外務委員会 第12号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/05/15
会議録
○愛野委員長 これより会議を開きます。 米州投資公社を設立する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林進君。
○小林(進)委員 きょうは法案の審議でございまして、米州投資公社を設立する協定についての質問日ということで設定されたようでございますので、問題をこれに限りまして御質問をいたしたいと存じます。 第一に、私はこの協定書を読みまして、どうも最近の法案のつくり方がさっぱりわからないので、まず事務的にひとつ外務省のお役人にお伺いいたしたいのでございますが、例えて言えば、第何条というのを見ますと、この第何条の中に第何項があって、その項の中に(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)があって、そのまた(c)のところで(ⅰ)(ⅱ)から(ⅷ)(ⅸ)までいっているんだが、こういうのを一体何と読めばいいのか。まず、その読み方をひとつ私はお教え願いたいと思うのでございます。 あなた方はちょっと私の質問の要旨がわからないと思いますから、例えて言えば、「第四条 組織及び運営」の項目を見ますと「第二項 総務会」というのがある。その中に(a)(b)(c)があって、(c)のところまで飛んでいくと、今度は(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)とこういうふうに(ⅸ)まで飛んでいるんだが、こういうのを我々が読むときに何と声を立てて読んだらいいのか。まず、その読み方を教えてもらいたい。
○斉藤(邦)政府委員 ただいまの第四条を例にとって申し上げれば、読み方の問題でございますが、まず第四条と読みます。それから第二項。それから(a)(b)(c)、これにつきましては、ただエー、ビーと言う場合もございますが、(エー)、(ビー)と読む場合もございます。それから(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)のところ、これはただイチ、ニ、サンと読む場合もございますし、(イチ)、(ニ)、(サン)というふうに読む場合もございます。
○小林(進)委員 一つの国際的な条約に準ずべき協定です。これは法案ですから、法律ですから、こういう不格好な、いわゆる書けばいい式の安易な条文のつくり方は先進国の名誉にも関するから、まずそういうところから姿勢を正しておやりになったらどうか、私はそういう忠告を言っているのです。いいですか。私どもも法律をやってきましたけれども、こんなふまじめな条文の並べ方なんかない。こんなのは堕落です。いやしくも、皆さん方も法律で飯を食って、この国会の中で法案を処して、我々に審議をしてもらいたいならば、まずこういう体裁からひとつ直すという厳格な姿勢をとどめてもらいたい。これが一つです。 それから第二番目として私は申し上げますが、こうやって皆さん方がこの協定書をお出しになった、説明書もある。あるが、この関係国が六年か七年間、この問題に対し場所を変えて審議をされている。その審議の過程において議題の中心になったものは何かというのが、一つも説明されていない。こんな不親切な、でき上がったものを解説書をつけて我々に回してきただけであって、これに至るまでの過程における論議のポイント、議論の中心が何であるかということが一つも羅列されていない。 これは、外務官僚の一番悪いやり方なんです。なるべく問題のあるところは伏せておいて、自分たちのものでもう済んだものは、立法府なり委員会などはなるべくさっさとごまかした形で過ごしてしまうという、小ざかしいやり方なんです。本当に立法府に対してまじめに審議をしてもらうというならば、この五年、六年、関係各国の間で真剣に審議されて、そこで指摘をされたポイントは、何よりも先に我々の前に提示されるべきが本当だ。そういう姿勢が一つもないじゃないですか。この問題はどうですか。
○斉藤(邦)政府委員 まず第一点の、みっともないではないかという御指摘でございますけれども、我々といたしましても、法律的にきちんとした文書を国際的にもつくるように努力をしております。ただ、内容が複雑になりますと、だんだん細分化していくような規定をつくらざるを得ないわけでございます。したがいまして、条の下に項があって、その下に(a)(b)(c)があって、その下にまた(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)(ⅳ)がある。なかなか複雑な構成にならざるを得ないわけでございますが、御指摘の点は、我々も十分いつも意を用いているつもりでございまして、わかりやすい、きちんとしたものをつくるように、今後とも努力をしたいと考えております。 それから、第二点の説明書の点でございますが、説明書についても私どもといたしましては、これをお読みいただければ大体の背景がわかるように、短くまとめるという要請もございますけれども、大体の背景をおわかりいただけるようにという配慮をしてつくっているつもりでございますけれども、なお不十分な点がときどきある点は申しわけないと思っております。 この説明書につきましても、限られた長さの中では我々経緯を書いたつもりでございましたけれども、今後ともこの説明書が実際上の役に立つという観点から、なお一層の努力は続けてまいりたいと存じます。
○小林(進)委員 この説明書につきましても、これは解説書です。三十四カ国ですか、しかし関係国は三十四カ国じゃない。これは時間があれば、私はきょう一日質問をやらしてもらうつもりでしたが、時間を見たらどうもそうはいかない。途中に……(「次回がある」と呼ぶ者あり)次回があるなら、それはそれでよろしい。それじゃまた、次回に楽しみを残しておきます。 問題に入りますけれども、こんな説明書じゃ、いわゆる関係国の中でどこが一番議論の中心になったかということがちっともない。それを私は指摘している。問題のポイントはやはり我々に指摘してもらって、そこでこっちで賛否の議論が出てくるということでなければ、深みのある立法府の審議というものはできませんよ。私はそれを申し上げているのですが、次も質問時間があるそうですから、きょうはこれはこの程度に問題点を指摘しておきまして、次に外務大臣にお伺いいたします。 まず、今言った問題を外務大臣に聞こう。この協定ができるまでの間に、関係国の間で一番議論の沸騰した点は何と何で、どことどこでございますか。ちょっと焦点をお教え願いたい。
○藤田(公)政府委員 事実関係の問題でございますので、最初に私から御説明させていただきます。 先生も御承知のとおり、中南米諸国には、昭和三十五年に業務を開始いたしました米州開発銀行というのがございます。アジア地域にはアジア開発銀行、それからアフリカにはアフリカ開発銀行とそれぞれ地域の銀行がございますが、中南米の地域の特殊性と申しますのは、民間の活動が割と大きいということが申せるのではないかと思います。 我が国と中南米の関係を見てみましても、政府開発援助だけをとってみますと、御承知のとおり日本の場合には七割がアジアで、一割ずつが中南米、アフリカそれから中近東というふうに、大ざっぱな姿はそういう形になっておりまして、中南米に向けられております我が国の政府開発援助は一割、九・九%ぐらいでございますが、これを実は民間レベルの協力をも含めた数字で見ますと、我が国の広い意味での対外経済協力の三割ぐらいが中南米に向けられているということで、やはり民間ベースでの協力の重要性というのは、日本にとっても中南米の地位は大きゅうございますし、これは世界の国にとってもそういう状況にございます。したがいまして、この米州開発銀行が行っている業務に加えまして、中南米におきます特に民間中小企業と申しますか、そういう民間活動に対する融資及び投資の活動を行う機関が必要であるということについては関係国、域内国及び域外国の認識は一致していたんだということが申せるかと思います。 そういうような状況を反映いたしまして、説明書にも記してあるかと思いますが、昭和五十四年に民間企業に対する直接投資拡大等を目的とする機構の提案が行われました。その後、いろいろの議論の過程を経て、最終的に本日御審議を願う姿の米州投資公社という形の協定案になったわけでございますけれども、その間、株式投資のための多目的信託基金を設立したらどうかとか、いろいろな提案、アイデアが提示をされまして、いずれにせよ新しい機構をつくるということでございますので、その必要性は一般的には合意は見ていたわけでございますけれども、どの程度の機構をどういう目的でつくるかということでいろいろな提案が出、議論が行われた結果、最終的に昨年御提示したような形の協定案になった、こういうのが今までの経緯でございます。
○小林(進)委員 私のお聞きしたいのは、あなたの言われた後半部分だ。ここに至る間に各国の間でどういう議論がされたか。多国籍企業を入れるかどうかという議論があったということだけで、むにゃむにゃと済んでしまったけれども、私はそれをもっと具体的に聞きたかったのだが、これではどうも議論が進みませんから、ひとつ具体的に順序を追ってお聞きいたします。 この公社は、いわゆる米州開発銀行の一つのブランチじゃないが、一つの補完機関としてでき上がった。これは米州開発銀行の補完機関だ。その米州開発銀行に加入している国は、域外でも十五カ国あるわけであります。その十五カ国ある中で、今度の米州公社へ入った国は九カ国だ。六カ国は入ってない。その中でもイギリスのごとき、いわゆる有力なる加盟国がこの公社の中には入ってない。これは一体どういうことなんだ。まず、これから聞いていこう。十五カ国のうち九カ国しか入らない、六カ国が入っていない理由は一体何か。
○藤田(公)政府委員 ただいま御指摘のように米州開発銀行の加盟国、この中で域内国、米州の国でございますが、域内国では先進国としてはカナダ、開発途上国としてはスリナム、この二カ国が入っておりません。それから域外国では、今御指摘の英国を含めまして七カ国がこの公社には入っておりません。 これらの理由につきまして、この審議の過程、それからその後の各国の態度等について、それぞれ照会聴取をいたしました結果等を御報告させていただきますと、スリナム、ベルギー、フィンランド、ポルトガル、英国及びユーゴスラビア、このうちスリナムだけが域内国でございますが、これらの国の申しております理由は、押しなべまして財政赤字、援助予算の逼迫、外貨事情の悪化というようなことを理由にして、当面見合わせるという態度をとるという説明をいたしております。 ただスリナム、これは域内国の開発途上国でございますが、スリナムにつきましては加盟を拒否しているということではございませんで、自国の財政状況を見ながら、加盟検討中の段階にあるというのが今の状況であると承知しております。 それから英国、ベルギー、フィンランドにつきましては、公社が発足いたしました後、この公社の運営状況等進展を見守りまして、将来、適当な時期に加盟について再検討することを予定しているというふうに聞いております。 それから、ユーゴスラビアについて打診をいたしましたところ、ユーゴスラビアは自国の外貨事情が好転すれば加盟を検討するということを申しております。 カナダ、デンマーク及びスウェーデンにつきましては、どういう理由で公社に加盟しないのかということをはっきり明言はいたしておりませんけれども、種々の発言等から推測いたしますと、当面この公社の活動状況を見守ってから、態度を決めていこうという方針であるというふうに私どもは理解いたしております。
○小林(進)委員 今局長が言われたのは、私どもにとっては建前論です。しかし、それは正面から言うのではなくて、その陰にはまだいろいろ各国の思惑が絡んでおる。特に英国のごときは、国の財政が赤字だからということを建前にしているが、中はそんなものじゃないということも私どもは聞いているのです。聞いているのだが、これだけ押していったのでは話にならぬから、この協定はきょう通るのじゃないというからネックにしておきますよ。また次に私はきちっとお伺いしましょう。だから機構に問題がある。いわゆる米州銀行に加盟している国の中で半数近くがこの公社に入らないというところに、一つの問題点がある。これをまず指摘をしておきますよ。 それから第二番目にお伺いいたしますが、この協定の後ろの方に「付表A 公社の授権資本株式への応募」という表が出ておるが、域内の発展途上国というのを三段階に分けているのだ。何でこれを三つに分ける必要があるのだ。アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラを一つのグループ、次はチリ、コロンビア、ペルーを第二のグループ、三番目をたくさんごちゃごちゃと第三グループにして分けているが、なぜ一体こういう三段階に分ける必要があったのか、まずそこら辺からひとつ聞いていきましょうか。
○木幡説明員 お答え申し上げます。 これは国の経済力等を勘案して、カテゴリー的に分けたものだというふうに推定されます。
○小林(進)委員 ごちゃごちゃと何言っているの。いま一回、これをわかるように言ってみてくれ。
○木幡説明員 アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラでございますが、その国の経済力等を反映いたしまして、こういう国に対してはより大きな割り当てがなされているということで、経済力を基準として比較的大きな払い込み株式数の割り当てがある国を、ここでまず第一にアルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラというふうにくくっている、まずそれが第一点。それから、その次に来るカテゴリーとしてチリ、コロンビア、ペルーというふうに分けているわけでございます。その他もずっとごらんいただきますと、大体その比率で国が並んでいる、こういうふうにお考えいただきたいと思います。
○小林(進)委員 どうも今の説明、あなた、自分だけわかって言っているが、こっちはさっぱりわからない。経済力を基準にして三段階に分けた。アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラは富裕国だ、二番目にチリ、コロンビア、ペルーは少し中産階級だ、三番目は貧乏国だ、こういうふうに決めつけた、これは私は、国家に対する名誉を棄損する問題じゃないかね。おまえは富裕国だ、おまえは中産国家だ、おまえは貧乏国だ、その定規は一体どこにあるのだ。
○藤田(公)政府委員 このように国際金融機関等で出資の割合などを決めます場合には、当然のことながらいろいろな折衝、交渉過程を経て決定いたしますので、その経緯をちょっと簡単に御説明させていただければ御理解を得られるのじゃないかと思います。 一番初めに公社のシェアの配分でございますけれども、借入国と先進国のシェアをまず五五対四五ということで開発途上国に割り振るということにされまして、今度は先進国のうち米国につきましては、これまでの世銀のグループにおいて米国の占めておりますシェア、例えて申しますと、世界銀行のグループの中でただいま御審議をお願いしております米州投資公社にほぼ似たような地位にあります国際金融公社という、やはり民間を対象に金融活動を行う公社がございますが、この国際金融公社におきましてアメリカが占めておりますシェアが四分の一強、二六・九七%という姿になっております。このような前例等も考えまして、米国につきましては二五・五%のシェアを与えるということになりました。その残りの一九・五%を日本を含みます域外先進国に配分をするということで、実は日本の配分も決まったわけでございます。 他方、中南米諸国の中における配分につきましては、ただいま御説明を申し上げましたように、今例として挙げられました第一グループの四つ、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ等が最も富裕な国であるということは、中南米の地域におきましては一応確立しておりますし、それからシェアの後の方に注記してありますけれども、この四カ国は、それぞれ今後出資額の比率についての立場をある程度記録にとどめるというような主張をしております。このような形でこの第一グループが決まり、次いで第二の中進国と申しますか、チリ、コロンビア、ペルーの地位が決まった、そのほかの貧困な国のシェアを決定した、こういう経緯でございます。
○小林(進)委員 君は、僕の質問したことだけ答えればいい。何も質問しないことをあっちへ飛んだりこっちへ飛んだり、だめだよ。要点だけ言ってくれなければ、いたずらに時間が過ぎるだけだ。これはだめだ。今の出資国をこういう三段階に分けたこと、アメリカを入れれば四段階になる、これは了承できないが、だんだん時間が迫ってくるから、この問題もネックにしておいて次に移ります。 アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ、このAランクの四つの国だけ眺めても出資額が違うのだ。パーセンテージにおいてアルゼンチンとブラジルは一一・六三六%、金額にして二千三百二十七万ドル、そこへいくとメキシコはがたっと落ちて一千四百九十八、ベネズエラに至ってはさらに落ちて一千二百四十八、同じA組の中でも出資額を変更した理由はどこにあるのですか。藤田君、君は余りごちゃごちゃ言わないでいいから、そのものずばりでぱっぱと答えてくれ。
○愛野委員長 ぱっぱ答えて。
○藤田(公)政府委員 これは、交渉によってこのような形に決定したということが、一言で申しますとお答えになるかと思います。ベネズエラは、確かに一人当たりの所得は非常に高い国ではございますが、人口等から見ますと、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ等に比べますと、国力ということから申しますとこの程度のシェアになるということで、協議の上決められたのがこの姿であるということでございます。
○小林(進)委員 僕は、ささやかな知力によれば、中南米を含めて一番指導的な力がある国は、ベネズエラは別として、メキシコと言われているな。A、B、Cに分けるという従来のしきたりがあるが、Aランクの中にはブラジルもアルゼンチンも入るだろうけれども、その上に飛び抜けて超Aはメキシコだというのが通説になっておる。そのメキシコが、ブラジルやアルゼンチンよりも出資額が少ないというのはどういう意味なんですか。 これは質問していけばいいんだが、時間がないから僕もしゃべり過ぎるけれども、しかも米州銀行の総裁がこの公社のキャップになるわけだ。ところが、その米州銀行の総裁というのはメキシコから出ている人なんでしょう。そのメキシコから総裁が出、公社の、総裁がこっちも、総務会の会長だ、これも出るんだ。その出身国であるメキシコが、アメリカはもちろんだが、一体ブラジルやアルゼンチンよりも出資金が少ないというのはおかしいじゃないですか。米州銀行の総裁はかわるのですか。この公社の総裁は一体だれがなるのか、あわせてそれも聞いておこう。
○藤田(公)政府委員 これはまさに先生御指摘のとおり、メキシコはもうちょっと多い株式を応募したいという希望がございまして、これは付表の注の2というところに出ておりますけれども、メキシコの代表団は、メキシコが余りこの主張に固執して、当初の二万株という発足のときの株式数を超えてしまうという事態を回避するために、この割り当ての一千四百九十八株で了承する、しかしながら、今後メキシコとしては、一層大きな株式参加を実現するという希望を記録にとどめておくということを注記いたしまして、こういう結論に合意したということでございます。同じことはベネズエラについても、希望を放棄してないということが書いてございます。こういう状況でございます。
○小林(進)委員 今、私が聞こうとしたのはそこなんだよ。この注の中に、メキシコの代表団はこの自国に対する割り当てに対して満足してないんだ。してないから、こういう云々だ。「メキシコの代表団は、希望応募株式数の総計が二万株を超過することにより公社の業務の開始が妨げられる事態を避けるため、この付表に掲げる株式数に応募する。同代表団は、体系的な客観的指標を通じてメキシコの経済及び人口の規模並びにその開発過程における財政援助の必要性の程度を一層十分に反映させるため、多数国間機関において一層大きな株式参加を実現するとのメキシコの希望を記録にとどめることを主張した。」これは文章はこれだけだが、これをもっと解説しましたら、この割り当てに対して非常に不満だという意思を明確に表明しているんじゃないの。そういうことじゃないですか。 ベネズエラは、これはメキシコやブラジルから見れば国土も規模も小さい。ただ、石油が出る。その石油も最近は大分衰えてきたから、往年のような力はないだろうけれども、それにしてもやはり、速やかに業務を開始することができるというのを条件にして、まあまあこの割り当てにやむを得ず賛成するわいということで、この言葉の中にも言外に多くの不満が含まれていると私は思うんだよ。これをいま少しわかりやすく解説してみてください。
○藤田(公)政府委員 解説と申しますか、ここに注記しておりますところが、集約してベネズエラ、メキシコ及びアルゼンチン、ブラジルの出資のシェアを決定するに際しましてとりました態度の簡潔な概要であるということが申せるかと思います。やはり各国とも、自分の国の地位と申しますか、まさに先生が御指摘になったように、メキシコはアルゼンチン、ブラジルと肩を並べる大国なのに何だと、こういう差別的といいますか、少ないシェアというのはプライドと国の自尊心の問題もございますし、現在経済情勢が非常に苦しいとはいいながら、やはり他のアルゼンチン、ブラジル並みの地位を得たいという希望は持っていたのだと思われます。これも結局、各国の交渉の過程でこの希望をこういう形で注記に残すということで、みんな一応満足して発足にこぎつけたというのが今の状況でございます。
