交通安全対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 230 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/08/28
会議録
○小川委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件、日本航空ボーイング747型機墜落事故に関する問題について調査を進めます。 この際、去る十二日、日本航空一二三便の航空事故でお亡くなりになりました方々に哀悼の意を表し、御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。 全員御起立をお願い申し上げます。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○小川委員長 黙祷を終わります。御着席ください。 —————————————
○小川委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。本件調査のため、本日、参考人として日本航空株式会社代表取締役社長高木養根君、同じく専務取締役平沢秀雄君及び同じく常務取締役川野光斉君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○小川委員長 日本航空一二三便の航空事故の概要について、運輸大垣及び政府委員より報告を求めます。山下運輸大臣。
○山下国務大臣 私は、航空交通の安全の確保が航空行政の最も基本的な課題であると確信して、従来から安全対策に最大限の努力を傾注するよう関係者を指導してきたところでありますが、去る八月十二日、日本航空一二三便、ボーイング747型機、乗客五百九名、乗員十五名が墜落し、多数の死傷者が発生しましたことはまことに遺憾に存ずる次第でございます。 この事故により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、御遺族の方々に衷心よりお悔やみ申し上げる次第であります。また、負傷されました方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。 政府といたしましては、捜索救難活動を強力に推進するため、直ちに持ち回り閣議により日航機事故対策本部を設置し、本部ではきのうまでに十回にわたり会議を開き、生存者の救出、遺体の搬出に全力を尽くすことを申し合わせ、関係機関の連絡調整を密にすることにより事後対策の万全を期してきたところであります。関係機関の総力を挙げた遺体、遺品の収容、確認作業により、現在までのところ四百九十二体の遺体が収容され、四百八十八体の身元が確認されておりますが、今後とも遺体の収容、確認に努めてまいる所存であります。 また、事故の再発防止のため、ボーイング747型機の垂直尾翼及び胴体与圧室後部の一斉点検、日本航空の整備部門に対する立入検査等の措置を講じたところでありますが、今後かかる事故が二度と起こらないよう航空機の安全確保に万全を期してまいる所存でございます。 なお、事故原因の究明については、事故再発防止のための最重要課題として、事故発生以来鋭意取り組んできたところでありますが、きのうには航空事故調査委員会の経過報告が取りまとめられたところであり、今後とも原因の徹底究明に全力を傾注する所存であります。 事故の内容及び対策の実施状況については政府委員より説明させますので、よろしくお願い申し上げます。
○小川委員長 次に、西村運輸省航空局長。
○西村説明員 日本航空一二三便の事故に関しまして、事故及び事故対策の概要について御説明申し上げます。 事故の発生日時は昭和六十年八月十二日十九時ごろでございまして、墜落場所は群馬県、長野県境の三国山付近でございます。事故機は、日本航空所属のボーイング式747SR−100型JA八一一九号機でございます。これは日本航空一二三便として東京国際空港を十八時に立ち、大阪国際空港に十九時に到着する便でございました。搭乗者は、乗客五百九名で、うち幼児十二名でございます。乗員は十五名、計搭乗者は五百二十四名でございます。乗員は、機長高濱雅己四十九歳ほか、副操縦士、航空機関士、客室乗務員十二名でございます。 事故に至る経過と捜索活動について申し上げますと、事故機は八月十二日十八時十二分東京国際空港を離陸し、大阪国際空港に向け飛行中、同二十五分伊豆半島の東方上空で東京航空交通管制部に対し異常事態発生の緊急連絡を行いまして、東京国際空港へ引き返すことを要求いたしております。東京航空交通管制部では、直ちに大島上空を経由し同空港へのレーダー誘導を行うよう右旋回して東方向に戻る指示を行ったところ、同機からは操縦不能との報告がございました。 事故機はさらに北西に向かい、駿河湾上空を横断して焼津付近上空に至りまして進路を北にとり、不安定な飛行を続けながら富士山の西側上空を通過し、北東に向かいました。大月付近上空では高度を下げつつ北上し、羽田のレーダーの画面から機影が消失したわけでございます。 関係機関は直ちに捜索業務を開始し、夜を徹して自衛隊、警察、消防等の関係機関による空及び地上からの墜落現場の捜索が続けられたわけですが、翌十三日の早朝、群馬県、長野県境の三国山付近に墜落していることが確認された次第でございます。 事故対策の概要について申し上げます。 まず、今回の事故の重大性にかんがみまして捜索救難活動を強力に推進するため、八月十二日、事故発生後直ちに運輸大臣を本部長とする日航機事故対策本部を設置いたしまして、既に十回にわたり会議を開き、生存者の救出、遺体の収容に全力を尽くすことを申し合わせまして、関係機関の連絡調整を密にすることにより、事後対策の万全を期しているところでございます。 また、運輸省について申し上げますと、事務次官を長とする事故対策本部を事故発生後直ちに設置いたしまして、関係機関との連絡体制をしいております。 次いで現地における捜索救助活動について申し上げますと、まず八月十三日の午前、群馬県多野郡上野村に、現地における捜索救助活動に当たる体制として現地対策本部が設けられました。現地におきまして捜索救助活動に当たりました要員と機材の出動状況は次のとおりでございます。 昨八月二十七日までに、防衛庁では延べ四万四千二百人の人員、六千四百六十両の車両、延べ四百四十機の航空機が出動しております。また警察関係では三万六千人の人員、六千三百両の車両、航空機七十四機が出動しております。また消防関係では一万一千四百人の人員が、そしてまた車両は五百七十両、航空機二機が出動しております。海上保安庁では二千三百人、航空機が六十五機、船艇八十九隻、いずれも延べでございますが、出動しているわけでございます。 生存者でございますが、八月十三日午前、四人の生存者が発見されました。生存者は、吉崎博子さん、吉崎美紀子さん、川上慶子さん、落合由美さんで、いずれも女性でございます。 現在、遺体の収容、確認に全力を挙げておりますが、八月二十七日二十三時現在、遺体収容総数は四百九十二体、身元確認がなされた遺体は四百八十八体でございます。 事故の調査でございますが、航空事故調査委員会は、八月十三日事故現場における調査を開始し、現在までに主要な現場調査をおおむね終了いたしました。また、操縦室内の音声記録装置、CVR及び飛行記録装置、DFDRについても記録の一応の読み取り作業を終了いたしました。その結果をとりあえず八月二十七日に経過報告として公表した次第でございます。 今後はさらに事実の収集に努め、これらの事実、それからCVR、DFDRの記録、関係者の口述等を総合して解析を進め、事故原因の究明に全力を尽くす次第でございます。 それから事故機の機体の海上捜索でございますが、相模湾付近の海域で八月十三日、垂直安定板の前方上部が、また十四日には補助動力装置の空気取り入れ口ダクト、下部方向舵の表面が、さらに十五日には垂直安定板の前方上部の一部が発見され、その後さらに事故機の機体の一部と見られる物件が多数浮遊物または漂着物として発見されております。現在海上保安庁では引き続き海上捜索を進めております。 今回の事故原因につきましては、現在航空事故調査委員会で調査中ではございますが、垂直尾翼の損傷が事故原因の端緒である疑いが強くなったと判断されましたので、とりあえず八月十五日、日本航空、全日本空輸、日本アジア航空、日本貨物航空の四社に対しまして、ボーイング747型機の垂直安定板と方向舵について所要の検査を実施し、ふぐあいがあれば修理するよう指示いたしました。 また十七日には、垂直尾翼の損傷が胴体与圧室の後部の構造の破壊から派生じたものであったとの可能性も考慮いたしまして、指示しました点検項目にさらに胴体与圧室後部の構造を追加した次第でございます。これらの点検の指示は着々と実施されております。 それから日本航空に対する立入検査でございますが、この事故の原因が機材または整備に起因するという疑いも強い、そしてまた事故の重大性から、とりあえず二十二日、二十三日、日本航空の整備部門に対しまして緊急に立入検査を行いました。 以上が事故及び事故対策の概要でございます。
○小川委員長 次に、高木参考人から発言を求められておりますので、これを許します。高木参考人。
○高木参考人 日本航空の社長をいたしております高木でございます。 去る八月十二日、群馬県、長野県県境の三国山付近におきまして、弊社航空機の墜落事故によりまして極めて多数の方々のとうといお命を亡くし、また四名の方々に重傷を負わせるという大惨事を引き起こしましたことはまことに申しわけなく、心より深くおわび申し上げます。 三年前の羽田沖事故に続き再びこのような大惨事を引き起こしましたことはまことに申しわけなく、ただただおわび申し上げる次第でございます。 御遺族並びに御被災者の方々のお気持ちを考えますと、まことに申しわけないという気持ちでいっぱいでありまして、断腸の思いでございます。お亡くなりになられました方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様に対しまして深く哀悼の意を表します。また負傷されました方々の一日も早い御回復を衷心よりお祈り申し上げる次第であります。 これまで私どもは安全運航の確保を会社経営の至上命題といたしまして、全社を挙げて安全な運航の確保と完全な整備の実施に取り組んでまいりました。にもかかわらず今日このような大事故を引き起こし、国民の皆様方に多大の御迷惑をおかけする事態に立ち至りましたことはまことに申しわけなく、公共輸送機関に携わる者といたしまして責任を痛感しているところでございます。 御被災者の救出並びに御遺体の収容、確認等の捜索救難活動に際しましては、上野村、藤岡市、群馬県等地元の方々を初め、運輸省、防衛庁、警察庁、消防庁、海上保安庁等多くの関係機関の皆様から多大の御協力をいただき、心から感謝いたしております。特に、現在もなお困難な状況の中で捜索救難活動を実施していただいている自衛隊、警察の方々、並びに御被災者のお世話に献身的に尽くしてくださっている地元の方々に対しましては、本当にありがたく、心より御礼申し上げます。 御被災者並びに御遺族の方々に対し弊社のとりました応急措置につきましては、事故発生後直ちに羽田に事故対策本部を設置するとともに、現地並びに藤岡市に千二百人に上る社員を派遣し、藤岡市に現地対策本部を設け、御被災者及び御遺族の方々のお世話に全力を尽くしている次第であります。しかしながら突発的な事態のため、遺憾ながら種々至りませんところもありましたことと存じ、まことに申しわけなく思っております。 事故発生直後より、御遺族及び負傷されました御乗客の方々に対しましては、それぞれ専任の世話役を任命し、お世話に当たらせておりますが、今後も継続してその任に当たらせることといたしております。 さらに、将来にわたりまして御被災者及び御遺族の皆様方のお世話に万全を期すために、去る八月十三日付にてJA−八一一九号機事故ご被災者相談室を弊社本社内に、また、JA−八一一九号機事故ご被災者大阪地区相談室を弊社大阪支店内に設置いたしました。 今後の問題ではありますが、補償の問題につきましては、御負傷者並びに御遺族の皆様方の御納得が得られますよう誠心誠意対処してまいる所存でございます。 事故原因につきましては、現在御当局におかれまして航空事故調査委員会を中心に御調査を進められておりますので、真相の究明はその調査結果をまつといたしまして、私どもは、八月十五日に御当局から御指示のございましたB747系列型機の一斉点検の実施のみならず、事故につながる可能性のある要因を徹底的に洗い出しまして、直ちに具体的な対策を立て、早急に実行に移してまいる所存であります。 航空輸送に携わる者として、安全性の確保は至上命題であると認識いたしております。このことは全社員も同様であります。しかしながら、今回このような大事故を引き起こしましたことはまことに申しわけなく、重大な責任を感じております。 社内の運航管理体制、整備点検体制はもとより、社内の全部門にわたりいま一度徹底的に点検し、事故の絶滅に向け全役職員一丸となって努力を重ねてまいる決意でございます。 何とぞ今後とも御指導、御叱正賜りますようお願い申し上げます。 —————————————
○小川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤卓二君。
○加藤(卓)委員 質問の前に、けさの各社の新聞でフライト、ボイス面レコーダーの解説が一斉に報道され、生々しい惨状が手にとるようにわかり、改めて御遺族の皆様方に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたします。 今回の大惨事は、飛行機事故の恐ろしさのみならず、天が与えた災害事故に対する警鐘と受けとめ、遺族に対する最善の補償と、そのような惨事を起こさないよう万全の対策を早急に講ずるのが我々の使命であると思います。 さて、日航機の墜落の原因究明については、各分野の専門官が調査、究明に全力を挙げておられると思いますので、私は遺族の補償問題を中心に質問させていただきます。 遺族の補償に対して、犠牲者の多くが四十、五十代の働き盛りの経営者また役員、管理職クラスのサラリーマンであり、そしてこれから将来を約束されている若い人たち、またかけがえのない両親を失うなど、生存者を含め史上最高の補償額になるものと予想されますが、日航の補償交渉並びに補償額の算出は何に基づいて行われるのか。いま一つ、参考のために過去の航空機事故の補償例を挙げて説明していただきたいと思います。
○山下国務大臣 御遺族に対する補償につきましては、今後日本航空と御遺族の間の話し合いの中で決められるべきものだと存じ上げておりますけれども、政府といたしましては、日本航空に対しまして誠意を持ってこの交渉に当たるように指導してまいりたいと思っております。 なお、補償金の額につきましては、運送約款上は別に限度額は決められておりません。しかしながら、いわゆる発生した損害額等を基準として、あるいは過去における例等を参酌しながら話し合いによって決められると私は思っております。過去における例につきましては、逸失利益、慰謝料、葬祭料、こういうものを内容とした補償になっておるわけでございます。逸失利益の算出につきましては御案内のとおりホフマン方式というものがございますけれども、こういった問題も一つの参考基準とし、その他の過去におけるいろいろな事例がございますので、そんなものを勘案しながら決められるべきものだと存じております。
○加藤(卓)委員 上野村など関係市町村に対する補償に関して御質問いたします。 事故発生時より現在に至るまで、救助活動等昼夜を問わず献身的に協力をいただいておる上野村など関係市町村は、この時期はちょうどシイタケだとかブドウだとか農産物の収穫時期であり、特に民宿等の観光シーズンでもあり、また石材業者だとか材木業者、大型自動車の運転手等が今回の事故による交通遮断により経済的な打撃を受けております。御協力をいただいた方々の善意に報いるためにも至急実情を調査し、補償措置をとるべきではないかと思います。これに対してひとつお答えを願いたいと思います。
○山下国務大臣 私も事故の翌日、上野村に行ってまいりました。とにかく村を挙げて地域住民の方々、さらにまた善意の方々によっていろいろと御協力の活動がなされておる。私自身が身にしみて厚く、ありがたく感じてまいった次第でございます。 ただ、この方々に対する一つの補償措置と申しましょうか、そういうものは別段の規定がございませんが、この善意に報いるために関係の方々とも相談しながら善後処置を講じてまいりたいと思っております。 なお、村に対しましては、特別交付税等についてまた政府としても協議をしてまいりたいと思っております。
○加藤(卓)委員 この災害に対して、とにかく二次災害防止に関して質問をしたいと思うのです。 事故発生後直ちに救助活動ができなかったのは、わずか二キロの林道がないためで、これが一つの大きな原因になったと言われておりますが、二重、三重に安全とされているボーイング町が事故を起こしている。私の選挙区においては滝沢ダムとか浦山ダム、合角ダム等の建設が決定されておる。特に災害を起こされた上野村の下流には下久保ダムがあり、私たちの選挙区はその問題に関して大変大きな関心を持っておるわけでございます。 先日イタリアでのダムの決壊により多くの犠牲者を出しましたが、これはダムの決壊よりも、むしろ主要道路が通行不能になり救助活動がおくれたためであって、将来建設されるダムに関して、防災上万全を期するため道路の整備を十分に考えてほしい。 当地滝沢ダムに関しても、災害を未然に防ぐためにも長野県に通ずるところ、川上村に至るところの中津川林道をぜひとも国道に編入される等、なお本庄−鬼石−中里線の国道編入は当然なされるべきだと思います。またそれに伴うところの、今日大変な役目を果たしている二九九の即時開通工事を急ぐべきだと思います。特に陸の孤島で起きる惨事を皆さんぜひ頭の中に入れて、この問題に対して大きく善処されんことをお願いするわけでございます。
○三谷説明員 お答えいたします。 先生の御質問は、路線の国道昇格の問題が一番初めにございましたが、国道昇格については、建設省では効率的な幹線道路網体系の確立を目途に、道路網の再編成という考え方から一般国道に追加指定ということをやっております。これは道路法第五条に基づいて行っておりまして、最近では昭和五十六年度に八十三路線、五千六百キロの追加指定を行ったところでございます。 国道にいたします場合には、その幹線道路の網間隔、あるいは全国的に均衡のとれた道路網の形成ということから随時検討を行っておりますが、御指摘の本庄−鬼石−中里間の国道昇格についても次回の一般国道の追加のときにまた検討していくことになろうかと思っております。 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり道路の整備が一番大事だと思いますし、御指摘の二百九十九号も含めて、私ども今昭和五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画で鋭意進めておりますが、激増する道路交通に対して、都道府県道以上の道路の整備率はまだまだおくれておると言わざるを得ないわけでございます。私ども高速道路から市町村道までの道路網を体系的に整備することを基本として、御指摘の国道二百九十九号、まだ一次改築を鋭意進めている段階でございますが、今後とも精いっぱい道路整備を進めてまいりたいと考えております。
○加藤(卓)委員 今大変前向きな発言と受けとめておるわけでございますが、特にダムの災害の大きさというのは、交通、道路を遮断するだけでなく、下には住民の住居があるわけでございます。この災害のときに、ダムの決壊というのは川下に全部及ぶわけで、交通網が破壊されたときには、川上からの進入路が完全に確保されるべきだと思いますので、これは答えは要りませんが、ぜひひとつその点を慎重に配慮していただきたい。これは交通安全対策という意味でも大変大きな問題であると同時に、国民の安全を守るためにも大変大事なことだと思いますので、よろしくお願いします。 次に、専用機の問題についてちょっとお話ししたいと思います。 航空機の問題なんですが、今頻繁に航空機の事故が起きるということは、世界の情勢が外交面を含めて日々に大変厳しさを増しておるわけでございますが、先日、イラン・イラク戦争の際に、イラン在住の我が邦人に、もしトルコ航空の援助が得られなかったら大変なパニックになったのではないかというようなことを私たちもまた実感として思っているわけでございます。四十数万人の同胞が海外に出ておられるわけで、特に最近はそれだけではなくて、国の要人が海外へ大変出ておられますが、テロだとかいろいろな問題を含めて安全を期するということも国家安全のために大変大事なことだと思いますので、この問題に関して、要人の安全を期するためにもひとつ専用機をぜひ入れるような御配慮を願いたいと思うわけでございます。よろしくお願いします。
○山下国務大臣 政府専用機の問題につきましては、これは政府全体として考えていくべき問題だと思っておりますので、ここで運輸大臣である私独自の見解を申し上げるのは差し控えさしていただきたいと存じます。 しかし、現実に政府におきましても、専用機の必要性等については論議がされておる段階でございます。したがいまして、今後これが検討される段階におきましては、貴重な御意見として、御趣旨は政府の関係者にも十分伝えてまいりたいと思います。
○加藤(卓)委員 今運輸大臣の方から、各省庁間にわたる問題で、いろいろ前向きにというようなお言葉のように受けとめますが、この問題は内閣のみならず各省庁にわたるので大変難しいのだということはよくわかるわけでございます。 私は、外務大臣と御一緒してイラン、イラクの方、サウジアラビアだとかシリア、ヨルダンへ行ってきたときに、外国の飛行機に乗るときに、いろいろな意味での問題点をつぶさに身をもって味わうわけであります。私たちは海外に大変な援助をしているわけでありますが、その国の閣僚たちは専用機で飛んでくるのに、我が国の外務大臣はよその国の飛行機に乗っていく、言うならばバスに乗っていくようなわけでありまして、安全がどうやって確保されるのか。またその飛行機に乗っている八時間、十時間の間は完全に外務大臣の職務から離れてしまう、少なくとも国の重要な外交が中断されるのだ。これがもし総理の場合でしたら大変大きな問題になるのだということを改めて痛感したわけでございます。 このような問題に関して、前向きというよりも緊急に、貿易摩擦をなくす意味でも、少なくも三機、四機の専用機を持つ。これをどんなふうにやるかということは防衛庁を含めるいろいろな形の話し合いがあると思いますが、この機会にぜひひとつ運輸大臣からも関係閣僚に大きく呼びかけていただくこともあわせてお願いしたいと思います。過日、外務委員会においてもそういうふうな発言をさせてもらっておりますが、ひとつよろしく御指導をお願いしたいと思います。運輸大臣、ちょっと一言。
○山下国務大臣 先ほども申し上げましたように、必要性については政府においても十分承知をいたしておりますが、例えば機種の問題であるとか、所管、管理の問題とかいろいろな問題があるわけでございます。 私も総理に何回か同行いたしまして、これはやはり今後そういうものが必要であり、また今御指摘がございました今日の目まぐるしい国際情勢下において邦人の救出その他、速やかに出動できるというような面も考慮すれば、専用機が必要であるということは私自身も思っております。したがいまして、今後とも政府の関係者その他とも十分話し合ってまいりたいと思います。
○加藤(卓)委員 運輸大臣の非常に積極的な姿勢は私たちも大変同感であり、また大事なことだと思います。この問題に余りこだわることも何だと思いますが、とにかく専用機の必要性ということをこの際ぜひ力説しておきたい。 いま一つ、今度は一番大事な今回の日航機の事故に関して、交通安全対策特別委員会の使命でもあるところの今後の交通安全対策全般について、国として日本航空並びに航空業界にどのように管理体制を強化されるのか、また、改善策並びに指導をどのように進めていくのか、今後事故を未然に防ぐ意味でも、この辺のところについて政府の大きな御指導をお願いしたい。それと、国として航空機安全対策に関してどのように考えているのかという全般にわたってひとつ御説明願いたいと思います。
