外交・総合安全保障に関する調査特別委員会 第7号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1984/07/04
会議録
○委員長(植木光教君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査特別委員会を開会いたします。 外交・総合安全保障に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○堀江正夫君 まず初めに、両大臣が世界の平和、我が国の安全確保のために、直接の責任大臣として極めて積極的に御活躍、御尽瘁いただいておることに対しまして、国会議員として、また国民の一人として心から敬意を表し、感謝申し上げます。 当委員会は、御承知のように、参議院改革の一環として昨年設けられ、今日まで勉強を続けてきましたが、やがて一年になって、そろそろこの一年分の取りまとめをする時期になった。そこで本日両大臣においで願ったわけでございます。そのようなことでありますので、以下私の持論を踏まえながら、総合安保の観点につきましては極めて初歩的なことになりますけれども、幾つかの御見解を承りたい。さらに、当面の問題についても若干の質問をいたしたいと思います。 まず第一に、両大臣に、総合安保を構成する各要素についての御見解をお聞きしておきたいと思います。総合安保を構成する主要な要素には、言うまでもありませんが外交、軍事、経済協力、エネルギー対策、各種備蓄、さらには国民の国を守る意識と、いろいろなものがあるわけでありまして、これら一つ一つはそれぞれ国の安全保障にとって欠くことのできない重要なものでありますと同時に、これらは相互に補完し合って、全体としての安全保障に寄与するという性質を持っておるわけでございます。が同時に、これをやればこれを欠いてもいい、軽視してもいいというものではない、他の代替をすることはできないんだと、このように思いますが、この点をどう考えておられるかということが第一点であります。 そして、この中で特に軍事力の役割でありますが、非軍事的な手段を尽くせば侵略の生起を完全に防止できるという保証は、世界の現実から見ましてもあり得ないことだと思われます。また現実に侵略が起きた場合に、これを排除できるのは軍事力以外にはないことは明らかであります。国の安全と独立を守る最後の決め手は軍事力である。したがって、総合安保の最大の柱は軍事力だと、このように考えますが、この点につきましてもあわせて御見解をお聞きしたいと思います。 外務大臣から最初お願いしますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、世界が今平和で安全である、そしてまた、安全をこれからも維持していくというためには、やはり努力をしなきゃなりませんが、少なくとも現在、力の均衡というものによって平和が維持されておる、こういう冷厳な事実は、これは認めざるを得ないわけであります。この厳しい国際情勢、国際社会の現実の中で、我が国はみずからの安全を確保していくためには、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を図るとともに、必要最小限の防衛力の整備に努力をいたしておるわけでございます。同時にまた、我が国の安全の基盤をより確固たるものにするためには、先ほどお話がございました防衛力以外に、やはり経済協力であるとかあるいはまた外交そのものの、平和外交の努力であるとか、あるいはまたエネルギーの安定確保であるとか、食糧の確保であるとか、そうした総合的な要素の上に立って、防衛力とともに日本の平和が確保されておるし、また今後とも確保されなければならない、こういうふうに全体的には考えておるわけでございます。 そういう意味で、やはり総合安保の重要性というものは今後ともますます高まっていくであろう、こういうふうに私は思います。
○国務大臣(栗原祐幸君) 私も結論的には外務大臣と同じでございます。まあ、総合安全保障、政治形態、外交、教育、文化あるいは食糧、経済援助、そういった全体的な各部門が全体として有機的に機能する、そういうことが必要だと思うんです。ですから、防衛力というものでなくてその他のものも有機的に働いていく、そのことが世界の平和、日本の平和を保つために非常に重要である、こう考えておりますが、しかしその中で防衛力の整備という問題を考えてみますと、これは他の要素のものと代替はできない。相補完するものであるけれども、これは代替できない。しかも、国際情勢の非常に厳しい中におきましては、現実を踏まえて対応するということからいたしますると、我が国といたしましては日米安保の連携のもとに、自分の国は自分で守るという気概のもとに憲法の枠の中で着実な自衛力の整備を行っていかなきゃならない、このことが極めて重要である、こう認識しております。
○堀江正夫君 大体お考えは、私どもと基本的に変わっておらないということを確認さしていただいた次第でございますが、次の質問も両大臣にお願いをしたいと思います。 一般に侵略を防止するためには抑止力が必要だと、このように言われております。この抑止力についてはいろんな考え方があるように思います。この点については防衛計画の大綱の考え方の中ではっきり言っておるわけでありますが、私も軍事的には侵略をちゅうちょさせ、思いとどまらせるに足る、言いかえれば侵略に対処する力があって初めて侵略の未然防止ができる、抑止効果が期待できる。対処能力、すなわち抑止力である、このように考えておりますが、どのようにお考えになっておるかということが一つでございます。 また、これに関連をしまして、ソ連が最近SS20を極東に百三十五基配備をしました。ソ連は、師団レベル、軍団レベル、方面軍レベル、さらにゴルフⅡ型の潜水艦と、各レベルの戦場核を持っていることは周知のとおりであります。これに対して、最近米国が新たに太平洋の艦隊に核トマホークを配備するということが報ぜられておるわけであります。 確かに、非核三原則という日本の基本方針があるわけでありますが、それはもちろんそれとして基本を貫かなきゃなりませんが、一般的に言いまして、核抑止力を全面的に米国に依存をしておる日本にとって、米国の新たなこの政策は、抑止力の維持強化という点から見て日本の安全にとっては極めて有意義だ、私はこのように考えるわけでございます。いかがでございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まさに抑止力につきましては堀江さんのおっしゃるとおりだろうと思います。やはり相手が攻撃した場合に、甚大な損害を受ける、壊滅的な打撃を受けるということになればそこに抑止効果というのが働いていくわけですから、それに対する対処手段というものががっちりしておればそれだけの抑止効果というのが私は出てくると、まさに核はそういう意味の強力な要因を持っておる、こういうふうに我々は考えておるわけであります。 そういう中で今アメリカがトマホークを配備をしておる。アメリカからの情報によれば大半が通常弾頭のトマホークだと、こういうことでございますが、これはアメリカ自身のやはり太平洋戦略といいますか、世界戦略の一環として行われるわけでございますが、最近のソ連の軍事的な極東における増強、そういう面から見まして、アメリカがそれたけの対応をするのはそれなりの私たちはアメリカとしての判断であろうというふうに認識をするわけでありますし、日米安保条約を我々はアメリカとの間に結んでおりますから、そういう中でアメリカの太平洋における力が強化されるというのはそれなりの抑止効果というものも出てきますし、あるいはまた日米安保条約の効果的な運用という面からも一つの大きなメリットというものも生まれてくる、こういうふうに我々は考えておるわけであります。
○国務大臣(栗原祐幸君) 抑止力の定義といいますか、それはお説のとおりだろうと思います。したがって、相手方に対して、もし侵略をしてきたらばこれは徹底的にたたきのめすぞという効果を持たせなければ抑止力になりません。しかし、そのことが同時に軍拡にもつながるというおそれもあるわけです。そういう意味合いでは、我が国といたしましては、軍縮、そういう問題についても十分に考えていろいろと対応しなきゃならぬと思います。これは私の分野じゃございませんが、そのために外務大臣も総理大臣と一緒になりまして世界の平和、軍縮ということについて大変な御努力をいただいておると思うのでございます。 しかし、現実の問題といたしましては、やはり極東のいろいろの情勢を見ますと、それに対して抑止的な働きをしなきゃならぬ、持たなきゃならぬというようなことからアメリカがいろいろと対応をしておる。そのことは日米安保の上から言って、極東の平和並びに我が国のためにも大変必要なことである、こういうように考えております。
○堀江正夫君 国内には今の問題に関連していろんな動きもあるわけでありますが、政府の毅然たるこの問題に対する態度と姿勢を要望する次第であります。 次は、今後の経済協力、政府開発援助の問題であります。 日本が国際的な責任を果たすために今後とも一層その金額を増加し、かつその質を改善すべきことは言うまでもないわけであります。 この際私は、鈴木・レーガン会談で総理が約束された世界の平和と安定のために重要な地域に対する援助の強化という問題について、その後、このような観点も十分加味して推進されていると思うわけでありますが、現下の厳しさを増しておる国際情勢の中で、しかも、何と言っても限られた援助総額でございます。世界の平和を確保するためのこの施策というのは極めて重要なんだと、このように考えておる一人であります。この点につきまして、一般的な考え方としてどのように考え、今後どのように重視していかれるのか承っておきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 一九八一年五月の日米共同声明で、世界の平和と安定の維持のための重要な地域に対して我が国が援助を強化していく旨述べましたのは、世界の平和と安定の維持のためには開発途上国の安定が不可欠であり、したがって、援助を通じ開発途上国の経済社会関発を支援し、民生の安定、福祉の向上に貢献することがこれら諸国の安定をもたらすとともに、広く国際間の緊張を緩和することに貢献することになるという基本認識に基づくものでありまして、我が国は南北問題の根底にある相互依存と人道的考慮という立場から、開発途上国の経済社会開発を支援し、民生の安定、福祉の向上に貢献をするため援助を実施しておるわけでございます。この援助は平和国家であり、自由世界第二位の経済力を有しております我が国として世界的に果たす当然の私は責任であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。 具体的にどの地域が世界の平和と安定の維持のために重要な地域に該当するかにつきましては、そのときどきの国際情勢に応じて我が国が自主的に判断することといたしておりますが、我が国が従来よりASEAN諸国、中国、韓国を初めとするアジア地域に重点的に援助を行ってきていること、及び近年、例えばパキスタン、エジプト、ケニア、スーダン、ソマリア、ジャマイカという諸国に対する援助を強化してきたことはそのあらわれでもあることをひとつ御理解をいただきたいと思います。
○堀江正夫君 今の共同声明の中で、従来の考え方の経済協力に加えて世界の平和と安定に重要な地域というのが加えられたと私は理解しておるわけでありまして、その辺を十分にしんしゃくされ、考慮されて今後はやっていただけるものだと、こう思っておるところであります。 次に、これも外務大臣に御答弁を願いたいと思いますが、日韓関係の基本的な考え方の問題であります。 大臣は、新聞によりますと、明後日御訪韓と承っておりまして、大変御苦労だと思います。昨年初冬以来、日韓関係が極めて良好の状態にありますことは、両国のみならずアジアの平和にとってまことに御同慶にたえないところでありますが、日韓関係を考える場合に、日本が過去の歴史的な経緯を踏まえるということはもちろん大切なことだと思います。しかし、両者ともに余りこれにこだわり過ぎるということがあるとすれば、両国の今後の友好にとって決してよい結果は生まれないのじゃないか、このように思うわけであります。 このような考え方から見ますと、過去、事あるごとに韓国の安全は日本の安全にとって極めて重要であるという趣旨が両国から繰り返されてまいりました。そのこと自体はまさにそのとおりでありますけれども、同時に、日本の安全は韓国の安全にとって極めて重要である、このことも客観的に見ますと間違いない事実じゃないか。また、韓国はよく軍事的に一方的に日本に寄与しておる、こう言うわけであります。もちろん第二義的、間接的になるわけでありますが、日本の防衛政策も韓国の安全に寄与していることも、これはまた間違いない現実じゃないか、私はこのように認識をしております。両国が率直にこのような実態認識の上に立って、お互いに大切な国として共通の認識、理解を持ち、同じ土俵の上に立って積極的な各般にわたる交流や協力を行う、これが今日ぜひとも必要なんじゃないか、私はこう思うわけであります。いかがでございますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日韓関係は、御承知のように、昨年の一月の日韓首脳会談以来非常に安定をし、また良好に推移をしておると思うわけでございます。 昨年の大韓航空機事件であるとか、あるいはビルマのラングーンにおけるああしたテロ事件によって韓国は非常な困難に直面をいたしたわけでございますが、そういう状況の中でも日韓関係は非常に協力関係を深めてきておるわけでございます。今日もその状況は今までにないいい関係が続いておる。この意味で、私は日韓関係は相当成熟をしてきた、こういうふうに考えております。そしてさらに、隣国であるだけに日韓の過去においていろんな歴史を持っております。それだけに、日韓のこのいい関係というのはやっぱり今後ともさらに安定した基礎の上に置かなければならないと思うわけでございます。 そういう立場で、日韓では定期外相会談を開いておりますが、今回は日本から出かけていく番でございますから、私が参りまして、七月六日から九日まで韓国の李源京外務部長官と会談を行いまして、国際情勢、さらにまた二国間の関係につきまして幅広い意見交換を行ってまいりたいと思います。政府としましては、日韓間のこのような対話及び友好協力関係の深化を基礎として、両国が単に二国間のみならず広く国際問題についても話し合うような多元的な関係を樹立し、また両国の各界、各層の協力を促進して、国民的基盤に立脚した関係を構築するような成熟した、先ほど申し上げましたパートナーの関係に発展させるように努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○堀江正夫君 次は、ソ連の最近の急速かつ劇的な軍事力の強化に関連して御質問をするつもりでありましたが、時間も考えまして、時間があったら質問することにしまして、次の質問に移らしていただきます。 それは先日行われましたリムパックについてでございます。 報道によりますと、海上自衛隊の演習参加部隊は極めて高い評価を受けた模様でございます。これは平生の海上自衛隊における訓練等の成果であると深く敬意を表するものでありまして、御同慶にたえません。しかし、率直にいいますと、これが海上自衛隊全部のレベルであり、評価であるとはなかなか認めにくいようにも考えるわけであります。そのようにするためには、教育訓練の面、人事の面、装備の質的強化の面、あらゆる面で今後画期的な施策の推進と努力が必要なんじゃないか、こう思われます。 そこで、リムパックの概要とともに、これらについての防衛庁の所見を承らしていただきたいと思います。
○政府委員(大高時男君) ただいま先生からお話のございましたリムパックでございますが、前回の82と同様米海軍の第三艦隊が計画をいたしまして、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、これに米海軍ということで、五月の十四日から六月二十八日まで西太平洋、ハワイ、それからサンチアゴ、この周辺で行われたわけでございます。 今回は海上自衛隊の方から艦艇が五隻、航空機八機が参加をいたしたわけでございますが、リムパックの目的でございます参加艦艇の能力の評価を行い、練度の向上を図るために、水上打撃戦、対潜水艦戦、それから防空戦、その他各種の訓練を行ったわけでございます。 海上自衛隊の部隊につきましては、この演習終了後まだ帰国いたしておりませんので正式な報告は受けておりませんが、非常に高い評価を受けたというふうに聞いております。 いずれにいたしましても、海上自衛隊は、過去の訓練と同様、今回の訓練を通じまして米海軍の最新の戦術、戦技ということを習得できたわけでございまして、今後海上自衛隊につきましては、装備の増強に努めつつ、同時に、こういったリムパック等の訓練参加を通じてさらに練度を高めてまいりたい、かように考えております。
○堀江正夫君 今お話のありましたように、参加部隊は大変に高い評価を受けたわけですね。しかし、全部このレベルに達するのは容易じゃないと思いますね、先ほど私言いましたように。人的な面においても、教育の面においても、装備の面においても、あらゆる面で一段と努力を積み重ねていき、施策を推進しなきゃだめだ、私は強くそう思います。そのことを重ねて申し上げて次に移ります。 次は、先月下旬に行われましたハワイの事務レベル協議の問題でございます。 報道によりますと、今回の二年ぶりの協議は極めて平静裏に真剣なかつ実のある協議が行われた模様でありまして、この点は現情勢下日米両国にとって本当によかったと私自身高く評価し、御苦労を多とする次第であります。 そこで、このハワイ協議につきまして、いろいろと論議されたと思いますが、その主要な内容、問題点、これにつきましてまず要点をかいつまんで御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(矢崎新二君) 日米安保事務レベル協議は、御承知のように、事務当局当事者間のフリートーキングということで、原則として年一回ずつ開催をされてきたわけでございますが、ただいまお話のございましたように、昨年は双方の都合で開催ができませんで、今回二年ぶりにハワイで六月二十五日から二十七日の間三日間開催をされたわけでございます。 この三日間におきましてどういったような議論が進んだかということについて、かいつまんで御説明を申し上げたいと思います。 まず第一日目は、国際情勢等が議論をされたわけでございまして、アメリカ側からは世界情勢あるいは極東におきます軍事情勢についての説明が種々とあったわけでございます。それに対しまして日本側からは我が国の防衛政策の考え方でありますとか、あるいは全般的な外交努力についての説明をしたわけでございます。それに加えまして対アジア政策等につきましても説明を行ったわけでございます。 一日目はそういうようなことで終わりまして、二日目に我が国の防衛努力等の問題が議論になったわけでございます。日本側からは六十年度概算要求の考え方でございますとか、あるいは五九中業等の考え方につきまして説明をいたしました。その際、我が国が防衛力整備を進めていく上で抱えておりますいろいろな国内の事情といったような問題についても説明をいたしまして、率直に米側の理解を求めながら、今後の防衛力整備につきましては種々の困難が予想されるけれども防衛庁としては最大限の努力を行いたいというような考え方を述べたわけでございます。アメリカ側からは、日本の防衛政策に関します。そういった姿勢を評価するという趣旨の発言がございましたが、それと同時に、日米両国とも防衛の分野で一層の努力を行う必要があると考えておりますというような趣旨のことが述べられておりました。それからまた、アメリカ側からは継戦能力の問題、あるいは日米間のインターオペラビリティー等の問題につきまして関心が示されたわけであります。それから、シーレーン防衛の共同作戦計画の研究につきまして、これまでの進捗状況等の説明を日米共同で簡単に行ったということで第二日が終わったわけでございます。 それから第三日目は、ただいま申し上げました以外の日米防衛協力等の問題が議論をされたわけでございます。日本側からは、近年の日米防衛協力の顕著な進展の状況につきまして説明をいたしまして、さらにいわゆる六条事態研究についてのこれまでの進捗状況等についても簡単に説明をしたわけであります。 それから、在日米軍の駐留経費の問題につきましても、厳しい財政事情の中で今後とも十分な額を確保していくことは容易でないということに言及をいたしまして、この問題に関します日米間の調整が十分行われるように米側に協力を要請いたしたわけであります。これに対しまして、アメリカ側からは、今後ともこの面におきます努力を継続してもらいたいという趣旨の期待の表明があったわけでありますが、日米間の協議には十分協力をしていきたいというふうなことを言っていたわけであります。 それから、さらにアメリカ側からは、空母の艦載機の着艦訓練の問題について話がございまして、これは最優先の問題であるので早期解決をぜひお願いいたしたいという趣旨の発言がございました。これに対しまして日本側からは、種々困難な問題はありますけれども解決のために最大限の努力を尽くしたいという趣旨を答えたわけでございます。全体を通じまして、日米両国の事務レベルの責任者が安全保障の各分野における問題につきまして、お互いに相手の立場に理解を示しながら、静かにかつ率直に実りのある対話が行えだということは両国間の信頼関係を深める上で大変有意義であったというふうに私どもは考えている次第でございます。