○小林(進)委員 ようやくあなたは問題の本質に触れてこられましたけれども、このようにAクラスの中でもメキシコ、ベネズエラが、アルゼンチン、ブラジル等に比して自分の割り当ての少ないことに対して、非常に不満を持っているということが明らかになった。私は、この不満は、先ほども言ういわゆる域外の出資国の中のイギリスやあるいはその他の国が加盟しないところにも、同じような不満がうっせきしているのではないかということを考えざるを得ない。 得ないのだけれども、先ほどそれは答弁をしなかったから、これは私は問題点を残しておきましたけれども、一体メキシコは、あなたが今言われたように、比べてみればアルゼンチンやブラジルよりももっと国力もある国なんだ、今借財は別にいたしましても。その国が、こういう出資額がブラジルやアルゼンチンや何かよりも少なく割り当てられたということ、これはだれがやったかということなんです。あなたは先ほどから、審議、協議の過程の中でそうなったと言われるけれども、やはりそこに一つの目に見えない何かの力が動いたのじゃないかということを勘ぐらざるを得ないのだが、その点はどうかね。フランクにひとつ答弁をしてみてくれないかね。
○藤田(公)政府委員 各国の交渉でございますから、その間いろいろの、中南米の中における世論とか、そういうものの影響というのは当然あるかと思いますが、ただ、一つだけ例証として申し上げますと、この母体と申しますか、米州開発銀行本体の出資のシェアを見てみますと、アルゼンチンとブラジルが完全に同じで一一・九%、それに対しましてメキシコが七・六五%ということになっております。ちなみにベネズエラは五・六〇でございますか、要するにこういうようなシェアも一つの決定の際の参考として利用されたということは言えるかと思います。
○小林(進)委員 理事会での話では、何だか外務大臣は十五分ばかり参議院へ行ってくるというような話でございましたけれども、先ほどから見ておりますけれどももう二十分も姿が見えないようですが、あるいは生理的現象であるというならそれは別でございますけれども、理事会の話と少し違うように思うので、私はちょっと委員長の注意を促しておきます。 さて、これは参考までにちょっと聞いておきます。先ほども言うようにメキシコの出資額は少ない。これに対して、今の米州銀行の総裁はメキシコから出ているが、これは予想ですからわからぬけれども、将来この総裁はメキシコから出るのを外されるという懸念はありますかどうか。これは見通しですから、予想の問題ですから、一問だけ聞いておきます。
○藤田(公)政府委員 米州銀行の総裁の任期は、あと一年ということでございます。
○小林(進)委員 これは当然、一年たつと外されるという懸念がありますな。そういう含みが、この中の、株の割り当てをする中にあるのではないかということを私は懸念している。こんなのがまた将来トラブルの種になっては困る、そんなところに日本が入っては困るという懸念で私は質問をしたわけですけれども、一年後の仕上げを見ることにしましょう。 それから次に申し上げますが、この出資金の中で、アメリカだけが一国二五・五%、これはぼこっと突出して出しているが、アメリカが四分の一以上の出資金を負担されたという、その原因は一体どこにあるのでございますか。
○藤田(公)政府委員 これは、米国の国力と申しますか、これを反映いたしまして、米州開銀、それから世銀グループ、アジア開発銀行も御承知のとおり一位でございますが、パーセントは違いますけれども、シェアにおきましては米国が大体一位のシェアを持っております。 この二五・五%というシェアの背景は何かという御質問でございますけれども、これは世銀グループの、本米州投資公社に類似しております機能を持ちます国際金融公社の出資比率で米国が占めております比率が二六・九七%ということで、やはり四分の一強を占めております。こういう例等を勘案しながら、米国の出資比率を二五・五にしたというのが交渉の過程でございます。
○小林(進)委員 あなたは過去の例を言われまして、おっしゃるように国際金融公社二六・九七%、それから米州銀行にはアメリカは三六か七かそこら辺を出している。そういうことの前例に準じて二五・五%は妥当であるというふうな御答弁だが、往年に比較してアメリカの国際社会における指導力というものはだんだん落ちてきた、経済力なんかは日本にまくし立てられていつも悲鳴を上げている。借金国に転落した。アメリカは債務国ですよ。そのアメリカが米州投資公社に対するだけ往年の夢を追うて、そして出資額の二五・五%、私はこれはどうも腑に落ちないんだ。 それ以外の、日本も含めた域外国の出資額は総合計で一九・五%、そんな状態。域内国はABCに分けて合計五五%、過半数を占めなければならないということで、域内諸国の発言力が一応確保された形になっているが、いずれにしても、アメリカが一国で二五・五%を占め、我々域外国が束になっても及びもつかないような強力な力を持つようなことになっていることは、何かこの公社の中でアメリカが特別に主導権を持とうとか、権力を持とうとか、自己の恣意を通そうとかというような意図があるのかどうか。国力を背景にした割り当てだということではなしに、何かもっと隠された意図があるのではないか、そういうことを、あるならばあるでひとつフランクに説明をしていただきたいと思うのであります。
○藤田(公)政府委員 隠された意図云々ということは特にないかと思いますけれども、アメリカとしては、本件、米州投資公社の設立というものに積極的に参加することによって、米州地域内における経済開発、特に民間経済活動の強化を通ずる経済開発というものに、積極的にイニシアチブをとっていこうという態度のあらわれかと承知いたしております。
○小林(進)委員 どうも私は、歯に物が挟まったようで、素直な気持ちでこれは受け取れないのですが、次に今度は、時間もないから駆け足で言いましょうか、この構成は、総務会、理事会、委員会、社長それから公社の職員、こういう構成になってくるわけだが、我が日本は、米州開発銀行の中には大蔵大臣が何か総務か理事というのか入って、日本銀行の総裁がその理事か総務の代理という形で登録されているようだが、このできる公社の総務、理事、委員それから社長、職員、その中に日本の我々の仲間が一体どれぐらいポストを占めることができるのか、大方の見通しもつけて説明をしていただきたい。
○藤田(公)政府委員 総務会は、御承知のとおり米州開銀の総務会が入りますので、当然のことながら我が国も入りますが、理事につきましては、域内国九それから米国及び域外国が三名ということになります。 それで、この域外国の理事三名のうち日本が選ばれるかどうかというのは、まだ今後の状況を見なければ何とも申せないかと思います。
○小林(進)委員 そこで、私は申し上げるんだが、加盟国は今のところ三十四カ国ですな。その三十四カ国の中で、アメリカだけはトップだ。これは一国、いつも別待遇。その次に域外が九カ国、それから域内が二十四カ国。その二十四カ国から九名の理事を出し、アメリカが優先的に、これは特権としても一理事を確保している。そうすると、我々域外国九カ国の中で、あなた、三名とおっしゃったけれども、二名じゃないですか。二名を出すことになっている。二名を出すことになっているんだが、その二名の中で一体日本が入れるかどうかということが一つと、それから、法案を読んでみれば三名じゃないだろう、あとの一名はおかしな文章になっていて、これはそこまで読んでいると時間がないからやめるけれども、ごちゃごちゃと書いておいて、あとは特別にまた同じ条件で一名を追加することができるというふうな意味のことになっている。 三名なら三名と書いたらいいじゃないですか。二名にしておいて、あとの一名は、何か域外からも追加することはできるけれども、域内からもまた追加することができる。域内と域外で両方で引っ張り合いっこして一名の理事をとることができると言うから、この文章だけ読んでみると、域外の三名は二名で、そうして域内の、あなたの言った九名は十名になったり、こっちが三名になったら向こうは九名という、こう一名不安定なものがあるじゃないか。一体、なぜこういうばかげた法の成文化がされなければならなかったのか、そういうこともあわせて聞いておかなければならぬ。大体、この協定は文章になっていませんよ。
○藤田(公)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、域外国の理事二名と書いてありまして、三人目が何か不分明と御指摘がございましたが、若干説明つきの理事が選ばれるような形になっております。 この規定自体、私も読みましてどうしてこういう経緯になったのか、もちろん調べましたのですが、この協定の交渉過程におきまして、先ほど申し上げましたような域外先進国にバランスをとりまして三名の理事を割り当てるということでは、実は合意があったわけでございます。しかしながら、本米州投資公社の理事は、原則として米州開銀の理事から選出されるということになっているのでございますけれども、米州開銀の域外国の理事が二人だものでございますから、三人目の理事をどういう形で選出するかということについて新しく合意をしなければいけないという必要がございまして、したがいまして、今先生がお読みになりましたような、若干回りくどい表現で三人目は別途選んで任命をするというような姿になっているというのが、この条文のできました経緯でございます。したがいまして、域外国は一応三名であるということについては、みんなの合意があるということで御理解いただいてよろしいかと思います。
○小林(進)委員 こんなところで足踏みしていると、さっぱり大切な問題の質問ができないから私も嫌なんですけれども、あなたの説明を聞くと、あなたの言うのはこうだ。第四項の「理事会」ですよ。これはさっきも言ったように、第四条の「組織及び運営」の中の第四項「理事会」の、今度は(c)の中の(ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)、その(ⅲ)の中で、今言うように「二人の理事は、その他の加盟国の総務が選出する。 理事の選挙手続は、加盟国の総票数の三分の二以上」云々とあるが、「(ⅲ)の加盟国の総務は、選挙手続に関する規則が定める条件でかつ期間内に、一人の追加の理事を選出することができる。」こうなっている。あなたが説明をしたのはそれだろう。ところが、その後ろの方には今度は、「域内開発途上加盟国の総務は、当該規則に従って一人の追加」をすることができると書いてある。そうすると、域内も九名だが十名にすることができるということか。こっちの方の域外の二名も三名にできるが、域内の九名も十名にすることができるということならば、あなたの言う理事十三名という数は違ってくる。それじゃ十四名になるじゃないか。これを一体どう勘定するかということを聞いているんだ。勉強が足りないよ。こういうことは君、おかしいじゃないか。
○木幡説明員 この域内九名、域外三名それから米国一名ということで十三名ということは、局長から御答弁申し上げましたが、その域外の三名の中の二人の理事については、合意があって選出することについて問題ないのでございますが、残りの一名につきまして、今先生がおっしゃいましたように「一人の追加の理事を選出することができる。」ということでございます。そして、これが合意が得られない場合に、もう一つ、「これらの条件が満たされない場合には、域内開発途上加盟国の総務は、当該規則に従って一人の追加の理事を選出することができる。」ということでございまして、全体の枠は十三名でございますが、このペンディンクになっております一名について、「(ⅲ)の加盟国の総務は、」云々の手続で合意されない場合には、この後の、域内開発途上加盟国の総務が選出できる、そういう書き方になっております。
○小林(進)委員 そうだろう。私は最初からそれを言っているじゃないか。最初から私が質問しているのを、君たちは域外は三名だ、域外は三名だと言っている。域内が時には十名になることを君たちは言わないから、だからおかしいと言っている。君の答弁が最初から出てくれば、こんなに時間を費やす必要ないんですよ。君ら、何言っているんだ。これは時間延長しなさいよ。そういうことなんだから、域外が最初から三名と君たちが頭打ちに決まったような話を持ってくる説明は、私はいただきかねると言っているんだ。決まってませんよ。時には域内の九名が十名になることもあり得るんだから、こっちが二名で抑えられることもあるんだから、それを言っているんだ。 時間がないから飛び飛びに言うけれども、大ざっぱに言って米州地方、この域内における国は何カ国で、この公社に加入している国が二十四カ国なら、加盟しない国は一体何カ国か。
○堂ノ脇政府委員 中南米地域には三十三カ国ございます。
○小林(進)委員 なに、非加盟国は三十三。
○堂ノ脇政府委員 中南米地域にございます独立国は三十三カ国でございます。
○小林(進)委員 君の発言ははっきりしない。中南米地方における国の総数は三十三だと言うの。それなら、その中で二十四カ国入っていれば、非加盟国は何カ国ですか。非加盟国は何カ国あるかということを聞いているんだ。
○堂ノ脇政府委員 加盟国が二十四でございますと、九カ国が非加盟でございます。
○小林(進)委員 その名前を言ってくれ。のこのこ帰らないで、入ってない九カ国の名前を言ってくれと言っているんだ。
○堂ノ脇政府委員 九カ国の名前でございますか。経協局長の方からお答え願います。
○藤田(公)政府委員 国名を申します。 アンチグア・バーブーグ、グレナダ、ベリーズ、セントクリストファー・ネイビス、キューバ、セントルシア、ドミニカ、セントビンセント及びグレナディーン諸島ということでございます。
○小林(進)委員 そこで、こういういわば米州銀行ができたりあるいは公社ができることによって、また加盟国と加盟しない国との利害関係が錯綜したり、対立が激化したり、そんなことにまた日本が巻き込まれて、つまらない役割を演ずるようなことがあってはという一つの老婆心からも私はこの問題を聞くんだ。 ドミニカも入ってない、キューバも入ってない。日本とドミニカの関係は一体どうなっておりますかな。日本はドミニカに、幾らかの債権でも提供しておりますか。キューバもまたしかりです。
○堂ノ脇政府委員 ドミニカ国はカリブ海の非常に小さい国でございまして、我が国との関係は比較的小そうございます。ドミニカ共和国とは別でございます。
○小林(進)委員 関係は小さいとかドミニカは違うってどういう意味。じゃ、ドミニカは関係は大きいの。ちょっと具体的に言ってよ。
○堂ノ脇政府委員 カリブ海にはドミニカ共和国というのがございまして、これは人口数百万のかなり大きな国でございまして、我が国の経済協力もかなり行われております。他方、ドミニカ国というのがございまして、これは先ほどありましたアンチグア・バーブーダとかあのあたりにあります小さな島国でございます。しかし、独立国でございまして、貿易額も数百万ドルぐらいの非常に小さいものでございます。
○小林(進)委員 外務大臣、今お聞きのとおりだ。こういう中南米でも域内の中でも日本と関係のある国が、米州銀行はもとより公社にも関係をしないということになると、日本はそういう国に対し今後どういう態度を続けていくのですかな。加盟、非加盟によって日本の立場は変わるんじゃないかという心配があるのですが、この点はいかがですか。
○藤田(公)政府委員 ちょっと事実関係だけ。 先ほど先生の御質問にございました非加盟の国でございますが、今、中南米局長から御説明申し上げましたように、キューバを除きますと、アンチグア・バーブーダ等々いずれの国も米州機構には入っておりますので、米州開発銀行自体に加盟する資格はあるのですけれども、比較的最近独立したということとか、それからドミニカ国というのは非常に小さな国だという御説明をしましたが、人口が七万程度ということで、米州開発銀行自体に加盟していないわけでございます。米州開発銀行に入っておりまして今度の投資公社に入りませんのは、スリナムという国でございます。これは、先ほど非加盟の理由を申し上げました。 キューバでございますけれども、キューバはこの中でも大きな国ということが申せるかと思います。我が国との関係もあるということでございますが、キューバ自体は、実は親母体の米州開発銀行には設立交渉にも参加いたしまして、出資のシェアの割り当ても受けたのでございますけれども、結局米州開発銀行には参加いたしませんでした。これは、御承知のような政治情勢等があったことが理由かと思います。それで、一九六二年にキューバは米州機構からも実は脱退いたしました。そういう状況で、この米州機構から脱退したことによりまして、米州開発銀行に加盟する資格自体がなくなってしまったという状況でございます。現在のところキューバは、米州機構に復帰するかどうかという意思表示もしておりませんものですから、銀行自体に加盟する可能性も今のところない。したがいまして、この米州投資公社との関係というものが、資格がそもそもないという状況でございます。 キューバを除きますと、そのほかの国々は、そう言っては非常に失礼ですけれども、極めて新しいかつ非常に小さな国々でございまして、もちろん、全部が参加してもらうということがいいことだとは思いますけれども、この国々自体が、恐らくはそれほど公社に入ることによる利点みたいなものを見出していないというのが、実態なのではないかと推察いたしております。
○小林(進)委員 細かな国まで一々世話をするわけにいかぬでしょうけれども、できればこういうところで対立しないように、ドミニカ等を初め、キューバは今のような事情であるとすればこれは別にしても、入りたいものがあったら、日本があっせんして中へ入れてやるくらいの親切な心遣いはあってしかるべきだと私は思うのです。なるべくこういう関係で対立や傷を大きくしないように、世界の日本であるならば、日本がそういう心遣いもひとつやってもらいたいということをつけ加えておきます。 次に、私は、いわゆるニカラグアの問題も実はメーンにして外務大臣に質問したかったのだけれども、なかなかそこまで問題がいかないので、質問している私も実は焦っているのですが、今度は日本の出資額なのだ。 日本の域外の出資額として出している分が、フランスやイタリアや西ドイツやスペイン、四カ国と同じ六百二十六万株だ。フランス、ドイツ連邦共和国、イタリア、日本、それからスペイン、この五カ国が同額の出資をしているわけですが、五つの国の出資金が同額だということについても、これはやはり一言聞いておきたい。日本はもっと出す気があったのかなかったのか、あるいはもうこれでも多過ぎるのか、日本の立場も含めてこの問題を一言聞いておきたい。
○藤田(公)政府委員 国際開発金融機関の出資のシェアをどうするかというのは、先ほど来申し上げておりますようにいろいろの交渉を経て決められます。御承知のとおりアジア開発銀行では、日本は筆頭アメリカとともに一番大きなシェアを持っておりますし、アフリカ開発銀行につきましては、域外国としてはアメリカに次いで二番目という形になっております。 今回の公社でございますが、今の先生の御指摘のとおり、域外国としましてはフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、日本というのが比較的大きな経済力を持ち、かつ中南米との関係、特にスペインなどの場合はそうでございますが、密接であるということで、交渉の結果このシェアということになりました。より多いシェアを求めて、それによって発言力を増すという利点と、それから多いシェアがあることによりまして、もちろん拠出金がふえるということは負担がふえるということでございますから、その両方を勘案しながら、かつ、今挙げましたドイツ、フランス、イタリア、スペイン等と、ほぼ同じ程度の発言力を確保するのが適当ではないかということで、このような合意に我が方としても同意をしたというのが実態でございます。
○小林(進)委員 議論の過程にどういう議論がされたのかわからぬから、どうも私もつかみどころがないのだが、日本の出資額がフランスやドイツ連邦、イタリア、スペインと同じだという根拠がどうもわからない。オランダなんか、日本の半分しか出していない。イギリスは言うように加盟をやめた。ポルトガルなんか入ってない。ポルトガルもどうして入ってないのか。ブラジルなんかに行けばポルトガル語だ。ブラジルはポルトガルの親類、身内みたいなものだけれども、そういう国の出資も何もなくてこういう配分がされているのがわからないが、将来どうですか。また増資、増額などという場合には、日本は出資金をもっと出すようなお考えがありますかどうか。
○藤田(公)政府委員 増資の手続はこの協定にも盛り込まれておりますので、当然、将来の増資というのは可能性としては準備されているわけでございますけれども、まずとりあえず取り決め自体がまだ発足しておりませんので、その将来のことについて私どもから云々申し上げる立場にはございませんけれども、一般論として申し上げますと、日本は例えば負担が重くなってもシェアをたくさん欲しい、それによって発言力を増したい、利点と負担との兼ね合いになりますけれども、そういう主張をします場合に、実はほかの国は、日本が負担をそれだけ重くしてくれるのはありがとう、どんどんたくさん持ってくださいということでは必ずしもございません。 先生がまさに先ほどおっしゃいましたように、メキシコが少ないというのはメキシコは不愉快に思っているのじゃないかという御指摘がございましたけれども、ほかの国は、例えば日本がお金はたくさん出すからシェアはたくさんくれと言っても、どうぞどうぞという立場ではなくて、むしろ発言権は平等に持ちたいという気持ちもございますものですから、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、日本というのが一線上に並んでというのが、恐らくはこの合意で見られておりますように妥当な各国の態度、日本の出資額ないしシェアに対する妥当なものだと各国が思っているのだというのが現状かと思います。
