社会労働委員会 第19号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/04/25
会議録
○戸井田委員長 これより会議を開きます。 沼川洋一君外四名提出、地域福祉保健活動の推進に関する法律案を議題とし、趣旨の説明を求めます。沼川洋一君。 ————————————— 地域福祉保健活動の推進に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○沼川議員 ただいま議題となりました地域福祉保健活動の推進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今日、我が国人口の高齢化により六十五歳以上の高齢者は千百九十五万六千人で総人口の九・九%を占め、このうち独居老人は百十四万七千人となっております。また、寝たきり老人は、約四十八万人で、うち約十一万人が特別養護老人ホーム、約十万人が病院、約二十七万人が家庭におり、七十五歳以上のいわゆる後期老齢者は、昭和百五年には人口の一〇・九%に達すると予測されることからいって、今後、これら寝たきり老人や痴呆性老人の大幅増が見込まれる状況にあります。 社会経済情勢の変動に伴う核家族化の進行や勤労婦人の増加等によって、家庭の介護機能が低下し続ける中にあって、介護施設の整備や在宅サービスに関する公的施策は、社会保障制度審議会の勧告が「著しく立ち遅れ、家庭崩壊や多くの悲劇を生んでいる」と指摘しているとおりであります。また、全国に四百万人いると推定される障害者が完全参加と平等の社会生活を送れるようにするためには、地域の連帯に基づく援助、地域社会の整備等を育成・推進しなければなりません。 特に、近年、厳しい財政事情を背景に社会福祉は大きな転換期を迎えており、政府は施設中心から在宅中心への政策の重点移行を強調するようになってまいりましたが、現実には保健・医療・福祉の在宅施策の連携は進まず、また、民間と行政との連携も思うように進展していないのが実情であります。 今後、福祉を取り巻く厳しい財政情勢のもとにあって、高齢社会に突入しつつある我が国が内外の社会経済変動に対応し活力ある福祉社会を志向し続けるためには、地域において、保健・医療・福祉の公私の在宅施策を効率よく組み込んだサービス提供体系を確立するとともに、学校教育や社会教育を通じ、地域住民全体の福祉及び保健意識を啓発し向上させる施策を強力に推進する必要があります。 これが、ここに、地域福祉保健活動の推進に関する法律案を提出する理由であります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に、地域における公的機関及び民間の福祉や保健に関する活動、つまり、地域福祉保健活動は、地域住民が身近なところで必要なサービスを受けられることを基本として、その多様なニーズに総合的にこたえるべく、個人の人格の尊重に配慮しながら、公的機関と民間団体等との有機的連携のもとに、有償サービスの導入も考慮しつつ、相談・訪問サービス・適所サービス・施設介護等の各般の活動に及ぶものとし、この場合、公的機関が自己の責任領域について不当に民間団体に活動をゆだねることがあってはならないようにしております。 第二に、地域福祉保健活動についての国等の役割として、国は所得保障、生活環境の整備等各般の施策を充実することにより、地域における福祉及び保健の基盤を整備するとともに地域における福祉及び保健の向上に関する指針を示し、地方公共団体等に必要な助言及び援助に努めるものとし、地方公共団体は関係行政組織の整備・体系的な供給体制の確立等全般にわたって積極的に活動する義務を有し、民間団体等は、国及び地方公共団体の施策に協力するものといたしました。 第三に、福祉及び保健に関する総合的な施策の確立及び民間活動の推進について、公的機関及び民間が共同して調査審議及び連絡調整等を行うため、市(区)町村に、市町村福祉保健活動推進協議会を設置することとし、当該協議会の活動をさらに総合的かつ包括的に行うものとして、都道府県に、都道府県福祉保健活動推進協議会を設置することとしております。 第四に、国及び地方公共団体・民間団体の行う各種の在宅福祉保健サービスは、都道府県及び市(区)町村の福祉保健活動推進協議会の協議に基づき、その分担を明らかにし、かつ相互の連携を図りつつ実施されなければならないこととしております。 第五に、社会福祉協議会は、都道府県及び市(区)町村の福祉保健活動推進協議会の協議に基づき、地域住民の組織的なボランティア活動を育成する事業及び児童生徒に対するボランティア活動普及事業を、なお一層、推進することといたしております。 第六に、社会福祉協議会は、ボランティア活動に伴い生ずる損害のてん補を内容とする保険の保険料負担や活動に参加する者に対する実費弁償等を目的とする地域福祉保健活動振興基金事業を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○戸井田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○戸井田委員長 内閣提出に係る国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
○大原委員 最初に質問をいたしますことは、援護法と深い関係のある軍人恩給その他恩給法、恩給と密接な関係があります共済年金、そういう関係の調整をこれからどうするかという問題につきまして第一点は質問をいたしたいと思います。 本年度の予算につきましては、その予算に関係する予算案と法律案はここで提案をされておるとおりであります。しかし、これから、昨日衆議院で最終的に成立いたしました新しい年金と共済年金との関係を考えながら、申し上げましたそれらの法律案のことを考えてみますと、かなり問題があるように思われます。 そこで、第一番目に質問をいたしたいのは、臨時行政調査会の答申と、それから社会保障制度審議会の答申で述べておりますが、年金改革に関係をいたしまして、恩給制度についてもやはり見直しとか抑制の措置をとるべきであるという意味のかなり厳しい内容の答申あるいは意見書が出ておるように承知をいたしております。臨調や制度審議会が答申をいたしましたそういう内容は一体何を指摘をいたしておるかということであります。これはだれに答弁していただくのがいいかというふうに思いますと、大臣は別にいたしまして、年金担当大臣でございますが、内閣審議室の年金担当大臣の事務局をやっている人というよりも、恩給局からまず答弁をして、それから進めるのがいいのじゃないかと思うのですが、しかし、我と思わん者があれば挙手をして答弁を求めでもよろしい。だれが答弁しますか。
○鳥山説明員 先生御指摘のとおり、臨調の答申におきましても、恩給につきましては年金制度改正とのバランスを考慮し必要な検討を行うようにという御指摘がございましたし、また、今月十日に社会保障制度審議会からも、「恩給制度についても、今回の改正との均衡を考慮し、スライドの在り方その他を含め速やかに不公平を是正する等の措置が望まれる。」このような御意見があることは私どもも十分承知いたしております。 確かに、このたび公的年金の一元化を目途といたします年金改革が着実に進められておるわけでございますが、恩給制度におきましては、その歴史的沿革あるいは基本的性格が異なっておりますために、この公的年金改革の対象とはされていないわけでございますが、しかしながら、これらの御指摘もございますので、バランスをとるために必要な見直し、検討ということにつきましては今後とも鋭意進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○大原委員 今度は一斉に政府は共済四法案を提案しておるわけですが、その審議のときには直ちに問題となってくるわけですね。ですから、私が質問をいたしておりますのは、何を政府としては検討をいたしておるのか、何を指摘をされたのか、何を検討するのか、そういうことは直ちに問題になることですから、内容的な問題について答弁をいただきたい。
○鳥山説明員 これらの御意見が具体的に何を指しておられるのか、それは私どもの立場で明確にお答えするわけにまいりませんが、具体的に書いてございますのは、「スライドの在り方」ということが書いてございます。これは確かに恩給制度におきましては、相当以前から元公務員に対する年金制度であるという趣旨で公務員給与の改善というものを指標として改定を行ってまいりました。いわばこれが定着いたしておるわけでございますが、このたび、すべての公的年金制度におきまして物価スライド方式をおとりになった場合に、恩給制度だけがひとり従来どおり給与スライドをとり続けることができるかどうか、これは私ども重大な検討課題である、このように認識し、検討を進めておるところでございます。
○大原委員 これはだれが答弁してもいいのですが、恩給と戦傷病者戦没者遺族等援護法、それから旧法の共済年金法、その年金法で賃金スライド、給与スライドを今までとってきた経過についてあらましの答弁をいただきたい。
○坂本説明員 順序不同でございますが、旧法の関係についてまず御説明申し上げます。 御案内のように、共済年金につきましては、現行共済年金は公務員のベアをにらみ、恩給の改善内容に準じて毎年のように政策改定を行ってきているところでございます。この新共済年金、現行共済年金と同様に、御指摘の旧法共済あるいは旧令共済についても同様の政策改定を賃金スライドによって行ってきているところでございます。 しかしながら、私どもは新しい現在の共済制度につきましては、政府の公的年金一元化の趣旨に沿いまして、先ほど御説明がございましたが、消費者物価による自動スライド制を採用したいというふうに考えております。ただ、御指摘の旧法共済年金につきましては、現行の共済年金とかかわりなく、新法ができる前に既に退職された方でございますので、今後恩給の改正内容を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○大原委員 非常に重要な問題なんです。つまり国家公務員でありますと昭和三十四年から、公共企業体は三十一年から、地方公務員は昭和三十七年から、これは新法に移ってきたわけですね。新法については国民年金、厚生年金法とぴったり同じように物価スライドの自動スライドを本法で決めた、それ以前の問題については、これはこの援護法にも関係するわけでありますけれども、恩給絡みである、こういうことであります。 そうすると、共済年金の政府が出しました既裁定年金については厚生年金方式、通年方式と一般方式、共済方式の二つがあるわけですが、共済方式は通年方式に切りかえて、そして水準を下げていくわけです。金額は変えないけれども、物価スライドをストップすればそれは下がるのですから、切り下げと同じことです。そうすると、旧法に基づく共済関係と恩給や現行援護法とのスライドの関係をどういうふうに処理するかということについて政府が態度を決めない限りは、私は共済年金の審議というものは重要なところで問題が行き詰まると思うのです。 つまり、きょうは援護法と恩給法との関係を中心に議論をし、年金との関係を議論いたしますが、これは審議に協力するわけでもなんでもないわけだけれども、こちらから見ても重要な問題であるから、その内容をどういうふうに受けとめて旧法や恩給においてあるいは現行援護法においてスライドの問題を処理するのかということについて、政府はやはり見解を明らかにすべきである、来年度の予算の編成と直ちに関係あることですから明らかにしなければならぬ。こう思います。
○坂本説明員 ただいま御指摘の共済年金でございますが、新法共済年金は、御指摘のように国家公務員の場合、昭和三十四年から実施してございまして、これは完全なる社会保険方式で実施しているところでございます。したがいまして、その内容は現在いわゆる一般方式といわゆる通年方式、いずれか有利な方が選択できるという形になってございます。しかしながら、旧法共済年金、いわゆる昭和三十四年以前に、旧法の時代におやめになった方、あるいは旧令共済年金、これらの方々については後継ぎがいないと申しますか、社会保険方式をとっていないということでございまして、しかも、そういった方々の年金水準というのは非常に低いということも事実上ございます。と申しますのは、現業公務員等が旧法共済年金でございました。それから、今新共済年金に保障されている通年方式という方式は旧法共済にはございません。したがって、内容、形ともに恩給に準じた内容になっているわけでございますので、今後の恩給の改正をにらんで対応したい。 ただ、旧法、旧令について一言だけ申し上げますと、非常に年金額の低い方々が実態から見て圧倒的であるということは言えようかと思います。 以上でございます。
○大原委員 年金額については、例えば恩給で、大将、中将、少将というのは別にいたしまして、一般的に低いわけです。援護法も低いわけです。しかし、問題は制度をどうするかという問題。そうすると、旧法とか恩給時代、それと新法、国家公務員でしたら昭和三十四年、それ以降はつながって経過をしておる過去の経歴者があるわけですから、恩給や旧法のスライドをどう処理するのかという態度を決めないと、これから直ちに共済四法の審議に入る窓口のところで問題になってくるわけです。 ですから、恩給やその他旧法のスライドをどうするのか。スライドだけじゃありませんけれども、スライドをどうするのかという問題については建議や意見書がいろいろ出ておりますけれども、恩給局や政府はどういうふうに考えておるのかということであります。これは年金担当大臣や年金担当審議官の問題でもあります。
○鳥山説明員 御指摘の問題が大変重要な問題であるということは私ども十分認識いたしておるところでございます。ただ、私ども、厚生年金とかあるいは共済の通算年金方式というものとは違いまして、例えば俸給の多寡というものがストレートに年金額に反映されるというような計算の仕組みをとっておるわけでございまして、このような年金制度におきまして物価スライドというような上下一律の率を掛けていくということが果たして本当にいいのだろうかどうだろうか、上下格差がどんどん開いていくじゃないかというような問題点等もございますので、今検討を続けているわけでございますが、まことに申しわけない次第でございますが、まだ結論を申し上げる段階に至っていないというのが実情でございます。