○西村説明員 航空の安全の確保につきましては、今お話しのとおり航空行政上極めて重要な問題でございます。特に航空の場合には、事故が起きますと非常に大きな災害が発生するわけでございます。そこで私ども、この安全対策の問題は最大限の努力を傾注するようにこれまでも関係者に対しまして強く指導してきたところでございますが、このような事故が発生しましたことについては非常に遺憾でございまして、この機会にさらに航空の安全に対する諸問題を根本的に検討して、さらに前進させるということを強く決意しているわけでございます。 事故の原因につきましては、御承知のように現在事故調査委員会が鋭意調査中のところでございます。全力を挙げて調査に取り組んでおりますので、この調査の状況に私どもも対応しながらいろいろな緊急の対策をしていきたいと考えておるわけでございます。 これまでの事故の発生状況に対応しまして、事故が発生しました三日後の八月十五日には、ジャンボ機の垂直尾翼の垂直安定板と方向舵の一斉点検を指示したところでございますし、またその後、垂直尾翼の損傷と胴体の与圧室の後部と関連しているという疑いもございますので、その与圧室の後部の構造のチェックも直ちに指示をしたところでございます。こうした結果、現在若干のふぐあい等が発見され、報告されておりますが、これらにつきましては直ちに対応させておりますし、こういった問題を少しずつチェックすることによりまして、とりあえずの安全体制の問題を進めていきたいということでございます。 そういうことで、先日羽田と成田の日本航空の整備部門に対しまして立入検査も実施いたしました。これの結果、近くどういうことかさらに分析して対処していきたいということでございます。 それから、今後の事故調査の進展にかんがみまして、さらに検査等を実施していく必要があればやっていきたいと思いますが、今までの一斉点検なり立入検査の結果、これからどういう措置が必要かということも当面の問題として検討していきたいということでございます。 なお、今回の事故にかんがみまして、特に事故の原因が航空機の機体の構造、設計、あるいは整備という基本的な問題にかかわっていますが、航空機の製造国である米国のFAAと連絡いたしまして、さらに事故対策を強化するということを検討してまいりたいと思います。
○加藤(卓)委員 とにかく、今回の災害は天が与えた警鐘だと初めに申し上げましたが、この交通安全対策特別委員会という安全を期する対策を立てる場所で発言できる機会を大変感謝しながら、なおかつ私は、天が与えた警鐘だという意味でここで声を大きくして言いたいのは、ダムの災害の方が非常に大きな災害になりますよということを今一度ここで改めて皆さんの頭の中に入れておいていただきたい。ダムの下にある道路というのは、全部決壊したときにはほとんど交通が遮断されてしまうだけじゃなくて、大変な問題が起きるんだ。 先ほど言いましたとおり、大きなダムをつくるときに、建設省そして国の大きな合意の中に、陸の孤島の中にほとんどダムというのがつくられておるわけでございます。その陸の孤島をただ利用するだけでなく、川下の安全ということも含めてひとつ大きく考えていただきたいのと同時に、今回上野村の村長さんが昨日私のところに陳情に来ました。本庄−中里に至る道路を前々からぜひ国道に編入してくれということを、これは下久保ダムができるときに約束事でなされていたことがおくれているんだ。ですから、こういう問題に関しては、災害が起きて払うところの補償の方がはるかに大きいわけでございますので、建設の方の予算、国の財政の中で大変だと思いますが、ぜひひとつそれを含めて、再度皆さんで交通安全を含める国家安全に対しての御理解をいただきたいと思うわけでございます。 特に、きょうは農林省の方が見えておられるかどうか知りませんが、国有林の中の林道がもしあと二キロか三キロという言葉がございましたけれども、村長が言うのに、大変大きな地域に道路が入っていないというのが今の上野村の現状だ。今たまたま林道は一生懸命つくっております。もし、これが私たちが持っている山の方に落ちたのならば、少なくも林道ができていたんですという言葉が一言出るようなことがあるので、もしどんなことがあっても——どこに飛行機が落ちるというようなことは特定できないわけでございますし、地震だとかいろいろなことの中で起きる問題を勘案されると、私は、下久保ダムに次いで大きな滝沢ダム、そして特に合角そして浦山と三つもダムをつくる秩父の地域がどこも交通が抜けていない、県外へ抜ける道が一つもない陸の孤島であるということを考え合わせるときに、もし五秒違えばこの飛行機は埼玉県側に落ちていたんだそうです。たった五秒で埼玉県側に落ちていたらもっと大惨事になっていただろう。生存者の問題を考えるときに、たった三キロの道が命を救うことになるんだという前提の中で、ぜひお願いしたいのは、離島問題、そしてそういうふうな問題で理解のある皆さんに、陸の孤島をなくなし、交通安全という立場からも皆様の御理解をいただける委員会での発言を許されたことを心から感謝申し上げながら、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小川委員長 次に、永井孝信君。
○永井委員 冒頭に、今回の事故で亡くなられました方々に改めて心から哀悼の意を表するものでありますが、最前運輸大臣と高木社長からも事故の概要説明あるいは陳謝などがございました。私の住んでいる地元で十四名の方が亡くなられておるのであります。その中には本家、新宅の隣同士の御家族が夫婦とそれぞれ子供二人、八人一挙に亡くなられました。この二十五日に合同葬があって私も参列させていただいたわけでございますが、片方の家は母親一人が残り、片方の家はお父さん一人が残りました。まさにそのときの情景というのは言葉で言うことができません。高木社長、その一事をもっても、十分今回のことについては大変なことだということがわかっていただけると思うのですね。御遺族の方々に対する後々の問題についても万全の措置をとっていただくように冒頭にお願いを申し上げておきたいと思うのであります。 初めに、きのう事故調査委員会が中間報告なるものを出しました。そのことについて細かく私の方で分析をし、ここで問題点を提起する時間は実はなかったわけでありますけれども、一つ気になったことを申し上げてみたいと思うわけであります。 それは、事故が起きた当初は地上との交信の関係から、ドアに故障があったのではないかということで一斉点検の指示が出されました。その後で、今度は隔壁が壊れた疑いが濃いということも発表されてまいりました。その経過を見てみますと、例えば八月十九日に事故調査委員会の藤原次席調査官は、記者会見の中で「生存者の証言から、機内に減圧が生じたのは事実。その原因は隔壁の破損とみて間違いない」、こう言い切っているわけであります。そして二つ目には、「隔壁破損が金属疲労の結果がどうかは、電子顕微鏡検査で確定できる」ということを述べているわけであります。そうして、八月二十日には運輸省の大島技術部長は、私どもは圧力隔壁が事故に重大な絡みがあると理解していると発言し、注目をされているわけであります。そうして、この破断面を調査するために、急遠隔壁の残骸を持ち帰るということも事実なされているわけであります。 きのうの中間報告は、なるほどあくまで中間報告でありまして、すべてのことが明らかになったわけではありません。フライトレコーダーやボイスレコーダーのことが中心でありますけれども、中間報告という場合に、それまでの調べ上げてきた事実は最大限明らかにしていくことが必要だと思うわけであります。航空事故調査委員会運営規則第十八条には「現場調査により知り得た事実は、可能な限り発表するよう努めるものとする。」ということも規定されているわけであります。ところが、きのうの中間報告ではこれらの問題については何ら触れられていないわけであります。 かつての羽田事故のときにも中間報告がございました。そのときには逆噴射問題が中間報告の中でも触れられているわけであります。これは一体どういうことなのか。極論をすれば、私の方から一方的にしゃべりますけれども、あの飛行機は七年前にしりもち事故を起こしているわけであります。新聞の報道などを総合して判断をしてみますに、七年前の事故のときに、製造元のボーイング社であの与圧隔壁の下半分を取りかえたということも明らかになっているわけであります。隔壁が事故の原因であるかどうかということは最終結論を出すわけにはもちろんいきませんけれども、この墜落事故に大きな問題点を残していることは事実であります。そのことについてなぜ一言も触れられなかったのか。事故調査委員会、お見えになっておるならお答えいただけますか。
○藤冨説明員 お答え申し上げます。 航空事故調査委員会におきましては、事故発生以来多くの関係者の方々の御協力を得ながら、鋭意その原因究明に努めているところでございます。ただ、今回の事故につきましては、非常に調査の範囲も広く、対象が広範にわたっております関係から、最終的な結論が出るまでには相当の日時を要すると見込まれております。したがいまして、できれば最終的な結論を早期に出すことが望ましいのでありますが、本事故に対します世界的な関心の大きさからも見まして、できる限り速やかにはっきりした事実だけはお伝えしたいという趣旨で、昨日中間的な報告をした次第でございます。 ただ、その内容につきましては、現場の状況はまだまだ十分整理された状況にございません。各部品につきましてもまだまだ十分に収集し終えた状態ではございませんで、まだまだ調査官が立ち入れない場所に部品等が落ちているということも考えられておりますので、そういった全体の部品を収集いたしまして、その部品についての判断は、それをできるだけ早くこちらの方へ持ち帰りまして調査分析をいたしませんと、事故調査委員会としての判断としてはいたしかねるという事情がございました。 しかしながら、社会的に関心のある問題でございますので、はっきりした事実はできる限り公表したいという趣旨から、現在までCVR、DFDRといいますこの二つの事故原因の解明に重要な役割を果たすと考えられるものの解読が一応終わりました関係で、これだけを切り離しましてこれを中心とした経過報告を作成した次第でございます。
○永井委員 これからももちろん中間報告がなされるわけでありましょうけれども、事故が起きてから半月以上たっているわけであります。この時点で、今までマスコミを通して国民の皆さんにいろんな事故の概要や推定論が出されてまいりました。非常に国民の皆さんはこれについて、自分たちも飛行機に乗るわけでありますから関心を持っているわけであります。そういたしますと、この隔壁問題が大きな一つの焦点になっているだけに、この隔壁問題についても今の段階ではこうだということは当然私は触れるべきだと思うのであります。 日航の方が、かつてこの隔壁問題が焦点になったときに、隔壁に亀裂が入っていたかどうかは定かでないということが発表されました。ところが、この事故調査委員会の中間報告の直前になって、日航側は、隔壁に亀裂はなかった、こういうことを発表しているわけであります。なぜ当初隔壁の亀裂まで点検をすることができていなかったということを発表しながら、今の段階で亀裂はなかったと断定するのか。 そして私は、今回の飛行機事故について、もしボーイング社の修繕が遠因であったとすると、断定はできませんけれども、これは機体構造上の問題として修理に携わったメーカー側に大きな責任が生じてくるわけであります。もし整備の関係で手落ちがあったとすると日本航空に大きな責任が負わされていくわけであります。そういう関係から、日米という国際関係も考慮して、そこに何らかの作用が働いているのではないかと私は疑わざるを得ないわけでありますが、これについて大臣はどうでございますか。
○山下国務大臣 今のお尋ねはしりもち事故のことについてと理解してよろしいですか。——このことにつきましては七年前に十分な事後の処理がなされた、つまり部品も一定の必要限度からかなり広範に取りかえられたし十分修理がなされたというふうに私は伺っておりますし、その後今日まで七年の間、何らのふぐあいもなかったし、毎年定期的に行われる点検におきましてもこれはパスをしてきている。その点検というものは、もちろん事故のときもあるいは定期点検につきましても、政府が一定の資格を与えております調査官によって厳重に決められた問題について点検の処理をしてきているということでございますので、私はこれは不可抗力であった、もしもそこにまた原因があったとするならば、今後改めてそれをどうするかというのは今後の問題として対処しなければならぬ、従来からのそういう問題に対する一つの処理の方式としては私は十分なされた、このように伺っておるのでございます。
○永井委員 今、大臣は重要なことを発言されたわけですね。七年前のしりもち事故について万全の措置をとった、そしてそのことが原因で仮に事故が起きたとすると、私の受けとめ方としては、ある部分では不可抗力ではないかというお答えがございました。これだけの事故を起こして、少なくとも不可抗力ということで片づけるということは、私は大変なことだと思うのですね。 金属疲労であったといたしましても、その金属疲労による亀裂がもし生じたとすれば、それは整備点検の段階で発見するようにすべきであります、人命がかかっておるのですからね。自動車のように大地の上を走っておるのじゃないのですから、墜落を起こせば大惨事になることは目に見えておるわけでありますから、たとえ部分的であったにせよ、不可抗力ということで、事故調査の途中の段階でそういう発言をされることはまことに私は遺憾だと言わざるを得ないわけであります。それについてもう一回大臣にお答えをいただきたいと思います。
○山下国務大臣 今申し上げましたように、従来から定められております一つの事故の処理、あるいはその後の点検という制度から見れば不可抗力であったと思われる。したがいまして、もしもさかのぼってそこに何らかの欠陥があったとするならば、点検の方式、修理のやり方等について今後ひとつ改められるべきであるというふうに私は申し上げたつもりでございます。
○永井委員 重ねてお聞きいたしますけれども、この七年前の修繕については、もちろんボーイング社がこれを行ったわけでありますが、これを検査し、まあ言えば合格証を発行したのは運輸省ですね。そうすると、もしそのときの検査が完璧になされておらず、今回の事故にそのことが原因ということになった場合は、運輸省に責任がありますね。どうですか。
○大島説明員 ただいまの御質問の点につきましては、現在事故調査委員会において隔壁の破断の状況、これを詳細に点検しているところでございます。私どもも七年前の大阪空港でのしりもち事故については、この事故との関係において重大な関心を持っているところでございますが、やはりこれは技術的に検討をしなければこの因果関係は明らかにできないと考えておりまして、ただいま現在のところでは、私どもの調べたところでは、この事故後の修理、それに伴う航空法に基づく修理改造検査において事故前の状況に原状回復している、こういうことを確認して合格といたしたものでございまして、今後事故調査の結果を待ちまして、技術的な詳細の検討を加えてこのしりもち事故との関係についての判断を行いたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○永井委員 大島技術部長にもう一回お尋ねしますが、圧力隔壁が事故に重大な絡みがあると理解しているという理解には変わりありませんか。一言でお答えいただけますか。
○大島説明員 私どもは直接圧力隔壁を調査する権限は現在のところございません。現在のところでは、事故調査委員会の発表あるいは新聞等による情報等を総合してみたときに、圧力隔壁と事故と関係ないということは言えない、つまり、圧力隔壁の破断状況いかんによってはこの事故と重大なかかわり合いがある、こういうような趣旨の発言をしたわけでございます。
○永井委員 大臣、このボーイング社と日本航空の関係において、事故の原因の究明いかんによってはその責任がどちらにかかるかということが出てまいりますね。そういうことは一切関係なく事故調査が進められるはずでありますが、それについて大臣は保証していただけますか。
○西村説明員 今言われましたような事故調査が進展いたしまして事故原因が判明したときは、製造者であるボーイングあるいはこれを運航、整備していた日本航空、いずれかの方に原因があるということが考えられるわけですが、その場合に事故調査のあり方とすると、少なくとも原因者であるボーイング社が事故調査の原因究明に協力をすることがあっても、この原因について、自己に有利になるような形で介入してくるということは絶対に排除しなければならないということでございます。事故調査のあり方は、原因究明を最も公正に、そして正確にやるということでございます。 ただ、現実の問題としまして、事故原因の究明に当たりましては、設計者であるボーイング社の技術なり設計の考え方なり、そういった細部の問題については、実際に意見というのか、事実を調査しないと、事故原因の究明ができないという部分も必ずや将来出てくるということでございますので、それは公正な形でそういうボーイング社との連絡をしていくということでございまして、これは特に米国のFAAとの関係で、十分に慎重に対処していくということを考えている次第でございます。
○永井委員 日本航空にお尋ねいたしますが、十時さんというのですか、整備本部長でありますが、「隔壁破裂を疑問視 点検で亀裂なかった」、こういうふうに報道されているわけであります。当初、隔壁問題が大きな話題になったときに、日本航空側は当時の記者会見で、そこまでの点検は日常的にできていない、だから、亀裂があったかどうかは不明だ、こういうことを発表しておきながら、この時期に至って、「事故機の隔壁は昨年十二月に、念入りに点検している。ベテラン検査員が見たが、異状はなかった。」と断定しているのですが、これはどういうことですか。
○平沢参考人 お答え申し上げます。 先生のおっしゃいました事故発生当初における日本航空の新聞記者会見等での発言は、当時、構造部分のサンプリング検査という方式でございますけれども、この八一一九号機は、そのサンプリング検査の対象にはならなかったということでございます。しかしその後、サンプリングというのは世界じゅうの747型機を対象にしましての検査でございまして、やられました検査結果に基づいて、ボーイング社が、もしふぐあいなところがあれば各社にその修正要求を出す、勧告を出す、こういう方式になっておりまして、当該隔壁に関しましては、その隔壁の下部のところに腐食が生ずるおそれがある、こういうことからその部分の検査と、それから検査後の腐食を防ぎますオイルの塗布、こういうものをリコメンドしてまいりまして、それを受けまして、当社でも後部隔壁の検査につきましては実施をいたしたわけでございます。現在はこれを1Cという整備のカテゴリーごとに内部に入りまして検査をすることになっております。 そこで、当該機は昨年の十二月六日に行われましたC整備の際に、隔壁の後部からその隔壁全体を検査をいたしておりまして、そのときに特に欠陥が見つかっておりませんので、整備本部長である十時がそういうことを申したわけでございます。本件につきましては、最近行われました立入検査の際にも、検査の書類等について確認をいただいていると存じております。
○永井委員 今この整備の状況について御説明いただいたわけでありますが、事故が起きて当分の間はそこまで確認ができなかった。そして、十時さんが発表されたのは八月の二十六日であります。そうすると、日航の整備の状態把握というのは半月近くかからないと、その飛行機をどういう点検をしたかということがつかめないような状態なんですか。時間がありませんから一言で答えてください。
○平沢参考人 十時が発言いたしましたのは、おっしゃったように十五日後でございますけれども、その事実を私どもが調べてつかみましたのはもっと前でございます。したがいまして、時間がかかるということではございません。
○永井委員 今、検査体系の中でサンプリング検査ということが出てまいりました。したがって、その関係から先にちょっと申し上げてみたいと思うのでありますが、実はきのう、私は今お答えいただいた専務とお会いしたわけであります。私の方からいろいろな質問もしてみました。 私の質問の一つの要旨は、ジャンボ機になぜオーバーホールがないのかと尋ねたわけであります。自動車でもオーバーホールがある。国鉄の車両でもオーバーホールがある。なぜ人命を損なう大惨事につながる航空機についてオーバーホールがないのかということをお尋ねいたしました。そのときの説明は概略こういうことであります。 私も専門的にはわからなかったわけでありますが、下検査、A検査、B検査、C検査、H検査とある。下検査とは毎飛行時に点検を行うことであって、A検査は二百五十時間飛行するごとに点検をする、それはエンジンとか足回りとかそういうところですね。B検査は千時間ごとに点検をする、C検査は三千時間ごとに点検をする、こういうことになっているわけであります。そうしてH検査というのは、オーバーホールにかわるものでありましょうけれども、四年ごとに点検をするという説明をされたわけであります。そして、この四年ごとのH検査というのは、大改造を含めまして本格的な修繕を行う。したがって、検修期間も半月から二十日ぐらいかかるというわけですね。それだけの検査を繰り返し繰り返しやっているから、メーカーの方で指定したこともあるんでありましょうけれども、オーバーホール制度はジャンボ機についてはとっていない、だから今の検査体系でも十分に対応できるんだ、概略言ってこういう御説明がございました。 ところが今、専務の方からはサンプリング検査ということが出てきたわけであります。きのうオーバーホールのことを私が質問したときになぜそのことを答えなかったのか。私も後でわかりましていろいろ聞いてみました。運輸省の方にも聞いてみました。そうすると、サンプリング検査というのは、H検査の時点において一番大きな検査ですね、五分の一、二〇%の検査をやって、それで支障がなかった、言えば修繕の必要がない、問題がないということがわかれば、あとは、他の飛行機については省略をしてよろしい。簡単に言えば五機検査するうち一機の検査について大丈夫だということがわかれば、あとの四機はその個所については検査する必要がないということだそうであります。 飛行機すべてが同じ状態とは限らないわけでありまして、ジャンボ機がこの間墜落した、大惨事を起こした。じゃ、あとのジャンボ機が全部墜落するかというとそうではないと思うのです。飛行機によって全部違うわけであります。このサンプリング検査が運輸省で認められて、そのように指導されているということになりますと、これは重大なことだと私は思うのであります。 後で申し上げようと思ったのでありますが、この間ドイツのフォルクスワーゲンの車がブレーキ関係に欠陥があるということがわかって、世界に百万台の改修を命じました。こういうケースは随分あるわけであります。原因が不明で、かつての事故のように操縦士のミスで墜落したということが明らかな場合はさておいて、重要な部分に構造上の欠陥が生じて墜落したと推定される、尾翼が相模灘で発見された、こんな事故はめったにないことであります。それだけの重大事故が起きたときに、この十時整備本部長も言っておりますけれども、これを引用いたしますと「これまで知られていなかった性質のトラブルが起きたのだとしか考えられない。それも、何かいろいろな現象が重なり合ったのではないか。」こう整備本部長は言っているわけであります。一つの欠陥だけであれだけの大事故になったとは限定できないわけでありまして、どこに原因があったか、これが大変なことです。極端なことを言えば、ボルト一本の折損からそこへ波及していったかもわからぬ。これは推定でありますけれども、いろいろな原因が推定されるわけであります。 そのときに運輸省は対症療法的に、今までの事故が全部そうでありますけれども、ここに記録も持っておりますけれども、事故の起きるたびにその対症療法的に点検は指示しておるのでありますが、これだけの事故を起こして、一部点検を加えながら、日航はジャンボ機を全部飛ばしているところに安全上の大変な姿勢の過ちがあると私は思うのであります。つけ加えて言いますれば、全然ケースが違う話でありますが、例えば町の中でレストランが食中毒患者を出した、三日間とか一週間とか営業停止処分を受けるわけであります。たとえその中毒の原因がわかっておっても営業停止処分を受けるわけであります。ところが航空機の事故については、過去も墜落事故が起きても営業停止処分を受けたという例はない。ましてや今回のような大事故に遭遇しながら、同じ型の飛行機が明くる日からもお客さんを乗せてどんどん飛んでいる。これは運輸省と日本航空双方にお尋ねしますが、こんなことで果たして本当の安全確保ができるのですか。本来なら運輸省が同型機の飛行を停止させて一斉に点検を命じるくらいの厳しさがあっていいのではないですか。まず運輸省からお答えいただきましょう。
