社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1984/04/19
会議録
○委員長(石本茂君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○浜本万三君 提案されております法案に対する御質問をさしていただきたいと思います。 まず、感想でございますが、今回の法改正によりまして、人工肛門でありますとか、人工膀胱の造設者約六千人の方々が新たに法の適用を受けるということは大変結構なことだというふうに思います。しかし、この際、身体障害者の雇用問題というのが非常に重要な時期に来ておりますから、以下、基本的な問題につきまして御質問をさしていただきたい、かように思います。 まず最初に、身体障害者の雇用状況の基本的な点につきましてお尋ねをさしていただきたいと思います。 身体障害者は年ごとに増加をしております。また、その症状におきましても大変重いものがたくさん出ておりますし、また、年齢も高くなっておるわけでございます。大変深刻な状態になりつつあると思うのでございますが、その実情につきましてまずお伺いをいたしたいということでございます。 また、まことに残念と思うのでございますが、一昨年国際障害年が終わった後の雇用改善というのが著しく鈍化しておると言われておりますが、その実態と理由などについて説明をしていただきたい、かように思います。
○政府委員(加藤孝君) まず、身体障害者の状況につきまして、年を追って増加し、あるいは重度化し、高齢化が進んできておる、こういう実態につきまして若干数字を交えまして御説明いたしたいと存じます。 厚生省の調査によります昭和四十五年と、それから十年後の昭和五十五年、この調査によって比較をいたしてみますと、身体障害者の十八歳以上の方の総数は昭和四十五年には百三十一万人でございましたが、十年後の五十五年には百九十七万ということで、約六十六万人の増加、五割増、こういう状況にございます。また、障害の程度で見ますと、昭和四十五年には、一級あるいは二級という重度障害者の方が全体の二六・五%ということでございますが、十年後の五十五年にはその二六・五%が三二・八%、こういうことで重度化が目立ってきておるわけでございます。また、年齢階層別にこれを見てみますと、昭和四十五年では五十歳以上の方が六六%ということでございますが、十年後の五十五年には五十歳以上の方が七五%、こういうふうに高齢化も進んできておるわけでございます。 次に、国際障害年が終わった後の雇用率の改善が鈍化してきておるという点は残念ながら事実でございまして、いろいろ問題があると思っております。この昭和五十八年の民間企業におきます身体障害者の雇用率は一・二三%と、こういうことでこざいまして、前年よりわずかに〇・〇一ポイントの増と、こういうようなことで、その前の年〇・〇四ポイント、あるいはまたそのさらに前の年の〇・〇五ポイントの増というのに比べますと鈍化をしてきておるわけでございます。 原因といたしましては、従来雇用率の低かった大企業あるいは卸・小売業、あるいは金融・保険、不動産業と、こういったような業種におきまして全体として雇用改善は進んできておりますが、やはりまだ雇用改善が十分でない企業も相当にウエートを占めておると、こういうような事情があるわけでございますが、さらに具体的な事情といたしまして、近年定年などによりまして退職いたします身体障害者が増加してきておる。特にいわゆる傷痍軍人と申しますか、戦傷者と申しますか、そういうような方たちが、大体この六十歳前後で定年でおやめになるというような方がふえてきておると、こんなような問題も一つございます。 それからまた、公共職業安定所に求職登録をいたしております身体障害者が全体として重度化し、あるいはまた高齢化してきておりまして、なかなか就職が難しい方がだんだん安定所の求職者にふえてきておる、こういうような事情も雇用率がなかなか伸びない事情になっております。 それから、さらにまた近年雇用増に伴いまして常用労働者を採用して増加していきます中で、企業規模六十七人以上といいますか、雇用率一・五がかぶってまいりますのが企業規模六十七人以上の規模でございますが、最近そういうことで従業員数がふえて雇用率がかぶるようになった、そういうような企業がふえてきておりますが、そういうところにおきまして、残念ながらこの身体障害者の雇用についての認識がまだ十分でない、こういったような問題が雇用率伸び悩みの背景になっておると、こんなふうに見ておるわけでございます。
○浜本万三君 次に、身障者の雇用率制度の問題につきまして、若干のお尋ねをいたしたいと思います。 現在、一般の雇用失業状態を見ますと、例えば求人倍率にいたしましても、また失業率にいたしましても、大変悪い状態になっておると思います。したがって、雇用失業状態というのは、全体から申しますと厳しい状態にあるということが言えると思います。したがって、当然身体障害者の雇用にも大きな影響を与えることが予想されるわけでございます。そこで、ことしの一月だったと思いますが、労働省の方は都道府県知事に対しまして、障害者の雇用改善指導を強化する旨の通達が出されておるようでございます。これは先ほど申したように雇用の鈍化を憂慮したためであろうと思うのでございますが、参考までにその内容をひとつ簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 御指摘のように、雇用率の伸びが鈍化してきておるその背景を踏まえまして、ことしの一月に各都道府県知事あてに通達を出しておるわけでございますが、その要点は、一つは、今まで民間企業について雇い入れ計画作成命令というものを出しておったわけでございます。特にこういう率の低いところについて出しておったわけでございますが、従来は雇用率が〇・五%未満、あるいはまた不足数十人以上の企業について出しておりましたものについて、今後は雇用率が〇・七五%未満、あるいは不足数が六人以上、こういう企業もやはり雇い入れ計画作成命令を出して雇用率達成のために努力をしてもらう、こういう点をひとつ強化をし拡大をしたところでございます。 それからもう一つは、市町村等の機関に対しまして個別指導あるいは採用計画の適正実施勧告、こういったものを厳正にひとつやれと、そして、特に雇用状況の悪い機関に対しては公表措置も今後は講じていくという構えていくべきだと、こういうことでございます。 それからまた、特定重度障害者雇用率制度というものにつきましての雇い入れ計画作成命令制度の厳正運用という問題、それからもう一つ大事なことは、現在雇用率が伸び悩んでいる一つの背景として、比較的身障者の離職が出てきている。そういう意味におきまして、こういう身体障害者の職場への定着ということを、新たに職場に雇い入れてもらうと同じように懸命にひとつ定着指導というものに力を入れるというような点につきまして強く指示をいたしたところでございます。
○浜本万三君 私はこの通達を、十分とは言えませんが一応評価いたしておるところでございますが、特に関心がございますのは例の企業名の公表制度の問題でございます。雇用率達成に消極的な企業ということになりますと、先ほど局長の方から申されましたように規模別では大きいところ、それから産業別では卸・小売とか化学工業とか金融・保険とか不動産、建設、食品というところが資料によりますと拝見できるわけでございます。そこで、労働省の方は雇用率が著しく低い、そのような企業については公表することもあり得るという態度を従来とってこられたわけなのでございますが、これを契機にこの制度を積極的に活用したらどうかというふうに思うわけです。新聞では積極的にやる旨の趣旨が報道されておるわけでありますが、今回の通達を契機に的確に、協力しない企業については公表するという方針をもっと明示してもらいたい、そういう態度をひとつ厳正にとってもらいたい、こういう私は希望を持っておるわけでございます。先ほど達成率の悪い企業、規模別にもまた産業別にもそんなに経営状態がどうにもならないという企業は少ないわけなのでございますから、この際積極的な態度をとってもらうように特に要望し、回答いただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 特にこの雇用率の達成指導につきましては、昭和五十二年度以降大企業を中心に千三百四十六社に対しまして雇い入れ計画の作成命令を出して進めてきたわけでこざいまして、そのうち二百六十八社につきましてはやはり計画の実施状況がまだ悪いということで、この二百六十八社に対して勧告をするということをやりまして、さらに昨年度におきましてはこういう企業に対しまして各都道府県の幹部によります集中的な個別指導というものをこの五月から九月まで特別指導期間というようなことでやってまいったわけでございます。こういう努力の中で、平均いたしますと、これらの勧告を出しましたところが計画作成時には〇・三%であった雇用率が一応昨年の九月末には〇・八六%ということで、まだ率は低いわけですが、相当この短期間の間に大幅な率の改善を見つつある、こんなような状況にあるわけでございますので、私どもとしては、今懸命に努力をしておるというところが、その水準が低いからということですぐ公表ということになってしまいますと、今まで公表されないようにということで一生懸命頑張ってきておる努力を、ある意味ではまたそこでその積極的な意欲を失わせてしまうようなことにもなりかねないというようなこともございまして、やはりこの公表措置というのは本当にこういう努力をしているところはたとえ率が低くてももう少し経緯をやはり見守っていくべきではないだろうか。こういうようなことで、言うならばやはり伝家の宝刀と申しますか、こちらが幾ら勧告してもまじめに応じないとか、そういう非常に不熱心なところが出てくれば、そのときにそれに対して使うべきものであるということで、努力の過程にあるものを公表してしまうというような形で、その積極的な意欲というものを失わせないよう十分その辺は、使い方についてはある意味では慎重でなければいかぬ。しかしどうしても本気になってくれないというのであれば、やはり公表に踏み切る、こういうような考え方で公表制度の運用というものを考えていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○浜本万三君 昭和五十一年に制度が改正されましてもう十年たっているわけですよ。ところが、今のような考え方でずっと指導をされておいでになりまして効果が上がらぬということは、これは大変問題じゃないかというように思うので、私はこの制度の活用を先ほど強く要望したところでございます。それからもう一つは、むしろ昭和五十一年に法改正をいたしまして既に十年を経過しようといたしておるわけでございます。しかしその間、先ほど局長の答弁のように、身体障害者の数は約五〇%もふえておる、重度化も高齢化も進んでおる、そういう点も考慮いたしますと、ますます身体障害者の雇用促進の対策を急がにゃならぬという時期に来ておると思います。 そこで私は大臣に伺いたいのでございますが、雇用率自体をこの際見直すべき時期に来ておるのじゃないか、こういう気がしてなりません。特に、諸外国の実情も拝見をいたしますと、欧米諸国では失業率一〇%前後になっておるにもかかわらず、それぞれの国の事情によってこの障害者の雇用対策を積極的に進めよう、そういう考え方が見受けられるわけでございます。特に日本のこの制度もひとつ検討してみようじゃないかというような国も出ておるやに聞いておるわけでございます。国際的にそういう環境にあるとするならば、なお日本においてもこの制度を充実させるために雇用率自体をこの際見直してみたらどうかという気持ちを私は持っております。これは特に大臣の方からこの問題に対する決意を含めて御回答をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま局長から御答弁をいたしましたように、いろいろ通達を厳しくするなり、あるいはまた命令制度を活用するなり、あるいはまた不熱心なところに対しては公表も辞せずというふうにやってまいっております。しかし、今あなたのおっしゃるように、だんだん高齢化してきておるし、重度化してきておるし、なかなか普通のままでは雇用率達成が難しいのではないか、そこで雇用率のバーを上げて、そして今までの努力では足りないぞというふうに督促、激励をするという方法もありましょう。しかし、労働省といたしましては、とにかく見直し制度というのが法律によって五年に一度ということになっておりまして、五十六年は御承知のとおり見直しのときでありましたが、いろいろな事情から審議会において当分据え置いた方がベターだろうという結論でございます。 しかし、もう六十一年には次の見直しのときが来ておるわけでございまして、今の私どものやっておるやり方が、実績がどんどん上がってこないというようなことになりますれば、これは六十一年の法による見直しのときでありまするから、この機会には篤と調査はいたさにゃなりませんけれども、十分これは検討をいたさなければならぬなという私ども気持ちにおるわけであります。
○浜本万三君 たちまち雇用率の引き上げの改善ができない、こういうことになりますと大変問題だと思うので、私は特に検討を要求したわけなんですが、それができないとするならば、せめて納付金の額を上げたらどうかという意見が一方では出るわけなのでございます。 先ほど、これも局長から説明をいただきましたのですが、民間企業の規模別採用状況を見ますと、実雇用率は少ない方がよくてそして大企業の方が悪い、特に千人以上は一・一%であるということになっておるわけです。しかも未達成の企業の割合が実に七六・八%ということになっておるようでございます。これは、もし悪く考えますと、納付金が四万円程度だから、金で済むことならば適当にという気持ちもあるんじゃないかというふうに思われるわけでございますから、この際納付金の額をさらに引き上げるということも検討できないだろうかと思うんですが、いかがでしょうか。これも大臣の方からお答えいただきましょう。
○国務大臣(坂本三十次君) 問題は雇用率の達成が一番大事なんで、やらなかったやつに罰金として納付金ということになっておるんで、納付金を少し上げれば雇用率の方はサボってもいいというふうになるとこれはまた困るわけでございまして、私どもとすれば達成に向けて全力を尽くすということがまず第一であります。 しかし、これは検討の時期も迫っておりまするから、あるいは一生懸命努力をしておるが未達成というところもあれば、あるいはまた、余り努力しなくて未達成というのもそれはあるでありましょうし、そこらが公表制度で今督促をしておるわけでありましょうけれども、それでも足りないということになりますれば、これはまた納付金の引き上げなどをするかしないか、そこらの点についてもこれまた検討の一対象だと私は思っております。
○浜本万三君 いずれにしましても、今私が質問いたしましたことはそれぞれ相関関係があるわけなのでございます。五年ごとの検討もあることでございますので、十分ひとつ御検討をいただきまして、実効が確保できるように御配慮をいただきたいと思います。 次は、心身障害者対策について伺うわけでございますが、この点につきましては、殊に精神薄弱者の雇用の促進と安定を図るための条件整備でありますとか、あるいは対策の充実強化が必要になってまいっておると思うわけでございます。このことにつきましては、既に五十七年の二月の身体障害者雇用審議会の意見が出されておると思います。その中で、精薄者問題を解消するために提言されております六項目の内容があるわけなのでございますが、私はこれを見まして、もっともな意見が述べられておるというふうに思います。これらの諸対策を積極的に進めてほしいというのが私の気持ちでございます。そしてその進展を見きわめながら雇用率制度を適用するように検討していただけないかと、かように思うわけでございます。この問題の政府側の取り組み状態と、今後の方針について、お示しをいただきたいと思うわけでございます。なお、局長の後、大臣の御決意をあわせて伺いたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) お答えいたします前に、ただいまちょっと大臣が納付金のことを罰金という表現を使いましたが、これは納付金で、ちょっと制度が違いますので、訂正さしていただきます。 今の、精神薄弱者の問題でございますが、五十七年の二月に今御指摘ございましたように六つの提言をいただいておりまして、雇用後におけるアフターケア体制の強化、あるいは生活指導面に対する援助措置の拡充、あるいは職業能力などの評価・判定体制の充実、それから職域開発の促進、それから能力開発体制の充実、それから社会啓発活動の強化、この六点につきまして指摘がなされているところでございます。 労働省といたしましては、この指摘を踏まえましてこれまでやってまいりましたのは、一つには重度障害者などの職場適応助成金制度、こういうものを弾力的に活用いたしまして重度の精神薄弱者の職場への適応を一層推進するということ、それから第三セクター方式によりまして精神薄弱者の能力開発センターの育成を図りましてこの精神薄弱者の能力開発体制の整備を進めていくということ、あるいは身体障害者の雇用促進協会によります職域開発研究、こういうものを、さらに精神薄弱者の問題を含めまして推進をしていく、あるいは、心身障害者職業センターというものが雇用促進事業団の第一線機関としてあるわけでございますが、この心身障害者職業センターにおきまして、今までよりもより的確な能力評価を行うためのワークサンプル法、あるいは職務試行法、こういうようなものを拡大して実施する、こういうようなことに努めてきておるところでございます。 今後も、こういう指摘をされております事項を踏まえまして計画的に条件整備対策を進めていきたいと、こう考えておるところでございます。
○国務大臣(坂本三十次君) 精神薄弱者の雇用問題については、いろいろ努力をいたしておりまするが、いまだこれらの人々の職業の開発が十分に進んではいないということもございまするし、また、いろいろ職場活動の面や、それからまた社会生活の面で特別の配慮を必要とするという、身体障害者とはちょっと異なった問題もございます。それで、これらの諸問題を解消するために、まず精神薄弱者を雇い入れる事業主に対する賃金の助成、労働省では特定求職者雇用開発助成金と申しておりますが、こういう助成金、助成制度、それからまた、精神薄弱者を職場になじませるための職場適応訓練などを進めて、あるいはまた、最近第三セクター方式による能力開発センターの育成というようなことでいろいろ条件整備を進めておるところでございますが、これらは一段と努力をしてまいりたいと、こう思っております。 そこで、御指摘の精神薄弱者に対する雇用率を適用をしろというようなことにつきましては、非常に国会の中でも御要望が強くなっております。私どもといたしましても、雇用率制度を適用するための諸条件や方法論について検討に着手をいたしたいと、こう思っております。
○浜本万三君 次の質問は、実は納付金制度の収支状態がちょっと心配な点がありますのでこの点伺いたいと思うんですが、五十五年以降は支出が収入を上回っておるようでございます。積立金累計では五十四年の約三百億円ございましたのが急速に目減りをいたしまして、五十八年の見込みでは約五億円ということになっておるようでございます。支出を見ますと、助成金関係となっておるようでございますが、今後もし積立金に不足を生ずる場合にはどういう措置を講ぜられるのかということをお尋ねいたしたいと思うわけです。 また、納付金制度というのは、今日の制度では非常に重要な位置を占めておりますので、そのあるべき状態とはどういうふうな状態を考えておられるのか、あわせてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 御指摘のように、昭和五十五年度以降重度障害者等雇用管理助成金あるいは重度障害者多数雇用事業所施設設置助成金と、こういった助成金の活用が相当大幅に図られました結果、支出が収入を上回るような状態になりまして、この超過分について積立金を繰り入れる、こういうようなことで、納付金会計の逼迫化を招きましたことは御指摘のとおりでございます。しかし、この逼迫の原因となりました重度障害者の雇用管理助成金の支出が五十八年度で一応終了をいたしましたので、五十九年度予算におきましては、収入百七十七億に対して支出百六十八億と、こういうことで、一応昭和五十五年度から引き続いてまいりました単年度の支出超過、こういう状態から脱却できる見通してございます。今後は、この積立金に不足を生じないよう、収支均衡のとれた予算を編成いたしまして、この助成金制度が効果的に障害者の雇用促進に役立つような形で努力をしていきたいと考えておるところでございます。 こういう納付金制度の姿というものを考えてみます場合に、身体障害者の雇用というものが雇用率が未達成のところからこの納付金をいただくものであるわけでございますので、この身体障害者の雇用というものがどんどん進んで雇用率を達成する企業がふえてくれば、そのこと自身非常に結構なことでございまして、これに伴いまして納付金がある程度減少していく、収入が減少していく、これがこの制度の本来の趣旨から言いまして望ましい姿であるわけでございます。そういう意味で、いずれこういう納付金制度というものが完全になくなっていくということをむしろ目指して、この事業というものはまたある意味ではやっていかなきゃならぬ、こういうものであるわけでございます。 問題は、そういう状態がいつごろ本当にやってくるかというこのとで、将来はもうそういう納付金というものがない状態というものが望ましいものとはいえ、いろいろ先ほどから申し上げておりますような事情等ございまして、身障者の雇用がある意味ではまたはかばかしく進んでいかないというような問題もあるわけでございます。そういう意味で、この現在のような姿でまだ当分は結果としては続いていくというようなことにならざるを得ないのではないか、こんなふうに見ておるわけでございます。
○浜本万三君 今のような答弁、ちょっと困りますな、長いばっかりでさっぱり要領を得ぬというのは。もうちょっと簡潔にぱちっと答えていただくようにお願いしたいと思います。 次は、障害の種類別対策につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 身体障害者の雇用促進のためには、障害の種類あるいは特性に応じたもろもろの対策の強化が必要であるというふうに思うわけです。これらの対策についても、先ほど指摘いたしました意見書できめ細かく指摘をされておるようでございます。しかしこの際、特にその具体化について労働省の方のお考えがあれば伺いたいというふうに思います。 また、意見書では、この仕事に当たる第一線機関については、専門の職員の確保でありますとか、その研修機能の整備あるいは相談員制度の充実が必要であると言われております。しかし労働省の方も最近の臨調の攻撃等がございまして、大蔵省の方に押し込まれて、毎年定員はふえない、むしろ削減される状態にある。したがって、第一線機関の弱体化が心配されておるわけでございますが、これに対してどのような対応をされるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) まず、障害の種類別の具体的な対策でございますが、視覚障害者に対しましては、視覚障害者用のカナタイプなどの購入資金の貸し付け、あるいは特定重度障害者雇用率制度の運用というようなことで、具体的にはあんまとかマッサージ、指圧師の職業を確保するためのそういう特定の重度障害者雇用率の運用というようなものを視覚障害者についてやっているわけでございます。それからまた、電話の交換とか、コンピューターのプログラマー、こういう視覚障害者にも適した仕事についての能力開発訓練の施設に対する助成、こういうような点で対応を進めております。 また、聴覚障害者に対しましては、事業主に対する手話の講習の実施、あるいは手話通訳担当者を配置する事業主に対する助成金の支給、あるいはまた安定所に手話協力員を二百名配置をしておる、あるいはまた身体障害者の職業相談員百四十名の配置、あるいはまた肢体不自由者に対しましては通勤用バスの購入等を行う事業主に対する助成金の支給、あるいは自動車購入資金だとか、電動式車いすの購入資金の貸し付け、こういうようなことをいたしております。 また、精神薄弱者に対しましては、職業コンサルタントを配置する事業主に対する助成金の支給、あるいはまた、安定所に精神薄弱者担当の職業相談員百九十四人を配置する、こういうようなそれぞれの障害に応じました対策につきましての進め方をいたしておるわけでございます。 また、いろいろ御指摘ございましたように、こういう職員の増員というものにつきまして大変厳しい状況が続いておるわけでございまして、この身体障害者関係の職員につきましても増員はなかなか容易ではない状況にあるわけでございます。現在、我々の方もそういう増員について懸命の努力をいたします一方、この研修機能を強化いたしまして専門職員というものを養成し、確保していく、あるいはまた相談員制度というものを充実をいたしまして対応していく、そういうような形で進める。また、一般の職員がいろいろ削減されていく中で、特に身障担当の就職促進指導官あるいは雇用指導官というものについては、わずかではございますが、増員という形で認めてもらうというような形で対応をいたしておるわけでございます。