○小林(進)委員 私は、いわゆる貿易の不均衡や日本の自由市場確保の問題等もいろいろあることから、こういう集団的な公社、銀行等には積極的に日本が力をかしてもいいんじゃないかと思っておりますよ、この協定の個々の問題に対しては少々不満がありますけれども。その意味において、何もフランスやイタリア、スペインと肩を並べぬでも、特に中南米等は、日本の我々の子孫もブラジル等を中心に百万人もいる。今日近隣国を全部失った日本にとっては、日本本国以外には日本人の一番おるのは中南米ですから、その意味においても出資をすることに私は反対をする理由はない、もっと出したらいいのじゃないかと思っている。 そのかわり、この中における発言力もやはり強めなくてはいけない。アメリカは二五・五%も出して、これを見ているとアメリカだけが特権を保持している、私の質問の根底は実はそこなんです。言葉に出す、出さないは別にして、この協定の中心は、アメリカが独占的な指導力を握って、理事も独占だ、委員も独占だ、理事の中で四名の委員が選ばれるが、それもちゃんとアメリカは一つの議席を確保している。来年、メキシコから出ている銀行や公社の総裁はきっと首を切られる、次に出てくるのはアメリカだ、アメリカの中から総務会の議長が出てくるのではないかというふうな一つの憶測もあるわけなので、そういうところを日本はアメリカと対抗せいと言うのじゃないけれども、そういう独占的なアメリカの権力をセーブしながら、中南米の加盟国二十四カ国あるいは域外の九カ国までも平等に温かく面倒を見る、こういう姿勢がなくてはいけないと思う。 それで、私は具体的に言うのですよ。総務会には大蔵大臣が入っているからいいだろうけれども、今度は理事の中で、先ほども聞いているが、域外の中から三名――三名と言うが、三名と決まったわけじゃない。二名だがこれを三名としても、この九カ国の中から日本が推薦を得て、どうしても理事の議席の一つぐらいとる構えを持ってもらわなければいかぬと私は思うのだが、外務大臣、いかがです。理事国ぐらいにならなければ、金を出して、後は野となれ山となれなんという無責任なことは許されることではありません。しかも、経済大国だの言っている限りは、やはりとるべき議席はちゃんととっていただく。いかがですか。
○安倍国務大臣 アメリカは大国でありますし、中南米とはこれまで歴史的、伝統的あるいは経済的に非常に深い関係があるわけですし、また、出資も多額であるということからそれなりの役割を持つわけでしょうが、日本の場合は、ドイツとかフランスとかイタリアとかその他の国と並んで、バランスのとれた形で出資をするわけであります。日本は、これから中南米に対しても関係がいろいろと深まってくると思いますし、いろいろと協力もしていかなければならぬ、こういうことで、特に中南米の民間の企業等、特に中小企業を対象にする投資公社でございますから、そういう意味で出資に踏み切ったわけですが、これは日本の経済的な一つの力というものがありますから、そういう中でこれからいろいろと活動をしていくことになると思います。 理事をぜひともとかそういうことは、やはり加盟国の中でおのずから信望の集まった国が理事国になっていくんだろうと思います。そして、それは一国が独占をするということでないでしょうから、日本が当初なれなくてもそのうちには回ってくるポストではないだろうか、こういうふうに思っています。
○小林(進)委員 この理事の任期は三年ですよ。これを逃がせば三年間冷や飯を食うのだ。ところが、この九カ国の中で理事が三名出るのだから三国に一つだ。先ほど言ったように、出資額が一番大きいのが五つですから、この五つの中から三名理事が出るということになれば、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、日本の中から三名選ぶということになる。これから運動すれば、理事をとれる余地は十分あると私は見ている。これがいわゆる政治であり、外務官僚等が真剣に取り組まなくてはならぬ問題だ。 また、時間も来ましたから私は続けて言うけれども、この十三名の理事の中から四名の委員が出てくる。アメリカは、それも一議席はもう確保している。域外からは一つですよ。三名出られた域外の理事の中から、また一名の委員が出てくる。この委員も、日本は執念を燃やしてやればとれます。理事の中の四人が委員と称して、これは執行機関で、大体大まかなことを全部、仕事をしていくんだ。これは重要なポストですよ。外務大臣、あなたはどうも人間が優し過ぎていかぬけれども、こういうところはしゃにむにとるという迫力……。 その委員の下に、理事の下に今度は社長というのが出てくる。これは総務でもなければ理事でもない、これは別個に任命する。社長ぐらいはとらなくちや、これはアメリカもねらっているでしょうけれども。アメリカは理事も固定、委員も固定。アメリカだけは全部一議席を特権的に持っているという、この規定は非常に危険です。だから、その下の職員を統制していく社長ぐらいは日本がとってしかるべきだ。 私は、時間がないから言いますけれども、理事の一つをとること、委員を一つとること、その職員を統制していく社長も日本が立候補してとること。これは、私は速記録に残しておきます。条件として必ずとどめておきます。 それから、事のついでに私は言っておくんだが、大蔵省にお伺いするけれども、米州地方におけるメキシコ、ブラジル、こういう国々を含めて、彼らのしょっているいわゆる借金、負債の総額は幾らか、それに対して、日本のこれらの主だった国々に対する債権国としての貸付金の総額は幾らか。こういうことも、この協定の審議の上においては重大な問題ですから、どうぞひとつお聞かせください。米州地方は、世界で一番借金の多い国です。
○畠山説明員 中南米地域の抱えております世界全体に対する債務の総額でございますが、これはいろいろなデータ、統計がございますけれども、IMFの一九八四年末の数字でラテンアメリカ地域のトータル数字を申し上げますと、約三千百五十三億ドルでございます。そのうち、我が国の民間金融機関の中南米地域に対します債権額は、中長期のもので合計二百八十億ドルでございます。これは時点は、五十九年九月末の数字でございます。
○小林(進)委員 時間もありませんから簡単にお聞きしますけれども、日本の民間の金融機関が中南米諸国に貸している二百八十億ドルの国別の内訳を言ってください、ブラジルからメキシコからずっと。
○畠山説明員 国別の詳しい数字は必ずしも整理がされておりませんが、概算的に申し上げますと、メキシコが約百億ドル、ブラジルが八十億ドル、アルゼンチン及びベネズエラがそれぞれ四十億ドルといったところでございます。
○小林(進)委員 外務大臣、今もお聞きのとおり、これは米州銀行や公社の中に入って、日本がまた中南米の個人企業に対し協力することになるけれども、あわせて、いわゆる民間における米州に対する債権の問題は、やはり政府の場面では大いに考慮していただかなくちゃならぬだろう。この問題についても、私は本当に真剣に質問したかったのだけれども、もう時間がないから、特に切り詰めて言わなくちゃならぬから言いません。 この公社の貸し付ける――これは貸し付けだけじゃない、投資もするんだが、その客体は一体何だ、借りる企業は。例えば多国籍企業にも貸せるのかどうか。あるいは、政府機関ではないけれども、一部政府や公の機関が投資をしているような企業にも貸し付けるのかどうか。特に私の聞きたいのは、合弁企業、多国籍企業、こういうものに対する投資が一体どんなぐあいになるのか、これを承っておきたい。
○藤田(公)政府委員 第一条第一項の「目的」に記してございますように、「民間企業(特に中小規模の民間企業)の設立、拡張及び近代化を奨励する」というのが基本的な目的になっております。より詳細に他の条文等をあわせて御説明申し上げますと、公社が投融資、投資及び融資の対象といたします企業は、第三条第一項の(b)のところに出ておりますが、中南米の国民である投資者が過半数の投票権を保有する企業ということに限定されておりまして、この条件に適合するものでございますならば、合弁企業それから多国籍企業というものであっても、公社の業務の対象となり得る状況でございます。
○小林(進)委員 時間が来ましたから私もこの一問で終わりますが、あわせてこの契約には政治活動を禁止する規定もある。あるのですが、それに関連をして一体紛争国はどうなるのか。特に、ニカラグア等も公社の中の加盟国になっているが、こういう一つの紛争国だな、国内で問題を抱えている国、こういう国に対する貸し付けは一体どうなるのか、これも外務大臣。
○藤田(公)政府委員 別に紛争国云々ということは規定ございませんけれども、具体的な貸し付けないし投資の決定を行います際に、理事会がそれを決定するということになりますので、その際に種々の要因等を考慮して決定が行われるものと考えます。
○小林(進)委員 そういう場合に、アメリカがいわゆる特別の権利や役員を自分の席だけはちゃんととっておいて、そういう理事会とか総務会とか委員会において自分の好ましからざる国に融資とか投資が出た場合に、そこでアメリカの意思が恣意的に動くのではないか、これがこの法案審議の場合における私どもの一番のポイントなんです。そういうことで百年たっても、戦争に負けて四十年たっても、まだアメリカさんのおっしゃるとおり、彼が右と言えば右、左と言えば左だけついて回るような、そんなようなことであっては、日本の独立性が保たれないじゃないかということを心配しているのだが、そういう懸念はありませんか。安倍さん、どうです。
○藤田(公)政府委員 じゃ、事実関係だけ。確かに先生御指摘のとおり、最大の出資国ということで米国は理事を任命できるということですとか、執行委員会の委員になる、ないしは協定の発効要件自体、最大の出資国の応募ということが条件になっておりますので、こういう点では大きな地位を与えられておりますけれども、その出資シェア自体は二五・五ということでございまして、先ほど御説明申し上げましたように、域内の開発途上国のシェアが五五%ということで過半数を占めておりますので、中南米の開発途上国の声が支配的な形として反映されるという形はとっていると申すことができるかと思います。
○小林(進)委員 あなたがおっしゃいましたように、域内の諸国二十四で合わせて五五%、それから域外の九カ国、日本を含めて、これが一九・何%、それからアメリカが二五・五%、こういう株の比率はわかっているんだ。わかっているが、そこに国の力あるいはアメリカの力というものが大変影響するのではないか。その意味においても、日本はいま少しその中へ割り込んでいって金も出すが物も言う、こういう姿勢をちゃんとつくっておく。そのためには役員人事だから、人事権だけはきちっととるようにしてもらいたい、これは声を大きくして繰り返しておきますよ。 ただ局長、私はきょうの質問は、問いたいことのほんの総論をちょっと窓口を開いただけなんです。これから私は、また各論でもっと詳しく矛盾点を追及しながら御質問いたしたいと思いますので、きょうはこれで一応質問を留保しながら、終わることにいたします。
○愛野委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ――――◇――――― 午後一時九分開議
○愛野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。井上普方君。
○井上(普)委員 このたびの米州投資公社を設立する協定を読ましていただきますと、疑問が非常にたくさん出てまいるのであります。 そこで、日本の対外援助というものは、今まで人道主義にのっとってやられるということが中心でありましたが、これが変わってきておるように思われてならない。特に、本年の一月、アメリカのシュルツ国務長官と安倍外務大臣が会見になり、対外援助につきましては、日米で十分連絡し合うんだということが新聞に報ぜられておるのであります。この点につきまして、この一月十二日のシュルツ・安倍会談においてどういうことが議題となり、果たしてアメリカと日本とは対外援助について連絡をし合う、あるいは協調し合うという話ができておるのかどうか、この点、まずひとつ外務大臣にお伺いしたいのです。
○安倍国務大臣 一月のロサンゼルスにおけるシュルツ国務長官と私の会談におきまして、日米双方で海外援助について協議をしていこう、こういうことになったわけでございますが、もちろんその話の前提として私から、日本は日本としての援助の基本方針がある、アメリカはアメリカとしての基本方針もあるでしょう、このお互いの枠組みというものをしっかり守って、その上で相協力できるものはしていきましょう、相談しましょう、そしてお互いに協力することによって援助というものを非常に効率的に行うことができる場合もある、こういう話し合いができまして、その後事務当局間で、日米の援助についての具体的な話し合い、あるいは協力についての話し合いを今日まで続けてきておるわけであります。 したがって、日米間で緊密に連絡をとってやりますが、しかし日本の援助の枠組み、援助の基本精神、これはあくまでも人道的でなければなりませんし、あるいはまた相互依存というのが大前提でございますから、そうした枠は外さずに、その枠組みの中で日米の協力をしていくという筋は曲げていないわけであります。
○井上(普)委員 これはもう言葉の遊戯をやったってしようがないので、緊密な協力をやるんだと言うが、その後、事務当局の間で具体的な案件としてどういう問題が起こりましたか。
○藤田(公)政府委員 ただいま外務大臣の御答弁ございましたように、我が国の援助の方針、それからアメリカの援助の方針についての意見交換、それからアフリカ等の相互に関心のある地域についての一般的な意見交換というものがございましたほかに、現在日米双方でタイ、フィリピン、それからトンガ、西サモア等で共同プロジェクトというものを行っております。 タイの例を申し上げますと、我が国が東北タイにおきまして農業の専門の大学をつくりまして、その大学の中におきまして、日本と米国がともに先生を送って教育を行うというような共同プロジェクトでございます。フィリピンの場合には、難民センターというのをつくりまして、インドシナ難民がアメリカ等に定住をいたしますために基本的な教育を受けて、それからその難民が最終的な定住地に行ってもらう、そういうようなプロジェクトでございますが、こういうようなもの。それからトンガ、西サモアは、我が方の青年協力隊とアメリカの平和部隊が一緒に小学校の先生をしまして、小学校の建物を日本がつくりましてそこで教える、こういうようなプロジェクトでございます。 こういうのがなかなかうまくいっているということで、今後このような共同プロジェクトを相互にまた見つけていこうではないかというような事務的な話がございました。そのほか、アフリカ等につきましては、先生も御承知のように、私どもは余りそれほど知識経験が深くないということもありまして、米国の今までのアフリカ援助の教訓等をいろいろ聴取して、私どもの参考にしたというようなことでございます。
○井上(普)委員 私は、近年日本の対外援助が戦略援助になりつつあるのを非常に憂えるものであります。特に、最近になりましてパキスタン、トルコという紛争周辺国への援助の強化、またソ連、キューバの中米への進出を阻止するためにアメリカが重視いたしておりますジャマイカへの援助、これは八三年の六月から。さらにはまたホンジュラス、エルサルバドル、ドミニカ、エクアドルなど、アメリカの勢力圏への援助の強化、これはもう各国のデータを見て統計をとってみれば、はっきりとわかるのであります。ニカラグアなんかにも援助が行っておったが、八三年においてはほとんどなくなってきている。八〇年には無償資金協力が二百二十一万ドル出ておったが、このごろですとこれがゼロになっておる。政府貸し付けも、七九年には五百三十万ドル出ておったのが、これがゼロになっているというようなことを見ましても、アメリカと対立関係にある諸国に対しましては援助を打ち切る。いずれも、アメリカの言いなりになってアメリカの世界戦略に乗せられ、アメリカの肩がわりの援助をやっているのではないだろうか、このような感がいたしてならないのであります。 そこで、まず第一番に、我が国の中米・カリブ海地域への援助の実績、これら地域への援助強化の理由を承りたいと同時に、ニカラグアへの援助停止の理由をひとつ承りたいのであります。
○藤田(公)政府委員 中米・カリブ諸国ということで限ってみますと、年によって大分変動がございますけれども、ただいま先生御指摘のように、八一年度が五十二億円、八二年度が百三十二億円、八三年度が三百二億円ということで、非常に増大をしてまいりました。しかしながら八四年度は、大口の国、従来特に有償資金協力を供与しておりました国が債務繰り延べの状況に立ち至りましたことを反映しまして、有償資金協力が交換公文の締結のベースで見ますとゼロということになってしまいまして、無償資金協力が四十億円、前年度が二十七億でございましたが、出たのみでございます。このほかに技術協力がございます。これは、八三年度の実績で見ますと十六億円程度でございますが、昨年度の技術協力の実績がまだ集計が終わっておりません。十六億を数%増かと思われますが、昨年はそういう点では、中米・カリブ諸国に対する援助額が極めて低下をしてしまったという状況にございます。 それから、ニカラグアの援助についての御質問でございますが、ニカラグアに対しましては、従来、特に研修生の受け入れという形でございますけれども、技術協力を中心に対応してまいりました。八二年度、今御指摘のように無償資金協力が一千百万円、これは災害に対する援助という形で出ておりますが、その後はそのような形での無償資金協力はございません。実績で申しますと、八三年度は一千二百万円ということでございます。八四年度は、まだこの技術協力の集計を下しておりませんので、ほぼ同程度の規模であったかと思われますが、正確な数字は現在のところございません。
○井上(普)委員 数字を見ますと、アメリカに敵対しておるといいますか、アメリカの言うことを聞かない各国に対しましては、政府援助がどんどん減っている。そしてまた、アメリカの戦略的なところにつきましては日本の援助がふえておるという事実は、見逃すことができないのであります。 今、大臣中座しておりますので、次の問題に進みます。それは保留しておきます。 アメリカは、八一年から中米・カリブ海開発構想というのを推進しておるようであります。この中米・カリブ海開発援助計画というもののアメリカの実態及びその内容をひとつお示し願いたいのであります。
○堂ノ脇政府委員 アメリカは、先生御指摘のとおり中米・カリブ開発構想というものを進めておりまして、これが一昨年法案化されまして、昨年の一月から実施に移されております。これによりますと、中米・カリブ地域全体二十カ国ぐらいございますが、それらの国につきまして、それらの地域、それらの諸国からの産品に対する輸入関税の免除、これを一九九五年まで実施するということになっております。また、アメリカからこれらの地域の諸国に対する投資に対しましても、税制上の便宜を計らうといったことがその主要な骨子でございます。
○井上(普)委員 大臣がおりませんので、この点しばらく留保しながら、次の条約の問題についてお伺いしましょう。 この公社の授権資本株式への応募比率が付表Aとして明記されております。この付表の欄外の注に、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラの意見が書かれております。これによりますと、「メキシコの代表団は、希望応募株式数の総計が二万株を超過することにより公社の業務の開始が妨げられを事態を避けるため、この付表に掲げる株式数に応募する。」こう書いてある。「ヴェネズエラは、公社ができる限り速やかに業務を開始することができるように、公社の資本において六・二三八パーセントの参加比率となる千二百四十八株に応募するとの決定を確認する。」と書いてある。アルゼンチン、ブラジルも、「自国の出資額の比率を維持すべきである旨主張した。」こう書いてある。 みんな、この域内の諸国ですよ。域内の諸国がこれを保留しているのです。これはどういうことなんです。これは一体どういうことになっているのかわからないので、ひとつお伺いするのです。みんなこれは反対じゃないのですか。嫌々ながらついていっているという形じゃないのですか。
○藤田(公)政府委員 ただいま先生御指摘のように、メキシコ及びベネズエラはもう少し多くのシェアを確保したい、もう少したくさんの拠出をしてシェアを大きくしたいという希望があったわけでございますけれども、この付表に記されておりますような比率で、本件協定成立という目標のために妥協したということをここに記しておきたい、記録にとどめておきたいという主張を行いまして、注2、3という形になりました。1は、アルゼンチン、ブラジルが自分たちの比率はこのまま維持したい、こういうことを言ったということでございます。これは、この出資割合が各国の交渉で決まるものでございますから、その交渉の過程で、例えばこの例で申しますとベネズエラ、メキシコは、自分たちはもっと大きな発言権を持ちたいのだということで交渉し、結局は妥協した形になって終わったわけでございます。 こういう注記をするということが一体どういう意味があるかということでございますけれども、このアルゼンチン、ブラジル、メキシコ及びベネズエラの諸国が、ぜひこれを記録に残してくれという主張をしたので、この注記というものが残って記されているわけでございますけれども、この注の内容自体は特に法的な拘束力はございませんで、協定に規定された加盟諸国の権利義務というものに影響を与えるということではなく、単に一応記録でとどめているということにとどまっているということでございます。
