建設委員会 第5号
- 発言数
- 275 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/03/06
会議録
○保岡委員長 これより会議を開きます。 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井弘一君。
○坂井委員 最初に国土庁長官にお伺いしたいのでございます。 国土庁が発足しまして昨年で十周年を迎えましたが、これまで国土庁の行政機能についていろいろな議論があり、またいろいろの評価があるわけですが、そうした指摘の中で最たるものは、国土庁が各省庁にまたがる国土開発行政といいますか、そうした施策を推進する場合の総合的な調整機能、これが果たして十分に発揮されているのかどうか、見方によってはそれが十分果たされていないのではなかろうかとする指摘もあるわけでございます。この縦割り行政の中で、時代の変化への対応、あるいは住民、国民のニーズの多様化に対する対応、そうした中で行政を横断的に総合調整していかなければならない課題というのが最近非常に多かろうと思うのです。したがって、そういう中で非常に大事な国土建設、国土開発行政の総合調整機能が国土庁において果たしてなお充実強化され得るかどうか、これは非常に大きな課題であろうと思うわけでございます。 時あたかも四全総の策定中でもございますので、そうした総合調整機能の充実強化等につきまして、大臣の率直な御方針なり御決意をまず承りたいと思います。
○河本(嘉)国務大臣 御指摘の国土庁の企画調整官庁としての機能が十分果たされておるかどうかという御指摘でございますが、国土庁は各省庁から派遣されました優秀な人材がおりますので、優秀な人材を督励して立派な企画調整官庁としての調整任務を果たしていきたいと考えております。 いろいろな御批判があると思いますが、現在は関西国際空港関連設備整備、地盤沈下の防止策等につきまして、先般、十二月の七日でしたか大阪へ参りまして、特別委員の皆さんに集まっていただきましていろいろな御意見を拝聴したわけであります。私は、決意といたしまして、関西の地盤沈下に対しまして関西出身の大臣として全力を尽くすという抱負を申し上げまして、皆さんの激励を受けたようなわけでございます。 三全総から四全総に入るわけでございますが、三全総もいろいろな社会経済情勢の変化で作文どおりの計画ができておらぬということも十分考えておりますし、またそれを今度は基礎として、立派な四全総の作成に全力を傾倒する決意でございます。
○坂井委員 国土庁の大変大事な任務、あるいはある意味では国土庁の存在の基本といいますか根本にかかわる命題として、総合調整機能ですね、このことについて長官の御方針なり御決意を承ろうということで、私質問しているわけでございます。 確かに国土庁は、例えば予算の調整権も持っておりますし、勧告ないしは総理に対する意見具申もできる。これが十分に機能すれば総合調整機能はある程度発揮し得る。また同時に、今お答えのように、各省庁から大変立派な方々が出向して、国土庁でそれぞれが任務についておられる。しかしこれも、見方によりますと、寄り合い世帯じゃないかとかいうような批判も一方にはありまして、省庁間で決めたポスト配分というものが相変わらずずっとそのまま継承されてきておる。したがって、余り新鮮味がないとか新陳代謝がないとかいうような批判もまた一方にある。 私はちょっと口が過ぎるかもわかりませんが、新聞報道等によりますと、いずれ本省に帰るのだからやはり本省のマイナスになるようなことはとてもできないというような、意見というのですか批判めいたことが聞かれるとかというような新聞報道等もこれありしますものですから、そういうことであっては総合調整機能というのは十二分に発揮できない。ましてや今長官がお答えのように、これから国土庁が果たさなければならぬ非常に大事な役割、任務、仕事があるわけでございますので、ひとつその辺のところをまたよく御検討いただきながら、なお総合調整機能を十二分に発揮し得る体制を長官に心がけていただきながら、国土庁設置の趣旨にかんがみ、本来的な使命を将来に向かって十二分に果たし得た、ひとつこういう国土庁であっていただきたい、そういう観点から、あえて苦言めいたようなことを申し上げて大変恐縮なんですけれども、お尋ねをしたような次第でございます。 そこで、具体論に入りたいと思いますが、今策定中であります四全総につきまして、これは三全総の定住構想というものを引き継いで過疎過密の解消を目指す、こういうことでございますけれども、最近の経済が低成長で定着してきた、さらに高齢化が大変な勢いで進む。さて、この四全総が昭和六十一年から七十五年まで十五年間という期間、これが長いのか短いのかは別として、それを展望しながら策定されていくわけでございますが、今までの三全総にしましても、途中で見直しということにならざるを得ないほどの大きな社会情勢の変化があって途中で計画を見直した。今度の計画は、頭から四全総もまた途中でやり直しかなんというような議論は慎むべきかもわかりませんが、私が申し上げたいのは、従来の一次、二次、三次に比してなお大きな社会変化がこれから起こる、そういう時代情勢にある。したがって、そういうことを十分勘案されながら四全総の策定に当たられていると思うのですが、そこら辺も含めて、そういう大変困難な、難しい時代と思いますけれども、作業と思いますけれども、今のようなことを踏んまえながら、国土庁では十分こういう点については意を配りながらやっているのだということ等がございますれば、お聞かせをいただきたい。
○小谷政府委員 これからの経済社会の変化が非常に大きいのではないかという御指摘については私どもも全くそのように考えておりまして、そういうことから、四全総を策定するに当たりましては、四全総の計画期間というのは一応現在、昭和七十五年を予定するということで進めてございますけれども、昭和七十五年までの展望ではなくて二十一世紀初頭に至るまでの展望をして、もちろんこれは確定的な予測は不可能でございますけれども、あらゆる知恵を絞り、またいろいろな人の意見も十分にお聞きして長期的な展望を行い、それを踏まえてどのような課題が今日に投げかけられるかということを考えた上で四全総を策定したいということで進めております。 そのようなことから、昨年の十一月には長期展望作業を中間的に取りまとめた結果を公表いたしまして、都道府県を初め各方面の意見もお伺いしておりますし、また各界の方々の意見もお伺いしている。それらの御意見も踏まえながらさらに十分な検討を進めて四全総の策定に当たりたいということで考えております。
○坂井委員 そこで、四全総では人口、それからいろいろな機能、そういうものが大都市圏に集中するということを是正をして、地方分散というところに一つのねらいを定めて策定をしていく。そのことのために何が大事か、一つは情報伝達、これをなお整備をしよう、それからもう一つは交通ネットワーク、これの整備もしなければならぬだろう。情報伝達と交通網の整備、これは大変結構な視点ですが、果たしてそれだけでもって大都市集中ということを避けながら人口あるいは機能の地方分散が図っていけるだろうか。皮肉な見方をしますと、情報伝達手段が非常に発達し、交通手段も非常にいいものができた、すると逆に、大都市にむしろ集中していくという心配はないのかということなんですが、このことについてはどうお考えでしょうか。
○小谷政府委員 先ほど申し上げました長期展望作業におきましては、分散型の国土構造の形成を目指していくということでございまして、そのためには、徐々にではありますけれども強まってきております人口、諸機能の分散のメカニズムの萌芽といったものを生かしていくことが必要ではないか。それから先生がおっしゃったような、国が行う基盤づくり、さらにはまた、それぞれの地域で地域の人々が創意工夫をめぐらしながら、自立へ向けての自助努力を続けておられるわけでございまして、そういう両方が相まって望ましい人と国土のかかわり合いの実現を図っていくということが重要ではないかということを、長期展望作業では書いてございます。 四全総を策定するに当たりましては、国土の均衡ある発展を図るという見地から、幹線交通体系を初めとする全国的な交通ネットワークの整備、それから全国及びそれぞれの地域の情報ネットワークの整備といったことが必要でありますけれども、それだけではもちろん不十分でございまして、それにあわせて工業の分散でございますとか、あるいは農林漁業、地場産業の振興でございますとか、そういうような全国的なそれぞれの地域での就業の場の拡大、さらにはまた教育、文化といったような社会的諸機能の適正な配置、あるいは地域の特性を生かした生活環境の整備といったような、総合的な施策をあわせて講ずるということが必要ではないかというふうに考えております。 そういうものとあわせて進めることによりまして、先生が今御指摘になったような、交通ネットワークあるいは情報ネットワークがかえって大都市集中をもたらす危険がないかということでございますけれども、そういう危険を防いでいくということが必要ではないか、このように考えております。 なおつけ加えさせていただきますと、情報ネットワークの整備がかえって集中に働くのではないかというようなことにつきましても、実は国土審議会の計画部会での論議の過程でもいろいろと論議をいたしておりまして、いろいろな先生方の御意見も承っておりますけれども、情報ネットワークの整備というのは情報の流通コストの地域格差を縮めるわけでございますから、そういう意味では基本的には分散的な働きをする。ただ、その周辺の環境が十分に整えられませんと、それがかえってマイナスに効いてくるということではないかといったような御議論を計画部会ではやられております。 それらも踏まえながら、人口、諸機能の全国的な分散、国土の均衡ある発展が図られるような施策のあり方といったものを十分研究してまいりたい、このように考えております。
○坂井委員 今のお答えには私も全く異論がないのですよ、まさに模範的な答案なんで。ただ、かつてはUターン現象というのがあったんだけれども今はどうかというと、情報、交通が非常によくなったということになると、生活の利便性といいますか、これは大都市にありますね。特に東京は何といったって官庁の本庁が所在し、企業の本社がどんどん集中するという現状ですから、そういう中で地方にも創意工夫、これだけじゃなくて教育なり仕事の場なりさまざまなことを総合的に組み立てて、そこに人々が定住するような環境を総合的につくり上げていかなければならぬ。全くそうだと思うのです。全くそうだと思うのだけれども、それでもなおかつ都市に集中している。 長官、実は私が住む和歌山県は昨年人口が千六百人減ったのですよ。この原因は何なのだろうかと思って随分いろいろな方々がいろいろな立場で意見を交わすわけですが、なかなかこれだというものが見当たらない。それは、仕事がないとか交通の便がよくない、どうも生活がしづらい。ですから流入人口よりも流出の方が多くて、流出超過で千六百人も減った。隣の奈良県は一万五千人ふえた。和歌山県は一体これで将来どうなるのだろうか。県の計画だってえらい狂ってくる。どうして大阪へ、東京へと人々は出ていくのだろうか。何が和歌山県にないからこういうことになるのだろうかということでいろいろな意見があるわけでございます。 そういうことを考えまして、最近、一村一品運動とか魅力ある地域づくり、町づくり村おこし運動とかいろいろなことが言われますが、そういうことも地方の方から発想していく。行政が主導していくのではなくて、その地域の住民が、おれたちが住む村だから町だからここを一つの魅力のある地域にして、そしてここで生活もできる。ただ生活できるだけじゃなくて、この地を選んでここで定住するに足るだけの人間らしい生活というのでしょうか、豊かさの中にも安らぎとかここならばという何かもっと魅力のあるものがないと、東京に、大阪にと人々はみんな行ってしまう。 地方だって随分立派な文化会館も、あちこちの地方都市だけじゃなくて町に行っても村に行っても図書館だの――これはできることが悪いとは私は言いません。それは東京にもないくらいのいいものがどんどんできますね。これがむだ遣いだとかなんとかいう意見がまた一方に出る。しかし、せめてそういうものでもつくって、そこで地域の人々が潤いのある、また生活の質の高いものを求めてそういういろいろな箱物ができていくのだろうと思うのですが、ただそれだけできたって中身が伴わないものですから、また東京へ、大都会へと出ていく。 この辺のところをよほど的確に見ていきませんと、四全総の策定作業の中で、専門の立派な先生方、行政に精通された方々がやられるわけでございますからそれは立派な四全総が策定されることを信じ、期待もいたすわけでございますが、私が今申しましたような視点等につきましても避けて通れないというか、やはり大事な視点かと思いますので、その辺にもひとつ御留意をいただきながら、ぜひ大都市圏集中を是正し、過疎過密のマイナス点を排除しながら地方に人々が定住でき得るような四全総であっていただきたい、こう願いますので、ひとつまたその辺の御決意のほども承れればと思います。
○河本(嘉)国務大臣 先生御指摘のとおりでありまして、奈良県、滋賀県は急増しております。私は滋賀県、奈良県はなぜふえるのだろうということを絶えず考えておるのですが、やはり働く場としての大阪を中心といたしました交通体系だと思います。そういう意味におきまして、奈良県と大阪に対する交通網、大体通勤は電車を使っておりまして、滋賀県は一時間ぐらい、五十分ぐらいで大阪へ来ておるわけですが、和歌山県はちょっと一時間では大阪へ来られないというネックをどういうふうに解消するかという。ことでございますが、ひとつそういうことを、今先生の御指摘のことを十分配慮して善処してまいりたいという考えでございます。
○坂井委員 全く交通網、交通が悪いですね。ですから、大臣が所信表明で「交通体系の整備などの面で開発のおくれている半島地域について、広域的かつ総合的振興策の検討を進めてまいります。」こう述べられたのでございますが、全く半島地域の振興には交通体系の整備がおくれておる。これは広域的かつ総合的な振興策というものを考えていきたいということでございますが、具体的にどうこれを検討し進めていこうとされているのか、お伺いをできればお願いいたしたいと思います。
○田中(暁)政府委員 御指摘のとおり、従来半島地域を直接対象とする地域立法というものがございませんで、もちろん過疎地域とか振興山村等々既存の地域特例の対象になっている部分もあるわけでございますが、これらはいわば点的な整備でございまして、半島地域という、かなり大きい半島についてそれを全体にカバーするような施策が欠けているという認識を持っておるわけでございます。 国土庁といたしましても、そういった半島地域の振興を図りますことは国土の均衡ある発展という観点から今後の国土施策上の重要な政策課題の一つであるという認識を持っているわけでございまして、さしあたって去年の三月から半島振興問題懇談会という学識経験者から成ります組織をつくりましていろいろ振興方策について検討を行っておるところでございますし、またさらに、六十年度におきましては新しく半島地域におきます交通体系の整備方策あるいは観光の振興策等に関する調査を実施することにいたしておりまして、この半島振興方策の検討を深めていくことにしているわけでございます。
○坂井委員 また、長官はこの山村振興法の問題にも触れられまして、「山村振興法の期限が本年三月末に到来いたしますが、他地域との格差が依然解消しておらず、また、国土保全、水資源の涵養などの役割が近年ますます重要なものとなっている現状にかんがみ、引き続きその振興を図ってまいりたい」、こういうように言われたわけでございまして、これまたまことにごもっともなことでございます。 この山村振興法につきましては、現在農水委員会等で検討されておるようでございまして、引き続きこれは議員立法で延長ということに当然なる、このように伺っているわけでございます。同時にまた、おくれている山村に特に配慮するというような点をこの法律の中で改善して延長を図りたいということのようでございます。これはこれで大変結構なのですが、あわせてここでお尋ねしたいのは、いわゆる半島振興法なるもの、長官も所信表明で言われましたように、確かに半島地域という一つの面でとらえますと、いわゆる町村単位という、ある意味では点に対する施策ということが十分効果を発揮することができない。少し広域的に、まあ面でとらまえて、半島地域全体を総合的に、例えば道路の整備等一つ考えましても半島地域という面でとらまえませんと、なかなかにこの振興策が図れない、したがって、それを担保、推進する意味において半島振興法が必要である、この認識については全く正しい、私はこう思うわけでございます。 ただその場合、こういう山村振興法、あるいは過疎地域振興法、さらには離島振興法等々、いわゆる町村単位、点でとらまえる、そういう法律が幾つかございますね。それらとの整合性といいますか、関連性というのですか、そういう点については、これは議員立法でやろうとして今準備を進めていることでございますので国土庁にお伺いするのはいささか道が外れておるのかもしれませんが、しかし、そうした趣旨に基づいて半島振興法なるものをつくる場合に、現在ある幾つかの法律との関連において、それは別にそこを来すものではない、矛盾を来すものではない、こういう認識でしょうか、その辺についてお伺いをしておきたい。
○田中(暁)政府委員 確かに、半島地域におきましても、これまでできておりますさまざまなる地域特例立法の対象になっている部分がございます。いわゆるダブりぐあいといいますか、それを見てまいりますと、県から、ここが半島であるということで言ってこられたところが五十一半島ありまして、そのうちに市町村が三百九十六あるわけでございますが、今までの既存の地域立法が既に適用になっている市町村数は、例えば過疎地域振興特別措置法につきましては、そのうちの三六・六%、それから山村振興法でございますと三七・四%、それから豪雪地帯対策特別措置法では二七・五%というように、相当部分の既に適用されている部分がございます。ただ、これは従来の地域特例立法相互間でも同じことでございまして、例えば過疎地域振興特別措置法の対象になっているいわゆる過疎市町村と山村振興法の適用になる振興山村のダブりぐあいというのは、六割程度というようなダブりがあるわけであります。それぞれの立法がそれぞれ独自の背景を持っておるわけでございますから、その視点が違うということで、こういったことは当然あり得ることでございます。 それで、結局そのうちのいわば財政上の優遇措置等の適用関係につきましては、例えば補助率のかさ上げというような規定につきましては、言ってみれば、そのうちの一番高い率が適用されるというようなことでありますので、直接にその地域が重畳的に指定されているからといって不都合を生ずるというようなことではないというように考えておるわけでございます。 しかし、かなりダブっているではないか、したがって新しい地域特例立法が必要ではないかという議論ももちろん一部にはあるわけでございますが、この点につきましては、先生も御指摘になりましたように、過疎法でございますとか山村振興法でございますとか、こういった法律は、いずれも指定の単位が市町村単位でございまして、例えば交通体系の整備につきましても、市町村道が中心、そのほか文教施設でございますとか保育所でありますとかあるいは圃場整備、こういうようなもので、まあ点的な整備である。ところが半島地域、例えば紀伊半島とか大隅半島とかというような相当大きい半島になりますと、それを通じまして、例えばその半島を一周いたします高速交通体系が不足している、こういうようなことで、市町村単位の特例立法ではやはり整合的な開発整備が不足する場面が出てくる。これを何とかしなければいけないということが現在の半島振興法の推進に当たっておられる方々の考えではないかというように我々は理解しておるわけでございます。
○坂井委員 私は、なお重ねてというようなことになるかわかりませんが、要するに半島振興法なるものの制定は、これは必要であるという観点、立場からのお尋ねを実はしているわけでございまして、確かにおっしゃるように、大都市圏への諸機能の集中、人口の集中、それに伴うマイナス点、一方における地方、とりわけ半島地域と言われる辺地性のそういう地域における過疎的な状況がさらに大きくなっていくマイナス点、この両者をやはり見ながら、一方における過密の損失、一方における過疎の損失、マイナス、どうしてもこれからの視点は、やはり大都市圏から地方、あるいは象徴的に言われる半島地域、ここにどう人口を定住させていくことができるか、そして、国土の均衡ある発展を期することができるか、そのことが、大きくはやはり国民全体の利益に通ずるのだという観点、視点からの議論ですね。その場合に、今言われるように、やはり半島振興法なるものは、これからそういう施策を推進する場合に大変必要であろう。ただ、この半島振興法の内容がベター、よりよいものであればそれにこしたことはない。そう願いながら、何はともあれ半島振興法をやはり一日も早く成立をさせて、それをてこにして半島地域の振興を図るということが何よりも大事であろう、こう思いながら実はお尋ねをしているわけでございます。 そこで、この半島振興法というものを一方に描きながら、今現実に作業をされております四全総の中で、半島地域の振興というものが具体的にどう盛られていくのだろうか。どういう位置づけになっていくのだろうか。より明確に半島地域というものに意識をとめながら四全総の中に具体的な位置づけができないか、そういう考えで四全総を策定するおつもりはないか、私の今のような考え方はいかがだろうか、それについて御意見があれば承っておきたい。
○河本(嘉)国務大臣 先生御指摘の半島振興ですが、これは国土の均衡ある発展という観点からしましたら、既存の補助率の違う対策がいろいろございますが、まずこれを通してそれから後交通整理するのだというような御意見と承っておるわけでございます。いずれにしましても、国土の均衡ある発展という観点からしますと、過密状態の都市部のデメリットを過疎地帯のメリットと結び合わせてうまくつなぎ合わせていく四全総の作業でございますが、非常に難しいことでございますが一生懸命に頑張ってやっていきたいという考えでございます。特に半島地域は交通体系整備の立ちおくれや地域の開発が十分でないという問題を抱える場合が非常に多いものでございますから、このような問題は国土政策上の重要な検討課題の一つであるという考えに立っております。 したがいまして、四全総の策定に当たりましても、こうした実情を踏まえつつ、国土の均衡ある発展を図るという観点から十分検討してみたいということでございます。
○坂井委員 多少前後するかもわかりませんが、先進諸外国におきましてもやはり同じような悩みがあるわけですね、大都市圏に人口、機能の集中、それから一方において地方の過疎化というマイナス。 それで、国土庁の皆さん、いろいろなところを研究。勉強されていると思いますが、例えばフランスなんかどういうふうな手段を講じたか、お願いいたします。
○佐藤(和)政府委員 お答えいたします。 一九六〇年代におきまして、大都市対策として例えばフランスの場合はパリ圏、もう一つよく例にとられますイギリスではロンドンに対する人口なり産業の集中が激しかったという時点で、フランスにおきましても事務所なり工場の立地に対する許可それから賦課金の制度がとられたことは事実でございます。ただ、七〇年代になって経済が安定してきますと、どちらかといえば大都市内部の活性化に特に西欧先進国は目が向いてまいりまして、私どもが承知しております範囲では、特にフランスの場合は、公共団体たるパリ市の方はこの制度に対してややネガティブな感じを持ち、現在制度の枠組みは残っておりますが、余り実効的には動いていないと承知しております。
○坂井委員 大都市に集中した本社、事務所等に税金をかけて地方へという、こんなこともフランスはやりましたね。これね非常手段といえば非常手段でしょうね。私はこのことについて今直ちに議論しようとは思わない。自分自身でも解答が出ていないわけでございまして、このようなやり方がいいのかどうか。かつてのような、もう一方における税の優遇という面で地方に誘引してくるという手法と、フランスのとったのはむしろ大都市に集中してくるものに税を課して追い出すという政策ですから、このことがいいかどうかの議論はここで直ちにするつもりは全くないのです。 ただ、そうしなければならないほどにこの都市への集中が深刻であるということ、したがって私が思うのは、先ほどから繰り返し申しますように、半島地域と言われるような地方の、特に過疎化していく地域の振興策を強力に図っていくという、言うなれば真正面からのより強力な取り組みが大事だと思いますし、またこれは中途半端であっては達成できない、半島振興法等をてこにしながら相当強力な施策の展開が大事だということで申し上げたわけでございます。 地方におけるもっと具体的な交通、道路問題等等につきましてもお尋ねをしたいわけでございますが、きょうはそれを避けまして、むしろそうした物の考え方、取り組む基本的な方向性等々につきましてお尋ねをしたいと思いますので、あわせて近畿圏整備の問題につきましてお伺いしたいのでございます。 現行の近畿圏基本整備計画、これは昭和五十三年十一月に計画期間がおおむね十カ年ということで策定された。この計画は経済社会情勢の変化に対応いたしまして、近畿圏が西日本の中枢としての役割を果たすように配慮しながら均衡ある発展を図るということで、三全総の定住構想との連携を保ちながら各地域において人間居住の場にふさわしい圏域の整備を図る、こういう目標を掲げまして京阪神大都市地域の過密を抑制して地方を振興していく、定住環境の形成を図る、その整備が進められてきたわけでございますが、この実施状況につきまして概略で結構です、簡単にお伺いいたしたい。 同時に、四全総の策定作業と調整を図りながら新しい近畿圏の基本計画の策定作業に着手されていると思いますけれども、あわせてこの見通しについて、これも概要につきまして簡単にお願いいたしたい。
○佐藤(和)政府委員 まず、私から近畿圏基本整備計画の実施状況につきまして御説明いたしたいと思います。 先生今御指摘のように、近畿圏の基本計画は、近畿圏整備の基本的な方針なり根幹的な施設の整備について示したものでございまして、特に現行の計画の主な事項として関西国際空港に関する調査、新しい学術研究都市の検討、それから琵琶湖の総合開発などが大きな調査プロジェクトないしは実行プロジェクトとして挙がっております。 最初に述べました二つにつきましてその実施のスタートがとられつつございまして、そういう意味で現行の基本計画はその目的を相当程度達しているのではないかと思っております。また、具体的に各年では御存じのように毎年度事業計画を定めてその個別の事業の推進を図っているところでございます。
○坂井委員 あわせて新しい近畿の創生計画、すばるプランとございますが、このすばるプランは、国と地方公共団体それから民間、これらが一体となりまして各方面の創意と工夫、まさに創意工夫を結集して各地域の独自性を生かしながら二十一世紀を展望した新しい近畿圏をつくり上げるということで、この計画を昭和五十七年度から五カ年の予定で策定するということで今そのための調査が進められてございますけれども、この調査の状況について概略御説明いただきたいことと、それから今後検討される四全総、それから今申しました近畿圏基本整備計画、これにどういうふうに反映させるのか、もちろん反映させるということなのだろうと思いますが、反映させることを目指しているのかどうか、この辺の関連性等につきましてもあわせてお聞きしたいと思います。
○佐藤(和)政府委員 すばるブラン、いわゆる近畿の創生計画は、御存じのように、特に近年地盤沈下、相対的な地位の低下が指摘されております近畿圏につきまして、その復権を図るという観点から、新しいビジョンを特に中長期の観点でつくり上げたいということでスタートしたものでございます。御指摘のように、国、地方公共団体、それから地元の経済団体等の合同の調査でございまして、現在いろいろな予備的調査を行っておりまして、本年度末にでもまず基本的な方向を明らかにする構想案を示して各界の御批判を仰ぎたいと思っている次第でございます。 この調査は、今のところ六十年、六十一年の二年度を使って最終的なまとめを図る予定でございますが、もう一方、御指摘のありました近畿圏の基本計画も、現在、先ほど答弁漏らしましたが、特別委員会に御諮問申し上げて審議を煩わしておるところでございます。 したがいまして、こういう余りかた苦しくないビジョンを先に構築し、それを四全総なり、それと並行して進んでおります圏域計画でございます近畿圏の基本計画に反映させてまいりたいというふうに考えております。
