決算委員会 第9号
- 発言数
- 282 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/06/07
会議録
○安井委員長 これより会議を開きます。 昭和五十七年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、まず総理府所管中警察庁、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。 この際、古屋国務大臣の概要説明、会計検査院の検査概要説明、公営企業金融公庫当局の資金計画、事業計画についての概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 昭和五十七年度決算の説明 警察庁 昭和五十七年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年度の歳出予算現額は、一、五六二億一、六七〇万円余でありまして、支出済歳出額は、一、五四九億一二一万円余であります。 この差額一三億一、五四八万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は、二億三、六四六万円余であります。これは、設計に関する諸条件により工事等が遅延したため、年度内支出を完了することができなかったものであります。 また、不用となった額は、一〇億七、九〇二万円余であります。これは、退職者が少なかったので、退職手当を要することが少なかったこと等のためであります。 次に、支出済歳出額の主な費途について、その大略を御説明申し上げます。 第一に、警察庁の経費として九三七億七、一八二万円余を支出いたしました。これは、警察庁自体の経費及び都道府県警察に要する経費のうち警察法の規定に基づき国庫が支弁する経費として支出したものであります。 第二に、千葉県警察新東京国際空港警備隊の経費として五三億四、七一八万円余を支出いたしました。これは、千葉県警察新東京国際空港警備隊が新東京国際空港に係る警備活動を実施するために要する経費として支出したものであります。 第三に、船舶建造費として三億二、一四五万円を支出いたしました。これは、警察活動に必要な警察用船舶の建造に要する経費として支出したものであります。 第四に、科学警察研究所の経費として七億七、二九三万円余を支出いたしました。これは、科学捜査、防犯及び交通についての研究、調査等のための経費として支出したものであります。 第五に、皇宮警察本部の経費として四六億八、〇八九万円余を支出いたしました。これは、皇宮警察の職員の給与、皇居の警備、行幸啓の警衛等のための経費として支出したものであります。 第六に、警察庁施設費として三八億八、九七五万円余を支出いたしました。これは、警察庁関係の施設を整備するための経費として支出したものであります。 第七に、都道府県警察費補助の経費として四六〇億七、〇〇七万円余を支出いたしました。これは、警察法に定めるところにより、都道府県警察に要する経費の一部を補助する経費として支出したものであります。 第八に、他省庁からの予算の移替えを受けた経費は、科学技術庁からの科学技術振興調整費として一、四七七万円余、同じく、国立機関原子力試験研究費として九三七万円余、環境庁からの国立機関公害防止等試験研究費として一、三六九万円余、国土庁からの災害対策総合推進調整費として九二五万円余をそれぞれ支出したものであります。 以上、警察庁関係の歳出決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 昭和五十七年度自治省所管決算概要説明 昭和五十七年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額九兆七千八百五十五億一千九百二十八万円余、予算補正追加額三百五十五億四千四百万円、予算補正修正減少額一兆六千九百七十四億二千五百十五万円余、総理府所管から移替を受けた額六千四百二十五万円余、前年度繰越額一億円、予備費使用額六億六千九百十一万円余、合計八兆一千二百四十四億七千百五十万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は八兆一千百九十三億四千六百八十七万円余で、差額五十一億二千四百六十二万円余を生じましたが、この差額のうち翌年度繰越額は二億二千万円、不用額は四十九億四百六十二万円余であります。 以下、支出済歳出額の主なものにつきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は七兆五千三百五十二億四千百三十七万円余、支出済歳出額は七兆五千三百五十二億四千百三十七万円余でありまして、全額支出済であります。この経費は、「交付税及び譲与税配付金特別会計法」に基づき、昭和五十七年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計借入金等利子財源繰入でありますが、歳出予算現額は四千四百十一億四千五百万円、支出済歳出額は四千三百六十五億四千四百三十五万円余、不用額は四十六億六十四万円余となっておりまして、この経費は、「交付税及び譲与税配付金特別会計法」に基づく借入金等の利子の支払いに充てるため必要な金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。 不用額を生じましたのは、一時借入金の借入れが少なかったこと等により、一時借入金の利子の支払いが少なかったことによるものであります。 次に、交通安全対策特別交付金でありますが、歳出予算現額は五百十七億三百二十六万円余、支出済歳出額は五百十七億三百二十六万円余でありまして、全額支出済であります。この経費は、交通安全対策の一環として、反則金に係る収入額に相当する金額を、道路交通安全施設の設置に要する費用に充てさせるため、都道府県及び市町村に対し、交通安全対策特別交付金として交付したものであります。 次に、地方債元利助成費でありますが、歳出予算現額は百二十九億二千百三十九万円余、支出済歳出額は百二十八億八千四百万円余、不用額は三千七百三十九万円余となっておりまして、この経費は、新産業都市の建設及び工業整備特別地域等の整備に係る地方債の特別調整分に対する利子補給金として、道府県に対し、交付したもの等であります。 次に、地方公営企業助成費でありますが、歳出予算現額は三百二十二億六千二百七十八万円余、支出済歳出額は三百二十二億六千二百七十三万円余、不用額は四万円余となっておりまして、この経費は、公営地下鉄事業特例債の利子恒係る助成金として、地方公共団体に対し、交付したもの等であります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は百九十九億五千万円、支出済歳出額は百九十九億五千万円でありまして、全額支出済であります。 次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、歳出予算現額は五十二億円、支出済歳出額は五十二億円でありまして、全額支出済であります。前述の経費及びこの経費は、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、交付したものであります。 次に、衆議院議員及参議院議員補欠等選挙費でありますが、歳出予算現額は六億六千九百十一万円余、支出済歳出額は六億六千八百三十八万円余、不用額は七十三万円余となっておりまして、この経費は、参議院議員補欠選挙の執行に要したもので予備費を使用したものであります。 次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は百三十八億六千四百九十九万円余、支出済歳出額は百三十八億一千八百八十万円余、不用額は四千六百十八万円余となっておりまして、この経費は、消防施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し、補助するために要したものであります。 以上が一般会計歳出決算の概要であります。 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計の決算につきましては、歳入予算額は、当初予算額十八兆二千四億八千五十三万円余、予算補正追加額一兆五千七百八十八億二千四百万円、予算補正修正減少額一兆六千九百五十六億八千万円、合計十八兆八百三十六億二千四百五十三万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は十八兆八百三十三億九千二百八十三万円余となっております。 また、歳出予算現額は、当初予算額十八兆二千四億八千五十三万円余、予算補正追加額三百五十五億四千四百万円、予算補正修正減少額一千五百二十四億円、合計十八兆八百三十六億二千四百五十三万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は十八兆六百七億八千百九十八万円余、不用額は二百二十八億四千二百五十五万円余であります。 また、不用額を生じましたのは、自動車重量税の収入が少なかったので、自動車重量譲与税譲与金を要することが少なかったこと等及び一時借入金の借入れが少なかったこと等により、一時借入金の利子の支払いが少なかったことによるものであります。 支出済歳出額の主なものは、 第一に、地方交付税交付金九兆一千七百七十六億一千五百十六万円余でありまして、これは、地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える場合にその財源不足額に応じて必要な財源を、また災害その他特別な財政需要等に対し必要な財源を、それぞれ地方団体に交付したものであります。 第二に、地方譲与税譲与金 四千六百億七千四百四十六万円余でありますが、これは、地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金、航空機燃料譲与税譲与金、自動車重量譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金として、関係地方公共団体に譲与したものであります。 なお、昭和五十七年度決算につきまして、会計検査院から消防施設等整備事業の補助について不当事項の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。 消防施設等整備事業の実施及び経理については、その適正を期するためこれまで種々努力を重ねているところでありますが、今後は、このようなことのないようさらに指導の徹底を図り、消防施設等整備事業の適正な執行に万全を期する所存であります。 以上、昭和五十七年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。 なにとぞ、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 ………………………………… 昭和五十七年度決算警察庁についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和五十七年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ………………………………… 昭和五十七年度決算自治省及び公営企業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和五十七年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件であります。 これは、消防施設等整備事業の実施及び経理が不当と認められるもので、事業費を過大に精算していたものであります。 なお、以上のほか、昭和五十六年度決算検査報告に掲記しましたように、地方交付税交付金について処置を要求しましたが、これに対する自治省の処置状況についても掲記いたしました。 次に、昭和五十七年度公営企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは不当事項一件であります。 これは、資金の貸付けが不当と認められるものでありまして、長野県上伊那郡箕輪町の上水道第二次拡張事業に対する貸付けにおいて、同町は、事業の一部を実施していないのに関係書類をあたかも事業を実施したかのように作為して貸付けを受けるなどしていて、貸付金五千四百二十万余円が貸付けの目的に沿わない結果となっていると認められたものであります。 以上、簡単でございますが説明を終わります。 ………………………………… 昭和五十七年度公営企業金融公庫業務概況説明 公営企業金融公庫の昭和五十七年度の業務概況について御説明申し上げます。 昭和五十七年度における貸付計画額は当初一兆二千百六十五億円でありました。 これに対し貸付実行額は一兆千八百五十九億千三百二十万円であり、前年度と比較して二パーセントの減になっております。 一方、この原資としては、産業投資特別会計からの出資金七億円、公営企業債券の発行による収入等一兆千八百五十二億千三百二十万円を充てたのでございます。 なお、当年度における元利金の回収額は五千八百九十七億九千七百二十一万円余でありまして延滞となっているものはございません。 貸付実行額の内訳は、地方公共団体の営む上水道事業、下水道事業等に対するもの七千六百十三億四千八百八十万円、公営住宅事業及び臨時地方道整備事業等に対するもの四千百五十八億八千八十万円、地方道路公社及び土地開発公社に対するもの八十六億八千三百六十万円となっております。 以上により、当年度末における貸付残高は六兆八千二百四十六億五千五百七十一万円余になり、前年度末残高と比較して十八パーセントの増になったのでございます。 以上のほか、短期貸付として二百二十五億七千六百万円の貸付けを行いました。 また、農林漁業金融公庫から委託を受けて公有林整備事業及び草地開発事業に対し二百四十三億五千九百万円の貸付けを実行しました。 このため、受託貸付の当年度末における貸付残高は二千二百四十八億五千四百八十九万円余になっております。 次に、当年度における公営企業債券の発行額は一兆三千三百六十六億七千万円でありまして、このうち公募債が一兆九百二十四億九千万円、縁故債が二千四百四十一億八千万円であります。 なお、縁故債のうち四百八十八億三千万円は低利の債券を発行いたしました。 次に、公営企業健全化基金について申し上げますと、当年度における公営競技納付金の収入額三百三十七億四千三十七万円余を基金に充てました。一方、当年度における地方債の利子の軽減に要する費用を基金の運用益によって補てんし、なお不足する額百八十五億五千九百三十一万円余に相当する基金を取りくずしました。 この結果、当年度末における基金総額は二千四百五十七億千九百十万円余になりました。 次に、収入・支出の状況について申し上げますと、収入済額は収入予算額四千八百七億九千五十三万円余に対し四千七百八十九億五千三百三十七万円余、支出済額は支出予算額五千四十二億六千百四十七万円余に対し五千億四百八十九万円余でありました。 また、損益の状況でございますが、貸付金利息等の利益金総額五千二百一億九千六百七十万円余に対し、債券利息及び事務費等の損失金総額五千七十八億六千四百九十七万円余でありまして、差し引き百二十三億三千百七十三万円余を債券発行差金等の償却に充当いたしましたので、利益金は生じておりません。 以上、昭和五十七年度公営企業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議の程をお願いいたします。 ―――――――――――――
○安井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 時間の関係がありますので、できるだけ意見を避けて端的にお尋ねをすることにいたします。政府の答弁もそういうことでお願いをいたしておきたいと思います。 今、政府は地方行革を推進しておられます。先般来七つの重点項目というのを御決定になったようであります。地方行革の基本的な目標というものは何か、まずその点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○古屋国務大臣 昨年の十二月二十九日の閣議決定に基づきまして、一月二十二日に地方行革大綱というものをお示ししたのでございますが、率直に申しますと、地方のうちには国よりも進んで行革の実施を進めている県、市町村も随分ございます。しかし、その反面におきまして、まだまだそこまでいっていなくて、いろいろ批判を受けたりしておるところもあるわけでございます。 行革大綱というものを示したのは、国と地方とが行政改革を進めるに当たりまして、地方の進んでおりますところと進んでいないところのバランスを合わせるようにさせていただきたい。そのための一番大きな障害――地方で相当行革を進めておるところもありますが、機関委任事務とか国の関与とか必置規制とか許認可、こういうことがはっきりいたしませんと、本当の地方の行革をやると私どもがいかに言いましても、国がそういうものを邪魔しておるわけでございます。 そういうものの解消に私どもは今努力しておりまして、必置規制と国の関与につきましては、ただいま法律を提出して御審議をいただいておるところでございますし、機関委任事務あるいは許認可の問題は、この七月ごろ行革審から答申をいただけるように私どもは聞いております。したがいまして、自治省といたしまして、一般的な基準をお示しし、これを地方の自主性、独自性ということを考慮して推進していただきたいという意味におきまして、行革大綱というものをお示しした次第でございます。 地方で今まで現実に余り進んでいないところも、この基準と申しますか要綱を参考とされましてぜひ行政改革に進んでいただく、こういうつもりで私どもは出したわけでございます。
○中村(重)委員 かつて、大平元総理大臣がまだ総理になる前に、地方の分権が確立せずして地方産業の発展もなければ文化の発展もないということを強調された、そのころからいわゆる地方の時代という言葉が生まれてまいったわけであります。ところが、亡くなられた大平さんを批判しようとは思いませんし、大平さんの哲学というか理念というものは私は立派であったと思うのですが、現実はなかなかそうはいかない。分権ではなくて、むしろ中央集権というものが強まってきたというような受けとめ方を私はしているわけであります。 そのことから考えてまいりまして、今回政府が一つの基準を示した、その基準によって地方は自主性を持って行革をやってほしいということであります。そのことも私は間違ってはいないと思うのです。ところが、基準として決定されました七つの重点項目のいずれを見てみましても、むしろ国の負担を地方に肩がわりさせようということであって、また中には、当然地方の自主性においてやらせなければならないことを、国がいたずらに関与、介入をしてきたんだというように思っているわけであります。 ですから、本当の意味の地方自治というのは、名前だけではなくて、名実ともに地方の自治でなければならない。そうなってまいりますと、地方自治体のいわゆる分権化を確立するためには行財政の抜本的な改革を行っていく、これが地方行革ということだけではなくて、国が進めている行革の柱でなければならないというのが私の考え方でありますが、大臣はいかがでしょう。
○古屋国務大臣 お話しのように、地方分権ということが事実上非常に阻害されておることは私もよく承知しておりますし、私ども、必要によりまして関係各省にそういう点の申し入れを行っておるところでございます。 御承知のように、国は今行政改革をやっておりますが、地方はそれ以上に進んでいるところもあるし、まだそこに至ってないというようなところもあります。そういう意味で、私どもがこの基準を示しましたのは、一つは、地方の行革というものを地方の独自性に基づいてやっていただきたい、ただどういう点をやるかわからないという意味におきまして、私どもはこういうような項目があるという基準をお示ししたということでありまして、その基準を参考にされまして、それぞれ地方の事情に合うようにやっていただきたいというのが私どもの考えでございます。 なお、今先生の御指摘になりました国の関与とか国が地方の自治を阻害しているような事項につきましては、できるだけそういうものを排除するように、率直に言いまして、地方の行革の半分は国が邪魔をしている、そういう制度になっておるというように私は考えておりまして、その点は総務庁とも十分連絡いたしまして、そういう国における干渉的なものをできるだけ排除するように、常に私どもは要望しておるところでございます。
○中村(重)委員 基準を示したというのですけれども、大臣、三割自治と言われておったのが、今は一割自治というような形で、自主財源を持って地方が行政を進めていく余地が非常に狭められてきたということです。だからして、本当の自治を確立するためにはどうしても抜本的な行財政の改革をしないと、単に七つの重点項目の範囲でこれを基準にしてやりなさいというようなことでは、本当の地方の分権の確立はないし、自主性を持って地方自治を確立していくということにはならないと私は考えるのです。 そのことをお考えにならなければ、ただ基準を示して、それを自主的に独自にやりなさいとおっしゃっても、これでは言葉だけなんです。そういうことであっては、地方自治を確立していかなければならない自治省の責任というものを全うすることにはならないと私は思うのです。そういう抽象的な、形式的なことではなくて、ひとつもっと本音をさらけ出して、地方自治を確立する方向を推進していかなければならないのじゃないでしょうか。いかがです。
○古屋国務大臣 今先生のお話を伺いまして、国と地方、特に地方税源、地方財源の確立というような点につきましては、お話のとおりだと思います。自主的にいろいろ仕事をいたしますためには財源が必要であります。そういう仕切った財源を確保するということが極めて必要でありますので、私どもは、国や地方の制度改正に当たりましては、地方の自主性を確保できるような税源、財源の確保ということを一番中心にいたしまして、行政的にも財政的にも努力しておるところでございます。もっとも、まだこれからやるべきことがたくさんあることは御指摘のとおりでございますが、基本目標といたしましては、やはり地方が自主的にできるような地方行政改革、地方財政改革、国におけるいわゆる地方の税源対策、財源対策というものが先行することは当然だと私は思いまして、そういう点につきまして自治省は今後一層努力をしてまいるつもりでございます。
○中村(重)委員 端的に申し上げると、推進委員会などの審議会、これは審議機関ということになるのでしょうが、これを設置する、そして通達とか法令で義務づける、網の目のように中央が締めつけていくというやり方、それを改めていくということでなければならないのだ。私は、今国が進めていこうとする地方行革というのは、減量化、人減らし、ここに重点があるのであって、本当に自主性を持って地方自治を推進してもらう、いわゆる分権化を確立していくというようなこととはほど遠い、そういう点に重点を置いて政府は考えていないということを実は申し上げたいわけです。 ともあれ、今あなたがお答えになったことを実際に実行する、そういうような構えで今後おやりにならないと、自治省としての任務を果たして地方住民の期待にこたえることにはならないのだということを強く警告をいたしておきたいというように思います。 次に、厚生省大池保健医療局長お見えですね。あなたの方は、国立病院とか療養所の統合あるいは地方自治体に経営を移譲するというような方針をお決めになってこれを推進しているのだと思いますが、そういうことでしょうか。
○大池政府委員 御指摘のとおり、国立病院、療養所につきましては、医療内容の高度化、複雑化に対処するために、一方では質的強化を求められているわけでございますが、他方、これを実施するための統廃合あるいは地方移譲等、これを効率的に進めていくということが方針として固められているところでございます。 その背景は、御承知のとおり、臨時行政調査会の答申を受けまして行革大綱等閣議決定を経まして、政府の方針ということに立脚して厚生省としても対応を進めつつあるところでございます。
○中村(重)委員 国としては、今お答えになったようなことでおやりになるということは、荷が軽くなるということでしょう。私は、地方自治体はそういうことでは困るというのが本音ではなかろうかというように思います。先般来新聞で、古屋自治大臣が拒否宣言をやっていらっしゃる。 せんだって長崎県でも佐々病院、これは県立の病院なのですが、これを廃止する。その周りに医師会が実質的に経営している病院がある、佐世保の市民病院が病床をふやしていくというようなことから、経営がますます苦しくなるということで、住民が相当反対をやった。私ども社会党も現地の調査をやりまして住民の意向等を聞いたわけですが、私は知事とも接触いたしましたが、赤字でどうにもならないのだということで悲鳴を上げて、ついに条例廃止という形になったわけです。 自治大臣、これは一つの例として私は申し上げたわけですが、経営を移譲するということになってまいりますと、どうしても赤字で国の負担が大きいものを、これは三百床であるとか比較的小さい病院の経営が苦しくなってくるわけですが、そういうものを地方自治体に経営移譲というような、国の効率化のためにというようなことで、にしきの御旗みたいなことでやろうとしているようですが、これでは地方自治体はますますもって財政に大きな影響を及ぼすということになっていくのではないかと思いますが、どのようにお考えですか。
○古屋国務大臣 基本的に私が申し上げまして、事務的な財政上の見地につきましては審議官からお答えいたします。 率直に申しまして、私の地元にもそういう昔の傷痍軍人療養所がございまして、今この問題が出ておるわけでございます。もちろん再編成の問題は厚生省の所管でございますが、私どもといたしましては、これがリストアップされる場合におきまして、地方団体に移譲するという場合には、私どもの基本的考え方は、国も地方も行政簡素化をしなければならぬが、国の費用を地方に転嫁するようなやり方は承知できない、こういうことでございまして、リストアップされる段階におきまして、個々的に地方団体にこういうものを移譲しようというお話がありました場合に、今申し上げましたことを基本にいたしましてそれに対処してまいりたいと思っております。 お話しのように、いろいろ地方も自治体病院等もありますが、相当赤字でございまして、またこれが地方団体の負担になりますと、これは大変なことになりますので、私どもそういう点を考えながら、地方団体に移譲するというようなものがリストアップされる場合におきまして、地方の立場を厚生省に対して十分申し入れをし、今もそういう具体的な問題もぽつぽつ入っておりますが、具体的な地域の問題について厚生省に要請をしてまいりたいと思っております。
○井上(孝)政府委員 御承知のように、公立病院をめぐります経営状況は大変厳しいものがございます。また、地方財政も極めて厳しい状況でございます。そういう中で国立病院、療養所につきまして、地方団体が経営移譲を受けるということにつきましては、極めて慎重に対処すべきであろうと私どもとしては考えております。
○中村(重)委員 大池局長、自治省の考え方もなかなか厳しい。これは当然だと私は思う。そうなってくると、地方が受け入れなければ、今後どういう方向で進めていくことになりますか。
○大池政府委員 先ほど自治大臣等からもお話がございましたけれども、厚生省として申し上げますと、この件につきましては、臨調答申並びにこれを受けましての閣議決定に基づいて基本指針により実施するわけでございますが、その基本指針につきましても、自治省等とも十分協議を願いまして御理解をいただいているものと考えているわけでございます。 また、当然でございますが、再編成を具体的に推進するに当たっては、自治省はもとより、関係地方公共団体等の関係者との協議は密接にとりながら、その理解と御協力を得るように努めてまいりたいと考えております。 それからなお、この再編成は、医療事情の変化に効率的に対処する国の役割として真にふさわしいものを効率的、重点的に確保していく、そのために再編成という手段をとっているということが基本的な考え方でございまして、単なる赤字減らしとか赤字転嫁、そういう発想に立っているものでないわけでございます。 しかし、現実の問題として、先ほど御指摘のように、地方財政事情あるいは地方の公的病院の事情等も私どもそれなりに理解しているところでございます。したがいまして、具体的な個別の計画の立案あるいは推進に当たりましては、それぞれの実情に沿ってその経営移譲を円滑に進めるべく、必要な、例えば土地建物の譲渡や移譲後の運営に関しましての特別な措置について、十分検討する必要があろうと考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 ともあれ、再編成を進めるというようなことに対して、そのこと自体ノーだとは私は申しません。ですけれども、無理をしてはいけないということ。古屋大臣から先ほどお答えになった、国が出さなければならないものを地方に転嫁する。実際はそのとおりなのです。ですから、そういう矛盾した無理なことをやってはいけない。だからといって、デッドロックに乗り上げたからこの病院を閉鎖する、そういうような無謀なことをやるのはいけないことだ。創意工夫をこらして、国としての責任を持って医療行政を推進していくということでなければならないということを申し上げておきたいと思います。 それから、先ほど古屋大臣、私も今申し上げましたように、国の医療を地方に転嫁するという行政はやってはいけないのだ。先般来政府が提案いたしました高率補助の一割カット、この法律案は成立をすることになったわけであります。これは一年きりだということですが、今後福祉を後退させる、教育もそうなのですけれども、そういうことでなお地方に負担を転嫁するようなやり方、あるいは一年ではなくてさらにこれを継続していくというようなことがあってはならないと思いますが、大臣のお考え方はいかがですか。
○古屋国務大臣 今お話しの補助金の一割カットの問題でございますが、これは私ども自治省としても反対の立場をとっておりまして、昨年の予算編成の直前までそういう態度で進んでおりました。予算編成の直前、最後の折衝におきまして、これではどうしても予算が組めないからという緊急な要請がございまして、私どもはいろいろな対案を考えましたが、これは国でその足らぬ分、減った分を補てんをやってもらうということで、しかも一年限りということで一応了承をいただいたわけでございます。 〔委員長退席、新村(勝)委員長代理着席〕 したがいまして、問題はいろいろございますが、お話しの社会福祉、社会保障関係の問題、経常費系統の負担の問題、大体二千六百億でございますが、それが一番問題になりまして、厚生大臣と大蔵大臣と私と三者で、自民党の政調会長も立ち会われましてこの一年限りの覚書をつくり、六十一年度以降の問題につきましては六十年度中に対策を検討して決めるという三大臣の覚書というものをつくった次第でございます。 したがいまして、先般五月二十八日ごろでございましたか、三大臣に官房長官が加わりまして会議を初めて開きました。そして、これはこれから検討を進めていくに当たって有識者等の意見を聞かなければならぬというので、大蔵省、あるいは地方自治体関係者といたしましては先ほどここにおりました財政のよくわかっている金融公庫総裁の首藤君、それから全国の知事会代表、町村長代表、市長代表というのをそのメンバーに入れまして、きょう午後第二回のその会議が開かれるということになっておりまして、第一回の会議はこの間三十一日に済みまして、第二回の会議を開きます。 今後どうするか、そこで検討してまいりますということでございまして、地方の意見というのは、私どもといたしましては、率直に申しますと、補助金の整理合理化は必要でありますが、一割カットというのは国の負担を地方に転嫁するだけだから困るという立場を基本にし、特に社会保障につきましては、社会保障の国の責務ということを考えながら自治省としてはこの問題に対処して進んでいこうという基本的な考え方で、今三閣僚の会議あるいはそのもとの専門家の会議に臨んでおる、こういうところでございます。
○中村(重)委員 一年間で検討するということですが、その検討がどういう形で検討されるか。一割は無理だけれども若干補助率を引き下げることはやむを得ないなんというようなことは、大臣がただいま社会保障というものの重要性ということについてお触れになったわけですが、そういうことで福祉の後退というようなことはあってはならない、そういうことを検討するのではないというふうに理解をしてよろしいですか。
○古屋国務大臣 後退しては大変でございますので、きょう実は、その社会保障関係を中心にして、専門の有識者の間で、その問題について社会保障の専門家の意見も聞くというのが、きょうたまたま午後の第二回の有識者の会議でございます。お話しのような点は当然でございまして、私どもは、今の先生の御趣旨の点も十分その委員会に反映するように、こちらの代表にもよく一層連絡いたしまして、御期待に沿うように努力をいたしたいと思っております。
○中村(重)委員 時間がありませんから、次のことをお尋ねをいたします。 消防団員のことなんですが、次長が御出席のようでございますが、消防団員というのは、消防精神にのっとって犠牲的な役割を果たしておられるわけですが、この処遇が余りにも貧弱だということです。消防団員というのは、消防精神を発揮して住民の生命と財産を守ってくれているわけで、必ずしもその手当によって行動しておるのではないということはわかりますけれども、さりとて余りこれに甘えるということはいかがであろうかと考えますが、この消防団員の処遇についてどのような見解をお持ちになっておられるのか、お答えをいただきます。
○坂政府委員 消防団員の問題でございますが、消防団員は奉仕の精神にのっとって活躍していただいておるということで、全国で現在百四万人余りおります。先生御指摘のとおり、必ずしも報酬を目当てにというような方でございませんが、しかしいずれにしましても、非常に自分を犠牲にして社会のため、安全のため働いてくださっているわけでございますから、団員の手当につきましても、できるだけ毎年改善してまいって努力しておるということでございます。そのほか、万が一事故に遣われた場合とかそういう場合の手当、あるいは賞勲と申しますか、そういう問題等につきましても、消防庁といたしまして関係筋と常日ごろ連絡をとりまして、できる限りそれにふさわしい、義勇消防にふさわしい待遇が与えられるよう努力しております。
