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101回国会参議院1984/04/06

建設委員会 第4号

発言数
271
登壇者
25
会派数
5
開催日
1984/04/06

会議録

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。  去る三月三十一日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。  また、昨五日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として稲村稔夫君が選任されました。     —————————————

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) ここでご報告いたします。  去る四月三日、予算委員会から、本六日及び七日の二日間、昭和五十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。     —————————————

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、同審査期間中、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫の役職員を、また本日、住宅・都市整備公団の役職員をそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) それでは、予算の概要について政府から順次説明を求めます。水野建設大臣。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 建設省関係の昭和五十九年度予算について、その概要を御説明申し上げます。  建設省所管の一般会計予算は、歳入百六十九億百万円余、歳出三兆九千七百六億三千七百万円余、国庫債務負担行為五千三百三十億三千六百万円余でありますが、建設省に移しかえを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係の一般会計予算では、歳出四兆五千二百九十六億六千六百万円余、国庫債務負担行為五千六百八十二億八千百万円余を予定いたしております。  次に、建設省所管の特別会計について、まず道路整備特別会計では、歳入歳出とも二兆一千八百五十九億六千三百万円余、国庫債務負担行為二千六百九十三億三千百万円、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆一千百十五億九百万円余、国庫債務負担行為二千四百九十五億五千八百万円、都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも四百八十三億四千四百万円余を予定いたしております。  また、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出六十四億五千九百万円余、国庫債務負担行為六十二億八千五百万円余を予定いたしております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、住宅・宅地対策、都市対策、国土保全・水資源対策、道路整備等各般にわたる国土建設施策を推進してまいる所存であります。  第一は、住宅・宅地対策についてであります。  国民の居住水準の向上と住環境の改善を図るため、昭和五十九年度においては、予算額七千六百八十二億一千八百万円余のほか、財政投融資資金四兆二千九百七十五億円で住宅・宅地対策を積極的に推進することといたしております。  まず、住宅対策については、すべての国民が良好な住環境のもとに安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを基本目標として、住宅建設の促進、既存ストックの有効活用等を図ることといたしております。  このため、昭和五十九年度においては、公庫住宅、公営住宅、改良住宅、公団住宅等建設省所管住宅合計六十一万一千七百七十戸の建設を推進することといたしております。  次に、宅地対策については、住宅・都市整備公団等の公的機関にふる宅地開発事業の促進、政策金融等による優良な民間宅地開発の推進等を図ることといたしております。  第二に、都市対策についてであります。  計画的な市街地の整備を図り、秩序ある都市の発展を確保するため、昭和五十九年度においては、都市計画関係事業について、予算額一兆二千百七十八億一千六百万円余のほか、財政投融資資金二千九百八十一億円で、下水道、公園、街路、都市高速道路等の都市施設の計画的整備、市街地再開発事業、土地区画整理事業等の市街地開発事業の推進及び都市開発資金の充実を図ることといたしております。  第三に、国土保全と水資源対策についてであります。  まず、治水事業については、近年の激甚な災害の発生状況、深刻な用水不足等にかんがみ、第六次治水事業五カ年計画に基づき、事業の促進に努めることといたしております。  昭和五十九年度においては、同五カ年計画の第三年度として、予算額一兆五百三十七億五百万円余で、河川、ダム、砂防等の治水施設の整備と水資源の開発を推進することといたしております。  また、海岸事業については、第三次海岸事業五カ年計画の第四年度として、予算額二百七十六億一千三百万円で事業を推進することといたしております。  また、急傾斜地崩壊対策事業については、急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画の第二年度として、予算額二百七十三億五千三百万円で、特に緊急に対策を講ずべき箇所について事業を推進することといたしております。  第四に、災害復旧対策についてであります。  災害復旧対策には、予算額一千四百七十二億一千六百万円を予定し、被災河川等の早期復旧を図ることといたしております。  第五に、道路整備についてであります。  道路整備については、第九次道路整備五カ年計画に基づき、高速自動車国道から市町村道に至る道路網を計画的に整備すること生いたしております。  昭和五十九年度においては、同五か年計画の第二年度として、予算額二兆一千三百九億九千六百万円のほか、財政投融資資金一兆六千八百八十九億円で一般道路及び有料道路の整備を推進することといたしております。  また、交通安全対策については、第三次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の第四年度として事業の推進を図ることといたしております。  第六に、官庁営繕についてであります。  昭和五十九年度の予算額は、一般会計二百二十七億六千九百万円余、特定国有財産整備特別会計六十四億五千九百万円余で、合同庁舎等の建設を実施することといたしております。  引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫の昭和五十九年度予算について、その概要を御説明いたします。  住宅金融公庫の借入金及び債券の限度額は三兆六千五百四十五億四千八百万円を予定し、収入支出予算は、収入一兆五千二百九十七億六千七百万円余、支出一兆六千六百十一億五千五百万円余を予定し、住宅五十万戸等について総額三兆五千百八十六億四千万円の貸付契約を行うことといたしております。  以上をもちまして、昭和五十九年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算並びに住宅金融公庫予算の説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) 稻村国土庁長官。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) 総理府所管のうち、国土庁の昭和五十九年度一般会計歳出予算について、その概要を御説明いたします。  国土庁の一般会計歳出予算は二千三百八十七億五千九百万円余を予定しておりまして、前年度予算に比べ三十億五千三百万円余の減となっております。  次に、昭和五十九年度予算の重点について御説明いたします。  第一に、国土計画の推進についてであります。  第四次全国総合開発計画の策定作業及び国土利用計画(全国計画〉の改定作業を推進するとともに、定住構想を一層推進するため所要の施策を進めるほか、国土利用計画体系の確立、国土情報整備事業の拡充強化、沿岸域等海洋利用の促進並びに国土総合開発事業調整費の活用等による公共事業等の調整を推進することとし、予算額百十八億百万円余を予定しております。  第二に、総合的土地対策の推進についてであります。  地価の安定及び適正な土地利用の促進を図るため、国土利用計画法の的確な運用を行うとともに、農住組合事業の拡充推進等大都市地域における土地利用転換を適切に誘導するための施策を推進することとし、予算額二十一億五千万円余を予定しております。  また、地価公示及び都道府県地価調査を推進することとし、予算額三十一億四千八百万円余を予定しております。  さらに、第三次国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査等の国土調査を推進することとし、予算額九十二億四千九百万円余を予定しております。  第三に、総合的な水資源対策の推進についてであります。  安定的な水需給の確保を図るため、新しい長期水需給計画の策定を推進するとともに、水源地域対策の促進等による水資源開発の推進、水資源の有効利用の促進等総合的な水資源対策を積極的に推進することとし、予算額六百二億八千三百万円余を予定しております。  なお、水資源開発公団については、前述の予算額のうちの六百億七千万円余の補助金等と財政投融資資金等と合わせて二千四百七十五億三千六百万円余の資金により、ダム、用水路の建設事業等を引き続き計画的に促進することとしております。  第四に、大都市圏整備の推進についてであります。  大都市地域における良好、安全な都市環境の整備と大都市圏の秩序ある発展を図るため、大都市圏整備計画の的確な実施に努めつつ、三圏の新しい基本計画等の策定作業に着手するとともに、工場、大学等の諸機能の適正配置、大都市防災対策の推進、首都改造計画及び新しい近畿の創生計画の策定並びに中部圏の一体的整備に関する調査の実施、筑波研究学園都市の育成整備等の促進を図り、さらに、琵琶湖総合開発計画の推進を図るとともに、関西文化学術研究都市建設構想の推進を図ることとし、予算額九億三千二百万円余を予定しております。  第五に、地方振興の推進についてであります。  まず、人口の地方定住を促進するため、各ブロックの地方開発促進計画を推進するとともに新たな開発促進計画の策定作業を進めるほか、テクノポリス地域、新産業都市等の整備を進めるとともに、田園都市構想モデル事業の促進等地方定住圏整備の推進、地方都市及び農山漁村の総合的整備等を図ることとし、予算額十一億一千百万円余を予定しております。  次に、過疎地域並びに山村及び豪雪地帯における生活環境の整備及び産業の振興を図ることとし、予算額十八億四千六百万円余を予定しております。  また、離島並びに特別措置法の期限延長が行われることとなりました奄美群島及び小笠原諸島については、その地域的特性にかんがみ、交通施設、生活環境施設及び国土保全施設の整備並びに産業の振興を図る事業を実施することとし、離島振興事業については予算額千百三十一億八千百万円余、奄美群島振興開発事業については予算額二百七十億四千六百万円余、小笠原諸島振興事業については予算額十九億七千二百万円余を予定しております。  さらに、防災のための集団移転促進事業について、内容の充実を図り引き続き実施することとし、予算額一億六千百万円余を予定しております。  第六に、地域振興整備公団の事業についてであります。  地域振興整備公団については、十七億五千七百万円の国の一般会計補給金と財政投融資金等と合わせて千百四十一億八千八百万円の資金により、定住構想に即して全国的な人口及び産業の適正な配置と地域住民の福祉の向上に寄与するため、地方都市の開発整備、工業の再配置及び産炭地域の振興を推進することとしております。  第七に、災害対策の推進についてであります。  最近の災害の状況及び現下の急務である広域震災対策の緊急性にかんがみ、大都市震災対策の推進、大規模地震対策の強化、中央防災無線網の整備等災害対策の総合的な推進を図ることとし、予算額八億二千三百万円余を予定しております。  以上をもちまして、昭和五十九年度の国土庁の一般会計歳出予算の概要説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) 稻村北海道開発庁長官。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) 初めに、昭和五十九年度の北海道開発庁予算案について、その概要を御説明申し上げます。  北海道は、全国土の五分の一を占め、かつ大きな潜在的発展力を有する地域であります。  北海道の開発は、我が国における人口と産業の望ましい配置を実現し、それにより我が国の長期安定的な発展を図ろうとする重要な施策であります。  新北海道総合開発計画は、このような観点から昭和五十三年度から六十二年度までの十カ年計画として策定されたものであります。  昭和五十九年度の北海道開発予算については、厳しい財政事情のもとではありますが、新北海道総合開発計画の基本方向に沿って内容の充実に特段の考慮を払っているところであり、その予算要求額は、昭和五十九年度総理府所管一般会計予算要求額のうち、歳出額予算七千三十五億六百六万二千円、国庫債務負担行為限度額二百五十七億七千五百万円であります。  次に、歳出予算要求額のうち、主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、国土保全事業の経費に充てるため、一千百五十二億八百四十五万一千円を計上いたしました。  国土保全事業の経費は、五十六年八月の大災害等にかんがみ、石狩川などの重要水系、災害多発地域の中小河川に重点を置いた河川改修、土砂害対策等の実施、都市開発の著しい地域における総合治水対策特定河川事業等の推進、今後の水需要の増大や洪水調節に対処するための多目的ダム等の建設、急傾斜地における崩壊対策の実施、国有林、民有林を通じて一貫した治山事業の推進及び海岸事業の推進のための経費であります。  第二に、道路整備事業の経費に充てるため、二千二百三十六億一千万円を計上いたしました。  道路整備事業の経費は、交通安全施設等の整備及び防災、震災対策事業を重点的に進めるとともに、一般国道の不通区間の開削、都市機能の向上と環境改善を図るため、都市道路、都市周辺のバイパス等の事業を促進するための経費であります。  第三に、港湾、空港の整備事業の経費に充てるため、六百三億六百万円を計上いたしました。  まず、港湾整備事業の経費は、室蘭港及び苦小牧港の特定重要港湾、石狩湾新港その他の重要港湾の整備を促進するとともに、地域の開発を推進するため、地方港湾の整備を進めるための経費であります。  次に、空港整備事業の経費は、新千歳空港の建設及びその他の空港の建設整備を促進するための経費であります。  第四に、生活環境施設の整備事業の経費に充てるため、七百億二百万円を計上いたしました。  生活環境施設の整備事業の経費は、下水道、都市公園等の事業を推進するための経費及び公営住宅の建設を進めるとともに、大都市等における住宅建設、宅地開発の円滑な推進を図るための関連公共施設の整備を促進するための経費及び離島における環境衛生施設の整備を図るための経費などであります。  第五に、農林漁業の基盤整備等の事業の経費に充てるため、二千二百十七億三千六百万円を計上いたしました。  まず、農業基盤整備事業の経費は、高生産性農業の確立を図るとともに、水田利用再編の方向に即して水田地帯における農業経営の安定を図る等のための土地改良事業及び経営規模の拡大、粗飼料基盤の整備拡充等のための農用地開発事業並びに畜産基地建設等のための特定地域農業開発事業を実施するための経費であります。  次に、漁業及び林業の基盤整備等の事業の経費は、二百海里時代に対処して沿岸漁業等の振興を図るため、沿岸漁業等の根拠地となる漁港施設及び沿岸漁場の整備開発を実施するための経費並びに造林、林道事業を実施するための経費であります。  以上が北海道開発庁予算案の概要であります。  引き続き、昭和五十九年度の北海道東北開発公庫予算案について、その概要を御説明申し上げます。  北海道東北開発公庫は、国土資源に恵まれ、開発可能性の大きい北海道及び東北地方における産業の振興開発を促進するため、民間金融機関と協調して良質な産業資金を供給することを業務といたしております。  昭和五十九年度の事業計画は一千四百億円を予定しております。  これらの原資といたしましては、政府出資金二十五億円、政府借入金二百八十二億円、債券発行による収入九百億円を予定し、残りの百九十三億円は自己資金で調達することといたしております。  なお、出融資の対象業種として、新たにCATV事業を加えるとともに、特別金利の適用につきましても、新たに、テクノポリス地域を適用対象とする等出融資機能を拡充することといたしております。  以上をもちまして、昭和五十九年度の北海道開発庁予算案並びに北海道東北開発公庫予算案の御説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。  これより質疑に入るわけでありますが、先ほどの十時九分の地震は、震源地が静岡県中部、震度は東京、横浜、館山震度二、水戸、宇都宮、千葉、網代が一、津波のおそれなし、震源の深度が深いためいわゆる震度は低い、こういうことであります。  それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は、予算の委嘱審査が行われるに当たりまして、特に建設関係の予算編成についての基本的な考え方につきまして、そしてそれに関連をいたしまして、特に雪国のいろいろな事情等もございますので、建設大臣並びに国土庁長官に若干の御質問を申し上げたいと存ずるわけでございます。何分とも先輩委員の貴重な時間を分けてもらいましての発言でございます。短い時間でございますから、いろいろとお聞きしたい点はございますけれども、本当にごく一部に絞ってお聞きをしたいと思うわけでございます。  最初に、建設大臣にお伺いをしたいわけでございますが、今政府の財政事情は大変厳しいという状況の中にあるわけであります。こういう時代こそ予算編成にはいろいろと多くの工夫がされると思うわけであります。しかし、今回の五十九年度の予算案を拝見いたしまして、こう申し上げては大変失礼なんでありますけれども、従来とほぼパターンは余り変わらないと、こんなふうに言えるのではないかと思うわけでございます。財政事情が厳しければ厳しいだけに、重点目標というものが定められまして、そこに予算も重点的に配分をされる、こういうことが大事なんだろうと思うわけであります。特に、建設行政におきましては、国民生活への影響というものはその重点の置かれ方いかんによりましてかなり変わってくる、こういう事情もございます。ぜひ大臣のお考えを伺いたい、このように思っております。  憲法の規定をそれこそ引っ張り出すまでもなく、日本国民として平等の権利を有する、こういうことになりますと、その住んでおります地域によりまして、それこそ経済あるいは政治の、言ってみれば競争の原理みたいなものの中でいろいろな形でひずみやあるいは格差が生じてきている。そういうひずみや格差をなくしていくということ、これが私はこういう厳しい財政事情の中では特に大事なのではないか、このように思っているわけであります。その辺の予算の使い方につきまして、本年度予算というのはもう今こうして審議をされているわけでありますけれども、今後への考え方というものも含めまして、大臣の基本的な考え方をまずお伺いいたしたいと存じます。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 公共事業費の使い方について、積雪寒冷地等に特に予算執行上配慮すべきでないかという御質問だと思いますが、公共事業全体のことを申し上げますと、もうこれは先生御承知のとおりだと思いますが、各公共施設——道路とか河川とか下水とかございますが、それぞれの全国的な整備状況あるいは地域住民の要請などを考えに入れまして、地域の実情に即して計画的に実施をしております。それぞれ年次計画を立てまして、国土全体のことを考えてやっているわけでございます。しかしながら、最近の月例経済報告などに見ますとおり、北海道とか沖縄の経済指標が非常に低い。景気全体としてはかなり浮揚してきたが、北海道、沖縄あるいは積雪寒冷地などの経済指標が非常に低いというような実例もあることも私どもは十分存じ上げているわけでございます。  公共事業は二つの面がございまして、一つは、社会資本を充実して国民の多くの方々にあまねくその便宜を供与して文化的な生活をしていただくという面と、公共事業を行うことによって雇用と経済を維持していくという面があるわけでございますが、その景気の維持拡大という点を主に念頭に置きましてやっていきたいというふうに思っております。特に、今先生御指摘の、地域経済の状況にも配慮をしてくれという御指摘でございますが、五十八年度の補正予算の際にも相当の配慮をしてきたつもりでございますが、五十九年度予算を成立さしていただきましたその上は、先生の御指摘も考慮に入れて執行していきたいと、かように思っている次第でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は今雪寒地だけのことを申し上げたわけではないつもりなんですけれども、特に雪寒地につきましては今大臣の御答弁がありまして、いろいろと降雪、積雪ということが経済活動等にも重大な影響を及ぼしているわけであります。それは私はやはり格差の一つであると、こんなふうにも考えているわけであります。ことしの豪雪に対しましては、それこそ五六豪雪のときと同じように、予備費からの支出等を決めていただく等の御配慮をいただいたということで感謝しているわけでありますが、しかし私は、こうした災害対策ということでの対応ということばかりではございませんで、雪国に伴う大きな制約というものがいろいろとあると思うわけであります。  例えば、道路一つにいたしましても、道路の延長、仮に百メーターの道路の延長があるといたしましても、それが三カ月なり半年なり雪に埋もれている、その間は使えないという状態が起これば、これは道路の効率としては極めて落ちてくるわけであります。また、機械除雪などをやりまして道路を確保いたしましても、結局幅員は十分に確保できないわけでありまして、その辺のところもございます。そうした、もう持っている宿命的など言っていいでしょうか、そういう制約がありますが、同時に、こうした宿命を持っているんですが、これに対応する行政の展開という面では、これまたいろいろと問題が余りにも多くあり過ぎるのではないか、こんなふうに私は思っております。  例えば、ことしの例でまいりますと、確かに直接的な雪害というものに対してはそれぞれの手当てをしていただいているわけであります。しかし、例えば道路舗装に例をとりますと、タイヤチェーンあるいはスパイクタイヤ等でたたきますので、道路の損傷というのは物すごいものがございます。それこそ穴ぼこだらけの道路になっております。特に、市町村道等におきましてはそういう形になってはおりますけれども、結局これは雪による直接的な被害ということにもなりませんし、また新たに道路を建設するときとは違いまして、維持管理の経費ということになってまいりますので、政府からの手当てというようなものについてはこれが望めないということにもなるわけであります。これは大変な費用がこれからそれぞれの関係の自治体にはかかってくると、こんなことにも相なるわけであります。  また、小さな話で恐縮でありますけれども、ガードレールなどは各地でみんなかなりひどく傷んでいるわけでありますけれども、このガードレールも雪によってつぶされた、雪による直接的な被害でという場合は救済をされるのでありますけれども、しかしこれが除雪作業で傷んだ、例えば幅員が余り広くない道路等については特にガードレールにさわらないように、損傷がないように除雪をするという技術的なことも極めて難しいというような状況の中にありますけれども、こうした点も救済の対象にはならないわけであります。  私はほんのわずかの例を申し上げただけでございますけれども、要は、雪国ばかりではありませんで、開発のおくれているところとか、あるいはこうした雪国というそういう特徴を持ったためにいろいろな面で格差が出てきているところに重点的に予算を使っていただくように御配慮をいただきたいということと同時に、そう言いましても、そうすると極めて多くの要望が出てくるわけでありますから、それこそ財政的に対応し切れないという問題も当然起こるのではないか、こんなふうにも思うんです。そうした場合にむしろ重点的に、配分をしていただいた予算の中でそれをまずどこから手をつけてどうしていくかということを、一番その地域で切実に物を考えている自治体とその自治体の住民とのコンセンサスによって、そこで重点的に有効的に使えるようなそういう配慮というものがなされてしかるべきなのではないだろうか。  今の公共事業のあり方というのは、ほとんど事業をやっていきますと一件審査で決められていくわけでありますけれども、こうした画一的な対応ということではなくて、むしろ総合的に政府の援助と指導と、こういう形の中で自治体と住民との総意の中で経費をうまく効率的に活用していくと、こういうことが特にできないだろうか。予算が厳しくなってくればくるほど要望というのはどんどんふえていく中で対応し切れないわけでありますから、それだけにそういう工夫をいろいろとされてしかるべきではないだろうか、こんなふうにも考えるわけでございますので、その辺のところのお考えを伺いたいと思います。

