外務委員会文教委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1985/05/30
会議録
○愛野委員長 これより外務委員会文教委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、外務委員長の私が委員長の職務を行います。 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。L 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○愛野委員長 本件の趣旨につきましては、お手元に資料を配付いたしてありますので、これにより御承知願うこととし、質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西績介君。
○中西(績)委員 ただいま議題になりました条約批准に関しまして、この提出されております提案理由によりますと、この条約を締結することは「我が国の憲法の精神にかなうもの」と明記されております。そしてさらに条約締結の意義として、この配付されました資料の説明書の中には「男女平等の実現に関する我が国の積極的姿勢を改めて内外に示すこと」、あるいは、平等の実現のため国際協力に貢献することから有意義であるというように示されております。 そこでお聞きいたしますけれども、我が国には立派なすぐれた憲法があるにもかかわらず、具体的な政策あるいは生活の中にそれがなぜ生かされておらなかったんだろうと私は思うわけでありますが、なぜ署名後五年も経過をしなければこうした批准を求めることができなかったのか。大臣、この点についてお聞かせいただければと思います。
○安倍国務大臣 この条約を署名をいたしまして、一日も早く批准にこぎつけたいというのが政府の方針であったわけでございますが、しかし国内的にいろいろな調整がございまして、労働省の関係だとか文部省の関係だとか、そういう関係の法体系の整備を行って初めて条約が生きてくるわけでございますから、その法整備を行った後に批准をしたいということで、調整が多少時間がかかったわけでございます。幸いにいたしまして、男女雇用均等法等の法整備が整ってまいりましたので、ここに提案の運びとなったわけでございます。
○中西(績)委員 今お答えいただきましたように、労働省あるいは文部省との調整が非常に長引いた、これが理由のようでありますが、ということになってまいりますと、憲法そのものが施策の中に生かされていない、第一、法律なり何なりでそうしたものが保障されてないということをこのことは意味しておったと思うのです。 なぜなら、五十六年であったかと思うのですけれども、文教委員会におきましてもこの問題について指摘をし、既に論議を行ってまいりました。その際に私は指摘をしたわけでありますけれども、特に文部省でありましたが、どうもかたくなな態度が依然としてそこには存在をするということが感じられたわけであります。そのとき、関政府委員だったと思いますけれども、その当時から既に突き合わせをし、十分な論議をしておるということを言っておったわけであります。ところが、それから四年もたってようやくこうした事態になってくるということは、私大変残念でなりません。 そこで、この条約実施のための国内的措置として、この説明書を見てみますと、八ページから九ページに、一つは「父系主義を父母両系主義に改める等の内容を盛った改正国籍法を昭和六十年一月一日より施行した。」ということとあわせまして、二番目に「教育については、文部省に設置された」云々から始まりまして「家庭科教育においても男女同一の取扱いを確保するという方向が明らかにされた」。そして三番目に「雇用の分野における措置として、」法律案を「国会に提出した。」こういう三つの条件が整備をされた、措置をされたということがこの中には示されております。 となりますと、この条約の中の第二条「締約国は、女子に対するあらゆる形態の差別を非難し、女子に対する差別を撤廃する政策をすべての適当な手段により、かつ、遅滞なく追求することに合意し、及びこのため次のことを約束する。」ということで、(a)から(g)までここに示されております。したがって、ここにある「差別を撤廃する政策をすべての適当な手段」によって実際に(g)まで整ったということが、今度の場合には果たして委員会に報告ができるかどうか、この点どうでしょう。
○斉藤(邦)政府委員 説明書に三分野についての措置が説明してございますが、これは説明書にも書いてございますとおり主要な点でございます。そのほかにも十を超える省庁と協議をいたしまして、種々の分野でできる限りの措置をとった次第でございます。政府といたしましては、今までとった措置によりまして、条約を批准するに足る体制ができたというふうに考えております。
○中西(績)委員 すべての条件が整ったということになりますと、私はそれぞれ指摘をしなくてはならぬと思うのでありますけれども、まず第一に五条であります。 「締約国は、次の目的のためのすべての適当な措置をとる。」とありまして、(a)に「両性いずれかの劣等性若しくは」云々ということから始まりまして「男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること。」とございます。この具体的な行動様式を修正をしてしまったということになるわけでありますけれども、具体的にはどういうことを指すのでずか。
○斉藤(邦)政府委員 先ほど申し上げたことを若干補足いたしますが、私が申し上げましたのは条約批准の条件が整ったということでございまして、この条約に規定してありますすべての項目について措置が完了したということを申し上げたわけではございません。この条約は、その性質上、批准時にそこで規定されておりますすべての事項が一〇〇%満たされていることを要求しているわけではなくて、条約のいわゆる漸進性というものが認められておりますので、それぞれの国情に応じましてできる限りの措置をとって、批准時までにそれができない部分は批准後もこの条約の目指す究極的な目的を達成できるよう努力を続けていくという形になっております。 この第五条の御指摘の点でございますが、雇用の分野におきましては、例えば女子は結婚後は家庭に入るのがいいんだという考え方のもとに結婚退職制というものがあったとすれば、これはこの五条に反するわけでございます。これは今度の男女雇用機会均等法で禁止されることになった次第でございます。これが批准時までに既にとられた措置の方の例でございます。しかしながら、ただいま申し上げましたとおり、まだ具体的な措置としてはとられていないものがあるわけでございまして、今後も男は外で働き女は中で働くというような定型的な役割分担の考え方に基づきまして男女の行動様式を制定しているというような例があれば、これは条約批准後の問題として是正していくように努力を続けていかなければいけないものと考えております。
○中西(績)委員 今お答えいただきました中身からしますと、行動様式の修正はまだ完全なものではないということを言っておるわけでありますけれども、この分につきまして今全部ここで申し述べることは困難だと思いますから、これから手がけなくてはならないそうした問題点について、後で資料の提出はしていただけますか。
○斉藤(邦)政府委員 今後検討を続ける必要のある分野として我々が考えておりますものを、書面にして後日御提出いたします。
○中西(績)委員 では次に、(b)項でありますけれども、家庭についての教育の問題であります。「社会的機能としての母性についての適正な理解並びに子の養育及び発育における男女の共同責任についての認識を含めることを確保すること。」とございます。そうしますと、「母性についての適正な理解」とはどういうものを指しておるのか、これが一つ。次に「子の養育及び発育における男女の共同責任についての認識を含めることを確保する」と言っておりますけれども、男女の共同責任などについて例を挙げて説明してください。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 先生今御指摘ございました第五条の(b)、これは第五条の(a)項と同じく人の意識にかかわる問題でございます。経緯的に申しますと、条約の前文の第十四項に「社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更すること」、これが「男女の完全な平等の達成に必要である」、そういう認識のもとに今先生御指摘の具体的な方法としてそれが五条に書かれ、さらに(b)項においては、家庭についての教育という分野で、まさに先生御指摘ございましたように、母性の適正な理解と子の養育についての共同責任ということを決めておるわけでございます。 ここで申しております家庭についての教育と申しますのは、条約制定の経緯から申しまして、学校教育に限らずさらに広く家族構成員全員を対象として、また夫婦に対して行うものというふうに理解されておるわけでございますが、それの我が国におきます具体的な実施の方法といたしましては、家庭学級の開設、母子健康センターの設置その他各種啓発活動におきまして、先生御指摘ございました社会における機能としての母性の重要性、これとともにもう一つの子の養育についての男女の共同の責任ということをまず実施しておるわけでございますが、今後も引き続きこの点についての施策の強化並びに啓発をしていかなくてはならないと思っております。 さらに学校の部分につきましては、この条約が規定しておりますような思想、これの教育が行われるものと理解いたしております。
○中西(績)委員 余り明快な答弁ではありません。私が理解が十分できないような答弁でしかありませんでしたけれども、時間がありませんから一応置くとしまして、いずれにしましても、今言われましたこの第五条におきましては完了しておらない、したがって、これから後、将来整えるという部分も含めまして具体的にこれを提示するということが明らかになりましたし、さらに母性としての云々と始まります問題につきましては、今言うように学校教育だけに限らずに、家庭における問題としてあるいは社会における問題としてちゃんと踏まえなくてはならぬということが今説明ありましたから、この点について一応終わりまして、次の第十条に入りたいと思います。 第十条におきまして、私がぜひ明快にしていただきたいと思いますのは、ここに示されておりますように、「女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。」ということが前段に示されまして、教育の分野において(a)から(h)まで示されております。この(a)の部分でありますけれども、教育基本法とのかかわりになり、憲法二十六条に言うひとしく教育を受ける権利を有し、教育基本法第三条、教育の機会均等、そして性別差別をしないということが明快に示されておるわけであります。そうしたときに、ここにおける「普通教育、技術教育、専門教育及び高等技術教育並びにあらゆる種類の職業訓練において確保されなければならない。」この点はどういうことを指しておるのか、この点を明らかにしていただきます。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 第十条(a)項、これは先生今御指摘ございましたように、我が国におきましては、学校教育については教育の機会均等を規定いたしました教育基本法第三条にのっとりまして、男女に同じように修学の機会及び資格の取得が保障されておると承知いたしております。なおここにも、先生も御指摘ございましたように職業訓練もございますが、職業訓練につきましても、公共部門につきましては差別の実態はなく、また民間部門につきましては、これはむしろ十一条の問題ではございますが、均等法第九条によって手当てがなされたということでございます。
○中西(績)委員 この点、一応全部外務省の方から答弁をいただきまして、その後に具体的に文部省にはお聞きをしようと思うわけであります。 次に(b)項、「同一の教育課程、同一の試験、同一の水準の資格を有する教育職員並びに同一の質の学校施設及び設備を享受する機会」とありますけれども、このことはどういうことを指しておるのか、具体的に。
○斉藤(邦)政府委員 この規定は、第十条の柱書きとあわせて読むわけでございますけれども、ここに書いてありますような各項目におきまして、男女が差別、区別されることなく自己の欲する教育課程をとり、また試験も自己の欲する試験をとり、それから資格等においても差別されることがない、こういうことを確保するような措置をとれという趣旨でございます。
○中西(績)委員 それでは、この点でもう少し聞きますけれども、との点について我が国においてはどうだったでしょう。
○斉藤(邦)政府委員 教育課程につきましては、学校教育法それから同施行規則等に規定されていると承知しておりますが、一部を除きまして男女同一の取り扱いとなっております。それから、高等学校の「家庭一般」における女子のみ必修というような家庭科教育におきまして、男女異なる取り扱いとなっている点につきましては、昨年暮れの家庭科教育に関する検討会議、これの報告に沿って、文部省の方でこの男女異なる取り扱いを改めていくものと承知しております。 それから、教育職員、学校施設設備につきましては、教育職員免許法、学校教育法施行規則、高等学校、大学各設置基準、こういうようなものによりまして男女同一の取り扱いとなっております。
○中西(績)委員 それでは(C)項、「すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃」、この「定型化された概念」とはどういうことを指すのですか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 ここで言っております「定型化された概念の撤廃」、この概念、先ほど先生も御指摘ございました第五条に書かれておりますような、特に第五条の(a)に明記いたしておりますが、いずれかの性の劣等性もしくは優越性の観念、男女の定型化された役割、そういうものが第一条に規定しておりますような差別を呼ぶようなもの、そういう概念でございます。非常に平たく申しますれば、先ほど条約審議官も申しましたが、やはり女性は家庭にとどまり育児に専念する、男性が外に働く、こういうふうなのが典型的な一つの定型化された概念、かように心得ております。
○中西(績)委員 「この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育を奨励することにより、また、特に、教材用図書及び指導計画を改訂すること並びに指導方法を調整することにより行う」とありますが、ここにありますように、今言われたような差別を呼ぶような、例えば一つの例を挙げましたけれども、女性は家庭へ、男性は外へというこうした定型化された概念を撤廃する、そのために男女共学その他のいろいろな問題が出てくる。これは一つの例ですけれども、こうした点について、男女共学並びにそうした問題等について何か指摘する事項がございますか。
○山田(中)政府委員 先生御指摘ございましたように、十条(C)項におきましては、そのような概念の撤廃の手段の一つの大きなものとして男女共学を奨励いたしておるわけでございます。そこで、我が国につきましては、教育基本法第五条に基づいて男女共学が奨励された結果、これが相当一般化してまいっておるというふうに理解いたしております。 それからまた、先生がおっしゃいました定型化された概念を廃するような男女の責任の問題、これは我が国の教育におきまして実施されておるというふうに理解いたしております。
