国民生活・経済に関する調査特別委員会 第4号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1984/08/01
会議録
○委員長(寺田熊雄君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会を開会いたします。 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。 本委員会は、技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会、高齢化社会検討小委員会及び生活条件整備検討小委員会の三小委員会を設置し、それぞれ調査を進めてまいりましたが、先般、各小委員長から委員長のもとに中間報告として調査報告書が提出されました。 この際、調査報告書の概要につきまして、各小委員長から説明を聴取いたします。梶木小委員長。
○梶木又三君 技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会は、技術革新と産業・雇用に関する諸問題を検討するため第百回国会において新たに設置されましたが、設置以来、技術革新の進展状況、技術革新の雇用に及ぼす影響等について民間識者の意見を広く聴取するとともに、技術革新に伴う産業・雇用構造変化の現状及び将来について政府から説明を聴取いたしました。 また、技術革新と地域経済との関連において九州地方の先端技術産業の現状について現地調査を行ったほか、高度情報通信ネットワーク化の実現状況、オフィスオートメーションの進展状況等について関連企業等を視察いたしました。さらに関係資料の収集を行うなど積極的に調査を進めてきたところであります。 現在までの調査では、各小委員の意見等を取りまとめる段階には至っておりませんが、今国会終了までの調査の内容を参考人等の意見を中心に整理し、中間報告として取りまとめることといたしました。 本中間報告は、技術革新の進展に伴う産業・雇用構造の変化の実態や今後の見通しを明らかにする四つの章から構成されており、第一章では、マイクロエレクトロニクスを中心とした先端技術の開発と利用の現況及び将来、バイオテクノロジー、新素材技術の開発状況等技術革新の進展状況を概観し、第二章では、産業構造の変化を長期的視点から分析し、産業構造の現状と今後の動向を明らかにし、さらに中小企業、地域経済についても触れております。第三章では、雇用の構造的変化の実態を量的・質的側面から分析し、将来の就業構造を展望しております。最後に第四章では、産業・雇用構造の急速な変化により経済社会の各分野に生じつつある多様な問題を今後の課題として整理しております。 調査の内容の詳細につきましては、別途、委員長に提出いたしました小委員会中間報告書のとおりでございますが、その概要につきまして、お手元に配布いたしました資料に基づき、以下簡単に御報告申し上げます。 近年のマイクロエレクトロニクスを中心とした技術革新の進展は非常に目覚ましいものがあり、生産部門のファクトリーオートメーション、事務部門のオフィスオートメーション、情報サービス部門のニューメディアによる高度情報通信ネットワーク化など、マイクロエレクトロニクス化は産業活動のみならず国民生活全般にわたって広範囲に展開しております。 技術革新は経済社会発展の大きな原動力の一つであり、今日のマイクロエレクトロニクス技術革新も産業構造の高度化を通じて経済社会の発展に大きな役割を果たしております。 しかしながら、今後、技術革新の急速な進展は経済社会の各分野に大規模かつ複雑な影響を及ぼすことが予想され、とりわけ雇用面については、労働人口の高齢化、女子の職場進出等雇用環境の変化もあり、経済環境のいかんによっては種々な局面での雇用問題の発生が懸念されております。 このような状況のもとで、産業・雇用構造の観点から技術革新の進展への対応のあり方について国民的合意を形成することは参議院における重要な検討課題であります。 技術革新は長期的には経済成長と雇用の拡大に寄与するものであり、したがってその対応の基本姿勢も、大きな変化が予想される今後の社会経済環境のもとで、技術革新がもたらす影響を吸収しつつ、経済成長を高め雇用の安定を図っていくことにあるとされているが、その過程において産業と雇用に関する各種調整等を必要とするなど、経済社会の種々の局面に多くの問題が山積しております。 