豊蔵一建設省大臣官房長

○政府委員(豊蔵一君) 予算の配分につきましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、地域の経済状況等にも十分配慮してまいりたいと思いますが、また具体の事業につきましては、ただいまお話がありましたように、地元の公共団体の御要望を受けまして、それに適切に対処してまいりたいと思います。  また、各年度の予算の執行につきましては、年度の当初に例年事務次官の通達を出して指導しておりますが、その中で、例えば積雪寒冷地域等におきましては季節的な需要がございますから、その事業の早期実施に努めるよう指導いたしておりますし、また冬期におきまして、降雪等により平定されておりました事業が円滑に執行できないといったような場合には 乗り越しの手続を簡略化いたしまして、事業の適正な執行ができるように措置をいたしておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は、もう少し予算の編成をするに当たって、そういう仕組みについて、現在の国と地方とのかかわりの中でやられていく仕組みについてもメスを加えていろいろと工夫をしていかだけないか、こういう意味のことも含めて申し上げているつもりでございますけれども、時間がございませんので、今の御答弁を伺って、後いろいろと私なりにまた検討させていただきながら、お聞きをする機会をあるいは今後いただくようなことになるかもしれません。ということで、その点はこの程度にさせていただきまして、もう時間が参りますので、最後に国土庁長官に一つの点だけお伺いをしたいのであります。  それは、本当に雪国の出身の長官として、いろいろとことしの雪害対策には行動も早く起こしていただき御苦労いただいたということで感謝を申し上げます。特に、今後の問題といたしましても、私は雪国の中の豪雪地帯の雪崩の対策について、これは人命とのかかわりがございますので非常に問題があるというふうに対策上考えますのでお伺いしたいのでありますが、それは、雪崩の危険箇所といいますのは、それこそ長官も御存じのように、無数にあると言っていいわけであります。これは、事前に防止をするというためにはいろいろな防護さくなどを設けるということも同時に大事なんでありますけれども、またその時期になりますと、かなり警戒のためのパトロールというようなものも大事であります。  ところが、パトロールという点になりますと、なかなか人員の確保等でもいろいろと問題があるんじゃないだろうか。各省庁の管轄のあれによっても違いがございますし、自治体の対応というのにも問題がまだ残っていると思います。地元の協力を得たいということになりましても、そういうところはほとんどが過疎地域、稼ぎに出ているというような形で人員の確保はなかなかできない、こんなこともございますので、その辺のところを総合的に取りまとめていただき、そういう人命尊重の体制を特につくっていただく、こういうことが国土庁長官には望まれるのではないだろうか、こんなふうに思いますので、これからのお考えをひとつお聞かせをいただきたいと存じます。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) 新潟の稲村も北陸の稻村もこれは雪国でありまして、そんな意味から、これは子供のときから大変悩み続けて今日に来ておるわけです。今度の豪雪における費用も、大変皆さんのおかけで地域の方々に感謝をしてもらえるというところまで私はいっておるものと確信をしておるわけです。  ただ問題の、やはり雪崩の問題ですが、これは何としても人命を守る、災害から人命を保護する、これは最優先のことでありまして、その雪崩対策という問題は、新潟にも中里にああいう雪崩の現象が起きておる。大変お気の毒に私は思っておるのでありますが、私は本部長といたしまして、ほとんど各地に関係団体に対して御指示というか申し上げたわけであります。できるだけ雪崩地区については警戒をするようにと、あるいは簡易な方法であろうと雪崩の防止に対して万全を期すように、こういうふうに申し上げてきたわけでありますが、やはり起きる地点というのは大体にわかると言ってはおかしいですが、大体に雪崩の起きる地点というのは決まったようにあるわけですから、そういう意味から各省庁に——どうも国土庁というのは間口が広くて、国土庁でぴしゃっと決められるものがないのですよ、これ。やはり力の強い各省庁を背景に持っておりますからね、これは大した力と見ていますよ、私は。そういう意味から、各省庁に連絡を申し上げて雪崩対策の完璧を期す、こういうような形で今後指導をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ありがとうございました。それじゃ終わります。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 今、我が方の稲村委員から雪害対策についていろいろと質問ございましたが、本人からすればまことに短い時間でございまして残念だ、こう思いますが、いずれにいたしましても融雪期、そしてことしは天候も不順でございまして、これは一番大事な時期に来ておるわけでありますから、国土庁も建設省も連絡を密にいたしまして万全の備えをしていただきたいと、つけ加えて要望をいたす次第でございます。  ところで、当院において予算委員会から各常任委員会が委嘱審査を受けまして審査をする、こういう仕組みになりましてことしは三年目でございます。いろいろこれは、試行ということではないにいたしましても、やった結果さまざまな意見が今出てきておることは私も聞いてはおるわけでございますが、その一番の結果は、どうも各議員の持ちます問題意識というのは大体これ似たような感覚でございまして、課題が集中する、こういう意味ではいわゆる本予算委員会とダブる面がかなり多い、こういう反省なんかも一つ出されてきております。でありますから、どうしてもそれとかかわりのないような徴に入り細にわたった細かい問題と自分でも思うのでありますが、なかなかそうばかりも言えませんで、これは議員心理とでもいうのでありましょうか、そういう意味でいろいろダブる面があるかもしれませんが、そこはひとつ御容赦をいただきたい、こう前もってお願いをいたしておくわけであります。  まず、談合問題というのが、この二月に公取委のガイドラインが出されましてから、またその入札制度等においてもがくがくの議論が、今業界もまたあるいは世論も重大な関心を示しておる時期だと、こう思います。入札制度についてはずっと以前からさまざまな議論がございまして、右から見ても左から見ても本当に国民の目から見て正しい、業界から見て妥当である、こういうような制度というものは何かという、そういう問題意識のとり方において議論を続けてきておったことは私も承知をいたすのでありますけれども、問題はかなり難しい。難しいが、何といいましてもやはり本格的にひとつ真剣に取り組まねばならぬという注文が出てまいりましたのは、五十六年の静岡における談合問題の多発が一つの契機になったと思います。さような意味でということになりますかどうですか、中央建設業審議会が五十七年にはにわかに当面の建議をいたしまして、そして五十八年には、これが最終かどうか存じませんけれども、第二次という世間の物の言い方がされておるようでありますが、建議が出されました。その建議に基づいて建設省がどう対処したか、時間がございませんから余り長々しく答弁されましても私も困るのでありますけれども、ポイント、ここはこうやったと、これはこう考えたということを率直にお述べいただきたい、こう思います。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 公共工事の入札問題につきましては、御指摘のように中央建設業審議会から、一昨年の三月に入札結果等の公表に関し、また昨年の三月に建設工事の入札制度の合理化対策等について建議をちょうだいしたわけでございます。建設省といたしましては、これらの建議を受けまして、積算基準及び入札結果の公表、それから指名業者数の適正化、指名審査の厳正化等の所要の改善措置を講じますとともに、各発注機関に対しましても建議の趣旨の周知徹底を図ってきているところでございます。  また、昨年六月に、公共工事の主要な発注官庁であります中央省庁と公社公団等から成ります中央公共工事契約制度運用連絡協議会を設けまして、入札制度の合理化についての各省庁の連絡を密にし、その推進を図っているところでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 実は私も、中央建設業審議会の建議に対する建設省の対応、大きくは一、二、三、四と分けて、今早急に対応する必要がある事項、できる限り速やかに対応する必要がある事項、中長期的に対応すべき事項、対応済みの事項、こういうことについて、すべてではございませんが、私自身が問題意識を持っています点については承知をいたしておるわけであります。  そこで、これはこちらの考えも述べて、そしていろいろと検討をしていただきたい、できればそうすべきである、こういうことでありますけれども、つまりは公取委のガイドラインが示される経緯というものを考えてみますと、談合問題というのは罪悪だ、こういう前提に立って、これを防止するのにはいかようにしたらよろしいか、これが一つの発端であろうかと思うんです。したがって、中央建設業審議会がこれは毎年やって何かかにか建議するのかどうかわかりませんけれども、少なくとも入札制度、独禁法にかかわる問題について建議を取りまとめたということは、そういう世の中の要請にこたえる意味で検討を続けできたはずである、こう私は思います。  そして、新聞論調をずっと見てまいりますると、やはり会計法上も一般競争入札が原則であると、こう言っておるわけでありまして、きょうは大蔵省やあるいは会計検査院、行管庁等々からは人を呼んではおりません。一昨日あたりも既に同じような答弁をしておるようにも聞き及びますからきょうは呼んではおりませんけれども、しかしそういう方向で検討したはずなのに、その方向とはむしろ逆な結果になっておる。私もその件にずっと目を通してみました。私、素人でありますけれども、その素人の判断からいたしましても、いわゆる指名競争入札、これが好ましいのであるということ。そして聞くところによればでありますから、まあそうでなければ御免いただきますが、とにかくいろいろと談合問題がやかましくなって、そしていままで十名程度の指名業者を二十名程度に幅を広げた。がしかし、この幅を広げたことでさえもこれはよい結果ではないから見直せと書いてある。まさに逆であります。とすれば、これは新聞も非常に厳しく批判をいたしておりますけれども、談合を温存すると、こういう言い方で表現をいたします。業界紙あたりはかなり細かに中立的な表現を使っておりますけれども、しかしそうではなくて、すべからく東京の中央紙あたりの社説、解説記事、どれを見ましても、これは逆戻りであると、こう指摘をいたしておるわけであります。  そういうことを考えて、この建議について建設省としてはどういう受けとめ方をしておるか、その他いろいろありますけれども、入札制度についての見解で結構でございます。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 入札制度全般につきまして慎重な審議をちょうだいしたわけでございますが、ただいま御指摘のありました一般競争入札であるべきかあるいは指名競争入札であるべきかという観点、それから指名競争入札を行う場合に、指名業者数は多くあるべきであるかあるいは従来の数程度であるべきかという点等につきましても慎重な審議をいただいたわけでございますが、契約方式につきましては、やはり施工能力の劣る業者や不誠実な業者等の排除が非常に困難であるために工事の適正な施行が確保できないこと。また、かえって弱肉強食になって受注機会の公平の確保が困難なこと等の非常に問題点の解消が難しゅうございますので、一般競争契約を一般的に採用することは困難でありまして、現状では指名競争契約を公共工事に関する運用の基本とすべきであるというふうな結論になっているわけでございます。  また、指名業者数の見直しの問題につきましては、試みといたしまして指名業者数の増加があったわけでございますが、その結果を見ますと、数合わせ的な指名によりましてダンピングの発生の傾向が見られること、それから他地域業者等の参入がございまして地元中小業者等の保護にも欠けること、あるいは発注者、受注者ともに事務量の増大を来しているというふうなデメリットの方が大きく出てまいりましたので、審議会におきましても指名業者数の見直しについての建議がなされたわけでございまして、これらによりまして入札制度の合理化が図れるものというふうに私たちは考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 これは、かなり入札制度というのは私は自由競争経済制度と計画性を持った経済制度の間にある問題だと、こう見ておりますが、さような意味では非常に難しい問題だと思っております。しかし、私はオープンで一般競争入札制度をとるというほどまでも考えておりません。今局長がおっしゃいましたように、ある程度欠陥はあるわけでありますが、しかしこれは最低価格を抑えるということが一つの前提になっておるわけであります。でありますから、つまりは大手がいつでも参加をして、そして地方の事業までさらっていってしまうなどということがありてもこれは困るわけであります。  いずれにいたしましても、地域性を持たすとかあるいは中小企業を合併せよといってもなかなか困難であるとするならば、ジョイントを組むなりあるいは協同組合をつくるなりと、その協同組合と契約をするなどというような方式も考えて、そしてそんなに入札をしようとする業者が事務所一つでやっておるなどというようなものはないはずであるわけでありますから、ある程度ふるい落とすことができる。ふるい落とすということはこれは指名につながると、こういう物の言い方もできるかもしれませんが、それは常識の範囲であります。でありますから、その欠陥を克服して、そしていわゆる競争原理を拡大するという物の考え方に立って検討すれば、それなりにいわゆる談合問題に対する世の不信も払拭できる、私はこういうことになると考えるのでありますが、これからの中長期的検討の課題の中にはそれらも入っているものと私は思いますが、今の局長の答弁を聞きますると、そのままずばりでございまして、これではどうも中長期的に展望して検討するなどという話にはならないんじゃないかというふうに今話を聞きました。その点はどうなんでしょうか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 御説明が不十分でございましたが、一般競争契約の採用につきましては、中央建設業審議会におきましても、先ほど私が申し上げましたような問題点の解消がいかにあるべきかという点と、それから我が国の建設業の産業構造の改善と締めまして今後幅広い検討を行うべきであるという答申をいただいておりまして、私たちも、この趣旨を踏まえまして、長期的検討課題として一生懸命勉強したいと思っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 余り切り捨てないで、ひとつそこは真剣に検討していただきたい。これは後の議論の中にも出てくることになります。  そこで、中小企業対策でございますけれども、どのように当面お考えになっておりますか。今も話の中にありました、いわゆる——いや、これはひどいものですよ。私らも地方で聞きます。いろいろ調べてみますけれども、企業秘密ということでありましょうか、なかなか口がかたくて精査することはできないのでありますけれども、何億単位の工事を大手がとって地元の業者におろす。地元の業者を例えば二社といたしますか、そうすると、それぞれ一社から現場へ一人きり派遣されておらない。そして、あとはまたその下におろしている。こんなのはざらでありますから、そういたしますると、これを一つのダミーというのでありましょうか、こういう大手のダミーを排除するとか、あるいは先ほども触れました中小企業のジョイントを組んで、もちろんそれにはその業者が工事能力をつける、能力を開発するというそういう前提はありましょうけれども、協同組合を契約対象にするとかいうことにして業界全体を底上げしていくという、そういう方法をとらなければ業界の再編成などということには到達しないわけであります。  小さな会社を全部吸収合併をして、一県二社か三社にするなどというような話になればまた別でありますが、しかし今私が申し上げましたような方法を用いながら、中小企業の保護対策、最近は特に公共事業の事業量も減っておりますから、とにかく奪い合いといいますか、これはなかなか苦労しておる話もよく聞くわけでありますが、それだけにやはりそういう面も考慮しつつきめ細かな対策を立ててもらいたいと、こう思いますが、いかがでございますか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 御指摘のとおりでございまして、私たちは、建設業の振興策の基本といたしましては、建設業そのものが各種の専門工事の組み合わせによりまして総合的に施工されるものでございますので、工事の内容、規模等によりましては、元請、下請関係で仕事を遂行せざるを得ない業種でございますので、元請になります総合建設業者、それから下請になります専門工事業者、それぞれがそれぞれの立場において振興し得るような施策を進めなければならないというふうに考えております。基本的には、総合工事業者はすぐれた企画力と大きな資本力を活用して事業の推進に当たる、中小下請業者は機械力あるいは技術力、技能力等によりましてその振興が図られていくということだと思いますが、特に中小建設業者の育成策といたしましては、受注機会の増大とそれから企業体質の改善ということを二つの柱として進めたいと思っております。  受注機会の増大のためには、発注標準の遵守、それから分割発注の推進、それから共同請負制度の活用等の措置を講じておりまして、もう一つの柱の企業体質の改善のためには、中小企業近代化促進法に基づく業種別の近代化の推進、それから協同組合等の活用によります中小業者の共同化等の施策を実施しておるところであります。また、下請構造関係の改善策といたしましては、五十三年の十一月三十日に策定いたしました元請・下請関係合理化指導要綱によりまして、合理的な下請契約の締結あるいは下請代金支払いの適正化等について強力に指導しておるところでございます。今後ともこれらの施策を強化充実してまいりたいと思っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 後段の話はよくわかりましたが、前段の話ですね、つまりは大手はいわゆる設計の能力も資本能力も金の能力もある。したがって、そういうものが一つあって、そして現場を技術面でカバーする下請というのがこれある。明確に区分けして考えておるのかどうか。まあそれは常識的にわかりますね。百名や五十名やその辺の企業がそれほど大きな資本と能力を持っておるとは考えにくい。しかし、そう区分けをして考えてしまいますと、私らの感覚の中には、大手といえばそれはやはり中央の大きな資本という感覚であります。  私は福島県でありますから、福島にもかなり立派な企業があることも承知しておりますから、それをしも大手とは建設省では理解はしておらないのではないかと、こう思いますけれども、とにかく地元でもかなりの業者があって、そしていわゆる福島県の、それは青函トンネルなんという話になりまするというとどうかわかりませんが、少なくとも福島県内における構造物程度のものは引き受けてやりこなせる企業もあると、こう私は思っておるわけでありますから、何も下請は全部廃止をして単一化しるなどという物の言い方をしておるわけでは決してございません。  最近の傾向は、いわゆる三次から四次まで拡大しておるという、そういう新聞報道なんかも私拝見いたしましたけれども、とにかくそういうものをできるだけ圧縮をしていって、そしていわゆる中間利潤といいますか、そういうむだな経費を除いていくという努力をする反面、中小零細企業をどのような組み合わせをするかは別にいたしまして底上げをしていく、そうでなければ私は業界の再編成もまた世の中から信頼される建設業もでき得ないであろうと、こう思っておるわけであります。そこのところをひとつ、勘違いしておるのかどうか知りませんが、区分けをして考えるということは私は理解できません。どうぞひとつこの問題は局長の再答弁と、それから大臣からも考え方をお聞かせいただきたい。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 私が典型的な例で申し上げましたので、あるいは言葉が足りなかったかと思いますが、建設業は工事の規模が種々さまざまでございまして、五十一万業者がそれぞれの工事規模、それから企業の方の企業規模にふさわしい事業を志向することによって発展していくべきものというふうに考えております。御指摘のように、不必要な重層下請が行われますと、その間で、中間において不合理なピンはね等が行われまして、これはひいては工事の質の低下あるいは下請いじめ等の悪影響を招くおそれがございますので、種種の弊害がございますので、建設省といたしましては、先ほど申し上げました元請・下請関係合理化指導要綱によりまして不必要な重層下請は絶対に避けるように指導しておりますし、今後とも強く指導してまいりたいと思っております。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) ただいま村田先生の御指摘のように、建設業界というのは非常に複雑な構造になっております。全体のことはもうよく御存じのことでございますが、建設投資というのはGNPの約二割、五十兆を占めておると、就業者も五百四十万の就業者を抱えております。しかも、その様態は非常に、建設業が五十万以上ございますが、大多数がいわゆる中小企業の範疇に入る業界でございます。しかし、その中小企業の中でも、地方へ参りますと、また地方のいわゆる大手といわれるものと零細というものがあって、お互いにそこでひしめき合っているといいますか、非常に複雑な関係になっていることも御承知のとおりだと思います。建設省としては、それを上手にひとつそれぞれの分野で発展をさしてもらいたいということでございますが、最近の傾向としては、質の高い労働力が非常に不足をしてきていると、これが一つ大きな問題でございます。  それから経済情勢からいいましても、建設投資の伸びが非常に純化をしております。案外水準の高い企業が倒産などをして、建設業界の客観情勢も非常に厳しいわけであります。今、局長から申し上げましたように、そういういろんな複雑な情勢を踏まえまして、先生の御指摘のように、大企業だけが仕事をとることがないように、むしろ地方の中堅企業といいますか、そういうものを育成をしていくようにいろんな発注制度その他で手を加えていきたいと、配慮をしていきたいと、かように思っておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 公取委は来ておりますか。——植松団体課長ですか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) はい、そうです。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 聞くところによると、おたくがこの文書を作成したと、こういうことを聞いております。文書を作成したということは、その内容もかなり吟味しながら、かなりのコクのある意味を持たせて記述されたものと私は理解をいたします。そういう意味でひとつお伺いをいたしますけれども、このガイドラインを見ますると、特に公共事業というふうに特定をいたしております。ちょっとこのガイドラインの考え方なりその精神、これを適用させるのはつまり公共事業の契約についてのみであると、こう理解してよろしいですか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) 先生、今御指摘のとおり、二月二十一日に公表しました公正取引委員会として作成しました建設業向けのガイドラインでございますけれども、表題にございますように、「公共工事に係る建設業における事業者団体の諸活動に関する独占禁止法上の指針」としてございます。前文の方に具体的に書いてございますように、これは昭和五十四年八月に、私ども「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」というものを公表しております。その内容を踏まえながらでございますけれども、独占禁止法の枠内におきまして、単品受注請負型産業であるとか、そのほとんどが中小企業であるとか、あるいは指名制度や予定価格制度といったものを内容とします競争入札制度のもとにあるというような公共工事の諸特性というものを勘案しまして、建設業の実態に即して具体的な用語を用いるなどしまして、公共工事に係る建設業団体の情報提供活動や経営指導活動などについて、原則として違反とならない行為を指針としまして例示しまして、関係の団体などにはよりわかりやすいように具体的にまとめ上げたものでございます。  したがいまして、今回公表のガイドラインは公共工事に係る建設業団体を対象としたものでございます。したがいまして、民間工事に係る建設業における事業者団体の活動というものにつきましては、今回公表したガイドラインがそのまま当てはまるというものではございませんけれども、一つの参考にはなるのではないかと考えております。  なお、民間工事に係る建設業における事業者団体の具体的な活動につきましては、五十四年公表のいわゆる一般事業者団体のガイドラインというものを参照していただくことになろうかと思いますが、もちろん最終的には独占禁止法自体に立ち戻りまして、やはりケース・バイ・ケースでその適否を判断することとなると思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 どうも私の理解が不十分なのかどうか存じませんけれども、法律というのは、これは官公庁だから幾らか緩やかにするとか、民間だから強めるとか、そういう運用の仕方というのは存在するんでしょうか。私の理解が不十分であればまた別であります。しかし、私の理解では、法は公平でなければならぬという理解であります。ところが、民間の契約状況を見ますならば、いわゆる官公需みたいに会計法に定められておるとかというふうなことではございませんから、大抵の契約ももちろんでありましょうけれども、それは入札も行われるはずであります。民間といっても、個人もあればあるいは協同組合であるとか労働組合であるとか、そういう団体が発注する契約もあるわけでありますから、何とはなしにそれらの方はこの公共事業とは別な扱いがあると理解せざるを得ない。その辺はどうですか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) 先ほど申しましたように、ここの前文にございますように、予定価格制度とかあるいは指名競争入札制度といったようなものが公共工事においては行われておるわけでございまして、「記」以下で情報提供活動等につきまして具体的な項目を掲げてございますが、それらの項目等につきまして、ごらんいただきますように、各発注官公庁はいろいろな公表制度などをとっておるわけでございます。例えば、受注実績等というようなものは公表されておるわけで、そういうものを団体として収集しまして会員に情報提供するというふうな形でこの情報提供活動を行うということは問題なかろうという形でまとめてあるわけでございます。  民間工事に関しましては、そういうような形の公表制度といったようなものは恐らくなかろうかと思いますので、直接この今回のガイドラインが当てはまるものではないと。ただ、もちろん参考にはなるのではなかろうかということでございます。  ただ、このガイドラインは、公共工事に係る建設業向けにわかりやすく書いておりまして、先ほど申しましたように、独占禁止法の枠内で五十四年のガイドラインを踏まえながら書いたものでございまして、特に公共工事向けに何か緩めたとか後退したというわけではございません。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 今私、中身には入っていないんです。中身は本予算委員会の方でもかなりやっておる話も聞いておりますから、余り重複するのは失礼だと思いながらもいるわけでございまして、ただ私は、官公需だからいわゆるガイドラインを定めたとはなぜかと、こう聞いているわけなんです。だから、独禁法の適用というのは、官公庁であろうと民間であろうと、厳正公平でなければならぬわけですから、その官公需にこんなものを出したものだから——これはどうですか、これを出したことによって、官公庁はいわゆる独禁法の適用を強めるとか弱めるとか、あるいは民間だから強めるとか弱めるとか何かの作用がなければ、宮公庁だけを特定して出す必要は私はない、こう思うんですよ、原則的に。その点どうかというんです。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) このガイドラインを出す発端になりましたのは、先生冒頭の御質問の中でもありましたように、一昨々年の静岡県の事件が一つのきっかけになったわけでございます。具体的に申しましても、私どもで五十三年度以降受注予定者決定事件を独占禁止法違反で処断したものが十八件ございますが、その中で工事の関係は全部で十件ございます。そのうちの九件、ほとんどは官公需にかかわる工事の談合事件でございます。  そういうような形で、官公需につきまして特に指名制度等の特殊な制度がございますが、そういうことを踏まえながら、具体的に官公需向けにつきましての事業者団体の活動指針といったものを明らかにしてほしいというような要望がございましたので、こういう形でまとめたものでございます。特に、先ほどと繰り返しになりますけれども、官公需と民需と別に独占禁止法の適用が違うということではございません。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 官公需も民需も別に変わることないと、こういうことになりますと、それじゃこのガイドラインは民需関係にも適用されますよと、こういうことになるわけですよ、理屈の上では。そうじゃございませんか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) 先ほど申しましたように、指針の前文の第二段のところに書いてございますように、「指名制度や予定価格制度をその内容とする官公庁の発注に係る競争入札制度の下にある」という特性を踏まえながら、この要望のありました官公庁向けの入札制度等との関連での事業者団体の情報提供等の諸活動に関しての指針という形でまとめてあるわけでございます。したがいまして、民需向けについて直ちにというわけではございませんが、一つの参考にはなろうかと思います。そういうことでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 どうもなかなかこれ前に進みにくいんですが、これは率直に言って、今のような話になりますと独禁法の適用というのは民需もあるいは官公需も同じである。しかし、官公需というのは会計法もあって、ひとつ特別にその工法なども指定されておるからしたがって特別であると、こういうことになりますと、今度は民間は談合をやってもよろしいんだと、こう短絡的に理解しやすくなると思うんですが、その点はどうでしょうかね。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) このガイドラインの最後のところにございますように、このようなそれ自体原則として問題とならない情報提供活動や経営指導活動でございましても、「競争入札においてこというふうに最後の文章に書いてございますように、「一定のルールを定める等により受注予定者又は入札価格を決定したりするようなこととならない限り、独占禁止法に違反することとはならない。」と書いてございますが、要するに「受注予定者又は入札価格を決定したりするようなこと」、いわゆる談合はやはり独占禁止法に違反すると書いてございます。この点は、公共工事においてこのガイドラインが出されたからといって全く変わるわけではございません。民需におきましても、やはり一般ガイドライン、あるいはこの今回のガイドラインも一つの参考になると思いますけれども、そういう形で参考として事業者団体が適正な活動をやっていただくと。ただし、もちろん受注予定者ないし入札価格を決定したりするような談合行為が行われれば独占禁止法に違反することとなるということでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私自身勉強不足なのかどうか知りませんが、なかなかその点は理解できませんから中身に入りますが、だれしもが問題意識を持つと、こう思いますことは、「一定のルールを定める等により受注予定者又は入札価格を決定したりするようなこととならない限り、独占禁止法に違反することとはならない。」と、こう書いてありますね。「一定のルール」というのは何を言うのかですね。  それから、あと「ルールを定める等」の「等」というのはどういうことを指して言っているのか。その辺のところをひとつ具体的にお伺いをいたします。どうですか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) まず、「一定のルール」でございますけれども、入札予定者または入札価格を決定するとか、あるいは特定の事業者を入札から排除するとかいうようなことの実現を図るために設けられた規約、慣行などを指しておりまして、明示的あるいは黙示的なものであるかを問いません。  それから今ありましたように、「一定のルールを定める等により」という「等」の話でございますけれども、これは受注予定者や入札価格を決定したりするようなこととなる通常の手段としてルールというのが行われるというようなこともありまして掲げたものでございますが、ルールの有無がその要件として不可欠であるというわけではございません。したがいまして、この「等」というのは、あえて特定のものに内容が限定されるというものではなくて、例えば情報提供なり経営指導という形をとりましても、暗黙の了解とか共通の意思が醸成されることによりまして受注予定者または入札価格が決定されるというようなことになる場合は、当然これに該当するということでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そういたしますと、明示的、黙示的であろうと決定を迫るとか、するとか、そういう一定のルールを定めればこれは違反である。これは明らかになりました。実際問題として、コーヒー屋に集まって、目くばせ一つして、そして話を決めていくなどという芸当を実際にやるのかどうかわかりませんが、そういう黙示などということについてなかなかわかりにくいことはありますが、その考え方はわかりました。  そこで、いろいろ業界紙等をずっと見ておりますと、いわゆるそのルールが継続性を持つ、拘束性を持つ、そういうことでなければこれはシロなんだと、こういう見方をしている人もあるようです、有力な。これは継続性、拘束性という言い方からすれば、たった一回ならば問題にならない、こういう物の言い方じゃなかろうかと、こう私は理解するのでありますが、そういう点についてはどうですか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) 個別偶発的な入札談合行為というのが独占禁止法上問題となるかどうかについてのお尋ねだと思いますけれども、この点につきましてはやはりケース・バイ・ケースで判断するのを原則とするということでございます。ただし、個別の工事につきましても、個別工事の入札談合行為のように見えましても、背後にルールが存在するという場合もあろうかと思います。そういうことはもちろん、また、たとえルールが全くない場合でありましても、相当程度の規模であるとか、地域経済に与える影響が大きなものであるというような場合には独占禁止法上問題とせざるを得ないというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そういう言い方がされるから、私はある有力者の言う話に入っていくんだと思いますね。個別的偶発的であれば、これはその問題をとらえてケース・バイ・ケースで判断する、こういう解釈でよろしいんでしょうかね、これは。これは法律論争になりますからきょうはやめておきます、その考え方だけは明らかになったということでありますから。  世上、このガイドラインが出まして、そしてこれは談合を温存するものであると断定的に物を言っているのはそういう問題があるからだろうと思うんですね、実際問題として。先ほども話が出ましたように、静岡で事件があって、そしていわゆる談合事件というものを防止しようとしてつくられた。しかし、そのつくる趣旨というのは、いわゆる土俵を広げてけがをしないようにしようという公取の今の考えであると私は言わざるを得ない。どうですか。

植松勲公正取引委員会経済部団体課長

○説明員(植松勲君) ガイドラインを出した趣旨でございますけれども、五十一万も事業者がおると。その九九%は中小企業でございます。それから五割強は零細といいますか、個人経営でやっておられる方でございます。そういう方々に独占禁止法というものがなかなかわかりにくい、規定も非常に抽象的でございますので、未然に防止ということから、できるだけわかりやすく具体的な形でまとめたものでございます。したがいまして、このガイドラインによりましてその事業者団体が法に違反しないように適切な活動をやっていただくということを期待しておるわけでございまして、今回のガイドラインが公表されたからといって、従来からの私どもの談合に対する取り組みが後退するとかいうことではございません。また、具体的に違反事実等に接しますれば、それは厳正に処理していきたいというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 個別的偶発的な談合はケース・バイ・ケースによって判断するという、そういうことは私は独禁法の精神に基づいて理解できません。明確に申し上げておきます。いずれまた議論の機会があろうかと思いますが、そういう姿勢だから、つまりはこれはもう独禁法の三条も八条もみんな空っぽになったんだというような理解を与えておるわけです。これが私は一番危険だ、そういう認識を与えるということは一番問題であろうと、こう私は思います。だから、このガイドラインが出た功罪というのは明らかに罪である、こう私はこの際申し上げておきます。  しかし、いずれにいたしましてもそういう状況の中で、土俵を広げて、そして談合などというものは世間常識だなどというような認識を業界が仮に持って、なお監督官庁がそのような方向で処置していくとすれば、建設業界の近代化などというのは到底望むべくもない、私はこう言わざるを得ない。建設大臣、いかに考えますか。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 直ちに先生の御質問に対する御回答になるかどうかわかりませんが、このたびの公正取引委員会のガイドラインにつきましては、建設省としては、これは建設業における事業者団体の活動について現行の独禁法の枠内で適法と認められる範囲を示してもらったものであると、公共工事にかかわる建設業の特殊性というのがありますが、その計画的な事業の実施、経営の合理化等のために必要な事業者団体の諸活動について原則として独禁法違反とならないものを明示しているので、公正取引委員会が行っている事前相談制度と相まちまして、今後事業者団体の適正な活動に資するというふうに理解をしております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 労働省は来ておりますか。  去る五十一年五月に建設労働者雇用改善法というのが制定をされました。その法律制定のころ、私も多少のかかわりを持っておったものですから、当時、私ども社会党は建設労働法という議員立法を用意いたしておりました。そうこうしておりますうちに、労働省がその趣旨を了としてと、こう言いましょうか、かなり内容はダウンしたものでありましたが、まあないよりはいい、これを積極的にやれば八分の効果はあるであろうというくらいのつもりでこの法律に私どもは賛成をいたしました。そして、この法律に基づいて建設雇用改善計画が策定をされたはずであります。その一次五カ年が終わりまして、今第二次改善計画後半 に入ろうといたしておる時期でございますが、その運用についてといいますか問題点、そしてその問題をいかに解決すべきか、その政策展開はどうするかということについてお伺いいたします。

野見山眞之労働省大臣官房審議官

○政府委員(野見山眞之君) 昭和五十六年に第二次建設雇用改善計画を策定いたしたわけでございますが、建設業におきましての問題といたしましては、小零細企業が多いということによりまして、不明確な雇用関係あるいは不安定な雇用、あるいは技能労働者が不足するといったような問題があるわけでございまして、これらの問題点を改善するために建設雇用改善の前進を図るということを計画課題といたしまして、およそ三つの柱、一つは建設労働者の雇用状態の改善を図ること、第二は建設労働者の能力の開発向上を図ること、第三は建設労働者の福祉の増進を図ること等の課題を中心に施策を展開しておるわけでございますが、この計画に基づきまして、雇用関係の明確化を図るという観点から、雇い入れ通知書の交付を徹底していくこと、それから技能実習あるいは認定訓練等を通じまして行う訓練ですとか、あるいは福利施設を建設する場合等に対して建設雇用改善助成金を活用していくというような対策、さらには技能労働者の養成という観点から建設労働者研修福祉センターの建設を進めること、それから雇用管理の改善を進めていくという観点から、建設雇用管理責任者に対する研修を進めるというような施策を進めております。が、小零細企業等についてはまだ十分な浸透を図り切れていないというのが現状でございまして、こういった観点から、特に昭和五十七年度からこういう小零細企業の建設雇用対策といたしまして、地元の有力な企業等の方々に建設雇用改善推進員ということになっていただきまして、地域ぐるみ、業界ぐるみで雇用改善を進めていくというのが現状でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 もっともっと本当は細かいこともあるはずだし、聞きたいと思いますが、時間の関係上、そういう概括的なことだけで今はとどめておきます。  そこで、この法律の政策づくりであるとかあるいは所管する官庁は、これは労働省は当然でありますが、しかし、事建設労働者でありますから、建設業と業界を指導する建設省、これのかかわりというのが極めて重要だと私は思っております。そこで、今までどのようにかかわってきたのか、どうこの計画に基づいて措置をしてきたのか、その点についてひとつ計画局長からお伺いします。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 雇用改善につきましては、労働省と協力いたしまして、建設業の分野におきましても元請・下請関係合理化指導要綱、あるいは所管事業についての執行通達、これは毎年度出しているわけでございますが、執行通達等を通じて指導しているところでございます。  具体的な内容で申しますと、雇用関係の明確化の問題といたしましては、労働者の募集を適法に行うことはもちろんでございますが、雇い入れに当たって適正な労働条件を設定し労働条件を明示すると、あるいは雇用に関する文書の交付等を指導しております。また、季節・出稼ぎ労働者対策といたしましては、建設省におきましてなるべく通年施工できるように技術研究を進めているところでございます。また、労働者の福祉の対策といたしましては、賃金不払いをするような建設業者等を下請として使わないようにとか、あるいは工期、工程の設定につきましては、建設労働者の休日日数を見込んだ適正なものとすること、それから賃金は毎月現金払いで直接労働者に支払いをすること、あるいは雇用保険、健康保険等の保険料を適正に納付すること等をきめ細かく指導しているところでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 労働省にお伺いいたしますが、建設労働者の総数というのは今どれくらいに達していますか。

