国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会 第2号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1984/04/25
会議録
○小委員長代理(最上進君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会を開会をいたします。 議事に先立ちまして一言申し上げます。 本日の小委員会は、委員長不在の間、私が議事を進めてまいりたいと存じますのでよろしくお願いをいたします。 生活条件整備に関する件を議題とし、国土・都市・居住空間の形成について関係省庁から説明を聴取いたします。 まず、経済企画庁より説明を聴取いたします。星野審議官。
○政府委員(星野進保君) それでは「一九八〇年代経済社会の展望と指針」という資料がお手元に配付されているかと思いますが、五枚紙ぐらいの資料でございますが、縦長でございます。表題が「「一九八〇年代経済社会の展望と指針」における国土・都市・居住空間の形成関連部分」という形で出ております。この資料に従いまして御説明申し上げたいと存じます。 まず一番目に「「展望と指針」の性格」ということが書いてございまして、これは先生方御案内のように、通常私ども経済計画と申しておりましたものを、この「一九八〇年代経済社会の展望と指針」という計画におきましては、「展望と指針」という表現を使っております。その理由といたしまして、Iの中ほどに、現在が一つは転換期であるということと、非常に不確実性が高い状況の中にあるということから、できるだけ弾力的に対応できるような計画に仕上げていく必要があるだろうということを踏まえまして、まず表題につきまして、従来の「計画」という名前ではなくて「展望と指針」という表題にしたというくだりがございます。 それから二番目、Ⅱでございますが、「「展望と指針」での経済の想定」ということで、ここで大まかな経済の想定をしております。 順序は逆になりますが、(2)をごらんいただきますと、(2)のところに、まず①で「世界経済の回復の想定、技術開発の進展、民間活力の発揮等を前提として、経済成長率は実質年平均四%程度、」ということで、巷間よく議論になります四%成長ということを申しております。それから名目につきましては、物価の動向がこれに加わるわけでございますので、「六%程度から七%程度。」と幅を持たせております。 それから②で、「適度な成長を通じた雇用の安定、」ということを前提といたしまして、六十五年度、要するにこの計画の目標年度でございます「六十五年度における完全失業率は二%程度。」ということを挙げております。現在、御案内のように二・七近辺だったと思いますが、二%程度ということを目標にしております。 それから③でございますが、ここで物価のことを申しておりまして、「消費者物価上昇率は年平均三%程度。また、卸売物価上昇率は一%程度。」ということを申し述べております。およそここで申し上げましたマクロ的な数字の関係が、ほぼこれからの八〇年代、一九八〇年代の経済を運行するためのおおよその枠組みと申しますか、数字的な枠組みであるということでございます。 それから一番目に戻っていただきまして、(1)をごらんになりますと、我が国がなぜこういう枠組みを持てるかということの大まかな説明が三点にわたってなされておりまして、(1)の途中に①とございますが、ここに「エレクトロニクスを中心とした技術革新の進展が期待されること」、まあ現在こういう最先端産業におきまして我が国が世界をリードしておる状況は御案内のとおりだと思います。それから②「家計貯蓄率は、次第に低下するが、他の先進諸国よりは相対的に高水準を維持すること」、これは二〇%ぐらいの家計貯蓄率というのが我が国の一つの特徴でありまして、アメリカ等貯蓄率の低い国に比べますとはるかに貯蓄率が高いということでございます。それから③で、「労働力供給の増加率は七〇年代とほぼ同程度」ということでございまして、高齢化は進みますが、労働力総体の数といたしましては七〇年代とほぼ同じような増加率を示しますということでございまして、このような条件から言いまして、他の先進諸国に比較いたしまして、なお良好な成果を挙げていくだけの経済条件を持っているんではないだろうかということを述べておるわけであります。 それから、引き続きましてⅢに移らせていただきます。 ここで本日の主題でございます「国土・都市・居住空間の形成」ということの大まかな筋書きが書いてございます。もちろん私どもも非常に包括的でございますので、具体性に乏しいかもしれませんが、以下御説明させていただきたいと思います。 まず第一番目、ちょっと外れますが、「「展望と指針」の重点」ということが書いてございます。ここでどんなところを「展望と指針」では重点として挙げているかということでございますが、これは四点挙げておりまして、その最初の行に①というのが文中にございますが、「行政の改革・財政の改革」、②が「産業構造の高度化に支えられた新しい成長」、③が「民間活力の活用」、④が「国際協力の推進」の四点を示しているということでございます。これはあえてつけ加えて御説明申し上げる必要はないと思いますが、ちょうど最初に申し上げましたように、我が国が国際化をしていく、あるいは戦後高度成長してきた経済体質から今変化していく転換期にあるということから考えますと、なお一層成熟化社会の中で活力を維持していくのには、民間活力を一層活力として活用していく必要があるだろう。それからさらに、従来の制度、高度成長期の制度、そういったようなものをこの際変革していくということで、現在進めております行政の改革、財政の改革といったようなものを推進していく必要があるだろう。それの根底にありますのが、従来の単なる重化学工業化といったような産業構造だけではございませんで、今後展望されますエレクトロニクスあるいはバイオテクノロジーといったような、最先端技術を背景とした産業構造の高度化といったようなものが背景に考えられるということで、新しい成長という表現を使っております。 おめくりいただきまして、次に、そういう背景を受けまして2というところ、二枚目の2というところに「八〇年代における変化の方向」ということが書いてございます。 これも(1)、(2)というところは包括的に書いているところでございまして、(1)でございますが、「地域経済社会の変化の方向」ということで、これからいろいろ議論が出ると思いますが、ちょっと読ませていただきますと、「方向としては、近年、地方の都市化が進む中で、所得格差の縮小、居住環境を含むトータルな生活の豊かさの重視等に伴い、人口の地方定住化の動きがみられ、こうした基調は、八〇年代においても続くものと考えられる。」。ちょうど昭和五十年ぐらいから明らかに出てまいりました地方定住という傾向が、恐らく一九八〇年代、これから昭和六十五年に向かってもなおそういう傾向は続いていくだろうということを申し述べております。 それから(2)のところで、「国民生活では」ということで、ここも少し読ませていただきますと、「生活のニーズが、各ライフステージにおいて、生きがい、文化などの観点から、より高次のニーズである生活の質的向上への志向が多様な形で高まることとなろう。」ということで、三点に分けておりますが、「具体的には、精神的、文化的な豊かさを求めた消費行動」、消費行動の中身が物的なものから文化的あるいは精神的なものに変化していくだろうということと、次が「生涯にわたる学習活動、文化、健康を志向する余暇活動」、要するにかなり創造的なといいましょうか、そういったような、あるいは「健康」と書いておりますが、体育であるとか、そういったような方向へ余暇時間のより有効な活用というものが起こっていくだろう。それから「快適な居住環境への志向」、要するに、従来の高度成長期は自分の家の中を充実してきたわけでありますが、自分の家の周り、環境、そういったようなものに対する関心が強まってくるだろう、こういう三点を申し述べております。 それから、飛ばしていただきまして3にまいりますと、今度は「目指す方向と政策」ということが書いてございます。この「目指す方向」というところで、最初の二行を読まさせていただきますと、「八〇年代においては、平和で安定的な国際関係の下に、不安のない安定的な経済・生活基盤を備えた創造的安定社会の構築を目指していく。ここでの関連部分は次のとおりである。」、「関連部分は次のとおりである。」というのは、重複いたしますので、後ほど個別のところで紹介させていただきますが、ここで申し述べておりますのは、国際関係を平和で安定的にしていくというのは、これはある意味で我が国のように貿易依存度の高い、あるいは資源依存度の高い国といたしましては基本的なものであろうということであります。それから「不安のない安定的に経済・生活基盤を備えた」ということがベースになるわけでありまして、そういう基本的な「不安のない安定的な経済・生活基盤」というものをもとにしながら、少し耳なれない言葉かもしれませんが、次の「創造的安定社会の構築を目指していく。」ということであります。 なぜここで「創造的」というのが唐突に出てくるかと申しますと、これも先生方御案内のように、戦後の技術革新の海外からの導入、そういったような問題であるとか、あるいは生活様式における欧米化といったようなものだとか、要するに、ある意味でイミテーションギャップといいますか、一つの模倣的なキャッチアップ過程があったわけでありますが、そういう模倣的なキャッチアップ過程というのがある意味で我が国が追いつくことによりまして解消してまいります。その解消してきたところで我々はたとここで創造的な、日本的社会と申しますか、日本的文化と申しますか、そういうものにぶち当たるわけでありまして、そういう観点から創造的であり、かつ不安定であってはいけませんわけでありますので、安定的な社会の構築を目指していくと。この計画そのものも、ある意味で、そういう創造的安定社会構築の準備期であるという位置づけをしておるところであります。 以下省略さしていただきまして、一枚おめくりいただきますと、三ページでございます。 三ページに、4ということで「政策の基本方向」ということが出ております。この中で、まず第一番目に、抱括的に書いてありますが、「「展望と指針」においては、」、各論の中で本日主題でございます以下の問題につきまして触れております。「各論として諸政策の基本方向を示している。この中において、国土・都市・居住空間の形成に関する部分は、次のとおりである。」ということで以下続いております。 順次簡単に御説明申し上げますと、第一番目が、「地域経済の振興」ということでございます。ここも先ほど来の議論につながるわけでございますが、一行目からちょっと読ませていただきますと、「近年の財政制約の強まりや産業構造の変化に伴う地域経済の跛行性の強まり、地域格差拡大のきざし等に対処するため、地域の創造的努力を軸にすえつつ、地域経済の自立的発展と雇用機会の充実が図られるよう地域経済政策を推進する。」ということで、ここで申しておりますのは、地域経済政策の観点でございます。地域の問題がもう一回出てまいりますが、地域経済の問題として以下の四点が一応視角としてとらえられるのではないかということでございます。 第一点が、「先端産業の地方分散等先端技術を中核とした地域経済の振興」ということで、従来の臨海工業型から現在はかなり立地自由度の高い先端産業、まあLSI等を御想像いただければよろしいかと思いますが、というものになってきておりまして、そういう観点から言えば、ある意味で立地自由度が高いわけでございますので、先端産業の地方分散ということを創造できる。それから二番目が、これは非常に重要な点だと思いますが、まずこれからはともかく人材が中心であろうということでありまして、「地場産業を始めとした地域の人材・資源等を活用した産業の振興」ということであります。 それから、以上二点の要約になるかと思いますが、地域における安定した発展性のある雇用機会の確保、要するに①、②を要約されておりますが、安定した雇用機会を確保していく。それと裏腹でございますのが③でございまして、構造的不況地域、たまたま産業構造がミスマッチしたような形で停滞しておる地域については特段の活性化手法というものを生かさざるを得ないだろうということでございます。 それから、(2)に進ませていただきますと、「住宅の質的改善」ということでございます。これも私ども、特別新しいことを言っているわけではございませんが、また読ませていただきますと、「国民の居住環境向上に対する根強いニーズに対応して、総合的な住宅の質の改善を目標として住宅政策を推進する。住宅政策の推進に当たっては、大都市圏において重点的総合的な施策を進めるとともに、民間の活力、資金の一層の活用を図る。」ということで、「①既成市街地の高度利用と住環境の改善」、「②良好な宅地供給と新市街地の開発促進」、「③良質な住宅ストックの形成と既成ストックの活用」、「④地価安定の確保と新たな開発方式の活用」というようなことを指摘しております。 それから、(3)に進ませていただきますと、「環境の保全」ということでございまして、また頭を読ませていただきますと、「環境の状況は、全般的には改善を示してきているが、発生源が不特定又は多岐にわたる環境問題が増加していること、快適な環境への国民のニーズが高まっていること等から、発生源規制と併せて、土地利用、経済活動、生活のあり方を含め、環境の保全整備に関する施策を推進する。」ということを言ってておりまして、おめくりいただきますと、四ページでございますが、四ページの頭から四点、同じように要約しておりまして、「①発生源対策、交通施設の構造改善等による交通公害防止」、「②生活排水対策、閉鎖性水域対策等による水質汚濁防止」、「③窒素酸化物対策、光化学大気汚染対策等の大気汚染防止」、「④自然環境や歴史的環境の保全、国土の緑化等による自然的環境の積極的創出」というようなことを述べております。 それから、(4)に進ませていただきますと、「ゆとりと活力のある地域社会の形成」ということで、後ほど関係省庁からさらに詳しい御説明があると思いますが、一応頭だけ読ませていただきますと、「地域格差、人口の動向に留意しつつ、大都市圏、地方圏を通じ、ゆとりと活力のある地域社会を形成することを基本方向として地域政策を推進する。」、三点に分けまして、「施策の推進に当たっては、」、一番目でございますが、「創造的、自主的地域づくり活動を積極的に支援すること、」、第二番目が、「地域の個性の発掘・創出を進めること、」、三番目が「人・情報等の相互交流が活発に行われる開かれた地域社会を形成すること、の三点を重視する。」ということを申しております。 それで、具体的には以下五点が書いてありますが、後ほどさらにより具体的な御説明があろうかと存じますので、省略させていただきます。 それから五番目でございますが、ここで「良質な交通ネットワークの形成」ということを申しております。ここも読ませていただきますと、「生活水準の向上、高速志向の高まり、物流の多品種・小口化、国際的な相互依存関係の強まり等に伴い、今後とも交通の量的拡大、質的向上が見込まれる。これらの変化に対応した人・物のモビリティの確保、経済発展、国民生活向上に向けて総合的な交通政策を推進する。その際、各交通機関の適切な競争と利用者の自由な選択が反映されることを原則としつつ、今後とも財政、空間、環境等の制約が予想されるので、需要の動向や交通手段の特性に応じて、効率的な交通体系の形成を図る。」ということを申しておりまして、 〔小委員長代理最上進君退席、杉山令肇君着席〕 ポイントといたしましてはいろんなことを言っておりますが、非常に交通手段自体も多様化してくる、それからニーズの方も多様化してくるということで、かなり選択の自由性と申しますか、あるいは各交通機関の適切な競争と申しますか、そういう競争と自由な選択ということを原則にしながら、適切な交通体系というものが選択されていくことが非常に重要な観点ではないだろうかということを言っております。しかしながら、当然これも当たり前のことでありますが、公共財を供給するわけでありますから、財政上の制約の問題であるとかあるいは勝手にそこらじゅうに道路が敷けるわけではありませんから、当然空間制約であるとかあるいは環境の制約といったようなものを考慮しながら、非常に適切に需要動向等に対処していったらどうだろうかということであります。 具体的に申し上げますと、そこに四点ございまして、「①アクセスをも含めた体系的な高速交通ネットワークの形成」ということで、これはさらにやはり国民全体がよりスピード化と申しますか、時間短縮化に対するニーズというものが高いわけでありますから、高速交通ネットワークのいろんな構想もございますが、そういうのをより着実に推進していくことということになろうかと思います。それから二番目は「都市規模、需要に応じ、各交通機関の特性を活かし相互補完的に組合せた交通施設の整備」ということで、当然これも当たり前のことを言っているわけでありますが、これからより地域的な緊密度、そういうものが増してくることは確かでありますので、そういう場合に地域の観点から見た交通機関の整備、そういったようなものが非常に重要になるわけでありまして、そういう観点からの総合的な交通施設の整備というものを考えていく必要があるだろうということであります。それから三番目が「整備コストの適正な負担と実情に応じ限度を明示した補助の実施」、それから四番目が、これは特殊問題でございますが、「経営の重点化、効率的な経営体制の確立等による国鉄の再建」ということも述べております。 それから最後、六番目でございますが、「社会資本の充実」ということで、何と申しましょうか、部門別というよりは機能別に社会資本の観点、見方あるいはこれからの整備の仕方というものについてアウトラインを述べております。読ませていただきます。 四ページの一等下の方でございますが、「経済社会の変化等に的確に対応し、投資分野の一層の重点化を図りつつ、国土と国民の安全、経済社会の活力の維持、快適な国民生活を実現する基盤となる社会資本の着実な整備を推進する。」、こういう三つのことを言っておりまして、「国土と国民の安全」、要するに「安全基盤」と後で出てまいりますが、というのと、それから「経済社会の活力の維持」、要するに経済社会としての活力を保っていくための施設、それから「快適な国民生活を実現する基盤」という三つの段階について機能的に社会資本を分類しておるわけであります。 「実施に当たっては、①国土保全、都市の安全等今後とも公的部門の関与が大きい部門」、まさにある意味で純粋の公共財と申しますか、国あるいは地方公共団体がその供給主体にならざるを得ない基本的な部門、そういう意味で「公的部門の関与が大きい部門」ということを言っております。それから二番目が「効率的な経済活動の基盤を形成するための交通通信部門等、」ということで、経済の活力を維持していくための基本的な従来で言うインフラストラクチャーと申しますか、そういったような部門。それから三番目が「整備の遅れが目立っている住宅・居住環境、に重点を置く。」、これはむしろ「住宅・居住環境」という言葉の中に広い意味が入っておりまして、まさに生活環境施設その他全体について含んでおるわけであります。そういう、ある意味で国民生活をより快適にしていくという点に重点を置いていきましょうということを言っております。 おめくりいただきまして最後のページでございます。五ページでございますが、ここに大まかにくくってございます。若干コメントをさせていただきます。 「①自然災害、大震火災等に対する国土・居住環境の安全性を高めるとともに、資源の安定供給の確保等を図るため、安全基盤の整備を推進」ということで、「安全基盤」という言葉で集約しておりますが、例えば治山治水という自然災害に対する対応であるとか、あるいは大震火災等に対する都市のより不燃化の問題であるとかあるいは耐震化であるとか、あるいは避難地の問題であるとか、そういったような大震火災に対するより強い都市、そういったようなものをつくっていくというようなことでございます。それから「資源の安定供給の確保」というのは、いろんな資源が我が国にないと言ってもあるわけでありまして、水資源あるいは森林資源であるとかあるいは農業そのものもそうかもしれませんが、そういう資源を維持していくということが重要であろう。それから同時に、さらに言いますれば、エネルギーは海外に依存しているわけでございますから、そういうエネルギーが安定して国内的に確保というのは、港湾設備であるとかあるいは備蓄基地であるとか、そういったような国内的にも対応できるような安定的な基盤をつくっていく必要があるだろうということを広範に述べているのが①でございます。 それから②でございますが、「あらゆる活動の基礎である人、物、情報のモビリティの確保、産業の活性化と技術開発の推進、創造力豊かで活力に富んだ優れた人材の育成のため、活力基盤の整備を推進」、ここのキーワードは「活力基盤」ということでございますが、 〔小委員長代理杉山令肇君退席、最上進君着席〕 これは「人、物、情報のモビリティ」という観点で申しますれば、先ほど来出てまいりました幹線交通を初めといたします、あるいはこれから非常に期待されます情報化、そういったような電気通信であるとかあるいは広範なコンピューターと組み合わせた新しいニューメディアという表現で言われておりますが、新しい手段、そういったようなものが想定されるかと思います。それから「産業の活性化と技術開発の推進」、これは文字どおりであります。それから「創造力量かで活力に富んだ優れた人材の育成」というのは、基本的にはあくまでも教育の問題、それも単なる学校教育のみならず、生涯教育であるとかそれに含まれます社会教育、そういったようなものを全般に含んだ人材の育成ということであります。 それから三番目が「都市化の進展及び国民の生活様式の高度化、多様化等に対応するとともに、生活環境の向上及び国土の均衡ある発展と利用を図るため、都市・農山漁村を通じ地域の特徴を生かした快適基盤の整備を推進」していくということでありまして、これは国民生活自体が非常に多様化してまいります。そういう意味で従来の基礎的な生活基盤であります下水道であるとかあるいは上水であるとか、そういったようなものは言うに及びませんで、それ以外にこれからいろんな文化施設であるとかあるいは高次の生活環境施設といったようなもののニーズが高まってくるわけでありますので、これを都市・農山漁村という区別をせずに、そういう地域全般に通じましてそういう快適基盤を維持していくということがまさに国民生活のある意味の最終目標ではないだろうかということで、そういう快適基盤というものを重視していったらどうだろうかということを申し述べております。 以上、非常に大ざっぱでございますが、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」における国土・都市・居住空間についてどんなことを言っているかということを御紹介申し上げた次第でございます。