○坂井委員 一つだけ伺っておきますが、「四全総長期展望作業中間とりまとめ」の中で次のように言われてございますね。 現在ではいまだ社会資本ストックも小さく、またその年齢も若いため多額の維持管理費を必要とはしないが、今後時間の経過とともに社会資本ストックが増加し、また老朽化が進むにつれて、ストックの機能維持のための維持管理費が急速に増加していくこととなろう。 さらに、戦後、特に高度成長期以降に整備された社会資本ストックが、二十一世紀初頭に向けて順次更新期を迎えることから、今後莫大な更新投資の必要性が高まることが予想される。云々と。 すなわち、二〇〇〇年には公共投資総額の約半分を、二〇二五年には約九割を維持管理的経費に充当せざるを得なくなり、新規投資の余地はほとんどなくなる方向に向かう全くそういうことになっていくんだろうと思うのですが、昨年五月、公共投資の抑制ということを大変心配している学者でつくられております十人委員会、ここから公共事業に関して緊急提言が出されました。公共事業抑制の弊害がここで大変厳しく指摘されているわけでございますが、やはりこの中でも、「二十一世紀にかけて、わが国の社会は成熟段階にはいろうとしている。」「このような社会が高い生産性と生活水準を維持し続けるためには、産業もまた国土も、良質で十分な量の資本装備を身につけていなくてはならない。成熟段階にはいってから、その資本装備を急に整えようとしても、もう手遅れである。欧米先進諸国は、ともかくも、社会資本ストックの形成が一段落した所で、その成熟段階にはいっている。」我が国は「成熟段階にはいるまでに、一応十分な国土の資本装備を完了しておかないと、取り返しのつかないことになる」、こういう警告でございます。 具体的には、アメリカの公共投資抑制が「現存の社会資本の減耗を補填することさえ困難」になると言っている。例といたしまして、アメリカの橋梁五十五万七千五百のうち、安全なものが五五・四%、約半分である。構造上欠陥があるものが二二・七%、機能しないものが二一・九%、これだけある。 イギリスにおきましても、高速道路を中心に劣悪化しておりまして、高速道路がぼろぼろになっているという指摘もございます。 こういう事実が欧米においてあるわけですが、我が日本においては社会資本のストックが十分ではない。成熟段階に至るのは先の話でありまして、まだ今整備の段階である。ですから、社会資本のストックを今しっかりやらないといけないということですが、これは建設省でしょうか、どういうようにこういう点につきましては受けとめておられましょうか。
○小谷政府委員 社会資本の整備の現状並びに将来おそれられる姿といったことにつきましては、今先生から御指摘いただいたとおりであると私どもも考えておりまして、長期展望作業におきましてもそのことについてかなり大きな注意を払う必要があるだろうということを言ったつもりでございます。 それで、これからの社会資本整備ということを考えます場合に、国土というのが単に今日の国民のための生活の基盤だけではなくて、将来の国民の生活の基盤でもございますし、また今日我々がそれなりに豊かな生活をしておられるのは、過去に我々の先人が営々と積み上げてこられた、そういう社会資本だけではございませんけれども、そういう社会資本の恩恵も受けながら今日があるということでございますから、そういう観点からすると、二十一世紀の人々に対して立派な国土を我我は受け継いで引き渡していかなければいけないのではないかということを基本的に考えていく必要があるだろう。その場合に、社会資本の整備に関連して、財政等いろいろと厳しい状況にあることはもう申すまでもないことでございますけれども、しかしそういうことについての国民の理解といったものを得ることによって。将来に向かってそれなりに必要な社会資本というものは整備していく必要があるのではないか、そのように考えて四全総の作業も進めてまいりたいと考えております。
○坂井委員 最近、ともすると公共工事あるいは社会資本ストックが景気調節の弁といいますか景気調節の策のようなことに取り上げられがちでありますけれども、これは私は実は邪道だと思っておりまして、景気変動のいかんにかかわらず、景気浮揚効果があるからとかいうような視点でとらまえるのではなくて、本来的にやらなければならぬ社会資本はきちんとやるべきなのでありまして、財政の調整の道具立てにするというようなことはまことに本末転倒も甚だしい議論であろう、見方であろう。景気浮揚のためにもっと公共事業をというようなことを声高に言うことは、今私が申しましたような考えからするならば全くおかしい。大蔵省が財政が非常に逼迫をしているということをもって、同じく公共事業、工事の抑制にかかってくるということも、これまたとんでもない議論だと私は思う。まさに二十一世紀、後世に向かって悔いを残すということにもならざるを得ない。 したがって、ここでは建設省、国土庁の皆さんは推進される側でございますので、まさに私は皆さんに大きな声で応援をしながら申し上げていることでございまして、むしろこのことは大蔵省なり財政当局なり政府全体に向かって申し上げるべきことかもしれません。しかし、私はそう思っておりますので、どうかひとつ自信を持って進めていただきたいということをお願いしたいわけでございます。 だんだん時間がなくなりましたので、最後に、申しわけございません、一点だけお伺いいたしますが、近年、土地の流通化と有効活用促進のための有効な手法だということで、土地信託制度、これは随分あちこちで叫ばれてございます。民間活力を活用しようとして、国あるいは公有地の払い下げというようなこともございますが、仮に国有地を単純に競争入札、民間に売却するということをいたしますと、必ず高値落札ということで、周辺の地価が上がるというようなことも心配されるわけでございますが、今申しますこの土地信託、これを利用いたしますと、これは契約期間が終了いたしますと、土地はもとの地主、例えば国なら国に戻る。売買に伴う地価上昇を、したがって避けられます。加えてテナントの募集あるいは資金の調達、権利調整、すべて信託銀行がやってくれる。 言うなれば結構ずくめのような制度でございますが、そこで具体的にお尋ねしますが、高槻市と住友信託銀行、これが高槻駅前の国有地を譲り受けまして、この住友信託銀行に信託する再開発構想、これは昨年の六月の二十八日ですか、協定したわけでございますが、その後も何か大蔵省、自治省がえらい反対なのか、消極的と言っていいのかどうか知りませんが、大蔵省、自治省からクレームがあったようで、進展をしていないやに伺っているわけですが、大蔵省、自治省からひとつお答えをいただきたい。
○田中説明員 お答え申し上げます。 現行の国有財産法上は、処分等の様態の一つといたしまして信託を予定しているとは解してないところでございます。したがいまして、国有地の信託につきましては、国有財産法その他関係法令にわたる問題点を踏まえまして、法的整備を含めた見直しが必要となると考えております。 また、国有地の信託につきましては、法制上の問題のほかに、信託契約が終了いたしました際に、例えば国に土地が戻ってまいりましても、借地権等の権利が付着していることが多いとか、そのために国が更地として利用することが事実上困難であるというようなこととか、例えば信託財産に債務が残っておりまして累積赤字が生じた場合には、国がそのまま債務や累積赤字を引き継ぐことになる、こういうような実態上の問題点もあるわけでございます。 したがいまして、今後も我々といたしましては、法制上の問題点につきまして検討を続けていきますとともに、国有地を信託に付することが適当だと考えられる具体的な事例があるかどうかにつきまして、さらに検討を進めたいというふうに考えております。 それから高槻市の件でございますけれども、これは現在、市がその所有する土地を信託することが可能かどうかにつきまして関係機関において検討しているというふうに聞いておりまして、今後この計画が具体化いたしましたら、市の方から国に対しましてその土地の取得の要望が出されてくると思うのでございますけれども、現在のところはまだ正式な要望は出されていない状況でございます。
○小島説明員 お答え申し上げます。 土地信託についての考え方は、ただいま大蔵省の方からお答えがありましたように、地方団体の財産管理等について規定しております地方自治法におきましても、信託ということは実は予定をいたしてないところでございます。 そこで、これに伴いますいろいろな法制上の問題あるいは事実上の問題は、先ほど大蔵省の方から御指摘がありましたようなことが地方団体においてもあるわけでございますが、特に地方公共団体の場合には、いわゆる財産等につきまして民主的コントロールといいますかデモクラティックコントロールというような観点から、議会でございますとか、あるいは住民、さらには監査委員の監査制度等々諸般にわたります検討もあわせて必要かと思うわけでございます。しかし御指摘のような民間活力の活用という観点から、地方団体がある意味で強い関心を持っているということも私ども承知しております。 こういうものは総合的に、やはり今後私どもの財務会計制度全般にわたります検討の際に、今御指摘の点も含めて検討をしていかなければならない課題ではないか、かように考えております。
○坂井委員 申しわけないが、どちらからか一言……。つまり国有地の信託については法律にその条文がないからできない。いろいろな問題がありますが、そうすると法律を改正すればできますか。また、法律の改正がなければこれはできませんか。それだけお答えください。
○田中説明員 お答え申し上げます。 先ほど申しました今法律が予定をしていないということでございまして、これを必ず改正するかどうかということはまだはっきりしておりませんので、そういう法的整備も含めた検討を合しているというところでございます。
○坂井委員 終わります。
○保岡委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 ちょっと理事の皆さんの御了解を得たので、委員長に易しい質問を一つだけ。 前の国会の五十九年七月十一日の本委員会で、道路財源問題、すなわち自動車重量税のオーバーフロー分の返済について私が質問をしたのでありますが、当時の浜田委員長は、「この問題については、建設常任委員長の責任において、貸したものは必ず返してもらうようにいたしますので、御心配なく。」云々、こういうように発言されているわけであります。 いやしくも委員長が発言したことですから、当然この問題については新しい委員長も責任を感じておられると思うのですが、これをどのように受けとめ、またどのようにされようとしているのか、承りたいと存じます。
○保岡委員長 道路財源となるべき自動車重量税の確保につきましてのただいまの小沢先生の御議論は、私も委員会等を通じてよく承知をいたしているところでございまして、前委員長が委員会の議論を踏まえまして最大限の努力をいたす旨の発言をした精神は、委員会に継承されている問題である、このように考えております。現に、その熱意が昭和六十年度予算に生かされていると思っております。 したがいまして、今後とも委員会としてさらにこれを前進させていくよう私も努めてまいりたいと考えております。
○小沢(貞)委員 前委員長の発言と新委員長の発言、これはそごがありますけれども、私は、人が変わってしまったことなんですから、納得はしませんけれども、この問題について新大臣に質問をいたしたいと思います。ちょっと冗漫になるようですが、大切なところですから。 去年の七月の質問で、昭和五十七年度において国の道路財源となる重量税千四百十二億円分、いわゆるオーバーフロー分、それから五十八年度分においては千六百億円、これは可及的速やかに返す、それから昭和五十九年度においては千百億円を五十九年度じゅうに返す、こういうことを当時の水野建設大臣と大蔵大臣が約束された。政府間の約束だけですから我々はよくわからないので、そういう事実があるか、こういうように質問したところが、大蔵省も前の建設大臣も、そのとおりである、こういうように答弁をされております。 そこで、五十九年度で必ず返してもらう、こう約束されたのが果たされておるか。私は補正予算の中にそれは生かされておらない、こう思いますが、前大臣の約束をしたことを新大臣はどのようにこれを継承しているか、その点をまず第一にお尋ねいたします。
○木部国務大臣 今御指摘のいわゆるオーバーフローの解消の問題でありますが、私も水野前大臣と大蔵大臣と取り交わされたものにつきましては、そのとおりだ、これからも我々も継続していかなければならない、当然のことでございます。六十年度は御承知のとおり解消したわけでございますが、五十七年度から五十九年度、その分についても速やかに解消してもらうために努力をしてまいりたい、こう考えております。
○小沢(貞)委員 どうも私には大臣の答弁ははっきりしないわけですが、要するに、五十九年度分は五十九年度必ず返してもらう、そのことで委員長が発言したわけですよ。これは、涌井主計官、相談して大蔵大臣の返事を持ってこい、そうでなければこれは予算審議に当たって重大なことになります、こういう発言をしておるわけです。私は五十九年度の補正予算の中に千百億が返されたと見るわけにはまいらぬけれども、大臣そこはどうなっておりますかと、こう言っておるわけです。五十九年度には返してもらえなかったが、これは返すという約束だから必ず返すとか、そういう約束がまたできておるかどうかと、こう言っている。事実がないわけですからお尋ねしているわけです。
○田中(淳)政府委員 先生御指摘の五十七年度から五十九年度までの自動車重量税のオーバーフロー分、計約四千百億でございます。それから、五十九年度に関しましては当該年度中に返すというようなことが確かに入っておりますけれども、御案内だと思いますが、正確に読みますと、「昭和五十九年度当初予算において、自動車重量税の国費分の八割に相当する額のうち、道路整備費以外に充てるものについては、経済・財政状況に応じ年度内に道路整備費に充当するものとする。」ということでございまして、確かにこの五十九年度分は、要するに現在では返していただいておりません。ただ、経済、財政状況が悪かったために返してもらっていないと我々は考えておりますけれども、先ほど大臣が明言いたしましたように、五十七年から五十九年度分の間の四千百八億円は今後とも返してもらうように努力するつもりでございます。 以上でございます。
○小沢(貞)委員 道路局長、ごまかされちゃったわけですか。私の質問は明確なんだ、あのときは。五十七年度、五十八年度の分は可及的速やかに何億。五十九年度分は千百億は貸してあるものは必ず取ります、涌井主計官、ちゃんと貸してあります、こう言う。経済、社会何とかなどということは一つもついていなかったが、年が変わってみたら経済、社会がくっついてしまって、要するにこれはごまかされちゃったわけですか。あの精神がまだ生きて、今後取れる予定になっておるわけですか。
○田中(淳)政府委員 先生の応援演説に感謝せにゃいかぬわけですけれども、実際は、当時私は当然道路局長の立場で明確に申し上げたわけでございます。涌井主計官は正確には今申し上げましたこの文章、経済、財政状況に応じ年度内に返したい、私自身――私というのは涌井主計官でございますが、その立場上は答えにくいというふうな表現であったと記憶いたしております。
○小沢(貞)委員 私それ、納得しないのです。議事録を見ると、金額が明確であって大臣は返してもらうと言うし、主計官は返さなければならないものだと明確に言っているのだ。だから私は、これはあしたかあさってかよくわかりませんが、大蔵大臣に直接質問をして、その結果によってまた建設委員会で大臣に御答弁を願う、こういうことになると思いますので、今夜の間に大蔵大臣と明確にひとつどういうことになっているかきちっと、約束を引き続き、これは将来返す、それならそれで私も納得がいく、五十九年度分を五十九年度に返せなかったことはいろいろの事情で大臣から弁明があればそれは了解をしますが、昨年の議事録は明確なんですから、経済、社会の情勢によって場合によっては返す、こうなっているわけじゃないわけです。 あの議事録は明確で、貸してあるものはことし取ります、大蔵省も返さなければならぬと思います、一主計官の立場からは補正予算を組まなければならないのでここで御答弁は補正予算についてはできません、こういう答弁になっているわけですから、経済、社会その他の何かほかの事情があるならばそいつは返さなんでいいと理解できるような議事録には全然なっていないわけで、私はこの点を大蔵大臣に、明日か明後日だと思いますが、明確に質問をしたいと思います。そして、あの議事録どおりになっておらないならばこれは重大なことではないか、私はこういうように思います。そういうことで、今の答弁はまた後ほどしていただくことにいたしたいと思います。 次は、六十年度の道路予算は揮発油税の直入千百十億、運用部資金からの借り入れ千二百億を含めて二兆六百六十億円、こういうようになっておりますが、この六十年度の道路予算ではオーバーフロー分は完全に道路財源の方へ戻ってきたと理解をしてよろしいでしょうか。
○田中(淳)政府委員 昭和六十年度予算におきましては一般会計からの繰り入れ一兆八千二百六十億円、それから揮発油税の一部特会直入分が一千百十億円、資金運用部からの借入金が一千二百億円、これは前年度の剰余金等を除いた金でございますが、その合計で二兆五百七十億円の歳出額を確保したところでございます。また、六十年度のいわゆる道路特定財源税収見込みは二兆三百七十億円でございまして、税収額を上回る歳出規模となっております。したがいまして、先生御指摘のいわゆる自動車重量税の二千億円のオーバーフロー分は全部返していただいたと解釈しております。昭和六十年度分でございます。
○小沢(貞)委員 これは局長がいいのか官房長がいいか、だれかわかりませんが、借りたものは返さなければいかぬのだが、千二百億、これはもらいっ放しでいい、こういうように理解しないと、今の局長の答えたようにオーバーフロー分解消した、こういうことにならぬわけですが、これは道路局長ですか。
○田中(淳)政府委員 今回の資金運用部からの借り入れはあくまでも臨時的措置でございまして、今後速やかに縮減あるいは解消を図りますとともに、その元利償還につきましては道路整備特別会計の運用に支障のないよう適切に対処していただけるものと理解しております。
○小沢(貞)委員 何だか返さなければいけないのだか返していただけるのだか、どうもわからぬような答弁なんだが、支障がない、こう明確に言うならば私の方も納得するわけです。これは来年返せと言われればオーバーフローは解消したことにならぬわけです。
○田中(淳)政府委員 道路局長としましては全然、先生御指摘のとおり解釈しております。
○小沢(貞)委員 大臣、いいですか、これは返さないでいいと、一千二百億借りてきた、それでオーバーフロー分は解消いたしましたという格好にだけはなっておるわ。しかし、これは返せと言われたときに返してしまったじゃオーバーフロー分解消とはならぬが……。
○豊蔵政府委員 ただいま道路局長からお答えいたしましたように、道路整備特別会計といたしましては、確かに昭和六十年度千二百億円資金運用部資金から借り入れているという形をとっておりますが、これの六十一年度以降の扱いにつきましては、ただいま御指摘のように、いわゆる自動車重量税等のオーバーフローの問題を生じないように、すなわち道路特会の運用に支障を生じないように措置をしていただくという方針で今後とも財政当局とも折衝に当たりたい、またそのような方向で十分我々はでき得るものと考えております。
○小沢(貞)委員 どうも建設省は大蔵省に対して弱いんだか、こまごまされながら、これでまあ、ときにと、こういうことで、はいはいと言ったものの、五十九年度の分さえまだ取ってもないし、これは将来また返せと言われたときに返さなくてもいいという確たる自信がおありかどうか、この辺もまた私は直接大蔵省にあしたかあさって聞いてみますけれども、今のところは建設省としては差し支えない、こういう自信を持っているということだけはわかりました。 それでは、地方道路整備臨時交付金の創設ということとオーバーフロ」分の解消とは直接関係があるかないかは別として、どういう関係になるでしょうか。これは聞き方がいかぬかな。
○田中(淳)政府委員 昭和六十年度予算におきまして、第九次道路整備五カ年計画のバランスのとれた達成を図るために新たに地方道路整備臨時交付金を導入すること等によりまして所要の予算額を確保したところでございまして、これによりましていわゆる道路特定財源税収額を上回る歳出規模となっております。したがいまして、先ほども同じような答弁をして申しわけございませんが、先生御指摘の昭和六十年度の自動車重量税のオーバーフロー分は解消したと解釈しております。
○小沢(貞)委員 交付金の交付の仕方はこれから法律審議の中でいろいろ申し上げたいと思いますけれども、これは交付金ですから、ひとつ地方に大幅な権限を持たせて、補助金のときのように細かいことをいろいろ本省が口を入れないようにしてもらいたい、これは一つの要望であります。 それから、大変中央でお骨折りいただきまして、長野県における最大のプロジェクトである中央道長野線は非常に建設が進んでおりまして感謝を申し上げたいわけですが、その中で一番騒ぎになっているのは、さてそれに取りつけるところの県道以下地方道がさっぱり進まない、こういうことが一番大きな問題になっておるわけで、せっかく高速道ができたならばそれに関連するものは速やかに整備できるようにしなければならない、こういうように考えますが、いかがでしょう。
○田中(淳)政府委員 先生御案内のように、中央自動車道長野線は、長野県の岡谷市から須坂市に至る延長九十二キロメートルの路線でございまして、全区間にわたりまして整備計画が決定されておりまして、現在岡谷市から豊科町の間を重点に置いて鋭意日本道路公団が事業の推進を図っております。 御指摘のように、高速自動車国道は、そのインターチェンジに関連いたします一般道路の整備が同時に行われることによりまして初めてその機能を十分に発揮するものでございます。各インターチェンジの関連道路につきましても、その整備を目下一生懸命やっているところでございます。 例えば、塩尻インターチェンジに接続します一般国道二十号塩尻バイパス、これは直轄国道でございますが、これにつきましては現在用地買収中でございますし、塩尻北インターチェンジに接続いたします県道松本空港塩尻北インター線につきましても現在県におきまして用地買収及び工事中であり、いずれも高速自動車国道の供用にあわせて整備を図るべく事業を推進しているところでございます。 また、松本インターチェンジに接続いたします一般国道百五十八号線につきましては、既に四車線の整備が完了しておるのが現状でございます。 国道二十号線の塩尻バイパスの全部はできないと思いますが、十九号まではできますので、その点お含みおきいただきたいと思います。これも残った部分、鋭意努力して、なるべく迷惑をかけないようにするつもりでございます。
○小沢(貞)委員 国土庁長官にお尋ねします。抽象的なことで大変恐縮ですが、中部山岳地域について今後の開発整備の基本方針、こういうものをお伺いしたい、こう思います。
○河本(嘉)国務大臣 先般名古屋で、十二月の十四日でございますか、中部圏の特別委員会を開きましていろいろ御意見を拝聴したわけです。問題点は、やはり日本海側、中部山岳地帯の克服という問題が議題になりました。現在我が国でも自然環境は非常によくて、農林業やレクリェーションの場として、水資源、すべて恵まれた地域でございますが、複雑な自然条件、道路整備等のおくれから地域の振興上多くの問題を抱えておるということでございますが、こういうことを各府県の意見をよく拝聴いたしまして対処をしていかなければならぬという考えに立っております。昨年中部山岳地域総合整備構想ということを取りまとめて公表したところでございますが、今後は現在進めている二十一世紀中部圏計画策定作業の中で関係県の協議を図りつつ具体的にその検討を深めていきたいということでございます。
○小沢(貞)委員 あの中には何々村にはどういうことをまで書いてあるわけで、それから国道百五十八だか安房峠はどうだとか、三六一はどうだとか、そういうことまで具体的にうたわれているわけです。その具体的な問題については明日だか明後日の分科会においてまた担当者にお尋ねしたいと思いますが、しっかりいい答弁が出るように大臣から指示しておいていただくように、よろしくお願いいたします。 次は、全国から景勝地として親しまれておるところの上高地地域の総合整備基本計画について具体的にお尋ねしたいと思います。 上高地地域は我が国の土石流の研究の発祥地と言われ、近年土石流の発生が多く山地の荒廃が指摘されておりますが、このような土石流による荒廃の原因について建設省の御見解をお伺いしたいわけです。
○井上(章)政府委員 上高地地域は我が国の代表的景勝地でございまして、多くの観光客が訪れるところでございますが、流出土砂の増大、集中豪雨によるがけ崩れ、土石流の発生等によりまして近年土砂災害が頻発している実情にございます。 これらの原因でございますが、上高地地域は、日本の屋根と言われますように、三千メートル級の高い山に囲まれておりまして、その大部分は森林限界以上に位置いたしております。また大正池の右岸には現在も活動中の活火山性の焼岳があるわけでございます。この焼岳には既に侵食谷として発達した四つの谷がありまして、これらの谷からは降雨ごとに多量の土砂が生産、流出いたしております。また一方、森林限界より上部からも風化等によりまして多量の土砂が生産され、一時的に渓床に貯留されまして、豪雨時には下流に流出しているのが実情でございます。 このように上高地の現象といたしましては、自然の厳しさによるところが極めて大きいというふうに私どもは感じておるところでございます。
○小沢(貞)委員 山間部の集中豪雨による土石流は、激甚な被害が生ずる危険が非常に高く、上高地も例外ではない。上高地の土石流対策の目標及び今後の見通しはいかがなものでしょうか。
○井上(章)政府委員 上高地の土石流対策といたしましては、従来から焼岳及び八右衛門沢の各渓流におきまして、本川への土砂の流出抑制を主目的として実施をいたしてきておるところでございます。また、上高地を利用する多くの観光客の生命の安全を確保すべく、昭和五十九年度より全国に先駆けまして、総合土石流対策モデル事業を実施いたしております。今後は、現在事業を実施しております焼岳、八右衛門沢のほかに本川上流域におきましても、自然環境の保全や工事の実施に関係する諸問題の解決を図りつつ、関係省庁とも十分調整の上、対策を実施するよう努力してまいる所存でございます。
○小沢(貞)委員 上高地の地域の総合整備で重要なことは、上高地の自然と景観の保護であるでしょう。この自然と景観の保護に留意しながら総合整備を図ることに環境庁は前向きに取り組んでいただいておるかどうか。環境庁、おりますか。
○田村説明員 お答えいたします。 先生御承知のとおりに、上高地は我が国を代表する自然の風景地の一つでございます。それで、中部山岳国立公園の核心部であるということでございまして、従来この地域の自然と景観の保護ということにつきましては十分配慮しながら、この地域の利用の快適性、利用者の安全の確保ということで諸施策を進めてまいったわけでございます。今後とも、この地域の自然と景観の保護に十分留意しながら、上高地地域の保全整備基本計画に基づきまして関係各省と協議の上、総合的な対策の実施に前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○小沢(貞)委員 役所がいろいろあって、ここからここは建設省、ここからここは林野庁、こうあるわけなんだけれども、林野庁もまた治山の面からこれに積極的に取り組んでいただいておるかどうか、その状況をちょっと御説明いただきたいと思います。
○塚本説明員 上高地地域は我が国有数の山岳景勝地でございますので、降雨等によりまして発生いたしました荒廃地につきましては、治山ダム等を設置し、その復旧に努めておるところでございます。 また今後の取り組みにつきましても、財政的には大変厳しいものがございますが、上高地地域の森林の重要性にかんがみまして、先ごろ行われました上高地地域保全整備計画調査で示された基本的な考え方を踏まえまして、緊要な箇所から計画的に治山事業等に取り組んでまいりたい、かように思っております。
○小沢(貞)委員 私の手元にもあるわけですが、各省庁、今の四省庁力を合わせていただいて、上高地地域保全整備計画、こういうものをつくっていただいておるわけであります。この計画は具体的にいつから実施するのか、今、現にもう進んでおるのか。この計画を進めるに当たっての予算というものは、ことし計上されているのか、これから計上するということなのか。これはやはり各省庁でなければ、総括した答弁はできませんか。必要があるなら各省庁から御答弁いただきたい、こう思います。
○井上(章)政府委員 ただいまお話のございました上高地地域保全整備計画につきましては、国土庁、環境庁、林野庁とともに昭和五十七年から基本的方針策定のための調査を実施いたしております。ただいままだ調査段階でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、その具体的な計画を策定するためにいろいろ模型実験等を行いまして、砂防対策を検討いたしておるわけでありまして、今後、関係省庁と十分調整を図りながら、この具体的な保全整備計画をつくり、その計画に基づいて所要の対策を実施する、こういう段階を踏むものであろうと考えております。
○田村説明員 お答えいたします。 上高地の整備計画でございますけれども、私の方は国立公園でございまして、従来から公園の計画というものは持っておるわけでございます。これは一部整備計画もございますので、現在の予算の中で進めていく、既に従来から続けてやっているもの、こういうものについては、今度の調査を踏まえた基本計画の中でドッキングしてやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○塚本説明員 治山事業につきましては、既に実施をいたしておるわけでございますが、今後は、先ほど申し上げました上高地地域保全整備計画調査で示されました基本的な考え方を踏まえまして、実行してまいりたいと思っております。
