科学技術委員会 第4号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1985/03/26
会議録
○鳥居委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沼赳夫君。
○平沼委員 それでは、大臣の所信表明に関しまして、自民党を代表しまして幾つがその御所信を承りたいと思うわけであります。大体順序は大臣の所信表明に従って御質問させていただきたいと思います。 今や内外において、新素材あるいはエレクトロニクス、ライフサイエンス等々新しい技術革新の展開に向けた機運が非常に高まっているわけでありまして、我が国は多くの科学技術の分野で世界の第一線に立つようになったと内外から評価をされているわけであります。技術先進国の一つとして、世界の科学技術を先導することがこれから我が国に課せられた大きな使命だとも私ども理解しているわけでございますけれども、このような状況の中で来るべき二十一世紀を展望し、科学技術振興のための科学技術庁としての、そして日本が取り組むべきいわゆる総合戦略というものはどういうところにあるか、それをまず大臣から承りたいと思います。よろしくお願いします。
○竹内国務大臣 お答え申し上げます。 先生ただいまお尋ねの二十一世紀を目指しての科学技術振興のための総合戦略についてでございますが、先生御案内のように、昨年十一月末に科学技術会議から私どもはその件に関しまして答申をちょうだいしております。俗にこれを十一号答申と申しておりますが、十一号答申は、二十一世紀を展望し、なおかつ今後十年程度の間の時期をめどにこれこれこういうことを図るべきであるというお示しをいただいておるわけであります。その十一号答申の中心は、これから申し上げる三つが柱であろうかと私は理解をいたしております。 まず第一は、創造性豊かな科学技術の振興であります。第二は、科学技術と人間及び社会との調和のある発展。そして第三は、国際性を重視した展開。この三点を十一号答申は特に力説をされておるわけであります。科学技術立国を目指す我が国といたしましては、関係省庁の御協力をちょうだいしながら、また産学官の総力を挙げ、この答申に沿って科学技術の振興をこれから図ってまいらなければならぬ、こう考えております。 端的な表現を申し上げれば、この十一号答申は、二十一世紀を展望してのこれからの科学技術振興のためのバイブルである、私はこうも理解するわけでありまして、この方針の示すところに従いまして、私ども科学技術庁としては、昭和六十年度におきましては革新的な技術シーズの探索を目的とする創造科学技術推進制度事業の強化、基礎的、先導的科学技術分野の研究の推進等を重点とした科学技術振興調整費の強化等々の施策を図っておるところであります。今申し上げましたように、今後とも本答申に沿って科学技術の振興のため全力を傾注してまいる所存でございます。
○平沼委員 総合戦略に関して、十一号答申をバイブルとしてとにかく二十一世紀に向かって進めていく、大臣の非常に強い決意のほどを承りました。私は、資源といいますと、ともすると天然資源だけという認識が横行しておりますが、資源というのは人的資源、文化的資源そしてまた天然資源、この三位一体だと思います。我が国は言うまでもなく天然資源だけなくて、人的、文化的資源は世界に誇るものがあるわけであります。我が国の科学技術立国というのはまさにそこに根差しておると思うわけでございまして、ひとつぜひ強力に展開をしていただきたい、このように希望をいたす次第であります。 次に、今大臣の御答弁の中にもありましたけれども、いわゆる科学技術振興調整費について若干質問させていただきたいと思います。 今後我が国が科学技術の一層の強化を図るためには、科学技術に関する総合的企画調整機能の充実を図っていく必要があると思います。このために、科学技術会議のいわゆる調整機能というものをもっと強化をしなければならないのではないかと思っているわけであります。科学技術会議の方針に沿って運用される科学技術振興調整費も大分軌道に乗ってきているようでございますが、今後の具体的な活用の方針について大臣から御所信を承りたいと思います。
○内田政府委員 お答えいたします。 科学技術振興調整費は、ただいま平沼先生御指摘のように、科学技術会議の方針に沿って、産学官の有機的連携のもとに先端的、基礎的な研究等重要な研究の総合推進調整を行うための経費として昭和五十六年度から計上されており、その重要性にかんがみ、毎年その充実を図っておるところでございます。昭和六十年度予算政府案におきましては、対前年度比一二・七%増の七十一億円を計上しております。昭和六十年度においては、長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策である科学技術会議の十一号答申を踏まえまして、ライフサイエンス、物質・材料系科学技術を重点として、基礎的、先導的科学技術の研究開発の推進を図るとともに、基礎研究における国の果たすべき役割の重要性にかんがみ、国立試験研究機関における重点基礎研究の推進を図る等、科学技術会議の方針に沿ってその積極的な活用を図ることといたしております。 今後我が国が科学技術の一層の振興を図るためには、国全体として調和のとれた科学技術政策を展開することが重要であり、このためには科学技術会議の方針に沿って重要な研究の総合的推進を図る科学技術振興調整費は極めて有効でございますので、今後ともその一層の充実を図っていきたいと考えております。
○平沼委員 私どもが実際に研究に従事している方々とお会いしていろいろ話をするときに、この科学技術振興調整費というのが非常にありがたいのだ、こういう研究者の評価があるわけであります。そういうことで、年々充実しているということは非常にいいことだと私は思いますし、やはりこういう研究に非常に大きな効果のあるものは積極的にどんどん伸ばしていただきたい、こういうふうに希望するわけでございます。 それからもう一つは、今日本では産学官の協力体制をとらなければいかぬ、こういうことになってその方向で進んできておりますが、ともすると同じテーマがいろいろなところに分散してしまって予算上いろいろむだ遣いもある、こういうこともあるわけでございまして、我が党の科学技術議員連盟でもそういったところを見直そうじゃないかということで、今その作業にも入っておるわけでありまして、ひとつその辺も十分留意していただいて、この予算の効果的な運用というものを関係におかれましてお図りをいただきたい、このように思うわけでございます。これは希望として申し上げておきます。 三番目は、我が国は今まではどっちかというと先進国の開発した技術を持ち前の勤勉さと器用さで改良し、加工し、そしてこれだけの高度工業化社会を築いてきたわけであります。しかし、もう先進国に追いつけというような段階が過ぎまして、これからは言うまでもなくそのような今までのパターンから脱却をして、独創的な科学技術というものをみずから創出しなければいけない。大臣の今の御答弁の中にもありましたけれども、そういうことが本当の科学技術立国の道である、こういうふうに思うわけであります。 こういうような意味で、昭和五十六年度に創設をされた創造科学技術推進制度も非常に好評であるわけでございまして、ある意味では極めてユニーク、そしてかつ重要な制度だと思うわけであります。本制度の研究の現状がどうなっているか、そして今後これをどういうふうに取り組んで進めていくか、この問題についてお答えをいただきたいと思います。
○竹内国務大臣 先生ただいま御指摘の創造科学技術推進制度でございますが、これは新技術開発事業団を実施機関として、将来の革新技術の芽を積極的に生み出すことを目的としたものでございまして、本制度は組織の壁を超えて、今先生からお話がありました産学官及び海外からすぐれた研究者を一定期間結集する流動研究システムにより研究を行うというものでございまして、私は今日までも相当な成果を上げているものと評価をしております。 現在七つの課題について研究が進められております。昭和五十六年十月に最初の課題に着手して以来、三年半の研究においては相当すぐれた研究成果が見られておりまして、学会の論文発表であるとかあるいは特許の獲得の件数においても立派な成績を相当残しておる、こう私は理解をいたすわけでありますが、昭和六十年度におきましては、こういったプロジェクトの一層の進展を図るため、新たに二つの研究プロジェクトを加えることにしております。今後とも将来の革新技術の芽が積極的に生み出せるよう、本制度の一層の充実に意を用いてまいりたいと思います。
○平沼委員 大臣の所信表明の中に、今後科学技術の国際協力という面での重要性がうたわれているわけであります。今日、世界経済の発展に果たす科学技術の役割の重要性は世界的に見て言うまでもないことでありまして、また経済大国としての我が国に寄せられる国際的な期待というものも非常に大きなものがあると思います。このような状況にかんがみまして、先ほど私も指摘をさせていただきましたが、我が国も自国の科学技術の力を高揚させ、そして国際的に貢献をしていくことがひいては世界の平和にもつながっていく非常に重要な問題だと考えますけれども、今後科学技術の分野における国際協力、それに対する政府の取り組み方について所信を詳しくお願いをいたしたいと思います。
○本郷政府委員 先生ただいまお尋ねの国際協力の問題につきまして、政府の現在の取り組み方について御説明申し上げます。 御承知のとおり、石油危機の後で世界経済が一般的に成長鈍化をいたしておりますが、そうした中で二つばかり科学技術につきまして新しい動きが出ておると思っております。第一は、先進工業国を中心といたしまして先端技術の開発競争というものが激化しているということであります。その反面で、世界経済の再活性化あるいは一国のレベルを超えた大規模な科学技術の課題にどうやって取り組むかという問題がございまして、この第二の問題から、先進国あるいは発展途上国を問わず国際協力を強化してこういった問題に立ち向かっていこうという動きが非常に大きく出ておるわけでございます。そうした中で先生御指摘のとおり、我が国の経済力の向上に伴いまして日本に対する、科学技術の国際協力の中でもっと大きな役割を果たすべきだという期待が高まっているわけでございまして、私どもといたしましてもそういった期待を十分認識いたしまして、これに対応していきたいというふうに考えております。 具体的には、発展途上国との間では、ASEAN諸国あるいは中国といった国々との間で通常問題になりますのは技術の援助の問題でございますが、そういった問題だけではなくて、相手国の科学技術の基盤を強化し、経済社会の発展の基礎をつくるような研究協力というものを積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。他方、先進諸国との間では、従来から人的交流あるいは技術の交流というものが行われておりますが、大規模な課題その他世界的な取り組みを必要とする問題というものも多々出てまいっておりますので、例えばサミット等で取り組んでおりますが、そういったものに我が国としても一層積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○平沼委員 この国際協力というのは、今後科学技術立国を目指す我が国にとっては避けて通れない道だと思いますし、これを強力に推進することが世界から日本の信用を高め、そして日本が経済大国として世界の中で暮らしていける一つの大きなファクターにもつながると私は思います。そういうことで、これはぜひ科学技術庁におかれましても前向きに取り組んでいただきたいと思います。 さて、大臣の所信表明に従いましてずっと質問を進めさせていただいておりますが、原子力に関して若干の質問をさせていただきたいと思います。 我が国は、先ほども触れましたように天然資源が非常に乏しいわけであります。そして昭和四十八年のオイルショック以来、石油の価格というものが高騰いたしまして、非常にエネルギー事情を悪化させたわけであります。そういう客観情勢の中で低廉なエネルギーを安定的に確保する、これが国にとっては一つの大きな問題であるわけでありまして、今後ともエネルギーの石油依存度の低減を目指しながら、石油代替エネルギーの中核である原子力を積極的に取り入れていく、これは我が国としては避けて通れない道だと思います。この原子力発電は、核燃料サイクルの確立とプルトニウムの利用等により、いわゆるエネルギーセキュリティーの非常に高いエネルギー源ということだと思います。我が国としても、こういうセキュリティーの高いエネルギーの特徴を生かして、早期に核燃料サイクルの確立、そしてプルトニウムを燃料に利用できる新型動力炉の開発に努めていかなければならないと私は思います。 そこで、まず核燃料サイクルの確立については、ウラン濃縮、使用済み燃料の再処理、廃棄物処理について民間が主体となって一つの事業主体が設立され、まさに事業化が具体化されつつある状況にあると思います。国としてはこれらの計画を積極的に推進していくべきであり、大臣の所信の中にもその決意が述べられているわけでございますけれども、「民間における核燃料サイクル施設立地計画の推進に必要な措置を講じ、」そして円滑な推進を図る、これはまさに大臣の所信表明にあるその言葉を引用しているわけでございますが、六十年度はこの問題について具体的にどういった施策を講じていくか、この辺について御所信を承りたいと思います。
○竹内国務大臣 今御指摘の核燃料サイクル施設の立地に当たりましては、安全確保が大前提であります。国といたしましては、その安全確保に万全を期すため、安全審査指針等の整備など所要の措置を講ずるとともに、動燃事業団等の技術協力、電源三法の活用、広報活動等を積極的に進めていく所存でございます。特に再処理施設の安全審査のための指針、低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵の安全規制のための基準等につきましては、昭和六十年度中を目途に策定作業を進めておるところでありますし、またお尋ねの六十年度におきましては、核燃料サイクル施設に関する技術開発を動燃事業団を中心に引き続き積極的に推進するとともに、その成果を民間のプロジェクトに反映させてまいりたいと思います。また広報対策につきましても、昭和五十九年度におきましてパンフレットの作成や配布、講演会、テレビ等を通じて推進をしてまいってきたところでありますけれども、昭和六十年度におきましても引き続き積極的に推進をしてまいりたい、こう考えます。 繰り返して申し上げますが、核燃料サイクル施設の安全の問題は全く国の責任である、こういう認識のもとに対処してまいりたいと思います。
○平沼委員 今大臣の御答弁の中に、国として全責任を持つ、特に安全性に留意をして取り組んでいきたい、こういうことでございまして、この安全確保という問題が一つの大きなポイントだと私は思います。そういうことで、この問題に関しては国としても真剣に取り組んでいただきたい、このように思うわけであります。 今この核燃料サイクルの確立で、むつ小川原に核燃料のサイクル施設が検討されておりまして、電気事業連合会がむつ小川原地区にいわゆる三点セット、再処理施設、ウラン濃縮施設、低レベル放射性廃棄物貯蔵施設、これを計画しているわけであります。これも大臣の御出身の青森でございまして、住民の皆さん方もこの推移というものを真剣なまなざしで見守っておられると思います。この問題は国の将来のエネルギー確保の大きな問題と結びつきますので、慎重に、しかし確実に取り組んでいただきたい、このように希望する次第であります。 そこで、ウラン濃縮に関して若干御質問したいわけでありますけれども、我が国の技術開発が外国技術導入に依存してきた歴史の中で、動燃事業団が開発している遠心分離法によるウラン濃縮技術、これは一〇〇%自前の技術であります。私の出身の岡山県の人形峠、ここはまさにテストプラントが成功裏にいわゆるテスト段階を終了しまして、今現在はその人形峠があります上斎原村におきましていわゆるデモンストレーションプラント、ウラン濃縮の原型プラントがようやく建設が始まったわけであります。 承るところによりますと、今計画されているむつ小川原、この地区の濃縮プラントは最終的には千五百トンの規模になる、こういうことでありますけれども、国の基本方針としてはたしか一九九〇年までに、その時点で必要ないわゆるウラン燃料九千トンのうちの三分の一を国産化しよう、自前の技術でやろう、それにはどうしても三千トン必要である。したがって、むつ小川原で一応展開予定の千五百トン、これは一つの東の拠点になると思いますけれども、三千トンの量を確保するためには、もう一カ所ウランの濃縮プラントを強力に進めていかなければ将来において非常に大きな問題を残すと思います。そこで、もう一つ日本の西の地域に設けなければならない、こういうふうに考えておりますが、この辺に関しまして政府として、科学技術庁としてどういう方針をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 ウラン濃縮のプラント計画につきましては、先生御指摘のとおり、二〇〇〇年ごろに年間三千トンSWU程度の国内ウラン濃縮供給体制を整備するということが原子力委員会の長期計画に定められております。この一環として青森県下北半島に電気事業連合会が計画いたしましたのが千五百トンSWUパー年という施設でございますので、残る千五百トンSWUパー年の規模のプラントをどこに立地するかということが今後の問題になるわけでございます。 今先生のお示しいただきましたお考え方、東に一つあるから次は西という考え方につきましては、ある意味でもっともなお考え方であろうかと思う次第でございますが、そういう意味で電気事業連合会においても、西日本に立地するということにつきまして内々に検討しているというぐあいに思っております。
○平沼委員 私は、一九九〇年には三千トン、それは二十一世紀、こういうことのようでございますが、どうしても千五百トン必要だ。そこで、我が国山県は人形峠でウラン鉱が発見され、そしてテストプラントからデモンストレーションプラント、こういうことで一貫して県挙げて協力をしてまいりました。そういう中で、岡山県も六十三年に瀬戸大橋の時代を迎えまして、中国横断道路やあるいは山陽自動車道や新しい空港もできる。こういうことで、岡山自体が西の拠点として非常に大きくクローズアップされる、そういう時代になりつつあるわけであります。 そういうことで、西の拠点として岡山は非常に問題が少ないと思いますし、いわゆるウランが出た、そういう一つの歴史的な背景のある場所でございます。西の拠点で県知事初め……(「みんな持っていってくれよ」と呼ぶ者あり)今みんな持っていってほしいという声もありましたけれども、私どもも岡山県挙げて取り組んでまいりたいと思います。ひとつその辺も十分御勘案いただきたい、こういうふうに思います。 次に、新型動力炉の開発について若干の質問をさせていただきたいと思います。 新型動力炉は、プルトニウムを燃料として利用することにより、ウラン資源量に制約されることなく長期間にわたり安定的な燃料供給を行っていくことを可能にするものであり、高速増殖炉が将来の原子力発電の主流となるものと予想される。この高速増殖炉については、米国において大型のプロジェクトが中止されたやに承っております。また我が国においても、その建設費が非常にかさむ、当初に計画したものよりも大きく上回る、そういうことが予想されておりまして、この計画の実現に疑問を投げかける声もあるようでございますけれども、この高速増殖炉の開発に対して、これはどうしても必要なことだ、私はこういうふうに考えておりますので、こういう一つの客観情勢の中でこの問題にどういうふうに対処していくか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○中村(守)政府委員 高速増殖炉の開発につきましては、先生御指摘のように資源の少ない我が国としては究極の原子炉、いわゆる夢の原子炉と簡単に言われておるわけでございますが、これを核分裂による原子炉の究極の開発目標として現在まで開発を進めてまいっております。 先生御指摘のように、米国においてクリンチリバーの原型炉の建設が中止されましたが、米国は我が国と違いまして比較的国内エネルギーにも恵まれております。そういう意味で高速増殖炉の開発についていろいろ議論があったわけでございますが、米国におきましては既に大型の実験炉を幾つも持っておりまして、これでもかなりの研究成果を既に蓄積いたしております。さらに、クリンチリバー自身の計画は中止されましたが、高速増殖炉の研究開発につきましては引き続き継続いたしておりまして、我が国と高速増殖炉の研究開発の推進について協力をしたいということで、いろいろなお話もあるような状況にございます。 我が国と同様資源の少ないヨーロッパにおきましては、特にフランス、西ドイツ等において、既にフランスにおきましてはスーパーフェニックスという原型炉のその先の実証炉の建設も進めておりまして、近く運転に入るというような状況にもございます。こういうことで、我が国としては高速増殖炉の開発につきまして今後とも積極的に進めてまいる所存でございます。
○平沼委員 私も今までこの原子力に関しまして質問の中で申し上げましたとおり、天然資源の乏しい我が国にとっては、やはり原子力というものを安全性を確保しつつ積極的に取り入れる、この基本姿勢が必要だと思うわけであります。そういうことで、この問題に関しましてもそのような点にひとつ留意をしていただきまして、総力を挙げて積極的にその開発に取り組んでいただきたい、このように思っております。 次に、宇宙開発について質問をさせていただきたいと思います。 我が国の宇宙開発は、通信衛星、放送衛星、気象衛星などに見られるように、国民の生活向上に大きく貢献するようになっております。今や通信衛星なしには日常の生活が非常に不便になる、こういうことも言えるような、そこまで衛星というものの恩恵に浴しているわけでありますが、諸外国の宇宙開発の動向を見ると、宇宙での新材料あるいは新製品のいわゆる創造、宇宙関係を利用した活動が非常に活発に行われるようになっております。この一環として、アメリカでは宇宙基地計画を積極的に進めており、前のサミットで中曽根総理大臣もその協力方を約されたやに聞くわけでございますけれども、やはりこれから宇宙の時代二十一世紀を迎えるに当たりまして、この宇宙基地計画に積極的に参加すべきだ、このように私も思うわけでありまして、六十年度の予算でもそれの基本設計というようなことで予算計上もなされているわけでありますが、この問題について今後どのように対応していくのか、この辺の基本的な考え方を改めてお伺いをいたしたいと思います。
○竹内国務大臣 米国の宇宙基地計画に積極的に参加すべきだという先生のお示しは、私も全く同感でございます。この宇宙基地計画というものは、人類に宇宙活動の新たなる手段を与えるものでございまして、今先生からお話のありました地上では得られない材料や医薬品の製造、実験等のほかに、高度宇宙技術の習得であるとか次世代の科学技術産業のための研究開発等々、産業活動の宇宙への拡大の促進等を可能にするもので、またそれだけに期待も大きいと思うのであります。そこで、また今お示しのように、私どもとしては宇宙基地予備設計参加のための経費を昭和六十年度政府予算案に計上いたしましてただいま御審議をお願いしておりますが、近く私とNASAのベッグズ長官との間で協力のための所要の取り決めを結ぶ予定にもしておるところでございまして、今後米国を初めとする関係国と緊密な連携協力を図りながら、宇宙基地計画に対応してまいりたいと思います。
○平沼委員 この問題は今後の日本にとっても非常に大事な問題だと思います。そういうことで非常に膨大な予算を伴うわけでございますけれども、私はこれは積極的に参画をし、日本としてその実をそこからとって、そして将来の科学技術立国の発展に資するように基本的に取り組んでいただきたい、このように希望する次第であります。 四十分までの時間でございまして、そのほかライフサイエンスですとか海洋開発についていろいろお聞きしたいと思っていたわけでありますけれども、締めくくりに、今行われておりますし、また当委員会も四月十七日に委員会として視察をする予定になっております科学万博に関しまして、若干質問をさせていただきたいと思います。 入場者は大体二千万人を予定している、こういうことで当初の計画ができているようであります。民間の調査やあるいはその他の調査機関によりますと、この半年間の期間中に二千万人を超えるような入場者が予想できる。しかも、ちょうど立ち上がりでございますけれども、多分におもしろおかしく報道された向きがありますが、大分立ち上がり混乱もあると思います。けさのテレビニュースでも言っておりましたけれども、飲食店のメニューが非常に高いとか、あるいはまたこのところ雨が非常に多いわけでありまして雨宿りの施設が何もないとか、あるいは共同便所の中に幼児用のそういう施設がないとかいろんな問題点が出てきておりまして、この科学万博に対しましては、まさに二十一世紀を創造する、こういうことで始めたわけですが、若干の不評があるようであります。そういうことで、この科学万博に関して入場者の人数はどのくらいと科学技術庁として推定をされているのか、そしてこういう今いろいろ苦情が出ている問題に関して、やはり世界が注目をしている科学技術万博でございますので、この問題に関してどういう対応をするか、その辺に関して御意見を伺いたいと思います。