○中村(重)委員 時間がありませんから数字は挙げませんけれども、消防団員の出動というのは、訓練であるとか火災の場合は当然でありますけれども、その他災害関係等出動というのは非常に多いんですね。ところが、こういう例があります。消防庁としても御調査になっておられることもあるだろうと思うのですが、子供なんかが行方不明になったというんですね。いわゆる人捜し、そういう場合にいち早く消防団に対する出動要請ということになるんですよ。ところがその際、消防服は着ないで私服で行ってくださいというんですよ。これは大臣、ひとつ聞いておってくださいね。 私服で行ってください。なぜに私服で行かなければならないのですか。私服で行くということは、個人が行ったということです。もし消防団員として制服を着て出動するということになると、出動手当が要るわけです。それから、もしけがをしたという場合は、公務災害の手当てをしていかなければならぬということになる。それらのことから、消防団員に対して出動要請をしながら、行動は個人の資格でやってください。これは先ほど申し上げました消防団員の処遇の問題と関連をするのです。もう少し消防ということに対して、その任務が重要である、果たしておられる役割を評価されるならば、ただいま私が申し上げましたようなことがまかり通ってはならない、そのように思いますが、いかがでしょう。
○坂政府委員 そのような事実、不幸にして私どもただいまお伺いしたわけでございますが、消防団員は特別職の地方公務員でございますし、その職務は公務でございますから、その辺は公私のけじめをはっきりさせて、消防団として活動していただく以上はちゃんとそのとおりする、そのかわり、ただいま御指摘のように、もしも事故などあれば公務災害補償の対象になるということでございますので、そのような公私のけじめがわからないようなことのないよう、重々今後注意して指導してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 公私のけじめをはっきりしなければならぬ、こうおっしゃるのですが、そのこと自体答弁側として間違っておるとは言いませんが、基本的にはやはりお金の問題です。金がないから個人の資格でひとつ出動してくれ、人捜しをやってくれ、こういうことで、公私の関係のけじめと言えば、それはそうではないとは言いませんけれども、消防庁もこういうことに対しては、国の財政が苦しいからというようなことの配慮もありましょうけれども、こういうことに予算を抑えていくというようなことであってはならない、要求するものは当然要求をしていかなければならないというように私、考えますが、大臣、いかがです。
○古屋国務大臣 その点、全く先生おっしゃるとおりだと私は考えております。消防団員等の処遇につきましては、地方交付税で毎年これを若干ずつ上げさしていただいておりますが、もちろん交付税でございますからそれを守っていただきたいのでありますが、地方の財政事情でいろいろ守られていないこともあるかもしれません。私どもとしては、今のような消防団員の公的性格から考えまして、当然制服で行き、そういう仕事につきましては国家的なといいますか、そういう処遇をするのが当然でございます。そういう点につきましては、消防団員の処遇の問題につきまして十分注意いたしますと同時に、そういうような私服で行ったというようなことのないように、私どもは善処したいと思っております。
○中村(重)委員 おっしゃるとおりですね。交付税ということになっているもので、地方自治体の財政が苦しければ、国が交付税に対する一つの手当等に対する算定基準というのがあるわけですが、その非常に低い手当すら基準どおり支給されていないというような例も数多くある。そういう場合に、今度は消防庁は消防の改善を求めていく場合に、基準よりも低く支給しているというようなところがあると予算要求の足かせになるというようなことにもなるわけですから、そういう点は十分そういうことがないように対処してもらいたいというように思います。 時間の関係がありまして、残念ですけれども、最後に自治大臣に、地方事務官の身分移管の問題なんです。これは、地方事務官の希望並びに地方自治体の希望している方向とは逆の法律案の提案なんという形に実はなっているわけなんですが、知事なんかはこう言うのです。人事権がなければ、指揮命令をやれといったって、それはできるものじゃありませんと言うのですよ。ですから私は、やはり地方事務官は身分を地方に移管する、そういうことでなければならないと思いますが、大臣、いかがですか。 〔新村(勝)委員長代理退席、井上(一)委員長代理着席〕
○古屋国務大臣 この問題は、非常に国会でも地方行政委員会でしょっちゅう御論議になったところでございまして、私どもも、根本的には今のお話のとおりに考えております。ただ、臨時行政調査会の答申が、残念ながらこれと反対といいますか、そういうような方向に出ているように聞いております。これは運輸関係、労働関係、厚生関係に限られておりますけれども、知事さんで、仕事は同じところでやって身分が違うということはお話しのとおりだと思います。私どももそういうことを頭に置きながら、今後地方自治の確立、自主性という点からいたしまして、慎重に対処してまいりたいと思っております。
○中村(重)委員 時間がありませんから、これで終わります。
○井上(一)委員長代理 次に、新村勝雄君。
○新村(勝)委員 まず、日夜地方自治に尽力をされております大臣に敬意を表したいと思います。 まず、選挙制度の問題ですけれども、国の、特に衆議院議員の定数の問題については、最高裁の違憲判決もございまして、ようやく是正案が国会に提案されたということでございますが、一方、国の段階だけではなくて、地方公共団体、特に都道府県の段階における定数の問題が、国に劣らず不均衡が目立つわけであります。特に、東京都は先般若干の修正はしましたけれども、東京の周辺あるいは大都市の周辺で人口移動が激しいところ、例えば千葉県あるいは埼玉県、こういうところで定数のアンバランスが非常に目立つわけであります。 その中には多くの問題があるわけでありますけれども、その一つの問題は定数の不均衡であります。千葉県等においては、最低と最大では一対七以上の開きがある、こういうことでありまして、千葉県についても裁判所の判断が出まして、第一審においては憲法違反だという判断が出て、今最高裁に係属中であります。 こういうことでありますが、この定数の規定についての公選法の規定が極めて甘い。あいまいと言うと失礼ですけれども、極めて甘いわけです。こういうところから定数の不均衡が出てくるわけでありますが、この点について、まず大臣の基本的なお考えを伺いたいと思います。
○古屋国務大臣 現状をまず選挙部長からお話ししまして、先生のお話の意見等は、その後に私から説明申し上げます。
○新村(勝)委員 それで、まず問題点は、公職選挙法の十五条の二項には人口比例、そしてその具体的な方法まで規定をしておるわけでありまして、その都道府県の議員一人当たり人口の半分以下になった場合には統合しなければいけないという規定があるわけでありますが、その一方、二百七十一条二項では、それを否定するような規定が同時にあるわけです。こういう規定があるのは何ゆえかということ、その点についてまず伺います。
○小笠原政府委員 お答え申し上げます。 都道府県議会議員の選挙につきましては、まず都道府県内において選挙区を設けまして、各選挙区において議員を選挙するということになっておりまして、その選挙区の単位は、公選法の第十五条一項によりまして「郡市の区域による。」とされておるわけでございます。 郡市の区域によって原則として選挙区を設けて、さらにそれにどういうふうに定数を配分するかということにつきましては、原則として人口に比例しなければならないということになっておりますけれども、郡市を単位とする選挙区の人口が当該都道府県の議員一人当たりの人口に達しなくても、その半数以上であれば一選挙区として認められるというようなことになっておるわけでございます。 さらに十五条七項のただし書きにおきましては、原則として人口に比例しなければならないこととしておりますけれども、「地域間の均衡を考慮して定めることができる。」というような規定も置いております。 ただいま御指摘のありましたような条文も、経緯があるわけでございますけれども、総じて言いますと、完全に人口比例ということではなくて、やはり過密過疎とかいろいろな地域の実態を反映して、それぞれの地域から適切に代表が選出されるように定数配分を行うことができるというような特例として設けられておるわけでございます。
○新村(勝)委員 今のお答えでは不十分なんですけれどもね。十五条の二項で、議員一人当たり人口の半分以下になった場合には合併しなければいけない。別のところで、二百七十一条二項では、半分以下になっても合併しなくてもいいんだという。ですから、十五条の二項を真っ向から否定しているのが二百七十一条二項なんですね。そうすると、二百七十一条二項がある限りは、法的には、いかに格差が拡大してもいいんだ、そういう解釈もできるわけです。 こういうところから都道府県の人口のアンバランスというものが出てきたわけです。これはいろいろ考え方はあるにしても、参政権というのは国民の、あるいは県民の、市民の基本的な権利ですから、これは法のもとの平等ということからすれば、理論的には、一対二を超えてはいけないわけですよ、一人一票ですから。これは原則としてそうでなければいけないわけであります。それを否定するということは、法のもとの平等を否定することになりますから、これは絶対いけないわけなんです。過疎とか過密とかいいますけれども、過疎に対して余計定数を配分しなければいけないとするならば、過密の人たちに対する人権無視、法のもとの平等はどうするのかということになりますから、これは絶対に理論的には通らない理屈なんです。 そういうことで裁判所も、全部ではありませんけれども、一部の裁判所では、二対一を超えてはならぬという判断も示されておるわけでありまして、これは裁判所の判断があろうがなかろうが、一対二を超えてはいけないというのが理論的にも原則ですよ、法のもとの平等というのを認める限りは。ところが、二百七十一条二項によって拡大解釈をして、現状のように一対七、一対八というような極端な事例ができているわけです。 ですから、この二百七十一条二項というのは、近いうちに最高裁の判断が出るでしょうけれども、最終的な判断が出るでしょうけれども、法のもとの平等を侵す規定だと言わざるを得ない。ここから法のもとの平等を侵すような事態が発生していると言わざるを得ないわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○小笠原政府委員 十五条の二項で、その選挙区の議員一人当たり人口が平均の半分に満たなくなった場合は、合区しなければいけないとなっておりますけれども、二百七十一条の二項においては、昭和四十一年一月一日現在に設けられておる選挙区についてはそうしなくてもいいという特例の規定になっていることは御指摘のとおりでございます。 〔井上(一)委員長代理退席、東家委員長代理着席〕 沿革的に申し上げますならば、この規定は本来離島に対して設けられた特例規定であったわけでございます。本土の選挙区と合区するということが実態に合わないような遠隔の離島について、この特例が設けられておったわけでございますけれども、その後の地域の実情を考えますと、同様な僻地というものもあるし、またただいま申し上げましたような、いろいろな人口の急増、急減というような現象もございます。そういうことによって単に機械的に合区を進めることが果たしていいものかどうかということがいろいろ御論議がございまして、なおやはり地域の代表を選出させることが必要であるような場合は、特例として半数に満たなくなった場合でも一選挙区として独立をさせておくことができるという規定を引き続き設けることにしたわけでございます。 昨年、東京都の都議会につきまして最高裁の判決が出ておりますけれども、やはり東京都につきましても、島嶼部の特殊性というのは認めておると私ども判断をいたしておりまして、この規定が憲法に違反するものだというふうには私どもも考えておりません。
○新村(勝)委員 今のお話のように離島ということであれば、これはやむを得ないと思いますし、そういう場合には良識の判断も恐らくそれを認めるでしょうけれども、現状では離島を除いてはこの必要性のあるところはほとんどないと思います。交通は発達しているし、どんな僻地といえども今舗装道路の幹線道路が通っているわけでありまして、そういう極めて特殊な条件を考慮して決められた規定が極めて不適当に拡大されて解釈をされているということについては大変遺憾なわけでありまして、こういう特殊な事態に対する配慮は法文上にももっと明確にするなり、あるいは行政実例の上で明確にするなりする必要があるのではないかと思います。そうでないと、単なるこういう規定は憲法違反を助長し、そして法のもとの平等を侵害する規定だと思うのですが、その点はいかがですか。
○小笠原政府委員 地方議会の議員の選挙区ごとの定数配分につきましては、その団体の条例によって定めることとされておるわけでございます。その条例によって定める場合の原則が公選法に定められておるわけでございまして、原則として人口に比例して定めなければならないということになっておるわけでございます。 特別の事情があるときは、先ほど申し上げましたように、おおむね人口を基準として地域間の均衡を考慮して定めることができるというようにされておりましたり、あるいは二百七十一条二項の特例等が設けられておるわけでございますけれども、もとより、このような特例につきましては、私ども自治省といたしましては必要最小限度にとどめるべきであるというふうに解釈をし、また通達等で指導をしておるところでございます。 ただいまそういう都道府県議会議員の選挙区別定数配分について一定の基準を設けるようなことを考えたらどうかというお尋ねでございますけれども、基本的には各都道府県におきまして当該地域の実情を踏まえて自主的に決定されるべき問題でございまして、一律の標準を設けることについては、そういう客観的な基準というものが設けられるかどうかという問題もございますし、また地方自治の建前からもあるいは許容格差というようなものを定めることが果たして適当であるかどうかということもありましょう。したがって、そういういろいろな問題がございますので、御指摘のような一律の標準、基準を設けるということは考えておらないわけでございます。
○新村(勝)委員 地方に任せるということのそれをもっと越えた大きな立場として、憲法の法のもとの平等ということを確保しなければいけないということがあるでしょう。しかも中央官庁は、もちろん地方の公務員でも同じですけれども、憲法を守らなければいけないという義務があるわけですから、先ほども指導はされているということでありますけれども、そういう点についてもなお一層強く指導していただきたいと思います。 それから、その問題に関連するわけでありますけれども、都道府県の議会議員の選挙区は郡市によるとありますけれども、人口急増地帯では郡というものの意味がほとんどなくなっているわけです。人口急増地帯では郡の中に次々に市ができますから、市が次々にできることによって郡がなくなっている場合もありますし、また町が一つだけ残って、あとは全部市になったというようなところもあるわけでありまして、郡市によるということ自体が、これは地域によりますけれども、人口急増地帯、東京の周辺等では全く意味がなくなっている。 意味がなくなっているだけではなくて、こういう定数配分等を行う場合には、公正な定数配分の阻害要因になっているということがあるわけです。これは千葉県の北部等をごらんになればすぐわかりますけれども、こういうことで郡市の区域によるということは全く意味をなさなくなっている地域があるということでありますけれども、そういう事態に対する対応は何かお考えですか。
○小笠原政府委員 お答えを申し上げます。 都道府県議会議員の選挙区につきましては郡市の区域によるということが基本の原則になっているのは、御指摘のとおりでございます。この郡市の区域によるということでございますけれども、これは明治二十三年の府県制以来郡市を単位として選出することとされておりまして、現行法においても、できるだけ郡市を単位として議員を選出させようということになっておるわけでございます。 これは一般的に言いまして、郡市の区域が地理的にも社会的、経済的にも一体性を持っておりまして、これを選挙区の単位とすることが合理的であるという判断に立っておるわけでございます。 一般的に申し上げましたらそういうことでございますが、御指摘のように人口急増地域等につきましては、新しい市がどんどんできましたり、その郡の区域が当初といろいろ違ってくるような実情があろうかと思います。 〔東家委員長代理退席、井上(一)委員長代理着席〕 そういうことがあろうかと思いますけれども、郡市の区域を選挙区の単位とするという現行の選挙区制は、長い歴史を持っておりますし、一般的な合理性を有しておることでもございますし、やはり今後とも維持していくことが適当ではなかろうか、このように考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 一般的にはそういう区域がかなりありますけれども、大都市の周辺等においてはそういうことがかえって阻害要因になっているところもあるわけでありますから、そういうところについては積極的に選挙区の合併等を推進する、あるいは指導するということが必要だと思います。そうでないと合理的な配分ができないということと、それからもう一つの問題は、そのために今一人区が非常にふえている。 地方公共団体の選挙区というのは複数区、中央においては、衆議院においては中選挙区でありますけれども、地方自治体においてもその考え方が踏襲されていると思うのです。数名、三名から五、六名、場合によっては、多いところは県等によっては十名くらいのところはありますけれども、やはり中選挙区という考え方が流れていると思うのです。ところが、一人区の選挙区が非常に多くなっているわけです。ですから、人口急増地帯では小選挙区制が、都道府県の段階でもかなりにわたって小選挙区制が事実上導入されている、こういうことになるわけです。 そういった問題をあわせてこれは地方団体に任せるべきだということでありますけれども、これは憲法問題でもありますし、また中央の、特に衆議院議員の選挙との関連性もありますので、そういう点について、今はっきりと答弁できないにしても、今後検討いただけるかどうか、お願いします。
○小笠原政府委員 都道府県の議会議員の選挙区について郡市の区域によるという原則が、長い歴史と一般的な合理性を持っておるということを御説明したわけでございますけれども、大都市周辺地域では実態に合わないという御指摘でございます。 ある郡の人口が他の地域に比較して非常に少なくなったような場合とか、人口の少ない市が次々に生まれるというような場合には一人区が生ずることになるわけでございまして、現実には一人区が相当あるということは私ども承知をしておるわけでございます。しかしながら、県庁所在地等を初めといたしまして、大きな市では最高十七人とか十八人というような大選挙区になっておるところも一方ではあるわけでございます。 これらの実態を踏まえて、郡市の区域を選挙区の単位とする都道府県議会議員の現行の選挙区制をどう考えるかということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、非常に長い歴史を持っておりますし、一般的に申し上げますと、郡市の区域というのが地理的、経済的、社会的に見ましてまだまだ一体性を持っておるということがあるわけでございますので、基本的にはこの制度でいくことが適当ではないかと考えるわけでございます。 ただ、今御指摘のございましたように、今後、都道府県議会議員の定数配分を見直すような機会がいろいろとあろうかと思います。東京都や沖縄県を除きましたら、次の統一地方選挙は六十二年に予定をされております。東京都はことしでございますし、沖縄県は六十三年の予定でございますけれども、その他の多くのところは六十二年に予定されております。 そこでは、ことし十月一日に行われます六十年の国勢調査の結果を見て、都道府県議会議員の定数配分の見直しが検討されることになろうと思っております。その際に、当該団体においていろいろと地方自治の建前から十分に論議をされると思いますけれども、自治省といたしましても、当該団体から具体的な相談がございましたら、適正な定数配分をするように指導もし、また御相談に応じて努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 定数配分の不合理、格差の拡大、こういうことは今指摘したようなことが原因になっているということを申し上げたわけでありますので、これは地方自治の問題であるとかあるいは国の関与すべきことではないということではなくて、違憲の状況を阻止するという立場から、ひとつ十分検討されて指導願いたいわけです。その点、お願いします。 次の問題ですけれども、これは厚生省にお伺いしますが、今厚生省では国立の病院、療養所の整理統合ということをお考えのようであります。これは行革の一環としておやりになるわけでありますし、また、国の医療に対する責任と都道府県、地方自治体あるいは民間の医療機関の担当する分野とは違うというお考えのようでありまして、それは一部納得できるわけでありますけれども、しかし、各地域にある国立病院は、いずれもその地域の住民に対するいわゆる地域医療を担当する機関になっておるわけでありまして、これを整理統合する場合には、その点を十分考慮をされて進めていただきたいわけであります。 そこで、統合の基本的な方針についてまず伺いたいと思います。
○羽毛田説明員 お答えをさせていただきます。 先生お尋ねの国立病院、療養所の再編成の問題につきましては、御指摘のございましたとおり、臨調答申、閣議決定をもちまして決まっております新行政改革大綱という形での政府方針に基づいて実施しようということで、目下取り組んでおるところでございますが、その趣旨といたしますところは、やはり国立病院、療養所が今後の日本の医療供給体制の中で時代の要請にこたえた役割をしていくという視点に立ちまして、今後国立医療機関としてふさわしい機能を充実していく、そのために、その一方におきましてその役割を他にゆだねることが適当なものは経営移譲、あるいは統廃合といった形をとった方が医療面、経営面等でより効率の上がる医療ができるというような場合には、統廃合というような再編成をもその中に含んでやっていかなければいかぬ、こういうことから、その経営の合理化をも含めまして、そういった再編成問題に取り組んでおるところでございます。 その中で、今先生お話のございました地域の医療に役立ってきたという側面をどのように考えるかというところにつきましては、考え方といたしましては、国と地方公共団体あるいは民間の医療機関といったようなものの役割というものにつきまして役割分担を非常にきちっと考えまして、基本方向としては、地域の一般的な医療は民間、あるいは民間でカバーできないところについては地方公共団体というところが基本的にカバーをしていただいて、国はより広域的な高度あるいは専門的な医療の方に重点を置く、あるいは研究、研修といった部面に重点を置く、こういう方向で再編成をしていくことが日本の医療供給体制全般の将来に役立つであろう、こういう考え方に立ちまして進めているわけでございます。 ただ、進めるに当たりましては、当然その医療機関は、現に戦後だけでも四十年の間、それぞれの地域におきまして地域の医療に役立った側面を持ってきておるわけでございますから、その取り進めに当たりましては、地域の医療への影響、あるいは統廃合等します場合にはその後追い医療をどうするか、こういった点につきまして私どもとしても十分な配慮をしながら、あるいは地元の関係の方々とも十分協議をしながら進めていきたい、こんなふうに考えてやろうとしておるものでございます。
○新村(勝)委員 次に、極めてローカルなことになりますけれども、実は東京の東側、常磐沿線、これは人口急増地帯で、日本一の人口増加を今続けているわけでございますけれども、東京の東側というのは、交通機関は主要幹線としては常磐線一本しかない。東京の西側、北側、南側にはたくさんの国鉄あるいは私鉄がありますけれども、東側は常磐線が一本、このことは交通政策の上でも今大きな問題になっております。 ところが、医療供給体制の上でも一番の後進地帯、医療過疎地帯ということになっておるわけでありまして、常磐沿線には国立病院が柏に一カ所ありますね。その次になりますと、ずっと先へ行って土浦です。ですから、千葉県内には、常磐沿線には柏しかない。松戸と市川はむしろ総武沿線ですからね。そういう点で柏の国立病院はぜひ残してもらいたいという地元の要望が強いわけですけれども、その点はいかがですか。どうお考えですか。
○羽毛田説明員 お答えをさせていただきます。 ただいま具体的な病院名を挙げての存続についての御意見を承ったわけでございますが、私ども、この再編成問題に取り組みますスケジュールといたしましては、六十年度にその再編成の具体的な案をこしらえるということで目下作業をいたしておるところでございます。したがいまして、現在のところ国立の病院をどうするかという点については、まだ具体案を固め切っておらないをいう段階でございます。 したがいまして、柏病院をどうするかという点についてはこれからの検討課題でございますけれども、ただそこの中で、確かに再編成に当たりましては、人口の増加でございますとかいろいろその地域によってそれぞれの事情はございますけれども、それを無視するというわけではございませんが、基本的には、地域の一般的医療の確保については民間医療機関あるいは地方公共団体、こういったところにお願いをして、国立医療機関は主としてより広域を対象とする高度専門的な医療という側面の機能を充実してまいりたいという基本方針で実は臨みたいというふうに考えております。 その際に、それぞれの地域の医療を現在まで確保してきたという側面との関係につきましては、地域の後医療の体制をどうするかということにつきまして、実施に当たりまして地元関係者とも十分協議をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。確かに、それぞれ地域の医療を担当してきた、あるいはそれぞれの地域の医療の側面で医療機関としてなくてはならないという側面、それぞれのところでいろいろございますけれども、現在国立二百五十三の施設、そういった施設でやっておるわけでございますけれども、この施設を今のままの状態で、ただ地域に役に立っておるというだけの側面でこれを温存していくというだけでは、現在の厳しい状況下で、一方において充実の必要な部分を充実していくということに役立つ側面がなかなか生かし切れないという実情がございますので、そういう意味では、総論といたしましては、そういう重点的な資源投下と申しますか、統廃合をすべきものはし、経営移譲をすべきものはする一方で、充実するものはしていくという方針で臨まざるを得ないということでございます。ただ具体例につきましては、六十年度じゅうということで今作業をいたしております。また、その具体的実施に当たりましては、地元の医療の関係とはよく御協議を申し上げていかなければならない、こんなふうに考えております。
○新村(勝)委員 千葉県北部は、衆議院議員の定数の一票が日本一軽いわけです。これは皆さん御承知のとおりです。同時にまた、大変失礼ですけれども、国の施策もそれに応じて軽いと思うのです。少ないと思うのです。医療の供給体制にしても、病床数にしても医師の数にしても日本一少ないわけです。こういう事実もひとつ十分頭に置いていただきたいわけです。そういう意味からも、ひとつ柏の国立病院はぜひ残していただきたい、再度お願いをするわけです。 それから、国立病院を、総合病院ではなくて、それぞれ専門病院化するという構想があるそうでございますけれども、仮に専門病院化された場合には、その病院は今までとは機能がかなり変わってきますね。その場合には一般患者は受け付けないのかどうか、一般診療は制限するのか、あるいは全廃してしまうのか、その点を伺います。
○羽毛田説明員 お答え申し上げます。 再編成後におきます国立病院、療養所像というものにつきまして、目下具体像を詰めておるということは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、その際には、やはり先ほど申し上げましたように、住民の一般的な医療という側面につきましては極力民間あるいは地方公共団体にお願いをして、国立医療機関は主としてより広域の、いわば地域の中核的な、あるいは高度専門的な医療といったような側面で国立医療機関にふさわしい役割を担当するという基本的な考え方でございます。 その際に、国立の医療機関のタイプとしましては、いろいろなタイプが出てまいると思いますが、一つは、おっしゃるような高度先駆的な医療を担当する高度専門医療施設といった方面を目指すもの、それからまた、社会的、歴史的な経過の中から担当いたしております結核等、いわば国の重要な政策として取り上げていかなければならない部分における専門医療施設の役割、あるいは狭い地域の病院としてではなくして、より広域の総合的な診療施設として、この場合総合病院という格好になると思いますけれども、総合病院として、地域のいわゆる卒後教育を含みます医師の教育研修の側面に役に立つ、あるいは広い地域の臨床研究のメッカとして役に立つ、こういった側面の病院、こういったものも今後つくっていかなければならないということでございますから、一概に論ずることはできないと思います。 そうした側面で、いわば地域の一般的な医療を診ますという形での医療機関というもののあり方については、これは基本的には、それがゆえに設けるという意味合いにおいては、今後の国立の役割としては考えないという方向で考えたいということでございますから、そういう意味では先生おっしゃるような問題が出得るわけでございますが、そのことについては、一つは、そういう関係は日本の医療の場合には、御案内のとおり国立だけではなくして、地方公共団体あるいは民間の医療機関を含めました体制で支えられておるわけでございますので、他のそういった経営主体における医療機関によるカバーということについて十分協議をしてまいる。あるいは、例えば高度専門施設として立地をいたします場合にも、その能力の範囲でその地域の求めに応じた医療というものをやっていくというようなことも考えていかなければならないということを、先般出しました指針の中では書いておるわけでございます。 そういったいわば本来その目的で設けたということでないにしても、地域に医療機関が立地する以上、地域の医療システムの中の求めに応じていくという側面については、それはやはり今後とも考えていくということをあわせて考えていきたい、こんなふうに考えております。
○新村(勝)委員 専門病院化もあり得る、廃止か専門病院か、あるいは高度医療の役割を果たすということのようでありますけれども、その場合に地域医療については地方公共団体等に任せるというお話でありましたけれども、その考え方は、現在の国の施設を場合によっては地方公共団体に払い下げ、あるいは管理を移管するということも含むわけですか。それとも、現在の施設は国独自の立場で整理統合してしまう、地方団体は別途そういった施設を調達しなさい、設置をしなさい、そういうことなんでしょうか、どちらなんでしょう。
○羽毛田説明員 お答え申し上げます。 今後の再編成を進めるに当たりましてのいわばそういう整理の側面でどういうメニューを考えておるかということにつきましては、今先生御指摘のございました経営移譲、それも地方公共団体以外の主体も場合によってはあり得るということをも含めました経営移譲という側面、それから、国立病院、療養所の内部においてこれを統廃合いたしましてより機能のアップを図るというような考え方をもあわせて、両方の手段でやっていきたいというふうに私ども考えております。 その際に、地域の医療の問題をどうするかの問題に、つきましては、例えば経営移譲の問題ですと、そのまま医療機関としては存続をいたしますから、地域の医療の側面では、経営移譲がスムーズに行われる限りはそこで確保されるということにもなりますし、それから統廃合になりまして、例えばある地域から近くのどこかの病院と統合するという形で、そこの具体的な町あるいは村、市というところからその医療機関がなくなるという事態になりました場合の後医療につきましては、別途の手だてということで地方公共団体あるいはそのほかの医療主体等を含めまして、十分その後医療について協議を申し上げる、こんなことに相なろうというふうに思います。
○新村(勝)委員 そうすると、現在の国の医療機関を地方団体に払い下げをするあるいは民間団体に払い下げをするということも考えられるということですか。 時間がありませんので一遍に質問しますけれども、そういう地方団体あるいは民間団体には、過去において払い下げた事例がどのくらいあるのか、それから払い下げる場合には条件がどうであるのか、それらも一緒にお答え願います。
○羽毛田説明員 経営移譲という場合に考えておりますいわゆる経営そのものを地方公共団体あるいはそのほかの公的な団体等に移譲をするということにつきましては、今回の再編成の中にも一つの方法論として位置づけております。それから、そのことについての今までの事例につきましては、ちょっと今統計を持っておりませんが、例えば昭和二十七年にそういうことをいたしまして、そのときには十カ所、県と市が一カ所ございましたと思いますが、いわゆる経営移譲を行った実績がございます。 今お話のございましたそれを行うためのいわばどのような助成をということでございますけれども、その過去の事例の場合にも、経営をお譲りする場合には、これを割引をしてその建物等をお渡しするというような助成措置を行っております。今回の再編成に当たりましても、そのような助成措置が要るであろうということにつきましては、今回の基本指針にもそのような方向で書いておりますし、またそういう形での移譲の際の建物等の価格の特別措置、それから移譲後の経営に対する助成あるいは医療スタッフ等の面におけるバックアップ、こういったようなことについて今後これを助成して、そういったケースが出てまいりました場合に円滑に移譲等できるようなことを検討してまいりたい、こんなふうに考えております。
○新村(勝)委員 あと一問だけ、大臣にお願いしますけれども、定数の問題といい、今の病院を中心とする地域に対する施策の面にしても、大臣はどうお考えですか。政府の皆さん方は常に過疎問題ということをおっしゃっております。確かにその点はあると思いますけれども、今はむしろこの行政の恩恵というのは大都市に薄い、というのは代表が少ないということが基本的な原因だと思いますけれども、大都市、人口集中地帯あるいは人口急増地帯に対する国の施策が、過疎地帯よりもむしろ落ちているということです。これをひとつ十分御記憶いただいて、定数の問題にしてもあるいは諸般の施策にしても、人口急増地帯に対する御配慮をぜひお願いして、終わります。
○井上(一)委員長代理 次に、貝沼次郎君。
