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101回国会参議院1984/05/10

外務委員会 第11号

発言数
119
登壇者
17
会派数
6
開催日
1984/05/10

会議録

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、中西一郎君が委員を辞任され、その補欠として水谷力君が選任されました。     —————————————

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 民間航空機貿易に関する協定附属書の改正の受諾について承認を求めるの件を議題といたします。  趣旨説明は前回既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

八百板正日本社会党

○八百板正君 まず、すぐにやれば結果が出る、そういう点を先に希望を述べます。  外務省というのは国際的な仕事ですから、当然そういう国際的視点で、日本の諸官庁の中でも最も開明的な性格を持ったものだと思うんです。つきましては、外務省のつくります文書についてぜひ西暦の使用を考慮していただきたい、これは強く希望いたします。  私は明治生まれですが、既に尺貫法からメートル法に考え方は変わっております。また、紀年法についても日常半分以上は西暦を使っております。  例えば朝日新聞などを見ましても、耳の方に一九八四年という数字を入れて、それから昭和何年と、こういうふうに併記しております。文部省の文書は国内的なものについては元号を使用する、こういうふうな方針をとっておると聞いておりまするが、しかし国内的な文書といえども、事外務省の文書に関する限りは、国際的視野と申しましょうか、連携の中で考えられる文書でありまするから、私なんかも、手帳をひっくり返して年表を見ないと、はて、何年が何年だったかなんというふうな戸惑いをする場合が多いんでありまするが、これはひとつぜひ、すぐに結果が出せることですから、外務省はほかの省に率先して実行していただきたい、これは強く希望いたします。  元号法の審議の際にも、私は衆議院でこの問題に取り組みましたが、政府の方針としては、両方使ったらいい、結論的に言えばそういう考え方が政府見解でありました。今、世界じゅうを見ましても、こういう元号法的な紀年法を用いておる国は、私ちょっと見当たりません。マホメット暦と申しましょうか、地域によってはそういうものがあるようでございまするが、まずまず国際的に通用しないものでありますから、その点ひとつぜひ外務省が率先してそういう文書の慣行を広めていただきたいと希望します。

枝村純郎外務省大臣官房長

○政府委員(枝村純郎君) 外務省の場合でございましても、やはりこれは政府機関の一つでございますので、国内で用います文書でございますとか、あるいは省内の、部内の文書等ではやはり元号を用いておるわけでございます。ただ、もちろん国際的な接点という面では西暦も用いておるわけでございまして、例えば条約については、多数国間条約であれば西暦によっておりますし、二国間条約で日本語を正文とする場合には元号を用い、しかし翻訳には西暦を用いる、こういうふうに、条約についてはいわば事宜に応じて元号を適宜使用しながら、しかし西暦は何らかの形で使うということでございます。その他、国際的にその方がよりわかりやすいという場合には西暦を用いておるわけでございまして、先生の御指摘のような御趣旨はかなり現在のやり方でも満たされているんじゃないかというふうに考えております。やはり元号というようなものに示されておりますような日本の伝統といいますか、歴史の重さといい ますか、そういったものを持っておるということ、そういう国際的な社会において日本が理解される、そういう面から見ましても、日本がやはり独特の文化、伝統というようなものを持っておるということもこれまた重きをなすゆえんだと思いますので、先生の御指摘ではございますけれども、大体現在外務省がやっておりますことがそういう両方の要請を満たした適当なところじゃなかろうかというのが私どもの考えでございます。

八百板正日本社会党

○八百板正君 これは私の強い希望です。国内の文書といえども、事外務省の文書は全部国際性を持った、ほかの省よりも国際的つながりの広い仕事でございますからぜひひとつ併用する、併記するという習慣を着々つくっていただきたいと強く希望いたしておきます。  次に、これは取り上げざるを得ない問題としてひとつじっくり考えていかなくちゃいかぬ問題だと思うんでありますが、スポーツとオリンピック、その点について若干私の見解を申し上げて、大臣の見解もこれは伺っておきたいと思います。  戦争をしているときにオリンピックどころじゃないというような歴史の過程はもちろんあったわけですが、よかれあしかれ民族の興亡をかけて、遺憾なことだが殺し合いをしているというそういう状況の中では、競技を国際的にその場所でやるというようなことが事実上できない場合があったわけであります。しかし、やはりアブノーマルな場合は別として、我々はできるだけノーマルな状態を国際社会でもあらゆる面で求めておるわけでありまするし、スポーツや芸術というようなものは言語や民族を超えた人間の原点にかかわるものであると思うのです。できるだけ二次的なものはまじえないで純粋にやりたい、これが基本姿勢ではないかと思うんですが、この点、御見解をひとつお願いします。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) スポーツ、特に国際間のスポーツを通じての交流、これは今おっしゃいましたように、やはり人間の原点にかかわる、まさにそのとおりだろうと思います。各国がスポーツを通じましていろんな面での向上を図っていく、単なるスポーツだけではなくて、文化的背景を異にする人々がひとしく参加することによって各国間の友好親善が増進されるという非常に重要な意義を有しておる、こういうふうに思うわけであります。したがって、各国との友好親善の増進を図るという我が国外交の趣旨に照らしても、スポーツ交流の果たす役割は非常に大きいものがあると考えております。

八百板正日本社会党

○八百板正君 オリンピック憲章の第一章ですか、第一には、やはり平和の秩序の建設というふうなことをうたってあったように思います。  そこで、スポーツというものはどこから起こったかというように発生的に見ますといろんな見方、意見がございますが、やっぱり一つの精力余剰説と申しましょうか、ちょっと機嫌の悪いときには何も動かさないけれども、少し気分のいいときには、道を歩いていてもその辺に空き缶があるとけ飛ばしてみたり、道の草木に手をかけてみたりするというふうな、あるいは石をけ飛ばすとかというような、そういういわゆる人間の精力の余剰が結局スポーツを生んだもとだという見方、考え方があり得ると思うのであります。  例えば日本の場合、これはオリンピックにはつながっておりませんが、一番人気を浴びておりまするのは野球です。野球についてもいろいろ問題がありますけれども、オリンピックの種目をそれぞれ見ましても、いずれも入間の本能的な野性、変性と申しましょうか、そういう本来的なものを取り込んだものが事実であります。  これを野球の場合について少し細かい私流の解説を申し上げますというと、野球の中にはこの人間の持つ野性、変性、そういうふうなものをほとんど漏れなく含んでいると思うんです。殊に日本人は野球好きが多いんですが、例えば打つ、棒を握る、たたく、投げる、それから振り回す、それから跳ぶあるいはける、走る、つかまえる、それから獲物をねらう、あるいはだます、欺く、盗むとか殺すというそういう用語まで入っております。日本の代表的なものとしてこの野球を一般化したものとしてつかまえて、いろいろそういう人間性というものと結び合わして考えまするというと、例えば、一塁とか二塁とか本塁とか争奪、待ち構えて獲物をとる、あるいは攻める、奪う、そういうふうな非常に野性的な動物の本能を日常生活の中で求めておるけれども、人間が地球上に今日らしい人間になったのはこれはほんの数百年でありまして、あるいは数千年と言えるかもしれません、いずれにいたしましても百万年を数える人類の発生から考えますると、言ってみれば瞬間みたいなものであります。でありまするから、人体構造も精神構造も犬、猫、猿、豚とそうは違わないんであります。違うところは、言ってみれば立って歩くという点が入間の特徴であります。立って歩くようになったから手足が離れて物をつかんだり、細かい物を処理する能力ができてそこから当然に人間の神経が発達していわゆる霊長類というものが今日をつくった、こういうふうなのが言ってみれば定説であります。でありまするから、その根源は、やっぱり違うところは二本足で立って歩くというところだけでありまするから、その原点を大事にしなくちゃいかぬという意味で、運動というものの基礎はやはり足腰を鍛えるということにあると思うんです。これは大臣初め皆さんの健康のために私は進言しておきますけれども、とにかく足腰を鍛えるということが基礎になって、そしてスポーツも皆その足腰を土台にしたいろんな競技になっておることは御承知のとおりであります。  しかしながら、人間の百万年前後の中に、あるいはそれ以前の、人間以前の生物のものも受け継いできておるわけでありまするから、そこには当然に共同社会の中でいろいろと訓練され順化されてはきておりまするけれども、満たされないものを常に持っておるわけであります。いわば欲求不満というものがあるわけであります。それをこれらの遊技を通じて満たす、そして演技する者も見る者もともにそれによって満たされるというふうなところがスポーツの原点と申しましょうか、平和と結びつけて重要視していけるオリンピックの考え方であってほしいものだと私は思うんであります。野球だってあるいはその他のオリンピックの技にしたって、見ている者がまさに手に汗を握るような、何と申しましょうか、同じ気持ちになってやる者も満たされる、見る者も満たされる。  手に汗を握るということ、あるいは足から汗が出るというのは一体どうなんだろうというふうなことがありますが、これは人間の樹上生活の時代において、やっぱり滑ったり何かしないように汗が出る方が便利だったというところから、手に不必要な汗が出たり足に汗が出るというようなことだと思うんであります。今日でもインドの一部には樹上生活をしておる人類が、人類というとあれでありますが、人間がおります。いずれにいたしましても、地球上の人類は五十億年の地球の上に二百万年ぐらいの歴史の中に生まれてきたと言えるかもしれませんが、この共同生活の中で、それらの野性、変性というものはともに生きるための一つの秩序をつくり上げた、そういうものだと思うんであります。しかし、といっても本当に数百年、あるいは人間の文化が縄文、石器時代あたりから三千年、四千年といったところでこれはほんの知れたものでありまするから、そういうものは残っておる、そういうものをスポーツによって順化する。  そういうことで、国際的ないわゆる覇を争う、支配権というものを、支配したいという欲望を人間は皆持っておりますし、犬や猫や猿の中にもそれはあります。猫は年上のものが威張ります。猿はボスがおのずから行動の中で決められます。というようなわけでありますから、やっぱり人間もそういう一つの支配的欲望というものがありまするから、そういうものがこの国際オリンピックというふうな形式を通じて順化された形で、いわばそのはけ口によって人間の殺し合いなんというものをなくしていくというふうな非常に重要な意味 合いがあると私は思うんであります。  そういう意味で、そういう人間的欲望がある意味では形を変えて満たされるというところで、このオリンピックの意義が戦争の殺し合いなどを防ぐという、そういう人類の平和の競争とつながっていくものであり、またそういうふうなところに持っていかなくちゃいかぬものだろうと思うんであります。  ところが、今度のオリンピックのソ連の不参加というものを考えまするというと、これはせっかく積み上げてきたオリンピックの上にいろんな不安をもたらす心配があるわけであります。新聞報道によりますと総理大臣は、とにかく何かこう積極的に手を打つと申しましょうか、何かやっぱり能動的に動かなくちゃいかぬというふうな意味のことをどこかでお話しになっておるようでありまするが、もちろんこれは政府そのものの支配とか運営によっておるものではありませんが、それはいわばきれいごとであって、現実にはこの厳しい米ソの国際対立の中から生まれてきたという事実は、これは否定すべくもないわけであります。これから総理も外務大臣もいろんな国際会議に出られるわけでありまするが、そういうふうな一連の今日までの外交行動が、すべてソ連にとってはいわゆる敵性的動きであると、こういうふうな判断と理解が背景にあるから、今度のこういう問題が出てきたというのが大きくつかんだオリンピックの問題だと思うんであります。きれいごとは言っても事実はそうだと思うんであります。  あるいはまた、この前のアフガンの問題がありましたときに、アメリカがまずモスクワのオリンピックをボイコットした、ある意味では仕返しだという見方もあると。場所が気に入らないからといっても、そこで行われる行事はその場所なり国の政治や対応とそっくりイコールのものではないのでありまするから、そういうふうな意味で、日本がこの事態を将来にわたって災いのもとになるような形に外交関係を持っていかない配慮を加えるためにも、かつてのモスクワ・オリンピックにとった日本の態度に対して、時間がたった今、反省と申しましょうか、静かにやはり問題のありかを考えるべき姿勢が必要だと思います。  そういうふうな本当に純粋なオリンピックに対する理解が必要で、そしてルーマニアあたりは何か話が出れば調整役を買って出てもいいというようなことも新聞なんかに伝えられております。ほかの国にもそういう動きが出ております。日本もそういうふうな動きをアメリカのパートナーとして当然考える、頭の中に浮かんでくる事柄だと思うんでありまするが、そういう場合にも、かつてモスクワオリンピックのボイコットをアメリカがやった、それに日本も右へならえでくっついていったというような、そういうところのやはり反省と申しましょうか、ここを純粋に見詰めるという、そういうところがまず前提になって動き出しませんことには私は話にならないと思うんです。ちょっと考えると、東ヨーロッパの国々の、例えば一番先にソ連と行動をともにするブルガリアあたりは日本とも親しいんでありまするから、私自身もあの辺にひとつなんて考えたのですが、しかしいち早くブルガリアはソ連に同調するという態度を表明いたしました。ほかの国もまたいろいろと動きがあるようであります。これも外務大臣としてどんなお考えか。ただじっと見ているというだけか、何かひとつお考えがあったら述べていただきたい。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) オリンピックは、これは確かに国際的なスポーツの行事でありますし、各国がこぞってこれに参加するということは大変好ましいことでありますし、またその参加の有無についてはそれぞれの国が自主的に決定をするわけであります。したがって、前回のモスクワで行われたオリンピックには日本は参加しなかったわけですが、これは日本のやはり自主的な決定で参加しなかった。別にアメリカの言うままに右から左へということじゃないわけで、私は、オリンピックに政治が介入すべきじゃないという考え方はわかりますけれども、あの事態においては私は日本としてほかに選択の道はなかったんじゃないか、こういうふうに思います。  今回のソ連の不参加表明というのは、これは私たちにとりましてはまことに唐突な感がするわけでありまして、それだけにやはりソ連の真意というのがまだちょっとどうもつかめない、どうして不参加ということになったのか。国際情勢、東西関係、米ソ関係等が背景にあるのかもしれませんけれども、今そうした国際情勢、東西関係、米ソ関係がソ連が参加をしないと決意をするまでに逼迫をしている、こういうふうには今私たちの目から見ていて思えませんし、あるいはもっと具体的な技術的な理由があるのかもしれませんが、その辺のところはもう少し実情を見きわめなければならぬと思いますが、いずれにしても私はソ連が表明をしたということは非常に残念に思いますし、これは遺憾に思います。その後のソ連のいろいろの発表等を見ておりますと、これはまだ決定的なものであるかどうか、多少まだ思い直す余地があるんじゃないかと思われる前もないわけではありませんし、私たちはそれに期待をしております。  現にアメリカのブッシュ副大統領と昨日も会っていろいろと話をした際も、アメリカとしても真意がわからない、アメリカもソ連の参加を歓迎するし、日本があるいはその他の国がソ連の参加について働きかけることを心から歓迎をする、期待をする、こういうことでございました。  JOCあるいはIOC、オリンピックを開催する主催団体、それぞれの立場で動きが始まったようでございますが、やはり非常に国際的に大事な事業、競技でありますから、日本の政府としても黙って見ておるわけにはいきませんし、やはり先ほど申し上げましたように国際間の親善、友好関係あるいは平和というものを盛り上げていく上においても大事な行事ですから、日本も、ソ連その他不参加を表明している国々が何とかこぞって参加できるように外交ルートを通じましてそれなりの努力をしていかなきゃならぬ、こういうふうに思っておるわけでございまして、これからどういうふうなやり方で働きかけていくかひとつ検討してみたいと思っておるわけでございます。いずれにしても、今度のロサンゼルスのオリンピックが、全世界の国々が全部こぞって参加して開かれるように私たちは心から念願をしておりますし、そのための努力をこれからもしてまいりたい、こういうふうに思います。

