、今大臣は、一般戦災者との区別がつきにくいというふうに言われたわけでありますが、今の政府が援護法を制定しない根拠というのは、一つは基本懇ですね。基本懇で戦争犠牲に対しては国民を受忍の義務があるのだ、こういうような理論立て、それからもう一つは、一般戦災者と区別しがたい。だから、これは二番目の、大臣が今言われたのはあくまでも財政的な理由であるわけであります。 そこで、私は、基本懇が出たときにも社会労働委員会に所属しておりまして、これはこの基本懇の受忍せよという言葉ほど被爆者の怒りを買った言葉はないというふうに憤慨した記憶が今でもあるわけであります。そのためにも、先ほどからいろいろ議論されております原爆の被害というのがいかにひどいものであるかということを明らかにする必要が被爆四十年のこの機会にあると思うわけであります。 そこで、先ほど大臣見ておられたこの被団協の要求の中にも、「六十年度被爆者実態調査の実施に当たり、原爆死没者及び遺族の実態を調査し、原爆被害を総合的に明らかにすること。 被爆国政府として、原爆被害の実態を総合的に明らかにすることは、国際的な責務ともいえます。 被爆四十周年にふさわしい国家的事業として、本調査は実施されるべきです。」こういうふうに書いておるわけでありますが、こういう趣旨を体して、先ほどからの御答弁を聞いておると、何かこう、そうであるような、ないような感じがするわけでありますが、今度の六十年度の調査について大臣の基本的なお考え、特に四十年と五十年の調査とどう違うのかというところをきちんと私にわかるようにお答えを願いたいと思います。
○大池政府委員 四十年、五十年との相違点と具体的な問題でございますので、政府委員から答弁させていただきたいと思います。 六十年の原爆被爆者実態調査につきましては、先ほど来御説明申し上げましたように、現在その調査内容、方法等につきまして実態調査委員会におきまして最終的な煮詰めをお願いしておるところでございまして、その結果を踏まえて決定することといたしておるわけでございますが、これまでの審議経過をもとにいたしまして比較をさせていただきたいと思います。 四十年調査におきましては、被爆者全員を対象としました被爆状況、健診受診状況等についての基本調査を行い、基本調査の対象者の中から二十分の一で抽出した方に就業、扶養等の状況についての生活調査を行い、またあわせて健康調査を行ったところでございます。 次に、五十年調査との比較のための五十年調査の概略を申し上げますと、五十年調査では、被爆者全員を対象とした基本調査でございますが、項目数は約十項目程度でございました。基本調査の対象者をさらに二十分の一抽出いたしまして生活調査を実施しております。それから、生活の実態を明らかにする事例調査も行っております。 今回予定されております六十年調査、先ほど申し上げましたような前提を置くわけでございますが、その見込みは、四十年、五十年調査での基本調査、生活調査を統合いたしまして、また被爆者の高齢化現象にかんがみまして、項目数もふやし、かつ、被爆者の全員に対して生活、健康等の状況を総合的に把握するように工夫されつつございます。 また、死没者の状況を明らかにする一環といたしまして、原爆投下時の家族の状況調査を行いまして、広島、長崎市で行っております復元調査と有機的にこれを解析、検討してみたいと考えておるわけでございます。また、これとも関連してくるわけでございますが、全国的に未利用の関係資料についてもこれと関連していろいろと探索をしてみたい。 こういうような案で今検討委員会の方で煮詰まりつつあるというふうに私どもは理解しております。
○浦井委員 いろいろと御答弁をいただいたのですが、この六十年度調査について二点だけ大臣に念を押しておきたいと思うのです。 一つは、やはりけさからずっと出ておりますように、死没者調査をきちんとやらなければならぬ。ちょっと私にとって気になる大臣の言葉は、やはり放射能に着目をしてということを言われるのですね。ところが、原爆死というのは決して——放射能ももちろんあったと思うのです。今もそれの障害はあると思うのです。しかし、大臣も御承知のように、ピカドンですから、熱線、爆風も大きかったですよね。だから、そういうことも十分に考慮をして、新しい、よい方法で死没者調査をやっていただきたいということですね。原爆死というものの真相を明らかにしなければならぬ。