運輸委員会 第13号
- 発言数
- 172 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1985/06/21
会議録
○三ツ林委員長 これより会議を開きます。 陸連、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関山信之君。
○関山委員 まさに世を挙げて規制緩和、民間活力の導入という言葉があふれておるわけでありますけれども、きょうは規制緩和の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 初めに、きょう行革審からもおいでをいただいておるわけでありますけれども、今日までの行革審における規制緩和分科会の討議の経過や当面のスケジュール、いよいよ大詰に来ておるようでありますが、お伺いをいたしたいと思いますし、答えが出ている段階ではございませんから、結論的なことを言えといっても、これは御無理な話でありましょうけれども、この規制緩和分科会が今日まで討議をいたしてまいりました前提となる問題意識はどの辺にあったのか、かなり広範な分野にわたって御論議をされておるようでありますし、きょうは後ほど主として運輸の問題について伺うわけでありますけれども、最初に全体的な行革審の枠組み、取り組みの経過についてお伺いしておきたいと思います。
○土屋説明員 お答えいたします。 行革審では規制緩和分科会を二月二十一日に第一回会合を開きまして、現在までに二十回ほどの会合を重ねて審議をしてまいっております。この間におきましては、関係省庁、関係業界あるいは労働組合等のヒアリングも行いまして、審議を行ってきておるわけでございます。 今後の予定でございますが、七月の初めに分科会の報告を取りまとめまして、審議会の方に御報告をしたいというふうに考えております。 行革審での規制緩和問題についての取り組みの基本的考え方でございますが、臨時行政調査会の答申でも、民間活力の発揮を阻んでいる行政の制度や運営を改めることということが重要課題の一つとして提言されているわけでございますし、行革審といたしましても、その後、民間活力推進方策研究会というものをつくりまして、民間活力の発揮、推進のための行政改革のあり方という問題について議論を進めてきたわけでございます。この報告が二月に出ておりまして、規制緩和分科会では、その報告で示された基本的な考え方に沿いながら各種の規制緩和の検討を進めている、こういう状況でございます。
○関山委員 そこで、総務庁の方にお尋ねをいたします。 行政監察局がこの行革審の求めに応じて規制行政に関する調査結果というのをお出しになっているようなんですけれども、これはこの規制緩和問題を取り上げて処理をしていく一連の流れの中でどういう位置づけを持っているのか、どういう性格のものなのかお伺いしたいと思うのですよ。実は、私もこの中身がわからぬものですから、政府委員室を通じて公表を求めたのですけれども、窓口で断られまして、なぜ断られたのかもわからないわけです。その辺のことも含めてどういう位置づけになっているのか、お尋ねをしておきたいと思うのです。
○百崎説明員 今回私どもが実施いたしました規制行政に関する調査でございますが、これはことしの一月に行革審の方から、金融、運輸あるいは石油等の数分野にわたりまして、審議会での検討あるいは審議の参考にしたいために調査をしてほしい、こういう依頼を受けて調査したわけでございます。それで調査結果につきましては、先般、これらの分野の規制行政の実態あるいは問題点等を中心に取りまとめまして御報告したわけでございますが、あくまでも今回の調査はそういうことで行革審での審議検討の参考にする、こういう性格のものでございますので、これは一般に公表するような性質のものではなかろう、こういうふうに考えているわけでございまして、その辺はそういうふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
○関山委員 結果として私は皆さん方のお出しになった資料を持っているのですが、行革審と言わず、臨調と言わず、臨教審と言わず、今や国会の外側でいろいろなことがどんどんと御論議をいただいて、政治や行政の枠組みさえも決まっていくような状態が続いておりまして、そのことに対する不満が強いわけですけれども、なぜこんなものが出せないのですか。一般に出せないというのはわかりますけれども、私、国会議員の一人として要求している、これも出せない、これはどういうことですか。
○百崎説明員 今回の私どもの調査は、先ほども御説明申し上げましたように、行革審での検討のいわば素材としてこれを提供するということでございまして、例えばちょっと悪いかもしれませんが、商品で言えば、私どもの調査結果は、いわば半製品である、こんなような性格のものではなかろうかと思うわけでございます。(関山委員「いや、私が聞いているのは、なぜ私に渡せないか、国会議員に渡せないかと聞いているのです」と呼ぶ)もともと私どもの調査結果は、いわば内部の行革審に対する参考のための資料でございまして、それ自体で一つの完結したものではなかろう、こういう性格のものではないかというふうに考えているわけでございます。
○関山委員 答えにならないのでして、私どもも答えについてどうのこうのと申し上げているのではなくて、重要な問題だからその過程で、これは私だけの問題ではないのですから、すべての国会議員が、お役所のおやりになるさまざまな作業に対して、その実態も知ることができないなんて、そんなばかな話がありますか。
○百崎説明員 繰り返して御説明するようでございますが、私どもの調査結果を踏まえて行革審の方で正式な機関の意見としての答申が近く出されるわけでございまして、いわばそれの素材であるというふうに私どもは考えているわけでございます。
○関山委員 あなた、きょう責任ある立場じゃありませんから、これ以上申し上げませんけれども、今後も審議が続くことでもありますし、ぜひひとつ行革審の責任者に伝えてもらいたいと思います。 ところで、運輸省の方も昨年の九月以降独自な規制緩和に対する取り組みを進められておるようでありまして、三月の段階でこの事業規制その他の規制のあり方に関する検討委員会の第一次報告というのをお出しになっておるわけであります。一応第一次報告は拝見はいたしておるわけでありますけれども、これについても、その大まかな内容と性格、今後の独自作業を進めていく過程でのこの第一次報告の位置づけというようなものについて御説明をいただいておきたいと思います。
○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。 運輸省は、昨年、先生のお尋ねの中にございましたように、大きな組織改正があった直後にこの作業を始めたわけでございます。したがいまして、行革審の作業とは別に独自の作業という性格を持っておるわけでございます。第一次の取りまとめを三月に行いまして、それにつきまして約四百件ばかり許認可の整理、運用面の合理化、手続面の改善を行うということで措置をいたしておりまして、約三百件強についてはもう措置をいたしたところでございます。こういった面についての検討はなお続けておるところでございますので、これで終わったわけではございません。 行革審との関係につきましては、私たちのそういった作業に引き続きと申しますか、若干おくれたわけでございますけれども、やはり規制緩和という、我々の方は規制の見直しと言っておりますが、むしろ緩和という観点からの審議が二月から始まったわけでございます。内容的には相重複する部分が多うございます。したがいまして、私たちといたしましては、その三月以降の検討作業というものも行革審の検討作業にできるだけ御協力をするという形でもって、その作業の中で運輸省の中の検討も進めている、こういう段階でございます。
○関山委員 規制緩和と一言で言っても非常に幅の広い話なんですが、第一次報告はいわば事務、事業の整理といいますか運用の改善といったようなもののところで一応区切りをつけたというような感じもあるのですけれども、その辺のところは、いわば法律改正や政令改正を含む、政令というとちょっと問題ですが、根幹的な見直し、改正というような部分を残して、運輸省内部の五百何件ですか、そういう整理は大体終わった、そういうことですか。
○山本(長)政府委員 おっしゃるように、運用の改善、手続面の合理化等が中心でございます。しかし、これで終わったというふうには私たち考えておりません。一つの区切りをつけた。後なお検討いたしておりますので、なおこの種の問題が整理合理化対象として上がってくると思っております。ただ、こんなにたくさん出るかどうか、こんなにたくさんは出ないんじゃないかというふうに考えております。 お尋ねの、そのほかの基本的な問題と申しましょうか、それにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在我々も検討を行っておりますし、さらに行革審も行っておりますので、共同作業のような今の格好で進んでおる。行革審の検討作業が終わりましたら、またさらに我々はその結果を踏まえての検討あるいは我々独自の検討というものは続ける、こんな態度でございます。
○関山委員 そこで、もう一遍行革審にお伺いをしたいのですけれども、運輸事業の各種規制ですね。先ほどは全般についてお伺いしたわけですけれども、これについては今まで分科会あるいは審議会の中で委員や参与のメンバーの皆さん、総じてどういう認識を持っていらっしゃるんでしょうかね。私どもは運輸事業というものはいろいろな分野の中でそれなりに特殊な位置づけを持った分野だと思うのですけれども、その辺の行革審の分科会のとらえ方がどんな状況にあるのかお聞かせをいただきたいのです。 分科会のメンバーは何人いらっしゃるのかわかりませんが、この中に運輸のプロパーというのは何人いますか。まずそこから伺いましょうか。
○土屋説明員 規制緩和分科会の委員の数は二十人でございます。 そして運輸のプロパーという御質問でございますが、取り上げている範囲が非常に広範でございますが、各分野にわたりまして委員の選定を行っておるところでございまして、いわゆる労働組合を代表される委員の方もいらっしゃいますし、実際に運輸事業の関係でユーザーという立場からの委員さんもいらっしゃいますし、あるいは長年運輸行政に携わってこられた先生もいらっしゃるというふうな状況でございます。
○関山委員 何人いるかと聞いているんです。
○土屋説明員 今お話しのような人数を入れますと、約五人程度になろうかと思います。
○関山委員 メンバーの話はわかりましたが、どうなんでしょうか、運輸事業というのは、ここで取り上げられております金融でありますとかその他さまざまな分野と、やはり特別な事業の特殊性というものを持っていると私は思うのですけれども、その辺の理解は前提として議論がされているのかどうかですね。
○土屋説明員 今までの分科会での審議の模様から我々事務局が受けております各先生方の問題意識でございますが、運輸事業の持つ安全性への要請、あるいは安定的な輸送を確保する必要性、各事業に従事していらっしゃる労働者の労働条件等の問題、それらについても十分な配慮が払われながら審議が行われているというふうに受け取っております。
○関山委員 そこで、重ねてお伺いをしたいのですけれども、「経済的規制」と「社会的規制」という言葉をお使い分けになっていらっしゃるわけですね。そこで、経済的規制と社会的規制というもの、これも概念が非常にはっきりしない部分もあるのですけれども、私が承知している限り、この関係というのは、経済的な規制が緩められれば、緩和の方向へ向かえば向かうほど社会的規制というものは強められなければならない、そういう相関関係になければならないと私は思うのですね。今お話がありましたような安全確保だとか、あるいは中小の企業が非常に多い運輸事業の特殊性からいって経営や雇用の安定確保を図るとか、円滑な交通を確保するとかという観点からすれば、そういう関係に立たなければならないと思うのですけれども、その辺の御理解はどうなんでしょうか。
○土屋説明員 今までの議論を通して見ましても、そういう問題の問題意識というのは十分に持たれていると思っております。
○関山委員 それからもう一つ伺いますが、「量的規制から質的規制」という言葉をお使いになっているのですね。これもまたわからないのです。特に貨物輸送あるいはタクシー事業なんかについて、私が承知しております皆さん方の討議の中では、量的規制から質的規制への転換というような問題意識で議論がされているのですが、この言葉の意味がよくわからないのです。お聞かせいただけませんか。
○土屋説明員 運輸事業の持つ性格といたしまして、安全性の確保あるいは安定的な輸送を確保するというふうな社会的な目的の面を持っているとともに、運輸事業そのものはまた民間の事業として行われるという意味で経済的側面も持っているわけでございます。現在の規制の状況を見ますと、安全面の規制の面と、それから経済活動に関する規制の面と両方があるわけでございまして、両者は画然と区別するわけにはいかないものでございまして、密接不可分の関係でつながっておる点はあるわけでございますが、特に「量的規制から質的規制」へという話の中で議論が行われておりますのは、いわゆる需給状況のチェックというものを行政がどこまで責任を持ってすべきであるのか、各事業者の判断と行政の規制との関係はどうあるべきかという問題意識のもとに議論が行われているというふうに承知いたしております。
○関山委員 そこで、今おっしゃったような話を、例えばトラックですね、これはまさに量的規制があるにもかかわらず実態は大変な状態になっているわけでしょう。それこそ二七通達なんというような、幾ら労働省が基準通達を流してもさっぱり守られないし、白トラは横行するし、そしてそういう中で交通事故や何かのトラブルが発生をするというようなことは、繰り返し繰り返しこの委員会でも交通安全の委員会でも取り上げられてきているところなんですね。ですから、量的規制を変えていくという観点からいけば、質的規制への転換というのは、量的規制を外していくということなんですから、そこはどうバランスとるのですか。
○土屋説明員 両者はバランスを持って適正な運営が行われることが望ましいと思います。したがいまして、社会経済情勢の要請によりまして、質的、量的な規制が現在よりも少しずつでも緩和されるという状況の中におきましては、いわゆる質の面の規制というものは、従来より以上にきちっとした格好でやっていただく必要性が出てくるのではないかというふうに考えております。
○関山委員 もう少し具体的にお聞かせをいただきたいのですけれども、例えばトラック事業なんかは参入規制をもっと緩やかなものにする、そのかわり逆に、例えば労働者のあるいは交通安全の観点から二七通達のようなものは法制化するとかいうような問題の立て方をするということなんですね、つまりは。
○土屋説明員 基本的な考え方といたしましては、先生のお話しのような方向だというふうに思っております。
○関山委員 あすにも規制緩和分科会の方は作業を終えるように伺っておりますが、本答申までまだ時間もあるわけなんですけれども、その辺は、出てきたときに何だこんなものかということのないようにぜひとも御配慮をいただきたいと思うわけです。 それからもう一つ。先ほどメンバーの中に五人プロパーの方がいらっしゃる、こういうお話だったのですが、どうも私が漏れ承った顔ぶれを拝見いたしますと、そんなにたくさんいらっしゃらない。本当の専門家というのは運輸省にいらっしゃった高橋さんぐらいじゃないかなという気もするのです。だものですから、本当に大丈夫なんですかという意味で伺ったのですが、それはそれとして、労働組合なんかからもヒアリングを行っているということなんですけれども、これも全交運、交通労連、自交労連、三つの組合あたりから聞いたにとどまっているのじゃないでしょうか。 後にお伺いしますけれども、海運の関係、これも大変な大きな問題を抱えているわけですけれども、海員組合あたりの御意見はお聞きになっていますか。
○土屋説明員 分科会の席では海運関係の組合の皆さんからのヒアリングは行っておりませんが、別途事務局の方で御説明を伺ったことがございます。
○関山委員 これは要望しておきますが、それぞれ関係業界ももちろんですけれども、このことが即雇用や労働者の問題にかかわっていく問題でありますだけに、ぜひひとつ広く現場を受け持っているそういう分野の人たちの意見をきちっと聞くように、まだ時間もあることですから、お約束いただきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。 それから、どうなんでしょうか、答えが出ないで、お答えがいただけなければしようがありませんが、運輸のことに関していえば、重点項目みたいなものは一体どこら辺にしぼられているのか、これをお聞かせいただけませんか。
○土屋説明員 現在まだ審議中の中身でございまして、分科会としての結論も出ておりませんので、御容赦いただきたいと思います。
○関山委員 そういうことであれば答えを待つよりしようがありませんが、もう一つ、最初にも総務庁の方に申し上げた議論の中であるわけですけれども、行革審の答申というのは関係省庁に対してどのような拘束力を持っていくことになるのですか、お聞かせください。
○土屋説明員 臨時行政改革推進審議会設置法によりますと、内閣総理大臣は、臨時行政改革推進審議会の答申を尊重しなければならない、ということになっているわけでございまして、分科会の審議を終えまして、審議会の報告という形で出た段階においては、政府において十分尊重していただけるものと我々考えております。
○関山委員 そこで、大臣、ちょっとお聞かせいただきたいのですが、「尊重」をめぐってこの法律ができるときにもやりとりがあるわけなんですが、これは「尊重」という意味について、当時の齋藤国務大臣は、内閣を挙げてこれに取り組む決意を示す意味において、そういう尊重するという規定が設けられた、最終的には全く政府の責任だ、政府が案をつくるに当たって審議会の意見を聞いて案をつくる、そしてつくった案は最終的に国会で御審議をいただく、こうなっているわけです。したがって、私は、行革審の報告が、答申がどういう形で出されようと、それは運輸省は運輸省として今独自にお進めになっていらっしゃる作業の中へ取り込んで、最終的には運輸省の責任で規制の見直しというものはやっていくのだ、この御答弁の趣旨からすれば、そういうことになると思うのですけれども、改めて確認を申し上げておきたいと思います。
○山下国務大臣 その精神は、行革審の答申を尊重するということ、間違いございませんが、これを例えば政令あるいはまた省令あるいはまた法律等において改正しなければならないものは改正して国会にお示しして御審議をいただくという段階になりますと、これは提案者である政府のいわゆる運輸省が責任があることは当然でございます。
○関山委員 そこで、運輸省の方にお尋ねをいたしますが、行革審の結論も出てないという段階ではありますけれども、事業規制の見直しですね、運輸省のサイドとしてはどのような原則で臨んでいるのか。これもまた二千件にも及ぶという中身でありますから、一々伺うわけにはいきませんけれども、一番問題になります参入規制、運賃規制、この二つについて、陸の場合ではトラック、ハイタク、そこらあたりどういう原則で問題をお考えになっていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○山本(長)政府委員 先生お尋ねの参入問題、運賃問題というのは、やはり一番重要な規制の中の根幹でございます。しかし、こういった、現在各業種によって若干の差はありますけれども、参入、運賃につきまして規制が行われておるということは、やはり運輸事業の特性から、輸送の安全、利用者に対するよいサービスを提供する、こういう観点からの運輸行政の目的を達成するものでございまして、それなりの経済的、社会的な意義があり、現在もそれは存在するというふうに考えておる次第でございます。 御指摘の事業につきましては、業種によりましてまた実態によりまして強弱の差はあるものの、やはり何らかの形で参入規制なり運賃規制制度は今後ともやはり維持していかなければならぬのじゃないかというふうに我々は考えておる次第でございます。 ただ、一方におきまして、運輸事業も経済のあるいは社会の変化というものが大きゅうございますから、それに対応した利用者サービスなり弾力的な運営というものもやっていかなければならぬわけでございまして、規制というものがそれを制約するようなことであってはならぬという観点から、規制の見直し、あるいは申請者の負担の軽減あるいは役所の側における行政の簡素化というふうな観点から、あり方はやはり検討していかなければならない、基本的にはそのような考えで臨んでまいっておるところでございます。
