内閣委員会 第15号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1984/07/17
会議録
○委員長(高平公友君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三日、柄谷道一君が、十二日、野田哲君が、また、昨十六日、内藤功君が、それぞれ委員を辞任され、その補欠として藤井恒男君、菅野久光君及び橋本敦君が選任されました。 —————————————
○委員長(高平公友君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高平公友君) 御異議ないものと認めます。 それでは、理事に太田淳夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(高平公友君) 臨時教育審議会設置法案及び国民教育審議会設置法案の両案を一括議題といたします。 まず、臨時教育審議会設置法案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。森文部大臣。
○国務大臣(森喜朗君) このたび、政府から提出いたしました臨時教育審議会設置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の教育は、国民のたゆみない努力により、著しく普及し、その水準は国際的にも高く評価され、我が国の成長と発展に重要な役割を果たしてきております。特に、戦後において、その急速な普及充実が図られ、国民全体の教育水準の向上に大きく寄与してきたところであります。 一方、近年における社会の急激な変化、教育の量的拡大等は、教育のあり方に対しても大きな影響を与えており、今や教育改革の必要性が各方面から指摘されるに至っております。 このような教育改革に対する国民の要請を踏まえ、今後とも我が国が活力ある国家として安定した発展をしていくことができるよう、二十一世紀の我が国を担うにふさわしい青少年の育成を目指して教育全般にわたる改革を推進していくことが緊急かつ重要な課題となっております。 そこで、政府全体の責任において、長期的展望のもとに教育改革に取り組む必要があると考え、このたび、各界の人格、識見ともにすぐれた方々を委員にお願いして、臨時教育審議会を総理府に設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 まず第一に、今後における社会の変化及び文化の発展に対応する教育の実現を期して、教育基本法の精神にのっとり、各般にわたる施策につき必要な改革を図ることにより、教育の目的の達成に資するため、臨時教育審議会を総理府に置くこととしております。 第二に、審議会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、教育及びこれに関連する分野の諸施策に関し必要な改革を図るための方策に関する基本的な事項について調査審議して答申するとともに、意見を述べることをその所掌事務としており、また内閣総理大臣は、この答申または意見を尊重しなければならないこととしております。 第三に、審議会は、文部大臣の意見を聞いて内閣総理大臣が任命する二十五人以内の委員をもって組織するとともに、文部大臣の意見を聞いて内閣総理大臣が任命する専門委員を置くことができることとしております。また、審議会の事務を処理させるため、事務局を置くこととしております。 このほか、審議会は、国の関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしております。 なお、この法律は、施行の日から起算して三年を経過した日に失効することとしております。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(高平公友君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院内閣委員長代理理事深谷隆司君から説明を聴取いたします。深谷君。
○衆議院議員(深谷隆司君) ただいま議題となりました臨時教育審議会設置法案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の第一は、内閣総理大臣が審議会の答申等を受けたときは、これを国会に報告するものとすることであります。 教育改革は、今日、国民の最大関心事であり、また、我が国の将来を左右する最重要課題でありますので、審議会の答申等を適宜国会に報告して、国会及び国民に教育の問題点を明らかにし、論議を高めることにより、国民各層から教育改革のための一層幅広い協力を得ることができると考えられるからであります。 修正の第二は、内閣総理大臣が審議会の委員を任命しようとするときは、両議院の同意を得なければならないこととすることであります。 審議会の委員は、真に国民各界各層の意見を代表することができ、また、国民の信頼と支持が得られる人格と識見を備えた方々が公正に選ばれる必要があり、そのためには、国民の代表である国会の同意に係らしめることが適当であると考えられるからであります。 修正の第三は、施行期日に関するものであります。 原案におきましては、本年六月三十日までの間において政令で定める日から施行することといたしておりますが、既にその日が経過いたしておりますので、これを、公布の日から起算して一月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することに改めようとするものであります。 なお、以上の修正に伴い、所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上が、修正の趣旨であります。
○委員長(高平公友君) 次に、国民教育審議会設置法案について、発議者久保亘君から趣旨説明を聴取いたします。久保君。