○大島説明員 初めに、御指摘のありましたオーバーホールとサンプリング検査の関係について少々御説明したいと思います。 航空機の整備は、大きく分けますと、機体の構造の検査、それから機体に取りついております装備品あるいは配管、配線等のいわゆる系統と申しますが、こういう部分の整備というふうに分けられるわけでございますが、DC8以前の航空機はオーバーホールという方式が一般的でございました。オーバーホールと申しますのは、全部分解して洗浄検査してまた組みつける、こういうような作業、総分解手入れということでございますが、飛行機が複雑になりいろいろな機器が出てまいりますと、今正常に動いている機体を分解してまた組みつけるということは、前よりも安全性が高まったと必ずしも言えない場合も間々出てまいります。つまり、オーバーホール後の機体の品質そのものが、たくさんの人の作業工程を経ることによって、全体としては安全であるにしても、オーバーホール直後においてはいろいろな故障が発生する、こういうような事例が出てきたわけでございます。 それで、装備品あるいは系統につきましては、最近機体についたままで状況を診断する技術が発達してまいりました。そうしますと、現在調子よく動いている系統については機体につけたまま状況を検査する、これの方が安全であるというような概念で、現在では装備品についてはある一定の時間で取りおろして工場で分解検査をするものがございますが、機体の系統等についてはいわゆるオンシップのまま診断をする、オンコンディション方式ということが一般的になってきたものでございます。 それから機体の構造につきましては、機体の構造を検査するというのは、金属疲労の問題あるいは腐食の発生の有無、こういった点を主として検査するわけでございますが、この両者はいずれも飛行機の使用時間が長くなると発生率が高まる、こういう性格がございます。また飛行機の構造につきましては、同機種の飛行機であれば、疲労の発生の状況あるいは腐食の発生の状況等が非常に似通った形態で発生する、こういうような考えから、最近の、特にジャンボ以降の飛行機におきましては、装備品あるいは系統についてはオンコンディション方式、それから構造検査については世界のフリート、世界の航空機の全数から早目早目に抽出検査を行って、亀裂あるいは腐食の初期の段階において見つける、初期の段階において見つけたものを全世界のその他の航空機に対策を適用しまして、それで安全性を高める、こういうような方式がとられているのでございます。 それで、ボーイング湖について見ますと、ボーイング社において六万時間までの疲労試験を行っております。このサンプリング検査と申しますのは、現在二万時間で五分の一サンプリングというのが世界的に認められておるところでございますが、これにつきましては、当初は九千時間でサンプリング検査をやり、亀裂の発見、腐食の発見等に努める、これで十分安全だということで、次の段階として一万六千時間、現在二万時間、こういうふうに延ばしてきた経過があることでございます。そのほか、この検査で発見しがたい部分の構造欠陥につきましては、ただいま先生もおっしゃいましたC点検と称します三千時間ごとの点検で検査を続けている、こういう二つの方法によりまして機体の構造の安全性、長期間運用の安全性が保たれているということでございます。この点におきましては、自動車等でのオーバーホールの考え方とはかなり違ったものとなっていることを御理解いただきたいと思います。 後の方の飛行停止をすべきではないかという点でございますが、今回の事故につきましては、早い段階に垂直尾翼が事故地点から遠い相模湾で発見された、あるいはまた耐圧隔壁の破断によるディコンプレッションの状況が証言等から伝えられたことでございますので、私どもはそのような情報を受けて、日本のジャンボジェット全機について疑わしい部分の構造の一斉点検を実施したわけでございます。その結果で見ますところでは、同種の航空機には耐圧隔壁の亀裂等は発見されておりません。多少のふぐあいはありましたが、直ちに飛行を停止する性質のふぐあいは発見されておりませんので、私たちはこういうことを確認いたしまして、大変たくさんの方々が次の日もジャンボ機を利用されておったわけでございますが、私ども技術の知識と判断によりまして安全を確認しつつ運航を続けておるところでございます。また今後とも、何か新しい事実が発見されましたならば、時を過たずに必要な技術対策を打っていきたいと考えておる次第でございます。
○永井委員 御注文申し上げますけれども、限られた時間ですから答弁はできるだけ要領よくやってもらいたいと思うのですね。 そこで、私の質問に対して後段で今お答えになった中に、隔壁の亀裂を点検したとかいろいろなことがあって、一応問題がなかったのでそのまま飛行を認めていったということが言われているわけでありますが、当初はドアの点検をしたのです。そして隔壁の点検をしたのです。尾翼のつけ根の部分を点検したのです。途中で日本アジア航空ですか、あの点検の中で、一機が尾翼の重要な部分に問題点が発見された、そういうこともあって点検で大きな成果を上げているわけでありますが、しかし、原因が特定できないときに後追い後追いの点検だけで果たしていいのだろうか。 技術部長は今のような答弁をされたわけでありますが、明くる日もたくさんのジャンボのお客さんがおったことは事実でありますけれども、その点検の箇所が、今回の事故に直接原因のあるところと違うところをもし点検をしておったという結果になったとしたら、事故が起きないという保証はないわけでありまして、だから、万全な上にも万全な対策を立てる措置をとるということは、私は航空行政を預かる運輸省としては当然なことではないかと思うわけであります。これは答弁要りません、私の考えてありますから。 しかし、一つだけ答弁をしていただきたいのは、日航側はボーイング社の示したマニュアルどおりに検査をしてきているわけであります。その限りにおいては、検査について私どもは手抜きをしていないということになっていくのでありましょう。しかし、その中で事故が起きたわけだから、マニュアルそのものを再検討すべきでもあるし、ましてやこのサンプリング検査というものについてこの時点で再検討すべきではないかと思うのですが、これをひとつ簡単にお答えください。
○大島説明員 事故後行いました関係部分の一斉点検において、通常の検査項目では発見されないふぐあいと認められるものもございました。こういった状況を受けまして、私どもは点検項目あるいはその方法について改めて検討してみたいと思います。 また、このサンプリング方式そのものにつきましては、先ほど御説明いたしましたように、世界的に認められた方式でございます。しかしながら、その中になお補強すべき点があれば、その点も含めて今回の事故を契機にして検討いたしてみたいと思っております。
○永井委員 重ねて要望しておきますが、この検査のあり方ということについては、事故調査委員会の結論もありますけれども、それを受けてひとつ根本的に再検討して、適切なものに変えてもらうように私はさらにお願いをしておきたいと思うわけであります。 そこで、事故調査委員会にお尋ねいたしますが、きのうの中間発表の中でボイスレコーダーの解析、フライトレコーダーの解析が発表されましたが、これは全部ですかどうですか、一言で答えてください。
○藤冨説明員 昨日御報告いたしましたフライトレコーダー、ボイスレコーダーの内容につきましては、これは一次的な、まずそこへあらわれたデータの読み取りというふうに御理解いただきたいと思います。これに基づく解析はただいまから始めていくということでございます。
○永井委員 このボイスレコーダーは、マイクはコックピットの天井に設置されているわけですね。だから、コックピット内のすべての会話はそこに収録をされるわけであります。私の調査したところによりますと、地上管制官との交信記録などは直接そこに録音をされるということになっているそうでありますが、その分も、これはフライトレコーダーと違いまして、そのまま音声を読み取ればいい話なんですね。外国の例でいきますと、ボイスレコーダーなどは、声の特定できない人はその声を特定するためにも、家族まで含めて全部生の声を聞かすということもされているそうでありますが、この点はなぜこの時点ですべて明らかにされなかったのか。そこまで時間的な余裕がなかったのか。お答えください。
○藤冨説明員 お答えいたします。 ただいま先生のおっしゃいましたコックピットの上の方にあるマイクといいますのは、通称エリアマイクと呼ばれておりまして、コックピットの中の会話が全部収録されるというマイクでございますが、実はボイスレコーダーに入っております内容はこのほかに三つのテープがございまして、それぞれパイロットとコーパイロットとそれから航空機関士と、それぞれの前にマイクが一つずつついております。航空管制との通信等は、外部と行った通信というのはそれによってその中に入るわけでございまして、これらの音は極めて明瞭に入るわけでございまして、これにつきましても昨日の報告書の中では全部解読し得たものは公表いたしております。 ただ、エリアマイクにつきましては、いろいろな音がまじるということで、なかなか解読は困難であるということで、その第一次の粗解読といいますか、解読状況は八月十九日に一部公表しまして、さらにその後鋭意解読に努めた結果は昨日の報告の中に入っておりますが、まだ完全に解読し得たというところまでは至っておりませんで、若干まだ残っている分も、ございます。
○永井委員 この前、当委員会の理事会におきまして、すべての資料を公開するようにということを要求し、運輸省当局にも御了解をいただいたわけでありますから、今後の事故の防止に役立てるために、これはすべてを公開するよう改めて求めたいと思います。 そうして、フライトレコーダーの解析でありますけれども、これにはかなりの設備と専門家を必要とすると言われているのでありますが、事故調査委員会としては、このフライトレコーダーの解析をどこでされているのですか。
○藤冨説明員 先生おっしゃるとおり、フライトレコーダーの解析につきましては非常に専門的な知識を必要とするものでございます。そこで、航空事故調査委員会といたしましては、制度的に認められております、専門的な事項を調査するために学識経験者としての専門委員を今回の航空事故に際しまして発令させていただいております。そして、専門委員と航空事故調査官、それが航空事故調査委員会におきまして第一段階の検討をいろいろと行いました後に、最終的な解析結果は委員会において判断をするということになるわけでございます。
○永井委員 大きな設備も要るわけですね。だから、今聞いた専門委員の人たちが当たっているそうでありますが、一体どこでやられているのかということです。
○藤冨説明員 一次的なレコーダーの読み取りは、コンピューターでアウトプットいたしました図でございますので、その図を見まして、第一次的には机上で専門委員の方々がいろいろと検討されております。その結果いろいろな試験研究が必要になることもあろうかと存じますけれども、現在はまだその段階には至っておりませんので、その段階においてまたそれぞれ必要な調査研究を行うということになろうと存じます。
○永井委員 もちろんこれには企業に御協力いただいているのでありますが、その企業がどこなのかということです。
○藤冨説明員 解析そのものについては、企業は直接タッチいたしておりません。
○永井委員 そうすると、このフライトレコーダーの解析については、仮にどこかの企業の設備を使ったとしても、その解析作業は事故調査委員会の委員並びに委嘱をした専門委員、学識経験者、この人たちが直接すべてに当たるということですね、もう一回確認しますけれども。
○藤冨説明員 解析については、調査委員会が責任を持って当たることになります。
○永井委員 これはそれ以上申し上げることはいたしませんけれども、ここで私は具体的な問題で疑問点を解明してもらいたいと思うのであります。 この事故調査委員会の調査というのは、いわゆる第三者の立場が確立をされていかなければいかぬわけですね。運輸大臣の直属機関として存在するのも、こういう事故が起きてみると、やはりどうかなという気がしないでもないのです、外国の例では完全に独立をしているというところもあるわけですから。運輸省の、運輸大臣の直属機関であるとすれば、これは人情論でありますけれども、運輸省の責任にかかる問題であれば、やはりつい矛先が鈍るということも、これはあってはならぬことでありますが、そういうこともあり得るのではないかと心配をするわけですね、大臣。だから、この事故調査委員会というものはやはりあくまで完全独立させるべきだと思うのでありますが、これは私の意見として申し上げておきたいと思います。 そこでこの事故について、この前落合さんの証言が新聞で発表されました。日航のスチュワーデスの方ですね。これは実は日航の整備担当の重役の方が本人に会われて証言を発表されたわけであります。このことについて、その発表の段階で事故調査委員会は承知しておりましたか。
○藤冨説明員 私どもは直接は承知しておりません。
○永井委員 ここが非常に重要なポイントでありまして、九死に一生を得た落合さんの奇跡の生還に、本当に私はよかったな、こう思うのでありますが、この落合さんが病床にいるときに、その事故証言を取るのに、事故調査委員会もまだタッチをしていない、もちろん警察当局もタッチをしていない、もちろん面会謝絶という状態にあった。そのときに、事故を起こした日航の、しかも整備担当者が直接落合さんに会っていろいろな証言を聞き出して、それを一方的に新聞に発表するということは、私は非常に大変な問題だと思うのですね。本来、事故調査が事故調査委員会の手にゆだねられているとするならば、そういう重言を得ることも日航が勝手に、しかも航空機の構造上の欠陥ということがほぼ断定できる段階で落合さんに証言を求めることは不謹慎のそしりを免れない。そこに落合さんの証言を利用する恣意的な動きがあったのではないか、私はこういうように思うのですが、どうでございますか。 さらにもう一つ、これもいろいろな関係の方々にお会いをして聞いているうちにわかったことでありますが、新聞発表でダッチロールという言葉が出てまいりました。ところが、いろいろ乗務員の皆さんにも聞いてみますと、ダッチロールという言葉は専門用語でありまして、コックピット内でもほとんど使われていないというのですね。だからこれは推測でありますが、客室乗務員の職務にある落合さんが、ダッチロールという言葉を知っておったとは思えないということも聞いているわけであります。ところが落合さんはダッチロールをしたということを言った、こう発表されておるわけであります。さらにベントホールはあいていなかったということもその証言の中に出てきているわけであります。このベントホールは落合さんの座っておった座席からは全く見えないわけでありますが、なぜベントホールがあいていなかったという証言をしたのか、私はこれまた非常に疑問に思うわけであります。 そのことの疑問点を解明することも大事でありますが、事故調査委員会がタッチをしていない、いわば初動捜査でしょう。初動捜査の段階で、そういう権威を持った関係者以外の、しかも事故を起こした会社の整備の重役が一職責からいえば重役は偉い人ですよ。偉い人になかなか職場の人間は抵抗できないでしょう。そういう状態の中で、密室で落合さんから証言を得るということは、一体これはどういうことなのか。くどくどしい弁解は要らぬから、ひとつ端的にお答えください。
○川野参考人 お答え申し上げます。 落合君は私用で当該機に乗り合わせておりました社員でございます。面会いたしました役員は事情聴取を目的としたものではございません。しかしながら、落合君との話の内容につきまして、聞いた落合君の話をそのままマスコミの方に発表したということ、これは事故調査及び警察の調査の関連等を考慮いたしますと、このようなことはすべきではなかったということで大変深く反省をいたしております。いずれにしましても、警察の職務遂行に多大な御迷惑をかけたものと我々考えておりまして、深くおわびを申し上げる次第であります。
○永井委員 済んでしまったことですから今さらもとへ戻すことはできませんけれども、落合さんにすれば、これから事故調査委員会の事情聴取に応じたり、警察の事情聴取に応じる場合に、あの発表がいろいろな意味で私は足かせになると思うのです。余りにも残酷じゃないですか。そういうものは第三者に任せるべきであって、二度とこういうことは起こさないように厳重に私は警告しておきたいと思うわけであります。 その次に、運輸省の一斉点検の過程でボルトの折損事故とか緩みとか、あるいは亀裂などが随分発見されました。フライト一万五千回以上の十六機のうち十二機にそういうものが見つかった。一万五千回以下の飛行機にも二十四機中十一機が見つかった。きのう現在ではまだ日航の所有するジャンボ機のうち四機は未点検のまま飛んでいるわけであります。もちろん機種は大変新しいそうでありますが、それにしても未点検のまま飛んでいるわけであります。運輸省の指導した点検がまだ手がつけられていないそのままで飛んでいるわけであります。 そして、このボルト折損事故などの発見に対して日航の関係者の対応をマスコミの報道を通して知るところによりますと、例えば河野日航整備部長の話では「ボルトの複数本に亀裂ができると外から発見できるが、一本ぐらいの折損だと発見できない。しかしボーイング湖はボルト一本の折損まで日常のチェックで発見する必要はない。」こう言い切っているわけであります。あるいはこのドア故障、シドニーでドアの故障が見つかって成田へ来て、成田で応急処置をやってまたヨーロッパへ往復しているわけですね。これは大変大きく新聞にも報道されました。 専門的なことはわかりませんけれども、上空へ行ったときに機内の圧力でかなりの力が加わってドアがずれる、そのことは事故の遠因になる可能性を持っていると私は思うのでありますが、きのうの日航のお話を聞いていますと、そのことは直接原因にはならない、こう言っているわけであります。そして当時、日航の中西補給部長さんですか、「安全運航に全く支障はなく、現在も就航している。」こう言っているわけなんです。 私はその日航の姿勢に問題があると思うのであります。これだけの事故を起こした後でありますから、全く安全に支障がないと思われる個所のボルトの一本の折損が見つかっても、国民の皆さんは大変な不安を持っているわけでありますから、このボルトの一本の折損は直接影響はないと思われるが、たとえボルトの一本の折損でも絶対に見逃さないという整備をいたしますとなぜ言えないのですか。そこに日航の許せない体質があると私は思うのであります。 そのことのついでに申し上げますが、日航では「おおぞら」という機関誌を出されております。交通安全対策委員会の理事をしております関係で私の手元にも毎回送っていただいているわけであります。その御配慮には感謝をいたしますが、七月号のこの「おおぞら」にどういうことが書いてあるか。日航は経済性追求にすべてをかけるということに貫かれているわけであります。そしてその中に、高木社長の発言で、抜粋して読み上げてみますが、「販売なくして事業なし。真心なくしてサービスなし。飛ばずして世論の支持なし」、こう言っているわけであります。ここには安全ということは出てこないわけであります。フライトこそすべてだ、こう言っているわけであります。「収益の増大には、もちろん利益の増大が大きく関係するけれども、コストも非常に大きく関係する。」これは経営上当然なことであります。そこが大変強調されている。 そして「増収・増益という形が一番望ましいんだけれども、収入の伸びに一定の限界があるとすれば、コストのほうで押さえないと、増益にもならない。そこにどうしても出てくるのがコストの問題ですね。」こういう提起に対して、「そのコストの大口として、次に十時整備本部長……」、こう指名しているわけであります。括弧書きで(笑)と書いてある。日航の安全第一が本当だとすれば、この整備の関係について、コストの一番大口だからその軽減を図るのはあなたのところですよ、こう指摘をされたときに笑いが起きるというのはどういうことですか。これは安全に対する姿勢が欠落している証拠でしょう。 しかも整備本部長はどう言っていますか。「整備本部側は、是が非でも原価を落とそうという動きをしているわけです。」これは一体どういうことなんですか。是が非でも原価を落とすということは、検修に手を抜くということでしょう。そして、日航の職員が二万二千名ほどおるのでありますが、二万人の体制が実現したらそれでよいというものではない、さらに次は一万八千人だ、こう言っているわけであります。このことと、ボルト一本の折損が問題にならないということと私は大きな関係があると見るわけであります。少なくとも何百人という人を一機に乗せて空を飛ぶ、そういう企業のトップがこういう態度でいいのですか。高木社長、答えてください。
○高木参考人 ただいまの永井先生のお言葉でございますが、この大事故を起こした私どもがこういうことを申し述べましてもまことにむなしいという反省がございます。ございますが、私どもの経営に取り組んでいる考え方、基本、これはひとつぜひ御理解をいただきたい、こう思いますので申し上げますが、ただいま先生の御指摘でございますけれども、願わくはあらゆる会社幹部の、経営に当たっている者の平素の発言あるいは文章等をごらんいただければと思うのですが、特に今の「おおぞら」の七月号の座談会の記事についても、全部を通読していただきましたならば、やはり我々が安全第一ということを考えておるということは御理解いただけるんじゃないだろうかというふうに考えます。 これは端的に申し上げまして、安全なくして利益なし、私どもはそう考えております。第一、航空輸送事業に携わる者として安全第一ということは当然のことであります。それの前提のもとにいろいろなことを考えるわけでありまして、例えば先ほど先生が御引用になられました部分につきましても、その前提にはまず安全ということが先にあって、その上での話であるというふうに御理解をいただきたい。もちろん企業でございますから、健全な発展をするためには利益を上げなければならぬ、こういうことではございます。こういうことではございますが、現にこの事故を起こしまして、私どもが一体企業の経営としてやっていけるのかということ、このことを私どもは平素から十分に考えておるわけでございまして、そういう意味で安全なくして利益なしという考え方、これが私どもの基本であるということをひとつぜひ御理解をいただきたいと考えております。
○永井委員 私は、この「おおぞら」全部読ましていただきました。この最後の方で「安全第一」という言葉が出てくるのです。しかも社長の言葉ではないのです。社長の言葉は「フライトのない航空運送サービスなんてありえない。」こう言っているわけです。今の社長の言葉を本当だとすると、安全がまず第一で、それが旅客に対する最大のサービスでしょう。その思想はどこからもうかがえないですよ。これは時間がありませんからこれ以上言いませんけれども、日航自体の安全に対する姿勢は根本的に変えてもらいたい。また、運輸省もそういう姿勢をとらせるように経営のあり方をもう一回問い直すように、ひとつ厳しく指導監督してもらいたいと思うわけであります。 もう一つは、もう時間がなくなってきましたけれども、総務庁が「航空行政監察結果報告書」というものを昨年の十月に出しました。この中には残念ながら安全という字は一字も載っていないわけであります、これだけの資料に。それは人が多過ぎるとか、もっとコストを下げろとか、もっと金もうけをしろとかいうことに貫かれているわけであります。総務庁のこういう行政監察の姿勢が、日航の経営のトップをそういう方向に走らせているといっても私は過言ではないと思うわけであります。これについて十分な答弁をいただく時間がありませんから、それはそれで結構であります。 もう一つ、事故調査委員会について私は落とした問題がありますので申し上げておきたいと思います。この事故の現場に、事故調査委員会が事故調査委員会として現地に調査に入る前に、日航当局に、日航の会社側に、その事故の点検のために特別に何か要請したことはございますか。