○浜本万三君 先ほど御答弁の中に出ました第三セクター方式による受け皿問題でございますが、確かに重度障害者や高齢の障害者の雇用のためにはそのような受け皿が私は必要だというふうに思います。 そこで、労働省の方では、先ほどもお話の第三セクター方式による事業所を各都道府県に少なくとも一カ所以上設置したい、そういう目標を立てておられるようでございますが、現状を伺ったところ三カ所ということですから、まことに寂しい思いがするわけなんです。今後具体化の方針は一体どうされるのか、特に、五十九年度予算ではどうなっておるのか、その辺のところを伺いたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 五十八年度の予算で認められまして、現在、重度障害者雇用企業につきまして、東京、京都、兵庫の三県で第三セクター方式のものの設立計画を進めております。また、精神薄弱者の能力開発センターというものにつきましても、第三セクター方式によりまして神奈川、長崎の二県において今計画を進めております。また、五十九年度予算におきましては、同じ数だけ今認られまして、やはり五十九年度も五つの第三セクターをさらにスタートさせていくということでありますが、現在まだその具体的な箇所づけにつきましては、関係県と今懸命に打ち合わせを進めておる、こんな状況にあるわけでございます。 今後都道府県の関係者あるいは学識経験者、それから事業主団体、こういうものを糾合いたしまして、雇用推進委員会というものを中心にこういう第三セクターのマスタープランづくりをもっと具体化をいたしまして、五十八年度スタートいたしましたものを五十九年度中に何とか実施に移したいと、こんなことでの取り組みをいたしておるわけでございます。 なお、重度障害者のこういう第三セクター方式のものにつきましては、最終的にはすべての都道府県に、そしてまた、精神薄弱者能力開発センターにつきましても、できもだけ多くの都道府県において設置をされるように今後とも懸命にひとつ努力を進めていきたいと、こう考えておるところでございます。
○浜本万三君 私が調べたところによりますと、重度障害者施設で助成金をいただいておるところが二百カ所ぐらいあるというふうに伺っております。最近の長期不況等で厳しい経営状態になっておるわけでございます。経営と、障害者の雇用の維持継続のための積極的施策というものが必要になってきておると思うのでございますが、その点についてお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) この重度障害者多数雇用事業所につきましては、現在までのところ約二百社程度できまして、これが非常に重度障害者の雇用に役立ってきておるわけでございますが、残念ながら、今御指摘のように、十四件ばかりで倒産というような事態が出ておることも事実でございます。まことに残念なことでございますが、こういったところにつきましては、その原因がやや理想像を描き過ぎておるとか、あるいはまた、販路等について十分な見通しがなかったとか、あるいはまた、経営全般の中での運用活動、経営活動の中で無理があったというような点等もいろいろございますので、今後は、こういうところにつきましては事前に専門家によります審査を一層綿密に行いまして、この事業所の計画に沿って本当に事業が運営されるような、あるいはまた受注の確保の面、資金の調達の面につきましても関係の都道府県等にも十分ひとつ指導をお願いをするというような形でこの経営安定にぜひひとつ努力をしていきたいと、こう考えておるところでございます。
○浜本万三君 次は離職者対策について伺おうと思ったんですが、冒頭、局長の方から状況説明や対策の一部を答弁いただきましたので、これは質問を取りやめて、要望だけを申し上げたいと思います。 とにかく、離職者がふえておるということは大変問題だと思います。つまり、就職後の定着指導の十分なる対応が必要になってきておるというふうに思いますので、今後ともその点について鋭意努力をしていただきたいと思います。なお、身障者解雇届け出制度というのがございますのですが、この点につきましても定着問題と非常に重要なかかわりがございますので、なお一層積極的に指導をいただくようにお願いをいたしたいと思います。 それから次は、技術革新に対応する対策についてお尋ねをいたしたいと思います。 マイクロエレクトロニクス、MEなどを中心とする新しい技術革新は確かに目を見張るものがあると思います。したがって、これに対応して新しい技術を最大限に活用した障害者の職域開発が行われる必要があるというふうに私は思っております。労働省は、こういう点につきましてどのような対応を考えておられるのか、承りたいと思います。 なお、具体的開発の中には、障害の種類別に対応することが一番望ましいと思いますので、そういう関係も含めてお答えをいただきたいと思います。 時間がないので、ひとつできるだけ要点をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) こういうME化の進展の中で、特にこのME機器を、障害者に適した形のものを開発をしていく、そして障害者の職域の開発や拡大を図っていくということは極めて大事な問題であると、こう考えておりまして、現在、雇用職業総合研究所だとか、あるいは身体障害者雇用促進協会、あるいは国立職業リハビリセンター、こういうようなところにおきまして、ME化に伴う職場への適応の問題、それからME機器を活用した作業補助具の開発、こういったものにつきましての調査研究を進めておるわけでございまして、これまでの成果といたしましては、例えば国立職業リハビリセンターにおきまして電子計算機用の端末機である点字のプリンター装置、点字ディスプレー装置の開発というものを行いまして、特に就職が困難な全盲の障害者でありましてもプログラマーとして就職できる道を開いたところでございます。 それから、今後におきましても、やはり障害の種類、特性に応じた職域の拡大のためにぜひひとついろいろこういう機械設備の開発、改善というものに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○浜本万三君 今のお答えに対して、私はさらに積極的な対策を望みたいわけです。例えば新しい技術革新に対応した先駆的な職業訓練の体制ですね、そういうものを整備していく必要があるのではないかというふうに思っておりますが、訓練体制の整備についてはどういう措置が講じられておるのでしょうか。また、特に中小企業におきましては公共職業訓練施設の活用ということが非常に考えられるわけなのでございますが、これに対する対応などについても承りたいと思うわけです。 実は、私先般IPUの総会に出席いたしまして、帰りに労働省の紹介でハンブルクの訓練所を見たんですよ。これは千七百名ぐらいおられるんですが、日本の所沢をちょっと自慢しようと思ったんですがね、行ってみまして、向こうが大分進んでおるんで、ちょっと後退したわけなんですが、そういうふうに非常に技術革新に対する障害者を含めた対応というのが強化されておるわけでございますから、そういう点心得てひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(宮川知雄君) 身体障害者の訓練につきましては、従来どちらかといいますと比較的職業として安定しているというようなこともございまして、家内工業といいましょうか、手工業といいましょうか、そうした比較的軽便なものが中心であった。それから、指導員につきましても、一般の指導員がやっていたという時代がございますが、御指摘のようにMEを中心とする技術革新も大変なことでございますし、また、身体障害者自体の重度化あるいは多様化というようなことから、そのニーズというものも非常に多様化しているわけでございます。こうした事態に的確に対応するために、職業訓練校といたしましては機器類の整備というものを今時に進めておりますが、特に御指摘がありました訓練科目につきましては、先端的と申しましょうか、電子機器化というものをかなりの勢いで現在設けておりまして、そうした面からも身体障害者の皆さんが積極的に社会的に職業的に自立できるように努めているところでございます。そうした関係からまいりまして、今指導員とちょっと申し上げましたが、昨年四月から職業訓練大学校に福祉工学科というものを設けました。これは、身体障害者職業訓練校等におきまして、特に専門にその職に当たろうという指導員を養成するところでございまして、積極的な指導員の養成、それから特に重度身体障害者につきましては、一般職業訓練校にも計画的にこれを配置するということをやっているところでございます。 また、御指摘ございました中小企業でございますが、我が国の大部分が中小企業でございますし、また、身体障害者職業訓練校の修了生もそのほとんどが中小企業へ行くわけでございますので、中小企業のニーズの開発、これとの連携というものは特に緊密にしているところでございますが、今後はさらに一層そうした面に配意して仕事を進めてまいりたい、かように考えております。
○浜本万三君 重ねて公共職業訓練機関の問題について注文を申し上げたいのでございますが、私も、先ほど申しましたように、一部を除きまして公共職業訓練機関においてその施設設備が——一部を除きましてですよ、老朽化しておるのではないかというふうに思うわけでございます。したがって、新しい機械の導入もおくれておるのではないかというように思われるわけでございます。そこで、今お話しのように、訓練科目や指導員の対応もまだ十分ではないということになると思います。先ほど私が申し上げましたように、そういう中で先駆的な職業訓練体制を整備してもらわなければ困るという注文を申し上げたのでございますが、この積極的な対応を望みたいわけでございます。 特に、現在の状況と今後の改善方向、とりわけ五十九年度の予算が厳しいんじゃないかと思いますから、その内容についてお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(宮川知雄君) 先ほどもお答えしたところでございますが、身体障害者の職業訓練につきましては、それなりの努力をしているところでございますが、身体障害者のうち特に一般の訓練校で受講できる人についてはなるべくそちらに入ってもらう、そういうことで一般の訓練校の施設の改善をまず相当程度やっております。 それから、身体障害者職業訓練校というのは、国と都道府県と合わせまして十八校ございますが、それにつきましては身体障害者の特性などを考慮しながら、三年計画ということで、東京の身体障害者職業訓練校、兵庫の身体障害者職業訓練校の全面建てかえ、それから宮城身体障害者職業訓練校の一部建てかえを五十八年度において終わったところでございますが、明年以降におきましては北海道身体障害者職業訓練校、それから福岡の身障校、これも全面的な建てかえ整備を図ってまいりたいと考えております。 また、今申し上げましたように、一般の職業訓練校の改修整備にも力を入れているところでございますが、特に機器類につきましては障害の重度化、多様化等もございますので、訓練が円滑にできますよう特に仕様等に配慮をした整備、それから技術革新に対応した新しい機器の整備、これに努めているところでございます。
○浜本万三君 大臣にここでちょっと伺いたいと思うのでございますが、今の厳しい財政状況の中で、思うような設備の改善等がなかなか困難な場合には、次のような措置がとられないかというふうに思うのでございます。 例えば、施設の整備については機械その他をリースで借りるとか、あるいは指導員は臨時に委嘱をして協力をいただくとかいうようなことができないだろうかというふうに思うんです。何か話を伺いますと、所沢などのような先端技術を導入いたしまして訓練をした場合にはもう一〇〇%の就職率であるというふうに伺っておるわけなのでございまして、つまり時代の要請は、相当高度な技術を取得した方が積極的に職場に就職できる、こういう状態がうかがえるわけなのでございます。 そういう点、大臣からお気持ちを伺いたいと思います。
○政府委員(宮川知雄君) 大臣から御答弁いただきます前に、先端機器等のリース、あるいは民間有識者といいましょうか、民間の指導員をうまく活用したらどうかというお話でございますが、一般の職業訓練校についてはそういうことを既にやっておりますし、また、身体障害者の専門校につきましても現にそういうことを始めております。
○浜本万三君 もう一分か二分ございますので、これは実は本岡先生の方でやっていただこうと思ったんですが、一つだけ追加をしてお尋ねをさしていただきたいと思います。 今回の法改正は、特殊法人の業務の簡素化あるいは合理化を図ることが一つの理由となっておるわけでございます。雇用促進事業団から身体障害者雇用促進協会に業務の移管をすることになっております。この結果どれほど合理化が図れるのかということを伺いたいわけでございます。組織、定員、予算等についてひとつ御説明をいただきたいということです。 それからもう一つは、現に事業団、それから中央の協会、そして地方の協会が事務を行っておるところでございますが、実際にはあんまり変わらないんじゃないかというふうに私は思うわけでございます。また、それに関係する職員は、組織がえに伴ってどのように配置されるのか、また、その人員の増減の内容はどうなるのかなとについても伺いたいと思います。 また、臨調の答申におきましては事業団の整理合理化をうたっておりますが、今回の改正以降基本的な点、すなわち広範な業務の範囲の見直し、それから事業の選別重点化、効率的な業務処理、組織の合理化等についてはどう取り組もうとしておられるのか。これらの点についてお尋ねをいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 今度の移管によりまして、まず一つは、事業団のうちから納付金関係業務が移りまして、その組織の一つが簡素化されるわけでございまして、また、今までやっておりました納付金の申請等、あるいはまた助成金の資格認定の関係、あるいはまた支給請求書の審査点検、こういった業務が事業団と協会の間で重複していたわけでございますが、こういったものが協会に一元化されることによってよりスピードアップされる、あるいは合理化されると、こういう点が出てまいります。したがいまして、その分より迅速性の確保という面で事業主に対するサービス向上が図り得るものと期待をしておるわけでございます。 また、今後の事業団あるいは協会の組織体制についてのいろいろお尋ねがございましたが、組織体制につきましては、もちろんこれによりましてできる限り簡素化に努めていきたいと考えておりますが、具体的には六十年度の予算編成過程でこの辺は詰めていきたいと、こういうことで、今まだ具体的な案を固めておるわけではございません。 それから、これに伴います人員の関係等につきましても、やはり六十年度予算の話になるわけでございますが、そういう実際の人の面につきましては、もちろん事業団関係のそういう職員を解雇するというようなことはなく、両組織でのまた人事交流等も考えながらそれについては新しい組織がしっかり動けるような体制づくりというものを考えていきたいと考えております。 それからまた、業務の面でも、従来の業務の仕方についてさらに簡素化の観点からもいろいろ検討を重ねていきたいと、こう思っております。 また、臨調というものを受けまして、労働省の組織全体といたしまして、一つにはこの法案もそうでございますし、また、地方事務官の廃止というような形での法案も今提出をいたしておるということでございますし、また、七月以降におきましては本省の内部組織につきましても、例えば婦人少年局を婦人局にするというような形、あるいはまた労政局と官房の政策部門というものなど、それから統計情報部をまとめまして政策調査部というようなものを発足させる等の対応を進めていく、あるいはまた、出先の公共職業安定所あるいは監督署につきましてできる限りの削減を図っていくというような形での対応を、今具体化のための検討を進めておるということでございます。
○浜本万三君 では、終わります。
○本岡昭次君 まず、官公庁における身障者雇用の問題について質問をいたします。 昭和三十五年に身障者雇用法が制定されて以降、雇用率制度改正の経緯を報告をしていただきたい。
○政府委員(加藤孝君) 昭和三十五年に身障法制定によりましてこの雇用率制度が創設されたわけでございますが、その際、官公庁につきましては一・五%、それから現業につきましては一・四%ということでございます。また、民間事業所につきましては一・三%、それから現場——当時は現場につきまして分けておりましたが、現場が一・一%、それから特殊法人につきましては一・五%、それから。現場は一・三%、こういう雇用率が設定をされたわけでございます。これはその考え方としまして、労働力人口中に占める身体障害者の比率、これが三十四年当時一・五%であった、こういうようなことでスタートしたわけでございます。その後、昭和四十三年に身体障害者の雇用状況改善ということで雇用率の引き上げが図られまして、官公庁につきましては一・七%、現業は一・六%、それから民間事業所につきましては一・三%、それから特殊法人につきましては一・六%、こういうふうにされたわけでございます。 その後、昭和五十一年の改正によりまして、この率の考え方としまして常用労働者数と失業者数を加えたものと、それから常用の身体障害者数と失業しておる身体障害者数を加えたもの、この両者の比率というものを民間事業所の法定雇用率にする、こういう考え方に若干変わりまして、そうしてまた同時に、重度障害者の算定につきましていわゆるダブルカウント、こういうような措置が講じられまして、新しい雇用率の考え方に基づきましての改正が行われました。その結果、民間事業所の雇用率が一・五%と、こういうことになり、官公庁や特殊法人につきましては、民間に対しまして率先垂範すべき立場にある、こういうことから、その上に上乗せしてこれよりも若干高目にするということで、官公庁について一・九%、現業は一・八%、特殊法人につきましては一・八%の雇用率が設定されて今日に至っておるという経過でございます。
○本岡昭次君 一般の民間企業よりも特殊法人あるいは官公庁の現業、非現業がそれぞれ〇・三%あるいは〇・四%上乗せしてその雇用率を決定をしておるということは、特段原則的な物の考え方があるのでなく、公的な事業体として、官公庁としてこれだけ努力をしようというその努力のあらわれを数字にあらわしているんだ、こういうことに考えていいんですか。
○政府委員(加藤孝君) そういう趣旨でございます。
○本岡昭次君 そうすると、上乗せを例えば〇・六%あるいは〇・八%あるいは一%というふうにしても差し支えがないということになりますね。
○政府委員(加藤孝君) まあこれをどのぐらい上げるかということについてはまたいろいろあるかと思いますが、ただ、現実になかなか達成が難しい率を上げるということも、ある意味ではまた、何といいますか、やる気をなくすという面もございますので、やはり懸命な努力の中で達成可能な数、こういうようなことでいくべきものではなかろうかと、こういう感じがいたします。
○本岡昭次君 現実的な対応という立場に立てはわかるんですが、特段〇・三%、〇・四%というのが何か基準があってやっていることじゃない、民間よりも官公庁がこれだけ頑張ろうという、そういう熱意のあらわれ、努力のあらわれだというならば、その〇・三、〇・四でなくてもそれが〇・五、〇・六であってもいいだろうということを言っているんですよ、考え方として。
○政府委員(加藤孝君) 既に地方自治体におきましては、そういう努力目標として三%というような雇用率を決めて頑張っておられるところもあるわけでこざいまして、やはりそういうような、目標をいろいろ掲げて努力をしていくということは、大変私どもも国全体としても、大いに検討させていただくものだと思いますが、ただ、現状におきましてどこまで上げていくのか、この辺またいろいろその努力目標というものも、やはりある程度は達成可能というようなことも考えていかなきゃならぬ、こんなふうに考えるわけでございます。
○本岡昭次君 今局長の言葉が出ました、地方自治体で三%という努力目標を掲げて頑張っているというのはどこですか。
○政府委員(加藤孝君) 例えば横浜市であるとか、それから神奈川県であるとか、あと四つか五つそういう地方自治体がございます。
○本岡昭次君 後で資料としていただけますか。
○政府委員(加藤孝君) 提出させていただきます。
○本岡昭次君 それでは、現在、国及び地方公共団体がどのような雇用率になっているかという調査によりますと、雇用率が一・九%というふうに決められております非現業的機関では、五十八年六月現在で一・八九%とほぼ達成をしておりますが、それでも厳格に言えば〇・〇一%法定雇用率を下回っております。その〇・〇一%下回るというのはいかなる状況の中で下回っているのか報告していただきたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 残念ながらまだ下回っておる主たる理由は、実は、都道府県の教育委員会におきます教職員の実雇用率というものが低いということに主たる原因があるわけでございます。 この教職員の場合には、身障者のうちで教員を希望し、かつ教育資格を取得する方という方が比較的少ないというようなことで、この辺についての雇用改善が進んでいないということでございまして、当面教育委員会の職員のうちのいわゆる事務職員についての採用を進める、こういうような形で今懸命にしりをたたいておる、こんなような事情にございます。
○本岡昭次君 都道府県教職員の雇用状況の悪さが全体の足引きをしているということですが、それも各都道府県ごとにどういう実態にあるかということの資料を提出していただけますか。
○政府委員(加藤孝君) 県別の数字は提出させていただきます。
○本岡昭次君 それで、身体障害者の皆さんの雇用創出、雇用の場を、雇用の機会をどれだけ拡大するかということが一番大事であります。そうした意味で、〇・〇一%といえども達成していないということはこれは遺憾だ、問題があるというふうに言わざるを得ないんですが、この〇・〇一%を達成して一・九%となったときは、単純に計算をすると、何人ぐらいの身体障害者の雇用の場を保障することができますか。
○政府委員(加藤孝君) 約二百名強という数字でございます。
○本岡昭次君 それではもう少し具体的な実態を明らかにした上で、また大臣のいろんなお考えを聞きたいと思うんです。 次に、中央省庁の身体障害者雇用状況も私は調べてみました。おおむね各省庁雇用率を達成をしています。当然であろうと思うんですが、しかし、名前を申し上げて失礼ですが、自治省だけが一・三%というふうなことで、実際二人程度身体障害者の雇用をしなければならない状態にある、こういうことなんですが、自治省、その問題は、現状どういうことになっているのか、報告してください。
○説明員(澤田秀男君) 身体障害者の雇用については従来から努力をしてきたところでございますが、自治省の場合には、任命権者の異なる地方団体との人事交流が頻繁に行われるという特殊性もございまして、報告時点では身体障害者がたまたま地方団体に例年よりも多く出向しているということのために、五十八年度の場合に一時的に未達成となっているところでございまして、なるべく早い時期に達成できるように努力してまいりたいと考えております。 なお、その後の人事異動によりまして、自治本省における身体障害者の数は一名増加しておりまして、本年四月一日現在の法定雇用数に対する不足数は一名ということになっております。今後なお引き続いて努力してまいりたいと考えております。