○小委員長代理(最上進君) 次に、国土庁より説明を聴取いたします。小谷計画・調整局長。
○政府委員(小谷善四郎君) それでは、「三全総策定後の情勢変化と新しい国土計画への課題」という、こういう横長の資料がお手元にあろうかと存じますので、これに即して御説明させていただきます。 まず、私の方で全般の説明をさせていただきまして、続いて大都市圏整備局、地方振興局の方からそれぞれ説明していただくということにさせていただきたいと存じます。 まず、ページを繰っていただきますと、一ページでございますけれども、「第三次全国総合開発計画(三全総)と定住構想」というくだりがございます。先生方御案内のとおり、三全総は五十二年の十一月に決定した計画でございまして、これによりまして国土総合開発政策の長期的、基本的な方向づけを行っているわけでございます。 この三全総の基本目標は、「人間居住の総合的環境の整備」ということでございまして、具体的に言いますと、この右側に書いてございますように「定住構想」と言われているものでございます。 その中身は、第一には、それぞれの地域で歴史的、伝統的文化に根差しで、自然環境それから生活の環境、生活の場、あるいは生産環境、生産の場といったものの調和のとれた人間居住の総合的環境の形成を図るということが第一でございます。それから第二に、そのことを通じまして、大都市への人口と産業の集中の抑制を図る、一方では地方の振興を図る。そのことを通じて新しい生活圏を確立していくということでございまして、このような新しい生活圏を確立していくためには、一方では、その国土の均衡ある発展を図るための交通、通信等の基盤整備を全国的観点から進めていかなければならない。他方では、それぞれの地域で人々の自発的な創意と努力を軸としてそれぞれの総合的環境づくりを進めていく必要がある、こういう仕組みを三全総ではとったわけでございます。 それで、次に、もう一枚繰っていただきますと、そのような形で三全総策定後、これを基本といたしまして国土政策が展開してまいったわけでございますけれども、しかし、近年に至りまして人口あるいは経済社会の動向等広範な分野でいろいろな注目すべき変化が見られるに至った、そのような情勢変化を検討、分析し、これからの国土政策の対応方向を明らかにしていく必要があるということでございまして、国土審議会の調査部会におきまして三全総フォローアップ作業といったものが行われ、昨年六月に公表された次第でございます。 その三全総フォローアップ作業報告から「三全総策定後の居住環境をめぐる諸課題」の指摘を見てみますと、ここにあるとおりでございまして、まず第一点は人口移動と人口分布の変化ということがございます。右にグラフがございますけれども、三大都市圏・地方国別に見た転出入人口の推移でございますが、実線で示しておりますのが三大都市圏への転入超過大口数でございまして、昭和三十年代半ばごろには六十数万人あるいは五十数万人年々三大都市圏へ流入超過が続いてきております。それが、五十年代になりますと、ここにありますように、ほぼ流入超過はゼロのレベルで推移してきているということでございまして、このように、五十年代に入りまして人口の大都市地域への集中は鎮静化してきているということが言えます。 このようなことで、その地方圏においてかなり広範囲に人口の定住傾向というものが見られるようになってきたわけでございます。しかし、わずかではございますが五十年代の後半に至りまして、このグラフにもありますように、若干また三大都市圏への転入超過に転じてきつつある。五十八年を見ますと、七万人の転入超過というふうになっておりまして、地方圏への人口の定着傾向といったものは基調としては続いておりますけれども、若干の懸念が出てきているということが言えようかと思います。 さらに、この三大都市圏を東京圏、名古屋圏、大阪圏というふうに三つに分けてみますと、下の表のとおりでございまして、名古屋圏、大阪圏につきましては、五十年代を通じまして一貫して転入超過がマイナス、言いかえれば転出超過になってきておりますが、東京圏のみは一貫して転入超過が続いてきているということでございまして、この辺につきましても、今後の国土政策を考える際に注意しなければならない点ではないかということでございます。 次に、一枚繰っていただきまして三ページでございますが、そのようなことで、人口の大都市圏への流入傾向が鎮静化することに伴いまして、過密過疎問題というものは、全体としては深刻化のテンポは緩やかになってきているというふうに見ております。 しかし詳細に見ますと、その態様が変わってきて、なお問題が残っているということでございまして、右の図は、東京圏と大阪圏での常住人口、夜間人口と、通勤・通学人口、昼間人口の推移を示しておりますが、この図で黒く塗ってありますところは、夜間人口も昼間人口も減少している地域、斜線で引いてありますところが、夜間人口は減少しておりますが昼間人口は増加している地域でございますが、これを見ていただきますとはっきり出ておりますように、東京圏では都心、周辺区部では夜間人口も昼間人口も減少するというふうになってきておりますし、大阪圏では大阪市あるいは神戸市の都心部並びに周辺区部で同じように夜間人口、昼間人口ともに減少するという形で、いわゆる都心の空洞化と言われている問題がここに出てきているということが一つございます。 それから、また次に、四ページをごらんいただきたいと思いますが、四ページの図3では、地方都市の規模別の人口増加率の推移を示しております。それでは地方都市、地方圏ではどうかということでございますが、地方都市を規模別に見ますと、人口増加率が平準化してきていることが一つ出ておりますし、平準化しつつ発展してきているということがここにあらわれております。特に人口減少が続いておりました規模の小さい都市、三万未満あるいは三万から五万といった都市においてもその人口が定着しつつある、あるいはわずかずつではありますが、増加しつつあるというようなことが出てきております。 このように地方の中枢都市あるいは中核都市を中心にいたしまして地方都市が成長し、周辺市町村を含めた都市圏として発展してきているということがございますが、しかし、地方都市では、御承知のとおり、その多くが中心部において古い市街地を残したまま、低密度に拡散的に市街地ができてくるという傾向がございまして、ここから新たな過密問題が発生し、あるいは発生するおそれが出てきているということがあります。 次に、農山漁村でございますけれども、農山漁村につきましては、地方都市の成長とともに都市周辺の農村を中心に混住化、兼業化、老齢化といったものが進行しておりまして、図4はその混住化の傾向を端的に示しているものでございますが、地方圏における農業集落当たりの平均戸数規模の推移でございますが、三十五年には集落当たり五十八戸ございまして、そのうちの非農家数が二十戸、三割強でございました。それが五十五年に至りますと、集落当たり石三戸が平均規模でございますが、その中で非農家数が七十戸、七割弱が非農家であるというふうに変わってきております。このような混住化の結果として、従来地域社会が果たしてまいりました生活環境とかあるいは土地、水寺の資源の維持管理機能といったものが低下してまいりまして、農業用水の汚濁とか農地の蚕食とかいったような、農業生産面への影響も出てきていると、こういう問題が新たに出てきているということでございます。 それから右の表は、諸機能のその対全国シェアの推移を大都市圏と地方圏で分けて見ておりますけれども、これを見ますと、例えば手形交換金額あるいは株式売買金額あるいは輸出入額、それから在日外銀従業者数といったようなものは大都市圏でふえてきております。金融とかこういう国際関連といったような機能は、なお依然として三大都市圏へ集中してきているということが出てきております。それに対して、工業出荷額あるいは卸売販売額あるいは大学教官数、大学学生数といったものの地方圏をごらんいただきますとわかりますように、そのシェアが高まってきておりまして、工業、卸売、大学等の機能はおおむね着実に地方立地が進行しているということでございまして、このようにこれまで大都市圏対地方圏といった関係で見ておりました過密過疎問題は、全体としては先ほど申し上げましたように、深刻化のテンポは穏やかになっておりますけれども、その態様が変わってきて、新たな問題が出てきているということを指摘されております。 それから、次に五ページでございますが、地域間格差の態様の変化ということでございまして、一人当たりの所得水準の地域間格差といったものは表2に示してございますけれども、その三十年代半ばをピークとしまして縮小傾向が続いてきておりまして、しかし、これにつきましても例えば五十四、五十五といったようなところを見ますと、せっかく縮小したものが再び若干拡大するといった兆しが出ておりまして、その辺のところが今後懸念されるところでございます。 それから表3は「都市類型別にみた生活環境施設等の動向」でございますけれども、細かい説明は省略さしていただきますが、全般といたしましては、文章で書いてございますように、施設整備は着実に進んでおりまして、大都市圏との格差は相対的に縮小してきているということがあらわれております。したがいまして、今後の国土政策におきましては、その文章に書いてあるところでございますが、「各地域において、多様なニーズに対して地域の側性や特性を活かした居住環境整備を進めていくことにより、」「総合的な豊かさの実現を図ることが重要となろう。」という指摘でございます。 それからまた一枚繰っていただきまして、六ページでございますが、図5は、「財政、社会保障制度によるトランスファー」の実態を示しておりますけれども、折れ線で書いておりますのが受益マイナス負担でございまして、東京圏、名古屋圏、大阪圏をごらんいただきますと、ゼロから下のところに来ております。言ってみれば負担超過の形になっておりまして、その他の地方圏はすべてプラスになっている。受益超過という形になってきております。このように、地方圏におきましてはそういう財政とか社会保障制度による依存度というものが高いわけでございますけれども、御案内のとおりの財政事情等もございまして、このような財政依存は今後引き続き続けることが非常に厳しくなってきている。この面からも地方圏の所得格差等の拡大が再び進むおそれがあるということでございます。 それから右側が「国土利用の推移」でございまして、表4には、国土利用の目標値、これは国土利用計画(全国計画)というものがございまして、目標値を示しておりますが、それとその後の推移とを比較した表でございます。 これをごらんいただきますと出ておりますように、特徴的な点を申し上げますと、上の文章に響いてあるとおりでございまして、住宅地が目標に比べて強含みに増加してきている、農用地が減少してきている、森林がわずかであるが増加してきている、それから工場用地が想定より異なって停滞してきているといったような動きがあるということでございます。 全体としての土地利用の転換量につきましては、四十年代に比べてかなり低い水準になってきているということでございまして、この表にはその前提の転換量は示してございませんけれども、四十五年から四十七年、三年間の年間平均値で十二万七千ヘクタール程度の土地利用の転換がございましたが、五十六年には五万二千五百ヘクタールということでございまして、半分以下に転換量が減ってきている。このように国土利用の落ちつきは出てきているということが言えようかと思います。 それからまた一枚繰っていただきまして、七ページでございますが、「居住環境整備の地域別課題」といったものを示してございます。 大都市圏あるいは地方都市あるいは農山漁村、それぞれに分けて示してございますが、これにつきましては後ほど大都市圏局、地方振興局の方から説明がございますので、省略させていただきます。 それから次に、八ページでございますが、「地域経済活性化をめぐる諸課題」ということでございますが、先ほどごらんいただきましたように、文章でございますが、「地域間所得格差は縮小してきているものの、なお地域経済には、産業構造変化への対応が遅れている」といったこと、それから「財政トランスファーへの依存が高い」といったこと、それから三番目には、「若年層を定着させることができる高度かつ多様な就業機会が不十分であること」といったような問題が見られる。したがって「このまま推移すれば、大都市圏と地方圏との格差が再び拡大する等の問題が生ずることも懸念される。」ということでございまして、したがって、今後さらに、地域の自立的発展のための条件づくりを積極的に進めて、地域の活性化を図っていくことが必要であろうということでございます。 そのためには、ということで、左側の後段でございますけれども、「したがって、」と書いてあるところの棒線を引いたところでございますが、二点指摘されておりまして、一つは「制約条件の多い地域に対する条件整備的な支援は引き続き必要である」、それから二点目として「自らの意志と責任を重視しつつ、経済、社会、文化等を通じて地域を一体として経営することにより、地域の自立的発展を図っていくことが必要である。」ということを指摘しております。 それで、そのような地域の自立的な発展を図っていく、地域の活性化を図っていく、そのための地域産業の振興の方向といたしましては、右側に書いてあるとおりでございまして、まず第一として新たな発想に基づく地域産業振興といったことが必要であるということでございまして、文章の棒線のところにありますように「これまでの工業誘致を中心とした発想のみでは十分な対応ができなくなっており、今や、地域の主体性と創意工夫を軸とした新たな地域産業振興の発想を基本に据えて」いかなければならないということでございまして、それを「地域産業おこし」とここでは言っております。 後段の第二フレーズの下から三行目にありますように、「居住環境、都市開発、交通、文化、福祉、景観、環境保全等、地域の様々な問題と密接に関連」させながら、そういう地域産業興しを進めていくことが大切であるということでございまして、そのための方策として②に書いてありますように六点指摘しております。 一つは産業基盤整備の方向でございまして、従来の交通、通信といったようなハードな基盤整備に加えて、教育とか文化とかあるいは人材とか技術力といったようなソフトな産業基盤整備が重要になってきているということが第一点でございます。第二点としては、全国各地域で盛り上がりを見せつつある各種都市構想等につき多面的な検討を加えて、それの積極的な推進を図るべきである。三番目には、先ほど言いましたソフト力を強化する必要がある。それから四番目には、国際化への対応を図る必要があるということで、外国企業の誘致とか海外情報の収集・提供機能の強化等々を図る必要がある。それから五番目には、そういう地域産業興しを側面から支援する施策が必要である。例えばベンチャービジネスに対するシードマネーの供給の充実を図っていくといったようなことが必要であろうということでございます。 次のページの九ページ目に、第六番目といたしまして、産業別に見れば、四点書いてございますが、まず産業構造がこれから大きく変化してまいりますので、そういうような工業振興が必要でありますが、それはもとよりのこととして、地域の特性に着目した農林水産業の振興、それから三番目には中核的な都市を育成することなどを通じたサービス産業の振興、四番目には年間を通じて稼働率の高いレジャー・観光産業の育成といったことが地域産業別に必要ではないか。さらには、そういう地域産業興しと対応して、就業の場を確保するための就業開発のための政策的な対応、あるいはそういう地域産業振興をシステム的に総合的に進めるための施策が必要であろうということでございます。 九ページ目の右のチャートは、それをチャートとして示したものでございますが、説明は省略させていただきます。 以上のような地域産業の振興といったこと、あるいは地域における雇用の場の確保といったことが大切であるという指摘がございます。 それで、そのようなフォローアップ作業を受けまして、これからの国土政策を進めていく上で新たな全国総合開発計画の策定が必要であろうということで、現在第四次全国総合開発計画、四全総と言っておりますが、それの策定作業に着手し、今勉強を始めているところでございます。それが最後のページでございますが、まず(1)は情勢変化でございますが、これは先ほど説明したとおりでございます。 それで四全総は二十一世紀へ向けての国土づくりの基本的な方向を示すということを考えておりますので、その場合の課題として四点ほどあるのではないか。 一つが「高齢化への対応」ということでございまして、今後予想を超える急速な高齢化が進行するであろう。しかし今世紀の残された期間は来るべき二十一世紀の本格的な高齢化社会への貴重な準備期間であろう、それにうまく対応していく必要があるということでございます。 二番目には「都市化への対応」ということでございまして、今後なお二十年ないし三十年間は都市化というものは進むんではないか。それにそういうエネルギーを適切に誘導して、地域の個性を尊重しながら、あるいは都市の活力と田園のゆとりを結びつけたようなそういう快適な美しい国土づくりといったものを進める必要があるだろうということでございます。 三番目には「技術革新への対応」ということでございます。 それから四番目には「国際化への対応」ということで、一言で言えば現在東京一点集中の国際化型でございますが、それをそれぞれの地域が世界に開かれたものとしていく、そういう世界に開かれた国土づくりを進めることが求められているのではないか。そのようなことが二十一世紀に向けての課題ではないかというふうに考えております。 そういう課題に対応しながら四全総の策定作業を進めているということでございまして、一番右側の(3)にありますように、四全総は「長い歴史を通ずる人と国土のかかわりあいの積み重ねと未来への展望を踏まえ、内外諸情勢の変化に適切に対応しつつ、二十一世紀への国土づくりの指針を示す」というものとして策定しよう。「四全総の目標年次は概ね昭和七十五年(西暦二〇〇〇年)とし、昭和六十一年を目途に策定することを予定する。」としております。なお、この全国総合開発計画と表裏一体の関係にございます国土利用計画(全国計画)につきましても七十年を目標年次として、六十年初めを目途として改定するということで、あわせて作業を並行して進めておるというところが現状でございます。 大変駆け足な説明でございましたけれども、以上で私の方の説明を終わります。