○貝沼委員 ちょうど私の質問の途中に参議院の本会議が入るようでありますので、大臣その間退場されますので、初めの方で大臣に関係のある部分を質問しておきたいと思います。 初めに、補助金カットの臨時特例等に関する法律というものが今回できまして、それに対して地方自治体は大変困っておるわけでございます。先般五月二十日に、全国知事会あるいは市長会その他の皆さんから「国庫補助負担率の引下げ措置に関する申し入れ」というのが出ておりまして、既に大臣御存じのものでございますが、この申し入れの文書は、 「国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律」が可決成立したが、その内容はすでに明らかなとおり、事務事業の見直しを行わず、単に国庫補助負担率の引下げを行ったのみであって、地方への単なる負担転嫁にすぎない。 このような措置は、行政改革の本旨には沿わないものであるので、衆参両院の附帯決議の趣旨に則り、同法に定められたとおり、今年度限りの暫定措置としてこれを厳守し、六十一年度以降二度と繰り返されることのないよう強く要望する。 こうなっておりますが、この申し入れに対しまして大臣はどのようにお考えであるかということと、今後どのような姿勢で立ち向かっていかれるかという点をまず初めにお尋ねしたいと思います。
○古屋国務大臣 地方団体に対する国庫補助の一割カットの問題につきましては、実は率直に申しますと、私どももそういうことには反対をしておったのであります。昨年の九月から十二月の予算編成直前までは、自治省といたしましても、補助金の整理合理化は必要であるが、一割カットというのは地方に負担を転嫁するだけで、効率的なものではないという立場からこれを主張してきまして、そのためにいろいろの資料、メモを大蔵省へ出しまして、例えば補助金のカットにいたしましても、合理化のために地方と国との費用分担のあり方、機能の分担というようなことを考えまして、個々的に補助金をカットするということは必要である、しかし一律カットはただ地方に負担を回すだけで適当ではないという考えでありましたが、予算編成直前になりまして、どうしても国の財政が厳しいから、これを一年限りとし、しかもこれに対しては国において補てんをするという話がありました。 そして、私どもはその際におきましては、特に経常経費についてそれが一番問題であります。つまり厚生省関係でございますが、そういうことにつきまして予算編成の直前に大蔵大臣、自治大臣、厚生大臣の署名をし、自民党の政調会長もその覚書にサインをしたもの、つまり六十年度限りの問題であり、それを補てんする、六十一年度以降はどうするかということにつきましては、この予算、法律が成立しました後、国庫補助金のあり方というような問題を含めまして十分検討いたしますという三大臣の覚書も、特に福祉関係についてはございました。 そういうことで、五月二十八日に自治大臣、大蔵大臣、厚生大臣と官房長官の四閣僚会議を初めて開催いたしまして、これに対する根本方針として、とにかく地方の、あるいはこのことの専門家、学識経験者の意見を今度は十分聞いてどういうふうにするかを決めなければならぬので、そういう専門的な委員会をつくろうということで、たしか大阪大学の名誉教授を会長にいたしまして、大蔵省関係で推薦した三人、厚生省関係で推薦された社会保障の専門家三人、自治省関係といたしましては、元の事務次官でございました首藤金融公庫総裁、それから知事代表、市長代表、町村長代表というのをその委員にお願いいたしまして、三十一日にそういう専門家の第一回の検討会を行い、きょうの午後、特に社会保障について第二回の検討会を行うということでございます。 私どもは、大蔵大臣ともよく話しまして、国会における論議の問題も十分踏まえ、特に自治省といたしましては、地方自治体の意見も十分考えながら、六十一年度以降どうするかということはそういう場面において十分検討して、それによって措置をするということでございますので、あくまでも一年限りということと同時に、今度は地方の意見も十分聞きながら、補助金の整理合理化につきましては、やはり地域の実情を考え、既に定着化しておるもの、メニュー化したもの等は整理をしなければなりませんが、一律カットは承服できません。特に社会保障関係につきましては、憲法二十五条によって国の責務という立場も考えまして、この問題に対処していきたいと考えておるのでございます。 自治省といたしましては、今申し上げたような基本態度のもとにこの会議に臨みまして、これが概算要求までにまとまるか、あるいは予算編成の直前までかかるか、ちょっと今のところは見通しがわかりませんが、あくまで地方の自律性、自主性ということを立場に私どもは交渉に臨む決意でございます。
○貝沼委員 大変力強い答弁でございまして、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。 そこで、自治省にだけ聞いて大蔵省に聞かないとこれはいけませんので、ただいまの自治大臣の答弁もありましたが、大蔵省としては、国会の中でも相当の議論があったわけでありますから、この議論を踏まえて何らかの考え方があるのかどうか、反省的なものはあったのかどうか。この反省的なものがあったかどうかということと、それから六十一年度に向けてどういうお考えでおられるか、これをお答え願いたいと思います。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 先ほど自治大臣の御答弁がございましたように、現在、補助金問題につきまして有識者による検討会を重ねておるところでございます。したがいまして、六十一年度以降の補助率のあり方というものにつきましては、まずもって有識者の皆様方の十分御納得のいく御議論というものを踏まえて、端的に申し上げますと、いろいろ地方団体の方の御意見もございましたけれども、国、地方の役割分担あるいは費用負担の見直しというものも含めまして、十分検討を進めていくというように考えておる次第でございます。
○貝沼委員 そうすると、ちょっと確認いたしますが、十分検討というのは、要するに、ただ話を聞くという意味もあるでしょうし、それから、それを参考にしていわば一つの審議会的な見方をして、そこで得られた結論を最大限に尊重していくとか、そういう立場になるのでしょうか、どちらになるのしょう。
○藤井説明員 先ほどの三大臣の覚書の案文でございますが、「昭和六十一年度以降の補助率のあり方については、国と地方の間の役割分担・費用負担の見直し等とともに、政府部内において検討を進め、今後一年以内に結論を得るものとする。」ということでございます。したがいまして、ただいま先生御指摘の問題につきましては、まさに政府部内の一環としてやっておるわけでございます。したがいまして、まずもってその有識者の皆様方のお考えなり御意見なりを十分に承りまして、政府部内で今後、最終的にその結論を得るように努めたいというように考えておる次第でございます。
○貝沼委員 ぜひひとつ国民の声が生きるようにお願いをしたいと思います。 それから次の問題は、大臣の時間がだんだんなくなってまいりましたので急ぎたいと思いますが、ことしの四月十九日の決算委員会で、補助金の問題につきまして私は総務庁長官に対して質問をいたしました。これはどういう問題をやったかといいますと、俗に言う多目的複合施設なのでございます。例えば各省にまたがってできる建物がございまして、同じ建物に入り口が二つあったり図書室が二つあったり、そういったむだなことがあるので、こういったことは改めなければなりませんということを主張いたしました。 そうして、その具体的な方法として、私は、一つはまず、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律という法律がありまして、この二十二条並びに二十四条で、決められた予算はほかのところに絶対使ってはならないとかという歯どめがなされておるわけでございますので、これをまずきちっと見直さなければなりません。それからもう一点は、交付要綱ですね、この弾力的な運用というものをやはり検討すべきではありませんか。そうしてさらに、どんなにそれを弾力的にしても、例えば共通して使いなさいというようなことをやってみても、各省が納得しないといけませんので、その調整をとる場所が必要ではありませんか、という三つのことを主張いたしました。 それに対しまして総務庁長官は、法令を見直さなければならぬかどうか、これは検討いたします。それからもう一つは、現在ある補助金交付要綱、これらについても見直しをお願いしなければならないだろう。それからもう一点は、そこらをどう調整するか、これを調整する役所は一体どこだろう、予算のときだろうか、それとも予算ができ上がってから執行の段階で調整するのかどうか、この辺のところを調整するというふうな答弁がございました。私は、まさにこの三つがなされればうまくいくのだろうと思いますが、総務庁長官も、一番難しいのはこの調整の問題であるというふうに言っておりました。 そこで、大臣に質問をするわけでありますが、私がはたから見ておりまして、まず申請をする側は各省庁にまたがってやりますし、それから今度は中央から補助金をつける場合は、これは決定したならば何らかの調整というものはできるのでしょうけれども、申請をする場合には膨大な資料を各省に持っていかなければなりません。そういったことを考えたときに、全部というわけにいきませんが、ある一つの窓口として自治省が大きな役割を果たさなければならないのではないかという感じがいたしますが、この点について大臣の所見を伺いたいと思います。
○古屋国務大臣 先生の御意見は私も全く同感でございまして、複合施設等におきまして、それぞれの省が違うために入り口を二つ置いたり事務室を二つ置いたりするようなことは、本来の国の補助金の整理合理化という見地からいたしましては適切でないと私ども考えております。 その調整の窓口をどこに置くかという問題でございます。自治省ももちろんその一つでありますが、やはり補助金の問題は総務庁が一番中心でございますので、後藤田長官ともよく話し合いまして、補助金の問題というのは自治省よりもむしろ総務庁の方がいいのじゃないかと私は考えておりますが、これも私の決定的な意見ではなくて私見でございます。とにかく現実の問題としてはやらなければならぬので、ひとつそういう補助金については総務庁で調整してくれぬかということを私からもはっきりお願いいたしまして、私どもは、そうすればその場におきまして、今度は地方団体の意見というものを十分総務庁の方へ申し上げることができると思うのであります。 ただ、私ども今率直に言いますと、そういう調整を自治省がやるといいましても、各省それぞれの縦割り行政になっておりますので、やはり今の制度のままでは、そういう補助金の問題の主管、それに対して調整できるというのは、私は総務庁が適当ではないかという感じがしておりますけれども、これは自治省でやれとおっしゃいますれば、もちろん自治省でやることにやぶさかではございません。地方に対しては自治省の方がいいと思いますし、その関係各省、郵政省なり通産省なりそういう補助金を出す窓口につきましては、やはりその調整は総務庁の方がいいんじゃないだろうかということも考えておりますが、いずれにしても放任できない問題でございますので、早速今の先生の御趣旨を後藤田長官にも連絡しまして、実質的に効果がある最善の方策はどっちでやるべきかということにつきまして相談いたしまして、善処をしてまいりたいと思っております。
○貝沼委員 ぜひひとつ成果の上がるような御相談をお願いしたいと思います。地方自治体の皆さんの方から見ると、やはり自治省というのはしょっちゅういろいろなことで来ている省でありますから――私は一本でできるかどうかというのはちょっと疑問があるのです。例えば申請を自治省を通すとか、あるいは補助金がついた段階でまた調整する機関が別にあるとか、何か一本ではいかないような気がしますけれども、ひとつその点を実の上がるように御努力いただきたい、こう思う次第でございます。 それから次の問題は、この補助金の一律カットに関係いたしまして、離島の問題があるわけでございます。 例えば現在、離島と本土がつながっておるのは航路と空路でありますけれども、空路のある、飛行機の飛んでおる島というのは大きな島でありますから、むしろ深刻なのは飛行機の行かない島であり良して、金離島航路が四百十八もあるわけでありますけれども、そのうち、唯一の交通機関として航路だけというところが百八十六もあるわけです。これは五十八年四月一日現在の数字であります。そうして生活航路というのが百五十二、こうなっておるのです。 それから、それらで最近の年度決算における赤字航路が全国で三百ございまして、唯一の交通機関としては百六十ありまして、生活航路として二百七の航路が赤字になっております。これに対しまして国庫補助というものが出されておるわけでございます。この国庫補助航路というのが百三十四というふうになっておりますが、こういうようなことで、一律カットの問題は島の人たちの死活を決めるような大きな問題にまでなってまいりました。 実は、私の地元でも離島はたくさんありまして、岡山県で島にして十七、四市一町にわたる離島があるわけでございます。この中にも、六島から笠岡へ行くのとか、あるいは飛島から笠岡へ来るような航路は、やはり補助対象になっておる航路でございます。そして、この一律カットのために補助率が変わってしまいました。 今私がここに持っておりますのは、運輸省地域交通局長から各県の知事あてに出された通達でございます。これは六十年一月十四日に出されたものでございます。これによりますと、「昭和六十年度離島航路補助について」というのがありまして、 離島航路の維持については、従来より国と都道府県等が協調して助成してきたところでありますが、六十年度予算政府原案においては、高率補助の見直しの一環として、本補助金についても国庫補助率を従来の四分の三から三分の二に引き下げることになりました。 この文言については後で運輸省にちょっと尋ねたいと思いますが、これはまだ法律が通ってないときの話ですから。 四分の三から三分の二に引き下げることになりました。これに伴う都道府県等の負担増については、自治省において然るべき財源措置が講じられる旨聞いておりますが、 聞いておるというのは、通達では非常に珍しい表現だと思うのですが、 昭和六十年度分の補助について、貴県におかれては国庫補助の残余分について予算措置を確実に講じられるようお願いします。 なお、上記に伴う補助要綱の改正については、予算成立の時点で措置することとしています。 こうなっておるわけでございます。 そこで、実は大臣の時間が気になるので私はこれを先に言っておるわけですが、「自治省において然るべき財源措置が講じられる」というふうに聞いておるのだそうですから、決まっているのか決まってないのかわかりませんが、これはどういうふうに財源措置を講じるように考えておるのでしょうか、この点をお尋ねしたい。
○花岡政府委員 このたびの補助率の引き下げに伴います地方負担の増加額に対しましては、原則として経常経費系統に係るものは普通交付税で措置することとしております。ただ、この離島航路補助金に係るものにつきましては、これが特定の地方団体に限られるものでありますし、また国の補助金を積算の基礎に用いなければならない、この積算が一月ごろになるというふうな事情もございますので、これは特別交付税において措置をする考えでございます。 〔井上(一)委員長代理退席、新村(勝)委員長代理着席〕
○貝沼委員 特別交付税ということですね。それでやっていただけばよろしいわけですが、これは各地方自治体に対して連絡はしてあるのでしょうか。自治体の方では今迷っているのです。一体これはどうやったらいいのかということで迷っておるので、私のところに問い合わせがあるわけでありますが、自治体の方にはこれは連絡済みなんでしょうか。そういう指導はなされておりますか、どうですか。
○花岡政府委員 この点につきましては、昨日も全国都道府県の財政課長・地方課長会議を開きまして、十分連絡いたしております。
○貝沼委員 昨日連絡を徹底したということは、この自治財第二十二号、昭和六十年六月六日、自治事務次官から各都道府県知事殿、「昭和六十年度地方財政の運営について」、これについて徹底をしたということですか。
○花岡政府委員 その自治次官の通達におきまして詳しく説明をいたしております。
○貝沼委員 そうすると、この通達の中の「昭和六十年度の地方財政対策の概要は、次のとおりである。」というわけで、「(1) 国庫補助負担率の引下げに伴う地方負担の増加に対する財源措置」という項目がございまして、これは一月二十二日でしたか、前のものとほとんど同じような内容のものとなっておりますが、そのことを指しておるわけですか。
○花岡政府委員 御承知のように、地方団体が予算を組みます参考といたしまして、この通達が実際に各法案が成立しなければ出せないわけでございますので、その内簡といたしまして一月に出しておるわけでございますから、内容といたしましては、この自治次官の通達とその内簡とはほとんど変わっておりません。したがいまして、予算を組む一月の段階におきましてもその旨を説明しておりますけれども、重ねて昨日、その旨を徹底いたしたところでございます。
○貝沼委員 話があっちこっちしますので、大臣関係は大体それぐらいにしておきまして、今度具体的に尋ねてまいりたいと思います。 まず初めに、この通達の問題でありますが、運輸省にお尋ねいたします。 先ほど申し上げましたように、この文章についてちょっと異論があるわけでございますが、これは一月十四日で、まだ法律が通っておりません。法律が通っておりませんが、政府原案において四分の三から三分の二に引き下げることになった、こういうふうに原案が決まったら、これはすべて通達を出して、そうして、それは間違いなくそうなりますよということを含めた指導は常になされておるのでしょうか。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 六十年の一月十四日に政府の予算原案が決まった段階においてこういう文書を出した理由でございますけれども、実は従来は、我々の方で四分の三を持ち、残りの四分の一につきましては特に県におきまして予算措置を講じていただいておるわけでございますが、県によりましては、国と同じ年度、当年度に四分の一を補てんしていただいておる県と、それから次の年、過年度に補てんをしていただく県と二種類ございます。その中で、特に国と同じ年度に予算措置を講じなければならぬということでやっていただいておる県の方から、国の原案がどういうことになったのか、それについて示してもらわないと県の方の予算措置が講じにくいということで、国の予算原案についての通知をしてくれということが実はございましたので、こういう文書でお願いをしたわけでございます。
○貝沼委員 それではその次に、「自治省において然るべき財源措置が講じられる旨聞いておりますが、」こういう「聞いておりますが、」というようなことは、普通通達にあるのでしょうか。大体各都道府県から見れば、運輸省であろうと自治省であろうとどこであろうと政府に変わりはないわけであります。ところが、運輸省から来るのは、自治省では何かするらしいよというようなことはお互いにわかっていない。わかっていないものを示されても我々はわからないということになりまして、非常に不思議な通達であると言われておるわけですが、これは相談しなかったのでしょうか、わかっていたけれどもこういうふうに書いたのでしょうか、それともお互いに話し合いがつかないからこういうふうに書いたのでしょうか、どうなんでしょうか。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 実は内容につきましては、自治省との間において予算のセットの段階から確認してございます。ただ、この段階で国の方から各都道府県の方々に御連絡を申し上げましたときに、実は先ほど申しましたように、県の方で予算措置を講ずるに、際し、要求側としてそういうものが必要であるのでぜひお願いしたいということで出したわけでございますが、その段階におきましては、実は自治省の方から各地方の県の財政当局の方にそういう旨の連絡が行っていない段階でございました。そういうこともございまして、うちの方からのルートだけでそういうことを通知するのはいかがかということで、こういうちょっとあやふやな文章表現にさせていただいたわけでございます。
○貝沼委員 ですから、そんなあやふやな表現では私、まずいと思うのですよ。自治省はそう遠いところにおるわけじゃないのですから、ちゃんと相談をして、自治省ではこういうふうになっておりますから財源措置を講じてください、こうはっきり書いた方がいいのじゃないですか。一月二十二日ですか、自治省はあれだけの説明をしておるわけですから、現在それと同じだというのですから。こういう通達というのは都道府県が非常に迷いますね。 これではっきりしない点が実はまだあるのです。それはどういう点かといいますと、話が前後して大変恐縮ですけれども、先ほど自治省の方から、この財源措置は特別交付税でやるのだというふうにお話がございました。そこで、特別交付税ならば、では、この中身は特定項目となるのですか、それとも一般項目となるのでしょうか、こういうことを自治体では悩んでおるわけでありますので、お答え願いたいと思います。
○花岡政府委員 これはちょっと私、細かいこと知りませんけれども、多分一般項目になると思います。
○貝沼委員 いや、そういうはっきりしないのを一般項目と言われたら、ちょっと困るのですね。特定項目なら、これは減額が関係してこないのです。ただ一般項目の場合は、減額項目が関係してくるのですから、これは大きく影響があるのです。 減額項目というのはいろいろあるでしょう。例えば、そこでギャンブルをやっているとか、あるいは何か手当の問題だとかありますね。公営競技収益金が七百五十一億円云々とか、期末・勤勉手当二百四十一億円とか、共済組合負担金が十億円とか、市制施行生活保護費二億円とか、財源超過額千三十五億円とか、こういう減額項目というのがあるわけですよ。したがって、減額項目がかかるのかかからないのかというので困っておるので、この通達に期待したわけですね、本当は。 ところが、この通達と同じころに自治省からは、特別交付税になるでしょうという話は行っているけれども、その中身のことでわからないからみんな迷っておったわけでず。それで今お尋ねをしたわけですけれども、どうですか、多分という言い方ではちょっと私、せっかく質問してもわかりませんが、もう少しはっきりした答弁は出ませんか。
○花岡政府委員 こういった離島航路その他の経費につきましていわゆる減額項目、例えば財源超過額で控除するというふうな措置をしておるわけでございますが、普通交付税におきまして措置をする場合におきましても、これは不交付団体には算定はされますけれども交付をされない、交付税としては、現金としては行かないということになるわけでございまして。この意味におきましては、普通交付税で措置する場合と特別交付税で措置する場合と同じような扱い方をしなければならないであろうと思います。その意味で一般項目とせざるを得ないのではないかと私は考えております。
○貝沼委員 その一般項目にするということは、まだ連絡は行っていないわけですね。
○花岡政府委員 そこのところの算定の方法のことまでは、通知はいたしておりません。
○貝沼委員 それはいつごろ通知をされるのですか。
○花岡政府委員 これは特別交付税算定の時期のころになるわけでございますので、年度のおしまいごろになるわけでございます。
○貝沼委員 自治体の方でははっきりしないで大変困っておるわけですから、決まったことならば、正式か正式でないかは別として、ひとつ御連絡してあげる方が親切ではないかと私は思っているわけでございます。 それから、実は離島問題でせっかくですから幾つかやろうと思ったのですが、だんだん時間がなくなってきましたので、運輸省に対しましてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 いろいろな団体から離島振興の決議等が出ておりまして、その中に例えば今の離島航路の問題、離島航路に就航する船舶建造に対する国庫補助制度の創設の問題、船舶整備公団の融資条件の緩和の問題、それからその利子補給の問題等が出されておるわけでございますが、こういうことについて当局としてはどういうふうに受けとめておられるのかということでございます。 航路が重大であるということは、私がるる申し上げるまでもないことでありまして、例えば、佐渡にIC工場ができた、その佐渡にIC工場ができたら、給料が新潟に比べてたとえ一万円少なくとも、私どもは自分たちの力で郷土を支えたいということで労働力も出ておりますし、あるいは八丈島に空路ができたばかりに、たしか農業二十億、漁業二十億、合計四十億円経済規模が大きくなっておるということも事実ありますので、航路一本でつながっておる離島との関係において、こういったことをするのは非常に意味があると私は思います。 今までは本土から離れた島、離島、こういう感じがありましたけれども、島があったばかりにそこから二百海里が計算されまして、いわば日本の海洋資源は島のために守られておるわけであります。いわば最前線基地みたいな感じのところでありますので、島をただ援助するとかなんとかするという発想ではなしに、島が発展することが実は日本の発展につながっていくのである、こういう考え方を持ってもいいのではないかと思いますが、そういう考え方に立ってただいまのこの決議を申し上げ、そのお考えをお尋ねするわけでございます。御答弁を願います。
○小幡説明員 お答え申し上げます。 先生のお話のように、離島航路は、島の方々にとっては生活の基礎として非常に大事なものでございます。我々といたしましても、地方公共団体と協調いたしまして、欠損につきましては十分の十の補助、補てんを行うということで行っておるわけでございます。 その中で、船舶建造の助成の要望がございますが、実は、我々の方でやっております運営費補助の中に、船舶建造の補助は入っているわけでございます。と申しますのは、船舶をつくる際に補助金をいただく方法と、それからもう一つ、運営コストの中に入ってまいりますので、具体的に申しますと、船をつくり、持ちますと、船舶の償却の問題とその金利の問題というのが入ってくるわけでございますが、これは運営コストの中に入ってまいります。これにつきましては、我々補助対象として見ておりますので、言ってみますれば、船舶建造として一時的に全額見るかあるいは分割して運営費補助の方で見るかという二方法がございますが、現在の我々の方は、運営費補助ということで見さしていただいておりますので、そちらの方で従来どおり進みたいと思っておるわけでございます。 それから、船舶整備公団の中で融資の問題、具体的に申しますと共有比率の問題といたしまして、現在離島航路については八割の共有ということでございますが、これは従来から事業者の方々から共有比率を引き上げてほしいということで、我々も昨年も要求いたしたのでございますが、残念ながら八割のままになっております。これにつきましては、昨年と同じように共有比率を引き上げることで検討中でございます。 それから、もう一つ金利の問題でございますが、これにつきまして、実は船舶整備公団の金利が市中の金利と余り差がないということで、有利性が薄れてきておることは承知しております。これにつきましても、どういう形で離島の方々に役立たせていただけるか、その辺につきましても、共有比率の問題と一緒に考えさせていただいているところでございます。
○貝沼委員 時間がもうなくなりましたので、最後に、せっかく消防庁においでいただいておりますので、お尋ねしておきたいと思います。 実は、東京都で「適」マークの調査をいたしました。それによりますと、デパートとか大規模店は四〇・一%でよろしいのですが、まだまだ低いところがございます。例えば劇場とか映画館とか、それから公会堂、集会所とか、これが平均なんですね。消防庁の調査で、県別でも大分低いところがございます。うんと低いところになりますと、二二%なんというところがあります。その理由として消防庁の方では、避難訓練をしていなかったというのが一番多いようでありますが、こういう「適」マークが少ないということは、私ども何も知らないで入っている人間にとって非常に危険なことなんですね。 したがって、なぜこういうものがいつまでもいつまでもおくれておるのかということです。殊に先般、科学万博でもこのことは問題になっておりまして、あれだけ多くの人が集まるのに、それがなされてなかったというようなことでありましたので、進まない理由、そして今後どういうふうにしようとなさるのか、この点だけ伺って、終わりたいと思います。
○坂政府委員 「適」マークのお話でございますが、旅館、ホテル等につきましては、日本全国平均で言いましても八〇%と非常に高いわけでございますが、ただいまお話のございました劇場、百貨店等につきましては、東京の場合には七九・五%と割と高いのでございますが、全国平均にしますと四四・一%と低いわけでございます。 なぜこのように低いかということにつきまして、一つは、旅館、ホテル等につきましては、既に「適」マーク制度を適用してから四年もたっていて、かなりの是正の期間があったということ、それから、一般国民がホテル等については、これが「適」マークかどうかということは非常に関心が強いわけでございます。ところが、百貨店とか劇場になりますと、「適」マークがあるかないかということには余り関心を持たないで中に入るというようなことでございますから、一つは、やはり国民の関心がちょっとこういう施設について低いのではないかということ、それと、その期間がまだ二年しかたってないということでございますので、我々といたしましては、このような点に着目しまして関心を高めるということ。 それから、お話しのように、東京などは割と高いのでございますが、非常に低い地方がございます。こういうところは、その消防本部自体の予防上の組織なり人間の能力と申しますか、そういう点も問題があるかもしれませんので、そういう点につきましても、組織の責任をはっきりさせる、あるいは職員の能力を上げるということ、多少時間がかかると思いますが、そういう点に重点を置きまして、現在計画的にこれの作業を進めるよう一層指導してやっておるところでございます。
○貝沼委員 終わります。
○新村(勝)委員長代理 次に、滝沢幸助君。
○滝沢委員 委員長、御苦労さまです。 大臣が参議院の審議の都合で出席がおくれるということでありますから、大臣に対する質問は後回しにさせていただきながら、五十八年決算、しかも自治省の範囲にわたることに関連しまして二、三のことを質問させていただきます。 初めに、これは大臣が見えられたらなお改めてお伺いをさせていただきたいと思いますが、五十八年の決算の中で、地方、特に市町村のその年度の決算状況も踏まえて、その後のそれをめぐりましての地方の財政状況を一言御報告いただきます。簡単で結構です。
○花岡政府委員 五十八年度の市町村の決算は、前年度に比べまして歳入では一・九%、歳出では一・六%の増ということでございまして、昭和三十年度以来の低い伸びとなっておるわけで、極めて緊縮型の決算となっております。実質収支を見ますと、六千六百十九億円の黒字でございます。赤字団体は五十五団体、前年度より九団体減少いたしておる状況でございます。 簡単に申し上げますと、五十八年度市町村決算はそういう状況でございます。
○滝沢委員 そういう中で、これも大臣が見えられてもう一度確認させていただきますけれども、地方財政富裕論というような、富裕論と銘打つのはいかぬと思うけれども。とにもかくにも中央政府の財政は非常な破綻を来している、このことはだれも認めることでありますけれども。それに比べて地方はやや何とかなるという発想がある、私はこれは誤りだと申し上げさせていただくわけであります。 それは、武蔵野市のごとく大変高い給料を払ったりして世のひんしゅくを買っているところもありますけれども、しかし、僻地山村等を中心としましての相当部分の市町村等においては、大変な財政逼迫を余儀なくされているわけであります。そういうふうに見ますときに、全国一律の物の考え方というものに反省を求める必要があろうと思うのでありますが、この間の事情はどうですか。
○花岡政府委員 地方財政につきまして財源に余裕があるというふうなことが巷間言われておるわけでございますけれども、地方財政の現状は、御承知のように、六十年度末におきましては五十六兆円に及ぶ借入金残高がございます。また、個々の地方団体の財政状況について見ましても、財政運営の基本的な指標となります公債費負担比率も年々上昇しておりまして、その比率が二〇%を超える団体が、五十八年度の決算におきましても八百二十団体、全体の約四分の一を占める状況でございまして、個々の団体におきましても財政の硬直化が年々進んでおるわけでございます。 地方財政と申しますのは、国の財政構造と異なっておりまして、義務的経費のウエートが非常に高い、また歳入面におきましても、自主財源が非常に乏しいということでございます。また、三千三百余の団体の財政主体の集合体がいわゆる地方財政と言われるものでございまして、国のように単一の地方財政とマクロでの指標の比較というものは困難ではないかと私ども考えておるところでございます。 こういうことでございますので、私ども今後とも、地方財政の厳しい状況は関係各方面に十分理解をしていただくように努力いたしますとともに、地方税、地方交付税等の一般財源の充実確保を図りまして、同時に、地方団体におかれましても行政改革の実を上げられるようお願いを申し上げながら、今後の地方財政の健全化に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 〔新村(勝)委員長代理退席、委員長着席〕
○滝沢委員 このことは、大臣が見えられてからまた触れさせていただきます。 地方が大変苦労しておる一つの例でありますけれども、政府は緊急地方道路整備事業を進めておられるが、これらをめぐりまして今全国の市町村が大変苦労しておる。言うなれば、政府に対して一つの不信感と言っても過言ではないでありましょう、持っておることは、これらの地方道等の整備についての事業の中に六〇%、四〇%ということで決められております国庫の支出の分、国費の分ないしは補助、交付金等の部門につきまして、最近に至りまして、これは交付金には入らぬ、そして起債も認めがたいというような方針が出されたというのであります。 詳細の御報告はこれから承りたいと思いますが、要するに、希望を与えたような形で、幾つかの団体等については既に今年度の予算を議決した後で、それがだめだという情報に接して大変戸惑うておるということでありますので、この間の事情を御説明願いたいと思います。
○花岡政府委員 地方道路整備臨時交付金について地方債がその裏に当たらないかということでございますが、この交付金といいますものは、もともと単独事業に計上されるものでございまして、地方財政計画の上でも単独事業として計上されております。したがいまして、当然に裏負担が生ずるものではございません。裏負担がございませんから、これは交付金だけをもらってそれだけ仕事をすればいいという形のものでございまして、この点については、予算を編成する段階から、地方団体に対しても十分御説明を申し上げておるところでございまして、地方団体の方々がこの点で納得をいただいておるものと私どもは考えております。
