科学技術委員会 第6号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/04/11
会議録
○鳥居委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事大町朴君、同再処理部長小泉忠義君及び日本原子力研究所副理事長福永博君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳥居委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○鳥居委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚原俊平君。
○塚原委員 本日は、御質問の機会をお与えいただきまして本当にありがとうございます。また、政務次官には大変お忙しいところおいでいただきまして、本当にありがとうございます。私は茨城県の選出でございますので、まず博覧会からちょっと政務次官に伺いたいと思います。 先月の十七日から茨城県の筑波研究学園都市におきまして、「人間・居住・環境と科学技術」ということをテーマにいたしまして国際科学技術博覧会が開催されておるわけでございますけれども、この博覧会は人類と科学技術のかかわり合い、さらには二十一世紀を創造する科学技術のビジョンを明らかにしようというものでございまして、科学技術立国を実現する上で重要な意義を持つものと考えられます。開会をいたしまして約一カ月たったわけでございますけれども、政務次官といたしましての一カ月間の御感想をまずお伺いいたしたいと思います。
○内藤政府委員 科学博覧会は、先月十七日に各方面の御理解と御支援のおかげをもちまして予定どおり開会することができました。また、関係各位の御努力によりまして国際博覧会として恥ずかしくないものができた、こういうふうに考えております。そして、国内館を初め多くのパビリオンの人気が上がってきておるところでございます。 しかし、博覧会の運営につきましては、開会直後ということでもございまして、入場者数の計測システムのふぐあいなど幾つかの問題が起こっておりますが、これらにつきましては鋭意措置を講じてきているところでございます。特に交通問題につきましては、開会前若干のトラブルがございましたが、開会して以降はスムーズになってきております。また、開会以来あいにく天候不順の日が多いのにもかかわりませず、これまで約二百五十万人の方々に来場をしていただいておりますが、順調な滑り出しである、かように思っております。このまま推移いたしますと当初の目標でございます二千万人を達成し得るもの、かように考えております。 しかしながら、今後とも内外から多数の方々の御来場をいただきますわけでございますが、皆さんに楽しみながら科学技術への理解を大いに深めていただけるように、そして科学万博の成功に向けて今後とも一層の努力をしてまいる考えでございます。
○塚原委員 これは事務方で結構なんですけれども、二千万人の達成を一応目標にしておるということを当初から伺っているわけですが、催し物というものは人が入って初めて成功、不成功というのが決まるわけです。その後、付随することについてもちょっと伺いたいのですけれども、ともあれまず人なんですが、二千万人を集めるためには何人ずつ来ればいいのですか。
○堀内政府委員 お答えいたします。 会期は全部で百八十四日でございますので、ざっと一日当たり十一万余りということになります。ちなみに、これまでの実績は先ほどのお話のとおり二百五十万人でございまして、一日の平均はちょうど十万人でございました。(「きのうなんか六万足らずだ」と呼ぶ者あり)
○塚原委員 きのうなんか六万足らずだという御心配の声がありますけれども、そうなると、春休みが終わりますと、まだしばらく来ない。それはどうだろうな、一応見通し。だから、夏休みは丸々入るのですから夏休みはいいとして、これからしばらくの間のつなぎはどういうふうに見ていますか。
○堀内政府委員 御指摘のとおり、春休みが終わりまして、それから天候不順もございまして若干今ダウンしております。ここのところ五万とか六万程度の人が入っておるわけでございますが、今後とも大いにPRしまして、できるだけ早い時期に多くの人に来てもらいたいと思っております。大阪博覧会の例によりますと、今後ゴールデンウイークでございますとか、それから特に夏休みになりますと人が非常に多く来るということでございまして、大阪博覧会の経験から見まして、これまでの二十五日間に大阪博覧会の例ですと大体一二%の人が来ておるわけでございますが、この一二%という数値から逆算いたしまして、科学博覧会で何人ぐらい来るかという数字を計算いたしますと二千万を少しオーバーする、こういうふうになっています。
○塚原委員 期待をするわけですけれども、やはり最終的には、今も言ったのですが夏休みのときが勝負になると思うのです。春休みで随分お客さんが来て、かなり不評があるわけです。問題点はたくさんあるのだと思うのですけれども、一応新聞を見ますと単純に二つのことが、科学技術庁も協会も余り難しく考えないでいいと思うのですが、ともかく待たなくちゃ入れないということと、中の値段が高い。食い物、お土産、飲み物、全部含めて値段が高い。その二点にしぼられておると思うのです。ですから、このイメージは払拭をしておきませんと、これからの動員数に随分影響があると思うので、その二点についてまずどこまで科学技術庁と協会ができるのかという範囲ですね。人気パビリオンを待つのをどうするか、これはかなり無理だと思うのですけれども、価格の面については、一体どこまでの範囲で指導あるいは注意あるいは追い出しができるのか。 それから、各パビリオンについて何か方策はないか。例えば大阪の博覧会のときは、人間というのはちょっとずつ歩いていればいいのですね。それですから、しばらく十列にして、入場するところは十列で入るのです。その次が九列になって、八列、七列、五列ということをやったのです。ただ、今度の場合は乗り物に乗りますので、流し込みができないのでかなり難しいと思うのですけれども、何かアイデアがあると思うのです。ちょっとずつ歩いておれば満足するのですよ。ただ立って、座って待っておるというのが我慢できない部分があるのです。そんなことを含めてちょっとお考えをお伺いしたいと思います。
○堀内政府委員 まず、会場内の飲食料金が高いという先ほどのお言葉でございますが、御指摘のように高過ぎるという指摘が各方面から出されておりますので、先ほど大臣から博覧会協会に対しまして改善方を指示したところでございます。この価格につきましては、事前に博覧会協会でいろいろ審査を行いましてその指導に当たってきたわけでございますけれども、さらに協会の営業指導員が現場に参りまして立入調査を行いまして、その価格が守られておるかどうかというような確認もやっておりまして、問題があるものにつきましては厳しく指導していくというふうにしております。それから、営業者自身がみずから営業参加者協議会というものをつくっておりまして、そこで監視委員会を設けまして価格の自主規制を行うというような申し合わせもやっております。我々も今後改善の様子をよく見ていきたいと思っております。 それから待ち時間の問題でございますが、御指摘のとおり一部の国内館におきましては既に二時間とか場合によっては三時間とか、非常に長時間待たせるということが発生しております。特定の館に人気がありまして人が多く集まるというのは、若干やむを得ないところもあるわけでございますけれども、しかし非常に大勢の人が待つということになりますと観客へのサービスが悪いということにもなりますし、それから会場内の管理といった点からももちろん好ましくないということでございます。現在、四つばかりの館は入場整理券というものを発行しておりまして、これは非常にうまくいっておるようでございますが、今後入場整理券の発行を含めまして、国内館の方でもう既に大分実績も出ましたので、どうするかというような検討を協会とともにお願いしておるところでございます。
○塚原委員 余り時間をいただいていないものですから細かくはお伺いできないので、また聞いても行ったり来たりになると思いますが、最後にちょっと政務次官に。 政務次官も、これから総合的にしっかり見ていくんだというような御答弁を一番最初にいただいたわけですけれども、幾つかの問題が出ておりますし、また今回の博覧会というのは初めて科学技術庁主導というか、要するに通産主導ではなく初めてやった博覧会であるわけです。実は一番最初に科学技術博覧会というものが案に上ったときから、通産の人が私どものところに、科学技術庁ではできませんよ、これは通産じゃないとできませんよというようなお話も随分いただいたわけです。現実に科学技術庁の方から、これでやりますという一つの案を私どもに持ってきてくれたわけですけれども、科学技術庁は案としてはその案一つしか持ってない。ところが通産がやれば、そういう案を十も二十もつくって、その中からどれかを選ぶという形でやるのに、科学技術庁は案を一つしか持たないでやっている、根本的にあそこはイベントには向かないのだというような御指摘もございました。 これはかなり昔ですけれども、この委員会で今通産政務次官をやっている与謝野さんが原子力発電について御質問になったときに、非常に科学技術庁の行政の温かさと通産の行政がいかに事務的かという点についての比較をなさったわけですね。そういう意味におきましても、私は科学技術庁のやる仕事というものはぜひとも成功していただきたいし、成功していただくためにも、この博覧会は国民みんなが見ているものでございますので、最後に政務次官からこのことについて、今後一体どうするかというような御意見を例えればと思います。
○内藤政府委員 博覧会の運営につきましては、先生からただいま御指摘がございましたような幾つかの問題が起こっておりまして、これらの問題につきましては先ほどの局長の答弁も含めまして、当庁といたしましても早急に解決をしていくように博覧会協会に指示をいたしまして、また協会におきましても運営に関する諸問題について対策を検討する場というものを設けて、そして敏速的確な解決に努力しておるところでございます。当庁といたしましても、こうした対策の検討、実施状況につきましては適宜博覧会協会から報告を受けまして、そしてこの措置の徹底を図るなど適切に指導してまいりたい、かように思っておるところでございます。 また、ただいま先生に御指摘をいただきましたが、科学万博成功に向けては今後とも関係者一同なお一層の努力をいたす所存でございますので、何とぞ先生の御指導また御支援を賜りますようにお願いを申し上げまして、答弁にかえさせていただきます。
○塚原委員 多分に茨城の県南の方の県民性の問題もありまして、県北はいいのですけれども県南はちょっと問題がございまして、そういうところは御迷惑をかける部分もあるかと思いますけれども、ひとつよろしくお願い申し上げます。 もう一つ、話が全然変わってしまって申しわけないのですが、核融合が先日運転を開始して早々にプラズマ点火の確認が行われたということで、新聞に大変に大きく報道をいただきました。これは茨城県那珂郡那珂町という私の地元で、自由民主党から共産党まで、山原先生がいてあれですけれども、全部の議員が賛成をして町を挙げて誘致をしたという、大変強力な形で町が誘致をした核融合がいよいよ成功に向かって第一歩を踏み出したわけでございます。既にアメリカとかECでは同種の装置が完成をいたしまして、臨界プラズマ条件の達成を目指して研究開発が進められているというふうに伺っているわけでございますが、それらと比較してJT60独自のねらいがどういうところにあるのか、またJT60の今後のスケジュール、これも新聞報道がなされましてから全国的に皆さん大変興味を持っておる部分でございますので、この二点についてちょっとお伺いをいたしたいと思います、
○内藤政府委員 日本原子力研究所が開発を進めておりますJT60は、先生も御承知のとおり、本体が完成直後の四月八日にプラズマ実験を開始いたしました。そして、その最初の実験でプラズマ点火に首尾よく成功をいたしました。このように順調に研究が進展してきたことに満足をしておるところでございます。したがいまして、今後の成果が大いに期待できるのではないか、こういうふうに思っておるところでございます。 また、今回のJT60の実験開始によりまして、我が国としましては、既に実験を開始しております同種の装置であるアメリカのTFTRやECのJETとようやく肩を並べたということになるわけでありまして、これらと比較してJT60は、不純物のないきれいなプラズマの生成と長時間プラズマ閉じ込めを非常に特徴としておるものでございます。また、今後加熱装置をJT60本体に付加するなどによりましてプラズマの性能を向上させて、臨界プラズマ条件の達成を目指す予定であります。我が国といたしましては、昭和六十二年度の臨界プラズマ条件の達成におきまして、世界での一番乗りを目指してJT60における実験を行っていきたい、こういうふうに考えております。
○塚原委員 大変期待をいたしておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 そうしますと、では科学技術庁のしてやれる部分は一体何かということになりますと、お役人が行って一生懸命研究をやってやる、実験を手伝ってやるというわけにもなかなかいかないので、お金の問題にもなってくると思うのですけれども、大変多くの資金、それに加えて人材、私もたまたま私の同級生が核融合を担当しているということもございまして、いろいろな人間とつき合って大変優秀な人材が大勢いるのでびっくりはしているのでございますけれども、さらにこれから優秀な人材も必要となると思います。だからお金と人が要るわけですけれども、この核融合のエネルギー利用の実現は人類にとって共通の願いでありますし、ある程度息長く進めなければいかぬ部分もかなりあると思います。最終的には、私は生きていられると思いますけれども、ここにいられる方では生きているうちには無理な部分もかなりあるわけでございまして、そういう面からいくと、今度は国際協力というものを含めてこれから核融合についてどういうふうに研究を進めていかれるのか、そういう点につきましてもちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○内藤政府委員 核融合エネルギーの利用は、これが実用化された場合には、極めて豊富なエネルギーの供給を可能とするものであります。人類の未来を担う有力なエネルギーとして、その実現に大きな期待が寄せられておるところでございます。とりわけエネルギー資源に恵まれておらない我が国といたしましては、その実用化の実現は極めて重要な課題であろうと考えております。原子力委員会で策定しました原子力開発利用長期計画等に基づき、日本原子力研究所等におきましてその研究開発が積極的に推進されておるところでございます。 今度JT60の成果に加えて、日米のダブレットⅢ計画及びIEAの超電導マグネット計画のような国際協力を踏まえまして、一九九〇年代後半に次のステップとして自己点火条件の達成を目指すこととしております。また、核融合炉の実用化に至るまでには克服すべき多くの課題があります。長期間にわたって多くの人材と多額の資金を要すると考えられております。国といたしましても国際協力にも留意しつつ、関係機関の活動を一層充実強化してまいり、研究開発の一層の推進を図っていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○塚原委員 もう一つ今の那珂町というところ、私どもの東海村というのは那珂町の隣にあるわけでございますけれども、ここに原子力研究所の本体がございまして、その隣の動燃の高速増殖炉ですね、これは大変に大きな期待感を持たれているわけでございます。ところが、ここに来ましてアメリカが大型プロジェクトを中止するとか、また我が国においても建設費が当初の計画を大きく上回ることが予想されるというようなことで、計画の遂行に大分疑問を投げかける声があるのですけれども、やはりこれは核融合と同様に、長期的観点に立ちますとナショナルプロジェクトとして積極的に推進していかなければいけないと考えております。そういうようなことを考えてみたときに、高速増殖炉の開発に対する考え方というものをちょっと伺いたいと思います。
○内藤政府委員 高速増殖炉は、消費した以上の核燃料を生成し、ウラン資源を現在発電に用いられている軽水炉の六十倍から八十倍有効利用できる画期的な原子炉でございます。将来の原子力発電の主流となるものでございます。このため、我が国におきましても従来から積極的にその開発を進めてきておるところでございます。 ただいま先生の御指摘もございましたが、アメリカにおきましてはカーター政権の核不拡散政策及び国内のエネルギー資源が豊富であるということ等の理由によりまして、原型炉クリンチリバー炉の建設が中止されましたが、国内資源に恵まれておらない欧州各国では、積極的にこの高速増殖炉の開発が進められているところでございます。また資源小国の我が国といたしましても、国産エネルギー資源として考えることのできる使用済み燃料から回収されるプルトニウムを高速増殖炉において積極的に活用し、原子力発電における対外依存度を軽減することが必要であると考えております。 なお、この原型炉「もんじゅ」の建設費につきましても、先生御指摘のように、当初計画約四千億円から約五千九百億円と増大してきましたが、このプロジェクトには民間におきましてもその必要性と申しますか建設の重要性を認めておりまして、従来の拠出割合を上回る民間負担を行う、こういう意向を示しております。こういうことで官民挙げて資金確保に努めておりまして、今後とも引き続き「もんじゅ」建設が円滑に進められるように努力していきたいと考えておるところでございます。いずれにいたしましても高速増殖炉の開発につきましては、今後とも原子力委員会が策定した原子力開発利用長期計画に沿って、自主開発を主体として計画的にその開発を積極的に進めてまいる所存であります。
○塚原委員 三十五分までいただいたので、この後ちょっと「むつ」をお伺いしたかったのですけれども、原研の「むつ」担当の副理事長も関先生がお呼びになっているようでございますし、「むつ」問題は関先生にすべてお任せすることといたします。 今度「むつ」は原子力研究所と一緒になったわけでございますけれども、その原子力研究所もやはり茨城県の那珂郡東海村というところにございます。ただいま言いました動燃も東海村にございます。それから核融合の基地というのがやはり茨城県那珂郡の那珂町というところにございます。東海村に原研、動燃が誘致されました時代というのは昭和三十年代のちょっと前のときでございますが、日本の国にとりましては、原子爆弾というショッキングな形で世界で唯一原子力と出会った。その後第五福竜丸事件というのがあって、原子力というものに非常な恐怖心を持っているときに、当時の茨城県の指導者が打って一丸となって誘致運動をして、那珂郡東海村というところにこの原子力施設を選びました。東海村というのは、石神村と村松村という二つの村が合併をされましてできた村でございまして、当然村長選挙等は石神村からのチャンピオンが出る、村松村からのチャンピオンが出るというので大変な激しい争いをしていたわけでございます。これが原子力施設誘致とともに賛成、反対のイデオロギー村長選挙になりまして、幸いにいたしまして賛成派が常に大差をもって選挙は勝ってきたわけでございますけれども、その間にそれぞれの原子力施設が大変な努力をする、また県民、村民にも正しい理解を得るということでございまして、現在はそれに加えて原子力発電所も二基東海村で運転をしておる。また今度火力発電所をつくろうという動きがあったときにも、村としては火発に反対だ。何で反対だと言ったら、火発をつくるのなら原子力発電をつくれというくらいに原子力に対して大変理解を示しているわけでございます。 ところが、今申しましたように一番最初にこの施設を誘致いたしますときには、当時の国会議員さんの中には、原子力研究所なんか来るともう東海村のこのすばらしい大地にお米が全然とれなくなる、あるいは三つ目のある子供が生まれる、これはひどい表現を使ったものでございますけれども、そういうようなことを言い回った方がつい最近まで国会議員をやっていた方でもいらっしゃるわけでございます。ただ、私は現在東海村の隣に住んでおりますけれども、東海村は茨城県でお米は一番の豊穣地帯でございますし、東海村の子供、東海村の村立の小学校は県内でも非常に高い知能指数を持った学校になっておりますし、無論三つ目の子供はどこを探してもいないわけでございます。そういうようなことがございます。ですから、何をやるにしても本当にごく一握りの人のいろいろな反発というのはあるのです。今度も科学技術博覧会をやるときに、茨城県の中でも博覧会に反対する会というのができまして、東海村で二十五人集めて大々的に会合をやったわけでございますけれども、どこへ行ってもそういう一握りの人たちというのはおります。 ただ、私先ほど科学技術庁の政策というのは大変すばらしいというお話をしましたのは、科学技術庁というのは本当にその一握りの人たちに対しても今日まで温かい行政をやってまいりました。本当の行政の温かさというのは、国会議員になってから私も政治というのは何だ、まず期待をされる、それでうまくいけば感謝されて、失敗したら失望される、その繰り返しだったのですけれども、去年一年間労働省に行かしていただいていろいろな勉強をさせていただいて、初めて政治の中に信頼というものがあるというのをあそこの役所で勉強いたしました。それと同じものがやはり科学技術庁にあるわけでございます。私は政務次官になりますときにも科学技術庁を希望いたしまして、何としても科学技術庁の政務次官になりたいとお願いしたのですけれども、とうとうさせていただけませんでした。そういう面では、今までは私の方が今までの科学技術庁の政務次官よりすべて優秀だと思っておったわけでございますが、今度は久々に小沢先生以来の本当に若くですばらしい政務次官に恵まれたわけでございまして、内藤政務次官に一番最後に、科学技術庁の政務次官になられての御感想、それから、これから息の長い政治活動を政務次官はなさると思いますけれども、今後科学技術というものに対してどういうようなお考えで御活動なさるのか。中には、政務次官をやったのに科学技術庁の政策を理解できないで全く反対の行動をするような人が、女性なのですけれどもいたりすることもあるわけでございまして、ちょっとその点について最後にお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