○大原委員 今ことしのものの予算を審議しているのだけれども、来年度はどうするのかということについて非常に大きな問題があるわけです。しかも年金については出ているのです。この間、恩給法を通すときに内閣委員会で同僚委員から質問があったはずなんですが、私も話をしておきましたが、非常に不徹底な答弁であったように理解をしているわけです。 しかし、そういう重要なことについて早く決めないと、例えば旧法と新法にまたがっている人がたくさんおるのです。昭和三十四年に新法に移ったわけです。それから二十数年余りですから、三十年、四十年勤めていて退職する人は皆関係あるわけです。片一方は国家補償の精神によってやっているんだから社会保険ではないんだ、掛金とは関係ないんだ、これは税金でやるんだ、保険制度とは関係ないというふうに言っても、受け取る国民から見るとやはり問題があるのではないかということを臨調や制度審議会は意見書を出しているわけです。 私どもはまだ意見を言っていません。言っておりませんけれども、出しておるわけですね。そのことをきちっと決めなければ前へ進まないじゃないですか。こういう精神でこうやるのだということを言うならいいですよ。それをもとにしてこの議論をいたしますから。いつ決めるのですか。
○鳥山説明員 他の各公的年金が物価スライドをおとりになるというような現状を踏まえますと、恩給制度のみが従来どおり給与スライドをとり続けることは非常に難しいのじゃなかろうかという基本認識は私どもも持っておりますけれども、先ほど申し上げたようないろいろな問題点がございますので、今、局内においていろいろ検討をしておるというのが実情でございまして、早急に今後の方針は固めたい、このように思っております。
○大原委員 そんなことをしていたら共済年金法の審議はストップするよ。私が最初に出て質問するかもしらぬよ。大蔵委員会でストップするよ。そんないいかげんなことでここを逃れようとするのだったら、審議できないじゃないか。建前を分けるならきちっと分けたらいい。いつはっきりするのですか。
○坂本説明員 ただいま旧法と新法という御指摘がございましたので、その関係についてのみ御説明申し上げます。 新共済年金、現行の共済年金は、御指摘のように旧法時代あるいは恩給時代の期間を持っている方々もございます。しかし、それを含めて現行共済年金制度として完全に取り込んでいる。その結果、例えば通年方式というような方式も保障されているわけでございます。しかしながら。旧法、旧令年金と申しますのは、恩給と同様の一般方式しか保障されていない。しかも、当時の実態から見て年金額も非常に低いという実態でございます。したがいまして、旧法、旧令共済は恩給と全く同じ形式をとっておりますので、こういった実態も踏まえながら、あるいは恩給の改正方向も踏まえて対応していきたい。新法は完全に社会保険方式として公的年金一元化の線に沿って対応していきたいと考えております。
○大原委員 私の質問に答えていないんだ。僕が言っているのは、恩給や現行援護法について来年以降の方針を決めないと、またがっておる人の措置をどうするかということを含めて公平な措置ができないのじゃないか。だから、恩給や現行援護法のスライドに対する考え方についてどういう方針をとろうとしているのかをまず明確にして、恩給、旧法と新法とのつながりをどうするかということをきちっとしなければ公平な措置はできないですよ、経過をずっと考えてみたら。できないでしょう。だれが考えたってできない。 つまり、またがっている人は、昭和三十四年だから二十数年たっておるわけだから、それ以前からの三十年、四十年の人がいっぱいおるわけだから、そういう人は旧法の適用になるわけです、恩給法と同じですから。その人を通年方式ではさっと切って足踏みをさせるわけだ。新しい共済四法の提案はそういうふうになっているわけ。ですから、まず恩給をどうするのだ、恩給や援護法のスライドをこれからどうするのだということを理論的にも制度的にもぴしっと中身をはっきりしなければいけないではないかということを私は言っているのです。今はっきりしていないということを言ったのだから、いつはっきりしますか。
○鳥山説明員 このたびの共済年金改正法を拝見しましたところ、共済年金の物価スライド方式というものは、まず暦年六十年の物価を基準といたしまして、それ以後の例えば六十一年の物価が五%以上上昇したというときに、六十二年の四月から合わせていこう、こういうような案が盛り込まれているというふうに私ども理解いたしております。 そういたしますと、本格的な物価スライド方式というのがそういうことで始まるといたしますと、その時期までには私どもも対応を考えなければならないわけでございますが、当面は六十一年度のスライドをどうするかということが問題でございますので、これは先ほど来申し上げたようないろいろな問題点はございますけれども、六十一年の概算要求までには何とか目安をつけたい、このように考えて今努力をいたしておるところでございます。
○大原委員 今の答弁は、八月末に概算要求を出すときまでにその方針を決める、こういうのだな。そういう意味だね。
○鳥山説明員 六十一年度の恩給の改定をどうするかということにつきましては、やはり概算要求と密接な関係がございますので、それまでには鋭意検討を進めて結論を得たいというふうに考えておりますが、まことに申しわけございませんが、まだその結論を得るに至っていない段階でございますので、ひとつ御了承いただきたいと存じます。
○大原委員 つまり、恩給とか現行援護法とか旧令共済とかというふうなものについてはどういう基本的な考え方で、国家補償なら国家補償でいいわけです。スライドについて、あるいは年金改定について、あるいは今までの積み上げについてはどういうふうに考えるかということについてはきちっとした考えがなければいかぬ。それならそれを出さなければいかぬのです。原則として新法は社会保険方式をとったのだから、それはそのとおりです。そのことがはっきりなぜ言えないのか。あなたができなかったら、今あなたの上はだれだ、あなたよりえらいのはだれかね。順番に一番上の方まで言ってみる。中曽根総理大臣は別だ、これは。それを答弁してごらん。あなたの上を答弁してごらん。
○鳥山説明員 恩給局の長は恩給局長でございます。(大原委員「それからその上は」と呼ぶ)総務庁長官でございます。
○大原委員 こんなことでもう三十分たったけれども、これはあと恩給局長のひとつ出席をこれが終わるまでに私は求める。後藤田長官というのじゃちょっと無理だろうし、呼んでもわからぬだろうから。 その次は、これは年金絡みですが、坂本課長、あなたのところです。防衛庁の共済組合は、これは将来どうするの。国家補償の精神でいくの。
○坂本説明員 ただいま御指摘の防衛庁の自衛官につきましては、問題が御指摘のようにございます。 と申しますのは、自衛官の定年制が一般公務員六十歳と異なりまして、階級によって違いますが、五十一歳とか五十二歳とかという定年制になってございます。したがって、そういった定年制の実態が違うということから支給開始年齢を六十歳に持っていくということにはまだ無理があるということで、五十五歳支給開始年齢を今回の改正案ではそのまま存置しているという形をとっております。しかしながら、その結果、御指摘のように支給開始年齢が早いということは、現役に対するOBの数が圧倒的に多いということでございますから、保険料負担が非常に膨大なものになるということは十分予想されるところでございます。 したがいまして、この問題はもし仮に支給開始年齢が定年制等の関係で五十五歳ということにするならば、当然保険料負担からいって限界がある。つまり社会保険の範疇で解決することは難しいということでございまして、現行の共済年金は社会保険方式をとっておりますので、この社会保険方式をとっている共済の範疇の中では解決が難しい。したがって、何か別途の方策を講ずべきであるというのが、私どもの、国共審の御意見でございます。 こういった点を踏まえまして防衛庁あるいは私ども政府部内において、今後、この支給開始年齢との関係で防衛庁の自衛官の共済年金あるいは他の施策について早急に検討を行いたいというふうに考えております。
○大原委員 だから、共済四法を出しておっても、その問題は解決していないのでしょう。この問題は解決しないままで出しておるのだろう。国家公務員共済組合法の適用を自衛官は受けている。しかしながら、下士官は定年が五十歳でしょう、五十二か、五十一か。五十一から年金をもらうと、これは幾ら何だって掛金を払う期間よりももらう期間の方が長いから、これはとてもじゃない、成立しない。しかしながら、兵隊とか下士官の場合は三年とか四年ぐらいでやめるでしょう。やめた場合には、他の厚生年金や共済年金へ行った場合には通算するのだろう。片っ方では恩給絡みで自衛官の年金を議論しながら、片っ方では社会保険との通算をやるというふうな、虫のよい、勝手な考え方で議論をしているように私には思われる。聞いていないけれども、大体そうだと思う。結論が出ないということは、そうでしょう。これは重要な問題について結論が出ていないじゃないですか、こういう問題について。この問題は議論しておると中心点がそれるから、ここまでにとどめておきます。 そこで問題は、賃上げスライドを援護法がずっととっていって、四月に賃上げスライドをやって、そして賃上げスライド以降に八月には現行援護法も増額の措置をとるということを今まで重ねてきたわけであります。これはどういう立法の趣旨ですか。
○入江政府委員 御承知のように、援護年金は、恩給法が戦傷病者あるいは戦没者の特別の事情に着目しまして改善をやってきておるのに準じまして、援護年金は要するに恩給におきます公務扶助料あるいは増加恩給に相当する給付でございますので、その恩給の改善方式に準じて今お話のあったような改善を従来から行ってきているということでございます。
○大原委員 増額措置というのは、八月に増額措置をとっていますね。恩給法もそうですし、現行援護法もそうですが、提案もそうですが、本年はそういうものをとっているわけです。その立法の趣旨というのは公務扶助料等の関係もあると思うのですね。もう一回、立法の趣旨はどういう趣旨なんですか。八月に二万五千円程度増額しますね。その趣旨はどういうことなんですか。
○入江政府委員 ただいま申し上げましたように、援護法は、対象者が恩給法の場合は主として軍人、私どもの方は軍属、準軍属ということでございますが、法律の考え方が国との特別の関係にある方に対する国家補償の精神に基づく援護ということになっておりますので、恩給法が先ほど申し上げましたように戦没者なりあるいは戦傷病者の置かれている特別の事情に基づきまして、二段階といいますか、八月からプラスアルファの改善をやっておるということにかんがみまして、それに準じた改正を行ってきているということでございます。
○大原委員 八月の増額措置を——年に二回、四月にやって八月にやっている、その実施している範囲はどの範囲ですか。
○入江政府委員 援護年金につきましては、遺族年金、遺族給与金、障害年金、すべてについてやっております。
○大原委員 恩給はどうですか。
○鳥山説明員 公務員給与の改善に伴います基本的改善は四月から行っておりますけれども、それ以外の特別な改善は八月というふうに整理いたしております。
○大原委員 その範囲は、全部。
○鳥山説明員 今回八月実施にいたしましたのは、御指摘の公務関係扶助料の特別改善、それから傷病恩給の特別改善、さらに普通扶助料の特別改善、それから傷病者遺族特別年金の特別改善、これらでございます。
○大原委員 スライドの関係についてはそういう点が援護法では問題となるでしょうが、これは厚生年金には加給年金があるし、そういうこと等も考えて、非常に金額が少ないところは増額していった、底上げをした、こういうことだと思うのです。これは一つの理由です。これは将来も続けていくわけですか。この現行援護法出ておりますが、このことは来年も続けていきますか、どうするのですか。
○入江政府委員 援護法といたしましては、六十一年度以降も恩給法の改善の動向を見ながらそれに準じた改善をやってまいりたいと考えております。
○大原委員 飛び飛びになってなんですけれども、今度はここで今議題になっております国民年金法のスライドの問題です。ここに移ってまいりますが、国民年金のスライドですが、今度は、きのう最終決定しました法律では、国民年金、厚生年金は自動スライドで本法で五%と決めたわけですね。五%と決めた場合に、これは今までは五%以上というふうに決めたわけですけれども、積み残しは次の年度に行くわけですが、どれだけの積み残しが、今何%の積み残しがあるのか。これはもう一回ここで議論になったと思いますが、答弁してください。
○吉原政府委員 五十七年度までは、前年の消費者物価の上昇率に応じて年金額の改定をやってまいりましたので、その間の乖離といいますか積み残し分というのはなかったわけでございます。 五十八年度は、五十七年の消費者物価上昇率が二・四%でございましたけれども、年金額の改定はいわば行われなかった、つまり凍結をされたわけでございまして、その分が残された、消費者物価分の積み残しが二・四%あったわけでございます。五十九年度は、五十七年と五十八年の物価上昇率合わせまして四・四%あったわけでございますけれども、公務員給与等の改定に合わせまして二%の特例的なスライドが行われたわけでございます。そういったことで、積み残し分が四・四%と二%の差額、厳密に言いますと五十九年度は二・三%積み残しがあったわけでございます。 本年度、六十年度でございますが、五十九年度の消費者物価上昇率、それまでの積み残し分二・三%と五十九年度単年度の消費者物価上昇率二・四%という見込みでございますが、合わせまして四・八%物価の上昇が五十九年度までにあったわけでございますけれども、六十年度において三・四%の改定をすることにしておりますので、本年度における積み残し分は一・三%ということになるわけでございます。
○大原委員 つまり五%以上にしておくけれども、法律をつくって特例の措置をするあるいはストップをするということを今のお答えのとおり最近は重ねてきたわけですね。臨調絡みで、あるいは人事院勧告絡みで重ねてきたわけですね。五%以上というのは、五%以上のときに具体的にスライドするけれども、それ以下であっても年金の実質価値を維持するためには物価スライドというものは当然なすべきであるというのがスライドの原則であると思うが、いかがですか。