○関山委員 どうしても抽象的にならざるを得ないのかもしれませんが、端的にお伺いいたしますが、事業規制の中には「免許」、「許可」、「認可」、「届出」とそれぞれ言葉の使い分けがあるわけでして、この言葉の使い分けも一々細かく議論すると面倒ですが、いずれにしろ免許という言葉は、一般的には需給バランスというものをきちっと配慮をして取り扱われると言葉の概念としては私ども理解しているわけですね。先ほど行革審の話を聞きますと、量的規制から質的規制へという流れの中で、需給バランスはこちらへ置いておくんだという御議論もなきにしもあらずなわけですから、私はやはり今お答えがあったことに尽きるのかもしれませんが、具体的に免許ですね、事業の骨格である免許制度というものまでいじくるというようなことになりますと、まさに運輸事業の骨格にも触れていくことになるわけでありまして、今のお答えは、そういう部分にまでは踏み込まないんだというふうに前段のお話は承っておるわけですが、よろしゅうございますね。
○山本(長)政府委員 今まさに審議が行われておるところでございますので、こうあるべきであるということを私がはっきりとお答え申し上げられるような段階ではございませんけれども、やはり先ほど申し上げましたように、規制は規制の趣旨、理由があるわけでございまして、それが現在放棄すべきかどうかということになりますと、そういった状態にはないというふうに考えております。したがいまして、現在の根幹的な部分というものにつきましては、おっしゃるような部分、例えば需給というものを全く見ないというふうなことは、現状には即さないというふうな考えでございます。
○関山委員 あとちょっと具体的な、ことしから来年にかけて問題になりそうなテーマについて、この国会も間もなく終わるわけでありまして、また議論の場もなくなるわけですから伺っておきたいのです。 一つは国鉄再建。これがどういう形で出てくるか。これもまた国会が終わってからの話なものですから、議論のしようもないという部分もあるのですが、これにかかわる通運事業の見直し。それから二番目に、今も申し上げましたトラック貨物運送事業の規制緩和はどの程度までいくのか。それから複合一貫輸送ですね。これもいろんな勉強を重ねていらっしゃるようですけれども、これの法制化は一体どういう展開をしていくのだろうか。まあ、少し具体的に例えば、それぞれ個別法が今あっておやりになっていらっしゃるわけですけれども、それぞれ個別法の手直していくのか、それとも新法でいくのか、この時点でできる限りの見通しをお聞かせをいただきたいと思います。
○栗林政府委員 今先生おっしゃいました三点につきまして、なかなか具体的に、今後の法制度のあり方としてそれぞれの個別法なのか、あるいは違う格好なのかというあたりまではとてもまだ実は議論がいっておりません。ただ、いろいろ今先生おっしゃられましたテーマにつきましては、議論もあるところでございまして、私ども今感じておりますことを順次申し上げたいと思います。 まず第一に、国鉄再建に関連した通運事業の問題でございますが、先生御承知のように、国鉄の貨物輸送は五十九年の二月に合理化が行われまして、ダイヤ改正も行われました。これで従来の全方位輸送システムから拠点間の直行輸送システムに変更されて、その後、拠点間直行のコンテナ輸送は伸びておりますが、車扱いは減少しておる、こういうような状況が、その後六十年三月のダイヤ改正でまた推進されているということでございます。 これに関連いたしまして、こういった実態の変化によりまして、当然この規制というものもどういうふうにやるべきかということを考えていかなければいけないということでございますが、ちょうど現在は行革審でも議論がございますけれども、同時に国鉄再建監理委員会で検討が行われている、こういう状況でございまして、間もなく夏ごろには答申が出されるものというふうに伺っておりますので、この再建監理委員会の答申を踏まえまして、新しい鉄道貨物輸送にとって望ましい通運事業規制のあり方というものはどういうものかということを急いで検討し、結論を出していきたいというふうに考えております。 それから、その次のトラック運送事業の問題でございますが、これにつきましても、既に昨年来運輸省でも検討はいたしておるわけでございます。もちろん手続の簡素化といった面は、先ほど運輸政策局長から申し上げました中に相当入っているわけでございますけれども、さらに基本的な問題についての議論というものは、これからも続けていかなければなりません。その場合に、私ども考えておりますのは、やはりトラック事業の公共性の高さあるいは安全の要請といったものが非常に重要でございまして、そういった見地から、許認可が重要な政策の基盤となる場合も少なくない。こういった見地からの必要な規制というものは、当然今後とも維持していかなければならないと考えておりますけれども、一方、最近の物流の多様化、高度化する利用者ニーズに迅速的確に対応して、効率的かつ安定的な輸送サービスを確保していく、そのためにはどういった規制でなければならないか、こういったことを考えていかなければいけないと思っております。道路運送法も何回かの改正は経てきておるわけでございますけれども、昭和二十六年に制定されたものでございまして、やはり規制の内容と実態との関係、あるいは今後あるべき姿との関係ということをよく考えて、慎重に考えていきたいと思っております。もちろん臨時行政改革推進審議会において検討されておりますので、その結果も踏まえながら、また関係者の意見も聞きながら妥当な結論を得てまいりたいというふうに思っております。 それから、三番目の複合一貫輸送に関する問題でございますが、複合一貫輸送は、一般的に、先生御承知のように、二つ以上の輸送手段を組み合わせて一貫した責任のもとに戸口から戸口までの輸送を引き受けるということで、これは国際的にも非常に成長してきつつありますし、また最近では、先ほど申しました物流ニーズの高度化ということを背景にいたしまして、国内輸送の分野でもまた注目を浴びるという状況になってきております。ただ、この規制の問題になりますと、物流事業は各分野ごとに必要とする施設とか要員、技術などにそれぞれ違いがございますので、これに対する規制も各事業ごとの特性を踏まえて行われる必要があるというふうにも考えられます。今後このような複合一貫輸送のニーズに対応して物流事業が発展していく上において、現行の規制で何か障害があるのかどうか、そういうことがあってはいけないというふうに思いますので、そのあたりを点検し、そういった見地から物流関係全般の規制の見直しというものを行っていきたいというふうに考えております。 以上申し上げましたようなことを頭に置きながら、これから進めていきたいと思いますが、まだ具体的にどういう格好でというのは、これからの課題ということで御了承いただきたいと思います。
○関山委員 大変御丁寧な説明があったわけですが、最後の複合一貫輸送の法制化の見通しはどうですか。次の国会あたりにはみたいなことで作業は進んでいるのでしょうか。
○栗林政府委員 複合一貫輸送の問題につきましてもうちょっと詳しく申し上げますと、これは私ども貨物流通局ができましてからの一つの研究課題でございます。一つの政策課題というふうに考えております。 物流のいろんな事情が非常に厳しい中で、物流の量が伸びず、質的に非常に高いものが求められている中で、どういうふうにして合理的な効率的な輸送をしていくかというあたりで複合一貫輸送というものが非常に伸びてきている。それに対してどういう規制を行うかということを考えますと、一つには、実運送事業者といいますか、実際にトラックを持ちあるいは船を持っているという方が、いわば兼業的な格好でやるというような場合を考えてみますと、これはやはりそれぞれの特性に応じた規制というものがどうしてもベースになければいけないという感じがいたしますし、一方、取扱事業のようなことになると、自分で物を持っていないということでございまして、そうなりますと、ノーハウといいますか、そういったものが相当大きなウエートを占めてくる、そういう意味で、自動車とか航空とか鉄道とか、そういったものに関連してやはり相当共通する面もあるかとは思うのでございます。 〔委員長退席、久間委員長代理着席〕 ただ、そういう人たちが複合一貫輸送というものを主宰するという格好を考えますと、非常に大きな責任を負うということもありますので、そういった意味で、また一体どういうことが規制の上でも必要になってくるのかというふうな相当突っ込んだ検討が必要であると思いますし、それは一つには、複合一貫輸送というものをどういうふうにこれから育てていくかという政策の問題でもあろうというふうに考えておりますので、その辺を十分議論した上で方向づけをしなければいけないというふうに考えております。
○関山委員 お尋ねしていることにお答えをいただけないのですが、いずれにしても、やはりかなりの準備の期間が必要だというふうに理解をしておきましょう。 そこで、時間もだんだんなくなってしまったのですが、海造審の問題でお答えをいただきたいのです。私も海造審の最終答申を拝見させていただきましたが、大変中身のわかりにくい、特に門外漢にとりましてはわかりにくいのです。いずれにしても、ここでも規制緩和が進むのですけれども、集約体制などについても、これまでかなり強い行政の関与の中で規制が行われてきているわけですから、これが解除されることになれば、弱肉強食の混乱を招かぬかということがまず第一に心配でありますし、昨今、海運三部門全部不況、こういうことになっていますが、とりわけ外航海運の構造不況というのは根本的にどこに原因があるのか。皆さん方にいわせると、船員費が高いだとかあるいは後進国の追い上げがどうだとか、社会主義国の参入がどうだとかというようなことをおっしゃるのですけれども、世界的な船腹過剰というものが、やはり一番根本的な原因としてある。ここをまず押さえなきゃ問題にならないと思うし、その点は今回の答申でも触れられておるわけですけれども、同時に、そのこととのかかわりで、これも何遍も議論されてきております便宜置籍船の問題、これに手をつけなければ全体的な問題の解決にならないと私は思うのですけれども、この辺の御認識は、これは大臣いかがですか。
○山下国務大臣 今お話がございましたように、海造審の答申の中でも、この余剰船舶の問題については、これは強くお触れになっている問題でございます。申し上げるまでもなく、第一次、第二次石油ショック以来、その当時、昭和五十四年でございましたか、これをピークといたしまして、それからもう半減あるいはそれ以下に、特にタンカー等はなっている。タンカーだけでも、係船並びにスローダウンして航行している。これを係船等に換算しますと、一億トンくらい余っているんじゃないかと言われている。ということで、これは御指摘のとおり、過剰船腹が構造不況の一番原因をなしているということでございますので、いわゆる外航海運の不況を基本的に立て直すという面からしまするというと、解撤その他によって適正な船腹に、まずそういう方向に向かって行政指導あるいはその他のことをやっていかなきゃならぬと思っている次第でございます。 その他の点については政府委員からお答えいたしたいと思います。
○関山委員 そこで、船が余っているから解撤をする、その理屈はわかるのですけれども、しかし、今日の時点でいえば、なぜ今日の過剰船腹を生んだかというところにメスが入らなければやはりだめなんじゃないか。しかし、世界的な船腹過剰というのは、日本だけでどうなるものじゃないよというお答えが返ってきそうですが、国際的な場でそういうものを推し進めていくにしても、日本が今日まで世界海運あるいは世界造船の中で果たしてきている位置を見れば、これは日本の姿勢が変わらなければ、貿易摩擦じゃありませんけれども、物を言える立場はないんじゃないかと思うのですよ。何せ七一年から八三年までの世界の商船建造量のうち四六・三%という数字があったり、便宜置籍船の問題は別だとおっしゃるかもしれないけれども、そのうちの七五・五%は便宜置籍船だとか、あるいはこの間の船腹量の増大の中で便宜置籍船の寄与率というのは三四%までいっているわけですから非常に高いわけですね、こういうものに対する一つの現実認識というものをまずお持ちになっていらっしゃるのかどうか。そういうものを踏まえて、船腹過剰は解撤ももちろん必要でしょうけれども、同時にまた、便宜置籍船や仕組み船みたいなものをいわば投機的につくって船腹をいたずらに拡大してきたというような事柄について、一体どう反省をなさっていらっしゃるのか。これは反省というよりは、海運政策と造船政策とのいわば整合性というものをどう求められて今日までおやりになってきたのか。私どもからいたしますと、本当に不思議な事態と言わざるを得ないのですね、この政策的な今日までの海運行政のあり方というものをそれなりに振り返ってみますと。その辺についての御認識はどうですか。
○仲田政府委員 ただいま先生御指摘のように、船をつくるということは、だれでもどこでもできるという極めて自主的な経営判断にゆだねられているということでございまして、船をつくるにしても、それから解撤するにいたしましても、その辺が一つの政府なりまた国際間の規制によって行われているということではないという現実があるわけでございます。 かつ、この中で国が何をやるかと申しますと、日本の造船なりまた日本の船腹というものが世界の中でかなりのシェアを持っているということもまた事実でございますが、この中で日本だけが一つの対策をとったということになりましても、この広い世界の中でたくさんの船が活動しているわけでございますから、これもまた実効性の問題で、ほとんど効果がないという冷たい現実があるわけでございます。 こういう中で、今回の海造審の答申は、そういうような現実を見詰めつつも、その中で我が国としても国際的な場におきまして、この船腹の過剰問題に対して取り組む、そういう機運づくり、こういうことに対してやはり貢献をしていかなくてはならないということを強く指摘しているわけでございまして、日本のみならず、ほかの海運国、造船国というものが相携えて、例えばOECDの場とかにおいて問題を提起し、いかなる有効対策があるかということを真剣に討議していかなければならないかと思っております。 それから、便宜置籍船の問題でございますが、これもかなりの勢いでこの十年間ふえてまいったものでございますが、基本的には、これは船舶の需給ということとは関係がないと理解しております。これをつくった動機は、実は日本の場合で申しますと、日本の商船隊——日本の商船隊と申しますと、日本国籍で日本船員が乗っているという船、このほかにも外国用船という種類で、外国船員が乗っている船で外国からチャーターして借りてくるという船がございます。このほかにも日本の資本がつくりながら外国の国籍を借りるというような形態が出てまいりましたのは、これは一に我が国の商船隊というものがコスト面で国際的な競争力を失ってきたという中で、日本の企業が商船隊という一つの規模をどうやって維持していくかという中から出てきた一つの経営上の方策でございまして、これをどんどん増強して船腹の過剰の原因になるというような取り組み方は今までしてこなかったわけでございます。御承知のように、今まで国際的な場でも論議をされております。UNCTADで各国の船舶登録要件をどういうふうにするかという極めて厳しい条件がございますが、この点も別の観点から行われておるわけでございまして、船腹の過剰問題とは関係がないというふうに承知しております。
○関山委員 それはあなた、直接的に船腹の過剰ということとは結びつかないとおっしゃっても、船腹が過剰になるということは、余ったときに相互の国際的な海運の自主調整がきくかきかないかという問題とリンクしているわけでしょう。便宜置籍船だの仕組み船だのという悪い言葉で言えばアウトサイダーがいて海運の市況をかき乱すから、必要以上に船腹過剰という問題が問題になるわけでしょう。そうじゃないんですか。ですから、その船腹過剰の問題をいじる場合に、規制がきかない部分がどんどんふえていったとすれば、幾らあなたがおっしゃるように、みんなで調整しようやと言ったって調整できるわけがない。それに手をつけないでおいて、それは別だなんて言ったって、そういう認識じゃとてもじゃないけれども、これからの海運の先行きが案じられるわけでして、しかも便宜置籍船というのは専ら日本がつくってきているのです。よく御存じのとおり海運不況は日本だけじゃないのです、専門家にこんなことを言って申しわけないのだけれども。その悩みは各国とも共通のものを持っているわけでして、その海運不況をつくり出している一つの要因が便宜置籍船にあるということも、それはそれぞれ国柄によって強いところと弱いところじゃ対応の仕方は違うでしょうけれども、しかし日本が何か物を言う場合に、それは船腹過剰とは別ですなんという認識では国際的な船腹調整にどうして物が言えますか。 〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
○仲田政府委員 私が申し上げましたのは、便宜置籍船であるということが船腹過剰の原因ではないという極めて限定した意味で申し上げたわけでございまして、もちろんこれは便宜置籍船ではないちゃんとした日本の船、ちゃんとした外国の船、そういうもののトータルの船腹をどうするかということが船腹過剰問題に対する取り組みでなければならないということは承知いたしております。 それから、もう一つつけ加えさせていただきたいのは、船腹過剰の問題というのは、極めて非経済的な船舶というのが世界のマーケットにたくさんあらわれておる。例を申し上げますと、ある意味では低開発国が国威発揚のために船をつくるんだといって採算を余り考えないでつくった船、それから共産圏の諸国もそういうようなビヘービアを持っております。こういうような船が大挙して出てきたということが世界の船腹過剰、マーケットを低迷させた一番大きな原因ではないか。ほかの船はやはりそれなりの経済合理性の中で動いておりますので、これは共同すれば一つのルールに乗っかり、また船舶過剰が解消されるというチャンスがあるかと思いますが、こういう一つの非経済的な一部というのは、非常に無視し得ない大きな力になっているのではないかと考えている次第でございます。
○関山委員 時間がなくなってしまって、いずれまた先の長い問題でしょうから議論もさせていただきますが、しかし、確かにそういう後進国の追い上げたとかいう要因がなしとはしませんけれども、それにしてはこの便宜置籍船の位置づけというものについて今までの姿勢を変えなければ、しょせんこういう状況になれば、何もかも競争場裏の中にほうり投げて残るやつは残れ、まさに弱肉強食で再編成ということにしかならなくなっちゃうんじゃないですか。 私の言い分だけ申し上げておきたいと思うのですけれども、なおこの中で一番問題なのは中小の専属オーナーの問題です。ここのところが一番問題だと思うのですが、ここらあたりがまさに心配のないような手だてをこの際きちっとしておいていただきたいということと、時間がなくなりましたので一緒にお尋ねをいたしますが、船員問題、雇用問題、これは中間答申では別途検討する、こうなっているわけですけれども、これは一体どこでおやりになるのか。海造審でやるのかあるいは船中労あたりで改めてこの問題は議論するのか。将来の船員問題も含めてどう対応なさるのか、これはひとつお答えをいただいておきたいと思います。