○内藤政府委員 私も政務次官を拝命いたしますまでは科学技術庁というのは全くの素人でございまして、科学技術庁へ参りまして所管事項の説明をしていただきましたが、非常に難しい、またわかりにくい、こういうふうな印象が一番大きかったわけであります。また私の知り合い等にも、おまえが科学技術庁で勤まるのか、こういうふうなことを言われてまいりました。もう五カ月近くなりますが、庁内の職員の方も親切でございまして、いろいろなことをお教えいただきまして勉強していくうちに、先生がただいまも御指摘がございましたように、これからの我が国にとって最も重要な課題だ、特に資源に乏しい、また人口が年々増加していく、こういう日本にとってこれから将来この日本が世界の中でどう生きていくかということになりますと、当然頭脳資源というものを唯一の武器にしなければいけない、こういうふうな認識を強く持ったわけでございまして、今後とも一生懸命に勉強しまして、我が国の科学技術向上のために誠心誠意努力してまいる所存でございます。
○塚原委員 どうもありがとうございました。
○鳥居委員長 関晴正君。
○関委員 私は、竹内長官に御質問を申し上げたいと思います。 電事連が青森県に対して再処理工場を含むいわゆる三点セットの立地の要請を申し入れまして、一年足らずで青森県の知事がその要請を受け入れる、そういう回答を昨日なされたようであります。私は、青森県の知事がどういう見解のもとにこれを受け入れるようにしたのかはつまびらかに承知するところではありませんけれども、少なくとも世界における問題として、再処理工場の安全性が確立されておらない。一田舎の知事が自分の地域の発展策だと称してみたり、あるいはまたこれは国家の要請である、日本国のためにしなければならないことなんだということに力み過ぎて、どうにもこうにもならなくなったむつ小川原開発の後の次善の策としてこれを考えたようであります。 むつ小川原開発というのは、長官のお父さんが知事の時代に考えられた一つの大プロジェクトであります。あの地域一帯に石油コンビナートを実現する、それがむつ小川原開発というものの大きな命題でありました。そのためにはあの地域における農民の土地も、またあの地域において漁業をされておるその対象の海も何とかひとつ渡してくれ、何とかひとつ譲ってくれ、こういうことで三千二百ヘクタールに近い土地が購入され、その土地をいわゆる石油コンビナートの一大発展地、将来は三十二万人の人口も抱える大工業都市、そうしてむつ小川原にかかわる重大な水の問題はあの小川原湖から取ろう、こういうことで出発されたわけでありますが、この計画は今や完全に破綻した、こう言ってもいいでありましょう。そういう意味において、言うなれば、土地の取得に当たつてもその目標とするものが完全に挫折しておる。土地の取得の条件が目的を果たさなくなって、今度は核燃料のサイクル基地にするのだ、こういうことであります。この方向そのこと自体、住民を欺く重大な詐欺行為ではないだろうか。羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉がありますが、文字どおり掲げたものは少しも実現されない。そうして掲げもしない、住民の望みもしない、望まないところか、それには問題があると言ってあらゆる階層の諸君たちがこの問題についての回答は待ってくれ、知らない諸君は、やがてだんだん覚えるに従って、そんなにそれは怖いものであるのかということを知るに至っては、漁民の諸君も農民の諸君も、また青森県における良識のある人たちも、知事にこびを売る者以外のほとんどの諸君たちが偽らざる言葉として、厄介なものが来る、これは大変なものだ、こう言っているわけであります。青森県の知事が、新幹線に早く来てもらうためにもこの電事連の要請を受けることによって国の覚えをよくしてもらおうとか、あるいはまたむつ小川原開発株式会社というものが今日一千五百億も借金を背負っておる、この借金のためにもう倒産必至である、その倒産を防がなければならないということから、そこにある空地を供するから、この空地を買ってもらうことが唯一の会社延命の策であるので入れていただけないだろうか、こうした諸条件がありまして青森県の知事が受け入れ方針を出したもの、こう思っているわけであります。 さらにまた、受け入れに当たっては専門家会議というものが持たれました。全部御用学者と言っていいでありましょう。これらの専門家会議の諸君のまとめたレポート、報告書というものを読みますときに、何で六ケ所村にしなければならないのかということが一つも書かれておりません。言うなれば、我が国の原子力政策から言ってとられるべき方途、そういうものが掲げられているというだけであって、あの青森県の六ケ所村になぜそれが必要であるかということについてはほとんど書いていない。恐らく大臣も専門家会議のレポートくらいはお読みになっただろうと思う。 そういう意味において、私はまず第一に、北村知事が昨日あなたのところにもおいでだっただろうと思うし、所管の通産省も訪ねたようでありますし、国土庁をも回ってごあいさつをしてきたようであります。情けなくでしょうがありません。全国のどこの知事も、こんなものを置かれては困るといって反対の運動をしているときに、ひとり青森県の知事だけが、特別どれだけの知見がありどれだけの先見があってそういうことをしておるのかわかりませんけれども、少なくとも民主主義というものを中心にして物を考えるときに、ああした行為は早計だと私は思うわけであります。 六ケ所村の村長もしゃにむに、とにかくこれ以外におれの村の行き方はないのだ、こう言っておる。金の落ちることが何としても大事だと言っている。しかしあの場所は、御承知のようにアメリカの戦闘機、爆撃機が毎日射爆場を利用しての訓練の空域であります。そうしたところに金が落ちるかもしれないけれども、飛行機も落ちてくる。飛行機が落ちるばかりじゃない、人の命も落ちるのです。これがどれだけ危険なものであるのかということについての詳しいデータ、そういうものは少しも示されておらない。言っている言葉は安全であるということであります。安全であるなら、だれも問題にするはずがないじゃありませんか。危険なればこそこの問題についていろいろと心配をし、またこの問題の行く末を考えているわけであります。 竹内長官は、我が青森県出身の長官であります。あなたもまた北村知事の願いを受けてそれに従属する方向をとるのか、あるいはまた、あなたはやはり危険なものは置くわけにはいかない、そういうようなものについては何としても簡単にこれを引き受けるわけにはいかない、たとえ権力者である知事が何と返事しようと、そこに住まいしておるところの住民、特に農民、漁民――青森県の農民や漁民の運動において自主的にこれほど高まった実態はございません。青森県の農協に所属するところの青年部、婦人部の諸君たちが、我々の農業の未来がこれによって失われるのではないかという心配。漁民の諸君たちも、石油コンビナートの時代と違ってこうした核燃料のサイクル基地ということになるならば、その影響というものはけだし甚大なものがある、よしんばコンビナートのために我々は土地も海も売ったことはあったにしろ、核燃料サイクル基地には売った覚えがない、こう言ってその訴訟もしなければならないという段階にも今は来ております。 これについては、むつ小川原開発株式会社の方の諸君に対してもまたお尋ねしておかなければならないと思うわけでありますが、まず青森県の知事が初めて立地の要請を受けて、そうしてきょう開かれるこの科学技術委員会において何としてもしっかりしてもらわなければならないのは、私は科学技術庁長官だと思う。しかも長官は青森県出身であるから、何もかも事情を承知していると思う。北村知事に私は会いました。二、三時間でも話をしてゆっくりこの問題を討議しようじゃないかと言ったら、知事いわく、君は反対派でおれは推進者だ、君と話をするくらいは五分でたくさんだ、こう言うのであります。アメリカとソビエトといえども、今新しいテーブルに着いて核戦争を防ぐために協議しないわけにはいかないという世界の情勢を知らない人はありません。同じ青森県の中で、社会党の代議士だから五分でたくさんだなどというような高慢な姿勢、聞く耳持たないというようなかっての東条主義が我が青森県に今あると言ってもいいでありましょう。四百人近い諸君からこれについての意見を聞く、四百人の諸君というのは、全部知事から補助金なり交付金なり事業上のお世話になっている団体の代表だと言ってもいいでありましょう。それよりも、もっとじかに純粋に反対している諸君たちの話を聞け。それらの諸君の中には、知事に回答を求めている者もあります。電事連に質問書を発しておる者もあります。それについては、回答する要はないと一言の返事もしない。 また、働く労働者の諸君たちは今、こうした重要な問題は県民の意思に問うて方針を出したらいかがでございましょうかということで署名運動をやっております。二カ月間の署名運動の期間も終わりまして、そうして五十分の一あればできる条例改正の署名運動の実数は、その必要とする数の四倍に至っております。やがて県会が開かれるでありましょう。開かれてみたところで、協議会の方向があるものですからそれを受け入れるということにはならないかもしれません。しかし、ここに住民の運動があって、これは大変なものだ、こういうことの意思表示だけは示されている、こう思うわけであります。六ケ所の村長は言っておる、あるいは北村青森県知事は言っておる。だが、多くのこれを心配している青森県民の率直な感情、そういうものを私は、よその長官なら受け取る力も余り強くはないだろうが、あなたであれば受け取る力がある、こう思っております。 そういう意味において、むつ小川原の開発が失敗したからといって、これの代替物に核燃料サイクル基地を位置づけるなんというのは当を得ないことだ、私はそう思っているわけであります。次々と私は当を得ない問題についてお尋ねをしてまいりますが、とにかくこの問題については科学技術庁に大きな責任があると思っております。電事連から立地あるいは計画の申請が上がったときに、単に許認可のことだけで態度を決めればいいだろう、こう思っているとすれば余りにも安易に過ぎる、共同作戦をとられておるのだとするならば大変なことにもなる。そういうことから考えますときに、この問題について長官はどれほどのお考えを持って向こう一年間対処しようと思っておられるのか、今日までの経緯を見ながら率直に長官のお考えになっている点、御感想、それを第一にお尋ねしておきたい、こう思います。
○竹内国務大臣 お答え申し上げます。 昨日、北村青森県知事の来訪を受けまして、県知事さんから口頭ではありますけれども、かねて電事連から要請のあったいわゆる原子燃料三施設の立地要請について、いろいろな議を経て自分としては最終判断として受諾するという決定をした旨の御報告を受けたわけでございます。 私かねがね申し上げておりますように、いわゆる三点セットは我が国の原子力の利用開発を進めていく上で極めて重要な課題だと認識をしております。これの完成によって我が国の原子力開発というものは一つの決算期を迎える、こういうぐあいにも私は認識をしておるわけでありまして、その意味ではいろいろと御心労があったことだと思いますけれども、北村知事がそういう最終判断を示されたということは、極めて大きな意義を持つ第一歩であると評価をいたしておる次第でございます。しかしながら、先生も御承知のように、県論集約に当たってはいろいろな意見が各方面から出されたということを私もまた伺っておるわけでありまして、恐らく北村県知事におかれましても、そういう各層の各種の意見というものを十分念頭に置かれながら最終の判断として受諾する、こういう結論を出されたものだろうと私は推測をしております。 さて、これから先ということでございますけれども、これもかねがね申し上げておるわけでありますが、このような原子力関係の施設の設置に当たりましては、まず第一に何としても安全の確保が大前提でございます。安全確保につきましては国の責任だ、こういう認識のもとにこれからも所要の対策を講じていくつもりでございますし、一方、地域住民の理解、協力というのもまた大事な点でございますので、今後も地域住民の皆様に機会を得ていろいろとお話も申し上げ、その理解、協力を得るようにさらに一層また私としても推進をしてまいりたいと念じております。ともかく、青森県知事のこういう最終判断が示されたということは大変に大きな第一歩であろう、こう今受けとめておる次第でございます。
○関委員 長官の答弁としては少し簡単過ぎて、私の質問の時間に比べれば余りに答えが短い、こう思うわけであります。 私は、青森県の知事が何でこんなに早く回答しなければならなかったのだろうかというところに一つの疑問がある。せっかく住民運動としての署名運動をなされておる間、この署名運動に入った以上は、法的な一つの運動であります。その推移を見ないうちに態度を決めるなんということは、常識ではあり得ない。そのために私は自治大臣にもこうした動きについてお尋ねをしました際に、自治大臣は言いました、青森県の知事が青森県民を騒がせないようにひとつ当たっていただきたい。法的にどうのこうのという肝心の問題はそれで、それでも県民を騒がせないようにしてほしいものだという希望が述べられておる。 北村知事も二月の一日には、こういう署名運動が行われているので、態度表明は必然的に夏ごろに延びざるを得ないだろう、五、六月ごろに延びざるを得ないであろう、こう言っておった。ところが、十日ぐらいたちまして態度が豹変いたしました。態度豹変の中に、竹内長官から本当に延ばすのかというお話があった、あたかも長官が早く出してくれよと言わんばかりのお話があった、こう聞くのであります。もしそうしたことをして長官が北村知事のしりをひっぱたいたとするならば、これはあなたも重大な責任を負う立場になってしまうのじゃないだろうか。厳正に審査しなければならない立場の長官が、早く返事しなさいなどということを促すような行為をとったとするならば、これは長官としての資格にもかかわるのじゃないだろうかという疑点がまた出てくるわけでありますが、この点についてはあったのですか、なかったのですか。
○竹内国務大臣 今、先生御指摘の北村青森県知事に対して私が督促したりあるいは圧力をかけたんじゃないかという点でございますけれども、私はそのようなことは身に覚えがございません。恐らくその種の誤解を受けることがあったとすれば、私が状況はどうなっておるのか、そういうことで、これは県知事さんではございません、県の首脳ではありますけれども県知事さんではない方に一遍東京から電話で連絡したことがございますが、ひょっとしたらそういうことがあるいは誤解を受けておるのかな、こういうふうに思っておりますけれども、私がじかに知事に対して急げとか云々といった連絡をしたことは絶対にございません。
○関委員 身に覚えがありませんという言葉は、小佐野君が証言台に立ったときに、あるいはまた田中君が台に立ったときに出てきた有名な言葉であります。覚えがないということは、ないということとはイコールではないだけに、非常に疑点が残るわけであります。どうなっているかというお尋ねを、知事ではないけれども知事部局の方になされた。そのことが大変に問題で、また知事も考えるところに至ったのだろう、こう思います。 しかし、この問題について私はそんなに強く深くお尋ねしようとは思いませんが、少なくとも公平な立場に立って物を審査し、そして許認可の機能を持つ長官たるものが、いつごろに出されるのかとかあるいは延びたのかというようなお話をされることは、片一方にとっては、これはおくれては長官に済まないことになるのかなということになっていくわけでございます。地元紙の東奥日報にも、このことがすっぱ抜かれて大々的に報道されておりました。ごらんになったと思います。その二、三日前に朝日新聞にも克明にこの部面が報道されておりました。 私は、善良な知事、一面またファッショ的な知事、権力に弱い知事、長官に言われればさように動いて歩く知事、まあとらえどころのない知事だなということをつくづく感ずるわけであります。そういうことがあったにしろ、私は、長官がこの問題に対処するには、少なくとも知事の言うとおりに従って従属して事を進める、そういう考えはないというふうに思ってよろしゅうございますか。
○竹内国務大臣 もう一度はっきり申し上げますが、私が北村県知事に対してそういう督促めいたことや圧力をかけるような行為をしたことはございません。 さて、一応青森県の県論集約というものが終わりまして、私にも御報告があったわけでございますが、これから先の取り扱いにつきましては、私かねがね申し上げておるように、何としても地元住民の理解、協力を得るということと、それから安全については最大万全のことを考えるという二つの基本方針に沿って、これからの具体的な問題をそれぞれに判断してまいるつもりでありまして、青森県知事が大きな苦労をされてそういうお答えを出したということは私は十分に評価したい、こう思っております。
○関委員 あなた、そんなに評価することはないですよ。 まず第一に、どの点を評価するのか具体的に聞きたいけれども、その前に、知事のとった行為の基本になったものは原子燃料サイクル事業の安全性に関する報告書、昭和五十九年十一月、専門家十一名に依頼して、そうして出されたところの報告書です。これは大臣お読みになりましたね。お読みになっての御感想をいただきたいと思うのです。
○竹内国務大臣 私は余り原子力については知識がない、ほとんどゼロに近い者でございますが、そういう立場から先生今お取り上げの専門家の報告を読みましたけれども、読んだ限りにおいては私は妥当な内容のものではなかろうか、こう思っております。しかし、これはあくまでも私は専門家でない、いわば素人の読み方でございますから、私はさらにそういう安全の問題につきましては、私どもの専門部局もございますので、そちらの方からもこれからよくまた話を聞きながら対処してまいる、こう考えております。
○関委員 長官がこれをお読みになって、これは青森県のためになる報告書――青森県のことについてどのくらいお書きになっていますか。これは東京へ持っていってもいいし、どこの県に持っていってもいいような報告書じゃないでしょうか。どうです。
○竹内国務大臣 今先生お尋ねの趣旨は、別な表現で言えば六ケ所村が果たして適地なのか、こういうことになろうかと理解をしてお答え申し上げますが、先生御承知のように、この立地選定に当たりましてはまず電事連が行ったものでございます。電事連が各種の資料を調べたりあるいはみずから調査をいたしまして、先生御承知のように最初は青森県太平洋側と、こう一つの候補地を大きくとらえ、さらにその後の調査の結果でございましょう、具体的に青森県六ケ所村と、こういうぐあいにその立地の選定をしたと私もその経緯を承知しております。恐らくその立地選定に当たりましては、先生先ほどお取り上げになりましたむつ小川原総合計画があの地域にある、その一環として港の整備も進められる等々の条件を勘案して、そういう最終的な選定になったんだろうと私は思いますし、私はそれなりにそういう選定の経過は理解ができるつもりでございます。
○関委員 この報告書というのは、電事連の委託を受けて、あるいは電事連で仕事をしておる諸君たちがそれぞれ調査をされて打ち上げたところの一つの線をまとめて出された報告書と私は見ます。したがって、これは地域性というものが一つも書かれてない報告書なんです。何も青森県でなければならないということは一つもないわけです。果たして青森県ならばどうだろうかということを書けば、それにメスを入れて調べていけば至るところに欠陥がある。欲しいのはそういう欠陥だと思うわけであります。欠陥が出されてどう克服するか、克服できる欠陥であるのか克服できない欠陥であるのか、そうしてそれが県民の前に示されればいい。ところが、この専門家会議が出された安全性に関する報告書を見ますと、何もかも安全、危ないことが一つもない。何もかも安全で危ないものが一つもないというなら、何も六ケ所村に持ってこなくてもいいでしょう。電気を必要とする地域、電気の需要の多いところに持っていったらいいでしょう。全く電気を必要としない。電気を必要とする工場は見渡す限りない。安全だというなら、そういうところに何も持ってくる必要がない。遠隔の地に持ってくることによって出てくる経済性の負担は大変なものです。送電線の問題にしてもあるいはまた輸送上の問題にしても、それに伴う経費は莫大なものであります。ところが、こうした報告書を基準にして、言うなれば何も知らない諸君たちをだまして、そうして貧乏であることをいいことにして、青森県の下北半島の六ケ所村をこの核燃料サイクルの基地で埋め立ててしまおう、こういう陰謀が電事連にある。その電事連の陰謀を担いで権力がまた動いておる。私はそう見ますときに、これは一つ一つ具体的に解明していく以外には方法がない、こう思います。 そこで、具体的な質問に入りたいと思うのですが、まず長官、世界において再処理工場というのはどんなところにできておりますか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 再処理工場につきましては、開発といいますか、そういったものが比較的密集していないような地点でございますが、そのほか、そういう再処理工場は化学工場でございますので、化学工場としての機能を生かすために必要な水その他の物が取り得るような、そういう場所を選んでいると思います。
○関委員 まず、こんなお粗末な答弁で答えてくるのですから情けない。世界のどこに再処理工場があるか、あなた方の方だって知っているでしょう。そういう再処理工場のある地帯はどうです。地震のあるところですか、やわらかい地盤ですか、簡単な話ですけれども、どうです。アメリカにしろフランスにしろドイツにしろイギリスにしろ、地震の多発地帯ですか、活断層のあるところですか、地盤のやわらかいところですか、どうです。