○中西(績)委員 そのほかございますけれども、時間が制限されておりますから、こうした問題を受けて文部省なりと直接折衝を、先ほども私が申し上げましたようにもう既に数年間にわたってやってきたと思われますけれども、何が問題であったのか、具体的に説明をしてください。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 第十条の関係で文部省といろいろ協議を続けてまいりまして、先生も今御指摘になりましたような第十条のそれぞれの条項につきましては、大部分は我が国は憲法及び教育基本法に基づいて実施されておるわけでございますが、特に先生の御指摘ございました(b)項の「同一の教育課程」、そこのところにつきまして、家庭科教育の問題につきまして、我が国においては中学、高校において必ずしも同一の課程になっておらない、したがいまして、この条約批准との関連から、これについて同一課程を学ぶ均等の機会を男女に与えるという施策をとっていただきたいということで、この条約の批准関係で文部省との間で懸案となっておりましたのはこの点でございます。
○中西(績)委員 これだけですか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 主要点としては、それだけと申し上げていいと思います。必ずしも文部省の主管ということでございませんが、公職関係の種々の学校、例えば海上保安官の学校でございますとか防衛庁の大学校でございますとかに女子に対する入学資格がないところがございました。こういうものについても、今徐々に道を開いていただいておるところでございます。
○中西(績)委員 防衛大学などというのは文部省関係ですか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 私、申し上げたつもりでございますが、文部省以外の所管の学校についても、そういう問題がこの教育の分野であったという趣旨で御答弁させていただきましたものでございます。
○中西(績)委員 私が聞いておりますのは、今お答えいただきました十条(C)項とのかかわりの中で「同一の教育課程」ということからいたしまして問題がある、それは家庭科の高等学校、中学校における男女共学問題である、こう指摘をされましたから、それ以外には文部省との折衝なりあるいは文部省との間における調整をすべき事項はなかったのですかということを聞いておるわけであります。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 条約が規定いたしております関連で、文部省当局に御関連のある部分については一応全部協議申し上げたわけでございますが、問題になりましたのは、先ほど申しました「同一の教育課程」でございます。ただ、例えば(c)項に教科書の問題等ございますが、この点についてももちろん協議はいたしましたけれども、私ども承知いたしますところで現在それで問題になるものはないというふうには理解いたしております。 ただ、先ほど来先生御指摘されておりますように、男女平等というのは、それを達成するためには意識の改革がもちろん問題になるわけでございますので、この条約を批准いたしました後におきましても、条約の全条項を誠実に実施し内容を強めていくという関連から、将来とも問題が生じた場合には随時協議して実施していくということでございますので、この問題以外に絶対に起こり得ないという趣旨で申したのではございませんが、現在のところ問題になっているのはこれだけでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、五十六年二月二十七日であったと思うのですけれども、私は文教委員会で関政府委員の答弁をいただきながら論議をいたしました。そのときに、文部省の主張する点と外務省の主張する点とが全く異なっておりまして、こうした男女共学問題につきましても大変な開きを持っておったことを記憶します。したがって、そのときに文部省との間における調整あるいは話し合いをいたしまして早急に批准できる体制をつくりたい。六十年の婦人十年の最終の年などというこうした考え方でなくて、今憲法があり教育基本法があって、その上に立って私たちが教育行政そのものを考えた場合に、あるいは教育内容を考えた場合に、それほど時間のかかる問題ではないのじゃないかということを私は指摘したわけであります。ところが、その当時から、昭和五十六年からでありますから既にちょうど四年間を経過しておるわけであります。こうなりますと、この中身はどういうところが問題になったのか、具体的にもうちょっと触れてほしいと思います。
○山田(中)政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、文部省とこの条約を批准いたします関連で懸案となっておったところというのは、先ほども御答弁させていただきましたが、同一教育課程の中での中学、高校における家庭科教育の扱い、これだけでございます。
○中西(績)委員 なかなか言いにくいようでありますけれども、それではお聞きしますが、こうした長い経過の中でなかなか意思統一ができずに、ようやくできたと思われるのが一九八四年、五十九年の六月に家庭科教育に関する検討会議、これを設置したとありますが、このようにして大変長くかかったのは、結局そうした意思がなかったのか、それとも、今申し上げるように、期日が迫ったからいたし方なくこうして踏ん切ったのか、この点は外務省としてはどのように把握をしておりますか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 外務省といたしまして、まず第一点に、先ほど先生から御指摘ございましたように、この条約を国連婦人の十年の終わりのことしに批准したいという目標を設定いたしまして、各省庁にそれぞれの対策をお願いしたということでございます。文部省におかれましても、条約との関連では、その期日を頭に置いて御作業いただいたと承知いたしております。 時間が非常にかかったという御指摘の点につきまして私どもが承知いたしておりますのは、やはりこの教育課程という問題は非常に全般的な重要な問題でございますので、その審議に非常に時間がかかった、かように理解いたしております。
○中西(績)委員 私は今のお答えを聞きまして、八一年、五十六年ですから七、八、九、十でしょう、まるまる四年かかってようやくこうしたものができ上がるという状況ですから、結局、何でそのように発足できなかったのか、この点が明確に示されないと、例えばこの条約批准が今できるという条件ができたということで提案しておりますけれども、その中身が全く逆になる、むしろ、条約は批准するけれども恥ずかしいようなことがこの日本ではまかり通っておるというようなことになってきたら、条約批准そのものがおかしくなってくるのですよ。だから、この点をやはりそれぞれが明確にしていただかないと不十分だと私は思いますので、あえて時間をかけてこのように聞いているわけです。ですから、外務省はその点で遠慮は要らぬわけですから、これからお互いに立派なものにしていかなくちゃならぬという前提条件があるわけですから、そのためにどうすればそこら辺を突破できるかということになるわけですよ。 ですから、今出ておるような抽象的なことでなくて、一番問題だったのは何だったかということをもう少し明らかにしてください。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 第十条(b)の同一教育課程ということにつきまして、外務省は当初から、私どもが現在申しておりますような男女の取り扱いが異なっておる家庭科については、全く同一の課程として男女に機会が与えられなければならないという、その点を強く明確に申し上げてきておった次第でございます。幸い、その線で文部省もお考えいただきまして、現在の条約を批准できるような方向をお出しいただいた、この問題の審議にいろいろ御時間がかかった、こういうふうに理解いたしております。
○中西(績)委員 大体集約されてまいったようでありますけれども、そういたしますと、男女共学で同一の機会を与えるべきだと主張する外務省の意見と、文部省はその必要がないと言ってこの三年間なりをいたずらに経過をした、こういうことになるわけですか。私は、そう理解をせざるを得ないわけでありますけれども、この点はまた後で明らかにしたいと思います。 そこで、今のお話を聞いておりますと、余りにもひどいのではないかと私は思いますね。特に私がそのことを指摘いたしますのは、この説明書の四ページにございますように、「早期国会承認が求められる理由」として、「昭和六十年七月にケニアのナイロビで国連婦人の十年最終年世界会議が開催されることになっており、この関係でも早期にこの条約を締結することが極めて望ましい。」とあり、その前にも「国内行動計画後半期は、昭和六十年十二月に終了するところ、批准のための国内法制等諸条件の整備を了し早急に批准を行うことが望ましい。」というふうに、これは外務省から出された正式のものにちゃんと載っておるわけですね。ここに私は、批准をするに当たって、果たして私たちが主体的にやっておるだろうかということを極めて残念に思うわけであります。 先ほどから何回も申し上げますように、早期にこうした承認を求めたいというならば、今まである、例えばこの教育関係だけに絞ってみましても、そのほか雇用関係にもあったわけでありますけれども、このことにはもう触れませんが、憲法があり、あるいは教育基本法というものが明定されておるにもかかわらず、依然として文部省の中でそのことに抵抗し、そして、それを批准する段階にまで内容的になかなか高めることができなかったというのは、どういうことなんですか。 こうしたことを考えますと、家庭科の男女共学の必要というものの基本的な理念が果たして両者で確認できただろうかということを、私は今もって疑問視するわけであります。少なくとも男女共学の理念というのは、現代教育のあり方の基本的命題として位置づけられなければならないということが、憲法あるいは教育基本法に明定されておるわけでしょう。この今の行政府におきまして意思統一ができないという一番の根拠は何ですか、この点を両大臣にお聞きしたいと思うのです。
○安倍国務大臣 この条約は、御承知のように非常に画期的な条約であります。まだアメリカもイギリスも批准をしてない、そういう画期的な条約に批准しようというわけでございますから、国内体制を整備していく、条約批准の条件を整備していくのは、それなりになかなか困難を伴うわけでございますが、こうした困難を乗り越えて省庁間の調整ができまして、ここに国会承認を求めるという運びになったわけでございます。 いずれにしましても、国連婦人の年の最終年に当たりまして批准という段階にこぎつけられることになれば、日本にとっても、男女平等という問題について、新しい角度から新しい道を切り開くという意味では非常に歴史的なことであろうというふうに思います。
○松永国務大臣 先ほどから先生の御指摘になっておる事項についてお答えいたします。 文部省の今日までの教育行政は、憲法及び教育基本法の精神にのっとって最大限の努力をしてきたわけでありまして、その結果、初等中等教育に関しましては、国内的にも国際的にも相当高い評価をいただいておるところであります。男女平等、機会均等、これは着実に進んできておるわけでありまして、したがって、この女子差別撤廃条約の問題が起こるまでは別段の指摘もなされずに今日まで来たということは、それなりに、憲法及び教育基本法の精神にのっとって初等中等教育に関する行政が進められてきたということだと思います。 ただ、高等学校の家庭科に関する履修形態の中で、「家庭一般」というものが女子のみ必修、男子は選択、この点が御指摘になって問題になったわけでありますけれども、高等学校でいかなる教科についてどういう方法で履修させるかという問題は、社会の実情、社会の要請に応じた教育的な配慮でなされなければならぬということで、今日まで今申したような履修形態になっておったわけであります。しかし、この条約を批准するに当たりましては、教育的な配慮で今日までそうしてきたことではありますけれども、同一の教育課程を確保しなければならぬということになっておりますので、その点から言えば問題であるという指摘がございましたので、そこで専門家にお集まり願って検討会議を開いていただき、検討会議の検討結果の報告をいただきましたので、できるだけ早い機会に教育課程審議会にお諮りいたして、この点についてのクリアがなされる措置をすることにいたしておるわけであります。
○中西(績)委員 言葉を返すようでありますけれども、私は現代教育のあり方の中で基本的な命題として、この男女共学というものを位置づけなければならぬではないかということを指摘し、男女共学の理念についてお答え願おうと思ったのですが、外務大臣からは全く見当違いの答弁しかいただけませんでした。なぜ、私がこのことを強く主張するかといいますと、説明書の最後の方に「条約の実施のための国内措置」として、こういう条件整備がされたと三点挙げておるわけですから、この三点についてその内容をつぶさに検討すると、また男女共学の問題が蒸し返されるような中身でしかないのではないかという私のとらえ方であります。 ですから、この理念を明快にしておかないと、この論議をする際に、今まで抵抗し続けてきた文部省の言い分に今度は外務省自身が全く屈服し、そしてこれを報告するということになるわけです。報告いたしますと、そのことについて今度は勧告をして、修正せよとかなんとかということは言わぬだろうと思うけれども、このことが果たして委員の皆さんから認められるような中身に本当になるだろうかということを私は懸念するから、その意味でこのことの確認をしておかないと、後々、批准はしたわ、その結果は今度諸外国から指摘されるなどということになってまいりますとこれは恥ずかしいことですから、先ほど外務大臣は米英でしていないのに日本はこういう画期的な措置をするのだと言われるわけですから、画期的であればあるほど、その内容が充実され、みんなから認められるものになっておかなくてはならぬだろうと考えるからこそ、このことを聞いたわけであります。 そこで、文部大臣の場合は、憲法、教育基本法に沿ってきた、だからこそ長くかかるし、今まで問題がなかったんだというような言い方でありますけれども、今まで長くかかってきた中身というのは今言う男女共学の問題であるし、同一の教育課程の問題であったということですね。それをあれほど強権的に指導する文部省が、社会の実情、要求に応ずるということを最優先に考えて、教育課程というものを考えておるなどという、これまた白々しい言い方なんですね。両大臣とも男女共学という問題について、一番問題になる部分をどうも避けておるような感じがしてなりません。 私が言う現代教育のあり方の基本的命題として位置づけをして、このことは重要視しなくてはならぬということは間違っておりますか、どうですか。お二人とも簡単に答えてください。
○安倍国務大臣 男女共学の理念については、私も何も申し上げることはないわけでありますが、先ほど来しばしば答弁しておりますように、今の条約を批准するための条件を整えなければならぬということで、例えば男女雇用均等の問題、これは法律をつくった。国籍に関する点については、国籍法の改正を行ったわけであります。今の家庭科の問題については、検討会議の結論が出たわけでございます。今ここで、ストレートに実現をするということではありませんが、これは条約における漸進性という立場からある程度の一定の期間の後に実現する、こういう一つの合意ができたわけでありますから、これで条約批准の準備、条件というものは整ったということであります。 なお、今後の実施につきましては、条約を批准した以上は報告書等も出さなければなりませんし、そういう中で日本がこの条約の義務を誠実に履行するということは日本の当然の責任でありますから、これは御心配は要らないことであります。そういう方向で日本は誠実に守ってまいります。