○武石政府委員 お答えいたします。 船員問題につきましては、先生も御指摘のとおり、主として中間答申で触れられておるわけでございますが、外航海運問題については、「厳しい状況認識に基づく海運経営者の自主努力と、労使が共通の問題意識を持ってこれを解決しようとする協同の努力が基本である」ということを最初に述べておるところでございます。さらに日本人の船員の役割を明らかにいたしますとともに、船員問題の対応については「このまま推移すれば、昭和六十五年時点においても、なお船員過剰が存在する状況が続くことが危惧される。」ので、この問題に対処するため「労使協議によるあらゆる努力が要請されるところであり、また、船員の需給動向を把握しつつ、船員教育機関の見直しや船員雇用対策等について検討していく必要がああ。」というふうに記されているわけでございます。 現に雇用されております船員の雇用安定の問題につきましては、現在当事者である企業の労使が協議しつつ検討を行っているというふうに承知しておるわけでございます。一方、海運業の動向は、今後の集約に関する規制緩和策あるいは税財政措置などによりまして、その活性化が図られるということになりますので、これらの海運政策の成果がどのような形であらわれてくるかということを見守る必要があると考えております。船員問題の対応につきましては、このような二つの動向を十分見守りながら状況に応じて適切な施策を講じて、船員の安定的な雇用の確保に努めてまいりたいと考えております。その中で必要な場合には審議会の場を活用するということも検討してまいりたいと思っております。
○関山委員 中小専属オーナーの問題は時間がありませんから要望だけしておきます。これは混乱やあるいはそこに派生をする雇用問題などに十分な対応がなければ、やみくもに規制緩和ということのないように要望しておきたいと思います。 時間がなくなりましたので、最後に一つだけ。先般新聞各社で日本港運協会の問題で独禁法違反で申告がされたという事件の報道がなされているわけですね。私も詳しい中身をまだ承知をいたしておりませんけれども、これがどのような背景を持っているのか。事実独禁法に違反ということになりますと大変な問題だと思うのですけれども、運輸省としては、今状況をどのようにつかんでいらっしゃるのか、従来ともこれは長い経過もあるようですから、どのような指導監督をなされてきていらっしゃるのか、最後にお尋ねをしながら、今後に問題が残されることでもありますし、ひとつ厳しい対応を要望いたしておきたいと思うのですが、お答えをいただきたいと思います。
○栗林政府委員 ただいま先生御指摘の点は、いわゆる事前協議制度と言われておるようなものでございまして、港湾における著しい荷役革新というものが進んでまいりまして、コンテナ輸送でございますとか、ロールオン・ロールオフ船とか、そういったもので、荷役が在来型の荷役から変わってまいりました。そこで、これが港湾労働者の雇用と就労に及ぼす影響を防止または軽減するといったことで、昭和五十四年の五月三十日の港運労使の協定によりまして、コンテナ船の新規就航等の輸送体制並びに荷役手段の形態変化に伴い港湾労働者の雇用と就労に影響を及ぼす事項について、あらかじめ港運労使の中央及び地方で協議をすることとした制度でございます。これを受けて、また日本港運協会と船会社との間でも同様の事前協議制が行われているということが経緯でございますが、この事前協議制度というものは、行政が介入するということは全くございませんで、港運労使間及び港運業界と船社間で自主的に運営されてきたというのが実情でございます。 そこで、御指摘の公正取引委員会への申告でございますが、これはこの事前協議制度に基づく日本港運協会の一部活動が、船会社の事業活動及び港運業者間の競争を実質的に制限している、そしてこれは独禁法の第八条に違反しているということで申告に及んだというふうに思われるわけでございますが、これは、印象といたしましては、本件が独禁法に抵触するか否かという問題でございますので、つい最近でございますけれども、公正取引委員会に申告されたという事態でございますので、その審査を見守って、あるいはその結論を待って、しかるべき対応をしていかなければならないというふうに考えております。
○関山委員 ありがとうございました。 時間がなくなりまして、最後にSAR条約の問題でもう一つ御質問を申し上げるつもりで通告をいたしておきましたが、時間がございませんのでやめますけれども、あすいよいよ発効するようでありますし、十月には船位通報制度、ひとつ万全の体制で対応していただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○三ツ林委員長 田並胤明君。
○田並委員 それでは第一点、運輸省の許認可事項について公表する意思があるかないかという問題についてお伺いをしたいと思うのです。 現在、運輸省の許認可件数というのが、五十九年の四月一日現在で二千二百十一件あるそうでございます。これは五十六年の二月の時点で二千二百三件という許認可の件数でしたから、いろいろな事情があって八件ほどふえている計算になりますが、このうち許認可に要する期間が法律で決められている件数というのはどのくらいあるのかというのがまず第一点であります。 特に、私が許認可の事項について公表する意思があるかないかという問題でお聞きをするのは、今地方自治体の場合には、かなりの許認可事項について市民や県民の人に、大体この許認可はどのくらいの日数があれば許可になるか不許可になるか、いずれにしても結論をお知らせをすることができるという標準日数というのを決めて公表をしている自治体が非常に多くなっているわけですね。これは非常に親切な行政ということで自治体の住民の人から喜ばれているわけでありますが、運輸省の場合には、残念ながら内規で決めてあっても、なかなかそれを国民の皆さんに公表するというところまでいっていないものがかなりあるんじゃないだろうか、こういう気がするわけであります。二千二百十一件のうち現在法律で許認可に要する期間の定められている件数というのは今どのくらいあるのか、それをまず第一点お伺いをしておきたいと思うのです。
○山本(長)政府委員 運輸省のいわゆる許認可の中で、その処理期間が決められているものは何件あるかという御質問でございますが、法律で期間を決めているものはございません。それから省令でもって処理期間を決めているものが一件ございます。 一般的には、この対象事案の処理につきまして、定型的にと申しますか、処理期間を決めるということがなかなか難しいということもございまして、大部分というかほとんどすべてが決められていない、こういうふうに申し上げていいと思います。
○田並委員 今局長の方から話があったように、法律で決められているものはゼロ、省令で決められているものが一件、残りの二千二百十件というのは、これは内規か何かでおおむねの処理日数というのは決めてあるのですか。
○山本(長)政府委員 二千二百件と申します中には、届け出、報告等のものがございまして、いわゆる許認可と申しますか、申請をして何らかの行政的なチェックを受けて、イエス・ノーという判断があるというもの、いわゆる免許、許可、認可というふうなものの数につきましては、先生二千二百件というふうなことでございましたけれども、約八百件というふうに申し上げていいと思います。 それから、この処理期間につきましては、先生おっしゃるように、内規でもって、これは本省権限、地方権限たくさんございますので、一応の目安ということで、行政庁、我々の側における迅速な処理を図るという上からのめどと申しますか、として定めております。これは八百件全部についてかどうかということについてはちょっとチェックをしてきてはおりませんけれども、ほとんどすべてについてそういった標準的な目途と申しますか、期間を定めて、その期間内にやるという努力をする、こういう内規でございます。
○田並委員 特に運輸省だけではないと思うのですが、国の許認可にかかわるものというのは非常に期間が長いですね。これはもちろん規制緩和との関連も多分あると思うのです。あるいは既設の業者間の利害の問題等があって、そう簡単に認可申請があったから、あるいは許可申請があったから、それじゃすぐにということには、いろいろな調整をしなければならないということで、なかなかいかぬとは思うのですが、期間の長いものというのは、一番長いもので大体どのくらいのものがあるのですか。
○山本(長)政府委員 長いものの事例をちょっと調べてまいりませんでしたけれども、例えば一昨年免許がおりました日本貨物航空という会社の処理につきましては、処理したのが一昨年の八月、申請がありましたのが五十三年か五十四年であったと思います。長いものはそういうものがございます。
○田並委員 いずれにしても、今の日本貨物航空の問題は別として、特に国民生活に関係をするようないろいろな許認可の申請があると思うんですね、バスの問題とかあるいはタクシーの問題とか。いろいろあると思うんですが、特に長くなる理由というのは、言えば業界サイドとの調整の問題なんでしょうかね、この辺は。要するに、規制緩和の関係があって、業界の従来のサービスの確保だとかあるいは経営の安定だとか、こういうものを確保するための内部調整というのが主な原因としてあるのかどうか、それをちょっとお聞きをしたいと思うのです。
○山本(長)政府委員 同じバスの免許事案というものをとりましても、早いものは数日で処理されるというものもあれば、一年かかるというふうなものもあるわけでございます。これは同じバスの路線免許ということでございましても、やはり手続面といたしまして、地方局長なりの聴聞をする必要があるという事案もございます。またその聴聞の範囲も狭い場合もあるし広い場合もございます。さらに本省の事案になりますと、運輸審議会に諮問をするというふうな手続を要する事案もございます。バスの事案でも、必要のあるものとないものとございます。また運輸審議会に諮りましても、さらに利害関係人から公聴会の申請があるということでもって公聴会が開かれるというふうなものもございます。そういうふうに事案の内容によって手続面それ自体において差があるというのが一つあると思います。 それからもう一つ、申請の中身によりまして、審査をいたしますときに申請書だけでもっては判断できない、したがって書類を提出していただく、あるいは役所独自での調査をするというふうな、そういった慎重な審査をする必要があるものもございます。こういった手続面での差異、内容による軽重と言うとなんでございますけれども、慎重な審議を要するものと割合に機械的にやっていいものとがある、こんな差異がございます。その手続面で時間がかかる場合、それから内容的に審査を長くする必要があるという、この相違で長くかかっている、こういうふうに理解していただきたいと思います。
○田並委員 局長、許認可に要する期間というのは、内規でもし決まっているとすれば、許可にする、不許可にするは別として、不許可にするからにはそれなりの理由をつけて不許可にするのでしょうし不認可にするのでしょうが、それらの理由をくっつけてきちんと相手側にいつごろまでにそれらの結論が出るということを明らかにすべきだと思うのですよ。何か秘密めいていて、そこに何か変なものがもやもやしているような感じの申請の期間というのはいけないような気がするんですね。各自治体だって、いろいろな困難を排除しながら、市民の皆さんや県民の皆さんから申請のあったものについてはおおむねこれくらいの期間で処理ができます、処理いたします、こういう努力をしているんですよ、地方自治体の場合には。国の方でそれができないということはないと思うんですね。これは公表の努力をぜひともひとつやってほしい、こういうふうに思うんですが、どうでしょうか。
○山本(長)政府委員 先生の御質問あるいは御提言というものは、運輸省だけではなく政府全般の問題にかかわる問題であろうと思います。事案の処理というのは迅速にやるということが必要でございますが、同時に適正に判断する、適正に処理するということが必要である、二つを満足させなければならないわけでございます。先ほど申し上げました、期間が長くかかっておるようなその理由として挙げましたのも、早くする必要はあるけれども、やはり適正に処理しなければならぬというところから長くかかっている。しかも、それもなかなか何方角、一年というふうに画一的に決めがたい、こういうふうな事情があるわけでございます。そういうところから処理期間というものも画一的に決めがたいということがあるわけでございます。 さらに、申請者の側から見ましても、申請書の内容を追加する、訂正するというふうなこともございますので、満足でない状態の中において却下をするというのも不親切な行政だということにもなりかねません。そういった意味におきまして、私たち少なくとも運輸省といたしましては、早く処理するということにつきましては、先ほど申し上げましたような内部の目安というものを決めて、それにできるだけ合うように努力するということでやっておるわけでございますが、先生のおっしゃる、公表する、これは別に隠して、だれが来ても教えないというふうなものでございません。けれども、天下に公表して、この期間内に処理いたします、こういうことを公表することが、それがまた期間にとらわれて事案の審査というものの、先ほど申し上げました満足性といいますか、というものがおろそかになるというふうなことにもなりかねないというおそれもあるわけでございます。そういうところから私たちといたしましては、内部の処理を早くするということが目的でございますから、その目的に行政庁といたしまして努力をするという意味で、内部規定でもって処理をしている、こういうのが現状でございます。
○田並委員 これ以上言ってもどうにもならないと思うのですが、例えば今まで国の仕事だったものがこれからだんだん自治体の方に権限移譲みたいな格好で行くわけですね、これまでもありましたし。そういうものが自治体へ来ますと、自治体はちゃんと期間を公表するのですよ、処理期間というのを。運輸省が所管であった当時にはそれがなくて、自治体へ行ったらそれができるというのは、これはおかしなことなんですね、別に運輸省に限らずに。それで私もある事案について申請を頼まれまして持っていったんですが、もう何と一年以上かかるんですね、運輸省の所管に係るものが。それでどの程度かかるのか期間を公表してくれと言ったら、それもできませんというわけだ。内規では決まっているんだけれども公表できないというわけですよ。なぜそんなに時間がかかるのだ、人手が不足なんだ、返ってくる言葉は大体そんなことなんですね。これは本当に人手不足なのかあるいは案件がいっぱい来ちゃってにっちもさっちもいかないのかどうか、そこまでは調べていませんけれども、もうちょっと親切な行政というのをやるべきだ。決して無理な話じゃないと思うのですね、だめなものはだめでいいんですから。法律に基づいて申請しているんですから。法律に基づいて申請して、法律に合致するような内容だったら、これはどんどん許可すればいいんす。ただ、もちろんそこにはいろんな利害関係があるでしょうから、また安定的な経営だとかあるいは安全といういろんな面から考えてみて無理なものは無理としてわかるのですが、この辺のやっぱりもうちょっと親切な行政を、許認可が一番運輸省には多いわけですから、そういう対応というものを強く望んでおきたいと思うのです。 次に、国鉄問題について幾つかお伺いしますが、国鉄の首脳人事の問題についてお伺いをしたいんです。これは総裁がいるところでこういうことを聞くのはちょっと嫌なんですが、まあ、しようがありません。 六月七日の運輸委員会で私どもの兒玉委員が運輸大臣に、例の国鉄再建監理委員長が五月十五日付で発言をした、総裁をやめさせるような発言について質問し、運輸大臣としては、あれは権限として言ったんじゃなくて、仮に国鉄改革が政府の方針として決まった場合に、この方針に従わないような事態が起きた場合は更迭ということもあり得るのではないかという、まあ意見として言ったんだ、このように運輸大臣は弁明をされましたが、今度は日を置いて六月十三日になりましたら、参議院の内閣委員会で中曽根総理が、国鉄改革が実現できるような体制を整備していくのが大事なことだということで、暗に国鉄改革を強力に推進するために、国鉄の首脳陣の人事刷新を考慮しているような発言があったというふうに聞くわけであります。恐らく総裁を初め国鉄の首脳陣にとっても、今までの経験を十二分に生かしながら、真の国鉄再建をやろうという努力をしている最中だろうと私は思うのです。そういうところへもってきて内閣が任命をした総裁を、それは亀井監理委員長が自分の意見だというふうに言ったとしても、少なくとも今国鉄の管財人的な立場ですよ。そうすると、こういう責任のある人が自己の見解だ、意見だと言ったとしても、何か総裁の首を切るような発言にとられるのは当然考えられると思うのです。権限がないのにいかにも権限があるような形になるわけでありますが、それに総理大臣が、一般的であるとしても、体制整備をしていくのは大切なことだということで、暗に国鉄首脳の人事刷新を考慮しているような発言があるということについては、恐らく今真剣に国鉄再建に取り組んでいる国鉄の首脳陣にとっては大変なショックだったろうと思うのです。 運輸大臣は大変情け深い人のようでありますし、国鉄再建を真剣に考える運輸大臣でしょうから、そのようなことはないと思うのでありますが、これらの一連の発言に対して運輸大臣はどういうお考えでいられるのか、ちょっとお聞かせを願いたいと思うのです。
○山下国務大臣 亀井委員長の御発言につきましては、私も委員会等でしばしば申し上げてきたのでございますが、いわゆる筋論を申されたことでございまして、内閣の人事権等を侵害するというようなことは毛頭なかったということを御本人もおっしゃっていますし、私もそのように受け取っております。 また、総理がおっしゃいました国鉄改革が実現できるような体制を整備していくことは大切である、これはもうそのとおりでございまして、私も同じような認識に立っております。これは余り深くお考えにならないで、基本論としてはそうであるというふうにおとりいただいて結構ではないかと思っております。
○田並委員 一般論としてとれということなんですが、どうも一月に国鉄が独自の再建案を出したところからこれらの一連の発言に発展をしているような感じがしてならないわけであります。それは確かに国鉄の管財人的な監理委員会でありますから、最終的な答申を出す、それを政府が受ける、政府が方針を決定する、その段階でのいろいろな問題というのはあるかもしれませんけれども、少なくとも今日まで国鉄を支えて守りやってきた国鉄の首脳陣が真剣になって再建案を考えているその最中に、私どもとすれば、非常に不穏当な、これは内閣が任命をする人事でありますから、内閣が気に食わなければかえることも自由かもしれませんけれども、少なくもこういう時期だけにもっと慎重な発言があってしかるべきであろう、このように今考えるわけであります。ひとつ運輸省、国鉄、一体になって真の国鉄再建のために努力をされるように強く望んでやまない次第です。 次に、整備新幹線の建設問題についてお伺いをしたいと思うのです。 整備新幹線につきましては、ことしの予算で五十億円、東北新幹線の盛岡以北の工事費と十四億円の北陸新幹線の調査費、これを一応計上したわけであります。財源はどこから持ってくるかというのはこれからの問題のようでありますが、これらの着工については、従来の方針でいくと、再建監理委員会の最終答申が出された時点で、その方針に基づいて具体的に建設するかどうかということを決めていこう、こんな方向になっておったと思うのです。 ところが、新聞報道によりますと、再建監理委員会、整備新幹線に関する提言は最終答申には盛り込まない、国民の要望が非常に強いので、答申の中には盛り込まずに、着工の是非は財源問題を含めて政府の方にお任せをするというような方針になったやに聞くわけであります。したがって、財源問題を含めて、運輸省の方ではこの整備新幹線の建設問題についてどのようにお考えになっておるのか、それをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○山下国務大臣 整備新幹線の問題につきましてもしばしば今期国会において御答弁申し上げてきたところでございますけれども、基本的には国鉄の再建監理委員会の答申が出た上で決められるべき問題であり、それを前提といたしまして、所要の立法措置を講ずることによって並行在来線というものを廃止していくとか、あるいは地方との負担分によって事業の実施方式を決めていくとかいうことは、これも申し上げてきたとおりでございます。 今御指摘ございました、どうも監理委員会は答申の中に盛り込まないようだふということでございますが、これはただ単なる新聞報道でございまして、私の方は、盛り込まれるのか盛り込まれないのか、まだ監理委員会において最終的な詰めが行われておる段階と聞き及んでおりますので、監理委員会の答申を待って正式には決めるべきものだ、かように理解をいたしております。
