社会労働委員会 第7号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/02/26
会議録
○戸井田委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
○永井委員 先日労働大臣から所信の表明を受けたわけでありますけれども、この所信の表明の中で、一番中心は高齢化社会の進展に対応した雇用対策がうたわれているわけですね。例えば六十歳定年制の問題あるいは雇用を確保するための時間短縮の問題、そして失業の予防を中心とした積極的な雇用対策の展開、細かいことはこれから出てくるのでありましょうけれども、言葉としては非常にいいのでありますが、歴代の労働大臣が常にこの所信表明の中では雇用対策というものを一番中心に置かれてきているわけであります。しかし現実に労働省の統計や総務庁の統計を見ましても、五十九年でいいますと、史上最高の失業率になっておるわけですね。百六十一万人の完全失業者で二・七%の失業率ということになっておりまして、これを一体大臣としては、歴代労働大臣が雇用問題をずっとうたわれてきておるわけでありますが、それでなおこれだけの史上最高の失業率を出しているという現実についてどのように受けとめておられるか、まず冒頭にお聞きしておきたいと思うのです。
○山口国務大臣 雇用の安定が国民生活の安定あるいは我が国の経済的な安定と、また発展にも欠かせぬ条件である、こういう立場から歴代労働大臣、また労働省としても一生懸命雇用の安定政策に取り組んできているわけでございますし、これは労働省というよりも、日本の企業、労使、国会の先生方におかれましても、一番大事な問題としてこの問題を取り上げていただいておる、こういう経過の中で、日本が世界にない失業率の二%台をキープしておる、こういうことでございますが、しかし、一時の一・七%台の失業の時代と違いまして、将来展望等においても二%台というような数字を掲上しておる、そういう点も含めての御指摘であろうと思うわけでございます。 率直に申し上げまして、若年層の勤労者の方々の離退職の問題も若干こうした時代の中においてふえておる。それからまた、女性の職場進出の中における一つの問題、そうした中のいわゆる離職、転職に伴う微調整期間というものが、先生の御指摘と同時に、その中にも、指標に含まれておるというのも現実でございまして、私たちは実質の失業率の低下、縮小のために最善の努力をしておるわけでございますが、そうした労働市場における一つの転換点における微調整部分も含めて二%台の失業率を示しておるということにつきましても、御理解もいただきたいというふうに思いますし、さらには我々はそうした事情を含めながら、労働時間短縮の問題も含めて、この雇用の安定のために一層の環境づくりをひとつ進めていきたいという決意に立っておる次第でございます。
○永井委員 一言で言って、深刻に受けとめていらっしゃるのか、あるいはこれからの施策として楽観視をされておるのか、どちらですか。
○山口国務大臣 私は今まで多くの経済的な問題や難問を抱えながらも、こうして他国に例を見ない経済的な安定、また国民生活の安定を進めておるわけでございますから、何とか労使双方、国民全体の問題として取り組んでいけば、最終的には雇用のミスマッチというものは調整されるというふうに考えておりますけれども、決して楽観はしておらない。常に非常に厳しい雇用環境の状況にある。特にこれから数年先においては、きょうからあすへの数年間の間の労働市場というものは、今までの常識とか考え方でははかり知れない大きな変革期にある、こういう状況認識の中で、私は雇用対策の一つの方向づけというものを先生方の御論議を踏まえて何としても進めていきたい、こういう考え方に立っております。
○永井委員 きのうも実は予算委員会で国鉄問題が取り上げられました。 ちょっと角度を変えて御質問申し上げてみたいと思うのでありますが、戦後国鉄が復興期にあったときに海外からの引揚者ですね、南満州鉄道であるとかあるいは北支であるとか、いろいろなところの海外の日本の占領地域における鉄道従事者を中心にして、国鉄は要員を大量に抱え込みました。六十万人を超えたわけですね。それが国鉄の現状における一つの大きな問題点の要因になっておることは間違いないわけでありますけれども、その当時政府は雇用対策、そういう面を非常に重視をして国鉄に大量の人を雇い入れたということは、歴史的にも明らかになっているわけですね。 ところが、最近の国鉄というのは、御承知のように国鉄の再建ということで思い切った要貝を削減するという施策をとっているわけです。むしろ、とっているというよりも政府がとらせていると言っても過言ではないと私は思います。かつて国鉄の財政再建法を成立させたときに、昭和六十年に三十五万人体制だということを一応決めた。昭和六十年というのはことしなんですね。ところが、その当時政府が強く指導し三十五万人体制という枠組みを示したわけでありますけれども、現実はどうなっているかというと、三十五万人を大きく割り込むところまで要員の削減の数だけで言えば効果を上げてきているわけですね。それでもなお余剰人員という問題が今浮かび上がってきているわけです。 言いかえるなら、昨年のこの当委員会でもこの問題を私はかなり議論をしたのでありますけれども、当初の予定より以上に進行させてなお余剰人員というものが存在をする、そういうアンバランスを今起こしてきているわけであります。 ところが、先日、一月十日に国鉄当局が国鉄の再建案なるものを発表いたしました。これでいきますと、昭和六十五年に十八万八千人にする、こういうことになっているわけですね。大変な要員削減という数になってまいります。 きのう私の手元に届いた国鉄のPR誌でありますが、仁杉総裁とある人が対談をしているのですが、その対談の中で「これから国鉄が要員削減を図ろうとするその数は、一部上場企業の中堅どころの十社分ぐらいに相当する」、こう言っているわけですね。だから、これは大変なことだ、こう言っているのでありますが、このことを戦後の雇用確保ということから国鉄の職員を大量に抱え込んだという当時の状況と状況が仮に違っておったとしても、今大臣が言われるとおり、雇用は一番大切だ、一番大切だと言われているときに、政府として雇用政策を進める場合に、むしろ政府の関係する企業といいますか、特殊法人といいますか、そういうところに率先して雇用確保を図るということが姿勢としてあっていいのではないか、こう思うのですが、どうでございますか。
○山口国務大臣 今日まで大変国民の手足といいますか、国鉄が国民生活に貢献した役割というものははかり知れないものがあると私は考えております。 しかし、いろいろな時代変化の中で、また、今先生が御指摘のように、当初から大変な雇用を抱えながらの経営等の無理もございまして、大変逆に国民の皆さんの負担、財政的負担あるいは料金等における負担等も含めまして国鉄再建というものが可及的速やかな解決を求められておる、こういう状況でございまして、その再建のかぎは何といっても余剰人員対策にある、こういう指摘が専門家筋からも国鉄の労使双方からもいろいろな面で検討されておる、こういうことでございます。 したがいまして、国鉄の余剰人員対策の問題は、やはりまずは経営を担当している国鉄当局の一つの経営的な方針、指導力の中で組合側の信任を得ながら進めていく、こういう決意と認識が必要であるというふうに私は考えます。そういう意味で、労働省としても労使の話し合いをまず率先進めるべきである、こういう立場でいろいろ御協力も申し上げているわけでございますし、また一方におきましては、ことしの七月までに国鉄再建監理委員会の答申も出される、こういうことも、十分その方向づけ、考えも我々研究した上で、そして最終的には政府全体としてこの国鉄の余剰人員対策というものに取り組まなければならない。特に労働省は政府の中におけるそういう労働問題を預かる責任を持っているわけでありますから、これは国鉄の問題だ、当局が考えろ、労使双方で結論を出せ、あるいは再建委員会の答申を待ってということにとどまらずに、やはり政府の労働問題を預かる労働省としても、余剰人員対策の問題については自分の問題として研究し、努力しなければならないというふうに考えております。 ただ、やはり役所の、政府のいろいろな役割とか、縦割りといいますか、今までの経過、慣例がございますので、まずは国鉄当局、労使、再建委員会の答申という手だてを十分踏まえながら、政府全体の問題としてとらえる。その中における、では我々の労働省の考え方、この認識はどこにあるのかといえば、今私が申し上げたような考えをもって労働省全体にそういう努力を求めたいというふうに考えております。
○永井委員 今言われましたように、余剰人員の問題の処理にいたしましても、労使の間で円満に解決するということは、これは一番望ましいわけでありまして、だから私は昨年の秋にも当委員会において、誠意を持った団体交渉が速やかに開催されるべきである、またそのための努力をしるということを執拗なまでに申し上げてまいりました。それはもう、振り返ってそのときのことは申し上げませんけれども、当時団体交渉が一方的に打ち切られておった。団体交渉を労働組合が申し入れても、団体交渉の再開ができなかったという状況の中での委員会でありました。 そのことは労働省も率直に受けとめていただいて、随分とお骨折りをいただきました。今の山口労働大臣も大変な御努力をいただいて、感謝をしているわけでありますが、しかし現実に団体交渉が再開されても、文字どおりそのことが誠意がないと成果を上げることはできないわけですね。 そして、きのうも予算委員会で問題になっているわけでありますが、今一番大きな焦点になっておりますのは、その余剰人員の処理について三本権と青われているわけでありますが、依願休職とか出向の問題について、実は最大の組合である国鉄労働組合との間にいまだに妥結をするに至っていない。妥結をするに至っていないまま、今募集行為が実は行われているわけであります。 これはきのうの予算委員会の焦点でもありましたように、就業規則の問題にかかわりがありまして、労働省から、就業規則の改正については手続がとられていない、したがって労基法の八十九条の違反であるということが断定をされまして、そのことによって改善勧告が出ているわけですね。ところが現実は、一月の末までに改善をしろと言っておったものができずに、三月の末まで延期をしてもらいたいという国鉄当局の要望があって、いまだにそのことは実を上げていないわけです。 問題は、労基法に違反になるということを労働省が明確に断定をしておきながら、その違反をした就業規則のままで余剰人員の対策として実際の事務処理が行われている、引き続き募集行為が行われている、ここがきのう一番大きな問題になっているわけですね。そう考えていくと、労働基準法に違反をすると断定した労働省の立場からいって、そのまま指をくわえて見ているのか、労働省がその勧告をした根拠に基づいて一定の処理をすべきか、この選択を迫られた場合に、一定の処理をする、いわば違反した就業規則のままでは作業を進めさせないということがあっていいのではないかと思うのですが、それはどうですか。
○寺園政府委員 今先生からお話がございましたように、国鉄の就業規則の取り扱いにつきまして、昨年労働大臣に対しまして要請がございました。それに基づきまして調査をいたしました結果、就業規則の改正につきまして労働基準法所定の監督署への届け出という手続がなされておらないということが判明いたしましたので、可及的速やかに是正をされたい、その状況について本年の一月三十一日までに報告をされたいということを昨年十二月に国鉄の方に要望いたしました。その結果といたしまして、一月三十一日に、国鉄当局から、この問題は就業規則が制定されて以来からの問題でございますので、作業としても大変膨大な作業になるので、三月三十一日に作業を完了することといたしたいという報告がございました。 私どもといたしましては、この作業が大変膨大になるということもそれなりに理解できますが、だからといって、できるだけ早くこの就業規則の問題が正規の手続でなされるように期待をいたしておるところでございます。そのためにも、この現在紛争になっております問題が労使の話し合いによって円満に解決をされるということが、基準法所定の手続をとられる一つのゆえんになろうというふうに考えておるところでございまして、そういう目で期待を持ちながら見ておるということでございます。
○永井委員 労使の間で円満に解決が図られるということと、膨大な作業量になるので三月三十一日までの時間をかけて問題の処理をするということと、私はこれは異質の問題だと思うのですよ。膨大な事務の作業量があるものだから三月末まで待ってもらいたい。これは待つことがあっても、それは実際の作業上やむを得ないことがあるかもしらぬ。しかしその場合は、労働省が違法であるということを断定しているわけだから、その作業が済むまでは少なくとも一日たりとも違反行為は放置できないという立場に立って、その実際の余剰人員の処理の問題については就業規則違反としてとめるべきではないんですか。 ここに当局と団交が再開されまして、そのときの記録があるわけでありますが、労働組合はこう言っているわけです。「就業規則にかかわる労働省の行政指導も踏まえ「本人の申し出による休職及び派遣」の募集は一時中断し、」「一時中断し」ですよ。永久にやったらいかぬと言っておるわけじゃない。「一時中断し、誠意・誠実をもって団体交渉を精力的に進めること。」こういうふうに労働組合側が要求したわけですね。これに対して当局側は、「余剰人員調整策は積極的に推進していかなければならないものであり、一時中断は行わない。」こういう回答なんです。 全く百八十度違うわけですね。全く百八十度違うままで、今労働省が言われるように、労使の問題として誠意を持って問題の処理が図れるのか、こう思うのですが、どうですか。
○谷口(隆)政府委員 この問題については、もう先生十分御存じのとおりでございますが、昨年の夏、七月の時点で提案された問題でございまして、個別の労使関係につきまして労働省がとやかく言う立場にはないわけでございますし、同時にいろいろな組合もあって複雑な労使関係の中での団体交渉を進めてこられた結果、三つの組合と妥結されたけれども、国労等と未妥結の状況になった、そういう過去の一定の経過を踏まえまして進んでおることでございます。 就業規則につきましての、届け出がなされていないという意味で労働基準法に違反しておる、手続的に違反しておるという点については、先ほど労働基準局長がお答えいたしましたように、その状況を早急に直してもらうということで改善方を要請しておるわけでございますけれども、そういう過去の一定の事実関係を踏まえた場合は、現在国鉄が置かれておる厳しい状況の中でどう対応していくかということも含めて考えまして、私どもとしては、とにかく話し合いの場に着いて、これが解決されるということが基本でございまして、そういうことを国鉄当局に強く求め、労使の間でその辺の解決をなされて、今非常に厳しい状況の中でこういう余剰人員の対策が効果が上がっていくということを期待をいたしておるところでございます。
○永井委員 大臣、この問題は今突然出てきた問題じゃないのですよ。国鉄当局の定めている就業規則がいわば労働基準法の八十九条に違反している行為である。これは断定されたわけですけれども、これは実は三十三年以降必要な手続がとられていないわけです。だから、国鉄当局がけしからぬと言う前に、現在昭和六十年ですから、三十三年以降二十七年間もこういう状態を放置しておった労働省の責任はどうなるんですか。大臣どう思いますか。
○寺園政府委員 仰せのとおり、かなり長い間就業規則と申しますか、就業規則の本体と一体となっております令達の改正につきまして基準法所定の手続が踏まれておらなかったということは事実でございます。ただ今回の紛争に至りますまで、労働条件問題につきましては、いわば就業規則の上位の規範であります労働協約によりまして合意を見て実施をされてきたという経緯がございます。そのような経緯を踏まえまして、従来はこの問題を特に取り上げてとやかくということはなかったわけでございますけれども、今回の問題にっきましては、国労から大臣の方にも要請があり、また国労から監督署の方へ申告というような事態もございましたので、調査をいたしました結果、先ほど申し上げましたような措置をとったという経緯でございます。
○永井委員 労使が円満に話し合いができて、協定がされて、何の労使間のわだかまりもなく実施に移されるというときはそれで、言葉は悪いけれども、ほおかぶりで済んでおったかもわからぬ。しかし、現実に二十七年間放置したまま来ておって、現実にそのことが今労使間で火を噴いてきて、大変な対立になっておる。こんな状態のままでは国鉄再建がなかなかおぼつかないという状況まで今来ているわけですよ。そこまで来たときに、それでもなお効力に対しては民事上影響はないということだけで済まされるのかという問題なんですよ、大臣。 ここまで来て違法行為が明らかになったんだから、違法行為を改善するように勧告をした、一月の末までに改善を求めた、事務作業量が非常に膨大だ、だから三月末までかかる、その猶予期間を与えてほしい、じゃあ与えましょう。与えるのはいいけれども、それなら三月末までにもうあとわずかですから、一カ月ぐらいですから、その間ぐらいは少なくともまず一たんは募集行為などについては中止をする、そうしてでき上がった時点で改めて問題の処理を図っていくということがあってしかるべきじゃないですか、法治国家なんですから。明らかに違法行為だとわかっておりながら、それをずるずるそのまま国鉄当局が作業をするようなことを黙って見ておるのですか、大臣として。これは労働大臣のかなえの軽重を問われますよ。どうですか。
○寺園政府委員 基準法の立場からまず申し上げたいと思いますが、労働基準法は、就業規則を制定、改廃しようとする場合には、労働組合等の意見を付して監督署に届け出なければならないということになっておるところでございます。基準法が定めておりますのはそういう手続の問題でございまして、その手続が国鉄当局において踏まれておりませんので、その改善方を要請をいたしておるところでございます。その余の問題につきまして、基準法の目から見ますと、それは国鉄当局内部の問題であろうというふうに考えております。ただいま申し上げましたのは、基準法から見た考え方ということでございます。
○永井委員 じゃあ基準法上の問題から見て手続上問題があるけれども、国鉄内部の問題である、それがそのまま通用するんなら労働基準法はあってもなかっても一緒じゃないですか。そうでしょう。手続上であろうとあるいは働き時間が一日八時間を超えてならないと定めているような具体的な事例であろうと、労働基準法の定めに違反しているものを、監督官庁である労働省がそのことを違反であると断定をして改善をするように勧告をしたそのままで、さらに改善されないままで、手続をとられていない違法な就業規則に基づいてどんどん作業が進められていくのを黙って見ていることが許されるのですか。これは大事な問題ですよ。
○寺園政府委員 労働基準法上問題がございますので、労働基準法に合致するような手続をとっていただきたいということを要請をいたしまして、その方向で国鉄当局は現在作業をしておられるということでございます。一日も早くその是正措置、改善措置がとられることを期待をいたしておるということでございます。
○永井委員 何回も同じことを繰り返して、そればっかり時間をとってどうしようもないんだけれども、改善をせよと言って、改善をしますと言っている。改善をしますと言いながら、改善されないままに作業は進んでいるんですよ。それが労使の関係の問題の処理でいいということになれば、そのことが原因で労使が対立をしているわけだから、問題の処理のしようがないじゃないですか。だから、具体的に手続上の問題であろうと何であろうと、その勧告した改善ができるまではそれにかかわる作業は一時中断をするように求めていいんじゃないですか。これは局長よりも大臣、どうですか。大臣、答えてください、そこをはっきりと。どうするのか、言ってくださいよ。
○寺園政府委員 先ほど来申し上げておりますように、基準法上問題がございますので、基準法所定の手続をできるだけ早くとっていただきたい。そのためには、その基礎となる労働組合の意見というものを就業規則に添付をして届け出ていただくことになるわけでございますから、労使が話し合いをされて解決をされて、その意見を添付をして監督署の方に届けていただきたい、それが一旦も早くされることを期待をいたしておるということでございます。
○永井委員 一日も早くはわかるんですよ、それは。一日も早くはわかるんだけれども、現実にまだそれがされてないんだ。この現実をどう見るかということなんですよ。大臣、どうですか、現実をどう見るか。
○山口国務大臣 今までも国鉄労使が長い双方の歴史の中で一つの協定に基づいて国鉄を運営をしてきた、こういう経過の中で、それなりに一つの労使の信頼関係といいますか、運営が滞りなく進んでいたわけですけれども、ここへきて余剰人員問題とか国鉄再建の問題の中で、こうした就業規則に対する勧告行為等を受けるような状況になった、こういうことでございますので、私は、やはり今局長からも答弁ございましたように、労使の一つの国鉄再建に対する責任の範囲において話し合いをしていただいて、そして組合側からの意見書も当局がいただいて、そして監督署の方への御報告をいただく、そういう作業の中にこれから先の国鉄の余剰人員問題に対する労使の信頼関係でございますとか、あるいは建設的な改善というものが約束されていくのではないか。 先生の御指摘の部分もよくわかるのですけれども、せっかくいろいろ余剰人員の問題についても、これは、就業規則等の問題ありますけれども、当局だけが独断と偏見でやってきたということばかりは言えないわけでありまして、やはり公式、非公式、いろいろな労使の話し合いも意見も含めまして、国鉄当局もいろいろ検討を進めてきた、こういう経過も私は全く評価に当たらないということは言い得ないと思うのですね。 そういう意味で、何とか私たちとしては、今申し上げましたように、労使の信頼関係や話し合いの場を回復する、こういう一つの就業規則の問題も、むしろいい面にお互いが受けとめていただいて、ひとつ国鉄当局も謙虚に組合側とも話をしていただく、国鉄労働組合の方もそうした違反行為を解決する、改善するためにもやはり当局と話し合いをしなければいけない、こういう半歩ずつ踏み込んでいただいて改善をしていただくという中に最終的な処理をしていただくということを労働省としては一番望んでおるというふうに御理解いただければと考えるわけでございます。
○永井委員 今大臣の御答弁を聞いておりますと、まあまあ臭いものにふたをしようという姿勢なんですよ。大臣がどう言われようと、そういう姿勢なんです。現実に今労使が対立をしているわけだから、労使の間でいろいろな意味で話し合いをされてきているという経過があります、その評価すべき点もある、こういうふうに言われているわけでありますが、確かに今大臣の御努力もあって団体交渉は形の上では再開されている。しかし、問題の発端というのは、国鉄には不幸にしてたくさん労働組合があるんですが、全体の七一・三%の組織率を持つ国鉄労働組合との間に団体交渉が当局から一方的に打ち切られて、他の組合と妥結をした内容が就業規則の改正の手続をとられないまま——ここが大事ですよ。就業規則の改正の手続がとられないままに七一・三%の組織率を持つ労働組合に加入をしている諸君に対して、同じように募集行為が始まるといいますか、業務命令によっていろいろなことが行われていくという、ここが問題の発端なんですよ。だから、大臣の言われているようなことになっていないわけだ。 それを国鉄の当局に聞きますが、じゃ団体交渉でこの就業規則の改正の手続がとられるまでは一時中断をしなさいということについて、一時中断をすることはしない、こう言い切っているのですが、こういう状態になっても、今もなお三月末までの就業規則の改正の猶予期間を求めている間といえども、一方的にそういうことを作業を進めていくということですか。簡単に答えてくださいよ。
○太田説明員 余剰人員問題が去年の二月のダイヤ改正後に顕在化しまして、いろいろ問題が生じてまいりましてかれこれ一年になるのでございますが、その間に労使の間でも随分密度の濃い交渉や協議をやってまいりました。そういうプロセスを踏みながら、かつ、国鉄の置かれた状況というものを判断しまして、実体的にこの余剰人員の問題の実施に踏み切ったのは去年の秋でございまして、国鉄を取り巻く状況、そしてまた経緯その他を総合的に判断いたしまして、私どもとしましては、この派遣、いわゆる出向でございますが、出向と休職の二つの措置については継続してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○永井委員 いや、問題は、こういう状況の中で当局自身が三月末まで猶予期間を求めている——同じことを繰り返して恐縮ですけれども、求めている、今一生懸命事務上の作業を進めています、こう言うわけだ。当然労基法の第九十条で過半数を超える労働組合の意見も添付しなくてはいけないということで定められているわけでありますから、ある意味で言うと、団体交渉が一定のまとまりをしないと、実際はその手続をとられることは難しいと思うのですね。そうすると、この三月の末まで精力的に団体交渉も詰めていかなければいけない。しかし、その団体交渉をやっている間、片方で団体交渉をやっているわ、片方で団体交渉と無関係に余剰人員の対策がどんどん進められていくということでは、団体交渉が実りのあるものになるはずがない。そうでしょう。素直にそう大臣思いませんか。 だから、団体交渉を精力的に三月末までに詰めるとするなら、その間は一応その余剰人員対策、まだ妥結していない余剰人員対策については一端保留をして、そして、片方、精力的に団体交渉でまとまるようにするのが筋道でしょう。 しかも、国鉄労働組合の委員長に言わせれば、何が何でもすべてがだめだと言っているわけじゃない、誠意を持って我々もこの余剰人員対策に臨んでいこう、こう言っていることは間違いないわけだから、そうすると、そこに団交に誠意を持って集中することができるような条件をつくる、その条件とは何かといえば、労働省から指摘されたように、基準法に違反しますよということについてその改善の手続を正規にとる、そのための団体交渉をやる、その間は当局の募集行為を一時中断をする、これは当たり前じゃないですか。常務、どうですか、そのことはできないですか。
○太田説明員 手続と実体的な判断とやはり分けて考えざるを得ないと存じます。 手続面については先ほど来労働省のおっしゃったとおりでございまして、私どもも大変膨大な作業量を抱えておりますが、今懸命の努力をいたしまして三月末までにはこれを完了する予定でございます。 実体的な内容につきましては、今も申し上げましたようなことでもございますし、かつまたこの制度そのものが本人の希望に基づくものでございまして、強制、強要にわたるものではございませんので、その手続は続けさしていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○永井委員 大臣、今言われたとお方なんですよ。基準法に基づく手続は膨大な作業量だけれども、これは誠意を持ってやっている。それは事実やってもらっているんでしょう。それと実務行為は別だ、こういうわけです。基準局長は、手続の問題である、こう言われましたけれども、手続の問題であれ何であれ労働基準法に違反しますよということが明確に指摘をされて、その改善を求めている。その改善ができるまでに片方に——これから手続がとられるであろう、これが新しくできる就業規則ですね。その新しくできるであろう就業規則、まだできてないのですよ。その就業規則に基づくものとして、片方で具体的な労働者に対するいわゆる余剰人員の処理という問題の作業だけが進んでいく、こんなことを矛盾に感じませんか。 これは小手先の問題じゃないのですよ。労働省の勧告という侵してはならない非常に大きな権威を守るためにもそこのところはきちっと整理をすべきではないのかと私は申し上げておるのです。どうですか、労働省。
○谷口(隆)政府委員 先ほども答弁申し上げましたけれども、就業規則につきまして基準法所定の手続に違反しているところがあるということ、そのことにつきましてはこれは一日も早く是正してもらうということが一つございますが、その間の余剰人員対策がどうかという問題につきましては、先ほど申し上げましたように、夏の時点で提案され、組合が複数ありまして、いろんな複雑な事情の中で団体交渉を積み重ねてこられてこういう結果になっておるところでございまして、私どもの立場といたしましては、まさに労働組合も使用者側も、労使が本当に今国鉄が置かれている状況を厳しく受けとめていただきまして、これはきょうでもあすでも早急に話し合いを整えて妥結される、そういう状況のもとで進めていかれることを期待をいたし、そういう観点からさきに大臣初め私どもも労使に厳しく申し上げ、また公労委のあっせんの過程では公労委の方としても一定の見解を出されておるわけでございまして、そういう見解で、まずその内容について妥結され、所定の手続に基づいて実施されるということを期待しておるところでございます。
○永井委員 同じことの繰り返しで、もう質問するのも本当にいやになるのですよ、同じことの繰り返しだから。しかし、これはやらざるを得ない。予算委員会できのう問題になりました。問題になったけれども、本来はこの種の問題は社会労働委員会のメーンの仕事だから、私はあえてこう申し上げているのです。きのうも問題になりましたけれどもね。 片方で改善作業を進めるということをやりながら、片方で国鉄当局は、内部文書でありますけれども、「本件に関しては労働省の指導を受け、本社において早急に是正を図る作業中であり、組合の諸種の行動に惑わされることなく積極的に作業を推進する」、作業というのは依願休職制度あるいは派遣ですね。これについて積極的に「推進するよう直ちに各現場を指導されたい」という内部文書まで出しているのですよ。だから、違反をしていることは、言われたから、なるほどこれは是正しなければならぬという気持ちになったのでしょう。なってくれたのでしょう。しかし、それとは別に片方はどんどん進める、こう言っている。 これが円満に交渉されておるさなかであれば、労働省に対して手続をとるまでの間であっても、まあこれはいいじゃないかということになっていくのでしょうけれども、実はそこのところが対立の一番大きな原因になっておるのだから、円満でない状況を考えた場合は、やはりそこは中断をさせる。中断をさせて早急に——中断をすれば当局も困る。困るから、やはり一日も早く問題の処理を図ろうということで団体交渉にも熱が入ってくるというのは、これは常道でしょう。少なくともそれくらいのことは、労働省・勧告の出しっ放しじゃなくて、そこまではきちっと処理をさせるようにするのが労働者の権利を守る立場に立つ労働省の仕事じゃないですか。そこのところ、はっきりしてくださいよ。私は同じことをもう何回もやるのはいやだから……。
○山口国務大臣 労働者のそうした権利を守るために当然の手続として、監督署として国鉄当局にも手続の不備を指摘して届け出を一刻も早く進めるべく勧告を申し上げたわけです。 ただ、労働省としては三月までに所定の手続をとにかく早く届け出るように、こういうことを申し上げているわけですから、その間は、一時今国鉄の余剰人員対策をストップしろ、こういう先生の御指摘であるわけでございますが、率直に言って、何せ御指摘している、問題提起している部分も私よくわかるわけですし、当然の御主張でもございますし、それからまた、国鉄を再建するためには、国鉄の余剰人員対策を国鉄労働者の生活権を守りながら進めていくためには、今太田理事が言ったようなことも、これまた国鉄の労働組合員の生活を困らせるためにやっているという気持ちではなく、何とかよくしたいというために、監理委員会の答申も七月にはあるということで、これはこれで進めさしていただきたい、こういう当局の立場も客観的に見て無理のない点もなきにしもあらず、こういうのが、私、労働大臣としての答弁の公式的な限界というのはまだこの枠がちょっとわかってないのですけれども、本当に両者のそれぞれの御主張というのが、両方とも、ある面においては先生の御指摘もそのとおりでございます。 わかるわけでございますけれども、ただ、労働省の立場で言いますと、三月までに改善勧告をとにかく早く出してもらいたい、その間の猶予期間といいますか、の中に労使の一層の信頼関係をひとつ積み上げていただいて、今先生が指摘したように、三十三年からこういう問題があったのだ、しかし今回みたいな形で国会で非常に大きく取り上げられたということもまた初めてでもあるわけでして、今までは労使の協定、信頼関係の中で処理されていたという事実もあったわけでありますから、そういう点から考えてみても、何とか三月までに組合の意見書もいただけるような誠意ある話し合いをひとつ進めなさい、こういう強い勧告の決意を含めて三月までの期間を限定した、こういう我々の方の立場もひとつ御理解をいただきたいというふうに申し上げるわけでございます。(発言する者あり)
○戸井田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○戸井田委員長 速記を起こして。 寺園労働基準局長。
○寺園政府委員 本件国鉄の場合、先ほど来申し上げておりますように、就業規則の変更につきまして基準法所定の監督署への届け出がなされておらないということにつきましては、基準法上問題がございますので、その是正措置について要請をいたしておるところでございます。 なお、そのような変更について届け出のない就業規則の効力の問題が一つございますが、届け出がなかったからといって、その就業規則の変更を無効ならしめるものではないというふうに考えております。この考え方は学説、判例の多数が認めておるところでございます。
○太田説明員 手続面については既に労働省からも御指導いただき、私どももその線に沿いまして鋭意改善のための作業を進めておりまして、三月三十一日までには完了させる決意で臨んでいるところでございます。 それから、派遣と休職の募集につきましては、これは引き続き進めさせていただきたいと存じておりますが、国労との間でこの派遣と休職の問題につきまして団体交渉が成立していないというのは大変望ましくない状態でございます。二月八日に団体交渉を再開いたしまして、以来、今日までも鋭意妥結すべく努力しておりますが、さらにその努力を重ねて早期な妥結を図りたいと考えている次第でございます。
○永井委員 どうも私にはちょっとわかりかねるんですけれども、例えば労働省が十月二十六日に第一回目に国鉄当局に出した文書、その第五項に今言われた民事上の効力ということがうたわれているわけですね。この「民事上の効力」という項目を読んでみますと、「就業規則を届け出ていないこと、労働組合の意見を聴いていないことは、刑事上の制裁の対象となりうるが、民事上の効力には影響がない。」ということを労働省が文書で言っているわけですよ。 なるほど、民事上の効力に影響がないという解釈のもとに片方でそういう行為が進められていくということがあったとしても、刑事上の制裁の対象になり得るようなものがそのまま放置されていいのか。労働省自身が「刑事上の制裁の対象となりうる」、こう言っているわけだから、刑事と民事とそれは畑が違うかもわからぬ、しかし刑事の責任を問われるということが明確になるようなものが、片方、労使という生きた関係で業務に貢献していかなければいかぬという立場からすると、その生きた労使関係というものに適用される場合は全くその責任を問われない、民事上の効力には影響がない。どのような裁判例があったにしても、そのことだけで今の、現代の社会に通用するんだろうかという気がするのですよ。そこのところをひとつはっきりしてください。