○藤冨説明員 お答えします。 事故の現場に入ります前に要請をしたことはございません。
○永井委員 これも大変重要な問題でありまして、八月十四日に日航の作業着を着た方々が二十数名現地に入っていらっしゃいます。これは生存者の確認とか遺体の捜索じゃないのです。それとは別に入っていらっしゃるのです。その入った方々にもきのう確認をしてまいりました。私たちは会社の指示で参った、こう言っているわけであります。私は当初、事故調査というものは第三者の立場が貫かれなければならない、こう言いました。これは何も一般の破廉恥罪の犯罪ではありませんけれども、常識的にそういう事件があった現場の保存という関係から考えましても、その当該の人たちがそこにタッチをすることは調査上好ましくないことであります。だから事故調査委員会が直接現場にも出かけているわけであります。このことについて、ある労働組合が会社側にこのことを質問いたしました。会社側の文書はここにあります。その文書の中で、「当社の技術派遣団は事故調査委員会の要請に基づいて、八月十四日に現場に入り、事故調査委員会のメンバーの指揮下で水平尾翼付近についても調査活動をしたのだ」、こういうふうに回答しているわけであります。むしろそういうことについて事実を知らないままにそういう指摘をした労働組合に、文書で回答せよと求めているわけであります。これはどういうことですか。
○平沢参考人 ただいまの件につきましては組合からもいろいろと話がございました。私どもは現地に派遣をいたしました者に直接確かめまして、本来、もともと警察あるいは事故調査委員会の御許可がなくてはそういうことをしないということが方針でございますし、確かめましたところでは、そういう御許可あるいは御指示のもとに立ち入ったものであるということを私どもは確認をいたしております、
○永井委員 これはどういうことなんですか。事故調査委員会はそういう要請をしていないと言っている。そうしてその派遣された人々は会社の指示に基づき行っていることは間違いないわけです。極端なことを言えば、私は言葉悪いですよ。言葉は悪いけれども、日航の責任にかかわる事故の原因が、もしそこで隠ぺいできたらという考えがなかったとは言い切れないと思うのであります。だから、現場の調査については当事者が行くべきではないのです。事故調査委員会に任せればいいのです。ところが、事故調査委員会はそういう要請はしたことはないと言うけれども、平沢専務は事故調査委員会の指導に基づいてやったと言う。これは一体どういうことなんですか。——委員長、ちょっと時間を一、二分オーバーしましたけれども、ここはひとつ堪忍してください。
○小川委員長 認めます。
○藤冨説明員 事故調査委員会の立場から御説明申し上げますと、現地へ参ります前に要請したことはございません。ただ、現地におきまして日航の整備関係者がおられまして、私どもの現場へ派遣しました調査団に対しまして協力の申し出があったと聞いております。 私ども事故調査をやるに当たりましてはあくまでも、現場の保存等は警察にお願いしておりますが、調査自体は事故調査委員会の調査官が主体となって行っているところでございますが、部品の個々の確認等につきましては、それを熟知しております日航の関係者にお願いする方が非常に効率的であるという観点もございまして、極めて限られた要員をはっきりさせた上で、その現場の中へ警察の了解も得て入れながら作業をしたという経緯があったことは聞いております。
○永井委員 もし仮にそういうことがあるとするならば、事故調査委員会のたとえ何人でも現地に行って共同で行動するのが本来の姿でありまして、入ってない段階で直接そういう調査をすることは、事故の本格的な原因究明に支障こそあれ、私はプラスはないと思うのであります。 私は、いろいろなことを質問してまいりました。時間が来ましたのでおきますけれども、ただ一つ最後につけ加えたいことは、日航は世界の航空会社の中でただ一つ機長が非組合員であります。管理者であります。これは日航だけであります。そして日航の乗務員に、機長に調査をしましたところでは、九〇%以上の人が、ここに資料がありますけれども、全員のアンケートをとりましたら、機長が労働組合に加入できないのは問題がある、安全についても物が言えない、こういう調査結果もあるということを私は後の質問者に引き継いてもらいたいと思いますが、そういう労使関係のあり方についても、この際、安全運航を確保する意味で会社側の態度の変更といいますか方針の変更というものを求めていきたいと思います。 最後に、運輸大臣から、私は今までいろいろな説明をしてまいりましたことについて、事故防止をするためにこの事故の原因究明には万全を期して最大限の努力をしてその事故の原因を突きとめる、その事故の原因を突きとめる場合にはいかなる障害も介入も許さないという立場で、今私がずっと総括的なことを部分的に事象的に申し上げてまいりましたけれども、そのことについて大臣としての御決意を聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○山下国務大臣 諸外国の例に見ましても、飛行時間が一時間ないし二時間というのは、いわゆる近距離、特に国内における航空の機種でジャンボがこれだけ使われているのはかなり例外と申しましょうか、少ない方であるということを聞いておりますし、これは一つには限られた日本の飛行場の事情等もございますけれども、そんなことで心配されるのは、大量輸送機関としてのこのような大きな事故であります。何か来るべきものが来たなというそんな一つの非常な恐怖感を私は感じたわけでございます。そういいながら、今日とにかく国民の時間価値を尊重する時代からすると航空機に頼らざるを得ない、私自身も事故が起きて非常に冷やっとする場面があったのでございますが、数日後には乗らざるを得なかったということで、国民のげたと思います。 したがって、今後はこういうことが二度とないように徹底的にこの機会に原因の究明、あるいは日本航空の社内の体質に問題がなかったかということを私自身の立場から十分に究明してまいりたいと思います。
○小川委員長 次に、沢田広君。
○沢田委員 最初に、高木参考人、事故の報告を聞いたのは何時何分でありますか。——すぐ答えてください。
○高木参考人 ただいま正確に何時何分というところまでは覚えておりません。そのときに非常に動転しておりまして、時計も見なかったということで正確なことを申し上げられませんけれども、直後でございます。
○沢田委員 大臣は何分に報告を聞きましたか。
○山下国務大臣 正確に時間は記憶いたしておりませんけれども、いち早くといった方が正しいかもしれませんが、七時前であったことは間違いございません。
○沢田委員 七時前というと、大体五十六分に爆発音が出たのでありますが、そうすると、その間に報告が入ったということを確認していいですか。
○山下国務大臣 最初の私に対する報告と申しましょうか連絡は、行方不明になったという表現でもって連絡があった、それがその時刻だと思います。
○沢田委員 今聞いておるのは、事故の報告は何分にあったかということです。
○山下国務大臣 私は出先で今申し上げました連絡を受けまして、急ぎ運輸省に駆けつけまして、そのときの時間はちょっと正確に覚えておりませんけれども、かなり早い時間だったことは間違いないと思います。
○沢田委員 平沢さんは何分に聞きましたか。
○平沢参考人 私は、七時ごろに会社から当該航空機が緊急降下をしておる、そしてレーダーのスコープから消えたということを聞いて、すぐに羽田に参りました。
○沢田委員 高木さんはどういう指示をすぐ与えましたか。
○高木参考人 実は私も、事故といいますか、とにかく第一報を聞きましたのは……。
○沢田委員 そういうことを聞いているのではない。何をすぐ指示したかということを聞いているんだよ。
○高木参考人 これはすぐに対策本部をつくるということになっておりまして、対策本部を至急につくってすぐ規定どおり対応せよということを言いました。
○沢田委員 規定どおりとは何を言っているのですか。
○高木参考人 規定がございまして、その規定に従ってそれぞれの班が行動を開始するということでございます。
○沢田委員 平沢さんは何を指示しましたか。
○平沢参考人 お答えいたします。 規定上私は応急処理局長の任にあることになっておりますので、七時二十分に羽田に参りまして、直ちに応急処理局を開設、各班の招集を行いました。
○沢田委員 大臣は何を指示しましたか。
○山下国務大臣 直ちに大臣室に事務次官を呼びまして、当面万般の指揮をとるように指示をし、私は運輸大臣室に残りまして対策本部の設置その他について指示をいたしました。
○沢田委員 今までの質問で、全く能がなかったということが明らかにされたような気がするわけであります。とにかく飛行機が墜落をして爆発音が出た、それだけでもとにかく相当な死者が出ることは直ちに想像することは可能であっただろうと思うのです。また、そう感じなかったならば余りにも無神経だと言わざるを得ない。高木参考人、平沢参考人は、川野さんも同じようなものだろうと思ってそこまで聞かなかったのでありますが、全くこれは対応がなってない。飛行機が落ちた、それによって多くの死者が出た、じゃどうする。それはそれぞれの規則に従ってプロジェクトをつくってというようなことをやっていてこういう対応が万全だなんということは、これはその言葉だけでも、後の答弁聞かなくとも私はわかるような気がします。おろおろしていたのか、判断力がなかったのか、あるいはもう全然そういう能力が老いぼれちゃったのか。 いずれにしても、飛行機が墜落をした、事故が起きた。それへの対応というのは何だといったら、遺族あるいは死者、それをどう直ちに——生きている人はすぐ救わなければならぬし、その対応が私は最大限のものだったと思うのですね。大臣はそういう感覚に対してどう思われますか。
○山下国務大臣 ごもっともだと思います。
○沢田委員 だからそういう意味において、経営者の今回の事故への対応がすべてにおいて言うならばマンネリ化してきていた、こういうことを私は証明するものだろうと思います。しかし、今回の事故に当たって関係した地元の皆さんや機動隊あるいは警察官、そういう方々の御努力に対しては、急角度の山の中での活動のようでありますから、心から敬意を表し、また遺族にかわって感謝を申し上げる次第であります。しかし、今の対応は極めてお粗末である、こういうふうに思います。 ここに一つ、「鈍かった日航機救生活動」という新聞の報道がある。私は今そのことと関係なしに質問したのですが、立命館大学の教授が朝日新聞の「論壇」に、私は翌日の朝午前十時十五分にはその現場へたどり着いた、途中警察官にとめられたけれども、しかしだれも来てなかった、こういうことなんですが、高木さん、どう感じますか。
○高木参考人 ただいまの先生の御指摘でございますが、私どもとしては、先生御存じのようにまず墜落の場所の特定というのが非常におくれました。私ども対策本部をつくりましてできるだけ早く情報を得るということで努力をしたわけでございますが、初めのうちは御座山というようなことで、まず長野県側、次には群馬県側の小倉山というようなことで場所の特定がなかなかできませんで、私どもとしては、その当時はもちろん御遺族ということでなしに御乗客の御家族ということでございますが、御家族に対してできるだけの対応をまずするということから実際に私どもの仕事は始まったわけでございます。
○沢田委員 今ちょっと言葉が出ましたから、ではどういう順序に対応しようと考えましたか。
○高木参考人 私どもとしてはまず事故の実態を把握するということ、そしてそれに応じまして御被災者の御家族、これを御希望に従ってできるだけ早く現場にお連れするということをまず考えたわけでございます。
○沢田委員 これもなってないね。体系的な答弁でもない。まず生きている者を助ける、あるいは負傷者を助ける、その次には食料を考える、あるいは亡くなった方には棺を考える、あるいは棺の置き場を考える、こういう段取りというものはさっと出てこなければならぬものじゃないですか。今のあなたの説明ではしどろもどろ。もう何日になっていますか。事故が起きたらば何を考えるかということぐらいは、私は経営者の当然持っていなければならぬ責任の範囲だと思うのです。これは極めてお粗末ですね。やめるという御意思が出ているようですが、これは早くおやめになった方がいいんじゃないですか。 そういうことで、この委員会の出席率が極めて悪いので、委員長、私も国民に極めて申しわけないような気がするわけなんです。これは与党もそうでありますけれども、こういう状況でこの問題を議論するということには、私自身も一抹の責任を感ぜざるを得ない。国民がこれだけ関心を持ち、これだけ今後の航空問題に心配をしておるときに、野党の方はいるけれども、与党なんかゼロという状況。こういう不見識な状況でこの問題を論議するということは本来あるべき状態ではない。大臣もこの状態をどう思われるか、ひとつ見解を述べておいてください。大臣、どうですか。
○山下国務大臣 政府の与党として、委員会にたくさん出席いただくことの方が望ましいと思っております。
○沢田委員 望ましいんではなくて、国民に対する責任の一部なんです、出ることも。出ることもその責任の一部なんです。これは委員長からきつく注意をされるように要望して、次に入ります。 続いて、機長と所沢、東京の交信なんでありますが、機長の権限、それから管制塔、それぞれの責任、非常事態における場合の取り扱いについては、航空局長ですか、これはどのように決められておりますか。
○西村説明員 事故の状況に応じまして東京の航空救難調整本部、これは羽田にございますが、今回交信をしておりました、レーダーを見ておりました管制官から、逐次そういう状況を連絡いたしております。事故対応をやっております。機長の方は航空機の状況を逐一可能な限り連絡してきておりますので、それに基づいて管制官が対応しております。
○沢田委員 非常の場合の判断は、交信の記録を見ますと、これは一々羽田に帰りたい、どうでしょうか。この時間でいきますと、これは三十一分五秒になりますか。二十五分二十秒のときには、羽田へ帰ることを要求するということが出ているわけでありますが、了解、こういう返事が来る。こういう非常事態のときに、これは一々その了解を得なければ帰れないという仕組みになっているのですか。
○西村説明員 この空域には多数の航空機がございます。管制官が全体に、この当該機がどういう方向でどういうふうな飛び方をするかということをまず承知いたしまして、それを承知をした上で、関係の航空機に対してその状況を連絡しながらこの航空機を安全なところへ誘導する、これが管制官の仕事でございます。
○沢田委員 そうすると、機長はどんな非常事態のときにおいても管制官の指示がなければ動きはつかない、そういう仕組みになっているわけですか。
○西村説明員 機長が管制と連絡できる限りは、機長は当然に管制の方に自分の行動を予告しながら動くというのが全体の航空安全のための基本的なルールでございます。
○沢田委員 そこが問題だと思うのです。私は機長は機長で、相当時間乗っている者でなければ機長になれないのだし、いろいろな条件に対応できる能力を普通持っていなければならぬ。人間の価値は非常の場合にその価値が決まると言われる。あなた方は優秀な成績でそれぞれ出世をされていくだろうけれども、今の高木さんではないけれども、その非常事態の突然のときに決断し、選択し、そしてどれだけの乗客を助けるか、そのことの最大の使命を全うできる能力を持つか持たないかがその人間の価値を決める、こういうふうに私は判断をするわけです。この交信の記録を考えると若干問題がある。この二十秒ぐらいの時間帯というものでもし機長が独断で、これでは危ない、尾翼がなくなった、ドスンと音がした、そしてそういう状況の中で今何をなすべきか。あなただったらどうすると考えますか。尾翼がないと感じたか、あるいは隔壁がなくなったと感じたか、あるいは飛行機の中が非常に騒がしくてどうにもならないという状態になったか、それは混乱は一緒になったと思いますね。そのときに機長は何をなすべきか、どうあなたは考えますか。
○西村説明員 とりあえずそのときの航空機の操縦の能力に応じて可能な、安全な方法を考えるということでございますが、この場合には恐らく機長はまだ操縦できるという信念があったために、羽田へ帰りたい、羽田へ帰るための誘導をしてほしい、こういうことだったと思います。
○沢田委員 この十秒ぐらいの間の決断が、結果的には飛行機をふらふらさせて、8の字形になり、あるいはそれが長野県の方へ行かざるを得なくなった。もしあれが、ライト、こう言っているのですが、もし海の方に向かったならばどうだったのだろうか、あるいは水にということになりますが、不時着するにしても、そういうことは考えたのだろうかということでいろいろ見ると、考えてはいないし、管制塔も考えてはいない。だからこれは完全に管制塔は管制を誤った、機長も判断を誤った。死せる者を私は責めるつもりはありませんけれども、しかしこれは客観的なことでありますからあえて申し上げなければならぬのでありますけれども、このときの二十秒、十秒間がいわゆる飛行機の方向を決め、同時に墜落という事態を、より一層の被害を起こした。あなたはどういうふうにこの点を思いますか。
○西村説明員 この二十五分二十秒当時の管制への連絡は、この段階では機長としてやむを得なかったかもしれない。操縦不能という事態についてはまだ認識がございませんし、管制の方も当然ございません。エマージェンシーの連絡というのはしばしばございます。例えばエンジンにトラブルがあるとか、そういうことですから、羽田へ帰りたいという要請があれば、機長が最善の判断をしていますので、それは機長の判断を管制としては最大限に尊重する、これが基本でございます。
○沢田委員 ところが、確かにここには、右旋回または左旋回のどちらにしたいのか、こういうふうに所沢から聞いているのですね。そして、それに対してJALは「右旋回したい」、いわゆる陸路をとりたい、こういうふうに言ってきている。そして大島へ誘導のため右旋回で飛行せよ、この次にそういう指示を所沢は出した。それでJALは了解をした、こういうふうになっているのですね。だから、このときに機長がこの事態の認識というものに間違いかなければ、この山中に墜落するということにはならなかった、こういうふうに思うので、この責任は極めて管制塔の指示が悪かった、こういうことに基づくものだろう、こういうふうに思いますが、その点はどうお考えですか。
○西村説明員 この時点では航空機の状態は管制塔は認識しておりません。機長が最善と思われる判断を示したということでこれを尊重する、当然の指示だったと思います。
○沢田委員 当然の指示だけれども、三十秒には爆発音が聞こえているわけでしょう。四十五秒のときに右旋回したい、こう言ってきているわけですね。もうそのときには三十秒から十五秒間たっているのですよ。そのときには異常は既にわかっているわけですね、三十秒ですから。そうなると、三十秒から三十五秒というのもありますけれども、十秒は少なくともたっている。その四十五秒のときに右旋回したいと言ってきている。それに対して所沢の方が五十秒に指示をしている。この五秒がやはりその機の行方を決めた、こう言っても過言ではない。だから機長の判断にも過ちがあった、こういうことになるわけでありますけれども、事態の認識、判断、どちらが乗客を助けるかということの判断にやはり間違いがあった、動揺していた、こういうことになるのだろうと私は思うのでありますが、その点は航空局長に聞いてもしようがないのですが、運輸大臣、その点どうですか。 調査委員会の結果がどうのこうのということじゃないのです。非常の場合なんです。非常の場合にどう機長が判断するかによって乗客をどれだけ助ける結果が生まれたか、それは非常に重要なウエートを占めている、私はそう思うのですが、大臣、どうですか。
○山下国務大臣 大変難しい問題で、私もそんな細かな分析を正直申し上げていたしておりません。ただ、一万五千時間以上飛んだあるベテランの機長に、そういうときにはまず何を考えるかといったら、自分の生死のことは全く考えない、とにかく一刻も早く無事に着陸させること以外は頭にないと言った、私はけだしそのとおりだと思っております。機長のそういう適切なる、冷静なる判断からするならば、それが当たり前であり、ボイスレコーダーは私は一通り拝見しましたけれども、衝突する、墜落する直前まで適切なる指示をしておったというふうに、私は素人として、とにかく機首を上げろ、最後の方が機首という言葉を省略して、緊急の、非常に切迫してまいりまして、最後にただ上げろ、上げるという言葉になっておりますが、あれから私が素人的に判断した場合に、やはり冷静に指揮をとっておったんではなかろうかということは想像がつくわけでございます。
○沢田委員 私はそうではないのですね。この非常の場合になぜ右旋回をしたかということなどについては、羽田へ帰りたかったという一つの願望があったということが右旋回をみずから選んだんだ。もし不時着ということを考えるとすれば左旋回を考えたであろうと思うのですね。ですから、そこの辺の選択、判断がやはり基本であったし、あるいは自分では助かると思っていて右旋回を指示したのかもわかりません。これは今後結果を待つのですが、高木さん、そういうことで、機長にゆだねられている権限、そして管制塔からのこの指示、これからいって、もし左旋回をしていって、尾翼がなくなって、そして同じ状況であったとすれば海の中、こういうことになる。確かに左側には台風が北上をしているという状況もあります。だから海の方へ出ることについてちゅうちょを感じた意味もわかります。しかし選ぶとすれば、その方がより乗客を助ける可能性の率は高かったと、今になって判断すれば判断できると思いますが、その点いかがですか。
○高木参考人 正直申し上げまして、私は航空機の技術的問題あるいは操縦問題については全く素人でございますから断定的なことは申し上げませんけれども、素人なりに長年航空事業の経営に携わってきた者として考えますことは、海の方に出たから必ずしもより多くの人命を救い得たかどうか、これは断定的には申し上げられないと思います。
○沢田委員 だけれども、今の結果から見て四名、あるいは全滅になるかもわかりません、可能性としては。しかし、どちらがその率が高いかという判断から見ると、今の状況から見れば、その方の二十秒の時間をSOSに変えて、それでやった方が救助率は高かったんじゃないか、私は常識的にはそう考えられると思うのです。これは常識で考えても私はそうだと思っていますが、次の専門家の方で、平沢さんですか、もう十年もベテランですからお答えください。
○平沢参考人 ただいまの点でございますが、先生のおっしゃいましたレコーダーの中身、私ども昨日の夕方いただきまして見ました。しかし、けさのことでございますので詳しく見ておりませんが、最初に右旋回というものを機長が考えた、そのときにはまだ尾翼がああいう形で失われていたということは当然わかっていない時点であると私どもは思っております。それからすぐに油圧系統の圧力が落ちておりますが、最初は少しは効いた。やはり管制の許可をいただいて、九十度というか百八十度回りましてもと来た道を引き返す、そのときに右旋回でやろう、こういうふうに考えたのだと思います。 しかし、結果的にはその後操縦等が不可能になりましてああいう軌跡をたどりましたが、私が見たレコーダーの一部には、時間的には伊豆半島を越えましてまだ海の上で、内陸に右に曲がって、これは操縦不能で入っていったと思いますが、入っていく直前のころ、これはもう少し時間を特定したいと思うのですが、レフトターンということを機長は言っております。これは、その意図は全く推測にしか過ぎませんけれども、何らか海の方ということも考えたのかもわかりません。 もう一つ、先生の御指摘の海の方に行った方がよかったのではないかということについてはいろいろと御意見がございます。それはそのときの状況によって決まってくるもので、海でも軟着陸ができなければ、墜落した場合には全く同じような破壊が起こるということも事実でございますので、私どもとしてはどちらがいいのかと言われましても、それを明確にこちらというふうには申せません。これはあくまでも機長がそのときの状況の中で判断した問題だというふうに私は思っております。