八百板正日本社会党

○八百板正君 さっきちょっと言葉が濁りましたが、五輪憲章の第一条には、スポーツを通じよりよい平和な世界の建設に協力する、こういうふうにうたってあります。でありますから、オリンピックのこの事態に対してはカナダの——カナダにはスポーツ相というのが、スポーツ大臣というのがおられるんですね。カナダのオリビエスポーツ相は、米ソ両国のオリンピック委から要請があれば喜んで調停を引き受ける、こういうふうに語ったと伝えられております。  先ほど来我が日本の外務大臣も、傍観するというわけにはいかない、黙っては見ていられない、外交ルートを通じあるいはその他の努力を通じてこの事態をノーマルな状態にするように努力するというような御意見を述べられましたが、これは、外交的、国際的、政治的背景がないというのは表向きのきれいごとでありまして、事実はそれが背景になっておることは明らかであります。現に中国を訪問するはずになっておったソビエトの第一副首相がそれを取りやめております。日、米、韓国、中国、こういうふうな形で反ソ包囲網と申しましょうか、封じ込め的な外交が展開されておる。そういう認識の上に立った一連の意思表示であって、このオリンピックのソ連のボイコットはアメリカだけを対象にしたものではなくて、やはりこれと一連の関係の中に動いておる外交の姿勢に対して、いわゆる忌避的態度を表明したものと見るのが正確だと思います。そういう意味では日本にも向けられておると見ていいのであります。ソ連との外交について何か新しい道を開いていこうというふうな配慮がそれぞれ行われておるときでありまするから、ひとつ積極的に、余りゆっく りもできませんから対応すべきものだと思います。  また、国際会議にすぐにも大臣は出かけられるわけですから、この国際会議の中でもそういうふうな立場で雰囲気づくりと申しましょうか、そういう考え方が望ましいのではないかと思います。これはまずくいきまするというと、当然に次の韓国のオリンピックにも影響するでありましょうし、今後これがきっかけになってどんなふうな事態になっていくかということはちょっと予断を許さないという憂慮すべき問題を含んでおると私は思います。ソ連の一部スポークスマンなどの発言も伝えられておりまして、若干の弾力があるような感じもいたされまするから、努力の可能性はないとは言えない、こういうふうに考えます。いろいろ関連してお尋ねしたい点がたくさんございますが、時間もたちますので次にお伺いをいたします。  この案件になっておりまする協定書について、アメリカから輸入する航空機の部品については関税及びその他の課徴金を撤廃することというようなことが骨子であります。そして、この位置づけとして、外務省の文書によりますと、昨年のOECD閣僚理事会及びウィリアムズバーグ・サミットにおいて合意された保護主義巻き返しの機運醸成、ひいては中曽根総理の提唱されている新たな多角的貿易交渉の準備促進にも資するものと考えられる、そういうふうに位置づけまして重要な意義を有すると、こういうふうに述べられております。  これは言挙げするようで悪いんですけれども、この巻き返しなんという言葉は余り結構な言葉じゃないから気をつけていただいた方がいいんじゃないですか。外務大臣の談話にも、オリンピックの今度の動きに対しても何か巻き返しを図っていくなんというような、新聞の書き違いかどうかわかりませんが、あるいは言ったのかどうか知りませんが、とにかく人間関係では、巻き返しなんというのはやっぱり敵意を持って対抗してひっくり返してやるというふうな、こういうニュアンスを含むんです。だから、やっぱり外交上ニュアンスは非常に大事ですから、特に日本語のニュアンスなんというのは余計難しいからちょっとこれは御注意を申し上げておきます。  そこで、航空機産業についてはアメリカが事実上トップです。自動車はある意味では日本がトップとも言えるかもしれません。そこで、こういうふうな重要な意義づけをしたということについて当然、私の考えに及ぶのは、アメリカのそういう部品を無税で入れるということならば、すべて協定や外交、友好関係というのは相互主義でありますから、日本にはどういう利益が出てくるのでしょうか。例えば、アメリカは航空機産業ではトップだと、自動車は日本がトップだと、こういうふうに仮に言いますならば、アメリカがそのトップ産業についてそういうふうな方法をとって日本もこれが有意義だと、こういうのだったならば、日本の自動車産業が例えばアメリカに売り込む、あるいは部品を提供するというような場合に、やっぱりこれも免税にしないと平等主義——例えばビデオなんかの場合でもそうですね。これは部品じゃないでしようけれども、その辺のところは私は余り知らないんだけれども、どんなものでしょうか。

恩田宗外務省経済局経済統合課長

○政府委員(恩田宗君) 世界の貿易を一層拡大するためには関税をできるだけ下げる、できれば撤廃しお互いに物の貿易、輸出入を盛んにするというのは非常に必要なことでございますが、東京ラウンドにおいてこれは一般的にあらゆる物資について一つの協定で交渉が行われたわけでございますが、たまたま航空機につきましては、その過程において、民間航空機及びその部品については特別の協定をつくろう、こういうことでできたわけでございます。もちろん、民間航空機及びその部品については米国が非常に生産及び貿易量とも圧倒的に優位でございますので、米国に対して特に利益を与えるのではないかという御指摘でございますが、我が国あるいはその他の航空機産業についても、最近は国際共同開発プロジェクトということで国際的なつながりを持って産業の開発をしていきたいという方向になっておりますので、我が国にとっても、またこれに参加した先進諸国にとってもこれは有意義なことである、こういう趣旨でこの協定ができたわけでございます。もちろん、日本が非常に優位に立っている産業についての関税の引き下げについては、一般協定の中における関税の引き下げの努力という方向で努力されているというふうに考えております。

八百板正日本社会党

○八百板正君 日本・ECの十五日の会議ですか、日本から出られると。それからさらに、ロンドン・サミットに反映してどういうふうに発展されるか、いろいろ問題について申し上げたいんですが、ちょっと聞きたい点の項目が多いから省きます。  航空機産業の現状についても、私の知る限りでは自衛隊のF15とかP3Cとかというようなものについてはある程度手をつけて進行中のようですけれども、ほかの航空機一般については、民間については余りぱっとしないような感じがいたします。やはりアメリカの産業と日本の平和的な航空機産業とに余り差があってはうまくないと思うんでありまして、こういう点は今後、育成なんと言うといろいろこれまた絡まってくるんでありまするが、やはり伸ばしていくような配慮が必要だろうと思います。  それから、これもちょっと項目だけ申し上げておきますが、日本の場合にはいわゆる海に囲まれた日本列島ですから、それから火山列島なんかの関係もあるが、凹凸は非常に激しいけれども、またところどころに沼とか湖とかというようなのがございます。でありますから、日本の航空機産業の特色というものをそういう水面を活用する、こういうふうな新しい発想というものをひとつ考えてみてはどうでしょうかね。これはきょう返事は聞きません。ひとつ考えておいていただきたい。航空艇と申しましょうかな、これは滑走路もなくて、なくてと言えるかどうか知らぬが、かなり短い距離で離着して、琵琶湖でも、私の福島県の猪苗代湖でも、あるいは波穏やかなる日本海でも太平洋でもどこでも離着できるんですから、日本のおくれをこういうふうな面で特色を出すというようなところをひとつ考えておいていただきたい。これはお答えはいただきません、恐らく用意がないと思うから。  それから、民間航空についての料金が非常にまちまちなんですね。私は割合に中国との関係が頻繁なものですから特に気になるんでありまするが、例えば香港に行く飛行機賃と北京に行く飛行機賃と比べまするというと、時によると何倍も違うぐらいに北京の方が高くて香港の方が安い。いろんな旅行社のエージェントの事情だの、それから航空会社の事情だの、そんな点も、私も実際かなり利用してきておりますから承知しておりますし、いろんなあやがあることも承知しておりますが、いずれにしてもマイル当たりの料金を数字なんかで見ましても非常に北京航路は高いですね。今、現実に高校生なんかが修学旅行に出かけるという場合に、韓国とか台湾とかというようなのが非常に多いのです。中国というのはほとんどないですね。これは料金が高いからなんです。距離的にも若干違いますけれどもね。  しかし、その人の人生の非常に感受性の強い時期の修学旅行なんかに、何か問題を含んでおる韓国とか、事実上二つの中国は認めないという立場を出した日本が、しかも外交関係ではすっきりしない状況が残っているそういうところに、人生の門出みたいな外国旅行を選ぶというのは余り感心しないという感じがします。いずれにしてもやっぱり十五万円ぐらいで上がるように、そうすると高校生も参加できるという一般の見方であります。これはいろいろ話があるようでございますが、ひとつぜひ考慮に入れていただきたい。そういう意味で、この飛行機賃を安くするようにひとつ工夫してもらいたい。  しかし、日航は逆に上げる希望を出しまして、二度にわたって値上げの要求を出して、運輸省で すか、それを一応承認しているというふうなことで、中国側が同意しないので実現していないで昔のままだと。今でも高いのにさらにまた上げようというような動きをしておる。というのは、別にどの飛行機会社というわけじゃございませんけれども、やはりこの航路が独占的な形になっているという点もあると思うんです。そういう意味では、今の土光臨調から出た方向からいっても、いろいろ別の考えもございますけれども、とにかく中国航路を二つ認めて、そしてよい意味の努力をし合って値段も下げる、ひとつそういう考えで取り組んでいただきたいと思います。  アメリカ航路にしても、あれはロサンゼルスですかニューヨークですか、とにかく日航で乗っていったよりも、アメリカのパンアメリカンとか、そういうあっちの方の飛行機で行った方が何か計算すると十一万円ぐらい安くつくというふうな、そういう数字を私直接に聞いております。余り差があってはよくないんで、こういう点もひとつぜひ解決する課題として御検討を願います。

土坂泰敏運輸省航空局監理部監督課長

○説明員(土坂泰敏君) 航空運賃が割高であるというお話がまずございました。  運賃の比較というのを何でやるかというのは非常に難しい問題でございまして、運賃というのは基本的にコストと需要の関係で決まりますし、コストはまた距離とか時間とかいろんな要素で決まります。したがって、単純な比較はなかなか難しいのでございますが、今、先生のおっしゃいましたマイリッジというか、キロ当たりの運賃、これを試算いたしますと、北京の場合はこれは二十八・五円になります。香港の場合は三十円でございまして、近傍類地のソウルでいきますと三十三円でございます。したがいまして、必ずしも北京が高いということは言えないのではないかと思っておりますが、ただ先ほど先生もおっしゃいましたが、現実のマーケットでは、これは本当はあってはならぬことなのですが、例えば香港行きの運賃で非常に割安の運賃が出回るというようなことがございます。これは現実にはダンピングでございますが、そういうものを利用いたしますとやはり香港の方が安いということはあるかと思います。ただ、やはりそれは運賃の比較の対象としてはどうかと思いますし、正規の運賃で比較をいたしますと必ずしも高いとは言えないのじゃないかと思います。  それからもう一つ、修学旅行のことをおっしゃったのだと思いますが、修学旅行の運賃は、韓国と台湾向けの運賃、これは五十八年の一月から認可されて実施されております。中国については今ないのでございますが、実はこれは日本の政府としては同じ時期に認可をいたしました。ただ、これも中国側、中国民航との話し合いがついておりませんでしたので、中国政府の方は認可をしていない、そのために中国向けの修学旅行運賃は実施されていないというのが現状でございます。しかし、この四月にやりました日本と中国の企業間の話し合い、この結果によりまして、この十一月から中国向けの修学旅行運賃も実施しようということで合意を見ましたので、これに基づきまして中国政府が認可をすれば修学旅行の運賃も中国向けに実施されることになるというふうに思います。