○堀江正夫君 今の御説明の中にはなかったわけでありますが、報道によりますと特に相互の運用性の重視という問題が話し合われたというように聞いております。そのためにはいろんな面からこれを推進していかなければ実戦能力を上げることができないわけでありますが、これを訓練面でとらえてみますと、最近、空海に加えて陸の共同訓練も行われておるわけでありますが、例の米韓で行っていますチームスピリット、あれはことしで六回目でありますか、七回目でありますか、聞くところによりますと、回を重ねて、今年になって初めてどうやら連合作戦の実が上げられるようになった、本物になったというふうにも聞いておるわけであります。日本の場合はまだ緒についたばかりであります。しかもまだ小規模でもあり、個々の共同訓練にとどまっておるわけであります。私は、訓練面から見ても、この相互の運用性ということを考えますと、今後実際に役に立つようにすることはそれ自体生易しい問題じゃない、こう思うわけであります。これについてどのように考えておられるか、まず承りたいと思います。
○政府委員(矢崎新二君) 先ほど御説明申し上げた中で米側の関心事項の一つとしてインターオペラビリティーの問題があったことをちょっと付言いたしましたが、これはいわゆる相互運用性という言葉で仮に呼んでおるわけでございますけれども、米側の説明の中にも戦術、訓練、装備等のいろんな広い面での相互運用性ということが非常に重要な問題であるという考え方が述べられていたわけでございます。これは我が国の有事の際のことを考えますと、日米は安保条約に基づいて共同対処をすることになっているわけでございます。したがいまして、この共同対処をしていく場合に日米の両国が、つまり米軍と日本の自衛隊、これが共同作戦を円滑に実施していくためにはあらゆる面でそういった相互運用性というものが深まっていないとこれはうまくいかないということでございまして、そういう意味で米側が関心を示しているのと同様に、私どももかねてからこれは重要な問題であるという認識は持っていたわけでございます。現にこういった問題意識は御承知の昭和五十三年に作成されました「日米防衛協力のための指針」、いわゆるガイドラインの中でもいろいろな考え方がそこに出ているわけでございます。それからまた、防衛庁が従来から装備品を取得するに当たりましても、その判断の一つの要素としてそれを考えているということも事実でございます。そういったような意味におきまして、この問題が全く新しい問題として出てきたというわけではございませんで、従来から問題の重要性というものはあったわけでございます。 ただ、私の感じで申し上げますと、先ほど先生が御指摘になりましたように、近年日米間の共同訓練がかなり進展を見ておりますので、その過程を通じましてますますそういった相互運用の重要性というものの理解がアメリカ側にも深まってきたように思えますし、その点は日本側でも同様の認識を持っておるわけでございます。そういう意味で、ただいま先生が御指摘になりましたようにこの問題を今後さらに深めていくということが我々の自衛力の充実のためにも必要であろうというふうに認識をいたしております。そういった点はやはり我が国自身の自主的な判断に立って今後具体的に詰めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○堀江正夫君 ハワイ協議につきましてもう一点お聞きをしたいと思いますが、ただいま協議の中で五十七年の八月に合意をし、五十八年七月から研究を開始したシーレーン共同研究、それと五十七年一月に合意し、同下旬から研究を開始した第六条のいわゆる極東有事研究、これが問題になったと、このように承りました。ともに既に相当の日数がたっているわけであります。厳しい情勢を考えてみますと、この二つの研究というのは、もちろんこの二つだけでいいわけじゃありませんけれども、早急に研究を進めて結論を出す必要があるのじゃないか、こう思うわけでありますが、この二つの研究は現在どうなっているのか、今後見通しはどうなのか、それぞれ承らしていただきたいと思います。
○政府委員(矢崎新二君) まず最初に、私からシーレーン防衛の共同研究の状況について申し上げたいと思います。 このシーレーン防衛の共同研究は昨年の三月に第九回防衛協力小委員会、いわゆるSDCでございますが、そこで研究の基本的な枠組みに関して日米間で確認を行った上で研究作業を開始したわけでございます。現在、統幕の事務局と在日米軍司令部との間でいろいろと詰めをやっているわけでございますが、その作業は今申し上げました基本的枠組みの中で協議の分析でございますとか、シナリオの設定など基礎的なものについて研究を行っているわけでございます。これは既に一年以上もちろんたっているわけでございますが、この作業そのものが非常に難しい問題を取り上げているわけでございますので、双方が細かくお互いの意見を言い合いながら詰めを行っておるというために時間がやはりかかるという性格のものであろうと私は思っておるわけでございます。 しかしながら、いずれにいたしましてもこういった研究はできる限り早急に成果をつかむということもこれまた大事なことだという認識を私どもも持っておりまして、その点は日米双方とも認識は一致いたしております。したがいまして、私どもはできる限り早急に成果を上げるべく今後とも一層の努力を払いたい、こう考えておる次第でございます。
○政府委員(栗山尚一君) いわゆる六条事態の研究の方について私から御説明さしていただきたいと思います。 今委員の方から御指摘がありましたように、研究作業につきましていわゆる審議官クラスでの会合は従来二度行ったわけでございますが、その後より低い事務的レベルにおきましてアメリカ側といろいろ研究の話し合いを続けておりますが、率直に申し上げまして、現在までのところさほど大きな進展は見ていないというのが現状でございます。
○堀江正夫君 いろいろ問題はあろうと思いますけれども、重ねて推進を要望する次第であります。 次は六十年度の防衛予算について伺いたいと思います。 この七月末にはシーリングが決まる、こう言われておるわけであります。この予算でGNP比一%を超えるのかどうか、このことは確かに国民の大きな関心事でございます。しかし総理は今国会で再々、守るよう努力をするのだ、こう言っておられます。一方、本年度及び来年度の名目経済成長率がどうなるのか、本年度の人勧がどうなるのか、現在のところこういったことは一切不明であります。したがいまして、この段階で一%問題で議論をするというのは全く無意味だと、私はそう思います。 そこで、以下、長官が出されました六十年度の業計の指示に基づきながら、実質的な問題につきまして若干御見解を承らしていただきたいと思います。もう時間も余りございませんので一括して私、問題点を挙げますので、それらについてお答えいただきたい。 その第一は、後年度負担にかかわる諸事業であります。六十年度は五六中業の第三年目になるわけであります。第二年目の五十九年度は、主要正面装備品が達成率二七%、継戦能力、抗堪性施策等はもっとおくれておる、こういう現状を踏まえて、これらを当然第三年目にふさわしいような推進を図る必要が極めて大切だ、こう思いますがいかがですか。 それから次に歳出予算に関する諸事業でございます。幾つかお聞きしたいと思います。 その第一は、来年度は今まで延ばしてきた停年で退職する者が相当ふえてくるように聞いております。部隊の精強維持のためにこれ以上の停年延長というのは絶対に許すことはできないのだと、私はそう思っておりますが、どのように考えておられるのか。 二番目は、継戦能力の向上についてはハワイでも話し合われたようでありますが、同時に極めて必要なのは即応態勢の整備でありまして、これは抑止力にも直結する問題だと思います。これについて、海空自衛隊が二年間定員増の要求をしなかった、陸の充足率が五十七年に第二師団の主要部隊を中心としてわずかに平均〇・三三%アップした後放置されておる、私はこれは実際はゆゆしい重大な問題だ、こう思います。陸の人員充足率向上にはもちろんいわゆる乙類装備品の充足アップも伴わなければなりませんし、また装備品の可動維持のための修理費も当然必要になってくると思います。その即応態勢について来年度どのように考えておられるかということが第二点であります。 その他、教育訓練について言いますとここ数年間総額が変わっていない。ということは、国鉄や航空機その他のこの間の値上がり分を考えてみますと実質的には相当事業をダウンせざるを得ないような結果になっておるのじゃないか。燃料について言いましても、今年度並みの所要量を確保するためにも増額が必要なのじゃないか。まして新規装備品によるところの増量の必要性、訓練強化のための増加、こういうことも考えなければいけないのじゃないか。 さらに施設整備でございますが、現状は余りにもひどいじゃないか。私も実は自衛官の諸君に、金がないときに居住施設や厚生関係の施設は歯を食いしばっても我慢をして直接戦力向上に予算を差し向けるべきだ、このようにこの二、三年来言ってまいりました。しかしこれ以上放置することは周りとの対比におきましても既に限界を超えておるように私は思います。士気の維持の点から考えてみましても今までのような考え方ではとても対応できない、こう考えておるわけであります。 以上の諸点について簡単にお考えを承らしていただきたいわけですが、これらの問題につきまして事務当局から御答弁の後、最後に長官からこういう問題についての基本的な見解というものを承らしていただきたいと思います。 毎年、当然のことでございますが、防衛庁は業務計画の長官指示では、正面、後方の両者について整備を一層推進するように目標を掲げておるわけでありますが、しかし予算が決定をした時点になって振り返ってみますと、残念ながらいろいろな欠陥あるいは不備を残す結果を繰り返しておるわけであります。確かにことしも財政は厳しい。しかしその中にあって、私はどうか防衛庁が、今年は特に、我慢できるもの我慢できないものをはっきりさして、腹を決めて取り組んでいただきたい、こう思います。栗原長官は本当に腹の据わった、しんの強い政治家だと国民も見ておりますし、あなたの部下の自衛隊員等も信頼の熱い眼を注いでおるわけであります。私はこれらの国民や自衛隊員の声に、長官、まなじりを決してこたえていただきたい。国民の風潮を考えてみましても、今の自衛隊で本当にいいのかという声が非常に大きくなっておるわけでございます。こういうような点を踏まえた長官の総括的な所見もあわせて伺って、私の質問をこれで終わらしていただきます。
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘ございましたように、有事の際に有効な防衛力を発揮するということのためには、やはり諸外国の技術的な水準の動向に十分対応できるような装備の更新、近代化を進めていく必要があるわけでございますし、それからさらに、燃料、弾薬等を十分に保有して高い継戦能力を備えておくこと、さらには御指摘のございましたような抗堪性というものもなければならないということにつきましては、私どもも全く同様の認識を持っておる次第でございます。確かに正面装備について申しますと、五十九年度まででは五六中業の進捗率が約二七%という水準にとどまっておるわけでございまして、やはり六十年度以降における一層の努力というものが必要な状況であることは事実でございます。私どもは、そういった面につきましても今後一層の努力をしたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、即応態勢の観点から御指摘のございました人員充足率、あるいは海空の定員の増加の問題、この問題につきましても、やはり防衛庁としても極めて重視をしている事項でございます。特に海空の定員につきましては、五十八年、五十九年と二カ年間増員を見送っているという事情がございます。財政の極めて厳しい状況からやむを得ざる措置としてとったわけでございますが、しかし、現状は非常なやりくりの点で難しい状況を抱えておることも事実でございます。その点を考えまして、六十年度におきましてはそういった人員の確保ということも重視していきたいと考えております。 乙類の装備品につきましても、有効な防衛力発揮のためにはやはりそういった面の充実が必要であるという認識に立って対処をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 それからまた、教育訓練の充実ということは全くおっしゃるとおりでございまして、こういった面の充実も図っていく必要がございますし、それから後方施策の一つでございます施設整備の問題、これもやはり我々としては見逃し得ない問題であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。そういったような面を六十年度の業務計画作成に当たっての長官指示の中でも、それぞれ重点事項として指示をしていただいておるわけでございまして、今後の概算要求案作成の過程におきまして十分に配慮していきたいというふうに考えておる次第でございます。 あと停年延長の問題につきましては、担当局長からお答え申し上げます。
○政府委員(友藤一隆君) それでは、私の方から停年延長の問題についてお答えをしたいと思います。 停年延長につきましては、去る五十四年度からことしの五十九年度までの間実施をいたしておるわけでございますが、先生お尋ねのように、自衛隊が任務をやっていきます上でやはり精強性の確保ということはもう十分承知をいたしておりまして、そういった精強性を喪失しない可能な範囲内で私どもとしましては、人事施策といたしまして隊員の処遇改善あるいは人材の有効活用、あるいはそれらを通じて隊員の士気の高揚等を目的として現在まで行ってきておるわけでございます。まだ五十九年の十月までこれの実施がございます。したがいまして、私どもといたしましてはこれらの実施結果を踏まえまして、今後こういった停年の問題については、当然ながら精強性の問題というようなものも勘案しながら慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
○国務大臣(栗原祐幸君) 六十年業計を作成していくに当たりましていろいろ御注意をいただきました。適切な御注意だと思います。例えば停年制などの問題について言うならば、財政上の理由で停年制というものを考えちゃいかぬと思うんです。これはもう自衛隊の特性からいってそういうことは邪道であると私は考えています。 それから即応態勢の問題、教育訓練の問題、施設等の問題については御指摘をされるような点が多々ございます。これらは十分に承りまして、今後の施策の中に移していきたいと思っておりますが、何せ大変厳しい財政事情でございますので、これは国民の皆さんの御理解をいただかねばならぬ。国会の先生方におきましても、与野党を通じまして、我が国の防衛力の重要性、それについて格別の御理解をいただきまして、何とか自衛隊の諸君がしっかり国が守れる、国のために一生懸命やれる、そういう環境をつくるために最大の努力をいたしたいと思っております。この上ともの御鞭撻を賜りたいと思います。
○野田哲君 まず、最近のハワイにおける安全保障事務レベル協議の内容、それからリムパックの問題、それから五九中業の問題等について、防衛庁長官、外務大臣並びに政府委員の方々にお伺いをいたしたいと思いますが、まず、その前提として外務省の政府委員から説明をいただきたいと思いますが、一九八四年三月、ことしの三月に、アメリカのワインバーガー国防長官からアメリカの議会に対して共同防衛への同盟国の貢献度に関する報告というレポートが提出されているものがごく最近公表されているわけでありますが、この中の十二ページから十三ページにかけて、日本に駐留している米軍の役割について記述をしたくだりがあるわけでありますが、ここのところをちょっと外務省の方から説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(栗山尚一君) ただいま野田委員の方から御質問がありました国防長官の報告の関係部分は、委員御承知のとおりに、議会の方の要求で、日本に駐留している米軍の中で専ら日本の防衛のために展開されているものについて、その米軍についての説明をしろという要求がなされたものに対する国防長官の回答でございます。 その中で、国防長官が申しておることを概略申し上げますと、太平洋軍の全部隊の重点任務は、アメリカ及びアメリカにとって死活的に重要なラインズ・オブ・コミュニケーションの防衛にあると、それが第一点でございます。 それから日本に駐留している米軍につきましては、その「いかなるものも専ら日本の防衛のためだけに振当てられたものではない。」と、イヤマークという言葉を使っておりますが、日本の防衛のために専らイヤマークされているというものではない、これが第二点でございます。 それで、その関連におきます説明におきまして、これは「NATO駐留の米軍と同様、日本に駐留している米軍の全ては、米国及びその領域の前方防衛の一部を構成している。太平洋及び米国西海岸に対するソ連の接近」、「アクセス」という言葉を使っておりますが、「ソ連の接近ルートに横たわる日本の戦略的な位置を考慮すると、米国の前方防衛は、必然的に、日本の防衛を含むことになる。しかしながら、日本に駐留する米軍は緊急展開の能力を有しており、米国にとって重要な、その他の(地域での)緊急事態を支援するために、これを使用することができる」大体こういうような説明を報告書の中でしております。
○野田哲君 その後もう一つあるんじゃないですか。太平洋とインド洋地域全域でのソビエトに対するカウンターウエートを与えるために使用することができる、こういうくだりがあるでしょう。いかがでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 御指摘のとおりに、太平洋及びインド洋地域にわたるソ連の冒険主義、アドベンチャリズムという言葉を使っておりますが、ソ連の冒険主義に対するカウンターウエートとなるものであるというくだりがございます。
○野田哲君 日本に駐留している米軍の位置づけ、役割についてこういうふうにアメリカの国防総省が考えているとすれば、外務大臣にも後でこれは見解を伺いたいんですがね、今説明のあった国防総省ワインバーガー長官から出された日本に駐留する米軍の任務、位置づけというものは、これは安全保障条約の六条をかなり超えた内容になっているとは外務省は考えておられませんか、いかがですか。