すなわち、技術開発、国際協力、産業調整、高度情報化社会、中小企業、地域経済、労働力需給調整、雇用拡大、雇用慣行、教育訓練、労使関係、安全衛生・労働時間等の諸問題が、今後検討すべき課題として予想されております。 マイクロエレクトロニクスを中心とした技術革新の進展は、新素材技術、バイオテクノロジー等の新しい先端技術の発展と相まって、二十一世紀に向けて本格化していくことが予想されるので、本小委員会は、今後、整理した課題のうち政策的に対応を必要とする問題を選び、その対策樹立に向かっての検討を続けてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○委員長(寺田熊雄君) 次に、安永小委員長の御 説明を求めます。
○安永英雄君 高齢化社会検討小委員会の中間報告についてその概要を申し上げます。 まず、我が国の人口高齢化の展望等についで申し上げます。 平均寿命の伸長と出生率の低下により、我が国の高齢化は急速かつ確実に進行しており、総人口。に占める六十五歳以上人口の比率は、お手元の資料に述べてありますように、二〇二〇年にはこれまで世界が経験したことのない二一、八%という高い高齢化率に到達するものと推定されております。しかも、二〇二五年には七十五歳以上の後期高齢層は、六十五歳から七十四歳までの前期高齢層を超えて、総人口の一〇・九%となります。 さらに、二十歳から六十四歳までの、いわば働き手が何人で六十五歳以上の高齢者を支えるかを見ますと、一九八〇年には六・六人で一人を支えていたものが、二〇一〇年では三人で一人を支えることになるものと見られております。 また、我が国の高齢化の進行のテンポはヨーロッパ諸国に比べて極めて急速であります。 すなわち、六十五歳以上人口比率が七%から一四%になったときまでの年数を見ますると、アメリカは七十五年、イギリスと西ドイツは四十五年、フランスは百十五年、スウェーデンは八十五年という長い年数がかかっておりますが、我が国はわずか二十六年間で七%から一四%になるものと見られております。極めて急速に高齢化が進むことが、我が国の高齢化のもう一つの特徴であります。 以上述べましたように、我が国の急激な高齢化の進行と高い高齢化率はい将来我が国の経済社会の様々な面に極めて大きな影響を与えるものと思われます。将来の高齢化社会に適切に対応するため、広く国民的立場で高齢化社会の諸問題を検討することが緊急の課題であると考えます。 本小委員会は、これまで政府側の関係七省庁から高齢化社会対策に関する基本的施策について説明を聴取いたしますとともに、学識経験者等の意見を広く聴取し、また現地調査を行いました。本中間報告は今国会終了までの調査の内容を、参考人等の意見を中心に整理したものであり、既に寺田委員長に提出しております。 次に、報告書について簡単に御説明申し上げます。 まず、第一章におきましては、高齢化社会の理想と原則について述べております。 第二章の各論におきましては、第一節において、高齢者が安心して老後の生活が営めるための所得の保障、すなわち年金と雇用について述べております。第二節におきましては、高齢化社会の安定化に最も重要であります高齢者の健康と福祉の基礎について述べております。第三節におきましては、都市環境等を含めた住宅等高齢者の生活の場・生活環境の基盤について述べております。第四節におきましては、「人生八〇年時代」の長い老後の期間を精神的に豊かに暮らすための基盤について述べております。 最後の第三章におきましては、今後の検討課題として、高齢者の雇用の確保、高齢者の病気の予防・治療・介護等についての総合的施策及び施設と在宅ケアのシステム化、高齢者の住みやすい住宅・生活環境、高齢化の地域格差、負担・財源等の諸問題を整理いたしております。 以上が中間報告の概要でございますが、本小委員会は、高齢者が真に幸せに暮らせる豊かで明るい高齢化社会の実現を目指して、今後とも、本中間報告で整理いたしました課題を含めまして適宜調査課題を選び、鋭意検討を続けてまいりたいと考えております。 以上報告申し上げます。
○委員長(寺田熊雄君) 次に、亀長小委員長の説明を聴取いたします。