○田並委員 そうすると、今大臣の答弁にありましたように、再建監理委員会の方の答申の中に盛り込まれるか盛り込まれないか、これからの問題だ。これは新聞報道ですから、どこまで信用していいのかわかりません。だけれども、あれだけ大きく、整備新幹線問題は答申に含めない、このように再建監理委員会が明らかにしているということが出てくると、ボールが政府にもう一回戻された。しかも具体的な財源については、国鉄の負担にはしない、公共事業方式でするんだという政府の方針があるようでありますから、これらについての準備というのももう既に始められているんじゃないかと思うのですけれども、その辺はどんな状況になっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○山下国務大臣 まだそのボールは投げられていないと私思うのでございますけれども、いずれにいたしましても、答申によってどのようにこの問題が盛り込まれて私どもちょうだいすることになるのかわかりませんけれども、先生おっしゃったように、事業費として五十億組んであることは事実でございます。ただ、国鉄の負担に帰さないという趣旨が、五十億については五役交渉との間に盛り込まれているということでございますから、仮に盛り込まれない——まあ仮定に立って答弁申し上げるのは私はどうかと思いますが、仮にそのようなことがありましても、一応計上された予算でございますから、それは政府の責任において着手すべきである、現段階においては私はそういうふうに理解しております。しかし、繰り返して申し上げておきますが、これはあくまで監理委員会の答申を待ってということで、本来は仮定に立って私は答弁申し上げるべきではございませんけれども、たっての御質問でございますから、そういう前提に立つのならばということで申し上げた次第でございます。
○田並委員 大体わかりましたが、当初の予定どおり、やはり国鉄に負担をかけるようなことは絶対にやめるべきであって、既定方針どおり公共事業費的な仕事としてやるべきである、これはぜひひとつやるからには国鉄の負担にならないようにやってほしい、このように思います。 次に、もう時間がなくなりましたので、あと二つほど聞きますが、一つは東北・上越両新幹線の環境問題について国鉄にお伺いをしたいと思うのです。 特に、上越新幹線の方は鉄建公団でやっておりまして、騒音対策等については予定どおり工事等も進められておりますので、余り問題はないのでありますが、国鉄が担当する東北新幹線の環境問題、これがややおくれているような気がするわけです。というのは、環境庁の騒音基準というのは、新幹線開業時、住宅地の場合には八十ホンを超える場合は開業と同時に基準の七十ホンまで下げる。それから二つ目は、七十五ホンを超え八十ホン未満の場合の地域は開業時から三年以内に七十ホン以下に抑える。このような方針があると思うのですね。三つ目は、七十ホンから七十五ホン以下は五年以内に七十ホンに下げるんだ、こういう環境基準があるのですが、本年の六月二十二日、明日で東北新幹線、上越新幹線も開業三年目を迎えます、大宮暫定始発を含めて。そうすると、二つ目に言った七十五ホンから八十ホン未満の地域は、開業時から三年以内に七十ホンにするという環境庁の騒音基準に果たして合致をするような状況になっているのかどうか。 というのは、埼玉県で、これは三ツ林先生の方の関係だろうと思うのですが、白岡町と久喜市でそれぞれ東北新幹線の騒音の調査をことしの三月ごろやっているのですね。それによりますと、白岡町の場合にはレールのところから二十五メートル地点で七十八・一ホン、五十メートルのところで七十六・二ホン、いずれも三年以内に七十ホンにするという基準に合致をしておらないわけであります。したがって、国鉄としては、この環境庁の騒音基準に合致をするような対応策をどのように考えられているのか、あるいは五年以内に七十ホンにするところの地区について、久喜市なんかはこれに当てはまると思うのでありますが、これらの対応策をどのように考えておるのか、これをひとつ明らかにしていただきたい、このように思います。
○岡田説明員 お答え申し上げます。 先生今御指摘になりました基準のうち、七十五ホンないし八十ホンの区域を七十ホンに下げるとおっしゃったかと思いますが、環境基準は類型一地区については七十ホン、類型二地区については七十五ホンにするということを基準にいたしておりまして、七十五ホンを超え八十ホン未満の区域については、開業時から三隻以内に今の環境基準値になるように努力をしるというのが環境庁の告示の趣旨になっておりますことを申し上げます。 八十ホン対策の方は、実は開業時におきましてほとんどが達成をいたしております。今お尋ねがございました七十五ホン対策につきましては、先生も今お話しございましたように、まことに申しわけないことでございますが、東北新幹線の沿線区域についてはまだ対策に手がついておりません。この区間については家屋に対する防音工で対処をしたいというふうに考えておりますが、先生も御承知のように、東北新幹線につきましては、本年の三月のダイヤ改正の時点におきまして、二百四十キロに最高速度を向上させていただきました。この二百四十キロに向上するに当たりましては、発生源対策の方で、例えばパンタグラフの数を半分に減らすとかあるいはレールを磨いてレールから発生する騒音を少なくするというような対策をとって、二百十キロで走行する場合と二百四十キロで走行する場合と発生源において騒音が違わないという対策を講じてやったわけでございますが、いずれにいたしましても、二百四十キロ運転を行うということを考えておりましたので、七十五ホンの区域の確定と申しますか、七十五ホンの防音工をする対象となりますところの家屋の確定作業につきましては、この三月以降にやらしていただきたいということで、まことに申しわけないことでございますが、大変延び延びになっていたわけでございます。 現在、この地域につきましては、埼玉県内も含めまして早急に調査に入っております。大宮、上尾地区にはそういった対象家屋がないと考えておりますが、その他の七市町村については既に測定すべく現地に入っておりまして、蓮田町においては完了いたしております。白岡町においては二分の一という進捗状況になっております。 いずれにいたしましても、早急に住民の方々の御理解を得まして、この個々の家屋における騒音の測定を行いまして、防音工の実施に早急に取り組みたいというふうに考えておるところでございます。
○田並委員 ぜひひとつこれは早急に、今理事が言われたように、全力を挙げて解消のための努力をしてほしい、このことだけを要望として申し上げておきたいと思います。 時間が来て大変恐縮なんですが、あと一つ、高崎線と東北線の輸送力の増強の問題についてお伺いをしたいと思うのです。 現状、これは現状といっても、五十八年の一年間のラッシュ時一時間平均の混雑率を、これも埼玉県が調査をいたしました。特に高崎線の場合には宮原−大宮間二七七%の混雑率、東北線において東大宮−大宮間が二七九%の混雑率。御案内のように、混雑率が二五〇%になりますと、電車が揺れるたびに体が斜めになって身動きができない、こういう状況であります。三〇〇%になりますと、物理的な限界に近くて危険があるという数字だそうでして、ちょうど二七〇から二八〇というのはこの中間点で、まさに危険即発、こういう状況に高崎線、東北線の混雑率はあるというふうに判断ができるわけであります。おかげさまで、ことしの三月のダイヤ改正で昼間帯の電車の増発等でかなり混雑緩和がされましたが、朝晩のラッシュ時については一本か二本増発されただけで焼け石に水という状態であります。 ことしの十月に通勤別線が大宮−赤羽間で走るということなんですが、これは高崎線と東北線の利用者には余り影響ありません。大宮から赤羽までの間の通勤者の対策には恐らく大変貢献をするでしょうが、従来高崎線や東北線を利用して東京方面に通勤をしておった方は、この通勤別線に乗りますと、従来は二駅で上野へ着いたのが、十ぐらいの駅を通過しないと赤羽に着かないということで、逆に、高崎線、東北線利用者にとっては、これに乗ることによって不便になります。ですから、高崎線、東北線を利用する通勤者は従来の電車を利用して東京へ来る、こういう状況は依然として続くだろうと思うのです。 そこで、お伺いをしたいのは、このような人口急増に伴う高崎線、東北線の通勤ラッシュの混雑緩和のために国鉄としては今日まで大変な努力をされてきたわけでありますが、考えてみると、大宮以南というのは高崎線、東北線が同じ線路で走ることになりますから、これを別線をつくって複々線化をしない限り、あるいは従来の貨物線を利用してもう一つの線をつくる以外に、高崎線と東北線の混雑緩和をする方法というのはないわけであります。さらに考えてみますと、東海道線、総武線、中央線はもう既に複々線化が完了して、快速電車は走る、特別快速は走る、前にも指摘をしたとおり相当便利がよくなっているわけでありますが、常磐、東北、高崎というのは残念ながら、今日までそれなりの努力はされておりましたけれども、線増の計画というのは通勤別線をおいてはほかになかった、こういう状況であります。したがって、大宮以南の高崎線、東北線の分離というのが実現できませんと、具体的な通勤ラッシュの混雑緩和にはならぬ、このように思いますが、これについて国鉄ではどのように対応策を考えているのかを一つはお聞きをしたい、 それと、大宮以北についても、高崎線も東北線も複々線化を計画的に進めていかないと、将来大変なことになるだろう、こういう予測が人口予測からできます。したがって、これらの計画の可否について、ぜひひとつ展望を含めてお聞かせを願いたいということ。 さらに、通勤別線がいよいよことしの十月に開通をするというふうに報道されておりますが、具体的な開業時期、さらに通勤別線は、当初は高崎線の宮原始発というふうになっておったはずであります。既に用地買収も七五%済み、さらに工事等も一部着工されているようでありますので、ぜひこの宮原乗り入れの実現を図っていただきたい、このように強く望むわけでありますが、これらの考え方についてお聞かせを願いたい。 以上三点、まとめてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○岡田説明員 先生御指摘ございましたように、大宮以北からの首都圏に向けての通勤者が大変激増をしておる、またそのためにいわゆる中電が大変混雑をしているということも事実でございます。 ここの問題点と申しますのは、実は東北線、高崎線はそれぞれ一複線ずつを持っておりまして、列車の増発余力はまだあるわけでございますけれども、根っこの大宮から都心にかけましての間が一複線しかない。したがって、現行での設定能力が上野の駅の容量から考えまして十八本しかない。現状でそれを東北線と高崎線にイーブンに振り分けていくと九本、九本の輸送力しか設定できない。これが限界であるというところに問題があるわけでございます。そういったことから、まずその大宮以南における中電の輸送ルートをどうするかということについて検討する必要がある。まさに先生の御指摘のとおりであるというふうに考えております。このルートにつきましては、現在、貨物線が旅客線に並行して走っておりまして、これは御承知のように赤羽まで旅客運転をいたしております。しかし赤羽から都心部につきましては、線路が上野にもつながっておりませんし、それから池袋にはつながっておりますが、池袋にはホームがないということで都心部に入れない、赤羽で折り返し運転を行っているということで、ちょっと隔靴掻痒の感があると申しますか、画竜点睛を欠く面があるというふうに考えております。これらの大宮以南における中電の輸送ルートの構成の問題につきましては、貨物線を利用して池袋へ入れるという案もございます。そういったことについて、とりあえずこの十月には通勤別線が開通をいたしますので、そういったときの輸送の状況、お客様の利用の状況、それから今後の輸送動向というものを見詰めまして、早急に検討をし、具体案を詰めて推進をしていきたいと考えているところでございます。 それから、大宮以北についてさらに東北線、高崎線の複々線が必要でないかという御指摘についてでございますけれども、少なくとも現在の段階で見てみますと、東北線、高崎線、九本九本ということで、これでは足りない。しかし、例えばそれが十二本になるといった程度であれば当面は賄えるということになりますので、これは相当長期の問題になるというふうに考えております。したがいまして、例えば道路との立体交差の問題でございますとかいったときに、この間の複々線ということが将来あり得るということを考えながら仕事を進めていく必要はあるだろう、そういう認識で、この問題については長期の問題としてひとつ検討をさせていただきたいと考えております。 それから、通勤別線の具体的な開業時期につきましては、今まだ部内でいろいろ煮詰めている段階でございます。ごく最近に至りまして、例の通勤別線の十の駅について、駅前広場の暫定整備の方針を、地元の大変な御協力を得てやっと決めていただいたという状況でございまして、そういったものの進捗も図っていかなければいけないという点から、まだ確定できる段階に至っておりませんが、おかげさまで大変地元の方々の御協力をいただきまして、車両基地の工事も推進ができておりますし、また市道との立体交差の問題でございますとか、先生から去年七月に御指摘もございました国道十七号との立体交差の問題とか、工事は順調に進捗をいたしておりまして、何とか十月の上旬には開通にこぎつけるように最善の努力をいたしたいということで、具体的な開業時期の発表につきましては、もうしばらく御猶予をいただきたいというふうに考えているところでございます。 それから、宮原乗り入れの問題につきましては、先生先ほど御指摘のございました大宮以南の線路をどう構成していくか、中電対策をどうしていくか、大宮以北の通勤される方々の混雑緩和をどうするか、輸送力をどうつけていくかという問題に極めて密接に絡んでいる問題でございます。そういう問題ともあわせながら考えていきたいと思っておりまして、現在用地買収が七六%ということで、この間の線増の開通の時期ははっきりと申し上げられない段階にあるわけでございますが、いずれにしましても、東北、高崎線の中電の輸送対策ということについては、大変その重要性を認識いたしておりますので、いろいろな条件を勘案しながら鋭意推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○田並委員 厳しい財政事情でしょうけれども、ぜひひとつ今後とも全力を挙げての努力をお願いして、終わります。 ありがとうございました。
○三ツ林委員長 左近正男君。
○左近委員 もう時間も余りありませんが、大阪空港周辺の騒音対象地域をかなり縮小するという話ですが、これは事実ですか。
○山田(隆)政府委員 お答えいたします。 運輸省としましては、今まで騒音対策につきましては、発生源対策として低騒音機の導入その他の措置を講じまして騒音の減少に努めてきたところでございます。大阪につきましても、そのような騒音対策の結果、騒音のレベルが過去十年間にかなり下がっております。昨年の十一月に私ども調査をいたしましたところ、地区によって若干の相違はございますが、おおむねW7からW9ぐらい減少しているわけでございます。このため二種区域の基準となるW九十のコンターというものは、現在の第三種区域内の内側におさまるのではないか。そういう状況からいいまして、現在の区域を見直してもいいのではないかというふうに考えております。現在そのような作業を進めておみところでございます。
○左近委員 今、大阪空港では、第一種区域が三千百ヘクタール、第二種が三百八十六、第三種が二百八十九、こういうことですが、第一種はそのままにしておく、第二種、第三種地域を縮小する。それでどれくらい具体的に縮小するのですか。
○山田(隆)政府委員 まず第一種地域につきましては、これは昭和五十七年に区域を決めておりますので、その後大きな変化がないということで、現在のところいじる考えはございません。 それから、第二種、第三種区域につきましては、これが決められましたのが四十九年でございまして、その後先ほど申し上げましたような事情で大幅に騒音が軽減しておりますので、これについて見直しをしようというのが現在の考え方でございます。 しからば、どれくらい区域を縮めるかということにつきましては、先ほど申し上げました昨年十一月の実態調査の結果に基づいて、私どもこれから作業を進めるところでございまして、実際の区域の指定につきましては、地元の地方公共団体などとも十分調整をして区域を定めていきたい。今の時点で実際に面積がどれくらいになるかということをまだ申し上げる段階にないわけでございますが、かなり縮まるのではないか、かように考えております。
○左近委員 大体半減ぐらいになるのですか。
○山田(隆)政府委員 まだはっきりしたことを申し上げる段階ではございませんが、半分以下になるのではないか、かように考えております。
○左近委員 結局、今までの地域をかなり半減していくということになりますと、今まで第二種地域では移転補償というのがございましたね。それで現実にこれは移転が円滑にいってないですわね。まだかなり残っていますわね。いろいろ地元とトラブルが当然派生すると思うのですが、その点は心配ないですか。
○山田(隆)政府委員 確かに区域の見直しをいたしますと、移転補償が区域から外れる部分についてはできなくなるということで、地元でその見直しを待ってほしいという動きがあることは私ども承知しております。その見直しをするに当たりまして、私ども考えておりますのは、地元とのトラブルをできるだけ避けるように、地元の公共団体その他関係者と十分打ち合わせをしながら、できるだけ混乱のないように措置していきたい、かように考えております。
○左近委員 それでは、地元ではいろいろ意見が出ているわけですが、地元との合意がなければ本件については実施しないとここで約束してくれますか。どうですか。
○山田(隆)政府委員 この見直しにつきましては、法律上地元の府県に意見を聞くということになっておりまして、私どもとしては、その意見を聞く段階で地元の方で十分調整が行われるものと考えております。先生のおっしゃいましたように、同意がなければやらないということを申し上げることはいかがかと思いますので、私どもといたしましては、公共団体の意見を聞く過程で十分地元とのすり合わせが行われるものというふうに考えております。
○左近委員 今あなたのところでは告示の変更を大体いつごろに考えておるのですか。
○山田(隆)政府委員 告示につきましては、先ほど申し上げましたような府県との意見の調整を踏まえてやるということになりますので、多少おくれるかと思いますが、私どもの案につきましては、できれば年内にも出したいというふうに考えております。
○左近委員 いずれにしましても、これはかなり地元ではトラブルの伴う問題だと思うのです。十分地元と協議をして円滑に事が運ぶように強く要望しておきたいと思います。 そこで、第一種地域の改定告示がされたのが五十七年三月三十日、こういうことで七十五Wのコンターが引かれてきたわけですが、実際問題、私も今そのコンターの周辺に住んでいるわけですが、この線上の周辺のところで、同一町会でありながら線の引きぐあいによって補償が受けられる受けられないというような問題がいろいろあるわけです。その辺の問題について航空局としては、例えば私は大阪市ですが、大阪市の意向なり地元の意向なりを聞いていただいて、十分問題のないような対応をしていただきたい、このように思いますが、どうでしょうか。