○政府委員(栗山尚一君) 委員御承知のとおりに、我が国に駐留しております米軍、具体的には日本の施設・区域を使用します米軍につきましては、当然のことながら日米安保条約の枠がかぶっておるわけでございまして、これは当然のことながら日本及び極東の平和と安全の維持のために施設・区域の使用を認められるという大前提のもとに日本に駐留しておるわけでございます。しかしながら、他方におきまして、そういう日本の施設・区域を使用しております米軍というものが御承知のような広範な機動力を有しておりまして、そういう機動力を有しているがゆえに全体のいわゆる軍事バランスという観点から考えますと、当然のことながらより広範な太平洋あるいはインド洋という地域におきます軍事バランスというものに間接的に寄与しておるということもこれまた当然でございまして、今委員御指摘のような国防総省の報告書の記述それ自体が安保条約の趣旨に反するというふうには私どもは考えておらない次第でございます。
○野田哲君 初めからここには、日本に駐留している合衆国軍隊は合衆国とその領域の前方防衛の一部であると、こうなっているわけですね。そして、太平洋とアジア地域全域でのソ連の冒険主義に対するカウンターウエートを与えるために使用することができるという、こういう解釈が安全保障条約の六条でどうして成り立つんでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 先ほど申し上げましたとおりに、日本の施設・区域を使用する限りにおいては安保条約の枠がかぶるということはこれは大前提でございます。しかしながら、他方におきまして、例えば一例を申し上げれば日本の施設・区域を使用しております第七艦隊の艦船、あるいは我が国に駐留しております米軍の海兵隊の一部というものが第七艦隊の艦艇に乗りまして、これがそのときどきに応じまして太平洋あるいはインド洋という方面に展開しておるということも事実でございまして、そういう米軍の任務あるいは行動の態様というものが安保条約六条というものに反するものではないということは、従来から累次御質問の際に政府側からお答えしておるとおりでございます。
○野田哲君 そうなってくると私は外務大臣に伺いたいと思うんですがね。初めから太平洋、インド洋地域全域でソ連に対するカウンターウエート、これを与えるために日本に駐留しているんだ、これがこの安保条約六条をどう解釈すればそういうことが是認できるような答えになってくるんですか。六条で言えばですよ、これはもう明確じゃないですか。極東地域ということで、極東地域については今まで国会の中でもその範囲については政府が答えているわけであります。インド洋から太平洋全域にわたって特定の国を対象にして、ソ連に対するカウンターウエートを与えるための駐留だ、どこを読めばそういう答えになるんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本に駐留しておる米軍に対する施設あるいは区域の供与というのは、これは今北米局長が申し上げましたように、六条の範囲内でなければならないわけで、あくまでも六条という枠の中でしかできない。これは安保条約の建前ですから、これを厳守していくということが両国で合意されておる。そういう条約でありますし、私はその限りにおいてはアメリカも日米安保条約を守るという立場で、米軍の駐留はそうした六条のかぶった中での施設あるいは区域の提供であるし、またそれによるところの米軍の行動であるということははっきりしていると思うわけですが、ただ今の第七艦隊の例も出ましたが、やはりアメリカ軍の行動範囲というのは、米国の全体のいわゆる世界戦略、そういうものから見れば、私はそういうものを離れた中での行動というものはあり得る、米軍の持っている本質としてあり得ると思いますが、少なくとも日米に関し、また日本の区域あるいは施設の使用ということに関しては、六条の範囲内でしかできないということは日米安保条約ではっきりしている、私はそういうふうに解釈しております。
○野田哲君 初めからソ連に対するカウンターウエートを与えるために使用できるんだ、こういうことではないはずでしょう。それはどうなんですか。
○政府委員(栗山尚一君) この国防総省の報告書も、先ほど申し上げましたように、日本に駐留しておる米軍の基本的な任務というものにつきまして説明しておるわけでございますが、その関連でここで申しておることは、恐らく日本に駐留しておる米軍は西太平洋の防衛、アメリカの防衛、それから日本の防衛、そういう任務だけを負っておるのではなくて、他の地域にも緊急展開が可能である、そういう意味で他の地域におけるアメリカの戦略にも寄与し得る能力を持っているんだ、そこまでの説明であろうというふうに、読んだ限りにおいては私は理解いたしました。別にインド洋に行くために日本にいるんであるという趣旨の説明ではないであろうというふうに私は読んだ限りにおいては理解いたしました。
○野田哲君 これをこのまま、この記述でいいんだということになれば、これはもう事前協議も何も必要なくなってしまうんじゃないでしょうか。六条というのは日本の安全に寄与することと、それから極東における国際の平和、安全維持に寄与する、こういうふうに規定してあるわけでありまして、極東区域については、今まで説明をされているのは、フィリピンの領空、それから日本及びその周辺地域で、韓国、中華民国の支配下の地域もこれに含まれているんだ、したがって中国大陸や沿海州は含まれない、こういう見解をかって示されている。そういう意味からすれば、初めからもう太平洋とインド洋の全域でソ連を相手に行動することが日本に駐留する合衆国軍隊の自由なんだ、こうなってきたんでは、これはもう六条を完全に逸脱し、そうしてまたそういう地域へ行動していく場合には事前協議という一つの歯どめの措置もあるわけでありますけれども、それさえも、もうこれをそのまま肯定したのでは、有名無実になってしまう、そういうことにはならないんですか。
○政府委員(栗山尚一君) 我が国の施設・区域を使って行動をする場合に、委員御指摘のように、事前協議の制約が米軍に課されておるということはそのとおりでございますし、それを離れましても基本的に六条の制約があるということは、先ほど来私からも申し上げたとおりでございます。しかしながら、日本の施設・区域を使います米軍が、他方におきまして、これは軍隊でございますし、軍艦であり、あるいは航空機であるというような場合に、おのずと当然軍隊としての機動力を持っておるわけでございますから、そういう機動力を利用しまして我が国から離れて他の地域に移動していくということは、これは間々あることであり、そのこと自体は別に安保条約が禁止しているわけではなくて、日本の施設・区域を使用している米軍が常に極東の中にとどまっていなければならないということは別に安保条約からは出てこないということは、従来から米軍の行動との関連で累次御答弁申し上げているとおりでございます。
○野田哲君 ここだけを押し問答してもあれですから、これはまた改めて私ももう少し整理をして見解を伺いたいと思います。 防衛庁長官に五九中業について伺いたいと思います。 五月八日にいわゆる五九中業についての長官指示が出されているわけですが、この五九中業作成についての基本的な考え方をまず伺いたいと思います。
○政府委員(矢崎新二君) 五九中業は毎年度の業務計画の作成等に資するために、従前どおり主要な事業及びそれに要する経費の概略等の見積もりを行うものでございます。そこで、どういった具体的な考え方でいくかということについての長官指示の基本的な考え方を申し上げますと、まず一つは、五九中業におきましては、現下の厳しい国際情勢にかんがみまして、防衛計画の大綱に定める防衛力の水準の達成を期するということにいたしております。それからさらに具体的な留意事項といたしまして三点触れております。 その一つは、真に有効な防衛力の発揮に資するよう、特に正面と後方のバランスに極力配意をし、継戦能力等の向上に努めるというのが一点でございます。それから第二点としては、防衛力の整備に当たりましては諸外国の技術的水準の動向に対応し得るよう質的な充実向上に配意をするということであります。それから第三点におきましては、計上すべき事業の選択に当たりましては、その必要性、優先度を十分考慮して、防衛力の整備及び運用の両面にわたる効率化、合理化を図って極力財政負担の軽減に努める、これが第三点でございます。作業としましてはおおむね一カ年を予定してやろう、こういうことになっておるわけでございます。
○野田哲君 防衛計画の大綱水準の達成を期する、こういうことでありますけれども、具体的には五六中業の終了時点と防衛計画の大綱の別表に定める内容とは装備の点でどういう開きがあるわけですか。
○政府委員(矢崎新二君) 大綱水準と申します場合は、おおむね三点の問題点があろうかと思います。一つは、量的に申しますと、ただいま御指摘のございました別表に示されております規模の問題、それから第二点は質的な問題でございまして、これは大綱の本文の方に出ておりますが、諸外国の技術的水準の動向に対応し得るものであるということ、これが大綱の考え方として示されております。それから第三点としては、これも大綱の中の本文の方で幾つかの場所に書いてございますが、教育訓練とか指揮通信などの後方支援態勢等が整備されているということを言っておるわけであります。 それで、まず第一点の量的な問題につきましては、大綱の別表におきます目標水準が示されておるわけでございますけれども、五六中業が完成した時点の姿を仮に比較してみますと、やはりまだ未達成部分が残っておるわけでございます。それは、例えば海上自衛隊で申し上げますと、作戦用航空機が大綱水準では約二百二十機とされておりますが、五六中業の完成時では百八十五機ぐらいになるだろうということでございますし、それから潜水艦の隻数も大綱水準が十六隻に対して五六中業完成時は十五隻ということになっております。それから、航空自衛隊におきましても、作戦用航空機の数が大綱の別表では約四百二十機ということになっておりますけれども、五六中業の完成時では約四百機というような水準でございまして、まだ未達成部分が残っておるわけでございます。 その他の質的な問題、これは年々その向上に配意をしていくべき問題は常に残っていくだろうと思いますし、それから後方支援態勢というものにつきましては、毎年度の予算において後方経費というものが詰められていく仕組みになっておりますので、この点は継続的な努力が必要な分野として続いていくであろう、こういう理解をいたしておるわけでございます。
○野田哲君 継戦能力の向上ということを挙げられているわけですが、具体的にはどのように考えておられるわけですか。
○政府委員(矢崎新二君) 継戦能力という場合には、これは定義というのは明確にきちっと確定的に申し上げるのはなかなか難しい問題ではないかと思います。と申しますのは、継戦能力というのは戦闘を継続し得る能力のことを言っておるわけでございまして、特に我が国の場合は専守防衛に徹しておること、そして米軍の来援までこれは自給しなければいかぬというようなことから言いまして、こういった戦闘を継続し得る能力というのは非常に重要な機能であろうというふうに思っております。この継戦能力の内容は網羅的に申し上げるのはなかなか難しいわけでございますが、たとえば弾薬、燃料、修理部品等の作戦用資材を確保すること、あるいは適切な輸送能力を保持すること、あるいは所要の予備自衛官の確保を図るというようなことが挙げられるかと思います。それからまた、攻撃からの被害に対しましてこれを局限する、あるいは復旧を早期にやっていく、あるいはそれに代替する機能を平時から持っておくといったことによります抗堪性を持つという問題、これもやはり継戦能力の向上に資する、そういうふうに私どもは理解をいたしております。
○野田哲君 アメリカからの要求はこの面についてはかなり声高に今までやられてきているわけですが、アメリカはこの継戦能力の増強、向上という面では、具体的にはどういう希望を持ち込んできているわけなんですか。
○政府委員(矢崎新二君) 今回ハワイで行われました事務レベル協議の場におきましても、先ほどちょっと触れましたインターオペラビリティーの問題とあわせまして、継戦能力の強化という問題についてアメリカ側から関心が示されたことは事実でございます。ただ、今回の場ではそういうことが言われたにとどまりまして、具体的にどうこうというような話がブレークダウンしてあったわけではございません。それから、過去におきましてもそういう継戦能力という包括的な言葉でしばしば日本に対する期待も述べていたわけでございます。しかし、同時にアメリカ自身もやはりこの面では非常に頭の痛い問題だと思っておるというふうな認識も示しているわけでございまして、まあ、要するに具体的に個別にこれこれをというふうな話ではございませんけれども、全般的なそういった継戦能力というものは非常に大事だということを強調していたということでございます。
○野田哲君 栗原長官に伺いますが、間もなく昭和六十年度の予算の作業に入るわけですが、総理は先日も六十年度の予算では防衛費はGNPの一%以内、この枠を守る、こういうふうに答えておられるわけですが、五九中業達成までの期間、この方針はずっと貫かれるということで考えていいんですか。その点いかがですか。
○国務大臣(栗原祐幸君) 総理の言われたように、三木内閣の防衛政策に関する閣議決定、この方針は守っていくということは私も同様でございます。ただ、五九中業というのは、御案内のとおり、防衛庁内部による見積もりでございまして、最終的には予算が伴います。その予算の伴うところで、GNP一%という問題でどう処理するかという問題になりますので、関係が全然ないわけじゃございませんが、五九中業の作成そのものの中で絶えず一%ということを考えて作業することは適当でない。むしろ、必要なものはどういうものだということを出してきなさい、最終的な判断は政治がする、その場合に三木内閣のこの方針というものは我々として守っていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけです。
○野田哲君 五九中業作成の長官指示では、防衛計画の大綱水準の達成を期する、こうなっておりますが、最近、与党・自由民主党の中でも、それからアメリカの方でも、防衛計画の大綱見直しという声が大分高くなってきておりますが、この大綱は五九中業作成に当たっては変えない、そういう考え方に立って当たっていく、こういうことでいいのですか。
○国務大臣(栗原祐幸君) 私が五九中業の長官指示を出す場合に、防衛計画の大綱水準の達成を期せよと言ってそれ以上のことを言わなかったのはどういうことかと申しますと、防衛計画の大綱というのは、一応いろいろの前提がございますが、その中に基本的な国際的な枠組みがございます。それが、国際情勢は非常に厳しくなっておりまするけれども、基本的な枠組みというのは変わっていない。国際情勢そのものは非常に変わっているけれども、枠組みそのものは基本的に変わっていない、そういう認識が一つございまして、この大綱水準にできるだけ早く達成するようにやるべきだという決意を申し上げたわけでございます。 したがいまして、現在のところ防衛計画の大綱を見直す、そういうつもりはございません。
○野田哲君 この五九中業の問題でありますけれども、先ほど私が取り上げました国防総省のレポート、この中でも五九中業について、十分立案され実施に移されれば、効果的な領域、領空及び一千海里のシーレーン防衛の能力を持つ、こういう目標は八〇年代末までには実を結ぶことになろう、こういうふうに評価したくだりがあるわけでありますが、アメリカでは今度のハワイにおける事務レベル協議でも、余り防衛力の増強について声高な要求が出なかった。何か静かな対話という評価をされているようでありますが、防衛庁の夏目次官は、米側が日本に対する防衛圧力などをかけることは日本の自衛隊反対派を勇気づける結果になるという、何か変な牽制をされているようでありますが、我々のことを言っているのかなあと思うんですが、静かな対話であったということ。しかし、既にアメリカは、これから立案されていく五九中業について評価をしている。具体的に、これが達成をされればシーレーン防衛能力も達成できる、こういうふうに評価をしているわけですから、既にこの静かな対話であったというハワイの安全保障事務レベル協議というのは、肝心なことについてはアメリカはあの場で声高に言わなくても、既にもうのみ込んでいる、すり合わせは終わっている、言わなくてもやってくれる、こういう受けとめ方になっているんじゃないか。そうだとするならば、私は、これは大変問題があるんじゃないか、こういうふうに考えるわけなんですが、この五九中業作成については、アメリカがこういうふうに評価しているような形で既にこの協議は終わっているんですか。
○政府委員(矢崎新二君) 五九中業は、これはもう既に御承知のように、先般五月に長官指示で基本方針の指示をしたという段階でございまして、現在まだその具体的な数字がまとまっているというような状況ではとてもないわけでございます。したがいまして、今回のハワイの事務レベル協議におきましても、私どもがアメリカ側に話しましたのは、まさに長官指示の考え方を説明したということにとどまっているわけでございます。そもそも具体的な中身はまだございませんので、アメリカ側にそういった具体的な話をしたということ はございません。 今おっしゃいましたような、非常に静かな対話であったということがしからば何でそうなったのかというような御疑問かと思います。この点は確かにアメリカ側からストレートな形での期待表明というものは一切なかったわけでございますけれども、私ども感じましたのは、これはやはり中曽根総理、安倍外務大臣、栗原防衛庁長官が従来からとられてきました政策に対する信頼感が背景にあるということではないかというふうに感じたわけでございます。もちろんアメリカといたしましては、現在の厳しい国際情勢のもとで同盟国に対する防衛努力の期待というものは一貫して変化がないということも私どもは感じたわけでございまして、そういう意味で日本に対してアメリカ側が自主的な防衛努力を大変に期待しているということは何ら従来と変わりはないというふうには思いましたけれども、ただそのことは具体的な形で要求を突きつけるというふうなことには今回はなっていないわけでございまして、やはりあくまでも信頼感の上に我が国の自主的な防衛努力を期待するという態度に終始をしたというのが実情でございます。
○野田哲君 一九八一年の六月の事務レベル協議でこの一千海里のシーレーン防衛について具体的に日本の自衛隊の増強案についてアメリカ側が示してきた経過があったと思うんです。結局それは、アメリカ側の要求の数字というのは大変な数字で、防衛計画の大綱をはるかに上回る、それからそれをやっていくためには防衛費を毎年一〇%以上の伸び率で計上していかなければならない、こういう内容であったと思うんです。それがこの五九中業、防衛計画の大綱の枠内で、こういう長官の今回の方針と従来のアメリカの要求との間は余りにも開きが大き過ぎたと思うんです。それがなぜ今回静かになったのか。結局私は疑念を持たざるを得ないのは、今度のハワイでの合意で、来年の春までにシーレーン防衛の共同研究が行われる、こういうことが合意できたそうでありますけれども、それができ上がった段階でもう一回、八一年にアメリカが出してきたようなシーレーン防衛のための装備の要求が蒸し返されてくるような懸念を持たざるを得ないんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(矢崎新二君) ただいまのお話は、三年前の第十三回のハワイの事務レベル協議に関連するお話だと思いますが、そのときに出ました話と申しますのは、これもしばしば申し上げておりますように、事務レベル間のフリートーキングという形で行われたものでございまして、日本の防衛努力に関しましてアメリカ側から一部数字を交えた意見が若干出たということはもちろんございましたけれども、これはあくまでも単なる例示的な話題として出たわけでございまして、アメリカ政府として日本にこれを要求するといったような趣旨のものでは全くないわけでございます。アメリカが日本に対して申しておりますのは、そういう具体的な要求を従来から言っているわけではございませんで、日本自身の自主的な防衛努力をより一層進めてもらいたいということを言っておるわけでございます。したがいまして、今回の事務レベル協議におきましてもそういった具体的な話は出ておりません。 それからシーレーン防衛に関する共同研究につきましても、これは進捗状況の報告をしたにとどまっておるわけでございまして、このハワイの事務レベル協議でいつまでにこれを完成するというふうな合意をしている事実はこれもまたございません。そして、この後何かまた蒸し返されるのかというふうな御疑念でございますけれども、そもそも第十三回SSCの経緯は先ほども申し上げたようなことでございまして、私どもとしてはそういった具体的な数字での要求がアメリカ側からなされるというふうな予測は今持っていないわけでございます。