○滝沢委員 納得いただいて予算編成の作業に全国の団体がかかられたとするならば、今幾つかの市長さんがそのように苦労していらっしゃる、またそのことを政府に対する不信感を表明されるということはないのではありませんか。一部にはそのような情報を無視して、楽観的に物を見て予算化した団体があるということですか。
○花岡政府委員 国の道路の補助金につきましては、今回補助率の引き下げがございましても三分の二になっておるわけでございまして、今言われておりますような十分の四程度の交付率になるということになりますれば、これは補助率をさらに引き下げたものができるわけでございまして、そのようなことは地方財政にとっては非常に悪い影響を及ぼすわけでございます。もしこれが通常の補助事業でありますならば、さらに高率の補助事業としての補助金がいただける、さらにそれに対しては、地方財政においても裏負担の措置を当然に講ずるわけでございまして、これは地方財政計画にそのまま計上されることになるわけでございます。 今回の交付金につきましては、十分の四という交付率があるわけではございません。これは単独事業でございますので、地方財政計画上もこの千百億円というものはそのまま単独事業に計上いたしまして、それだけがふえておる。裏負担はないわけでございます。したがいまして、地方団体がその金額について交付金を幾ら受け入れられるか、これはどの程度来るかということを考えてお組みになることはいいわけでございます。それに裏負担があるわけではございませんので、御指摘のような問題は起こらないのではないかと私ども考えております。また、この点は建設省とも十分話し合いがついての上でのことでございます。
○滝沢委員 実は、建設省もお呼びする手はずをしたのでありますけれども、別に数日中に建設省にも質問の機会をいただいておりますので、二重に出ていただくのもどうかということで、本日は御遠慮申し上げたのであります。 とにかく幾つかの市町村が、建設省と自治省との間のそれらのやりとりの中で、だまされたとは申し上げませんけれども、不信感を持ってというか、今後どのようにしましょうかということで苦労をされているわけであります。ここで固有名詞を挙げるのはいかがかと思いますので、それは伏せさせていただきますけれども、市町村が理解を誤って予算編成をしたというのであるならばいざ知らず、しかし苦労されている現実はそのとおりでありますから、ひとつよろしく御教示、御指導を賜りたいと思います。いかがでしょうか。
○花岡政府委員 地方団体に対しましては、十分に御説明を申し上げる所存でございますし、また地方団体が財政の運営を行われる場合に、いろいろ御苦労されている事情もよく知っておりますので、地方財政全体としまして、その団体の財政全体といたしまして財政運営に支障のないように、私どもは指導してまいりたいと存じております。
○滝沢委員 順序がやや前後しまするけれども、具体的なことでございます。 戸籍法五十条、施行規則六十条によりまして、赤ちゃんが生まれた場合にその名前を届けるときに、二千百十一字の文字以外には使ってはならぬという規定、これについては私は、先般予算委員会等でもお伺いをしたわけでありますが、私としては納得がいきません。そこで再び取り上げさせていただきまするけれども、法務省に関連してお伺いしますが、このことを改善される方途はございませんか。
○細川説明員 お答え申し上げます。 人の戸籍上の名前に用います漢字の制限の問題につきましては、滝沢先生から政府に対する質問主意書がございまして、これに対する答弁という形で、いわば政府の公式見解というものを申し上げた次第でございます。 その内容といたしておりますところは、人の名前に書きがたい文字あるいは読みがたい文字を用いますと、これによって御本人のみならず、これを見たり聞いたりされる第三者の方々にも社会上の不便があるということで、現時点においてはこの制度を直ちに改正するというのは困難ではないかという御答弁を申し上げたところでございます。私どもといたしましても、現在この見解でやむを得ないのではないかと思っている次第でございます。
○滝沢委員 法務省としては改善の意思がないことは、せんだっても承ったことであります。ところが、東大の名誉教授の宇野精一先生が最近、論文を発表なさいました。それは、私の予算委員会のあの質問、ないしは先日提出いたしました質問主意書に関連して書いていただいているわけですけれども、その中で私はこのような文言に接しました。 「それは昭和五十三年十二月以来、人名漢字の問題を審議するために法務省に設けられた民事行政審議会でのことである。私も二十六名の委員の一人として、列席してゐたから、」ということで、途中略しますが、「私は、人名漢字についても常用漢字と同様に、これを目安とし、なるべくその漢字表の範囲で命名するやうに心がけよ、といふ趣旨の規定を設けるべきだと強く主張した。ところが同席の委員の一人であった法制局次長T氏は、」と書いてあります。 T氏が何人か私はつまびらかにしませんが、この人が「法律にはさういふ規定はできない、仮にさういふ法文が作られたとしても、私はそれを認めません、と断言されたのである。法制局次長が言ふことだから、私は引下ったのだけれども、」云云とありまして、その後いろいろ法律を見ると、いわゆる精神立法みたいなものが多々ある、こう言っておるわけです。特に例としまして、年齢のとなえ方の法律でも、満で教えるように努められたい、やむを得ぬ場合は数え年でもよろしいというような法律があることに気づいた、このことを知っていれば私はもっと頑張った、こう言っておるわけであります。 いやしくも法制局次長たるものが、仮に国会が立法の意思を表明した場合、ないしは内閣がこれを国会に提出しようというような状況になった場合、私はそれを認めませんというようなことを公式の場所で発言することがふさわしいかどうか。T氏が何人か知りませんから、今ここであなたにはっきりしろと言っても不可能なことだと思いますが、どうぞ省に帰られましたらこのことをきちんとされまして、このときのT氏は何人か、そして、その真意は何かを別途お返事をいただくように、委員長にお取り計らいを願いたいと思います。 意見があったらおっしゃってちょうだい。
○細川説明員 お答え申し上げます。 そのT氏がどなたであるかということは私ども存じ上げておりますが、この方は内閣法制局の次長でございまして、法務省の組織外でございます。お名前をお知らせすることはできるかと思いますけれども、私どもから法制局次長の御発言についてとやかく申し上げるのは、差し控えさしていただきたいと存じます。
○滝沢委員 あなたは法務省を代表して、本日ここに見えていただいているのでしょう。法制局の次長は学識経験者というようなことで委嘱されたのではなくて、法制局次長なるがゆえにこの委員を委嘱されたのでしょう。それはあくまでも法制局、すなわち法務省の意見ではないか、私はこう思うのですがね。 今ここであなたにはっきりしろと言っても、それは無理ですから、委員長にそのお取り計らいをお願いしているわけでありますから、委員長、どうかひとつしかるべくお計らいを願いたいと思います。
○安井委員長 ちょっと伺いますが、法制局側のその本人の意見を確かめたい、こうおっしゃるわけですか。
○滝沢委員 その人は、個人として、学識経験者というような立場で出られたのではないのであります。形式はどうあれ、とにかく法制局次長なるがゆえにその委員に委嘱されたと私は思います。そうなれば、そのような法文が仮にできても私は認めませんという発言が妥当かどうか。そのことが少なくとも宇野委員の発言を封じておる、それであきらめたと言っているわけでありますから、法制局の見解を承りたいということでございます。
○安井委員長 法制局の意見ですね。それでは、きょうは法制局を呼んでいないので、別な機会に法制局をお呼びいただいてお話をしていただく。その際、また理事会でも御相談したいと思います。
○滝沢委員 はい、わかりました。 大臣が見えられるまで、休憩させていただきます。
○安井委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ――――◇――――― 午後零時四十四分開講
○安井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 滝沢幸助君。
○滝沢委員 大臣、御苦労さまです。 時間が残り少なくなりましたので、質問を簡単に申し上げます。お答えの方も簡潔に願いたいと思います。 大臣、今ほどもいろいろと議論をしていたところでありますが、私は、総じて今日の日本の地方自治は大変な危機に瀕しているというふうな表現をさせていただいているところであります。その一つの例としまして、法務省も見えていただいておりますから、大臣、お座りになったばかりでありますから、まず法務省から先にでありますけれども、外国人の登録をめぐりまして指紋押捺の拒否ということが今大変議論されていることであります。 私は、このことについて詳しい論議をする時間的いとまを持ちませんけれども、このことで告発をする市町村があればしない市町村もある、それをそのままに任せておいてこれはどうなることなのか、結論として、法務省としてはこれに対してどのような御見解をお持ちか、それから先に簡単にお願いします。経過等はいいです。
○黒木説明員 告発問題につきましては、若干ばらつきがございましたので、去る五月十四日付の通達をもちまして一定の方針を改めて指示いたしまして、今後この方針に従って措置してもらおうと考えております。
○滝沢委員 それが実行されない現状を踏まえて、自治大臣、これがばらばらのままでいいのかどうか。このことについて私はあと二、三申し上げますが、このようなことをきちんとできないならば、地方自治という、一つの法規、一つの政府の方針のもとで自治を行うという大原則が崩れるのではないか、私はこういうふうに案じて申し上げているわけであります。
○古屋国務大臣 お答えいたします。 今の役所の系統が縦割り行政でありますために、地方には機関委任事務として国の事務が法律によって規定されております。指紋押捺の問題はまさにその一つの例でございまして、法務省が指紋の問題についてとられた今度の措置、それはとられた措置で結構でございます。ただ、私どもその窓口であります地方団体においてごたごたが起こったり、告発するところもあり、告発されないところもあるというようなまちまちの状態は、望ましいものではないと私は思っておりますので、法務省としては、機関委任事務であります以上、地方に指導を徹底していただきたい、混乱の起こらないような的確な指導をやってもらいたいということを、自治省としては法務省に対して要請しておるところでございまして、いろいろの立法論的な意見におきましては、機関委任事務をどうにかしろというような御意見もございます。そういう問題は中長期的な観点で検討すべき問題であるし、機関委任事務であります以上、私どもはできるだけ混乱が起こらないように、法務省に一層徹底的に指導していただくことを要請し、また期待しておるところでございます。
○滝沢委員 お聞きのとおりであります。しからば法務省では、委任した側としてこれをきちんとされますか。全国歩調をそろえることができますか。
○黒木説明員 私ども、五月十四日に通達を発しまして、その後、全国ブロック別に主管課長会議を開きまして、まず中間監督者である県に対してその趣旨を徹底いたしまして、さらにこれを各県から市区町村に対して徹底してもらうということで、現在そういう作業と申しますか、説明を行っている段階でございます。 私ども、この趣旨が徹底されると思っておりますし、御懸念のような、もし私どもの指示にすぐ応じてもらえない自治体があれば、これは中間監督者である県を通じまして改めて個別にその市町村を指導してまいりたい、このように思っております。
○滝沢委員 徹底しなければ県を通じて指導する、その指導というのはどういうことですか。自治省としては、これは委任されたことだからごたごたするのはむしろ迷惑なので、きちんとやってちょうだいと法務省に言うだけでいいのですか、その間のところをどうぞ。大臣からでも法務省からでも結構です。
○古屋国務大臣 先ほど申しました縦割り行政のもとにおいて今の行政組織ではこうなっておりますが、私どもといたしましては、市町村の役場で混乱が起こるということは大変心配でございます。起こらないように法務省に指導してもらいたいと言っておりますが、この問題につきましては、指紋をどうするか、登録証をどうするかということにつきまして、事務的な最高レベルであります法務事務次官、外務事務次官、警察庁長官、それから自治省の事務次官、これで協議の場を持っておりますので、そういう場合には、その場面において十分私どもの趣意を徹底するように措置をいたしたいと考えております。
○滝沢委員 どうもはっきりしませんけれども、大臣、私はあと時間がないですから割愛しますけれども、印鑑登録の事務のごときも、固有の市町村の事務であるということで非常にアンバランスなんです。ある町で受け付けになった印鑑が、この町に移住して、住居を移して登録をしようとすると、それはだめですと受け付けられない型式もあったり、そしてその証明書のごときもさまざまでございます。こういうことも、固有の市町村の事務だとはいいながら、例えば住民票と同じように、一たん登録したならば、日本じゅうぐるぐる居住が変わってもついて回るという制度に改められたらいかがなものか、私はこう思うのであります。このことで特に後で時間的に触れて御答弁できるならば一番ありがたいのですが、時間がないですから、質問の方を言うことだけを言わせていただきます。 実は、大蔵省からも見えていただいているわけでありまするけれども、おいででしょうか。――実は、先ほどに地方財政の富裕論というのは間違っておるということを申し上げました。確かに金持ちの自治体もあるけれども、全く大変な自治体もあるんだから、一律という考え方は間違っているという考え方に立って、補助金の例の一割カットのことはまことにいけないことであった、こう思うのです。しかし、これも一年限りというお約束があったと思うのです。これがきちんと守れるかどうか、これをひとつお伺いしたい。 とともに、申し上げさせていただきまするけれども、大臣、地方自治体は、大変富裕な自治体もあるかどうか知りませんけれども、多くの、特に山村僻地等においては苦労しておるわけであります。そのときに、先ほど申し上げました指紋押捺のこと、ないしは印鑑登録のこと、あるいは自衛隊の募集、これも委任事務ですね、こういうことをめぐって各市町村にその対応にばらつきがあったりしている。一面からいうならば、財政的には三割自治とか言われまして、自治とは言っても財政的には全部中央政府におぶさらなくてはならぬこの状態というものを考えますると、一つは財政面で、一つは制度の面で、一つは自治の意識の面で、さらには政府の指導の不徹底さによって、地方自治は今危機に瀕しておる、私はこういうふうに申し上げたいのでありますが、大臣の御所感、いかがでしょうか。後で大蔵省のお考えもお聞かせください。
○古屋国務大臣 地方財政の現実につきましては、お話しのように、私どもは国も厳しいが地方も極めて厳しいということが結論的の考え方でございますが、大体、現在の地方自治体におきましては、五十七兆という借金を抱えております。そういたしまして、地方の実際の町村、三千三百余ございますが、この四分の一の八百二十団体というのは、公債比率二〇%以上という極めて厳しい状況にあるわけでございます。御承知のように、地方の市町村の仕事というのは極めて義務的な経費が多うございまして、国と違いまして弾力的なものはほとんどないということでございます。しかも三千三百の集合体でございますので、そのうちにお話しのように、それは裕福なものも若干あるでしょうけれども、大部分が非常に厳しい状況にある。こういうことから考えまして、国も厳しいが地方も同じように厳しいものであるという認識を私は持っております。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 質問が三つほどにまたがっておるかと思いますが、まず第一点のいわゆる富裕論云々のお話でございますが、現在の財政状況は、国、地方ともに収支不均衡状態であるということは事実そのとおりでございます。したがって、いずれも厳しい財政状況にあるということで認識しておる次第でございますが、六十年度の地方財政について見ますと、財源不足が大幅に縮小しておるとか、あるいはその結果といたしまして建設地方債の増発額も大幅に減少した、あるいは公債依存度も低下するというような意味におきまして、国と比べて大幅に改善された姿を示しておるということも事実ではなかろうかと考えております。 したがいまして、国と地方の財政状況をどういう形で比較するかというのは、一概に言うことはなかなか難しいかと存ずる次第でございますが、マクロの数字で比較いたしました場合に、公債依存度とか公債残高とか公債比率というようないずれをとりましても、少なくとも国の方は地方に比べてより厳しい状態にあるということを申し上げることは可能ではなかろうかという点が第一点でございます。 それから第二点、しからばそれを踏まえて、いわゆる補助率の引き下げというのはいわば地方転嫁論に関連する話でございますが、どういう考え方であったのかという点でございます。これは既に先生も御承知のように、過去数次にわたる臨調答申等でいろいろ指摘されておる事項でもございますし、補助金の整理合理化というのは避けて通れない問題でございます。そうしたものの一環として、いわゆる行財政の簡素合理化並びに地方団体の自主性、自律性尊重という二つの柱を踏まえまして、補助率の引き下げも補助金等の整理合理化の一環という観点からいたしたものでございます。 それから第三点は、一年限りかどうかという点でございますが、これもけさほど御答弁申し上げましたように、今まさに検討会というものを設けて政府部内で検討しておるところでございます。問題がかなり専門的、複雑な問題もございますので、有識者あるいは学識経験者というものの御意見を十分に承りまして、政府部内で検討を進めていきたい、かように考えております。
○滝沢委員 終わります。大臣、御苦労さまです。どうもありがとうございました。
○安井委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 最初に大臣にお聞きするのでありますが、秋田県警本部運転免許センターを舞台にした免許証偽造事件は、昭和五十九年五月十八日に発覚して以来、翌未明主犯の三浦を含む三人の逮捕者を出したのを皮切りに、六月二十八日の捜査本部による事件終結宣言までに四十七人もの大量の逮捕者を出した。しかし、終結宣言後も関与していた者が出現し、七月二十一日、秋田地検はさらに四人を加える五十一人を一括起訴したなどと報道されているわけでありますが、まさしく秋田県警始まって以来の一大不祥事件といたしまして、全国的にも注目されたわけであります。 古屋大臣の前の段階、去年のことでありますから就任前でございますが、大臣としてこの問題からどのような教訓を得、反省を酌み出しているか、一言簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。
○古屋国務大臣 今度のいわゆる秋田事件は、今先生お話しのように、全国五千万人というドライバーを初め、国民の免許行政に対する信頼を裏切るものでございまして、警察の組織内でこのような犯罪が発生いたしましたことについては極めて遺憾でありまして、今後こういう問題につきましてないように、徹底的に指導をいたしてまいります。
○中川(利)委員 この事件によって計四十四通の黒い免許証が白日のもとにさらけ出されたわけでありますが、そのうち四十三通、これは当時県警本部交通部運転管理課管理第一係の事務吏員三浦久夫被告によるオンラインシステムの末端操作によって行われたのでありますが、しかし私の調査では、黒い免許証の黒い根っこ、つまり不正の土壌は、オンライン化によって初めてやられたのではなくて、もともとそれ以前から運転管理課内で日常茶飯事といった気安さで行われていた形跡が濃厚でございますが、この点についてどう調査されたのか、お答えいただきたいと思います。
○金澤政府委員 この事件につきましては、今お話がありましたように、五十一名を検挙いたしまして、事件を送致しております。その捜査の経過におきましては、事件の背景、構造などにつきましても必要な捜査を行いまして、事件の全貌を解明した、こういうふうに考えております。
○中川(利)委員 つまり私が聞いたのは、一番肝心な運転管理課の中でそういう黒い土壌、つまり運転免許証の売買が日常茶飯事のような状態でなかったのかという質問に対しまして、今のような答弁では全く不満でございますが、私はここに三浦久夫被告の裁判における供述書の写しを持っているわけであります。 この三浦久夫被告が、「どういうわけでこの人方に作ってやろうという気になったのですか。」という質問に対して、こう言っているんです。「私は免許センターに転勤になったころ、」これは五十四年三月九日転勤になりましたが、「運転免許証がお金で売られているといううわさを聞いたことがあるんです。そのころ、私はその話が全く信用できませんでしたけれども、私が直接管理第一係に勤務するようになってから、」これは五十六年三月二十七日配属されていますが、「もしかしたらできるんじゃないだろうかと思うようになって来たんです。」こう言っているんです。 そのほかに、「それで私が実際にその仕事をやるようになって、」「自分の仕事に対して自信を持って来たころ、友達に自慢するような感じで、自分の仕事内容について聞かれたときに自慢するような気持で、免許証は消すこともできるしなんとでもなるのだよということを自慢気に話したのです。」はっきりこういうことを言っていますね。つまり、彼が免許センターに転勤になったのは五十四年三月、一番問題の管理第一係に入ってから、初めてそれができるという確信を持ったということですね。この点につきましては一体どう考えるのですか。
○金澤政府委員 ただいまもお答えいたしましたとおり、いろいろな背景、構造、すべてにつきまして捜査をいたしまして、その結果、犯罪となるべき事実ということで把握をいたしました件につきまして、立件送致をしたということでございます。
○中川(利)委員 すべての犯罪について捜査した。ですから、私はこの当時の土壌の問題を聞いているのです。そういう当たり前であった土壌があったのではないか。別に捜査をどうしたかということを聞いているんじゃないですよ。 同時に、私は直接関係した者の証言を聞いておるのでありますが、本当の免許証の黒い売買は、オンライン化ができてからよりもその前の方、つまりそういう汚染の土壌は前の方が多くて、恐らくその数は何百通もあるんじゃないかとさえ私に証言する者もおるわけであります。現にこの三浦久夫被告の前任者、ここに皆さんの五十七年一月一日現在の「交通部運転管理課事務分掌表」がございますが、この中に机を並べたことのある滝良孝という男がいます。事務吏員でございますが、三浦久夫の直接の上司になるわけですね。この滝良孝という人物、これは同じ運転管理課の行政処分第二係藤田和宏という者に不正に免許を偽造してやっていますね。この滝の裁判記録というか、公判記録も持っておるわけでありますが、こう言っているんですね。 これは五十六年、五十七年、そういうずっと昔ですよ。この滝が藤田に偽造免許をつくってやったわけでありますが、滝はこう供述しています。「藤田からはなしかけられたときはあなたの記オクだと夏ごろと、そういうことですか。」という問いに「はい。」それから、「あなたは、その際まあ、冗談だと思ったわけでしょうけど――明白にことわらなかったのはどうして。」ですかという問いに対して、「わたしは、彼が冗談で言っているんだというふうに思いまして、」云々と言って、「彼の立場として、みんなのいる前でしゃべったもんですから、つらい立場になるんじゃないかなと思いまして、私も、冗談っぽく返したんだと思います。」こう答弁しているんですね。 これでも日常茶飯事になっておるということにならないでしょうか。そういうことをやっても不思議でない空気が課の中にあったということになりませんか。このことを聞いているのです。
○太田政府委員 そのような事実は承知いたしておりません。
○中川(利)委員 私が読み上げているのは裁判の公判の記録で、供述書ですよ。承知しておらないということはどういうことですか。ただ捜査した、立件した、何もなかったでは済まないじゃないですか。しかも、この運転管理課が汚職、腐敗の不正免許、黒い免許証の発生地、震源地でしょう。 では、さらに私はお伺いするわけでありますが、同時に、このにせ免許証をつくってもらった藤田の裁判記録、公判の供述書で彼は何と言っているかというと、恐ろしいことを言っているのですね。今度は藤田和宏、当時の運転管理課の課員ですが、これはどう言っているかというと、問い、「最初にあなたがたのんだのはどこでたのんだんです。」その答弁、「課の中で」頼んだ。問い、「そうすると滝さんが仕事しているところへ行ってたのんだということですか。」答え、「ええ、だったと思います。」そうであるということ。そこでさらに問い、「こっそりたのんだのですか、意外と堂々と頼んだのですか。」これに対する答え、「自分では割かし堂々と頼んであったんじゃないかな。まあ、こっそりやれば、いや、もう、まるきり、最初から本気だと思われちゃまずいなという気持もあったもんですから、わりかし堂々と、いや、半分冗談っぽく話ししてあったように思います。」さらに「勤務中だから当然ほかの人もおったでしょう、たきさんの近くにはね。」こういう問いに対して、「はい。」これが答えですよ。さらに「どういうことなんですか、こういったことをたのむというのは。」こういう問いに対して、「その、免許証が簡単に取れるとかという感覚がまひしてあった」云々ということは言っていますが、「免許センターにおったからね。」と念を押されて、「はい。」こう答えていますね。「免許なんていっても簡単に自分たちはいつでもとれるというような感かくだったわけですか。」「はい、それはありました。」これが藤田の供述書であります。 そこで、これでも日常茶飯事でないということができるのかということだね。現にある人は、関係者でありますが、これは逮捕、懲戒免職になった男でありますが、ちょうど鉄道員が昔ただで汽車に乗った、我々はああいうつもりでいましたということを私に証言していますよ。結局、捜査によって課の内部で、三浦、滝が起訴され、藤田も滝との共謀として起訴、さらに滝に言われて端末機を操作した女子職員、言われてにせのデータを打ち込んだのですが、それも参考人として調べられていますね。公にされただけでもこの課内で四人が偽造に関与しているわけですね。これこそにせものづくりが当たり前になっておった何よりの証拠だと思いますが、これでも皆さんは正常であったとお思いになりますか、お答えいただきたいと思います。
○金澤政府委員 今お話がありました滝、藤田につきましては、厳正に捜査をいたしておるわけでございます。その結果、犯罪となるべき事実、刑事責任を追及し得る事実、これをつかみまして、滝、藤田につきましては有印公文書作成ということで送致をし、有罪の判決が出ておる、こういうことでございまして、捜査は課のいろいろな状況を踏まえながら厳正に行い、刑事責任を追及した、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○中川(利)委員 御理解はとてもできませんね。課内も厳正捜査したと言うけれども、いろいろな供述書や、あるいは女子職員まで含めてそういうものにかかわって手を染めておったことは事実なんです。それが当たり前にやられておったことも事実なんですね。そういう状況の中で、皆さん方が今、課内の問題も調査した、それで何もないということになりますが、とんでもないことじゃないかと思うのです。 皆さんはこの事件を契機に、五十万人の秋田県の運転免許取得者を全部調査したと新聞で公表していますね。大体一人の合格者のためにどれぐらいの公文書が要るかというと、私の調査しただけでも大変な公文書が必要なんです。例えば、申請書に始まりますね。それから受験票、それから受験手数料、これは県の出納局へ入りますね、証書のあれですから。答案用紙、住民票、各種証明書、交付手数料、これも県税ですから出納局へ入りますね。その他合格者名簿を作成して台帳に記帳するということですね。一人の者のそれを探すためにも私は大変な長い時間がかかった。あなた方は五十万人みんな見た、こういうことを新聞でも発表しておるわけでありますけれども、私はあなた方の厳正捜査そのものについて疑いがあるから、こうして今ここで皆さんに申し上げておる、こういうわけであります。 そこで、私がお聞きしたいことは、こういう状況の中で、ただ単に皆さんが厳正捜査したとかなんとかというような言葉だけで、もちろん滝や藤田はやられておりますけれども、済むのかどうか。根本の土壌が一切押し隠されて、特に警察内部に対して波及することを、皆さんがどれだけ力を込めてこれをふたするにかかったかという二、三の証拠、証言を私は持っているのですよ、口どめだとかその他ですね。そうして滝の線でとめたという疑いは消すことができないのであります。 しかも、この偽造免許、黒い免許証とか文書偽造とか、今贈賄事件その他になっておりますが、事は交通安全、人命にさえかかわるものでございます。現に、このにせ免許取得者、事件関係者の中で、にせ免許取得者による交通事故が四件報道されています。その中には、六歳の坊やをはねた人身事故もございます。さらに特徴的なのは、県職員の酒気帯び運転では、普通県の人事課に知らされるのが、不正取得者については連絡されていなかったという事実もあります。これは五月二十四日、さきがけ新聞に報道されております。あるいは、不正免許の交付前の事故であったのに、不正免許の交付を待って事故届が出され、そのまま処理されている問題もございます。ここにその当時の新聞がございます。不正免許の交付前の事故だったのに、不正免許の交付を待って事故届が出され、そのまま処理されている。これは五月三十一日の秋田さきがけ新聞、ちゃんと出ています。関係者の場合、対応が甘かったと受け取られるようなことが新聞からも報道されている。 しかも今回の三浦やその他の連中、あるいは滝を含めて、警察内部で売った黒い免許証は、全部お金は取っていないのですよ。外はみんなお金を取ったりなんかしているのです。内部だけはお金を取っていないで、まあまあやろう。今、時間がないから、その証言も私は全部持っていますけれども、そういうことになっているのです。 それで、秋田県内の免許取得者五十万人についてあなた方は調査したと述べていますけれども、県民という不特定多数ではなくて、まず自分の一番足元の課について、滝と同じようなことが行われているかどうか、その他の課員についても捜査したのかどうかということ、このことを一言お聞きしたいと思います。
○金澤政府委員 秋田県警からの報告によりますと、警察部外、部内を問わず、本件に関係をいたしましては厳正に捜査を遂げた、その結果、先ほど答弁申し上げましたように五十一名の被疑者を送致した、こういうふうに報告を受けておりますので、ひとつそのように御理解をいただきたいと思います。
○中川(利)委員 あと時間がないようでありますが、いわばそういう捜査をした、そういう報告を受けた、こういうことで皆さんは一件落着だ、万々歳だ。問題は、秋田県民の関係方面では、これはもう常識なんですよ、大事なことを伏せられた。ここで言うのもはばかるわけでありますが、私はまだ疑わしい人物を、皆さんの手の中の範囲内で相当数持っておるわけでありますが、きょうは時間の都合で、私の質問は午後改めて、厚生省関係の中で関連として再び質問させていただくことになるわけでありますが、まず実態がそういう状態だということです。 しかし、この点については、ただ厳正に捜査したとかというだけではなくて、新聞その他にもいろいろ書いてありますけれども、また、これらの証言の中から何を学ぶかというところの中でこそ、初めて皆さんが立派なそういう免許行政ができるのであるわけでありますが、そういうものは全部織り込んで、さらになおかつ、ああいう供述が出ているということ、私も相当のものをつかんでいるということですね。 改めて午後からは具体的に、当時の交通部所属の四人の警視などについて、その運転免許証の問題をお聞きすることにいたしまして、一たんそれまで私の質問を保留させていただきます。
○安井委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。 午後一時十七分休憩 ――――◇――――― 午後二時六分開議