○中村(守)政府委員 当然のことでございますが、かなり大きな施設でございますので、その施設が十分安全に耐え得るだけの地盤強度を有するということは当然でございます。活断層があるということがわかっている真上につくっているようなところはもちろんございませんし、それから地震の問題につきましては、地域性がいろいろございます。ヨーロッパなどは比較的全般的に地震が少のうございますし、そこら辺については地震の多い我が国とは事情を異にしているかと思います。
○関委員 世界のどこにおいてでも、置かれているところというのは非常に地盤のかたいところ、地震のないところ、そういうところですよ。ところが、この青森県はどうなんです。下北半島の六ケ所村というのはどういうところです。これは地震のないところですか。これは地盤のかたいところですか。活断層のないところですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 地盤の問題につきましては、再処理工場という原子力発電所とは若干異なるわけでございますが、そういう意味でこれが耐えられないような軟弱な地盤であるという報告は私は聞いておりませんし、それから活断層の問題については、先生のおっしゃる場所がどこであるのかということが問題になるわけでございますが、六ケ所村の予定地点に活断層があるかということでございますれば、そういうものがあるということは聞いておりません。 それから地震の問題につきましては、地震がかつてこの地域に影響を与えたものは十勝沖地震その他いろいろあるわけでございますが、全国的な水準からいって異常に多いとか、そういうような場所であるというふうには承知しておりません。
○関委員 冗談じゃない。まあまあこんなことをよく言うもんだ。「青森県大震災の記録」というのがありますよ。長官、見てください。これはあなたのお父さんがつくったものですよ。竹内俊吉というのが長官のお父さんです。竹内俊吉知事が、昭和四十三年の十勝沖地震、大変な地震でありました。そのときによく立派なものをつくったと思います。その点については、当時の竹内知事は本当にいいものをつくったなと、いろいろ功罪があるけれども、これは功のうちの功だと私は思っている。それで、これをお読みになっていただきたいと思うのです。長官、これをまず読んだことありますか、見たことありますか、知っておりますか、先にそこから聞きます。
○竹内国務大臣 その記録の存在は知っておりますけれども、私、残念ながら読んでおりません。
○関委員 正直に言ってくれると本当はいいわけですよ。私はぜひこれを読んで知ってほしいのです。これを読みますと、何であの地域がそんなに大きな地震が来る場所なのかというのが、地理学的にも地質学的にもそれから歴史的にもよく書いてあります。そうして活断層の話についても、当時この問題について、副知事であったのが今の知事ですから、その副知事、今の北村知事が座談会において何と言っているか、そのくだりだけは読んで御紹介しておきたいと思うのです。 これはこの本の四百七十五ページにあります。いろいろとそれぞれの権威者と座談会をしております。その最後のくだりに北村知事がこう言っております。「先ほどお話のあった活断層のことは青森県にとって非常に重要なことだと思います。こういうことは、われわれの力ではどうにもなりませんので、先生方の協力で、学問的な立場での調査研究の強化ということを、県からも重ねてお願いしたいと思います。」こう率直に活断層問題についてはお願いをされておるわけであります。 その次に「青森県のおもな地震津波の記録」というのがあります。よくもこんなに青森県に地震があったものだなと。この記録は、五百五十七ページから五百五十九ページにわたって四十二回の地震の記録を示しております。そうして記録のできた当時、八六九年七月十三日の三陸沖の地震、マグニチュード八・六、それから後ずっと記録がなくて、始まっておるのが一六一一年十二月二日、それから一六六七年八月二十二日、数え上げるとずっと地震、地震、地震です。そうして、少なくとも五十年に一遍は物すごく大きな地震が来るところだ、こういうふうに記録からいっても見ているわけであります。そういう点からいきますと、ここは地震の巣である。 そうして、地震が来ても耐震設計さえよければいいだろうというお考えがありますが、耐震設計で防ぎ得るような地震じゃない。耐震設計を施せばいいだろうなんというのは、知らない人をだます一つの言葉。震度六を超えるような地震は地面が裂けるわけですから、そういうような烈震はどんな耐震設計もこれは及ぶものじゃない。そういう地震がじゃんじゃんやってくる土地なんです。そういう意味からいけば、フランスにしてもアメリカにしてもイギリスにしても、地盤がかたくて地震がない、そういうところの地質構造とは全く違う。青森県にだって花崗岩のある地帯がないわけじゃありませんよ。かたい地盤のところがないわけじゃありません。だけれども、この場所はすぐれて地震の多いところです。 そうして活断層についても、この地帯は大きな活断層が海を走っておる。この活断層の問題については、過日東京電力が資料を出した。その資料によれば、去年屋根の下敷きで死んでしまった湊正雄という御用学者が、活断層はないことにして了解を与えております。こういうでたらめなことで、ある者を殺してまであの地域に二千万キロワットの原子力発電所をつくろう、こういう計画のためになした一つの行為であります。こういううそ、ごまかして事を進めていってはならない。 そういう点からいきますと、過日長官は予算委員会において、必要があれば活断層の調査をする、こういうお答えがあったのですが、全く必要があるんじゃないでしょうか。そうして、こういうような調査もなしに事を進めるなんということは許されることではない。まず先に調査あるべし、こう我々は思っておるわけで、そういう調査もないままに、あったとしてもごまかされたままに、いいかげんにして事を運ぶようなことにくみするようなことは断じてしてはならない、こう私は思うわけであります。そういう意味において、ここは適地ではない。適地であるというならば、ひとつ適地であるとの立証をすべきではないだろうか、こうも思いますので、地震の問題と軟弱地盤の問題、活断層の問題についてお考えをいただければと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 地震の問題につきましては、先生がお示しした文書の中にもございますが、日本の平均以下ではないという記述もございまして、日本の国土の特殊性から見ましてかなりあちこち地震が多いわけでございます。そういう意味で、私先ほど申しましたように、そこが異常に大きいところではないと申し上げたわけでございまして、その震源地というものが大体が沖合、遠いところでございまして、そういう意味でございますと、日本の国のあの地点以外でもいろいろあるところでもございますし、そういう意味で申し上げたわけでございます。 それから活断層の問題につきましては、敷地と申しますか、六ケ所村のいわゆる予定されている地点内にあるという報告も承知しておりませんが、下北半島の東側の海域に活断層があるということが東大から発行された文書等で記載されていたということは事実でございます。これらにつきましても、東通村におきます原子力発電所のために東京電力等が調査しました資料に基づいて専門家が分析した結果、あるいはその後その活断層の南の方の一部につきまして海上保安庁で精密な調査をした結果、断層と言われていた部分の南方のところは活断層ではないということの報告もその後出ておりますし、それらのいろいろな点から考えまして活断層ということではないのではなかろうか、こう考えております。 いずれにいたしましても、これらの点につきましては、具体的に設計がなされ、安全審査の段階においてきちっと評価される問題だと我々理解しております。その場合におきまして、必要に応じ、その事業者から出された資料だけで必ずしも十分でないということは、当然専門家の判断としてあり得る場合もございます。そういった場合にはさらに資料を追加して調べるなりするということで、ここら辺については科学的にきちっと安全審査の段階ではっきりさせるというぐあいに理解いたしております。
○竹内国務大臣 先生、私のかつての答弁をお取り上げになりましたので若干補足して申し上げますと、御承知のように私どもは原子力の施設の安全につきましてはダブルチェックのシステムで、しかも詳細にわたって安全審査を行うわけでございまして、活断層の調査も含めた施設予定地周辺の自然条件の調査については、まず事業者がみずから行って、それをいわば資料として国の方に提出をしてくるというのが本来の筋でございますが、その事業者の提出した資料の妥当性につきましては、今局長から答弁したように、私どもの方の専門家がさらにそれを評価いたしますが、資料が不足だという場合には、必要によっては事業者に追加の資料の提出も要求することでありましょうし、また特に必要があると判断された場合には、国による補足調査もケース・バイ・ケースによってあるのじゃないか、こう考えております。
○関委員 原子力発電所の場合は、かたい岩盤の上に建設することが条件になっております。再処理工場の場合も当然岩盤の上につくるということが条件になるんだろうと思いますが、ここのところは岩盤はございますか。
○辻政府委員 御指摘の点につきましては、安全審査の段階でこれから行われます調査の結果に基づいて検討されることになりますし、その段階で慎重な評価を行うことになるわけでございますが、現在私どもが電事連から聞いている話では、約二十メートルほど掘ればその下に第三紀層に相当する岩盤があるというふうに聞いておる次第でございます。
○関委員 その岩盤が適切な岩盤だというふうに理解しているわけですか。
○辻政府委員 具体的にどの程度の強度があって、どのくらいの耐力があるかという問題については、今後の具体的なボーリングの結果を見なければ現段階でははっきりとは申せないという現状でございます。
○関委員 再処理工場の設置の場合にしても、岩盤が当然前提条件になりますね。
○辻政府委員 私どもの聞いているところでは、当該再処理施設につきましては、事業者側としては、重要な建物、構築物につきましては、岩盤にこれを支持させるという設計方針であると聞いております。
○関委員 ですから、今の施設をつくる場合には、その岩盤がなければつくれないんだ、岩盤を当然必要とするんだ、こういうふうな理解でよろしゅうございますか。
○辻政府委員 安全審査の基準、指針につきましては現在原子力安全委員会の基準部会で検討中でございますが、この辺につきましても、具体的な地盤の強度等を評価して判断するということになろうかと思います。
○関委員 現在この岩盤の強度はどのくらいになっていますか。
○辻政府委員 まだ具体的なボーリング調査が行われているわけではありませんから、数字を正確に申し上げる段階ではございません。
○関委員 仕事をするに当たって少なくとも最小限度の条件、それはやはり地盤であり、また予想される地震であり、それに耐え得る条件がどこまであるかということだと思います。その点からいきますと、もう既にここは入り口において合格点を上げられるような場所ではないと思うのです。せっかく進められてその後だめでございましたということよりは、これほどの地震の巣であり、歴史的にそうなっていることでもあり、地質学的にもそう見られている場所なんですから、この場所はあきらめさせる、別な場所にするように変更させるのが親切なやり方ではないだろうか、こう思うのですが、その点については長官どうですか。
○竹内国務大臣 先生ただいまいろいろと御指摘になりました施設予定地周辺の自然条件につきましては、先ほど来申し上げておりますように、私ども安全審査の中でこれを厳重に審査ないしチェックをしてまいる方針でございまして、まだその辺のところも明らかになっていない今日の段階で取りやめ云々というのは早計だろうと思います。
○関委員 次に、放射性物質がこの施設からどれだけ出るのかということに関連してのお尋ねをしてまいりたいと思います。 今日ある百万キロワットの原発からはトリチウムとかクリプトンとかどれだけ出されているのか、そういう点について原発と再処理工場と比較した場合にはどういう状況になっているのか、まずこの点を伺っておきたいと思います。
○辻政府委員 原子力発電所はいろいろございますけれども、例を日本原子力発電の東海第二発電所にとってみますと、希ガスが放出管理目標値3.9かける10の4乗、これは安全審査の際に使う数値でございますが、実際の放出実績では検出限界以下ということになっております。トリチウムにつきましては、放出実績値1.2かける10の1乗という数字になっております。また関西電力の大飯発電所に例をとりますと、放出実績値は、希ガスにつきましては4.6かける10の1乗、トリチウムにつきましては9.1かける10の2乗という数字になっておるわけでございます。 なお、再処理工場につきましては、動燃の東海からの放出量でございますが、気体と液体とに分けて申し上げますと、気体につきましては、クリプトンが2.1かける10の5乗、トリチウムが1.1かける10の2乗という放出実績値になっております。また液体につきましては、全アルファ放射能で4.1かける10のマイナス4乗、全ベータ放射能で3.3かける10のマイナス2乗、トリチウムにつきましては5.3かける10のマイナス3乗という実績が出ております。
○関委員 ただいまのお答えは、私の手元に来ておる資料と同じではありません。今の問題についてさらにそういう資料に基づいて見ますときに、百万キロワットの原発と現在ある再処理工場との比率はどうなっていますか。
○辻政府委員 これは施設の種類が違いますので、一概にこれを比較するということは余り適当ではないかと思いますけれども、例えばクリプトンの例をとってみますと、発電所の場合にはほとんどクリプトンの放出はありません。再処理工場の場合には、燃料棒を分解して溶解するわけでございまして、その結果出てくるわけでございますので、これは余り比較にならないというふうに考えます。トリチウムにつきましては、例えば東海の第二発電所をとってみれば、五十八年度の実績値で見ますと1.2かける10の1乗、それから(「単位がさっぱりわからないじゃないか」と呼ぶ者あり)キュリーでございます。(「濃度なのか、総量なのか」と呼ぶ者あり)総量でございます。再処理工場につきましては、トリチウムについては、気体におきましては1.1かける10の2乗でございます。(関委員「違いがあるな、それ」と呼ぶ)これは、五十七年度の放出実績値として先般先生に資料提出したものの中に含まれているものでございます。(関委員「液体の方は」と呼ぶ)液体の方は、トリチウムは5.3かける10の3乗という数字でございます。これは五十七年度の放出実績でございます。
○関委員 どうして私の手元へ出した資料とあなたが今報告になった内容とで違うのでしょう。私のところへ来ている資料では、再処理工場は気体が1.5キューリーかける10の4乗とありますよ。ですから、今の百万キロワットの原発の1.2かける10の1乗に比べますとまさに千倍。それから再処理の方の場合は、液体においては5.11かける10の4乗と来ております。あなたは今三乗と言いましたが、こちらの方は五千倍になります。ですから、長官よく聞いておいてください。トリチウムの場合において、気体において千倍、液体において五千倍、クリプトンの場合は、原発においてはほとんどゼロだというのは、原発にはそんなに出ていないというところでありますが、再処理になりますと2.4かける10の6乗倍、まさに二百四十万倍です。関西の方と比べますと、こっちの方は十万倍。いずれにしろ現状で、二百十トンの再処理工場においての設計値と申しましょうか、予定しているところの線でここまでに至っているわけであります。第二の再処理工場は、この四倍ですよね。この四倍だというと、そういうトリチウムだとかクリプトンの発生の言うなれば設計値といいましょうか、それはどこまで見られるのですか。
○辻政府委員 先ほどの数字の点でございますが、私が先ほど述べました数字は放出実績値を申し上げた数字でございます。先生の御指摘の数字は年間の放出基準ということで、アッパーリミット、これ以上出さないよという運転管理の目標でございますけれども、その数字が先生御指摘のところでございまして、放出実績値はこの年間放出基準量とは非常に数値が違っておりますので、これを直接比較するわけにはまいらない、かように思っております。トリチウムにつきましては、御指摘のように再処理工場については年間放出基準量を定めておりますけれども、原子力発電所においてはほとんど放出しないという前提で放出管理目標値は定めておりませんので、この比較をすることはできないというふうに考えておるわけでございます。 そこで、再処理施設の線量目標値がどういうふうになるかという御質問でございますが、この点がまさに原子力施設の安全審査の際に検討すべき事項になっているわけでございます。線量目標値につきましては、御承知のように原子力発電所につきましては五ミリレムという数字をつくっておるわけでございますけれども、これは既に原子力発電所が数多く同じような形のものが建設されておるということ、それから五ミゾレム自体が非常に低い基準であるということから定めてあるわけでございます。 再処理施設につきましてこのような線量目標値を定めるかどうかにつきましては大いに議論のあるところでございます。それは放射線の防護につきまして御承知のように国際的にICRP、国際放射線防護委員会の勧告が定められておりまして、これによって世界各国安全審査を行っているというのが実態でございまして、私どもも当然その基準によってやっているわけでございます。 この放射線防護委員会は二つの原則を放射線の被曝線量につきまして勧告しているわけでございまして、第一の原則といたしましては、個人の被曝線量はICRPが勧告する限度を超えてはならないという規定が一つあるわけでございます。この線からいいますと、周辺住民の被曝線量というのは年五百ミリレムというのが国際的な基準でございまして、これ以上超えては国際基準に違反する、こういう値になるわけでございます。ICRPはもう一つ第二の原則を決めておりまして、すべての被曝は経済的及び社会的な要因を考慮に入れながら合理的に達成できる限り低く保たなければならない、これはALARAの原則ということでよく言われている原則でございますが、これによって実際は規制されるということになりまして、原子力発電所の五ミリレムも同様な観点から決められたものでございまして、これは国際的な安全基準の百分の一という数字が決められているわけでございます。この数字自体につきましては国際的にも十分認められているものでございますし、最近におけるICRPの勧告等におきましても、この数字を変更する計画は今のところないというのが現状でございます。その下でいろいろなことが議論されるわけでございます。 そこで、実際の安全規制に当たリましては、今の五百ミリを守ることは当然でございますけれども、さらに先ほど述べました第二の原則に基づきまして、被曝低減のために事業者がどの程度施設の設計に努力をし、放射性物質の放出を抑制するための努力を行っているかという点について、個々のケースに即して審査することとしているわけでございまして、まさにこの点が重要な安全審査の項目の一つとなっているわけでございます。核燃料サイクル施設につきましては、このALARAの原則によりまして実際は規制されるということになろうかと思います。一般公衆の被曝線量である五百ミリレムよりははるかに下回る数字になろうかと思いますが、原子力安全委員会におきましては、この辺の数字を原発と同様に決めるのではなくて、具体的な施設の設計に即して、電気事業者の設計でいかに被曝低減化のための努力が払われているかということを審査することになるということでございます。
○関委員 時間ですので、続きの質問は午後にやらせていただきます。
○鳥居委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十八分休憩 ――――◇――――― 午後二時十一分開議
○鳥居委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。関晴正君。
○関委員 先ほどの局長からの御答弁、特にトリチウムの件やクリプトンの問題についての答えがあったのだけれども、それとあわせて、私の聞いている質問以上に放射線の被曝線量の問題についての長々とした御説明もまたあったわけです。 私の聞いていることは、さっき私が申し上げた数値とそちらの方の数値と違いがあるんだがということで、その理由は、あなたの方から出てきたところの年間放出基準、我々は設計値とも言っておるわけですが、この放出基準に照らし合わせると実績としては下回っている。そういう意味で数字の違いというものがあるわけだけれども、何で下回っているのかというと、再処理工場がよく動かなかったからこそ放出量の実績というものも下がっていたわけなのであって、予定どおり出ると私が申し上げたような数字になるわけだし、あなた方の方で示された数字のとおりになるわけです。その点はそういうことだということで確認してよろしゅうございますね。
○辻政府委員 フルに年間稼働していないという点もございますが、五十七年度は比較的稼働はよかった年でございます。したがって、全年通しで出した実績値というものが実際には出てきておりませんので、必ずしもフル稼働した場合に放出基準値と同じくなるということではございませんけれども、それ以下の実際の放出実績値よりは大きくなるということであろうかと思います。
○関委員 そこで、二百十トンの再処理工場で出てくるところの基準値というところから見ますと、今度第二再処理工場の場合は八百トンですから、その場合は放射能の基準値というものをどの辺まで予定されておるのか、この点ひとつお答えいただきたいと思います。
○辻政府委員 その点が午前中に私長々と御説明させていただいた点でございまして、どのくらいの数字になるかは、先ほど申し上げましたように安全審査の段階でALARAの精神によって審査を行った上で決められるということでございます。
○関委員 ALARAの精神と言うけれども、ALARAというのは何のことがわからない人もたくさんおりますよ。極力最低のところで努力するのがALARAの精神だと言っておりますけれども、ALARAのことはわからない人もまた多いわけです。ALARAの精神に立ったとしても、八百トンの場合は、この二百十トンのところでの基準値のどんなに見ても四倍。また四倍でおさまるものではなくて、特に燃焼度の問題ですね。今までの燃焼度の七割も超えるような燃焼度を予定しているわけですから、とても四倍というようなものでもないだろう、こう思うのですが、その点いかがですか。