○野田哲君 この事務レベル協議の問題についてもう一、二伺いたいのですが、先ほど堀江委員の方からもちょっと触れられましたが、インターオペラビリティー、具体的にはこれはどういうことをやろうということなんですか。また、そういう提起に対して日本側としてはどういう対応をするということになったのですか。
○政府委員(矢崎新二君) 先ほども若干申し上げたわけでございますが、我が国が有事の際に日米は安保条約に基づいて共同対処をするということになっておるわけでございます。この共同対処がどの程度うまくいくかによって日本の防衛が有効に行われるか否かが決まってくるということだと思います。したがいまして、この共同対処を適切に実施するために必要な問題といたしまして、ただいま御指摘のインターオペラビリティーという問題がどうしてもそこに付随をしてくるということだと思います。戦術の面、訓練あるいは装備等の面、いろいろな面でのそういう相互運用性という問題が私どもも重要な要素だというふうに認識をいたしておるわけでございます。 この点は、日米防衛協力のための指針、ガイドラインの中におきましても、五十三年にそれを作成した当時から随所にそういった思想に基づく問題点を書き上げておるわけでございまして、私どもの基本的な考え方としては、このガイドラインに盛られております考え方をできる限り早急に具体化をしていくということが基本の路線ではないかというふうに考えておる次第でございまして、そういったような問題も含めまして現在共同作戦の計画の研究という作業も進めているわけでございます。したがって、こういったやり方をさらに一層深めていくということが私どものとるべき対応ではないかというふうに考えておるわけでございまして、これはすなわち従来から進めておりました防衛路線の延長線上にある、さらに一層充実をするという問題であろう、こう理解をいたしております。
○野田哲君 時間が迫ってまいりましたので、リムパックの問題について伺いたいと思うんです。 先ほど堀江委員の質問に対してその概要の説明があったわけですが、今回のリムパックのシナリオはどういうことになって行われたわけですか。
○政府委員(大高時男君) 御承知のように、リムパック84の目的でございますけれども、これはリムパック80あるいは82と同じでございまして、参加艦艇の能力評価を行う、これによって練度の向上を図るということでございまして、このために対水上艦艇、対潜水艦、また対航空機等の各種訓練を行い、あわせて誘導武器の評価施設でございますが、これを使用して、魚雷、ミサイル、こういったものの発射訓練もあわせ実施しておるわけでございます。 したがいまして、今述べましたような訓練をスムーズに実施をいたしまして、参加艦艇等の能力の評価を効果的に行いますために、それぞれの場面に応じまして必要な範囲で複数の訓練想定が策定されるわけでございますが、いずれにいたしましても、他の参加国が日本と共同して特定の国を守るとか、あるいは地域を防衛するといったようなシナリオはないということでございます。
○野田哲君 特定の国を対象にしたものではない、こういうふうにおっしゃったわけですが、オレンジ軍とそれからブルー軍、こういうふうに分かれた、そしてブルーの方の側に日本の海上自衛隊が参加をした、こういうふうになっていますね。私は、これはやっぱりソ連を対象にしたものだと言わざるを得ないと思うのは、現地から届けられた写真ですが、これは「ORANGE TACTI-CAL-AIR HEADQUARTERS」、こうなっているわけです。つまりオレンジ軍の戦術空軍司令部の今度のリムパックの標識なんですよ。そのオレンジ軍の標識を見るとこれははっきりとソ連のマークを使っているわけですね。外務大臣も防衛庁長官もこれを見て下さい。(野田哲君資料を手渡す)こういう形のものが、一体日本が参加をして、そして特定の国を対象にしたものではないということを言い得るんでしょうか。
○政府委員(大高時男君) リムパック84におきまして洋上訓練を行います際に、参加各国が対抗部隊に分かれた。その際にブルーとオレンジになりまして訓練を行ったわけでございまして、海上自衛隊はブルーに属した、米海軍もブルーに一部が属してございますが、他の一方のオレンジにつきましては当方は参加をいたしておりませんので、どういう内容になっておるかつまびらかにいたしておりません。いずれにいたしましても、私どもの理解は特定の地域あるいは国を対象にした訓練ではなくて、先ほど申し上げましたような一般的な、汎用的な、言うなれば対潜水艦、防空、あるいはまた複合脅威下におきます艦隊の移動訓練、こういったものであるというふうに理解いたしております。
○野田哲君 これは長官と外務大臣に伺いたいのですが、日本が参加をした合同演習の、オレンジとブルーに分かれて日本がブルーの方に参加をして、オレンジの方を敵にしてやった演習のそのオレンジ軍の方がソ連の国旗を標識に、表示に使っているということ、これに日本が参加をしているということであるわけですけれども、一向これは防衛庁長官や外務大臣は不当だとは思わないですか。
○国務大臣(栗原祐幸君) 私は、このマークがソビエトといいますか、ソ連そのものであるかどうか……(「かまどハンマーじゃないですか」と呼ぶ者あり)黙ってお聞きなさい、あなたに答えているんじゃないから。
○委員長(植木光教君) 御静粛に願います。
○国務大臣(栗原祐幸君) それが一つ疑問になる、それがそのものかどうか。 それからまた、どういう意図でこういうものをやったか、これはアメリカの方に聞かなきゃわからぬですよ。それで、ブルーの方がどうだったというのも、(「聞かなくたってわかるよ」と呼ぶ者あり)あなたに言っているんじゃない。そこら辺をよく確かめなきゃこれはならぬと思います。 しかし、いずれにいたしましても、リムパックは特定の国を目標として我が自衛隊が参加しておるものではない、それだけは申し上げておきます。
○野田哲君 あのかまとハンマーのマークを見ればだれだってこれはソ連という理解しかできませんよ。そのかまとハンマーの標識の中に「OR-ANGE TRACTICAL-AIR HEADQUAR-TERS」、つまりオレンジ軍の司令部と、こういう文字が明確に記されているとすれば、これはもうリムパックの対象はソ連を対象にしたものと、あなた方はそうじゃないと言われるかもわからぬけれども、国民はだれだってその印を見ればそう思いますよ。そういうことに日本の自衛隊が参加をしている、そしてアメリカ大陸の西海岸からずっと展開をしていっている。このリムパックの状態を見るときに、あるいはまた、今度のハワイにおける事務レベル協議においてのインターオペラビリティーの具体的な協議、あるいは一千海里のシーレーン防衛、明らかにもうこの状態というのは、日本の自衛権の範囲を超えていると思うんですよ。特定の国を対象にした集団自衛権に日本の自衛隊が参加をしている、こういう状態に今なってきていると思うんです。最近、各報道機関が自衛隊三十年の中でたどってきた足跡やあるいはシーレーン防衛の問題等についてずっと特集をしておりますが、各紙とも危惧しているのは、これはもう自衛の範囲を超えているんじゃないか、こういう危惧だと思うんです。一体どこにけじめをつけるのか、これが今、私は防衛庁あるいは外務省に求められていると思うので、その点について長官と外務大臣の見解を伺って、時間が参りましたので、終わりたいと思います。
○国務大臣(栗原祐幸君) 日米が有事に共同作戦をとるということで常時いろいろと密接な連絡をとる、そのことが我が国の専守防衛の質をさらに高めていく、私はそういうふうに考えております。しかし、それを専守防衛の質を高めるんじゃなくて、むしろ集団自衛権の方にいくんだという解釈をされている向きがあることは承知しておりますが、私どもの方としてはまさに専守防衛の質を高めていく、そういうふうに考えていることを御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 集団自衛権にはくみしない、個別的自衛権を日本としては堅持していくんだ、あるいはまた、非核三原則を守っていくんだ、こういうのが日本の憲法並びに日本がこれまで内外に明示してきました我が国の重要な基本原則でございます。これを守るために今日まであらゆる努力を重ねてまいりましたし、今後ともこれを守るということはもう内外に声明しておりますから、日本の政策は何らの変更がないということをはっきりと申し上げておきます。
○黒柳明君 先般アメリカの一専門家の発言で、AUW、これは核の兵器が日本の米軍基地にあるんではなかろうかと、こういう問題になりまして、国会でも取り上げられ、またマスコミでも指摘されたことがあります。そこで、防衛庁の専門家、防衛局長になるのか装備局長になるか、このAUWという兵器、これはどんなものが推測されるかお教えいただけますか。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。 AUWというのは、私の理解している限りではアドバンスト・アンダーウオーター・ウエポンズ、アンダーシー・ウエポンズとも言うようでございますが、水中、海中における近代兵器、こういうものでございまして、これは必ずしも核兵器ということではなくて、マーク46とかそれのモード5であるとか、こういう非常に進んだ水雷、魚雷等、水中の兵器の総称と理解をいたしております。
○黒柳明君 施設庁長官は別にお願いをするんで、やっぱり装備局長か防衛局長じゃないの、こういう専門は。施設庁長官が魚雷の専門というのは今初めて。前官房長ですからすべていろんなことを御存じのことは、博識であることはよく知っておりますが、この問題はやっぱり防衛局長か装備局長、ひとつ今の防衛施設庁長官の答弁を踏まえてあれしてくださいよ。施設庁長官と魚雷なんというのはちょっとちぐはぐだから……。
○政府委員(山田勝久君) ただいま佐々施設庁長官がお答えしたとおりでございます。私の知識といたしましても同じようなお答えになろうかと思います。
○黒柳明君 これから魚雷の専門家は施設庁長官である、私はこういう認識をしておきます。 それで、国会でも先般、衆議院の安保、沖縄委員会でも指摘されましたが、AUWが、在日米軍基地の中に数カ所こういう施設がある、こういうことだったんですが、どことどこでしたかね、これはもう一回復習ですけれども。これは施設庁長官がな。
○政府委員(千秋健君) お答え申し上げます。 私どもで現在承知しておりますのは、嘉手納飛行場にございますAUWのショップ、これは私どもが那覇空軍・海軍補助施設から移設した建物を利用してつくっておるということは承知しております。 以上でございます。
○黒柳明君 ほかは御存じないの。何だ、国会でもう指摘されているよ、それであることも認められているよ。施設部長さん、かわったばかりかな。
○政府委員(千秋健君) 三沢飛行場、ここにつきましては問題になっておりますが、私どもの方でそういう施設をつくったことはございません。
○黒柳明君 私の方じゃなくて、つくったのは沖縄でしょう。
○政府委員(千秋健君) はい。
○黒柳明君 こういうAUWの施設がある米軍基地はどこですか。
○政府委員(千秋健君) 米軍の基地の中でAUWショップと言われている施設は、ただいま申し上げました嘉手納飛行場と三沢飛行場にあると承知しております。
○黒柳明君 横須賀にもあるじゃないですか。これはもう国会でも問題になりまして、むしろ野党側から、あるよあるよ、こう言われた。あの沖縄の嘉手納にあるのは施設庁として提供した建物である、こういう意味ですね。ほかのところは米軍がつくったと。 それで、これも施設庁長官がな、魚雷の専門家がな。魚雷の推進力というのはどういう種類があるんですか。バッテリーとロケットエンジン、ほかにあるんですか。専門家の施設庁長官、ひとつ教えてください。
○政府委員(筒井良三君) 技術屋の方から御説明させていただきます。 魚雷の推進方式は、過去いろいろあると思いますけれども、最近のものにつきまして言いますと、いわゆるバッテリーから電気の力を使ってモーターでプロペラを回してやる電気方式、それからもう一つは燃料を燃焼させましてその熱エネルギーを使うところのエンジン方式、こういうぐあいに大別できると思います。
○黒柳明君 それで、これが横須賀のAUWトロピードファシリティー、その図面です。(資料を示す)普通の人がこんなものを持っていたら、これは安保条約でたちまち逮捕でしょうね。ハウスナンバー15、詳しい図面がここに出ております。ここに書いてあるのがAUWトロピードファシリティー、こう書いてあります。この中の、これはいろんな施設があるんですが、ここなんです。 これを見ますと、燃料がオットーフュエル、OTTOとしてある。このオットーフュエルというのは、一般的にどういう燃料なんでしょうか。当然これはアメリカのものですから、アメリカが使っているとすると、どういうものであるかという、その知識はございますでしょうか。
○政府委員(筒井良三君) 先ほど申し上げました燃料を燃焼する方式というのは、液体の燃料を燃やす方式と固体の燃料を燃やす方式とございますが、現在使われているのは一般的にオットーフュエルといったような燃料を燃やす方式のものを使っております。 このオットーフュエルといいますものは、正式の学名から言いますとPGDN、プロピレン・グリコール・ディニトレイトですか、そういうようなものでございますけれども、一液燃料と申しまして、この中に酸素と燃料と両方入っているような仕組みでございまして、高温に温度を温めてやってこれが燃焼する、そういった性質の、非常に効率のよい燃料でございます。
○黒柳明君 そう、おっしゃるとおりですね。それで、これはもう年鑑かなんか、海軍年鑑に書いてある、それだけのものなんですけれども、ところがここでは、このオットーフュエルの中にはベリリウムが混入されているんですよ。そのための装置、これが完全に密閉した中において、ここには緊急用の、皮膚、それから目の洗い場とか、それがらこの中に入るにはこれはもう見なきゃわかりませんが、防毒マスク、しかも宇宙服みたいな完全防備――要するに肌に触れたら大変ですから、ベリリウムですからね。そういうものをタンクの中からここに持ってきてこれは日本人立入禁止です。米軍人だけがここで作業をしております。 これは知っているかと言ったところで、知りませんという答えが出てくるに決まっていると思いますが、当然知りませんな。
○政府委員(筒井良三君) オットーフュエルと申しますものは分子式もよくわかっておりますし、昔からロケット等に使ったことのある燃料でございまして、大体技術屋の知っている範囲のものでございますが、ベリリウムという元素は含んでおりません。
○黒柳明君 そこで、だから問題になるんです。 ここのアドバンスト・アンダーウオーター・ウエポンズ、これは何であるか。私はきょうは核のことで余りやりたくないんですけれども、ジェーン年鑑を見ますと、サブロックがアドバンスト・アンダーウオーター・ウエポンズになっているんですね。しかも、これは労働科学研究所という財団で出したものですけれども、この燃料とサブロックの燃料と同じ発射燃料になっているんです、推進燃料。ですから、何のためにそれじゃ――皆さん方がこれを調べて知っていて発言しているのではないとは思います、この構造を。もしもそれじゃそういうものが含まれていないならば、なぜそういう完全防護の衣服を着て、皮膚につく、あるいは目にしみる、そういう場合について緊急に洗浄をしなきゃならないという施設も置き、密閉のところで作業をしなきゃならないのか。オットーフュエルだけだったらそんなものじゃないんですね。その点、いかがでしょう。
○政府委員(筒井良三君) オットーフュエルの取り扱い上、一つの難しい点がございまして、これはベリリウムとは関係ございませんけれども、こういったニトロ基を持っておりますものはどうしてもNOxというような種類の、硝酸を置いておくと同じようなガスが出てくるわけでございまして、これも米海軍の技術指令書にちゃんと書いてありますけれども、これを取り扱いますときには外科医が使う程度のものでよろしいから手袋をしなさいとか、目とかのどをやられる痛みのガスが出る、そういうことでございまして、特段のそれ以上のものとは私ども了知しておりません。
○黒柳明君 皆さん方、ここの施設を見て、あるいはここで働いている人を見て発言していることじゃないと思いますね、当然。オットーフュエルというものについての化学分子、それだけを見て通常的な燃料についての概念、認識だけで発言している、こう思うんですが、そうじゃないでしょうか。あるいは私通告しておきましたから、オットーフュエルについて、現地の作業場をちゃんと見て調査して、それを踏まえておっしゃっているんでしょうか。
○政府委員(筒井良三君) オットーフュエルにつきましては、私どもも多少の経験がございますけれども、現地そのものは行っておりません。
○黒柳明君 わかりました。現地を一回見ろと言ったって、見れるかどうか別ですけれども、現地を見ますと、そんなものじゃないんです。通常使われているオットーフュエル式なものじゃありません。そこで疑惑が起こるんです。 私はここで核のことをもう一回、これは核だからなんというつもりはないんです。要するにいろんな資料を調査しますと疑惑が起こってくる。しかも御案内のように、日本碍子で先月環境庁や愛知県の公害課が資料を隠ぺいしたとマスコミが書いてますが、これは事実関係は私知りません。会社は反発しております。米国の基準量の十五倍から二十倍のベリリウムが粉じんになって大気に出ていたと、こんな問題があったんです。米国でもこのベリリウムの粉じんについては、非常に公害で人体に影響がある。何か専門家に言わせると、これはもう治る方法がない、まだわからない、こういう性格なものらしいですね。それが今、参事官ですか、おっしゃったとおりそうじゃなければ幸いですよ。それで、大気の粉じんを取ろうとしても取れません、これは特定なところですから。普通の基地の中のちょっとしたところなら私たちも沖縄の水銀の公害について、土を持ってきて調査をしたことがあるんです。ですからやはり大気の汚染の可能性となりますと、しかも特定な、全く隔離されたところですから、やはり本当に近くに行ってベンチレーターから出ているところの粉じんを採取しなきゃ、これは検出できたとしても効果は上がりません。そこまでいけません。ですから、そういうものが沖縄と横須賀と三沢とあるわけです。私はベリリウムが使われていると断定しません。と同時に、今おっしゃったように使われてないということについても疑問を持ちます、通常的なもの。むしろ私はこの構造等を見ますと、使われている可能性が非常にある。と同時に、今言ったように、ジェーン年鑑でも、アドバンスト・アンダーウォーター・ウェポンというのがサブロックの中に明示されている。そんなことを見ますと、しかもこの推進燃料が今のベリリウムの含まれているオットーフュエルとサブロックの推進燃料と同じなんです、記述が。そうなると、どうもこれは核サブロックであるかどうかわかりませんよ。水中の、開発された、進歩した、あるいは高性能の兵器ですか、武器ですか、それとサブロックと関連性があるんじゃないかという疑惑がまたまたここに浮かぶんです。残念ながら調査の限度がありますので、念のため、今施設部長さんが知ってておっしゃらなかったのか、横須賀の場合はハウスナンバー一五です。それから三沢の場合は一四二〇です。沖縄は知っておりますね、先週沖縄でハウスナンバー、あれされましたから。その三カ所にAUWのトロピードファシリティー、それが全部同じ構造の、何かのように遮へいされた、それからすぐ洗浄しなきゃならない場所、ここに入るときには完全防護、皮膚を出さない、こういう中へ入って作業をする。オットースターレッジというのは、その隣にある、こういう構造は同じであります。ひとつ大気まで採取して、それでベリリウムが出るかどうかまでやれと私は申しませんから、一回こういう疑惑に対しましてもうちょっと親切な解明のされ方がやはりあるんではなかろうか、こう思うんですが、防衛庁長官、先ほどから非常に強気でおっしゃっておりますけれども、どうでしょうか、こういう疑問に対しては一回それじゃ聞いてみて答えてやろう、これくらいの親切心はありますでしょうか。施設庁長官がな、これこそ。
