科学技術特別委員会 第5号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1984/04/27
会議録
○委員長(高木健太郎君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月十八日、稲村稔夫君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(高木健太郎君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤井孝男君 私は、きょう質問をさせていただくのは、大きく分けて二点ありまして、一つは、長官の所信表明にもございました中で、STOL、いわゆるファンジェットの短距離の離発着機、このことについてまずお伺いをいたしたいと思います。次にその後で、科学博のことにつきましてお伺いをしたいと思います。 まず、STOL機のことにつきましてですけれども、これは私の地元の岐阜県で実験機が今つくられておりまして、また昨年の航空ショーでも地元の各務原でこの実験機が披露されまして、私も実際に見てまいりました。大変すばらしい飛行機だと思っております。またこれは、日本の科学技術の面におきましても大変その果たす役割というのは大きいというふうにも考えております。またさらには、日本のこの地形から考えまして、これからの航空産業と申しましょうか、交通体系の上におきましてもこれは将来大きな役割を果たすのではなかろうか、このような期待も持っておるわけでございます。 特にその中で、非常に短距離で離発着ができる、あるいはまた、この狭い国土の中で多くの国民が住んでおりますので、必ず出てくる問題は騒音の問題とかいろいろ出てくるわけでございますが、そこで、このすぐれたSTOL機の研究開発の基本的な考え方と申しましょうか、計画の意義その他につきまして、まずお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) お答えいたします。 STOL機につきましては、先生御指摘のように、我が国のようなこういう狭い地形の中で、土地が非常に高いところで非常に広い面積の飛行場をつくらなくちゃならないということで、各地方とも航空機につきましてはジェット機化ということの強い要望がございますけれども、滑走路の関係でなかなかジェット機化しにくかったということもございます。また一方では、騒音公害という問題もございます。そういった意味で、このSTOL機は短距離離着陸性能というものを第一に、それから低騒音性ということを第二にこういったものを開発して、未来の飛行機というものを設計し開発していくためのデータをとっていこうという実験機でございます。 こういうことで、航空宇宙技術研究所では、航空機工業界の協力のもとに実験機の開発を今進めておるわけでございますけれども、これは、なるべく開発を容易にするという意味で、国産ジェット輸送機C1を原型機としております。それからエンジンにつきましては、通商産業省工業技術院の大型工業技術研究開発制度によって開発しましたFJRエンジンというものを搭載する。そういう意味で、我が国にとりまして初めての純粋の国産大型ジェット機ということが言えると思いま す。 なお、このSTOL機は、今申し上げました短距離離着陸性能、それから低騒音性のほかに、まだ数々の最先端技術というもの、今後の航空機に対して必要な技術というものをここで実証していこうということになっております。 例えば、電気式操縦システム技術といいまして、これは従来、機械式の操縦システムでやっておりますと操縦システムは非常に大きなものであるし、また力を要するものということでございましたが、これを全部電気信号に変えまして、その信号をかじを駆動するモーター、油圧モーター等に働かせまして飛行機のかじ取りをするというような新しいものも入っております。また、コンピューターを使いまして操縦を制御していきます。そういうことで、パイロットの負担を軽減する非常に高度な飛行を行うための技術というものもここで取り扱っております。 それから、材料の面におきましても複合材技術というものをふんだんに使っておりまして、機体の軽量化を図りますし、また耐熱それから耐音響疲労性能というものを向上させるということも図っております。 それで、騒音低減技術につきましては二つございまして、一つは滑走路への進入角度あるいは離陸角度というものが従来の飛行機に比べてかなり大きな角度を持つために、騒音をまき散らす範囲がぐっと縮まるということとあわせまして、その吸音材技術というものに一番新しいものを使っておりまして、エンジン騒音、もともとの騒音というものを減らすというようなこともやっております。 そういった意味で、単に短距離離着陸性能だけではなくて、恐らく今後将来における日本の航空機産業というものに多大の活力を与えるような技術開発というものがこれによって行われるのではなかろうか。 なお、ちょっと御披露を申し上げますが、そういう期待されている飛行機でございますので、最近全国の小中学生から愛称、名前を公募しまして、「飛鳥」という名前、これを大臣につけていただいているわけでございます。我々はSTOLを「飛鳥」と呼んでおりますので、今後とも「飛鳥」でぜひその愛称を御利用いただければありがたいと思っております。
○藤井孝男君 名前の方は、私は科学技術庁の方は名前をつけるのは余りお上手だとは思っておりませんが、原子力船「むつ」というのも、昔の戦艦「陸奥」みたいになその爆沈をしたような例もございまして、名前のことを余り強調しますと「飛鳥」が「飛鳥」でなくなるようなことになると困りますので、名前のことは小中学生の方から募集をされて決められたことですから、それはそれで結構でございますが、名前に負けないように頑張っていただかないと困るわけでございます。 今お伺いいたしまして、要約しますと、とにかく我が国の科学技術が自主的な開発を行っていると。しかもこれが、私が聞いておる範囲では、アメリカがこういう分野につきましては一番の最先端を行っているんではなかろうかと思いますが、むしろアメリカから注目をされているというふうにも聞いておりますし、またアメリカの有力な航空雑誌にも何度も取り上げられているということでございます。 そこで、今その性能その他をお聞きいたしましたけれども、現在の状況、スケジュールと申しましょうか、あるいは今後のスケジュールについてどういうことになっているか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) お答えいたします。 STOL実験機は、昭和五十二年から実はスタートしているわけでございますけれども、製作が五十四年度から始まるという状態で進んできております。初めての純国産機ということで、多少スケジュールはおくれぎみになっております。現在では、その実験機の製作、組み立てと並行しまして各種の支援的な試験というものが行われております。それが飛行シミュレーション試験といいまして、エンジンの試験等もあわせてやっておるわけでございます。と申しますのは、このエンジンも純粋に日本で開発したものでございまして、まだ残念ながら本当にこのエンジンで飛行機をつくっているわけではございませんので、慎重の上にも慎重にこのエンジンの飛行シミュレーション試験というものをやっていこうというふうに考えております。 それで、この組み立てが終わりましたら、約三年間にわたりましてこの実験機を使った飛行試験というものをやることになっておりますけれども、これは最初に申し上げましたように、これ自体が本当にこのまま使われる飛行機ではございません。これはあくまでもSTOL性を中心としたいろいろなデータをとるための実験機ということでございますので、三年間十分データをとって、そしてその後そのデータを用いた次の本当の実用機というものの開発の方に移っていくというふうに我々考えているわけでございます。
○藤井孝男君 多少今おくれておるというお話がございましたけれども、何か技術的に問題があっておくれておるのか、ただ単にそういった問題でなくて、いろいろな予算面その他でおくれておるのか。本来のスケジュールからいきますと、もう既にいわゆる飛行実験が行われる予定であると聞いておりましたけれども、何かそれが大分ずれ込んで、ことしの暮れからかあるいは来年にずれ込むというようにお伺いしていますけれども、ここで何か大きな技術的な欠陥とかそういうのが出ておるわけですか。
○政府委員(福島公夫君) 大きな欠陥ということではございませんが、先ほど申し上げましたように、FJRエンジンというのが大型プロジェクトで開発されたわけでございますが、これの実際の飛行試験というものはやっておりませんでしたので、実は現在実機に取りつけたいろいろの実験をやっておるわけでございますが、そのいわゆる実験をやっている間に、ちょっと手直しすることによって性能がもっと上がるということがわかりまして、これはエンジンも含めての技術開発ということでございますので、そのために多少数カ月おくれてもよりよいものをつくるべきではなかろうかということで、それが主な原因で多少おくれているわけでございます。
○藤井孝男君 そこで、できるだけスムーズにまた効果を上げてその三年間の実験を行っていただきたい。これは国民の皆様方も大変期待しておるところだと思います。 こういうことというのは、必ず注目されればされるほどまた競争も激しくなるものでありますが、先ほどちょっと触れましたけれども、アメリカあたりも相当この点につきまして、またその他の諸外国からもこれはいろんな形で注目を浴びているのだろうと思いますが、こういった短距離離発着の飛行機というのは、現在海外においてこういう実験機というのがつくられておるのか、あるいは実際にそういうものがあるのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) 大体一九七〇年ごろから世界でSTOL性というものが注目されまして、各国ともこれに着手したようでございます。ただ、なかなかむずかしい技術ということで、必ずしも世界各国それほど進んでいないようでございます。 簡単に御説明申し上げますと、日本のSTOLは、全長二十九メートル、重量が三十九トンというかなり大きなものでございます。 アメリカにおきまして一番先にやられましたのが、一九七五年に米空軍でYC15というのが初飛行をやっておりますが、これについてはどうもやってみたけれどもなかなかうまくいかないということでございましょうか、理由は経済的理由ということにしておりますが、なかなかうまくいかなかった。それから、同じくYC14というものもやっておるようでございますが、計画を現在中止しております。現在生きておりますのは、QSRAという実験機、NASAでやったものがございますけれども、これは日本のに比べてちょっと寸 法が小さいやつで、全長二十四メートル、重量二十二トンというものでございますが、現在一機製作して飛行実験中でございます。しかし、NASAに言わせると、この日本のSTOLに非常に関心があって、どうもこちらの方がいいデータがとれるんじゃないかということで、航空宇宙技術研究所の方にアプローチしてきて、そのデータについて共同研究をやりたいというような話も来ているようでございます。 それからなお、カナダが米国のNASAと協力しましてオーブメンタ・ウイングジェットSTOL機というのをやっております。これが一九七〇年、大分古いのでございますが、これも小さなやつでして、全長二十四メートル、重量二十トンということでございますけれども、これは余りいい成果を上げていなかったということでございます。 ソ連の方はよくわからないのでございますけれども、アントノフAn72というのが航空工業省でやっておりますが、これは全長二十七メートル、重量三十トンということで、貨物機として二機製作して現在運航中と聞いておりますが、この成果がどんなものであるかということはちょっとよくわかっておりません。 大体そんな状態でございます。
○藤井孝男君 ちょっと順序が逆になりますけれども、きょうの皆さん方はもうよく御存じかと思いますが、先ほどいろいろな性能、いわゆる騒音が非常に低減される、あるいは距離が短い、いろいろな性能を申し述べられたわけですが、もうちょっと具体的に簡単に、要するにわかりやすく説明していただきたい。例えば今のジェット旅客機、国内便にしましても大体距離が二千メートル要ると、滑走路が。そういうことがありますが、そういうものと比較して、一体滑走路はどのぐらいでできるのか、あるいはまた航続距離はどのぐらいであるかとか、そういう基本的なことなんですけれども、この辺のそういう特徴をわかりやすく説明していただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) STOLは、今も申し上げましたように、全長二十九メートル、それからすべての装備を含めた重量が約三十九トンということでございます。これは先ほど来申し上げておりますように、データをとるための実験機ではございますが、もしこれをこのまま旅客機として利用したとすれば、約九十人乗りの旅客機に相当するものでございます。巡航速度はマッハ約〇・六ということでございます。それから航続距離は千六百キロメートル以上ということでやっております。 いわゆるこの性能の一番大事な短距離離着陸ということで、それではどのぐらいの長さでおりたり飛び立ったりできるかといいますと、厳密に言うと六百七、八十メートルあればいいということでございますが、まあぎりぎりというわけにもいきませんので、飛行場としては八百メートルの滑走路があればいいと。それで大体九十人乗りぐらいの旅客機でございますと、普通はその倍ぐらいの滑走路が要るわけでございます。もちろんもっと大型のものになりますと三子メートル級の滑走路が要るということもございますが、そういう意味で大ざっぱに言いまして従来型のジェット旅客機に比べて半分で済むということが言えると思います。