○山田(隆)政府委員 騒音対策の地域を決めるに当たりまして、私ども基本的には騒音コンターに基づいて区域を決めておるわけでございまして、ただいま先生おっしゃいましたように、線の近辺におきましては問題があるということは承知しております。線を引くときに、私どもとしては、十分地元の御意見も聞きながら従来やってきたということでございます。
○左近委員 だから、私はその上に立って今のような要望をしているわけですよ。全く問題がないという理解をしているのですか。私は若干問題があるからもう一度いろいろ調整してくださいよと言っているわけで、その点どうでしょうか。もっと親切にしてくれや。
○山田(隆)政府委員 確かに住民の感情からいいますと、線の外側と内側で補償が受けられるかどうかということで御納得いただけない点があろうかと思いますけれども、私どもとしては、理論的には騒音コンターを基準として線を引かざるを得ない。ただ実際問題として、騒音コンターをそのまま適用して線を引こうといたしますと、同じ敷地内あるいは同じ区画内であっても、たまたまその線の中に入るか外になるかで騒音対策が受けられるかどうか非常に違ってくるというような事態が生ずるわけでございます。 そこで、実際問題として線を引きます場合には、騒音コンターの基準の外側にあります直近の道路であるとか河川であるとか、そういった明確な境をとりまして、それでもって線を引いているわけでございます。そのようなことで線を引くのが一番現実的ではないかというふうに考えておるところでございます。
○左近委員 いろいろ要望していることを、線の周辺の問題でありますので、一遍十分検討してくださいよ。 大臣、今関山委員の方から海運の問題について、海造審答申を受けてのいろいろな質問がありましたが、確かに今世界の海運なり造船界は厳しい不況に見舞われております。せんだっての海造審の答申も、これらの状況を踏まえまして、昭和三十九年から約二十年間続いた海運の集約体制を見直していこう、こういう立場での答申がされておるわけです。海運、造船が構造的な不況業種であるということについても十分理解ができます。しかし特定な会社、これは御案内のとおり三光汽船でございますが、この会社の経営危機問題について、運輸大臣という公職にある者が三光汽船の取引銀行に融資の継続を頼み込むとか何かやっておられますが、これは世間にかなり誤解を与えるような大臣としての行為ではないか、このように私は思うのですが、大臣いかがですか。
○山下国務大臣 私は委員会においてしばしばこの問題につきましても答弁申し上げましたように、一企業に対して私が積極的に、消極的にも含めてでございますが、大臣の立場からどうこうしようということは一度もございません。ただ、今御指摘のように、融資銀行に対して私がお会いしていろいろ申し上げたことが場合によっては誤解を招いたかなという反省は私もいたしております。ただ、そのことは、銀行と三光汽船との間の融資の問題について何か参考になれば国の構造不況対策について教えてほしいというような要請があったからお会いしたわけでございますが、今申し上げるように、若干誤解を招いたかなとみずから反省をいたしておるところでございます。ただ、それじゃどうだとおっしゃれば、三光汽船が既に会社再建の三カ年計画をつくって今鋭意努力しておられますので、これが順調に進むことを私はこいねがっておるわけでございます。 同時に、きょう午前中にも関山委員からの御質問がございましたように、海運の構造不況については当然運輸省として取り組んでいかなければならぬということでございまして、その構造不況対策を進める上において、三光も含めてこれらの船会社が影響を受けることは当然でございます。また、私がこの機会に申し上げておきたいことは、三光汽船は我が国の外航海運の二〇%の船腹、トン数ですかを有しておるということでございますから、これは海運全体に対して非常に影響力を持っていると言わなければなりません。同時に、傍系会社まで含めると八千人の雇用関係があるということでございますから、もしもこのことがあればかなり大きく雇用関係にも影響するということでございます。あわせまして年間千数百億円という造船計画によって造船をやっておるわけでございますから、これがまた造船業界に与える影響も大きいということでございますから、私は置かれておる立場から、法に照らし、また理にかなうということでありますれば、気持ちの上では御相談に乗ってあげたいなということは思っておりますけれども、あくまでも今申し上げた、法を曲げたり理にかなわないようなことをやろうとは毛頭考えておりません。
○左近委員 大臣は運輸大臣でございますから、海運の構造的な不況問題についていろいろ頭を悩ましておられる、このことは理解できるといたしましても、三光問題について、融資会社に対して河本国務大臣と同行されたというのは事実ですか。
○山下国務大臣 事実でございます。
○左近委員 これはどういう意図でそういうことをなさったのですか。
○山下国務大臣 先ほど申し上げましたように、銀行からの要請がありまして、専門的な質疑になった場合に、例えば世界の船腹あるいはまた先ほどからいろいろお話がございました船籍の問題とかいろいろな問題が実は出たわけでございまして、それらの問題で私に答弁できないことがたくさんあるな、専門的な知識を必要とするなというようなことをあらかじめ私も察知いたしましたので、私の方から河本大臣にお願いをして、私も答弁に困ることがあるし、できればそばにいて私の質問に大臣も答えてくれませんかという意味で要請をいたしたわけでございまして、両者の関係にどうこうということは、その時点では私は全く考えておりません。
○左近委員 大臣は運輸大臣で、大きな官僚の頂点におられるわけでたくさん部下がおられるでしょう。これは非常に誤解を招きますよ。まして河本さんは三光汽船の実質的なオーナーだと言われておるわけですよ。そして今の内閣では、正式になっているかどうかわかりませんが、副総理格だ。こういう方を、自分の会社の経営危機問題について同行されるというのは非常に慎重さを欠くと思うのですよ。たくさん局長おられるでしょう、なぜそういう方を連れていかぬのですか。この点私は大変な、世間の新聞論調、雑誌なんか見てくださいよ。だから大臣として、これは構造不況業種だということでやるというのであれば、これはある程度筋が通っていますよ。だけれども、実質的な三光のオーナーの河本さんを連れていって銀行に融資を頼み込む、これは余りにも政治の道を、国務大臣の道を外れておるんじゃないですか、この点どうですか。
○山下国務大臣 だから、先ほどから申し上げるように、いろんな観点から妥当ではなかったというおしかりを受けるのは、それは私も甘んじて受けますけれども、ただ河本さんを連れていって融資を私が頼んだということではございません、その点は誤解のないように。融資を私は頼んでおりませんので。ただ、会社対融資銀行の間に融資の問題は当然起きるでしょう、これは。しかし、そのことについて銀行業界はいろいろとやるべきことはやらなければならぬが、構造不況全般について国として何をおやりになるか、そのことについてお尋ねしたい、そういう立場から行ったということは、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○左近委員 いや、私も時間がありませんので、だから私は、今世間で運輸大臣がやられた行動に対して大変誤解というか、これは不審だ、おかしいということを言ってはるわけですよ、世論では。新聞でも雑誌でも皆世間のうわさは。だから非常に紛らわしいことを大臣としてされたんじゃないかな。この点については十分ひとつ考え直していただいて、やはり海運全体の問題でどうするかという、筋を通したこの問題の対処をしていただきたいと思います。 大臣、最後に答弁をお願いします。
○山下国務大臣 誤解ということは当事者の意見を聞かない場合に起きてくることでございまして、そういったマスコミで報道されたことについて、私の真意をもう少しそれらの方々がお聞きいただいたら、誤解のないように御説明できたかもしれないと思いますが、要は、繰り返し申し上げるように、誤解を招いたということに対する私の行動については、私も反省しなければならぬ面もあるかと思いますが、今後はそういう面については十分慎重を期してまいりたいと思います。
○左近委員 終わります。
○三ツ林委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○三ツ林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。薮仲義彦君。
○薮仲委員 最初にお伺いしたいのは、昨日の新聞に一斉に総務庁の行政監察結果の報告を各紙で取り上げておるわけでございますが、いずれにしても、この見出しを見ますと、「なお千ヘクタール処分可能」であるとか「国鉄に眠れる土地六兆円」とかいろいろな見出しがあるわけでございます。こういうことを報道されて、所掌の大臣としまして御感想を一言冒頭にお伺いしたいのです。
○山下国務大臣 今回の行政監察結果に基づく改善意見は、国鉄再建監理委員会の二次にわたる緊急提言において、緊急に措置すべきものと指摘された事項を推進する観点から行われたものでございます。改めて申し上げるまでもなく、国鉄事業の再建は、今や一刻の猶予も許されない国家的な課題であり、運輸省といたしましても、改善意見の趣旨に沿って適切に対処していく所存でございます。 なお、本監察は緊急措置事項を中心として行われているものの、非事業用用地の生み出し、工場の再編整理等に関する改善意見は、効率的な経営形態のあり方あるいは長期債務問題等の抜本的再建策と密接に関連するものでございます。したがって、改善意見にもあるように、近く予定されております国鉄再建監理委員会の基本答申を十分に踏まえながら所要の改善措置が実施されるように国鉄に指導をしていく方針でございます。
○薮仲委員 総裁としてはこの指摘に対してどうお考えですか。
○仁杉説明員 昨日一斉に新聞に出ました内容で、その御趣旨等につきましては、私どもも厳粛に受けとめているわけでございます。ただ、あの記事の中に、あの調査は昨年の九月ごろにやられたようでございますが、その後私ども御承知のとおり一月十日に国鉄の経営改革に関する基本方針というのを出しておりますが、その中で三兆円の土地を売るということを出してございます。この中には今御指摘になりましたような土地も含まれているというふうに私は思っております。この辺について、細かい点についてはまだ詰めがついておりませんが、例えば例示として挙がりました梅田の北の貨物駅用地につきましては、三兆円の中に含まれているわけでございまして、私どもも懸命に不用地の洗い出しをしているところでございますし、現在も、今大臣がお答えになりました中にもございましたが、監理委員会ともいろいろ資料のやりとりをしているというようなこともございますので、今後もさらにこの点につきまして努力を重ねまして、御非難を受けないような処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○薮仲委員 総務庁にちょっとお伺いしたいのですが、私も総務庁が御苦労なさった行政監察の報告書、目を通させていただきましたいこの見出しの中に「千ヘクタール」という数字が出てくるわけでございますが、ここにいる我々は運輸委員でございまして、国鉄再建にこれからかかわる重要なメンバーでございます。少なくとも我々が行政監察を読んだときに、この千ヘクタールが処分可能で眠っていると言われることを知らない、承知しないということは、我々当運輸委員会並びに運輸委員としては通らない話。国鉄に対して、何だ、千ヘクタールも処分可能な土地があるのか、あるいは名前は控えますけれども、一部マスコミの報道の中には断定的にこう書いてあります。「総務庁はこの行政監察が、国鉄の試算する三兆円とは重複しない、としている。」これは明らかに「重複しない」という記事があるのです。ここに挙げた新聞は日本の国では三大紙と言われるようなものでございますから、筆先が滑ったとかなんとかということではなくて、それなりの権威のある記事だと私は承知しておるわけでございます。しかし、我々はこの千ヘクタールを承知しない。総務庁にこの千ヘクタールの中身は一体何なんだと言ったら、必ずしも明確な御答弁がいただけない。昨日、私は、この千ヘクタールを明日の運輸委員会において国鉄に対して精査を求めるから、資料を出せと言ったところが、お出しにならなかった。なぜこの千ヘクタールの詳細について我々運輸委員に出せないのですか。これが出せなかったら、——これは長期債務をどう穴埋めするかという重大な課題です。最も知らなければならない国会議員の国政調査権にかかわる問題を総務庁が出さないというのはどういうわけです。答えていただきたい。
○北村説明員 お答えいたします。 国鉄監察結果につきましては、先ほどお話がございましたように、非事業用用地の生み出しの問題等々につきまして四項目の改善意見を昨日運輸省に提出しているところでございますが、御指摘の非事業用用地の生み出しにつきましては、用地使用の効率化、業務機関、宿舎の統廃合などによります非事業用用地の生み出しの徹底を求めたものでございます。 それで、先ほど話に出ましたように、用地の現地調査の実施時期は昨年の八月から九月でございまして、その時点におきまして国鉄におきまして非事業用用地化を検討し、確定している用地は調査対象から除いております。その後国鉄で、先ほどお話がございましたように、ことしの一月の基本方針の中で三兆円の用地売却を明らかにした。これらにつきましては、個別物件をすべて精査して確定したものでないというふうに理解しておりまして、現時点では私どもの調査結果と照合することは困難であるという事情にございますが、今後三兆円に見合う個別物件が確定されることに伴いまして、当庁の指摘した非事業用用地として区分の検討可能な用地が三兆円の対象用地となるものあるいは対象用地の外となるもの、両方の用地が生ずるものと予想されます。 以上でございます。
○薮仲委員 私の言っていることに的確に答えなさい。 この千ヘクタールの詳細を教えてほしいと私は言った。資料を出さないのはなぜかと聞いている。それだけでいいですよ、余計なことは言わないでください、時間がないのだから。すぱっと答えなさい。
○北村説明員 当庁が指摘しました。地事例は、非事業用用地として区分の検討対象となるものを示したものであり、必ずしも売却対象としたものではございません。非事業用用地の生み出しに当たっては、国鉄がより一層厳しい姿勢で用地の総点検を実施し、できるだけ多くの用地生み出しを求める風味から改善意見を申し上げた次第でございます。 用地の個別の調査リストにつきましては、国鉄において今後の用地処分あるいは有効活用に当たってさまざまな支障が生ずると考えられますので、明らかにすることは差し控えさせていただきたい。このような個別調査リストにつきましては、これまでの監察においても明らかにすることを控えさせていただいております。 〔委員長退席、津島委員長代理着席〕
○薮仲委員 これは、他の委員会とは違いまして、国鉄再建という国民の財産をどうするかという大事なことでございます。このような千ヘクタールも眠れる土地があると言いながら運輸委員が知らない。もちろんこれは運輸大臣が承知していらっしゃるかどうかお伺いしたいところでございますけれども、知らないで済む問題じゃないと思います。 これは委員長にお願いしておきますけれども、理事会で諮って、少なくとも運輸委員の中に——この千ヘクタールの処分可能と言われたものが、マスコミの方を相手にしてレクするときにはおしゃべりになって、国会においてはお話しできないということは甚だ不穏当だと思うのですね。これはよろしくないと思うのです。我々には国政調査権という権限があるのです。それを阻もうとしている。国鉄が、今巷間言われるように不まじめである、あるいはまた一部国賊などという極端な表現もございますけれども、我々はやはりこの立場に立って考えたときに、我々野党の責任も感じています。政府の責任もある。国鉄も反省しなければならない。でも、一つ一つつまびらかにしていかなければならないのに、資料を出さないということは全くよろしくないと思うのです。これは理事会で諮って、少なくとも我々運輸委員の間では資料がわかるようにしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○津島委員長代理 薮仲君の資料請求については、理事会で検討させることにいたします。
○薮仲委員 よろしくどうぞ。 では、私はこれを見て、何じゃこれはと思っておるわけでございますが、ちょっと具体的な事例でお伺いしますけれども、総務庁も、特に今我々は国鉄再建という一番重要な課題に取り組んでおりますので、表現については的確であっていただきたい。先ほど指摘した「総務庁はこの行政監察が、国鉄の試算する三兆円とは重複しないここう記事に出ていますけれども、これは正しいか正しくないか。長々しく答弁しないでください、ほかの問題がたくさんあるのだから。重複するかしないか、きちっと簡単にお答えください。
○北村説明員 先ほども申し上げましたように、個別物件の突合ができませんから、現時点では重複するかどうかわかりませんが、将来三兆円の中身が確定された場合には、一部対象内になるものと外になるもの、したがって、一部重複が出ることが予想されます。
○薮仲委員 あなたのそういうあいまいな表現がこういう誤解を招いて、また国民に国鉄不信を招いているのですよ。我々として何も国鉄の立場に立って物を言うのじゃなくて、物事は公平に正しく事実関係を見ていかないと判断を誤ると思うのです。これからいろいろやりますけれども、例えばここに出てきておる今の梅田の駅敷地二十一ヘクタール、それから赤羽駅近くの清水坂宿舎敷地三ヘクタールあるいはまた仙台市の長町駅構内の資材置き場等々指摘されておりますけれども、国鉄もこの資料をお読みになったと思うのです。三兆円の中にここに出ている具体的な例はカウントされていないのですか。その点をすかっと答えてください、簡単に。
○岡田説明員 先生が今具体的な例としてお挙げになりました梅田の駅の問題あるいは長町、清水坂、これらの土地につきましては三兆円の中でカウントをいたしております。三兆円の中に織り込んでおります。ただし、新聞によると、いろいろほかにも具体的な事例がございますが、全部が織り込んであるということでは必ずしもないわけでございまして、例えば大船、大宮、大井の三工場の統廃合の問題に伴いまして大井工場の土地があくではないかという御指摘を受けているわけでございますが、これらにつきましては、私ども詳細に検討いたしました結果、今の考えられ得る輸送量あるいは仕事の効率を高める、そういったすべての点を含めましても、大井工場の大船への統合ということについては極めて困難であるというふうに考えておりまして、これらは三兆円にカウントをいたしていないものもございます。 なお、いずれにいたしましても、私どもは行政監察局に御指導をいただきました八月から九月の現地の御指摘、御指導を踏まえて三兆円の計画をつくったものでございまして、そういった意味では、この御指導を大変生かさせていただいていると考えております。
○薮仲委員 ほかの問題で重要なことがたくさんございますので、これはこのぐらいにしておきますが、総裁にちょっとお願いしたい。きょうの新聞でも、国鉄は総点検を急ぎなさいとかいろいろ言われております。今ここにいる我々運輸委員のメンバーは、同じ痛みを分かち合いながら審議を真剣にやっているのです。こういうことは我々としてもあってはならない。これは事実あるいはそうじゃない部分もあるかもしれない。これは早急に総点検をなさって、そして的確な判断を下されるということは国鉄に課せられた責任だと思うのですね。またそのことが国民の信頼を得る大事なことだと思うのです。国鉄も真剣に取り組んでいるのだという意味合いから、このことはしっかりやらなければいかぬ。 また、私は総務庁にもお願いしますけれども、昨年八月、九月にやっておいて、もうやや一年です。そして国鉄と全く意見の調整がなされないままこういう発表をなさるということもいかがかなという懸念は私も持ちますけれども、それはそれぞれの省庁のお立場もおありでしょうから、そういうことは簡単には言えないかもしれません。 でも、いずれにしましても、このことはあだやおろそかにできませんので、総裁にお願いいたしますけれども、いずれにせよ、国鉄のおやりになるのが遅いからこういうことになったのかもしれませんけれども、やはりこれはきちんとおやりになることが大事だと私は思うのですが、総裁の御決意だけ最後に伺っておきます。