○吉原政府委員 年金額というものが実質的な生活保障として機能していくためには、消費者物価が上昇した場合にはおおむねそれに見合って年金額も改定をしていく必要があるというのが、御指摘のとおり基本的な考え方であることは間違いがないと思っております。ただ、実際に物価の上昇率がどんなに低くてもその額でもって年金額をそれに全く合わせた形で改定をしていかなければならないかといいますと、現在のまず五%という考え方でございますけれども、この制度は御承知のように昭和四十八年に物価スライドの制度というものが導入をされたわけでございます。 そのときの考え方を申し上げますと、もう御案内のとおりだと思いますけれども、人事院勧告が大体毎年五%以上賃金に官民較差が生じた場合に勧告をすることになっているということ、それから当時の消費者物価上昇率が大体五%程度であったということ、それからその当時の政府の経済計画におきましても大体毎年五%くらいの物価上昇を見込んでいたということ、それから社会保障制度審議会なり社会保険審議会も大体五%くらいを年金額の物価改定の目安にすべきであるという意見をもって出されていたということ、そういったようなことから法律上のスライドとしては五%ということになっているわけでございます。 私どもも、過去においてもそうでございましたけれども、法律上の義務といいますか責務としては五%以上上がったときに必ずその率に応じてスライドということでございますけれども、単年度の物価上昇率が五%に満たない場合におきましても先ほど申し上げましたようにその率で特例的にやってきたこともありますし、あるいはいろいろなその他の恩給なり共済の改定がどうなるか、それとの関連も見ながら年金額の改定をやってきた、あるいは場合によっては全くやらなかったこともあるわけでございますけれども、私は必ずしも、物価がどんなに小さくても上がれば必ずその率で年金額を何が何でも改定しなければならないと、そこまで厳密に考えなければならないというふうには考えていないわけでございます。
○大原委員 ただ、それは基本的な議論になるが、年金は実質的な価値を維持することは絶対大切なんです、年金制度としては。だから本則に入れたんです。自動スライドで本則に入れて勝手にできないようにする。そういう意味は、五%以下であってもやるべきだという原則がなければこれは五%という意味がないではないか、こういう議論をしたわけです。あなたはやってもやらぬでもいいようなことを言ったけれども、それはちょっとおかしいのじゃないか、その答弁は。あなたのその答弁、私は不満足だけれども、それは大臣に答弁してもらうか、それとも山口課長に答弁させようか、下の方へ行くかな、それとも上へ行くかな。
○吉原政府委員 基本的な考え方は、おっしゃるように五%以上の場合は当然のこととし、五%以下の場合においても可能な限りその率に見合った上昇なり改定をしていかなければならないというのは、もう基本的には私どももそう考えているわけでございますが、法律上の義務として毎年この国民年金、厚生年金だけやらなければならないか、あるいはそのときどきの国の財政の事情もございますし、恩給なり共済の扱いといったものも見ながらそれとバランスのとれた形でやっていくというのも年金額の改定に当たって十分考えなければならないことだと思っておるわけでございます。
○大原委員 趣旨については、私の質問したとおりだというふうに受け取っておきます。 それで恩給局——人事院勧告、給与ベースでやってきて、今度はストップをしたり、人事院勧告に従って二%か幾らかやったりしてきたが、賃金ベース、給与ベースでスライドをするとすると最近の五十七年以降の状況の中でどれだけの積み残しがあるのですか。
○鳥山説明員 正確にお答えする資料を持っておりませんが、昨年の人事院勧告が六・四四だったと思います。それで本年度が三・四でございますので、ごく大ざっぱに申し上げてその差ということになろうかと思います。(大原委員「幾ら」と呼ぶ)約三%程度かと思います。
○大原委員 その三%の積み残しは後で取り返すという考えですか。
○鳥山説明員 公務員給与の改定において昨年、今後も本年程度の積み上げをやっていきたいというような御趣旨の官房長官談話等がございましたので、もし今後ともそのような方向で進められるとしますと、私どもも公務員給与をそのまま反映してその積み残し分を解消していくという方向でやってまいりたいと思っております。
○大原委員 年金については、物価スライドという観点からいうと厚生年金、国民年金一・三%の積み残し、給与改定のベース、恩給ベースからいうと三%以上の積み残し、こういうふうに答弁があったわけですね。 最初の議論に戻るわけですが、将来どういうふうにやるかということによってまたこの問題については大きな問題が出てくるということになります。ただし、今までの恩給とか、そういう人事院勧告並みのベース改定は別に法律があるわけではないわけでしょう。実際上の措置で賃金にスライドをして価値を維持した、そういうことですね。ですから、法律はなかったのですが、今度は共済組合も法律ができるわけですから、恩給法は共済組合法、厚生年金をにらんでやるのか、それとも給与、人事院勧告等をにらんでやるのかということになるし、それと一緒に、参議院の段階で我が党からも強く議論があった年金の賃金スライドの問題があります。 これは五年ごとの再計算があります。五年ごとの再計算で賃金のおくれをカバーしていくという考え方で物価の自動スライドと一緒に組ましてやるのか、こういう政策の選択があるわけです。その問題については恩給局は検討しておりますか。
○鳥山説明員 恩給につきましても、もし今後物価スライドということに切りかえていくようなことになるといたしますれば、ただいま先生御指摘のように、もしほかの制度におきまして何年か、まあ五年置きくらいに給与スライド的な要素をお取り入れになるという段階には、私どもも同じような措置をとるということも有力な一つの方法ではなかろうかと考えてはおります。
○大原委員 それから年金局、今物価スライドの問題をやっているんですが、私は外国には五%の線引きをしたスライドの制度はないと思うのだがね。外国の立法例について、大体外国ではどういうふうになっていますか。
○山口説明員 諸外国のスライドの例でございますが、物価スライドをしております。例えばアメリカにおきましては三%以上ということになっておりますし、スウェーデンにおきましては物価の上昇率で改定をするという規定になっております。またイギリスも大体そういうことでございます。西ドイツは御案内のとおり賃金上昇率でスライドをするということになっております。ただし、これらいずれも制度的にはこういうことになっておりますけれども、各国とも近年財政事情等も大変厳しいということもございまして、実際は物価スライドの時期をずらす、制度的に特別な措置を講じてずらすというようなことをかなり政策的にやっておりまして、必ずしもこの規定どおりにスムーズに物価スライドが行われておるという状況にはないというふうに承知しております。
○大原委員 外国の方ではどんな制限しておるの。物価スライドをやらないとか、どんな制限しておるの。それは立法の例としては非常に参考になる意見ですからね。物価スライドもやらない、賃金スライドもやらないというふうな年金があるの。
○山口説明員 例えば西ドイツにおきましては賃金スライドをとっておるわけでございますけれども、一九七七年の例で申し上げますと、通常の賃金スライドの時期を半年おくらせるというようなことをいたしております。それから一九七八年につきましては、そのスライドの率につきまして実際の賃金上昇率とは別に何年度は何%しかしないという特別の率を決めまして改定をしているというようなことがございます。手元に資料がございませんが、物価スライドの国につきましても、主としてその実施時期をおくらせるというようなことで、財政事情等考慮した特別なスライド措置がとられておるというのが近年の状況であろうかと思います。
○大原委員 物価スライドでも西ドイツのような賃金スライドでも、特に賃金の場合には実施の時期についていろいろなことを配慮するという場合がある。しかし、日本の場合は、四月からやるといいましても一年間おくれているんです。賃金スライドで言えば春闘のやつが次の年から行くんですから、一年おくれなんです。ですから、皆タイムラグが若干あるんです。しかし、これはできるだけ縮める。特に物価スライドにおいては原則としてタイムラグがあってはならぬということが年金制度の基本である。安定、安定ということが基本であると思う。それを保障しなかったら年金制度にならぬ。 そこで、今までのことをスライドの問題だけに締めくくって質問をいたしますと、本則でスライドを決めたということと、国民年金、厚生年金、今度は引き続いて共済年金も五年ごとの再評価のときに賃金水準を考えて是正するという考え方に統一をしたわけです。しかしながら、そういうふうに二段階でやる、今までの厚生年金のような方式を是認するにしましても、五%という線引きをしておいて、そして賃金との関係、人事院勧告との関係でほっとくわけにいかないから物価スライドは二%でも特例措置でやるというふうな法律をつくる。外国のように、物価スライドについては一年おくれになるけれども五%というふうな制限をつけないでおいて、原則としてそのままやることにしておけばこういう法律を出す必要はない。毎年毎年特例措置をやる必要はない。それだけあなたの方の手も省けるし、国会の手も省けるわけで、それが行政改革だろう。物価スライドはするという原則を決めておっていい。日本みたいに五%ということになれば、五%に達するまではこれは先送りになるのだから。年金受給者にとってみると実施の時期をずっと延ばすことになるのですから、それで五%という水準が適当であるかどうかという議論が出てくるわけです。 国際的な立法例を見てみましても、今の答弁でもわかるように物価スライドについてはそんな五%で線引きをしているところはないわけです。賃金スライドのやり方は、毎年やる方式もあるし、あるいは五年ごとに生活水準、賃金水準に見合って見直すという方式もあるでしょう。ですから、そういうことについて法律の五%という制限をなくすることを将来は考えるべきである。それは不可能なことではないわけです。一月から十二月までの物価の上昇率を平均して、それで四月からやるというふうな方式にしておけばいいわけです。予算編成との関係を考えても不可能ではないのですし、そういうふうにしておきますと、二%やら、三・何%やらというふうな特例措置で法律を変えることも必要ないのではないか、その方が合理的ではないか。 賃金スライドということを私どもは言うのですけれども、賃金スライドのやり方についてはいろいろ問題があるだろう。しかし、物価スライドについてはそういう五%というふうな決め方は根本的に間違いではないか、物価スライドだけは絶対にやらなければ、どういう中身をつくるにいたしましても年金制度の安定にはならないと私は思うわけです。 以上、質問いたしましたが、総理大臣じゃなしに増岡厚生大臣、将来総理大臣だけれども、増岡厚生大臣の見解を聞きまして、もう時間は随分過ぎたけれども、次に進みます。
○増岡国務大臣 この五%条項はいわば人事院勧告の制度との均衡というような理屈もございますけれども、事実上は過去におきましてもできるだけ物価に合わせてやってきておるわけでございまして、御趣旨ごもっともな点もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
○大原委員 早く総理大臣になってくださいよ。 今度は、第三の問題は、戦傷病者戦没者遺族等援護法のプロパーの問題です。 そこで問題は、準軍属の問題であります。準軍属の中で一号は被徴用者であります。第二号は戦闘参加者であります。戦闘参加者の概念、それから対象人員、それを答弁してください。
○入江政府委員 戦闘参加者と申しますのは、軍の要請に基づいて戦闘に参加した者ということになっております。 それで、現在障害年金を受けております者が七百三十七件、遺族給与金が八千九百九件、弔慰金が六万四千四件ということになっております。
○大原委員 戦闘参加者というのはいつからいつまでの戦闘参加者で、そして遺族給与金は、今、話がありましたように八千九百九件ですね。これはその中身はどうなんですか、対象は。
○入江政府委員 これの大部分は、沖縄におきまして、あそこは御存じのように本島の島全体が戦場になったわけでございますが、あそこで軍の要請に基づいて戦闘に参加した者が大部分であります。
○大原委員 それ以外にありますか。それだけでしょう。沖縄だけでしょう。
○入江政府委員 数はちょっと把握しておりませんけれども、戦場になりました南方で戦闘に参加した方などが若干含まれております。
○大原委員 それはサイパン島とか硫黄島とか、そういうところですか。そういうところで非戦闘員で参加した人が入っていますね。中身はわかりますか。
○入江政府委員 中身はわかりません。
○大原委員 あなたはわからぬでも下はわかる。課長でも何でもいいよ。
○入江政府委員 例えばサイパンが何名というような地域別の統計はとっておりませんので。
○大原委員 それで、沖縄の場合は何年何月の空襲以降ですか。
○入江政府委員 昭和十九年十月十日以降の戦闘参加者を対象にしております。
○大原委員 それ以降空襲等で死んだ方の遺族に対して遺族給与金を出しているのですか。
○入江政府委員 その十月十日以降に戦闘参加という実態が認められた方が亡くなった場合には遺族給与金……。
○大原委員 沖縄の敵前上陸はいつですか。
○入江政府委員 二十年四月一日でございます。
○大原委員 十九年の十月から四月一日の間、その中で空襲で完全に制空権をとられた中で爆撃を受けた、いつ空挺隊がおりるかもわからないし、敵前上陸があるかもわからぬ。こういう沖縄本島の戦闘状況として判断した場合に、戦闘員、非戦闘員を区別することなく、非戦闘員も戦闘参加者で援護の対象にしたわけですね。年齢についての制限はありますか。性別の制限はありますか。
○入江政府委員 性別の制限はございません。年齢につきましては一応六歳をめどにしておりますが、六歳未満でも実態が戦闘参加と認められた場合には、援護法の援護を行っております。
○大原委員 私は当然だと思うのですよ。つまり、そういう緊迫した状況で、いつ敵前上陸があるかもわからぬということで、そして戦闘状況にあったところで空襲でけがをしたり死んだ人は、年齢に制限なしにすべて戦闘参加者として準軍属の中に入れた、そういうふうに私が理解しているのはいいですか。
○入江政府委員 要するに、十月十日以降に軍の要請に基づいて、具体的に言いますと、例えば陣地構築でありますとか弾丸運びとか、そういう戦闘に参加した者は援護の対象にしております。
○大原委員 それは小学生、六歳でも五歳でも四歳でも、ただし、これは法律は何もないけれども軍の要請に基づいて協力した。それ以外の焼夷弾その他爆弾で亡くなった人はどうですか。