○小沢(貞)委員 どうぞ速やかに調査をしていただき、調査後に予算をつけるものはつけていただくと、現地は整備されることを非常に待ち望んでおりますの、で、その点を強く要望して、次の質問に入らしていただきます。 建設省の昭和六十年度予算概要を見ると、建設省関係の五カ年計画のうちで、昭和六十年度で計画が終了する計画の達成率を予算額ペースで見ると、第五次下水道整備は六九・一%の達成率、それから第三次都市公園等整備は七三・六%、第三次海岸事業うち建設省分は八一・五%、第三次特定交通の安全施設等整備うち道路管理者分八九・一%、第四期住宅建設うち公的資金住宅は九五・六%、こういうようになっております。いずれも一〇〇%に満たない。中でも下水道整備の達成率は七〇%に達しないという状況であります。これは途中でありますが、第九次道路整備、第六次治水事業の最終年度における達成率は、現時点においてどのように見込まれるか、その最後の二つだけを御答弁いただきたいと思います。
○田中(淳)政府委員 御指摘のように、第九次道路整備五カ年計画は六十二年度に終わります。あと三年残っておりますので、もちろん、私たちは一〇〇%の達成率を目標に頑張りますが、財政状態等々によって今のままでいきますと、先生御指摘のように多少落ちると思いますが、私たちはあくまでも何とか一〇〇%達成を目的にしたいと考えております。 以上でございます。
○井上(章)政府委員 第六次治水事業五カ年計画は五十七年度からでございますので、昭和六十年度で第四年目でございます。この四年までの累計進捗率が六二・四%でございます。したがって、現下の財政事情のもとで、あと一年を残して計画の達成ということは大変厳しいものがあろうかと思いますが、最善の努力をいたしたいと思っております。
○小沢(貞)委員 今の最後の二つのものは、これから残された期間最善の努力をしていただくように要望をいたしますが、例をとってみて、下水道整備五カ年計画はそれぞれの関係法律によって閣議の決定を経た上ですべて公表されております。このことは、政府が国会及び国民に対してその事業達成のための意思を表示したものであって、それゆえに、その事業の達成が甚しく困難と判断される場合または甚だ低い達成率が確定した場合は国会及び国民に対して何らかの責任を明らかにしてもらわなければならない、こういうように国民の一人として私は考えるわけです。どうでしょうか。
○木部国務大臣 今、先生御指摘のとおり、建設省所管事業の各種五カ年計画は、財政が非常に抑制されて公共事業が抑制されておりますので、甚だ芳ばしくないことは事実でございます。しかし、何といっても活力のある社会を建設するということ、また同時に社会資本の充実ということが一番大事な問題でございますから、今御指摘のような点も、困難な問題もございますが、我々としても、残された期間を最善の努力を尽くしてまいりたい、こう考えておるわけであります。
○小沢(貞)委員 これは政府全体の方針ですから、一大臣がどうするわけにもまいらぬと思うのだけれども、我々の要求もそうですが、公共事業関係の抑制が続いている背景というものは建設国債等の問題があるわけで、国民に約束したことなんですから、それを達成するためには、建設国債なり何なりを当然発行、増発しても、国民に約束したそれぞれの五カ年計画は達成させるべき責任が大臣にあるのではないか、こう私は思うわけです。どうでしょう。 〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
○木部国務大臣 先ほど私申し上げましたように、財政再建というような大きな問題もあるわけでございますが、今お話のございましたように、建設国債の増発も一つの方法であることも事実であります。しかし、いろいろ困難な中にも、私、先ほども申し上げましたように、残された各種五カ年計画がほぼ達成できるような最善の努力をこれからも続けてまいりたい、こう考えております。
○小沢(貞)委員 治水事業、治山事業もそうなんですが、下流の者から多少負担してもらおうじゃないかみたいな意見、方法、案が報道されているようですが、特別の財源を探そうという問題についてはどんな努力なりどんな考えがあるか、これは考えの一端で結構ですが、お知らせいただきたい、こう思います。
○井上(章)政府委員 昨今の我が国の財政状況のもとにおきましては、すべてを一般財源に頼っております治水事業費の確保というものは大変厳しい状況にあるわけでございます。このため、建設省としましても、治水事業の増大を図るべくその財源対策についてただいま幅広く勉強をいたしておるところでございます。なお、その内容及びそれによる効果等につきまして具体的に御説明を申し上げる段階にはまだ至っていないわけでございます。
○小沢(貞)委員 さっきの大臣の責任問題について私も納得しているわけじゃありませんけれども、いずれにしてももうことしで終わってしまうわけで、下水道整備事業の五カ年計画は六十年度が最終年度で、いずれも六十一年度からは六十一年度を初年度とする新五カ年計画を策定しなければならない、こういうことだと思います。現行の五カ年計画は、その基礎を「新経済社会七カ年計画」の部門別公共投資額二百四十兆に置いておりますが、新しい経済長期計画、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」の「社会資本の充実」においては、前経済長期計画に相応するような数字が一切ないわけで、六十一年度を初年度とする五カ年計画の作業はどのように行い、その計画内容についてどのように検討をしておるか、下水道整備、都市公園等の整備、海岸事業、特定交通安全施設等及び住宅建設について、これから次の計画を、過去の反省の上に立って今どのように作業を進めようとしておるのか、その辺をお聞かせいただきたい、こう思います。
○梶原政府委員 前段の下水道整備五カ年計画並びに都市公園等整備五カ年計画につきましては、御指摘のとおり、今期五カ年計画の六十年度末見込みといたしましてはかなり低い達成状況に終わる状況でございます。そこで、そういった点を踏まえまして、ただいま六十一年度を初年度といたします次期五カ年計画、下水道、都市公園いずれにつきましてもただいま鋭意検討中でございます。前提となる経済フレーム等につきましては、御指摘のとおり、まだ確たる方針があるわけでございません。したがってまた、計画の規模等につきましてもまだ勉強中という段階でございます。
○吉沢政府委員 住宅建設の五カ年計画について申し上げます。 六十一年度を初年度といたします第五期住宅建設五カ年計画につきまして、現在、住宅宅地審議会に対しまして、新しい住宅事業はいかにあるべきかということで諮問を行って、御審議をいただいておるところでございます。 最近の我が国の住宅問題をめぐる状況は、住宅戸数が減っておりますとか、あるいは財政事情が厳しいとか、いろいろな問題が起きておりまして、そうした中で、五十八年の住宅統計調査によりますと、最低居住水準に満たない世帯がまだ四百万世帯もあるということでございまして、総世帯に対する割合が一一・五%でございます。また、中長期的に見ますと、高齢化社会が到来するということでございまして、家族構成の変化にどう対応していくかというような問題もございます。あるいは大都市において居住空間をどういうふうに確保していくかとか、あるいはストック活用の必要性が増大していくのではないかというような、住宅政策を進めていく上での問題というのは非常に多岐にわたっておりまして、こういうことを踏まえまして、ただいま審議会におきまして幅広い御提言をいただいておるところでございます。 現段階では、審議会の中に設置しております住宅部会というのがございますが、その中に基本問題小委員会というのをつくっていただきまして、そこにおきまして居住水準の見直しでございますとか、ただいま申し上げましたようないろいろな問題について御議論をいただいているところでございます。答申を六月を目途にいただくように考えておりまして、六十一年度の予算概算要求のときまでにこの答申に基づきまして私ども五カ年計画の原案を作成してまいりたいと考えております。
○井上(章)政府委員 海岸事業につきましては、御承知のように農林水産省、水産庁、運輸省及び建設省の関係四省庁によって行っておるものでございます。現行の第三次海岸事業五カ年計画は昭和六十年で終了するわけでございますが、その進捗率は八二%にとどまる見込みでございます。こういったことを受けまして、現在四省庁におきまして海岸についてさまざまな観点から検討を開始いたしておりますが、特に新たな長期的な計画策定のための基礎的な研究、検討をただいま行っているという段階でございます。
○田中(淳)政府委員 六十年度は現行の第三次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度でございまして、六十一年度から新たに五カ年計画を発足させるべく現在検討を行っているところでございます。まだ計画の具体的な内容を固めるには至っておりませんが、例えば歩道等の整備水準の現況を申し上げますと、長期目標のおおむね三分の一程度に達したにすぎませんで、また交通事故が昭和五十三年度以降増加傾向にあるなど、緊急に解決すべき課題が少なくございません。さらに高齢化社会の到来や身体障害者の社会参加のための環境整備、道路交通情報に関する認識の高まりなど交通安全事業を取り巻く社会的ニーズがますます多様化しつつございます。 したがいまして、今後とも交通事故減少を図るために、まず第一に歩行者、自転車利用者、特に子供さん方、お年寄りの方々、身体障害者の方々の交通安全の確保、それから交通隘路の解消による車両走行の安全の確保、具体的に言いますと交差点改良等々がそれに利当すると思いますが、そのほか道路交通情報の提供の充実などの交通安全対策を中心に検討を加えていきたいと考えております。 以上でございます。
○小沢(貞)委員 最後になるわけですが、これも新しい建設大臣は昔のことを知らないと思いますけれども、実は建設業法は三年に一遍ずつ登録をする、それから今度入札のときには二年に一遍ずつ、A、B、Cの資格を得るために。それが建設省の中だけでも、例えば我々のところには北陸地建があり中部地建があり関東地建があり、地建ごとにみんな違う。これまた大変なことなんだ。そしてまた道路公団、住宅公団、建設省、関係のところみんなまちまち。こういうのを何とか行革の上から簡素化できぬのか、そう言ったら前の大臣だか官房長は研究してしっかり前向きにやりましょうみたいな答弁であったわけだが、さてその後どうなっているか、その辺をお尋ねしたいわけです。
○豊蔵政府委員 昨年御指摘がありました建設省及び関係公団の資格審査等の問題につきましていろいろと検討を重ねてまいりましたが、建設省関係につきましては、昭和六十一年度直轄工事の分でございますが、競争参加の資格審査に係ります申請につきまして、従来各地方建設局ごとに異なっておりました申請書類の様式を統一するという措置をとりたいと思っております。 それからまた、一つの地方建設局に受理されました場合、他の地方建設局に対しましてはその写しを持参すれば審査を簡略化するといった手続の合理化を図っております。一つの地方建設局に申請すれば他の希望する建設局に登録されるようなところまではまだ進んでおりませんが、今後この問題をさらに一歩進めて一元化の方向で検討を進めたいと考えております。 なお、関係公団等についていろいろ検討してもらったわけでございますが、それぞれの機関ごとに事業の内容も違う、そして事業量も違う、地域性も非常に異なっておるといったことがございますので、それぞれの公団に最もふさわしい方法を現在とっておるということでございますので、この点については完全に統一一元化ということは難しいのじゃなかろうかと考えております。
○小沢(貞)委員 議事進行に協力して、本日はこの程度にいたします。
○中島(衛)委員長代理 前川旦君。
○前川委員 ことしも渇水で大変苦しんだわけでありますが、今回の渇水をわきまえた上でこれからの日本の水問題について、水の不足が心配されますけれども、建設省としては日本の水にこれからどういうふうに対処していこうとされておるのか、まず御見解を伺いたいと思います。
○井上(章)政府委員 昨年秋以来、全国的に渇水が発生いたしましたことは御指摘いただいたとおりでございます。 このような渇水状況に対処するためには、節水等の努力を行うことはもちろん必要でございますが、基本的には、長期的な展望に立って計画的、重点的に水資源開発を推進することが最も重要であると考えております。このため、関係地域の協力等を得て円滑な事業の推進に今後とも努めてまいる所存でございます。
○前川委員 今回の渇水につきまして、簡潔で結構ですから、全国的な渇水状況を御報告いただきたいと思います。
○井上(章)政府委員 昨年、昭和五十九年は、台風が一度も上陸しないまま、秋雨前線も目立った活動がなく少雨に推移いたしました。したがって、全国的に渇水が広がり、本年二月上旬の時点におきまして、一級水系で十五地域、二級水系等で十七地域に渇水が生じたわけでございます。上水の給水人口で見ますと、二千二百万人を超える人々が自主節水、取水制限等の影響をこうむったわけでございます。二月中旬に至りまして、八日から十一日、及び十八日、十九日にかけて昨年十二月以来二カ月ぶりにまとまった雨がありました。河川流況及びダム貯水量等の回復が顕著に見られまして、荒川、天竜川等十地域におきましては渇水が解消し、現在小康状態となっておるという状況でございます。
○前川委員 ことしの渇水ですが、何年に一回の渇水に当たりますか。
○井上(章)政府委員 何年に一回という計算はまだいたしておりませんが、昭和五十三年以来の渇水であろうと思います。
○前川委員 大変な渇水でございまして、特に瀬戸内海沿岸は水不足に大変苦しみました。 それにつけても、昭和四十八年ですか、私は高松砂漠で飲み水に不足して大変ひどい目に遭った経験がございますが、ことしはそれに匹敵するような渇水にもかかわらず、高松、香川県は飲み水に不足することはありませんでしたし、農業用水に不足することも特になかった。この際ですから、香川県の人は早明浦ダムのありがたさというものを本当に身にしみて感じております。高知県の方もいらっしゃると思いますが、高知、徳島の皆さんに心から感謝を申し上げておきたいと思いますし、同時に、島嶼部においては対岸の岡山県から分水をいただいております。これも大変助かっておる。この際お礼を申し上げておきたいと思います。 さて、国土庁は三全総に基づいて昭和五十三年八月に長期水需給計画を発表されました。建設省はこれを受けまして、昭和六十五年にむけての水利用と水資源開発計画という計画を作成しました。昭和六十五年の必要量二百九十一・一億トンのうち建設省では二百六十一・九億トンを開発する、こういう計画でダム等三百五十八施設を開発するということで進んでこられたわけでございますが、今日の実績は一体どうなっておりますか。実績についてお答えいただきたいと思います。
○井上(章)政府委員 昭和六十五年にむけての水利用と水資源開発計画は、国土庁が昭和五十三年八月に発表いたしました長期水需給計画を踏まえつつ策定した建設省所管施設の長期的な水資源開発計画であったわけでございます。 御指摘のとおり、本計画におきまして建設省所管分といたしましては、昭和五十一年より昭和六十五年までの十五カ年間に二百六十・九億立方メートルの水資源開発を必要といたしておるわけであります。これに対しまして昭和五十一年度から昭和五十九年度までに完成する水資源開発施設による開発水量を合算いたしますと五十一・三億立方メートルとなります。
○前川委員 五十一億トンということになりますと二割ぐらいの達成度ですね。 きょう毎日新聞に、「ご案内の通り」という答弁は、知っておることを聞くなという怒った表現だというふうに書いてありましたが――できたダムが七十二カ所、これは完成率が二割ですね。水の開発も五十二億トン、約二割です。これは計画からいうと随分低い達成量だと思いますけれども、この点についてどうお考えですか。これからこれをどういうふうに見通しておられますか。
○井上(章)政府委員 御指摘のように、この計画に対比いたしますといろいろな事情で今日までの達成状況は極めて低率になっておるわけでございますが、これらの原因につきましては、資金が十分手当てできないとか個々のダムの固有の問題として用地の協力がなかなか得られないとかいった問題が集積して、このような結果になったものでございます。 ただ、この時点での計画に対比いたしますと水の需要の状況もかなり変わっておりますので、これらに対応いたしまして的確に計画を見直しつつ進めていく必要があろうかと思いまして、これにつきましてはいろいろな観点から私どもは検討を行っておるところでございます。
○前川委員 需要の伸びが予想よりか低いということもよくわかっておることなんですが、それにしてもこれは随分実績が低い。この実績の低さが今度の渇水と因果関係があるのかどうか、すぐに判断ができるのかどうか、その辺の御判断はいかがですか。
○井上(章)政府委員 需要の推移につきましては、そのときどきの社会情勢でありますとか、あるいは節水型社会が形成されつつあるというような努力の成果もこの結果に反映しておるのだろうと思います。ただ、昨年からことしにかけまして起きました渇水につきましては、これは純然たる天然現象、つまり雨が非常に少なかった、西日本を中心といたしまして、平年に対比いたしますと大体五〇%ないし七〇%の雨しかなかったというような状況が反映して渇水になったものと考えております。
○前川委員 計画に対して達成率が非常に低いということですね。これはあなた方も一生懸命取り組んでいらっしゃると思いますが、資金難とかいろいろな事情でこういうことになったのだろうと思います。したがって、こんなに達成率が低いのはけしからぬじゃないかと言う気持ちはないのです。苦しいでしょうけれども、ひとつ頑張ってほしいというふうに申し上げておきたいと思います。 さて、水資源利用税を新設するという記事が二月二十三日の日経に載りました。この記事によりますと、「建設省はダム建設や河川改修などを計画的に進めることをねらいに、”水資源利用税”など新しい財源探しを始めた。」というふうに報道をされております。そして、「①上水道、工業用水の使用料に税金を上乗せする②主に電力会社から徴収している流水占用料を引き上げ、一部を国の財源にする③農業用水の利用者にも何らかの負担を求める――などを検討する。夏ごろまでに具体案をまとめ、六十一年度税制改正に反映させる考えだ。」という記事が載っておりますが、これはこのとおりなんでしょうか。
○井上(章)政府委員 先ほども申し上げましたが、水資源開発が思うように進まない原因の一つに、財源の確保が大変難しいということがございます。一般財源に依存しております治水事業費の確保が年々厳しい状況にあることにかんがみまして、建設省におきましてもその確保のための方策につきましてはいろいろと勉強しているわけでございます。 なお、河川水の利用に着目した税制という二月二十三日付の日本経済新聞の記事でございますが、こういうことも私どもが広く検討しております中の一つであるということは言えると思います。しかし、現段階では、このように問題点を絞って検討が進んでいるというような段階ではないわけでございまして、まだいろいろな勉強をしておる段階というふうに申し上げたいと思います。
○前川委員 まだ勉強中だというふうにおっしゃいましたが、新聞記事ではかなり詳しく書いてあります。 「建設省は新税の課税方法について直接税方式と間接税方式の二通りを検討している。直接税方式は河川から水を取っている人に課税するもので、工業用水事業者や上水道事業者が税金を納めることになる。また、税の公平を保つため農業用水利用者にも負担を求めることを検討する」 「間接税方式は水の最終需要者から徴収する。各家庭の水道料金へ上乗せするなどの形で課税する。」 かなり突っ込んで報道をされています。 ということは、局長はそうおっしゃったけれども、かなり検討は煮詰まっているのじゃないかというふうに考えられますが、そうであればそのように正直にお答えいただきたいと思います。
○井上(章)政府委員 この新聞がどのように取材されたか私もつまびらかではございませんが、ただ、ここに書いてもございますように、いろいろなことについて財源探しを始めたということでございまして、まさにそういったことでただいま各方面についていろいろ勉強しておるということでございます。ここに書いてあるようなところまで絞り込みができておるということでは毛頭ございません。
○前川委員 いずれにせよ夏ごろまでにはその結論を出すということですか。
○井上(章)政府委員 これに「夏ごろ」とありますのはよくわかりませんが、私どもの心構えといたしましては、例年夏ごろに次の年度の概算要求が行われるわけでございますが、それを節目といたしましてこれらの問題の一応の結論を出すということをここでは言っておるのであろうというふうに考えられます。
○前川委員 であろうと思いますなんというお答えでしたけれども、局長、あなたは当事者ではありませんか。こういう新税を創設するという方向で今検討しているのですか。それとも取るか取らないかも全く白紙で――最終需要者からとなると、これは国民がもろにかぶることになるし、あるいはそうでなくても、取水者にしても結局最後は国民が負担することになるわけなんですが、まだ取るか取らないかそれも決めてなくて、ただ検討しているのだというのか、もっと絞り込んで、取るという方向で考えているということなんですか。どうなんですか、その辺は。
○井上(章)政府委員 先ほども申し上げましたようにまだ全くそういう絞り込みはなされておりませんで、幅広く勉強をいたしておるという段階でございます。
○前川委員 国民の税負担をこれ以上ふやすようなことはどうか避けていただきたいということを申し上げておきます。 さて、先ほど申し上げましたように早明浦ダムから水をもらっている地域は、困っているといってもそれは随分助かった。ところが、瀬戸内海にはたくさんの県にまたがって島がありますが、その島では毎年のように飲み水に苦労するわけであります。私の知っている範囲でちょっと申し上げますと、この水の対策として香川県では例えば粟島、櫃石島、岩黒島、与島、小与島、さらに直島、伊吹島、こういうところはもう既に海底の導水を実現しております。そのうち櫃石、岩黒、与島、小与島というのは岡山県から水をもらっています。直島も岡山県から水をもらっているわけでありますが、いずれにせよ海底にパイプを敷きまして導水をしております。なお、この導水の工事中あるいは計画中のものは牛島、本島、広島、手島、小手島、志々島、屏風島という島があります。 それから給水船、これは水のコストが非常に高くつきますが、給水船で運んでおりますのが女木島、男木島、本島、広島、小手島、さらに後ほど質問したいと思いますが、海水の淡水化でやりくりしておりますのが高見島、佐柳島、こういうふうに非常に苦労をして水を求めているわけであります。 ところが、小さい島はそれぞれ苦労してこういうことをやっているのでありますが、最も大きい島である小豆島、これは四万人を超える人口がおりますが、そういう設備がありませんで、ことしも水に非常に苦労をいたしました。この小豆島について申し上げますと、一番きつかった二月八日の貯水量は内海ダムでゼロ%、殿川ダムでゼロ%、粟地ダムで九・七%、したがって給水もひどいところは八時間給水、あとは全部断水、船で水を運んで辛うじて飲み水を確保した。こういう水不足は二年か三年ごとに起きまして、飲み水が不足するということは生活にとって大変な痛手になるわけであります。 そこで、各省にこの小豆島の四万人を超える人の水対策について私はお伺いをしてみたいと思いますが、厚生省、見えていますね。――飲み水の話でありますからまず厚生省に伺いますが、この小豆島の飲料水、上水の不足を根本的に解決する方法として、厚生省としては何が考えられますか。
○森下説明員 御説明申し上げます。 現在の小豆島の給水量は最大の場合で一日約一万八千トン必要だと思います。また、冬場でも一万四千トン程度必要だと思います。今回の渇水で二〇%ないし二五%の給水制限を行いましたから、今後給水の安定化のためには約三千トン毎日、将来を含めますと一日八千トン程度の手当てが必要じゃないかと思っております。 その水道の水源の確保の方策は、一つは海底送水管で島の外から持ってくるということが考えられると思います。それからダムをつくりまして新たに水源を開発するということが考えられると思います。それから海水を淡水化するという方法もあるかと思います。 このうちどちらかと申しますと、海底送水管とかダムについては長期安定的なやり方、海水淡水化は短期補給的なやり方というふうな見方もあるかと思いますが、いずれの方法をとるか。これは経済性もございますし、工法もございますし、それから地元がどういう格好で同意されるかということもございます。いろいろな問題を検討して適切な方法を講ずることが必要かと考えております。
○前川委員 今導水ダムと海水の淡水化、三つが出ました。ダムの問題、これは建設省が専門でありますから後ほど伺いたいと思います。 導水でありますが、導水で小豆島と限ったらお返事しにくいと思いますので、一般的に言ってコストは一体どれくらいかかるものか、まずこれを伺いたいと思います。
○森下説明員 一般的と申しますと量によって変わりますから、大体小豆島を対象にした水量でお答えいたしたいと思いますが、さっき申しました五千トンないし一万トンぐらいの範囲でどうしたらいいかということになりますと、パイプの太さが内径で三百ミリから四百五十ミリぐらいのものが必要かと思います、パイプが細くなりますとポンプで圧力を余計かけなければなりませんから。そういうこともあります。 どのくらいかというコストの問題でございますけれども、パイプの太さ、敷設条件、つまり海の深さとか潮流などの海象あるいは気象の問題、それからそこを船舶がたくさん通っているか通っていないかでまた違ってまいります。それから海底の土砂のぐあいとか障害物があるかないか、敷設した後どう始末するか、上に土をかけるかかけないか、そういうことで非常に幅がございますが、今申しました口径が三百ないし四百五十ミリということで見てまいりますと、一メートル当たり二十五万円から三十万円かかると思います。これに両端に、つまり供給をするところと受けた後の島の方にタンクが必要でございますし、ポンプも必要だということで、またこれに多少プラスになるということでございます。メーター当たり二十五万円ないし三十万円ということでございます。
○前川委員 トン当たりという方がわかりやすいのですが、トン当たりでこの水のコストは幾らくらいになりますか。
○森下説明員 トン当たりにいたしますと、距離をどのくらいに見るかということで変わってまいりますが、どこから水を分けるかということで延長が十キロになるか二十キロになるかということもございます。でございますから、例えば延長二十キロということで一番高い見積もりをいたしますとその工事費が六十億円ということになりますから、私ここで暗算で余り正確には申し上げられませんが、稼働率などを考えました場合に水の単価、コストといたしましては、そのことによって、つまり本土側で水をきれいにするのにトン当たり二百円とか何がしか金がかかっているわけでございます。それにさらにトン当たり二百円程度高くなるのじゃないか、私、暗算でございますけれども、そう思っております。
○前川委員 結構です。後でこっちで計算してみます。 この場合、実は通常はダムで大体賄っていて二年に一遍ぐらいの渇水のときに水を導水する、そういう発想法であれば非常にコストが高くなるのじゃないかという気がしないでもないのですね。導水と言われたのは、そういうやり方で不足分だけを導水するということを前提にして導水という方法があると言われたのか、違う発想で言われたのか。導水を主にしてダムなんか従にするという発想で言われたのか、その辺、いかがでしょうか。
○森下説明員 ただいま御説明いたしましたのは、十年ぐらい先を見まして不足するであろう水量、この分を導水で補うということで試算したものでございます。
○前川委員 それじゃ、導水するとしてこの設備、さっき六十億という金額も出ましたけれども、水道の施設は国庫補助がないということが原則と聞いていますが、この導水の費用は国庫補助を受ける方法があるのかないのか、これは厚生省サイドで。 例えばこれは離島振興法による離島ではありません。簡易水道でもありません。したがって、今の建前からいうと国庫補助はちょっと難しいようにも見られます。ただ、二つ以上の自治体にわたる広域水道ということになれば補助の対象になるのではないかというふうに思いますが、その辺の見解を伺いたいと思います。
○森下説明員 先生仰せのとおり、複数の市町村が広域水道をやるという場合にちょっとした手続がございます。これは広域的水道整備計画というものをつくっていただきまして、その中でそれがその地域で非常に有効に働くということが判断できました場合にはこれに対しまして国庫補助をすることができることになっております。そのやり方は、小豆島で広域水道をつくって、そこで例えば四国本島の方までパイプを延ばしていくという場合もありますし、それから四国の方から水を分けてもらうというやり方もございます。その場合は広域水道から水を分けてもらう特別の高料金水道という形になりますけれども、いずれにいたしましても新しくそういう設備をつくるために水道のコストが上がってしまう、それが料金に響くというふうな場合には国庫補助ができる仕掛けになっておるわけでございます。 なお、補助率は事業費の三分の一ということになっております。