○寺園政府委員 基準法所定の手続を踏んでおらない、その手続が履行されていないという面につきましては、先生仰せのとおり基準法違反として刑事制裁の対象になり得るわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、その就業規則の民事的な効力というのはあるというのが私どもの考え方でございますし、また、学説、判例の認めているところでございます。いずれにいたしましても、刑事制裁の対象になり得るような状態が現在ございますので、それの改善措置について一日も早く改善をしていただきたいということを国鉄当局に要請をいたしておるということでございます。
○永井委員 この問題ばかりで時間を食っても、同じことの堂々めぐりでありますから。きのうの予算委員会の経過を受けて予算委員会でもこの問題の処理については今理事会などを中心にいろいろやりとりがされているわけですね。したがって、この問題は予算委員会との関連において、私もこの問題の結論づけは保留しておきたいと思います。 保留しておきたいと思うのですけれども、太田常務に一言だけ私は申し上げておきますが、何が何でもかたくなに当局の施策を遂行するということにこだわり過ぎることが結果として円満な労使関係を損なうことになっているわけだから、労働組合だって振り上げたこぶしのおろしようがないのと一緒で、当局だって振り上げたこぶしはおろしようがないということになってくると、これから十八万八千人まで要員削減をするという施策を出しているような国鉄がそういう状態のままで果たして再建ができるんだろうか。問題は、今二万五千名の余剰人員だけでなくて十二万何千名を処理しなければいかぬという段階に来ているわけでしょう、労働組合は求めないけれども、当局からすればそういう段階に来ている。そのときに、こぶしを振り上げっぱなしで絶対に上げたこぶしはおろさないという姿勢はやはり改めるべきだ、また、そう改めるようにすることが団体交渉を促進することになる、私はそう思います。 だから、そのことを太田常務に一つお聞きしたいことと、労働大臣として、この問題の処理は、結果としては、保留いたしますけれども、政治家でありますから、政治家としてどのようにこれから先を対応されていくのか、双方からお答えいただけますか。
○太田説明員 労使の交渉のあり方についてのお話かと存じますが、やはり何といいましても団体交渉で論議を詰めるということが労使関係の基盤でございます。そういうつもりで努力はしているつもりでございます。全体的に見ましても大変厳しい状況の中でございますが、いろいろな対立や意見の相違を克服しながら団体交渉は進めているつもりでございます。 例えば昨年、五十九年二月一日のダイヤ改正もそうでございましたし、ことしもまた六十年三月十四日に新幹線の上野開業に伴うもろもろのダイヤ改正がございますし、そのほかにも業務全般にわたっての厳しい合理化を控えております。それらについてはすべて団交をただいま深めているところでございまして、わずかにこの休職と派遣の二事案についてのみ大変足並みがそろわない状況が出ているところでございまして、これも苦慮しているところでございますが、なお早期解決に向けてせっかく全体は努力しているわけでございます。足並みをそろえるべく努力したいと考える次第でございます。
○山口国務大臣 労働省としては、先ほど基準局長が御答弁申し上げたような見解に立っておりますけれども、いずれにいたしましても、就業規則の変更手続を勧告しておるわけでございますから、国鉄当局と、また当然組合の方の意見書を添付しなければできないわけでございますから、そういう対象の労働組合に対して、労働省としても、きょう先生がこの問題をお取り上げいただいた、また昨日も予算委員会でこの問題が取り上げられた経過を踏まえて、改めて労使双方に労働大臣としての指導、鞭撻を図って問題の改善のために早急に努力を進めたい、かように考える次第でございます。
○永井委員 労働大臣の御努力を特に強くお願いしておきたいと思うのですが、この問題と関連して、今大臣がいみじくも言われましたように、意見書を添付しなくてはいけない、その意見書を添付する立場にある労働組合ともというお話がございました。そこで、一言だけお聞きしておきたいと思うのであります。 労基法の第九十条には、就業規則の作成とか変更についてでありますが、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においては、その労働組合の意見書を添付しなくてはいけない、こう定めているわけです。この九十条の解釈について、非常に古い解釈例がいまだに大手を振って歩いているのです。実は戦後の混乱期の労働基準法ができた当時の解釈のままで来ているわけであります。 その解釈、基発第三百七十三号によりますと、このように書いてあるのです。「就業規則に添付した意見書の内容が当該規則に全面的に反対するものであると、特定部分に関して反対するものであるとを問わず、またその反対事由のいかんを問わず、就業規則の効力には影響がない」、こう解釈例をいろいろな質問に対して出しているわけですね。 そしてさらに、昭和二十五年の基収五百二十五号、これでいきますと、「当該就業規則についての労働組合の意見を聞けば、労働基準法の違反とはならない趣旨である」ということを言っている。 言いかえるならば、法の第九十条では、添付しなくてはいけないということまでを義務づけている。その後のことについては法律上明らかにされていない。これを労働省側の解釈としては、いや意見は聞いて添付させるけれども、それはもう意見の言いっ放し、聞きっ放しであって、どのような反対意見があろうとそんなことは問題外ですと。これでは労使対等の交渉にならぬでしょう。労働組合がどのような意見を言おうとも、その意見は聞く耳持たず。労使の使用者の側が決めた、あるいは提案をしてそれが決裂しようと何しようと、それで手続をとればそれが生きてしまうということになれば、労働組合の権利は一体どこへ行くのですか。 今の近代的な社会の中に、この当時の、昭和二十四年三月二十八日、基発第三百七十三号というものがいまだに生きているということは、今の労使の関係からいって問題があるのではないかと私は思いますが、どうですか。
○寺園政府委員 労働基準法上は労働者代表の意見を聞くということになっております。意見を聞くという意味になろうかと思いますが、いわば諮問をするという意味でございまして、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということを要請をいたしておるところでございます。したがいまして、同意を要するとかあるいは協議をするというようなことを基準法上要請しておるものではないということでございます。したがいまして、基準法のぎりぎりの解釈といたしましては、先ほど先生が引用されました解釈を現在もとっておるということでございます。
○永井委員 この解釈が労働組合の正当な団体交渉のかなり大きな制約条件になっているのですよ。意見は聞くけれども、添付するけれども、それは就業規則の効力に影響がないということになってきますと、団体交渉が実のあるものにならぬわけですね。またこの論争を繰り返しますと、同じことの繰り返しになりますから私はあえて言いませんけれども、当時の基発第三百七十三号の解釈について、今の現代社会に適応して、再検討してもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
○寺園政府委員 基準法で労働者の意見を聞くという制度をとりましたゆえんは、できるだけ労働者の意見を尊重して就業規則を定めるということを頭に描きながら規定をされたものでございますが、基準法上のぎりぎりの法律解釈という面になりますと、従来から、先ほど先生が引用になりました通達等で明らかにしておる解釈をとっておるところでございますし、私どもとしては、その解釈が基準法上正当な解釈であろうと考えておるところでございます。
○永井委員 正当か不当かということよりも、労働基準法というのはすべてにおいて最低の条件を定めているわけであります。だから、その最低ぎりぎりのところで解釈をしたものが最高のものになってはならない。むしろ労働者の意見というものは就業規則の中に十分生かされるようにすることが、私は本来の労働行政の立場であろう、こう思うのです。 これはもうこれ以上論争いたしません。しませんけれども、この問題が、労使対等とは言葉で言うけれども、この労使対等という力関係に著しく不均衡を来す原因になっている。これは大臣、ひとつ十分研究してください。今ここでどうこうするという答えをいただくよりも、研究に値することだと思うのですが、研究していただきたいと思います。 引き続きこの関係についてちょっと触れてみたいと思うのですが、国鉄当局の出してきました昭和六十五年に十八万八千人にするということからいきますと、十二万四千五百人の人員を削減しなくてはいけないと思うのですね。二万五千名の余剰人員の処理で今こういう問題になっているわけでありますから、当局としてはこの計画の遂行を図る場合に七一・三%の組織率を持つ国鉄労働組合との間が今のような状態で、仮に労働組合側の協力が得られないというままでもいいと思われているかどうか、一言でお答えいただけますか。
○太田説明員 今後の合理化の規模、質を考えました場合に、これは大変なものがございますし、また、その結果として余剰人員問題も大変な規模になることは必至の状況でございます。すべての労働組合に十分に理解と協力を求め、労使協力して難局に当たりたい、こういうように考えておる次第でございます。
○永井委員 そうだといたしますと、いま一つ、片方で問題になっております雇用安定協約というのがあります。これは当局が昨年の十月に破棄通告をして、三カ月間経過をして、今、協約に基づいて六カ月間の延伸に入っていますね。六カ月間の延伸の期間が過ぎて、なおかつそこでまとまらなかったら改めて三カ月間の期間を置いて破棄ということが効力を発生する、こういうことになっているわけです。 三、六、三というその期間を定めたのは、ただ単に時間を稼ぐというのではなくて、この雇用安定協約だけではないのですけれども、協約の破棄をしようとする場合に、その破棄をしなくてはいけないという理由を双方認め合う、あるいは破棄しなくて済むように中身を改善するとか、いろいろなことの交渉がその期間にやられるようにこの期間が設けられているわけですね。ところが、現在国鉄にたくさんある労働組合の中で国鉄労働組合という最大の組織との間には雇用安定協約の破棄通告がなされたままになって、今こういう状態になっている。これは昨年の十月の委員会でかなり長時間かけましたからその中身についてはとやかく言いません。しかし、雇用政策上、この雇用安定協約というものが特定の組合との間に存在しなくなるということはゆゆしき問題だと私は思うのです。 そういう状態のままで十二万四千五百名の余剰人員が出てくるであろう当局の計画を遂行する場合には、大変なことになってくると思うのですが、この雇用安定協約というものは少なくとも存続をさせて、そしてその中で労使が円満に処理を図っていくということがあっていいのではないか、こう思うのですが、それはどうですか。
○太田説明員 雇用安定協約を問題にいたしましたのは、昨年の六月五日、この三万四千五百名の余剰人員に対しまして従来のように組織内部の活国策だけでは不十分である、調整策が必要だ、こういう判断に立ちまして、組合側に私どもの考えている調整策の概要、位置づけというものを説明した際に、雇用の問題は極めて重大である、しかしながら、単に手をこまねいていただけではこれは確保できない、むしろ自助努力で積極的に雇用の安定を確保する基盤をつくり出すべきであるということを強く訴えまして、よって、この調整策、三本柱と言っておるのでございますが、それの理解と協力を求め、その上で雇用安定協約を確保できる条件を整えたい、いわば一体のものとして、今後扱ってまいりたいということを述べました上で、七月十日には三本柱の具体的な内容を提案し、以後九十日間にわたって団体交渉をした、こういう経過がございます。 今出しましたように、これは中身といいますと調整策と一体のものとしてという考え方でございますので、ただいま自主交渉でもその点は問題にしておりまして、一々のやりとりはお許しいただきたいと思いますけれども、基本としてはまず二本柱、三本が、今問題にしていますのは二本でございますが、御承知のように休職と派遣でございますが、この二本柱を速やかに妥結に持っていき、その上で雇用安定協約の扱いについては協議しよう、こういうことでいっている次第でございます。
○永井委員 大臣、今言われたように、雇用安定協約についても破棄通告をされて、こういう状態になっている。団体交渉がなかなか煮詰まっていないから、この八十九条の問題も出てきているわけでありますが、いずれにしても、これから十二万四千五百名も人を減らすと当局自身が言っているわけですから、そうなってまいりますと、労働者としては一番雇用不安を覚える。だから、私は冒頭に大臣に雇用政策についての考え方をただしたわけですね。労働省が失業率を二%以内におさめたい、こう言うのでありますけれども、海外の先進国と比べて失業率が高い低いという比較論争がよく出てまいりますけれども、そんな問題じゃないんですね。比較をして済む問題じゃない。 現実に深刻に受けとめておられる、こう大臣は言われているのでありますが、こういう十二万四千五百名も人員を減らさなければいかぬという当局の施策に対して、一番心配するのは働いている労働者なんですよ。そこにおる、国鉄に働いている労働者です。また国鉄労働者だけではなくて、そこまで縮小生産に切りかえていくと、国鉄に関連する企業もたくさんあるわけですから、そこにもまた波及をしてくる、あるいは派遣事業でどんどん人が出ていくということになりますと、対象になり得るような企業の労働者は、ところてん式でまた自分たちの雇用が切られてしまうのではないかという心配をする。そういう問題でありますから、少なくとも雇用を最も大切にしようと考えるのであれば、労働省としては少なくとも、俗に世間で言う言葉で言うと、生首を飛ばさないということは最低限守り切るということぐらいの決意をもって当たってもらいたいと思うのですが、どうですか、大臣。
○山口国務大臣 国鉄の再建委員会等のいろいろな検討項目の中で、例えば十兆円から十五兆円規模の予算は政府に肩がわりしてもらいたい、亀井さんの答申の中にもそういうような具体的な検討項目が入っておる。これは政府が肩がわりするのか、あるいは国民の皆さんの御負担をいただくのかということはこれからの問題ですが、そういう予算面においても非常に多くの問題を抱えていますけれども、私は何といっても、国鉄に今日までお働きいただいた労働荷の方々の余剰対策をどう円滑に進めるかということが政府における一番の大きな仕事、責任だというふうに考えております。したがって、また、この対策を誤りますれば、一応諸外国に比べて安定している日本の雇用問題にも大きな影響を及ぼし、日本経済にもこの影響が出てくる、こういうことでございますから、これは何としても円満、円滑にこの余剰人員対策というものに取り組んでいかなければならない。 したがって、冒頭申し上げましたように、これは国鉄当局、また国鉄労使が本当にこれにどう取り組むかという自助努力というものが大事だ、そしてまた再建委員会の答申がどういう結論を出されるか、これも見きわめなければならない、こういうところに政府答弁もとどまっているわけですけれども、私はそれにさらに労働省としてもやはり公共企業体、国民の国鉄でありますから、政府の労働政策を預かる労働省としても、今からこういう問題にひとつ真剣に取り組むべきである、こういうことで内部においても一つの指示を与えておるわけでございます。 しかし、今先生の御指摘のように、結論的にはいわゆる生首を切らないことが一番大事だというふうな決意と体制をしくべく努力をしておりますけれども、絶対にここで例えば労働大臣が生首を切らない、こう言うことは、まず逆に国鉄当局の自助努力をそいでしまう意味もございますので、私は国鉄当局にもその責任、自覚というものを十分認識していただいて、そういうことが仮にも労働者の方々にそういう生活の不安を与えるようなことのないように、十分監督というんですか、その情報、状況も把握しながらともども取り組んでいきたいというふうに考えております。
○永井委員 時間が大分たちましたので、もう間もなく終わりたいと思いますけれども、大臣に重ねて、国鉄の職員が今まで戦後復興期から国民の足としてあるいは国の経済復興のために頑張ってきた経過も踏まえて、今ここで職員が雇用不安にさらされているわけでありますから、少なくともいわゆる生首を飛ばさないような強力な政府としての対応をひとつ考えてもらいたいということを強く要望しておきたい。 最後に一問だけ質問させていただきたいと思うのでありますが、去る一月二十三日から三十一日までジュネーブで第十一回ILOの内陸運輸委員会というのが開かれました。そこで、第一決議から第九決議まで決議がされているわけであります。 この内容は、もちろん政労使の代表それぞれそろって全部日本の場合は賛成してきているわけでありますから、労働省は十分御承知でありますけれども、第一の決議では、いわゆる団体交渉事項の促進に関する決議なんですね。これは団体交渉がまとまらないまま一方的に物事が実施をされてはならぬ、こういうことを決議の中に織り込んでいると私は思うのであります。 第二項でいきますと、「鉄道における雇用の損失に関する決議」として、雇用不安を起こすなということを指摘していると私は思うのです。 第三点目は、団交権に関する決議で、結社の自由の正常な行使の保証を求めている。 そして第四以下ちょっと略しますけれども、これらの総体の決議を見ますと、とりわけこの国鉄という公共企業体に働く労働者のことがこの中で意図的に、意識的に取り上げられているわけでありまして、国鉄労働組合からも代表が参加をして発言の機会を与えてもらっているわけですね。だから、このILOの決議というのは当然、政労使が賛成をしてきた立場からすると、日本政府もそれに拘束されると思うのでありますが、それはどうですか。
○谷口(隆)政府委員 本年一月三十一日にILOの内陸運輸労働委員会が運輸事業、鉄道運送事業等につきまして団体交渉の促進等の決議をされたことは、今御指摘のあったとおりでございます。 ILOのこういう産業別委員会の結論とか決議についての拘束力になりますと、これは一般的なものを取り扱っておりますので、特定国の特定の問題を国際的に解決することを目的とするものではないというような、いろいろな法的な効果から見ますと、批准した条約の遵守ということとは違いますけれども、ただILOという国際労働機関が、鉄道運送事業における労使間の諸問題につきまして、話し合いによる自主的な解決が大切であることを指摘したものだと受けとめておりまして、私どもといたしましてもそういう考えで対応してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○永井委員 もう詳しく申し上げませんけれども、今言われたとおりでありますが、しかし、これは政労使が賛成をしたという厳粛な事実を踏まえて対応してもらいたいと思うのですね。しかもその中には日本からの労働組合側の発言もあって、提起もあってこういうことになっていったのでありますが、「鉄道路線、鉄道の駅、操車場、その他の関連設備の閉鎖について、これが労働者にもたらす雇用の損失を考慮に入れながら注目し、一九八五年一月三十一日に次の決議を採択する。」こうなっているわけですね。そして「社会的諸影響、とりわけ雇用へのそれを考慮に入れることを促すように求める。」こういうことになっているわけであります。 そして第三の決議では、八十七号条約、九十八号条約と並べて百五十一号条約にも触れておりまして、この百五十一号条約は御承知のように政労使の三者による交渉の場を設けよということなんですね。こういう問題も踏まえましてこの決議をされているわけでありますから、この決議を踏まえまして今起きている国鉄問題、国鉄問題だけじゃないのです、全体の労働組合に関するものすべてそうでありますが、最近は不当労働行為もどんどんどんどん勃発をしてきている、企業倒産によって労働者の権利が失われる、雇用が失われる、これは官民を問わず同じ問題でありまして、そういうことをひとつしっかりと踏まえて労働省が対応してもらうということを大臣の決意として最後にお聞きをいたしまして、大分時間もたちましたので終わりたいと思うのですが、よろしくお願いします。
○山口国務大臣 今局長からも御答弁したように、ILOのその問題については見解を述べたわけですけれども、やはり先生の御指摘の部分というのは、こうした大きな変革の中で、十万規模の労働者の生活条件が大幅に変わっていく、そういう過程における生活不安とか労働市場全体の雇用の問題等に対して、それはILOは労使双方の団体交渉や自主的な解決の大切さを強調しているわけですけれども、政府としてもそれに対して自分たちの問題として真剣に取り細め、こういう強い御指示でもあろうと思いますので、私も前段で御答弁申し上げましたような見解に立っておりますので、自分たちの問題としてともに国鉄当局を督励しながら、余剰人員の問題自体、またそれに伴ういろいろな側面的な雇用問題に対して一生懸命努力をしたい、かように考えておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○永井委員 ありがとうございました。
○戸井田委員長 村山富市君。
○村山(富)委員 今国鉄の再建問題に関連をして、余剰人員の扱いについて労使問題のいろいろな意見が出されたわけです。 それで、就業規則の手続の問題等に関連をしていろいろ議論もあったのですけれども、これは予算委員会、きょうの委員会等々でお触れになっておりますから十分ひとつ整備をして、やはりきちっとしてもらう必要があるということもさることながら、就業規則というのは御案内のように使用者の方が一方的につくれるものなんですね。ですから、本質的にはやはり労使が話し合いで協定を結ぶということの方に重点がかからなければいかぬ。ところが今は無協約になっているというところに問題があると思うのですね。私はこれはやはり基本的な労使の権利に関する生活上の問題ですから、誠意を持って労使が話し合う、そして労使が本当に同意をした上で再建に協力し合う、こういう状況をつくっていくことが何よりも大事なんで、政府から申し上げますと、やはり今までの交渉の扱い方等々についても若干問題があるのではないかと思うのですよ。 これはいずれ現地も調査をさせてもらいますから、そのことも踏まえて、口を改めてまた問題があれば十分議論もしたいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても今労使が団体交渉をやっているという過程だそうですから、ひとつ誠意を尽くして団体交渉を締結させてしっかりした協定を結んで、そういうことのないようにしていただくということが大事だと思いますから、その点を国鉄当局に強く要請もし、労働省にもそれについて正しい指導を積極的にやっていただくということをお願いしておきまして、この問題については切りをつけたいと思います。どうぞ結構ですから。 大分時間がもう過ぎていますから、私の持ち時間も大分食い込まれたので、少し簡潔にお尋ねをしたいと思うのです。 私は、労働大臣が新しく就任をされ、初めて大臣にもなられたわけですから、大臣の所信表明を拳々服膺して読ましていただいた。 そこで、この所信表明に関連をして一、二お尋ねしたいと思うのですけれども、その所信表明の中に「高年齢者の雇用就業対策の基本的なあり方を見直す」、こう言っているわけですね。見直すという限りにおいては、今まで何らかの政策があった、それから、その政策については若干問題があるので、これからさらに状況の変化に対応して見画していきたい、こういう意味だと思うのですが、どういう点をどういうふうに見直すつもりなのか、もっと具体的にあればひとつ説明願いたい。
○山口国務大臣 村山先生などからもこの委員会を通じて高齢者雇用の問題等を大変先取りして提起していただいておったわけでございますが、まさに今日人生八十年時代というものが現実化しておる。私は八十年時代よりも九十件時代、あるいは二十一世紀までには人生一世紀時代というものも日本民族は実現するのではないか、こういう基本的認識の上に立って、社会保障や年金政策も大切でございますが、何といってもやはり健康に恵まれて仕事ができるうちはその仕事を通じての生きがい、喜びというものが高齢者にとっての何よりの生活条件ではないかというふうに考えるわけでございます。 しかし、一方こういうハイテク時代、ME化時代で高齢者の雇用という問題が非常に大きなハンディを背負っておる、こういう両面を考えましたとき、経済の持つ合理性や効率性というものもございますが、しかし、何としても政治の責任としては高齢荷の雇用の問題というものを、十分産業界や労使双方にも御協力をいただいてこれを進めていかなければならない、こういうことで、現在労働省としては六十歳定年を主流にしていくという形で御協力いただいておるわけでございますが、今雇用審議会において六十歳定年の法制化の問題を御審議いただいておる、中央職業安定審議会、雇用審議会等においては六十歳あるいは六十五歳等の雇用の延長の問題とかシルバー人材センターの問題等も御審議いただいておる、こういうことを踏まえて、できるだけ六十歳定年の法制化等を含めた環境づくりを一層押し上げていきたい、世論等の御理解、啓発を進めていきたい、こういう決意の一端を所信で申し上げさせていただき、その具体的な施策のために任期中努力をしたい、こう考えております。
○村山(富)委員 具体的にお答えいただきたいと思うのですけれども、高齢者雇用の問題については、定年制を六十歳まで延長させたいというのでやっていますね。大分前進もしているのですが、まだまだしてないところがたくさんある。やはり六十五歳まで定年を延長するというのは今の時代からすると極めて困難だ。六十歳が精いっぱいだ。一方では、年金等につきましては今度の年金法の改正でも、本則では六十五歳となっているわけですから、附則において六十歳からやることになっていますけれども、いずれ年金は六十五歳になる可能性を持っておる。そうしますと、六十歳から六十五歳とブランクが出てくるわけです。ブランクをどう埋めていくかということは極めて重大な問題ですし、そうした問題について具体的にどうするつもりなのかということは真剣に検討しなければならぬと思うのですね。 私は、単に生活上の問題だけではなくて、今までの経験を社会に生かしてもらうとか、それはお年寄りにとっての生きがいになるわけですから、そういう点からしますと重要な問題だと思いますから、そういう点はもっと具体的に検討してもらう必要がある。今大臣も答弁の中にありましたけれども、「法的整備を含め、人生八十年時代に的確に対応する施策の樹立に努めてまいります。」こうあるわけですね。これはいつごろまでにどういう部面の法的整備を考えておるのか、ちょっとわかれば御説明願いたいと思います。
○山口国務大臣 今の答弁の中にもちょっと触れたわけでございますけれども、とにかくこの数年で六千万労働人口が五百万規模で拡大をしていく、その八割が中高年である、こういうのが現状でございますから、雇用審議会や中央職業安定審議会等で審議しておる定作法制化の問題をことしじゅうに取りまとめをいただいて、その結論を待って法制化に向けての諸手続等を具体的な作業で進めていきたい、今こういう日程を念頭に入れて御審議をいただいておるところでございます。
○村山(富)委員 まだ具体的には定かでない、審議会で十分討議してもらって答申を受けて作業を進めたいということだけですね。私は、やはり問題点はそれぞれ明確ですから、そういう問題点に対して、どういうところに法的な整備をする必要があるのかというようなことを考えていると思うのです。そういう点をもっと明確にしてもらいたいと思うのだけれども、それはどうですか。
○山口国務大臣 今の御答弁が明確でない、こういうこともございますが、私は、ですから、ことしじゅうに雇用審議会の結論を待って六十歳定年の法制化に向けて諸手続を進めたいということは、もうかなり具体的な日程の上でこの作業が進められておる、こういうふうに御理解をいただければ大変ありがたいと思いますし、今村山先生御指摘のように、六十歳から六十五歳までの間の定年の問題と年金の支給の問題に空白があるということは、安心できる老後といいますか、やはり高齢化時代において政府の施策が後手に回ることの国民への御迷惑ということもあるわけでありますから、とにかく六十歳定年の法制化の問題につきましては、何としても具体的な作業日程に取りかかりたい、こういうことで、また一層の御助力もいただきたいというふうに思います。
○村山(富)委員 きょうは最初でほんのジャブ程度ですから、これ以上突っ込みません。 そこで、次に、今労働運動の中でも最大の課題になっております時間短縮ですね。時間短縮がなぜ必要かということについて、大臣はどういうようにお考えですか。
○山口国務大臣 日本人は、とにかくよく国民一人一人の勤勉性の中で今日の日本の国際的、経済的な地位をかち取った、社会をつくった、こういうことで今まで忙し過ぎたのじゃないか、忙しいという字は人を滅ぼすという字だ、こういう立場から労働時間短縮あるいは連続休暇の問題を御発言される方もおりますけれども、私は、むしろ今まで働き過ぎたということの問題よりも、きょうからあすの問題として、今申し上げましたように、高齢化時代における労働人口というものを考えますと、今の六千万規模から特に高齢者の雇用の延長で五百万規模あるいは女性の職場進出等からしますと六、七百万プラスの労働人口の増が見込まれる。一方におきましては、技術革新で非常にオートメーション化というものが進んでいる。ある意味においては労働市場というのは「前門の虎、後門の狼」というような、今までの価値観や情報では考えられないような非常に大きな転換期に立たされておる。 そういう中で七〇八十兆円規模の経済成長、産業政策面からの一つの問題ということで、仕事をふやすということが大事でございますが、それだけではなかなか膨張する労働人口を吸収し得ない。そういう観点から、一方においては労働時間短縮、いわゆるワークシェアリングの政策を三年計画、五年計画の中できょうから取り組んでいく必要性がある。率直に言って、これは労働大臣は怠け者をつくるために労働行政をやっているのか等々を含めていろいろ御批判もございますけれども、そういう批判に代表されるような意識の転換というものがございませんと、これからの労働市場、国民経済の安定に寄与することはできない、こういう認識の上に立って労働時間短縮の問題、ワークシェアリングの問題をぜひ国民的な関心にまで高めていきたい、御協力をいただきたいということで今施策を進めさせていただいておる次第でございます。
○村山(富)委員 今大臣の答弁の中にワークシェアリングの問題が出ましたけれども、ワークシェアリングというのは仕事の分かち合いですね。先般出されました日経連の労働問題研究委員会の報告によりますと、このワークシェアリングの考え方は「今日では下火となったように思われる。労働時間を短縮しても必ずしも失業問題の解決にならないことが一般に認識されてきたためであろう。」こう書いてありますね。ですから、日経連はこういうことは失業問題の解決にならぬ、こう言っているわけですよ。こうした見解に対しては大臣はどういうように思いますか。
○山口国務大臣 確かにヨーロッパ諸国、特にフランスなんかでも週三十九時間労働が法制化して、労働時間を短縮した部分は失業者に仕事を分配しようじゃないか、こういうことで進めたわけですが、経済状況は逆に停滞をしておる、失業率も一、二%増加してしまった、こういう状況にございます。したがって、日経連に限らず経営者側にとってこの問題については非常に批判も多いことも事実でございます。 しかし、私は、これは失業率が一〇%台で、いわば表現が適当かどうかわかりませんが、糖尿病で言えば第三期症状のようなときに、幾ら投薬しても泥縄的にはなかなか改善されない。むしろ日本みたいに国民の皆さんの御努力で二%台の失業で抑えられておる、また若い人たちの就業率も、雇用に対して就職希望者の方が一に対して一・二%、こういう雇用状況のときにこそ三年後、五年後を見込んで今から有効な手だてを打っていくということが、私はワークシェアリングを成功させる一つの大きな要因だと思うのですね。 ですから、諸外国では失敗したから日本の経営者側ではとらないということではなくて、やはり日本でそれを成功さしていくことによって、諸外国にも大きな啓発につながるというぐらいの成果をおさめられるということを私は確信をして進めておるということでございます。
○村山(富)委員 議論がどうしても抽象的になるので、大臣が少しおしゃべりが過ぎるような感じがするので、ひとつ簡単に要領よく御答弁願いたいと思います。 これはもう国際的に一日八時間、週四十時間、年次有給休暇が二十日間というのが一つの水準になっておるわけですね。したがって、この水準にできるだけ到達させたいというので、労働省は「週休二日制等労働時間対策推進計画」というものをつくって、五十五年から五カ年計画で六十年を目標年度にして今までやってきているわけです。これはどういうことをやってきたのか、その成果は一体どういうふうに上がってきたのか、ちょっと御説明願いたいと思います。
○寺園政府委員 先生仰せのとおり、五十五年の十二月に「週休二日制等労働時間対策推進計画」というものを策定いたしまして、それを柱に行政指導を行ってきたところでございます。 具体的に二、三申し上げてみますと、中小企業が時間短縮を行いにくい理由の一つとして挙げておりますのは、同業他社が時間短縮を行っていない、あるいは取引先との関係があるというようなことを挙げております。そのような点にも着目をいたしまして、同一地域や同業種の企業集団から成ります業種別会議を開催をする、あるいは週休二日制の普及に大きな影響を及ぼすと考えられます金融機関の週休二日制の実施及び拡大のための環境の整備、それから季節と業務の繁閑による連続休暇の実施などによります年次有給休暇の計面的取得の慣行をつくっていく、あるいは時間外労働協定の適正化指針に基づきまして日常的な長時間労働の改善等々を行政指導で行ってきたところでございます。 この計画を策定いたしまして以降、週休二日制の普及等、労働時間の制度面につきましては着実に改善を見てきたというふうに思っております。したがいまして、所定内労働時間は短縮をしてきておりますが、景気拡大に伴いまして所定外労働時間が伸びております。五十九年の労働者一人平均の年間の総実労働時間は二千百十六時間になっております。所定内時間は千九百四十五時間でございます。これは五十九年はうるう年でありましたために、暦の関係上、若干所定内時間が長めに出ておるという事情もございます。また、所定外時間は計画期間中で最高の百七十時間というようなことになっております。
○村山(富)委員 今言われた所定内千九百四十五時間、所定外百七十時間、年間を通じますと二千百十六時間、これは国際的に見てどうですか。
○寺園政府委員 労働時間の国際比較をいたします場合に、いろいろ難しい制約要件がございます。できるだけデータをそろえて先進諸国等と比較をいたしますと、我が国の労働時間、年間の総実労働時間はやはり二百時間から四百時間程度長いというのが実態でございます。
○村山(富)委員 国際的に見ても大変日本の労働時間が長くて、これがまた貿易摩擦でいろいろ指摘される一つの要件にもなっていると思うのですね。今度また労働省は新しく「展望と指針」というものを今中央労働基準審議会にかけて議論してもらっている。この今までやってこられた「対策推進計画」というものと「展望と指針」というのは、どういう関連があって、どういうふうに違うのですか。
○寺園政府委員 現在、中央労働基準審議会の労働時間部会で今後の労働時間対策の進め方について御議論をいただいております。その中での議論を参考にいたしまして「労働時間短縮の展望と指針」といったものを策定をいたしたいというふうに考えておりますが、既にできました「推進計画」との違いでございますけれども、「推進計画」は計画上は終了年度を六十年度ということにいたしております。そういう関係もございまして、新しい「展望と指針」というものを策定をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○村山(富)委員 時間がないから、突っ込んだ議論をしませんけれども、具体的にちょっとお尋ねしたいと思うのです。 この時間外労働というのは、大企業と中小企業と比べた場合に、どっちが多いのですか。