○仁杉説明員 実は、土地の洗い出しにつきましては、昨年の初めから鋭意全管理局、全工事局等を動員いたしましていたしております。それで九月ごろにはほとんど大体の数を掌握いたしたのでございますが、総務庁の調査はその時点でございますが、その後、我々は区分けをして三兆円というものを出したということでございます。しかし、今先生の御指摘がございましたように、国鉄といたしましても、この件についてはより一層努力を重ねなければならぬということでございますので、今後さらに検討を進めてまいりたいと考えるわけでございます。
○薮仲委員 それでは、本論に入らせていただきますけれども、きょうは私、大臣初め運輸省の御意見、それから監理委員会の御意見、それから国鉄の御意見をしかとお伺いしたい。なぜそう申し上げるかというと、監理委員会の最終答申といいますか、七月にお出しになるということになっておりますけれども、この運輸委員会はそれを前にして最後でございます。我が党は浅井副委員長を先頭にしまして、やはりこの問題に真剣に取り組んでおります。国鉄の再建はどうあるべきか、今かんかんがくがくの論議を党内で尽くしておるところでございまして、国民のために、子々孫々のためにどういう国鉄を残すことが最も好ましいのか、そのことで鋭意論議を尽くし、現地を視察し、資料を集め検討しておるのです。ですから、前回、私、林次長に御答弁いただいたとき、必ずしも納得はしておらぬのです。この段階に来れば、こんにゃく問答のようなことをここですべきではないと思う。各政党がそれぞれこの問題についてどういう態度を最終的に決めるか、我が党も浅井副委員長のもとで、これについて分割なのかあるいは民営なのか、その結論をもう出す段階に来ておりますので、きょうはその意味で、大臣初め国鉄、監理委員会等々の腹の据わったしっかりした御返事をいただきたいということを最初にお願いして、質問に入らせていただきたいと思うのでございます。 はっきり言いまして、我が党は監理委員会の出す答申が最善などとはいささかも思っておりません。一致する部分もあるだろうし、不一致の部分もあるだろう。協調できる部分もあるけれども、ほとんど協調できない、距離を置かなければならない部分も出てくるかもしれない。その判断材料としてきょうは何点か重要な課題についてお伺いをしたいと思うのです。特に民営ということは、この流れとしてはある程度当然のことであろうと思います。分割についてはいろいろ論議が重ねられておりますので、きょうはその分割についての懸念される課題について具体的にお伺いをいたします。 そこで、最初に監理委員会にお伺いしたいのでございますが、今まで委員会でこの質問をしますと、先ほどのように全くこんにゃく問答です。監理委員会としても一言も言っておらぬ、本州三分割、三島分離などということは監理委員会としては正式に言っておらぬ。しかし、亀井委員長も委員会の中で、マスコミ各社の方々は真剣に勉強していらっしゃる、だからああいう記事が出るのだろう、驚いたり感心したり、こういうお話がございますが、もうそういうことを言っている段階ではございません。昨日もきょうも、断定的に国鉄、六分割決める、こうはっきり監理委員会の決意としておっしゃっておりますが、この記事内容は、こんにゃく問答ではなく、正鵠を得た記事なのか、それとも全くでたらめなのか、その点をまず監理委員会の責任ある御見解として——我々も国会議員です。こんにゃく問答はやっていられません。三分割なら三分割ということで答申が出るのだなと、それなりに腹をくくって党の態度も考えなければなりません。その点で監理委員会のきちっとした、この方向性は正鵠を得ているのか、全くでたらめなのか、簡単にその方向だけお示しいただきたいと思います。
○林(淳)政府委員 私ども監理委員会といたしましては、七月下旬の最終答申を前にしまして、目下最終的な最後の詰めをやっておるところでございます。その詰めは、分割のあり方あるいは長期債務の処理の仕方あるいは余剰人員の対策、こういうことについて相互に非常に密接に関連していますので、これについてはこうだあれについてはああだという結論を断片的に出すわけにはまいりませんで、総合的に最終的な姿を詰めておるという段階でございます。 ここのところ連日のごとく新聞でいろいろ報道されておりますが、私ども監理委員会といたしましては、対外的にこれを発表したとかあるいは漏らすというふうなことは一切やっておりませんで、いろいろ取材があるわけでございますけれども、私どもとしては、あくまで最後まで時間がある限り徹底的に詰めていくということでやっておるということでございます。
○薮仲委員 それでは、私は分割を前提にして質問をさせていただきますけれども、例えば一番問題になりますのは、鉄道の経営で一番大事なのは、運賃収入、それからダイヤの編成というのが経営の根幹にかかわる重大な課題だと思うのです。これをいいかげんにしますと、経営に破綻を来しますので、この点は委員会でも亀井委員長が幾たびか指摘していらっしゃる。正式に言えば、運賃というものは国鉄運賃法にのっとって経費を償うものでなければならないというところを引用なさってお話をしていらっしゃるわけでございますけれども、国鉄と私鉄の相互乗り入れということになったときに、併算か通算かという問題が出てまいります。御承知のように、現在の国鉄は、発券の段階で発券した側が運賃を全部いただきます、乗り入れられた側が相手側に車両の使用料をお支払いしているという精算の仕方をしております。それからまた、現在、御承知のように、国鉄運賃法では遠距離逓減がきいております。三百キロまでは十五円三十銭、六百キロまでは十二円十五銭、六百一キロを超えますと六円六十五銭ということで、半分以下の値段に遠距離は逓減されております。これが、分割されたときに、会社が乗り入れてきたときに初乗り料金というのが重複することも懸念されるわけでございます。 今の併算制、通算制、いろいろあるかもしれませんけれども、今やっている、最初申し上げた国鉄の併算制の基本的なルール、精算の仕方については、現行を維持しようとなさるのか、またはそうではない、まだ検討中というような御答弁が返ってくると、また質問がややこしくなるのですけれども、通算ということも含めて、この料金体系についてどういうお考えですか。
○林(淳)政府委員 運賃制度につきましては、併算制ということでいきますと、ただいま先生御指摘のように、いわゆる初乗り運賃の二重取りとかあるいは遠距離逓減制がきかなくなるとかというふうなさまざまな弊害が予想されます。したがいまして、私どもとしては、現在の国鉄の運賃制度を基本にしていく、すなわち会社を分割しましても、通算制ということで、現在の利用者の運賃負担というものを増加させないという方向で考えるべきだというふうに考えております。
○薮仲委員 もう一つ重ねて伺いますけれども、ここに亀井委員長の答弁があるのですよ。「全国的に流通をする相互乗り入れの数というのは数%にしかすぎないということで、大部分、九十数%はある特定の、分け方にもよりますけれども、地域の流動というものが主体になっておる」、すなわち、相互乗り入れというのはわずかに数%です、こういう見解を述べられておりますけれども、これは正しいですか。
○林(淳)政府委員 これは分割の仕方によりますので、今、正確に何%ということは、正確な数字は申し上げにくいわけでございますが、いずれにしましても、今我々が考えております分割案、まあ幾つかあるわけでございますが、その分割案をベースに考えますと、数%程度という数字になるわけでございます。
○薮仲委員 私は、おっしゃったように、どこで分割するかによって相互乗り入れが変わってくると思うのですね。ただ、我が党としてはいろいろなケースは考えて試算しているのですけれども、これは数%と言いますが、事ほど事柄はそう簡単じゃないのですよ。 具体的に申し上げますと、確かに亀井委員長のおっしゃった数%というのは間違いはございません。私が国鉄からもらっております「昭和五十八年度旅客輸送量及び収入構造」というのがございます。これは御承知だと思うのです。これでいきますと、確かに輸送人員は、新幹線は二・四%ですよ、利用者は。六十七億の乗車人員の中で、新幹線に乗った人は二・四%。それから在来線の特急、急行、いわゆる長距離ですね。今乗り入れしている特急、急行は二・一%。合わせても四・五%です。ですから私は、ここの数字の上では亀井委員長の言っていること、林次長のおっしゃっていることは正しいと思うのです。しかし、これを人キロに直しますと、貨物ですとトンキロです。これを人キロに直しますと、その比率はどうなってくるかといいますと、新幹線は二六・二%、在来線は一六・二%、都合四二・四%の人キロになるのです。さらに最も私が申し上げたいのは、収入面です。わずか新幹線が二・四、特急、急行というまたがっている中長距離列車、これが二・一%ですけれども、収入面では国鉄収入の六三・四%。委員長がわずか数%と指摘した、その乗車人員、これを人キロに直し、収入でやれば、国鉄の収入を支えているのはその長距離列車なんです。しかもさらに、ここに距離帯別——どこに国鉄の輸送特性があらわれるかといいますと、五百キロ−七百五十キロ、これは東京を起点とすればちょうど大阪あるいは岡山です。さらには七百五十キロから千キロ、これは広島から小郡あたりです。このあたりへいきますと、国鉄の持っているシェアというのは六五・八%。あるいは五百キロから七百五十キロは七二・六%。飛行機に負けてないのですよ。飛行機はそのとき一二・五%です。新幹線の持っている輸送特性というのは、そのアクセス、いわゆるその搭乗手続や飛行場へ行く距離を考えますと、まだまだこの列車特性というものは持っておって、わずか数%とおっしゃるけれども、収入に占める割合、またこの国鉄の輸送特性はどこにあるか。やはり中長距離輸送というものをないがしろにして考えられない。ほとんどはその地域におさまりますとおっしゃるけれども、経営を支えるのは、その数%によって支えられているという問題。これは深く検討なさいましたか。
○林(淳)政府委員 先ほど私が数%と申し上げましたのは、分割をした場合境界線をまたがる列車でございます。現在旅客列車は大体一日一万九千本でございますが、その一万九千本というのは特急列車だけではございませんで、ローカル列車もたくさんあるわけでございます。そういうローカル列車を含めて全体の数%というふうに申し上げたわけでございます。
○薮仲委員 きょう私が指摘することをよく心に刻んで検討なさってもよろしいと思う、 遠距離逓減の問題も指摘しておきます。 現在、先ほど指摘しましたように、遠距離逓減ということはきいておるわけです。今事務局次長の林さんは通算とおっしゃった。この通算も非常に重要な意味合いを含んでおるわけです。 具体的に例を申し上げますと、ここでやはり一つのルールをつくればよろしいんだ、こうおっしゃっている。私も確かにそのとおりだと思う。当初通算のルールをつくって、その会社の収入を、亀井委員長は五百キロと三百キロにすれば云々という御答弁。時間がないから後でしっかり会議録をお読みください。そういう言い方をしていらっしゃるのです。キロで割り振れば簡単です、こういうことは問題ありませんとおっしゃっているけれども、私はそうは思わない。なぜ思わないかと言いますと、例えば今度、個々の会社が民営化されるわけです。先ほど申し上げましたように、ダイヤ、運賃というものが非常に大事であって、あるいは本当に経営を改善し、合理化し、経営者もそして働く人も一生懸命になって額に汗を流してその収益を黒字にした。そのときに、亀井委員長は、今までの国鉄の一番いけないのは適時適切に運賃改定をしなかったから赤字が累積した、こういう言い方をしている。じゃ、民営でございますから、経営が黒字であれば働く人に給料を高く上げましょう、あるいは利用者にその利益を還元しましょう、これが正しい考え方だと思うのです。しかも、Aという会社は運賃を上げなくて済みます、しかしBという会社は幾ら頑張っても経営が悪化して運賃を値上げしないとどうしても経営が成り立ちませんというケースが出てくる可能性が当然出てきます。そのときに、Aという会社は据え置きます、Bという会社は運賃値上げします、こういうケースが出たとき、今の通算制でおやりになってごらんなさい。まじめに経営改善に努力して労使一体になって頑張って、お金をたくさんもうかったところは運賃上げない、じゃ、収益をどうやって分けるか。あなたのところ運賃安いんだから安くよこしなさい。キロ数が五百キロ、こっちは三百キロかもしれない。長い方は逆に少なくもらって、短い方は運賃が高いんだからといって、精算のときにこういうややこしい問題が起きないとは限らない。簡単に通算のルールとおっしゃるけれども、将来にわたって大丈夫かどうか、その点いかがですか。
○林(淳)政府委員 まず最初の問題でございますが、長期的に見て会社間で賃率が異なってくる場合は当然これは予想されるわけであります。その場合には、我々といたしましては、いわゆる擬制キロ通算制という方式によって解決は可能である、このように考えております。 それから、収入配分の問題でございますが、これについては現在国鉄において約二百四十線区の線区別収支というものをこの方法で出しております。我々は二百四十もの分割は考えてないわけでありまして、現在の国鉄でも二百四十線区について人キロ配分をして、それで収入配分をしているわけでございます。それで決算のときに線区別の収支が出てくる。基本的にはそういう手法というものはもう既にあるわけでありまして、この辺をベースにして工夫をしていけば十分対応可能である、このように考えております。
○薮仲委員 きょうはあなたと論議している時間がないのです、たくさん問題があり過ぎて。ですから、私が言ったことを後でゆっくり頭を冷やして考えてください、いろいろなケースを。上げない場合もある、上げなければならない場合もある。まだあるのですよ。 例えば、もしも片っ方が上げて片っ方が上げなくて済むということになっても、中には上げなければ損だよと株主から突き上げられて、もうかっていてもいいから上げろ、隣と合わせるために上げなければバランスがとれないよ。これはだれにしわ寄せが行くかといえば国民に来るのです。こういうケースも十分配慮しなければなりませんし、通算と簡単におっしゃるけれども、そうはいかない。 こういう点で、またダイヤの編成も、これは容易じゃないですよ。ダイヤの組み方によってある一定時間に、今私の地元で駿河シャトルというのをやっておりますけれども、十五分間隔で出しているのです。これはお客を乗せるために通勤とか最も好ましい時間帯にダイヤを組みます。各社がそれぞれの株を売却していずれ本当に独立した会社になったときに、株主からこのダイヤの組み方は何だと言われたならば、隣の会社のことなんか考えていられませんよ。そうなってきますと、好ましいダイヤが組めるかどうか。簡単に譲れるものじゃございませんし、今通算と簡単におっしゃいましたけれども、それが処理できる問題ではございませんので、これはまず第一点の問題点として、通算というのは容易じゃないなということは心にとどめておいていただきたいと思います。 特に、通算の場合出てきますのは、今国鉄にお乗りになれば、初乗り料金百二十円ですよ。あれは行き先は書いてないのです。120としか書いてないのです。右へ行こうと左へ行こうと何に乗ろうと全部百二十円で行けるのです。今国鉄と私鉄の間は年一回の旅客動態調査でやっていますけれども、今度国鉄さんだって民営になったら、今みたいにおおらかなことを言っていられませんよ。もう毎日のように動態調査をして、百二十円などという切符は発行していられませんね。ああいう点での問題も、余計の手数をどう処理するか、よく御検討いただきたいと思うのです。 それから二番目に、新税構想の話がちらちらほの見えするわけです。これは先般の委員会で我が党の近江委員が質問したときにも亀井委員長の答弁の中に出てまいりました。「新税とか具体的に我々が税制をとやかくという立場にはございません。しかし御承知のとおり、」云々となりまして、「慎重に、しかしこういう方角の解決方法はどうでしょうかという一つのサゼスチョンだけはやはり出す責任はあるこういうような新税がほの見えになるような空気があるのですが、これについてはどういうお考えですか。
○林(淳)政府委員 財源につきましては、これは大変難しい問題でございまして、現在まさにその点について重点的に詰めをやっている最中でございます。いずれにしましても、現在の国の一般会計の中から捻出するというのはなかなか大変でございまして、と申しますのは、約三十五兆に及ぶ債務というものを処理する場合に、相当額につきましては、国民負担をどうしてもお願いしなければならぬということから、相当膨大な額についての処理が必要でありますので、その辺の財源については慎重には慎重を期してさらに練りたいというふうに考えております。
○薮仲委員 これも問題点だけ指摘いたしますと、例えば法律ができ上がりますと、林さん御承知のとおり日本の国じゅう全体に公平にかかるわけですね。また法律によらざるして我々は財産権を侵害されることはないのです。我々は憲法二十九条で財産権を保障されています。ですから、法律によらざるして徴収されることはありません。ということは公平でなければならない。ちょうどこの間の軽トラックのときも、沖縄とか奄美は何とかならないか、こういう気持ちがここにいるほとんどの方にあったと思う。でも、法律というものはひとり歩きする性質を持っております。今度新税ということをやったときに、どういう形でやるにせよ、例えば今ガソリン等にかかっておりますものは道路整備特別会計に直入しております、道路特会ということになっております。これを云々と話せばいろいろ出てまいります。しかし、沖縄というところは鉄路が一本もないのです。沖縄の人から国鉄のために、どんな形にせよ、税金を目的税ということで集めることができるかどうか、沖縄県民の方に御納得いただけるかどうか、これは考えていただきたい。またもしも乗車するときに、利用税という形で払っていただくということになれば、例えば山手線のように、毎日乗っている方、最も国鉄再建に協力している方が余計税金を払わなければならない。税の不公平感は免れないと思うのですね。 こういう意味で、新税のあり方はまだ検討中と言いますけれども、ことほどさように、これは亀井委員長がちらっと申されておりますけれども、私が二つほど問題点を指摘しただけでも、これはできそうもないのじゃないかなと思います。これは時間の関係で、指摘だけにしておきます。 三番目に、これも各社が一斉に新幹線についてのリース方式を書いておりますね。これについてのお考えはいかがですか。 〔津島委員長代理退席、委員長着席〕
○林(淳)政府委員 各新聞でいろいろリース方式というのが取り上げられておりますが、私ども現在検討中のものについて外部に出しておりませんので、新聞に出ている内容というのはかなり不正確でございます。 私どもが今考えておりますリース方式についての考え方でありますが、いずれにしても分割した場合に、三島の場合は当然でございますが、本州の事業体につきましても非常に大きな収益格差が出てくる。その場合に、その収益格差を調整する手段としていろいろあると思います。いろいろ詳細に詰めたのですが、結局本州の各線区について見た場合に、分割した場合に一番収益格差を大きくしている原因は結局新幹線であるということになるわけでございます。したがいまして、この四つの新幹線をプールいたしまして共同保有という形で別の保有主体にこれを持たせまして、適切な基準による使用料によって、その収益格差のアンバランスを是正していくという収益是正措置として、この方法を一つの方法として考えておるわけでありまして、最終的にその方法によるかどうかなお検討を要しますが、今の検討の状況はそういうことでございます。
