社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/03/07
会議録
○戸井田委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森井忠良君。
○森井委員 増岡厚生大臣は広島の御出身でございます。私などよりはるかに被爆者問題についてはお許しゅうございます。また、被爆者の方々の悲惨な状況等につきましても熟知をしていらっしゃるわけでございます。そういう意味では、ことし被爆四十周年を迎えておるわけでございますが、被爆者の方々は年々お年を召しておられまして、恐らく被爆五十周年というのはもうあり得ないというくらいの気持ちで被爆者援護法をつくってもらいたい、そういう切なる要望があるわけでございます。 この際、質問の冒頭になりますけれども、そしてまたこの問題につきましてはこの国会で原爆特別措置法を御提案をしておられますから、細かい議論はいずれその場でするにいたしましても、御就任に当たりまして、今申し上げました被爆四十周年におきます被爆者の要望をどうおとらえになり、援護法についてどのようにお考えか、お考えを承っておきたいと思います。
○増岡国務大臣 御指摘のように、被爆後既に四十年を経過したわけでございますけれども、今なお障害に苦しんでおられる方々に対しましては、深い同情の念を持たざるを得ないと思っておるわけでございます。私どもといたしましては、従来から放射能の影響による健康障害という観点から、広い意味では国家の特別の補償という見地から二法の充実に努めてまいったところでございます。 援護法の御要請があるということは従来からもよく承知をいたしておるところでございますけれども、何分ほかの戦災者の方々との均衡等の問題もございますので、放射線との因果関係に着目をした二法の拡充を図ることがより現実的には被爆者対策に対処しやすいという考え方を持っておるところでございまして、今後ともそういう方向で努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○森井委員 この問題につきましては、先ほども申し上げましたように政府の法案も出されておるわけでございますから、いずれその節に改めて議論をいたしたいと思いますが、この際私どもの態度だけ明確にさせていただいておきますと、私どもとしては野党各党、さらには与党の皆さんにも御協力をいただきまして、被爆者援護法案を国会に提出をしたいと思っております。したがいまして、この問題につきましては後刻改めて議論するということを申し上げておきます。 次に、予算に関連をいたしますことで幾つか御質問をしたいと思います。一つは国庫補助金の削減の問題であります。それからもう一つは政管健保の国庫補助の繰り入れの特別措置についてであります。三つ目は、行革特例法に関します厚生年金等の国庫負担の四分の一カットの問題であります。私どもは、いずれにしてもこんなむちゃくちゃな法案はないわけでありますから廃案にしたいと思っておりますが、それはいずれ審議の段階で明らかになるといたしましても、ここで問題にしたいのは厚生省の態度であります。したがって、そういう観点から御質問申し上げたいと思います。 第一に国庫補助の削減の問題であります。高率補助につきましては、御存じのとおり一〇%のカットの方針が昨年の概算要求の段階で出されました。これは社会局長、例えば生活保護費は一〇%の削減になっていますか。
○正木政府委員 お答えいたします。 今度の補助率につきましては統一方針のもとに引き下げが行われておるわけでございますが、生活保護に関して言いますと一二・五%ということでございます。
○森井委員 はい、そうですかと引き下がったわけですか。これは問題だと思うわけですよ。去年の概算要求では、例えば生活保護について言えば、現在十分の八の国庫負担ですし、その当時の方針は御存じのとおり一〇%のカットです。そうすると、十分の八は十分の七・二にならなければならない。なぜ十分の七になったのか。今おっしゃったように一二・五%の削減という形になった。これはどだい話が違うじゃないですか。 時間がありませんから一遍に聞きますけれども、そうなってきた場合に、一体どういう措置をとるのか。生活保護について絞って申し上げますと、全国同じぐらいの生活保護家庭の数じゃないわけですね。生活保護家庭が多い県も少ない県もある。産炭地等は生活保護家庭の数の多さは深刻なものです。したがって大変だと思うわけでありますけれども、仄聞するところによると、予算が通った場合には二百億の調整交付金というものを考えておられる。では、どういうふうに配分されるのか。まだあくまでも予算は通っておりませんから、あなた方の答弁はなかなか難しいと思うが、基本的な姿勢としてこれでいいのか、どういうふうな措置をとろうとしているのか、これを明らかにしてもらいたい。 それから二つ目は、例えば私の選挙区にもあるのですけれども、二千万円か三千万円オーバーいたしましたために不交付団体になったという地方自治体があるわけですね。わずかの差です。しかし、今申し上げましたように、そういったところが高率補助の切り下げをされますと、わずか二千万円か三千万円の黒字のために不交付団体になっておる、本来ですと、これは当然地方交付税等で措置をされるわけでありますが、不交付団体にはそういった措置もとられない。非常に深刻な状態があるわけでございます。厚生省として一体どのように考えておられるのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○正木政府委員 まず第一点の補助率につきまして、おおむね一割ということであれば、生活保護について言えば十分の八が十分の七・二になるはずじゃないか、それが十分の七というのはどういうことだという御質問でございますが、今回の高率補助金の補助率の引き下げに当たりましては、行革審の意見等を受けまして、各省足並みをそろえて二分の一を超える高率補助金についての引き下げを行ったわけでございますが、政府案の決定に際しましては、引き下げ率おおむね一割ということにめどを置きまして、ただ、ばらばらになりますと現在の補助体系を複雑化するのではないかということで、区切りのいい直近の補助率に統一するということにいたしたわけでございます。したがって、生活保護について言いますと十分の七ということになったわけでございます。 ところで、そういったことによって地方に対する財源負担を一体どう措置するのかというのが第二の御質問でございますが、先生御案内のように、今回の措置による地方負担の増分につきましては、基本的には地方財政計画の作成を通じまして全体としての所要の措置をとることといたしておるわけでございます。しかし、先生からのお話しのように、生活保護の保護率というのは全国平均で申しますと一・二%強でございますが、非常に開きがあるということで、団体によっては歳出規模に占める生活保護費の割合が非常に高い。その辺についての円滑な運営にいろいろ配慮しなければならないということで、今回の措置に伴いまして急激な負担増を緩和する、そして円滑、適正な生活保護の実施を図るということで、二百億円の生活保護臨時財政調整補助金の計上をお願いいたしておるわけでございます。 これの配分に当たりましては、今後詰めていくことになりますが、基本的な考え方といたしましては、今回の補助率引き下げによる影響が特に大きく、かつ財政力の脆弱な地方公共団体で、しかも生活保護について一生懸命やっておられるといったところを中心に配分を行いたいということを考えておるわけでございます。具体的には財政当局とも十分相談をいたしまして、適切な配分をいたしていきたいというふうに思っております。 それから第三点の、では、こういった場合に、交付税の不交付団体であっても非常に苦しさのぎりぎりのところがあるじゃないかということでございます。この今回の補助金の創設の趣旨からいたしまして、私どもやはり財政力の脆弱な団体となりますと、普通交付税の交付団体をまず対象にするのが妥当ではないかというふうに思っておりますが、おっしゃいますように、不交付団体でございましても、五十九年度べースで申しますと六百五十一市のうちの八十三程度の市が不交付団体でございますが、そういう不交付団体におきましても財源超過の程度とか、あるいはその他のもろもろの状況を考えまして、いかにするのがいいのかというのは今後の一つの検討課題であろうというふうに思っております。
○森井委員 時間がありませんから、今の答弁決して納得はできませんけれども、問題点として指摘をしておきたいと思います。 二つ目は、先ほど申し上げました政管健保の国庫補助の繰り入れの特例措置についてであります。 昭和五十九年度の政管健保の決算見込みによりますと、九百三十九億の黒字が出る見込みだ。したがって、この金額についてまで一六・四%の国庫負担を事実上削減をする、そういう中身になっておるわけでございます。先ほど言いましたように、法案の審議は別にいたしまして、一体これが法の趣旨としていいのかどうなのか、私はここが問題だと思うわけであります。大体、黒字が出れば、本来なら弾力条項があるわけでありますから、保険料を引き下げる。これは九百三十九億、仮にこれを保険料に換算をいたしますと千分の二くらいになるはずです。間違っていれば指摘をしてください。千分の二くらいになるはずです。これは少々推移を見なければなりませんから今すぐとは言いませんが、やはり本来ならこれは保険料に連動させるべきだ。逆に、そのかわり赤字になったときは弾力条項がありまして保険料を引き上げることもできるのですから、それが健保の趣旨です。たまたま黒字が出たからといって、いきなりそれを国庫に召し上げられるというのは、これはどう考えたって私は納得できない。明らかにしていただきたいと思います。
○坂本政府委員 政府管掌健康保険の黒字につきましての御指摘でございますが、一つには、非常に一般会計の状況が苦しいということで、福祉予算全般についても何とか必要な額を編成するために、いろいろと工夫を強いられる状況でございました。ちょうど、五十九年度の様子を見ますと九百三十九億円の剰余が出るという見込みになるわけでございまして、これにつきましては、国庫補助率を引き下げることなく六十年度の繰入額を一時的に減額をするという措置をとることによりまして、また将来政管健保の財政状況に応じてこの減額分を繰り戻すということをはっきりさせることによりまして、政管健保の運営には支障を生じないという前提で一般会計の支出の負担を少しでも軽減したい、こういう趣旨でとられたものでございます。 保険料率を引き下げるという考え方も、もちろん理論的にはあり得るわけでございまして、先ほどおっしゃいましたように、もし数字的にこれを当てはめてみますと千分の二程度の引き下げというのは、一年度間に限ってはあるいは可能かと存じますが、この黒字がどの程度継続するかという問題につきましては、なおまだこれから時間をかけて推移を見守っていかなければなかなか判断は難しかろうと考えております。 さような意味におきまして、これから高齢化が、進みますし、あるいは医療の内容が高度化するにつれて医療費の伸びというものもやはり理論的には大きくなってくるということも考えられますので、将来の政管健保の運営に備える意味において、やはり現時点においては私どもは保険料率を現状のまま据え置いていきたいと考えておる次第でございますが、いずれにしましても、政管健保の財政運営には支障のないようにこれからも留意をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○森井委員 坂本部長、僕は何もかも承知をして聞いてるんですよ。今までの制度の運営の仕方からしてこんな例がありましたか。もう積立金という制度そのものが、それは特別会計ですから考え方としてはあるかもしれませんけれども、これは考えられないことなんですよ。積立金に一たんしておいて、そしてそこからまた繰り出すという形になっておるわけですね。こんないびつなことが許されていいのか。ちょっと口幅ったい言い方で恐縮ですけれども、この九百三十九億の黒字というのは一体何ですか、これは。保険料が大部分でしょう、黒字になった理由は。国庫負担は一六・四%なんだから、大部分は保険料なんです。それを拠出者に関係なしに国庫に事実上繰り入れるというようなこと、そこの考え方が私は問題だと指摘をしておるわけですよ。 もう一遍この点について答弁をいただきたいのと、時間がありませんから質問を二つ三つ続けますが、二つ目は、これはいつ返してもらうんですか。法案を見ますと、「後日」と書いてある。「後日」とは、これは「当分の間」というのが永久に続く場合もあるくらい法律というのはなってるわけですから、一体「後日」とはいつなのか。それから、返すとは書いてないです。適切な措置を講ずるものとする--返すとも書いてありますか。「金額を繰り入れる措置その他の適切な措置を講じなければならない。」こうなっておるわけですね。絶対に返すとは書いてない。私は、若干勘ぐりがひどいのかもしれませんけれども、ぱっと頭の中に浮かびましたのは、昭和四十八年以前の健保の赤字ですよ。当時三千億、今六千億近くなってますね。これといつかの時代に相殺されるのではないかという感じがしてならない。この点、大蔵省からも明確にしていただきたい。それが二つ目。 それから、三つ目は金額です。九百三十九億と私申し上げましたけれども、法案にはそう書いてある。ところが、厚生省の説明はそうじゃない。厚生省の説明はこういうふうに書いてありますね。「昭和五十九年度の単年度収支差見込額から昭和四十八年度末累積債務資産見合分の償還に充当する額を除いた額の範囲内で、減額する。」こういうふうに私ども説明を受けておるわけです。どっちが本当ですか。つまり、締めてみなければまだわからないわけでしょう、五十九年度も、正確に言うとまた五十九年度は本日ただいまの時点で進展中ですから。だから、健保の性格上、例えばこれから急に風邪でもはやったら、また変わってくるというようなことがあるわけですから、したがって、法案要綱を見ますと九百二十九億と書いてある。あなた方の説明は、先ほど言いましたように抽象的に、結果として出た収支差額と、こうなっておるわけであります。この点も明らかにしてもらいたい。時間がありませんから、簡単に三点について。
○坂本政府委員 第一点の考え方の問題でございます。確かに、保険料によって生じておる黒字でございますが、その黒字を六十年度については一般会計の方の繰り入れを減額という形をとるわけでございますけれども、これは先ほど申しましたように、一般会計の窮状からしてやむを得ない措置である。しかし、将来はこれを繰り戻すということにしておりますので、一時的にはいわば一般会計との間で調整をしたような形にはなるわけでございますが、基本的には、それは健康保険の資産として実質的には保有できる形になると私どもは考えておりますので、政管健保の運営に支障を来すようなものとは考えておりません。 第二に、繰り戻しの関係でございますが、法案にも、後日、政府管掌健康保険の財政の状況を勘案しつつ繰り戻すということははっきりしております。したがって、繰り戻すこと自体については、これは法律上明らかである。ただ、その時期については政管健保の運営の状況を見つつということで、具体的に昭和何年度というところまでは書いてございませんが、いずれにしても、政管健保の運営に支障を来すことのないように繰り戻しを行っていくということは法律上もはっきりしておるわけでございます。 第三に、金額でございますが、九百三十九億円と申しましたのは、五十九年度の剰余見込み額九百五十億円から四十八年度以前の累積債務のうち保険料で償還すべき十一億円を償還した後の九百三十九億円、こういう意味でございます。ただ、九百五十億円自体が現時点での見込みでございますから、これは結果といたしましては多少変わるということは全くないとは申せませんが、私どもとしては、大体現在の状態からして少なくとも九百五十億円の剰余が出るということについては、まず問題はなかろうというように考えておる次第でございます。 それから、昭和四十八年以前の累積債務の償還にこの黒字を充てていくというおそれはないかという御質問でございますが、私どもとしては、四十八年度以前の累積債務のうちでいわゆる損失見合いの分は一般会計から償還するという扱いになっておるわけでございまして、保険料財源をもってこれを償還するということは考えておりません。
○小村説明員 一番最後の点の昭和四十八年度末累積債務の償還の件でございますが、かねてより私どもお答えしておりますとおり、損失見合い分について国庫で負担をするという考え方については何ら変更はございません。
○森井委員 主計官、もう一つ質問があったのですが、九百三十九億、これも坂本部長の答弁がありましたが、やはり九百三十九億ということで事実上確定をしなければならぬのでしょうな、法案要綱の方がそうですから。まあこれはどちらでもいいです。我々としては廃案にしたいという気持ちで、姿勢だけ聞いておるわけですから。 ただ、この際、大蔵省に聞いておきたいと思いますけれども、九百三十九億は「後日」云々となっておりますけれども、「後日」とはいつですか。 それから、今の坂本医療保険部長の答弁に大蔵省としても異論はないか、この点だけ一言はっきりしておいてください。
○小村説明員 まず第一点の「後日」でございますが、法律に規定しておりますように、政管健保の財政状況を見て、その財政状況によって繰り戻しを行うということでございまして、医療費という変動要素の大きい会計でございます。したがいまして、将来どういうことになるかわからないということもございまして、機動的に対処できるようにこういう規定を置いたわけでございます。 その他の点につきましては、坂本部長お答えのとおりでございます。
○森井委員 いずれどこかの場で法案審議があるわけですから、これも問題点の指摘にとどめておきます。 三つ目の問題は、行革特例法に伴いますところの厚生年金の国庫負担の四分の一削減の継続であります。五十九年で終わっていなければならぬわけでありますが、六十年も引き続いてやるということであります。それで、どうもこの問題については、森井のやついずれ早く死ねばいいとぐらい思っているかもしれませんけれども、私のおる限りこれは絶対に忘れることはありませんので、必ず適切な措置をしていただかなければならぬと思うのでありますが、数字だけ確認をしておきますと、行特法によります特例措置で厚生年金の国庫負担の減額が行われた金額、五十七年度が千八百三十億、五十八年度が二千百七十億、五十九年度が二千四百二十億、それに六十年度は予算上見ますと三千五十億、合わせて九千四百七十億、これは元金だけですね。もう既に一兆円にはなっていると思いますけれども、これは大変なことだと思うわけです。 私はいつかの社会労働委員会で六十年度をどうするのかと言ったら、そのときはわからないと答えた、わかっているくせに。それで結局、今年度も三千五十億ほど事実上国庫負担を減らすわけでありますけれども、これは明確に返しますね。この場合、私はまた厚生省に嫌みを言うようでありますが、今私が申し上げた数字に間違いはないかということと、運用利益も含めて、例えば、いわゆる特例公債がなくなる年というのは昭和六十五年度となっていますから、昭和六十五年度に払っていただいたとして、幾らぐらいの金額になるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○長尾政府委員 お答えを申し上げます。 先生、今お話しがございました厚生年金保険の国庫負担の繰り延べ額でございますが、当初予算のベースでお話しございました六十年度現在で九千四百七十億、これは元本でございます。ということは、先生のおっしゃるとおりでございます。 利息の計算でございますが、一定の仮定を置きまして、つまり、現在厚生年金が資金運用部に預託をしております実際の利回りを勘案いたしまして計算をいたしますと、六十年度末におきまして先生御指摘のように一兆円を超えます金額、一兆七百七十五億円という金額になるわけでございます。これを六十五年度末ということで先生お話しの形で試算をさせていただきまして、この運用の利息相当も今申し上げましたような考え方で計算をさせていただきますと一兆五千二百四十八億、これは六十五年度末の数字でございますが、というものになると考えております。
○森井委員 この際、大蔵省の考え方も聞いておきたい。特に返済のめど等について……。
○小村説明員 行革特例法に基づきます厚生年金等の国庫負担の減額につきましては、五十七年から五十九年までの特例措置ということで当初お願いをしたわけでございますが、残念ながら五十九年度における特例公債脱却ができなかったということで、六十年度予算編成におきましても、まことにやむを得ない措置としてまた一年の延長をお願いしたところでございます。 この国庫負担の減額分につきましては、再三私どもの大臣もお答えしておりますように、年金財政の安定を損おわないよう、かつ国の財政状況を見ながらできるだけ速やかに着手をしたいということでございます。そういった方針については一切変更はございません。
○森井委員 この際、大臣にお伺いをしたいのですが、今お聞きのように、何か厚生省の行政は財源が足りないときは探れば搾るほど財源が出てくるという感じで、次から次へと大蔵に押し切られていっておるという現状があるわけでございます。 立場は違いますが、やはり私どもも厚生省のファンの一人であります。したがって、こんなことが許されていいものか。私もささやかな経験ですけれども、ずっと本委員会で議論を続けてきておりまして、こんな年というのはないと思うわけです。例えば、まさか医療保険の黒字にまで手をつけられるというのは思いもしませんでした。そういう意味では、閣僚のお一人でございますから、したがって内閣の方針にとやかく言うのはなかなか御答弁としてはしにくいとも思いますけれども、やはりこれ以上のことはない、今後は一切しないというふうなことを明言できますか。
○増岡国務大臣 ただいままでの措置は、医療保険におきましても年金におきましても事実上の経営には支障がないということでやむを得ず承諾、了承いたしておるところでございます。そのような根幹にかかわるようなことであれば、これは断固お断りをしなければならぬと思いますし、また一たんお貸ししておるわけでございますから、できるだけ早い時期にお返しをいただきたいというふうに考えております。
○森井委員 次の問題に入りますが、一月二十四日に社会保障制度審議会が老人福祉のあり方につきまして建議をしておるわけでございます。私も委員の一人ではありますけれども、幾つか指摘があるわけでありますが、その中で特に目立ちますのは、老人病院と特別養護老人ホームとの関係であります。重介護を要する老人は心身の状態にはほとんど差がない、療養上の介護も同じなのに入所手続があったり、あるいは費用負担の仕組みが違うなど、この際、何とか調整もしなければならぬ、そういうことが建議の中の一つのポイントとして指摘をされておるわけでございます。 これは確かにそのとおりだと私も思うわけでございまして、この際、老人病院と特養とをある程度整理をしていかなければならぬのじゃないか。そういった意味で、これは画期的な建議の一つだと私は思うわけでございますけれども、ああそうですかというわけじゃないわけでありまして、一体、厚生省はこれに対してどう対応しようとされておられるのか、明らかにしていただきたいと思うのです。
○吉崎政府委員 御指摘のとおり、お年寄りを適切に処遇するためには、今の福祉施設の体系と病院の体系だけでは不十分であると私どもも考えております。 お話しのございました制度審の建議、傾聴すべき御意見であると思う次第でございます。厚生省といたしましては、そういう状況にございますので、お年寄り対策の総合対策の中で、医療と福祉の中間的な機能を有する施設のあり方などにつきまして、予算が認められましたならば来年度に関係の専門家、学識経験者による検討会を設置をいたしまして幅広い検討を進めていく方針にいたしております。
○森井委員 検討会をおつくりになるということでありますから、一刻も早く的確な対応をしていただきますように要求をしておきたいと思います。 この際、もう一つ関連をするわけでありますが、聞きたいと思うわけでございます。寝たきり老人の介護の問題ですね。もう家族の方々の心労というのは大変だと思うわけであります。したがって、各地方自治体等におきましても、それを軽減するという意味でショートステー事業というのを最近ぼつぼつやっておるわけでございます。国も当然そういった地方自治体の動きも見ながら、こういった施設の強化について進めていただかなければならぬ時期に私は来ていると思うわけでございます。この点についても対策があれば明らかにしてもらいたいと思うのです。
○増岡国務大臣 これから迎える高齢化社会に対しましては、寝たきり老人並びに痴呆性老人の対策がまず第一に手がけなければならぬ問題だと承知をいたしております。したがいまして、昭和六十年度の予算編成に際しましても、ホームヘルパーでありますとかショートステーでありますとか、そういう在宅老人の対策につきましても十分配慮を加えたつもりでおるわけでございますけれども、これから後もそのような観点からあらゆる方面にわたっての努力を積み重ねてまいらなければならぬというふうに考えております。
○森井委員 時間の関係ではしょらせていただきまして、次の質問に入りたいと思います。 私、一つ文書を持っております。ちょっと読み上げますので、関係の皆さんよく聞いていただきたいのでありますが、「健保組合方式は、その集団の実情に即して行きとどいた管理運営ができること、企業または業種の共同連帯意識を基盤として経営における責任体制が確保されること、事業主と被保険者が積極的に運営に参加し、自主的、民主的な経営が実現できることなど極めてすぐれた特質をもっており、民間活力による経営の効率を最大限に生かすことのできる管理運営方式である。」これは健保組合のメリットのことをうたっておると思うのであります。私もそう思うわけでありますが、厚生省の考え方はいかがでしょう。
○幸田政府委員 ただいまお読み上げいただいた健保組合の長所といいますか自主性といいますか、そういうものは御指摘のとおりと考えております。
○森井委員 そこで、健保の統合一本化というのがあるわけですね。今御答弁をいただきました幸田保険局長、あなたは当時の金丸総務会長のところに呼ばれましたね、十月五日。そこには三師会の人が見えております。それから当時の渡部厚生大臣も見えておるわけでございます。そうして、そこで統合一本化について具体的に政府に対して進めるという要請があったと聞いております。そのとおりですか。
○幸田政府委員 当時の金丸総務会長からそのようなお話があったことはございます。
○森井委員 健保の審議に当たりまして、いわゆる健康保険制度の統合一元化というのが日本医師会から問題になってまいりまして、自由民主党は昭和五十九年八月十日付で日医を含むいわゆる三師会と覚書を締結をしております。その最初に、医療保険制度の統合一本化を五年後に行う。去年は昭和五十九年でありますから、したがって昭和六十四年までに医療保険制度の統合一本化を行う、これがまず三師会と自民党との間で協議をされました。これはちゃんと二階堂副総裁あるいは金丸総務会長などなど自民党の主要メンバーがすべて調印をしているものであります。 統合一本化というのはどういう意味ですか。これは日本語のとおり読みますと制度の統合になっているわけです。今メリットとしてお認めになりました健保組合あるいは政管健保と国民健康保険などなどですね、すべての制度を統合一本化すると読めるんです。厚生省おやりになりますか。