八百板正日本社会党

○八百板正君 具体的には、中国向けの修学旅行がお金の面で行けないような状態をなくするようにしたいという点での一つの希望であります。今のお話のことは私も若干承知をいたしております。しかし、現実にはやはりいろいろ事情はございますが、エージェントの事情や航空会社のいろんなダンピングはございますけれども、通り一遍に出てくる数字を見るというと、例えば中国の場合は十七万四千何ぼ、これが香港ということになるというと、東京—香港は五万円ないし六万円ぐらいでキャセイとか引き受けるものも出てきているというような実情ですから、実感として、やっぱり日本航空はひとり占めだから高過ぎるのじゃないかというようなあれが出てくるのであります。事実、また私ちょっと調べた範囲では、日本航空は経営全体としては赤字だというのですね。ところが、中国・北京コースだけは黒字だ、こういうのですね。ということになると、一番大事は国際的な中国の人間とのつながりをつくっていく、そういう航路が、そこの黒字がほかの方の赤字の方に何といいますか、言ってみれば犠牲になっているような格好で、そのためにネックができて中国旅行者がふえないというようなことになると、これはやっぱり行政的な見地からしても余りいい方向じゃないと思うのです。赤字はやっぱり総体の努力で、企業努力でもってこれを消していくべきであって、それを中国コースが黒字だと、それでこれまたさらに十八万円にせいとか二十万円にせいとかいうことで、これは運輸省の方でもよかろうというような同意をされているような話も私耳にするのですが、いずれにしても行くべきところ、行きたいところにはほかと比べて不利な料金で行けないというようなことにならないようにひとつ願いたいと思います。いろいろ、それはこうだあれはこうだという御意見もおありだと思いますが、消費者と申しましょうか、ユーザーの立場がやはり大事だと思いますので行政上の理解を願いたいと、こういうふうに考えます。  それから、さっきちょっと運賃のコストのお話もございましたが、いろいろの計算の仕方があるし、単にマイル数で料金を割って一マイル当たり何ぼについているというようなことだけが問題でないことはもちろんでございますが、割引になっても案外中国旅行のコースは割引の率が非常に少ない、そしてマイル当たりに割っていくというと大変アンバランスが出ておると。直行マイルでいくというと、例えば東京−香港が直行マイルで計算すると十八円だと。それから東京—北京が五十四円だというふうな数字などもあります。単純に結論を出すわけにはいかないと思いましても、とにかく安くじで、行きたいところ、行くべきところ、行った方がいいところには行けるようにというふうに願いたいわけであります。  東京−シドニーなんか見てもマイル当たりで十七円、北京—東京は五十四円というふうな数字なんかが出ております。それから、東京−香港がまた一方では十八円ぐらいで、東京−ホノルルが二十一円なんという数字も伺っております。要は、やっぱり国際的な将来を考えて、航空行政も平仄を合わせてしかるべきものではないかという考え方であります。  時間がございませんから、最後に一言御注文を申し上げておきますが、外務大臣の外遊は当然にロンドン・サミットにつながるものだと思います。傾向として、経済サミットから何といいますか、軍事的な政策面に傾くような傾向が、西側社会のてこ入れというような形で経済協力も進んでいく、国際会議もそういう色合いが濃くなっていくということになりまするというと、これは対立を緩和する方向ではなくて、逆に対立を深める方向に加担するということになるわけでございまするから、これは自民党さんには悪いんだけれども、何かこう派閥のオルグみたいに考えて国際社会の対処をして、こっちの方のところには行ってひとつ工作する、ついでに手みやげも何億ドルというふうにぼんぼん置いてくるというような、自民党の派閥オルグ的な感覚を連想させるようなそういう外交であってはまことに困るわけでありまして、少し耳ざわりのよくない言葉でありまするが、「忠言は耳に逆らえども行うや利あり」という孔子の言葉がございます。やっぱり日本の外交の姿勢の中にも、そういうゆとりのある取り組みが求められておるのが今日の世界情勢ではないかと、こう思います。外務大臣、ひとつそういう気持ちを酌んでお願いします。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いろいろと御親切な御忠告、大変ありがとうございました。これからの日本外交、やはり非常に国際情勢が厳しい中で平和外交に徹していかなきゃなりませんし、そして、厳しい関係の国もありますが、それはそれなりにやはり対話を進めていこうというのが私の考えでございます。いろいろと先輩の皆さんの注意もいただきながら、今申し上げましたような基本路線を貫いて世界平和に貢献していきたいと、こ ういうふうに思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 ソ連がこの夏のロサンゼルス・オリンピックの不参加を発表しまして、波紋が全世界的に広がってるわけですけども、ソ連がなぜ不参加に踏み切ったかということについては幾つかの理由があるように伝えられておりますが、その理由をいろいろ見てもどうももう一つ納得ができない。何かオリンピックというものを国際政治の道具に使っているという印象をぬぐえないわけでございます。そういう意味ではまことに残念なことである、遺憾なことであると言わざるを得ないわけでございます。このような形で、この前のモスクワ・オリンピック、さらに今度のロスのオリンピックと、片肺オリンピックが続くということになると、これはオリンピックの存在そのものが問われてくるというふうなことにもなりかねないわけでございます。先ほど来大分議論が出ておりますけれども、ソ連のこの強硬態度、それからそれに対するこれまた非常に強硬なアメリカ政府の姿勢というふうな反応から見ておりますと、ここでソ連を翻意させるということは非常に難しいことだろうというふうに思います。片肺になっていく可能性が極めて強いというふうに思うわけですが、しかしさっき安倍外務大臣も答弁なさったように、多少の何といいますか、まだその話し合いの余地みたいなものが残されているような見解も述べられておりましたし、私は、非常に可能性は薄いにしてもその努力はやはりすべきであるというふうに考えるわけですが、具体的に日本として、日本オリンピック委員会の参加呼びかけをバックアップするというような形をとるのか、日本政府自身がソ連に対して働きかけることになるのか、あるいはまた、西独なんかにもそういう考え方があるようですから、そういう西側の国々と連帯してやるのか、そういう点、どういう考え方なのかということをお聞きしたいのと、もう一つ、ソ連の一部の人が言っていることに、アメリカがソ連の選手団の安全を保障すれば再考してもいいというふうなニュアンスのこともちらちらと出てるわけであって、そういう問題については、レーガン政権に対して日本政府としても要するに何かアドバイスする必要があるんではないかというふうに思うわけですが、その辺についての御見解をお伺いしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはなかなか厄介になってきたと思いますが、しかしソ連のいろいろと責任者の発言等を見ても、参加の可能性が全然残っていないように思いますし、これはやはり国際的に挙げてソ連の参加を求めるべきだ、こうして片肺オリンピックが続いていけば、これは全くオリンピックの意義を失ってしまうわけですから。  実は昨日、ブッシュ副大統領と話したときにブッシュさんも、非常にアメリカとしてもこれは残念だ、何とかソ連に参加してもらいたい、それにはやっぱり各国が働きかけることを非常に期待すると言っておりました。日本も、日本オリンピック委員会が正式な態度は二十三日に決めるということですが、委員長はそれなりに動いておられるようです。それから、IOCも動いておるわけですが、しかしそうした主催団体であるところのIOCあるいはまた各国のオリンピック委員会はそれぞれの動きが出てくるでしょうが、これはやはり世界全体の大きな行事、そしてこれがまたこれからの国際政治の中で非常に大きなウエートを持つことになるわけですから、やはりこれは無視といいますか、傍観は日本政府としてもできない。ですから外務省としても、どういう形で働きかけるか、ソ連に直接働きかける道もあると思います、あるいはまた各国とともに働きかけるという道もあると思います、あるいは国際機関で働きかけるという方法もあると思いますが、いろいろのことを今検討、研究しておりますし、いずれにしても何らかの動きはしなきゃならぬ、そしてソ連の参加を求めたい、こういうふうに思っております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 中国のオリンピック委員会は、中国としてはロス五輪に参加するという方針は変えないという態度を発表しておりますが、ところが時を同じくして、きょうの十日に予定されておったソ連のアルヒポフ第一副首相の訪中が突然延期になったということがあるわけなんですが、この延期がレーガンの訪中に対する一種のリアクションなのか、あるいはまたオリンピック不参加問題というものと関連があるのか、その辺のところがよくわからないんですが、外務省が得た情報としてどういうふうに判断をされておるか。いずれにしましても、このオリンピック問題に見られるような米ソの厳しい対立というものが、米中ソの三極構造というものにもこれからいろいろ影響してくるだろうというふうに思うわけで、その辺の判断と、もう一つは、チェルネンコ政権が発足したときに、何か緊張緩和の方に多少世の中が動くんじゃないかというふうな楽観的な見方も確かにあったと思うんですけれども、どうもこういう情勢を見ていると、今のチエルネンコ政権の選択は、今考えられる中で一番厳しい選択をしているような感じがするので、チェルネンコ政権の分析というものをもう少しやらなきゃいかぬのじゃないかという感じもするわけなんですが、その辺はどうお考えですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) アルヒポフの中国訪問については全くこれは確定しておったことでありまして、我々が中国に行ったときも、中国側は大歓迎するということをはっきりと明言をしておりましたし、ですから、恐らくこの延期の決定は突然のことであろうと思います。したがって、その原因がどういうところにあるのか私たちの想像を超えておるわけですが、おっしゃるように、あるいはレーガン大統領の訪中、これは両国とも非常に成功であったということを評価し合っておりますが、そういうことに対するリアクションであるかもしれませんし、あるいはまたベトナムに対して中国が攻勢をかけておる、こういう一つのリアクションかもしれません。何か理由がなければあそこまで準備された訪中をやめるということはないでしょうから理由があると思いますが、そういうふうな、せっかく改善に向きかけた中ソ関係がこれでもって一挙にまた逆流するということは、これはやはり世界の平和といいますか、枠組みの中で決して好ましいことでは私はないと、こういうふうに思っておるわけでございます。しかし、なかなか真相がつかめませんので注目をいたしておるわけでございます。  それから、チェルネンコ新体制が米ソ関係あるいは東西関係についてどういう姿勢を打ち出していくかということについては、これは非常に注目しております。確かに当初は、雪解けムードという感じを我々は持っておったわけでございますが、最近の一連の姿勢というものはなかなか厳しい。特にオリンピックヘの参加ボイコットということは、もしその背景に東西関係、米ソ関係が非常に大きな要因となって横たわっておるということならば、これはなかなか容易でないというふうな感じがするわけでございますが、この辺のところももう少し時間をかけてみないとはっきり今はつかめない。余り簡単にここでコメントするということはやはり差し控えた方がいいんじゃないかと思いまして、これはもう少しひとつ注意して見守ってまいりたいと、こういうふうに思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 そういう冷え切った米ソ関係という中で外務大臣は、さきに西山欧亜局長をモスコーに派遣して日ソの対話推進について一応のスケジュールを決めてこられたわけなんですけれども、東西関係が緊迫化しているという状況だけに、余計対話の筋は絶やすべきでないという考え方は私は全く正しいと思います。しかし、今述べられたような情勢から見て、ただ日本の姿勢をPRするというだけではこれは余り意味がないわけであって、本当に実りある対話をやるということであれば、やっぱりそれ相応に相当な決意が必要ではないかと思うのですが、こういう状況の中で改めて外務大臣の所信を聞かせていただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これからどういうふうにこの東西関係が移っていくか我々は見守って いかなきゃなりませんし、心配な点もあるわけですが、そういう中でやはり日ソ関係は、大変険しい中にもここまで対話路線というものを築き上げてきたわけで、西山局長が行きまして秋までの一応のプログラムは設定してきたわけですから、何とかこれは消化していかなきゃならない、こういうふうに思っておりますし、私たちはやはり厳しければ厳しいだけにむしろ積極的な姿勢というものを失ってはならぬのじゃないか、こういう方向でこれから日ソ関係についても取り組んでまいりたいと、オリンピック問題一つをとってみても、何らかやっぱり日ソ間で話し合う道を探ってみたいと、こういうふうに思っています。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 それでは次に、議題になっております民間航空機貿易に関する協定附属書の改正についてお尋ねします。  これは、東京ラウンドの成果の一つとしてつくられました民間航空機貿易協定、これの附属書に掲げてある無税または免税の対象となる品目を追加拡大するというものでございまして、我々としては異存はございません。  そこで、その関連としてまず御質問したいことは、今度の改正によって、民間航空機あるいはまたその主要部品の何%ぐらいが免税、無税になるのか。政府は、四月の二十七日に決めた対外経済政策の中でもこの問題を一項目として取り上げているわけですけれども、ざっと見て、例えばジャンボジェット一機が二百億円くらいするというんですけれども、それを輸入する場合に、今度の改正によって一体どのくらい安くなるのか、安くなるというか、緩和されるのか、その辺を聞きたいと思いますが。

恩田宗外務省経済局経済統合課長

○政府委員(恩田宗君) 今度の改正の対象になりました品目が日本の航空機の輸出入の貿易にどのくらいの影響があるかという今の御質問でございますが、日本の輸入の全体の大体五%ぐらいじゃないかと、対象品目としてですね。今までは大体九〇%ぐらいが現在の協定によって対象になっていたと。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 そうすると九五%ということですか。