○松永国務大臣 学校教育のみならず、教育機能すべてにわたって男女共学、男女の機会均等ということは、憲法、教育基本法の精神からいっても当然過ぎるほど当然のことなんであります。ただ、具体的な教育課程、教育内容を定める場合には、条約の五条にもありますように、社会の実情、社会の要請がありまして、それをにらみながら教育課程というものは具体的に定められるべきものだというふうに思うのです。行動様式が変化してきたということもありますし、この条約の条項もあるしするからこの際改訂すべきだということで、専門家の検討会議をお願いして報告をいただいて改訂することになった、こういうことであります。 というのは、今日家庭科という教科は大変重要な教科でありまして、今までの社会的な要請からいえば、女子は必ず必修だというようなことで必修になり、男子もそのことについて学習することは大いに望ましいことでもありますので、男子もそれは履修できる、しかし選択であるということで今日まで来たわけでありますけれども、社会の行動様式の相当の変化も見られますし、この条約もあるということで、検討会議の検討の結果をちょうだいいたしましたので、近いうちに教育課程審議会をスタートさせまして、そこで具体的なことを決めていただく、こういうことにした次第でございます。
○中西(績)委員 今お答えいただきまして、外務大臣は、まだ不十分でありますけれども、こうした理念については一応否定はされておらないわけであります。雇用平等問題等につきましても、まだまだ問題があると私は思うのですけれども、ここでは論議をいたしません。 ただ、文部大臣、教育課程、教育内容について、社会の実情あるいは要請によって変えていくと言われましたね。では、その社会とは何かという概念すらまだはっきりしていないわけでありますから、この点はちょっと言い過ぎではないかと私は思います。と申しますのは、文部省が指定をする特定の人なり、そういう人たちの実情聴取なり要求に応ずるということになれば、これは大変な内容になってくるということはもう明らかですね。ですから、社会の要請あるいは実情などという分析をするに当たっての対象者をどこに置いているかということが、大変な問題だろうと私は思うのですよ。そのことを明確にしないまま、こうした論議をするというのは大変乱暴であるし、だからこそ、今度は次に出てくるような指摘をしたいと思うのですが、この問題について私は大変不満です。 そこで、「今後の家庭科教育の在り方について」の報告書が十二月十九日に出されました。そして、審議会で審議をすると言っておりますけれども、いまだに開かれておらないようであります。既に半年近くたったわけですが、これはどうなっているのですか。
○松永国務大臣 検討会議の御報告は、これからの「家庭一般」の履修のあり方としては極めて適当なものであるというふうに文部省としても考えておりまして、早い機会に教育課程審議会をスタートさせて、そこで審議をして具体的なことを決めていただく、こういう考え方でありますが、先生御承知のとおり、たまたま臨時教育審議会でいろいろな御審議もしていただいているということもございますので、それとにらみ合わせながら教育課程審議会はスタートさせたい。しかし、もうその時期も間もなくに迫っておるという感じでございますので、そう長いことではありません。いましばらくお待ち願いたい、こういうことでございます。
○中西(績)委員 そうした具体案を全然出さずに――「今後の家庭科教育の在り方について」の報告が出されています。これは前文がありまして、それから「基本的な考え方」として1から5まであります。これを全部取り上げて一つずつ指摘する時間を今持っておりませんから、一つだけここで取り上げていきたいと思います。 男女の役割についての定型化された概念を撤廃するということになっておるわけでありますけれども、この理解がなかったのではないか、あるいは薄かったのではないかと思うような事柄がこの中に含まれていますね。それは何かといいますと、「家庭一般」の女子教育に果たした役割、評価が明らかにされています。五番目です。 高等学校「家庭一般」が、我が国の歴史と伝統の上に立ち、多くの国民の同意を得て、女子教育や母性教育のうえで大きな役割を果たしてきたことにかんがみ、今後ともこのことに十分留意すべきであるとの指摘があった。 そして、その次に付随的に、 また、男女が協力して家庭生活を築いていくという観点から家庭科教育の内容を見直し、男女共に学べる内容に改善すべきであるとの指摘もあった。 この文章表現を素直に読みますと、「十分留意すべきであるとの指摘があった。」ということで一たん切れて、肝心なところになると今度は付随的になって、「指摘もあった。」ということになっているのですね。私はこれを読みまして、男女共学について先ほどから指摘をしておる理念というものが、なぜ男女共学を私たちが追求するのか、ここが極めて不明確になってくるのではないかという気がしてならないわけです。 そこで聞きますが、ここには検討会議の方はいらっしゃらないから、これに携わってきた文部省の方はいらっしゃいますか、「十分留意すべきである」というこのことは何を言っているのですか。
○高石政府委員 この検討会議は、現在までの高等学校における「家庭一般」の果たしてきた役割、そしてそれに対する現状認識も十分にしなければならない、あわせて条約を批准される際に、条約の批准に妨げにならないような内容の実現も図っていかなければならない、そういうことで広い立場で検討されてきたわけでございます。したがいまして、この表現は、まさに「家庭一般」の果たしてきた評価について素直に表現されているというふうに理解するわけでございます。 しかし、現状のままでは条約批准との関係で矛盾がございますので、将来の方向としては、大きなⅡの「家庭科の履修の取扱い等」というところでこの検討会議は方向を示しているわけでございまして、先ほども文部大臣が申し上げましたように、教育は国家百年の大計と申しますように、その国の歴史、伝統を踏まえてどういう教育を展開するかというのを蓄積していくわけでございます。そして、その際の基本原則としては、男女共学というのは憲法、教育基本法にも示されているように、十分保障しなければならない制度として実現されているわけであります。問題は、この同一教育課程という教育内容の取り扱いについて、「家庭一般」に御指摘のような問題があるということでその改善を求めるということでございますので、それについての対応をこの検討会議が方向を示したということでございまして、まさに「家庭一般」についての率直な、素直な評価をここに表現されていると理解しております。
○中西(績)委員 素直に表現したからこのようになったわけですよ。そのことを私は指摘しているわけです。少なくとも今目指さなくてはならない、先ほど大臣が言われたように、今まで果たしてきたけれども、それを一歩踏み越えてやらなければならない面があるとするならば、そのことがやはり主題になり、そして今まであった問題点について入れなくちゃならぬという立場に立ったときには、それが付随的なものになってくるのが普通の表現なんです。こちらが主になっているのです。ここに私が先ほどから言っておる、三年間も外務省と文部省がなかなか意見一致を見なかった――意見一致をしたと言っても、外務省側がむしろ文部省から説得されたような格好になっているのじゃないかと心配しているのですけれども、こういうような考え方が依然としてそこには残っておるということを今局長が言われましたように素直に表現しただけに、そこに率直に出ているということを指摘しなくてはなりません。 次に、時間がもうありませんから、また次の機会に時間をもらってもう一遍やりますけれども、「家庭科の履修の取扱い等」というのがその後に出ています。この中で明らかになっておりますのは、今言うように、まず高等学校の問題でありますけれども、文部省から示された資料の三ページになりますが、「現行の「家庭一般」のほかに、例えば、」ということから始まりまして「衣・食・住及び保育などの内容のいずれかに重点を置いたり、家庭生活に必要な知識・技術に重点を置いたりした新しいタイプの家庭に関する科目をいくつか設け、その組合せの中からいずれかの科目を選択必修させる方法。なお、この場合はこここからですね。「当分の間、地域や学校の実態に応じ他教科の科目での代替履修の余地を認めることも必要であろう。」そして、二番目に「家庭一般」と他教科の科目を組合せ、その中からいずれかの科目を選択必修させる方法。」この二つが示されております。その上で「我が国の歴史や伝統を踏まえ、」ということから始まりまして、先ほどのことを繰り返すように、「教育課程編成に際しこのことを十分留意すべきである。」こういうようになっています。 この中身を見ますと、両論併記であると同時に、「当分の間、」ということになりますと、文部省の場合には当分の間というのは、今まで三十年を超えるようなことがたくさんあるわけですよ。ですから、ここに「当分の間、」ということを入れて、将来三十年も全然変わらなかったということになれば、これはもう全く従来どおりであるということを意味するのですね。ここを私はどういうふうに理解すればいいかわからなくなってくるのです。いずれにいたしましても、この点、家庭科教育というものの発想が非常に弱いと私は言わざるを得ないのですね。家庭科教育の重要性、こういう問題について私は今もう一度科学的に総合的に見直さなくてはならない、特にその時期に来ておるのに、こういう不備なものを平気で報告書として出され、これを中心にして、今大臣が言うようにこれから審議会で審議をしていくということになるわけであります。この点、「当分の間、」というのはどれくらいですか。
○高石政府委員 この内容は検討会議の内容でございまして、これを具体化していくのは、先ほど大臣も答弁申し上げましたように、教育課程審議会に諮って具体的な取り扱いを決めていくことになるわけでございます。したがいまして、この(1)、(2)に示された方向性を考えながら検討していくわけでございますが、具体的な問題は教育課程審議会で決められますので、ここで協力者会議で決められた内容をもっていつまでだとかどうだと言うのは、ちょっと適当でないと思っております。
○中西(績)委員 そうしますと……(「答弁も保留だ」と呼ぶ者あり)今皆さん言われておりますように、「当分の間、」ということが何を指してこのように言っておるかということが全く不明になってきますね。積極的にこれを改めていこうという姿勢がその中にないということをこのことは示しています。今申し上げた(1)、(2)、この二つを両論併記し、しかも(1)の中には、このようにして幾つかの科目を設けて組み合わせの中から選択必修をすると言っておるけれども、地域や学校の実態に応じ他教科の科目の代替履修を認めていくということが入っておるわけでありますから、これは両論併記どころか三つぐらいになって、この「当分の間、」がまた生き続けるのではないかということを感じるわけですね。この点が、私はこの資料を見まして大変問題だなという感じがするわけです。 そういうことになってきますと、その後にあります例えば(2)の2「家庭科教育が十分に行われるような配慮が必要であり、」ということ、「我が国の歴史や伝統を踏まえ、家庭科教育の重要性にかんがみ、今後とも」ということになると、今までの一般家庭、そのことが果たしている役割が大変重要だから、しかもそれは男女共学でない、それが果たしている役割が重要だから配慮が必要であるということを先ほど局長が言っただけに、果たして先ほどから指摘しております男女共学問題が本当に私たちが信頼できるような中身になっておるか、そして報告した場合にこれが批判されないかどうか、こういうことを私は大変懸念するわけであります。この点について、外務省は本当に自信が持てますか。今、一緒に討論をしていったのですけれども、いや、これならもう大丈夫というようなことが言えますか。
○斉藤(邦)政府委員 この検討会議の結論に従いまして、教育課程の見直しを行っていくという方針を文部省が打ち出されております。外務省といたしましては、こういう明確な方針が打ち出されたことによりまして、条約批准の条件が整ったと考えております。
○中西(績)委員 今のような論議をしまして、例えば「当分の間、」なら「当分の間、」ということ、そしてもしこれが生き続けてここにあるように「地域や学校の実態に応じ他教科の科目での代替履修の余地を認めることも必要」だ。必要だと言っているのですよ。だから、これは残すということを言っているわけです。ということになってまいりますと、この(1)の前段にある部分はこれで消えるのです。そして(2)の場合を考えてまいりますと、他の教科との関係でこれまた男女共学、家庭科教育というものは、そこにはなくなる可能性だってあるわけでしょう。ということになってまいりますと、家庭科教育そのものを外務省はどのようにとらえておるかということが今問題になるわけですね。これでよろしい、両者意見が一致したからということを今言っておるわけですね。ですから、この点が明快になっておるかどうか、本当に報告して全く指摘をされないような条件がここに具備されておるというふうに。こういう抽象的な文章なり何なりでよろしいのですか。まだ審議会も開かれていないのですよ。
○高石政府委員 この検討会議の結論がそのまま具体化されるのではなくして、教育課程審議会が具体的な内容を取り決める、その教育課程審議会も近いうちに発足を図る、こういうことを先ほど大臣が答弁を申し上げましたので、このままになるという意味でここで私が解釈を申し上げるのは適当でなかろうということで説明をしなかったわけでございますが、この(1)でなお書きが書かれた意味は、条件が整うまでは男女ともに学ぶようなカリキュラムをつくっても、すぐに人もいない、物もないというような場合には現実的に履修できないから、その間はここに書いてあるような措置もやむを得ないだろう、こういう趣旨でなお書きが書いてあるわけでございます。 したがいまして、あくまで(1)の原則に従って処理してほしいというのが検討会議の方向でございますし、これを受けて教育課程審議会がどのような具体的な内容、方向を示すかというのは、今後の課題であるということでございます。
○中西(績)委員 なお書きにこだわるわけですけれども、今文部省との関係で、文教委員会で審議する際に絶えず問題になるのがこのなお書きですよ。「当分の間」、と言われたら、三十年たっても「当分の間」、が続いているのです。これはだれしもが認めているのですよ。ですから、私はこうした内容ではどうしても納得できないわけです。第一条件整備をしようとしないのですから、しなかったら条件が整わぬから「当分の間、」は依然として続くわけですよ。これが今までの行政のあり方だったでしょう。ということであれば、今言われておることは、極端な言い方をさせてもらうならば詭弁に等しいわけです。私は、外務省がそのことによって惑わされ、ごまかされて、一緒になってやられたのではかなわぬから、気の毒だからここで特に指摘をし、御注意を申し上げておるわけです。この点はもう一度、後々の詰めをちゃんとやらないと大変なことになるということを申し上げておきたいと思います。 これは、肝心なところへ入らずに進んでしまったのですけれども、本来ならそれぞれ細かく文部省にお聞きして、さらに欠落しておる部分、例えば十条(b)項あるいは十条(c)項で幾つかのそうした問題等があるわけであります。そして、きょうは労働省にも来ていただいておりましたけれども、そのことができずに大変失礼を申し上げたことをおわび申し上げますが、また時間をいただいてこうした細かい問題については詰めをしていきたいと思います。 そこで、外務大臣にお聞きしますけれども、今後の日程とのかかわりで、批准いたしまして今後この委員会なり何かが報告事項等について論議をするだろうと思いますけれども、その際に日本がこの中で果たさなくてはならない役割がたくさんあると思うのです。それなのに今のような問題があったのでは、むしろ逆に指摘をされるような問題が残っておるといたしますと大変残念ですし、したがって、今後批准するまでの期間もう一度精査していただいて、さらにまた批准をしたとしても、報告する間にはそれを修正し改めることが可能でありますから、そうした点についての努力をするということがお約束できるかどうか、この点どうでしょう。