被団協の方々なんかは、生存者の中で意識調査をやってほしい、不安感とかあるいは苦しみというような、ずっとこう、これはもう大臣もよく御理解だと思うのですが、そういうものを加味した新しい、しかも立体的な有機的なそういうものをやってほしい、こういうことが一つであります。 それから、これももちろん今までも質問が出ておりますけれども、先ほど大臣は、まあほぼ六十年度で基本的には終わるし、補完の作業をその後は続けたいというような趣旨のことを言われたのですけれども、もっと意識的に完全な、より完全に近いものをつくり上げるために、六十年度一年で急に力を抜くというようなことのないようにしていただきたい。 それから、午前中も出ておりましたように、白書という名前になるのかどうかわかりませんけれども、歴代の大臣もいろいろと言われておることだし、原爆被害白書というものをやはりつくるべきではないかというその三点であります。 この三点について、大臣に簡潔にひとつお答え願いたいと思います。
○増岡国務大臣 調査の項目その他詳細につきましては現在委員会で御検討いただいておりますので、その結果を踏まえて判断をさしていただきたいと思います。 また次に、この調査を永続させろというお話でございますが、やはり区切りの調査でございますので、一応完結をしたものにいたしたい。なお、その結果、不備その他があれば補完するなり補充するなりやらしていただきたいというふうに思うわけでございます。 その結果につきましては、一定の文書といたしまして取りまとめを行いたいと思います。(浦井委員「白書ではないのですか」と呼ぶ)一般的に言いますいわゆる白書の範疇に入ると思いますが、国会提出の白書という意味ではございません。
○浦井委員 いろいろ意見があるのですけれども、時間がございませんから、ちょっと技術的な問題について、これも先ほどから問題になっておりますが、悪性腫瘍ですね。私はあえてがんと申しませんけれども、悪性腫瘍の検診について、今の一般検診と精密検診のツータッチ方式では、特に最初の一般検診の場合には悪性腫瘍などわかりっこないということで、被爆者の方が受診しに来ないという意見を聞くわけなんですよ。だから私は、ワンタッチ方式、全部初めから精密検査をしなさいというふうにまでは提案はしないですけれども、しかしお金があったらやった方がよいのですけれども、やはり少なくとも胃の透視とか内臓のエコーであるとか、あるいは子宮がんの細胞診、こういうものは一般検診の項目に入れるべきではないか。今は血沈とか血球計算とかそういう一般のものですからね。それから胸部のレントゲン写真もないわけです。だから、そういうものを一般検診に補充すべきではないか、そしていち早く悪性腫瘍がわかるように手を打つべきではないか、これが第一点。 それからもう一つは、私は、これはいつでしたか、七、八年前にこの委員会で大谷公衆衛生局長時代に、やるという約束を得てそのままになっているのですけれども、認定疾患の認定基準はなかなか発表にならない、審査委員会の先生方の頭の中にあるというようなお話で。しかし、どういうケースが認定されたのか、どういうケースが不認定で却下されたのかということがわかっているはずでありますから、それを整理をして各都道府県におろしなさい、そうすると、当時の大谷公衆衛生局長は、やりますということで、いまだにでき上がっていないのですが、その二点について。
○大池政府委員 先生も専門家であられるわけでございますけれども、がんの問題につきましてはかねていろいろ御意見を各方面からも承っているところでございます。これまでのところ健康診断の方式につきまして種々の角度から御検討いただいた結果、現在の検査項目を選択してやっておるわけでございますが、いろいろと医学の進歩もございますし、また、その対象とする被爆者の方々の状態も逐次高齢化とともに変化を遂げつつあるわけでございますので、そういった点も勘案しながら、今後十分検討させていただきたいと思います。 ただ、先ほども同様の趣旨の御質問にお答え申し上げたところでございますが、老人保健法が五十八年から発足しまして、がんにつきましては相当国を挙げて今システムとして専門的なシステムを組んでおり、効率を上げるように努力をしている最中でございますので、そちらを活用するような方向で考えていきたいと思っております。(浦井委員「判定集、判例集」と呼ぶ) 失礼しました。それから、判例集の件はしばしばの御指摘でございます。先生にお答え申し上げるときは、何とか努力したいという趣旨でお答えするわけでございますが、実際取り組んでみますと、いろいろと医学的、専門的にも難しい中身を伴うところでございまして、審査会等の御指摘もございましたけれども、そちらとのいろいろな問題もあり、いろいろな角度からこれをどのようにまとめていくかというあたりで作業がなかなか時間がかかっておるという現状でございます。残念ながら、まだ公表するというところまでには至っておらないわけでございます。