○前川委員 県の水道事業、これは公益事業ですが、この場合もその三分の一の国庫補助の対象になりますか。
○森下説明員 なります。
○前川委員 厚生省サイドでその三分の一にさらに上乗せできる国庫補助というのは何か考えられますか。これがぎりぎりですか。
○森下説明員 ただいまのところ、三分の一が限度でございます。
○前川委員 この導水は原水をつくるのではありませんね、ダムではありません。したがって、浄水場の施設と同じような施設、水処理の施設というふうな考え方だろうと思うのです。であれば、導水が、国庫補助の対象になる、やりようによってはなる。であれば、先ほどお話が出ました海水の淡水化の施設も同じように国庫補助の対象になりますか。なると思いますが、いかがですか。
○森下説明員 まだ具体の案件として扱ったことはないと思いますけれども、広域水道の対象となりまして、それが海水淡水化装置を浄水設備ということでお持ちになるということでしたら当然対象になると思います。
○前川委員 厚生省、結構です。 それでは建設省に伺います。 厚生省さんとしては今、導水と海水の淡水化、それからダムというふうにお答えになりました。ダムはそちらの専門になりますから、小豆島の水対策について建設省はどういうことが可能であると考えておられますか、伺いたいと思います。
○井上(章)政府委員 小豆島におきまして例年のごとく渇水に見舞われておりますことは十分承知をいたしております。このため、建設省としましても内海ダムを初めといたしまして三カ所のダムを既に建設して水資源の開発を図ってきたところであります。しかし、なおこのような状況下にあるということであります。したがって、本島におきます恒久的な水資源対策のあり方といたしましては今後十分検討しなければならないと思いますが、当面とり得る対策としては、さらにダムの建設を島内で行うことが考えられます。具体的な方策につきましては既に香川県もいろいろと御検討だと伺っておりますが、十分県と協議する必要があるというふうに考えております。
○前川委員 新しいダムの適地があるというふうに考えられるのかどうか、それからダムの中には地域生活防災ダムとか渇水対策ダムとかいろいろなものがありますが、もっと具体的に、例えば地域生活防災ダムをまだ適地があるからこれをやったらいいとか、もうちょっと突っ込んでこういう方法があるよというお考えを聞いておきたいわけですが、いかがでしょうか。
○井上(章)政府委員 小豆島にダムを建設するということになりますと、これは多目的ダムを建設するということであろうかと思います。それで、地域生活防災ダムというと、ちょっとこの小豆島にはなじみにくいものであろうと考えられます。また渇水対策ダムにつきましても、一部私どもの方では着手はいたしておりますが、まだ全国的に行っておるというものではございませんので、小豆島の現状を考えますと、これはやはり基本的に水が、人口等に対比いたしますと非常に足らないわけでございますから、積極的に新たなダムを建設して水資源開発を行うということが何より肝要であろうかと考えております。
○前川委員 それはそのとおりなんですけれども、橘川とか伝法川とか吉田川とかいう水系がありますけれども、降雨の絶対量が少なくて、非常に難しいのです。でも、難しいなりに県は県で一生懸命計画を立てて、あるいは地下水ダムができるかどうかとか、ボーリング調査をやってみたり電探で調べてみたりあるいは水域を調査したり、いろいろ努力しているところでありますが、県の方から計画が上がってきましたらどうかよく相談に乗ってもらいたいということと、やはりこういう渇水地域ですから優先的に、四万人という人に影響しますので、取り上げてもらいたいということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○井上(章)政府委員 小豆島の実情は私どももよくわかっておりますので、香川県とよく御相談を申し上げまして、速やかに対策が講ぜられるよう努力いたしたいと思います。
○前川委員 それでは三番日の海水の淡水化について伺いたいと思います。 これは現在私の周辺では高見島というところと佐柳島というところが海水の淡水化をやっております。佐柳島は、これは日揮という会社だったと思いますが、実験をした後安く町に払い下げて、それが今稼働をしております。 〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕 高見島の方は、これは通産省の外郭団体である機械システム振興協会、佐々木茂行さんという専務さんが非常に熱心でございまして、ここに設備をつくって現在稼働をしておりまして、これは大変余裕のある水状態になりまして非常に喜んでいるところであります。 そこでまず、通産省見えていると思いますので、日本国内における海水の淡水化の現状について、離島用として実用化されているものの代表的なものを、ごく簡単に二つ、三つ御説明をいただきたいと思います。
○合田説明員 海水淡水化プラントは、御指摘のように水事情の厳しい離島を中心に、専ら住民の飲料水を供給するために近年急速に普及が進んでおるところでございまして、進水センターの調査によりますと、六十年二月現在で合計三十一のプラントが全国に設置されておりまして、これによりまして飲料水の供給を受けております人口は約五万六千人でございます。 代表的な例ということになりますと、規模が一番大きいものでは、長崎県に池島という島がございますが、そこで設置かつ稼働をしておるプラントが二千六百五十トンの淡水を製造いたしまして、大体島民五千六百人の飲料水を供給いたしておりますし、最小のものといたしましては、兵庫県の飾磨郡に家島というところがございますが、そこで設置をされておりますのが日量二十トン、こういうことでございます。
○前川委員 そこで、この海水淡水化でありますが、このコストは一体どれくらいにつくのか。先ほどもちょっと伺いましたように、水一トンについてということでお答えいただいたら非常にわかりやすいのですが、これは国土庁から出しております「日本の水資源 その開発、保全と利用の現状」という中に、通産省からの資料として淡水化のコストが若干出ておりますが、大体どれくらいにつくものか、実用化されているものについてお答えをいただきたいと思います。
○合田説明員 海水淡水化プラントによります飲料水の道水コストでございますけれども、これは先ほど厚生省の方からもお答えがありましたように、プラントの規模とかその他の条件によっていろいろ変動するものでございますが、通産省は従来、四十九年から逆浸透法の海水淡水化の研究開発をやっておりますけれども、これが日量でいいますと八百トンの実験プラントでございますが、仮にこの八百トンの実験プラントと同規模のものを民間企業で現在の時点で製造いたしましてそれの進水コストを試算いたしますと、一トン当たり約三百八十円という試算がございます。 現在稼働中のものといたしましては、外国の例でございますけれども、イタリアのある島でやっております例がございます。これはアメリカの企業が納入したものでございますけれども、非常に規模が大きいわけでございまして、二万トンの規模でございます。この場合ですと、一トン当たりの進水コストは二百七十円というふうに聞いております。
○前川委員 今のお答えの中の日量八百トンから千トンぐらい、ちょうど小豆島でやるとしたら不足分をちょっと足すというぐらいのところで考えて、三百八十円ぐらいというお答えが出ましたが、この施設の敷地面積は一体どれくらい必要なのか。今茅ヶ崎で実験していらっしゃると思いますが、必要な面積がわかればお答えいただきたいと思います。
○合田説明員 御質問の、通産省の茅ヶ崎の臨海研究施設に設置しております八百トンの規模のプラントの敷地面積でございますが、これは六千平米でございます。ただ、これは実験用のいろんな施設があるわけで、やや多く面積を使用しておるわけでございますが、最近時点の全く同じ規模の実用プラントということで試算をいたしますと、その半分ぐらいの三千平米ぐらいではないかというふうに考えられます。
○前川委員 瀬戸内海の島にとりまして、小豆島はもちろんでありますが、この海水淡水化の実現化というのは非常に魅力のある考え方なんです。そこで、通産省としては、この海水の淡水化の技術開発について、その将来性をどう見ておられるのか、それから、これからどういうふうに取り組もうとされておるのか、その姿勢というか意欲というか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○合田説明員 先生御指摘のとおり、現在の海水淡水化プラントというのは離島において非常に大きな役割を果たしておりますし、今後ともそういう役割が期待されるわけでございますが、現状では、残念ながら、ダムを水源とする一般の飲料水と比べまするとコストが高い、それから耐用年数が短い等の問題がありまして、改善の余地が大いにあるわけでございますので、私どもといたしましては、離島の水需給緩和に資するという観点からも、従来から、より省エネルギー効果が大きい方法はないものであろうか、あるいは耐久性の高い海水淡水化プラントというものを実用化するために研究をいたしておったわけでございますけれども、今後とも引き続きこのような努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○前川委員 それはそのとおりなんでしょうが、やはり離島の水対策としては、もちろんダムも必要なんですけれども、降水量の絶対的に不足するというところでは、ダムも精いっぱい開発しても不足するものはやはり不足するわけなんで、そういう意味では僕は、積極的に淡水化ということを離島対策として取り上げてもらいたいというふうに実は思うのです。 その点について、技術的にはともかくとして、あなた方の意欲というか情熱というか見通しというか、どういうふうに考えていらっしゃるのか、もう一遍お答えいただきたいと思います。
○合田説明員 私どもの考えは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、海水淡水化の問題というのは、やはり先生御指摘のとおり、絶対的に降雨量の少ないような離島では大きな水源の一つとして非常に重要だと考えておりますので、私どもといたしましても、非常に予算事情の厳しい状況でございますけれども、コストの問題あるいは耐久性の問題について、大いに海水淡水化施設の性能向上に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○前川委員 この際ですからもう一つ通産省に伺っておきますが、ただでさえ水の少ないところですから、使った水を使い捨てにするのではなくて、それを回収して再利用するということが、水不足の島ではもっと考えなければいけないことであろうというふうに思います。特に小豆島の場合は、観光地でもありますから、これからもまだホテル等も建ちますでしょうし、また食品産業の盛んなところでありますから、工場から出る排水の再利用ということもこれは考えなければいけない。 水の循環に積極的に取り組むべきだと思いますけれども、今、実現性のある水の回収技術というか、どういうことを通産省は考えて研究開発をしているのか、現実にどういうことをやろうとしているのか、それについていかがですか。
○合田説明員 中長期的に見ますと水の需給というのは逼迫化傾向にございますし、それから、最近の水質汚濁の進行に伴いまして、上水なりあるいは工業用水の水質の悪化という問題が発生いたしておりますので、私どもといたしましては、今後の水需給対策という観点からも、御指摘のとおり排水の回収利用、再生利用というのを一生懸命やっていかなければいけないというふうに考えております。 ただ、現在の水処理技術を前提にいたしますと、今の産業排水なりあるいは生活排水を新たな水源としてもう一度使うということのためには、いろいろな問題がございます。例えば、水処理のための処理設備用地を確保することが難しいとか、あるいは水処理過程でスラッジ、汚泥が発生をするとか、あるいはエネルギー消費が非常に大きいとかいうような問題がございます。したがいまして通産省では、現在御審議していただいておりますけれども、六十年度の予算でもちまして、工業技術院の大型プロジェクト制度によりまして、アクア・ルネッサンス90計画というのを打ち出しまして、バイオテクノロジーあるいは膜分離技術等の新しい技術、これを排水の再生利用の研究開発に使いたいということで、そういう計画に着手する予定でございます。
○前川委員 排水の再利用ということになりますと、一番の問題はコストの問題であります。つまり、循環した水のコストが非常に高いということはこの排水を回収して再利用することの大きなネックになっていますが、このコストをどうやって下げたらいいのか。その点について、コストをどう下げるかというのが決め手であるというふうに思いますが、これはどういうふうに展望しておられるのか。いかがですか。
○合田説明員 御指摘のとおり、コストの問題は非常に重要な問題でございますので、先ほどお答え申し上げましたアクア・ルネッサンス90計画では、微生物を高濃度に培養いたしました効率の高いバイオリアクターというものを使いまして、有機汚濁物質を沈殿させないで分解をする。また同時に、高性能の分離膜を活用いたしまして微生物の反応効率を高めるというような方法を使いまして、さらに同時に、排水中の有機汚濁物質の大半をメタンガス等の価値のある有価物に転換をして回収をするというような方法でもって対処しようと考えております。 もしこれが実現をいたしますと、水処理の過程で汚泥発生量が相当大幅に減ります。また設備が非常にコンパクトになる、あるいは水処理過程の電力消費が減少するというようなことから、かなりコストの低減が見込まれますので、私どもの今申し上げたプロジェクトにおきましては、現在の進水コストを二分の一以下にするという目標を掲げて研究開発を推進してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○前川委員 水の不足している地域は、再利用というのは割合身につまされるというか、緊急必要性がほかの地域に比べると随分高い地域でありますから、どうか一日も早くコストの安い再利用の方法ができるように、進んだ日本の科学技術をその方向で、生活水準の向上に役立てていただくようにお願いをしておきます。 それでは最後に、国土庁に伺います。 最初の建設省のお話の中にも出てまいりましたが、都市用水の需要量、これは計画当時の需給計画と現在の実態とは大きなずれがあるようであります。例えば先ほどの、国土庁が出しておる「日本の水資源」によりますと、都市用水は取水量ベースで昭和五十一年三百九億立方メートル、これが昭和五十六年には三百二億立方メートルと下がっています。農業用水は五百七十億立方メートルが五百八十億立方メートル、微増です。それから、都市用水の中でも工業用水を見ますと、同じ昭和五十一年百七十八億立方メートルが百六十一億立方メートルというふうに下がっています。 こういうように、都市用水の需要量は当初の計画と見通しよりか大分大きなずれができたようですが、現在一体どういう数字になっておるのか、つかんでいる限りで国土庁のお答えをいただきたいと思います。
○和気政府委員 お答えいたします。 水需要の動向でございますが、生活用水の水需要につきましては、三全総想定のときと比べるとやや低目ではございますけれども、五十年度以降も着実に増大しております。これは先ほど御指摘のとおりでございます。これは、大都市地域で人口増加率の低下、水需要の合理化の進展等が見られるのに対しまして、大都市周辺部、地方中心都市等その他の地域においては、水道の普及率が上昇いたしましたのと、生活水準の向上等が進んだことによるものだと考えております。 また、工業用水の需要量につきましては、四十八年の石油危機以降停滞し、その後やや減少してきておりますが、この原因といたしましては、我が国の産業構造の変化に伴う用水型産業の相対的な低下と、回収技術が非常に向上したということによるものだと思っております。 以上のようなことから、経済社会の情勢の変化によりまして、水需要の実績は、総じて三全総のときの想定に比べると多少低目に推移しているというのが実情でございます。五十六年時点におきまして、先ほどお話しのとおり、都市用水、すなわち生活用水と工業用水含めまして年間三百二億トン、生活用水は、うち百四十一億トン、工業用水は百六十一億トン、それから農業用水につきましては五百八十億トンということで、年間総量八百八十二億トンということになっております。 以上でございます。
○前川委員 そこで、お伺いしたいのは、実はこれから水の需要、これは都市用水のことですが、水の需要は余りふえないという意見があります。私はどうもこの辺がはっきりわからない。わかっていて質問するのではなくて、わからないから質問するのですけれども、余り水の需要がふえないという意見は、まず工業用水について見ますと、例えば鉄鋼、化学、紙パルプなどの用水型工業の生産が頭打ちになってきているのではないか、これが一つ。もう一つは、工水を循環再利用するというのがふえてきている。これがまだまだ節水できるのではないか。行政指導によっては、工水の節約の可能性がまだまだ伸びるのではないか。そういうことを考えると、工水の需要はもう頭打ちではないかという意見があります。 この点について、皆さん方はどう考えていらっしゃるか、お伺いしたい。
○和気政府委員 お答えいたします。 今後の都市用水、特に今工業用水についてのお話でございますが、工業用水の今後の見通しにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、現在、各業種におきまして水の回収率の向上、すなわち回収して水を再利用するという技術が非常に進みました。その結果、最近の経緯を見ておりますと、五十六年におきましても、回収率は全体の平均で七三・九%というかなりの高率になっております。もちろん、回収率の平均は四十五年ごろは五〇%台だったわけでございますから、この十数年間でかなりの回収率の向上が見られたというわけでございます。したがいまして、業種におきましてはかなりもう限度にきているところがたくさんございます。 そういうことで、水需要の合理化もかなり進みましたので、これからは、今後の景気の回復によりまして、また産業の進展によりまして、水の需要は伸びるものと考えております。特に、鉄鋼、化学、紙パルプ等の用水型産業につきましても、これからの動向もございますが、新しい産業が最近起こっておりまして、いわゆる先端技術産業におきましては特に水質のきれいな水をかなり大幅に使うということでございまして、これらの加工組み立て産業の進展などによりまして、これからも工業の発展がもちろん想定されますので、それにつれまして工業用水の使用水量も着実に増加するものと考えております。
○前川委員 それでは、同じことなんですが、上水、飲み水についてです。これもこれ以上需要が伸びないのではないかという意見があります。例えば給水人口の増加の問題でありますが、人口集中の速度が一時期よりか落ちてきておる。上水道の普及率が一〇〇%に近づくにつれて増加率は小さくなってくるのではないか。普及が広がるにつれて増加率は減ってくるのではないか。それから、世帯が細分化するというのが、これも最近頭打ちになってきているのではなかろうか。三番目には、便所の水洗化、家庭内のふろの普及も、普及率が高まってきて、増加率が緩やかになってきているのではなかろうか。あるいはビル建設は進んでいるのですが、節水が進んで都市活動用水がほとんど増加していないのではなかろうか。こういうようなことから、上水についても、水の需要はそんなに伸びないのではないだろうかという楽観的な意見があります。 これも私は本当はどうかわかりませんが、御意見はいかがですか。
○和気政府委員 お答えいたします。 最近の傾向を見ましても、十年前と比べるといわゆる水の需要は、生活用水につきましても増加傾向というのは多少鈍化現象がございます。しかしながら、状況を全般的に眺めてみますと、大都市を中心としたところの水の需要につきましては鈍化現象がございますけれども、地方の中核都市を中心とした地方におきましては、生活水準の向上並びに都市化の進展によりまして水の需要がかなり着実に伸びてきているというのが実情でございます。先ほど先生からお話しいただきましたようなことで、やはり水道の普及率が高くなるとその普及率の伸びというのはだんだんと緩やかになりますから、そういうこともございます。しかしまた、核家族化につきましても鈍化のところはあるかと思いますけれども、全体を比べますと、いわゆる地方中核都市におきましての伸びというのは特に著しいものがあると思います。中でも第三次産業におきますいわゆる都市活動用水と称するものでございますけれども、これは都市化の大きくなっております地方中核都市を中心としての都市活動用水の伸びは大きいものと考えております。 したがいまして、総じて考えますれば、もちろん大都市におきましても着実な伸びがあるわけでございますから、全体の生活用水の伸びは今後とも着実に進展するものと考えております。
○前川委員 時間がなくなりましたので最後に、新しい四全総の作成にかかっておられるわけでありますが、三全総を読み返してみても、島嶼部に対する対策が非常に弱いのです。特に瀬戸内海にはたくさんの島がありますが、たくさんの人が住んでおりますけれども、瀬戸内海の北側も南側の沿岸も、つまり四国の北側も中国地方の南側も都市化が非常に進んでいるわけです。ところが、ちょっと離れた島は落ち込んでいるわけなんですね。余りにも距離が近いものですから落ち込み方をなお痛切に島嶼部の住民は感じるわけですが、四全総では瀬戸内海の島々に対する位置づけ、対策をどういうふうに考え、どのような開発計画を盛り込むつもりなのか。いかがでしょうか。
○西田政府委員 お答えをいたします。 先ほどからいろいろと離島問題についてお話がございましたが、御承知のように離島というのは地理的な制約がございますし、また話題になりました水資源、それから交通、こういう大変厳しい条件を備えておると思うわけでございます。全く前川委員の御指摘のとおりだと認識をいたしております。 そこで御質問の、四全総の中でどのようにとらえていくかという御意見でございますが、御案内のように、現在国土庁で四全総の策定に向かって努力を払っておりますけれども、中長期展望の中で国土の均衡ある発展を期していこうということが最大の目標だと考えておるわけでございます。そういうことの中でお話のございました離島問題というのも、十分に検討をし、これから真剣に取り組んでいかなければいけない問題の一つである、このように考えておるわけでございます。
○前川委員 そういうお答えをいただきましたのでなお質問を申し上げますと、三全総では定住圏構想というのがありますね。定住圏構想というのはこれからも死んだわけじゃないと思うのですけれども、これを瀬戸内海の島に当てはめてみますと、島から出ていけということになるのじゃないか。例えば水の豊かなところへ人を誘導するという考え方。水の供給量の限界性というものを強く意識して、水の豊かなところへ人を誘導するという考え方が定住圏構想の一つの柱になっているのです。これは三全総の二十六ページに出ております。ということは、裏返すと水もないようなところはなるべく出ていけ、もっと水の豊かなところへ行け。一種の切り捨てです。そういうことを三全総を読み直してみると非常に痛切に感じるわけなんです。新しい四全総では、少なくとも瀬戸内海のような都市に近い島々についてはそういう発想法は根本的に変えてもらいたいということなんですね。 それには、一つは離島振興法の指定基準があります。これはたしか十キロという距離と、もう一つ船便が一日三回以下という何か基準があったと思います。ところが、この基準のために小豆島なんか離島振興法の対象にならないのです、割合船便がありますから。それでいてやはり水が足りなくて生活がしにくい。ですから、具体的には離島振興の指定基準というものを一遍見直してもらえないだろうか。これが一つ。 そして島というものを、瀬戸内海の島なんか定住圏構想の人が住めるところにするのだ、そういう発想法に変えてもらいたい、そのことを四全総の中に入れてもらいたいということが私の最後の希望なんですが、最後に御意見を伺いたいと思います。
○田中(暁)政府委員 最初の御質問、つまり離島の指定基準と申しますか、正確には離島振興対策実施地域の指定基準ということになろうかと思いますが、この基準につきましては、先生よく御承知のように二十八年に第一回の決定をいたしました。この当時は外海離島のみを指定するという考えであったわけでございますが、三十二年に四回目の基準の改正をいたしまして、内海の離島も指定するということにしたわけでございます。これに基づきまして、これまで第十次にわたります具体的な指定が行われてきておりまして、特に三十九年の第十次の指定に際しましては、ほとんどの島がほぼ指定された、これで最終的に全部を網羅的に見て決めよう、こういうような考えで審議会において慎重に検討されたわけでございまして、例に挙げられました小豆島におきましては、航路の寄港回数も非常に多かったということもございますし、また産業的に見ましても、観光や醸造等によりまして相当発達していた、こういうことでありまして指定されなかったということでございます。 我々といたしましては、以来この離島振興法に基づく事業の遂行に全力を傾注してきておるわけでございますが、現在なお本土との間には相当な格差がございます。確かに小豆島はその後若干産業の陰りというものは見られると思いますけれども、他の離島と比べますとなお条件に非常に恵まれておりまして、我々といたしましては現在のところこの指定基準の見直し等を行う予定はございません。
○前川委員 先ほどお尋ねしました定住圏構想との関連ですが、瀬戸内海にはたくさんの島がある、多くの県にまたがって島がありますが、もう少し四全総の中では、これは定住圏の対象として入れるということで、この島の開発とそれからおくれを取り戻すように、新しい四全総の中に積極的に取り入れるという姿勢で取り組んでもらいたいということを最後にお願いを申し上げまして、時間が参りましたので終わります。 ありがとうございました。
○保岡委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後四時三十一分休憩 ――――◇――――― 午後五時二十一分開議
○保岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 私は、建設業退職金共済制度についてまず質問したいと思うのです。 建設関係に働く労働者の賃金、労働時間、休日、労働災害、賃金不払い、こうした労働条件が極めて劣悪なことはいろんな指標が示していると思います。 若干例を挙げてみますと、これはいずれも昭和五十八年度の数字ですが、賃金では、労働者全体を一〇〇とした場合、建設関係の労働者は九七・三。労働時間は、労働者全体で月百七十四・八時間のところ、建設関係の労働者は百八十七・三時間。また休日については、何らかの形の週休二日制が労働者全体では七五%で実施されているけれども、建設関係労働者では定期的な週休制は未定着て統計の数字にはあらわれてこない状態。労災による死亡事故は、労働者全体で二千五百八十八人中建設労働者は千百六人で、四三%を占めるという不幸な事態。賃金不払いは、全体として一万三千五百五十五件中建設労働者が四千四百五十六件と、三三%、三分の一を占める。 また、社会保険や労働保険等の加入状況を見てみますと、厚生年金では全産業平均で六九・四%のところ、建設業は六五・三%と低い。健康保険の適用率は、全体が六四%に対して建設関係は六〇・二%。これも低い。雇用保険、前の失業保険は、全体が六四%に対して建設は六〇・二%。すべてが相当の低さを示す。その上、建設労働者は非常に高齢化しているわけで、四十歳から六十五歳の労働者全体に占める比率は、全産業平均では四六・六%のところ、建設業では四九・七%と高くなっている。 このように建設労働者の労働条件が一般の労働者に比べて悪い原因は一体どこにあると大臣はお考えになっているのか、こういう状況に対して建設省が現在とっている労働条件改善のための主な制度にどんなものがあるのか、お尋ねをしたいと思います。
○高橋(進)政府委員 今、先生御指摘のような実情が建設労働者にあるということは、大体側説のとおりであろうかと思います。その要因といたしましては、いろいろな要素があろうかと思いますが、一つには建設労働そのものによって来るとこがあるんだろうと思います。単品の請負生産ということで、計画的に常時労働者を雇用して、他の企業形態と同じように安定的な雇用をもってやるということが企業経営上非常に困難な面があるということ。そのことから雇用形態が期間を限られた雇用形態になって、企業主との関係もそう安定的なものではないといったところが基本的にあろうかと思われるわけでございます。 それに対する対策といたしましては、基本的にはそれぞれの建設業の企業体質の強化、近代化ということが必要でございまして、そのための措置もとっておりますが、労働者との間の施策といたしましては、例えば安全対策につきましては、公共事業発注の場合にはちゃんとそういった安全対策を積算に入れるとか、あるいは労働保険関係についてもそういったことを指導すると同時にまた経費を見る、あるいは建設業退職金共済制度の加入について促進する等々、いろいろな面で指導しておるところでございます。