○安倍国務大臣 条約を批准すれば、条約は国としての約束事でございますから、この条約の趣旨を誠実に実行していかなければならないということが、日本政府の大きな義務として生ずるわけでございます。 そういう中で今回、確かにまだいろいろと残っておる点があるわけでございますが、これは一つの方向が出たということによって、いわゆる漸進性ということをこの条約はうたっておるわけですから、そういう中で批准の条件はできたと思うわけでございます。しかし、漸進的な中で、そうした残された問題は、一つの方向が出ておるわけですから、その方向に従って政府としても、これから実施のための努力をしていかなければならぬことは当然のことでございます。 条約に入った以上は、こういう点については国際的な約束として、国際的にも報告しなければならぬ義務があるし、また国内におきましても、国民に対して報告をしなければならぬ義務があるわけでございますから、そういう一つの責任と義務を踏まえて、これからも努力すべき点は着実に努力を重ねて、条約の趣旨が生かされるようにこれから努力を続けてまいりたい、こういうふうに思います。
○中西(績)委員 私は先ほど申し上げましたように、批准をするまでまだある程度期間がありますから、そうした内容等についてもう一度詰めをしていただいておかないと、いろいろ問題が出てくるのではないかということを一番危惧しますから、この点はぜひ考えていただきたいということを最後に申し上げまして、終わります。
○愛野委員長 次に、池田克也君。 〔愛野委員長退席、阿部委員長着席〕
○池田(克)委員 公明党の池田克也でございます。きょうは、この条約の問題について二、三お伺いをしたいと思います。私はこの問題、大変素人でございますが、条文について幾つか、お伺いをしたいと思います。 これは外務省が御答弁いただくのか文部省側か、適切な方がお答えいただきたいと思いますが、第十条の(a)のところに「農村及び都市のあらゆる種類の教育施設における職業指導、修学の機会及び資格証書の取得のための同一の条件。このような平等は、就学前教育、普通教育、技術教育、専門教育及び高等技術教育並びにあらゆる種類の職業訓練において確保されなければならない。」こううたわれておりますが、この意図するところはどういうことなんでしょうか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘の第十条の(a)項、これは第十条の柱書きにもございますように「教育の分野において、女子に対して男子と平等の権利を確保する」ということでございまして、特にこの(a)項におきましては、先生お読みいただきましたように非常に広い意味でのあらゆる教育施設、必ずしも義務教育には限らない、ここに書いておるように普通教育から大学教育、また専門のもの、さらには職業訓練に至るまで、そのあらゆる場所において女子が修学の均等な機会を男子とともに得るように、締約国として適当な措置をとるようにということでございます。 条約全体の精神が女子の差別を撤廃するということでございまして、その中でのそれぞれのとるべき分野をこの条約は定めておるわけでございますが、その点でこの教育の分野ではまずその基本でございます修学の機会の均等を図るという見地から、この(a)項が置かれておるものでございます。
○池田(克)委員 そうしますと、あらゆる種類の教育施設ということになりますと、日本の場合にはいわゆる女子専門の、女子だけを対象とする学校が現に存在するわけでありますが、これは方向としてこの条約の趣旨には適さない、こういうことになるのでしょうか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 条約作成の経緯から申し上げますと、各国とも男女別学の制度を抱えております。したがいまして、特に第十条の(c)項の審議の際に議論されたところでございますが、男女別学は否定すべきではない、しかしながら、この条約全体が強調いたしておりますように社会、家庭等の責任というものは男女共同のものである、また男女別々の役割という固定観念があってはならない、そういうふうな意識の問題を修正していくには男女共学は非常に大きな役割を果たすものであるという点から、男女共学を奨励いたしておるわけでございます。したがいまして、一般的には男女共学を奨励しておる、しかしそうかと申しまして、男女別学を全面的に否定しておるというものではございません。
○池田(克)委員 そこのところがよくわからないのですね。要するに否定するものではない、しかし奨励する。これは、今まであるものはしようがないということであって、これからつくるものは全部共学でいけ、こういうことならまだ話はわかるのですけれども、これから二十一世紀に向かって世界的な趨勢として男女の平等ということがうたわれて、こうして世界的な条約に私たちが加わっていくということになりますと、この共学の方向というものを私たちは強く意識していかなければならない。否定するものではないとおっしゃるのは、現存するものについて否定するものではないという意味なんでしょうか。今後とも男女別学は否定はしない、しかしながら概念として共学を推し進めなさい、ここのところがよくわからないのですけれども、これは御答弁される方もなかなか難しかろうと思いますが、お伺いしたいと思います。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 条約が目指しております男女同等という観点からは、男女共学というのが望ましいということで男女共学を奨励しておるということでございますが、男女別学を否定していないと申しました趣旨は、条約の作成過程からいってもそうなんでございますが、ただ男女別学が女子を差別する意味での別学ということであれば、やはりこの条約上問題になるということであろうと思います。男女別学の形態であっても女子を差別するものでないもの、そういう男女別学はあってもいいとこの条約は許容しておるというふうに理解いたしております。
○池田(克)委員 ますますわからなくなってきたですね。男女別学であっても女子を差別するものではない、この場合はいいというお話なんですけれども、もうちょっとそこのところを説明していただけませんか。別に私、これにひっかかって文句をつけるつもりはないのです。要するにわかりたいんですね。男女共学と別学という問題で、実は私自身も男子だけの学校で学んだ経過がございまして、我が国の場合はそういう学校も現存するし、父兄からもそれなりの評価を得ている。女子だけの学校もそうですし、私の娘も女子だけの学校に行っている現状があるわけでして、その辺、今差別するということが出ましたが、現存する女子だけの学校は、差別するというよりむしろ女子を大事にして、女子に徳性を与え、それを磨いていこうという趣旨で女子の学校があるように私は理解しているのです。差別というふうには私は思っていないのですけれども、今の差別という表現に決してこだわるわけではございません。また別の角度から御説明いただいてもいいと思うのですが、国際会議でいろいろ議論があったと思いますので、お伺いしたいのです。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 先生まさに御指摘ございましたような我が国にございます女子校、これは条約上問題のないものだろうと考えております。私が申し上げました趣旨は、例えば女子の方が高等教育を受けたいという場合に、男子と一緒に高等教育を受けたいという場合に入るところがない。女子の学校しかなくて、そしてそこでは男女の役割を植えつけるような固定観念的な効果を持つような教育しか受けられないというふうなことがあってはいけないということだろうと思います。したがいまして、繰り返しになりますが、現行の日本の女子の学校、これは全然、それがあるからといって問題にはならないと思います。
○池田(克)委員 女子が高等教育を受けたいという場合に、その場が用意されてない。高等教育の場合は、いわゆる大学ですけれども、ほとんど男女共学が認められている。むしろ短大ですね。男子が短大を目指す場合に、女子に門を開いている短大はたくさんある。しかしながら、男子の場合にはそれが割と少ない。ちょっと数の面で比較できませんけれども、むしろそういうことはあろうかと思うのです。しかし、そうした点で門戸の開かれ方に関しては余り問題がないし、そうした今おっしゃったような差別ということは余り出てきてないのじゃないかな。外国の例がもしあったらお聞かせいただきたいのですが。 私、この条約、確かにこれからの世界的趨勢を意味していると思いまして、文部大臣にお伺いしたいのですが、今後の日本の教育で、新設校についてなるべく男女共学を進めていくという方向になるのか、男女それぞれの学校が新しく新設を申請した場合には、それはそれなりに認めていく、このことと、大学の設置あるいはその他の学校の設置とこの条約の締結と直接関係はない、こういうふうに考えていいのか、大臣いかがでしょうか。
○松永国務大臣 その問題は、設置者が自主的に判断して決められるべきことだと思います。しかし、その場合に、先ほどから答弁がありますように、男女の役割等についての定型化された概念などがあってはならぬ、男女は常に平等でなければならぬということを前提にして、設置者が自主的に判断して決められることだと思います。
○池田(克)委員 国連局長、今の問題について関連するのですが、「定型化された概念の撤廃」というのが(c)項にございます。これについても、もう少し砕いてと申しましょうか、具体例がもしあったらそれを添えて御教示をいただきたいのですが。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 女子を差別する効果を持っておりますような、男女の役割についての定型化された概念、これは、必ずしも日本に限らず世界に一般的にございましたのは、男が外に出て働き、女性は家庭を守り育児に専念する、こういうふうなそれぞれの役割の分担というものを定型的に考えている。そのために、それが例えば外に出て男子と一緒に働きたいという方の機会を妨げ、差別の効果をもたらしておる、そういうふうなものを、この条約で言っております概念というふうに理解いたします。
○池田(克)委員 わかりました。 (f)のところで、「女子の中途退学率を減少させること及び早期に退学した女子のための計画を策定すること。」これはどういうことですか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 条約作成の経過から申し上げますと、この十条の(e)項と、それから先生今御指摘ございました(f)項、これはともに開発途上国でこのような場合が非常に多い。女子が男子に比べまして中途退学する傾向があるということに着目いたしまして、女子に対しまして男子と同一の修学機会を確保することを目的に置かれたものでございます。
○池田(克)委員 よくわかりました。 この男女共学・別学の問題についてと、それから家庭科の問題等についてと、私の頭の中ではかなりオーバーラップして、それぞれの特性を生かすというふうにして今日来たのだというふうに私は思っております。 文部省にお伺いしたいのですが、今日、「家庭一般」は高等学校において女子が必修というふうになっております。この必修にした経過はどんなことでしょうか。
○高石政府委員 日本の学校教育は、日本の社会的な背景を受けて、そしてよりよき社会の構成員になるような教育を目指してやるわけでございます。それで、明治以来の日本の教育の発展の過程をたどりますと、本来ならば各家庭で教育してもらえれば足りる分野まで、実は明治の初期からいわば家庭の教育機能の分野にまで入り込んで、学校教育が分担し教育をしてきたという実績があるわけでございます。そういう意味で、特に戦前の女子教育というのは、そういう観点で日本の社会的土壌の中で女子教育の重要性を認識して教育が展開されてきたわけでございます。 そこで、戦後になりまして、そうした家庭科に属するような分野の教育を一体どうやっていったらいいかというようないろいろな変遷がございますけれども、やはり現状の日本の社会の構成からいいますと、少なくとも基礎的な教育というものは女子に与えることが必要であろうということで、「家庭一般」につきまして女子のみ必修という制度がつくられたわけでございます。 したがいまして、そういう日本の教育制度、日本の社会の土壌、それにかかわりがなく日本の学校制度が発達していないというところから、女子のみ必修という形のものができ上がっていったわけでございます。
○池田(克)委員 そうしますと、男子は家庭科を全くできないという事情でしょうか。数の点でもしわかれば、大ざっぱで結構ですが、男子で家庭科を履修しているという生徒さんの数はどんなふうになっているでしょうか。
○高石政府委員 まず実態を申し上げますと、男子が一般家庭の履修を選択しておりますのは、学校の数でいいますと七・五一%、生徒数では一・〇一%ということで、男子の「家庭一般」における履修は非常に低いわけでございます。
○池田(克)委員 この女子必修という状況は、先ほどの、定型化された概念という、つまり男子は表で働き、女子が家庭で育児、家事に専念する、こういうふうな考え方を裏づけとして行われた措置、したがって、今度の条約の締結、批准に伴ってこの女子必修という考え方を変更する、こういうふうに考えていいのでしょうか。さっきダブって御質疑があったと思いますが、繰り返して私からも伺いたいと思うのです。
○高石政府委員 今日まで、高等学校における「家庭一般」の取り扱いをどうするかというのが相当いろいろな角度から検討され、論議をされてきたことは事実でございます。その理由は、先ほど申し上げましたように、我が国の学校制度ないしは教育内容について、どういう形のものにするのが一番いいかという検討の積み重ねの結果、現在のような高等学校における家庭科一般については女子のみ必修、男子は選択できるようにという仕組みにしたわけでございます。それはそれなりに十二分に教育的な意味合い、価値というものが存在しているわけでございます。 しかし一方において、条約の規定によって、同一教育課程の履修ということが求められておりますので、その同一の教育課程の履修という観点で議論していけば、どうもそこは問題点であるということでございます。したがいまして、男女ともに平等なチャンス、そういう仕掛けの仕組みにするということが必要であろうということで、今回は男女とも学べる、学習できるような同一のチャンスを保障している仕掛けとして、二つの方式が示唆されたわけでございます。
○池田(克)委員 例えば、女子の必修が変更されて男女とも必修になるのか、あるいは男女とも選択になるのか、あるいは両方ともなくなるのかというふうな選択の道があるわけですが、方向としては大体どっちになるのでしょうか。
○高石政府委員 この検討会議の示している方向は、家庭における男女の役割分担、それについて相互に十分な理解と協力が今後の社会では非常に重要であるというところに、一つの基本的な考え方を示しているわけでございます。したがいまして、家庭科教育そのもののウエートを低くするということは適当でなかろうというふうに考えられているわけでございます。 「家庭一般」につきまして、従来ある「家庭一般」は、どうかといえば女子を念頭に置いた教育内容になっているわけでございます。したがいまして、それ以外に、従来の「家庭一般」のほかに男子も家庭生活、社会生活を営むにおいて理解しておいた方がいい、身につけていた方がいいという分野のもの、いわば生活科的な分野の教育、そういうものも広げていって、その中から男女ともに選択できるような方向にした方がいいだろうというのが第一の発想であるわけでございまして、方向としては、今申し上げたような方向で審議されるものと思います。
○池田(克)委員 わかりました。私もそこのところを指摘したかったわけであります。今までのままではやはりうまくないと私も思いますが、そうなりますと、従来家庭科を教えていらっしゃった先生方の立場、これは免許その他いろいろと事情があると思いますが、これはどうなってくるのでしょうか。
○高石政府委員 この内容でも示されておりますように、現行の「家庭一般」のほか、衣食住及び保育などの内容のいずれかに重点を置いたり、家庭生活に必要な知識、技術に重点を置いたりした新しいタイプの家庭科、要するに学習の領域を広げるというような構想でございます。したがいまして、従来「家庭一般」を担当していた先生方は、依然としてその教育に当たっていただくということになるわけでございます。