○竹内国務大臣 まずもって、いわゆる筑波の科学万博に対しましては、当委員会の諸先生からいろいろ御指導、御鞭撻をちょうだいしたことにつきまして、心から厚く御礼を申し上げたいと思います。 おかげさまをもちまして十六日の開会式も無事に終わり、十七日からいよいよ公開したわけでございますが、さてふたをあけてみましたところ、いろんな手違いやらまた思わないところも出てまいりまして、皆様に大変御不便やらをかけておることについてはまことに恐縮に存じております。私も足を運んでみまして、私が行った日はちょうど雨でございましたので、確かに雨に弱いなということは身をもって体験をしてまいりまして、いろいろと改善方も指示してきたわけでございますけれども、私どもとしては九月の終了日までには二千万人というような一応の見当を立てております。この十日間、お天気と雨の日が交代するような状況でございまして必ずしも出足好調とは申しがたいと思いますけれども、しかし私は今のところ二千万人のお越しはいただけるのではないか、こう一応推定をしております。 なお、いろいろと私のところにも直接お話があったり、あるいは報道機関等々を通じましていろんな不備の面の指摘があることにつきましては、逐次その改善をしてまいって、皆様が楽しみながら、なおかつ参加体験をしながらの科学技術博覧会の本来の目的を達成したいと思っておりますので、これからも御指導をよろしくお願いをいたします。
○平沼委員 この科学技術万博は、今申し上げましたとおり世界が注目をしているわけでありまして、例えばヨーロッパ二十一カ国が加盟しております欧州評議会も、この六月には議会と科学、こういうテーマによりまして科学技術万博を中心に据えてこの東京で国際会議を開くとか、また日米の科学技術議員連盟あるいはフランスの科学技術関係の議員さんたちも東京で会議を開こう、こういうことで世界が注目しておりますので、立ち上がりはえてしていろいろそういうトラブルがあるわけでございますが、そういう問題を一つ一つ早急に解決をしていただいて、本当の科学技術万博の名に恥じない立派な科学万博として終わるように大臣も陣頭指揮でお願いをする次第であります。 そのほかいろいろお聞きしたいことがございますけれども、与えられた時間が参りましたので、これをもちまして私の大臣の所信に関する質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○鳥居委員長 次に、小澤克介君。
○小澤(克)委員 最初に大臣に伺います。 昨年の七月三十一日に当時の岩動前長官が原子力委員会の核燃料サイクル推進会議において放射性廃棄物についての法的整備を図る、こういうふうに発言したと伝えられておりますが、今国会における大臣の所信表明を拝聴いたしましたら、「民間における核燃料サイクル施設立地計画の推進に必要な措置を講じ、」と大変抽象的な表現があるだけとなっております。この放射性廃棄物についての法的整備について新大臣の御所見をまず伺いたいと思います。
○竹内国務大臣 お答え申し上げます。 私は、我が国における原子力の研究、開発、利用を進める大前提は、一つはあくまでも安全の確保であり、一つは地域住民の理解と協力、この二つを大前提に考えてまいりたいと思っております。 また、今お話しの岩動長官の発言も私は承知をしております。放射性廃棄物の法律整備のことでございますけれども、私どもとしては現在持っております法制で一応は対処はできるか、こうは思っております。しかしながら、事安全の問題に関しましては、その時点における最新の科学的知見を踏まえて、さらによりよい安全規制のあり方につき常に検討する姿勢が必要であると考えるわけでございます。現在、このような観点に立ちまして、原子力委員会及び原子力安全委員会におきましても、低レベルの放射性廃棄物敷地外貯蔵計画等の具体化に対応して、より適切な安全規制のあり方等につき具体的に検討されているところでありまして、これらの検討結果も踏まえまして、必要であればまた法制上の整備などを含めまして適切、的確な措置を講じてまいりたいと思っております。
○小澤(克)委員 現行法で一応対処できるが、さらに安全対策については検討中であるというお答えでしたが、例えば低レベル廃棄物につきましては、この三月一日にもこの事業主体、新会社が設立されるというような状況になっておりまして、この時点でなお検討中ということはどういうことなんでしょうか。検討の進展状況はどういったところなんでしょうか。
○辻政府委員 検討状況につきましては、原子力委員会及び原子力安全委員会で検討が行われているわけでございます。原子力安全委員会におきましては、昨年三月、放射性廃棄物処理処分の安全確保対策の重要性にかんがみまして、放射性廃棄物安全規制専門部会を設置いたしまして、低レベル廃棄物陸地処分の安全規制のあり方等について鋭意検討を行っているところでございます。この部会におきまして、低レベル廃棄物の陸地処分につきましては、安全規制に関する基本的な考え方、安全評価の技術指針、それから規制を実施する上で重要な各種の基準値、これに関連します安全技術研究の年次計画といったようなことの検討を進めているとこるでございます。 また高レベル放射性廃棄物につきましては、放射性廃棄物安全規制専門部会におきまして、主に返還廃棄物の貯蔵等につきまして検討を進めているところでございます。さらに輸送問題もございますので、この点につきましては同じく放射性物質安全輸送専門部会におきまして、放射性廃棄物の輸送全般について検討を行っているところでございます。
○小澤(克)委員 お尋ねしているのは法的整備のことなのですが、現在の進捗状況に限ってもう一度お答え願いたいと思います。
○辻政府委員 法的整備の問題につきましては、私ども基本的には両委員会の検討の結果を踏まえてやろうということを考えておるわけでございます。昨年の岩動長官の御発言に関連いたしまして、当庁におきましてもこの問題が原子力局及び原子力安全局の両局にまたがる問題でございますので、両委員会での検討、現行法における基準作成等が円滑に行われますように、両局に事務連絡調整機能を持つ対策室を設置しているところでございますけれども、現在両委員会においてこの問題が検討されている最中でございますので、この検討結果も踏まえて、必要があれば法制上の整備を含めて適切な措置を講ずるという段取りでございまして、現在のところは、まだ具体的な法案作成の段階には立ち至っていないというのが現状でございます。
○小澤(克)委員 結論を得られるのにいつごろを目途としておられますでしょうか。
○辻政府委員 両委員会の検討結果にもよりますので、確たる期日ということを今申し上げるわけにはまいりませんが、事務当局としましては今年度中には何とかまとめたいという考え方でおるところでございます。
○小澤(克)委員 実用発電炉について所管しておられます通産省の方の御見解もこの際伺っておきたいと思います。同じ質問です。
○上村説明員 通産省といたしましては、原子力発電所からの放射性廃棄物の廃棄につきましては、原子炉等規制法のいわゆる事業所内廃棄あるいは事業所外廃棄として同法において所要の安全規制措置が講じられているところでございますので、下北で予定されております廃棄措置への安全規制については現行法で対応できるものと考えておりますが、規制の具体的あり方につきましては、原子力委員会及び原子力安全委員会における検討や具体的な事業計画を踏まえまして、今後関係機関とも調整しつつ検討をしていく所存でございます。
○小澤(克)委員 検討中ということでございますが、科技庁においても現行法で一応対処できるとお考えであり、また通産においても現行法で対処可能であるというふうにお考えだということでございますので、現行法で対処する場合に一体どうなるのか、多少行政庁の法解釈を述べていただきたいと思います。 一番最初に、放射性廃棄物につきましては原子炉等規制法が中心になろうかと思いますが、ここにおいては核燃料物質それから核燃料物質によって汚染された物、これについていろいろ法的に規制をする、こういう体系になっておるわけでございます。この核燃料物質及び核燃料物質によって汚染された物、これで、原子力関係諸施設、諸事業所から出てくるといいますか、最初から入れられたものもあるわけですけれども、放射性物質はすべて網羅される、こういうふうに考えてよろしいわけでしょうか。
○辻政府委員 お答えします前に、先ほどの私の答弁で今年度中と申し上げましたが、まだ三月中でございますので、来年度中ということに訂正をさせていただきます。 御質問の件につきましては、廃棄物についてはお説のとおりというふうに考えております。
○小澤(克)委員 若干細かくなりますが、原子炉設置者、それから再処理に関しては解体という項目が別にございまして、これについて届け出をするとか、届け出の際の書類には放射性廃棄物の処理についての方法を記載するようにというような法制になっているわけでございます。そうしますと、解体に際して排出する放射性廃棄物については放射性廃棄物一般についての法規制が重なるわけでしょうか、あるいはこれとは別に解体は解体として法規制されるんでしょうか。
○辻政府委員 解体によって出てまいりました放射性廃棄物についても、一般の放射性廃棄物と同じという法令上の取り扱いになろうかと思います。 なお、廃棄の問題につきましては、これは大分将来の問題になろうかと思いますが、国際的に諸般の安全規制の問題が検討されようとしております。これは、具体的にはIAEA等の国際機関においてそういったための検討委員会がつくられて、諸般の情報交換等を行うようになってきているわけでございますが、我が国もこれに参加をいたしまして、さらにまた具体的には日本原子力研究所におきましてJPDRの解体作業がこれから進められようという段階にございますので、こういったものを一つの研究材料といたしまして、発生してまいります放射性廃棄物の汚染の程度その他に非常な工夫を加える、あるいは解体をするための諸般の機器の開発を進める、あるいはこの解体のために放射性物質が外に漏れないような具体的な方策をどうすればいいかということを検討しておりまして、最近原子力安全委員会におきましてもこの問題を一つの資料としながら、今後の解体についての安全規制をどう持っていったらいいかといったようなことを検討するための委員会も設置したわけでございまして、そういったような検討を踏まえながら十分な基準なり何なりの整備を進めていって、将来の実用炉の解体に備えるというような考え方をしているところでございます。
○小澤(克)委員 最初にお断りしましたように、お尋ねしているのは現行法を前提としてのお話でございまして、現行法の場合、原子炉あるいは再処理施設についての解体に際して生ずる放射性廃棄物についても廃棄に関する条項が重なって適用される、こういう趣旨と聞きました。 次に、原子炉等規制法では、原子炉設置者あるいは加工事業者、また再処理事業者も同じだったと思いますが、核燃料物質によって汚染された物の貯蔵ということがあり得ることを前提とした規定になっております。ところが、総理府令あるいは各省令等には、貯蔵というのは専ら核燃料物質、あるいは使用済み燃料は含むわけですけれども、これらについてのみ規定されており、放射性廃棄物については専ら廃棄という観点から規定されているわけでございます。基本的な法とそれを受けた省令との間にやや解釈の矛盾があるように思われるわけですが、これはどうしてこういうことになったのでしょうか。
○辻政府委員 貯蔵の規定に関しましてはおっしゃるとおりでございまして、新しい燃料につきましては貯蔵という概念で取り扱っておりますが、廃棄物に関しましては、例えば原子力発電所において将来外に廃棄することを予定しております廃棄物につきましても廃棄物貯蔵庫というところに貯蔵しておくという形をどっておりまして、これら全体を含めて廃棄という考え方でやっております。規制法のいろいろな事業規制の条項の中に貯蔵という言葉は入ってまいりますが、廃棄物に関しましては貯蔵の部分は空振りになっているというふうな状況でございます。
○小澤(克)委員 そうなっているのはわかっているのでして、その理由はなぜかというふうに聞いているのです。特に放射性廃棄物については、特定の貯蔵庫に厳重に管理している段階から、だんだん管理を希薄にしていって最後は全く管理しない、いわば環境に放置する、そういう体制をとるのだということが昨年出ました中間報告、厳密に言うと原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会の放射性廃棄物処理処分方策についての中間報告にもそういう方針が打ち出されているわけです。そうしますと、むしろ初期の段階では貯蔵と言った方が我々の感覚にもぴったりくるのではないか。それらを全部ひっくるめて事廃棄物、廃棄物というのは、廃棄しようとする物はすべて廃棄物だそうですが、これについては貯蔵という観念を入れないで、すべて廃棄ということで対処しようとしているのが行政解釈のようですが、これはどうしてこういう体制をとるのでしょうか。
○辻政府委員 この点につきましては、従来古くからの規制法の運用でございますが、やはり廃棄物とした時点から将来永久に廃棄されるということを念頭に置いておりまして、それの一環で規制をした方が適当ではないかという考え方に基づいてこういう運用がとられているものというふうに理解しております。
○小澤(克)委員 国会で成立した法律には、廃棄物も含めて貯蔵という観念があり得るという前提になっているわけですから、今の御説明ではなかなか納得できないわけですけれども、この点はまたの機会にいたします。 次に、原子炉等規制法は廃棄という行為を規制しているわけでございますが、これが事業所内廃棄と事業所外廃棄に分けて規制をされておるわけでございます。そこで、この事業所内廃棄と事業所外廃棄を区分するのは何をメルクマールにするのか。現在問題になっております低レベル廃棄物の貯蔵施設ですか、これが下北に予定されているわけですけれども、これは一体どちらに当たるのか、いかがなんでしょうか。
○辻政府委員 敷地内廃棄と敷地外廃棄に規制しているわけでございますけれども、現在原子力発電所の中に将来搬出を予定されて廃棄物貯蔵庫に置かれております廃棄物につきましては、これを事業所内廃棄でとらえまして、同じ場所にあるということから原子力発電所の附属施設の一環としてこれをとらえることが安全規制の面から見て非常に便宜的であるということからそういうふうにとらえたものでございまして、これを外に持ってきて廃棄する場合には、五十八条の二の規定によりまして事業所外廃棄の規定が適用されるわけでございます。 青森県の下北地区に今立地が予定されております低レベル放射性廃棄物の敷地外貯蔵につきましては、原子力発電所等で発生いたします低レベル放射性廃棄物を同地におきまして集中的に最終貯蔵する計画というふうに聞いているわけでございますが、科学技術庁といたしましては、この最終貯蔵は現行原子炉等規制法の原子力発電所等の事業所外に行われる廃棄として規制され搬入される放射性廃棄物、施設等の安全性、管理の方法等について内閣総理大臣が審査し確認を行う、そのほか立入検査、措置命令等により規制することによりまして安全確保に万全を期する、こういうことができるのではないかと考えておるわけでございます。 しかしながら、廃棄物の安全規制にかかわります問題につきましては、先ほど大臣が申し上げましたように、現在原子力の両委員会において、この計画の具体化に対応して安全規制のあり方等について検討されているところでありまして、これらの結果、関係機関の意見等も踏まえまして必要であれば適切な措置を講じてまいる、こういう考えでおるわけでございます。
○小澤(克)委員 そうしますと、施設内か施設外かというのは、専ら工場または事業所の同一敷地内にあるか、あるいはそこから出るかということをメルクマールとする、こういうことでしょうか。そうしますと、飛び地としての附属施設、こういうものは認めないということになるわけでしょうか。
○辻政府委員 その辺はいろいろ議論のあるところかと思いますが、これまでのところ原子炉等規制法の運用につきましては、事業所ごとに諸般の許認可を行うということになっておりまして、この最終貯蔵場は明らかに発電所と地理的にも機能的にも一体とみなすことができないということで、原子力発電所の附属施設とするよりは敷地外貯蔵の確認の方でいく方が適当ではないかというふうに考えているわけでございます。
○小澤(克)委員 実用発電炉を所管される通産省も同じ見解でしょうか。
○上村説明員 先ほどお答え申し上げましたとおり、事業所内廃棄あるいは事業所外廃棄として所要の安全規制措置が原子炉等規制法で講じられておるところでございますので、下北で予定しております廃棄措置への安全規制につきましては、現行法で対応できるものと考えております。 ただし、敷地内廃棄と解釈するかあるいは事業所外廃棄と解釈するかにつきましては検討中でございまして、原子力委員会あるいは原子力安全委員会におきます検討や具体的な事業計画を踏まえて今後検討してまいる所存でございます。
○小澤(克)委員 最初に現行法で対処可能であるというお答えだったわけでございます。したがいまして、現行法ではどうなるかということをまずはっきり答えていただかねば先に進まぬわけです。しかも、総理府科学技術庁と通産とで見解が違うということになりますとこれは大変なことで、所管がそれぞれ違ってまいりますので、ぜひここでとにかくどっちかに統一してください。そうでないと、次に質問が進みません。
○辻政府委員 具体的にその規制を発動するまでの間につきましては、これから施設の建設その他まだ大分先の問題でございまして、この辺につきましては原子力委員会及び原子力安全委員会の検討中の結果を踏まえまして、法令整備の問題も含めて対応策をとっていくという考え方でございます。いずれにいたしましても、現行法で十分な規制はできるというふうには思っておるわけでございまして、その点については少なくとも両省庁一致しているわけでございます。
○小澤(克)委員 両省庁とも現行法で一応は対処可能であるというお話だったのですが、総理府科学技術庁の方は、低レベル廃棄物の集中処理施設については施設外として、具体的には原子炉等規制法三十五条の二項によって規制されるというお考えのようですが、通産の方は検討中で、どっちともおっしゃらないわけです。それでは、その所管官庁も違いますし規制法も全部違ってきますので、これじゃ質問が進みませんので、通産はどうなんですか。
○上村説明員 通産省としましては現行法で対応できるものと考えておりまして、これについて目下検討を進めているところでございます。現在のところ、まだ結論が得られておりません。
○小澤(克)委員 現行法で対処できるなら、現行法でどちらに該当するのか、一義的に決まっているはずでしょう。昔からあるこの法律について、今検討中というのはおかしいですよ。現行法が不備なら不備と言ってください。
○上村説明員 原子力委員会、原子力安全委員会で検討がなされている最中でございますし、また具体的な事業計画内容につきましても逐次煮詰まってくる段階でございますので、それらを踏まえて検討を続けているところでございます。
○小澤(克)委員 それじゃ質問が進みません。どうなるのですか。現行法で対処可能であるというふうに最初におっしゃっているわけです。これはもう前からある法律ですから、どうなるのか一義的に解釈が出てくるはずでしょう。現行法で不備だ、対処できないと言うならそうおっしゃってください。できると言いながら、どっちかわからぬ、まだ検討中であるというのはおかしいですよ。
○上村説明員 事業所内廃棄であるかあるいは事業所外廃棄であるかにつきまして、両方の適用可能性を検討しておるということでございます。まだ結論が得られておる段階ではございません。
○小澤(克)委員 それじゃ困るのですよ。三十五条一項であれば、これは通産が所管することになります。通産の責任になりますし、二項だということになれば総理府科学技術庁なんですね。現在、現行の法律についてどっちか検討中であるなどという、行政解釈が定まっていないということじゃ困りますよ。しかも、現行法で一応対処可能であるということだったわけですから、現行法でどうなるかということが一義的に定まっているということじゃないのですか。どっちかわからぬにもかかわらず現行法で対処できると言うのは矛盾すると思いますよ。いかがでしょうか。
○辻政府委員 ただいま御指摘の問題は、まさに原子力発電所の飛び地としての規制を行うか、そうでなくて五十八条の二による規制を行うかという問題でございます。 私ども科学技術庁といたしましては、事業所の外における廃棄でございますから、当然のこととして五十八条の二による規定によれば、諸般の廃棄の確認ということで現行法としては対応できるということを考えておるわけでございますけれども、一方におきまして、ただいま通産省の御説明は原子炉の附属施設として規制するという考え方であろうかと思いますが、その点につきましては、具体的な安全対策措置という面につきましては、いずれの規定を適用しましても実施できるということでございまして、後は規制法の運用をどうするかという問題であろうかと考えております。
○小澤(克)委員 それでどうなんですか。通産の方、はっきり答えてください。質問が進みません。核廃棄物についての規制をどうするおつもりなのか、これからお尋ねしようとしておるわけですよ。適用条文がわからぬということじゃちょっと質問が先へ進みませんので、通産の見解をとにかくはっきりさせてください。
○上村説明員 事業所内規制あるいは事業所外規制、いずれにいたしましても安全規制という点につきましては現行法で対応できるものと理解いたしておりますが、規制の具体的あり方といいます点につきましては、事業規制等々のほかの規制の観点もあり得るわけでございまして、これらの観点につきまして原子力委員会、安全委員会の検討でありますとか、事業者の具体的な事業計画が固まりつつございますので、これらを踏まえて今後関係機関とも協議検討していきたいということでございます。
○小澤(克)委員 この三月には会社も設立されていまして、これはいつ申請が出るかわからないですよ。適用条文が決まらないと言うのじゃ本当に困るのですよ。質問が続けられないのです。きのうきょう決まった法律じゃなくて、もう前からあるわけです。しかも、電事連の計画というのは大分前からいろいろ提出されているわけですから、いまだにどの条文でどの省庁がこれを規制するのかわからぬ、こんなことはあり得ないでしょう。それで責任ある安全規制行政ができるのですか。質問が続けられません。委員長、何とかしてください。(「責任ある者が答えろよ、何をやっておるのだ」と呼ぶ者あり)
○鳥居委員長 だだいまの案件につきましては、理事会で協議をしていただきまして一定の結論を出せるようにいたしますので、引き続き御質疑をお願いしたいと思います。
○小澤(克)委員 では次に進みますが、ただいま総理府科技庁の方は、低レベル廃棄物の集中処理施設については事業所外廃棄に該当するとお考えだというふうに聞きましたので、それを前提に科技庁に対して質問いたします。 事業所外の廃棄だということになりますと、先ほどどなたかおっしゃったとおり、原子炉等規制法の五十八条の二で廃棄に関する確認を得るということになるわけでございますが、この確認という行政行為の性質は一体どういうものなんでしょうか。
○辻政府委員 確認の内容につきましては、法律に具体的な定義等はございません。政令あるいは総理府令にゆだねられているわけでございまして、現在のところは五十八条の二に基づきます総理府令におきましては二つの規定をいたしておるわけでございまして、一つは、事業所内に保管廃棄をすることということが一つでございまして、それからもう一つは、一定の安全規制のもとに海洋投棄をすることという技術基準が定められておるわけでございます。 それで、下北の問題で事業所外の陸地処分をするということになりますと、この辺の総理府令の規定を改正いたしまして、そこで所要の規定を置いておくということになろうかと思います。どのような規定を置いていくかということにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、ただいま原子力安全委員会において検討が進められているところでございまして、その報告を待って所要の規定を定めていく、こういう考え方になっておるわけでございます。