恩田宗外務省経済局経済統合課長

○政府委員(恩田宗君) そうです。今度は九五%になる、今度は五%分ぐらいふえるのではないかというふうな、感じとしてですね。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 それでは次に、この一緒に配付されました参考資料について、統計関係の参考資料について二、三お聞きしたいんですけれども、まず最初に、「我が国の航空機工業の生産高の推移」という表がございますけれども、これを見ますと、昭和五十二年から五十六年ぐらいまでは大体二千億円台で推移をしておりますね。ところが、五十七年になってから四千四百三十六億円と、大体前年比五〇%ぐらいふえているわけです。こういう傾向はその後も続いているのかどうかということが一つです。  それから、その理由は何か。私の推測するところでは、恐らくこれは民需と軍需が、軍需といいますか、防衛庁向きが一緒になっているんだろうと思うんですけれども、このF15とかP3Cなどの生産が本格化したことによってふえたと、つまりそういう防衛庁向きの比率がだんだんふえてきたということによってこういう数字が出ているんではないかというふうに思うんですが、その辺のところはどうでしようか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 今、先生から御指摘いただきました航空機産業の生産高の推移に関する件でございますが、御指摘のとおり五十六年、特に五十七年のところで急増いたしております。これは今、先生御指摘のとおりでございまして、要素が二つございますが、大きく言えば、防衛庁に納入するF15とかP3Cとかいったような航空機につきまして日本のメーカーがライセンス生産を行っておりますから、それに伴なう生産量のアップというのが一つの要因でございます。  もう一つは、先生御承知のYXプロジェクトという、これは民間航空機でございますが、ボーイングとそれから日本のメーカーとイタリアとが昭和五十三年から開発いたしました飛行機でございますが、ボーイング767という形になっておりますが、これが完成いたしまして、日本は胴体部分を中心に製造することになったわけでございますが、これの生産が五十七年から数量的に入ってきておるという要素がございます。この両方の要素で、約三千億弱から四千五百億ぐらいまでの、一年間で相当程度伸びたということでございます。今申し上げました傾向というのは、五十八年度におきましても大きく変わっておりませんので、数字自体は五十七年度のほぼ横にはうような形になっていくのではなかろうかと、かように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 そうすると、その民需と防衛庁向きとの比率は、この五十七年、五十八年で大体どういうふうになっておりますか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 防衛需要のトータル生産高に占める比率というのは、大体八割ぐらいで従来推移してきておったわけでございますが、五十七年、それから現在もそうだと思いますが、民間航空機のYXプロジェクトが立ち上がってきたという要素もございまして、現在その比率が少し落ちまして、七七、八%といったようなところが防衛需要の依存度であると、こういう数字になっております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 次に、「我が国の航空機関係輸出入実績の推移」というのがございますけれども、輸入は五十七年度を見ますと二千二百三十六億円となっていますね。これはほとんどがアメリカからの輸入だというように聞いているわけですが、一方、輸出は四百四十四億円と、圧倒的に輸入が多いわけで、これは当然のことだろうと思うんですけれども、そうすると、貿易黒字をある程度緩和するための経済対策としてこの問題も一つ項目に上がっているぐらいですから、そういうアメリカ側なりその他から民間航空機を輸入すれば、とにかく金額のかさむものが輸入されますから、それで黒字が多少緩和されるということにもなるわけだと思うんですけれども、その辺のところは、具体的に特に経済対策としてそういうものを意識的にやっていくという計画がおありになみのかどうか、その辺を聞きたいと思います。

恩田宗外務省経済局経済統合課長

○政府委員(恩田宗君) 今回の協定の附属書の改正を経済対策の中に入れた意義は、一つは、もちろんこれにより航空機貿易が盛んになる、こういうことはございますが、同時に、これは関係国が一致して一斉に関税をゼロにするという意思を示したと、こういう意味で保護主義に対抗する政治的の意思のあらわれと、こういうことに非常に意義があるというふうに私どもは考えておりまして、日本政府が率先してそのような意義のある協定の批准承認に、参加に決意を示すということが、全体としてこの経済対策の方向に沿うものではないかと、こういうことで入れていただいたわけでございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 それでは次の問題で、今も私が申し上げました、政府が四月の二十七日に決めました対外経済政策について若干お尋ねしたいと思うんですが、たまたまブッシュ・アメリカ副大統領が八日に来日しまして、この対外経済政策の問題についての一応日本側の閣僚との話が終わったと思います。安倍外務大臣は二回ばかりお会いになったんですかね。二回か三回お会いになりましたね。それでブッシュさんは、日米経済摩擦がすっかり決着したわけじゃないけれども、大きな部分で一区切りついたというふうに言っておるわけなんですけれども、我々の言葉で言えば一応休戦という意思表示じゃないかというふうに思うわけだけれども、年内に再び経済摩擦が深刻化するというふうな事態はまずないと考えていいのか、ブッシュさんの言い分を額面どおり受け取っていいのか、その辺のところはどういう感触を受けましたか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) ブッシュさんはブッシュ委員会を中心にして日米間の貿易問題、経済摩擦についての解決に努力されてきたんですが、日本の一応の対外政策、経済対策によって、今おっしゃるように一つの区切りはついたと、しかし問題は残っておると、こういうふうな言い方で ございまして、そして基本的に残っておる問題としては、やはり日米間の大きな貿易インバランス、二百六十億とブッシュさんは言っておりますが、この膨大なアメリカにとっての貿易赤字というものは、今後のやはり日米間の経済、貿易関係に依然として大きな問題を投げかけておるということが一つであります。そして、これはやはり米国にとっては非常に深刻な問題だということであります。  それからもう一つは、アメリカの非常に懸案として注目しておった問題点、残った問題点がやはり解決されていないと、関税の中にもあると。そして問題は、一つは大きな問題としてやはり円・ドルですね、金融市場の自由化の問題、これがどうもリーガン財務長官からもワシントンから電話があったそうですが、ハワイの会談等でも進捗しないと。これはやはり日米間でこれからこれを解決しないと、せっかくここまで問題を処理してもこれが大きな火種になる可能性があるということを言われまして、日本の円・ドル問題についての一層の円の国際化、資本の自由化についての努力を強く求められた。これはしかし、後で竹下大蔵大臣等から話を聞いてみますと、多少やっぱり日米間に誤解があるのじゃないかと思っておりまして、大蔵省それからアメリカの財務省でこれから話を詰めていけばある程度の解決はできるのじゃないかというふうな私たちは判断を持っておりますが、ブッシュ副大統領の発言としては大体そういうところでした。ですから、これまで日本がやってきた一つの努力、これは何回も市場開放対策を進めてきましたし、特に今回のパッケージに至るまでには、例えば昨年の秋から自動車の自主規制だとか、あるいは電電の開放であるとか、農産物の交渉であるとか、あるいはVANの問題であるとかサテライトとかいろいろとやってきまして、そして関税の引き下げ、ここまでパッケージになったわけで、その辺の一連の日本の努力はやはり評価はしておられたということであります。  また日本としましても、日本がそれだけの努力をしているということは、やはり日米間でこれだけの貿易のインバランスがあることもその背景にありますが、同時にまた、自由貿易体制というものを日本自身が進めていかなければ日本自身の生きる道がないし、また世界の経済の均衡ある発展を考えるときに、やはり自由貿易体制というものは絶対に必要である、日本が自由貿易の先兵となってやはり切り開いていかなきゃならぬという決意が今度の市場開放につながったわけでありますが、やはりもう一つの旗手であるところのアメリカにも自由貿易体制を守ってもらいたい、こういうことで、例えばユニタリータックスの問題とか、あるいはアメリカの議会の中で渦巻いておる保護主義の問題とか、この点は私も指摘をいたしまして、そして日本もこれだけやってきたけれども、アメリカも選挙を控えていろいろと問題はあるかもしらぬけれども、自由貿易体制を守るためにレーガン政権がもっと積極的に、やはり保護主義と言われる体制を打破するためにひとつ努力してほしいということを強く注文をつけたわけであります。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 大蔵省の方来ておられますか。——今、安倍外務大臣からお話もございましたように、ブッシュさんが強調した点で、残された問題として円の国際化、金融資本市場の自由化、これが一番大きな問題のように承ったわけですけれども、日米円・ドル特別会合が先月の十七日までワシントンで開かれたときに、その第三回作業部会が終わった後で新聞報道によると、日本側が、実質決着したというふうなニュアンスのことをどうもPRしたような感じが私はするわけなんですね。それで、残されてどうしても調整がつかない問題については両論併記でいけるんだということを大場財務官がしゃべったというようなことも出ておりましたけれども、ところがその後の動きを見ておりますと、先ほども安倍さんから話がありましたように、またハワイで調整作業をやるとか、きょうあたりまた東京でやっておるわけですね。それからさらにローマでやる、そして今月の下旬には大蔵大臣とそれからリーガン長官に対する報告書を何とかまとめたいということでやっているようですけれども、どうも少し一般の国民に与えた印象と違うんじゃないか。やっぱり相当の積み残しの問題がシリアスにあって、今そういう状況が続いているのではないかという印象を持つわけなんですが、一体何が積み残しになっているのか、それをまずお聞きしたい。  それから、そうは言っても、報告書をつくる過程の問題であって結局は何とかまとまるんだと、山は過ぎたんだというふうに見ていいのか。それから、非常にアメリカが強硬な場合には両論併記なんということが果たしてできるのかどうか、その辺のところをなるべく具体的にひとつ答えていただけませんか。

畠山蕃大蔵省国際金融局調査課長

○説明員(畠山蕃君) ただいま御指摘がございましたように、円・ドル委員会につきましては本年二月、三月、四月と作業部会を開きまして大変に多数の項目にわたりまして議論をいたしました。しかしながら、四月の第三回会合におきまして、そのほとんどについては私どもの方の考え方をアメリカ側に提示をいたしまして、アメリカ側も、かなりな分野においては評価できる、非常に有益な答えをいただいたというような評価になっていることは事実でございます。したがいまして、その意味におきましても、新聞に報道を一部されましたように、第三回会合をもっておおむねの山を越したという見方が可能であろうと今でも思っております。  しかしながら、御指摘のように完全に解決したかというとそうではございませんで、何が問題として残っているかと申し上げますと、一番対立といいますか考え方が違っておりますのがユーロ円市場の問題というふうにくくることができようかと思います。これにつきましては基本的な日米双方の考え方において差異がございまして、若干長くなって恐縮でございますけれども、アメリカ側は完全にフリーなユーロ円市場をつくってほしいという基本的な考え方に立っておるのに対しまして、私どもは、ドイツやスイスでもそうであるように、やはり円の国際化を進めるに当たっては国内金融資本市場の自由化を優先し、それに見合った形でユーロ円市場を自由にしていくという考え方に立っておるものですから、そこの基本的考え方に沿った個別的な措置について意見の相違が見られるということで、その辺についてハワイで詰めるべく努力をいたしましたし、それから今回また東京でもその意味で引き続き討議を続けなければならないという状況でございます。  しかしながら、その他の問題についてはおおむねの解決を見ておりまして、現在やっております東京での会合は、そのユーロ円についての若干中身にわたる部分もございますけれども、それを含めて、全体的にはローマで行います起草委員会、文章をつくる起草委員会の前段階のおおむねの煮詰めの作業をやっておるということでございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 大臣が所用があるようですから一言だけ聞きたいんですけれども、例の二階堂自民党副総裁がブッシュさんに会って、日本車の対米輸出自主規制は来年度も継続すべきだということを言ったということなんですね。それで藤尾政調会長も早々と自動車工業会に協力要請したりしていますね。アメリカの方は、例えばブロックさんはとにかくこういう自主規制をやめるべきだという意見だし、リーガン財務長官はまだこれはカードとしてとっておくべきだというような意見であるし、アメリカの方が対立というか意見がまとまらないときに、早々と日本の方から来年もやりますというふうなことを言うのは、そこにいろんな事情があるにしてもいかにもちょっと早過ぎるような気がするのであって、こういう問題がこじれると、要するにアメリカに対して与党の幹部が言質を与えたようなことになって日本外交としても非常にまずいと思うので、その辺は安倍外務大臣としてはどういうふうに受け取られておるかお聞きしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは党は党でそれ ぞれの立場で発言がいろいろ出てくるだろう。それはまたそれなりにやむを得ない面もありますし当然のこともあるわけなんですが、この自主規制措置というのは政府が業界と相談してやっておることでありまして、そうして一応アメリカとの間でも年限を決めておるわけですから、それはそれで一応の政治事情に沿ってやっていることでそれ以上のものでないことはまたこれ事実なんですね。  それから私は、どうも党の方の幹部の言っておられるその真意というのは、そうした今の政府あるいはまた業界のとった措置そのものをどうだこうだというんじゃなくて、貿易摩擦の大きな原因になるのはやはり集中豪雨的な輸出ですね、これが結局貿易摩擦を生んでいるという一つの要因をなしているこれまでの原因もあるわけですから、自動車なんかは非常に日本が強いだけに、やはり将来また集中豪雨的なものになってそしてアメリカの業界を混乱させ、それがまたはね返ってもっと厳しいものになっても困ると。ですから、この辺でいろいろと集中豪雨といったようなことについての一つの、別に専門的なということじゃなくて一種の政治的な立場からのふわっとした、集中豪雨的なものになっちゃ困るんだというふうな言い方、そこに一つの真意があるんじゃないかと。そういうわけで、規制そのものというのは今ずっと続いておりますし、そしてそれはスケジュールどおりいくというのが前提ですし、これは日米間で話ができておるわけですから、今この措置がどうだこうだという直接的なものじゃないように私は判断しておりますし、またそうあるべきじゃないかと、そういうふうに思っております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 これは外務委員会なんかで聞くのはちょっと場違いかもしれませんけれども、今の問題と関連をいたしまして、国内の金融の自由化、特に金利の自由化の問題ですけれども、大蔵省の金利の自由化の方針は、金利の規制撤廃は大口貯金から順次進めていくと、こういう方針をとっているようです。ところがこの間郵政省の澤田貯金局長が、段階的に小口は最後に回す、つまり郵便貯金など小口の預貯金は最後に自由化するという方針に反対だと、やっぱりやる以上は大口も小口も一緒にやるべきだというふうな見解を発表されたというんで、大蔵省の見解と対立しているような報道がございましたけれども、これはどうなんですか。大蔵省とそれから郵政省のそれぞれの言い分を聞かしてください。

