国民生活・経済に関する調査特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1984/11/21
会議録
○委員長(対馬孝且君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る八月九日、安永英雄君及び杉元恒雄君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君及び大島友治君が選任されました。 また、去る十一月二日、石本茂君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君が選任されました。 また、去る十一月九日、斎藤十朗君、内藤健君及び森山眞弓君が委員を辞任され、その補欠として岡部三郎君、関口恵造君及び岩上二郎君が選任されました。 また、昨二十日、桑名義治君が委員を辞任され、その補欠として中野明君が選任されました。 —————————————
○委員長(対馬孝且君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岡部三郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(対馬孝且君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。 これより、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。橋本君。
○橋本敦君 それでは、委員派遣の報告をさせていただきます。 去る十月二日より四日までの三日間、対馬委員長、石本理事、松岡委員、刈田委員、及び、私の五名で、国民生活・経済の諸問題、特に地方経済の実情、技術革新と雇用、まちづくりなどを中心に北海道に赴き、道庁、札幌市、苫小牧市、及び函館市で概況を聴取し、また、関連する地元企業を視察してまいりました。 以下、調査の主な事項について報告申し上げます。 まず、北海道経済の現況でありますが、最近の全国的な景気の回復基調にもかかわらず、北海道経済は総じて低調に推移しております。 これを、鉱工業生産で見ると、輸出産業のウエートが小さいこと、構造不況型の非鉄金属工業及び造船が引き続き減産体制にあり、さらに悪化する要因を抱えていること、その上、公共事業依存型の窯業、土石製品業等基礎素材産業のウエートが大きく、公共事業抑制の影響を強く受けていること、この三点により、回復傾向の電気機械や紙パルプ業の動きも全体を押し上げるには至っておりません。 個人消費の面も、夏物商品や豊作期待により一部上向きの傾向はあるものの、ボーナスの伸び悩み、雇用不安もあり、力強さに欠けているようであります。 また、設備投資については、最近、非鉄金属の一部、電気機械、リース業で新製品の開発等もあり、新しい投資の息吹きも見られるものの、鉄鋼、自動車、電力の大型工事の一段落もあって、北海道通産局の調査では、総体として前年度比一六・六%減と三年連続の低下となる見通しであります。 こうしたことから、雇用動向は、常用雇用の有効求人倍率が依然として低位に推移し、全国平均に比べても、半分以下の〇・二二ないし〇・二三という数字となっています。 また、企業倒産件数も、昨年六月以降、件数、金額とも増加しており、史上最高を記録した五十八年度に比べて、今年はさらに、一〇%以上上回る情勢であります。特に、建設業の倒産は著しく、全国比三七%の高水準となるなど、公共事業への依存の高い経済の特質がその抑制策により裏目となっております。 こうした地域経済の落ち込みの象徴ともいうべき函館ドックの経営危機について、今回労使と会い事情を聴取してまいりました。 同ドックは、前回の造船不況の際、三十万トンドックを売却、従業員を二千四百九十人からほぼ半減するなどの減量経営を進め、さらに陸上部門への進出を図るなどの努力をしておりましたが、外航海運の不況、北洋漁業の縮小などもあって、新船建造の受注がなく、十月の新船の引き渡しが終わりますと、船台があくという状況に追い込まれ、倒産寸前の状態でありました。 経営側から、新再建案として従業員七百九十人の削減、新会社による来島グループ入りが提案されましたが、労使の交渉が難航する中で希望退職の募集がなされ、六百四十二名の応募により、一応の見通しが得られて最後の詰めが行われている段階でありました。ちょうど道庁、函館市、運輸省、関係国会議員等の骨折りが続いている時期でありましたが、幸い、再建の目途はついたようであります。 しかし、労使ともに苦しい犠牲を必要としていることには変わりなく、また、職場を去った希望退職者の再就職についても、難しい問題が残っております。さらに、関連下請企業に対する発注量も大幅に減少しているため、地元経済に及ぼす影響も極めて大きいとのことであります。 函館市の対策を聞きましたが、従来、同市にあった市造船機械関連不況対策本部を発展的に改組した函館ドック関連対策本部を設置し、さらに、市、産業界、労働界を網羅した函館ドック関連対策協議会を発足させ、希望退職者の再就職のあっせんを初め、諸対策に懸命の努力を傾注しているとのことであります。 次に、北海道の長期的な開発状況について申し上げます。 昭和五十二年に策定した北海道発展十カ年計画に従って北海道の開発が行われておりますが、第二次オイルショック、景気の低迷、国の公共投資の抑制など計画の背景をなす諸条件の変化を考慮して計画の点検を実施したところ、生活福祉面や基盤づくりでは比較的順調ではあるが、産業経済面では総じて不振で計画を下回り、成長率では七・二%の見込みに対し、実績は三・九%にとどまっております。 こうしたことから新しい総合計画の策定を準備中でありました。その基本的姿勢は、道民福祉の向上を基本的理念とし、強い体質の北海道経済をつくり、活力ある個性豊かな地域社会を築き上げるとともに、我が国経済社会の長期的発展にも寄与するというものであります。 こうした北海道経済の開発の中核となっている具体的プロジェクトとして東苫小牧の開発状況を視察しました。同プロジェクトは、苫小牧東部の原野を中心とした地域に港湾をつくり一万二千余ヘクタールの工業基地を造成、鉄鋼、石油化学、石油精製、自動車等の基幹工業と関連する工業の立地を図るつもりでありましたが、土地の造成はほぼ予定どおりできたものの、企業立地は予定どおり進まず、石油備蓄基地への転換といすゞ自動車の進出を除いて、土地の利用はほとんど進んでおりません。