○委員以外の議員(久保亘君) 私は、提案者を代表して、ただいま議題となりました国民教育審議会設置法案につきまして、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 激発する少年の非行、暴力、登校拒否、高校中退者の激増など、今日の教育の荒廃はもはや一刻も放置できない事態であり、偏差値教育に象徴される現在の教育が早急に改革されなければならないことは国民共通の認識となっております。 この国民的要請にこたえるためには、まさに国家百年の計としての教育改革の重大性にかんがみ、慎重かつ民主的に審議を行う機関を設置し、その意見に基づいて国民の合意を得ながら改革を推進することが必要であると考えるものであります。 その際、真に国民が求める教育改革を実現するための条件として最も重要なことは、その審議機関が、教育の政治的中立を確保するという大原則に基づいて、あらゆる権力の不当な支配や介入を排除し得る体制で設置されるとともに、委員の人選や審議の過程で、国民の意思が十分に反映されているか、あるいは国民の意思と離れた議論になっていないかを、国民自身が常に監視し、批判できることが保障されなければならないということであります。 しかるに、現在政府から提案されている臨時教育審議会設置法案では、これまでの審議の中でも明らかなように、その設置目的、設置形態及び運営方法が、総理大臣の恣意に左右されるものになっているのではないかとの危惧は依然として払拭されず、真に国民のための、国民に開かれた審議会になるとは到底考えられないのであります。 他方、教育、学術、文化に関する重要課題を審議する最高の機関として、三十年余にわたって文部省に設置されてまいりました中央教育審議会についても、委員の選出が偏ったものであったことや、密室の中で運営されてきたことなどから、必然、国民的要請に反する官僚主導の結論が出されることとなり、その結果、文部行政の隠れみの的な役割を果たすにすぎなかったという歴史を考えるとき、もはや教育改革の検討をゆだねる機関としてふさわしいものであるとは言えない存在となっているのであります。 そこで、我々は、従来の中央教育審議会にかわる恒常的機関として、新たにより強い権能と主体性、中立性を有する国民教育審議会を文部省に設置し、委員の人選及び任命、運営などが、公開の原則のもとで、より国民の意見を正しく反映させる形で行われるよう配慮することなどによって、現在の憂うべき教育の荒廃を抜本的に解決する方途を検討し、ひいては憲法及び教育基本法に規定する教育の目的の真の実現を図ることが最も適当であると考え、この法律案を提案した次第であります。 次に、このような構想を採用いたしました理由につきまして、政府提案の臨時教育審議会設置法案と対比しながら述べたいと存じます。 まず第一に、政府案が、審議会を総理大臣の直属機関として設置することとしていることは、極めて大きな危険をはらんでいるということであります。 過去において、総理大臣直属の教育に関する審議機関が設けられたのは六回を数えますが、戦後の特殊な条件のもとに設置された教育刷新委員会は別として、いずれも戦前の国家主義、軍国主義教育の推進に大きな役割を果たす結果になったことは歴史が証明するところであります。 言うまでもなく、教育基本法第十条は、教育が不当な支配に服することを否定し、国家権力が教育に介入することを厳しく戒めております。しかるに、政府原案では、総理大臣直属の審議機関を設置し、委員の任命、会長の指名に至るまで総理大臣が行うこととしていたのでありまして、これでは国家権力が教育に直接介入し、教育の中立性を根本から脅かすおそれのあることは疑いのないところであります。 その不安を一層大きなものにしているという点で、特にここで強調しておかなければならないのは、ほかならぬ中曽根首相自身の政治姿勢であります。首相はかねてみずからを改憲論者と称し、行政改革の次は教育改革を行うことが憲法改正への道であると発言しており、今回の提案は、父母、国民が求める教育改革とは出発点において決定的に異なった危険な政治的意図に基づくものであると言わざるを得ません。さらに、みずからの政権を維持するために教育改革を利用するという不純な意図さえ各方面から指摘されているのであります。 他方において、現内閣は、行財政改革の名のもとに、一人一人の児童生徒に行き届いた教育を実現することにより今日の教育の荒廃を是正するため最も緊要な四十人学級計画を凍結するほか、私学助成の削減、育英奨学金の有利子化など、ことごとく国民の期待を裏切る教育切り捨て政策を実施しているのであります。 現在の山積する諸課題を何ら解決し得ない首相に、膨大な財政支出を必要とする本当の教育改革の実現がどうして期待できるでしょうか。むしろ、財政的配慮の優先と検討中の名のもとに、当面の教育課題への取り組みを先送りするための道具に利用される危険性を指摘せざるを得ないのであります。 これに対し、本法律案においては、国民教育審議会は、あくまでも憲法及び教育基本法が目指す教育の目的を達成するため、教育の中立性が堅持されるものとなっているのであります。 すなわち、国民教育審議会は、従来の中央教育審議会と同様、文部行政の直接の責任としての文部大臣の所管にしておりますが、その機能については、単に諮問事項を審議するにとどまらず、審議会の自主的意見をまとめることができることとし、文部大臣は、教育、学術、文化に関する施策の大綱について、事前に審議会に諮り、その意見を尊重しなければならないこととし、権能を一段と高めております。 これは、社会保障制度審議会など、国民生活に極めて重要な役割を果たす機関に与えられている機能と同様であり、このことによって、審議会は、教育問題全体を体系的に検討し、行政全般を絶えずチェックするとともに、長期的及び短期的な視点から教育改革を推進することが可能になるのであります。 第二に、教育改革にとって最も重要な前提となる国民的合意形成のための条件が、政府案の構想には著しく欠けていることであります。 