○小委員長代理(最上進君) 北島総務課長。
○説明員(北島照仁君) 大都市圏整備局におきましては、首都圏、近畿圏、中部圏の計画的整備を進めるために、諸計画の策定並びにそれらに基づきます事業の実施の推進、あるいはその調整を図っておるところでございます。資料といたしましては「大都市圏整備の方向」という資料で御説明いたしたいと思います。 まず一ページをお開きいただきたいと思いますが、Iのところに「大都市圏整備計画の策定」ということがございます。この項目におきましては、首都圏なり近畿圏、中部圏等につきましてのいわゆる法定計画、首都圏整備法等に基づく計画の策定状況について書いてございます。 現行の首都圏基本計画は昭和五十一年に策定されまして、計画期間十年ということで六十年度までとされております。先ほど計画・調整局長の方からお話ございました四全総の策定作業と調整を図りながら、新しい首都圏基本計画の策定作業に着手しておるところでございまして、四月十六日、国土審議会の首都圏整備特別委員会に首都圏整備の基本方針について諮問を行ったところでございます。 近畿圏、中部圏につきましては、それぞれ昭和五十三年に計画を策定いたしまして、計画期間おおむね十年ということにしております。しかしながらその後の社会的経済的諸条件も大きく変わってきておるところでございまして、これもやはり昭和六十一年度から新しい計画にすべく、昭和五十九年度におきまして国土審議会のそれぞれ担当の特別委員会に、整備の基本方針につきまして諮問することということを予定しておるところでございます。 二番目の「長期ビジョンの策定」ということでございますが、これはいわゆる法定計画の策定等に当たりまして、いわばビジョンあるいは指針というものを国土庁内部で取りまとめようというものでございます。 三つございますが、まず一番が「首都改造計画の策定」でございます。巨大都市東京につきましては、ここに書いてございますように、人口、諸機能の高密度な集積によりまして、住環境の悪化、遠距離通勤、あるいは防災性の低下等々の過密問題、あるいは限界性の問題が深刻化しております。三全総策定当時あるいは首都圏基本計画策定当時の予想から比べますと、その深刻化の程度は予想よりも若干下回っているということでございますが、まだいろいろと問題があるわけでございます。また、人口も先ほどからお話しございましたように、いわゆる社会増というものはある程度おさまりつつありますが、今後自然増を中心といたしましてかなりの人口増が予想されるわけでございます。 そういったような状況を踏まえまして、自然環境、生活環境、生産環境の調和のとれた総合的居住環境の整備、あるいは欧米の先進諸国の一部に見られるような都市衰退現象をいかにして回避するか、あるいは東京は少なくとも我が国社会の発展を支える大都市としての位置づけがあるわけでございますが、それの機能の充実を目指しながら、東京大都市圏の総合的な整備を図るための行政指針を得ることを目的といたしまして、いわゆる首都改造計画を策定するために、いろいろ昭和五十四年度以降調査を進めてきております。この首都改造計画につきましては、昭和五十九年度中に取りまとめることを想定しております。 では、どのようなことを一応考えておるかと申しますと、東京大都市圏と申しますのは、東京都を中心といたしましておおむね五十キロから七十キロ圏、具体的に申しますと、東京都それから神奈川県、埼玉県、千葉県それから茨城県南部という地域でございます。これらの地域につきまして、現在いわゆる一極依存型の構造となっておるわけでございます。東京の都心部に種々の機能が集積されておるわけでございまして、これがいろんな問題を起こしておるということで、右の欄に書いてありますような連合都市圏型構造というものを考えている。東京の周辺に業務機能を持ったいわゆる核都市というものをつくっていく、そこでかなり業務機能を受け持っていただくということを考えておるわけでございまして、東京の左下の方のところから申し上げますと、この圏域が川崎、横浜の区域、それからその次の上の方へ行きまして、八王子、立川、さらに真北に行きまして大宮、浦和、それからさらに右上の方に行きまして土浦、筑波研究学園都市、それから右の方に行きまして千葉といったところに業務核都市を育成するということ。それからさらに、その防災性の向上を図っていくということ。それから、東京をふるさととする人たちのために総合的な居住環境の整備を図っていくこと等を内容とする予定でございます。 二番目が、近畿につきましての長期ビジョンでございまして、「すばるプラン」というものでございます。 御承知のとおり、近畿は多年にわたる開発の蓄積の上に経済、社会、文化等において独自の活発な活動を展開してきておりますが、近年東京に比べましていわば地盤沈下が進行していると言われております。しかし、最近におきまして関西空港、あるいは後ほど御説明いたします関西文化学術研究都市の大規模プロジェクトが構想されておりまして、その中で近畿の独自の経済、社会、文化等の蓄積を基盤に二十一世紀を展望した活力があり、かつ住みよい全体としてまとまりのある新しい近畿をつくり上げるための計画づくりを進めておるところでございます。これにつきましてはもう少し時間がかかろうかと思います。六十年度あたりにこの「すばるプラン」を策定ということで進めておるところでございます。 二ページに参りますが、中部につきましてでございますが、中部圏は国土条件非常にいいわけでございますが、国土条件に恵まれて、発展のポテンシャルが多いわけでございますが、複雑な地域構造等によりまして必ずしも十分な発展を遂げておるわけではございません。一方、最近におきましては、後ほど御説明いたします東海環状都市帯構想とかあるいはテクノポリス構想等の各種の地域開発構想が出てきております。このような状況あるいはその地元の意向を踏まえまして、中部圏全体を発展させるためのビジョンづくりに取り組もうということで、昭和五十九年度から三カ年にわたりまして調査を進めるということを予定しております。 それから、三番目が「特定地域の開発整備の推進」ということで、いわば事業の実施の推進あるいは調整という項目でございますが、幾つかの項目が書いてございます。 まず第一に、「東海環状都市帯整備計画(ひまわり計画)の策定」ということで、これはもう既にこの計画の策定は五十九年三月に一応終了しておりますが、これはいわば中部東海地域、名古屋を中心とした地域につきましてのビジョンでございまして、この地域はかなり工業生産力は高いものを持っているにもかかわらず、中枢管理機能、第三次産業的都市機能の集積は高くないと、そういう状況でございますが、中都圏全体を発展させる上におきましても、あるいは国土の均衡ある発展を図る上におきましても、名古屋を中心とした地域の発展というものが期待されておるわけでございまして、そういった観点から、伊勢湾の北部から名古屋市の周辺地域におきまして、既に四日市とか大垣、岐阜、瀬戸等の諸都市が現在あるわけでございまして、これらの都市が適切に機能を分かち合うように幹線交通体系をつくり、都市間の交流の活発化を図る、あるいは産業の高度化、複合化を一層発展させるという計画を策定したところでございます。 この右側の図でいきますと、ちょうど真ん中に点線で東海環状道路というものがございます。これがいわばこのメインとなるものでございまして、これにつきましては建設省の方において御尽力を願う、こういうことで考えておりまして、これを中心に都市の整備を図り、地域全体の活力を図っていくということで考えておるものでございます。 次に、三ページでございますが、筑波の状況を簡単に御説明したいと思いますが、筑波研究学園都市につきましては、もう既に先生方御承知のとおりかと思いますが、昭和三十八年以来、国の試験研究・教育機関というものを中心に、その施設の整備あるいは公共公益施設の整備を進めてきており、既に概成している段階でございます。既に四十五の機関が移転を完了しているところでございます。しかしながら、都市全体としては、施設は整備されたものの、人口の張りつけがまだ十分ではない。特に研究学園地区につきまして十分に思うとおりにいってないという状況でございます。全体で二十万人のところを予定しておりますが、現在十四万人程度、学園地区に十万人予定しているところが四万人程度と、その地区がおくれておるということでございまして、その辺が今後の課題というふうになっております。 それから三番といたしまして、琵琶湖の総合開発の推進でございますが、御承知のとおりこの琵琶湖総合開発特別措置法に基づきまして、琵琶湖の環境保全と汚濁した水質の回復を図りながら、水質源の利用と関係住民の福祉とをあわせて増進するということで、琵琶湖の総合開発計画を策定しておるわけでございますが、事業費一兆五千億ということで、二十二の事業によって総合開発計画の推進を図っておるところでございます。 四番目が、もう最後になりますが、関西文化学術研究都市の建設構想でございます。近畿圏は申すまでもなく、歴史的に文化、学術の機能があるわけでございますが、そういった歴史的な蓄積を踏まえまして、この関西における、あるいは西日本におけるいわば文化、学術の中心となる都市を建設しようということで、この右側の地図にございますが、上の方が一応京都になるわけでございます。左下の方が大阪市になります。右下の方が奈良になるわけでございまして、ここに木津川という川が流れておりまして、木津川のいわば左岸の丘陵地帯、これは大阪、京都いずれも大体三十キロ圏内のところにございますが、この丘陵地帯に文化学術研究都市をつくろうということを考えております。 筑波との違いを申し上げますと、面積から申し上げますと、筑波が二千七百ヘクタールでこちらが二千五百ヘクタール、要するに学術研究都市、まあ地区といいますか、それがほぼ同じでございますが、筑波は一体的ないわば一団地ということで整備されているのに対しまして、こちらの方は大体九つにわたる、クラスターと申し上げておりますが、いわば小さな地区が九つあるというクラスター型の開発であるということ、それから事業を行いあるいはそこに入ってくる機関が、筑波の場合ですと公的機関、すなわち土地の造成は住宅・都市整備公団が担当し、移ってくる機関は国の機関でございますが、こちらの方はそれぞれの民間の事業者、住都公団も含まれておりますが、民間の事業者が中心となる。それから入ってくる機関も民間が中心となるというところが筑波との違いでございます。 以上、駆け足でございますが、「大都市圏整備の方向」につきまして簡単に御説明させていただきました。
○小委員長代理(最上進君) 深水地方都市整備課長。
○説明員(深水正元君) お手元にあります「地方都市整備の課題」という資料に基づきまして説明させていただきます。 先ほど計画・調整局長の方から地方都市の人口、産業あるいは生活環境施設等の動向につきましては御説明がありましたので、直接地方都市整備の課題について説明させていただきます。 まず、「地方都市整備の課題」の第一の課題といたしましては、「就業機会の拡大」が挙げられます。これは地方都市の活性化のために最大の課題でございます。企業誘致につきましては、工業団地の造成あるいはインフラストラクチャーの整備なども非常に有効でございますが、そのような従来の誘致努力だけでなくて、今後は産業構造の推移あるいは誘致企業の希望する条件、地元で供給可能な労働力の質あるいは量などを踏まえまして、きめ細かな、かつ的確な対応が必要でございます。また、企業誘致と並んで重要なことは、地域産業の振興でございます。特産品づくりあるいはその販路の拡大、人材養成など、手近な資源、技術を利用しまして地域の個性を生かしたやり方で行われるならば大いに期待できる分野と考えられております。 次に、「高等教育の振興」が挙げられます。 全国の都道府県の長期計画の八〇%以上が高等教育の振興を重点施策として取り上げております。その高等教育の立地は、全国的に見ますと大都市に集中しており、また都道府県ごとに見ますと県庁所在都市に集中しておりまして、地方中心都市につきましては高等教育への期待と現実の立地との間に大きなギャップがございます。これらの都市へ地域にふさわしい特色のある高等教育機関を分散誘導して、県内各地に立地いたしました各大学、短大その他の教育機関が、お互いに機能分担し合うような方向で整備を行っていく必要があると思います。地方都市における高等教育の振興といいますのは、大学、短大に限定して考えるべきではなくて、専修学校や職業訓練校あるいはコミュニティーカレッジなど、地域の特色を生かした多様な高等教育機関の整備を行うべきでございます。 第三の課題といたしまして、「都市の個性と魅力の確保」でございますが、地方都市は近来、個性を喪失して画一化の方向に向かっていると指摘されております。人口の地方定住にとりまして、一般的な都市の魅力と同時に、自然、風土、歴史的。伝統的遺産等からまいります個性と魅力が極めて重要であります。 国土庁といたしましては、そういうことから、昭和五十二年度から伝統的文化都市環境保存地区等整備事業、あるいは積雪寒冷都市モデル街区整備事業、そして昭和五十六年度からは水緑都市モデル地区整備事業、あるいは伝統産業都市モデル地区整備事業などに対しまして助成して、個性と魅力あるまちづくりを全国的に誘導しております。さらに本年度からは花と緑の都市モデル地区整備事業に対しましても助成を行っておるところであります。これらのモデル事業はその先導的効果、他都市への波及効果が非常に大きいと評価されております。 次に、「高齢化社会への対応」でございますが、高齢化社会においては、高齢君が生きがいを感じるようなまちづくりが必要であるということでございますが、人口規模が小さいほど老齢人口が高くなっております用地方都市におきましては、農業漁業従業者や自営業者のウエートが高いので、定年による職業離脱は比較的少ないわけですけれども、高齢者に適した職場の確保、あるいは豊富な自由時間等を利用いたしました地域活動のリーダーとしての役割、恵まれた住宅事情を生かした家族機能の強化、高齢者に配慮した都市施設、保健、医療、レクリエーション体制の整備等が必要でございます。 次に、第五の課題といたしまして、「地域環境の自律的管理システムの確立」がございます。地域の振興を図るためには、地域住民の創意と自発性に基づくまちづくりへの取り組みが必要でありますが、地域には公共公益施設のほか、企業の、個人の施設等多種多様な地域施設がございます。個々にこれらは別個の体系によって管理運営されておりますが、これらの諸施設を、地域の自然条件、伝統的条件、土地利用状況等に応じて、地域内に生活する立場から横断的、統一的に管理運営していく必要があります。住民と行政の新しい合理的関係のもとに、地域独自の判断による地域環境の管理システムの確立が望まれております。 次に、地方都市の類型とその整備の方向につきましては、今申し上げました幾つかの課題を、類型別に、都市の規模別にその整備課題を整理したものでございますが、一応ごらんになればわかると思いますので割愛さしていただきます。 以上をもちまして、地方都市の整備の課題につきまして説明を終わらしていただきます。
○小委員長代理(最上進君) 次に、建設省より説明を聴取いたします。松原都市局長。
○政府委員(松原青美君) 建設省の都市局長でございます。 私の方から「市街地整備の現況と課題」という資料を御提出してございます。この資料によります詳細な説明は、後刻各批判課長から御説明さしていただくことにいたしまして、私からは、現在の市街地整備の現況と課題につきまして、概括的な説明をさしていただきたいと存じます。 御承知のように、我が国におきましては、昭和三十五年からの二十年間に、DID地区、いわゆる人口集中地域でございますが、その人口が約二十年間に一・七倍、面積が約二・六倍に増加するなど急激な都市化を来したわけでございます。しかしながら、近年の我が国の人口動態は、先ほど国土庁の方からも御説明ありましたように、三大都市圏と地方圏との間においては、ほぼ均衡状態にありまして、地方圏での人口定住の傾向が定着してきたと見られております。その地方圏におきましては、地方中枢都市や地方中心都市で人口増加が見られ、周辺農山漁村を含めた形で都市化がなお進行いたしております。今後とも都市化は全国的に進展し、私どもの推計では、昭和五十年に全人口のおよそ六制であったDID人口は、二十一世紀初頭には約一億人、全人口の約七割を超えるものと予想されております。その対策は極めて重要であると認識いたしております。 まず、都市基盤施設の整備水準は、施策の実施により着実に向上をいたしておりますが、また都市環境は年々改善されてきておりますが、我が国の都市は、近代的な社会資本整備の歴史が浅く、社会資本のストックが少なかったこと、都市化が世界に類を見ないスピードで進んだこと等により、欧米先進諸国に比較して必ずしも十分な整備がなされているとは言いがたい状況であります。つまり、現在のDIDの面積のうちの約六〇%のものは、昭和三十五年からの二十年間、実質的には三十五年からの十五年間でありますが、に形成されたものでありまして、都市基盤整備がこの市街地の拡大に立ちおくれているという現況であります。 すなわち、下水道の普及率は三二%にとどまっておりますし、一人当たりの都市公園面積は四。五平方メートルと、それぞれ欧米先進諸国に比較しまして著しく立ちおくれております。都市の骨格をなします都市内道路の整備率につきましても計画の三八%と、まだまだ不十分な状況であります。 今後の都市整備は、都市化のエネルギーを適切に誘導し、都市計画を総合的に進めることにより、生産の場としてのみならず、生活の場として、安全で快適な活力ある都市を整備していくことを基本といたしておりますが、このためには、市街化区域及び市街化調整区域の区域区分の見直し、地区計画制度等の活用により都市における土地利用の適正化を図るとともに、街路、公園、下水道等の都市基盤施設の整備、土地区画整理事業、市街地再開発事業等による良好な市街地の計画的な整備を図っていく必要があります。特に、大都市においては、高度の都市機能を維持しつつ、都市住民の生活の場としてふさわしい都市の再生を目指す一方で、地方都市にあっては、定住社会にふさわしい都市機能と快適で豊かな都市生活を確保することにより、周辺農山漁村を含む地域社会の中で、中核的な機能を発揮できる個性と魅力ある都市形成を図ることといたしております。 具体的には、大都市地域にありましては、防災、良好な居住環境の形成、都市機能の更新、職住近接等を図るため、既成市街地の再開発を民間の活力を活用しつつ強力に進めますとともに、これとバランスをとりながら新市街地の計画的な形成を図ることといたしております。また、都市基盤施設の整備が相対的に立ちおくれている地方都市では、今後の都市人口を円滑に受け入れますとともに、周辺農山漁村を気んだ圏域の核として高度の都市機能を確保するため、先行的かつ重点的に都市施設の整備を推進してまいることといたしております。 次に、市街地の整備に当たって、住宅宅地対策は極めて重要でありますので、その対策について簡単に御説明いたします。 住宅は、潤いのある家庭生活の基盤をなすものでありまして、すべての国民が、その家族構成、世帯成長の各段階、居住する地域の特性等に応じて、良好な住環境のもとに安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを基本目標として、総合的な施策を展開しておるところでございます。具体的には、昭和五十六年度を初年度とする第四期往宅建設五カ年計画に基づき、住宅の質の向上に重点を置いた、きめ細かな持ち家対策の推進、低所得者階層及び都市勤労者等の中所得者階層に対する良質な賃貸住宅の供給、市街地環境の改善とあわして良質な市街地住宅の供給を図るための再開発の促進、大都市の既成市街地に密集している低質木造賃貸住宅の建てかえの促進等市街地における住環境の整備の促進、既存住宅ストックの有効活用の推進等の各般の施策を進めているところでありまして、今後ともその充実強化に努めてまいるしとといたしております。 宅地対策につきましては、地価の安定に留意しつつ、良好な市街地の形成を図りますとともに、住宅建設を促進するため、宅地需要の根強い大都市地域を中心として、公的宅地開発の計画的推進、政策金融による優良な民間宅地開発の推進、関連公共公益施設の整備の推進、市街化区域及び市街化調整区域の区域区分の見直しと開発許可制度の適切な運用、都市再開発による土地の高度利用の促進、土地税制の改善等の施策を総合的に推進し、良好な宅地の計画的な供給に努めてまいることといたしております。 以上、私から簡単に総括的に御説明いたしましたが、引き続き担当課長から、この資料に基づきまして御説明いたさせますので、よろしくお願いいたします。