野見山眞之労働省大臣官房審議官

○政府委員(野見山眞之君) 建設雇用者について見ますと、調査によっていろいろございますが、私どもの労働力調査等を使いますと約四百万程度というふうに理解しております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 建設省はどう把握されておりますか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 建設就業者が、先ほど大臣が五百四十万人というふうに申し上げたわけでございますが、そのうちの雇用者は、今労働者からお話がありましたように四百万ないし四百二十万程度と見ております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 数字が違うのは気になりますが、大体その辺であるわけですね。  昭和五十六年に第二次計画を策定した段階、昭和五十五年の数字は改善計画に明らかに出ておりますが、雇用者は四百三十万、そして総理府の建設労働者のいわゆる就業者数は、これは五十七年ですけれども、四百二十三万人になっています。五十五年と五十七年ですから多少違うと思いますが、四百二十万から三十万と、こういうんですから概数では一致いたしますが、この辺に私率直に言って問題があるような気がいたします。  そこで、時間も余りございませんから、そちらこちらはしょって私申し上げてみたいと思いますが、主としてここでは賃金の問題とそれから雇用保険についてひとつ言及してみたい、こう思います。  建設省にお伺いいたしますが、予算単価、公共工事のいわゆる労務費ですね。これは今幾らで計上されていますか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 設計労務単価につきましては、建設省それから農林水産省、運輸省の三省による公共事業費労務費調査という制度がございまして、毎年原則として二度調査をして設定しているわけでございますが、この三省調査の内容を申し上げますと、工事件数が約一万件、建設労働者数にいたしまして約十五万人を対象といたしまして、その賃金実態を都道府県別、職種別に調査して、その結果に基づきまして設計労務単価を設定し、実勢を反映させているところでございます。  御参考までに単価で申し上げますと、普通作業員の場合には東京が八千八百八十九円、全国平均で八千七百十五円となっております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その平均というのは、各職種を全部平均してと、こういう意味ですか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 全平均でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 話を進めますけれども、これはあくまでも私、福島県のことを申し上げるわけです。  それからいろいろな職種もございますから、そしてまたさまざまな条件もありますから、細かな議論というのはしにくいのでありますが、ただ言えることは、非常に現場の賃金は安いということです。今総平均で言いました、大体各地方で狂いがあっても幾らもございませんから、その端数の話はいたすつもりはございません。  いずれにいたしましても、つまりは福島県の場合、土工を例にとってみますると、土工の普通作業員と見ていいだろうと思いますが、男は四千五百円から五千円、女子は四千円から四千五百円という一般的な話になっております。二十五名規模のあるやはり公共事業を三分の二ぐらい受け持つ企業の内容を見てみますと、本採用で男が六千円、女が四千八百円、臨時で五千四百円の女が四千五百円、こういうことですね。  だから、臨時であるとか本採用であるとか、それは雇用の条件もさまざまでございますから一概には言えないにいたしましても、いわゆる公共工事受注事業の現場に働く労働者の賃金は格段と低いということです。なぜこうなっておるのかという疑問を一つ私は持つわけでありますが、それをどう理解したらよろしゅうございますかね。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 調査年次があるいは違うかもしれませんが、先ほどの東京と全国平均で申し上げました普通作業員、いわゆる土工について申し上げますと、私たちの労務費の調査結果によりますと、福島では七千七百六十四円という数字が出ております。ただし、この数字には諸手当とかボーナス等も含まれておりますので、実際の毎日の手取り額等とはあるいは異なるかもしれないと思うわけでございます。  ただ、今申し上げましたのは設計労務単価でございまして、これは設計調査の平均値を基礎に設定いたしました値でございまして、個々の労働契約に基づきましてその地域の労働者が設定される賃金とは必ずしも結びつかない数値でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 談合問題とも関係するわけでありますが、今の一般の認識、つまり建設業者というよりも土建屋であるとか請負師であるとか、その感覚はまだ残っておる。それはなぜかというと、やはり何といいますか胴巻きの中に手を突っ込んで札束を引きずり出すなどという話は今はありませんが、しかし少なくとも請負の段階でとってもって下に出す場合にがっぽりもうける、つまりは資材費などというのは多少の違いはあってもそう食うことはできない。まあ砂利を食ったなどという話は昔ありましたが、しかしどこかカットしなくちゃならぬから、いわゆる人件費を詰める以外にないと私は見ております。  でありますから、そういう疑問を解消しない限り、いわゆる一般の目から土建業というものが健全な事業であるというふうにはなかなか見られにくい。きょうは資料を持ってきませんけれども、いわゆる高校の入職希望、建設業というのは余り希望者がないそうでありまして、なぜかというと、何とはなしに汚らしく感じられる、こういうことだそうであります。つまりは、そこにいわゆる若年労働者が、良質な労働力が、先ほど大臣からもお話がありましたように、そういう将来の日本の公共事業を担っていくというような労働者が育たない要因が存在する、こう私は思わざるを得ない。次の問題どこれ関連をいたします。  時間がございませんから先に進みますが、労働省にお伺いいたしますけれども、雇用保険の今加入状況はどうなっておりますか、ちょっとお聞かせをいただきたい。

野見山眞之労働省大臣官房審議官

○政府委員(野見山眞之君) 建設労働者のうち、雇用保険の一般被保険者になっている人たちは五十七年現在で約二百三十八万人でございます。短期雇用特例被保険者が約三十六万人というふうになっております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 今、大臣、建設省も承知してほしいと思うのでありますが、雇用者は総理府の資料で四百二十三万です。そして、雇用保険に加入しておるのは建設業は二百三十八万であります、そしてその建設業の中にいわゆる季節労働者、特例というのはこれは季節労働者だそうでございまして、これが三十六万、これが含まっておるという内数字でございます。  御存じのごとく、雇用保険法というのは一定の条件がありまして、義務を課している事業所もございますけれども、しかし日々雇用される労働者にも日々雇用保険というのがあるわけであります。失対事業に働く労働者あるいはその他もございましょう。その数字を見てまいりまするというと合わせて十五万。そうすると、建設労働者の中で少なくとも百六十万人がいわゆる雇用保険の適用も受けておらないという結果になるわけであります。つまりは、二次計画の中では社会保険の加入率を促進する、非常に低いから促進すると書いてある。この法律ができてから既に、これは四十一年ですか、でありますから八年間経過したわけでありますから、失対を除いて日々雇用保険の適用を受けておる者を七万人といたしまして、それが全部建設労働者だとしても、余りにも微々として進まない、こう言わざるを得ない。  先ほども触れたように、いわゆる新卒者が建設労働者になろうとするのには、社会保険もない、ただ親方からこき使われるだけだ、雇用期間も限定をされるなどということでは、これは就職しましょうという希望が湧いてこないのは当たり前でありますから、そういう意味では建設省も労働省の施策にあわせて積極的に、これはもちろん雇用者も保険料を払う、本人も多少は払う。その中では、農業の片手間に月に二、三回道路工事に出るのだからおれは別に社会保険などと関係はないと言う人もあるかもしれません。しかしながら、余りにもこの数が乖離をいたしておりますると、いわゆる労働省の姿勢あるいはそれに対応する建設省の施策の推進にも疑問を投げかけざるを得ない、こういう今日の結論であります、私のでありますから、先ほどの賃金などというのは、我々が入っていこうとしたってなかなか入っていけない。いわゆる仕事をみんなに与えるという言い方はおかしいのでありますけれども、とにかくみんなにやってもらう。おまえのところの事業が余り正常でないから、今日の労働法体系であるとか社会常識から見て不十分であるからそれは除外するぞということを明確に言えば、これは必ず入るようになっていくと思うんですね。そういう意味で賃金の問題、そしてまた雇用保険全加入を進めるという立場に立って建設省は調査を踏み込んでやっていただいて、積極的に進めてもらいたいと思いますが、いかがでございますか。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) ただいま村田先生のお話を承っておりまして、私も地方の自分の出身地の県なんかの実情を見て、なかなか御指摘のとおりであると思って拝聴しておったわけでございます。この建設労働者の数の労働省と建設省の違い、これは何であろうかと今思って、ここで官房長とも話をしておったわけでございます。恐らく農村の兼業農家の人たち、一種兼業、二種兼業、そういった人たちが農閑期にこういうところに流れてきている。それだけに、雇用保険とか社会保険に加入をしないで、日雇い労務者あるいは長期の労務者という形で入ってまたそれを抜けているわけでありますから、そういう者も入っているのであろうと思ってこの統計の数字を私は今見比べて勉強しておったわけでございます。  建設省ではしからばということでございますが、良質な労働力を確保するということはこれはもう建設業界にとって極めて大事なことでございます。建設業において健康保険、厚生年金保険等の社会保険及び雇用保険の加入状況は必ずしも十分でないのは今御指摘のとおりでございます。このため、所管事項の執行に当たりましては、予定価格の中に事業主の負担に係る社会保険料等を積算するとともに、各発注部局に対しまして各種保険制度への加入等労働福祉の改善について請負業者を指導する等の措置を講じております。また、建設業界に対しては、元請・下請関係合理化指導要綱などによりまして、雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の保険料を適正に納付することなどを指導しているわけでございます。今後とも建設労務者の福祉水準の向上を図るために、関係行政機関と連絡をとりながら積極的に業界を指導していきたい、かように思っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 労働省にお伺いいたしますが、先ほど賃金と雇用保険ということに絞って話を進めると、こう言いましたけれども、極めてやはり大きな問題といたしましては、いわゆる雇用の確保とそれから能力の開発、これが極めて大きな問題だろうと思うんですね。その点についてはどうしたらよろしいとお考えになっておりますか。

野見山眞之労働省大臣官房審議官

○政府委員(野見山眞之君) お答え申し上げます前に、先ほど労働力調査で約四百万と申し上げましたけれども、正確な数字は四百二十三万でございますので、建設省と違いがあるわけではございませんので、お答えいたしておきます。  それから能力の開発向上につきましては、第二次建設雇用改善計画の中の一つの大きな柱として掲げておりまして、私どもとしては、建設技術の高度化なりあるいは多様化に対応した職業訓練体制を整備していくこと、あるいは技能の適正な評価がなされそれに対する処遇が改善されていくことということが基本的に重要ではないだろうかというふうに思っておりまして、職業訓練の体制といたしましては、まず公共職業訓練の分野におきまして労働省で行っております養成訓練につきましては、建設関連職種が一番多くの割合を占めておりますし、建設関連の職業訓練については重点的に進めておりますし、それからもう一つは、事業内におきましてやはり能力開発のための訓練等を進めていただくということが重要でございますので、これに対する行政としてのお手伝いをさらに進めていきたいというふうに思っております。こういうような技能の開発向上ということが建設労働者全体の福祉の向上にもつながるものというふうにも理解しております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いろいろその点についても議論しなくてはならぬのでありますが、この中でやはり一番私が目についたのは雇用の安定ということですね。それと、能力の開発というのはこれは業界にも大きく影響するわけでありますが、賃金も安定する、生活が安定する、雇用保険も含めてであります。そしていわゆる雇用の確保、これが一番問題であるわけでありまして、その雇用の確保をどうやって進めるかということについてもう少し労働省は言及していると思います。というのは、これ入札制度とかかわってくるわけでありまして、つまりはそういう業者が手あきの期間があっては雇用の安定にはならないわけでありますから、そうしますとこれは全国民的な課題になるわけでありますが、せめて五十兆を超える公共事業を持つ建設省、それはやはり発注の段階において一般競争入札であれば偏るなどというような考え方を先ほどは述べられたのでありますけれども、しかし私は一般競争入札でも、地域性であるとかあるいは業者の特質であるとか、そういうものを勘案しながらこれは可能にする道はあると、こう申し上げたのでありますが、いずれにいたしましてもみんなが仕事をできるようにつくってやる責任もまたあろうかと思いますね、労働省と建設省がタイアップして。そうすると、いわゆるその中で入札制度の問題も入ってきましょう。これは全部かみ合っておる。そして生活が安定する長期雇用を希望する若年労働者が多くなる、そこで能力開発をする、業界の再編成もする、そして業界に対するところの信頼が高まって、もちろんこれ談合などというものをなくさねばなりませんけれども、少なくともこれまでの建設業界に対する国民の認識というものを変えさせていくためには総合的に、構造的にどうしていかねばならぬかという、こういうことをやはり労働省と主として建設省が真剣になって取り組んでもらいたい。そのためには、まず賃金であり、社会保険であり、雇用の安定である、こういうふうに私は申し上げるわけでありますが、その辺について本当に積極的な姿勢を先ほど大臣からもお示しをいただきましたが、重ねてそれをお願いを申し上げまして、予定の時間になりました。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 御指摘のように、建設業は非常にたくさんの業者数を抱えております。しかも大臣が申しましたような重要な基幹産業でございます。その合理化あるいは振興のために、私たちは御指摘のように中長期的な立場に立ちまして、建設業はいかにあるべきか、中長期ビジョンをここ一、二年ぐらいの間につくりまして、その中で今御指摘のあったようなこと等を含めまして労働省とも協力いたしながら前進したいと思います。

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時四分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を続けます。  質疑のある方は順次御発言願います。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 先般の三月の二十七日でございましたか、当委員会におきましてそれぞれ建設大臣並びに国土庁の長官から御丁重な就任のごあいさつをいただき、さらにまた、その節それぞれの建設行政及び国土行政についての御所信を承ったわけでございます。そしてきょうはそれぞれの建設省、国土庁そしてまた北海道開発庁からの予算の御提示をいただいたわけでございまするが、その両大臣の御所信に関連をいたしまして、私、数点について御質問を申し上げたいと思うわけでございます。  そこで、最初に国土庁にお伺いするわけでございますけれども、国土利用計画法というのがございまして、その第二条に御存じのような基本理念が記されておるわけであります。すなわち、「国土の利用は、国土が現在及び将来における国民のための限られた資源であるとともに、生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であることにかんがみ、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配意して、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることを基本理念として行うものとする。」と、かように明示をされておるわけでございますけれども、そこでお伺いしたい第一点は、この基本理念というものは御案内のような国土総合開発法の精神でもございますけれども、昭和二十五年の法律施行以来既に三十四年たっておるわけでございますけれども、その後の国土の均衡ある発展というものが果たして進まれてきているのかどうかということについて、まず国土庁の長官にお伺いをしたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) この「均衡ある発展」、これは基本的な理念でありますけれども、これが目に見えてということにはなかなか難しい面も私はあるのでないかと思います。しかしながら、あらゆる施策というものがなされておりまして、大都市におけるところのごく最近では人口の流出も鈍化をしてまいってきておる。あるいはまた、過疎地域の方に対してもUターンをするとか、あらゆる環境の整備をしておりまして、やや過疎対策というものも、これからの政策の加え方によって——私はその理念の方向に一歩一歩進みつつあると思います。そういう意味で五十二年に三全総がつくられたわけです。そういう意味で三全総がつくられてからまだ日が浅いのでありますけれども、この日の浅い中において相当大きく日本の国の経済状態あるいはその他が大きく変化をいたしました。  そういう意味で、今度はいよいよそういったことを背景としてこういったことを反省もしつつ、また二十一世紀に向けてやはり大きなビジョンづくりというか、それは十年物、二十年物、こういうふうになりますけれども、まさしくこれが日本の国土の均衡ある発展、過疎もなく過密もない、その理想に向かって二十一世紀に向けて夢のある一つのビジョンづくりがいよいよ策定に入ったわけであります。今まで過去やってまいりましたことがむだなようではないんです、その基礎づくりであった、こういうふうにお考えになって、四全総こそはまさしく二十一世紀に向けての日本の大きなビジョンづくりである、こういうふうにひとつ考えていただけるならば大変結構じゃなかろうかと思います。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 長官が仰せられましたように、過疎過密の解消こそはやはり均衡ある発展の前提となるものであると思うわけでございますけれども、ただ私考えまするに、各四十七都道府県の中でのいわゆる生産量を考え、あるいはまた人口の分布というものも考えてまいりますと、果たして十年、二十年、あるいはまた四全総の中で解決できる問題になるのかどうかということが非常に心配されるわけでございます。  例えば、私の申し上げるスケールの当て方というのが必ずしも妥当だとは申しませんけれども、一例を挙げますとGNP、昭和五十五年のGNPからとってまいりますと、国土の一平方キロメートル当たりのいわゆる一年間の総生産量というものが出てまいるわけでございますが、これが六億六千百万円程度でございます。これが全国平均でございますけれども、たまたま北海道を計算してまいりますと、北海道は国土が広いということでもございますけれども、北海道の一平方キロメートル当たりの一年間の総生産量というものが一億二千九百万円程度であります。大体五分の一程度でございます。その他の各府県は、平均いたしますと大体四億から五億ぐらいまで達している。こういうことから考えますと、我が北海道も少なくとも全国平均もしくは四、五億に、言うなれば近隣の府県に近づけるというような努力をしてまいらなきゃならぬ。それがゆえに、いわゆる北海道開発庁というものがございまして努力をいただいておるわけでございますけれども、かなりこの面では相当スピードを上げませんと、言うなれば過疎過密の解消もできないことと思いまするし、北海道も全国並みの生産量を誇るまでにはいかない、かように思うわけでございます。  そこで、例えば人口の面でとらえてまいりましても、人口の面でも今の方式で申し上げますと、言うなれば全国平均の一平方キロメートル当たりに住んでいる人口というのが、御存じだろうと思いますけれども、大体三百十人ぐらいでございましょうか。これに対しまして北海道はわずかに六十六人であるわけでございます。その次は岩手で九十三名ということになるわけでございまして、六十六名と申しますと、徳川時代の三千万人で計算してまいりますと、徳川時代でさえ七十九名でございますから、北海道は戦国時代のまだ人口の分布だというふうに思わざるを得ないわけでありまして、何としてもこの際ひとつ過疎過密を解決さしていくための努力をしていただかなきゃならぬ、かように思うわけでございます。  そこで、お伺いしたい二番目は、四全総を策定するに当たって、人口の地方定住を促進して国土の均衡ある発展と活力ある地域社会を形成していきたいと、かように仰せられておるわけでございますけれども、どのような定住構想を持っておられるのか、これについてちょっとお伺いしたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) 細かいことについては後で事務当局から報告させますが、問題は北海道の問題ですから、北海道の問題は土地が広いという大変な大きな私は夢があるのじゃないかと思っています。そんな意味でやっぱり人口のバランスというのは、これは物すごく私は大事だと思います。そんな意味で北海道はそれではどうかと、北海道の問題については、やはりいろんな大型のプロジェクトが今建設中、これはいろいろな経済の大きな変動によって、中断はしておりませんが、大変スピードが鈍っておるわけであります。しかしながら、これは楽しめる一つの北海道全体の産業の中核としての私は大きな役割りを将来果たしていくのではないかと、こういうふうに楽しみにして現在継続されておるのではないかと思います。  そこで、日本全体をこうして見てみましても、新産都市、これ全くバランスよく配置をいたしました。その中で二、三カ所計画倒れが「ありますが、その他のところはほとんど成功裏に私はいっていると思います。  そこで、今度は各省庁にまたがるテクノポリスの問題です。これは先端産業を導入すると。この前も、ある一つの企業ですけれども、今年度四千名の社員を入社させることに決定しております。それはどういうことかというと、一県に一つの企業を進出させたい、まさしくそのテクノポリスの配置も新産都市との空白というか、そこを埋めるような形で張りつけがなされておりまして、ここで申し上げますならば、この二十一世紀には定住構想という思想を貫きながら、私は五十八年、各省庁にお願いをして四全総の基礎づくりの基礎をいろいろ御調査願ったのでありますが、今年度からそういった基礎を基礎として立派な四全総の計画をつくり上げていく必要があるのではないかと。まさしく私は、二十一世紀に向けての今まで不可能であったものをどうしたら可能にしていくかというやはり知恵を出して、立派な日本国の住みよい明るい豊かな建設に向かっていくということが極めて大切ではなかろうかと思います。

小谷善四郎国土庁計画・調整局長

○政府委員(小谷善四郎君) 先生から御質問の中で、計数についてもお話がございましたので若干つけ加えさしていただきたいと存じますが、まず、これまでの国土開発政策のいろいろな努力もございまして、住民一人当たりの所得あるいは生活環境の格差、そういう点から考えますと、長期的には徐々にではございますが格差は縮小してきているということでございます。  しかしながら、先生御指摘のように、単位面積当たりで見ますと北海道と東京との間は著しい格差があるということは御指摘のとおりでございまして、これは基本的にはそれぞれの地域の自然的条件とかあるいは経済的社会的条件に応じまして、都市的土地利用が中心であるか、あるいは農林業的土地利用が中心であるか等国土利用の姿に差があるためではなかろうかというふうに考えております。  しかし同時に、国土面積の一〇%を占めるにすぎません三大都市圏に人口の四五%あるいは経済活動の五〇%以上が集中していると、このように国土の利用の偏りが生じてきているということから来ている面も無視し得ないんだろうというふうに考えておりまして、例えば北海道のように単位面積当たりの人口あるいは生産額の著しく低い地方というのは、開発余地が将来に向かってかなり大きく、また今後とも積極的に開発利用を図るべき地域であるというふうに考えるわけでございまして、三全総におきましてもそういう趣旨から北海道、東北地域は豊かな国土資源に恵まれ、定住の場を拡大していくべき期待地域というような形で位置づけられているわけでございます。  それで、四全総の策定に当たりましても、これからの我が国経済社会の大きな変化というものを十分に踏まえた上で、先ほど大臣が申し上げましたように、二十一世紀へ向けての国土づくりという指針を示そうということで考えておるわけでございまして、その際、例えば北海道といったような国土資源が豊かに存しており開発のポテンシャルが高いというような地域につきましては、それなりの振興策ということを十分四全総の中でも考えていく必要があるのではないか、このように考えております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 大臣の北海道は将来非常に楽しみだという御答弁をいただいて、非常に私うれしく思ったわけでございますけれども、ただ現実の姿としては、北海道二百十二市町村あります中で百四十六市町村が過疎指定を受けておるわけでございますね。七〇%も過疎指定を受けております。ですから、そういう現状を踏まえながら国土の均衡ある発展という名のもとに北海道にもひとつお力添えを賜りたい。特に、最近は北海道開発庁の存続の問題等についてもいろいろと論議がなされているというようなことでございますので、私どもはあえて北海道開発庁の必要ということについてもひとつお訴えを申し上げなきゃならぬと思っておるわけでございます。  そこで三番目でございますけれども、今の仰せられた四全総策定の問題といたしましては、私は一番大事な問題は、やっぱり交通網の整備が重要な課題となると思うわけでございます。したがいまして、今日問題になっておりまする国鉄も、赤字ローカル線の廃止という問題と定住構想の問題との絡みは一体どうなるんだろう。全国で七十三線も今度ローカル線が廃止されようとしておるわけでございますけれども、我が郷土日本を人間の体に例えてまいりますると、言うなれば新幹線とか本線というのはいわゆる大動脈でありまするし、ローカル線というのはいわゆる血管でありますから、細胞血管をふった切ってしまって言うなれば大動脈だけで人間が生きていくということはなかなか至難だと思うわけでございますので、そういう点、この国鉄赤字ローカル線七十三線をふった切るという問題に絡めて、一体その時期、切られるタイミングとそれから四全総策定の決定をする時点と大体同じような時期になってしまうということの絡みで、この交通網の整備という問題と定住構想との関連は一体どういうふうになっていくのでしょうか、お伺いしたいと思います。

小谷善四郎国土庁計画・調整局長

○政府委員(小谷善四郎君) 先生おっしゃいましたように、定住構想を推進して国土の均衡ある発展を図っていくためには、幹線の交通施設体系の整備だけでなくて、地域内の交通施設の確保といったことが重要であると私ども考えております。  今問題になっております特定地方交通線の取り扱いにつきましては、私どもとしては、一方では現在の国家的な重要課題であります国鉄経営再建ということがございまして、そういう観点からの考えも必要でございますけれども、他方では国土の均衡ある発展を図り定住構想を推進するという国土政策上の立場からの配慮もあわせて必要ではないかというふうに考えておりまして、このような観点から、輸送密度の低い地域において特定地方交通線の転換といったものが検討せざるを得ないような場合におきましても、それぞれの地域の実情に応じて、例えばバス輸送への転換を図るとか第三セクターによる経営を図るとか、いろいろな形で代替輸送を確保するような十分な対策を講ずることによって地域住民の足の確保に努めることが重要ではなかろうかというふうに考えております。四全総の策定に当たりましても、このような問題も含めまして地域交通体系のあり方について十分検討してまいりたい、このように考えております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 そうしますと、交通綱の整備という問題については、今お答えをいただいたように、ローカル線が例えば切られるということになっても、それに対するいわゆる代替の交通網の整備がされるという前提のもとに言うなれば定住構想をおつくりになる、こういうことで理解をしていいんですね。

小谷善四郎国土庁計画・調整局長

○政府委員(小谷善四郎君) そのとおりでございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 そこで四点目でお伺いしたいことは、国土利用という基本理念は、いわゆる国民生活及び生産を通ずる諸活動の基盤であり国民のための限られた資源であると、かように明記をされておるわけでございます。けれども、この限られた国土をより多角的に、そして効率的な土地利用を進めるべきであると私は考えるわけでございますけれども、この点に関して国土庁としての考え方をお伺いしたいと思います。

永田良雄国土庁土地局長

○政府委員(永田良雄君) 御指摘のとおり、我が国は大変国土の面積が狭うございます。したがいまして、土地は大変貴重な資源だと思っております。幸い、最近地価は安定してまいっておりまして、こういうときこそ狭い国土の有効利用を積極的に図っていかなければならないだろうと、かように考えておるわけでございます。そのために、私どもといたしましては、大都市地域におきましては中心地等の効率的な高度利用を進めるという方向を考えなければならないし、それから一方では、土地は持っているだけで値上がりを待つということでなく、土地を持っていても値上がりは余りいたしませんので、何か土地を利用して収益を得ていく、こういう方向に変わってくるようになるだろうと思うわけでございますので、こういうことをできるだけ促進するような方策を検討し考えていきたいと、かように考えておるわけでございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 土地の有効利用を実現していかなきゃならぬ、こういう決意のほどを伺ったわけでございますけれども、例えばこのような場合はどうなんだろうというふうにお伺いしたいんでございますけれども、例えば河川改修事業等が活発に行われている昨今でございますが、言うなればその事業の推進のためとそれから防災のためということで伝家の宝刀を振りかざしながら、長年耕作してきた河川敷地等を問答無用ということで返還せいということで迫られて農民の生活を奪う例が数多くございます。特に、北海道はほとんどが専業農家でございますけれども、耕作面積が例えば一ヘクタールでも二ヘクタールでも減少いたしますと営農が成り立たないということで、中途半端な農業はできないということで、言うなれば離農をするという例が非常に多いわけでございます。  したがいまして、私はこの場合、今あなたがおっしゃったように土地の有効利用を進めてまいるとするならば、河川の改修事業や流水阻害等あるいはまた治水計画に特に影響がないと判断できるような場合には、やはり農民生活を守るという立場に立っていただき、さらにまた限られた資源を生かすという考え方から、やはり場合によってはひとつ貸付をしてあげる、こういう姿勢で臨むべきであるというふうに私は考えるんですけれども、その点いかがでしょうか。