○寺園政府委員 大企業の方が所定外時間は長うございます。
○村山(富)委員 そうすると、所定内時間はどうですか。
○寺園政府委員 所定内時間を比較いたしますと、大企業の方が中小企業に比べて短いという数字でございます。
○村山(富)委員 こういう労働時間の実態がいみじくも証明していますように、今の労働者の現状というものをつぶさに見ますと、できるだけ人を減らす、余剰人員は抱えない、そして限られた人員の中で最大限能率を上げてもらう、こういう仕組みになっておるわけですよ。したがって、大企業ではもう限られた人員しか入れていませんから、時間外労働でもって補っていく、こういう方式がとられているわけです。中小企業の場合は、所定内時間の方が長くなっているわけです。時間外労働はできるだけ制約していこうというところに違いがあるのだけれども、いずれにしましても今国際水準に達しられるような条件にないんですよ。 なぜかと言いますと、やはり生産性を上げるとかあるいは利潤を高めていくとかという意味では、非常に過酷な労働条件の中に置かれておる。それがいみじくもこの時間にあらわれておる。大企業の場合にはそういう背景と要因がある。中小企業の場合にはそういう背景と要因がある。これは単に経営者側の方からの要望、期待だけではなくて、労働者の方も、中小企業の場合にはやはり賃金は低いですから、できるだけ時間外をやって稼ぎたい、こういう傾向もあるわけです。 しかし、この時間外労働というものはどの程度なら一番妥当なのか、どの程度までが限界なのかというようなことについては、やはり労働基準法は三六協定がありまして、三六協定でもって労使双方が締結するということになっているわけですけれども、今の三六協定の現状というのはどうなっていますか。協定を結んでおるところはどのぐらいあるか。率でいいですから、どのぐらいあるか。その内容についてどの程度の協定を結ばれているか、わかれば御説明お願いします。
○寺園政府委員 労働時間対策の一環といたしまして、恒常的な長時間労働の改善というものに努めてまいったところでございます。 その一つの促進の方法といたしまして、五十八年一月より三六協定におきまして、従来は一日単位の時間を協定し届け出をするということでございましたけれども、週あるいは月単位、一定期間について時間外労働の限度を協定するということを義務づけますとともに、その一定期間についての時間外労働の限度についての目安制度というものを策定をいたして指導をしたところでございます。おかげさまをもちまして、この目安による指導につきましては、労使の理解を得まして順調にこの目安に沿った改善が進められておるというふうに思っておるところでございます。
○村山(富)委員 僕は、この時間外労働について総評が調査した資料を持っていますけれども、例えば睡眠時間やらあるいは寝起きの悪さやら、あるいはまた家庭で夕食をとる時間というのはどういうふうになっているかとか、あるいはまた帰宅から就寝までの自由時間、例えば奥さんと話をするとか子供と話をするとか、そんな時間がどうなっているかとかというようなことをいろいろ調査した資料があります。その資料を見ますと、やはり三十時間くらいが限度じゃないか、それを過ぎるとどうしてもやはり無理がいく、こういう調査結果が出ていますよ。 ですから、私はやはりそういう現状の実態を踏まえて適正な指針を与えていくということが必要だと思いますし、それから、例えば外国等のいろいろ例を見てみますと、日本の場合には割り増し賃金も二五%ということになっていますけれども、ただドイツなんかの例を見ますと五〇%、しかも時間が加わっていくに従って割り増し賃金がふえていく、累進制になっているわけですね。そうなってまいりますと、もう時間外労働をやってもらうよりも人をふやした方がいい、こういう計算にもなりますから、したがって、時間外労働というのは制約されていく。いろんな方面からやはり対策を考えでできるだけ適正な労働時間働いてもらうような制度というものがつくられておるわけです。 日本の場合には、ある意味じゃ野放しですから、まして未組織労働者が大変多いという状況の中で、三六協定も知らない労働者がたくさんおる、こういう状況ですから、よほど実態を踏まえた適切な指導をしていただかないと時間外労働なんという問題はやはり野放しになりかねない。したがって、依然として時間問題は解決しないということになると思うのですが、どうですか。
○寺園政府委員 現在の法律では三六協定による時間外労働について上限は法律上ございませんけれども、先ほど申し上げましたように、目安時間といたしまして週十五時間、月五十時間という目安を示しておるところでございます。その線に沿った改善が進んできておるというふうに認識をいたしておりますが、先生御指摘の、残業時間の上限を規制する、あるいは割り増し率を高くするというような問題につきましては、労使で協定をするという側面のほかに、一つの問題として、また議論として労働基準法でそのような規制をすべきではないかという議論もございます。 現在、労働基準法の労働時間法制につきましては、労働基準法研究会におきまして調査研究をお願いをいたしております。昨年の八月に中間報告を出し、それにつきましての労使各側からの御意見を現在研究会としてお聞きをいただいておるところでございますけれども、そのような労使からの意見聴取も踏まえまして本年の夏に最終報告をおまとめいただくという予定になっております。その最終報告を受けまして、私どもといたしましては関係審議会の御意見も伺いながら基準法の改正等所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○村山(富)委員 これはここで議論してもしょうがない話ですけれども、やはり時間外労働というものは本来ならばしなくて済めば一番いいわけですよ。所定内の時間で働いてちゃんと家庭に帰って、そして家庭の任務を果たしながら人生の生きがいを感じていく、そのために労働時間制というものが一日八時間なら八時間というふうに決められておるわけです。したがって時間外労働はできるだけしない方がいい。しかし、今の日本の社会からしますと、経営者の方の期待もあるし、あるいはまた労働組合側の方の、労働者の方の期待もあるというので、外国と比べて依然としてなかなか解決しないという要因がやはりたくさんあるわけですよ。 そういう要因を踏まえた上で、やはり私は、今お話があったように、後で触れますけれども、制度として時間外労働の扱いなんかについてもある程度規制をする必要があると思うのですよ。と申しますのは、組織労働者の数というのは限界があるでしょう。しかもこれから三次産業がどんどんふえていく。こういう状況の中で無権利、未組織の労働者がたくさんふえているのですよ。こういう状況の中で野放しになりかねないような状況にありますから、したがって時間外労働というものの限界、上限というものを特定する、しかも三六協定なんかも恒常的に、どんどん更新して野放しにやられるのではなくて、例えば一カ月なら一カ月を限度とするとか、三カ月という期限を切って三六協定を結ぶとか、あるいは割り増し賃金についても、そういう野放しになるようなことを阻止するためにやはり割り増し賃金の累進制を認めていくとかいうようなことが必要ではないかというふうに思うのです。 これは国際的にも大変批判されていますから、大臣、ひとつこの問題についての見解、どうですか。
○山口国務大臣 大変大事な問題の御指摘ですから、時間外労働が三十時間が適当なのかあるいは四十時間が適当なのかという問題もございますし、私が前段で申し上げたワークシェアリング的な問題の中からもこういう問題も今からあわせて検討していかなければならない、こういうことでもございますので、未組織労働者の労働条件の改善、こういう立場にもこれが貢献をする。 ただ、やはり経済問題ですから、私は一つの方法としては、法律とかいうことよりも行政指導等の問題の中で検討していくということも大事だと思うのですけれども、村山先生も御承知いただいておるように、今全体の労働時間短縮の問題をトータルに議論しておるところでもございますので、今先生の御指摘の部分も含めてひとつ我々検討さしていただいて今後の研究課題にしていきたい、そして、何らかのまた政策的な取りまとめをどう進めていくかということにつきましても、この委員会等を通じて今後議論していきたいというふうに考えております。
○村山(富)委員 ひとつ十分検討して、やはり実が上がるようにしてもらわなければいかぬ。幾ら計画をつくってやったり展望と指針をつくってみたりしたって、実際に効果が上がっていかなければ意味がないわけですから、そういう意味で、やはり現状を十分踏まえた上で適切な方針を出していただく、対策を講じていただくということを期待しておきたいと思うのです。 それから週休二日制の問題について、今完全週休二日制が行われているのはどのくらいの率があるか、あるいは週休二日制の扱いがどういう現状になっておるか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
○寺園政府委員 週休二日制の場合に、とり方といたしまして、企業数でとる場合と労働者数でとる場合とがございますが、企業数でとりました場合には、何らかの週休二日制をとっておる企業の割合は五〇%でございます。完全週休二日制をとっておる企業は六・二%でございます。これは昭和五十八年の数字でございます。 なお、労働者割合で申し上げますと、何らかの形の週休二日制の適用を受けておる労働者の割合は七七・一%、完全週休二日制の適用労働者の割合は二七%ということでございます。
○村山(富)委員 完全週休二日制をやっているのが六・二%、それからいろいろな意味で、例えば四週五休とかいうような形でやられているところが大体五〇%、ようやく過半数に達するか達せぬかということですね。週休二日制というのはやはり国際的な常識になっているわけですから、これも推進をしていただく必要があると私は思うのです。 そこで、農林省やら大蔵省、見えておりますね。ちょっとお尋ねをしたいと思うのです。 金融機関が今四週五休で土曜日だけ一回休んでいる。先般来問題になっておりましたのですけれども、二月の三連休、それから九月の三連休、特に二月の三連休については、今までは稼働しておりませんでしたけれども、ことしは郵政省がどうしても稼働するというので、一応議論した結果、郵政省がするのはやむを得ぬだろうということで目をつぶった、こういうことになっていますね。ところが九月の三連休は、郵政省だけがそれをされたのでは競争にも影響があるので、銀行もあるいは農協の関係も全部やらしてもらいたい、こういう要請があって、やむを得ぬだろうというふうな話になっているように聞くのですけれども、そうなってまいりますと、せっかく週休二日制を進めていこう、整備していこう、こういう努力をしているにもかかわらず、現実に四週五休という今の現状が後退することになる、あるいは週休二日制は崩れていく、こういうことにもなりかねないと思うのですが、そうした問題について大蔵省の担当者やあるいは農林省の担当者、郵政省の担当者はどういうふうにお考えになっておるか、ちょっと御説明願いたいと思うのです。
○溝口説明員 週休二日制の拡大につきましては、私どもは、やはり時代の流れだ、こう思っております。したがいまして、大蔵省といたしましても金融機関の週休二日制の拡大の検討につきましては、これは積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。 この問題につきましては、機械の稼働問題と関連しまして、やはり機械が動くのであれば週休二日制を拡大しないといかぬだろうという考え方が民間の中におきましては大勢を占めておりまして、したがいまして今拡大の機運が出ているわけでございます。 二月の初めに、九日の機械稼働問題の前に、全銀協は、九月には稼働するように検討します、しかしそのかわりと申しますか、週休二日制の拡大につきましては、六十一年八月ごろを目途に現行の月一回を月二回に拡大するようにこれから考えていきます、特に機械が民間において稼働することになると思われます本年の九月ごろを目途に検討をしていきたいと言っておりますので、私どももこの動きを支援してまいりたい。しかし、金融機関の週休二日制の問題は、単に大蔵省の所管の銀行等だけでございませんで、農林省が所管されております農協、さらに郵便局もございますので、政府部内におきましても四省庁という場もございますし、これから鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。
○村山(富)委員 私の質問をちょっとまとめますからね。 今答弁がありましたように、二月の三連休は郵政省だけが稼働した。これではやはり不公平になるので、九月の三連休には銀行も農協の関係も全部稼働させるつもりかどうか。そうなってくると、現実に週休二日制が後退するということになるので、四週五休を四週六休にしたいというようなことが問題になって検討されておるのかどうか。そういう方向で議論されておるのかどうかという、その二つについて御答弁いただきたいと思います。
○溝口説明員 先生が御指摘のとおり、民間におきましては、現行の月一回の週休二日制は機械は稼働しないということで始めたわけでございますから、機械を動かすことになりますと、機械の保守要員だとかあるいは計算機のセンターなんかで人が出てこなければいかぬということで週休二日制が現実に後退することになりますし、さらに機械のないところでは人が出てくる、人で対応するということになりますと、これはまた労働者の方々にとっても影響があるわけでございます。 したがいまして、機械の稼働問題につきましては、週休二日制の拡大とあわせて検討していきたいというのが民間金融機関の考え方でございまして、大蔵省としてもそういう考え方は妥当なものだと考えておりまして、機械稼働問題を検討してまいりました労働省、大蔵省、郵政省、農水省の四省の場におきましても、そういう観点から考えていきたいというふうに考えております。
○阪田説明員 農林省でございます。 私ども、農協、漁協を担当いたしておりますが、農協もいわば民間の金融機関の一つでございますので、全体の民間金融機関の円滑な協調の中で対処をしてまいりたいというふうに考えております。またさらに、週休二日制の体制というものについては、私どもも認識をいたしておりますので、そういう観点も踏まえて対処をしたいと思います。 ただ、農協というのは農家を組合員といたします協同組合でございまして、農家は土曜も日曜日もいわば農作業をしておりますし、さらに土曜日に農産物を出荷するという作業もあるわけでございます。そういう意味で非常に難しい問題を抱えておるとは思いますが、今申し上げました全体の民間金融機関の一環として、あるいは週休二日制の体制の中で適切に農協を指導してまいりたいというふうに考えております。
○山口説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘のように、今月の二月九日でございますけれども、土曜閉庁を実施いたしましてから三度目の三連休が来たというふうなことでございまして、種々検討いたしました結果、私どもとして機械の稼働をさせていただいたというふうなことでございます。 そこで、今御指摘の労働条件が後退するというふうな点でございますけれども、私どもも基本的には、こういった週休の拡大というのは時代の趨勢であるというふうに認識をしておりますけれども、そういった中で、そういうことを進めていくためにも、条件の整備というふうなことがやはりいろいろあるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。 郵便局は、御存じのように金融機関ではありますけれども、同時に、公的な機関でございますし、また、そこで働く職員は国家公務員であるというふうなことから、いろいろ制約というふうなことがございます。そういった意味で、国民のコンセンサスが得られるような状況をつくるとか、あるいは他の官公庁の閉庁の状況等も勘案していくとか、あるいはまた、人事院勧告等も当然考えなければなりませんし、あるいはまた、社会全体の週休二日制がどんな状況になっているかというふうなことも考えていかなければならぬ、そういったいろいろなもろもろの条件がございます。 しかしながら、そういった中で、こういう時代の趨勢というふうなことで対応していくということになりますと、私ども直接国民と接しておるという面から見ますと、やはり十分とは言えなくても、最低限のサービスというものを確保して、国民の御理解を得られるような環境をつくっていくということが必要だというふうに考えてもおりまして、そういった意味からしますと、今回機械を動かさせていただいているということも、そういった意味では、一つの週休拡大の基盤整備にもつながる問題だというふうに考えておりまして、そういったことから、今後ともこういったことを通じて、今御指摘のような週休の拡大というものは時代の趨勢というふうに認識しておりますので、関係省庁ともさらにいろいろお話し合いをさせていただきながら対応してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。よろしくお願いいたします。
○村山(富)委員 今関係各省の意見を聞いたわけですけれども、現実には、週休二日制はそうやられると、実際に後退するわけですよ。そこで、その後退をすることを防ぐ意味で四週五休、四週六休にしたらどうかという意見も出てきているわけですからね。私は少なくとも現状を後退させない、週休二日制が完全に実施されるような方向に前進していく、こういう指導が必要だと思うのですがね。これは各省の話し合いが調うことが必要ですから、労働省も中に入っていろいろお世請願っておるようですが、この際、今述べられたような各省の意見を踏まえて労働省のこれからの考え方を聞いておきたいと思います。
○寺園政府委員 金融機関の週休二日制を進めていきますことが、その余の民間企業の週休二日制の拡大に大きな影響があるだろうということで、私ども金融機関の週休二日制拡大のための環境整備に努力をいたしておるところでございますが、金融機関が週休二日制を拡大をしていきますためには、やはり国民の利便ということも考慮しなくてはいけない。そういう意味で機械稼働の問題が出てくるわけでございますけれども、機械稼働いたしますと、先生御指摘のように要員が必要である。そのためには週休二日制といいますか、閉店日をさらに拡大をしていくということとあわせてこの問題は検討していくべきであろうというふうに考えております。 なお、できるだけ各金融機関が足並みをそろえた形で進むことが一番スムーズであろうということで、関係省庁とも十分協議をしながら今後進めてまいりたいというふうに思っております。
○村山(富)委員 これは二月は郵政省だけでやったけれども、九月にはそれぞれの金融機関が稼働せざるを得ないという状況に追い込まれていることは必定だと思いますね。したがって、さっきから言っていますように、これは現実に後退するわけですから、少なくとも四週五休を四週六休にするという方向で、後退させない方向で足並みをそろえてもらうことが必要だと思いますから、そういう努力を期待しています。 この週休二日制は、国際的に見てももう完全週休二日制というのはある意味では常識になっているわけですから、立ちおくれはやはり挽回して積極的に実施できるようにしていくということを要請をいたしておきます。 それから次に年休の扱いですけれども、この年休の扱いというのは、もう具体的に申しませんけれども、これは国際的に見ても日本は最も悪い例だと言わなければならぬと思うのですよ。年休がなぜとれないのかということについては、いろいろ調べてみますと、第一に要員が不足しておる、仕事が多忙で休めない、仕事の性格からなかなか休暇がとりにくい、病気のときに困るのでそれに備えて年次有給休暇はとらないようにしているとか、同僚に迷惑をかけるからとか、あるいは例えば賞与とか諸手当とか昇進、昇格等にやはり影響するといったようなことがあって年休はとれない。今、日本の場合の年休の消化率というのは六〇%ぐらいですね。実際に休んでいる日数を計算してみますと八・八日ぐらい、これは全く年休が消化されておらぬわけですよ。 こういう現状について私は非常に遺憾に思うのですけれども、これは労働省も現状をしっかりとらえて、少なくとも国際水準に近づけるような年休の消化の努力をしていく必要があると思うし、これは権利ですから、年休がとりやすいような状況をつくっていくということも必要だと思うのですが、この問題に対する労働省の見解を聞いておきたいと思います。
○寺園政府委員 労働時間短縮を進めていきますに当たりまして、私ども、週休二日制の拡大、それから恒常的な長時間労働の縮減ということとあわせまして年次有給休暇の消化促進ということを柱に掲げて指導いたしておるところでございます。年次有給休暇の消化率は、先生お述べになりましたように大体六〇%ということで推移をいたしております。なぜ六〇%かという原因は、これも先生がお述べになりましたようなさまざまな理由がかみ合ってそのような状態になっておるかと思います。 そこで、年休を消化をする慣行を進めていくという一つの方策といたしまして、計画的な取得あるいは連続して休むという問題に取り組んでおるわけでございます。そういう意味で昨年末ゴールデンウイークの連続休暇につきまして要綱を策定をいたしまして、中央地方力を合わせまして現在指導をいたしておるところでございます。
○村山(富)委員 これは、年休というものはとってもとらなくてもいいものなんだとか、経営者が一方的に労働者に恩恵的に与えるものだという認識もまだあるような機運が見受けられるわけです。そうではなくて、これは権利ですし、やはり年間を通じて連続してこれだけの休みをとる必要があるというようなことは、健康上の問題あるいは労働力を回復する問題、いろいろな背景があって決められている問題ですから、私は、少なくとも国際的な水準に近づけて、労働者が年休を権利としてとりやすいような環境をつくっていくということも必要だと思いますし、制度的にも少し見直しをする必要があるのではないか。せっかくいろいろな意味で見直しをするというのですから、こういう点も含めて見直しをして、実際に労働者が年休がとれるような状況をつくっていくということが必要だと思いますから、ひとつ制度の中でも十分検討していただきたいと思います。もう時間がありませんから長く突っ込んで言えないので、ひとつ意のあるところは十分含んでいただいて今後の課題にしていただきたいというふうに思います。 それから、大臣が十二時半からちょっと御飯を食べる時間をとってもらいたいという要請もありましたから、十二時半で大臣は退場してもらいますけれども、これだけ聞いておきたいと思うのです。 それは、今労働基準法の検討を労働基準法研究会ですか何かでやっていますね。その労働基準法の研究会が五十九年八月二十八日ですか、中間報告を出していますね。この中間報告が出てまいりますと、ははあ、こういう方向で今検討されて労働基準法の改正がやられようとしておるんだなというふうに私は一般は受け取ると思うのですよ。ある意味からしますと、労働基準法の改正の地ならしをやっている、こういうふうにも受け取られるわけですね。 ところが、実際には法的にはこれは私的諮問機関でしょう。ですから、中央労働基準審議会というのがあるわけですね。この中央労働基準審議会の中でも時短の問題とか、いろいろな部会が設けられて鋭意検討されているわけでしょう。そうしますと、この中央労働基準審議会と労働基準法研究会との関係というのはどういうふうになるんですか。
○寺園政府委員 仰せのとおり労働基準法研究会は労働大臣の私的諮問機関でございます。したがいまして、労働省が労働時間法制につきましてどのような政策をとるかということにつきまして研究会の意見を参考にして決定をするということでございますが、労働省がこのような政策をとりたいということを正式に運びます場合には、当然のこととして関係審議会、その一つとして中央労働基準審議会の御意見を承る、そういう手順になってまいるわけでございます。
○村山(富)委員 この研究会のメンバーの中には部外のいろいろな学者が入っているんでしょう。
○寺園政府委員 基準法研究会の主たるメンバーは大学の先生でございます。
○村山(富)委員 そうしますと、これは労働省部内で研究して一つの案をつくっていくんならいいですよ。部外の学者、専門家まで入れて研究しているんでしょう。それで労働基準法にはこういう問題があるとか、こういう点はこういうふうに是正する必要がある、改正する必要があるとか、いろいろな方向が出ていますね。そうすると、その権威ある学者がいろいろ研究してつくった案を今度は審議会にかけてまた審議会で議論してもらうと、ちょっと私はおかしな格好になるのではないかと思いますよ。 ですから、冒頭に言いましたように、この研究会の報告はある意味からしますと労働基準法改正の地ならしをする、それがもう固まったものになる可能性もある。そうなりますと、せっかく法的につくっておる審議会の権威と立場というものがおかしくなるんじゃないですか。これは労働省の部内だけで研究をして一つの案をこしらえて、そして審議会に諮問をするというんならいいですよ。部外の専門家や学者まで含めて研究して出した案を今度は審議会が検討する場合に、これは審議会の委員と研究会の委員とはダブった人はおりませんね。
○寺園政府委員 研究会の委員と法律上設けられております中央労働基準審議会のメンバーでダブった方はおられます。
○村山(富)委員 おるとすれば、なおさらおかしいじゃないですか。自分が研究会に入って一生懸命議論して出した結論をまた審議会の中でいい、悪いの議論はできないじゃないですか。私はこういう扱い上の問題はやはり問題だと思うのですよ。せっかく法的に審議会があるんですから、労働省の方でこういう問題点について十分ひとつ検討して議論してもらいたい、そしてできれば答申を出してもらいたい、こういう形で答申を求めるんならいいですよ。そうでなくて、そんな研究会をつくって研究会で結論を出されたら、今度は審議会で議論するんだって、メンバーもダブっているメンバーがあるとするなら、なおさら審議のしようがないじゃないですか。ですから、私は、そこらはきちっと整理をしてもらう必要がある。 基準法というのは初めて大改正をやろうかという問題ですから、大変大きな問題だと思うのですよ。それだけに扱い上もやはり慎重な扱いをしてもらわないと、意図的に何かやられておると勘ぐられてもこれは大きな問題になると思いますから、その点については大臣どうですか。
○寺園政府委員 労働省が労働時間法制についていかような案を立てるかということにつきまして、学者先生の御意見を承っておるということでございます。これは単に労働時間問題についてだけお願いしておるわけではございませんで、現在、退職金の問題あるいは雇用契約の問題等々につきましても研究会に研究をお願いしておるところでございます。また過去にも、現在の安全衛生法を策定をいたしましたときにも、研究会の研究成果というものを踏まえまして所定の手続をとって安全衛生法を制定したという経緯もあるところでございます。
○村山(富)委員 研究会のメンバーと中央労働基準審議会のメンバーの名簿を一遍出してください。これはここで保留しておいて、いずれまた問題にしますから。大臣、もうどうぞ。私は健康をやはり一番心配していますので。 時間が余りないので、これは最後にお尋ねしたいと思うのですけれども、労災の扱いについて、労災の申請を監督署に出しますね。そして監督署が処分する。処分に対して不服の場合には審査官にまたさらに出す。その審査官がまたいろいろ検討した結果、一つの決定を出す。その決定に不服の場合に再審査の請求をする。こういう手続になっているわけですね。 そうすると、監督署に出してから審査官が結論を出すまで、大体どれくらい日数がかかりますか。
○寺園政府委員 最初の不服審査でございます審査請求につきましては、平均所要日数が五十八年度におきましては百五十八日ということでございます。
○村山(富)委員 さらに、審査官の決定があってから、それを不服として再審査の請求を出した、労働保険審査会でもって再審査をしてもらうわけですが、その期間はどのぐらいかかりますか。
○寺園政府委員 再審査の場合の平均所要日数は七百日でございます。
○村山(富)委員 労働者が災害を受けて、そして労災の適用を受けられるのかどうかの結論が出るのに、今聞いただけでも二年半、私が聞いている範囲では三年ぐらいかかっているアンケートがうんとあるわけです。もうきょうは時間がありませんから余り詳しく申しませんけれども、災害を受けた労働者は、労災の適用を受けて給付が受けられるかどうかということは、これから先の生活に大変な問題になるわけです。もし受けられる可能性があれば、借金をしてでもやはり生計を立てる。給付を受け出したら借金を返していく。しかし、給付が受けられないとすれば借金もできない。したがってそれから先の生活設計をする上からやはり大変な問題が起こってくるわけです。 しかも労災制度のあれを見ますと、わざわざこう書いてあるのですよ。「審査の制度は、簡単な手続で請求することができ、専門の機関が実態に即して迅速かつ公平に処理できるように決められている。」わざわざこう断っている。これは、三年も時間がかかって迅速ですか。これはどうしてですか。
○寺園政府委員 再審査に当たる審査会におきます審査期間七百日ということでございますが、これの理由は種々あろうかと思いますが、やはり職業性疾病に関する事案のように審査内容が非常に複雑、専門化いたしておりまして、事実関係の認定に当たりまして詳細な調査を要するということが一つございますし、また高度の医学的な判断が要求される事案が多うございます。したがいまして医証等の収集あるいは鑑定などに相当の日数を要するということなどの理由によりましてこのような処理期間を要しておるということでございます。
○村山(富)委員 これはまた資料を私は要求したいと思うんだけれども、例えば五十八年なら五十八年、五十九年なら五十九年、二カ年でいいですから、労災の申請件数は何ぼあったか。監督署の署長の処分はどういう経過になったか。業務外、業務内の判定はどうなっているか。それから、その監督署長の処分を不服として審査官に出したその件数はどのくらいあるか。しかもその審査官でもって監督署の処分と違う結論が出た件数はどれくらいあるか。さらに不服申し立てをして審査会で取り上げられた件数はどれくらいあるか。結果はどういう結果になっておるか。 これは資料を見てみなければわからぬですけれども、恐らく監督署の署長が処分した処分が最終的に覆されて業務外とされたものが業務内に変わったという件数は極めて少ないと私は思うのです。そこから考えてまいりますと、この中央の審査会で七百日でしょう。二年近くかかる。それでは、監督署長の処分は医学的な検討は何もせぬでやるのですか。しかも件数から見れば、さっき言いましたように、最初に下された監督署長の処分が最後までやはり守られておる、こういう実例が多いと思うのですよ。だから、今のあなたの説明だけではちょっと納得しかねるのですけれども、どうですか。
○寺園政府委員 監督署におきます認定決定につきましても監督署は監督署なりに慎重な手続を経て認定をしておるわけでございます。それについて不服のある人がそれぞれの不服審査の道をとって上がってくるということであろうかと思います。 なお、先生の言われました資料は現在手元にございませんので、調製いたしましてお届けをしたいと思います。
○村山(富)委員 時間がありませんから、資料だけ求めておきますけれども、この問題はいずれまた機会を見て取り上げますけれども、しかも、長い日数がかかるというだけでなくて、なぜ業務外になったのか、なぜ給付が受けられないのかという理由も当事者に説明がなされないという事例がたくさんあるわけですよ。なぜ却下されたんだろうか。これは何年かに参議院のうちの安恒委員が取り上げてやっています。それに対しては、内容は明らかにすると言われているんだけれども、まだまだ行われておらない、こういう事例もありますからね、それは今どういうふうな扱いになっていますか。 婦人局長、時間がないからきょうは質問はやめますから、どうぞ。
○寺園政府委員 処分決定の理由書に処分決定にした理由というものは書いてあるということだと思います。
○村山(富)委員 これは、新日鉄のがんの死亡事件があったんですね。その被災者五十数名が労災給付を求めたのに対し、当該監督署はその理由、根拠を求めたのに何らの内容を示していない。中央の審査会で初めて処分の判断根拠となった専門家会議の検討結果が労働側参与の要求で出されている。その直後現地の監督署に対し説明を求めたが、一切不明との答えが被災者側に返ってきている。こういう事例というのは私は数多く聞いていますけれども、あると思うのですね。それは却下の理由というものを書いてあったって、簡単に書いてあるだけであって、本当に納得できるようなものは書いてありません。だから、わからぬから聞きに行くのです。聞きに行ったときの回答がそれは一切わからぬ、答えられないというような中身のものだと私は思うのです。 そうでなくて、なぜ却下をされたのか、なぜ給付が受けられるようになったのか、親切に説明してやる必要があると思うのですが、その扱いはどうなっていますか。一片の理由を響いただけで本人に知らせて、それで終わりですか。
○寺園政府委員 審査官あるいは審査会の裁決の決定書には理由として述べられておるわけでございますが、それでもなお詳しく事情を知りたいという方につきましては、お尋ねがあれば説明はいたしておるというふうに承知をいたしております。
○村山(富)委員 お尋ねがあれば、そういうふうにあなたは答弁をされるだろうけれども、実際にはされてない、されない事例が大変多いというふうに言われているわけですから、それは間違いだから、詳しく、本人が納得できるように説明してあげなさいという指導を徹底してやりなさいよ。 それから、こういう事例があるのですね。北海道の振動障害事件、これは夕張市清水沢二丁目百五十七の木村二三男さんという人が請求人ですね。給付の不支給処分の根拠となった北海道地方労災医員協議会の所見があるが、この協議会の構成メンバーも代表者も示されていない。中央の審査会でこうした証拠能力に欠けるようなもので判断することには疑義があるとしたところ、労働省係官より別紙のような文書が審査会あてに提出されている。 この審査会あてに提出された別紙というのは「北海道地方労災医員協議会の労災医員の氏名公表について」で、 北海道地方労災医員協議会は、職業性疾病の認定にあたって医証等の医学的所見につき正しい理解を求める必要から労災医員の専門的知識を反映させるべく設置されたものであり、氏名の公表を前提として検討を願っているものではない。 従って、上記協議会の構成員である労災医員の氏名については、公表を差し控えたい。こういう回答が労働保険審査会会長あてに出ているのです。 労働保険審査会というのは準司法的な機能を持っているのでしょう。しかも独立した第三者の機関ですよ。本来ならば行政訴訟、裁判所でやるところですけれども、裁判所でやれば手続がかかるし、時間がかかるし、それでさっき言いましたように、迅速かつ公平に扱うためにやや簡便に結論が出せるようにしようというので、裁判所にかわるようなものとして保険審査会がつくられている。その保険審査会でさえ、こうした問題の扱いに対する医員のお医者さんの名前を公表できない。何でそんな秘密にする必要があるのですか。
○寺園政府委員 審査会は、先生仰せのとおり、いわば独立して権限を行使するところでございます。したがいまして、基準局あるいは労働大臣が具体的な指揮監督をするということはできない組織になっております。 今先生が御提起の問題につきましても、私、的確にお答えができないわけでございますけれども、こういう指摘があったということにつきましては審査会の方に伝えてみたいというふうに思います。