○井上(普)委員 これは、私らは不満であるぞよという表明でしょう。記録にとどめるって、今までこんな協定がありますか。附則にこんなふうに書かれた協定がありますか、今まで。私は遺憾ながら協定というものは、みんな不満だけれども合意したところでやるのが協定なんだと思う。これを記録にとどめるなんていって、こんなことは不満があるということをはっきり示しておる証拠じゃないですか。しかも、域外の諸国であるならばともかく域内の諸国がこんなので、何で我々協力できるのですか。
○斉藤(邦)政府委員 私の記憶では、協定の付表にこのような形でメンバーの一部の意見ないし立場が記録されているという例はないと存じます。 このような注が付された背景は、ただいま経協局長の方から御説明したとおりでございますが、これは、これらの国がこの付表に注という形でとどめることを望んだためにこのような結果になったわけでございまして、この付表の注の部分、これは法的拘束力はなくて、この協定の加盟国の権利義務に何らの影響を及ぼすものではございません。
○井上(普)委員 こんな形の協定文というのは初めてでしょう。注に不満があると書かれている、こんな協定文というのは初めてでしょう。これは一体どういうわけなんだ。 それは条約をつくるんだから、みんな不満なり、いろいろ議論がある。全部満足しないのは当たり前の話。しかしそれは、不満はあるけれども、協定文本文にそのことは全部書くのが普通でしょう。なぜ、こういうようなことを注の中に書いているのです。おかしいじゃないですか。
○斉藤(邦)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、私の記憶ではこのような例はなかったと存じます。したがいまして、この書き方をおかしいのではないかという御指摘、十分理由のあることだと存じますけれども、条文に書かれるのと違いまして、これは何らの法的な権利義務関係を設定するものではございませんで、これら加盟国がどうしてもここに書きたいという主張をしたために、やむを得ずそれを認めたという経緯だろうと存じます。
○井上(普)委員 加盟国がどうしても書きたいと言ったらこんなのを書く、それが条約なんですか、協定なんですか。協定というのは、国際的なルールがあってやるものでしょう。これは私はどうも納得できない。法的に拘束力を持つものでないなんと言ったって、これは私はこれに不満ですよということを書いてあるのじゃないですか。そんなのなら、記録にとどめることを除いたらいいじゃないですか。
○斉藤(邦)政府委員 協定というのはいずれも妥協の産物でございまして、今回、この協定はこのような形で、この四カ国の立場というのをこの付表に書かざるを得なかったということだろうと存じます。本来、不満があれば、それは会議の場で言うなりあるいは自分の文書として提出するなり、それが当然ではないかという御指摘、私どもそのとおりだろうと存じます。ただ、協定全体をまとめなければいけない場合にある程度の妥協というのは常に必要でございまして、今回もそのケースとして、いわば例外的なやり方ではございますけれども、こういう書き方が合意されたということであろうと存じます。
○井上(普)委員 例外的なやり方とおっしゃいますが、それならひとつ具体的に伺いましょう。 メキシコは、「公社の業務の開始が妨げられる事態を避けるため、この付表に掲げる株式数に応募する。」旨を明記した。それから、ベネズエラも、公社が速やかに業務を開始することができるように、参加比率で応募することを明記しておる。条約の最後にこんなことを書くものじゃないと思うのだけれども、書いてあるからしょうがない。 そこで、二万株を超過すると、なぜ公社の業務開始が妨げられる事態になるのか、これが質問の一つ。 この比率で妥協した理由は何なのか、二つ目にお伺いいたしたい。 第三点として、ベネズエラはなぜ付表Aで定める参加比率に不満を表明したのか。 第四に、域内の開発途上国のアルゼンチン、ブラジルなどは、「自国の出資額の比率を維持すべきである」と主張しているが、その出資比率をめぐってアルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ四カ国の間にどのような争いがあったのか、あったとするならばその理由及び実態、それをひとつお示し願いたい。
○藤田(公)政府委員 順次お答え申し上げます。 まず第一の御質問は、メキシコの代表団は二万株を超過することによって公社の業務の開始が妨げられる事態を避けるために応募する、何ゆえに二万株ということが出ているのかという御質問でございますが、これは、この公社の授権資本が一株一万合衆国ドルで二万株、すなわち二億ドルで出発するという合意がございまして、その合意の次に域内の開発途上国が五五%という比率が決定をされまして、それから順次各国の出資比率が決まっていったという経緯がございます。 したがいましてメキシコは、アルゼンチン、ブラジルよりも御指摘のとおり少ないわけでございますけれども、メキシコは、現在決定を見ました一千四百九十八株よりもどうしても多く応募したい、多く拠出をしたいという主張をしますと、総計が二万株を超えてしまうという形になってしまいますので、そのような状況になって、当初の合意が破れて、公社が円満に発足することができないという状況は避けたい。そこで、メキシコとしては妥協して、この一千四百九十八株という割り当てをのんでやります、しかしながら、今後ともメキシコはもうちょっと大きな、何と申しますか、ここに出ておりますが、「多数国間機関において一層大きな株式参加を実現する」という希望を記録にとどめたい、こういうことを言って、注2というのができたという状況でございます。 それからベネズエラでございますけれども、ベネズエラにつきましても基本的には同じような主張、すなわち、より多くという主張をいたしまして、六・二三八%に当たります一千二百四十八株という合意の数字よりももっと多い出資をしたいという主張をしましたけれども、結局、この比率でのむ。のむけれども、今後、将来は一層大きな株式参加を実現するという希望を放棄してないということを記録にだけ載せてくれということを言いまして、合意達成のためにこの記録が残った、こういう状況でございます。 それから、その二つに対しまして今度、アルゼンチン、ブラジルでございますけれども、将来、メキシコ、ベネズエラが仮に比率がふえるということがあったとしても、アルゼンチン、ブラジルについては出資総額に占める自国の比率、ここに本公社の比率二千三百二十七株、一一・六三六%でございますが、これは維持されなければいかぬ。すなわち、自分たちはこれだけのシェアだけは維持するよという希望をやはり、メキシコ、ベネズエラがそういう希望を残すなら自分たちも残す、こういうようなことで主張したという注1が残った、こういう姿でございます。
○井上(普)委員 域内発展途上国が三七%、これに不満があるんじゃないんですか。あるいはまた、アメリカが二五%も持つことに不満があるんじゃないんですか。そういうことをはっきり申したらどうです。この比率についてアメリカが威張っておるから、二五%も持たれたらたまらぬという考え方から、三七%を持っておる域内発展途上国四国が不満を表明しておるんじゃありませんか。だれのためにこんな条約をつくるのです。自分らのためにつくるのに文句を言っておるんだから、一番問題になるんじゃないですか。
○藤田(公)政府委員 この出資の交渉、増資の場合もそうでございますけれども、出資の交渉も常に各国それぞれの利害を主張いたしまして妥協の産物として出てまいりますので、一概にどの比率であればこれが非常に公正であるという客観的な数字というものはなかなか見出せないかとも思いますけれども、その過程で妥協の産物として出てきたのがこの比率であるということでございます。 ちなみに、米州開発銀行の開発途上国と先進国のシェアを見ますと、やはり五五対四五という姿になっておりますので、五五対四五という比率自体は、それほど変わったシェアであるということは申せないんではないかと思います。 それから、米州開発銀行での出資の比率を見てみましても、やはりアルゼンチン、ブラジルが一一・九%程度で、メキシコが七・六五であるという姿になっております。それから、アメリカの場合には、米州開発銀行の場合には三四・五四%という割合になっておりますので、二五・五という比率が高過ぎるか低過ぎるかという議論はいろいろあるかとも思いますけれども、米国の経済力等を反映しまして大体四分の一強程度を負担しているというのが、今までの姿だったのじゃないかと思われます。
○井上(普)委員 こんな協定の形式は今までなかったというお話、その常識をあえて破って注1、注2、注3を協定の中に書いたということは、この協定に対していかにも域内の発展途上国が不満を持っておるあらわれじゃありませんか。とするならば、我々はなぜ急いでやるのだ、このことに大きな疑問を私は持たざるを得ない。まず、そのことを申し上げておく。 もう一つ、この協定では第一条第一項の「目的」で、「民間企業(特に中小規模の民間企業)の設立、拡張及び近代化を奨励することにより」と言いますが、「中小規模の民間企業」とはどれくらいのことを考えているのか。大体中南米の貧しい国においては、ほとんどが膨大なる巨大なる外国資本に左右せられておるし、民族資本としてはまことに零細なるものが多いと聞いておる。この「中小規模の民間企業」とは、一体どういうような定義を下しておるのか、この点ひとつお伺いしたい。
○藤田(公)政府委員 第一の、先ほどからの御質問の関連でお尋ねがございました、この出資の割合についてはみんなが不満を持ち続けていたというお話でございますが、確かにメキシコ、ブラジル、アルゼンチンそれからベネズエラ等の間ではいろいろ議論があったということで、実はこのような注記ができたわけでございますが、五五%が開発途上国、それからアメリカが二五・五%、その他一九・五%と、この比率につきましては、実は合意が一応初めからそれほど論争なくあったわけでございます。むしろアメリカの場合には、二五・五%はちょっと少な過ぎるという立場を当初とっておったようでございますが、いずれにせよ二五・五で合意をした。 結局、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラの四カ国の割り当てをどうするかということで、この四カ国の中での議論が最後までつきませんで、四カ国合計では三七%ぐらいにするということは、一応中南米の国々の間では合意を見ていたわけでございますけれども、中でどう割り振るかというので非常に議論があった。これは、各国の主張の衝突する場でございますから、いろいろと議論が出て妥協が図られるというのは、こういう国際金融機関等ではよく見られる状況でもございますし、それほど致命的な欠陥であるということは言えないのではないかと思われます。 それから、御指摘のとおり第一条第一項に「中小規模の民間企業」と記してございます。「中小規模の民間企業」とは何ぞやという定義でございますけれども、定義自体はこの協定の中には記されておりません。結局、具体的に今後本公社が活動を開始いたしまして投融資を承認します際に、理事会ないしは執行委員会が当該企業の位置しております国の開発の状況というようなものも考慮しまして、対象となる企業を決定するということになるかと思われます。 ただ、御参考までに、協定交渉の過程におきましていろいろな議論が出ておりましたけれども、その際には理事会ないし執行委員会は次の基準で融資ないし投資を決定するようにという議論が出ておりました。それは大約しますと三点ぐらいありまして、一つは、雇用者の数がそれほど多くなくて、売上高、資産価値等が総体的に小さいということによって、その活動分野におきまして支配的な地位を占めていない企業だということ、それから第二番目が大規模な金融グループとは関係がないこと、それから第三番目がほかの大企業から法律的に独立していること、こういうようなことを基準にして理事会ないし執行委員会は融資先の決定をすべきだという議論が、この協定交渉の過程では出ておったということを御紹介いたします。
○井上(普)委員 私は、この協定につきましては、先ほども申しましたように、こんな今までの形式をともかく無視した注を書かざるを得ないようなこと。あるいはまた、融資対象とする「中小規模の民間企業」とあるが、これも漠然としたものである。しかも中南米の諸国には、もう皆さんも御存じのように、大きな企業か零細企業がほとんどである。しかもそれは、大企業の植民地支配と申しますか、そういう形態が非常に多いこと。しかも、今まで米州銀行なるものがある。これらを考えますと、わざわざなぜ投資公社というものを設立しなければならないか、ここらについて大きな疑問を持たざるを得ない、これに限って考えても。 さらにはまた、政治的にアメリカの戦略援助でなかろうかという気がしてならない。現に、米州銀行に投資した国でこの投資公社に投資しない国が、イギリスを初めとして一体何カ国ありますか、ここらあたりをひとつ明確にしていただきたい。なぜこれをやめたのか、そこらもひとつ明確にしていただきたい。
○藤田(公)政府委員 第一点の、米州開発銀行があるにもかかわらず、何ゆえにこの公社を設立するのかという御質問でございますが、米州開発銀行が民間企業に対しまして育成強化を図ります場合には、二つ制約がございます。一つは、米州開発銀行は投資を行えないということでございます。それから第二番目は、米州開発銀行の融資の対象が主として政府及び政府機関ということになっておりまして、民間企業に融資を行います場合には、協定上政府等による保証を要求し得るということになっておりまして、米州開発銀行は運用上、このような政府による保証を要求することを原則にしているという制約がございます。したがいまして、このような制約にかんがみまして、中南米地域の経済開発の促進のために果たします民間部門の重要性、特に中小規模の企業の育成が必要であるということが関係国の間で広く認識されましたために、本公社の設立の必要性について合意を見たというのが背景として御説明できるかと思います。 それから第二の御質問で、米州開発銀行に加盟をしていない国、ないしは米州開発銀行に加盟しているけれども本公社に参加していない国が多いではないかという御指摘でございます。 第一の、米州の中で米州開発銀行に加盟していない国と申しますのは、アンチグア・バーブーダ、グレナダ等々、八カ国がございます。この中ではキューバが比較的大きな国でございますが、それ以外の国は最近独立した国でございまして、経済規模も非常に小さいということから、この米州開発銀行に加盟していないということと思われます。キューバにつきましては、本来、米州開発銀行の設立交渉にも参加いたしまして、出資シェアの割り当ても受けたわけでございますけれども、その後、結局銀行には参加しないという立場をとりまして、御承知のとおり、一九六二年に米州機構からも脱退をいたしましたので、米州開発銀行に参加する資格自体がなくなったというのが現在の状況でございます。
○井上(普)委員 私は、もう時間が参りましたのでこの程度でやめますが、委員長にお願いしたい。実はまだまだ、質問を用意しておるのがたくさんあるのであります。安倍外務大臣に中心にお伺いしなければいかぬ問題がたくさんございます。それで、質問を次の機会にまで留保させていただいて、本日は、この程度で終わらせていただきます。
○愛野委員長 次に、玉城栄一君。
○玉城委員 米州投資公社を設立する協定について、御質問を申し上げたいと思います。 アジア地域ではアジア開発銀行、アフリカ地域ではアフリカ開発銀行がそれぞれ設立されているわけであります。これらの地域で、米州投資公社に類するような補助機関を置いているところがあるのかどうか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 アジア開発銀行及びアフリカ開発銀行のいずれにつきましても、本米州投資公社のごとき補助的な機関は存在しておりません。
○玉城委員 その理由についてお伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 その理由は、アジア開発銀行及びアフリカ開発銀行は、いずれも投資をいたします機能を認められておりまして、現に投資活動も行っております。このために、本米州投資公社設立の一つの大きな理由でございます投資を目的とした独立の機構を設立する必要性が大きくないということが、第一点として申せるかと思います。 それからアフリカにつきましては、そもそも基本的に、中南米地域に比較しますと、民間企業の発達というのがそれほど見られておりませんので、本件公社のような機関を設立する必要性が恐らく少ないということが、このような動きが見られない理由ではないかと思われます。
○玉城委員 今回設立しようとするこの米州投資公社が、米州開発銀行の補助的性格を有する機関であるならば、米州開発銀行の組織、任務、業務内容を改正することによって、その目的を達成することが可能ではないかと思いますが、なぜこのようにわざわざ独立して公社を設立するということになったのか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 確かに、おっしゃる方式で投資を含めるということも、理論的には一つの方法であるということは考えられたかと思います。しかしながら、米州開発銀行自体が、先ほど申し上げましたように投資を行えないことのほかに、融資対象を主として政府及び政府機関とし、かつ民間企業に融資を行います場合には、協定上、政府等による保証を要求し得るという規定になっておりまして、運用上、保証要求を原則としているという状況があるということが一つ申せるかと思います。 もう一つは、やはり米州開発銀行の憲章の改正と申しますか、米州開発銀行を少し組織がえをして、現在御審議をいただいております米州投資公社の機能も一緒にあわせ持たせたらいいんではないかという御質問に対しましては、域内の開発途上国の経済開発に占めます民間部門の重要性に着目をいたしますと、やはり独立の機関たる本投資公社を設立しまして、特に中小規模の企業に対してきめの細かい対応をするということが必要ではないかということから、本件公社の設立の必要性について、特に域内開発途上諸国の要望が強く、このような合意を見て協定の設立に至ったということでございます。
○玉城委員 公社への参加資格国は、米州開発銀行の加盟国に限られているのみならず、公社のすべての権利を掌握している総務会は、米州開発銀行の総務及び総務代理で構成し、しかも公社の業務運営の責任機関である理事会の議長は、米州開発銀行の総裁でなければならないということになっておるわけですね。このように銀行と公社が有機的な深い関係を有していながら、公社を独立した機関として規定しているのは、先ほども申し上げましたとおり、これは実態的には補助機関というよりは開発銀行の一機関ですね。ですから、先ほど御説明もありましたけれども、もう少し、なぜ公社というふうに独立をしなくてはならないのかという明確な、簡単でいいですから、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○藤田(公)政府委員 確かに御指摘のとおり、役員等についてそのような形で、御指摘のとおりの形で米州開発銀行と密接に結びついている機関でございますが、他方、この投資公社を設立することによりまして、理事会ないしは執行委員会という制度を持ちまして、投資ないし融資について、比較的小型の案件等についてもかなり機動的、かつ、きめの細かい対応をすることが可能になるということが、本公社を独立した機関として設立する決意を加盟国が持ちました最大の理由であると思われます。
○玉城委員 中南米地域におけるこれら諸国の経済開発については、当然、民間企業の活力をいかに最大限に活用するかということが最も重要であると思うのでありますが、今回のこの公社の投融資を呼び水として民間投融資の活性化を促進するために、外務省としてはどういうことを考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 公社は、今御審議願っております協定にも記してございますように、民間企業に対します投融資を行うわけでございますけれども、この活動が呼び水になりまして、他の資金源の投融資の参加が促進される、ないしは専門的技術の導入促進が見られるということが、この公社の役割として非常に大きく期待されていることかと思われます。 我が国としましても、本投資公社の活動によりまして、我が国の経済的な、先ほども申し上げましたが、中南米に対します政府ベースの援助ということになりますと、我が国全体の援助の一割弱という程度でございますけれども、民間ベースの広い意味での経済協力、投資及び輸出信用というものを含めますと、三割が中南米に向けられているという状況でもございますので、このような面での民間の進出にとって公社の活動というものが、呼び水ないしは補助的ないしは促進的な役割を果たすということを期待しております。
○玉城委員 今、藤田さんおっしゃったのは、政府ベースでは中南米地域への援助というのは全体の一割弱である、民間ベースでは三〇%、我が国からの民間ベースの投融資についても外務省としても積極的に促進させる、こういうふうに理解しておいてよろしいわけですね。
○堂ノ脇政府委員 中南米諸国は我が国との経済関係、貿易、投資、金融、あらゆる面でアメリカに次ぐ、あるいはアメリカ、ヨーロッパに次ぐような地位を日本が占めておりまして、我が国としましても、現在の中南米諸国の経済困難の中で民間の御活躍もお願いして、これらの国の経済発展に側面的に協力したい、そういう方針で臨んでおります。