井上章平建設省河川局長

○政府委員(井上章平君) 建設省といたしましては、治水上の安全確保という観点から原則として河川敷地における耕作は認めないということにしておるわけでございます。しかしながら、河川工事あるいは流水の流下等に支障が生じないような場合におきましては、その地方の特殊性、耕作農家の生活、耕作するに至った経緯等の実情を十分勘案しながら引き続き耕作を認めるかどうかについて判断することが適当であると考えておる次第でございます。  そこで、北海道の直轄河川につきましての占用状況を調査いたしますと、国有河川敷はおよそ三万五千ヘクタールございますが、そのうち占用許可の面積は一万三千五百ヘクタールでございます。その内訳を見ますと、畑地が三千四百ヘクタール、牧草地が七千九百ヘクタール、その他公園等が二千二百ヘクタールとなっております。これは、畑地あるいは牧草地としての占用は、全国の状況から見ましても北海道は高い比率を示しておるところでございます。なお、先ほど申し上げましたような原則に立ちますと、私どもといたしましてはなるたけ牧草地としての占用をお願いしておるわけでございますが、北海道の農業の現状あるいはその特殊性等を十分配慮いたしまして今後適切に運用をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 長い間北海道の河川の敷地を活用させていただいたり、あるいはまたその流れが長い期間の間に変わってまいりますために、農家の本地が河川の中に入り込んでしまう、こういう状態もあるわけでございますね。ですから、本地さえも買い上げてしまうというような強制的なお話があったりなんかしますものですから、現地の河川管理者としては非常に、お互い人間同士でございますから、言うなればこれを取ってしまうと農家は生きていけないと、しかも代替を見つけるにしても代替の土地がないということで非常に悩むケースが多うございまして、河川の管理者自体が非常にジレンマに陥っているケースが多うございまして、その辺ひとつ十分配慮をいただきながらこの河川敷地等の貸付についても温かい御配慮を賜りたいと思うわけでございます。  そこで、五点目でお伺いしたいわけでございますけれども、今日の日本経済が総体的には上向いてきたと、こういうふうに総理初め皆さんおっしゃるわけでございますけれども、しかし考えてみますると、北海道というところは四年続きの冷災害、あるいはまた二百海里問題の傷がいまだにいえないというようなことでの農林漁業の低迷による景気停滞というものが今日まだ続いておりまして、北海道が一番ひどくてその次は四国だと、こういうお話も承るわけでございますけれども、とにもかくにも全国で四十七都道府県の中でのいわゆる経済情勢としては最悪の北海道である、かように私どもは認識をいたしておるわけでございます。  特に、本州方面は比較的言うなれば民間主導型経済と、こういうふうに私ども承知をいたしておりますけれども、北海道の場合は全くもって公共事業主導型経済と言わざるを得ない状態であるわけでございます。それだけ北海道経済としては公共事業に頼る言うなれば比率というのは非常に多いわけでございますので、この際ひとつ公共事業等の特別枠の割り当て等の配慮を行っていただきまして北海道の景気浮揚を行うという考え方が政府として持てないものかどうか、あるいはまたその存念についてお伺いしたいと思うわけでございます。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 工藤先生のお話を承っておりまして、つい先般月例経済報告がございまして、その中でもかなり明記をされておりますが、全国的には景気は上向いてきたと、しかしなおその中にあって北海道、沖縄あるいはそれに次いで四国とか、あるいは裏日本の東北地方とか、この辺がまだ景気としては浮揚していかない、倒産件数も多いと、こういうような報告が寄せられております。  そういう観点からの御質問であろうと思いますが、これは原則論を申し上げますと、公共事業費というのはやっぱり各公共施設の整備状況あるいは地域住民の要請、そういったものを踏まえて、地域の実情に即しまして計画的に全国的な視野から実施するという必要があるわけでございます。しかし、それは第一義でありまして、第二義的には公共事業というのは公共——社会資本をつくりまして、国民の方々にそれを利用していただいて国民の生活の福祉に資するという面と同時に、雇用あるいは景気浮揚と、経済活動としてのそれ自身の価値もあるわけでありまして、今御指摘のように北海道あるいはその他の地域もそうでございますが、今後の跛行性のない最気浮揚ということを考えて、地域経済の状況も考慮して配慮をしてまいりたいと思っております。  そこで、先生の御質問であったのでまあ余計なことを一言申し上げますと、北海道の道路とか河川とか、公共事業、公共投資の普及率というものを比べてみますと、実は割合に北海道は、国道だけで申しますと全国平均が現在六〇・六%ぐらい既にでき上がっておりますが、北海道は八五・六%と、非常に舗装率といいますか、高いと。河川もいずれは全国平均を追い抜くであろうと。あるいは行政投資というような面から見ますと五十六年度は一位であったと、五十五年度は二位でありましたが、五十四年度も一位であったと。恐らくこれは北海道開発庁という役所をつくったことがこれだけの私は大きな効果があったんであろうと思います。しかし、先ほど来国土庁の方からも回答がございましたが、北海道の面積であるとか、あるいは産業の構造の首都圏なんかとの違いというようなものがあって、これだけの投資をしてもなおかつなかなか景気あるいは経済の跛行性というものが見られるということを勉強さしていただきました。今後そういうことも考慮に入れて行政上の措置をひとつ考えていきたいと、かように思っております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 今大臣から御答弁いただいたように、特に北海道につきましては、道路あるいはまた河川の整備というものが全国平均よりもさらに上回っておると、こういうお話でございました。これは何と言っても歴代の建設大臣あるいはまた開発庁長官の御努力のしからしむるところでございまして、これについては大変感謝しております。ただ、大臣もお触れになりましたけれども、それぞれやっぱり産業構造が違いますためのいわゆる景気の低迷という問題等もございますので、一概に道路がよくできた、さあ河川が整備されたから北海道は景気がいいんじゃないかということにはならないわけでございますけれども、その点はひとつ御了承賜りたいと思います。  そこで、私お伺いしたいわけでございますけれども、公共事業の事業量の確保という問題が、いわゆる国内の景気を刺激し国内需要を促進して、ひいては非常に景気の浮揚策につながるわけでございますけれども、私は、限られた今日の財源の中から、財投などの活用で前年並みの事業量を確保する見通しを得たというそういうことに対しましては、建設大臣あるいはまた開発庁長官にも心から敬意を表し、またその御手腕のほどを高く評価をしている者の一人でございます。  そこで、先般の所信表明の中で仰せられたわけでございますけれども、またきょうは午前中、村田委員からも御指摘がございましたけれども、特に建設産業の振興について述べられておるわけでございますので、その建設産業の振興について、数点についてお伺いをしたいと思うわけでございます。  その第六点目としてお伺いしたいことは、元請、下請関係の合理化を進めたいと、こう仰せられたわけでございますけれども、この合理化ということは一体何を意味するのか、この関係をどのように合理化を進めていくのかということについてお伺いしたいと思います。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 元請、下請関係の合理化につきましては、昭和五十三年の十一月三十日に策定されました元請・下請関係合理化指導要綱を基本にいたしまして指導しているところでございます。内容を申し上げますと、一括下請の禁止、これは法律でも原則として禁止しているところでございますが、発注者の承諾が得られれば、書面による承諾が得られれば許されるのでございますけれども、その場合においても極力避けるようにという指導をいたしております。  それから優良な下請の選定でございまして、施工能力はもちろんのことでございますが、雇用管理あるいは労働安全管理の状況、あるいは労働福祉の状況、下請との取引状況等を勘案して優良な下請を選定するようにと。  それから契約関係の合理化の問題でございますが、昭和五十二年に中央建設業審議会が建設工事標準下請契約約款を勧告しているところでございますので、この契約約款に準じた書面による契約を結ぶようにという指導をいたしております。  それから下請代金の支払いにつきましても、その適正化について指導しているところでございます。また、下請につきましても、下請における雇用管理の改善につきまして、雇用管理責任者を任命するとか、あるいは雇用に当たっては適正な労働条件を設定し、文書でもってその労働条件を明示して文書を交付するというふうな指導をしているわけでございます。  以上のような指導につきましては、建設省関係だけでなしに、必要に応じまして通達等によりまして関係方面についての指導をいたしているところでございます。さらに昭和五十四年度からは、特定建設業者と申しまして、一千万以上の工事を下請に出すことができる業者を特定建設業者と言っておりますが、これを対象にいたしまして毎年度下請代金支払い状況等実態調査を実施いたしまして、内容といたしましては、下請契約の内容それから下請代金の支払い状況、手形期間、あるいは先ほど申しました元請・下請関係合理化指導要綱の周知状況等を毎年逐一追跡いたしまして、きめ細かい指導を行いたいというふうに考えておるわけでございます。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 たまたま今の問題に関しましてのお答えの中で、言うなれば適正な下請価格を設定するよう指導したいとかあるいはまた代金の支払いの問題、それから手形サイトの問題についてお話がございましたけれども、この手形サイトの問題は、適正なサイトと申しましたけれども、どの程度のサイトが適正だとお思いですか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 指導要綱では手形期間はできる限り短い期間というふうに指導しておりますが、私たちは長くても百二十日を限度としたいというふうに考えております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 ところが、実態としてはそんな百二十日なんという手形は私は見たことがないんですよ。ほとんどが台風手形でございますね。御存じのように二百十日、これ台風手形というんですけれども、次の項目と関連をいたしますから、御質問を交えて今のお答えに対してまたさらに質問をいたすわけでございますけれども、前払い金制度というのがございますね。これは公共専業を発注する場合に大体まあ十分の四ですか、十分の三を限度としたそれ以下の前渡金を払うと、こういうことになっておるわけでございますけれども、この元請から下請に対する前渡金の支払いという問題についてはチェックしたことがございましょうか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 前払い金に関しましては、建設業法におきましても「元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。」と規定されておるところでございますので、この規定の趣旨の徹底につきまして関係業者団体を指導しているところであります。最近におきましては、昨年の十二月、下請代金支払いの適正化等についての通達を発しまして、特に公共工事においては発注者から現金で前金払いがなされるので、企業の規模にかかわらず下請負人に対して相応する額を現金で前金払いするよう十分配慮するように指導したところであります。先ほど申し上げました特定建設業者を対象といたします調査におきましても、毎年その前払い金の支払い状況等につきましても調査しておるところでございまして、必要に応じまして今後とも通達等によりまして適正な運用がなされるように努めてまいりたいと思っております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 確かにそのお答えになったとおりだと思いまするし、またそうでないということはお立場上言い切れないと思うわけでございますけれども、実態としては必ずしもそうではないのでございますね。前払い金を今の特定建設業者から下請がいただいたなんということでお話を承ったことはまず私の立場ではないんですね。そういう下請に至りますまで前渡金をいただいたなんということになると、恐らく下請の方はもう小躍りして喜ぶと思うわけでございますけれども、ますますその下請へ流す場合に、適正ないわゆる下請代金、事業費といいましょうか工事費といいましょうか、まず三〇%、ひどいのになりますともう四〇%ぐらい頭をはねられて、しかも事業を契約してそして工事が竣工した時点でいわゆる台風手形、二百十日手形をいただくというのが大体通例みたいになっているんじゃないでしょうか。あなたのおっしゃるようにそんなにスムーズに、前渡金も払いますよ、さあ百二十日の手形でも払いますよ、そんなような状態だったら私は中小建設業者は倒産するわけないと思うんですよ。大抵そういう金融の問題で参ってしまっている。ですから、その辺どうですか、もう一回御答弁いただけませんか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 調査対象が先ほど申しましたように特定建設業者ということでございまして、これは五十八年の九月末現在で約二万九千業者いるわけでございますが、そのうちの二千百三十六業者を対象に、毎年大体その程度の数で調査しているわけでございます。ちなみに最近二、三日前にまとまりました今回の調査結果によりますと、前金払いの支払い状況につきましては、おおむね支払っているのとそれから支払う場合と支払わない場合があるを加えますと約七〇%というふうな数値になっております。それから手形サイトにつきましては、百二十日未満と答えておりますのが約六三%あるわけでございます。裏を申せば、その反対の数はやっていないわけでございますから、非常に特定建設業者におきましても厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございますので、改善についての努力を続けたいと思います。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 改善について努力をされるというようなお答えでございますから了としますけれども、ただ非常に問題になりますことは、昨年一年間の全国の中小企業の倒産件数の中でのいわゆる建設業の占める位置ですね、これを計算してまいりますと大変な数字になるわけでございまして、一年間で昨年は一万九千百五十五件の中小企業の倒産がございました。その中で建設業が五千七百八十五件もあったわけです。比率としては大体三〇・二%でございますけれども、これは北海道のことばかり申し上げて恐縮でございますけれども、北海道も千八百二十四件という企業倒産がございました。これは戦後最高なんでございますね。戦後最高の倒産件数の中で、言うなれば建設業者が北海道の場合占めた割合というのは六百五十三件でございまして、三五・八%で、全国平均よりもはるかに高い数字を示しております。  ただ、これは建設業者が中小企業の倒産件数の中に占める数というだけではなしに、建設業が倒産しますと、それに関連していわゆる資材屋さんが倒産をする、さあその食料店が倒産をする。そういう関連からいきますと、建設業者の倒産を含めて関連企業倒産も計算いたしますと五〇%を超えるような状態であるというふうに私は考えておるわけでございます。特に、私なんかは現職の商工会議所の会頭でございますから、全国の数値というものを調べてまいりますと、もう五〇%から五五%ぐらいになっていると、建設関連の中小企業倒産が。そういう状態でございますけれども、午前中に村田先生も御質問をなさったわけでございますけれども、それと関連するようなことになりましょうけれども、中小建設業者のいわゆる育成というものを推進するための施策は今後どういうふうにひとつ進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 中小建設業育成のための方策につきましては、二つの柱で考えているわけでございます。一つは受注機会の増大でございまして、もう一つが企業体質の改善の必要があるというふうに考えているわけでございます。  受注機会の増大のために発注標準を遵守すること、分割発注を推進すること、共同請負制度を活用すること等の措置を講じておりますし、また企業体質の改善策といたしましては、中小企業近代化促進法等に基づく業種別の近代化の促進、それから協同組合等の活用によります中小業者の共同化等の施策を実施しているところでございまして、今後ともこれらの施策を強力に進めてまいりたいと思います。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 非常にうれしい御答弁だと思いますが、ただ現実の問題としては、なかなか難しい育成問題だと思うんです。御答弁の中でありました分割・分離発注というふうなことについて、私も北海道議会におりましたときに、これを思い切って実はやらしたケースがございました。例えば、二十キロの道路をやるといたしますと数十億円になりますね。そうすると、もうどうしても業者のランク、資格の問題に絡んできますから、なかなか中小建設業者や地元の業者がとれないということになりますから、それを例えば五キロずつに仕切ってやりますと四業者が入れると、そうすると土木あたりでもBクラスの業者も受注できるような機会が得られるということにもなりますし、それから建築物なんかは、住宅対策の問題の中で窓枠とかサッシとか、そういったものを別に協同組合に発注をまとめてしたと、そういうことをやりましたが、かえって単価が安くて非常にいいものができてきたと、こういうようなケースがあるわけでございまして、そういう分割・分離発注というものにもう少し重点を置いていただいて、本当に中小建設業者の方々が受注する機会をどんどんふやしていくと、こういうふうにひとつ御指導並びに御企画を願いたい、かように思うわけでございます。  そこで、九点目の質問でございますけれども、公共事業を施行する施行地域の地元業者のいわゆる育成と活用という問題についてどうお考えになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

豊蔵一建設省大臣官房長

○政府委員(豊蔵一君) 私ども直轄工事を発注いたします立場からいたしまして、従来から業者の指名に当たりましては、当該工事に対する業者の地理的条件を十分勘案して選定するというような方針でやっております。なお、今お話がありましたように、それに加えまして発注標準の遵守それから特に分割発注の推進、共同請負制度の活用、そういったようなことを考慮いたしまして、従来とも地元の建設業者の育成に努めてきておりますが、今後ともその受注機会の確保を図りたいと考えております。  なお、ちなみに私ども閣議で定められております中小企業向けの発注の目標あるいは実績、そういったようなものを見ましても、直轄工事で見まして、工事だけをとりました場合、五十八年度の目標は四七・八%を中小企業に発注するということで事業を進めさせていただいておりますが、五十八年度の上半期だけの実績で申しますと五〇%を超える事業量が中小企業に発注されておる、こういう実績に相なっております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 今の四七%とか五〇%とかいうのは金額ですか、件数でございますか。ちょっとお願いします。

豊蔵一建設省大臣官房長

○政府委員(豊蔵一君) ただいま申し上げましたのは、金額でそのように相なっております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 大変御配慮をいただいておるわけでございましてありがたいわけでございますが、ただ、地元業者の活用という問題は、直接発注するということでの業者の育成という問題とそれから大手との絡みとの問題があるわけでございます。  そこで私は、これは本当に実例でございますけれども、一つの実例を申し上げますと、その地域で——地域とはどこということは申し上げませんが、例えばダムを一つやりますということになりますね。そうしますと、ダム工事というのは非常に大きな予算でございますから、少なくとも大手でなけりゃできないということになります。三百億円ぐらいの予算でございますけれども、そのダムをつくる地域の住民はもちろんのこと、市町村長さんあるいはまた政治家に至るまで熱心にダムを造成するということで活動なさって、ダムができればいわゆる農業用水もとれるし飲料水もとれる、ひいてはまた発電もできると。この地域が非常に発展をする可能性を促進するなど、こういうことで非常に地域としては喜んでいらっしゃるし、またそのダム工事がなされれば、地元のいわゆる建設業の方々も何らかのおこぼれをちょうだいするだろうというふうに期待をかける。その市町村の商店街においては、これまたいろんな物品の購入等がございますから地域振興にもなるということで、非常に喜んで実はそのダムの推進については御協力を申し上げてきたと。  ところが実際面で、この発注をいたします段階になりますと、その大手の方が自分の子飼いの下請業者というのを持っているわけですね、これ全国どこへ行くのでもそれを連れて歩いているわけですよ。ですから、下請の業者並びに従業員というものを直接その現地のダムサイトの工事現場に寮を建ててそこに入れてしまう。それから、まだ申し上げたいことは、給食センターの株式会社を連れてきて、食料の問題やら衣料品の問題まで全部そこで販売をする。ですから、せっかく地元のいわゆる建設業者の方々は、かなり力のある業者にいたしましてもその事業には参加ができない。本当に目の前にある自分たちの町の事業に対しましてよだれを流して見ていなきゃならぬと、こういう業者の実態というものを考えた場合に非常に私は気の毒だと思う。  あるいはまた町の商店街にいたしましても、そういう給食センターを連れてくるわけでございますから、町の方から紙一枚、米一升買わない、こういう状態であるわけでございますから、果たして、せっかく予算を我々が獲得するために努力をして、陳情を何年間も続けてきて、さあダムができるようになったと、我々地元の建設業者にもあるいはまた商店街にも影響があって景気が少しは浮揚されるなというふうに期待をかけていたにもかかわらず、事業の実施ということになりますとそういう実態になってくる、これが現実の私は姿だと思うんですよ。これはダムばかりではなくて、ほかの事業についてもそうですよ。  ですから、少なくともそういう大手の事業を発注し受注をする場合は、これは附帯条件というわけにはもちろんいかないにいたしましても、建設省にいたしましてもどこにいたしましても、やはりそういう地元の業者とのいわゆるつながりというものを持ちなさいとか、あるいは地元から物品を購入しなさいといったような指導ぐらいは私はなさっていただいたらいいと思うんですけれども、過去にそういう指導をなさったことはございましょうか。あるいはまた、これからどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 御指摘の点ごもっともでございます。建設省といたしましては、毎年度所管事業の執行につきまして事務次官名によりまして指導しているところでございますが、その項目の一つといたしまして、「工事の性質又は種別、建設労働者の確保、建設資材の調達等を考慮した上、地元建設業者、専門工事業者等中小建設業者の活用により円滑かつ効率的な施工が期待できる工事については、極力分割発注すること。」ということにいたして毎年度指導してまいっておるところでございます。  なお、物品の購入等につきましては、そこまで言い及んでおりませんので、今後検討してみたいと思っております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 実態としては、本当に地元の業界の育成という意味からも地元業者のひとつ活用についての御配慮をぜひ頼みたいし、また今の下請下請と申しましてもかなり年額大きな事業をやっている下請業者が多うございますから、技術の面でも施工の面でもそんなに見劣りするようなことになってないと思います、機械力の問題にいたしましても。ぜひひとつそれは御配慮いただきながら、地元業者の活用についての御努力を賜りたいと思うわけでございます。  そこで、最後にひとつお伺いしたいことでございますけれども、過般の建設大臣の御所信の中でも、建設産業のいわゆる海外活動の進捗を図りたいと、こういったような意味の御発言がございましたので、海外活動の現状と今後の振興をどのようにひとつ進めてまいるのか、これについてちょっとお伺いしたいと思いますが。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 我が国の建設産業の海外活動は、建設産業それ自身にとりましても発展に大きく寄与いたしますとともに、国全体と見ましても、輸出構造の高度化に寄与しますとともに、相手方の開発途上国におきまして最も立ちおくれております経済社会基盤施設の整備を進め、かつ雇用機会の創出あるいは建設技術の移転等をもたらすなど、その国の経済発展あるいは社会の安定に大きく寄与するものでありまして、大いに促進する必要があるというふうに考えております。  我が国の建設活動の実績を見ますと、昭和四十八年には受注高は一千億にも満たなかったわけでございますが、それ以降業界の努力によりまして逐次拡大いたしまして、昭和五十七年度には建設事業の受注は海外法人分を合わせまして九千二百七十三億円と史上最高額を記録しております。しかしながら、この額は建設総投資額の約二%弱でございまして、例えばアメリカが同じく一五%、フランスが一〇%、西ドイツ七%というふうな数字と比べますと著しくまだその水準は低うございまして、歴史の浅さに伴う問題点も少なくないわけでございます。  このため、建設省といたしましては、五十七年三月以来、海外建設基本問題検討会を開きまして、各界の有識者に海外の建設活動振興策につきまして検討を依頼しておりましたところ、このほどその検討結果がようやく取りまとめられたところでございます。建設省といたしましては、これらの結果を踏まえまして、諸外国におきますところの情報収集体制の整備あるいは海外人材養成、あるいは経営コンサルタントの育成あるいは金融保険制度、あるいはその運用の改善等につきまして積極的に振興策を講じてまいりたいというふうに考えております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 日本のいわゆる建設技術というものはもう世界のトップクラスになっているということも我々承知をいたしておりまするし、また海外でのそういう評価もいただいておるというふうに聞いておるわけでございますけれども、最近極端に何か韓国でのいわゆる受注が減少してきているというようなお話を聞くわけでございますけれども、これは韓国国内自体のいわゆる建設事業が減少したということではなしに、他の国の建設業者の方々の進出が甚だしいと、こういうことでの減少というふうに聞いておりますけれども、何かその辺聞いておりますでしょうか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 韓国の海外活動は非常に異常値と思われるように大きな数字でございまして、先ほど私、総建設投資額に占める割合で申し上げましたが、韓国の場合には一七〇%でございます。これは先日韓国の建設部の局長さんがお見えになったときにも伺った話でございますが、韓国自身が中近東に主として進出しておりましたので、中近東の紛争以来受注高が激減する傾向にあるので非常に困っているというふうに頭を痛めております。  ただ、聞きましてなるほどと思いましたのは、日本の場合には非常に優良な市場の場合に複数、たくさんの業者が一点集中型に進出するケースが多うございますが、韓国では法律に基づく建設部長官の権限といたしまして進出割り当てをいたしまして、そういう集中進出ができないような仕組みになっているというふうに伺いました。いずれにいたしましても、韓国の受注減は中近東の紛争に遠く起因しているんじゃないかというふうに私は理解しております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 最後に、恐縮ですが大臣に一つお伺いしたいんですが、国内における建設投資というのは五十兆円というお話でございまして、既にこれは成熟化の傾向を示しておるというふうに我々は見ておるわけでございます。成熟化ということは、これ以上なかなか伸びるということは難しいかなあといったような感じすら持っているわけでございまして、建設産業自身にとっても海外市場の重要性というものはますます増大しつつあると思うわけでございます。  特に、海外受注が増大をすれば、言うならば国内の素材型産業の振興につながるというような重要な意味を持っておるわけでございますけれども、たまたままだ一兆円に至らないということでございますが、私はやっぱり将来、先ほどおっしゃられましたように、国内投資の二%ということではなく、これは米国のように一五%ですか、フランスが一〇%ですか、こういうことでございますから、少なくともそのレベルに達するぐらいまでの努力を私はすべきであると、かように思いまするし、また海外受注が減少いたしますと、どうしても国内に無理がかかってくる。そうしますと、国内では言うなれば早期発注とか前倒しとかやりまして、大体秋ころまでに格好がつく。そうしますと、秋枯れとか冬枯れという問題がまた出てきて、そして毎年企業は、昨年もおととしもそうでございますけれども、たった一千万円ぐらいの仕事にまで手を出してくるというようなことになって、そこで中小建設業者が倒産をする、窮地に追いやられる、こんなケースが随分と繰り返された例がございます。  したがいまして、私はやはり海外受注というものをどんどんどんどんこれから増大をさせていくというようなひとつ大臣の決意もいただきたいし、したがって大臣、ひとつどうでしょうかね、きょうの日経新聞ですか、これによりますと、各開発途上国の方々をお招きをして何か国内の事情を説明するとか、あるいはまた日本の技術を誇るようなことをやると、こういうデモンストレーションをやるというふうにきょうの新聞にも出ておるわけでございますけれども、私は少なくとも大臣みずから海外の建設現場を視察するとか、あるいはまた激励をするとか、さらにまた発注当事国にお礼がたがた日本企業の受注の増大を要請をするというようなことまで私はやるべきではないかなあと。そして、アメリカのように少なくとも一〇%や一五%まで伸ばすようなことを考えること自体が日本のいわゆる素材型産業の振興にもつながり、建設業の発展にもつながる、こういうふうに思いますので、その辺のひとつ大臣の決意を最後にお伺いしたいと思うんですが。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 工藤先生から大変時宜に適した御指摘をいただいたわけであります。私も建設大臣になる前から海外に割合に旅行しておりまして、やっぱり問題点の一つは、ヨーロッパの諸国は昔の植民地との関係で割合にいろんな建設業というものの足場を持っているといいますか慣れているといいますか、そういうものを持っているようであります。ですから、どうしても昔の植民地へ行ってそこで仕事をしている。そこの港湾とか道路とか、いわゆる社会資本の充実、援助という形もございますが、そういう形で進出をしておられます。  それから日本の建設業が海外事業に極めて慣れていない。外国の建設業というのはどうもコンサルタントの仕事と両方やっておられるところが多い。ところが日本の建設業は、コンサルタントといいますかそういったものはそっちがやっておって、建設自身をやっておるというような、いわゆる商社活動に近いものは日本では総合商社が海外ではやって、それを建設業者が受けてやっておるとか、こういう少し形態の違いがあるようであります。あるいは、私見たのはカントリーリスクの問題、要するに日本の円借とか世銀の融資とか、そういった仕事については割合に安心して仕事ができますが、発展途上国では仕事はしても金は払ってくれるかどうかわからぬ、まあ中近東は別でありますが、そういったような問題もあって、なかなか進出しにくい問題があるようであります。  しかし御指摘のように、総生産額が五十兆の中でまだ一兆円しかないというのはいかにも日本の建設業が国際的にまだ弱いということになるわけでありまして、今御指摘のように、この問題は建設省挙げて今後の大きな課題として取り組んでいきたいと、かように思っております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 視察はしませんか。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 視察ですか——いろいろありますが、ただ、いわゆる円借とか日本の海外援助の仕事を日本の企業がとりますと、また国際的に、いわゆる日本の援助を日本の企業が仕事をとって持って帰ってしまうのじゃいかぬ、アンタイドでいけというようなそういうOECDなんかの一つの話し合いもありますからなかなか難しいのでありますけれども、まあ視察もいたしますけれども、そういうところへ目を向けていくのが今後の建設行政の一つの課題であろうと思って、先生の御指摘も頭に入れてやっていきたいと、かように思っております。