○安井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより厚生省所管、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として社会福祉・医療事業団理事長上村一君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○安井委員長 次に、厚生大臣の概要説明、会計検査院の検査概要説明、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫当局の資金計画、事業計画についての概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 昭和五十七年度厚生省所管一般会計及び特 別会計の決算の大要 昭和五十七年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算額につきましては、歳出予算現額九兆二千五億九千九百三十六万円余に対して、支出済歳出額九兆一千三百二十五億七千四百五十六万円余、翌年度繰越額三百七十六億六千百八十七万円余、不用額三百三億六千二百九十三万円余で決算を結了いたしました。 次に、特別会計歳出決算の大要について申し上げます。 第一に、厚生保険特別会計につきましては、健康、日雇健康、年金、児童手当及び業務の五勘定を合わせ、一般会計から一兆二千五百二十八億八千百九十九万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額十四兆一千三百八億四千十一万円余、支出済歳出額九兆八千百九十七億三千四百三十六万円余、翌年度繰越額四億二千七十一万円余でありまして、差引四兆三千百六億八千五百二万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第二に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から三百四十七億一千三百九十万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額二千五百十五億七千九百十万円余、支出済歳出額二千四百四億六千二万円余でありまして、差引百十一億一千九百八万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第三に、国立病院特別会計につきましては、病院及び療養所の二勘定を合わせ、一般会計から八百九十五億四千三百八十九万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額五千九百五十六億一千九百八十八万円余、支出済歳出額五千九百九億八千六百七十二万円余、翌年度繰越額二十七億三千百二十四万円余でありまして、差引十九億百九十一万円余については、この会計の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 第四に、あへん特別会計につきましては、収納済歳入額二十五億六千四百二十万円余、支出済歳出額六億六千五百二十八万円余でありまして、差引十八億九千八百九十一万円余については、この会計の翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第五に、国民年金特別会計につきましては、国民年金、福祉年金及び業務の三勘定を合わせ、一般会計から一兆九千七十億五千二百五十七万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額五兆二百五十四億八千百十万円余、支出済歳出額四兆六千二百八億九千九百三十五万円余、翌年度繰越額一千五十一億九千五百一万円余でありまして、差引二千九百九十三億八千六百七十三万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 以上が厚生省所管に属する昭和五十七年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の大要であります。 最後に、昭和五十七年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、誠に遺憾に堪えないところであります。 指摘を受けました事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一層厳正な態度をもって事務の執行の適正を期する所存であります。 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ………………………………… 昭和五十七年度決算厚生省及び医療金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明。 会計検査院 昭和五十七年度厚生省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十九件及び意見を表示し又は処置を要求した事項一件であります。 まず、不当事項について説明いたします。 検査報告番号二三号及び二四号の二件は、健康保険及び厚生年金保険並びに船員保険の保険料の徴収に当たり、徴収額が不足していたもので、いずれも保険料算定の基礎となる被保険者の報酬月額の把握が的確に行われなかったなどのため保険料の徴収が不足しているものであります。 検査報告番号二五号は、健康保険の傷病手当金等の支給が適正でなかったもので、傷病手当金の支給の基礎となる被保険者から提出される傷病手当金請求書の記載内容が事実と相違しているのにこれに対する調査確認が十分でなかったため傷病手当金等の支給が適正を欠いたものであります。 検査報告番号二六号から三四号までの九件は、老人福祉施設保護費補助金の経理が不当と認められるものであります。 この補助金は、養護等の措置を要する老人を特別養護老人ホーム又は養護老人ホームに収容した場合に、その措置に要する費用を都道府県又は市町村に対して補助するものでありまして、補助対象事業費の精算に当たり、扶養義務者等からの徴収金の額を誤っていたり、民間施設に対する民間施設給与等改善費の計算を誤っていたりしたため、国庫補助金が過大に精算されているものであります。 検査報告番号三五号から五一号までの十七件は、保育所措置費補助金の経理が不当と認められるものであります。 この補助金は、保育を要する児童を保育所に入所させた場合に、その措置に要する費用を市町村に対して補助するものでありまして、補助対象事業費の精算に当たり、扶養義務者からの徴収金の額を誤っていたり、民間保育所に対する民間施設給与等改善費の計算を誤っていたりしたため、国庫補助金が過大に精算されているものであります。 次に意見を表示し又は処置を要求した事項について説明いたします。 これは、国民健康保険助成費に関するものであります。 厚生省では、国民健康保険事業を実施する市町村に対し、国民健康保険助成費として各市町村が行った保険給付等を対象として療養給付費等補助金及び財政調整交付金を交付しております。そして、これらの補助事業においては、交通事故等の第三者行為によって生じた保険給付に係る損害賠償金等の調定額を、調定した日の属する年度の国庫補助金等の対象額から控除して国庫補助金等の額を算定すべきでありますのに、札幌市ほか五十六保険者においては、各年度に収納された額だけを控除し算定しておりまして、国庫補助金等が過大に交付される結果となっているものであります。 また、川口市ほか十二保険者におきましては、法定給付割合を超える保険給付を行っておりますが、これらの保険者に対し、法定給付割合を超えて支給した療養費の額をも対象として療養給付費等補助金を交付しており、他の保険者より多額な国庫補助金が交付される結果を招くこととなっていて、医療保険の社会的公平の確保の見地からみて合理的でないと認められるものであります。 したがいまして、厚生省において、損害賠償金等に係る国庫補助金等の経理については、速やかに関係通達等の整備を行い経理の適正を期し、また、法定給付割合を超えた療養費に対する国庫補助金の交付については、その合理的な執行について所要の措置を講ずるよう求めたものであります。 以上が昭和五十七年度厚生省の決算につきまして検査をいたしました結果の概要であります。 次に、昭和五十七年度医療金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは不当事項六件であります。 これらは、新築資金等の貸付けが不当と認められるものであります。 医療金融公庫では、医療法人等に対し、病院等の設置、整備又は運営に必要な資金であって、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けておりますが、受託金融機関における新築資金等の貸付けの適否等について調査いたしましたところ、貸付けの対象とならないものに貸し付けていたり、貸付金額を過大に算定していたりしていて、貸付金一億一千九百十九万余円が貸付けの目的に沿わない結果となっていると認められたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 ………………………………… 昭和五十七年度決算環境衛生金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和五十七年度環境衛生金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ………………………………… 昭和五十七年度業務概況 医療金融公庫 医療金融公庫の昭和五十七年度の業務の概況についてご説明申し上げます。 昭和五十七年度の貸付計画額は、貸付契約額千百五億円、貸付資金交付額千七十四億円を予定し、その原資としては、資金運用部資金の借入金千四億円、貸付回収金のうち七十億円、計千七十四億円を充てることといたしました。 この計画額に対する実績は、貸付契約額千一億三千万円余、貸付資金交付額九六四億円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと貸付契約額で九・四パーセント、貸付資金交付額で八・八パーセントの減となりました。 なお、この原資として資金運用部資金の借入金八九四億円、貸付回収金のうち七十億円余、計九六四億円余を充てました。 貸付契約額の内訳は、設備資金九九九億円余、長期運転資金一億七千万円余であります。 また、貸付残高につきましては、前年度末六千百九十二億七千万円余でありましたが、昭和五十七年度中に千一億三千万円余の貸付けを行い五百十六億九千万円余を回収いたしましたので、当期末においては、六千六百七十七億一千万円余となっております。 なお、貸付金の延滞状況につきましては、昭和五十七年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は三億五千四百万円余であります。 次に昭和五十七年度の収入支出決算について申し上げますと、収入の部におきましては、収入済額四百五十九億円余でありまして、これを収入予算額四百七十五億円余に比較いたしますと、十五億円余の減少となりました。 この減少いたしましたおもな理由は、貸付金利息収入が予定より少なかったためであります。 支出の部におきましては、支出予算現額四百八十九億六千万円余に対し、支出済額は、四百七十八億二千万円余でありまして、差引十一億四千万円余の差額を生じましたが、これは借入金利息等が予定より減少したためであります。 また、昭和五十七年度の損益計算につきましては、貸付金利息等の総利益は、五百三十九億一千万円余、借入金利息、業務委託費等の総損失は、五百三十九億一千万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。 これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正を期して、鋭意努力してまいりましたが、昭和五十七年度決算検査報告におきまして、新築資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。 以上が、昭和五十七年度における医療金融公庫の業務の概況であります。 なにとぞよろしくご審議のほどお願いいたします。 ………………………………… 昭和五十七年度環境衛生金融公庫の業務の概況 一、環境衛生金融公庫の昭和五十七年度の概況につきまして御説明申し上げます。 昭和五十七年度の貸付計画額は、二千六百七十億円を予定いたしました。 その原資としては、資金運用部資金の借入金二千六百六十億円、貸付回収金等十億円、計二千六百七十億円を充てることといたしました。 これに対しまして、貸付実績は、二千百三十七億円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと、八・九パーセントの減となっております。 二、次に貸付残高について、御説明申し上げます。 昭和五十六年度末における貸付残高は、七千七百三十九億一千万円余でありましたが、昭和五十七年度中に二千百三十七億九千万円余の貸付を行い、二千百四億四千万円余を回収いたしましたので、昭和五十七年度末においては、七千七百七十億五千万円余となっております。 三、次に貸付金の延滞状況について御説明申し上げます。 昭和五十七年度末におきまして延滞後六ケ月以上経過したものが二百三十億二千万円余でありまして、このうち一年以上のものは、百八十五億七千万円余で総貸付金残高の二・四パーセントとなっております。 四、次に昭和五十七年度の収入支出決算について御説明いたします。 昭和五十七年度における収入済額は七百四億四千万円余、支出済額は六百九十四億四千万円余となりました。 まず、収入の部におきましては、本年度の収入済額は七百四億四千万円余でありまして、これを収入予算額七百二十九億四千万円余に比較いたしますと、二十五億円余の減少となっております。 この減少いたしました主な理由は、貸付金利息収入が予定より少なかったためであります。 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額七百四十一億一千万円余に対し、支出済額は六百九十四億四千万円余でありまして、差引き四十六億六千万円余の差額を生じましたが、これは借入金利息等が予定より減少したためであります。 五、最後に昭和五十七年度における損益について申し述べますと、本年度の貸付金利息収入等の総利益は七百九十六億二千万円余、借入金利息、事務費、業務委託費、滞貨償却引当金繰入等の総損失は七百九十六億二千万円余となりました。 この結果、利益金は生じなかったので国庫納付はありませんでした。 以上が昭和五十七年度における環境衛生金融公庫の業務の概況であります。 なにとぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ―――――・―――――
○安井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 私は、当委員会で京セラの人工骨の問題を指摘し、その厳正な対処方を厚生省に強くお願いをしておきました。 まず最初に、私が指摘した京セラの人工関節等の薬事法に違反した販売行為について厚生省はどのように指導し、その指導に対して企業側、京セラはどのような対応をなされたのか、経緯を少しここで最初に聞いておきたいと思います。
○小林(功)政府委員 京セラの今回の事件につきましては、事件の発覚直後に違反品の製造販売中止、回収ということを指示いたしました。それとともに、販売数量、販売額等につきまして調査の上報告しろということを指示したわけでございます。 前回先生からお話がございました五月十五日以降の動きを申し上げますと、本件が薬事法違反ということで非常に大きな社会的影響を持つ大変重大な問題であるということを考えまして、五月二十四日に、京セラに対しまして文書で注意指示書を出しております。内容は、簡単に申しますと、第一に販売姿勢、販売体質の改善、第二に違反品の回収等の徹底、第三に国民の医療機関に対する信頼回復のための措置、第四に不正請求として返還を求められた医療機関に対する誠意ある適切な措置という内容の指示、注意を出したわけでございます。五月二十八日に、京セラの社長を厚生省に呼びまして、厚生大臣から、生命関連企業としての社会的責務を自覚し、誠意を持って事態の収拾を図るとともに、企業姿勢を改めるようにという厳しい注意を行ったところでございます。 これに対しまして京セラの社長は、その責任を全面的に認めまして、自社の行ったことに対し陳謝をし、その企業姿勢を正すことを約束するとともに、これを社告をもって関係方面に対して示したのでございます。さらに六月四日に京セラから、薬事法違反の内容、医療機関に対する販売実績、違反品の回収状況、再発防止のための措置等等につきまして、文書で報告書の提出がございました。京セラの方は、それで薬事法違反は認めておりますし、その是正は誠心誠意やる、それから違反品を使ったことについての補償といいますか、返還も誠心誠意やる、こういうことを言っておる状況でございます。
○井上(一)委員 購入をした医療機関に対しては、厚生省としてどういう指導をなされたのでしょうか。
○大池政府委員 購入をいたしました国立病院、国立療養所に対しましては、このような事態の再発を防止するために、治療材料につきましても医薬品に準ずる購入管理を行うことを徹底させるべく、改めて指導通知を発したところでございます。 また、当該国立大阪南病院に対しましては、関係責任者を呼びまして、原因の究明、再発防止策の検討を強く指示したところでございますが、さらに院長は、院内の関係の病室を巡回しまして患者さんに事情を説明いたすとともに、一般の患者さんに対しても院内に事情説明の掲示を行って、患者さん方の不安ないし不信感等の解消に努めたところでございます。
○井上(一)委員 今回の京セラの一連の薬事法違反に対して、厚生省として行政処分にかかわる部分としてどのように対応していこうとされているのか、その点もここで聞いておきたいと思います。
○小林(功)政府委員 今回の京セラの薬事法違反をよく調べてみますと、非常に長期にわたって、かつその規模も非常に大きいものでございます。したがいまして、これは極めて重大なものというふうに認識をしております。そこで、京セラに対しましては当然行政処分を行うことを考えております。その行政処分を行う場合には、法律に規定がございまして聴聞を事前に行うということになっていますので、本日聴聞の手続をとることにいたしております。その後の日程でございますが、聴聞を行いました後処分の内容を決定いたしまして、京セラに対して通知を行うこととなります。処分の内容の実施については、時期はまだはっきり決めておりませんが、今月下旬には行いたいと考えております。
○井上(一)委員 こういうケースは今回初めてでありますけれども、薬事法違反等に対しての行政処分の最高というのでしょうか、当然営業停止にかかわる問題ですが、過去においてどれくらいが最高だったのでしょうか。
○小林(功)政府委員 行政処分には許可の取り消しと業務停止と二種類ございます。許可の取り消しというのは私は記憶にございませんが、業務停止の方は何十日という単位で決めるわけでございます。ちょっと今手元にありませんが、私の記憶をたどりますと、最近で一番重いのは八十日業務停止というのがございます。しかし、それは非常に異例でございまして、もっと短い方が多いというふうに記憶しておりますが、もし必要でしたらまた調べます。
○井上(一)委員 今回の京セラの薬事法違反は非常に重大であるという意味から、社会に及ぼした影響等も配慮しながら、十分事情を掌握した中での処分が行われると受けとめてよろしいでしょうか。
○小林(功)政府委員 おっしゃるとおりだと思います。先ほど申し上げましたように、非常に長期にわたり、かつ多量な違反件数があるということで、極めて重大な事件であると思っております。したがいまして、厳正な行政処分をしたいと考えております。
○井上(一)委員 京セラが薬事法に反して販売した対象医療機関は何件ぐらいあるのか、あるいは総額においてどれくらいの金額が支払われていたのか、そのことはすべて不正請求の対象になるということだと思うのですけれども、そういう数字については厚生省側はこれから実態の点検に入るわけでありますが、京セラ側から厚生省に報告のあった数字を、年度ごと並びにトータルでここで明確にしていただきたいと思います。
○幸田政府委員 井上先生御指摘のとおり、六月四日付で京セラから報告をされた数字でございまして、私どもきょうから調査をいたすようにいたしております。そういう京セラ側からの報告でございますが、全体の販売をいたしました医療機関が八百七十三医療機関、その販売総額は二十二億七千百万円余ということでございます。 年次別に申し上げますと、昭和五十五年が七千百万円、昭和五十六年が二億三千七百万円、五十七年が五億四千二百万円、五十八年は六億三百万円、五十九年が七億三千八百万円、本年の一月及び二月が八千万円、二十二億七千百万円余の内訳でございます。
○井上(一)委員 二十二億に及ぶ膨大な販売額が明らかになったわけです。 そこで、その八百七十三医療機関の中で、これはすべてを申し上げていただくことは困難かもわかりませんので、国立病院でたくさん買っていたワーストファイブというか、五位くらいまで報告いただきたい。
○大池政府委員 国立病院に関しましての金額の大きい順に五つ病院を申し上げますと、国立大阪南病院が二億二千五百万円余でございます。次いで名古屋病院の五千七百万余でございます。鳴子病院が千八百万、東京第二病院千四百万、白浜温泉病院八百八十万、これが現在調査しております範囲での金額の順の五カ所でございます。
○井上(一)委員 民間医療機関ではどこが一番たくさん使っていたのでしょうか。
○幸田政府委員 大変申しわけないのでございますが、私ども現在精査をしている最中でございまして、民間医療機関のどこが一番多いかという資料を持ち合わせておりません。
○井上(一)委員 このように、これは材質ですけれども、無許可販売、未承認の違法販売で、二十二億七千万に及ぶ多額な金額が保険によって不正請求という形で支払われておった。当然その不正請求に対する返還は求められるわけでありますが、どういう方法でこの不正請求を返還させるのか。さらには、この二十二億七千万だけに限られていくのか。当然この材質を使うための治療費というものも考慮していかなければならないわけであります。これはそれぞれのケースによって額が変わっていくと思いますが、そういうことも含めて不正請求に対する返還請求をどうしていくのか、その点も聞いておきたい、こういうふうに思います。
○幸田政府委員 御指摘のとおり、私ども本日付をもちまして、各都道府県に対しまして、未承認の治療材料、問題の治療材料の使用状況、それから診療報酬請求等の状況につきまして調査をするように指示をいたす予定でございます。各都道府県では、私どもから各年次別にどの病院が使用しているかということを添えまして調査を求めますので、その結果に基づきまして、各病院ごとに具体的にどの患者に手術をする際に使用したかということを、それぞれ特定をいたす作業をこれからいたすわけでございます。その結果に基づきまして、各健康保険組合なりあるいは政府管掌健康保険なり、それぞれの医療保険の保険者ごとに不正請求額を確定をいたしまして、それを確定し次第、医療機関から保険者に返還をしてもらう、こういう手はずでございます。 返還額の範囲でございますけれども、特定治療材料という材料に関する不正でございますから、材料費部分については返還を求めることは当然でございます。二十二億七千百万円余というのは、今申し上げました京セラ側の報告によります材料費、販売額の総額でございますが、そのほかに、御指摘の手術料あるいは検査料といったような治療費の部分につきましては、医療の実態から見まして本件との関係を特定できるかどうか、いろいろ具体的な問題になりますといろいろな問題があると思います。さらにこの点につきましては十分調査をいたしまして慎重に検討をしていく必要があると思っておりますが、とりあえず材料費部分につきまして返還を求めるということを早急に実施をいたしたいと思っております。そのほかの治療材料につきましては、個々のケースに応じて判断をしていきたいと考えております。
○井上(一)委員 返還を求めるわけですけれども、これは最終的には企業がその責任上負担をされると思うわけでありますけれども、いわば一時的な欠損金というのですか、そういうものが起こるわけなんですね。そういうのはやはり医療機関の責任になるのか、あるいはその穴埋めができない間はどういうふうに処置をしようとされているのか、このことも聞いておきたい。当然そこには責任の問題ですね、治療以外のいわゆる責任の問題が明確化されていかなければいけない。いわゆる治療費、医療費ですね、総額の医療費という収支会計の中での一時的な空白、そういうことについてはどう対応されるのでしょうか。
○幸田政府委員 御指摘のとおり、不正請求額につきまして京セラ側から補償をさせるということで、私ども京セラ側にも指示をいたしてございますが、その期間、運用費といいますか、そういった問題が生じてくる場合もございます。そういった面も含めまして誠心誠意対応するように京セラ側に指示をいたしてございますが、今後ともさらに先生の御趣旨を踏まえまして徹底をしてまいりたいと思っております。
○井上(一)委員 念のためにもう一度その点を確認をしておきますが、その部分も含めて企業側に責任を持たせていくという、そういう行政指導をしていく、こういうことでございますね。
○幸田政府委員 御指摘のとおりでございます。
○井上(一)委員 さらに一点、治療を受けた患者が一部負担として医療費を支払っているわけであります。これは当然医療機関から返還されるものであるわけですけれども、そういう場合、その患者が負担をした一部負担がスムーズに医療機関から患者に返還されるように当然行政指導していくべきである、私はこう思うのです。この症例はほとんどが多額な医療費を要求しているわけでありますから、高額医療費の適用になっているケースがほとんどである。そういう意味もありますが、患者の支払った一部負担に対しての返還がスムーズに行われるように指導すべきである。そういう点についてはいかがなものでございましょうか。
○幸田政府委員 患者に対しまして一部負担金を返還すべき事例につきましては、お話のとおり、私ども医療機関に対しまして患者に返還をいたしますように十分に指導してまいるつもりでございますし、また、具体的なケースにつきまして指導を加えることが必要と思われるケースがございました場合には、私どもその間の仲介の労もとってみたい、こういう気持ちでございます。
○井上(一)委員 さらに私は、これはあってはならないことなんでしょうけれども、現実問題としてその可能性が予測されるので、あえて質問をしておきたいわけでありますが、本来こういう薬事法等にかかわる申請には、治験症例ですね、いわゆる具体的な症例を何点か具備して審査の対象に供していくわけであります。当然今回も一部承認済みのものもありますから、そういう意味で治験症例に対しては本来医療請求ができないわけでありますから、私は流れから予測をして、治験症例も不正請求の対象となっていた可能性が極めて強い、あってはならないことである、しかし残念なことには、もう流れから予測をすれば、治験症例まで不正請求をしていたと断言せざるを得ないような状況ではないだろうか。そういう点について厚生省はどういうふうに把握をされているのか、さらに実態を明らかにするためにどのように対応しようとなさっていらっしゃるのか、このことも聞いておきたい、こう思います。
○幸田政府委員 治験の症例につきましても保険請求をなされている可能性、御指摘のとおり考えられるわけでございますので、私ども都道府県に調査を指示いたします際に、そういった事例につきましても十分調査をいたしまして、治験症例について仮に保険請求をしているような不正請求の事例が確認をされますならば、これは当然に返還措置を講ずるようにしてまいりたいと思っております。
○井上(一)委員 私は本当に残念なことだと思うのです。こういうことが今までわからなかったというのでしょうか、気づかなかった、そういう問題はどこにあるのか、そういうことも考えるべきときであろう、こういうふうに思います。 同時に、未承認のままで違法販売によって、長年リューマチに苦しんでいた、あるいはいろいろな症状に苦しんでいた人がその結果よくなったとむしろ喜んでいる、そういう方もいらっしゃいますことを私は承知をしています。だからといって、その販売が違法であり、承認が得られてない、そういうことで、許されるべき行為ではないわけでありますから、いわば正しい社会通念というか、そういう枠の中での企業の社会的貢献が果たされていくべきである、私はそういうふうに思うのです。 私自身が医療の問題に十分な知識がありませんので、素材を云々したり、あるいはこの問題についての医療的な見地からの質疑は避けたいと思います。ただ、因果関係はわかりませんけれども、国立の病院で治療を受けて、何回となく大事な足を手術をして、なおかつ今日痛みに苦しんでいる人がいらっしゃる、これもまた私は承知しておりますし、事実なんであります。そこに医療的な過ちがあったとかあるいは医療的な判断が誤っていた、そんなことを私は申し上げるつもりは毛頭ございません。 むしろ、未承認で違法販売をしていた京セラのいわゆる企業の姿勢をしっかりと正す意味からも、そしてまた、再びこういうことが起こらないように社会的な警鐘を鳴らす意味からも、因果関係はわからないけれども、京セラ製品を使用して、あるいは京セラの人工骨を使ったために国立病院で手術を受けて今日もなお障害が残っている、そういう人に対しては今後厚生省はどのようにこの問題をとらえ、かつまたどのように指導をしていこうとなさるのか、その点についても聞いておきたい、こう思うのです。
○大池政府委員 御指摘の点につきましては、事柄の重要性にかんがみまして、当該病院に対しましてもきちっと調査をしてもらっているところでございますが、病院の報告によりますと、御指摘のような具体的に京セラ製の人工骨などを使用して起因した被害の申し出があったという事実は、まだ生じておらないわけでございます。今後、仮にもそのような場合が出てまいりますれば、誠意を持って相談に乗り、調査をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○井上(一)委員 病院側に苦情がないということだけですべてではないと思います。病院側も部分的には、ひょっとしたらこの方は今もお困りではないだろうか、そういうことは何となくわかっているんじゃないですか。私は知識が不十分だから、決して医学的な問題でここで議論をしようとは思っていない。そういう意味では、国立病院で手術を受けて今苦しい思いで生きていらっしゃる、私は被害者とでも申し上げて過言でないと思うのですけれども、そういう方に対しては十分な誠意を示すように厚生省が振る舞っていく、そういう対応をしていく、こういうことに理解をしてよろしいでしょうか。
○大池政府委員 ただいま先生からお話のございましたような姿勢に立って、施設が誠意を持って対応するように指導したいと思います。
○井上(一)委員 さて、いかなる状況であろうとも、不正請求が許されるべき問題ではありません。もちろん、国立病院だからといってそのことは許されないわけであります。今回のこのような事件がどうして起こったのか、なぜこんな事件が起こったのか、いろいろな疑問もありますし、まだまだ解明をする必要性のある部分もあります。しかし概略、大部分が明らかにされたわけであります。この時点でなぜこの問題が起こったのか、厚生省はどういう思いで、どういう認識で受けとめていらっしゃるのか、できれば薬務局なりあるいは保健医療局なり保険局なり、それぞれの部署での受けとめ方をひとつ聞かしていただきたい、私はこう思います。
○小林(功)政府委員 元来、人の生命、健康に直接かかわる企業というものは、極めて厳しい倫理感と社会的責任というものを持ってその事業を行うべきことは当然でございます。このことは厚生大臣から京セラの社長にもお話ししたところでございますが、当然のことだと思います。そういう面で今回の事件を見てみますと、そういった面での企業の自覚が欠けておる、いわば営業本位に走った、そういう企業姿勢が本件の原因である、このように私は認識しております。
○大池政府委員 国立病院の関係者におきましても、共通してまさかというような言葉を発するくらいに、疑ってもみなかったと申し述べておるわけでございますが、このようなことは、裏返して言えばきちっとチェックするという点に欠けるところがあったわけでございまして、そういう安易な購入姿勢ということも一つの原因であり得たと考えているわけでございます。このようなことから、このような事態を今後絶対に再発させないために、治療材料につきましても、医薬品に準じ、購入管理を同じような仕組みで徹底的に行うように指導通知を発して、その体制強化を図っているところでございます。
○幸田政府委員 今回のように数多くの保険不正請求が出ました基本的な原因は、やはり京セラのこういった販売姿勢あるいは販売体制、その他社会的責任というものを十分に自覚をしておられなかったのではないかという点があるのではないかと私は考えます。ただ、もちろんそういった基本的な問題と同時に、私どもも保険請求に対しまして審査をいたし、支払いをいたす立場でございまして、そういった審査、支払いの面で欠けるところはなかったかどうか、十全であったかどうかということを同時に反省をしなければならない、こう考えている次第でございます。井上(一)委員 企業の倫理観の自覚が十分でないということは私も指摘をしてきましたし、あるいは本来企業が果たすべき社会的な役割というものを十分認識せずに、私はあえて今回の問題は反社会的な行為である、断じて許すわけにはいかない、こういうことを申し上げておるわけです。これは大臣にも後でまとめて所見を承りますけれども、そういうことが正されるように、あるいはこういうことが起こらないように、厚生省、医療機関も含めて十分な心構えを持ってほしい。 だからといって、企業をすべて反社会的な倫理観の欠如した企業だと位置づけるわけにはいかないわけでありまして、医療に従事する人たちは、それこそ専門的な、医療にすべての情熱が集中できるように――いわばこんな倫理観に欠ける企業姿勢なんていうのはだれも想像していなかったであろうし、先端企業としての京セラの企業姿勢を信じていたと思うのです。だから、そういう意味では、これは厚生省の所管になるならないは別として、あらゆる医療関係にかかわっていく企業には、特に倫理観、社会通念、社会常識、そして高度な医学的見地に立った対応というものが要求されるのではないだろうか、私はそういうふうに思います。何はともあれ、企業自体の責任は大である、さらに所管の厚生省としても今後とも十分な対応を必要とするのではないだろうか、こういうふうに思います。 さらに、ここでもう一点、この問題を提起してからすぐさま、京セラ側から正式な手続をもって申請がなされてきたわけであります。問題があったからなかったから、あるいは必要とする患者がたくさんいらっしゃるから、あるいはいろいろな客観情勢等によって、あるいは京セラの企業自体が先端の優秀な企業だと報じられているから、そういうことだけでその申請の審査を左右してはいけない。公正かつ厳正な審査を行って、正しい行政指導をしていくべきである。それが企業にとっても行政にとっても本来あるべき姿である。そういう意味では、京セラが現在申請をしているそのものも含めて、このような申請に対する今後の厚生省側の対応を聞いておきたい、こういうふうに思います。
○小林(功)政府委員 今回問題になりました幾つかの品目の中で、今のお話は恐らく人工ひざ関節の件だろうと思います。これは確かにおっしゃるとおり、三月に県を通じまして、四月に厚生省へ出てまいっております。もちろんこの承認申請、これは審査をするわけでありますが、有効性、安全性について専門的な評価検討を行うということになりますけれども、当然公正な審査を行っていきたいと思っております。
○井上(一)委員 最後に、私は厚生大臣に、前回もいろいろ私の質疑を通して厚生大臣の御見解を承りました。どうしてあのような先端企業がこんなことを起こすのであろうか不思議に思う、厳しく、告発を含めて正しい行政指導をしてまいりたい、こういうふうにお答えをいただいたわけであります。それぞれ局長から、なぜこんな問題が起こったのかという見解は聞きましたが、ひとつ大臣からも、今回のこの京セラ問題について、今日までの経過等も含めて、あるいは大臣の社長に対する指導も含めてひとつここで明確に所見を承っておきたい、こういうふうに思います。