○小委員長代理(最上進君) 伴都市政策課長。
○説明員(伴襄君) それでは、お手元にお配りしております「市街地整備の現況と課題」という資料で御説明さしていただきます。 まず私からは、一ページ目の「I都市化の動向と市街地整備の現況と課題」というところを御説明さしていただきます。 まず「都市化の現状」でございますが、今までの国土庁あるいは都市局長の説明からかなり重複いたしますので、ごく簡単にやらしていただきますが、(1)のところで、全面的な都市化社会への移行の状況を示しておりまして、人口集中地区、いわゆるDID地区につきまして、下の表をごらんいただきますと、昭和五十五年にDID人口のシェアが五九・七%となっておりますが、六割近くのDID人口があるわけでございますけれども、これが二十一世紀初頭の七十五年になりますと七一・五%になるということを示しております。 それから、一ページの下の方の(2)で、三大都市圏への集中の状況でございますが、これは次の図にございまして、先ほど国土庁の説明があったとおりでございまして、三大都市圏への人口集中が鎮静化しておるという状況を示しております。 それから、②のところは、大都市圏の中心部の人口が減っている状況、二ページ③のところの図は、地方中枢都市なりあるいは地方中核都市を中心として、非常に人口の伸びが著しいということをグラフとともに示しております。 三ページをごらんいただきます。 市街地の外延的拡大ということで、市街地の面積が都市人口の伸び以上に伸びておりまして、いわゆるドーナツ化現象が見られます。したがいまして、人口密度が減ってきておりまして、下の図をごらんいただきますと、大都市圏地域におきましては、三十五年ごろはヘクタール当たり百二十二・九人でございましたが、それが五十五年では八十四・五人になるというふうに、人口密度が減っております用地方圏も同様の状況が続いております。 それから、下の(4)で、「農村の広義の都市化」と書いてございますが、農村集落におきます都市化の状況を示しておりまして、一番下の表をごらんいただきますと、「農業集落の概要」という表がございますが、その表で農業集落の中に非農家がどの程度おるかということを示しておるわけでございますけれども、三十五年が三八・六%でありましたのに対しまして、五十五年は七六・八%というふうに、非農家の割合が八割近くになっております。 次に、四ページでございますが、「都市整備の課題」でございます。 都市整備の目標といたしておりますのは、ここにありますように、①、②と書き分けてございますけれども、一つは居住する場あるいは生活の場といたしまして、都市を安全で快適な居住空間にするということが一つあると思います。それから二つ目は、生産の場あるいは就業の場として活力の充実を図る、都市の活性化をもたらすということを目標といたしております。 (1)のところから具体的な都市整備の課題を書いてございますが、まず「安心して暮らせるうるおいのある都市づくり」ということで、一つは都市基盤施設の整備の状況が、御案内のとおり、御説明申し上げましたとおり非常におくれておりまして、その状況を下の表に書いてございます。「都市整備の現状と目標」と書いてございますが、例えば下水道におきましては、昭和五十七年度末の見込みが三三%という普及率になっておりますけれども、現在、下水道の五カ年計画の中間目標は六十年末でございますけれども、四四%を目標にいたしております。さらに、それを二十一世紀初頭には九〇%にしたいという目標で進めております。公園につきましては、五十七年度末の見込みが、都市計画人口一人当たり四・四平米という状況になっております。以下、街路、面的整備、あるいは都市高速道路状況はそれぞれ表のとおりでございます。 それから、「都市基盤施設の整備水準」を国際比較したのが下の表でございまして、例えば下水道につきましては、総人口普及率三〇%、一九八〇年で比較しておりますが、イギリス九七、西ドイツ八八、アメリカ七二というのに比べますと、非常に落ちておる状況がわかるかと思います。それから都市公園につきましても同様に、公園の一人当たり面積が諸外国、特にイギリス、西ドイツあるいはアメリカといったようなところに比べますと、非常に面積が狭いという状況を示しております。 五ページに参りまして、そのほかの課題でございますが、「良好な住宅宅地の供給」につきましては、これは後ほど担当の者からまた説明いたしますので、これは省略させていただきます。 それから③で「災害からの安全性の確保」ということで、都市は何をおきましても安全でなければいけないわけでございまして、そのために都市の防災構造化を進めております。i)の中ほどにございますけれども、都市の防災構造化を進めるために無秩序な市街地の拡大を抑制したり、あるいは建築物の不燃化を進めたり、あるいは避難地、避難路の整備を進めたり、根本的には防災型の市街地再開発事業というような面的な整備手法を起こしたりいたしております。それから剛にございますように、都市水害に対しまして、それぞれ都市河川流域の整備なりあるいは下水道施設の機能拡充といったようなことを進めておるわけでございます。 ④は「魅力ある都市空間の形成」ということで、「うるおいのあるまちづくり」ということを都市の整備目標にいたしておりますが、特に水だとかあるいは緑、道、景観、遺跡といったような事柄をモチーフといたしまして、そういったものを生かした個性あるまちづくりをしたいということで進めておるわけでございます。 六ページに「経済社会の変化への対応」ということでございますが、①のところは、都市化社会が分散型になってきておる、あるいはその方向に持っていきたいということを示しております。それから②は高齢化社会への対応ということでございます。高貯蓄率が維持されているこの時点において、極力住宅、社会資本の整備水準を上げたいということ、あるいは高齢化社会にふさわしい社会資本整備を進めたいといったようなことでございます。 それから、七ページでございますが、国民のニーズの多様化あるいは高度化に対応いたしまして、特に在宅時間あるいは余暇時間がふえます、あるいは所得水準が上がります、高学歴化が進みますというようなことに対しまして、国民のニーズが、例えば文化活動なりあるいは社会教育なり、そういった面に関心が高まるわけでございますので、それに対応した都市整備を進めていきたいということでございます。 それから、八ページでございますが、資源エネルギーの制約あるいは高度情報化へ対応いたしまして都市整備を進めたいということでございまして、特に情報化に対しましては、国土の均衡ある発展という観点から、高度情報化の動きを地域整備の上に的確に生かしていくということが必要かと思います。 それから産業構造の変化への対応ということで、従前のような、例えば二次産業を例にとりましても、拠点開発型あるいはコンビナート型の都市整備から、高付加価値産業を重視した産業に変化してきておるわけでございまして、それに対応した都市整備が必要であろうということでございます。それから最後の段のところに「都市衰退」、いわゆるアーバンディクラインの問題を掲げております。 ちょっと次の九ページの表をごらんいただきますと、「OECD諸国の主要都市人口の推移」を示した表が下の方にございます。フランスのリヨン、パリあるいはオランダのロッテルダム、イギリスのグラスゴー、リバプール、マンチェスターあるいはアメリカのシカゴ、デトロイトといったようなところは、いずれも三十五年から五十年を比較いたしまして一〇%、物によっては二十何%といった形の人口の減少を示しております。この間におきまして東京は四%減、大阪は八%減でございます。こういった欧米先進諸国ほどではございませんが、特に我が国におきましても、企業城下町を中心といたしまして人口減少が見られます。また大都市の都心部において空洞化現象が見られているわけでございます。欧米先進諸国に比べれば、まだ都市の活力が残っているということでございますけれども、今後欧米先進諸国の二の舞にならないようにするにはどうすればいいかということが都市づくりに課せられた課題でございます。 それから、十ページでございますが、これは「民間活力を活用した都市再開発の推進」ということで、財政状況が極めて厳しい中で、民間の活力あるいは民間資金を活用して都市の再開発を中心として都市整備を進めていこうということでございまして、そのために、②のところにございますが、建設省におきましては、昨年四月に省内に都市対策推進委員会というものを設置いたしておりまして、その委員会で検討を進めまして、昨年七月十四日に「規制の緩和等による都市再開発の促進方策」というのを取りまとめました。これをもとにいたしまして、予算なりあるいは税制なりそれぞれ手当てを進めてきたわけでございまして、さらには、この都市対策推進委員会は、民間活力検討委員会という形で省内に委員会を設けておりまして、これも去る四月十三日に第一次報告を取りまとめたところでございます。 その具体的な方策でございますが、特に都市再開発の分野におきましては、十ページの③のi)にございますように、一つは、一般的規制緩和と言っておりますが、例えば東京都の環状七号線内の第一種住居専用地域、これにつきましては、一応高さ制限十メートルまでということになっておりますが、こういったところにおきましても高度利用を図れるところは図っていこうという方向で、もちろん良好な居住環境の維持のために必要なところは除きますが、それ以外のところにつきましては、地区計画といったような、居住環境を確保するために地区レベルで都市計画をするものがございますので、そういったものを兼ね合わせまして、第一種住居専用地域を例えば第二種住居専用地域に直すといったような方向の検討を進めておりまして、現在東京都あるいは関係区で検討を進めておるところでございます。 それから、十一ページでございますが、血は個別的規制でございまして、優良な再開発プロジェクトにつきまして、事業内容に即して個別的な規制の緩和をしようということで、例えば特定街区制度について制度運用の改善を図る、あるいは市街地住宅総合設計制度の活用を図るといったようなことを検討しております。 それから、再開発事業への重点的公共投資あるいは再開発事業制度の改善・拡充でございますが、まず再開発事業への重点的公共投資、イのところでございますけれども、全般的な予算がマイナスシーリングの中におきまして、再開発事業につきましては、特に今年度の予算では一般会計で三〇%増し、道路特会で九%増しというようなことで、かなり大幅に予算を計上して、重点的に再開発事業を進めたいということでございます。それからロのところでございますが、民間再開発を進めるに当たりまして、特に道路の整備が十分でなければいけないということでございまして、そこで重点的に道路整備を進めたいということでございます。特に街区単位、短区間の道路でも優先的にその街路の補助採択を行うというようなことをやりたいということでございます。 それから(ハ)でございますが、優良な民間再開発事業の推進ということでございまして、これにつきましては、補助、融資、あるいは税制につきまして、それぞれ今回の予算あるいは税制でもって大幅な改善が見られたわけでございます。 それから十二ページでございますが、国公有地の活用ということでございまして、これは国鉄用地を含めた国有地あるいは公有地につきまして、周辺地域を含めた地域の活性化を図ろう、これを種火として地域の活性化を図ろうということで検討を進めているわけでございまして、御案内のとおり、現在国鉄関係では錦糸町、梅田、新宿、汐留の四カ所につきまして、関係省庁が寄り集まって具体的な活用方策の検討を進めております。 さらには、公務員宿舎用地につきましては、新宿西戸山住宅をモデルケースとしまして検討を進めておりますが、これらの地域を含めまして、国鉄用地を含めた国公有地全般につきまして、内閣に国公有地等有効活用推進本部というのができておりますので、そこが中心になって関係省庁寄り集まって検討を進めているところでございます。 最後は、空中権制度でございますが、空中権につきましては、都市再開発を推進する決め手として大変各方面から注目されているわけでございまして、アメリカについてもそのことにつきまして調査したわけでございますけれども、その結果がちょっと書いてございますが、次の十三ページをごらんいただきますと、図を示しておりますけれども、アメリカの空中権といいますのは、他人の土地の上空部分を羊羹のように区切って使う、例えば人工地盤のようなものを設けまして使うというのがいわゆる空中権ということでございまして、これは特に鉄道用地等を中心としまして非常に活用されているわけでございます。 それからもう一つは、余った容積を他の土地に持っていきまして、そこでその容積を使うといったようなことが言われておりまして、それが下の図でございまして、「移転可能な開発権」と書いてございますが、例えばこれはニューヨーク市の例でございますけれども、古い教会がございますと、その教会につきまして歴史的な建造物ということで増改築の規制をいたします。増改築の規制をする見返りとしまして、上空の未利用容積を他の敷地の方に移しまして、そこでその未利用の容積を使うといったようなことが行われているわけでございますが、このニューヨーク市の例に、この図にもございますように、範囲はそんなに広うございませんでして、移転する範囲はせいぜい通りの反対側あるいは交差点の反対側程度でございますので、そう大幅に移転する例はないわけでございまして、まあこういったのが空中権であり、あるいは移転可能な開発権でございますが、これを日本に、この調査結果を踏まえてどう取り入れるかという問題があるわけでございますが、十二ページの一番下に書いてございますけれども、一つは、空中権につきましては、基本的には現在民法に区分地上権制度というのがございますので、それを活用することによって対応可能であろうというふうに考えております。 それから、譲渡可能な開発権の方でございますが、この未利用の容積を移すという方につきましては、例えば都市計画法の制度に特定街区制度というのがございますので、そういったものの活用あるいは改善によりまして対応できるだろうというふうに考えております。余り広範な移転というのは、例えば都市環境、交通上の影響等を考えますとできませんし、アメリカでもそれほど例がないということでもございますので、そういった対応で今後進めていきたいというふうに考えております。 それから、先ほど説明しました資料で、四ページをちょっとごらんいただきますと、「都市整備の現状と目標」という表がございます。その中で下水道と公園の整備の、五十七年度末の見込みの数字が書いてございますが、これは、実は五十七年度末の確定の数字が出ておりまして、下水道三三%とございますのは、これは三二%で確定いたしております。それから公園につきましては、四・四平米が四・五平米という形で確定いたしておりますので、恐縮でございますが、御訂正いただきます。 以上でございます。
○小委員長代理(最上進君) 内藤住宅政策局長。
○説明員(内藤勲君) 引き続きまして、その十四ページ「住宅宅地対策」に入らせていただきますが、私からは、住宅の関係の事項を説明させていただきます。 まず初めに、住宅の事情でございますが、我が国は五年ごとに行います住宅統計調査というのがございまして、それが我が国の住宅の事情を示す基本的な資料になるわけですが、一番新しいのが昭和五十八年十月一日現在で行われておりますが、それが現在集計の最終段階でございまして、もう一、二カ月いたしますと新しいデータが出るという、そういう状況でございますので、きょうのところは五十三年のデータで説明せざるを得ないと、そういうことでございますが、よろしくお願いいたします。 まず、表1でございますが、これは何を示しているかといいますと、我が国の住宅事情も量的には大分改善されまして、世帯数を住宅の総数が大分上回った、そういうことでございます。表一の一番右端を見ていただきますと、総世帯は五十三年で三千二百八十二万五千世帯でございますが、二つ下の住宅総数の欄を見ていただきますと、三千五百四十五万一千ということでございまして、その住宅総数の総世帯に対する割合も一・〇八と、そういう状況になっていますということがわかります。それから、少し下の横棒の下のところに二百六十七万九千という数字がございますが、これが五十二年現在の空き家の数でございまして、約二百七十万戸の空き家が昭和五十二年時点で既にある、そういうことでございまして、これは新しい資料では、さらに幾分大きくなっているんではないかと思われます。 次に、我が国の住宅の所有関係別がどうなっているかというのが下の表2でございますが、右端を見でいただきますと持ち家、借家の割合があります。持ち家が六〇・四%、六割が持ち家、残りの四割が借家という、そういう状況だということがおわかりいただけます。 次に、十五ページに入っていただきまして、質の問題に絡んでまいりますが、我が国では住宅政策の上では居住水準というものを設けておりまして、平均居住水準、最低居住水準というものを設けております。それで、その平均居住水準以下の世帯がどのくらいあるか、最低居住水準未満の世帯がどのくらいあるかということなんですが、上の棒グラフで見ていただきますと、昭和五十三年のところにございますが、五九・五%が平均居住水準未満、一七・七%が最低居住水準未満、そういうことになっております。 さらに、最低居住水準未満がどういう形で分布されているかということで、下の棒グラフでわかるわけですが、その棒グラフの一番右のところを見ていただきますと、借家の最低居住水準未満が非常に大きくて、公的借家につきましては三八。一%が最低居住水準未満、民間借家につきましても二七・二%という非常に高い率になっております。一方、持ち家のところは六・二というのがございますが、六・二%だけが最低居住水準未満だと、そういうことでございます。そういうことで、最低居住水準未満は借家に多いということがわかりますし、地域的には大都会の地域が多いということがわかるわけでございます。 次に、十六ページに入っていただきまして、我が国の場合にはこういった住宅事情を踏まえまして、どういう形でもって住宅政策を進めているかということでございますが、住宅建設五カ年計画というものを策定して進めております。現在の計画は第四期住宅建設五カ年計画でございまして、昭和五十六年三月二十七日に閣議決定されたものでございます。十六ページにある表はその五カ年計画でどういった住宅を、どのくらいの住宅をつくっていくのかということなんですが、総建設量としましては七百七十万戸を五カ年間でつくる、五十六年度から六十年度までの五カ年間で七百七十万戸。そのうち公的資金にかかわる住宅は三百五十万戸という、そういう計画を立てて現在進めているわけです。そういう住宅建設を進めながら、先ほど最低居住水準、平均居住水準なんということを申しましたが、昭和六十年までにすべての世帯を最低層住水準未満にしようと、それから半数の世帯を平均居住水準未満にしようと、そういうことでもって現在の五カ年計画のもとで政策を進めているわけでございます。 後先になりましたが、十七ページに居住水準というものがどういうものであるかということで、十七ページの上の表にございます。 どの程度のものを我が国の平均居住水準、最低居住水準と考えているかといいますと、四人のところの欄を見ていただきますと、最低居住水準といたしましては、四人世帯で、真ん中あたりですが、三DKということでございます。よく平米数で一番よく使われるのは、その真ん中の住戸専有面積ということなんですが、五十平米の三DKが最低居住水準。平均居住水準といたしましては、四人世帯で三LDK、八十六平米。そういう目標を掲げて政策を進めている、そういうことでございます。 それから、十七ページの下の表は、現在の五カ年計画で、持ち家、借家をどんな形で想定しているかということですが、持ち家を七一・四%、借家系としましては二八・六%、そういった程度のもので計画を進めております。 ところで、計画達成状況でございますが、十八ページ、次のページにございます表6-1というのは、これは公的資金住宅の速成状況でございますが、これも一番右端のところを見ていただきますと、五十九年度予算に基づく戸数まで含めてということですから、五十六年度から五十九年度まで四カ年度、五カ年のうちの四カ年ですから八〇%くらいということが一つの標準になるわけですが、その表の一番下のところに七九・五という数字がございます。公的資金住宅につきましては、ほぼ計画どおりのペースで進められている。ただ、その中身について見ますと、その上にありますように、真ん中あたりの公庫住宅というのは九一・七%で非常にいいわけですが、公営住宅は六二・三%とか、公団住宅は五〇%とかということで、目標の水準にはまだ達していない、そういう状況でございます。 下の表は、民間の住宅まで含めて、我が国の七百七十万戸ベースでどの程度の達成状況かということなんですが、これは実績として五十六年、五十七年しかございませんので、それで申し上げますと、やはり右一番下のところを見ますと、公的、民間すべてを含めますと三〇・七%の達成状況である。これは二カ年間ですから、四〇%ぐらい数字としては欲しいところであるわけですが、三〇・七%、そういう状況でございます。 最後に、最近の我が国の住宅建設の状況、ごく最近の状況をお話しさしていただきますと、二十ページを見ていただきますと、二十ページの横の表でございますが、その表の真ん中のところに線があって、その上のところを見ていただきますと、五十八年度の数字がございます。この五十八年度は、昨年の四月からことしの二月までで、三月が一カ月その数字が落ちておりますけれども、百三万九千戸というのが十一カ月間に着工された住宅の戸数でございます。対前年で二・六%減、そういう状況です。その内訳を見ますと、資金別には公的資金住宅が余り振るわず、民間資金がそれなりに建っている。利用関係別では、持ち家が非常に低調で貸し家がいいと、分譲住宅もここにきてまあまあだと、そういう状況がおわかりいただけます。 次のグラフを見ていただきますと、戸数はそういうことなんですが、建っている家の大きさはどうかという、そういうグラフでございます。上から二つ目の実線を見ていただきますと、これがあらゆる種類の住宅をならした平均の床面積なんですが、五十八年度で八十六・三平米ということになりますが、五十五年度をピークに幾分下がっております。特に、五十八年は下がり方が大きいわけです。 内訳を見ますと、持ち家につきましては、一番上の点線なんですが、着実に上がっておりまして百二十三・八平米というところにきております。しかしながら、一番下が貸し家、借家でございますが、やはり五十五年をピークに非常に落ちておりまして、四十八・四平米というところまで落ち込んでいる。分譲住宅につきましても、下から二つ目ですが、やはり五十五年から落ちぎみである、そういうことでございます。平均が落ち込んでいるのは、一つは借家が落ち込んでいるということがございますが、もう一つは、最近借家に大分シフトしているということがありまして、それが総戸数の平均床面積を落としているということがございます。 次の二十二ページは、最近の持ち家、借家の割合の変化をグラフであらわしております。五十八年度は三七・七%が借家で、六二・三%が持ち家の建設だということです。次に、過去五年ないし十年を見ていただきますと、大体持ち家七、借家三で進んでおりましたが、ここに来て借家の割合が高くなっているということがわかります。 あと、参考資料つけてございますが、高齢化の問題とか、マンションの資料つけてございますが、その資料の説明は省略さしていただきます。 以上でございます。