○藤井孝男君 今御説明がありましたとおり、これがもし順調にいきまして――これはコストの面もあるんだろうと思います。余り値段の高いものができてしまったんでは、民間の方も見向きもしないでしょうから、そういった問題はあるにいたしましても、もしこのままこれが順調に実用化されるということになると、これは大変画期的なことになるのではなかろうかと思うんですね。つまり、それはどういうことかと申しますと、先ほど触れましたけれども、こういう狭い国土、特にその大部分が山間地であるという日本の置かれている環境、そういった中で、今いろいろ問題になっております国鉄のローカル線廃止の問題とか、それによって生ずる過疎の問題とか、一方ではやはり地方のいわゆる活力を出さなきゃいけないとか、いろんなことが言われておるわけですけれども、そういう意味におきましてこのSTOL機というのが将来実用化されるとなりますと、これは大変画期的な、日本の交通体系というのが大きく変わり得ることも考えられるのではなかろうかと思うわけですわ。 そこで、今実験機ということですから、先のことを余りお聞きするのは御無理がとは思いますけれども、この活用につきまして、私が今実用化という話をしましたけれども、この実験をする過程において民間との協力と申しましょうか、そういったこともやはり必要になってくる時期があるんじゃなかろうかなと私は思うんです。その点につきまして、科学技術庁の方としての考え方はどういうふうであるか、ちょっとお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(福島公夫君) STOL実験機の成果というものの利用方法というもの、ざっと考えますと三つあるのではなかろうかと考えております。と申しますのは、STOL実験機、機体そのものはもっとスマートな輸送機にふさわしいようなものにしなければなりませんけれども、大体ここで開発された技術そのままを使った民間輸送機というものをつくった場合、これはあくまでも実用化の段階になりますと民間が主体となって開発しなければならないと思いますけれども、それができ上がった成果の利用というのは、先生御指摘のように、特に地方の飛行機の利用者というのは非常に待望しているわけでございまして、これは画期的なものになると考えております。 それでもう一つは、これは単に短距離離着陸だけではなくて、騒音についてもかなり低騒音ということでやっておりますので、これはほかの一般の航空機にも随分この技術が使われるのではなかろうか。そういった意味では、先ほどちょっと申し上げましたコンピューター制御技術とか、あるいは電気信号による操縦技術とかというものも、一般のほかの航空機にも大いに利用されるんではなかろうか。 それから最後に、私ども期待しているのは、このSTOL性につきましては、先ほどちょっと御説明しましたが、どうやら日本が今一番リードしているのではなかろうかという感じがございますので、国際協力という意味で海外に、世界じゅうには随分島だけの、島だらけの国も多いようでございますので、そういうところの航空機にこの技術を出して、国際協力で成果を上げていくということも期待されておるのではなかろうかと考えております。
○藤井孝男君 大いに期待をしておるところでございます。特に岐阜県と言えば、私の地元のことばっかり言って恐縮なんですが、地元で今実験が行われておる。それで、この間の航空ショーでも大変大勢の方がこの飛行機を見て、早くも私の方にも陳情も来ておる。これはどういうことかと申しますと、我が県は、自衛隊の飛行場はありますけれども、民間の飛行場はないわけでございまして、どうしても飛行場をつくりたいという願望が非常に強いわけです。しかしながら、今の財政状況その他を考えまして、採算の面から考えましても、やはり今の形態の飛行場というのはなかなか無理であろう。こういった八百メートルぐらいででき得る飛行場という、飛行機というのがあれば新しい二十一世紀へ向けて大きな展望が開けるのじゃないか、こういう期待が大きいわけですね。 そこで、このSTOL機につきましての質問の最後といたしまして、長官にお伺いしたいんですが、今るる御説明もいただきましたけれども、特に、こういった地味な実験が行われておりますけれども、これは大変私は注目すべきことではなかろうかと思うんです。この点について大臣も所信表明でもうお述べになられておりますので、この辺の決意というわけではございませんけれども、その点についての大臣の認識というのをちょっとお聞かせいただければありがたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 先ほど来藤井先生の御見識を伺って、大変私も心強く思いました。 やはり日本の国土、そして均衡のある発展ということを考えた場合に、どうしても幹線的なものだけでは国土の均衡開発ということは期待できないのではないかと思います。そうして、やはり何と言っても大変皆さんお忙しい時代に入ってまいりました。したがって、このような短距離離着陸の航空機というものが開発されますと、この細長い日本、そして島の多い日本にとりましては非常に大きな社会的、経済的な、そしてまた文化的にも大きな役割を果たすものではないか、このように認識をいたしておりまして、このSTOL機の実験開発ということは日本の将来にとって非常に大きな役割を果たすものと、こう認識をいたしております。 また同時に、これは発展途上国等におきましても島嶼国家、群島国家もたくさんございます。そういうところに対してもこのSTOL機というものが大変大きな役割を果たしていくのではないか、このように国際的に見ましても私はこのSTOL機の研究開発ということは非常に大きな意義があるということで、これからも一生懸命努力をして、成果を上げてまいりたいと考えております。
○藤井孝男君 ぜひそういうお気持ちで取り組んでいただきたいと思います。 私は、とにかくこれが成功すれば交通革命と申しましょうか、航空産業の中においても大変な寄与をするのではなかろうかということを考えますし、一つの例として申し上げれば、今長官もおっしゃられましたけれども、どうしても飛行機といいますと、例えば羽田と大阪とか、羽田を中心とか大阪を中心とか名古屋を中心というふうに考えますが、これがあれば何も羽田と結ぶということではなくて、東京とということじゃなくて、地方と地方という、いわゆる飛行機のバス化みたいな形で点々と飛び回るということもできるわけですから、いろんな意味で私はこれは本当に意義のある開発じゃなかろうかと思いますので、どうかよろしく頑張っていただきたいと思います。 それからもう一つ、やはり大事なことは、実験の段階で不慮の事故が起こらないとも限りませんから、どうか安全で事故のないように、実験の段階において事故がありますと、何か支障が起きますといろんなまた今後のスケジュールに大きな悪影響を及ぼしますので、どうか安全でしっかりとやっていただきたいことを要望いたします。 それから次に、科学技術博覧会のことについてお伺いをいたしたいと思います。 いわゆる科学万博が来年の三月の十七日からいよいよ開催をされることになっておるわけでございます。これは長官も本当に固い決意で成功に向けて日夜頑張っておられると思いますけれども、前にもこの決意のほどはよくお伺いいたしておりますけれども、ちょうどもう一年足らずということになりました段階で、いま一度成功に向けての担当大臣としての抱負を改めてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 来年開かれます科学万博、筑波万博でございますが、これは人類と科学技術のかかわり合い、そして二十一世紀へ向かっての大きな展望、さらにまた創造的な科学技術というものをどのようにつくり上げていくか、過去、現在、未来にわたって、このような博覧会を中心として私どもは次の世代の国民の未来をつくり上げていく、あるいはまた国際的な日本の役割を果たす大きな場にしてまいりたい、このように考えて今後とも一生懸命頑張ってまいりたいと思います。 特にこれにつきましては、ここにおられます安田前大臣も大変な努力をしてくださいまして、おかげさまで準備の状況は順調に進めさせていただいております。会場の建設等も、先般も行ってまいりましたけれども、おかげさまで順調に進んでおります。これもまた地元の茨城県等関係の自治体等の御協力、あるいは民間の御協力、こういうことが次第に実ってきております。 そして、海外からの参加ということも私は大変大事だと思いまして、前長官に引き続いて努力をいたしてまいりました。おかげさまで現在のところ二十九カ国三十六国際機関ということになっておりますが、さらにこれがふえていく傾向にありますし、努力をしてまいりたいと、このように考えております。 そして、何といいましても、科学技術といいますとなかなかわかりにくい難しいものだ、縁が遠いと、こういう印象がどうしてもつきまとってまいります。したがいまして、これをわかりやすいものにする、そして子供さんたち、青少年はもちろんのこと、家庭の奥様方まで親しんでいただくような、そういうものに仕立て上げていかなければならないのではないか。したがって、見て楽しい、そのような科学技術の祭典としてこれを成功さしてまいりたい、このように考えておるところでございます。 あと一年足らずになりましたので、関係方面の皆様方、そしてまた国会の諸先生の従来にも増しての御理解と御支援をちょうだいをいたして、成功に向かってはく進をしてまいりたいと思っておりますので、この上ともよろしく激励をちょうだいいたしたいと思います。
○藤井孝男君 長官の抱負のほど、決意のほどはよくわかりました。私どもももちろん協力を惜しまないところでございますけれども、ただ、今長官のお話の中にございましたけれども、せんだって御視察をされて順調に状況は進捗をしておる、こういうことでございましたけれども。これは委員長に御要望申し上げたいのでございますけれども、実は私はまだ一度もお伺いいたしたことはないのでございますが、この委員会でこの進捗状況を視察したことがあるのでございましょうか。これはまだないのじゃないかなと思うんですけれども、これは科学技術委員会として非常に怠慢であると私は思うわけでございます。長官ばかりが行きましても、やはり我々が実際行って、なるほどなと、またこういう点はこうしたらいいのじゃないかということで、我々ぜひ行ってそして長官を盛り立てていかなきゃいけない、こういうことだろうと思うんです。 委員長、一度この視察を、できてから皆さん御招待で行くのは結構でございますけれども、やはりできるまでの過程が大変大切だと私は思いますので、ぜひその点を御勘案いただきたいと思う次第でございます。
○委員長(高木健太郎君) おいでになった方もあるかとも思いますが、改めて今お話がございましたので、適当な時期を見てひとつ考えていきたいと思っております。
○藤井孝男君 よろしくお取り計らい願いたいと思います。 そこで、今参加国の話がございました。二十九カ国三十六国際機関ということでございます。ここに私資料をいただいておりますけれども、大変世界各国から参加が申し込まれておるわけでございますが、これはいろいろその国々の状況といいますか、財政状況とかいろいろあるのでございましょう、またこれから申し込まれる国々も多くあろうかと思いますが、何となく少ないなと思うのは、中近東の特に産油国の参加がここに一つも入っておらないわけでございますが、こういった国々にももうちょっと積極的に、当然呼びかけておられるのだろうと思いますが、その点について具体的にどういうふうにアプローチされておるのか、あるいはこの締め切りというのは一体いつまでなのか、そういったことにつきましてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 参加国につきましては、ただいま御指摘のように産油国、アラブ諸国がまだはっきりいたしておりません。先般カタールの国王が参りましたときに、私もお目にかかる機会がございましたので要請もいたしておきました。湾岸六カ国におきましては近く会議を開いて参加の方向で検討したいと、こういう話もございますが、なお努力をしてまいりたいと思っておりますし、発展途上国に参加をしてもらうということは大変大事な点であろうと思っております。今までにネパールなどが参加を表明しておりますが、一体ああいう国に科学技術があったのかなと、 こういう疑問を持つ方もあるかもしれませんが、やはり人間が生きている限りはそれなりの知恵と暮らしをいたして、その時代その時代の、あるいはその民族その民族の暮らしという中にはそれなりの科学技術があると思うわけでございます。日本でも神代の昔からお酒をつくっている、これは今の言葉で言えばバイオテクノロジーの一つであろうと思います。そういうような意味で、私はどのような国でも、特に発展途上国に御参加をいただいて、そういうことによって人類の繁栄と平和につながる科学技術というものを盛り上げていただくということが大事であろうと思っておりますので、今後とも各方面に努力を続けてまいりたいと思っております。 締め切り等の技術的なことは私わかりませんので、担当の方から答えさしていただきます。
○政府委員(赤羽信久君) 現在外国出展につきまして、非常に大型のパビリオンは既に設計に入りまして決まってきております。その他、今度は、何といいますか、合同で入りますパビリオンにつきましては、建物の用意はしつつございますけれども、中の配分につきましてはまだ最終的にびしっと締めるところまでいっておりませんので、今後、余りぎりぎりでない限り小型の御参加はかなり弾力的に受けられる状況でございます。
○藤井孝男君 この参加国に関連しまして、予算委員会で野末委員が台湾の参加の問題を取り上げたと思うんです。科学技術に国境はないと思うわけですが、この議事録を見ますと、いろいろな国交のない国とは、条約第十一条ですか、の規定に基づきということでございますけれども、せっかく今台湾からも大変観光客も多く来ておるし、また当然これが開催されれば台湾の方からも多くの人が見にこられると思うんですね。これは国交がないからということでいたし方ないと言えばそれまでですが、何らかの形で弾力的に参加ができるような方策というのはもうできないものかどうか。でき得れば、私もそれはもちろん難しい問題はあろうかと思いますけれども、やはり一カ国でも多く、これは別に台湾だけに限らず国交のない国はほかにもあるわけですけれども、そういった国を含めまして、そういう意思のある国に対して何らかの弾力的な運用というのはできないものか、その点についてちょっとお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) いろいろな機会に台湾の参加について御意見がございまして、それなりにお答えはしてまいりましたが、今日までのところ残念ながら、万博条約の建前、そして閣議におきましても国交のある国に招請状を出すという方針はまだそのまま続いておりますし、これを変更するということは大変困難な事態であろうかと思っております。 したがって私どもは、オリンピックなどと同じように何かもう少し工夫はないのかな、そしてまた万博条約自体にもっと考え直してみる必要があるのではないかと、これは将来に向かって私ども検討課題として国会の先生方ともよく御相談をしながら、将来に向かって何か条約といったようなものの見直しが必要なのではないんだろうか、こういうことも考えているところでございます。