○増岡国務大臣 ただいままでに各局長からいろいろお話し申し上げたとおり、厳正適切な措置をとらなければと考えておるわけでございます。特に先生御指摘のように、医薬品とか医療器械というものは生命身体に直接かかわり合いのあるものでございますから、それだけより高い倫理性が要求されることはもちろんでございます。 社長が、三局長からの指示に基づいて、そのことに対する反省の意味を込めておいでになりました。そのとき、誠心誠意万全の努力を払うということを京セラ自身も申しておられたわけでありますが、そのときに私は、事業というものは営利を追求することはもちろんでありますけれども、医薬品のみならず、一般的な企業ですら社会的な責任というものが要請されておる時代でありますということを申し上げて、特に事業部制をとる、このことは経済発展のためには非常に有効な手段でありますけれども。ただ、その事業部制の性格から営利を追求することが余りにも短兵急になる、あるいはまた本社機構とは別個の独立した体制でありますから、社会的責任というものがだんだんに希薄になるおそれがある、これは日本に通常の例でございますからそのことに特に留意をして、余計にそれだけの教育をするなり人を配置するなり、そういう体制をとっていただかなければならないということを申し上げました。 そのことは私の意見でございますけれども、そのようないろいろなことが複合して今日の不幸な事態を招いたと思うわけでありますから、これから先は、先ほどから各局長が説明申し上げておりますような京セラ自身に対するもの、それから患者や医療機関に対するものもいろいろ考えてあげなければなりませんし、京セラ自身が反省をしていただくためにも厳正な措置を講じなければならないというふうに考えております。
○井上(一)委員 私は、一応時間が参りましたのでこれで終えますが、企業のモラル性、そして行政の正しい指導を期待をし、見守っていきたい、このように思っています。以上で終えます。
○安井委員長 次に、金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、きょうは時間も短いことでございますし、一つだけ問題を取り上げまして当局のお考えを聞かしていただきたいと思います。それは保険制度における医療給付と出産給付との相違です。不平等さという問題について取り上げてお尋ねしたいわけです。 出産というのは、申し上げるまでもありませんが、女子の特徴のある機能、性的機能でありますが、これはその出産をする女子の個人の性的機能であるというだけでなくて、あるいはまたその家族の問題だということだけではなくて、社会的な機能と申しますか、国家的な機能と申しますか、非常に大きな公的な役割を持っているというふうに考えます。ですから、出産に対しては、個人に任せておくのではなくて、社会的責任においてこれを取り扱うべきだというふうに考えるわけです。したがいまして、世界ではWHOでもILOでも、この出産に対する取り扱いについて非常に厳しく基準を示しているところだと私は思うのです。 ところが日本では、御承知のように、この保険制度の中における医療給付について、出産に関しましては二通りの取り扱いをしています。その一つは、異常出産である場合は現物給付をするけれども、正常出産の場合には現物給付をやらない、こういうことになっております。この正常とか異常とか分娩を区分しているのは、日本だけの狭い概念なんですね。WHOでもILOでも、出産というのは、異常も正常も含めて、これは病気だとは言っておりません、疾病とは言いませんけれども、出産医療として医療の範疇に含めております。このことは世界的通念だと言ってもいいと思います。 例えば、私、調べましたところによりますと、イギリス、フランス、西ドイツ、東ドイツ、ベルギー、オーストリア、ハンガリー、オランダ、イタリー、ソ連、ノルウェー、スウェーデン、カナダ、エクアドル、パナマ、イスラエル、イラク等等、みんな現物給付なんです。そして、現金給付をしている国もあります。ラオス、インドネシア、チリ、これらは現金給付で、しかも一〇〇%の現金給付です。それから変わった形では、やはり一〇〇%ですが使用者負担というのがありまして、サウジアラビアとかインドとかこういう国があるわけです。そういうことから考えてみますと、日本の出産に対する給付のあり方は大変に独特なやり方であって、しかも決して出産を重要視していないというふうに見られるようなあり方になっています。 そこで、私お尋ねしたいのは、そもそもということになるわけなんですけれども、このことが決められたのは大変昔の話ですね。大正十一年四月二十二日、健康保険法、法律第七十号、これで決められているのですが、これを決めますときに、労働保険調査会の答申を受けています。この労働保険調査会の答申の中に、「分娩ノ場合ニハ分娩ニ要スル費用ト産前産後休業中一定ノ期間賃銀ノ一部ニ代ハルベキ手当金ヲ与フル趣旨ナリトス」というふうに書いてあります。それで、「疾病及負傷ニ対スルモノハ治療ニ必要ナル療養ト療養ノ為メ休業シタル場合ニ賃金ノ一部ニ代ヘテ支給スル手当金トニシテ」云々、こうなっておりまして、このとき既に分娩については現金で手当を見る、こういうふうに書かれております。もう六十年も前の話ですが、これがそもそもの出発だと思うのです。このことが今日に至るまで一つも変わらないで、便々としてきているわけです。 私がお尋ねしたいのは、なぜこういうことに決めたのかというその理由が知りたいわけです。なぜ出産についてだけはほかの疾病の治療の場合と異なって現物給付にしなかったのかという、その基本的な原因をまず聞かせていただきたいと思います。
○幸田政府委員 出産に関する給付につきましては、御指摘のとおり妊娠、分娩等に係る給付と産前産後の手当と二つございます。日本の場合は両方ともに現金給付でございまして、諸外国の場合には、御指摘のとおり大部分の国で、妊娠、分娩等に係る給付につきましては現物給付、それから産前産後の手当は事柄の性質上現金給付と、日本でいわゆる出産手当金と言っているものでございますが、こういう実態にあることは今お話しのとおりでございます。 私ども、大正十一年に健康保険制度が創設をされました際、妊娠、分娩に係る給付をなぜ現金給付にしたかということ、先生の御指摘もございましたのでいろいろ取り調べてみたのでございますけれども、正確なところは文献として残されていないのでございます。おおよそ申し上げられますのは、一つは、やはり出産が一般の傷病と違いましてあらかじめ準備ができるといいますか、予想がつく事故であるということではないだろうかということ。それからもう一つは、自宅分娩あるいは病院の中の分娩といったようにいろいろと形態がございます。あるいは産婆さんのところでの分娩、母子健康センターでの分娩、いろいろな医療施設以外での分娩もございます。そういったようなことからいたしまして、今申し上げましたような主として二つの理由から現物給付にはなかなかなじまないということで、健康保険制度創設の際に定額制の現金給付として発足をさせたものではないか、こう考えるものでございます。
○金子(み)委員 その考えについて現時点ではどうお考えになっていらっしゃいますか。それはそのときの考え方でしょう。今はどういうふうにお思いになりますか。
○幸田政府委員 ただいまこの制度の創設当時、現物給付に踏み切れなかった理由、二つ申し上げましたが、一つはあらかじめ出産というものが予想がつき、準備ができる事故である、これは現在の時点でも全くそのとおりであると思います。それから二つ目に申し上げました自宅分娩あるいは病院での分娩、そのほか母子健康センター等での、施設内分娩ではございますが医療施設でない施設内での分娩、いろいろな形態があるということ、この状況は、大正十一年制度創設当時と今日では、かなり様相が変わってきております。ただ、現在でも極めて少数ではございますけれども、病院以外の場所で分娩をする、自宅で分娩をされる方もございます。そういう意味で申し上げますならば、様相はかなり変わってきておりますけれども、その理由というのはなお残っているんではないか、こういう気がいたします。現在私どもがなお現物給付に踏み切っていない理由も、法制定当時申し上げました理由がそのまま現在も残っている、こう申し上げざるを得ないのではないかと思います。
○金子(み)委員 正直におっしゃいましたね。このことについて十分検討してないということですね。そのままになっているということで、改めて検討を加えていないということだというふうに私は今聞こえました。 ただ、一つ不思議だと思いますのは、一般の傷病でなくて、出産が予想がつくからという理由があったというのですけれども、予想がつけば現金でいいのですか。予想がつかない場合には現物になるのですか。そこら辺の区別の仕方というのは全然理解できませんね。それはどういうことだったのでしょうか。今でもそう思っていらっしゃるみたいだけれども、局長、そう思っていらっしゃるのですか。それはどういうことですか。なぜそうなるのですか。予想がつかなければ現物で、予想がつくから現金でいいというのは、どういうわけだか、理由がつきません。
○幸田政府委員 傷病の場合にはいわば偶然の不慮の事故でございますけれども、出産の場合には、今申し上げましたように、事前に予想のつく事故でございます。したがいまして、傷病の場合でございますと、できる限り経済的な負担が少なくて受診ができるということが必要になってまいりますけれども、出生の場合でございますれば、あらかじめ準備ができる、あるいは立てかえをいたしておきまして、後で現金で償還払いをするということは可能ではないか、こういう意味で申し上げたものでございます。
○金子(み)委員 私はそれでは納得できませんが、そればかりかかっておりますと時間がかかりますから、改めてまたということにいたしましょう。それは理由にはならないと思います。 それから、家庭分娩が少なくなっている現状では、状態が違ったとは思うけれども、今までの考えを踏襲しているのである、こういうお返事でしたのですが、家庭分娩は今もう一〇%にしかならないのですね。非常に少なくなっている。そういう情勢が変わったので、この際、考え方を新しく一歩踏み切って考えていただく必要があるんじゃないかと思うのです。 そのことを考えていただくための一つの参考として申し上げたいのは、健康保険は疾病保険と言われるくらい、病気のための保険というふうになっていますが、それは予防のために何もしてないじゃないかとさんざん長いこと言われてきて、今度改正があって、保健指導に対しては保険が対応するようになりましたでしょう。妊婦が外来に来た場合、あるいは相談に来た場合、妊婦の保健指導をした場合は保険が対応するわけでしょう。それから、お産が済んだ後、褥婦に対する指導もつくのじゃないですか。そうだとするならば、真ん中の分娩だけが対応しないというのは非常にちぐはぐな感じ、不合理じゃないかと思います。そのことは間違いでしょうか。そう考えてはいけないのでしょうか。
○幸田政府委員 この問題は、もう金子先生御承知のとおり、我が国の場合にはいわゆるヘルスサービス、ヘルスの体系で実施しているわけでございまして、妊娠、分娩あるいはその後の問題につきましても母子保健の体系で、保険料ではなしに一般の税、一般会計の負担で対応しているというのが現状でございます。母子保健につきましてもそういった状況でございますが、御指摘のとおり、昨年の健康保険法の改正によりまして広く健康教育等につきまして保健施設として健康保険の体系でも実施できる、こういうことになったわけでございますが、これはいわゆる保険給付ではございませんで保健施設でございます。もちろん、広い意味で健康教育の中には出産以前の教育あるいは出産後の妊産婦に対する教育、全体を含むものでございますからそういったことも含まれるわけではございますけれども、考え方の基本は、先ほど申し上げましたようにあくまでもヘルスサービスにつきましては一般会計の負担でやる、こういう考え方でございます。
○金子(み)委員 それでは別の形でお尋ねします。 健康保険の体系の中で疾病に対しては現物給付があるけれども、出産についてはそうじゃない。ですから、出産は、扱いとしては言うなれば自由診療の扱いになっているわけですね。今日本はお産は自由診療です。決められておりません。公定料金みたいなものがお医者さんの間であるというけれども、それは公表されたものじゃありませんから、これはあくまでも自由診療だと思います。 そうすると、保険制度上不合理じゃないですか。その分だけは保険になじまない格好で自由診療になっているということは、社会保険の体系を崩すことになりませんかね。出産だけが自由診療であとは全部保険診療だ、こういうことになりますと、保険診療の体系にそぐわなくて非常に邪魔をしているという感じになるのじゃないかと思います。そうじゃないでしょうか。私は、ここのところが問題だと思うのです。 だから、日本では出産に対しては保険診療がちゃんと面倒を見ていないという点で非常に大きな問題があるのだと思いますが、ILO百二号条約を批准する際、母性給付の部門は留保されたのですよ。批准になっていないのです。それから、百三号条約の母性給付の問題も同じです。この両方のどちらも今のところ批准されていませんが、その批准できない理由というのはここにあるのじゃないでしょうか、そんなふうに私は思いますけれども、当局ではどのように御理解なすっていっらしゃるのでしょうか。
○幸田政府委員 御指摘のとおり、ILO百二号条約の中で、母性給付の部門につきましては我が国は受諾いたしておりません。母性給付につきまして受諾しておりません理由は、それらに要する費用全額を給付することが条約では求められておりますけれども、それを満たし得ないということでこの部門の受諾をしない、私どもはこういう理解でございます。 御承知のとおり、母性給付につきまして現物給付、現金給付、これはILO百二号条約では両方認めているわけでございまして、現物給付でなくて現金給付でもよろしい、こういうことになっておりますが、私どもが受諾しておりません理由は、先ほど申し上げたような全額を必ずしも賄い得ないという実情にあるということにございます。
○金子(み)委員 そのとおりだと思うのです。だから、現物給付をどうしてもしたくなくて現金給付にするとおっしゃるのなら、私は金額は一〇〇%にすべきだということを考えている。日本のは一〇〇%になっていないのですよ。それで現金給付がまちまちなのです。ですから問題だと私は言うのです。もし現金給付になさるのなら一〇〇%であるべきだということでありますし、そのことと、言葉をかえて言えば、すべての保険で給付は同じ金額にするべきだということを言いたいのです。 ところが、今日では違いますね。共済組合の場合は俸給の一カ月分が出る、最低は十五万と押えますが。あるいは組合健保の場合には月給の二分の一。それから国保の場合は市町村条例が決める。こういうふうなぐあいですから、加入している保険の種類によって出産の場合の取り扱いが金額上違うというのは、こんな不合理な話があるでしょうか。出産というのはだれがやったって同じですよ。どこの方がお産なさっても同じ。それこそ皇族が出産なさろうと庶民が出産しようと全く同じことなんですよ、人間の機能なんですから。それをこんなふうに所属している組合が違うからといって金額が違って支給されるなんて、こんな不平等な話、これは私は差別だと考えてもいいと思う。保険診療の中で医療と出産の取り扱いは同じじゃない、差別だと思います。その点だけでも給付の中での差別があるというふうに考えるわけです。 ですから、この面はどう考えられますか。外国は全部現金給付は一〇〇%やっています。それから今局長おっしゃったように、一〇〇%が支持されているわけです。日本はそれができていないというところに問題があるので、これは考え直す必要が大いにあると思いますけれども、そういう方向で進んでみようというふうにお考えになりませんか。
○幸田政府委員 日本の被用者保険はそれぞれ沿革がございますので、今御指摘のとおり共済組合では給与の一カ月分、それから健康保険では標準報酬月額の半月分ということになっておりますが、いずれも最低保障額を二十万円ということで決めておりまして、少なくとも二十万円以上は支払える、こういう制度にいたしまして、その面での統一を図っているつもりでございます。
○金子(み)委員 国保はそうじゃありませんよね。 そこで、厚生省ではその金額をお決めになるときに、国立病院の分で決めたとおっしゃいました。だけれども、日本の病院は国立病院だけじゃないです。国立病院は数えるほどしかありません。大多数の病院は民間病院です。それから公的医療機関もあります。それから助産院もあります。そういうところ一つ一つをお調べになった上での平均値をお出しになったのでないとすれば、大変に不合理だと私は思います。だから、この金額の面については再検討していただかなければならないというふうに思います。その点はぜひ再検討していただきたいと思うのです。一〇〇%はできないのだったならば、せめてお互いが同じ、どこの保険に入っていても同じだけが給付されるという形にして、公平を保ってもらいたい。最低の公平ですが、その点はいかがですか、検討されますか。
○幸田政府委員 私どもといたしましては、被用者保険につきまして、ただいま申し上げました最低保障額をできる限り実勢に合わせまして引き上げていく、こういう方向で努力いたしておるわけでございまして、この最低保障額も、本年の四月から従来の十五万円から二十万円に引き上げたということでございます。今後ともこの額につきましては、実際の費用がどのぐらいかかるかということを勘案しながら努力していきたい、こう考えております。
○金子(み)委員 現金給付にしておきますと、物価が上がればまた次々と上げなければならないのですよ。これはイタチごっこみたいなものです。だから、これは現物給付にすれば公平なんです。平等なんです。だからそれを考えてくださいということを申し上げているのです。六十年もほっとかないで検討してください。 大臣にお尋ねいたします。最後ですが、社会保険は家族を対象にして仕組まれていますね。家族を対象にして仕組まれているものですから、したがって、それは世帯主を男性世帯主と考えております。男性である世帯主を中心に物は考えられているから、分娩という女性のみの機能だということのために差別じゃないかという声があるのですよ。私が言っているのじゃないのです。そういう声がある。ですから、言葉をかえて言えば、分娩給付に対しては軽視しているのじゃないかということを非常に強く感じます。だから、出産についても他の医療一般と同じような考え方で取り扱っていただきたい、軽視しないでほしいということを大臣に申し上げたいのですが、お考えをお聞かせください。
○増岡国務大臣 御指摘のように、過去におきましては原則として夫が被保険者であり、奥さんが被扶養者という取り扱いを行ってきたわけであります。しかし、その後婦人の社会進出等いろいろ変化がございました。また、先生方の御指摘も――そういうことで主として生計を維持する人を被保険者という方向に変更いたしたわけでございます。 なお、先ほどからお話のございました出産につきましては、保険局長からいろいろお話をしておりましたような過去の歴史とか、保険制度の別建てといういろいろな事情から現在に至っておるものと考えます。最終的には、保険局長からお答え申し上げましたように、今後できる限り努力をいたしまして、額の点におきましての改善は行わなければならないというふうに考えております。
○金子(み)委員 額の問題だけでなくて、現物給付にするかどうかということを検討していただきたいわけで、御答弁は結構でございます。 それから、もう時間が参りましたので御答弁は結構でございますが、私の要望として、意見として聞いていただきたいことが一つございます。それは、前回の予算委員会のときに取り上げた問題ですが、夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定についてという問題で、これにつきましてはいろいろと前向きに検討すると大臣がおっしゃってくださったので、事務当局でもいろいろと検討を加えてくだすったことは私も伺っておりますし、承知いたしております。ただ、いま一息吹っ切れていないというところが大変に残念に思いますが、これについてぜひもう一足踏み込んでいただきたい。国家公務員等共済組合法、地方公務員等共済組合法、一般職の職員の給与に関する法律あるいは厚生年金保険の加給年金の対象となる者、それから所得税法、地方税法の控除対象というようなものの規定を参考になさって、そしていま一度踏み込んだ形で検討をしていただきたいことを強く要望しておきたいと思います。 ありがとうございました。終わります。
○安井委員長 次に、中村重光君。
○中村(重)委員 厚生省は、国民生活にとって極めて重要な行政を担当する省であるわけです。それだけに問題も非常に多いわけですが、安井委員長の精力的な委員会運営にもかかわらず、来週あるいは来月、厚生省の所管について質疑を行うということができないわけであります。したがいまして、私がお尋ねをしたいことについて詳細に御連絡を申し上げておりますので、答弁についての準備もあろうかと思いますから、一応一括してお尋ねをいたしましてお答えをいただき、また再質問の時間的余裕があればこれを行いたいと思います。そういうことで、ゆっくり申しますからそれぞれお答えをいただきます。 国立病院あるいは療養所の再編成につきましては、午前、自治省所管の中で、大池保健医療局長にお尋ねをし、答弁を受けているわけでありますが、大臣に対して、地方自治体に負担を押しつけるという形においての再編成は行うべきではないということを、強く注意を喚起いたしておきたいというように思います。 次に、北九州病院グループの不正事件についてお尋ねをするわけですが、医療犯罪史上例を見ない悪質な事件であると言われているわけであります。三十年ごろから、しかも四十億のごまかしをやっているということでございます。詳細は警察当局が捜査をいたしているところでございますし、警察庁からもお見えでございますから、差し支えのない範囲においてお答えをいただきたいというように思っております。 長期間に及んでおるということ、しかも不正の金額が余りにも大きいということを考えてまいりますと、これは単に理事長がワンマン、理事長の指図ということだけによって行われたのではないのではないか、病院ぐるみ、組織ぐるみの不正事件であるという受けとめ方をすべきであるというように私は考えるわけであります。 そこで、第一次的には福岡県知事が処分を行うことではございましょうけれども、厚生省としてはこの悪質な事件に対して、いわゆる保険医の取り消しであるとか、いろいろ処分があろうと思うのでありますが、この考え方についてお尋ねをいたしたい。 警察庁からは、先ほど申し上げましたようなことでお答えをいただきたいわけですが、医師の名義貸しということも行われているようであります。このこと自体も法に触れるのではないか。例えば薬局を開こうといたしますと、薬剤師を雇わないで、薬剤師の名義を借りて薬局を開くという例も多いわけであります。これらのこと等々をお考えになりまして、それに対するお答えをいただきたいというように思います。 なお、なぜ厚生省はこんなに悪質な、しかも長期間にわたる事件を見抜けなかったのか。その怠慢というものは、福岡県知事の責任であるということでは済まされない。これに対する厚生省の責任は強く指摘されなければならないというように考えますので、お答えをいただきます。 次に、社会労働委員会において私は原爆被爆者の死没調査その他のことについてお尋ねをし、これを行うべきであるということを主張いたしました。死没調査をおやりになるということをお決めになっていらっしゃるようでありまして、私はこれに敬意を表したいと存じます。ただ、生存調査に付随して死亡調査を行うというような単に形式的な死亡調査というものは、逆な結果が生み出されるのではないか、私はそのように考えますから、どういう方法で死没調査を行おうとしているのか、お聞かせをいただきたい。 さらに、脳死であるとか臓器移植について議論が伯仲をいたしているわけであります。これは重大な関心事でもあるわけでございますが、厚生省としてもこの判定基準というものを考えなければならないのではないか。何か検討いたしておるというようなことも伝えられているわけでありますが、これに対しての考え方をお答えいただきます。 なお、腎患者に対しては総合対策を確立する必要があるというように思います。早期発見、早期治療、そして患者の不安を解消していくというようなことが必要であろう、そのように考えますので、これに対する考え方をお聞かせいただきます。 また、大蔵省所管でありますが、有沢さんが委員長でいらっしゃるようで、あるいは会長でありましょうか、ぼけ、寝たきり老人保険の必要性の答申をされているようでありますが、厚生省としてもこれらのことについてどのようなお考え方をお持ちになっておられるのか、伺います。 次に、薬禍防止、いわゆる薬づけ医療の解。これは私は、本会議におきましても委員会におきましても、数度にわたって問題点を指摘してまいりましたが、薬づけ医療というものを解消していくということでなければなりません。いわゆる薬でもうかる医療、診療、これを抑制するということは、総医療費の抑制にもつながってくるというように思います。 同時に、技術料というものが余りにも低過ぎるのではないか。もっと適正な技術料というものをお決めになる必要がある。必ずしも値段を上げろというのではなくて、技術料自体にもまことに矛盾していることが数多くあります。具体的な例を申し上げることができないのは残念でありますけれども、厚生省としても十分お考えになっておられるところであろうと思いますから、この点について考え方をお示しいただきたい。 御承知のとおりでありますが、抱きかかえるぐらいな、オーバーな表現でありますけれども、薬をもらう、私どももよく行きますけれども。そして風邪薬というのは、まあ六割ぐらいは余しておるということが言われています。胃の薬も同じである。外科、内科、どの科にかかりましても胃の薬というものはついて回りますから、過剰な胃の薬を飲むということになってまいりまして、病気を治すはずの薬が、むしろ薬害というような作用をなしておるということが言えるかというふうに思います。 次に、眼鏡測定の問題もお尋ねをしたいのでありますけれども、これは時間の関係がございましょうから、むしろ眼鏡は医師法十七条違反とかというのでいろいろ言うのでありますけれども、お医者さんの処方せんみたいにそれを持って眼鏡屋さんに行って、眼鏡の測定はもう医者から一つの処方せんみたいなものが出ているわけでありますから、それで買えばいいようなものでございましょうけれども、なかなかそうはまいりません。恐らく大臣も眼鏡屋さんに行ってはかって眼鏡を買っておられるのでしょう。私も同じであります。ところが、眼科医との関係上、なかなかこれは難しいことであります。国家試験、これは労働省所管でありますけれども、こういうことを考えてみたらどうであろうかというように思います。 最後になりますが、福祉補助金の本格見直しの方針が厚生省にあるやに伝えられているわけであります。補助金の削減一括法案が成立をいたしました。この対象になっているものを、今度は一割カットではなくて若干補助率の見直しをやって、そして福祉を後退させるというような考え方をお持ちになっておられるのではないか。医療制度であるとか保険制度、こういうことが改悪をされた第二弾として、福祉に対して受益者負担という形において、厚生省は福祉の軽視の方向に進もうとしているような感じがしてなりません。 これらのことについてそれぞれお答えをいただきまして、再質問をいたしたいというふうに思います。
○安井委員長 たくさん一括してのお尋ねですが、割り当て時間もありますので、ひとつ簡潔に順次お答えください。
○幸田政府委員 北九州老人病院の基準看護料不正請求をめぐる事件につきまして、現在司直の手で取り調べ中でございますが、御指摘のように、長期間、かなりの額にわたるであろうということが推定をされるわけでございまして、私ども、こういった点が見抜けなかったことにつきまして甚だ遺憾に存じている次第でございます。現在福岡県が調査をいたしておりまして、その結果に基づきまして監査を実施をし、全容把握をし次第、適正厳格な措置をとってまいるつもりでございます。 私ども、こういった事件の発生にかんがみまして、厚生省全体といたしましては、全国で三千余の基準看護病院がございますので、それの総点検を実施をいたしたいということで、現在その作業を地方に、各都道府県に指示をいたす準備をいたしているところでございます。 それからもう一つ、診療報酬体系の問題につきまして、薬づけ医療の排除、それから診療報酬体系における技術料の重視、これは御指摘のとおりでございます。中医協におきましても、そういった問題を昭和五十八年の十二月から取り上げまして審議を重ねられております。今後の診療報酬合理化の方向は御指摘のとおりでございまして、昨年の診療報酬の改定あるいは本年の薬価基準の改定並びに診療報酬の改定、いずれもそういった方向に基づいた改正でございます。今後とも中医協の御審議をまちながら、そういった方向に向けましてできる限り努力をいたす所存でございます。
○大池政府委員 原爆被爆者実態調査のうち死没者関係の内容についてという御質問にお答え申し上げます。 今回の原爆被爆者実態調査につきましては、昭和四十年、五十年、六十年と十年ごとに行ってきた経緯もございまして、こういったことを踏まえまして、相互に比較が可能なように、かつ、その後の十年間にいろいろな高齢化その他の客観的な変化も遂げておりますので、そういったことも十分に調べるようにということが一つの主眼になっておるわけでございます。 今回は、被爆者手帳を持っておられる全員についての調査を行う、しかも全員に関して相当きめ細かい項目についてお伺いするということが、生存者調査部分の一つの特色になっておるわけでございます。それに乗っけて、先生御指摘の死没者につきましても、被災当時の家族の状況あるいは死亡をなさった親戚、知人で、わかる限りにおいて記載していただくという方式を今回とっておるわけでございます。それからまた、あわせて役に立つと思われる、今まで潜在しておる資料を提供いただくというようなことで、死没者調査の幅も広げるという形で、その資料の探索を今回の調査の一環として行っていきたいと考えておるわけでございます。また、これは個人のベースだけではなくて、関係団体、関係機関等にもそのような資料が可能性として考えられますので、そういった方面にも呼びかけをしまして、全面的な御協力を得たいと考えておるところでございます。 なお、この調査の案を作成するに当たりましては、学識経験者ということで関係されるお詳しい方々のお知恵を拝借したわけでございますが、その調査委員会におきまして、その死没者調査の技術的な困難性をどう克服するかという観点で一生懸命いろいろとお知恵を出していただいたわけでございます。 結論としては、実際的に合理的な方法としては、今回とっておりますような方式、これが一番実際的、合理的であろう、こういうことであったわけでございます。すなわち、従前、長崎市、広島市におきましてずっと行ってきております復元調査あるいは動態調査というのがございますけれども、こちらと密接に相互に活用し合えるようなそういうデータというものを今回全被爆者を通じて集めるということが、今回の死没者調査の一つの大きなねらいとなっているわけでございます。
○吉崎政府委員 まず、脳死の判定基準についてでございますが、お話のございましたように、これから脳死に関する議論を深めていくためには、この判定基準がしっかりしていることがぜひとも必要でございます。それで、五十八年度から特別研究班で御研究をいただいているところでございますが、本年度の中ごろまでには御報告をいただけるのではなかろうかと考えております。 それから、医師等の名義借りについてお話がございました。先ほど保険局長からお答え申し上げましたように、現在福岡県におきまして、事実関係の確認を急いでいるところでありますけれども、そのようなことがあったといたしまして、医療監視を行う際、事前に提出される関係書類に医師等の人数について虚偽の記載があったといたしますならば、これは虚偽の報告でございますので、医療法第二十五条第一項及び同第七十四条第二号に基づき処罰の対象になるものと考えております。 それから眼鏡でございますけれども、検眼というのは幅広い行為でございまして、視力検査等の一部を除きましては、これはやはり医行為であると思われるものでございます。そこで、そういう医行為を特別の資格、国家試験等でというお話がございましたが、そういうことにつきましては慎重に対処すべきものであると考えております。
○上野説明員 先ほどお尋ねのございました医療法人北九州老人病院におきます診療報酬不正受給詐欺事件の捜査状況でございますが、去る六月三日までに同法人の理事長外三名を、基準看護料を加算計上するなどの方法によりまして福岡県国民健康保険団体連合会から診療報酬名下に、これは昭和五十九年の七月と八月分でございますが、約三千万円を騙取した事実等により逮捕しまして、現在福岡県警において捜査しているところでございます。 なお、お尋ねのございました騙取しました額等がどのくらいになるか、そのほかどのような犯罪が成立するか等につきましては現在捜査中でございまして、まだ全体の実態を把握するに至っておりませんので、現段階では答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○北原説明員 眼鏡の件でございますが、かつて労働省といたしましては、眼鏡作製調整ということで国家検定にすべく関係団体とも協議をしてまいりましたが、先ほど先生からお話のありましたとおり、検眼の問題につきましては医師法との関係があり、また業界におきましても、技能検定というものについては必ずしも意見が一本化しているというわけでもございませんので、現在までまだできていない実情でございます。今後とも関係団体及び厚生省ともよく協議をしていきたいというふうに考えております。
○大池政府委員 先ほどの健康政策局長からの脳死問題の話との関連で、腎臓対策をどのように進めようとしているかという御設問にお答え申し上げます。 腎不全対策としましては、従前から腎臓病の原因なり治療法の研究の推進、それから人工透析に対します公費負担医療の実施、さらには早期発見のための健康診断の実施、それから、不幸にも腎臓病になられた方に必要になる腎移植問題の移植体制の整備、こういったような柱で総合的に進めてきておるところでございます。 研究につきましては、小児の研究、難病研究等の一環として、先ほど申し述べましたような研究に取り組んでおりますし、健康診断につきましては、それぞれのライフサイクルに応じまして乳幼児健診、あるいは老人保健法に基づく成人病対策的な健診、あるいは妊産婦の健診等々もろもろの健診で尿検査を実施しまして、腎臓の障害の早期発見に努めているところでございます。 人工透析につきましては、更生医療、育成医療等によりまして医療費の公費負担も行っているところでございますし、また移植体制の整備につきましては、移植センターの整備助成、あるいは死体腎の確保のための一連の対策の一層の推進というようなことを図りつつあるところでございます。