○本岡昭次君 これは五十八年の六月一日ですから、今おっしゃるように、その後ことしの四月で若干人数の変動があろうと思います。しかし、問題は身体障害者の雇用創出ということについてそれなりの努力なり工夫なりというものがなければ、これはなかなか身体障害者の雇用の機会というものは確保されないわけでして、数字にあらわれた問題だけで論議するのはちょっと問題があると思いますが、しかし、そのほか厚生省を見ると二・四四%、通産省が二・二%、行管庁が二・一九%と、全体の省庁よりも高い数字を示していることが私の調べでは出てきているんですが、それぞれの省庁で雇用創出のためにどういう努力をされておるか、参考のために簡単にここで教えていただきたい。
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘のように、厚生省におきます身体障害者の雇用数は、五十八年の六月一日で二・四四%ということになっております。 厚生省は身体障害者の福祉の所管官庁でございますので、そういう意味で、何をおきましてもまずもって積極的に努力しなければならないことは当然のことでございますが、私どもといたしましては、こういった関係でいろいろ各内部機関から報告をとります際に、必ず職員の採用につきまして今後とも身体障害者の採用に留意するというようなことで、そういった内部通達を毎年度出しているというようなことで努力をしておるところでございます。
○説明員(高橋達直君) 通産省でございますが、先生御指摘ございましたように、通産省の場合には、昨年の六月一日現在で本省におきまして二・二%の雇用率になっておりますし、また、その他の附属機関あるいは外局におきましてもおおむねそれと同じような状況で、中小企業庁につきましては三%を超えているという状況でこざいまして、通産省としましてもできるだけ適性を持った職場に身体障害者の方を雇用できるように、できるだけ努力を今後ともしてまいる所存でございます。
○説明員(鈴木昭雄君) 行政管理庁でございますが、行政管理庁におきましても、先生御指摘のとおり、昨年の六月現在で二・一九%、約二・二%の雇用率となっております。 私どもといたしましては、実際に採用を行う本庁あるいは管区行政監察局等八カ所ばかりございますが、それぞれにつきまして目標数を具体的に定めておりまして、それに基づきまして、人事担当者の会議等において日ごろその趣旨の徹底を図っているところでございます。また、毎年六月、それぞれから報告をとりますが、その際、私ども長官官房におきまして総合的な管理を行っているというところでございます。
○本岡昭次君 大臣、各省庁ずっと言えばいいんですが、そういう必要もないと思いますので——。 先ほど私が論議しましたように、一・八、一・九達成しておればいいということじゃなくて、やはり率先垂範して、先ほど例がありました、自治体でもそれぞれさらに上回る努力目標を設定して頑張っているというところもあるわけでこざいまして、今の状況下においてさらに拡大に向けてこの際大臣にも、閣議の中等において現状を報告し合いながら、さらに拡大するよう要請するというふうなことも積極的にやっていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
○国務大臣(坂本三十次君) ただいま各省から御報告のように、それぞれ努力をいたしまして、そして特別の場合を除いておおむね基準を達成しておるようでありまするが、まだ民間では未達成の部分もあって、これはもちろん督促をし、達成率を上げていかなければなりません。しかし、何といっても各官庁が率先垂範をしてその姿勢を示すということが非常に大切なことであろうと思いますので、私としても各省庁に対して、今後とも努力をしていってもらいたい、そしてその達成率も、雇用率ももう少しアップができないかどうか、そういう方向で検討していきたいと思っております。
○本岡昭次君 それで労働大臣、あなたの労働省はどのくらいの雇用達成率にあると思いますか。御存じですか。労働省、あなたのところです。
○政府委員(加藤孝君) 一・九一という段階でございます。
○本岡昭次君 御存じのように、一・九一%ということで、一・八、一・九という目標を何とかかつかつ達成したというところで、私の持っているところでは、二%以上を上回っているところは、名前を挙げませんでしたが、その他まだ幾つかあるわけでございまして、単純にそれだけで順位を示すことは、余り状況を的確にそこで示すことになりませんが、しかし、そういう数字で見る限り、労働省は全体で下位にあるというふうに私ここで見るんですよ。おひざ元の労働省、それこそひとつ率先垂範して、厚生省も今二・四四と、ここもまた福祉の立場から率先垂範しなければならない省庁です、いま少し雇用率は本来上がっていてもよかったんじゃないかと思います。どうぞ大臣、率先垂範して、来年ももう一度質問してみたいと思いますから、その努力の結果を見せてもらいたいと思います。 次に、特殊法人における身障者の問題を論議をしてみたいと思います。 この特殊法人も政府の所管にかかわるところで、中央省庁と同じように頑張ってもらわねばならぬところだと思います。しかし、私の調査によりましても、特殊法人の中で所定の雇用率を下回っているものがかなりあります。きょうは、それの関係する省庁の皆さんに皆来てもらっております。だから、ひとつ各省庁ごとに、その雇用率を下回っている理由は何かという点、それから、その下回っているところは、既に雇用達成計画、先ほど民間の問題について答弁をされておりましたが、達成していない特殊法人は、こういう計画を立てて達成するということについてそれぞれ計画を出しておられると聞いています。その計画に基づいて現在どんな努力しているのか、いつ達成するのかという点もあわせて報告をしていただきたいと思います。 科学技術庁関係で、動力炉・核燃料開発事業団、これは一・五九で、本来雇用すべき身体障害者が四人不足しているということになっております。それから新技術開発事業団、これも〇・七六、一人が不足。宇宙開発事業団一・六二、一人不足。日本原子力研究所一・七六、一人不足。理化学研究所一・〇一、四人不足。科学技術庁は一番これ悪いですよ、この関係の特殊法人が一番悪い。それから文部省、国立競技場が一・四で一人不足。厚生省、医療金融公庫〇・五七、二人不足、農水省、農林漁業金融公庫一・五四、二人不足。通産省、石油公団一・二六、一人不足。運輸省関係、新東京国際空港公団一・六二%、一人不足。帝都高速度交通営団一・七三%、三人不足。建設省関係、日本道路公団一・七八、一人不足。首都高速道路公団一・三四%で六人不足。一番多い不足はこの首都高速道路公団であります。関係省庁で一番悪いのは科学技術庁関係。 それぞれのところで、なぜこのように昨年の六月一日現在雇用率達成できないのか。あるいはまた、計画を出していると思うんですが、これからその計画に基づいていっそれではそれを達成するということで今やっているのかということについて順次報告をしてください。
○説明員(石塚貢君) 科学技術庁の所管の特殊法人七機関ございますが、御指摘のとおり、昨年の六月の段階では五機関になお法定雇用率を達成していない機関があったわけでございますが、それ以降の改善努力によりまして、本年四月の現在では四機関となっとおります。その四機関のうちの二機関、すなわち原研と宇宙開発事業団でございますが、この二機関については、それぞれ一名がなお不足しているという実態でございます。 当庁所管の特殊法人は、その研究開発実施機関としての性格上、科学技術に関する専門的な知識とかあるいはそれぞれの職場に対する適応力といったもの、そういったものを有する者を採用する必要性が高いという特殊性がございまして、各法人の求人に対しまして、その条件を満たす身体障害者の応募が得られにくいといったような難しい面もございますけれども、できる限りの雇用を推進いたしまして、少なくとも法定雇用率は早期に達成するよう指導しているところでございます。 なお、具体的に各機関の今後の予定でございますが、日本原子力研究所につきましては、昨年の秋一度達成したわけでございますが、その後中途の退職者がございまして、その補充が現時点ではできていないということでございまして、早急に補充が期待されております。また、宇宙開発事業団におきましても、少なくとも年内には法定雇用率に達するよう努力するということで指導をしております。他の二機関、すなわち理化学研究所、動燃事業団につきましても、所轄の職業安定所に提出しております計画書では五十九年度末には達成したいという計画が提出されてございます。いわゆる公共職業安定所の主催いたしております雇用促進会でございますとか集団の面接、そういったものにつきましても従来から積極的に活用いたしましてその促進を図っているところでございますけれども、そういった計画書に沿って早急に目標を達成するよう努力しているわけでございますが、その点につきましては今後なお一層の指導をしてまいりたいと考えております。
○説明員(小西亘君) 国立劇場は文化庁が所管しております。 国立劇場は御存じのように歌舞伎、文楽等の公演を行う業務が中心となっておりますために、現業及び専門的な職種が多くて雇用の範囲がどうしても狭くなっているのが現状でございます。 しかしながら、今後とも職員の採用に際しましては身体障害者雇用促進法の趣旨に即しまして身体障害者を雇用することについて指導してまいりたい、そのように考えております。
○説明員(北郷勲夫君) 医療金融公庫の関係でございますが、五十七年には実は要件を満たしておったのでございますが、職員が退職いたしまして、その後適任者が得られないために不足という状況になっております。昨年六月に労働省に報告しましたときには二人不足ということでございましたが、現在は一人だけ不足という状態になっております。 なお一人不足ということでございますが、早急に雇用に努力いたしまして法定雇用数を達成するよう指導してまいりたいと考えております。
○説明員(眞鍋武紀君) 農林漁業金融公庫の関係でございますが、御指摘のとおり、農林漁業金融公庫では現在二名不足をいたしております。同公庫におきましては五十八年、昨年の二月でございますが、法定数を達成していたわけでございますが、その後三名ほど退職者がございました。その後さらに採用が一名こざいまして、四月現在では、遺憾ながら二名不足したままということになっておるわけでございます。 農林水産省といたしましては、この二名につきましてできるだけ早く雇用ができるように、農林漁業金融公庫に対して積極的に指導してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○説明員(高橋達直君) 石油公団の関係でございますが、先生御指摘のとおり、昭和五十七年の六月一日現在におきましては法定雇用率が一・二二%でございましたが、昨年六月の御報告の時点では一・六七に改善を見ておりまして、法律上の雇用数も四名ということになっております。なお、雇用者の数からまいりますと一・八%を掛けますと四・三人になるわけでございますけれども、端数の関係を法律上整理をして四名ということで、一応法定の基準は満たしておるわけでございます。しかし、その後さらに改善努力をいたしまして、本年の三月末現在では法律上の計算といたしましては五人ということで、二・〇七%まで改善をしている状況でございます。 私どもといたしましても、今後とも前向きに石油公団をこの問題については指導してまいりたいと、かように考えております。
○説明員(森谷進伍君) 新東京国際空港公団の関係につきましてお答えをいたします。 公団による身障者の雇用につきましては、身障者雇用促進会等を通じまして新規の雇い入れ等に努力をいたしまして、順次雇用率の向上が図られてきたわけでございますが、五十七年の六月一日現在においては雇用率を達成するところまでまいりましたけれども、五十八年に一名の退職者があった関係で御指摘のような状態になったわけでございます。 公団におきましては今後とも法定雇用率を充足するための努力を続けていく方針であるというふうに承知いたしております。
○説明員(水田嘉憲君) 帝都高速度交通営団の関係につきまして御説明したいと思います。 営団につきましては、事業の性質上トンネル内におきます現場の仕事が非常に多いということ等もございまして、身障者の雇用職種が狭くなってきておるわけでございます。しかしながら、営団は営団として、それなりの努力を今まで重ねてきておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、職業安定所の方に求人を依頼いたしましてやってきているわけでございますが、応募者が現実には少なかったというふうなこともこざいまして、必要な人数を採用することができなかったわけでございます。五十五年以来合計九回にわたりまして職業安定所の方にお願いをしてきておるというふうに聞いております。結果といたしまして、先生御指摘のとおり三名ほど少ない、数字に直しますと一・七五%という法定雇用率一・八%に満たない数字になっておるわけでございます。 今後の問題といたしまして、営団は気持ちがあっても結果が伴っていないわけでこざいまして、先生御指摘のとおり今後いろいろ工夫をして、職業安定所の方と御相談をしながら求人活動を積極的に行いまして、早急に法定雇用率を達成するように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(城宏明君) 日本道路公団、それから首都高速道路公団でございますが、いずれも高速道路の建設、管理を行うという機関でございまして、その業務の性質上、現場の調査でございますとか、工事の監督、検査あるいは道路のパトロールといったふうな比較的身体障害者に必ずしも適しない業務を割合多く抱えておるという実情がございますけれども、しかし公団全体といたしまして法定雇用率を達成すべきは当然のことでございます。 かねてこの雇用率の達成につきまして努力をしてまいっておるわけでございますが、日本道路公団におきましては現在一名、それから首都高速道路公団でございますが、昨年六月一日の御報告では六名の不足でございましたが、その後努力を重ねまして、今年四月一日では四名不足ということで一・五%、まだまだ不足ではございますが、努力をいたしております。 今後ともこの雇用率の達成に向けましてあらゆる努力を傾注いたしまして、できるだけ早急に完全な達成をいたしたい、このように考え、また、公団を指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○本岡昭次君 それぞれ聞かしていただきまして、これからの努力に大いに期待をしたいと思います。 しかし、一方、先ほども言いましたように、それぞれの特殊法人の仕事の内容によって制約があるかと思いますが、しかし非常に雇用率を大幅に高めておられるところもあります。二、三、例を言いますと、厚生省の社会福祉事業振興会四・八四%、これも福祉というところの事業所ですから、おひざ元で四・八四%、まさに先頭を切って頑張っていただいておる、こういう状態ではないかと思います。また、文部省の日本育英会二・四%、沖縄開発庁の沖縄振興開発金融公庫二・四八、農水省の農業者年金基金二・二五、自治省の公営企業金融公庫二・四七、それぞれ雇用率を大幅に上回っていただいております。それぞれのところについてその努力の中身を聞かしていただきたいと思うんですが、時間がありませんので、また別の機会にこれは譲りたいと思います。 大臣、身体障害者の雇用問題について一番おひざ元の省庁なりこうした特殊法人がそういった点についてやはり私はまだまだその努力は不十分だ、こう思うんです。労働省としてもっと責任を持って各省庁を督励し、民間の皆さんに対して、我々官庁の方も特殊法人関係のところも、いろいろこういう難しいところでもこれだけの雇用を達成しているんだ、そして法定雇用率そのものを大幅に上回っているんだといった、やはりそういうお手本を示していくことが一層重要ではないか、こう思いますが、今全体の特殊法人関係も聞いておられてどのような感想をお持ちになりましたか。
○国務大臣(坂本三十次君) 官庁に対しましても、また、今報告がありました特殊法人に対しましても、やはり一生懸命やっておるところはそれなりの実績が上がっておるわけですから、今聞いておりますれば、特別のところ除いてもうあと一人か二人というところが多いようでありますが、それくらいのことならひとつ一奮発をお願いをしたい、やればできるのではないかと思いますので、私からもひとつこの点、特殊法人などにつきましてもさらに努力をしていただくようにお願いを強めていきたい、こう思っています。
○本岡昭次君 ちょっと、今の大臣の一人や二人という、それが問題になるんですよ。法定雇用率を満たした、それが一人がやめたらまた達成しなくなるという、そういう関係で雇用しているんですよ。一人二人やめてもきちっと法定雇用率は確保しているという状態にしていれば問題ないんですよ。だれか退職したら達成しないからどこかからまた身体障害者の人に来てもらわないかぬ。何か非常にそのことを義務的な形でやっているということでなくて、もっと積極的に身障者の皆さんの雇用をやっておけば、五人も十大もというオーバーしている関係にあれば、一、二の方が退職されてその途端に雇用率が下回る、さあだれか来てくださいというふうな、私はそういう非常に消極的な形でこの身障者の皆さんの雇用問題をとらえている、そのことにまだ問題がありはしないかということを言っているんですよ、大臣。一人や二人の問題じゃない。一人や二人によって上がったり下がったりする、そういう姿勢に問題がある、こう言っているんですよ。私の言っていることわかっていただけますか、大臣。
○国務大臣(坂本三十次君) はい、わかりました。
○本岡昭次君 積極的にひとつやってください、そういう立場で。 そういう意味で、やはり率を定めると率にこだわって、やっと法定雇用率を達成したと、こう安堵してしまうわけですね。さらに上回るという努力がなかなかできない。だから、やはり高い目標をそこで当然掲げることが必要になるということも出てくるわけなんですよ。高い目標を掲げるということが必要になってくる。 そこで、現在の民間の方はまだ一・二三ということで一・五にまだ相当開きがありますが、特殊法人なりあるいは官公庁の方はもうそれに相当近づいているわけでして、もうすでに上回っているところも現にたくさんあるわけですから、どうですか、次の雇用率の改定時には、先ほど一番初めに私が問題にしました、現在〇・三%なり〇・四%民間を上回らしているという問題を、この際たとえ〇・一%でもいい上げて、〇・五%民間よりも高める、そうした一歩踏み込んだ努力を政府みずからが責任の持てるところにおいてやるべきでないかと思うんですが、これはひとつ大臣に、次の改定時にはそういう事柄について積極的に考える、こうした答えをいただきたいものだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂本三十次君) 次は六十一年ですか、それまでにひとつ政府の姿勢としても、民間に対するやっぱりこれが一つのお手本になり刺激になることですから、もう少しバーを、もう一センチも二センチも上げるようなことができないか、その方向に向かって、今度の改定のときに前向きに検討します。
○本岡昭次君 ぜひひとつ前向きに検討をしていただきたいと思います。 各省庁の方、結構でございます。ありがとうございました。 それでは、法案そのものの問題について二、三お伺いをいたします。 内閣法制局にもお越しいただいておりますが、まず、初歩的なことから聞きますが、この身体障害者雇用促進協会が今度事業団の業務を全面的に引き受けるというんですか、移転を受けるわけなんですが、この協会は民間の法人というふうにとらえていいんですか。
○政府委員(大出峻郎君) 身体障害者雇用促進協会という団体が民間の法人であるかという御質問でございますが、御承知のように、身体障害者雇用促進法という法律に基づきまして労働大臣の認可を得て設立をされている法人であります。その構成等につきましては、これはいわば民間の方々の考え方をもとにしてつくられていく団体である、こういう意味では民間の団体であるというふうに理解してよろしいかと思います。
○本岡昭次君 民間の団体ですね。その民間の団体が今度の法改正によって納付金というものを扱っていくわけなんです。 それで、次に納付金の性格についてお伺いしたいんですが、私がこの法案を見る限りにおいて、納付金というものは、その表現は適切でないかもしれませんが、税金や労働保険料、社会保険料等に近い性格を持っていて、そしてそれを徴収する徴収権というふうなものは、これはもう公的な性格そのもので、合法的な権限を有しているというふうに見ます。そしてまた、納付金の徴収を怠れば追徴金や滞納金といった滞納処分等を行えるわけで、こうしたことはこれは一種の行政行為であるというふうに思いますし、そのことから行政訴訟、すなわち行政不服審査法による不服申し立てや行政事件訴訟、こうしたことも対象になるというふうなことがこの法案の中に出てきているんですね。 このような公的な納付金関係業務を先ほど言いました民間の団体という性格を持っているところに業務として一切合財任せる、もちろん労働大臣の監督とかいうのがずっと出てきておりますが、私は納付金の性格という問題からなじまないのじゃないかという気がして仕方がないんですが、納付金の性格という事柄について内閣法制局の方の見解をいただきたいと思います。
○政府委員(大出峻郎君) 身体障害者雇用促進法に基づきますところの、ただいま御指摘の納付金の法的な性格ということについての御質問でございますが、これは一定の雇用率を超えて身体障害者を雇用する、そういう事業主に対しまして、その経済的な負担の平等化のために支給をする調整金、あるいは身体障害者の雇用を促進するための各種の施策に要する費用の一部に充てるために支給する各種の助成金、そういう財源とするために、雇用率を達成していない事業主がその雇用率に不足する身体障害者の人数に応じまして法律上納付する義務を負う、そういう負担、金銭であるというふうに理解をされるわけであります。それが法律に基づいて義務として納付されるべき性格のものである、こういう意味からしますというと、先生御指摘のような公的な性格の徴収金であるという理解もそのとおりであろうかというふうに理解をいたしております。
○本岡昭次君 そこで、そういう公的な性格のこの納付金の扱いを民間の団体に任せたということなんですが、今言いました納付金、それから助成金、いろいろ全体の金は労働省に聞くところによると二百億円という大変な金が扱われるということになるんですが、しかもそれが非常に公的な性格の強いものであるということからして、私は、二百億という公的な性格の金品の動きそのものについて、行政管理庁や会計検査院が行政監察やあるいは会計検査等を実施するという事柄が必要ではないかと、こう思うんですが、行政管理庁、会計検査院、そのことについての見解。 それから、そういうものができないというのであれば、それでは、これからそういう公的な性格を持った金品の管理、動き、そしてその後さまざまな問題に対して公的な権限を行使してかかわっていかなきゃいかぬというようなことはできると思うんですけれども、そうしたことが法案の中に、私たちが心配ないと安心できるような形で盛り込まれているのかどうか。その点についても教えていただければありがたい、こう思います。行管庁、会計検査院、お願いします。
○説明員(長野文昭君) お答えいたします。 御案内のように、行政管理庁の行政監察は、いわゆる行政管理庁設置法第二条第十一号に基づきまして、国の行政機関の業務の実施状況について行うものでございます。しかしながら、同法第二条第十二号によりまして、この監察に関連いたしまして、国の委任または補助に係る業務の実施状況についても必要な調査を行うこととなっております。 今国会に提出されております身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案、これによりますと、労働大臣は、身体障害者雇用促進協会に対しまして身体障害者雇用調整金の支給等の、先生のおっしゃいました、納付金関係業務を行わせるものとしております。これは労働省が協会にこの業務を国にかわって行わせるものでございまして、国の事務を協会に委任することを意味しているというふうに考えております。したがいまして、この協会が行うこととなりますいわゆる納付金関係業務につきましては、国の委任に係る業務といたしまして、行政管理庁設置法第二条十二号によりまして行政管理庁の調査権限が及ぶものというふうに解しております。 もう一つ、後段のお尋ねでございますけれども、従来この問題についてまだ行政監察をやっておりませんけれども、御指摘の趣旨、それから今後の業務の実施状況等も踏まえまして、監察テーマの選定に際しまして検討さしていただきたいと、こういうふうに考えております。