○瀬崎委員 建設業界の近代化がおくれているとよく言われることなんだけれども、日本の鹿島とか大林などのいわかる超大手というのは、企業力においては他の産業の大企業に結構引けはとらないわけですよ。そういう中で労働者の実態だけが非常におくれている、今、建設労働者の特殊性そのものによって起こってくると言われたけれども、そういう特殊性に正しく対応する行政の側、政府の側の対応策がおくれている、私はこれはまさにそのことの一つの証明だと思うのですよ。 そういう中で数少ない制度の一つに建設業退職金共済制度があると思うのですよ。これは私が言うまでもないことだけれども、昭和三十四年に中小企業退職金共済法が施行されて、企業内の退職金制度を自前でつくることが困難な中小零細企業に対して、国の財政的援助を含めて退職金制度が発足している。その五年後の三十九年十一月からこの法律の中に建設業退職金共済制度が発足して、今まさに言われた建設業界の特殊性、労働者が現場を転々として、あるいは勤める企業を転々として渡り歩く、こういう特殊性にある程度見合った退職金制度ということでつくっていったわけでしょう。 これは労働者が働いた日数ごとに手帳に証紙を張って、これに消印して二十一枚を一月に計算する。最低二年、つまり二十四カ月分、五百四枚の証紙を張っておれば建設業界から退職する際に退職金が支給される、簡単に言えばこういう制度ですね。一応建設省もこれの普及のために好きな通達は出しているわけですよ、何でもかんでも通達でね。その中には公共事業の受注企業には、必ず証紙を――略して建退共といいますが、その指定金融機関から買い取り、その領収証を発注官庁などに提出することを指示している。これは知事や指定都市の市長、公団あてにも指示しているわけですね。また、公共工事の入札に参加する資格として建退共に加入していることをも条件としているわけですね。 こういう通達は出しているけれども、ではその効果やいかにということなんだけれども、制度が発足して二十年経過した今日、建設業界で一体どれだけの企業、どれだけの労働者がこの制度に加入をしているんですか。
○高橋(進)政府委員 被共済者の数で申し上げますと、昭和四十五年ごろでは九十六万人でございましたが、五十八年度におきましては約百六十万人という数字になっています。また、建退共の企業としての契約者数につきましては、四十五年当時六万一千余業者数でございましたが、現在のところは五十八年度では十一万二千業者というふうに数字の上では伸びております。
○瀬崎委員 じゃ、それを建設関係の全企業数あるいは建設関係の全労働者数に対する比率で見たら、およそどの程度になりますか。
○高橋(進)政府委員 まず企業者数で申しますと五十八年現在、五十一万四千企業者数ございまして、先ほど申しましたようにそのうちの十一万二千でございますが、約五分の一強ということになりましょうか。また雇用者数で申しますと、五十八年現在四百十七万人おりまして、そのうちの百五十八万人でございますので、それとの単純な比較でいきますと四分の一・五でございますから、三分の一強でございますが、ただ母数の建退共の加入資格の対象になる労働者は実際のところどれだけかということにつきましては、建設労働者の実態というのは必ずしも十分把握しておりませんので、この四百十七万人の方のうち約四分の三が、いわゆるブルーカラーの方かと思います。そのうちいわゆる期間労働者ということになりますとさらに人数が少なくなりまして、本来資格のある人のうちどれだけかということは、先ほど申しました三分の一強よりもっと多くなるのではないかと思います。
○瀬崎委員 つまり、いろいろこの制度の普及を図るための政策的な検討をする場合の基礎的な調査が極めていいかげんだということが、今の答弁の中にあらわれているわけですね。まず、どの程度普及しているかも正確につかめていないわけですよ。 問題は、一応建退共の被共済者というのが百六十万ほどあると言われた、これを対象に考えてみたいと思うのですよ。事業主が共済に加入するときには、労働者の名前を書いて提出して手帳を交付してもらうわけですね。この手帳は二百五十枚の証紙しか張れないわけですね。全体が埋まってしまえば更新することになっているわけですね。一日八時間働いて一枚で、八時間を超えて働き、その超過時間がまた八時間になれば一枚証紙を張る。その残業が翌日にまたがるような深夜の残業の場合ですと四時間で一日分の扱いになる、一枚の扱いになる、こういう仕組みでしょう。ですから、一人の労働者が普通、継続的に建設工事で働いておれば、少なくとも一年以内にこの一冊の手帳は証紙で満杯になっているはずだ、つまり更新をしなければならないことになると思うのですよ。 そこで、一応百六十万の被共済者が年に一回更新するとすれば、百六十万の手帳更新がなければならないはずだと思うのですが、実際の手帳更新状況というのは、昭和五十五年度が三十万六千六百八十九人、五十六年度が二十五万一千七百九十二人、五十七年度が四十五万一千五百四十四人、五十八年度が四十六万二千六百七十人と、百六十万人もの共済に入っている労働者がいるはずなのに、手帳の更新は年々ふえているとはいうものの、ざっとその四分の一強しかないわけでしょう。一体なぜこういうことが起こってくるのでしょうか。
○高橋(進)政府委員 手帳の更新等につきましては、建退共の方でその数を把握しており、また所管庁は労働省でございますので、今先生おっしゃったことについて正確には承知しておりませんけれども、おっしゃったようなことであるとするならば、それはやはり一つには現実に労働している日数が一年間にそれほど多くない人もいて、その結果一年に更新に至らない方も相当数おられるのではないかということも一つの要因かと思います。
○瀬崎委員 確かにそれは一年間まるまる建設業界ばかりで働いているとは限らないと思いますよ。それにしたって百六十万人の加入者がありながら、この一冊の手帳には二百五十日分の証紙しか張れないのに年間の更新が四十万前後しかないというのは、これはどう見てもおかしいと思うのだけれども、労働省見えているようですから、どう説明されます。
○山口説明員 先生御指摘の手帳の更新の数は、私どもでも先生のおっしゃったとおりと思っております。 その原因ということでございますが、ただいま建設省の局長の方からもお話がございましたような要因がかなり大きな部分を占めると思います。 ただ、先ほどの、この制度の普及率というのをどうとらえるかというこの問題が、その背景にあろうかと思います。いろいろな統計のとり方がございまして、一部については推計をせざるを得ないわけでございますけれども、私どもとしては、事業主の中でこの制度の対象となり得る中小企業の方々の中では、ほぼ四割程度の加入率になろうかというふうに思っております。しかし、四割ということでございますから、転々と労働していかれる中ではまだ加入してないところに行かれるというような方もあろうかと思います。 恐らく先生のおっしゃる御趣旨は、この普及の度合いがまだ足りないのではないかということになろうかと思うのでございますけれども、私どもとしては、これからも建設省等とも御連絡をとりながら、できるだけ多くの事業主の方々がこの制度に入っていただくということに向けて精いっぱいの努力をしていきたいというふうに思っております。
○瀬崎委員 問題は二つあると思うのですよ。確かに今言われたその転々と労働者が渡り歩く場合に、この共済に加入していない企業に勤める場合が出てくる。そうすると、証紙は張りたくとも、そもそも勤めている企業が共済に入っていないんだから証紙をもらえない、張れない、その部分もこの更新を少なくしている原因だと思いますね。 しかしもう一つは、ちゃんと労働者も加入している、勤めている企業もこの共済に入っているんだけれども、証紙がきちっと労働者に渡されないために張られない、そのために手帳の更新が非常に少なくなっている。このケースもあるのではないかと思うのですね。せっかく手帳を渡しておっても、証紙をきちきち張らなんだら退職金にはつながってこないわけでしょう。ここがきちんとなっているかどうか、これが今の労働省のお話でも推定でないとわからないというわけですね。これでは的確な対応は何ぼ通達を出してもとられるわけがないと思うのですよ。 そこで、我々も何でこんな大きな開きができるんだろうかと、ちょっと実態をいろいろ調べてみたわけです。例えば、まさにこの建設業界では最も近代的な力を持った企業であるはずの鹿島建設、これが都内の工事をやっていて、その現場の労働者にちょっと聞いてみたのですね。これはダンプの労働者なんです。その現場の事務所へ行って手帳を出して、証紙を張って消印をしてくれ、こう言ったら、その現場管理者、名前はちょっとここでは伏せますが、この手帳は一体何なんですか、この事務所には証紙などありません、私はこの制度をよく知りません、そんなばかなことはないじゃないか、本社に聞いてくれ、こう言って本社に問い合わせたら、証紙は本社に置いてあるから本社に来てくれればお渡しします、こういうことになっているんですね。鹿島においてもこんな状況。 それから、例えばこれは飛島、同じく東京都内のある高校の新築工事の現場ですね。ここも同じことです。現場の責任者に言ったら、建退共はすべて本社で扱っています、本社へ行ってください、本社のどこですか、多分労務安全部だろう。この労働者というのは下請の労働者なんですね。多分下請が直接本社に請求していると思いますから、ひとつ本社の方に聞いてみてくれ、自分の名前は本社に届けてあるんだろうか、各自の労働者調査書はつくっているから、多分それが本社に届いているだろうと思う。ところが、本社へ行って調べてみたら、その労働者調査書には、技能、資格、労災、健康管理の項目はあるけれども、建退共加入の有無あるいは手帳の所持の有無についてはそもそも項目がないわけですね。これは飛島建設なんです。こういう状況で、大手といえどもこの制度は眼中になしと言ったらよいような状況なんですね。 ですから、ここにごく最近東京都が調査した資料があるんです。これは砂町水処理センターの現場の実態調査なんです。五十九年の十一月一日から五十九年の十一月三十日までの調査で、鹿島建設の砂町作業所、十一月の延べ対象者数が二千百三十三人で、証紙の使用枚数は何とわずかに四百九十六枚、使用率は二三・三%。それから銭高組の砂町作業所、十一月の延べ対象者数が二千百六十五人、証紙の使用枚数は五百五十四枚、使用率はわずかに二五・六%、こういう実態が出てきているんですね。これは後でまた、何でしたら、必要ならコピーをお持ちいただいて結構ですよ。 現場の実態がこういう状況なので、これでは普及するはずはないと私は思うんですが、さて、こういう、少なくとも建退共にはまずまず入っているはずである大手の実態の調査を、建設省または労働省でやったことがあるんですか。
○高橋(進)政府委員 私の承知している限りでは、特段ございません。
○瀬崎委員 労働省も。
○山口説明員 先生おっしゃるような調査、特定の対象の事業所に対して延べ人員それから証書の貼付率というのを特に調べだということは、私の承知している限りではございません。
○瀬崎委員 全部の工事現場を調査するのは無理かもしれないけれども、サンプリング調査ぐらいならやる気があったらすぐできるわけです。我々でさえわかることなんですから、あるいは自治体に依頼してもできるわけですね。 建設省は、これは労働省と一緒ではなかったかな、四十五年四月六日付で「建設業退職金共済制度の普及徹底に関する措置等について」という計画局長通達を出していますね。そこには、「所管の公共工事について、」「工事費の積算にあたって建設業退職金共済組合の掛金に相当する額を予定価格に算入することとする措置を講じてきた」こう書いてあるわけなんです。 さて、現在この掛金に相当する額とは日額幾らになるんですか。
○杉山説明員 お答えを申し上げます。 一人当たり一日百八十円ということで考えておりまして、私ども公共土木請負工事諸経費等実態調査に基づきまして、この建退共掛金を含みます現場管理費につきましては、この現場管理費の中に所要の事業主負担当分を計上して積算することといたしております。
○瀬崎委員 今答弁のあったように建退共の掛金に相当する額、その負担金は発注のときにちゃんと公共工事の予定価格の積算に入れてあるわけなんです。いわゆる受注業者の負担にならないように、つまり政府が発注側の負担になるようにしてあるわけなんです。日額百八十円で算定してあるということなんです。 そこで、この通達によりますと、公共工事はすべてそういう積算になっているということなんですが、では昭和五十八年度の建退共の掛金が工事費の積算に算入されている公共工事の総額を大体幾らと見たらいいのか、お答えをいただきたいと思います。
○高橋(進)政府委員 先生の御質問の趣旨は、公共工事全体がどれだけであろうかという……(瀬崎委員「建退共の掛金の積算がされている公共工事の総額ね」と呼ぶ)はい。地方公共団体、国鉄、電電公社等を入れました広い意味での政府の建設投資につきまして、五十八年度におきましては十九兆五千五百億円程度と見込んでおります。ただ、そのうち管理費等も入りますので、直接工事費がそのうちどれだけかというのは若干少なくなると思いますが、一応公共投資額は十九兆五千五百億円程度と見込んでおります。
○瀬崎委員 じゃ、その中に総額において建退共の掛金額がどの程度含まれているのか、これが一つ問題になるわけです。先ほど日額百八十円として積算しているんだとおっしゃったんだけれども、それを今度は、歩掛かりとよく言われますが、工事費全体の中でパーセンテージで掛金に相当する率をあらわしたらどうなるかということなんです。これは建設省はなかなか明確にはお答えにならないので、我々もいろいろ参考文献を当たってみたわけです。 例えば、元会計検査院の職員であった藤田修照という方が「積算必携」という本を著していらっしゃるんですが、そこでは、この公共工事費に占める建退共掛金の比率は千分の三ないし千分の五、こう書いていらっしゃるのです。 さらに、その「積算必携」の第十三版、一番新しい五十九年版には、工事規模別費日構成一覧表が載っているわけです。それで見ますと、河川工事平均では建退共掛金の歩掛かりは千分の二・五、それから道路改良工事では千分の二、河川維持工事では千分の四・一、こういうふうな数字が出ているわけなんです。 そういうことから類推すると、少なくとも千分の二・五から千分の三、この程度の率で建退共の掛金は工事費の積算の中に入れられているのじゃないかと思うんですが、私の方の推定は当たってますか、当たってませんか。
○杉山説明員 ただいま先生の御指摘になりました率のことでございますけれども、建退共掛金の占める割合でございますが、総工事費とか工事の種別、こういうものによっていろいろ変えておりますけれども、おおむね千分の三程度というふうなものを計上しているとお考えいただいて結構かと思います。
○瀬崎委員 そうしますと、総額十九兆として千分の三を積算に入れているとすれば、総額五百七十億円はこの工事発注価格の中に建退共掛金分として発注者側が負担していることになっているわけですね。そこで、五十八年度実際に建設業退職金共済組合に納入されている掛金額は幾らだろうかと調べてみたら、これが二百五十七億六千五百四十九万五千円なんですよ。これは間違いないか、確認しておきたいと思います。これは労働省がな。
○山口説明員 私どもの方で建退共の方に五十八年度中に販売した証紙の販売額というのがございます。これによりますと、約二百四十六億ということでございまして、大体先生のおっしゃるような数字に匹敵すると思います。
○瀬崎委員 もちろん約二百五十億という建退共本部に納入された金額の中には、公共工事分だけではなく民間工事分も若干はあると思うのですよ。任意加入ではあるけれども、民間工事を請け負っている企業だってこの共済に入っていますからね。 しかし、それをちょっと無視しまして、この約二百五十億という数字はすべて公共工事分で建退共本部に納入された掛金だとして計算してみませんか。政府つまり発注者側が発注するときにこの掛金相当額として約五百七十億円を見込んでいるにもかかわらず、実際に企業が証紙を買って、つまり掛金を納入した金額は二百五十億ほどしかない。残りの三百二十億円というのは一体どこへ行ったのでしょうか。
○高橋(進)政府委員 先ほど技術審議官が申しましたように、そういった積算根拠に入れるべしという一般的な指導を行っておるわけでございますが、地方公共団体、市町村まで入れますと発注者は非常に数が多いわけでございまして、そこら辺の積算が現実に先ほど申し上げたような数字のとおりにされているかどうか、この点は実のところ正直言って不明確な点がございまして、そういう意味で今おっしゃったような数字を単純に比較できるかということについては、なかなか正確には申しにくいところがあるのじゃないかと思います。
○瀬崎委員 若干そういう部分があったとしても、きちっと通達を守っておれば五百七十億円がちゃんと積算の中に入れられたはずにかかわらず、実際に納付されてくる掛金はその半分以下だ。これはいかにも今の理由だけでは成り立たないのじゃないですか。どうでしょう。そんなにもたくさん出るのですか。
○高橋(進)政府委員 そこのところの割合が、具体的な数字がはっきりしませんので何とも申し上げかねるところでございます。
○瀬崎委員 大臣、これはよく聞いていただきたいのですが、この建設業退職金共済制度については加入の実態、加入者の手帳更新の状況、更新が非常に少ないという理由、そして今の公共工事の発注の中には見込んでいるにもかかわらず、その金額が一向に建退共本部の方に納付されていない実態についても、わからないので答えようがないと言うわけでしょう。こういう状況はどうごらんになりますか。大臣、これはほっといてもいいのでしょうか。
○木部国務大臣 今いろいろお伺いしてみますと、おっしゃるとおり、改善しなければならぬ、また、ある場合には究明しなければならぬ問題もあるかもしれませんが、少し時間をいただいて、正確な把握をするために全力を挙げさせていただきたいと思っておるわけであります。
○瀬崎委員 例えば発注者側で積算に入れなかった金額が百億あったとしませんか。五百七十億から百億引いて四百七十億でしょう。それでもたった二百五十億しか実際には証紙を買っていない。掛金を企業側は払っていない。差額は二百億以上残ってくるわけです。これは結果的には、本来労働者に渡るべきお金を工事を受注した企業が皆取ってしまっている、こういうことを意味するのではないかと思うのです。 だから、これは事は重大だ。一億、二億でも貴重な金なのに、百億単位の金が、せっかく政策的にこの制度普及のために発注価格に入れてあるのに政策目的どおり使われていない。これは放置できないと思うのですが、いかがですか。
○高橋(進)政府委員 ちゃんと積算しているかどうかということにつきましては、ちょっとくどいようでございますが、予定価格を設定するのは発住者の権限になっております。この予定価格をどう設定するかということにつきましては、建設省では積算の根拠にそういったものを見るべきであるということで指導しておりますけれども、現実の予定価格の設定に当たっては、中には地方公共団体等におきましては財政上の理由等で相当、いわゆる歩切りというようなことである程度切ってしまうというようなところもございます。そういったものが一体どれだけなのかということになりますと、そこは全然つかんでいない。しかし、先生の今おっしゃいます疑問の点もまたごもっともかなと思う点もございますので、今後ともまた労働省とも相談していろいろ考えてまいりたいと思います。
○瀬崎委員 私は先ほど言いましたように、各企業が建退共の本部へ掛金として納入した額、証紙を買った額と言いかえてもいいでしょう。これが約二百五十億が全部公共工事の分だと仮定してもと言っているわけですね。その中には当然民間工事分もあるわけですから、そういうものを考えれば、これはあなたが言われる発注者側が歩切りその他で建退共掛金分を無視したその分くらいはそっちの方の埋め合わせもあるわけですから、結果的には、言葉は悪いけれども相当この建退共掛金分は受注した元請企業が猫ばばしている、こう言ってもいい状態ではないか。もしそれに的確に反論するというならきっちり調べてから反論してもらいたいと私は言いたいわけなんです。 結局、大臣、建設業退職金共済制度というのは、ある意味では建設業界の特殊性に見合ったいい制度だと私は思うのです。だけれども、俗な言葉で言えば、仏つくって魂入れず。実際にはほとんど利用されていない。役に立っていない。お金だけはどんどん政府は出している、こういう状況なんです。これは改善しなければいかぬと思います。改善の具体的な問題は申し上げるとして、改善しなければならないという意識はおありかどうか、まず大臣に伺っておきたいと思います。
○木部国務大臣 建設業界が発展するためにも、また良質な労働力を確保するためにも、私は、おっしゃるとおり非常に大事な制度だと思っておるわけです。いやしくもこういう制度がやはりもっと発展していくということが、今申し上げますように業界全体にも、また社会の働く方々の福祉の向上にもつながっていく、そういうふうに認識をいたしておるわけであります。 したがって、先ほど私申し上げましたように、私も実は初めてでございまして、よく実態はわかりませんし、改善すべき点は、元請、下請、また建設省、また労働省、みんなが一丸となってそういう問題をいかに改善すべきであるか、そういう点のできる限りの指導その他はしていかなきゃならない、そういう点では先生の御質問の点と大きくかけ離れてはおりません。
○瀬崎委員 特に具体的な問題でいえば、まずやはり実態が把握されなければならないと思うのです。先ほど申し上げましたように、東京都の現場のサンプリング調査、こういうものを幾つかやれば大体の傾向はつかめると思いますね。まずそういうことをやるべきだと思いますが、どうですか。
○高橋(進)政府委員 労働省ともよく相談してまいりたいと思っています。現在中小企業退職金共済審議会で、労働省の方でもいろいろ検討されているところのようでございます。そういったことも考えながら、今おっしゃった実態調査につきまして労働省ともよく相談をして対応してまいりたいと思います。
○瀬崎委員 第二点は、中小企業退職金共済法というこの同じ法律の中にあって、一般の中小企業の場合ですと遡及適用があるわけなんですね。つまり、加入時点で、それ以前共済に加入してなかったとしても十年間は遡及して適用されるようになっておるわけです。ところが、建設労働者の場合にはその遡及適用がないんです。初めて証紙を張った日からでないと、それ以前にその企業が共済に入っているということがあったとしてもさかのぼれないんです。これはちょっと不公平だと思うのですね。 こういう点も、同一法律のもとでこういう不公平は余りよろしいことではないので、制度の公平という点でも改善が必要じゃないか、やはり建設の場合も遡及できるようにする必要があるのではないか。ただし、事情は大分違いますから工夫は要るでしょうが、いかがでしょうか。
○山口説明員 先生おっしゃいましたように、一般の中小企業退職金共済制度の中ではいわゆる過去勤務期間通算制度というのがございます。先生最後におっしゃいましたように、この一般の中退制度と建退の制度との違いがあるということをおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりでございまして、建退の場合にはまさに転々としていかれる場合の通算というものが認められているわけでございまして、その辺の違いが非常に大きいと思います。 先ほど建設省の局長の方からもお答えいただきましたように、現在中小企業退職金共済制度全体につきまして中小企業退職金共済審議会というところで御検討をお願いしているところでございまして、建退共の問題につきましても、加入の促進策なんかも含めましてこの審議会において十分検討されるものというふうに思っております。
○瀬崎委員 なお、その検討課題としては、これが強制加入でないために、渡り歩く場合、A社ではA社自身が共済に入っておった、そして次、B社に行ったらここは加入してなかった、ここで労働者は証紙がもらえなくなって、これが手帳に張れない期間ができできますね。また次、C社へ行ったらそこは加入しているからと、そういう点では労働者が非常に損をするという状況にあるので、こういうことも中小企業の実態も考えながら改善を必要とすると思いますね。 それから、これはそういう審議会をまつまでもなく政府自身で直ちにやれることとして、やっぱり労働者に周知徹底することがまず肝心だと思うのですよ。局長の通達にもそのことは掲示板出せとかなんとか書いてあるけれども、それで徹底せぬわけですね。 さて、周知徹底のために何考えていますか、今。
○高橋(進)政府委員 先ほど先生御指摘のありました四十五年並びに四十七年の通達におきまして、いろいろの措置を講ずるように言っています。今おっしゃった掲示板にするというようなこともございますし、また発注の際の指名に当たって建退共に加入しているかどうかというようなことも考慮に入れるというようなこと、あるいは下請業者に対しても元請から十分周知するようにするとかいうことを通達をしております。 今後さらに、そういった既になされておりますことも含めまして周知徹底の方法について検討してまいりたいと思います。
○瀬崎委員 具体的な答弁にはなっていないと思いますけれども、まあ時間の関係もありますからこれは終わりまして、次に琵琶湖の異常渇水の問題について質問したいと思うのです。 これは河本国土庁長官が私と同じ滋賀県の御出身ですから、私わからぬでは済みませんので、その点は御承知の上でお答えいただきたいと思うのですが、我々日本共産党は、昨年十二月十五日に、この上下流一緒になって相当大がかりな異常渇水状況の調査を行いました。そういうことも含めて国土庁長官並びに環境庁長官に二度にわたって対策の申し入れもしたわけですね。 その最大の我々の眼目というのは、今回の異常渇水で生じた事態というのは、水位低下が琵琶湖に与えるであろう影響の生きた証明だ。貴重な天の与えた機会として、その教訓を正しく調査研究、つかむことによって、今進められている琵琶湖総合開発事業による水位低下のいわば環境アセスメント的なものにしていかなくちゃいけないんだぞ、こういうことだったわけなんです。 ところが、そういう異常渇水がなお後遺症を残している中で、今年一月、水資源開発公団の残された事業、瀬田川しゅんせつとそれから瀬田川のバイパス水路建設に着手をしたわけでしょう。この時期にこういう工事を急いだのはどういう理由によるのですか。
○井上(章)政府委員 琵琶湖開発事業の計画に従いまして五十九年度の事業計画が立てられております。これに基づきまして、これは公団から建設省の近畿地方建設局に委託をしまして実施する事業でございますが、五十九年度予算にかかわる事業でございますので、その委託契約を結び工事を発注するという段階が来たからしたわけでございますが、なお琵琶湖の異常渇水につきましては、そのことに対応して行われたんではなくて、前もってそういう計画に基づいて実施されたということでございます。
○瀬崎委員 これはもっともっと早くから着手される予定だったものが延びておったのがことし一月から着手されたんですね。その節目になったのは一体何かと、こう聞いているんですよ。
○井上(章)政府委員 特に延びたということは伺っておりません。
○瀬崎委員 まあいいです。これは結局十二月に関係者の間の覚書が交わされたんです、県も含めて。そこにゴー信号が出された根拠があるわけです。この瀬田川しゅんせつが行われますと、公団の治水、利水事業はもうあらかた完了することになるわけです。ところが一方、治水、利水、保全の三本立ての保全の方はどうかといえば、五十八年度末の進捗率は、し尿処理施設が八六・二%とこれが進んでいる以外はべたおくれで、下水道四〇・三%、畜産環境整備施設四四・一%、水質観測施設一一・九%、ごみ処理施設五・九%、農業集落排水処理施設に至ってはわずかに三・八%。また自然環境保護でも都市公園一四・八%、自然公園が三五・二%、自然保護地域公有化三六・九%、軒並み半分にも達してないわけでしょう。こうした保全事業のおくれを放置しておいて公団事業だけを先行するやり方、これは結局は下流に対する利水拡大事業、つまり水資源開発が主たる事業なんだ、あとは少々おくれてもいいんだ、第二次的なもの、三次的なものなんだ、こういうことのあらわれではないかと思うのですが、いかがですか。
○佐藤(和)政府委員 琵琶湖総合開発事業全体の進捗率は五十八年度末で五二%でございます。確かに、先生おっしゃいますように個別事業間では進捗率に跛行性が見られます。例えば直轄河川のように一〇〇%完了している事業がある反面、ダム事業、港湾事業、それから先ほど御指摘の農業集落排水施設事業等についてはある意味では著しくおくれているわけでございます。それぞれ理由は、個別の事業の特殊な事情もございます。ただ、私どもといたしましては、計画期間内にこれら事業が完成するよう関係方面と協力しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 琵琶湖総合開発事業関係では、六十年度の予算編成に当たって琵琶湖総合開発特別措置法による補助かさ上げ九事業と一般高率補助四事業については、今回のいわゆる一律補助金カットの対象から外されたわけですね。ところが、同じ琵琶総事業であっても森林保安施設事業とか公園施設の新増設、自然公園事業、これは補助率削減の対象にされることになっているわけですね。何でこういう区別をしたのですか。