○幸田政府委員 私といたしましては、統合一本化の内容が必ずしも明確ではございませんが、その意味するところ、目的とするところは、全国民を通ずる給付と負担の公平を図ることにある、こういうふうに理解いたしております。 ただいま御指摘の自由民主党と三師会の覚書におきましても、ただいまお読み上げになりました後に、特に負担の公平と給付の平等を図るということがついているわけでございまして、私は目的とするところはそういうところにあるもの、こう理解をいたしておるわけでございます。
○森井委員 抽象的な答弁じゃ困るんですが、そうすると、例えば政管健保とそれから組合健保とを統合するというようなことはありませんね。あるいは国民健康保険とその他の被用者保険と統合することはないんですね。
○幸田政府委員 具体的な方策につきましては、これから与党の中におかれましても検討を開始されるということでございまして、私ども、具体的にどんな形になりますか、まだ十分与党のお考えも承ってない、こういう状況でございます。
○森井委員 具体的に云々と言いますが、先ほど言いましたように、あなたが十月五日に金丸総務会長に呼ばれて、今までは与党と三師会との覚書であったけれども、厚生大臣とあなたが参加をされまして、そうしてこれは政府としてもそれを受ける形になっておるわけであります。 今、負担と給付の公平の立場だ、こう言われましたけれども、私は具体的に保険局長幸田さんに聞いているわけです。 もう一度言いますよ。政管健保と組合健保を一本の制度にするのか、さらにそれに国民健康保険も加えるのか、この点だけはっきりしてください。でなければ私は残余の質問は続けられませんよ、これだけ重大な問題ですから。
○増岡国務大臣 先ほど局長から御答弁申し上げました給付と負担の公平ということがこの種の問題を議論なさる方々の共通な意識であろうと思います。したがいまして、そういう意味合いから申しますと、いろいろな立場から自分たちの見解を交えて発言されておられる方々が非常に多うございますから、そういう意見も幅広く聞いた上で判断をしなければならないと思うわけでございますから、今直ちに統合一本化、制度合併というようなことも考えておりません。しかし、あくまで給付と負担の公平というものは追求をしていかなくてはならないというふうに考えております。
○森井委員 ある程度明らかになりましたから、これ以上深追いはいたしませんが、これは極めて重大な問題ですね。そして、先ほど私は申し上げましたけれども、健保組合は健保組合なりにあれだけのメリットを持っているわけですね。そして立派に運営をしておられる。そういった点に着目して今後の厚生行政を進めていただきたい。このことを強くお願いをいたしておきます。 次に、同じように健保に関する問題でございますけれども、健康保険の被扶養者の認定の問題であります。 夫婦共稼ぎの場合が問題になるわけでありますが、厚生省は今までどちらかというと、夫婦といいましても健康保険の被扶養者は夫の被扶養者とする、こういう通達を出しておいでになりました。これは男女差別じゃないかというので、去る二月二十六日、我が党の金子議員から指摘をされまして、一定の改革の示唆をなさったと聞いておるわけでございます。これはもう示唆だけじゃ困るわけでありまして、今までの通達を見ますと、夫と妻共稼ぎの場合は必ず夫の被扶養者とする、こうなっています。強いて例外を挙げれば、妻の方の収入が夫よりも三〇%以上多い場合には妻の方にしてもよろしい、こういう形になっておるわけであります。 しかし、これは本来基本的には選択に任すべきだ。あるいは、悪くてもやはり収入の多い方の扶養家族にするのがこれは常道だと思うわけでありまして、男性たる夫に限定するというのは、これは明らかに我が党の金子議員が指摘をしておりましたように差別です。特にこういう時期です。女性差別撤廃条約がいよいよ批准をされようというこの時期でもあります。直すのが当たり前ですけれども、具体的にどういうふうにお直しになるのか、さらにいつからおやりになるのか、これはもう緊急の課題でありますかち、この際、明らかにしてもらいたい。 それからもう一つ、政管健保等についてはわかるわけでありますが、共済組合についてはどうなっているのか、そして厚生省の趣旨が徹底されるのか、その辺の対策についても明らかにしてもらいたいと思います。
○増岡国務大臣 先日、金子先生からの御指摘がございまして、十七年前だということでございますので、この十七年間に婦人の就労の機会がうんとふえておることは間違いのないことでございますので、検討いたしましょうというふうに申し上げたわけでございます。 ただいま森井先生から、例えばということでありましたけれども、具体的な施策等の御発言もございましたので、御趣旨を踏まえまして事務当局に対応策を早急に検討開始をさせ、実現を見たいというふうに思います。 共済組合との関連につきましては、政府委員から答弁させます。
○幸田政府委員 現行の四十三年の通達も各省連絡会議で共済組合も含めまして実施をいたしたものでございますので、各省とも十分協議をいたしまして、共済組合も含めた統一的な取り扱いにいたすつもりでございます。
○森井委員 今、大臣からも御検討いただくということでございましたからいいようなものの、そうしますと、具体的にはこういうふうなことで理解してよろしゅうございますか。 これから検討してくださるということは、要するに今のままじゃ不都合だ、だから何とか是正をしたいというお気持ちだろうと思うわけですね。そうすると、例えば選択にするとか、話し合って夫婦どちらの扶養家族にするかとか、いろいろありますね。例えば妻は政管健保、それから夫は商売かなんかしておられまして国民健保というようなこともあり得るわけでございます。したがって、その種のものを考えますと、やはり選択というのが一つの方法になるのじゃないか。 それから二つ目は、収入の多い方、所得の高い方の被扶養者とするというのも一つの方法でしょう。そういったことを考慮に入れていただいて、要するに夫とか妻とかということは関係なしにやっていただけるというふうに理解をしてよろしいかどうか。 それからもう一つは、早急にというお言葉でございましたけれども、これは確かに準備期間も要るかと思いますけれども、もう間もなく新年度になるわけでありますが、新年度早々と理解をしていいのかどうか。時期的なものについても、これは検討中のこともありましょうから、政府委員からでも結構でございます。御答弁いただきたい。
○増岡国務大臣 先生は専門家でいらっしゃるわけで、私はまだ素人みたいなことでございますけれども、今お話しの出ました中では、所得の比較によって多い方に扶養家族をつけるということが、事務的には、あるいは社会通念からも認められるところではないかというふうに思います。残余の答弁は政府委員から……。
○幸田政府委員 実施の時期につきましては、先ほど申し上げました各省連絡会議等の手順が必要でございますが、それを行いまして、できる限り早く御質問の趣旨に沿うような形にしたいと考えております。
○森井委員 同じく健保に関しての質問でありますけれども、あと二、三問お伺いしておきたいと思います。 例のあの昨年の健康保険法の改正案の成立のときに、自民党修正によりましていわゆる三段階定額制というのが出てまいりましたね。マルメと申しますか、三千五百円以下の場合は三百円とか、二千五百円以下の場合は二百円とか、そういうものが出てきたわけでありますが、どうもこれは多分日医と与党のどなたかと、今いらっしゃるかいらっしゃらないかわかりませんけれども、せっかくお話しになってわざわざ法案を修正をされたわけでありますけれども、まことに評判がよろしくないわけですね。厚生省の立場としてもこれはコスト意識のカモフラージュになるわけでありますから、この制度というのは好ましくなかったが、渋々これはもうのまざるを得なかったという経過が、これは私の推測でありますが、あるようでございます。やってみますと、どうも評判が悪くて余り実施をしていないようでございます。 この三段階の定額制について実施状況を簡単に御説明をいただきます。
○幸田政府委員 昨年十月の実施状況でございますが、一般の医科で全体の医療機関の三・一四%、歯科の場合には〇・一二%、薬局の場合には〇・一八%ということになっております。
○森井委員 これはもう全然問題にならぬですね。法律ができても実際は動いていない。日本歯科医師会のごときはもうみんな一緒にやるまいじゃないかということでおやめになるというようなところになりました。これは法律なものですから制度としてはしばらく残るわけでありますが、なるべく早くこんなものはもう一遍制度改正をやるべきじゃないかと思うのです。これは幸田局長、いかがですか。
○幸田政府委員 昨年の十月に、御審議の結果導入をされたばかりでございますので、私どもといたしましては、もうしばらくこの状況の推移を見守っていきたいと考えております。
○森井委員 しばらくと言いましても、法律があっても動いてないものはこれはやめるべきですよ。まああなたはその資格がないからこれ以上は答弁を要求しませんけれども、問題点としては指摘をしておきます。 次に、あの健保の改正で悪いものばかりではなかったわけですね。いい改正も幾つか中にはあったわけでありますが、その一つに高額医療費の貸付事業というのがありましたね。特にこれが政管健保に導入されるということで非常に結構なことだと思うわけでございます。これは具体的にどういうふうになさいますか。
○坂本政府委員 昨年の健保法改正によって新たに行われることになりました高額医療費に対する貸付事業につきましては、政府管掌健康保険の場合、昭和六十年度から実施をすることにいたしまして、六十年度予算案に必要な経費を計上して御審議をいただいている段階でございます。 実際にどのように行うかという具体的内容については、現在最後の詰めを行っておりまして、近くまとまる予定でございますが、本人または家族につきまして、高額療養費が支給される見込みの方に対して、高額療養費見込み額の八○%相当額を無利子で貸し付けることを予定をいたしております。これは高額療養費が支給された段階でそれをお返しいただくということにいたしまして、政府管掌健康保険の特別会計に貸付原資二十七億円を計上をいたしております。
○森井委員 この際、忘れてはいけませんから、もう一つ聞いておきます。 医療施設の構造の設備基準の問題です。これは医療法に基づいておりますから直接健保じゃないわけでありますが、その中で、例えば無菌病室でも外気開放のために窓をつくれというふうな古臭い規定がまだ幾つも残っているのです、私、読んでみましたら。この際だからお聞きするわけでありますが、そういう時代に合わないというようなものがたくさんあるわけでありますが、これは見直しになりませんか。私もしばしば指摘をしてまいりましたけれども、明らかにしていただきたい。
○吉崎政府委員 お話しのございましたように、病院、診療所におきまして適正な医療を確保いたしますために、医療法でその構造設備につきまして衛生上、防火上及び保安上の観点から各種の基準を設けておるところでございますけれども、医療技術の進歩、建築技術の進歩等によりまして確かにお話しのように現状に合わなくなっている部面がございます。 昨年は階段につきまして改正をいたしたのでございますが、御指摘ごもっともでございますので、適正な医療の確保を図りながら構造設備基準の見直しにつきまして検討をしてまいりたいと考えます。
○森井委員 時間がないので最後の質問になるわけでありますが、いわゆる第二薬局の問題でございます。 しばしば問題にしてきておりまして、第二薬局が現在の行政上ふさわしくないということにつきましては、本委員会でもほぼ統一された議論になっております。そして厚生省もその是正方を順次進めてきておられると思うのでありますけれども、第二薬局はその後どういうふうに進展をしているのか。減っておるのかふえておるのか。極めて反社会性の高いものだと私認識をしておりますし、医薬分業その他の観点から見てもこれは問題があるわけでございます。状況について簡単に御説明をいただきたいと思います。
○小林(功)政府委員 第二薬局の数の推移についてお答えいたします。 直近の調査は昭和五十九年七月でございますが、全国で九百二十七カ所でございます。ちなみに昭和五十五年十二月の、前の調査によりますと、千七施設でございます。
○森井委員 割と進んでいませんね。私が本委員会で質問いたしましたときは千七でした。今お聞きをいたしますと九百幾つになっております。確かに減っておりますね。これはしかし新規はどうなっていますか。これからどうするんですか。もう見ではっきり第二薬局とわかるようなものは私は当然淘汰をされなければならぬと思うわけでありますが、その減った数は、五十七年の厚生省通達に基づきまして順次整理をしていく、具体的にどうしてもこれは改善をしないというふうなものについては、通達どおり地方社会保険医療協議会に諮って、そして保険薬局としての指定を取り消すというふうな手荒なこともなさったはずでございます。具体的にそういった措置模様について、わかっておれば、簡単でいいですから明らかにしてもらいたいと思います。
○幸田政府委員 更新時におきます取り扱いについては私ども現在数字を持ち合わせておりませんが、いずれにいたしましても、私ども新規にいわゆる第二薬局は保険薬局の指定は行わないということで臨んでおりまして、既存の薬局につきましてもできる限り改善をする、こういうことで新しいものは一切認めない、こういうことで臨んでいるところでございます。
○森井委員 これは強くお願いをしておきたいと思うのですけれども、今の厚生省の姿勢というのは私は問題があると思うのです。千七あったのが九百幾つに確かに減っております。努力の跡は当然評価をいたします。御苦労さんでした。しかし、問題は、五十七年に通達をお出しになったときには千七あったのです。それも五十七年に千七あったのは、その年にできたんじゃない。五十六年のもあり、五十五年のもあり、五十四年のもある。既に三年以上経過したものが非常にたくさんある。ほっといたら、ずっと自動継続されるわけですけれども、三年ごとに保険薬局というのは更新の時期があるわけでしょう。第二薬局とわかっているのが千七と調べて、あなた方が我々にも報告をされたわけでしょう。五十七年、五十八年、五十九年、今六十年ですけれども、もう三年ごとの切りかえということになれば、これは当然淘汰されていなければならぬ。ちょっと口幅ったい言い方をすれば、相当な改善をしてゼロになっていなければならぬと思うんですよ。 したがって、厚生省の態度というのは、そういう意味では問題があると思います。医療費のむだですから。したがって、もう少しメスを入れて徹底的に審査をして減らしていく、地方社会保険医療協議会に諮問していく、そこまでやはりやっていただきたいと思うわけであります。これは大臣ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○増岡国務大臣 この問題につきましては、六十年度におきまして実態の調査を行いたいと思っておるところでございます。御指摘のように、第二薬局として問題のあるものについては厳しい姿勢で臨むとともに、その関係する医療機関についても必要に合わして指導してまいりたいというふうに思います。
○森井委員 薬の問題たくさんございますけれども、時間が参りましたので、私の質問は終わります。
○戸井田委員長 河野正君。
○河野(正)委員 せっかくの機会でございますので、まず第一点として、各種審議会がございますが、行政とその審議会との関連について大臣の御見解をひとつ承っておきたいと思います。 私どもがそのお尋ねをいたしますゆえんのものは、国会でそれぞれ議論の上意思決定をして、そのことが審議会において否認される、あるいは否認まではされぬけれども、それが了承されないというような状況が生じた場合に、一体行政が優先するのか審議会が優先するのか。審議会というのは大臣の諮問に応じて答申をする、あるいは建議をするということですから、当然大臣の方針というものが貫かれなければならぬ。しかし、それが審議会でストップされるということになれば、これは大げさな言い方をすれば大臣に対する不信任ということになろうと思うんです。これを具体的に申し上げますと差しさわりがございますから申し上げません。 しかし、その間でいろいろ局長その他が御労苦なさっておる状況も知ってはおりますけれども、結論的には国会の意思というものがストップするという結果になっております。政府が、厚生省が、局長以下非常に御苦労なさったといいながら、結論的には大臣の意思というものが承認されないというようなことになるわけですから、したがって、この点は将来とも十分ひとつお考えを願っておかぬと、国会で我々がいろいろ議論しても、その議論は全く水泡に帰するわけです。意味がないわけです。ある意味においては国会審議というものを否定することになるわけですから、そういう意味で、行政と審議会との関連に対する大臣の御見解をひとつ承っておきたいと思います。
○増岡国務大臣 審議会は、もともと行政側から広く識者の意見を聞くという意味合いであろうと思うわけでございます。したがって、その意見を具体的にどう実現するかということは行政府の責任でございまして、その際、国会の御意見を尊重することも当然のことだというふうに考えております。
○河野(正)委員 国会の意思を尊重するという意味においても、ぜひ今の大臣の所信というものを今後とも強く推進していただきたい。そうしませんと、ここで一生懸命な議論をいたしましても、国会の意思ということは大臣も局長も御存じで、それを何とかして了解を求めようということで努力なさっておる経過は承知しておりますから、そこまで私どもは突っ込んで申し上げません。したがって、具体的なことはきょうはここでは遠慮させていただきますが、基本的にはぜひそういう方針で臨んでいただきたいということでこの点は終わらしていただきたいと思います。 そこで、きょう私が主として議論をいたしたいと思います点は、これはさきの委員会でも審議をいたしてまいっておる点でございますが、最近の新聞、テレビ、そういう状況を見てまいりましても、いわゆる医薬品の販売ルートというものが非常に乱れておる。したがって、そういう面でいろんな不祥事件というものを惹起しておる、こういう事情があることは大臣も新聞その他で御承知だろうと思うんです。そういう意味で、特に医薬品の場合は生命関連商品、人の命に関連するような重大な商品でもございますから、そういう立場からもこの問題はかなり重要視しなければならぬ。しかも、世間では健康食品と称して医薬品まがいのものがはんらんをしてみたり、あるいはその他流通機構の中でいろいろ問題を惹起したり、こういう問題が非常に最近多くなっておりますので、私はあえてきょうもその問題に対していろいろとお尋ねをしてみたい、こういうふうに考えるわけでございます。 そこで、きょうお尋ねをしたいと思っておりまする第一点は、医薬品の流通市場、いわゆる第二市場、まあ現金問屋、いわゆる俗に言うブラックマーケットというよう空言葉も使われておるようでございますが、この問題について改めてきょう取り上げてみたいというのは、先ほど私が指摘をいたしましたように、今いろいろな問題点が出てきておる。そういうことであえて再び取り上げておるわけでございますが、医薬品の卸は直販と一次卸、大体これがシェアの九〇%を占めておる。そして第二市場、現金問屋の占める割合というものは一〇%程度であろう。しかし、流通市場のこの一〇%というものがかなり大きな影響を持っておることは政府も認められておるところでございます。 そこで、私はきょう特に指摘をいたしたいと思いますのは、先ほど申し上げましたように、医薬品というものは生命関連商品、命に関連する商品ということでございますから、そういう意味ではこの安全性というものが国民の命を守る、健康を守るという意味から非常に重要であることは、これはもうある意味では否定することができない事実であります、ただ、薬は安ければよろしいということではないわけでございます。今、医業経営というものが非常に厳しくなっていますから、安いにこしたことはございませんが、ただ安ければよろしいということではないだろう。最も重大なことは、安全性というものが保証されなければならぬ、こういうふうに思うわけでございます。 そこで、総括的にこのことに対しまする政府の見解をお尋ねをして、それで逐次質問を続けてまいりたい、こういうふうに思いますので、まず今私が申し上げました総括的な点に対する御見解を承りたいと思います。
○小林(功)政府委員 ただいま先生からお話しございましたように、確かに医薬品というものは国民の生命、身体、健康に直接作用するものでございますから、あくまでも安全性並びに有効性というものを大事にしなければならないという点は御指摘のとおりでございます。 流通の問題でございますが、今おっしゃいましたようにいろいろな流通過程があるわけでございますが、これもおっしゃるとおり物が物だけに安ければいいというものではございません。ただ、片や価格が安いから即それで取り締まるというわけにもいかないという面もまた一方においてあるわけでございます。したがいまして、私どもとしましてはそういう価格面も考えた上で、不良の医薬品、品質の悪い医薬品、そういったものが出回らないように、そういった意味での監視の目を向けるというところに重点を置いて指導並びに監督をしていきたい、こういうことでございます。
○河野(正)委員 前委員会におきましても、今申し上げましたように私どもの見解に対して厚生省からいろいろお答えをいただいておるわけですが、今も薬務局長からお答えをいただきました。しかし、そういうお答えをいただいたことが必ずしも実施されておらない。そこで、なお引き続いていろんな問題が提起をされつつある、そういうふうに考えるのでございます。 そこで、前委員会において取り上げてまいったところでもございますが、その際政府でお答えになりましたのは、今も局長からは答弁がございましたが、「医薬品は医療の分野で非常に重要な役割を示すものでございますので、その品質は極めて重要であると考えております。」それはそのとおりだと思うのです。「そこで、この有効期限あるいは現金問屋の場合には流通過程における品質管理が適切であるかどうか、それから安定供給の能力があるかどうか、そういう点に十分配慮をして細心の注意を払って」おります、こういうふうにお答えになっております。それがそのままお答えになったとおりに実行されておるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○小林(功)政府委員 私どもの方では薬事監視制度がございますので、それを大いに活用しまして厳重な取り締まりあるいは監督をしているつもりでございますが、残念ながら例のにせクレスチン事件とか、そういうものが起こっているのも事実でございます。ただ、こういう問題は、この件について言えばもう犯罪行為であることはわかりながらやっておるということでございますので、この事前防止というのはなかなか難しゅうございますけれども、ただ、それをいち早く発見していち早く的確な回収その他処理をするということが重要だ、こういう考え方でやっております。 ただ、今お話しありましたように、いろいろやって努力はしておりますけれども、そういう事件が相次ぐということでございますので、私どもは、先ほど申しましたように安いから直ちに悪いということではございませんけれども、やはり取引価格等から見ましてその品質に疑問を抱かせる可能性が高いという点もこれもまた事実でありますので、少しそういう業態については重点的な監視をしてみようということで、今検討を始めておるところでございます。
○河野(正)委員 その第二市場の薬価というものが異例に安い。そういうことは一般の流通機構ではあり得べからざることでございますけれども、異例に安い。そうすると、一体そういう流通機構がどうなっているのか、その過程が私は非常に問題だと思うのですよ。安いのがいいことはわかっている。特に、今医業経営というものは非常に厳しくなっておりますから。ところが、その過程が非常に問題だと思うんですよ。だから、その過程というものが非常に不明瞭でございますから、したがっていろんな問題が起こってくるというように私どもは判断をいたしておるわけです。 そこで、きょうは時間の制約が非常にございますので、今のクレスチンの問題が出てまいりましたが、この問題については、これはまあ公的医療機関であろうが私的医療機関であろうが、こういう医薬品というのは、先ほどから申し上げますように命に関連する製品でございますから、いずこにおいてもそういう過ちを犯してはならぬわけですけれども、やはり何といっても公的医療機関が率先をしてその姿勢を正していかなければならぬということは、これは明らかでございます。ところが、残念ながら私どもはそういう心配を持ちながら指摘をいたしたけれども、にせ制がん剤が各県に販売をされた、こういう状況がございました。 そこで、きょうは警察庁にも御出席をいただいておると思いますので、その状況というものがどういう状況であるのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○上野説明員 お答えいたします。 お尋ねのにせ抗がん剤にかかわる無許可製造販売事犯でございますが、昨年十二月、警視庁におきまして薬事法違反で被疑者二名を逮捕しております。 この事件につきましては、この二名の者が昨年十一月から十二月にかけまして、正規の医薬品であるいわゆる抗がん剤クレスチンの模造品を無計可で製造し、医薬品現金問屋に無許可販売しておった事案でございます。 この捜査の過程で、にせ抗がん剤が合計三百十箱製造されておる、そのうち二百四十箱が医薬品現金問屋等を通じまして広島、石川、埼玉の各県の合計六病院二薬局にそれぞれ販売され、そのうち万病院一薬局で本物の抗がん剤と信じて多数の患者に対して使用されたという事案が判明したわけでございます。 この場合、にせ薬の形ですとか、箱の形が本物そっくりだったために、それまでだれも気がつかず、最後まで使用しておったわけでございますが、がんという病気の特殊性から、やはり患者さんの中にはそれが抗がん剤であることを知らずに使用してきた人もございます。したがって、正確な患者の数が何大使用していたのかということはよくわからないわけでございますが、いずれにしろ未使用のものにつきましては全部回収しております。 そのほかに、最近ではこの種の事案というのは特に検挙したというのはございませんが、私どもといたしましても、がんというような深刻な病気でございますし、わらにもすがりたいという気持ちを持っている患者さんあるいはその家族の気持ちを食い物にするようなこの種の事犯というのは極めて悪質でもございますし、警察におきましても今後とも厳正に厳しく取り締まっていきたい、こう考えておる次第でございます。