○辻政府委員 定性的にはおっしゃるとおりでございまして、東海の再処理工場よりは大きな量の廃棄物の放出が行われるであろうということでございます。
○関委員 それで、原発の場合は周辺における被曝線量の一つの線というものを五ミリレム、こう考えておるわけだが、再処理の場合は五ミリレムとはいけないのですか。
○辻政府委員 午前中長々と御説明したとおりでございまして、ALARAの精神で行うこと自体、そういったようなものを一義的に決めてしまう性質のものではない。基準値としては五百ミリレム以下であるけれども、それ以降、実際はずっと低い数字になるわけでございますけれども、事業者が施設の設計上その時点で考えられるいろいろな技術を駆使して、廃棄物の放出をできるだけそれ以下に抑える努力を行ったかというところが問題になるわけでございまして、そういうものは安全審査で決めていくべき性質のものでございます。 原子力発電所について五ミリレムと定めましたのは、もう既に原子力発電所の設計というものがかなり画一化されているということ、それから五ミリレムという数値が先ほどの五百ミリレムという安全基準に比べて実に百分の一という低い数字である、あるいは自然放射線量、我々がふだん受けておりまするところの百ミリレムに比べましても二十分の一というような非常に低い数字であるということで、こういった設計によればALARAの精神は十分達成されているという前提がございますし、先ほど申しましたように設計が画一化されておりますので、五ミリということを一応定めてあるということでございます。
○関委員 もう一遍簡単に答えてください。原子力発電所では周辺における被曝線量を五ミリレムということで抑えている、それは技術がそこまで来た。再処理工場もそこまでいけるのですか。そこだけです。いけるのですか、いけないのですか。
○辻政府委員 これは実際に具体的に設計が出てきてみないと、数字的に幾つ幾つということは今の段階では申し上げられませんが、一般論といたしまして五ミリレムの線を決めるということは、再処理工場の場合はもともと取り扱う放射能の量が大きいわけでございますからして、五ミリレムという数字は無理であろうかと思っております。
○関委員 東海の再処理工場は何ぼまでいっているのです。
○辻政府委員 東海の再処理工場の場合には、一・三ミリレムというのが数字でございます。
○関委員 基準値がですか。
○辻政府委員 放出基準値でございます。
○関委員 それはおかしいじゃないですか。原発よりも低いことになりませんか。そんなことないのですよ。それは全然違いますよ。
○辻政府委員 放出基準値に基づくところの線量率でございます。
○関委員 それが一・幾つでしたか。
○辻政府委員 一・三ミリレムでございます。
○関委員 とにかく再処理工場における状態、また今度予想されるところの第二再処理工場の状態を見ますと、第二再処理工場では八百トンの再処理をする。八百トンの再処理をするということになりますと死の灰がどれくらい出るか。二十トンですよ。まさにこれは広島の原爆の死の灰の二万倍、そしてこれが毎年毎年蓄積されていったと想定しますと、まさに五十年では百万倍、大変な代物です。大変な死の灰です。ですから、こうしたものを片づけることができるというなら別です。除去する技術が確立されたというなら別です。とても除去なんてできるものじゃない。どんなに努めでもこうした放射性物質の放流というものをとめることはできない。その点を確認しておきたいと思うのですが、どうです。
○辻政府委員 ただいまの二十トンという数字は私どもどういう根拠かよく存じませんけれども、いずれにしても発電によって生じたところのフィッションプロダクトをどうやって分離して、どうやって捕集して閉じ込めておくかというのが再処理技術の一つの重要課題でございまして、分離された放射性物質の放射能は、その大部分は閉じ込められて放射性廃棄物として処理されることになります。一部とり切れないものについては、一定量の濃度なり放出規制を行った上で放出を認める、こういうことでございます。
○関委員 どんなに技術が進んで一〇〇%これを閉じ込めようとしても、それはできない。それができないために、とにかく最小限度に抑えよう。どんなに抑えても出てくるものは今申し上げたような状況。これは何の事故もないときの話です。何の事故もなく進んでいって、操業されて出てくるところの放射能の量の実態なんです。まして事故があったらどうなるかということですよ。広島事業者の設計でいかに被曝低減化のための努力が払われているかということを審査することになるということでございます。
○関委員 時間ですので、続きの質問は午後にやらせていただきます。
○鳥居委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十八分休憩 ――――◇――――― 午後二時十一分開議
○鳥居委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。関晴正君。
○関委員 先ほどの局長からの御答弁、特にトリチウムの件やクリプトンの問題についての答えがあったのだけれども、それとあわせて、私の聞いている質問以上に放射線の被曝線量の問題についての長々とした御説明もまたあったわけです。 私の聞いていることは、さっき私が申し上げた数値とそちらの方の数値と違いがあるんだがということで、その理由は、あなたの方から出てきたところの年間放出基準、我々は設計値とも言っておるわけですが、この放出基準に照らし合わせると実績としては下回っている。そういう意味で数字の違いというものがあるわけだけれども、何で下回っているのかというと、再処理工場がよく動かなかったからこそ放出量の実績というものも下がっていたわけなのであって、予定どおり出ると私が申し上げたような数字になるわけだし、あなた方の方で示された数字のとおりになるわけです。その点はそういうことだということで確認してよろしゅうございますね。
○辻政府委員 フルに年間稼働していないという点もございますが、五十七年度は比較的稼働はよかった年でございます。したがって、全年通しで出した実績値というものが実際には出てきておりませんので、必ずしもフル稼働した場合に放出基準値と同じくなるということではございませんけれども、それ以下の実際の放出実績値よりは大きくなるということであろうかと思います。
○関委員 そこで、二百十トンの再処理工場で出てくるところの基準値というところから見ますと、今度第二再処理工場の場合は八百トンですから、その場合は放射能の基準値というものをどの辺まで予定されておるのか、この点ひとつお答えいただきたいと思います。
○辻政府委員 その点が午前中に私長々と御説明させていただいた点でございまして、どのくらいの数字になるかは、先ほど申し上げましたように安全審査の段階でALARAの精神によって審査を行った上で決められるということでございます。
○関委員 ALARAの精神と言うけれども、ALARAというのは何のことがわからない人もたくさんおりますよ。極力最低のところで努力するのがALARAの精神だと言っておりますけれども、ALARAのことはわからない人もまた多いわけです。ALARAの精神に立ったとしても、八百トンの場合は、この二百十トンのところでの基準値のどんなに見ても四倍。また四倍でおさまるものではなくて、特に燃焼度の問題ですね。今までの燃焼度の七割も超えるような燃焼度を予定しているわけですから、とても四倍というようなものでもないだろう、こう思うのですが、その点いかがですか。
○辻政府委員 定性的にはおっしゃるとおりでございまして、東海の再処理工場よりは大きな量の廃棄物の放出が行われるであろうということでございます。
○関委員 それで、原発の場合は周辺における被曝線量の一つの線というものを五ミリレム、こう考えておるわけだが、再処理の場合は五ミリレムとはいけないのですか。
○辻政府委員 午前中長々と御説明したとおりでございまして、ALARAの精神で行うこと自体、そういったようなものを一義的に決めてしまう性質のものではない。基準値としては五百ミリレム以下であるけれども、それ以降、実際はずっと低い数字になるわけでございますけれども、事業者が施設の設計上その時点で考えられるいろいろな技術を駆使して、廃棄物の放出をできるだけそれ以下に抑える努力を行ったかというところが問題になるわけでございまして、そういうものは安全審査で決めていくべき性質のものでございます。 原子力発電所について五ミリレムと定めましたのは、もう既に原子力発電所の設計というものがかなり画一化されているということ、それから五ミリレムという数値が先ほどの五百ミリレムという安全基準に比べて実に百分の一という低い数字である、あるいは自然放射線量、我々がふだん受けておりまするところの百ミリレムに比べましても二十分の一というような非常に低い数字であるということで、こういった設計によればALARAの精神は十分達成されているという前提がございますし、先ほど申しましたように設計が画一化されておりますので、五ミリということを一応定めてあるということでございます。
○関委員 もう一遍簡単に答えてください。原子力発電所では周辺における被曝線量を五ミリレムということで抑えている、それは技術がそこまで来た。再処理工場もそこまでいけるのですか。そこだけです。いけるのですか、いけないのですか。
○辻政府委員 これは実際に具体的に設計が出てきてみないと、数字的に幾つ幾つということは今の段階では申し上げられませんが、一般論といたしまして五ミリレムの線を決めるということは、再処理工場の場合はもともと取り扱う放射能の量が大きいわけでございますからして、五ミリレムという数字は無理であろうかと思っております。
○関委員 東海の再処理工場は何ぼまでいっているのです。
○辻政府委員 東海の再処理工場の場合には、一・三ミリレムというのが数字でございます。
○関委員 基準値がですか。
○辻政府委員 放出基準値でございます。
○関委員 それはおかしいじゃないですか。原発よりも低いことになりませんか。そんなことないのですよ。それは全然違いますよ。
○辻政府委員 放出基準値に基づくところの線量率でございます。
○関委員 それが一・幾つでしたか。
○辻政府委員 一・三ミリレムでございます。
○関委員 とにかく再処理工場における状態、また今度予想されるところの第二再処理工場の状態を見ますと、第二再処理工場では八百トンの再処理をする。八百トンの再処理をするということになりますと死の灰がどれくらい出るか。二十トンですよ。まさにこれは広島の原爆の死の灰の二万倍、そしてこれが毎年毎年蓄積されていったと想定しますと、まさに五十年では百万倍、大変な代物です。大変な死の灰です。ですから、こうしたものを片づけることができるというなら別です。除去する技術が確立されたというなら別です。とても除去なんてできるものじゃない。どんなに努めでもこうした放射性物質の放流というものをとめることはできない。その点を確認しておきたいと思うのですが、どうです。
○辻政府委員 ただいまの二十トンという数字は私どもどういう根拠かよく存じませんけれども、いずれにしても発電によって生じたところのフィッションプロダクトをどうやって分離して、どうやって捕集して閉じ込めておくかというのが再処理技術の一つの重要課題でございまして、分離された放射性物質の放射能は、その大部分は閉じ込められて放射性廃棄物として処理されることになります。一部とり切れないものについては、一定量の濃度なり放出規制を行った上で放出を認める、こういうことでございます。
○関委員 どんなに技術が進んで一〇〇%これを閉じ込めようとしても、それはできない。それができないために、とにかく最小限度に抑えよう。どんなに抑えても出てくるものは今申し上げたような状況。これは何の事故もないときの話です。何の事故もなく進んでいって、操業されて出てくるところの放射能の量の実態なんです。まして事故があったらどうなるかということですよ。広島から比べればその程度のものだ。平均値どころじゃない。これほど大きい地震の規模と回数を重ねている場所はないのだ。だから地震の巣だという。それでもあなた方はしゃにむに事を進めてまいろうとするのか。この点については長官からきちんとお答えいただきたいと思うし、さっきの方については局長の方からまたお答えをしてもらいたい、こう思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。 活断層の件につきましては、別に真下になければいいのだ、すぐわきにあったらどうなんだ。いずれにいたしましても、活断層があれば、その活断層に動きがあったときに、そこに起因する地震で実際に施設する場所にどういう震度の地震をもたらすか、そこを想定して基地とすることにしておるわけでございますので、決して私ども真下になければいいのだと申し上げたつもりはございません。ただ、私どもが承知しておるのは、かつて石油備蓄基地のときに建設予定地内に活断層があるというお話がありましたが、先生が後ほどにまた調査をした結果ないということになったという話、それから先生前々から御指摘の東の方に大きな活断層があるということについての文献についても御説明申し上げたつもりでございますので、決して横の方に活断層がないとかあるとか、真下に活断層がないからいいのだ、そういうことを申し上げたつもりはございません。 それから、地震の件につきましては、地震の巣という言葉は通常は震源地のことを言うわけでございますが、先生御指摘の書物の中でも地震の有感震度といいますか、そういったものについての図が添付されておりまして、震源地が点々で付されておりますが、その意味でいきますと下北が特有の地であるということは必ずしもこれからも見えませんし、その文章の中でも、先ほど申しましたように積極的な表現ではなくて、「青森県も地震の発生回数は決して全国の平均以下ではなかった」、こういうような表現にもなっている面もございまして、特別にここがほかの地区をはるかに超えるような異常な地震の多いところという理解は必ずしも適切ではないのではないか、こういう趣旨で申し上げたつもりでございます。
○竹内国務大臣 お答え申し上げます。 先ほど来申し述べておりますように、私どもは事業者から申請がありましたら、この安全評価の問題につきましては厳正、公平の立場でやるのは言わずもがなのことでございます。したがいまして、先生今いろいろと御指摘になりましたそういう自然条件の問題なども、私はその安全評価の面において徹底的にまた検討がされるだろう、こう予想しております。
○関委員 この地域における活断層の姿やあるいはまたそういう地震を呼ぶような姿というものは異常なものがある、こう「大震災の記録」の中にあるわけです。先ほどのお答えによりますと平均に近いものだ、こんなお話です。ところが、何をもって平均としているかわかりませんけれども、この地域の特殊条件、これは地殻上からも来ております。そういう意味からいうと、これは単に一業者に、申請人にだけ任せてどうのこうのという問題ではなくて、基本的に科技庁としては調査をしておかなければならない問題だ、こう思いますので、科学的に分析をして、そうして今長官が厳正、公正に当たると言っているのですが、進んでこのことをまず取り上げて、その上でこれは不適地なんだということになるならば同じ苦労をさせなくてもいいわけですから、上がる前にこちらの方として調査に入って、今後の問題もあるわけですから、何もこの核燃の問題ばかりじゃなくていろいろな問題があるわけですから、進んで取り組んで当たる必要があるんじゃないかと思うのですが、この点いかがですか。
○辻政府委員 これはほかの原子力施設につきましても全く同じことでございますが、地盤につきましては、活断層の調査も含めた施設予定周辺の自然条件の調査を、これは事業者が本来行うべきものでございまして、国としては、事業者の行った調査の妥当性について、安全審査の段階で十分検討するという基本的なポジションでございます。 本件につきましても、これから事業者において地盤の活断層の有無等についての調査が精細に行われることになる、こういうことであろうかと思っております。
○関委員 そうしますと、申請者の方にきちんとそうした地盤、地質、ボーリング調査というものの具体的な提出をさせてその上で当たる、こういうことですか。
○辻政府委員 これは、すべての原子力施設につきましてそういう方法で行われてきておるものでございます。
○関委員 東京電力株式会社が前に調査をした結果、言うなれば活断層がない、そういうことで大激論をしたことがあります。このことについても、科技庁としては独自に調査をしておく必要があるんじゃないだろうか。「日本の活断層」においてはある、東京電力においてはない。エアガン方式で調べた方にはある、スパーカー方式でやった方にはない。では、スパーカー方式でやった電力会社はデータを出しなさいと言ったら、データを出してくれませんね。この問題はそのまままだ残っています。そうして、残されたまままた進むとするならば、これは問題ではないだろうか。そういう意味で、ある活断層を殺してしまって、生きているのか殺されているのか不明確のままじゃいけないと思うのですが、これを明確にしておく必要があると思うのです。その意味においては長官がまず率先、科技庁としては権威ある調査をして確認をすべきものは確認する、その必要があるんじゃないだろうかと思うのですが、どうですか。
○竹内国務大臣 先ほども局長からお話し申し上げましたように、まず事業者が必要な調査なり検討結果を添えて設置許可を申請してくるというルールでございますので、今回もそのルールに従ってやりたいと思いますが、ただ私は、先ほどもちょっと申し上げましたように、私どもが実際に安全評価をする際に、事業者の提出した資料では十分だと思えない場合には、さらに事業者にも追加の調査あるいは資料の提出を命じますし、場合によって、さらに補足の必要があれば、ケース・バイ・ケースですけれども、国みずからやることもあり得る、こう申し上げている次第です。
○関委員 その場合、陸上部だけじゃなくて海上の問題についても申請者の方にきちんと資料の提出を求めますか。
○辻政府委員 これは安全審査の段階での判断の問題ではございますけれども、当然その周辺におきまして施設に影響のあるような活断層の疑いがありますれば、そこの部分についての資料が提出されなければ安全審査ができないということになります。
○関委員 今、実際に東京電力なり東北電力なりがやったところのスパーカー方式による結果、あそこには活断層がない、こう言っているのだけれども、この資料等は、幾ら我々の方に出せと言っても出さないのですが、局長の方はこれはごらんになっておられるのですか。
○辻政府委員 安全審査の申請はかなり先になるわけでございまして、私どもの手元にはまだ出てきておりません。
○関委員 幾ら我々が見せると言っても、電力会社が見せないからどうにもならないといったままの事態、担当の局長の方でもこれにはさわっておらない。それほど、自主、民主、公開という核政策における方針というものがありながら、一企業の前には何のすべもないままに至っているわけでありますから、こういう点についてはさらにこれまでの論をも踏まえてきちんとしてもらわなければならない。 そこで竹内長官も、一々言われてどうのこうのというよりも、日本における太平洋の、しかも青森県の東方の状態というものについても、私は自主的にやるべきだと思うのです。来てからやるとか、それを見て不足があれば命ずるとか、そんなことでは時間がむだに過ごされる。あなたは予算委員会で、これは必要があればやるとあれほど言明したのだから、我々はやってくれるものだと思う。そういうものが上がろうと上がるまいと、やはりこれは必要なことだからやっておく。どうしても電力会社が出さないと言うのなら、やらざるを得ないじゃないか。その点についての御決意がありませんか。
○辻政府委員 先般から大臣も再三にわたって御説明申し上げているとおり、基本的には事業者からまず出してくる。そして、それについて専門家によりまする安全審査で十分に検討して、必要に応じまして事業者から追加の資料を出させるなり何なりというのが通常の姿でございまして、特に必要があると判断された場合には国が行うこともあり得るということもございますけれども、これは安全審査の段階でのケース・バイ・ケースの判断で対処してまいってきておるわけでございます。 ただ、この際、一言申し上げておきたいのですが、洋上における活断層、これは必ずしも下北の場合だけではございませんで、ほかの原子力施設におきましても、沖合、洋上におきまする活断層というものはあるわけでございます。これにつきましてそれぞれ精細な調査を行いまして、その起震力を想定して、そしてそれが原子力施設にどういう地震動を与えるかということを十分にチェックした上でそれに対応する施設の設計を行うというのが原子力施設の設計のやり方でございますからして、活断層があるならあるで、その場合に一体どの程度の規模のものであるか、どの程度の起震力を持っているものであるか、こういったようなものをデータを添えてやること。それからそのサイトとの間にある地盤の様子によりまして、地震の力のかかわり方がまた変わってまいります。そういうものを全部チェックいたしまして設計に反映させる、こういうシステムでございますから、活断層が仮にあっても、そこが不適地であるということを今いきなり言ってしまうというのはいかがなものかというふうに考えている次第でございます。