工藤万砂美自由民主党・自由国民会議

○工藤万砂美君 どうもありがとうございました。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 先日建設大臣から、あるいは国土庁長官から所管の事項につきましてそれぞれ所信を伺いました。大事な問題でございますけれども、それは他日に譲らしていただいて、きょうは当面非常に話題になっております民間活力、この民間活力をどう生かしていくかという問題、あるいはまたその結果どういうことになるだろうかと予想されるような問題、細かい部分にわたりますけれどもお伺いしておきたい、こう思うわけです。  まず、総体的な問題でお伺いしてまいりたいんですが、御承知の昨年の二月中曽根総理が、景気浮揚の立場から巨額の赤字を抱える財政にかかわって民間活力を生かした公共的事業を推進しよう、いわゆる民間ニューディール構想と、こう名づけられたようでございますが、それを打ち出されました。そして、各省庁にいろいろな規制の撤廃やあるいは緩和などの検討を指示されたと伺っております。それから約一年経過したわけでございますが、まず総体的に建設大臣にお伺いしたいのは、官民分担の基本的な考え方、どういう考え方で臨んでいかれるのか、まずこの点をお伺いしたい。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 中曽根総理の構想というのは、今まで日本の国というのは大体官が主導型でありまして、例えば道路にしましてもあるいは都市改造にしましても、公共事業の中でやっていってという考え方であったことは御承知のとおりであります。しかし、この三、四年来公共事業費というのは横ばいあるいは若干の減少の中で、また財政再建の中でなかなか大幅な伸びというものが望めない。しかし、片方で国際的にも内需の拡大といいますか内需を刺激して、余り輸出プッシュ型のいわゆる経済成長をしちゃいかぬという命題の中で生まれてきた一つの課題であるということは先生も御承知のとおりであります。  そこで、アメリカなんかでは御承知のとおり、私の狭い知識でありますが、アメリカでは経済を浮揚させるというときは、普通は大体金利とそれから減税だけでやっていると。日本みたいに公共事業費というものを中央政府が握っておりませんから、各州政府で握っておりますから、なかなかそれを操作してやるということができない。それだけに、アメリカあたりでは再開発なんかは、私なんかもかつて海外族行で見てまいりましたが、実際は民間だけでやっていると、公共でやっているのはごく一部であると、そういったところからもこの発想ができてきたと私は理解をしております。  そういう意味において、なるべくならば民間資金を大いに利用していただくと。あるいは特に、まあ公共投資もいたしますが、何といいますか再開発の場合なんかは主として民間主導型でやっていただくと。しかし、その中で、例えばどうしても民間でできない下水であるとかあるいは周辺の道路の整備であるとか、こういったものをむしろ補助的にやっていくと。こういうことによって、少ない公共事業費でそれを何倍かに伸ばして大きな事業をやり経済の活性化をもたらそうと、こういったような構想から出てきたというふうに、まあ非常に大まかな話でございますが、理解をしているわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 では、建設行政の中でこれまでに検討された事項、あるいはまたその実施状況、あらまし報告願いたいんですが。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。  建設省の所管行政に係ります民間活力の活用ということについて、従来やってきましたところのごくあらましを申し上げますと、まず第一番に、昨年、都市の対策ということに取り組んだわけでございまして、その際、都市の再開発の推進あるいは宅地開発の促進というような策を講じたわけでございますが、再開発の推進策といたしましては、一つは、都市計画でございますとか建築行政でございますとか、こういったもので民間のやっております仕事、こういったものをなるべく動きやすくしていくような、条件整備というような形での地域地区についての見直しでございますとか、あるいは個別のプロジェクトを推進していく、例えば住宅総合設計というようなものについてのやりよくしていくというような面の配慮をしたわけでございますし、また五十九年度の予算に対しましては、再開発に対します予算の重点配分でございますとかあるいは優良な再開発に対します補助制度の創設、あるいは税制上の特例措置を講じるというようなことなどについてもいたしてきたわけでございます。  また、宅地の開発の促進策といたしましては、実態に即しました線引きの見直しでありますとか、開発許可の的確な運用というものについての指導でございますとか、あるいはまた宅地開発等の指導要綱などにつきましての行き過ぎ是正というものについての指導というようなものに取り組みまして、都市開発についての促進を講じたわけでございます。  また次に、民間の活躍の場といたしましての国有地等の有効活用につきましては、これにつきましては国鉄用地等につきまして関係機関と協議してその促進を図ってきたわけでございますが、昨年十月、内閣に国有地等有効活用推進本部というものが設けられたわけでございまして、これに積極的に協力すると申しますか、この一員といたしまして今後とも積極的に取り組んでいこうというふうに対処しているところでございます。  また、一つの資金面でございますが、五十九年度予算におきまして、いわゆる私どもの所管の公団事業につきまして、政府保証債でございますとか民間の借入金、縁故債、こういった民間におきます資金を公団事業の分野に活用を図りまして事業量を確保するというような面も講じております。さらに、その他広く民間活力の活国策について検討を進めているところでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それが全部というわけじゃないんでしょうけれども、ただいま御報告いただいたような点を聞きます限りは、施策の実施がいわゆる規制の緩和などによる都市開発あるいは国有地あるいは国鉄用地、公有地、そういうものの活用といったことが今焦点にかかっているようですが、そのほかの事業についても検討は行われているんですか。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) 民間の活躍の分野といたしまして、従来から都市対策関係あるいは住宅関係、こういったものについての分野が非常に大きかったという点がございまして、こういったものの活躍をしやすくするという配慮をまず当面したわけでございますが、御指摘のように幅広く民間活力を活用していくということは当然考えられるわけでございまして、建設省といたしましても、昨年の七月に省内に民間活力検討委員会というものを設けまして、所管行政全般にわたります民間活力活用の可能性につきまして検討を進めてきたところでございます。  検討に当たりましては、民間の有識者でございますとか実務家等の意見を聞きますとともに、省内に関係の部門の専門家でそれぞれプロジェクトチームをつくりまして、それぞれの委員会を設けまして検討を進めてきたところでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 新聞にはぽろぽろその中身が出てまいりますが、一応検討を行っている事業というのは一体どういうものがあるのか、この辺ひとつ御説明願いたいと思います。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) 所管行政全般でございますので、あるいは道路でございますとかあるいは河川でございますとか、都市施設でございますとか、それぞれにつきまして幅広く検討をしているというところでございまして、現在、検討の結果について取りまとめ作業に入っているという段階でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 例えば新聞、ばらばらでございますけれども、日本プロジェクト産業協議会ですかJAPIC、この協議会で関越総合水資源計画を想定しての広域な大規模導水事業とか、あるいは文化、スポーツ、娯楽施設などを組み込んだ地域密着型の市街地再開発事業とか、あるいは一般有料道路、これは利用者が少ないようですが、一般有料道路の活性化のための、新聞では前垂れ商法と出ておりますが、そういうような考え方とか、あるいは都市公園施設の建設運営の民間業者への開放とか、こういうのが新聞に出ておりますが、これらもやっぱり検討されている中身と承知してよろしいですか。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) 検討の段階でございますので幅広くいろいろの面に取り組んでございますが、やはり実態といたしまして、民間の仕事と公共的事業の分野というところにおきましては、その分野におきます公共性の確保という問題、それから民間の事業になじむかどうかというような問題等いろいろございますので、今先生が挙げられましたようなテーマはそれぞれ検討課題でございますが、そういうところを煮詰めまして、考え方をまとめていきたいと思っているところでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 この民間活力検討委員会ですね、御指摘のあった。その検討結果については、いつごろ発表ができる、こういうようなお考えは持っていらっしゃいますか。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) この検討委員会、部会を分けて検討を続けてきたわけでございますが、現在鋭意取りまとめ作業に入っているところでございますので、なるべく早く発表ができるようにいたしたいというふうに考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 何か一説では四月の中旬にでも中間報告ができるんじゃないかということも耳にしているわけですが、そんなに作業は進みませんか。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) うまくまとまりますれば、なるべく早く中間報告をいたしたいと思っております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これは民間の幅広く理解を深める意味において、最終発表でなくても中間発表みたいな形で情報を提供されるということがこの事業を進めていくには非常にプラスになる、こう思いますので、余り慎重を期さないで随時発表されたらいかがでしょうか。

吉田公二建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(吉田公二君) 第一次的に取りまとめ作業中でございますので、まとまり次第なるべく早くそうした場を設けたいと思っております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 そこで、ちょっと小さいといいますか、順次伺っていきたいと思うんですけれども、御承知のように市街化調整区域の大規模宅地開発の許可面積、これが昨年七月一日に都市計画法施行令を改正して二十ヘクタール以上から五ヘクタール以上に引き下げた、こういう作業をしたことによって大型の開発案件というのをどう見込んでいらっしゃるか、まずこの点を伺いたい。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 市街化調整区域におきます開発許可の規模要件につきましては、地域の実情に応じまして一部が縮小できるように、御指摘のように昨年の七月一日に政令を改正したところでございます。この結果、今後この五ヘクタール以上の開発がどの程度出てくるかを今具体的に推計することは困難でございますけれども、二十ヘクタール以上の開発に比べますと五ヘクタール以上の開発というのは、比較的土地をまとめやすいこと、あるいは事業期間も相当短縮できること等によりまして事業遂行が容易になりますので、建設省といたしましては今後相当数の開発が行われるものと期待しております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 非常に本日は慎重に答弁されるので、新聞等にぽろぽろ出ていることを私承知しているんですが、数字が全く出てこないので後の作業が難しゅうございます。ひとつ慎重を期すのも結構ですけれども、新聞等では三年で十五県が解禁されるとか、いろいろなことを言っておりますが、それはそれとして対応する都道府県の方で許可基準面積の引き下げ——国の方ではこうしましたと、ところで都道府県規則を緩和したところは一体どのくらいになっておりましょうか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 四月一日現在で申し上げますと、北海道、岩手県、秋田県、新潟県、富山県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、高知県、大分県の十六県と名古屋市、計十七団体が規則を制定しております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これも新聞報道を頼ってお話しするわけですけれども、千葉県では知事がみずから——大臣ちょっと顔を上げられたけれども——議会で引き下げる意思のないことを表明したと、こういう事実があったようですが、建設省がいわばせっかくやったのに肩透かしを食っているような感じになっていますが、今述べられた以外の都道府県につきましては今後どういうふうに対処していかれる方針なのか、伺いたい。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) それぞれの地域の実情に応じて引き下げよという行政指導でございますので、地域の実情に応じまして適切に規則制定がなされるように指導してまいる所存でございますが、特に例えば神奈川、千葉県は関東地方におきましては宅地開発の抑制政策を強くとっている県でございますが、神奈川県につきましては十一月十七日、千葉県につきましては十一月二十八日に計画局長と都市局長共同で副知事さんをお呼びいたしまして、今後の線引きの基本方針あるいは宅地開発の基本方針等につきまして忌憚のない意見交換をやったところでございます。  その際、私は宅地開発の点から特に御注文申し上げましたのは、県は十カ年先を見通しました県の県政計画と申しますか、開発計画に基づきまして宅地の需要量を想定いたしまして開発許可に対する態度を決めているわけでございますが、私たちは少なくとも、例えば二十ヘクタール以上の大規模開発になりますと実績でも十年以上、十二年から十五年ぐらいかかるのが通常でございますので、十年間の先を見通した計画だけでは大規模開発につきましては足りないのではないかというふうな御意見を申し上げ、いろいろ御検討をお願いした次第でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 要するに、民間活力を引き出すための建設省の施策、方針として、建物の高さの制限とかあるいは自治体の宅地開発指導要綱の行き過ぎを是正するとかいう作業を始めて、そして建物の高層化とか宅地開発とかあるいはマンション建設、これらに施策のねらいを当てている、こう私どもは理解をしております。  そこで、問題の宅地開発指導要綱の行き過ぎ是正につきましても、開発事業者が払う負担金、協力金の撤廃や減額、あるいは道路公園などの整備水準の適正化などを打ち出した地方自治体は、千葉県の市原、あるいは大阪の高槻市などごくわずかだと、こういうようなことが言われておりますけれども、この辺の実態はいかがですか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 御指摘の宅地開発指導要綱につきましては、五十六年の九月の全国調査があるわけでございますが、これが制定されておりますのが全国で千七、制定されておるわけでございます。その制定の契機はともかくといたしまして、最近におきましてはこれが円滑な宅地供給という観点から障害になっている、指導要綱の内容に行き過ぎがあるということが各方面から指摘されておったところでございまして、建設省といたしましては。自治省と共同いたしまして数年以上かけまして慎重検討した結果、昨年の八月に関連公共公益施設の整備水準の問題につきまして宅地開発指導要綱に関する措置方針を取りまとめまして、各都道府県知事に対し行き過ぎの是正の徹底方を通達したところでございます。  この措置方針を受けた各市町村の対応状況につきましては、御指摘のように、現在既に一都市町村におきまして指導要綱の改正が行われたわけでございますが、他の市町村におきましても見直しが逐次行われ、徐々に浸透しつつあるというふうに考えております。ちなみに、関東地方でございますと、既に見直しを行いましたのは埼玉県の越谷市外三市、神奈川県二市、千葉県で四市というふうなとりあえずの情報を把握しております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 先ほど国の方の立場から、いわゆる建設行政というのは十年先を見通してくれというふうに説得に努められたという説明がありましたが、今度は逆に、それを受けた地方自治体の方では、やっぱり見直しを先送りしている原因についてこういうふうな議論があるようですが、これはどうでしょうか。都市づくりというのはいわば百年の大計だと、十年じゃなくて百年だと。そして目先の景気対策に絡めて直ちに変えてしまうのは考えものだというふうな意見もある。あるいは、国の基準は住宅建設のために出されたけれども、我々の要綱は都市づくりの基準として過去の失敗を繰り返さないためのもので、国の方からそう言われても、はいそうですかと受けるわけにはいかぬ。あるいは、区画道路は六メートル以下とはいっても、大規模開発では発生交通量を考えるとそうもいかない。さらには、開発に伴う自治体の財政負担に対する配慮が欠けているじゃないか。こういうふうな意見が出てきて、はいそうですかと受けられないような状況なんですが、これはどうでしょうか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 国の開発指導要綱に対する指導が目先の観点から行われているというのは全くの誤解でございまして、私たちは基本的には、宅地供給の現状を見ますと、宅地供給は四十七年にピークがございまして約二万三千四百ヘクタールの供給があったわけでございますが、最近におきましてはこれが半分以下の一万ヘクタールを割っているわけでございます。そういたしますと住宅対策上まことにゆゆしい問題でございまして、しかも例えば区画整理の事業認可の件数あるいは都市計画法に基づきます開発許可の件数等が実は将来の宅地供給の先行指標となるわけでございますが、これらの指標を見ましても将来これらが増加に転ずる兆候が全くあらわれていない。ということは、十年先二十年先の宅地対策が非常に憂慮されるわけでございますので、それらの対策の一環といたしまして指導要綱の是正政策を考えているわけでございまして、長期的な観点から行っているわけでございます。  それから内容につきましての御指摘でございますが、当面の措置方針によりまして示しました公共施設等の整備水準は、町づくりの代表的な手法とされております区画整理の場合の数値を基準として指導しているわけでございまして、措置方針に従って是正された宅地開発の指導要綱に従って開発許可が行われた場合におきましても決して環境の悪い町づくりが行われるわけではございませんで、むしろ区画整理済み地の市街地というのは、今ではほぼ理想といいますか望ましい姿の町づくりが行われているわけでございますので、それと同程度の市街地は確保できるわけでございます。したがいまして、極端に行き過ぎた部分だけが是正されるわけでございまして、町づくりの基準としては少しも劣ったものではないというふうに我々は考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 最後の自治体の財政に対する配慮が足りないのじゃないかという点。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 財政上の理由で自治体が見送りいたしますのはこれは甚だ理解できないことでございまして、指導要綱そのものがもともと開発許可に関しますところの行政指導の基準でございまして、決して地方財政に寄与するための制度ではないわけでございますので的違いの議論だと思うわけでございますが、ただ実情はよくわかりますので、私たちは団地建設に伴いますところの公共公益施設の整備につきましては、国におきましても例えば関連公共施設という別枠の予算を持っておりますが、一千億、厳しいシーリングの中でございましたけれども、前年同額を確保する等の努力をいたしているわけでございます。なお、個別の事情によりまして見直しを先送りしている地方公共団体につきましては、個別に事情を徴収いたしまして適切に指導いたしたいというふうに考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ぜひ御努力願いたいと思うんです。  ちょっとここで国土庁にお伺いしたいんですが、市街化区域内の農地、これをスムーズに宅地に転換することをねらいました農住組合制度、これがその対象地域を現在の三大都市圏から全国に拡大しよう、こういうふうなことを国土庁で検討し始めたと、こう報道されておりますが、この辺はどうでしょうか、またいつごろまでに結論をお出しになるのか。

永田良雄国土庁土地局長

○政府委員(永田良雄君) 御指摘の農住組合制度につきましては、どうも情勢がよろしくなくて今までははかばかしく進んでないような状況でございました。幸い地価が安定してまいりましたので、最近そういう農住組合をつくって積極的に市街化区域内の農地を宅地等として利用していきたいという声がかなり参ってきております。私どもは、五十八年度と五十九年度の二カ年間でこれをどのようにして進めたらいいか、区域の拡大等も含むあらゆる方策について再検討をしようということで研究を進めてきております。したがいまして、五十九年度末にはその研究会の結論が出ると思いますので、その結論を持って関係省庁と協議して促進してまいりたい、かように考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 次に、ちょっと具体的な問題に入っていきたいと思うんですが、土地の高度利用を目的としました東京環状七号線、この環状七号線の内側にある第一種住居専用地域を建築制限の弱い第二種住居専用地域に指定がえをする、こういう問題が出てまいりましたが、この準備はどのように進んでいますか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘の東京都の環状七号線の内側に第一種住居専用地域が二千四百三十六ヘクタールございます。この地域のうち土地の高度利用、防災性の向上を図るために土地利用の見直しを図る必要がある地域について、地区計画の策定等の諸条件を整え次第、良好な居住環境の維持形成には配慮しながら必要な指定がえを行うということで東京都と私の方とが合意いたして、その方針で作業を進めているところでございます。  作業の現状でございますが、東京都でそういうことで昨年から地区条件の把握等必要な調査を実施いたしておりまして、五十九年度以降、地元関係区と具体的な協議を開始する予定であるというふうに聞いております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それじゃ、もっと具体的になりますが、指定がえの、これの許可基準とかあるいはモデル地区の選定数あるいは実施時期の見通し、これをどう考えられていますか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 先ほどお答え申し上げましたように、東京都と私どもの間ではそういう見直しの方針ということについて意見は一致いたしておりますが、具体的な地区別の指定がえにつきましては、都市計画の決定権者でございます東京都が土地利用条件等の現況把握に基づきまして地元関係区と協議に入ると。来年度から協議に入るわけでございますが、この協議の調整が終わったところから順次行うという予定になってございまして、ただいまのところ、具体的な時期ということは明確にはなっていないという現況でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 問題はちょっと変わりますけれども、ワンルームマンション、これがいろいろな角度から議論をされております。特に首都圏とか京阪神、こういうところでワンルームマンションの建設をめぐって建設業者と地元住民との間で紛争が起こっている、大きな社会問題として今クローズアップされようとしておりますが、自治体の中には条例や指導要綱をつくって規制強化の方向を打ち出している、こういう報道も出ておりますが、この問題にどう取り組んでおりますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) 御指摘のとおり、最近、東京都区部あるいは京阪神地方を中心にワンルームマンションの建設が多くなっております。例えば東京都の区部で申し上げますと、昨年の四月から八月までにつきまして、この関係のワンルームマンションの計画件数、世田谷区で言いますと六十三件ございますが、そのうち二十八件が紛争となっております。また、杉並区におきましても二十件中三件、中野区におきましても十五件中四件ということで紛争が多く発生しておりますが、これにつきましては、管理面等を中心に問題があるということで建築主と周辺住民との間にこういった紛争が発生をしておるわけでございます。御指摘のように、このような状況に対しまして、世田谷区、中野区あるいは兵庫県の西宮市等におきまして、周辺環境への配慮や管理の適正化などにつきまして指導要綱あるいは条例等を定めていると聞いております。  ワンルームマンションに関しましては、問題とされている事項が非常に多様でございます。したがいまして建設省としては、今後とも実態の把握に努めますとともに、地方自治体による今申し上げましたような対応を十分見守りながら、周辺住民との調和が図られるように適切な措置につきまして建築審議会等の場を通じて検討してまいりたいと考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 確かに相当なトラブルを生じているようです。新聞報道ですけれども、騒音やごみでたまらぬというふうに先に住んでいた人がおっしゃっておる。ところが、後から入ってきたそのワンルームマンションを使っている人は、先住者のエゴだと、こう言って対立をする。ほとんどがリースマンションだというふうなことで、昨日の予算委員会でも、これはまた別の時点ですけれどもワンルームマンションの問題が論議されましたが、こうなってまいりますと、どうでしょうか大臣、国の方でワンルームの基準づくりなどの対策とか方針とか、そういうものの指導に乗り出す時期にやっぱり来ているんじゃないかと、こう思うんですが、大臣の所見はいかがでしょう。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) いわゆるワンルームマンションにつきましては、今いろいろ御指摘をいただきましたが、まず管理面の問題、管理人がいない。そこで、独身者であるから非常にいいかげんである、いろんな犯罪が起こりやすいとかそういった面、あるいは居住者のビヘービアが余りよくないとか、そんな話も出ております。非常に問題が多様であります。先日の予算委員会でも御指摘がありましたように、販売方法についても、やや販売の広告に怪しげな部分があるとか、いろんな面がたくさんございます。そこで建設省としては、自治体による対応を、今各自治体でやっておりますから、それを見守っているわけでありますが、周辺住民との調和が図られるように適切な措置を検討してまいりたいと、かように思っております。  それから、やっぱりこのワンルームマンションというものが、ある意味では時代の要請といいますか、経済的な要望の中から生まれてきた大都市地域における一つのニーズだというふうに認識せざるを得ないと。そうであるならば、単身者世帯に対する住宅政策というもののあり方、こういうものをただ傍観しているのではなくて、むしろ積極的に建設省としては検討する必要があろうと考えている次第でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それから東京都の都心の地区に人口呼び戻しですか、だんだん郊外に出ていきますから、呼び戻し策の一環として、超高層ビルの建設に利用されております特定街区計画、これを中高層マンションや住宅建設の共同ビルなど、これまで余り指定してこなかった比較的小規模の建築物についても適用したい、こういうような考えで東京都などが、敷地や有効空き地の面積基準の引き下げやあるいは街区の接続道路の幅員制度の緩和、これを求めておりますが、これはどう対処されますか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘のように、現在の都市問題の一つとして、都市環境の悪化それから職住の遠隔化の問題、交通混雑の問題等がございます。これに対処しまして、良好な居住環境を形成し、良好な市街地住宅の供給を図るという観点からは、都市における土地の秩序ある高度利用というものが必要だという認識でございます。  そのために建設省では、都市内の土地の有効利用促進の一環としまして、今先生御指摘の特定街区制度の活用を図りたいと考えまして、学識経験者から構成します研究会を設置して、現在この制度の運用の改善方について検討をお願いいたしてございます。御指摘の例示としてございました街区の規模要件等につきましても、その中で検討がなされております。昭和四十五年に、特定街区と類似の制度としまして、建築基準法の方で総合設計制度というものが設けられました。かなり似通った制度でございまして、これとの役割をどういうケースで分担していくかと、この役割分担を含めて検討を行っているのが現状でございます。近々この検討結果がまとまるというふうに聞いておりますので、その検討結果を今待っているところでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これは基準緩和の通達は出さなきゃならぬと思うんですが、いつごろ出る見通してございますか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) ただいまお願いしております研究会の答申といいますか、提案というものが今月中にもまとまるのではないかと考えでございます。その結果を得まして、私どもの方もそれに所要の検討を加え、また関係方面ともいろいろ意見を聞き協議をいたしまして早急にまとめ、なるべく早い時期にこれを、三十九年の通達の改正という形になるか全面的な改正になるという新しい通達になるかまだ決めておりませんが、早急に作業に入りたいと考えでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それに関連しまして、都市の市街地の中にある低い建物とかあるいは国鉄の操車場、そういう公共用地の上空、これを積極的に活用する、そして都市の再開発を促進する、それが非常に有効な手段だということでいわゆる空中権、建設省の方でも調査団を、昨年でしたか一昨年でしたか、お出しになったようですが、この空中権の定義、開発権と空中権とどう違うのか、あるいは空中権の制度確立というものをおやりになるのかどうか、この辺のところをちょっと聞かしていただきたい。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘のとおり、私の方で昨年アメリカに空中権問題の調査団を派遣いたしました。その結果、いろいろな非常に参考になる事実、考え方というものがよく理解されました。それで、まず御指摘の空中権と開発権というものが違うのではないかということでございますが、昨年来いろいろと空中権問題が民間でも議論されておりまして、空中権、いわゆるエアーライトというものとそれからその容積率を移転するといういわゆる開発権の移転という問題とが混同した形でいろいろ議論されております。これはアメリカでは全く別個の概念である、異なる権利だということでございました。空中権というものが空間を分割して他人の土地の空中利用をする権利で、土地所有権の内容として通常当然認められた……

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 なるべく役所の用語でなしに、一般用語でひとつお願いします。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) どうも失礼しました。どう申し上げたらいいんでしょうか——一つの土地の上空を分割して使用する権利と、こういうものが通常空中権ということでございます。既に建物が建っておりますところの上空、あるいは何か工作物あるいは鉄道の駅の土とか、そういうものの上空の権利を取得してさらに高い建物を建てるというのも空中権でございますし、逆にどうもそこに高い建物が建ちますと日照が悪くなる、景色が悪くなるということで、そういうものを建てないで将来ともあけておく、使わないという権利を買うのも空中権というもので、そういうものでございまして、いわば通常土地を所有する権利に伴って当然所有権の中に含まれている権利という概念のようでございます。  もう一つ、特に昨年来熱心に議論されました容積率の移転という問題のものは、移転可能な開発権という概念で整理されております。これは、都市計画のゾーニングなどによりまして容積率がそれぞれの土地で決まっている。で、容積率をいっぱいに使っていないところで、開発余力がまだある、その開発許容の限度内において、それを他の土地に余裕の開発権といいますか、を移転できる、こういう制度があるわけでございます。それでこの制度を、最初の御質問の空中権制度の確立と見通しということについてお答え申し上げますと、この制度につきまして、空中権の問題は我が国でも現行制度で十分対応できるのではないかと考えておりまして、特段の、多少の問題はあるにしても、それほど大きな問題はないのではないかと考えておりますが、特に都市計画上の問題として私どもがこれから検討をいたしたいと考えておりますのは開発権の移転の問題でございます。  この開発権の移転というのは、一般に広く行われている制度ではございませんで、アメリカの実例で見ますと、開発を抑制する——歴史的建造物なぞを保存するためにそれを抑制するという場合に、それの補償ということでもないようでございますが、それを円滑に運ぶための、そういうところについては、すぐ近くの容積率の余裕のある土地に移転を、容積率の移転を認めるということの運用がなされている例がございます。これもアメリカ全州的に行われているわけではなくて、特定の幾つかのところで行われているという現状でございます。で、いわゆる開発促進ということでつくられた制度ではなくて、いわば開発を抑制する、それを円滑に抑制しようというためにつくられた制度というふうに理解して調査団が帰ってまいりました。  ただ、アメリカの動機はそういうことでございますが、我が国にこの例をどのように参考にしていくかということで、現実の例としましては、先生御存じかと思いますが、日比谷のプレスセンタービルを含んでおる一つの街区が、特定街区としまして日比谷のプレスセンタービルの余った容積率も含めて全体計画の中で利用している、いわば容積率がプレスセンタービルの方から日比谷シティの方に移動しているという例もございまして、そういうことも着目いたしまして、先ほど特定街区の研究会を申し上げましたが、その特定街区制度の中でひとつ都市計画上きちんと位置づけられるのではないか。いわば任意に、あるいは集めればどこから集めてきても使えるというものでは都市計画上ないはずでございまして、都市計画としてそこをもっと高度に利用していいという判断、計画的な位置づけというものが必要であろうと考えまして、その特定街区制度の中で活用をしていけるのではないかと考えておりまして、あわせて御検討を願っております。その御検討結果が出た中でひとつこの問題にも対応してまいりたいと考えておるわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 次に、国有地などの有効活用推進本部、ここの第二回の会議で、有効活用の検討対象用地として国有地が百六十三件それから国鉄用地が十件、合計百七十三件がリストアップされたように報道をされております。近くプロジェクトの発足が見込める、そういうところはどこでしょうか。また、その発足時期、おおむねいつごろか、お伺いしておきたい。