○小澤(克)委員 お尋ねしているのは、確認というのはどういう性格の行為なのかということなんです。外廃棄規則ですか、核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則、これには確認の申請をするということになっておりまして、その確認申請書には全部で七つの事項に関する説明書を添付するように三条で決まっておりまして、そして第四条で一定の事項について確認を行う、そして第五条で確認証を長官が交付する、こういうふうになっているわけです。この確認というのは、単なるある事実を確認するということなのか、あるいは法が定める一定の要件を満たしているかどうかを判断する、判断した上で満たしていれば確認をし確認証を交付する、満たしていなければ確認を拒否する、こういうことなんでしょうか。
○辻政府委員 法律には「総理府令の規定に適合することについて、内閣総理大臣の確認を受けなければならない。」こう規定しているだけでございまして、具体的にその方法をどういうふうにするか、その基準をどういうふうにするかにつきましては総理府令にゆだねるという形になっておるわけでございますので、その確認の具体的なやり方等につきましては、今、原子力安全委員会で検討をしている事項の結果を得た上で必要な方法等についての規定をつくっていく、こういう考え方でございます。
○小澤(克)委員 そうすると「総理府令の規定に適合することについて、確認を受けなければならない。」となっていますから、具体的に規定に適合していない、要件を欠いているにもかかわらず確認をし確認証を交付した、あるいは逆に、この総理府令の規定に適合しているにもかかわらず、その要件を満たしているにもかかわらず確認を行わない、確認を拒否する、こういうときはそれぞれこれは違法な行政行為ということになるわけでしょうか。
○辻政府委員 総理府令で定めるところに違反していなければ、所要の行政措置をとることはできないというふうに思っております。
○小澤(克)委員 ちょっとよくわからない。違反していなければ……。
○辻政府委員 総理府令に適合しているかどうかについて確認をするわけでございますから、これに適合しておればオーケーにしなければならぬわけでございます。適合していないと認めた場合に廃棄の停止等の措置命令をかけて、廃棄させないという措置をとることになろうかと思います。
○小澤(克)委員 いや、停止命令は確認があった後のことでしょう。私が聞いているのはこういうことです。要件を満たしているにもかかわらず長官が確認をしないという場合には、これは一種の不作為の違法ということになるのか、逆に、満たしていないにもかかわらず誤って確認すれば、これは違法な行政行為として行政訴訟の対象になるのか、こういうことです。
○辻政府委員 基準を満たしていれば当然確認をすることになりますし、確認をしようとした結果、基準に満たないということであれば確認をしないということでございまして、それ以上のことはできないというふうに思っております。
○小澤(克)委員 要するに、単にある事実について、事実はこうであるよということを事実状況について確認するということではなくて、ある一定の要件を満たしているかどうかを行政庁として判断をし、満たしていればオーケーを出す、満たしていなければオーケーを出さない、こういうことですね。
○辻政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○小澤(克)委員 そこで、外廃棄規則によれば、陸上処分については「放射線障害防止の効果を持った廃棄施設に保管廃棄すること。」こういうふうになっているわけです。この保管廃棄する主体は原子力事業者ということになろうかと思いますが、これは当該のその放射性廃棄物を発生させた原子力事業者ということになるわけでしょうか。
○辻政府委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、事業所外廃棄の規則につきましては、一つは既存の原子力事業者あるいは再処理事業者等の施設内におきまして現在保管されております廃棄物、このことを言っているわけでございまして、もう一つは、一定の基準に従って海洋投棄をすることという二つの基準が設けられておるわけでございます。したがいまして、下北のように敷地外貯蔵、敷地外廃棄を行うという場合につきましては、この外廃棄の規則を改正する必要があるということでございまして、現在の規則のままでは事業所外廃棄はできません。
○小澤(克)委員 その場合にどういう形で規則を改正されるのか。先ほど検討中ということでございますが、これは発生させるのは原子炉の場合は原子炉設置者なわけですけれども、この集中貯蔵施設を管理するのは別の事業者であってもいい、こういうことになるわけでしょうか。
○辻政府委員 現在の下北につくりました新会社につきましてはおっしゃるとおりでございまして、下北の現在の計画を規制するのは、この廃棄物を廃棄する原子力事業者を規制するということに相なります。
○小澤(克)委員 よくわからなかったのですが、結局、その風子炉設置者が最終的に廃棄行為をする、こういうことになるわけでしょうか、今後とも。
○辻政府委員 そのとおりでございます。
○小澤(克)委員 そうしますと、この三月一日に設立されました事業体は、これは原子炉設置者との関係ではどういう法的関係になるのでしょうか。
○辻政府委員 原子炉規制法におきましては、廃棄物の敷地外貯蔵は廃棄としてとらえられますために、廃棄物の発生者たる原子力事業者の責任において行う、諸般の規制も原子力事業者に対する規制ということになるわけでございます。したがいまして、原子炉の設置者たる電気事業者等により設立されました日本原燃産業は、低レベル放射性廃棄物の敷地外貯蔵を原子力事業者等から受託して行う予定であるというふうに聞いておるわけでございます。直接この日本原燃産業に対して法の規制が及ぶというわけではございません。
○小澤(克)委員 そうすると、各原発のサイトから、あるいは各電気事業者から持ち込まれた低レベル廃棄物がこの日本原燃産業の管理する施設で集中的に保管、管理されることになると思うのですが、その場合に、しかし最終的な廃棄についての責任の帰属主体はそれらを排出させた電気事業者である、こういうことが一体実際に可能なんでしょうか。
○辻政府委員 今のところこの事業者の計画が具体的に明らかとなっておりませんので、今個別具体的にどうだと確定的なことを申し上げることはできないわけでございますが、一般的に申しますれば、ただいま申し上げましたように、現行法では廃棄物の発生者たる電気事業者等を規制の客体としてここでとらえておる、その仕組みのもとで責任を明確にして安全確保を図ることができる、そういったような形で規制していくことが必要であろうと考えておるわけでございまして、したがって、電気事業者からの廃棄物をごちゃまぜて貯蔵するという場合には、その管理の仕方というのは相当複雑になることが予想されます。場合によりましては、責任の明確化の観点から、貯蔵いたしますピットであるとか、そういったものの管理について所要の区分けをするなども一つの案がと考えられますけれども、何らかの工夫をしていく必要があるのではないかと考えております。いずれにいたしましても、事業計画の具体化に対応いたしまして、安全確保に遺漏ないように万全な措置を講じてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○小澤(克)委員 そうすると、各事業者あるいは各原発サイトから出てくるものがまざらないように峻別しながら管理する、こういうことになるわけでしょうか。そんなことが一体現実に可能なんでしょうか。また、まざったのかまざらないのか、そういったことが本当に監督ができるんでしょうか。
○辻政府委員 具体的にそういうふうにするかどうか、まだこれからの話でございますが、例えばそういったものをまとめて整理するということは不可能ではないわけでございまして、現在、海洋投棄に対する基準等もございます。その中にも廃棄物についてはそれぞれマークを付すというようなことの規定があるわけでございまして、そういったことをやることによりまして、確認を通じましてそういうことが分別されているということを確認してまいることは可能であろうかと考えております。
○小澤(克)委員 私は、それは不可能だと思いますね。保管は個別にマークをつけたり、あるいは地域あるいは施設を分けて保管をしたとしても、何らか外部に対して損害を与えたような場合に一体だれが責任を負うのか、原賠法上の責任の帰属主体はだれか、これは全くわからなくなりませんか。
○中村(守)政府委員 低レベル廃棄物の敷地外貯蔵につきまして事故が起こった場合の原賠法の適用はどうなるのか、こういうことでございますが、原子力損害が生じた場合におきます損害賠償につきましては、原子力損害の賠償に関する法律によりまして一元的に原子力事業者が無過失責任を負うという制度が確立されておるわけでございまして、本件につきましても当然この適用がなされるわけでございます。 現在の下北におきます低レベル放射性廃棄物は複数の事業者が持ち込むわけでございますので、その場合の責任がどうなるかということは、一義的には当然のことながらそれぞれの事故を起こしたところの原子力事業者が負うわけでございますが、それがどこかわからないというような場合がもしあるとすれば、そういうことのないように逆に言えば規制、確認の行為を行うわけでございますので、そういうことは起こり得ないと思いますが、万々が一そういう事態になった場合には、連帯して責任を負うということでございます。
○小澤(克)委員 そうすると、どの廃棄物から損害が生じたかわからぬときは連帯、こういうことになるわけですか。原賠法には補償措置をしなければならぬ、しかも一工場、一事業所当たり百億円とかいうような金額の定めがありますが、この辺は一体どうやって保険を付すことになりますか、集中処理施設の場合。
○中村(守)政府委員 損害賠償保険の掛け方でございますが、事業者A,B,C、三つの電力会社が持ち込むとすればA,B,Cそれぞれが保険を掛ける、こういうことになるわけでございます。
○小澤(克)委員 それぞれが百億ずつということになるわけでしょうか。
○中村(守)政府委員 現在の制度のままでございますと、廃棄でございますので一件二億円ということになります。ですからA,B,C各社それぞれ二億円の保険、これは法律上の最低でございますので、実際は各社随意にそれ以上のものを掛けることは一向に構わないわけでございます。
○小澤(克)委員 どの廃棄物によって障害が生じたかわからないときは連帯ということをおっしゃいましたが、そうすると請求する側は、とにかくその集中処理施設から生じた放射能によって障害を受けたということだけ立証すればどの事業者に対しても損害賠償を請求できる、こういうことになるわけですね。確認しますが、それでいいわけですね。
○中村(守)政府委員 一義的に今先生のおっしゃったとおりになろうかと思います。
○小澤(克)委員 私は、各排出者の責任に帰属するということを貫きながら、他方で集中処理をするということは非常に難しいんじゃないか、安全規制上も難しいんじゃないかというふうに思うわけです。逆に廃棄物について今の行為規制から事業規制にすれば、今度はこの廃棄物を出した事業者の責任がなくなってしまう。これは大変矛盾といいますかジレンマがあると思うのです。その辺について明確な方針を出さないままに一方で下北でどんどん事業が進んでいる。日本原燃産業ですか、会社まで設立されている。これでは困ると私は思います。安全規制の責任のある官庁として、既成事実を追っかけるということではなくて、法規制についてもっとしっかりした方針を立てて対処していただきたい、こういうふうに考えるわけです。 それから、もう時間がありませんけれども、高レベル廃棄物についても先ほどの発生者責任の原則というのは貫かれるはずだと思いますが、九〇年以降海外から戻ってくる高レベル廃棄物については、一体だれの責任でどこが引き受けることになるのでしょうか。
○中村(守)政府委員 返還廃棄物の受け入れについての計画でございますが、現在フランスあるいはイギリスから返ってくるものの取り扱いにつきましては、電気事業者がまず一義的に海外から受け取るわけでございますが、実際にこれを受け入れて貯蔵する、高レベルでございますからある程度、三十年ないし五十年貯蔵しなければなりませんが、それにつきましては日本原燃サービスが下北に建設いたします再処理工場の高レベル廃棄物の貯蔵所に受け入れる、こういうことに計画をいたしておるように承知しております。
○小澤(克)委員 そうしますと、その場合も原燃サービスは各電気事業者から委託を受けて貯蔵するということになるわけでしょうか。
○中村(守)政府委員 海外から再処理に伴う返還廃棄物を再処理工場に受け入れるにつきましては、その出ましたものは、国は違って外国からでございますが、いわゆる再処理工場から出たものでございますので、現在の廃棄の規定におきましても原子力事業者の施設の中に廃棄するときはいいということになっておりまして、それは再処理事業者同士のいわば施設でございますので、そういう意味で、本件につきましては電気事業者が再処理会社に委託するということで、責任が電気事業者に残るということではございませんで、再処理事業者が受け入れた以上は責任を全うするというように理解いたしております。
○小澤(克)委員 高レベル廃棄物について、今のような再処理事業者同士だから、外国再処理事業者からのものについて日本の再処理事業者が保管してもいいんだという見解には非常に重大な疑問があるわけですけれども、時間が来ましたので、この点はまた後の機会に御質問をしたいと思います。 最後に、大臣に一つ伺いたいのですが、今お聞きになっていたように、どうも原子炉等規制法ではいろいろ疑義があり、あるいは不十分ではないかと思うようなところがいっぱいあるわけですけれども、この点はいろいろ御検討いただくことといたしまして、基本的に原子力事業者の事業あるいは核燃料物質の使用者の使用等の規制の関連法規の解釈、運用に当たって施設付近の住民の生命、財産の安全を十分に図っていく、そういう立場でこの法を解釈、運用していくという決意といいますかお考えがあるかどうか、最後に大臣に伺いまして質問を終わりたいと思います。
○竹内国務大臣 原子力の平和的な利用、研究あるいは開発を進めるに当たりまして、私は先ほども申し上げましたけれども、二つの大前提があると思っております。一つはあくまでも安全性を確保することであり、いま一つは関係地域住民の理解と協力を得るということ、私はこの二つの前提に立ちましてこれからの対応を考えてまいりたいと思っております。決して拙速で事を運ぶようなことは考えておりません。
○小澤(克)委員 終わります。
○鳥居委員長 矢追秀彦君。
○矢追委員 最初に大臣に所信表明の中から一言、二言お伺いをしたいと思います。 「科学技術振興を国家の最重要課題の一つとして位置づけ、」のように言われておりますが、現実問題といたしまして、科学技術庁のシステムあるいは予算また施策等は、決して国家の最重要課題というふうなところまではまだまだの感があるわけでございます。所信表明に貫かれておる精神については私も反対ではございません。しかし、最重要課題というふうなことで今後日本が科学技術立国として国際社会の中でやっていくためには、まだまだ政府として頑張ってもらわなければならぬ、私はこう思うわけでございます。日本の場合、科学技術は世界で非常に有数なものがたくさんございます。しかし、予算面においてはいろいろな面でおくれておることは事実でございます。日本で一番優秀なものといえば基礎研究的な、余りたくさんの予算をかけなくても世界の中ですばらしい研究はたくさんあるわけでして、私はそういったものをどんどん伸ばしていけると思いますし、そういった点についてこれからあらゆる分野においてもちろん世界の水準に追いつくようにしていかなければなりませんけれども、むしろ私はそれはそれとしておきながら、日本独特の、また世界の中で日本の方がむしろ進んでおるようなもので、もっと国家が後押しをしたら伸ばせるものというのはかなりあると思うわけでございますが、そういった点についての大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○竹内国務大臣 我が国の科学技術をめぐる問題点が幾つかございますが、その一つは応用、改良の面においては大変すばらしい成績なり実績を上げているけれども、いわば基盤的な基礎的な面の研究は欧米諸国に比しても非常に立ちおくれておる、こう言われておるわけでありまして、私もそのとおりであろうかと思います。しかしながら、先生今お話がありましたようにいわゆるハイテクブームと申しますか、最近特に民間企業におきましては、いわば企業の生き残りをかけまして盛んにハイテクを利用した新しい製品の創造に懸命の努力をされておるわけでありまして、そういうものの中からまた政府が援助すれば世界に誇り得るものが出てくるだろう、私もそれは同感でございます。できますことならば、比較的おくれておると言われます基盤的な基礎的な、特に日本の土壌に根差したいわば日本独自の技術というものの開発にも意を用いながら、そういった民間の方の先端的な研究にもいろいろな環境面の整備でまたお手伝いをしてまいりたい、こう思っております。
○矢追委員 次に、最後の方で人間の尊厳、それから倫理との関係、こういうことを大臣は言われておりますが、これは非常に大事な問題だと思います。特に生命工学といいますかライフサイエンスといいますか、遺伝子工学、こういったものが発達をしてきておりますのでいろいろな問題が起こってくる。また、片や軍事の方へ行ってもらっても困るわけでして、一番大事なのは平和ということだと私は思いますが、それが何といっても人間の命を守る一番大事なことです。それだけではなくて、現実に今申し上げたように、いろいろ人工移植とか、あるいは脳死の問題とか、さらに人工受精の問題とか、今まで我々が考えられなかった局面というのが非常に出てくる。しかし、これは非常に難しい問題になると思いますし、科学技術の分野でない面も出てくるわけですが、あえてここで大臣が触れておられる意図といいますか、やはりそういった面できちんとしておかないと大変な問題がいっぱい出てくるんじゃないか、これを私は憂うるわけでございますが、その点についての所見をお伺いしたいと思います。
○竹内国務大臣 ただいま先生お示しのところは、私も全く同感でございます。 科学技術の発展、進歩というものはまことに目覚ましいものがございまして、ある意味では私たちの想像を超えるものがあるわけでございます。特にバイオテクノロジー、こういうものを応用した結果、いわば神様がつくったものでない植物までも出てくる、既にそういう時代に入っているわけでございまして、科学技術というものが独走した場合には、私は非常に恐ろしいものを予感をするわけでございます。したがいまして、科学技術というものに対してやはり私ども人間が自律できる、そういう力はあくまでも残しておかなければならない、持っていなければならないものじゃないか、こう思います。科学技術会議の十一号答申におきまして、人間及び社会との調和のある科学技術の振興をこれから考えなさい、こう指摘していらっしゃるのも、私はまさにその辺にあろうかと思いますし、また科学技術会議はその答申の中で、これからの研究重点項目として人間あるいは人間の心あるいは人間の脳というもの、こういうものの科学研究にもっともっと力を入れるべきだ、こう指摘しているのもそういう問題点を踏まえてのことか、こう私は思っております。 また、先生御承知のように、サミットにおきましても既にこの問題が取り上げられまして、箱根会議というのも行われ、ことしはフランスで第二回の会議が行われる、こういうことでございますので、私ども人類全体のいわば英知を振り絞って、人間の尊厳あるいは生命の倫理、それから科学技術とのしかるべき接点というものをこれから設けていかなければならぬのじゃないか、そういう私の気持ちを込めて御指摘のくだりを申し上げた次第でございます。
○矢追委員 こういった問題は、具体的な問題が出てまいったところで、きょうは余り深いことはちょっとあれしたいと思います。 次に、予算について伺いたいのですが、先端・重要科学技術分野の研究開発費というのは、科学技術庁が最も力を入れている開発の分野だと思います。原子力、宇宙、海洋、ライフサイエンス等最先端の科学技術が網羅されておるわけですが、六十年度予算は一般会計で三千七十三億円、これは先ほども申し上げましたように、さっき大臣も言われた最重要課題ということから考えますとまだ少ないのではないか、こう思うわけでございまして、この研究開発費の過去の推移と今後の見通し、これについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○竹内国務大臣 海洋開発、ライフサイエンスあるいは材料といった分野に予算の面でももっと力を入れるべきじゃないかという御指摘は全く同感でございます。御案内のように、大変厳しい財政事情のもとで私としては六十年度の科学技術予算の獲得には精いっぱい頑張ったつもりでございますけれども、決して私は百点満点だなどとは思っていないわけであります。これからも御指摘の分野についてもっともっと予算をたくさん投入できるように、これからも頑張りたいと思っております。 特に六十年度予算で申しますと、いわゆる新規項目というものでございますと、宇宙の面でも確かに大きな新規があるわけでございますけれども、例えば海洋開発に関して申し上げますと、今までの「しんかい二〇〇〇」にかわるところの「しんかい六〇〇〇」のいわば調査設計の段階に入ることができたわけでございまして、私としてもこれからも十分にその方面に気配りをしながら、また来年度の概算要求においても十分なことを考えたいと思います。
○矢追委員 この研究開発費を見ていきますと、七項目の構成比を計算してみたのですが、原子力の研究開発費が五六・四%、全体の半分以上になっております。五十九年度でも五六・二%。他の項目を見ますと、海洋開発は二・二%、ライフサイエンスは二・七%、それから材料科学が二・五%、創造科学が〇・八%、宇宙開発は二九・〇%と原子力に次いでおるわけです。もちろん私は誤解されると困りますが、原子力とか宇宙開発のお金を削って回せという意味じゃなくて、宇宙、原子力が、特に原子力が多いわけでして、宇宙はその次。それに比べますと、先ほど大臣ちょっとおっしゃいましたけれども、海洋開発では二・二%ですし、創造科学というのはこれからの分野であるにせよ〇・八%、構成比の上からいってちょっとバランスが欠けるのではないかと思うわけでございます。 特に海洋開発などは、もう既に海洋開発が言われてかなり時間がたっておるわけですね。さっき「しんかい」のお話をおっしゃいましたけれども、私も十数年前に参議院におりましたころに、海洋資源開発促進法という議員立法を自分でつくって提案をした経緯がございますが、そのとき海洋開発のこの法案を出したら、実はおたくの役所の方から、五年早いよ、こう言われたわけです。今になってどうなっているかというと、もちろん私があのとき出した、その後も公団法とかあるいは研究所法とかそういうのをいろいろ出しましたのですが、研究所も一応追浜に少しはできて、少しずつは私が提案した方向に行ってはおりますけれども、まだまだの感を受けます。公明党といたしましても海洋開発基本法案というのを前国会でも出し、ずっと出してきておりまして、非常に熱心にやってきておりますが、構成比からいうとまだ二・二%、海洋国家日本でありながらどうしてこれがそう伸びていないのかなという点を強く感ずるとともに、五年早いと言われたのがもう十五年たってしまったわけです。そういう意味では今度「しんかい」の新しいのをつくられるのは結構なことでございますが、もう少し突っ込んだ検討、それから施策というものができるのではないか、私はこう思うわけでございまして、その点についてお伺いしたい。 それから今後の方向として、やはりライフサイエンス、材料科学あるいは創造科学といったものには相当の力をお入れになるのですか。それとも今民間で相当進んでおりますので、こういうものはもう民間にやってもらうという方向なのか。産・学・政府、こうなっておりますけれども、その辺をどうやっていくのか。民間活力の導入ということも盛んに言われておりますし、少ない予算の中ではやむを得ないと思いますし、これはやらなければいけませんが、民間で手のつけられないようなものもかなりあるわけです。その辺の問題と、それから科学技術庁の予算と文部省の予算は別ですよね。特に大学の研究費も少ないし、じゃ科学技術庁の国立研究所とか国立試験所がいっぱいありますけれども、どれくらいの予算がというとこれも少ない。そういった点で、一つは先ほど申し上げたように原子力に偏り過ぎておる。またその次は宇宙開発。これはもちろん伸ばすんですよ、やっていくのです。特に核融合などはやっていただかなければなりません。しかし、あとの海洋開発等について今後どういうふうにしていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○宇賀政府委員 大臣がお答え申し上げます前に、予算の数字について申し上げます。 原子力、宇宙は、御指摘のように当庁の予算の全体の八割を占めておりまして、これは御案内のとおり、原子力、宇宙ともに非常に重要な分野であり、かつ六十年度は非常に大きなプロジェクトが集中しているということがありましてこういう予算になっておるわけでございますが、海洋、ライフともに非常に重要でございまして、海洋開発につきましては、当庁の中でたまたま海中作業実験船「かいよう」が完成するということがございまして、前年対比三割増というような予算になっております。ライフにつきましても一〇%増ということになっておりまして、平均を上回る伸びにはなっておるわけでございますが、何分先生言われましたように絶対値が大変低いというようなことから構成比が低くとどまっているという状況でございます。こういった事柄の重要性にかんがみまして、我々今後とも六十一年度以降の予算におきまして積極的に取り組んでまいりたいと考えておるような次第でございます。