○関委員 だんだん本心が出てきたようであります。つまり、活断層があっても、いきなりそれを中止させるとかとめるようなことはいかがなものか。大変なことですよ、構えとして。問題は、地震があっても耐震設計がきちんとしていればいいんだろう、活断層があっても、想定される地震が来ても、耐震設計がうまくできていればいいんだろう、これはこういう意味のお答えじゃないだろうかと思う。 そこで、一体耐震設計というものはどれだけの値打ちがあるものか。とにかく耐震設計を施した、施したときはある程度効果を持ってしょう。しかし、耐震設計の効果力というものは何年もありますか。腐食だとかあるいはピンホールだとか、再処理工場において絶えず出ているでしょう。あの施設だって全部耐震設計をうまくやっているつもりです。それぞれの配管においてもそれぞれ施しているでしょう。でも、一年たち、二年たちすると、それぞれの施設の力というものがもろくなってくるでしょう。年ごとに脆化が始まっていくでしょう。コンクリートのものだって何年ももたないで脆化が激しくいっているでしょう。劣化が進んでいくでしょう。だから震度六なんというものが出てきたら、抑えられるものではない。そういう地震がざらにここでは起こってくるのです。そうして何千年も末永くプールがうまく保持されていくなんということは無理じゃないだろうか。そんなことを考えますと、耐震設計で事を運ぶんだと言っても年ごとに脆化が進む。これはひどいものですよ、その進み方というものは。これに関連して本当は原子力船「むつ」の問題にお答えいただこうと思うのですが、まずその前に、脆化があるということ、劣化が進むということ。耐震設計を施したからといって万全なものだと思っているととんでもない。震度六なんてどうにもならない。それにもこたえられるほどの耐震設計のものができると思っているのですか。
○辻政府委員 具体的な設計に当たりましては、その経年変化等も考慮した上での安全余裕というものを見て設計が行われるわけでございまして、もちろんこれが何千年もこのまま使うというのであれば問題であろうかと思いますけれども、これは一つの使用期間との関連という問題もございます。現在の各施設につきましても、相当の長期間の裕度を見た上での安全係数というものをとりながらやっているということでございます。
○関委員 とにかくこうした地震の巣であり、また活断層のある場所であり、地質的にもいろいろと問題のあるところであるだけに、この問題については早いところ問題を片づけるのが一番いいだろう。申請が来た、工事が進んだ、でき上がった、そのときにだめでございます、こう言うよりは、早目に、もうこれは無理ですよ、こう指導するのが必要なことじゃないだろうか、こう思っているところであります。そういう点についての留意すべき構え、これを強くひとつ求めておきたいと思っております。 あわせていま一つ、建物の脆化の問題から関連するわけですけれども、原子力船「むつ」の問題。「むつ」のところでは、とにかくせっかく「むつ」の問題をやろうと言っていながら、計画が三分の二に縮小されてしまった。三分の二に縮小しておりながら、実際に実験航海に出るときにはさらにまた点検をして、そうして問題があるということになると中止をする、こういう方針でおられるわけであります。この原子力船の中は、ふたもあけないままに進んできただけに、いいところ腐食があるんじゃないだろうか、いいところ使用にたえないような状況にあるんじゃないだろうか、私はこう思います。この点を早目に点検をして、そしてもう無理だということがわかったら、むだな工事費はつまらぬことですから、そういう意味においてはこの際点検を早めて、いや大変な状態だ、ストップしようじゃないか、こう事を運んだらどうかと思うのですが、そのお考えはありませんか。
○中村(守)政府委員 先生御指摘の原子力船「むつ」につきましては、既に何年かたっておるわけでございまして、劣化があるんじゃないか、それをよく調べてみたら、こういうお話でございます。その点につきましては、もちろん日常点検できるところはすべて点検いたしておるわけでございますが、「むつ」の新しい実験計画をやるに先立ってまた念入りに点検をすることにいたしております。 ただ、現在地元の方々とのお約束によりまして、原子炉は凍結した状態に大湊にある限りは置いておく、こういう一つの問題がございまして、例えば温態停止、原子炉を温めて各部を動かして各部の異常等について点検するというようなこと、あるいはふたをあけて中の燃料を調べる、こういったようなことにつきましては地元の方々とのお約束がございますので、皆様方の御納得が必要になるわけでございます。一方地元としては、大湊に「むつ」を入れたのはあくまでも仮の宿であって、最終的に関根浜の港に移すんだ、それまでの間であるという御理解でございまして、関根浜の港がしっかりできて「むつ」を移すということについて一地元の方々としてはいろいろ不安も抱いておられることでもございますので、そういうことで、まだ地元の方にそういう点検をさせてくれとお願いをするような段階に残念ながらないわけでございます。ただ、私どもといたしまして今までできる限りの点検と、それから見えない部分、炉心の中がどうなっているかということにつきましては、従来から厳密に行っております水質検査、これによって中に腐食だとかそういった現象が起こってないということを確認しておりますので、私どもといたしましてはそういう異常はないという確信を持っておりますが、実際に実験を再開するに先立ちましては入念な点検を行う、こういう構えでおるわけでございます。
○関委員 だから、港ができ上がって、そうしていざ実験航海に出ようというときには中身をもう一遍吟味をする、その吟味をした結果大変なことがあれば中止をする、こういう方針をとりましたね。私はこの方針に疑問を持っているわけです。中身は大丈夫だと思っているわけです。何てわざわざこういう、中身に問題があるならばという条件をつけたのだろうか。それだったら今のうちに点検をしてみて、港ができ上がって行くときには何ともありません、こう言えるようにしておくべきじゃないだろうか。そういう点検の場所が日本の国の中にないですか、あるでしょう。そういうところに出してやって対処すべきではないか。何ですか。港ができ上がって、そのときに船の中を調べて問題があればやめにする。それだったら今調べて、問題があるからやめにした方がいいということになったら、やめにした方がいいじゃないですか。それが行革の精神にかなうのじゃないですか。むだ遣いの精神に立たないで、これだけはきちんとした方がいいと思うのですが、この点はひとつ長官から聞きたいと思う。あなたから聞いたってしようがないよ。
○中村(守)政府委員 技術的な問題もございますので、大臣お答えになられる前にちょっと答えさせていただきます。 異常があったらという条項がついているじゃないかということにつきましては、我々は水質検査とかそういったことで化学的に分析して、ないと確信をしておりますけれども、皆さんから見れば百聞は一見にしかず、中をのぞかないで何を言うか、こういう御不安がありますので、それはやはりやってみる必要があるだろう。そしてそのときもないかということについては、これは自然現象でございますから、全くない、絶対ないなどという口幅ったいことを申し上げるつもりもございませんし、そういう意味で入念な点検をして前へ進むということでございます。 それから、そういう点検をするところがほかにあるじゃないか、こういうことにつきましては、「むつ」の修理をお引き受けをしていただくために長崎県に非常に大変な御迷惑をおかけし、騒ぎを起こしながらやっとの思いで佐世保港で修理をさせていただいた経緯がございます。そのときにも、佐世保港での修理に当たりましても、要するに原子炉のふたはあけない、こういう条件つきでやっとの思いでやった経緯もございます。そういうことで、先生がおっしゃったようにどこかほかにあるじゃないか、こういう御指摘に対しては、私どもとしてはそういうところがあるということについてはちょっと同意いたしかねます。実際問題として、佐世保港の例から見ましてもできなかったことでございます。
○竹内国務大臣 ただいま原子力局長からお話し申し上げたのが私どもの考え方でございます。
○関委員 長崎で修理をしたから今度はまた長崎でよく見ることができたらいいんだけれども、長崎でも中を見るのが怖くて、何が出てくるかわからぬものだから、蛇が出てくるかヘビが出てくるかわからぬから、それでやめたわけです。そしてコンクリートだけ重ねて、とにかくこっちへ送ってよこした。だから自民党の中でもこれを廃船にし、この建設計画をやめるという正論が出て、今日もあるわけです。ですから私は、せっかく港をつくった、さあ出ていく、そのとき点検したら大変なものであったということになるならば、やはり今しかるべき方法で検査をした方がいいじゃないか、こう思っているわけです。何もこれは佐世保のことを指していませんよ。この船をつくったところに持っていけばいいじゃないですか。つくった者の責任として中を調べてくれと言ったら、できませんか。できるはずですよ。やれませんか。本当にそれを引き受けるところがないんですか。これだけ聞いておきます。
○中村(守)政府委員 そういう修理をしてくれるところがあるかということでございますが、会社自体としてはあるいはそういうことをするということは考えられるのかもしれませんが、これはやはり地域の問題もございますし、そういう意味で佐世保に修理をお願いしたときの経緯、それから佐世保からむつへ回航するときの経緯、そういった過去のもろもろの経緯からいって、私どもは大変無理な問題ではないかと思っております。先生御指摘のように、できればやる前に点検をしたらいいじゃないかということについては全く私どもとしても異存はございませんが、実際問題としてそれができないという状況にあるわけでございます。
○関委員 これは本当に化学的に分析をする、調査をするその時点を私は急ぐべきだと思うのです。非常につまらないことです。ふたをあけてみたら大変ながんであった、やあやあということになったときに、何というつまらないことをしたんだろう、それよりは今ちゃんと健康診査をしてもらって、そして、いや大丈夫だ、こう備えておくべきだと思うので、これはひとつ長官に要望しておきます。 次は、あの原子力船の港を狭めた。港はとにかく船の三倍というのが基準であったはずですが、この三倍を二倍に縮めてしまった。大変危険度が高まったと思います。そのほか、その港を利用して言うならば陸上の附帯施設をつくる。その附帯施設をつくるのに土地の取得がこれまたうまくいっておりません。さらに、岸壁から住家までの距離が基準を守れないほどの状態が生じておる。こんなことでは大変じゃありませんか。岸壁から、予定される船の中心から、その土地の住家までの基準の距離を守れないものに今なっているんじゃないですか。このことだけお答えしてください。
○福永参考人 原子力船を停泊させる場合の指針としましては、原子力船運航指針というのがあるのは先生御案内のとおりでございます。その指針によりますと、原子力船の周囲というものはある範囲まで非居住地帯あるいは低人口地帯、こういうものを設定するように求められているわけでございます。そこで、この設定をするに当たりましては、その当該地点、現在で申しますと関根浜でございますが、関根浜の地点の気象条件とか立地条件とかというものを勘案しまして算定するようになっております。 そこで、先生の御質問は、今土地が全部入手できていないではないか、したがって、そのある範囲というものが確保できないおそれがあるのではないか、こういう御質問ではなかろうかと存じます。私どもは今申し上げました運航指針に基づきまして、概算ではございますけれども、そのある範囲というものが現状で対応できるものかどうかということを当たっております。その結論は当然のことながら安全審査委員会で御検討いただくことではございますけれども、現在私どもの検討の範囲では、この運航指針を満足し得るというような見通しを持っておるわけでございます。
○関委員 この問題については満足すべき状態でないのだという実態を申し上げて、次にまた論戦をしたいと思います。 次に、ATRのことで聞いておきたいことは、あの地域においてももうこんなものはごめんだ、こう言っているわけです。ATRの設置の地域である大間の漁民たちはもうごめんだ。大間の漁民も奥戸の漁民もこんなものは要らない。三分の一を超すどころじゃない、反対する者が三分の二を超しているわけです。そうなりますと、あそこでATRの仕事を進めるといっても無理ではないか。またATR自体どれほどの価値があるのだろうかということになると、これもまたいろいろと議論したいところであります。その議論はこの次にしたいと思います。 ただ問題は、あのATRの場合における発電のコストは一キロワットアワー十五円とパンフレットに書いて宣伝しておるのですね。いや、我々のところの発電のコストは原発において十三円、こう言っておる。ところが十三円というのは表向きの話で、再処理の費用だとか最終処理の費用なんかを入れると、もうとうに超してしまう。それよりも高い経費がかかる。そういうATRについて、ここから出る電気は一キロワットアワー十五円であります、どうしてこんなうそを宣伝していなければならないのだろう。ここから出る電気はそんなに安くできるわけがない。一キロワット二十五円は下らないであろうとかつて計算したこともある。今だともっと高くなるでありましょう。それを知らない人は、ああそうですか、こんなに安くできるのですかとこれまた思うわけです。これはだましているのじゃありませんか。実際に一キロワット幾らで生産される計算になっておりますか。何で十五円などと言って宣伝しておられるのですか。この点だけ聞いておきたいと思います。
○上村説明員 先生御指摘のパンフレットといいますのは、電源開発株式会社がつくりましたこの黄色いパンフレットの中に、「発電原価」としまして初年度キロワットアワー当たり十五円と書いてございます。その説明の中に、政府の補助金、民間の負担金等によりまして初年度発電原価はキロワットアワー当たり十五円となる、こう書いてあります。この点かと思います。 新型転換炉の実証炉の開発につきましては、昭和五十七年の八月二十七日に原子力委員会でその開発の基本方針を決定いたしております。その内容は三項目ございまして、第一点は「実証炉の建設・運転は、電気事業者及び動力炉・核燃料開発事業団の協力を得て電源開発株式会社が行う。」第二点は「実証炉に必要な研究開発及びプルトニウム-ウラン混合酸化物燃料」MOX燃料でございますが、この加工は、動燃事業団が行う。それから三点目が「実証炉の発電原価については、極力その低減を図ることとし、官民協力して所要の措置を講じる。」こういう原子力委員会の基本方針の決定がございます。 先生御指摘の点は、この原子力委員会決定の第三項目に関連する問題でございまして、実証炉という性格は、次の商用炉に向けてその技術的確認、別の言葉で申しますと信頼性の確認、それから経済性の確認を行うためにつくるのが実証炉でございます。そのために経済性の確認という観点から、現在敦賀市で動いております原型炉の「ふげん」、これが十六万五千キロワットでございますが、その容量の約三・六倍ほどの六十万キロワットという規模が決定されたわけでございます。この実証炉を国と電力業界も相談をいたしまして、電源開発会社にその建設と運転の主体となってもらうということを頼んだわけでございます。このときに電源開発会社も、これは電気事業者でございますので、その電源開発会社が電気事業用の発電所として建設し運転するということになりますと、いかにまだ実証段階の炉とはいえ、その発電コストというものは少なくとも石炭火力と同等のレベルでないと、事業用発電所として電気を売っていくという経営の根本にかかわる問題でございますので、国と電力業界相相談いたしまして、五十七年の八月の原子力委員会の決定を受けまして、当時の石炭火力並みのキロワットアワー当たり十五円程度に抑えるために、国が直接工事費の三〇%を補助し、電力業界が同じく三〇%負担するという「もんじゅ」と同じような考え方でスタートしたものでございます。 この十五円の内訳というのは、これは石炭火力でありますとか普通の水力発電所同様の考え方できちんと積算されるものでございまして、運転経費でありますとかあるいは燃料費、あるいは重水をかなり使いますので、そういう重水の費用というふうなものをそれぞれ積み上げますと昭和五十七年八月の時点では十五円程度になる、こういうものでございます。 現在、電源開発会社では地元大間地点での立地環境調査を昨年末終了いたしまして、機器の基本設計も進めておりまして、ほぼ完了直前でございます。こうした大間地点での立地環境調査の結果を現在、安全審査あるいは環境審査に向けて取りまとめ中でございますが、こうした電源開発会社での検討の結果を関係者、すなわち科学技術庁、通産省、それから電事連、それから動燃事業団に説明し、現在関係者が検討しておる段階でございます。
○関委員 これもいろいろ論議したいところですが、次に延ばしたい、こう思います。 あとは、動燃の方がおいでになっていると思うのですが、もう時間の関係で聞けなくなってしまいました。動燃の方には再処理工場の採算性、そういうもの等についていろいろ伺いたかったわけですけれども、これは次回に回したい、こう思います。 最後に申し上げたいことは、とにかく電源開発で計画しているにしても、漁民の反対で、もうみんな反対、三分の一の反対というものじゃないのだから、それをきちんとしない限りは、にっちもさっちも動きができなくなってしまうだろう。それもまたむだ遣いに終わる可能性が十分あると思いますので、いずれにしても下北半島というものを原子力半島に持っていこうという側と、そうはさせないし、それは困りますという漁民の側とのコンセンサスが得られない限り、またいかにごまかそうとしても無理なことを重ねてはならない。私は、こういう観点から、特に青森県出身の竹内長官には、この問題についての取り組みを本当に誠心誠意で当たっていただいて、ごまかしには加担しない、これを推進するためには強権発動でもやるのだということではなくて、無理なことはしないのだという構えでひとつ当たっていただきますことを強く希望して、終わりたいと思います。
○鳥居委員長 次に、遠藤和良君。 〔委員長退席、平沼委員長代理着席〕
○遠藤委員 最初に大臣にお伺いしたいわけでございますが、ただいま科学万博を開催中でございまして、国民の間に大変に科学技術に対する関心が高まっているところでございます。地方におきましても、地方のいわゆる産業界とタイアップした形での科学技術の振興策というものがぜひとも必要ではないか、こういうふうに認識するわけでございますが、地方科学技術振興会議、いわゆる一日科学技術庁について長官はどのように御認識をされておりますか、最初に所見をお伺いしたいと思います。
○竹内国務大臣 先生御指摘のとおり、地方においても科学技術振興に対する大変強い関心やニーズがあるということは私もよく承知しております。そういういわば関心あるいはニーズにおこたえする一つの方法として、地方科学技術振興会議というのは私はそれ相応の役割を果たしていくのじゃないか、こう思いますし、三十八年度以降において御承知のように毎年三回それぞれ地域を選んで行われておりまして、現在既に六十八回の開催を行っておるわけでございます。特に開発でおくれているという認識の強い地方ほどまたそのニーズが強いのじゃないか、私どもはこう思いますので、これから各地方自治体のお求めがありましたら、それに対しては積極的におこたえをしてまいりたいと考えております。
○遠藤委員 昭和三十八年以来昨年まで六十八回ありましたが、この実績というものをどのように評価をされておりますか。
○本郷政府委員 ただいまお尋ねの過去六十八回開催した実績でございますが、この科学技術振興会議は大体フロックごとに関係者が集まりまして、地域の特定の状況を踏まえて、またその時代時代の科学技術の課題というものを念頭に、その地域においてどのような科学技術のあり方が望ましいかということをその地域の人がともに考えて、また関係者の連携をその機会に強化するというようなことでやってまいっております。 先ほど大臣からもお話ございましたが、地域間のギャップというものが過去においてはかなりございました。現在においてもまだそういうものがある程度存在していることは否定できないわけでございますが、そういった地域間の科学技術上のギャップを埋めるとかといったことが過去において効果としてかなりあったと思います。現在におきましては、先ほどお話ししましたような各地域の経済社会の集積とか産業構造あるいはその地域の従来の科学技術上の伝統、そういうものを踏まえて地域でどのように取り組んでいったらいいかというような検討が行われているということで、その地方における科学技術の振興にこれが相当寄与することになってきていると考えております。
○遠藤委員 先ほど大臣から毎年おおむね三地域というふうなお話がございましたが、ことしの計画も大体そういうふうな見当なんでしょうか。それから、内藤政務次官は我が徳島県の御出身でございますが、政務次官御就任の抱負といたしまして、ことしはぜひ徳島で科学技術振興会議を開催したい、こういうふうに県民の皆さんの前で発言をされた経緯がございますが、大臣はその話を聞いておりますか。また、ことしの計画の中に徳島という形で計画がされているのでしょうか、お伺いします。
○竹内国務大臣 先生御承知かと思いますけれども、これは予算の関係もありまして毎年度おおむね三地域ということでございまして、ことしも一応三地域を予定しております。ただし、まだ六十年度の開催場所については決定しておりません。これから検討してまいるわけでございますが、内藤政務次官からの徳島での四国地方科学技術振興会議をやりたいという御要望は私も承っておりますし、特に私の脳裏に強く焼きついております。
○遠藤委員 これは地元の産業界との話し合いもあるかと思いますけれども、先ほどお話がありましたように、いわゆる科学技術について地方の振興というものは大変重要でございますし、四国地方にとりましても今そういう機運が大変出ているところでございますので、ぜひ実現方に御協力といいますか、そういった方向で御検討願いたいとお願いをしたいわけでございます。 それから、今度別の問題になりますけれども、今いわゆる種子戦争ということが巷間よく言われております。昨年の五十九年六月二十六日に科学技術庁が諮問いたしました「遺伝子資源としての生物の確保方策について」に対しまして資源調査会から答申が出ておりますが、この答申に対する大臣の認識はどうでしょうか。
○竹内国務大臣 先生既に御高承のとおり、近年ライフサイエンスの振興というのが各国において積極的に図られておるところでございます。そのライフサイエンスの振興が成るか成らないか、その成否は素材である遺伝子資源をいかに円滑に供給し得る体制ができているかどうかにまずかかっているかと思うのであります。そういう立場から、今お示しの資源調査会から「遺伝子資源としての生物の確保方策について」の答申があったということは、私はこれは非常に画期的な答申であり、非常に重要な答申であり、しかして、その示すところに従って科学技術庁としてはこれから政策の充実を図ってまいらなければならぬと認識をしております。