○村山(富)委員 では、この問題も保留させてもらいますけれども、私の方もなお詳しく調査して、そして再度また機会を見て取り上げたいと思うのです。 ただ、お願いだけしておきますけれども、冒頭に申しましたように、労災患者なんというのは、結論が出るまでに三年近くもかかるようなことではやはり迅速、公正という制度をつくっている目的にも反すると思いますから、それはどういう要因があってかかるのかわかりませんけれども、きょうの答弁ではちょっとわからぬですね。ですから、そこらの点も含めて、言われるようにもっと迅速、公平に結論が出せるようなものに制度を見直していくということも必要だと思いますから、その点を要望して、きょうはこの段階で質問を終わっておきます。 以上です。
○戸井田委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ————◇————— 午後一時三十二分開議
○戸井田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、職業訓練法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。山口労働大臣。 ————————————— 職業訓練法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山口国務大臣 ただいま議題となりました職業訓練法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、技術革新の進展、高齢化社会の到来等経済社会の変化は著しいものがあり、これに伴って労働者の職業生活を取り巻く環境条件も大きく変化しつつあります。今後、このような環境条件の変化に対応して労働者の職業生活の充実と産業社会の一層の発展を図るためには、労働者の職業能力の開発及び向上がその職業生活の全期間を通じて段階的かつ体系的に行われる必要があります。 このような状況にかんがみ、事業主の行う多様な職業能力の開発及び向上を促進する施策を充実するとともに、公共職業訓練について、地域の経済社会の実情及び環境条件の変化に即応して弾力的な訓練を実施することができるよう職業訓練法を改正することとし、中央職業訓練審議会の答申をいただき、ここに職業訓練法の一部を改正する法律案として提案いたした次第であります。 次にその内容の概要を御説明申し上げます。 第一に、職業能力開発を促進するという今回の改正の趣旨に合わせて、法律の名称を「職業訓練法」から「職業能力開発促進法」に改めることといたしております。 また、職業能力開発の促進の基本的理念について、職業生活の全期間を通じて段階的かつ体系的に行われるものとして明確にするとともに、職業訓練は訓練を受ける労働者の自発的な努力を助長するように配慮して行われるものといたしております。 さらに、国及び都道府県の責務について、事業主その他関係者の自主的な努力を尊重しつつ、事業主の講ずる措置の奨励に努めなければならないものといたしております。 第二に、事業主がその雇用する労働者に対して行う職業能力開発促進の措置について、多様な方法により職業訓練を実施するほか、必要に応じ、他の者の設置する施設により行われる職業に関する教育訓練を受けさせること、または有給教育訓練休暇の付与その他必要な援助を行うこと等の措置を講ずることにより、労働者の職業能力の開発及び向上を促進することといたしております。 また、事業主はこのような措置に関する計画を作成するように努めなければならないものとするとともに、計画の作成、実施及びこれらの措置に関する相談、指導等の業務を担当する職業能力開発推進者の制度を新たに設け、事業内において職業能力開発を促進する体制を整備いたしております。 さらに、国及び都道府県が事業主等に対して行う援助の措置についても、職業能力開発推進者に対する講習の実施、情報、資料の提供、相談等を適切かつ効果的に行うために必要な施設の設置などについての規定を設け、その充実を図ることといたしております。 第三に、公共職業訓練施設について、委託訓練制度の積極的活用を図るとともに、訓練基準の弾力化を図るよう改正し、また、職薬訓練指導員についても、有能な人材を登用できるよう規定を整備し、より円滑かつ効果的な運営を図ることといたしております。 第四に、都道府県立職業訓練施設の運営費についての補助方式を負担金方式から交付金方式に改めることとしてわります。これは、さきの臨時行政調査会の答申の趣旨を踏まえ、これらの施設が地域の実情に応じて一層自主的かつ弾力的に運営されるようその機能の強化を図るためのものであります。 その他、職業訓練計画及び職業訓練審議会の名称の変更等所要の規定の整備を図るとともに、この法律の施行を一部の規定を除き、昭和六十年十月一日からといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○戸井田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○戸井田委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑を続行いたします。森本晃司君。
○森本委員 大臣が今退席されましたので、一番最初に単身赴任の問題からやりたかったわけでありますが、先に定年制の問題から入らしていただきたい、このように思う次第でございます。 大臣の所信表明の中にも、高齢化社会に対応するという強い決意があらわれていたようでございますが、六十歳定年制の一般化をこの六十年度に目指していくということで今日まで労働省はそれぞれ御努力をいただきましたが、今一律定年制実施企業で六十歳以上の定年制を有している企業が現状では五二%という状況でございます。さらに、検討中をも含めまして六五%になるであろうという予想が立てられておるわけでございますが、五十五歳定年制をしいているのが現在約三〇%でございます。この六十年度に六十歳の一般化をということを目指してこられました労働省は、この現況を今どのように考えておられるのか、あるいはまた、このまだ達成していない六十歳という問題について今後どう取り組んでいかれるのか、その辺の所感を伺いたいと思うのです。
○加藤(孝)政府委員 労働省といたしましては、この六十歳の定年制、六十歳に延長するということを昭和六十年度に一般化したい、こういうことを目標に鋭意行政指導等を中心に努力をしてまいったわけでございますが、現状におきましては、ただいま先生がお示しのような五〇%をわずかに超える五二%というような状況になっておるということでございます。こういう現状につきまして、近く六十歳定年制にするということを決定しておる、あるいはまた予定しておるというところを入れれば六五%、さらにはまた五千人以上の大企業につきましては、近く六十歳定年制にするということを予定しているところを入れますと約九〇%を超えるような状況になってきておりますが、これについて私ども、一応六十歳定年制というものが主流にはなった、しかしまだ一般化したということを言うわけにはいかぬだろうということで見ておるわけでございまして、ことし、昭和六十年度がいわばこの目標の最終年次でございますので、そういう目標達成の最後の追い込みの年であるということで、特に百人以上の規模でまだ定年六十歳への延長の方針を決めていない、あるいはまた取り組んでいないというようなところをいわば絞りまして、強力な行政指導なり定年延長アドバイザーなどの協力によります民間ベースでの指導といいますか、そういったようなものを最終的に今追い込んでおるということでございます。 さらにまた今後、この半数以上が六十歳定年延長になっておる現状において、もはや定年延長奨励金もことしの十二月で切れるという状況になっておるということも一つ背後に控えておるわけでございますので、何とかこの十二月までに定年延長、六十歳というものに最後の追い込みをかけていきたい、こんなふうな取り組みを今開始しておるという段階でございます。 なお、今後の問題でございますが、その後については午前の会議でも出ておりましたように、現在雇用審議会において六十歳の定年延長の法制化問題について御審議を再開していただいておるわけでございますので、そういった論議等も踏まえてその後の進め方についてはまだ具体策を立てていきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○森本委員 一般化を目指してこられまして、今主流になったという御回答をいただきまして、私も確かにそのとおりだと思います。労働省が考えておられる一般化というのは、どの辺が一般化なんでしょうか。その辺を聞かせてください。
○加藤(孝)政府委員 実はこの一般化という概念について、一般化していこうということについては労使あるいは学識経験者いずれも共通の御認識をいただいておるのでございますが、審議会の場でも、それでは具体的に一般化というのはどのくらいが一般化なのだということで、例えば労働側の代表は八〇%とか九〇%になったら一般化だということをおっしゃる。あるいはまた使用者側の方は五〇%を超えればこれはもう一般化なのだということがございまして、学識経験の方などが両方の間に、まあまあというようなところで、特に数字は挙げないが、ひとつその間あたりの感じていこうではないかということで、具体的な数字を必ずしも言えないところに一般化という日本語の意味もあろうかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、私どもとしては一般化という意味がいかような意味であれ、できる限り高い水準に持っていくということで今懸命の最後の追い込み努力をしておるということでございます。
○森本委員 今おっしゃっていただいたように、確かに一般化というのは労使それぞれ異なった意味での定義というのがあり得るように思われるわけでございまして、そういった現況から、高齢化社会に入っていくときにどうしても対応しなければならない、また、六十歳にもうそうしていかざるを得ない社会状況下に入っているときに、先ほど少しお答えいただきましたけれども、六十歳定年制を早期法制化すべきではないだろうか、私はそのように考えておるわけでございます。 本年、六十年度でどこまで社会が六十歳定年を実施するかという状況にもよってくるわけでございますが、もう一度早期法制化という問題について御答弁いただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 今まで五十五歳定年制というものがいわば日本の定年制の主流であったわけでございますが、こういうふうに高齢化社会が進展していく、あるいはまた人生八十年時代を迎える、こういう中で何としてでもこの高齢者の雇用の場を拡大していかなければならぬ、こういうことで定年延長ということが始まったわけでございまして、そういう中で今まで私どもは行政指導でやってきたわけでございます。しかし、その間におきましていろいろ国会等の与野党の御論議等も踏まえまして、雇用審議会ではこの法制化を含めて定年延長のあり方についての諮問、そしてそれの検討が続けられて今日に至っておる、こういう経緯でございます。 そういう中で一応五十七年の中間答申においては、法制化問題についてはなお今後の検討課題、これは六十年の適当なころにもう一度論議をしようではないか、それまでとにかく行政指導をさらに強める、こういうような趣旨の御答申を五十七年にいただいたわけでございます。そういう状況の中で今日まで行政指導をやってきたわけでございますが、いよいよ昭和六十年も間近になりました昨年暮れの十二月に、雇用審議会がこの問題について再び決着をつけよう、こういうことで審議を再開されたという経緯がございまして、そういう中で雇用審議会におきましては、定年延長法制化問題の定年延長部会というのを特に設けまして、そこで法制化の是非をめぐる諸問題の御論議が今精力的に開始をされておるということでございます。 この審議会の場では、先生おっしゃるように、行政指導でここまで来たのだから、後はぜひ法制化でもうどうしてもできないところをやっていくべきではないかという議論もあります一方、行政指導でここまで来れたんだから、後行政指導を続ければもう少し本当にやれるところはいけるじゃないかというようなことで、一つの数字に対する見方も、労使でそれぞれ相当見解も異なっておる現状でございます。 しかし、いずれにしても労使双方とも高齢者の雇用の場の拡大のために定年延長を進めるということは必要だ、後はそれを行政指導でやるか法律でやるかというところが、一つ基本的な対立だけを残しておるというようなことでございますので、いずれにしても良識ある雇用審議会の審議の場において何とか妥当なそれについての結論が近く出るであろう、こういうことを御期待申し上げておる、こういう段階でございます。
○森本委員 本年、まだ六十年一年間残っておりますし、どうか労働省の皆さんの行政指導強化を推進していただきたいとともに、その結果いかんによっては、私はやはりこの問題は早期法制化に持っていくべきである、このように考えておる次第でございます。 それから、定年制が六十ということが仮に定着してまいりましても、厚生省との関係で年金との関係が今後起きてくるのではないだろうか、このように考えられます。労働大臣が、定年と年金支給に整合性を図っていくというふうに昨年の十一月にお述べになっておりますけれども、そのことを事務当局に指示する、このように約束されましたが、その後どうなっているのか。 それから、厚生省の段階的に六十五歳に年金制を持っていくというような考え方もあるようでございますので、さらに定年制を六十歳から六十五歳に段階的に持っていく考え方があるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○岡部説明員 昨年の十一月に、労働大臣初め労働省幹部と財界との話し合いの中で、労働、厚生両省の抱える問題についての整合性を保つべく検討の対策本部等を設けてはどうかという提言がなされたことは、先生御指摘のとおりでございます。 これにつきましては、両省間において話し合いの場を持とうということになりまして、昨年十二月十九日に初会合を開く段取りになったわけでございます。さらにまた、今後とも人口高齢化と労働市場の動向、高齢者の雇用と社会参加、高齢者の所得保障、健康、あるいはまた年金の問題も絡むかと思いますが、抱えます問題につきまして適宜協議をしていくということで軌道に乗った次第でございます。
○森本委員 次に、先ほど行政指導で六十歳という定律延長の問題については推進していくというふうにお答えいただきましたが、特に中小企業の場合に、事業主に対する相談、援助というのがいろいろと必要になってくるのではないかと思います。ソフト面での対応が必要になってくる。例えば、賃金を上げていくのに、定年を延ばした場合に賃金はどのようにしていけばいいのか、こういったソフト面での相談に乗ってあげることが特に中小企業に必要ではないか、このように思うわけでございますが、定年延長アドバイザー等々を含めまして、その辺労働省はどう進めていかれるのか、お答え願いたいと思います。
○小野政府委員 定年延長を進めるに当たりましては、先ほど局長から申し上げましたように、個別にあるいは集団で行政指導をしておりますが、同時に援助の体制が必要でございますので、定年延長アドバイザー、これは民間で定年延長の経験等を有する経験者を委嘱いたしまして直接御相談に乗るとか、あるいは退職金、賃金についてモデル計算で、シミュレーション計算でどういうふうに変わるのかというようなサービスを提供するとか、それから、定年延長をいたした場合には、これは六十年の十二月限りではございますが、定年延長奨励金を支給しながらそれを助成していこうというような措置を講じてまいっておるところでございます。
○森本委員 雇用開発協会ではコンピューターを導入されまして、それで定年延長に対する賃金の目安等々立てていらっしゃるように伺っておるわけですけれども、それは、そのプログラムを借りていろいろ相談をするのに費用はどれほどかかるのですか。
○小野政府委員 ちょっと今手元に資料を持っておりませんけれども、たしか二十万程度かなと思いましたけれども、モデルによって違いますので、後で場合によってお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○森本委員 定年延長の場合に、特に中小企業の皆さんが一番大変だと思いますので、雇用開発協会がそういう立場でいろいろと相談に乗っているということも余り知られていないという現状。それからもう一つ、その相談に乗ってもらうのに、やはりおっしゃったようにいろいろとパターンがそれぞれ異なってまいりますので、一概には言えないけれども、そういったそれなりの費用が要るというところがやはり中小企業にとっては大変なネックではないだろうか。その辺をもう少し考えて、そのことへのこういうのがありますよという指導徹底、それから、廉価に使用できるようにいろいろとまた労働省の方から指導していただけばその辺の問題は解決していくのではないかと思います。 それから、さっきもお答えいただきましたけれども、奨励金が六十年十二月末日に廃止になるということで今推し進められておりますが、これが今五二%の段階でどこまで行くかわかりませんが、六十年の十二月末日になれば、これは同時に奨励金も廃止になるわけですけれども、それに対する今後の考え方をお答えいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 定年延長奨励金は、事業主に対しまして定年の延長を奨励することによりまして定年延長の早期実現を促す、こういうことを目的にした制度でございます。そういう意味におきまして、六十歳定年がある程度、まあ半数を超えるようなところまで普及をした、こういう段階ではこれは一応廃止をしよう、こういうことで中央職業安定審議会の答申もいただきながらそういう方針を決めておるところでございます。 しかし、今後この奨励金がなくなった後、それではどうするか、こういう問題につきましては、やはり今後ともそういう定年延長は促進、推進をしていかなければならぬわけでございます。ただ、それについては、この奨励金方式ということではなくて、また新たな方策も考えなければならぬだろう。こういった点は、先ほど申し上げました雇用審議会での六十歳定年の法制化をめぐる諸問題というものの中で御論議が当然あるものと期待をいたしておりまして、そういう御論議の結果を待って、では来年以降どうするかというのは決めていきたい、こんなふうに考えております。 〔委員長退席、丹羽(雄)委員長代理着席〕
○森本委員 奨励金を達成できなかったからまた次へ続いてそのまま延長しようという考え方になりますと、今度はまた不公平な感じにもなってまいりますので——といって、達成できなかったところをそのままにおいておくというわけにもまいりません。ひとつ今後も、その後どうするかということを、私たちの方も一生懸命考えてまいりたいと思いますが、労働省の方でもよく御検討いただき、要は、一日も早く六十歳定年制が実施されて、高齢者の方々が安心して働けるように持っていっていただきたいと思います。 それで、定年延長はそれぐらいで、あとは高齢者の雇用の問題でございますけれども、私の手元にある資料でございますと、高齢者の常用労働者は現在百万五千二百四人いるという実態調査の中でございますが、企業のそれぞれの規模の割合で見ますと、百人から二百九十九人が四二・四%、三百人から四百九十九人が五五・八%、一千人以上が六七・四%、これが未達成企業でございます。一千人以上の大きな企業がまだ六七・四%、この百分の六を達成していないという状況で、大企業ほど悪いと言われるわけです。 これは、戦後の産業構造の大きな変化で自動車業界等々新しい産業が大企業になった場合があるという御回答もいただくわけでございますが、これからさらに高齢者の雇用の問題ということを推し進めていき、そういったところでも高齢者が働ける場を開発していかなければならない、そういうことを考えましたときに、大企業に対して、身体障害者の皆さんと同じように納付金制度を導入してはと考えるわけでございますが、その辺に対する考え方は今あるのかないのか、今後検討されるかどうか、お答えいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 ただいま先生お示しになりましたように、現在、この六%の努力目標を未達成の企業が大企業において特に高い割合になっておる、こういうような問題があるために、ある意味ではまた定年延長の方も懸命にプッシュをしておる、こういうことでございます。 この努力義務をどういう形で担保していくか、こういう観点からのお話と思いますが、身体障害者の雇用促進にやっておりますような納付金制度、こういうものはちょっとこの高齢者の問題については事情が異なる面がございまして、ただ単に例えば高齢者を五十五から六十まで引き続いて雇えばいいという話ではなくて、そのためには、それでは給与体系、賃金体系などをどうしていくのか、それからまた退職金などもどうしていくのかというような問題、さらにはまた人事の処遇問題をどうしていくかというような問題もあわせて解決をしていかないと、いたずらに企業の負担だけがふえる、したがって実現ができない、こういうような問題があるわけでございます。 そういう意味で、賃金体系をどうするかとか、そういう人事処遇の問題等々が並行して解決をされませんと、実際には高齢者をさらに引き続いて雇用し続けるというのはなかなか難しい、こういうふうな問題がありますので、これを身障者と同じように義務化する、そしてそういう納付金を課していくというようなやり方をとることにはいろいろ問題があるのではないかということでございます。もちろん、この問題も当然今後雇用審議会等で高齢者の雇用を今後どう拡大していくかというような観点の中から御論議があろうとは思いますが、私どもの今の感じで言いますと、そういう問題が背景にやはり一つの乗り越えるべき大きな問題点としてありますので、ちょっと簡単に身障者と同じわけにはいかないだろう、こういうような感じを持っておることを率直に申し上げさせていただきたいと思います。
○森本委員 大企業の、特に千人以上の企業が七〇%近く百分の六を達成していないという現況で、事情はいろいろとわかるかと思いますが、やはりそういったところこそ能力開発がむしろやりやすい企業ではあると思いますので、きょうお示しいただいた法案の中で能力開発ということが今後検討されていくと思いますが、大企業ほどそういったものを抱えて消化していくということが大事ではないかと私は思いますので、どうか今後も推進方をぜひいろいろと御検討をお願いしたいと思う次第でございます。 それから次に、六十歳定年制を終えた後の六十歳台前半の雇用対策についてお伺いしたいわけでございます。 労働省からいただきました総理府統計局の労働力調査によりますと、六十五歳以上が五十年から五十九年までは五十万人の伸びである、五十九年から六十五年までは五十五万人の伸びである、六十五年から七十五年に至りますと、百二十五万人の大きな伸びがあるという資料が出ておるわけでございます。 労働力人口における高齢化の波というのは、六十年以降はもう六十歳台前半にすべてかかってくるのではないだろうかと思われるわけでありますし、また、二〇〇〇年には五百万人の労働人口の増加があって、そのうちの四百万人、約八割が高齢者であるという状況を踏まえまして、こういった六十歳台前半層が今後増大していくのに対する労働大臣の雇用に関する考え方、所感をお伺いしたいと思います。
○山口国務大臣 先ほど来加藤局長からも御答弁申し上げておりますように、定年延長の法制化を検討する際に、六十歳台前半層の雇用の延長の問題もあわせて労働省としては一つの考え方をまとめて、労使を初め国民の皆さんの御理解と御協力を得たい、こういう基本的な考え方で進めております。 今先生から御指摘のように、社会保障や年金もやはり整備していかなければならない、これは当然でございますが、特に日本人の場合は、一応働ける健康に恵まれている以上、何らかの形で仕事を通じての社会参加、これが御本人の生きがい、喜び、また家族にも貢献しておる、こういうことで健康な高齢化社会には不可欠な問題でございますので、そうした高齢者の方に対する仕事の分配というものは、労働省のこれからの政策の一番重要な柱の一つであるというふうに考えておりますので、こうした問題にも一層積極的に取り組みたいというふうに考えております。
○森本委員 雇用対策法に基づく選定職種が民間で今六十三薬種というふうに言われております。中高齢者にふさわしい職業の開発と指定を今後行うべきでございますが、この六十二業種について拡大する余地があるのか、あるいは検討する余地があるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○小野政府委員 先生御指摘の中高年齢者の適職の問題でございますが、高年齢者の雇用安定を図りますために雇用対策法に基づきまして中高年者の能力に適合すると認めた職種六十三職種を現在選定しておりまして、これらの選定職種につきまして正当な理由なく中高年齢者でないことを条件とする求人の申し込みがあった場合には安定所はこれを不受理とすることができるというようなことで中高年齢者の雇い入れの促進に努めているところでございますが、今後の問題として、高年齢者の職域の拡大を図りますためには、高齢者向けの適職について引き続き研究してまいりたいというふうに考えております。
○森本委員 六十歳台前半の雇用促進を図るためにシルバー人材センターというのを今行っていただいておりますが、この現況、それから本年度はどういう方向で行くのか、お伺いしたいと思います。
○小野政府委員 シルバー人材センターは五十五年に発足いたしまして、その後は各地で好評を呼んでおります。現在二百三十五団体の設置を見ておりまして、六十年度にはさらに二十五団体の増設を図ることといたしております。 規模も年々拡大してまいっておりまして、五十六年は会員が約六万人でございましたものが、五十八年には九万五千人、五十九年度はまだ途中の集計でございますが、十万を超えているやに聞いております。 それから、事業規模も拡大してまいっておりまして、最初は全部の団体で年間八十二億程度の契約でございましたものが、五十八年度は百六十七億ということで、規模も拡大しておりますので、今後ともこの拡充強化を図り、高年齢者、特に六十歳台前半層以降の高年齢者の雇用就業対策の中で充実していきたい、こう思っております。
○森本委員 このほか、第三次産業の職業紹介あるいは情報サービスにも力をさらに入れていただきたいところでありますし、高齢者の職業相談室も現況から見てさらにより充実をお願いしたいわけでございますが、今日までの雇用対策では早急に増加する高齢者が安心して働ける場を今後確保していくことは非常に困難かと思われるわけです。どちらかと申し上げますと、今の労働省の対策では職業紹介あるいは職業あっせん的な形が高齢者に対する主なことになっておりますけれども、人生八十年時代の労働行政ということを考えますと、早急にはまいりませんが、法整備を含めて抜本的な対策を今後いろいろ考えていき、むしろそういった問題、ただ職業をあっせんするというところから一歩乗り越えていかないと高齢者雇用対策は解決し得ないと思うわけでございますが、そのことについての考え方をお尋ねします。
○加藤(孝)政府委員 いずれにいたしましても、二十一世紀になりますと、まさに高齢者が五百万の八割ふえるというような、御指摘のような状況でございます。 今私どもがこの高齢者対策についての抜本的な見直しをしなければならぬと考えております基本的なスタンスは、今の政策を続けていった場合に、二十一世紀初頭のそういう超高齢化社会なり、人生八十年時代に対応できる施策であると言えるであろうか、この施策を続けていけばこの二十一世紀の初頭の超高齢化時代を円滑にしかも活力を維持しながら経済社会の運営ができるであろうか、こういう観点から今の対策で足らざるは何であるか、そしてまたそういう二十一世紀を迎えた段階でその活力ある経済社会、あるいはまた個々の高齢者が活力ある生き方をして、働くことに喜びが得られるような生き方、そういったようなものを描きました場合に、どういう施策を講じたらいいんだろうか、こういうような基本的なスタンスで検討を始めておるわけでございます。 ただ、率直に申しまして、今それにはこうしたらいいんだ、ああしたらいいんだというメニューが、実はまだ用意ができているわけではございません。実はいろいろヨーロッパ諸国などの高齢者先進国といいますか、そういうようなところの施策も懸命に勉強いたしておりますが、率直に言いまして、まだいずれもうまくいかなかった、いわば反面教師のような材料の方が多いわけでございまして、これでうまく乗り切ったというようなものが必ずしもあるわけではございません。みんないずれもいわば問題を抱えながら来ておるという状況でございます。 私どももぴしっとしたメニューが出し得るかどうか必ずしも自信はございませんが、しかしそういうものを用意していかなきゃならぬだろう。そしてまた、ヨーロッパ流でいいますと、むしろ年金の支給開始年齢になったならばそれがすなわち引退する、本当に働くことから引退する年齢、こういうことになっておりますが、日本人の場合には、幸いにして、たとえそういう年金等の支給年齢になりましてもなお働けるうちは、元気なうちは働いて社会のお役に立ちたい、そしてまたそれによって生きる喜びを得たい、こういういわば日本的勤労観というものがあるわけでございます。いわば日本的高齢化社会を乗り切る一つの新しい方法論としてそういったものを基礎に置いた対策というものを組み上げていけないだろうか、こんな基本的な構えで臨んでおります。 ただ、具体的な方法論については、私どももいろいろまた皆さん方の御指導あるいはアイデアなどもいただきながら、トライ・アンド・エラーというようなことでいろいろな試みも繰り返しながら、何とかひとつこういう対策を講ずれば二十一世紀の高齢化社会を迎えても大丈夫だというものを目指して、ひとつ政策樹立に努力したい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○森本委員 いずれもう間もなくやってまいります高齢化社会、こういった問題における雇用というのはもう目をつぶって通るわけにはまいりません。また、先ほど申し上げましたように、ただ単に従来の求人あっせん的な形ではだめだというところから、能力開発あるいはそういった人たちが働ける場というものを今後設けていかなければなりませんので、労働省のさらなる検討をお願いしたい、このように思う次第でございます。 次に、単身赴任についてお尋ね申し上げたい、このように思います。 労働大臣おられるときと思っておりましたが、御多忙のようでございますし、幸いに次官お見えいただいておりますので、よろしくお願いしたいと思う次第でございます。 今二月も終わりになってまいりまして、間もなく三月になってまいりますと、これからいよいよ転勤シーズンを迎えるわけでございます。もう各社では相当転勤の内示が来ているようでございまして、この転勤について、おい、転勤になるぞと奥さんに相談した場合に、あなた一人で行っていらっしゃいと言って、単身赴任をせざるを得ないサラリーマンが今転勤者の約五分の一いるという状況下、さらにまた、中高年層ではもう三人に一人が単身赴任の転勤であるという状況下でございます。 まさに中高年受難時代がやってきた、このように言われる時代でございまして、私もときどき夜炉端屋さん等々で食事をしておりますと、もうほとんど中高年の男性が席を埋めておりまして、一人ずつ聞いてまいるわけにはいかないけれども、まあ恐らくこの中の大半の人が単身赴任で来ていられるんだなというふうに実感するわけでございます。全国で十三万五千人から十五万人だと推定されるこの単身赴任者の問題でございます。家庭の事情で家族で行くのかあるいは個人で行くのかということは、それは個人の事情だ、個人の責任でこの問題については解決しなさいという論もあるようでございますけれども、私は決してそうではなく、今これは社会全体の問題として対応すべき時期に来ているのではないか。 特にその単身赴任の理由が、受験戦争に巻き込まれて、子供の進学があるからということで単身赴任になった人、これが四六・六%、それから住宅を取得したからというので単身赴任になったという人が三九・七%、これはゼンセン同盟の調査によって出ておるわけでございまして、受験戦争やあるいは住宅問題ということになってまいりますと、これは個人的な事情ということでほっておくわけにはいかない。むしろそれは、政治や経済的要因にこの問題は根差しているということを考えた場合に、労働省としても、また我々政治家としても、この問題はほっておくわけにはいかないと思うわけでございますが、この単身赴任ということに関する次官の考え方をぜひお伺いしたい。
○浜野政府委員 お答えします。 今森本先生言われました内容、本当にこれからの経済変動とか社会構造の変化で大きな問題になってくると思います。現実に今大きい問題になっております。私は、この問題に関してはもう先生十分御理解いただいておると思いますが、家庭的な問題、まず中学校、高校の子供の教育をどうしようか。大体単身赴任になるのは四十から四十五、ちょうで中年の働き盛りでございますね。ですから、子供の教育をまずどうするか。それから、高齢化社会ですから、赴任者のお父さん、お母さんがおられると思います。ですから、同居の形でなかなか難しいから単身になるんや、そういう形もあると思います。それから、赴任するけれども、大きいところは大体寮とか社宅とかございますが、中堅、なかなかすべての人がそうはいかない。 そこで、そういういろいろな難しい点をひっくるめて労働省としては、御存じのように、そういう単身赴任者に対する減税の問題、これをまずどうしようかと、今やっております。それから関連していろいろな問題が出てくもではないか、そういう関連の事項に関しては今調査しております。そして調査をした段階で具体的になお推進していきたい、そのように考えております。よろしくどうぞ。
○森本委員 単身赴任者の困る問題——これは私も生活的には単身赴任者でございまして、また同時に、ここにいらっしゃる先生方の大半も単身赴任者ではないだろうかと思いますし、労働省のお方にいろいろお伺いいたしましても、かつては単身赴任であったとか、あるいは単身赴任で行っている間に労働省のある高官の方の家に泥棒が入ったという話もいろいろあったようでございます。恐らくこの問題については、私だけじゃなしにここにいらっしゃる皆さんがもう一番痛感しておられ、教育の問題、生活の問題等々も十分おわかりいただけるわけでございますが、その中で一番困っている問題というのはやはり経済的な問題、二重負担の問題でございます。 そこで、労働省が一生懸命この単身赴任者に対して何とかしなければならない、まず、せめて別居手当あるいは帰宅旅費を非課税ないし課税軽減しなければならないということで昨年十月から概算要求をおつくりになっていただいたわけでございます。 また、この問題については予算委員会で我が党の矢野書記長が大蔵大臣に伺ったわけでございますが、まるで木で鼻をくくったようなつれない回答でございました。不公平になるからという余り理由にもならないような理由でそれを今拒否され続けておるようでございます。また、中にはうまく検討しているような御意見も伺うようでございますが、きょうは大蔵省の方にお見えいただいておるわけです。我が党も今所得税で八十億、住民税、地方税で四十六億の減税を、単身赴任者に対する減税を要求しておるわけでございますが、まだ数日でございますけれども、大蔵省のその後の考え方あるいは今の考え方をもう一度お伺いしたいと思います。