○藤井孝男君 そうですね、やはりオリンピックでもいろいろ難しい問題、スポーツの世界でも大変難しい問題があるわけでございますけれども、科学技術につきましても同様なことが言えるわけですが、でき得ればオブザーバーの形でも結構でございますし、またもちろんその条約が改定できれば結構なことでございますが、せっかく万博というような名前でやるわけですから、ぜひそういった点でも御配慮をしていただきたいと要望しておきます。 それから、これも前に柳澤委員の方からも質問があってその関連になるわけでございますが、要するに、もう端的に申し上げまして宣伝が余りうまくない。私いろいろ聞きましても、いつから始まるのかよくわかっておらない人も多いし、どこでやるのかもよくわかっておられない。キャラバン隊を出しておるようでございますが、そのトレードマークのコスモ星丸君ですか、これも余り何か見かけないし、私も一度も見たこともないのですけれども、何かマスコットがあるとかないとかという話ですが、やはり世の中宣伝の時代でございますから大いに宣伝をしていただかなければならない。その点が非常にまだ徹底していない面があるのではなかろうかと思うんです。 また、具体的に申し上げますと、これも私のところに陳情が来たのでございますが、これは中小の旅行業者からなんですが、ぜひ科学博が始まったらひとつセット旅行みたいなものをやっていきたい、しかし何の資料も我々中小のところには来ておらないんだ、ぜひそういうものがあれば送ってほしいと、こういう要望がありました。ですから、宣伝もさることながら、やはり実際は多くの人に一人でも多く来ていただかなければならないということが大事でございますので、その点についてどういうふうな対策を講じておられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(赤羽信久君) PRに努めておりますが、それがなかなか十分でないという御指摘たびたびいただいて非常に恐縮に存じております。 詳しい内容を一々申し上げるのもどうかと思いますが、今までの段階ですと、一般的な知名度を上げるという意味で政府広報を通じたPR、それからマスコミを通じまして特に広告掲載等もやっております。それから残日表示装置、各盛り場にあと何日という塔を建てでございます。こういったことと、それからいろいろな行事、最近では一年前祭りというのを日比谷で行っておりますが、こういったものが新聞を通してまた出る。それからデパートを巡回いたしました展示を二十七都市でやっておりまして、これはまだ進行中でございます。それから御指摘のキャラバン隊、さらには列車を編成しましてこれを五十都市に回して、中の展示で科学とそれから博覧会の様子を見ていただく、こういった企画はいろいろあるわけでございます。さらに今後盛り上げていかなければいけないということは全く御指摘のとおりでございまして、いよいよマスコミを通してのPRということに力を入れてまいりたいと思いますし、また放送、新聞、両方とも非常に積極的に御協力をいただく姿勢をいただいておりまして、積極的に材料を提供していくようにしてまいりたいと思っております。 それから、セット旅行の件でございますが、ただいまのような中小旅行業者といいますか、そこまでまだ資料が届いていなかったというのは非常に恐縮なことでございます。今まで旅行業者、輸送業者、そういった方、それから行事を行う業者というのが最近発達してきておりますけれども、そういったところに折に触れてセット旅行の仕方についての提案、それから基礎資料、いろいろ差し上げて努力しているところでございますけれども、まだそういう十分でないところがございました。さらに力を入れるように、特にこの点は協会の方を督励してまいりたいと思っております。 それから、その期間に東京であるいは筑波学園都市でいろんな集会等が行われる、それを誘致する、あるいはセットの行事にしていただくということもだんだんそういう機会を探しまして努めるところでございます。 それから、いわゆる修学旅行でございますけれども、これはまだ都道府県の教育委員会に呼びかけておる段階でございますが、各学校に対してもし東京方面の修学旅行を計画される場合にはぜひ組み入れてほしいということを現在誘っているところでございます。それから、そういう便宜に資するために国鉄とタイアップいたしまして、国鉄、それから会場へ行くバス、入場券、これをセットにした割引切符というのも現在検討中のところでございます。 まだまだ不十分でおしかりを受けるわけでございますけれども、いろいろ御指導いただきまして努力してまいりたいと思っております。
○藤井孝男君 いろいろ今おっしゃられましたけれども、この間お話も出ましたけれども、大阪万博のときは月の石でしたか、ああいうものがあっ た。今度の科学博に何があるのかというようなことも言われておるわけですけれども、やはり一つはキャッチフレーズというのも大切なものだと思うんです。 私も私なりに調べてみました、一体どんなものがあるのかなと思いまして。私はこの中で一番キャッチフレーズになるのはやはりリニアモーターカーじゃないかと思うんです、現実的には。というのは、それぞれ各パビリオンではすばらしい技術の先端を披露されるのだろうと思うんです。しかし、リニアモーターカーというのは、御存じのとおり今九州で実験を繰り返しておるわけですが、一般の国民の人は一度も乗ったことがないわけですね。ですから、科学博へ行けばリニアモーターカーに乗れるんだぞと、こういうことは非常に私は効果があるんじゃないかと思うんですね。やはりそういうようなキャッチフレーズといいますか、これからの夢の超特急といいますか、そういうことで将来第二新幹線だとか、また新しい新幹線の誘致を今いろいろやっておりますけれども、やはり現実としてこういうものが今度の科学博で――距離は三百五十メーターというのはちょっとこれは情けないような距離なんですけれども、三百五十メーターをリニアモーターカーで走ってどんな感じなのかよくわからないのですが、できれば会場一周するぐらいの距離をどうかと言ったら、いやちょっといろいろとといって、これはまだ実験の段階で安全とかその他あるから、三百五十メーターを時速三百キロじゃなくて三十キロで走るというお話ですからどんな感じだかよくわかりませんが、しかしゃはりリニアモーターカーへ乗れるんだというのは、これは大きな効果があるんじゃなかろうか。こういったやはりキャッチフレーズというのをうたっていかなければいかぬ。ただ万博だ万博だといっても、名前からして科学というと何となくかたい感じがしますし、やはりそういうことも大切じゃなかろうかなと思います。 それから、日本人は歌が好きですから、歌もよくつくるわけですが、歌も、この間テレビを見ていましたら、何とか音頭何とか音頭といって、音頭が四つか五つか何か勝手にあるわけですね。それも何かよくわからない。ですからそういう意味で、これから一年足らずですけれども、これからが本当の山場だろうと思うんで、その点をひとつぜひ考えていただきたい、こう思うわけでございます。何かもしこれに対してお答えがございましたらお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 私も就任以来、このPRといいますか、国民にまだなかなかわかっていただいていない点が多いなということを痛感をいたしまして、だんだんに会場も、今度委員会でごらんをいただければおわかりだと思いますが、形がようやくできてまいりました。そういう中で、一体どういう陳列なり展示があるのかということもまた関心を引く大きな要因ではないかと思っております。そういう意味で、今お示しのようないろいろなお考えは、十分に私どもも尊重して実現に持ってまいりたいと思っておりますが、今のところ、企業にいたしましても、いろんな国にいたしましても、何を持っていくかは実は企業秘密みたいなものであって、ふたをあけてみたらあっというような感じで、実はなかなかどういうものがあるということを皆さんにお示しをするようなものがまだできておりません。 きのうも私PRの専門の方々と会談をいたしたのでございますけれども、そういたしますと、やはりそういう点が一つあるのと、それからあけてみたら映像ラッシュになってしまってというようなこと、これはカナダでやったときにそういう傾向が強く出てきて、どうも映像でやっていくという傾向がまだ強いのではないか。ですから、ふたをあけてみたらそういうことになっていて実はつまらなかったなと、こういうことになっては大変だと実は思っておりますが、それは干渉するわけにもまいりませんので、そうならないように願っているということでございます。 また、音頭など、茨城県でおつくりになっておりますが、これも大変結構だと思いますが、それだけで今の若い青少年の人が来るのかといいますと、なかなかそうもいかないのではないか。こういうようなことで、新しい、我々には想像もつかない、あるいは考えもつかないようなテーマソングなども専門の方に今いろいろ検討してもらって、それこそ聞いてあっと思うようなものが出てくるような工夫もしていただいているところでございます。いずれにいたしましても、大阪万博のときには、月の石というのは大変大きな目玉でもあったと思いますが、それにかわるものが何が出てくるか、私どもも期待もいたし、また願ってもいるところでございます。 政府館の方の関係では、例えば一本の木にトマトが一万個もなる、こういうようなものが出されますと、これまた奥さん方にも大変関心のあるところではないだろうか。いろいろ政府は政府なりのそのような工夫もして御期待に沿いたいと思っておりますが、科学万博に対する超党派の議員連盟がございますので、これも近くお開きをいただいて、この間もそういうサゼスチョンをいただきましたので、そういうようなものを開いて、広く国会の先生方からも御指導をいただいて、そのような盛り上がる、そして皆さんに来ていただけるようなものに努力をさしていただきたいと思っておりますので、この上とも、何でも結構でございますから、お考えがありましたならお示しをいただければ幸せであると思っております。
○藤井孝男君 私は何も宣伝マンではございませんけれども、要するに、ちょっと心配をいたしておりますのは、この場所が、輸送手段とも関連するわけですし、また宿泊の受け入れ態勢とも関連するわけです。これは東京からかなり離れておりますですね。万博もそうでして、沖縄もあれだけ離れておったんですが、六百万人ほど行かれたようでございます。今度は二千万人ほど見込んでおられるということでございます。 そこで、なぜ私がキャッチフレーズにこだわったかと申しますと、特に私は、来年この二千万人が毎日平均してくるわけじゃありませんから、やはりゴールデンウイークだとか、あるいは夏休みに集中するんだろうと思います、修学旅行は別といたしましても。まあ修学旅行もシーズンが偏っておりますから大体集中するんだろうと思います。しかしながら、一般的に言いまして、夏休みというレンジでとらえてみますと、やはり親子何人か、四人とかそういう形で来られる。東京へ来て一泊をされて、そして万博会場へ行く、これは当然のことであろうと思いますが、その途中にディズニーランドがあるわけですね。そこも結構お金がかかるんです、親子四人で行きますと。なおかつこの万博へ行きましてお金がかかる。これは二重の出費になるんですね。 そうすると、今、長官おっしゃられて、なかなか企業が中身を見せないと言いまして、あけてびっくり玉手箱なら結構なんですけれども、開いてみたら余りおもしろくないのばっかりだというようなうわさが広がりますと、じゃ万博やめてディズニーランドにしちゃおうかということで、ディズニーランドから引っ返しちゃうなんということになると、これは本当に情けない話になってしまうわけです。ですから、そういう意味におきまして、私はキャッチフレーズというのは、一つのアイデアとして私の単純な頭で考えたそのリニアモーターカーなんていうのは、子供たちにもあるいは大人の人たちにも、やはりこれからの期待される輸送手段の一つですから、こういうのも大いに宣伝をしていただくというのが大事ではなかろうかと思います。 そこで最後に、今もちょっと触れましたけれども、その輸送手段と受け入れ態勢というのは、どうしても私、これはもうちょっとしっかりしておかないと大混乱を起こすのじゃないかという心配があるわけです。たくさんの方が来ていただけるというのは、これはうれしい悲鳴になるのだろうと思いますが、そうなると信じておりますが、大変な混乱を起こして、もう本当に交通は渋滞するわ、泊まるところはないわというようなことにな りますと、せっかくの意義ある博覧会が思わぬところで支障を来すということになりますので、この態勢についてぜひ充実をしていただきたいと思いますが、その対策についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(赤羽信久君) 御指摘のとおりでございまして、二千万人予定しておるわけでございますが、特に集中するときが非常に厳しいであろうと、それで、現在のすべての設計等、一日二十万人を対象に考えております、二千万人の平均よりは、約倍多いわけでございますが。特に一番混乱のもとになるポイントというのは十分考えなければならぬわけでございます。 列車を増発する。これは国鉄の方で考えていただいておりますが、上野駅の整備ということが一つ国鉄としては十分御配慮の点のようでございます。それから、臨時駅をつくっておりますが、臨時駅からバスに乗りかえるところをスムーズにやらなければいけない。これは、バスの停留所をたくさんつくりまして、高架橋から分散しておりていって、一斉にバスに乗れるような工夫をするということでございます。 それから、高速道路の方は、常磐道と首都高速をつなぎまして、その方は片側三車線になりますので十分な能力があります。問題は、特に帰りに首都高速でつかえてしまう。これは湾岸道路へ抜ける道を整備する等、いろいろ途中でおりられることを建設省の方ではお考えのようでございますが、これが一つネックでございます。 もう一つ心配されておりますのは、集中して着いたときの駐車場はどうなるか。これは相当大型の駐車場を、しかもうまく分散誘導するような態勢にしておりまして、駐車場から会場へ行くまでにピストンバスに乗っていただくというやや不便さがございますので、そういうむしろ駐車場を広げる、そしてその誘導方式をよくやるということで、相当程度対処していけると思っているわけでございます。 何分にも現地の宿泊能力というのは、現在県の対策等もありまして、ホテルを前倒しで建設するとか、それからいわゆる民泊というのを県の有志等で募集しておられますが、やはり後を考えますと、それほど大きいものができるというわけではございません。したがって、東京その他、周辺の都市からの輸送ということになりまして、そっちの方の宿泊能力は十分のようでございますけれども、交通をよくするということが非常に大事でございまして、今そのポイントについて特にしっかりしたソフトウェアを固めているところでございます。 それから、もう一つ重要な点は、先生まさに御指摘のとおりでございまして、夏休みに集中する前に、前の大阪博と異なりまして、今、週休二日制で土曜日も利用できるものですから、むしろ春から夏にかけてのウイークデー、あるいは陽気のいい季節にできるだけ誘致をする、旅行業者、PRをそういった問題に集中しましてなるべく平均化していただく、この努力も十分していきたいと考えておるわけでございます。