○河野(正)委員 私は先ほどから指摘いたしますように、安ければいいというものではない。というのは、今申し上げましたように、そういうにせ薬なんかが現金問屋を通じて入っていく、それはにせ薬ですから非常に安いわけですよ、そういう結果に陥ることがあるから、安ければよろしいということではない、こういうふうに私は言っておるわけです。そして、非常に子細に注意しながらそういうことがないようにというふうな厚生省の御答弁がございましたが、今警察庁からもお話しがございましたように、もうにせものが包装も全然同じだ。そこで、にせものであるのかどうだかなかなか見境がつかぬ、こういう状況にある。ですから、私どもが安ければよろしいということでないというのは、安いものはそういうつかませ物がある。しかし、それががんの薬というようなことで、国民としてはやはりおぼれる者わらをもつかむという気持ちがあるわけですから、そういう弱い国民につけ込んでそういうような薬が使われる。しかも、それを今申しましたように、第二市場――第二市場は安いんですから、そこから取引をする。 そこで、時間がございませんからもう少し突っ込んで一緒に申し上げますが、広島の県立病院ではもう長い間問屋と取引をしておった。その問屋というのは現金問屋のこと、第二市場のことですよ。だったので、まさかにせものをやるとは考えなかった、長い間取引をしておるから。ところが、今申し上げますように、現金問屋ですから、今のような不祥事件が起こった。それから石川の輪島病院では、これは市立病院ですね、見た目には本物と変わらないので患者に使ってしまった。こういうように、それこそそういう危険性があるんですね、現金問屋にはある。だから、厚生省がそういう誤りがないように十二分に配慮しながらチェックしておりますと言うけれども、これはチェックのしようがないでしょう。チェックのしようがない。そういう意味で、これはもっと真剣に考えてもらわなければこういう過ちというものはなかなか回避できないのではなかろうかという気がいたします。 今、警察庁の方からクレスチンについての御報告がございましたが、福岡の警察ではスリムエース事件というのが摘発を受けまして、これも材料というものは現金問屋から買ってきておるんですね。そしてフロセミドという利尿剤を使って、利尿剤ですからやせますよ、やせ薬と称して販売をしておる。それだから、表面は南方に原生するユッカという植物のエキスを使っておる、こういう宣伝をしておりますけれども、内容はその利尿剤を大量に買い込んで、しかもそれは安いから現金問屋から買い込んでおる。ですから、正規のルートで買っておれば、私はそういう薬品会社が利尿剤を大量に買い込むということについては、恐らくは不審の念が出たろうと思うんです。これも、今警察庁の方からクレスチンがという話がありましたが、私の承知しておる範囲では、福岡県警におきましてもスリムエースという事件がございまして摘発されておる。ところが、ルートは安いものですから、全部現金問屋から仕入れておる。ここが諸悪の根源になっておるわけですね。しかもそれがなかなかチェックすることができないというのが実情ですね。 だから、安ければいいじゃないか、現金問屋でも正規の手続を経て正規の許可を受けておるわけだから、安ければいいじゃないかというような姿勢が厚生省になきにしもあらず。それじゃ、私はこういう問題は今後とも払拭できぬと思うんですよ。その点、厚生省どうでしょうか。
○増岡国務大臣 やはり病院その他の医療機関の経営ということを考えますと、安く買うという行為を全く無視するわけにはいかないだろうと思います。したがいまして、有効であり、安全であり、安いというこのかみ合わせを考えていかなければならぬ大変難しい問題であろうと思いますけれども、しかし、今この日本の社会のいろいろな複雑性を考えますと、そこに従事しておる当事者は、それだけの才覚を働かしそれだけの努力を重ねることによってその分別をしていかなければならないところだろうと思います。したがいまして、私どもも機会あるごとにそのような注意を喚起することに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 安いと同時に安全性が保証される有効性が保証されるということであれば、大臣のおっしゃるとおりですね。ところが、単に安いからということだけでそういうところと取引するというところを私はきょうは強く指摘しておるわけですね。 そこで、大臣は非常に良識的な御答弁でございましたけれども、省内では現金問屋というのは正規の手続を経て許可を受けているんだから、そこから買うのが何で悪いかという姿勢が下部の方に残っていることは事実です。もう私に前にもそういうふうにおっしゃったんですから。大体、政府委員というのは我々といろいろ折衝して、我々がどういう質問をするかということだけ聞いて帰られればいいのに、そこでいろいろ議論をなさって、そういうことをされている。ですから、せっかく大臣がそういう常識的な御答弁をなさっても、下部ではそれがそのまま実行されていない、実行されない危険性というものがある。でございますから、なおさら私はこの問題については強く指摘をしておかなければならぬというように思います。 どうも、今日こういった医薬品販売のずさんさというものが非常に露骨に出てきておる。こういう状況でございますが、何といっても商売は利潤を上げなければならぬという目的があるものですから、できるだけ安いところから買う。そこで、これはもう現大臣と直接関係ございませんけれども、実は私前回の委員会でも指摘するときに感じたわけでございますが、とにかく現金問屋から買えば非常に安上がりなんだ。むしろそういう医業経営が非常に厳しくなったという状況ですから、これは公的医療機関であろうが私的医療機関であろうが同じことだ。ですから、できるだけ安いところから買う。 ですけれども、有効性あるいは安全性、こういうものは十分考えていかなければならぬということで、率直に言って、できるだけ誤りがないような取引をしていくことをみんな考えておると思うんです。ところが、これはもう前の大臣にむち打つわけじゃございませんけれども、第二市場から物を買えば非常に安上がりで経営にプラスになる、そういうことで非常に実績を上げておるというふうな話に対して、当時大臣が答えられた答えは、自治体病院等ではそういった現金問屋で買うということによって非常に実績を上げておる、したがって、改めて今後我々は薬価行政の中でこういう方向が、方向というのは現金問屋から買うということ、強く反映するために努力いたします。これは前大臣の答弁なんですよ、増岡大臣じゃないです。 だから、私どもは、買う買わぬは別として、現金問屋だって許可を受けて資格を持っているわけですから、それは別として、それを奨励をする、それはまあいろいろ危険性がありますよ、それを奨励するというような大臣の答弁、これはもう増岡大臣も恐らく、現金問屋から買う買わぬは別として、とにかく医業経営が厳しくなったんだから、できるだけ支出を抑えようということでやるということについては全面的に否定できない。ですけれども、今私は申し上げたが、クレスチンにいたしましても、それからやせ薬にいたしましても、要するに原料が安いものですから、そういうところから買った、そこで事故が起こった、そういう危険性があることは、すべてではございませんでしょうが、事実ですね。そういうふうな発言が委員会の中であっておるわけですから、奨励することはないと思うんですね。だから、増岡大臣からひとつ改めてそういった面に対しまする御見解を明確にお示しいただきたい、こういうふうに思います。
○増岡国務大臣 私の気持ちとしては、そういうことを奨励することも否定することも断定することは不可能だというふうに思います。しかし、許された条件の中でいかに安全で有効で安価なものを仕入れるか、これは当事者の判断の問題であり、その判断を行う場合には、今回の不祥事件みたいなことがあるわけでありますから、それを防御する心構えというのは必ず持っておっていただかなければならぬ。また私どももそれを指導しなければならぬというふうに考えております。
○河野(正)委員 ちょっと今の大臣の答弁の中でひっかかるのは奨励の点です。私は現金問屋から買う買わぬは別として、そこで買ったことが非常によろしいんですよ、そうしなさいよ、そういうことを厚生行政の最高責任者が言うべきことであろうか、こう思うのです。だから、どうするこうするは、それは行政的にやりなさいよ。そのことと奨励は違うんですね。そこでうんと買いなさいよというような、奨励するかのような言辞を厚生行政の最高責任者が述べることはいささかいかがなものであろうか、こう思うのです。ところが、今の奨励する件についてはああこう、ああこうという御答弁でございましたが、奨励することはあり得ないと思うのです。その点だけは私は否定してもらわないと困るんですよ。
○増岡国務大臣 私の気持ちとしましては、先ほどは、奨励することもいたしません、しかしそういう了解があるということも否定できません、そういう気持ちで申し上げたことでございまして、特に御指摘のように、行政機関の長である者がどのようなルートでどのようなものを買いなさいと言うことはまことに不謹慎空言葉だと思いますので、私は慎んでまいりたいと思います。
○河野(正)委員 非常に良心的なお答えをいただいて納得するわけです。 そこで、安かろう安かろうという話ですが、大臣も率直に申し上げて具体的なことは素人でしょうし、時間もございませんので、簡単に実例を挙げて御説明を申し上げますが、例えば武田薬品というのは大手メーカーですね。この武田薬品のダーゼンという消炎剤、これが薬価基準の薬価が千タブレットで四万二千八百円。ところが、この第二市場からこういう価格表というのが我々のところに来るのです。これは私のところに来ているものです。これを見ますと、我々のところでは薬価基準では四万二千八百円ですけれども三万一千円でよろしいですよ。ですから、一万一千八百円安いですね。ところが、今度はメーカーと一般の卸問屋との協定価格というものは三万七千円ですから、これでは五千八百円の差額がある。ところが、第二市場へ行きますと一万一千八百円なんですよ。約倍の差額があるわけですね。だから、私どもそれを見まして、そういう安い薬が一体どういうルートで入ってくるんだろうか。 第二はパンスポリン。これは抗生物質ですが、これが薬価が三万五千八百十円、それから第二市場の納入価格が二万八千円。ですから、差益は七千八百十円。第二市場へ行きますと七千八百十円安くなるということですね。ところが、メーカーと一般の卸問屋との協定価格では三万五千八百十円が三万一千二百円ですから、四千六百十円の差額があるわけですね。それだけ問屋さんがもうかる。ところが、第二市場に行きますると二万八千円でよろしいわけですから、これも大体倍とはいきませんが、倍近い低廉な価格で売っておる。 それから、もう時間がございませんが、あと一つだけ申し上げますと、カランという脳血管の障害の薬です。これは薬価が五万円。それから第二市場のいわゆる現金問屋の納入価格が三万九千五百円。一万五百円安いんですね。一般の卸業者はどうかというと、メーカーが四万五千円で卸す。ですから、一般の問屋さんとの間では五千円。ところが、第二市場へ行きますると一万五百円安いから、これは二分の一以下。 そういうことが一体どうしてできるんだろうか。いろいろな形で第二市場に流れていく。だから、不良品が行ったりあるいはまがいものが行ったりという危険性がありはせぬか。そういうことを私ども恐れる。さわらぬ神にたたりなしということでございますが、やはりそういう点についても配慮しなければならぬのじゃなかろうか、こういうふうに思うんですね。とにかく一般の卸屋と第二市場、現金問屋との間には非常に格差があるわけですね。そんなにぼろもうけするというのは一体どういうルートで来るのだろうか。そういうところに私はいろいろ今日の問題点があるのではなかろうかというふうに考えるわけです。 私ども現状をもっといろいろ知っています。例えばきょうも非常に残念なことですけれども、大田区の開業医が二十億円も所得を隠しておったという非難を受けて、私どもも本当に残念に思っております。あの病院は大手メーカーから買ったいい薬は全部現金問屋に流しているわけですね。自分の病院で使わぬで第二市場に流している。それは病院の経費として出ておるわけですから、幾ら安く売ってもいいわけですね。その分だけは院長のポケットに入る。そういう所得隠しの面がある。そしてその分買うておるわけですから、その治療をしなければならぬ。それは現金問屋から安いのを買うてきて、そして大手メーカーの製品になぞらえてやっておられて、恐らく保険局からも報告があると思いますけれども、不正な請求があっておる。そういうものが積もり積もって実は二十億という所得隠しということで摘発されているようでございますが、そういうふうにいろいろな不正をやる、あるいはまた人の命をむだにするようなことが現金問屋を中心としていろいろと展開されておるというふうに私は思うのです。 ですから、開業医の皆さん方、まじめな人もいらっしゃるが、残念ながらそういうことで現金問屋を最大限に活用して所得隠しをやる、不正をやるという事実があることも、もう新聞でも報道されておりますから大臣もあらあら御承知だろうと思いますが、そういう状況がございます。 そこで、こういうことが今度大田区の医療機関で行われたわけでございますが、保険局長おいででございますけれども、全国的にそういう状況がかなりあるのじゃなかろうか。これは、私ども同僚の連中ですから本当に残念に思いますけれども、信賞必罰ではございませんが、やっぱり今の保険医療を守っていくという立場からもそういう不正というものは憎んでいかなければならぬという感じがいたしますので、その間の事情がおわかりであれば、保険局長の方からひとつお答えをいただきたい。
○幸田政府委員 萩中南病院のお話でございますけれども、まことに残念な事態だと思っております。 私ども、こういった医療機関は全体の医療機関の極めて一部ではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、やはり指導、監査の徹底をさらに期するように各都道府県とも連携を保ちながらやってまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 そこで、こういうようないろんな問題が今、次から次に出てまいっておるわけでございまして、私はやっぱりそういった事態というものは行政指導によって抑止をしなければ、これは国民にとっても大変ですね、にせ薬を飲まされてとにかく莫大な金を払わなければならぬ。例えば、先ほども指摘いたしましたいわゆるにせの制がん剤にいたしましても本物の一箱が十万八千円、非常に高いんですね。ところが、今度の摘発されましたにせものは大体それよりも二割以上安かった。これは物が高いものですから、恐らく第二市場も余り安くするとにせものだというように思われるというので、私は二割程度の減額をしたと思うのですよ。これは、これが実態じゃなくて、恐らくそういう配慮から十万もする薬を売っておる。そういう状況ですから、我々はそういった意味では、こういうことでにせ薬が流れていった、それを厚生省が十分チェックすることができなかったということは、国民に対しても全く相済まぬというふうに思っておるわけです。 そこで、一体それならどういう状況かといいましたら、これはまた別な一業者の資料ですが、それによりますと、こういう第二市場と取引をしておる一企業が示しておる文書の中には、もう我々と病院関係の取引というものは十年間の歴史ができました、「現在では全国七千軒の官公立を含む病医院さまとの常時お取引を頂いております。」こういうふうに書いてあるのですね。ですから、もう非常に多くの公的医療機関もこういうような第二市場との取引をやっておる。そしてそれは、このにせの制がん剤では国立は入っておりませんでしたけれども、広島の県立病院が入っておるし、輪島の市立病院が入っておるし、埼玉の病院も入っておる。公的医療機関ばかりが摘発をされておるということでございますし、これは私的医療機関にいたしましてもそういう過ちを犯してはならぬことはそのとおりです。でございますが、まずやっぱり官公立病院から姿勢を正すべきではないでしょうか、こういうふうに思います。 それが、これは一企業ですが全国で七千軒取引をしておる。その中の官公立病院がどれだけで、私的医療機関がどれだけということはわかりませんが、いずれにいたしましても、多数の公的医療機関というものがこういう市場と取引をしておる。そしてたまたま今度はにせ抗がん剤で摘発された。しかも、私は大臣にこの奨励をするという点についてこだわったのは、こういうように業者は書いているのですよ。「近年の大幅な薬価改正の為、多くの病院で経営が圧迫され、赤字経営に落ちいっているのが現状であります。その為、都立病院などでもその打開策として、現在の取引先の他に、より安く薬剤を購入出来る業者を積極的に開拓しているとの事です。」こういうふうに言っておるわけですね。 ですから、奨励せぬでも、よそは既にもっと安いところがあるのじゃなかろうかということで、もうなりふり構わずそういう安いところ安いところというふうに開拓をしておる、こういうふうに書いてある。そういうことを考えてまいりますと、ただ厚生省の局長がおっしゃるように十分気をつけますということだけでは、これはどうにもならぬというふうにも考えるわけです。 この点、今の私の申し上げた状況をお聞きになって、大臣、どういう御感想をお持ちか、ひとつこの際承っておきたいと思います。
○増岡国務大臣 私、この問題には余り詳しくありませんけれども、今、先生のお話を承っておりますと、過去長年にわたって相当な量が使用されておったと思うわけでございます。したがって、今回のような不祥事件はいけませんけれども、普通の薬が安価で手に入れられたという面では医療機関も相当有利な立場であったと思うわけでございますから、そういう意味で私は現在ある流通機構をすべて否定するわけにはまいらないと思うわけでございますけれども、しかし、ともかく普通の商品と違い、健康と生命にかかわる医薬品でございますから、その購入、使用に当たってはさらに細心な注意を払ってもらうように指導をしてまいりたいというふうに思います。
○河野(正)委員 そこで、吉崎局長も御出席でございましょうから承っておきたいと思いますが、それなら一体、国立病院、国の医療機関、これはどの程度そういう現金問屋、第二市場と取引をなさっておるのか、どういう実情であるのか、その辺ひとつお答えを願いたい、こういうふうに思います。
○吉崎政府委員 御指名でございましたけれども、組織がちょっと変わりまして、国立病院の所管が保健医療局長になりましたので、そちらの方からお答えいたします。
○大池政府委員 厚生省の所管いたします国立の病院、療養所につきまして直近の五十八年の状況を調べましたところ、今御指摘のようないわゆる現金問屋関係につきましての購入の割合はごく小さい割合でございまして、約一%ぐらいという実態でございます。
○河野(正)委員 一%じゃなくて、私が言っているのはどの程度の国立病院が、具体的に申し上げますと何の国立病院――国立病院が全部現金問屋と取引をしておるわけじゃないでしょう。要するに量ではなくて、どの程度の病院がこういう現金問屋、第二市場と取引を行っておられるかということを聞いておるのです。
○大池政府委員 今ちょっと手元で正確な数字を持っておりませんけれども、全体で二百五十三施設ございますけれども、そのうちの三十ないし四十ぐらいの施設というふうに記憶しております。
○河野(正)委員 今、局長がお答えになりましたように、かなりの国立病院がこういう現金問屋と取引をなさっておる。たまたま今度の制がん剤ではひっかからなかったけれども、いっそういう過ちを犯すかもわからぬというふうな状況にあるようでございます。そこで私は、さっきから言いますように、安ければよかろうということではいかぬのであって、安くてそして有効性があって、安全性があって安定供給ができる、こうならなければならぬ。 私ども聞きますと、公的医療機関でも要するに水もの、アンプル物は正規の一般のよその市場から買う。そして長もちする、いろいろなところから流れてくるような薬、そういうものは大阪から求めたりあるいは東京の神田の第二市場から求めたり、こういう状況があるようです。なぜかというふうに問い合わせますと、水もの、アンプル物、注射液ですね、これはやはり期限が来ると悪くなったりするものですから、だから、これはひょっと第二市場から安いからといって求めてきても、あるいはそういうような事故が起こるかわからぬ、そういう配慮がやはりあるのですよ。 だから、私が冒頭に申し上げましたように、第二市場からいろいろ求める、これは安いのは安いけれども、安全性、有効性というものが疑わしいという気持ちはあるわけですよ。なかったら、アンプル物もあなた、第二市場から取引したらいいです。だけれども、それはやはり危険だからとにかく第二市場とはそういう取引はしない、こういういろいろな事情があるようです。そういう点から見ても、国立病院でもアンプル物はやはり正規のルートでとらぬとこれはあるいは事故の原因になるかもわからぬ、そういうことが頭の中にあるわけですよ。ということは、現金問屋あるいは第二市場から取引するとそういう危険性はあると思うというのがちゃんと頭の中に残っておるわけです。ただ、安いということではなくて、要するにできるだけ経費を落としていこう、役人というのは経費を落とせば当然出世するのですから。そういう判断が先に立ってこのような取引が行われておるというふうに思うのです。 ですから、こういう点はひとつ大池局長の方でも、そういうような状況というものを踏まえて今後十分指導をされていかなければならぬのではなかろうか。これは薬価基準にも関連しますから、私はこういうことを言っているわけです。しかし、今申し上げますように、現金問屋といいますか、第二市場といいますか、そういう業者と取引という根底に流れる当局側の考え方というものは、今私が申し上げたことに尽きると思うのです。そういう点お聞きになって、ひとつそれに対する御見解をいただきたい、こういうように思います。
○大池政府委員 御指摘もございましたように、価格にのみ気をとられてその品質に問題が生ずるというようなことがあっては全くならないわけでございます。国立病院関係につきましても、病院が安全で有効な医薬品を確保するということは極めて重視して取り組んでいるところでございまして、そのためのいろいろな仕組みを適切に動かしているところでございます。 私どもも、入札参加者を決めるに際しましては、例えば具体的には製造番号が著しくふぞろいとか、あるいは製造後の日時が経過して使用期間が短いとか、そういった医薬品を扱うような業者には手を出さないようにというような指導を強く行っているところでございます。
○河野(正)委員 お答えは非常にきれいごとをおっしゃっていますけれども、先ほど申し上げました制がん剤のにせクレスチン、これが物語っておりますように、とにかく県立病院あるいは市立病院、そういう当局側のコメントによりましても、それは一つも本物と変わらぬ。チェックのしようがないわけですよ。だから、そういう指導をいたしますと言っても、実際、具体的にはどういう指導が行われるのか私どもは疑問を持たざるを得ないわけですよ。そういう意味で、実は昨年の委員会でこの問題を取り上げて、そういう指導をやりますとおっしゃったが、このようなにせやせ薬とかあるいはにせ抗がん剤というものが出てきておるわけでしょう。ということは、今も申し上げますように、たまたま国立病院はかからなかったけれども、しかし県立病院、市立病院がそういう過ちを犯しておるということですから、言葉の上ではいろいろそういう事故が起こらぬように指導しますと言ってみたってできないというのが現状だと思うのですよ。 そうしますと、やはりそういう危険性あるものはできるだけ避けた方がよろしくないか、安上がりを奨励するような指導では困るのであって、危険性のあるものはできるだけ避けた方がよろしいじゃないか、やめるとは言いませんよ、できるだけ避けた方がよろしいじゃないかというように私は思うのです。その点どうでしょうか。
○吉崎政府委員 先生もるる御説明になりましたように、また先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、医薬品につきましては価格が安ければ安いほどいいというものではない、品質が大事である、全くそのとおりであると存じます。先ほど政府委員は大臣とちょっと違う考えを持っておるのじゃないかというようなお話もございましたが、政府委員の一人である私は、先ほどの大臣のお答えと全く同じ考えでございます。 それで、かねてからこの購入医薬品の品質を確保いたしますために、製造年月日、有効期限、ロット番号、変質の有無等について十分確認して購入するようにという指導をしておるのでございますけれども、さらに自治体病院協議会を通ずるとか諸般の機会をとらえまして一層注意を喚起し、指導を強化してまいりたい考えでございます。
○河野(正)委員 前回の委員会でも吉崎局長はそうおっしゃったのですよ。おっしゃったけれども、先ほど申し上げますような事故が次から次へ出てくるわけです。だから、ここで時間の来るまで何とか時間を費やせばよろしいというような答弁じゃ困るのです。ここでお約束があったことはそのまま実行されなければ困る。しかも、役所の下部には何で悪いんだ、そういう思想があるのですよ。私は悪いとは言いませんよ。しかし、そういう危険性があるならばできるだけ避けた方がよろしくないか、こう言っているわけです。しかし下部では、ちゃんと正規の資格を持っているんだから、そういうところと取引して何で悪いんだというような見解があるようでございます。 だから、ここで幾ら大臣や局長の立派な答弁を聞きましても、それは空念仏であって、私どもは信用できない。しかし、きょうは一つの契機ですから、大臣、ここで約束したことは十二分に下部に徹底させる、そして一日も早くそのまま実行される。昨年の委員会でやっておっても今の事故が起こってくるわけだから、新聞をにぎわすような事故が起こってくるわけだから。これは新聞種が出てきたから私が取り上げるのじゃないのですよ。そういうことを事前に私どもは心配をして取り上げた。にもかかわらず、そういう事故が起こってきたということできょうは厳しく言っているわけです。ですから、下部末端まで大臣の見解というものが、あるいはさっき局長がおっしゃったような見解というものが周知徹底するような、そういう指導を行っていかなければとても病院関係までその趣旨が浸透するということはあり得ないと私は思うのです。そこで、この点大臣から一言
○増岡国務大臣 先ほどから申し上げておりますような趣旨がどのようにすれば現場の医療機関に徹底をするかという指導のやり方の御意見だろうと思います。 私も、これから、答弁をするだけではなくして、本当にそれが実現するためにはどのような指導をどういう立場の人がだれに対してというところまでいろいろ工夫、検討してまいりたいと思います。
○河野(正)委員 そこで、あとカネミもありますので、五分しかありませんから多くを申し上げられませんが、そういういろんな問題が、結局、終局的にはやはり薬価基準に関連するわけですね、実勢価格ですから。 ですから、ここで最後にお尋ねをしておきたいと思いますのは、今申し上げますように、もう薬価基準は大体四〇%下がったというわけですね。もうぎりぎりじゃないかという議論もあります。中医協では、もっと下げろというような議論のあることも承知をいたしております。そこで、今申し上げましたように、どういうルートで流れてくるかわからぬけれども、第二市場の薬価というものは非常に安い。そういうものを含めて薬価基準を定めますと、御承知のように今九〇バルクラインが八一バルクラインというようなことですから、したがってそういうやみの薬が流れてくる、そういうものも含めて実勢価格とおっしゃると、これは本当の意味の薬価基準にはならぬと思うのですね。 ですから、私どもが心配しておりますのは、例えば私ども開業医がいろんな薬品を使う場合も、やはり薬価基準よりも高い薬が何品かあるのですよ。それは買い方が悪いといえば買い方が悪いということでしょうけれども、もう薬価基準よりも価格が高いというものが何品かありますよ。ですから、今申し上げましたように、こういった第二市場あたりから流れてくる薬が実勢価格の中に組み入れられますと、薬価基準は決められたけれども、実勢価格から言うと一般の消費者は高い薬を買わなければならぬ、こういう状況もございます。ですから、流通問題というものは薬価の実勢価格を決めるためにも大きな役割を持つわけですよ。そういう意味でも十分ひとつお考えをいただかなければならぬと思うし、薬価基準を定める際におきましても、そういう点を十分お含みおきをいただかなければならぬと思います。 もう時間が参りましたが、そこで国立病院あるいは各大学の附属病院、これには値引きがありますね。例えば東大の病院では、これは参議院の予算委員会で言われておりますが一七%の値引き、国立病院では一三%の値引きをしておる、こういう慣例があるようです。そうしますと、私が非常に不思議に思いますのは、国が薬価基準を決めて、その基準を国自身が破っている。国立病院の場合、平均して基準から一三%値引きさせるわけでしょう。そうしますと、国が決めたものを国の機関が破っている。これでは私どもいささか不信に陥るところでございまして、これじゃ基準をつくった意味がない。 それから、これから先は言っていいかどうかわかりませんが、例えば薬価の問題にいたしましても、先ほど私が武田製品の場合も説明しましたが、第二市場の価格というものは安い。だから、これを利用して薬価をたたく、まけさせる。そうしますと、厚生省は薬価基準を定めて告示しながら国自身がそれを破っているということでは、私どもはいささか納得ができぬ気がいたします。 もう時間が来たということでございますから、最後になりましたが、そういう矛盾を厚生省みずからつくるということは、私は好ましくないと思うのですよ。自分でつくっておきながら、これをだれが破ってもいかぬけれども、国の機関が破るということでは話にならぬ。これは極めて大事な点でございますから、大臣から一言御見解を承っておきたいと思います。