○入江政府委員 戦闘参加者はあくまでも軍の要請に基づいて戦闘に参加したということが要件でございますので、一般に軍の要請に基づかないで、例えば家の仕事をしておってそこに焼夷弾が落ちてけがをしたあるいは亡くなったという方々は援護の対象になっておりません。
○大原委員 それはだれが判断するのですか。
○入江政府委員 それは申請があった場合についております証言その他でこちらで認定権者が判断するということになります。
○大原委員 実際上は六歳以下でも——六歳以下はどのくらいあるかわかりますか。
○入江政府委員 六歳未満で大体千件くらい裁定しております。
○大原委員 この問題と、もう一つ時間の関係で進めてまいりますが、準軍属の中で第七号の防空従事者ですね、これの準軍属といたしまして認められた範囲、それから対象人員、それはどうですか。
○入江政府委員 防空従事者は大きく分けて二つになりまして、一つは防空監視隊員、もう一つは防空従事者ということになりまして、この防空従事者には医療従事者あるいは警防団員なんかが含まれますが、大きく分けまして監視隊員と従事者になりますが、どれぐらい対象かということでございますので、弔慰金について申し上げますと、防空監視隊員が五十件、防空従事者は二千六百五十四件ということになっております。
○大原委員 防空従事者の中で、これは地域的に例えば東京空襲とか広島の原爆とか、そういう地域について大体の対象人員はわかりますか。
○入江政府委員 防空従事者について概数で申し上げますと、東京が約六百件、広島が三百三十件ということになっております。
○大原委員 その他、大きいところはどこですか。
○入江政府委員 ちょっと手元に広島と東京しか持ってまいりませんでしたので、ほかの県は現在資料はございません。
○大原委員 大臣、時間もないんですが、私は援護法の審議のときにこういう議論をしてきたわけですよ。大臣はいつまでも大臣をしてもらいたいのだけれども、今まで、一年ごとに皆さんかわるからね。だから、そのたびごとに一応言っておかないと、後へ伝わらぬですから言っておるのですが、つまり、戦争犠牲者に対する援護措置というものについて、これは今まで政府がいろいろな線引きをしてきたわけです。そして、国会で議論いたしまして、その線引きの範囲を拡大をしてきたわけです。第七号の準軍属は、今申し上げましたものは、これは旧防空法ですね。それは資料を見なくてもいいですよ。大臣答弁だから、大臣答弁というのは漠然としておるのが大体前提であるから……。 それで、旧防空法というのは、これは内務大臣が管轄しておったのですよ。当時の、終戦のときは内務次官は灘尾弘吉、それから外務次官は、後で時間があれば言うのですが、松本俊一、それから主税局長が池田勇人、皆二区に関係がある日ここもそうじゃないか。松本俊一がそうだし、灘尾弘吉は一区だね。しかし、どうせ能美島だから二区みたいなものだから。そういうのが皆いたわけですよ。旧防空法は——その是非は別ですよ。旧防空法については、ボランタリーだから、自発的に生命財産を守るために組織をつくってやるので、警防団をつくり、地域の隣組や町内会でやるとか、こういう職域でやるとか、そしてボランタリーだから命令じゃないんだ、こういうことで、最初は準軍属にしなかったんです。切ってしまったのです。 それを私も取り上げて議論しまして、昭和四十九年に初めて旧防空法は第七号に入れたわけです。これはずっと入れますと、職域とか地域で竹やりをやったり、バケツリレーをやったりしてやっておった連中も、終わりには総動員体制、戦闘体制に移行するわけですから、これも全部国との関係があるんだという議論が一つあるわけです。その議論から、例えば原爆については特別権力関係がないから、非戦闘員はだめだというふうにやったものを崩して、警防団、医療従事者、ですから医師、歯科医師、看護婦、助産婦、薬剤師、そういう範囲までは入れて、今のこういうのになった。ただし、これは時間的な制限はなかった。時間的な制限というのは、三月十日の東京空襲のときも、これは適用したわけです。 もう一つの戦争犠牲者に対する公平な援護のアプローチとしましては、これは今言いましたように、戦闘参加者の概念がある。これは沖縄であるわけです。沖縄は敵前上陸がないときも、軍に対して協力したという場合には、義勇隊であろうがなかろうが全部、子供でも弾運びを手伝ったとか、いろいろなことで陣地構築その他の協力をしたということを申し出ると、非戦闘員であっても、法律はなくても、沖縄本島は戦闘地域であるということで地域を指定して、あるいは硫黄島とかサイパンもあるわけですが、またそれは別の条項がありますよ。別の条項では、六号には準戦地、準事変地被徴用車属とか、そういうのがある。そういう戦場地域になってくると戦闘員も非戦闘員も差別がない、こういう状況があるわけです。 その議論の一つの重要な手がかりとしてやったのが、今まで議論いたしましたのは、第八十七回の臨時帝国議会があるわけです。これは六月九日から十日、十一日まで二日間ほど会期を決めて臨時帝国議会を空襲下に開いたわけです。そして会期を二日間延長いたしまして十三日に終わっております。その中でやりました法律案というのは、これは戦時緊急措置法案と国民義勇兵役法案であります。六月九日、十日ですから、そのころは、帝国議会の秘密会であるように、表面では沖縄は放棄しないということを言っているのですが、日本の陸軍はこれはもう完全に放棄をするということの方針を決めておったわけですよ。もう通告してあったものですから、二十日ごろに牛島中将が自殺をしているわけです。自決をしまして、後は頼むと言って投げ出すわけですね。 ですから、その帝国議会をやったときには、沖縄が完全に陥落をして、そこを基地として、サイパンやテニアンや硫黄島やグアム島からだけではなしに、日本の本土は完全な制空権下で、身近なところで嘉手納空港も読谷もやられたわけですから、その飛行場から日本は空襲を受けて、そしていよいよ本土に、どこに上陸するかということはわからないけれども、本土上陸ということで一斉に大空襲を日本全土にわたってやったわけです。東京空襲の本が出ておりますが、それ以外にもその状況はつぶさにわかっておるわけです。これは岩波の本ですが、全部わかっておるわけです。 そこで、今までの、ここにある国民義勇隊に関する件というのは三月二十二日です。国民義勇隊に関する件というのは、第三号の準軍属です。これは三月二十三日の閣議において決定しておるのですが、これは内務大臣の所管です。国民義勇隊を組織して戦闘隊に移行するわけですけれども、それはもう戦後占領軍に対しましては封印をしておったわけですけれども。封印を解除させたわけですが、そういうことで閣議決定で内務大臣を中心にやっておったわけです。義勇隊の本部長は内務大臣で、灘尾次官は副本部長。それではいけないということで、国民義勇兵役法を六月九日、十日に臨時帝国議会を開きまして、秘密会で情勢報告をした上で、沖縄はもうだめだから本土決戦をするんだということでやったわけです。 国民義勇兵役法は施行されておったわけですよ。施行されたけれども、実際に発動されなかったといって政府は答弁するわけです。強弁であります。それは個人個人には召集令状は出ないということになっておるのですから。今までの義勇隊とか愛国婦人会とか青年団とか職域とかいうものに、必要に応じてぼんぼん個人でも団体でも命令を下せば義勇兵役に服するということになって本土決戦をやる。そのことは詳細にやってあるわけです。七月七日かに完全に沖縄は戦争が終わったという宣言をしておるわけです。牛島中将が自決したのは二十日前後ですよ、二十三日ごろかな。ですから、八月六日はすぐなんですけれども、そういう点から言うなれば、戦闘員も非戦闘員も境がない状況の中において最終段階を迎えて、広島、長崎へとどめを刺されたということになるわけです。それがしかも非人道的な後遺症を残すような問題で、国際法上も非常に大きな議論のある問題である、こういう議論なんです。ですから、どこかで線引きをするということで、軍人恩給を後で復活するわけですけれども、戦傷病者戦没者遺族等援護法をまず実施いたしまして、援護法では遺族と障害者に対する弔慰金等の補償をしたわけであります。 私は、原子爆弾の二法についていろいろ議論をこれからもいたしますが、援護法の適用ということをめぐっても、あるいは沖縄の戦闘参加者の状況等を考えてみても、浜松や釜石やそういうところ、八幡の場合もそうですが、艦砲射撃なんかあったわけですから、終戦もそのころの段階になりますと騒然としておったわけです。ですから、そういう状況のときにおける戦闘員と非戦闘員を差別することはできないだけではなしに、原爆という非人道的な後遺症を残すような毒ガス以上の兵器を使っている場合には、弔慰金というふうなものは当然国としては出すべきなんです。死没者に対する弔慰金等は当然出すべきだ、弔慰金の制度は現行援護法にあるわけですから。全体の立法の均衡上からもそのことを真剣に考えなければならない、大まかに言えば、そういうふうに指摘をしてきたわけです。論争してきたわけです。 それに対しましては、その当時の事情はよく理解できるという今までの答弁もありましたし、あるいはへ理屈をつけるのは、六月の臨時帝国議会で、国民義勇兵役法は緊急物資調達法を含めて二法が成立したけれども、勅令その他実施をされておるけれども、実際には発動されなかったというへ理屈をこねるわけであります。これはへ理屈だよ。だから、そのことは実際の法律の当時の議事録、審議の中身等を見ないで勝手に今の段階で線引きをして、それを合理化するためである。こういう主張は私は放棄していないわけです。これはへ理屈なんです。あなたはこの間援護局長になったばかりで、全然わかっておるはずないのだから。きのうかおとといちょっとレクチャーを受けただけでしょう。よほど私の方がよく知っているのだから。 そういうことを考えた場合に、沖縄では戦闘参加者は、十月からですよ、上陸のないときからのことについて戦闘に協力したということになれば、法律があろうがなかろうが、六歳以下であっても援護法を適用するということで一千名以上も準軍属にしたわけですから、一遍にそこまで行かなくても、弔慰金ぐらい考えたらどうだ、こういうことです。原爆なんかにしても、こんなに大きな被害を及ぼしている。弔慰金に鼻もひっかけない、葬儀費についてもさかのぼって出さない、こういうことなどは、私は法のもとにおける平等からいっても許しがたいことではないかと思うのです。これはほかの局長とか課長がぐずぐず言っておったってしょうがないから、大臣が国務大臣として、私が質問した趣旨は理解できますか。——あなたが言ったって、また時間がかかりますよ。
○入江政府委員 援護法の適用の問題でございますので、まず私から答弁させていただきますが、御存じのように、援護法は、軍属、準軍属と言いますように国との関係で一定の関係がある者に対する国家補償という制度になっております。したがいまして、戦闘参加者も軍の要請によりということで国との関係が生じているわけでございます。もう一つ、御指摘のありました防空監視員あるいは防空従事者、これもそれぞれ出すところは違いますけれども指定書というようなものが出ておりますので、それで国との関係を認めまして四十九年ですか準軍属に加えたわけでございます。 もう一つ、御指摘の義勇兵役法でございますが、この義勇兵役法は六月二十三日に施行になって、実際には発動していなかった。そのとおりでございまして、先ほど、義勇兵役法に基づいては召集令書は出ないことになっているということでございますが、確かに召集令書は出ないのでございますけれども、義勇兵役法を発動するに当たりましては、細かくなりますけれども、管区司令官が、大臣の了解を得まして義勇戦闘隊を編成するという命令を受けまして、その命令を受けた管区司令官が市町村長に命令して、市町村長が原名簿をつくって要するに実際に活用するという仕組みになっているわけでございますが、実際に一般住民に対してはそういう命令が下っていないという意味で、実際にこれは動かなかったので援護法の対象にできないということを申し上げでございます。 職域につきましては、御存じのように、鉄道あるいは海運、船舶につきまして戦闘隊が編成されたわけでございますけれども、それもそこまででございまして、準備体制は整ったけれども、実際に戦闘行為に入らなかったということで、国との命令関係といいますか、関係が生じなかったので援護法の対象にできないというのが実態でございます。
○大原委員 それは、長い時間がかかるから今の答弁だけで言うと、例えば船舶とか鉄道とか、ずっと問題になった電気通信、これは通信が非常にあいまいになっておったわけだけれども、そういうのは戦闘隊になったわけであります。戦闘隊になっておるのは、その仕事をしている限りにおいては援護法の対象になっているんだ。なっているんだよ、あなた、きのう勉強したからわからぬのだよ。
○入江政府委員 ただいまの鉄道義勇戦闘隊あるいは船舶義勇戦闘隊というのは、国家総動員法の適用を受ける、あるいは別の船舶の関係も御存じのように準軍属になっております。船舶何とか会というのがございましたけれども、ちょっと法律を見ればわかりますが。それで、要するにそちらの方で、身分の関係ですでに援護法がかかっているわけでございますから、それに対して適用があった方はたまたま例えば鉄道義勇戦闘隊に属しておったということじゃないかと思います。
○大原委員 戦闘隊は二通りあって、総動員法関係で戦闘隊、そういう名前をつけた、それと一緒に、動員体制にあったものを戦闘隊につけた。しかし戦闘隊というのは三月二十三日の閣議決定に基づいて、国民義勇隊に関する件、閣議決定でそういうことをやることはけしからぬのですよ、できないよ、できないけれども、だから法律をつくった。閣議決定もどんどん進んで、戦況が進んでいくに従って、東京空襲でやられたものだからそれをやったんだけれども、国民義勇戦闘隊に関する件というのが閣議決定であるわけだ。それが限界に来たから国民義勇兵役法で一括やるということになった。閣議決定でそんなことはできないですよ。戦闘隊をつくって、初めは間接的に協力させておったが、直接戦闘に協力させることなんかできないのです。
○入江政府委員 閣議決定は国民義勇隊組織に関する件ということでございまして、後でできました義勇兵役法によります国民義勇隊の編成は国民義勇隊組織をもってこれを充てるということで、実際に、したがいまして義勇戦闘隊になる段階では義勇兵役法という法律に基づいて要するに戦闘隊になるという仕組みになっておるわけでございます。