○正木政府委員 寝たきり、痴呆性老人に対する民間保険の点でございますが、五月三十日に保険審議会の方から大蔵大臣あてに答申がございまして、高齢化社会へ向かって生命保険事業のあり方についての答申がございました。それより先、先生も御案内のとおりでございますが、一月二十四日に社会保障制度審議会から、「老人福祉の在り方について」答申がございまして、その中でも「民間企業の活用と規制」ということで、公的施策と相まって「民間企業のもつ創造性、効率性が適切に発揮される場合には、公的部門によるサービスに比べ老人のニーズにより適合したサービスが安価に提供される」ということが述べられております。 そういった意味で、優良企業によるそういったいい芽が出てくるということは、育てていかなければならないと私ども思っておりますが、ただ老人の弱い立場というものを考えますと、安全確実性、それから正しい情報が提供されるということが何よりも大事であると思います。そういうことで、いい芽を摘まないように育てていくようにという中で、関係省庁とも協議をしながら指導の徹底を十分図ってまいりたいと思っております。
○増岡国務大臣 ただいままでお答え申し上げましたけれども、私からお答えすることが適切であると思います問題と、また既にお答えした中で一、二つけ加えさせていただきたいと思います。 国立病院、療養所の再編成のことでございますけれども、現在二百五十三あります病院、療養所の任務が、もう少し国立病院にふさわしいものでなければならぬ。一般的の病院とほとんど同じことをやっておるということでは国立病院の意味が薄れるということから、いろいろ考えますと統廃合をしなければならぬ場合、その統廃合します場合に、地元からの残してほしいという要請があった場合に地方公共団体とのお話し合いになる、いわゆる移譲の問題が出てくると思うわけでございますから、したがってその際、具体的な協議は地方団体と国とがいたすわけでございまして、地方負担がふえるような無理やりな協議はやらせないつもりでおりますから、御理解をいただきたいと思います。 それから、補助金の見直しの検討状況でございますけれども、御承知のように、国と地方の役割分担、費用負担の見直しは、先月二十七日に関係閣僚会議を開きました。そして五月三十一日には、関係閣僚会議から委嘱されました学識経験者や地方公共団体の代表等から成る検討会を開いていただきました。国会の議論でもいろいろ地方公共団体の代表の意見を聞けということでございますので、今後その検討をいただきまして、年内を目途に進めておるところでございまして、まだ始まったばかりでございますけれども、十分な御議論を尽くしていただくとともに、厚生省といたしましては、やはり福祉の水準が下がらないようにということを中心に考えてまいりたいと思います。 それから、原爆の死没者調査の中で局長からお答えした中にありましたけれども、死没者に関する各種の資料をいろいろな団体がお持ちでございますこともよく聞いておるわけでございますので、そういう資料を収集するということがあるいはまた調査の方法についてもヒントを与えるのではないかと思いますので、この間も八者協の方がお見えになりましたときに、それぞれ私からもその協力方をお願いをしておきました。 それから脳死のことでございます。脳死を云々の前に、死というものは従来お医者さんが決めておったわけでありまして、法律その他に規定がないわけであります。したがって、医療に従事される方々がこぞって脳死が死であるということになれば、今までの行きがかりからいえば、別段法律をつくらなくてもそれがまかり通るということであろうかと思います。したがって、そのための議論を先ほど局長から申し上げましたような懇談会を開いてやっていただいておるわけでございます。その模様を見て、果たして政治がくちばしを入れるべきか、あるいは行政がくちばしを入れるべきか、あるいは立法が必要であるかということは、その時点で判断しなければならないと思ますけれども、死そのものについての判定はこれまでもお医者さんがやってきたわけでございますので、そのこととのかかわり合いはこれから検討しなければならないことであろうかというふうに思っておるわけでございます。 そのほか、大体局長からお答え申し上げましたようなことでございますので、御趣旨はごもっともな点が多々ありますので、十分尊重してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 統廃合、いわゆる再編成に対して、地元からぜひ残してくれと言われた場合に、経営を地方に移譲していく、これは国鉄の地方ローカル線と同じようなことなんで、国が金を出さないというような考え方であってはならないと、自治大臣も拒否的な答弁をいたしておりましたが、ともかく地方自治体に負担を肩がわりさせるという目的を持ってやってはいけないということを強く要請いたしておきます。 次に、福祉見直しの問題なんですけれども、これは一年間だということで国会答弁もなされているわけでして、今度は一年たったところで、一割はカットしないけれども若干カットするのだというようなやり方では、これは国民をごまかすということになると私は思う。したがいまして、そういうような福祉の後退だけは絶対やってはいけないということを強く要求をいたしておきます。 それから、視力測定の問題ですが、視力検査という形になりますと、なるほど医行為であろうというように思うのです。ところが、厚生省の方も、その測定を手を当ててやることは構わないと言うのですね。機械を使ってやるのがいけないのだと言うのです。きょうの答弁じゃないですよ、私は何回も接触いたしておりますから。機械を使ってやるといっても、別に目にさわるわけでもなんでもないのです。正確な測定をやるのになぜにこれをいけないと言うのか、余りにも形式に過ぎるということを私は申し上げておきたいというように思うのです。 それから、眼鏡検査ではなくて、測定という形に置きかえればよろしいのですよ。医行為になるようなことを、そういう名称を使う必要はない。業界とも労働省とも十分に話し合いをされて、国民感情に余りにもかけ離れたような行政をやるということは適当ではないということを私は申し上げたいわけであります。 まだいろいろあるのですが、質疑時間が大体終わったようでございますから、今申し上げたことに改めて、大臣からでも結構でございますからひとつお答えをいただきまして、私の質問を終わります。
○増岡国務大臣 国立病院につきましては、先ほど御説明申し上げましたような医療機関としての考え方でやっておるわけでございますから、自治体に赤字を押しつけるという考えはございませんので、十分な特別な措置を講じることも頭に入れながら配慮をしてまいりたいというふうに思います。 眼鏡のことは各省いろいろありますので、御相談をさせていただきたいというふうに思います。
○中村(重)委員 これで終わります。
○安井委員長 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 私は、食品添加物に関して、若干厚生省にお伺いしておきたいと思います。 まず、最初にお伺いしたい点は、一九五八年にアメリカで採用され、そして現在に至っているデラニー条項に対して、そもそもこのデラニー条項ができた理由、背景、それなりのものがあったがゆえにそういうものができたわけですが、このデラニー条項に対する厚生省としての評価、どういう考えを持っておるか、できた理由と背景と評価をまず最初に御答弁いただきたいと思います。
○竹中政府委員 デラニー条項でございますが、先生おっしゃいましたように、一九五八年に米国の食品、薬品、化粧品法に入れられた規定でございます。これは当時の発がん性に関します科学的な知見を踏まえまして設けられたものと聞いておるわけでございます。 このデラニー条項につきましては、米国のみならず、多くの国々の食品添加物行政におきまして参考として大きな役割を果たしてきたものと考えております。我が国におきましても、従来から、発がん性が明らかとなりました食品添加物につきましては、指定を取り消す等必要な措置を講じてまいったところでございます。
○竹内(勝)委員 そこで、この発がん性等も後で論ずるわけでございますが、まず、化学物質には、御承知のように、生理的な一般毒性、これは急性、慢性毒性ですね、そして今お話がありましたとおり発がん性あるいは遺伝毒性、催奇形性、こういったものが特殊毒性として分類されるやに伺っておりますけれども、こういったものには最大の作用量、いわゆる閾値というものが存在するわけでございますけれども、この最大の作用量、いわゆる閾値というものは一般毒性に考えられるのか、あるいは特殊毒性に考えられるのか、厚生省はどんなお考えを持っておりますか。
○竹中政府委員 一般毒性につきましては、通例閾値があるということで学者の間で一致をいたしておるわけでございます。特殊毒性でございますが、その中に催奇形性あるいは発がん性があるわけでございますけれども、化学物質によります催奇形性につきましては、専門家の間では一般的に閾値はあると言われておると思います。一方の発がん性でございますが、これにつきましては、閾値があるかないかということにつきまして、現在専門家の間で大変議論のあるところだというふうに承知をいたしております。
○竹内(勝)委員 では、その問題はひとつ専門家の間での論議をよく注目しながら、私は食品添加物に関してこの後論議をしていくわけでございますが、その閾値という問題をぜひここで専門によくそちらでも御研究をいただいて、そして現在認められておる食品添加物が閾値を超えていくという中で、発がんだあるいは催奇形性だというような特殊な毒性、そういったものが人体に影響を与えていくというようなことのないようにしていくことが、人間に対する大事な食品添加物行政として行っていかなければならない使命ではないか、こう思うわけでございます。 そこで、この発がん性などの特殊毒性が、閾値の問題は今論議があるわけでございますけれども、無作用量、これが観察されない。つまり、一般に発がん物質は、微量でも実験動物の数をふやせば、それに対応して発がんというものが見られるはずでございます。普通に考えていくと、微量でも実験動物の数をふやしていくことによって、そこには必ず出てくる。そして最大無作用量に関しても、あるなしを論ぜられないわけでございます。 したがって、この使用基準というもの、つまり許容量、この閾値というものがあるかなしかという問題よりも、少ないからこの特殊毒性というものが関係ないのだというものではなくして、私どもの考えといたしましては、やはりそれは量が少なくても、そこにはこういう閾値というものを考えていけば、そこに毎日食品添加物というものは人体に入っていくわけですから、そうすると量の問題、数の問題、そしてそれが今度は繰り返し人体に入り込んでいく、こういうことになってくると、ここには必ず問題が出てくる、こういうように私どもは考えるわけです。したがって、この添加物が毒性はあるが、許容量の面から考えて量が少ないからそれでいいのだという考えは、ここで見直した方がいいのじゃないか、こういうように考えるわけでございますが、厚生省のお考えはどうですか。
○竹中政府委員 発がん物質につきまして、閾値があるかないかというこれまでの学問的な議論の流れでございますが、先生も御承知のように、当初は発がん物質というものには閾値がない、無作用量はないというコンセンサスだったと思います。その後、発がん物質に関する研究がいろいろ進みまして、御承知のように、イニシエーターであるとかプロモーターであるとか、そういったものがだんだんと明らかになってくるにつれまして、イニシエーターについては閾値はない、しかしプロモーターについては閾値があるというような議論もあるわけでございます。 そこで、私どもこれからはそういった議論も十分見ながら、そしてまた単に発がん性があったなかったということだけでなしに、今申し上げましたような発がんのメカニズムなり、あるいはその物質の持つ他の毒性など、いろいろ多面的な角度から発がん性、特に食品添加物の発がん性ということをそういうふうな目で見ていきたいと考えておるわけでございます。 発がん性とかそういった特殊毒性とか一般毒性とかということにかかわりませず、食品添加物は、特に化学的に合成されたものにつきましては、できるだけ使用を少なくしておく、必要最小限度のところで考えていくというのは当然のことでございますので、従来もそうでございますし、これからもそういう考え方で添加物行政を進めていきたいと考えております。
○竹内(勝)委員 たしか個人が微量の弱発がん物質、こういったものを摂取したことによって発がんする可能性、これはまあゼロに近いだろう、こういうことは考えられます。しかし、それを今度は、先ほど私が実験動物のことで申し上げましたが、これを同じように人間に当てはめていくと、弱発がん物質で摂取量も少ないのだから問題ないだろう、あくまでもゼロに近いからいいのだというものではなくして、これを今度は何千万という人が利用する、つまり大集団を対象にして物質を投与されたときは、弱発がんではあるが、それが原因で発がんするということは否定できない、私はこう考えますが、厚生省のお考えはどうでしょうか。
○竹中政府委員 極めて弱い発がん性の物質をどう考えるか、これが実は今まさにがんの関係、発がん物質を取り扱う学者の間で非常な議論をされておるわけでございます。一般的に申しますれば、発がん性のあるものはもうできるだけとらないようにしていくということが必要ではあろうかと思いますが、一方で自然の食品の中にも相当発がん物質がたくさん見つかってきておるというふうな現状を踏まえて、例えば食品添加物なら食品添加物の弱い発がん性というものをどういうふうに評価していくかというのが、一番難しい点だろうと考えております。
○竹内(勝)委員 そこで、先ほど伺いましたアメリカのデラニー条項に対する厚生省の考え方、そういうものを踏まえて、学者の中には、この発がん性にもいわゆる最大無作用量、閾値、こういったものがあるという主張をする人もおるわけでございますし、このように学会で異論のある場合には、食品添加物行政として、こういう発がん物質に関しては安全サイドに傾いた措置をとるべきであり、いわゆる発がん物質といいましても、これは天然にもあるわけでございますし、微量なものは問題がない、こういうふうに考える、そういう考え方もございます。しかし、天然にあるからといって、そこに添加物というものは人工的なものがプラスされるわけでございますから、このプラスされたことによって、微量であったとしても、バランスが崩れ、問題になると思うわけでございます。 そこで、この特殊毒性に関して、これは同じく使用制限というものをもう一度ここで考える、ここで極力控えるということは今御答弁いただきましたが、極力ここで、今まで認可してきたものを、疑いのあるものは使用せずという考え方に立って、使用を禁止するというところまで踏み込む考え方があるかどうか、それをまず最初に伺っておきたいと思います。
○竹中政府委員 先ほども申し上げましたように、発がん物質、こういったものにつきましても、科学というのは非常なスピードで進歩をいたしておるわけでございます。現在の時点では、これも先ほど申し上げましたが、動物につきましていろいろ実験をいたしまして、ある動物に発がん性があったという場合に、その発がん性があったかなかったかということだけではなしに、その強さなりあるいはイニシエーター、プロモーター等を含めまして、その物質がどんな機序で作用しておるのか、そういった点を十分把握した上でその物質についての人間に対するリスクというものを評価していく。現在の時点に立ちまして、現在のそういった科学の進歩を踏まえますと、いろいろ単純な思考ではなしに、いろいろ多面的に評価をした上で、その食品添加物を例えば禁止するかどうか、あるいは使用基準をどう決めるかというふうなことを検討していくということであろうかと思っております。
○竹内(勝)委員 それでは、ぜひ検討をお願いしたい材料といたしましてこれから申し上げますが、例えばAF2に関しては、これは昭和四十年認可され、そしてたしか四十九年でしたか、使用禁止になりましたね。それは理由はもうよくわかっておることでございまして、発がん性の疑いやらあるいは肝臓障害やらいろいろなものが出てきた中で、このAF2に関しては使用禁止になった。その経緯と、それから今まで認可されたもので、発がん性あるいはいろいろな障害が出てきたことによって認可を取り消した、そういった物質はどんなものがございますか。その二点に関して御答弁ください。
○竹中政府委員 AF2は、今お話がございましたように、昭和四十九年発がん性が疑われるということで使用の禁止をいたしたわけでございます。 昭和四十年以降現時点まで、安全性に問題があるということで使用禁止をいたしました添加物は、全部で二十品目ございます。食用色素の関係、あるいはズルチン、それから例のチクロ、そういったものを含めまして、四十年以降現在まで二十品目につきまして使用の禁止をいたしております。
○竹内(勝)委員 そこで、催奇形性あるいは遺伝毒性、こういったものまで踏み込んでいきますと、例えばAF2の問題に関しても今御答弁いただいたような状況で、確かに昭和四十九年に使用禁止になったわけでございますが、これに関しても遺伝研の田島博士の研究では、例えば蚕にAF2を投与した場合にどういう事態になったかというと、一代目は大したことなかったが、三代目に入って一挙に突然変異が出始め、六代目で子孫をつくることができなくなった、こういうような事態になっておりますね。だから、変異性というのは一代限りでは見られないのは御存じのとおりでございます。 そうしますと、これは人体に当てはめていきますと、簡単に答えの出るものではなくなってくるわけですね。蚕でも六代もかかってそういった形で子孫をもうつくることができなくなるほどのものを、厚生省といたしましては、発がん性の疑いあるいはその他の人体に与える影響、障害等を踏まえてAF2に関しては禁止いたしましたが、この特殊毒性という問題に入ってきますと、これはただ対症的に障害が出てきたから禁止すべきだというものではなくして、やはりそこには遺伝毒性まで入ってくるわけでございますから、何代にもわたって答えが出てからではもう遅過ぎるわけでございますので、したがいましてこういったものも踏まえて、疑いのあるものはこの際禁止をしておいた方が安全である、こういうことの方が人間のためになるという考えで進んでいくべきである、こう思いますけれども、どうでしょうか。
○竹中政府委員 食品添加物の安全性を確保いたします上で、今お話しの後世代への影響というのは大変重要な点でございます。したがいまして、私ども、これまで催奇形性試験あるいは今ちょっとおっしゃいました次世代にどういう影響が出るかという次世代試験等を、これは動物実験でございますがいろいろ行いまして、評価を行っております。それから、食品添加物の再点検の作業をずっと続けておるわけでございますが、その中におきましても催奇形性試験を実施いたしまして、安全性の確保に努めておるところでございます。 〔委員長退席、新村(勝)委員長代理着席〕
○竹内(勝)委員 そこで、これから私はずっと申し上げますが、私の知っているある学者が本にも書いております。これは名前を言っても別に差し支えございません、同志社大学教授、医学博士の西岡一先生でございますが、この方は、「遺伝毒物」、あるいは「疑惑の食品添加物-その毒性はどう現われるか」、あるいは「食害-これでよいのか子供たちとその未来」、遺伝毒性まで入ってくるわけですからそういう未来の問題、それから「あなたの食卓の危険度」という本がここにございますけれども、その中に「食品添加物ワースト10」ということで書かれておりますので、ちょっと読み上げてみますが、それに関して、もしそういったものはないという反論なりコメントなりありましたら、お答え願いたいのです。全部言っている時間がないから、まずワーストテンのうちの代表的なものを申し上げます。 例えばOPP、これは防カビ剤ですね。グレープフルーツやレモン、オレンジに使われております。これは「同じ防カビ剤のジフェニールより毒性が強い。変異原性を示す。また、細胞毒性、胎児に対する影響もきわめて強い。」こうございます。 それからBHA、ブチルヒドロキシアニソールというものでございますが、酸化防止剤です。食用油脂、バター、魚介乾製品、同塩蔵品、チューインガム等に使われるものです。「変異原性、染色体異常、ラットで発ガン性、ラット、マウスで歩行失調、呼吸促迫による死亡、消化器出血、潰瘍形成、肝臓うっ血。」 三番目が臭素酸カリウム。これはマスコミ等で問題になりましたので御承知のとおりですが、小麦粉の改良剤、品質改良剤として、小麦粉、魚肉練り製品、イーストフード、かまぼこ、魚肉ハム等に使われます。これは「中枢神経まひ、血球破壊、脾臓肥大、尿細管閉塞、下痢、嘔吐。ウサギで強い急性毒性。遺伝子損傷性、染色体異常。ラットに腎臓ガン。」等の影響が出ております。 もう一つ申し上げます。過酸化水素。これは漂白剤、殺菌剤。かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの水産練り製品に保存用として使われております。これは「粘膜のただれ、遺伝子損傷、染色体異常、マウスで発ガン、一過性食中毒、ラットで強い急性毒性。」 ワーストテンの中の四つを今申し上げましたが、あと亜硝酸ナトリウム、タール色素、サッカリン、同ナトリウム、ソルビン酸、同カリウム、PG、デヒドロ酢酸等が、西岡先生だけではございませんで、多くの学者の人たちからも、こういうものは非常に危険なんだ、一般毒性からあるいは特殊毒性も踏まえて危険なんだということでございます。 そうすると、遺伝毒性、いわゆる染色体まで影響になってくると、妊産婦への影響などは非常に考えなきゃならない。こういうことから考えて、こういうような製品に対して妊産婦は使用するのを控えた方がいいですよというような表示をさせる必要があるのじゃないか、こういうことまで考えられますが、今のワーストテンのうちの私が四つまで申し上げましたものに関しての、厚生省としてのコメントが何かあるかどうか。それから、そういう妊産婦への影響があるようなものは、これを控えるべきだというような何らかの対策をここへ来て考える必要があるのじゃないか、こう思いますが、厚生省の御所見をお伺いしたいと思います。 〔新村(勝)委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中政府委員 まず、今お挙げになりました最初のOPPでございます。これにつきましては、ラットに発がん性が見られたという実験がございまして、私ども、食品衛生調査会におきまして昨年の十二月にいろいろ検討をしていただきました。それに先立ちまして、FAO、WHOの残留農薬専門家委員会におきましてもこれがいろいろ評価をされておる。その結果、FAO、WHOの専門家委員会におきましても私ども食品衛生調査会におきましても、このOPPの安全性に関する評価を適切に行うためには、今後さらにラット以外の動物についての発がん試験あるいはOPPの代謝試験、こういったものを十分データを整備いたしまして再評価することが必要だということになっております。 それからBHAでございますが、これもラットにつきまして、ラットの前胃にがんができるという実験データがございまして、これもやはりFAO、WHOの専門家委員会あるいは私どもの食品衛生調査会において、数回にわたっていろいろ議論をしていただいたわけでございます。現在の時点におきましては、ラットの場合前胃でございますので、つまり人間にない臓器で発がん性があるということでございますので、例えば犬などの普通の動物について発がん性、あるいはその前段階の状態が出るかどうかといったようなことにつきまして、実験が進められておる段階でございます。 それから臭素酸カリウムでございますが、これもラットに対する発がん性が報告されたということでいろいろ検討を行いました結果、最終食品に、これはパンでございますが、最終食品に臭素酸カリウムが残らないように、そういう状態でだけ使ってよろしいというふうな使用基準に現在いたしておるわけでございます。 過酸化水素につきましても同じでございまして、現在これはかずのこの漂白と殺菌に使用されておるわけでございますが、この場合も最終食品に残らないということで、かずのこの漂白及び殺菌だけに使用が認められておるということでございます。 全体の問題といたしまして、遺伝毒性と申しますか催奇形性と申しますか、そういったものの疑われる食品添加物について、妊産婦の方々のために何か表示をしたらどうかという御質問でございますが、もちろん催奇形性の強いものにつきましては、そういう表示どころではなしにやはりこれは禁止をすべきである、しかし、極めて弱い、非常に大量、人間が普通摂取をいたします量の数千倍、あるいは数万倍を投与して、そして弱い催奇形性が出てくるというようなものにつきましては、私ども、妊産婦への直接の影響はないということで使用を認めておるわけでございますので、現在使用を認め、あるいは現在使用基準で認められておる範囲内でお使いいただく限りにおきましては、妊産婦の方々についても心配はない。したがって、特に表示をする必要は現段階においてはないというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 それでは、昭和五十八年五月十七日に答申を得て、新たに十一品目が食品添加物として認可されましたね。その中のもので、例えばEDTA二ナトリウムとEDTAカルシウム二ナトリウム、これは多量に使ったときは毒性があるということで問題になっておりますし、これは国民が日常よく使われるマヨネーズだとか缶詰の酸化防止剤ですね。それからこのEDTAというのは催奇形性があり、妊娠中服用してサリドマイドの先天性異常児が生まれたと同様に、奇形を起こす毒性を有しておるとこの西岡先生は言っております。 そこでお伺いしたいのですけれども、このEDTA二ナトリウムだとかEDTAカルシウム二ナトリウムについては、これはもう明確に催奇形性を持つものである、今、強いのは禁止すべきだ、今あるのはほんの弱いのだからこれは禁止する必要はないんだという局長の御答弁でございますが、私は、簡単にそういうふうに決めてはいかぬと思うのですよ。先ほど私が申し上げましたように、多くの人たちが毎日口にしていく、そういう意味でございますから、この先生の計算でも、添加物全体でございますが、一日の量が十一グラム、そして一年間で四キロ、五十年間で二百キロ、いわゆる小錦の体重ですよ、それが一人の人間の体へ入るのです。そういうことを考えていくと、これはちょっとそんな簡単なもので、今のところ禁止する必要はないんですというようなことは、答弁しない方がいいと私は思います。 そこで、EDTA二ナトリウムに関して、これは鉄あるいはマグネシウム、カルシウム等を引きつける作用があるのですね。それが人間の体内に入って、pHの違いとかで状況により鉄分が離れていくわけです。こういうことをこの学者は言っておりますけれども、そういう認識はございますか。これに対しての催奇形性の問題あるいは妊産婦への影響、こういったものをどう考えておりますか。
○竹中政府委員 EDTAでございますが、これはお話しのように重金属を吸着する性質がございまして、それを利用いたしまして缶詰等の酸化防止剤として使用するということでございます。ラットの実験で催奇形性があるという報告があったわけでございますが、これはラットにEDTAを大量に投与いたしますと、ラットの体内にあります亜鉛がEDTAによりまして吸着される。したがってラットは亜鉛欠乏症になって、その結果奇形児ができる、こういう仕組みであるわけでございます。 この場合に、私どもEDTAの使用基準を決めておりますが、その使用基準と比較をいたしまして、実験をされました量は約四千倍という非常に高い濃度のEDTAをラットにやった。したがって、大量のEDTAに体内にあります大量の亜鉛が吸着をされて奇形が生じたということでございます。現在私どもが使っておりますような使用基準でEDTAを使う範囲におきましては、極めてわずかに亜鉛が吸着されるということで、人間の体の中で亜鉛不足が生ずるというようなことは到底考えられないわけでございます。したがって、現実のEDTAの使用の場におきましては亜鉛が欠乏することはない、したがって亜鉛欠乏による奇形の発生は全く心配する必要はないというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 その問題はまたよく研究をしてもらえばわかってくる問題です。AF2においても、九年間かかって最終的には禁止になったんだ。そういう例から考えていくと、今後問題が出てきてから、ましてや遺伝毒性、催奇形性になってくると何代か後、六代ぐらい後になってからだめでしたなんて言ったってもう遅いのですから、そういう意味でもぜひ研究をお願いしておきたいと思います。 そこで、大臣にお伺いしておきますが、この食品添加物はそもそも、一般論でございますから大臣御答弁いただきたいのですが、これは消費者、使う人の利点になるように、食品衛生法なり食品添加物の指定基準の設定、調査審議会においての基準等におきましてもそういうものができておるわけでございますけれども、やはり消費者にその利点を与えるために食品添加物があるとお考えでしょうか。
○増岡国務大臣 食品添加物は、最終的にそれを消費される方々にとって、少なくとも害毒を流さないということがまず肝心であろうと思うわけでございます。したがいまして、そういう面では消費者の安全の確保ということが最重点になってまいると思います。
○竹内(勝)委員 この食品添加物は今三百四十七種類、これだけのものが厚生省から認可されて、そして、こういった問題も踏まえて、それからいろいろ一般毒性だあるいは特殊毒性だ、微量ではございますが非常に危険なものが含まれておる、そういったものを考えますと、今消費者の間にはそういった面で非常に心配だ、こういうふうに考えておる人たちが大勢おるわけです。 市民団体の運動だとかそういうものも踏まえていきますと、この前昭和五十八年のときに添加物の表示を義務づけていくということを厚生省として決めておりますけれども、全添加物に対しての表示をどういうようにやっていくのか、それから後は、今後の疑わしきは使用せずという精神から外れてはなりませんので、それがともすると業者のためになるような添加物であっては、業者の方はいつまでも腐らぬ方がいいとか、見ばえがいい方がいいとかというようないろいろなものがあるでしょう。そういうものがあるために添加物は利用していくというものはあります。 ところが、消費者の方は、見ばえよりもやはり食べ物は安全でなければいかぬのです。それから当然腐っちゃいけません。しかし、いつまでも腐らぬというのはおかしいのです。ほっておいてもいつまでも腐らないなんというのは、そこに何かそういう添加物を入れていくから、それはいつまでも腐らない。ところが、今は冷蔵庫でもここまで発展しておる。消費者のためになるということで考えていくならば、これはどうも添加物は余り必要ないのじゃないか。そういうものが数多過ぎる。三百四十七種類も必要ございません。そういう意味でこれを禁止していくという問題にどう取り組んでいくのか、表示の問題と今後の疑わしきは使用せずという問題、この二点に関して大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○増岡国務大臣 表示につきましては、従来から必要なものについては義務化いたしておるわけでございます。しかし、近年加工食品が普及し、いろいろな種類が出てきておる現状でございますので、あるいは公衆衛生の観点からの情報の充実ということが今後必要であろうかというふうに思うわけでございます。 数でございますけれども、これは今までそれなりに必要とされておるわけであろうと思います。また、そのことによって消費者自身もいろいろな意味での利便を受けておるわけでございますので、安全性が確保できるという観点からいわゆるその基本姿勢は変わらないわけでございますけれども、国民の食生活の多様化ということ、それに伴って数がふえたのだろうと思いますけれども、その際無害ということであれば認めざるを得ないのではないかというふうに思うわけでございます。ただ、科学技術の進歩もあるわけでございますから、それを今後常時再点検するということは必要であろうというふうに思います。
○竹内(勝)委員 終わります。
○安井委員長 次に、貝沼次郎君。
○貝沼委員 時間がありませんので、今問題になっておりますAIDSの問題なんでございます。私の友達にも血友病の人がおりますので、それでぜひこれは伺っていただきたいということでございましたので、端的にお伺いをいたします。 いわゆる後天性免疫不全症候群、AIDS、これがアメリカから日本に上陸してくるということで、大変心配しておるわけでございます。感染して三年くらいで発病、そして死亡率八〇%ですか、ほとんど命取りになるというような恐ろしいものでございますが、その原料となる血漿でございますが、この八割くらいを大体アメリカから輸入しておるということでございます。さらに、海外旅行もしなかった、そういう人の中でまた日本でもこのAIDSが出ておるというようなこともあり、あるいは大学の研究などでは、既にこのHTLVⅡ型の抗体陽性ということで、感染の事実を指摘されておるわけでございます。 こういったことから、私は何点かお尋ねしたいと思いますが、まず今これを投与されておる方々は現時点で安全なのかどうか、この点が一点であります。 それから、話によりますと、フランスとかドイツはアメリカからは輸入しないというふうに決定されておるそうでありますが、なぜ日本はそこに、よらなければならないのか、この点が現時点での問題でございます。 まず、この二点についてお伺いをいたします。
○小林(功)政府委員 今お話のございました血友病患者の治療に使用されます血液凝固因子製剤、これがAIDSの一つの感染源ではないかということが言われております。先日AIDSの疑い濃厚ということで発表されました患者さんの中に、それに該当する方が三名いらっしゃいました。ただ、これにつきましてはいろいろ手は打っているわけでございます。 確かに先生おっしゃるように、この血液凝固因子製剤を含みます血漿分画製剤につきまして、日本の場合使用量が非常に多いというようなこともありまして、その相当部分を外国から輸入に頼っておる、これは事実でございます。そこで、それがもし危険性があるものであると大変でございますから、実は五十八年、一昨年の夏からでございますが、輸入する場合に、原料血の確保の際に供血者に対する十分な問診とか健康診断とかを行って、十分なチェックを行ったものだけを輸入させるということで行政指導しておりまして、これは現にやっております。 ただ、それでも万全ではないと思いましていろいろ研究を重ねたのですが、実はその製剤に熱を加えますとAIDSのウイルスが不活化するという研究成果が出ておりまして、そういう理論をもとにしまして、現在既に五社からこの改良品の承認申請が厚生省に出されております。私どもは、それができれば安全性が高まりますので、なるべく早くこの新製品を市場に出したいということを考えておりまして、これから中央薬事審議会で審査をいただくわけですが、通常のスピードとは違った特別の配慮をしまして、特に迅速に処理をして、できればこの秋ごろにはそれを市場へ出すという段取りで今既に準備に着手している、そういう状況でございます。