○説明員(大沼嘉章君) お答えを申し上げます。 私ども会計検査院の検査対象につきましては、会計検査院法の第二十二条とそれから二十三条におきまして、国の収入支出、そういった国の収入支出のほかに、例えば国が資本金を出資している法人の会計であるとか、あるいは補助金等の財政援助を与えておるものの会計、こういったものを検査することができるというふうに限定的に列挙をされているわけでございます。しかしながら、当業務につきまして、協会では、国から出資金あるいは補助金等の交付を受けておりません、それからまた、これから収納することとなります納付金につきましては、協会の収入として経理されるということになっておりますので、私どもの検査の対象とはならないものと考えております。 ただ、法案の中に、この業務に関連いたしまして借入金を借り入れることができると、そういうふうな規定があるわけでございますが、その借入金を国から借り入れた場合、これにつきましては、財政援助団体ということで検査指定をいたしますれば私どもの検査対象になるということになろうかと思います。 それから後段のお尋ねでございますけれども、いろいろ従来国あるいは国に非常に近い団体で実施いたしておりました業務が、いろいろな観点から、立法政策上、民間に近い団体、そういったものに移管される、あるいは委任という形で実施されるということがしばしば生じてくるわけでございます。その結果、私どもの検査の対象あるいは検査の範囲というものがそれに対応して縮減するということも生じてくるわけでございますが、要は当該業務を実施することになります団体が適正に事業を執行できるような、そういった体制が担保されているかどうかということに問題はかかってくるのじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。 法案の中身を今詳しくあれしているわけではございませんけれども、今回の改正によりまして、協会につきましては、例えばみなし公務員の規定でございますとか、あるいは監督官庁のいろいろな処置に対する是正命令、その他かなり監督権限が強化されているような内容になっているようにお見受けいたしております。こういった監督権限を行使いたします労働省につきましては、私ども従来から検査の対象といたしておりますので、こういった監督権限の行使につきましても、法案が通りました場合には、これから十分な関心を払って見守ってまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。
○本岡昭次君 今の説明で、行管庁の方は行政監察の対象としてこれからもやっていけるということですし、会計検査院の方も、国とのかかわり合いができた場合、あるいはまた労働省の権限行使という中で必要な場合はということでありました。 労働大臣、これ、やはり二百億という本当に大きなお金が動くわけでございますから、単に民間の活力ということで何でもかんでも民間に移せばいいというものじゃないと思うんです。今度のこの法案は行政改革として、私、表現は余り上手じゃないんですが、まずい表現しますけれども、労働省も何かなけりゃいかぬのと違うか、そんならこれひとつ出しておけというふうな形で出したけれども、何のメリットもない。要するに財政上のメリットははっきり言って何にもないわけですよね。これを民間に近い団体に移したことによってそれでは財政がどれだけ、今まで支出しておったものが支出しなくても済むとか、これからまたいろいろそのことにかかわって財政上非常に厳しい問題になるから今のうちにとかいう、何らそうした財政上のメリットがない中でそこだけを切り離していった。それだけに、そこで動くお金そのものに対して不正が起こらないように十分な監督というものが行われ、そして真の目的であります身体障害者雇用が促進するということについて、労働省の本来持っておる行政的な責任と、この納付金を取る、そして助成金、調整金を渡すというこのお金の動きの面がばらばらにならないように十分な配慮をやっていただかなければ、私は今後に大きな問題を起こすんではないかという心配があるものですから、今もそうした意味で行管庁、会計検査院にもお尋ねをしたようなわけでございます。 その点について、労働大臣いかがですか、私の心配について。
○国務大臣(坂本三十次君) 今度のこの改正の要点は、今までは協会にまず事務を要求をして、その協会が、権限がないものですから、その上部構造の事業団にまた指示を仰ぐ、こう二段階制のやつを、いや、それほどに及ばぬから協会一本にしようという、二段階を一段階にした。そうしたら事務もスピードアップする、こういうところが一番のメリットではないかと思いまして、そのほかの点で、お金の面で不安が出るだろうかとか、そういうようなことはそれほど心配はないのではないかなと思っております。
○本岡昭次君 それでは最後に、一、二お伺いして終わります。 今おっしゃいましたように、余りメリットのない、何と言うのか、行革の一つだと思うんですね。何かこれも行革関連法案の一つというふうに聞いておるんですが、ただ私はそれでも心配するのは、そこで扱われるお金のことだからしっかりやってくださいよと一点申し上げているんですが、それと、浜本理事の方から質問されたことに関連して一、二伺って終わります。 まず、業務を協会の方に移したことによって財政上のメリットは特段ない。ただ、事業団で、そ のことによって定数というんですか、そのことにかかわっていた人が要らなくなる、不要になると思うんですが、それではその人数は何人で、そしてその人たちはどういうところでこれから働いてもらうようにするのか、雇用の問題。 それから次の点ですね、大企業の民間の雇用達成率が非常に低いということが先ほど浜本理事の方から問題にされまして、それを私聞いていたんですが、とにかく、今計画を提出しているから、その計画を達成するために努力せよと迫っているところだと、こういうふうにおっしゃいました。それで、どうですか、去年も特別指導ということで五月から九月まで強力にやった結果、〇・三%が〇・八四%と向上した、こうおっしゃっているんですから、ことしもさらに特別指導期間というものを適当な期間に設けて、さらに法定雇用率一・五%を達成するように、六十一年にその見直しをやろうという段階ですから、それまでに何としても最低の目標を達成せよということで、繰り返しその特別指導期間というものを設けて強力に行政指導をする、そのくらいの気迫がなければだめではないかと思うんですが、その点はどうかという二点について伺って終わります。
○政府委員(加藤孝君) この納付金関係業務に従事いたしております職員は、今雇用促進事業団におきまして、本部で十三名、支部で二十一名、合計三十四名でございますが、これが今度の移管に伴いまして当然縮減されることになるわけでございます。しかし、これにつきましては、雇用促進事業団が五千二百九十名から成る相当の大世帯でございまして、毎年かなりの定年退職者も出る、こういうような事情もございますし、また、この協会業務が今度はその分ふえる、こういうような問題の中でいろいろ人事交流も図る、こういうような形で、解雇者を生ずるというようなことはない、こう見ておるわけでございます。 また、御指摘のございました、大企業あるいはそういう未達成のところに対します特別な指導というものにつきましては、御指摘ございましたように、非常に成果が上げ得るものでございますので、ぜひことしにおいてもそういうようなものをひとつ取り組んでいきたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○本岡昭次君 終わります。
○中西珠子君 これまでお聞きしておりますと、ほとんど私がお聞きしたいような問題点は出尽くしたようでございますが、ただいま議題となっております身体障害者雇用促進法の改正案につきまして、ちょっとその関連でお聞きしたいのでございますが、諸外国で、雇用率制度というものを法律として制定しているところがございますか。また、ございますとすれば、報奨金とかそれから調整金というものを出したりまた助成金を出すために納付金制度をとっているかどうか、そういった点についてまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 諸外国におきましても類似のいろいろの制度がございましてやっておられるわけですが、ただ、各国によりましてこの身体障害者というものの範囲が若干異なるというような事情などもございまして、雇用率あるいは雇用率制度の適用の仕方等々、いろいろまちまちでございます。例えば西ドイツにおきましては、心身障害者で稼得能力が五〇%以上喪失した者、こういうのを障害者としておるとか、あるいは、そういうような対象にする中で、十六人以上の従業員を雇用する民間企業及び官公庁について六%、こういう雇用率が定められておるわけでございます。それからまた、イギリスにおきましては、身体的精神的損傷のある者で労働能力の減退した障害者というのを対象にいたしまして、常時二十人以上の従業員を雇用する民間企業について三%、こういう雇用率が定められておるわけでございます。また、身体障害者を雇用する事業主に対しまして調整金や報奨金を支給いたしております例といたしましては、例えば西ドイツにおきましては、未達成の民間企業や官公庁からちょうど我が国の納付金に相当するものを徴収いたしまして、これを原資といたしまして、障害者用の機械設備の購入に対する援助とか、あるいは障害者の住宅資金の融資とか、あるいは障害者用の工場の建設資金に対する援助とか、こういうようなことがなされております。それからまた、オーストリアにおきまして、雇用率四%の未達成の事業主から雇用課徴金、こういうものをやはり徴収いたしまして、これを原資といたしまして、一般労働者との能力差に基づきます賃金格差というものを補う補助金を出すとか、あるいはまた職場改善のための補助金を出すとか、建物の改築のための補助金を出す、こういうようないろいろ施策がなされておるわけでございます。
○中西珠子君 ただいまの局長の御説明では、西独では官公庁からもやはり納付金のようなものを取り立てるという御説明がありましたけれども、そのとおりなんですか。
○政府委員(加藤孝君) そうなっております。
○中西珠子君 日本では、官公庁とか特殊法人からはそういった納付金のようなものを取り立てるということはしていないわけでございますが、ただいま法定雇用率はほとんど達成しているような状況だというお話、また、達成していないところはどういう理由で達成ができないかというふうなお話を承ったわけでございますが、民間の企業における身体障害者雇用の実態に関しましても先ほど来お話が出ましたけれども、大企業で雇用率未達成の企業の割合が非常に大きい。また、産業で言いますと、金融・保険業だとか卸・小売とか、それから不動産、またサービス業、こういった産業で雇用率未達成の企業が非常に多いそうでございますけれども、その理由はどういうところにあるのだとお考えでいらっしゃいますか。
○政府委員(加藤孝君) 特に大企業とか、あるいはまた、こういう金融サービス関係での雇用率がなかなかレベルが低いわけでございますが、こういったところにつきましての事情を見てみますと、例えば大企業などでございますと、大体終身雇用制になっておる、それが定着しておる、こういうようなことで、中途採用をするということを一般になかなかしない。したがいまして、身体障害者を途中で採用するということもなかなかしない、こういうような問題が一つございます。 それから、特に大企業等を中心にいたしまして、常用労働者数が非常に多い、そしてまた、急速に労働者数もふえておるとかいうような中で、何といいますか、さっきちょっとお話が出ておりましたように、一人二人雇うなんというものじゃ全然雇用率は伸びない、相当多数の雇用を進めないと率が上がっていかない、こういうような事情がございまして、その辺が相当、最近は積極的に努力はしていただいております、懸命に大企業を中心に指導しておりまして採用していただいておりますが、率の面でいきますとなかなかこう伸びが一遍にはいかない、こういうような事情もございます。 それから、基本的には、やはりまだ一部の大企業などでは身体障害者の雇用に関する理解というものが十分でない。それからまた、こういうサービス業あるいは対人業務の関係でございますと、そういうところに身体障害者というものを人に対するサービスみたいな仕事で使うということについて、まだその辺について、思い切って身体障害者を前面に出していくというような形での対応が足りないというようなことなどがございまして、こういう規模の大きいところ、あるいはサービス業関係についての伸びがはかばかしくない、こんなような事情にあると見ておるわけでございます。
○中西珠子君 やはり身体障害者に対する一般の偏見というものは非常にまだ根強いものがあると思いますし、特にサービス業、接客業というふうな面での身体障害者の雇用というものは大変難しいとは思いますけれども、やはりどの産業でも身体障害者の雇用率を高めるというための強力な指導、啓発活動をやっていただきたいと思いますし、殊に大企業では、今もおっしゃいましたけれども、終身雇用制のもとでなかなか中途採用をしない。また、殊に身体障害者は雇いにくいというふうな面もあるとは思いますけれども、納付金が大変安いと思うんです。それで、納付金を一人につきこれぐらい払っておけば、お金で済むことであればお金で済ましたいというふうな気風もあるのではないかと思うわけでございますけれども、納付金を将来高めていくというお気持ちは全然労働省にはないわけでございますか。
○政府委員(加藤孝君) この納付金の額は、五十六年の検討におきまして三万円が四万円に引き上げられたというような経緯もございまして、事業主たちの声を聞きますと、大変にこれは、何というか、毎月四万円でございますので、やはりこれは相当な負担になる、だからそういう負担を免れるという意味ではなくて、やはり身障者の雇用というものは真剣に取り組んでいくべきものであるということをひしひしと感じさせられておるというような意味では相当の効果といいますか、それなりに刺激的な意味を持つ金額でもあると、こう見ておるわけでございます。 しかしいずれにしても、六十一年のこういう雇用率問題についての検討の際にまた検討をさしていただく問題と考えております。
○中西珠子君 身体障害者の数が大変ふえている、過去十年間において五割はふえたというお話でございましたが、過去二十年間における推移について、資料をお持ちでいらっしゃいましょうか。
○政府委員(加藤孝君) 厚生省の身体障害者実態調査によって十八歳以上の障害者の推移を二十年間で見てみますと、昭和三十五年で八十二万九千ということでございましたが、二十年後の昭和五十五年には百九十七万七千人ということで、約二・四倍の増加をしておるわけでございまして、この間におきます障害の種類別で最も増加率の大きかったのは肢体不自由者が二三一%の増、それから聴覚障害者が二二四・八%の増、それから視覚障害者が一六六・三%の増、こういうような推移になっております。また、人口千人当たりの身体障害者の出現率も、昭和三十五年で千人当たり十三・九人でございましたが、昭和五十五年にはこれが二十三・八人ということで、出現率も高率化の傾向が出ておるわけでございます。
○中西珠子君 ただいま御説明のありましたように、身体障害者は非常にふえているわけでございますね。殊に肢体の不自由者というふうなものがふえているし、視覚の障害の者もふえている。これはやはり産業事故のほかに交通事故が物すごくふえているということが言えるのではないかと思いますが、こういった人たちの雇用の問題、職業リハビリテーションの問題は、やはり年を追って非常に重要となっていると考えるわけでございます。 そして、五年ごとの法定雇用率の見直しというのももう近づいているわけでございますけれども、このように身体障害者がふえている今日、先ほどお話しのありました、外国における法定雇用率というものも日本よりも高いようでございますので、六十一年度における見直しにおきましては、法定雇用率を引き上げるという方向でお考えいただきたい。また、殊に官公庁におきましては、既に法定雇用率をほとんど達成していらっしゃる実雇用率の状況でございますので、こういった点も含めまして、法定雇用率の引き上げというものをお考えいただきたいと思うのでございますが、大臣のお考え方はいかがでございましょうか。
○国務大臣(坂本三十次君) 法律によって、六十一年に見直しの時期ということになっておりますので、ただいまのこの身体障害者の高齢化とか、それから重度化が進んでおるという実態をよく踏まえまして、できるだけこの法の目的に従うようなそういう見直しをしていきたいと思っております。
○中西珠子君 それから公共職業安定所における心身障害者の求職と就業の状況は、ただいまどのようになっておりますでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) 五十八年三月末現在で求職登録をしておられます障害者は四万三千人おられるわけでございます。これは、その一年前の五十七年時点と比べますと、これが三万七千人でございましたので約六千人の増加になっておるわけでございます。この内訳を見てみますと、身体障害者の方が三万八千人、それから精神薄弱者その他の障害者が約五千人、こういうような状況にございます。 この一年間におきます新規の求職申し込み、あるいは就職の状況を見てみますと、新規求職申し込みが六万二千ということで前年六万一千よりやや増加をしております。就職者数が約二万八千ということで、これが残念ながら前年同期の三万一千人というものよりも減少をしております。 なお、新規の求職の申し込み者のうち、身体障害者は五万二千人、それから精神薄弱者その他の障害者は約一万人、こうなっておりまして、就職いたしました方の内訳で申しますと、身体障害者で二万一千人、精神薄弱者その他の障害者で約七千人、こういうような概況にございます。
○中西珠子君 就職状況もはかばかしくないと言っていいのではないかと思いますが、身体障害者がどんどん増加する、また高齢化、重度化も進んでいるという中で、就職状況もなかなか伸びない、そういう状況に対しまして、労働省はこれからどのような対策をおとりになるおつもりでいらっしゃいますか。
○政府委員(加藤孝君) 先ほど数字も申し上げましたように、障害者の数は増加の傾向をずっとたどってきておるわけでございまして、これに伴いまして安定所の求職者という形での障害者も増加をしておりますが、残念ながら最近の身体障害者の雇用の伸びはだんだん鈍化してきておる、こういう状況にあるわけでございます。 そういう意味で、今後一層この雇用改善のための努力が必要だということを考えておりまして、ことしの一月に雇い入れ計画の作成命令制度というものの運用基準につきまして、従来雇用率が〇・五%未満というものに対して命令をしておりましたものを、今後は〇・七五%未満というところまで引き上げまして、この作成命令をさらに従来大企業中心でございましたのを中規模企業にまでまた拡大をいたしまして、一層の雇用率達成指導の強化を図るということを今進めておるわけでございます。 また、この業務を扱う専門職員というもののやはり確保が大事でございまして、障害者担当の就職促進指導官というものを三百五十名程度、それから雇用指導官を四百七十名程度配置をいたしまして、きめ細かな相談、指導というものを進めていくというような対応をいたしておるわけでございます。 また、今後はやはり重度障害者につきまして、中、軽度の方はある程度もうここまで身障の雇用問題が理解が進んできておりますので、むしろこれからの問題は重度の障害者の就職の促進を図っていくということがどうしても行政として特に力を入れていかなきゃならぬ状態になっておる、こう考えておるわけでございまして、そのためにいろんな重度の障害者の方の助成金を活用する、あるいはまた、その制度を支給期間を延長するというような形で弾力的にこの重度の方について適用していくというようなこと、さらにはまた重度の障害者につきましては第三セクター方式によります。そういう重度障害者雇用を目的とした企業の開発を進めていく、こういうような形で今後の身障者の雇用促進に努めていきたい、こんな考え方でございます。
○中西珠子君 どうぞよろしくお願いいたします。 ちょっとその点に関連いたしまして、身障者の雇用指導官、それから殊に重度障害者の就職促進指導官というふうなものをふやすというお話でございましたけれども、どのようにこの人達を養成なすっているか、その養成体制についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) こういうものは、実際に身障者を扱いながらの研修という形でやはり養成していくことが必要でございますので、現在所沢の職業リハビリセンター、ここで身障者のリバをやっておりますので、そういうところで実際の実務をいろいろ研修していただくというような形で養成を進めておるというのが主体でございますし、また、労働研修所におきましても、この身障の雇用促進関係の専門家の研修というものは特に濃密にきめ細かく課程を組んでやっておるわけでございます。
○中西珠子君 身体障害者雇用納付金制度に関連してお聞きしたいと思いますが、雇用率未達成の事業主の申告に基づいて徴収されるわけでございますが、申告漏れとか滞納というふうな状況はどのくらいになっておりますか。
○政府委員(加藤孝君) この納付金制度創設以来今日まで申告漏れという疑いで調査をいたしました事業主が百十七件ございます。 その内訳を申し上げますと、申告漏れで後日申告納付されたというのが四十一件で五千二百万という数字でございます。そのほか事業団で現在調査中のものが二十一件、あるいはまた申告が全くないというものが三十二件というような内容になっております。
○中西珠子君 滞納についてはいかがでございますか。
○政府委員(加藤孝君) 所定期日までに納付をしない場合には督促状を発すると、こういうことでやっておりまして、この指定期限までに納付をしない事業主に対しては、「滞納処分をすることができる。」と、こうなっておりまして、今日まで事業団が督促状を発しました件数は百二十一件の一億二千万ということでございます。そのうち指定期限までに完納されなかった件数が三十二件の四千五百八十万というような数字になっておりまして、完納されない事業主に対しましては、事業団職員が直接事業所に出向きまして納付の指導を行っているということでございまして、これまで滞納処分というところまでいきました事例はございません。
○中西珠子君 身体障害者雇用納付金制度の助成金、報奨金、それから調整金などの不正需給の件数がございますか。
○政府委員(加藤孝君) 偽りその他の不正行為によりまして助成金を受けました場合には、助成金の全額または一部を返還させるということでやっておりまして、これまでに不正が発見され、助成金の返還を命じました事例が十四件、不正受給金額が三千九百万、こういうふうな額になっておりまして、その内容を見てみますと就労実績のない障害者の出勤簿とか賃金台帳を偽造しておった、あるいはまた、新品の設備機械購入の事業計画に対しまして中古品を購入いたしまして領収書を偽造した例、こういうようなことがございます。 こういう助成金の返還を命じました十四件につきましては、全額回収を済ませましたのが六件、それから一部回収済みで現在分括返還中のものが一件、それからなお返還を督促しておりますものが七件、こんなような状況にございます。
○中西珠子君 身体障害者雇用促進協会に納付金関係業務を全面的に移管されますと、こういった不正受給などがふえるというおそれはございませんですか。
○政府委員(加藤孝君) こういう今申し上げましたような不正がございましたのは本当に私どもも残念なことでございますが、これにつきましては、助成金が本当にこの趣旨に沿って利用されるように事後のフォローアップというものを強化する必要がある、こう考えておるわけでございまして、今後は助成金の支給に際しましては現場確認の励行とか経営面の点検の強化、あるいは建築関係の専門家によります技術審査の強化というようなことをさらに進めていかなきゃならぬ、こんなふうに考えておるわけでございます。 また、助成金の支給後におきまして、支給されました助成金の使用状況、それから助成金により取得した設備の利用状況、そういったような面につきましても、安定機関と協会、それから地方協会、こういったものと十分連携をとりまして、事業所訪問による事業主に対するフォローアップというものも強化していかなければならぬというふうに考えておるわけでございまして、こういう納付金関係業務の移管後におきましても、今申し上げましたような審査の厳正化、事後のフォローアップの強化というようなことによりまして助成金の適正な運用に努めていきたいと考えておるところでございまして、移管いたしまして特にそういう面で体制が弱くなるというようなことはないと考えております。