○玉城委員 そこで、一九八四年のラテンアメリカ経済報告、これは外務省からいただいた資料を見ますと、中南米地域全体の主要経済指標は、数字で見る限りにおいては確かに景気回復を示しているように見えるわけでありますが、しかし、域内全体の経済動向をあらわした数字が、必ずしも域内それぞれの国の景気回復を示すものではないと思うのですね。したがって、域内経済の回復兆候が見られるとしても、中南米経済を決して楽観視することはできないと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○堂ノ脇政府委員 ただいま、先生の御指摘のございましたとおりでございまして、中南米地域では、一九八二年にメキシコの累積債務支払い不能という問題を発端としまして経済的な危機に入っておるわけでございますが、その後のそれぞれの諸国の自助努力、そしてまた国際金融機関の協力、また先進諸国、特に債務国側の政府、民間銀行の協力といったことによりまして、次第に中南米地域の経済も持ち直してきているという状況でございます。 特に、アメリカの好景気ということがかなりよい結果をもたらしまして、昨年、一九八四年の中南米経済全体について見ますと、国連ラ米委員会の報告が指摘しておりますとおり、初めて成長が全体としてプラスになったという状況でございまして、昨年の成長率は約二・六%ということでございますが、これは一昨年のマイナス三・一%、その前の年のマイナス一%というのに比べますと、極めて明るい材料であるということが言えるかと思います。 しかし、経済活動の回復は主として経済規模の大きな国、すなわちメキシコ、ブラジル等に限られておりまして、その他の多くの国ではまだ目立った回復が出ておりません。例えばウルグアイにつきましては、依然として昨年の成長率がマイナス二%、ベネズエラにつきましてはマイナス一・五%、それからグアテマラ、パナマにつきましては成長ゼロ、ボリビアにつきましては〇・五%、ニカラグア〇・五%という程度の成長しかしていないわけでございまして、こういう状況でございますから、全体的に合計しますと楽観できる要素も出てきておりますけれども、しかし、それは確かにばらつきがあるということが言えるかと思います。 また、貿易面を見てみますと、やはり累積債務問題ということが念頭にございまして、各国とも輸入を抑え輸出の増大のための努力をしておりまして、その結果、ブラジルでは昨年百二十六億ドル、メキシコが百三十五億ドル、アルゼンチンが四十四億ドルという貿易収支の黒字を記録しております。 また、インフレについて見ますと、必ずしも楽観できない要素がたくさんございまして、中南米全体では一九八四年には一六五%ということでございまして、前年よりもさらに上回っている。すなわち、八三年の一三〇%をさらに上回っていると言うことができます。インフレの抑制に比較的成功しておりますのはメキシコあたりでございまして、他方ボリビアあたりでは一〇八五%とか、あるいはけさの新聞を見ましても、四〇〇〇%というような信じがたいほどの大きなインフレ率でございますし、アルゼンチンにつきましても、この一年間努力してまいりましたが、まだ六〇〇%台、ブラジルにつきましても二〇〇%近いという状況でございます。 そういうことから見ますと、中南米地域の経済全体としまして比較的明るい材料も出ておりますけれども、ばらつきがある、特にインフレ面ではまだなかなか抑制効果が出てきてないということが言えるかと思います。
○玉城委員 中南米諸国の対外貿易は、米国の景気動向、輸入増大に強く依存していると思うわけでありますが、このような密接な関係からして、米国の経済貿易政策によって受ける影響は極めて大きいものがあると思うわけであります。したがって、米国の景気動向を含め、中南米諸国の対米貿易に対する今後の動向を外務省はどのように見ていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○堂ノ脇政府委員 米国と中南米地域の経済関係は、地理的な近さ、また歴史的な経緯もございまして、大変深いわけでございます。そして、中南米諸国からの対米輸出といったものを見ますと、対米依存度が全体の約三分の一ということでございますし、輸入面での対米依存度も、ややそれを下回る三割弱程度というふうになっております。 また、その比較におきまして対欧州といったものを見ますと、輸出入とも二割弱、それから我が国の場合は数%という感じでございまして、そういうことから中南米諸国はアメリカに対して非常に強い期待を持っておりまして、アメリカの好景気が続くことを希望しておりますし、また、アメリカのいわゆる保護主義的な傾向が出てくることを非常に懸念しているという状況にございます。またアメリカ側も、中南米地域に対しては深い関心を持っておりまして、中南米諸国の経済が回復するために、できるだけ中南米の製品を輸入するという姿勢も示しているという状況だと理解しております。
○玉城委員 今ちょっとおっしゃいましたけれども、ヨーロッパ諸国における現在の高い失業率とそれに伴う保護主義的な考え方の台頭、アメリカも含めてですけれども、中南米諸国にとっては、今後も対ヨーロッパ貿易の拡大に期待することは無理ではないかと思うのですね。したがいまして、さっきも申し上げましたように、中南米諸国における最近の貿易黒字は、関税率の引き上げや厳格な輸入規制などによって輸入額を大幅に減少させて、輸出を幾分伸ばしたという程度であって、貿易収支が黒字ということで中南米諸国の経済が回復に向かったということにはならない、重ねてお伺いしておきます。
○堂ノ脇政府委員 先ほども申し上げたとおりでございますが、アメリカの好景気の影響を受けまして、中南米諸国の景気も昨年度を通じまして約二%程度経済成長を遂げた、また、貿易黒字もかなりのものが見られたということは事実でございますが、これがいつまでも持続できるかという点につきましては、中南米諸国も非常に大きな懸念を持っているということも事実でございます。 また、累積債務問題自体につきましても、その支払いを多年度にわたって繰り延べるという交渉が幾つかの国について行われまして、そういうことから毎年の支払いは、今後数年間がない低い額で済むということになっておりますけれども、全体の累積債務の額が減っているわけではございませんで、中南米地域にとっては非常に厳しい状態である。したがいまして、いろいろな場を通じまして中南米地域は、特別の配慮とか援助とかといったものが必要であるということを、声を大にして言い続けてきているのが現状であろうと思います。
○玉城委員 したがいまして、この公社協定につきましては、非常に結構な協定ではないかと私は思うわけでありますが、現在、中南米諸国への海外民間資本、特に海外銀行からの融資は先細り状況にあり、このままでは今後海外民間投資の回復は期待し得ないのではないかと思うわけであります。したがいまして、今回のこの投資公社の設立や自国経済の立て直しの努力などにより、海外民間投資の復活を図ることが中南米諸国にとって当面重要な課題ではないか、このようにも思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○堂ノ脇政府委員 全く先生御指摘のとおりでございまして、累積債務でございますと元本、利息とも返済が要請されるわけでございますが、投資であればそれがそのまま投資先の国に定着する、しかも流通、移転を伴うということで、中南米地域の経済発展のためには大変に貴重なものであると考えられております。我が国の場合、恐らくアメリカに次ぐぐらいの民間の投資累計額になっておりまして、これまでの対中南米投資の累計を見ますと約百七億ドル、これは八四年、昨年の三月末の数字でございますが、この数字を見ましても日本がアメリカに次ぐ投資国であると言えるわけでございます。 ただ、最近の経済的な困難といったことを反映しまして、投資がこの一、二年の間先細り的な傾向があったことも事実でございまして、それにもかかわらず、例えば昨年ブラジルの大統領が訪日されました際には、ブラジルのセラード農業開発につきまして我が国から二億ドルぐらいでございましたか、民間、政府合同で資金の供与を行うということをいたしましたし、また輸銀からも、一億ドルの融資をするという決定を行ったわけでございます。 そういう努力によっても、民間の投資活動が最近さらに活発化しているというふうに了解をしておりますし、また、今回御審議を願っております米州投資公社を通ずる援助といったものが、さらに我が国の民間企業の対中南米諸国への投資意欲を促進する上で効果がある。また、投資公社自体も投資をするわけでございますが、それに加えて民間の投資意欲といったものも、これによって勇気づけられるという効果があるのではないかと期待しているわけでございます。
○玉城委員 ここで改めてお伺いしておきたいのは、国際政治経済社会の中で中南米諸国の占めている地位を外務省はどのように基本的認識を持っていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○堂ノ脇政府委員 世界に百六十ほど国がございますが、中南米地域だけで独立国が三十三を数えておりまして、どちらかと申しますとLLDCではなくて、かなり中進国的な地位にある国が大部分でございまして、そしてまた、非同盟グループにも入っておりますけれども、中進国であることを反映してか、大部分が穏健な非同盟グループに属しているというふうに私どもは見ております。また、この数年の傾向を見ますと、軍事政権あるいは独裁政権にかわりまして民主政権が続々とあらわれてきておりまして、三十三の国のうち、民主的な手続によって政府、大統領などを選出しております国が二十数カ国になっている。これは、数年前にはわずか十余りでございましたけれども、大変な民主化の傾向であると思われますし、これがまた、世界の国際政治の中における民主勢力、我が国を含めます民主主義、自由主義諸国と同じ政治信条を持つ国々となってまいるわけでございますので、大変に好ましい傾向であると我が国としては考えておるわけでございます。 そういう国が国際社会の中で大きな発言力を持っていることは明らかでございまして、国連等の場でも、よく中南米諸国は一致して穏健な立場から国際政治の諸問題に発言してきておる、また、その解決にも協力してきておるというふうに考えております。また、国際経済問題につきましても大体同じことが言えまして、中南米諸国は、我が国にとっては特に大事にすべき穏健な主張を持った非同盟グループであると我々は認識しております。
○玉城委員 そこで、資源も少ない我が国にとって中南米諸国は、鉱工業原材料、食糧等の安定供給地域として、また工業製品の輸出市場及び投資先としても重要な地域だと思うわけです。したがって、今後の我が国外交にとっても、この国々との外交はさらに重要になってくると思いますが、重ねてお伺いいたします。
○堂ノ脇政府委員 資源供給国といった点から考えてみますと、例えば現在我が国は、鉄鉱石の約半分ほどを豪州から輸入し、四分の一ほどをブラジルから輸入しているわけでございますが、埋蔵資源あるいは鉄鉱石の質のよさといった点から申しますと、早晩ブラジルが豪州にも劣らない重要な鉄鉱石の供給先となっていくだろうと見られているわけでございます。また銅につきましても、チリが世界の銅の埋蔵量の四分の一を持っていると承知しておりますが、現在でも我が国の輸入する銅の一二%が中南米から来ているという状況でございます。 また、家畜用の飼料でございますが、これも現在中南米地域から約二二%が来ておる。そしてまた農産物に関して申しますと、先ほど申しましたブラジルにおける食糧増産のための計画に我が国も協力しておりますが、ブラジルは二十一世紀における、アメリカに劣らない、アメリカに取ってかわるかもしれない世界の食糧の宝庫になっていくだろうと見られているわけでございまして、そういった点からも我が国あるいは東アジア諸国と中南米地域といったものは、経済的にも相互補完関係にあるということが言えるかと思います。
○玉城委員 そこで、これまでどちらかといいますと欧米偏重であった中南米諸国も、最近我が国に目を向け始めているようであります。中南米諸国が特に我が国に対し関心があるとすれば、何を期待し、何を希望していると外務省は受けとめていらっしゃるか、お伺いいたします。
○堂ノ脇政府委員 中南米諸国が我が国に対して期待しておりますのは、やはり我が国が戦後四十年の間に経済的に大きな発展を遂げ、また科学技術の進展を遂げたということでございまして、そういう日本の経験から学べるものがあったら学びたい、あるいは日本のまねをしたい、そしてまた日本は経済的にも力があるのだから、中南米諸国の経済発展のために援助をしてほしいというのが、我が国に対する期待でございます。 また、その背景には九十五万人にも上ります在留邦人、日系人の存在がございまして、これらの日系の移民の方々、移住の方々が、それぞれの移住先で経済発展のため、あるいは社会の発展のために非常に模範的な活躍をしてこられたということから、中南米諸国はその面からも日本に対して大きな期待といいましょうか、関心と期待を持っているということが言えるかと思います。 また、第三番目に申し上げられるのは累積債務問題でありまして、午前中の御討議でもございましたが、我が国はアメリカに次ぐ大きな債権国でございまして、我が国の銀行が中南米諸国に貸し出しております金額は三百億ドルを下らないと見られているわけでございます。その累積債務の返済条件の緩和といった問題に関しまして、これまで我が国の銀行あるいは政府が極めて前向きに協力的に対処してきたということが中南米諸国からは非常によく理解され、また評価されているということがございます。そういうことで、最近中南米地域は我が国に対する期待を高めておりまして、要人の往来ということも活発化してきているという現状でございます。
○玉城委員 今局長さんがおっしゃいましたように、そういう期待に対して我が国としても当然こたえなければならぬと思うのです。基本的には、向こうは経済援助、また百万人近い日系人が定着、貢献していらっしゃるということだと思うのですが、この米州投資公社もその一環だと思うわけです。どういうふうに基本的に、中南米諸国に対して我が国として今後こたえていくのか、お伺いしておきます。
○堂ノ脇政府委員 中南米諸国の我が国に対する期待は、経済、社会、文化、科学技術、あらゆる分野において非常に高いわけでございまして、各国別に、そして各分野別にできる限りのことをしていくしかないわけでございますが、例えば経済面では、この米州投資公社の設立に日本が協力する、そこにまた将来は融資とかいろいろな形で協力しながら、その公社の活動を通じてこれらの地域の民間企業の活動を助けていくということが一つございますし、またそのような公社の活動以外にも、日本の民間企業自体が、中南米の重要性ということを従来からも認識をしておりますけれども、最近の経済危機にもひるむことなく、自信を持ってさらに中南米に進出していただきたいし、投資、融資を行っていただきたいと考えております。 〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕 また、経済協力面でもいろいろ難しい条件はございまして、リスケジュールになっている国もたくさんございますけれども、そういう中でも何とか日本の経済協力、有償無償を含めましてふやしていくということに努力すべきものと考えておりますし、また文化、科学技術等の面でも、これからもますますいろいろな機会、相手国からの大統領の訪日の機会とかそういう機会を通じまして具体的な合意をし、人の交流を通じましてそういった分野でのそれぞれの国の発展に御協力申し上げたいというふうに考えております。
○玉城委員 そこで、数年前からブラジルに、ブラジルの工業製品あるいは食糧等を日本、東南アジアに輸出する窓口づくりをしたいということで、アジアポート構想というのがあるのですけれども、外務省そのことを御存じなのか、知っていらっしゃったら、どういう評価をされるのか。
○堂ノ脇政府委員 アジアポート構想と申しますのは、前にも御説明したかもしれませんが、ちょうどヨーロッパにおきましてロッテルダムがユーロポートと言われるように、経済活動の一つの物資の集積所をつくろうという構想でございます。これは特に、リオドセ社というブラジルの半官半民の企業がございますが、ここが中心になって提唱してまいりました構想でございまして、日本の南部など、日本に限るわけではございませんが、アジア地域の一部にアジアポートというものを建設しまして、そこにブラジルなど中南米からの産品、特に鉄鉱石、農産物などの中継備蓄加工基地を建設する。そうしますと、二十万トン級の大型の船を就航させまして経費も安上がりになってくるし、また中南米にとっても、貿易、輸出先の多角化ということにも役立つというのがブラジル側の考え方でございまして、またその帰り船でアジアから帰っていく際に、中東の原油とか、あるいは豪州の石炭といったものを運んでいくことが基本的な考え方のようでございますが、何分まだ大変に漠然とした、二十一世紀に向けての雄大な構想という状況でございます。 ただ運輸省では、既にこのための研究調査の予算を組んでおりまして、五十九年度一千七百六十一万円、それから昭和六十年度に一千四十六万円を計上して、このアジアポート関連の研究調査に当たっているようでございます。また、昨年ブラジルの大統領が訪日されました際にも、この問題につきましては中曽根総理との間で若干の意見交換がございまして、我が国としてはこの構想に引き続き関心を示して協議をしていきたいというふうに、我が方の立場を総理からお伝えいただいたことがございます。
○玉城委員 とかく我が国は、今経済問題で世界からいろいろ非難を受けているわけでありますし、そういう今の構想についても、やはり国際的な経済の安定、繁栄という立場からも我が国が貢献できるというものであれば、積極的にこういう構想についても協力をしていくべきではないか、このように思うのです。 この問題に関連しまして、実はブラジルのサンパウロと沖縄とでミニ・アジアポート構想という計画がありまして、気候的にも非常に似ているということで沖縄にそういうミニ・アジアポートを建設すべきであるというような計画もあるのですが、御存じですか。
○堂ノ脇政府委員 まだ、この構想自体が検討の初期の段階でございまして、また極めて雄大な構想でございますので、具体的にどういう場所にそういうアジアポートを設けることがよいかという話にまでなっていないと思うのでございます。我が国では、例えば大分県あるいは兵庫県などが大変強い関心を持ってきたことは従来から承知しておりましたけれども、ただいま先生御指摘の沖縄県の話は私は初耳でございます。
○玉城委員 今後こういう構想、計画も具体化されていくと思いますし、我が地域からも要望が出てくると思うのですが、外務省も関心を持っていただいて、推進をしていただきたい、このように思うわけであります。 大臣いらっしゃいましたので大臣にお伺いしたいのですが、安倍外務大臣は昨年九月のメキシコ訪問に続き、本年一月早々コロンビアも御訪問されていらっしゃるわけであります。特に、コロンビア訪問は、我が国現職閣僚としては初めてだということも承っておるわけでありますが、安倍外務大臣とされて中南米の国々に対し、こういうふうに積極的な外交姿勢を示していらっしゃる、その理由をお伺いしておきたいのです。
○安倍国務大臣 日本も、これだけ経済的に大きくなったわけでありますし、また政治の面においても、世界の平和に貢献していかなければならないという役割がますます重要になってきたわけでございます。そういう意味で、中南米諸国と日本との関係を見ますと、中南米には日本人も移民として随分多く行っておりまして、そして中南米諸国の開発等に貢献をし、日本との協力関係の大きなくさびになっておるわけでございますが、まだまだ経済、貿易の面で見ると十分でない点もあるわけでありますし、あるいはまた政治的な対話という面も不足しておる。ですから、これからやはり日本が世界の中で信用されていく、幅広い外交を展開していくためには、中南米諸国というものを重視して、日本として政治の面の対話を進めるとともに、経済的にも貢献をしていく、そういうことが必要であろう、こういうふうに思いまして、これらの諸国に対しまして積極的な姿勢をとっております。 私も、まずやはり自分で行かなければならない、こういうように考えましてコロンビアを訪問いたしたわけでありますが、大変コロンビアでも歓迎を受けたわけでございます。それは、日本に期待するところが非常に大きいわけであります。日本からの経済的なアクセスもあることはあるわけでございますが、行ってみまして、あれだけの膨大な資源を持っておりますし、確かに財政等においてはなかなか厳しい面もありますけれども、やはり日本として十分これから経済、貿易あるいは資本進出等について道が開けてくる国であろう、こういうふうに考えております。こうした関係をさらに密接にしていかなければならぬ。これはひとりコロンビアだけではなくて、その他の国々に対しても積極的に今申し上げたような姿勢で取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○玉城委員 今大臣もおっしゃいましたとおり、私は、中南米地域は我が国にとってアジア地域やアフリカ地域にはない特異性があると思います。それは、この地域に百万人近い邦人が定住し、その子孫が定着し、おのおのの居住国で確固とした日系社会を形成しているということだと思うのです。これは、我が国と中南米諸国との将来の協力関係の形成、発展にとって、極めて貴重な資産であると思います。したがって、我が国と中南米との関係は、これまで地理的な遠隔さもあって必ずしも濃度の高いものではなかったと思いますが、外務省としては当然、この日系の方々が我が国と中南米諸国との持続的、長期的親善と友好に寄与できるよう、外交的にも特別な配慮をしていただくことが必要だと思うわけであります。 そこで、この機会に移住の問題について若干お伺いをしておきたいわけでありますが、中南米諸国における我が国からの移住者の方々の実態について、概略御説明いただきたいと思います。