永田俊一大蔵省大臣官房企画官

○説明員(永田俊一君) お答えいたします。  特に国内金融市場の自由化につきまして預金金利の問題でございますけれども、先生から今御指摘のありました大口から小口へというお話でありますが、我々現在展望といったものを検討中でございますけれども、基本的な考え方といたしましては先生がおっしゃるとおり、金利の自由化は、既に国債を中心としました国債市場といったものが拡大しております。あるいはその内外の資金移動といった形で大口の専門家を中心としたマーケットを通じました自由化が促進されております。それから預金の分野におきましても、大口の自由金利商品でありますところのCDの創設とか、あるいはその発行条件の弾力化というものが漸次進んできておるわけであります。したがいまして、こういう流れに沿って進めていくのが自然であると考えておりますし、そういう意味で大口の預金の自由化から入っていくということが自然ではないかと考えております。小口預金金利の自由化について別に論じないというわけではございませんで、繰り返しでございますけれども、現実的なアプローチによりまして小口金利に至るということが適当なのではないかと考えているわけです。  若干敷衍いたしますと、その小口の場合におきましては、小口預貯金といいますか、小口貯蓄等の金利につきましてはやはり不安定な金利変動の可能性もありますものですから、そういう自由化の中において直ちに自由化を行うことの可否といったものも考えなければいけませんと思いますし、そんなこともございまして、その手順として大口から小口へ進めていくのが現実的な手順ではないかと、このように考えている次第でございます。

結城淳一郵政省貯金局規画課経営企画室長

○説明員(結城淳一君) 金利の自由化につきましては、郵政省としましても金融の国際化、国債の大量発行、こういったことを背景といたしまして時代の流れであるというふうに考えておりまして、郵便貯金もこういった動きに積極的かつ前向きに対応していかなければならないという考え方で進めてまいっております。こういった自由化に対応していくためには、郵便貯金が市場の実勢にふさわしい金利を提供できるようなそういう必要があるわけでして、そういった意味で郵便貯金の資金運用の改善ということも不可欠であろうかというふうに思いますが、今の大口、小口の自由化の問題でございますけれども、我が国では大口から自由化を進めて、個人、小口の預貯金金利の自由化については最後に検討を行うというような動きにあるわけでございます。  小口の預貯金の範囲につきまして、どのようなものから小口とするのかという点では議論があろうかと思いますけれども、仮にマル優でございますとか郵便貯金といった非課税預貯金をとってみますと、法人、個人を合わせた預貯金が五十七年度末でございますけれども、約三百五十兆円ほどございます。このうち非課税預貯金ですね、これが約二百十兆円ということで、六割を占めておるわけでございます。こういったものを圏外に置いて自由化と言いましても、これは真の自由化ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。自由化が今後進展していきますと、ある意味では、従来の人為的な低金利にかわりまして本来のあるべき金利が実現する可能性があるわけでございます。そういった意味で、小口預貯金者の利益の実現のためにも小口預貯金金利の自由化を進めていく必要があるというふうに考えております。それから、小口預貯金を規制の枠内に閉じ込めておこうといたしましても、自由金利商品というのがたくさん最近出ておりまして、こちうの方へ資金シフトが生ずるわけで、これが自由化を進めていく上では、規制を維持していたのでは金融機関自体の資金調達が困難となりまして、金融の混乱へとつながるおそれもあるわけでございます。したがいまして、大口と小口の自由化にタイムラグを置くということは適当でないというのが我々の考え方でございます。  それから、なお小口預貯金金利につきましては、金利が頻繁に変更されたり乱高下することを避けるため自由化は適当でないという指摘もあるわけでございますけれども、これに対しましては、金融機関が市場の実勢を的確に反映する商品、それから金利の安定性を重視した商品、こういったニーズに適合した多様な商品を提供することによりまして、こういった中から何を選ぶか、これは預金者の選択に任せればよいのではないかと。したがいまして、金利についてのマイルドな変動、こういった必要性というのは何ら小口預貯金金利の自由化をおくらせる理由にはならないというふうに考えておるわけでございます。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 この問題はなかなか重要な問題ですから、よく調整をしてやっていただきたいと思うのです。  時間がなくなりましたかも、最後に波多野さんにお伺いしたいんですけれども、この間波多野さんがイラクに行ってそしてイランに立ち寄ろうとしたところ、新聞の報道によれば門前払いを食らったということで、大使とはお会いになってすぐ出てこられたようですけれども、外務省の言い分によれば、とにかく別にイランがそれを締め出すというようなことではなくて、時期が悪いから改めて来てくれというふうなことで、改めてお出かけになるというふうなことが伝えられておるわけですけれども、第三者の立場から見ると余り格好のいいことではないようにも思うわけであって、その辺のいきさつは一体どうなのか。  それから、イラン、イラクの問題についてのいわゆる調停といいますか、そういう仲介というふうな問題に今まで安倍外務大臣も努力してきたん だけれども、日本の思い込みみたいなところが少しないかどうか。やや甘い思い込みというようなものがないかどうか、その辺はどうお考えになるか最後にお聞きしたいと思います。

波多野敬雄外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(波多野敬雄君) イラン・イラク紛争の和平問題が極めて難しい問題であるということは、我々も従来から十分認識しておるわけでございます。今回、イラク、イランに参りますに先立ちまして、米国、フランスともいろいろ協議いたしましたけれども、米国、フランスも全くこの問題についてはお手上げといった状況で、両国とよい関係にある日本に期待するところ大であるという期待の表明がございました。それからイラクに参りますと、最初外務次官と数時間にわたって討議しました後、当初は先方の外務大臣とは三十分の予定で時間をとっておきましたけれども、先方が二時間にわたって日本に要望というか要求というか注文というか、とにかく日本こそこの問題について和平環境を醸成する上で最も適当な地位にあるんだから、日本にもっとやってもらわなくちゃならないということをるる述べられた次第でございまして、我々としてこれがすぐにできることだとか、我々が当初から申し上げておりますように、仲介、調停の労をとり得るということは必ずしも言っておらないわけでございまして、それにもかかわらず、いかに難しい問題であっても、難しいがゆえに放置するのはよくないんじゃないだろうか、難しいがゆえに日本こそできるだけの努力を尽くさなければいけないんじゃないだろうかという感じで取り組んできておりますわけでございます。  イラクの後イランに参りますことにつきましては、イランの方から、いろいろな事情があって今回はしかるべき人がお会いできないから日を改めて、その日を改めてということが何も何週間も何カ月も置かないでもいいと、数日でも置いて、ちょっと日を改めて来てくれればその際は大歓迎したいという連絡を受けておりましたけれども、当方としては現地におります大使と事務連絡もございましたのでちょっと立ち寄らなきゃいけないということで、大使館との事務連絡のために立ち寄ったわけでございます。もっとも、参りますと、空港にはイランの外務省の関係者が出迎えておりまして、特別貴賓室に案内されまして、そこで茶菓の接待を受けながらいろいろ話を聞かれるし、こちらも話をすると。ただ、先方が繰り返し断っておりましたのは、これは非公式に私は参りましたと、私的に参りましたと、私的に今ここであなたからお話を伺っているんですと、非公式に伺っているんですと、公式にはまた改めて来てくださいと、そのときには大歓迎します、そのときにはまたゆっくりお話を伺いたいということで、決して門前払いというような感じは私自身は全く受けなかった。今回はそれなりに有益なイラン訪問をしたと私は思っております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 終わります。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時十分再会することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      —————・—————    午後二時十一分開会