○中西珠子君 賃金が非常に安かったり、また、労働条件が劣悪な企業で身体障害者を雇って、そして——それはもちろん小さな企業なんですけれども、報奨金をもらったり、また、助成金をもらっているという訴えがときどき耳に入るわけでございますけれども、助成金決定の審査の段階で厳しくしていただきたいし、ただいま局長がおっしゃったように、支給状況、支給後のフォローアップ、利用状況のフォローアップというものも大いに強化していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(加藤孝君) 遺憾ながら、十分身障者の雇用について真剣な取り組みがないままにこういう助成金を受けるというような形での問題が、いろいろ出ておるわけでございます。そういう意味で、御指摘のようにそういう体制をしっかり移管後においてもしていくということを十分配慮してやっていきたいと思っております。
○中西珠子君 それに関連いたしまして殊に御要望いたしたいのは、職業安定行政と労働基準行政が緊密な連携をお持ちになりましてやっていただきたいということでございます。せっかくいいお仕事をなすっているんですから、ますますもって効果のあるものにしていただきたいということです。また、不正受給をなくしたり、劣悪な労働条件や本当に名目だけの賃金だけで身障者を雇っているというところもあるらしゅうございますので、どうぞフォローアップなども厳しく、審査状況も厳しくしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それから、納付金の収支状況を見ますと毎年のように業務費が上がっているんです。昭和五十二年の実績を見まして、それを昭和五十七、八年、五十八年は見込みかもしれませんけれども、五十七年ぐらいの実績と比べますと、二倍以上、二・五倍近く上がっているという状況がございますけれども、この業務費がどんどん上がっているという理由はどういうところにあるのでございましょうか。
○政府委員(加藤孝君) 御指摘のように、業務費が増加をしてきておるわけでございますが、この点につきましては各県の心身障害者雇用促進協会というものの体制整備を進めておりまして、こういう職員が一人というようなところをなるべくひとつなくして、ふやして、しっかり体制を固めていく、こういうふうなことを計画的に進めてきたことによります業務委託費の増加、あるいはそれに関連する給与改善に伴う人件費の増加、こういうものが主な原因でございまして、もちろんこういう業務費が旅費とか庁費とかいうような面で増加していかないよう、そういった点については極力節減に努力をしてまいりたいと考えております。
○中西珠子君 今度の法改正によりまして、身体障害者雇用促進協会に全面的に納付金関係業務が移管されるということになりますと、業務費の割合は減ってきますでしょうか。減らす自信がおありですか。
○政府委員(加藤孝君) 今申し上げましたように、この協会の体制整備ということで特に各地方の、各県にございます協会の体制整備と、こういう面では今後もなお今までと同じように整備を進めていくという面での増加はございますが、移管された後におきましては先ほど申し上げましたように、雇用促進事業団と協会とがある程度両方でやっておりましたような関係がこの協会に一元化される、こういうような重複の業務が避けられるというような面での合理化が図られる、あるいはまた、スピードアップもされるというようなこと、それに関連いたしまして業務費的なものもある程度それに伴って縮減をしていくことが可能であろう、また、そういう努力をしていかなければならぬと、こんなふうに考えておるところでございます。
○中西珠子君 雇用促進事業団の身体障害者の業務部関係の方々は協会の方に異動をされるとか、いろいろまたあると思いますけれども、そこにおきまして、今まで重複的であった業務が簡素化され、迅速化され、効率化され、また業務費というものも余りかからない状況に持っていっていただいて、本来の身体障害者の雇用促進の実を上げていただきたいというふうに強く要望いたします。 それから、身体障害者雇用促進協会の方の内容につきましていろいろ法律が新しく書いておりますけれども、今度は新たに評議員会のようなものを設けられるということになっておりますが、この評議員会の構成はどのようになっておりますか。
○政府委員(加藤孝君) この評議員会につきましては、これが公正かつ中立的な立場に立って運営される必要がある、こういうことで、その構成についても第三者的な立場にあり、かつ協会の業務の適正な運営についていろいろ学識経験を有するというような方をお願いする、こういうことにしておるわけでございます。またその任命が適正に行われることが必要であると、こういうことで、それについても労働大臣の認可にかからしめると、こういうことにしておるわけでございます。 具体的には、この評議員会におきましては、言われるところの学識経験者という方だけではなくて、障害者の雇用問題に造詣の深い事業主、あるいは障害者あるいは労働者の代表の方の参加を得まして、この協会の予算とか事業計画、その他の重要事項についていろいろ審議をしていただく、こういうことを予定をいたしておるところでございます。
○中西珠子君 「協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、」、その学識経験者だけを二十名というふうに書いてございましたのでちょっと心配したのでございますが、ただいまの局長の御答弁で、雇用されている身体障害者とか、また、労働者の代表という者も入るということを伺いましたので、ぜひその点は確保していただきたいと思います。お約束願います。 それから、これから身体障害者雇用促進協会に全面的に納付金関係業務が移管されまして、そして大いにこの身障者雇用促進事業が効率化されて、そして迅速化され、また、真に行財政改革の実を上げていかれるように大いに期待しているところでございますけれども、この点に関しましての労働大臣の御決意のほどを伺わしていただきまして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) この納付金関係業務の移管ということは、これは迅速なサービスの向上ということでこざいまして、協会に一部を委託する形で実施していた納付金関係業務をすべて協会で行うことということになるのでありまして、助成金の支給申請書等の審査、点検業務の迅速性が確保できる、こう思います。それで、これに伴いまして事業団組織の簡素合理化が図られることになる、事業主サービスの向上にもなるものだと思っております。 それから、組織体制の見直しなどを進めて行革の趣旨の達成に努力をいたすということでありまして、さらに昭和六十年の施行日までに事業団、協会の組織体制の見直し、さらには協会における納付金関係業務の効率的な実施方法や業務費の縮減についても十分に検討することといたしまして、今回の改正によって行革の趣旨が達成されるように努力をいたします。
○委員長(石本茂君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後二時十分まで休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 —————・————— 午後二時十四分開会
○委員長(石本茂君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山中郁子君 身体障害者雇用促進法の一部改正の審議に当たりまして、障害者雇用問題について二、三お尋ねもし、要望もしたいと存じます。 障害者対策の課題、解決しなければならない問題というのはたくさんございますけれども、中でもけさほど来から議論がありましたように、雇用促進、そしてまた単に量的に雇用を促進するというだけではなくて、労働条件の向上も含めてこの二つは大きな政策課題の柱であると思います。働きたい、働けるんだという障害者の皆さんの声、これを私はこの法案の審議に当たりましてぜひとも労働省に、政府にしっかりと受けとめていただきたいという気持ちでいっぱいです。 きょうは、まず視覚障害者の雇用対策についてお尋ねをいたします。 大臣も御承知だと思いますが、四月四日の新聞などで一斉に報道されましたけれども、京都の竹下義樹さんという方が、全盲のハンディを克服されて見事に司法研修所の卒業式を迎えられました。そして初の全盲弁護士として出発をされたわけです。同じように労働省でも昨年金盲の吉泉豊晴さんという方を採用され、これもまた新聞などでも大きく報道されました。 この方のケースですけれども、まず労働省に二点お尋ねをいたしますが、一つは通勤事情その他、そうした状況の支障などがあるかないか。それから、現在どのような仕事を担当されておられるのか。初めに二点お尋ねをいたします。
○政府委員(加藤孝君) 今お話しございましたように、昨年の四月一日付で労働省が選考採用の形で全盲の障害者である二十五歳の職員を採用したわけでございます。 この方につきましては、最初のころは通勤経路あるいは職場環境になれるように、歩行訓練士による歩行訓練、こういうこともいたしましたが、現段階においては、御自分で割合役所に通えるような距離のところに間借りをされまして通っていただいておる、こういう形でございます。 今やっていただいております仕事は、一つは今後の視覚障害者雇用対策というもののあり方について検討することを目的としました視覚障害者雇用問題研究会、こういうものを今彼が所属しております障害者対策室でやっておるわけでございますが、その運営を担当しております。それからまた、諸外国の障害者雇用対策の翻訳、それの紹介、それから日本の障害者雇用対策に関する英文資料の作成、紹介というようなこと、それからまた、各種の通達などのタイプを行う、こういうような仕事を担当していただいております。 なお、念のため申し上げてみますと、やはりこういう仕事はある程度いろんな補助具がございませんとできませんので、今開発されております全盲の障害者でも使用可能なワードプロセッサーを導入をいたしました。あるいはまた、視覚障害者用の光学文字読み取り器、オプタコンと申しておりますが、それを導入いたしました。それからまた、点字タイプライター、そういったようなものも整備をいたしまして、そういうものを使いながら、今申し上げましたような仕事をこなしていただいておる、こういうことでございます。
○山中郁子君 いわゆる一般事務の範疇に入るお仕事をされていらっしゃるわけですけれども、お仕事ぶりはいかがでございましょうか。全盲の方の労働省への進出ということで大変多くの期待と希望にもなっていらっしゃるということでお尋ねをさせていただくわけでございますけれども。
○政府委員(加藤孝君) 労働省も重度の視覚障害者、全盲という状態の方を一般行政職の職員として採用いたしましたのは初めての経験でございまして、また、採用後一年を経過しておるにすぎない状態でございますので、評価を下すということは時期尚早だと、こう思っておりますが、一般的な言い方をいたしますと、こういう視覚障害者が円滑に職務を遂行できるようなためのいろんな補助具といいますか、そういう機器の整備、あるいはまた特に文書、普通の文書をさっと読むわけにいきませんので、同僚の職員が文書の朗読をしてあげる、こういうような配慮等々をしていけば、ある程度仕事を遂行していくことは可能だと、こういう感じでございます。 これまでの経験を通しまして、この彼の仕事との関係で申し上げますと、やはり漢字とかなのまじった和文の読み取り、こういったものが、さっき申し上げました視覚障害者用の光学文字読み取り機、オプタコンではどうしても難しいという問題がございまして、やはり朗読サービスをしてあげないと難しい。このため、やはり仕事をこなすのに他の職員に比べましてかなり時間を要する、この辺やむを得ない点でございますが、そういった点が一つございます。それからまた、一般の資料をすぐさっと読むわけにまいりませんので、こういう職務に関連いたしますいろんな情報というものの入手、キャッチというものが、それはやむを得ない点でございますが、どうしてもおくれがちになるという面が一つございます。 そういうような事情もございまして、どうしても仕事の範囲というのは、やはり専門的にある程度限定した形でお願いをしないと難しいのかなと、こんなような点を感じております。 しかし、彼について言いますれば、大変な努力家でございまして、そういう彼自身がまたいろいろ自分自身でも新しいやり方というようなものを考えたりしておりますので、そういうような彼自身の努力、そしてまた、周りの者のいろんな協力というような形を通じまして、問題解決へ向かって徐々に進みつつあると、こんなような感じで見ておるわけでございます。
○山中郁子君 それは、全盲という重度障害の方ですから、まず大きなハンディをそもそも持っていらっしゃる。今局長が幾つかの点を指摘なさいましたけれども、しかし、その上に立ってもなお立派に御自分の努力、意思、そうしたもので働いていらっしゃるということは、私も深い感銘を受けるところでございます。 皆さんも御承知だと思いますが、NHKが編集いたしました「働く盲人たち」というのがございます。この中の前書きにこういうところがあるんですね。「盲人は視力を欠くだけであって、その他の点では、一般人と何ら変るところも、劣るところもないのです。唯一の欠陥である視力さえ、何らかの形で補われるならば、全く遜色なく働くことができるのです。」というくだりがあります。私は、これは今お話がありました吉泉さんのケースでも証明をされているように、視力障害者だけではない、障害者雇用対策を考える上での原点だというように思いますけれども、こうした見方、つまり障害者の方たちの持っている力、これに対する信頼、ここのところを基本に据えて障害者雇用対策を進めていくという点の労働大臣のお考えをお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) 今労働省の全盲職員が非常に健闘しておるという話がありました。まことにうれしいことであります。それからこの間も、あなたのおっしゃったように、新聞に、これは全盲の弁護士さん、よくぞ通ったと思って私もよく見ましたら、私の選挙区の出身の人で、早速激励電報を打っておめでとうと言っておきました。 そういうふうに自分の全盲という、我々から考えたら大変なハンディキャップを超えて、そして一生懸命に自立自活しようというこの精神というものは、もう本当に目明きにない立派な精神だと思いますよ。だから、そういう方々をひとつ、初めは手数がかかるのは当たり前のことなのであって、そういう手数をかける社会が立派な社会なんでして、そういう人々に希望を与えるように、周囲がまたできるだけのことをして、そしてそういったくさんおられる方々が、やはりいわゆるノーマライゼーションですか、そういう生きがいと能力を持って生きられるように、私どもも雇用政策を推進していきたいと、こう思っております。
○山中郁子君 まあ選挙区であるかどうかは別として、大臣が早速にそのように激励をされたということは大変結構なことだと私も存じます。今お話がありました京都の弁護士になられた竹下さんですね。この方のケースの場合も、司法試験を点字で受験されたんですよ。それで合格されました。この場合も、点字による司法試験という窓口が開かれていたからこそこの竹下さんの努力も能力も、そしてまたその可能性も花開いたということだと思います。 私は今大臣から基本的なお考えをお伺いしたわけですけれども、その中に、やはりどうしてもいろいろな可能性に道を開く、そうした機会を公平に平等に与えられる、これがまた障害者の方の力を発揮していく上でどうしても大事なところだと考えておりますけれども、この点についてもあわせて大臣の御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(坂本三十次君) そういう意欲を持っておられる方々のけなげな態度に対しては、まず最初にそのチャンスを与えるということはおっしゃるとおり一番大切なことだろうと思っております。そういう趣旨を生かして私ども考えたいと思います。
○山中郁子君 それで、この可能性を試す、挑戦する。あるいは、もちろんそれで成功しない場合だってあります。特に障害者の方には健常者と比べてハンディがあるわけですから、困難な道ではある。だけれども、今問題にしております視覚障害者の場合に、希望を持てるように国家公務員の採用試験に点字試験を導入すべきではないかということがかねてからの問題になっておりました。この点につきましては、今一般的に言いました障害者の方の可能性、意欲、そうしたものを実現していくというだけではなくて、目の見えない方たちの仕事として伝統的に三療と言われております、はり、きゅう、あんま、そうしたことだけでは実際に収入も非常に限られているし、生活も苦しい。生活不安も大きい。そういう意味で職域を拡大していくという点でも、今私は国家公務員採用試験に点字試験を導入するという問題を具体化していくべき時期であるし、ぜひそのように政府は積極的に取り組んでいっていただきたいと思っております。これは以前からの視覚障害者の方たちの切実な願いでもあるわけです。 そこで、おいでいただいていると存じますが、人事院にお尋ねいたしますが、とにかく視覚障害者に受験の機会を与えてほしい。それに合格するかどうかはまた次の問題だけれども、一生懸命働いて、与えてほしい、こういうことが願われているわけですけれども、この点について人事院は、以前からこのことについて国会でも議論になっておりまして、私どもの上田副委員長も予算委員会でかなり力を入れてただした経過もございますので、人事院のその後の取り組み、具体化の計画などについてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(鹿兒島重治君) ただいまお話がございました視覚障害者の職域拡大の問題につきましては、前総裁からも再度にわたりまして御答弁申し上げたところでございまして、私どもも大変重大な関心を持って検討を続けてきたところでございます。ただ、この問題は、職域拡大という観点からいたしますと、点字の受験と申します前に、やはり職域をいかに拡大するかということが一番の基本的問題ではなかろうかと思います。 私どもは従来から、国家公務員の採用の方法につきましては、御承知のとおり一般競争試験のほかに選考採用という方法があるわけでございまして、選考採用につきましては、先ほどお話がございました労働省の職員につきましても選考という形で弾力的に対応してきたわけでございます。今後も選考採用につきましてはできる限り弾力的に対応してまいりたいというぐあいに考えておりますが、点字の受験という問題につきましては、御承知のように、現在の国家公務員試験は資格試験ではございません。採用につながる試験でございまして、やはり採用に見合う職域というものがいかに拡大されるかということを十分に検討しながら今後も対処してまいりたいと、かように考えております。
○山中郁子君 それでは、前段的に人事院にちょっと確認を求めたいのですが、今まで私申し上げまして、労働大臣もそのとおりだと言って、そのお考えを披瀝なさったところの、視覚障害者の人たちが受験の機会を平等に与えてほしい、そういう切実な願いを持っていらっしゃるということはこれはもう当然であって、そして人事院としてももちろん理解をされているところであろうと存じますけれども、その点はいかがでしょう。
○政府委員(鹿兒島重治君) 御趣旨につきましては十分理解をしているつもりでございます。
○山中郁子君 先ほど私ちょっと申しましたけれども、具体的には昭和五十五年の予算委員会で、私どもの上田副委員長がこの問題を取り上げまして議論いたしました。それで結論的に、当時の大平総理大臣が、人事院でいろいろ検討いたしまして、ただいまの段階ではなかなか難しいということを承っておりますけれども、この困難をどうしたら打開できるか、政府としてとくと検討を進めて希望が持てるようなものにすべく努力をしてみたいと思いますと、こう答弁されていらっしゃるんですね。あれからもう四年たっているわけですよ。 したがって、私は具体的な何らかのプログラムを持った御検討が進められていてしかるべきだと思って今お尋ねをしたんですが、需要を拡大していくということが先決であるというお考えですと、これは百年河清を待つといったぐいの、それじゃ具体的にいつどのぐらいのめどを持って、何年計画ぐらいで実際に点字試験の門戸を開くというところに踏み切るかということにはつながらないものなんですね。 その点で、私は人事院の点字試験導入に対する姿勢をもうひとつ積極的に打ち出していただけないものだろうかと思うのですが、重ねてお考えをお伺いいたします。
○政府委員(鹿兒島重治君) 重ねてのお答えになりますけれども、やはり私どもの試験は、実際に採用を前提とする試験でございまして、採用につきましてはそれぞれの任命権者であります各省庁がこれを行うわけでございます。 やはりそういう職域の開拓がありまして初めてそれが一般競争試験の点字試験という形につながるものというぐあいに私どもは理解をいたしております。
○山中郁子君 労働省、大臣もお聞きになったと思いますけれども、労働省で働いていらっしゃる吉泉さんの場合も、それから京都の弁護士さんの竹下さんの場合も、立派に通勤もし、またお仕事も始められているという状況で、この方たちの場合も、能力、可能性を発揮する機会が、そのチャンスがあったからこそ努力が実ったと言えると思うのです。 ですから、今人事院がそのような見解をお示しになりましたけれども、私はぜひともこの障害者の雇用促進を担当する省庁として、労働省が人事院に国家公務員採用試験に点字試験を導入するように申し入れなり何なり、積極的な働きかけをしていただきたいということを大変強く思います。 御承知だと思いますけれども、視覚障害者雇用促進連絡会、これは一つの例ですけれども、例えばこういう関係団体からも、つまり視覚障害者の方たちですね、そういう方たちからも、国家公務員採用試験に点字試験を導入してほしい。政府諸機関や地方自治体が視覚障害者を積極的に雇用するように障害者採用制度などを設けるよう働きかけるとともに、国家公務員採用試験に点字試験を導入するように人事院に申し入れてくださいと、こういう要望もされているわけですね。人事院にもされているし労働省にもされている。ぜひとも労働省において、初めに申し上げましたように国家公務員試験に点字試験を採用する、その道を開いていくという、そういう働きかけを、申し入れを人事院にしていただけるようにお願いをしたいと思いますけれどもいかがでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) 労働省といたしましては、従来から視覚障害者を初め身体障害者の採用促進につきまして、各省の人事課長が集まります場でぜひ採用をしてくださいということでお願いをしてきておるわけでございます。 特にまた、人事院に対しましては、各機関が適格な視覚障害者の選考任用をやります場合、これは私どもの方の吉泉君も選考任用でございますが、そういう選考任用の方式で採用しようとする場合には、ぜひこれを人事院も積極的に認めてあげていただきたいというような要請をしてきておるわけでございます。 視覚障害者につきましては、これまであんま、はり、きゅう、こういう仕事に従事する方が非常に高い割合でございましたけれども、最近では、先ほどから例が出ておりますように、新しい仕事につく可能性、また、それを希望する障害者も出てきておるわけでございますので、私どもとしては、こういう公務員試験における点字受験につきましても、やはり人事院に対してその検討をぜひさらにまた要望をしていきたいともちろん考えております。 ただ、これ人事院の方もおっしゃっておりますが、重度障害者、視覚障害者を含めまして重度障害者の雇用というのは、これは中軽度の方とちょっと違いまして、単にそういう気持ちがあるとかぜひそうしてあげたい、雇いたいという気持ちだけではなかなか進まない。やはり特別な、そういう方でもできるような専門的な仕事というものを見つける、あるいはつくる、そういうように仕事をまた再構築する、こういうようなことも必要でございますし、そういう重度障害者の方が実際にその方の能力を発揮できるようないろんな補助具をとかそういったようなものも要るわけでございますので・そういう積極的な気持ちを具体化するためには、やはりそういう職域の開拓なり確保なりあるいはまた、今までの仕事をそういう方たちでもできるようにつくり変えるとか、そういう具体的な努力というものの積み重ねがございませんと、ただ雇っても本当にうまくやっていただける仕事がない、こういういろいろな問題があるものですから、そういう意味では私どもも人事院の方ともそういう仕事の開拓、あるいはまた仕事をどうやったらこういう私どもの吉泉君の例のようにうまく各省の職場などでも使っていけるのか、そういった技術的な面といいますか、ノーハウといいますか、そういったような面も、私どもの今回のこういう今やっております事例等もよく申し上げまして、人事院ともそういう面でのまた協力もしていきながら、こういう視覚障害者を初めとする重度の方の雇用促進をぜひ国レベルにおいても、人事院さんにもお願いをしていく、こんなことでいきたいと思っておるわけでございます。