○池田(克)委員 生徒が履修する状況が、従来は女子必修でございましたが、今度はそういう新しい生活科というものが仮にできたとして選択になるのだろうと思うのですが、履修状況が受験過密その他の状況の中で変わってくる、それをとらないという子供たちが出てくる、こういうことは予想されないでしょうか。
○高石政府委員 どういう方向に流れていくかというのはなかなか予測が難しいのですが、男子もやはり家庭生活に必要な基礎的な技能、技術というものを身につけた方がいいという方向に向かうとすれば、男子の中からも「家庭一般」を履修する生徒がふえていくというふうにも予想されるわけでございます。逆に、女子は「家庭一般」が必須だったから全部一〇〇%受けていたわけでございますが、その中の何%かは違った分野のものを受けるということも予想されるわけでございます。したがいまして、男女とものトータル数字でどうなるであろうかというのは、もう少しその教育の内容それから社会の推移、これを見ないと、今の段階で断定は非常に難しいと考えております。
○池田(克)委員 確かに難しいと思うのです。しかし、先生方のお気持ちや今日までのいろいろな努力の経過から見て、それについては必修であったということから選択になってくるという状況については、かなり応用的に幅を持って対処をしていかなければいけないのじゃないか、その点もぜひ御考慮いただきたいと思うわけでございます。 この問題は、今臨時教育審議会がいろいろ審議しております単位の互換とか単位制高校とか職業に関するさまざまな教育の多様化、そういう問題と私は関係があるだろうと思っておりますが、臨時教育審議会の審議内容、細かいところに当たるわけでありますが、こうした分野にも目を配って審議されておるのかどうか。臨教審の方がいらしたらあれですけれども、文部省で承知している範囲でお答えいただければと思います。
○高石政府委員 臨時教育審議会において、家庭科という内容に絞って今日まで議論されているとは承知しておりません。今後臨時教育擦議会は、教育の全体的な内容については論議されていくと思うわけでございます。その中に、家庭科という一つの教科の話ではなくして、小中高等学校等における教科構成の大綱はどうあったらいいかという論議は、当然出てくると思います。
○池田(克)委員 私が申し上げたかったのは、専修学校や各種学校のあり方と関係があるということなんです。私の得た知識では、各種学校、特に個人立の各種学校で、洋裁とか編み物とかそうした規模の小さな学校が今日までたくさんあったわけでありますが、社会の変化とともに希望する生徒さん、学生さんたちが非常に減ってきている。しかも、税制上の恩典が非常に厳しい。こういう状況から、経営の問題やPRの問題等、専修学校や各種学校の社会の中で、そうした特に女性の従来家庭科の一つの大きな流れの上にあるような分野について、さらに進んだ勉強をするチャンスというものが地域的にはなかなか――大きな都会ではいろいろ用意されておりますが、地域的にはだんだん狭められてきておる。そうしたものをもっと育てるような方途も臨教審等で研究してほしいし、文部省も配慮してほしい、こういう話とこの問題と絡んでくるのじゃないかということなんです。いかがでしょうか。
○高石政府委員 現在学校教育で行っております。そういう技能教育というのは、非常に原理原則の一般的な内容の範囲にとどまっている場合が多いわけでございます。したがいまして、本物の実学教育、こういう点になりますと、専修学校、各種学校というのがかなり重要な役割分担を果たしているわけでございまして、それぞれの役割分担そして社会のニーズに応じてそういう教育の施設が拡充されていくということは、極めて重要な、必要なことであろうと思っております。
○池田(克)委員 わかりました。ぜひとも、その問題に配慮をしていただきたいと思います。 以上で、この条約についての私の質問を一区切りしまして、きょうは大変珍しい文教と外務の連合審査でございまして、外務大臣もお見えでございますので、私、別の問題について一つだけお伺いしたいと思うのです。 それは、外国における日本語教育の問題なんです。貿易摩擦等大臣もいろいろと御苦労されておるわけでございますが、日本語の力、特に先進国における日本語の力というのは、私は、今のところこれからという感じを持つわけでございます。特に、いろいろ商品等を日本にPRする。総理も、いろいろともっと日本人がそうした国の製品を使うようにというふうにPRし、政府も一生懸命になっていらっしゃることはわかるわけでありますが、日本人が外国へ売り込んでいくエネルギーは、十分しゃべれないながらも長年培われた語学力をもってやってきた。私もそういう商売に携わったことがありますので、すごい力で今日までやってきたと思うのです。 反面、日本に物を売る場合に、日本語ができるということが利点だろうと思うのです。これについては、どうもこれからだという気が私はするのですが、諸外国を回っていらっしゃって、貿易摩擦について大変御熱心に活動されていらっしゃる安倍外務大臣から、この問題についての御所見をこの機会にお伺いをしたいと思うのです。
○安倍国務大臣 海外における日本語普及の重要性は、まさに御指摘のとおりであります。 私も外国を、しょっちゅう回っておりますけれども、最近日本が国際社会の中で大きな発言力を持ってきた、あるいはまた反面責任も重くなった、こういう中で、外国においても日本の関心は高まり、日本語熱とまではいきませんけれども、日本語に対する学習をしたいという人たちもふえてきておるわけでございます。これは、今までに見られない現象だと私は思っておるわけで、やはり日本語を外国人に多く知ってもらうというのは、日本を理解をしていただくことに大変大きな役割を果たすわけでありますし、政府としても、そういう立場から外国における日本語教育が普及するようにできるだけのことはしなければならぬ。 国際交流基金というのがありますが、この基金を通じまして、日本語教育専門家の派遣であるとかあるいは現地日本語講師の招聘、日本語教育器材の寄贈等の事業を実施いたしてきております。そして、海外における日本語教育の促進に努めておるわけですが、海外における日本語学習者の中でも、特に最近はアジア諸国を中心に非常に急増しておりまして、昭和五十七年までの十五年間に約十一倍に増加をして約四十万人に達しております。この数は、十年後には三百五十万人になるという推計もあるわけでございます。 そうした立場から、政府としても、文部省とも外務省も協力しながら、日本語教育の普及に対してはいろいろな角度から調査もし、そしてまたできるだけの協力、推進もしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○池田(克)委員 ありがとうございました。 実態について担当の方からお伺いしたいのですが、日本人で日本語を教えるために外国に派遣されている方たちがいらっしゃるわけですが、何カ国、何人ぐらいの先生方が行っていらっしゃるのか、あるいは日本語を教えるための教材、例えば英語あるいはフランス語、ドイツ語等でできているわけですが、何カ国で日本語の教材があるのか、この辺、数がわかりましたら教えていただきたいと思います。
○波多野政府委員 最初に教材について御説明いたします。 教材につきましては、昭和五十九年度は六十一カ国、四百七機関に対しまして約三万五千冊を寄贈いたしました。 それから日本語教育専門家の派遣でございますけれども、昭和五十八年におきましては百二十四名、現地日本語講師招聘が六十二名ということでございまして、特に国際交流基金は日本語教師のプール制度を今一生懸命つくっております。一番問題なのは、日本語教師が一回現地へ参りましていい経験を経て帰ってくるのでございますけれども、そこでまた別の職業について再度派遣に応じがたいような状況がしばしばあるということで、プール制度をつくりまして、帰ってきた者をリテインするというか、そこへもう一度嘱託として契約して再度派遣に努めているというような制度もつくっております。
○池田(克)委員 今の六十一カ国というのは配った国の数であって、何カ国語、つまりその表現の仕方ですね。英語で書いてあるというだけではないはずなんですね。ドイツ語で日本語を教えている、あるいはスペイン語で教えている、その用意されている国語の数がわかれば伺いたいのです。
○波多野政府委員 日本語の教材の国語別の数でございますけれども、十カ国語で作成しておりまして、英語、スペイン語、中国語、韓国語、アラビア語、ポルトガル語、インドネシア語、タイ語、ビルマ語、ヒンディー語という十カ国語で作成しております。
○池田(克)委員 今お話が出ました海外に派遣されている日本語の先生のことなんですが、三年というのが適当だかどうか。三年で行って帰っていらっしゃる。それはいろいろ事情があると思うのですが、せっかくなれたころ帰っていらっしゃるということになるという御意見もあるわけでして、五年くらい向こうにいらっしゃることが望ましいという意見もあるわけであります。これはいろいろ事情があると思いますけれども、そうして帰ってきてからの身分が不安定ではないか。今のお話のように、プール制ということが出てまいりましたが、プール制の実情、また改めて伺わなければなりませんけれども、身分が不安定である、特に日本人学校の先生の方が安定している、こう指摘をされている面があるのですが、実情はいかがでしょうか。
○波多野政府委員 国際交流基金が海外に約百四十名の教師を派遣しておりますけれども、これらの教師は帰国後大部分の方が国内の大学、または民間の日本語教育機関の講師として復職していると聞いております。 それから、国際協力事業団の方で、青年協力隊の隊員を中心にして約三十名の日本語教師を派遣しておりますけれども、これらの方々の帰国後の就職、復職、自営等の形で職を得ている率は、帰国後一年以内の間に九割という数字が出ております。
○池田(克)委員 それは何らかの形で職を得て生活していらっしゃるんだと思うのですが、やはり制度として安心して海外に出ていけるというふうな制度になっていない、日本人学校の方がいい、こう言われているんですが、私はちょっと日本語を教えるための派遣制度については明るくないものですから、制度的に、御自分でいろいろと努力して探すのか、初めから三年後にはここへ戻ってくるんだ、あるいはここと決まらないまでも必ずどこかに職があるんだ、こういうふうな制度になっているのかどうか、お伺いしたいのです。
○波多野政府委員 お帰りになってからの復職の仕組みについては、いろいろ個々のケースによって処理している状況でございまして、政府として決まった復職手続を持っているわけではございませんけれども、先ほどお話がありました、三年でやっとなれたころ帰国してしまってもったいないというお話は、まことにそのとおりだと私は思います。そのためにこそ、先ほど申し上げましたプール制度でございますね、これをますます拡充して、一応三年でお帰りいただくけれども、再度派遣に応ずる用意がある方については、ぜひ政府の方でもそういう方を活用さしていただきたい、こう思っております。
○池田(克)委員 優秀な方が行かれることが非常に大事だと私は思うのです。特に、日本語を教えるということは、単に言葉だけでなくて日本の文化を教えることになるわけでして、大臣、今お話がありましたように、日本人学校もまだまだだと思います。しかしながら、日本人学校と同等以上に――外国で日本語を学びたいという方は、特に先進諸国なんかの場合は非常に重要なことだ、日本語を覚えてそうした日本との理解に努めるという方々でありますから、言うならば、日本としては最も大事にして丁重な日本語教育や日本文化の伝達をすべき相手方であろう。人数についてまたお伺いしなければなりませんけれども、そういう方が何人いらっしゃるか、そしてそれらの方々がどういう日本からの派遣教師についているか、これは非常に大事なことだろうと思うのです。したがって、帰ってきてからの身分とかその期間が三年あるいは五年とかいう点について、もう一遍いろいろ事情をお調べいただいて、この際、外務省、文部省の双方で相談をされることになるかと思いますが、この問題について注目をして、もう一歩突っ込んだ具体的な前進ができるようにされるお考えはないでしょうか。
○安倍国務大臣 外国における日本語熱は非常に出てきておりまして、これは、先ほど特に東南アジアが非常に盛んだということを申し上げましたが、欧米諸国でも非常にそういう空気が出てきております。特に、学生諸君なんかも日本語を学びたい、こういう機運が出ておりまして、これに対しまして政府、外務省として、国際交流基金を通じまして今派遣講師というような形でやっておるわけでございまして、この身分とかあるいはまた日本に帰ってからの生活の問題とか、そういう点については個々に御相談に乗ってできるだけのことはしなければならぬというふうに思いますが、こうした講師だけの問題ではなくて、例えばフランスなんかでも日仏協会というのがありますが、そうした日仏協会でも非常に日本語を勉強したいという人が来て、それに対して現地の、パリの仏日協会でいろいろとお世話をしているとか、大使館なんかが積極的にそうした要望に対してお世話をしているとか、日本の民間企業なんかも随分そうした日本語の普及のための努力をしている面もあるようでございます。 全体的には、政府だけでは一つの限界がありますけれども、そうした空気が出ておりますから、そういう空気を十分反映した形で、日本が官民とも相協力してそうした声にこたえていくという姿勢が、これからの外国との間の友好関係といいますか、きずなをさらに進める上において非常に重要である、こういう認識を持っております。したがって、そういう今お話しのような点も踏まえてこれからも改善をしなければならぬ、あるいはもっと充実しなければならぬ点については、十分配慮してまいりたいと思います。
○池田(克)委員 時間がなくなってまいりましたが、最後に日本人学校の問題です。これは文部大臣にもお伺いしたいのですが、今の日本人学校のあり方は私はもったいないような気がするのです。と申しますのは、日本での教育を全くそっくりパリならパリへ、ロンドンならロンドンへ持っていっていると私は理解しておるのです。先生方も日本から行っております、教材も行っております、ただ建物がその国にある、こういう状況です。父兄の方々は、帰ってきてからの進学やそうしたことに一生懸命に意を用いていて、なるべく勉強がおくれないようにというふうな気持ちを持っていらっしゃる。 しかし私は、国際的なこれからの――きょうの条約もそうした面での一文だと思うのですが、やはりせっかくその地で空気を吸った子供ですから、そこの国の子供たちと親しくなり、その国の言葉、習慣を本当に身につけるならば、日本としては、民間大使がたくさん育つことになるわけで、外国との相互理解という点では一番いいチャンスであるのに、日本の受験体制が、そうした方々に対して日本の国内と同じような状況のままでいるので、どうしても父兄の方々は一生懸命になっており、さらに日本から塾まで進出していって、日本と同じような状況にそれぞれの国ではある。これは大変もったいないことだし、むしろ文部省よりも外務省の方が、文部省にもこれは国際的な見地からいかがなものかというようなことをいろいろと協議されるべき部分があるのじゃないか、こう思っておりますが、日本人学校の問題についてまず文部大臣からお伺いしたいと思うのです。