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 我が党といたしましてはこの協定自体には賛成するものでございますが、いただきました資料を見ますと、各国の航空機生産の生産額、輸出額の比較を見ますと日本は第七番目ということですけれども、航空産業が大変に付加価値の高い産業であり、現在発展途上国の追い上げが大変に厳しく、軽工業は次第に発展途上国に譲っていかなくちゃいけない時代を迎えまして、技術立国日本はこの分野にもっと力を入れなければならないと考えられるのでございます。  そこで、今日の日本の航空機技術でございますが、率直に言って世界でどれくらいの水準なのでしょうか、お答えいただきたいと思います。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) お答え申し上げます。  今、先生御指摘のとおりでございまして、現在我が国の航空機生産、これは軍用も民用も合わせましてでございますが、トータルで五十七年の数字で約四千五百億程度ということになっております。  御指摘のとおり、第一位が断然トップでアメリカでございまして、生産額、これは五十五年の数字でございますが、約八兆円強という数字になっております。我が国の総生産の世界全体の総生産に占めるシェアが大体三%程度で推移してきているというのが現状でございます。したがいまして、まとめて言いますと、第一グループといいますか、断然高水準に行っておりますのがアメリカ、それからその次にイギリス、フランス、あるいはドイツといった欧州諸国、これが第二グループを形成いたしておりまして、日本はその次という第三グループに属しておるというのが現在の生産額から見た状況でございます。  こういう関係で、全体といたしましては比較的日本はおくれておるわけでございますが、これは御承知のとおり、第二次大戦後七年間の航空再開までの空白期間というのがございまして、この間に世界全体が物すごい勢いでジェット化時代に突入したというところが決定的な違いでございます。その後、どうしても日本のマーケットが国内的に小さいとかいろいろの制約条件がございまして、現状のようなことになっておるわけでございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 航空機の製造技術は、単に航空機のみの製造にとどまらず広く一般技術の集大成であると考えられると思うのでございます。例えば、機体の素材の開発一つとりましても、軽さとか強度、あるいは耐熱、耐寒性等から、これらが高層ビルとか橋梁、末端の方までいきますとスキー用具に至るまで利用されるという面が多々あると思うのでございます。まして制御装置などになりますと、コンピューターからエレクトロニクスの製造業とも深く交錯してまいりますので、日本は航空産業の発展と育成ということに、日本の一般産業技術育成という観点からも評価して国家的に考えなくてはいけないと思うのですが、いかがでございましょうか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 今、先生の御指摘のとおりでございまして、航空機産業といいますのは付加価値が非常に高うございますと同時に、いわば一口で言えば先端技術の固まりのようなものでございまして、技術水準自身が非常に高いということと同時に、何十万点と言われる部品を全部形づくる、そういうものを寄せ集めて集大成するものだということで、技術が非常にすそ野の広い産業に波及していく、非常にこういった特色を有しておるわけでございます。したがいまして、こういう特色のある先端技術の固まりである航空機というものを、諸外国とも将来の産業構造上非常に重要な役割として考えておりまして、それに対してはその振興育成に努めておるというのが現在の世界の状況でございます。  我が国につきましても、今、先生御指摘のとおりのような認識でございまして、先ほども申し上げましたような戦後の日本の特殊性という厳しい環境下ではございますけれども、三十年代後半のYS11という初めての国産ジェットをつくりましたけれども、それ以降、国際共同開発路線に沿いまして、逐次政府としてもその発展を図るべく手を打ってきておるというのが現状でございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 日本の航空機技術の中で、流体力学、構造力学、電子機器から油圧装置に至るまでいろいろ分野があると思いますけれども、この中ですぐれている部分と脆弱な部分とが当然日本としてあると思うのですけれども、その点について御説明ください。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) お答え申し上げます。  日本は、今申し上げました形で徐々に技術のレベルアップを図ってきておるわけでございますが、比較的全体の技術の中で日本が得意としてお りますといいますか、先端、第一線分野に近づいてきておるというものは、部品関係で言えばエレクトロニクス関係というのが比較的諸外国から注目されておるわけでございます。  あと素材面で申し上げますと複合材、これは軽くて強い材料でございますけれども、複合材分野についての日本の技術水準というのが比較的注目されておるところでございます。  他方、アメリカの方が進んでおる分野ということになりますと、当然のことながら航空機のジャイロとかあるいは高性能の航空機独特のコンピューターとかといったようなそれぞれの機体制御装置等々いろいろございますけれども、その分野というのはこれから頑張っていかなきゃいかぬ分野だと、こういうふうに考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 英国、フランスなどは、国として航空機産業に保護を与えておりますし、また米国なんかにつきましては軍用機の開発には一〇〇%補助しており、そしてこれを民間に転用することを許可しておりますので、結果的に航空機産業に保護を与えているという結果になっておりますが、日本はこの点、国としての取り組みが弱いのではありませんか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 御指摘のとおり、航空機産業の先ほど申し上げましたような特質、つまり高付加価値の先端技術産業であって将来の技術立国の中心になるものだというそういう性格と、他方、航空機の開発というのは大変難しい技術の開発で、さらにはそれに膨大な資金が要り、かつその投資した資金の回収に非常に長期間を要するというリスキーなビジネスであると、こういう二つの性格がございまして、そういう性格から、片や振興する必要があるけれども、リスクマネーをいかに確保するかというのが大きな課題でございまして、欧州諸国等で例を挙げますと、国策会社をつくりまして国が丸抱えで開発する。例えば英仏で開発しましたコンコルドとか、あるいはエアバスなんというのはそういった方式で国が大幅な助成を行っておると、こういう形で振興いたしておるわけでございます。  我が国の場合に例をとりますと、昭和三十年代に日本航空機製造株式会社という国策会社をつくりまして、六十人乗りのYS11という飛行機を初めてこれは国産化したわけでございます。これは約百八十機生産いたしまして、日本の国内はもちろん、諸外国にも売れたわけでございますが、その後、昭和五十三年からYXプロジェクトというプロジェクト、約二百人乗りのジェット旅客機でございますが、アメリカのボーイング社、イタリアのアエリタリア社、それと日本の航空機産業、この三国の共同開発ということで開発をいたしました。これは五十七年に完成いたしまして、現在世界の空を飛んでおります。約二百四十機強の受注をいただいて飛んでおりまして、日本にも既に九機入ってきて飛んでおりますけれども、これの開発をいたしますときに、トータルで約百五十億弱、補助率にして約半分ぐらいの助成を国が行いまして、初めて国際共同開発に着手し完成させたという実績がございます。  それから、その次に参ります約百五十人乗りクラスの新しい飛行機でございますが、YXXプロジェクトというので、現在国が助成をいたしまして次のプロジェクトに取り組んでございまして、つい先般、アメリカのボーイング社と共同開発をしようということでパートナー選びを決定して、これからそれの詳細な詰めを行っていく、こういう段階に差しかかってきておるわけでございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 航空機の開発は大変にコストが高くつくことから、共同開発はリスクが少なくて済むという御意見はよくわかりましたけれども、国としての保護、補助がこの程度で、今後日本が技術立国として生きていく上で十分なのだろうかと、こういう疑問を持っておるわけでございます。そして、ただいま日本はYXX計画というのに参画してやっているということでございますが、これの補助はどういうことになっておりますか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) YXX計画でございますが、これが航空機・機械工業審議会の答申をいただきまして、次期民間航空機として百五十人乗りクラスの航空機開発に取り組むべきであるという答申をいただきましたのが五十六年でございまして、昭和五十六年以来、日本でそれを開発する場合の基本的な設計、あるいはそれに付随します種々の技術のための要素試験等々の準備をやる、そういう研究開発をしてきておるわけでございますが、それに対しましては、昭和五十九年度、来年度のベースで申し上げますと約六〇%の国の助成をしておるということになっております。それで、先ほど申し上げましたように、国内でそういう準備をしながら、他方、共同開発のパートナー探しを過去二年間延々とネゴをやってまいりまして、ボーイングとやるということで決定いたしたわけでございます。それで、今鋭意ボーイングと日本との間で、これから具体的な採用技術だとか細かい設計とか分担とか、そういったことをずっと詰めを行うことになっておりまして、しかるべき時期にゴーアヘッドをかける、ゴーアヘッドと申しますのは、本格開発に着手するわけでございますが、それをかける時期が訪れることになっております。これに対しましてはまた巨額な開発費がかかるわけでございまして、これにつきましても先ほど来私が申し上げましたように、欧州諸国その他諸外国の政府の助成の水準というのは大変手厚い助成をしておるわけでございまして、そういったものとよくにらみ合わせながら最大限のサポートを国としてもしていくべきではなかろうかと。当然のことながら、他方において厳しい財政事情がございますから、その辺の事情も十分財政当局と御相談申し上げながら、しかるべき時期にしかるべき対応をしていきたい、かように考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 しかるべく本格開発に入る予定であると、このように言われましたけれども、現在の進捗状況はどの段階にあるわけですか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 先ほど申し上げましたように、ことしの三月の十六日でございますが、ボーイング社との間で了解覚書に調印いたしました。その調印を結びましたときの双方の共同発表の内容で申し上げますと、この新しい飛行機というのは一九八〇年代末もしくは一九九〇年代初頭にマーケットに出ると、それを目途にこれから共同で準備を進めましょうと、こういうことになっております。  この市場に出ます時期というのは非常に関連するところが多うございまして、まず世界の航空マーケットの状況の要素が一つございます。それから、革新技術の進歩の度合いを見計らうというものがございまして、どの技術を入れるかという時期が一つ重要になってまいります。もう一つは、搭載いたします新しいエンジンの開発が今実は五カ国で行われておりまして、日本もそれに参画しておるわけでございますが、そのエンジンの入手可能な時期というのがもう一つの要素になります。そういうのを全部寄せ集めまして、かつマーケットをにらんで八〇年代末もしくは九〇年代初頭にサービス、つまりエアラインに引き渡して旅客を輸送する形にしようと、こういうことでございまして、それから逆算いたしますと、現在これから約一年ないし一年半もしくは二年と、その辺はいつ出すかという決定次第で逆算して開発期間を差っ引けばゴーアヘッドの時期が出てくるわけでございますが、その辺を共同で、ジョイントでスタディーをし、ジョイントでこれから立案していくと、こういう段階でございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 ただいまエンジンの開発と言われましたが、それはいかなるものでいかなる国が参画してやっておられるものですか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 新エンジンの開発に関する御質問でございますが、現在我が国が参画いたしておりますエンジン開発と申しますのはV二五〇〇というエンジンでございまして、ちょうど先ほど来御質問に出ております百五十人クラスの飛行機に搭載することを予定しておる小型、比較的小型に属しますが、エンジンでございます。共同開 発をいたしております相手国は、アメリカのプラット・アンド・ホイットニー社、これは世界の民間航空機エンジンメーカーのナンバーワンの実績を持つ会社でございます。これとイギリスのロールスロイス、これがそれぞれ三〇%のシェアを持ちまして、それに日本が二三%のシェアを持ちまして、あとドイツのMTU社、それからのイタリアのフィアット社、この全部で五カ国が共同で開発を行っておるわけでございます。昨年の十二月に五カ国でジョイントベンチャーをつくりまして、そこが核になりまして既に開発に着手いたしております。一九八八年の春に型式証明を取得しようと、それで、そこででき上がったものを新しい飛行機にくっつけようと、こういうことで現在やっておるところでございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 ただいまジョイントベンチャーのシェアについて米英については三〇%というお話がございましたが、日本はどれぐらいのシェアで参画しておりますか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 日本のシェアは二三%ということでございまして、ドイツが一一%、それからイタリアが六%と、こういうシェアで入っておりまして、ロールスロイスとプラット・アンド・ホイットニーというのはいわば世界の航空機エンジンメーカーのしにせといいますか横綱級でございまして、そういうところが最大のシェアを持つのはこれは当然であろうと思いますが、それに準ずる形で日本も二三%で参画しておる、対等な形で入っていこう、こういうことで取り組んでおります。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 二三%というかなり大幅な率で参加しておられるのは大変心強いことでございますが、これに対して日本政府としてはどのように補助を与えていかれるおつもりですか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 現在開発に取り組んでおりますV二五〇〇エンジンにつきましては、日本が担当いたします二三%のシェア分、つまり日本が開発を担当する分、技術的な用語で申し上げますとファンと圧縮器の関係の部分が中心でございますが、それに要します資金に対しましては、現在六五%の比率で国が助成をしておるというのが現状でございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 先ほど来申し上げておりますように、これからの日本の産業立国としての生き方からしましても、この高度の技術である航空機製造業にひとつ国としても積極的に取り組んでいただきたいと思うのでございます。  ところで、この数日新聞紙上をにぎわしております実用放送衛星ゆり二号aですか、故障したということでございまして、その故障部位がフランスのトムソン社製の高圧電源のある部品の絶縁劣化が原因であると新聞紙上ではそのように書いてあるのでございますけれども、この装置は日本では技術的に賄えない分野なのでしょうか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 非常に高度な専門的な分野の御質問でございまして、今、先生御指摘になりましたそういう部品、そういうものが日本でどういうふうに宇宙産業の現実に使われておるかということは、ちょっと今手元に資料がございませんので、後ほどよく調べまして御報告に参りたいと思います。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 急に申し上げましたので大変失礼いたしました。  日本の衛星、気象衛星とか通信衛星とかいろいろあると思いますが、聞くところによりますと、米国の航空宇宙メーカーからブラックボックス、すなわち、ある部分だけは絶対中をあげないという条件のもとにその中枢的部分を購入してこれを使っている。日本は今や世界の技術一流国になったというようなことを日本人みずからが言って誇っておるようでございますが、実情は、この宇宙開発の面なんかにおいては極端におくれている。今伺いますと、航空技術の面も世界の第三グループを走っているんだということでございましたので、これはひとつ要望でございますけれども、日本の技術の高度の発展のために政府としてもお力をいただきたい、こういうことをお願いしたいと思うのでございます。  さて、ちょっと航空機とは話が違って恐縮なんでございますが、実は前回の委員会で、放射性廃棄物の海洋投棄の問題についてお伺いする質問が残っておりましたので、ちょっとその残りを質問させていただきたいと思います。  前回、日本の放射性廃棄物の海洋投棄の問題につきましては、放射性廃棄物と申しましても低レベルのものと高レベルのものがあるのだと、こういうことを伺いますとともに、現在の貯蔵量は約五十万本で、一本が二百リットルである、こういうことを伺ったわけでございますが、今後この放射性廃棄物の貯蔵庫の収納スペースからいってあと何年ぐらい余力があるのか、お答えいただきたいと思います。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 現在、我が国の原子力発電所などの原子力施設に保管されております低レベル放射性廃棄物の量は前回の委員会でお答えいたしましたが、正確な数字といいますか、最新のデータでは、昭和五十九年三月末現在におきまして、二百リットルのドラム缶に換算して約五十二万本ということでございます。  今後どのように発生するかということは、原子力発電の開発規模、それから廃棄物の減容、これは容積を小さくする技術でございますが、そういった技術の進展によりまして左右されますけれども、年間にして約五ないし六万本程度が発生するであろうというふうに見られております。  また、高レベル放射性廃棄物につきましては、我が国では動燃事業団の東海再処理施設からのものでございまして、現在百五十四立方メートルの高レベル廃液が厳重に保管されております。この量は、動燃事業団の試算によりますと昭和六十年度に約二百十立方メートル程度になるというふうに見込まれております。  原子力発電所等の原子力施設におきます低レベル放射性廃棄物の保管の能力でございますが、現在またさらに追加は可能でございますが、八十五万本程度の能力がございます。したがいまして、現在のところまだ相当に余裕がございます。それから、動燃事業団の高レベル放射性廃液の貯蔵庫でございますが、現在のところ三百六十立方メートルの貯蔵能力がございまして、これもまた当面余裕がございます。しかしながら、こういった廃棄物は原子力施設に保管するということではなくて、最終的には陸上ないし海上における処分が必要だということで考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 前回も申し上げましたように、海洋投棄についてはこれに反対しておる北欧五カ国ほか大洋州の国々があるわけでございますけれども、過去海洋投棄を行った国があれば、その国及び投棄した時期、投棄量を明らかにしてください。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) ヨーロッパにおきましては、一九六七年以来イギリス、オランダ、ベルギー、スイスなどが、一昨年、一九八二年まで総量で約百万キュリーの低レベル放射性廃棄物を北東大西洋、これはスペインから約七百キロメートル沖の海域でございまして、海の深さ五千メートルということでございますが、そこに投棄しております。この投棄は、経済開発協力機構原子力機関、OECD・NEAというものがございまして、ここで海洋投棄多数国間協議監視制度というものがございまして、この監視機構の監視のもとに各国の責任において海洋投棄が実施されております。  また、米国におきましては、一九四六年から一九六九年まで太平洋及び大西洋で総計約六万キュリーの海洋投棄を行っております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 そうしますと、最近においては各国とも海洋投棄を行っていない、すなわち陸上処分をしておるということになりますが、例えば世界第二位の原子力発電国フランスでは、現在とのようにこの放射性廃棄物を処理しておるでしょうか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) フランスにおきましては、新しい新設の発電所はすべて原子力によるものという国策に従いまして原子力開発を推進しておりますが、これに伴います放射性廃棄物につき ましては、当初は御指摘のとおり海洋投棄を行っておりましたけれども、最近では浅地陸地処分これは非常に浅いところにドラム缶及び固化体を薄く埋めるという処分方法で行っております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 では、英国とか米国はいかがですか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) イギリスでは、一昨年まで、一九八二年まで海洋投棄を行っておりましたが、昨年もやはり実施する予定でございましたところ、港湾労働者の反対、ストライキによりまして実施できなかったというのが現状でございます。イギリス、オランダ、ベルギー、スイスは今後とも海洋投棄を続けていくというように承知しております。アメリカにつきましては、各州ごとに集積場と申しますか、廃棄場を砂漠のような土地を利用して現在つくっております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 米国では民間の処分会社もあるのだというように聞いておりますが、その点はいかがでしよう。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 原子力発電所からの廃棄物、特に低レベルにつきましては民間の責任で行われるということになっておりますので、各州ごとにそういった、場合によっては第三セクターのようなものが行っております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 日本における陸地処分の技術開発の進捗状況はいかがでしょうか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 陸地処分の問題につきましては、原子力委員会の廃棄物の処理処分の方針で海洋処分及び陸地処分をあわせ行うということで、陸地処分に至ったときの安全評価の問題、それから場所の選定等につきまして国を中心として研究開発を行っております。この陸地処分は海洋処分と違いまして、廃棄物が非常に長期間人間の生活環境に近いところにとどまるという観点から、安全の評価に万全を期さなければいけないということで、現在安全評価のための研究が鋭意行われておりますが、陸地処分の場合に、これを処分した後全く無管理の状態にするということではなくて、ある程度の管理を行いながら長期間集中的に保存するといういわゆる敷地外貯蔵の概念が現在進められておりまして、御承知のとおり、電気事業者ではその具体的な立地の選定に現在当たっているところでございます。この立地選定ができますと、国といたしましては適当な安全評価等を行いまして、これが可能かどうか、許可を出すかどうかということについて検討してまいりたいというふうに考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 そういたしますと、陸地処分の可能性については今どういうことでしようか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 我が国の原子力発電の進展は、今後資源事情からして必然的にふえるものと考えております。しかし、陸地処分を行う場合には日本の国土が非常に狭い、また人口密度が非常に高いといったような観点もございまして、すべて陸地処分に頼るというわけにはいかないかと考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 海洋処分については環境安全評価が当然先行するわけですけれども、この評価は終わっておるのかどうか、もし終わっておるとすればどのような評価方法をおとりになったのか説明してください。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 低レベル放射性廃棄物の海洋投棄、海洋処分の安全性につきましては、昭和五十一年に科学技術庁におきまして安全評価を行いました。これを報告書として取りまとめまして、安全評価に一層慎重を期す観点から、原子力安全委員会におきまして再度審議をお願いしたところでございます。原子力安全委員会におきましては、昭和五十一年十一月に、海洋処分に伴う環境の安全は十分確保できるというふうに認めております。  この安全評価の中身を若干御説明申し上げますと、放射性廃棄物を海に投棄した場合、現在考えております海域は六千メートルの深海底でございますので約六百気圧の圧力がかかるということになります。この圧力によっても基準を満たした固化体、投棄物は破壊しないということがはっきりわかっておるわけでございますが、安全評価の観点からは、これが深海底に着底したと同時に直ちに壊れてしまって中の放射性物質が全部放出されるという厳しい仮定を行っております。この放射性物質がさらに海洋の生物の食物連鎖による濃縮などを含めまして非常に厳し目の評価をして、この濃縮された魚を人間が食べるとか、その海域で例えば漁師が操業をするとかいったようなことを想定いたしましても、自然に存在しております自然の放射線による被曝の水準、これは大体日本平均で百ミリレムと言われております。これは地域によって若干の差はございますが、これの一千万分の一程度というのが試験的海洋処分についての評価でございます。この試験的海洋処分についての評価を実際に確認してこのとおりであるといいますか、これよりも恐らく検出できないだろうと思いますが、これを確認した上で本格的処分に入ろうということが現在の計画になっておりますが、この場合の被曝線量は、同じく自然の放射線によりますものの一万分の一程度の被曝線量で全然無視し得るレベルであるというふうに評価されております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 過去、日本が日本の近海において海洋投棄した時期があったと思いますけれども、その海洋投棄した年度と分量、場所を明らかにしてください。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 現在の我が国の原子炉等規制法の海洋投棄に関します規制は、ロンドン海洋投棄条約の批准の際に改正されまして、従来にない厳しい方向になっておりますが、それ以前、昭和三十年から四十四年までの間は若干規制が緩うございまして、海洋投棄が割合簡単にできるような時期がございました。この間に投棄されました放射性廃棄物の量は総計で千六百六十一本、放射能の量にいたしまして四百七キュリーでございます。場所は、昭和三十年は相模湾、それから昭和三十二年は駿河湾、それから後は千葉県の白浜灯台沖南方四十キロメートルといったところで、水深約二千六百メートルの海域に投棄しております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 今回、ナウル、キリバス、北欧五カ国が日本の海洋投棄に反対いたしておりますけれども、投下の候補地点は東京から九百キロだと。すなわち日本の経済水域のさらに外に出て公海上になるわけでございますけれども、そうなりますと、この大洋州の国なんかでは恐らく原子力放射性廃棄物というよう空言葉すらないと思うんですね。向こうでは何か妻と、日本が毒を流すというようなことで理解しておるというように漏れ聞いておるわけでございますけれども、ここを候補地点とした格別の理由は何でしょうか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 現在候補地点として考えております地域は、先生が言われました東京から南東九百キロメートルの海域でございまして、これを候補海域とする前に既に科学技術庁ではその他三カ所、全部で合計四カ地点を一応候補海域と定めまして、その海域におきます海流、それから海産生物の状態、その他安全評価を行うに必要なデータをとりました。したがいまして、その中で最も安全上問題がないという地点が現在の候補地点でございます。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 投下によって万が一にでも影響を受ける可能性が強い国々に対して、関係者の理解を得るための努力を今までになさいましたか。なさったとしたらどういう形でいつなさいましたか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 南太平洋諸国につきましては、我が国の海洋投棄計画に非常に強い不安、懸念を持っておりましたので、科学技術庁といたしましては、先ほど私が述べましたような海洋投棄の安全性などの説明を行うために五回にわたりまして説明団を派遣しております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 その対応はいかがでしたか。