○大原委員 そうじゃないんだ。間違いだ。後ろに耳がついておって——私のを聞かなければだめじゃないか。 国民義勇戦闘隊に関する件というのを三月以降に閣議決定で決議したのです。戦闘隊はもうできておったのです。だから、閣議決定は占領軍に隠すために資料を抹殺したんだ。そして、昭和四十何年かに初めて閣議の封印を解いて出したんだから、出ておったのは三月二十三日の閣議決定の国民義勇隊の組織に関する件だけなんです。それをもとにして援護法を昭和二十七年につくったわけです。実際にはその戦闘隊に関する件を閣議決定しておったのですよ。そうして今のように通信、船舶、輸送、そういうものを中心にして戦闘隊はもう既にできておったのです。 そこで、六月に沖縄がだめになった、いよいよ本土決戦だということで、閣議決定ではいけないということで義勇兵役法で、たしか十一条でありますが簡単な法律で陸軍刑法、海軍刑法の適用から全部やって網をぶっかけたのです。今までの問題と趣旨は違うんじゃないのです。閣議決定でやるのが間違いなんです。なぜ隠したかと言えば、戦犯として追及されるから官僚諸君が占領軍に対して隠したのですよ。閣議決定を封印したのです。封印を解除するときに官房長官の判こが要るということで、私はそれに事実上立ち会ったことがある。 だから、そのことの実態を踏まえて、そのときには事実上あらゆる組織を動員して本土決戦をやるという状況は決まっておったわけです。例えば広島市なら広島市に町内会、婦人会、各団体全部集めて、軍管区司令部から出て、これから皆さんは戦闘部隊ですよ、いつどういうことがあっても戦闘状況が発生したら戦闘要員ですよ、こう言って訓示をしているのです。それを受けている人が今でも生きておるから参考人として出してもよろしい。 だから、そういう状況の中で八月六日があり、あるいは本土全体の空襲があり、しかも非人道的なことを受けたわけですから、その状況というものは命令服従の関係になかったとは言えないわけです。言えないだけではなしに、広島は空襲警報を解除しておったのです。それは誤認であったわけで、実際にはB29が入っておったわけだ。だから、戦闘状況じゃなかったというへ理屈を垂れるやつがおるけれども、それは自分の間違いのことを棚に上げておいてそういう弁解をするのであって、公然と言えば許されないことですが、そういうことであります。 ですから、あなたらの法律の解釈というものは、後から後から知恵をつけて弁解をするだけの話であって、実際に法律が実施をされて、その実施が権利義務との関係で影響を及ぼさないということがあるのかと法制局に聞けばいいわけだ。法律が閣議決定されて実施され施行される、施行されたら権利義務の関係があるんじゃないか。実際に発動されなかったなどということは当時の状況から考えてあり得ない。法律が施行されて実際に行われなかったというふうなことなんか、そんなことはないですよ。
○入江政府委員 法律が施行されることによって権利義務関係が生ずるそれぞれ条件があるわけでございます。その条件が動かなかったので、要するに実際に適用するような状態にならなかったということでございます。非常に抽象的でございますけれども……。
○大原委員 長崎は少し違って中枢部じゃなかったのだが、広島は原爆で中枢部がやられたんですよ。原爆が投下された、あと空襲部隊が来るとか敵前上陸があるとかいろいろなことが全部想定できるわけです。そういうふうになったのだから、艦砲射撃なんかあったわけだから。だから、そういう状況のときにあったならば、それは中枢部がおらぬわけだから、軍管区司令部も県知事も市長なんかもみんなやられておるわけだ、中枢部がやられておるわけだから。であるけれども、そういう権利義務の関係があった場合には直ちに即応するような態勢になっていたわけだ。 だから、そういう法律というものは、そういう権利義務の関係があるならば、戦闘状況であるならば、極限の状況においてはそれは沖縄における戦闘参加者と同じような状況ではないか。法律があろうがなかろうが、法律もあるんだけれども、法律の枠はあるのですから、そういう状況ではないか。これ以上しないけれども、そういう議論です。あなたは、毎年毎年やるからへ理屈だけ考えてくるけれども、答弁にならぬ、法律論としても成立しないわけだ。 なぜかと言ったら、三月二十三日の閣議決定がいかに慌てたかというと、最初の昭和二十七年の法律を出してごらん、それ以降の法律は三月二十二日の閣議決定となっていたんです。私が今までの新聞をずっと繰り返して見ておると二十三日に閣議をやっているんだ、二十二日にはやっておらぬわけだ。二十二日に閣議をやっておらぬのに二十二日の閣議決定と法律に書いてあったんだ。そんなものは無効じゃないかと私は言ったのです。閣議をやっておらぬときに閣議決定があるのか。そういうでたらめな法律をつくったのかということぐらい慌てて、私が官報やその他を見たところが二十三日になっておったから、うんと後になって法律を二十三日に直したわけです。 そのくらい慌ててその問題だけを取り上げて、その後、国民義勇戦闘隊に関する件の閣議決定なんかは全部ネグレクトして封印しておいて、それで非戦闘員に対してはそんなに大したことはやっておりませんということを占領軍に言って戦犯の追放等についてできるだけ防衛したわけだ。それが結果として援護法の線引きの中に出てきたわけだ。ましてや一番大きな非人道的な戦争被害の広島、長崎はその極限状況にあったのですから、原爆の被爆者と非戦闘員を差別をつけないという七人委員会のような意見もある。しかしながら、原爆についてはそういう極限状況における被害であったのであって、戦闘員と非戦闘員をそんな画然と差をつけて援護法をつくるということは、後で戦争犠牲者について何とかしようということから出てきたところであって、予算上の観点で大蔵省が線引きをしたということもあるだろう。ですから、その精神を理解して戦争犠牲者については公平にやらなければならぬと思うのです。 時間が終わったという通告がありましたから、最後に増岡国務大臣の荘重な答弁を聞きまして……。
○増岡国務大臣 戦争のような極限状態の中で行われたことでございますので、例えば命令を受けたとか受けないとか、戦闘に参加中の負傷であるか、あるいは待機中の負傷であるか、個々の具体的な問題、千差万別であろうと思います。したがいまして、どこに線引きをするかということは、極端なことを申しますとすっと未来永劫続く議論になるかもしれないというふうにも考えられるわけでございます。 しかし、先ほど援護局長から申し上げましたような立場を今日政府はとっておるわけでございますので、先生御指摘のお気持ちは私も非常によくわかりますけれども、それ以上のことは申し上げかねるというのが乱状でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○大原委員 御理解しない。終わります。
○戸井田委員長 大橋敏雄君。
○大橋委員 初めに援護法関係で若干質問したいと思いますが、総理府の方、来ていますね。 戦後処理問題の一環といたしまして極めて重要な事柄が取り残されているのではないかなということで、私は去る三月八日、予算の第一分科会で問題を取り上げたわけでございます。 その問題の内容は、かつて日本に強制連行された朝鮮半島の人々が、炭鉱だとかあるいはトンネル工事だとか、あるいはその他いろいろな場所で人夫として非常に過酷な労働条件で就労させられ、過労の余りに死亡したとか、あるいはまた事故死をした人々が大変大きい数になっているわけでございますが、その人々の遺体といいますか遺骨が日本の各所に放置されているという形で散在している。また、日本の一民間人の方が、これはもとの職務の関係上で朝鮮人の強制連行をみずからやったんだという人なんですが、そういう人が自責の念に駆られまして、これらの人々の遺骨を祭祀したり、あるいは送還しようという事業を起こして真剣に取り組んでおられるわけでございますが、こういう事実を私は申し述べまして、政府の方としてこういう重要な問題をただ一民間人にゆだねていていいんだろうかということで、政府として当然遺骨の送還やあるいは慰霊を責任を持ってやるべきではないか、私はこう申し上げたわけでございます。 また、特に具体的問題として私が指摘をしましたのが、嘉穂郡の桂川町における深刻な事実問題につきましては一日も早く善処してほしい、こう訴えたわけでございますが、これに対しまして藤波官房長官の御答弁はこうございました。「実情はどういうことであったのかということはまだつまびらかにいたしませんけれども、お話の中で漂うてまいります感じからいたしまして、まことに胸の痛む、つらいことだ、こういう思いを禁じ得ないものがございます。総理からお答えをいたしましたように、やはりよく霊を弔うということにしなければならぬと思うのでございますが、」中はちょっと省きますけれども、最後に「具体的にどうするかということにつきましてはもう少し相談する時間をいただきたい、こう考える次第でございますが、御指摘もいただいておりますので、その相談事に余り時間をかけないで、なるべく早く対応させていただくように事を急いでまいりたい、このように考える次第でございます。」という答弁をいただいたんです。 この答弁の中に「余り時間をかけないで、なるべく早く対応」する、こうおっしゃっているのですが、その後どのように対応されたか、まずお答えをお願いしたいと思います。
○萩原説明員 三月八日の予算委員会の第一分科会におきまして、大橋先生の御質問に対しまして藤波官房長官からお答えをしたところでございます。その後総理府としましては、この問題についてこれまで経緯がございますので、そのような経緯を踏まえまして、関係省庁として考えられるところ、厚生省、外務省、労働省、文部省に御連絡をいたしまして連絡協議の場を設けるべく話をしておったところでございます。関係省庁には、問題の性格は御理解をいただいておると思います。 関係者の日程の調整が、各省それぞれの御事情がいませんでしたので、現在に至るまでに連絡会議開催に至っておりませんけれども、なるべく早く会議を持ちたい、このように考えております。
○大橋委員 今関係各省、厚生省、労働省、外務省、文部省等に話はかけたけれども、まだ集まって具体的に協議をしたということはないんですか。
○萩原説明員 その会議の場を持つべく事案の内容及び日程調整を行ったわけでございますが、現在までまだ開くに至っておりません、
○大橋委員 三月八日から今日まで一カ月半以上たっているわけでございますから、藤波官房長官があのときの雰囲気は、直ちに協議に入りますよというような気持ちを私は十分感じ取りましたので、一応連絡はとられているようでございますので、早急に具体的に話を詰めてもらいたい。強く要望しておきます。 特に桂川町の遺骨問題というものは、一日も早く現場での発掘を実施してその実情を明らかにしていただきたいということです。 恐らくあの会議録を見られても御承知と思いますけれども、五百四体分の遺骨のうちの四百五十体分が身元不明ということで無縁仏とされまして、昭和三十六年三月三十一日の日に納骨堂が建設されてそこに入仏されたという形にはなっているんですよ、表向きには。ところが、その後四十四年に墓地の跡に桜の木を植えようということになったときに、人骨がたくさん出てきたわけですね。それから、つい三年前の五十七年に弥栄地区というところに公民館等を建てるために造成工事をしたら、またおびただしい人骨が発掘された。こういう問題なんです。これは具体的なんですよ。 したがいまして、ある人に言わせれば、それは大部分の重要な部分は納骨されて、他の部分はそこら辺に置かれていた骨ではないかという人もいるわけですから、どちらかは実際に掘ってみて実情を見ないとわからぬと私は思うのですね。そういう意味で早く協議を開いていただいて、事実現場に行って掘ってもらえばどちらかはっきりするわけですから、地元とすれば非常に重要な問題になっておりますので、よろしくお願いいたします。 また、もう一つ私が非常に心配して申し上げたことは、仮に遺骨がどんどんあちこちから出てきたとしましても、身元が不明だという形になることが非常に予測されるわけでございますけれども、こういう方々の遺骨に対しては慰霊塔を建ててそこに納骨していただいて朝鮮の方々の霊を弔うべきではないか、私はこのように主張したわけでございます。 これに対しましても官房長官、こう申されました。答弁で「国を離れておられた方々に対する追慕の情でありますとか、あるいはぜひ遺骨を収集してこれを弔いたいという気持ちを持ちますことは、先生御指摘のように国境、民族を超えてみんな同じ心情ではないか、御遺族の方々や関係者の方々の気持ちをそのように拝察を申し上げるのでございます。 先ほど来申し上げておりますように、とにかく実情の調査を急ぎまして、」ここでも「急ぎまして」とありますよ。「関係省庁でよく協議をいたしましてどう対応していくかということの結論を出していかなければならぬ、こう思う次第でございますが、今御指摘がございましたような、あるいは御提案がございましたような、例えば慰霊の塔を建てるというようなことにつきましても、今後どう対応していくかということを考えます際に十分参考にさせていただきまして協議を進めていくようにいたしたいここう答弁があるわけですよ。 ですから、私が今心配しているような身元不明の方の遺骨に対しては慰霊の塔でも建ててということを主張したわけでございますけれども、ぜひこれも協議の中で実現の方向で話をまとめていただきたい。一言お願いします。
○萩原説明員 官房長官も答弁しておりますように、先生御提案の慰霊塔の建設というようなことも御提案があったということを十分受けとめまして関係省庁との話し合いをし、どういうふうに対応するか検討していきたいと思います。
○大橋委員 これから相談、協議をなさるわけでございますけれども、ぜひとも前向きな結論を私は期待をいたすものでございます。 あの分科会の席上で、厚生省の役人の方に日本のソ連抑留死没者の状況をお尋ねしたわけですが、あのときにたしか、五万五千人あって、その遺体は、ソ連政府が二十六カ所の墓地をつくって数はたしか三千九百五十七名を埋葬をしている、その二十六カ所のうち二十一カ所については日本の遺族の墓参も許されております。今後もっとほかの場所にも墓参ができるようにしたいというようなお話を伺ったと記憶しておりますが、恐らくソ連の方もきちっと日本の死没者に対しても墓地をつくったりあるいは慰霊塔をつくったりして弔っているわけでございますので、当然日本の立場から韓国あるいは朝鮮の皆さんに対して、こういうふうに弔いの誠をささげるべきであると私は強く要望をいたしておきます。 そこで、この慰霊塔の建設の段取りとなる場合は、これは私の要望でございますが、朝鮮の民族の慰霊の仕方といいますか、しきたりといいますか、そういうのを十分参考にして建設に取りかかっていただきたいということを申し添えておきたいし、また、こういう慰霊の塔をどこに建てるかということが問題になろうと思いますので、これも参考のために、北九州は下関というところがあるのですが、この下関と朝鮮の釜山の間ではもと旅客の輸送のための関釜連絡船というのが実は往来していたわけですね。そういうことで非常に朝鮮半島とは近い場所であって適当な場所ではないかと思いますので、もしそういう慰霊の塔を建てる場合はぜひこういう場所を選定していただきたいと強く要望しておきます。