○増岡国務大臣 診療報酬の方で薬価を決めまして保険財政からお支払いしておるわけでございまして、しかし薬の取引というのは自由経済でございますから、その間に若干の差額が出ることも往々にあるわけでございます。それを何とか実勢価格に近づけようという努力をいたしておるわけでございまして、そういう意味合いから考えますと、国公立の病院といえども、そのような経営努力をするということについてこれをとめるということもいかがなものかというふうに思います。しかし、常識的に考えた範囲内での許容範囲というものがあるのかもしれないと私も思いますから、これから勉強させていただきたいと思います。
○河野(正)委員 もう時間がございませんからもう一言。 勉強も、今申し上げましたように私が矛盾点を指摘しておるわけだから、その点に対して前向きに勉強してもらわぬと、矛盾点を指摘されたけれども、そういうことは一切無視して勝手に勉強されても意味がありません。これはもう国会審議が意味がなくなるということでございます。ですから、ひとつそういう意味でぜひ勉強をなさっていただきたい、そして良識的な結論を出していただきたい、こういうように思います。 時間が参りましたので、以上で終わります。
○戸井田委員長 午後零時十五分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後零時十七分開議
○戸井田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。沼川洋一君。
○沼川委員 まず、大臣にお伺いをしたいと思います。 一月二十四日に社会保障制度審議会が「老人福祉の在り方について」と題して建議を中曽根総理に行ったわけでございますが、この中身についてはよく御承知のことと思います。 問題は、六十五歳以上の老人がこれからどんどんふえていく。本年だけでももう既に一千二百万を突破しまして、全人口の一〇・一%、一割を突破したわけでございます。さらに、これが昭和七十五年、二十一世紀になりますと一千九百九十四万三千人になる、このように推定されておりまして、このときは世界のトップでございます西ドイツが現在一五・五%と聞いていますけれども、これを抜いて日本が一五・六%で、いわば世界トップの高齢社会になる、こういう推移がございますが、むしろ問題は、私、心配しますのは、七十五歳以上の後期老齢者が極めてふえていくというこの問題でございます。五十五年には人口の三・一%、三百六十六万人でございましたが、この七十五歳以上の老人が四十五年後の昭和百年、二〇二五年でございますけれども、これが一〇・九%になる。その数も一千三百八十四万人に達する、このように調査の資料によりますと推計されておるわけでございます。 問題は、要するにこの後期高齢者という方々が、今大きな社会問題になっておりますぼけあるいは寝たきり、そういった方々がここに集中するわけでございまして、例えば昭和百年にどうなるかといいますと、この六十五歳以上のお年寄りの中で半分以上はこの後期老齢者が占める、こういう問題が出てまいります。現在、そういったぼけ、寝たきりがどんどんどんどんふえていく中で、やはりこの問題は今から極めて重要な問題としてとらえて対処をしていかなければ大変な問題じゃなかろうか、このように思うわけでございます。 特に、これからは核家族がどんどん進んでいくでしょうし、また婦人の自立ということでパート労働者等、仕事につく御婦人がふえつつある中で、家庭の介護機能というのがだんだん一方では低下していく。施設整備、在宅サービスの両面で非常に現在公的施策は立ちおくれておりますし、こういうことが続けば、今後これは家庭の崩壊にもつながる極めて大きい社会問題でもございます。率直に申し上げまして、私は今の日本の福祉の中で一番おくれているのがこういう老人福祉じゃなかろうか、このように考えておるわけでございますが、制度審でも指摘されておりますとおりでございます。 先般、大臣の所信表明をお伺いいたしました。総花的に福祉全般にわたって所信をお述べになっておりますが、最重要課題であるこういった問題点について余りお触れになっておりませんので、あえて、まず冒頭にこれらの取り組みについてどのような姿勢で行かれるのか、大臣の所感をお伺いいたしたいと思います。
○増岡国務大臣 御指摘のように、これから本格的な高齢社会を迎えるに当たりましては、高齢者問題が避けて通れない、また、まず最初に手がけなければならない対策だと思っております。特に、御指摘のように、願わくは全部のお年寄りが健康で元気であってほしいわけでありますけれども、しかし、なかなかそういうわけにはまいらない。痴呆性老人問題や寝たきり老人問題が現実の問題として目の前に出てきておるわけでございます。 私も、ことしの昭和六十年度の予算編成に当たりましても、そういう意味での対策を重点的に配慮したつもりでございますけれども、しかしながらまだまだやらなければならない仕事が山積をいたしておるわけでございまして、特に在宅の場合の問題は、これから家庭の崩壊を招きかねないというようなことでございますので、特段の力を入れてまいりたいと思います。ことしの一月に社会保障制度審議会の御建議もございましたことでございますので、その趣旨に沿いまして施策の拡充を一段と努めてまいりたいというふうに考えております。
○沼川委員 前向きで力を入れて取り組むということでございますので、大いにひとつ期待をいたしたいと思います。 あと、特に社会保障制度審議会が、緊急課題として優先的に取り上げるべき社会責任がある、こういう最近の一つの建議にしたって、ちょっとめずらしいんじゃないか、具体的に指摘しておりますし、ぜひともひとつ力を入れていただきたいと思います。 あと二、三、個々の問題についてお尋ねをしたいと思いますが、まず一つには、特別養護老人ホームの増設に関してお伺いしたいと思います。 現在、御承知のように全国に四十八万人の寝たきり老人がいる。そのうち十万人が病院に入っていらっしゃる。約十一万人が特別養護老人ホームに入っていらっしゃる。他の半数は、こうした施設に入れずに自宅で家族やホームヘルパーの世話になっていらっしゃる。病院に入院している老人の中にも、特別養護老人ホームに入れないためにやむなく病院に入っている、こういうケースが非常に多いと聞いております。また、特別養護老人ホームに入所を申し込んでおりながら、結局あきがないものですから自宅待機を余儀なくされている老人が現在一万五千人もいる、このように聞いておりますが、実際にはまだまだ希望者は相当数に上るのじゃなかろうか、このように考えられるわけでございます。 特に、寝たきり老人がこの三年間で四万二千人増加しているわけです。特別養護老人ホームを見ますと、年間大体百カ所、合計で収容人員が五千人から六千人と言われておりますが、これだけしか整備ができておりません。現状の施策でさえ介護施設の絶対的不足がございますし、こういう状況でいけば、この絶対的不足というのがこれは果てしなく続いていくのじゃないか、こういう点で非常に心配されておるわけでございます。 この特養の増設について、実は私どもも心配しまして、公明党で老人対策緊急百億円プランというのをつくりまして、この中の一番に、この施設の増を急ぐべきである、私どもとしまして、具体的に、現在一万五千人の待機者がいらっしゃるということで、六十年度、六十一年度で五十カ所ずつ上乗せして、まずその当面の待機者の解消を図る努力を図るべきではないか、こういう考えを持っておるわけでございますが、この特養の増設等についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○正木政府委員 特別養護老人ホームは、常時介護を要する老人の方々をお世話するということで、寝たきり老人であるとか痴呆性老人の方々が多く入っておられるわけでございますが、先生おっしゃいますように、現状で申しますと、特別養護老人ホームは千五百二十二カ所、約十一万二千人の方をお世話しておるわけでございます。十年前を振り返ってみますと、施設数五百三十九、今日の三分の一強程度、定員も四万一千人程度でございましたが、逐年増加を図ってまいっております。過去五年間の平均で申しますと、百二十カ所、大体八千人程度の施設を整備しておるわけでございますが、先生おっしゃいますように、現在の特別養護老人ホームは必ずしも全部の需要を満たすに至っていないということで、県を通じての調査によりますと、現在一万五千人の待機者がおられるということでございます。 そこで、この特別養護老人ホームにつきましては、社会福祉施設整備費の中でも特に重点を置いて取り組んでおるわけでございますが、今後とも六十年度以降におきましても、できるだけそういった方々の施設整備というものに力を入れていきたい。特別養護老人ホームを整備すると同時に、先生のお話にもございましたが、在宅における寝たきり老人とか痴呆性老人に対する家族介護のバックアップということで、在宅福祉対策についてもあわせて充実を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○沼川委員 ただいまの御答弁を聞きまして、非常に抽象的で、前向きに進めるというお話でございますけれども、具体的な中身のないのがちょっと残念でございます。 もう一回、再度お尋ねしたいと思いますが、現在一万五千人の待機者がいる、これはまた今後どんどんふえ続けると思いますし、施設自体が毎年立ちおくれて絶対数の不足が果てしなく続くと先ほど私申し上げたわけでございますが、こういう当面の課題として、そういう待機者を一日も早く収容してあげる、こういうような観点に立って具体的対策を進めますというふうにお答え願えませんでしょうか。
○正木政府委員 先ほど申し上げましたように、ここ数年来特別養護老人ホームの整備というものには全力を傾けておるわけでございますが、現実問題として一万五千人の待機者がおられるということも事実でございます。こういった方々に対してできるだけ施設整備を図っていくということで国庫補助並びに公益資金というものを投入いたしまして、そして整備について全力を傾けていきたい、できるだけ待機者というものの解消に一日も早い努力を傾けていかなければならない、これが私どもの基本的な考え方でございます。
○沼川委員 一応、局長の御答弁、前向きで取り組むということでございますので、期待をいたしたいと思いますが、特に、特養をつくるとなりますと、これは財政面の制約を今後受けることは当然のことだと思いますが、問題は、やはり現在老人福祉法でいうところの一つの基準、特養の場合が大体人員が五十名以上と、難しい基準がいっぱいありまして、このように特養を限定しますと、いろいろ聞きますと、財政難の財源のほかに、要するに土地がない、入手が非常に困難であるとか、あるいは大規模なホームをつくっても地域によってはかえって空き室が生ずるおそれがあるとか、全国的にも確かにばらつきがございまして、いろいろ問題がございます。 そこで、こういう考えはどうかということでお尋ねするわけでございますが、必ずしも現在の規格をそのまま無理やり当てはめるのじゃなくて、例えば養護老人ホームの中に併設を促進すれば現在も法的にも三十人でもできるわけでございますし、さらに申し上げたいのは、二十人か三十人ぐらいのミニ特養ということも地域の実情に合わせていろいろと考えていく、そういったいろいろな配慮によってさらにこの推進が図られるのじゃなかろうかと考えますが、どのようにお考えになりますか。
○正木政府委員 確かに、特別養護老人ホームをその老人の方々の生活圏と申しますか、できるだけ家族とか住みなれた地域社会の近場に整備をしていくということが必要だと思います。そういう意味でそういう形での取り組みをしておるわけでございますが、先生のお話は、現在の特別養護老人ホームの基準が五十人ということになっておるのでもう少しミニのものを考えられないか、これも御提案だと思います。 ただ、この点につきましては、特別養護老人ホームは、先生御案内のように、お医者さんとか看護婦さんとか寮母さんとかあるいは栄養士といったような方々がチームをつくってお世話をする、二十四時間体制でお世話をするわけでございます。そういったことになりますと、やはりその施設としての経営という面から考えまして、どうしても一定規模を満たすということが必要になってくると思います。そこで、私ども、五十人規模以上というものが適正規模であるということで基準を設けておるわけでございますが、これも先生のお話にありましたように、現在の養護老人ホームに併設をする場合、養護老人ホームの場合には必ずしも常時介護を要するような方々ではないわけでございますので、そういう養護老人ホームに併設する場合には三十人あるいは四十人ぐらいの特別養護老人ホームというものを併設しまして、そして職員もその両方を兼務いたしまして運用ができるということで、できるだけ先生の御趣旨も生かすような形での工夫は凝らしているということも御理解をちょうだいしたいと思います。
○沼川委員 ぜひ新しい視点に立って、古い基準にとらわれないでひとつ幅広く取り組みは考えていただきたい、このように思います。 さらに、これはもうお答え要りませんが、こういうケースもあるのでぜひひとつ調べていただきたいと思いますが、町村が主体になってやるそういった特養の場合、非常に町村では希望者があるのにもかかわらず嫌がるわけです。何でかと突っ込んでいきますと、やはり超過負担という問題が一つの大きな壁になっているようなそういう事情もありますので、こういう問題もあわせてぜひひとつ御検討いただきたいと思います。時間がございませんので、次に進みたいと思います。 次に、やはり特に寝たきり老人対策、そういった中で在宅介護支援体制についてお伺いしたいと思います。 寝たきり老人のうち、現在、言ってみれば六割近くの二十七万人が在宅者である、こういうふうに言われております。ところが、在宅の寝たきり老人への行政の施策というのは、先ほどから局長もおっしゃっていますように、非常にこれはおくれております。予算面で見ましても、これは六十年度の政府予算案で、老人ホームの入所者の福祉増進に二千二百七十億円が充当されているのに対しまして、在宅老人福祉対策はわずか、いわば二十分の一以下の百二十億円でございます。こういうのを見ますと、明らかに不平等だ、そういう感じを抱くわけでございますが、寝たきり老人とかぼけ老人を抱える家庭の肉体的、精神的また経済的負担というのは、これはもう大変なものでございまして、これは連日新聞紙上でもそういった家庭崩壊の問題が大きな一つの社会問題として取り上げられておるわけでございます。介護疲れによる心中事件がございました。また、自殺がございました。ぼけた母親を餓死させた息子がおりました。夜な夜な出歩いてモノレールに接触して事故死したぼけ老人など、こういう問題も取り上げられておりました。 高齢者自身とか高齢者を抱える家庭の悲劇というのは、このようにほうっておけばこういう問題がどんどん大きな問題にエスカレートしていくのではないかという心配が現在ございます。そういっことから、特に、先ほどから申し上げますように、一方では特養に入っていて完全看護みたいな形でいらっしゃる家庭と、寝たきりのお年寄りを抱えてそれを介護しなければならぬ家庭と、その差が余りにもちょっとひど過ぎるのじゃないか、こういうことを痛感するわけです。これはちょっとしたデータ、総務庁のデータだったと思いますが、現在家族でどういう方々が看護しているかというと、三人に一人が息子の嫁だ、四人に一人が奥さんである。八人に一人が娘だ。特徴として、ほとんど九〇%以上が女性がその介護に当たっていらっしゃる。こういうのが一つの現状でもございますし、寝たきりを抱えたこの方々の苦痛は大変なものじゃないか。特に最近は、若いお嬢さんなんかお年寄りのいるところには嫁に行かない、こういう方がふえているという話も聞きます。 これはやはり当面の非常に大きな問題じゃなかろうかと思います。かてて加えて、社会の情勢としては核家族がどんどん進行してまいりますし、冒頭にも申し上げましたように、女性の自立によって働く婦人がどんどんふえていく。そういうことから、どうしても在宅福祉、寝たきりの在宅の方に対する行政の手助けというものがやはり今まで以上に必要じゃないか、こういう感じを持つわけですけれども、いかがでしょうか。
○正木政府委員 先生のお話は、在宅福祉対策についてもっと力を入れるべきではないか、まことにおっしゃるとおりだと思います。 それから、先生おっしゃいました老人福祉対策を考える場合に、施設福祉対策と在宅福祉対策との整合性というものをもっと図るべきではないかという御趣旨だと思います。この御趣旨についても私ども全くそのとおりに考えておるわけでございます。やはり在宅福祉、家におられる寝たきり老人の方々は、家族と一緒におられるという幸せを感じられるわけでございますが、その老人の幸せを図っていくということは、とりもなおさずその介護に当たる介護者の方々へのバックアップというものを忘れてはならないというふうに思うわけでございます。 私どもといたしましては、現在、老人家庭奉仕員の派遣というものを行っておるわけでございますが、来年度におきましても千七百五人の増員を図りまして二万一千六百人余の家庭奉仕員の整備を図る。それから、ショートステーと申しますか、在来は、この寝たきり老人を介護している方が冠婚葬祭であるとかあるいは介護者御自身が入院された場合に施設で一時預かるということでございましたが、そういうことだけじゃなくて、介護者の方が介護疲れでちょっと一息入れるといったような場合にも一時的に施設へお預かりするということを考えたらどうかということで、六十年度からこのショートステーについての対象範囲の拡大を図る。さらには、現在特別養護老人ホームだけでお預かりをしておりましたが、虚弱老人の場合には養護老人ホームでもお預かりするようにしよう。さらには、空きベッドだけを利用するということだとなかなか不十分でございますので、社会福祉施設整備の中で特別養護老人ホームにつきましてショートステーのための専用居室も整備をしていこうということで、一歩一歩前進を図っておるわけでございます。 繰り返すようでございますが、確かに在宅福祉対策の充実ということがこれからの大きなテーマであるという先生の御趣旨を生かしまして今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○沼川委員 具体的にホームヘルパー、ショートステーあるいは特養の空きベッド利用等の対策等お述べになりましたが、例えばホームヘルパーにしても、今の御答弁で六十年度は千七百五人増加させて二万一千六百人になった、こうおっしゃいますが、絶対数自体が足りませんね。たしか厚生省で当面の目標として出していらっしゃる数が三万五千と聞きましたが、その数にもはるかに満たない数で、とてもじゃないけれども、これくらいの増では現状に間に合わないのじゃないかと思います。もしかそれでよしとされるのだったら、余りにも現状認識がなさ過ぎるのじゃなかろうか、こういうふうに思いますが、このホームヘルパー等についても、地域差もあるでしょうけれども、ぜひひとつ増員を図るということにもっと力を入れていただきたい、このように思うわけです。 それから、特に、最近の厚生省の方向も、時代の流れもそうですが、福祉のあり方が今大きな転換期を迎えておる。かつては施設収容主義、そういう考え方が先行した福祉が、これからは在宅福祉が中心になっていくのだ、こういうことを盛んに厚生省でもお述べになっておりますし、確かに時代の流れとしてそういう方向をたどるということは私もよく認識しておるつもりでございます。ただ問題は、在宅に力を入れる、要するにこれからは自助努力が大事だ、民間活力の導入が大事だと、どうも何かややもすると責任を地域に押しつけて国は精神的なかけ声だけかけているみたいな、そういう嫌いもないでもないわけです。ですから、確かに主役はこれから地域福祉、そういう中でこういうお年寄りの問題も取り組むべき時代が来たと思います。しかし、国はわき彼ならわき役で結構だと思いますが、やはりわき役として、行政としてやらなきゃならぬことだけはぜひともひとつ細かく力を入れてもらいたい、こういうように思うわけです。ですから、例えば在宅福祉にしましても、やはり今までの特養とか養護老人ホームが地域にあるわけですが、これは、在宅をいわば援助する、そういう形を今後どんどん考えていくべきじゃないかと思います。 さっきおっしゃったデーケアにしたってショートステーにしたって、そういう施設をできるだけあけて在宅の方を援助する、やはりそういう考え方が非常に重要になってくるのじゃないか、こういうようにも思います。話がちょっと広がりましたけれども、そういう意味で見ますと、このショートステーの計画、デーケアの計画、いろいろと結構でございますけれども、この枠はもっと拡大していかなければ、先ほど私は二十七万人も在宅の寝たきりの方がいらっしゃる、こう申し上げましたが、こういう方々に対して、今程度の施策ではちょっと現状にも間に合わないのじゃないか、そういう感じがいたします。このショートステー、デーケアあるいはホームヘルパー、こういった増員をひとつ思い切って図る、こういう点でのお考えをもう一遍お聞かせいただきたいと思います。
○正木政府委員 確かに、先生がおっしゃいますように、施設と在宅福祉対策との連携ということがこれから非常に大事になってくると思います。施設におきまして入所者に対する行き届いたサービスをするということ、これが大事なことはもちろんでございますが、その施設を地域の一般の在宅の老人にも広く利用していただくようなシステム、それが先生のお話にもございましたショートステーでありますし、デーケア、デーサービスということで、地域のお年寄りの方々がその施設に適所をしてきていただいて、そしてお風呂に入ったりリハビリの訓練をされたりする、それからまた、もっと重い方については施設の方から訪問サービスをする、こういう事業を現在もやっておるわけでございます。 ショートステーにつきましても、先ほど申しましたように範囲の拡大を図ると同時に、デーサービス事業につきましても、現在八十六カ所でございましたものをさらに十カ所ふやす、あるいは痴呆性老人の処遇技術の研修を、二十カ所でございましたのを四十カ所にふやすということで、先生はそれじゃまどろっこいじゃないかとあるいは言われるかもしれませんが、私どもとしても一歩一歩前進を図り、在宅福祉の充実というものに今後とも力を入れていかなければならないというふうに考えております。
○沼川委員 一生懸命努力していらっしゃることは私も買いたいと思いますが、やはり後追いにならぬように、現状がどんどんおくれていく、そういう現実をしっかり見きわめながら、当面緊急を要する課題であるだけに、ひとつ特別力を入れて御尽力を賜りたいと思います。 それから、特にそういう中で問題なのが在宅福祉事業。在宅がこれだけ叫ばれておるのに、在宅の場合と一般の福祉の場合と国庫補助率にも非常に差があり過ぎるのじゃないかと思うのです。一般の施設ですと十分の八の国庫補助がありますが、在宅の場合には三分の一ですね。ですから、そういう補助率の見直しも、在宅に力を入れるのだったらやはりこの辺ももっと抜本的に考え方を改めていかないと、せっかく努力すると言ったって、肝心かなめなところにこういう問題があったのではやはりどうしようもないと思いますが、いかがですか。
○正木政府委員 確かに、御指摘のように施設福祉対策、現在措置制度でございますが、これにつきましては国庫補助が十分の八、それに対しまして家庭奉仕員であるとかショートステーであるとか在宅福祉対策については三分の一の補助でございます。この点についても、先生御指摘のように、在宅福祉対策の充実というものを期す場合には補助率の面でも整合性をとるべきではないかという御指摘のあることも事実でございます。 私どもとしてもこの点が一つの問題点であるという認識を持っておるわけでございまして、今後社会福祉のあり方と費用負担のあり方も含めまして検討課題になっておるわけでございます。したがって、この老人福祉対策における施設対策と在宅対策の補助率の問題も一つの大きなテーマとして、今後十分検討していきたいというふうに考えております。
○沼川委員 これも補助率ということになりますと国の財政との絡みもございまして大変だろうと思いますが、よく局長も認識していらっしゃるとおりでございます。少なくとも三分の一を二分の一、半分くらいは見るというぐらいのことはぜひともひとつお考えいただきたい、このように思います。 それからもう一つ、寝たきり訪問保健指導を徹底するという意味で、やはり老人保健法による保健婦の訪問指導等がございますけれども、保健婦においてもやはり絶対数が足りないのじゃないかと思っておりますが、この問題に対してはどのようにお考えになっておりますか。
○水田政府委員 御指摘のとおり、私ども、保健婦による寝たきり者に対する訪問指導を計画的に充実してまいらなければならぬ、このように考えているわけでございます。私どもの対象としております寝たきり者は、四十歳以上の方約四十万人を対象にやっているわけでございますが、この訪問看護を充実していくためには、保健婦を初めとする必要な要員の計画的増員と見合わせながら事業を進めてまいらなければならぬという側面を持っておりまして、五カ年計画を立てて、それに即した予算の確保に努めてまいっているわけでございます。 また一方、老人保健法は、医療の面で、病院を退院された方に対する継続看護指導という制度がございます。退院した病院から、退院後三カ月間に限りまして看護婦さんが派遣されて必要な指導を行うという仕掛けがございますが、これもあわせて充実してまいらなければならぬというふうに考えておりまして、ことしの三月の診療報酬の改定の際には、従来単価だけを上げていたのに、特に退院した月はきめ細かい指導をした方がいいのではないかということで、従来月二回というのを、週一回行けるように月四回まで拡大するという措置をとったわけでございますが、先生御指摘のように、市町村の保健婦による訪問指導の計画的充実のほかに、この診療報酬の面における病院からの看護婦さんの派遣事業ということについても拡充し、普及していく方向で今後とも私ども努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○沼川委員 ぜひひとつ保健婦についても御努力をいただきたいと思います。 いろいろ聞きますと、ホームヘルパー、それぞれ皆さん重要な役割を果たしていらっしゃるわけですが、ホームヘルパーが行っても中に入れてくれないという話を聞きます。やはり日本人の特質といいますか、幾ら自分が病気で倒れておっても家庭の中を見せたくない、そういうあれもあると思いますが、今度保健婦さんの場合は、むしろぜひお願いしますというような要望が高いということを地域でいろいろ聞きます。やはり医療面に知識を持っていらっしゃるということもあるでしょうが、そういう面でぜひひとつこの充実を図っていただきたい、お願いを申し上げておきます。 それから、大蔵の方からいらっしゃっていますでしょうか。先ほどから盛んに在宅と施設収容のお年寄り、同じ寝たきりでも相当格差がひどいという話をるる申し上げました。確かに、経済的側面から見ましても、在宅の寝たきり老人と施設、病院に入っている寝たきりの老人とでは現に非常に格差があるわけでございます。例えば、老人病院の入院者が一日三百円を二カ月負担した後は無料、特養ホームの入所費が月平均一万二千円の負担であるのに対して、現在、在宅者には、世帯主に税制上七万円の所得控除が認められているだけであります。 したがいまして、こういう寝たきりの介護という面での家庭の実態というのを重視して、私どもはぜひひとつ在宅寝たきりの老人介護控除、こういうものを考えて減免という面で見てあげるべきではなかろうか、こういう考えを持っておりますけれども、今までのそういった控除の現状、またこれからそういう問題に対して大蔵省の方ではどう考えていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