○政府委員(佐々淳行君) お答え申し上げます。 提供施設内の問題でございまして、相手のあることでございますが、せっかくのお尋ねでございますので、そういう状況について調査をしてみたいと思います。
○黒柳明君 せっかくなお尋ね――別にせっかくじゃないので、皆さん方がいろいろ苦労していると思いますけれども、こちらもある程度の苦労を踏まえて沖縄の場合には施設庁が提供したものですから、三沢と横須賀の場合にはこれは提供したものじゃなくて、アメリカが独自で建てたもの。だけれども、施設庁が提供したから、アメリカが独自で建てたからという区別は、要するに、日本の領土、それを提供しているわけですからね、その建物を日本政府が提供したかあるいはしないかということについては全然問題がない、私はこういうふうに判断をしておりますが、ひとつ万が一そういう日本政府が提供した建物の中で、いわゆるアメリカでも最近ベリリウム公害というものが問題になっているのです。日本じゃまた環境基準すらないんですね。しかも愛知県の日本碍子では十五倍から二十倍の粉じんが大気から出てきた、こんなこともありますので、ひとつ先ほど施設部長が日本がこちらから施設を提供した、こういうことを前提におっしゃいましたけれども、それを踏まえて、あるいはそれを含めてひとつ米側に調査、問い合わせていただいて、万が一ベリリウムを使用しているとなったらこれは大変なことだ。ただしこの資料を見ますとそういう記述はあるのです。私はあるからおかしいおかしいということを十年前からやったんですよ、こういうことを。ですから今非常にいろんな角度からもっともっと深く広く調べてやらなきゃならない。ちょっとしたアローアンスを持つようになりました。こういう記述があります。ですから大気汚染をこちらが調べてそうしておかしいぞというのが本来は野党としての責任だと思うんですけれども、完全に不可能なものですから、私は断定的にこれはできないことを非常に残念に思いますし、結論じみたことを出せないで非常に奥歯に物の挟まったような質問で恐縮でございますが、ぜひこの三カ所につきましてハウスナンバー沖縄は一四〇〇だったんですか、施設部長。先週ありましたね。
○政府委員(千秋健君) 四一〇〇でございます。
○黒柳明君 四一〇〇、済みません、逆だ。横須賀は一五、三沢は一四二〇、この三施設はAUWトロピードファシリティーですからこれについて御調査をいただきたい、こういうことであります。 それともう一つ、アドバンスト・アンダーウォーター・ウェポン、これにつきましてもどうなんでしょうか、もしかするとサブロックをそういう名称で呼んでいるんじゃないでしょうか。ジェーン海軍年鑑、見てください。そこにはそうなっているんです、活字が。ただし、これはもう逆説イコールになりません。要するにサブロックイコールAUWなのか、あるいはAUWの中にサブロックが含まれているのか、AUWだって核、非核いろんなものがあるとか、いろんな状況があると思います。私たち幾ら調べてもわかりません。ひとつこれも一回お調べいただけませんか。もしかするとAUWの中に――もしかするとじゃない、私の資料ではAUWの中にサブロックは入っています。だからAUWトロピードファシリティーにはサブロックがあるということはそういう理論が成り立つかどうかわかりません。目の前でサブロックがあると、私見たわけじゃありません。ひとつこの点も頭にお入れいただいて調査の中の一環としていただきたい。この意見については長官、どうですか。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。ただいま先生御指摘のように、サブロックイコールAUWでもなくAUWイコールサブロックでもないと、その御意見のとおりでございまして、先ほど申し上げましたMK46などというのもそういうアドバンスト・アンダーウォーター・ウェポンズの概念の中に含まれておるというふうに解しております。先生御懸念の件は、防衛施設庁の所管ではございませんで、核持ち込みの有無の問題は所管が違いますが、このお尋ねの施設に関する件につきましては、アメリカ側の、提供施設でございますのでお約束はいたしかねますけれども、調査はいたしてみます。
○黒柳明君 おっしゃった意味、ちょっと私の発言と食い違っていますね。要するに私は、AUWイコールサブロックじゃないだろう、あるかどうかわかりませんが、サブロックイコールAUW、AUWの中にサブロックが入っているよという記述があると、こう言ったんですよ。それ入っているからそれじゃAUWトロピードファシリティーにサブロックがあるかどうか、それはわからないよと、こう言ったわけですね。ですから、ここの記述ですと、AUWの中にサブロックがあるということです。よろしいですか。あるから、AUWトロピードファシリティーという日本の、三沢に、横須賀にそのサブロックがあるかどうかわからないと、こう言ったわけです。ですから、ちょっと長官のあれとは違いますね、私が言うのとは。だから、まあ長官の守備範囲じゃない、これは外務省の守備範囲だと思うが――何かありますか。
○政府委員(古川清君) 先生ただいま御質問のそのアドバンスト・アンダーウォーター・ウェポンズというものはいかなるものであるかということにつきましては、調査をいたしましていずれお答えしたいと思っております。
○黒柳明君 お願いします。 外務大臣、済みません。また明後日から十七日までですか、韓国、東南アジア等回られて、大変ヘビーな外務大臣になったということで本当にあれですが、韓国の問題ちょっと明後日から訪問されるのでお伺いしたいんですけれども、もうマスコミが先行していろんなことが活字になっておりますけれども、大統領が九月に来るであろう、これはいろんな問題があって事前には公表しない方がいいという韓国政府側の配慮もある、こんなことも情報で流れておりますが、外務大臣が行って当然そういう話も出るんじゃなかろうか、こんなふうにも感じられます。その中で、在日韓国人の指紋の押捺の問題が、これは大統領訪日と別にしまして、当然外務大臣の訪韓とは別にしまして、非常に国連等の陳情ないし国内に対する、指紋の時期ですね、とりなおす時期が来ているということで大問題になっているわけですね。各政党にも非常に熱心な陳情があるんですが、これは今回テーマになるかどうかわかりません。テーマになった場合には、これはどうなんでしょうか。あるいは万が一全大統領訪日のとき、一部マスコミが心配しているような、これで超高度の政治的な発言ないしは大統領が嘆願というのはおかしいでしょうかね、政治的なお願い等が出てきた場合にはどうなるのかということが、私も確かに今から心配されるんですが、この韓国人の指紋の押捺の問題というのはもう全く一歩も譲れないものか、それとも万が一大統領訪日のときにその問題が出れば政治的に考慮しなきゃならない、こういうひそかな検討もされているものなんでしょうか、どうなんでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 六日から韓国訪問をしまして、李長官を初め韓国の要人とも会談はしますが、まあその会談は二国間の問題、さらに国際情勢ということでございます。二国間の問題でも、日本、韓国間にはいろいろな問題がございます。特に、今御指摘の指紋押捺の問題は現在、在日韓国人の待遇改善の問題とも絡んで非常に大きな注目を浴びておるわけでありますし、韓国も注目をしていることも事実であります。この問題が、両外相同士の会談で直接話し合いになるかどうかということはまだはっきりしておりませんが、二国間の問題ですからなり得る可能性は十分あると、私もそう思っておるわけでございます。 そこで、指紋押捺及び外国人登録証常時携帯等のいわゆる具体的な義務につきましては、これは法務省が直接所掌する立場でございますが、いずれの義務も最近かなりの改善が図られている、こういうふうに考えております。また、諸外国でもこのような義務が採用されており、我が国がこれらの諸外国に比べて特に重い義務を課してはいないものと、こういうふうに理解をいたしております。 いずれにいたしましても、在日韓国人の待遇改善につきましては、他の外国人の待遇問題をも十分勘案しつつ、できる限り日本人と同様な取り扱いを享受し得るようにしていくことが重要であると考えております。当省としましても今後とも引き続いて関係当局ともどもに検討していくという考えでございまして、その日本の基本的な立場を、もし韓国側との間で話し合いに出た場合は、今のような、申し上げましたような立場を韓国側にも説明をして理解を求めたいと、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 これはまことに失礼な質問かと思いますけれども、たとえ全大統領直接にお言葉があっても姿勢はもう絶対変わらないんだと、こういうことでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、これは日本としてもいろいろの面での待遇改善を行っておるわけでございますが、今の指紋押捺の問題につきましては、先ほど申し上げましたようにやはり諸外国の例もありますし、また日本の立場としても、今後ともこれを変えるということは日本政府の立場としてはできない、これが基本的な我々の考えでありまして、いろいろと専門家によるところの検討的なものは、これはもうやっておるわけですが、しかし今申し上げましたようにこれを基本的に変える、これを変えるということは今は日本政府としては到底考えられないということを申し上げざるを得ないわけであります。
○黒柳明君 これもちょっとこういうところでの質問になじむかどうか。マスコミがやっぱり全大統領と天皇との接見のときにどういうお言葉を天皇が出すかが問題だと、こんなことであれしておりますが、どうなんでしょうか、もう当然時期は一、二カ月後に来るわけでありますんで。まあこれについては静かにしておこうやと、こういうことなんでしょうか、あるいは基本的には、やっぱり時期は一日一日来るんですから、そのときを目標に検討せざるを得ないと、こういう考えなんでしょうか、いかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) チョン大統領が日本においでになると、これは可能性としては十分あるわけでありますし、今度の恐らく日韓外相会談でもその話が出てくることは間違いないと思っております。当然のことだろうと思います。まあ外相会談で発表というところまではもちろんいけないと思いますけれども、いろいろと日本としても、中曽根総理が昨年行ったときに正式に要請をしておりますし、大統領がお見えになると言えば日本は歓迎をしなきゃならぬ。こういうことで、ただ、それはいつ、何日間がというふうなことについてはまだ詰めておりませんので、そういう点もあわせて向こうの外務大臣とは相談してまいりたいと思いますが、しかしもちろんお見えになれば天皇陛下との会見だとか、あるいはまた晩さん会だとか、これまでの諸外国の元首が国賓としてお見えになったと同様の行事をやることはこれまた当然でございますが、しかしどういう、今お話しのようにお言葉があるかどうかというふうなことにつきましては、これは我々が今、外務大臣としてまだはっきりしている段階でございませんし、そういうところまで立ち至って外務大臣として話しをする筋合いのものではないように思いますし、また恐らくこの点につきましては韓国側も私と話しをするとか、そういうことはあり得ない、その辺につきましては十分韓国側としてもわかっていただいておる、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 今、大臣おっしゃいましたように、チョン大統領、全斗煥大統領、チョン・ドゥホアン大統領、これは一週間ぐらい前でしょうか、韓国の公報部から、相互主義なんだから、こちらも日本の名前で読んでいるんだから日本でも韓国読みで読んでくれ、こんなことがあって、これはマスコミのあれでは、外務省首脳もよかろうなんというようなことが非公式ですか、出ておりました。この点いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、私もかねがねそういうふうに思っておりましたし、例えば中国においてもよく鄧小平副首席と言っておりますけれども、テン・シアオピン副首席というのが、これが正式な名前であろうと思いますし、韓国におきましてもチョン・ドゥホアン大統領というのがこれは当然なことで、我々がレーガン大統領とか、あるいはシュルツ国務長官というように、向こうの国あるいは国際的に通った発言で呼ぶのが、これがやはり日本側としての当然の責任でもあろう、こういうふうに思いまして、実は外務省のいろんな文書でもそういうことをはっきり明示するように指示をしたところでございまして、今後ともこの韓国の御指摘もありますが、前々からの私も考えておったところでございますので、韓国あるいは中国等につきましての名称につきましては、やはり中国で呼ばれておるところの言葉あるいはまた発言、あるいは韓国で呼ばれておる言葉、発言で正式なひとつこれから政府としても、そういうことで通してまいりたい、こういうふうに指示してきたところでございます。
○黒柳明君 そうするとあれですか。確かに韓国公報部はマスコミというようなあれがありまして、外務省の方も先行していわゆるそういう読み方にしている、中国の場合には相互主義じゃないですね。まだ向こうは日本名では到底読んでませんですな、中国のあれで。ただ日本のその呼び方というのは世界的に、大臣おっしゃったように全く通用しませんね、日本人オンリーの呼び方であって。ところが、テン・シアオピンでも、チョン・ドゥホアンでもこれはもう世界どこでも通用する。外務省がそれを指示してそういうふうなものにする。たしかマスコミも十何年前か何年前か、そういう活字で書いた部分もあったように私記憶しているんですね。今、完全に日本的な活字になった。外務省でそういうふうにすると、そうするとどうでしょうか。マスコミの分野じゃこれは全然別なんですが、やっぱりマスコミもそういうふうな呼び方、記述をした方がいいと大臣感じられましょうか。ちょっと後ろはだれもいないということでひとつ発言していただけますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 実はきょう、今お答えしたようなことをマスコミにも発表しようと、外務省の立場として外務省はそういう方向で今後進みたいということを発表しようと思ったところでございます。ちょうど国会でございますから申し上げた次第でございますが、やはりこれは外務省だけじゃなくて、政府としてもだんだんとそういう方向になっていかざるを得ないといいますか、一つの国際的な流れであろうと思いますし、当然これからのマスコミでの放送あるいはまた新聞等でもやはり韓国で使われておるところの、行われておるところのそういう発言を、あるいはまた正確な呼称で呼ぶように私はなっていくであろうと思いますし、そういうことを期待いたしております。それがまた相手の国を尊重して、相手の国の気持ちに沿い得るものだと、そういうふうに私は思っております。
○黒柳明君 最後に時間あと五分ですからトマホークの問題をお聞きしたいんですけれども、アメリカの国防総省の発表で、四隻にトマホークを配備した、やがて実際の行動に出るであろう。トマホーク、言うまでもありません、SS20に対しての対抗的な、戦略的な目的である。そうすると、この四隻はやがてやっぱり第七艦隊が遊よくしているようなこういう範囲に、アジア付近、極東付近、インド洋付近に実戦配備されるんじゃなかろうか、私はこう素人考えで予測するんですが、専門家から見てこれはどうでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) ただいま、四隻というお話がございましたが、新聞報道等でそういう報道がなされていることは承知しておりますが、私どもといたしましては、アメリカ側の方で公式にトマホークを配備する艦艇の隻数を具体的に発表したということは承知しておりません。御承知のように、六月の二十七日に国防総省がブリーフィングという形で発表をいたしましたところによりますれば、その六月二十七日の数日前に一部の米国海軍の戦闘艦艇において運用が開始されたというにとどまっておりまして、今後具体的にどのような数の艦艇にどういうふうに配備されるかということにつきましては承知しておりません。
○黒柳明君 そうすると、たしかAPが伝えた記事だと思いますけれども、あくまでも一外国の、アメリカの報道機関の発表であって、根拠はない。そうすると、四隻それでやがて実戦配備というこの根拠は全くないと、こういう認識でよろしいわけですか。私は、もう完全に四隻が配備して、やがては行動作戦に出る、これは間違いないというふうに認識しているんですが、そうじゃないんでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 黒柳委員の御質問は、核弾頭搭載のトマホークミサイルということで御質問になっておられるというふうに承知しておりますが、そういう核弾頭搭載のトマホークというものが四隻の潜水艦に配備されたということは、私どもはアメリカの正式の発表としては一切承知しておりません。
○黒柳明君 そうですか。ちょっと、そうすると、認識が違うんですかな。いずれにせよ、やがて配備されて、それで現実に行動作戦に出ることは、これは間違いありませんね。時期がいずれであるか。あるいはどのぐらいの艦船に積まれるのか。それがやっぱり実際の作戦行動に出るというのは、SS20に対抗するということになると、やっぱり太平洋沿岸、第七艦隊が遊よくしている範囲ぐらいに相当数は来るという可能性はあるんじゃないか。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(栗山尚一君) 今御質問の過程で、SS20に対抗するものということで言及されましたが、私どもの米側から聞いておりますところでは、もちろんSS20というものの展開というのもアメリカのトマホーク展開の一つの考量であろうと思いますが、一般的なアメリカの核抑止力の近代化、それからアメリカ側の念頭には当然のことながら、ソ連が従来からソ連の艦艇に巡航ミサイルを配備しておるということも念頭にあって、そういうソ連の軍事力というものに一般的に対応するものとしてのトマホークの展開を始めておる、これは通常弾頭のトマホーク、核弾頭のトマホーク、両方を含めてのことでございますが、そういうものとしてアメリカがトマホークの配備を始めておるというふうに理解しております。現実にそういうトマホークが配備された艦艇が具体的にどういう水域を遊よくするようになるのかということについては、これは全く想像の域を出ませんので、この場所で私から、恐らくそうであろうとかなかろうとかということを申し上げるのは、必ずしも適当ではないと思います。