○薮仲委員 この問題は私は非常に疑問に思うのです。どういう形になるのかは、出てきてからさらに深く検討させていただきますけれども、確かに当初は旧国鉄が新しい会社の株を一〇〇%所有しております。やがてこの株を公開しても、いわゆる価値が出てくれば、これは一段に公開をして株主というのが出てくる、こういうことが言われております。そうなった場合に、私はこれも非常に問題だと思いますのは、経済の原則からいって、民間企業が果たす社会的な責任といいますか役割というのは、その経営者や働く者が懸命になって頑張って、よりよき企業努力によってその収益が上がる、そうすれば、当然株主にも返しますけれども、利用してくださる国民の皆様に利益は還元していこう、これは民間経営として社会に果たすべき当然の役割であり責任でございます。そうなってくれば、より多く利益が出てくれば、サービスをよくしよう、いい車両をつくろうあるいはスピードアップしよう、安全の精度をもっと上げよう、いろいろな形で出てくるかもしれません。さらには他の競争手段に負けないようにどうやればいいかということで、さらに努力が続けられると思うのですね。 そうなったときに、ここで私が具体的な問題としてお伺いしたいのですが、例えばリース方式というのは、Aという会社には高く貸してBという会社の赤字を補てんします、安く貸すということでございますが、いずれにしても、A社の利益をB社に回すというやり方、手法の一つにすぎないわけです。これが民間の企業で果たして妥当な手法なのかどうか、私は非常に疑問に思うのです。私がもしもAというもうかる会社の株主であれば、そのもうけをよその会社にやると言ったら、私は株主に対する背任だと思うのですよ。またあるいは国民だったら、これは我々の利益を損なうものである、憲法違反であるというような形で裁判に持ち込まれたら一体どうなるのだろう。こういうことは、形としては成り立つかもしれないけれども、私は理論的に正しいやり方じゃないと思うのです。そしてむしろそうやってサービスをよくしてスピードを上げることによって、飛行機だとか新しいモータリゼーションに対抗していく交通手段として生き抜いていかなければならないと思うのです。それが全然出てこない。 さらにまた、今NTTが民営化されましたけれども、NTTの場合も、今NTTは独占ですよ。東京、大阪に例えば五社が今度参入してくる。NTTは生き残るためにどうするかと言えば、遠距離の料金を下げてこよう、これが当然だと思う。またもうけた会社は赤字の会社にやれと言ったら、まじめに働く社員はいますか。我々がつつましくして、給料も安くして、頑張って、もうけたものはあっちの会社へ行くんだよ、こうなったら勤労意欲というものは守られますか。こういう点いかがですか。
○林(淳)政府委員 リース方式について、まだ詳細な点については、御答弁を差し控えさせていただきますけれども、基本的にこれはフローにおける利益調整ではございません。あくまで収益基盤の是正でございます。要するに、物の考え方といたしまして、非常に莫大な資本費を発生しているところの新幹線について、その利用者に莫大な運賃を負担させる、逆に非常に資本費の安いところは非常に安い運賃、これが公平なのか。あるいは新幹線利用者というものの一体性を考えた場合に、その利用者間の公平というものを考えるべきなのか。その辺の問題でございまして、やはりその四つの新幹線を利用する利用者間の負担の公平というものを重点的に考えるべきじゃないか。東北新幹線の利用者は何万円という運賃、東海道新幹線の利用者は何千円という運賃、十倍以上の格差がつくそういう運賃制度にならざるを得ないような形が果たして公平であるかどうかという判断だと思います。 繰り返し申し上げるようでございますが、あくまでこれは収益基盤、企業体の基盤是正でございまして、フローの調整ではございませんので、その点を申し上げておきます。
○薮仲委員 私はちょっとしか言ってないのですけれども、もう少し冷静に私の言っていることを、私が株主だったらかみつかれるなということを考えながら、あなたが社長になったら薮仲という株主がいたら容易じゃないぞということを考えながら御検討いただきたいと思うのです。 同時に、もう一つ考えていただきたいのは、じゃ、今日本列島の真白な白地図を置いておいて、あなたが新幹線を敷くというときに、こっちの運賃は安いよ、こっちの運賃は高いよとか条件を変えて日本を縦貫する鉄道を敷けるかどうか。一度発想の転換をおやりになった方が正しいと私は思う。やはり発想を転換なさってきちんと新幹線のリース方式をもう一度考えていただきたい。発想の転換ということは大事です。細切れにするのか、それともあなたが真っ白な日本列島の地図にどういう線を引かれるか。これは物は試し、一度御自分で冷静にお考えになっていただくと、私の言っていることもあながち検討しなくてもいいんじゃないかなんということはないと思いますよ。 次に、貨物の問題をお伺いしたい。 貨物の問題についての亀井委員長の答弁は、「当委員会といたしましては、貨物輸送部門を旅客輸送部門から分離独立させることを一応の前提として、運行面、販売面等の問題点について詰めを行い、最終的な結論を得たい」こうなっています。貨物は「分離独立」となっておりますが、間違いございませんね。
○林(淳)政府委員 貨物の問題につきましては、大変複雑な要素が絡んでおりまして難しい問題でございますので、今鋭意検討をしている最中でございますが、基本的には貨物の経済合理性というものを追求する。またそれでなければ高品質あるいは低コストの貨物商品が提供できないということから考えると、基本的には分離の方向が望ましいのではないかというふうに考えておりまして、その方向をベースに置きまして、今最終の詰めをやっておるということでございます。
○薮仲委員 これも亀井委員長は大変いいことを言っておるのですよ。読んでみます。「今後、鉄道貨物輸送が激烈な競争を繰り広げている物流市場の中で将来にわたって存続していくためにはここうなっておりまして、じゃ、何が必要かというと、「国鉄貨物輸送の現状を見た場合、ダイヤ等において必ずしも荷主が望むとおりのものとなっておらず、積載効率が低い列車も多く見受けられるところであります。今後鉄道貨物輸送の利用を一層促進するためには、ダイヤ自体の高品質化にも努め、昨今のような競争の激しい買い手市場においても十分に売れるものを提供することが重要である」全くこの指摘のとおりだと私は思うのです。 ならば、分離独立してこういうことができるか。林さん、これもあなたが貨物会社の社長をやれと言われたと思って私の質問を聞いてください。私も営業マンを約八年間やっていました。物を売るときにはセールスポイントがあります。いいですか、私が分離独立した社員となってセールスするときに、何をセールスポイントにするかと言えば、荷主のニーズにこたえられる、それは何かと言えば、まず正確なダイヤで希望する時間に荷物が届きます、これです。二番目が、貨物自動車初め他のモータリゼーションと競争しても負けないというこのセールスポイント、この二つがなければ絶対に私は勝てないと思うのです。今分離独立したときに高品質のダイヤが組めるかどうか。 もう時間がないから私は具体的に申し上げます。私も長年運輸の場におりますから、貨物のことは特に関心がある。今長崎を出発しました汐留に来る一〇五〇という鮮魚特急列車が一本走っているのですよ。このダイヤをつくるのは容易じゃないのですよ。国鉄がある地域の等時隔ダイヤをどうやって組みかえていくか、あるいはまた保守間合いをどうやって切り抜けていくか、この一本の列車を通すのにあらゆる苦労をして、鮮魚を汐留に午前零時十五分に着けるために最大限の努力をしている。この列車のためにどれだけダイヤ編成で苦労しているかわからない。今国鉄収入の赤字は貨物と言われているのです。私がもしも民間の社長だったら、収益の上がる旅客の方にダイヤを組みますよ。貨物なんかほっておけ、こうなると思うのですよ、そうなったときに三社あるいは四社がまたがって理想とするお客のニーズに合うダイヤを組めるかどうか。監理委員会の方ではこれは国鉄にげたを預けていると私は聞いておりますけれども、げたを預けるのは結構ですけれども、できない相談を預けることは土台私は無理だと思う。可能性のあることを検討しろと言わないと、国鉄からできませんよという答えが返ってきたら一体どうなるのだ、こういうことになるのです。さらにまた運賃も、向こうの貨車をどうするのか、レールの使用料を払う、こうなったときにお願いに行って、安くしてください、ではトラックより安く貸してやるよ、こう民間の企業が言ってくれるかどうか、これも真剣に御検討いただきたい。また、もしもこの生鮮食料の列車がどこかで事故を起こしたら、その物損はどこが責任を持つのか。じゃ、保険を掛ければいいじゃないか、しかし保険を掛ければ、それだけ運賃が高くなってきます。ますます競争力が弱まってくる。貨物を簡単に分離独立とおっしゃるけれども、今国鉄の持っている貨物すら委員長の言う高品質のダイヤは組めない、運賃も他の競争のトラックに負けている。さらに分離して要員さえ減らせばできるというような単純な問題ではないように思うのですけれども、この点いかがお考えでございますか。
○林(淳)政府委員 基本的には、先生が前段でおっしゃいましたように、経済合理性というものをあくまでベースに置いて、どうやって交通を生かしていくかということが基本であろうかと思います。そういう意味で、私どもとしては、鉄道貨物というのはシステムの組み方、やり方次第でまだやれる分野があるはずだという前提に立っているわけでございまして、そういう前提に立って考えた場合に、従来のように旅客の庇護のもとに、旅客の傘の中でやっていくのがいいのか、あるいは分離独立して、いわゆる徹底した経営努力という中でやっていくのがいいのか、その選択の問題になると思います。いろいろな技術上の諸問題があることは十分承知しております、その辺を踏まえて、大きな判断で、どうあるべきかということについての最終的な結論を私どもとしては出したいというふうに考えております。
○薮仲委員 貨物の問題はたくさん資料持っておりまして、もっとやりたいのでございますけれども、もう時間がないのですよ、残念ながら。また答申が出ましたらしっかりとやらせていただきますけれども。 私はきょうは、運輸大臣の意見も聞きます、監理委員会の意見も聞きます、国鉄の意見も聞きますと冒頭に申し上げました。私は残された時間、国鉄に上げますから、国鉄の考えをちょっと聞かせていただきたい、物言えば唇寒しみたいに自信のないことを言わないで。我々公明党はまだ公平な立場です。だれの言い方が一番いいのかということをこれからやるわけで、国鉄もしっかり考えについては言っていただきたいと思うのです。今監理委員会の林さんに大変御無礼なことを申し上げながらただしたことは、心の中でじくじたるものがございまして、言葉の不行き届きはお許しをいただきたいと思うのでございますが、国鉄も何だかちょっと言えば首をちょん切るだの国賊だのと言われます。民主主義の社会にそういうことがあっちゃいかぬですよ。反対する者の意見を封じるなんというのはひきょうです。反対する者の意見を聞いて尊重し、正すべきものは正しながらよりよいものを目指していくのがこの運輸委員会であり、大臣だって当然そうですし、ここにいるメンバーは全部心の中ではそう思っているのです。国鉄は国鉄のものでもない、あるいは一政党のものでもない、行政官庁のものでもない、国民がひとしく今日まで築いてきた国民固有の財産なんです。子々孫々があの運輸委員会で審議したことが国家のために一番よかったという結論を得ようと思って我が党も浅井副委員長を先頭に何回もやっているのですから、きょうは国鉄の真剣な意見を聞かせていただきたい。首を切るとか言ってはいけないというのは、この間のテロと同じで、そういうことは絶対ありません。皆さん方は今日まで国鉄の中で自分の人生をかけてきたのです。堂々と自分の人生をかけて国家百年の大計に立って国鉄のあるべき姿はこうであると公式の場で発言させてあげますから、私の聞きたいことにずぱっと答えてください。 一つはダイヤの設定というのは分割されたときに非常に効率性を欠くのじゃないか。よくヨーロッパの例が出ますけれども、このヨーロッパの例も必ずしも簡単に一致はしていないという話を聞いておりますし、また収入配分は、先ほども林さんに大変御無礼なことを伺いましたけれども、容易じゃないなと思います。これについて国鉄の考え方。また、今お話しした貨物の問題ですね。これも私の考えでございますけれども、国鉄の立場、御専門の立場から分割した場合のダイヤ編成とかお客のニーズに合うのかどうか聞かせていただきたいと思う。それから事故が発生したとき。私も新幹線でしょっちょう事故に遭いましてうんざりするのです。「こだま」に乗っていますと「ひかり」が先に行ってしまって、私の乗っている「こだま」はなかなか通してくれない。これがいろいろな会社が競合した場合に折り返し運転するのか連休するのか、よほどの権限がないとこれはできない。また代替輸送の場合も困るし、貨物列車がとまったときの損害補償の問題等々いろいろございまして、国鉄さんが今考えていらっしゃる立場から、私の指摘した点について御答弁をいただきたいと思うのです。
○須田説明員 今御指摘がございました中で、運賃精算と貨物の点につきまして私からお答え申し上げます。 先ほど来いろいろ先生御指摘ちょうだいいたしておりまして、大変大きな問題かと存じますが、運賃制度ないしは精算制度と申しますものは、鉄道会社にとりまして一番基本的な問題でございます。それを考えます際に、私ども二つの観点から考えていかなければいけないと考えておるわけでございまして、一つはお客様から御理解いただける運賃制度になるかどうか、もう一つは会社から要求されます精算の精度、詳しさ、正確度でございますが、これがどの程度のものであるか。これはいずれも兼ね合いの問題であろうかと考えております。そしてそれが技術的に可能かどうかという検証が必要になってまいると思います。 先ほど来お話がございますように、まだ監理委員会の答申が出ていない状況のもとでございますから、どのようなものをこれから考えなければいけないかということについて、まだ見当がつきませんので、仮定の問題でお答えいたしにくいわけでございますけれども、今のような点を考えて、これから詰めなければいけないと思っております。いずれにいたしましても、運賃精算の問題というものは、基本的な大変重要な課題であるという認識をいたしておりますので、答申をいただき、かつ政府の御方針をお決めいただきます段階で、私どもも関係当局の御指導をいただきながら十分詰めをいたしてまいりたい、こんなふうに認識をいたしております。 次に、貨物でございますが、今監理委員会の方から分離した会社にしたらどうかという御示唆をいろいろちょうだいしております。ただこれについてもいろいろな方法論がございまして、監理委員会の方からも、運行を含めて、つまり車両や機関車や何かも全部別に持った会社に分けるという方法もあれば、あるいは運行をレールを持っております旅客鉄道会社に委託する方法もあるではないかということで、まだ幾つかのバリエーションについて御示唆をいただいておる段階でございます。それをどれをとるかによりまして、これも相当問題点が異なってまいりますが、いずれにいたしましても、貨物を発展させるという前提でどの方法がいいかということについて考えなければいけないと思っております。 先生が御指摘のダイヤ調整問題あるいは事故の場合の補償の問題等いずれも大問題でございます。これらも、今の監理委員会の御示唆にどのようにおこたえ申し上げるかということとの関連において、私どもこれから詰めなければいけない重大な問題点を御指摘いただいたと考えておりますので、これからも監理委員会の御方針等を拝見いたしながら、私どもの考え方を十分詰めてまいりたいと考えております。
○坂田説明員 運行並びに事故担当の坂田でございます。 ただいまダイヤについて先生から御指摘がございました。現在は、特に新幹線並びに長距離列車については、本社が全社的な視野に立って基本の輸送計画をつくり、地区と議論して設定しております。したがいまして、仮に分割された場合には、複数の会社にまたがるわけでございまして、発着時刻とか停車駅、先ほどの保守間合いの問題とかいろいろございまして、各社の利害がかなり対立する面も出てまいると判断しております。それをどのように調整していったらいいのかということがこれから大きな課題であろうと思うわけでございます。しかしながら、全体として時間がかかると、ある意味では現行のダイヤのままというようなことになってまいりまして、そういったおそれがないわけではないということで、いずれにいたしましても、今後こういった問題が具体的に提起された段階で十分詰めてまいりたいと考えておるところでございます。 それから、事故時に対応いたしましても、何といっても事故が起きたときにいかに早く復旧するかということが大事な問題で、当然でございます。これをいかに復旧するかということで、例えば長距離列車を早く打ち切るかとか貨物列車をどうするか、あるいはむしろ通勤、ローカル列車を優先するかというようなことに伴いまして、列車の活殺、どの列車を運休させるか、あるいは折り返し運転に伴ってどのような車両なり乗務員の手配をやるか、あるいは臨時に発生する車両の検査をどうするか、あるいは着発線変更など、列車の編成の内容の変更とか案内とかいろいろな問題が生じるわけでありますが、先ほどお答えいたしましたように、これも複数の指令官を介してやらなければならないわけでありますので、緊急に実施することが非常に難しくなってくるではないかということで、この点についても、今後どうしていくかということを十分わきまえて対応していく必要があると考えておる次第でございます。
○薮仲委員 最後に、大臣にお伺いいたします。 私は大臣もお気持ちは同じだと思うのです。国鉄は仁杉総裁を先頭にして各常務理事は一生懸命やっていらっしゃるし、職員の方も指摘された点は心を痛めて頑張っていらっしゃると私は思う。そういう意味で、今私は監理委員会のお立場をいろいろ聞かせていただきましたが、一番大事なのは、その答申によって国鉄の総裁初め全常務理事、役員、全職員がよしやろう、国民のためにいい国鉄をつくろうという気持ちがわくかわかないか。途端にやる気をなくせば、幾らすばらしい答申が出て、運輸委員会でここにいるメンバーが鋭意その法案を審議しても、国鉄の再生はないと思うのです。総裁を先頭にした全国鉄職員のやる気を起こすように、運輸大臣は国鉄をだめと言うのもわかるけれども、だめと言う中に我々が持たなければならない責任は大臣も感じていらっしゃると思う。何とかその答申によって、国民も納得した、国鉄も反省すべきは反省し、見事生まれ変わった国鉄になったというふうにしていただくのが運輸大臣の大事な責任だと私は思うのです。 もう一点は、何か言うと仁杉総裁は非常に言うことを聞かぬから首をちょん切れという発言が巷間よくありますけれども、運輸大臣としてそんなことがないと私は信じておる、ないならないとはっきり言っていただきたい。 この二つでございます。
○山下国務大臣 国鉄の再建問題につきましては、今の予定では七月の下旬に答申がなされることになっております。答申がなされて、その答申に基づいて私一人で独断でどうこうするということではございません。ただ、答申を尊重するということは、我が内閣が既に閣議決定いたしておるところでございますが、それに基づきまして諸般の手続、つまり法律の改正等を行いまして、国民の代表である国会の皆様方に御審議をいただき御決定いただく、こういう順序でございますから、その時点においてどうか貴重な意見を大いに吐いていただいて、あるべき国鉄に仕立てていただきたいと思います。 なお、国鉄総裁以下の問題につきましては、私がここでどうこう言うべきものではなく、まだ任期も残されておることでございますし、国鉄として自主的に御判断なさってやっていただくべきことでございまして、この席において私が総裁がどうのこうのということは申し上げるべきではないと思っております。
○薮仲委員 最後に、大臣、重ねて伺っておきますけれども、いろいろ問題があっても、総裁初め全員がしっかりやっているという点についてはお認めいただけますね。
○山下国務大臣 国鉄の幹部の方々が国鉄の再建のために御努力いただいておることは承知いたしております。
○薮仲委員 終わります。
○三ツ林委員長 辻第一君。
○辻(第)委員 仁杉総裁にお尋ねいたしますが、今総裁が辞表を提出されたといううわさといいましょうかニュースを聞いたのですが、事実のほどはいかがですか。