○濱本説明員 お答え申し上げます。 お話がございました寝たきり老人は現在我が国の所得税法上特別障害者に準じて扱うこととされておりまして、控除の割り増し制度がございます。つまり、一般の扶養控除三十三万円でございますけれども、そのほかに特別障害控除三十三万円が適用され、さらにその上にただいま先生からお話がございました同居特別控除といたしまして七万円の上乗せが認められているという状況でございます。 ところで、このような制度の立て方につきましては、五十九年度の税制改正の際にいろいろな論議が実はございました。一方の立場からいたしますと、例えば税制の簡素化でございますとか、あるいは全体の控除水準が相当のレベルに達してきておるということからこれを見直すべきではないかという主張も実はございました。いろいろな論議の結果、結局五十九年度の所得税制の見直しの一環といたしまして控除額の引き上げが図られたわけでございますけれども、その場合、一般の扶養控除の引き上げ幅に対しまして、この寝たきり老人に相当いたします扶養者の控除額というのは二倍引き上げられることになりまして、現在は一般の扶養控除三十三万円に対しまして、先ほど申し上げましたように七十三万円でございますから、二・二倍の控除額が認められる状況となっております。 そういうところから御推察賜りますように、我が国所得税制の制度設計といたしましては、御指摘のような意味で既に私どもはその寝たきり老人にかなりアクセントのついたものになっているというふうに考えております。
○沼川委員 税制上いろいろなほかとの絡みで難しい問題もあるかと思いますが、やはりきょう一貫して私申し上げておりますように、非常に差が激しいという面で特別なそういう控除というのを今後ぜひひとつ御検討いただきたいと思います。地方によっては介護手当を出している、そういう地方独自の制度を設けて援助をしているところもございますが、これは今回四野党の修正案の中にも出ておりまして、ぜひひとつまた御検討をお願い申し上げておきたいと思います。 次に、中間施設の問題についてちょっとお尋ねしてみたいと思います。 厚生省の構想として、現在の病院と特養を足して両方の機能を合わせたような健康福祉施設を早ければ六十一年度からでも全国に普及させていきたい、そういうお考えがあるやに伺っておるわけでございますが、いろいろ聞きましても、どうもどういうものをつくるのか、中間施設とは何なのか、その概念といいますか経緯がぼやけたまま言葉だけがいろいろと言われておるようでございます。厚生省の方では、この中間施設というのは大体どういうふうにとらえていらっしゃるのか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○吉崎政府委員 確かに、お話のございましたように言葉が先走っている嫌いがなきにしもありませんが、そもそもは医療をいかに的確に行うか、特に精神病の治療に際しまして、病院からいきなり社会に復帰するよりか、中間的な機能を持っておる施設を経過して社会に復帰した方が治療が的確に行われる、こういうところから起こってきた概念であると承知をいたしております。 今医療施設を考えてみましても、需要と供給の両面とも多様化いたしておりますから、従来の体系では必ずしも適切なる需要にこたえる供給ができない、そういう現状にあろうかと思います。今日私どもが検討を本格的に始めましたのは、先ほど菜お話のありますお年寄り対策を全体としてどのように考えていくのが最もよろしいか、そういう観点から当面このお年寄り対策について中間施設を検討しているわけであります。 先ほど来のお話にもございましたけれども、特別養護老人ホームも、従来の福祉施設、それから医療施設の体系からいきますと中間施設的機能を持っておるわけでありますが、今日、さらにいろいろな需要の多様化がございますので、一つはやはり医療施設と福祉施設との間の中間的な機能を持つもの、お年寄りの需要に応じまして介護と医療が的確に行われるような施設、それから、これもまたお話にございましたが、家庭との関係が大事でございまして、病院あるいは福祉施設と家庭との中間的な機能を有するもの、そのようなことを中心に検討を進めておるわけでございます。 いずれにいたしましても、多くの課題がございますので、具体的な内容につきましてはまだ煮詰まっておりませんが、先ほどもお答え申し上げましたけれども、予算をお認めいただきましたならば、できるだけ早く検討委員会を発足いたしまして、幅広い検討を進めてまいる考えでございます。
○沼川委員 これから構想を練っていかれることと思いますので、私自身も中間施設という考え方は大賛成でございます。今もお話がありましたように、病院と福祉施設というだけのものではないし、家庭も入るでしょうし、いろいろな形が考えられるわけですが、今、寝たきりのお年寄りの方についていろいろと調査しますと、ほとんどの方が口をそろえておっしゃるのが、できれば病院にも施設にもいたくない、自宅にいて介護を受けたいという希望の方が非常に多いわけです。 ですから、今後また、中間施設をつくられる中でも、地域の特殊性もございますし、それぞれの地域によって新しいアイデア等も出てくると思います。例えばナーシングホームみたいなものもあるでしょうし、ハーフウエーハウスみたいなものもあるでしょう。あるいはデー・ケア・センターみたいなそういうものを中心とするものもあるでしょうし、あるいは夜間預かるというような形のいわばナイト・ケア・センター、あるいはケアつき住宅とか、いろいろな幅広いものが考えられると思いますが、ぜひひとつこの御検討については、これが早く実施に踏み切られますよう御努力をいただきたいと思います。時間が余りありませんので、老人対策の問題については以上で終わりたいと思います。 特にこれは要望としてお願いしたいのですが、先ほどから在宅、在宅というかけ声、確かにこれからは地域の連帯の中にそういう問題を見るべき時代が来たと思いますが、地域の医療機関、あるいは民間団体、あるいは県、市町村、行政ですね、それから、そこにホームヘルパー、保健婦、いろいろな方がいらっしゃるわけですが、そしてまた地域には社会福祉協議会がございますが、残念ながら、現在の状況を見ますと非常にばらばらで、何か全体的な連携がないというのが現状ではなかろうかと思います。ですから、民間活力を導入して今後そういう問題に対処していくためにも、これがいわば有機的な地域の福祉推進につながるようなことをぜひひとつ行政としても何か手助けをしていただきたいと思うわけでございます。 次に、薬務局いらっしゃっていますか。ちょっと薬の問題について二、三お尋ねをしてみたいと思います。 新聞でも大きな問題になりました薬品のカタログ販売についてでございますが、電話で注文をとって大衆薬を各家庭に配達する新商法が昨年札幌市内に登場しました。小売業界に大きな波紋を投げかけておるわけでございます。総合感冒剤、あるいは解熱鎮痛剤、胃腸薬、ビタミン剤、目薬、乗り物酔い予防治療薬など大衆薬を、大体二百品目程度のカタログを各家庭に配布しておいて、電話で注文を受けて配達を行う、こういう形でございまして、札幌市内では薬局と一般販売業の二軒がこの新商法を始めて、全国的にこれが大きく注目され、問題になっているわけでございます。 ここにそのカタログの一つを私持ってきましたが、実はこれは本当ならカラーなんですね。きれいなものです。「ヘルシーカタログ」「きっとあなたのお役にたちます。」と書いて、それぞれ薬品の写真が全部載っかっております。しかも値段が全部二割引ですね。そして、例えばちょっとした風邪薬なんか見ますと、副作用、アレルギー等注意しなさいとか、やや服薬指導的な言葉が出てまいります。これが家庭に配られて、注文を受けて配達をする。大体こういった薬品というのは特殊な商品でございまして、生命関連の商品であるということから、従来は厚生省としてはあくまでも対面販売でこういう薬は販売していきなさい、こういう行政指導をされておった中にこういう新手の商売が出てまいりました。この前の記者会見等で、薬事法違反ではないかという問題に対して、厚生省としては、いや確かに好ましくはないけれども違反ではないというような御見解が出まして、いろいろと心配されているわけでございますが、この問題をどういうふうにとらえていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○小林(功)政府委員 沼川先生には釈迦に説法で恐縮でございますが、医薬品というものは一般の商品とは全く違いまして、適切な情報に基づいて正しく使われるということが非常に大事でございます。したがいまして、薬局とか薬店におきまして薬剤師さん等が消費者に薬を売る場合に、服薬指導ということが当然必要なことでございます。そういう意味で、いわゆる対面販売というものは、服薬指導をしやすい、行うのに適しているという意味で一番好ましいということは我々も同意見でありますし、従来の方針、それから今後の方針も全く変わっておりません。 そういう意味で、今お話にありましたカタログ販売は決して望ましい販売形態とは考えられないと思いますけれども、ただ薬事法に規定しております店舗による販売ということから申しますと、直ちにこれを薬事法違反というふうに判断することは困難であるということでございます。冒頭に申しました医薬品の特殊性から、店頭販売、カタログ販売を通じまして薬剤師さん、専門家による服薬指導が十分に行われるような指導は続けてまいりたい、こういう考え方でございます。
○沼川委員 一時は何か指導の方向転換じゃないかというふうに受け取られた向きもありまして問題になったのですが、私もどうも薬務行政を見ておりますと、指導方針がぐらついているのじゃないかという感じを受けるのです。 例えばこれは「医薬品の通信による販売について」というのが、これは昭和二十四年一月十四日、埼玉県の知事から厚生省薬務局長あてに問い合わせが来ていまして、この内容はどういうものかといいますと、ある薬局が通信によって村役場を通じて販売をやっておったわけです。このケースについて、これは薬事法違反じゃないかという問い合わせがあったわけです。このときには薬務局長の回答が「店舗を有する販売業者が、その販売の方法として通信による場合、直接使用者より希望により申し込みを受け販売する場合は違反行為ではない。」既に二十四年に、通信販売は違反行為じゃないというような、こういう一つの判例みたいなものがございます。 その後に例の対面販売、恐らくこれが対面販売の法的根拠というと大げさかもしれませんが、「薬事法の一部を改正する法律の施行について」という、昭和五十年の六月二十八日薬発第五百六十一号、薬務局長から各都道府県の知事あての中で、要するに「薬剤師、薬種商販売業者が医薬品を販売する際消費者に対し直接に効能効果、副作用、使用取扱いの上の注意事項を告げて販売する等、医薬品の対面販売の実施につき指導すること。又、薬局等の設備は、かかる対面販売が可能となるようなものとするよう指導すること。」ここでは対面販売というのを強力に指導せよということになっておりますね。ですから、考えてみると、今度の札幌の問題がある前からこの問題はちょっとあやふやじゃなかったかという感じがしてならぬわけです。 そういう面から厚生省の薬務行政の指導方針が一本ぴしっとしていないような感じを受けますが、いかがでしょうか。
○小林(功)政府委員 この問題はよく誤解されるのでございますが、二つの側面があると思うのでございます。一つは、薬事法に、先ほどちょっと触れました店舗による販売という義務づけがあります。この解釈がどうかという問題と、もう一つは、これも先ほど申しましたように、薬剤師さん等専門家による服薬指導という意味で対面販売が好ましいかどうか、あるいはカタログ販売が適切かどうかという問題、二つあると思うのでございます。 二十四年の通達というのは、これは照会回答の形だと思いますが、恐らくこれは薬事法の店舗による販売の解釈についての回答だと思います。その後のは、むしろそういう法律論ではなくて、実際の国民の保健衛生を守る、あるいは専門家による販売というものを確保するという面でのいわば望ましい形を示したものだ、こういうことでございまして、そういう意味では、そのときも今も、あるいは将来も、その点は変わりはございません。
○沼川委員 この問題は、今後どういうふうにこれが影響が出てくるかということを心配するわけですが、さっきから言いますように、好ましくないとは前置きをしながらも、法的に問題にならないとなりますと、ひとつ心配されますことが、これで当事者は安心して営業ができる。わけですね。それから、同様の商売を始める者がふえてくるのじゃないかと思います。さらに、これに意を強くして他の新手の販売形態が出現する心配がございます。今、ただでさえ最近の商売の最前線はどうなっているかといいますと、店舗を構えている店というのはどんどんさびれています。最近の中小企業の一つの戦略的目標として、「財布に近づけ」という言葉がはやっているそうです。「財布に近づけ」ということは、要するに家庭に行く以外にないのです。そういう形でいろいろな商品がどんどん売られる時代です。ましてこれからニューメディアが入ってまいりますと、大変な時代になってくると思います。 ですから、客を待っている商売というのは大変なんです。本当言うと、薬局だって外に出なければならぬぐらい心配しておる人もおりますが、やはり生命関連の商品であるがゆえにそういうことはできない。しかも、厚生省が対面販売をやりなさい、こういう行政指導を今まできちっとやってこられたので、それを守ってやってきているわけですが、一方では、法的根拠が薄れたということでそういう形がどんどん波及していきますと、かつての大乱売で問題になったような時代、やはり薬品であるだけに非常に心配なのですが、好ましくないというだけでなく、もうちょっと強く、こういう広がりにならぬような、影響を及ぼさぬような形での指導ができないものでしょうか。
○小林(功)政府委員 カタログ販売だからすぐ薬事法違反というわけにはいかないということは申し上げたとおりであります。ただ、よく実態を調べてみますと、例えばこういう販売形態の場合には、医薬品というものがどうも安易に取り扱われて医薬品の品質管理という面で不適切な点が起こりやすい面を持っておる、これは認識をしておるわけであります。さっきお話の出ました札幌の例についてもその点を調査をいたしましたし、特にそういう面でほかの販売形態と違った意味での重点的な薬事監視、これは徹底していきたいということは今考えております。
○沼川委員 いろいろ問題が残るわけですが、今、スイッチOTCとかあるいは要指示薬の緩和などが言われております。これは大きな期待がございます。そういう時期にこの薬品販売が非常にルーズになる可能性があるということはやはり非常に問題じゃないか、何かもうちょっときちっとした行政指導ができないものかと心配するわけです。 普通、考えてみますと、薬品を購入する場合にどうしているかというと、まず大抵現品を手にします。そして、外装の表示を眺めていろいろ読んで、そして剤型を確認した上でいろいろと質問します。そして、補足的にさらに説明を受けて薬品を買う、これが大体対面販売の場合、薬局に行くお客さんの普通の姿勢ですね。現品も見ないで電話の応対で、これが果たして対面販売と同質のものだと解釈していいものだろうか。これは私は非常に疑問を持ちます。相手の声だけです。薬を売るときなんかは、相手の表情とか、その方の全体的な健康について受ける感じ、薬を勧める場合にそういうような判断基準がいろいろあります。電話の声だけの相手に服薬指導して、果たしてそれが対面販売と言えるだろうか、この辺は非常に問題があるように私は思います。 それからさらに、先ほど、薬事法の中にも薬局の設備を非常に厳しくおっしゃっておるわけでしょう。設備は、かかる対面販売が可能になるようなものにするよう指導せよ。対面販売を重視するがゆえに設備をそれに合った設備にしなさい。ところが、店舗だけ構えて、そういう対面販売上の配慮は別として、電話で商売をどんどんされていくとなるとちょっとおかしいと思いますし、また便利だから電話で注文して薬を買うわけですが、こういう行くのが面倒くさいから薬を買うというような方が、電話の先でいろいろ言われた注意事項を果たして守るだろうか。一般常識として薬を早く買って飲めばいい、そういう考え方が先行して、電話で服薬指導したなんか言っても、ちょっとその辺には問題があると私は思いますよ。 ですから、その辺のぴしっとした行政指導をやらないと、こういう商売がどんどん広がってきてからじゃ間に合いませんし、後になってかえって大きな社会問題になるのじゃなかろうか、こういう点を心配するわけですが、いかがでしょうか。
○小林(功)政府委員 今おっしゃいますように、対面販売の方が望ましい、これはまさに事実であります。したがって、行政指導もやっておるわけであります。それにあわせまして、そういう特別な業態、販売形態については特別な監視の体制をしこう、こういうことで今後とも努力したいと思います。
○沼川委員 その面で行政指導がきちっとできるように、ぜひ御努力いただきたいと思います。 それから、やはり薬の問題ですが、つい先般、例の抗がん剤のクレスチンのにせものが出回って大きな社会問題になりました。これは数ある制がん剤の中で一番人気が高い。最も投薬されているのがクレスチンであることは御承知のとおりですが、これが薬の現金問屋に出回ってその一部が県立広島病院で患者に投薬された。薬事法違反で二人の男がつかまってその流れが解明された。じゃ、果たしてこれでこの事件は終わりかという受けとめ方は、私、したくないわけです。一口で言うと、これが今の医療のひずみじゃなかろうかと私は思うわけです。 しかも、このクレスチンが御案内のように非常に高い薬で、これは広島病院が全部出してしまって、だれが飲んでいるのかわからぬと言われている三十箱の行方ですが、一箱に一グラム百五包入っております。三十箱ですから三千百五十包が消えてなくなったわけですが、この一箱の値段が百五グラムで何と十万八千二百十三円。ところが、これを半額で売りまくっている、五万八千円で売りまくっている。こういう新薬が出ると非常に薬価基準が高い地位にランクされる。しかも、これは限定されておりまして品薄の状態があちこちで非常に問題になった商品だけに、目をつけるならば安いのを売りまくれば売れるというふうにねらわれた商品だろうと思いますが、この問題に関連して二、三お尋ねしたいと思います。 捜査当局の話ですと、外箱の印刷とか、中の一回分の包みの形状は注意して見れば簡単ににせものとわかる、このように言われているわけです。発端が、患者がいつもの薬と違うというところに疑問を持ったところからにせ薬ということがばれたわけですけれども、病院で薬剤関係者などでこれがどうしてチェックできなかったろうかなという感じを持ちますが、この点についてどのようにお考えになっておりますか。
○吉崎政府委員 医療機関において医薬品を購入いたします場合には、その品質に十分注意をする、検収を十分行うようにかねてから指導しておるところでございます。 今回の場合どうして見つからなかったかというお尋ねでございますが、答えとしてはまことに遺憾なことであるわけでありますが、実態がどうであったか承知をしておりませんけれども、もしお話しのようにきちんと検収をすれば発見できたものであるとするならば検収が不十分であったのだろうと残念に思う次第であります。
○沼川委員 再度お尋ねしたいのですが、これは広島の県立病院です。県立病院といったようなきちっとした公立の病院が現金問屋を指名するというのは非常におかしな感じを持つわけです。 御承知のように、現金問屋というのは今まで薬の乱売のたびごとにいつも委員会等でも問題になった。例えばサンプルが出回ってみたり、盗品だって出回る心配がある、そういう現金問屋をれっきとした県立の病院が指名して入札させる、こういうことについてはどうお考えでしようか。
○吉崎政府委員 現金問屋も法で認められた問屋でございますし、医療機関の経営も今日非常に大きな課題でございます。ですから、よいものを安く買うという努力は必要であろうかと思うのでございます。 それで、繰り返しますけれども、先ほどから先生もおっしゃいましたが、安いだけではこれは確かに問題でありますので、その品質をよく検収する、これは機会を得るたびにさらに強調してまいりたいと考える次第であります。
○沼川委員 確かに、おっしゃるようによい品を安く、これは非常に結構なことです。ところが、今の病院経営というのは、下手すると経営努力をやるよりか、手っ取り早い話が薬でもうけた方が早いという考え方がどうしても先行するのが今の病院の実態ではないかと思うのです。そういう背景があるからにせ薬がつけ入るすきがあるんじゃないか、私はそう感じてなりません。 これはよく御承知だと思いますよ。例えば東大病院なんか、私の知るところでは一カ月に大体百億円から百二十億くらいの医薬品を買うわけです。こんなたくさん買えば、一品目ずつ値切るわけにはいきませんので、全部合わせて全体の何%値切ってくれるか、問屋がメーカーと相談して、東大病院の場合には大体二二%というふうにいつも聞いています。これが決まると阪大が決まる、京大が決まる、九大が決まる、熊大が決まる、鹿大が決まる、大体これが値引きの一つのルートを流れていくわけですが、特にそういう薬価の実勢価格と薬価基準の差益というのが常に病院で病院経営の余りにも大きな原資になるがゆえに、品質そのものよりか、ややもすると値段の方に目がいくというのが現実ではなかろうかと思います。 そういう中で、先ほど言いましたようにクレスチンというのは高い。このクレスチンは値引きといったってせいぜい一〇%です。しかも限定商品となるとそういうふうに制限を受けるということから、これを売ったらもうかるというふうに考えるのも当然だと思いますし、よく見ればわかるのがわからなかったというのは、やはり安く買うという考え方が、どうしてもそちらの方に頭がいくところにチェックができなかったのではないかという気が一つはいたします。 それからもう一つ、これは今後の問題点としてぜひ考えていただきたいと思うのですが、今病院で薬を管理しているのは薬剤師じゃないのです。ほとんど事務長さんです。病院の経営を握っている事務長さんが薬品の入札から、要するに薬品の情報、仕入れ、管理、ほとんどやっているのは全部事務長さんです。そういうところにも、今後こういうにせ薬がまた出てくる問題が心配されるわけでございます。 時間が余りありませんので、急いで一気にやりたいと思いますが、医療法施行規則の第十四条を見ますと、「病院又は診療所の管理者はその病院又は診療所に存する医薬品及び用具につき薬事法の規定に違反しないよう必要な注意をしなければならない。」要するに、病院の管理者が責任を持てと書いてあります。ですから、実際は、院長さんはお医者さんだと思うのですけれども、事実担当していらっしゃるのは病院の事務長がやっていらっしゃる。ですから、こういった医療法の中の施行規則を見ましても、薬事法というのは別にあるわけですけれども、薬剤師の役割というのが医療法の中でどこにも出てこないわけですね。ですから、今後また、医療法等の改正も今継続審議になっておりますけれども、この病院の薬を扱う責任者については薬剤師が責任を持って当たる、こういうようなことを義務づけるということも、こういう問題を引き起こさない一つの反省の上に立っての処置であるとも考えますし、今後この薬の問題に対するこういう対策が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○吉崎政府委員 病院の薬剤の管理につきまして薬剤師が当たるべきである、これはまことにお話のとおりだと思います。 実は、医療法の第十八条におきまして、病院または医師が常時三人以上勤務する診療所にあっては専属の薬剤師を置かなければいけない、そして、この当該薬剤師が薬剤の保管、管理を専属的に行うとされておるのでございます。また購入に際しましても、従来から、一つの権限が集中をいたしますと、人間も生き物でございますからいろいろなことが起こる可能性がございますので、なるたけそういうことがないように、例えば医薬品を購入する場合におきましては購入委員会というものを設けまして関係各部門の意見を取り入れて適切に行うように、また、いろいろな問題が起きませんように病院内部の事務分掌で内部牽制組織ということを指導いたしておりまして、医薬品の購入に当たりましては、例えば入札、購買、これは事務部門が行う。しかし発注品目の決定でありますとか、検収、保管、こういうものは薬局が行う、そういうふうに指導しておるのでございます。 しかし、御指摘のございましたような事件もございましたし、さらにこういう指導を徹底させてまいりたいと考えております。
○沼川委員 時間が参りましたので一言だけ……。 確かにそういうことはございますけれども、実質はやはり事務長が薬に関しては権限を持っておるというのが実態です。その点についてはぜひ御一考をいただきたいと思います。 時間が参りましたので、以上で終わります。
○戸井田委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 私は最初に、大臣に対しての所見をお伺いいたします。 中曽根首相は、内閣総理大臣になられて以来機会あるたびに、戦後政治の総決算をする、こういうことを絶えず強く言われているわけであります。大臣も中曽根内閣の主要大臣の一人でありますが、この総理が言われる戦後政治の総決算ということは、厚生大臣を担当されるそういう面から見て、このことをどのように意味づけておるのか、それに対して大臣としてはどのような理解の中で行政を進められようとしておるのか、まずこの点についての大臣の所見をお伺いいたします。
○増岡国務大臣 厚生行政の面から申し上げますと、戦後、我が国におきましては健康保険、厚生年金を柱としていろいろな社会保障制度が進んでまいりました。その結果ばかりではございませんでしょうけれども、一応人生八十年時代と言われるような長寿国になったわけでございますけれども、しかし、一たん今後のことを考えますと、これから本格的な高齢化社会を迎えるわけでありまして、今の社会保障制度のままでたえ得るかどうかという反省もなければならないと思います。 そういう意味合いから、私としては、過去四十年間を振り返って今後新しい時代に向けて目を開いていく、そうして厚生行政をもう一度見直し、発展をさせるように努力をしろ、そういう気持ちも総理がお持ちのように感じております。