○沢田委員 その判断に対しては日航は当然責任を負う、こういうふうに解釈してよろしいですね。答えてください。高木さんか平沢さん、どうぞ。
○平沢参考人 私どもはフライトのそういういろいろなフェーズ、あるいは緊急時には機長の判断にすべてをゆだねるということに決めておりますし、これは会社の取り決めてございます。
○沢田委員 だから、その機長の判断が間違ったか間違わないかは別として、その判断は会社の責任の範疇に属する、こういうふうに解釈していいですね。これは高木さんからお伺いします。
○高木参考人 そのとおりでございます。
○沢田委員 それから、これは素人だと言うのでありますが、8の字形に飛ぶようになったということになれば、これは素人でもそうですが、我々が紙でつくった飛行機でもそうですが、8の字形に飛ぶということは尾翼なり後ろが不安定になったということだけは常識的にわかることじゃないですか。これは平沢さんに答えてもらいましょう。
○平沢参考人 ダッチロールというような現象に入る条件というのはいろいろございますけれども、結果的に見れば、垂直尾翼が失われ、方向舵も損傷しておるという状況でああいうふうになった。そういう状況、どこがどうなったというよりも、そういう機体の運動を何とか正常に直せないか、あるいはその状態の中でどうやって飛行するか、そういう懸命の努力をしていたものと判断しております。
○沢田委員 いや、私はそれを聞いているのじゃなくて、8の字形になったということは、少なくとも尾翼なりどこであるかは別として、後方部分に不安定感の要素があるという判断をすることは常識の範疇に属することではないのか、どちらかと聞いている。
○平沢参考人 機長の能力をもってすれば、何らか操縦系統に異常が生じたというふうに判断をされるものと思います。
○沢田委員 これはどうですか、航空局長。
○西村説明員 油圧系統の故障を認識しております。そういう意味で尾翼の垂直、水平ともに作動しないという事実は認識していますから、そちらの後部に異常があったということは、当然それを前提にして操縦したと思います。
○沢田委員 そこにも問題がある。8の字形に飛ぶようになった時間から、もう既に機器は後ろの方に、方向がなかなかとれないぞということを示しているわけで、これはまた証言の中にも、落合さんですか、その他の方々の話の中にも出てきていることなんです。だから、当然もうそのときにおいて機長は、この飛行機の方向性を確保することは極めて困難な状態になったと感じなければならないはずであったと思うのですね。それを所沢なりに聞きながら運転しようとしたということは果たしてどういう意味を持っているのか。これは航空局長お答えください。
○西村説明員 羽田へ戻りたいと言った時点では、まだ油圧が落ちているという事態は認識しておりません。そこでまた事実右へターンしているわけですね。その段階で羽田へ要求をしたわけでございます。その後油圧が落ちて効きがだんだん悪くなったという状態が出てきたわけで、したがいましてその後ちゃんと磁針路九十度をとれという指示に対して、とっていないという注意喚起があって、そこで操縦が不能になったという告白を管制にしているわけでございます。
○沢田委員 いや、三十五秒に爆発音があってその後——これをやっていると時間になってしまうのですが、四十七分六秒に羽田へのレーダー誘導を要求する、その前にも蛇行の運航はもう行われているわけですね。これは細かい議論は時間がありませんけれども、あなたの答弁で私は了承するわけにはいかない。それで、少なくともこれは機長としては動転している状態にあったというふうに判断せざるを得ないし、そしてそういう8の字形になって、しかも千メートルも上がったりダウンをしたという状況もこの中にはある。そういう状況の中でもなおかつ管制塔の指示でうまくいくんだと思っていたとすれば、機長の判断に重大な欠如するものがあったと言わざるを得ないわけです。これ以上のことは言いませんが、8の字形になったときから直ちにこの飛行機の後部の方において何らかの障害があったと感ずべきであるし、ドーンと爆発音みたいなものがあったという状況の中から、その後どうしましょうという問い合わせということは極めて緩慢な操縦の判断であった、こういうことを私は指摘しておきます。もし異論があれば後でひとつお答えをしてください。 それからもう一つ、これは航空局長に聞きますが、証言によれば富士山を左に見た。それからこの航跡によれば富士山は右に見える。どちらが本当なんですか。
○西村説明員 一時期富士山が左に見える時期がございます。飛行機は三百六十度回転しているときがございますので、富士山が左に見える時期がございます。
○沢田委員 それは回転しても、例えば墜落は逆さまになっていただろう、ジェット機が全部逆になっていたということで言われておりますけれども、左に見えるというところとそれから右に見たということは、どの場面で左に見えることになるのですか、言ってみてください。——次へいきます、後で答えてください。 それから機長は不時着は考えたのか考えなかったのか。この点はどう理解をされているか、お答えをいただきたいと思います。これはあわせて後でお伺いします。 続いて、労働省来ておりますが、労災の適用者は現在時点において大体どのような程度になっておりますか、お答えください。——その間に考えておいてください。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 現在のところ、遺族の方々からの労災補償請求書が出てきておりませんので詳細は存じ上げておりませんけれども、新聞報道によりますと、五百二十人の方が亡くなられておりますけれども、その中で乗務員の方、十五人の方は私どもの労災補償の対象に当然なると思っております。それ以外の方で、出張中にお亡くなりになった方が百七十六人というふうに私ども存じております。ただし、この百七十六人の方のうちには、労働者性を持たないいわゆる事業主の方も若干含まれておるようでございますので、今後私どもも詳細な調査をした上で判断をいたしたい、このように考えております。 なお、今回の事故につきましては私どもも重大な関心を持っておりまして、直ちに地方の都道府県労働基準局に対しまして、遺族等からの労災請求書の提出があった場合の請求書の提出指導、相談等に適応するように指導したところでございます。
○沢田委員 では、もう答弁はそれでいいですが、それだけでなしにぜひ積極的に、わかっているわけでありますから、それぞれの基準監督署が市町村等を通じながらその対応に漏れがないように、間違いがないようにひとつ指導をしていただきたいし手続を進めるようにしていただきたい。 また解釈に当たっても、今までの判例その他等を十分考慮しつつ、その判断に誤りのないよう対応することを特にこれは求めておきたいと思いますが、よろしゅうございますね。——首を縦に振っているから、速記録の上には了承した、こういうふうに解釈してまいりたいと思います。 では、その前のをお答えいただきます。
○西村説明員 十八時四十分から十八時四十五分ごろまでに、大体角度にしまして四百度以上回転をしております。この間、十八時四十二分から三分ごろは磁方位で三百度方向に向いている時期がございます。この時期に富士山は完全に真左に見える時期が入ってまいります。そういうことで、富士山が左に見えたということを落合さんが言っているとすれば、そういう時期があったと思います。
○沢田委員 しかし、これは重要なことですね。いずれにしても、一方は右のコストをたどっておる、富士山の左側を通っていると航跡にはかいてある。しかし落合さんは左に見ていた、こう言っていることについては、航跡の上から見れば極めて重要なポイントだと思うのですね。ですから、これについてはさらに明確にされるように求めたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○西村説明員 事故調査委員会でこれから航跡をさらに精細なものにしてまいりますが、航空局としてもこれに協力していく所存でございます。
○沢田委員 さっき永井委員からも至われておりましたけれども、要するに整備条件というものについては、検査能力というものが今後大変必要だと思うのですね。それで、尾翼のリスクについて、あなた方は素人だと言うのですが、平沢さんは整備部長をずっとやっておられたのですね。ですから、尾翼が切れた原因は何だと思っておられますか。
○平沢参考人 現時点では全く推定がついておりません。
○沢田委員 あなたは整備部長を四十九年までやっておって、それで取締役になって、その後ずっと今日までだんだん御出世をなさってこられた。そういう専門家が尾翼が切れた理由が全然わからぬ。よく日航におられるな、こう思わざるを得ないのでありますが、そのくらいのベテランの方が、整備部長をずっとやられて今日に至った人が想像もつかないということはないと思うのですが、あなたの経験の中で、どういうことで尾翼が切れたのであろうか、幾つかの例で結構です。こういう場合とこういう場合とこういう場合があります。百はないでしょう。常識的に恐らく一つか二つぐらいのものだと思うのですね。ひとつお答えください。
○平沢参考人 お答えいたします。 破損したものがまだ全部回収されていないと思いますし、そういうものを詳しく調べればいろいろわかると思うのですが、今のお尋ねの点で申しますと、例えばフラッターという現象がございまして、そういうものが何らかの理由で起こりますと垂直尾翼でもごく短時間で破壊することはあり得るわけでございます。また、現在いろいろ言われておりますけれども、客室内の圧縮された空気が後方に出まして垂直尾翼の中を噴き上がった場合にああいうことが起こるのではないか、こういうふうな点もございますけれども、これにはどれだけの圧力が上がり得るものか、あるいは外的条件等の合わさった中でそういうことが起こり得るものか、こういうものは私どももいろいろ研究しているところでございます。
○沢田委員 高木さん以下の答弁は言いわけばかりで、積極的にこの問題を解決していこうとか、あるいはみずからの責任を感じながら積極的に対応していこうとかいう迫力といいますか気概といいますか、遺族の人たちの気持ちといいますか、そういうものに真正面に取り組んだ答弁がない。委員会であるからかもわかりませんけれども、もう少し真剣に、過ちは過ちとして、二度とこのことを繰り返さないためにどうあるべきかという立場で真正面に取り組んだ答弁をしてもらいたいと思いますね。大臣、そう思いませんか。 やはり真実を明らかにしつつ、その対応にだれが責任を負うとか負わないとかは別問題としても、もう少し真剣な答弁がなされなければならない、今までの永井委員から続いてきた質問の中から、私はそうつくづく感ぜざるを得ない。ここで言いわけを言って、時間が切れれば事が済むというようなものではないのだということを、あなた方三人のこのこ出てきているけれども、これはもう少し真剣に考えてもらわなければ委員会の侮辱ですよ。これは国民に対する侮辱だ。そういうことを特に言っておきたいと思う。あなた方の経歴その他をずっと見てきているけれども、この要因の中には天下りの要因もなくはない、こういうことも我々は感じざるを得ない。もっと第三者の監査機能を強める必要があると思うのです。 私は時間が四十五分までと思っていたら、前に使われたのだそうで、もう終わった、こういう通知が来たから、補償問題だけに絞って終わりたいと思うのです。 これは担当者、だれであろうと構いませんが、遺族補償について、どういう手順でどういう方法でどういう立場に立ってこれから対応していくのか、その点、具体的に日程等を明示していただきながら、最後に大臣から、行政責任はどのようにして負って国民にその態度を明確にするのか、行政責任について明らかにしてもらうことを要望して、私の方は質問を終わりたいと思います。回答を求めます。
○川野参考人 お尋ねの補償に関連しましてお答え申し上げます。 ただいま補償交渉につきましては、当社内に副社長を委員長といたします賠償対策委員会を設置いたしました。今後、補償方針につきましては、この委員会におきまして鋭意検討をいたしまして、今回の事故に遣われました御被災者の年齢、職業、その他の特徴も踏まえまして、社会的に妥当と見られる基準等を参考としつつ、専門家あるいはその他の関係者の意見も聴取しながらこの方針を決めていきたい、こう考えております。 以上であります。
○沢田委員 そんな答弁をここでするまでにもう幾日たっていると思うんです。冗談じゃないよ。そんな抽象的な答弁でこの委員会の時間が来れば終わるんだというような発想でなくて、我々はもう少し具体的にどうなんですと国民の前に言ってもらいたいわけなんだから、そんな抽象的な、これから検討して調査委員会持ってなんて、そんな答弁聞いているんじゃないんだ。そういうことでは顔を洗って出直してもらいたい。大臣も、こういう答弁でこういう重要な委員会を事済まそうなんて考え方はもってのほかだ。何日たっていますか。もう少し具体的なものを答弁しなさい。 委員長、こんなことでこの委員会が終わらされるなんでもってのほかですよ。もう何日たっていますか。遺族はどんな思いでいますか。そんな答弁で事をごまかそうなんということはもってのほかですよ。これはもう留保しますが、もう一回出てきなさい、ちゃんと具体的な答弁をしなさい。
○小川委員長 川野参考人。 参考人に申し上げますが、ただいまの委員の御注意に従ってお答えをいただきます。
○川野参考人 私どもの今申し上げました基本方針は、今後遺族の方々に対しまして我々の誠心誠意を傾けるという根本精神から申し上げたわけでありまして、具体的な方針につきましては、先ほど申し上げたとおり、今後の検討にまたねばならないと考えております。
○沢田委員 非常に不満でありますが、大臣からも十分この点、国民の期待にこたえられるように遺族の……(「大臣の答弁」と呼ぶ者あり)では、あと大臣の答弁を求めながら、終わりたいと思います。
○山下国務大臣 この遺族補償の問題は、先ほど永井先生にも御答弁申し上げましたように、筋としては会社と御遺族の間で話し合いによって解決せられるべきでございますけれども、だからといって私どもは何も知らないということではなくて、もう誠心誠意、最後まで真心をもって当たりなさいよということを強く今後とも指示してまいりたいと思います。 なお、行政の責任につきましては、何と申しましても事故の原因というものが明らかにされることが先決でございますから、その上で妥当なる責任を明らかにしてまいらなければならぬ。と同時にもう一つ、行政の担当の責任者といたしましては、やはり今後再びこういう事故を起こさないだけの手だてというものをこの際十分に講じていくこともあわせて私の責任であると心得ております。
○沢田委員 極めて遺憾でありますが、時間でありますので終わります。
○小川委員長 午後一時十分より再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 午後一時十一分開議
○小川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。坂井弘一君。
○坂井委員 最初に、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。 報道によりますと、山下大臣は、一つ、今回の事故は人災だ、それから二つ目、日航の企業体質にも遠因がある、首脳陣は一新を図るべきである、三つ、日航の完全民営化を具体的なテーブルにのせていきたい、こういうお考えを示されたようでございますが、最初に大臣から簡明に御答弁をいただきたいと思います。
○山下国務大臣 先生、どの新聞をごらんになったか知りませんが、きのうの朝のある新聞の見出しに人災ということが出ておりまして、甚だ遺憾であるということで、これから徹底的に原因の究明をやるという私の決意を同じ新聞にきょうは掲載していただいているようなわけでございまして、私が申し上げた趣旨は、そういった人災というものではございませんので、その点はひとつ御了解をいただきたいと思います。 ただ、日航の体質の問題につきましては、長い間の日航の歴史をこれからよく振り返ってみて、いわゆる公社制度的な株式会社というものが今後もそのまま存続していいかという点について、日航の経営の体質等について今後速やかに私は検討してまいりたいと思っておる次第でございます。 これはそのまま民営化につながるかどうかは別でございますが、電電それから専売、そして今行われんとしております国鉄、こういうもののいわゆる民営化に伴い、日本航空株式会社ひとり従来のままでよいかということに対しましては、私自身、率直に申し上げまして疑問を持っておる次第でございまして、そこらあたりを私ども行政の責任者として、今後速やかに私自身が深くこの問題にタッチしてまいりたい。タッチというのは表現が妥当ではないかもしれませんが、関係者各位の御意見等も承りながら対処してまいりたいと思っております。
○坂井委員 機会を改めましてこの問題、またひとつ深く御見解を承りたいと思っております。 実はこの間、十六日でございましたか、当委員会の理事会を持ちまして、その席上私は、今回のこのボーイング747ジャンボジェット機の大惨事、大事故、五百二十人という航空機事故史上かつて例を見ないこれほどの大惨事に直面をいたしまして、先ほど高木社長がるる言われておりましたが、安全第一で、二度とこのような事故を起こしてはならぬ、こういう毅然たる反省と決意があるならば、少なくとも同型機、ボーイング747SR機については運航を停止して直ちに総点検をすべきである、それが行われない限り運航はすべきではない、なぜかなら、この事故ではっきりしていることは垂直尾翼が破壊を起こした、海中に落ちた、あるいは油圧系統が破壊された、さらには隔壁が破れた、こういう少なくとも機体構造上あるいは機体の整備点検上の欠陥、ミスと思われる歴然たる事実に対して、それがどこに原因があったのか究明されないままに747SRを運航することは無謀にも等しい、直ちに運航を停止しなさいということを申し上げたわけでございます。大臣に御決意として私は承っておきたい。 その前に、一つの事実を申し上げたい。 昭和五十一年十一月二十五日に、全日空のトライスター機が離陸して三分後に、突然左主翼についております第一エンジンが爆発をいたしました。同機は直ちに緊急着陸をいたしまして、乗客を無事おろしてからエンジンの内部点検を行ったわけでありますが、翌日十一月二十六日の深夜に、翌日二十七日始発から事故機を含む同型機、同機種の運航を停止いたしまして徹底的な点検を行うことを決めたわけでおります。運航停止してまで安全点検を実施するということは、現在の航空界ではまことにまれなことであるそうでありまして、これは機種のイメージダウンにもなる。大変なことでしょう。特にこのエンジンはイギリスのロールスロイス社の製造によるエンジンでございまして、この事故解明のために運航停止して、全日空の技術陣が総がかりで原因の究明をやった。その間、何回もロールスロイス社との間で交信をしているわけですね。 事故の原因は、エンジンのタービンディスクの欠陥が判明したわけであります。羽根も百二枚全部飛んでしまった。ディスクまで折れてしまった。最終的には、ロールスロイス社はこの欠陥は製造工程上の検査体制に問題があったということを認めたわけです。それで、製造工程の検査体制を改めましてこの事故の再発を防いだ。こういうことがございました。 あのときには犠牲者は出ていない。しかし、運航を停止してまで原因の究明をやった。ロールスロイス社は、自信を持ったエンジンである、エンジンが爆発するというようなことは到底考えられない。その考えられないということを全日空の技術陣が、羽根が百二枚も吹っ飛んだ、ディスクが折れた、どこに原因があったかということで突きつけて、ロールスロイス社は最終的に自社みずからの製造過程における検査体制の欠陥を認めて、それを改めた、こういうことでございます。 大臣、私が前段申しましたように、これほどの事故の教訓、反省、再びこのような事故を起こさじという決意があるならば、747SRについては運航をとめてでも総点検をするというぐらいの決意があってしかるべきだろうと私は思う。お考えをお伺いいたしたい。
○山下国務大臣 午前中も御答弁申し上げましたように、大量輸送時代に最も恐るべきものがやってきたという、私にとっては何か込み上げてくるようなものを感じるわけでございます。たとえ飛行場が不十分であるからといって、国内の近距離にこの大型機をほとんど使うということがいいのかという反省もまず今後なされなければならぬ、あるいは飛行場の整備も促進しなければならぬ、いろいろな問題はあるにしても、そういう事態が起きたということに対して甚だ遺憾であると思っております。 したがって、何と申しましても、まず事故の原因の究明に全力を尽くさなければなりませんが、今御指摘がございました全日空のトライスターは、事故の原因が判明いたしました後にその原因の部分について点検をやったというふうに私は伺っておりますが、私の答弁で不十分な点はまた係からいたさせますけれども、そういうことで、現時点においてそれをやることの方が一番よいのかということはこれは技術にゆだねなければならぬと思っております。 特に、今札幌便なんか恐らくそうだろうと思いますが、ほとんどがジャンボでありますし、国内に六十九機のジャンボがある。その中で二機はNCA、貨物専用ですから、それを差し引いても六十七機でございましょうか、これを一斉に総点検して使わないということになりますと、国民の足ともいうべき国内の航空が麻痺状態に陥るということも考えなければなりませんし、そこまでしてでも今やるべきかどうかということは、これは一つは私にそこまでの指揮権があるかどうかは別といたしまして、やるべきことはそういうことは別として私もやらなければならぬと思いますが、これはある程度技術的判断も考慮しなければならぬかと思っております。
○大島説明員 ただいま先生御指摘のトライスターの件についてちょっと補足させていただきますと、あの場合にはエンジンのどこの部分が壊れたというのが判明しておりました。直ちに次の飛行前にその部分を点検して飛ばしなさいというような指示を行ったわけでございまして、まずトライスターをとめたということではないのでございます。部品の交換等で、急遽起こりましたトラブルですから足りないものもありまして、事実上飛行が一時とまったと私記憶しております。
○坂井委員 柳田邦男さんがその辺のいきさつについて非常に詳しくここに書かれてある。丹念に私は読みました。そのことについて、ロールスロイス社のそのときの見解について今資料を寄せましてよくこのときの事故の原因を突きとめて、メーカーにおいてもそうした反省点があったということでありますので、次への教訓にしたいと思いまして実は今勉強しているさなかでございます。少なくともここで指摘していることは、今申し上げたことを机田さんが言っておるし、ロールスロイス社もそのことを認めておるということでありますので、この記述に相違がなければ私の申し上げたことは事実であろう、全く事実だと思っております。 全日空はその以前から、実はトライスター導入問題をめぐりましてロッキード事件がございました。当時大庭社長と私は実は何回か会いまして、この飛行機のことについていろいろとあの人の意見も聞いたことを思い出しているわけでございますが、御承知のとおり技術畑の人でございまして、大変ジャンボ機の安全性については神経を使っておったことを今思い起こすわけでございますが、どこかに落とし穴がある、安全性については追求に追求し、これでもかこれでもか、なお足らぬということを盛んに言っておったことを思い起こすわけでございます。 今申しましたその辺のやりとりにつきましては、ロールスロイス社にテレックスで疑問点の問い合わせをやり、事故の翌日、二十六日午後になってロールスロイス社からディスクの欠陥を認めるSB、サービスブレティン、技術情報が届いておりますし、それを出発点にしてその後やりとりが何回もある。その辺の模様については非常に詳しくこの本に記述されておりますので、恐らくそういうことであったのだろう。したがって、そのときの模様につきまして今資料を寄せているところでございますが、私はこの運航をとめてでも総点検すべきであろう。これは現実問題としてはできないことかもしれない、もう大混乱でしょうね、ですからその辺のことはわからぬわけではない。経済的にも国民生活上も国際的にもそれこそ麻痺状態になるぐらいの大きなことであろうと思いますよ、とめろということは。しかし、そこまでしてでもこの事故を究明するだけの決意に立たなければ航空安全は期することはできない。素人でありましても、専門家の皆さん方がなぜ落ちたのかわからぬ、それほどの問題でしょう、ですからそのことをあえて申し上げておきたいと思うわけでございます。 そこで、少なくとも再現破壊試験、つまり、理論的にも実証的にもきちんと今回の事故の原因を浮き彫りにさせるためには、あの後部の隔壁を含め、水平、垂直尾翼、油圧系統等々、少なくともあの飛行機、747SRの後尾の部分の実物を使った破壊試験をやる、この必要性はあるでしょうね。