○松永国務大臣 海外で働いていらっしゃる日本人の子弟の教育をどういう形態でやるかという問題でございますが、教育水準が日本に比べて相当劣っておると思われるような地域の場合は別といたしまして、いわゆる先進国の場合には、先生御指摘のように、その国の子供たちと一緒に勉強することが大変望ましいことだというふうに思うわけであります。そしてまた、日本人学校の場合でも、日本の国内の中学校や高等学校と教育の水準やあるいは学力の到達度が必ずしも同じではありません。そういったことから、日本に帰ってきて日本の大学等に進学する場合に、大変な不自由をしていらっしゃる面も実はあるわけであります。そういった問題を解決するためには、帰国子女につきましては特別の選抜方法が最もふさわしいのじゃないかということで、帰国子女につきましては、小論文、面接、書類選考、なかんずく書類選考等を中心にして特別の方法で選抜して入学を許可する、こういったことを進めておるところでございまして、現に昨年で帰国子女の志願者数が二百一名で合格者数が七十、これは国立、公立合わせてでございます。六十年度、すなわち本年度は、志願者数三百三十八に対して、国立、公立の合格者数が百四、こういった数字になっておるわけでありまして、こういった施策を今後とも着実に進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○池田(克)委員 外務大臣、いかがですか。
○安倍国務大臣 私も、随分外国で日本人学校の激励に行っておるわけでありますが、もちろん日本人学校では、基本的には今日本で行われておる教育を中心に行われておるわけです。しかし、国際的な交流といいますか、現地における現地の子供たちとの交流とか、あるいは現地語の習得といった面についてもそれなりの時間を設けて、国際性を身につけるという立場から、特に外国に行っておるという利点を生かした教育、指導等も随分行われておるようですね。その子供たちの基本は、まず日本の教育を身につけなければなりませんが、外国に行っているとい一つ一つの利点がこれからの人生において大いに生かされるのじゃないかということを、私は外国の日本人学校を回りましてしみじみと感じておるわけでございます。そうした点についても、これから文部省あるいは外務省それぞれ協力しながら、今おっしゃったようなことは、やはりこれから日本が国際社会における日本人のあり方というものを考えていくとき、国際性というものを大きく身につけていかなければなりませんし、非常に大事な教育の側面だと思っておりますので、配慮していきたいというふうに思います。
○池田(克)委員 そのほかに、外国人の教員の日本における任用の問題とかいろいろお伺いしたいこともあったのですが、準備をいただきましたが、また次回、機会を改めてお伺いをいたしたいと思います。 ありがとうございました。終わります。 〔阿部委員長退席、愛野委員長着席〕
○愛野委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 差別という問題はいつも大変難しいな、こう思いながら、しかし、これは何としてもなくさなければいけない課題だと思いますし、ならば差別とはどうしたらなくせるのか、いろいろなことを考えるわけであります。そもそも、差別という言葉自体が、昔は今使われている意味ではなかったわけで、差別を強調する言葉に、数字の千とか万をつけて千差万別といいますと、途端に全然違う意味になってくるわけです。本来、仏教用語として使われた差別というのはいい意味で、個性だとか特性だとかという意味で使われた。今は別の意味で使われている。しかし、今の意味できょうの論議はしたいと思います。 差別の中に、制度上の差別と意識の中の差別と二つあると思うのです。制度上の差別は、こういう条約や法律やいろいろなシステムを変えることによって、かなり解消することができると思います。しかし、例えば今回の条約を結んで、本当にその中身を実行に移そうとすれば、我々の意識の中にある差別をなくしていかないといけない。そういう意味では、この差別を撤廃するための普及、教育というのは、大変重要な意味を持つと思うのであります。それからもう一つ、これから各論についてお聞きいたしますが、制度上の差別と意識の中の差別の間に、差別をなくす方法として次かしてならないものは運用面での努力であります。そういう幾つかのことを念頭に置きながら、質問いたします。 まず、文教委員会との連合審査ですから、教育分野からの視点でお尋ねいたします。教育に関係をして差別を論じますときに、大別して三つあるのかなというふうに思います。一つは、職場としての教育現場に差別があるかどうか、いかにしてその差別をなくすか。二つ目は、教育の機会均等という観点から、男女間の差別はないかどうか。三つ目は、教育内容に男女の差別はないか。この三点だと思うのであります。 まず第一点の職場としての教育現場に差別があるかないか。例えば、より一層女性に活躍をしていただこうと思えば、育児休業等の充実保障というものはどうしても必要になってまいります。しかし、育児休業の制度は発足を見ているけれども、その普及、そしてまた活用というのは、今なお大変低率にあるというふうに言っても過言ではないと思います。こういうことについてどう認識をしておられるのか。 それから、小学校、中学校を中心にして、学校の先生の数は女性が極めて多い状態だ、むしろときには多過ぎる、もう少し男性の方の率を上げたらどうかという議論さえ最近あるくらいです。しかし、校長、教頭などへの登用となるとほとんど少ない。女性の校長先生が誕生いたしますと、いまだに新聞記事になるのですから大変な状態だ、こう思うのです。私の妹が中学校の教師をしているものですから、実はきのうも電話で話をしておつたのですが、どうだい、こう聞きましたら、それ以外に例えば中学三年の進学コースのクラスは女性には持たせないというような、現場での暗黙の考え方があるそうであります。これは差別かというと、必ずしも差別だけとは言えないのだそうで、女性教師に対する思いやりという考え方も現場にあるそうでありまして、差別をなくすことはなかなかに難しいなと思うのでありますが、職場としての教育現場における差別、こういうことについて文部省、どうお考えでしょうか。
○松永国務大臣 まず一問の、女子教員に非常に深いかかわりのある育児休業の仕組みの利用率でございます。これにつきましては、昭和五十七年度においては該当の女子教員数二万九千百五人のうち二万二千三十一人が育児休暇の申請をし、全員が許可を受けておりまして、育児休業の利用率は七五・七%、大分利用が定着してきているように思われます。今後とも、育児休業制度が活用されることによりまして、女子教員が継続的な勤務が促進されるように文部省としては指導してまいりたい、こういうように考えているわけであります。 次の、職場における実際の数字からくる差別といいましょうか、女子の活躍しているのが現実的に少ないという問題でございますが、小中高等学校における校長さんや教頭さんの割合でございますが、先生御指摘のように、五十八年五月一日現在で校長については一・六七%、教頭については二・五〇%が女子ということになっておるわけでございまして、極めて女子の校長、教頭さんが少ないということになっております。 その原因はいろいろあるようでありますけれども、一つは、女子教員の方は結婚等によって退職されて、女子教員全体の数は相当多うございますけれども、校長や教頭になられる適齢期の先生が男子教員に比べて少ないということ、もう一つは、管理職への希望が出されて、それに基づいていろいろな審査あるいは試験をして校長、教頭になられるわけでありますけれども、その受験をなさる方が少ない、こういったこと等がさまざまな原因の中で主なるものではなかろうか、こういうふうに思われるわけであります。しかし、傾向としては次第に多くなりつつあるわけでありますので、今後ともまず主任等の職務を経験していただいて、その経験を積んだ上で研修等にも積極的に参加をさせる、こういったことを通じて能力と適格性のある人につきましては、各任命権者が文字どおり女子による校長、教頭の数がふえるような施策を進めていく必要がある、そういうことで今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○中野(寛)委員 一定年齢キャリアを積みますと、教育現場では男女ともに同じ条件で、むしろ教頭への登用を推薦する風潮がある程度生まれてきているわけです。しかしながら、教育委員会のどこかでそれが取捨選択されてしまって、実際に任命されてくる女子の校長、教頭が少ないというふうなことが現実にあるわけで、これは本人の意識ももちろん必要ですし、また結婚等を考えれば男性側の理解も当然必要でありますし、社会的な風潮の改革も必要であります。しかしながら、教育現場に直接タッチする教育委員会、また現職の校長、教頭等々の努力がもっともっと必要ではないかと思うのでありまして、文部大臣の御認識、私が今お聞きした感じではちょっとまだ危なっかしいというか、もうちょっと積極的に考えてくださいと言わざるを得ない、そういう意識があります。そのことは、先ほど申し上げた運用面での努力という意味での努力を文部省としてはもっとしていただきたいと思います。 次に、修学、進学についての差別の問題であります。 制度的には、教育の機会均等というのは一見保障されているようであります。しかしながら実際には、学校現場そして家庭、親の認識等々、社会的風潮も含めまして、まだまだ本当の意味での機会均等が保障されているかというと疑問が残ります。現象面ではどういうことが起こるかと言えば、高校進学は、率にいたしますと女子の方が高いのであります。しかしながら、大学進学となりますと、男性の方が逆転をして高くなるわけであります。短期大学となりますと、これはもう圧倒的に女性の場所、こういうことになるのでありますが、そういう数字が出てくる現象面だけを見ましても、何かそこに社会的な風潮、そしてそれを気にする親や教師の進路指導への影響、こういうものが多分にあることを否定できないと思います。そういう意味で、例えば進路指導にいたしましても、まあ、うちの子は女の子だから、あんまり競争の厳しい公立には行かせないで私学で悠々となどと言う親は、まだまだ極めて多いわけであります。やはりこういうことを現場の先生を中心にして、もっともっと直していく必要が当然ある。そうしなければ、この条約の精神というのは恐らく守られないであろうと思うのでありますが、こういう風潮を含めて、文部省はどうお考えですか。
○松永国務大臣 高等教育機関への進学の場合にどういう学校を選ぶかということは、本人の意思、それから保護者等関係者の指導、相談、こういったことで決められるものと思うのであります。ただ、教育に関係する人等は、男女機会均等という考え方に基づいて、いやしくも定型化された行動様式などというものを前提にした指導がなされないようにしなければならぬ、こういうように思うわけであります。その本人が社会においてどういう活躍をしたいかということから、最も望ましい教育機関に進めるように指導していくことが望ましいことだというふうに考えるわけであります。
○中野(寛)委員 大変抽象的なお答えなんですが、文部省としては、そういう意識の改革も含めて、もっと積極的に今申し上げた職場としての問題、それから生徒に対する修学、進学の問題についてもっともっと改善しなければならない、努力しなければならないという意識と、そしてそういう方向に向かっての努力の具体策はお持ちなんですか、どうなんですか。
○松永国務大臣 先ほどの学校現場における校長、教頭等の問題でありますけれども、これは、実際管理職になりますとそれだけ責任が付加されてまいります。そういう責任の重いポストにつくよりはもっと責任が軽い方が望ましいという人が多ければ比較的そういう人が少なくなってくる、こうなってくるわけでありまして、先ほど私がお答えいたしましたように、校長あるいは教頭になる前の、言うなれば校長、教頭に比べれば少しは責任が軽いかな、こう思われるのが主任その他のポストでありますけれども、まずそういったものについていただいて、そして管理職としての訓練といいましょうか、経験を積んでいただく、そうした上でその次の段階の教頭あるいは校長、こういったものに進んでいただく、そういう順序があろうかと思うわけであります。学校教育の現場でも、先ほどから御指摘がありますように、制度としては残ってなくとも、現実に女子の校長、教頭が非常に少ないということは事実でありますので、希望者が多くなるようなことは望ましいことでありますし、先ほど先生御指摘の、実際には教育委員会等で抑えているなどということはあってはならぬことでありますから、そういった点はよく調べまして、いやしくも任命権者が女子につきまして差別的な取り扱いなどは断じてあってはならぬことでありますから、もしそういう点があるとするならば直してまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○中野(寛)委員 文部大臣の御認識はまだ消極的だと思うのです。受け身だと思うのです。本人の意思による、こうおっしゃいますが、むしろ社会的な要求、社会的ニーズというか、そういう責任者的な立場にある方々への登用、就任というのは、むしろ社会的な立場からいって男女の比率がもっと接近することが望ましいわけでしょう。だから、単に差別という問題だけではなくて、男女協力して社会の進歩発展に努力をしていくということが必要なわけで、そのためには本当は御本人の意識改革というか意識の向上も含めて、やはりもっともっと的確な指導、そして土壌づくり、環境づくりというものが必要だ、そういうところへ積極的に取り組んでいくという姿勢を文部省として持っていただきたいということを私は申し上げたいわけであります。 そのことは後でも触れられますからもう一つの質問に移りますが、教育内容に差別はないかということであります。このことについては、先ほど来家庭科教育の問題が触れられております。私どもはこう思うのであります、家庭科という名前だって本当は考え直したっていい。例えばですが、生活科というふうな形に直すというふうなことでも考えるべきではないか。核家族化が進んでまいりまして、結婚をして新しい家庭を営む、そういう場合に、その新しい家庭をどういうふうにつくっていったらいいか、または社会にどう順応していったらいいか、対応していったらいいか、いろいろなことがなかなかわからない。そういうことを夫婦協力してやっていけるという、そういう基礎的な教育をむしろやっておく必要があるのではないか。 例えば育児の問題もそうなんですが、もう一つ前の、例えば保健体育等でやっている性教育の問題だって、本当はこういう中に包含されなければ、本当の意味での生活を一人前の大人として、また社会人として営んでいくという、その基礎ができないという意味での考え方を持つならば、もっと幅広い意味での教育の科目が、選択とか何とか言わないで、もっと男女が一緒に学び、一緒に討論をし、そして一緒に進んでいく、そういうことが必要なわけなのですから、もっと前向きにお考えになられたらいかがか、こう思うのであります。同時にまた、これから教育課程審議会で論議をされるということですが、学習指導要領が改められてこの家庭科教育の問題がはっきりと改善された形で明記されるのはいつになるのか、このことをこの際はっきりしておいていただきたいということも含めて申し上げたいと思います。 まだまだ意識の中の差別というのはたくさんありまして、小学校や中学校でも、例えばカーテンが破れている、どうしようと言ったら、それは女の子の仕事、掃除は女がするこっちゃと、こういうことを平気で言う男の子がまだまだ圧倒的に多いのであります。男のくせに、女のくせにという言葉も、また極めて多く使われるわけであります。例えば生徒会の会長を選ぶ、児童会の何とか委員長を選ぶのに、まだ現場では委員長は男で副委員長は女、学校の校則や規則に書かれているわけではないのですけれども、しかしながら、実際の運用面ではそうされているところの方がまだ多いのであります。これは学校の現場の先生方に聞いたら、ほとんどの先生方がそうお答えになります。こういうことなどをも含めまして、教育現場における、また教育内容における差別をなくす努力が当然なされなければいけませんが、どうお考えですか。