○亀長友義君 生活条件整備検討小委員会の中間報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。 この報告は、まちつくりを国土政策、都市政策、居住環境、コミュニティーの側面からとらえて検討を行一つたものであります。 まず、一の東京一極構造では、人口、産業、いずれも昭和五十年代になって集中度が沈静化してきた三大都市圏において、東京圏のみは再び集積度を強めていく可能性があるということ、そのため、東京の過密状態を是正し、適正な人口・産業配置を持った首都圏を形成していく必要があること、また、情報通信・交通ネットワークの整備に伴い、東京などの中央部と地方の情報格差が一段と強まることも予想されるため、各地域ブロックの特性、機能等に配慮したネットワークの形成が必要なことなどを述べております。 次に、二の地方定住圏の形成では、三大都市圏以外の地域で人口、産業の集積が進んでいること、この集積は、札幌、仙台、広島、福岡等地方中枢都市を頂点とした重層的都市構造の強化と裏表の関係で進んでおり、自立的で特色ある地域ブロックの形成が期待されること、そのため地域ブロック内の都市ネットワークを整備し、より一体的、有機的な内部構造を持った地域ブロックが形成されるよう努める必要があること、また、定住化現象が安定したものとなるよう、産業構造の変化に適切に対処した産業誘致のほか、内発型の地域産業おこしが重要な課題となっていることなどを述べております。 次に、三の大都市の再開発では、住環境の改善が緊急の課題となっている大都市においては、長期的な視点に立った都市再開発を行っていく必要があること、昨今の逼迫した財政事情、創造的で活力あるまちづくりの必要性などを背景に民間活力を活用していこうとする機運が高まっていること、その場合、土地利用の調整、都市再開発事業が有する公共的性格と民間活力の活用に伴う市場原理との調和等に十分配慮していく必要があることなどを述べております。 次に、四の居住環境の整備では、住宅、街路、公園、下水道等居住環境水準が欧米諸国に比較して立ちおくれていると言われる我が国において、そのための社会資本投資を安定経済成長下でも確保していく必要があること、しにがって、社会資本投資における公的部門と民間部門との役割分担のあり方、土地対策を基本とした住宅・宅地政策の再構築などが検討される必要があることを述べておりますほか、新社会システムの導入による地域行政サービスの展開が地域の居住環境の形成に大きな役割を果たしていること、導入主体たる自治体のみでは対処し切れない課題を解決して、同システムの導入が地域住民の生活ニーズに十分こたえるものとなるよう、国がソフト・ハード両面にわたる助長策を図っていく必要があること、来るべき高度情報化社会がもたらすであろうさまざまな問題に対応したまちづくりのあり方について今後も引き続き検討を重ねていく必要があることなどを述べております。 次に、五の自主的社会参加活動では、価値観の多様化、連帯感の希薄化した都市化社会において、自主的社会参加活動が地域コミュニティーの担い手として期待されていること、そのため、行政側も活動に必要な情報の収集・提供、活動場所の確保、活動資金に対する税制上の配慮など、ソフト・ハード両面にわたる間接的な支援を行っていく必要があることなどを述べております。 以上の検討結果を踏まえて、六では今後の検討課題を指摘しておりますが、その詳細につきましては国民生活・経済に関する調査報告書案を参照していただきたいと存じます。 以上、生活条件整備検討小委員会の中間報告について概要を御報告申し上げます。
○委員長(寺田熊雄君) 以上で三委員長の説明聴取は終わりました。 ただいま各小委員長から概要説明のありました調査報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、調査報告書についてお諮りいたします。 本委員会は、参議院改革協議会の答申に基づいて、年一回、調査の経過について報告書を提出することとなっております。また、設置以来一年余を経過しておりますので、これまでの調査の経過について、先ほど三小委員長から概要説明のありました各小委員会の調査報告書にあわせて、本委員会での調査経過をまとめ、お手元に配付いたしました「国民生活・経済に関する調査報告書(中間報告)(案)」を作成いたしました。 つきましては、本案を本委員会の中間報告として議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、字句の整理等が生じた場合の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時八分散会 —————・—————