○藤冨説明員 お答えいたします。 航空事故調査委員会におきましては、現在、機体の残骸の調査あるいはボイスレコーダー、フライトレコーダーの解読、さらに引き続いての解析、さらには各種の情報収集等を経まして、総合的な解析を行って事故原因の究明を進めるところでございますけれども、その過程におきましてどのような手法を用いて検査、試験等を行っていけばよろしいかということも委員会におきましていずれ検討がなされてまいると存じます。いずれにいたしましても、委員会といたしましては科学的で公正な判断のもとに調査を行いまして、原因究明を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○坂井委員 大変時間が少のうございますので次の問題に移りますが、事故が発生しまして、直ちに救難作業に当たらなければいかぬ。その場合に必要なのは、当然のことながらサーチライトをつけたヘリコプターですね。サーチライトのついた極めて性能のいいヘリコプターがあるのですね、東京消防庁に。運輸省、御存じですか。アエロスパシアルSA305Nドーファン2、いま一機、アエロスパシアルSA330Fピューマ、この二機。
○中村説明員 お答えいたします。 アエロスパシアルというヘリコプターがあることは存じておったわけでございますが、その装備の詳しい状況については私どもとしては存じていなかったわけでございます。
○坂井委員 これは防衛庁も御存じありませんでしたか。非常にいい照明つきのヘリコプターでございまして、立派なものを持っているなと思った。東京消防庁は待機していたそうですよ、やがて要請が来るだろうというわけで。ちょっと言いましょうか、どのくらいいいのかということを。百メーター上空から照らしまして、下にある子供の頭大の石の識別ができる。非常に優秀なものですね。三千フィート、九百十四メーター上空から、下の、三百フィート、九十一・四メーター直径の中にある新聞紙が読める、そういう暗視装置もついている。大変立派な照明装置を装備した優秀なヘリコプター二機、隊長以下出動依頼が恐らくや来るであろうというわけで待っておった。最後まで来なかった。知らなかったのですか。
○中村説明員 お答えいたします。 消防庁につきましては、空港の中とかその付近における消防を主体としました救難調整業務につきましてはお互いに協定がございまして、助けていただくというような感じての協定が結ばれておりますのでその都度要請をしておるわけでございますが、今回のように非常に外の区域でございますし、広域にわたる消防だったということもございまして、そういう意味では私どもの航空機に関する救難調整の関係機関の中に入っておりませんので、そういう意味で今回消防庁の方には特に救難調整の要請をしなかったということでございます。
○坂井委員 まどろい話はしたくないんだ。大臣、要するにそうした場合の救難体制は、事故があった、そういう場合に救難体制をもう一回全部検討し直さなきゃいかぬですね、これは。だから、落ちないだろう、前提はこういうことでしょう。落っこちちゃったんだ。もう二度とないという保証はどこにもないんだ。そういう場合のために常日ごろから備える、それが体制ですよ。ですから、どうかそういう救難体制をもう一回点検をして、国民の前にもこういう救難体制があるから大丈夫だということをひとつしっかり示していただきたい。 私はこれをくどくど申し上げない。運輸省はこれを許可しているのでしょう、このサーチライトを装置するヘリコプターについては。運輸省は本当に知っておらなきゃいかぬですよ。そのことは知っておるんだろう。知っておるんだろうけれども、今のお答えのとおりで、言うなれば管轄外だ、そういうことじゃいかぬ、運輸省も防衛庁も警察も。警察にもあるんですよ。警視庁は五百メーター上空から新聞を見れるようないいのはないんです、残念ながら。一番いいのは東京消防庁にある、こういうふうに申し上げておきましょう。そういうことについても関係各省庁はわからない。ですから、救難体制はそういう横の横断をして、そういうときにはこういう夜間であれば照明を持ったヘリコプターがここにある、ここに要請すればここがすぐ出動できる、こういうことが必要だということを申し上げたいわけなんです。ぜひお願いしたい。 参考までに申し上げますが、一九七二年十二月二十九日、これは夜遅くです。マイアミ空港にニューヨークからのジェット便、アメリカのイースタン航空回〇一便、これが着陸しようとしたときに管制レーダーからすぐ消えてしまいました。管制官は、これは異常事態だということでもって無線で四〇一便を呼ぶわけですが、応答がなかったので直ちに沿岸警備隊にヘリコプターによる捜索を要請いたしました。十五をいし二十分後に照明を持ったヘリコプターが現場に到着したのです。そして、サーチライトに照らし出された四〇一便の残骸、ところが奇跡的にあちこちに生存者がある。それをサーチライトが照らし出すわけですね。そこでもって約四時間かかりまして、乗客、乗員百七十六人のうち九十九人が亡くなりましたが、七十七人、重軽傷を負いながらも救出をした、こういうことがございました。これもそのときに初動捜索、直ちに夜間照明を持ったヘリコプターが現地に急行した。これでもって助かった。 こういうことについては、私は、今申し上げることは実は非常に胸の痛みを感じながら申し上げていることでありまして、遺族なんかがこんなことを聞けば、それはもう無念とも残念とも腹立たしいとも何とも言えない、いたたまれない気持ちだろうと私は思いながら、実はもう言うことをはばかろうかなぐらいに思いながらも、しかし、次への航空安全を期するためにはあえて言わなければいかぬと思いまして申し上げているわけでございます。すべて事実に基づいてそういう指摘をしながら、次への航空機事故等に備える救難体制、それをどうかひとつ確立をしていただきたい。 それから、先ほども申し上げましたが、やはりどこに落とし穴があるかわからぬですね。事故調査委員会の手によってやがて原因は究明されるであろうと期待もしておりますし、ぜひそうあっていただきたい。ただ、今までの調査委員会の報告等を私は私なりにそれなりに見てみましたが、どうもやはりこうだという原因の特定というのはなかなかしづらい、難しい面もやはりあるのだろうと思いますけれども、今回の事故については、しっかりひとつ事故調査委員会に対しましてお願いをしておきたいと思います。 金属疲労というような問題につきましても非常に難しい問題があるようでございまして、外見上の変化はなくても蓄積をされるという性質、それからもう一つは、小さい傷でありましても急速にそれが広がりまして、ある瞬間に一気に爆発する、こういう特性を金属疲労は持っているようでございますので、日ごろの検査体制の中で、あるいは整備体制の中で、そういうほんの小さな傷でも発見できる、見つけ出すというような、もっと何が科学的な方法がないものだろうかというようなことは、これは日航にも大いに申し上げておきたい。みずからの手によっても、先においてもそういうことを確立していこうということで臨んでいただきたい。 なぜ私はこういうことを申し上げるかというと、ボーイング社がこういうふうにやりなさい、こうやれば絶対大丈夫だから、そのとおりやりました、これ以上安全の確認のしようはありませんというのでは、これはならぬ。それはなぜかというと、前段申しましたように、全日空の場合はロールスロイス社と、相当注文をし、文句もつけながら事故の解明をやったという。私はこれは輝かしい一つの安全に対する取り組みだったと思うから申し上げているわけでございまして、どうかひとつそういうことでお願いをいたしたいと思います。 それから、言われるようなフェールセーフという考え方、これはどうも崩壊したような気がしますね、今度の事故を見まして。一部分が破壊されても次のところには影響は及ばない、大事故には結びつかないというような設計思想でもってつくられておるということのようでございますが、あるいはこれも神話だったのかなというような気すらする。油圧系統四本とも飛んでしまう、尾翼の部分が、後ろの部分が飛んでしまう、隔壁が破裂するというようなことは、これはとても考えてはないのでしょう。しかしそれが現実のものになった。この事実にやはり粛然として、そうした従来のフェールセーフの設計思想、これももう崩壊したのじゃないかというぐらいの考え方に立って、ボーイング社に対しても、次の安全を期する設計上の大問題として問題提起をしてもあるいは当然かなというぐらいの気すら私はするわけでありまして、いろいろとそうした面で反省点がございます。どうか運輸省、事故調査委員会、日本航空、関係者それぞれの立場で、今申し上げているようなことをひとつしっかりお願いをいたしたい。 私に言わしめれば、今回の事故は予測できなかったのかと問われれば、これは冒頭運輸大臣が、新聞を見ても人災だとおっしゃった。私も人災だと思う。予測できないことはなかった。その決意がないと、また事故は起こりますよ。そう思いますね。予測できた。それぐらいの日ごろの検査体制、それを確立をして、事故に結びつくようなものを細大漏らさず検知して、そして未然にそれをきちんと事故に結びつかないように直しておればこういうことにはなっていない。いや、そうじゃない、十分やったんですよとおっしゃるだろう。おっしゃるだろうが、その気持ちが航空安全ということにはならぬと私は思いますので、あえてそのことも申し上げておきたいと思います。 それから、いろいろとございますけれども、最後に、先ほどのサーチライトをつけたヘリコプター、これがあればもっと早くということで申し上げたわけですが、ただ防衛庁が運輸省に対しまして、陸上自衛隊の出動の要請をしないのかと何回も督促をしたというような報道があるのだけれども、これは事実そうなんですか。
○大森説明員 お答えいたします。 防衛庁といたしまして災害派遣の要請を受けましたのは、航空自衛隊につきましては、二十時三十三分に東京空港事務所長から中空司令官に災害派遣の要請を受けております。運輸省とは事故発生当初から緊密な連絡をとっておりまして、その後の状況がいろいろ判明してくる過程におきまして、やはり陸上自衛隊の部隊の派遣ということがどうしても必要だということになりまして、二十一時三十分に東京空港事務所長から東方総監に災害派遣の要請が正式に参ったわけでございます。陸上自衛隊といたしましては正式な要請を受ける前から、すぐに出られるような準備をその以前からやってきているわけでございますけれども、正式には二十一時三十分に要請を受けております。
○坂井委員 時間が来ておりますのでこれでやめますが、ただ、これをキャッチしまして、もう一番最初の段階からでも私はそうだと思うのですけれども、少なくとも十八時二十七分に東京ACCが緊急状態を宣言するのかということに対して、一二三便が宣言する、こういう答えがありまして、直ちに東京ACCが入間RCCに対して一二三便の緊急状態の発生を通報しておりますね。その通報を受けた入間RCC、それからどうしたのか、まだどこにいるかわからない、行方不明だから手の下しようがないのだろうと思うのですけれども、この段階ですぐに救援機を飛ばす態勢をとらなきゃいかぬですね。いや、それはやったのだとおっしゃるかもしれない。しかし、少なくとも時間がかかり過ぎているように私は思いますね。 なぜか。十八時五十七分に、三百八度、羽田から五十九海里の地点で一二三便がレーダーから消えた、東京ACCがこの情報を十九時に既に海上保安庁、警察庁、入間RCCに通報しているわけですね。これが一つ。十九時の段階。 それからもう一つは、アメリカ軍、これは十九時十五分、東京ターミナル管制所、東京空港事務所の救難調整本部が横田タカンから三百五度、三十五海里の地点で火災が発生しておる、そういう飛行機を見つけたという米軍機からの情報を横田進入管制所を経由して受けておる、これを東京ACCに通報しておりますね。それから十九時五十八分でしょう、防衛庁の中央救難調整所が東京ACCへ、防衛庁の入間基地からバートル機ヘリコプター一機現場確認のため発進した、そういう通報が。ちょっと時間がかかるのじゃないかな。米軍機の情報を十九時十五分に受けて、入間基地から現場確認のための発進が十九時五十八分、これで四十三分かかっていますね。やはりこれぐらいかかるものでしょうかね。待機しておればスクランブルならば五分以内だから、それぐらいの態勢でなぜ発進できなかったのかな、ちょっともたもたがあったのかなという率直な感じがこの流れを見ましていたしますね。 あれやこれやと申し上げたいことが、ございます。問題点が多々あるようでございますが、時間がございませんので問題提起だけにとどめておきますが、そうした救難体制、救難システムをひとつきちんと確立をしていただきたいということのお願い。それから絶対安全だというのが、そうじゃない。柳田邦男さんによりますと百万分の一の必然だ、この人はこう言っていますね。偶然ではない、事故は未然に防げる。それはどこにあるか。製造工程なりあるいは検査体制なり、あるいはその後の飛行の過程における整備の体制なり、いろいろなところで今よりももっともっと厳しいきちんとした体制を確立しなければならぬぞというような指摘もいろいろあるようでございまして、今あるあり方が決して最善のものであるということではなくて、これをひとつ大きな教訓とし、反省として次への事故防止のために取り組んでいただきたい。また、当委員会もそのことのためにその責任を果たさなければならぬ、こう考えておりますので、以上申し上げまして、質問を終わります。
○小川委員長 次に、伏屋修治君。
○伏屋委員 遺族の方々の今の心境を思うときに、やはり遺族の方々はどうしてこんなことが起こったのかという無念さと悔しさが今なお日増しに募っておるのではないか、こういう気持ちを日航の方々はもちろんのこと、関係者がみずからの痛みとしてそれをとらえていくときに、満足ないろいろな答弁がここで得られるのではないか、余りにも事務的な答弁に過ぎた感は私もしておるわけでございます。そういう面におきまして、関係者が一様に遺族の痛みを痛みとしてこの問題に取り組んでいくべきだと冒頭に申し上げたいと思います。 遺族の方々のその気持ちを思うときに、やはり今一番私どもがその痛みを感じながら解明していかなければならない問題は、何といいましてもこの大惨事がどうして起こったのか、その事故原因を究明していくことにほかならないと私は思います。今までの事故調査委員会の調査の経過等々を報道関係の記事によって読み取るときに、先ほど大臣は人災ということを御訂正になったようでございますけれども、人災と言わざるを得ないような状況になりつつある、天災ではないことはもう明らかであります。それだけにやはり事故原因を徹底究明しなければならないと思いますけれども、そういう問題。毎日のように新聞の記事に航空機のトラブルが載っております。そういう面からも公共航空輸送に対する国民の不信ももう極限に来ておるのではないか。 先日の何新聞でしたか、ちょっと記憶がございませんが、いわゆる一二三便を日航は飛ばしております。その一二三便に搭乗した人たちのあのこわばった顔の写真が新聞に掲載されておりました。先ほども同僚議員の坂井委員の方からもお話がございましたけれども、こういうような大惨事を引き起こしながら、なお一二三便をジャンボ機で飛ばしておるということ自体が全く不遜な行為ではないか、このように私は思うわけでございます。イギリスのマンチェスター空港においての航空機事故におきましては、サッチャー首相みずからが現地に飛び、点検をやらない飛行機は飛ばさない、こういうような措置をとられたと聞いております。そういうことから考えますと、我が国と他国とのこういう事故に対する措置の差が余りにも大き過ぎるのではないか、こういうような感を免れ得ないわけでございますが、その面、大臣はどうお考えですか。
○山下国務大臣 今回の事故発生以来、衆参両院の各委員会においても一貫して私は御答弁申し上げておりますが、それは、これを機にこの事故の原因を徹底的に究明することが今後事故をなくすことであるということでございまして、今日その方針は一つも変わっておりませんし、この事故究明に対して厳しく対処するように私は指導しておるわけでございます。
○伏屋委員 運輸省の指導によって日航に立入検査をしたということも承知しておるわけでございますが、これは確かに時宜を得た措置であるけれども、もう少し強硬な措置としては同型機を飛ばさない、それぐらいの強烈な措置が講じられてもよかったのではないか、このように考えるわけです。立入検査をしながら一二三便を飛ばしておるというところに何か甘さがあるのではないか、こういうふうに私は考えるわけでございますが、その辺、関係者はどうですか。
○大島説明員 本件の事故の状況を見ますと、事故後一日、二日だったと思いますが、大変早い時期に三浦半島で尾翼の一部が見つかったというような状況がございまして、私どもはこれを受けまして、直ちにボーイング747の日本国内の全機について疑わしい部分を一斉点検するように指示したところでございます。さらに、御案内のように二日置きまして、後部の耐圧隔壁についても一斉点検を追加指示してございます。 また、技術的に見て、このような指示でとりあえず日本のジャンボの今回の事故に関係あると疑われる部分について点検して安全を図ったということでございますが、さらにその後のいろいろな国民の声と申しますか、あるいは新聞報道等によりますと、日本航空の整備体制自身に問題があるのではなかろうか、こういうような御批判もあるところでございまして、これに対して私どもも、この時点において日本航空の整備体制全般に立入検査をして、問題があるかないか、あるいは問題があれば改善の措置をとりたいと考えてやっておったことでございます。
○伏屋委員 今回の事故の要因が整備状況にあったのか、あるいは機体構造そのものにあったのかというところが問題でございますけれども、私もあのテレビを見ながら特に印象に残ったのは、アメリカからボーイング社の調査員が現地に入り、そしてマスコミの方々がいろいろと取材をしておられる、その取材には一切ノーコメントであった、そこに私は大きな印象を受けたわけでございます。日本の事故調査員の次席調査官の方々は大体のお話をされておるわけでございますが、ボーイング社に限っては、事故に関連することについてはノーコメントが余りにも多過ぎるというところに私は非常に疑義を持つわけでございまして、ボーイング社が新しい機種を開発してまた航空市場に売り込むという面からいえば、そういうような具体的なコメントをすることが大きなマイナスになるかもわかりませんけれども、遺族の方々の無念の思いを考えるときには、そういうことを度外視して事故原因を究明していく姿勢があってしかるべきではないかと思いますが、大臣、どうでしょうか。
○山下国務大臣 事故発生以来私もテレビを見る時間がほとんどございませんのでその場面はよくわかりませんけれども、どういうわけですべてノーコメントとおっしゃったのか、調査団のお気持ちは私はわかりませんけれども、要するにメーカーの調査団ですから非常に注目を浴びている立場にあるわけですから、原因が究明されるまで慎重に発言しなければ、いろいろとまたそのことによって憶測、誤解を生むおそれがあるという周到さからそうなさったのか、私はよくわかりません。 いずれにいたしましても、せっかくおいでになったのですから、ある段階においては、責任はあくまで日本政府の調査団にあるわけでございますから、その結果についてありのままの御報告はそれに対していただきたいと思っております。
○伏屋委員 遺族の方々も、そういうテレビの画面を見られて不可解な思いをされたのではないかと思いますが、これから国際的な問題にもなるかと思いますけれども、そういう面でも大臣に事故原因究明の積極的な姿勢を持っていただきたい、こういうふうに要望を申し上げる次第でございます。 それから、今国際的に就航しておる航空機の整備率がどのような状況になっておるのか、知る限りにおいてお教えいただきたいと思います。
○大島説明員 ただいまの御質問にかなった答えかどうか私も自信がございませんが、現在国際的に飛んでおります機種は多数ございます。特に最近の機種としまして、ボーイングのジャンボ747、術あるいはダグラスDC10型、フランス、イギリス共同製作のエアバスA300等々を見ますと、整備の仕方というのは大体共通性が、ございます。 この共通性を簡単に申し上げますれば、整備の一番軽い状態でA整備というのがおおむね二百ないし三百時間ごとの点検、それからB整備というのが中間にありまして、機種によって差はございますが千時間程度ごとの点検、それからC整備という比較的詳細な点検でございますが、ボーイングの場合ですとこれが大体三千時間、これも航空会社によってかなりのばらつきがございます。 このような簡単な整備、それから詳細な点検、これに加えまして全世界的な航空機に対するサンプリングによりまして構造検査を行う、このサンプリングの構造検査の結果を、ほかの航空機全機種に対策を施す、こういうようなのがごくかいつまんで申します整備の仕方であろうかと思います。
○伏屋委員 私は整備の仕方を聞いておるのではなくて、その整備の率が、何かの記事で国際水準が一二・七%ですか、そういう数字を見たのです。それから、全日空、東亜国内航空、日航と各国内線の整備率のレベルが載った記事を見たのですけれども、その中で日航が特に落ち込んでおる。全日空は国際水準にほぼ近い整備率であった、日航はそれよりも落ち込んでおったという数字が私の印象に残っておった、そのことから今お尋ねしたわけでございます。
○大島説明員 先生の御指摘は整備コストの比率であろうかと思いますが、御指摘のように、私どもが調べた範囲内では、ただいま日本航空が六・何%と、各社差がございます。しかし、調べますと、整備費の中に含まれておる項目が会社によってそれぞれ違う面がございますので、一概に率だけで論ずることも難しいかと思っております。
○伏屋委員 その問題はそこまでにしておきましょう。 その整備の状況ですけれども、一応マニュアルを運輸省が認可しておるわけでございますけれども、私もそれを調べたいと思いまして、日航の関係者に整備規程というものを見せてもらいたい、こうお願いしたところ、非常に膨大なもので持ち運びができないということで見せていただけなかったわけでございますが、そういうような膨大な整備規程というものが本当に整備員の頭の中に逐一入っておるのかどうか、整備員の方々の姿勢というものも、ある程度惰性に流されたところにこういうような要因があるのではないかということも考えるわけでございますし、またそのマニュアルを、今後人命を尊重するという意味において、安全運航第一という考え方のもとに、運輸省はもう一回見直し、改訂する意思があるかないか、その辺をお答えいただきたい。
○大島説明員 航空機を整備いたします場合、私ども、航空法で整備規程というものを定めて整備することを求めております。整備規程は運輸大臣の認可でございます。ただ、大変大きな規模の複雑な航空機を整備をするのに、整備規程の大臣の認可を求めるということは事実上大変難しいことでございまして、このうちの重要な部分について大臣の認可事項としております。さらに、これを砕いて整備の重要な項目、これを定めまして、運輸省の行政指導によって承認事項としておるわけでございますが、実は、実際の会社の整備に当たりましては、これでもまだ粗いと申しますか、これで実際にやることは難しい面がございます。 あと、社内規程で社内のそれぞれの整備の分担、責任の場において一番使いやすいいろいろな作業カードあるいは作業指示書等々を出しておるものでございます。これらはいずれもその上部に当たります整備規程に基づいて行っていることでございまして、現場の整備員は自分の作業分担における作業カード、指示あるいは作業基準等々を熟知して組織的に整備をやっておりますので、これらにつきましては、私どもは年間の立入検査等を通じましてその実態を把握し、確認しておるところでございます。