千々谷眞人科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(千々谷眞人君) 最終的にはロンドン条約の場で科学的再検討を出されるということが決まりましたので、我が国の現在の立場は、この検討の結果を見守ると同時に、科学的検討に積極的に協力していくという方針をとっております。この検討の結果が出た後、私どもといたしまして は、さらにあらゆる機会を通じまして関係諸国、関係者の海洋投棄に関する安全性についての理解を得るべく努力をしてまいりたいというふうに考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 放射性と聞いただけで非常にアレルギーが強いと思いますし、先ほど御説明のように、自然に存在する何ミリレムというものよりももっともっと低いものだという御解説でしたが、もしそうであるならば、わざわざ海洋に投棄しなくても陸上処分に持っていった方が世界的な評判の上で誤解を受ける向きが少なくて済むのではないか、そういう意味で、陸上処分についてもっともっと技術開発を進めていただき、その可能性を探っていただきたいと思うのですが、この点についてひとつ外務大臣から、どのようにお考えか御回答をいただきたいと思います。

宇川秀幸外務省大臣官房審議官

○説明員(宇川秀幸君) 大臣がお答えになる前に一言事務的にお答えさしていただきます。  外務省自身としても、廃棄物の処理というものについては万全の対策を講じながら慎重にやらないといけないと思っておりますし、現在国の方針となっております陸上及び海洋双方の形で低レベル廃棄物を処分していくという方向で物を考えたいと思っております。  海洋処分については、先ほどから先生御指摘のとおり、非常に強い懸念ないし不安感を持たれている地域が特に我が国の周辺で多いわけでございますので、これは関係諸国の十分な理解を得て実施をする状況をつくっていく、そのために最大限の努力をしていきたいという感じでおります。先ほど科技庁の方からも御答弁がございましたように、日本の国土面積、あるいは人口の欄密さ等から考えてすべてを陸上でやるというわけには恐らくはまいらないと思いますので、将来とも、陸上、海洋双方の処分を可能とする状況をつくっていくという形で努力を続けていきたいと考えております。

抜山映子民社党・国民連合

○抜山映子君 ありがとうございました。  終わります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大臣、お疲れのようですが、もう少しの時間ですから御辛抱を願いたいと思います。  ロンドン・サミットも間近なんですが、ロンドン・サミットまでにお尋ねする機会があるかどうかちょっと危ぶまれますので、この機会にお尋ねさしていただきたいのです。  御承知のように、INF交渉はああいう事態が継続しておりますし、それからけさのレーガン大統領の演説ですね、ちょっと聞いてみますと、中米情勢に関して極めて厳しい批判的な演説がなされていました。また、午前中も問題になりましたけれども、今回ソ連のロス・オリンピック不参加というふうな問題等々、いろいろと問題が一層複雑化してきている状況があるんですが、もちろん、ロンドン・サミットに対してどういう対応で臨んでいかれるかということは検討され、準備は進められていると思うんですけれども、こういう状況の中で、このロンドン・サミットは極めて厳しい対応を打ち出すような、ある意味で言えば危険な会議になるような懸念が私はしてならないんですが、こういうロンドン・サミット対応についてどういうようなお考えで臨まれるのか、こういう情勢を踏まえて、大臣のお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) ロンドン・サミットにつきまして今個人代表で議題の整理をしておりますが、これまでサミットと言えば、大体エコノミックサミットといいますか、経済が中心でありましたですね。それから、今度のロンドン・サミットも恐らくやはり経済問題が中心になると。いわゆる世界の経済の情勢、特に最近アメリカあるいはヨーロッパで景気の回復が行われておりますが、世界全体のマクロ経済の中でどういうふうに景気回復が進んでいくか、あるいはまた、開発途上国における累積債務の問題をどういうふうに処理していくか、南北経済問題、南北協力あるいは南北対話といったような問題、そうしたところが話し合いになると思います。あるいはまた東西経済の問題も当然議題の一つになるかもしれませんが、そうした経済が中心になっていくと思いますが、そういう中で、もちろん政治問題も避けては通れないんじゃないかと。去年のウィリアムズバーグ・サミットの例もあるわけですから、この政治問題も、首脳が集まるわけですから論議の対象にはなると、こういうふうに思うわけです。  現在の世界の政治経済はやはり相当いろいろな面で問題がありますから、これに対して首脳がどういうふうな判断を下し、どういうふうに相協力してこの世界経済、あるいは世界政治の困難を切り抜けていくかということがいろいろと議論されるんじゃないかと、こういうふうに思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 昨年行われたサミットでは、INF交渉に対応する状況の軍縮問題という形で問題が取り上げられながら、中曽根総理が出された対応というのは極めてやっぱり遺憾だったと思うんです。ことしの四月に開かれました日米欧委員会の報告書を見てみますと、経済問題ということもあるけれども、しかし、政治問題や軍事問題を離れて首脳が経済問題だけを討議するというのはどうだろうか、これからのサミットというのは、やはり安全保障の問題というものが極めて重要ではないだろうかという問題提起がなされているんですが、こういう問題提起についてはどういうお考えでしょうか、大臣。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これはやはり、これまでのサミットはどうしても経済が中心でしたし、第一次石油ショック、第二次石油ショック、そして現在ではようやくこれは切り抜けたとはいうものの、まだ依然として南北間に大きな問題が残っておりますし、また先進国の間でも、安定成長の軌道を確立するにはまだまだいろいろと問題が残っておりますから、どうしてもサミットといえば経済が中心になるんじゃないかというふうに私は思いますし、またそれが、大体サミットが設けられたときからの一つの目的であったと思うわけでありますが、しかし政治問題はやっぱり避けて通れないと、そういう状況になったことは私はもう事実であろうと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 同じ報告書の中で、日米欧の防衛関係者、防衛長官ですか、あるいは政府高官などによって、あるいは軍部の高官などによって定期的な協議をやられたらどうだろうか、各国の軍事力のバランス状況などを検討したり、それに対してどういうふうに一致してできるのか、どういう点が一致してできないのか、そういう問題などを協議する必要があるんではないかという提言がありますが、これについては、そういうことをお考えになっておられるのかどうなのか、全くそういうことは考えにないというふうに考えられているのか、その点はいかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、今の日米欧の提言というのは民間の集まりの提言だろうと思いますが、政府としてはそういうものについて全く考えてはおりません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 昨年のように、中曽根首相がサミットに参加をされて、ヨーロッパにおける核の配備を断行すべきではないかというふうなことを、先に言ったか後に言ったかということはいろいろありましたけれども、ああいうようなことで国際的に非難を浴びるようなことがないようにしていただきたいということを、私は首相に直接言うわけにいきませんので、大臣に私の気持ちを伝えておきたいので、ひとつぜひよろしくお願いしたいと思うのです。  それからもう一つ、これと話が違いますけれども、先日問題になりました三沢基地でのAUWショップですが、あれについてお調べになったのかどうなのか、その結果がわかりましたらお知らせいただきたいのです。

山下新太郎外務省大臣官房審議官

○政府委員(山下新太郎君) 先般の外務委員会におきまして、久保田委員から御質問がございました三沢の基地でのAUWにつきまして調査した結果を御報告申し上げます。  AUWとは進んだ水中兵器、アドバンスト・アンダーシー・ウエホンズの略だそうでございますが、水中兵器を意味し、これは特に核兵器を意味するものではなく、これには例えば通常弾頭搭載 のMK46・MOD5魚雷等も含まれるということでございます。  なお、AUW整備所、「AUWショップ」とあの記事には書いてございましたけれども、これはかかるAUW兵器の整備所であり、通常、海外を含め対潜部隊の所在する施設に設けられている。三沢にもAUW整備所は存在する、こういうことでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 今、山下さん、非常に巧妙な述べ方をされましたけれども、核兵器を含んでいる云々ではないとかというふうなお話ですが、しかし、海中の進んだ武器という中にはいわゆる核爆雷だとか何とかというものは含んでいるんじゃないですか、アメリカの文献によりますと。それは全く進んだ武器ではないから含んでいないという意味なのか、水中兵器として進んだものという中には核兵器が含まれているというのがアメリカでは通常のようですが、いかがですか、含んでいないと断定できますか。

山下新太郎外務省大臣官房審議官

○政府委員(山下新太郎君) 先ほど私が申し上げましたのは、AUWということは進んだ水中兵器を意味し、これは特に核兵器を意味するものではないということを申し上げたつもりでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 例えば、進んだ水中兵器という場合には、磁気の機雷だとかあるいは音響機雷だとか、あるいは核爆雷だとかというふうなものが含まれているんじゃないですか。