○谷田政府委員 ただいま委員のおっしゃいましたとおり、中南米諸国には大変多くの数の移住者、それからそれの子孫によって日系社会というものが構成されております。地域全体で申しますと、まずブラジルに約八十万人、それからアルゼンチンには三万二千人、ペルーにおきましては七万人、それからボリビアに七千人、あとパラグアイにも六千人ほどございますが、こういったところが主な国で、ただいま委員おっしゃいましたとおり、それぞれの国におきまして経済社会の発展に非常に大きな貢献をいたしております。特に中南米の場合は、農業移住というものを中心にして行われてきたということがございまして、農業技術の移転という面におきまして、それぞれの受け入れ居住先国から非常に高い評価を受けているわけでございます。 このようにいたしまして、この日系社会による貢献というものは、さらに日本とその国との関係における相互理解、信頼感の醸成ということについて大変大きな役割を果たしてきておりまして、我が国としては、今後ともこの日系社会の健全な育成、そしてその発展を通じまして、ひいては二国間のそれぞれの国との間の関係のさらに一層緊密な増進というものを進めてまいりたいと基本的に考えております。
○玉城委員 そこで谷田さん、この機会にお伺いしておきたいし、また皆さんの対策を強く要望したいのは、ボリビアのサンタクルスに、昭和二十九年に沖縄から計画移民でたくさんの方々が入植されましたですね。三十年過ぎているわけですが、それはジャングルを必死の思いで開拓をし、まさに筆舌に尽くし得ない辛酸をなめて、やっとその苦労が報われつつあるわけです。ところが、数年前から現地のインディオの方々がその入植地に入り込んで、その土地を自分の所有地としてどんどん塗りかえてきて、現地の裁判に訴えるのですけれども、法制上のいろいろな違いもあり、あるいは現地の日本の大使館あるいは国際協力事業団に訴えてもらちが明かない、効果がない。大変途方に暮れているのです。これはどういうことなんでしょうか。
○谷田政府委員 ただいま御指摘の土地問題に関しまして、私どもの存じておる限りでは、これは沖縄の第三移住地の所有地の問題であるかと思います。御存じのとおり、沖縄に第一、第二、第三とございますが、この第三の移住地におきまして、未開墾の二千ヘクタール前後の土地が二年ほど前から周辺住民の侵入を受けて、土地の係争問題が起こって大変深刻な問題になっているということでございます。それで、この係争の処理に当たりましては、現地の移住者団体であります沖縄総合農牧協同組合というのが当事者になっておりますが、政府といたしましても、現地の大使館がこの組合の相談を受けまして、ボリビアの関係当局、特に農牧大臣を初めとして、先方の政府の責任者に対してもう既に何回にもわたりまして善処方を申し入れる等、速やかな問題の解決を図るべく努力しております。 ただ、本件につきましては、相当広い土地が未開墾のまま手つかずに残されているというところが大きな問題でございまして、これはもともとこの土地を無償で先方の政府から譲渡されたものでございますけれども、それには開墾をするということが一つの条件になっておるわけでございます。ところがこの第三移住地に関しましては、入植する人の数が非常に少なかったということ、現在二百人ございますけれども、その後も新規の移住者の数がふえていないということでございますが、結局その土地が手つかずに残っている。それに対して周辺の住民が、やはりいい場所に目をつけて、その方に引き寄せられてくるといった傾向があるわけでございまして、この問題につきましては、我が方としては、できるだけこれを行政的に政府との間で解決したいというふうにしていろいろ努力しておりますけれども、やはり訴訟問題ということにもなっておりまして、裁判所に持ち込まれたという事態にも進展しておりますので、我々としては、やはり事態に応じて、一面では訴訟問題という形で扱っていかざるを得ないけれども、側面的には、できる限り行政的にもこの速やかな解決に努力しているという事態でございます。
○玉城委員 ですから、なかなか効果が上がらないといって現地からいろいろな訴えが来ているわけですが、もう少し真剣に、さっき申し上げましたとおり、せっかく三十数年それこそ大変な苦労をして入植して、そこが今よくなったからといって現地の方々がその土地は全部自分のものだという形になったら、これは大変だと思うので、ひとつ善処方をよろしくお願いしたいわけであります。 もう一つ、この問題に関連しまして、先ほど党ノ脇さんもおっしゃいましたとおり、ボリビアはインフレ四〇〇〇%ですか。ですから、ここに公立の小中学校があるのですが、学校の先生方の給料はもらえないということで、ほとんど学校も銀行も閉鎖、政府は破産状態ですね。もう末期的な状況です。それで、子供が非常に学力が低下しているわけです。向こうの子供から手紙もありまして、パーロ、休校という言葉が私たちを何よりも悲しませます、毎日安心して勉強ができるようにしてもらいたいと、そういうふうに沖縄の方に手紙で訴えているわけですよ。 そういうことで、何とか子供たちの教育ができるようにということで、いろいろな文房具類とか教科書、いろいろな読み物とかを送るわけですけれども、向こうで莫大な税金がかかるそうですね。例えばサッカーのボールが表示価格五千円、二十ドルとして、その二十ドルのサッカーのボールに二ドルの税金がかかる。大人の賃金が一日一ドルだそうですね。だから、大人の賃金二日分を税金として払う、こういうことで、それは受け取る側が払わなくちゃならない。せっかく送ってあげても、向こうの段階でそのような税金を取られる。せっかく、子供たちの教育のために何とかプラスになろうということで送っているものがそういう状況で、何とか免税措置を講じてもらえないかという訴えがあるのですが、どうでしょうか。
○谷田政府委員 ただいまの問題につきましては、私どもといたしましても大変大きな関心を持って見ております。 〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕 教材不足の現地学校への物が免税で受けられるようになるということは大変我々としても望ましい、これはぜひとも実現しなければならないと思っております。 ただ、これはやはり現地の制度上の問題でございまして、この対策といたしましては、一つは、学校の教具教材である、教育上欠かせないものであるという意義を強調いたしまして、先方の規制の緩和を求めるということでやるということ。それから、どうしてもそれができないということであるならば、現地での例えば在外公館あるいはJICAの支部を通じまして何らかの便法を講ずるということ等、ただいまの段階ではいろいろと対策を真剣に考えており、何とか免税でこういうものが先方の手に届くように、我々としては最大の努力をしたいと思っております。
○玉城委員 いろいろ便法を講じて、何とか免税措置がとれるように努力したいというお話でありますが、その一つに、在日ボリビア大使館の証明書を事前にもらえば、そういう受け取りの段階で何かできるというようなことも現地の方から言ってきておるわけですね。その点はいかがでしょうか。
○谷田政府委員 御指摘の点につきましては、私ども、現地の大使館の方と早速この点連絡いたしまして、そういう措置でもってうまく免税措置がとれるかどうか確認した上、もしできるものであれば、早速にそれは実行いたしたいと思います。
○玉城委員 もう一つ、アルゼンチンに移住されてから来年百年になるということで、これは私、どちらがどうということをここで申し上げるつもりは決してありませんが、来年、移住されて百年祭という記念行事をしたいということ、それに向こうの大統領さんも現地の日本大使館も絡んで、日本人会が二分された形、これはこちらでも大きく報道されておったわけですね。 いろいろな言い分があるとは思いますが、これは先ほどからずっと私がお伺いして、中南米諸国は我が国にとって非常に大事ですし、これから二世、三世、四世とどんどんその国に貢献しながら、我が国との関係も非常に良好な状態に持っていこうという非常に大事な時期でもある中で、そういう絵柄というのは余りいい格好じゃないですね。ですから、向こうの大統領まで関係して、大使館の方々も関係して、そういう日系社会が分裂みたいな格好というのは非常に好ましくない。いかがでしょうか。
○堂ノ脇政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、明年がアルゼンチンのコルドバというところに牧野金蔵という方が移住されましてちょうど百年に当たるということで、この百年祭を祝おうではないかという動きがアルゼンチンにおきます日系社会の間で起こったわけでございますが、そのアルゼンチンの日系社会、まことに残念なことに内部に意見の対立がございまして、その祝い方につきましてもなかなかまとまらない。そうこうしておりますうちに大統領令が出まして、百年祭を国家的な行事として祝おうという大統領令が出たものですから、それをめぐってさらに争いが激化したというのが実情でございます。 そういう中で、現地の日本大使館も大変に心配しまして、もし百年祭を祝うとなれば、大統領令が出た以上は日本政府も協力を求められるだろう、やはりお祝いをするなら効果的によくまとまってやってもらいたいという気持ちから随分努力されたわけでございますが、なかなか内部対立が解けないという状況でございまして、その後アルゼンチン政府側もこの大統領令を撤回するということになりました。撤回しましたときの理由は、この百年祭を祝うに当たって予見されるいろいろな行事、日本政府もアルゼンチン政府も協力を要請されるということであるが、その日本政府、アルゼンチン政府の協力に先立つ意見の調整というものが行われてないので、これを撤回するということになりまして、そういった意味ではこの百年祭問題は、日本政府、アルゼンチン政府に関する限りはともかく、現在の状態ではないことになっているというふうに思います。 いずれにしましても、この問題、在アルゼンチン、アルゼンチンの国籍のある方が大部分だと思うのですが、日系人社会の問題でございまして、そのような分裂は、一刻も早く対立が解消されることが望ましいのではないかというふうに考えております。
○玉城委員 最後に大臣にお伺いしたいのですが、この米州投資公社協定に関連しまして先ほども御質疑があったのですが、ニカラグアに対するアメリカの経済制裁の問題についてですけれども、これはアメリカの気持ちもわからないではないわけですけれども、大国がああいう小さい国を締め上げるような措置というのは、国際世論も相当抵抗が出てくると思いますけれども、そういう中で我が国としても、これは報道にあったわけですが、中米諸国に対する経済援助を強化しようという段階で、ほかの中米諸国には経済協力はするけれどもニカラグアを除いてという、これは日米協力してむしろ逆にニカラグア問題というものをソ連の方に追いやる、解決を非常に複雑にややこしくしてしまうのではないかという懸念があるわけですね。大臣、率直にどういうお考えでしょうか。
○安倍国務大臣 ニカラグアにつきましては、日本の基本的な姿勢というのは、あくまでもコンタドーラ・グループのイニシアチブというものを支持して、そしてニカラグアの内乱といいますか紛争の平和処理ということ、平和解決を願っておるわけで、したがって我々は、コンタドーラ・グループとは非常に緊密に連絡、接触をしながら、コンタドーラ・グループの動きを支持し、応援しておるわけです。 しかし、アメリカとニカラグアとの関係は依然としてうまくいかない、そういう中でだんだんと情勢が緊迫して、アメリカが経済制裁を加えるということになってしまったわけでありまして、これはアメリカとニカラグアの関係ですから、日本としてこれに対して今コメントするということはどうかと思っているわけですが、しかし我々の基本的な姿勢というものは、あくまでもコンタドーラ・グループによって事態を収拾してもらいたいということでありまして、アメリカの経済的な制裁というのがどのような効果を上げておるのか、これによって非常に悪い状況にまた進んでいるのかどうか、今のところははっきりした見通しもつきません。 しかし私は、こうしたことが逆にコンタドーラ・グループを刺激して、その活動を大いに活発化させるということになり、解決の方向へ向かって前進するということを期待をいたしておるわけでございまして、今のところはまだ見通しはつかないわけであります。日本の姿勢は、あくまでもそうした姿勢で貫いていきたいと思っております。
○玉城委員 残余の質問はまた後日にして、質問は以上で終わります。
○愛野委員長 次に、木下敬之助君。
○木下委員 米州投資公社は、昭和五十四年にオルティス・メナ米州開発銀行総裁より、民間企業に対する直接投資を拡大することを目的とする新たな機構を創設するべきであるとの提案を受けて設立するに至った、こういうことでございますが、どこに新たな機構を創設しなければならない必要性があったのか、その理由をお伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 ただいま御指摘のように、昭和五十四年、オルティス・メナ総裁よりの提案が行われまして、その後種々の経緯を経て、本日御審議をお願いいたしております公社の協定案に至ったわけでございます。 本公社、米州投資公社を設立する必要性ということにつきましては、まず第一点は、米州開発銀行が、同地域の経済開発に関しまして地域の開発銀行として機能しているわけでございますけれども、米州開発銀行の融資の対象が、まずほとんどが政府及び政府機関を対象にしている。また、民間企業に対しまして融資を行います場合にも、政府等による保証を要求する。要求し得るとなっているのですが、現実には全部要求をしているということから、なかなか民同に対する融資が円滑にいきがたいという面が一つございます。もう一つは、米州開発銀行が投資活動を行えない。 この二つの制約がございますので、やはり中南米地域において占めます民間の活動の支援と、特に中小企業が果たしております役割を支援していく必要があるということで関係国の意見が一致いたしまして、米州投資公社設立の合意を見たというのが実情でございます。
○木下委員 民間に対しては、国際金融公社で対応ができるのではないか、このように考えられるのですが、国際金融公社があるにもかかわらず、新たに米州投資公社を創設しなければならない理由は何であるか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 確かにおっしゃいますように、世銀グループの中の国際金融公社が存在しておりまして、民間に対する投融資活動を行っております。国際金融公社は、当然のことながら世界全部を相手にしているわけでございますけれども、八四年度をとってみますと、投融資承認額の約二割が、累計では四割程度と承知しておりますが、中南米向けということで、かなり中南米に対しても国際金融公社が活動をいたしているのは事実でございます。しかしながら、国際金融公社の投融資対象企業の八割強、ほとんどが、資本規模が一千万ドル以上の大企業であるということ、それから中南米地域の対象プロジェクト等を平均で見てみましても、昨年度を例にとりますと三千六百万ドルぐらいの規模の投融資ということで、かなり大きな規模のものを対象にしているという制約がございます。 今回の米州投資公社が主たる対象といたしますのは、国際金融公社の業務では十分カバーできない中小規模を中心にする企業を育成しまして、これによりまして域内開発途上国の経済開発を促進するという目的から、本協定の合意に至ったという状況でございます。
○木下委員 この米州投資公社設立の目的にもはっきりと、「民間企業(特に中小規模の民間企業)」、このように記されていますが、ここに言う「中小規模」とはどの程度の規模を中小と言うのでありましょうか。基準はございますか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 協定上は、「中小規模」というものの定義は明記されておりません。今後、具体的な投融資の承認を行います際に、理事会ないし執行委員会が当該企業の位置します国の開発状況等を考慮しながら、対象となる企業を決定するということになるかと思われます。 ちなみに、交渉の過程でいろいろ議論が出まして、その際には、理事会ないし執行委員会が決定する際の基準として次の点を勘案せよという主張がございまして、三点ばかりございます。一つは、雇用者の数が多くなく、売上高とか資産価値が総体的に小さいために、その活動分野において支配的な地位を占めていないということ。第二が、大規模な金融グループと関係がないこと。それから第三番目に、他の大企業から法律的に独立していること。このようなことを考えながら、理事会ないし執行委員会は決定するように、こういう議論がございました。
○木下委員 その対象の規模について今お伺いしたわけですが、融資や投資の金額の規模の方のめどは何かございますか。
○藤田(公)政府委員 投融資の規模につきましても、具体的に投融資の承認を行います際に、執行委員会ないし理事会が投融資対象の企業の規模等を考えながら決定するということで、あらかじめ一定の基準が設けられてはおりません。しかしながら、今先生も御指摘のように、公社が中小の民間企業への投融資を目的にしているということ、それから本協定でごらんのとおり、当初の資金規模が全体で二億ドルという小さな規模であるということから考えましても、一件当たりの投融資の規模と申しますのは、先ほど御紹介しましたように国際金融公社が行っております一件三千六百万ドルというような大規模なものではなく、かなり小さな規模のものになると思われます。
○木下委員 開発銀行や先ほどの国際金融公社、こういったものが対象としている規模と、この投資公社の規模から考えられる融資の規模、投資の規模に相当大きな隔たりがあると感じられます。この二種類ではカバーできないと考えられる層があるように思いますが、今後この米州投資公社は増資する等の補強を行い、融資、投資の規模を拡大できる方向に進むと思われますか、どうでしょうか。お考えをお伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 実態的にはやはり民間の企業が対象でございますので、民間企業としましては、主たる資金の需要は民間の資金で充当するということがまず考えることかと思います。それに加えまして、御指摘の米州開発銀行それに本件公社というものがございます。また、先ほど先生も御指摘になりましたように国際金融公社。この種々のソース、種々の資金源を考えながら、民間の企業は申請をしていくということになると思われますし、国際金融公社と米州投資公社との対象がかなり乖離しているので、間があいてしまうのではないかという御指摘かと思われますが、この点は、特にどこからどこまでを投資公社で見てという具体的な基準がないわけでもございますし、運用の面である程度解決をしていくものではないかと思われます。 それから増資の点でございますけれども、まだもちろん業務も開始しておりませんので、直ちに増資云々ということにはならないと思いますが、協定上増資の規定もございますし、将来増資が行われまして公社の投融資活動が充実していき、その結果として活動対象もかなり広範囲にわたっていくという余地はあるというふうに考えます。
○木下委員 既存のものでは対応できない部分があるから新しくつくったんだ。聞いてみると、新しくできたものの二億ドルの範囲では、この分が対応できないからつくったという割には対応できる分が少ないので、その中間層はどうするんだということを聞いたわけです。今の答弁繰り返していると、何回りもしそうな感じでございます。まあ、そういうことにいたしておきます。 この米州投資公社設立に当たり、銀行の加盟国でありながら原加盟国とならない国があるようですが、それはどこどこの国で、その理由はどういったものでしょうか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 原加盟国になる資格のございます米州開発銀行の加盟国の中で、本公社へ加盟を予定していない国として九カ国がございます。域内国としてはカナダ、開発途上国たるスリナム、域外国は七カ国ございまして、ベルギー、デンマーク、フィンランド、ポルトガル、スウェーデン、英国及びユーゴスラビアという国々でございます。 参加しない理由いかんというお尋ねでございますけれども、審議の過程その他各国についていろいろ聴取しました結果について申し上げますと、スリナム、ベルギー、フィンランド、ポルトガル、英国及びユーゴスラビア等につきましては、財政赤字、援助予算の逼迫、外貨事情の悪化というような要因によりまして、公社への参加を見合わせたというふうに私どもは理解いたしております。 域内国たるスリナムでございますが、スリナムについては加盟を拒否しているわけではございませんで、今後自国の財政状況等を見ながら、加盟についてはまだ検討しているという状況と承知しております。 ベルギー、フィンランド及び英国でございますけれども、この三カ国は公社が発足いたしました後の進展を見守って、将来適当な時期に加盟について再検討するという意向と承知しております。 ユーゴスラビアは、自国の外貨事情が好転すれば加盟を検討するというふうに述べております。 カナダ、デンマーク及びスウェーデンの三カ国につきましては、何ゆえに公社に加盟しないかという理由ははっきりいたしませんけれども、間接的に承知しておりますところでは、当面は公社の活動状況を見守ろうという方針に立っていると理解しております。