○竹内国務大臣 まずもって、海洋開発に関する先生の先見の明に敬意を表したいと思います。 確かに科技庁全体の予算の構成比から見ますと、海洋であれライフサイエンスであれ至って低いのは事実でございます。しかしながら、低いのは、私どもはこれを軽視をしているというわけではございませんので、先ほども申し上げましたように、六十一年度の概算要求の段階においては、相当に厳しい条件下の予算編成を余儀なくされると思いますけれども、この海洋なりライフサイエンスの予算を伸ばすことにまた精いっぱい頑張っていきたい、こう思っております。
○矢追委員 あと五分ですから、まとめて質問したいと思います。 科学技術庁の諮問機関は、その性格上、他の諮問機関に比べて政策決定に影響力が非常に強い、このように私は思います。その諮問機関を見ましても、現在設置されてあるのは、科学技術会議、原子力委員会、原子力安全委員会、放射線審議会、宇宙開発委員会、海洋開発審議会、技術士審議会、航空・電子等技術審議会、資源調査会、こういうのがございまして、ライフサイエンス、遺伝子工学、材料工学等は特別の諮問機関というのは設置されておりません。こういったことについて、今後ともこれらの分野も審議会を設置される考えなのか、あるいは現在ある中でそういったものが十分やっていけるのかどうか。私はちょっと厳しいと思いますので、新たにつくっていただきたい、こう思います。これが一つ。 その次に、先ほども少し人間の尊厳と倫理ということで触れたわけでございますが、我々の過去の経験を超えた新しい分野が広がってきております。しかも、そのスピードも速い。例えばコンピューターのソフトについてもようやく著作権法で保護が行われるように決定したようなところでございますが、遺伝子工学あるいは生命工学、材料工学、こういったところではこれから非常にいろいろな問題が出てまいります。それは先ほども指摘したとおりですが、特に遺伝子工学に私は非常に注目をしておるわけでございますので、これもやはり検討をきちんとしていかないと大変なことになってしまう。下手な方向へ行きますと軍事にも利用されかねませんし、また倫理的な面において、いわゆる生活といいますか家庭の破壊とかそういったことまでいく可能性も非常にあるわけですから、そういった点についてどうされるか、まずこの二点お伺いしたいと思います。 最後に、科学万博、これについては後で同僚の遠藤委員が質問いたしますので省略いたしますが、これの成功と、それからことしこういうことがあるときに竹内さん大臣におなりになって、非常に花形長官であるわけですし、しかも実力のある大臣と伺っておりますので、ぜひこれからの科学技術の分野の予算獲得を初めとして格段の進歩を図っていただきたい。これは最後に要望でございますが、その三点お答えいただきたいと思います。
○竹内国務大臣 ライフサイエンスや材料科学技術の分野についても審議会を設けてはいかがかという大変貴重な御提言をいただきましたが、先生御承知かと思いますけれども、私どもの審議会の中でも特に大きな役割を果たしている科学技術会議というものがあるわけでございます。そして、先ほど来御紹介申し上げておりますように大変貴重な十一号答申というものをお示しをいただいているわけでありまして、しかも科学技術会議は単に答申を出しっ放しでなく、その後のフォローアップをするという体制に今なっております。そのフォローアップの中で、重要テーマとして先生御指摘のライフサイエンスや材料科学技術などをこれからも科学技術会議としてもトレースしていく、こういう体制でもありますので、今私直ちにその審議会を設けるつもりはございませんけれども、先生の貴重な御意見は検討させていただきたいと思います。 それから、バイオテクノロジーあるいは遺伝子工学のこれからの先行きを考えますと、本当に恐ろしいいろいろな事態も予想されるのではないかと私は思いますので、生命の倫理なり人間の尊厳と科学技術との接点、こういうものについてはもう国民各層各界から広く御論議をいただくべきときに来ているのではないか、こういうような感がいたします。この問題につきましても私ども科技庁の受け持ち分野で一汗も二汗も流してみたいな、こう思っております。 それから最後に、科学万博についてお触れになりましたが、いろいろと小さな故障やトラブルが多発しておりまして、その点はまことに申しわけないと思っておりますが、そういった事故や故障については直ちに必要な対策も講じておるところでございまして、そういう経験も蓄積しながら、これから先行き万博会場にお越しいただく国民の皆さんが、先ほど来申しましたように肩の凝らない、楽しい、いわば参加の体験をしながら科学技術と私どもの生活のかかわり合いについて認識を持っていただける、そういう博覧会としてぜひとも成功させたいと思っておりますので、これからもまた御指導のほどをよろしくお願いいたします。
○鳥居委員長 遠藤和良君。
○遠藤委員 私は、まず長官に、創造的な科学技術の重視ということについて所信をお伺いしたいわけでございます。 十一号答申を受けまして、長官の所信にも創造性といいますか、創造的科学技術を重視するというお気持ちが大変にじみ出ているように思います。所信表明の中に創造ないし独創という言葉が七つ出てまいりますが、私は大変重大な認識ではないかと思います。これは大変昔から、日本は創造性を重視しなければいけないということは言われてきたことでもあるわけです。日本の歴史を振り返ってみますと、明治の文明開化以来というよりもむしろ日本の文化、文明のあけぼの時代からさかのぼりまして、いわゆる大陸や西洋の文化、文明を模倣し、消化し、独自の日本の文明を築いてきた、これが日本の社会ではないかと認識しているわけでございます。模倣から独創への転換と申しますと、これはまさに日本の文明史上の大転換とも言えるのではないか、こういうふうに考えまして、壁は大変厚いのではないかと考えますが、その壁を破るという決意でこの長官の表明を伺ったわけでございますので、長官の創造的科学技術にかける心境というものをまずお聞かせ願いたいと思います。
○竹内国務大臣 壁を破るのは大変なことじゃないか、どういう決意か、こういうぐあいにお尋ねを受けたわけでありますが、私も実はこれはなかなか容易ならぬ問題であろうかと認識はしております。また、単に私がこうしゃべったから事態が直ちに好転するというものではないと思います。そのためには十分な施策なり資金の確保が、特にまた人材の確保が重要であろうかと思いますけれども、ともかく私ができる仕事というのは、そういうものを目指して国民全体で力を合わせていこうではないか、そういう雰囲気をつくる音頭取りに徹したい、これが私の今の心境でございます。
○遠藤委員 そこで、若干具体的にお伺いいたします。 NHKで報道されまして以来有名になりました東北大学の西沢潤一博士でございます。長官は青森の方でございますから恐らくよく御存じのことと思いますけれども、西沢博士の研究というものにつきましてどのような評価、認識をされておりますか。
○竹内国務大臣 今お話しの西沢教授とは、昨年十二月にある雑誌の求めによる対談という機会を得まして、その際先生からいろいろな自分の研究にまつわる苦心談も伺いました。そしてまた、そうしたハンディキャップというものを先生が見事に克服されまして、今日その分野において大変すばらしい業績を上げておるということ、また、ことしの朝日賞でございましたか、その輝かしい業績の上に受賞したということも私は心から敬意を表するわけであります。対談の後また先生がお出しになりました本も拝見いたしまして、本当に西沢教授というのはすばらしい方だな、こう思っております。 実は、私ども科技庁で進めております創造科学技術推進制度というものがございます。いわゆる産学官の壁を破って自由な雰囲気のもとでの独創的な研究を進めようじゃないかという一つの仕組みがございますが、この制度の中の一つのテーマ、完全結晶プロジェクトというプロジェクトでございますけれども、このテーマのキャップに西沢教授をお願いいたしまして、今精力的な研究もまたお願いしておるわけでございまして、日本の科学技術振興をこれから進めるための西沢先生の発言というのはこれからも大変貴重なものになろうか、私はこう思っております。
○遠藤委員 西沢先生は大正十五年九月、宮城県のお生まれですね。東北大学の電気通信研究所の教授であり、財団法人半導体研究振興会研究所の所長でございまして、科学技術庁長官賞を昭和四十年、四十五年、五十年ですか、三回お受けになっておりまして、昭和五十八年の文化功労賞をお受けになっている、今お話がありました科学技術庁が行っておる創造科学技術の推進の座長につかれておる、こういう方でございますけれども、昭和三十九年にいわゆる光ファイバーの特許を申請いたしましたところ却下をされまして、二十年間特許庁長官と高等裁判所で係争してまいりまして、昨年の十二月に特許の申請が無効になりまして、残念ながらこの特許は日本の国内では認められなかった、こういう経緯があるわけでございます。 今、光ファイバーというのはこれからの通信の主幹をなす大変大事な発明でございまして、この独創的な発明が日本において二十年も前に提唱され申請をされておりながら、それが認められなかった国の特許行政並びに当時実用化へのリスクを考えまして踏み切らなかった産業界というものを考えてみますと、日本の社会というものはまだまだ独創的な研究あるいは独創的な科学技術に対する消極的な一面というものを感じるわけでございます。こうしたものをどういうふうな形で払拭いたしまして独創の芽を伸ばしていくか、これは大変重大な問題ではないかと思うわけでございますが、こうした具体的な問題を含めまして、今後我が国の科学技術行政をどういうふうな気持ちでお進めになるか、再度お伺いしたいと思います。
○竹内国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、私どもとしては科学技術会議の第十一号答申に沿ってこれから科学技術振興を図ってまいるわけでございますけれども、私はその中で特にこれから力点を置いていかなければならぬ、いわば体制づくりをもっと進めていかなければならぬと思う私なりに問題意識を持つものの一つに、産学官の連携というものをもっと進行できないのかということを強く感じております。西沢先生も、今お話しのありましたように私どもの方のそういった一つの試みに御参加をいただいておるわけでありますが、西沢先生の研究のみならず現在お願いしているとテーマの研究、それぞれに立派な学術論文を発表されたりあるいは特許の申請の数も多い、こういうぐあいに私は聞いておりまして、これはなかなか有効な制度ではなかろうか、こう思っております。 あえてこの仕組みに関せず、もっともっと産学官の交流というものを促進するためにはどういう次の手を打てばいいかということを、いろいろと事務当局とも詰めておるような次第でございます。学者にしてみれば、自由に研究のできる環境、雰囲気というのが一番大切なんじゃないだろうかと思います。もちろんその中には資金の面も含むわけでございますけれども、抽象的な表現になりますけれども、日本独自の科学技術を開発しよう、こういう熱意に燃えている学者あるいは技術者の皆さんに今申し上げたような自由な研究ができる雰囲気、こういうものをどうしてつくっていくかということに私ども科学技術庁としてもまたこれからもっと工夫をしなければならぬのかな、こう思っております。 それから、いま一つ私の問題点の意識にありますのは、先生も御承知のように、我が国全体の研究開発投資の水準は世界で第三番目まで来たわけでございますけれども、内訳を見ますと、民間が四分の三で国なり公立の研究開発投資というのはわずかに二四%でしたか、その程度しか至ってないわけでありまして、研究によっては長期の時間、多額の資金、多くの人材の動員を必要とする研究もあるわけでございまして、そういった面についての充実を図るためには、これから国ないし公の研究開発投資をもっとふやしていくということ、これも私は十分留意せねばならぬことじゃなかろうか、こう思っておる次第でございます。
○遠藤委員 最近は先端技術の分野におきましてたくさんの特許の申請が出ているわけでございます。昭和五十八年度でも特許、実用新案の出願件数は四十七万件、こういうふうになっておりまして、それは先端技術の進歩とともにウナギ登りで伸びております。今現在このまま特許行政を放置しておきますと、現在は審査期間が大体二年五カ月かかるということでございます。十年後には七年ぐらい審査期間がかかるのではないか、こういうふうに懸念をされているわけでございます。先端技術というのは日進月歩でございますので、七年間も審査期間がかかるような状態になりますと、これはもう先端技術と言えない状態になってしまうわけですね。こういうことで私は、独創的な先端技術を保護するという意味から特許行政をもう一回見直す時期に来ているのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、科学技術庁長官といたしまして、こういった意見を例えば閣議の席で発表なさるとか、こういう形で独創的な研究をする研究者の側に立った保護というものをお考えになってはいかがかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹内国務大臣 たしかことしは特許制度百周年の年であったかと記憶いたしますが、御指摘の特許行政の現状というものは私も大いに問題点があると思っております。また、うろ覚えでございますけれども、通産省においてもコンピューターの導入等々、たしか処理の促進化の体制もとられている、こう思いますけれども、先生御指摘のように独創的な科学技術というものの一つの刺激剤にと申しますか、特許を取るまでにそんなに時間がかかったのでは、せっかくの宝の持ちぐされになるわけでございまして、この点のスピードアップは私はぜひ必要かと思いますので、機会がありましたら通産大臣にも、あるいは閣議でも発言したいと思います。
○遠藤委員 明快な御答弁をありがとうございました。 なお一点、国際的に比較しますと、日本の特許はアイデアとか原理を出した者に対して特許権を付与しないというような傾向があるようでございます。ある程度実用化にならないと特許として認めない。外国ともよく連携し、外国の特許制度そのものも検討されまして、そういう意味でのアイデアというものも保護できるような形の特許というものもお考えになっていただければ幸いだと思います。 それから、これは西沢先生の言葉でございますけれども、日本の研究開発の成功率は約七〇%である、アメリカは〇・六%である。日本では千に三つのことを千三つと言いまして、うそつきとか当てにならないという意味であるが、アメリカの〇・六%というのは千三つの二倍にしかならないんだ、こういうふうなお話をされておりまして、いわゆる独創的な研究というものはリスクを覚悟しなければならない、こういう意味ではないかと思うわけでございます。 リスクを伴う研究開発につきまして、国でそれはやるべきだという意見もございます。あるいは企業の方も採算性ばかりを考えないで、そういった人類の共通の基盤研究にかかわる大事なものについては、リスクを負担をして研究をするべきだという意見もあるわけでございますが、長官としてはどちらを、国がやるべきだとお考えになりますか、それとも民間がもっとやるべきだというふうにお考えになりますか。第一義的にはどうお考えになりますか。
○堀内政府委員 最近の我が国の科学技術水準の向上に伴いまして、これまでのような導入技術による発展が困難になってきたということがございますし、また基礎研究からそれが実際に応用されたり実用されるというものの距離がずっと近寄ってきたということでございまして、こういう傾向を踏まえまして、民間におきましてもこれまで以上により熱心に創造的な技術開発に向けての活動が盛んになっておるということでございます。こういうことを踏まえまして、最近では民間企業におきましても基礎的研究に非常に力を入れておるという実情でありまして、こういうことから産官学の連携というものも強く言われておるということかと思います。 政府といたしましても、民間における研究活動の一層の活性化ということのためにいろいろ条件整備が必要であるということでありまして、これまでにも税制上の優遇措置、それから新技術の開発のための委託開発制度の活用あるいはリスクマネーの供給、こういった制度がございますが、さらにこういうものの充実が図られておるということでございます。国としましても、長期的観点に立ちまして、民間には期待しがたいが、次代の技術をはぐくむ土壌を培うような非常に基礎的な研究、そういうことをさらに進めていくということが必要でございます。先ほど来お話がございました創造科学技術推進制度というものはまさにその核でございますが、さらに科学技術庁といたしましても、科学技術振興調整費といったようなものがございまして、それでもってかなり基礎的なあるいは先導的な科学技術の重点的な推進を図っておるということでございます。 どちらを優先するかということでございますけれども、どちらということではなくて、今後とも社会経済の要請ですとか、あるいは科学技術の進展の状況、いろいろ踏まえまして、国全体として基礎的な研究のレベルアップを図るということが重要かと思います。
○遠藤委員 いわゆるシーズの発掘ですね、独創的な科学技術の芽を大事にしていく、こういう意味で、今年度予算案の中ではどういうふうな予算的措置をとりましたか。
○本郷政府委員 先ほど来お話に出ております創造科学技術推進制度は、新技術開発事業団がこれを実施しております。したがいまして、予算は新技術開発事業団に対する出資という形で計上されております。六十年度の予算額で、創造科学技術推進制度の事業を推進するための資金といたしましては総額二十五億七千万円を予定しております。 御承知のとおり、この制度は、五十六年にスタートいたしましてから一つのプロジェクトを五年間で完成するという考えでございますので、五十六年度にスタートした四つのプロジェクトについては六十年度はその第五年度目、最後の年ということになっております。それから、五十七、五十八、五十九と各一つのプロジェクトを実施しておりますので、六十年度におきましてはそれぞれ四年度目、三年度目、二年度目ということになります。来年度は二つのプロジェクトを新たに実施することにしておりまして、これらの所要額を積み上げて計算して二十五億七千万円を計上しておるわけであります。
○遠藤委員 日本でよく言われるのですけれども、いわゆる文部省関係の研究機関では、一生懸命に研究をしましてその研究費を申請するときに、この研究はアメリカのどこそこの研究所でも始められておりますという接頭語をつけないと研究費が出ないという現状だと聞きます。私はむしろ逆に、この研究は世界じゅうどこにもやってない独自の研究でありますと自信を持って言ったものについて研究費をつけるべきではないか、そうしないと独創的な科学技術の推進はできないのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。もし文部省あるいは通産省等にそういったいわゆる古い体質があるとすれば、私は、科学技術庁は全く科学的に研究者の立場に立って、研究者の先見性を最も重視するといった研究調整能力を発揮すべきではないかと思うわけでございますが、どうでしょうか。
○竹内国務大臣 先ほど私が答弁の中で、学者、研究者が自由な雰囲気の中で、こう申し上げたのも、実はまさに先生が今お示しのことを頭に置いて答弁申し上げたわけでございます。確かに接頭語をつけなければ研究は取り上げてもらえないという体質はまだ残っているかと思いますけれども、しかし、それでは本当に日本の土壌に根差した独創的、創造的な科学技術の振興は期待できないわけでございますので、そういった体質を一刻も早く払拭するように、私ども科学技術庁としてやるべきことがあれが大いに意を用いてやってまいりたいと思います。
○遠藤委員 それでは、科学万博についてお伺いしたいと思います。 きょうで開催してちょうど十日になりました。いろいろ評価があるわけでございますが、率直に言いまして、担当大臣として御感想はいかがでございますか。
○竹内国務大臣 まずもって、十六日の開会式に皆様の御協力を得まして、無事に終わらしていただいたことについて感謝を申し上げたいと思います。 十七日からオープンしたわけでございますが、お天気がどうもうまくないということでして、晴れた日と雨の日が繰り返すような格好で、そのため出足の方は若干当初の想像よりも少し鈍っているのかなとは思いますけれども、これから学校も春休みになりますし、ゴールデンウイークもやってまいりますので、私は入場者総体二千万という見込みはそんなに狂わないだろうと思っております。 しかしながら、いろいろな不備やら故障が実際に起きておりまして、大変皆さんの御不興を買っているわけであります。入場者の正確な数もよくわからないなんていう失態も出てまいりましたり、また雨に弱くてスカイライドという乗り物が休まざるを得なかったとか、こういうことでせっかくお越しいただいた皆さんに大変御不便をかけて申しわけないと思いますが、そういった問題点につきましては、また早速にそれぞれの対応策を今講じておるわけでございまして、そういった経験を積み、そして運営の仕方にも漸次改善を加えながら、何としてもこの科学万博は成功させたいものだという今一念に燃えております。
○遠藤委員 光センサーによります入場者数のカウントシステム、その故障が何か象徴的に非科学万博ではないかというような下馬評もあるようでございまして、これはぜひとも修復をいたすなり、きちんとした入場者がカウントできるようなシステムを早急につくり上げるべきである、こういうふうに思います。 ちょっと私は今考えますのに、科学万博の主催協会と、いわゆる筑波の研究学園都市機関の連絡協議会に若干不協和音があるという話が今あります。と申しますのは、せっかく筑波でやるわけですから研究学園都市の方も積極的に協力をしたい、こういうことで、科学万博に来た人があの敷地の中だけではなくて、いわゆる一般の研究機関も開放しましてそこに観覧者も来ていただく、こういうような話が当初あったようでございまして、そのために研究学園都市の方も、しょっちゅうは公開しないんですけれども、その期間については公開いたしましょう、こういう時間帯もお決めになったようでございますが、それがどういうわけか「公式ガイドブック」にも研究機関の公開時間とか方法などが明記されていないわけですね。こういうことで、せっかく御協力をするということになっているのにもう一歩宣伝をしていただけないということで、研究学園都市の方にはほとんど入場者が回ってこない、こういうような実情があるようでございますが、こういう面についてはどういうふうにお考えになりますか。
○堀内政府委員 御指摘の筑波研究学園都市の研究機関の公開の問題でございますが、これはかねてから科学技術庁といたしましてもこの研究機関といろいろ御相談いたしまして、一応こういう日時で、こういう格好で公開しようという一つのまとめを行いまして、見学ガイドというものをつくっております。この見学ガイドを関係方面に配布いたしましたり、あるいはポスター等もつくりましてその広報に努めておるというところでございます。 ただいま御指摘のガイドブックにそういう記事が載らなかったということでございますが、一応研究機関のリストは載っておるのですけれども、中身の細かい点、特に公開につきましてどの程度やるかという記載が抜けております。今後改訂版をつくりますので、その改訂版をつくる際にはそういったような中身、すなわちどういう連絡先でどういう見学施設があるか、あるいは、料金は取らないのですけれども、収容人員がどの程度かというような細かい点も掲げるよう、現在協会の方に話をしておる段階でございます。
○遠藤委員 研究学園都市の中にありますエキスポセンター、こちらの利用客もかなり少ないんじゃないかと思いますが、この入場者数はどのくらいになっていますか。
○堀内政府委員 現在、三月十七日開会の日から二十五日、九日間に約三万人ございまして、一日平均三千三百人ということでございます。今後、先ほどお話しのように春休みが始まったばかりですが、ゴールデンウイーク等々で相当人数がふえていくだろうと思っております。