○山中郁子君 後半で局長がおっしゃいましたことは私もそのとおりだと思います。さまざまな手当が必要なのは当然のことで、そういうハンディから出発するわけですから。しかし、なおかつそこが、雇用の拡大がされていかないと、それが先であって、そうしなければ、その上で初めて点字試験というものについて考えるのだというふうなことでは、これは私はやはりらちがあかない問題で、局長が初めにお考えを述べていただきましたように、やはり労働省として、所管の省庁として、人事院に点字試験の採用をやはり申し入れていただく、そして当然のことながらその後半の問題でさまざまな御協力をなすっていただくということになろうかと思います。 それで、ぜひ大臣にもこの点についてお願いします。つまり、何も国家公務員試験における点字試験だけの問題ではありません。たまたま私は今この問題をテーマにしておりますからそれで申し上げるのですけれども、そうした試験が開かれるということは、視覚障害者にとって、また別な場合には、いわゆる身体障害者にとって大きな希望を与えることになるわけで、ですからぜひとも、雇用促進はまさに労働省の所管の行政でございますので、その意味でも今局長が、人事院にも労働省としては申し入れる、あるいはまたその他具体的な問題についても協力をする。選考の範囲も、私もそれは選考採用の範囲で広げていくということも大事だと思います。そうしたことについて重ねて大臣からのお約束をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) 今人事院からも、それから局長からもお話を申し上げたのは、いろんな面で努力をしておるのだけれども、いろいろな問題点をもっと詰めたいという趣旨だろう、前向きのつもりでやっておるということだろうと思います。しかし、山中さんの言うように、全部おぜん立てができてしまってからならそれはやりやすいでしょうけれども、そればかりやっておっても遅くなっちゃいかぬ、だからやれるところからやったらどうかということで、労働省のやったような選考採用みたいなのを各省みんなお始めになるということも、これまたいいことだろうと思います。人事院とすれば、各省全般一律にわたって一斉にということになるといろいろまた心配も多いでしょうけれども、学校の先生に全盲といってもなかなかこれ難しいかもしれませんが、またそれは、労働省で今やっておるようないろいろな事務的な、机に向かってやられるような仕事などはこれまた各省お考えになってもできるところもあろうかと思いますね。 そういうようなことで、この選考採用などを含めて、そしてまた一般的な採用についても一段と研究してもらうように、私からもお願いをしておきます。
○山中郁子君 選考採用を膨らませていくというふうなことについてはもちろん結構で、進めていただきたい。私が最初から一つの焦点として申し上げているのは、公務員試験についての点字試験の道を闘いでほしい、これは人事院から先ほどいろいろ具体的なお話があって、なかなかすぐには難しいということだったので、私はあえて労働省に、人事院にそういうことについてのお申し入れをしていただきたい、それは関係者の皆さんもそういうことを労働省にも人事院にも申し入れていらっしゃるわけですから、そこはそことしてはっきりお約束をいただきたいということなんです。 先ほど局長の御答弁の中にはそのことがございましたけれども、そのほかいろいろわあっとこういうふうに、また今の大臣の御答弁みたいに広がっちゃうと、焦点がまたあいまいになってまいりますので、もう一度だけそのことについて局長から、さっき御回答の中にもありましたけれども、労働省としては、点字試験に道を開く、点字試験を行うということについて、労働省として人事院に——ほかのこともいろいろおっしゃるということはもうわかりましたから、そのことはわかりましたから、その点はもう一度御確認をいただきたいと思います。労働省の姿勢として。
○政府委員(加藤孝君) 先ほどから申し上げておりますように、こういう重度障害者の方につきましては、ただ雇ってください、あるいはまた雇う、それだけではいかぬわけでございまして、まさにそういう意味ではいろいろ職域の開発というものを図りながら、人事院におきましてもこういう試験を始めていただくことについてぜひ検討を進めていただくようにお願いをしたいと思います。
○山中郁子君 次の問題に入りますけれども、雇用促進という量的な拡大と同時に、障害者の労働条件の問題がございます。 それで一つは、もちろん労働省が、障害者だから賃金が安くても構わないというふうにはお考えになっていらっしゃらないとは、それは思います。しかし、実際問題として、最賃法第八条第一号「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」は最低賃金は適用しなくてよい、適用除外されているという、そういうことで、「低い者」ということで適用しなくてもいいし、適用除外がされているという現実があります。これは、ここで言う「労働能力の低い者」というのは、だれが低いというふうに判断するのでしょうか、現実に。ということが一つです。
○説明員(高橋伸治君) 心身障害者の最低賃金の適用除外の許可を行うに当たりましては、都道府県労働基準局長が実地調査などを行いまして、その障害の程度と作業の実態を把握いたしますとともに、同僚の労働者、あるいは必要に応じて養護学校などの関係施設の関係者、あるいは医師等の意見を聴取した上で判断をするということになっております。
○山中郁子君 そのいろんなケースは、今おっしゃったような手続でもって正確な判断ができるものではないということは一般的に言えると思うんですよね。また現に労働省自身も、障害者の能力や適職、能力開発あるいは適職開発という課題について言うならば、まだまだこれからだというふうにおっしゃっているし、位置づけているわけですね。だから労働能力が低いというふうにそう簡単に、安易に判定できないと思います。 それと同時に、最低賃金といいますと、五十八年の地域別最低賃金の全国平均で日額三千二百五十六円だと思います、私どもの調査では。そして、これをもし一カ月二十四日働くとしますと七万八千百四十四円になるんですよね。それから、二十一日働くとしますと六万八千三百七十六円です。ですから、フルに働いても——最低賃金でですよ、これだけの収入しか得られない。この最低賃金からまたさらに除外するということでしょう、適用除外するということだから、これよりもっと安いということになるわけですね。そうすると、障害者の完全参加と平等、国際障害者年の理念でもありまして、多く国会でも議論をされたことでありますし、また、実際に障害者の方たちも、自立し、そしてまた結婚もし、一人前の人間として働いていきたい、生きていきたいという、そういう積極的な社会参加、そういう権利もここで、まずこの賃金のところで閉ざされるという問題があるわけで、この所得水準の引き上げということが障害者の自立、完全参加と平等というその理念に近づく上でもどうしても外せない問題だというふうに思います。 これは、身体障害者雇用促進協会で出していらっしゃる「働く広場」という雑誌ですね、この中にいろいろ私どもも啓発される記事が出ているんですけれども、これは精神薄弱者の場合ですけれども、一つは、九時まで残業をやれば寝るのが十一時、十二時になる。起きるのが六時ごろだから、それが一日や二日でなくて毎日のことだから、それだけで体がきついというふうに訴えておられたり、あるいは、通勤寮はウサギ小屋だから、落ちつかないから、個室に入りたい、アパートに入りたい、だけど給料が、収入がそういうふうに安いから、とても自立ができない。結婚もしたいし、海外旅行もしたい。そういうふうな夢、それから人間として当たり前な希望と、それから自立する意欲を持って働いておられるわけです。 大臣にお伺いしますけれど、こういう夢、自立する意欲、やっぱり何とかして実現をさせてあげたいと私は思いますし、また、障害者であるからといって賃金に差別していいんだということにはならないと思いますけれども、その点のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(坂本三十次君) それは障害者であろうとなかろうと、能力に応じて賃金が支払わるべきことは当然でございましょう。しかし、いろいろ今までの社会的通念とか、職場の中でそういう理解のないようなところもそれはあったと思います。そういうふうなところはひとつ私どもできるだけ是正をしていかなければならぬと思っております。 そういう具体的な事例はいろいろございましょうけれども、これなども、労働省は全国に組織もありますからその辺をよく調べて、そしてやっぱり能力に応じて賃金をという原則確立のために、具体的に細かい点もいろいろ調査してみまして、そしてその原則に持っていくことが大事だと思っています。
○山中郁子君 最低、先ほど申し上げました最低賃金制からの適用除外ですね、この問題については再検討していただきたい。また、再検討するということについては十分国民的な合意が得られる問題だと私は考えます。それは国際障害者年を経て世界的な流れとしても、また、日本の国の中における問題にしても、私はそういう時期に来ているのではないかと思いますが、関係審議会に問題 提起されて相談されるなど、この適用除外を廃止していく、このことを前向きで検討される用意はお持ちにならないでしょうか。ぜひともその積極的な御答弁をいただきたいところでございますが。
○説明員(高橋伸治君) 最低賃金は、心身障害者を含むすべての労働者に適用されることが原則でございまして、労働能力が著しく低い心身障害者につきましては、その雇用の機会を確保するという観点から適用除外制度が設けられているところでございます。 したがいまして、この許可は単に心身障害者であるという理由で行うのではなくて、その障害が業務の遂行に直接支障を与えることが明白である場合に限って行われるものでこざいまして、この制度の運用につきましては、中央最低賃金審議会にお諮りして決められました許可基準に基づきまして、心身障害者の保護に欠けることがないよう、慎重な運営を期しているところでこざいまして、今後ともこの制度の趣旨に十分配慮して運用に当たってまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 私が申し上げましたのは、そういう御答弁をいただきたかったわけじゃなくて、「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」ということで適用除外の項目になっているわけですね。ですから、精神並びに身体の障害ということを理由にした適用除外ということは、今後これをなくしていくという方向で前向きに検討していただく時期がそろそろ来ているんじゃないか。そういうことならば、障害者の皆さんの期待は当然のことではありますけれども、国民の合意も得られるに違いない。それでまた、ここでいろいろ紹介されている中で指導員の方たちなんかも言っていらっしやいますけれども、障害があるということで働いている方でもケース・バイ・ケースでいろいろあるけれども、むしろ健常者よりもまじめに一生懸命働いている例というのは決して少なくないということが指導員の方たちやなんかのお話で紹介もされているわけです。 ですから、私の趣旨は、この障害者を適用除外にするという項目をなくしていく方向で積極的に検討していただけないものだろうか、そういう時期に来ているのではないかという提起をさせていただいておりますので、そういう観点で大臣のお考えが例えれば幸いでございます。——大臣に。
○説明員(高橋伸治君) 五十八年について申し上げますと、例えば申請三千四十六に対しまして百五十五人の不許可をした、この三千四十六といいますのも正式に申請が上がってきた数字でございまして、その前の段階で、監督署で相談等を行って、これでは許可にならないということで申請をしなかった例もかなりございます。こういうような慎重な運用をやっているところでこざいまして、適用除外制度をもし廃止するというようなことになりますと、心身障害者の雇用の場を狭めるということにもなろうかと思いますので、現在の制度についての慎重適切な運用を図ってまいりたい、このように考えております。
○山中郁子君 時間がそろそろありませんので、もう一点最後にお尋ねをしますので、それに対する御答弁と、あわせて、ただいまの問題について大臣の御答弁を一緒にいただきたいと存じます。 もう一つの問題と申しますのは、労働条件の二つ目の問題として、雇用形態の問題です。けさほど来から議論になっております雇用率なんですけれども、労働省の調査によりましても、産業別に見ますと民間企業の雇用状況で卸売・小売業が一番悪いのですが、次に悪いのが金融・保険、不動産業ということになっているんですね。それで、雇用率は一・〇二%で雇用率からいえば二番目に悪いのですが、未達成企業の割合からいいますと六九%ということで、これは一番悪いんです、金融機関、銀行やなんかですね。金融業界の場合ですと、特に今、未達成企業の割合が高いということを申しましたけれども、雇用率自体も悪いです。身体障害者雇用促進協会の副会長は小山五郎さんという方で、三井銀行の相談役の方が一人当たっていらっしゃるわけですね。私は、そういう点からいきましても、金融業等で特に雇用を促進するように労働省としても指導を強化していただきたいということが一つでございますけれども、特に気がつくことは、単に雇用率が悪いということだけではなくて、雇用形態にやはり問題があるというふうに考えられるんです。銀行では、電話交換手やマッサージ師やキーパンチャーなど障害者の方を採用されているわけですけれども、雇用形態を嘱託ということにして、そして一年契約でもって、場合によったらそれを転がしていくという、こういうやり方をしているケースが少なくないんです。これは不安定雇用ですね。だから、いわゆる雇用率達成のためにということでそれを稼ぐために雇うけれども、それは一年契約でもって不安定雇用の嘱託ということにしておく。もちろん全部が全部がどうかということは、私も全部を調査をしているわけではありませんけれども、少なからずそういう実態があるということは確かです。 ですから、私はこういう点についても一度ぜひ労働省としても調査もしていただいて、それで指導を強めていただきたい。このことについて最後にお尋ねをするわけですが、御答弁いただくときに、あわせて先ほどの問題について大臣の御見解も一緒にお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) 銀行の関係のお話でございますが、雇用率の対象になっておりますのは、常時雇用される労働者ということでございますので、これがいわゆる常用雇用労働者の形でなければ雇用率の対象ということにならないということでございます。そして、嘱託という、そういう名称でございましても、それが常時雇用労働者として扱われているかどうか、名称というよりはやはり実態によって判断されるものだと、こう考えるわけでございまして、もし、今御指摘のようなそういう事例があるということでございますれば、具体的な御指摘を受けて、その事例につきまして私どもも実態を把握したいと思います。 それからまた、重度障害者の雇用機会を何とか確保していくという観点からいたしますと、先ほど賃金福祉部長が申しておりますように、この最賃の適用除外制というものを厳格にその目的に沿って運用していくという形の中で、やはりこの制度というものは残しておかないと問題があるのではないだろうか。やはり一般の方に比べまして、特に入職当時においては一般の方と相当に能力も違うというような面もございますので、そういう方を何とか雇用の場につけていくということを最小限確保するために、そういう最賃制度を厳格な適用をする中でやはりそういう制度は必要ではないだろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。
○山中郁子君 それでは、最賃制の問題はまた別な、しかるべき機会に議論をしたいと思います。 銀行のその実態についてはぜひ御調査をいただきたいということで、よろしゅうございますね。 終わります。
○藤井恒男君 この諸外国の障害者対策という資料をいただいて、見てみたんですが、西ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、スウェーデン、アメリカ、こういった欧米先進国では、対象となる障害者の範囲に、身体障害だけでなくて精神障害も加えられておるわけです。 それで、我が国の場合いささか異なるわけでございますが、この点について、どういったことによるものか。あるいは、押しなべて欧米では精神障害者も加えておるわけでございますから、将来の展望として、我が国においてもこういった方向をたどる方がいいのかどうか。あるいは我が国の場合にはそれがぐあいが悪いのか。こういった点について御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(加藤孝君) 今御指摘がございましたように、確かに西ドイツの場合も「心身障害者」ということ、あるいはイギリスの場合も「身体的、精神的損傷のある者で、」と、こういう言い方等、こういう精神的障害のある方を雇用対象にしておるというのは比較的一般的でございます。 日本の場合について申し上げますと、実際に安定所に求職申し込みをされる方につきましては、この精神障害者につきましても身体障害者と同様に職業相談とか紹介、こういうものはしておりますし、また、心身障害者職業センターというところでいろいろ相談とか能力判定とか適職判定とか、こういうのもいたしておりますが、そういったところでもまた対象にしておるわけでございます。 ただ、問題は、この身体障害者雇用促進法の対象に含めるかどうか、こういう問題につきましては、身体障害者雇用審議会の意見書におきまして、一つは、どの程度の医学的管理が必要であるかについて、必ずしもまだ明確でないということ、あるいはまた、社会生活の指導面におきまして特別の配慮が必要とされるということ、それから三番目といたしまして、プライバシーの問題があることと、こういうような問題が指摘をされておるわけでございまして、やはりこういったような問題についてのいろんな配慮、対応の仕方等を総合的に考えながらやはり検討していかなきゃならぬ、こういうことでおるわけでございます。 それで、外国の場合も、例えばイギリスの場合もこういう精神障害者を入れておりますが、最近におきましては、やはりこのプライバシーの問題ということが大変大きな問題になりまして、やはり身体障害者雇用促進法そのものをプライバシーを傷つけるという観点でもう廃止すべきだというところまで厳しくいきまして、政府もそういうところまでいきかかったんですが、今度は障害者の団体の方から、それはまたぐあいが悪いというふうな形で、大変プライバシー問題をめぐりまして、人権という関係でもめておるような面もございまして、精神障害者の問題につきましては、まだいろいろこう揺れておるような面もないわけではございません。 日本の場合も、率直に申しまして、やはり精神障害者の調査の問題でもなかなか調査を受けるとか受けないとかいうことが、人権絡みでやはりいろいろ問題になっておりまして、こういう雇用率というような形でのいろいろ問題というのは、なかなかまだ慎重に検討しなきゃならぬような問題もあるような事情にあると、こんなふうに考えておるわけでございます。
○藤井恒男君 今のこのプライバシーとの関係もあるわけだけど、厚生省、この精神薄弱者の員数ですね、これは宇都宮病院の問題などでもいろいろ今までも論議されてきたわけだけど、現在把握しているのはどういった状況になっていますか。
○政府委員(吉原健二君) 精神薄弱児・者の数でございますけれども、少し時点が古くなるわけでございますけれども、昭和四十六年の全国実態調査の数字しか現在の時点では把握しておりませんで、その四十六年の調査によりますと、総数で、子供、大人合わせまして三十五万六千三百人。これを年齢別に、十八歳未満と十八歳以上で分けて申し上げますと、十八歳未満が十四万一千人、十八歳以上が十七万人ということになっておりますし、在宅と施設に入っている人を分けて申し上げますと、在宅の方が三十一万二千人、施設に入っておられる方が四万三千人という状況でございます。
○藤井恒男君 この四十六年のときの調査ですね、三十五万六千何がしという数字、しかもそれは十八歳未満、十八歳以上、あるいは在宅、施設というふうに細かく分類してデータが出ているわけだけど、このとき、今お話しのあったようなプライバシーの問題とか、そういったようなことがやはり社会的にいろいろ問題になったんでしょうか。
○政府委員(吉原健二君) 精神薄弱児・者の実態調査に当たりましては、今御指摘のプライバシーの問題がいつも大きな問題になるわけでございますが、四十六年それからその前の四十一年の調査におきましては、一応調査として意味のある結果が得られたわけでございます。 その後、藤井先生も御案内かと思いますが、昭和五十年にやはり全国実態調査をやりたいということで計画をして、都道府県にも協力をお願いしたわけでございますけれども、昭和五十年のときの実態調査につきましては、まあいろいろ問題がございましたけれども、やはり何といいましてもプライバシーの問題等が一つ大きな問題になりまして、地方公共団体なりあるいは一部の関係者に強い反対が出てまいりましたので、実は調査として意味のあるまとめができなかったというような状況があるわけでございます。
○藤井恒男君 これは実態面の調査が行われて十三年経過しておるわけだし、障害者年というものも経験したし、また、今こうやって法律も改正されようとしている。私は、この昨今の状況を見ると、障害者年を契機にして国民の身障者に対する物の見方というのが随分変わってきたんじゃないかというふうに思っているわけです。したがって、プライバシーという問題が常にあるわけではございますが、既に調査した時点から十三年経過しているわけなんだから、その十三年前の資料しかないわけなんでね、実際。それでもってああやれこうやれといって一生懸命やっておるわけなんだから、調べようと思ったらプライバシーだと。これはちょっと私はおかしい。だから、時代も変わってきているわけだから、これはやっぱりマスコミとか国民の一部におもねるのじゃなく、私はぴしゃっとやったらいいと思う。それはよかれとしてやることなんであって、余りこれは遠慮していてはまさに的を射ていないというふうに私は思う。 そういった点で、これはまた厚生省の時間帯もあるわけだけど、せっかくお見えたから一度厚生省としてのお考えもお聞きしたいし、労働省としても、大臣、一度この辺のところを思い切って考えてみるというお考えがあるのかないのか。この辺、お互いにお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(吉原健二君) まず、厚生省としての考え方を申し上げますと、今御指摘のございましたように、やはり行政というものを進めるに当たっては、常にできるだけ新しい時点でのデータ、資料をもとにしてやっていくということが大変大切だと思いますし、そういった観点から、私どもとしても精神薄弱者の対策をこれから進めるに当たりまして、数の問題を初めとして一体どんな生活をしておられるか、収入、所得の状況、あるいは場合によっては就労、就業の状況、そういったものも把握した上でやるべきである、やりたいという気持ちは持っているわけでございます。 ただ、五十年の調査のときに、先ほど申し上げましたように、大変強い反対がこざいまして、御理解、御協力が得られなかったというようなことがあったものですから、その後、同じような形での実態調査はやっていないのでありますけれども、実は昭和五十六年でございますが、実態調査にかわるものといたしまして、心身障害児・者のニード調査というものをやっておりまして、四十六年までの全国実態調査とは必ずしも内容的に同じものではございませんが、現に精神薄弱者でいらっしゃる方のいろんなニードというものを調べているわけでございます。 そういったものをもとに現在まで精薄対策、主として福祉対策を中心に私ども進めているわけでございますけれども、今御指摘のございましたように、私どももやはり全国実態調査というものを、できるだけ関係者の御理解をさらに得るように努力をいたしまして、できればやりたいという気持ちはあるわけでございます。