○浦井委員 大池さん、老人保健法に一般的に解消したらいかぬわけですよね。私の知っている範囲でも、原爆医療というようなカテゴリーさえあるわけなんで、やはり被爆者援護法を制定せよという要求の一番奥の底には、原爆病というものがあるんだということでやるわけで、成人病、老人病と混同させて、そこへうまいこと解消させてしまうということ、そういう思想は私は同じ医者として間違いだということを忠告しておきたいと思うのです。それが私の今言えることであります。 そこで、次の質問でありますけれども、今出ておる特別措置法というのは、いろいろな諸手当を平均して三・五%アップですね。大体原爆の諸手当というのは事実上物価スライドされることが慣例になっておったというか、制度化されておったと言っても言い過ぎではないわけなんです。ところが、臨調行革がもてはやされるような時代になってからは凍結されたり、値切られたり、こういうことで、今回もこの前から戦傷病者援護法でも我々は主張したのでありますけれども、やはり四・八%アップすべきところであるわけなんです。それを三・五%に値切っておるというふうに私は思うわけであります。 そこでちょっとお尋ねするのですが、きのうお願いしておいたのですけれども、六月一日実施だということで計算をすれば、十カ月分で三・五%アップと四・八%アップと、一体国の予算、支出でどれくらい差が出てくるのですか。
○大池政府委員 今、手元の資料によりましてとりあえずお答えしますが、諸手当を四・八%引き上げた場合の追加所要見込み額は約七億二千百万円、こういう数字を得ております。ただ、先生がおっしゃった三・五との差額というのはちょっと今、計算を……
○浦井委員 大体私が見込んでおる数字と同じでありますから、それでいいのです。 そうすると、増岡厚生大臣、私はもう長いこと議員をやっておりますからこういうことを言うのはあれですけれども、F15が一機百二億ですか、だからF15の片翼ぐらいで、ごく一部分で四・八%上がるのですよね。そういうような発想が厚生大臣としてできぬものなんでしょうか。原爆の諸手当というのは、基本懇の意見というのは受忍というようなことで、私はけしからぬと思うわけなんですが、その基本懇でさえも今、被爆者対策は広い意味での国家補償であるという態勢なんですよね。 だから、そういうふうになってきますと、国の財政理由でアップを凍結したり、あるいはアップを値切ったりするというようなことは、これはぐあいが悪いのではないか。普通の社会保障と横並びというような単純な格好で被爆者対策を考えておられるのか、そういうふうに私は言わざるを得ぬわけでありますが、ここはやはり大臣、広島の御出身でもあるし、なぜこういうことをされるのか、単純にいろいろな恩給やらあるいはほかのアップと横並びされるのか、これこそ特別の考え方でちゃんと物価スライドで四・八%上げるべきじゃないですか。大臣、どうですか。
○増岡国務大臣 ただいま防衛予算との関連のお話がございましたけれども、これは予算の組み方といたしましては、それぞれの省庁がこれだけ要りますというものを積み重ねた結果、総額が決まるわけでございまして、したがって、あっちの役所を減らしてこっちのというわけにはまいらないわけでございますが、ただ、そういう意味でおっしゃいますなら、防衛庁の予算が三兆一千億円に対して、厚生省は九兆五千億円の予算をいただいておりますから、三倍以上の予算でございます。その中で私どもはいろいろやりくり算段をしながら被爆者対策の充実を図らなければならぬということでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。 次の手当の額の問題でございますけれども、これは従来からずっと老齢福祉年金等、ほかの公的給付との均衡の上に予算を計上してまいったわけでございますので、特にことしだけどうこうということではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