○藤井孝男君 いずれにいたしましても、長官の決意のほどもお伺いいたしましたし、何といたしましても我が国にとりましてもこれはどうしても成功させなきゃいけないわけでございますから、成功するためには、今言った中身ももちろんでございますが、輸送あるいは宿泊、そういった各般にわたる準備に遺漏なきを、万全を期していだだきたいことを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(高木健太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時一分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(高木健太郎君) ただいまから科学技術特別委員会を再開いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、来る五月九日の委員会に三菱化成生命科学研究所人間自然研究部長中村桂子君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(高木健太郎君) 休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○本岡昭次君 まず初めに、米国からの衛星購入問題をお伺いします。 日米経済問題の焦点となっている米国からの通信衛星の購入問題について、政府は、二十四日最終方針を決めて、本日、午前中に開かれた経済対策閣僚会議で正式に決定される運びであると聞いておりますが、どのような内容が決定されたのか、アメリカからの通信衛星購入問題に限ってお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) お答えいたします。 本日の経済対策閣僚会議におきまして対外経済対策が決定されましたが、日米間の懸案事項の一つでありました今御指摘の通信衛星購入問題に関しましては、次のとおり決定したところでございます。 ①としまして、「民間企業による外国の通信衛星の購入」でございますが、 第百一回国会に提出中の電気通信事業法案等においては、民間企業が電気通信事業を行うことが可能となっているので、これらの法案が成立した場合には、国内法令の手続に従い、民間企業が通信衛星を購入し、電気通信事業を行うことも生じよう。これにより民間企業が外国の通信衛星を購入する途が開かれることとなる。このため必要と認められる措置を講ずることとする。 ②としまして、「日本電信電話公社が日本電信電話株式会社に移行した場合における通信衛星の購入及び政府等の衛星購入」につきまして、 我が国としては、衛星の自主技術開発を進める方針であるが、将来、 イ 日本電信電話公社が日本電信電話株式会社に移行した場合、日本電信電話株式会社が需要者となる通信衛星については、宇宙開発政衆との整合性を確保しつつ、同会社の独自の判断による内外からの購入の途を開くこととし、 ロ また、政府等が需要者となる衛星については、宇宙開発政策上自主技術開発を必要としないものについて、内外を問わず購入の途を開くこととする。 以上のように決まりました。
○本岡昭次君 宇宙開発を担当する科学技術庁は、我が国の衛星開発利用政策が、五十三年に閣議決定した宇宙開発政策大綱により国産の自主技術開発を基本路線としているという立場から考えてみて、今回のアメリカからの衛星購入をどのように考えていますか、長官のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) 詳細の御説明を申し上げたいので、私の方からお答えさせていただきます。 一つは、民間企業の問題でございます。民間企業が需要者となる通信衛星につきましては、先ほどの決定にもありますように、今国会に提出中の電気通信事業法案の成立等によりまして外国から購入する道が開かれることとなるわけでございますが、元来、宇宙開発政策大綱におきましては、国を中心として実施する自主技術の内容を定めておるものでございまして、民間企業の活動は直接対象としておりません。したがいまして、今回の決定というものは、自主技術開発路線上は問題ないものと考えております。 二番目に、日本電信電話株式会社、いわゆる電電公社が新しい日本電信電話株式会社になった場合、それが需要者となる通信衛星につきましては、 政府としては、宇宙開発政策との整合性を確保しつつ、同会社による内外からの購入の道を開くこととしておりますけれども、ここで言います宇宙開発政策というのは、御存じのとおり、宇宙開発政策大綱によって定められるものでございます。したがいまして、同会社が購入するということは、その宇宙開発政策大綱と両立することが前提となっておるわけでございます。そういう意味で、今回の決定は自主開発路線上問題はないというふうに考えております。なお、御承知のとおり、まだ日本電信電話株式会社は現在存在しておりませんので具体的な購入の予定があるわけでなく、今回、アメリカに対して我が国の姿勢を示す意味でこのような決定が行われたものと了解しております。 また最後に、政府等が需要者となる衛星につきましても、宇宙開発政策上自主技術開発を必要としないものについて購入の道を開くというふうにしておりますけれども、この場合も、宇宙開発政策は宇宙開発政策大綱によって定められるものでございまして、今回の決定が自主開発路線上問題ないものと我々考えております。この場合におきましても、具体的な購入の予定があるわけではございませんが、我が国の姿勢を示す意味でこのような決定が行われたというふうに我々は了解しております。
○本岡昭次君 米国は、日本製に比べて衛星関係についてはアメリカの方が高品質で価格も安い、だからアメリカの衛星を利用しないのは日本の財政上の見地から見ても疑問というふうなことを言っているようですが、価格の点で米国の衛星と日本の衛星はどの程度の差が現在あると見ておられますか。
○政府委員(福島公夫君) この衛星の比較というのは非常に難しいものでございまして、全く同じものではないということでございます。一つの問題は、大きさで比較する、それから中身で比較する、それから、中身といっても、通信衛星の場合は使用する電波帯も違いますし、いろいろな問題がございます。 そういう意味で、ただいま先生おっしゃられましたアメリカの衛星が日本より高品質で安いんじゃないかということについて、高品質であるかどうかということは我々まだ非常に疑問に思っております。国会でこういうことを言うのはいいかどうかは別として、非常に疑問に思っております。 ただ、安価であることは残念ながら事実でございます。例を挙げますと、六十二年から六十二年度にかけて打ち上げを予定しております通信衛星の三号でございますが、ただいま上がっている二号の次のものでございますけれども、これにつきましては、重量が約五百五十キログラムということでございますので、アメリカで今一般的になっている通信衛星と非常に大きさが似ておりますので、これで比較してみたいと思っておりますが、これにつきましては現在開発中でございますので、開発というのは商品になる前に大変金のかかるものでございます。そういうことで、二つの衛星を開発をして二つ製作をするというと全部で三百三十億円予定しております。 ただ、これはアメリカあたりと違いまして、ここで使用する電波帯は、地上のマイクロ波回線との混信などを避けようということで、準ミリ波帯の中継器を乗せております。一方、アメリカの方で大体これと同じ大きさ、五百五十キロから六百五十キロぐらいの通信衛星でございますが、この場合は地上と同じマイクロ波帯の中継器を搭載したものでございますけれども、今買うとしますと、昨年度の値段でございますが、アメリカ国内で買うと八十億円ぐらいです。これは一個の価格でございます。いろいろの値段のものもございますが、一番一般的なものという意味で申し上げたわけでございます。 そういうことでございますけれども、それだから日本のが高いと一概に言い切れるかいうと非常に難しい。先ほども言いましたように、開発費が入っている価格と、もうそれが終わった、言うなれば開発費というのがもう償却されたといいましょうか、そういった後の値段というものの比較ということでございますので、その辺御了解いただきたいと思っております。
○本岡昭次君 今の答弁では、大型の通信衛星の三号、それと比較した報告がありました。三百三十億に対してアメリカ国内で買えば八十億ということでございます。しかし、私は安いものを買えばいいというふうな単純な論理で考えたくありません。やはり我が国の自主開発路線という問題を十分踏まえてこの種の問題を議論すべきではないかという立場に私は立ちたいわけでございます。 しかし、この値段の安いというのは、やはり現在の財政上の問題を見た場合に、これもまた大問題であることは間違いがないわけでありますが、この問題はまた後日十分論議をさしていただくとしまして、最後に長官にお聞きしておきたいんです。 先ほどの答弁の中で、アメリカの衛星購入の問題については日本の姿勢を示すんだということであるようですが、しかし、姿勢を示すだけにとどまらず、やはりこれを購入するという方向にこれから値段の点等でどうしても進んでいくのではないかと思います。その際に、我が国の衛星の自主開発路線がこの衛星の分野で完全に崩れるのではないかという私は心配の方をするわけでございますが、この点について長官はいかがお考えですか、ひとつ長官のお考えを聞かしていただきたい。
○国務大臣(岩動道行君) 御案内のとおり、日本の宇宙開発につきましては自主開発路線を堅持してまいってきておりまするし、今後ともその路線は堅持してまいりたいと思っております。そういう中におきまして、アメリカから通信衛星の購入等の強い要請が出てまいってきております。 そこで、まず第一に、民間につきましては、今回国会で御審議をいただいております電気通信事業法、これを改正をいたしまして、そして民間でも買える道を開くようにいたしたいということでございます。 残りますのは電電とそれから政府等でございますが、電電につきましては、先ほど担当局長からも申し上げましたように、これにつきましては私どもも自主路線との関係を堅持しながら、そういう中において道を開くことは考えられないかということでございまして、したがってこの点につきましても私どもは自主路線というものを崩さないで、その路線の中で考えられることを考えてみたいということで、今朝対外政策を決めたわけでございます。 また、政府につきましても、これは同じように基本路線を堅持しながら、そういう中において考えられるものがあるならば考えてみたい、こういうことでございますので、私どもはあくまでも自主技術の開発という路線は堅持し、またこの路線はアメリカに対しましても十分に理解をしてもらうように、今日までも努力をしてまいりましたし、これからも努力をしてまいりたいと。アメリカもまた、自主路線についてはそれは日本の政策としてうなずけると、こういうことでございますので、私どもは国会で今後ともそのような線を皆さん方の御理解をいただいて進めてまいりたいと思っております。
○本岡昭次君 そういう立場で進めていただきたいと私は思います。 それでは次に、衛星をこれからいろいろ打ち上げる予定があります。その問題と自衛隊利用のことについて伺っておきたいと思います。 今後打ち上げが予定されているものにつきましては、六十二年の海洋観測衛星、六十三年の今もお話がありました大型通信衛星CS3、それから六十五年には地球資源衛星が予定されているようでございます。それぞれどのような機能を持っているのか、簡潔に教えていただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) いわゆる海洋探査衛星MOS1でございますが、この目的は、海洋面の色あるいは温度というものを中心としました海洋現象を調査しようということでございます。それからさらに、地球観測のための共通的な技術を確立しようということでございます。機能としますと、三つのセンサーがございます。それによりま して今申し上げました海面及び地表面の色、それから雲、海面の温度、それから水蒸気量というようなものが測定できまして、それによりまして海洋汚染とか赤潮、あるいは陸地にありましては森林等の観測が可能でございます。 それから、通信衛星の三号、CS3につきましては、これは目的としましては、CS2におきます通信サービスを引き続きましてこれでやろうと、サービスしようということでございますが、非常に通信サービスの内容が増大し、また多様化するということでございますので、これに対処するように中身、ミッションの開発をしているわけでございます。それで、機能としましては、電話回線換算で約六千回線の通信用中継器を搭載いたします。これによりまして離島との通信等CS2がやっておりますサービスは全部そのまま引き継げると同時に、いわゆる同報通信、つまり一カ所で発信して、それを同時に多くのところで受信できるという通信、あるいは統合ディジタル通信、いろんな種類の情報を統合的にディジタル化して一緒に送ってしまおうというような多様な通信需要に対する新しいサービスをしようということを考えております。 それから、三番目のERS1でございます。いわゆる地球資源探査衛星でございますが、これにつきましては、目的は資源探査を主目的にしておりますので、それから国土調査あるいは農林漁業、環境保全、防災というようなものの監視をやっていきたいと。それから、機能としましては、地表の性質とかあるいは凹凸、傾斜等を観測するための合成開口レーダーというのを現在既に開発中でございますけれども、そのほか地表の色調、形状等を観測する光学センサーというようなものを予定しております。これによりまして、今までのと違いまして、雲があってもわかるという意味で、天候、昼夜の別なしに比較的高精度な地表面の状況が観測できるようになるものでございます。
○本岡昭次君 防衛庁にお伺いしますが、防衛庁は今説明のあったこれらの衛星を自衛隊の情報収集や連絡体制強化のために積極的に利用したいと考えておられるようですが、その点についてはいかがですか。
