農林水産委員会 第23号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1984/07/06
会議録
○委員長(谷川寛三君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、菅野久光君が委員を辞任され、その補欠として安永英雄君が選任されました。
○委員長(谷川寛三君) 農林水産政策に関する調査のうち、米問題に関する件を議題といたします。 北君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北修二君。
○北修二君 私は、この際、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び参議院の会の各派共同提案に係る米の安全性と需給安定に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 米の安全性と需給安定に関する決議(案) 最近における米の需給ひっ迫に際し、政府は過剰処理の対象としてきた昭和五十三年産米を主食用としても売却するにいたった。しかるに、昭和五十三年産米は、たび重なるくん蒸によって臭素の残留が明らかとなり、加工原材料用米の不足が予測されるにいたったことから、政府は、韓国米によってこの事態に対応するという方針を決定した。 本委員会は、このような事態に対処するため、米問題を農政上の最重要課題として取り上げてきたが、これに対応する政府の具体的施策は、未だ必ずしも十分でないのが現状である。 米の需給がひっ迫し、国民の食糧行政に対する不信と不安を招いたことは、まことに遺憾である。 よって政府は、その責任を厳しく反省し、このような事態を二度とくりかえすことのないよう、米の生産力の維持向上を通じて国民食糧の安定供給を図る見地に立って、次の事項の実現を図り、食糧行政に万全を期すべきである。 一、多年にわたる農薬のくん蒸の結果、昭和五十三年産米において五OPPMを超える臭素の残留する米が相当量に達しているという現状にかんがみ、これについて早急に完全な検査を行い、今回定められた基準を超えるものについては、主食用、加工原材料用として、市場において販売されることのないよう措置すること。 また、暫定基準についても国民食糧の安全性の確保の観点から、法律に基づく基準とすることを検討すること。 二、国民の主食であり、かつ、わが国農業の基幹作物である米については、今後、その供給を外国からの輸入に依存することのないよう、国内生産による自給体制を確立すること。 三、今後における米の需給事情に的確に対応するため、需給計画について必要な見直しを行うとともに、必要な生産量が確保されるよう、水田利用再編第三期対策の転作面積の緩和についても弾力的に対処すること。 四、ゆとりある需給計画のもとに国民の主食の安定供給を確保するため、不測の事態に備えた米の適正な在庫の積増しを行い、備蓄体制の確立に努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(谷川寛三君) ただいまの北君提出の決議案に対して、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○稲村稔夫君 私は、ただいま提案されました決議案に対しまして、日本社会党を代表して賛成の討論を行いたいと存じます。 私が本決議案に賛成をする理由は、本来ならば国民の主食である米の需給について、政府はいかなる場合にもすべて国内産米をもって完全自給できるよう、常にその生産対策と需給計画に万全を期するようあらゆる努力を傾注すべきであるにもかかわらず、本年度の米の需給の逼迫を招き、その不足分を韓国米の輸入によって埋めようという極めて遺憾な対応をしてきたことにかんがみ、本決議案が明確に政府がその責任を厳しく反省し、このような事態を二度と繰り返すことがないよう求めるものであるところにあります。 しかしながら、私は本決議案が、満場一致の決議であるという性格上、必ずしも問題点の本質をすべて明らかにしているとは言えない面もあるわけであります。したがって、この際、我が党の考え方を数点にわたり明らかにした上で、政府の適 切なる対応を求める本委員会の意思表明の緊要なことを確認し、賛成の意思を表明したいと思うのであります。 そこで、最初に韓国米の輸入問題についてであります。 政府の言い分のように、貸付米の返還であろうとどうであれ、言葉の表現がどのようにされようとも、外国産米を入れるのであるから輸入と変わりがないわけでありまして、みずから招いた需給計画の狂いによる不足分を外国産米で埋めようとすることには絶対に反対であります。政府がもし、本当に輸入をしない方針を堅持しようとしているのでありますならば、今回の事態にも対処の仕方が違っていたはずであります。 例えば、輸入の方針を決める前に、なぜ六十年産米対策を含めて、その不足分をカバーできるよう農家が協力し得る条件づくりに努めるなど、輸入しないで済まされるためのあらゆる努力がなされなかったのでありましょうか。今回、韓国米依存に走ったことは、今後の問題として、もし米が足りなくなれば輸入すればよいとする安易な対応へのスタートとなり、米の需給体制さえも揺るがしかねないという大きな危惧を我々ばかりではなく、多くの米の生産農家が持たざるを得ないと思うのであります。 私は、この際、米の輸入はいかなる場合にもしないで済むという体制の確立をすることが、今求められている政策的な急務であると確信をするものであります。 次に、今回の米の需給逼迫の原因と責任を明確にすべきであるという点であります。 