田中誠二大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(田中誠二君) お答え申し上げます。  大蔵省といたしましては、国有地のうち非効率な使用となっております土地につきまして位置、規模、利用状況、周囲の状況等から見て、民間活力の導入による効率的利用の可能性があると判断いたしました土地、今先生がおっしゃいましたように百六十三件、六十五ヘクタールを民間活力導入検討対象財産として選定し、さきの第二回推進本部会議に報告したところでございます。  第二回推進本部会議の推進本部申し合わせによりますと、民間活力導入検討対象財産として選定されました国有地のうち、特に都市計画の面から見て利用方法の概要等を定めることが望ましいと認められるものについては、推進本部において有効活用の基本的な方向を立案することになっております。現在、この申し合わせに基づきまして、大蔵省及び建設省などにおきまして、先ほど申し上げましたように、特に有効活用の基本的な方向を立案する対象の国有地はどれかということなどについて検討しているところでございます。今後、さらに先日設置されました推進本部企画小委員会においてアドバイザリーグループの御意見等を踏まえつつ検討が進められていく予定になっております。  なお、大蔵省としては、民間活力導入検討対象財産のうち、有効活用の基本的な方向を立案する必要がないとされました土地につきましては、今後引き続き地元地方公共団体等と十分調整を図りながら、推進本部が設けられた趣旨等に照らし、できるだけ早期に民間に処分するよう努力していく方針でございますが、その際には、通常の国有地の処分手続に従いまして競争入札を原則として処分してまいりたい、こういうふうに考えております。

秦野裕運輸省鉄道監督局国有鉄道部財政課長

○説明員(秦野裕君) 国鉄用地の関係を御説明申し上げます。  先ほど御説明ありましたように、第二回の推進本部におきまして、国鉄用地に関しましては全体で十件、三十万平方メートルについてリストを提出いたしました。そのうちの二件、錦糸町の北側の用地とそれから大阪の梅田の貨物の跡地につきましては、既に計画検討委員会というものが国鉄に設置されておりまして、建設省さんを初め地元の公共団体の方々にもお入りいただきまして既にかなりの程度検討が進められております。近く成案を得るように努力をしているところでございます。残りの八件につきましては、先ほど大蔵省の方から御説明ありましたように、建設省さんあるいはアドバイザリーグループの方々の御意見を参考にして検討を進めてまいりたい、かように考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 後の方がちょっとわからない、前半は非常によくわかったんですけれども。

秦野裕運輸省鉄道監督局国有鉄道部財政課長

○説明員(秦野裕君) 残りの八件につきましては、先ほど大蔵省の方から御説明申し上げましたのと同じ答えでございますが、建設省の方と具体的にこれから一件一件につきまして御相談をし、また推進本部の中にございますアドバイザリーグループの方々の御意見を参考にしながら個別に検討を進めていきたいというふうに考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 新宿の西戸山の公務員住宅、これについては昨年十二月二十日に新宿西戸山開発株式会社、これの設立を見ていますね、国会でも若干問題になったようでございますが。それから今国鉄の方から、錦糸町の駅の北側用地と大阪の梅田の南貨物駅の敷地跡、これが速やかに事業化を推進する地区として決まった、これは検討を始めたというふうに具体的に伺いましたが、その開発整備構想の策定を進める地区として挙げられました汐留の貨物駅の敷地ですね、それから新宿の貨物敷それからまた公務員宿舎問題研究会の報告で名前の挙がった代々木住宅と白金住宅、この構想の策定とかプロジェクトの発足とかいうのはそれぞれどういう見通しをお持ちでしょうか。

西田博日本国有鉄道事業局次長

○説明員(西田博君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきました梅田あるいは錦糸町につきましては、先ほど財政課長の方からお答え申し上げましたが、汐留、新宿につきましては、先生御指摘のとおり、いわゆる長期的に見えました基本構想を練っていただく研究会を設けさせていただいております。これにはいわゆる学識経験者の方々あるいは国土庁、運輸省、建設省、東京都、区にもお入りいただきまして、いわゆる土地利用の基本構想をどうしていけばいいかという御議論を進めていただいております。  この中で、汐留につきましては、現在いわゆる都心部にある極めて重要な貨物の拠点駅でございます。一昨年度の実績でいきますと約千六百万トンぐらい扱っておりまして、したがいまして、その土地利用に当たりましていわゆる代替機能をどう確保していくか、あるいはこれと密接に関連のあります築地市場線がございます。東京都のものでございますが、さらには芝浦埠頭等の専用線等もございます。それから日常新聞あるいは郵便等を極めて多く扱っておりまして、こういった重要な使命を持っておるものをどのように代替機能を求めていくかということも一つの大きな問題でございまして、こういった問題をどう進めていくかということもございますし、さらには仮にそういうことが可能となりましても、約十七ヘクタールぐらいございまして、そういった貴重な土地を将来にわたってどういう可能性あるいは土地利用を考えていくか、あるいは周辺の都市施設等との整合性をどう図っていくか、さらには将来的に考えれば鉄道としての利用計画等々非常に重要な問題がございまして、そういった長期的に見た点につきましても鋭意現在御検討をいただいておるところでございます。  また、新宿につきましては、この二月に既に貨物の取り扱いを廃止いたしておりますが、ただ、荷物——手小荷物でございますけれども、そういったものは現存いたしておりまして、約三ヘクタールぐらいの用地があるわけでございますが、これも先ほどの汐留と同様に、周辺の都市施設等との整合性、さらには鉄道としての将来のいろんな機能上の確保、可能性、そういったものをどう考えていくか等につきまして、全く同様、学者先生の御意見も伺いながら現在検討を進めている段階でございまして、まだ当分検討に時間を要すると思っております。

田中誠二大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(田中誠二君) お答え申し上げます。  公務員宿舎問題研究会につきましては、大都市中心部における公務員宿舎を建てかえ、高層化いたしまして用地の有効活用を図る方途について検討を行いまして、昨年九月に中間報告を取りまとめたわけでございます。その中間報告におきましては、公務員宿舎の高層化の最初の試みといたしまして新宿西戸山住宅地図が取り上げられまして、その中で有効活用構想それから本構想実現のための進め方、そういうものについて述べられてございます。それとともに同じ報告で、今御指摘のございました代々木住宅及び白金住宅につきましても、「新宿・西戸山住宅地区の今後の事業の実施段階における進展、それに対する評価、その他実施上得られる成果を生かしつつ、その用地の有効活用構想を策定することが適当である。」と、こういうふうに述べてございます。  それで、先ほど御質問ございました第二回の有効活用推進本部会議の民間活力導入検討対象財産の中にも、この代々木住宅それから白金住宅を含めてございます。それで、そのときに新宿西戸山住宅についての成果を踏まえつつ民間活力の活用について検討すべき財産として報告をしておるところでございます。  我々といたしましては、代々木住宅等の有効活用構想につきましては、できるだけ早くやりたいと思っておりますが、さきに述べました中間報告の考え方に沿いまして新宿西戸山住宅地区の今後の事業の進展、評価等を踏まえつつ考えていきたい、こういうふうに思っておりまして、現時点ではそれらの有効活用構想の策定の見通しにつきましてはっきりしたことは申し上げることはちょっと困難なわけでございますので、御容赦いただきたいと思います。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 次に、いわゆる今話題に上がった地点は非常に交通も便利、需要も非常に大きいと思います。そうしますと、国土庁に伺いたいんですが、国有地、国鉄用地が処分される、先ほど言いましたように非常に便利がいい、都心であるというようなことでかえってそういうふうに処分することによって周辺の地価を押し上げることになりやしませんか、そういうおそれがないかどうか。

永田良雄国土庁土地局長

○政府委員(永田良雄君) 国有地それから国鉄用地を有効活用するために処分されるということ自身は土地の供給でありますから、基本的に言って地価を押し下げる要因だと思います。ただ問題は、処分された結果、周辺の地価から比べて極めて高い価格で処分されることになりますと、土地の価格というのは一つ出ますと大体それが基準になって影響をいたすという性癖がございますので、そういうことが重なっていけばかなり問題であるなど、かように考えております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 具体的に、もう御存じのことですが、去る三月十四日東京品川駅の貨物の跡地、これの処分の公開入札におきまして、ある中堅の不動産会社が周辺地域の地価の約四倍の高値で落札をした。この高値取引についてもう事情を御存じだろうと思いますが、国土庁の見解をお伺いしたいと思います。

永田良雄国土庁土地局長

○政府委員(永田良雄君) 御指摘のように、品川駅の東口の国鉄用地が去る三月十四日競争入札で周辺の地価に比べてかなり高い値段で……

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 私は四倍と言いました。

永田良雄国土庁土地局長

○政府委員(永田良雄君) 四倍とまではいかないとは思いますが、かなり高い値段で競落したという事実はございます。これは、私ども国土庁は、地価の安定対策を推進する立場では問題である、かように考えております。特に、今後国鉄用地あるいは国公有地がいろいろ利用面で出てまいるという状況でございますので、それが地価の著しい高騰に連鎖反応を起こしていくということは大変問題であるというのが一つ。それからもう一つは、私ども考えておりますが、土地政策として国土利用計画法で民間の取引についてもかなり指導をいたしておるわけでございます。そういう立場からいたしましてもやはり問題ではあるだろう、かように考えておりますので、やはり今後それが続くようなことがありますればかなり問題だ、かような考えを持っております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これは長官にお伺いしたいんですが、今もお話のように国土利用計画法の、いわゆる民間の場合はチェックされていますが、地方自治体とか国とかあるいは特殊法人、これはもうノーチェックですね、現在のところ。したがって、実際連鎖反応を起こしちゃ困るという事実が目の前に出ているわけですが、しかもこれから民間活力を活用していこうというので、その方向に行政の方向も進んでいるとすれば、やはりここで国とか地方自治体とか特殊法人が処分する場合に、何らかの土地価格、取引価格をチェックするための法改正が必要じゃないだろうか、こう思うんですが、大臣いかがですか。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) 品川駅の問題は予算委員会でも申し上げたところですが、これは全く私は遺憾なことだと思います。まさか国鉄もあんな高い値段に落札するとは思っていなかったんじゃないですか。ところが、どういう用途か知りませんが、いろいろ計画はあります、業者が落札をしているんですから。そこで、四倍というのが正しいのか三倍というのが正しいのかわかりませんが、ああいう高値でいったということは、国土庁として、土地を預かる序としては大変に私は遺憾なことであろうと思います。  そこで、法律改正の問題ですが、これはあのときも各省庁にそういうことのないようにという御連絡は申し上げでありますが、まさか国、地方自治体、特殊法人を法律によって縛ると、そんな油断もすきもない、そんな国であるとか地方自治体であるとか特殊法人であるとかと、こういうことは私はあってはいかぬと思います、そういう意味で、ここで法律でやるということは、国民に対しても、そんなに国や特殊法人や地方自治体が信用ならぬのかという、そういう大きな波紋を描くということもありますから、これを機会にできるだけ、国土利用計画法というのがありますから国土庁等にも連絡をしていただいて、やはり土地を預かる庁があるわけですから、先ほども国鉄の方で建設省と連絡をとると、一番大事な土地を預かる省庁を忘れている、それを言わなかった。こういうところがやはり問題を起こすわけでありますから、今後もやはり国土庁といたしましても、そういう問題に構えておるというんじゃなく、一体どういう形でどうされるのかということは初めなじむまで積極的に努力をしていきたいと、こういうふうに考えています。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これは大変難しい問題だと思いますよ。それは国の方が法律で縛らなければ守れないのかというのは大問題だということもわかりますが、しかし競争入札となればとことんそこでたたいていきますし、それを避けるために随契でやろうとしますと今度は黒い霧が出てきますし、これはやっぱり役所の良識に任すということじゃなくて、現実にこういう問題が出てきたわけです。したがって、国土庁としてはそういう該当の省庁に、あるいは特殊法人に反省を促すと、そして同時にまたそういう問題が起こらないように、法律改正にまではいかないとしても、代案を何かお考えにならなきゃならぬじゃないか、その辺のことは議論されましたかどうか。

稻村佐近四郎自由民主党・新自由国民連合国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(稻村佐近四郎君) この問題は本当におっしゃるとおりです。そういう意味でこれは検討を指示してあります。特に今この場で私言っているんですから、国土庁を忘れるなと、こういうことですから、検討を命じてございますから、二度と再びこのようなことのないようにやっていかなきゃならぬという反省もいたしております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それで、次に大蔵とか国鉄とかにちょっと考え方をお伺いしたいんですが、今土地利用の構想についていろいろ作業が進められておりますが、こういう提案をしてみたいと思うんです。  それぞれ提案をさせて、そして最もすぐれた計画を提出した者に土地利用をさせる、私どもはこれを設計コンペ方式と、こう言っておりますが、そういうふうな方式もこの際やっぱり、学識経験者の方でそういう御相談をするのも結構ですが、広くその案を求めてよりすぐれた利用計画を進めていくということで設計コンペ方式というものを検討されてはどうかなと、こう私は思うんですが、この点大蔵も該当しましょう、それから国鉄も該当しましょう、それぞれお考えを伺いたい。

田中誠二大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(田中誠二君) お答え申し上げます。  今御指摘ございました土地についてのいわゆるコンペ方式でございますが、提案競技とかいうことでございますが、これは基本的な条件を設定いたしましてその具体的な利用計画について行われる、こういうことになろうかと思うわけでございますが、国有地につきましてこういうことをやった場合に、仮にコンペを行いまして、当選したコンペの内容を実施するに当たりまして、特に既成市街地におきましては地元地方公共団体との調整が必要不可欠になるわけでございます。それで、コンペの内容がそのまま地元地方公共団体に受けられるということが非常に難しいという問題がございます。また、地元との調整の結果、コンペにより選定した利用計画の内容が修正されるということも十分あり得るわけでございまして、土地利用についてのコンペの実施ということは常にこのような問題がつきまとっているということになるわけでございます。  また、コンペにより選定いたしました利用計画を実施するといたしましても、その当選者を随意契約の対象者とすることができるかどうかということにつきましては、その契約の性質などが競争を許さないかどうかということにかかることになると思います。したがいまして、独特の工法を使うなど当選者でなければ実施できないという特殊な場合は別といたしまして、一般的にはコンペ当選をもって直ちに契約の性質または目的が競争を許さないことになるかということにつきましては難しい問題があるというふうに思うわけでございます。そういうわけでございまして、コンペ当選者に国有地を随意契約で売り払うということについてはいろいろ難しい点がございます。  なお、せっかくの先生の御所見でございますので、その点も含めまして勉強していくことであろうかと考えております。  以上でございます。

西田博日本国有鉄道事業局次長

○説明員(西田博君) お答え申し上げます。  今もう大蔵省の国有財産第一課長からお答えがあったのと全く同様でございますが、国の法律よりも国鉄の場合にはより厳しいと申しましょうか厳格になっているのが実態でございまして、私どもの日鉄法の四十九条では、公開競争一本ということになっております。ただ、政令に二十五条というのがございまして、随契できる相手が厳格に明記されておりますが、そういう面で先ほど大蔵省の御説明のあったよりもより厳しい面があることがまず実態としてございます。  もう一点は、私どもがいわゆる事業主体、発注者側になれる場合には、今の先生の御指摘のようなコンペティション方式でいろんなアイデアを募り、それをもとに実施していくことが可能であればそういうことも考えられるわけでございますが、現行用地売却という観点からいきますと非常になじみづらい面もございまして、その点で非常に問題が多いかと思っております。  それからもう一点、先ほど大蔵省の方からお答えありましたように、随契という問題では全く同様でございまして、今後勉強はさせていただこうと思っておりますが、非常に難しい面が多いと思っております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それは実施の場合には非常に難しい問題があると思います、大蔵にも国鉄にも私申し上げたいんですが。しかし、いわば限られた場所で利用計画を策定するよりも、恐らく設計の段階におきましては、いろいろな規制とかそれから住民感情とか、それから何といいますか体裁とか、そういうものは玄人ですからおっしゃるように規制を全く除外するような、もう考慮しないような設計は出てこない。したがって、そういうふうに広く求めるという考え方の方が当該土地の再開発が極めてスムーズに行われるんじゃないか。同時にまた、そのように広く広げますと、いわゆるついて回る黒い霧というのは、公開の中でやられますと未然に防止することもできるわけです。ですから私は、そういうふうな観点に立って問題をもっと広げて公開の中で利用計画を進めていく、これが一番基本的な姿勢としては大事なんじゃないか。  ただ、その人に限定して仕事をさせるとか、あるいはその者に土地を処分しなきゃならぬとかいうのは次の問題でして、恐らく莫大な資金も要しましょうし、また何といいますか第三セクターみたいなものができるわけですから、その辺はその辺で考慮できるわけです。まず初めに当たってそういうふうな広げた考え方を持ってもよかろうじゃないか。この間も予算委員会でいろいろ問題になりましたけれども、それも結局密室みたいな中で仕組まれてきたことがそういう疑いを生むわけですから、その辺を未然に防ぐという意味も込めて私は今提起をしたわけです。十分御検討いただきたいと思う。  それから次に、今度は具体的に、ちょっと新聞報道ばかり取り上げて感触を伺うので当該の答弁の方も困るんじゃないかと思うんですが、なかなか壮大な計画が次々に出ております、ここいらは総理の功績かもわかりませんけれども。例えば、通産省が地下再開発のモデルケースとして、もう御存じでしょうけれども、地下鉄の銀座線、新橋から日本橋ですか、この区間を、今は地下十メートルだそうですね、それを三十メートルに下げて地下鉄を移しかえをして三階の空地をつくって、そこを再開発しよう、こういうふうな考え方を取り上げまして既に調査を委託したようです。通産省の方がちょっと先に進んで、かんでないかどうか知りませんけれども、建設省の方のお考えはどうでしょう、こういう計画について。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘の銀座の地下再開発構想につきまして、先生今御指摘のとおり、通産省がJAPICに委託したという話は承知いたしてございます。現在、私の方はその詳細につきましては聞いておりませんので、新聞報道と余り違わない程度の知識しか持っておりませんものでございますので……。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 関心はありませんか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 関心を持っております。近くこの作業をされている方から私の方も事務的に現在の検討状況を伺うことにいたしてございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それからこれも新聞報道で出たんですが、これは大臣のところに関係もしてくるのかどうかちょっと土地カンがありませんけれども、昨年の春に東京湾を挟みます神奈川県の川崎とそれから千葉県の木更津を橋と人工島と海底トンネルで結ぶという東京湾横断道路計画、これが景気対策の目玉として第三セクターで一気に具体化しよう、こういう案が政府部内で検討をされた、これはどうなっておりましょうか、その後一年近くたちますが。

沓掛哲男建設省道路局長

○政府委員(沓掛哲男君) 東京湾横断道路の事業主体につきましては、実は昭和四十年代の半ばに慶応大学の加藤寛教授を委員長とする専門委員会を設けまして検討を行ったわけでございます。同委員会におきまして、東京湾横断道路の事業主体として、公団がいいのかあるいは公社がいいのか、あるいは特別立法による特殊会社がいいのかあるいは任意の株式会社がいいのかというようなことでいろいろ比較検討をいたしました。当時の公団公社では多額な民間資金を調達することは必ずしも容易でないこと、それから任意の株式会社では道路のような公物管理の主体になじまないことなどから、公的性格を有する特殊会社方式とすることが妥当であるという報告が得られております。しかしながら、その後石油ショック等を契機とする我が国の経済の高度成長から安定成長への移行を踏まえまして、昭和五十年前半に再度加藤教授を長とする同委員会に検討を依頼いたしましたところ、五十四年三月に報告をいただいております。  その内容は、建設費の高騰、交通需要の見通しの変化などから見て、特殊会社方式では大幅な国費投入を行わない限り有料道路としての採算性を確保することは困難であるとの結論が得られております。こういう今までの検討の経緯を踏まえて、現在東京湾横断道路の事業主体についてさらに詳細な検討を行っておるというのが現状でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ですけれども、これ新聞報道で大変恐縮なんですけれども、昨年の八月二十六日の新聞報道なんですが、この計画が第九次道路整備五カ年計画、五十八年から六十二年、には明記されていなかった。ところが七月四日に関係自治体に説明した資料の中には、「広域的な都市圏の形成に資する特殊幹線道路の整備」の項目で、「横断道については調査を完了し建設に着手する」と、こう明記をされていると、こうなっております、報道では。私ども考えてみて、五カ年計画の中で着工は無理じゃないか、こう思うんですが、大臣いかがでしょう、この点は。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) 東京湾横断道路につきましては、現在道路公団においてその建設に必要な調査を実施しております。今、調査の段階としては、船舶航行の安全の問題あるいは東京湾の環境の保全の問題、あるいは関連する道路網、これは横断道路だけでなくて、その周辺の東京湾の湾岸道路であるとかあるいは内陸部に達する道路であるとか、こういった道路網の整備等について関係機関と調整をした上、第九次道路整備五カ年計画の中で建設に着手したいと私は考えております。

沓掛哲男建設省道路局長

○政府委員(沓掛哲男君) 今先生の方から当初の五カ年計画にはこの東京湾横断道路の着工等が入っていなかったのが後から入ったようなお話でございましたが、実は東京湾横断道路については、前の八次の道路整備五カ年計画のときから、できれば事業化したいということで既に建設省の説明資料の中には入っていたものでございまして、今回の第九次道路整備五カ年計画につきましても、当初から建設省の説明資料の中に、「調査を完了し建設に着手する。」という意図がありまして、そのままこの説明資料の文言になっておるわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ということはどういうことですか。私はそのとおりに申し上げたんですが、整備計画そのものにはなかったと。ところが説明資料の中にはあったと、あなたはそれは前からあったからそのまま続いたんだということでは、それならなぜ計画の中に明記されておかないんですか、整備計画そのものに。

沓掛哲男建設省道路局長

○政府委員(沓掛哲男君) 五カ年計画の閣議決定の内容は非常に大きなことだけ決めておりまして、個々の具体的なことは決めておるわけではございません。特に新しく新規に入るような大規模プロジェクト等については、「等」というような文言を計画の中に入れさしていただいておりまして、その「等」というようなものが何であるかを建設省の説明資料の中で説明いたしておるわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 何だか新聞のミスリードみたいな説明ですけれども、怒られはしませんか、後で。今はいいでしょう、大臣の答弁もございましたから。  今度は問題を変えまして、大阪駅前の市街地改造事業をめぐる問題について、これは直接所管にはならぬと思います、大臣には非常に気の毒なんですが、この事業が大臣認可の事業でございますので、あえて私は、理解を深めていただきたいし、あわせて問題解決に何らかの指導をお願いしたいというような意味で申し上げてみたいと思うのです。  御承知のように梅田の駅前、大阪駅前、二十年前はもう大変な、いわばバタ屋部落と言っちゃ大変失礼ですけれども、違法建築、不法建築、不法占拠のとにかくもう手もつけられないような状況でございました。それは私も知っております。今そこに既に事業が進みまして、聞いたところによりますと、これは大阪市のパンフレットですが、「大阪駅前市街地改造事業」というパンフレットですが、総事業費が二千二十三億円、これを投じて第四ビルまで今できました。打ち出しは非常にいいわけです。「美しい町おおさか 生まれ変わる大阪駅前」、実に立派なキャッチフレーズで大阪市が施工分譲したいわゆる大阪駅前ビル、御承知のように四つ建っております。完成に至る経過、これをちょっと、私、時間が延びましたので概略で結構ですが、大臣に知っていただく意味で説明していただきたい。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) この大阪駅前市街地改造事業が実施されました地域は、今先生がおっしゃったように、戦後の焼け野原の中に約千戸のバラックというような建物が狭い道路に密集して建てられておりまして、防災、衛生、保安、都市の美観上多くの問題が生じていた地域でございます。市街地改造法を制定するときにも、その法律の制定の段階からここが一つの事業対象候補地として挙げられておりまして、私も二十数年前に一度見たことがございます。確かに大変なところでございました。この地域の道路整備費、土地の高度利用等地区全体の不燃化のために三十六年に公布されました市街地改造法を適用して、同年から直ちに事業化したところでございます。五十八年に第四ビルが完成いたしまして、約二十年かかって完成したわけでございまして、第一棟は事業着手から十年かかりました四十五年、第二棟は五十一年、第三棟が五十六年、最後が五十八年に完成したと、こういう経緯でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 建物そのものじゃないと思いますが、それに関連した道路等の関係で、いわゆるこれにまつわる国からの補助金の投入状況はどうなっておりましょうか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) まず、五十六年から五十七年までの間にこの道路関係の整備費用としまして九十八億円を支出いたしてございます。それから第三棟、第四棟の建物にかかります土地整備費、共同施設整備費の一部としまして五十年度から五十六年度までの間に十二億円、計約百十億円、概数でございますが支出してございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 国の方から百億円に余る道路の整備のために補助金を出しているということでございます。  ちょっと国鉄に伺いたいのですが、第一から第四ビルの建設と連動して、ちゃんとこれにうたわれているわけなんです、パンフレットに。ダイヤモンド地下街建設並びに国鉄片福連絡線建設と、こういうものがこのビルをつくるのについてうたわれているわけですけれども、例の片福線、この片福連絡線の建設についての経緯、これも概略ですが、それから見通しと、これをひとつお願いしたい。  それから建設省の方はダイヤモンド地下街。