○説明員(松村龍二君) お答えいたします。 ただいまお話のありました個々の衛星につきましては、計画中であるということは承知しておりますが、防衛庁といたしましては具体的な内容は聞いておりませんので、関心は持っておりますものの、現在のところ利用する計画は有してございません。
○本岡昭次君 関心を持っているが、現在のところ利用するという考えでないと言われたけれども、それは防衛庁の見解ですか。防衛庁の見解と私どもは聞き取っていいんですか。
○説明員(松村龍二君) お答えいたします。 現在のところそういう計画がないというのは防衛庁の見解でございます。
○本岡昭次君 将来にわたってもこの海洋観測衛星あるいはまた大型通信衛星、地球資源衛星、こうしたものに対して自衛隊が利用するということについて考えるということはあり得ないと、こう考えてもいいかどうか。
○説明員(松村龍二君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、現在計画中ということは承知しておりますが、具体的な内容について伺っておりませんので、現在のところ計画を有していないということでございます。
○本岡昭次君 六十三年に打ち上げられるCS3ですが、今六千回線もあって非常に機能として高度なものを有しているようですが、この通信衛星に対して自衛隊が専用の回線を確保したいということ、これは現在の時点では全くないのですか。
○説明員(鈴木正孝君) お答えいたします。 今、調査一課長の方から御答弁申し上げましたけれども、計画のCS3なり何なりにつきまして具体的な詳細な内容というものを防衛庁は承知しておりませんし、またそれに絡みまして防衛庁として具体的に現在その種のものをどのように考えるかということについて検討しているということではございませんので、具体的な計画は持っていないということになるわけでございます。 先般、参議院の予算委員会でいろいろと御議論がございまして、その中で中曽根総理の方からもいろいろと議論の、例えば国会決議とかあるいはそれに関連いたします平和の目的に関し云々というような事柄につきまして、いろいろと研究課題としてみようというような御趣旨の御発言ございましたけれども、防衛庁といたしましても自衛隊の衛星利用につきましては、例えば今お尋ねがございましたCS3のようなものにつきまして今後どのような取り扱いをするかということにつきましては、いろいろと研究していかなければならないというふうに考えてはおりますけれども、具体的に現在、それをどのように使うかあるいは使わないのかということを含めまして具体的な計画というものは持っていないと、そういうことでございます。 以上でございます。
○本岡昭次君 海洋観測衛星あるいは地球資源衛星等を活用すれば、これは我が国周辺を航行する外国艦船や潜水艦の動きは正確にキャッチできると思います。そしてまた、このことがシーレーン防衛の強化にも結びつくそうした機能を持つ衛星であると、こう思うんですが、利用するしないは別にして、そういうことに利用できる衛星であるというふうに思われますか。どうですか、防衛庁。
○説明員(藤井一夫君) お答えします。 ただいま担当の課長から申し上げましたように、私どもこれらの衛星の内容等について詳細を承知しておりません。現在、したがいまして、これらを利用する計画を持っておりませんので、それとシーレーン防衛との関係について具体的にどうなるのか、この点についても検討していないという状況でございます。
○本岡昭次君 承知していないというのはうそでしょう。よく知っているんだけれども、使えると、あるいは使いたいということは言えないというだけじゃないかと思います。承知していないというものについて議論してみても仕方がありませんが、しかし今私が言いましたように、シーレーン防衛というものをやっていくについて非常に有効な力を発揮する衛星であろうと思いますから、自衛隊が積極的にこういうものを利用したいというふうに思うのがむしろ私は当然だと思います。またこれは別の面で、きょうは課長しかお見えになっていないから、課長の段階ではどうしようもないので、一応課長の段階ではそういうことかというふうに受けとめておきます。 ただ、科学技術庁に申し上げておきますが、この衛星を使うのかどうか、利用できるのかどうかといった面にかかわって、自衛隊がそういう意思を持つということが、今まで科学技術庁の方が政府見解としていろいろ言ってきたように、平和目的イコールそれは非軍事であるという立場からすれば、自衛隊がこれらの衛星を積極的に利用するということはできない、使うのか使わないのかといったような問題は論外だと、使えないという立場に明確に科学技術庁の方はこの衛星の問題についての立場を堅持すべきであるというふうに思います。 また、新聞によれば、自衛隊は自前の衛星を保有したいというふうなことも考えているやに報じております。もう論外ですね、こういうことは。したがって、科学技術庁の今後いろいろ打ち上げられるすぐれた機能を持つこうした衛星が、まさにそれは非軍事、すなわち自衛隊がそうしたことにかかわることが絶対ない、そして海洋観測、地球資源の問題についても、それは明らかに国民の生活を守り、そして日本の国民が平和に豊かに暮らしていくという、そうした面でこうしたことが利用されるように、間違っても自衛隊がそれにかかわらないといった点についてのはっきりとした判断を持っておいていただかなければならぬと思います。科学技術庁長官の明快なひとつお考えを聞かしておいていただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) 先生の御質問につきまして、科学技術庁の立場というか、今までの経過 も踏まえて御説明申し上げますと、我が国における宇宙開発及び利用というのは国会決議の趣旨がございまして、また打ち上げ等につきましては宇宙開発事業団法の「目的」というところではっきり「平和の目的に限り」ということになっておりますので、我々はこれに従ってやっているわけでございます。 ただ、宇宙開発の関係、その宇宙の利用の防衛庁が必要とする場合というのがあるのかないのかということでございますが、私どもは具体的な話はまだ聞いておりませんけれども、今までにおきましてもランドサットデータの提供、あるいは公衆電気通信法の枠内におけるCS2の利用というようなものもございましたので、具体的に事例が発生した段階で国会決議及び団法の精神に基づきながら解決、検討していきたいと考えております。
○本岡昭次君 長官はどうですか。
○国務大臣(岩動道行君) まず、私どもは宇宙開発事業団法の第一条の「平和」ということは、非軍事を意味するというふうに解釈をいたしております。また、さきの国会決議で「平和の目的に限り」というようなことがございますが、この意味するところについては、院の方の御解釈というものがあって検討されていると思っております。したがって、科学技術庁といたしましては、従来からの国会における議論で平和は非軍事を趣旨としていると承知をいたしておりますが、この趣旨を体して施策を講じてきておるところでございます。
○本岡昭次君 今、長官もおっしゃいましたように、「平和目的に限り」という問題にかかわる政府の答弁は、今までの見解は、それは非軍事であるという答弁があり、見解があるんですから、厳格にその問題にかかわって、これからさらに高性能の大型の衛星が打ち上げられるという状況の中で、ひとつ間違いのない判断をしていただきたいということを強く要請しておきます。 それでは次に、電気事業連合会の下北半島における核燃料サイクル基地立地計画の問題についてお伺いをいたします。 電気事業連合会は四月十八日の九電力社長会で、ウラン濃縮、核燃料再処理、低レベル放射能廃棄物処理の三施設の建設、いわゆる核燃料サイクル基地を青森県下北半島の太平洋側に立地決定し、四月二十日には電事連の平岩会長は青森を訪れ、北村青森県知事と会談し、立地についての協力要請を行っています。 この核燃料サイクル施設の立地については、四月十六日に平岩会長らが通産省と科学技術庁を訪れて、小此木通産大臣と岩動科学技術庁長官に建設の協力要請をし、両大臣の基本的な了解を得たというふうに伝えられているのですが、平岩会長との会談の内容はどのようなものであったのか、科学技術庁長官並びに通産省の方からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 去る十六日に平岩電気事業連合会の会長が私のところに訪ねてこられました。その際、商業用ウラン濃縮工場、商業用再処理工場、低レベル放射性廃棄物敷地外貯蔵施設の青森県立地について、十八日に電事連の社長会において検討することになるという旨のお話を承りました。 これに対しまして私の方は、我が国の核燃料サイクルにつきましては早期に確立をしていく必要があると思っている、そのような観点から事業者としてただいま申した三点の問題について地元とお話をされ、その理解と協力を得られて、そして立地点が円満に円滑に選定されることは歓迎したい、期待をいたしておりますという旨をお答えをいたしております。
○説明員(大塚和彦君) お答え申し上げます。 平岩会長それから電事連の大垣副会長が御一緒でございましたが、私、同席しておりましたのでよく覚えておりますが、十六日の三時二十五分から四十分まで十五分間おいでになりまして、そしてこの問題は十分弱ほどでございました。そしてその中では、ただいま岩動大臣が御答弁になりましたのと非常に重複いたしますが、四月十八日の社長会で決定が行われれば自分あるいは玉川東北電力社長等が青森県を訪れ、立地についてお願いをしたいという御趣旨をおっしゃいました。それに対して大臣は、そうですかという感じで、ノーコメントでございました。 以上でございます。
○本岡昭次君 両大臣が基本的な了解を与えたということについては、これは事実ではないようでございます。 そこでお伺いをしていきます。 この立地計画構想について事前に相談があったのかどうかということであります。通産省なり科学技術庁にあったのかどうか。 また、そのことと関連をしまして、放射性廃棄物貯蔵等のこの施設の建設に当たっては、原子力発電所の立地建設の際のような法制度がいまだ確立されていません。したがって、どのような手順を踏んでやるのかということがはっきりしていないわけですから、原子力発電所の立地建設の際のような公開ヒアリングの義務づけ等、いろんな問題が必要になると考えるのですが、通産省並びに科学技術庁の考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(中村守孝君) まず、核燃料の諸施設につきましての立地計画構想について事前に相談があったかと、こういう点につきましてお答えさせていただきたいと思います。 このような施設、原子力発電所も同様でございますが、こういった立地の選定につきましては、一義的にはその施設を建設する立場にある事業者においてなされるというものでございまして、私どもが直接その問題に早い段階から御相談にあずかるということではございませんで、事業者がいろいろな調査をし、その中から選定をされていくということでございまして、もちろんその過程におきまして情報交換的な程度のお話はあることはございますが、いわゆるそこに政府の方からその段階においてとやかく申し上げるというようなものではないと承知しております。 本件、今回の青森県への立地の問題につきましても、先ほど大臣の方からお話がございましたように、公式的には十六日に平岩電事連会長が大臣のところへお見えになって、社長会でこの問題を検討することになったというのが公式的な最初の御連絡でございまして、その後、十八日の社長会の検討結果、二十日に連合会の会長が青森の方へ赴くことになったという報告を、その後、社長会の終わった後で受けております。そういうような状況にございます。 それから、この立地を進めていくについての手順でございますが、これにつきましては、現在、今回の青森県立地につきましての電気事業連合会からの申し入れは極めて包括的な申し入れの仕方でございまして、具体的に三つの施設の名前は出ておりますが、それぞれの施設のいわゆる事業計画的なものが明示されておらない、それから具体的な立地点、青森県に立地をお願いするということであって、どこの町あるいはどこの村という具体的な立地点の申し入れをしていないということでございまして、そういう意味で今後事業計画そのものを地元の方々にお示しできるようにしていくことはもちろん必要でございますし、具体的な立地点を絞って選定をしていく、これは地元関係者といろいろとお話し合いをしながらそういった点を、特に立地点については詰めていくことになろうかと思うわけでございます。 それから、先生御指摘のように、これらの施設につきまして公開ヒアリングその他制度的なものがないわけでございますので、こういった問題につきましては、具体的に立地点が選定されていく段階におきまして、地元関係者ともどういう手順で地元の御了解をとっていくかということについて御相談をし、具体的な手順、手順といいますか、そういう公開ヒアリングをどういう形でやるか、あるいはどういう施設についてするか、そういったことも含めましていろいろ御相談をしてまいりたいという次第でございます。
○説明員(大塚和彦君) お答えを申し上げます。中村局長の御答弁となるべく重複しないように要点だけ申し上げます。 一番最初に先生がお尋ねになりました、聞いていたかどうかという点でございますが、核燃料サイクル施設につきましては、事業者の側におきましてはもうかなり前から候補地点についていろいろな検討が行われておりまして、この青森県の関係につきましては、私どもはたしか昨年の秋ごろと存じますが、一つの候補地点として青森県があるという形では聞いたことがございます。ただ、中村局長がおっしゃいましたように、正式に申し入れが行われましたのは今月の二十日だということでございます。 それから、先生御指摘になりました公開ヒアリングでございますが、御高承のとおり、原子力発電所の立地の手続に関しましてはその制度が確立されておるわけでございますが、何分核燃料サイクル施設というのは非常に新しいものでございまして、したがって、それについてどのような手続をとるべきかということが非常に重要だと思います。 私どもの通産省におきましては、通産大臣の諮問機関に総合エネルギー調査会というのがございまして、その原子力部会に実は私ども昨年諮問をいたしまして、その核燃料サイクル事業立地小委員会という場で中間取りまとめをしていただいたわけでございます。これが五十八年の六月でございました。その中で、このような核燃料サイクル施設の立地に関しまして、ちょっとここだけ読ましていただきますと、「立地地域の住民に対しこの事業の内容、必要性、環境への影響等について適切な説明を行い、地元地方公共団体の協力を得つつ立地地域における住民の理解を得る必要がある。」ということをはっきり書いてあるわけでございます。ただ、その制度的な枠組みとしてそれをどのような、公開ヒアリングという形にするかどうするか、その辺につきましては、ただいま中村局長もおっしゃったわけでございますが、一番適切な格好はどういうことであるかということを関係の省庁とも相談して考えてまいりたいと思います。