○佐藤(和)政府委員 琵琶湖総合開発事業に関しましては、この事業が近畿全体の水資源開発という国家目的を遂行するための代償的な措置であるということから、いわゆる補助金の一括整理法の適用を原則的に排除したわけでございます。ただ、先生御指摘のようにこの法案におきましては、治山、一部の治山でございますが、及び都市公園、それから自然公園の三事業につきましては、先回六分の一カットの適用を受けたことなどの経緯もございます。また、高率補助体系の基本的骨格を崩さないという観点から見てやむを得ざる措置ということで、今回十分の一カットの適用を受けるものとしたものでございます。
○瀬崎委員 そのカットした対象がすべてこういう水質保全にかかわるものであるという点も極めて重要で、そういう点でも保全軽視のあらわれだと私は思うのです。 そもそも、補助金カットの対象から外した、先ほど言った十三事業、これについても初め大蔵原案の段階ではカットの対象にされておった。これがその対象から外されたのは十二月二十八日の段階ではなかったかと思うのですが、どうしてこういう経緯になったのかを説明していただきたいのです。
○佐藤(和)政府委員 今回の一律カット法の適用を琵琶湖総合開発事業に対してするかしないかというのは、今ほどお話のございましたように財政当局との議論があったところでございます。ただ、私どもとしましては、先ほど申しましたように、この事業が、琵琶湖総合開発事業全体が近畿の全域にわたる水資源開発という意味での国家的な事業である、それのいわば代償的な措置として周辺整備ないしは今ほどお話がありましたように水質保全対策を行っているわけでございまして、そういう意味でいわば基本的に地元の滋賀県とのお約束、それからそういう性格上代償的な措置であるということで、一般的な一律カットの適用は妥当ではないということに合意を見たものでございます。
○瀬崎委員 問題は、一律カットの対象から外したからといって、では現在下水道にしたって何にしたって特別に現在のピッチが上がるかといったらそうでないわけですね。つまり当たり前の状態に戻ったというだけの話なんですよ。 しかも大蔵原案の段階ではカットの対象にしておいて、そうして大臣はよく御存じの十二月二十七日の政府――国土庁、建設省そして滋賀県知事、この三者の合意書、つまり昭和六十六年度までには下流に水を送るんだぞ、毎秒四十トン、これと引きかえに結局補助率カットを外す、経緯はこういうことになっているんじゃないですか。これは大臣答えてください。
○佐藤(和)政府委員 事実関係だけ。私と河川局長とそれから知事さんの合意メモは、日付は十二月二十七日でございます。ただ、これは先ほど河川局長もお話があったと思いますが、従来から本事業が総合的な事業であることで、滋賀県としては地域整備関連の諸事業の進捗という一つの地元の願望があり、これとしゅんせつ工事との関係が、県内及び水公団、地方建設局との間でいろんな議論をしていた結果を年末において収れんしたものでございまして、先生がおっしゃいますように、補助率カット法の議論はこれと全く別の観点で行われたものでございます。 私どもは、この話が出てまいりました時点は十一月くらいの時点だと思いまして、その以降財政当局のサウンドに対して先ほど申し上げましたような基本的な立場を表明して、原則的にそれが守り得たというふうに考えております。
○瀬崎委員 それならこれは大臣、考えてもわかるように、初めからこの補助率カットの対象から外しておくべきですね。大蔵原案では補助率カットの対象にしておいて、そうしてこの五十七年五月二十七日付、水供給時期についてのこの合意どおり六十六年度末までに下流に水を出すんだぞ、この覚書といいますか新たな合意書ができたその時点でこのカットを外してきたんですからね。 ということは、結局下流に水を政府の言うとおり出さなければ補助率はカットするぞ、出せば補助率のカットは勘弁してやるぞ、こういう一つの取引だった。これは地方自治体の自治をも損なうひきょうなやり方だと思います。しかも、特に保全の方の三事業はやはりカットの対象にした、これまた事実でしょう。 時間が迫っているので深い議論は後へ残すとして、環境庁が来ておりますから。 特に環境庁に我々が要望したのは、先ほど言ったように、まさにこの異常渇水は天が与えた生きた教訓だ、ちゃんとこの教訓を生かしてということで、そのとき環境庁の佐竹水質保全局長は、第一に、異常渇水による水質の変化については環境庁としての見解を出す、第二は、この異常渇水による生態系への影響についても環境庁の考え方を示す、第三は、この琵琶湖に関する水質保全計画は異常渇水の教訓を反映させたものにする、こう答えたわけです。 さて、この三つについて今具体的に何をやっていますか、簡単に答えてください。
○小林説明員 琵琶湖の水位低下に伴います水質への影響につきましては、現在悪化したと認められる状況には至っていないと聞いておりますが、水質保全の立場から重大な関心を持ち、関係者の間で情報の交換を行い、現状の認識を深めるとともに、学識経験者の意見も聞きつつ、取り組みの留意点について整理をするとともに、水質の状況を注意深く見守っているという状況でございます。これらの検討結果も踏まえまして、湖沼水質保全法の計画にも反映させていきたいというふうに考えております。
○瀬崎委員 全く去年十二月に開いた話と何にも変わっていないので、何にもしていない、そういうことかなと思ったりします。 最後に、通産省に来ていただいておりますので、一問だけ聞いておきたいと思います。 この間予算委員会の方で、日環グループがセンチュリー21という一種のアルミでつくったテラスハウスを販売している、これが割賦販売法に基づいて行われているのだけれども、去年の十二月一日以降の契約であるにもかかわらず、クーリングオフ期間を四日とする文書で契約を結んだ、これは違法ではないのかということを質問して、調べてみるという話だったけれども、調べた結果と、それから、どういう行政指導を行うのか聞いておきたいと思います。 建設省に対する質問もあるのだけれども、それはきょうは時間の関係で略して、この一点だけ聞いておきたいと思います。
○糟谷説明員 御説明申し上げます。 ただいま先生がお話しになりましたように、割賦販売法は昨年改正されまして、昨年の十二月一日以降はクーリングオフ期間が四日から七日に延長されているのでございます。したがいまして、契約をする場合には、そういう新しい法律に対応した書面で契約をするというのが原則でございます。 ただ、先生御指摘の件につきましては、確かに旧法時代の契約書面が使われているわけでございまして、私ども、こういうことは本来はあってはならないことだと考えておりますが、ただ、改正後間もないということもございまして、こういう一部の企業におきましてどうしても改正前の契約書を使わざるを得ない場合には、それに別途の書面をつけまして、その書面の中で、消費者保護は新法によって行う、したがって、クーリングオフ期間は書面では四日になっているけれども、実際は七日間クーリングオフ期間で保護されますということを添付するように、こういうことにしておるわけでございまして、もしもそういう書面がついておれば、クーリングオフ期間七日間というのは一応そのまま有効である、こういうことに考えております。 ただ、その書面がついていたかいなかったか、その点私ども、ちょっと確認ができていないということでございます。
○瀬崎委員 では終わります。
○保岡委員長 清水勇君。
○清水委員 この間、両大臣から所信の披瀝がございました。きょうは、その所信との関連で若干お尋ねをいたします。また、時間の関係等で足らざる点は後日さらにこれを掘り下げたいというふうに考えておりますので、まずその点を申し上げておきたいと思います。 さて、大臣は、特に建設大臣は、所信の中で、道路財源の確保であるとかあるいは財投であるとか臨時特例的な措置としての高率補助率の引き下げ等の措置を通じて前年度を上回る事業費の確保に努めた、こういうふうに淡々と述べられておりましたが、私はこの中で非常に奇異に感じたことがあるのです。 ということは、いわゆる高率補助金の一律カットの問題をめぐっては、同じ政府部内でも自治省等が大変に反発をしている。とりわけ、地方六団体等は御承知のように強い反対の態度をとっている。公共事業と非公共事業を合わせて約五千八百億という負担が地方に転嫁をされる。そこで、なるほど名目的な事業量というものはふえるのかもしれませんが、ただでさえ財政的に困難をきわめている地方団体の場合、非常に頭の重いというよりも、切実な意味合いで深刻な事態を迎えているわけでありますから、どうもそういう補助率の一律カットの措置というものの実現のために大臣以下建設省が努力を尽くしたというようなニュアンスの所信については、私はいささかいただけないので、この点の真意を改めて承りたい。
○豊蔵政府委員 私から、大変僭越ですが、経緯を若干御説明を申し上げたいと思います。 昨年の八月、六十年度の概算要求を各省がそれぞれするに当たりまして、いろいろ問題がございましたが、私どもといたしましては、やはり今まで長年の間に公共事業の推進のため必要な補助率を設定した経緯にかんがみまして、これらの高率の補助率につきましての引き下げは非常に困るということで、一切要求段階ではいたしておりませんでした。 しかしながら、その後十二月までの間におきまして、国の財政事情は非常に厳しい、各省関係の事業押しなべて若干の補助率の引き下げをぜひしてもらいたいという財政当局の要望もこれまたあったことも事実でございます。 それで、政府全体としてどうするかということになったわけでございますが、こういう財政事情の中、やむを得ない臨時特例の措置として、一年を限って高率補助率についてのおおむね一割削減というのを実施せざるを得ないという段階になりました。 しかしながら、一般的にそういうふうに補助率を下げたといたしますと、国費がそれだけ減ることになりますが、私どもとしてかねてから社会資本の整備の必要性を強く主張しておりましたものですから、その減るべき国費を減らさないで公共事業に充当する、その反面、補助率の削減分が公共団体の負担になるという問題があったわけで、この点について私どもは、非常につろうございましたが、財政当局と自治省、皆さんとの御相談を通じまして、これに対しましては、臨時の特例債等々地方財政対策は十分に講ずる、こういったようなことが講じられたという前提に立ちまして、そういう中であるならば、事業費の拡大ということをかねて主張しておった我々の立場からして、次善、三善の措置としてやむを得ないものとして受けとめた、こういうような経緯があったことを御報告させていただきます。
○清水委員 今官房長からそういう釈明があったわけですけれども、しかし、この間の木部大臣の所信によりますと、いかにも臨時特例的な措置を通じて事業量あるいは事業費の確保のために努めた、こういうことを言われているから、僕はけしからぬ話じゃないのか、こういうことを今申し上げたわけであります。 また同時に、例えば起債なら起債という形で地方団体には面倒を見てやるよ、そこで何とか、最善とは言えないが次善三善の策として許されるのではなかろうかというような御意向が今ありましたけれども、起債というのは借金なんですから、必ず返さなければならないわけですから、地方団体としてはやはりそうした措置に対して強い不満と反発を依然として抱いているわけです。だからそういう点では、率直に言って極めて遺憾な事態である、こういうふうに建設省自身もあるいは大臣自身もこれは受けとめられてしかるべきなのではないか、これが一つ。 それから、いま一つは、例えば建設省の関係分というのは一体どのくらいになるのか、これもこの際明らかにしていただきたいのであります。あわせて、今官房長は、一年限りの臨時暫定的な措置である。こういうふうに言われた。しかし、これは予算委員会でも議論のあったところですけれども、現に行革特例法は三年限りの措置である、延長することなどは考えていないと言いながら、今国会に一括法案でこの延長を提案をしている。こういうことを思い合わせて考えて、果たして一年限りの措置なんだという保証があるのかどうか、この辺のところを明らかにしていただきたい。
○豊蔵政府委員 まず最初に、私どもの関係の事業費及びその削減によりましてどのような国費が減るかといったようなことに関連して数字を申し上げます。 今回の高率補助の負担率の引き下げによりまして、そのまま国費を仮に減らすといたしましたならば、約千八百二十億円というものが削減対象国費となるというふうに考えられます。ただ、先ほど申し上げましたように、これを削減しないで事業費に投入するというようなことをとりますので、その結果といたしまして、全体として事業量は三千二百二十億円ばかりふえる、このような結果となっております。 それから、地方財政対策につきましては、私の方が所管ということでなかったので省略させていただきましたが、単に起債の措置といったような点だけでなくて、その元利償還金につきましても所要の地方交付税上の措置が講ぜられるというふうに伺っておりますので、その点を御報告させていただきます。 なお、今国会におきまして、予算とそれから関連の補助率のカットにつきましての法案を提出させていただいておりますが、それにおきましては一年ということになっておりますので、私、先ほどの御報告ではそのようなことを申し上げました。これは大きな財政問題としてまた別途あるかと思いますが、現段階におきましては、この法案につきましてそのような措置になっておりますので、これでお願いを申し上げたいと思っております。
○清水委員 事業量ベースで見ると三千二百億ふえる、これはそのとおりです。けれども、これはそれに見合うまた自治体の負担というものがついて回るわけです。それで今官房長は、単に起債のみならず交付税といった面で交付金という面で面倒を見ていると言うが、これは私も承知をしているのです。しかし、その上なおかつ、いずれにしても結果として地方団体が背負わなければならない、つまり財政負担というものがついて回るわけです。これはどこの委員会で審議をするかということはこれから先のことですから、またそのことについては別途論議をいたしますけれども、少なくとも建設省としては、さっきお話しのように次善三善の措置として認めてもらいたいというような発想は、私としてはちょっといただけない。やはりもうちょっと前向きに今後において対応をする、地方団体に対して十分な配慮が払われなければならない、こういうことを注文をしたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○木部国務大臣 先ほど官房長から申し上げたとおりでございますが、決して私は何も胸張ってこれこれしかじかであるということを申し上げたわけではございませんで、私どもはこの一律一割カットという問題につきましては、実は大変な苦心をし、また主張すべきことは主張いたしまして、そして財政当局とも打ち合わせしまして一年限りだという確認の上に立っておるわけでございまして、予算は抑制されていますが、いろいろ財政当局が地方自治体についてはそれぞれの手当てはするというようなことで私どもはこういう措置に応じたことでございまして、確かに予算的には抑制されておりますけれども、事業費全体を考えてみれば多少の増というものはあった。それを効率的、効果的にこれから執行してまいりたい、これが私どものむしろ大きな使命である、そう私は判断いたしております。
○清水委員 そこで、少し具体的なことに触れながらお尋ねをしていきたいのです。 そういう前提に立ちながら、例えば道路財源等についても一定の確保をしてきた、こういうふうになっているわけでありますが、これは釈迦に説法ですから多くは申し上げませんが、道路というものを考える場合に、例えば国土の均衡ある発展を図るという観点から見てまさに重要な公共施設である。したがって、そういう基本的な道路という施設について、特に国土の均衡ある発展ということを前提に考えた場合、今現に国道の整備、県道の整備、市町村道の整備というものを見た場合に、整備率に格段の格差がうかがわれる。また、地方なり県なり地域なりによって、同じ国道であっても整備率の上で大変な格差が存在をする、こういうことがはっきりしているわけです。 そこで、いみじくも言われているような財政制約下という状況のもとでなお国土の均衡発展を促すという立場で道路行政をどういうふうに進めるかということを考える場合、まず基本的に言って、いわゆる整備率なら整備率という角度でのとらえ方でもいいと思いますけれども、全体として判断をするに、進んでいるところ、おくれているところというのは残念ながら現実に存在するわけですから、そうだとすれば、財政制約下においてなおかつ均衡ある発展を図っていくためには、当然のこととして、財源配分について一つの工夫があってしかるべきではないか、こういうふうに私は思わざるを得ないのですが、この点はどのような理念で六十年度における道路財源の配分というものを考えているか、お聞かせいただきたい。
○田中(淳)政府委員 先生御指摘のように、道路は地域住民の日常生活及び経済活動に欠かすことのできない最も根幹的な交通施設であり、またその整備に当たりましては、日常生活の基盤としての市町村道から国土構造の骨格を形成いたします高速自動車国道に至る道路網を計画的に整備することが必要であるともちろん考えております。 具体的に申し上げますと、例えば高速自動車国道の法定予定路線七千六百キロメートルが完成し、これに接続する一般道路を適切に整備することにより、国土のほとんどの地域からおおむね二時間以内で高速自動車道を利用することが可能となる、そういう大目的が一つございます。 それから、そうはいいましても先生御指摘のように、現実に県によりまして非常にアンバラがあるのも事実でございます。御案内のように、我が国の本格的な道路整備の歴史は昭和二十九年の第一次道路整備五箇年計画発足以来まだ三十年でございまして、ようやく成年になったぐらいのところでございまして、私たちが目標といたします整備水準のせいぜい半分程度に達したにすぎないのが現状でございます。また、地域間の道路整備水準は各地域の社会的条件あるいは地形的な条件等の差異によりまして多少の差が見られるのも御指摘のとおりでございます。 昭和六十年度道路整備予算の箇所づけに当たりましては、その地域の実情を的確に把握しつつ、その格差をできるだけ是正し、国土の均衡ある発展を図るように努めてまいりたい、かように考えております。ただ一年間だけではなかなかもとへ戻らないと思いますが、長い目で見ていただきたいと思います。 以上でございます。
○清水委員 今局長からアンバランスの是正、現実に存在をする格差の是正という点に配慮を払いながら箇所づけ等に努めたい、こういうふうにおっしゃられたわけでありますが、これは非常に基本的な意味で重要なことでありますから、厳にその初心を貫いていただきたい、まず希望を申し上げておきたい。 さてそこで、これは具体的な一つの例を申し上げた方がわかりやすいのだと思うのです。私、長野県なのですけれども、実は国道の整備率で言えば、今から六、七年前は全国四十三位というような非常に劣悪な状況なのです。やかましく指摘をしたり、また皆さんの方でもそれなりの配慮と努力を払われながら今ようやくにして三十六位とか七位とかというような水準に格差をやや縮めることができたかもしれない、こういうふうに私は見ております。だがしかし、全体としてのおくれは覆うべくもない。したがって同じ国道であっても随所に危険箇所が存在をする。その具体的な一つのあらわれが、例えばこの間の国道十九号線における大安寺橋のバス転落事故という形で立証されてしまった。 これは河川局長にも関係があるかもしれませんが、昔の橋というものはできるだけ安く仕上げようとするから道路に直角に橋をかける。あの大安寺橋なんというのはまさに直角なんです。ですから、よほど注意をしていても路面が凍結をしているというような場合にはああした事故が起こりやすいという環境にある。だから事故にならないように頑丈なガードレールをつけているわけですけれども、物体によってはガードレールでカバーができないという状況があって、ああいう悲惨な事故が起こったわけですね。あの事故が発生して以来、私も建設省の方へ速やかに橋の供用が開始されるようにいろいろと注文をいたしまして、例えば大安寺橋六十年度中という予定であったものを少し繰り上げる、少なくとも十二月までには何とかしよう、こういうことになったのはいささか前進だと思うのです。ただしかし、ああいう山間地ですから十二月ということになればもう雪が降り、あるいは路面が凍結をする。ですから、そういう事態になる以前の、せめて十一月なら十一月というような秋口をめどにさらに一段と努力をして危険箇所の除去に当たってもらう、こういうことが一つ必要だと思うのです。 それから、皆さん現地の状況にも通暁されておられると思いますけれども、この大安寺橋のすぐ下に明治橋という同じ条件の橋がある。そこからやや離れたところに両郡橋という橋がある。全く大安寺橋と同じ危険な状況なんです。だから大安寺橋が新しい橋にかけかえられればそれで済むという話ではなくて、次々にそうした事業が必要とされるという状況に置かれている。ところが現実的には財政の制約がある。心に思うけれどもなかなか着手ができないといったようなことが現実にはある。ですからこの際、そうした危険箇所の改善、解消のために重点的な財源配分等が行われる。仮に地域的にやや進んでいるような府県等の場合には一歩待ってもらっても、そういうところへ重点的に配慮を払う、こういうことが少なくとも財政制約下といったような事態のもとでは必要なことではないか。(「傾斜配分」と呼ぶ者あり)今こっちから話がありましたが、それを熟語で言えば傾斜配分というわけだ。いかがですか。
○田中(淳)政府委員 まず全国の道路の整備状況と長野県の整備状況でございますが、先生御指摘のように長野県は必ずしもいい状態ではございません。 ただ、これは先生の前で非常に言いにくいのでございますが、わりかし長野は道路に対する反対が多うございまして、具体的に申し上げますと、例えば諏訪バイパスも、昭和三十九年に都市計画が決定しておりましてもいまだにできておりません。先生も御案内だと思います。それから高速国道の長野線、これは長野出身の亡くなられました青木一男先生が大将で一生懸命やられたのですが、塩尻とかその他いろいろルート反対があって、最近になってようやくできるような状態でございまして、そういう歴史的なこともございますが、最近は非常に道路がおくれてきまして交通が――空港は松本空港ができますけれども、これも大分先の話で、はっきり言いますと長野県の知事さんが東京にいらっしゃるのに一番時間がかかるそうでございます。そういうことで、最近は道路に対する御理解が深まってきましたので、少しは過去のおくれを取り戻すような状態になってきたのは事実でございます。 それから先ほどの大安寺橋のバスの転落事故でございますが、御案内のように国道十九号線は主として山岳部を走る路線でございますために全般的に線形が非常に厳しゅうございます。これは先生御案内のとおりだと思います。それから橋が川に直角につってあるのも事実でございます。 そういう状態でございますので、道路管理者としましても、従来より交通安全施設の整備、線形の改良などに鋭意努力を行ってきたところでございますが、当該箇所すなわち大安寺橋のところ、事故現場付近には非常に危険を予想しまして先生御指摘のいわゆるA級のガードレール、高速道路用のガードレールでございまして、普通の一般国道よりも強いガードレール、それから各種の標識、線形がこうなるとか、あるいは滑りやすいとか、いろいろな警戒標識等の交通安全施設も十分に整備されておりまして、道路管理上には万全を期していたところでございまして、事実当該箇所の事故率、いわゆる億台キロ当たりの事故率というのがございますが、これは十九号線の中でも少ない方でございます、数字は控えさせていただきますけれども。 しかし、非常に痛ましい事故が起こりましたので、このような事故を繰り返さないように、レジャー客輸送バスに係る交通事故の防止対策につきまして、関係五省庁で申し合わせを行って、建設省におきましても本申し合わせによりまして、レジャー客輸送バスに係る交通事故防止対策の実施についての通達を出し、道路管理の適切な運営に努めるよう指導したところでございます。また、先生の御指摘の大安寺橋のかけかえ工事でございますが、現在上部工の架設中でございます。できるだけ早くやりたいと思いますが、秋というのはちょっと工程上非常に無理でございまして、今のところ、もちろん努力はいたしますけれども、せいぜい十二月の初めか十一月の終わりというふうでございまして、もちろん一生懸命努力はいたします。 それから、先ほど具体的に御指摘になりました残り二橋、やはり余り線形がよくない二橋がございます。これも六十年から一橋に取りかかりまして、それからさらにもう一橋は六十一年から漸次取りかかっていきたい、そういうつもりでございます。急にすぐやれと言われましてもそこだけやるわけにいきませんので、その点よくお含みおきいただきたいと思います。 以上でございます。 〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
○清水委員 そうすると、確認をいたしますが、大安寺橋について、できれば十一月下旬ごろには何とかしたい、完成をさせたい。残り二橋については、一橋は六十年度から、もう一つは六十一年度からそれぞれ着手をしたい、こういうことですか。
○田中(淳)政府委員 先生のおっしゃいます着手という意味は、まずその橋梁をかけるためにはいろいろ調査しなければなりませんね、すぐには工事できませんので。ボーリングとか土質調査とか、そういう意味の調査費をつけて、それからいわゆる――調査費をつけることの意味を含めて着手とおっしゃれば、先生のおっしゃるとおりでございます。
○清水委員 私も多少その辺は知っているつもりですから。着手というのは調査費をつけていよいよ本格的に新橋のかけかえにいわば入っていく、こういうことを聞いたつもりなんですから、その辺に認識の違いはないと思うのですが、六十年度一つ、六十一年度一つ、こういうことでいいんですね。
○田中(淳)政府委員 そのように考えております。
○清水委員 そこで、時間の関係があるものですから、実はオーバーフロー分の一部を入れて緊急地方道路整備事業、具体的な構想を聞かしてもらいたかったわけでありますが、きょうはちょっと時間的に無理がありますから、これはまた改めて質疑をしたいというふうに思います。 そこで、次に河川対策といいましょうか、治水対策について少し触れたいのでありますが、いずれにしても昔から、山を治め水を治めるは政治の要請と言われてきている。我が国の国土というものは、どちらかというと自然の脅威に対して非常にもろいというか弱いというか、そういう体質を持っている。だから治山治水の対策、急傾斜崩壊といったような対策、要するに弱い体質に対し、保全施設を整備をする、こういうことが強く求められているんだというふうに思いますが、実はそういう立場で今第六次の治水事業五カ年計画というようなものが進められているわけであります。これは河川局長に聞いた方がいいと思うのですが、どの程度の進捗状況になっているか。
○井上(章)政府委員 第六次治水事業五カ年計画は、昭和六十年で第四年目に当たるわけでございますが、累積進捗率はそこまでで六二・四%ということになります。