○遠藤委員 せっかく筑波でやるわけでございますから、万博会場は会場の中だけの小さなところではないのだ、筑波全体を見ていただく、こういった考え方が大変大事ではないか。そうでなければ筑波でやった意味がないわけですね。ですから、せっかくエキスポセンター、恒久機関としてプラネタリウムなんかも入れまして大変なお金をかけてつくっているわけですから、こちらの入場者ももっとふえるように努力をすべきではないかと思います。
○竹内国務大臣 先生、今つくばエキスポセンターについてお触れになったわけでございますが、まだ十日しかたっていませんから、それですぐに全般を推測するのはあるいは見当違いをするのかもしれませんが、私、どうもこの十日間の様子を見ておりまして一つ気がかりなことは、日本の各民間企業の幾つかのパビリオンに非常に人気が集中しておりまして、そのために待ち時間が長いということ、このための対策が何か一つ要るのじゃないかということ。それから第二に、何となく外国館の存在が余り皆さんの間に認識されていないのじゃないか。国際科学技術博覧会でございまして、四十七カ国の外国からの参加も得、また数多くの国際機関からの出展もあるわけでございますので、ぜひ外国館の方にもひとつ回っていただきたい。 それから、今まさにお話が出ましたエキスポセンター、場外にあるものですから、その存在自体も余りまだよく知られていないのかということで、実は私の頭にありますことは、そういった外国館だとかエキスポセンターだとかのいわばPRをする、もう一遍広告なり何かを考えようかということを今考えております。その際に、もしPRするようになりましたら、先生さっきお触れになりました各国立研究機関の公開の方もあわせて案内したいな、こう思っております。
○遠藤委員 確かに民間のパビリオンは、何か五時間ほど待たなければいけないというような話でございまして、きのうは十万人入場者があったようでございますが、五時間待って一つ見るというのは大変なことだと思います。それで、これに対する妙案というのはなかなか難しいものでございましょうけれども、ぜひお考えになっていただきたいと思うわけでございます。 それから、警察の方にお伺いいたしますけれども、当初交通渋滞が大変懸念されていたわけでございますが、当初の見込みと現状、それから今後どういうふうな考え方で臨んでいくのか、お聞きしたいと思います。
○越智説明員 当初は関係者のふなれな点もありまして、会場入り口付近におきまして一部若干交通渋滞の発生が見られましたけれども、その後は天候等の要因もありまして来場者数が余り多くない、車の台数も大体五千台から六千台でございます。 交通対策につきましては、事前の予想と比較して順調に推移しておりまして、大きな交通渋滞は発生しておりません。ただ、今後ゴールデンウイークとか夏休み等にはかなりの人出が予想されております。協会の予測によりますと、ピーク日の来場者数は約二十万人、このうち車両利用者はほぼ五割、半分、そうしますと、車両台数では二万五千台というものが一応予測されております。現在のところ、来場者のうち鉄道利用者が全体の約三割強でございます。当初の予測では鉄道と車半々というふうに予測しておりますけれども、今後の対策としては鉄道の利用者の比率を高めていく必要があるのではないか。私ども、その旨の広報、チラシの配布等をやりまして、鉄道で見えた人につきましては、中央駅からのバス専用レーンの確保に最重点を置いて交通の確保をしてまいりたいと思っております。 なお、マイカー等の対策につきましては、関係県の緊密な連携のもとに、早目に必要な交通情報を提供することによって交通渋滞の発生を最小限にとどめていきたいというふうに思っております。
○遠藤委員 万博会場の食堂のことでございますが、大変値段が高いという悪評があるようでございます。てんぷらそば、牛どん、焼きそばが九百円で、インスタントかつどんが千二百円、それから会場の外にできました食堂でございますが、ここだと、コーラが一本四百円あるいはカレーが八百円と大変値段が高くて、雨が降るとビニール傘が一本千円、握り飯弁当千五百円、こういうふうな、大変万博でもうけようというふうなものがございまして、こういうものに対する指導はどういう形で行うおつもりでございますか。
○竹内国務大臣 筑波の科学万博、なるほどハイテクの集積であると同時に値段もハイだ、こういう御苦情は実は私どもにも結構参っておるわけでありまして、私も幾つかメニューなり値段を見まして、確かに高いな、こう思っております。しかし、けさの新聞によりますと、業者の方にも何か反省の機運が少し動き出して相談をするということでございますが、直接は運営に当たっておる博覧会協会の方で考えるべきだと思いますけれども、私としても、博覧会協会に改善を必要とするのではないかという私の意向は一遍伝えてみたい、こう思っております。
○遠藤委員 非科学万博であるとか、要するにハイ価格万博であるとか……(「暴利万博だ」と呼ぶ者あり)今暴利万博という声もありましたけれども、そういうことでは大変情けない現状になると思います。今のうちにきちっとしたものをつくり上げて、やはりやってよかったな、日本の国民の皆さんがそういうふうな感じになることが大事でございますし、早く手をお打ちになった方がいいのではないか、こういうふうに思います。 時間がなくなりましたので、最後に一問だけ長官にお伺いいたします。 対がん十年戦略につきまして、これは中曽根総理から大変な意気込みで始まったわけでございます。五十九年度からでございますから、まだ日がたっていないわけでございますが、具体的にこの研究の現段階に対する評価並びに今後のがん研究に対します長官の決意というものを総括的にお話を伺いたいと思います。
○竹内国務大臣 国民の皆さんが科学技術に、いろいろなこれからの進歩発展に期待しておるものはたくさんあると思いますけれども、私の想像では、その最たるものはがんの究明であり、なおかつ治癒である、こう思います。当然のことかと思います。また、政府の対がん十カ年計画、私はそれぞれ予定どおりに進捗しておった、こう思いますけれども、実は私ども科学技術庁におきましても、その中で共通基盤の開発、こういう分野も受け持っておるわけでございまして、私ども科学技術庁の受け持ち分野において早く成果が上がるように、もし予算面で問題があるならばその方面の工夫もして、研究者の御努力もお願いしたい、こう思っております。 総体的に申し上げまして、今我々人類は、がんの本質の究明に一歩一歩近づいているのではないだろうかという感じを私は持っております。
○遠藤委員 このプロジェクトで研究いたしました結果、特許が出てくると思いますが、その特許については、やはり特許権というものは研究者個人に帰属するわけでございますか。
○目黒説明員 御指摘の特許問題でございますが、これはケース・バイ・ケースで判断すべきものであろうと思いますが、今回のこの厚生省の研究費は補助金でございますので、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に従いまして、原則として個人に帰属する、このように考えておるところでございます。しかしながら、特許権または実用新案権を得たときは厚生大臣に届け出る心要がある、このように決めております。また、このため相当の収益が生じました場合には、補助金の全部または一部を国庫に納付させることがございます。 以上でございます。
○内田政府委員 ただいまケース・バイ・ケースというお話でございましたが、私どもは、ただいま大臣が御説明いたしましたように、共通基盤につきましては科学技術振興調整費をもってこの振興に当たっておるわけでございますが、振興費の場合には、委託費につきましては特許権は国に帰属するということになっております。
○遠藤委員 今世界的な傾向であると言われておりますが、がんの研究者が老化の研究の方に移行しておる、こういうふうな傾向があるようでございます。老化、いわゆる痴呆性老人といいますか、そういう解明ですね。これも大きなプロジェクトではないか、こういうふうに報道されておりますけれども、日本の老化の研究というものも今後重大なテーマになってくると思うわけでございます。がんと老化の研究の対比、これについては、例えば研究者数はどのくらいあるのかとか、あるいは予算はどのくらいなのかとか、そういうものは掌握しておりますか。
○内田政府委員 ただいま先生御指摘のように、がん及び老化に関する研究というものは、最近、遺伝子を構成しておりますDNAレベルでの研究手法が活用されるようになりまして、基礎的研究分野においては相互に密接な関連を持つようになってきておるわけでございます。 それで、がん研究につきましては、その研究者数は主要学会、これは日本癌学会とか日本癌治療学会とかの会員数から推定いたしますと約一万数千人であろうと考えております。また、予算は、昭和六十年度予算において四百十一億円でございます。 それから老化研究につきましては、その研究者数は、同じく主要学会の会員数で推定いたしますと約五千人でございまして、その六十年度の国の予算は五億六千三百万円でございます。
○遠藤委員 時間が参りましたので、以上で質問を終了いたします。ありがとうございました。
○鳥居委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十分開議
○鳥居委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。村山喜一君。
○村山(喜)委員 まず、本論に入ります前に、今科学万博が開かれております。きのう私の友人、前に高等学校の校長をしていた男ですが、やってまいりまして、万博を見に行ったら寒くて風邪を引いた。おまえどこに泊ったのだと言ったら、土浦に泊まったらお粗末なホテルで料金は高いし、万博の中身の方はいいけれども、どうも周辺整備はうまくないなというような印象でございました。 そこで問題は、きょうの読売等にも、ハイテクはハイ価格だという、やゆしたような記事も出ておりまして、あちこちにそういうような場内の飲食店の問題やら、あるいは宿泊施設をめぐりまして暴力団の進出さえもうわさされているというようなのが出ております。これから二千万人を目指して世界の科学博覧会として、私も政府出展館の開館式のときに参りましたが、参りましてあっと驚くだけでは意味がないわけでございます。そういう意味において、科学万博担当の大臣として、所信表明の中にも述べておいでになるわけでございますが、これからが大事であろうと思いますので、大臣のこれに対する、いろいろなトラブル等が出ている問題についての今後の対処の方針を初めにお伺いしておきたいと思います。
○竹内国務大臣 始めましてから十日でございますけれども、思わぬ故障や不備な点が出まして、おいでの皆さんに大変御不便をおかけしたと恐縮しております。特に、先ほどもお話がございましたけれども、飲食店の値段が高いじゃないかという苦情は直接私の耳にも届いているようなことがございまして、コーラ一本四百円はいかにも高いという感じは否めないわけでありまして、私から万博協会の事務総長に注意喚起をしよう、何か改善が考えられないかという伝達を夕刻にもしようかなと思っております。なお、宿泊の料金も結構高いという声も聞くわけでございまして、一遍その辺の実態の報告を求めてみたいと思っております。 いずれにいたしましても、大変御不便をおかけしました故障やらがありましたけれども、それぞれの対応策は講じているつもりでございまして、そういった経験を漸次積みながら、次第次第に楽しんでいただける万博に持っていきたい、これからも頑張るつもりでございます。
○村山(喜)委員 原子力発電所の安全性の問題に入ってまいりますが、従来安全性の問題は、設計段階、建設、運転、保守、そういう各方面につきまして多重防護あるいは未然防止あるいは行政によりますダブルチェック、事故、故障等の教訓を生かしながらやっていくのだということで、最近の原子炉の軽水炉の稼働率は大変高くなっているようでございます。そこで、設備利用率が現在七〇%を超えている、スクラム回数はアメリカに比べて一けた低い数字を示している、そして大きな事故というのは現在ないようだという状況の中で、従事者の被曝線量だけは、稼働基数の増加に伴いましてという関係もありますが、これはやはり着実に増大をしているという状況を私たちは見ておるわけでございますが、これにつきましてどういうような段階で問題をとらえておいでになるのか。ということをお聞きいたしますのは、この予算書の中におきましても、原子力の軽水炉の安全性の問題、原研に安全性の研究というのが八十一億ある。あるいは通産省の方にもそのほかにございます。この安全性の研究なり追求というのは一体何をねらっているんだろうかということが疑問でございますので、お尋ねをしているわけでございます。 と申し上げますのは、初期の段階から五十年代の前期の段階で、ペレットの応力腐食の問題あるいは蒸気発生器の伝熱管の損傷の問題とか、あるいは大飯一号の場合にはECCSの誤動作の問題など、これは管理運営に関する問題でございますが、そういうようないわゆる初歩的なミスというものがあった。しかし今日においては、そういう稼働率が高まっていく中で、設備利用率が高くなる中で一体どういうふうな問題があるんだろうということでいろいろ調べてみますと、原研の安全性の研究のテーマというのが四つ並べでございます。一体それをどういうふうに原子力の安全性の問題で今後追求しようとしているんだろうか。それとも軽水炉の改良型の問題が出てきているから、そちらの方に安全性の問題は移っているんだろうかというような気がいたしますので、そこら辺の現状をどのように認識し、どういうふうに重点を予算的に執行しようとしているのか、説明願いたいと思います。
○中村(守)政府委員 軽水炉の安全性の確保につきましては、過去に起きました事故や故障の経験を貴重な教訓としてそれを適切に生かすということは当然のことでございまして、こういう積み重ねが今日の高稼働率の達成にもつながっているわけでございますが、一方、安全研究によりましていろいろな現象、トラブルあるいは安全審査上予想されますさまざまな事故、そういったものに対してどういう現象が起こるのかということの論理的な追求、実験、そういったものによりまして安全審査にその成果を反映させるということで、設置許可あるいは工事認可、そういう過程において安全審査の結果で厳重な審査をするというようなこと、いろいろな経験を生かしてきたという教訓と相まちまして今日の安全性の確保が図られてきておるわけでございます。現在まで安全の審査等に使いますいろいろな計算コードというものもございますし、過去の知見に基づいて基準ができておりますが、安全性の確保という点につきましては常に最新の知見に基づいてこの解析をする必要がございますし、過去のいろいろな評価指針等の中には、ある意味で安全ファクター的な要素でカバーしている分野もあるわけでございます。そこら辺を実験によって解明して、より精緻な評価ができるように、これは単に今の原子炉の問題だけでなくて、今後いろいろ改良されてくる原子炉も出てくるわけでもございますし、そういった変化にも対応していくためにも緻密なデータの取得ということが必要なわけでございまして、そういう意味でさまざまな安全研究をしておるわけでございます。 これまで原子力研究所の成果がどういうところに反映されたかということについて二、三申し上げますと、例えば原研で行っております冷却材喪失事故時の熱水力の挙動についての研究の成果というものは、軽水炉におきます緊急冷却システム、通常ECCSと言っておりますが、そのECCSの性能評価指針というものにその妥当性を検証している。あるいは軽水炉の原子力研究所のNSRRという原子炉によります事故時における燃料の挙動解析、こういったものの成果は、反応度事故時の燃料挙動についての指針でございます反応度指針の策定に活用するというようなことで今まで反映してまいっておりますが、安全性については、より一層の安全性を確保する、あるいはALARAの精神によりまして被曝評価の低減を図るという、今後ますます安全性の向上を図っていくという点からも引き続きこれらの安全研究について推進をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○谷口説明員 最近の原子力発電所における従事者の被曝の実態について御説明させていただきます。 発電所におきます従事者の被曝線量につきましては、御案内のように、法令で定められた許容被曝線量の厳守はもちろんのこと、可能な限り被曝線量を抑えるということで電気事業者を指導してまいりまして、特に先生御指摘の軽水炉の改良という点では、配管とか制御棒の駆動機構の材料あるいは点検方法等について自動化あるいは遠隔化を図るとともに、作業環境の改善のために設備の除染を行ってきております。こういう結果、プラントのトラブルの減少に伴う保修工事の減少ということも相まって、被曝線量は近年低減化傾向を示しております。非常に長い期間をとりますと、先生御指摘のように、日本で基数の増大に伴いまして総被曝線量はふえておりますけれども、最近の四、五年を見ますと、昭和五十五年度以降、例えば昭和五十五年全体で一万二千七百四十七人レムの総被曝線量に対しまして、五十八年実績で一万一千八百六十七ということで、毎年漸減傾向で低減しておりますし、この間、発電所の基数は二十二基から二十七基にふえておりまして、一炉当たりの一年間の総被曝線量という観点で見ますと、五百七十九人レムから四百四十人レムということで、さらに着実に低減化しております。さらに従事者一人当たりの被曝の量につきましても、五十五年の〇・三五レムに対しまして五十八年度〇・二六レムということで、着実に下がっております。 今後、通産省としましても、一層の保修作業の効率化とか最近のロボット技術等を活用しました自動化、遠隔化を進めますとともに、作業環境の改善、特に放射性物質が発電所内に余り存在しない形で管理をするということも含めまして、作業員の被曝をより一層低減してまいる所存でございます。
○村山(喜)委員 今、原子力局長のお話では、現在使われている軽水炉の分まで含めた対象として、これから改良型の軽水炉の問題も出てくるわけでございますが、そういうような問題は対象の区分はないという意味に受け取ってよろしいんですか、安全性の研究の問題は。
○中村(守)政府委員 特定の改良型の炉というようなことでの研究というよりは、むしろ軽水炉全般に関します研究でございまして、例えば冷却材喪失事故というようなことをとらえましても、特定の今考えている改良型の炉だったらこういう構造になるから、その構造だったら冷却材喪失事故はどうなるか、こういうような研究ではございません。もう少し一般的な研究でございまして、その成果というのは軽水炉についての基礎的な計算、いろいろな安全性を確認するための計算コードがございます。この計算コードというのは、従来とかく理論的に構成されておりまして、実験的なデータが不足しているようなものもございます。そういうことで時には安全ファクターを非常に多くとっているようなところもございますので、そういった点はむしろこういう実験結果をはっきり出して検証する。そうすることはパブリックアクセプタンスを得ていく上にも必要でもございますし、同時に、場合によってはその安全ファクターの低減ということにつながる。さらには、今後考えられます改良型炉を考えていくときに、安全審査をするときに、新しいアイデアが出てきたときにそれで十分かどうかをチェックするということにも役に立つものでございます。そういうような考え方で研究を進めております。
○村山(喜)委員 予算の上では、安全性の研究は原研分が八十一億、それに安全関係の行政関連経費が二十億五千万、原研における主要な研究テーマは今、局長言われた冷却材喪失事故の問題、燃料安全の問題、それに構造安全の問題、その他ということでテーマは決まっているようであります。計算コードの問題は通産省の予算の関係じゃございませんか。
○中村(守)政府委員 通産省の方でいろいろ計算コードの関係のことはやっておりますが、これはむしろコードを整備するということでございまして、実際の新しいコードを開発する、そういった意味での研究開発は原研が中心にやっておるわけでございます。もちろん原子力研究所のやっておることは計算コードだけの研究ではございませんで、もろもろの現象の解明ということでの研究をしておるわけでございます。
○谷口説明員 安全解析に関しますコードの改良あるいは安全審査に際しますクロスチェックということで、通産省におきましてもコードの改良につきましては五十九年度で二十三億強、六十年度で二十四億強の予算を予定しております。 それから、ついでに被曝の低減化の関係につきましては、通産省におきまして自動検査装置等の実証あるいは確証という形で従来から技術の実証、確証に努めておりまして、実際の現場にもこれが適用されておりまして、先ほど御説明させていただきました実際の被曝低減化に貢献しているところでございます。
○村山(喜)委員 そこで、最近、原子力発電所のコストダウンは、企業側からの要請といいますか、御承知のようにほとんど石炭火力と変わりがないくらいの状態に立ち至った。原子炉を考えてみると七五%はそういう施設関係の経費であるということから、今にわかにコストダウンの政策が強まってきた。そこで、一体どういうような形の中で七五%のコストダウンをやるんだということをいろいろ調べてみますと、工期の短縮とか、あるいはプラント標準化への徹底とか、あるいはツインオーダー方式による発注とか、あるいは同じ仕様設計の採用であるとかというようなことによってコストダウン政策をとっている。同時に建屋サイズ、それから容積比率が小さくなっている。これは一体安全性の上でどういうふうになるんだろうかということが私は気がかりでございます。 そこでお尋ねをいたしたいのは、日本型改良標準化の第二次計画、五十三年から五十五年の間に行いまして、その間にスリーマイルアイランドの事故の問題も発生をした。そういうような中から、改良標準化炉の問題は稼働率の向上と定検日数の短縮をもちろんねらっていましたが、従事者の被曝線量を低減をする。そのためには作業スペースを広くとって、そして、そういうような被曝に対する重装備を図りながら、在来型の五〇%に被曝線量を低減をするんだということで進められてきたと私は思っているわけです。標準化炉にも、私も福島の炉に入りましていろいろ見たこともございました。ところが、今度の特に電力会社側からの要請というのはそうではなくて、これは通産省が進めようとしているわけでございますが、第三次の標準化計画というのを見てみますると、八十%以上の稼働率というものを考える、定検は六十日以内に済ませるというようなことで、アドバンストタイプの炉を採用しようということで計画が立てられているようでございます。時あたかもそれと並行をいたしまして、電力資本の側にそういうような建設費のダウンを図りながら採算性を向上をさせようという計画が一方において進んでいる。とするならば、今私が指摘をいたしました建屋サイズや容積比率が小さくなっているというような状態が、第二次標準化炉の場合には安全性を最も重視していこうじゃないかということでつくられたものが、第三次あたりになってまいりますると、その面に対する重点の置き方が失われているのが出てくるのではないかと思われますが、それらに対してはどういうふうに処理をされようとしているのか。
○上村説明員 先生御指摘の第三次改良標準化計画を資源エネルギー庁で昭和五十六年度から六十年度までの予定で進めておりますが、この内容は改良と標準化との二つを含むものでございまして、先生御指摘のアドバンストタイプのBWR、PWRは第三次改良炉と位置づけているものでございます。この開発に際しましては、被曝の低減も重要な開発項目でございまして、あわせて運転性能の向上でありますとか、あるいは負荷追従運転ができるような性能のものというような新たな性能を含めまして開発しているものでございます。 この開発に際しましては、被曝の低減のために、例えば新型BWRにつきましては、最大の改良がインターナルポンプの採用でございます。これは原子炉圧力容器の底にポンプをつけることによりまして、BWRで応力腐食割れ等が発生しました一次系のループがなくなってまいる。したがいまして、この一次系のループの点検でありますとか、そういったことで従業者が被曝しておりましたのが大幅に低減されるわけでございます。また改良型のPWRにつきましては、放射性のさびの発生を少なくするような材料でありますとか、それを除去するような対策というものを追加いたしておりまして、私ども新型軽水炉の開発によりまして被曝低減の面でも大幅な改良が図られ、むしろ従業者の被曝線量は低下する、こう考えております。
○村山(喜)委員 そこで確認をしておきたいのですが、第二次標準化改良炉においては在来型の五〇%の低減を目指した。第三次はどういうふうに目標値を定めているのですか。
○上村説明員 この目標値につきましては、現在この開発の過程で検討しているわけでございまして、現在のところ在来型に比べて何%の目標値というものは設定いたしておりません。