○濱本説明員 お答え申し上げます。 単身赴任手当につきまして税制上配慮せよという御要望を承っております。ただ、この問題につきましては、以下申し上げますような理由からお認めすることは難しいと考えております。 まず第一に、現在勤労者に対しましては、住宅手当でございますとか、僻地勤務手当でございますとか、あるいは寒冷地手当でございますとか、いろいろな名称で手当が支給されてございますけれども、これらは一般の給与と一体となりまして一つの給与体系を形づくっておりまして、課税上はこれら全体として課税対象とされているわけでございます。その中からこの単身赴任手当だけを特に取り出して非課税にする理由を見つけることが難しいと考えるわけでございます。 仮にそういう手当につきまして非課税措置を認めるということになりました場合に、考えられます問題といたしまして、今ちょうどお話にも出ましたように、単身赴任をする人々にとりましても確かに新しい何がしかのかかり増しが生ずるということはそのとおりかと思いますけれども、また一方家族を帯同いたしますケースにつきましても、やはり何がしかの負担はあり得るわけでございましょう。それからまた、そういう手当制度を持っております企業と持っていない企業との間の問題をどう考えるかということ、特に中小企業などで単身赴任手当制度を持っていない企業も多数あろうかと存じます。さらに、出稼ぎの労働者の人たちのことをどう考えるかという問題もあり得ると存じます。 そういった問題につきましては、政府の税制調査会におきましても御議論賜りました。結論的には、家計の支出の中で特定のものを抜き出しまして税制上しんしゃくをするということは、税制というものの持っております性格から見ましておのずから限界があるということでございました。 企業は、より大きな収益を目指しまして人事配置をするわけでございます。そういうより大きな収益を目指すがためにより大きな負担を背負う勤労者が存在するといたしますれば、その勤労者はそのより大きな収益の中から分配を受けるべきではないか、それが一つの筋道ではないかというふうに考えるわけでございます。御理解賜りたいと存じます。
○森本委員 今いただきました回答はもうせんだってから同じ回答でございまして、税制調査会の答申も私手元にいただいておりますし、その後の流れで、きょうお見えいただいてそれが前向いていくお答えには恐らくならないということは最初から我々思っておるわけでございますが、大蔵委員会じゃございませんので、その辺の論議を余りやっておりますと私の持ち時間もだんだん少なくなってまいりまして、できないわけでございます。 ただ、出張旅費やあるいは赴任旅費、それから海外勤務者に対する在勤手当等々については減税がなされておる状況から見ると、できないことはないのじゃないだろうかというふうに私は考えるわけです。また実際に九州、福岡まで東京から転勤になった場合には、名目所得があったとしても実際は大きな出費である、これは理由なき増税であるということも今日までの論議の中でよく出てまいりまして、大蔵省は非常によくわかっておるわけでございます。 そこで、私は大蔵省については、そういった問題は余り及び腰でなく今後も早急に検討していただきたいわけでございますが、単身赴任について大蔵省が今こういう考え方で断じて引かないという考え方に立っているわけでございまして、こういう答えが出てきた場合の概算要求を出された労働省としての考え方、大蔵省の方も横におられる中で、今後この問題について労働省としてどう取り組んでいくか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○岡部説明員 予算案につきましては、政府は一体となって現在お願いをしているところでございますので、その中で過去の議論をここで申し上げるというわけにもまいらないわけでございますが、何しろこの問題は税調におきましては長期検討事項ということにされているわけでございます。ただいまのような税体系上の問題等、指摘が行われているところでございますが、私どもとしても、これはたとえ長期になろうともまたいろいろと検討を続けてまいりたいと考えておるところでございます。
○森本委員 そういう状況下ですから、減税措置を盛り込まれました労働省、我々も一生懸命応援してまいりますので、この問題については一歩も引かずに今後も御尽力を賜りたい、我々の方からもお願いするような状況でございます。どうか大蔵省の方々もそう冷たくぶっきらぼうにならないで、単身赴任の御経験、おありでございますか。」いろいろ事情はわかっていらっしゃるのではないかと思いますので、この問題についてはまずは第一番は減税問題ということからスタートしなければならないのではないだろうか。ただ、減税問題だけが終わったからといってこの単身赴任問題は解決できるわけではございません。ありがとうございました。 あとは、なぜ単身になるかというと、九十何%が学校の教育問題でございます。そこで文部省にもお見えいただいていると思いますが、さらにまた単身赴任後の子供のしつけやあるいは勉強、進路について悩んでいるという人も三六%あるという状況下で、昨年三月に転入学試験を年一回から三回にしていただいたということでございますが、実際、公立高校の場合には減が出ないことにはその充足はあり得ないという状況であり、希望する学校へ行くことができないので、今のところ、私の受けた感じでは実効性が上がっていないのではないかと思われるわけです。単身赴任の起きてくる要因の九割が教育制度にあるという考え方から、文部省の打たれたこと、それから今後どのように考えていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○阿部説明員 文部省といたしましても、単身赴任に伴う転校問題につきましては大きな関心を持っておるところでございます。保護者の転勤に伴う高校生につきましてはできるだけ転学が認められることが望ましいという考え方に立ちまして、今先生御指摘のように、昨年の三月に文部省の局長名で各都道府県の教育委員会に対し、できるだけ転入学試験の実施回数をふやすこと、またそのための特別の定員枠を設けるなどといったような配慮をするように指導したところでございます。 また、これも先生御指摘のように、これまでの規則では、転学の場合にはその学校に欠員がなければ転入学を認めることができないという規定であったわけでございますけれども、この規定につきましても昨年の七月に改正をいたしまして、必ずしも欠員がない場合でも教育上支障がない場合には転学を許可するようにしたところでございます。そうした趣旨を各都道府県等に通知いたしまして、その趣旨を徹底したところでございます。 現在、各都道府県におきましても、これらの通知の趣旨に従いまして改善が図られるところでございまして、その改善状況につきましては、文部省としても近く各都道府県から報告をいただきまして、その状況を見ながら今後とも引き続いて転学等が円滑にできますよう指導してまいりたいと考えております。
○森本委員 この単身赴任問題は大きな社会問題となってまいりますし、今大蔵省あるいは文部省からそれぞれの御回答をいただきまして、仮にそれが実現できたとしても、なかなか大変な課題が数多く残ってくるものでございます。大蔵省、文部省のさらなる尽力を強く要望するとともに、それは大蔵省の問題、これは文部省の問題ということで、労働省としては黙っているというわけにはいかないと思うのです。 労働省はこの単身赴任問題について、大蔵省、文部省問題を除いて今後どう取り組んでいかれるか、その本意をお伺いしたい。
○岡部説明員 この単身赴任に対する対策といいますのは、単身赴任本人の問題、それから単身赴任の家族の問題、それから企業の問題、この三者がそれぞれ努力をしなければならない側面を持っていると考えております。 労働省におきましては、例えばこのたびの予算におきましてその留守家族の問題等も含めて調査を行う予算を計上しているところでございます。さらにこの問題の研究を深めまして、この三つの側面において適切な措置を講じてまいりたいと考えております。
○森本委員 時間が少なくなってまいりましたので、それではそれぞれ各省庁の御尽力に多大の期待をし、それからやっていただきたいということを要望いたしまして、次に時短の問題に移らせていただきたいと思います。ありがとうございました。 労働時間を短縮するということは、より人間らしい生活を実現するためにも必要な措置でありますし、また、今それは国際的潮流でもあるわけでございます。 ところが、日本の年間労働時間というのは欧米先進国に比べて極めて長時間にあるわけでございます。それが今大きく貿易摩擦の要因となっているとも言われるわけでございますが、労働時間を今短縮することが大変必要でありますし、労働省も六十年度に実労働時間二千時間を目指して頑張るというふうに目指していただいているわけでございますが、まだなかなか、今日本の状況を見ましても平均二千百三十六時間、西ドイツは千六百八十二時間、英国が一千八百八十八時間、アメリカが千八百五十一時間等々、比べてみますと大きな差があるわけでございます。 本年、各種労働団体は時短元年と本年を位置づけまして、時短に取り組もうとしておるところでございます。ところが、昨年八月末に大臣の諮問機関である労働基準法研究会が労基法を改正すべきだということで中間報告をまとめた中に、一週四十八時間から四十五時間になる、これはわかります。しかし、一日九時間という中間報告が出てきました。これはまだまだ中間報告であるわけでございますが、今欧米が四十時間を切ろうとしているとき、また今日までやっと八時間が定着してきた流れの中で、その時の流れに逆行するんじゃないだろうかという考え方が一つ。 それから、この問題は、九時間となってまいりますと、さらにその九時間という点を取り上げられて貿易摩擦のやり玉に上げられていくのではないだろうか。ますます日本の労働というのは世界の中で孤立していくのではないだろうか。また、サミットの参加国で四十八時間労働をやっているところは日本とイタリアのみでございまして、西ドイツも四十八時間ということでありますけれども、これは労使協調等々から四十八時間よりもより少ないようになっております。 そういった流れの中で、今中間報告で一日九時間という回答が出てまいりました。時短に対する考え方、時短元年とも言われている年の労働省、これは次官にお答えいただきたいわけですが、時短に対する考え方、それから中間報告で九時間というのが出ておりますが、この九時間に対する考え方をお答えいただきたいと思います。
○白井政府委員 お答えいたします。 労働基準法につきましては、最近の就業構造、産業構造の変化等に伴いましてその施行上種々の新しい問題を生じておりまして、また産業界、労働界からも多くの意見や要望が出されているところでございます。このような情勢にかんがみまして、労働省としましては基準法の労働時間法制のあり方につきまして労働基準法研究会に調査研究をお願いしたところでございます。 その中で、昨年の夏中間報告されまして、一週四十五時間一日九時間という話題を提供いたしたわけでございますが、これは従来の労働時間の考え方を週単位を主体に考えていこう、それで一日につきましては弾力化していこうということで、八時間を九時間に延ばすということではなくて、その枠組みを示したものでございますが、表現その他いろいろ問題点もあったかと思います。 現在、研究会では労使それぞれ関係者の方々の御意見、世論等も十分検討しながら最終的な検討を進めていただいておりまして、ことしの夏ごろ最終報告をされるということが予定されております。したがいまして、その報告を受けまして、労働省としましては関係審議会の意見も聞きながら今後検討を進めてまいりたいと思っているわけでございます。
○森本委員 さらに、この世界の流れの中で時短を進めていくには、一つは週休二日制をやっていかなければならない、これを完全実施の方向に持っていかなければならないというわけでございますが、これは特に中小企業なんかにおいては非常に難しい問題でございます。ですから、今後の進め方、当面週一日を最低基準として、そしてプラス一日を労働協約あるいは就業規則で取り決めていくように進め、週休二日制を実施していくようにしなければならないと思いますが、その考え方についてお答えいただきたいと思います。ちょっと時間がなくなってまいりましたので、簡単で結構でございます。
○白井政府委員 今先生おっしゃいますとおり、労働時間を短縮してまいりますには、やはり週休二日、それから有給休暇の完全消化ということが重要でございまして、それらにつきまして行政指導を強化しながら今後とも進めてまいりたいと思っているわけであります。
○森本委員 ちょうど大臣最後にお見えいただきまして、時間ももうございませんが、今時短の問題で論議させていただいているわけでございます。週休二日制の問題、それからもう一つは年次有給休暇という問題でございます。 この年次有給休暇は、日本は世界各国と比べますととっている日数が極めて少ない、もう西ドイツの三分の一くらいしか実際はとっていないという状況でございます。世界的時短の水準まで持っていくのにこの年次有給休暇の有効的なとり方、それからもう一つは、大臣が就任以来メーンイベントとして訴え続けられましたゴールデンウイークのとり方の問題等々がございます。 特に五月四日についてはゴールデンウイークを法制化するのかあるいは行政指導で進めるのか。また五月四日については、単に行政指導であると子供は学校が休めないので——労働省から出されましたあのすばらしいパンフレットを私も見せていただきました。子供と一緒に遊びにいく非常に楽しそうな雰囲気の絵がかかれておりましたけれども、五月四日が法制化ならなかったら幼稚園の子供以下しか連れていけないという状況下でございます。ゴールデンウイークに対する大臣の考え方をお伺いします。
○山口国務大臣 いわゆる労働時間短縮をめぐる労働者の福祉あるいは労働条件の改善の問題は、今先生御指摘のように、週休二日制の導入あるいは有給休暇の完全活用というのが本筋、主流でございますけれども、なかなか今御討議にございましたようにそれが実行が進まないという段階において、一つの連続休暇案の中でそういう休暇の拡大を進めていこうという中にゴールデンウイークもあるわけですが、労働省としては、政府としては当面行政指導でこれを進めていきたい。労働団体等からはゴールデンウイークのいわゆる一週間の連続休暇の法制化、こういう強い御要望があるわけでございますけれども、やはり中小企業その他、急激な一つの法制化という問題から経済の活力をそいでもいけない、雇用の不安を来してもいけないということで、行政指導を進めつつ、そしてあとは政党間の問題の中に、この五月四日もしくは五月一日という問題についての御討議を今いただいておるようでございますが、あくまで政府としては行政指導の立場からこの休暇の拡大を進めていきたい。 今先生が御指摘の子供さんの問題等においても、文部大臣とも、できるだけ子供と家族が一緒に休めるように、夏休みの振りかえ休日でございますとか、そういう問題も、この三月ぐらいまでの間にいろいろ文部省などとも相談をしていきたい、こういうことで今検討を進めさしていただいているところでございます。
○森本委員 あと時短に関しましては恒常的所定外労働の改善等々もございますが、世界的な潮流の中で、本当により人間らしい生活ができるために課せられた課題ではないかと思うわけでございます。 あと一つ、パート労働法についてもいろいろと審議をさしていただきたかったわけでございますが、昨年十月三十一日に労働対策要綱が作成されましたが、この問題につきましては、どうか一日も早い法制化を我が公明党は今望んでいるところでございます。どうか関係各省のさらなる御尽力をお願いいたしまして、安くて使い捨て可能な労働者という認識を変えていかなければならないと思う。そのことをお願い申し上げまして、ちょうど私の持ち時間参りました。せっかくお答えいただこうというところでございますが、今後また論議をさしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○丹羽(雄)委員長代理 森田景一君。
○森田(景)委員 最初に、高齢化社会の進展と雇用対策についてお尋ねしたいと思います。 先般、労働省は都道府県の「雇用の動向と見通し」というものを発表してございます。その中で労働力人口の伸び率あるいは構成比、就業構造の変化等について御説明をいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 第五次の都道府県の雇用基本計画、これは昭和六十五年度を目標年次とするものでございますが、それを取りまとめました概要について、特に高齢者の関係で申し上げてみますと、労働力人口のまず伸び率でございますが、全体としては四十五年から五十五年に七・三%の伸びでございましたが、これが五十五年から六十五年にかけて一〇・九%へと高まっている。都道府県別にこれを見ますと、多くの府県で労働力人口の伸び率はおおむね上昇をしていく。特に大都市圏でこの伸び率が大きいということでございます。また、地方の中核都市圏といいますか、具体的には例えば宮城、広島、福岡、こういった中核県における上昇幅が大きいということが労働力人口の伸び率についての一つの特徴でございます。 それから次に労働力人口の構成比でございますが、これが全体といたしましては五十五歳以上の構成比が二〇%から二五%の幅での構成比になってまいります。この五十五歳以上の構成比が二五%以上の県が十県もふえるというようなことでございまして、非常にこの高齢県の割合がふえるということが一つの特徴でございまして、特に高齢化の進行が比較的速いのが中国、四国地方で、非常に高齢化の進行が速い。次に東北、北陸などが速い、こういうような状況が見られるわけでございます。 それから、次に就業構造の変化についてでございますが、第一次産業の就業者の構成比がすべてのの都府県で二〇%未満に低下をしてまいります。特に一〇%を割り込む県が二十県ほどに増加してくる。関東、京阪神中心に第一次産業は一〇%以下になってくる、こういうような状況でございます。 一方、第二次産業の就業者の構成比はやはりこれもおおむね全地域で低下傾向にございまして、四〇%を超えるのは六十五年には岐阜県だけ、こんなような状況が推計をされております。 逆に第三次産業の就業者の構成比が高まってまいりまして、これは五十五年段階では十八県で五〇%未満でございましたが、六十五年には三県程度を残してすべての県で五〇%以上に第三次産業の就業者が伸びる、こんなような変化が推計をされる状況にございます。
○森田(景)委員 ただいまの御報告では、労働力の高齢化現象が急ピッチで進む、こういうふうに見られるわけでございます。 山口労働大臣は、先般の所信表明の中で「人生八十年時代の到来と新たな技術革新の急速な進展という未曾有の変化の中で、勤労者の雇用を確保し、その福祉の向上を図ることは、国民経済と国民生活の安定のための基本的課題」である、このようにとらえられまして、「積極的かつ効率的な労働行政を進めて」いく、大変意欲的な御発言がありました。大変心強い限りだと思っております。 そういう状況でございますので、高年齢者の雇用就業機会を確保するということは特に重要な政策課題であるということになっておりますけれども、では具体的にどういう対策を進めていこうとなさるのか、この辺のところを御説明いただきたい。
○山口国務大臣 先生の御指摘のとおり大変急速な高齢化社会を迎えまして、やはり健康な高齢化社会というものを迎えるためには、どうしても働けるうちは何らかの形で仕事を持つことができるよう、特に定年の延長、雇用の延長というのは、国民生活にとりましても家族にとりましても一番大事な問題だと私は考えております。 そういう意味で、安定局長にも申しまして、雇用審議会の再開を直ちに行うべく指示をいたしまして、そこで定年制の法制化問題等も含めて今御論議をいただいておる。できるならばことしの夏ごろまでにその結論をいただきまして、そして六十歳台の定年の延長とそれからまた六十歳台前半の方々の雇用の延長という問題を絡めまして何らかの形で法制化への手だてを取りまとめて、そして、先生方からこうして委員会を通じて御論議いただいた点等を踏まえた一つの案をつくるべく作業に入りたい、こういう具体的な日程で考えているというところでございます。
○森田(景)委員 六十歳定年の一般化を図る、こういうことは当然であるというふうに考えておるわけでございますけれども、その分新規採用者が減少してくるのではないだろうかという心配があるわけでございます。特に、新しく大学、高校あるいは中学を卒業される新卒者の採用、これは非常に大きな問題だろうと思います。 〔丹羽(雄)委員長代理退席、委員長着席〕 さらに、六十歳台前半層の雇用就業対策ということが述べられてありますけれども、これは定年をさらに六十五歳まで延長しようという前提があるのではないか、こう思っておるわけでございます。しかし、まだ六十歳定年が法制化されないで六十五歳定年というのも早過ぎるかもしれませんけれども、日本の現状で就業人口の増大の受け入れが可能であるのかどうか、これも非常に大きい問題だろうと思っております。 といいますのは、本年一月の全国の企業倒産状況というのを見ますと、倒産件数が千四百八十二件にも上っているのですね。これは一月の倒産では史上二番目の状況であると言われております。それから去年の企業倒産件数は二万八百四十一件、これは史上最悪であると言われております。こういう状況もあります。それから先ほど論議のありました国鉄の人員整理という問題がありますが、これも十万人以上整理しようという意向のようでございますし、それから国の行政改革があります。それから地方自治体の行政改革があります。特に地方自治体では新規採用をなるべく見合わせようということで、今全国的に非常に大卒、高卒者の方々は困っているような状況であります。そういう状況があります。あるいはまた、先端技術の導入、産業用ロボットの進歩普及であるとか、こういういろんな問題があって、果たして六十歳定年あるいは六十五歳定年という段階になってそれだけ受け入れる器が確保できるのか、こういう問題があると思うのです。 これをお答えをいただいておりますと、私は持ち時間が非常に少ないものですから、後でいろいろと御意見を聞かせていただきますけれども、そういうことですから、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、少なくとも、新たな雇用をどう創出するか、こういうことで雇用創出計画といったものをやはり労働省として早急につくる必要があるのではないか、このように私は考えているわけでございますが、その辺について御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○山口国務大臣 森田先生の御指摘、全く私同感でございまして、政府はもちろんでございますが、政治の大きな責任は、その分野の仕事をつくり出していくための不断の努力ということがここ数年一番必要なことではないかというふうに考えています。 私は、例えば一般の経済専門家等の御意見の中でも、これからの日本の産業はハイテクを中心として伸びていく、電電公社も民間になりましたけれども、そういうハイテク産業が、ここ十年の経済投資というのは二百兆円規模を下回らないのではないか、こういう大変ありがたい見通しもございますけれども、しかしこれはある面においては、オートメーション等の企業ということもございますから、必ずしも増大する労働人口をすべて吸収できるということにもならない。そういうことも考えますと、今先生が指摘したいろいろな部分の問題等を考えますと、二つ、三つの政策の柱の中で、この雇用の確保、安定、分配ということが求められる。その中の一つにはやはり労働時間短縮もございますし、あるいは賃金等の問題もございますけれども、今先生の御指摘の産業政策の面から、設備投資減税等々を含めたきめ細かい施策によって仕事をつくり出していく、こういうことだと思います。 そこで、ちょうど明後日でございますが、私は、通産省とも労働省との二省間政策協議の場所を設定いたしまして、これを皮切りに、一つは産業政策の面における通産省の施策——我々は雇用の面の立場からの労働省のいろいろなデータや情勢判断というものをジョイントいたしまして、今まではどちらかというと縦割り行政が多かったわけですけれども、そういう意見交換の中で、先生の御指摘のような問題を幅広くとらまえて解決すべく真剣に取り組んでいきたいということを考えております。
○森田(景)委員 時間の関係で先に進ませていただきます。 私は、先ほど同僚の森本委員からもお話がありましたけれども、五月四日を緑の日——仮称でございます。仮称というのは何か前に聞いたことがありますけれども、緑の日として国民の祝日にしてはどうかということなんです。 先ほどもお話がありました労働大臣の私的諮問機関であります労働基準法研究会が昨年八月に中間報告を出しておりますが、それに対して最近全民労協が、労働時間は一日八時間、週四十時間とする、それから週休二日を原則として土、日曜日を連続した休日とする、三番目が、年次有給休暇の付与日数は最低十五日として、労働者は最低五日以上連続して有給休暇をとる、こういう労働時間の短縮を促進させるための労働基準法見直しに関する見解をまとめておりますが、これは御存じだと思うのです。 こういう見解と関連しているかどうかは定かではございませんけれども、山口労働大臣は、ゴールデンウイークにおける連続休暇に大変情熱を燃やしていらっしゃる、こう承っておりますし、先般の所信表明でも述べておられます。 確かに、年次有給休暇の取得日数は先進国に比べましても半分以下であったり、労働時間の国際比較でも先進国中極めて長いわけです。私たちも、一日八時間労働、週四十時間、週休二日制の実現を主張しておりますので、時間短縮の観点から、山口労働大臣の意気込みには反対するつもりはありません。ただ、一週間を全休にするということにつきましては、これは特に中小企業の立場に立って慎重に検討することが必要であると考えているわけでございます。 その理由を三点ほど考えてみました。第一点は、日本の企業の大部分が中小企業あるいは小企業でありまして、大企業は休んでも中小企業、特に小企業の場合は現実に休めない、中小企業に対して振りかえ日を設ける等の配慮が必要であろう。第二点が、給与体系が日給月給の場合に、休暇が賃金の低下につながってまいります。有給日をふやす等の措置が必要になってくるのではないだろうか。第三点が、賃金を払ってそんなに休んだら中小企業はもたない、つぶれてしまう、こういう意見も実はたくさんあるわけでございます。こういった点を十分検討しながらこのゴールデンウイークの休みについては検討をされなければならないんじゃないか、こう思っているわけでございます。 しかし、現実には五月三日が憲法記念日でございます。五月五日が子供の日と祝日が続いておるわけでございます。つながる場合もあるのですけれども、四日だけがあきまして、せめてゴールデンウイークが全休になる前段の段階で五月四日だけは国民の祝日にする、こういうふうにしておきますと、先ほども論議がありましたように、学校も必然的に休みになりまして、それこそすばらしい気候の時期に親子そろって楽しみができる、こういうことになるわけでございますので、五月四日はぜひ法制化をしてもらいたいと私は思っているわけでございます。 ちょうど中曽根総理も都市の緑の三倍増構想というのを主張していらっしゃるようでございます。それから国連の食糧農業機関、FAO、ここでも全世界的に緑が破壊されているということからことしを国際森林年というふうに決めたようでございます。そういうことから、時期的にも緑の日というふうに五月四日を祝日にしちゃった方がいいのではないだろうか、こう思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○山口国務大臣 今、森田先生の週休二日制をさらに拡大していく、有給休暇の完全消化、そして年間としては二千時間への努力、これは労働条件の改善あるいはこれからの高齢化時代、技術革新の時代、いろいろな労働市場を取り巻く問題の中で一番主流的な考えであるべきだというふうに私は思うんですね。ところが、それがなかなか実行段階にできない。特にゴールデンウイークの一週間の連続休暇の法制化は労働団体から非常に強い要望があるわけですけれども、逆にそれだけ強い要望があるならば、それは権利として認められている有給休暇をまず完全消化するということを労働団体としては努力すべきではないかということを私は率直に申し上げているわけです。しかし、一方なかなか休暇をとりにくいという雇用者を取り巻く環境もあるわけでございます。 そこで連続休暇という発想の中に、今先生が指摘した三つの労働時間短縮の総合的な政策を進める一つの要素として連続休暇という問題を行政指導でゴールデンウイークに進めている、こういうことでございまして、労働団体が言う法制化も難しい、行政指導だけでも実行がいま一つ行き届かない、こういう中で、私、森田先生と同じような考え方の中で、たまたま自民党の方でも五十八年の選挙公約の中に花と緑の日の祝日法制化ということをうたっているという経過もございましたので、各党間の話し合いのベースとして三日と五日の間の四日がかなり素直に各党間で公平に論議でき得る一つの土俵になるのではないかということで、あえて一つの論議の対象として持ち出させていただいたのでございます。 今四党間の政策協議要求の中にも出ておるようでございますが、これは政府でそれを祝日法案として、政府提案というわけにもまいりませんものですから、議員立法という形になるとすれば、先生なんかもぜひ党にお持ち帰りいただいて、各党間の協議の中で一層御助力いただければ国民にとって大きな福祉の前進、改善につながるのではないか、かように考えますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○森田(景)委員 最後に所得税減税についてお尋ねをいたします。 予算委員会でもないのになぜと、こう思われるかもしれませんけれども、実は二月七日の予算委員会におきまして我が党の正木政審会長が勤労所得税減税の必要性を詳しい資料をもとに主張しまして、あの席に山口労働大臣もいらっしゃったのでよく御存じだと思うのです。また、勤労者の福祉の向上を図るということは、先ほどもお話し申し上げましたように山口労働大臣の基本的課題であるということになっているわけでございます。そうした立場からは当然勤労者の所得税減税ということは推進をしなければならない立場だと思うのですね。 先ほど大臣お留守の間に大蔵省の担当者が来て、とてもそんなことできませんなんて言っておりましたけれども、とんでもない話だと私、思っております。いろいろ理屈をつけておりましたけれども、労働省が予算要求するときにきちんとやったのが、そんな検討も何もしないでやるはずがないと私は思っているのです。みんな優秀な方がそろっていらっしゃるのですから。大蔵省の理屈は、あれは金を出したくないための理屈だ、こう理解しております。 そういうことで、御存じのとおり、きのう公明党など四党が一兆円減税の予算修正を政府に申し入れました。この中には単身赴任減税あるいは教育減税、住宅減税、パート・内職減税、退職所得減税、こういった勤労者福祉の向上を目指す減税要求が盛り込まれているわけでございまして、山口労働大臣としては、政府の中の大臣でございますけれども、労働省という勤労者の立場を擁護する立場の所管大臣でございますから、こういった勤労者の生活、福祉向上を目指す要求については、全面的に我々の要求をバックアップして、政府が一日も早くこうした減税が実現できるように大臣としては働かなければならない立場でないかと思いますけれども、御決意のほどをお聞かせいただきたい。(「それはおかしいよ、閣議決定した大臣なんだから」と呼ぶ者あり)
○山口国務大臣 例えば単身赴任減税の問題等も、労働省としても六十年度予算での要求もしたわけでございますし、また自民党の労働部会の方でも単身赴任減税を大蔵当局ともいろいろ熱心に、真剣に取り組んでいただいたわけでございますが、単身赴任そのものを固定化してしまうのではないかとか、税の全体の体系の中で見直すべきであるとか、いろいろ御議論もございました。 昨年、先生の党等の御努力でパートの所得控除などもございましたけれども、私は、主婦の家族に対するロイヤリティーと家族の家計の問題の中で、ああいうものは控除額を多少引き上げてもそのまま消費につながる、子供たちや御主人のための買い物、こういうことになりますから、公共事業並みに、それ以上の内需の必要性につながっているというふうに判断もするわけですね。ですから、減税の問題というのは、財政当局は大変厳しいわけでございますけれども、やはり広範な議論をする必要があろうと思います。特に総理も、減税をでき得るような税体系の改革を進めていきたい、こういうことを再三にわたって予算委員会で答弁もしておるわけでございますけれども、私は、今も御発言がございましたように、六十年度の予算については国務大臣として閣議決定に携わった関係がございますので、今の予算が最善である、こういう立場に立っておりますが、減税の問題についてはそうした編成過程において努力をさしていただき、さらに六十一年以降にも、そうした単身赴任減税等の問題については労働大臣としてあるいは労働省として極めて熱心に取り組むということが一つの大事な役割であるというふうに考えております。
○森田(景)委員 いずれにしてもこういう減税要求が出ておりまして、恐らく政府の内部でもどうするかという検討があるだろうと思います。その際には、ぜひひとつ山口労働大臣もそういう勤労者の立場を踏まえまして、受け入れられるべきものは受け入れろ、こういう発言を積極的にされますよう期待いたしまして、質問を終わります。
○戸井田委員長 塩田晋君。
○塩田委員 私は、当社会労働委員会における労働大臣の所信表明並びに労働行政一般につきまして、山口労働大臣の御答弁を求めたいと思います。 私の質問の第一は、労働大臣の所信表明、八本の柱でもって所信を表明されました。高齢化社会の進展に対応した対策とか、あるいは経済社会の変化に対応した能力開発対策、また産業構造・就業構造の変化に対応した対策、あるいは労働時間短縮等の対策、男女の雇用の均等のための対策、あるいは障害者等に対する特別の対策、あるいは労使の相互理解と信頼の強化、そして国際化時代にふさわしい労働外交の積極的推進、一々ごもっともなことばかりでございますが、勤労者、サラリーマン四千三百万人、今一番関心のあることは何かということ、これだということを、これに取り組むのだという労働省の姿勢が余りはっきりと示されていないのじゃないかと私は思うわけです。 それは何かといいますと、今働く人々が一番関心を持っておりますのは、春季で賃上げの交渉が行われる。賃金相場が決まっていきます。いわゆる春季の賃上げ闘争、これに最大の関心があるわけです。人々はだれしも生活をよくしたい、家族のためを思い、収入、所得をふやしたい、こう願っておるわけですね。これが最大の関心事であると思います。労働行政の主眼といいますのは、雇用を確保しつつ賃金、所得を上げていくということ、そして安全と福祉を増進していく、これに尽きると思います。その中で、働く勤労者、サラリーマンが一番望んでおるのは、所得の中心であるところの賃金ですね。しかも、これが春季に毎年上がっていく現在の日本の慣行、これからいってこれが幾ら上がるか、これに最大の関心があるわけです。 これに対して的確に労働省として、政府として態度を表明していない。これは毎年そうでございますけれども、労働行政あるいは労働大臣の所信表明はそうでございますが、私は、最も関心のある問題に答えていないということについて非常に不満に思い、残念に思うわけでございます。こういったことに対して山口労働大臣は、格別に感覚の鋭いがでございますが、どのようにお考えになり対処していこうとしておられるかお伺いいたします。
○山口国務大臣 労働条件の改善、労働者福祉の問題等の大半は、特に民間を中心として労使の話し合いの中で決めるべきであって、政府や行政が必要以上に介入する必要はない、こういう御意見が非常に強いわけでございますが、私は、中長期的な労働者の労働条件の改善や国民の福祉につながる雇用者の生活改善の問題は、むしろ政府や政治の責任において十分意見を申し述べる、いわゆる労使のみならず政労使でそうした国民の中長期的な問題に責任を分担し合うということはむしろ非常に大事なことだというふうに考えておるわけです。 しかし、今日的な労使の生産性の中における分配の問題である春闘等におきましては、国民経済の全体的な視点の上に立っていただいて、長い間第一次、第二次石油ショック等の中でこの賃上げ等の問題も随分厳しい環境にあった、ことしは少し、アメリカ経済等もあり、やや上向きだという中で、いろいろな双方における御意見やお考えもあろうと思いますし、また政府も内需喚起というものを一つの大きな政策の柱にしておるわけでございますから、今、塩田先生のようなお立場で何らかのアピールということもあるいは政治の責任、あるいは政府の仕事の分野に入るべきかもわかりませんが、もう私よりも塩田先生の方が労働問題、行政の多年の経験、御専門でございまして、これは政府や労働省が、春闘の労使の交渉を前にして労働大臣としてはこう考えている、労働省としてはこうあるべきだということまでの立場に立っていいかどうか、いろいろ御批判もあろうと思います。 そういうことでございますので、あくまで民間の労使の話し合いの中でということでございますが、我々は、そうした経過の中でひとつ円満にあるいは良識的に信頼の中でいい結論が出得ますような環境づくり、土俵づくりについては最善を尽くして、その結果、成果を得たしていただきたい、こういう基本的な考え方でこの問題に対処したいというふうに考えております。