○小委員長代理(最上進君) 三井宅地開発課長。
○説明員(三井康壽君) それでは、宅地対策につきまして御説明さしていただきたいと思います。 二十五ページをごらんいただきたいと思うんですが、「宅地対策」といたしまして、住宅建設五カ年計画にあわせまして、「宅地需給の長期見通し」というのを立てております。住宅の方は五カ年でございますが、宅地は十カ年で立てております。これによりますと、五十六年度から六十年度までの五カ年間、これ前期と言っておりますが、全国で六万二千五百ヘクタール、この供給が必要であろうというふうに想定をいたしました。さらに、六十一年度から六十五年度までは六万七百ヘクタール、こういう見通しを立てているわけでございます。 ところで、実績はどうかということでございますが、(2)の「宅地供給の現況」の表をごらんいただきますと、五十七年度の数字で申し上げますと、九千九百ヘクタール、一番右の欄でございますが、公的が三千二百、民間が六千七百、合わせまして九千九百ヘクタール、こういった供給量でございます。これを六万二千五百ヘクタールという見通しから見てみますと、約二割ほど落ち込んでおる。六万二千五百を単純に五で割りますと、一万二千五百ヘクタールでございますから、供給実績五十七は九千九百ヘクタール、約二割減と、こういった状況が現在の状況でございます。なお、御参考までに、宅地供給のピークは四十七年度でございまして、全体で二万三千四百ヘクタール。それから比べますと五十七年度は約四割程度、こういった落ち込みになっているのが現況でございます。 今後どうかというのを先行指標で見てみますと、二十六ページ、私ども先行指標と考えております開発許可の許可面積、それから区両整理事業の事業認可面積ごらんいただきますと、五十七年度、それぞれ四千五百十二ヘクタール、五千四百十六ヘクタールでございまして、五十一年あたりからほぼ横ばいでございます。したがいまして、今後とも宅地供給は横ばい傾向に行くんではないか、こういうふうに予想をしているところでございます。 そこで、宅地供給が前よりも停滞している理由といたしまして、二十七ページ以下に三つほどお示し申し上げておりますが、第一が、宅地供給の停滞は、民間供給が減少している。民間供給が約三七%ぐらいピークから落ちておるわけでございますけれども、この理由でございますが、素地の取得が困難となりまして、民間事業者がなかなか買いにくくなっている、これが一つの大きな理由であろうと見ておるわけでございます。事業者の意向調査をしてみた表がここにございますが、特に三大都市圏では約九割ぐらいが取得が難しい。非常に難しい、難しい、どちらかといえば難しい、合わせまして九割ぐらいが難しいというふうにお答えをいただいております。また、地方圏でも、多少は緩んでいるわけでございますけれども、大半が難しい。こういうふうな状況にあるわけでございます。 それから、二つ目の理由でございますが、関連公共公益施設の負担が非常に重い、市町村等々の関連公共施設への要望が強うございます。そういったことを背景にいたしまして、有効宅地率と言っておりますけれども、この表にございますように、四十七年度は宅地として売り出す面積が六八%ございましたが、五十七年度では約一〇%強減りまして、五六%程度しか宅地として出せない。関連の道路、公園その他の施設にとられる率が大きくなっている。したがって、事業者もなかなかコストが高くなって、しにくくなっているというふうに言えようかと思います。 さらに、長期間いろいろな協議をいたしましたり、あるいは用地取得に時間がかかりまして、用地取得から分譲開始までの期間が非常に延びております。二十八ページの上の表をごらんいただきますと、五十二年では取得から分譲開始まで五年以上のものが二七%、二三プラス四で二七%でございました。ところが、五十七年にきますと五三%、約二倍ぐらい五年以上かかりますのがふえている、こういう状況でございます。 三番目の停滞している理由でございますが、これは多少いろんな御議論ございますが、宅地開発に伴います指導要綱等によりまして抑制していこうという市町村がかなり多いのではないかということでございまして、四十二年から行政指導としてつくられました指導要綱は、五十二年に八百八十五でございましたが、五十六年ではまたふえまして一千七というふうな状況でございます。 そこで、現在やっております宅地対策につきまして、二十九ページ以下、七つの項目にまとめまして御説明さしていただきたいと思います。 第一が、公的宅地開発の推進でございます。主力は住宅・都市整備公団の宅地開発部門でございます。現在までに完了したものあるいは施行しておりますものの地区が二百十三地区、三万二千ヘクタール余でございます。それから処分をいたしました、既に宅地として供給いたしましたものが五十八年の三月末で六千七百二十二ヘクタールでございます。それから地方住宅供給公社、これは県レベルで主としてつくっておられますが、これまでの施行面積が五千九百六十ヘクタール、それから地方公共団体、これが一万四百八十八ヘクタール、こういった施行状況でございまして、特に住宅・都市整備公団等につきましては、財投の資金によりまして事業を行っておりますし、地方住宅供給公社、地方公共団体に対しましては、国といたしましては住宅金融公庫の宅造融資をさしていただいておる、こういうことでございます。 それから三十ページ、二つ目の施策でございますが、政策金融によります民間宅地開発の推進でございます。政策金融といたしましては、住宅金融公庫と日本開発銀行がございます。それぞれ公庫融資につきましては五ヘクタール以上、開銀融資につきましては三十ヘクタール以上、対象地域も主として三大都市圏あるいは二十五万以上の都市ということになっておりまして、金利は公庫が七・八%、開銀が七・八五%、こういったことでございます。 三十一ページには、都市計画法の線引きと開発許可制度の適切な運用という三つ目の施策でございますが、線引きの見直しにつきましては、後ほど都市計画課長から御説明を申し上げますので省略さしていただきますが、開発許可の適切な運用といたしまして、特に市街化区域におきましては、開発許可は一定の技術的な基準、道路ですとか、公園ですとか、あるいは防災上の措置を講ずれば許可がされますが、調整区域では、そのほかに立地が適当である、あるいはやむを得ない、こういったものしか許可をしないというふうに法律上なっておるわけでございます。 特に大規模な開発といたしましては、二十ヘクタール以上のものであれば、一定の条件のもとに許可し得るとなっておるわけでございますが、近時宅地供給が減ってきているということもございまして、五ヘクタールまで引き下げるという改正をいたしました。これは、現実には都道府県の規則で改正をしていただきませんと、引き下げができないわけでございますので、現在、都道府県に引き下げをお願いしているような状況でございます。四月十五日現在、十八道県市で改正がなされておりまして、今後ともこれを進めていただくように公共団体を指導してまいりたいと考えております。 それから、三十二ページが「宅地開発等指導要綱の行き過ぎの是正」、四つ目の項目でございます。これは、宅地開発指導要綱と申しますのは、地方公共団体が行政指導としましてつくっておりまして、要綱という形でつくっておりますものでございます。 本来で申しますと、都市計画法の開発許可制度でやればいいわけでございますが、財政負担の問題あるいはもっといい都市環境をつくろうといったことから、独自に公共団体でつくっております。しかし、中にはこれの行き過ぎがあるということで、五十七年の十月に建設省、自治省共同いたしまして、開発許可に当たりまして協議が非常に長過ぎる、なるべく短かくやってほしい。それから、公共公益施設の整備水準が非常に過大なものを決めている、こういった行き過ぎも是正していただきたい。あるいはデベロッパーから用途を決めない寄附金を取っている、これも少し行き過ぎがあるんじゃないか。こういったことを通達をいたしましたが、さらに五十八年の八月、昨年の八月に建設次官通達をもちましてより具体的に直していただきたいものを明らかにいたしまして通達をいたしました。 例えて言いますと、道路で言いますと、余り広い広幅員の道路をデベロッパーに負担させないとか、あるいは区画街路ですと六メーター以上は負担をさせないようにしてほしいとか、あるいは公園・緑地につきましては開発区域の三%あるいは一人当たり三平米、こういった具体の基準をお示しいたしまして、行き過ぎにつきましては是正していただきたいということをお願いをしているところでございます。 現在、県あるいは市町村でそれぞれ実態に合わせました見直し作業をしていただいている。いろいろな御議論がございますが、私ども建設省といたしましては、そういったことを地方にお願いをしているところでございます。 それから、三十三ページにまいりまして、五番目の施策といたしまして、「関連公共公益施設の整備の推進」でございます。デベロッパーに負担させるばかりでなくて、国も援助を強力にしようということで、住宅宅地関連公共施設整備促進事業、いわゆる促進費といっておりますものを特枠で、五十九年度で言いますと一千億の国費をつけておりまして、これによりまして団地関連の公共事業に重点投資をいたしております。なお、通常費による関連公共事業は二千億円余でございます。さらにまた、住宅・都市整備公団、住宅金融公庫融資にかかわります団地につきましては、一部学校ですとか、立てかえ制度をもちまして地方公共団体の財政負担が一時的に高くならないような措置もいたしております。 それから、宅地供給施策の六つ目は、再開発による高度利用でございます。これは、先ほど都市政策課長の方からもお話がございましたので私の方からは省略させていただきます。 最後に、七つ目でございますが、「土地税制」でございます。土地税制につきましては三十四ページに総括的な概要を表にしてございます。 考え方の基本を申しますと、土地の転がし、投機はまあやめていただく、しかし供給は促進をしていただく、こういった考え方でございます。したがいまして、「個人の短期譲渡所得の分離重課」というのが真ん中の上にございますが、十年以内の土地の取得、それを譲渡される、これにつきましては税金が重課でございます。したがいまして、土地がどんどん転々流通して高くならないという措置を講じております。しかしながら、十年以上持っておられますものを売られるという場合には「分離軽課」と、左の欄でございますが、してございます。これが基本でございまして、優良な宅地供給につきましては、さらに課税の特例、優遇措置がございますし、収用あるいは特定の区画整理といった宅地供給等に関連いたしますものにつきましては、特別控除があるということでございます。 また、市街化区域のいわゆる農地につきましては、宅地並み課税というのを実施しておりまして、市街化区域の中の農地の宅地化の促進というものを図られるようにいたしております。また特別土地保有税というのを市町村税で四十八年度から創設しておりまして、投機を防止するほか、優良なものにつきましては軽課をすると、宅地供給の促進を図るという税制を図っているところでございます。 以上が、簡単でございますが、大略の宅地対策の要点でございます。
○説明員(城野好樹君) 私の方からは、三十五ページに、現在進めております「都市計画法の線引きの見直し」という作業の概略について御説明を申し上げます。 線引きと申しますのは、先ほど宅地開発課長の方から御説明を申し上げましたように、相当規模程度以上の都市、その周辺の都市計画区域におきまして、市街化区域と市街化調整区域を区域区分をいたしまして、市街化区域は計画的な開発を進める、市街化調整区域については原則として開発を抑制するという、そういう行政の仕分け、運用をやっておるわけでございますが、社会情勢の変化、都市の発展状況等によりまして、それを適切に見直すことが重要であると考えておるわけでございます。 この制度は、昭和四十二年新都市計画法の制定によりまして定められた制度でございますが、第一回目の見直しを昭和五十年代の前半に行っておりますので、今回第二回目の昭和五十五年の国勢調査の基礎データに基づきます見直しを行っておるわけでございます。 この十年間の功罪というようなことにつきまして、真ん中辺から下に書いておるわけでございますが、市街化区域におきます人口増の千二百万人のうち、一千万人を市街化区域内で収容した、あとの二百万人は調整区域でふえたという形でございます。ただ、市街化区域に決められました中で、③のところに書いてございますように二四%の農地、山林が宅地化しないまま残っておる。また、その農地の転用率は、年率三%というふうに非常に低い状況であるというような問題点がございます。 大都市地域への人口集中は、先ほどから説明がございますように、かなり鎮静化をしてきておりますものの、大都市の中での世帯の分離でございますとか、若年層の結婚によります住宅需要というようなものが依然としてあるわけでございます。 そういうような状況を踏まえまして、三十六ページでございますが、今回の線引きの見直しは、一つは逆線引きと申しまして、非常に宅地化をしないようなまとまった農地のあるところは、一たん外へ出ていただくという仕掛けをするというのが一つ。それから、十年以内に市街化区域内に入れた土地がすべて宅地化するわけでもないという社会的な実態を踏まえまして、一定割合は宅地化しないものとして、さらに外の方にこれは行政上のカウントとしていけるという形をとったわけでございます。 第三番目には、市街化区域に入れろ、入れないというそれだけの議論では非常につまらないのでございまして、せっかく入れたところが宅地化をしないという状況では困りますので、実際の宅地の実供給に資するものだけを入れる、またその手段がそろってきたものだけを入れる。例えば区画整理事業の組合を設立する段階に達するというまでは、そこに書いておりますように、保留フレームという形で行政上は入れる仕掛けをとっておきますけれども、直ちには入れない。区画整理が確実な段階になった段階で入れる。また民間の開発も確実な段階で随時編入する、そういうやや弾力的な運用をしよう。 それから五番目といたしまして、線引きの原案を従前は都道府県が作成を行っておりましたけれども、やはり地元の需要動向を一番知っておりますのは市町村でございますし、地元の発展状況を責任を持つ市町村に第一次の原案を作成させよう。また、都市が非常に広域化をいたしておりますので、一つ一つの市町村での議論、これは調整は県が当たることになりますけれども、広域的な都市圏域の中で人口のやりとりをやれるようにしようというようなことでございます。 現在五十八年度末におきまして進行状況を表にいたしたものが三十九ページにございますけれども、これはほんのまだ取りかかりでございますので、実績としては非常に低いものになっておりますが、2の「決定及び変更の状況」をちょっとごらんいただきますと、大部分の都道府県におきましては既に作業に入っておりますが、実績として都市計画の告示まで行われたものが、三百二十四の都市計画区域のうち二十四の都市計画区域でそれが行われておりまして、先ほど御説明を申し上げましたように、この際入れたものが三千五百ヘクタール、それから保留フレームをして認定をいたしたものが四千五百四十四ヘクタール。逆線引きをいたしましたものが七百八ヘクタールということで、差し引き七千三百ヘクタールが二十四都市計画区域でふえたということで、あと三百の都市計画区域において作業が進められているということでございまして、これによりまして、現下の宅地需給の状況等に十分対応してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。
○小委員長代理(最上進君) 以上で関係省庁からの説明聴取は終わりました。 本件に対する質疑は午後に行うこととし、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ―――――・――――― 午後一時十八分開会