○木下委員 日本は、三・一三%の出資をして原加盟国となる予定と聞いていますが、日本として原加盟国となる意義はどこにあるのか、お伺いをいたします。
○藤田(公)政府委員 我が国としましては、中南米地域に対しまして、米州投資公社の原加盟国として同地域の経済開発に積極的に貢献するという姿勢を示すことによりまして、我が国と中南米諸国との友好関係に資するということが、原加盟国として参加いたしたいという理由でございます。 御承知のとおり、この協定にございますように、原加盟国として加盟いたします方が、それ以後加盟国として参加いたします場合に比しまして有利な立場に立てるということもございますし、双方を勘案して原加盟国としての参加を決定したという状況でございます。
○木下委員 日本が予定しています三・一三%の出資は、適切であると考えておられるかどうか。また、もっと出資したいという希望があったり、もっと持ってはどうかといったような話があったのか、こういったことも含めてお伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 国際開発金融機関の出資の配分等は、どの機関についてもそうでございますが、各参加国のかなり激しい交渉によりまして決定を見るというのが今までの状況でございます。 本公社につきましては、全体の額のうち、借入国たる中南米諸国、開発途上国が五五%の過半数、先進国が四五%、このシェアが決定しまして、その後で、米国が先ほど先生言及なさいました世界銀行グループの国際金融公社などで占めております地位、これが四分の一強の出資シェアを持っておりますので、このような点も勘案しまして、米国については二五・五%という決定を見ました。米国は、もう少し多いシェアを内心は望んでいたものと思われます。 あとの残りました一九・五%を、同銀行の域外の先進国で配分するということになりました。この域外の先進国が九カ国ございますが、その中で比較的経済力もあるという国が我が国とドイツ、フランス、イタリア、スペインの五カ国でございます。この五カ国が大体同じようなシェアでいこうということで三・一三%のシェア、その他の国がもう少し低いシェアということで合意を見た、経緯的に申しますとこういうことでございます。
○木下委員 先ほど質問いたしました、参加を見送った国々が様子を見ているということですが、これらの国が参加することになったときに、その国にはどういう形でどんな割り当てがなされることが考えられるか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 これは、本協定の第二条第三項(d)に規定がございますが、原加盟国以外の国が加盟する際の出資シェア及びその応募の条件等に関しましては、理事会が決定をいたすということになっております。理事会の決定は、本協定の第四条第三項(b)によりまして、加盟国の総票数の過半数による議決によって行われるということになっております。
○木下委員 今回の投資公社は、米州開発銀行を補足する米州投資公社であるが、アジア、アフリカでも同じような考えのもとでの投資公社が設立されてもよいと考えられますが、そういった動きはあるのか、また、特に米州だけ先にできることになった理由をお伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 アジア及びアフリカにおきましては、それぞれアジア開発銀行及びアフリカ開発銀行という機関が存在いたしておりまして、両銀行ともに投資を行う機能を有しているということ、また現に投資活動も行っております。このようなこともありましてか、現在アジア及びアフリカにおいて、この銀行から独立した民間企業支援のための機構をつくろうという動きはございません。アフリカにおきましては、中南米と比較しますと、はるかに民間の企業の役割が成長していないということも一つの理由かと思われます。
○木下委員 次に、国際投資保証機構に関連して、お伺いをいたしたいと思います。 世界銀行が提唱していた、ただいま申しました国際投資保証機構が八六年中にも設立される可能性が出てきたとのことでありますが、これをどのように判断しているか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 国際投資保証機構、MIGAと申しますが、このアイデアが世銀の中でいろいろ検討されましてからかなり年月もたっております。特に、現在のクローセン世銀総裁が御就任になりましてから、非常に精力的に六機構の必要性というものを強調しておられまして、大分構想自体も煮詰まったような形をとりつつはございますけれども、まだ構想自体、世銀の中での部内検討の段階ということでございまして、関係国間での正式な協議に付されてはおりませんので、設立の時期がいつごろになるかということについては、私どもとして確たることは申し上げられない状況にございます。
○木下委員 この保証機構設立に対する我が国の基本方針は決定しているのか、この保証機構は設立すべきであるとの考えなのか、お伺いいたします。
○畠山説明員 世銀グループの一環としてこれは検討されております関係で、所管上、大蔵省が現在窓口としてこの検討に参加させていただいておりますので、私からあえて答えさせていただきますが、現段階で御質問に即して申し上げますと、まだ世銀内部ないし世銀が各国に非公式に協定案の内容を諮って検討をゆだねているという状況でございますので、正式に各国の参加要請を呼びかけているという段階にはございません。したがいまして、その段階に至りましたら、我が国としても基本的な方針を決定するということになりますが、現在まだその段階に至っていないということでございます。
○木下委員 外務省は、この点どのように考えておられますか。
○藤田(公)政府委員 一般論として申しまして、開発途上国に向かわれます投資の流れを促進していくというのが、開発途上国の経済開発上非常に大きな役割を持っていくわけでございますし、そういう点から世界銀行がイニシアチブをとられて、本機構の設立について積極的な活動をしておられるということは歓迎すべきものだと考えられます。私どもといたしましても、このような国際的な検討には、既存の制度との調和等も考慮しながら参加をしていくべきものと考えます。
○木下委員 国際投資保証機構の目的とその仕組みはどのようなものか、出資額はどの程度と考えているのか、お伺いいたします。
○畠山説明員 この国際保証機構の目的は、今外務省の局長からも御答弁ございましたように、返済負担を伴う債務ということではなくて、直接投資を促進するということでございまして、それによって途上国の民間活動を活発化するとともに、債務累積問題の抜本的解決のための一助とすることができるということを目的といたしております。 それから、この仕組みでございますが、先進国等が中心になって拠出した資本金、準備金をもとにいたしまして、それの一定割合までを直接投資を行った場合に保証をするということで、非商業的リスク、すなわち戦争危険とか収用危険といったような政治的リスクから発生した損に対しまして補償金を支払い、この投資保証機構が代位をするという形をとっております。現在考えられております授権資本額は、一応十億ドルと想定されているわけでございます。
○木下委員 通産省はこの保証機構の設立に消極的ではないか、このように伝えられた報道もございますが、それはどういう理由によるものでございましょう。
○長田説明員 世銀で検討されております投資保証機構構想につきましては、かなり長い年月をかけて検討されてきているわけでございますが、投資保険という立場からどういうふうに機能するかという点から考えてみた場合には、まだなお不明確な点もかなりあるわけでございます。そういうことで、私たちも、世銀がさらにこういう点についても検討していくというふうに聞いておりますが、通産省といたしましてもこういう検討には積極的に参加いたしまして、またその動向を見つつ、通産省としてどういう方針をとるかということを検討していきたいと考えているわけでございます。 伝えられるところによりますと、通産省は消極的と伝えられておるようでございますが、現在の通産省の態度は積極的とかあるいは消極的とかいうことではなく、まさにこの案を検討しており、これからも検討していきたいということでございます。 なお、先ほど外務省の方からも御指摘がありましたけれども、私ども昭和三十一年以来投資保険制度というものを有しておりまして、これの運営に当たっておりますが、これから検討していくに当たりまして、この制度との調整が非常に重要な課題であると考えております。
○木下委員 保証機構の設立をめぐり、開発途上国の一部に消極的な意見もあると聞いておりますが、各国の反応はどのようなものか、先進国の足並みはそろっているのか、こういった点をお伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、本機構の設立自体がいまだ正式に各国の協議のテーブルに上がってきておりませんので、各国の態度を正確に把握することはできないのが現状でございますが、先進諸国につきましては、おおむね本構想の検討には前向きな態度をとっていると承知しております。 中南米諸国の中にはかなり、外国投資の受け入れ問題につきましてはナショナリズムと申しますか、本件のような問題は自国の政策の枠内で処理していきたいという態度をとっている国があるため、かなり慎重な態度をとっている国もあるというふうに承知しております。
○木下委員 この保証機構は、開発途上国の開発促進のための政策として我が国はどのように位置づけていく考えか、お伺いいたします。
○藤田(公)政府委員 これは、先ほど大蔵省からも御説明がありましたように、直接投資と申しますのが債務負担を生じない安定的な資金供給方法であるということ、それから、投資に伴いまして技術、経営ノーハウ等の移転効果というものも大きいということから、直接投資の促進と申しますのは、開発途上国の輸出能力ですとか経済体質の強化という面で寄与するところが非常に大きいと考えます。またこれに伴いまして、累積債務問題克服という点からも、大きな役割を果たし得るのではないかと考えられます。 このような点から、開発途上国に対します直接投資の促進を目的とする国際的な投資保証の枠組みをつくるという必要性は、非常に大きいものと考えられます。
○木下委員 次に、昨年の七月に当委員会で私が取り上げましたアジアポート構想について、お伺いいたしたいと思います。 運輸省の委託により国際開発センターがさまざまな角度から調査を行っており、中間報告書が作成されたと聞いております。また、六十年度予算にも千四十五万円の調査費が計上され、全体システムとしての成立条件等について調査が継続されるようでございますが、五十九年度の調査において特に重点項目として調査された分野はどこか、お伺いいたします。
○相原説明員 お答えいたします。 五十九年度、運輸省の委託調査ということで、アジアポート構想基礎調査というのを実施したわけでございますが、その重点項目といたしましては、第一点といたしまして、世界経済の中長期的な構造変化の状況、それと本構想において輸送の対象とすべき品目の選定、位置づけについてが第一点でございます。 第二点といたしましては、対象品目の供給国、特にブラジルを予定しておりますが、供給国の輸出用インフラの整備の現状と見通し、それから対象品目の、特に農産物の農業生産見通しが第二点でございます。 第三点といたしまして、アジアの需要国側、特に東アジア、ASEANを予定しておりますが、それらの国における対象品目の需要見通しでございます。 第四点といたしまして、需要国、これも東アジア、ASEANを対象といたしましたが、需要国側の港湾整備、海上輸送の現状と見通し。 第五点といたしまして、中継輸送それから直行輸送、それぞれのコスト比較。 以上の項目を特に重点といたしまして、調査を実施いたしました。
○木下委員 運輸省としては、その中間報告書をどのように評価されているか、お伺いいたします。
○相原説明員 運輸省といたしましては、そもそもアジアポート構想というものが二十一世紀のプロジェクトであるというふうに取り上げておりまして、したがって現在行っております調査も長期的な視点に立ちまして、まず本構想自体の実現可能性があるかどうか、あるとした場合には現状では不足していると考えられる成立条件、そういうものについて今後短期的、中期的、長期的、それぞれの段階においてどのような施策を講じて成立条件を整備していったらいいか、そういう方向づけを得ることに主眼を置いて調査を実施いたしておるわけでございます。 この調査は、五十九年度を初年度として実施いたしましたわけでございますが、六十年度、本年度におきましても引き続き行うこととしておりまして、この意味では五十九年度の報告は中間的な報告であるというふうに理解しております。五十九年度当初予定しておりました項目につきましては、一通りの調査結果が得られたというふうに考えております。なお、さらに引き続き調査を要する事項もございますが、これらにつきましては、本年度の調査でカバーしてまいりたいというふうに考えております。
○木下委員 二年間にわたってアジアポートに関する概要を調査する、こういうことでございますが、その一年間の前半の調査を終えての報告として、どうですか、二年でやろうとしたものの一年分として、進みぐあいという点から見てどう評価されておられますか。
○相原説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、本調査は基礎的な調査であるというふうに理解いたしておりまして、そういう観点から見ますと、初年度の調査は当初の予定どおり進行しているのではないかというふうに考えております。なお、初年度の調査の検討結果につきましては、六十年度の調査結果とあわせて、一連の検討成果として取りまとめられるのではないか、そういうふうに考えております。
○木下委員 六十年度の主要調査項目は何を予定しているのか、お伺いいたします。
○相原説明員 本年度の調査の主要項目といたしまして現在考えておりますのは、第一点といたしまして、供給国側、特にブラジルを予定しておりますが、供給国の輸出用インフラ整備、輸送回廊と言っておりますが、輸送回廊整備の進展状況と見通し、それから対象品目の農業生産見通しが第一点でございます。 第二点といたしましては、需要国、本年度は特に中国を予定しておりますが、中国における対象品目の需要の見通し、それから港湾整備及び海上輸送の現状と見通しが第二点でございます。 第三点といたしましては、輸送を混載して輸送するという構想でございますが、その混載輸送についての分析を行うというものでございます。 第四点につきましては、備蓄についての東アジア及びASEAN諸国の考え方ということでございます。 第五点といたしまして、五十九年度とそれから本年度で検討した結果を踏まえまして、アジアポートというものの概念、意義の再整理を行うということで、六十年度の調査を進めてまいりたいと考えております。
○木下委員 五十九年度の調査によって新しく出てきたような問題等があれば、六十年度の調査項目に入れていかなければならないし、いろいろと調査すべき課題もふえておると思いますので、調査はあと一年で足りるのかな、こういう感じもしておるのですが、いずれにしても調査を続けていかなければならないと考えますが、来年度も何らかの調査費を計上し、調査を継続されるつもりか、お伺いいたします。
○相原説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、本構想は二十一世紀を目指した長期的なプロジェクトであるというふうに考えておりまして、現在行っておる基礎調査はその初歩的なものとして、今後どのような課題の解決が必要であるかというのを整理しようとしているものでございます。本年度、基礎調査の二年度目として引き続き調査を行うわけでございますが、来年度以降につきましては、中間報告の結果の検討、それから本年度の調査の見通し等を勘案して、決定していく必要があると考えております。したがいまして、来年度調査費を要求するかどうかということにつきましても、これらの検討結果を踏まえまして、来年度予算の準備作業とあわせて検討してまいりたいと考えております。
○木下委員 要するに運輸省としては、このアジアポートに関して調査検討を続けていかれることは間違いないですね。
○相原説明員 先ほど来申し上げておりますとおり、非常に長期的なプロジェクトでございますので、現段階の調査では必ずしも十分に明らかにできない分野も多々ございます。また今後、いろいろと関係諸国の経済動向あるいは開発状況を見守った上で進めていかなければならない点も多々ございます。また特に、本構想の提唱国でございますブラジル側とも、歩調を合わせて検討を進めてまいらなければならないということもございまして、我々といたしましても、来年度以降も引き続き本構想につきましては、検討は進めていく必要があろうと考えております。
○木下委員 ちょっと時間がございませんので、一つ二つ要望と質問をさせていただきたいと思います。 一つは、この二年間の結果でいろいろな検討をするであろうと思いますが、今このアジアポート構想に非常に積極的に対応したいと考えておるような自治体もございますので、その検討の中にはそういった自治体の意見も一緒に聞きながら、できるようなことを考えていただきたいと要望いたします。 最後に質問いたしますのは、この問題をもともと日本に要請したといいますか、持ちかけてこられましたブラジルのフィゲイレド大統領はやめられまして、その後新大統領になられましたタンクレド・ネベス氏は亡くなられる、こういうことで、現在ジョゼ・サルネイ氏が大統領に就任されて、国内のいろいろな問題に当たっていると思いますが、こういうふうにかわられた現在、このブラジルのいろいろな情勢の中で、ブラジル側は本構想に対して現在及び将来どのような姿勢でおると把握され、分析されているのか。そして、この構想はもともとブラジルからの要請で、日本で調査し、検討しておるものでございますが、そういう状況で二年間調査して、その後も検討していくという、これはブラジルから言われてするというのじゃなくて、日本自身も、この構想に日本として取り組む考えを持っておるかどうか、この点をお伺いして、もう時間が来たのでやめなければならぬなと思っております。
○堂ノ脇政府委員 先生御指摘のとおり、この構想はブラジル側から提案されてきたものでございまして、昨年フィゲイレド大統領が来日されました際にも、中曽根総理との首脳会談の際にも言及されたわけでございますが、本年三月任期が参りまして、新しく就任することになっておりましたタンクレド・ネベス大統領が、病気になられて亡くなられたわけでございます。現在では、サルネイ副大統領が昇格して新大統領になっておられるわけでございますが、このサルネイ政権のもとで、この構想についてどのような見解が持たれているかにつきましては、特に今のところは情報はございません。 しかし、この考え方は基本的には、先ほど申しましたが、リオドセ渓谷開発会社というブラジルで一番大きな企業がかねてから唱えておるものでございまして、ブラジルの長期的な、政策的な性格を持っているというふうに考えるわけでございます。 我が国としましては、ブラジル側からこの問題について協議を受けるということについては、今後とも変わらない態度で、前向きの態度で関心を示していくということになろうかと思っております。
○木下委員 日本としてやっていくかどうかという質問に対して。
○堂ノ脇政府委員 この構想自体が大変雄大な構想でございまして、二十一世紀の世界経済というものをにらみながら、こういうアジアポートといったものをつくってはどうかという程度の考え方でございまして、我が国としては引き続き関心を示して研究をしていくということではなかろうかと思います。
○愛野委員長 次に、岡崎万寿秀君。
○岡崎委員 米州投資公社協定に関して、引き続き質問いたします。 本協定は、先ほどから質問もありましたが、各国一票じゃない、投資シェアによって投票権が決まっている。これでは出資額の多い国が発言力を強くするのは当然でありますが、しかもほかの開発銀行などとは違って、基礎票がないのですね。なぜ基礎票がないのですか。
○藤田(公)政府委員 特に基礎票がないということには、深い理由がないというふうに承知しております。基礎票は、例えば世銀等につきましてもそれほど大きな数ではございませんし、本投資公社はごらんのように、票数と申しますか株式数がこの程度のものでございますので、特に基礎票を設けなかったというふうに承知しております。
○岡崎委員 基礎票がなければ、一層投資シェアの多い国が発言権を増すということになるわけです。アメリカの場合は、全体の二五・五%持っているわけです。域内国が五五%持っているからいいのじゃないかという発言が先ほど答弁でありましたけれども、しかし、アメリカの二五・五%に域外の日本などの西側を含めますと四五%になる。さらに、中南米諸国の中で親米的な国、例えばチリ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ジャマイカ、パラグアイなどを含めますと五一・六%になるわけです。これでは米州投資公社といいましても、実際上はアメリカの思惑によって動く、こういうふうになりませんか。
○藤田(公)政府委員 先生が御指摘のとおり、米国の出資比率は二五・五%ということで抑えられておりますし、域内開発途上国側が五五%という、その出資のシェアで開発途上国に多数が与えられているということ、それから理事の人数等から考えましても、開発途上国の主張、声に十分な配慮がなされているものと私どもは考えております。