○黒柳明君 外務大臣、最後の質問で、いずれにせよトマホークが実戦配備される。すると、今までの日本の非核三原則というのはますます形骸化するだろうという心配はこれはあるわけですね、根強く今まである。それがますます今度は顕在化して、そしてトマホークを積む可能性がある船が、駆逐艦にせよ巡洋艦にせよ、入るたびにそういう問題提起、非核三原則の形骸化というのは国民の意識の中にさらに強くある。ですけれども、向こうから事前通告がないからないんだ、こういう今までの政府の答弁、この域を出ない。 そこで私は、国防総省の有力な人に逆提案された。日本政府はこれからアメリカに対して、どこの艦船に積んだのかということをむしろトップシークレットでつかんで、自信を持って横須賀に入ったあの船には積んでおりません、こういうことを言えるようなものを持つということは、これは日本の非核三原則に抵触なんかしないんじゃないんでしょうかと。あるいはアメリカと日本とのトップシークレットということなら、アメリカもこれは必ずしも拒否しないんじゃないでしょうか、あるいは日本政府の非核三原則の形骸化というものも、野党、国民に対して非常に説得力があるやり方じゃないでしょうかと、これからトマホークの配備ということについては、日本の非核三原則の形骸化を考えると、むしろ私たちはそういう意見も提起したいぐらいですね。 これは全く非公式、プライベートの友達同士の話ですから、これが別に正式の場所で外務大臣に、こういうことはいかがでしょうかと言うことすらが失礼に当たるか、そんな感じもしながら恐る恐る質問もしているんですけれども、もうこれ以上形骸化してしまうということについてのむなしさを与えたんじゃうまくない。何かやっぱりただ単に通告がないから、事前協議をしないから積んでないというパターンは破る必要があるんじゃなかろうかという中で、そういう向こうからの善意な、非公式な逆提案もあったんです。これについて意見を求めるということじゃないんですが。 それともう一つは、三日前に河野さんのところで、ニュージャージーが来たときには何か個別に聞こうというようなことを言ったとか言わないとか発言が出ていましたが、その点について、むしろどういう発言があったのか。あるいは今言ったように形骸化がますます進むむなしさを感ずる中で、もうやはりこういう実戦配備にトマホークがされる、その可能性がある船がどんどん入ってくる。そういう時代になってまでも同じような繰り返しの非核三原則、事前通告がないからないんだというパターンの繰り返ししかないんでしょうか。もっと政府に知恵者はいないのか。あるいは中曽根内閣のときはそれで、安倍内閣になったらそういう知恵を出すのか。ひとつここらあたりいかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) どうもなかなか今の黒柳さんのお話で、アメリカの高官の何か提案というのがありまして、大変耳寄りな話でございまして、もしお聞きかせいただくならば二人だけでこっそりひとつぜひとも聞かせていただきたいと思います。 我々はアメリカの国務長官とも接触しますし、アメリカの大使とも接触する際のアメリカの発言は決まっておりまして、やはり核の有無はアメリカとしては言えないんだ、これがアメリカの基本的な戦略だ、世界政策だ、それによって核の抑止力というものを我々は保っているんだ。こういうことで核の存在、核の有無を明らかにしないというのがアメリカの原則として、我々はしょっちゅう説明を受けるわけでございますが、実は非核三原則が形骸化している、こういうふうにお話がございますが、私は決してそういうことはないんじゃないか。日本が非核三原則というものを口を酸っぱくするほど国会でも言っておりますし、内外に対して私も言ってきております。今回も軍縮会議のジュネーブで、日本の軍縮問題について説明をするときに、日本の非核三原則を述べたわけでございます。 そこで、これだけ日本が非核三原則を守っていくんだ、これは国是だということまで言い切っておりますし、やはり日本とアメリカとの関係は同盟関係であります。それでアメリカは日米信頼関係というのがあって初めて安保条約というものも有効に発動され、運用されるわけですから、同盟関係があるアメリカが日本との信頼関係を破ってまで核を持ち込むなどということはこれは考えられない。そういうことになれば日米安保条約の基本が崩れますし、日米関係そのものがもしそれがはっきりすれば壊れてしまうわけでございますから、私は、そういう意味ではやはり日米信頼関係は厳固としておりますし、そしてアメリカも核の有無は明らかにしないけれども、要するに日米安保条約は守ります、事前協議の条項について我々はこれをきちっと守りますということもはっきり言っておりますし、また非核三原則も尊重しますということを言っているわけでございますから、これだけ日本の立場を鮮明に何回も繰り返して内外に明らかにしておりますし、日米には変わらざる信頼関係というものがますます牢固になっていっております現状におきましては、日本の非核三原則というものは守られていくんだと。トマホークが核、非核両用ありますし、そしてこれが今後とも積載されることになるわけでございます。その点についてもいろいろと国民の間で、あるいは議会でも議論が出ておることもこれは事実でございます。 まあ私は、先般の予算委員会で中曽根総理も言いましたように、私も申しておりますが、これが例えばニュージャージーといったような戦艦、そうした艦船が入ってくると、そのときは議論も相当大きくなりますし、また国民的関心も深くなってくるわけですから、そういう際にはやはりこれは一つ一つの艦船について個別に核の有無を明らかにするということはこれはできない。アメリカもそれはできないと言っているわけですからできないわけですが、一般的に今我々が天下に明らかにしておる非核三原則というものをアメリカに対しても念を押す、あるいは安保条約と、その関連規定をお互いに守りましょう、こういうことについてもそれをお互いに確認し合う。こういう一般的な意味での、いわゆる念を押すということは、そういうときが来ればやらなきゃならないのじゃないか、去年もやりましたが、やらなきゃならないんじゃないかということを考えておりまして、河野新自由クラブの代表が見えたときも申し上げましたようなことを私から説明をいたしたような次第でございます。
○上田耕一郎君 私は、核問題とリムパックの問題について質問したいと思います。 まず、安倍外務大臣にお伺いしたいんですけれども、ことしの四月十五日から十七日まで、国連大学が「平和と科学・技術に関する東京セミナー」というのを開いて、私も第一日目に出席したんですけれども、そこで非常に大きな問題になったのは、今米ソを含む科学者が、核戦争が起きた場合の環境への影響、この研究をしている。その研究結果が一部イギリスの物理学者、それからアメリカの学者などによって報告されて、非常にショックを受けたんです。それはニュークリアウインター、核の冬というふうに言われておりまして、もし百メガトン北半球で核爆発が起きると、大体零下二十度ぐらいが三カ月ぐらい北半球で続くという、そういう事実が明らかになったというんですね。大来佐武郎さんもちょうどお出になっていて、南半球はどうなるのかという御質問をしたこともあるんですけれども、百メガトンというと、今蓄積されている核弾頭が一万八千メガトンと言われますので、その百八十分の一ぐらいですね。百八十分の一でも、もし核戦争で爆発すると、零下二十度が三カ月とか数カ月続くということになると、これは地球上の環境すべてに破滅的影響を与える。アメリカのコロンビア大学のモアハウス氏は、これはもう核兵器は使えないという結論なんだということまで言われて、このアメリカのコロンビア大学のモアハウス氏は、その原因は米ソ対決にあるんだから、ソ連がもしアメリカ型の社会にならないとすれば、アメリカの方が少しソ連型の社会にならないといかぬ、そういう議論がアメリカの国内で生まれているということまで紹介されたんですね。 私は、核戦争の環境に及ぼす影響というのは今次第に明らかになりつつある。それが非常に破滅的な影響を及ぼすわけで、A国がもしB国にICBMを打ち込む。そうすると、A国自身もこのニュークリアウインターの中でもう破滅に近くなるという、本当に相互破滅ですね、そういう事態が明らかになっていると思うんです。私は、唯一の被爆国日本として国会決議もあるんですけれども、こういう状況がいよいよ明らかになっているとき、やっぱり核兵器の廃絶以外にないということをもっともっと日本国民としても、また日本政府としても呼びかけるべきだと思うんですけれども、その点について安倍外務大臣の御意見をまずお伺いします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは意見を申し上げるまでもなく、核がもし使用されれば、これはもう世界人類の破滅だと思います。したがって、やはり我々としては世界の平和を今後とも維持発展をさしていくためには核を廃絶する、核がなくなるということが最も理想的なことでありますし、そのためにあらゆる軍縮その他の努力を我々は重ねていかなきゃならない、最終的な理想はやはり核がなくなる。そうしなければ、真の人類の平和というものはあり得ないと私は思っております。
○上田耕一郎君 そこで、今も問題になりましたトマホークの太平洋艦隊の配備問題です。トマホークが例えば攻撃型原潜に配備されるとどういうことになるか、もう皆さん御承知でしょうけども、アメリカのブルッキングス研究所のマクガイヤー氏の論文によりますと、攻撃型原子力潜水艦一隻にもしトマホークが積み込まれただけで、こう言っているんです、この水中発射こそは、ただ一隻の潜水艦で水上においては一空母戦闘群の必要とするような規模の脅威をつくり出すことを可能にする。それから、ミッドウェー中心の空母機動群これは海の上にあるわけで、すぐ見つかるわけですね。あれは二百個の核兵器を持っていると言われているんだが、たった一隻の攻撃型原潜、これは八基、まず魚雷発射管に積み込まれていると言われておりますけれども、たった一隻で、居場所はわからぬ、水中から発射すると、ミッドウェーあるいはエンタープライズの空母機動群と同じ核攻撃力を持つというのが、このマクガイヤー氏の論文なんですね。これがどのくらい正確か、私もそれほど専門家じゃないんだけれども、いずれにせよトマホークの配備というのは非常に大変なことになる。第七艦隊の数十隻にこれが積載可能艦だと言われているわけですね。核、非核両用だから、非核なら大丈夫だという説もあるんですけれども、逆に例えばソ連側から見ると、核か非核かわからないのだから、これを全部核だと見て対応するということになるわけで、だから横須賀にこの間スタージョン級の核積載可能の攻撃型原潜が入って問題になった。あれは積んでいたとしても非核だというにしても、相手側から見ればこれは核を積んでいるとみなした対応をするわけですからね。だから、核、非核両用あって、アメリカが非核三原則を守るし、事前協議で言わないんだから、大体持ち込んでいないという解釈で安心しているわけにはいかないという、重大問題だと思うんですね。今の外務大臣は黒柳委員の質問に答え、河野洋平氏に対するお話と関連して、ニュージャージーが来るようなときになったら、一般論だけれども、アメリカに注意を喚起すると言われたけれども、今の六月から始まる、もう既に始まったと言われているトマホークの第七艦隊配備ですね、このときこそやっぱりたとえ一般論としても日本政府としての行動をこれは行うべきだと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今トマホークの話が中心ですが、トマホークをアメリカが配備しなきゃならない、それのやはり一つの要件としては、ソ連の極東における軍拡というのが大前提としてあるわけですね。SS20が百二十五基も極東に配備されている。我々到底現実問題として考えられないわけでありまして、一基が御承知のように四つの弾頭を持っていると言われておりますし、五千キロの射程内で広島の十一倍の威力を持っていると言われている。そのSS20が百三十五もなぜ配備をされなきゃならないか。あるいはまた先ほど局長が答弁しましたように、巡航ミサイルがソ連の極東艦艇にも随分配備されておるわけでありまして、ソ連のそういう軍事増強というものが背景となってアメリカのまたトマホーク配備ということになる。私はこれは決していいことじゃないと思います。世界がそうした軍拡競争を繰り返せば非常な悲惨なことになり得るわけですから、やはり我々としては、こうした米ソを中心とした軍縮という方向へ行ってもらわなきゃなりませんし、そういう意味でも、核軍縮の交渉が一日も早く再開をされることを念じておりますし、日本もその先頭に立って、世界の中でこれから声を大にして軍縮を叫んでいかなきゃならぬと、こういうふうに思うわけでございますが、トマホークにつきましては、これは先ほどから申し上げましたように通常と核と両方あるわけで、これがアメリカの水上艦艇等にこれから配備をされていくわけでありますが、これはアメリカはアメリカの世界戦略あるいは対ソ戦略、そういうものから出て配備されていくわけでしょうが、日本の立場はこれは極めてはっきりしておる。先ほど黒柳さんにもお答えいたしましたように、日本は非核三原則を守っておりますし、これからも堅持していくわけでございますし、そうしてアメリカと日米安保条約の中でも事前協議の制度がございますし、アメリカは核を持ち込むときには日本に相談しなきゃならない。これはアメリカは義務があるわけでございますから、日米の信頼関係で条約を結んでおりまして、その義務を無視して持ち込むということはこれはあり得ないわけで、そういうことをやれば日米の信頼関係は根底から崩れる、こういうことですから、我々は今の日米関係、信頼関係からいけば、トマホークがそういうふうにアメリカの水上艦艇に配備される、核トマホークが配備されたとしても、日本にこれを持ち込まれるということは事前協議なくしては到底あり得ない、絶対にあり得ないということは、我々としてはこれをかたく信じておるわけであります。
○上田耕一郎君 非核三原則が守られているというかたい信念を表明されましたけれども、例えば最近の東京新聞六月二十七日の世論調査から見ますと、非核三原則は守られているかどうかという質問に対して、守られていないという世論は七四・六%、四分の三なんですね。守られているというのは一四・八%、一割五分しかない。それはミッドウェーその他が入ってくるときにどっかへおろしてくると言ってもだれもおろしているところを見たこともないし、おろしてくる島もないし、島でおろしたら見つかるしということで、そのまま入ってきているだろうと国民の四分の三が見ているんですね。安倍外務大臣は非常に少数意見なんです。それで、こういう世論に対して私はきちんとした態度を日本政府はとる必要があると思うんですが、こういう世論が考えているようにアメリカがもし持ち込んでいるとすれば、これはやっぱり条約違反ということになりますね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろんこれは事前協議の条項を無視して入れるということはあり得ないわけですから、そういうことはもう考えられないことです。日米間の安保条約……。
○上田耕一郎君 条約違反。
○国務大臣(安倍晋太郎君) それは事前協議違反ということになります。
○上田耕一郎君 私、昭和五十六年の六月一日に連合審査でこの問題を聞いて、当時の浅尾北米局長は、持ち込まない、トランジットしないという国際法上の根拠は、六条に基づく交換公文だと言ったんですよ。だから事前協議違反ということは、つまり六条に基づく交換公文違反だから、安保条約並びにその関連取り決めに対する条約の違反だ、そういうことになりますね。はっきりしてください。
○政府委員(小和田恒君) 第六条の実施に関する交換公文というのは国際約束でございますので、その条項に違反すれば、国際法、条約の違反ということになります。
○上田耕一郎君 アメリカ以外の外国の船が日本に核兵器を持ち込む、トランジットで。この場合どうなるかということが問題になります。インビンシブルのことで当国会でも問題になったわけですけれども、もしイギリスその他、アメリカ以外の国が持ち込んでくる場合、これはどうなりますか。無害通航の問題の国際法違反ということになるんですか、それとも条約違反ではないということになりますか、非核三原則の国是違反であるけれども、国際条約には違反していないということになりますか。
○政府委員(小和田恒君) 御承知のように、昭和四十三年の、我が国がジュネーブ領海条約に加入するに際しまして、日本政府といたしましては核の持ち込みは、核を搭載した船が領海を通航することは無害通航に該当しないという立場を明らかにしたわけでございます。したがいまして、米国以外の第三国の船舶、艦船が核を持ち込んで領海に入りまして通航する場合は日本の認めております無害通航権に該当しない、こういうことになります。
○上田耕一郎君 一般的にはそういうことだと思うんですけれども、私、このトマホーク問題でもこれだけ大きな問題になっており、東京新聞の世論調査で日本国民の四分の三が守られていない、持ち込まれている。私もひそかに持ち込まれているだろうと思う一人ですけれども、そういう事態があるわけですね。 かつて一九七〇年に中曽根防衛庁長官がレアード国防長官と会談したとき、発表しているんですけれども、中曽根防衛庁長官はアメリカの核兵器の再導入について留保しておく方がよい、そう言ったんですね。そうしたらレアード長官の答弁の中にはアメリカの核抑止力が必要であること、そのクレディビリティーの重要性を認識していただけるならば、責任ある政策決定者は八〇年代にかけてタフデシジョン、きつい決断に迫られることがあると思う。そういう見通しを一九七〇年に言っているんですね。そういう時期が今来ているように思うんですね。 それだけに、私はやはり非核三原則を国是、国是と言うだけでなくて、トランジット、寄港通過もこれは違反だ、これは禁止するということを法律で、つまり非核三原則を法律化すること、これが非常に緊急の課題になっていると思うんです。 法制局にお伺いしますけれども、この非核三原則を法律にして、いかなる国の軍艦あるいは飛行機も持ち込んではいけない、持ち込む中にはイントロデュースだけでなくてトランジット、寄港通過、あるいは飛行場への一次着陸なども含むということを明確に法文化することですね。これは安保条約並びに関連取り決め、その他の国際条約にも違反していないし、むしろその精神どおりのものだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(前田正道君) 申し上げるまでもなく、我が国への核の持ち込みにつきましては、非核三原則に違反するものといたしまして一切禁止されているところでございますし、政府としましては非核三原則を堅持する立場をとっているところでございます。また、特に米国との関係におきましては安保条約のもとの事前協議制度を通じまして我が国への核の持ち込みが行われませんように担保がされていることも御承知のとおりでございます。さらには核の持ち込み禁止を含みます非核三原則につきまして国会におきましても決議がなされているところでございます。 以上のような点からいたしまして、我が国が非核三原則を堅持するものであるということにつきましては周知徹底が図られているところでございますし、またその内容につきましても遵守されているところでございますので、これまで非核三原則の立法化が論議されました際にも、政府といたしましては三木総理、福田総理を初めといたしまして、立法化の必要はないと考える旨繰り返し答弁をしてきているところでございます。 このように政府といたしましては明確に立法化の必要はないというふうにお答えをしてきているところでございますので、法制局といたしまして今御質問の点につきましてお答えすることは差し控えさしていただきたいと存じます。
○上田耕一郎君 法制局としては職務上そういう答えをされたんでしょうけれども、立法化は余りに当然だから必要ないんだという筋ですね。しかし、イントロダクションかトランジットかというのはライシャワー発言以来、あるいはラロック証言以来最大の問題になっているんだから、そこを法律で明確にするということが私は当然今必要になっていると思うんですね。今法制局の答弁は私の主張は余りにも当然のことだという言い方で、条約上は当然のことだということに、いわば間接的に肯定的答弁をされたというふうに解釈しておきたいと思います。 次に、もう時間も余りございませんので、リムパックの問題についてお伺いします。 先ほどブルー軍、オレンジ軍のことがいろいろ問題になりました。既に明らかになっているところによると、ブルー軍の一部に海上自衛隊の「くらま」、「あさかぜ」など五隻が入った。新聞によると、エンタープライズ、原子力空母ですね、それとアーカンサスという原子力巡洋艦、これと日本の自衛隊護衛艦五隻でK空母機動部隊を編成した、そういうふうにありますし、小西岑生海将補、総指揮官ですね、小西さんも輪形陣は組まなかったが、十五日間行動してきたということをインタビューで答えているんですが、K空母機動部隊というのを米軍の原子力空母並びに原子力巡洋艦と日本の護衛艦五隻で組んだということは事実ですか。