○塩田委員 この賃金問題、特に民間の賃金がどのようにして決まるか、これにつきましては、労働省としては、今大臣が言われましたように、労使の自主的な交渉によってしかるべきところにお互い妥結をして、時にはストライキも行われる場合もあるでしょうけれども、これが決まるものだ、政府はこれに対して干渉するような発言なりあるいは指標を示すべきではない、またこれに、労使の双方に対してその主張にコメントするような発言も差し控えたいとお気持ちはわかるし、また、従来の行政はそうしてきたと思います。 しかし、大臣、経済企画庁で、これは大臣も参加されて決定されました「昭和六十年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」、これは予算の編成と同時に閣議決定されますね。これは労働省ももちろん参画されて決定された問題と思いますが、ここに、御承知のとおり、経済成長率だとか、あるいは生活に非常に影響の大きい消費者物価の今年度並びに来年度の見通しも数字的にぴしっと出ているわけです。もちろんいろいろ前提条件はありますけれども、一応の目標、見通しというものを出しておられる。その中に雇用者所得というのもあるわけです。そして、これが内需の大きな部分を占めるということは御承知のとおりであります。 今後日本経済が従来のように輸出が大きな主導力になって伸びていく、これがだんだんとなお増加するということでなければ、やはり内需をもっと伸ばすことによって経済の均衡的な安定的発展ということが考えられなければならない。片や公共事業その他は行革でもってそうふやせないという中で、内需の振興というのがやはり非常に大きな要因になってくるわけです。国民経済の整合性の上からもこれは非常に重要なものです。物価を安定しつつ内需をいかにしてふやすか。その主力はやはり雇用者所得、すなわち賃金のベースアップがどれくらい行われるか、あるいは一時金の額がどう決まっていくか、これに非常にかかっておるわけです。 そこで、経済企画庁の関係の資料によりますと、雇用者所得が何%ふえるということが出ておるわけです。そして雇用者数の伸びというものが出ておりますから、これを割り引いていけば一人当たりの雇用者所得の伸び、すなわち一人当たりの賃金がどれくらい伸びるかということは計算できておるわけです。これは政府から御答弁をいただくまでもなく、この資料に出ております。雇用者所得は五十九年度、今年度は昨年度に比べて五・九%ふえる。六十年度はこれがなお六・八%増なんです。今年度に比べて六十年度は六・八ふえる。そして、雇用者数の伸びを割り引いていきますと、これが五十九年度は前年に対して四・四%の増、六十年度は五%程度の伸びが期待できる。また、そういうことを要素に入れてこの経済計画というものが整合的に見通されておるということは、もう御存じのとおりでございます。 こういう状況の中で今季春闘の交渉、これがどのように推移していってどのあたりでどの程度になるだろうかということは、労働省としては全然何もわかりません、あるいは一切ノータッチで私は関知いたしませんというわけにいかぬと思うのですが、どのように見ておられますか、お伺いいたします。
○谷口(隆)政府委員 春闘におきます賃上げにつきましては、ただいま先生から御指摘ありましたように、決定される要因として企業収益とか、消費者物価の動きとか、労働力需給の動き等が挙げられることにつきましては私どもも承知をいたしております。また、御指摘になりました経済見通しと経済運営の基本的態度におきましても雇用者所得というような形で数字を示しておりますが、これはあくまでもマクロ的に経済成長とか物価とか労働力需給とかの動きをもとに決められたものでございまして、具体的な賃上げの額と直接結びつくものではございません。 ただ、背景として企業収益とか労働力需給がいい方向に動いているとか、消費者物価は若干上がっているようでございますが、そういうものはございます。ただ、それが政府の立場で春闘における賃上げがどういうふうな形になるかというようなことについて予断を持たれるような発言は、賃上げについてはいろいろな状況を考えながら労使で自主的に、しかも従来から国民的な視野に立って円満にお決めになっておられることでございますので、政府の立場としてこういう時期にそういうことについて触れるということは差し控えさしていただいた方がいいんじゃないかと存じます。
○塩田委員 労政局長のお立場からしてそういった内容に立ち至っての見通しはなかなか発言がしにくい、また一つの発言が大きな波紋を各方面に呼ぶことはわかっております。 そこで、御承知のとおり同盟は、ことしの春季賃上げ交渉につきましては賃金要求は七%の名目でのアップでございます。額にいたしまして二万四千円以上という基準を示して要求をいたしております。これは実質賃金を四・五%上げるというものでございます。そして今後十年間に実質賃金を五〇%引き上げるということを努力目標にいたしまして、その最初の要求として七%、一万四千円アップを要求しておるものでございます。もちろん、この考え方について労政局長からコメントをいただくのは難しいと思いますけれども、昨年も労働組合は、これは同盟のみならず全民労協、鉄鋼、造船などを初めとする、また電機労連等の申立労連を中心にいたしまして要求をしておるわけでございますけれども、これに対しまして日経連、経営者側は生産性基準原理をもって過大な要求だ、これでは物価が上がる、こういう主たる論点での議論が行われてきておりました。 私は、これに対しまして、世界の労働界あるいは経営者から日本の経済の秘密は何か、それは高度成長をなし遂げておる原動力をよくよく見れば、日本の労使関係にある、そして賃金の節度ある決め方、国民経済との整合性を考えた上での賃金決定が行われておるということを指摘する向きが多く、これに注目しておるわけでございますが、その基本的な原理というものが経営者側において生産性基準原理というものだということになると、これは理論的に中身が間違っているということを指摘したわけです。 経営者側のその理論の主たる動機は物価を何とか鎮静したい、インフレになってはいけないということが非常に強く働いてこういった原理が生み出されたと思うのでございますが、現実に消費者物価がゼロ%ということは戦後ないわけです。多いときは十数%上がっておる。最近は鎮静いたしておりますけれども、二、三%上がっておる。来年も上がるということが見通されておるわけでございます。生産性基準原理は名目と実質を取り違えておるということを指摘をしたわけです。今回の春季の賃上げに対する経営者の態度は、かたくなに生産性基準原理に依拠しておりました従来の態度を変えまして、これを基本としつつも、支払い能力あるいは各業種、企業の実態に応じて交渉によって解決するということもかなり余地を認めて柔軟的に対処していく、これは現実的な線だと思います。 こういった議論がいろいろなされておりますけれども、要は、ないそでは振れない、賃金を高くして生活をよくしようと思っても、各企業に支払い能力がなければだめだ。国全体としてもそのような余地がなければ、ないそでは振れないのだということですね。そこで労働側も決してそういう無理は言わない。ないそでを振るのでなしに、パイを大きくして生産性をともに共同して向上をして、そしてパイを大きくしてその成果を分かち合おう、そして国民経済全体の整合性、財政も物価も支出も投資もすべてを含んで、経済の各要因、要素、ファクターの整合性の中でこの賃金というもののあり方を無理なく求めていこうという態度になっておることは御承知のとおりです。こういった労使のいろいろな主張、またその主張の推移には変化があるわけでございます。 そこでお聞きしたいと思いますのは、そういった中におきまして、過去においてはどういう主張が行われたか、とにかく決まってきた実績というものがあるわけですね。物価がどう上がり、実質成長がどうなる、そして名目賃金が毎年ベースアップでどのように行われるか、したがって実質賃金は、そして可処分所得はどうか。これは税金の問題がありますから、これはもう賃上げとともに税金、物価に対する関心というのは、各世帯、サラリーマン家庭においては非常に大きな関心事であるわけですから、大きな要素は賃金と物価と差し引かれる税金、したがって可処分所得、この実質的な購買力というところにあるわけでございます。過去につきましてはそういうデータがあるわけですから、この過去の分析はやはり労働省としては当然しておられると思う。賃金はどのような要素で決まっていくか、どのようなファクターでもって決まっていくか。しかもそれを計量的に、計量経済学が今発展しておる世の中で、定性的だけではなくして計量的に、どれくらいの要素がどれくらいのウエートで影響しておるのか、こういった分析をしておられると思うのです。そういった研究の成果につきまして御答弁をいただきたいと思います。
○有利説明員 では、お答えをいたします。 従来から、労働白書等におきまして賃金に関する分析を行っておりますが、その際に、春季賃上げの経済的背景を分析するという観点から御指摘のような計量分析を行っております。そのとき、その際には主要な要因として労働力需給、消費者物価、企業収益といったものを取り上げておりまして、そういうものと賃上げとの関係を見ておるわけでございます。先生御存じのとおり、これはあくまで過去についての分析の一つの手法であるわけでございます。 最近につきましては、労働市場のいろいろな構造的変化とかあるいは業況のばらつきとか、さらに石油ショックに伴って物価が大幅に変動するとかいったような、いわば構造的な変化が激しい状況にございます。そういうために、従来行っておりましたような形での関数式を算定する、計量的な分析を行うというのが非常に難しい状態になっておる状況でございます。賃金につきましての分析は今後とも研究していかなければいかぬと考えておる次第でございます。
○塩田委員 賃金の分析につきましては「労働経済の分析」、すなわち白書の参考資料に賃金関数の推計結果として出ておりますので、これは存じております。これを見ましてもなかなかフィットする関数がない、苦悩の状況はここに出ておるかと思います。およそ何十という関数式が、係数を含めてこれはウェートになるのでしょうが、掲げられておりまして、これという決め手になるようなものはない状況は今課長が説明されたとおりだと思います。 ただ、ここで共通しておりますのは、賃金というものが労働力の需給、失業率とか求人倍率に当たると思いますが、需給、それから消費者物価の上昇率、そしてまた企業の収益、こういったファクターに大きく依存している。そのウエートの置き方は関数の違いなりあるいは期間のとり方なり、いろいろデータの使い方によって違ってきておるということはわかるのですが、最近の労働力の需給の状況、動向はどうなっておるか、消費者物価の状況はどう推移しておるか、企業収益はどのように動いてきておるか、これを御説明いただきたいと思います。
○有利説明員 お答えいたします。 まず有効求人倍率の動きでございますが、年度の数字で申し上げますと、昭和四十八年度に一・七倍程度であったわけですが、その後オイルショックの影響を受けまして低下をしてきております。五十二年度に〇・五四倍になりまして、その後一時改善をいたしましたが、第二次オイルショックの影響を受けて再び低下をしてまいりまして、五十七年度は〇・六〇倍でございました。五十八年度は〇・六一倍という数字でございます。なお昭和五十九年度につきましては夏ごろ〇・六四倍という状況で推移をしておりましたが、最近十一月、十二月にかけまして、十一月が〇・六六倍、十二月が〇・六七倍といったような改善をしておるわけであります。 続きまして、消費者物価につきましては、第一次オイルショックの影響を受けました昭和四十九年度には二二%くらいの上昇率でございました。その後低下をしまして、五十三年度は三・四%というところまで落ちつきましたが、再び五十五年度は七・八%というふうに上昇しました。その後再び低下をしてきておりまして、五十八年度は一・九%の伸びでございます。なお、ごく最近につきましてはおおむね二%強程度の伸びで推移をしているということでございます。 最後に、利益の状況でございますが、これも同じような動きでございまして、四十八年度がなり高い水準でございました。製造業の売上高経常利益率が日銀の主要企業経営分析では五・九一%という水準でございました。その後五十年には一・〇五%というふうに低下をしまして、その後五十四年度にかけて改善をしましたが、再び五十六年度、五十七年度には低下をしております。最近ですと、五十八年度は三・七二%という水準でございました。 なお、日銀の主要企業短期経済観測によりますと、五十八年度下期の製造業の売上高経常利益率が四・二四でございました。五十九年度の見込みは四・五七というふうになっておるわけでございます。 以上でございます。
○塩田委員 雇用の情勢が悪かった状況から、低迷から脱して漸次回復に向かっておるという状況、それから消費者物価は三%を切る状況で推移しておりますが、来年度、六十年度については経済見通しでも二・八%アップという見通しでございますし、それから、今言われましたように企業利益の関係はかなり好転をしていっておる。世界経済が上向く中で日本経済も好転をしているという状況の中で、産業別には、業種別にはかなりばらつきはあると思いますけれども、全般的には好転している。 例えば鉄鋼におきましても、一億トンの大台を今年度は確保する。また輸出価格の回復、大幅利益、アメリカ、中国を中心にして増加して好調であるということも言われておりますし、また電気機械にいたしましても、VTR、OA機器、半導体を中心に好調に推移して史上空前の高収益だということも報ぜられておりますし、重電機につきましては依然として低調ではございますけれども、中には回復基調のものが大分ございます。造船等の輸送機械におきましては、造船が特に悪いようでございますが、しかし前期、前年並みで推移するだろうということも言われています。輸送機器全体といたしましては、トラック等においてはかなり輸出の好調も反映いたしまして、利益率は一五%程度の増収が図れるだろう。乗用車については、輸出が好調であればこれは前年並みに順調にいくのではないか。また、繊維等におきましては地域別に非常にアンバランスがございまして、いいところと悪いところが明暗分けておりますけれども、各薬種いろいろ事情がございますが、マクロの観点から日本の経済というものを見たときには、これが賃上げのいい環境にあるということは賃金関数のそれぞれの要素の最近の動向から見てもマクロ的には言えることであろうと思います。 今後活発に労使間において自主的な交渉が行われて決められていくと思いますが、労政局長、今後の日次的な見通し、まあ大体昨年並みという感じはするのでございますが、労働省当局はどういうふうに見ておられるか。 そして、例年と違いますのは、専売、電電公社が民営化して、民間労組として賃上げに加わっていく。しかも単組としては最大の全電通の組合が民間賃金闘争に参加するという状況が考えられますので、様子は昨年と同じではなかろうと思いますが、どのような経過を経て、どのような事態でこの賃金水準が相場として決定していくかという見通しにつきましてお伺いいたします。
○谷口(隆)政府委員 ことしの春闘が今後どのように推移するかということにつきましては、そのスケジュール等につきまして、当然のことながら組合が自主的に決められ、要求書を出されて労使の間で交渉なり話し合いが進められることでございますので、私どもがとやかく言う立場ではないわけでございますが、各労働団体等が決定され、あるいは確認されて発表されておられます内容によりますと、まあ大体例年とそう違わない形で賃金要求を三月の中旬を中心に経営側に提出される。三月末から四月第一週に先行グループが回答を得る。中核となりますグループは四月の第二週で、ここが、いろんな団体の決めて発表されておられるものを見ますと最大の山場ということで、そこに金属労協等主要な労働団体の山が来るものと思われます。その後、後続するグループとして四月第三週、第四週につながっていく、そういうそれぞれの山場を設定されまして交渉を進めていくというふうに承知をいたしております。
○塩田委員 ありがとうございました。 民間の労使の交渉が賃金の相場を決定する。その山場は四月の中旬、十日前後ぐらいじゃないかという感じがいたしますが、後続で特に公労委の関係へ持ち込まれます公共企業体あるいは今は四現業ですか、この関係につきましては、例年ですと調停に持ち込まれ、仲裁裁定という作業が行われるわけであります。また同じような事情で政府が関与して——仲裁裁定は公労委の制度ですから政府とは言いませんが、国の機関として置かれている公労委でございますが、最低賃金につきましては、労働大臣なりあるいは都道府県の労働基準局長が決定、民間におきましても、あるいは公的な公共企業体、あるいは公務員の場合は人事院勧告という制度によって決められていく。全く労使間の自主的な交渉による妥結で決まるものばかりじゃないわけでございますね。その公労委の仲裁裁定で額が示される。それはどういった要因をもとにしてどういう配慮のもとに計算が行われて裁定が行われているか。 これはことしのことを聞くのは、先ほどもお話しのとおりですから言えないと思いますので、今まではどうであったかということについてお伺いいたしまして、最低賃金につきましてもどのように決めていっておられるかということをお伺いいたします。
○谷口(隆)政府委員 公共企業体等の賃金紛争に関します仲裁裁定でございますが、ただいま先生も言われましたとおり、行政委員会であります公共企業体等労働委員会がその責任と権限で決められることでございまして、私どもがとやかく言う立場ではございませんが、その公労委が示されております決定の方式によりますと、まず一つは、賃金構造基本統計調査等を用いまして、性、学歴、年齢によるラスパイレス方式によって、公共企業体等と民間の規模百人以上の全産業との賃金水準の比較を行いまして、あわせて人事院資料による国家公務員の給与水準との比較を行います。その上で、二番目に民間のその年の春季賃上げ動向を基礎といたしまして、公益委員が当事者の意見を聞き、労使委員との話し合いを踏まえて総合判断の上解決案を作成するという方式であるというふうに承知をいたしております。 なお、昨年の春以降に決まりました新賃金に関する仲裁裁定が出されましたときに、仲裁委員長談話というものが発表されましたけれども、その談話によりますと、委員会としては、長年にわたり定着している民間賃金準拠を基本に、公共企業体等の職員の賃金を決定する際考慮すべき重要な事情である物価の動向、国家公務員給与との関係、賃金水準の比較の手法、今期の民間における賃金引き上げ状況、これには中小企業の引き上げの動向も配慮したというふうに言っておられますが、その民間における賃金引き上げ状況、それから、企業体の経営状況によって賃金に格差を設けることなどの可否、こういうものに検討を加えまして、これらを総合的に勘案して裁定を行ったというふうにされております。
○寺園政府委員 最低賃金、なかんずく地域別最低賃金の改定について申し上げたいと存じます。 最低賃金は、最低賃金法によりまして「労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金支払能力を考慮して定める」ことになっております。なかんずく、類似の労働者の賃金の動向を一番重視をして今まで決めてきております。 そういう観点からいたしまして、春闘と申しますか、春の賃上げが中小の労働者にも及んだという時点をとらまえて従来諮問をいたしております。従来の時期で申しますと、大体五月の連休明けのころから、各地方の基準局長が地方の審議会に諮問をするということになっております。その後、参考人の意見あるいは賃金実態調査に基づく審議が行われまして、諮問に対する答申はおおむね従来のペースですと九月ごろから出てくる、その時点で決定をするということでございますので、実際に効力が発生いたしますのは、多くの県では十月ということになろうかと思います。 なお、その間、中央におきましては、地方の最低賃金の決定をいたします場合の参考として目安を示すことになっておりますが、この目安につきましても、従来は、五月の中旬ごろに諮問をいたしまして、七月末ごろに答申をいただくという経過でございます。 ことしの春の賃上げの動向いかんにかかわるわけでございますけれども、従来と同じようなパターンでことしの春季の賃上げが進むならば、最低賃金につきましてもおおむね従来と同じような形で進んでいくのではないかというふうに思っております。
○塩田委員 最低賃金、特に地域の最低賃金の決まり方でございますが、目安を示されるということはわかるのですが、地方の審議会の答申に基づいて最終的に決めていかれますね。その場合に、国全体から見て余りにも低過ぎる、あるいはまた、全体から見て芳しくないような状況が出た場合、どういう是正措置をされるか。明らかにおかしいじゃないかと思われるような、先進県であるのに余りにも低い最賃が決められていることを見るのですが、ただ、手続的には審議会の議を経て答申を得て決めているということですけれども、どうも中央で全体的な中小零細企業等を勘案しながら、しかし底上げをする非常に重要な低所得の労働者の支えになっている最低賃金制度でございますから、是正なり勧告あるいは指導といったことが行われるのか、あるいは行われたことがあるかどうか、行われ得るか、あったかということをお伺いいたします。
○寺園政府委員 現在とっております目安制度は、それまでの地域最賃の決定の状況にかんがみまして、やはり一定の全国的な整合世を図る必要があるだろうという観点から目安制度が導入され、現在、その目安制度のもとに運用されておるわけでございますが、中央から示します目安というのは、地方の最低賃金審議会におきまして審議をいたします場合の一つの参考になるものでございます。 最低賃金はその地域の賃金の実態に即して決められるべきものだというふうに考えておりますので、各地方で、各地域の中小企業の賃金実態を調べ、それを中心に地方の審議会で御議論をいただいておるというのが現状でございます。公労使三者構成の審議会の中で十分御議論をいただいたその結果をいただいて決定をするということでございますが、現に中央が示します目安の額とは異なる額を決定をしておるという例もございます。
○塩田委員 この問題につきましては、具体的な問題をまたひとつ今後持ち出しましていろいろ御議論をいただきたいと思います。 そこで労働大臣、三点ほどこの問題につきましてお伺いいたしたいと思います。 まず、賃金につきましては、サラリーマン、働く人々の最も大きな関心事であるということは申し上げたとおりでございます。それとともに、働く時間、これは雇用の、まあワークシェアリングという考え方もございますけれども、やはりゆとりのあるこれからの労働者生活というものの中から、労働時間の短縮、しかも、世界的な傾向として、日本の場合はかなりおくれておるという面もございますし、国際経済摩擦の原因にもなっておる、また、なりかねない問題でございますので、ぜひともその方向で努力をしていただきたいし、またその一環として、大臣が言っておられます花と緑と家族の連休ですか、大型連休、これは労働大臣、ひとつ不退転の決意で臨んでいただきたいと思いますが、これについての御所見をお伺いしたいと思います。これが第一点。 それから、勤労者の最大の関心事の一つはやはり所得税、これが毎年重圧を感じてきておる中で、野党はそろって所得税の減税要求をいたしておりますが、これは大蔵大臣が先頭を切って主張するわけはない、やはり労働大臣が働く者の立場に立って、労働行政を進める最高責任者として強く主張していただきたい問題だと思います。これについての決意のほどをお伺いいたしたいと思います。 また労働時間の短縮につきましては、実施段階ではいろいろ配慮すべき、特に、中小企業に対しての影響をどのように緩和していくかということを、これは最低賃金制度ができてくる段階で、中小企業がそんな全国一律の最低賃金はできないということで業者間協定から始まってやっていった経緯がございますように、中小企業対策としては十分の配慮を制度の中でも考えていただきたい問題でございますが、しかし、といって、世界的な潮流ですから、大胆にこれに踏み込んでいただきたい、このように思うわけです。お答えいただきます。
○山口国務大臣 ゴールデンウイークの連続休暇の法制化につきましては、太陽と緑の日、こういうことで同盟等労働四団体からも強い要請があるわけでございます。今まで日本人はややもすると働き過ぎ、こういう傾向で、その成果によって今日の日本経済というものが存在しているわけでございますが、そういう意味で労働摩擦の問題、特に諸外国の失業が二けた台で張りつけられておるような状況でございますので、いろいろな労働摩擦の問題もございます。国内的には高齢化社会、技術革新におけるME化、OA化の問題ということを考えますと、いろいろな機会を通じての労働時間あるいは労働条件の改善、そしてまた一番そのしわ寄せが来ると思われる中小企業、零細企業の一つの安定、さらには日本の若い人たちにも伝統的な勤勉性を持続する、こういう要素にもつなげていかなければならない。こういうことから国民の意識が、経営者側のみならず労働側の方からも残業の問題とかあるいは生活給の問題等も含めましてまだコンセンサスが一朝一夕にはつくれないような状況もございます。そういう意味で、私は労働団体から強く要請されておりますゴールデンウイークの問題をとらえて、一つの連続休暇を通じて労働条件の改善、福祉の向上につなげたい、こういうことでございますので、今行政指導を進めておるわけでございます。 祝日法案、休日法案にする問題につきましては、いろいろな諸般の事情がございますので、いきなり政府提案というわけにもいきませんものですから、各党間で御協議をいただいて、議員立法でそういう国民的な要求に風穴があけられれば大変よろしいことではないかというふうに考えております。 それから減税の問題は、ことしの政府の見通しでも内需喚起を中心に四・六%の成長ですか、期待しているわけでございますし、百八十兆円規模が個人消費、こういうことでございますから、やはり減税政策というのは政府の非常に大きな責任だと思うんですね。ただ、御承知のとおりの厳しい財政事情、また役所等においてはゼロシーリング、マイナスシーリングということが三年越しに続いているわけでございますから、予算委員会等で総理が何回も答弁しておりますように、減税ができ得る税制改革という問題を真剣に検討する時期に来ているのではないか。そういう制度を乗り越えませんと思い切った減税政策が推進できないのではないか。 労働省としては、単身赴任減税の問題とか、あるいは先国会におきましてはこうした社労委を中心としてパート減税の問題も取り上げられたわけでございますが、塩田先生御指摘のように、閣内においては労働省及び労働大臣がそうした勤労者の生活、福祉や経済面の立場からいろいろな環境状況、今御質疑、やりとりがあったような問題を含めて、あらゆる機会を通じて閣議の中で発言をする責任を私どもは背負わされているというふうに考えておりますし、そういう立場からも、単身赴任の問題等におきましても、ここで断念するということではなくて、六十一年度の予算にこれを継続しておるという点も含めて今後とも努力をしたい、かように考えております。
○塩田委員 前向きの御答弁をいただきましてありがとうございました。ぜひともよろしくお願いします。 大臣、予算委員会に呼ばれておられるようですから、最後にもう一問だけお伺いします。 行政改革を中曽根内閣の政策の大きな柱として挙げておられるわけですが、我々はこれに協調して、これを推進する立場にあるわけです。そこで、公共企業体等の労働関係を扱う公労委の関係、これが大きな組合の全電通あるいは全専売が民間に移行しますので、中労委と公労委——現在、公労委の委員が十七名、中労委が二十七名、計四十四名の委員で、委員は大体局長クラスあるいはそれ以上の国会承認人事でありますから、大きな世帯だと思うのです。アメリカ等は、一本化された労働関係調停庁といいますか本部といいますか、ボードとなっておったり、サービスとなっておりますが、そういった機関なんですね。民間が大きくなり、そして公共企業体の関係が小さくなってきますから、行革の立場から中労委と公労委を一体化して一元的に扱う、官民ともに一体化して扱うような労働調停庁的なものにまとめてしまう。外周を二つも置かないで一本化してしまうということを含めて、ひとつ御検討をいただきたいということをまず要望しておきます。 それから男女雇用機会均等法の関係でございますが、これは参議院で現在検討中ですが、日時が迫っておりますね。女子差別撤廃条約の批准の期限がありますから、これに向けて、国際的な信用の問題ですから、参議院も含めてピッチを上げて精力的にやっていただきたい。修正すべきところがあれば修正もして、我々は修正次第によっては賛成するという立場で党としては今検討しておるところでございますから、ひとつよろしく促進をしていただきたいということをお願い申し上げます。 それから、労働外交の面で我が国の労働事情を説明してもらえるのは結構なんですが、特に外国の事情をもっととる必要があるのじゃないか。特に共産圏、ソ連を初め中国、特に中国は経済関係が非常に活発になってきまして合弁事業も行きますから、労働事情がわからぬというのはおかしいと思うのですね。やはりレーバーアタッシェを北京に置くなりあるいはモスクワに置くなりする。それと同時に、労働省において共産圏、ソ連あるいは中国の労働事情を調査する機構、体制を整備していただく必要があると思うのです。今非常にウイークだと私は思うのです。これはぜひともよろしくお願いをいたしたいと思います。 もし何かございましたら御答弁いただきまして、終わります。
○山口国務大臣 中国等のレーバーアタッシェの問題につきましては、事務当局に確認いたしましたところ、ことしも要求したようでございますが、来年にかけましてこれはぜひ実現をしたいと考えております。特に中国も職業訓練の問題でございますとか、日本の労働省や労使関係の中で培ったノーハウをぜひ取り上げたい、こういう決意でもおるようでございますし、いろいろな意味で日中の労働交流というものも必要だというふうに考えます。 また、男女雇用機会均等法の問題につきましては、せっかく衆議院の社労委の先生方の御論議の中で参議院に御送付いただいたわけでございますから、国際婦人年の最終年に当たるこの七月までに何としても批准をしたい。そのために参議院段階における御審議、政党間における衆参の交流の中でいろいろまた御助言なり御鞭撻もいただければ大変ありがたいと思います。 また、例の公労委、中労委の再編の問題につきましては、当然のことでございますので、よく研究して国民のニーズにこたえるべく努力をしたい、かように考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
○塩田委員 ありがとうございました。
○戸井田委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私はきょうは労働時間短縮の問題を中心にしてお尋ねしたいと思います。 大臣も労働時間短縮の重要性については、その重要性、緊急性に触れられております。今日まで労働省はその立場から、六十年、つまりことし二千時間を達成して国際水準に近づけるということを目標にして努力をしてこられたわけであります。 現在、その結果がどうなっているか、今実労働時間が一番注目を浴びておりますので、この実労働時間でここ数年の推移をお示し願いたいと思います。
○高橋説明員 昭和五十五年に策定されました週休二日制等推進計画に基づきまして労働時間短縮を推進してきたところでございまして、その対策の柱といたしましては、所定内労働時間の短縮のために週休二日制等の普及促進を図るとか、あるいは過長な所定外労働時間の改善を図るとか、あるいは年次有給休暇の促進を図るというような施策を講じてきたところでございます。 ここ数年の総実労働時間について申し上げますと、まず所定内労働時間につきましては……(小沢(和)委員「いや、総実労働時間でいいですよ」と呼ぶ)では、総実労働時間について申し上げますと、五十五年の二千百八時間に対しまして、五十六年が二千百一時間、五十七年が二千九十六時間、五十八年が二千九十八時間、五十九年が二千百十六時間ということになっております。
○小沢(和)委員 今言われた数字でも、五十八年、九年とふえておるということがはっきりしております。 私は、五十八年二月の当委員会で、労働省の現在の行政指導のやり方では時短は結局時短にならないだろうということをそのときから指摘をしたわけであります。ところが、そのとき時の労働基準局長だったと思いますが、時短は「全体として見れば着実に進んでいる」というふうに当時言われたわけでありますけれども、私は、この結果はおよそ二千時間にほど遠いというだけでなく、惨たんたる結果になっておるというふうにしか言いようがないのじゃないかと思いますが、これでも着実な成果があっているというふうに評価をされるのか、それともこれではだめでしたとあなた方も率直に認められるのか、この点はどうでしょうか。
○高橋説明員 先ほどは総実労働時間について申し上げましたが、それを所定内労働時間と所定外労働時間に分けて見ました場合に、所定内労働時間につきましては週休二日制の促進等によりまして、わずかではございますけれども、毎年着実に減少している。他方、所定外労働時間につきましては、我が国特有の終身雇用制というものがございますので、欧米のように景気の動向に従ってレイオフ等を行うよりも、むしろ所定外労働時間をもって調節するというようなことから、近年景気の回復とともに所定外労働時間がふえておりますために、結果として総実労働時間が五十八、五十九年とふえておるわけであります。 なお、五十九年につきましてはうるう年でございますので、所定内労働時間がその関係で延びている、そういう事情もございますので、御了解いただきたいと思います。
○小沢(和)委員 六十年に二千時間を達成するということをあなた方が言っているわけですよ。もう私たちはそれでも足りないというふうに当時から言っているわけですけれどもね。そのあなた方が提出した目標から見たって、これはもう全く話にならない結果なんじゃないんですか。もうはっきりそう一言認めたらどうですか。
○高橋説明員 労働時間の短縮の問題は、労働生産性の向上の成果の配分という観点から労使が話し合って進めていくべきものでございまして、私どもはその労使の自主的な話し合いを推進するために、いろいろと広報活動を行うとか、機運の醸成を図る等環境の整備を図っているところでございますが、現実の問題としては、六十年の二千時間という目標の達成につきましては非常に厳しい状況にあるところでございます。