○遠藤委員 農水省にお伺いいたしますけれども、いわゆる種子戦争の世界的な実態というのは日本ではどのような御認識をしておられますか。
○土山説明員 お答えいたします。 新品種の開発競争が、特に欧米先進国を中心といたしまして近年とみに活発になってきておるわけでございます。おっしゃるとおりでございまして、そのはしりとでも申しましょうか、まずは一九七〇年代の初めのころに、植物体といいますよりは微生物を中心といたしましての分子生物学なりの研究を中心といたしまして、いわゆるバイオテクノロジー分野での成功例が出てまいった、こういうことでございます。それに触発をされまして、いわゆる種苗産業の分野におきましてもこの技術の応用分野として大きな注目を集めてきた、こういうことでございます。そういうことで、欧米諸国におきましては一九八〇年代の初頭をピークにいたしまして、いわゆるベンチャー企業を含めましての種子会社の買収等が盛んに行われた、こういうことが確かに事実としてございました。 ただしかし、最近に至りましてややそういうフィーバーが落ちついてきたとでも申しましょうか、いわゆる細胞融合なり遺伝子組みかえ等の技術の難しさということもあろうかと思いますが、こういう技術の実用化につきましては、特に高等植物の面では、当初の見込みよりとでも申しましょうか、予想外の長期間を要することがだんだんと判明してきつつある、こういうこともございまして、いわゆるベンチャー企業等の一部には経営困難に陥っているものもややあるやに聞いております。したがって、高等植物等の育種といういわゆる種子戦争のメーンの部分につきましては、長期的な姿勢で取り組む、かつまた取り組める企業でなければならないというムードが最近とみに出てきておるのではなかろうか、こう見ておるわけでございます。 しかしながら、既に先生も御案内かとも思いますけれども、新品種の権利的な保護という下支えとでも申しましょうか、そういう法的制度の面での国際的な枠組みといいますものが、UPOV条約と我々呼んでおりますけれども、既にでき上がっておりまして、これによりましていわゆる新品種の開発並びに種苗の国際流通といいますものはますます活発化してきておりますし、今後ともさらに活発化するであろう、このように考えておるわけでございまして、諸外国の動きに対応いたしまて、我が国におきましても官民一体となりましての研究開発を促進いたしまして、農業生産の基礎となるべき優良種苗の開発といいますものに 一層努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
○遠藤委員 少し具体的にお伺いいたしますけれども、いわゆるハイブリッドトウモロコシの世界的な寡占状況、それからまた日本における実態はどのようになっておりますか。
○管原説明員 まずトウモロコシでございますが、これにつきまして正式な統計資料というものはございませんけれども、私どもいろいろ総合して考えますと、全作付面積の七割強がハイブリッド種子によるハイブリッド系の作物ではなかろうかというふうに思っております。それからまた、社会主義国を除きますと、大体アメリカ系の会社が販売するものが非常に量的に多いというような状況でございます。我が国におきましては約九割がハイブリッドトウモロコシというふうに想定されておりまして、その約九五%が輸入ということになっております。その大部分はアメリカでございまして約九割弱、フランスが九%、カナダが四%程度というような状況でございます。 それから、最近ハイブリッドのトウモロコシにつきましては国内でも非常に有望な品種が出てきておりまして、この品種の国内採種を強化するというようなことから、現在極力その対策をとっておるわけでございます。
○遠藤委員 小麦はどうでしょうか。
○管原説明員 小麦につきましては、一口で言いますと非常に少ないというような状況でございますけれども、これも統計的なものはなかなかないわけでございます。現在はやはり固定種が主になっておるわけでございますけれども、ハイブリッド種子を販売しているというのはアメリカのカーギル社とかモンサントとかローム・アンド・ハースとかというところでございまして、そのうちでカーギル社の例をとってみますと、その播種面積は二万ヘクタール程度ではなかろうかというふうに思われまして、アメリカの作付面積、収穫面積で見ますと〇・一%弱というような状況で、普及率は非常に少ないというような状況でございます。 それから我が国でございますけれども、これは先生御案内のとおり固定種だけでございまして、現在は基礎的な研究段階にあるというようなことでございまして、一般にはハイブリッド小麦は全然作付けられておりません。
○遠藤委員 小麦の品種改良でこういう事実があるわけです。農林十号という大変に優秀な品種がありますが、これは富山県の稲塚権次郎さんという方が品種改良したものでございます。これはどういうわけか日本では余り認められませんでして、アメリカに渡りましてケインズとかニューケインズという品種にさらに改良されまして、農林十号が親になりましてその子をつくったわけですが、大体十アール当たり千四百九キロの収穫が出た。それまでのアメリカの小麦は大体平均二百キロぐらいであったから、七倍くらいの高収量性のある優秀なものができた。こういうものを初め、アメリカの小麦の約九〇%以上は日本で生まれました農林十号を父としておる。母と言っても同じことでございますが、いわゆる血を引いているというふうな事実があるわけです。そして、それをまた今度は日本が輸入をしておりまして、日本はほとんど小麦を輸入しているわけでございます。この間私は、全然違った質問でございますが、東北大学の西沢先生の話を申し上げましたが、日本でこうした優秀な品種改良ができたにもかかわらず、その権利保護というものが十分になされなかったという背景もありまして、アメリカに行ってそれを逆にまた日本が高いお金を出して買わなければいけない、こういう状態が出ているわけでございます。今時に日本の小麦の状況につきましては、農業政策が麦については安楽死させようというような政策があったようでございまして、小麦についても現実は大変な状態である、こういうふうに伺っているわけでございますが、そういうことについては農水省はどういうふうに考えておりますか。
○管原説明員 先生御案内のとおり、小麦につきましてはおっしゃいますような事情もあるわけでございますが、特に麦類につきましては非常に収益性が低いというふうなこともございまして、三十年代、四十年代非常に作付面積が減ったわけでございます。しかしながら、うどんとか食用のめん類の適性としては国内産が非常に適しているというようなこともございますし、また精麦用とかそういうような需要もございます。また、ビール用のビール大麦につきましても適切な自給率を維持する必要があるというような観点から、特に五十三年度水田利用再編対策を実施するに際しまして、重点作物として以後重視しておりまして、現在約三十五万ヘクタール弱まで回復しておりまして、生産量も百万トンをオーバーしたというようなことでございます。麦につきましては、確かに米に比べますと収量の変動も大きい。それから、収量からいいましてもアメリカに対しましては相当高い水準にありますけれども、ヨーロッパに比べるとまだ低いというようないろいろな事情がございますが、そういう点を含めて今後その対策をしっかりやっていきたいというふうに考えている次第でございます。
○遠藤委員 食糧の安全保障という見地から、日本人のお米は日本の国で、米ばかりでなくて麦、穀物もそうですが、自給率を高めていくことが大変大事だと思うのです。ところが、今日本の国は穀物の自給率は大体三四%でございましたか、非常に低いわけです。こういった小麦について優秀な品種が日本にありながら、政府の農業政策の変更によりまして、それを日本でつくらないでアメリカから購入する、こういうふうに変化があったわけです。そういうことも、私は今後は政策を選択する場合に長期的な展望で考えていく必要があるのではないかと思います。 それから、今小麦の話をしましたけれども、お米については、今日本のお米の品種というのは相当優秀なように伺っていますけれども、小麦と同じように将来日本がアメリカから種米を購入しなければならないというような危険はないのかどうか、長期的な展望でその問題を真剣に考えていらっしゃるかどうか、確認しておきたいと思います。
○管原説明員 農林水産省といたしましては、米については全量自給するという大前提のもとに政策を進めているわけでございます。そういう面から申しまして、その基礎である種につきましても全量国内で賄っていくというような方針で参りたいというふうに考えております。 また、将来の問題といたしまして、輸入になるのではないかというお話でございますけれども、先生御案内のように日本は北から南まで、それから標高の低いところから高いところまでという非常に地域性がございまして、それに適した品種を育種してくるということで過去百年間努力してきたわけでございますし、現在絶対数量としまして約二百六十品種くらいあるというふうに、我が国に適する品種はきめ細かにやっていかなければならないという問題がございます。また国民一般、それから農家が要望します米の特質にしましても、収量性がいい、耐病性が強い、品質がいいというようないろいろな要素がございまして、こういうような点から、外国でそれに適したような品種は今のところないのではなかろうかというように考えております。それからまた、育種技術にしましても我が国は非常に高い水準にございますし、今後とも我が国は稲の品種育成につきましては重点を置いて推進をしていくという方針でございますし、私ども外国から輸入しなければいけないというようなおそれはないようにまた努力していかなければいかぬというふうに思っております。
○遠藤委員 お米は主食でございますから、やはりきちんとした対応をぜひともやっていただきたいと思うわけでございます。カリフォルニアでは何かコシヒカリより随分おいしいお米が驚くほど安い値段でつくられておりまして、貿易の自由化の真の目的は米の輸入を迫っているというふうな話も聞くわけでございますので、品種の保存といいますか保護といいますか、日本の優秀な米を日本の国で保護していく、こういう政策をとっていただきたいものだと思います。 それから、先ほど申し上げました資源調査会の答申を受けまして各省庁が遺伝子バンクの充実に今年度の予算をとっていると思いますが、遺伝子バンクには日本では今大体十万点くらいで、アメリカが三十三万点、ソ連がほぼ三十三万点ですね。こういう状態で過去の経過としては日本は大変おくれておる。今後強化充実をしていかなければならないということのようでございますが、農林水産省、科学技術庁、厚生省、文部省、通産省にお伺いします。大体総額十三億円くらいの予算と聞いておりますが、各省庁でどういうふうな予算を配分しておりますか。また具体的な推進体制はどのようにやっておりますか。
○丸山説明員 農林水産省で考えております遺伝資源構想につきまして御説明申し上げたいと思います。 先ほど先生御指摘のとおりでございまして、現在のレベルは、植物関係でございますが約十万点の遺伝資源を保存しておりまして、これはアメリカ、ソ連、中国から比べますと、三十万点のレベルから比べますとまだ三分の一の水準でございます。そういうことも背景でございますが、従来の品種改良への利用だけではなしに、近年のバイオテクノロジーの発展によりまして、野生種を含めまして幅広く利用価値が増大しておるという点と、それから御案内のとおり、熱帯林の減少とかあるいは作物の均一化によりまして地球上から貴重な遺伝資源が滅失をしていくおそれが非常に強まっておるというようなこともございまして、従来から植物を中心に遺伝資源を保存してまいりました事業をさらに拡充整備をいたすことにいたしまして、昭和六十年度からは植物、それから微生物、動物、水産生物、それから林木、そういったいわゆる農林水産業にかかわる生物全般につきましての遺伝資源を対象といたしまして、国の内外から探索、収集し、それから分類、固定、それから特性の調査をいたしまして、それを一元的に保存をしていくという考え方でございます。 それから、なおこういった遺伝資源のものとそれの特性等の情報につきましてはデータベース化をいたしまして、国や県の試験研究機関あるいは民間大学等に提供を申し上げたいというふうに考えておるところでございます。 それから推進体制でございますが、この遺伝資源を集めて分類し、それから固定をし、さらに保存、増殖するということは非常に広大な土地なりあるいは人数、マンパワーが要るということもございますから、施設が必要ということもございますので、全国各地にあります試験研究機関なりあるいは原原種農場とか種畜牧場あるいは林木育種場といったような農林水産省の関係機関を挙げまして、それぞれの立地条件を活用してこの事業を進めていきたいというふうに考えております。
○堀内政府委員 科学技術庁のことにつきましてお答えいたします。 まず一つは、理化学研究所におきまして、細胞材料でありますとかあるいは遺伝子材料を収集、保存、提供するジーンバンクという事業を始めようということで、このための細胞・遺伝子保存施設の建設に着手しております。これは大体三カ年くらいかかりまして完成するという予定でございます。 それからもう一つ、将来の有用な資源としましての可能性を有しております野生植物などを中心に収集、保存、利用方策につきましていろいろ調査検討するということで、こちらにつきましては現在遺伝子資源確保推進会議というものを設置いたしまして、ここでいろいろな専門家の方あるいは学識経験者に広く集まっていただきまして、今の野生植物等の収集、保存、利用方策を検討するとともに、さらに広く遺伝子全体の遺伝子資源の所在、特性情報の流通の問題あるいは人材の養成、国際協力といったような広い面にわたりまして今検討を続けているところでございます。 それから、厚生省につきまして私の方からちょっと説明させていただきます。 厚生省におきましては、がん研究に必要なヒト及び動物由来の培養細胞・遺伝子の収集、保存、提供を行うリサーチ・リソース・バンクという事業をやっております。さらに薬用植物の収集、保存、提供を行う国立衛生試験所薬用植物試験場の設備の整備といったようなことも進めております。 さらに通産省につきましては、特許微生物・培養細胞の寄託、保存を行うための特許微生物寄託センターの整備ということを進めております。 また文部省におきましても、大学におけるいろいろな系統保存施設の整備、運営というものの充実を図っておるということでございます。
○遠藤委員 科技庁としては、各省の遺伝子バンクというものをやはり重複を避ける形で調整をする必要があろうと思いますが、それは要望しておきます。 それから、植物の品種改良に対する権利保護でございます。 特許庁にお伺いしますが、サントニンを大量に含むヨモギを植物として初めて特許の公告をいたしました。今後特許庁としては植物特許の問題をどのように考えていくのか、これをきっかけにしまして植物にも特許の登録を認めていくつもりなのか、どうでしょうか。
○徳永説明員 お答えいたします。 先ほど御指摘のヨモギでございますけれども、これは昭和五十二年に出願がございまして、五十八年の一月に私ども公告決定いたしました。現在異議の審査中でございます。 それから、新しいバイオテクノロジーに関していろいろ植物が出てくる、そういうことでそれを特許庁としてどうするかということでございますけれども、私どもとしましては特許の要件、つまり新規性、進歩性と申しますものの要件を審査いたしまして、これから対処していくつもりでございます。現在のところ、先生御指摘のようないわゆるバイオテクノロジーを利用した例えば遺伝子組みかえとか細胞融合とか、そういうものを用いた新しい植物新品種というものの出願はまだございません。
○遠藤委員 基本的な考え方を確認しておきたいのですけれども、特許庁としてはいわゆるDNAを利用した組みかえ微生物は特許の対象になるわけですね。それと同じ論法で組みかえ植物も物質特許の対象になるという考え方ですか。
○福田説明員 お答え申し上げます。 御指摘の組みかえ微生物でございますが、アメリカで組みかえられました微生物につきまして特許になった事例がございます。我が国におきましては、微生物の分野におきましても特許出願がございまして、既に微生物を利用したりあるいは微生物を選び出してくるといったような分野におきまして特許出願がなされ、特許が与えられた例がございます。組みかえ微生物自体の出願状況につきましては、まだデータが得られておりません。ということから申し上げますと、基本的には特許要件を満たしますれば特許を与えていくということになるわけでございます。 もう一つの植物の関係の問題でございますが、先ほど徳永の方から御説明申し上げましたとおり、現在のところバイオテクノロジーの中心的なものとしましては、医薬品の製造とかあるいは化学品の製造、こういったものが中心でございます。今後バイオテクノロジーの一層の発展が予想されておりまして、特許要件を満たすような画期的なものが出てくるかどうか現在のところ予測が難しいところでございますが、仮に将来そういうものが出願されますれば、当庁といたしましては、発明の対象でございます技術的思想に該当するかどうか、あるいは反復可能性、進歩性、そういった特許の判断要件がございますので、こういうものを検討して判断していくということになるわけでございます。
○遠藤委員 植物特許を認めるということですね。
○福田説明員 特許法に定められております特許要件に該当するかどうかというものを審査いたしまして、要件に該当するということであれば特許を与えるということでございますが、一般に進歩性等の要件というのは非常に厳しい面がございまして、なかなか要件が充足されるというのは難しいことかと思いますが、充足されれば特許を与えるということでございます。
○遠藤委員 よくわかりました。植物特許については十分な条件が満たされれば認める、門前払いはしない、こういうことですね。 では、この見解について農水省はどういうふうに考えますか。
○土山説明員 植物の新品種を育成した場合に、その者に対しましていわゆる新品種の育成者としての地位なり権利というものを保護するということが国際的な枠組みとしてもでき上がってきておりまして、それは先ほどもちょっと申し上げましたが、UPOV条約というものに具体化されておるわけでございます。その中におきましては、片や育成者の権利の保護という面と同時に、やはりこれは特殊植物という生きた生物でございますし、即それが農業、さらにはしたがって人類の食糧に供される、こういうような非常に公共性の高いものであるということの両面、権利保護という面とそういう公共の利益の調和ということをあわせ考えましての枠組みがUPOVという条約のシステムの中にでき上がってきておりますし、それを受けまして我が国におきましては種苗法というものが制定されてまいっておるということは、先生も既に御案内のことと存じます。 ただいま来のヨモギの問題を発端といたしましての植物品種にも実際に特許が与えられるべきかどうかということが実は農水省と通産・特許庁の間で若干の協議、調整マターになっておるのも、これまた事実でございます。私ども農水省側の立場といたしましては、先ほど申し上げました種苗法が昭和五十三年に立案制定されたわけでございますし、引き続きまして昭和五十七年に世界的な枠組みでありますところのUPOV条約にも加盟をいたしてまいっております。その際に、それぞれのその時点時点ごとに、一体特許のシステムと種苗法の枠組みとでどういう調整がなされるべきであるかということを関係省庁の間で話を詰めてまいっておりまして、それなりの整理ができ上がってまいっておるわけでございますが、私どもそういう観点からいたしまして、植物体に直に特許が与えられるということが仮にありとすれば、こういう従来整理してまいった論点の整理の仕方なり、あるいはUPOV条約上にも二重保護についての規定があるわけでございますが、これ等の観点に照らしまして必ずしも問題が全くないとは言えないのではないかという認識をいささか抱いておるわけでございまして、そういう観点から目下特許庁、さらには条約の問題でもございますから外務省にも協議を進めてまいっておるわけでございます。 いずれにいたしても、この問題はなかなか難しい、ただいまも申し上げました特許要件適合性の問題というすぐれて特許法の解釈の場面の技術論的な難しい問題もございますし、同時に、他方UPOV条約上の二重保護禁止規定との関連の問題等々種々難しい点があるわけでございまして、いまだ決着を見るには必ずしも至っておりませんけれども、私どもといたしましては、今後とも農林水産業の健全な発展を確保するという基本的立場を忘れることなく、特許庁なり条約解釈権を有します外務省と協議、調整を進めてまいりたい、このように考えております。
○遠藤委員 今のお話を要約いたしますと、種苗法があるんだ、それは、そういう言葉はないのですけれども言ってみれば植物特許法なんだ、国際的な条約もあるんだ、だから植物の特許申請については種苗法の範疇で農林水産省としてはとらえたい、こういうお考えではないか、こう思いますが、どうですか。
○土山説明員 植物の新品種についてどういう権利保護を与えるかということにつきましての国際的な枠組みであるUPOV条約に加盟をいたしまして、その条約を受けた国内法としての種苗法という位置づけを私どもはいたしておりますので、種苗法の範疇においてカバーできるものはカバーしてまいるべきであろうと、このような認識を持っております。
○遠藤委員 明確な線を引かないというような感じにも受け取れるわけですね。そうすると、一つの新しい品種ができた、例えば黒いバラであったとしますわ。そのバラについて、つくり方は特許で保護をし、要するに黒いバラの本体というか、種というものは種苗法で保護するといったいわゆる二重の保護ということはできるわけですか。