山下新太郎外務省大臣官房審議官

○政府委員(山下新太郎君) 恐縮でございますが、その辺、ちょっと私詳細に承知していない次第でございます。ただ、先般の御審議の際に黒柳先生から御指摘がございましたが、十年余り前だと記憶しておりますが、やはりこれが取り上げられまして、その際の政府側の答弁によりますと、磁気機雷、音響機雷が入っているといったようなことが説明されております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これは米軍の資料によりますと、資料といいますか、例えば三沢でつくられている米軍基地の電話帳を調べましても、ここにもちゃんと「ビルディングS一四二〇AUW」というふうに電話番号が書いてありますしね、あるいは嘉手納の場合にもそういうことが書かれていますし、それから、今は除かれましたけれども、数年前までは岩国にもそういうAUWの施設があった。これは前に問題になりましたMWWU1ですか、これは海兵隊のいわゆる核兵器の組み立て作業所だったわけですけれども、それとは別にAUWショップが岩国にもあったわけですね。ですから、日本にはこういうふうにAUWというのがあって、これが進んだ海中兵器を扱う作業所であるというふうになっている場合に、核兵器が除かれるという保証はないんです。だから、核兵器があるかもしれないしあるいはないかもしれない。あるというふうに私は断定して言うわけじゃないけれども、しかし進んだ海中兵器という場合には、いわゆる核機雷、爆雷などが含まれる可能性があるわけですから、この点については私はもっときちっとした調べをしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

山下新太郎外務省大臣官房審議官

○政府委員(山下新太郎君) 従前来繰り返し御答弁申し上げている次第でございますけれども、安保条約との関係におきまして、いかなる核兵器を我が国に持ち込む場合も事前協議の対象になるわけでございます。そのような事前協議が行われたことはないわけでございまして、たとえAUWと言われている兵器の中に先生が御指摘のようなものが含まれているとしましても、日本に持ち込まれる場合には協議が行われるべきものでございまして、行われていない次第でございますから、そういうものは存在していないというふうに私ども確信している次第でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 今言われたのは、信頼関係に依存して、事前協議が事前に申し込まれていないわけですから、ですから事実上結局それが存在していないというふうに考えざるを得ないと。しかし現実には調査がされていないし、そして、自分自身で調べて実際にないということが確認されたわけでも、あるいは核爆雷等があるかないかということを直接聞いて、それに対してないという回答を得たわけでももちろんないわけですから、そういう点については、これまでも私が繰り返し指摘しているように、やはりもっと国民の不安に完全にこたえ得て、確実にそういうものが、核兵器が日本に存在しないことが非核三原則によって保証されているんだということをもっと確認する方法を私は検討していただきたいということを繰り返しこれまでも言ってきたわけですが、こういう進んだ海中兵器のショップが事実上各地に存在しているという状況があるわけですし、また先般も問題になりましたあのジャイアント・トークなど、SACの核攻撃を行う最終指令基地のいわゆる建設が進められているというようなことがありまして、いろいろと核基地化されていく疑惑というのが増大するわけですから、こういう点についてはもっとしかるべき毅然とした対応をぜひ大臣、考えていただきたいと思うんですが、変わった答弁が出るかどうかわかりませんが、念のためにお尋ねしておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) これは繰り返し申し上げているとおり、日米関係は何といっても信頼関係、同盟関係にあるわけですし、安保条約はお互いに守らなきゃこれは条約にならないわけなんで、それによって日本の平和と安全が保障されておるわけですし、そしてアメリカも日本の非核三原則というのは十分理解をしている、こういうことを明言しておるわけでありますし、核の持ち込みは事前協議の対象になるわけですから、したがって、いかなることがあっても核の持ち込みは事前協議なしにあり得ないというのが我々の確信でありまして、今さらこの日米関係の中でそういうことを確認するとかそういうことの必要はない、こういうふうに思っています。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大臣は、国会の公式の場ですからそういうふうにお答えになっているわけですけれども、本当に腹の底から核兵器が一発も日本にはないといって確信を持っておられるのかどうか、何といいますか、そういうふうに思っていないんじゃないか、ある場合には、そういう危険があるんじゃないかというふうに思っているんじゃないかと私は思うんですがね。いずれにしろこの問題についてはこれまでも繰り返し議論されてきましたように、大臣と私が並んで、現にここに核兵器があるではないかといって物証が出されない限り、この問題に私は決着がつかないだろうと思うんですよ。そういうふうになればこれは大変ですから、そういうふうにならないことを政府の責任においてもやはり引き続いて毅然とした対応をとられるように重ねて強く私は要望しておきたいと思うんです。  さて、時間が来ましたので、民間航空機貿易に関する協定についての質問に移りますが、一昨日の提案理由の説明の中でも、この民間航空機貿易協定、これが東京ラウンドの成果の一つとして発足し、今回の場合にはさらに部品等を拡大するという内容になってきているわけですが、この改正を受諾すること、これは民間航空機貿易協定も含めてですが、これが「我が国の航空機産業の一層の発展に資する」というふうに述べられているんですが、どういう意味で我が国の航空機産業の一層の発展に資することになるのか、そこのところを説明していただきたいのですが。

恩田宗外務省経済局経済統合課長

○政府委員(恩田宗君) 後ほど通産省の方からもお答えさしていただきますが、外務省としてこの協定を受諾することが我が国航空機産業の発展のために役に立つと考えましたのは、第一には貿易そのものについて、つまり我が国は航空機の部品あるいは航空機自体を輸入しておりますし、また輸出をするということもやっておりますので、金額的にはなるほどそれほど多くないかもしれませんですが、この協定を結ぶことによりまして関係国との間の貿易が盛んになるということであろうかと思います。  それからもう一つは、これにより国際的な貿易環境が非常によくなる、そういうことが日本の産業全体を守っていく、あるいは発展させていくに必要な環境がつくられる、こういうふうな趣旨 で、全体として我が国の航空機産業を含めて産業のために役に立つというふうに考えております。  また、具体的には通産省の方からお答えします。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 今回の航空機協定の部品、免税部品の拡大、根っこの協定も含めてそれが日本航空機産業の将来の発展にどういうふうに関係してくるのかという趣旨の御質問かと思います。  先生御指摘の前提といたしましては、恐らく先ほど来議論に出ておりますように、現在の日本の航空機生産の水準というのが四千五百億程度、アメリカの約二十七分の一ぐらい、こういう絶対的な差があるわけでございますから、当然のことながら自由貿易を推し進める際には強者、つまり最もそこで競争力を持っておる者がまず受益するのではないか、こういう趣旨の御質問かと思いますが、現在圧倒的強さを誇っておるアメリカがこの航空機協定によって受益することは事実でございます。しかしながら、同時に我が国の今後の航空機産業の発展ということを考えてみました場合に、既に世界の航空機産業というものはこの十年来急速な勢いで国際共同開発路線に突入いたしておりまして、御承知のように、ロッキードとか従来民間航空機をやっておりました航空機メーカーが徐々にリタイアいたしまして、欧州のエアバス、アメリカのボーイング、それにダグラスも最近民間航空機部門が非常に不振をきわめておるといったような形で、世界のマーケット及びサプライヤーが急速に寡占化していっておるという状況がございまして、それを踏まえて国際共同路線というのは不可欠な形になっておるわけでございます。  それで現在、先ほど申し上げましたような事情で比較的劣位にある日本がこれから航空機産業を伸ばしていこうといたしましたときには、当然これは共同開発路線をとらざるを得ない。そういたしますと、共同開発をして、それで共同生産をして、どこかでアセンブリーをして、そのでき上がった機体で今度はマーケットの勝負をする、こういうふうなビジネスでございますから、その過程におきまして日本に入ってくる部品、あるいは日本からアメリカや欧州に出す部品もしくは一部機体、そういったようなものについて相互に関税がかからないように、自由に取引が行われるようにするということは、国際共同開発を成功させていく非常に大きな要素の一つでございます。また、それがあるからこのガットの民間航空機協定というのが東京ラウンドの過程にでき上がった一つの理由でもあるわけでございます。まさにそういうスキームを利用いたしながら、これから日本航空機産業が二十一世紀に向かって羽ばたいていく、そういう過程で私は非常に重要なものであろうと考えるわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 今の御説明で、外務省もあわせてなんですが、確かに貿易が拡大されるという面は、それがいい悪いは別にしてこれは否定できないだろうと思うんですよ。しかし、日本の航空機産業の一層の発展に資するという点はどうしても疑義が残るんですよ。なかなかそういうように安易には私は考えられないだろうと。共同開発路線というふうなことを出されましたけれども、大体言うならば、今の条件のもとでアメリカの日本に対する市場を拡大するというふうな意味の方が強いわけですし、自主的な技術を開発していくというようなことの面で立ちおくれが生じているような場合に共同技術、共同開発路線をとっていくような場合でも、いい条件のもとで共同開発路線が行われるかどうか、これはいろいろ問題があるところだと思うんですよ。だから、今極めて安易に、共同開発路線が国際的な状況のもとで日本としてもそれに参加してそうやっていけばすべてが何かうまくいくんだから、日本の航空機産業の一層の発展に資するんだというふうな漠としたお話のようですが、私はなかなかそうは思えない、問題点というものは多々残っているんだと思うんですけれども、そこらあたりはきちっと押さえておられるんですか。

渡辺修通商産業省機械情報産業局航空機武器課長

○説明員(渡辺修君) 日本が三十年代にYS11を国産いたしました。この国産いたしましたときも、エンジンはロールスロイスから入れた輸入品でございましたし、部品その他も相当程度入れましたが、とにかく国産をいたしたわけでございます。しかしながら、五十三年から実施いたしましたYXプロジェクト、つまりボーイング767でございますが、これは明らかに共同開発という世界の潮流に乗った我々のプロジェクトでございまして、これは先ほど来申し上げておりますように、成功裏に開発を終了して今量産をしておるわけでございますが、これの開発のパートナーでありましたボーイングは、この四年間にわたる開発期間を通じまして極めて高く日本の技術の水準、特にこれからの技術の将来性というものを非常に高く評価いたしております。これはある意味で、次のYXXを我々が五十六年来やろうとしましたときに、ボーイングだけではございませんで、エアバス、それからマクドネル・ダグラス、それぞれ日本とぜひパートナーを組みたいということで彼らが強く申し出てきたというのも、今までは比較的おくれておりましたが、結局日本のこれからの技術開発の将来性というものを非常に高く評価しておるということは間違いないと思います。そういう形で、今度は前のYXと違いましてYXXというのは、YXの場合は開発と量産だけ担当いたしまして、販売、それから補修、補修というのはプロダクトサポートでございますが、この分野は完全にボーイングでやったわけでございますけれども、民間航空機のビジネスというのは開発、量産、販売、補修という四つのそれぞれの分野の仕事を一人前にできるようになって初めてコンペティターになるわけでございますが、今回のYXXは、ボーイングと交渉いたしました結果、販売及び補修についても、つまり全部の分野について日本が二五%のシェアで参画していって開発をすると、こういうことになっておりますので、今回のYXXを通じまして日本の航空機産業、特に航空機ビジネスに関与するメーカーにつきましては、初めて民間航空機の商売というものの全分野を経験すると。それでしかるべく次のステップというのは、恐らく世界の共同開発路線というのは変わっていかないと思いますから、二十一世紀において寡占化する世界のマーケットの中で日本がしっかりした位置を占めて、信頼されるパートナーとして先進諸国間の産業協力プロジェクトを推進していけると、そういうふうなことにつながっていき得ると確信いたしておるわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大臣ね、今のお話をお聞きだと思うんですが、現在の状態からいえば、アメリカの大型航空機についてはほとんど日本が市場になっているわけですよね。それで、今度の場合にこうした形で進められていくと、確かに貿易の拡大という面ではある程度資するかもしれないけれども、いわゆる日本の航空機産業、自主的な技術を開発していく、とりわけ私は対米関係でのかかわり合いからいえば、本当にいろいろ協力を申し入れてきていますよ、それを全部否定しているわけではないが、しかしそれが今後対等、平等な形で日本の自主的な航空機技術の産業を発展されるような、そういう条件に本当になり得るのかどうなのか。あるいはおくれた国に対しては、日本が一定のいわゆる技術的な貢献を果たし得るだとか何とかになっても、対米関係では一体どうなのかという問題がやっぱり依然として私は残ると思う。これは航空機協定での関係からいっても、いろいろな問題があってなかなかこれは交渉が難航してうまくいかぬですよ。やっぱりいっていない。もちろんそれは外務省がどうのこうのと私はここでは言いませんけれども。だから、そういう意味からいえば、今回のこのただ単なる部品の拡大等々の問題ではなくして、根本的に日本の航空機産業、今後の自主的な技術の開発、向上のあり方ということを考えるならば、私はどうしても問題があるというふうに考えざるを得ないんですが、そういう点について大臣はいかがお考えでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) この日本とアメリカとの関係は、とにかくこうした協力関係の中にこ れから移っていくわけですが、たとえば高度技術の問題にしましてもいろいろと対立、相克というものがあったわけですが、最近では、高度技術関係でもワーキンググループ等をつくりましてお互いに相協調しながら進めていくという体制もできたことですし、航空機の問題にしましてもいろいろと問題は将来に向かってそれは出てくると思いますけれども、日米関係ですから、これを懸命に処理しながらお互いに協力すべきことは協力し、競争する点は競争しながら発展、繁栄していけるんじゃないか、私はこういうふうに思っております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それでは最後に、外務大臣は政治的な発言を最後になさいましたけれども、しかし私としてはどうしてもやっぱり納得しかねるんで、先ほど述べた趣旨で賛成できないということだけ述べて私の質問は終わります。

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  民間航空機貿易に関する協定附属書の改正の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤正夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十二分散会

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