○仁杉説明員 現時点でお出ししたことはございません。
○辻(第)委員 それでは、国鉄の問題についてお尋ねいたします。 国鉄の現場といいましょうか職場といいましょうか、その中は今もう民主主義が非常に侵害されているというような状況ではないかと私は考えるわけであります。そういう観点できょうは質問してまいりたいと思うわけであります。 私は、先日、党の調査団として北九州に調査に参りました。また地元の奈良の国鉄労働者の皆さん方からいろいろお話も聞いている、また現場も見せていただいているということであります。そういう中に、いわゆる点呼の際に一人とか二人とか数人の人を五人、十人が取り囲むような状態で点呼をしてみたり、あるいはワッペンをつけているということでもう仕事をさせない、あるいは作業指示について質問をする、こういうことはもう仕事をしていない、いわゆる否認という扱いにされる。先般同僚の梅田議員もこの問題にお触れになったわけでありますが、さらにはそれが処分になりという状況ですね。それからロッカーや机を勝手にあげて、そこに組合のニュースなどが入っておると机の上に出す、あるいは机の上に載っておれば、それを取り上げていくというような状況があるわけであります。私は非常に憤りを感じる、また非常に驚くというような事態がいっぱいあるというのが今日の状況であります。 さらに、具体的に言いますと、直方であったことでありますが、それについては国労の門司地方本部北九州支部の執行委員長が直方の労基署へ申告書を出しておられるのですね。その中に「「現業従業員を一時他の職に、従事せしめることができることについて(達一九四号)」を根拠として、「過員」には「労働条件は存在しない」として、明示された労働条件と相違する業務を「業務命令」として命じ、これに対して質問・抗議などを行う労働者(職員)に対しては、質問・抗議した時間を労務不提供とみなし、賃金カット(勤務認承は「否認」)を行い、さらに、これを理由に就業規則第六十六条・六十七条・六十八条及び六十九条により懲戒処分を行っている。」こういう申告書が出ているのですね。こういうふうに過員には労働条件は存在しないというような発言といいましょうか立場をとっておるわけであります。当局は、過員には労働条件は存在しない、このようにお考えになっているのかどうか、まずお尋ねいたします。
○太田説明員 幾つかの事例をお話になりまして、国鉄の職場管理のあり方、職場規律の維持確立に向けての努力についてのいろいろな御批判をいただいたのでございますが、直接答弁をお求めにはなっていらっしゃらないのでございますけれども、御指摘がありましたので簡単に申し上げますと、職場規律について、私どもは国鉄の存続、業務運営の一番基礎的な要素であるという認識のもとにその確立に向けて努力しておるところでございまして、五十七年三月に第一次の総点検を実施して以来、半年置きにその改善状況をチェックしておるのでございますが、現象的にはかなり改善された跡は見られるのでございます。しかしながら、まだまだ十分とは言いがたいという面がありまして、御批判も多いわけでございまして、私どもも厳しく反省して努力しておるところでございます。これが第一点でございます。 それから、いわゆる余剰人員、過員とおっしゃいましたが、その職員についての労働条件の問題でございますけれども、これにつきましては、労使で相当長い間交渉して現に継続している経緯がございます。基本的に国鉄当局といたしましては、労働条件の基準ないしはルールと申し上げてもいいのですが、全国に及ぼすものについては、これは具体的な問題の提起があれば団体交渉を行う、それは中央でやる場合もあれば地方で実施する場合もございます、ということで対応してまいっております。 それで、余剰人員が昨年から発生しまして、その活用が問題になっておるわけでございますけれども、この余剰人員の活用を行うルールにつきましては、既にもう過去何年もの間に確立され、蓄積されたルールを活用して行っておるということでございまして、特にそのために新しいルールをつくる必要はないというふうに考えております。現にまた労働組合の方からも具体的な提起はないわけでございます。既にこの問題をめぐりまして、公労委におきまして、組合側の申請によりまして調停が行われた経緯もありますし、私どもは、その調停の経緯におきまして、ただいま申し上げました当局の基本的なスタンスが御容認いただいておるというふうに考えておるわけでございます。組合側から具体的な提起があれば、それは団体交渉の対象であるということは間違いございません。現時点においては既に制定されているルールの適用で活用が図られている、必要にして十分であるというふうに考えておる次第でございます。
○辻(第)委員 過員には労働条件は存在しない、こういうような発言は許すことができないと思うのです。本当に厳重に抗議しておきます。 国鉄と国労の間に配置転換に関する協定というのがありますね。当然労使間の協定は両者とも尊重すべきであるということは言うまでもないと思うのですが、ここに一つの事例があるのです。奈良の事例ですけれども、二名の過員の処理として、奈良電車区であったのですが、五月十七日から奈良電車区から亀山機関区への転勤について八回にわたって配転に応じるよう要請、配転があったわけです。配転に関する協定で「意思表示を強要しない。」というのがありますね。配転に関する協定というのが昭和四十六年にできて、ずっと有効期間が延長されて今もありますね。その協定で「意思表示を強要しない。」としているにもかかわらず、これは明らかに意思表示の強要に当たる、私はこういうように思います。 もう一つは、事前通知及び簡易苦情処理に関する協約がありますね。この人にも五月三十一日に事前通知書が渡され、そうして六月一日に苦情処理を出したところ、今度は苦情処理を取り下げるようにいろいろと工作をされた。言うなら強要されたという状況の中で取り下げだというような問題があるわけであります。いずれも労使間の約束があるにもかかわらず、それを事実上無視したと言わざるを得ない状況であります。このような強引な対応をする当局の姿勢は非常に問題です。二番目の問題で言えば、苦情が出されたなら、そのルールに従って処理をするということが貫かれるべきであったと考えるのですが、いかがですか。簡明にお答えをいただきたい。
○太田説明員 配置転換に関する協定が労使間で結ばれていることは御指摘のとおりでございます。それから文言も御指摘のとおりでございます。この配転協定が締結されたそもそもの趣旨は、近代化、合理化等によって特定の職場において余剰人員が発生し、他の職場において欠員が存在しているという状態の場合に、相互の職員の融通をスムーズならしめるという目的で制定されたものでございます。とはいうものの、本人の意思に反して、あるいは強要などにわたるということは相互に戒めなければいかぬということで一定の歯どめをかけたわけでございます。 さて、現実の状況は、今御指摘の事案につきましては、ある箇所に余剰人員が存在し、ある箇所に欠員が存在しているということで、何人かの職員を欠員のところへ配転せしめる状況が生じたのでございます。職員個々の事情をいろいろ検討いたしました結果、ある職員がそちらの欠員の現場に移った方がむしろ通勤も三十分か四十分ぐらい短縮になるといったような事情がございまして、この職員に配転に応じてもらうのが適切であるという判断に基づきまして、本人に対して、その配転に応じるよう勧奨したわけでございます。何回かにわたって勧奨いたしまして、当局側の感触といたしましては、本人の暗黙の了解が得られたものと認めまして事前の内示をいたしました。これも協約がございまして、これは配転の場合だけではございませんで、人事全般をカバーするものでございますけれども、本人から格段の苦情がある場合には、それに対する審査手続を設けております、当局は暗黙の了解を得たと思っていたのでございますが、残念ながら本人から苦情処理の申請がございまして、その取り扱いをいろいろ協議していたのでございますが、結果といたしまして、苦情処理手続の進行中に本人から申告が取り下げられまして、本人も喜んで欠員のある箇所への転勤に応じた、こういう状況に相なっておると聞いております。
○辻(第)委員 あなた非常にうまくおっしゃるわけでありますが、本当に何度も何度も強要するような形があった、苦情処理を申請してもさらに強要されるというような状況があったことは事実であります。やはり労使間の約束事というのはきちんと守っていくことが大事だということを改めて強調したいと思います。 しかも、この事例の場合には、こういうこともあるのですね。その配転から一カ月もたたないうちに電車区の事務係の一人がコンピューター関係で配転になった。そして逆に欠員が出るというような状況になったわけですね。コンピューターのことは当時から話が流れていたということです。こんなことを見ていますと、非常に先の見通しのない、あるいはわかっておってこんなことをやったのではないかとまで疑われるようなことがある、こういうことも指摘をしておきたいと思うわけであります。 私は先ほどいろいろとたくさん申しましたが、あなたはもっともっとたくさんのことを知っておると思うのです。私は何ぼでも言うことがあるのですが、時間がないので先ほどはあの程度しか言わなかったのですけれども、本当に労働者の基本的な人権まで踏みにじるようなことが行われているということです。労働者の基本的人権を大事に守っていかない限り国鉄の本当の民主的な再建ということはあり得ないと思うのです。そういう点が今非常に欠けておる。 奈良電車区というのは最近新設されたのですね。その中に当然休養室ができておるのですが、それが非常に騒がしい。騒音が聞こえるのですね。休養室というのは国鉄労働者が本当に安全な仕事ができるように静かに休養できるような状態でなければならない。これは非常に大事なことだと思うのです。詳しく言う時間がありませんけれども、新しく建てられたにもかかわらず、こういうことでは、これは設計上のミスだというふうにも思うのです。労働者の生活や権利、仕事の上での安全、こういうものを確保する点での配慮が非常に不十分であると言わざるを得ない。こういう点、もっともっと国鉄当局としてはお考えをいただきたい、このように思います。 それにつけ加えますと、まだできて間がないのに、また足場を組んで、冷房の工事を穴をあけてやっておられる。こんなむだなことがやられているというのも最近の例なんですね。一方ではこういうことをやりながら、そういうところは全然知らぬ顔をして、労働者に少し何かあれば目のかたきにして、寄ってたかって人権無視のような状態で権利を侵害するというのが今日の状態ではないか、私はこのように考えるわけであります。 今の休養室の話、どのようにお考えになりますか。
○岡田説明員 先生からお話のございました奈良電車区につきましては、昭和六十年三月に開業した設備でございます。この奈良電車区乗務員の休養室につきましては、ほかの電車区とか機関区の場合と同じように、長年検討を加えました、改定に改定を続けております標準仕様によりまして設計施工いたしたものでありまして、通常の利用の状態のもとにおける休養室の居住環境として何ら問題がないというふうに考えております。 なお、念のため休養室の騒音測定をいたしましたところ、遮音効果は十分であるということでありました。
○辻(第)委員 労働者はせっかく新しいのをつくってくれるのだからと期待するわけですよ。今の財政的な事情もよくわかっておると思いますが、それができ上がれば——私も現場を見てきたのですけれども、確かに騒がしいですね。音がいっぱい入ってくるのですよ。いわゆる基準に合っているからそれでいいんだというような考え方はやはりだめです。本当にそこで労働者が休養できる、あすの仕事が安全にできるという状況を確保するために、今のようなしゃくし定規な答弁でなしに、そういう観点でこれからやっていただきたいと強く要望しておきます。 そして、また話がもとへ戻るわけでありますが、国労や勤労のワッペン着用の問題です。労働組合が組合員の団結促進のためにやっていることであるわけでありますが、当局はこれは職務上違反であるということでワッペンを外せという命令を出していますね。これをつけておれば、先ほど言いましたように、仕事をさせないとか何回も厳しい注意を繰り返す、そしてそれでまだなにしなければ、今度は昇格ですか昇任ですか、いろいろそういう点にも差別をするぞ、こういう攻撃を加えるということがやられているのですね。これはどこが違反なのか。私どもからいえば憲法二十八条で保障されております労働者の団結権や団体行動権の発動であり、まさに正当そのものだ、このように思うのです。また近代的な労働契約というのは、労働者の全人格的な支配を内容とするものではないということだと思うのです。勤務時間中であっても、あのようなワッペンをつけて就業するということは、人間として当然の権利の範囲に入っていると私は考えるわけであります。今日の状況では、国鉄の職場に本当に民主主義や自由があるのかと言わざるを得ない、このように考えておるわけであります。合理化促進のために、職場規律確立という名のもとに、不当な、一方的なやり方で攻撃が加えられる、職場の労働組合運動を押しつぶし、自由に物を言えない職場をつくっている、これが今日の状況ではないか、このように考えます。 私は思い出すのですが、あの太平洋戦争中に、戦争に勝つためにはみんな我慢しなさい、こういうことで一切の基本的人権や民主主義が圧殺をされたということがありました。それが戦後、民主主義というのを、平和を一番大切なものとしたということだったと思うのです。ところが今日は、国鉄の経営状況が非常に厳しい、これを再建しなくてはならない、こういうことをにしきの御旗に労働者の基本的権利、労働組合の権利というものをもう真っ正面から圧殺をしていくような今の状況。先ほど来いろいろ申しましたが、自由に物が言えない暗い職場です。力を合わせて何とかして再建をしようというような意欲がわくような状況じゃなしに、逆にもう真っ暗なそういう職場にしているというのが現状ではないか、このように考えるわけであります。その点はいかがですか。
○太田説明員 端的に申し上げまして、職場規律の確立と民主主義の尊重あるいは職員一人一人に対する愛情というものがあたかも対立概念であるかのようにおっしゃっているのは大変残念でございまして、それはAかBかという選択的な基準ではなくて、これは両者ともに確立しなければいけない必須要件であると私どもは考えて労政を推進しているわけでございます。 なかんずく職場規律は、国鉄のような業種の場合に、これなくしては業務の運営そのものも確保できない、つまり列車の運行というのはいろいろな職種の者が力を合わせて仕上げる一種の総合的な作品でございますから、その間の相互の連携なり共同作業というものは絶対必須でございます。ある部品だけが欠落すれば、もう作品そのものはできないわけでございまして、そういう意味で、職場規律というのは、いわば国鉄の業務そのものというふうに申し上げていいと思います。そういう重要な基盤でございますので、そこを大事にしながら、そして職員の働きがい、やりがい、また管理者の職員に対する愛情あるいは指導といったものを両立するように努力をしているところでございます。
○辻(第)委員 私は時間がないので、ちょっと舌足らずだったかもわかりませんけれども、職場規律を確立することと労働者の労働条件、基本的な人権を守ることが相対立をするような言い方をしたと今おっしゃったけれども、その点については、そういうことではないということを御理解いただきたいと思います。時間があればもっとじっくりやります。 職場規律というのは、あなたがおっしゃったように、国鉄の場合、殊に生命にかかわる問題ですから、本当に重大な問題だ、私はそう考えております。その職場規律という名前のもとに、大切な大切な職場規律ということで、労働者の労働条件や基本的な人権まで侵されているというのが今日の状況ではないかということを私は言っているわけでありまして、そこのところは、私の先ほどの質問に対するあなたの答弁は非常に遺憾であるというふうに思うのです。もっともっと謙虚に、今日の前のことだけではなしに、日本の民主主義をどう守っていくか、こういう観点を含めて国鉄の中で民主主義を貫いていただきたい。今こういう経営危機のときだからということで、異常な状態にあると言わざるを得ないのが今日の国鉄の状況だということであります。 どうもあなたは、私の話に対してああいう答弁をされるということは、私は非常に遺憾ですね。あなたの考え方の中にいびつなものといいましょうか、まだそういうものがあるというふうに一層痛感したのです。よく反省していただきたい。 仁杉総裁にもう一度お尋ねするわけでありますが、国鉄総裁辞表提出というようなことで、きょう総裁を辞任する意向を固め、この後、今三時ですが、もう少しすれば首相官邸へいらっしゃって辞表を提出する、こういうニュースを文書で今私は受け取ったのですが、その点いかがですか。
○仁杉説明員 もうすぐのことでございますが、大体そういうスケジュールでございます。
○辻(第)委員 私は仁杉総裁にはこれまで御努力をいただいたというふうに思います。あるいは我々もいろいろな注文をつけてきたということもございました。しかし私は、圧力に屈しないで頑張っていただきたいというような気持ちでおるわけでありまして、そのことを一言つけ加えて質問を終わりたいと思います。 ————◇—————
○三ツ林委員長 これより請願の審査に入ります。 今会期中、本委員会に付託になりました請願は七百四十件であります。 本日の請願日程第一から第七四〇の請願を一括して議題といたします。 まず、請願の審査の方法についてお諮りいたします。 各請願の内容につきましては、文書表で御承知のことでもありますし、また、先ほどの理事会におきましても御協議願いましたので、この際、各請願について紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決いたします。 本日の請願日程中、第四二〇ないし第四三二、第四八四ないし第五一一、第五三七ないし第五五二、第五六八ないし第五七九、第六〇六ないし第六一三、第六二八ないし第六三〇、第六四三ないし第六四七、第六五八ないし第六六四、第六六八、第六七四ないし第六八〇、第六八七ないし第七〇〇、第七〇七ないし第七一七、第七二〇、第七二一及び第七二四ないし第七三九の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、残余の各請願は、採否の決定を保留いたしますので、御了承願います。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各請願の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○三ツ林委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり、国鉄地方交通線の存続に関する陳情書外五十七件であります。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○三ツ林委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 第百一回国会小林恒人君外六名提出、地域交通整備法案 第百一回国会吉原米治君外六名提出、交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律案 左近正男君外九名提出、都市における公共交通の環境整備に関する特別措置法案 陸運に関する件 海運に関する件 航空に関する件 日本国有鉄道の経営に関する件 港湾に関する件 海上保安に関する件 観光に関する件 気象に関する件 以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣承認申請についてお諮りいたします。 ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その審査のため委員を派遣する必要が生じました場合には、調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三分散会