○村山(喜)委員 やはり安全性を重視していく立場を放棄しないでもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 そこで、玄海原子力二号機の問題でございますが、新聞にも出ましたように日本においては初めて四百十五日の長期運転をやった。そして定検は六十日で、炉を停止した期間は六十日であったというのが新聞にも出まして、九州電力の技術の担当者に来てもらいましていろいろと内容をお聞きをいたしました。その中で、また通産省の原子力の担当者とも話をいたしたわけでございますが、四百十五日間の連続長期運転、設備利用率は八三・八%というすばらしい成績を上げているようでございますが、一体こういう長期運転ができるのにはいわゆる燃料の取りかえ本体の数がどれくらいになっているんだろうかというので調べてみると、約四〇%を取りかえている。そして、新しい燃料は外の方に置きまして古いものは内の方に入れていくリアレンジ方式をとっている。それと同時に三・四%の濃縮ウランを使用をしている。長期運転をそういうようなことで図っているんだということがわかったわけでございますが、そういうようないわゆる燃料の取りかえ本体数が、率が多ければ、これは非常に長期運転ができるということになるわけでございます。しかし三年、三回のサイクルによりまして、そして後、使用済み燃料の再処理という方向に持っていく、そういうことからいいますと、四〇%の取りかえを繰り返していたら、初めのうちは効率がよろしいが、そのまた四〇%取りかえていきますと燃料本体に問題が出てくる。それから三・四%、割合高い濃縮度でございますが、それを長期運転をしてまいりますると、当然のことながら燃焼度率というものは高まらざるを得ない。 そこで、この玄海二号の使用済み燃料の再処理は一体どこでやるんだろうかということで調べてみましたち、これは東海村に頼むわけじゃございません。ヨーロッパですね。その場合に、東海村の再処理工場のいわゆる最高のMWDのトン当たりの数字というものと、それから海外処理工場の場合の最高値とは違いがあるということがわかったわけでございます。そこで、燃焼度の契約というのはどういうふうになされているのか、そしてまた、もう定期検査を終えているわけでございますから、実際のその燃焼度というものはどれくらいの数値を示しているのか、それについてまずお答えをいただきたい。
○谷口説明員 先生御指摘のように、玄海の第二発電所におきましては、一昨年の六月四日から昨年の五十九年七月二十二日まで四百十五日間の運転が行われておりまして、この運転後におきます燃料集合体の最大燃焼度は三万六千九百メガワット・デー・パー・トンになっておりまして、炉心平均全体では二万二千、それから取り出し燃料だけに注目していただきますと約三万一千六百という数字になっております。先生御指摘のように、運転サイクルを長目にした場合は、取りかえ燃料の体数をふやす話と濃縮度を上げまして燃焼度を上げていく話とのバランスの上で最適なものを決めていくという対応をとっております。
○村山(喜)委員 そこで、最高が三万六千九百ございます。そうすると、東海再処理工場の場合には、こういうようなものは現在の段階においては再処理はできないというふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
○中村(守)政府委員 東海再処理工場の許可上の数字といたしましては、最大の燃焼度が三万五千メガワツト・デー・パー・トン、こういうことでございますので、三万六千ということになりますと現在の許可上はできないということでございます。
○村山(喜)委員 これはしかし、今後第二民間処理場として青森県の方につくろうとするものは、最高値四万までできるようなものをつくろうという計画でございますか。
○中村(守)政府委員 まだ最終的にどの程度の燃焼度にするかということを決定しているわけではございませんが、今先生御指摘の数字は、おおむねその前後の数字になろうかと思います。
○村山(喜)委員 東海村では今実験をやっている、その段階の中で溶解槽のピンホール問題が出てきたりしているという状況の中で、新たに国産のR12ですかをつくって試運転に入っているというふうに聞いております。在来のものは補修をしてR10、11が使われているというふうに聞いておるわけですが、もちろん再処理をする場合には、燃焼度の高いものについては遮へい等を考慮した再処理工場というものを念頭に置きながらやらなければならないわけでございまして、二百十トンクラスの東海の再処理工場に比べたら規模が八百トンと大きなものである。しかも、これからのそういうような長期運転あるいはウランの濃縮度を高める、こういうことによりまして当然のことながら燃焼度は高まっていかざるを得ない。とするならば、それの再処理をするのに東海村の基準程度のものよりも高いレベルのものを考えなければ再処理は国内においてできないということになるはずですから、それははっきり決まっておりませんというのは一体どういうことなんでしょう。
○中村(守)政府委員 まだ正式に設置許可申請が出ているわけでもございませんので、そのような意味で最終的な数字を申し上げておらないわけでございます。
○関委員 関連して。 今の質問について、私どもの青森県に示している内容によりますと、八百トンの処理に当たっては燃焼度四万八千から五万五千まで出ているでしょう。今、村山さんの質問で四万ぐらいかと言ったら、その程度だというのはどういうわけですか。きちんと明確に表示されておりますよ。この点はごまかさないでください。 それから、今日本においてやっているのはほとんど燃焼度二万七千でしょう。そういうところでやっているんじゃないですか。それを三万五千までやれるからといって三万五千や三万六千のものをやっておりますか。二万七千かそこらでダウンしているから、その後の始末をどうするかといってまた悩んでいるんじゃないでしょうか。燃焼度の問題についてだけきちんとした――今の電事連から示されている現地における説明だけは科技庁として承知しておいてくださいよ、そんな四万程度なんといういいかげんな話じゃなくして。その点だけ答えてください。
○中村(守)政府委員 私ども、まだ正式な手続をもらっておりませんのでそういうように申し上げたのでございまして、電気事業連合会が現在現地の方で御説明している数字といたしましては、平均燃焼度四万五千メガワット・デー・パー・トン、最大燃焼度五万五千メガワット・デー・パー・トンでございます。東海再処理工場におきましては、最大が三万五千メガワット・デー・パー・トンでございまして、設置許可上、平均は二万八千メガワツト・デー・パー・トンということでございます。現在までの処理実績の中で最大のものは三万四千五百メガワツトニアー・パー・トンのものを処理しております。
○村山(喜)委員 やはり数字は正確にお答えをいただいておかないと、科学技術の問題でございますから、いいかげんに処理をしてまた東海村と同じような事故が発生をして操業不能に陥ったのでは困るわけでございますから、その点は明確にこれからもお願いをしておきたいと思います。 そこで、これに関連する問題も他にございますが、再処理に当たりまして今ピューレックス法による再処理が行われておるわけでございますが、これはまだ確立された技術であるとは我々は見ていないわけでございます。そこで、一体どういうような問題が今最大のネックとなってこの問題の行く手をまだ妨げているといいますか、解決ができない問題はどこにあるのですか、その点をまず明らかに願いたいと思います。
○中村(守)政府委員 現在の東海村の再処理工場がトラブりまして運転を停止するというようなことはい溶解槽とか蒸発缶といったいわば高濃度の硝酸液を処理するところの設備におきまして溶接部分にわずかな傷が生じて、そこから内部の放射性を持った物質が漏えいするということが問題としてございまして、これの修理に手間暇がかかるということで、こういう腐食が起こらないような材料の選定あるいは溶接法というものが一つの大きな問題でございまして、それを克服するために新しい材料で、日本独自の技術をもちまして現在溶解槽R12というものをつくったわけでございます。 そのほか高燃焼度化に伴う問題といたしましては、燃焼度が高くなりますと酸に対して溶けがたいものが出てまいりますので、これがいわば目詰まりの原因になるというような点、あるいは燃焼度が高くなりますと当然のことながら物質の放射能が強くなりますので溶媒の劣化が進む、そういうようなことでございまして、これらの点を改善していく必要がある、そういうぐあいに理解しております。
○村山(喜)委員 そのほか突沸現象、いわゆる飛沫が飛び散る現象が生じてストップになるというようなことはございませんか。
○中村(守)政府委員 今先生の御指摘の点は、私どもちょっと耳なれない言葉でございまして理解しがたいわけでございます。申しわけございません。
○村山(喜)委員 突出の突に沸騰の沸です。その現象はございませんか。なければ、また後でお調べをいただきたいと思います。 燃焼度が高まる中で、今もお話がありましたように、ウラン232という放射性物質が再処理に当たりまして出てくる。ちょうど埼玉大学の教授で高島洋一先生、原子力安全委員会の核燃料安全専門審査会長をしていらっしゃるわけでございますが、八二年の二月、原子力学会のシンポジウムで、非常に放射性の強いウラン232が燃え残りのウランの中に混入をするので、これの再処理という問題はなかなか難しい問題があるのだということを指摘されたのを読んだことがございますが、その問題は先ほどの局長の高いレベルの放射性物質という中に入るのでしょうか。
○中村(守)政府委員 先生御指摘のように、出てきますものの中には確かにウランの中でも放射性を有するものも出てまいるわけでございますが、相対的な比率につきましては非常に少ないわけでございます。放射能が高くなったらどうするのかということにつきましては、再処理するまでの時間の半減期による低下を待って再処理をするとか、そういうような方法が考えられるわけでございます。
○村山(喜)委員 その問題はこれからの安全性の問題として今後さらに論議をする場があるだろうと思いますので、おいておきたいと思います。 もう一つは、電源構成上の原子力発電の限界問題について私は論争をいたしたいと思いましたが、時間がございませんので、これは後日に回したいと思います。 そこで、非常に重要な問題であります国際協力という言葉が大臣の所信表明の中にも出てきております。そこで、東海村の再処理施設の運転に関する日米の今日の交渉の状況は一体どうなっているのだろうか。特に岩動長官の時代にはアメリカまでたしか行かれたと思うのですが、東海再処理施設の運転の期間をとりあえず一年間延長するとともに、その間恒久的解決へ向けて協議を継続することで合意をしたというのが去年の十月。これは一年間ですから、また一年刻みでやっていくのかどうかという問題が当然ございます。再処理に当たりまして、いろいろ聞きますと、イギリスやフランスに送る場合には、これは委託も対象になっているわけでございますが、自動的にアメリカは同意をするということで、日本との取り扱いの上において差が依然として残っているという状況にあるというふうに聞いております。一体この問題にどういうふうに対処されるか、これは大臣からお答えをいただきたいと思います。
○竹内国務大臣 ただいま先生御指摘のように、これは大変に重要な問題でございますが、現状はどうなっているかと申しますと、いわば水面下の接触が行われている、こういう状況でございます。事柄のいきさつは先生は詳しいわけですから、私からあえて繰り返して申し上げませんけれども、我が方としては、東海再処理工場の運転継続を含め、再処理問題につき日米間で予見可能性があり、かつ信頼性のある包括的な取り決めを合意すべく、これまでもアメリカと協議を進めてきたわけでございますが、先生御承知のように、アメリカには核不拡散法という立場からのまた主張がございまして、なかなか現在のところその主張がかみ合ってない、こういうことでございまして、今の段階ではその両方の交渉を表に上げてくるという見通しがまだ立っておりません。
○村山(喜)委員 恒久的な解決を目指して、とりあえずの措置で今はやっている。これは東海村における運転実績との関係はないのでしょうか。というのは、一年間に二百十トンの処理をしよう。ところが五十九年三月まで数年間かかりまして、これは五十二年の九月からやっているわけですね。五十三年、五十四年、五十五年、五十六年、五十七年、五十八年と、累計で百七十四トンしか処理ができていない、実績としてはそういう数字があるわけですが、アメリカの核不拡散の配慮ということで言うならば、日本は信頼が置けないというふうに見られているのですか。それとも東海村の実績というのが異常に低いじゃないか、それだけまだ技術的に評価できない段階に日本はあるというふうに見ているからですか。どちらでしょう。
○中村(守)政府委員 現在の東海村の再処理工場につきましては、アメリカ側も再処理工場の最大能力でございます二百十トンの運転をしてもよろしいということになっておるわけでございまして、技術的な問題ということではございません。これはアメリカの国内法でございます核拡散防止法によりまして行政府が議会から、いわば新しい協定といいますか、従来の協定を変えて核不拡散法のいろいろな要件を充足するような協定に直すべきだ、こういう義務を負っておりますので、その協定の改定を日本あるいはECに迫ってきておるわけでございます。その一環として、この再処理問題につきましても、これを一つのてこにして今アメリカは日本に対して協定の改定を迫るというような状況にあるわけでございまして、技術的な問題でどうのこうのということではございません。 それから東海村の再処理工場につきましては、五十六年のときに東海再処理工場についてとめる意思はないということをアメリカは政府筋から漏らしておりまして、今の包括合意といいますか、可能性があり、かつ信頼性のある包括的な取り決めを結ぶべく今いろいろ折衝をしておるわけでございます。この折衝並びに協定の改定に関連してくるわけでございますが、合意を取りつけるための交渉を誠意を持って両国とも進める、誠意を持って進めている限りはアメリカも東海村の再処理工場をとめるというようなことには出てこない、そういうぐあいに私どもは理解いたしております。
○村山(喜)委員 ロンとヤスということが言われるくらい仲がいいのに、事この再処理の問題についてはいつまでも一年限りの処理で、恒久的な解決ができないでおる。そして六ケ所村に第二再処理場をつくるということは、それだけが決まって、ピューレックス法によって処理をするということだけが決まっておるというような状況の中にあります。原子力のサイクルを考えてまいりますると、再処理のところで完全に行き詰まって目詰まりをしているというふうに見なければならない。だから、軽水炉をどんどん効率よく発電をさせてまいりましても使用済み燃料は堆積をし続けているというような形の中で、この問題が基本的に解決をしていないところに問題があるんだと私は思うのです。そういうような意味において、先ほどは事務的な下の段階の交渉にとどまっておる。客観的にはそうでしょう。長官はどういうような気持ちでこの問題に取り組もうとしていらっしゃるのか、所見をお伺いしておきたい。
○竹内国務大臣 ただいま先生お示しのような恒久的解決が何としても望ましいわけでございます。したがいまして、私といたしましては、今先生御案内のように、日米間に経済摩擦の問題が沸騰しておる最中でございまして、その時期にこの問題を持ち出すのはいかがかなという判断もございますので、日米間の経済問題が一段落したときの雰囲気によっては次の何かアクションを考えようかと思案をめぐらせている最中でございます。
○村山(喜)委員 思案中であるということですからここでこれ以上聞きませんが、もう一つ国際協力の問題では日中原子力協定の交渉にかかわる問題がございます。 これは、研究分野については人的交流をやりましょうという段階から、設備移転を伴わない研究段階から平和利用の目的に限定するという問題からいろいろございますが、一体今日これがどういうふうに動いてきているのか、特に中国の主権の主張の問題もかかわりがあると聞いておりますし、事務レベルで話し合いをされているということも聞いております。最近は外電の記事によりますと、中国側は慎重にこの問題については対処したい、原子力発電は一定の限界を置いてこれからは取り組みをして、今、秦山ですかにおいて計画はされているが、それ以外のものはもう考えていないんだというような意味の記事も見ました。そういうような意味において、この日中原子力協定というものは国際交流の中でどういうふうに位置づけながら今後展開をしようとしていらっしゃるのか、この点について明らかにしていただきたい。
○中村(守)政府委員 中国は日本との原子力関係についての協力ということを非常に望んでおりますし、私どもも我が国の隣国としての重要な国である中国とはいろいろな面で御協力していきたい、こういうことで原子力協力協定の締結について両者とも誠心誠意事に当たっているわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、中国にしろ我が国にしろ、相互の主権に絡む問題につきましてはいろいろ厳密な詰めが必要なわけでございまして、今日までその最終的な妥結に至っておらないわけでございます。昨年の十二月に東京で交渉をいたしまして、かなりお互いに理解し合ったところでございまして、ただ表現上の微妙な点でなかなか折り合いがつきませんで、一応中国筋も本国に帰って相談の上、改めて交渉しようということになっておるわけでございます。そういう意味で、今後ともできるだけ速やかに両国の間で折衝を進めて妥結に持ち込みたい、こう考えておるわけでございます。協定はあくまでも包括的なものでございますから、必ずしもその協定が結ばれないから何もしないということではございませんで、我が国の外国との協力の精神に反しない範囲で、お互いの情報交換とか人的交流とか、そういうものを大々的ではございませんが進めておるわけでございます。 ただ、私どもとしても一刻も早く日中の間でその協定の締結ができればよいと思っておりますし、先ほど先生御指摘のありました中国が原子力発電に慎重になったということはございませんで、最近でも中国からのいろいろな情報では、中国は非常に電源が偏在しております。水力発電所にしろあるいは石炭の産地にしろ非常に偏在しておりまして、あれだけ広大な国でございますから、輸送というものが非常に大きな問題である。そういう意味で、原子力発電というものには今後とも積極的に取り組んでいくという情報を私どもは得ておる次第でございます。
○村山(喜)委員 時間がまいりましたのでこれで終わりますが、原子力の燃料問題から始まりまして再処理の問題、これが一番のネックになりまして再処理技術というものはまだ確立をされていないと我々は判断をいたしております。それを試行錯誤で努力をしながら、人間がコントロールしつつ今研究中だ、こういうふうに見るわけでございます。したがいまして、それが今後どういうふうに発展をするかということは、いろいろ注目をしなければならないわけでございます。最近あらわれております電力業界の動き等を見ておりますると、この際コストダウンを図りながら、経済効率を重点に置いて、あわよくば日本の原子炉を外国に売り出したいということに重点を置きながら、安全性の問題やその他のこういう再処理の問題等は放置をするようなことになるならば、これは極めて重要な問題でございますから、そういう点について、特に安全性の問題は、先ほども目標値を定めるべきであるということを言っておきましたけれども、第三次の改良炉の場合は長官もぜひそういう点に御留意をいただきましておやりをいただくことを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○鳥居委員長 小川泰君。
○小川(泰)委員 きょうは、長官の所信表明ということを主体にして若干お尋ねをさせていただきたいと思います。 今までの質問の中でしばしば出てまいります、ついせんだって十一月の科学技術会議の答申、これもいただきましてずっと一読をさせていただきました。なかなか広範多岐にわたりまして、長期的なことも踏まえて、あの答申というものはこれからの方角を占うのになかなかいいなという印象を実は私は持っております。それだけに、ああいう答申をこれからある程度時間をかけて実施に移していくということに恐らくなってまいると思います。そこからが大事なところでございまして、基本的にこの科学技術、国際的にも大変大事だ、とりわけ何もないような日本ではこれから大変重要なウエートを持ってくるのだ、こういう意味合いで長官の所信の冒頭にも出ております。 そこで、あのようなものを具体的に進める場合には、大体三つぐらいのポイントがあるのではないかというふうに私は思います。その一つは、人材という立場からどうこなしていくか。二番目の問題は、一つのものを進める場合の推進体制といいますか、組織というものがどのように有効に組まれるか、これが二番目のウエートであろう。三番目には、そういうものを進める場合にはどうしてもそこそこの費用がかかる、その資金。この三つが具体化のための一つの大きな柱としてなければいけない、こんなふうに大筋考えておるわけであります。そこで、その一つ一つについてちょっとお伺いを申し上げたいと思うのです。 最初の人材の育成というところから始まりまして、よく考えてみますと、賛否はありましたものの、戦後四十年たちまして、日本のこれから将来を卜する意味で、教育という問題で教育臨調というものを設けて今検討に入っておる。そういう人間の持っておる大変優秀な能力というものを最初から引き出すような体制、まずこういうものから発想されていきませんといけないのではないかということが一つであります。それから、そうしてでき上がってくる能力をどうやって発揮させるかというところにその次の問題があろうかと思います。発揮させるためにはいろいろな手だてが必要かと思いますが、そこら辺について、漠然としておりますけれども、ちょっとお気持ちをお聞かせ願いたい、こう思います。
○竹内国務大臣 これからの科学技術振興のため人材の育成が大事ではないかという先生のお示しに私も全く同感でございます。いわば高い山をきわめるためには優秀なアタッカーが必要であります。また、そのアタッカーを支えるベースキャンプの設定から始まりまして、いろいろサポートしていくサポート陣営においてもしかるべき人材を得ることがやはり同等に重要だろう、こう私は思っておりまして、そういう人材の育成ということだと何としてもまず教育の問題だということは、私も全く同感でございます。先生ただいま一読願ったという十一号答申、この答申の中心になっていただいた方のお一人が岡本先生でございます。ですから私は、多分岡本先生、教育臨調の方の御審議の過程の中におきましてもそういった面には十分気を配っていただけるのではないか、こう思っております。 なお、科学技術庁がやっておることで申し添えますと、御案内のように創造科学技術推進制度がありまして、これはいわば全く人中心に一つの仕組みを考えるわけでございます。産学官の連携を推進するという意味で、それぞれの持っておる壁を超えて人を中心に、特に中心となる座長に立派な人を置いて、五年の研究期間の間に一つの結果を生み出したい、こういうことで、私たちとしてもまた人の育成のみならず能力の発揮という場につきましてもこれからもさまざまの努力と工夫を重ねてまいりたいと思います。
○小川(泰)委員 この論議は、一つ一つ具体的な問題の段階でさらに議論をしたりあるいはお互いに協力していかなければならぬ問題だなと思いますので、この程度でとどめます。 次に、推進体制あるいは組織体制の充実あるいは過去やってまいったものに対する見直し、こういうものが硬直化しないで極めて弾力的にこれから運営されていかなければいけないというふうに感ずる一人であります。その際に、これも抽象論で大変恐縮なんでありますが、大きな機構あるいは長い間進めてきた組織、こういうものに起こる弊害として、何か一つの目的を進めようとする場合に、その目的遂行のためにつくったはずの組織が、組織そのものが目的みたいな錯覚にだんだん陥って、それを運営している人間の方が、何か組織があるとそこへ人が来るんだというふうな、知らず知らずのうちに逆転現象に陥る弊害が管理社会化されるような世の中ではしばしば見受けられる、このように私は思うのです。そういうことを憂える余り、ましてや今長官が言われたような創造性、こういうものを大事にしていこうという科学技術に関する組織については、もう一度過去のものもしっかり見直して、将来のものに向かっても余りこだわらぬようにして弾力的に、時には大胆に改革をしていくというふうな姿勢がこの際大変大事ではないかなというふうに思うのですが、所信をちょっと聞かしていただきたいと思います。