また、石油備蓄基地といすゞ自動車の視察を行いましたが、前者については、石油需要の低迷から国家備蓄への一部振りかえと二次工事の延期が行われ、後者についても、対米自動三の自主規制から、エンジン部分の生産が行われるだけといった非効率の使われ方しかされておらず、地域開発のメリットも実を上げていない状況にありました。 地元では、企業の誘致のための条例の策定を折しも市議会で審議中であり、また千歳空港の近くであることから、臨港型から臨空型の企業へ誘致の対象を切りかえることなどを行っておりますが、競合する自治体も多いようで、一層の努力が必要とのことでありました。 次に、北海道における技術革新の動きを申し上げます。 北海道における産業のME化の状況を見ると、鉄鋼、紙パルプ、機械産業等の大手企業の生産ラインにロボット、NC・MC工作機械が導入されているほか、事務部門のOA化も進んでいます。しかし、九州、東北と比べ機械電子機器部品産業等の立地がおくれており、既に述べたように景気回復のおくれの一端となっています。 なお、ME化等に伴う就労者の解雇は起きておりませんが、新規採用減となってあらわれ、北海道全体の雇用抑制につながると心配されています。 テクノポリス函館の推進について、道及び地元市町が力を入れているのは、現在の産業構造を転換していく必要からであります。今年七月に開発計画が通産省から承認されておりますが、その特徴は、北海道の立地条件を生かした、海洋関連産業群を中心とするいう点で、メカトロニクス、ファインケミカル、バイオ等高度技術を活用し、あわせてベンチャービジネス、ソフト産業の育成振興を目指しております。 既にテクノポリス函館技術拡大協会を設置し、研究開発企業等に対する研究費等の補助等を行い、また、函館圏技術振興委員会を設立し、産・学・官の技術交流を図っておりますが、今後取り組む関連事業として、道立工業技術センター及び北方圏海洋総合センターの設立のほか、臨空型工業団地の造成を初めとする道路、工業水道、環境整備などの関連公共事業等を予定しています。 こうした海洋関連の技術開発を行っている企業として、今回、函館製網船具株式会社及び日本化学飼料株式会社を視察しました。両企業の外見は必ずしも立派ではありませんが、その製品は最新技術を駆使したすばらしいもので、前者は、無結節を特徴とする各種漁網や関連する製品をつくっており、後者は、イカその他の魚類の飼料化の際の廃物が公害源となっていたものをファインケミカル、バイオケミカルにより、薬品、化粧品、調味料等に精製して高付加価値を実現しています。また、いずれもすぐれた実験施設を持ち、あるいは技術開発に人材を多く投入しており、函館テクノポリスの一つの核となり得る技術蓄積があるものと思われます。 最後に、まちづくりについて申し上げます。 札幌市は、人口約百六十万人近くに達し、なお、道内各地からの人口集中が続いております。この人口増加による市街地の拡大と都市機能の集積に対応して、従来の一点集中型の都市構造を多核心型にすべく計画が進められています。厚別副都心関発計画がそれで、札幌市の中心から東へ約十キロ、周辺に住宅団地があり、背後に江別市その他の市や町があり、また、自然公園、学園センターも近くに持つ位置にあります。そこに地下鉄と国鉄の新駅、道路網を整備するとともに、行政、商業、文化、業務など各種の都市的サービスの空間を確保する開発計画が進められています。 開発公社がつくっているサンピアザという建物とその周辺を実際に視察しましたが、商業機能と公園機能をあわせ持ち、かつ、地下鉄駅とコンコースで結び、効率のよいまちづくりが行われている印象を受けました。計画はまだ半ばでありますが、将来の分区も計画され、質の高い都市サービスが期待され、今後の都市の開発のモデルとなり得ると思われます。しかし、時間の関係上、まちづくりのソフトの面に触れられず残念でありました。 また、札幌市は、郵政省の進めているテレトピア構想に対し、未来型コミュニケーションモデル都市の計画を提出し地域指定を受けようとしています。 その中心のアイデアは、スノートピア、すなわち北国の情報都市であり、積雪寒冷条件の克服と冬期生活の向上を課題として、寒冷地住宅、地域暖房の都市づくりと冬期道路情報システム等を組み合わせていくもので、地域の特性に根差すものとして注目されます。 調査事項については以上でありますが、知事及び各市長から地域経済の振興等に関する陳情をいただいていますので、その主なものを申し上げます。 その第一は、地域の経済実態に即した景気対策の推進であります。即効薬としては、公共事業の比率の高いことから、公共事業の拡大を強く望んでいます。 第二は、家庭用灯油及び家庭用プロパンガスの価格の安定であります。本州との価格差があり、使用量も大きいことから特に強い要望となっています。 第三は、工業再配置促進法に基づく優遇措置を拡充強化すること、また、新産都市建設財政特別措置を延長することであります。 第四に、北海道縦貫自動車道の整備を促進することであります。 第五に、国庫負担特例措置の存続及び地方補助金一割カットの撤回を強く求められました。 このほかにも、各市から数多くの項目について要望されておりますが、ここでは省略いたします。 なお、要望の詳細及び提出していただいた調査資料の一覧を別に整理いたしましたので会議録末尾掲載をしていただくよう委員長の御配慮をお願いし、長くなりましたが、報告を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(対馬孝且君) これをもって派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいま橋本君から申し出のありました要望事項等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載をすることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいをいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時十六分散会 —————・—————