○伏屋委員 時間もありませんので、日航に対する運輸省からの立入検査はこの結果等々でわかるわけでございますが、今後行政監察の対象としても一応なっておる、こういうようなお考えを新聞記事で読んだわけでございますが、どういうふうに具体的に行政監察をしようとされておるのか、そのあたりわかれば教えていただきたい。
○西村説明員 行政監察は総務庁の所管でございますが、どのように行政監察を対象に取り上げているか、私ども聞いておりません。
○伏屋委員 今後行政監察されるとするならば、やはり今申し上げたような整備の規程が膨大なものであるだけに、整備に関係する方々の訓練とか教育というものにうんと力を入れるような具体的な調査もしていただきたい、そういうことを思いますし、またパイロットと整備員との人間関係、ここらあたりももっともっと緊密なものにしていかないといけないと私は思うわけでございます。そういうような面で、今後行政監察をするとするならば、やはりそこらあたりまで立ち入ってやっていく、そういうことにおいて二度とこういうような大惨事を引き起こさない、そういう人間関係というものをつくっていかなければいけない、こういうふうに思います。 時間が参りましたので、以上で私の質問を終わりたいと思います。
○小川委員長 次に、玉置一弥君。
○玉置(一)委員 今回は大変な事故が起きて、事故を介していろいろな問題点が抽出をされてまいりました。特に、航空行政の中で大規模大量輸送、これに対する問題点、これがまず一つあると思います。そして、それぞれ航空関係機関が横の連携を十分とっていないような状況が見受けられる、こういう問題点がございます。 それから、事故の後の処理の問題でございますが、航空局を中心にいたしまして、後の手配、自治省で言いますと消防庁、警察庁そして各地方自治体、そして防衛庁、これらの連携がうまくいってない、これは今までのこの委員会の中でのいろいろな状況の報告についてお聞きになればわかると思いますけれども、そういうことが言えるのではないか。 それからもう一つは今後の補償でございますけれども、国際法等で今まで慣例となっておりました航空協定等によります規定、これに今度は違ういわゆる国内法適用の部分があるわけでございます。これにどう対応していくのか。金額が非常に膨大な金額でございますから、一航空会社でまさに持てるかどうかという問題もあるわけでございまして、この辺についてが今回の日航のジャンボ機墜落に関する大きな問題点ではないかと思います。 それともう一つ心配なのが、今回亡くなられました多くの方々、この方々がまさに企業として、あるいはその御家庭での生活の柱としてやってこられた、こういう点がございます。この辺に対して、単なる補償ということではなくて、やはりそれらの残された方々に今まで以上の手厚いこれからの御処置というものを考えていかなければならないというように思うわけでございまして、大量輸送における事故という面で見て、これにどう対応していくのかということをまさに問題として投げかけられたというふうに思うわけでございます。 まず総括的に、今申し上げました内容につきまして運輸大臣並びに高木参考人に御意見をお伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 大量輸送時代に、私もきょう数回御答弁申し上げました、最も恐れていた事態が起きたということで、実は私も本当にこれは大変だという気持ちでございます。したがいまして、世界の航空史上、一機の事故としては最大ということで、私自身も途方に暮れる面が率直にございますし、航空当局も事後処理についていろいろと、今まで経験のないことでございますからございますけれども、全知全力を挙げてこの事後の対策に今取り組んでおります。 お話がございました例えば補償の問題等につきましても、これも御答弁申し上げましたが、ホフマン方式等十分参酌しながら、あるいは過去における幾つかの例もございますし、そういうものを十分見まして、例としてこれも参考にいたしまして、日本航空と御遺族の間で話し合いによって円満にこれが行われるように私どもは指導してまいりたいと思っております。あくまで誠意を持ってやりたい。額はなるほど、今おっしゃいましたように非常に大きなものになるかと思いますけれども、日本航空株式会社としてできるだけのことをやっていただきたいというふうに思っておる次第でございます。 幾つかの技術的その他の問題については担当官から御答弁申し上げます。
○高木参考人 ただいまの先生のお話につきまして、時間の関係もありますので、要点につきまして二つお答え申し上げたいと思います。 一つは、こうした大きな事故を起こしながら、現に私ども毎日この航空機を飛ばしておるわけでございまして、そういう意味で、安全の確保ということについては運輸省の御指示を仰ぎながら、我が社の内部の整備体制というものについてもより一層の注意を払いながら、十分に安全を確保して運航するということに今後もより一層の努力を払っていく覚悟であるということ。 それからもう一つ、当面の問題といたしまして、御遺族に対する補償の問題、これが最大の、当面の当社として解決しなければならぬ問題であるということは十分に承知しておりまして、私どもとしては、先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、専門家あるいは関係者に十分に意見を伺い、話し合いをしつつ、本当に誠心誠意、御遺族の御納得を得られるような話し合いによる解決を図っていきたい、これが私ども基本的な考え方でございます。
○玉置(一)委員 先ほどからいろいろ御答弁を聞いておりますと、我々の中では、何となく積極的な姿勢が見受けられないとかといういろいろな御意見が出ておるようでございますけれども、事故に対して、あるいは安全という面から見ていろいろなチェックをしてみたいと思います。 当然、航空機で上がっておりてくるまで、我々も乗るたびに大変不安に駆られるわけでございますけれども、まず設計仕様上の安全度といいますか、そういうものがあるかと思います。そして、航空機の使用頻度が増すに従って点検箇所がふえてくる、こういうこともあるかと思いまずし、特に、飛行機がスピードを増すに従ってその疲労度も高まってくる。いろいろなことを考えていきますと、従来の整備体制から今の最新型の飛行機に至るまでの整備体制、この間にどういう対応をされてきたのか、こういう心配をしているわけでございます。 聞くところによりますと、全数の検査でございましたいわゆるオーバーホール方式というものから、ある程度今までの信頼という実績に基づいた抜き取りに変えてきた、いわゆるサンプリング方式ということもございます。これは機種によって変えてきたのか、あるいは整備のいろいろな技術向上によって変えてきたのか、その辺も含めて、整備の変遷についてどういう対応をされてきたのか、これについてお伺いしたいと思います。
○大島説明員 航空機の整備は、時代とともに航空機の進歩に従って変わってきておりまして、DC8型レベルの飛行機までは、オーバーホール方式と呼ばれる整備方式がとられておりました。これは一言で申しますと総分解手入れ、すべてついている装備品をある一定の時間で外して検査してそれをまた取りつける、機体もすべて決められた時間で構造の隅々を検査する、こういうやり方がとられてきたのでございますが、飛行機の設計の技術の進歩と、それから整備に関係するいろいろな検査方法、非破壊検査でありますとか、あるいは設計の段階から分解しなくても中を見れるような構造にしておくとか、あるいはいろいろなテスト装置等を開発して、ただいまの航空機は一部装備品については取りおろして工場で分解検査するという点も、ございますが、飛行機についている配管、配線その他の機器については飛行機についた状態のままでその状況を検査する、こういう技術が進んでまいりました。 それとともに、構造の検査につきましては、それまでの検査の経験、それから設計において、構造に対するいわゆるフェールセーフ思想と申しますか、一部故障が起きても急激な破壊に至らないような設計方法、これらの技術の進歩ということ等から、以前のように比較的早い使用時間で機体構造をくまなく調べるということが必ずしも必要ではない、こういう思想が一般的になってきておるわけでございます。 それで、設計の段階で飛行機の構造に関する使用寿命をテストで確認していきつつ、また、そのテストの確認した時期よりもかなり安全を見越した早い時期において、世界の同種の航空機の一部を抽出検査して重要部分を構造検査する、そこで傷が見つかれば世界の他の機体にこの技術対策を及ぼす、こういうサンプリング検査方式が一般になっておりまして、これは明らかに航空機の設計技術の進歩、検査技術の進歩、あるいは金属疲労、腐食に対する理論の進展、こういったところを背景にして出てきたやり方でございます。
○玉置(一)委員 運輸省独自でいろいろな検査をされているということを聞いておりますけれども、今までのいろいろな情報を総合的に見ますと、検査データなりあるいは検査システムそのものを外部に依存している部分が非常に多いというような感じがするわけです。各航空会社のいろいろなデータをもとに、そのままそれを採用する。特に、いわゆるアメリカの航空局ですか、そのデータがあればそのまま採用するというようなことになっているというふうにお伺いするわけですけれども、やはり独自でいろいろな、例えば破壊試験でありますとか衝撃あるいは金属疲労とかいろいろなのがあると思いますけれども、独自のそういうデータの蓄積というものが必要ではないかというように思いますが、いかがでしょう。
○大島説明員 新しく開発されました航空機自体の安全性、設計の安全性等につきましては、製造国政府が責任を持って必要な試験、審査、検査を行うことになっておりまして、この製造国政府の責任と申しますか、これは飛行機の整備方式の設定にまで及んでいるわけでございます。やはり私どもとしては、一番データを詳しく持っている製造国政府の認めたもの、これをまず第一の基本として認めていくというのが、技術的に見て一番安全な方法であろうかと思います。 また、飛行機が導入されて運用されている段階におきましては、運用上のいろいろなふぐあいが出てまいります。これらについては、日本であれば、日本の航空会社の整備実績に基づいて、それぞれ検査をふやしたりあるいは検査方法を改良したり等々を行っておりまして、これは私ども航空局としても折に触れて報告を受け、あるいは承認事項であれば承認する、こういうことでございます。
○玉置(一)委員 日本だけでなく世界各国でジャンボが使われているわけですけれども、メーカーと各エアラインとのいろいろな連携があると思います、技術情報について。そういう面で、それがどの程度把握をされて整備に生かされているか、あるいは安全チェック項目としての確認をされているか。そして、場合によっては日航から逆に提言するということもございますし、あるいは日航以外のエアラインからメーカーに対して、あるいはほかのエアラインに対していろいろな提言をされるという場合もあると思いますけれども、現時点までどういうことを中心にどういうシステムでやられてきたか、それについてお伺いしたいと思います。
○大島説明員 この点につきましては、航空会社の方がよく御存じの面もあるかと思いますが、メーカー、例えばボーイングで申しますと、メーカーとしては、自分のお得意の航空会社、世界の航空会社を集めてミーティングをやる、あるいは整備上に起こったいろいろなふぐあい、あるいは航空会社からのこうしてくれというような改善の注文等々を受けまして、メーカー独自で技術検討を加えた上で技術情報を出し、あるいは技術の改善の指示を出したりいたします。その中で、耐空性上特に重要なものにつきましては、政府であるアメリカの航空局、FAAでございますが、これが耐空性の改善命令というものを出す、こういうようなシステムで運用されておるわけでございますが、さらに詳しくは航空会社の方に御説明いただきたいと思います。
○平沢参考人 御説明いたします。 航空機メーカーとそれを使用します航空会社との間には非常にたくさんの情報交換のチャンネルがございまして、情報の種類によりまして必ずメーカーの方に連絡をしまして、メーカーは各航空会社から同じような報告を受けて、それを集めて検討の上、例えばサービスフレティンのような改善勧告というものを出してくる、あるいは新しい次の飛行機にその改善を盛り込む、こういうふうなこともいたしておりますし、その他私どもは、メーカーが必要と思われる情報は積極的に送りまして、参考にしてもらうということをやっております。 またさらに、メーカーの技術陣とは定期的にも常にミーティングを持ちまして、私どもが実機で経験している内容を先方の技術者によく伝えまして、それによって故障が多い点については改修ということを考えてもらって故障の低減を図る、こういったようなことをやっておるわけでございまして、特に私どもはその点、積極的にやっているつもりでございます。したがいまして、当社から出しますいろいろな故障データ、あるいはそういうものを解析した実態を把握してのインフォメーション、そういうものはメーカーは大変評価をしているというふうにも聞いております。
○玉置(一)委員 今回の該当機種でございますボーイング747SR−100ですか、これは日本航空におきましてはいわゆる近距離国内便ということで使用されている。近距離でこれだけ大量輸送に使われるのは珍しいというようなことも言われておりますけれども、珍しいからむしろ日本航空としては、ボーイングの統一的なチェック項目以外に日本航空独自でやはりその部分を考えていかなければいけないと思うのですが、これに対して何か、ボーイングの中で検討された以外の日本航空独自のチェックというのはなさっておりますか。
○平沢参考人 もともとこのボーイング747SRは、非常に頻繁に離着陸をする運航に使用する、こういうことでボーイングから買ったものでございまして、そういう条件を踏まえましてボーイングは頻繁な離着陸に適した機体としてこれを開発いたしました。したがって、国際線を飛んでいる機体にさらに必要な部分の補強等がなされております。 それから、私どもの持っておりますこのSRは、確かに離着陸回数においてはボーイングの747全フリートの中で離着陸の回数が多いフリートといいますか、グループに属しておりますので、そういう離着陸回数から来るいろいろな影響、そういうものは非常に注意深く見守って整備、検査等に反映をしていくというふうに考えてきたわけでございます。そういう意味で、今後とも十分にそういう点を配慮しながらやっていくつもりですが、例えば昨年ボーイングから、そういうふうな離着陸あるいは使用時間の多い航空機に対しての追加の検査項目というものが出されました。その場合にこのSR機については、まだサイクルがそこまでいっていないということで初めは対象になっておりませんでしたけれども、私どもの方としては、これはやはり対象にすべきであるということを申し、相談しまして、追加の検査機に入れましてその検査を始めておる、こういう状況でございます。
○玉置(一)委員 私もそのことが聞きたかったのですけれども、今回の事故の原因と推定をされる一つに、後ろの隔壁の破壊というものが事故原因につながってきておる。それと垂直尾翼を固定しておるロット部分、ロットと本体の取りつけ部分、そこが破壊されて、それが何らかの影響を出しただろう、こういうことが言われておりますけれども、いずれにしても金属破壊という形が今回の尾翼部分の破壊につながってきたというふうに見られるわけです。ところが、昨年の検査では特に該当する部分が見当たらないというようなことでございますけれども、目視では金属の表面もよくわからないし、まして中身についてはなかなか推定ができないということでございます。普通、大体非常に重要な金属部分、損傷があって困る部分、これは表皮の傷でも何万回という耐久をやれば必ず破壊につながるといういろいろなデータが出ておりますけれども、むしろ磁気探傷でありますとかあるいは蛍光探傷とかいろいろなごく簡単な探傷方法があるわけですけれども、こういうことがやられておるのかどうか、そしてどこまで分解して検査をされたのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
○平沢参考人 ただいま御質問の胴体後部の与圧隔壁の点でございますけれども、これは午前中にも御説明申し上げましたけれども、現在はC整備ことに後ろから詳細な目視点検をするということになっております。 それで、目視点検だけでは不十分なのではないか、こういう点でございますが、もともとフェールセーフという思想で、例えば与圧隔壁というのは大変に注意をして設計され、また我々も注意しておる部分でございますけれども、その一部に例えば疲労によりまして、あるいは何らかのほかの理由でクラックが入りましてもすぐに全般に及ぼさない、こういう設計になっておるわけでございますが、いずれにしましても、この隔壁あるいはボルトの穴等に明らかにクラック、亀裂というものがあれば、これは必ず目視でわかります。特に後部隔壁の場合は、客室の空気が少しでも漏れるようなことになりますと、やに等のしるしがつきましてこれはすぐわかる、こういうような性質もございます。 しかし、そうなってはいけないので適切な間隔でこれを検査する、こういうことでやっておるわけでございますが、先ほどのように、そうは言っても内部に疲労が蓄積した場合にこれをどうやって見つけるか、何か見つけなくてはいけないのではないか、こういう御指摘もございましたけれども、これは現在の技術で非常に難しい点もございます。しかし、我々としては、そういう点につきましても今後検査のやり方に関してはいろいろと検討していかなければいけないのではないかというふうには思っております。
○大島説明員 ただいまの点につきまして運輸省の立場から補足させていただきます。 ただいまの検査の仕方等はただいま御説明があったとおりでございます。この事故の後、私どもはこの後部耐圧隔壁について一斉点検を指示したところでございます。特に使用期間の長い機体について百時間以内に行うようにやりました。その結果を見てみますと、隔壁の部分に亀裂があったという事実は全く発見されておりません。しかしながら、取りつけボルトと申しますか胴体に取りつける周辺のボルトに幾つか折損しているような事実が見つかっております。 そこで私たちの現在における判断としましては、やはり定時点検間隔の方法、これについて現在ではなお十分でない点があるのではなかろうか、こういうような判断から、この当該部分について申しますと、点検方法の改善等を検討したい、こう考えておるところでございます。あわせてその他の部分につきましても現在の検査で満足できない部分があるかどうか、これも含めて検討いたしたいというのが私どもの現在の考えでございます。
○玉置(一)委員 日本航空のジャンボジェット機、特に国内便の場合には、搭乗定員が従来の平均的なジャンボの搭乗定員より多いという話を聞いております。そして、離着陸回数が従来のほかの国の機種よりも多いということが言われております。そういうところから見ると、本来でございますと六万時間、そして離着陸が二万回というのが一応ジャンボの今までの試験結果の安全の限度だというふうに言われておりますけれども、まず搭乗人員が多いということ、そして離着陸が多いということから考えていきますと、その時間を加味していけば、当然もっと早くいろいろな項目についてチェックをしていかなければいけないということになるかと思いますが、この辺についてはそういうことも加味されていたのかどうか、そしてどこが従来と違うのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○大島説明員 航空機の乗客の定員につきましては、私どもの審査のポイントと申しますのは、非常の場合に素早く迅速に脱出できるかどうか、つまり非常脱出口の大きさとの関係で検討いたします。それで、必要に応じて実際にデモンストレーションと申しますか実証試験をやってこれを証明する方法をとっております。 乗客がたくさん乗るということと飛行機の寿命あるいは整備の問題とは直接の関係はございませんが、ただいま御指摘のようにSRにつきましては大変飛行回数のテンポが早い、サイクル数が多いというような点もございますので、これまでの検査の体制でまず十分に安全を保ってきたわけでございますし、また今回の事故の原因は現在明らかにされておりませんので、事故原因とSRの使い方そのものとの関係については明らかではないわけでございますが、今回立入検査をいたしました一つの趣旨の中には、このようなSRの特別な状況、日本航空におけるSRが飛行回数において世界のトップグループにあるという現状も認識いたしまして、これに対して何らかの特別の整備の強化が必要であるかどうか、この点もひとつ検討してみたいと考えております。
○平沢参考人 私どもの方から追加して御説明させていただきたいと思いますが、このSRにつきましては、先ほど申し上げましたボーイング等メーカーから出しております追加の構造検査、こういう問題の中で、昨年このSRの時間の高いのが七機ございましたけれども、そのうち特に離着陸回数の多い二機につきまして、そういう頻繁な離着陸で影響を受けると思われる部分について十分に検査をいたしました。その内容に基づいて先ほど申し上げましたSR機の追加構造検査、こういう要目を決めて実施に入っていたところでございます。
○玉置(一)委員 時間がなくなってまいりましたので、まとめてちょっと質問してお答えをいただきたいと思います。 まず日本航空にお伺いいたしますけれども、乗務員の緊急時での対応訓練、これをどのようにやられてきたのか。今回の場合、先ほどのボイスレコーダーとかいろいろなデータがありますけれども、それを見ておりますと、どうも余りにも言葉がとぎれとぎれであるというような感じもしますし、我々の中では、右に曲がった方がよかったのか左に曲がった方がよかったのか、いろいろな判断の違いもあるということもございます。まさに後ろがなくなって飛んでいる、こういう訓練はなかなかできないと思いますけれども、少なくともいろいろな場合を想定した訓練というものが絶えず行われていなければいけないと思います。そういう面で乗務員の方々がしっかりしていれば、うまくいけば着陸したときに逃げられるという可能性もあるわけでございますから、そういうことがどういうふうにやられているか。 それから、先ほどからほかの委員の方々から、採算を重視したために安全性が欠落をしているのではないかという話がございましたけれども、私はむしろ、安全というものは各部門にやはり最大の目標として置かれるべきである、そして、その中で逆に各部門が自分たちの持ち分をいかに果たしていくかということを考えるべきである、こういうふうに考えるわけですが、全社的な観点から安全管理についてどこがチェックをしてどういう権限を持っているのか、各部門との調整はどうやっているのか、これについてお伺いをしたいと思います。 それから、運輸大臣にお伺いしますが、三年前に羽田の事故がございました。その後の対応が非常に遅かったような記憶が私たちはあるわけです。今回の事故に対して遺族への補償も含め、あるいはまたいつ再び事故が起こるかわからない情勢でございます。大量輸送ということから、できるだけ早い時期に決着をつけて、そして万全の態勢をとるということが必要でございまして、これに対して運輸省としてどういう取り組みをいつごろまでにめどをつけてやられるのか、これについてお伺いをして質問を終わりたいと思います。
○山下国務大臣 再三御答弁申し上げておりますように、徹底して、しかもなるたけ速やかに事故の原因を明らかにするということが私に課せられた最大の任務だと私は理解しております。既に官房長官、大蔵大臣と協議をいたしまして、徹底した事故調査に必要な経費については予備費で見るという約束もいただいておりますので、私はこの問題については、後で皆様方に御納得いただけるだけの十分な態勢をとって事故の究明に私の責任において取り組みたいと思っております。