○浦井委員 だから、私は、老齢福祉年金と単純に横並びするような性格のものではないのではないかということをあえて申し上げておるわけであります。 それからもう一つ、その前の段階では、やはり憲法二十五条に基づいて一億二千万の国民の社会保障を確保していくために、それだけの九兆何がしかの金が必要なんですよね。軍事費というのは、これはだれが見ても最大の浪費であるわけなんです。そういうところに回す金があるなら、こっちに回せというふうに私は短絡して言っているわけなんであります。そういう点で、大臣、うんと言われぬというなら、私どもとしては四・八%に直せというような修正案でも出さなければいかぬということになりますよ。だから、そういう点で大臣の心からなる反省を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○戸井田委員長 菅直人君。
○菅委員 朝以来、被爆者援護法あるいは特別措置法等についての議論が続いてきまして、きょうの最終バッターということですけれども、昨年、渡部厚生大臣のときにやはりこの問題についての質疑をやったわけですけれども、来年はいよいよ被爆四十周年だというふうに申し上げたのを覚えております。 その被爆四十周年がまさにことしやってまいりまして、そのときに広島御出身の増岡厚生大臣がその席におられるというのはある意味では大変に意義のあることではないか。被爆者の皆さんはそういう意味では広島出身の増岡大臣に特に強く期待を持たれているのではないか、こういうふうに思うわけであります。 そういう中にあって、核兵器を何とかなくしていこうという運動を続けている軍縮議連あるいは二十二人委員会というふうな皆さん方も、四十周年に当たって、核というものが人類にとっていかにひどいものであるかを世界に訴えるという観点からも被爆ということに対しての我が国の姿勢を示そうじゃないか、そういう応援といいましょうか、そういう人たちの動きもあわせて、ことしこそは被爆者援護法を制定してほしい、制定しようという動きが盛り上がってきているわけですけれども、特に広島御出身の大臣に、核兵器という問題に対して、あるいは被爆から四十周年たった今日、この問題をどのように考えられておるか、まずその感想といいましょうか、お考えをお聞きしたいと思います。
○増岡国務大臣 被爆後四十年を迎えたわけでございますけれども、私は、被爆によりまして亡くなられた方々に対して心から弔意を表するということがまず大事だと思います。そのために、今回、今年度の記念式典に対しましても招待遺族の増加等を考えて予算化しておるわけでございます。 またその次には、現在いまだに被爆者の方々が健康障害に苦しんでおられるという特別の状態もあることでございますので、現行二法の充実によりまして、またさらに、実態調査を行うことによりそれを補完することが必要であるとするならば、その際判断をいたしたいと考えておりますが、いずれにしても被爆者対策は厚生省の重要施策の一つで大きな柱でございますので、今後ともその充実に努力をしてまいりたいと考えております。
○菅委員 現行二法の充実、そして実態調査、それ自体は大いに進めるべきだと私どもも思いますけれども、そういう中にあって大臣の口から被爆者援護法の制定に向けての努力ということがなかなか聞かれないのは大変残念なんですけれども、五野党一緒に出しております被爆者援護法の考え方、つまり、核爆弾の投下ということが国際法に違反している、しかし、サンフランシスコ条約において我が国政府が請求権を放棄したんだから、それにかわって国家補償すべきだという基本的な考え方について、これは正しいと思われているのかおかしいと思われているのか。もし何らかおかしいと思われているとすれば、この野党提出の法案の基本となっている論理のどの点がどういう理由でおかしいと思われているか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○大池政府委員 まず国際法違反という点でございますけれども、私どもの部局は必ずしも専門の部局ではございませんが、政府見解ということで了解しておるところによりますと、核兵器そのものが国際法の根底にございます人道主義の精神に反するものであることは言うまでもございませんけれども、具体的に実定国際法が核兵器の使用禁止について明確に示されているかというと、そこまでは言えないというのが従来の政府見解というふうに承知しておるところでございます。 そこらからスタートしての論議というふうに理解しておりますので、私どもとしてはなかなか、その論議に直ちに同調はできないのではないかという感じを持っているわけでございます。