○政府委員(大高時男君) リムパック84に参加しました海上自衛隊の「くらま」並びに護衛艦でございますが、これがブルーに属しましてエンタープライズと行動をともにしたことはただいま先生御指摘のとおりでございます。 この間、先ほど御説明しましたようにリムパックの目的でございます通常兵器によります対潜水艦あるいは防空戦あるいはまた水上打撃戦等各種の汎用技術の習得に当たったものでございまして、特に入りましたグループがそういう名前であるかどうかということは聞いておりません。
○上田耕一郎君 否定はされない。新聞にはK空母機動部隊ということが報道されている。小西さんはこう言っているんですね、このときの訓練で護衛艦「くらま」など五隻で潜水艦を五回攻撃した、そのうち三回は撃沈したと言っているんですよ。つまりエンタープライズを中心にして輪形陣は組まなかったと小西さんは言っているんだが、一緒に行動したんでしょう、十五日間。それで敵、つまりオレンジ方の潜水艦を五回攻撃して三回撃沈したというんですよ。このオレンジ軍の攻撃は、先ほど旗が出て栗原さんえらい怒っていたけれども、あのオレンジ軍、つまりソ連軍として想定されている軍の攻撃というのは原子力空母エンタープライズ攻撃のものですよ、エンタープライズを攻撃すべく来るわけだから、この空母機動部隊はそれを我が護衛艦は撃沈したんでしょう。そうなるとエンタープライズを守る、護衛する作戦、訓練をしたということ以外にないじゃありませんか。やっぱりエンタープライズと十五日間行動して、それに対するオレンジ軍の攻撃を反撃して、つまりエンタープライズを護衛する訓練をしたということになりますね。
○政府委員(大高時男君) ただいま先生から御指摘がございました潜水艦を三回にわたって撃沈したというのは実はまだ部隊がこちらに帰っておりません。正式な報告を受けておりませんので、どういう形の訓練成果があったのかというのは帰りました段階で承知すべきことかと存じます。 それから確かにブルーの部隊に属しまして行動いたしておりますが、先ほど来この過程におきまして多くの艦艇が相協力し対抗部隊に対して対空あるいは対潜の戦いを行ったわけでございまして、常に必ずしも海上自衛隊の船がエンタープライズを護衛しておった、こういうわけではございません。
○上田耕一郎君 大高さん、まだ報告が来ない来ないと言っているけれども、つまりブルー軍というのはアメリカと日本だけなんですよ。しかも機動部隊ではアメリカは原子力空母と原子力巡洋艦とあと給油艦一つなんですよ。あと五隻の護衛艦というのは全部日本なんだから。つまり原子力空母を守る主力を、巡洋艦はアメリカだけれども、駆逐艦の主力は日本の護衛艦がやったということはもう事実で明らかだ。それで、成果はわかんない、幾ら撃沈したか、と言うんだけれども、アメリカ側から褒められたという事実が明らかになっているわけでしょう。そういう点で今度のが護衛であることはもう明白なんですね。けさの毎日新聞にこう書いてある。ジョーンズ司令官は演習後の記者会見で「洋上では小西海将補に護衛の責任を持ってもらった」と述べたと。小西海将補は今度初めて提督指揮官として参加して、次席の指揮官になった、そう言われているんですね。つまり事実は明らかじゃありませんか。とにかく十五日間空母と一緒に行動して、空母を守る作戦を、あなた方は汎用と言うんだろうけれども、その訓練をやったという事実、この事実はお認めになりますか。
○政府委員(大高時男君) 今回のリムパック84におきまして海上自衛隊から派遣されました五隻の艦艇、これが海上におきまして各種の汎用訓練を実施する過程におきまして、もちろん米空母が周辺におりますわけでございますから、これとともに例えば対潜水艦艇あるいは対防空戦を行う、また当方の活動が結果的には空母を護衛する、こういう形にはなっておりますが、その行動の全過程を通じまして専ら空母の護衛を行うとかそういうことはないわけでございまして、遭遇した場合において相互に支援し合う、こういう形はあり得たというふうに申し上げられます。
○上田耕一郎君 大高さん、今重要な答弁をされました。結果的には空母を護衛するという訓練になったということを認められた。これは非常に重大な答弁なんですね。日本は軽空母でさえないんですから。ましてや原子力空母なんか日本にはないんです。日本みずから専守防衛で日本の船を守る訓練をやっているんじゃないんだ。アメリカの原子力空母、ソ連だって持ってないですよ、原子力空母というのは。世界で四隻アメリカが持っているだけですよ。その空母を守る訓練をおやりになった。私は、先日、リムパックに関する質問主意書を中曽根総理に出したが一切そういう護衛はしていない。82リムパックについても、それから84リムパックについても非常にあいまいな答弁をされているんですけれども、これは非常に大変な問題なんで、ちょっと二、三分、もう一問で終わりですが、最後に栗原さんに質問します。 これまで国会答弁で、七九年十二月四日参議院予算委員会で、防衛庁の佐々参事官、先ほど答弁していらっしゃいましたが、リムパックについて、「特定の国に対する、それに対抗するための共同防衛行動、あるいはある国が攻撃をされた場合に他の国が共同してこれの防衛に当たるというような集団的自衛権の行使を前提とした訓練ではございません」と明確に答えております。それから行革委員会で五十六年十一月十八日、私の質問に対して当時の鈴木総理大臣は、一千海里シーレーン防衛問題に関連するんですが、一千海里シーレーンでも「わが国の船舶を守るというだけでございます。よその国の船舶を守るというようなものではございません。わが国ははっきり集団自衛権というのは私は憲法上疑義があると」考えているからだという答弁をされています。 今度のリムパック、一番最大規模の演習だと言われているんだが、すべての新聞も世論も、こういう形で集団自衛権に踏み込んでいくということに最大の疑義を感じ、危険を感じているんです。きょうの答弁、先ほどもオレンジの旗についての、ソ連の国旗と全くそっくりのオレンジ軍ですね。これを見ても、ソ連の脅威、ソ連の脅威と言って、仮想敵国としてもう認めているソ連に対抗して、ブルーの陣営がアメリカを中心に訓練をし、日本の護衛艦は、明白にアメリカの空母、これを守る訓練をした、結果としてと言いましたけれどもね。これは今までの政府答弁に反する、集団自衛権に踏み込んだ、あるいは集団自衛権を前提としたそういう訓練、これに参加しているということじゃございませんか。極めて私は重大な責任問題だと思うんですが、栗原防衛庁長官と安倍外務大臣の答弁を求めて質問を終わります。
○政府委員(矢崎新二君) ただいまの御質問は二つに分けてお考えをいただければよろしいかと思います。その一つは、日本が有事の場合におきます日米共同作戦行動のやり方の問題、第二は、ただいま教育訓練局長からもお答え申し上げております共同訓練そのものの平時における共同訓練のやり方の問題、この二つに分けてお考えいただきたいと思うわけでございます。 まず第一の問題につきましては、これは日本有事の場合に日米が共同対処で日本の防衛に当たるということは、日米安保条約に基づきまして当然のことでございまして、そういった場合に、日米共同対処の一環といたしまして、我が国自衛のため必要がある場合には、その必要最小限の範囲内におきまして、我が国防衛のために共同対処行動をとっておりますアメリカの艦艇を我が海上自衛隊が護衛いたしますことは、それが自衛のため必要最小限のものである限りにおいてこれは我が国自衛のための行動であって、憲法上個別的自衛権の範囲内に含まれるということは、昨年の予算委員会におきまして既に政府側からるるお答えを申し上げていることでございまして、そういった共同対処行動の一環といたしまして米艦艇の護衛を海上自衛隊が実施することには何ら憲法上の問題がないということを申し上げておきたいと思います。 それから第二の問題の日米共同で行っております、日米だけでございません、今回のリムパックにおきます訓練の中で、汎用技術の習得ということのために、先ほど来教育訓練局長から御説明申し上げておりますような訓練をすること自体は、これまた何ら憲法上の問題のない問題であるというふうに私どもは考えておることを申し上げておきたいと思います。
○国務大臣(栗原祐幸君) 以上、政府委員が申し述べたとおり、今回のリムパックの訓練は、何ら御指摘のように従来の政策を大きく変えるというようなものではございません。
○柳澤錬造君 私は、外交と安全保障というものは国家形成の骨幹をなすものだと思うんです。そういう観点からいろいろの点をお聞きしていくんですけれども、第一に、両大臣にお聞きをしたいんですけれども、国会論議のあり方というものをずっと見てまいりまして、経済政策の問題だとか財政の問題だとかという内政問題は、政府と野党の間でどんなに議論をしてもいいし、どんなに対決してやっても私はいいと思うんですよ。しかし、事外交と安全保障になったら、オープンでもって、何でもかんでもそこでちゃんちゃんばらばらやり合うような性格のものではないじゃないかと思うんです。その辺について両大臣はどういうふうにお考えになるか。それで、もし私のようなこういう見解に賛成をするというならば、それにかわってどういう形でもってこういう問題についての議論の場をつくるということをお考えになるかということをまずお聞きをしてまいります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は柳澤さんの御意見に賛成です。外交とか防衛とか、まさに国の運命を決するような重要な問題につきましては、やはり与野党が話し合うという場を積極的につくっていかなきゃならぬ。そして国民的なコンセンサスを持つということが大事じゃないか。私は、国会のこれまでのあり方等を見ましても、こうした安保委員会等が生まれた過程等も、そうした今委員が御指摘になったような、安全保障問題、防衛問題、外交問題というのは、国民の合意を形成していくということが大事である。ただ議論対立の場にしてはならない、こういう配慮があってこうした安保委員会、あるいは衆議院の安保特別委員会等も生まれたと思いますし、また、我々が将来にわたって大事な問題をこれから進めていく場合においても、できるだけやはり与野党あるいはまた国民的なコンセンサスを得るために努力を重ねていかなきゃならない、そういうふうに思うわけでございます。昔から外交論議は水際でというのがイギリスにもあるわけでございますが、そうした考え方というものは非常に私は大事ではないか、こういうふうに思っております。
○国務大臣(栗原祐幸君) 私も外務大臣と同じでございます。問題は、やはりどうして実りある議論をするか、そしてコンセンサスを得るか、その方法だと思うんです。それにはいろいろあると思いますが、国会の御議論でございますからその辺についてはこの委員会におきましても従前からいろいろ御協議いただいておると思いますが、さらにいろいろとそれらの点について御努力を賜りたい。また、そのために政府といたしまして協力でき得るといいますか、しなければならぬそういうことにつきましてはお指図を受けまして、できるだけ御協力を申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたしたい、こう思います。
○柳澤錬造君 続いて、外交と安全保障というものがいかに重要かということは両大臣お認めになったわけなんだけれども、そういう観点に立って、今の中曽根内閣の中でその二つの問題が私が今申し上げたような認識に立っているのかどうか。そういうものの一つの物差しとしてお聞きをするんだけれども、閣議の中でもって外務大臣と防衛庁長官の序列は何番目にさせられているんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはやはり建制順に並んでいる。ただ、閣議の座る順番は別に発言とは問題が全然別だと思いますけれども、座る方は建制順になっております。
○国務大臣(栗原祐幸君) 同じことでございますが、建制順序というのは省庁ができた順番に並ぶわけです。ですから、外務大臣は比較的その意味では上の方ですね。私などはずっと、建制順序ですから、その順序は上から言うと下の方になる。しかし、発言をする場合に、そのために制約をされておるということは一切ございません。したがって、座る場所においては発言の軽重はないというふうに御理解いただきたいと思います。
○柳澤錬造君 それ以上こんなことを申し上げませんけれども、本会議場におけるのは、これは当選回数が多いかどうか、大臣にどれだけなったかということやいろいろそういう順で、あそこはいつも見ているからわかるわけです。しかし、閣議の席は私はそんな、何というんですか、省のできた順番とかなんかではなくて、いかに重要なポジションについている者か、端的に言うならば総理の両側についてそれからずっとなっていくという、それはもちろん発言は官房長官の司会でもって行われているのでどなたも自由に発言できるわけだけれども、その辺のところの重みというか、そういうものがどちらかといえば防衛庁長官なんかは軽視をされているというようなのが従来からの姿であって、これは前にも私申し上げたこともあるんです。 それで、ですから次にいくんだけれども、五十三年の予算委員会のときなんですが、当時は福田内閣で、福田総理に私はお聞きをしたんだけれども、国家形成の基本である、国を守るということについてこの国会の中にコンセンサスが得られているんですか、しかも大事なことは、みんながシビリアンコントロール、シビリアンコントロールといっているんだけれども、そのシビリアンコントロールということを議論しておきながら、この国会の中に安全保障の問題、防衛の問題を議論する委員会すらないじゃないですか、調べてみたら防衛庁長官は平均八カ月ちょっとで交代させられている、会社の社長が八カ月ぐらいで交代しておったらその会社が成り立ちますか。そういう状態に置いておいて、安全保障の問題を議論する委員会もなくて、それで何がシビリアンコントロールですかと言って、そこから発展をしていって、総理が衆参両院に安全保障の問題の議論をする委員会のできることを希望し、そのために努力をいたしますと言って、それでもそれから二年かかって五十五年にこの安全保障特別委員会ができたんです。そういう経過に立って安全保障特別委員会ができて今日までやってきたんですけれども、これはずっと防衛庁長官おられたわけじゃないんだけれども、防衛庁長官御就任になられてから今日までほぼ一年という間を振り返りまして、満足のいけるような国会論議が行われていたかどうか、いなかったとするならば、どういうところに欠陥があり、どういう点を直していただくことによって価値ある効果的な議論のできる場になろうと思うか、その辺、長官の御経験からのお答えをお聞かせいただきたいんです。
○国務大臣(栗原祐幸君) 私は防衛庁長官に就任いたしましてからちょうど六ケ月でございます。この間、衆参の予算委員会あるいは安保持とか、内閣委員会とか、決算委員会等でいろいろ諸先生方から御質問いただきました。正直言いまして、中には非常に有益であった、実りある議論ができたという場合もございますし、ある場合には、これは私の方が十分でなかったのかもしれませんけれども、これはいかがなものかなあと、もう少し実りあるものにしてもらいたいなあという感想を持ったこともございます。しかし、総じて言いますと、私は防衛論議について、私の感ずるところでは相当真剣に皆さん方御意見を出していただき、また御批判もいただいていると思うんです。自由主義社会におきましては御批判というものは大変ありがたいことでございまして、反対意見というものは拝聴いたしまして、その中でこれが本当に自分としてそしゃくして吸収すべきものか、あるいはこれは逆にお考えを改めていただくべきものか、そこら辺を自分の体としていろいろとそしゃくしてまいりたい、そういうつもりでおりますので、特に不満はございません。
○柳澤錬造君 長官がそういう答弁をなさるから私は残念に思うんです。戦後と言ってもいい、新しい憲法ができたと言ってもいいですが、どちらにしましても、三十年以上たって、それでやっと国会の中に安全保障、防衛問題の議論をする委員会ができた。やっとできたけれども、長官、この委員会においては法案を審議しないということになっているんですよ。それでどうして長官が御満足いくんですか。片肺じゃないんですか。少なくとも、この院の中にはたくさん委員会がありますけれども、法案の審議をしないといってつくられた委員会というのはこの委員会だけなんです、そういうことをおかしいなあとお思いにならないんですか。
○国務大臣(栗原祐幸君) そういう御意見は大変有益な御意見だと私は思います。ただ、この委員会をどういうふうに運用するかということにつきまして、三権分立の建前からいたしますと、こうすべきだ、ああすべきだと私の立場で申し上げることはいささか僭越ではないか。ただいまおっしゃられましたことにつきましては、大変貴重な意見だとして私は承っておきます。
○柳澤錬造君 そういう答弁をなさるところに、先ほど言った五十三年の予算委員会の福田総理も当初はそれと同じ答弁の仕方をしておったんです。私は、あなたは内閣総理大臣であり自民党の総裁じゃないか、いいと思ったらなぜそれをやろうというふうにしないんだと言って、それでこうやりとりしていってできるようになったんですよ。ですから、それは立法、行政、司法という三権分立からいけば、長官の御答弁のとおりなんです。しかし、そういう判断をしてそういう答弁をなさるところに私はこの委員会のあり方の不十分さというか、ときどき、いろいろ皆さん方のあれを聞いておって、政府方の答弁を聞いていてむなしくなるときがあるんですけれども、それはさておいて、次に長官にお聞きしておきますことは、領海侵犯ということは、これは主権が侵されることでしょう。そういう事態が起きたら、防衛庁長官どうなさいますか。
○政府委員(矢崎新二君) これは現行の法制が背景にある問題でございまして、先生も十分御承知かと思いますが、現行法上の仕組みといたしましては、海上におきます人命、財産の保護あるいは治安の維持ということにつきましては、第一義的には海上保安庁の任務とされているわけでございますので、領海内での違法行為ということがあった場合に、そういった外国船舶に対しましては海上保安庁が第一義的に対処をするということになろうかと思います。自衛隊の部隊が行動するといいますのは自衛隊法にも規定がございまして、特別の必要がある場合に内閣総理大臣の承認を得ていわゆる海上における警備行動ということが発令をされた場合に動くという仕組みになっておりますので、第一義的には海上保安庁の仕事を信頼して見ているということになろうかと思うわけでございます。 具体的にたまたま領海内で違法行為を行っている船舶等を発見したような場合にどういうことがなし得るかということになりますと、まずはやはり海上保安庁に通報するということが必要でありましょうし、それからまた必要に応じまして監視活動をやるということはこれまた当然のことかと思いますけれども、一般的な第一義的な責任は海上保安庁の方でまずとっていただくということになろうかと思います。
○柳澤錬造君 防衛局長もういいからね、私は長官に聞いているんだから。 私が質問したのは、領海侵犯がされたときどうしますかと聞いている。現実に昭和五十五年の八月にソ連の原子力潜水艦が日本の領海を三時間二十五分にわたって侵したんです。あのときに官房長官は、領海侵犯と受けとめるとはっきり言ったんです。ソ連の大使館員の名前ちょっと忘れましたが、呼んでそうして文句を言ったわけなんです。ところが、三時犯二十五分にわたって我が国の領海を侵しているにもかかわらず、防衛庁は何もしなかった。しかも、少なくとも最高指揮権を持つ内閣総理大臣はそのときは何をしておったんだ、内閣総理大臣がどういうふうな指示をしたのかと聞いたときに、内閣総理大臣は新聞記者がなんかとどこか地方の温泉に行っておって、それで官房長官は、私が帰ってやりますので総理は御心配なくと言って、そういうことで総理から何の指示もありませんでした、領海侵犯をされたというときに。だからそこのところをよくお考えいただきたいんですけれども、私は冒頭に、外交と安全保障というものは国家形成の骨幹をなすものじゃないんですかと言ったのはそこなんです。両大臣それを賛成されたわけなんです。その領海を侵される、主権が侵されてくるにもかかわらず今の矢崎防衛局長の答弁のような、それは海上保安庁にというふうな、そんな性格のものじゃないわけなんです。その辺のところがもう少し私はきちんとしていただかなければならないんだけれども、今の答弁というものは依然としてあの昭和五十五年のソ連の原子力潜水艦にやられたときと何ら変わってない。あの当時と同じような見解だということで判断してよろしいんですか。これは防衛庁長官。