○萩原説明員 先生から御提案のありましたということについて十分留意いたします。
○大橋委員 そこで大臣にお尋ねしますが、これは関係省でもありますし、また慰霊の塔を建てるような場合は直接の所管庁になられるのではないかと思いますので、先ほど申しましたように桂川町の遺骨の問題も必ずや明らかになってくると思うのですけれども、こういう問題は道義的、人道的立場からも絶対にやらねばならない重要問題であると私は思いますし、この問題の解決は日韓あるいは日朝両国とのいわゆる友好親善を促進する大きな役割を果たす事柄だと私は確信するわけでございまして、こういう問題は決して軽視したりうやむやにしないでほしい、最後まで責任を持って対処していただきたい。特に厚生大臣の決意といいますか、熱意を御要望したいところでございますが、いかがでございますか。
○増岡国務大臣 私も先生の御趣旨には賛成でございます。したがいまして、総理府が中心でやるわけでございますけれども、恐らくその実施の場合には厚生省のいろいろなこれまでの経験というものが生かされなければならないと思いますので、そういう意味では全面的な協力をしてまいりたいと思います。
○大橋委員 どうもありがとうございました。 それでは国年関係に移らせていただきたいと思います。 昨日、基礎年金導入による年金改革案が成立したわけですね。私も非常に感慨無量なるものを持つわけでございます。と申しますのは、現在の公的年金いずれも現状のままで推移していきますと、二十一世紀の前半ごろにはほとんどが給付と負担のバランスが崩れまして財政的に行き詰まり、崩壊していく宿命にある。これではどうにもならぬということで、私も公的年金の長期的、安定的な制度としての確立をやらねばならぬということで、今から約十年前に基本年金構想というものをつくり上げまして国民の批判を仰いできたわけです。そして今も言いましたように、とにかく長期的、安定的な年金制度を確立したいということで進んできた一人でございまして、そういう意味では、私も昨日の基礎年金導入による年金改革案が確立して非常にうれしく思っているわけでございます。 しかし、反面で非常にまた無念といいますか、複雑な思いがしていることは、基礎年金本来の趣旨が十分反映されていない、そういう形のままで成立されたということですね。したがいまして、我々は政府原案についてどうしても反対せざるを得ない態度をとらざるを得なかったという、ここが非常に複雑な心境であるわけでございます。 そこで、基礎年金というのは、御承知のとおりに国民年金法の第一条に示されておりますように、憲法第二十五条の理念に基づいて国民がひとしく享受できるような内容にしなければならない、つまり最低生活を保障をする年金であるべきだということを私は言いたいわけでございます。しかし、そういう意味からいってこの基礎年金の内容を見ると、力ある者だけで支えていけばいいんだと思われるような内容に実はなっているわけです。というのは、特に基礎年金の定額の保険料が非常に高い。発足当時の六十一年度で六千八百円、最高一万三千円だということになっておりますが、これはとても払い切れない人がたくさん出てくることは今から十分予測されるわけでございます。 そういうことで、我が党は、この基礎年金の定額保険料については均等割あるいは所得比例割、これを合わせたような保険料の徴収の仕方等を工夫して、何とか定額保険料はぐっと抑えるという姿でいくべきであるということを主張し続けてきたわけでございますし、またそういう立場から、基礎年金に対する国庫負担率は三分の一ということになっておりますけれども、今、年金すべてに対する国庫負担額の率を見てまいりますと、現在考えられている三分の一よりずっと多いわけですから、少なくも現在の国庫負担の水準を、そこまでいけとは言いませんけれども、十五年間でもいいから少しずつ時間をかけながら四〇%ぐらいに持っていくべきではないか。そうすることによって、また定額保険料をぐっと抑えることもできるんだということを主張してきました。 私は、特にこの基礎年金の保険料のあり方について疑問がいっぱいございますので、この点について一言御返事を願いたいと思います。
○増岡国務大臣 年金法改正につきましては、衆参両院におきまして貴重な御審議をいただき、感謝をいたしておるわけでございます。 なお、その際、先生ただいま御指摘になりましたような所得比例保険料でありますとか国庫負担のことにつきまして御審議をいただき、御指摘のあったことでございます。その結果、国会におきましてこれらに関しまして総合的に検討を行うべきという修正をいただいておるわけでございますので、その修正の趣旨を体しまして今後十分検討してまいりたいと思います。
○大橋委員 ただいま申しましたように、掛金を掛けられる力のある者だけで支えればいいというものではございませんので、基礎年金本来の趣旨に十分適合する年金制度、いわゆる長期的、安定的な制度にしていただきたいことを強く要望いたしておきます。 次に、国年の現受給者の年金額の改善は、五十九年度と同じように六十年度も三・四%の特例スライドの形となっているわけでございますが、国年は本来物価スライド方式がとられているわけですね。ところが現在は年度の上昇率をもって、原則は五%以上なんですが、スライドをされることになっているわけでございますけれども、現実は昭和五十七年度までは五%の上昇がなくとも実際の上昇率に見合って国年の年金額のスライドがなされてきた。これは間違いありませんね。簡単で結構です。
○吉原政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○大橋委員 ところが、五十八年度以降はちょっと情勢が変わってきたと思うのですが、前年の人事院の勧告、すなわち公務員の給与の実施率に準じて年金額の率が連動して行われてきているわけですね。いわゆる物価スライドから給与スライドに変更になったのかなと思われるような姿になってきておるわけですよ。例えば五十七年度の人勧は四・五八%だったわけですけれども、実施は凍結されましたですね。そのために五十八年度の国年の改定率はどうなったかといえば見送りですよ。物価の上昇の方ではなくて人事院勧告の実施率に今度は合わせられたわけですね。また五十八年の人勧は六・四七%だったのですけれども、実施は二・〇三%になったわけです。したがいまして五十九年の国年の改定率は二・〇%、いわゆる特例スライドと言われたものですね。そして五十九年度の人勧が六・四四%に対して実施は三・三七%であったわけですね。したがいまして六十年度は、今後の国年の改定率は三・四%という特例スライドになってきているわけです。 だから、私は物価スライドからいつの間に給与スライドにすりかえられたのかなと非常に疑問でならぬのですけれども、その点はいかがでしょう。
○吉原政府委員 確かに五十七年度までは物価の上昇に応じた年金額の改定をしてきたわけでございますが、五十八年、五十九年、六十年のこの三年間につきましては、公務員の給与の改定、それに連動した共済年金なり恩給の改定に合わせた厚年、国年の改定をしてきたわけでございます。 しかしながら、これは決して物価スライドの考え方を捨てて給与スライドあるいは賃金スライドの考え方をとったというわけではございませんで、こちらといいますか、厚年、国年の基本的な考え方は五%以上物価が上がった場合にスライドをする、五%以下の場合には実は政策的なスライド、スライドするかしないか、する場合にどういう考え方でどの程度の改定をするかというのはいわば政策判断にゆだねられているということであるわけでございます。そういった中で私ども、共済、恩給とはかかわりなしに独自の判断でやるということもあり得るわけでございますけれども、そういったことではなしに国の財政状況なりあるいは同じ年金ということで共済なり恩給の改定、そういったものを見ながらそれとバランスをとった改定をするという考え方をとったわけでございます。基本はあくまでも物価スライド的な考え方、建前というものは崩していないつもりでございます。
○大橋委員 要するに、国年の改定はあくまでも物価スライドだ、五%以上で改定するようになっているのだから、その精神は変わっていない。五十七年度までは、五%に達しないけれども政策的に変えてきた。そういうことで五十八年度以降は公務員の給与の引き上げに合わせて改定してきたけれども、あくまでも基本は物価スライドなんだ。これは間違いありませんね。 そうしますと、五十七年度が物価上昇率は二・四%でございました。五十八年度は一・九%、五十九年度の物価水準の政府見通しを聞いてみますと二・四%、こういうことで計算してまいりますと、結果的には一・三%が積み残しになるというふうに計算されますけれども、これは間違いありませんか。
○吉原政府委員 六十年度におきましては、おっしゃるような積み残しが残るわけでございます。
○大橋委員 そうしますと、基礎年金が六十一年四月から実施されるわけでございますが、これは五十九年度価格で五万円となっておりますね。物価上昇率のとらえ方が、従来は年度による上昇率であったのが今度の改正では年間、暦年の上昇率に変更されております。したがいまして、六十一年四月の五万円ということは、六十年の物価上昇率が掛けられ、さらに今の一・三%がプラスされた内容で年金額が支給されるのだと理解してよろしいでしょうか。
○吉原政府委員 おっしゃるような考え方で六十一年度から新しい制度が発足をするわけでございますが、その場合の年金額につきましては、基礎年金について申し上げますと、五十九年度価格で五万円ということでございますけれども、五十八年から六十年までの物価の上昇率に見合った額の改定をした上で基礎年金を発足させるということでございます。既存の、現在の年金受給者についての年金額についても、考え方として同様の措置をとるということにいたしております。
○大橋委員 結論からいけば、今までの物価上昇分の積み残しはそこに上乗せされて支給額が決まっていく、こう理解してよろしいですね。
○吉原政府委員 積み残しを全く残さない状態で六十一年度から発足をする、こういうことでございます、
○大橋委員 終わります。
○戸井田委員長 森田景一君。
○森田(景)委員 日本の急性中毒死というのは、人口動態統計によりますと年間約六千人ということでございまして、これは交通事故死の七割に当たる、こう言われております。人口当たりの死亡者数を見ましても欧米の二倍以上になっている、こういうふうに報告されているわけでございます。 この中毒がほかの病気と根本的に違う点というのは、対象となる化学物質の種類が非常に多いということでありまして、身の回りにあって健康に影響を与える可能性のあるものが約四万種類あると言われております。それから、商品の種類に至りましては数十万種類あると言われておるわけであります。しかも、その種類も年々ふえ続けておりまして、これは未来永劫にふえ続けていくだろうと言われておりますね。生産量もまたふえ続けていく。一方、医薬品の種類は三万種類ぐらいありまして、年々新しいものが四千種類ぐらい加わってきている、こういう状況だそうでございまして、さらに農薬の種類が約五千種類、年々二百種類がこれに加わっているということだそうでございます。 それで、筑波大学で中毒一一〇番というのを開設しました。これは御存じのとおりでございます。これは電話番号も筑波局の九九九九、こういう番号で、非常に話題を呼んだところでございます。昭和五十六年九月に開設しまして、去る四月十二日、三年七カ月の活動を残しまして閉鎖ということになってしまったわけでございます。資金難で閉鎖のやむなきに至ったというふうに伝えられているわけでございますけれども、実際は事務所を明け渡さなければならなくなったのが実情であるというふうに私は聞いているわけでございます。閉鎖に至った経過とか理由について厚生省はどのように把握していらっしゃるか、まずお答えいただきたいと思います。
○吉崎政府委員 お話にもございましたように、中毒情報の提供は非常に大事なことであると考えておりまして、筑波大学はかねて大変いいことをやっていらっしゃると思っておりました。また、一方、使っておる部屋その他につきまして若干の問題があるということも聞いておったところでございます。一方、筑波大学のその仕事の中心者であります内藤教授ももちろん入っておられますけれども、五十九年から救急医学会を中心といたしまして財団法人をつくって確固たる基盤のもとにこの仕事をやっていこうという準備が進められておるところでございます。そこで、筑波大学のこの仕事がその財団に円滑に承継されれば非常によろしいと考えておったのでありますが、突如中止ということが公表されまして、実は私どももびっくりしたのでございます。 その理由でございますけれども、大学側の事情によりまして従来使っておった部屋が使えなくなった、これが一番大きな理由であると承知をいたしております。それが突如公表されましてから、お話にありました四月十二日まで若干の日時がございましたので、厚生省といたしましては、筑波大学、茨城県、それから近隣の医療機関に何とか代替の部屋が確保できないであろうかと努力をいたしたのでございますけれども、関係者の合意が得られませんで、残念ながら中止に立ち至ったというのが現状でございます。
○森田(景)委員 ただいまもお話がありましたけれども、この中毒一一〇番は筑波大学の内藤教授を初め医師が十五名、それから薬剤師の資格を持つ主婦ら五名、合わせて二十名の方々のボランティア活動によって実施されてきたわけでございます。 この三年七カ月間の相談件数が約五万三千件と言われております。そのうちお医者さんからの相談が約四分の一であったというふうに報告されているわけでございますけれども、厚生省はこういう点についてどう評価されていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
○吉崎政府委員 救急医療はいわば医療の原点でございまして、当初お話がございましたように、中毒の原因というのは非常に多いわけでございます。各病院とも医療機関ごとにそれぞれ努力をいたしておりますが、そういう原因が非常にふえる、わからないものもあるということで、この中毒情報の提供というのは非常に大事な仕事であると考えております。