○本岡昭次君 大臣に一言例答弁をいただいて、次に進みます。 大臣、今お聞きいただきましたように、この核燃料サイクル基地というのは新しい一つの事業でありまして、それについて、その立地、計画等、いろいろ施設の設置等について安全という立場からどういう手続をとっていくかということがまだ定かでないということでございます。それで、原子力開発政策の基本である自主・民主・公開のこの三原則、これに沿ってこの問題についても手続を明快にして、地域の皆さん方に知らしていくべきだと、こう思うんです。大臣の御意見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 原子力発電で今日まで進めてまいりましたその大前提は、何と申しましても安全性でございました。したがって、これに関連する核燃料サイクルも同様に安全性を第一にして、今後どのような手順でどういう方法で進めていくかは十分に私ども念頭に置いて、これから検討をしてまいりたいと思っております。
○本岡昭次君 それでは続いて、むつ小川原開発株式会社のこの用地売却の問題について若干お伺いします。 四月二十日、稻村国土庁長官は閣議後の記者会見で、電気事業連合会が核燃料サイクルの三施設を下北半島の太平洋側に建設計画を発表したのに伴い、「「地元の納得が得られるかどうかがカギだ」としながらも、「むつ小川原会社はすでに巨額の投資を実施しており、用地を処分したほうが会社のためになる」と述べ、三施設建設のための用地売却に前向きの姿勢を示した。」と四月二十一日の電気新聞は伝えております。 このむつ小川原開発は、政府が昭和四十四年に打ち出した新全国総合開発計画の目玉事業でありましたが、二度のオイルショックで石油コンビナート計画は達せられず、進出企業もなく、二千八百ヘクタールの工業用地に二百六十ヘクタールの面積の国家石油備蓄基地が立地されただけであります。工業団地の取得、分譲等を行うために設立された第三セクターのむつ小川原開発株式会社は、四千百七十ヘクタールを買収、工場用地として二千八百ヘクタールを保有していますが、現在九割以上が売れ残っており、会社の存立が危ぶまれてる状態と聞いています。その経営危機の打開のため、赤字解消のため、むつ小川原地区にこれら三施設を立地建設するということであれば、従来のむつ小川原地区の開発の目的そのものが変質されることになるんではないかと思います。 むつ小川原開発地区を抱える六ケ所村では、開発のため土地を売った多くの農民が、働く場所か少ないため出稼ぎをしています。そこに核燃料サイクル基地を立地建設するということは、土地を売ったこの地域の住民に政府はどのように説明をしていくのか、また、そのような計画の大幅な変更あるいは変質、そのこと自体納得が得られると思うのかどうかという点について、国土庁の見解、あるいはまた通産省の見解を伺っておきたいと思います。
○説明員(石井武君) お答え申し上げます。 先生も御高承のとおり、むつ小川原開発は、産業構造が低位にございますむつ小川原地区において、工業開発を契機といたしまして産業の振興と住民の生活及び福祉の向上に寄与するということを目的に開発を進めているものでございます。したがいまして、当該地区にどのような産業を立地するかということにつきましては、この開発目的との勘案において想定されるべきものであるというふうに私たちは存じております。その際、御案内のとおり、現行計画では石油精製あるいは石油化学等の業種を想定してございますけれども、その後の産業構造の変化等によりまして必ずしも明るい展望にあるとは言えない状況でございます。そういう状況でもありますので、現在政府において策定中の四全総の策定作業等の中で、関係省庁とも相談いたしまして、今後の企業立地のあり方等について検討いたすことといたしておりますが、その中の一つとして、その一環といたしまして、核燃料サイクル施設の立地問題についても企業立地のあり方という観点から十分検討してまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、長期的な観点に立った場合、むつ小川原地区というのは全国でも数少ないかけがえのない大規模工業基地の適地でございますので、また地域振興の観点からも重要でございますので、こういった開発目標の達成に努めてまいるというのが基本的な姿勢でございます。 それからなお、核燃料サイクルの施設が今後具体的にむつ小川原地域に立地するといったようなことが決定された場合、地域の住民の方にどういう形で説明してまいるのかというお尋ねの件でございますが、この点については、現段階におきましては国土庁としては地元関係者の意向がどういう形で集約されるかを注視している段階でございますが、そういった手順を経まして、むつ小川原地域に核燃料サイクル施設を立地するということが住民の合意等々を得まして明らかになりました段階におきましては、当庁初め関係省庁の指導、助言のもとに、青森県におきまして現行の第二次基本計画の所要の見直しが行われてまいるものというふうに存じておりますが、その過程におきまして地域の住民の方々に十分御説明を申し上げるということになろうかと存じます。 以上でございます。
○説明員(小林惇君) 先生御案内のとおり、当初の計画において石油精製あるいは石油化学、あるいは火力発電所というようなものの立地が予定されておりましたけれども、石油精製あるいは石油化学等については、昨今の状況からむしろ過剰設備の処理をする、石油精製の場合には一六%程度、それから石油化学の場合には三六%程度の過剰設備を処理しなければいけない状況にございます。それから火力発電所につきましても、昨今の需要の動向からいたしますと、当面むつ小川原地区に火力発電所の建設ということにつきましては、見込みは率直に申し上げて乏しい点がございます。したがいまして、これからむつ小川原の開発につきましては、既存の産業どこれから可能性のある 産業を広く考えまして、特に地域住民あるいは地方公共団体の意向を踏んまえて計画の所要の見直し等に当たっていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○本岡昭次君 ある資料によりますと、むつ小川原開発株式会社の借金は約千四百億円という膨大なもので、そしてその利子だけで年間何十億円というものを支払っているという、まさに破産状態の会社であるというふうに聞いております。それだけに、むつ小川原地区に核燃料サイクル基地というものを立地するということは、普通に考えればこのむつ小川原開発株式会社の窮状を救うんだ、破産状態になっている会社そのものを助けるためだというふうな事柄が先行していく可能性があると私は思うんです。 過疎から脱出を願っているこの地域の住民の気持ちを、先ほどもありましたけれども、生活の安定とか福祉の向上とかということで利用するだけ利用して、そして将来の安全の保障も全くないというふうな核燃料サイクル基地をここに押しつける、そこに責任を押しつけていくということだけは私はやめてほしいという強い要望をここで申し上げて、もう時間もありませんから次の一、二の問題をお尋ねして終わりたいと思います。 今の問題に関連をして、使用済み核燃料の海外再処理委託問題というのが絡んでくると考えます。今、フランスあるいはイギリスに使用済み核燃料の再処理を委託をしておりますが、昭和六十五年に高レベル放射性廃棄物が返還をされてくるというふうに伝えられているわけでして、昭和六十五年といえば今から六年ほど後のことで、この高レベル放射性廃棄物が返還された場合、一体どこにそれでは貯蔵をするのか。安全に保管できる場所、その方法が科学技術庁として確立されているのかどうか、極めて不安でありますし、その問題に絡んで、今論議しました核燃料サイクル基地、下北半島のこの再処理工場内にこの高レベル放射性廃棄物を保管をしようという考えがあるんじゃないか。また、イギリスやフランスから返還されてくる高レベル放射性廃棄物を、「むつ」の新港として決定された関根浜新港に陸揚げをして、そしてそれをこの再処理工場内に保管するのではないかといったことを私たちは想定をするんですが、高レベル放射性廃棄物の処分の問題について、一体どのようにこれから対応しようとしているのかという問題を、この下北半島の核燃料サイクル基地の立地問題と絡めて答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘のように、現在我が国の原子力発電所から出ます使用済み燃料につきましては、海外、フランス、イギリス等に再処理の委託をしております。これらの返還廃棄物につきましては、将来、安全に輸送し得るような、措置し得るような状況になった段階において、日本の方に送り返すかどうか、そういうことについての選択権を海外の再処理事業者は有しているわけでございます。その時期といたしましては六十五年以降ということでございまして、現在の段階でいつから返すというような状況にあるわけではございません。 それで、現在は何をしているかと申しますと、向こうでは高レベルの廃棄物を日本あるいはそのほか海外の委託した国へ送り返すためにはこれをガラス固化したものにするわけでございますが、それの仕様をどういうぐあいにするかということを現在検討をいたしておりまして、その仕様につきまして委託した国の方へ、こういう仕様でいいかということを相談することになっておるわけでございまして、現在その第一版といいますか、その仕様の第一版が今提示され、いろいろ検討されておるということでございまして、海外に委託しております電気事業者には、最終仕様が提示された後二年以内に政府の承認を得るという努力義務が課せられておるわけでございます。そういう意味ではまだ仕様が、先ほど申しましたように、第一次の案が出されたというような段階でございまして、仕様自体が煮詰まるのがかなりまだ先になるというような状況にございます。 先ほどこれに関連しまして、このガラス固化体といいますか高レベルの廃棄物をどこに受け入れるのか、今回申し入れた青森県の再処理工場と一緒に置くのではないかという御質問がございましたが、これらにつきましては、先ほども申し上げましたように、今回申し入れましたものはあくまでも包括的な内容でございまして、具体的に再処理工場の規模とかその施設内容とかはこれを今後詰めるという段階でございますので、これらの海外から来る廃棄物を当該地点に持ち込むかどうか、ここら辺も全く今の段階では決めておらないというような状況にございます。 政府といたしましては、これらのガラス固化体につきましての仕様についての承認を初めといたしまして、各段階におきまして当然十分な安全性についての配慮をしつつ対処していくという態度でございます。 安全の問題につきましては、安全局長の方から御答弁させていただきます。
○政府委員(辻栄一君) ただいま原子力局長の御説明したような状況でございます。私どもは、安全規制の方の立場からの御説明を補足的にさせていただきたいと思います。 ただいま原子力局長申しましたように、ガラス固化体にして高レベルの場合は返還されるわけでございますが、高レベル、低レベルともこの仕様についての承認の合い議が日本側に来るわけでございまして、最終的なスペックがイギリスあるいはフランスから提示がありました場合には、政府としてこれでいいかどうかの承認を与えるという約束になっております。これはその段階におきまして私ども十分に安全性のチェックをいたしたい。それからこの際には、安全委員会にもお諮りいたしまして安全性の検討をしていただくことも考えているわけでございます。 また、その受け入れ施設については、やはりこれも原子力局長御説明しましたように、ただいま検討中ということでございまして、最終的な姿は決まってはおらないようでございますけれども、その一つのあれといたしまして、再処理工場において一部貯蔵するという計画も一案として考えられておるようでございまして、いずれにしましてもそれらのレセプションファシリティーといいますか、こういったものの規制につきましては十分な安全審査をやっていかなければならない。再処理工場の中に一部貯蔵するということでございますと、これは現在の原子炉等規制法に基づきまして科学技術庁におきまして安全規制を行うということになっておりますので、これらの施設につきましても厳重な安全審査を行いまして、安全委員会にも諮問をいたしまして安全確保に万全を期してまいる、かように考えております。 現在、これらの再処理施設等の安全基準につきましては、原子力安全委員会におきまして安全基準専門部会というところでこれらの審査の指針あるいは技術的基準等につきまして鋭意検討を進めているという状況でございます。
○塩出啓典君 それでは宇宙開発の問題についてお尋ねをいたしますが、先般、宇宙開発委員会が新しい宇宙開発政策大綱を改定をいたしました。これは五十二年以来六年ぶりの改定だそうでありますが、この主な特徴は、六十六年度を目標に二トンの静止衛星を打ち上げる能力を持つロケットを開発する、それから二番目には、十五年間に五十個程度の衛星を打ち上げる、それから米国のいわゆる有人宇宙基地開発計画に積極的に参加する、こういう三つがかなめのように理解をしておるわけでございますが、今回のこの大綱の意義と目的について長官の御所見を承りたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) 去る二月二十三日に六年ぶりに宇宙開発政策大綱が改定されたわけでございますが、これはただいま先生御指摘のとおり、この五、六年の間に我が国の宇宙開発を取り巻く環境が内外ともに変わりまして、内におきましては日本の宇宙開発技術というものが進みましてかなりの自信を持つ状態に在ってきたと、それから外におきましてはスペースシャトルの活躍あるい は宇宙基地計画の提唱といったような国際協力の巨大プロジェクトというものが進んできたと、こういうことを踏まえまして宇宙開発委員会において検討してきたわけでございます。 その改定の考え方は三つございまして、今先生も申されましたとおり、一つは宇宙開発、これは資金が大変要るものでございますから、効率的に進めようということで、多岐にわたる現行構想、最初のころは何でもやろうという考えだったわけでございますけれども、それを現実のものにし最も効率のいい研究開発を進めるということで再編整理しまして、開発目標のより一層の重点化を図ったわけでございます。 二つ目は、二トンの静止衛星を打ち上げる能力のあるHⅡロケットというものに象徴されますように、将来の大型人工衛星の開発及び大型ロケットの開発を自主技術を中心に行っていこうということでございます。 それから三番目が、有人宇宙活動につきましては、これは日本だけではなく国際的な協力によって進めようということで、スペースシャトルの問題あるいは宇宙基地への参加というような問題はアメリカとの協力ということで進めようと、こういうふうに考えて改定したものでございます。