○政府委員(加藤孝君) 労働省の方も、実はこの精神薄弱者の雇用促進という観点から、特にこの団体、あるいはまた国会でも雇用率という問題をしばしば提起をされており、私どもも検討を進めていくことにしておるわけですが、率直に申しまして、やはり雇用率というのは数字でございます。そういう数字を議論する場合に、精薄の方で就業を希望する方がどのぐらいおられるのか、あるいはまた、現在とのぐらいおられてそのうちのどのぐらいが就業を希望しておられるのかというようなものをちゃんとつかみませんと、なかなかそういう率というような問題になりにくい。それからまた、そういう方を雇用するということで仮に義務づけをしていきます場合に、この方が精薄の方であるという、やはり何といいますか、療育手帳とか、そういう何かないと、その辺がはっきりしないというような技術的な問題等も絡んでまいりますので、やはり私どももこの実態についてはできるだけ知りたい、こう思っておるわけでございまして、その点については実は精薄団体の皆さん方とも私どもしばしば話し合いをいたしております。いたしておりますが、やはりまだそういった面については団体の中に意見がいろいろあるようでございまして、画一的にその辺の調査というものをきれいにやるというわけにはまだいかないような状況にあるわけでございます。 しかし、私ども、はっきり精神薄弱者であってぜひ就職をしたいという形でおいでになります方につきましては、現在、安定所におきましてはっきり七万八百人ぐらいの方を登録いたしております。そしてまた、そのうちの求職者として四千四百名の方が現におられます。また、はっきり精薄者ということで就業中の方が六万三千ほどおいでになるわけでこざいまして、そういう意味におきましては、その限度においては私どもも把握をしておる。また、そういう求職登録されたり就業しておられる方を通じまして精薄者の雇用問題についてはいろいろ検討はさせていただいておる、こういうことでございます。
○藤井恒男君 厚生省、結構です。 私は、実は前回も申し上げたかとも思うけど、身障者の施設を見にいったときに、施設の医師の方だとかあるいは施設長の皆さんがおっしゃるのには、例えば脳性麻痺になる、これは身障者ですね。車いすで、言葉も不自由である。やっぱりある年限がたってくるとどんどん合併した形になって、身障者と軽度のいわゆる精薄者と見境がつかなくなるということを言っておられるんですよ。だから、本当は施設自体もこれは違うわけでしょう。だから、その雇用の面も違うし、非常にこれは微妙なところだと私は思う。だから、そういう意味からすれば、今のお話によれば、イギリスあたりではプライバシーの問題で現在の雇用法というものに対していろいろな問題が起きているとは言われるわけだけど、私はやはり身障者に限定せずに、精薄の方たちも含めたいわゆる心身障害者の雇用促進法というようなものを合併した形で制定するという方がいいんじゃないかという気がするんです。 それをやるにつけても、あなたは身障者団体あるいは精薄の方たちの団体の中からいろんな意見があるんだというふうにおっしゃったけど、しかし、これはやはり行政当局として粘り強く話し合いを続けて実態を把握しなければ、義務づけるだとかなんとか言ったって、これは基礎のない話をしておるわけでしょう。おかしな話なんだよね。数字があるのかと言ったら、いや、ないんです。何をもってやっているんだと言ったら、十三年前の数字です。これではいささか権威がない。だから、私はこの辺はもうちょっと真剣に団体とも話し合って、この実態を把握して、それに基づいて対策を立てていくということをすべきだと思うわけなんだけど、いかがなものでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) 精神薄弱者の方々は、実数がどのくらいかという話につきましては、これは厚生省の方の調査でございますが、先ほど私が申し上げました数字はこれは五十八年の数字を申し上げたわけで、これは安定所に現在登録をされ、あるいは求職をしておられる、あるいは就業をしておられる方と、こういうことでございまして、今御指摘のように、それじゃそもそも日本では今精薄の方がどのぐらいおられるのかというその辺のデータというのは私どもはぜひ欲しい話でございます。また、それを調査するに当たりまして、こういうプライバシーなんかを侵害しないような何かうまい調査方法といいますか、そういったものもやはり考えていかなきゃならぬということで、精薄団体の皆さん方とも、私どもも、六十一年を目がけまして精薄の雇用率問題の検討もいろいろ進めていかなければならぬ状態もございますので、そういう検討を進める中で、また精薄団体との話し合いもよく進めていきたいと思っております。
○藤井恒男君 ぜひそれはひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 それから、職業紹介の問題だけど、障害者の登録は私の知る範囲ではふえているわけなんだけど、一方、障害者の求職登録者数は一割にも満たない。この辺のことについてどういうふうに判断しておられるのか。また、一番近い年次における数字もちょっとお知らせいただきたいと思うんです。
○政府委員(加藤孝君) 昭和五十五年の厚生省調査によりますと、十八歳以上の身体障害者が百九十七万人ということになっておりまして、その時点におきます安定所への求職登録者は十九万一千と、こういうことでございまして、身体障害者全体の九・七%しか求職登録をされていない、こういう状況にございます。ただ、五十八年になりますと、安定所に登録しておられる方が二十三万ということで、一応身障者全体に占める割合も一一・八%と、こんなようなところまで上がってきておりますが、やはりその率はまだ低いという問題がございます。 この辺の原因でございますが、一つには、病気あるいは寝たきりのような重度の障害の方、あるいは高齢のために就職が不可能な方という方がやはり相当にたくさんおいでになるということが、この求職者と障害者の率がこんなに数字が食い違っておる一つでございます。それからまた、家事に従事する方、それからまた、安定所を通じなくて就職したり、それから例えば全盲の方でございますと、いわゆるあんま、はり、きゅうなど、そういう自営という形でずっとおられるというような方等がございます。 そんなようなことがこの身体障害者の数と求職登録者数との乖離が一割ぐらいというような状態になっておる原因でございます。
○藤井恒男君 おっしゃる点もわかるわけだけど、とりわけ内部障害と視覚障害というのは著しく低いわけでしょう。やっぱりこれはいろいろ就職の難しさというものもあろうかとは思うんだけど、この辺のところをどのように工夫しておられるか。これは今おっしゃった五十八年で一一・八%、五十五年で九・七%と言われたけど、五十五年の例で見ると、内部障害は二・一%、視覚障害は四・七%でしょう。だから、もう率にすれば極めて低いことになるわけなんで、この辺はどういうことになっているのか。また、どういう対策を講じているのか。どうでしょう。
○政府委員(加藤孝君) 御指摘のように、確かに視覚障害者あるいは内部障害者につきましては求職登録の割合が非常に低いわけでございます。視覚障害者につきましては、一つには、就職の困難な重度の障害の方の割合が高いということが基本に一つございまして、それに加えまして、これらの方が伝統的な仕事でございますあんま、マッサージ、はり、きゅうというようなものに従事される、いわゆる自営的な形の方が多いというようなことで、視覚障害者の就業しておられる方の四割が実はこういう伝統的な仕事であるというような事情等もございまして、一般雇用の形での就職希望者が非常に少ないということが一つございます。 それから内部障害者、これは、心臓とか腎臓あるいは呼吸器の機能障害者、こういう内部障害者の方につきましては、一般的に言いますと、初めからそうであるのではなくて、就職をいたしましてずっと仕事を続けている間にこういう腎臓とか心臓とか呼吸器障害、こういうふうになられる障害者の方が多い。こういう関係で、中程度ぐらいまでの方でございますと結局今までの職場にずっとおられるので、それが新しく求職者という形で出る割合が少ない。それから重度の場合には、これは一般雇用につくことはもう困難ということで自宅におられる、こんなような関係がございまして内部障害者についても求職登録者が少ない、こういうふうに見ておるわけでございます。 こういう方々につきまして、特に視覚障害者の方につきましては、福祉事務所あるいは身体障害者更生援護施設あるいは養護学校、こういう関係機関と、今、心身障害者社会復帰連絡会議というものを持っておりまして、そういうようなところを通じましてこの就職希望の視覚障害者の把握、こういうものに努めまして、求職登録の促進に努めておるわけでございます。また、こういう求職登録を行った方々につきまして、今私どもがこういう重度の障害者、特に視覚障害者も大変重度の障害者ということでございまして、こういう方につきましての対策を、まさに最も重点的な対象ということで、今鋭意そのためのいろんなノーハウも開拓しながら進めていくということでやっておるわけでございます。例えば、去年から始めております第三セクター方式による重度障害者の雇用の促進のための事業所づくりというようなものもその対策の一つでございます。
○藤井恒男君 登録件数の面で見ると今言ったようなことだけど、現実に労働省から出している公共職業安定所における職業紹介状況という一覧表を見ても、新規求職申し込み件数というのは逐年ふえていますな、ずっと。現実に就職件数というのは、パーセンテージで見るとどんどんこれは減っているわけだ。だから、五十三年が五〇・四%、五十四年が五四・五%、これは少し上がってきたんだけど、五十六年になると五一%、五十七年は四五%と、半数を割ってきておるわけですね。これは、一生懸命努力しておられる、私らもテレビで重度の方たちの職場紹介というようなものなども見たこともあるし、一生懸命頑張っておられるんだなと思う割に、統計的に見ると非常にはかばかしくないという状況で、これも難しいことなのかなというふうに思うんだけど、御努力のほどはよくよくわかるわけだけど。もう一つ何か手を打てないものか。 一つの方法として、これは私現に見てきたんだけど、会社の名前を言うのはいかがかと思って遠慮しますが、東京からそんなに遠くないところのアパレルのメーカーで、ほとんどの方が身障者。だから、ミシンも全部特殊につくりかえて、それから検反場所だとか搬送だとか、裁断も全部つくりかえて身障者がやっていらっしゃる。非常に私感心して見てきたんだけど、これは今に始まったことじゃないんですよ。もう何年も前からなんだ。 だから、こういったすばらしいところもあるわけなんで、ああいったところをもっと顕彰する、そして世に広めるというようなことをやっておられるのか。また、どういうふうに今後していこうとされるのか。その辺のこともちょっと聞かせていただきたいと思うんです。
○政府委員(加藤孝君) 御指摘のように、最近、身障者の就職の実数がなかなか伸びないという点について、私どももこの問題については非常に重大な問題として取り組んでおるわけでございますが、その原因といたしまして、窓口で悩みを、理由をいろいろ聞きますと、求職しておられる身体障害者の方々がやはり重度化しておるということ。それから先ほど先生もおっしゃいました、重度の障害が重複してきておる、重複化といいますか、そういったような問題もある。それからまた、高齢化が進んできておる、こんなようなことが窓口でいろいろ出てきておるわけでございます。 それからまた、障害者の方の中にも、特定の職場、あるいは特定の職務だけを強く希望されて、そういうところでなければ行かないというような形での固執をされるというような傾向も一つあるようでございます。それからまた、このところ景気の低迷が続いております中で、労働力の需給の関係が緩和基調にあるというようなことなどを受けまして、なかなか新規採用の面で就職が思うようにはかばかしく進んでいない、こんなような事情にあるわけでございます。 今先生がおっしゃいましたように、実は、そういう障害者の方々、特に重度の方々を、新しい職場をレイアウトいたしまして作業を進めるというようなことをいろいろ試みておられるというところもあるわけでございまして、そういうところに対しましては、私どもも納付金を使ってのいろんな助成等々、いろいろ援護の促進に努めておるわけでございますし、また、そういう事業所などは毎年九月にやっております全国心身障害者雇用促進月間、こういうものを通じまして、広く労働大臣表彰というような形での優良事業所表彰、あるいはまた優良心身障害者表彰、こういったものもやってPRをする、あるいはまた、そういうようなところの具体的な例というものを身障関係の機関の雑誌等で広く普及していくというようなことでの努力は懸命に努めておるつもりでございますし、また、まさにそういうようにこれからも進めていかなきゃならぬ、こう思っておるところでございます。
○藤井恒男君 非常にそういった面で地味に社会のために奉仕している企業もあるわけなんだから、その辺のところはやはり広く世に顕彰すべきだというふうに私は思います。その点もひとつ努めていただきたいと思うわけです。 それから、行管庁の方お見えになっていますね。——お聞きしますが、今回の法改正、行革絡みのものなんだけど、この行革という観点から今度の改正はどういった効果が期待できるのか。例えば組織あるいは要員の削減などですね。また、臨調答申で労働省関係の改革案については、今回の法改正にかかわるものだけじゃない、全体的に見て、行管庁から見て労働省の行革への取り組みというものをどういうふうに評価しておられるか、お聞きしておきたいと思います。
○説明員(新野博君) お尋ねの件につきまして、二点でございますが、お答え申し上げます。 まず、労働省の行政改革についてでございますが、ことしの一月二十五日に定めました閣議決定に基づきまして、既にその一部は昨年の第百回国会で法律等が通ったことを根拠としてできるものもございますけれども、まず、組織問題について申し上げますと、一つは内部部局の再編がございます。これにつきましては、御承知のように、高齢者社会への移行等に伴って総合的な労働行政を展開していく必要があるということで、婦人局、職業能力開発局、大臣官房政策調査部の設置等を内部の組織再編という格好でやることにいたしておりまして、この七月一日施行を予定して組織令の改正でいくことになっております。また、あわせて課等の整理再編ということで、九つの課について再編削減等を図ることといたしております。 あわせまして、出先の問題に入りますが、出先につきましては、公共企業体等労働委員会事務局沖縄支局につきまして、同九州支局と五十九年度に統合するという内容がございます。あわせまして、都道府県の労働基準局及び婦人少年室につきましては両者を統合いたしますとともに、別途御提案申し上げております地方事務官制度の廃止に伴います法改正に伴いまして都道府県に労働局を設置するということで出先の統合を図ることといたしております。また、労働基準監督署、公共職業安定所及び出張所等につきましても、それぞれ五カ年計画でその整理統合を進めることといたしております。 また、それ以外にも、特殊法人につきましては、御提案申し上げておりますような、身体障害者雇用促進法の一部改正法案ということで、雇用促進事業団が行っております雇用納付金関係業務について、これを身体障害者雇用促進協会に全面的に移管するという内容の改正を行うこととしております。 それで、この法改正に伴います合理化につきましては、当然のことながら、事業団で納付金関係業務を所掌しております部門の機構、定員等が簡素化されるわけでございますが、それとともに事業団と協会との間で従来重複して行っておった業務が一本化されるということによる事務運営の合理化面もあろうかと思います。ただ、この点につきましては、六十年四月一日施行を予定いたしておりますので、実際には来年度の予算編成過程の中で具体的な議論が行われることになろうかと思っております。 以上でございまして、それぞれ労働省につきましても臨調答申に沿った改革が鋭意進められているというふうに行政管理庁の方では考えておる次第でございます。
○藤井恒男君 どうもありがとうございました。行管庁結構です。 そうしたら、労働省の場合だけど、今お触れになったように、雇用促進事業団の一部業務を身障者雇用促進協会に移管するわけだから、重複した業務はもちろん、それは減っていくだろうけど、当然これ人も減らすということになっていくわけですか。労働省としてどうでしょう。
○政府委員(加藤孝君) この関係につきましては、具体的に第六次定員削減計画というものがこういう特殊法人にもかぶってきておるわけでございまして、既に四十三年度から減らしてきておりまして、既に七百七十七名の雇用促進事業団の削減をやっておるわけでございまして、昭和五十九年度には五十三名というものを削減すると、こうなっておるわけでございます。それで、この業務の関係がなくなるということに関連いたしまして、当然またそれも六十年度にはさらに減ると、こういうことになるわけでございます。 ただ、身障協会の方におきまして、その業務が移管されるわけでございますので、そちらの方でのやはり逆にそういう業務の関係の人を増員していく、こういう問題は生ずるわけでございますが、業務が重複をしております点が今度省かれて一元化されると、こういう中で、そういう人員の面でもさらに可能な数は削減できていると、こういうふうに見ているわけでございます。
○藤井恒男君 これで終わりますが、最後に大臣に。 先ほどお話しがあったことですが、一部非常にまじめに身障者の雇用に関して企業のある程度の犠牲を払ってでも取り組んでいるところが現にあるわけです。また、企業によっては、かたくなにもう全く受けつけないという企業もこれ現にあるわけです。これは省内で一度調べてこらんになったらおわかりだと思う。全然だめと、一切受けつけぬというところもこれは現にあるわけなんです。だから、そういったところの信賞必罰——言葉は適切じゃないけれども、まじめにやっておるところはやっぱり顕彰する、かたくなに、おれのところは関係ないんだというところは、これはまた世に問うてみるというようなことがあっていいんじゃないか。これははったりじゃありませんよ。省内で聞いてごらんなさい、これは現実にあるわけなんだから。その辺のところは、いいところはいい、悪いところは悪い、明確にするようなことを、早急にとは言いませんが、一度お考えいただきたいと思うんです。いかがでしょう。
○国務大臣(坂本三十次君) そんな頑固なところがあるとは余り私も聞いておりませんけれども、しかし、そういうことがあったらいけませんから、それは、いいことは褒める、悪いことをしているところは厳重に、公表制度その他いろいろな制度があるわけですから、これを利用して、そういう頑固なところにはやっぱり厳重にこれは指導をいたしていきます。
○藤井恒男君 終わります。
○下村泰君 私のころにはいつも大臣も局長も疲労こんぱいのていという感じで、もう質問しないでやめちゃおうかなと思うこともあるんですけれども、そうもいきませんので、もうちょっとがまんしてください。 今藤井先生からもちょっとお話がございましたが、事実企業の中にはひどいのもあります。今は亡くなりました伴淳三郎、それからまだ死にませんが森繁久弥、こういう人たちと一緒にあゆみの箱の運動を始めまして、ちょうど四十八年のオイルショック以後でございましたけれども、あゆみの箱のチャリティーショーの東京の中央大会を行うに際してそれぞれの企業に御喜捨をお願いに行ったことがございますが、その当時でも、あなた方のようなところへ幾らかでも銭を渡すということはどぶへ捨てるようなものだとはっきり言われました。企業の名前はわかっておりますが、この際は申し上げません。そういうようなところもあります。 それから、先ほどから承っておりますると、精薄それから身体、両方を心身障害者と申し上げた方がよろしいんでしょうけれども、こういう方たちの実数というのは実際につかみきれないんです。私もそれは十分にわかっていて厚生省のところでも質問しておるんです。 と申しますのは、私どもが日本全国へ参ります、北は北海道から南は沖縄まで。大体東京と旭川、札幌ですね、それから福岡、沖縄の那覇、この大都市を大体つなぐ線でチャリティーショーを行う場合、身体障害者の方々をお招きします。そうするとほとんど出席してくださいます。ところが、同じ名古屋でやりましても、名古屋からちょっと外れた三重県下へ行きますと、そこだけぼこっと空席になるんです。中央から外れた県などへ参りますと、必ずと言っていいくらいお招きをしたいすのところがぼこっと空席になるんです。せっかくお招きして、こうして私たちもあなた方のためにと言うとちょっとおこがましいかもしれませんけれども、こういう運動をしているんですよということをわかってほしいという気持ちで我々は御招待している。ところが、親御さんの方はそうじゃないんですね。今さらうちの子供を見世物にしたくない、世間のさらし物にしたくない、これがほとんどですな。 ですから、そういう観念がそういうお子さんを持った親御さんたちに瞬間的に出てくるというような今までの教育の仕方ですな。それから、そういう方たちに接している一般の方々の奇異の目といいますかね、珍しいものを見るような、あるいは動物園へ行ってパンダを見るような、こんな温かい目じゃないですから、みんな。こういう目で見られることが、だんだんだんだんそういう方たちを小さいところへ暗いところへ押し込んでいるわけですね。 ですから、僕はいつも言っているんですけれども、一般国民全部が振り返らない福祉という言葉があるんですね。大抵どなたでも振り返るんですよ、道を歩いていて。例えば車いすに乗っている人にでもそうです。ちょっと自分より形の変わった人間が歩いていると、思わず見世物を見るような、珍しいものを見るような顔をして見る。見られる方はたまったものじゃない。この振り返らないという心が国民全部に行き渡ったときに、初めて振り返らない福祉というのが出てくるわけです。そういう心が全国民に浸透した場合には、こんな問題がここで討論されることは私は恐らくなくなると思いますよ。 藤井先生のお話から付随しまして、そういうような企業もある、それからまだまだそういったことで実態がつかみ切れない、これが二十二年間あゆみの箱という運動をやってきて私が体験したことなんです。ですから、厚生省に実態をつかんでどうのこうのとそんな無理は言いません、私は。表面へ出てきたもので結構です。しかし、それにはやっぱり手厚い行政をしてほしいと思います。 そこで、本案に関係することでございますけれども、「ゼンコロ」という、こういう機関誌がございますけれども、コロニーの全部の団体でございますけれども、この中に、日本がILO九十九号勧告の補足について、これ、今調査室に伺いましたら、一九五五年第三十八総会ILO九十九号勧告、「身体障害者の職業更生に関する勧告」というのだそうでございます。このときに、各国の意見を徴したときに、日本政府もこれに賛成の態度を表している、こういうふうに聞いております。そうすると、このときにこういう賛成の意を表していたんですから、今回のILO百五十九号条約、「職業リハビリテーション及び雇用(心身障害者)に関する条約」、当然これは採択されたんですけれども、労働省としてはどういうふうに受けとめ、どういうふうな態度で臨むのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(加藤孝君) ILOの勧告でございまして、日本もその趣旨に賛成をいたしておるわけ のものでございます。全体の考え方、流れというようなことについて日本も賛成ということでございますが、ただ、ここで「保護雇用」という問題に触れておりますが、この点につきましては、身体障害者雇用審議会の意見におきましては、そういう保護雇用ということで何か特別に隔離してどうこうと、こういうような考え方よりは、今後いわゆるノーマライゼーションという理念というような考え方の中で、重度障害者も一般の健常者と一緒に仕事をし、一般雇用の場につける、こういう方向で行くことが望ましい、こういうような方向が出ております。そういった点について、勧告の具体的な中身の中では若干考え方を異にする問題もございます。 それからまた、このILO条約でございますが、この条約の考え方というものは、これはすべての障害者に対しまして雇用機会あるいは待遇の均等を確保していく、そして障害者の地域社会への統合を促進する、こういうことを目的とするものでございまして、我が国においても障害者の雇用対策を推進していく上で貴重な指針になるものである、こう理解をいたしておるわけでございます。ただ、具体的な内容につきましては、すべての障害者、こういうところにつきまして、日本の場合にまだ、先ほどからいろいろ御議論のございます精神薄弱者の問題あるいはまた精神障害者の問題等々の問題がございまして、条約の批准ということになりますと、なお詳細にひとつ検討を要する問題が残っておる、こういうような考え方でこれらの勧告や条約を今見ておるという現状でございます。