○松永国務大臣 教育課程審議会をスタートさせて、この問題について審議をお願いした後の時間的なことにつきましては後で局長から正確に答弁させますが、その他の事項についてお答えいたしますと、まず家庭科という名前じゃなくして生活科にすべきじゃないかという御意見でございます。それも一つの御見識だと思いますが、家庭科というのはなぜ存在するかというと、大家族の家庭もあれば核家庭もあるわけでありますけれども、いずれにせよ、やはり人間は家庭を持って家庭の中で日々の生活をしていく。そして、その家庭が言うなれば憩いの場であり、団らんの場であり、そして適齢期になりますと、そこの場で子供が生まれ、その子供をまず最初に育て上げるところが家庭である。これは人間が生きていく上で極めて大事なことでありまして、それを的確に、かつ健全に運営し、そしてまたより望ましい状態にしていく、これを男女お互いに協力し合ってやっていく必要があるわけでございます。 そこで、そういう家庭の運営、建設に関する基本的な知識、技術、あるいはそういったものを身につけさせ、また技術を学ばせる、経験をさせる、こういう分野が家庭科と思うのでありまして、非常に範囲は広うございますが、同時にまた非常に大事な分野であるというふうに思うわけであります。 ただ、今日まで、これは我が国社会の定型化した行動様式があったものですから、そこで主として家庭の取り仕切りは女子がやり、男子は外で働くという慣行があったこともありまして、結果的には女子が必修、男子が選択、こうなっておったのであります。これは我が国の歴史と伝統、社会の現実があるものですから、そうなっておったわけでありますけれども、女子差別撤廃条約を調印した以上は、まず社会における定型化した行動様式を改めると同時に、あらゆる分野で女子の差別と思われるものは直していかなければならぬことでありますので、先ほど来申し上げておりますように、家庭科の履修形態にいたしましても、男女とも差別をなくするという方針で対処することにしたわけでありますが、しかし、いずれにせよ大事な教科でありますので、今後ともこれが充実を図っていかなければならぬ、こういうように思うわけであります。 それから二、三、これは女子がやることだ、これは男は手をつけちゃいかぬなどということの御指摘がありましたけれども、私は一般的にはそういう傾向はなくなってきたと思います。それぞれの家庭で男女の差別的な発言、行動、しつけ、そういったことをやはりそれぞれが直していくことが大事でありますし、そしてまた、学校でも、そういったものを直していくことは当たり前のことでありまして、そういう努力の積み重ねの上で今先生御指摘になったような事柄は解決されるだろう。大部分は解決されると思っておりますけれども、残っておるものがあるとするならば、みんなが努力の積み重ねで解決していく問題であるというふうに思うわけであります。
○中野(寛)委員 大部分が解消されたとは、日本国民はだれも思ってませんよ。たくさん御婦人方が傍聴していらっしゃいますが、恐らくそうは思ってないと思いますよ。大臣、あなたの場合本当に受け身過ぎるのですよ。少なくなってきたかもしれません。それを認める人はいるだろうと思いますよ。しかしながら、それはみんながいろいろな努力をしてきて、そしてもっと努力をしようというのでこの条約も結ばれる、そういう中でだんだんなくなってきた。むしろなくしてきた、なくしていかなければいけない、その認識が文部省にはもっと必要なのじゃないですか。私は、きょう質問をしながら、そういう文部省の、もしくは文部大臣のお気持ちがまだまだ危なっかしいなという気持ちが強くしてなりません。ですから、私は、もっと前向きの姿勢、なくなってきたではなくて、なくしていくというお気持ちをもっと強くお持ちいただきたい、こう思うのであります。 もう時間が少なくなりましたが、しかしいずれにいたしましても条約の批准というのは、別にそういう問題が完全に解消されたから結ぶというのではなくて、そういうめどをつけながらより一層努力をしていこう、国際的にも協力をしていこう、その決意を示すという意味もあるわけでありますから、そういう意味では我々、当然前向きに考えていきたいと思います。 外務大臣、別に文部省の態度を批評しろとは申し上げませんけれども、全体的な日本の風潮として、この条約との関係において本当に諸外国から非難されない、むしろ自分自身、我々自身が、やましい気持ちを持たないで済むという条件が整っているのか、整いつつあるのか、そういう御認識についてはいかがでしょうか。
○安倍国務大臣 この女子差別撤廃条約というのは、私は相当面期的な条約ではないかと思うのです。女子差別撤廃宣言ですか、これと違うところは、やはり男女の中において女性についてはいわゆる母性保護だけを認めておる、しかしそれ以外は一切平等だという観念になっています。宣言では、むしろ女性というのは弱い立場にあるからこれを守っていかなければならぬ、こういう観念がありまして、ですから今度の条約というのは非常に画期的じゃないかと思います。 そうした条約を結ぶために、我が国でもいろいろと苦労いたしまして、各省庁の調整もありましたし、これまでの日本の長い歴史とか伝統とか、そういうものに根づいた制度というものがあったわけですから、そういうものを改善をしながらこの条約の条件をつくってきたわけでございます。 我々としては、こうした条約に参加をするといいますか、批准をした以上は、これは国際的な約束ですから、政府としてこれを誠実に遵守していくというのは当然のことでありますし、そのためにまだまだ国内的にも整備しなければならぬ面があると思います。これをひとつ、これからも政府全体として取り組んで、この条約の趣旨に合致するような形に一日も早くなるようにやってまいりたいと思っておるわけでございます。 ただ国内的には、これは今までいろいろとお話がございましたけれども、条約を批准した、ただ法律が完全にできたからといって、やはり国内の根づいてきた習慣とかいろいろあるわけでございますから、それは強制あるいはまた法律、そういうもので完全にできるわけではないと思います。やはり条約を批准したという日本国民の一つの意思に基づいて、国民の一つの意識改革といいますか、そういうものが非常に大事になってくるのではないか。そういう意味でも、象徴としてのこの条約批准というのは、今後の新しい時代をつくる一つの大きな意味を持つものである、こういうふうに思います。
○中野(寛)委員 文部省初め各省庁、もちろん我々も当然含めまして、努力をしていただきたいし、また努力をしていきたい、こう思います。 文部大臣へのお尋ねは以上で終わりまして、最後に外務大臣に一つお尋ねをいたします。 これは、この条約の精神を普及していくためにも必要だと思うのでありますが、ユネスコの存在、これが極めて大きな意味を持つのですが、最近このユネスコが大変大きく揺れ動いております。二月の予算委員会でもユネスコ問題をお尋ねをしたのでありますが、今このユネスコ本部で執行委員会が開かれているわけであります。場合によっては、我が国も脱退を辞せずというぐらいの強硬姿勢で臨まなければいけないという話もございました。この前、ムボウ事務局長も日本に来ておりましたし、外務大臣もお会いになられましたが、果たして今日時点でユネスコ改革というのは本当に改革の方向へ進んでいっているのかどうか、そしてまた、日本としてこの問題についてどう取り組んでいくのか、それこそ男女差別をなくすためにもユネスコというのは国際的に大きな役割を果たしてもらわなければいけないのでありますが、大変危なっかしい状態であります。このユネスコ問題について最後に一言お尋ねをいたします。
○安倍国務大臣 ユネスコは、戦後の世界の中で大きな役割を果たしてきたと思っているわけです。ただ、そういう役割を果たしましたけれども、現在の運営についていろいろと批判が各国から出まして、特にアメリカなんかは脱退をするということになりましたし、イギリスも脱退宣言、その他二、三の国々が相次いで脱退宣言をしておるという状況で、ユネスコの運営がまさに危機に瀕しておるわけでございます。日本としましては、このユネスコを何とか守って、それで本来の、原点に返った活動が行われるようにしなければならぬ。それには、今のユネスコのいろいろな面での改革をやはりやっていこう。予算も、二五%のシェアを持っておりましたアメリカが出ていきましたから、今度はその中での予算を組まなければなりませんし、あるいはまた今の事務局の運営、陣容というのは、これでいいのかという問題もあるわけであります。 また、事業についても、このままの形で進めていいのかというような批判もあるわけで、日本については、そうした批判も踏まえた改革案を出して、今実は執行委員会で協議をしておるわけでございまして、私もムボウ局長に、日本は残って何とかユネスコを守っていきたい、それにはやはり国際的な批判にもこたえてもらって、改革をしてもらわなければならない、これは日本だけの意見ではなくて多くの心ある国々がそれを望んでおるので、ムボウ事務局長もそうした国々の期待にこたえて改革してください、人員も少し膨大過ぎるという面もある、整理もしなければならぬ面もあるのじゃないですか、あるいは事業についても、精選をしていく必要があるのじゃないですかということを率直に申し上げまして、日本の改革案をお示しをいたしまして、その改革案等も議題となりまして、今執行委員会で論議がされております。 最近の情報では、ムボウ局長も改革には前向きに取り組もうということで、例えば人員についてもある程度これを合理化していくといいますか、整理していくということも発表されたようでありますし、その他の改革についても取り組んでいこうということでありますから、日本はこの執行委員会の状況を見守ってまいりたいし、そういう中で日本も改革の先頭に立って努力をしておりますし、今後努力を続けたいと思いますが、基本的には、そうした日本の考え方も入れられた形で何とか改革が行われて、そしてユネスコがこれから原点に返った活動を展開して、そして出ていったアメリカも帰ってくる、あるいはまたイギリスも脱退声明を取り消す、そういう形になることを念願いたしておるわけでございます。そのため日本は、今後ともあるゆる努力を惜しまないで続けてまいりたい、こういうふうに思っております。
○中野(寛)委員 時間が参りましたので、残りました質問はまた機会を改めてさせていただきます。終わります。
○愛野委員長 次に、藤木洋子君。
○藤木委員 私は、婦人に対する差別撤廃条約第十条(c)項に関連をして御質問をさせていただきたいと思います。もっとも、文教との連合審査ということもございまして、私が質問をいたします問題に類することで既に質問が行われておりますが、進めさせていただきたいと思います。 家庭科教育におきます男女差別の解消につきまして、国会でも随分論議をされてまいりました。この際、この問題につきまして幾つかの質問をいたしますが、私たち日本共産党は、家庭科教育については、婦人差別撤廃条約の精神を踏まえ、その徹底を期する立場から、教育課程、履修内容の男女差をなくすこと、特に中学校の技術・家庭科で男子は技術中心、女子は家庭中心となっているのを改めまして、履修の内容を見直すとともに男女同一にすること、高校の「家庭一般」については、女子のみ必修となっているのを改め、男女とも共通の必修として履修内容を改善、精選することを主張してまいりました。残念ながらこうした主張は、文部省の検討会議の報告には反映されませんでしたが、検討会議の案は選択必修です。これは問題点もありまして、現場からも随分不満の声が出ているところでございます。時間がありませんから基本論議はいたしませんけれども、今後の問題についてお尋ねをしたいと思います。 文部省は、教育課程審議会で検討されることになるとおっしゃっておられますけれども、その場合、検討会議の二つの案をベースにして審議をされるのでしょうか、それとも教課審が独自の判断をする余地を持っているのでしょうか、その点はいかがですか。
○高石政府委員 検討会議の方向が出されておりますので、その趣旨を踏まえて教育課程審議会で議論をするということになろうと思います。
○藤木委員 教育課程審議会は、報道によりますとこの九月にも発足するとされておりますけれども、そういう方針だというふうに確認させていただいてよろしゅうございますか。
○松永国務大臣 九月という日を限った御質問でございますが、なるたけ早い機会に、こう考えております。と申しますことは、臨時教育審議会で教育課程審議会にお諮りをしなければならぬような事項につきましても答申があるということが、臨教審の「審議経過の概要(その二)」にも記載されておるところでもありますので、そういったことが予想されますので、そのことを踏まえながら早い機会にスタートさせたい、こう考えているわけであります。
○藤木委員 それでは、臨教審におきましてこの家庭科教育について論議がされたことがあるわけですか、それともないのでしょうか、あるいは今後論議をされるお考えがあるというふうに御承知なのでしょうか、いかがですか。
○松永国務大臣 臨教審で家庭科教育に関する事項につきまして審議がなされたとは聞いておりませんけれども、私が今、臨教審でも教育課程審議会にお諮りしなければならぬ事項につきまして答申があるように予想されると申し上げましたのは、六年制中等学校のこと等を念頭に置いて発言をしたわけであります。
○藤木委員 ですから、臨教審では家庭科教育そのものについてはほとんどノータッチ、審議の対象にしてこなかったと理解していらっしゃる、そのように受けとめてよろしゅうございますね。 実際に、教育課程審議会の答申を得て学習指導要領を改訂し学校現場で実践されるのに、十年近くかかるというふうに言われております。そういう理解でよろしいのかどうか、もっと早くするというお考えはないかどうか、今大臣はもっと早くにも教課審を開くようにおっしゃっておられましたけれども、その点はいかがですか。
○松永国務大臣 臨教審はスタートをしてまだ半年そこらでありますので、基本的な事項について御審議がなされておる、したがいまして、現在の段階のところ家庭科についての審議がなされたとは聞いていない、こう申し上げたわけであります。これから初等中等教育等につきまして、教育の内容についても審議がなされるであろうというふうに私は予想しておりますけれども、しかし、どういう事項について審議をなされるかということは臨教審みずからがお決めになることであります。
○藤木委員 そうなりますと、ますますもって臨教審の結論次第で教誤審の内容も変更があり得る、こんなふうに思えるわけですね。いずれにしましても、これは随分長い時間がかかるということを覚悟しなければならない、こんなふうにしか私には思えないわけです。 そこで、この家庭科教育が改訂されるまでの間、随分時間がかかるわけですので、この間に差別撤廃条約の精神を踏まえまして、現行の学習指導要領のもとで弾力的に履修できるようにすべきだというふうに考えるのですけれども、その点、いかがでございますか。
○松永国務大臣 家庭科教育のことにつきましては、先ほど局長がお答えいたしましたように、検討会議の報告をいただいておるわけでありますから、教育課程審議会をスタートさせましたならば、その検討会議の審議を踏まえて検討に入っていただく、こういうことでありますので、検討に入ることがそう長くなることはない、私の今までの御答弁を素直に聞いていただければ、そういうことが御理解いただけると思うのです。ただ、改訂までの間でございますが、現行の学習指導要領のもとで家庭科教育の充実に努めていくということは当然のことでございます。