○貝沼委員 さっきドイツとフランスは輸入してないという話もちょっとしたのですけれども、その答弁もありませんでしたが、次の答弁のときに一緒にやってください。 それで、今熱処理で秋ということがございました。熱処理すれば秋には新製品が出るだろうということですが、それまではどうなんですか。危険なんですか。それまではどうやったら安全なんですか。新製品が出れば安全だというのでしょう。しかも熱処理は血友病Aに対して有効なんですね。血友病Bに対しては有効なんですか。有効性はいかがですか。
○小林(功)政府委員 先ほど御答弁に漏れました、外国でも輸入をとめている国があるということですが、ちょっと今手元に資料がございませんのでわかりませんが、ただ日本の場合には、この血漿分画製剤を使う量が非常に多うございまして、大体世界の三分の一使うなんというデータもあるようでございますが、そこら辺でどうしても必要な血漿分画製剤を、国内の献血も随分頑張って献血率も高まってきたのですが、使用量が多いために全部賄えない。そうしますと、やはり治療用にどうしても輸入に頼らざるを得ない、そういうことでございます。 それから、改良品が出るまではどうかというお話でございますが、先ほど申しましたようにいろいろの手は尽くしているわけですが、そういう一〇〇%安全というわけにはまいらぬと思います。だから、なるべく改良を早く出すということに努力しなければならないと思います。 それから、A型、B型というお話でございましたが、加熱処理できるものは第八因子のA型だけでございまして、残念ながら、Bの方は今のところそれを不活化するという手法はありません。そこは大変心配でございますけれども、これは研究を重ねるしかないということでございます。
○貝沼委員 ただいまの答弁から、秋ごろ新製品が出ても、Aには有効であるがBには決め手がない、こういうことですね。したがって、Bに対する対策は今ないということが事実だろうと思います。 それからさらに、これは粘液とかそういうもので感染するということで、しかしこれは法定伝染病ではありませんので、追跡調査というのは非常に難しい。話によりますと、同じかみそりを使ったりタオルを使ったり、あるいはそういうものを他人と共用するとうまくないということだそうでありますが、そうなってくると、理髪業とかああいうものは一体どんなになるのでしょうかということになって、大変心配がふえてくるわけでございます。これは現時点の話です。 それから、今度は今後の問題といたしまして、現在輸入しておる原料でもってつくった薬でありますが、これを使った人は、すぐこれは発病するわけじゃありませんので、潜伏期間が三年か四年かありますので、今使っておる人は今後発病する可能性が出てまいります。ないということは断言できません。したがって、その場合にはどういう方向で取り組みになるのか、どういうふうに対処されるのか、この点を伺っておきたいと思います。
○大池政府委員 我が国の場合、まだ非常に限られた発生でございますので、個々の症例ごとに一番適切な指導あるいは患者管理というようなことが講じられるべきであろうと考えております。 既にこれまで発見されました六名の方につきまして、三名は、血友病患者の方は亡くなられております。残余の三名のうち、一名はアメリカにもう戻っております。それから一名は現在入院中ということで、病院できちっと管理しております。一名が通院中でございますけれども、この者については二次感染、先ほど先生御指摘のようなことも全部含めまして、そういう指導にこれから取り組んでいるところでございます。
○貝沼委員 もう時間がないので私、質問できないのですけれども、要するに、私はさっきから現時点の問題とそれから今後の問題と分けて質問をしているので、現時点は今のそういう人たち、あるいは血液そのものから発病したと思われるものもあるわけですから、明らかに輸入の血液の中からという、これが帝京大の先生の報告ですから、そういうことも考えて、現在の製剤を使っておられる方々は、今後三年ないし四年たったら発病する可能性があります。その場合にどう対処されるのですか。しかももう一つは、Bについては全くもう打つ手がないというわけでありますから、それについてひとつ対応策を早急に立てていただきたいというのが私の希望でございます。大臣、いかがでございますか。
○大池政府委員 現在国におきましては、研究班のほかにAIDS調査検討委員会というような知恵袋のような組織を持っておりまして、そこを中心にしまして、全国のAIDSの患者さんがもし発生した場合には受診するであろう大学病院とか国公立の大型の病院、約五百カ所以上をお願いしまして、そちらにサーベーランスというような形の仕組みをとっておるところでございます。先ほど御指摘のような方々につきましては、そういったところでの健康観察的なことを今後そのサーベーランスの一環として考えていくべきものであろうと考えております。
○貝沼委員 どうも話が少しかみ合っておりませんが、私は、一番大事なことは日本人の献血を増すことだと思うのです。ところが、そういう答弁が全くありません。これは当局の考え方として非常に問題があると私は思います。アメリカの血を輸入するから、アメリカの原料を輸入するから問題が起こっておるわけでありますから、なぜ日本の献血をもっと奨励しよう、あるいはこれを進めていこうという姿勢になれないのですか。大臣、答弁をお願いします。
○増岡国務大臣 先ほどからは対症療法的な対策を申し上げておったわけでございまして、基本的には、おっしゃるように日本でそのような血液製剤ができることが一番肝要でございます。先ほどから、その対策をやります以前に輸入で安全なものを入れます、患者さんが出た場合には二次感染をしないようにいたしますということを申しておったわけでございます。今後は国内で献血によって血液製剤ができるような所要の対策を進めたいと考えておるところでございます。
○貝沼委員 終わります。
○安井委員長 次に、滝沢幸助君。
○滝沢委員 委員長、御苦労さま。大臣、御苦労さまです。 私は、議題であります五十七年度の決算をめぐりまして、今日国家的ないしは民族的課題であると言われておりますがんの対策のことに触れて質問を申し上げさせていただきます。 がんというのは、非常に不幸な病気ないしは人類が最後にたどり着いた病気と言っても過言ではないでありましょう。かつて肺結核が亡国病と言われまして、しかしまた一面からいうと、これは文明病みたいな感じでもございましたが、しかし今日ようやくそれは克服できまして、さらには脳卒中もいわば一つの解決の道ができました。死亡率においても、いよいよ肺結核を越し、脳卒中を越して、死亡率第一位ということになったと言われているわけであります。そのように思うときに、がん対策こそ国が総力を挙げてこれに当たらなくちゃならぬ課題ではないか、私はこのように思うわけであります。 がんの病人に対して告知をすることがいいか悪いかも、いろいろと議論されているところでありますが、私は歌なんかをやっておりまして、これは歌のいい悪いは難しいことでありますけれども、死刑囚の歌、らい患者の歌、そしてかつては肺結核患者の歌、今日はがんと言い渡された患者の歌が非常に心打つものがある。命に真向かっておる姿と言うことができましょう。そういう意味で、がんのことをこれは本当にしっかりと今後やっていかなくてはならぬ、私はこういうふうに思うわけであります。 そもそも、がんとはだれがいつの日名づけたのか知りませんけれども、難しいどうにもならぬことを、あの問題のガンはこれだというふうに言っております。その難しいものをガンと言って難しい病気にその名を付したものか、それとも初めに病気ありき、がんという難しい病気があって、それになぞろうてその難しいものをガンと言うふうになったのか私は存じませんけれども、いずれにしましても、後ほど大臣から御答弁もちょうだいしたいと思いますが、御答弁はそれぞれの衝に当たられる方々で結構でありますが、どうぞひとつ、がんというものはとにかく今日日本の民族的、国家的課題であるということを心に銘記していただきまして、これからの二、三の質問にお答えを賜りたいと思うわけであります。 一番最初に、具体的にちょっとお伺いさせていただきたいのは、がんの死亡状況、これは決算年次を中心としまして最近の推移を承っておきたいと思います。事務的なことでございます。
○大池政府委員 がんの死亡状況についての概略でございますが、先ほどの先生のお話にもございました昭和二十八年以降、引き続き国民の死亡原因の第二位を占めておったわけでございますが、昭和五十六年に脳卒中を上回りまして第一位になっております。以後昭和五十七年には約十七万人亡くなっておりますし、五十八年には十七万六千人と少し増加を見ておるところでございます。なお、国民全体の年間の死亡者のうちの四人に一人ががんというような位置づけにもなっております。 この死亡の発生部位として見ますと、胃がん、子宮がんが減少、これはいろいろな対策の成果も反映しているわけでございますが、一方で肺がん、腸がんなどがふえているのが目立ちます。
○滝沢委員 そのようにして、一面がんそのものも、がんといえば胃というような時代が終わりまして、いろいろと難しいがんも発見されてきているという状況でありますが、それらのがん対策の現状は、大まかに申されましていかようにされておりますか。承りますれば、何か中曽根総理大臣は十カ年のがん対策の計画というものを、難しい名前でありまして対がん十カ年総合戦略と言うのだそうでありますけれども、総理大臣好みの言葉ではありまするけれども、大要いかなる対策をお持ちであるか、承りたい。
○大池政府委員 がん対策につきましては、厚生省においては、既に昭和三十七年に国立がんセンターを設置いたしまして取り組んでおるところでございますが、特に昭和四十年以降五つの柱を立てまして、がん対策の一段の強化を図ったところでございます。すなわち、がんに対します正しい知識の普及啓発、医療施設の整備、健康診断の実施、専門技術者の養成訓練、がん研究の促進、こういう五つの柱のもとに取り組んできたところでございます。 さらに五十八年には、ただいま先生のお話にございましたように、総理の御提唱のもとに関係各省も総合的に力を合わせまして、対がん十カ年総合戦略というものを策定いたしまして、これに基づいて研究の一段の強化を図っているところでございます。この対がん十カ年総合戦略におきましては、特にがんの本態の解明を図りまして、その成果を予防、診断、治療に反映させることをねらったものでございまして、その中身としては、国内のがんの先端を行くあらゆる力を結集するほか、日米がん研究所による共同研究等国際的にまたがる総合的ながん研究事業を推進しつつあるわけでございます。今後とも、国民の期待の極めて強い分野でございますので、その期待におこたえできるように一生懸命引き続き取り組んでいく所存でございます。
○滝沢委員 しかし一つは、おっしゃっていただいておりますとおり、がんそのものの正体がまだ学問的にきわめ尽くしていないものがあろうと私は思いますので、その方面のいわゆる原因究明に積極的な取り組みをお願いしたい。それは当然金のかかることでありまして、何か五十九年度には四十五億、それを奮発しましてことしは五十三億をこれに充てられると聞いておりますけれども、その辺の御報告をもう少し詳細に承りたい。
○大池政府委員 ただいま先生のおっしゃいました五十九年度予算額四十五億四千万、六十年度予算額五十三億二千万、これは対がん十カ年総合戦略の経費を申されたわけでございまして、厚生省、文部省、科学技術庁にそれぞれ計上されております十カ年総合戦略経費の合計金額でございます。六十年度の対前年度予算の伸びとしましては一一七・四%ということで、全般的に厳しい財政環境下におきまして、がんに注ぎ込んでいる国の姿勢を示されているものと考えております。 このうち厚生省の関係について申し上げますと、対がん十カ年総合戦略経費につきましては、六十年度十五億三千万を計上しておりますが、そのほか、がん研究助成金十六億を初めとしまして、研究助成につきましては多岐にわたる予算を計上しているところでございます。その中身としては、制がん剤、がん原性物質の探求、がんの診断治療の研究、疫学研究等々取り組んでおりますし、また十カ年戦略のもとにおきましては、六つのプロジェクトを起こしまして、がんの本態にさらに肉薄していくための強力な研究を行っているところでございます。その中には遺伝子の問題等も当然含んでいるわけでございます。
○滝沢委員 ところで具体的に申しまして、何といっても思い出しますのが国立がんセンターでありますが、この研究と治療に果たされた功績は私は多としていいと思うのであります。私も機会がありまして、最近数回にわたりましてこのがんセンター並びにその附属病院を見学させていただきましたけれども、これについて、医師の数ないしはベッド数、そしてその収益の状況、こういうものについてどのようになっているか、そして今後これが強化、改善の方途があるのかどうか、承らせていただきます。地方のことは後から承ります。
○大池政府委員 国立のがんセンターは、がんその他の悪性新生物を対象としまして、診断治療、調査研究及び技術者の研修という、大きく分けますと三つの分野におきまして、がんについての先端的な中心的な役割を演じているところでございます。地方がんセンター、あるいは各都道府県にがん診療施設というような全国のネットも張っておるわけでございますが、そういったところに対する指導的役割も期待されているところでございます。病床数は五百四十八床、医師数は百十三人という定員になっております。それから収益の状況でございますが、全般的には高度不採算的な要素が濃いわけでございまして、総じて赤字というようなことにございます。
○滝沢委員 そこで、これは一つは小さい提言といいますか、申し上げさせていただきますが、先ほど私は、がんというものは告知、あなたはがんですよと言うことがいいのかどうか大変難しいところだと申し上げましたけれども、しかし地方から来ましてあの病院に入りますとき、患者は観念せざるを得ないのであります。がんセンター附属病院、大きく入口に何カ所も書いてございます。この門をくぐる者すなわちがん患者と言って過言ではないと、病人は案じているわけですから、ぴんときますわな。そのことが必ずしも賢明なことなのかどうか。そういう意味では、法的な名称は国立がんセンター附属病院であっても、何か別称を一つ持っておいた方がいいのではないかと思うのでありますが、これは一つの提言でございます。 あと、地方にいろいろと、例えば県立のセンター等を持っていらっしゃるものが、千葉とか埼玉、愛知、新潟というようなものがあるようであります。また、大阪は成人病の部門と併設されているということであります。また、財団で駒込に一つあると聞いておりますが、総じて私は、国立の中央のあのがんセンター、がん研究も大事なことでありますが、とともに、やはり全国津々浦々に枝葉がなければ十分な成果を上げ得ないと思うのであります。ところが、私は福島県でありますが、福島県等も最近の国内全体の趨勢の例外ではなしに、県立病院等が軒並み赤字になっているわけであります。 そういう中で、全国の県立病院等が使命を再検討されまして、赤字だから廃止をするという方向ではなしに、むしろもっと僻地、田舎に公立病院等が入っていって、赤字覚悟で全国津々浦々の病人、特にがん、脳卒中その他の難病、奇病等を吸収して、これを中央に送ってよこすという役目に徹していただいてもいいのではないか。そうならば、赤字になっても存在の意義あろう。ところが、大都市で県立病院等が民間病院と競合して、おのれは赤字を出し、なお親方日の丸なるがゆえに生き長ろうて、隣の民間病院を圧迫していくということでは、能なしと言われても過言ではなかろう、こう思って一つの提言をするわけでありますが、いかがですか。
○吉崎政府委員 お話しのございましたように、がん対策は極めて重大なことであると思っております。また、県立病院等の自治体病院は半分足らずが黒字、半分ちょっとが赤字でございます。県立病院等自治体病院は、がんを初めとして地域医療の確保、その水準の向上に重大な役割を果たしておると考えておりまして、厚生省といたしましても、従来からその使命が達成できますように必要に応じて助成の措置を行っておるところでございます。お話しのございましたがんの診療につきましても、その部門の施設設備費、運営費につきましても直接助成を行っておるところでございます。がんの診療は非常に大事なことでありますので、さらに努力をいたしたいと考えておるところでございます。
○滝沢委員 おっしゃっていただきました赤字の各公共立の病院等に対して、例えばがんの克服等に具体的に使命を果たし成果を上げておるならば、赤字であってもこれを存続し強化していって、これに対して必要なる助成を国が行ってやるというぐあいにお願いしなくてはならぬのではないか、このように考えます。ひとつ対策を練ってちょうだいしたいと思うわけであります。 なお、私は先ほど福島県と申し上げましたけれども、我が福島県は――実は民社党におきましても、先ほどの党大会、これはお偉い方々のいろいろと長老支配とかなんとか言われておりまして、どうもそういう面だけが新聞、テレビに出まして残念なことでありますけれども、その中で私たちは、がんの対策をしっかりやろうという提唱も満場一致で議決をしているところであり、福島県の民社党におきましても、本部に負けないで頑張ろうということを決議していただき、地元の民友新聞社等もいわば社運をかけてがん対策を頑張ろうとおっしゃっていただいているということで、福島県は大変がん先進国、これは病気が多いというのではなくて、がん対策の方が先進県だというふうに自負しているわけであります。ちなみに検診率等は、子宮がんにおいては全国で一位、そして胃がんにつきましては二位というふうな成績になっているわけでありますが、どうぞひとつ、先ほど申し上げましたこれらについても、お金の面では余り苦労しなくたって、がんのことならば大丈夫だよという中央のてこ入れをお願いしたい、こう思うわけであります。 そういうことを申し上げさせていただきながら、実は重ねて、がん研究について必要なとおっしゃっていただきましたけれども、どの程度の援助を国がなさることができるか。これは地方自治体等でも関心の的であろうし、今道路の補助金とかなんとか言われておりまするけれども、それも大切です、しかし今後、恐らくきっと全国の地方自治体の中央に対する要求の第一は、がんに対して援助を下さいという方向になってくると思うのでありますが、そういうことも踏まえて、ひとつ具体的に今後のがんに対する地方援助の構想等を、これは大臣ならば一番わかりましょうかどうか、局長さんでも結構です。
○大池政府委員 これまでのがん対策の五つの柱の中に、がん研究の促進ということが一つあるということにつきましては先ほど申し述べたわけでございますが、その中でがん助成金という仕組みが有力な一つでございます。予算額としては十六億ございますけれども、八十ほどの課題を設けまして、その中には大学の先生もございますし、地方の研究機関の方もおられます、というような意味におきまして、地方におきますところのがんの研究の力というものは、国のがん対策へ結集するために役立てるように配慮しているところでございます。こういった研究に一層力こぶを入れていきたいと考えておるところでございます。
○滝沢委員 八十億と思いましたが、やろうということになれば、これはごろ合わせがいいけれどもちょっと中途半端で、どうかひとつ来年は百億ぐらいに上げてちょうだいするようにお願いをしたいと思います。 先ほど私は、福島県のとにかく官民挙げての対策のことを申し上げさせていただきましたけれども、がん撲滅の国民運動的なものを展開されるお考えはないかどうか。これは幾ら役所や病院がかね太鼓でそれを申し上げても、受診される側、これが国民の各層から盛り上がった運動にならなければ私はだめだと存じまして、私は、今福島県の立場で考えておりますのは、がんを克服された方々の体験談の公表、披露等ないしはがんの知識の印刷物等をもっと広範囲に配ろう。 ないしは、これは具体的になりますが、農協の総会に出ました。そうしましたら、乳がんの検診がどうしてもお医者さんの一々の手に触れていただかなければならない。しかし、これは実際御婦人にとってなかなか抵抗感もある。そういう意味では機械の開発も必要だし、もう一つはこれが有料で大変高い値段になっておる、こういうものについても無料にしていただくようなことがないものかという切々たる訴えがありました。私はごもっともだ、こうお答えしてきたところでありますが、国民運動的ながん対策の展開というものをお考えいただけないかどうか、大臣、いかがでしょうか。
○増岡国務大臣 御指摘のように、実態は官民を挙げてやらなければならないのが実情でございます。私どももそのような趣旨でございます。総理も十カ年計画等を考えておられるのは、そういう意味合いで国民に呼びかけるお気持ちもあって、そういう用語を用いておられると思います。 それと同時に、国際的な問題も世界を挙げてやらなければならない。事実、この間、WHOの下部機関でありますフランスのリヨンにありますがん研究所の所長が私のところに参りました。そのときの言葉も覚えておるわけでございますが、ともかく、先生御指摘のように、日本じゅうもそうでありますが、世界じゅうを挙げて解決しなければならぬ最大の眼目であると考えております。
○滝沢委員 さすがに大臣、スケールが大きくて、私は国民運動と申し上げたのですが、大臣は人類運動、世界運動、大変スケールが大きくて結構であります。がんに国境なし、どうかひとつ大いに運動を推進してちょうだいしたいと思います。 ところで、ちょっと具体的になりますけれども、ある時期ひとしきり、がんと言えば丸山ワクチンみたいな、もちろんキノコがどうしたとかいろいろと言われておりまして、私の方では何かクマヤヅルという山の木がいいとかいろいろと言われているわけであります。そのように、がんが大変なればこそ、科学から迷信に至るまでいろいろと言われているわけでありますけれども、丸山ワクチンというものは最近どのような状況になっておりますか。
○小林(功)政府委員 丸山ワクチンにつきましては、実は昭和五十一年の十一月に医薬品の承認をということで申請が出てまいっております。そこで、厚生省及び中央薬事審議会という場所でいろいろ検討した結果、昭和五十六年の八月に中央薬事審議会から答申が出ております。 その内容は、ポイントだけ申しますと、要するに、提出されている資料をもってしてはその有効性を確認することができないので、現段階では承認することが適当でないというのが主文であります。ただ、これには附帯意見がついておりまして、本物質の医薬品としての有効性を確認するために、今後さらに研究を重ねる必要がある、こういう附帯意見がございました。 これを受けまして、ゼリア新薬、これはメーカーでございますが、ゼリア新薬工業は、五十六年十二月から三年間試験研究を実施いたしまして、実は昨年の十一月にその結果を厚生大臣あてに報告してまいりました。 その報告内容も、これはポイントだけ申しますが、まだ承認申請に至る十分な資料となってはいないが、試験研究を継続する必要が認められる内容も含まれているということがございまして、それにあわせまして、先生も御案内のように、これについては非常に多数の患者さんが現に使用されているという実績も勘案いたしまして、総合的に考えまして、さらにもう三年間治験を続けるように、こういうことで手続が終わったところでございます。したがって、今第二段階の治験段階として、ゼリア新薬工業において引き続きその試験研究をやっている、こういう状況でございます。
○滝沢委員 るる承ってまいりましたが、私の志すところは、とにかく今や死亡率第一位、しかも不治の病と言われておりますこのがんというものを克服しないことには、本当のいわゆる国民の健康はないわけでございまして、そのような意味で、これは人類地に生じて以来、死というものは常に人間の恐怖ではありますけれども、それにしましても、これだけ科学が発達した今日、なおがんにおびえるこのいわば宿命に対して挑戦をしなくてはなりません。どうかひとつ大きな国家的運動とし、さらに、大臣のおっしゃったように、世界にその輪を広げてがんに対しての対策を強めてちょうだいしますよう要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。 大臣以下皆さん、御苦労さまでした。委員長、ありがとうございました。
○安井委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 それでは、午前に引き続きまして、秋田県警の免許証不正事件における黒い土壌の問題、具体的に今度はお聞きするのでありますけれども、ここに、昭和五十七年一月一日現在の「秋田県警察本部交通部運転管理課事務分掌表」というものがございます。これを見ますと、交通部長・警視正、首席参事官・警視、課長・警視、聴聞官・警視、調査官兼講習指導官・警視、つまり警視正を除いて四人の警視がおりますけれども、この方々が現在運転免許証を持っているかどうか、お聞かせいただきたいのであります。
○徳宿説明員 当時交通部首席参事官・警視でありました佐野恭吉につきましては、五十六年十二月、普通免許を取得いたしております。 それから、当時運転管理課長・警視三浦芳郎につきましては、自動二輪免許三十二年七月、普通免許五十五年七月、大型特殊免許五十六年五月、牽引免許五十六年六月、それぞれ取得いたしております。 警視長谷川勇につきましては、自動二輪免許二十七年三月、大型二種免許二十七年三月、それぞれ取得いたしております。 当時警部でございましたが、後ほど警視になっておりますが、田口三郎につきましては、普通免許を五十五年七月取得いたしております。 以上でございます。
○中川(利)委員 それではお伺いいたしますが、それぞれ持っていらっしゃるようでありますが、ただいまお話ありました課長についてでございますが、あなたは、三十二年七月バイク、五十五年七月普通免許をもらったと言っておりますね。五十五年七月いつですか。
○徳宿説明員 五十五年七月十六日でございます。
○中川(利)委員 五十五年七月十六日ということですね。今お答えの中で、この方は五十六年に、その次の年に牽引車両だとか何かほかの免許も持っているようでありますが、私の知るところでは、普通の免許を得てから三年間はそういうものは取られないということになっているはずでありますが、これはなぜ次の年にこういうものが取れるのですか。
○徳宿説明員 ただいまのお話のような制限は、法律上ございません。
○中川(利)委員 普通は三年間だということになっていますね。そういうことはないんですね。次の年に取ってもいいわけですね。はい、わかりました。 それではお聞きいたしますが、地元新聞に秋田さきがけ新聞というものがございます。ここには、試験があったとき、その次の日に必ず合格者の発表というものが行われます。これはもう長い間の慣行になっておりまして、私ここへ持参したものは、きのうの日付の、六月六日の秋田さきがけ新聞です。その中には、「運転免許合格者(五日・秋田試験場)」、つまり、前の日にやった試験場の合格者の発表がございます。きのうのを見ますと、大型二種だれそれ、普通二種だれそれ、大型だれそれ、普通だれそれ、二輪だれそれ、原付だれそれ、二輪審査だれそれ、もう全部これが公表されることになっているわけであります。 そうして、さらにあなたのおっしゃった五十五年の七月十六日、秋田試験場、これは五十五年の七月十七日、次の日の新聞に合格者が発表になります。これがそれです。この中にいろいろな人の名前が書いてあります。大型二種、大型、やはり同じようにざあっと名前が七、八十人書いていますが、幾ら探しても、この方は「運転免許合格者」の中には入っておりません。 警察官の合格はいつから除外することになったのですか。そういう慣例あるのですか。すべてが個人として公表されているものなんですよ。これは、聞くところによりますと、警察の方から地元新聞に対して手書きで送られてくるものであります。警官だけが除外される、そういう偉い人が入らないということが何を意味するかということを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○徳宿説明員 先生御指摘のように秋田さきがけ新聞というものに運転免許の取得者が全氏名載るということは初耳でございまして、承知しておりませんでした。
○中川(利)委員 私も運転免許証を持っております、昭和三十年来。ちゃんと次の日にこういうふうに公表されることになっている。初耳だとおっしゃる。初耳であるならば、こういう問題を出された以上は、改めて調べてみる必要があると思うのです。 同時に、この方は、我々が普通耳にしておる自動車の免許証、これについて大型だとか牽引だとか今あなたからお話しありましたが、大型の牽引車なんというものは、大体警察署長が必要とする免許なのかどうか。こういうことも、常識で、本人が取得しているということは一体どういうことでしょうか。こういうふうに出された以上、改めてお調べをいただけるものと私は思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○徳宿説明員 三浦芳郎、当時の課長でございますが、どういう事情で大型特殊免許を取得しあるいは牽引免許を取得いたしたものか、承知いたしておりません。
○中川(利)委員 それならば、なぜここに公表されていないのか。大型特殊はいつ取ったのか、牽引はいつ取ったのか。そのためにはいろいろな公文書が、午前中にも申し上げましたけれども、一人の人間が合格するためには、受験の申請書から始まりまして、受験票、受験手数料、これは県の出納局へ入りますね、答案用紙、住民票、各種証明書、交付手数料、これも収入印紙ですね、その他合格者名簿作成台帳に云々ということもありますけれども、市役所にも聞かなければいかぬ、県にも問い合わせしなければなりませんね、本当に本人かどうか。こういう問題が改めて出された以上、お調べいただけるかどうか、お伺いしたいと思います。
○徳宿説明員 事実関係について調査してみたいと思います。
○中川(利)委員 法務省にお伺いいたします。 黒い免許証の土壌は、先ほど申し上げましたように、オンラインがやられた昭和五十七年一月ですか、その以前の方が、まさに手書きの時代に日常茶飯事行われておった、こういうことを先ほどいろいろな提言あるいは供述等で私お話し申し上げましたが、この肝心な問題は運転管理課、そこがすべての発生源である、こういうことも先ほど申し上げたとおりであります。おまけに、地元紙のそうした慣行、何ぼ探してもない。私は念のためと思いまして、その前年一年分、その後年一年分、全部調べました。どこにもありません。そうすれば、残るものは、何か不当な手段で合格したものとしか考えられないというのが社会の常識でございます。 今あの問題について秋田県民の関係方面では、あれはトカゲのしっぽ切りだと言っている。一番大事なところが、必死の食いとめといいますか、そういうことで伏せられたわけでありまして、先ほども言いましたように、口封じを言われた方も私は知っております。こうした根っこ、背景、こういうものをきっちりしてこそ、本当の警察の士気が十分上がっていく。偉い者は隠され、下の者は全部やられる、こういうことでは社会の道理は通らないと私は思うわけであります。 この点について、先ほど来論議されましたそういう疑惑、私の調査によりますと、きょうは特定の方に絞ったわけでありますが、まだ相当数の方が浮かんでいるわけであります。こうした発言をする以上、私は一定の根拠を持って発言しているわけでありまして、そういうことも含めまして、法務省としては当然調べ直す必要があると思うのでございますが、検察庁がああいう格好でこれで万事終わりだという、メンツの問題も恐らくおありじゃないがと思いますが、ひとつ率直に、警察の民主的な清潔さのために調査し直してみるのかどうか、この点を重ねて法務省にお聞きしたいと思います。
○東條説明員 お尋ねのいわゆる秋田県警の運転免許証不正交付事件というものにつきましては、犯行に関与した者が警察の職員であったということから、そういう事案の性質上、検察当局においても当初から積極的に関与して、慎重な捜査を遂げたものと聞いております。その事件の捜査過程におきまして、警察当局も事柄の性質上徹底的な取り調べを行って、その間にいわゆる身内の不正を隠ぺいしようとするような事実はなかったものだというふうに私どもは報告を受けており、私どもとしても、これらの捜査当局の報告を現段階では信頼すべきものだと考えております。 なお、万々が一にも御指摘のような事実を具体的に裏づける新しい証拠が発見されたということになりましたら、これはやはり警察当局において身分上あるいは刑事上の処分を含めまして適切に対処されるものだと思いますし、また検察当局としても、警察当局の対応ぶりを見守りながらこれに適正に対応してまいるものだというふうに考えております。
○中川(利)委員 大体警察当局のお調べ、これは先ほど申し上げましたが、五十九年五月十八日に発覚したのですね。そして六月二十八日、つまり翌月には捜査本部による事件終結宣言を行っているのですよ。だっとオンラインの関係者を全部挙げたのです。本部長が記者会見して事件終結宣言をした。ところが、その後にまたまた出てきたのですね。終結宣言したその後にまた四人が出てきまして、総計が五十一人になったのです。 このことは、警察当局の大失態だと私は思うのです。また、取り調べそのものが、調査そのものがいかにずさんであったかということのあらわれでもあろうかと思うのです。そういうことで、警察は調べる、こうおっしゃったが、法務省は、大体自分たちもお調べになって決着がついたような話でありますけれども、国会の場で改めてこういう問題が、しかも足元の中で一番肝心なところで今回の事件のこういう問題が起こったということですね。 したがって、最後に私がお聞きしたいことは、先ほど来警察当局は、秋田県の運転免許証所持者が五十万人いる、それをみな調べてその結果云々ということを言いましたね。当然その中には運転管理課の方も含まれているかもわかりません、いないかもわかりませんね、身内ですからね。そこで、お調べになったとするならば、自分の足元については単なる調べじゃなくて、先ほど言ったような事務手続、いろいろなものが必要ですね、そういうことを含めてあなた方判定したのか、余計なことでありますが、お調べになると言っているからこれ以上言う必要はありませんけれども、私は、その点が非常に疑問だと思うのです。 そういう点で、今の御答弁で結構でありますから、この点はひとつはっきり結論を出して調べ直していただきたいし、場合によれば、私は、この次にもまた機会を見まして、それなりの新しい私なりの問題を提起したいと存じますので、どうかひとつ警察の威信にかけて、黒い免許証の売買も身内は一切金を取らないでやっておった、ほかはみな取ったというようなことは笑い物でありますので、御発言がありましたけれども、重ねて早急な調査を要請いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○安井委員長 次回は、来る十二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十四分散会