○竹内国務大臣 先生お示しの点は全く私も同感でございますが、一口で申し上げるならば、科学者なりあるいは研究者が自由に研究を行える、そういう雰囲気というものを確保してあげるのが大事であろうと思います。その雰囲気を単に雰囲気にとどめないしっかりしたものとなると、また組織論ということになろうかと思うのでありますけれども、組織の運営に当たって一番懸念すべきことは組織が動脈硬化することだと思いますので、そういうことのないように絶えず点検もしなければならぬし、あるいは場合によってはやっているところの研究評価、この面からのまた見直しとか、そういうことで先生のお示しの目的に頑張ってみたいと思います。
○小川(泰)委員 次は、費用、資金の問題に入らしていただきたいと思います。 年々、国家予算の中の科学技術分野という格好で連続性を持ちながらも、国の持てる財源の中でということで御苦労を願っておるのはわかるのでありますけれども、後でもちょっと関連の立場から御質問申し上げますが、今申し上げたように、科学者の自由ということを創造性へ向かって大事にしようという裏づけには、相当な資金が余り制約されないで用意されるということが大事じゃないか。御案内のように、日本の優秀な技術者が海を渡ってさらに自分の研究を続けようというときには、研究しやすい方へ行きがちな嫌いもありますね、一つの例としては。そういうことでは大変まずいのでありまして、国とかあるいは公のものとか、さらには私的なものであるとか、いろいろな事柄の資金の調達の方法といいますか。意の方法があろうかと思って私見ているんですが、結論からいって、そういうものをしっかりと有機的に活用させる、これがどうも欠けておるんではないかな、私はこういう気がいたしますので、その辺の長官の気持ちをちょっと聞かしていただきたいな、こう思います。
○竹内国務大臣 先生まず冒頭に人材、組織、そして三点目に資金という御指摘をいただいたわけでございますが、我が国の研究開発投資の額も、一九八三年度でございますけれども六兆五千億、こうなっておりまして、世界の順番で申し上げれば第三番目という地位にありますが、アメリカなんかと比較いたしますとけたが違う、こういう感じでございます。そして、さらに我が国の研究開発の場合の問題は、決して十分でない額でありますけれども、その中の内訳を見ますと政府の負担割合が非常にまた小さい、約四分の一、こういうことでございまして、何としてもこれから充実を図ってまいらなければならぬわけであります。しばしば引用いたします十一号答申におきましても、我が国の研究開発投資水準を当面は対国民所得比三%、さっき申し上げました六兆五千億の場合には国民所得比二・九五%でございますけれども、当面は三%、長期的には三・五%程度を目指して政府、民間ともどもその実現に一層の努力をする必要があるということを指摘しておるわけであります。私はこれはまことに重大な指摘だ、こう受けとめておりますので、額をふやすこと、そしてまたその中におきまして政府負担の割合もできるだけ大きくした上で、先生御注意の有機的な使用ということをまた十分考えてまいりたいと思います。
○小川(泰)委員 そういう三つの基本概念から発想いたしまして、より具体的にちょっとお尋ねを続けさせていただきたいと思うのです。 このごろ貿易摩擦まで引き起こしているほど日本の先端技術、こういうものが相当駆使されまして伸びていることは大変結構なことだと思うのですが、同時に、数字的にも諸外国との比較におきましても、これから一番大事にしていかなければならないし、おくれをとっているなという面で基盤技術という問題がある。これはもう先刻御案内のとおりだろうと思います。そういう基礎的な研究への取り組みも遅きに失した感がありますが、これからもしっかりしていかなければならぬという立場から一、二御質問を申し上げさせていただきたいと思うのです。 これは、私自身も勉強してみてまだ勉強不足でわからないのですが、基礎的な研究というものは、国や公的なもの、それから民間がそれぞれ一つの目標を立てながらそれへ向かって研究していくという両サイドがずっとあると思うのです。そういう場合にどこがどの程度の役割と責任を考えたらいいんだろうかな、こういうことをそろそろ組み立てなければいけない、こんなふうに思うのですが、お考えがあったらお示しいただくとありがたいな、こう思います。
○堀内政府委員 ただいまの国と民間との間の基礎研究の割り振りという問題でございます。これは非常に難しい問題でございまして、これまでのパターンを見ますと、民間は経済的価値のある実用につながる研究開発が主であった。それから国は行政上の必要に基づく研究開発、それから民間に期待しがたい研究開発、民間に期待しがたいというのは具体的に一体何だということになるわけでございますけれども、これは非常にリスクの高い先導的な研究でありますとか、あるいは非常に大きなプロジェクト、資金もかかる時間もかかる大きな研究開発、そういうのが国の役割、こういう大きな分担であったかと思います。 しかしながら、先ほど御指摘のとおりでありますけれども、最近我が国の科学技術の水準は非常に向上してきたということでございまして、それからさらに基礎研究が応用なりあるいは実用につながる距離が非常に短くなったということでございますので、民間の方におきましても基礎研究に対する興味といいますか関心といいますか、力の注ぎ方が非常に強くなってきたという実態でございます。しかしながら収益性の観点から、民間が基礎研究に力を入れるといいましてもおのずから限界があろうかということでございます。国としましても、基礎的研究面につきまして、この十一号答申で盛んに主張しておるところでありますが、まさに原理、現象に立ち返った、例えば物質にかかわる新しい現象の解明といったような非常に独創的な、いわゆる革新的な技術のシーズというものをつくり出す研究、こういったようなものは非常に難しいといいますか、時間もかかるし試行錯誤も非常に多いという点がございます。こういったようないわゆる次代の技術をはぐくむ土壌となるような研究につきましてはやはり国がなすべきではないか、こう一般的に考えておるわけでございます。もちろん、こういう点につきましては個々の研究テーマ、あるいは社会全体、経済の要請の度合い、いろいろなバランスを考えて、実際は個々の観点に立ちまして判定すべき問題だ、こう考えます。
○小川(泰)委員 それはなかなか難しい問題だと思うのですが、結果によってあるいは見返すものかもしれません。 そこで、具体的な研究開発の資金対策といいますか、あるいは誘導措置とでもいいますか、その方法として一つは税制があるんじゃないか、こういう感じがいたします。いわゆる技術開発促進税制みたいな考え方で本格的な検討に入られたらどうかということがあろうかと思います。 それからもう一つは、必ずRアンドD、いわゆる研究開発にはリスクが伴いますので、リスクマネー的な円滑な調達というものがいろいろなサイドからできないものかということも検討の対象に挙げたらいかがか、こんなふうに思います。 それからもう一つは、これは科学技術に限ったことではありませんが、ここの場でなじむかどうかは別といたしまして、寄附という問題ですね。何か税の面から見ますと、なかなか寄附もしづらいというのが一般的な日本の風潮なんだけれども、事こういう国の大きなウエートを占めるような問題については、そういうサイドから喜んでみんなが持ち合いながら、提供しながら、そしてそういう民族の行く末のためになるようなものに喜んで参加する、こういったような道すがらをもう一回検討の素材にのせて、できるところから手をつけていったらどうかな、こんな気が私はいたしておるのですが、いかがなものでしょう。
○竹内国務大臣 詳細はまた政府委員からあるいは補足説明をさせますけれども、先生今おっしゃったようなことは、実は昭和六十年度の予算においてある程度芽は出しておるのじゃないかというような気がいたします。リスクマネーにいたしましても、例の通産それから郵政で新しく始めるところにもそういう工夫がございますし、また今、国会で御審議をお願いしている税制の関係にもそういった面からの促進税制が考慮されてございますが、決して私もこれで十分だとは思いません。特にまた先生今お話しの寄附金の取り扱い、これは私も非常にうなずくところがございます。しかし、私も今すぐ、ではどういうことでという案は持ち合わせていません。ひとつこれは今後私どもの勉強の宿題にさせていただきたいと思いますが、詳しいことは政府委員の方から御説明申し上げます。
○堀内政府委員 先ほど御指摘のありました税制の問題、これは従来増加試験研究費の税額控除制度というものがございましたし、それから日本開発銀行の技術開発に対する融資制度というものもございました。先ほど大臣から御説明ありましたように、六十年度におきましてはエレクトロニクス、それからライフサイエンスといったようなある分野を選んででありますけれども、増加試験研究費の税額控除制度を拡充するというような制度もつくられましたし、それから先ほどの日本開発銀行の出資機能、それから技術開発にかかわる融資の機能というものも整備充実するということで今検討されていると思いますけれども、そういう方で努力が行われておるということでございます。先ほど大臣のお話のとおりでありますが、今後とも税制とか金融上の措置、いろいろ検討すべき課題があろうかと思いますので、今後検討したいと思います。
○小川(泰)委員 くどいようでありますが、どうも最近言葉が先走りましてなかなか実態がついてこないという風潮が出てまいりますので、この辺で科学技術庁長官あたりが先頭に立って、この辺はいろいろな技術、手法がありましょう、それは既存の枠組み、既存の手続、これは皆だめだというのじゃなくて、大事に活用していけばいいのでありますけれども、大骨としてそういう方向へぜひ指導していただくようにひとつ私から強く要望を申し上げておきたいと思います。 それでは次の問題として、これは通産省とも関係があると思いますが、恐らくそういう流れの中の一つとして、別の方に基盤技術研究円滑化法というものが今実は上程されております。あれを見ますと通産、郵政所管みたいな感じに実は限られておりますが、当然にこれは科学技術庁も関連されたと思います。どんな関連をされたか、ちょっとだけお伺いしたいと思います。
○宇賀政府委員 ただいま御審議をいただいております基盤技術研究円滑化法案についてのお尋ねでございます。 御案内のように、科学技術庁は我が国の科学技術を総合的に推進するという責務を担っておるわけでございますが、もとより科学技術庁だけで我が国の科学技術振興全体ができるわけではございませんので、先ほどもお話に出ました科学技術会議で定められました基本方針に沿って、あらゆる官庁がその所管所管の立場で自分の責任範囲の科学技術の振興を図っていく、持ち場持ち場で責任を果たしていくということが全体の骨組みではないかと思っております。 そこで、科学技術会議が定めました基礎研究の強化という基本方針、基本戦略に沿いまして、たまたま通産省と郵政省におかれましては、その所管されております鉱工業技術とかあるいは電気通信の技術、この分野では特に技術革新の変化が激しく、かつ民間のニーズが高いということで、その分野におきます民間の研究開発も円滑化し促進をする、そのために一連の措置を講ずる必要があるということで今回のような法案を立案されたものというふうに考えているわけでございます。したがいまして、その他の分野につきましても、いろいろニーズが出てまいりますれば当然そういう点もいろいろの措置をとるということが必要になってくるかと思いますが、当庁としては先ほど申し上げましたように全体の総合調整、総合的に推進するという役割を担っておりますので、今後立案あるいは実施の段階におきまして十分連絡をとりながら遺漏なきを期していきたいというふうに考えております。
○小川(泰)委員 あれをちょっと勉強させていただいて、私も一つの方法、一つの前進的な方途がなと思いますが、私の気持ちとしては、ああいうものも包括して、できれば長官の所信の冒頭にありますように国全体がそんなに科学技術が重要なんだというならば、ひとつ元気を持って、ああいうものまで包含できるようないわゆる技術開発推進機構みたいなものへ私は一歩、二歩と前進さしていただきたいなと思います。本来ならこういうものの中身についてもっともっと御提言も申し上げたいし、細かく話もしたいと思いますが、そんな意気込みでひとつこれから科学技術庁としてぜひ取り組んでいただきたいということを強く要望を申し上げておきたいと思います。 続いてもう一つの点でありますが、これは極めてリアルな話なんです。近年いわゆるコンピューター技術であるとかエレクトロニクスとかどんどん実用化の段階へ入ってまいりました。それが産業、企業、生活の分野にずっと入ってくる。とりわけ産業の分野を見てみますると、どうしてもロボットなり何なりが入ってきた場合に、雇用という問題と技術革新の結果とのなじみというものをうんと事前から対応をしてかかりませんと、せっかくよかれかしと思ってやったものが逆の面を招来するような懸念なしとしませんので、この際そういうものを全体で審議できるようなテーブルを、私はどこが音頭を取れとは申し上げませんが、発想のテーブルにのせる時期が来たな、こんなふうに考えているのです。もともと何とか委員会、何とか審議会というのを余りつくるのは好きじゃないのですけれども、しかし、この種のものはこれから大変重要な課題として出てくるだけにそういうものが必要だ、私はこう思いますので、そういう考え方、是か非かという点だけちょっと聞かしていただきたいと思います。
○竹内国務大臣 結論から申し上げると、私は是だと思います。確かに科学技術は進歩し、またそれを応用して新しい製品が出てくるということで、新しい産業が興り、雇用の拡大が期待できるという一面もあります。と同時に、著しく省力化が進みますと雇用にまた大変な不安を起こすわけでございまして、先生御指摘の問題については私どもも今から真剣に対応を考えなければならぬと思います。その場として適当かどうか私もにわかに判断しがたいのでありますけれども、労働省の方でやっていらっしゃる産労懇というのがございますね、近々実は産労懇に私呼び出しを受けて、今まさに先生お尋ねのことについて私の所見を述べろということになっておりますが、私は産労懇だけがその唯一の場所かとどうもまだ断定しがたいような気もありまして、場はともかくとして、お答えは是でございます。
○小川(泰)委員 それでは時間もありませんので、ぐっと趣を変えまして、原子力問題が大分論議されておりますので、私は基本的な立場から一、二御質問させていただきたいと思います。 前国会でも私ちょっと言ったのですが、原子力関係のだれ言うとなく使われる言葉の中に何か印象のよくないような言葉が多過ぎるので、ちょっと勉強してくれぬかという話をこの前のときに申し上げた。例えば被曝線量なんというのは、曝という字は違うのだけれども、発言になりますとちょっといかがかなという気もあるし、これらも含めてもっと繊細な神経を持ってそういうものも勉強していただいて、だんだんなじみやすい、みんなが受け入れやすい状態へ、決してごまかせというのじゃないのだけれども、再吟味をしていく時代まで来ているな、私はこんな気がします。これは一つの印象としてお願い申し上げておきたいと思います。 とりわけ先ほど来から取り上げられております民間の手による――私はあえて核燃料サイクルというよりも原子燃料サイクル生言った方がまだなじむかなと思っておりますので、そういう言葉でこれからしばしば使わせていただきたいと思います。そのいわゆる原子燃料サイクル施設の計画化あるいは立地問題といったものを今お進めいただいておるわけでありますが、科学技術庁あるいは通産、連係動作を大変よくしていただいて着々今進んでおるようでございます。本来ですとここでどういう具体的な内容が必要かということを例えたのですが、時間がありません。そこで、先ほど来からの質問をじっと聞いておりまして、たしか日本の中に原子エネルギーを平和で使おうやという発想が展開されてから約三十年のように思えます。この三十年間という足取りをじっと振り返りながら、時の経済状況や国際環境、それから日本自体のありざまということを考えてみますると、いよいよ原子燃料というものを本格的に集大成する時期に来たなという感じを、実は燃料という問題から私は認識をしておるのです。とりわけ所信表明の中で、いわば準国産的燃料という表現をわざわざ長官は使われております。まさにそのとおりです。エネルギーのもとが何もない日本にしてみれば、これから一番大きなウエートを持っていくのは明らかだ、こう思いますので、個々の問題はいずれかの機会に御検討のための意見も申し上げるといたしましても、当面せっかく下北にああいう的を設定し、今進めようといたしておりますので、一番大事な点は、ずばり言って、国民的にも市民的にも、安全という問題に対してしばしば長官が国の責任においてこれをケアするとおっしゃっておりますが、より具体的に国が安全の問題については担保するんだよということを明確に打ち出していくことが何よりも大事だな、こう思います。この問題についてちょっと御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○竹内国務大臣 その安全の問題の前に、先生さっきまず最初に触れられましたネーミングと申しますかそういうことでございますが、先生御承知かと思いますけれども、今まさに立地要請を受けまして、賛否の両論が大変に盛んな青森県、地元におきまして、やはりどうも核と言うと印象が悪いというのでしょうか、原子燃料という言葉を青森県では使っておるようでございます。 さて、お示しの安全確保、これは国の責任と心得るべきものであります。そういう意味で、国が担保するという御注文には、そのとおりとお答え申し上げます。
○小川(泰)委員 これ以上細かく御質問申し上げましてもいかがかと思いますし、これはこの段階が適切かどうかわかりませんが、あえて私が三十年という歴史を申し上げましたのも、この原子燃料サイクルという問題は、普通の燃料の扱いと違いましていろいろな問題がこれから先々内在している、こう思っておりますので、計画ができ、そして実施に入る、そして運営がなされる、さらにはその中からフォローアップといいますか見直しというふうに続いていくことだろうと思いますが、どうぞひとつスタートの段階から、もう半面そういう構えをしっかりしながら進めていっていただきたいな、こういう御要望を強く申し上げておきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 次の質問になるのですが、これはちょっと次元が違うのでありますが、せんだって何回か修正はされましたけれども、日本の中長期的なエネルギー計画が何回か出されました。オイルショックがあったり、いろいろな問題を経過しながら、省エネというものが徹底していったり経過して、今持っておるものをずっと見てまいりますと、ちょうど区切りのいい二十一世紀ですか、二〇〇〇年、あと十五年でありますが、そこらへ向かってエネルギー全体のウエートはざっと大ざっぱに見てまいりますといかがなものでございましょう。この原子力エネルギーが受け持つウエートというものが電力の中で大体三割ぐらいまでいくような動向が見受けられます。だとするならば、これからどんどん省エネルギー化されたとしても、必要として進んでまいりましょう。特に一時は地球有限説などという、今もそうなんですが、そういう角度から大変省エネというものが叫ばれながら、またせっかく開発したエネルギーの有効利用という問題等から、この辺だなというウエート勘定ですね。私は、原子力が電力全体のエネルギーの中で三割といいますと大体セーフティー、エネルギーを安全に確保するという立場から見ると一つの節目かな、これを四割にあるいは五割に、さらに七割に持っていけという性格のものかなという感じがそろそろしてきてならないのです。この辺は科学技術庁の所管がどうかは私はわかりませんが、そういうことが見通せる段階に今や立ったなという気がいたしておりますので、その見方に対して何か所見があればお聞かせをいただきたいということが一つ。 もう一つ、でありますならば、いつまでも油に頼ったりあるいは石炭に頼ったり、さらに原子エネルギーに頼ったりということから、もっと新しいエネルギー源、こういうものが工夫されていかなければならぬ。御案内のとおり、核融合の時代というようなことで大変な研究が今進んでいっております。これも一つでしょう。さらにもっともっと知恵を働かせることも必要かと思うのです。二十一世紀というと何か遠い将来にあるように思いますが、この原子力エネルギーでさえもいろいろな曲折があったけれども、三十年という年月を経てやっと全体がまとまるという経過で事実来ているものですから、将来はもっと速いテンポでそれに備えていかなければならぬという立場に立ちますと、科学技術庁の立場からもっと新しいエネルギーの開発という素材を一つ大きく取り上げて研究に入っていって決して遅くはないのではないか、こういう気がいたしますので、そういう考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○堀内政府委員 先ほどのエネルギーの見通しということで、今後どういうエネルギーがだんだん多くなっていくだろうかということでございますが、当面のところ長期エネルギーの需給見通しがございまして、これは政府としてオーソライズされたものでございますので、我々としましてもこれに従わざるを得ないなということでございます。 原子力につきまして申しますと、一次エネルギーの中での占める割合でございますが、昭和六十五年度一〇・八%が昭和七十五年度、西暦二〇〇〇年でありますが、一六%程度というふうに当面伸びていくということでございます。 新しいエネルギーの開発につきましては、先ほど御指摘のエネルギー研究開発基本計画というものがございまして、既に五回の改定を行いまして、これは各省庁の研究開発計画を総まとめにしたものでございますが、科学技術会議でこれを決めておるわけでございます。その中でも、原子力以外につきましてはいろいろ新しい試みをやっておるところでございます。原子力自体につきましては、未来のエネルギーといたしまして核融合が非常に重視されているということでありまして、これは実際に実用になるのは二十一世紀ということであります。それが実現いたしますと、非常に大きなエネルギー源がソースとしてあるということでありますので、これは非常に重要な価値があるということで精力的な研究開発が現在行われておるということでございます。また、これは古典的なエネルギーでございますけれども、やはり賦存量の点におきましては何をおきましても石炭が多いということでありまして、石炭の利用を拡大しようという見地から、石炭の液化でありますとかガス化技術の研究開発が進められるべきであるということであります。その他いわゆる新エネルギーといたしましては、太陽エネルギーでありますとか地熱のエネルギー、これもちょっと古典的でありますが、そういったものがいろいろ開発されておるということでございます。特に太陽エネルギーでありますとか地熱エネルギーにつきましては、エネルギーの密度が低いとか、あるいは現時点では地域的な利用に限定されるというようなことでありますけれども、これは国産のエネルギー源であるということ、それから特に再生可能であるということから、その研究開発が非常に重要であるということでございます。先ほどの御指摘のとおり、エネルギーの有効利用というものも非常に重要なことで、日本は特に有効利用の見地につきましては最も優秀な国であるという評価になっております。
○小川(泰)委員 ちょっと質問を取り違えていると思うのです。私三割と言ったのは電力の中のウエートとして申し上げたので、全体のエネルギーの中では十・幾つとかあるいは一六%ということは承知しております。エネルギーというのは、どんなにいろいろなことがあったとしても供給がとまったら大変なことになるわけなんで、そういう意味合いで、ついているうちは当たり前についているみたいに見えますけれども、この間の電電のあれじゃないですけれども、もし電気の方にそんなのが起こったらえらいことだと常々考えているものですから、供給の安全なウエートというものをやはりもう一面考えるべきだという意味から、節目としていかがか、こう申し上げたので、結構です。これは科学技術庁が所管なのかどこが所管なのか、そこら辺の論議はよくわかりませんが、そういう意味合いでもっと別のウエートを高める、こういう時期が来たな、そのためには新エネルギーだよ、こういうふうに私申し上げたので、そのようにおとりいただいて研究を続けていただきたいと思っております。
○中村(守)政府委員 電力に占める原子力はどうなるんだろうか、三〇%と先生お示しでございますが、電気事業審議会の需給部会で五十八年十一月に想定しました一つの目標といたしまして、七十年度でございますといわゆる設備の構成率で二三%、それからアワーでございますと三五%ぐらいになります。先生のおっしゃる意味からいいますと、あるいは構成比、設備出力の方かなという感じもいたします。そういうことで三〇%、原子力のいろいろなことを考えた予備率との関係等からあるいは余り高くしてはいけないということなのか、ちょっとそこをつかみかねますが、私どもとしましては、原子力につきましては現在いわゆるベースロードを担う役割を果たしておりますが、今後は技術開発を進めまして負荷追従性というものを持たせまして、そういう使い方もできるへこれは十分安全を確保した上ででき得ると思っております。そういう意味での比率の上昇は今後も期待できるわけでございまして、七十五年度の試算では二七%程度ということで、電力量比率でいきますと四〇%、エネルギー量では四〇%程度までいくんだろうと思っております。フランスではかなり原子力を優先しておりますが、ここでは既に約四八%原子力が占めておるということでございますので、私どもは供給の安定という観点も含めまして、今後原子力の役割の増大ということに十分こたえていかなければならないと考えておる次第でございます。