○平沢参考人 御質問の三点にお答えいたします。 まずパイロット訓練でございますが、非常に危険な状況を再現しての訓練につきましては、最近はどの会社でも飛行模擬装置を使って訓練をいたしております。その中で、通常はやはり非常に起こり得る可能性のある故障というものを出しまして、それに対応する訓練をいたしております。例えば離陸時のエンジンの停止でございますとか、それからやはり客室与圧が何らかの理由によって減圧しましたときの緊急降下、こういったようなものを初めとしましてそれぞれそのときにインストラクターが考えてやりますが、しかし、幾つかのシステムが同時にフェールするといった場合の訓練というものは現実にいたしておらない状況でございます。これは、いろいろなケースもなかなか難しいということもございまして、現在はそういうことはやっておりません。 それから、二番目の採算重視と安全問題、これは先生おっしゃるとおりでございまして、我々も安全を至上命題、基本として、それに対する必要なことはすべてやる、その上に立っての採算の問題だ、こういうふうに考えております。 それから、安全管理体制でございますが、我が社の場合には生産部門には五つの本部がございまして、その本部がそれぞれ自分の受け持つ業務については安全について組織も持ち、委員会等も持って実施をしているわけでございますが、会社全体といたしましては、総合安全推進本部というのがございます。これは本部長が社長でございまして、常務会のメンバーが本部員でございます。この本部は、定期的にも、あるいは臨時的にも、会社における全社的な安全状況のチェックあるいは安全確保のために必要な措置、そういうものの検討及び決定というものをいたしておりますが、その下部機構として航空安全委員会というのがございまして、もう少し細かい部分の検討、決定、こういったようなものをいたしております。そういうことで、全社的には十分な組織を持ちましてこの安全問題に取り組んでいるところでございます。
○玉置(一)委員 時間が参りましたので終わりますが、くれぐれも、残された家族のことを考えてこれからの対応をお願いしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○小川委員長 次に、辻第一君。
○辻(第)委員 まず最初に、亡くなられた方々に心からの御冥福をお祈りを申し上げ、また負傷された方々の一刻も早い御全快を祈念いたしまして、質問に入りたいと思います。 きょうから捜索救難活動が縮小されたと聞いているわけであります。もう既に十六、七日ほどたっているわけでありますが、なおかつまだ遺体が収容されない方、確認をされない方、それぞれ三十数人いらっしゃるということであります。これらの方々は言うに及ばず、御遺族の皆さん方の今の御苦労、御心労、本当に大変なものだと思うわけであります。御遺族の声や要望を十分聞いて十分な対応をしていただきたい、このことをまず最初にお願いをするわけでございます。もちろん補償の問題など十分な対応をいただきたい、このように思います。 同時に、地元の皆さん方その他、今度の捜索救難活動に御従事をいただきました皆さん方の御苦労に対しまして心からの敬意と感謝の意を表するものであります。 さて、今度の事故後も中小の事故と申しましょうか、トラブルと申しましょうか、そういうものが次々と起こっております。今度の事故の前にもたくさん起こっておりましたね。それは、七月二十八日、沖縄行きの九三三便が着陸寸前ですか、フラップが脱落をする。またDC8、DC10、これらのエンジンフェール、こういうことがありました。そして事故後も次々と起こっているんですね。十七日には、那覇発大阪行きのジャンボが油圧系統の故障で飛行を中止した。十八日には羽田発大阪行きジャンボの車輪異常ランプが消えず飛行中止。二十一日には、羽田発大阪行きジャンボが着陸寸前、方向舵故障のランプがついた。二十三日には、大阪発ソウル行きDC10が滑走中にエンジンから出火して飛行を中止した。さらに二十五日には、千歳発大阪行きジャンボのドアのとめ金が、三つのうち二つ切れていた事故が発生した。二十六日には、社会党の訪中団が乗ったDC10の第三エンジンに故障が起こったのですか、出発が一時間半おくれた、こういうことが報道されているんですね。 ちょっと日航の方にお尋ねをするわけですが、この事故前、事故後、我々から見るとこういうふうに頻発をしていると感じるわけでありますが、日航の方はどのようにお考えになっているのか。これくらいはこれまでから当たり前にあったのか、最近非常に多いということなのか、その辺を簡明にお答えいただきたいと思います。
○平沢参考人 今御指摘のようないろいろなことが起こりまして、大変御心配をおかけいたしまして申しわけないと思っております。 それで、これが多いのか少ないのかというお話でございますけれども、夏場におきましては外気温度が高いという条件がございますので、エンジンの故障がふえる傾向にございます。そこで私どもは、夏になる前にそういうものを極力防ぐために、エンジンの燃焼室から後ろのタービンセクション等の検査をいたしまして、そういうものをなるべく起こさないように手だてをしておりますけれども、今回御指摘のようなエンジンのトラブルが起こりまして、これは少し多かったと感じております。こういう点は、今後も今も言ったような手だて等をいろいろ考えまして対処していきたい。 それから、事故後のことは当然でございますが、整備員には徹底してしっかり整備をするように指示をしてございますし、整備のために要する時間は十分とって、それのためにディレイすることはやむを得ない、こういうようなことで指導しております。
○辻(第)委員 今そういう御説明をいただいたわけでございますが、少し多いように思うということですね。我々から見ますと、そういう事故も大惨事につながりかねないものだ、そういう認識をするわけですね。そういうことで、事故の続発あるいはいろいろ部品が欠損をしている、ひび割れが見つかる、こういうことも相次いでいるということであります。 ですから、これは運輸省にお尋ねをするわけでありますが、これまでいろいろ点検をやっておられるようでありますけれども、全面的な総点検をもっと徹底してやるべきだというふうに要望するわけでありますが、いかがですか。
○大島説明員 ただいま日本航空の方からお話がありましたが、夏場には増便あるいは気象条件で多い。それで私ども故障の内容として見ますと、比較的偶発的に起こっているものが多いと思っております。現在の整備体制の中で整備をぴっちりやっていくことによってこの現在の故障の多い状況は抑えられる、こういう認識でございます。
○辻(第)委員 事故前も事故後もやはり多いのですよ。今の発言は甘いですね。もっともっと徹底した総点検をやるべきだ、重ねて要望しておきます。 それから次に、整備マニュアル、いわゆる手順というのですか要項というのですか、こういうものを見直しすべきではないか。 また、機内の不燃化ですね。例えばカーテンですか、それの不燃化の程度をもっと高めるとか、こういうふうに当面可能な安全対策を至急打つべきだと考えるのですが、いかがですか。
○大島説明員 ただいまの整備マニュアルにつきましては、これまでも運用実績からいろいろな改善を行っているところでございます。また先ほども御説明申し上げましたが、今回の尾部、隔壁の一斉点検を踏まえまして、整備の仕方についても検討をしたいと考えておるところでございます。 また、機内の不燃化につきましては、最近アメリカの航空局が座席のシートカバーの不燃化に関する指示を出した事例がございまして、私どもも、日本国内の定期航空に使用する航空機についても座席シートの不燃化対策を指示しておるところでございます。しかし、何分にも数が多いことでございますので、生産能力、供給能力の点から、三年弱の期間を限度として全部不燃化シートにかえる、こういう計画を指示しておるところでございます。
○辻(第)委員 どうも間延びした話ですね。もっともっと、もう本当に当面可能な安全対策を十分とっていただきたい。重ねて強調して、次に移りたいと思います。 事故調査委員会でございますが、連日大変御奮聞いただいて、御苦労さまでございます。きのうは第一次の中間報告を公表されました。引き続いて定期的に調査経過を発表していただきたいと、まず要望するわけでございます。 昨年、私は事故調査委員会に対しまして、当委員会におきまして情報の公開あるいは調査資料の全面公開、殊に中標津の事故に関連をして要望をしてまいりました。今度も私は、ボイスレコーダーやフライトレコーダー、こういうものの生データを公開されるべきではないか、すべての資料を公開する、こういうことを要求するわけでありますが、いかがですか。
○藤冨説明員 先生おっしゃられましたとおり、私ども、昨日中間的な経過報告をさせていただいたところでございます。今後の中間報告をどうするかということでございますが、当面の話といたしましては、現場調査、現場において知り得た事実がまだまとまっておりません。まとまった段階で、これをどういう形で報告、公表するかということは、委員会では当然考えなければならないのではないかと考えているところでございます。 次に、ボイスレコーダー、フライトレコーダーでございますが、昨日公表いたしましたデータは、特にフライトレコーダーにおきましては、先生のおっしゃる生のデータに極めて近いのではないかと私ども考えております。ボイスレコーダーにつきましても、ごく一部のプライバシー問題を除きましては、解読し得たものはほとんど記載してあるわけでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○辻(第)委員 次に、大臣にお尋ねをしたいのです。 先般、NHKだったと思うのですが、概算要求の枠を超えて予算要求をして徹底調査を行いたい、こういうような御発言があったと思うんですね。私は、原因究明を徹底的に行うことが再発防止の一番大切な道だ、こういうふうに認識をしているわけであります。そういう点から見てまいりますと、あの相模湾に後部の機体が落下いたしましたですね。これをやはり海底の調査を徹底してやっていただきたい、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
○山下国務大臣 先ほども答弁申し上げましたように、先般、内閣官房長官、大蔵大臣、三者で協議いたしまして、徹底究明に必要な経費につきましては今年度の予備費から支出するという承諾をいただいておりますので、少なくとも予算が少ないから徹底究明ができないということは絶対ないということで、今後処してまいります。
○辻(第)委員 海底の捜査。
○山下国務大臣 海底の捜査は、ひとつ技術当局から……。
○藤冨説明員 私ども、今のところまだ現場調査も完全に終わってない段階でございますが、現場で収集した機体の残骸、あるいは海上で回収いたしました部品等について、これから鋭意調査、解析を行ってまいりますが、その過程あるいはフライトレコーダー、ボイスレコーダー等の解析等の総合的な判断のもとに、これからどのような試験研究等を行っていくかということを考えてまいりたいと存じますので、現在のところで何をということをまだ申し上げられるまでに至っておりません。
○辻(第)委員 大臣が予算はもう十分取るということでありますから、ぜひこの海底の捜査をやっていただきたい、十分な解明をやっていただきたい。重ねて要望しておきます。 次に、さきの運輸委員会で、これは大臣にお尋ねしたわけでありますが、やはりもう一度お尋ねをしたいのです。それは、今度の事故の初動捜索と申しましょうか救援といいましょうかね、これに私は非常に問題があったのではないか、このように思うわけであります。大臣、その点もう一度、どのようにお考えになっているのかお答えいただきたいと思います。
○山下国務大臣 先ほど防衛庁から、東京空港事務所からの要請についての時刻等をここで御答弁になっておりましたが、そういった正式なものは別として、緊急的に電話その他によってお願いすべきものはお願いして、そういう面においては遺憾なきを期しておったと私は思うのであります。特に防衛庁におきましては、事故発生後四分にして既に何機かの偵察機なんかが緊急発進をされたということを伺っております。それを契機として、スタートを切ってずっと次々の警察その他の手が打たれたということでございます。 ただ、その晩なぜ照明弾を用いなかったかということにつきまして、それが初動捜査においてどうも不完全だったような御意見をしばしば伺うのでございますけれども、この間から申し上げておりますように、カラマツのあそこの人工林、私も現地へ行って見てまいりましたけれども、あそこにそういうものを落とした場合には、これは直ちに火災でもって二次災害につながるし、あるいはまた御遺体等が焼失するというようなことを考慮しながら、二次災害を避けるためにもそれができなかったということで、私は、可能な限りの初動捜査は十分行われた、結果的に見て、ああすればよかったというのは皆無ではないかもしれませんけれども、あのとっさの判断における初動の捜査は十分行われたと思っております。
○辻(第)委員 今の御答弁では、御遺族の方々や多くの国民は納得できないですね。その辺、建前じゃなしにやはり本音を言ってほしいんです。これは重大な問題ですからね。 この前も私は申し上げたわけでありますが、基本的に人間の尊厳と申しましょうか人命の尊重と申しましょうか、という思想が非常に希薄だったという考え方、態勢、こういうものが基本にあったのではないかということであります。欧米の先進国の話を聞きますと、そういう点では日本と非常に違うというふうに聞いているわけであります。あの事故で申しますと、もう多数は絶望だ、そういう認識のもとに初動あるいは救援活動が行われたということではないか。一つそういう点、大いに考えますね。 それから基本的なそういう捜索救援活動、こういうものの体制が、平生からぴちっと準備されて訓練されていなかった。だから私は正直言って、あわてふためいて物事がやられた、そういう中に後手後手に回ったというような問題がたくさんあろうかと思いますね。殊に七時前ですか、事故が起こりましたですね、そして生存者が発見されたのが翌日の十一時過ぎてからですから、大体十六時間たっているわけですね。どう考えてみても、もっと早く救助の手が差し伸べられなかったのか、そうすればもっと生存者が助かったのではないか、この国民の皆さん方の声というのは、本当に当然の声だというふうに思うわけであります。 先ほどくしくも高木社長も申されましたが、現場の確認がいろいろ二転三転いたしましたね、ああいう問題。それから特に指摘をしておきたいのは、もうみんな生存者がおられないという認識のもとに事が進んでいった。と申しますのは、運輸省からもらった文書では、生存者が発見されたのは十一時二十五分だったと思うんですね。そして、現地へ医師と看護婦がヘリコプターで到着をしたのが午後の一時だったというふうに聞いております。そして、生存者を救うヘリコプターが現地へ到着して、ヘリコプターに乗せたのが二時だ、こういうふうに聞いているんですね。 こういうふうに見てまいりますと、もう生存者はおらないんだという認識のもとの態勢しかとられていなかった。このところでは、本当に人間の尊厳とか生命最優先という態勢がとられておらなかったと言わざるを得ないんですね。私は、ここのところで本当に大臣、反省していただきたいのです。それはそれなりに御努力をいただいた、誠意をもってやった、そういうふうにさきの参議院なんかでも御答弁されているわけでありますが、そのことはわかりますよ。そのことはわかるけれども、本当にきちっとした態勢をとって、きちっとしたことがてきぱきとやられてない。そして一番基本の思想は、人間の尊厳、生命最優先をするということがそこに欠如しておったのではないかと私は指摘せざるを得ないわけであります。大臣、いかがですか。もう一度御答弁ください。
○山下国務大臣 生存者がおられるかもわからないということからしても、山火事等を起こすようなことはそういう生命に対して危険を及ぼすという配慮も当然行われたと私は思うのであります。しかも私は、これはもう何回も御答弁申し上げましたが、翌日現地に行ってみまして、端的な表現をすれば、えりにもえって、よくもこんな人里離れたと申しましょうか、峻険にしてしかも最も不便で、自動車の終点から三時間以上も歩かなければならぬ。しかも、空からは炎は見えても、ずっと道を伝って、あるいは道はありませんから山を伝っていく過程においては現場の発見もなかなか困難であったということは、私も実際現地へ行ってみて、なるほどこれではなかなか大変だったろうなという感じがするわけでございます。 当初におきましては警察もむしろ長野県側の方から出動態勢がとられたということから見ましても、まず踏査——踏査といいますか、歩いて現場を発見するのにかなり手間取ったことは現状からして私もよくわかるわけでございまして、結果的に見れば、ああだった、こうだったということは、さっき申し上げたように皆無とは申し上げませんが、あの時点においてはあれしか方法がなかったんだろうなということを現地を見て私は思うのであり、しかも、今申し上げました生命の尊厳というものを十分配慮されたから初動捜査というものも慎重に行われたと私は思っております。
○辻(第)委員 現在の自衛隊の能力、あるいはそれと警察との連絡、こういうものがきちっとやられておれば、位置の確認、現場の確認はもっと早くできたと私は思うのですね。 それから先ほどもお話がありましたが、朝日新聞に京都の立命館大学の教授がたまたまそこへ行かれたというお話も書いてあるわけです。きちっとした体制がとれておらなかったと言わざるを得ぬのですね。照明弾の話もありますけれども、もっと複数のヘリコプターが現地に行く、そしてレンジャ一部隊などがおりるということをもっとやれば、もっと十分なことができたと思うのです。それから照明弾の話でありますが、私、その後聞いてみますと、夏の山というのはなかなか焼けないんだそうですね。照明弾というのは大体——大体ですよ、夏は安全なんだ、そういうようなお話も聞いたわけであります。 そういういろいろな点から言いまして、それから先ほど申しました医者や看護婦の態勢が、もうふもとで待機して、ヘリコプターでずっと行けば十分で行けるのを二時間ぐらいかかっているというのですね。これは、本当に人命を救助する、このことを最優先していた態勢がとれてなかったと言わざるを得ないのです。こういう点、先ほど他の同僚議員からもお話がありましたけれども、そういう態勢という問題も非常におくれておったと思うわけであります。 RCCというのがありますね、捜索救難調整本部ですか。これは国際民間航空条約というのを日本は批准しているのですね。これに加盟しているということですか。こういう中に、いわゆるRCCというのが日本にもあるのですね。ところが実態はないに等しい。この間も機能しなかったと言っていい状態なんですね。お聞きをいたしますと、そこにお勤めになっている方は、いわゆる常勤の方がゼロ、予算もゼロ、東京の航空事務所、ここのところに二十名ほどが兼任でやっておられるという状態なんですね。私はここのところが、本当に生命を尊重する救難体制が十分やられていなかったと言わざるを得ない一つの証拠だと思うのですね。専門的に日常から繰り返し繰り返しその体制を訓練し、とっておれば、私はもっときちっとした対応がとれたと思うのです。そこのところに大きな問題がある。 それは、人間、どんなにしっかりした人でも、慌てふためけば、平生一〇〇の力があっても八〇か七〇の力しか出ぬと私は思うのです。ですからそういう人が集合、集団でやればまたそれに輪をかけて能力が落ちると思うのです。だから日ごろからきちっと体制をとって、訓練といいますか、繰り返し繰り返しそういう体制をとっておくことが非常に大事だと思うのです。 それから、これは国際的な問題ですね。一定の地域を日本が分担しているわけでしょう。こういう国際的な約束にもこたえていないという点でもやはり大きな問題点だと思うわけです。民間の会社の協力を得て、RCCの十分な対応をぜひとられるべきだと私は考えるわけでありますが、お答えをいただきたい。
○西村説明員 今回の事故の発生に当たりまして、運輸省側の関係機関に対する連絡あるいは捜索救難活動の要請という点について、なお、より迅速により的確な連絡が必要であったかどうか、そういう点について、今後の体制について検討すべき部分がないかということを現在一生懸命やっているところでございます。今お話しのように、国際民間航空機関での西太平洋地域の責任ある官庁でございますので、こういう点からもRCCの機能の充実ということを今後ともやっていきたいと思います。 なお、今回の遭難救助に当たりまして、生存者の点でございますが、運輸省におきましてもまた地元におきましても、最初に生存者対策を十二日の事故発生の瞬間に考えております。したがいまして、長野県の佐久医師会あるいは群馬県の藤岡の医師会が全員緊急呼集されまして、医師会の責任者がそれぞれ対策本部に入りまして待機していたわけでございますし、県では直ちに医師及び看護婦の救助隊を前夜からそれぞれ用意していまして、いつでも出動できる態勢ということをしておりました。
○辻(第)委員 そういう御努力もいただいたということでありますが、現実に生存者が発見されて、その現場へ行かれるのが遅かった。これは医師や看護婦の責任を私は言っているわけではないのです。皆さん方の体制がどんなに不十分だったか、非常に端的に示していると思うのです。これはポートから行けば十分でヘリだったら行けるのですよ。これは本当に許せない、私はそういうことだと思います。繰り返し強く指摘をしておきたいと思います。 時間がもう残り少なくなってきたわけでありますが、大臣、本当に真剣にこの教訓を胸にとめて、二度とこういうことがないように十分な体制をとっていただきたい、重ねて要望して、次に移りたいと思います。 最後に整備の問題でありますが、先ほど来もお話がありましたように、ボーイング湖は世界で一番安全な航空機だと神話のようなものがつくられていたということであります。ところが今度の事故で、隔壁の問題あるいは油圧系統の問題、垂直尾翼の問題ですか、一瞬にして故障する。原因、その先がちょっとわからぬのですけれども、そういうことが起こって、戦後最大の単独の事故が起こったということを見てまいりますと、この神話は吹き飛んだ、崩壊した。その神話の基礎にありましたフェールセーフの思想であるとか設計であるとか、これもどうも私は崩壊したと言わざるを得ないような感じを持つわけでありますが、日航の整備本部長はいかがお考えですか。
○平沢参考人 今回の事故の詳しい全貌はわかっておりませんけれども、確かに短時間に尾部の部分での破壊が起こったということはレコーダー等から察知されるところでございます。こういう問題が、今おっしゃったフェールセーフとどういうふうな問題なんだということにつきましては、確かに私どももいろいろと考えなければいけない問題を含んでいるというふうに考えております。
○辻(第)委員 そうなりますと、そういう思想や設計を基準にして今信頼性整備の方式というのがやられているそうですね。適当に五分の一ですか、抽出して検査をして、問題がなければほかのはそのままでもう安全だということにしている、これは非常に問題だと思います。そろそろこの日本のボーイング747は十五年、SRでも十三年ですか、そういうことですね。非常にハイタイムなんていいことを言っていますけれども、もう老化ですね、劣化ですね。人間に例えると悪いですけれども、相当の年齢に達したということであります。これはもう避けがたいですね。そこへSRというのは短い距離で発着が多いわけでしょう。そういうふうに見てまいりますと、今の日航がどんどん人員を削減する。この前、皆さん方おいでにならなかった、運輸省だけでしたけれども、お話を聞きますと、部品がない、人手がない、時間がないというのが日航の実態だというふうに聞いたのです。この時間がないという——もう時間が来てしまいましたが、もう一言。 聞きますと、これは規定にも合っているそうでありますが、羽田でありますとか成田でありますとか、エンジンの予備がないのがあるのですね。私は専門家でありませんのでもう一つ詳しいことはわかりませんけれども、お話を聞きますと、こういうことに代表されるように、規定には合っていてもやっぱり非常に問題点があるということだそうですね。こういう部品がないというようなことは、先ほど、もう安全第一だと高木社長は申されておりましたけれども、私は納得できないですね。こういう点も含めて本当に安全第一ですね。私は名前が辻第一ですけれども、本当に安全第一、利益優先じゃなしに安全第一ということを本当にやっていただきたい、強く要望して、質問を終わりたいと思います。御苦労さまでした。
○小川委員長 各参考人には、御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十三分散会