○小沢(和)委員 あなた方が進んだと言いたいのは、その所定内労働時間とかあるいは週休二日制がわずかだけれども上向きじゃないかというようなことを根拠にして言っておられるんだと思うのですけれども、それは私は、言ってみれば形だと思うのですよ。本当の中身というのは実労働時間だと思うのですね。この実労働時間の方が、残業がどんどん延びているということによってずっと延びていっているということになれば、私はこれは実際的にはもう惨たんたる結果だというふうに言わざるを得ないと思うのです。 その五十八年二月の当委員会で、ちょうどその直前に、残業の野放しはいかぬというので、あなた方が一カ月五十時間、三カ月百五十時間という目安を出したその直後でしたから、私は、そういう目安を本当に実効あるものにさせるためには、労基署に三六協定を持ってきたら、これが百五十時間を超えているというようなことになったら突っ返すぐらいの指導をしますかというように尋ねたら、いや、そういうことは行政指導ではできないと言ったわけですね。だから、そのようなことでできないというようなことだったらこうしかなりませんよと、そのとき私言ったのですよ。まさにそういうふうな、私が指摘したとおりのことに、この残業の時間の結果というのはなっておるんじゃないですか。
○高橋説明員 時間外労働につきましては、一応指針を示しまして、それに基づいて指導を行ってきたところでございますが、先ほども申し上げましたように、時間外労働につきましては、我が国のやはり特別な雇用慣行というものがございますので、そういう特別な雇用慣行に影響されて近年は延びているというような実情があるわけでございますが、今後とも強力な行政指導を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 あなたは、さっきから終身雇用であるとか、我が国の特別な雇用慣行であるとか言っておられる。つまり、不況のときでも首を切らないかわりに、好況のときには残業でカバーをする、これを指しているんだと思うのですけれども、実際にそういうふうになっておりますか。 あなた方の方からいただいた資料を見ても、ずっと五十一年ごろから以後の数字を見たら、全体としては延びぎみに推移をして、大体高原状態でずっと残業の実績というのは出ておりますよ。景気が悪かったときにはぐっと残業が落ち込んで、そして景気がよくなったら残業がぐっとふえるというような、そんな変動していないでしょうが。ややそういうような波動はあるかなというぐらいですよ。 結局のところ、企業の方にしてみれば残業手当を少々払ってでも目いっぱい残業で働かせた方が安上がりにつくということで、景気がよかろうと悪かろうと最低の人数に抑えて、そしてできるだけ残業をさせてということで仕事をやらせようというのが今の企業の方向なんでしょう。だから、それをあなた方がそういうふうにかばい立てをする限り、これは絶対よくなりませんよ。だから、その立場をあなた方がはっきり捨てなければだめなんじゃないですか。
○高橋説明員 先ほどから申し上げておりますように、景気の動向に従いまして所定外労働時間は大きく変動しているところでございまして、私どもの推計によりますと、過去の平均ですと年間五十時間ぐらいの幅をもって変動しているという実情があるわけでございます。
○小沢(和)委員 そんなのは全然答弁になっておりませんね。次官、盛んにうなずいておられるけれども、あなた御自身はどうお思いになりますか。
○浜野政府委員 今、小沢先生の御意見を聞きまして、労働の時間帯の一番大事なことは実労働時間である、まことにごもっともと思います。今御指摘ありましたような点については、労働省のこれからの姿勢として公正に厳密に選択してまいります。ただ、労働賃金そのもののあり方は即労働時間になりますが、これは先生御存じのようにあくまで企業内の話し合いの問題になりますので、まとめ方については率直にこれからも行政指導の立場あるいは考え方で頑張っていきたいと思います。実労働時間についてなお一層の関心と注意を払っていきたい、これが私の発言でございます。
○小沢(和)委員 私は、残業という点では特に大型貨物のトラックの運転手の人たちの時間外労働がむちゃくちゃだという点で、これは何としても緊急に措置をとってもらいたいと思っているのです。 聞くまでもないかもしれませんけれども、業種別に見て、トラックの運転手というのは特別、労働時間という点では悪いのじゃないですか。そして、ここ何年かをとってみた場合に、時間外というのが相当大幅に伸びていやしませんか。どうですか。
○高橋説明員 業種別に見ました場合に、トラック運送業における労働時間がほかの産業に比べてかなり長いという実態はございます。
○小沢(和)委員 あなたの手元に資料がないかもしれないから私が一つだけ数字を言いますと、七五年から八三年までの間に二百四時間も伸びているのですよ。そして去年現在二千六百二十二時間になっている。ところが、全ト協の資料を見ると三千百五十四時間という数字もあるのですよ。これは特に大型トラックの運転手というふうに限定をしてみた場合の話のようでございますけれども。だから、さっき言われたように、全体としては二千百時間くらいとか言っているのから見たら一千時間から多いわけですね。これは本当にむちゃくちゃじゃないかと思うのです。 こういうようなトラック関係については、あなた方は三カ月百五十時間という規制ではとても手に負えないと見たのかどうか知らぬが、別に二七通達というもので指導をしていると言われるわけですけれども、この二七通達も、こういう結果を見ればほとんど効果を上げておらない。二七通達が出てから以後でもずっとふえているわけですからね。そういうふうに見ざるを得ませんけれども、この二七通達による指導の結果はあなた方どうごらんになりますか。
○菊地説明員 二七通達はトラック、ハイタク等、自動車運転者の拘束時間の外枠で規制をしているところでございますが、違背率について推移を見てまいりますと、五十四年に指導基準を出して以降、逐次ではありますが、違背率が減少しておる状況がうかがえます。
○小沢(和)委員 減少しているとかいうけれども、それでも最近私が見た資料では七割ぐらいの違背率だったのじゃないですか。減少してどのぐらいになっているのですか。
○菊地説明員 手元に数字を持ち合わせていなくて恐縮なんですが、違背率は五〇%台に減ってきていると承知しております。
○小沢(和)委員 私の記憶では七割ぐらいだったと思いますけれどもね。五割でもこれは相当高いでしょう。私は、こういう長距離を走る大型トラックの運転手の非人間的な長時間労働が直ちに死亡災害、悲惨な交通災害に直結をしているという点でもこれは特別放置することができないと思うのです。 この間、私のところに陳情に見えた方がくれた資料を見ておったら、八四年の八月十一日というからちょうどお盆の直前ですね、姫路バイパスで半沢拓周さんという方が事故を起こして、帰省をする車にぶつかって炎上して、その家族の万三人か四人がみんな焼け死ぬというような悲惨な事故が起こった。この半沢さんという方は、八十六時間拘束されておったあげくの事故だったというふうになっているのです。しかも私が本当に同情にたえないのは、裁判所では本人が体調やらについて考えて走るべきだといって、この人は禁錮刑を打たれているのです。私は、これは本当に社会的な公平という点で見ても余りにもひどいのじゃないかと思うのですけれども、こういうような事故をなくしていくためにも、少なくともトラック運転手のこのむちゃくちゃな長時間の労働については直ちに改善させるような手だてを考えなきゃいかぬのじゃないかと思うのですね。その点について労働省と、それから運輸省の方もお見えになっていると思いますので、両方から一言ずつ端的に考え方を言ってください。
○菊地説明員 基準局といたしましては、毎年行政運営方針を策定して各年度ごとの重点行政を定めておりますが、六十年におきましても自動車運転手の労働時間管理につきましては最重点として強力に行政指導をするつもりでおります。
○植村説明員 トラック運送事業に従事なさっている方々の労働時間等の労働条件につきましては、トラック運送事業の健全な発展を図るという見地から、また交通安全の確保という見地から私ども運輸省にとりましても重大な関心がございまして、いわゆる二七通達の遵守につき労働省との間に相互通報制度を設ける等して、その徹底を期すように私どもとしても努力しているところでございます。
○小沢(和)委員 今のお話からするというと、私は特別変化が期待できないのじゃないかと思うのですよ。 そこで次官に——今のこういう状態を放置したら本当に大変だと思うのですよ。私が新聞を注意して読んでおったら、東名高速とかあるいは名神高速などでは、夜更けになると、運転手が明らかに半分寝た状態で運転していることがわかるように蛇行して、追い抜かれそうになると慌てて左に寄るというようなトラックが何ぼでも走っているというのですよ。本当にいつどういう事故が起こるか知れないという状況が、ああいう日本の大動脈でしょっちゅうある。本当にこういう状況を、最重点にしてというふうに今おっしゃってはいただいたけれども、私はその程度のことでこういう深刻な事態はなくならないと思うのです。だから、労働省としても、運輸省などと早速この問題については緊急の最重点の問題として検討して、緊急対策を考えていただくくらいのことをしてほしいのですよ。次官、どうですか。
○浜野政府委員 御指摘のとおりだと思います。そこで、労働省としては労働省の立場で実態をよく見て対処したい。それから道路条件その他、これは建設省その他とも十分関連あると思います。しかも道路のあり方と自動車の走る時間帯の形を見ますと、あるところでは四十キロで走れますが、走れないところもあります。そういう意味で、先生御指摘のとおり、労働省としてもこういう事故のないようにできるだけの早急なる話し合いをしまして、具体的に検討します。 それからなお建設省その他等もありますが、そういう場合もひとつ御理解、御協力をお願いしたいと思います。
○小沢(和)委員 先ほど時間短縮のための手法としては残業の規制のほかに週休二日制、それから年休と幾つか重点的に指導していると言われました。私は、きょうは時間もないから残業の問題だけを特にこういうふうに申し上げたわけですけれども、今までのやり方で本当に実効がなかったのだという反省の上に立たなければ、私は、新たに「労働時間短縮の展望と指針」というようなものをおつくりになっても、また何年かたつと同じ議論をしなければいかぬということになるんじゃないかと思うのです。本当にこの新しい「展望と指針」では、今私が申し上げたような反省の上に立った抜本的な手を考えておられるのでしょうか。
○高橋説明員 今後の新しい労働時間対策の進め方につきましては、現在中央労働基準審議会の労働時間部会におきまして御検討いただいているところでございます。そこにおける議論の中で、「展望と指針」の内容を考えていく場合には、現在の計画が定められてからこれまでの経緯等についても十分に踏まえて検討をすることになっておりますので、審議会における審議の状況等を参考に「展望と指針」を充実したものにしてまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 行政指導というのは、あなた方に法律上の権限の裏づけがないから、結局のところ相手がやらないと言ったらどうにもならないというわけでしょう。そうだとすれば、もう法制化という問題に真剣に取り組まなければならない段階に来ているということでもあるのじゃないかと思うのです。特に我が国のように労働組合の組織率が低い、そしてその組織も企業内組合が圧倒的だということになりますと、仮にそこの労使の間で話し合いによって労働時間の短縮などで合意ができても、それが社会的な広がりをほとんど持たない、その企業の中で終わってしまう。だから、特別我が国の場合には法制化ということによって労働時間の短縮を進めていかないと進んでいかないのじゃないかと私は考えるのですけれども、この点はいかがですか。
○菊地説明員 労働時間の法制化の関連ですが、御承知かと思いますが、労働基準法が制定されて三十七年を経過しております。いろんな意見が労働基準法をめぐって出ておりますが、五十七年五月以来、労働基準法研究会におきまして調査研究をお願いしておりまして、昨年の夏中間報告をいただいたところでございます。ことしの夏最終報告をいただくべく現在当研究会において関係労使の団体等の意見を聞いて、最終報告に向けて詰めを行っている状況でございます。労働省といたしましては、その報告を得まして労働基準法の改正を含めて所要の施策を検討してまいりたい、かように考えている次第であります。
○小沢(和)委員 労基研の中間報告でも労働時間の短縮などについては法制化ということをやはり言っているから、私は、この時短についてはとにかく法制化という手段が必要だという認識にはあなた方も立ってきたんだろうとは思うのです。しかし、労基研が打ち出した週四十五時間、そして一日九時間というのは、これはもう先進工業国としては恥ずかしくて、外国に行って、我が国としてはこれからこういう時間短縮をやろうと思っているんですなんというようなことは、これは言えるような中身じゃないのじゃないかと思うのです。 ところが、私、きょう問題にしたいと思うのは、この四十五時間というものでも、これは結構意味があるんだと思わせるような資料が、あなた方の出しておられるこの中間報告の資料、これは労働省の側が出しているわけでしょう、この中間報告の資料は。そうじゃないかと思うのですけれども、これを見ると、故意に、最近の労働時間短縮についての実態を反映しないような資料がここで出されているのじゃないかと思われるのですが、いかがですか。
○菊地説明員 中間報告の報告文書は研究会が取りまとめたものでございますが、その参考資料として、数字を指していらっしゃるんだとすれば、その数字は労働省が参考までに研究会に提出したものでございます。
○小沢(和)委員 いや、そうだろうと思うから問題にしているわけです。この中の七に「諸外国における法定労働時間の推移」というのがあって、これは八二年までの水準が反映されているということになっております。 ところが、私が調べてみたところでは、例えばここでオーストリアが四十二時間とか、ベルギーが四十五時間とか、四十時間を超えるものも結構いろいろあるじゃないかということになっているけれども、これはその後の法制がみんな各国ごとに変化して、実際にはほとんどが四十時間かそれ以下ということになっているでしょう。何で、ごく最近の資料ですと言って、八二年現在ですと言って、こういうような資料を出したのですか。
○菊地説明員 各国の調査の時点を新しい段階でそろえるという観点もありまして、その段階では八二年ということになっておりますが、研究会の現在の議論を聞いておりますと、研究会自体も近く海外で実態をよく調査してみたいということもありますし、その後入っておりますデータにつきましても我々事務的には研究会に提出しているところでございます。いずれにしろ最終報告の中でその時点での最新のものが参考資料とされると私は考えております。
○小沢(和)委員 ところが、こんなものは、外国に出ていかなくても、それこそその国に大使館も置いてあるんでしょうから、照会をちょっとしただけでも、労働時間の法制が何時間がくらいのことはすぐわかるでしょうが。 しかも、私が非常に作為的だと言うのは、四十時間を超えている部分についてはみんな過去の話になっているのですよ。私が調べてみたら、オーストリアは七五年に四十時間になっている。ルクセンブルクも七五年に四十時間、ベルギーは七八年に四十時間、スイスは七五年に四十五時間でしょう。スペインは八三年に四十時間、これは八二年現在だから反映しなかったといえばそうかもしれませんがね。アイルランドが四十時間を今審議中でしょう。西ドイツ、イタリー、オランダは四十八時間ということにここに掲げられている。確かにそれはそうなんだけれども、しかし、これは協定で週四十時間以下にほとんどの労働者がなっている。西ドイツなどではこの間三十八・五時間になったということは、新聞であれだけ宣伝されたとおりですよ。 結局そうやって見てみるというと、主要工業国ということであなた方がピックアップしたのだろうと思う十九カ国の中で、実質的に四十八時間だという国は日本しかないのですよ。そうでしょう。日本が飛び抜けてそういう意味でおくれているのに、こういうような資料を出して、四十五時間という法改正をしても何か意味があるかのような資料になっておる。これは作為的にやったんじゃないですか。今言ったように、問い合わせをすればだれだってすぐわかるのですからね。
○菊地説明員 決して作為的ではありませんで、役所はいつもそうなんですが、その時点での得られた最新の情報と、それから比較になじむという観点で時点をそろえるというようなことでやっているわけでございまして、御指摘のような新しいデータにつきましては逐次研究会に提出しているところでございます。
○小沢(和)委員 状況証拠としては、私はこれは極めて作為的だと言っておきますよ。 それで、私に言わせれば、所定内の労働時間の推移だけ出しているというのも、労働時間が、あと残業とか年休とかいろいろな要素から成り立っているという点から見たら、これも作為的だと思うのですよ。実際、残業の規制の比較などというのも調べてみると、国際的な水準はどうですか。先進国はみんな一日二、三時間、月十ないし二十時間、年百ないし二百時間、これがきっちり規制をされておって、これを入れても年間二千時間までにほぼおさまる範囲で総実労働時間が規制されるような仕組みにちゃんとなっておるでしょう。あなた方が残業の問題についてでもちょっと調べたら、よそではそういうことになっておるということだってすぐわかるはずなんです。 年休にしたってそうですよ。私もびっくりしたけれども、百二十八カ国の調べた数字が出ていましたけれども、最低はフィリピンの五日間ですね。いわゆる最初の年にとれる最低の年休ですよ、今私の言っているのは。ところが、日本は六日でしょう。六日というのは六つしかないのです。そうすると、日本はどう見たって、百二十八カ国の中でしりの方から一番ひいき目に見ても七番目。こういう惨たんたる労働条件の中に置かれておるということなんですね。 だから、私、労働省の方に提案をしたいのですけれども、労基研にこういう最新の国際的な比較、しれは取り寄せようと思ったらすぐ取り寄せられます。私が今しゃべっているのはどこからニュースが入ったかといったら、国会図書館がこういうものを出しているでしょう、「レファレンス」、この中にみんな載っているのですから。国会図書館がわかって、あなた方の方がもっと膨大な金と時間をかけられる立場でしょう、あなた方の方がわからないことはないでしょう。だから、すぐそういう最新のニュースを提供して、そういう最新の状況に基づいた今の社会的な世界的な水準におくれないような法制の提案を出させるようにしなさいよ。どうですか。
○菊地説明員 これまでもできるだけ正確に最新にということでやってまいりましたし、今後も御指摘の点を踏まえてそのように努めたいと思います。
○小沢(和)委員 では、労働時間短縮の問題についてはこれぐらいで終わりまして、次に、定年制の問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。 定年制については、先ほどからも議論があっておりますように、六十年一般化ということで今まで努力をしてきていただいた。私も、高齢化社会を迎えてこれは極めて緊急な問題だと思うのですけれども、現在、さっきのお話からすると、五千人以上の規模のところでは、既に実施したか、これから実施すると決めたかの企業が九割以上に達しておるというふうに伺いましたけれども、間違いありませんか。
○加藤(孝)政府委員 五千人以上については九三%という数字になっております。
○小沢(和)委員 そうすると、あと残りはわずか七%なんですけれども、何しろ五千人を超えるような大企業というのは、私は、社会的には非常に影響力の大きい企業だと思うのですよ。だから、こういうような大企業については、まず、いわば戦略附な立場からも、どうしても六十年度中にやらせる、一〇〇%ここぐらいはやらせるということで頑張っていただきたいと思うわけです。 そういう立場から私が特にきょう指摘したいと思いますのは、私は御存じのとおり福岡二区の出身でありますけれども、この地元に福岡銀行という五千人を超える大銀行があるのですよ。ところが、ここが定年制を五十五歳のままで放置している。だから、このために、私も幾つかのところから陳情を受けているのですけれども、自分の地元の銀行でも、自分の所属している銀行でもこの六十歳定年をやりたい、しかし、九州の地場の最大の銀行である福岡銀行がやらないのにうちが出しゃばってやるわけにはいかないというようなことで、経営者がうんと言わない、そういう話を聞いたのです。調べてみたら、なるほど九州各県、たしか大分だけがやるようになりましたかね、それ以外の地銀やらが今のところ全くやってないのですよ。だから、金融関係全体としても、私は、九州は非常におくれているんじゃないかと思うのです。 そうすると、この福銀に、そういうような今の五十五歳のままにしているという状態をはっきり踏み切って六十歳にさせるかどうかというのが、あの地域全体の相当な数の定年制を延長することができるかどうかのかなめになるのじゃないかと思うのですね。そういう立場から、私、個別の名前を出したわけですけれども、この福銀に対してどのような指導を今日までしてこられたか、その点をお尋ねします。
○加藤(孝)政府委員 定年延長を進めるに当たりましての私どもの基本的な戦略の一つといたしまして、できるだけ影響力の大きなところからまずしていただく、それからまた地域的にもそういういわば指導的な立場にある企業などにお願いをするというような観点から、一つには中央レベルにおきましては、やはり銀行というのは大きな他の業界への影響力もあるわけでございまして、五十五年には都市銀行関係の定年延長問題を集中的にお願いをしてまいりました。さらにまた五十六年には、地銀関係につきましても集中的にお願いをしてきたというような経過がございます。 現在、最後の追い込みということでやっておりますのは、それぞれの地域において指導的な役割を担っておられるような企業というようなことで、特にこれまでは三百人以上、さらにことしは百人以上というようなところについて、そういうきめ細かな指導をしておるということでございます。 そういう意味におきまして、今先生御指摘の福岡銀行が、そういう意味において非常にいわばリーディングケースになるような企業であるという点については、私も全く同感でございまして、そういう意味においては、実はもう五十六年以来中央レベルにおきましても、あるいはまた福岡県労働部を中心といたしまして労働部長を先頭にいろいろ指導し、お願いをしてきておる、こういう経過はあるわけでございます。 ただ、五千人以上のところでもなお九三%まで六十歳定年というものに踏み切った、あるいはまた近くするということになっておりますが、まだ七%残っておるというのは、やはりそれなりにいろいろ問題を抱えておられるという事情はあるわけでございます。 そういう意味では、福岡銀行のケースについて申し上げれば、六十歳定年に持っていくという方針、方向については十分経営側も理解を持ち、またそのための努力もしなければならぬということはよく理解しておられるのですが、問題は、そのためにはさらに賃金体系の問題あるいはまた退職金制度の見直しというような問題が乗り越えなければならぬ一つの大きな問題というようなことで、その問題をいろいろ見直しをし、今後定年延長をしても、それによって企業が大きな経済的な影響を受けないような形でスムーズに移行できるようにするのに、なおそのための準備時間が要るというようなことで、なお若干の時間が欲しい、こんなような形になっておるわけでございます。 しかし、私どもとしては、できる限りこれを早めていくという面で指導をしていくことは当然でございまして、そういう意味では、最近におきましても、福岡県の労働部長なり安定課長なりが一緒に使用者側に対していろいろ行政指導というか要請を行っておる、こんなような状況にあるわけでございます。
○小沢(和)委員 今、福銀が抱えている六十歳に踏み切りきらない障害という点で、賃金体系の検討ということがあるというようなお話をされましたけれども、賃金体系の検討というぐらいのことだったら、何年も前から着手すれば、もう六十年に六十歳を一般化したいというあなた方の方針は前々から言われているわけですし、何遍も指導したということは私も知ってるんですよ。だから、そういうようなことは理由にならないんじゃないかと思うのですね。 そこで大臣、あなたに申し上げたいのですよ。この五千人を超えるような大企業については、少なくともことしじゅうに一〇〇%六十歳定年制を実現させるように、それが今九三%で、あと七%だというのだから、そういう大企業ぐらいはせめてあなた方が設定した目標年に完全にやらせるという決意で指導していただくようにお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○山口国務大臣 いずれにいたしましても、六十歳の定年延長あるいは六十歳台前半層の雇用の延長の問題というのは、この一両年の間に法整備の環境づくりをしなければならないわけでありますから、今、加藤局長からも御答弁ございましたように、今までは行政指導的立場あるいは奨励金まで出して雇用の延長、定年の延長を主流にすべくお願いをしてきたところでございますから、先生の御指摘のように最善の努力をするということについては、労働省として一貫してそういう立場で努力をしたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 私が特に念を押すのは、別のところで私が聞いたところによると、福銀あたりはことしはやらないというようなことを公言しているというような話を聞くから、これはもうお上を恐れぬ不届き者とまでは言わぬけれども、あなた方がこれだけ一生懸命指導しているときに、もうよそでそんなことを言うなんて、私は本当にけしからぬと思うのですよ。自分たちがそういう大企業としての公共的な使命を持っておる、そういう立場にあるということをもっと自覚させるように指導をお願いしたいわけです。 大蔵省の方も来ておられるはずですが、時間もないのだから、大蔵省としては、そういう立場で大蔵省としても努力をするということを一言だけ言ってください。
○松野説明員 定年延長問題につきましては、基本的には各金融機関の実情に応じて取り組む問題だと思いますけれども、労働省からも要請が参っておりますし、その点を踏まえて銀行を監督する立場としましても適切に対処してまいりたいと思います。
○小沢(和)委員 では三つ目の問題。もう時間も余りありませんので、ごく端的にお尋ねしたいのです。 私の地元に東亜鉄構という鉄骨、橋梁などのメーカーがあります。ここで今、二百九十九名中百六十四名の希望退職——希望退職というと聞こえがいいけれども、首切りですね、が持ち上がっているわけです。私はこれをぜひ撤回させて、企業が立ち行くように労働省としても指導していただきたいということでお尋ねをするわけであります。この東亜鉄構というのは、山九運輸機工、それから新日鉄、九電、こういうようなところが大株主なんですけれども、山九というのは、もともと新日鉄がお得意のところでありますから、大部分は新日鉄の影響下にある企業だというように言って間違いないところです。 危機のきっかけになったことは、新日鉄がいわゆる海洋鉄鋼構造物に進出をするために、自分も若松に工場をつくったんですが、そのときに新日鉄の敷地の中に、東亜鉄構にもそのための工場をつくらせたんです。ところが、その思惑が外れて、東亜鉄構に仕事が回るほどこの海洋鉄鋼構造物の注文がなかった。この七、八年の間にわずか二、三件しかなかったという状況だと聞いております。結局、そういう九州屈指の鉄鋼構造物の工場をつくったけれども、注文がないものだから、五十年に工場を出したら、たちまち危機に陥って、五十三年にも首切り、たしか去年も首切り、今度は三度目ということで、今度は過半数の首切りというようなことになっているのですよ。 それで、私がけしからぬと思うのは、今申し上げたように、もともとこれは独立した鉄骨、橋梁メーカーだったのだけれども、新日鉄などが株を取得してそこを押さえて、自分の傘下に入れてそういう大型の工場をわざわざつくらしたわけですね。つくったら、思惑外れで仕事がろくに来ない。だからピンチになっちゃったら、ピンチになってからはほとんど援助らしい援助もしない。それで首切られるままに知らぬ顔をしておるというような状況に今あるわけですよ。これは私はちょっと……
○戸井田委員長 小沢君、既に時間が過ぎておりますから、結論を急いでください。
○小沢(和)委員 はい。だから、これは私は余りに大企業の身勝手というものじゃないかと思いますね。こういう状態をぜひ何とかするように、労働省としても格段の御指導と御援助をお願いしたいわけであります。 もう時間がないから、大臣にひとつその点についての端的な御意見を伺いたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 お尋ねの東亜鉄構につきまして、私どもも北九州地区、特に雇用失業情勢が悪化しておる状態の中でございますので、この問題の行方についてはそれなりに注目をしておるわけでございます。 ただ、先生言われるようないろいろな内情あるのかもしれませんが、私ども聞いている限りにおいては、とにかくもう仕事がどんどん減ってまいります中で、結局若松工場、約二百人の工場を閉鎖せざるを得ないという中で、この百六十五人の希望退職募集というようなことになってきておる。これについても労働組合が、二つ組合がございますようですが、それらの組合も基本的にはやむを得ないというような状況にもあるようでございます。そういうような中の問題でございまして、これは私どもが、労働省が企業再建というわけにもなかなかまいりませんのでなかなか難しい問題でございますが、労働問題を担当する立場としては、こういう離職者の方々がもし発生すれば十分連携をとって再就職問題について最善の努力をしたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○小沢(和)委員 それじゃもう一言だけ。 私は離職してからのお世話をしてくれとお願いしているわけじゃないのです。新日鉄は例えば八幡製鉄所が近く一千億円かけて若返り工事をやるとかいっているし、あるいは、さっき九州電力も大株主だと言ったけれども、この九州電力も発電所を現につくったりしている。だから、自分の子会社、系列会社であればそういうようなところの仕事を優先的に……
○戸井田委員長 小沢君、もう既に時間が過ぎておりますので。
○小沢(和)委員 もっと回させるというようなことも考えてほしいということで、ぜひ指導していただくようにお願いして、終わります。
○戸井田委員長 菅直人君。
○菅委員 新しく労働大臣になられた山口大臣に私もきょうは初めて質問をするわけですけれども、大臣になられてからの活躍ぶりというのは、何といいましょうか大変私どもも目をみはっております。特に、時間短縮の問題とかあるいはゴールデンウイークの連休をもっと確実に定着をさせようという大臣の努力については私たちも全く賛成でありまして、その努力に敬意を払いたいと思います。こういった時間短縮あるいはゴールデンウイークの連休問題と性格的にはかなり共通する問題として、ひとつ大臣にぜひ御認識をいただき、あるいは見解を伺いたい問題があります。 それは年始、いわゆる正月の三が日の休みという問題です。これは調べていただくとわかりますけれども、全国民がいわゆる一斉に休暇をとるという意味では年末年始がやはり一番多いのですね。夏休みとかゴールデンウイークとかありますけれども、それぞればらばらに休みをとることはかなりほかの時期にもありますが、本当に一斉にとるという意味ではこの三日間あるいは暮れの三十一日を含めた年末年始が非常に集中的なわけです。全員が休むことによって初めて可能になるいろいろな行事をあるわけですね。いろいろなところに年始のあいさつに行く、あるいはお宮に出かける。あるいはお節料理なんというのも、本来はお店も全部休んでしまうから逆にお正月の料理をあらかじめつくっておこう、そういう風習からお節料理というものが生まれたわけだと思うのです。 しかし、近年、大型小売店を中心に四日初商というのがだんだん三日になり、あるいは二日になり、中にはもう正月から休まないというようなところもできてくる。こういう大型小売店が休まないと、それに関連する運輸業とかあるいはその製品を卸すような問屋とか、これまた年末年始休めなくなる、こういうことになって、一斉に休業をとるという正月の慣習がますます崩れつつあると思うわけです。 こういう点について、やはりこれも大変大切な日本の休日という意味での習慣でもありますし、できるだけ一斉の休みという形であるべきではないかと私は思いますが、大臣のこの問題に関する御所見を伺わせていただきたいと思います。
○山口国務大臣 政府の経済見通しの中で内需喚起で四・六%の成長ということで盛んに大きな政策の柱にしているわけですが、正月早々、一年の計は元旦にありで、お客さん、消費者が消費してくれる。こういうときに大いに店を開いてまた景気の一助にしようではないか、こういう考えの人もいるのですけれども、労働省という役所は大変貴重な役所だと私は思うのですが、今、菅さんが御指摘になったような問題について、全く同じ認識に立って百貨店でありますとか流通業に対して今日までもいろいろな形で行政指導という形をとりながら三が日の休日促進というものを進めてきているわけですね。私も昨年の十二月に百貨店協会の会長に労働省に来ていただきまして、ぜひそういう労働省の行政の施策に御理解、御協力をいただきたい、こういうことで御要望申し上げたような経過もございました。 そうしたところに働く方々の御意見を聞いてみましても、デパートに就職したわけですから、人が休んでいるときは休めない、人が休んでいるときに働かなければならないということは承知して入ってはいるけれども、せめて正月の三が日くらいは家族や友人たちと親しく旧交を温めつき合いたい、こういうそうしたところで働く労働者の方々の要望も非常に強いわけです。またさらに、今、菅さんからも御指摘のように、関連の出入り業者等もそれに付随して休めない、こういう状況にあるわけでございますから、何とかそうした業者といいますか、百貨店あるいは流通業の方々の御理解をいただきながら、人並みにとい。いますか、一応労働慣行の立場からも三が日くらいの休暇、正月三が日休暇という問題についての理解をいただくべくこれからも取り組んでいきたいというふうに考えております。
○菅委員 ぜひ今の大臣のお話のように、その問題について積極的に取り組んでいただきたいと重ねてお願いをいたしておきます。 それからもう一つ、最近新しい言葉をよく耳にするのですね。大臣はテクノストレスという言葉を聞かれたことがありますか、いかがですか。
○山口国務大臣 ハイテク時代、ニューメディアの時代の中でいろいろな言葉、新しい聞きなれない言葉もございます。聞いたような聞かないようなんですが、大体概要は何となく世代的な感覚でわかるような気がいたしますが、実態はまだこれから勉強するというところだと思います。
○菅委員 大変率直に言っていただきましたが、私なんかも大変耳新しい言葉なんです。しかし、同時にこれからの問題として大変大きな問題だということを感じておるわけです。テクノストレス、どう訳していいかわかりませんが、新しいテクノロジーの発達に伴っていろいろな労働環境が変わること、あるいは新しい種類の業種によって精神的な疲労といいましょうか、ストレスが生じるということだと思うのです。 そういった意味で、まさに大臣言われていたように、この問題についてどういう状況にあるのかということの調査をされているかと思うのです。特にテクノストレスというストレートな形での調査があるかどうかわかりませんが、技術革新に伴う労働上のストレスについての調査をされていると聞いておりますが、されているとすればどこでどういうふうにやっておられるか、そしてこのストレスの関連についてどんなふうな状況か、簡単に報告をいただきたいと思います。