○小川(泰)委員 これはまた別途いろいろ論議をしたいと思います。 最後に、これは私の杞憂に終わればよろしいのですが、十一月の答申にいたしましても、それから長官の方針にいたしましても、いろいろなところで論議されている科学技術の問題に対しましても、前へ進もう、より未知の世界へ挑戦しよう、これは大変結構なんです。ところが、私はこういう物の進め方の中には必ずマイナスの面、負のウエートというものがつきまどうものだと思うのです。今はやたらめたらに宇宙開発からハイテクノロジーまで広範にわたって世の中進んでいっておりますが、下手をいたしますと取り返しのつかないと言っては語弊がありますけれども、負のウエートというものにもうそろそろケアしていかなければいけない。マイナスが出てはいけませんよ。出ないような研究開発をぜひやっていかなければならぬということは大前提でありますが、仮にそういうものが思わず潜んでおるということにも十分な配慮を進めていかなければならないという要素がもう一面ありやしないか。意外とそれは皆さん触れられてない、こういう感じが非常に強くしておるもので、そういう点からも御所見があればお聞かせいただきたいと思うのです。 これは言いたくないのでありますが、私ども過去そういう中で一番痛いやけどをしたな、取り返しようのない過ちをしたなという問題の中に、いわゆる原子エネルギーといいますか核エネルギーといいますか、それが誤って使われた結果論として、いまだにこの日本の同胞の中に広島、長崎の被爆者の方々が現存しているということなどはその部類の一つではないか。これは我が国という小さい意味合いではなくて、人類がこれから発展していこうという場合の大変な一つの警鐘であり、あかしであるということは、私はもう生涯忘れられない一つの事実だと思うのです。ああいうことが二度と繰り返されてはいけませんので、これから新しい創造科学がいろいろな面で発展していきますけれども、そういう体験を持っておる日本こそがそういうもう一面に大事に大事に取り組んでいくという姿勢があってしかるべきだというための一例として核の問題を出したのでありますから、誤解のないように。そういう態度がこの科学技術を前進させるための一つの原則として大きな認識を高めていかなければならないと思いますが、長官の感想なりをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○竹内国務大臣 最近の情報処理技術や通信技術、ライフサイエンス等の目覚ましい進展というものは、必ずや個人の生活、社会生活さらには人間の生き方、考え方にまで大きな影響を与えていくと予想されます。いわば、当たる光が強ければそれだけまた影も深く長いというわけでございまして、この影の部分に十分ケアをすべきだという先生の所説には私も全く同感でございます。特に、進歩した科学技術の成果というものが専ら軍事科学技術として応用されるというようなことだけは努めて避けなければならぬ、私もこう思っております。やはり個々の人間の幸福のために科学技術はあるものだという、こういう認識をみんなで持ち、絶えずぞれを思い出すということが大切ではないかという私の感想を述べさせていただきます。
○小川(泰)委員 終わります。ありがとうございました。
○鳥居委員長 次に、山原健二郎君。
○山原委員 委員長並びに政府の方、一番最後になりまして遅くなりましたが、質問いたしたいと思います。 私の質問は宇宙衛星の軍事利用問題に絞って質問したいと思うのですが、一昨年宇宙衛星、通信衛星のさくら二号、この自衛隊利用問題が浮上しまして、政府の方では統一見解ということで口頭説明メモを出されたわけです。その後、ことしの三月十八日に硫黄島の自衛隊と本土との通信がさくら二号を介して実施をされました。また、今回の予算委員会におきましてこの問題が取り上げられてきましたが、これについて、一般化した技術は自衛隊も使って構わないという、いわゆる中曽根首相の汎用性の理論といいますか、こういう言葉が出てまいりまして、その後の予算委員会の審議を見ますと、いわば次第にエスカレートしていく可能性を持っておるわけで、この点に対して私は大変危惧の念を持っておりますので、このことについて原点にさかのぼって質問をしていきたいと思います。 まず第一番に、いわゆるこの軍事利用あるいは自衛隊の宇宙衛星の利用、これを考える上で一番大事なことは、やはり宇宙開発事業団法第一条の目的規定、これは「平和の目的に限り、」というふうにうたわれておるわけでございますが、これもあの事業団ができましたときに政府原案にはなかったわけですけれども、しかし、この国会の全会一致によって「平和の目的に限り、」という言葉が入りまして可決をされたことは御承知のとおりです。そしてその修正案の趣旨説明の中でも、「非核・非軍事を趣旨として平和の目的に限る」と明確にうたわれてまいりました。さらに、四十四年の五月の国会におきます宇宙開発及び利用に関する決議の中にも「平和の目的に限り、」と規定されておるのでありまして、その意味で、当時の科学技術庁長官が非軍事であるということを明確に答弁をして今日まで来たわけでございます。 この経過を一言申し上げたわけですが、この点について確認をしたいのですけれども、軍事か非軍事がで判断をするというのが事業団法及び国会決議の趣旨だと私は思っておりますが、これを確認できるでございましょうか、まず伺っておきます。
○内田政府委員 お答え申し上げます。 国会決議の平和の目的につきましては、非軍事と理解するという趣旨の答弁がなされておるということは承知いたしております。自衛隊の衛星利用につきましては、さきの政府見解でお示ししたとおりでございまして、自衛隊が衛星を直接殺傷力、破壊力として利用することを認めないことは言うまでもないとして、その利用が一般化しない段階における自衛隊による衛星の利用を制約する趣旨のものと考えております。したがって、その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星については、自衛隊による利用が認められるものというふうに考えております。 この見解は、今回特に従来の考え方を変更したということではなくて、平和の目的について政府内において検討し、その理解するところを申し上げたというふうに理解をしております。
○山原委員 この問題があいまいになると、アリの一穴から堤防が壊れるということと同じような事態が生じるわけでございまして、その意味で先ほども長官は小川さんの御質問に対して平和に徹するという言葉をおっしゃったので、私はきょうは中曽根総理に対して質問をしているのではなくて、国務大臣であり科学技術庁長官であり宇宙開発委員会の委員長である竹内大臣にお伺いをしておるわけでございますが、そういう意味で確認をしながら質問をいたしたいと思います。 それで、さくら二号の自衛隊利用問題が浮上しました五十八年の八月、政府は防衛庁、郵政省、科学技術庁の合同検討の結果を口頭説明メモとしてまとめました。これで、さくら二号の自衛隊利用は宇宙開発事業団法第一条及び国会決議に反しないとの見解を明らかにしたのでありますが、その理由を見ましても、通信衛星の利用というのが一般化した技術だから、防衛庁、自衛隊が使用しても平和利用に反しないという理屈は見当たりません。そうでしょうか。
○内田政府委員 先生御指摘のように、電電公社による公衆通信役務の提供は、公衆電気通信法の規定に基づき「あまねく、且つ、公平に」これを行い「差別的取扱をしてはならない。」ということとされておりまして、したがって自衛隊が一般の者と同様な地位においてCS2の利用による公衆通信役務を受けることは、国会決議及び国法に言う平和の目的の趣旨に反するものではないというふうに理解しております。 それが、この際に一般化論が出ておらないということでございますが、自衛隊が一般の者と同種の、同様の地位においてさくら二号の利用による公衆電気通信役務を受けるということは、その利用が一般化しているか否かということとは関係なく、国会決議に言う平和の目的の趣旨に反するものではないというふうに考えます。
○山原委員 確かにいわゆる口頭説明メモによりますと、今おっしゃったように電電公社の公衆電気通信役務提供の一環であって、広く一般に提供しなくてはならない、こういう理論ですね。 ところが、今回予算委員会の中で出ております汎用性の理論というのが出てくるわけでございまして、これはこの政府統一見解の中には出ていないわけです。このことは、汎用性の理論なるものが政府の従来の見解を明らかに変更したものではないかという疑念が生じてくるのでございますが、科学技術庁としてはどういうふうに把握をしておられますか。
○内田政府委員 ただいま申し上げましたように、CS2の場合には一般化論と関係なしに当然のこととしてよろしいという理解であったわけでございますが、今回特に解釈を変更したということではなくて、平和の目的につきまして政府部内において検討し、その理解するところを申し上げたということでございます。
○山原委員 前半の部分については私、一定の今まで統一見解として出された口頭説明メモ、これは了解できますけれども、後の方はちょっとお答えの方もあいまいだと思います。 その前に、これは三月十四日付の読売新聞等に出ておりますが、六十三年度打ち上げ予定の実用通信衛星さくら三号の通信回線を自衛隊が独自に確保して、自衛隊の軍事通信回線網に組み入れる方針を防衛庁が固めたと伝えられているが、科学技術庁はこうした動きを承知をしておりますでしょうか。
○竹内国務大臣 先生ただいま新聞記事を引用された件につきまして、私どもは一切承知しておりません。
○山原委員 さくら二号の自衛隊利用を容認した理由は、自衛隊が利用するさくら二号の通信回線が電電公社の回線であり、電電公社は電気通信役務を広く一般に提供する義務がある、だから自衛隊だけ提供しないわけにはいかないということで、先ほどおっしゃったとおり統一見解を出されたわけですね。したがって、仮にその理論の立場に立ったといたしましても、では即それがさくら三号の自衛隊専用回線の確保を認めることにはならないと私は思うのです。したがって、自衛隊が独自の衛星通信回線を持ってそれを軍事利用するなど、明白にこの事業団法及び国会決議に反すると考えられるわけでございまして、このさくら三号の本格利用が防衛庁筋から提起されました場合に、これを科学技術庁長官としては拒否すべきだと私は思うのでございますが、この点についてどういう御見解を持っておられるでしょうか。
○竹内国務大臣 さくら三号の自衛隊利用という件は、先ほども申し上げましたように、私どもとしては一切承知しておらないわけであります。したがいまして、もし仮に自衛隊においてそういう計画なり希望が出てきたとしましたら、その段階で諸般の状況を勘案して慎重な判断をいたしたいと思います。
○山原委員 先ほどおっしゃったように、本当に非軍事、そして平和に徹するというお考えであれば、少なくとも国会の決議あるいは事業団法の第一条の目的の立場に立つならば、私は、もし仮に出てきた場合にはそこで検討するというのではなくて、科学技術庁長官としてはこれは拒絶をすべきではないか。さっきのと言葉から拝察しまして、それが竹内長官のおなかの中にある本当のお気持ちではないかと思いますが、あえてもう一回お尋ねしたいのですけれども、拒絶する意思はございませんでしょうか。
○竹内国務大臣 まだ仮定の話でもございますので、そういう意味合いも含めて慎重に対処したいとお答えしたわけでございます。
○山原委員 ちょっとこの経過をもう少し考えてみたいと思います。 昭和五十八年五月十六日の参議院の安保特別委員会で、当時の角田内閣法制局長官がこのように答えています。これは社会党の寺田熊雄議員の質問に対してでありますが、「先ほどの御質問はいわゆる偵察衛星、それについての御質問だったと思います。そういうものを上げることは宇宙開発事業団はできないというふうに私はお答えしたと思います。」こういうふうに答えておりますが、この立場は科学技術庁においてもお変わりないでしょうか。
○内田政府委員 衛星の一般化ということは、利用の目的を問わず利用しようとする衛星の機能に着目するものでございまして、利用しようとする衛星の機能が広く一般に利用されている状態を指すものと考えておりまして、この考えは偵察衛星についても同様であると考えております。一昨年五月、法制局長官が偵察衛星は宇宙開発事業団が打ち上げることを認めない旨答弁いたしておりますが、これは、当時偵察衛星のような衛星の利用が一般化しているとは言えない状態であるとの認識に立って答弁なされたものというふうに理解しております。
○山原委員 だからすごいエスカレートになっているんですよ。今度の国会におきましても、茂串法制局長官は今おっしゃったように二月六日の衆議院予算委員会で、「角田前長官のこの答弁は、当時偵察衛星の利用がまだ一般化している状況にあるとは言えないという認識に立ってされたものであると理解しております。」というふうな答弁をしております。ところが、「偵察衛星の利用がまだ一般化している状況にあるとは言えないという認識に立ってされたものであると理解しております。」こう答えておりますけれども、しかし、角田長官の答弁の認識は明白でして、私、議事録を持ってきておりますけれども、寺田議員が「偵察衛星というのは私は非軍事にあらざる、つまり軍事的な用途だから偵察衛星ということをお話ししたわけですよ。そういう理解でいいんでしょう、いかがです。」と再度質問したのに対して、「そのとおりでございます。」と答えておりまして、一般化しているかどうかという認識ではなくて、軍事的用途だからだめだとはっきり角田法制局長官はお答えになっているわけでございます。 この議事録の動きから見まして明らかに政府の態度は変更しておるのではないか、変化しておるのではないかと思いますが、この点についての解釈はどうでしょうか。
○内田政府委員 ただいまの点につきましては私ども先ほどお答え申し上げましたとおりでございまして、この点につきましては、現法制局長官が予算委員会におきましてもお答え申し上げているとおりであると理解しております。
○山原委員 だから恐ろしいですよね。軍事問題というのは、一つ踏み込めば次々と踏み込んでいく。 これはちょうどあの問題が起こりましたその前年の五十七年八月五日のこの科学技術委員会で私が、当時自民党の宇宙開発特別委員会の提言が出まして、その提言の中に衛星の防衛上の利用が盛り込まれている中身がございましたので、この問題を取り上げまして政府の姿勢をただしたことがございます。当時の科学技術庁長官は亡くなった中川一郎氏でございましたが、中川長官はこういうふうに答えております。「政治レベルでの検討課題として示されたものであると理解はいたしておりますが、政府としては、国会決議あるいは法に従って平和利用目的に徹していくつもりでございます。」こうお答えになりました。そこで私がさらに「検討課題というのは、今後防衛に利用することもあり得るという意味での政治課題ではないと思いますが、そういうふうに受け取ってよろしいですね。」こういうふうに重ねて尋ねましたところ中川長官は、「各党はそれぞれ政策を掲げておるわけですから、政治段階で党あるいは国会等で議論される議題であって、政府としては先ほど言った平和利用に徹してやっていきたい、」こう重ねて答えておるのでございます。 結局、宇宙開発事業団法第一条も国会決議も、制定、決議された当時から変更されることなく現在も生き続けているわけでございます。そうしますと、衛星の防衛利用あるいは偵察衛星の利用はあり得ないというのが政府のとってきた態度ではないのでございましょうか。それが変わるとするならば重大な問題でありますが、この点について改めてお伺いをしておきます。
○内田政府委員 お答えいたします。 偵察衛星と申しますものがいかなる衛星であるかということは、私ども技術的に細かい点、具体的には承知しておりません。また確立した定義も承知しておりませんが、その機能について一般的に見ますと、衛星から地表面の自然物、人工構築物を精密に観測する機能を有するものであるということでございまして、現時点においては、現在利用されている地球観測衛星に比べて格段に精密な観測をする機能を有するものであるというふうに考えております。したがいまして、近時の科学技術の発達にかんがみれば、将来において現在の偵察衛星と言われておるものと同様な機能を有する衛星が一般化する可能性は否定されないと思いますが、これを具体的にどうするかということにつきましては、慎重に検討をいたしていかなければいけないというふうに考えております。
○山原委員 その点についての質問はちょっと後へ回しまして、一般化したものは軍事性を超越する、だから一般化した技術なら自衛隊でも衛星利用はできる、こういう理屈が今度の国会の、特に予算委員会でこれが出てまいりまして、そういう理屈がまかり通るといたしますと、これは次々と輪は広がっていくわけでして、一般化していない先端技術を使ってこそ防衛には役立つという声も出てまいります。またある方は、大体兵器というものは、それが一般化したからそれぞれの国が兵器に採用するのではなくて、その性能が極めてすぐれておるならば、一般化しないうちに兵器に採用される例の方が一般だという指摘も、今度の国会の中で出てまいりました。そして、自衛隊法第三条で、「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、」と規定をされているから、自衛隊の衛星利用は平和目的に限るという点に反しないのではないかという意見も出てまいります。要するに、自衛隊法第三条によって自衛隊は平和と独立を守るというものだから、平和という言葉が入っているから、自衛隊が衛星を利用しようとそれは平和目的に反するものではない。 こうなってきますと、まさに中曽根さんのおっしゃる汎用性の理論といいますか、これは際限なく広がっていくわけでございまして、中曽根首相自身も、これからもひとつ検討してまいりたい、あるいはこれも一つの見識だというふうな肯定的意欲を示していくわけですね。中曽根式やり方というのは、税金の問題でも防衛問題でも、今までの内閣が国民に対して公約してきたことを一つ一つどこかで踏み外していく、そしてエスカレートさせていく、そういう手法をとっていることは今度の国会でも顕著にあらわれています。この面でもよほど科学技術庁がしっかりしていないと、この平和利用に限るという原則が踏み外されていく可能性が出てまいりまして、まかり間違えば自衛隊は好き勝手に宇宙や衛星を軍事利用できるというところまで発展しかねない情勢があると私は思うわけでございます。そうなると、いわゆる事業団法あるいは国会の決議、この精神は踏みにじられるという結果が生まれてくると心配をするものでありますが、そういう御心配は長官は持っておりませんかどうか。
○竹内国務大臣 自衛隊が我が国の独立、平和を守る存在である、これは確かにそのとおりだと思いますが、だからといって、平和目的だということで自衛隊のやることが何でもいわばオーソライズされると申しますか、もしそういう解釈をとる向きがあるとすれば、私はそれはちょっと解釈としては行き過ぎなんじゃないかという考えを持っております。また、かつてそういうことを記者会見でも申し上げたことがございますが、ともかく厳として国会決議があります。また事業団法があります。特に事業団法は、成立するに当たって、国会修正によりまして「平和の目的に限り、」という、こういう大事なところが挿入されたわけですから、科学技術庁長官としての立場は、あくまでもこの事業団法並びに国会決議に立つわけでございます。
○山原委員 私も新聞で長官の記者会見の御発言を伺っているわけでございまして、長官、さすがにこれには疑念を呈しておられまして、今この場所でおっしゃいましたように、解釈の広げ過ぎだと述べて懸念の意を表明されておる記事も見せていただいたわけです。日本の宇宙開発の平和利用の原則に直接責任を持つところの長とされまして、こういう考え方、いわゆる第三条に平和という項があるからどうでもできるのだ、そういう理屈にはくみしないということをおっしゃったと思いますが、また改めてこの場所でお聞きしたわけでございまして、その点は、今おっしゃったとおり本当にしっかりと守り抜いていただきたいというふうに私は思うわけでございます。 これがもし間違ってまいりますと、宇宙のいわゆる軍事利用、衛星の軍事利用を容認する議論がだんだんエスカレートしまして、これがアメリカの宇宙を舞台としたSDI構想、戦略防衛構想に日本が協力、参加していく露払いになるのではないかという危惧を持つ者すら今日出てきておるわけでございます。この点について、今長官がおっしゃった立場を基礎とされまして、日本がアメリカのSDI構想の実現に参加、協力するなどということは私は将来にわたってあり得ないということを考えておるわけでございますが、この点について長官どのようにお考えでございましょうか。
○竹内国務大臣 率直に申し上げまして、宇宙開発に関しましてはアメリカの方がはるかに日本の先を行っているわけでございまして、その点から申しますと、アメリカから何か協力を求められるという事態は、私としてはちょっと想像していないわけでございます。 それはさておきましても、SDIにつきましては、この国会のいわば論議の焦点の一つになっておりまして、中曽根総理もしばしば答弁申し上げておりますが、SDIは現在のところはあくまでもまだ研究の段階、しかも初歩の段階でございまして、これから先どうなるかよくわからない、したがって情報の提供とか協議とかを求めたと、こう中曽根総理はおっしゃっていますが、私は、その中曽根総理の留保は賢明だと思います。
○山原委員 中曽根総理の発言につきましては、私も素直に受け取っているわけではありません。そういう面について、今までの中曽根首相の就任以来の不沈空母論を初めとして、いろいろな心配をしながら国会の審議をしているということは申し上げておきたいと思うのです。 今度の科学万博との関係で一言申し上げたいのですけれども、科学万博の政府館の開会式に当たりまして私もお招きをいただいたわけでございますが、十六日の開会式に当たって中曽根首相が寄せられましたメッセージは、こう述べております。「科学技術は、これまで人類の福祉の向上と社会の発展に大きな貢献をしてきました。他方、科学技術の発達が時に人間の存在を脅かす方向に働く危険性についても、しばしば指摘されてきました」こういうふうに述べまして、こういう危険な方向に科学技術を使ってはならないという趣旨を込めてのあいさつであったのではないかと思うわけでございます。その限りにおいては私は大変正しい方向だと思うわけです。したがって、宇宙や衛星の軍事利用を容認するようなことはまさにこの危険性を認めることになるのではないか。それはあいさつの趣旨にも、また科学万博のテーマにも反するものだと思うわけでございます。実際に政府出展館の開会式に参りました際に、政府館を初め幾つかのパビリオンを拝見をさせていただいたのでございますが、政府館には実物のHⅠロケットが展示されておりました。子供たちがこういう展示物を見ながら、大きいなと言ったり、これで衛星を打ち上げるのかと言ったりしながら感嘆の声を上げ、さらに大きなスクリーンに映し出されております宇宙の映像を見て、いわば子供たちは大きく夢を膨らませておるわけです。ところが、そういう状態ですけれども、このロケットで実は偵察衛星を打ち上げるのだというようなことが言えるかどうかという問題です。本当に子供たちの夢を悪夢にしないためにも、宇宙を絶対に核軍拡の場にしてはならないというふうに私は考えるわけでございます。 しばしば申し上げますように、宇宙の平和利用の原則に責任を持つ科学技術庁長官が、こういう立場に立って平和利用に徹する、非軍事に徹するという毅然とした態度を宇宙開発に当たってとるべきだと思うわけでございますが、長官の御決意を伺っておきたいと思うのでございます。実は本当に科学万博というめったにない大事業を主催する長官でございますので、この点についてはしっかりと議事録にも残して長官の決意を伺いたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。
○竹内国務大臣 先ほどもお答えしたわけでございますが、科学技術庁長官あるいは宇宙開発委員長としての私のよって立つ場所は、宇宙開発事業団法であり、国会決議だ、私はこれを絶えず銘記して事業の運営に当たりたいと思います。
○山原委員 終わります。
○鳥居委員長 次回は、来る四月四日木曜日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四分散会