○森田(景)委員 この筑波大学の中毒一一〇番での急性中毒事故に関する問い合わせの八八%は中毒を起こすおそれがなくしたがって自宅での経過観察で十分と判断されたと報告されておるわけであります。しかし、もしこの中毒一一〇番のような機関がなければこれらの患者のほとんどは救急車を呼んで近くの病院に駆け込んだりしていただろう、このように推測されるわけでございます。病院に行きますと、そういう場合は、私は専門家でございませんけれども、一応胃洗浄をした上で血液検査、胸部のエックス線写真ぐらいは撮るのが常識だ、こう言われているわけでございます。また、救急車は一回の出動で約五万円ぐらいの経費がかかるというのが東京消防庁の試算で出ているわけでございます。 そういう点から、この年間約二万件近い中毒一一〇番の相談から試算しますと、中毒一一〇番で節約される医療費と救急車の費用は年間約七億五千万円ぐらいになるのではないかというふうに推定されると報告されているわけですね。これは非常に効率のよい医療であると言われておりまして、これは外国でもそのように認められているようでございます。 それで、中毒一一〇番の年間維持費が今まで約二千万円ぐらいだったようでございます。その四〇%ぐらいが農薬関係を扱っている農協の方からの寄附であったように聞いているわけでございますが、しかし、この事務所など借り上げることになりますと五千万円ぐらいの経費が必要であろう、こういうふうにも言われているわけでございます。 先ほどの厚生省の評価答弁から考えてみましても、この筑波大学の中毒一一〇番というのはぜひこれからも存続させてほしいものだ、こういうふうに私は考えるのでありますけれども、この点については大臣の方から答弁をいただきたいと思います。いかがでございましょう。
○増岡国務大臣 筑波大学の一一〇番につきましては、先ほど局長から説明申し上げましたように、厚生省としてもできれば存続をということでいろいろ手を尽くしたわけでございますけれども、やむなく閉鎖されるということになったわけでございます。 また、一方、厚生省としては従来から救急医療対策の一環といたしまして、化学物質等による急性中毒についての情報提供のあり方について委託研究を行ってまいりましたし、またその報告書では、公益法人で中毒情報センターの設立をやってはどうかということも示唆されておりますので、現在日本救急医学会の関係者を中心に財団法人をもって設立の準備を進めておるところでございますので、筑波大学の一一〇番はまことに残念ではありますけれども、今後そういう確固とした基盤を持った情報センターというものを考えざるを得なくなったなというふうに思っておるわけでございます。この財団法人としての組織のスタートが一日も早いように期待をし、努力をいたしてまいりたいと思います。
○森田(景)委員 今、大臣答弁がありました公的な中毒情報センターということにつきましては、これは日本救急医学会が五年ほど前から早く設置してほしいという要請が出ていたわけでございますね。これから検討しようということでは非常にゆっくりし過ぎているのではないかと思うわけでございます。 実は、こういう席で申し上げるのは失礼でございますが、きょうは友納先生もいらっしゃっております。友納先生がかつて千葉県知事であった時代に、自民党の県会議員から千葉県の仕事のやり方について、こういう比喩といいますか、意見が出されたことがあります。千葉県の仕事のやり方は、検討三年、やります二年、始めましたはぼちぼちとだ、こんなことでは困る。これは先生がいらっしゃいますから覚えていらっしゃるかと思うのです。どうも国の方も、県にもっと輪をかけてゆっくりしていらっしゃるのじゃないか、こう思うわけでございます。 時間が余りありませんので単刀直入に申し上げますと、それじゃ、公的な、まあ財団法人になるかどうかわかりませんけれども、公的な中毒情報センターを必要だと認めていらっしゃるわけです。また、早くやりたいとおっしゃる。いつおやりになりますか。ことしの予算ではこういう予算は入っておりません。財団だから必要ないという考え方もあるかもしれませんけれども、少なくとも、ことしやるとか、じゃ来年やりますとか、ましてや筑波の中毒一一〇番が閉鎖になってしまった。そういうことで、いつごろをめどに設立なさるお考えですか。
○増岡国務大臣 御指摘の面は、確かに数年かかっておるということは申しわけないことと思います。したがいまして、特に今回筑波大学の一一〇番が閉鎖されたわけでございますので、財団の設立準備委員会は五月に関係者が集まって開催するようになっておるわけでございますので、私といたしましては、できるだけ早く、年内に、秋にでもスタートができるようにいたしたいと思います。
○森田(景)委員 それでは、先ほど申し上げましたように、一日も早くつくっていただきたいと思います。 時間の関係で、私の考えだけ申し上げておきます。 秋に公的な中毒情報センターができる、じゃそれまで中毒患者が出ないのかと言えば、そんなことはありません。先ほど大臣からお話しありました厚生省の研究班の総合報告書を見ましても、推定では日本では年間二十万人から五十万人ぐらいの中毒患者が出ていると推定される、少なくとも二十万は下らない、こういう報告があるわけでございます。だから、現実には中毒患者が出るわけですから、できればその筑波大に厚生省の方で、文部省との協議もあろうかと思いますけれども、事務室をつくってそこを提供して、その間先生方に御協力いただいてやってもらえばいいじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。 私も、政治資金でもたくさんあれば寄附でもして続けていきたいと思うのですけれども、残念ながら資金集めが下手でございますから、大臣はお上手でいらっしゃいますから、できましたらそういうこともぜひ御検討いただきたいことを要望いたしまして、終わります。
○戸井田委員長 浦井洋君。
○浦井委員 年金問題を中心にしてお尋ねをしたいのですが、今、御承知のように福祉年金受給権者が老齢福祉年金を含めまして約三百四十万人おられる。この方の請願が出ているのですが、この年金受け取りに当たって、受給権者あるいは家族等の代理人が、その都度、判を持って国民年金証書を持って郵便局に行って支払いを受ける、いわば無通知主義、こういうことになっておるわけでありますが、これはなぜ口座振り込みなどができないのか。長野県の県議会の請願では、口座振り込みを希望する受給権者に対してはこの方法を取り入れてほしい、こういうことになっておるわけなんで、これはやはりやっておいた方がよいと思うのですが、どうですか。
○長尾政府委員 先生御指摘の福祉年金の支払いでございますが、これは現在、あらかじめ受給者に国民年金証書をお渡しいたしまして、各支払い期ごとに指定の郵便局に提出していただきまして支払いを受けるという方式をいたしております。今先生おっしゃいましたように、無案内方式ということでございます。この方式でございますが、これは福祉年金が制度発足のときに、非常に多くの方に効率的に年金の受給をお願いするということから、受給者の方の一番身近な郵便局というものを考えまして、かつ私どもの方の支払いの全体制を考えますとそれが一番能率的な面を考えまして、こういう方式にさせていただいたと思うのでございます。 それで、これをほかの拠出制の年金がやっておりますような口座振替というようなことに改めてはどうかというお話であろうかと思いますが、現在の無案内方式を改めるといたしますと、福祉年金の場合には所得制限がございますので、年一同年金額を書きかえる必要があるわけでございますが、こういったもののほかに、各支払い期ごとに案内、つまり拠出年金の場合には支払い通知とか振り込み通知というのを御本人に出しておるわけでございますが、こういうものをつけ加えていかなければならないわけでございます。 現在、福祉年金の受給者の方は全体で三百万弱の方がおられるわけでございますが、こういった方々につきまして、全部こういった方式に切りかえていくということをいたしますと、現在の私どもの事務処理体制ではなかなかにできないということがあるわけでございます。それから、支払いの方も郵便窓口を郵政省に一元化しておりますので、私どもの方から一括郵政省と一元的に決済をやりまして、つまり本省同士で決済をやりましてそれを各郵便局がそのお金を受け取るということをやっておりますので、これをまた分けていかなくちゃいけないというようなことでございます。 こういうような状況がございますので、先生の御要望の趣旨はよくわかるのでございますが、一気に変えていくことはなかなかにできないと思っておるわけでございます。
○浦井委員 今長尾さん言われたように、拠出制年金はもう口座振替、こういうことになって——要するにその事務処理体制が困難で、また、しかも郵政省と一括して契約しているんだということ、それもよくわかるのですけれども、しかし、残念ながら、きのう年金法が成立をした。非常に私は残念だと思うのですけれども、それで障害福祉年金なんかは、これは基礎年金に移ると口座振り込みになる。そうすると、残るのは老齢福祉年金だけだということで、三百万人足らず。これから自然でいけばだんだん減っていくわけですから、そういうことで受給者の便宜を第一にして、あえてやはり郵便局だけでなしに他の金融機関への口座振り込みも可能にするということを何とか考えられないものだろうか、私はもう一度長尾さんにひとつその辺のところを意を了としていただきたい。
○長尾政府委員 先生御指摘のように、障害福祉年金の受給者の方が今回の改正によりまして障害基礎年金の受給者ということになりますので、この方々につきましては、現在の拠出制の障害年金か母子年金等と同じような形での方式をやろうと思って考えておるわけでございますが、この受給者の方々が大体六十万強おられますので、この方々を現在の社会保険事務所の体制の中でやっていかざるを得ないという実態があるわけでございます。 それで、この老齢福祉年金をもしこういった口座振替的な方法、拠出制と同じように変えました場合には、現在の社会保険事務所とそれから県本庁、それから各市町村の事務の体制をどういうふうに考えていくかというようなことを総合的に考えていきませんと、これはちょっと対応ができないというふうに思っております。先生御指摘の、受給者の方にそういう御希望があることは私どもも承知いたしておりますし、この問題は長期的な課題として考えさせていただきたいと思っております。
○浦井委員 大臣、長期的な課題としてということはやれないということなので、私は全部やりなさいということは言ってないわけで、六十万人はそっちに移るわけでしょう、口座振り込みに。だから、やはりもう少し中期的くらいに、大臣、やれぬですかね。私はその方がよいと思うのですがね。そして、しかも希望者ということですからね。いや、それはもう大臣に要望しておきたいと思うのです、いかがですか。大臣、何かありますか。——いや、おわかりにならなければいいですけれども、要望しておきたいと思います。 そこで、少し問題が移りますけれども、これは今ここに来ておられる村山委員が一括法の連合審査のときに尋ねられて、それで大蔵省、大蔵大臣の発言要旨という格好で、私、これを読んでみても、恐らく村山さんも何を書いてあるのか大臣の発言要旨がようわからぬと思うわけなのですけれども、この行革関連特例法ですよね。——いやいや、私はわからぬわけですけれどもね。それで五十九年度で終わるはずのところをことし六十年度もう一遍、計四年間延長する、だから、これはもう年金財政にとっては非常に大問題であるわけで、この間、長尾さんも一兆七百億くらいですか、だから、これ以上の延長はもう考えておらないのかということと、それから返済計画は、やはりこれは村山委員が主張されたようにきちんと年次計画を立てて我々に明示すべきではないか。でなければ、特例公債を六十五年までというようなことを言い出しておりますから、それまでは返済しないのではないかという疑惑があるわけなので、一括してお答え願いたいと思うのです。
○増岡国務大臣 ただいま御指摘の一年間の延長につきましては、これは一年限りということでやむを得ず受け入れたわけでございます。特に年金法の改正によりまして制度も変わるわけでございますから、年金に対する国庫負担の仕組みが基本的に変わるわけでございますので……(私語する者あり)
○戸井田委員長 ちょっとお静かに。静粛にしてください。質疑者が聴取不能ですから。
○増岡国務大臣 私どもといたしましても、現在の繰り延べ措置が引き続き行われることがないように考えておるわけで、努力をするわけでございます。その繰り延べの分につきましては、御承知のように、運用収入の減額分を含めてなるべく早くお返しをいただきたいというのが私たちの立場でございます、 その返済の具体的内容を示すということでございますけれども、これは相手もあることでございますので、財政当局と鋭意折衝いたしまして、できるだけ早く繰り戻しを行うという交渉をこれからやらなければならないのでございまして、ただいまの時点では明らかにできないわけでございますけれども、ともかく私どもの立場といたしましては、特例適用期間経過後におきまして運用収入の減額分を含めましてできる限り速やかな繰り戻しを行う所存でございます。
○浦井委員 ちょっと聴取不能であって、大体発言要旨と同じようなお答えだろうと思うのですが、時間がございませんから、次に進みますへ 今度は高率補助金の一括カットですね、今参議院に行っております。これは一年限りということで、これははっきりしていますね。
○増岡国務大臣 今回の措置は、おっしゃるように、六十年度におきます暫定措置でございます。なお、その際六十一年度以降のことにつきましては、国と地方の役割分担と費用の負担の見直しを行う等、今後政府部内で検討することになっておりますので、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと思います。