政府原案では、審議会の運営とその結論を左右することになる委員の任命、会長の指名などが総理大臣の専権とされており、これでは審議会に国民の声が何ら反映されないばかりか、総理大臣の恣意的人選によって教育改革の方向がゆがめられ、ひいては国民の合意が得られないおそれが大きいと言わざるを得ません。 言うまでもなく、教育権の所在は国民にあり、教育の実現は国民全体に対して直接に責任を負って行われなければならないことは、民主主義社会の原則であり、我が国憲法、教育基本法の基本理念であります。教育改革は上からの改革であってはならず、下からの草の根改革でなければなりません。審議会が、すべての子供、父母、教師など国民の教育に対する多様な要請をあまねく吸収し、またその英知を結集する機関となるため、少なくとも委員の任命に当たっては国民を代表する唯一の機関としての国会の同意を得ることとすることは、最低限必要な条件であります。この点については、衆議院において修正の上、本院に送付されておりますが、国会の同意人事とするかわりに委員の守秘義務を規定したことは、審議会の密室性を強めるものとなっております。この守秘義務は会議の公開によってのみ排除が可能であります。 そこで、本法律案における政府案との重要な相違点は、民主主義社会の常道として、審議会は原則として公開のもとに運営されるということであります。密室審議が官僚的独善などの弊害を生じやすいことは、教科書検定などの例を挙げるまでもなく明らかであります。自由な発言が阻害されるということが非公開の理由とされておりますが、公開されても恥ずかしくなく、かつその発言に責任を持つ論議が行われることこそ必要であり、また、国民が結論だけでなくプロセスを知ることも重要であると言わなければなりません。そして、このことが審議会の中立性を担保するとともに、その結論が国民的合意を得るための重要な要件であると考えるものであります。 以上申し述べました理由により、本法律案を提案した次第でありますが、その内容は次のとおりであります。 まず第一に、民主主義社会における教育の果たす役割の重要性及び教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきことにかんがみ、教育施策に国民の意見が正しく反映されることを図ることによって、憲法及び教育基本法に規定する教育の目的の達成等に資するため、国民教育審議会を文部省に置くことといたしております。 第二に、審議会は、教育、学術、文化に関する基本的な重要事項について調査審議し、文部大臣に意見を述べるものとし、文部大臣は、それらの事項に関する企画、立法または運営の大綱について、あらかじめ審議会に付議しなければならないこととするとともに、審議会の意見を尊重しなければならないことといたしております。 第三に、審議会は、両議院の同意を得て文部大臣が任命する三十人以内の委員によって組織するとともに、審議会の意見を聞いて文部大臣が任命する専門委員を置くことができることとするほか、事務局を置くことといたしております。 なお、委員の任期は二年とし、審議会の会長は委員の互選によって定めることといたしております。 第四として、審議会の会議は公開することといたしておりますが、出席委員の三分の二以上の多数で議決した場合には非公開によって行うことができることといたしております。 第五に、審議会は、国の関係行政機関の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができることといたしております。 最後に、この法律は公布の日から施行することとするほか、関係法律に所要の規定の整備を行っております。 以上が、本法律案を提出いたしました理由とその概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(高平公友君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案についての質疑は後日に譲ります。
○委員長(高平公友君) この際、新たに総務庁長官に就任されました後藤田正暗君及び総務政務次官に就任されました堀内光雄君から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。後藤田総務庁長官。
○国務大臣(後藤田正晴君) このたび総務庁発足に伴いまして、総務庁長官を拝命いたしました後藤田正晴でございます。 総務庁は、各種総合調整機能の相互補完関係をより緊密なものとするという基本的な考え方に基づいて、行政機関の人事、機構、定員及び運営の総合調整機能と行政監察機能の総合的運用を図るとともに、青少年対策等の特定の行政施策の総合調整機能をあわせ有するものとし、政府における全体としての総合調整機能の活性化と総合的発揮を図ることといたしております。 さらに、統計の重要性にかんがみ、統計行政機構の再編成を行い、統計行政における中枢的機能を確立するとともに、恩給に関する事務をも含めて、これらを一体的に遂行することを目的として設立されたものであります。 総務庁の運営に当たりましては、その設置の趣旨を踏まえ、その具体的効果を発揮するよう努力してまいる所存でございます。 委員長初め皆様方の格別の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。 よろしくお願いを申し上げます。
○委員長(高平公友君) 堀内総務政務次官。
○政府委員(堀内光雄君) このたびの総務庁発足に伴いまして、総務政務次官を拝命いたしました堀内光雄でございます。 微力ではございますが、長官のもとで最善を尽くしてまいりたいと存じておりますので、委員長初め委員の諸先生方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(高平公友君) 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十分散会 —————・—————