○小委員長(亀長友義君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会生活条件整備検討小委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、生活条件整備に関する件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○竹田四郎君 経済企画庁の御説明について、ちょっと補足的に御答弁をいただきたいと思っておるんですが、その一ページの「「展望と指針」での経済の想定」の(1)のところですが、その②に「家計貯蓄率は、次第に低下するが、」と書いてあるわけですけれども、具体的にどのぐらいになるというふうに、この七、八年間ごらんになっているのかということですが、私は、そんなに低下しないんじゃないか。高齢化社会に向かっているし、それから、年金その他等々もどうなるかわけがわからぬということもあるし、そうしたことを含んで考えますと、そう目立つほど低下しないんじゃないか。それから同時に、もう一つは、この貯蓄率が余り低下するということになりますと、あとの国債の消化の問題とかそうした問題に大きな影響が出てくるわけですから、余りこれが低下されると、やっぱり投資と国の財政関係に影響が出てくる可能性が私は非常に多いと思いますね。これから特に借りかえの問題もあるわけでありますし、国債費の償還の問題、いろいろあるわけですから、余り低下されると、この「展望と指針」が指し示しているような社会じゃなくて、もっと悪い社会になっちゃうんじゃないだろうかという感じがまず第一点します。 それから二点目は、労働力の供給の増加率ですが、これはどういうふうにごらんになるのかという点ですが、私はこれからの労働力の増加というのは、一つは家庭婦人の職場進出の問題というのが出てまいりますね。それからもう一つは、高齢者も定年が六十から六十五あたりへとふやす、そういう動きは私はあると思いますし、それから高齢者自体も、雇用の場を求めてやっぱり労働市場に出ていかなくちゃならぬと。こういう問題があるとすると、私はほぼ同程度、〇・九%ぐらいだろうと思うんですけれども、むしろもっと多くなるんじゃないだろうかという点が第二点です。 それから第三点は、この展望の中に所得水準がどうなるかというお話がなかったわけですね。ずっと全体きょうの御説明を聞きますと、かなり生活の質的水準というのは高まるし、住宅なんかの問題でも、もっと大きくしなくちゃならぬという問題があるとなりますと、所得水準というものをどの程度に置くのか。これからの生活もそうでありますし、同時に地域社会をつくる上でもそうしたことが大きな問題になってくるんではないだろうか。こんなことを考えているのが三点目です。 それから四点目ですが、これは経企庁のお考えを実はお聞きしたいんですが、今確かに経済が地方へ分散していくということがかなりあるわけですね。それで、九州あたりのお話を聞きますと、シリコンアイランドというふうにさえ言われて、飛行場周辺というのには大変大きな新しい工場群というのが出ているということなんですが、こうした工場群というのが、それは恐らく最近のハイテク関係のものが非常に多いとなりますと、案外これらの工場の陳腐化という問題、これも私はかなり早いんじゃないか、スピードアップされるんじゃないかと。 例えばシリコンの問題一つとりましても、何か数日前の新聞を見ますと、日本電気から今度新しい光素子とかなんとかというような三十二メガなんとかという、そういうえらい最新的なものが出ると、これがまたずっと広がってくる可能性が私はあるとなると、この前の日本列島改造論の中で、一応工場が分散したけれども、その工場が必ずしもそこで定着しないで、また工場自体が都市へ戻ってくるというような形のものも相当あったわけですがね。これからのハイテクノロジーの時代に、今配置をされているそうした工場が、ここで工場として充実しない、定着しない間に、また何かこう動きが出てくる可能性というようなものがあるんではないだろうか、そういうことはないだろうか。そういうことに対する対処は、例えばどういうふうにされているのか。そういう点で、工場地帯というんですかね、そういうのがどんどん変わっていく、そういうふうな激しい動きというもの、そんなものがあるんではないだろうか。そんな点を感ずるんですが、その四つぐらいの点についてお話しをいただきたいと思います。
○政府委員(星野進保君) お答え申し上げます。 大変難しい御質問ばっかりで、十分答えられますかわかりませんが、一応順次、御質問の趣旨に従いまして答えさせていただきます。 第一番目の貯蓄率でございますが、先生御指摘のように、非常に制度的な面、例えば社会保障の問題だとか、あるいは我が国における教育制度の問題だとか、それから老後、それから教育、それから不時の支出でございますか、そういったようなものが貯蓄率の高い理由に今まで挙げられてきたわけでございます。 そういったような面がどのくらい今後、例えば一九八〇年代を展望する場合に変化していくかということになりますと、恐らくここは議論がいろいろあって、先生御指摘のように、非常にある意味でそう制度的にも変わらぬじゃないかという観点をとるか、あるいは例えば、今度のこれから国会で御議論いただくわけでありますが、年金の問題やなんか、こういう問題がなり、むしろ制度改正をしていくことによって国民の中に将来に対する確信と申しますか、安定性と申しますか、そういうものを与えるかどうか、こういう議論があろうかと思います。 ただ、私どもここで貯蓄率が若干低下していくんじゃないかというのを、数量的に別にはじき出せる性格のものでもございませんが、定性的に考えてみますと、これも竹田先生十分御承知のとおりだと思いますが、貯蓄率が例のオイルショックのときぽんと上がったわけでございますね。一七、八%ぐらいだったと思いますが、それが二二、三%へぼんと上がりまして、私どもよく考えてみると、どうもいろんな制度論としての貯蓄率を維持する、上げるという理由はあるんでございますが、もう先生も御指摘のとおりなんですが、より何となく重要なのは、これから物価の安定じゃないかという気がするんです。 つまり物価に対する信頼感がどのくらいあるかということが――逆に物価が不安定でございますと、今割合家計支出が弾力的でございますので、むしろ貯蓄に回してしまう。それで自分の考えている質的上昇の生活設計というのをむしろおくらせていくという、そういう面があるんじゃないかという気がいたしまして、これからこの計画では、物価の安定というのを最重点目標と申しますか、消費者物価を三%程度でほぼ抑えていこうということを考えておりますので、そんな観点から、定性的に言えば、貯蓄率が今のようにオイルショック後のどんと上がったやつがまた従前のような程度にだんだん戻っていくという方がノーマルではあるし、ある意味ではそういう社会を維持していった方が日本国のためにはいいんじゃないだろうか、そんな気持ちがございまして、貯蓄率低下というのがここに出ておるわけであります。 もちろん先生の御指摘のように、構造論的なもの、そういう面をもっと突っ込むべきところが多々あるかと思いますが、一口で言えば「低下」と書いてあるのはなぜかと、こういう御質問でございますので、そういう面から説明をしておるわけであります。 それから第二点目、労働力増加の問題でございますが、これもまた先生の御指摘は非常に私ども反論する余地はないんでございますが、要するに、恐らくよく言われますように労働力が高齢化していきますと、ある意味でそれと競合するか、あるいは補完する形で婦人労働がどんどん出てくるだろう。しかもそういう条件が婦人についても十分整ってきつつあるわけでございます。 そういたしますと、従来の基幹労働力的な発想で男子労働力、そういうもののいわゆる就業参加率と申しますか、そういうものを基準にして物を考えておりますと、多分間違えるんだろうと思うんですね。質的には、恐らく高齢者だから生産性が落ちるという話もありますが、必ずしもそういうことはないんで、これからは恐らく経済全体がソフト化・サービス化してまいりますし、かえって高齢者の熟練というものが尊重される部面というのはかなり出てくるでございましょうから、竹田先生御指摘のように、むしろ老齢者の就業機会というものは、我々今想像つかないんですが、思わぬところにいっぱい出てくる可能性もあるわけであります。 したがいまして、概して老齢化をしていくということに対して、我々従来の頭でありますと悲観的になるわけでございますが、労働力という観点ではそう悲観的になる必要はないんで、むしろここに書いてありますように、一九七〇年代とほぼ同じぐらいの労働力、量、質、どういうふうにかけ合わせるかというのは残りますが、そういったような感じで物事をとらえたらどうだろうか。これも中身については、先生の御指摘のように、量で言えばむしろふえちゃうかもしれませんし、あるいは質的にはどちらの生産性の方が高くなるかというのは、実は私どもここで今議論する力はございません。ただ、今申し上げましたような感じで述べておると御了解いただきたいと思います。 それから、所得水準の問題でございますが、確かに御指摘のように、今度の計画では、ここにあります数字以外は出ておりませんので、数量的に所得水準がどうなるかということは、まず私ども材料を持っていないわけでありますが、通常考えられますのは、GNPの実質上昇率というのが四%ということでございます。それから、消費者物価が三%の上昇ということで、名目が六、七%という表現をしておりますので、総合デフレーターから言いますと、消費者物価三%だけが総合デフレーターじゃございませんので、もう少し低くなるかと思いますが、そういう意味では、いわゆる一人当たり国民所得、これは人口で割らなきゃなりませんが、トータルとしての国民所得というのは、ほぼ実質で言えば四%ぐらいのGNPとパラレルにいくんだというふうに、アバウトでございますが、大体側了解いただいておいてよろしいんじゃないだろうかというふうに考えます。 もちろん、それじゃその所得の処分の仕方、要するに先生の御指摘は、量的な問題よりは、そういう所得の処分の仕方というのがどうなるんだろうかということに恐らく御関心がより強いんだろうと思いますが、そういう問題につきましては、いわゆるこの計画全体の中で、先ほどもくたくたいろいろ御説明しましたが、むしろクォリティーがかなり変化してくるんじゃないだろうか。 これをよく申し上げるんでありますが、現在の住宅水準で十分であるかどうか、これは一つの大議論が残るわけでありますが、それに対する耐久消費財的な生活というのは、かなり個人的には充足しつつあると見ていいんだろうと思いますが、それに対しまして、ここでも先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、よく質的な充実ということになりますと、むしろ自分の生活の周りの生活環境、要するに下水であるとか公園だとか、そういったような社会資本に対するニーズがより強くなっていて、それで自分は書斎がない、そのかわり図書館を求めるとか、そんな生活の変化というのが発生してきているんじゃないだろうか。 それからもう一つは、より従来の物質的と申しますか、物がなくては人間は生きられないわけですが、物質的なものより文化的な価値だとか、あるいは心の豊かさというふうな表現を一時使われましたが、何というんでしょうか、物にふっと一緒にそういう、心理的な満足度、そういうようなものが維持できる。これが実は次の御質問にありました新しい産業活動と恐らく裏腹になるんだろうと思うんですが、生活パターンそのものがよりサービス的、要するに生活様式の方でございますね、個々の人間の生活様式そのものがよりサービス化していくというのとちょうど対応するように、産業構造の方もエレクトロニクスだとかバイオテクノロジーだとか、そういうものが中心にだんだんなって、現在の情報化社会へ向かっての幕あけだと言われるようなことが言われてきておるわけでありますが、それがちょうど裏腹に対応しつつあるのが現在の社会なんで、そこをどうとらえていくかというのが一つの大問題かと思っております。先生の御質問のような深みはございませんが、感じとしてはそんな感じで進んでおるということかと思います。 四番目の、いわゆる産業の地域分散が、列島改造論のときと同じように一過性――融資されたのがまた雲散霧消しちゃうというような形になるんじゃないだろうかという御質問でございます。 率直に申し上げまして、私それに対してどうだという結論は申し述べる能力ございませんが、一つだけ考えられますのは、従来の産業立地、重化学工業化、これはもう先生とっくに御案内のとおりだと思いますが、従来の産業立地というのは重化学工業化型でございますから、立地一ついたしますのに、例えば地耐力、地面の高炉に耐える力がどのくらいかとか、あるいは水の供給量はどのくらいかとか、そういったような、あるいは港湾をつくるちゃんと深さがあるかとかなんとか、非常に自然立地的に制約を受けたわけでありますが、現在今進んでおります新しい技術革新は、むしろフットルースといいますか、ある意味ではそういう立地制約は割合少ない。したがって、交通の便のいい臨空地帯であるとか、あるいは水が特にきれいで、非常にきれいな環境を要求しますから、そういうきれいなところだとか、そういうふうになってきておるということは、ある意味で各地域地域が御努力をいたしますと、そこへかなり結びつく可能性が非常に大きいということなんじゃないかと思うんですね。 このことは逆に言いますと、先生御指摘のように、各地域地域が非難に競争的になるだろうと、そういう意味では。したがって地域の工夫と一概に言いますが、地域が非常に競争的になるだけに、その競争的な手法に打ちかっていく地域というのはかなり強い位置を占めるでありましょうし、打ちかたないで何かそごを来したところはむしろなかなか進まないとか、そういう意味で、非常に今これから発達してくる産業、中核的な産業自体の性格からいって、フットルースであるということの意味合いというのはまさにそういうことなんだろうと思うんですね。 それを現象的に、竹田先生御指摘のように、いや浮気じゃないかと、企業の方が浮気じゃないかというふうにとらえるのか、それともそれに対する競争的な原理と申しますか、地域間の競争原理の結果と考えるのか、そこは私どうもまだ十分結論的に申し上げる力はないんでございます。 以上雑駁でございますが。
○竹田四郎君 どうもありがとうございました。 あとは国土庁、建設省の方にお伺いすることが多いと思うんですけれども。 今のお話にもあったんですが、特に大都市の既成の素材産業部門というのが、あるものはどんどん工場が地方へ分散する、あるものはもう国内では競争力がなくなって、新しい産業を考えなくちゃならぬという問題もありますし、それから特に大都市では工業制限法等があって、もうこれからは工場を大きくすることができないというような問題がありまして、東京、大阪を中心とする、この図面でも見られますように、あちらこちらに穴があいてくるというのは、川崎あたり見ていてもそういう状態ですし、それから大体東京圏を見ますと、臨海工業地域というのは、かつてはここには石油とか素材関係があったわけですから、こうしたものが恐らく国際的な競争にもそんなに、生き残っていけるのもあるでしょうけれども、鉄とか船とかというものを見ればもう生き残れない。あるいはエチレンなどを考えてみても、もうむしろ現地、原油生産地付近にそういう精製の設備を持つということになってくる。そうすると、ここが都市の中でぽかっとあいてしまうと思うんですがね。そういう大都市の中の、何というのですか、穴のあくようなところは、どういうふうにこれから新しい都市づくりに合わせていくのか。具体的にもうかなりあちこちあいてきている。 それからもう一つは、古い町、都市の再開発の問題に関連するんですが、これは建設省にも関係することでありますけれども、住宅なんかでも、マンションの古いのというのは、まあ同潤会のアパートというのは、私が学生のころは今の高級マンションよりもっといいマンションだというのであこがれたわけでありますけれども、残念ながら今は、そうしたマンションというのが、言うなればどうにもしょうがない。そこに入っている人たちがみずから建てかえるといっても、大体所得がもう少ない人たちになってきている。言うならばここがもう本当に背で言う長屋みたいな、スラム化してきている、こういう問題も私はあると思うんですね。 具体的に、そういうものが去年ですか、おととしですか、法律を変えて、五分の四の賛成があれば、中にいる人が承諾しようが反対しようが、もう建てかえることができるという法律をつくって、これができたから、かなりそういう都市のスラム化というのはなくなるんではないだろうかなと内心思っていたんですが、どうも余りなくなっているような様子もない。その辺の進捗状況というのも決してどうも余りうまく進んでいないような感じがするんですが、そういう工場のスラム化、それからそういうかつての木造ではなくて――木造の場合は私は処置がしやすいと思うんですけれども、かつての古い共同所有のマンションなんかのそういうもののスラム化、こういうものの再開発が可能なのか、あるいはどういう方向でそういうものの開発を、まあそのままにしておくわけにはいずれにしてもいかないと思いますので、どんな方向でどんなふうに考えておられるのか、ちょっとその辺はこれからの具体的に対応をしていかなくちゃならぬ問題じゃないだろうかな、こんなふうに思うんですが、どうでしょう。
○説明員(北島照仁君) 最初の問題につきましてお答えさしていただきますが、極めて難しい問題で、的確にお答えできるかどうか自信がないわけでございますが、先生今御指摘のとおり、工場が大都市から出ていくという現象が出ておりまして、各都市でいろいろな問題を起こしている。インナーシティー問題というような言葉で表現されておるようでございますが、問題が起きておる。ただその問題の起き方も、東京の場合と横浜、川崎あたりの問題と、大阪あたりと、少しずつどうもその状況が違うというふうに考えておるわけでございます。概していえば、東京はそれほど余り問題はない。むしろ川崎とか横浜では、そちらではかなり深刻な問題になっているというふうに考えておるわけでございます。 それが工業制限法と関係するのかどうかという問題でございますが、いろいろ我々の方で、まだ浅い勉強でございますが、した限りにおいては、工業制限法そのものよりもやはり産業構造そのものに関係しているのじゃないかという感じがするわけでございます。 いずれにしましても、工場は出ていっていることは事実で、またその出ていった地域が疲弊しているということも事実でございます。この辺につきましては、まだその解決策というものを模索しているところでございまして、地方公共団体からもいろいろの御相談もございます。それから国土庁といたしましても東京湾の西部の方、ですから東京の南の方から川崎、横浜の方にかけてですが、この辺の再開発といいますか、その地域の活性化につきまして今年度少し勉強したいということで計画しております。 いずれにしましても、ヨーロッパの方でもなかなか解決がつかないような問題がございまして、果たして日本でうまい解決策が見つかるかどうか、それほど自信がございませんけれども、各方面ともよく相談しながら、その活性化の道というものを模索していきたいというふうに考えております。
○政府委員(松原青美君) 先生のお話のうち最初の部分、今大都市圏整備局の方からお答えがありましたが、この関連で私の方からもお答えさしていただきます。 工場が移転して出ていった。出ていった跡の穴があくというお話でございましたが、この土地の利用につきましては、これはなかなか一律な考え方というのは難しかろうかと思っております。私の方で都市開発資金というものを特別会計で持っておりまして、こういう工場の移転跡地を公共団体が買い上げるという場合に融資をいたしてございます。この移転跡地の活用といいますと、いろんな態様がその地域地域によって違ってくるだろうと思っております。 私、昨日も東京の足立区の中川の下水の処理場の通水式に出かけたわけでございますが、ここは日立の工場の跡地でございました。三十何ヘクタールかの跡地をそのまま下水の処理場の用地として買ったわけでございます。公園にする場合もございます。それから住宅公団などが住宅団地として開発しているところも、昨日行きました足立区の周辺にもございました。 例えば横浜で、今「みなとみらい21」ということで、三菱重工の跡地を一つの業務市街地として、住宅も含めました業務市街地として、横浜市では現在の最重要課題として取り組んでおります。その土地の置かれたその都市において、都市計画上占める位置と周辺の問題とを考えながら、適切な利用転換を図っていく必要があるだろうと思っております。 ただ恐らく、先生具体的に御指摘になりませんでしたが、ぼつぼつと穴があいた跡に民間のマンションが建ち、住工混在問題を起こしております。これが実は一番頭の痛い問題でございまして、こういうところはおおむね準工業地域に指定を受けておりまして、ここは住宅も建ちますし、工場も建つという――特に大規模な工場がすぱっと移転したような場合には計画的な開発がしやすいわけでございますが、小規模な小さい工場が移転した跡というのが、そういうことで依然として周辺の町工場は残っているわけで、そこへ新しくマンションができ、住工の混在問題で、新しくマンションに入った人たちが環境が悪いという苦情を言われる。これが一番実は頭の痛い問題でございます。 用途地域の変更をしようとしましても、これ現実が、町工場もたくさん残っている段階で住居地域に軽々に用途を変更いたすわけにもまいりません、既におります町工場の人たちの生活の問題もありますから。そういうところの対応が一番実は苦労をいたしておりまして、これは公共団体ともども苦労しておるわけでございます。いろんな開発許可をする場合に指導いたしまして、なるべく近所とトラブルの起こらないような指導をあちらこちらでいたしておりますが、それでもなおかつ少なからざる例を私ども耳にいたしてございます。 究極的には、これは少し広い範囲のその地域のあり方というものをもう少し長期的に見まして、徐々に利用転換を図っていき、ある時期に都市計画上の用途地域の変更という手続を持っていかなければならないんじゃないか、なかなかこの即効性は難しいなという意識を持ってございます。 古いマンションの問題は……。