○浦井委員 それで一括法から今度移りまして、大蔵委員会に提出されております財源確保法、この中で政管健保の黒字九百五十億分、正確に言えば九百三十九億分、これを一般会計から繰り入れないという措置がとられておる。これは私はけしからぬと思いますよ。これは法案自身もこの委員会、社労委員会に出すべきだし、こういうような御都合主義を私は許せないと思うのですよ。だから、何で九百五十億円黒字が出てきたかというのは、結局去年の健保の改悪で健保本人の十割給付を崩すというようなこととか受診抑制、この前指摘したように、大概ひどい受診抑制が出てきておるわけですから、それで浮いた黒字を特会から外して一般会計から繰り入れないというような格好になりますと、これは二重、三重に国民を痛めつけるものではないか。だから、私はやはり今運動が起こっておりますように、十割給付を復活したり、あるいはこの際思い切って健康保険の保険料を引き下げるとか、こういう措置をとるべきだと思うのです。 それともう一つ。この調子でいけば昭和六十年度、今年度また政管健保が黒字になるのは容易だろうとは思うのですけれども、黒字になる可能性が非常に強い。その場合に五十九年度のようなまた財源確保法というような格好で向こうへ回しますか。大臣、どうですか、この二点。
○増岡国務大臣 今回の特例措置によります減額分につきましては、適正な政管健保の財政運営が確保されるよう繰り戻しを行っていくことになっておるわけでございます。六十一年度におきましてはまだ政管健保の財政収支がどのようなものになるかは明らかでございませんけれども、しかし、いずれにいたしましても、政管健保の適正な財政運営が損なわれることのないよう適切に対処してまいりたいと思います。
○浦井委員 私ずっと申し述べてきたのですけれども、これは数字を確認しておきたいのですが、厚生年金の繰り延べ措置で六十年度影響が出るのは共済を除きますと三千五十億円、それから補助金の一割カットで二千七百五十二億円、政管健保の国庫負担の繰り延べ措置で九百三十九億円、合計六千七百四十一億円六十年度予算に影響しておる、こういう数字でよろしいですか。 それからもう一つ、これは大臣ですか、今までの経過を見ておりますと、給付がずっと当然増という格好で累積されますから、六十一年度は本年度より当然増が大体七千億から八千億くらい上積みされるだろうと思うのですが、この二点を一緒に聞いておきたいと思います。
○末次政府委員 六十年度予算におきます措置といたしましては、ただいま先生御指摘のとおりでございますが、高率補助金の補助率引き下げ措置によりまして二千七百五十二億ということでございますが、このほかに生活保護の臨時財政調整補助金二百億円がございますので、私どもといたしましては二千五百五十二億というふうに考えております。したがいまして、合計といたしましては六千五百四十一億というふうに考えております。
○増岡国務大臣 来年度の当然増につきましては、まだ計算をいたしておりません。これから検討していくことになるわけでございますけれども、いずれにしましても高齢化の進行ということは間違いないことでございますので、当然増が多いということは言えると思います。 さらに、先ほど御指摘のありましたような特例措置の繰り戻しが行われるわけでございますので、予算編成上は相当困難が伴うものと考えておりますけれども、しかしそのようなことではいけませんので、国民生活を守る社会保障に必要な予算はぜひとも確保したい、最大限の努力をしていく所存でございます。
○浦井委員 最大限の努力をして社会保障の水準を、大臣かねがち言われておるように水準を落とさないように、こういうことですが、今大臣お認めになったように、これは足しますと六十一年度一兆四、五千億になるのですよ、特例措置をやらないと。そうすると、これは改善を何もしなくてもこれだけの予算額が必要だということになるのですよね。だから、これはぜひ確保するように。 六十一年度は七月ごろからぼちぼち始まるわけですけれども、そのときに、今どうもはっきりしないのですけれども、健保の何か八割給付とかあるいは補助金一割カットというようなことをまた六十一年度もやる。それから、私、この間からしつこく聞いておりますように、中間施設というようなものをつくって措置費を減額するとか、それから新聞で伝えられるところでは、老人保健法を来年は見直すので、拠出率と老人の一部負担の、年金局長もよく御存じだと思うのですけれども、定率化であるとか、その三点くらい言われておるのですけれども、こういうことはしないということを約束できますか、大臣、ちょっとややこしいかもわかりませんが。
○増岡国務大臣 御指摘のように来年度の予算編成につきましてはまだ正確な数字ははじいておりませんけれども、相当な難しい局面に差しかかると思いますが、私はそれに対応すべく今から腹を決めておるところでございますので、十分御期待にこたえるようにやってまいりたいと思います。 なお、御指摘の三点につきましては、経費を節約するという意味ではございませんので、新しいニーズに対応するという立場からやろうといたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○浦井委員 終わります。
○戸井田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○戸井田委員長 まず、国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、本案に対し、小沢和秋君外一名から、修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。小沢和秋君。 ————————————— 国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関 する法律の一部を改正する法律案に対する修 正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小沢(和)委員 ただいま議題となりました国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 政府案は物価スライドの率を三・四%といたしておりますが、積み残し分も含め、この間の物価上昇が四・八%あったことを考えますと、年金額は実質的な目減りを余儀なくされることとなります。年金に老後生活の大半を頼って暮らしている老齢世帯にとっては、年金水準の維持は最低限ぎりぎりの切実な要求であります。 本修正案の趣旨は、この要求にこたえ、年金額の実質水準を維持すべく物価の上昇率どおりの年金物価スライドを実現しようとするものであります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○戸井田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。増岡厚生大臣。
○増岡国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府といたしましては反対でございます。 —————————————
○戸井田委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、小沢和秋君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○戸井田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○戸井田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○戸井田委員長 次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。 この際、本案に対し、丹羽雄哉君並びに小沢和秋君外一名から、それぞれ修正案が提出されております。 両修正案の提出者から順次趣旨の説明を求めます。丹羽雄哉君。 ————————————— 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す る法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○丹羽(雄)委員 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、原案において昭和六十年四月一日となっている施行期日を公布の日に改め、昭和六十年四月一日から適用することであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○戸井田委員長 小沢和秋君。 ————————————— 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す る法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○小沢(和)委員 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 政府提案の年金額等の改定は、人事院勧告を値切って実施した公務員給与に連動させるという不当なもので、この法による障害年金や遺族年金等の受給者に対してまでも一方的犠牲を強いるものであります。よって、障害年金や遺族年金等についても人事院勧告を基礎に給付改善を行うべきであります。 次に、修正案の概要を説明申し上げます。 第一は、障害年金及び遺族年金等の額を、八四年度人事院勧告による行政職俸給表(一)の改善傾向を基礎として六・七%引き上げることといたします。 第二は、扶養加給額を八四年度人事院勧告による扶養手当額の例により引き上げることであります。 以上が本修正案を提出する理由と修正案の概要であります。 何とぞ委員各位の御賛同をいただくようお願いいたします。(拍手)
○戸井田委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。 この際、小沢和秋君外一名提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。増岡厚生大臣。
○増岡国務大臣 ただいまの日本共産党提出の修正案につきましては、政府としては反対でございます。 —————————————
○戸井田委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。 まず、小沢和秋君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○戸井田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、丹羽雄哉君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○戸井田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正案の修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○戸井田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○戸井田委員長 この際、稲垣実男君外五名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合六派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。村山富市君。
○村山(富)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項につき、格段の努力を払うべきである。 一 国民の生活水準の向上等に見合って、今後とも援護の水準を引き上げ、公平な援護措置が行われるよう努めること。 なお、戦没者遺族等の老齢化の現状及び生活の実態にかんがみ、一層の優遇措置を講ずるとともに、援護の水準の引上げに伴って被用者医療保険における被扶養者の取り扱いが不利にならないよう配慮すること。 二 第二次大戦末期における閣議決定に基づく国民義勇隊及び国民義勇戦闘隊の組織及び活動状況等について明確にするとともに、公平適切な措置をとり得るよう検討すること。 三 満洲開拓青年義勇隊開拓団については、関係者と連絡を密にし、一層資料の収集に努め、問題解決のため努力すること。 四 戦没者遺族等の高齢化が進んでいる現状にかんがみ、これら遺族の心情に十分に配慮し、海外旧戦域における遺骨収集、慰霊巡拝等については、更に積極的に推進すること。 五 生存未帰還者の調査については、引き続き関係方面との連絡を密にし、調査及び帰還の促進に万全を期すること。 六 中国残留日本人孤児の肉親調査を今後とも積極的に推進するとともに、帰国を希望する孤児の受入れについて、関係各省及び地方自治体が一体となって必要な措置を講ずること。 また、中国からの引揚者が一日も早く日本社会に復帰できるよう、中国帰国孤児定着促進センターの運営の充実強化を図る等その対策に遺憾なきを期すること。 七 かつて日本国籍を有していた旧軍人軍属等及び旧国家総動員法による被徴用者等に係る戦後処理のなお未解決な諸問題については、人道的な見地に立ち、早急に、関係各省が一体となって必要な措置を講ずるよう検討すること。 八 原子爆弾による放射能、爆風、熱線等の傷害作用に起因する傷害、疾病を有する者に対する障害年金の支給及び死亡者の遺族に対する弔慰金、遺族年金等の支給に当たっては、現行援護法の適用につき遺憾なきを期すること。 九 ガス障害者に対する救済措置は、公平に行うとともにその改善に努めること。 十 法律の内容について必要な広報等に努める等更にその周知徹底を図るとともに、相談体制の強化、裁定等の事務の迅速化に更に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○戸井田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 稲垣実男君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○戸井田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。増岡厚生大臣。
○増岡国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。 —————————————
○戸井田委員長 お諮りいたします。 両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸井田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○戸井田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十八分散会 ————◇—————