○小渕(正)委員 確かに、現在、人生八十年と言われるような高齢化社会へいよいよ入っていくような時代になりましたが、そういった状況の中で、これからどのように厚生行政といいますか社会福祉という問題をとらえてやっていくのかということと、中曽根総理が言われている戦後政治の清算だ、総決算だということとは含まれている意味が私はいささか違うのではないかという気がするわけです。だから、そういう意味で、私は次元がおのずから異なったことではないかと思います。 これからの新しいそういう高齢化社会へ向けて、今日までの社会福祉のいろいろな面について、それをより延長線上の中でどう考えていくかということは、これはそれなりに理解いたしますが、総理が言われているのはどうもそういう意味ではなしに、戦後歩んできた道をここらあたりで見直して、また戦後のものをすべて清算した上で新しいスタートをしようというような意図があるように感じるわけであります。もちろん、これは直接総理に質問しておりませんので、その中身についてとかく申し上げることはできませんが、ただ総理がいろいろな機会の中で言われていることと今大臣が言われていることとは、私は出発点がちょっと違うのではないかと思いますが、その点いかがですか。
○増岡国務大臣 総理が所信表明の中でたくましい福祉の国という言葉をお使いになっておられるわけでございますが、その言葉の文字上の表現からいたしますと、私の今申し上げたことと多少ニュアンスが違うかと思いますけれども、しかし、総理も私も国民のすべてが充実した家庭を基盤として健康で生きがいのある生活を営んでいただこう、そういう社会をつくろうという気持ちでございまして、したがって、そのためには、健康である人は自立の精神でやっていけるわけでありますけれども、そうでない方々も当然あり得るわけでございますから、それに対する施策というものをやはり考えていかなければならぬという気持ちで先ほどのようなことを申し上げたわけでございます。
○小渕(正)委員 それではなおお尋ねいたしますが、大臣といたしましては、今後、戦後今日まで歩いてきた我が国の社会福祉政策について改めて見直しながらこれから一つずつ考えていこうという点に立って厚生行政全般をやろうとされておるのかどうか、そこらあたりはいかがですか。
○増岡国務大臣 私はこれまでの厚生行政ももちろん反省しなければならぬと思っております、先ほどもそう申し上げましたけれども。それと同時に、高齢化社会が諸外国に比べると数倍というスピードで実現されようとしておるわけでございまして、そういう情勢の変化からも必然的にいろいろな施策というものを再検討して考え直してみなければならぬ、そういう両面から今申し上げましたような気持ちを抱いているわけでございます。
○小渕(正)委員 これは具体的な政策の中で論じないと単なる抽象的な議論になってしまうわけでございますが、ただ一点だけはっきりしておきたいのは、我が国がこれから高齢化社会を迎えていこうというそれにどのように対応、適応していくかということで、すべての今までの施策を見直すというところだけで見るとそれなりの理解もできるわけでありますが、やはりそれは少なくともそういうことを見直す基礎的なものとして、前提として今日まで社会福祉政策について少しずつでも充実前進させてきたという延長の中でこういったものをそういう新しい社会にどのように適応させていくかということで考えるべきでありまして、ただ高齢化社会だから今までのものをすべて見直していくということだけでは、私は、俗に福祉後退とか福祉切り捨てとかいろいろ言われておりますが、高齢化社会に対応するものとして、ただそれを一つの理由づけとして福祉というものをもう一回見直して、結果的には後退させるような形になっていくのではないかという気がいたします。 したがいまして、そういう意味で、ぜひひとつその出発点である基本的なものについての大臣の見解をお伺いいたします。
○増岡国務大臣 一つの社会が繁栄をし人々が幸せであるためには、従来からのやり方をそう急激に変えられるものでもないし、変えるべきでもないと思っております。したがいまして、そういう意味合いから、従来あります制度そのものの根幹を変えようという気持ちではございませんで、足らざるところを補っていこう、そういう気持ちでございます。
○小渕(正)委員 それでは一つ例示として申し上げますが、前回提案されまして再度今回提案されることになっております児童手当の改正法案がございます。要するに児童手当の関係について支給条件その他を今までのものを見直して厳しくしていこうというのが中身であります。これは今大臣が言われたような新しいそういう高齢化社会へ向かっていく一つの道筋の中でどうしてもこのことを考えなければいかぬ問題なのか、それとも財政的な面からいってこのまま放置できないということで出たのではないかと私は思いますが、そこらあたり大臣はこの問題についてはどのような理解の中でおられるか、その点をお尋ねいたします。
○増岡国務大臣 先生おっしゃっておられますのは児童扶養手当でございます。これは国会で継続審議をいただいておるところでございます。この中身につきましてはいろいろ御非難がおありだろうと思いますけれども、今日私がそのことに言及する立場にないことは御理解いただきたいと思うわけでございます。当委員会の御審議の結果をお待ちする以外にないと考えております。
○小渕(正)委員 この問題はまた別に議論をする機会があると思いますが、それではあと一つだけお尋ねいたします。 大臣の所管事項の中に戦後処理の問題があるわけです。大臣としては戦後処理については一応終わったというふうな御理解の上におられるのか、まだまだいろいろ問題が残っておるという理解の中でお仕事をなさっていかれるのか、その点についての御見解をお伺いいたします。
○増岡国務大臣 ここ数年来言われております戦後処理の問題は、恩給欠格者その他の問題は官房長官の所管でございますので、私どもの担当いたしております戦後処理の問題につきましては、今行っております中国残留孤児の問題の解決が終われば、また今度は新しいのが出てくるかもしれませんけれども、現在考えられます範囲内では一応の終わりだというふうに考えておるわけでございますから、少なくともこの問題を早期に解決いたしたいと考えております。
○小渕(正)委員 大臣の所管からいきますならば、今言われたほかにもまだ戦争犠牲者の問題いろいろありますが、大きな問題としては中国残留孤児問題だけだという理解の上に立たれておるということで、それなりにわかりました。戦後処理の問題まだまだたくさんありますが、きょうは時間もありませんのでその点はそれぐらいにとどめておきますが、今大臣が申されました戦後処理の問題の一つとして、中国残留孤児が現在大きな問題でありますが、厚生省としては六十一年までにこの問題の解決を図っていきたいというお考えのようであります。いろいろ伝えられているところを見ますと、残留孤児の数において厚生省がつかんでおられる数と中国側が言われている数にはかなり開きがあるように思います。一説にはまだまだ二千名程度が残留孤児として中国におられるという話もありますが、ここらあたりの実数についてはどうなのか、あわせて、そういう中で果たして今厚生省が考えられているようにここ二年間ぐらいで解決できるのかどうか、その点はいかがでしようか。
○入江政府委員 私どもの方に肉親を捜してほしいという依頼のあります孤児の数は三月四日現在で千六百十五名おります。ただ一方、ただいま御指摘ありましたように中国側は現在中国に二千名の日本人の残留孤児がおるということを言っておるわけでありまして、私どもその違いがどこにあるのか知るために中国側に二千名の名簿を至急見せてほしいということを言っておりまして、中国側もその名簿を今のところこの七月をめどに日本側に渡すことに努力してくれることになっておりますので、その名簿を手に入れました段階で私の方の持っております名簿と突き合わせまして、その実態を明らかにしたいというふうに考えております。 したがって、今後六十一年度までに終わるのかという御質問でございますが、その実態が明らかになった段階でなければ明確なことは申し上げられないわけでございますけれども、御存じのように、六十年度四百名の訪日調査をいたしますとともに、残る二百名くらいの方については中国に職員を派遣して訪中調査をする、それでその二百名の方については六十一年度に訪日調査をしていただくわけですが、それプラスアルファがどれくらいになるかという問題でございますが、私どもの現在の腹づもりとしましては、大体六十一年度中におおむねの方は日本に訪日していただいて調査ができるのではないかというふうに考えております。
○小渕(正)委員 向こう側からの資料と照合して初めてそこにどれくらいのずれが出てくるか、それが詳細不明なので何とも言えないということは理解しますが、ただ問題は、厚生省で現在把握されている資料に立った実数と中国側から今回出されてきた実数との間にかなりの差がもしもあったとした場合、結果的にはそういう対象者の問題解決のための訪日調査が六十二、六十三年度にずれ込む、そういうことになってはいかぬのじゃないかという気がするのです。 御承知のように、だんだん肉親の判明率が低下している。それはいろいろな要因もありましょうけれども、一つは、あの当時、戦後の二十年、二十一年ごろの時代の中で、中国側で俗に言われている養父母の人たちがもうお亡くなりになったとか、そういう当時の人たちがだんだんお年寄りになってもう生存されでないような状況がますます強まっておるわけでありますから、時が経過するに従ってせっかくのこういった機会があったとしても判明率が低下してしまう、そういう大きな要因が一つの問題だと思います。 したがって、一応の目標を六十一年度までと立てておられるわけですから、ずれがあったとしても、その実数がはっきりしないうちは何とも言えないということではありましょうけれども、少なくとも気構えというか心構えとして、方針としては何としても六十一年度中には完了したいということで、わかったならば来年度の予算を大幅に考えてでもそれを何とか完了したいということで取り組むのかどうか、その点はいかがですか。
○増岡国務大臣 六十年度予算の編成の前に、中国側から、日本側が把握しておるのは千六百名だけれども二千名おりますというお話がございましたので、急遽昭和六十年度の訪日調査の人数をふやしたわけであります。その気持ちの中には、もし仮に四百人ふえたとしても既に把握しておる千六百人分プラス四百人を含めて昭和六十一年度で訪日調査を終わろう、そういう決意でやったわけでございます。
○小渕(正)委員 ぜひひとつその点は実行していただきたいと思います。 次に、永住帰国希望者について、その調査というものは中国側の協力なしにはできないわけでありますが、その点については現在とのような形で進められておるのか。 それから、永住の帰国の希望がない人たちについて、日本人孤児としてのそういう人たちに対しての何らかの援護措置というものが考えられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○入江政府委員 永住帰国希望の問題でございますけれども、今までは訪日調査の結果肉親が見つかった方が一度向こうへお帰りになりまして、向こうの養父母初め親族の方といろいろお話しになって日本に来るということが円満に話し合いがついた段階で帰国申請というような手続をとりまして、その方々については帰国の旅費を国で負担して帰ってくるということになっておるわけです。 ところが、今度、先般肉親が見つからなかった、日本に肉親がいるかどうかまだ未判明の孤児の方についても帰国の道が開けまして、その方々につきましては今準備しておるわけでございますけれども、皆さんも日本に帰国を御希望なさるならば帰ってくる道が開けましたということで御案内を差し上げることになっております。そうしますと、その御案内が着いた段階で、先ほど申し上げたと同様に向こうの肉親の方々とお話し合いになって、希望される方はこちらに申請が出てくる、そういう手順で帰ってこられるということになると思います。 それから、第二点の帰国を希望されない方に対する援助はどうかという問題でございますが、これは非常に難しい問題でございまして、ルーツは日本人でありましても、向こうで住んでおられる以上中国の公民でおられるわけでありますから、日本の政府がどうこうするということはやはりちょっと問題があるのではないかというふうに私ども考えております。
○小渕(正)委員 次に、養父母の問題ですが、日中両国の口上書によって養父母対策について話し合いが行われ、日本側からそれなりの扶養手当といいますか、そういうものを出すような形で話し合いが進展していると思いますが、問題は、こういったただ月々の日中双方で合意を得た金額を一応支給、支給と言っていいかどうかわかりませんが、差し上げるということにしたとしても、それ以外に何らかの意味で国としての感謝の気持ちをこの養父母に対しましてあらわすべきではないか、そういう強い要望が全国協議会という団体の中から強く出されているわけでありますが、その点に対してどのように御見解をお持ちなのか、それが一つ。 それから、過日、やはりこの中国残留孤児問題で、テレビのチャンネルはちょっと忘れましたが、特集で放映しておりました。それは、中国の養父母の人が、残留孤児がこちら日本に来て養父母を置いたきり出てきてしまって、向こうで生活上も支えになっておったのに、しかも自分はもう年寄りであるにもかかわらず一人ぼっちにされてしまったということで非常に悲嘆に暮れておるところが放映されたのですね。その向こうの養父母の人のお話の中では、金まで払って自分は預ったんだ、ざっくばらんに言えばお金と代償に子供をもらった、それが手塩にかけて育てた結果、こんなになってしまったということを非常に落胆なさって涙ながらに訴えておられるのが実はテレビで出ておりました。 そういうのは一部の特例だと思いますが、そういう意味では、いろいろないきさつはあるにいたしましても、当時の状況で預けたり、どこかへ売ったりとか、いろいろあるにいたしましても、要するに育てられたという点について、御苦労して育ててくださったという点についてはこれは事実でありますから、そういう点を考えると、やはり何らかの国としての、形はどういう形であらわすか、それはいろいろありましょう、せめて国としての感謝の気持ちを何らかの形で表明するということが必要ではないかという気がするわけです。 もちろんそのために扶養手当という形で話し合いをしていくようにしているんだということもありましょうけれども、それと、何かやれとかどうとかということではなしに、ひとつ何らかの形で国としての感謝の気持ちをあらわす、そういうことが必要ではないかという気がするわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
○増岡国務大臣 御指摘のような気持ちは私どもも持っておるわけでございます。総理や前厚生大臣が訪中されましたときも、向こうの政府に対しまして公式にそういう養父母に対する感謝の気持ちを伝えていただくようにお願い申し上げておりますし、私が厚生大臣になりましてから後も、人数はごくわずかでありますけれども、向こうの養父母の方々に日本までお越しいただきまして、かつての孤児たちと一緒にその住んでおるところまで孤児の方が御案内いたしまして、そういう気持ちのあらわし方でありますけれども、先生御指摘のようなもっと広くそういう気持ちが伝わる方法があれば、今後工夫してみたいと思います。
○小渕(正)委員 いろいろあらわし方はあろうと思いますが、そういう点の一つとして、あと一つ全国協議会の中で強く要望されておる中に、こちらに永住帰国された孤児が感謝の気持ちのあらわれとして日本に養父母を招待する、これはまた回数その他いろいろありましょうけれども、そういう招待するということの制度化といいますか、そういうものは考えられないのかということが一つ。 それから、孤児の養父母のもとへの里帰り、これについて、一回限りについて何らかの援助を国としてするかどうか、これはまたほかとのバランスを考えればいろいろ問題はありましょうけれども、そういう点についても国として何らかの配慮が欲しいというような強い要望もなされておるわけでありますが、この二点についてはいかがでしようか。
○入江政府委員 向こうの養父母の方を日本にお招きすることにつきましては、今大臣から御答弁申し上げましたとおり、五十九年度向こうからお呼びしたわけでございますが、制度化といいますか、この制度は、これは財団法人の援護基金がやっているわけでございますが、来年度以降も引き続き続けていきたいと考えております。 もう一つ、こちらに戻ってきた孤児を養父母のところに里帰りさせたらどうかという点でございますが、これは確かに養父母の方もかなり年配になってきまして日本に旅ができないというような方もおられますので、そういうことも考えなければいけないかなということは考えておりますが、将来の問題として検討させていただきたいと考えます。
○小渕(正)委員 一回きりにするかどうかは別といたしましても、養父母を招待する一つの制度化の問題と、それの裏返しの問題として、お年でちょっと招待に応じ切れないけれども里帰りだったらいいということで、そういう里帰りについても何らかぜひ、そういう両方の面で積極的に取り組んでいただくようにお願いしておきたいと思います。 それからあと一つですが、現在こうやって残留孤児が日本に調査に参られた場合に、最終的に血液鑑定によってはっきりしたものを出すようなケースがいろいろありますね。その場合に、私も知らなかったのですが、日本の人たちの場合の血液鑑定分の実費をいただくということで徴収しておるそうですね。何か一回につき五、六万円だそうですけれども、何回もする人はおらぬと思いますけれども、普通私どもが聞いた場合に、ここまで残留孤児問題について国が挙げて真剣に取り組んでくださっておるのにしてはちょっとみみっちいじゃないかなという気もせぬではないのです。だから、そこまで取り組まれているわけですから、せめて血液鑑定の費用ぐらいは何も自己負担でなしに国がその費用の中で見るべきではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○入江政府委員 いろいろの手がかりで肉親であるかどうかという肉親捜しを一応やるわけでございますが、最終ぎりぎりのところへ行って判断がつきかねるときに、おっしゃるように精密な血液鑑定をやるわけでございます。それで、この血液鑑定、今お話がありましたように五万円ないし六万円かかるものでございますから、向こうから参ります孤児については負担能力がないということで国で負担しておるわけでございます。こちらにおられる親族の方につきましては、今お話しのように何回もある問題でもございませんし、通常この程度負担できるのではないかというふうに考えられますので、負担能力のある方につきましては今後とも負担していただきたいというふうに考えます。
○小渕(正)委員 お役所ですから、またすぐ負担能力、年収が幾らかということとつなぐかもしれませんが、我々国民の素直な感情として、せっかく残留孤児問題にこれだけ政府が力を入れられてやっておるわけでありますから、つい心の中でちょっと画竜点睛を欠くといいますか、あと一歩踏み込んだらもっといいんじゃないか、何かしらんせっかくのところで厚生省少しけちけちしておるな、こういう印象はぬぐえないわけであります。どうでしょうか、大臣、思い切ってここらあたりひとつ、大した金額――大した金額という言葉は悪いですが、そう大きな負担にもならぬと思うので、せっかくのこういう孤児の問題についての政府の姿勢としてぜひここまで踏み切っていただければいいんではないかという気がするわけでありますが、その点、大臣の決断をお願いしたいと思うのです。いかがでしょう。
○増岡国務大臣 実は、私もこの問題十分承知していなかったわけでございまして、ですから、今まで何回も訪日調査がありましたけれども、そのたびに何とか皆さんやりくりして血液鑑定をお受けになったと思うのです。しかし、万一そういう負担能力がないということで血液鑑定を受けないままにあやふやなままに孤児が帰るということは大変残念なことだと思います。人道的な見地から善処いたしたいと思います。
○小渕(正)委員 ひとつぜひ前向きに善処されることを期待いたします。 最後になりましたが、あと一つだけお尋ねいたしますが、実は「ズームイン」といって一種の週刊誌的な本なんですが、この中に、献血が医療機関の金もうけに利用されているということで記事が出ておるのです。 これを読みますと、要するに国民の素朴な――大体献血というのは日赤が担当して、特に二十の献血とか呼びかけて成人になられた記念に国民の若い人たちに献血を呼びかけられて奉仕の中で行われているのが実態でありますが、この献血された血液が結果的には捨てられたり、また医療機関の金もうけの道具に利用されたりという中身がずっと記事として出ておるのです。この点について、私ども専門的ではございませんから、ただ、この記事を見ると、大変なことじゃないか、これを今までどうしておったのだろうか、そういうふうに思います。 これは一面的かどうかわかりませんので、もう少し実態を調べたいと思いますが、しかし、こういった中で、この記事になった根拠になりますと、本を見ますと、何か日赤のあり方についての厳しい批判をした本が基礎になっているようでありますが、いずれにいたしましても、国民の素朴な献血というものがゆがめられて利用されているのではないかという疑惑を国民の中に大きくこれは植えつけることになりかねませんので、ここらあたりは、厚生省としてはこの問題についてどのように問題を把握されておるのか、この記事が果たして、これは一方的、一面的で信用するに足らないというふうに思われるのか、そういう事実関係がどうなのかということで調査しているのかどうか、まずそこらあたりについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○小林(功)政府委員 今お示しの雑誌、私も読みました。大分センセーショナルな記事になっておりますが、実態を申し上げますと、第一の問題は、献血された血液が売られているかどうかという点でございます。これは確かに、五十八年九月までは売られておった事実がございます。といいますのは、日赤で採血された血液の中で有効期限が切れたものにつきましては、何といいましても貴重な献血でありますから、その有効利用を図るということで民間企業に譲渡しまして、民間企業では血漿分画製剤の原料として使っておった、これは事実でございます。ただ、そのときにいろいろ御意見がございまして、五十八年の九月末日をもってこれを一切中止いたしました。したがいまして、現在では全部日赤でこれらの血液を原料としまして血漿分画製剤を製造しておるということでございます。 それから第二番目の、献血された血液が廃棄されているのではないかという問題でございます。これにつきましては、献血された血液の中には、検査の結果輸血に適さないと判定されるものもあります。また、使用期限が切れたものもございます。しかし、これもやはり貴重な血液でありますから、なるべくこれは有効利用しようということでさらに分離精製をしまして、有効成分を利用できるものについては利用するということで努力をしておりますけれども、それでもなおかつ最終的には、赤血球成分につきましてはこれは非常に有効期限が短いものですから、どうしてもやむを得ず廃棄するというケースもあることは事実でございます。
○小渕(正)委員 私、専門ではございませんのでわかりませんが、ただ非常に、献血された血が輸血段階では必ずしも血を輸血するのではなしに分解をしていろいろな形の中で使われているようでありまして、そういう点から、赤血球とほかの部分との何かアンバランスが生じて、赤血球部分については大量に余るものだからこれは捨てられているというようなことが、この記事には書いてあるのです。 それからあと一つは、今お話がありました血漿分画製剤ですか、これが何か非常にいろいろな薬として効能があるらしいので、しかもこれは非常に高く売られて使われているので、前はこれは薬品メーカーがつくっておったのを、日赤が自前でこれをつくるようになって、このために献血をどんどんこういう形にして売っている、外販しているというのがこの記事の内容ですね。だから、そういう点でゆがめられて、金もうけの道具に献血が利用されているという二段論法になっておるわけです。 だから、この点は、この記事だけ読みますと、やはり私ども素人としては知らない、そういう隠された面があるのかなという感じを率直に抱きます。したがって、今局長が答弁された血漿分画製剤ですか、これを日赤で自前でつくるようになって、そのためにこの血液がこっちの方にたくさん使われて、そして外販、販売される大きなあれになっているということが実は指摘されておるわけです。だから、この辺についてはゆるがせにできない問題だと思いますので、ぜひひとつこの点についての実態を調査されて、またこの委員会でも報告、公表ですか、そういうものをお願いしたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○小林(功)政府委員 先ほどお答えした第一の問題に関係するわけですが、日赤で血漿分画製剤をつくるという方針を立てまして北海道に工場をつくりまして、そこでやっているわけです。問題は、それと血漿分画製剤が非常に多量になっているという結びつきでございますが、そういうことはありませんで、もともと血漿分画製剤というのは非常に用途が広い薬なものですから、これは需要が非常に伸びておるわけでございます。それに追いつくようにこれは日赤の責任においてつくる、そういうことでございます。ただ血漿分画製剤そのものの需要が余り多量なものでございますから、値段も高い、これのいわば適正な使用といった面も少し考えてみなければいかぬなということで、数量その他はもう既に把握しています。そういう方針で今後進みたいと思っております。
○小渕(正)委員 いや、私が申し上げましたのは、献血は日赤はほとんど一般に呼びかけて、皆さんが奉仕される献血の採取の役割は日赤がやっておるでしょう。要するに、国民の素直な奉仕の献血をそういう形で集めて、その献血が結果的にはそういう血漿何とか製剤というのをつくる方にどんどん使われているというところに問題があるんだという指摘なんですね。 だから、輸血をする場合にいろいろ分解して使うそうですから、その中でやむを得ず結果的に出てくるものだけをそういう形でつくっておるならばいいけれども、そうじゃなしに、それをつくる目的のためにどんどん献血を使っているということに問題が指摘されておるわけですから、そういうことでありますならば、これはちょっとそのまま見逃すわけにいかぬという感じがいたします。したがって、そこら当たりについてぜひ一回きちっとしたものの調査をなさって、また別の機会にでも報告をお願いしたい、かように言っているわけでありますが、その点どうでしょうか。
○小林(功)政府委員 御指摘のように、血液を使う場合に全血で使う場合と成分製剤として使う場合と血漿分画製剤と三つあるわけでございます。おっしゃるとおり、血液は大事なものでございますから、なるべく有効に利用するということで、必要な成分を取り出して使うということが大事でございます。その点につきましては、今専門家による検討委員会をつくっておりまして、プラスマフェレーシスというのですが、必要な部分だけとって残りは返すという方式も検討しているところでございます。その方向で進めたいと思っております。