○菅委員 もう一回確認しますと、請求権の放棄をしてそれにかわる国家補償という考え方、その部分はその部分として、逆に言うと論理的にはあり得る、ただ、国際法上の違反ということが核兵器を明記した形でなされていないので、国際法上に書かれていないので、そこが確定できないからこの考え方がおかしい、そういう意味ですか。もう一回確認ですが。
○大池政府委員 ただいま国際法違反という考え方のことだけについて述べましたけれども、さらに、日本は対米請求権を放棄はいたしましたけれども、だから従ってということで法的に補償の責任につながるというふうには国として考えてないものでございます。
○菅委員 そこはなぜですか。なぜ国家補償にならないのですか。つまり、これが例えば国際法上に明記されている毒ガスか何かを使って被害が起きた、その被害に対して、請求権があればそれを請求するのは当然でしょうし、もし何らかの理由で、こちらもいろいろ迷惑をかけたんだからということでそれを放棄すれば、実際に被害を受けた直接の当事者に対してかわって補償するのはごく自然の考え方の論理だと思いますが、なぜそうならないのですか。したがってこうこうこういうふうにはなるとはいえないというのは、なぜなんですか。
○大池政府委員 いろいろ難しい法律論があるようでございますけれども、国民個々一人一人が今問題になっておりますアメリカ合衆国に対して請求する道はない、こういったような形で裁判でも一つの判決が確定しておるというふうに了解しているわけでございまして、この論理に立てば、国民の個々の外国に対する請求権というところからスタートする、国がそれを放棄したのだからというふうな論理には同調できないと理解しております。
○菅委員 国家補償という問題は、そうした対米請求権の放棄という考え方と同時に、国が国の意思で引き起こした戦争で被害を受けたということで、そういう意味からも国がその被害を受けた人たちに対して補償するということは論理的に当然あり得るはずですし、先ほどの対米請求権の問題も、個々の人たちが対米請求する権限があるなしという問題と、それを放棄したという積極的な行為があった場合にかわって国が補償する責任を負うという問題とは必ずしも同じ問題じゃないわけですから、そういった論理立ては、いろいろの論理立てがあると思いますけれども、国家補償というのはどうしてもできないというふうにこの何十年間頑張られるというのはいま一つわからない。 つまり、バランスの問題とかなんとかという問題は、これはこれとして判断をしなければいけないと思うのです。それはいろいろな形で被害を受けた人が確かにあるわけですから。しかし、国家補償ができないという考え方に立つというのはどうしても論理的に理解できないというか、どういう論理なのか、もう一度国家賠償がなぜできないのか、ごくわかりやすく説明してもらえますか。
○大池政府委員 一つの、形を変えて申し上げれば、国に原爆投下の結果生じた損害に対しての不法行為責任はない、こういう考え方がこの根底にあるわけでございます。
○菅委員 これは法律論を余りやっても、またこういう分野の法律というのは確定的ではないのでしょうが、話を戻しますけれども、我々が被爆四十年というときに当たって被爆者援護法を特に強く、ある意味ではラストチャンスとも考えて強く制定を求めている理由は幾つかあるわけですけれども、その一つは、まさに原爆の投下という行為が極めて非人道的であって、国際法上からしても当然に違反をしているし、その行為がどういう立場に立っても容認できるものではないということを一つの宣言という意味を含めてこの被爆者援護法に込めてつくっていこうじゃないか、こういうことが一つの大きな理由なわけですね。 ですから、この行為が日本国政府の不法行為に当たるか当たらないかという法律理論になれば、それはいろいろな言いわけができるかもしれない。あるいは先ほどの請求権放棄というものが、それにかわって賠償責任はあると私は思いますけれども、そういう意味で話を戻しますと、そういう考え方の象徴的な一つの分かれ目として、この国家賠償、国家補償というものを認めるかどうかということが一つの物事の考え方の筋道として大変重要なポイントになっているわけですね。ですから、そうも考えられる、ああも考えられると言われますが、では百歩譲って、国家賠償に当たるか当たらないかといういろいろな微妙な判断はあるでしょうけれども、やればできないわけではないのですね。いかがですか。