○下村泰君 そうすると、今すぐその条約に対して対応しようというわけじゃございませんね。
○政府委員(加藤孝君) 基本的には、こういうILO条約など日本もできる限り批准をしていく、こういう方向でやはり検討を進めていくべきものであろう、こういう考え方を持っております。その場合に、国内法との関係で問題がある点については、やはりそれなりに、条約に抵触しないように直していかなきゃならぬ。また、そう直すことが、国内法上そういうふうにすることにまたいろいろ問題がないかどうか、こういった問題がございますので、そういった面での検討をやはり進めながら行く必要がある、こういうふうに思っております。
○下村泰君 それは、国によってそれぞれの事情が違いますから、そう簡単にはいかないと思いますけれども、ただ、このILOの方にも、第一条の四項の中に、この条約の規定は「すべての種類の心身障害者について適用する。」、この「心身障害者」というのは、今局長みずからがおっしゃった精薄も入りましょうし、精神異常も入ると思います。 そこで、労働省は、現在精神薄弱者についてどのような施策を講じていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせください。
○政府委員(加藤孝君) 現在、身体障害者雇用促進法におきまして、雇用率制度と雇用納付金制度の対象とはいたしておりませんが、この法律の附則四条に基づきまして、身体障害者と同じように職業紹介、職業指導、それから職場の適応訓練、それから納付金制度に基づきます助成金制度につきまして、身体障害者と同様に精神薄弱者に対しましても適用をいたしておるわけでございます。特に助成金制度につきましては、これが精神薄弱者の特性に応ずるものになるよう特に配慮をいたしまして、重度障害者等職場適応助成金制度というものを活用するとか、あるいは職業コンサルタントによりますきめ細かな職業生活上の指導をするための援助をするというようなことなど、この法律を踏まえましての雇用の促進に努めておるということでございます。 また、安定所の窓口におきましては、精神薄弱者につきまして職場実地指導というものを進めておりまして、また、精神薄弱者担当の職業相談員約二百名の相談員を配置をいたしましてきめ細かな職業相談というものにも応じておるわけでございます。 また、職場適応訓練制度というものを、特に精神薄弱者の方々の特性に配慮した形での職場適応訓練制度の運用というものをいたしておるわけでございます。 また、雇用促進事業団の第一線機関といたしまして心身障害者職業センターというものを各都道府県に設けておりますが、そういうところにおきまして、この精神薄弱者の方々について適職の判定等、そういう面を通じての就職の促進というような点も行っておるところでございます。
○下村泰君 今局長がお答えになった、身体障害者も含めて訓練をしておる施設がある。ところが、実際のことをいって、精神薄弱者の訓練校、例えば専門にこういう職業訓練をするというのはそんなにたくさん数があるわけじゃないでしょう。たしか一校しかないはずじゃないですか。
○政府委員(宮川知雄君) 精神薄弱者を専門といたします職業訓練校は、御指摘のとおり、愛知県の一校でございます。しかし、それ以外に京都城陽、それから静岡の県立身体障害者職業訓練校、ここには精神薄弱者を専門に入校してもらいます訓練科がございます。それから、長崎と佐世保、これは普通訓練校でございますが、特に希望者が多いということだと思いますが、やはり精神薄弱者を専門に取り扱う訓練科がございます。 数としてはそれほど多いわけではございませんが、精神薄弱者につきましても、いわゆるその他の身体障害者と同様、あるいはそれ以上にその職業能力を開発し、職業的な自立を図っていただくということが大変大事だということはよく承知しておるところでございまして、今申し上げましたように、ある程度の数はやっているわけでございます。 それから、それ以外にも都道府県の中にはそうしたものにぜひ進んでいきたいという希望も最近は出てきておりますので、十分そちらの方とも相談をしながら、さらに内容の充実に努めてまいりたい、かように考えます。
○下村泰君 大臣、こういうのがあるんです。 この精薄というのは、簡単に言えば知恵おくれですね。この知恵おくれの人たちが集まって、局長も御存じでしょう、代々木の駅のそばに香蘭というラーメン屋さんがあるんですね。ここは全部知恵おくれの人々がやっておるんです。そこの御主人夫婦が、知恵おくれの方たちも何とかしてこういう仕事に従事できるのではないかという気持ちから始めたそうです。当初は、もう計算は間違えるわ、つり銭は間違えるわ、皿は割るわ、損害の方が大きかったらしいですね。そのうちに、やっぱり繰り返すことによってつり銭の勘定は間違えないようになり、注文はきちんと聞くようになり、今では出前もやっているというふうにきちんとできるよようになるんですね、やれば。 ですから、今もお尋ねしたんですけれど、訓練という意味においては、できるだけ幅広く、現在あるものを利用することによって、そういう方たちを一人でも多く訓練課程の必要な訓練をすることによって世の中の仕組みになれていくというふうに、少しでも多く気を使って私はいただきたいと思うんです。 本法案の中にこの雇用率制度、いわゆる精薄の人を対象にできないものなのか、精薄も含めるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) 本当にこの精神薄弱者の方々も、おっしゃるように、いろいろ懇切に訓練を進めていくという中で立派に職業人として自立されていく方、また、企業に本当に戦力になっていただける方が育っていっておる事例もたくさんございます。そういう意味では私ども、おっしゃるように、こういう精神薄弱者の方々についてのやはり持てる能力を何とか発揮させてあげていくということは本当に進めていきたい問題だと考えております。 ただ、率直に申し上げまして、こういう精薄の方々について適する仕事の開発がなかなかまだ進んでいない、こういうような事情にございます。それからまた、やはり通勤というような関係、あ るいは職場での集団活動、こういったような社会生活活動の面で、なお、やはり一般の障害者の方にプラスしてのいろいろ特別の配慮が要る、こういったような問題もあるわけでございます。そういう意味で、こういう精神薄弱者の方々の雇用促進という面で障害になる面についてのこういう問題の解消というものをいろいろ進める中で検討を進めていかなきゃならぬ、こういう点があると思うわけでございます。 そういう意味では、こういう雇用率という問題につきましても、そういうもののやはり進んでいくこととの関連の中において雇用率というものをまたどう考えていくか、それからまた、さっき出てきておりますいわゆるプライバシーの問題というようなものなどもどう考えていくのか。雇用率というと数字の問題になってまいります。そういう意味で、できるだけそういう諸条件を進める中でこの雇用率問題、私どもも来月からでも具体的な検討委員会を設けて検討を進めていきたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
○下村泰君 次に、小規模作業所について、三つ続けて伺います。 ILOの方にも、非政府機関によって運営される心身障害者のための職業訓練及び職業紹介と、こういうふうな項目がありまして、適当な政府援助という言葉が出ております。それで小規模作業所に対する政府の援助を勧告していますけれども、国からの助成が必要ではないのか、これが一点。 それから、いつも申し上げますが、労働行政と厚生行政との谷間になっている小規模作業所に対して、労働省は何らかの措置をとるべきではないか、これが二つ目。 三つ目は、小規模作業所や授産施設にいる障害者も一般雇用の場につけるようにすべきではないか。そのためにどのような施策を講じているか。 この三つを一緒に伺わせてください。
○政府委員(加藤孝君) この小規模作業所の関係につきましては、この前もお答えをしたところでございますが、労働省としては、こういう作業所の形態が雇用関係というものが認められる状態にあるということであればこれについて各種の助成措置を講じていくと、こういうことでやっておるわけでございまして、あと、そこの厚生省との谷間の関係の問題については今後十分厚生省ともまたよく相談をいたしまして、そういう谷間に落ちることのないよういろいろまた知恵を出していかにゃならぬだろうと、こんなふうに考えておるところでございます。 また、こういうところにおられる方々を一般雇用の場に持っていくと、こういうことは大変私どもとしても大事な仕事でこざいまして、こういう授産施設とか小規模作業所におられる方々については、そういう施設と企業との連携、結びつきというものをまさに安定機関が間に入りましてそういった一般就職への促進を努めていかにゃならぬと、こういうことでいろいろ進めておるわけでございまして、ことし三月に、こういう形によりまして、わずかではございますがそういう事例も既に出始めてきておりまして、そういう関係をさらに進めていきたいものだと、こう考えております。
○下村泰君 先ほどから大分問題になっております納付金、それから助成金についてお伺いします。 実は、参議院社会労働委員会調査室、こちらからこういう書類をいただいたんですけれども、これを見ますと、大体納付金制度というのは西ドイツをまねしたんですな、西ドイツ方式を。そうですね。それで、西ドイツは納付金——これ罰金みたいなものですな。あえて罰金と言っておきましょう、これ。雇わないから払うんだからね。私はそういうふうに言いたいんだ。体裁のいい言葉を使って納付金、何が納付金だっていうんだ。雇いたくないから払うんだ。この罰金が、一人につき月額百マルクというんですね、西ドイツは。一マルクというのは何ぼだとさっき聞いたら、八十六円だっていうんです。日本は一人につき四万円。向こうは一人につき八千六百円ですな。日本は四万円も払う。さっきから、もっと払わした方がいいんじゃないかというんだけれども、日本はわりかた払い過ぎているようですな、これを見ると。西ドイツから比べると。これ、一九七八年、五年ほど前なんですが、今、どうなっているんですか、西ドイツは。
○政府委員(加藤孝君) 私どもの今持っております資料でも、一人につき月額百マルクという数字を持っております。
○下村泰君 そうすると、先ほどから日本はもう少し納付金をふやした方がいいんじゃないかと言われていて、私もその方がいいんだと思っていたんです。これを見ると、西ドイツ方式をまねしている割には日本の方が多い、何で日本がこんなに多くて西ドイツの方が少ないのかと思っておったんです。何気なく表の上の方を見たら、これはとんでもない違いが出てくるわけですね。これ、局長の手元にもあるでしょうけれども、こういう書類。率が全然違うんですよ。つまり雇用率が違うんですよ。日本は何とかかんとか数字を合わせてごまかしているけれども、向こうはすごいですよ。「十六人以上雇用民間企業及び公的機関六%(実雇用率五・一%)」全然比較にならないですね。日本の三倍近い。だから納付金も少ないわけですよ、罰金が。日本は雇わないから罰金が多くなった。だからもっと多くしてもいいという勘定になりますな、これは。 それからもう一つ伺いますが、ダブルカウントという言葉があるんですね。重度の方を一人雇うと二人に勘定する、どういうわけですか、これは。
○政府委員(加藤孝君) ダブルカウント制度はこの法律で定められておるわけでございますが、重度の方につきましては、一般の中軽度の方を雇用するよりは、言うなら倍以上のいろいろ配慮なりまた経済的な負担、先ほどもちょっと申し上げましたが、補助具だとかというようなものであるとか、そのための企業内の施設の若干の改造であるとか、いろいろそういったような問題も附帯してまいりますので、こういう重度障害者について一人を雇用率の面では二人と数える、こういう制度は、例えば今おっしゃいました西ドイツなどでもとられておる、そういう制度でございます。
○下村泰君 これを見ると、イギリス、フランス、オランダ、スウェーデン、アメリカにはありませんな。西ドイツのまねだけしていますね、これ。ほかの国ではやっていませんね、このダブルカウントというのは——時間がもったいないから、答弁いいですよ。別にこれがどうっていうことはないんだ。 ただ、私が言いたいのは、先ほどから各先生方がいろいろと雇用率、雇用率とおっしゃっている。その雇用率はおおむねこういうふうになっておりますといっても、これ割り引いたらもう半分もないわけじゃないですか。 労働省から発表されている、何年度はこれだけ、何年度はこれだけという今までの雇用率の表があるんですよ。それを今度はずっと横に見ていくと、括弧内はダブルカウントというんですね。それで、ダブルカウントの実数を引くと、実雇用率というのは数少ないんですよ、結局は。一万人いれば五千人なんですよ。五千人のうち、本当の人というのは何人もいないわけだ。そうすると、ダブルカウントによって何か雇用率をごまかしているという、いわゆる数字のマジックとしか私は思えないんですが——それは局長、頭をかしげて不思議そうな顔してもだめですよ、事実は事実なんだから。そういうことをしてごまかす必要はないと思う。一人は一人でいいんじゃないですか、どう重度であろうとなかろうと。 むしろ私は、その身体障害者で雇われている重度の人が、一人でもって二人と勘定されたら、その人どういうことになりますか。人権じゅうりんじゃないですか。人間一人として認めていないんだから。重度だからというので、施設がかかる、手間がかかる手間がかかる、だからこれは二人分だって、冗談じゃない。遺骨収集じゃないんですからね。遺骨収集の場合にはありますよ、実際厚 生省のやり方はそうだったんだから。私は現場で見てきているんだから。どうですか、それは。そんな勘定の仕方じゃたまったもんじゃないですよ。
○政府委員(加藤孝君) このタブルカウントというのは、そういう数字をそれで水増しするとか、決してそういうことじゃなくて、まさに、実際には中軽度の方を雇用するよりは、重度の障害の方の雇用については、経済的にもまた実際の配慮の面でもはるかにいろいろと要るわけでございまして、また、今の一・五%という雇用率そのものも、そういう重度障害者についてのダブルカウントとする形で計算をいたしましてこの一・五%というものを決めておるわけでございます。 そういう意味では、もともとこういうダブルカウント制度の中で一・五%というものを雇用していくということでございまして、現に重度の障害者の方々が、五十五年当時は大体一六%台でございましたのが現在二〇%ぐらいの割合になってきておりまして、重度障害者の雇用促進という形の面ではやはりまたそれなりの一つの効果も上げてきておると、こういうふうに見ておるわけでございます。
○下村泰君 いずれにいたしましても、そういうことで、何か私に言わせると欺瞞工作みたいにしか感じないんですけれどもね。そういうふうにしないで、実数でひとつこれからもやってください。 それから、今度は助成金ですね。この間もちょっと質問して、私余り詳しくはお尋ねしなかったんですけれども、助成金の返還命令を受けた事業所、おまえのところはふらちであるというわけで助成金を返還しろと言われたような事業所はありますか。
○政府委員(加藤孝君) こういう偽りその他不正の行為によって助成金の支給を受けた場合、あるいはまた支給条件に違反したという場合には、この助成金の全部または一部の返還をさせておるわけでございまして、これまで返還命令を出しました事業所は十四件ございまして、金額にいたしまして三千九百万円という金額になっております。
○下村泰君 こういう事業所に対しては、どういうような措置をとられたんでしょうか。ただ返還だけですか。
○政府委員(加藤孝君) もちろん返還をさせておりますが、特にこういうところについて特別なペナルテーというようなものを科しておるわけではございませんが、やはりそういう事業所につきましては、今後、安定所としてはそういう前歴のある事業所であるということを十分ひとつ注意をして、その後申請が出てまいった場合も、より一層厳格な審査をするというような形での対応をしていく、こういうことになるわけでございます。
○下村泰君 先ほど山中先生からもちょっと御指摘がありましたけれども、とにかく支給期間が満了するというと解雇する、それでまた次の人をやるというふうに、この間も予算委員会で質問しましたけれども、こういうふうな例が今までどのくらいあるのか。それで、どういうふうに労働省は対応しているんでしょうか。
○政府委員(加藤孝君) 制度の中には、こういう半年、あるいはまた三年以上続けるとかというような形のいろいろな要件がございまして、おっしゃるように要件が終わったら解雇する、あるいはまた、やめるような形に持っていくというようなケースというものも私どもも実際にいろいろ聞いております。実務的に数字をぴしゃっと、ずばり制度違反という形には一応なってきませんので、数字ではぴたっと押さえておりませんが、そういう事業所というのは、これはもう安定所で十分そういうのを押さえておりまして、そういうところにはこれから身障者をあっせんしたりする場合には十分注意してやっていく。求人がありましても、よほどそういうようなことに念を押した上でなければあっせんしないとか、こういうような形で十分注意しながら進めていくという対応をしておるわけでございます。
○下村泰君 それから、助成金を出しました、ところが倒産してしまいました、こういう場合、どうしていますか。
○政府委員(加藤孝君) 助成金を出しました後、残念ながら倒産をしたというような事例もあるわけでございますが、こういう場合には、まずそこの従業しております身障者の方の雇用をそこでどう継続するか。それからまた、継続が難しい場合には、その方たちをよその事業所へ何とかあっせんをしていくというような形での努力をしておるわけでございます。 また他方、倒産をいたしましても、これが助成金の支給条件違反というような形が明らかな場合には返還の措置を講じていかなきゃならぬということでございますが、これまで倒産事業所に対して助成金の返還を命じた例はないわけでございます。
○下村泰君 事業所の方にしてみればやらずぶったくりで、労働省側の方は取られっ放しと、随分これ情けない結果に終わるわけですな、それは。悪質なやつはこれをうまいこと利用して、とにかく助成金をどんどこどんどこ使い込むというような事業所がこれからふえないとも限らない。ここのところはよほど厳重にやっていただかないと困りますね、局長。
○政府委員(加藤孝君) そういうのにつきましては私どもも、いわば一種の偽装倒産みたいな形で、そういう助成金をいわば偽って取るというような形のものは、これはたとえ倒産という形をとりましても返還命令をかけて返していただくという形で対応を進めていきます、そういう場合には。
○下村泰君 大臣、こういうふうに皆さん方が、寄ってたかってという言葉はおかしいですが、大勢の方々がその知恵を集めて、本法案に対していろいろとあらゆる角度から御検討をなさっていらっしゃるわけです。その中に、残念なことに、どなたもおっしゃっていますが、精薄の方々が対象から外れている、こういうこともこれから大臣として考えていただけますかどうか、一言御意見をお願いしたいと思います。雇用の対象に。
○国務大臣(坂本三十次君) これは、下村さんに対してこの委員会で、また予算委員会でも払お答えをいたしましたように、なるほどいろいろ難しい点は今の御議論を通じてたくさん承っております。プライバシーがどうとか、それからまた、それを受け入れる職業がどういうのがいいのか、それが開発が進んでいないとか、いろいろたくさんございましたが、だからといって、状況が熟してきてから雇用率を決めればいいということになりますと、勢いいつまでたったってなかなかこれはらちが明かない。それはそういうふうにいろいろな条件が解消されて、そのうちに早い時期に雇用率が決定せられるということになればこんないいことはないんですけれども、なかなかそううまいわけにはいかぬことは今までの御論議のとおりでございます。 しかし、物事をやるときは、一つの何といいましょうか、けじめというものもまた必要であることはわかっておりますので、いろいろな面を含めて、とにかく雇用率というものは設定できないかということで前向きに踏み出して、ことし早々から検討するというところまで、一歩前進というところまで私どもの態度が前向きになっておるということだけは御承知おきを願いまして、ことしひとつ、何とかいろいろな前提条件もありましょう、そういう条件も含みながら検討を始めますということだけは申し上げられると思います。
○下村泰君 時間が参りました。三分残しておしまいにします。ありがとうございました。
○委員長(石本茂君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石本茂君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、佐々木君から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木君。
○佐々木満君 私は、ただいま可決されました身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び参議院の会各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、その実現に努力すべきである。 一、身体障害者の雇用率達成指導の強化に努め、著しく雇用率が低く改善の努力に欠けると認められる企業については企業名の公表制度の活用についても十分に検討すること。 二、障害の種類、特性に応じた諸対策の推進に引き続き努力するとともに、これらの諸対策が的確に遂行されるように、公共職業安定所における職業紹介・指導体制の充実・強化を図ること。 三、就職している障害者の雇用の安定・維持を図るため就職後の定着指導等のフォローアップに努力すること。 四、マイクロ・エレクトロニクス等産業構造の変化に対応して新たな障害者の職域開発の推進を図るとともに、これに即応した先駆的な職業訓練の推進に努めること。 五、精神薄弱者の雇用の促進と安定を図るための条件整備対策を充実するとともに、雇用率の適用問題について検討を進めること。 六、身体障害者雇用促進協会における納付金関係業務が的確に遂行されるように十分に指導するとともに、助成金については、所期の目的が達せられるよう努力すること。 右決議する。 以上でございます。よろしくお願いします。
○委員長(石本茂君) ただいま佐々木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石本茂君) 全会一致と認めます。よって、佐々木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坂本労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂本労働大臣。
○国務大臣(坂本三十次君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体して努力をいたしてまいります。
○委員長(石本茂君) なお、本案に対する審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石本茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十分散会 —————・—————