○説明員(吉沢奎介君) マンションの老朽化の問題についてお答えしたいと思います。 マンションは、現在ストックとしましては約百二十万戸ぐらいあるんじゃないかと推計されるわけでございます。これらのマンションがどういう老朽化をしているかということについては、これは管理の問題、それから構造の問題、いろいろございまして、一般的に老朽化がどの程度進んでいるかということを把握する資料がないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、昭和四十年代の後半から大都市圏を中心にしまして飛躍的にふえてきたわけでございます。まだ建ってから経過年数も浅いわけでございまして、現在直ちに建てかえを必要とするというようなものは、御指摘がありました同潤会、これは非常に古い話でございますが、そういった特殊なものを除きますと、意外と少ないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、今後建てかえを必要とするという事態は急に出てくるということが予測されるわけでございます。 それで、先生お話しございました区分所有法の改正ございまして、全員一致が五分の四ということで建てかえできるということになったわけでございます。これはもちろん要件がございまして、老朽化等、放置しておいたら費用が非常にかかるという客観状態にあるものについては、そういうことができるということになったわけでございます。この活用というのも今後できていくわけでございますが、いずれにいたしましても、住宅政策の見地から、この建てかえをどういうふうに取り扱っていくかというのは、非常に重要な課題であるというふうに考えております。 ただ、具体的な対策をどうするかというのは、やはり今後の研究にまつ面が非常に大きいわけでございますが、実際その建てかえが、居住者の方々が自分の力で建てかえをするということが一つ考えられるわけでございますが、これはなかなか、この居住者の方々が資金面その他でちゃんとそういうふうにできるかという問題がございますし、中でそれに応ぜられないという人をどうするかと。例えば公的住宅などに移ってもらうかとか、いろんなそういうことも考えなくてはなりません。それから民間デベロッパーを活用するという、再開発的にその建てかえをやっていくという方法がございます。これは最近建てかえた事例の一つで、宇田川住宅というのが渋谷にございます。けれども、これは住都公団のつくりました分譲住宅でございますが、これを民間デベロッパーと組んで再開発的に建てかえた事例がございますが、こういった方式も考えられるわけでございます。 それで、結局建てかえの場合の問題は、一番がやはり資金面じゃなかろうかと思います。建てかえに要する資金の調達方策をどうするかということ。それからもう一つ、建てかえるときに再開発的に建てかえようというような場合には、やはり容積率の割り増しというようなことも考えていかなくちゃならない。割り増し制度をどういうふうに活用していくかというような問題もあろうかと思います。こういった問題について、早急に我々考えてまいりたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 都市局長のお話の準工業地域での工場が倒産したり移転した跡というのは、これは一番困るんですね、おっしゃるように。ここへ入る人たちが、準工業地域の一番最初できるときの考え方というのは、恐らく余り職住を離しちゃうといろいろ不便だし、管理も十分できないということで当時はできたんだろうと、今私は思いますがね。 ところが、今度は全然別個の人が入ってくるわけですね、この工場跡には。私の地域なんかはもう全くそれが多いわけでありますけれども。そうすると、もうそこの地域に全然関係のない、職場を東京に持っている人などが来るわけですわね。あるところは大体中小企業が多いところで、とても土曜日が休めるなんということはないし、夜もかなり遅く残業をやらなければ親工場の要請に合わないというような形ですから。それが東京に通っている連中は、土曜は休みだ、そんな夜遅くまでとても残業なんかないところということになりますと、おれたちは休みなのに隣でガンガンカンカンハンマーの音をさせているとか、あるいは悪臭を出しているとか、こういうことがあったり、それからいろんな危険性もまたあるわけで、これは私は、できたらその辺には一つの融資機関か何かをつくっていただいて、そういう混在を避けるような形をとれないだろうかと。 確かに大きな都市の場合には、横浜なんかの場合には、市が買えと言えばある程度そのくらいの金はあると思うんですけれども、中には小さな市町村あるわけでありますから、とてもそういうものを買っておけないという形ですから、どこかにそういう何か一応買っておいて、他の工場が来るというときにはそれの用地としてあっせんするというような形で。住工混在をさせるということになりますと、これはもう本当に、私なんかの耳へ入ってくるのは、私は東京から横浜へ追い出されて移ってきたんですよ、またここで追い出されるんじゃかないませんよという声を盛んに聞くわけですわね。 この辺は何らかの措置をとれないか。地方自治体と組んで、あるいはその中には公団等が、住宅・都市整備公団なんかも入っていいと思うんですけれども、何かそういう機構というものができると、かなりその辺の混乱を防げるであろう。それでも完全にできるかどうか、これはわかりません。そういうところの方が土地が安いから、不動産会社がそこを目当てに来るということで、これは大変難しい問題だろうと思います、おっしゃるように。しかし何らかの形でこれだけは解決をしていただかないと、その地域における来た方もあれですし、中小企業も、両方ともそのために混乱が起きる、憎しみがある。とてもその地域のコミュニティーなんかはできっこないと、こういうことで、これは少し何かひとつ早目に対策をお考えいただきたい。この計画とは別個に、具体的な問題としてお考えいただければなあと、これは御要望申し上げて、今すぐお返事いただかなくて結構ですから、お願いをしておきたい、こういうふうに思います。 それからもう一つは、今度のこの計画の中にも、建設省は、持ち家制度というのはかなりやっぱり大きく推進する側にあるような気がするんですが、土地がこれだけ上がってしまいまして、ほとんど今は、土地と家とが別々でなくて一緒だという形のものが多いわけですが、私の近くなんかも、この間二百五十坪ぐらいあるところが一億で売れたとか売れないとかいうことで、地域じゃ大騒ぎでありますけれども、それを四つぐらいに割って家建てても、売るのがせいぜい五千万、六千万ということですから、もう普通の人はとてもあんなところに、我々と同じクラスの者は住めない、もっと高級な人でなければ住めない。しかし今まで一戸建ちなのが今度四戸建ちに割れてしまうという形ですから、これも地域的に見れば非常に詰まってくるわけですね。 ですから、どうなんでしょうか。都市における宅地制度というものも、どういうふうにすべきかという問題はなかなか難しいと思いますけれども、この辺も考えていかないと、とにかく地価の上がり方は、なるほど最近やや鎮静化はしておりますけれども、三大都市圏では、もう普通の勤労者は手が届かないところに土地の値段が打っちゃっているというふうに私は思いますが、これでまたやっていくということになりますと、土地の高度利用ということになると、上へ重ねていくというしか方法がないように思いますし、そういう問題が片一方にあります。 片一方には産業の地方への移転という、配置がえをするということで、これは教育の問題等も関連しますし、お役人の皆さんだって家族ともども任地へ行くということはなかなかできない現状ですよね。それは私は、自分の家があるということもやっぱり一つの原因だろうと思いますね。教育制度の問題もありますし、いろいろあると思いますけれども、その辺のことも大きいと思うので、そういう意味ではどうなんでしょうか、持ち家制度という今までのあり方というのを大きく転換をしていく時代に入ってきているんじゃないでしょうか。 先ほどの資料の御説明でも、もう持ち家の割合というのは、最近の不況の原因もあろうかと思いますけれども、落ちてきている。そういう点を考えてみますと、どうしても都市においては、都市でないところはまだ持ち家で私はいいだろうと思うんですけれども、少なくとも都市においては、もう持ち家制度をやるということになると、よく見られる建て売り住宅ですね。私はよく言うんですが、窓をあげれば握手ができるぐらい詰め込まれてしまっている。そういうものというのはまたすぐスラム化しちゃう。そういう点で、どうも私はもうこの辺で持ち家制度というのは、少なくとも大都市においては転換すべきじゃないだろうか、こんな気がいたします。 それから、先ほどのマンションのお話をなさっていただいた方に、反論というと大変恐縮ですけれども、住宅水準というのはだんだん上がってきていますね。恐らく、いろんな公団の住宅なんかも、遠いところあるいは狭い、古い二DKなんというのはだんだん需要がなくなってくるだろうと思うんですよね。そういう住宅というのはやっぱり建てかえなくちゃならぬと思うんですよ。 ですから、確かに建物自体の耐久性からいきますと、これは十分あると。しかし需要がないということになりますと、これはやっぱりここに一つのお化け屋敷ができるようなことに私はなってしまうんじゃないだろうか。そうすると、耐用年数はまだあるんだけれども、都市のあり方の上で、建てかえを進めていかないと、都市が都市らしくなくなるというような面もありますから、私は案外マンションの建てかえというのは早い機会に来るんじゃないだろうかと、こんなふうに思うんですが、どうでしょうか。その前の答えが中心ですかう、後は私の意見ですから。
○説明員(吉沢奎介君) 後の方からちょっと申し上げますが、おっしゃるとおりだと思います。 マンションの建てかえにしましても、建てかえる時期というのは、いわゆる老朽化を待たず、その陳腐化というような方から意外と早い時期に来るんじゃないかという心配を我々持っておりまして、そういう意味でも、先ほど申し上げましたいろんな対策というものを急いでいかなければならないと思っておりますし、住宅公団の公団住宅につきましても、賃貸住宅だと建てかえも今後やっていかなくちゃならないんじゃないかというふうに考えております。公営住宅なんかにつきましても、今建てかえを相当やっておりますが、そのほかに住戸改善事業というようなものも起こしまして、各戸の改善を、増改築みたいなものを進めておるわけでございますが、何分にも、財政的にも余裕が少ないものでございますから余り進んではおりませんけれども、今後そういう方も力を入れていきたいというふうに考えております。 それで、持ち家と借家の話でございますが、持ち家と借家、先生今、持ち家中心でやっているという御指摘ございましたけれども、確かに見かけを見ますとそういうふうに見られる点もあろうかと思いますが、私ども、持ち家と借家の進め方については、やはり需要の動向を見ながら、バランスよく展開していきたいというふうに常日ごろ考えてやっているわけでございます。昭和五十三年、先ほど申し上げました住宅統計調査、あるいは昭和五十七年に総理府が行いました世論調査などを見ましても、持ち家志向といいますかが非常に強いわけでございまして、こういう国民の強い持ち家志向がある場合、我々、やはり持ち家についてもその需要にこたえていかなくちゃならないんじゃないかということでやっておるわけでございます。 ただ、借家についても、私どもはできる限りのことはしたいということで進めておるわけでございまして、公営住宅、公団住宅などの供給、これは財政難その他、あるいは公営住宅などの、何といいますか、立地難といいますか、そういうものもございまして、進みずらい面もございますけれども、こういったものについても力を入れてまいりたいし、あるいは各種の施策、民賃というのがございますが、賃貸住宅に対する支援をしておりますが、そういったものについても今後進めていって、借家対策もやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、持ち家の方が、先ほど資料的にも説明申し上げましたように、居住水準としては、確かに先生御指摘のように、隣と握手できるような家もございますけれども、やはり一般的に見ますと、持ち家の方が居住水準としては高いということが片方にあるわけでございます。
○竹田四郎君 時間が余りないようですから余分な話もできないんですが、この全体の中で非常に、ここで読んでいればなるほどいいようなことがたくさん書いてあるんですがね、私ども余り口を差し挟む余裕のないほど立派にできていますがね。 ただこの中で、私はこれだけ大きい仕事が、皆さんの手だけではできないと思うんですよ、幾ら国が力があってもね。こういう中で、果たして地方自治体がどんな役割をするんだろうか。これなしには恐らく私はできないだろうという気がするんですよね。この辺はもう少しどこかに、我々の委員会がそんなことは関係がないというのかどうかわかりませんけれども、その辺のかかわり合いというものがどこかでわかってくるようなものでないと、やっぱり生きたまちづくりというのはできないんじゃないだろうかという気がするわけですね。 その一つの例というのは、品川の駅の跡の問題、これをどういうふうにこれから考えていくのか、どうするのかという、このことは私がなり重要だというふうに思っているわけですね。国鉄の土地がとにかく四万六千平米ぐらいですか、後楽園の四倍ぐらいあるというところでありますけれども、しかもそれが、新聞の発表によりますと、一平米二百十七万というまあ公示価格で、その辺の公示価格は、新聞の報道によりますと大体五十万円弱ぐらいだというのが、その四倍のような価格で売られているということですね。しかもこれは国鉄が売っている。しかし、その前にはいろいろな話もいろいろなところにあったようでありまして、国土庁なり建設省なりが全然知らなかったと言えないような、調べればわかったという時間的な余裕はあったような感じが私はするわけですよね。 買った不動産会社はそこに一体何をつくるのか。地域計画とそういうものが合っているのか、合っていないのか。それで業者に言わせると、とにかく第三の副都心を目指すんだ、こう言っているわけですわね、それは言葉の上の議論なのかもしれませんけれども。しかし、これだけの土地の価格の上に物をつくるんですから、相当なビルになることは事実であろうと思いますよね。相当ないろんなビジネスセンター的なものにもせざるを得ないだろう。恐らく単なる住宅だけでおさめられるかと言うと、おさめられないだろうと私は思いますよね。 そうすると、これだけの価格にしてしまって、東京都が、あるいはあすこは港区ですか、港区が、先ほどお話のある道路なりいろんなものの都市の基盤整備をやっていくという上において、果たして買えるのかどうなのか。先ほどもお話の中では、新しいものをつくるのに、宅地開発要綱等で余り業者に負担をかけちゃいかぬということを片一方で言いながら、これは相当な負担をさせざるを得ないと、実際上は。こういう関係を一体どうしていくのか、私にはちょっとわからないわけですよね。しかも、これだけ立派な計画をおつくりになりながら、具体的には、あそこの問題で言えば、港区にあるまちづくりのどういうものに調整していくのかどうなのか、この辺もよくわからない。しかも、今の段階というと、財政危機の時代ですから、国鉄も財政危機だし、林野もそうだし、国自体の大蔵省だって、何かうまいことをして持っている土地は高く売りたいというので、だんだんだんだん払い下げの条件も一年一年厳しくなっていることは事実ですよね。大蔵省自体でもそうやっているわけですよね。 そうなってくると、お述べになっているこれらの計画をうまくやるには、土地の価格は抑えたいと思っていらっしゃるだろうと思うんですよね、土地の価格が高ければとてもそういうことはできないわけですからね。そうすると、いろんな形の矛盾が出てきそうな気がするわけですね、国の機関同士でもこうだ、こういうわけですからね。 私の地域にしてみれば、国鉄が、先ほどは「みなとみらい」の三菱跡の問題があったわけでありますけれども、恐らく具体的には新鶴見の操車場の跡を一体だれが買って、どうするのか。あの辺には日立の工場の跡もあるわけですから、どういう形でどうなるのかわかりませんけれども、国の機関同士でやっていてもこんなに高く売られるということになると、あの新鶴見の操車場の付近なんて一体どうなるのか。そういう点は国土庁にしても建設省にしても、大体自分たちのレイアウトの中に逐次おさめておいていただかないと、土地の価格は上がっちゃう、市町村は疲弊してしまうというような形になって、金もうけができるのは民間のデベロッパーだけだ、こういう形になっていくと、これはまちづくりに対する国民の協力なり地域の協力というものも、これは非常にまた難しい問題になってくると思うんですがね。そういう点をどういうふうにお考えになっているのか。 この問題がもう公になってから約一カ月になるんですが、具体的に、買った会社と国土庁なり建設省なりは、どんなふうな形のものをつくればいいのかというお話し合いも片っ方にあっていいだろうと私は思うわけでありますけれども、そういう面でおわかりになる範囲で、その辺は私どもにもお知らせしていただければ、なるほど土地は高い値段になったけれども、それならそれに対応する、そういうものになるのかなという納得もいくわけですけれども、まああちらこちらで高い高いという話はありますけれども、全体のまちづくりの中で一体どうしていくのかという付近をひとつお示しいただければお示しをいただきたい、こう思います。
○説明員(城野好樹君) 品川駅の国鉄の跡地の問題でございますけれども、実はその前から国鉄の跡地が、特に本年の二月のダイヤ改正に伴う貨物の相当の再編成、業務上の再編成が行われて、空き地が出てくるという話が昨年の春以来ございまして、具体的にあいたものといたしましては、錦糸町の北側の土地、それから梅田の西側の土地につきましては国鉄の方からお話がございまして、公共団体と国土庁、建設省、運輸省、国鉄というものが入りまして研究会をつくって、具体的には、例えば梅田西でございますと、土地区画整理事業を行って基盤施設の整備をやりましょうというような方向で進んでおります。錦糸町の方につきましては、かなり地元の方と今煮詰めをしておる段階でございます。 その段階におきまして、品川のあの土地につきましては、国鉄の方では当面廃止の予定がないというようなことがございまして、その検討の箇所リストの中に実は入っていなかったものでございます。それがやや連絡不十分と申しますか、突然ああいう形で売り出されて、相当の高額な取引――取引といいますか、落札が行われたというようなことでございまして、今先ほどお話がございました当該土地は、まさに準工業地域で建ぺい率が六〇%、容積率が四〇〇%という指定がかけられておりますけれども、そのほかには特別、都市計画上の位置づけというのはございません。 現在段階におきまして、港区、東京都、建設省、それぞれにつきまして、その落札した会社の方からこういう利用計画を持っているのだというような話は、現在時点におきましては一切ないわけでございます。したがいまして、我々の方としましては、ただ落札されたという事実があるというだけで、具体的にそこのところで新聞以上のことは承知をしていないわけでございますけれども、どういう具体的な利用計画があるのか、これにつきましては先生おっしゃいますように、第一次的には港区、東京都と話し合いがされてしかるべきでございますし、またそれについて我々は非常に関心を持って見ておるわけでございますけれども、その土地をどう利用せいという、そういう立場には今のところございません。 ただ、一般的に申し上げますと、あそこの土地は、品川駅の表側からの連絡は、御存じのように地下道みたいなのがずっとあるだけでございまして、非常に条件は悪い。それから、真っ正面のところに食肉センターという、言葉は悪うございますが、屠殺場がございまして、それとの整合をどう図るのかという意味では、非常に都市計画上、何かそういう第三の副都心という、これは新聞上承知しておるわけでございますけれども、そういう使い方というのは大変難しいのじゃなかろうかという一般的な感想を持っております。 その後のことでございますが、現在政府の方で国有地等有効活用推進本部というのができまして、ここのところで今の不用地になりました国有地なり公有地なりというようなものにつきましては、やはり、民間活力ということはございますけれども、公共団体との計画の整合性というようなものはきちっとしていかなきゃいかぬということから、リストを出していただきまして、関連の公共団体それから関係各省でいろいろその活用方、もしくはその基本方針、民間に使わせるにいたしましても、公共施設その他の関連の調整というようなことをやった上で出すような形の調整をしようということで、現在詰めが行われておる段階でございます。したがいまして、今後のものにつきましては、そういう公共団体も知らない、我々の方も知らないというような状態で、何か計画がぽっと出てくるというようなのは極力なくしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 もう一問で。 今の問題ですが、それと今度の、このページ数で言うと、国土庁で御説明いただいた七ページの、都心部の一極依存型と外周部への業務核都市をつくっていくというこの関係は、一体どういうふうに考えたらいいのですか。先ほどの御説明では、地方の核都市というならば、例えば東京を都心とすれば、一極の都心依存型のところとすれば、川崎や横浜がこの地域の核都市、それから立川や八王子がそういうところになるとか、浦和とか大宮がそうなるとか、筑波とか土浦がそうなるとかという御説明もあったわけですが、そういうものとの関係というのは、これどういうふうに我々考えたらいいのか、そんな感じがするのですが、その辺ちょっと御説明いただきたいと思います。