○小渕(正)委員 いや、だから、そういうふうに言われるのは理解しますが、こういう問題提起が一部とはいえされているわけでありますから、もう一回日赤のそういう実際の状態についても調査していただいて、ぜひその結果が欲しい。その点どうですか、こういうふうに言っているわけです。
○小林(功)政府委員 その点は承知いたしました。
○小渕(正)委員 では、これで終わります。
○戸井田委員長 浦井洋君。
○浦井委員 まず中間施設についてお聞きをしたいわけであります。 大臣の所信表明の中にも一行、家庭医とともに触れておられる。今審議中の予算案の中にも約三百万円余り金額がついておるということであります。しかも時あたかも一月二十四日の制度審の建議の中にも割に具体的に中間施設について書いてあるわけです。 〔委員長退席、稲垣委員長代理着席〕 大臣にお聞きしてもよいし、担当局長でも、まあ大臣に答えていただく方がよいのですが、制度審の建議の方向、考え方として、ほぼこれと同じような方向でこれから検討を、もちろん検討会をつくられるわけでしょうけれども、厚生省としてはこれと同じような方向でいきたいと思っておられるのか、ちょっと聞きたいと思う。
○増岡国務大臣 御指摘の中間施設でございますけれども、私どもは医療と福祉の中間、あるいは福祉施設と在宅の中間、こういうものを考えてはどうか、そういう御指摘をいただいたわけであります。それは高齢化社会によって……(浦井委員「それはいいのです。ほぼ同じ方向でいくかどうか」と呼ぶ)はい、重介護を必要とするお年寄りがふえたわけでございますから、そのニーズというものはやはりそういう多方面なことを考えなければならないというふうに思っております。
○浦井委員 そうすると、大体建議と、考え方としてはこういう方向でいきたいというふうに見てよいわけですね。
○増岡国務大臣 もちろん建議を参考にさせていただきますけれども、これから検討していただく議論も大切だと思っております。
○浦井委員 例えば費用の問題ですが、この建議の九ページのところに書いてあるのですが、読む時間もないので簡単に言いますと、その費用については、生活費は本人あるいはその家族、それから介護の費用は社会保険というふうに割に明確に書いてあるのですが、大体これもこの方向でいかれるわけなんでしょうか。
○吉崎政府委員 先ほどから大臣がお答えいたしておりますとおり、また先生もお話しのとおり、検討委員会をつくりましてこれから煮詰めていくわけでございます。 そこで、まだ厚生省の考えは、先ほどもお答えいたしましたけれども、煮詰まっておらない段階でございまして、全体としてどうやるのが一番よろしいのか、そこで、お話しの費用の負担につきましても今後の検討課題でございます。
○浦井委員 非常に参考にされるわけでしょう。
○吉崎政府委員 傾聴すべき建議だと思っておりますが、どの程度参考にいたしますか、これは厚生省の考えもまだまとまっておりませんし、それから検討委員会の審議が主体であると思います。
○浦井委員 保険局長、来ておられますね。幸田さん、去年の十月二十三日の記者会見で、「中間福祉施設を結核、精神、それから特例許可病院などのように病院のカテゴリーでとらえ、その費用を医療費で見ることを考えてもよい」と。もう国会に出てこられぬようになったですけれども、吉村事務次官もほぼ同様の考えを持っておられるようでありますが、そういうことになりますと、やはり保険局サイドとしては、私が今申し上げた費用についてはそうしてほしいというふうに理解していいですか。
○幸田政府委員 ただいま御指摘の私の考え方でございますが、その前段に、私の個人的な見解はどうだ、こういう御質問がございましたものですから、私の個人的な見解としてはということをお断りしたことでございます。 それで、役所としては、先ほど申し上げましたように、現在まだ検討している最中だということでございます。
○浦井委員 そうすると、幸田さんの個人的見解は今もこうなんですね。
○幸田政府委員 私は、医療に相当する部分については医療費として支出をしてしかるべきではないかという個人的な見解は今でも持っております。
○浦井委員 社会局長にちょっとお聞きしたいのですが、この建議は参考にしていきたいということですが、ここにははっきりと今の医療の病院の問題と、それから特養ホームが出てくるわけです。正木さんとしては、この特養ホームを中間施設のカテゴリーに入れるのが好ましいと思っておられるかどうか、こういうことをお聞きしたいのです。
○正木政府委員 中間施設と申しますと何か建物という感じを受けるわけですが、中間施設についていろいろ御議論がありますのは、やはり医療と福祉両面についての中間的機能、こういう意味だと思います。現在の特別養護老人ホームについては、福祉ケアは行き届いているけれども医療ケアについてもう一工夫要るのじゃないかという意見もあるわけでございます。そういう意味で、医療と福祉両面の充実を図るという意味での中間的機能を今後考えていかなければならない、そういう考え方については私自身も同様の考え方を持っておるわけでございます。
○浦井委員 私考えているのは、建議にはっきり書かれているように、特養ホームも中間施設のカテゴリーに入れるのかどうか、それを正木さん自身は好ましいと考えておられるのかどうか、それを聞いておるわけです、端的に。
○正木政府委員 繰り返すようでございますが、中間施設というのは医療機能と福祉機能両面をどう生かしていくかという意味での中間施設構想、これを多角的に議論されるわけでございます。そういう意味合いから、特別養護老人ホームの今後のあり方も中間施設のあり方との関連におきましてどう位置づけていくのか、そうして現在の特養機能をどう充実していくかがこれからの課題だと私ども思っております。
○浦井委員 いや、これからの課題ではあるのでしょうけれども、何遍も繰り返すようですが、正木さんとしてはもう老人病院と一緒に特養ホームもそこへ施設として分類した方がよいと思われているのかどうかということを、これからの課題でしょうけれども正木さん個人はどう思っておられるのですか。
○正木政府委員 私は特別養護老人ホームの役割を非常に評価しておるわけでございます。その特別養護老人ホームというものをさらに充実していくという観点に立って中間施設の問題も十分論議していかなければならないというのが私の考え方でございます。
○浦井委員 ちょっと角度を変えますけれども、そうすると、社会局長としては今後とも、今そうですけれども、特養ホームについては憲法二十五条あるいは老人福祉法、こういうものにのっとって措置費の制度あるいは施設整備の費用の補助制度、こういうものは堅持をしていく、それから金額も削らずにむしろふやしていくという方向で努力をされる決意は変わりはないわけですね。
○正木政府委員 特別養護老人ホームについては、先ほどの沼川先生の御質問にありましたように現在待機者が一万五千人おるということで、特別養護老人ホームの整備需要は非常に高いということでこれの充実を図っていかなければならない。また、特別養護老人ホームに期待される面は大きいわけでございますので、これの充実は今後とも図っていかなければならない。一方におきまして、医療と福祉という面での中間施設についての必要性も論議されているわけでございます。その中間施設を今後考えていく場合にも、現在の特養の果たしている役割を十分踏まえて考えていくことが必要だと私は考えておるわけでございます。
○浦井委員 だから、もう少し端的にお答え願いたいのですけれども、措置費を出しておる制度、それから施設整備のために補助を出しておる制度、こういう根幹の部分はきちんとこれらからも守っていくんだということ、これはもう大前提ですね。
○正木政府委員 現在の措置費制度、それから社会福祉施設の整備の充実を図っていく、それは基本にあることは間違いございません。しかし、一方におきまして、二十一世紀を見定めて今後の福祉のあり方と超高齢化社会を迎えて社会福祉のあり方をどう考えていくのかという点ももちろんあるわけでございます。現行のもとにおいて、現行制度の充実を図っていくという基本の考え方には変わりはないわけでございます。
○浦井委員 だから、私が今までしつこく言っているのは、もう健康保険の改悪はやった、それで年金も二十一世紀に向けてしんの強い制度も何とか通してもらえるかもわからぬ、そうすると、次にメスを入れなければならぬのは社会福祉だという狭い意味の社会福祉のカテゴリーですね。だから、そこで、これは大分前にも毎日新聞なんかが書いておりましたけれども、厚生省が次の臨調行革を旗印にしてねらっておるのはやはり社会福祉じゃないのですか。今度はその分野でしょう。それの手段として中間施設みたいなものが出てきたわけじゃないのですか。だから、私はそれを言っているわけなんです。 それで保険局サイドではとにかく健保の改悪はやったけれども、次にやらなければならぬのは病床数を減らさなければいかぬ。百六十万床あるのを百万床に減らさなければいかぬ。それで特養ホームは今徴収基準が決められてどんどん上がっていっている。だから、これを中間施設というようなわかったようなわからぬような制度をつくって、制度的に追認していくことにならぬだろうか、そこで今かなり金が要っておる社会福祉の方の国から出す金をへずるという方向ではないか、私はそういうふうに憶測をするわけなんですが、そうならないという約束が大臣ございますか、ちょっと大臣に一遍……。
○増岡国務大臣 今後とも福祉の実質的な水準が下がることのないように十分な配慮を尽くしてまいります。
○浦井委員 福祉の水準というようなことは、この間の健保のときからもいつもあなた方は言われているのです。だから、そんなことではあかんわけなんですよ。もっと本当の意味での国民の立場に立った社会福祉を制度的にも金額的にもきちんとしていく、充実させていくという方向で努力しなければあかんということを私は言うておるわけです。だから、あなな方はさっきから福祉と医療の谷間だとかあるいは在宅と施設の谷間だとか、その谷間を埋めるんだというようなことを言っておりますけれども、あなた方は、私の推測では老人を福祉と医療の谷間へ突き落とすみたいなことをやっておるわけですよ。だから、こういうようなことにならぬように約束できますかということを大臣に言うておるわけです。
○増岡国務大臣 私どもは、そのようなことを毛頭考えておりません。
○浦井委員 毛頭考えておられないということを私はしかとこの私の頭の中へとどめておきたいというふうに思います。 そこで、その次の問題でありますけれども、やはりこの一月二十四日の制度審の建議が指摘しておるように、これは大臣も認めざるを得ぬだろうと思うのですが、要援護老人対策が非常におくれておる、それから都市部、特に都市部はもちろんであるけれども、過疎地での要援護老人、特に重介護老人、この方たちの置かれている状態はもう悲惨の一語に尽きるだろうというふうに私は思うわけですよ。これも大臣そうですね。
○正木政府委員 寝たきり老人とか痴呆性老人を抱えておられる家庭における介護の御苦労、それはなかなか大変なことだと思います。そういう意味で、そういう寝たきり老人、痴呆性老人の幸せを向上させると同時に、やはりそういった方々を介護される方々についてバックアップをしていくということが必要だと思います。そういう意味で今後在宅福祉対策の充実というものが非常に大きな課題になっているというふうに思います。
○浦井委員 そんなピンぼけの答弁をされても困るわけで、もう時間がないですから、要するにけさからずうっと各委員の方が言われているように、要援護老人、特に重介護老人、こういう人に対する対策が非常におくれておる。私が見るところでは農村では特に悲惨であるということを言うておるわけなんです。そうでしょう、大臣。
○正木政府委員 重介護老人に対する対策というものは、やはり家庭におきます在宅福祉対策のバックアップ、同時にそういう重介護で家庭ではなかなか処遇することは難しいという方々についての特別養護老人ホーム等の整備を進めるというのが基本でございます。そういった面について、なお足らざる点というものは私どもも十分認識しておるわけで、一歩一歩前進を図っておるということを御理解いただきたいと思います。
○浦井委員 十分認識をして一歩一歩か半歩半歩か知らぬけれども前進したいという御意見ですね。 そこで、それに関連をいたしまして、厚生省は六十一年の一月に国立療養所の長寿園の廃止を考えておるわけです。そうすると、今のこれ、中を見ますと、これは担当は保健医療局長ですか。長寿園というのは約六十人の慢性疾患の老人が入院しておって、この地域の老人医療の中心的な役割を果たしておるわけですよ。これはもう大池さんもよく御承知であろうと思うのです。 いわゆる統廃合の懇談会の意見書で、私はこの意見書には全体として反対でありますけれども、その意見書の中でさえも国立医療機関の役割の基本原則として「救急・へき地医療等の分野における不採算医療を率先して担当し、」これは四ページに書いてありますね。それからまた果たすべき機能としては「老人性痴呆をはじめとする老人医療、末期医療など、人口の高齢化等に伴い深刻な社会問題となっている医療のモデル的実施」という意味のことも言っておるわけなんです。これは五ページ。だから、こういう趣旨からいっても長寿園というのは廃止すべきではないし、むしろあなた方が一つのモデルとして、過疎地における老人医療のセンターのモデルとしてもっと拡充すべきではないのですか。
○大池政府委員 長寿園につきましては、御指摘のように現在老人の慢性疾患の医療を主体といたしまして地域医療の一翼を担っておるわけでございますが、御案内のように、長寿園の置かれました立地条件は広域を対象とする診療機能を確保するという観点から見ますと立地条件に恵まれておりません。したがって、これまでにも未整備施設として今日に及んでいる経緯がございます。ごらんいただきましたように相当老朽した施設でもございます。これの国立病院としての国として果たすべき役割を質的に強化していくという観点に立ちまして今後整備をしていくというためには、どうしても近隣の療養所と統合というような形でここを整備していくという構想で今地元ともいろいろ御相談を進めさせていただいているさなかにあるわけでございます。
○浦井委員 それはだめですよ。大池さん御承知のように、私、この間小沢議員と一緒に長寿園を視察といいますか訪問をしてきたわけです。簡単に言えば長寿園のある吾妻町須賀尾地区から最も近い大きな医療機関である原町日赤に行って帰ってくるのに一日かかる。だから、これがなくなれば、特に病気持ちの人あるいはお年寄りの人は一体どないなるんやろうかと非常に不安を持っておられるわけです。 それで私が行ってちょっと懇談しただけで、その須賀尾地区の区長さんからこの手紙をもらったわけです。これは後で大臣に見てもらったらいいのですけれども、こういう手紙です。その中に「長寿園廃止は全国国立病院半減の突破口との中国立病院の廃止削減は私共庶民の生存権をも否定する暴挙であろうかと思います。」というようなことがずっと綿々と連ねられておる。 それから、婦長さんに、長寿園が廃止されたときに入院しておられるお年寄りの患者さんは一体どうなっただろうかと尋ねてみたら、これも婦長さんから手紙をもらいました。これは四人の方の例が書いてある。皆五十九年九月ごろより調子が悪くなっているわけです。「九月十日より」というような人もあるのですよ。それから「八月十七日に統合問題を正式に聞くことにより、貧血様症状、頭重感、咳嗽からの不眠の訴えがあった」。それから「八月十七日に正式に統合問題を聞き、八月末日より胃部不快、嘔気等の訴えがあり、眼球の黄染がみられた」。ちょっと黄疸みたいな症状ですね。こういうふうに、これは長寿園の婦長さんが責任を持って私に手紙をくれておるわけです。だから、こういう状態ですよ。 中を見ますと、古ぼけていると大池さんは言われるけれども、それなりに一生懸命努力しています。それは大池さんも行かれて、本当に虚心坦懐に見ていただいたらわかると思うのです。それで、外来患者も、こういうふうに院長がグラフを書いてふえてきておりますといういろいろな証拠の資料がありますから、後で見ていただきたいと思うのです。それから、自治体も反対しておるわけでしょう。地域の須賀尾地区ですかも挙げて反対しておられるわけでしょう。だから、これは絶対に廃止すべきではない。むしろ拡充すべきだ。 そこで、もう時間がないから質問形式飛ばしますけれども、そこで登場するのが木戸審議官の審議官メモである。「診療所の設置について 国が責任をもって診療所を建て、運営については町の負担にならないようにする。」ということを助役に渡されておるわけですよね。そうでしょう。このメモは、端的に言うたら地域住民の反対を上手にかわすものだと私は思うのです。このメモは有効かどうか知りませんけれども、ここに書いてある趣旨で「運営については町の負担にならないようにする。」と言うたら、一体どこがやるのですか。運営主体は国ですか、それとも県ですか、町ですか、あるいはさっき私が言いました公的医療機関である原町日赤ですか。どこがやるのですか。
○大池政府委員 長寿園の統合によって地元に医療面での支障を生じさせないように地元といろいろ相談をしている最中でございますが、無医地区防止という解決策の一つといたしまして、当該地域に診療所を設置することについて具体的に相談を進めているところでございます。その際の当方の担当幹部といたしまして、診療所を設置するに当たりましての建設と運営について町の負担とならないようにとの趣旨の考え方を明らかにした、それが先生のおっしゃるメモでございます。 具体的な方法につきましては、今後引き続き関係者と規模、運営等も含めまして協議をいたしまして、最終的に町の負担にならないよう検討してまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○浦井委員 長寿園を診療所にするために一答えておられないわけですよ。運営主体が一体どこになるのか、これから検討したいという話でありますが、何かそんな例がありますか、町の負担にならないように。日赤がやれば日赤の負担にはなりますよね。日赤は、医療機関はどこでもそうですけれども、やはり独立採算制ですから、好まないですよ。県も好まない。町は建てたい。町立にしたら、それは一定の補助金はもらえても、やはり赤字が出れば地方負担が出てくる。それを町民にかぶせなければいかぬ。一体どこがやろうというわけですか。何か新制度でもつくるのですか。
○大池政府委員 設置主体の問題も含めまして、いろいろな可能性を現在詰めておる段階でございます。
○浦井委員 新制度をそのために別につくるわけではないのですね。長寿園の診療所化のために新しい国の法改正でやるとかあるいは予算措置とか、そんなことをするわけではないのですね。
○大池政府委員 いろいろと可能性を検討した結果でないとその点については今明確にはお答えできませんが、いろいろな可能性の幅の中にはそういうようなものも入り得ると思います。
○浦井委員 そんな可能性はないですよ。要するに、木戸審議官メモなるものは、これは一つの提案にすぎないということなんでしょうね、今までの問答から察せられるのは。そういうものであるというふうに理解していいですね。
○大池政府委員 乙の件についての担当幹部といたしましての考え方をお示ししたわけでございますが、口頭で不明確でもいかぬからということで、口頭で申し上げた趣旨を念のためメモで差し上げた、こういう経緯でございます。
○浦井委員 だから、提案の一つにすぎないということで、今の問答からもわかるように、これは実効性はないのですよ。こんなものやろうといったってできぬですよ。運営について町に負担をかけないと言うても、町があるいは県か日赤か、どこかに必ず負担がかかりますから、新しい制度でもつくらぬ限り。だから、審議官メモというのは、町民の、地区民の反対を抑えるための一つの手管にすぎない。まさに、ここにありますけれども、幻のメモだというふうに現地では言っておるわけであります。私もそう思います。 いずれにしても、国立病院、療養所の統廃合問題の全体について最後に私言いますけれども、やはり国立病院、療養所というのは貴重な存在だと私は思うのですよ。国立医療を目指す、確立するんだということで中で働いておられる職員も頑張っておられる。きのうの朝の午前三時まで皆さん団体交渉をやられたわけでしょう。そこでいろいろなことをお互いに合意されておるわけなんです。だから、むしろ今まで国が国立病院、療養所のきちんとした整備を怠ってきたというところに真の国の責任があると私は思うのです。 だから、国立病院、療養所の統廃合というような暴挙は絶対やったらいかぬ。これだけ言えばもうおわかりだと思うのですけれども、全国の自治体のほとんどが反対しておるわけなんです。まさに暴挙だと思う。だから、特に長寿園については、さっき言いましたように過疎地における老人医療のモデル施設としてむしろ拡充することを私は要求して、答えは要りませんから、時間が来たようでありますから、私の質問を終わりたいと思います。 以上であります。
○稲垣委員長代理 菅直人君。
○菅委員 私の質問は時間的にも制約をされておりますので、単刀直入に本題に入っていきたいと思います。 薬事行政のあり方について幾つかの点でお尋ねをしたいのですが、日本では言うまでもなくサリドマイドとかスモンといった薬害、あるいはこの数年、日本ケミファなどのようなデータ偽造とかあるいは副作用のデータを隠していたとか、いろいろな問題が起きてきているわけです。 まず、大臣にこの薬事行政全般の考え方についてぜひお尋ねをしたいのは、私は、薬事行政というのは、国民のといいますか患者さんにとっての薬の安全性と有効性ということがすべての判断の基本となるべきだ、そういうものを生産し供給するというために行政がかかわっていく、そういうふうにあるべきだと考えておりますけれども、大臣もそのようにお考えかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○増岡国務大臣 薬でございますから有効性がなくてはならないと思いますし、もちろん人体に対する安全性もなくてはならぬと思います。なおその上、医学医術が進歩するわけでございますから、薬の面にもそのような進歩が欲しい、そういうふうに考えております。
○菅委員 有効性、安全性、それに大臣は進歩という言葉を加えられましたけれども、そこでちょっとこれを配っていただけますか。 最近、医薬品産業政策懇談会というところから最終報告が出て、今お配りするメモにあるように、つまり、医薬品産業政策懇談会提言フォローアップのためのプロジェクトチームというものが薬務局でつくられているというふうに聞いておりますけれども、このプロジェクトチームというのは産政懇の提言を実現するための作業プロジェクトというふうに考えていいのか、どういう性格を持ったプロジェクトなのか、端的にお答えをいただきたいと思います。
○小林(功)政府委員 ただいまお話がございましたプロジェクトチームですが、産政懇のいろいろな意見がございます。その中に非常に貴重な意見も多くございますので、具体的にそれを進めていくためのプロジェクトチーム、こういうことでございます。
○菅委員 もしそうだとすると、私はこれは大変に大きなことだと思うのです。この産政懇の最終報告書というのを読んでみますと、確かにいろいろ貴重な意見が入っております。貴重な意見は入っておりますが、その大部分の貴重な意見というのはまさに医薬産業にとっての貴重な意見ということなんですね。 例えばここに「行政からのアプローチ」ということが何ページかにわたって書いてありますが、その骨子をまとめたものによると、自由経済を原則とする我が国では医薬品の開発、生産、供給は民間の自由な経済活動にゆだねられるべきことは当然であるが、行政の果たすべき役割も大きなものがある。具体的には次の四つが書かれています。市場機能の補正とか、開発、生産の円滑な実施とか、合理的、効率的な企業活動を可能とするような許認可諸制度に対する配慮とか、開発促進のための薬価面、税制面等における配慮とか、つまりこれは、薬品メーカーにとって非常に重要というか薬品メーカーにとっての希望、そういうものがまとめられているのです。私が見る限り、先ほど大臣が一番重要だと言われた安全性あるいは有効性という問題についての配慮がどこにも見られない。 今お配りした薬務局のメモの中に、このプロジェクトチームが当面どういうことをやるかということで「主要検討項目」というのがあります。そのどの項目を見ても、例えば制度改善プロジェクトチームの中身を見てみますと、「医薬品、医療機器及び化粧品の各分野における合理的、効率的な企業活動を可能とするような諸制度の在り方に関する検討」、どこにも、一言も安全性という言葉が入っていない。つまり、このプロジェクトチームはそういう安全性とか有効性ということについてはやらない、そして産政懇の提言を実現するためのプロジェクトだ、もう一。度お尋ねしますが、そういうふうに理解していいのですか。
○小林(功)政府委員 私どもが担当しております薬務行政には二つの流れの行政がございます。一つは、今おっしゃったような安全性を中心としたいわば規制の観点からの行政、もう一つは、医薬品産業をこれからどう持っていくかといったいわゆる産業育成的な面の行政、この二つがございます。それで、産政懇自体は後者の方を主として議論をし、意見を出しているわけでありますが、実際にそれを具体化していく場合には、医薬品でございますから、国民の健康、生命に関係のある重要なものでございますから、当然安全性、有効性というものは根底に横たわっている、その中でいかにして産業を育成するか、こういうアプローチをすべきものだと考えております。
○菅委員 私も当然そうあるべきだと思うのですよ。そうあるべきだと思うのですけれども、そういうことはどこにも見えてこないのですね。私もこの数年間社労の場でいろいろな議論を薬務行政について取り上げてきましたけれども……。 例えば、もう一つ懇談会をつくられていますね。医薬品等の基本問題に関する懇談。この中では、審査の厳格性とか透明性ということでデータの公開あるいは中葉審の選任基準の制定などがやられたというようなことも述べられております。しかし、私が何度もこの場で取り上げた問題を二点だけ繰り返して言いますと、一つは、認可がおりた薬について、その安全性のデータとか副作用のデータとかを何びとがが欲しいと言えば、すべて公開すべきじゃないか。別に、印刷して送り出せと言っているのじゃないのですよ。もしそういうものに対して申請があれはすべて公開する。これは特許制度でも、審査官がオーケーと言った段階ではその申請資料を袋ごと全部公開するという制度が既にとられているわけです。そういうやり方を言っても、いや、やはり企業秘密がどうだから何だらがどうだからこの部分はいいけれどもあの部分はいけないとか言う。 もう一点、中葉審の問題も、例えば特許制度における審査官の位置というのは、行政訴訟法や民事訴訟法と同じように、いわゆる裁判官と同じように、利害関係人がその審査に当たれないということが法律ではっきりうたわれているわけです。しかし中葉審の場合は、何度かの国会での討論の上でやっと中葉審の内部の運営規則みたいなものにその一部がうたわれた。法制化ではない、ただ内部の運営的な扱いだということでしかやられていない。 公開の問題もいまだにこの程度しか進んでいないし、審査の公平性といいましょうか厳格性という面でもそういうところまで進んでいない。この数年間の薬務行政が生み出したいろいろな問題点を変えていく上で、そういった公開の問題、審査の厳格性の問題をさらに積極的に進めるつもりがあるのかどうか、それについて大臣の見解を伺いたいと思います。