○岡崎委員 私はそう思いませんが、しかし重視するのは、この背景にレーガン大統領の中米・カリブ海構想というものがあるのじゃないかという点なのですね。この設立協定案が出されたのは八二年なのです。米州開発銀行に提出されたわけですけれども、その年の二月にレーガンの中米・カリブ海構想が打ち出されているわけです。この構想が、実にこの投資公社の中身とよく似ているのです。こう書いてあるのです。「われわれはヨーロッパ、日本、その他のアジアの同盟国、さらに多角的開発機関に、この地域への援助を増強するよう働きかける」、こういった経済開発の課題が強調されています。 これだけならいいわけですが、それとセットして、「グレナダとニカラグアにおける全体主義的左翼勢力の実権の強制」といった形で、外部から脅威を得て、同地域諸国の安全保障についてこう述べられています。「この地域の内外の関係民主主義諸国と密接に協力する」つまり、経済開発についても内外の諸国と協力するけれども、同時に、このときはグレナダやニカラグアを挙げていますけれども、こういうレーガンの言う全体主義国の脅威に対して、また内外の国々と協力する、こういうことが中米・カリブ海構想として出されている。今度の米州公社というのは、この具体化じゃないかということを非常に懸念するわけですが、いかがでしょう。簡潔にお願いします。
○藤田(公)政府委員 本公社の設立構想は、中南米諸国を中心とします多数の関心国の協議を経まして形成されたものでございます。 時系列的に、今委員御指摘の中米・カリブ開発構想が五十七年二月に発表されたということと、本件の協定案が提出された五十七年十月という時点に言及なさいましたが、本構想自体、本公社の設立構想は、御承知のとおり五十四年の米州開発銀行の総会におきまして提案がなされて以来、種々のアイデア等が提案され、その結果として上がってきたものでございまして、時系列の点から申しましても、中米・カリブ開発構想、米国政府の主張しました中米・カリブ開発構想よりもより早い時期から検討を重ねられて、本協定案に至ったということが申せるかと思います。
○岡崎委員 時系列はそうでしょう。しかし、少なくともレーガンが中米・カリブ海構想を打ち出しているわけですね。その思惑が、二五・五%の投資シェアを持つこのアメリカの思惑が、これに反映しないはずはないわけです。それでレーガンは、御承知のようにこの公社加盟国であるニカラグアに対して、新たに全面禁輸などの経済制裁措置を加えたわけです。この協定によりますと、三条八項ですけれども、「いずれの加盟国の政治問題にも干渉してはならず、また、いかなる決定を行うに当たっても、関係加盟国の政治的性格によって影響されてはならない。」こういう政治活動の禁止条項があるわけですが、しかし、最大の投資国であるアメリカのニカラグアに対する経済制裁のもとでこの条項が果たして保証されるかどうか、これが非常に懸念されるのです。これはどうですか。
○藤田(公)政府委員 ただいま御指摘になりました政治活動禁止の条項、ほかの開発金融機関等にも類似の規定がございますが、米国の影響力が大きいので、米国の政策によってこの公社の活動も決定的な影響を受けるのではないかという御質問かと思いますが、先ほども申し上げましたとおり、米国の投票権シェア自体二五・五%であるということ、それから理事会での決定は総票数の過半数により行われる、また十三名の理事のうち、先ほどもちょっと御議論がございましたが、少なくとも最低九名は開発途上国の選出にかかるものであるということから申しましても、米国の一存でこの機構の意思決定等が左右されることはないのではないかと考えます。
○岡崎委員 私は、大きな懸念を持っています。ここで、この投資公社の背景の一つとしてのニカラグア問題を質問したいと思います。 安倍外相、お疲れでしょうけれども、そろそろ質問に入りますのでお願いしたいと思いますが、レーガンのニカラグアに対する経済制裁、これは外相も参加されたボン・サミット関係国、ここでは支持をされた国はなかったように聞いておりますけれども、どうでしょうか。
○安倍国務大臣 サミットの外相会議でこの問題が出まして、シュルツ国務長官から経済制裁についての説明がありました。シュルツ国務長官は、これは別にアメリカに対する支持を求めるものではない、こういうことを前提にして説明をしたわけです。
○岡崎委員 支持を求められなかったということですが、支持する国もなかったのが事実なんです。ほかにも例えば北欧やオーストラリア、さらに非同盟諸国百一カ国すべてこれには反対なんですね。世界のどの国が支持しているのでしょう、これはどこかわかるところがありましたら。
○堂ノ脇政府委員 レーガン大統領が発表しました対ニカラグア経済措置につきましては、いろいろ各国の反応が出ておりますが、全面的に支持の立場を表明したのは、これまでのところエルサルバドルと理解しております。ほかの諸国も、この措置をとった目的はわかる、手段としてはいかがかと思うという国がたくさんございます。
○岡崎委員 文字どおりのかいらい国、エルサルバドルだけ、こういう状況のもとで現にこれは実行されているわけですね。しかし国連決議などを見ますと、こういう制裁措置については厳しい反対の決議が何回も行われているわけです。例えば一例として、一九七〇年の「国際連合にしたがう諸国家間の友好関係と協力に関する国際法の諸原則についての宣言」には次のように書いてあります。「国家の人格または国家の政治的、経済的、文化的要素にたいする武力干渉および他のすべての形態の介入または企てられた威嚇は、国際法の侵害である」として、「いかなる国家も他国にたいして経済的、政治的または他のいかなる強制措置を用いまたは用いることを助長してはならない」とある。もちろんこの宣言には、日本政府も賛成しているわけですね。 アメリカがニカラグアに対して経済制裁を行った、これはまさにここに書いてある他国に対する威嚇であるし、経済的な強制措置ではないかと思うわけですね。まさしくこれは国連決議に対する違反であるし、ここでうたわれている国連憲章や国際法の諸原則に対する違反行為であると思いますが、政府はこれに対してどう解釈されるか、明快にお答え願いたいと思います。
○堂ノ脇政府委員 アメリカ政府のとった措置でございまして、詳細については私ども有権的な解釈をする立場にないわけでございますが、少なくともこれはアメリカとニカラグアの貿易に関する措置として、アメリカの国内法上可能であるというものをおとりになったというように考えております。現に、三年ほど前でございますが、アメリカはニカラグアからの砂糖を九〇%輸入削減しておりますけれども、そういう措置の延長線上のもの、アメリカとニカラグアの貿易に関するものと私どもは了解しております。
○岡崎委員 今の御答弁だと、これは理解しているのですか。私は明らかな国連決議違反だと思いますし、国連憲章や国際法違反だ、そのことを聞いているのです。違反じゃないと思われるかどうか。
○堂ノ脇政府委員 これは、アメリカの国内法で国際緊急経済権限法というのがございまして、アメリカにとって脅威があると大統領が判断した場合には、アメリカの議会の承認を得ることなく、一方的にアメリカ政府がとれる国内法上の措置であるということでございまして、国際法違反という話はニカラグア政府は主張しておりますけれども、私どもとしては、そのとおりであるというふうに考える根拠はないと考えております。
○岡崎委員 これは安倍外相にお願いしたいのですけれども、アメリカの国内法はいいですよ。しかし、国際法の立場の解釈は日本にだってあるはずですね。これは、国際法に違反する立場にないということのようですけれども、それでよろしゅうございますか。
○安倍国務大臣 まだ、経済措置が具体的にどのような効果が出ておるか、そういうこと等について、また、アメリカはどこまで経済措置について具体的にやっておるかというようなこと等も、まだまだ不明な点もありますし、今国際的には、この措置が国際法違反である、そういうふうな声が大きく出ておるという段階ではないと思っています。
○岡崎委員 これが進んでいけば国際法違反になる、今の段階じゃはっきり言えないというわけですか。どうもわからないのです、もう一度済みませんがお願いします。
○斉藤(邦)政府委員 本件、基本的に米国とニカラグアの問題でございますので、日本がとやかく言うことではないかと存じますけれども、今大臣が申し上げました趣旨は、事態が進めば国際法違反になるということではなくて、現在、本件をはっきりした国際法違反としてとらえている国はないという趣旨を申し上げた次第でございます。 第三国でありますので、立ち入ったことは言うべきでないという限定のもとでございますけれども、ガット等の国際的な通商関係を規定しております国際約束におきましても、一国の安全保障上とられる措置というのはいわば例外的な地位を認められておりますので、米国としては、この規定を援用して今回の措置をとったのではないかというふうに推測されます。
○岡崎委員 大分アメリカに対する理解が強いようですけれども、それじゃ国際法違反、国連決議違反だというふうにはお思いにならないということですね。外相、それでよろしゅうございますか。これは外相にお願いします。
○安倍国務大臣 現在、今の状況というものがまだまだ十分我々としてわかりませんし、そういうことが国際法違反だというような声が国際社会の中であるわけでもございません。アメリカとニカラグアの問題だ、アメリカは安全保障という立場からアメリカの国内法に基づいてとった措置だというふうに見ておるわけでありまして、国際法違反だということは今の段階においては言えない、こういうふうに思います。
○岡崎委員 国際法違反だとは言えない、これは重大な発言だと思います。中曽根総理、安倍外相はニカラグア問題で、コンタドーラ・グループの和平努力を支持するということをしばしば言われているわけですが、このコンタドーラ・グループのカンクン声明、八三年七月十七日ですが、これには、中米の和平は不干渉、民族自決、国家の主権の平等、経済社会開発に対する協力、紛争の平和的解決の基本原則等を相互に尊重することによってのみ実現されるというふうにうたっているわけですね。コンタドーラ・グループの努力を支持するというのは、この立場を含めて支持するという点でしょうか、外相お願いします。
○安倍国務大臣 コンタドーラ・グループが平和的解決のために動いておる、イニシアチブをとっておる、そのコンタドーラ・グループの動きというものを我々としては支持するということです。
○岡崎委員 動いているのは、先ほど言った民族自決、不干渉という立場に立って動いているのですね。これも含めてかどうかということについて、もう一回お願いします。
○安倍国務大臣 もちろん、コンタドーラ・グループの基本的な考え方についても我々としてはこれを支援していく、支持していく、こういうことです。
○岡崎委員 基本的立場ですから、当然民族自決、不干渉を支持する立場だというふうに理解します。 そうしますと、具体的にお聞きしたいのですけれども、レーガン大統領は、これは大統領だけじゃなくてシュルツ国務長官等も言っていますが、経済制裁措置を解除する条件としてソ連やキューバとの関係の断絶、このことを要求しているわけです。ニカラグアというのは独立国なんです。独立国である以上、どこの国であろうとも交際するのは自由であるはずなんですね。もちろん、コンタドーラ・グループの立場もこの見地なんです。中曽根総理も、このときコンタドーラ・グループの立場にお立ちになるのか、それともレーガン、シュルツさんがおっしゃっているようなこういう理不尽なことで理解されるのか、どちらなんでしょう。
○堂ノ脇政府委員 レーガン大統領が今回の措置を発表します際に、アメリカ政府としてニカラグアに要求していることを四つ挙げております。その一つが、先生御指摘のキューバとニカラグアとの軍事的な関係を切ることということでございまして、決して外交関係の断絶を求めているというわけではございません。この問題は、実はコンタドーラ諸国の和平努力の中で、諸外国の介入ですね、軍事的な中米へのかかわり合いというものをなるべく少なくするために、各国とも諸外国との軍事的な関係を深めるべきではないということがコンタドーラの精神になっておりまして、ニカラグアもそのために、ニカラグアにおりますキューバ人軍事顧問、約八百名と言われておりますけれども、そのうちの百名を五月一日に撤兵させております。こういうことがまさに交渉の中身に入っているわけでございまして、これが内政干渉、押しつけといったことでないことは明らかでございます。
○岡崎委員 随分アメリカに対する理解が強いようですけれども、はっきり断絶を報道している新聞等もありますし、かなり厳しい断絶を迫っていることは、新聞社説等にも遺憾の意を表明しているわけであります。 次の問題を聞きましょう。レーガン大統領が経済制裁等のニカラグアに対する干渉の口実として、この国が全体主義の国であるとか、あるいは近隣諸国の脅威になっているとか、こういうのを挙げているわけですね。もしそうであるならば、何よりも中南米諸国が黙っていないはずなんです。コンタドーラ・グループの立場というのは、ニカラグア問題に対しては東西対立の図式では見てないですね。日本政府は、どういう立場でごらんになっていますか。
○堂ノ脇政府委員 コンタドーラ諸国と申しますのはメキシコ、パナマ、コロンビア、ベネズエラでございまして、特にメキシコあたりは、ニカラグア、中米の情勢といったものは東西対立に由来するものではない、南北の問題が根底にあるということを言っております。そういった意味では、コンタドーラ諸国の立場はアメリカ政府の考え方と必ずしも一致しないかもしれませんけれども、いずれにしましても、域内の紛争は域内の努力で解決さるべきであるということで努力しておりまして、このような努力は大変貴重なものだと我々は考えております。
○岡崎委員 引き続いて、レーガン大統領がことしの二月二十一日の記者会見でこういうことを述べています。我々がサンディニスタ――これはニカラグアの現政権ですが、サンディニスタを追放しようとしていると言うことはできる、また、私はサンディニスタはまともな議論ができないと思う、こういうことを言って、実際上武力干渉と経済封鎖を通じてサンディニスタ戦線による政権を打倒しようとしているのが真のねらいなんですね。しかし、サンディニスタ民族解放戦線というのは、十一月の総選挙で六七%の得票を取っているのです。この選挙自身は、イギリスの保守党の政治家が実際に見て、完璧な民主主義的な選挙であったというふうに言っているような形で行われたところに、三分の二の支持を得ているわけです。こういう国々の政権を打倒するという立場は支持できないと思うのですが、いかがですか。日本政府はどういう立場をおとりになるのか。
○堂ノ脇政府委員 ただいま先生御指摘がございました二月二十一日のレーガン大統領の記者会見でございますが、その中でレーガン大統領が申しておりますのは、政権の転覆を求めるのかという質問に対して、政権の転覆ということではない、むしろ政治的な構造でございますが、政治体制のあり方については変わってほしいと思っている、いろいろほかの機会にもアメリカ政府は、決してみずから軍事的な介入をして政権を転覆させようとはしていない、しかし、現在の政権が決して民主的でないという点で、政府の構造がより民主的になることを希望している、そこまでははっきり言っております。 なぜ、アメリカのレーガン大統領がそう言うかと申しますと、先ほど御指摘のございました昨年十一月の大統領選挙の際、野党のうち三党が、この選挙が必ずしも民主的に行われないということからいろいろ要望を出しておりましたが、その要望が受け入れられないために選挙をボイコットしたわけでございまして、七党だけが参加した選挙、その中で六七%しか得られなかったという表現もございますけれども、政府について、これが合法的な選挙でできた政府でないという声がニカラグアの中にもあるし、アメリカのレーガン大統領はそういう立場をとっているということかと思います。
○岡崎委員 かなりアメリカ寄りの判断のようですが、時間も十分ありませんからこのぐらいにして、いかにコンタドーラ・グループの和平努力を支持すると言いながら、その中身は非常に看板的なものに終わっているというふうに言わざるを得ないかということが、今の御答弁を通じてもわかってきたように思うのですが、外相はボン・サミットに行かれたときにこの経済措置について理解を示した、このことが衆議院、参議院の本会議等で質問があったのですけれども、それは経過と事情を理解したというふうに答弁されているのですね。これはどういうことなんでしょう。
○安倍国務大臣 そのとおりなんですね。どういうことでもないのです。支持したわけではないのです。我々が支持しているのは、コンタドーラ・グループのイニシアチブを支持するのだ、これははっきり言ったわけですね。ただ、経済措置をとった背景とか経緯とか、そういうものについてはそれはわかります、しかし日本の立場というものは、あくまでもコンタドーラのイニシアチブによって平和的な解決が行われることを心から望んでおる、こういうことを私は言ったわけです。
○岡崎委員 外相、経済制裁措置をとった背景を理解するというのは、背景には道理があるということを理解してあげたというのですか。
○安倍国務大臣 現実的にアメリカは経済措置をそのとき既にとっておったわけですから、それについてはそれなりにアメリカとしては理由があるでしょう、しかし日本としてはあくまでもコンタドーラ・グループの立場を支持していきます、こういうことを言っているわけで、このいきさつというものはアメリカがいろいろ説明しておりますし、それなりに日本としても、私としてもわかるけれども、しかしこの経済措置そのものを支持するわけにはいかない、経済措置を支持するのではなくて、我々が支持しているのはコンタドーラ・グループだ、こういうことです。
○岡崎委員 コンタドーラ・グループを支持されることはよくわかるのですけれども、コンタドーラ・グループの和平努力を台なしにするものじゃないかという気がするのですね。せっかく和平努力のためにコンタドーラ・グループが動いているのに、この経済制裁措置をとって一層混乱を助長していく、そのような懸念も世界的に大きな声となっているわけですけれども、安倍外相、その経過を理解するというのは、これは理解という言葉はやはり道理があるもの、支持じゃなくても一応道理があるものとして理解したというふうになるわけでしょう。その辺のところを一支持じゃないことはわかりました。しかし、その理解というのは、やはり道理性といいますか正当性を一応理解しているように思いますけれども、そうなんですか。
○安倍国務大臣 これは、そのときのシュルツさんの説明に対して、ほとんど諸外国がそういう立場でしたですね、いわば日本を含めた西側の立場ですから。ただ、いろいろと議論がありましたけれども、アメリカも含めて、コンタドーラ・グループのイニシアチブを支持して、平和的解決を図らなければならないというのがそのときの大体の合意、最終的な合意でした。私もそういう立場に立って、アメリカのそうした今までとってきた措置あるいはまた今回の経済措置、それに至るいろいろな経済的な背景とか経緯というものは客観的にこれはわかる、ただしかし、我々が支持しているのはコンタドーラ・グループのイニシアチブだ、この基本路線は変わらない、こういうことを言っているわけです。
○岡崎委員 安倍外相、ボン・サミット参加国の中で、日本のようにアメリカの経済措置の経過を理解する国がほかにありましたか。
○安倍国務大臣 私たちの外相会議の中身は説明しない、外に出して言わないということになっておりますから、ここで具体的に申し上げることはできませんけれども、アメリカのそうした経済措置そのものに対してはいろいろと議論も出たわけでありますが、その経緯については理解をするというような声も出ていることは事実であります。
○岡崎委員 それは、日本以外にそういう国が出ているということですか。
○安倍国務大臣 もちろん、日本の立場はそういうことですから、日本以外のことを今言っているわけてす。
○岡崎委員 もう時間も参りましたので終わりますけれども、せっかくコンタドーラ・グループの和平努力があるにもかかわらず、武力干渉に加えて経済封鎖をやって、そして一層ニカラグアを窮地に追い詰めていくということは、コンタドーラ・グループの和平努力が水泡に帰す結果になるということを非常に懸念するし、フランスのミッテラン大統領がオルテガ大統領と会ったときに、アメリカの行為についても批判的立場を述べて、通商の拡大や協力推進について約束をしているわけでございますけれども、日本政府も、コンタドーラ・グループの立場、努力を支持なさるならば、当然今のニカラグアについても通商関係の拡大や、あるいはアメリカの経済措置についてやめるように強く要求する立場を貫くべきじゃないかと思いますが、外相、いかがでしょうか。
○安倍国務大臣 さっきから何回も申し上げましたが、今の措置が行われておりますこの実態というものはどういうことになっているのか、これはまだはっきりわからない面があるわけですが、いずれにいたしましても、我々は事態を見ながら、しかし同時に、コンタドーラ・グループの今後の動きが活発化して、そしてコンタドーラ・グループのイニシアチブによって平和解決がもたらされるということを念願しておりますし、そのための外交努力は払っていきたい、こういうように思います。
○岡崎委員 日本政府が、アメリカであれ、はっきりした民族自決の立場に立ってニカラグア問題について対処されることを強く要求して、私の質問を終わります。
○愛野委員長 次回は、来る十七日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五分散会