○説明員(北島照仁君) 東京における業務機能を今後どのように配置していくかということにつきましては、基本的には先ほど説明をし、また今、先生の方から御紹介ありましたように、多核多圏域型ということで、東京の周辺、要するに東京都区部外にある都市に業務機能というものを集積していこうというふうに考えておるわけでございます。ただ、東京都の都区部の中におきましても、丸の内とかそういったところだけに業務機能が集積するというのは好ましくないということで、新宿あるいは池袋といった副都心というものを整備していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。 どこが副都心になるのか、例えば品川が副都心になるのかどうかという問題につきましては、これはやはり東京都の方と十分話し合っていかなきゃならないというふうに考えております。ちなみに東京都のマイタウン計画におきましては、新宿、池袋のほかに、渋谷とか上野、浅草、大崎、そのような名前が挙がっておるわけでございます。
○刈田貞子君 まず、経済企画庁にお伺いするんですけれども、現在、生活資材の多くを海外依存している我が国にとっては、平和で安定的な国際関係ということは非常に大切なことでありますけれども、その一方で、社会資本の充実ということで資源の安定供給ということをうたっておられるわけですけれども、この調和と申しましょうか、考え方、一点お伺いしたいと思います。
○政府委員(星野進保君) 先生御指摘の、本来我が国が貿易依存度が高いということ、それから資源依存度が高いという経済面から見た感覚でございますが、そういう観点から見ますと、我が国にとってまさに、興するに平和で安定的な経済関係が維持されていくということは基本的に重要なわけで、これはあえて御説明するまでもないと思うんでありますが、同時に今度、したがってそれだけの資源なりあるいは貿易なりをしていくわけでございますから、先ほども、午前中ちょっと申し上げましたが、社会資本の整備においても、例えばエネルギーならエネルギーの資源確保というのを社会資本の整備というのと結びつけて考えてみますと、例えばエネルギーを輸入するための港湾整備であるとか、あるいは安定的にエネルギーの調整を行えるような備蓄基地を考えるとか、そういったような面におけるエネルギーの安定性といいますか、そういうものが必要なんじゃないだろうかということ。 社会資本というのは大体国内の話でございますから、恐らく先生の御質問の趣旨も、国内の問題とそういう国際的な平和維持だとか経済関係の維持というのは、どこで接点を持つんだろうかというのが御質問の御趣旨だと思いますので、感じとしてはそういうことじゃないだろうかというふうに思います。
○刈田貞子君 あと二、三間ですけど、これはどちらにどういうふうにお伺いしていいかわからないので、質問をまとめて言いますので、部署で整理していただきたいと思います。 一つは、これはもう既に竹田先生の各論の中で出ておりますので、私が改めて伺うこともないのではないかと思いますけれども、いわゆる生産の場としての都市と、それから快適な生活の場としての都市、この問題をどういう観点から調和させるのが一番よかろうかという、大変抽象的な問題ではございますけれども、基本にかかわることなので二百確認させていただきたい、このことが一点。 それから、各地方自治体等でも、都市計画等が進んでおる中で、防災、緑化というようなことが随時進められているわけですけれども、国が進めるこの種の事業と、それから県あるいは区、市レベルが進めるものとのいわゆる事業区分の問題で何かトラブルが起きなかろうか、あるいは重なった部分が出てくることはないのであろうかという質問です。 それから三点目は、非農家数の増大ということが、ここにデータとして一ついただいてあるわけですけれども、いわゆる非農家数の増大というこの数字を、地域経済の活性化という問題にどう結びつけたらよろしいのか、あるいは都市圏の形成という問題にどう結びつけて考えればよろしいのかという問題で、もっと端的に言えば、一体農業というものを経済の中でどう位置づけをして考えていくかという問題にもつながるかと思いますが、この点が一点。 それからもう一つ、最後は、地域開発とか住宅政策とかいうふうなことが進められていく中で、この進められる事業が、地域経済の振興に連動させられていかなければならないということが大原則になると思うのですけれども、具体的には、入札等行われる中で、中央から大手の企業が出てきてこういうものに入ってしまった場合、果たしてこれが地域経済に連動させられていくであろうかどうかというふうな問題、頭に具体的なものを置いてお伺いいたします。 以上四点、お伺いします。
○政府委員(小谷善四郎君) 私どもの方で関係している部分だけ先にお答えさしていただきますが、まず第一点として、生産の場としての都市、それから生活の場としての都市、それをどう調和させていくのかという御質問でございますけれども、これは、先ほど御説明いたしましたように、三全総におきましても定住構想というようなものを取り上げておりまして、定住構想と言っておりますのは、要するに、人間がある地域に定住していくためには、その地域の歴史的なあるいは文化的ないろいろなもの、そういうものを生かしていかなきゃいけないということが一方ではございますし、自然環境というものが一方でもう一つございます。それと同時に、生産の場であると同時に生活の場である、そういうものが地域であるというふうにとらえていくということでございまして、そういうものとして調和させなきゃいけないというふうに三全総でうたっておるわけでございます。 これが定住構想と言っておるものでございますが、三全総で言っております定住構想という、そういう基本的な理念というものは、今現在策定を進めております四全総においても受け継がれるべきであるというのが、フォローアップ報告での指摘でもございます。 それじゃ具体的にどういうことになるのかということでございますが、一つは、それぞれの地域で就業の場というものを確保するために、産業の誘致あるいは地場産業の振興等々の産業振興施策を講じなければならないわけでございますが、一方では、そういうことをやるためにも、その地域の生活の場、要するに人々が喜んで住めるような場、そういうものができていないとそういう振興ができないという関係になっておりまして、そういうものをしたがって一体のものとして、その地域政策として整備を進めていかなければならないということでございます。 それで、先ほどお配りしました資料の中で、御説明を省略してしまったわけでございますが、「三全総策定後の情勢変化と新しい国土計画への課題」というものでございますが、その八ページでございますけれども、八ページの左側の一番下、①②③④⑤と、こういうふうに書いてございます。要するに、「地域活性化をめぐる諸課題」ということで、「地域の自立的発展のための条件づくり」をしなければいけない。これは、言いかえれば、先生の御指摘になりました、生産の場としての地域、それから生活の場としての地域、そういうものを調和させた地域の自立的発展の条件づくりということでございまして、そのためには次の五つが重要であるということで、一番下に書いてございます。 一つは「自立的な地域経済システムの育成」ということでございますし、二番目には「就業機会と居住環境の一体的創造」ということでございます。三番目には「人と情報の交流の活発化」、四番目に「地域間の競争と連帯の促進」、五番目に「国、地方公共団体、民間の役割分担の明確化」、こういったようなことを進めていかなければならないというふうに考えて、そういう方向で今後地域政策を地方公共団体とも一体となって進めなければならないんではないかということを考えている次第でございます。 それから三番目に、農村集落における非農家数の増大ということと地域経済の活性化とがどんな関連になるのかという御指摘、御質問でございますが、これも先ほど説明を省略した部分でまことに恐縮なんでございますが、今の資料の七ページの右側の真ん中辺でございますけれども、「農山漁村整備の課題」というのがございまして、「農山漁村」というのがございます。 この中で書いておりますことは、「また、」というところで、「混住化に伴う諸問題に対処するため、農山漁村空間の基本的特質を踏まえ、都市的利便性へのニーズに対応しつつ、土地、水寺の農業的利用と都市的利用との適切な調整等を行った良好な居住地の形成を誘導していく必要がある。」ということでございまして、要するに、農山漁村というのは生産の場としては農業あるいは漁業というそれぞれの特質を持った生産の場でございますので、そういうものを今後引き続きやっていけるような場を整備しなければなりませんし、一方では、そこに住む人たちが都市的な利便性へのニーズというものを高く持っておるわけでございますので、そういうものにも対応できるようにしていくということでございまして、そういう調整を図った良好な居住地の形成を図っていくということではなかろうか。 したがって、さらに言えば、その上の段に書いてありますように、一つはそういうニーズの多様化、高度化に対応して、定往圏の中心都市や定住区の中心集落とそれぞれの集落とを結ぶ交通体系の整備等、サービス享受の機会の均等を図っていく。そういうことを通じて都市と農山村が有機的に結びつけるような、要するに都市の活力あるいは農山村のゆとりといったものを有機的に結びつけるような、そういう地域社会を、そして農山漁村一体として図っていく、進めていくということではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
○説明員(伴襄君) 先生の御質問の二番目でございますけれども、防災不燃化事業あるいは緑化事業を例にとられまして、国と公共団体とのお互いに事業をやる場合に、その辺に重なりあるいはトラブルがないかというような御質問だったと思いますけれども、まあどちらの事業にいたしましても、本来公共団体が第一義的にやる事業ということでございまして、国から言いますと補助金という形でお手伝いする立場になっております。補助事業につきましては一定の補助基準がございますので、補助対象になるものにつきましては国が援助してやる。それから、補助採択基準に満たないものにつきましては、地方公共団体、市なりあるいは県なりの単独事業でやるという形になると思いますが、物によっては両方で継ぎ足して事業をやるといったようなものもございます。 例えば都市防災不燃化促進事業というのを現在やっておりますが、これは大震火災が起きましたときに避難地あるいは避難路を整備いたしておりますが、その周りの建築物を不燃化しようという事業をやっております。東京でも、例えば江東とか墨田区などを中心にしてやっておりますが、こういったところでは大体不燃化促進で、建物を不燃化いたしますと平均的に二百万ぐらい補助が出るわけでございますが、それに加えまして、それだけでは十分でないということで、地元の墨田区あるいは江東区あたりで百二十万ほど継ぎ足すといったような形で補助のプラスをいたしまして、両者相まってやっているというようなことでございまして、まあその辺は公共団体、国、あるいはその間におきまして十分連携をとりながらやっておるつもりでございます。
○説明員(浜典夫君) 第四点の御質問の、地域振興と中央の大手建設業のことを御指摘と思いますが、建設業を所管している、ないしは公共事業の発注庁としての建設省の考え方を御説明いたしたいと思いますけれども、確かに建設業、いわゆる地元の建設業、これは御指摘のような地域開発、施設整備、あるいは住宅の担い手でございまして、地元に大きな影響力を持っているわけでありますが、えてして中央大手の巨大な市場に比べて、全体としても非常に市場は需給はタイトでございますので、その点の配慮が必要である。それで中央大手が出ることを必ずしも排斥すべきでなくて、地元の建設業に対する一種の刺激にもなるわけでございますけれども、そのはざまであるかと思います。 これにつきましては、一例を申しますと、先般成立しました五十九年度の予算の執行に当たりましても、建設省所管の地方公共団体あるいは公団、あるいは直轄事業もございますが、等の執行に当たりまして、極力地元業者などを活用するようにしろというような、執行に当たっての次官通達を発しております。具体的に言いますと、工事の発注も、それら地元業者が受注できるような規模に分けて発注するとか、あるいは大手業者と麗しい協力関係が成立するような、いわゆるジョイントベンチャー、共同請負でございますね、そういうものを的確に活用する等の指示をいたしておりまして、いわゆる中小企業問題と地元企業問題というのは縦横相クロスする話でございますが、その双方の視点から的確な活用方を指示しているところでございます。
○最上進君 一点だけお伺いしたいんでございますが、最近INSとかVANとか、大変論議が各所で活発に行われているわけでございますけれども、これらのこれから迎える高度情報化社会が、都市づくりという面で与える影響というものについて、都市局長からお考えがあったらひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松原青美君) 非常に難しい御質問で、またこれを的確にお答えするほど私の方の局も蓄積がないわけでございます。 こういう情報化社会が進みますと、都市、特に大都市と地方都市との関係は一体どうなるのかというのが実はよくわからないわけでございます。情報化が進みますと、いわば大都市の魅力の一つであります情報集積、その集積された情報に接するというメリットが地方でもできるようになるわけでございます。そういう意味では地方都市の発展につながるし、大都市のこれ以上の過密抑制にもなるのではないかという見方、そういう議論をなさる方もございます。またもう一つの心配は、高速交通のネットワークが形成されますときに、やはり東京に中枢管理機能が吸い上げられるという面がございます。そういう点から考えますと、通信ネットワークも、逆にこれが大都市への新しい吸収力になるのではないかという御意見もあるわけでございます。 例えば数年前、もう十年ぐらい前になりましょうか、全国が、電話が全部自動化いたしました。それで、どこにおっても即時通話で、ダイヤルで非常に通話しやすくなるわけでございます。そうしますと、東京へ出てくる地方の人が、もう電話で直接話をできるわけですから、東京へ出てくる回数が減少するかと思いましたところ、逆に、電話で話しているとどうしても顔が見たくなったと言って、今や従来よりは頻度が高く東京に出てくる、こういう事例も聞いております。 そういう意味からしますと、この高速交通のネットワークも、こういう通信のネットワークも、これは一つの手段でございまして、このネットワークを生かして、その地域地域がどのように今後発展していくかということは、これを生かすシステムを考えた地域が発展できるんではないかと、私は現在そういうふうに考えておるわけでございます。 新幹線にしましても高速道路にしましても、かなり進んでまいりましたが、新幹線ができまして、逆に東京への中枢管理機能の集中が高まったということも聞いております。逆に、高速道路ができまして、この高速道路のインター周辺あるいは相当遠くのところまで、一つの工場などの生産の場が発展してきた、こういうことも聞いておりまして、こういう今御指摘のINSとかVANというものがどのように使われていくかということをもっと見定めないと、なかなか私の方でも確信を持ってこうなるのではないかということが申し上げられない現段階でございます。まことに申しわけございません。
○最上進君 この小委員会でも参考人の方をお呼びをして、この高度情報化社会の問題等についても御意見をお伺いする機会があったわけでございます。そのときに、やっぱり非常に私ども感じましたのは、既成の概念をかなりこれらの新しい機能が破る面というのはやはりあるんじゃないかと。特に日本電気あたりでも、既に在宅勤務というような、ああいう考え方を打ち出している。こういうことがやはりどういうふうに推移していくかということを私ども大変注目して見ているんですが、やはり企業にしても団体にしても、あるいは皆様方がお仕事をされておられるああいう大高層のビルも、こういうような企業の一つのあり方がどういうふうに推移していくかまだわかりませんけれども、それによっては、もう一カ所に皆さんが集まって、人が集まって仕事しなきゃならぬというような既成の概念が破られてくるとしますと、やっぱり企業、会社のビルとかあるいはまたその団体のビルとか、あるいは官庁街とか、こういうようなものにも大変大きな影響を与えるんじゃないだろうか。 したがってその根底から、やはり一軒に電話、テレビ、ファクシミリ、端末が入る、コンピューターの端末が入るというような、そういう時代が、加速度的にそういう傾向が早まるとすれば、私はやはり今後の推移を見なければいけないけれども、かなりそういう今後の都市づくりとか、皆様方のお仕事の中でそういう研究をぜひしていただきたいというか、すべきではないだろうか、そういうことを大変強く実は感ずるわけでございます。したがいまして御質問したわけでございますが、結構でございます。
○政府委員(松原青美君) 今御指摘の点につきましては、私の方の都市政策課長あたりが多少勉強いたしてございまして、今お話しのように、在宅勤務というのが今後ふえるのではないかという御意見が強く、かなりのそういうことを御指摘なさる方もおられ、御意見も聞いております。 一方、先日ある経済学者の方に聞きましたら、在宅勤務というのは、いわばタイプを打つとか計算をするとか、そういう単純ないわばパートの仕事については、今後わざわざ出て来なくてもよくなるだろうが、一つの意思決定をする場合の仕事というのは、これはやはりフェース・ツー・フェースでなければならぬのじゃないか。そういう人たちが在宅でいいといっても、一日じゅう家におって、奥さんと一緒にずっとおって、それじゃあとてもじゃないがもたないんじゃないかというような冗談もありまして、これがどう動くのか、本当にこれから真剣に勉強しなきゃいかぬ問題だと思って、私の方も多少検討、勉強を始めているわけでございます。 確かに能率的なそういう事務処理というのは、今後どんどん考えられてきまして、今までは会社に来ていたのが必ずしも会社に出て来なくてもいい仕事というのも今後ふえてくるのではないかと思っております。そういう点では、いわば遠距離通勤とかそういう問題の緩和にも役立つわけでございまして、まずまちづくりなり都市づくりなりに当然大きな影響は出てくると思います。 それから、こういう通信ネットワークを形成する場合につきまして、ただいま建設省の方では、ロードスペース懇談会という懇談会をつくりまして勉強いたしておるわけでございます。高速道路を含めました道路の地下に、今のような大規模な共同溝、まあ非常に建設費が高いのでなかなか進まないわけでございますが、そうではなくて、その地下にそういう配線を経済的に収容する仕組み、それは電柱、電線――電力線とか電話線のケーブルも一緒に地下化することを含めまして、そういう時代に備えたまちづくり、都市施設のあり方というのを勉強いたしてございまして、今後のひとつ時勢の推移を的確にとらえてまいりたいと思っております。
○小委員長(亀長友義君) それでは本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時四十五分散会