○土山説明員 つくり方の方法につきましての特許可能性、これは特許庁の方で進歩性、新規性等、先ほど御説明ありましたような特許要件との照合のもとに審査が進められるであろうというふうに私ども認識いたしておりますが、方法がいかようであれ、将来ますますバイオテクノロジーが進展してまいる、それはそのとおりであろうと思います。が、その技術のいかんを問わず、できた結果の物としてのとでも申しましょうか、植物体そのもの、品種そのものについては種苗法でカバーし得る、権利保護を与えられ得る、このように考えております。
○遠藤委員 特許庁は、当然つくり方については特許を与えるわけですね。
○福田説明員 つくり方につきましては、特許法のもとにおきましては、方法の特許ということでこれまた特許要件に該当いたしますれば特許を与える、こういうことでございます。 それから先生御指摘の、物としての特許というものとの関連というのもあるわけでございますが、私どもとしましては、方法の発明あるいは物の発明というものは一応別の発明というふうにとらえております。この間の関係につきましては法律上も所要の調整の規定もございまして、特に問題があるというふうには考えておりません。
○遠藤委員 特許法はことしでちょうど百年の歴史になるわけでございますが、種苗法の方は五十三年ですから、まだ七年の歴史ですね。特許庁は大変スタッフが充実しておりまして、種苗法を管轄する農林省の種苗課はスタッフが四十二名という少数である。人数の面からいえば特許庁、つまり通産省の方が有利ではないか、こういうふうな憶測をする人もおりますけれども、この問題は大変複雑な問題でございますが、重要な問題であると私は思います。今時に一粒の種子が世界を変えるとか種子を制する者は食糧を制するとか、こういうふうに言われておりまして、この問題をいわゆる単なる省庁間の権限争いというような形にするのではなくて、やはり国家的な見地からこの新品種の改良というものを、またその権利を守るという意味も大事にしていきたいな、こういうふうに認識するところでございます。 これは本当は総理にお伺いしたいところでございますが、こういった先端技術の問題を担当されます長官といたしまして、そういうところをどういうふうにお考えでございましょうか。
○竹内国務大臣 昨年六月の資源調査会の答申の中でも、遺伝子資源にかかわる権利保護の重要性が指摘されておりまして、私としてもまさにそれは極めて重要な問題だ、こう思っておりますが、今先生具体的にいろいろと御指摘になっておる種苗法と特許法との調整の問題、これは私のいわば所管外のことでございますので、私からすぐに方針をお話しできる立場にございませんけれども、両省間においての協議の結果、速やかなコンセンサスが得られることを期待をいたします。
○遠藤委員 時間がちょっとなくなりましたので、海洋牧場の問題を予定しておりましたのですが、次回に回させていただきまして、いわゆる高齢化社会に対する老人問題、この問題をお伺いしたいと思います。 総務庁の取りまとめによりますと、科学技術庁が所管をしている施策に老化制御指標の設定に関する研究並びに高齢化社会に対応する科学技術の開発に関する研究の二点が挙げられておりますが、この施策の主な研究機関と研究内容はどのようになっておりますか。
○内田(勇)政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のございました老化制御指標の設定に関する研究につきましては、理化学研究所において実施をいたしております。また高齢化社会に対応する科学技術の開発に関する研究につきましては、科学技術振興調整費によりこれを推進しております。 ちょっと順序が逆になりますが、高齢化社会に対応する科学技術の開発に関する研究につきましては、昭和五十八年から五カ年計画で産学官連携のもとに実施をいたしております。具体的には厚生省の国立がんセンター、理化学研究所、科学技術庁の放射線医学総合研究所、財団法人東京都老人総合研究所等の連携協力のもとに老化因子の探索、高齢化の健康管理手法、高齢者に適した生活環境技術に関する研究、この三つの柱を立てまして実施をいたしておるところでございます。昭和五十九年度予算といたしましては、二億五千九百万円でございます。昭和六十年度予算につきましては、今後配分が決定されるということでございます。 また、理化学研究所において実施をいたしております老化制御指標の設定に関する研究でございますが、これは昭和五十二年度から十カ年計画で実施をいたしております。具体的には理化学研究所のほか東京大学、財団法人東京都老人総合研究所、京都大学等の連携協力を得まして、老化指標の設定及び老化制御の可能性について研究を実施しており、昭和六十年度の予算は五千五百万円でございます。 〔平沼委員長代理退席、委員長着席〕
○遠藤委員 ただいまお話がありました研究機関の一つに財団法人東京都老人総合研究所がございます。私、先日行ってまいりまして、研究所所長の今堀和友氏ともよくお話をしてきたところでございますが、この研究所は昭和四十七年の四月東京都老人総合研究所として発足いたしまして、昭和五十六年十月財団法人に改組されました。昭和五十九年度の当初予算を見て私びっくりしたのでございますが、収入二十一億円のうち二十億七千万円が東京都の補助金で運営されております。百七十一人の職員も都から派遣されております。この研究所に対して科学技術庁から支出されている予算というのは、五十九年度でわずかに二千五百五十七万円と聞いておりますが、この額は間違いありませんでしょうか。
○内田(勇)政府委員 科学技術振興調整費、それから理化学研究所より支出しておるものを合わせまして約三千万でございます。
○遠藤委員 この研究所は有名な渋沢栄一氏を初代院長とする東京都養育院を母体にいたしまして、養護老人ホームそれから特別養護老人ホームを始めまして、老人専門病院と密接に連携をしてこの老化の問題を研究しているところです。昨年の九月にはアメリカの国立老化研究所、NIAと申しますが、それと研究協力の協定を締結するなど、老化の研究では大変に有名でございまして、アメリカ、ソ連とこの日本の同研究所が世界の三大研究所と評価されるほど高い水準にあるそうでございます。 ここでぜひ長官に御認識願いたいことは、アメリカとソ連はともに国立研究所であるのですが、日本は財団法人でございまして、例えば国際会議の場で国立研究所の所長さんがお集まりになるような機会が多いわけですが、どうして日本は国立の老化研究所がないのか、そしてどうして国の代表に財団法人の研究所の所長さんがお越しになるのですか、こういうふうに聞かれることがよくあるようでございます。またそういうことが、いわゆる国際会議の場では日本は老化の研究に不熱心なのではないか、こういうふうな認識にもつながっておる、こういうふうに言われております。これは厚生省にお伺いいたしますが、国立の老化研究所というものを国としておつくりになる計画はあるのかないのか、どうでしょうか。
○郡司説明員 現在厚生省におきましても、国立の栄養研究所あるいは国立の精神衛生研究所等の附属機関を中心といたしまして、さまざまな観点から老化あるいは老人の健康保持に関す係る研究を行っているところであります。本年度からスタートいたしまして六十四年度に完成を予定しております国立予防衛生研究所、国立栄養研究所、病院管理研究所の合築計画がございますが、それに伴いまして国立栄養研究所を改組いたしまして、その中に老化制御部を新設いたしまして、これらの研究機関の連携を密にしながら、老化のメカニズムのことやあるいは制御について研究に取り組んでまいりたいと考えておりますが、今、独立の研究機関をつくるという計画はございません。
○遠藤委員 日本はいや応なしに高齢化社会に入っていくわけでございまして、その高齢化社会に対応をしてどういうふうな福祉体系をつくるかということも大変重要なことでございますが、もっと重要なことがあると僕は思うのです。それは、老化のメカニズムというものを研究、解明しまして、いわゆる老化を防止するといいますか、健康な老人をつくっていくということではないかと思います。そうなってきますと福祉予算も削減できるわけですよ。いわゆる予防医学と申しましょうか、そういった観点から老化の研究というものに国はもっと力を入れるべきではないか、こういうように思うわけです。 ちなみにアメリカでは、老化の研究に国が大変力を入れておりまして、アメリカの国立老化研究所は東京都老人総合研究所に比べるとスタッフは二分の一なんですが、予算は十倍ある。特に老人性痴呆症、アルツハイマー病でございますが、その研究に三百六十億円計上しておると聞いております。ところが、科学技術庁が今老化の研究に出している予算はわずかに三億円でございます。先ほども申し上げましたように、東京都老人総合研究所だけで二十億円の予算が必要なときに、国として老化の研究に三億円という投資では本格的な老化の研究というのはできないのではないか、こういうふうに思いますが、大臣いかがですか。
○竹内国務大臣 先生御指摘のとおり、我が国は待ったなしの高齢化社会に入っていくわけでございます。その意味からしても、老化制御の研究が重要であるということは私も十分認識いたしますし、今先生御紹介なすったアメリカの老化研究所の予算などその額を聞きますと、ああうらやましいな、こう実は思っているようなことでございます。私どもも今の三億円の予算で十分だと決して思っておりませんので、財政厳しき折からでありますけれども、この対策予算の充実強化というものにまた一層の意を用いてまいりたいと思います。
○遠藤委員 厚生省に聞きますけれども、厚生省もいわゆる予防医学という観点からの研究に、先ほどは老化研究所はつくらないと言っていましたけれども、これはぜひ必要な研究機関ではないかと私は思いますので、もっと前向きの御答弁をぜひお願いしたいものだ、こう思いますが、老化のメカニズム研究にもっと力を入れる、こういうふうな御答弁はいただけませんか。
○郡司説明員 高齢化社会を迎えますと、一番インパクトを与えられるのは厚生省でありますので、そういう意味でこれに対する対策は鋭意進めておるところであります。一昨年度には老人保健法を制定いたしまして、中年からの健康増進、保健のために力を入れておりますし、また昨年度は公衆衛生局栄養課というものを、今私がおるところでありますが、健康増進栄養課という形にいたしまして、予防的な観点から健康増進、健康づくりを厚生省の大きな柱にしようとしておるわけであります。その中で研究につきましても力を入れてまいりたいと考えているところであります。
○遠藤委員 今アメリカでは老化の研究に多額の投資がされておりまして、優秀な研究者ががん研究から老化の研究に移行しているという事実があるわけです。日本はどうかと申しますと、この間の委員会で私質問したわけですが、日本はがんの研究には約一万数千人研究員がいまして、予算は六十年度で四百十一億円、それから老化につきましては、研究者は約五千人で、国の予算は全部で五億六千三百万円、大変落差があるわけですね。こういった老化の研究というものを、予算面ばかりから言うのはどうかと思いますが、やはり予算がつかないと人は集まらないわけですから、こういった観点から十分に考えていただきたい、こう思うわけです。 具体的にちょっとお話をさせていただきますと、老化の研究にぜひ必要な機械といいますものの中にポジトロンCTという機械があるそうです。これは脳の代謝速度を測定できまして必要不可欠な機械である。アメリカの国立老化研究所には三台あるのだが、東京都の老人総合研究所にはないのですね。この機械をどういう形で購入するかということが今この日本では一番研究が進んでいると言われている東京都老人総合研究所の最大の課題になっておりまして、約十億円要るらしいのですが、こうしたいわゆる研究の基盤になるような機械あるいは装置の購入、利用に関して、科学技術庁としても何らかの工夫というものができないものかどうかということを伺いたいのですが、いかがでしょうか。
○内田(勇)政府委員 ただいま先生お話ございましたポジトロンCTというのは、老化研究を初め成人病の研究、診断等を行うときの非常に最新鋭の研究設備でございまして、現在我が国でも全国で七台が稼働しておるというふうに承知しております。財団法人東京都老人総合研究所におきましては、現在ポジトロンCTを整備するための調査が行われておるというふうに聞いております。私ども科学技術庁の放射線医学総合研究所に一台設置してございますので、その調査には御協力申し上げておるというふうに聞いております。 購入について科学技術庁で何か援助できないかというお話でございますが、私ども、こういった研究所としての基本的な設備というものにつきましては、やはり東京都において設置していただきたいと考えております。私どもといたしましては、このような設備が設置されましてすぐれた研究が実施される場合には、科学技術振興調整費等を活用して研究をお願いするというようなことを考えていきたいと考えております。
○遠藤委員 先ほど大臣も、高齢化の問題はもう待ったなしの問題であるという認識をされましたが、大変に重大な問題であると私も思います。特に痴呆性老人の問題は深刻な社会問題にもなるのではないか、こういうふうに思うわけです。ところが、老化のメカニズム解明といいますか、老化の基礎研究というものが日本ではまだ緒についたばかりであるという感が否めないわけです。 私は大臣に、これは予算の要らないことでございますからぜひ実行していただきたいと思うのですが、こういう地道な大変に骨の折れる仕事に携わっている研究者の皆さんを大臣みずから激励される意味を込めまして、例えば東京都老人総合研究所を視察されるとか、あるいはそこの所長さんの老化の基礎研究に対する国に対する御要望なりを直接お聞きになるなり、大変お忙しいとは思いますけれども、そういった機会をつくられることが血の通った行政ではないか、こういうように思いますので、最後に大臣の所見、所感をお聞きして終わりたいと思います。
○竹内国務大臣 先ほども局長から御説明申し上げましたように、現在我が国でポジトロンCTは七台稼働しておりますが、その中に私どもの科学技術庁放射線医学総合研究所というのがございまして、私は実際にその場に参りましていろいろと説明も受けてまいりました。残念ながらまだ東京都の総合研究所の方にはお邪魔しておりませんが、今堀先生につきましてはその方面において大変著名な学者であるということを承知しておりますし、また総合研究所が出しました幾つかの研究報告を私かつて読んだこともございますので、ぜひ一遍機会を得て激励も申し上げ、またいろいろなアドバイスもちょうだいしてまいりたいと思います。
○遠藤委員 大変意のある明確な御答弁をいただきましてありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○鳥居委員長 次に、小川泰君。
○小川(泰)委員 きょうは極めて絞って御質問をさせていただきます。 実は、前回の質問のときに長官の方から、科学技術の研究が前向きにいろいろ各般にわたってなされる、その結果が、技術的に見ましても先があれば必ず陰がある、そろそろその陰の部分を十分踏まえて進めていかなければいけないのじゃないか、こういう私の質問に対して、そのとおりだ、こういう御答弁もいただきましたので、さらにそれをもう少し掘り下げて御質問をさせていただきたいと思います。 確かに宇宙開発からバイオテクノロジーまで各般にわたって、それぞれの技術分野の進歩発展は行われていくと思います。それにはテンポの速いものあるいは非常に長期性のもの、いろいろだと思います。しかし、あの十一号答申を読ましていただきましても、あれもなかなか各般のロングランの判断の御答申で、そういう中にも流れておりますとおり、陰という部分を陰としておくことはいかがかというのが私の質問の原点なのです。むしろそういうものはできるだけ除去するという対応がもうそろそろとられていかなければいけないのではないか、こういう立場から御質問をさせていただきたいと思うのです。 とりわけ新しい技術革新が進めば進むほど、これは人間の生活のために科学技術が必要だという原点に立ては、どうしたらその陰を除去しながら共存をして前進、展開をするか、こういう配慮が政治の立場からなされなければならない、こういう原点に立つからでございます。そう考えてみまするならば、技術革新の成果というものを活用し、それを展開するに当たって、対応を事前に構えておきませんと、その陰が陰として暗く尾を引く、こういうことになろうかと思います。そこで、既にここしばらくの間にいろいろなところで技術開発がどんどん進められていって、それがいろいろなところに活用されているという実態をちょっととらえ上げて、これから開発されるであろうものに対しても似たような構え方を今から始めなければならぬ、そういう意味合いで実態論から進めていきたいと思うのです。 一つは、基本でありますが、新しい技術体系を支えるために、社会的な枠組みでできるだけ全体の合意をつくっていく、こういうプロセスを常に追っかけていかなければ、せっかくの技術開発が有効に展開されないということになるのではないか。 二番目には、技術によっては大変進みが早いわけでございます。適用も早い。もう一つ、今何人かの御質問の中に常に出てまいりますのが日本の非常に速い速度の高齢化、こういう社会条件が一つ走っておるわけでありますので、そういうものに対する対応措置、とりわけ職場なりあるいは仕事なりに新しい技術が展開されていけばいくほど、相当大きなウエートをもって現実に対応していかなければならないのじゃないかという視点が二番目です。 それから三番目には、かつて日本が高度成長の前あたりにやっとはい上がって、ひとつ生産性を向上しようや、そしてパイを大きくしなければ分配もなかなか進まない、こういう大変な世の中の風潮が一時期出て、今でもございますが、生産性本部などというものがあの時代の一つの拠点として、それを中心にしていろいろな工夫がなされた。こういう経過にちなんでまいりますと、これからの科学技術は速度も速い、幅も広いということになって、私たちがあの実績にちなんで振り返ってみました場合の成果の配分に、一つは雇用という問題がある。どうしても技術革新の結果として雇用が拡大されるという方向に向かっていきませんと、本来の目的が逆転するのではないか。それから、これは労働の分野でありますが、人間の持って生まれた二十四時間という時間の中で、自分の意思によって自由になる時間が長ければ長いほどいいという発想から、働く労働時間をできるだけ縮めていこうやというので、今国際的な舞台においても、日本はちょっと働き過ぎじゃあるまいかというような観点から、少し労働時間というものにも技術革新の成果が反映されていかなければならぬ。 こんなことを考えていきますと、最終的には国民の福祉の向上や勤労者の雇用や労働条件、こういうものに結果して役立っていかなければならない、こういう発想で陰の部分を翻して、いい面に結果論として展開していかなければならぬ。私たちは技術革新、新技術の開発を進める場合の構えとしてこういう考え方であるべきではないか、こう思うのですが、これに対する長官の所見を冒頭に伺っておきたいと思います。
○竹内国務大臣 先生のただいまお述べになったこと、私も全く同感でございます。災いを転じて福となすということわざもありますけれども、単に陰を陰として扱うのではなくて、これを福の方に転化するという心構え、考え方が必要ではないかという点は、これは大変重要な御指摘だろうと私は思います。 今日、科学技術の進歩がもたらしているいろいろな問題があるわけでございますが、その一つに、果たして人間とロボットは共存できるのか、こういうようなお話もございますし、また先生は時短のこともお取り上げになりましたけれども、いわゆる生産性の向上というものがやはり勤労者にも公正に配分されなければならない。公正に配分される一つの方向としては、時間短縮ということがもっともっと積極的に考えられなければならぬと私は思っておりまして、山口労働大臣はいささか孤軍奮闘の感がありますけれども、私は十分にこれを応援しているつもりでございます。
○小川(泰)委員 大変頼もしいお答えをいただきまして気が強くなりました。その延長線上で質問を続けさせていただきます。 そういう前提に立って、では一体今の世の中、ハイテクであるとかME化であるとか、いろいろな新しい、ちょっとうっかりしているとこれは何のことかいなというようなものが人間社会に出ていっているという状況をどのようにとらえるか、そういう現実に出ていっている問題は今どんなふうになっているんだろうか、先々どうなるかという研究調査体制というものが、どうも私、見ていますと、それぞれの分野で御努力はいただいておるのですが、実は前段に申し上げたようなところにきちっと的を当てて研究あるいは調査体制がとられておるのだろうかという疑問なしとしないのでございます。 そういう観点に立って、労働省は労働省で労働関係は調査研究なすっていらっしゃるでしょう、あるいは通産は通産なりになすっていらっしゃるでしょう、こうありますけれども、それは部分部分の調査でありまして、そういうのではなくて、総合して全体がどうだろう、先をどう見るか、こういう調査体制を私はこの段階できちっと踏まえる時期かなと思っております。それには科学技術庁あたりが音頭をとって対応してはいかがか、こう思っておりますが、いかがでございましょう。
○竹内国務大臣 科学技術が人間及び社会に及ぼす影響を総合的に検討、研究するための場を設けてはいかがか、こういうぐあいに御質問の御趣旨を承ったわけでございますが、私は大変重要な御指摘だと思います。確かに各省庁がそれぞれの分野におきましてそれぞれの分野に対応する研究、検討をやっておるわけでございまして、例えば私が承知しておるところでは、文部省には学術審議会の中に科学と社会特別委員会というのが設置されまして、いろいろとまた御討議をなすっているようでございますし、また先生御承知のように今日脳死の問題が大変やかましいわけでございますが、厚生省におきまして、これは大臣の諮問機関でございますが、生命と倫理に関する懇談会ということでやっていらっしゃるわけでございます。直ちに今そういう一つの場を設けるべきかどうかということになりますと、私若干のためらいを感ずるわけであります。ためらいというのは何かと申しますと、極めてこれは大きな、また分野も広い問題であり、なおかつ、ある意味においては相当に時間を要する問題ではなかろうかと思いますので、そうしたものにきっちりとこたえる検討の場を設けるためには、もう少し私たちの勉強が要るのではないかということで若干のためらいと申し上げたわけでございますけれども、ひとつ私どもの宿題として勉強さしていただきます。