池田本日本国有鉄道建設局停車場第二課長

○説明員(池田本君) ただいまお話しの片福連絡線というものは、大阪環状線の京橋駅とそれから東海道本線の尼崎駅、片町線と福知山線を結ぶというルートでございます。ここのルートは現在の線路からいきますと離れておりますので新設することになろうかと思いますが、大阪環状線の京橋−大阪間並びに東海道本線の大阪−尼崎間の線路増設ということで計画が進んでおります。昭和五十六年の四月に運輸大臣から認可をいただいた件名でございます。  本工事は多額の工事費が必要な工事でございまして、当初の段階、五十六年決まった段階から財政再建期間中、昭和六十年までということになっておりますが、この間は国道二号線におきます共同溝の関連工事等について施工するという予定でまいったわけであります。しかしながら、その後非常に国鉄の財政事情が厳しくなりまして、予算事情による制約から、当面はこうした共同溝との一体施工とか、あるいはその辺の手配ということも十分な対応が困難となっております。  今後どう進めるかということにつきましては、関係機関とも相談をする必要があるわけでございますが、将来このルートに片福連絡線を建設するということの可能性を確保するということを最小限の手配としてやってまいりたいというのが現在の段階でございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 お願いした資料を先ほどもらいまして、私、十分まだ見てないんです。ですが、これが非常に、今そこに入居されている、特に地下の飲食店街の方々には大変なデメリットになっているわけです。先ほども、第一棟ができたのが四十五年でしたか、ですから、もうすでに相当それを待ちながら、期待しながら来ているんですができてない。  地下街の方はどうでしょう。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘のダイヤモンド地下街は、大板駅周辺の駐車場不足の解消と歩行者の安全と交通の円滑化を図るために計画されたものでございます。  この地下街につきましては、五十四年の十一月に開きました地下街中央連絡協議会におきまして計画概要を協議した結果、既設地下街等の一部の防災上の改善措置を講ずることを条件といたしまして、その設置は必要やむを得ないと判断されたものでございます。これを受けまして、大阪市が現在詳細協議のための資料を作成いたしまして、防災関係部局等の関係機関と調整を行っているというふうに承知いたしておるわけです。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 実は、これはもう御存じのことで改めて言うまでもないんですが、このビル街は梅田の駅からどれぐらい離れていましょうかね、四百メーターぐらいでしょうか。ですからもう大阪駅の真正面です。それでこういう条件なんです。片福線がつきます、その駅は第二ビルに大体当たります、ですから乗降客が非常に期待できる。それからダイヤモンド地下街と称してそれが梅田に直通します。したがいまして、この駅をおりたお客さんが、あるいはまた周辺から集まった人が地下街を通って大阪駅に入る、こういう極めてわくわくするような計画で入居が始まったわけです。  ここに第二ビルを分譲したときのパンフレットがございますけれども、それによりますと「たんに大阪駅前を改造・整備するだけにとどまらず、ビジネスと都市生活とが一体となった新しいビル空間を形成するものです。当ビルは高層部を、これからのビジネスにふさわしい機能性をもったオフィス空間に。そして低層部と地下階を、ショッピングと飲食が楽しめるカラフルな店舗空間に演出しました。」と、実にいい文句が並んでおります。そして第一から第四ビルの地下一階、二階の飲食店舗のフロアと、こうした町づくりにふさわしいかどうか、そういうことでうたったんですが、現状は極めてそのうたい文句にそぐわないような状況になっている。これはお聞きになりましたか、どういう店舗が入っているか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 恐らく、御指摘の店舗は風俗営業法の対象になるゲームセンターとかパチンコ店、あるいは金融業、貸金業のような人たちが入っていることを指しておられるのかと思いますが、一応その数字は聞いております。各ビルにおきまして、第一ビルから第四ビルまでを合計いたしましてパチンコ店六、ゲームセンター十六、貸金業が二十六、これは二月末の数字でございますが、聞いてございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 全く切り売り商法だということで、それはもう転売もありましょう、とにかくやり切れませんから。私も三月二十五日でした、日曜日の午前十時ですからちょっと時間が悪かった、まだ無理かなと思って行ったんですが、地下街が人っ子一人通りませんでした。大変なものです。ほとんどの店が閉まっています。日曜日の午前十時ですよ。ところが一方、大阪駅前のあの国鉄のターミナルビル、ここはもうわんさかわんさか人が入っております。こういうふうに天と地のほど人の流れが違う。これは、もう先ほど言いました片福連絡線が未着工であること、つながる地下街が全然ネグレクトされているということで、こういう現状になっているわけです。  しかも、中では入っている方が非常にもう営業不振だということで、私も見ましたが、シャッターをおろしたままになっております。まことに気の毒です。これは新聞報道ですが、三月二十九日に朝日新聞夕刊が報道しました。トップじゃないかと思います。営業不振のために閉店に追い込まれているのは第二、第三、第四ビルの地下一階、二階それから地上一階、二階に集中している飲食店、衣料品店、装身具店が多い。それで大阪市街地開発、これが管理しているわけですが、最近の調査によりますと、第二ビルで二百六十四店のうち五十店、第三ビルで三百十五店のうち七十店、第四ビルで百九十店のうち五十四店、合計百七十四店が閉店です。第一ビルだけは今百六十六店舗が全部営業しておりますが、営業成績が不振でやがて閉店に追い込まれることはもう火を見るよりも明らかだと、それが証拠に、管理費、電気水道などの光熱水費の滞納が多額に及んでいると、第一ビルでは約七千万円、第二ビルでは約四億七千万円、第三ビルでは一億四千万円、第四ビルは一番まだ新しゅうございますから約二千八百万円、合計七億円というのが滞納されている。こういうことでございますが、こういう実態はお聞きになっておりますか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 新聞でも拝見いたしました。それからその後大阪市の方に照会いたしまして数字もいただいてございます。若干の数字は調査時期の問題で食い違いがあるようでございますが、そんなに大きく食い違っておるわけではございません。それから特にその中で見ましたのは、第二ビルが成績がよろしくないようでございます。  先ほど来先生御指摘の点につきましていろいろ感じておるわけでございますが、こういう地区についてどのような店舗形態が望ましいのか、あるいはどうすれば振興するのかというのはなかなか難しい問題でございまして、先ほど私パチンコ屋等の店数を挙げましたが、これが一概に望ましくないと言えるのかどうかもなかなかこれ難しいところでございます。私ども役人はどうもこういう点は感覚が薄うございまして、例えば原宿が非常ににぎわっておりますが、十年前の原宿を思い浮かべますと、あんなところがどうしてあんなににぎわうことになったんだろうかどうしても理解ができないようなこともございまして、あの商店街の方たちの今後のいろいろな努力をお願いしたいと思っておるわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これは確かに大阪市の問題です。大阪市の問題だけれども、これから民間活力を活用する、あるいは地方自治体にも協力を願うということが当面出ているとすれば、こういうお役所商法が許されるかという問題、私はぜひそういう問題からこの問題をとらえていただきたい、こう思ってあえて問題にしているわけです。  ここに、この間、第二ビルの方が私のところに見えました。で、もう泣くような思いで書かれたものがございますので、ちょっと時間がかかりますが、読んでみます。   大阪駅前第二ビルに入居して営業を続けている私たちによって組織する大阪駅前第二ビル振興会有志は、入居以来七年間有余のてんまつ、状況、状態を御理解願い緊急に対処していただきたく、この陳情書を記述しました。  昭和五十一年十一月十日、華々しくオープンした駅前第二ビルは、以来七年有余の歳月を経過したものの、商業地域の営業成績はずっと惨憺たるもので、今や零細企業の商人たちは身動きすらできず、アリ地獄の感すらいたしております。  大阪市の大阪駅前市街地改造事業は大阪市政にとって最大の事業計画で、地域住民と長期にわたる話し合いの結果、住民の合意があってできた事業だと聞いております。  その合意とは、住民の利益を第一に考え、商都大阪のイメージアップにふさわしい表玄関をつくることにあったのではないでしょうか。  デベロッパーの大阪市は、入居募集のPRは、オープン時には少なくとも八〇%以上が営業予定とか、大阪駅との地下連絡、それに関連した片町、福知山線の駅の中心が第二ビルになるとか、各フロアは調和のとれた噴水と青空の見える近代ビル等、市当局(都市計国局)のバラ色に満ち満ちた話や、家賃並みで区分所有できるビルというキャッチフレーズに、入居者たちはだれ一人として大阪市にだまされるのではないだろうかと疑う者はいなかったと思います。むしろ期待、信頼感に満ちあふれておりました。  ところが、営業を始め一年以内に、とんでもないビルだと、大阪市に対してあちらこちらのお店から不満が芽をふき出し始めました。  ビル内はシャッターが閉められたまま閑古鳥が鳴き、営業成績も一向に伸びず、商人たちに焦りが出始めました。  大阪市に対して陳情しましたが、分譲した後は責任なしの繰り返しで、最近では何を訴えてもなしのつぶてであります。その間、店舗者たちは営業不振で次々管理費、光熱水費の滞納となり、今や事務階も含めた区分所有者たちの会、運営協議会でも大問題となり内紛が続いております。そして、その滞納者はビル内で悪者扱いで、その人たちは声も出ない状態です。(アリ地獄)  出るに出れませんから、売れませんから。出るに出られない、いても商売にならないということでしょう、アリ地獄というのは。一方デベロッパー大阪市は、その間無差別に業種規制もせず、ビル内を利用した利益をむさぼっております。  その一つ。世界一過密の飲食街をつくり、零細業種に水道料金を市条例というだけで大口料金を適用していることです。(一般料金の四倍)  その二つ、固定資産税。資産評価を高め、ビル全体の持つ立地条件を内部にそのまま評価、莫大な資産税の収入にしております。  その三つ。ビル建設及びビル存続上必要条件スペース(駐車場)を大阪市の投資した天下り会社、大阪市市街地開発株式会社の所有地にしていること。  その四つ。無差別分譲の結果、西日本一のサラ金業者の多いビルになってしまった。  大阪市が初期の目的から大阪駅前を改造した結果、今日の姿は、無責任行政もいいとこで、 このまま読んでいいのかどうかわかりませんけれども、あえて読みます。 昔の悪徳代官にしか映りません。大阪の表玄関に姿こそ立派なビルが四つ並んでおりますが、無計画な事業の犠牲者は商都大阪のシンボルである商人たちなのです。デベロッパーとしての責任もさることながら、大阪市の行政への責任はこんなことなのでしょうか。区分所有ビルとして自主運営もできないことは区分所有者だけの責任なのでしょうか。第二ビルの現状に行政責任はないものでしょうか。あと続きますが、これで割愛します。  このように大変な現状になっているわけです。で、どうでしょうか大臣、こういうふうな、オーバーじゃないと思うんです、私行ってみてもう本当に毎日毎日が追っかけられて、頼りにした大阪市にそっぽを向かれて手を打ってくれない。じりじり貧乏になってどうにもならぬというのが現状なんですが、その辺で大臣にお伺いするのも少し酷かもわかりませんけれども、職責を離れてでも結構です、大臣としてでなくても結構です、お感じ、感じ取ったことをお伺いしたい。

水野清自由民主党・新自由国民連合建設大臣

○国務大臣(水野清君) ただいまこれ先生のところへ来た陳情書の写しも、先生お読みになるので伺いながら拝見をしておりました。大変計画は当初よかったようでありますが、国鉄の片福連絡線というのですか、それやあるいは地下道が入るといった話が入らなかったというようなこと、あるいは運営その他にもかなり無理があったんではないだろうかというような感じがしておりますが、大変入居していらっしゃる方々にはお気の毒なことだと思っております。  この辺が私は、やはり民間活力ということが一部では大変国有財産を特定の人に払い下げるんじゃないかというような誤解を受けて、そういう御質問も予算委員会であったようでありますが、この民間活力の基本問題というのは、やっぱり最終的にはこういう土地を、国有財産に建物を建てて、そこに多くの人を入れて云々というような言ってみると商売でありまして、そこまで役人があるいは官公庁が直接やるということはここだけではございませんので、私どもも知っておる範囲で、大体国や県の外郭団体が経営しているもので、国鉄の弘済会みたいのは別でありますが、余りうまくいっている例というのはないわけであります。その意味においては、私は民間の資本を入れて、民間の人たちに責任を負わせて、適正な利潤だけは上げさせるが暴利はむさぼらせないというような一つの民間活力のやり方のルールというものが確立されればこういうこともなかったのではなかろうかと、かように思います。  実は、私も先生の御質問があるというのでいろんなものを読ましていただいたわけで、現地に行ってみてないので詳しいことはわかりませんが、大阪市にも連絡をとりまして、国からも百十億のこれ金を出しているわけでありますから、少し建設省の立場から指導してみたいと、かように思っております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ぜひお願いしたいと思います。  ついでに、私こういう話を聞いて矛盾を感ずるんです。といいますのは、ビルの一番下に地下駐車場がある。その地下駐車場は、先ほど言いましたように、大阪市市街地開発株式会社に売っているわけです、市が幾らで売ったか知りません。私その売った値段も知りたいんですが、普通あの第二ビルに入るときには、そこに前に住んでいた方は坪当たり八十万足らずで手に入れることができた。それから外から入った人は大体坪当たり三百万円ぐらいで買ったという話のようです。ちょっと金額は違うかもわかりませんけれども、まあそれだけ権利があったんでしょう。それでこういうふうにしてあげますからということで話が整ったと思いますが、果たしてこの会社ですね、この会社にそれと同じような金額で大阪市が売ったかどうかというのは、私は恐らく売ってないんじゃないかと。そこの地下駐車場は、単一台当たり月決めで敷金が六十万円、月一台が六万円、これだけの収益を地下駐車場は上げております。満杯です。しかもその上に住んでいる人はもうぴいぴいぴいぴい大変なものですね、営業されている方は。  この大阪市街地開発株式会社は、五十八年六月の会社概要ですが、社長さんはもとの大阪市の教育次長。同じく代表取締役の常務は市から出向しているんです。この方は二分の一市が負担して市から出向している。さらに取締役には大阪市の元助役。それから、さらに総務部長には市から出向して二分の一市が負担しているという方が総務部長。それから取締役管理第二部長というのが大阪市環境保健協会の理事さん。恐らくこの方ももと大阪市の関係の人でしょう。そうしますと、たな子はぴいぴい言っていますが、大変な生活をしておりますが、これを管理している会社並びに大阪市関係はそれで潤っているわけです。もしこの地下駐車場を区分所有の共有にしてあげればそこから相当の収益が出て、こんなに管理費を滞納するというような問題もできませんし、これはまあ別の問題ですけれども、こういう甘い汁を吸っているというのが感じられて仕方がない。  だから、結論から言いますと、大阪市は莫大な事業費はかけました。国からも補助金はもらいました。町はきれいになりました。大阪市は固定資産税が入ってきます。それから外郭団体の会社は駐車料金が入ってきて、これも恐らく決算書を見ますと相当の収益を上げた裕福な会社でしょう。こういう状況でしわを全部たな子に、それに入っている人に全部押しつけてしまっている。この現状は手のつくところから直してやってほしいと、こう私は思いますので、あえて大臣の答弁を伺って、余分なことですが、つけ加えさしていただきました。  それで私、その実態が明らかになるためにぜひこれをお願いしたいんです、できるかどうかわかりませんけれども。これは大阪市に照会して数字をにぎっていただきたいのは、第一に入居者からの固定資産税の徴収額、これはビルごとに年次別に。それから第二に、大阪市街地開発株式会社の入居者に対する管理費、光熱水費の請求額、徴収額、滞納額、これもビルごとに。第三に、大阪市街地開発株式会社が所有する地下駐車場の収入額並びに大阪市から買収した単価と総額。こういうことをぜひ照会し数字をにぎっていただきたい。その数字がはっきりしますと、いかに大阪市はこの事業で潤い、入っているたな子の人がいかに苦しんでいるかという実態がここで明瞭に私なると思うんです。また、建設省の方から指導していただくにしても、その数字がなければ指導はできないと思います。ぜひお願いしたいんですが、どうでしょうか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘の趣旨を踏まえまして私どもも調査いたしてみます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ぜひお願いしたいと思います。  次に、問題を変えます。これも本当に建設行政の中からいえば小さなことかもわかりません。しかし、そのために相当に苦しんでいる方がいらっしゃいますので、これもひとつ問題提起をしてみるという意味で、土地区画整理事業における保留地予定地に係る登記をめぐる問題、これ私この特別国会の代表質問にもちょっと触れておきましたけれども、要するにこの問題は、施行済み地の市街化促進策の一環として、これからの民間活力の活用という観点からもぜひ解決してもらいたいということで提起いたします。  御承知のように、保留地予定地ですね、区画整理事業の。保留地予定地は工事の進捗に合わして事業資金を生み出す必要から、その処分を換地処分公告以前に行うのが一般ですね。先にお金を取っちゃって、いわゆる売ってしまうというわけです。売ってしまうというのは語弊がある。公団等では利用権、使用権を譲っているんですという言い方をしておりますが、いずれにしても、いわゆる売買が——売買と申し上げていいと思いますが、売買が成立してしまっているわけですね。ところが、その購入者は換地処分公告が行われるまでの間登記ができません。御承知のとおりです。したがって担保力を持ちません。担保に提供できません。こういう問題を抱えておりますけれども、これらの土地は一体どれぐらいありましょうか。要するに区画整理事業というのは、事業に着手してから換地処分公告まで相当の年数、五年、六年、十年かかると思うんですが、その該当する地域というのは今どれぐらいありましょうか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 申しわけございませんが、先生御指摘の保留地予定地が全国でどのぐらいあるかというトータルの数字は調査いたしておりませんので、資料はございません。で、申しわけないんですが……

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 公団関係だけでどうでしょう。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 現在、年間の処分量は一応把握いたしてございます。年間の処分量は、私どもの調査によりますと最近では四百ないし五百ヘクタールの線で処分されてございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 公団の方、いかがでしょうか。住宅・都市整備公団の方では、そちらで施行されている一般分譲宅地、これに限定して今どれぐらいになりましょうか。地区別にその状況をお願いしたいんです。

吉岡昭雄住宅都市整備公団理事

○参考人(吉岡昭雄君) お答えいたします。  私ども公団は、先生のおっしゃられるとおり、市街地の早期の熟成を図るために換地処分前に一般の宅地の分譲を行っております。現時点で一般宅地の処分状況でございますが、関東では川崎市の西菅地区外八地区、関西では三地区やっております。全体では画地の数は千六百五十五ということでございます。それから面積は五〇・二ヘクタール、約一割……

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それは保留地予定地ですか。

吉岡昭雄住宅都市整備公団理事

○参考人(吉岡昭雄君) いいえ、一般分譲でございます。換地処分前の一般分譲でございます。  それから土地の利用目的の内訳ということで申し上げますと、住宅地が千六百二十九画地、診療所等が十三画地、病院が一、幼稚園が二画地、新聞販売店等が七画地というふうな内訳になっております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 これはもう釈迦に説法のようなことになるんですが、区画整理事業をやる。減歩率が決まる。その減歩を保留地予定地に充てて、あるいは道路とかなんとかに充てて、そして先ほどお話しのように、事業費を生み出すために保留地予定地を売ると。ですから相当の値段ですよね、一つ一つは、対象者にとっては。それが結局抵当に提供できませんから金繰りに非常に困るわけですね。これは一たん仮指定を受けて、売買が終わる、建物を建てる、その面積は換地処分公告のときも変わらないんですね、ほとんど。変わった例というのは余り聞かないんですが、どうでしょうか。手続上そういうふうに理解してよろしいでしょうか。一たん仮指定をして、売って、それはほとんどもう換地処分公告のときには変わらないという理解でよろしいでしょうか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御指摘のとおり、一度分譲されました保留地予定地につきましては、面積を変えるということはもう事実上困難でございまして、そういう変えたという例を聞いておりません。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ですから、今公団の方から伺ったのはそれだけの面積ですけれども、地方公共団体とかあるいは組合とか、そういうものの施行による宅地を加えますとやはり相当な面積になって、私がこうやって何とかしなきゃならないなというふうに申し上げていることはあながちこじつけでもないような気がする。それで困っている方が相当にいるんじゃないかと、こう思うんですが、換地処分公告前の保留地予定地の分譲地について、何とか担保に提供できて資金繰りに役立てるように道を開く方法はないでしょうか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) この問題につきましては、かねて以前も先生から御指摘をいただいたところでございまして、御承知のとおりでございますので、あえて私から申し上げなくても御理解いただいておるわけでございますが、この保留地は換地処分後に初めて完全な所有権のある土地ということになります。したがいまして、これを抵当権の対象とするためには、現在の民法なり登記法という法律の基本的な問題に触れる改正が必要ではないかということが一点ございます。  それから、じゃこれを実効ある制度として存続させて担保力を持たせるには、信頼のできる公示方法というもの、公示制度の確立ということがまず前提でなきゃならぬだろうと思います。そのためには、公示の方法をだれがどのようにやっていくか、こういう非常に難しい問題がございますし、これをもし行うとすれば、今の登記所でとてもやっていただけないでしょうから、いわば財団抵当その他で例があるような別途の登記簿のようなものが必要になってくるんではないかと考えております。  そういうことで、なかなか大変な難しい問題でございますので、しかしながら御指摘のように、この担保力がないということで土地を購入する資金なりあるいはそれに家を建てる資金というものの調達が困難だという事情もいろいろ聞いておりまして、これにかわるべき実効的な措置を講ずることによって問題の解決が図れないかということをまず考えまして、このための具体的措置として現在までに検討いたしておりまして考えておりますのは、保留地予定地の購入者が金融機関から融資を受ける場合に第三者がその債務を保証する制度はできないだろうかと考えたわけでございます。  現に、これは名古屋の周辺では銀行が保険会社とタイアップいたしまして、そういう制度を導入して貸しているという例もございまして、これにヒントを得たわけでございますが、これを検討いたしまして、例えば保留地予定地の保証基金のようなものをつくって、ここで保留地予定地を買った人が換地処分を受けまして抵当権の登記ができるまでの間の保証をする仕組みはどうかと思って検討をいたしているところでございます。現在このような制度、今考えておりますような制度ができますと、かなり担保力を補完するという問題は前進するのではないかと、基本的な解決はあるいは先生がおっしゃるように法律改正ということになるのかもしれませんが、かなり補完できる仕組みではないかと思って検討をいたしてございます。  まだこの実現に至りませんのは、資金をどういうふうに積み立てて造成していったらいいのか、この問題が一番大きい隘路でございますのと、ちょっと触れました、先ほど銀行によっては保険会社とタイアップしまして既にそういう仕組みを導入している、それとの調整をどうしていったらいいのかという問題もございましてまだ実現を見ておりませんが、ひとつさらに努力してまいりたいと考えておるわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 先ほど購入される方の御理解をいただいてとおっしゃっていますがね、これは決して御理解していませんよ。これから十年先になりますけれども、それまで我慢してくださいよなんてその時点で言ったら、それこそ二の足、三の足を踏みます。それは何か文書に、パンフレットに、登記ができるのは換地処分公告後ですよと書いていると思いますよ。これは書いてなければ告知義務違反ですから、それはもう書いていると思いますけれども、当該の人はそれが何のことかわかりません。いざ買ってみて、しまった、段取りがつかないということでしょうね。  公団の方で、今建設省では何か保証制度みたいなものを考えてみたこともある、こう言っていますが、公団には相当の関係者がいるわけですが、何かその方々の換地処分公告、これ以前に担保に提供できるような便法をお考えになったことありますか。

吉岡昭雄住宅都市整備公団理事

○参考人(吉岡昭雄君) お答えいたします。  私どもの方も、今先ほど建設省から御答弁のありましたような方向でいろいろ検討しております。  それから具体の問題といたしましては、一般分譲宅地でございますが、銀行との提携ローンというようなことをやっております。もちろん、私どもの土地の上物につきましては、条件さえ合えば金融公庫の融資も受けられるわけでございます。実績で申しますと銀行融資が三九%、残りが公庫融資で、もちろん自己資金のものを除きましてでございますが、そんなことになっております。  それからなお分譲の譲渡の内定者から申し入れがありましたときには、土地譲渡予定証明書というのを出しまして、銀行によりましては、その公団の土地譲渡予定証明書で融資の適否を、もちろん個人の資金力なり信用力なりの問題はございますけれども、融資の適否を判断し、現実に融資しているというようなことがあるわけでございます。土地につきましては、停止条件つきの抵当権の設定というようなことを銀行側ではやっておるようでございます。融資をする条件といたしまして土地について停止条件つきと申しますのは、所有権が移転した段階で正式に抵当権を設定するというふうな一種の予約でございます。そういったような形で融資をしているようでございます。私どもも、さらにいろんな面で先ほどの都市局長の答弁にありましたようなことで検討してまいりたいというふうに思っております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 法務省の方。法務省の方で現在の保留地予定地のいわゆる換地処分の公告、これ終わる前に抵当権に設定できるような登記上の何か便法ありませんか。

青山正明法務省民事局第三課長

○説明員(青山正明君) 保留地予定地は現行法上換地処分の公告があった翌日に施行者に帰属するということになっておりますので、それ以前に処分がございましても買い受け人に所有権は移転いたしません。したがいまして、買い受け人がその保留地予定地を目的として抵当権を設定することはできないということに現行上なっておりますので、登記をすることもしたがってできないということにならざるを得ないわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 そうしますと、先ほどの説明の中にいわゆる分譲の証明書を出す、渡す。それでそれを持って銀行で融資を受ける。もちろん本人の信用状況もありますが、融資を受ける。そのときに停止条件つき何とかという先ほど説明がありました。そういうことは法務省としては認められますか。

青山正明法務省民事局第三課長

○説明員(青山正明君) 抵当権が有効に設定されるのは、設定者、つまりその買い受け人がその保留地予定地の所有権を取得した時点であるということになるわけでございまして、その設定契約をした時点ではまだ抵当権が有効に設定されているということにはならないわけでございますが、将来所有権を取得したならば抵当権を設定するという債権上の契約としては有効に設定することはできるというふうに考えます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 法務省としてはそういう方式でずっと統一していっても異論はないわけですか。何か登記上今度はそれだけを悪用されるような可能性があるという、何かなじまないんじゃないかという御意見をお持ちだったようにも聞いたんですが。

青山正明法務省民事局第三課長

○説明員(青山正明君) ただいま債権契約としては有効に契約をすることはできるというふうに申し上げましたが、あくまでも条件つき契約でございまして、目的物件が法的にはまだ存在していないので抵当権としては成立していないわけでございまして、したがいまして登記の道もないということになるわけでございます。そういうことでございますので、仮にそういう契約をいたしましても対抗力を取得することはできないという問題があるということでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ですから、だれもが出すんじゃなくて、いわゆる区画整理事業なら整理事業をやっているそこが当然出すべきですね、保留地予定地の、これはあなたの持ち分ですよというそれに類する証明書を出す、それでもってそれを添付して銀行で予約をする、こういうやり方をしても法務省としては異論はないわけですね。債権契約で、応対の問題だから。法的にそれが成立するしないは別と促して。