○増岡国務大臣 やればできないことはないと、論理的にはそういうことが言えると思いますけれども、そういうことをやることは現在の日本の法体系の崩壊をもたらすという、大げさに言いますとそのようなことではないかと思います。
○菅委員 私は、今大臣が言われたことは逆の意味で大変重大だという感じがしますね。つまり、そうじゃないんじゃないか。また逆に言えば、大臣が言われたようなことをもし言われるのなら、だからこそこの被爆者援護法をつくらなければいけない、つまりどういうことかというと——では認められるわけですか、原爆というものが投下されたことが国際法上にも必ずしも違反しているとは言えないという形を認めるわけですか。 あるいは先ほど局長も言われましたけれども、人道主義という立場に立てば、あるいは具体例が挙げてないまでも、当然のこととして原爆投下というものは国際法上に違反をするというのが、これはごく自然な見方であって、そう考えれば国家補償というものにつながっていくと思うわけですが、逆にそれを認めると何か法体系が崩れるとまで大臣が言われると、それじゃ、それをさかのぼって言えば、国際法上に違反をしないのだ、違反をしてないものまで認めるということにつながりかねないと思うのですけれども、もう一回大臣にお聞きしますけれども、大臣としては、国際法の専門家であるとかないとかは抜きにして、こういう問題が、他の国の上で原爆を投下することが国際法上あるいは国際法上の考え方に違反をしていると考えられているのか、してないと考えられているのか、どちらですか。
○増岡国務大臣 私が先ほど申し上げましたのは、国と雇用関係あるいは指揮命令をしておった、その行動の最中に起きた問題について救済をするというのが援護法でございますから、そういう関係にない人を援護法に入れるということが法体系の上でいかがなものかということを申し上げたわけでありまして、今の国際法の関係につきましては、これまで国際法の中に原爆の使用を禁止するという明文がないということで通してきておるわけでございます。しかし、そうは言いましても、法文上ないということと人道主義の精神に反するかどうかということは別問題でございますから、そういう意味では人道主義の精神に反しておるということは言えるのではないかと思います。
○菅委員 今、大臣が言われたことと先ほどからの局長の話とは少し論理が別の論理になっているのですけれども、つまり権力関係というか、身分関係の問題として、大臣は、いわゆる国との雇用関係がない人に対しての国家補償というのは認められないという立場を述べられている、局長はその問題ではないところで言われたので、少し論理がちぐはぐになっていますが、私の持ち時間がほぼなくなりましたので、こういった個々のことについては何回、何十回あるいは何百回となくこの社会労働委員会でも議論がされてきたわけですし、私の理解では、国家補償というものを認めたからといって決してすべての法体系が崩れるなんということはないし、逆にそういうものを認めることによって、先ほど申し上げたように、より強くこのいわゆる核兵器投下という問題の不法性、不当性というものを世界に対して印象づける、あるいはそういうふうな認識を日本国民が持っているんだということの一つのあかしとなり得るのではないか、こういうふうに思うわけです。 そういった意味で、大臣にも、あるいは厚生省全体の一つの考え方の中にも、それは別の話なんだというような感じでどうも受け取られるような、厚生行政の中になじまない話だという形で受け取られるような空気もありがちですけれども、そうではなくて、一つの、被爆国である日本としての責任という意味でもこれはぜひやっていただきたいし、それは広島出身の大臣にとっての大変大きな仕事ではないか、そのことを重ねて申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。
○戸井田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十九分散会