○小田切説明員 先生御指摘の技術革新あるいは労働環境の変化等に伴います労働者の健康面への影響、特に精神面への影響の問題でございますが、この問題につきましては、五十七年の秋に一万事業所二万人規模の労働者の健康状況調査というようなものを私ども労働省で行っております。 この結果によりますと、ふだんの仕事をしていて神経の疲労を感ずるというような答えを寄せられた労働者の方々が体が疲れるというような答えを寄せられた労働者の方よりも多いというような結果になっておりまして、私ども、この調査は、労働衛生問題を考える上でストレス問題あるいは心の健康問題が非常に重要な問題であるということを示唆する調査結果であるというふうに受けとめているわけでありまして、このようなことを踏まえまして、私ども、六十年度、来年度からにつきましては職場で従業員のメンタルヘルス面を中心にいたしまして相談とかアドバイスにあずかれるような人を養成しようというようなことで、企業の産業医であるとか衛生管理者であるとか人事労務担当者等を対象にいたしましたそういう面についての研修会の開催などをやっていきたいというふうに考えております。
○菅委員 今の調査というのはいわゆるごく一般的な労働をしている人が肉体的に疲労しているのと精神的な疲労とどちらを感じるかということでの調査で、これはこれとして大変重要だと思いますけれども、同時にもっと的を絞った調査もこれから大いにやっていただいて、あるいはそういうことから来る広い意味での労働災害と申しましょうか、あるいはそういう問題もいろんな形で発生することは予想されますから、そういうことを未然に防ぎ得るものならぜひ防いでいただきたい。 例えば、これはいろんな例がありますが、一番わかりやすいのはワープロなんかで、あるいはコンピューターのインプットでブラウン管に書かれた文字を注意深く読まなければいけないというので目が疲れたりあるいは体が疲れたりする。しかし、同時に、ソフトウエアを組む上でプログラムにあるミスを見つける、これは非常に神経を使う仕事であるので、そういうことばかりやっている人は非常に精神的に消耗する。さらにはLSIとかそういうものの設計をしている人がやはり物すごい長い時間、例えば数カ月間それに携わると極端に言うと人柄がちょっと変わったんじゃないかという事例も、私たちの周囲といいましょうか、あるいは二十代、三十代のそういう先進的な分野についている技術者の中にもかなり見られるのですね。 ですから、そういう点で従来型の労働障害というものからちょっと観点を変えて先を見通して取り組んでいただきたい。この点についての大臣の決意をちょっと伺いたいと思います。
○山口国務大臣 今担当者からの答弁ございましたけれども、テレビでも、テレビを三十センチの距離で見る人はいないので、やはり常識的に考えてもワープロやなんかで日中作業をしている人たちの視神経の疲労というものは相当なものがあるんじゃないかというふうに素人ながらも考えるわけでございます。そういう意味で専門的な方の意見を聞きますと、一・二ぐらいの視力があったものが〇・六になってしまったとか、〇・二になってしまったとかというようなデータも随分出ていますし、それからまた、視覚の疲労が視神経やなんかの問題で、この間もアメリカのシリコンバレーですか、ああいうところで非常に新たな労働災害といいますか、コンピューターにおけるストレスというものが極めて異常な、性格を変えてしまったというような事例もございます。 そういうことで私も就任以来、労働省には幸い産業医科大学等もございますので、むしろ率先してそういう新たな労働災害という問題を予防する意味からもひとつ研究していろいろ対策を講じていくべきだ、こういうことを指示したところでもございます。 それからなお、通産省ともこうした問題で、どちらかというと役所では縦割りが多かったわけですけれども、ちょうどあさって通産省とも労働省と二省間の政策協議を初めて開くことが決まったわけでございますので、そうした場所でも今昔先生の御指摘のような問題も含めて通産省と労働省の両面から、こうした新技術の中における人間の健康管理の問題についてやはり真剣に取り組むべきである、こういうことを提起しておきたいというふうに考えております。
○菅委員 ぜひその点についても積極的に取り組んでいただきたいと思います。 さて、そろそろ春闘と言われるシーズンが近づいてきております。例年春闘あるいは賃金要求ということでこの時期に各労働組合が要求を出して闘争を組むわけですが、この数年はどうもなかなか労働組合あるいは労働者の要求が十分に満たされないという状況が続いているわけですが、ことしは景気もかなり高い水準にありますし、そういう意味ではことしの賃金闘争連絡会議、労働四団体や全民労協が加わっているところの要求も七%以上何としても実現しようということで闘争を組むようでありますけれども、大臣として、この労働組合の要求について実現を期待するという立場だと思いますが、その見通しあるいはその期待についてどういう見解が、お聞かせいただきたいと思います。
○山口国務大臣 労働政策や問題の中には、ややもすると、これは労働省が余計な口を出さずに労使に任せるべきだ、こう言って一言のもとに批判されるような場面もあるわけでございますが、私は、先ほど申し上げましたように、中長期的な問題についてはやはり政府とか政治、国会とかが、いわゆる政労使といいますか、国民生活の安定の立場から、雇用の安定の立場からいろいろ論議するということが大事だと思うのです。 しかし、今日の春闘の問題ということになりますと、やはり労使の配分の問題、それぞれ企業間の努力といいますか、景気の問題等もありまして、私どもは日本経済全体の立場あるいは物価の安定とか雇用の安定とか、そういう土俵づくりの中で、労使の自主的なまた円滑な話し合いの中でひとつ結論を出していただきたい、こういう立場しか——労働大臣がいかが望まれるとか、これは当然長い景気の停滞の中の勤労者の所得の向上というのは政府の景気対策、内需、いろいろな面において効果があると思いますけれども、しかし、それが幾らがいいとか幾らの方向に引っ張ってもらいたいということは、正直、申し上げる立場にないものですから、そういう土俵づくり、環境づくりの中から国民生活の安定を図るべく御協力を申し上げたいという立場をとらさしていただいております。
○菅委員 それではそれに関連をして、人事院勧告が毎年出されているわけですが、人事院勧告の完全実施ということがこの数年なかなか厳しい状況で追い込まれているわけですが、人事院勧告の完全実施ということについてどうお考えですか。
○山口国務大臣 これは民間の労使交渉の春闘の後を受けていろいろ人事院から一つの計数を指摘されるわけでございますから、また予算委員会でも再三この問題も取り上げられておりますけれども、政府としては完全実施、特に国際機関等からもいろいろ指摘を受けておりまして、政府としてもこの公約を守りませんといろいろ責任を持たされる、こういう経過もございますので、やはりこういう行革とかいろいろな問題の中で労働基本権制約の代償としてそうした問題が正当化されているわけですから、もうことしは何としても完全実施に最大の努力をする、こういう方針は、労働大臣だけじゃなくて総務庁長官も官房長官も予算委員会でそうした言明をしていただいておるわけでございますので、労働大臣としても最善の努力をしたいという考え方でおります。
○菅委員 人勧は八三年度で六・四七、八四年度で六・四四という数字が出ていますが、ことしは、積み残しがありますので、それよりもさらに上乗せがされるだろうということが予想されるわけですが、この問題で政治的に非常に難しい問題になりつつあるのが、人勧が例えば一%上がった場合に防衛費に対してどの程度のはね返りがくるか試算をしてみますと、大体五十三億円ぐらいのはね返りになるのではないか。そうすると、例年程度の六%を超える人事院勧告が出されて、それを実施した場合に、現在の政府提案の予算でありますと、いわゆる防衛費のGNP一%枠を超えてしまうということがあるわけですね。 これは労働大臣としての山口大臣にお尋ねするというよりは、新自由クラブ幹事長として、あるいは政治家山口敏夫氏にぜひお尋ねしたいわけですが、政府提案をされている今回の予算、これが人勧の完全実施ということで一%を超えてしまうおそれがある。これを我々は大変心配をしておりまして、そのためには予算そのものを現段階で防衛費を削減しておくべきではないかと我が党も提案をしているわけですけれども、人勧を完全実施すべしという大臣の決意と、そしてGNP一%枠を守ろうという新自由クラブの公約、この点についての政治家山口敏夫氏の考え方をぜひお聞かせいただきたいと思います。
○山口国務大臣 六十年度予算編成段階において防衛費の伸び率七%ラインということの議論が随分ありまして、随分それが決定的な状況が流されておりましたけれども、総理裁断といいますか、決断で——私は、やはり六十年度予算は六%ライン、要するに当初予算は一%枠を何としても守る、こういうために閣内において努力をしたつもりでおります。 そこで、後は人事院勧告の問題と一%突破の問題が非常に論議されているわけですけれども、この間経済企画庁長官も、いわゆる上方修正の経済成長率の見直し等もありまして、あれは四・六%を五・五%、こういう形でことしの経済成長が予測よりはかなり景気の拡大が見込まれるのではないか。また、内需の喚起ということでございますけれども、アメリカの経済の衰えも、むしろ拡大基調にある、そういう両面から、今昔先生から御指摘になった問題をこの国会においては何とか双方矛盾を出さずに守り、抑え込むことができるのではないかというふうな見通しに私は立っておりますけれども、いずれにいたしましても、その問題が出たときには、今幹事長としての御質問ということでございましたけれども、改めてその時点における見解を申し上げさせていただくということで御理解をいただきたいと思います。
○菅委員 時間が来ましたので、これで終わりますが、この問題は、一つの国家の予算であり、あるいは労働行政であるという非常に重要な問題と同時に、あるいは日本のこれからの国際的な行く末に大変大きな問題でありますので、いわゆる当初予算ではまあ何とかつじつまが合ったから、あるいはGNPが予想を大幅に超えて伸びれば何とかなるからということではなくて、来年度が終わった段階でGNP一%の枠の中に確実におさまるような努力を、閣内でも、あるいは政治家山口敏夫議員としてもお願いをして、私の質問を終わります。
○戸井田委員長 谷垣禎一君。
○谷垣委員 それでは、私から質問をさせていただきます。 日本は、今急速に高齢化社会に向かっておりまして、それへの対応が今内政上の最大の課題であるということは論をまたないところであろうと思います。私ども社会労働委員会のメンバーは、我々こそがこの高齢化社会への対応の一番大きな仕事を担当しておるのだということで、誇りを持ってやらせていただいておるのですが、その意味で労働省も今大変なところに立っておられる。大臣も就任以来大変な御苦労をいただいておることと存じます。 この対応の一環として、六十歳定年制というものをずっと推し進めてこられました。そして昭和六十年度は六十歳定年制の一般化実現のための目標年だということでございます。六十歳定年制というものは、こういう高齢化社会になり、人生八十年時代になりますとどうしても必要なことでございまして、老後の生活をどう支えていくかという点からしてもそうでございますし、また、日本人は何といっても一生懸命働いて、その働きの中に生きがいを見出すということもございます。また国民経済上から見ても、少ない働き手で多数の高齢者を支えていかなければならないわけでございますから、御高齢な方で、労働意欲もあり、その希望もあるということであれば、やはりこれは推し進めなければならない。 ことしがその目標年だということになりますと、六十歳定年制の現状をどのように判断されて、そして、この目標年であることしにどのような施策を講じていこうとされておるのか、まずそれをお伺いしたいと存じます。
○山口国務大臣 谷垣先生御指摘のように、高齢化社会における諸課題の解決というのは、政府はもちろん、国会においても一番重要な、国民の皆さんに対する責任を果たすことであるというふうに、私は同じように承知をしております。 そういう意味で、これはやはり健康な高齢化社会というものを築いていかないことにはいけないと思いますし、この間もテレビを見ておりましたら、七十、八十のぼけ老人の入院生活の描写の中に、六十歳台前半で同じように入院しておる方がおる。これは八十年時代でありながら五十歳定年あるいは五十五歳定年で、定年ショックみたいな部分がその人に非常な心理的な影響を与えているということの場面も見まして、私は労働大臣として、本当にこれは社会保障や年金も大事だけれども、日本人は、一世紀後は別として、とにかくここ二、三十年、国民の意識が変わるまでは、健康が保持されて働けるうちは仕事を分配していくことは、これは非常に大事な仕事だというふうに考えました。 幸い労働省としても、六十歳定年の一般化のために今日まで一生懸命取り組んでいただきまして、五二%の比率でございますけれども、それが定着をした。そういう中でさらに急速な八十年時代社会ということでございますので、雇用審議会、中央職業安定審議会等の議論を踏まえまして、ことしの秋ごろまでに六十歳定年延長と、それからまた六十歳台前半層の雇用の延長というものをあわせまして、ひとつ意見を取りまとめて法整備の作業を進めて、社労委を中心として国会等の御議論をいただきながら、労働省としても一つの施策を提案をしたいというふうに考えております。
○谷垣委員 六十年度定年一般化というその一般化ということの意味でございますが、数字的に言うとどのぐらいのことを目標に置いて、今年度内に大体どのくらいが実現できるのか、そこはいかがでございましょうか。
○加藤(孝)政府委員 実はこういう昭和六十年度までに六十歳定年制を一般化するということを御答申いただきました雇用審議会の場におきましても、一般化しよう、一般化すべきである、こういうことについては労使とも意見が一致したのでございますが、その労使の言っておられる一般化の具体的な数字をめぐりましては、労働側の方は八〇%だ、九〇%だということであり、使用者側の方は五〇%を超えればもう一般化だなどと、こういうような意見等もございまして、結局公益委員が間をとって、そういうところの間というような形で非常に抽象的な形にはなっておりますが、私どもとしてはこの五二%という数字を一般化したという評価はいたしておりません。 五二%でございまして過半数を超えておりますので、主流にはなった。かつて五十五歳定年制というものが日本の一般的な状況でございました。しかし、それが今や三〇%を割って二九%、逆に六十歳定年制が五二%になっておるということについては、今や六十歳定年制が主流にはなった、しかしまだ一般化したとは言えないということで、さらにこの率を上げるように最後の追い込みということで今懸命の努力をしておるということでございますが、特に一般化についてそういう意味で数字を申し上げてこのパーセントにという形では、行政手法としては数字を示さないでやっておる、こういう点を御理解賜りたいと思います。 しかし、今申し上げたニュアンスでもおわかりいただけると思いますが、できるだけ高いレベルでの一般化というものを私どもはねらっていきたい、こんなふうに考えております。
○谷垣委員 今行われている一般化のための具体的措置はいろいろあると思いますが、例えば雇用延長奨励金などは六十年度で一応打ち切られる、こういうことでございます。今の局長の御答弁を伺いますと、まだ現在の段階では一般化というものを達成してない、まだまだ満足してない、こういうことでございます。そういたしますと、今後どういう手法をもってやっていくのかということですね。これはいろいろこれからさらに御議論をいただかなければならないし、御研究もいただかなければならないということだと思うのです。 今、大臣の方から、雇用審議会で御議論をいただいてこれからの対応も考えていくという御答弁をいただいたわけでございますが、この雇用審議会の中で六十歳定年制の法制化という問題が今御審議をいただいていると思うのです。これはいつ御答申をいただくのか、先ほど秋とおっしゃいましたか、まだこの答申が出る前の段階ではなかなか労働省としては御答弁があるいは得にくいかとも思いますが、私個人の考え方を申しますと、法制化というものはどういう手法をとった法制化か、これはいろいろあろうかと思いますが、やはりそれぞれの企業によっていろいろな事情もあるだろうし、一律な法制化というものはいかがなものか、こういう感じがするわけでございます。 これからの方策を考えていく場合に、この法制化をどういうふうに評価していくか、これは避けて通れない問題だろうと私は思いますので、その辺現在の段階でおっしゃれることで結構でございますから、今後どういう見通してこの六十歳定年制を推し進めていくのか、御答弁いただきたいと思います。
○山口国務大臣 先ほど加藤局長からも御答弁申し上げましたように、今雇用審議会で議論をしていただいている最中で、まさに甲論乙駁、いろいろ経営者側あるいは労働者側、専門的な学識経験者にやっていただいているわけでして、そういう議論をしていただいて結論がまだ出てない段階で、六十一年あるいは六十二作をめどに法制化をしたい、こういうことは役所の仕組み上大変失礼にも当たりますし、ルールにもとることでございますので、その辺の表現の限界がございますが、いずれにいたしましても、六十年度で奨励金を廃止したということは、もう法制化への問題がターゲットに、射程距離に入っておるというぐらいの決意でやりませんと、年金の問題もございますし、それから高齢化時代への急速なここ二、三年の進行状況ということを考えますと、私は現実の問題として間に合わなくなる。 こういうことで、その間奨励金こそ廃止いたしましても行政指導はさらに積極的に進めて、そして法制化への形へこれをジョイントしていく。法制化の内容につきましては、男女雇用法のような中身になるのか、あるいはもう少し強制力を持ったものになるのか、これもやはり雇用審議会でございますとか、あるいは国会での御論議とか、いろいろまた労使を初め専門家の皆さん方、広範な国民の皆さん方の声を伺いながらまとめていく、新しく非常に大事な問題であると私受けとめておりますので、今後ともぜひ御論議をよろしくお願いをしたいと思います。
○谷垣委員 その辺はぜひ実情を踏まえた対応をお願いしたいと存じます。 それから六十歳定年制、先ほど五二%になったということでございますが、まだまだ推し進めなければいけないにせよ、かなりのところに来た。そうすると、今後はむしろ六十歳台前半の雇用はいかにあるべきかということが論議の焦点になってくるのじゃないかと思うのです。 この年代層になりますと、先ほど大臣がおっしゃいましたように、随分お年をとられた方もある反面、まだまだかくしゃくとして壮者をしのぐような方もおられる。人によって随分体力なり能力に差が出てくるのが実情だろうと思いますし、それぞれの職場、職場においてその適応の度合いというものがまたこれは多様だろうと思います。 ですから、これはいろいろなところの実情を踏まえた多様な解決が必要だと思うのですが、もう一つ、この問題を考えていくためには年金問題とリンクさせて考えていく、年金問題とリンクさせた議論というものが必要だろうと思います。一体何歳から支給が開始されるかということでございますが、こうなると労働省の行政だけで対応できるというわけではありませんで、政府部内で協調をとっていただいて幅広い議論が必要になってくるのではないかと思うわけでございますが、その辺の六十歳台前半届の雇用対策の基本的な考え方をお伺いしたいと存じます。
○加藤(孝)政府委員 今後の高齢化対策を組み立てていきます場合に、例えばヨーロッパ流のものは年金支給開始年齢がリタイアをする年であり、そこからはもう働かない、そこからは悠々自適、年金生活というような形で行われておるのがいわゆる高齢先進国の対応でございます。 しかし、それじゃ、それでうまくいっておるかといいますと、実はそういった園は皆年金財政が破綻寸前、しかもまだ若年失業問題を一方抱えておりまして、年金は本当はいよいよ支給開始年齢をどんどんおくらせていかなければ、例えばイギリスなどでは六十七歳ぐらいにしなければもたないとか言われておりますが、現実には若年失業問題を抱えて逆にそれを六十四とか六十三とかいうふうにしなければならぬというような、いろいろ悩みを抱えた状態でございます。 そういう中で、私どもはそういうヨーロッパ流の高齢先進国の例に倣って高齢化対策を組み立てるということは決して成功する道ではない。そういう意味で基本的には日本人は少なくともその年金支給開始年齢に達した後も元気なうちは働きたい、そして社会の何らかのお役に立ちたい、そしてまたそこにみずからの生きる喜びも得たい、こういう日本的勤労観といいますか、そういったものを高齢化社会を支える一つの大きなてことして、これを政策的に展開していけないだろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。 そういう意味では、現在日本は、在老年金等を含めまして六十歳の支給開始年齢になっておりますが、しかし、六十から六十五歳層もまだ元気な方がたくさんおられます。しかし、先生御指摘のように、私どもも実際に実務的にやっておりまして、本当にいろいろなパターンがございます。もうここで本当に引退をして子守をしたいとかというような方もおられますが、多くの方はやはりまだ働きたいということで、例えば、企業によっては六十五までひとつ定年延長をしておるというケースも、少のうございますが既にございます。それから、さらにはまた、半日勤務制度、午前と午後交代制で半日勤務というような形でそこで働くという形もございますし、一日交代で働くというような形、ワークシェアリング的な形での雇用の場をつくっておるところもございます。 さらには、高齢者会社ということで、一応定年に達した後も継続雇用いたしまして、いわば別会社で、そこで高齢者用の作業というような形の中でやっておるケースもございます。さらにまた、いわゆる再雇用とかいうような形で、正社員ではございませんが、嘱託のような形でやや責任の軽い仕事へつくというふうなのもございます。さらには、企業から全く離れてシルバー人材センターというような形で、任意就業というようなもので頑張っておられる方もございます。 そういう意味で、先生も御指摘ございましたように、多様なそういう就労の場、就労の形式というものを我々も開発すると同時に、そういったものを援助していかなければならぬだろう、こんなようなことで、現在、まだそういう意味ではいろいろトライをしておる段階でございまして、これが決め手というものはございませんが、そういういろいろな多様な選択の方式を、それぞれの高齢者の体力なり意欲なりに合わせて用意をしていく必要があるだろう、こんなふうなことを描きながら現在いろいろ懸命に模索をしておるというような段階でございます。
○谷垣委員 ただいま局長から伺いまして、いろいろ年金との関係の苦悩、大変よくわかるわけでございます。我々もこの委員会でまたさらに大いに議論をしてやっていきたいと思いますので、どうか格段の御奮励をお願いしておきます。 それでは次に、きょう趣旨説明をいただいたわけでございますが、職業訓練法改正というようなことが今度の国会で日程に上ってまいりました。この経済社会、大変変化をいたしておりますので、能力開発対策というものも、これは真剣に行っていかなければいけない。その場合の、具体的には法案のときにまたいろいろやらしていただくといたしまして、基本的な考え方を伺っておきたいと思うんですが、今度の改正の一番基本的な考え方というのはどこにあるのかということでございます。
○宮川政府委員 技術革新あるいは高齢化社会の進展、これはもう非常なものがございます。そうした社会におきまして、職業の安定、労働者の生活の向上、あるいはさらには国民福祉の向上というものを考えるためには、当然のことながら、一つの方策として、労働者の職業能力をいっぱいに引き出す、こういうことが必要でございますが、そのためには、単に、今までのように入り口だけで教育訓練をするというだけではなくて、大変大きな言い方になりますが、職業生涯の全期間にわたって、系統的といいましょうか、体系的に能力を開発する必要があろうと思います。そして、そのための体制を確立する必要がある、これが職業訓練法を改正いたしまして職業能力開発促進法としたい、こういうお願いをしている趣旨でございます。 その際、一番問題になりますのは、やはり何といいましても、民間の事業主がその在職労働者に対して、これがもう大部分でございますので、自分でしっかり教育訓練をする、これが大事でございますが、そう申しましても、特に中小企業を中心にして経済的な基盤も脆弱でございますし、なかなかそういうこともできかねる面がございますので、そこにつきましては、公共から援助といいましょうか、助成の手を差し伸べて環境づくりをする。もう一つは、公共職業訓練自体をそうした新しい社会に対応できるように一層活性化する、そういうことでございまして、この二つを大きな柱として新しい法制を考えていきたい、かように考えております。
○谷垣委員 こういう時代でございますから、民間の各企業、特に大企業なんかがその社内で従業員の能力開発に大変熱心だ、これは当然のことでございまして、これはほうっておいても大変活発にやっていただいているわけなんですね。それでやはり問題は、中小企業であったり、あるいは在職者の場合はまだいいのですが、失業者の職業訓練をどうやるかというようなことだろうと思うのです。 今お話を伺っておりますと、自主的な職業能力開発と申しますか、そういったものと、もう一つは公共的なものとを組み合わせて両方がそれぞれバランスよくやっていこう、それぞれの特徴を十分発揮しながらやっていく、それが今度の改正のポイントだとおっしゃっているように例えるわけなんです。 私、実はこの法案を拝見いたしましたときにちょっと心配いたしましたのは、それが公共訓練的な側面というものの後退で、最近盛んに民間活力の活用ということを言われるのですけれども、いわゆる民間活力の活用ということ、これはもうもちろん結構なことなんですが、それにこだわって——こだわるというとちょっと語弊がありますが、公共訓練的側面が後退していくのではないか、そういう疑問を若干抱いたのですが、この辺はいかがでしょうか。
○宮川政府委員 民間活力の活用と申しましても、事業主が御自分で企業の中で行われる教育訓練、これがもう量的には圧倒的だと思いますが、特に中小企業を中心といたしまして、先ほど申し上げましたように、なかなか経営基盤というものが脆弱で人的にも不足しておりますので、的確な職業訓練、さらには能力開発が実際に行われていない、なかなか行いがたい、こういうのが実情でございます。 ここはもう公共職業訓練の登場するところでございまして、こういう御時世で量的に非常に公共職業訓練を拡大するということは望めないかと思いますが、可能な限り効率的な運営をして、役に立つ、あってよかったと世間に言っていただけるような公共職業訓練でなければならないと思いまして、そうした面につきましては可能な限り強化してまいりたい、かように考えております。
○谷垣委員 今マイクロエレクトロニクス化とかロボット化とか、大変高度な職業訓練というものがどうしても必要になってまいります。そこに力を入れていかなければいけないと思うわけですけれども、先ほど一言いましたように、大企業はいい。日本はME化も世界で一番進んでいる。それに対する訓練はどういうことかといいますと、中小企業なんかはまだまだ十分対応できていないと思うのですね。先ほどおっしゃいましたように、資力も十分ではないということで、特に公共訓練的な側面を十分やっていただきたい部門だと思うのです。 この中小企業に対する新しい時代に対応した職業訓練のあり方として、特にお考えをいただいている今度の制度の中で柱になるようなものが何かありましたら、お教えいただきたいと思います。
○宮川政府委員 中小企業につきましては、先生のお説のとおり、なかなか的確な教育訓練を展開することができない、特に技術革新ということになりますと、教育訓練のための器材その他なかなか金額も張ってまいります。そうした意味では、今までもそうでございましたが、認定職業訓練と申しまして、特に中小企業を対象にいたしまして事業主があるいは事業主の団体がみずからの従業員の教育訓練をするときに、その施設設備、運営費等について国、都道府県あわせてこれを助成するという方途がございますが、最近は特にME関連につきましては手厚いそれをやっております。 それから六十年度の予算の中で、あるいは法制と並んでのものでございますが、今までのそれと違いまして、特に技術革新に絡むような問題につきましては、中小企業について特に手厚い助成をいろいろと考えております。特に事業主が技術革新などの絡みで新しい教育訓練をしなければいけない、あるいは配置転換等をしなければいけないというときには、それにつきまして国としていろいろな助成をしておりますが、その中で特に中小企業については新しいやり方の中で、今までがそれが中高年齢を対象としたそれであるとするならば、特に若年層まで中小企業に限って補助の対象にする、そういうような形で特に中小企業を手厚く対象としていきたい。 それから公共職業訓練の場合には、向上訓練といいまして在職労働者の訓練をやっておりますが、これもほとんどが当然のことながら中小企業の労働者でございます。そうした点もこれから一層手厚くしてまいりたい、かように考えております。
○谷垣委員 ぜひ強力に推し進めていただきたいと思います。 時間がなくなりましたので、最後に一つお伺いいたしますが、今度、今国会で労働者派遣事業について新しい立法を御提出いただくわけでございます。詳細はまたそのときにいろいろ議論をさせていただくといたしまして、基本的考え方だけ伺っておきたいと思うわけなんです。 最近労働者派遣事業というものが非常にふえてきたわけでございますが、ちょっと見ると、労働者派遣事業というのは職安法四十四条によって原則的に禁止されている供給事業というものと極めて類似している、あるいはさらに端的に言うならば、職安法四十四条に規定されている、禁止されているそのものじゃないかというような疑問すら感ずるわけでございます。 しかしながら、現実の労働者派遣事業というもの、これはふえてきておりますし、社会的にニーズがある。これをだめだというわけにはいかない。それでこういう立法を準備していただいたということになると思うのですが、そういうことだけですと、何か現状を追認しただけの立法なのかどうか、もっと積極的な意味合いというのはないのかどうかという点でございます。大臣の所信表明の中に「労働力需給調整システムの整備を図る」ということでこの法案を取り上げていただいているわけなんですが、その辺の積極的な意味合いをどう把握されているのかということが一点。 それからもう一つは、職安法四十四条というものが果たしてきた役割というものがやはりあるのだろうと思うのですね。中間搾取とかピンはねみたいなものを防ぐ、あるいは強制労働みたいなものを防ぐというような意味合いもあろうかと思いますし、また現状の労働者派遣事業というものが果たしてそういうような状況にないのかどうかということも真剣に考えていかなければいけない、その辺をどのようにお考えになっているのかということでございます。 それからもう一つ、みんなまとめて御質問いたしますが、これは全く偶然のことでございますが、私、先日あるタクシーに乗りました。そうしましたら、タクシーの運転手が、今度新しい法律ができるそうですね、ああいうものができると、ハイヤーなんというものはなくなってしまうのじゃないか、こういうことを言っているのですね。つまり、今までハイヤーを雇うのは、会社なんかが皆自分のところで運転手を雇うのはコストがかかるからハイヤーでやっている。そうすると、ああいう派遣事業というものが法制化されると、みんな自分のところの車で運転手は派遣事業から派遣してもらってやっていく、そういうことになったらハイヤーなんというものは必要なくなってしまうのじゃないか、こういうことを言うわけです。私は、そんな心配はないんだ、それはそれぞれきちっと業種がどういうものだと指定していくのだということをそのタクシーの運転手に申しました。 私はたまたま聞いただけのことでございますけれども、こういう派遣事業が法制化されていくと、今までの業態といいますか、あるいはいろいろな職場の雇用慣行とかいうものに随分大きな影響を与えていくのじゃないか。その辺は、なかなかこれは難しい問題でございますけれども、たしか雇用審議会ですか何か御相談して省令で決めていただくということになっていると思いますが、その辺は特に慎重に議論をしてお考えをいただきたい。 以上、御質問いたします。
○加藤(孝)政府委員 労働者派遣事業につきまして、この制度化を職安審議会から、労働省の考え方についておおむね妥当である、一部の労働側の委員の反対はあるけれども、全体としてはおおむね妥当である、こういうことで御答申をいただきまして、来月上旬にでも御提案をさせていただきたい、こんなことで実は準備を進めておるところでございます。 この制度についての基本的な背景といたしまして、近年技術革新が進んで、いろいろな専門的な専門家が養成をされる、あるいはまた高齢化とか女子の職場進出というような形で、そういう新しい就業を求める方もいろいろ出てきておるというような面がございます。一方、企業側の方も、こういう技術革新の中でそういう専門家が急に欲しいとか、あるいはよく見られるのは、コンピューターを今度導入する、それについての専門家を至急欲しいとかいうような労使双方のニーズがちょうどマッチをいたしまして、派遣事業というような形で、形式的には請負という形でこの派遣事業が急速に広がってきておるという面があるわけでございまして、一つの機能としては労働力の需給調整機能としての立派な役割を果たしている。 ただ問題は、御指摘がございましたように、これが職安法で禁止している労働者供給事業に当たるのではないか。それからもう一つは、例えば何らそこには特別なルールなく、抽象的な派遣企業ではないかというような問題が提起されたままであるために、使用者が一体派遣元の方にあるのか派遣先の方にあるのかというようなことがはっきりしなくて、何かトラブルがあったときに一体だれが責任をとるのか、そういう面で、今度両方が逃げられれば、労働者も、派遣労働者の保護という面では非常に不安定なものになるというような非常にウイークポイントも抱えておるわけでございます。 そういう意味で、これをはっきり一定の派遣事業についてのルールをしっかり定めまして、そしてそのルールを定めた上においてこれを労働力の需給調整機能を果たすものとしてしっかり位置づけて、そして今後のいろいろ高齢化とか女子の職場進出とかいう問題の中で、ますます労働力需給調整機能というものを強化していかなければならぬ一環としてこういったものを位置づけて機能させていこう、こういうようなことでございます。 それで御心配の労供の関係の問題でございますが、これは終戦直後の立法の中におきまして、これまでございましたいわゆるたこ部屋であるとか強制労働であるとかピンはねであるとか、そういったような弊害をにらみまして今のようなああいう労供の禁止規定がございますが、これもだんだん時代が変化してきます今日において、何もかもそういう労供形式をとっているものがすべて強制労働とかピンはねとかあるいはたこ部屋だとかいうような形のもので、すべてそういう反社会的なものかということで見ますと、決してもうそんな状態で労働者がそんなことをされて働くようなことではないわけでございます。そういう意味で、職安法のそういうものを禁止する基本的な精神というものはこれを頑として守っていきながら、それを一定のルールのもとに認めていこう、こういうことでございます。 なお最後にお尋ねの、これが既存の日本の終身雇用制度であるとかいう雇用慣行を乱すことのないよう、職種の選定に当たりましては十分に留意をしていきたいということでございまして、そのために法律上もその留意すべき事項として、専門的な職種であるとか特別な雇用形態を有するものでなければ認めないよというようなことで、さらに縛りが法律上もかかるというようなことで御心配のないようにしていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○谷垣委員 積極的な意味合いを持った立法だと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 これで質問を終わります。
○戸井田委員長 次回は、明後二十八日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時散会 ————◇—————