青山正明法務省民事局第三課長

○説明員(青山正明君) それは担保設定についての当事者間の契約の問題でございますので、法務省の立場としてそれがいいとか悪いとかいうことを申し上げる立場ではないというふうにも思います。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 どうでしょうか。そういうふうなことで、いわゆる本人の信用力もありますけれども、金融機関でその当該土地を担保のような格好にして融資の受けられる道はあるんですが、それもお考えになったらどうでしょうか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 私どもが考えておりますのも実はそれでございます。所有権の登記ができまして、抵当権登記ができますまでの債権の段階での保証ということをやる仕組みを考えておるわけでございます。ちょっと私ども前の説明が不十分だったのかと思いますが。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 いや、わかっております。  そういう保証制度とか保証基金とかいう難しいことを考え、何かというとすぐ金が入ってくることを、それで働く場所ができるようなことをお考えになるけれども、そうじゃなくて、公団の方から証明書を出さす、そして本人の信用力で取引の金融機関にそれを持っていって予約をする、これを一般的にそのルートだけで、保証基金だとかなんとかいうことじゃなくてできるんじゃありませんかと私伺っている。また、そうした方がいいんじゃないですか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 御本人が非常に信用がある人あるいはほかに担保する別の財産を持っておられる人とかということならば、銀行は安心して貸すわけでございます。ところが必ずしもそうでない、やっと買ったと言っては失礼かもしれませんが、銀行から見て、果たしてこの債権がそのまま実現されるだろうか、これを銀行に黙って他に権利を転売した場合に一体どうなるか、この心配がありましたら、抵当権が設定できない段階で銀行が貸し渋るケースが出るわけでございます。したがいまして、仮にそういう悪いことをされても、貸した方の銀行にかわって貸した方の銀行の損害を補てんする仕組みというものが要るのではないか、これが現在銀行と保険会社とがタイアップしましてそういう事故の場合の損害補償を保険の方で行う、こういうことでやっている例もあるわけでございまして、そこが一番の難しい問題なのでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 とにかく御検討ください。ここで議論してもしようがありませんし、そのために相当にやっぱり四苦八苦していらっしゃる方が多い。これはもう法改正してできるものなら早くするべきですし、また別の方法でこの問題を解決するならその道を急ぐべきですし、何とかひとつ決着をつけていただきたい、こうお願いしたいと思います。  それから問題は変わりますが、これもそんなにたくさんあるケースじゃないんですが、これから多発の傾向になるんじゃないかと思うのがいわゆる自社ビル、自社店舗、これの賃貸のあり方についての問題です。都市計画あるいは建築規制の緩和等によりまして都市再開発が促進されますと、必然的に自社所有のビルとかあるいは自社所有の店舗の数がふえてまいります。また、それに比例して、それらの賃貸借をめぐるトラブルも出てくるのではないか。  具体的にひとつ問題を、私前々から御相談しているんですが一向にらちが明かないので、今度は密室での話じゃなくて、こういう公開の席に出して皆さんで検討していただこうということでお願いするわけですが、まずこれは確認ですけれども、宅地建物取引業の免許業者に係る建物の賃貸借の場合に、その契約の締結に際して、建物を借りようという相手に宅建法上少なくともどういう説明をしなきゃならないのか、初歩的な質問で恐縮ですが、お願いしたい。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介または代理をいたします場合には、宅地建物取引業法第三十五条の規定によりまして、その契約が成立するまでの間に取引主任者をして少なくともまず一、登記された権利の種類、内容、名義人等。二、法令に基づく制限及び私道負担。三、水道、電気、ガス等の整備状況。四、借賃以外に授受される金銭の類とその目的。五、契約の解除に関する事項。六、損害賠償額の予定または違約金等につきまして書面を交付して説明させなければならないこととされております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 もう一つお願いしたいんですが、しばしば契約の場合に特約条項というのがあります。素人の場合は——玄人には特約条項の意味がよくわかって特約するわけですが、これは往々にして貸す方です。素人は借りる方です。借りる方はこの特約条項がどういうものか十分に理解しないで契約をしてしまう。一方的に思い込んでしまって契約をしてしまう。いわば、そういうふうに誤って受け取るように、もっと悪い言葉で言いますと、詐欺的な説明によって相手にそういう損害をいずれかかけるという場合には罰則がありますか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 単に当事者が錯誤で契約条項を誤解しておった場合には一般的な解約の問題等になるかと思いますが、当事者が詐欺的な行為を行いまして、例えば先ほど申しました重要事項の説明等につきまして先ほど申し上げたわけでございますが、それらにつきまして詐欺的な行為でこれらの規定に違反している場合におきましては、監督行政庁が指示処分、業務停止などの処分をすることができることとされております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それで今度は自社ビルの場合、いわゆる宅建業者、免許業者の中には自社ビルを持っています、あるいは自社店舗を持っています。それを賃貸している場合があるんですが、その自社ビルとか自社店舗というものに今説明を受けたような罰則条項は適用されますか。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 宅地建物取引業によりますと、宅地建物取引業と申しますのは宅地または建物の売買、宅地または建物の交換をみずからやる場合、または宅地または建物の売買、交換または貸借の代理をする場合、それから宅地または建物の売買、交換または貸借の媒介をする場合に限定されておりますので、自社みずから貸し主となってビルを賃貸する場合には宅地建物取引業法の適用がございませんので、罰則の適用もございません。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 はい、わかりました。  では、ちょっと具体例をまとめたものがありますので、それを読みながらお伺いしたいんですが、これは固有名詞を挙げませんから、AとかTとかということに変えたいと思います。  それで、下社は五十四年の十月四日付でA社の方に建物賃貸借契約証書を締結した。その借りた方がAですね。A社はこの賃貸借契約証書に基づいて二千七百万円の保証金を差し入れた。その上に、特約条項によりまして、一千万円のいわゆる造作譲渡代金を支払いました。造作代金として一千万円その上に払ったわけです。そしてA社は、その造作譲渡代金の支払いによって下社から買い入れた造作ですね、その一千万円で買い入れた造作に加えて、その後A社がT社の貸し主の承諾のもとに施した造作をともに次期の入居者に譲渡することが認められている、そういう特約になっているわけですよ。ただ、借りた方が貸した方から買い入れた造作の内容は、賃貸借契約証書には一覧表が書かれてない、何が一千万円か書かれてないけれども、契約証書ではその実体は不明なんです。ただ、造作譲渡代金ということになっています。後で契約を申し上げてみたいと思います。  それでA社としては、その借りた方は貸した方の造作が壁に薄紙を張った程度のものだった。別に何の手も加えてない。しかし、もう借りたいから、これが造作ですよと、これは一千万円もらわなきゃ貸せませんよと、こう言われたので、その造作譲渡代として、もう入りたい一心に一千万円払った。しかしそれは、明け渡しのときには次期入居者から受領できるものと理解しておりました。入居を急いだためにその支払いに応じた、こう説明しています。  ところが、A社がその貸借の期間が満了しまして契約の解除の申し出を行いますと、ともに保証金と二千七百万円と、それから造作代金として譲渡を受けた一千万円とこの造作譲渡金を次期入居者に譲渡する、まあとにかくお金をもらいたいと、こういうふうに言ったところが、その貸した方は造作譲渡金に係る要請については一切応じられぬ、こう突っ張った。そして造作買い取り請求などの権利の放棄を求める条項——いわゆるもうこれはどうしても保証金を返してもらいたいから、保証金返せ、返せと言いますと、じゃあ、もう一切文句言わぬなというので示談書をつくりましてね、示談書をつくって、それに判を押したら二千七百万円の保証金を上げましょうと。それで判を押さない限り保証金はもう渡さない、供託する、こう言われた。まあ商売人ですからお金が欲しい。それでもう、ましてやその店を撤収するわけですから、また別にどこかでつくらなきゃならない。そのためにお金が要るというので、やむを得ず判こを押して一千万円のいわゆるその次に譲れるものだと思っていた一千万円を投げて、二千七百万円をもらったというのが問題の実態なんです。  それで、私はその契約書を読んでみまして、ああ、ここに落とし穴があるのかなと思ったのは、こういうことなんです。契約書の特約条項にこうなっているんです。「甲は、乙が施した内部造作を次期入居者に限り譲渡することを承諾する。」と、甲は貸し主ですね。「甲は、乙が施した内部造作を次期入居者に限り譲渡することを承諾する。」と。その次に「1.」としまして「乙は甲へ造作代金として金一千万円也を支払うものとする。その支払方法は」云々と、こうなっているわけです。そうすると、借りた方の受け取り方は、自分が造作した分も次に譲れると、その後に前の人から譲られた分、いわゆる貸し主に一千万円払った分も自分が外へ出るときは当然次期の入居者に譲渡できると理解したわけですね、最初に譲渡できるというのが一項目あるのですから。その辺がちょっとこう非常に詐欺的といいますか、言い逃れしようとすればその辺にあるかもわかりませんけれども、これにひっかかりましてその一千万円がパアになってしまった。これは宅建業の免許業者であり、自社ビルの所有者であり、もう契約条項には非常に明るい人が素人にこういうことを強制したことは今後しばしば起こるんじゃないだろうか、こう思うんですが、この辺の状況を、もう既に理解されていることですから、当面いろいろお答えいただきたいと思います。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 本件につきましては、当事者の一方が宅地建物取引業の免許を受けた業者でありましたので、取引そのものは宅地建物取引業法の適用のある行為ではございませんけれども、免許権者である東京都知事を通じまして、建設省も大いに関心を持ちまして、当事者から説明を聴取いたしましたところ、大体御指摘のとおりでございまして、両者の言い分が食い違っておりますのは、造作譲渡代金はつきましては、借りましたAさんの方は、当然次から次へと借りる人たちが、一千万円、恐らく一千万円に近い金を出して、それが次から次へと移っていくだけで実質的な支出はないんじゃないかというふうな理解をしておったようでございますが、貸し主のTさんの方は、賃貸借契約書にもありますとおり、次期入居者に造作そのものを売却することは了承するけれども、貸し主がみずからそれを、Tさんがみずから買い取ったりあるいは第三者に売却をあっせんしたりするようなことは約束してないというふうな主張で、食い違ってしまっているわけでございます。  ただ、それと解約証書につきまして、解約証書の中で賃貸借期間が満了したときに取り交わされた内容によりますと、造作に関する一切の権利を主張しない旨の記載があることにつきまして、Aさんの方は、これを書かないと二千七百万円の保証金もどうも返してもらえそうもなかったのでやむを得ず書かされたのだというふうに主張しているわけでございますが、この点に対しまして貸し主のTさんの方は、貸し主は当初の賃貸借契約につきまして公正証書が作成されておりますので、二千七百万円の保証金を返還しないような場合には強制執行もされかねない契約関係にあるわけでございますから、それを材料にして脅迫することは不可能であったと、しかも、借り主のAさんはこの件に関して終始弁護士にも相談していたことを考え合わせれば、そういうことはないはずだというふうに、どうも両者の主張が真っ向からと申しますか相当食い違っておりまして、東京都知事を中に入れました調停工作につきましても、残念ながら成功するに至らなかったわけでございます。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それで、同じく今計画局長は読まれませんでしたけれども、こういうやりとりもあったようですね。どこでしたか、駅に近いというのが造作代金の中に入っていましたね。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) はい。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 何行目ぐらいですかね、この造作代金、造作譲渡代金一千万円について、貸し主は一部諸経費分を差し引いた上当該店舗の前の入居者に支払ったと。だから、この造作譲渡代金の性格については、貸し主は物理的な造作のほか、駅に近いこと等の場所的利益をも含むものと説明していると。これは、問題が起こって東京都で議論をしたときにはそういう説明はしましたが、賃貸借契約をやるときには完全にこの点は説明されてないわけですね。こういう落とし穴もここにある。それからもう一つは、前の入居者に諸経費を引いて一部支払ったと。したがって、あなたがそれを受け継いでくれというので一千万円取った。ところが、この借り主が移転をしたその後に入った人には、この一千万円に該当する造作譲渡代金というのは請求してないんですね。このAという人は前からの分だと称して一千万円払わされた。ところが、今度は次の人には一千万円請求されてない、こういうことで足元を見られたと言えばそれまでですが、そういう賃貸借契約の仕方がよろしいかどうか、これが問題になると思うんです。いかがでしょう。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 私もこの種の取引について疎いものでございますから直ちに判断はできないんでございますけれども、一つの説明によりますと、造作譲渡代金と称して立地条件、例えば先ほどの駅に近いというものも造作譲渡代金と称してその対価が入っているというふうなことは、商取引の慣行上はないわけではないというふうな話も聞いております。それから恐らく入居者の営業上の種類によりまして、前の造作がそのまま生きてきて次の造作に引き継がれるということもあるように聞いておりまして、今回の場合には、貸し主のTさんの御主張は、借りた方が靴屋さんでございまして、靴屋さん特有の造作であったので次に引き継ぐことは難しいんだというようなことも主張しているというふうに聞いております。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 それは関係ないんだ。今一千万円の問題だけなんだ。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) ですから、この一千万円の内容につきまして、これが契約上適正なものであるかどうかにつきまして、私ども判断の能力が現在のところございません。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 したがって、時間が参りましたので、あえて私はこの委員会の席上でこの問題を提起しましたのは、こういうふうなことが今後行われると、ビルの所有者が、まあそれを借りようとするのは割に弱い立場の人が多いと思うんですね。その方に被害が続出するんじゃないか。やっぱり自社ビルの賃貸借の契約の仕方にもある程度の標準といいますか、そういうものをお考えになるべきではないだろうかと、こういう事件が続発するということを頭に置いて何らかの対策をお考えいただかなきゃならぬじゃないかということを提起したいわけです。以上で終わりですが、その一言。

台健建設省計画局長

○政府委員(台健君) 宅地建物取引業法は、先ほども御説明いたしましたとおり、みずから行います売買あるいは中に入って行います売買の代理、媒介等のいわば一過性の行為に対します取引行為に対しまして規制している法律でございます。  御指摘の自社ビルの貸借関係と申しますのは、これは例えば借地法の問題あるいは借家法の問題とも絡み、あるいは民法の一般の取引と同じように継続的な法律関係を形成するものでございますので、あるいは宅地建物取引業法制定当時におきましては中に入れなかったのではないかというふうに我々は今では考えているわけでございます。ただ、御指摘のように、今後こういう問題が続発するおそれがあるといたしますれば大きな問題でございますので、建設省だけでお答えするわけにはまいりませんけれども、法務省その他とも十分協議いたしまして対策を検討いたしたいと思います。

二宮文造公明党・国民会議

○二宮文造君 ありがとうございました。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 内需拡大の景気浮揚のためには住宅建設は重要な課題であることは言うまでもありませんが、最近では、せっかく念願のマイホームを手に入れながら住宅ローンが払えない、そこでローン保証会社や損害保険会社がかわって銀行などに弁済する、結果的にはマイホームを手放すことになるんですが、こういうケースが急増しているようです。その内訳は、自営業者で業績不振になったとか脱サラの失敗組、また給料が思うように上がらずサラ金に手を出してしまったとか、理由はいろいろあるわけですが、要するに景気が悪くて個人の懐ぐあいがよくない、そこでせっかく手に入れた住宅を手放すことになる。景気と住宅建設の悪循環ですが、まじめにこつこつ働いて我が家を持つという庶民の夢はちょっと遠のいたような感じがするんですが、政府の持ち家政策は今考え直す必要はありませんでしょうか。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) ただいま先生から御指摘のように、持ち家住宅の建設につきまして、例えば銀行によります住宅ローンの延滞件数が増加をしているとか、あるいは住宅金融公庫の融資の延滞件数が若干ずつふえてきているとかいうような状況が見られます。また、住宅の価格と所得との間に若干の乖離が生じておりまして、それが原因でなかなか持ち家住宅の建設が進まないというような状況が見られます。しかしながら、住宅を希望している方々に対する調査を実施いたしますと、これまでの調査の結果では、通常七〇%以上の方が持ち家住宅の希望があるわけでございまして、こういった需要の動向を十分に勘案をしながら、やはり賃貸住宅と持ち家住宅がバランスよく供給されるよう今後とも住宅政策を進めてまいりたいと考えております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 住宅政策は景気浮揚のためのその場しのぎのものであってはなりません。住む者の立場に立った温かいものでなければなりませんし、所信表明の中にも、住宅は潤いのある家庭生活の基盤をなすもので、良好な住環境のもとに安定した生活を営むに足りるものでなければならないと申されておりますが、現実はなかなか厳しい状況であります。  自分の家を持ちたい、持ち家志向は、どんな調査をしてもいつも、先ほど御答弁ありましたとおり、七〇%あるといいますが、庭つき一戸建てをだれしも持ちたいものです。ところが、このマイホームを手に入れても、そのほとんどが月々多額のローンの返済に追われる。ボーナスでもごっそりと引かれてしまう。あげくの果て、先ほど申しましたような、ちょっとつまずけばローンの焦げつきとなるということもあります。それに住宅の値上がりがこれまでのように望めなくなり、資産としての持ち家の価値も低下してきたなど、苦労して持ち家に住む魅力がなくなってきたという人も一面ふえているようでございます。  そこで、昨年あたりから急速に賃貸住宅が見直され、その建設も急ピッチに上がってきていると言われております。建設省が毎月発表しております建築着工統計でも、この一月の速報では、新設住宅全体の着工戸数は前年度同月と比べて一一・七%減で、持ち家建設に限ると一九・九%の減であるのに対し、賃貸建設だけは一一・一%増となっています。建設省はこの動向をどのように把握しておられますか。昨年あたりからことしにかけての建築着工統計の数字がわかっていればぜひお示しいただきたいと思います。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) ただいま先生から御指摘のように、本年一月の住宅着工戸数の状況は、総戸数で前年同期比に比べまして一一・七%の減でございますが、持ち家が特に減少幅が大きゅうございまして、前年同期比で一九・九%の減でございます。それに対して貸し家は御指摘のように一一・一%の増でございます。なお、本年の二月の状況も既に調査集計されておりまして、五十八年度の四月から二月までを総計いたしますと総戸数百三万九千戸、全体で前年同期比で二・六%の減でございまして、持ち家が一九・四%の減、貸し家が二二・一%の増となっております。  こういうことで、今年度の状況を見ますと、貸し家住宅の着工状況が非常によろしくて持ち家住宅の着工状況が悪いという状況にあるわけでございますが、これは先ほども申し上げましたように、住宅の価格と所得の間の乖離がなかなか埋まらないというようなことから持ち家住宅の建設に若干の渋滞が見られるのではないかというように考えております。しかしながら、前にも申し上げましたように、持ち家住宅に対する需要は非常に根強いものがございますので、やはり今後は持ち家住宅の建設が推進されるよう各般の施策を整備するとともに、賃貸住宅の建設も推進してまいりたいと考えております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 昨年、東京のある公団賃貸住宅、これは八潮パークタウンですか、募集の例では、分譲持ち家に住んでいた人が一五%もいたということですが、住宅公団の調査でも賃貸住宅に永住するという人が年々ふえているようです。賃貸志向がふえれば賃貸住宅建設がふえるのは当然ですが、民間でも土地を持っている人が、地価の上昇が鈍ってきたため、土地の有効利用として貸し家を建てるというそういうケースもふえているようです。しかし、建った物の質が悪い、家賃が高いんではこれは仕方ありませんがね。そこで、良質で安い家賃の住宅提供ということになれば、建設資金を低利で融資するとか家賃所得に対する税控除など、制度面での配慮が必要であると考えますが、その点はいかがでしょうか。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) 御指摘のように、住宅政策上良質な賃貸住宅の建設の推進を行っていくことは非常に重要なことでございまして、そのため従来から賃貸住宅につきまして各種の施策を講じてきておりますが、特に適正な家賃の良質な民間賃貸住宅の建設誘導のために、住宅金融公庫によります長期低利融資制度あるいは国からの利子補給制度等の諸施策を実施しているところでございます。また、税制につきましても、賃貸住宅を新築し貸し家の用に供している場合には五年間の割り増し償却が認められるとか、あるいは固定資産税の減免を行うとか種々の税制も行っております。今後ともこれらの施策の実施を通じまして民間賃貸住宅の建設を促進してまいりたいと考えております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 老朽化した木賃アパートなど市街地再開発の一環としてどしどしと建てかえるべきものは建てかえさせるような積極的な奨励策を推進すべきだと思いますが、先日の一般質疑でも空港問題に絡んで六十七年度にスポットを当てた大阪の市そのものがどんどんどんどんと人口が減ってしまっていると、ドーナツ現象ですから。そういう形の中で、今度政府が考えておられるいろんな法の改正の中で、もう一度都市の活性化という位置づけの中でも、こういう木賃アパートなど市営、府営、県営、都営、そういうような住宅をもう一度見直し、空間利用という形の中で高層化していくというようなことを考えておられるようですが、そういう点はいかがですか。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) 木造賃貸アパートがかなり悪い居住水準という形で大都市に相当数建設され停滞をしております。そういった地域を総合的に整備いたしまして、そこに新しい質のよい賃貸住宅あるいは分譲住宅建設を推進していくというために、木造賃貸住宅地区総合整備事業制度が先年よりスタートいたしまして、その実施を行っているところであります。御指摘のようなことで東京、大阪等の大都市におきましても極力そういった制度の活用を図って、大都市における既成市街地に市街地住宅を供給していく、これによって市街地の活性化を図っていくよう考えております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 賃貸住宅志向の増加に加えてベビーブーム世代の婚姻、単身者世帯の増加など政府としても国民のニーズに合った住宅政策を推進しなければなりません。大臣は所信の中でも公共賃貸住宅の的確な供給をうたっていますが、その的確な供給ということの具体策をお聞かせいただきたいと思います。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) 公共賃貸住宅につきましては、その賃貸住宅の供給の目標としておる階層でありますとか地域でありますとか、そういったものがございます。例えば公営住宅で申し上げますと、第一種公営住宅、第二種公営住宅とございますが、第二種公営住宅につきましては、特に低家賃住宅を建設いたしまして比較的収入の少ない階層に対しまして住宅を供給していく、そういったこと、あるいは住都公団の住宅の供給は大都市圏域を中心といたしまして広く各圏域にまたがりながら住宅を供給していくというようなことで、収入階層あるいは地域の状況に応じて的確に供給をいたしていきたいと、そういうことでございます。なお、昭和五十九年度におきましても、厳しい財政事情でありますが、公的賃貸住宅を中心として的確に供給していきたいと考えている次第でございます。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 賃貸住宅問題に関連してワンルームマンションのことをちょっと質問いたします。  最近ワンルームマンションがいろんな面で話題になっておりますが、五十七年度は五千戸余りの建築であったんですが、五十八年度は前半だけでも六千六百戸も建ち、最近では売り出されるマンションの一割がワンルームマンションであるとも言われます。ちょっとしたブームになっていますが、この傾向は建設省はどうごらんになっていますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) 御指摘のように、ワンルームマンションが東京及び阪神地区を中心として非常な勢いで建設をされております。ただ、このワンルームマンションの居住の質がよろしくない、すなわち規模が非常に小さくて一戸当たり平均十五平米程度でございます。それと管理の面で管理人を置かないものがほとんどでございます。そういった面で周辺住民とのトラブルが非常に多くなっている等々のことで、今後のワンルームマンションの建設につきましては、やはり周辺住民との十分な調整を図ること、あるいはその住宅の質を高めること等々の措置を行っていく必要があるのではないかと考えておりますが、なお、これらにつきましては、今後地方公共団体の措置等を勘案しながら十分検討してまいりたいと考えております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 先ほど申し上げましたとおり、ワンルームマンションが周辺の住民から環境を壊すといって嫌われ、建設反対などトラブルがあちらこちらで今起こっております。出入りの激しい単身者が入居するため地域住民に溶け込めない、ごみを無断で捨てるとか、若者が多いため夜遅くまで騒ぐとか苦情が多く、自治体にとっては条例などで規制しているところもありますが、政府としてはまだまだ、ワンルームマンションという一つのニーズに合っているものですから、出てくると思います、こういう問題。もう一度、どういうふうにこれとらえていきますか。

松谷蒼一郎建設省住宅局長

○政府委員(松谷蒼一郎君) ただいま申し上げましたように、ワンルームマンションにつきましては、管理面あるいは住まい方につきまして、その他種々の問題につきまして問題が発生をしております。しかしながら、その対応も非常に多様でございますので、私どもといたしましては、繰り返しになりますが、地方自治体による対応を見守りながら周辺住民との調和が図られるように適切な措置につき検討してまいりたいと考えております。  また、こういった大都市地域に単身者の住宅需要が非常に増大をしているという現象がたまたまこういったワンルームマンションの建設ということにも結びついているのではないかというように考えますので、今後やはり単身者世帯に対する住宅政策のあり方につきましても積極的に検討してまいりたいと考えております。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 この賃貸問題、ちょっと割愛させてもらいます。  昭和六十四年に大阪で開催が予定されております花の博覧会ですが、これは「都市・花・文化」をテーマに花と科学、花と生活文化、花とあそびなどいろいろ取り入れながら、そのかかわりを示すことによって花を多面的にとらえ生活に潤いを持たせるエベントになっているのですが、こういう催しはどう思われますか。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) この六十四年に大阪市で花の博覧会という、これはたしか大阪の市政百周年記念事業として行われるというふうに聞いてございます。会場は鶴見緑地と申して、公園緑地の都市計画決定されました公園で行われるわけでございまして、現下の内政の重点課題にもなっております都市緑化の推進、こういう観点からも非常に望ましい行事であろうと考えておるわけでございます。私どもできるだけ後援するつもりでございます。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 会場になる鶴見緑地の整備並びにアクセス道路を含む周辺整備など、建設省として欧米に比しておくれている緑地公園対策の一環としてもこれはぜひ積極的に御協力をいただきたいと思います。  市街地におけみ浸水対策について次はお尋ねをいたしますか、第六次治水事業五カ年計画の実施に当たって、都市河川、都市小河川並びに準用河川改修事業など十分な配慮が必要であると考えますが、大阪市の場合は、市の東南郡における抜本的な治水対策の一環として現在実施している都市河川緊急整備事業をさらに推進しなければならないと思いますが、現状並びに建設省の今後の方針をお聞かせください。また、この東南部の浸水地域は大変深刻な事態になっていますが、公共下水道の平野・住之江幹線の建設について早急に着手する必要があると思いますが、いかがでございましょうか。

井上章平建設省河川局長

○政府委員(井上章平君) 大阪市東南部は第二寝屋川の支川であります平野川の流域の低平地でございますが、ここはそのために非常に湛水しやすく、また近年都市化が非常に進んだところでございますので、そのためにも水害が頻発しておるところでございます。この地域の排水を担っておる河川は、幹川としての平野川とそれの分水路であります平野川分水路、支川としては今回駒川、加美巽川等多くの河川が存在しているわけでございます。  平野川につきましては、昭和三十九年から中小河川の改修事業として改修を実施してきておりますが、近年、特に流域の市街化に伴う流出の増大に対処するために、平野川分水路分派点付近で、ただいま先生御指摘の都市河川緊急整備事業を大阪市が昭和五十六年度から着手いたしております。これは街路の地下及び支川今川に調節池を設置する工事でございまして、工事をただいま鋭意促進いたしておりますが、昭和六十年度にはこの調節池のうち二十万立米分が機能を発揮する予定になっております。その結果、平野川の治水安全度は大幅に向上することとなろうかと思います。  また、平野川分水路につきましても、都市小河川改修事業あるいは激甚災害対策特別緊急事業として事業を実施いたしておりますが、そのうち、この激特事業のポンプ場につきましては五十九年度に完成の運びになります。したがいまして、この平野川分水路の能力も大幅に向上することになるわけでございます。

山田勇民社党・国民連合

○山田勇君 そのほか名神の拡張の問題、いろいろお尋ねしたいんですが、ちょっと時間の都合上最後の質問にします。  先ほど来先輩の二宮委員の方からも大阪市の問題が出ております。同じような陳情といいますか苦情といいますか、私の方にも来ております。きょうはここへ資料を持ってきておりませんが、市街地開発の事業団が一つのビルを建ち上げるについて、ここに既存していた、既得権を持っていたパチンコ店が二軒あるとします。その二軒については、地下の中に二軒のパチンコ店を開店しましょう、これは既得権という開発の途上の中での約束事で二軒だけを認める。これは異例な認め方ですね。そういう形で認める。その中で大阪市の念書を見ますと、これ以上パチンコ店はこの第三ビルの中には入れませんという念書を入れておるにもかかわらず、今もう既に、きのう、おとついも大阪へ帰ってそれを見てきたんですが、この二軒のパチンコ屋の横にまた一軒ふえているということで、この二軒のパチンコ屋さんの方が私の方へ陳情に来られました。大阪市はこれは絶対つくらないというのにつくっている。それで大阪市市街地の理事を呼んで話を聞くと、これは第三者に譲渡されて第三者へ行ってしまうと私の方では何ら手がつけられないというような、そういうような形の中で、せっかく整備、環境保全をしながら、ああいう立派な大阪の表玄関につくるその第三ビルというようなビルの中にパチンコ店が二軒、そこへ三軒と。この二軒はそれは立ち退きを条件として入った、既得権という形で入ったのですからこれはやむを得ないとしましても、それ以上ふやさないという念書を書きながら、第三者が入ったら、私の方は打つ手がございませんというような逃げでは困るのです。  やっぱり大阪を私ら愛していますので余り大阪の悪口を言うの嫌ですし、我が党は与党の立場にあるので余りごちゃごちゃ言うの嫌なんですが、やっぱり悪いものは悪い言わなしようがないんでね。ひとつこういうことのないよう、これは御答弁は結構ですが、そういうような行政指導はきっちりとしてもらわないと、そういう市街地開発事業団だとかいろんなこれからそういうものができ上がってくる中で、法の合い間をくぐるというような、先ほど来の質疑の中でも、建築また不動産部門では非常に巧妙な知能犯的なものがたくさんありますので、建設省もしっかりその辺はそれを上回る取り締まりをぜひしていっていただきたいと強く要望して、私の質問を終わらしていただきます。ちょっときょう体の調子が悪いので、短い時間でございますが、ありがとうございました。

松原青美建設省都市局長

○政府委員(松原青美君) 先ほど二宮先生からも御指摘いただきまして、今山田先生からも同じ問題について御指摘いただいたわけでございます。先生のおっしゃっておるのは第三ビルとおっしゃっておりましたが、あの第一から第四までの間に、第一、第二ビルについてはございませんが、第三、第四ビルにつきましては管理規約を入居者でつくってございます。他に転売する場合は、その管理規約によりましてそこへ入っている人たちの了解をとるということにたしかなっているというふうに聞いてございます。第一、第二の時代にはそれがございませんで、それの反省もあって、そういう第三、第四のときには分譲の際に管理規約をつくったというふうにも聞いておりまして、そういうただいまの御指摘の点も踏まえまして今後の再開発事業の指導に当たってまいりたいというふうに思います。

青木薪次日本社会党

○委員長(青木薪次君) 本日の委嘱審査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時一分散会

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