我が党はこれまでも、このままでは米の需給計画に必ず問題が生ずることを指摘してまいりましたし、本委員会においてもその計画と実態の間にずれを生じていないかを初め、その点を繰り返し繰り返し政府にただしてきたところであります。しかるに政府は、その都度心配ない旨を答弁し、ごく最近における答弁ですら、余裕はないが大丈夫だとこれまた繰り返してきたのであります。 加工用原料米の不足という事態は、今日突然に発生したものではないのであります。それは、そもそも主食用として売らないことを原則にしてきた五十三年産米を主食として需給計画に繰り入れなければならなかった時点で、既に総体的な米の不足が発生していたということにほかなりません。 政府の言うように、異常気象による四年連続の不作だけが原因でありましょうか。それでは、政府も認めているように、その不作のもとにあっても生産者の努力次第で立派な成績を上げている実例は一体どのように説明したらよいのでありましょうか。減反政策が米の生産農家の生産意欲を大幅に減退させてしまったことも、四年連続の不作を招来した大きな要因の一つであることに間違いないと思うのであります。したがって、かかる政策を推し進めてきた責任、そしてそれが破綻したという責任をこの際明確にすべきであります。本決議案前文において、政府のとってきた態度について「遺憾である。」と指摘していることは、その政治的責任を明らかにするとともに、米の減反政策を根本的に見直すことにほかならないと我が党は理解をするものであります。 さらに次は、米の安全性についてであります。五十三年産米を主食用に売却してきたことに対して政府はもっと深刻に反省すべきであります。 その理由の第一は、主食用にしないことを原則にしていた五十三年産米を主食用として売却したということであります。 第二は、臭化メチル薫蒸による安全性の問題について、国会での指摘を受けるまで何ら安全性チェックの方策をとらなかったばかりか、臭素の残留が確認されるまでその売却停止などの配慮を全くしていなかったことであります。 第三は、基準を超える臭素が残留するものは売却を停止したとはいえ、それはわずかに残っている政府在庫の分だけであり、市場に出回っているものについては全く放置しているということであります。 第四は、無機臭素の残留だけを問題にしているが、臭化メチル薫蒸によって生成することの懸念される物質の検定など全くやっていないということについてであります。 業務用とはいっても、それは主食であることに変わりなく、また、加工原料といえども多くは口を通じて人体に入るものでありますから、本気になって安全性を考えるならば、臭素残留米が絶対に国民の口に入らないよう、実行可能なあらゆる手段を講ずるのが当然でありましょう。したがって、今回の五十三年産米の臭素残留問題に対する政府の対応は、国民の健康に影響を与える可能性などについて全く考えていないと言われてもいたし方ありますまい。よって、我が党は本決議案における「市場において販売されることのないよう措置すること。」、暫定基準の法律上の基準化などの内容的意義は極めて大きいと思うのであります。 さらに、他用途米についても明らかにしておかなければなりません。 他用途米については、加工原料米とはいえ、主食用米と全く同じ基準の検査に合格することが条件になるわけでありますから、本来は主食用とは別の検査規格のもとで生産者がそれに見合う米を調整して出荷できるようにするのが当然であろうと思うのであります。このような対応が、農家の立場からすると、生産した米の一部が不当に安く買いたたかれる二段米価だと感覚的に受け取るのは当然の帰結だと思うのであります。そして、そのことがさらに農家の生産意欲を減退させる役割を果たすこと必至だと思うのであります。その再検討が本決議案の案文の中に見出せないのはまことに残念であります。 最後に、米の備蓄についてであります。 米の安定供給の観点から備蓄が極めて重要なことは、改めて指摘するまでもないと思うのでありますが、その安定供給の体制を保障するためには備蓄が制度的に確立されていなければならないと思うのであります。毎年、一定数量の米が必ず備蓄されているということがなければ安定的に供給できる体制の保障にはならないからであります。したがいまして、本決議案に備蓄体制の確立がうたわれていることを重視するとともに、我が党としてはこの「備蓄体制の確立」とは、これを将来、制度として確立をしていくための出発点として位置づけ、理解をしておきたいと思うのであります。 以上、数点にわたり我が党の考え方を明らかにし、本決議案に賛成するものであります。
○委員長(谷川寛三君) 他に御意見はございませんか。——他に御発言もないようですから、ただいまの各派共同提案による北君提出の米の安全性と需給安定に関する決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(谷川寛三君) 全会一致と認めます。よって、米の安全性と需給安定に関する決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、山村農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山村農林水産大臣。
○国務大臣(山村新治郎君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、今後鋭意努力してまいります。
○委員長(谷川寛三君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会