○国務大臣(栗原祐幸君) これは領海侵犯の態様その他いろいろございますね。だからそれに対して警告を発するとか、そういうこともあると思います。入ったからすぐ拿捕とかなんとかというのじゃなしに、態様によっていろいろあると思います。その態様はそれぞれの省庁でやらねばならぬと思います。もちろんそれらにつきまして外交ルートを通じて厳重に抗議するとか、そういうものがあると思いますから、態様は一様じゃないと思いますね。
○柳澤錬造君 まあ、それ以上申し上げませんで、ただ態様が一様でないとかなんとか、それはその前段のいわゆる外交交渉が舞台で動く段階のことだと思うんです。現実に外国の軍艦が我が国の領海を侵して、時の政府の官房長官までが明らかに領海侵犯と受けとめるということまではっきりと声明も出して、それで入ってきてはならぬと言って日本の船からも向こうへ通告しておったにもかかわらず三時間二十五分にもわたって日本の領海を侵された、それに対して何もできなかったんですと言うんだ。だからそれでは困ります。ですからこれはもうきょうはこれ以上私申し上げませんので十分お考えいただきたい。 それで外務大臣、先ほども出ていましたけれども、また韓国からインドネシア、あちらこちらと、大変外務大臣が海外へお出かけになるについては私も結構だと思うし、絶えず議運にかかるときも積極的にむしろ賛成をしてできるだけ出て行ってくださいと言う方なんですから、そういう点でいろいろ御苦労もありましょうけれども、いいことだなあと思うわけなんです。 そこでお願いしたいことは、南北問題にもうちょっと日本が本腰を入れてお取り組みができないかどうか。何だかんだ言っても、南にも北にも物が言えるというのは私は日本の国ぐらいだと思うんですよ。ですからそういう点で外務大臣も今までも御努力をなさったと思うんだけれども、さらに努力をしていただきたいなと思うんです。それから、ブラント報告の中にもありますけれども、戦争で殺されるのも周辺の人たちの無関心がために飢餓によって餓死するのも同じだと言っている。本当に平和を望むならば、この飢餓をなくさない限り世界に平和は来ないとまで言っているわけなんですよ。だからそういう点でもって日本は南のいろいろ海外援助はやっているんだけれども、ただお金をやればいいんだということでなしに、本気になってその辺の点について、とても世界全部なんて手が届かないと思うけれども、アジアの国々ぐらいにはもう少し温かい心というか何というか、そういうものを持って対応してやっていただきたいなと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本がこの南北問題に対しまして非常に深い理解を持ち、そして積極的な活動を展開しておるということは、これは南の国々が相当評価していただいておると私は思っております。今回もサミット、先進国の会議がございましたが、その中でも日本は積極的に開発途上国に対する債務累積の問題だとか難民問題とかアフリカの飢餓の問題とかいろいろありましたが、そういうものに対して積極的な先進国としては対応をすべきだということを主張いたしたわけでございますし、これまでも、特にアジアについては日本は開発援助の七割までアジアに集中しておる。そしてまた今後はアフリカ難民の食糧危機等に対してもいち早く日本が対応しておる。こういうことで私はやはり日本が開発途上国から出発して、そして今日の先進国になったという立場もありますし、また日本の発展というのは南の発展なくしては日本の発展というのはあり得ないわけですから、そういう意味でも日本が今後とも南と北のかけ橋といいますか、そういう立場でこれまでやってまいりましたけれども、今後もさらに積極的に取り組んでいくということは日本の大きな国際的な私は責任であろう、こういうふうに思いますし、これからいろいろの面で南問題というものに取り組んでまいらなきゃならぬ、そういう決意もいたしておるわけであります。
○柳澤錬造君 ありがとうございます。時間もないから……。 それでもう一つ外務大臣、今も出ましたけれども、難民の問題ですね、これはもうぜひやってくれませんか。経済的には日本は、経済大国とか先進国だとは言われるのだけれども、事難民になりますと全くもって発展途上国で、難民の定住の受け入れだってまだ三千名にもならないんですよ。世界で十六番目というんです。ここには法務省の方はおられないかと思うんだけれども、何であんなに頭がかたいかと思うんですけれども。中曽根総理は、今度のこの国会の冒頭の施政方針演説でも世界国家という言葉を使われたんですから、だから、そういう点からいくならば、難民につきましてももうちょっと温かい手を差し伸べて、経済大国だと言われるならそれにふさわしいように、世界の一とは言わないまでもアメリカに次いで二番目ぐらいの援助をして、いろいろと助けてあげるような、そういう国になってほしいと思うので、その点はぜひ外務大臣の方からもいろいろ政府の関係の方に働きかけていただきたいと、この機会にお願いをしておきますが、いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 難民問題も、私は政府としては精いっぱい取り組んでおると思っております。確かに国内の定住、これは三千三百人と少ないわけですが、やはり難民の皆さんが、アメリカとかオーストラリアとか、そういうところにみんな行きたいというところに大きな問題があるように聞いております。 それから資金援助では、二国間だけではなく国際機関を通じての資金援助はこれは相当なことをやっておりまして、例えばカンボジア難民なんかは、国際援助、いわゆる国際機関を通じての援助は半分以上は日本が出しておるということで、私も実際、タイにおけるカンボジア難民地帯を見たわけでございますけれども、大変難民の皆さんからは感謝をされましたし、あるいはパキスタンにおけるアフガニスタンの難民に対する日本の国際機関を通じての協力も相当なことをいたしておりまして、今回も中曽根総理と行って大変感謝もされましたし、日本としては、難民に対する対策としてはやはり人道的な立場からやっております。しかし、これからもこうしたいろいろと地域戦争も頻発しておりますし、難民がどんどん出ておるという状況でございますから、さらにこれは力を尽くしてまいらなければならない課題であるということはもちろん認識はいたしておるわけです。
○秦豊君 最初に全大統領の来日問題なんですけれども、一般には、その際の天皇の言葉については、椎名外相のケースあるいは鄧小平氏来日のケース、これが大体下敷きであろうと言われていますけれども、李源京外相の会見などを通じても明らかなように、韓国側はそれより一歩も二歩も踏み込んだ表現というのを立場上期待している。 そこで、そのような踏み込んだ表現の可能性などが一体あり得るのか、あるいはそのために外務省としては一定の努力をされるお考えはあるのかどうか、この点をまず。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは先般もお答えいたしましたが、私も今回韓国を訪問するわけでございますし、外務大臣との会談も行いますし、あるいはまたチョン・ドゥホアン大統領にも表敬するわけでございますが、そうした天皇陛下のお言葉がどうだこうだといったようなことについて話し合うということは一切ありません。
○秦豊君 確かに外務省のできる努力というのは資料提供程度、これは限度だと思うし、一般的に考えて、先例を突き破るという可能性は極めて少ないという認識を実は私も持ち初めているんだが、それについてはどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) チョン・ドゥホアン大統領がいつ来られるかということもまだ最終的に決まっておりませんし、そうしたいろんな問題を検討するといったような段階ではないわけですが、しかし少なくとも、陛下のお言葉がどうだこうだということについて、例えば、日本と韓国との間で相談をするとか、そういうことはありませんし、また、そういう筋合いのものではない、こういうふうに思います。これまで各国から大統領、元首がお見えになる際は、外務省としては、いろいろのその元首に伴うところの参考資料は宮中には提出をしておる、そういうことであります。
○秦豊君 それはそうでしょうね。だから、さっきも出ましたが、これから金氏の来日を控えて、警備の問題それから指紋押捺、教科書問題、それからこの天皇の言葉、四つがポイントになって収れんされていくでしょう。 そこで、天皇の言葉は、確かに日本の問題ですから、内部処理ですから、今後どのように詰めていかれますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは詰める、詰めないということじゃありません。こういうことを申し上げて、これはなかなか難しい問題でもありましょうが、しかし、政府がどうだこうだと言う筋合いのものでは私はないと、こういうふうに思います。
○秦豊君 いいでしょう。 警察庁お見えですね。ちょっと私も触れましたけれども、警備ですね、あなた方はこういう公式答弁ではなかなか認めにくいと思うんだが、既にかなりのスタッフが来日しています。私の調査によれば、大統領警護室の安全処長、元KCIA、現NSPの第三局長らを先頭にして三十人以上のスタッフが現に東京に滞在している。おたくを初めさまざまなシミュレーションの展開も行っているし、警視庁は実地の警備訓練なども行っているのではないかと仄聞される。それについての答弁は求めない。 そこで、韓国側の資料を少し見たのだけれども、全大統領は、既に就任以来四回も暗殺未遂事件にめぐり会っている。したがって今回、常識的に、レーガン来日をかなり上回る規模の警備態勢をしかなければ警備当局としては対応ができないのではないかと思っているんだが、それについてはいかがですか。
○説明員(井上幸彦君) 先ほどもお話がありましたように、全斗換大統領の来日につきましては、いまだ正式に決定されたということは承知していないわけでありますが、警察といたしましては、いかなる警備でありましても、そのときどきの警備情勢等を勘案しつつ十分な態勢を確保してその警備の万全を期してまいっておる、こういう状況でございます。
○秦豊君 レーガン氏のときも、五日市で検問中ライフル所持者が一人発見されて、それは穏便に処理されたらしい。今度は、警察庁としても、例えば、反韓国系の大きな組織であるとか、あるいは一部新右翼と称するグループ、あるいはさらに一部民族系右翼というふうなさまざまな動きが既にあるわけであって、そういうグループによる、あるいは個人によるテロあるいは妨害行動というふうな可能性について、あるいは危険性についてはかなりリアルな切迫感をお持ちかどうか、その点を伺っておきたい。
○説明員(井上幸彦君) 我々としては、具体的な情報というのを持っておりませんが、いずれにいたしましても、国賓の警備ということになりました場合には、各般の警備情勢等を十分に踏まえた上で、綿密な諸対策を推進した上で警備の万全を期する、こういうことに尽きるかと思います。
○秦豊君 教科書的な答弁で、きょうは結構。 外務大臣にちょっと伺っておきたいんですが、先ほどから同僚先輩議員が、非核三原則、河野洋平氏、ニュージャージー、トマホークと、この関連でずっと質問されましたね。そこでちょっと安倍外交に注文があるのですが、アメリカのペンタゴンなり海軍省が第七艦隊配属の艦船への核つきトマホーク・TLAMの配備を言明し、公式に発表してから日本外交としてのアクションが全くうかがえない。それで安倍さんらしい、安倍外交らしいアクションがここで求められているんだと私は思うんですよ。つまり、安倍さんを頂点にした霞ヶ関が、国務省なりホワイトハウスに持っている信頼感や親近感を国民は共有していないんです。その落差が先ほどの世論調査にあらわれているんです。だからこそ、日本外交には非核三原則についてのコンブアームの手数が求められているんです。とりわけ安倍外交にそれが求められていると私は思うんです。その問題なんですよ。 そこで、繰り返しませんけれども、忙しい猛烈な外交日程を承知の上であなたに要請をしたいんですけれども、やはり、日程を縫って、例えば、シュルツ国務長官に安倍外務大臣が正式な書簡を送る、マンスフィールド駐日大使を招致して、日本国民や国会論議のこの問題についての関心の深さや嚇怒を改めて伝える、リアクションを期待するというふうなことについては、アクションの余地あるいは考慮の余地がおありかどうかを伺っておきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、日本国内においてトマホーク問題はこれほど国会の問題にもなっておりますし、あるいはまたマスコミでもこれだけ取り上げられておるわけでございますし、それはやはり私はアメリカとしてもそれなりの関心は払っておると思います。当然のことであろうと思います。 そういう中で、日本政府を代表して総理大臣あるいは外務大臣が、非核三原則をあくまでもこれは守っていくんだ、アメリカとの間の日米安保条約、この条約の関連規定はこれはもう厳守されるべきであるし、そして事前協議制度というものがあるんだと、アメリカとの信頼関係においてアメリカが日本に事前協議なしに核を持ち込むなどということはあり得ないということを我々がしばしば声を大にして言っておる、こういうこともこれはやはり私はアメリカ政府としても十分承知しておるところであろうと思います。 そういう立場から私たちは、この非核三原則はこれが国是として生まれましてから長い間いろいろと論議もされましたけれども厳守されてきた、こういうことでありますし、今そういうトマホークの問題が起こったとしても、やはりこの姿勢、基本というものが毫末も変わるものではないし、また変わってはならない、こういうふうに思っておるわけでございまして、我々としてはこれまでの日本の立場、そして日米の信頼関係を今後とも貫いてまいりたい、こういうふうに思います。
○秦豊君 せっかく提案をさしていただいた、例えば駐日大使の招致、あるいは国務長官への公式書簡、こういうアクションは全く考えられませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは今ここでそういうことをする必要があると、私は率直に言って思っていないわけでございます。去年も実は一般的な立場でマンスフィールド大使を呼びまして日本の非核三原則を説明もいたしましたし、また安保条約、その関連規定をお互いに守っていこうということを再確認し合ったわけでございますから、この日米関係、信頼関係のある中で、また改めてこれをやろうということは現在の段階では思っておりません。
○秦豊君 ほかの点はかなりフレキシビリティーのある外務大臣も日米関係についてはどうも手数が少な過ぎて、その点は甚だ残念でありますね。これ以上の答弁はもう求めません。 防衛庁、やがてF4ファントムの硫黄島での訓練が行われるわけだが、それはかなり硫黄島への往復ということ自体の洋上飛行が訓練にも当然なる。あるいは、硫黄島を基点にした周辺三百キロ、四百キロの洋上のパトロール、要撃訓練、これも訓練になり得る。そこで、その場合に一部のファントムの給油装置を復活して空中給油訓練、それこそインターオペラビリティーではないけれども、嘉手納からKC脇を発進してくる。硫黄島空域で空中給油装置を復活したファントムとドッキングして空中給油訓練を行う。訓練自体はそう難しくないそうだし、給油装置の復活も技術的には簡単であるという場合に、今後そういうことは考えられるかどうかだけを伺っておきたい。
○政府委員(矢崎新二君) この問題は本年の予算審議の際に提起された問題と若干関連ございますので私から先にちょっと申し上げたいと思いますが、硫黄島におきますF4の訓練を始めるに当たりまして、距離が離れておりますところから、そこまでに行く間あるいは往復の期間におきましての安全対策という面から、空中給油の問題を検討する必要はないかというふうな御質問が提起された経緯がございます。その問題につきましては、防衛庁といたしましては、現在現地におきますいろいろな安全施設の問題、あるいは飛行途中におきますチェックポイントの設定等によりまして安全対策には万全を期しておるつもりでございますので、現時点で特に安全上問題があるとは考えてはおりませんが、せっかくの御提起でございますから、その問題も今後の検討の課題といたしますというふうなことを申し上げた経緯がございます。ただ、現在の時点での問題として申し上げますと、硫黄島におきます訓練は、そういった空中給油を行う訓練を当面計画しているものではないということを申し上げておきたいと思います。
○秦豊君 最後に、まだ二分半ほどありますから、次の対地支援戦闘機FSX、これはごく最近だけでも三回ほど私は質問をしております。例えば、これは矢崎さんと冨田さんの議事録がここにあるが、本年四月六日、参議院内閣委員会の素質問への答弁。FSXにつきまして、私はF1改、F4改、F16、トルネード、F18、F15改、バリア等々具体的な機種を挙げて伺った中で国産化の質問をしたときに、矢崎さんも冨田さんも一様に現在全くの白紙状態と答えておられます。ところが、あれからわずか三カ月弱なんだけれども、ど うも私の調べによると、白紙のはずの真っ白い紙に裏側から国産化という濃厚な黒い字が浮かび上がってきているのではないかと。 そこで、あなた方は完全否定するかもしれないが、いずれにしても、質問としては、今七月ですね、国会がいつ終わるか全くわからなくなっているが、八月にはFSX、次期対地支援戦闘機について調査団を具体的にお出しになるプランが既にまとまっているのかどうか。ならば、どういう調査項目、どんな国のどんな機種が対象になっているのか、これが一つですね。 それから、まさか初めに国産化ありきで、調査は十分にしたが適当な機種はございませんでしたというふうな予断を持った調査は認められないのであって、そのおそれはよもやないと思うけれども、念のために聞いておくわけです。 また、国会論議ではこの種の合理的な納得のできる機種選定というのは非常に重要なアイテムですから、今後とも、きょうはもう時間もありませんからこの次に譲りますが、今言った点と、それから国産化と言っても一号機が空を飛ぶまでには八年以上を要するのではないか、それまでは具体的にどうつないでいく方針か。五六中業の補正、五九中業という具体的なプランニングの中でどうつないでいくつもりか、これを伺っておいて終わります。
○政府委員(矢崎新二君) FSX、つまり対地支援戦闘機の次期の機種の問題でございますが、まず第一点の機種選定のための調査団を八月にでも派遣する計画があるかというお尋ねでございますが、この問題は現在の時点では基礎的なデータの収集の段階でございまして、機種選定のための特別の調査団を派出するという段階にはまだ至っておりません。航空自衛隊は、これは各陸海もそうでしょうけれども、常に毎年外国からのいろんな技術資料の収集のために出張をするというようなことはもう例年やっているわけでございますけれども、今御指摘がございましたような意味での特別の調査団というものを派出する計画は現在持っておりません。 それから、国産化の問題についてでございますが、これは先般もお答え申し上げたとおりでございまして、現在国産化をすべきであるとか、あるいはすべきでないとかいうことを防衛庁といたしまして決めているということではございませんで、国産化をするかどうか、あるいはどういう機種がいいかというふうなこと、すべてが今後の検討の課題として残されておるというふうに御理解をいただいて結構かと思います。 それから、第三点の今後どういうふうにつないでいくつもりかということにつきましても、今後さらに検討を進めていこうという状況でございまして、現在まだ具体的にここでこうこうと申し上げ得るような状況ではないことを申し上げたいと思います。
○委員長(植木光教君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会