○塩出啓典君 長官も恐らく同じ考えであろうと思いますので、また後で御答弁をお願いしたいと思います。 そこで、五十個ですが、これはユーザー側のニーズとして、こんなに五十個も打ち上げてだれが使うのか、果たして採算が合うのか、財政資金はどうするのか、そのあたり非常に心配なんですけれども、このニーズを、例えば気象衛星とか通信衛星、いろいろあると思うんですが、そういうニーズをどのように見込んでおるのか、それからそれに要する資金、これはどの程度に考えておるのか、これはどうでしょうか。
○政府委員(福島公夫君) 御存じのように、宇宙開発政策大綱を改定するために、その一年前から特別部会をもちまして長期ビジョンというものを検討してきたわけでございますが、その長期ビジョン特別部会におきまして、今世紀中に打ち上げられるであろう衛星が約五十個あるというような数字が出てきたわけでございます。これはもちろん利用者側あるいは技術開発をする側、産業界あるいは学識経験者等の意見を聞いてつくったわけでございますので、ある意味では、だれがいつそういった衛星を持つのかということまで完全に詰めたわけではございませんが、通信放送あるいは気象観測、地球観測あるいは宇宙科学観測といいますか、そういったものにつきましてこういうものが考えられるというのを挙げていきますと約五十個あったということでございます。 これは約十五年にわたる今世紀いっぱいの計画ということでございますので、正直言いまして幾ら金がかかるか、それからそれをだれが出すかというような問題というのは具体的になかなか検討し切れないものでございます。情勢が変わっていけば、いわゆる開発に要する金というものも随分変わってくるのではないかということでございますし、また開発している途中からスキップしていけるような衛星も出てくるかもしれません。そういう意味で、ここではとにかく今世紀中の長期ビジョンというものを立てようといって作業したのが五十個ということでございます。 お金の点でございますけれども、政策大綱というのは必ずしも財政的裏づけがあるものになっておりません。この政策大綱に基づきまして実際の計画を毎年つくってやっていくわけでございますが、その計画の段階になりますと、これは金の裏づけがあるものでございます。ただし、長期ビジョンをつくるときに、やはり現在の宇宙予算規模というものを念頭に入れて、それから飛び抜けて巨大なものにしなければできないというような現実離れした計画では困るということを念頭に入れて検討しておりますので、我々としましては、十五年間という先の長いことでございますけれども、何とかこの程度のことはやっていけるのじゃないだろうか、今までの経験からこのぐらいやっていけるのじゃないだろうかということで進めておるものでございます。
○塩出啓典君 もちろん計画はいろいろ変更があるし、いろいろ情勢の変化によって変えていくことはあると思うんですが、しかし、やっぱり費用対効果というか、そういう一つの計画を打ち出すにはそのメリットなりおよその、これは国民にとってこれだけの金を使っても価値があるものである、そういうある程度の見通しが私必要じゃないかと思うんですが、細かく何千億使うんだとかそういう計画は別としても、ただ財政計画を離れて夢物語じゃこれはいかぬわけで、そのあたりの感触はどうなんでしょうか。
○政府委員(福島公夫君) 今回の政策大綱の改定に当たっての五十個という衛星でございますけれども、むしろ私どもはそういった衛星を打ち上げる手段として、日本の力から見てどういったロケットを、打ち上げ手段を持ったらいいかという方に話を収れんしていった。つまり、二トンの静止衛星を打ち上げられるHⅡロケットというものが、これを開発することによってこれらのもしかすると顕在化されるであろう需要というものに十分こたえていける。そういう意味でHⅡロケットというものが、一九九〇年代の初めにそういう技術を持つことがいいことであるといった意味でこの計画が進められたわけでございます。 したがいまして、最初に御説明しました整理統合しましたという意味では、例えばHIロケットという五百五十キロの静止衛星を打ち上げられるロケットでございますが、その後、八百キログラムのものを打ち上げるロケット、HIBというものを開発しようと考えておったわけでございますが、需要の方のテンポの速さ、それから国内の技術の進歩、そういうものを踏まえて、それをやめて一気に二トンの静止衛星を打ち上げるロケットということでHⅡにいく、そういったことにある意味では計画を収れんさせたと、そういうふうに御了解いただきたいと思います。
○塩出啓典君 今、そういう計画を効率的にして一挙に二トン級のHⅡロケットでいく、こういう御意向はわかったんですが、この点は科学技術庁としては大丈夫なのか、自信はあるのかどうか、その点はどうですか。
○政府委員(福島公夫君) 二トンを打ち上げるということで、HⅡロケットでございますけれども、これは全段国産技術でやろうということに踏み切ったわけでございます。もともと私どもが考えております自主技術開発というのは、デザインオーソリティーを持つということでございますので、部品等につきましてはコマーシャルベースで買えるものがあれば当然買ってもよし、買えないものがあれば全部自分で開発しようということになりますが、大きなシステムとしましては、これが二段ロケットになるか三段ロケットになるか、これから、コンフィギュレーションを今やっておるわけでございますけれども、いずれにしましても、液酸・液水のロケットというものを開発をして、それでやっていこうと。幸いにHIロケットの二段で使いました推力約十トンの液酸・液水エンジンが非常に順調に進んでおりまして、この研究開発に携わっている者は口をそろえて自信を持ったということでございますので、我々としましては十分自主技術でこのHⅡは開発できると考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 種子島宇宙センターの大崎射場で、今までHIロケットの計画まではこういう状況であったわけでありますが、HⅡロケットの発射場はどこになるのか、これはどのように考えておられますか。
○政府委員(福島公夫君) 私どもは、現在NⅡロケットを打ち上げるところでHIロケットを打ち上げるわけでございますが、その少し離れたところに、岬の方でございますけれども、そこに新しくHⅡロケットの射場をつくりたいと考えております。もちろんその場合、いろいろ安全の問題とか保安距離の問題とか、そういうものを全部考慮しながらロケットのコンフィギュレーションというものを進めていこうと考えております。
○塩出啓典君 次に、通信衛星の購入の問題が今同僚議員から御質問がございまして、重複を避けたいと思いますが、大体日米のこの技術の違いというのはどういう点に違いがあるのか。私の聞くところでは、例えば通信衛星の受信施設、船についている受信施設や発信施設、こういうものは日本は六割ぐらいシェアを占めておる。ところが星の方はかなりおくれておるということでございますが、どういう点に違いがあるのか。この違いはだんだん縮小しているのかどうか。それからコストの違いがどういうところにあるのか。今のお話では開発費をどうかけるかという、開発費をかけるんであれば、輸入しても開発費はかけておるわけですから、そうすると輸入するよりも自国でつくった方がいいということにもなるんじゃないかと思うんですが、こういうコストの違いがどういう点にあるのか、そのあたりはどうでしょうか。
○政府委員(福島公夫君) 技術の点ではやはり経験ということが一番大きい。つまり宇宙においてどのような状態になるかということがなかなかデータが今までなかったわけでございます。その点につきましては、幸いアメリカの方から技術導入しまして、かなりのノーハウというものは入ってまいりました。それで、それを利用しましていろいろ機器を作成する段階では、決して日本はアメリカに劣っている点はないと確信しております。いろいろ衛星でふぐあいが発生したりしているものも、幸いといいますか、全部輸入した部分でございまして、国内でつくったところというのは幸いまだ何にも故障も起こっておりません。ただ、全体を設計するときにやはり宇宙での経験というのが非常に物を言いますので、新しい場面にぶつかるたびにそこでは相当の苦労が今後もあるのではないかと考えております。 コストにつきましては、一番大きいのはやはり生産個数が極めてロットが小さいということでございまして、アメリカでも開発費はかかっているんではないかということでございますが、アメリカの場合はほとんどNASAの費用によって開発されたものを、あとは同じもののレプリカを製造していく。これもロットからいうとかなり向こうの方が大きいというようなこともございまして、そういう意味で日本の方が高くなるのではないかという感じはいたしますが、しかしいずれにしても、宇宙で使われる機器というものは自動車やなんかのように大量生産するものではございませんので、いずれ日本でつくるものもそうコスト的に必ずしも高いものになるということではなく、将来は普通国際レベルのものになっていくのではないかと考えております。
○塩出啓典君 今のお話では、日本でつくった部品は故障しない、アメリカから輸入したようなのがよく故障すると、こういうお話ですね。自動車産業にしても日本のは非常に故障しないということですね。そういう点からいくと、将来この通信衛星等もかなり日本のやつの方がアメリカよりは非常に品質もよくなるんじゃないかと、そういう予想はあるんですか、やっぱり。
○政府委員(福島公夫君) この問題は非常に難しい問題でございますが、機械の設計というものの考え方は、アメリカと日本では多少違います。アメリカの方は、ある意味ではぎりぎりのところを追求している、つまり重さなどについてもぎりぎり軽くするような設計でやっていこうと。日本の場合は安全係数を掛けるためになかなか軽くならないという点がございます。そのかわり動いているものはなかなか故障しないといった設計上の差がございますので、一概には言えませんが、小型化、軽量化するというのは日本のお家芸でございますので、日本の方がよくなるとは言い切れませんけれども、国際並みのものはできるようになるだろうと考えております。
○塩出啓典君 この宇宙開発については自主技術開発を原則とする、こういう方向のように承っているわけですが、しかし安い物は買えばいいじゃないか、何もかも日本でつくることはない、国際分業的に日本はこういう点は得意だけれどもこういう点は購入すると、そういうものが僕はあってもいいんじゃないかと思うんです。なぜ自主技術開発をしなければならないか、その理由ですね、それはどういう点に自主技術開発の必要を認めておるんですか。
○政府委員(福島公夫君) この問題は、大きく分けて二つあるんではないかと考えております。 一つは、宇宙開発というようなものは波及効果の非常に高い最先端の技術というものを開発していくものでございますので、これを開発していく過程あるいは開発された後において、その技術の波及効果というものによって日本の全体の技術というものが進んでいく、そういう意味でこういう大きなビッグプロジェクトというものはやはり進めていかなくちゃならないというふうに考えております。 それからもう一つは、こういった宇宙の利用というようなものにつきましては、日本として、いつでも日本独自で自由に最低のものを、宇宙を利用できる技術というものを担保としてとっておく必要があるんじゃないかということでございますので、その設計、先ほども申し上げましたデザインオーソリティーというものを持って自由にいつでも設計ができると。ただその場合に、先ほど先生がおっしゃられましたように、コンポーネント、材料等につきましては、何から何まで日本でつくらなくちゃいけないというものではございませんけれども、最も重要な部分、これが輸入が閉ざされたらできなくなってしまうというようなものにつきましては、いわゆるクリティカルなものにつきましてはある程度技術というものは持っておく必要があろうかと思います。 いずれにせよ、今後も安くていいものは買えればそれはどんどん買いながら全体を組み立てていくという方向に進んでいきたいと考えております。
○塩出啓典君 政府は、自主技術開発を必要としないものでは国内、国外を問わず購入の道を開くと。自主技術開発を必要としないものというのは、具体的にはどういうものがあるんでしょうか。
○政府委員(福島公夫君) 大変申しわけないのでございますが、今ここで自主技術開発を要しないものという具体的な例がないのでございます。と申しますのは、今回の日米貿易摩擦の問題点ということで、何でもかんでも将来にわたってアメリカのものを拒否するという姿勢では我々は決してないと、我々としてはあくまでも自主技術開発路線を進めるだけであって、すべてのものをそこへ結びつけてやるということじゃないという姿勢をアメリカに示したというふうに我々は了解しておりまして、そういった意味でああいう文書になったわけでございますけれども、具体的にそれではどの衛星がそれに相当しないのかということは、現在全くアイデアはございません。