○増岡国務大臣 公開制度がいいのか悪いのかということはこれから十分考えて御趣旨に沿うようにいたしたいと思いますけれども、有効であり、安全であり、また進歩する薬ということを考えますと、企業自体の経営の安定ということはやはり考えてあげませんと、あすの日がどうかというような企業で、有効であり、安全であり、進歩する薬ができるはずもないというふうにも思うわけであります。したがいまして、先ほど先生から御指摘がありましたように、薬務局としては多少そのような育成措置を考えるということもやむを得ない任務だと考えております。
○菅委員 もう少し突っ込んだ話にしたいのです。一般論的に薬務行政の中に育成的な側面が含まれるんだということを私も全面的に否定しようとは思わないのです。ある部分ではそういう配慮も必要だと思うのです。ただ、それが安全性とか有効性という問題と実際の問題で矛盾をするようなことになるのではないかという心配を申し上げておるのです。 例えば、この産政審の最終報告には「許認可の迅速化、効率化の推進」という言葉があります。簡単に言えば、今のやり方だったら薬の認可までに時間がかかる、あるいはいろいろ手間暇がかかるから簡単にしろ。もちろん合理的な形で、これまであちこちの図書館から引っ張ってきたようなものをちゃんとデータを整理するとか、そういう形の迅速化、効率化は大いに結構だと思うのです。しかし、それがあるいは副作用の調査など、そういうものについて条件を緩和して、多少危ないものでも余りうるさいことは言わないで通すということにもつながるとすれば、それは大変なことなわけですね。 ですから、私は大臣にぜひ考えていただきたいのは、このプロジェクトをこれからも進めようとされるならば、つまり産政懇の提言プロジェクトをこれからも進めようとされるなら、その同じプロジェクトの土俵の中で今言ったように安全性の問題あるいは薬としての薬効の問題を議論するようにしなければ――いや、それは別の問題です、ここは育成だからどんどん速めましょうとここにも書いてますね、「許認可の迅速化、効率化」これをどんどんやりましょう。それでは、これはなぜやるのかといったら、いや、それは育成だ、安全性は別のところでやるんだ、こんなことにはならないと思うのですね、まさにプロジェクトチームであればあるほど。もし、そんな片手落ちなプロジェクトチームを進めるのであれば、私はこれは大変なことだと思うのです。 この中身を見ておりますと、薬事行政全部の改革が出ています。もう一つのこの基本懇を見れば、中薬審そのものの存在をどうすべきかというところまで議論されています。こんなものが全部私的諮問機関という形、あるいは懇談会の意見という形で出されて、そして薬務局はそれをフォローするためのプロジェクトチームをつくっている。ほとんど我々のところではそういう議論がなされているということを知らないわけですね。そして、なされているプロジェクトチームの中では、今言いましたように安全性とかなんとかは別でやってくれるでしょうからここはやりません、こんなプロジェクトならやめた方がいい。どうですか、大臣。
○小林(功)政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、産政懇のフォローとしてプロジェクトチームをつくった、その場合に当然安全性、有効性というものは根底にある、したがって、別のところでやるという意味で申し上げたわけではなくて、プロジェクトチームを取り運んでいく場合にも当然それは根底に横たわっている問題である、その前提の上でいかにして育成をするかという点を議論していくんだ、そういう趣旨で申し上げたつもりでございます。 それから審査の迅速化の話でございますが、やはりすぐれた良質の医薬品を一日も早く医療の場に提供するということは確かに業界も望んでいることでありますが、同時に患者さんだって望んでいることであると思うのです。それで医薬品については有効性、安全性の確保は大変重要な問題だという点は先ほど申し上げたとおりでありますが、この点は例を挙げるまでもなくいろいろこれまで努力してまいりました。例えばGLPなんかによりまして申請データとかあるいは審査の適正化を図ってきた、これは御理解いただけると思うのであります。 むしろ今回迅速化のために行おうとしている施策を申し上げればおわかりいただけると思うのですが、今回やろうと思っておりますのは、例えば審査課を二課に分課いたしまして審査体制を充実するといったこととか、あるいはコンピューターを導入いたしまして審査業務の効率化をするとか、そういった方法によって審査の迅速化を図ろうということでありますから、必要な書類を省くとか、そういう基準を緩めることによって迅速化を図るというものでは毛頭ないわけでございますので、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
○菅委員 私は今の局長の答弁の中身を、局長そのものあるいは大臣そのものの頭に十分に入れていただきたいのですね。つまり、それは前提なんだということを何度も言われるけれども、本当に前提になるのならば大いに結構なんです。しかし、それが前提にならないのではないかというおそれがあるから何度も申し上げているのです。 もう一度言いますけれども、この産政懇というのは何なんですか。いわゆる局長の私的諮問機関でしょう。ここに書かれていること、このメンバーというのは医薬品メーカーの人がたくさん入っている。当然でしょうね、産政懇だから。しかし患者さんの立場の人は一人もいないのですよ。それでこの産政懇のことをやるのです、そこに安全性も入れるのです、しかし産政懇はそんなことは言っていないのです。いろいろなところで局長はこれに基づいて改革をするんだということを発言をされていますけれども、これに基づいて改革をするんだと発言をするのだったら、ちょっとおかしいのじゃないですか。これも産業界の一つの希望だ。しかし、当然ながら患者さんなりいろいろな問題がこれまであるんだ、それを含めてということならまだわかるけれども、これに基づいてということをどんどん発言されている。そんなプロジェクトならやめたらいいのじゃないですかと私は言っているのです。 ですから、これは大臣にぜひお約束をいただきたいのですけれども、産政懇のことだけをやるプロジェクトなんというのはおかしいわけですから、つまり、今言ったように産政懇から出ているのは、これはメーカーを中心とした人の希望ですから、これと患者さんたちあるいは一般国民の希望している問題とが同じ土俵の上で議論されるようなプロジェクトにするんだと言われるならするんだと約束してください。そうでないのだったら、これは進めるべきじゃないと思いますが、お約束していただけますか。
○増岡国務大臣 先ほど局長から局内に二通りの仕事があるというように申し上げましたとおりでございます。その中の一部がその考え方でございまして、もちろん薬事審議会その他で有効性、安全性のこともやるわけでございます。それも薬務局長の仕事でございます。したがって薬務局長が、一人がその両面をやるということは、先生がおっしゃるような意を踏まえて十分に有効性、安全性のことについても配慮をしながらやれる体制になっておるわけでございまして、私もこれから先、先生の御趣旨のとおり薬務局長に十分その意を体してやるように指示をいたします。 〔稲垣委員長代理退席、委員長着席〕
○菅委員 時間になりましたので、これで終わりにしますけれども、最後の大臣の答弁の内容を本当に十分に生かしていただきたい。重ね重ねになりますけれども、この数年間日本の薬務行政の中で起きたことを全部取り上げて思い出していただければ、こういう産政懇の問題以外の問題で常に大きな問題が起きてきたわけでありますから、きょうは時間がないからこれ以上は言いませんけれども、こんな産政懇を一方につくっておいて、じゃあ患者さんたちの副作用でいろいろ困っている人たちの審議会でもつくってみたらどうですか。そういうものがあって、その二つを並べてやろうというくらいの姿勢を示したっておかしくないと思うのです。そういう点ではまだまだ大変不満だとは思っておりますけれども、今の大臣の、そういうことも当然のこととして同じプロジェクトの中でやらせるようにするんだという返事をきょうの時点では尊重してといいましょうか、私の質問をこれで終わります。
○戸井田委員長 長野祐也君。
○長野委員 厚生年金基金の特別法人税問題について大蔵省の見解を伺いたいと思います。 共済年金の改正案要綱が先ほど関係審議会に諮問をされました。今回の改正案では、共済年金を厚生年金と同様に基礎年金プラス報酬比例年金に改めることになっております。一方、現在の厚生年金基金ではその水準が国家公務員共済を下回っていればいいのですが、要するに上回らなければ積立金に対しては非課税ということになっております。現在は千六十四の厚生年金基金がありますけれども、国家公務員共済をほとんどが下回っているために特別法人税を課せられているところは五十七年現在十二の基金にすぎないと聞いております。 そこで、今回の共済年金の改正によって、一言で言うと共済年金は厚生年金並みになるわけでありますが、そうなりますと、今すぐというわけではありませんけれども、国共済の水準を上回る厚生年金基金が今後相当出てくることが予想されるわけであります。現行の考え方を変えないとすれば、新たに特別法人税を課せられる基金がふえて実質的な増税になるわけでありますけれども、この点について大蔵省はどのような方針で臨まれるのか、見解をお伺いいたします。
○濱本説明員 お答え申し上げます。 共済年金を含む年金制度が改革をされました場合に、ただいまお話がございました調整年金の非課税限度をどうするかという問題につきましては、現行の取り扱いの考え方を基本としながら今後における公的年金制度の改正の内容でございますとか、あるいは企業年金制度の動向でございますとか、さらには広く社会経済情勢の推移に即応した年金制度に対する税制のあり方の問題の一環として検討を進めてまいりたいと考えております。
○長野委員 検討するということでありますから、今後新たに課税をされるかどうかということについては白紙だというふうに理解をしたわけですが、近い将来に、近い将来と言っても六十一年四月以降、ここ一年か二年の間にこの問題は大変大きな問題になるということが予想をされますので、国会で初めてこの問題を取り上げている意義からも、検討の方向というのですか、私はその辺を少し突っ込んでお伺いをしてみたいと思います。 今の答弁で、企業年金制度の動向に即応してという答弁があったのですが、厚生年金基金の積立金は今でも約九兆円であります。今後の動向という点でいいますと、企業年金への期待が大変大きなわけで、十年後には少なくとも今の九兆円が五十兆から六十兆円になるだろうというようなことが推計をされるわけであります。したがって、基金を持っている企業としては、率直なところは国共済を上回った場合は課税という基準は変えてもらわなければ困る、当然今度の改正でほとんど課税になるわけでありますから困る。しかし、課税の方法は現在の仕組みを変えないでほしいという大変複雑なところが本音ではないかと思います。 一方、大蔵省としては、課税の公平という観点あるいはまたこれだけの巨額な税収入を確保できる見込みがあるのにこういう厳しい財政再建の中でこれに全く手をつけないということは考えられないと思うわけでありますが、この点についての大蔵省の見解を一つ伺いたい。 もう一つは、手元に三月二日の新聞を持ってきておりますが、先ほどの答弁の中で、年金制度に対する税制のあり方の問題の一環として検討するという答えがあるのですが、ということは、年金課税全体の中で考えていくというふうに理解をされるわけですが、この報道によりますと、大蔵省は老齢者年金控除の引き下げなど公的年金への課税を検討中と聞いております。世代間の負担と受益の不均衡を正す必要があるというこの判断は、それに限って言えば一つの考え方だろうと私は思うのです。私が賛成しているという意味ではないわけでありますが、一つの考え方として認められると思うのです。 そうした中で、企業年金資産への課税問題をどう位置づけていけばいいのか、もっとわかりやすく言えば、仮に老後の生活のとらの子にまで一方で課税を検討しようと言いながら、厚生年金の問題には課税をしないということ、これは少なくとも合理的ではない。一方でとらの子に課税をするということを検討するくらいなら、こちらにも課税の検討をするというのが合理的な考え方だという考え方も成り立つわけでありますが、これらの二点についてどのような見解をお持ちですか。
○濱本説明員 年金制度自体の改革が極めて大きな問題でありますのと同様に、年金税制自体の改革も我が国の税制の抱える今後の非常に重要な問題の一つだというふうに考えております。 お話に少し顔を出しましたようないろいろな特別措置によりまして年金所得というものに対します配慮を加えていきました場合に、年金という極めて大きな所得の塊でございますから、そういった非課税措置のもたらします影響というものも非常に大きなものになってくることが考えられます。一つには、通常であれば課税の対象になってくるべき部分が脱落していく、つまり課税べースがその分だけ浸食されるということ、その規模が税制全体にとって無視し得ないような大きさになっていくということもあり得る、そういうおそれもあり得る問題かと思われますし、また同時に、公平あるいは公正といったような観点からそのこと自体が許されるかという問題にも直面することを考えなければならないというふうに思っております。 したがいまして、この問題というのは、御指摘にもございましたように、さまざまの側面から見直してみる必要があるだろうというふうに考えておりますけれども、税制調査会のこれまで明らかにされました答申の中におきましても、今日の年金税制の中にはかなり優遇された扱いになっている部分があることも指摘いたしまして、公的老齢年金制度自体の見直しと並行した税制の見直しが必要だ、既に本格的検討の時期に来ているのではないかという指摘をいただいているところでございます。
○長野委員 今、年金税制改革は今後の重要なテーマの一つで、非課税措置は税制全体として無視し得ない存在として大きな問題になってくる、公平の観点から許されるかどうか、さまざまな角度から見直したい、こういう答弁で、大蔵省の本音の部分が若干出ているような答弁なわけでありますが、大蔵省としてはそういう意味では検討の方向に、国共済を上回る分については課税をする方向にあるというふうに理解をしたわけであります。実は、この点については、私は反対であるという立場から二点伺いたいと思うのです。 確かに、今御指摘のような税制全体として考えていけば、公平という観点からもバランスの上からも、あるいは税制適格年金、向こうには課税がされているわけでありますから、そういういろいろなことを考えていくと、確かに課税の方向にあるというのが合理的な考え方であるということを大蔵省が主張されることはよくわかるわけであります。しかし、例えばこれはこれまで国家公務員の共済年金というものが厚生年金に比べてかなり高い水準であったという実態があって初めて国共済を上回れば課税をするということになる話ではないかということが一つであります。今度の共済年金の改革によって国共済を含めて共済全体の水準が下がってくる、それを上回るものに課税をするというのは、今までの約束事を変えることになるのではないかということが一つであります。 厚生年金基金に加算部分があって厚生年金の水準を上回るのはある意味では当然なことでありまして、またそれがなければ厚生年金基金の意味がない。国家公務員の共済年金を厚生年金の水準に下げるということは、官民格差という批判もあることでありますから当然やっていかなければならない、結構なことだと思いますが、だからといって、その厚生年金水準を上回る厚生年金基金に課税をするということは、極言をすれば厚生年金基金制度そのものを準公的年金として認めないということになりはしないか、その存在を否定することになりはしないかという疑問も一方出てくるのですが、その点についての御見解を伺います。
○濱本説明員 原則論に立ち戻って考えてみますと、事業主が従業員のために掛金を掛ける、その段階では従業員は観念的には給与所得を取得するというふうに観念することができようかと思います。しかし、それには課税をしない。そしてあるファンドの中でその部分がふえていきまして支給時を迎える、支給時において課税されるということになります場合に、掛金が掛けられましてから支給されますまでの期間利息が生じておるわけでございまして、これに対しまして、現在、先ほどもお話にございました適格退職年金の場合には一%の特別な法人税が課せられておるわけでございます。そういった考え方とのバランス、一方、今も御指摘がございました厚生年金基金が持っております公的側面、つまり厚生年金の報酬比例部分を代行しているという側面、そしてそのそばに公的年金としまして国家公務員の共済年金の場合には、これは非課税とされているという事実がございます。これとのバランスから申しまして、現在の仕組みとしては、これを超える部分について課税をするという仕切り方をしておるわけでございます。 現在の考え方がそういったバランスの上に成り立っておるということは御理解いただけると思いますけれども、それでは、今後これをどう見直すか。私どもはただいまその一つの方向なり結論を持っておるわけではございませんけれども、従来考えて得られてきたバランスというものを今の時点でもう一度見直してみて、どういうバランスが新しいバランスとして適当かということを追求していく作業になろうか、かように存じます。
○長野委員 もう一つ厚生年金基金の立場に立って物を言いますと、これまで大半が課税をされていないというのは、厚生年金基金側から見れば、一つの既得権益といいますか、既得権として考えることができると思うのです。それに魅力を感じたからこそこの制度を採用したという企業も少なくないわけで、例えば税制適格年金は特別法人税を課せられておりますけれども、一方では、事務上のコストというのですか、支払い事務とか記録管理とかいうようなものは生保や信託に任せっ放しにしておけばいいわけでありますから、事務コストに金がかからない。そういうメリットもあります。厚生年金基金の方は逆に、国共済を上回らない限りかかりませんが、特別法人を設置するなど、いろいろな義務経費がかかる。したがってその公事務費がかかるものの、課税をされないわけですから、そこで埋め合わせがつく、そういう企業側の考え方があると思うのですが、今述べた既得権のようなことについては、どういうふうに受けとめられますか。
○濱本説明員 制度の変更につきまして物を考えます場合に、ただいま御指摘のような問題は常に直面する問題であろうかというふうに存じます。何と申しましても、先ほどから申し上げておりますように、年金税制というのは将来に非常に大きな影響を持つ問題であろうというふうに思われるわけでございまして、やはり全体としての公平といいますか、あるいは公正と申しますか、税の理念、特にその全体のバランスというものに配慮しまして、税制として筋道の立ったものにする、そのための議論を尽くしてまいりたいと考えております。
○長野委員 全体としての公平、バランスに配慮をして税制としての筋を通していくということからはおのずから検討の方向というものがわかってきたような感じがいたします。企業年金の柱としての厚生年金基金は積立金に対して非課税という大きなメリットがあることが、先ほど申し上げたように採用する企業側の魅力となっているわけで、しかもこれは、従来の退職一時金が今後一括して支払われないということで企業年金へどんどんシフトをして、また公的年金を補うものとしての企業年金の役割というものはますます大きな期待がかけられてくるときだけに、今のような方向でその検討が進むとすると、その普及を阻害するような新たな課税が起こるということについては、ひとつ慎重に対応を検討をしていただきたいということを最後に御要望申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので、あと診療報酬、薬価基準の問題について三点伺います。 診療報酬につきまして、かつて日医の武見会長時代に、診療報酬については物価と人件費に見合わせて毎年上げるべきだという意見があって、また人勧を参考にして中医協が動いたという経緯もあるわけでありますが、私は、そういうことからも診療報酬を毎年見直していく、そして医業費用の約五〇%弱が人件費となっていることを考え合わせて、人事院勧告を参考にする考え方を取り入れていくべきだと思いますが、この点についての御所見を伺います。
○高橋(辰)政府委員 お答えいたします。 診療報酬の改定は、中医協の答申に基づいて行っているものであります。中医協では、基本的な考え方として、診療報酬の合理化に関し結論がまとまった事項について改正を実施していくことで合意されております。診療報酬の問題は、医業経営の安定と密接に関係するものであり、良質な医療の確保の観点からも重要な問題であります。この三月の改定においても、中医協における改定事項についての検討に当たって、医業経営の動向とともに賃金、物価、諸公共料金等の諸指標も総合的に勘案されているところであります。今後とも中医協では医療報酬の合理化に関し継続的に審議していくこととされており、その審議を踏まえて適切に対処してまいりたいと思っておる次第であります。
○長野委員 今の御答弁で、三月の改定は総合的に勘案をされたということですが、その中に人勧も含まれていると解釈をしてよろしいのかどうか。 例えば、ことしの改正で一番注目さるべきところは、ここ数年薬価差の中だけの範囲でこの診療報酬の見直しが行われてきた。今回は、それに一般財源からわずかでありますけれども上乗せがされたというところが、一番注目されるべき点だと思うのです。その数字の考え方の背景に人勧の数字が参考にされたというふうに確認をしておるわけで、そういう意味で、総合的という中には人勧も入るというふうに解釈をしてよろしいか再確認をすることが一つと、あわせて、薬価は毎年調査をしておるわけでありますから、診療報酬も毎年行われるべきではないかと思いますが、この二点お伺いいたします、
○幸田政府委員 前段の問題でございますけれども、ただいま政務次官からお答えを申し上げましたように、中医協といたしましては、基本的には診療報酬の合理化をどう図っていくかという基本路線でございますが、この三月の改定の実施に当たりましては、賃金、物価その他のいろいろな事情を総合的に勘案をいたした公益委員の所見でございます。もちろん、その賃金の中の一つの要素として人事院勧告も当然にお考えになったもの、こう私どもは受けとめているわけでございます。 それから、後段の問題でございますけれども、私ども再々お答えを申し上げておりますとおり、薬価基準は市場価格を反映させるというのが原則でございまして、それに対しまして、医療費の改定は診療報酬の合理化あるいは賃金、物価その他の総合的な判断による医業経営の安定ということでございますから、事柄としてはおのずから別な問題というふうに私ども従前からお答えを申し上げておりますし、そういった考え方でまた取り組んでいるわけでございます。
○長野委員 後段については、半分が人件費ですから、私はちょっと考え方が違いますが、時間もありませんので、それ以上は申し上げません。 三月の改定では、人勧の考え方も基本的に入っておったということでありますが、今後も診療報酬の改定にこの人勧の考え方を入れるという原則だと考えてよろしいですか。
○幸田政府委員 医療費改定は、診療報酬の合理化と同時に医業経営の安定のための重要な柱でございますが、医業経営の中には、御指摘のとおり人件費その他いろいろな要素があるわけでございまして、賃金、その中の一つの要素として人事院勧告というものも当然に含まれるものと考えております。
○長野委員 時間がないそうでありますので、二点まとめて伺います。 薬価基準について、少なくとも三年ごとに全面改正をして、毎年部分改定を実施するということになっておるわけですが、その部分改正のデメリットが随分出てきているように私は思います。今後、その部分改正をやめて全面改正だけにするというような、より明確なルールづくりをするお考えはないのかどうか、これが一点。 もう一つは、先ほども出ておりましたが、健保改正による五十九年十月以降の影響を見てみますと予想以上のものがありまして、一人当たり医療費は政管健保で本人、家族、そういうように低下をしていると聞いておるわけでありますが、この推移についてどう認識をされておられるのか、こういう傾向がまた続いていけば、何らかの措置をとられるお考えなのか、その点についてお伺いいたします。
○高橋(辰)政府委員 薬価基準の部分改定につきましては、委員御承知のように、昭和五十八年一月と六十年の三月と改正を実施しております。市場実勢価格が軟化しておる品目、分野を迅速的確に改正対象として選択できる反面、改正対象以外のものは引き下げがゼロというようなアンバランスも生じているとの問題があることは承知しております。 この薬価算定方式は、昭和五十七年九月の中医協答申に基づき市場実勢価格を適切に反映せしめるため行われているものであり、簡単に変更することは困難であります。中医協答申においては、薬価算定方式及び薬価調査方法については今後の推移等によってさらに必要な改善を図っていくこととされており、今後の改正実施状況の推移を見つつ中医協の審議を踏まえて適切に対処してまいりたいと思っております。 二番目の、健保改正後の五十九年十月から十二月までの三カ月間における政管健保の一人当たり医療費の動向を見ると、前年度の同期比で本人についてはマイナス一二・九%であり、家族については一・三%の増加となっております。また、政管健保を含めた被用者保険のほか、国民健康保険及び老人保健も加わった医療保険全体での医療費総額では一・九%の増加となっております。これについては制度改正に伴う一時的な現象ということでもあり、三カ月だけのデータでは長期的な影響については評価することができ得ませんが、本人一割負担の導入により、かかった医療費がわかりやすくなり、サラリーマン本人のコスト意識が喚起されたことから医療費の適正化につながっている状態であります。いずれにいたしましましても、健保改正後の影響については半年ないし一年程度継続的にその推移を見ることが必要だと考えております。
○長野委員 最後に、それでは二点だけ御要望申し上げておきたいと思います。 私は、部分改定というのは確かに当初の実施時点では意味があったと思いますが、今やブラックマーケットの問題も出ておりますし、あるいは業者間の陰湿な競争が出ておりますし、メーカーにとってはいつ下げられるかわからないということになりますと、競争の激しい品目はつくれない、長期の計画が立てられない、あるいは開発意欲がそがれるというようないろいろなデメリットが具体的に出ているわけで、その意味で全面改正への改め等、明瞭なルールをつくっていただきたい。 それから、今の御答弁で最後に医療保険全体で医療費総額の一・九%が増加という答弁につきまして、その中に高齢者の増加だとかあるいは高齢者の年齢の上がり方というのですか寿命の延び方というのですか、そういうのが含まれていないので、その補正をしていかないと、医療費全体で幾ら伸びたという数字というものは正確な数字とは言えないのではないかという疑問点だけを私は指摘をしておきたいと思います。 そして、お答えにありましたように、いずれも、この健保改正後の影響につきましては半年ないし一年程度継続的に推移を見るというのは、これは当然のことだと思いますが、少なくともこの最初のデータだけを見てもかなり予想以上のものがありますので、医業経営の安定化については十分な配慮をお願い申し上げたいと思います。 以上です。
○戸井田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十七分散会