○藤木委員 現行のもとで中学校の相互乗り入れだとか、高校においても男子が「家庭一般」を選択することができるわけですから、そういう努力をしている学校あるいは家庭科の教員の取り組みなども既に行われているところでございます。 そこで、男女共修を行っている幾つかの学校の生徒たちの感想文がここにございますけれども、その二、三について紹介をしたいと思います。 これは、期末テストのときに質問をされたのに答えたものだということでございますけれども、「男女が一緒に調現実習をすることによって、どんなことを考えるようになりましたか。」という問いでございます。男子は、「調現実習は昨年まではなしで今年から実行されたのはなぜかと思ったが、それは男女同権の時代だからだ」と答えております。また「調理は楽しい反面きついと思った」とか、「女の人が毎日毎日料理をつくったり、後片づけの大変さがわかった」というものや「調理はおもしろいから家庭でも交代交代でつくったらよいと思う」などという答えが出ております。女子は、「今は男子も台所に立つこともあると思うので女子は助かるだろう」とか「いずれ独立して、ひとりで暮らすようなとき役に立つ」とか「女子だけより合同の方が楽しいし、将来の生活に役立つ」などですけれども、ある女子生徒は、「女子だけのときは調味料など決められたとおりにしていたのに、男子が入ってきて、自分の好きなものをどんどん使うのを見て、自分の味が出してみたいと思うようになった」とも答えております。 このようにやられているわけですけれども、これに対しまして担当の教員は、「男女が合同で実習するだけでも、男女のあり方について、それぞれが考えるようになっている。」と述べておりますし、「将来の家庭生活で、女子だけでなく、男子にとっても役立つととらえている。」「男子は、家事労働の大切さとおもしろさを感じている子が目立つ。」と述べておられます。 これはほんの一例にすぎませんけれども、こうした積極的な実践について文部省は評価をし、奨励していくべきだと私は思うのですけれども、その点はいかがでございますか。
○高石政府委員 制度上、男子も選択できるという制度になっているわけでございますから、子供たちが自主的な選択を積極的にやっていくということ自体は結構ですし、そういう希望の生徒に対しての教育の内容を充実していくということは、やっていかなければならないと思っております。
○藤木委員 できることだからやっていっていただけば結構だ、御自由ですと言って黙って見ていらっしゃるのではなくて、せっかくそういうことに運用できるような、活用できるような施策をおとりになっているわけですから、むしろ積極的に奨励をしていただきたい。大臣、その御決意のほどはいかがですか。
○松永国務大臣 家庭において食事をだれがどういう方法でつくるか、これは夫婦でよく腹を割って話し合いをして、そうして最も適当な人がやるということでよろしかろうと思います。その場合に、もし仮に話し合いの結果、女子の方が食事等の担当をするのが多い場合におきましても、男子の側ではその仕事が大変価値のある、かつまた苦労のある仕事だ、難しい仕事だということについての正しい評価あるいは感謝の念、こういったことを持つということは大変意味のあることだと思う。その意味で、男子もその希望があるならば、現在の仕組みでは希望があれば選択して履修できるわけでありますから、そのことは大変意味のあることだというふうに思うわけであります。 ただ、いいことだから文部省が指導してということでございますけれども、まあ、余り指導ばかりいたしますと中央集権みたいに言われてもいけませんので、やはり各都道府県、教育委員会その他地方、地方の実情に応じてあるいはまた希望に応じて、制度としては存在するわけでありますから、適切な履修がなされるということは望ましいことだ、こう考えるわけであります。
○藤木委員 地方の実情もありましょうけれども、しかし、この家庭科の先生たちが一生懸命こういった実践を試みようと努力をしているにもかかわらず、それが広がりませんのは、教育委員会から好ましくないと言われたり、あるいは学校からそこまでやらなくてもというようなことが言われてなかなかできないんだという悩みも伺っているわけです。ですから、指導、指導ということで、それをやれというふうに私も申し上げているわけじゃございませんで、そういった実践が行われているところに対してはそれ相当の評価を正しくとって、そしてそれが進められるようにすべきだということを申し上げているわけでございます。 外務大臣、今の議論をお聞きになったと思います。差別撤廃条約の精神に沿いまして我が国の家庭科教育の充実が図れますように、これは外務省といたしましても積極的にこの条約を結ばれるわけですから、その責任において全うしていただきたい、このように思うのですけれども、いかがでございますか。
○安倍国務大臣 文部省でも努力されまして、一応とにかく条約を批准する条件が整ったわけでございまして、これから審議会等も開かれるということでありますから、その審議会によりまして、これまでの結論が推進されることを期待しております。
○藤木委員 では次に私、教職員の勧奨退職基準年齢の男女差別についてお伺いをしたいと思います。 この男女差を解消するために、私ども日本共産党は一貫して取り組んでまいりましたけれども、それでも昭和五十八年度の時点では、富山、福井、徳島の三県でまだ男女差別が残っておりました。これらの県については、その後是正をされておりますでしょうか。
○松永国務大臣 五十九年度末においてはすべて解消いたしております。
○藤木委員 それは大変結構なことでございます。 次に、看護休暇についてお伺いをいたします。 教員の間で、看護休暇制度を要求する声が強まっております。これは高齢化社会を迎え、ますます切実となってくることは明らかですけれども、男女労働者、家族的責任を有する労働者の機会均等及び平等待遇に関する条約、ILO条約の第百五十六号と、これに関する勧告、百六十五号の精神を踏まえますならば、この制度の検討は必要ではないかというふうに考えるのですけれども、いかがでございましょうか。
○阿部政府委員 看護休暇についてのお尋ねでございますけれども、この問題はひとり教員の問題ということではなくて、公務員全体に通じるような問題である、こう考えておるわけでございますので、これは人事院を初め、関係省庁において今後検討されていくべき事柄であって、教員についてだけ文部省で考えるという性格のものではない、こう判断をいたしております。
○藤木委員 私たちの国でも、例えば静岡、清水市などで行われている例があるわけですね。無給ではございますけれども、一年間ここではとれるようになっております。共済と互助会で給与の七割を保障いたしまして、本人の選択によって有給をとることもできるというようになっているわけです。また群馬では、十五日ないしは九十日間、これは現在試行期間としてやられているようでございますけれども、それだけの休暇をとることができる。東京も四十日間ございまして、有給をこれにプラスいたしますと二カ月間とることができるようになっているわけですね。 看護休暇制度は、当面の現実的な制度であるというふうに思いますので、もちろんほかの省庁との関連もございましょうけれども、文部省は独自に教員の問題について前向きに取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでございますか。
○阿部政府委員 ただいま御指摘がございましたように、一部の自治体においてそういう制度が設けられているところがあるということは承知をいたしておりますけれども、教員に限ってあるいは公務員に限ってということでなくて、一般の普通の勤労者の方々も同じような問題が恐らくあるのだろうと思います。教員についてだけ、突出して何らかの措置をとるという考え方は現在持っておりません。
○藤木委員 その自治体の数など御存じだというふうにおっしゃったのですけれども、詳しくおわかりでしたら、後ほど資料をちょうだいしたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
○阿部政府委員 私どもで幾らか聞き及んでいる面はございますけれども、文部省所管事項ではございませんので、必要な場合には自治省の方へお願いを申し上げたいと思います。
○藤木委員 その問題は、独自に文部省だけでやるわけにはいかないというふうに繰り返しおっしゃるわけでございますけれども、やはりどこか突破口をつくっていただかないといけないというふうに私は思うのです。 文部省の中にもそういう職員の方がいらっしゃいまして、これが実現できるとありがたい、どこからでも実現できるとありがたい、こんなふうにも言っていらっしゃいまして、御両親が随分長い間思っていらっしゃるので、一日一万円ずつのお金をかけて、夫婦共働きで一生懸命やっているけれどもたまらないということをおっしゃっていました。高齢化社会というよりは、高齢社会にもう足を踏み入れているわけですから、これは猶予のできない問題ではなかろうかというふうに思います。大臣も、その点ではひとつ御配慮をいただきますようにお願いしたいと思いますが、一度御検討いただけませんでしょうか。
○松永国務大臣 今局長が答弁したとおりでございまして、公務員全体にかかわる問題でありますから、これは人事院その他関係省庁で検討していただくことだ。そしてまた、それは地方公務員だけでなくて国家公務員にもかかわることでありますし、バランスの問題もありますので、教員の問題を取り上げて文部省が突出した行動をするつもりはございません。
○藤木委員 時間が参りましたから、これで質問を終わります。
○愛野委員長 次に、江田五月君。
○江田委員 予定の時間が多少ずれ込んでおりまして、参議院の方で文部大臣を呼ばれているそうですから、文部大臣にはまた文教委員会でゆっくりと御高説を伺うことにいたしまして、どうぞ参議院の方にお出かけください。 そこで、外務大臣の方しか残っておらないので外務大臣に伺いますが、この条約は漸進性を持っているのだからというわけですが、漸進性ということはどういうことなのか、説明してくれますか。
○斉藤(邦)政府委員 この条約は、究極的には条約第一条に定義されております「女子に対する差別」を撤廃することを目的としております。しかしながら、この条約が対象としております事項は、社会状況の変化や進歩、人間の意識と深い関係を持っておりますので、条約の目的を直ちに一〇〇%実現するということは実際上困難がございます。したがいまして、この条約自体も、男女平等の達成には相当長期的なプロセスが必要であると認めている規定がございます。この点は、条約の審議経緯等に合わせても明らかでございます。したがいまして、条約批准時にこの条約の規定しておりますすべての規定を一〇〇%満足していることが必要ということではなくて、それぞれの締約国が自国の状況に応じまして、この条約の目的を相当程度の実効性を持って確保できる措置をとっていれば、この条約の批准時における義務を果たしたという意味におきまして、漸進性が認められているということを御説明している次第でございます。
○江田委員 つまり、現実の世の中の今の姿と、この条約がこういうふうにならなければいけませんよと言っていることとが開きがある、だけれども、この条約というのは啓蒙的な目標を持った条約なんで、そっちの方向に行こうとみんなが努力をする、その一歩が踏み出されておれば条約の批准はできるということですね。しかし、一歩踏み出した、しかしそこでとまってしまったら、それは漸進性を満たしていると言えるのですか。やはり少しずつ前へ進んでいないと、漸進性を満たしていると言えないのじゃないですか。
○斉藤(邦)政府委員 我々としては、その方向に向かって一歩を踏み出したということだけでは不十分だと考えておりまして、何がこの漸進性のもとで認められる適当な措置かということは、各締約国政府が具体的状況の中で自主的に判断する次第でございますけれども、それぞれの事情のもとにおいて最大限の努力をして、相当程度の実効性を持って条約を実施できるような措置をとらなければいけないというふうに考えております。
○江田委員 そこで、教育の場面でのこの条約の条件整備のことですが、この十条(b)項に「同一の教育課程、同一の試験、同一の水準の資格を有する」云々とあるわけですが、この「同、」ということですね。今の日本の教育の現状ではなくて、この条約が教育というのはこうなければならないよと理想としておる、予定しておる「同、」ということは、どういうことですか。
○斉藤(邦)政府委員 「同、」ということは、全く同じということでございます。十条で言っておりますのは、全く同じ教育課程を享受する機会を男女平等に与えろということでございます。
○江田委員 そこで、今はそうなっていない、特に家庭科がそうなっていないというわけてす。高等学校の家庭科はそうなっていないことが明らかですが、中学の「技術・家庭」はいかがですか。
○高石政府委員 中学校の技術・家庭科についても、改善をしていかなければならないと思っております。
○江田委員 外務省の方は、中学の「技術・家庭」についてはどういう認識ですか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 今文部省の方から御答弁ございましたが、外務省といたしましては、現行の中学校の家庭科の扱いにつきましても、女子に対し技術や体育の授業を受ける機会を必ずしも平等に与えておらないので、全般的な見直しの中で、先般報告書で同一の課程にするという決定がされておりますので、その方向で実施されるものと思っております。
○江田委員 中学の現在の「技術・家庭」の履修の状況は、「同一の教育課程」とは言えないというわけですね。 そこで、これを改める方向に一歩踏み出したという御認識をお持ちのようですが、この家庭科教育に関する検討会議の報告は、現行の「高等学校の「家庭一般」の履修の在り方」はいけない、しかし「それとの関連で中学校の「技術・家庭」の在り方を考える」と言っているだけであって、高等学校のあり方を変えるときにそこへつながる中学の「技術・家庭」を考えようというだけであって、この条約の目指すものと中学の「技術・家庭」のあり方との間に開きがあるから、どうかしようというふうには言っていないのじゃないですか。どこでそういうことが読み取れるわけですか。
○高石政府委員 高等学校の「家庭一般」につきましては、明らかに女子のみ必修で、男子は選択である。したがって、「同一の教育課程」が保障されていないということになります。 中学校の場合には、技術・家庭科として選択の領域を、男子は技術系五つの領域、女子は家庭系五つの領域、そして男子は家庭系の中から一領域を含む七領域の履修ということで、いわば履修の形態としては同じような仕掛けになっているけれども、選ぶ材料が限定されている。したがって、必修、選択というようなことではなくて、材料選択の幅が偏っているということで、これを平等にしていくということは必要であろうと思っております。
○江田委員 何かいろいろおっしゃいますが、七つの領域があって、女子はこっちの領域、男子はこっちの領域、間にちょっと共通領域があるというのが「同一」でないことは明らかなんですね。一歩踏み出したと言うならば、やはり中学についてもきちんとした踏み出し方をしなければおかしいんじゃないか。外務省の方は、一体この報告のどこで一歩踏み出したということを読み取っておられるわけですか。
○斉藤(邦)政府委員 「今後の家庭科教育の在り方について」の最後のページの3のところの表現、これをもちまして文部省としての方針が打ち出されたと了解しております。
○江田委員 これでこの条約の批准に向けての国内整備のための第一歩が踏み出されたという理解をするのは、外務省として随分甘いんではないかと思います。この三項は、これは中学の方も一層の充実を図ることが必要なんだということを書いてあるだけなんじゃないかと思うのですがね。 時間が参りましたが、外務大臣、教育についての男女の平等ということについて、最後にひとつ御所見を伺って質問を終わります。
○安倍国務大臣 教育につきましては、男女共学といった理念もありますし、教育基本法その他によりまして日本の教育も男女の差別というものについては基本的にはあり得ない、そういう方向で進んでおると思いますが、ただ、条約に加盟する、条約を締結するという中で、条約の精神に従ってやらなければならない問題点があるということで、これまで努力をしまして条件を整えたということでございます。 これから、今御指摘があったような問題につきまして、この条約を締結した以上は、条約の趣旨を誠実に守っていくというのは、日本政府の国際的な責任として生まれてくるわけでございますし、これに対する国際的な監視というものも行われるわけでございますから、政府としてこれから積極的にこの精神を実行していくということでなければならないと思います。
○江田委員 終わります。
○愛野委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後一時十四分散会 ――――◇―――――