農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1984/02/24
会議録
○委員長(谷川寛三君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 岡部三郎君及び高木正明君の委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に川原新次郎君及び最上進君を指名いたします。 —————————————
○委員長(谷川寛三君) 農林水産政策に関する調査のうち、昭和五十九年度農林水産省関係の施策に関する件を議題といたします。 農林水産大臣から所信を聴取いたします。山村農林水産大臣。
○国務大臣(山村新治郎君) 一言ごあいさつ申し上げます。 昨年暮れ、図らずも農林水産大臣を拝命いたしました山村新治郎でございます。 我が国農林水産行政を取り巻く内外の情勢がまことに厳しき折から、その責任の重大さを感じますときに、本当に身の引き締まる思いでございます。この責務を全うすべく、皆様方の御指導、御鞭撻をひとえにお願いいたしましてごあいさつにかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。 我が国経済は、世界経済が三年続きの不況から脱却しつつある中で、緩やかながら着実に景気回復の過程をたどりつつありますが、財政は依然として不均衡の状態にあり、また、対外的には大幅な経常収支の黒字により貿易摩擦が生じているなど諸問題を抱えております。 このような情勢の中で、我が国農林水産業は、食糧消費の伸び悩み、農産物の需給の緩和、農産物価格の低迷、労働力の高齢化などの諸問題に直面しており、また、諸外国からの市場開放の要求が一層強まるとともに、行財政改革の観点から効率的な農政の推進の必要性が増大するなど極めて厳しい条件のもとに置かれております。 申すまでもなく、農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食糧の安定供給を初め、活力ある健全な地域社会の形成、地域住民への就業の場の提供、国土、自然環境の保全など我が国経済社会の発展や国民生活の安定のための土台を支える重要な役割を果たしております。今後、経済の安定成長の定着、高齢化社会の到来、地方への定住志向の高まり等が進む中で、村の住民の生きがいの場、国民のやすらぎの場の提供、我が国伝統文化の継承などの面においても、農林水産業及び農山漁村の役割は一層重要になるものと思われます。 しかしながら、農林水産業を取り巻く情勢は厳しく、今後の世界の食糧需給の展望を見ましても、中長期的には楽観を許さないものがあります。このような状況のもとで、一億二千万人にも及ぶ国民に食糧を安定的に供給するためには、国内で生産可能な農産物は極力国内生産で賄うとい う方針のもとに、農業生産の担い手の育成を中心として、農地、水資源の確保、技術の向上を含めた総合的な食糧自給力の維持強化を図ることが肝要であると考えております。 この場合、農業の生産性向上と需要の動向に応じた農業生産の再編成を図る必要があります。また、あわせて、農林水産業の基盤である地域社会の活性化を進めることが大きな課題となっております。 このような基本的な課題にこたえ、二十一世紀へ向けて、夢のある明るい農林水産業、農山漁村の実現を図るため、各般の施策を展開してまいることといたしております。 以下、昭和五十九年度における主要な農林水産施策について申し上げます。 まず、農業の振興についてであります。 第一は、土地利用型農業の体質強化を中心に据えて、農業構造の改善、農業生産基盤の整備、農業技術の開発等を通じて生産性の向上を一層推進することであります。 このため、地域ぐるみで集団的に農地等の利用調整活動を行い、中核農家の規模拡大や地域農業の組織化を図ることとして、地域農業集団の広範な育成を進めるとともに、あわせて、新農業構造改善事業後期対策を本格的に実施することとしております。 農業生産基盤の整備につきましては、事業効果の早期発現を図るため、継続事業に重点を置き、計画的に事業を推進することとしております。 さらに、最近国民の関心が高まっているバイオテクノロジー等先端技術につきましては、官・産・学の連携強化による総合的な開発を強力に推進してまいります。 これらの生産性向上のための取り組みとあわせて、安定した農業生産力の確保を図っていくための対策を進めることとしております。 すなわち、稲作につきましては、最近四年連続の不作という状況に対処するため、基本技術の一層の励行等を通じて不良条件を克服し得る「たくましい稲づくり」を官民一体の運動として進めるとともに、稲作関連の諸施策を積極的に展開することとしております。 また、近年の化学肥料の多用等による地力の低下に対応するため、新しい地方診断技術の活用や有機物の増投等による「健康な土づくり」を推進することとし、施策の充実を図ることとしております。 このほか、農林水産業の実態を的確に把握するため、農業センサスを実施することとしております。 第二は、需要の動向に応じた農業生産の再編成を地域の実態に即して進めることであります。 まず、水田利用再編対策につきましては、今後の農業生産の基本方向に即し、地域の実態に応じた転作の定着化を図るため、昭和五十九年度から昭和六十一年度までの三年間にわたって第三期対策を実施することとしております。 第三期対策におきましては、米の政府在庫の計画的積み増しを図るとともに、転作の定着化を一層促進するため制度を改善するほか、水田の持つ高い生産力を維持しつつ、その有効利用を図る等の観点から、加工原材料用需要に対応して他用途利用米の導入を行うこととしております。 また、肉用牛生産等につきましては、昨年策定いたしました酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針に即しまして、その振興、合理化を総合的に推進することとしております。 第三は、多様化している食糧需要に適切に対応しつつ、国民に健康的で豊かな食生活を保障することであります。 