○小川(泰)委員 ぜひひとつ、意のほどはよく御理解いただいていると思いますので、御努力方を御要望申し上げておきます。 続きまして、この新しい技術が成果として導入されていって、経済面にも社会面にもあるいは雇用面にもと及ぼしていく姿は先刻御案内のとおりでございましょう。既にでき上がったものへの実態把握と対応というものは今それぞれ進めていっていますが、これとても私はもっと有機的にとらえたらいいだろうと思っているのです。さらに、これからできるであろうものに対して、これはちょっと例えがいいか悪いかわかりませんが、いわゆるアセスメントというような発想がテクノロジーの場合にも問題提起されて研究に入っていいんではないか、こういうことを私感じでおります。いわばテクノロジー・アセスメント・システムみたいなものを御構想いただく時期ではないか、こう考えておりますので、そういう考えに対して御発想があったらと思います。
○堀内政府委員 先ほどの科学技術会議の答申がありまして、その中で科学技術と人間及び社会との関係というものを今後もっと詰めていこうということで、現在科学技術会議のもとに政策委員会というのがございますが、ここで広く科学技術と人間及び社会との調和の問題というものを取り上げようということで、もう既に議論は始めておるところでございます。そこから先ほどのお話の事前評価という問題が出るかどうか、直ちには申し上げかねますけれども、それの一環としまして、そういうものを包容いたしまして議論が行われるであろう、こう思っております。
○小川(泰)委員 再質問ですが、そういう状況にありますという程度のお答えですか、それともそういうものに向かってできるだけ対応を急ごうという意思でございますか、どっちでしょう。
○堀内政府委員 これは実は非常に幅の広い問題でございますし、また倫理の問題とか情報の普及によるプライバシーの問題だとか、非常に多様な問題でございますので、いろいろな場で検討されることが必要でありますけれども、ここの政策委員会での検討、まだ始まったばかりでございますので、これから逐次詰めていかせていただきたい、こういうふうに思っております。
○小川(泰)委員 わかりました。これ以上はよろしゅうございましょう。 さらに、次の設問といたしまして、より具体的に申し上げますと、先ほどもちょっと全体的な考えの中で触れましたように、ハイテクやME化というものが仕事の場やあるいは生活の場にどんどん今具体的に入り込んできております。とりわけ今一番こういう問題で苦労をし、さらに将来日本を取り巻く国際環境や何かからずっと見てまいりますと、一番大事かなと思われる雇用にかかわる問題ですね。それはもう私が説明するまでもなく、大変新しいテーマとしてロボット化という姿になって仕事の場に入ってくるものもありますし、もうさまざまになってこれが入ってくる。さらに将来を考えますと情報化時代、こう言われるようなものも後ろに構えている。雇用もまた入ってくる。こういうような流れの中で、現実に雇用にかかわる問題というものは、個別の企業や個別の産業で大変苦労しておるのでありますが、これは従前のようにそれはその中で消化したらいいだろうという面もあろうかと思いますが、そうではなくて、もう少し広い場で、全体のコンセンサスを得ながら対応していかなければならないと思われるボリュームと速度を持っている戦後四十年の新しい問題ではないかな、こういう認識を私はいたしております。そういうものに対応できるような、この前も申し上げましたけれども総合的な政策とかあるいは立案とかいうものを踏まえた審議会のようなもの、例えて言うならば新しい技術革新と雇用に関する政・労・使・学などによる審議会、こういうものを設けられて、そこでいろいろな論議と合意、コンセンサスを得るという形で具体的に対応したらいかがかなと思っておりますが、ひとつ所見を伺いたいと思います。
○竹内国務大臣 確かに科学技術の進歩が雇用にいろいろな影響を及ぼすわけでありまして、新しい技術革新が一方で新しい職場を創出する面があるかと思えば、片方においては、職場から人間を駆逐すると言うといささか表現は悪いかもしれませんけれども、そういう傾向も現に出てきておるわけであります。本当にこれからこの問題をどう考えるかということで、政・労・使と申しますか、もっと広く国民全体がこの問題についてのコンセンサスを形成する、もうそろそろそういうことが必要な時期に来ただろうと私も思っておりますが、先生いかがでございましょうか。私は、そういうものは政府が音頭をとった審議会なんというものよりは、むしろもっと広く民間から声がわき起こって、それによって進められる国民会議的なものの方がよりふさわしいのではないかという気がいたしますけれども、またひとつこの後も研究させてください。
○小川(泰)委員 最近はやりの民活という言葉がすぐ浮かんでくるのですが、私はそれは逆だと思うのです。要するに、政治なり政府というものの立場は、国民の持っておる潜在エネルギーを、いいものであれば身を粉にして誘導してその場所は提供する、それを支えるという中でその目的を果たさせていく、こういう体制が同時にありませんと、今の長官の発想の国民会議、これも私も好きな方ですから大変結構かと思いますが、両面相まちませんとこのような問題はなかなか前進が難しいかなと思います。だから、何とか審議会かんとか審議会というのは余り好きな方じゃありませんが、何かそういう生きたものができるまででもいいから誘導措置として持っていってやる、そしてそれを支えてやろう。この前もあったような、一回つくった審議会は続けなければならぬという硬直的な御意見でしたが、そういうものをつくるのだよということを前提にしていって、一つのベースキャンプに上がったら、そこでまた次へ向かう。既に終わったものは自然に解消していき、そしてまた次のものを求めていくという融通無碍な、目標へ向かっての変化に対する対応、こういう姿勢がこれからは大変大事になるのではないかと思って申し上げさせていただいたので、御研究をと言いますので、御研究のついでにそういう考えも取り入れていただきながらひとつ続けていただきたいと思っております。 前回の質問のとき、何か長官が産労懇に呼ばれて、どうだひとつ物を言えと言われているという長官のお話もありましたので、産労懇は産労懇なりの生い立ちがあり歴史があるわけですが、もうそろそろああいうものだけでいいのかという気持ちも私は持っておるものですから、そういう意味合いで積極的な姿勢で取り組んでいただきたいと思う余り質問させていただいたわけなので、そのように御理解いただきたいと思います。
○竹内国務大臣 先ほど私は国民会議的な物の発想の方がいいのではないかということを申し上げましたけれども、そこに至るまでの誘導としても何か考えるという先生の御指示でございますから、これは真剣に考えさせていただきます。
○小川(泰)委員 また、これは科学技術庁でなくて労働省の分野に入るのかと思いますが、先ほど科学技術の成果の配分として労働時間の短縮と申し上げました。では、一体それを具体的に実践するのに、今ある仕組み、枠組みの中では何があるかなと思いますと、ほかの法案とも関係があるのかもしれませんけれども、雇用拡大、時間短縮、こういう前提に立って、労働基準法を的にあてがいながら新しい改革へ向かって前進を図る時期ではないかと思っておりますが、そういうお考えでひとつお答えをいただきたいと思います。
○逆瀬川説明員 お答えいたします。 技術革新の進展に伴う労働問題への影響につきましては、昨年の四月に学識経験者と労使の代表で構成されております雇用問題政策会議から提言がなされたわけでございます。その中では、失業の予防、労働者の能力の開発向上、労働者福祉の向上、この中には労働時間の短縮も入っておりますが、労使間の意思疎通の促進、国際的視野に立った対応、こういった五つの原則が提示されまして、それに基づく具体的な対応のあり方についての提言をいただいておるわけでございます。 労働省といたしましては、この提言に沿って必要な施策を講じていくことといたしておりますが、先生今御指摘の労働時間の短縮の問題に関連いたしまして基準法の改正の問題でございますが、労働省では今、労働基準法研究会というのが設けられておりまして、ことしの夏に最終報告が出される予定になっております。基準法の改正の問題は、この報告が出まして、その内容を検討いたしまして、必要に応じ考えていく、こういう段取りになろうかと思います。
○小川(泰)委員 労働基準法も、私たち一番最初につくり上げるときにも参加した一人なんですが、もう大分世の中の動きと、現実にある労働基準法を少し衣がえをして新しいものに合うようにしなければならぬという全般のものもありますが、前段ずっとお話し申し上げたような観点からもこれは必要とすると思いますので、ぜひひとつりっぱな研究を続けて早急に論議の場に乗せていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、これも労働省管轄だと思いますが、従来、仕事が変わったり能力が変わったりなんかする、そういうものを追いかけて職業訓練システムというのが一本ありますね。私もかつていろいろな訓練所を随分見て歩きましたけれども、あの時代のものが今のこういう激しい、新しい技術がどんどん入っていく時代に適合するかなどいう気が私もいたしております。最近、具体的には見てはおりませんが、従来の延長線上の職業訓練という発想ではなくて、生涯職業訓練みたいな、しかも高齢化社会が進むということになりますと、従来の発想とは基盤を変えて新しいものに対応しようというようなシステムが開発されなければならないと思っておりますが、そんな御検討はなさっていらっしゃいますか。
○逆瀬川説明員 御指摘のような点につきましては労働省といたしましても十分考えているわけでございまして、今国会に従来の職業訓練法の改正法案が出されて御審議いただいているところでございます。 MEの問題につきまして直接的にかかわりますことについて申し上げますと、先ほどの雇用問題政策会議からの提言を受けまして、昭和六十年度において職業訓練大学校における情報工学科の新設に踏み切ろうとしておるところでございます。こういうものも先生御指摘のような新しい時代の流れに沿った一つの施策ではないかと考えております。
○小川(泰)委員 大変結構だと思いますが、なるべく早目にどんどん進めていただきたいと思います。 この延長としてもう一つのサイドから見なければいけないのは、地域性というものですね。日本列島、小さいとはいえ北海道から沖縄まで分布状態はいろいろ違い、特徴が違ってくる。そういう中に非常にすぐれたいろいろな技術革新というものが入っていくということになると、その地域地域で起こる現象も、原因が同じであっても違ったものが生まれることも結果としてあり得る、私はこう思います。現在、地域の職業訓練センターというのは四十四、五カ所ありますね。数で言うと四十七都道府県だから全部あるように感ずるのですが、ないところも多いので、できるだけ地域性に対応できるようなそういう網を今言ったような考え方でできるだけ張ってもらいたい、こういうのが私の願望でありますが、そんな考えいかがでしょうか。
○逆瀬川説明員 御指摘のように、職業訓練といいますのも地域の実情に合った体制を整えていかなければいけないと考えております。そういうことで、直ちにお考えのようなことになるかどうかということは別といたしまして、労働省をしてもそういう要望におこたえできるようにいろいろと検討してまいりたいと考えております。
○小川(泰)委員 極めて具体的にもう一つ、二つ続けさせていただきましょう。 同時に、先ほど申し上げたような前提に立った場合の安全と保健の基準、こういうものも一応あることはあるのでしょうが、常に新しいものに適応できるような工夫がされていかなければいけないな、こう思っておりますが、そういうものの対応はいかがなものでしょう。
○逆瀬川説明員 新しい技術革新に伴う安全衛生の確保に関する問題につきましては、労働省としても最大の関心を払っている事項でございまして、昭和六十年度においては、さきに中央労働災害防止協会が研究会を開きまして、一つの対策でございますが、VDT作業における労働衛生管理ガイドラインというものを設定いたしております。六十年度においては、これの周知徹底を図ろうということで労働衛生対策を推進することにいたしておりますけれども、そのほか、こういった問題についてのより根本的な研究を進めるということで、産業医科大学等で研究を進めているところでございます。
○小川(泰)委員 大いに研究を早めていただいて、ひとつ成果を上げていただきたい。非常に速いテンポで全体が進んでいるものですから、ぜひお願い申し上げたいと思います。 さて、最後に具体的な問題をちょっと聞いておきたいと思います。 冒頭申し上げたような技術革新の成果というものを公正に配分しなければならぬという立場に立ちまして、どこがいいかなということで既存の審議会などを見てみると、経済審議会というのがございますね。全体を見る場合に、あの辺の場所を少し活用したらいかがかなという発想を私持っているのです。あの中に、技術革新その他の成果配分のあり方についての検討委員会というような枠をつくって検討されたらどうかと思います。言わんとすることはおわかりいただけるだろうと思うのですが、すぐ役立つようにということで思いをめぐらすと、そういうところかなという気がするのです。いかがなものでしょう。
○竹内国務大臣 先生が今お取り上げになりました経済審議会というのは、御承知のとおり経済企画庁長官の諮問機関でございまして、相当重要な役割を果たしている審議会だと思いますので、先生のきょうの問題提起をひとつ私から経企庁長官に伝達させていただきます。
○小川(泰)委員 次に、最近はやりの高度情報化社会というものも技術革新の成果として今進もうとしております。この面から見ました場合に、言葉は高度情報化社会と言っておりますが、実はばらばらと出てきているのですね。まだ手探りの部分もある。今までのコンピューター化あるいはME化、ハイテクあたりの入り方、進み方を見て、この情報化の場合、進みやすいところから自由に入っていってくれ、どんどん進んでくれというふうにしていいのかなという疑問を抱き始めたのです。問題によっては、進みやすいところから入っていって、実績を組み合わせてそこから出てくる成果をまた組み立てていくということで十分いく場合もありますが、情報化という問題がそれでいいのだろうかという気がしているのです。 なぜかといいますと、これをずっと自由にやらしてまいりますと、企業の大小あるいは産業の性格、こういうことで逆に格差の拡大が起こるような気がするのです。とりわけ今、日本の経済全体、産業やその他の仕組みを見ましても、これは余談でありますが、きのうきょうあたりああいう賃金相場をつくるような世の中にも実はだんだんなってきております。ああいうものが出てまいりますと、中小企業が後から追っかけて、あそこへ並ぼうや、あるいはとてもうちは採算性が上がらないからもうちょっと待てや。こう見ておりますと、格差を全体として縮めていかなければならぬという世の中のあるべき姿に対して、この情報化という問題でそれやれといった場合に、どんと適用できるような力量を持った企業もあろうし、あるいはそういうものはとてもじゃないがこなし切れないし、また資力もないというものも生まれるということは当たり前だと思うのです。それをほっておきますと、むしろよかれと思ったものが、逆にいろいろなところで格差が拡大する傾向を生みやしないかということが一つでございます。 もう一つは、電電公社が四月一日から株式会社に転換されていくということをきっかけにして情報化の手段がぐんぐん実用化され、走っていこうとする。そうしますと、私などの実感なんですが、余り使いこなせないのですね。例えばカードを入れると銭が出てくるとか、月賦で物を買うとすぐつけがどんどん来るとか、一回買ってしまうと次から次と宣伝のパンフレットが、どこに記録されているのか知らぬけれども、やたらめったら家へ送られてくるとか、よくそこまで気が届くなというようなことがある。それに見られるように、何となく世の中全体が管理社会というふうな風潮にだんだんなっていく可能性を持っておる。そうしますと、便利さをずっと追求するのだけれども、その結果がそういう格好で管理社会というものに――どこかでコントロールしませんと、行き過ぎますと、かさかさして、人間がしょっちゅうどこかでだれかに管理されながら、何でもかんでも知っているぞというようなところで生きていかなければならぬ、こういう世の中になってはまずい、こういう気がいたします。さらには、グリーンカード問題が出たり引っ込んだりなんかしている問題がありますけれども、これがだんだん高じできますとプライバシーの侵害にまでいくおそれなしとしません。そういう点を違った意味の陰の解消というために私は問題提起しておきますので、別のサイドから、そういうものも起こりますよということで研究の対象にしていただきたいなというふうに思っております。 さらに、そういう論議の中には、今度は逆に物を買って消費する一般の生活者、消費者の側にもいろいろなものが合ふつふつと起こり出しております。さらには情報のネットワークというものがある部分に偏ってしまったり、意外と伸びているようだけれどもそうでない部分もあるとか、さらにはまた情報産業などというものが生まれて、それ行けというので走っていくとかというふうに、情報化社会というわずかの言葉のくくりではありますが、スタートに当たってそういうものを本当に人間の生活のために役立て、あるいは人間のプライバシーの尊厳をきちっと守りながら、そしてそういう開発された科学技術が生活の中に入ってきてよかったな、こういうような目的のためにみんなが工夫されると思います。とりわけこの情報化の問題なんかは、意外な速度で意外なところにすっと入っていく可能性を持っておりますので、そういう角度から、これは科学技術庁と言っていいのか、どこと言っていいのか、みんなずっとつながってしまっているものですから、そういう認識をはっきりと浮き彫りにしてリードしてもらうのはやはり科学技術庁あたりかなという気がしたので、まとめて私の感ずるままを申し上げて、対応策を得ていただくならば大変ありがたいな、こう思っております。またいずれ時間があれば一つ一つについて関係者のところの御説明なりを聞き、問題提起などしてみたいな、こう思っております。時間がないのでこの辺にしておきます。
○竹内国務大臣 大変難しい問題の御提起をいただきまして、私からよく答弁ができないわけでありますが、先生のただいまのお話を承っての感想を述べさせていただくならば、確かにジョージ・オーウェルが予言いたしました一九八四年を過ぎました。ジョージ・オーウェルが述べたような管理社会にはならないわけでありますが、管理社会の恐ろしさというものは私らも十分これからも銘記をしていくべきことだろう、こう思います。高度情報化社会は確かにこれからますます進展していくと思いますが、これもやはり光があれば陰がありだと思います。特に私などは東北の一隅に居住している人間ですから、高度情報化社会の進展に当たって、私どもの郷里がその情報化社会から取りこぼされることはないのかという危惧の感じも実は持つわけでございます。いずれにいたしましても、光が強ければ陰もそれだけ深く長いんだということを十分に銘記して、私ども科学技術庁の持っておる分野で何か仕事を進める際には、それを一つの指針、戒めとして考えてまいりたいと思いますけれども、どうもこんな感想で恐縮でございます。
○小川(泰)委員 まことに謙虚で立派な御感想をいただいてありがたいのですが、科学技術庁並びに長官を元気づける意味で申し上げているのです。こうして科学技術がどんどん発達してまいりますと、本来科学技術というものを目的としてスタートしたこの省庁が、もはや今言った陰の部分までも同時に支えていくというふうな仕組みに世の中が変わりましたよということを、各省庁の縄張りというのですか枠組みというのですか、どうも聞いておってまだるっこしいのですが、目的があったら全部の力を寄せて、それ行けというのが大体民間の生きるか死ぬかという場合の対応なので、私ら民間育ちなものですから、そんな印象を受けるのです。そういう意味で、専科学技術から発生する影響や何かも含めて、科学技術庁あたりはうんと勇気を持って、科学技術会議という総理大臣が親分でやっているところがあるわけですから、その地位をうんと高めて、元気を出してひとつリードしていただきたいなということを私の要望として申し添えさせていただきます。 どうやら時間が来ましたので、あと一つだけ勝手な言い分かもしれませんが申し上げさせていただきますけれども、先ほど来、長官の出身母体の方の原子力に関係したいろいろな問題で、関先生が心配していろいろな問題提起をされております。大変結構だと思いますし、安全には十分な気を配っていくのがいいと思います。私はそういうところにかかる出身でございます。しかも我々の仲間がいろいろなところで身を挺して一生懸命働いているわけです。働くに当たっては、ああいう問題の中の一番ど真ん中に実はいるわけでございますので、人以上に、外側以上に気を使います。そして、本当に危ないものならまず我々がやめてしまいますよね、こんなものは。そういうような意気込みでいろいろな原子力発電所から、さらに三十年たって、いよいよ準国産燃料化の時代を迎えないと、日本のエネルギーをこれからセーフティーとしてきちっと守っていけないだろうというふうな長い長い論議の合意の中で、よし行くかというふうなことで、働く者もそうでない者も心を一にして、いわば国全体の発展のためにということで額に汗して働いている連中もおるんだということを御認識いただきながら、関係省庁としても今後とも大いに指導していただいたりあるいは激励していただいたり、至らぬ点にはひとつ手を差し伸べていただくとか、またこれはどうだという点があったら遠慮なくその中に入ってきていただいて意見を交換するというようなことで、全体がうまく進むようにさらにリードしていっていただきたい。こんな感想を申し述べて、時間が来ましたので終わらしていただきます。ありがとうございました。
○鳥居委員長 次回は、来る十六日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会