○清水委員 そこで、我が国の堤防というのは、よく五十年堤防とか一時間に五十ミリの雨量に耐え得るとか、そういう形で設計をされ整備をされてきている、こういうふうにしばしば言われるわけでありますが、しかし最近の例えば三年なら三年、四年なら四年という経過を振り返ってみればお互いにわかるように、そうした五十年堤防と言われるものが毎年のように大洪水を来し、連年災いを引き起こす、こういうような状況が現にあるわけであります。 それで、私はいろいろ考えてみるのですけれども、例えば一つの河川、主要河川というものを想定しながら、そこへ流れ込む各中小河川、支川がある。昔は紆余曲折をしていまして、相当の雨が降っても、本川に入り込むまでの間に半分くらいは紆余曲折の状況の中でいわばそれぞれの地面に浸透するというようなことで、本川へ入る量というものはある意味で少なかったということが指摘できるのだろうと思うのです。最近は中小河川が整備をされる、整備をされるということは結構なことですから、さらにやってもらわなければならないわけでありますが、そうなると、一気に例えば本川に流れ込む、あるいは河川の流域、工業化が進んだり宅地化が進んだり、また一面では、山では過伐が行われたり、政府の減反政策の影響が甚だしくあらわれて水田がどんどんと壊廃をする、つまりある意味で言うと、貯水機能等々がそういうものを通して相当失われている。だから川の流れというものが著しく変化を来している。本川に流れ込む量にしても著しく変化をしてきている。 ところが河川改修計画というものは仮に旧態依然であるということになれば、いわば新しい変化に対応のできる河川ということが言えない状況があるのではないか。だから、そうした意味でさまざまな変化というものがこの間に起こっておるわけですから、それに見合う改修計画の見直しといったような作業が現に進められつつあるやにも承っているが、どうもはっきりしない。そこで、河川改修計画をこの際抜本的に見直して、今流域住民はまさに不安と背中合わせで生活を余儀なくされるというような状況があるわけですけれども、これから解放する、俗にいう、まくらを高くして休めるような状況を整備する、このことが非常に重要な時期じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○井上(章)政府委員 治水施設の整備にかかわる長期計画ということになりますと、河川法に基づく工事実施基本計画の策定がございます。すべての河川はこの工事実施基本計画によりまして、それに基づいて治水施設の整備を進めておるということでございます。 ただいま先生からお話がありましたように、五十年堤防でありますとか、あるいは時間雨量五十ミリというようなお話も、実はこの工事実施基本計画に到達する段階的な施行の過程におきまして、いろいろ私どもは、戦後最大洪水でありますとか、あるいは中小河川におきましては時間雨量五十ミリ相当の洪水に対応するように整備する、これは当面の目標として置いておるわけでございます。したがいまして、この当面の目標に対して整備が完成いたしましても、当然それを超えるような、それを上回るような洪水の発生の可能性は常にあるわけでございます。したがって、いかなる洪水に対しても十分対応できるということにはならないわけでございます。 それに加えまして、ただいま先生からお話がございましたように、流域開発あるいは支川の整備等を含めまして流域の影響を非常に受けまして、河川そのものの相対的な治水安全度の低下が起こるということがあるわけでございます。したがいまして、私どもはそういったことにつきましては、常に流域開発等の変化に対応して河川の整備が行われますように、計画も見直しますし、あるいはその計画に基づいて事業を実施するに当たりましても、そういったことを常に念頭に置いて進めておるわけでございます。 千曲川におきましては、五十八年に直轄河川としては非常に大きな災害を受けまして破堤したわけでございます。これも翻って考えますと、この堤防は大正十年にできたわけであります。今日まで実は全くそういった溢水、破堤等の災害を受けなかった、ところが五十八年にあの洪水によりまして一遍に破堤したということでありますから、その間の千曲川沿川におけるさまざまな流域の変化がやはりそこへ集約して起きたということも言えるわけでございますので、私どもといたしましては、そういったことが再び起きないように、あの破堤した箇所につきましては激特事業等によりまして、このたびの洪水を対象にして十分対応できるような堤防につくりかえるという作業を進めておるわけでございます。 こういうような形で逐次河川全体の治水機能を向上させていくということが私どものとっておる一般的な方法であるわけでございます。何とぞ御了解いただきたいと思います。
○清水委員 鋭意取り組んでいただいていることは私も承知をしているわけであります。 今、千曲川というお話が出たものですから私の方からもちょっと申し上げると、例えば五十七年、五十八年、その前にも五十六年に御承知のように支川である須坂市の仁礼というところでの大災害も続いているわけなんですが、ずっと当時から歴史的に振り返り、また現実について分析を加えてみますと、例えば、かつて、千曲川の源流に近い佐久地方から、連年災に直面をした例えば長野市の松代という地区がありますが、この箇所までの川の流れといいましょうか、約十三時間かかったと言われているわけです。だから、佐久方面、上流で相当な雨が降る、それが下流の松代地区に到達をするには約十三時間くらいかかった。ところが、最近は七時間くらいでやってくる。ですから、例えば松代の上段のところに菅平というところがある、この地方で豪雨がある、蛭川とか藤沢川という中小河川へ流れ込む。昔はこれが本川に流れ込んで、それから後、佐久の方から流れてくるのですから、あの松代地区なら松代地区というところが湛水に遭って民家という民家が端から二メーター近く浸水を受けるなんというような事態はなかったわけですが、今は、水門を先に閉めて本川に川が流れ込むことを防がざるを得ない。本川から逆流するというようなことになればなお大変ですから。 説明が下手で恐縮ですけれども、そういうような変化というものが現に起こっているわけですから、引き続きそういう点に留意をして、抜本的な、例えば千曲川の改修計画の見直しなりあるいは追加なりといったようなものも行われなければならないのじゃないか。 例えば無堤地区が現実に四分の一近く存在をする。無堤地区はもうほとんど危険箇所と言わざるを得ない。だからこういう無堤地区の解消を図る。これは相当な費用を必要とする。あるいは川の流れが直角に曲がる水衝箇所があるわけですが、こういうところの堤防が軟弱である。これも当然補強されなければならない。あるいは護岸が老朽化している。こういうようなところが随所にあるものですから、これは全国至るところと言っていいくらい似たような状況にある河川があると思います。思いますが、やはりこれも、今局長が言われるように重点的、前向きに取り組む。無堤地区の解消とか老朽化した護岸を補強するとか、こういったようなことも、千曲の話が出たからあえて申し上げたわけですが、第七次千曲川改修計画というのがありますが、これに追加をする、こういったようなことが必要なんではないのかと思うのですが、いかがでしょう。
○井上(章)政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、千曲川本川は五十六、五十七、五十八と連年のように災害を受けたわけでありますが、実はそれまでは非常に安定したといいますか、昭和三十四年に大きな洪水がございましたが、それ以後さしたる被害のなかった河川でございまして、にわかに三年連続の大きな被害を受ける結果になったわけでございます。その間改修は進めてまいったわけでございますが、ただいま先生からもお話ございましたように、例えば洪水の到達時間が非常に早くなっております。これは、河川改修で河道を整正いたしますと川の流れはよくなります。そうすると結局洪水の到達時間も早くなる。流域内を時間をかけてあっちこっち滞留しながら流下すると、洪水の流下時間がかかる、こういうことでございますので、やはりそれは、流下時間を早くするということもまたそれぞれ支川の洪水被害を低減するというようなことの結果としてあらわれるわけでございますから、一概にまた非難できないことでございます。 したがいまして、そういった流域変化に対応して常に計画を見詰め直して、それに的確に対応できるような改修を進めていくということに尽きるのではないかというふうに考えるわけでございます。私どもも、千曲川につきましてはこういった災害の経験にかんがみまして、五十八年九月の台風十号でございますか、これの出水規模の洪水を安全に流下させるような計画に改めまして、それに基づいて積極的にこれから改修を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○清水委員 この点は、今お答えの方向で鋭意積極的に努めていただきたい、こういうふうに要望申し上げておきたいと思います。 さて、国土庁長官もおいででありますから、所信に触れて若干お尋ねをいたします。所信の中でたくさんのことが言われておりますが、時間の関係で地域振興対策の推進に限定をしてお尋ねをしたいわけであります。 さっきも国土の均衡ある発展のために云々という論議をいたしましたが、まさに国土庁はそういう立場で仕事を進めておられるのだろうと理解をいたします。その場合に、これは言うまでもないことなんですが、例えば山間辺地であるとか豪雪地帯であるとか、つまりハンディキャップをしょっている地域というのがございますね、こういうところはもう言うまでもなく自主財源が乏しい。だから従来でいえば、過疎法に基づく過疎債であるとか辺地債などというものを活用しながら地域の振興を図る、環境の整備に当たる、こういうことであったと思いますね。ところが、行革特例法を通じてかさ上げ分が御承知のようなカットをされる、さらに今回高率補助の一律カットというような状況にぶつかる。こうなりますと、力の弱い過疎地域などの自治体は何とかしたいと思ったって財政負担に耐えられず、残念ながら思うような事業が遂行できない、こういう状況があると思うのです。 そこで、まず基本的に今私が申し上げたようなハンディキャップ地域、過疎地域というふうに言いかえてもいいし、豪雪地帯と言いかえてもいいけれども、とりわけ過疎振興法等を通じて――これは延長後もう五年終わるのでしょう、六十年度からは後期、残りの五年という期間を迎えるのだろうと思いますが、長官も、長官の選挙区にもそういうところがあるはずですから認識をされていると思いますが、やはり過疎地域について言えば、人口の流出が依然としてとまらない、歯どめがかからない、次代を背負う若者が定着をしない、こういう事情がある。前途暗たんたるという状況だ。 そこで、そういう点に思いをいたしながら、例えば地域振興対策を進めるために何を具体的に重点に置いて推進をされようとしているのか、まずお聞かせをいただきたい。
○河本(嘉)国務大臣 先生御指摘の問題、我が国の共通の問題でございますが、地域振興と申しましても、やはり働く場ですね、これを確保しなければ若者は定着しないという信念を私は持っておるわけでございます。 そういう意味におきまして、若者が滞留するような魅力ある地域と、まあ口ではそういうことを簡単に言えるのですが、具体的にはなかなか難しい問題だと思いますが、やはり根気強く、ハンディを背負っておられる地域に対しましては政府がやはり重点的に力を入れて、これだけ豊かになった日本ですから、私は過密過疎のアンバランスを是正するような政策を進めていくべきであるという考えを持っております。具体的にはなかなか難しい問題ですが、根気強くそれをやらなければいかぬ、そういう考え方でございます。
○清水委員 お話としては、例えば若者が定着をするような、そういう地域づくりを図る、就労の場が確保されなければならないから、そういう働き場所を何とか確保する、そうして、要すれば魅力のある地域をつくる、こういうふうに一口で言われるわけですが、どうでしょうかね、過疎振興法の延長後の五年が今終わろうとしているわけですが、五年前にも大体そういうことを当時の長官は言われているのです。しかし、現実には、いみじくも今言われているように若者が村に残らない、人口の流出もとまらない、新しい産業も興らない、農業はむしろ条件が悪くなる。つまり環境が改善をされたというよりも、むしろ当時よりも悪くなったのではないか、一体この村は将来残るのだろうかというところまでいっているところさえある。 ですから僕は、今後の五カ年の計画を立て、進める場合に、前期五年の反省というものに立ってこれが選択をされなければならぬと思うのですけれども、前期の五年についての反省というものを、大臣でなくても、担当の局長でも結構だが、ひとつお聞かせをいただきたい。
○河本(嘉)国務大臣 過去の動きをしっかりと見つめて反省して次の計画に取り組んでいくということは、これは歴史の必然でありますが、私は、何といいましても時代が変化し進歩していきますので、過疎地帯の村落でいいますと、やはり交通網とか情報網とか、すべて基盤をしっかりと整備して、距離がたとえあっても、働く場所が自動車で通勤できるとか、いろいろな手を講じてやっていかなければいかぬじゃないか。長野県、この間も私、エプソンという工場を見学したのですが、社長が非常に意欲的で、私はその話をしましたら、大いに長野県、非常に先端産業に性格的によく県民性が合っておるという話を聞きまして力強く感じてきた次第でございます。 何とか、過密過疎の問題は、これは政治課題でございますから、やはりこれだけ豊かになった日本としては、政府の手を差し伸べていかなければいかぬという考えでございます。そういうことによって若者も自然と定着するのではないかというふうに考えております。
○清水委員 時間の関係がありますから、もうちょっと本当は掘り下げて個々の計画等についても承りたいのですけれども、改めてまたそうした点で論議をさせてもらいたい、こう思いますので、せっかくひとつ決意に沿って努力を進めていただきたいと思います。 さて、そこで豪雪対策についてちょっと聞きたいのですが、例えば国土庁は今度、新規事業ということで克雪生活圏整備事業、こういうことをやるというわけですが、これは全国四カ所のモデル地域で実験的にやってみるということだけでは余り意味がない――意味がないというと失礼だけれども、特豪地帯だけでも二百八十もあるというような状況だと思いますから、したがって、いずれも例えば山深い豪雪地帯、あるいは上越地方のような場面も無論あるわけですけれども、集落の人人が共同で除排雪の仕事に当たらなければならない。好むと好まざるとにかかわらずやらざるを得ない。ですからそういうことを考えると、全般的にそういう豪雪地に対して特段の政策的配慮を払う、こういうことがなければならぬと僕は思いますが、その辺、どういうふうなお考えであるか。
○田中(暁)政府委員 先生御指摘の特別事業でございますが、克雪生活圏整備事業と申しますのは五十八年からやっておる事業でございまして、小学校区と申しますか、日常生活圏域におきます克雪活動のシステム化を図るという意味から、例えば克雪センターでございますとかあるいは屋根雪の処理施設、流雪溝、融雪溝の整備、こういった事業を進めておるものでございまして、御指摘のとおり四カ所ずつ毎年指定しておるわけでございます。六十年度からやろうと思っておりますのが特別豪雪地帯集落防雪体制整備事業というものでございまして、これは、特別豪雪地帯の集落を単位といたしまして、特に家屋周辺の雪処理とかあるいは集落内道路の交通確保というような目的のもとに、特に屋敷回りの除雪機械等々も補助対象にするというような考えで、これも四カ所六十年度から始めたい、こう思っておるわけでございます。 御指摘のとおり両方箇所数は新規四カ所ずつでございますので、少ないといえば少ないわけでございますが、我々といたしましては、これはいずれもモデル事業としてやっていくという考え方でございまして、六十年度からの新しい事業、特豪地帯に属する県は十五県あるわけでございますが、多いにこしたことはございませんが、モデルとしてはまあまあとりあえずこの程度でというように考えておるわけでございます。 なお、豪雪地帯対策の仕事というのは、今申し上げました、我々が直接手を下している事業というものはいわば特別事業、モデル事業でございまして、そのほか、最も基本的な道路網の整備等々の事業につきましてはそれぞれ計画を立てまして各省においてやっていただいているということでございますので、御了承いただきます。
○清水委員 時間もなくなりましたから、最後に一言申し上げて終わりにいたしますが、今の局長のお話、モデル事業として取り組む、その成果を他の省庁との連絡調整を通じてだんだんに広げていく、こういうことがなければ意味が半減すると思いますから、この点はしっかり各省庁とタイアップしてやっていただきたい。 それから、自治省から見えてますか。――私から改めて言うまでもないのですけれども、昨年末からの豪雪はかってないまさに異常豪雪。新潟県、上越へ長官もいらっしゃったようですけれども、私のところはあそこと背中合わせの飯山、下水内地方などというのがございまして、負けず劣らずの大変な豪雪地帯。先ほども触れましたようにいずれも自主財源の乏しい、非常に財政の逼迫をしている自治体が、例えば民生の安定とか産業活動の確保、あるいは、鉄道もとまる、道路も使えない交通麻痺というような状況の中で、除排雪等の事業に取り組まざるを得ない。予定外の莫大な経費を使ってそうした仕事に当たる、こういう状況があるわけです。 だから当然にそうしたものに対して特別交付税等で援助をする、あるいは、これは建設省の仕事だと思いますが、市町村道の除排雪等の地方に対する補助を行う、こういうことがなされていることはよく承知をしておりますが、どうなんでしょうか、ことしの特交について、そうした豪雪に見舞われた地方団体に対し、俗に言う傾斜配分の方法等講じながらできるだけ自治体の苦労に見合うような措置を講ずる、こういうことが払われてしかるべきだと思うわけでありますが、その辺どうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○木下説明員 豪雪に伴います市町村の除排雪経費につきまして特別交付税でどのように措置されているかということでございます。御承知だと思いますが、基本的には除排雪の経費につきましては普通交付税で算定しておりますが、これは一般的、標準的な経費として算定しておりますので、通常年に比べまして非常に雪の多い年におきましてはどうしても除排雪経費が普通交付税の額を上回って支出せざるを得ないということになるわけでございまして、その上回る経費につきまして特別交付税で措置することにいたしておるわけでございます。今御指摘いただきましたように、市町村におきましても特にそういう雪の多い市町村は一般的に財政的にも苦しい状況でございますので、この特交の中で適切に配慮してまいりたいと思っているところでございます。
○清水委員 具体的には今作業を進めていると思いますが、いつごろ決定をして交付という段取りになるのか、その時期的なことをちょっと。
○木下説明員 通常三月分の特交につきましては三月の中旬をめどに考えておりますが、今年度の場合には来週、三月十二日に交付決定したいということで、現在準備を進めておるところでございます。
○清水委員 終わります。
○中島(衛)委員長代理 木間章君。
○木間委員 しんがりでありますのでお疲れのところでございましょうが、もうしばらくお願いを申し上げたいと思います。 まず大臣に決意をお尋ねしたいのでありますが、昭和六十年度の中曽根政治の中心課題の一つに民間活力の活用、このように提案をされまして、その理由として内需の拡大、経済の活性化とあわせて税外収入の確保を図りたいと言われ、そして具体的には国公有地の売却を初め、空中の利用、公有水面の埋め立て、地下の開発などを目指しているのは御案内のとおりであります。そして建設大臣も所信の中で、都市再開発、住宅宅地供給等民間活力の活用を図ると表明されているのでありますが、改めてお尋ねをいたしたいと思います。
○木部国務大臣 私ども建設行政を推進する面で一番大きな柱が三つございます。その一つは都市の再開発であります。その一つは高齢者対策でございます。それからその一つは技術革新にいかに対応していくか。私はそういうふうな三つの柱を申し上げておるわけでありますが、その中で今先生から御質問がありましたように、都市の再開発というものは大変重要な部門でありまして、しかも恐らく二十一世紀初頭には人口の七〇%近いものが都市に集中するであろう、そういうふうな予測もされておるわけでございます。 そういう中にありまして、都市機能をいかにして更新していくか、また都市の環境整備改善、都市に対していかにして活力を与えていくか、そういうふうなことが今御指摘になりましたように内需の振興やまた経済の安定成長のためにも極めて重要な柱であることは、先生も御認識のとおりでございます。 そうした点等を私どもは考えてみまして、官民それぞれが適切な役割を担いながら都市の再開発を積極的に推進をいたしてまいりたい、そう考えております。 したがって、市街地の再開発事業の予算の確保を図るとか、また再開発に必要ないろいろな税の創設をお願いするとか、また規制の緩和を図るとか、また特定街区や市街地住宅の設備、住宅に対して民活をいかにして導入して環境のいい町づくりをいたしていくかというようなこと等が、私は民間活力の基本になっていくのではなかろうか、そういうふうに認識をいたしておるものでございます。 したがって、最近、公共事業が非常に抑制されております、また、財政再建の中でございますから、その民活によって公共事業が担うべきものを肩がわりするのではないかというようなそういう意見もありますけれども、そうではございませんで、私先ほど申し上げましたように産学官が一体となって、今申し上げましたような都市の生き生きとしたしかも明るい環境の町づくりをつくり上げていくか、そういうところにすべてがあるわけでございまして、今申し上げましたような基本的な考え方で民間の活力、言えば産学官三者がそれぞれの立場でいろいろな知恵なりそういうものを出し合っていただいて、そして力を合わせて国民のニーズにいかにしてこたえていくか、そういうところに基本的な考え方があるわけでございます。
○木間委員 大蔵省の理財局、来ておいでになりますね。 このために政府は、国有地等有効活用推進本部を発足されまして、国有地売却の候補地として昨年二月と十月に合計百七十五件、七十四ヘクタールを発表され、昨年はこのうち二十六件、およそ八万七千平方メートルを売却いたしました。売却リストを見ますと随分と随意契約が多いようでございますが、会計法では一般競争入札を原則としていますが、どうしてこのように随意契約が多くなったのか、その経過なり理由をまず明らかにしていただきたいのであります。
○吉川説明員 お答え申し上げます。 民活対象財産のうち、処分した二十六件の中に随意契約が多いではないかということでございますが、まず随意契約を行いましたものは二十六件のうち七件でございます。そのうち一件は地方公共団体に対して随意契約で処分したものでございまして、これは予算決算及び会計令の第九十九条第二十一号に基づくものでございます。 それから残りの六件でございますが、これは一般競争入札に再度付したわけでございますが、入札価格が予定価格に達しないために落札に至らなかった、そういうことで予算決算及び会計令の第九十九条の二の規定によりまして、予定価格以上の価格で随意契約を行ったものでございます。
○木間委員 いま一つ明らかにしていただきたいのでありますが、この売却された相手方、つまり契約の相手方あるいは契約金額のリストを明らかにしていただきたいと思いますが。
○吉川説明員 お答えいたします。 民活対象財産処分の相手方、それから価格等を具体的に示せ、こういうことでございますが、処分いたしました個々の民活対象財産につきまして、処分の相手方の氏名とか処分価格を具体的に開示いたしますことは、これは契約の中身を、内容を公開することとなりますので、契約の相手方の同意を得ないと難しいということでございます。 ただ、問題があるものにつきましては、必要があるということであれば個々に調査いたしまして、相手方の同意を得た上でお答えすることにはやぶさかではございません。 それからなお、大口の国有財産の払い下げにつきましては、これは大口と申しますと一件の売り払いの数量が五千平方メートル以上でかつ評価額が五億円以上でございますが、こういった大口の国有地の払い下げにつきましては、従来から処分価格、それから処分の相手先、ただし、この処分の相手先は公共団体、その他という別だけでございます。具体的な氏名等は出しておりません。そういった処分相手先の別等を個々に公表している次第でございます。
○木間委員 大蔵省さん、けしからぬ話なんですよね。日本の国の現状から照らして、あるいは景気の浮揚策に、あるいは財政の再建に、さまざまな理由がこれあって、みんなでつくり上げてきた今日の国民共有の財産を民間の活力導入のためにやむなしと、このように総理以下踏み切ったんだ、その内容を国民の皆さんに明らかにしてほしい。プライバシーだとかあるいは秘密だとか、そういうことで示されないというような御発言のようでございますけれども、行政の中に秘密があってはいけないのじゃないだろうか、私は率直にこう考えております。 そして先ほどの随意契約の場合でも、私が資料要求を申し上げましたが、回答いただいた中に摘要欄もできておりますし、もしその中にそのように一項目を加えていただければこのような時間的浪費もなかったでしょうし、もっと親切に扱ったらどうでしょうか。予算委員会で資料要求すれば出されるのですか。建設委員会だと出ないのでしょうか。今中曽根路線がとっておいでになる問題についてさまざまな意見があるでしょう。だけれども、お互いに違いは違いとしてでも堂々と論議をし合ったらどうでしょうか。そして国民の皆さんの前でわかるようにやっていくのが政治じゃないでしょうか。それを相手のプライバシーがどうの、あるいは了解を得なければならないの、それじゃ了解をとってきなさいよ。 〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕
○吉川説明員 お答えいたします。 プライバシーの問題があるので公表しないというのはけしからぬという点でございますが、私どももそのプライバシーと公益とをバランスをとりながら、必要なものについては適宜公表していくという姿勢でございます。その一つのあらわれが、大口のものについては既に公表しているということでございます。
○木間委員 まじめに議論をしようとすれば資料が出せない、これで一体まともな議論できますか。私は納得できませんよ。 私、もっと言いたいのですが、当初この委員会が先月の二十七日だったのですね。私は早くから大蔵省に資料要求をお願いしておったのですよ。たまたまきょうの日に延びまして、間には合いましたが、二十六日の午後、しかも夕方になってようやくこの資料が届いたのですよ。見たらこういった始末なので、私はこの間どのように疑ったかということです、どのように受けとめたかということです。 今大臣がくしくもおっしゃったのですが、産学官共同して国のために国民のためにやろう、こうおっしゃっておりますが、私はそうじゃないのだろう、政財官の癒着じゃないだろうか。後ほどまた申し上げたいと思いますが、そういった図式がもうでき上がっておって、そしてそれを誘導した皆さんにまた政治献金が入るんじゃなかろうか。正直言ってこの間こう疑ってきたのですよ。私だけではないと思いますよ。私の疑念を晴らしてくださいよ。
○保岡委員長 今の質問、役所はちょっと答えようがないのじゃないかと思うのですが、今木間先生の御要求になった資料がおくれたことについては、役所の方もこれから注意していただくように委員長からお願いをしたいと思いますし、また今後資料要求等があって特に重要なものがあれば理事会で諮ってしかるべき措置をとってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○木間委員 それでは委員長に理事会で御審議いただくことにいたしまして、先へ進ませていただきたいと思うのですが、価格の調整をされておる国土庁が発足十年経過をされたわけですね。それなりに成果が上がっておることも委員会でもお互いに確認し合ってきたと思います。しかしこのような大蔵省の態度では、一体何ぼで売ったのか、どういう代物なのかということを国土庁が検討されようにも検討のしようがないわけですね。また私どもも年に一遍公示価格をいただいております。比較しようにもしようがないということでありますから、幾つかの質問は後ほどまたいつかの機会にさせていただきますが、それでは大蔵省に別の角度からお尋ねをしたいと思います。 予定地区の中に新宿西戸山公務員住宅が入っております。この公務員住宅を高層住宅に建てかえをして極力用地を生み出そう、これを民活、つまり民間に活用して相当数の民間マンションを建設しよう、このように発表されて作業を進められております。これに成功すればさらに第二弾、第三弾、たしか四地区七万二千平方メートルの予定がされておると聞いておるのであります。 この方針を出されたのは理財局長の諮問機関であります公務員宿舎問題研究会でありまして、その構成は大手不動産業界、大手建設業界のそれぞれの代表者であります。私はもちろん個人の方々や企業の皆さん自体をとやかく言うわけではありませんけれども、民間開発業者に国公有地の公平な活用の判断ができるかどうか。大蔵省はどのようにお考えでしょうか。
○吉川説明員 お答えいたします。 公務員宿舎問題研究会のメンバーでございますが、不動産関係の方も入っておられますが、それ以外にも学識経験者の方にもお入りいただいておりまして、十分中立的な議論ができたものと考えております。 具体的に申しますと、例えば住宅・都市整備公団の副総裁あるいは東京大学の教授、こういった方にも研究会の方にはお入りいただいているわけでございますし、同じく専門部会の方にもそういった方にお入りをいただいているわけでございます。
○木間委員 大蔵省はそうおっしゃいますが、この研究会のメンバーは確かに九人で構成をされております。この九人のうち四人が不動産業者です、そして三人が建設業者です。また、専門部会は十二人でございますが、このうち六人が不動産業者です。そして西戸山の公務員宿舎跡地の受け皿も既にでき上がっております。新宿西戸山開発株式会社、既に五十八年十二月二十日に設立総会を終えておられるわけであります。不動産業者が六十六社参加をされておりまして、この中に残念でありますがこれらの方々が全部参加をされておるということであります。 そうなってまいりますと、研究会のメンバー半分あるいは専門部会の皆さんも半分、国民の共有の財産を御判断いただける正直な判断がそこでできると思いますか。私は納得できません。答弁しなさい。
○吉川説明員 お答えいたします。 不動産関係の方が非常に多いということでございますが、こういった方々にもそれぞれ専門知識を生かしていただくことを期しながら議論する、こういうことでございまして、不動産関係の方が入っているからといって即そのまま中立てなくなるといったことには結びつかないだろうと思っております。
○木間委員 冗談じゃありませんよ。私はこの間秘書と一緒に図書館にこもってずっと追跡調査をしてきました。去年一年間だけでもこの団体の代表者が総理大臣と二十六回お会いになっておるのですよ。何のためにお会いになったか私はわかりません。そういったことを繰り返されておって、今皆さんがお考えになっておるようなことが果たしてあるのかどうか。あるときはそこらの料亭でお会いになっております、あるときは官邸でお会いになっております。皆さん本当に胸を張って国民の前にそのことが言えますか。私は納得できません。