このため、我が国の風土に根差し、かつ健康的な食生活という点からも望ましい日本型食生活の定着を図る観点から、米などの消費拡大を図るとともに、主要食糧の需給及び価格の安定を図ってまいることとしております。 また、食品産業におきましても、公正な競争を確保しつつ、先端技術の導入等による生産性の向上、食品流通の情報化の推進等による流通の効率化を図るなどの対策を推進し、消費者ニーズに応じた食品の安定的供給に努めることとしております。 第四は、時代の要請に応じた「豊かなむらづくり」を進めていくことであります。 すなわち、若い農業者が意欲を持って取り組める農業の振興、就労の安定と生きがい活動の発見、地域住民の連帯と資源の有効利用、生活環境条件の整備、都市と農村の交流の推進等を織り込んだ「豊かなむらづくり」を地域の自主性に即して推進することとしております。 このため、農業及び農村の整備を図る上でのより総合的な地域計画として農業・農村整備計画の策定とその実施を推進するとともに、従来の諸事業の効果的な推進とあわせて、地場産業の育成等に重点を置いた新農村地域定住促進対策事業を発足させることとしております。 以上申し上げました各般の施策のほか、世界の食糧需給の安定に貢献するため、長期的観点に立って、開発途上地域における農業開発への協力を一層推進することとしております。 また、国土資源に制約のある我が国として輸入に依存せざるを得ないものについては、その安定的輸入の確保を図るとともに、国内の不作や輸入障害の事態に備えて、備蓄の確保を図ることとしております。 このほか、金融制度の充実、農業災害補償制度の円滑な運営等を図ることとしております。 林業につきましては、木材需要の減退と木材価格の低迷、経営諸経費の増高等極めて厳しい情勢にありますが、森林が木材等の生産のみならず、緑豊かな国土や自然環境の保全、水資源の涵養など重要な公益的機能を有していることにかんがみ、林業・林産業の一体的な振興と森林機能の維持増進を図ることが重要であります。 このため、農林業の一体的振興、地場資源の活用等を図る林業地域活性化総合対策事業を実施するとともに、造林、林道等の林業生産基盤の整備、治山事業、保安林整備等国土保全対策の充実強化に努めることとしております。 また、長期にわたり不況下にある木材産業について競争力を強化するための体制整備を進めることとしております。 さらに、国有林野事業につきましては、経営改善を一層促進するため、早急に現行経営改善計画の見直しを行い、事業運営の改善合理化を進めてまいりたいと考えております。 水産業につきましては、二百海里体制の定着化、漁業用燃油価格の高水準での推移による漁業経営の圧迫、水産物の需要の伸び悩みなど厳しい情勢にありますが、動物性たんぱく質の安定供給という重要な役割にかんがみ、その振興を図ることが肝要であります。 このため、漁港、沿岸漁場等の漁業生産基盤の整備を計画的に進めるとともに、「つくり育てる漁業」を推進するため、栽培漁業、サケ・マスふ化放流事業等を実施するほか、漁業経営体質の強化を図るため、漁業生産構造の再編等各般の経営対策の推進を行うこととしております。 また、遠洋漁場の確保を図るため、粘り強い漁業外交の展開、海外漁業協力の推進等に努めるとともに、消費者ニーズを十分踏まえた水産物の流通・加工・消費の各般にわたる対策の充実強化を図ることとしております。 これら農林水産施策を推進するため、厳しい財政事情のもとで、農林水産予算につきましては、各種施策について優先順位の厳しい選択を行いつつ、将来に明るい展望が開けるよう必要な予算の確保を図ったところであります。 また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきまして、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 最後に、当面の最重要課題となっております農産物の市場開放問題につきまして申し上げます。 日米間で懸案となっている牛肉、かんきつの問題につきましては、それらの輸入数量に関する日米間の合意の期限である三月末を目前に控え、現在、日米双方が妥結に向けて努力を続けていると ころであります。協議は、これまで五回行われ、全体としてよい方向に向かってはいるものの、双方の見解にはなお著しい隔たりがあるというのが実情でございます。 日米農産物交渉においては、我が国の農業を守るという立場を堅持し、当委員会の一昨年の決議及び本年一月の申し入れの趣旨を踏まえ、農業者が犠牲にならないよう、今後とも我が国農業を着実に発展させていくことを念頭に置いて適切に対処してまいりたいと考えております。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は農林水産業に携わる方々に明るい希望を持っていただけるよう我が国農林水産業の発展のため全力を傾けてまいる覚悟でございます。 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支持、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(谷川寛三君) 本件に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(谷川寛三君) この際、農林水産政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。仲川農林水産政務次官。
○政府委員(仲川幸男君) 昨年の暮れに農林水産政務次官の拝命を受けました仲川幸男でございます。 多難なときでございますが、山村大臣を補佐し、特別なる皆様方の御指導によりまして難関を切り抜けたいと思っております。どうぞひとつよろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手) —————————————
○委員長(谷川寛三君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣については、香川・高知班及び愛知・三重班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十五分散会 —————・—————