○吉川説明員 お答えいたします。 宿舎問題研究会の成果というものが、即現在新宿西戸山で行われている事業ではございませんで、あの研究会が出しました報告書、これをさらに地元の声その他を反映いたしまして、都市計画の観点からもいろいろ手を加えたりいたしまして、そうして進めているものが現在の計画でございます。
○木間委員 確かに地域の振興は地域を包括する自治体やあるいは地域住民の皆さんのコンセンサスが必要でございます。どの法律を見たってそのようになっておりますよ。建設省あるいは所管庁はこういった状況に差しかかったので見直そうかという機運もないではありませんけれども、それは別といたしましても、現状はそのようになっております。ところが、ここにもまた今おっしゃったことと矛盾することが大きく実は出てきておるわけであります。 例えばこの西戸山地域は、つまり新宿の百人町はどういう状況であったかということを私なりに調査をいたしました。今筑波博が間もなく開かれようとしておりますが、ここには東京教育大学の光学研究所がありましたし、また建築研究所もありましたし、通産省の地質調査所もありました。これが筑波へ移転されたわけであります。それで地元の新宿区議会では何とか区のために、特に都市再開発や広域避難場所のために、つまり都民のために使いたいということで、五十四年三月九日と五十五年五月十五日に区議会総意の名のもとに大蔵省や関係省庁へ陳情されておるわけであります。そのときに大蔵省はどうおっしゃっておりますか。社会保険中央総合病院の用地として確保するのだからたとえ区議会といえども譲るわけにはまいりません、このように実は返事をされておるのであります。ところが、先ほどから話題になっております民活の方向が出てきた直後、五十八年九月十九日にこのような大蔵省の構想が出てまいったわけであります。 大蔵省の方向が発表されるや、これまた新宿区議会は、五十八年十月一日に、二十一世紀に向けての総合的な調和のとれた町づくりをぜひやりたいから、またそのために重大な影響をもたらす懸念があるからぜひひとつやめてもらいたいという反対の文書も出ておるはずであります。ですから、大蔵省がどのように言われようと、苦しい答弁をされておるようで申しわけないのでありますけれども、私はどうも納得できないのですよ。私が納得できるだれかをここへ呼んできてくださいよ。
○吉川説明員 お答えいたします。 今先生おっしゃったような事実、それも確かに事実でございますが、その後新宿区の方では、昨年の夏でございますが、百人町三、四町目地区開発整備の基本方針といったものを出しておりまして、この中には先ほど先生おっしゃったような避難広場を強化するといったことも確かに書いてございます。この新宿区のつくりました基本方針に基づきまして、新宿西戸山公務員宿舎の建てかえ事業についても具体的にどういう方針で臨むかという新宿区の方針が出ているわけでございます。 ここにおきましては、開発整備の基本といたしまして、広域避難広場の機能強化と良好な住環境の整備を目標とするというようなことで、現在進められております新宿西戸山の事業の計画でございますが、これは新宿区の方針に沿ったものでございます。具体的な建物の配置等につきましても、民間のマンションのできる部分と公務員宿舎の予定されている部分、これを平面的に一体化するような形で広くその避難広場を確保するというような形に今のところ考えられておると承知しております。
○木間委員 説明を聞くまでもなく、それは私も持っていますよ。ただ、当初新宿区で考えられた避難広場とか再開発の拠点がどういう規模であったか、現在どのように変わってきたか、私はそこまで聞くことはできませんでした。だって、こんな大きいものがこんなになったって避難所は避難所でしょう。だから、私はむしろそこに何とかの力が働いたのじゃないだろうか、無理があったのじゃないだろうか、このように受けとめられて仕方がないのですよ。 話は元へ戻りますが、それなら先ほどの契約の話に戻りますけれども、契約金額とか契約の相手方をはっきりしてくださいよ。一つつまずきますとどんどこどんどこ坂道を転げるのですよ。そうすれば、私の疑念もまた晴れるかもしれませんよ。 まあ、委員長、これ以上やっておってもこんなような状況ですから、これらも含めてぜひ理事会で一遍検討の機会をつくってください、お願いいたします。
○保岡委員長 わかりました。じゃ、そのようにいたします。
○木間委員 私の感じ取った感想は以上のようなんです。それで大臣にもう一遍お尋ねしたいと思いますが、私も建設委員会に席を置かしていただいて丸五年少したったわけです。委員会のたびに、歴代の大臣あるいは建設省各局長さんなどは国有地あるいは公有地をたくさん生み出すために努力をされてきたのですね。例えば土地がないので公団の住宅をもっとつくってもらいたい、賃貸住宅をふやしてもらいたい、このような論議が展開されておったと思うのです。そこで、今の住宅の状況はどうだ。率直に申し上げまして、これもよく議論になるところでありますが、遠狭高なんですよ。大臣は建設大臣におなりになるまでどういう委員会に所属しておいでたか私は知りませんけれども、遠狭高、つまりせっかく確保しても場所が遠かったりあるいは狭かったり、家賃が高いということはまた別なんですけれども、そういう状況が今日の我が国の住宅事情の代名詞なんですよ。確かに大臣の所信の中にも一理はあると私は思うのです。 ところが、このような形でやっておられると、ことわざには李下に冠を正さずということもあるようです、御年輩の大臣ですからよく御存じのところだと思いますけれども。公務員宿舎を何とか民活に生かそう、そのための検討をいただこう、研究をしよう、選んだ皆さんが民間デベロッパー、特に不動産業者で占められたりなどなどになりますと、僕たちはどうも納得がいかぬわけですよ。 ヨーロッパは私はまだ行っておりませんけれども、文献などで見ますと、大変すばらしい町づくりが進んでおるようです。ところが一朝一夕にしてできたものではない。ある国へ行きますと、公有地を確保するために生涯を通じて土地買いの専門職になっておられたという方もおられます。年寄りの名簿をつくって、御不幸があればすぐお悔やみかたがた用地折衝に入られて国公有地をふやされたとか。だって、大臣、そうでしょう。今私たちの国にもたくさん国公有地をふやす法律があるのですよ、直接国の法律じゃないかもしれませんけれども。公有地の拡大の推進に関する法律という立派なものがありますよ。あるいは土地収用法だってそうでしょう。もしこういう形で進められるのならば、私はこの法律を廃止してかかってくださいと言いたいのですよ。今の大臣の感想を率直に述べてください。
○高橋(進)政府委員 先生今公有地拡大法と土地収用法のことを取り上げられましたので、私の方からお答えさせていただきますけれども、いずれの法律も、例えば公有地の拡大法につきましては将来の不特定な理由のためにあらかじめ公有地の確保を図るということではございませんで、公共施設用地あるいはその代替地として利用することが必要な土地の確保を図ろうというものでございまして、これに対しまして国公有地の払い下げの問題は、不用となった国公有地また十分その活用が図られていない国公有地を積極的に活用するという政策のもとに行われているものでございまして、両者は必ずしも矛盾するものではないというふうに考えております。
○木間委員 どうも議論がかみ合わぬようで申しわけないんですが、私はやはり遠狭高まで申し上げたんですから、そこに公団なり都なりが都民のためにあるいは国民のために住宅をつくるという大原則がやはりあったはずなんですね。悪い言葉でいいますと、国民の財産を金額も明かせないような形でデベロッパーに売る。 それじゃ申し上げますけれども、買ったデベロッパーが、開発業者が、今度はそこに建物を建てるとか手を加えて市場へ出されるわけですよね。市場へ出すときに、その買った土地の価格を据え置いてそのまま出されるのかあるいは金利なり利益なりを含めて市場へ出されるのか、今度の売買契約にそういった条件が入っておるかどうか、私は国土庁や大蔵省に聞きたいですよ、皆さんそうおっしゃるなら。だから、私はどうもすっきりしないままきょう委員会を終わらざるを得ないんですけれども、これだけやっておっても、将棋でいいますと千日手のような状況のようでございますので次の機会にまた譲らしていただきますけれども、私はどうも残念でならないんですよ。 それで、もう一つの問題にだけ絞ってお尋ねをしておきたいと思います。 建設業法の関係でございますが、建設大臣許可の積水ハウスという建設業者がおいでるわけでありますが、この営業方針といいましょうか商法について、お尋ねをしたいと思うのです。 ところは小平市の内田和子氏が山梨県に土地を持っておりまして、そこに貸し別荘を建てて老後の安定に、小遣い稼ぎに、こう思いまして、広告などを見て積水ハウスと昭和四十八年四月に契約を結んでおります。工事は約束よりも大幅におくれまして、四十九年七月に一応完成したんでしょう、建物は一たん内田氏に引き渡されましたが、欠陥建物でございまして、内同氏も嫌気が差してその後積水側と話し合い、その結果五十一年六月に一たん和解をされておるのであります。和解後、昭和五十三年でございますが、内田氏はもうこの問題に触れるのも嫌だ、このようなことからでしょうか、この土地を手放すことになりました。 それで不動産登記簿を見てびっくりしたのであります。今まで自分の経費をできるだけ切り詰めてとらの子のように買った山梨の土地が、一時は建ち上がった貸し別荘ということもあったわけですが、その土地も建物も実は抵当に入っておったのであります。もちろん本人は全く知りません。本人はびっくりいたしまして、積水ハウスたるものが、これは一体何が始まったんだろうか。それで、契約の時期までさかのぼって、今日までずっと個人の努力で調査を続けてきたわけであります。そうしますと問題点が出るわ出るわ。正直言って、十数年たった今日、まあ私もこの間その事実の幾つかを見させていただいたわけでありますが、積水の商法といいましょうか営業の中身、全貌が明らかになってきたところであります。 したがいまして、これらが事実とすれば私は積水商法は絶対に許されない、そのために建設業法があるんだ、こう実はこの間、私は業法の勉強をさせていただいたわけであります。 そこで建築確認の問題から始まっておるわけでありますが、この内田氏の山梨の土地は都市計画区域外です。それで内田氏が積水と契約したのは、貸し別荘を建ててそして老後の安定のために、その前提で建築の契約をしたわけであります。ところがこの物件は建築確認を受けておりません。参考までに、この建物は三棟ございまして、うち二棟は百九・四四平方メートル、一棟は七十三・〇八平方メートルです。 それで、これは建築確認がまず要るものかどうか、住宅局長さんにお尋ねをしたいと思います。
○吉沢政府委員 先生御存じのように建築基準法におきまして、劇場、旅館等の特殊建築物は床面積が百平方メートルを超えれば建築確認が要るということになっております。そのほか木造の建築物は三階以上または床面積が五百平方メートルを超える、あるいは木造以外の建築物で二階以上、要するに二階建て以上であるかまたは床面積が二百平方メートルを超えれば要る。それからその他都市計画区域内における建築物につきまして、建築確認の対象になっておるわけでございます。 ここで言ういわゆる貸し別荘と称するものにつきまして、さまざま形態があろうかと思います。例えば不特定多数の者を宿泊させて、従業員を置いて、食事、寝具の提供など旅館的なサービスをするというものにつきましては、これは特殊建築物に該当するということで、床面積が百平方メートルを超えれば建築確認の対象になるということでございます。これに対しまして、例えばある相当期間を通じて賃貸される、通常の貸し家、貸し間と若干似ているというような種類のものであれば、これは特殊建築物に当たらないので、一定規模以上のもの、先ほど申し上げました規模以上のものでなければ確認の対象にならないということでございます。 御指摘の物件につきましては、貸し別荘がいかなるものかということにもよりますが、通常の貸し間と同視できるような種類のものであるという考えに立ては、必要はないということになろうかと思います。
○木間委員 本人は貸し別荘として意思表示をしておるわけでありますが、積水は建築後保存登記を代行しておりますが、そこには居宅として実は登記されております。ですから法の網をくぐるといいましょうか、百平米、特殊建築物じゃない、このように作為をしたんじゃないかと実は私は判断できます。 というのは、引き渡しが終わって、欠陥住宅そのものでありますが、本人は少しでも資金を回収しなければならないということで、四十九年八月、一カ月だけ貸し別荘業の営業を行っております。当然旅館業法その他で保健所あるいは消防署などにも届け出なければならぬわけでありますし、同時に基準法の七条では、たしか営業を始めようとする四日前だったと思いますが、仮に住宅で考えておっても、変更しようというときには確認のやり直しをすることになっておりますが、これもやっていません。 天下の積水がやっていないということで、私はまず出発から変な仕組みが始まっておるなと、正直言って唖然としておるわけです。局長、どうですか。
○吉沢政府委員 今お話の中で旅館業法の適用を受けるのかどうか、ちょっと私はよく存じません。 それから、建築の検査を必要とするかということにつきましては、確認が必要でなければ検査も要らないということになるわけでございます。
○木間委員 局長は本省におられますから現場のことはよくお知りにならないかもしれませんけれども、それでも局長通達などよく出される立場でありますから知らないとは言わせないのでありますが、実はここにこの管内を管轄にしております韮崎土木事務所長の証明書もついておるのであります。 申し上げております山梨県のこの一帯は、西か南かは知りませんけれども、第二の軽井沢と言いまして別荘地帯なんですね。たくさんの別荘が並んでおります。ですから、建築Gメンはウの目タカの目で見ておると言えばちょっとなんでございましょうけれども、現場では大変神経をとがらせて日々の業務をやっておられます。ですから、当然旅館業に該当する建物であるから百平方メートル以上は確認を受けなければならない建物であるということ、あるいは間違って確認を受けなかったら営業する場合には七条一項によって四日以内に完成届けを土木事務所に出さなければならなかったということなど、一切やられていないということなんですね。 天下の積水ですから一級建築士たくさんおられます。特に一級建築士の人についても、本人の方から建築指導課の方へ問い合わせも行っておるはずなんです。それらについてもいまだに回答がないということも聞いております。 そういった一般の市民や国民が不始末をしてかそうものなら、建物を壊す場合だって出てくるわけですね。天下の積水だからそのようなことがまかり通るのか、私どもは納得いきません。ですから、現場の皆さんはそのように言っておいでますし、当然局長も、営業をやるなら届け出るべきなんだ。届け出てありませんから、私は建築基準法にまず大きな違反をしておると言わざるを得ないわけです。そのことは認めていただけますね。
○吉沢政府委員 申し上げましたように、私どものいわゆる特殊建築物であるかどうかというのは一つには管理面の問題がございまして、旅館その他、いわゆる不特定多数人を宿泊させて、従業員を置いて食事、寝具等を提供する、こういった場合には、借り手というか一晩であれ二晩であれ借りて入った人は、その建物の管理について万全を期することができない、要するによくわからないわけでございます。 ところが、貸し別荘といっても、ある一定期間、一シーズンでありますとかそういう期間を置いてそこへ借りて入る人は、いわゆる借家などへ入った人と同じようにその建物についての管理が一応できる、万全の管理ができる体制にある、そういう意味からそういう種類のものについては特殊建築物と見ないという解釈をしておるということを申し上げておるわけです。
○木間委員 そうしますと私はまた問題意識を持たざるを得ないのですが、本人は四十九年八月、一カ月やっておるわけですが、長い人で一週間、短い人で二日間程度なんですね。それで全体で八戸建てまして、そのうち一月分を管理人室にあてがってやっておるわけですよ。それでもちろん食事あるいは寝具などの取りかえや出し入れをやっておるわけですが、そうしますと、これは完全に旅館業法に該当するもの、私はこう思っておるわけですし、先ほど申し上げましたように、地元の土木事務所もそのように言っております。ですから、ここに大きな法の網をくぐろうとする行為があったのじゃないか、大変疑問に、私はまずここでもひっかかってくるわけであります。 そこでいま少し積水の商法を御紹介申し上げますと、コピーにコピーしたものですからちょっと見にくいわけでありますけれども、こういうのが新聞や週刊誌に随分と出ておるわけです。 これは四十八年当時のものでございますけれども、「資金ゼロにしてアパートが建つ! 土地さえお持ちなら資金づくりのご心配は無用です。一〇〇%のアパートローンで建築費はラクに調達。しかも、ローンを返済しながらも毎月の利益は確実です。一〇〇%アパートローンで、いますぐにアパート経営をお始めください。 セキスイハウスならすべてをおまかせいただけます。建築計画はもちろん、法律の手続から入居者募集まで親身になってお世話いたします。」こういうことが実はあるわけです。それで内田氏は、こういうチャンスを逃すまいということで積水と契約をされたと思うわけであります。 そこで、たくさんの書類もできておったようで、そのコピーもいただいておりますが、一点だけ大蔵省にお尋ねをします。銀行局の方が来ておいでると思いますが、内田氏の今度の場合は三和銀行の提携ローン契約を結んでおります。本人は積水と建築契約のときに勧められて、じゃ三和銀行にお願いしょうか、そういう話はしておるわけであります。ところが、ただ提携ローンでございますので、本人の知らない間にどんどんその事務の流れが進んでいったといいましょうか、その間に一年三カ月ほど工事の完成もおくれたことも皮肉なことではございますけれども、一千八百五十万円の金額が実は積水に入っておるわけです。本人が何にも知らない間に、建物の完成はもちろんない。だから本人はお金の返済のすべもないし請求もない。 そういった中でどういうことが起こっていったかといいますと、積水の仕事の流れからでしょうか、とうとう裁判所の競売手続までいってしまっておるわけです。当然抵当権の手続その他もこの間終わっております。 私たちも住宅ローンを、住宅金融公庫からも借りますが、一般市中銀行からも借りる場合が非常に多いわけです。今銀行がどういうお金の流れをしておるのか、私は地元の銀行へも二、三尋ねてみました。住宅ローンの場合におたくの銀行はどのように融資をされるのか、具体的にお尋ねをしたわけであります。そうしますと、当然申し込まれたお客さんと現場を見ながら、完成の度合いを見ながら、そして中間金ならその程度に見合ったものを、完成ならそこで全額を支払いし、そのお客さんから工務店なり建設業者に支払われる。 今度の場合は、全く本人抜きで行われておるわけです。つまり、本人立ち会いが私ども市民感覚では常識なんですが、都会の銀行は違うのかどうか、大蔵省はどのように指導されておるのか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○松野説明員 御指摘の案件でございますが、これはいわゆる提携ローンというローンでございまして、通常、その金融機関と建設会社との間で契約を結びまして、借入人、これは個人の方ですけれども、それが借りる場合に建設会社が連帯保証をするという形になっております。普通の住宅ローンとややそこは異なっておりまして、金融機関は、建設会社の連帯保証があるということでございますので、そのローンを、つまり具体的に融資をいつ実行するかということにつきましては、建設会社とそれから借入人の意思を確認の上でローンを行うということになっております。 この提携ローンにつきましては、そのような形で建設会社の連帯保証ということが非常に大きなウエートを占めておりますものですから、保証能力のある建設会社と行うというのは、これはもう金融機関として債権保全上当然のことでございます。 そういうようなことで、本件の場合も、積水ハウスという大手の建設会社の連帯保証ということでこの提携ローンが行われたというふうに聞いております。
○木間委員 連帯保証ですからとはいっても、それだけではやはりいろいろの問題が派生してくるわけです。御多分に漏れず、この建築物は欠陥建築物でした。例えば、注文主が検収する、また当然やらなければならない昨今でございますから、完成すれば完成したで、かぎをいただいて、自分の注文どおりなっておるかどうか改めるわけであります。そういった行為もなしに一方の方へだけ金が流れていくというのは一体いかがなものか。 そこで、この実態を見てみますと、当然土地を先に持っておりまして、後に建物が建ち上がって保存登記されております。住宅が完成して一応曲がりなりに引き渡されたのが四十九年七月十二日です。これは本人も記憶をしておりますし、また、その当時、欠陥住宅といっても具体的には、水道の蛇口はついておるけれども水道本管との接続がありませんでした。ガス本管との接続もありませんでした。またトイレの後処理もできていませんでした。その次の日から急遽やりまして、ここに水道事業管理者の四十九年七月十三日にやりましたという証明書もついております。ですから、本人の記憶は確かであります。 ところが、この所有権移転の請求、仮登記といいましょうか、つまりそういった登記が、土地の場合に四十八年八月、一年前に既に行われておるわけです。建物については保存登記されないと台帳には上がっておりませんから、四十九年七月二十七日になっております。 ですから、注文主の面前で当然金の受け渡しがなされなければならない。しかも、千八百五十万円、庶民にとっては大変血のにじむようなお金なんです。いとも簡単に、幾らメーンバンクだといっても、あるいは天下の積水だからといっても、そのような行為があってはいけないと私は思います。あれは銀行のふとした油断なんだと済まされない、むしろ、天下の三和銀行と天下の積水ハウスが仕組んだ土地乗っ取りじゃないだろうか、こうとさえ思えて仕方がないわけです。銀行に対するそういった指導、もっと庶民の心を酌み取っていただくような指導があってしかるべきじゃないだろうか。大蔵省も、別の面では大変厳しいですけれども、そういった面には手抜きをされておるんじゃないだろうか、こう思えてならないわけであります。 課長さん、どうでしょうか、もう一遍そういった流れについて、あるいは文書で指導されるとか通達を出されるとか、いろいろの方法はあると思いますけれども、やはり庶民の気持ちを酌んでいただくような御指導をお願いをしておきますよ。答弁は要りませんから……。 最後に、建設省にお願いをいたしますが、この間、欠陥住宅問題をめぐりまして、一方では大変大きな国民の関心を集めてまいりました。それで、今幾つかの例をちょっぴり申し上げたわけでありますが、時間もなかったのでたくさん申すわけにはまいりませんでしたが、天下の積水といえども、国民の目、消費者の目から見ますと、そういった大変ゆゆしき内容を持っておるようであります。 建設業法も勉強させていただきました。建設業法の逐条解説も勉強しておりますが、その経営は前近代的な側面を持っていることは否定できない、だからこの法律ができたんだと。これは昭和二十四年ですか、できましてもう数十年たっておるわけでありますけれども、いまだにそういった手法を繰り返しておる業者がおるとすれば、やはり私は、この法によって、しかるものはしかる、取り締まるものは取り締まる、場合によっては許可の取り消しも検討されていいのじゃないかと思いますが、御見解をお聞かせください。
○高橋(進)政府委員 建設省といたしましては、建設業法に違反したりあるいは他法令に違反したようなことがあります場合には、業者に対しまして厳重な措置をとっておるところでございます。今後ともそのような方針のもとに一般的にやってまいりたいと思います。 ただ、御指摘の件につきましては、従来指導もしておりまして、その結果改善された面もあるのですが、同時にまだ一部係争中というような面もございまして、そういった結果も踏まえながら、必要があれば指導してまいりたいと思います。
○木間委員 局長の御答弁でいいわけでありますけれども、今日、全国に百二カ所の事業所を持っておられる積水ハウスさんでありますから、こう言いながらも日々営業活動その他をやっておいでになるわけであります。この建設業法は独立法でございますから、係争中の事案ではございますけれども、やはりしかるべく処置をとれる制度でもございますので、もし御必要でありますれば、私どもが持っております資料、膨大なものがありますから、全部差し上げますから、一遍検討していただけませんか。ぜひそのようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 ――――◇―――――
○保岡委員長 次に、内閣提出、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。木部建設大臣。 ――――――――――――― 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○木部国務大臣 ただいま議題となりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 この臨時措置法は、農地の所有者等による居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を促進するとともに、市街化区域の水田を主とした農地の宅地化に資することを目的として、昭和四十六年に制定されたものであります。 この臨時措置法の適用期限は、当初昭和五十年度までとされておりましたが、過去三回の改正により、現在は昭和五十九年度まで延長されております。 これまで、この臨時措置法により、農協資金等を積極的に活用した農地所有者等による賃貸住宅の供給が行われてまいりましたが、三大都市圏など都市地域においては、良質な賃貸住宅の供給の促進を図ることがなお大きな課題であり、この臨時措置法は、今後とも住宅政策上重要な役割を有しておりますので、その適用期限の延長を図る必要があると考えております。 以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を申し上げます。 この法律案におきましては、農地の所有者がその農地を転用して行う賃貸住宅の建設等に要する資金の融通について、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる期限を三カ年延長し、昭和六十三年三月三十一日までとするとともに、昭和六十三年三月三十一日において現に賃貸住宅を建設するために宅地造成に関する工事が行われている土地に建設される賃貸住宅に係る融資につきましては、その期限を昭和六十五年三月三十一日まで延長することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 この臨時措置法は、昭和四十八年に、三大都市圏の特定の市の市街化区域に所在する農地に対して固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、その宅地化を促進するために必要な措置を講ずることを目的として制定されたものであり、特定市街化区域農地の宅地化促進のための事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減等をその内容としております。これらの措置の適用期限は、同法のほか、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、租税特別措置法及び地方税法により、当初、それぞれ昭和五十年度までとされておりましたが、各法の一部改正により現在は、昭和五十九年度まで延長されております。 しかしながら、特定市街化区域農地の宅地化の動向及び今後の三大都市圏における宅地需要を考えますと、昭和六十年度以降においてもこれらの措置を引き続き適用し、特定市街化区域農地の宅地化の促進を図ることが必要であると考えられるのであります。 以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。 前述のとおり、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法に基づく措置につきましては、同法のほか、他の法律によりそれぞれその適用期限が定められておりますが、この法律案におきましては、同法の附則において適用期限が定められている土地区画整理事業の施行の要請及び住宅金融公庫の貸付金利の特例の措置につきまして、その期限を三カ年延長し、昭和六十三年三月三十一日までといたしております。 なお、前述の他の法律により適用期限が定められている措置につきましては、別途今国会に提案されているそれぞれの法律の改正案において、その適用期限を三カ年延長することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決下さるようお願い申し上げます。
○保岡委員長 以上で両案の趣旨の説明聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時三十七分散会