○塩出啓典君 ということは、政府としてはアメリカから衛星を買うというような考えは余りないと、現実問題としては。そういう意味ではないかと思いますね。そこで、結局今度の国会で電電公社が民間の会社になって、あるいはそういう新規参入が認められ、第一種の電気通信産業等にいろいろ企業なんかが参加をして、そういうところが衛星をどんどん打ち上げる、そういう場合にどうしても安い衛星を購入していけば非常に我が国の自主技術開発路線というものはかなり影響を受けるんじゃないか、このあたりのバランスが非常に難しい問題じゃないかと思うんですね。この点については、アメリカからのそういう外圧もあるわけですけれども、どういう調整を図っていくのか、この点、これはできましたら長官からも御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) もともと宇宙開発政策大綱というのは、国を中心とした開発の方針を定めたものでございます。もちろんこれをやったときには民間が衛星を持つということは念頭になかったということもございますが、今後も政府等を中心とした開発というものを、宇宙開発政策大綱でその道を示そうということには変わりないわけでございますので、民間企業がアメリカから通信衛星を購入するようになったとしても、これは 宇宙開発政策大綱を進める上で別に支障はないと我々は考えてはおりますけれども、ただ安い衛星が入って、恐らく先生の御質問は、今度は新電電の方が高い衛星じゃないかというようなことで混乱するんではないかというようなお話だと思いますけれども、この辺はまだ具体的に出てこないと何とも申し上げられませんが、いつまでたっても日本が高い衛星をつくっているということはないのではないかと我々は考えております。これは将来の問題で、なかなかはっきりしない点がございますけれども、民間が衛星を購入することによって、我が国の開発政策がそれによって左右されてしまうというほど脆弱なものではないと考えております。
○国務大臣(岩動道行君) 宇宙開発政策は、私ども日本の将来を考えた場合には、何としてもまず自主技術を持っていくことが必要である。その理由は、先ほど局長の方からも答弁したわけでございますが、何といってもやっぱり自分のものを持っていないと不安であるということが一つあると思います。先ほども、アメリカから衛星の中心部を買って、そして打ち上げてきている。ところがそれが故障する。故障するとそれがなかなか直せない。ところが、これは自分で設計し、自分でつくっていったものでありますと、その故障部分がよくわかりますから直すことができる。気象衛星の例を一つとってみましても、先般「ひまわり二号」が故障してどうにもならない。そこで、引退しておった一号をようやく何とか御隠居さんから現役に戻ってもらって、そして今何とか気象の通信というものができているわけでございます。そういうことを考えますと、なかなかやはりいただいたものだけでいいということにならない、不安がついて回ってくると思います。 もう一つ実例を申し上げますと、最近上げました放送衛星、あれも無事に打ち上げは済んで、順調に静止軌道に乗っておったのでございますが、二カ所ほど故障ができて、いまだに直しかねております。これもやっぱりいただいたものでございますので、なかなか直し切れないという状況でございます。幸いにして三系統のうちの一系統だけだったものですから、放送には影響がないということで、NHKも今着々と五月十二日を目標にして放送の準備を進めていると、こういうことでございまして、もう一つその系統が故障したら一体どうなるだろうかという不安がついて回るわけでございます。そういうようなことで、何としても私どもは自前の技術を持ってやっていきたい。そうでないとせっかく打ち上げても莫大な経費をかけながら役に立たないということになりましょう。そのように実際問題として自前のものが必要だ、こういうことが言えると思います。 そしてまた、通信衛星等もそのようなことがあってはならないわけでございますけれども、この通信という問題は大変重要な日本の今後のニューメディアの中心として大きな役割を果たしてまいります。このことは、例えば地震とか災害があったときにも非常に大きな役割を果たすわけで、したがって国民生活にとっても大事なものでございますから、できるだけ早く自主技術でやっていきたい、こういうことでございます。 しかしながら、一方アメリカからは、通信衛星等も大変発達もいたしておりますのでぜひ買ってほしい、こういう強い要請もございますので、これにはやはり国際協力という観点からも私どももこたえていかなければならない。そこで、自主技術の開発路線と輸入という問題の調和をどこに図るかということでいろいろ苦心をいたしてまいりました。 その結果、まず民間において通信衛星等を購入したいという場合には、これには道を開いてあげましょうということで、ただいま電気通信事業法の改正を行って、その法律改正ができますならば民間で通信衛星は買ってもよろしいと、買えると、こういう道をまず開くということがあります。それから政府とか電電につきましては、やはりこれは従来の関係もございますので、自主開発路線の枠内といいますか、それと調和のとれた姿で、海外からもあるいは民間から国内においても買えると、こういうような体制を今回とるということにいたしたわけでございまして、あくまでも私どもはアメリカに対しましても自主技術開発路線というものの理解をさらに深く求めながら進めてまいりたい、こう考えているわけでございます。 したがいまして、冒頭に先生から御質問のありました、このたび変えました大綱につきましても、そういうような自主技術路線というものを前提として、そして日本としては何もかにもというわけにいかないのである程度やるべきものの整理をした。そして大型化へ向かって、途中の段階を省いてもいいという技術的な自信ができてきましたので、そのような途中経過を省略して二トン型に持っていく。あるいはまた、スペースシャトルでありますとか宇宙基地計画といったような、これはもう大変な技術と経費がかかりますので、そういうことについてはもう日本でやろうとしてもなかなかできないから、アメリカの方の計画にこれはむしろ乗っかって、そして協力の中で日本の望むような宇宙での利用を進めていこうと、こういったようなことが政策大綱の方針でもあったわけでございまして、アメリカとの関係はそういうふうに自主開発路線というものの理解を求めながら協力していくと、これが今朝決めました対外経済政策の骨子でございます。
○塩出啓典君 次に、米国から先般NASAの長官が参りまして、宇宙基地計画についての参加の要請があったわけでございますが、これは大体どういう方向で進んでおるのか伺います。
○政府委員(福島公夫君) ことしの年頭教書でレーガン大統領が、十年以内に有人宇宙基地を建設したい、それも国際協力でやりたいということを言われまして、同時に中曽根総理あてに親書も来ております。それに伴いましてベッグズ長官から私どもの方の大臣の方にも協力方の手紙が、私信が来ております。 それによりますと、計画そのものは約三百キロメートルぐらいの低高度の地球周回軌道上につくられる恒久的な有人基地ということになっております。これは、モジュールという名前で呼ばれておりますけれども、人間が住む居住部とか、あるいは実験部、貯蔵部、太陽電池板というようなものから成る一つの基地でございますが、アメリカでは既にこれの開発のために八十億ドルの金を認められたということでございます。常時六人から八人の人間をそこへ乗せておこうということでございますけれども、ベッグズ長官が三月に日本に来られましたときに、日本もひとつ協力、参加してくれと、こういうことになったわけでございます。 今後日本がこれに参加するかしないかということをこれから詰めていかなきゃならぬ問題でございますが、ベッグズ長官の方の御希望では、六月のサミットでこれを議題として出したいと、それからできれば十月から始まる来年度、新年度までに参加するかしないかを教えてほしいということを言ってきております。なかなか多額の金も要するものでございますので、どういうような態度がとれるかということを今検討しているところでございます。
○塩出啓典君 我が国としては大体参加する方向でございますか、それとも参加しない方向でございますか。
○国務大臣(岩動道行君) まだ最終決定をしてはおりません。また、サミットでどのようにレーガン大統領から提案があるかもまだ定かではございません。しかしながら、レーガン大統領から中曽根総理にあてた書簡、それからベッグズ長官から私にあてた書簡等を拝見する限り、また過去幾多の宇宙関係についての日米間の話し合い等を通じますと、これはやはり日本としては参加をしていくことが望ましいという考え方を持って、今専門家の間で具体的にいろいろな計画、そしてどのようなメリットがあるのか、あるいはまたこれについてはヨーロッパの国々はどのように対応をするのかということも見ながら、私どもは前向きにこれを検討してまいりたいと、かように考えており ます。
○塩出啓典君 今、長官も言われましたが、宇宙基地計画に参加するメリットを今検討しているということですが、これはまだ、どういうメリットがあるかということは、ここで発表できるようなものはございませんですか。
○政府委員(福島公夫君) もちろん資金との関係、投資した資金との関係ということも考えなければならないとは思いますけれども、まず一つ間違いなく言えることは、宇宙でなければできない材料、あるいは宇宙でなければつくれない薬品というようなものもございます。そういうものに日本が独自で将来やろうとしてもなかなか大変なものが、こういう国際協力の場でやれば非常に効率的な形でできるという意味では、ここで参加することによって新たな材料、新たな薬品、新たな科学技術分野というものがこれによって手の届くところに入るわけでございます。そういった意味では、もう資金の心配さえなければぜひこれは参加したいと考えるところでございます。 もう一つは、宇宙において地上では観測できないような宇宙の科学的な観測、こういうものも基地を利用しますと非常に容易にできる。それから、今までの衛星というのは、低軌道を回っているものは寿命が一年から三年というふうに落ちてしまうものでございますが、これは自分でエネルギーを持っておるものでございますから、半永久的に回っているということで、非常に長期にわたった安定したいろいろの実験研究というものができるというような意味で非常に意義がある。 ただ、これを産業界の方に目を向けまして、果たして投資しただけの効果があるかどうかということは非常に難しい問題ございます。しかし、材料なんかを一つとってみましても、この材料が手に入るか入らないかによって、非常にそれが小さな部品であっても、それがシステム全体の死命を制するということもございますので、なかなかこの計算は難しいわけでございますが、現在産業界あるいは学識経験者等にお願いして、この辺の検討を進めておるところでございます。
○塩出啓典君 アメリカとソ連は、人間を人工衛星に乗せたりあるいは月へ行ったり、そういうことでお互に競争してきたわけで、私たちから見ると、それはいろいろ波及効果もあるでしょうけれども、何かお互いに威信を示すためにやっておるような、そういう点もなきにしもあらずだと思います。また、一説によると、大統領選を前にしたレーガンの政治的な演出の色が濃いと、こういうようなことも言われておるわけであります。 そういう点から考えて、私たちももちろんヨーロッパとの関係、日米との関係等もこれは配慮していかなければいけないと思うわけですが、限られたこういう財政難の中での財政需要の要る問題でありますので、そういう点は慎重に検討をしていただきたい。確かに夢もあって、我々としてもぜひこういうものもやってみたいなという、そういう気持ちはもちろんあるわけですけれども、現実問題としてそういう方向を決めるのはやっぱり慎重にやっていかなければならないと思いますし、その点を要望をしておきます。 それから、この平和利用という問題ですが、我々がこういう計画に協力するにいたしましても、そのことによって開発された技術というものが米ソのいわゆる軍拡競争に使われるようなことがあっては、我が国の憲法の精神からいってもそういうことはよくないのじゃないかと思うんでありますが、そういう平和利用の目的に限定するということがどのような形で担保されるのか、これは何かお考えありますか。
○政府委員(福島公夫君) 今回は、アメリカ側もはっきり申しておりますけれども、全部民生用ということでございまして、予算も民生用の予算ということからできるということでございます。また今度の宇宙基地は、発射する場所の地理的条件から、いわゆる傾斜角度というものは二十八・五度というふうに決められております。これは最も経済的で、同じ能力を持つロケットで一番大きなものが打ち上げられるというものでございます。それで、この二十八・五度というのは、ある意味では北緯二十八・五度から南緯二十八・五度の間ということで、私ども聞いておる範囲内では、国防省の方はそういった基地についての関心というのはないというふうに聞いております。 ただ、これはアメリカの法律というのでしょうか、規則というのでございますか、アメリカの国費で開発された技術はすべてのものに提供されるということになりますので、NASAが民生用の予算で開発した技術でも、これを国防省が欲しいと言えばその技術を受けることができるわけでございます。そういう意味で私どもは一番心配しておったわけでございますけれども、もし日本が同じように一緒の形でアメリカ側に金を納め、また一緒に研究し開発したものができ上がって、それをアメリカの法律によって国防省の方に移すといったときにどうなるんだろうかという疑問があったわけでございますが、幸いにして私どもが提唱、もちろんこれは決まったわけじゃございませんけれども、提唱しておりますジャパンモジュールといった、非常にクリアに技術が分かれられるといいますか、クリアインターフェースというのでしょうか、はっきり日本の技術とアメリカの技術とが使われているところが別であるというふうにわかる形での参加をしておりますと、そのジャパンモジュールについては、もしほかへ技術を移転するときには、その技術を開発した国と相談して、その国の了承が得られなければ移さないということをはっきり言っておりますので、そういう意味では日本の技術がほかの方に移転されるということはないというふうに、これが担保されるんではないかと我々考えております。そういった意味では、一つのモジュールをつくるという形での参加しかどうも方法はあり得ないと我々は考えている次第でございます。
○塩出啓典君 これはなかなか我々もよくわからない、難しい問題だと思うんですね。実際は我々参加して、そして技術を開発したと、そういう技術をそれでは政府なり軍部がNASAに対して提供しろと言った場合には、これは断ることできないようになっているようですからね。だからそういう意味で、やっぱり参加すればどうしても結果的にはそういう軍事面の技術の発展に役立つ危険性はもう取ることは非常に難しいんじゃないか、こういうような気がするわけです。しかし、我が国の憲法の方針から言っても、もし参加するにしてもそういう点にはひとつ十分国民が納得できる、理解できる方法を講じなければいけないんじゃないか、これをひとつ長官に要望しておきます。 それと、もしやるとすれば大体二千億円ぐらいと聞いておるわけですけれども、先般長官は財界首脳とも懇談をされて、あるいは民間の協力も要請されたやに承っているわけでありますが、 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕 そういう点の感触はどうであったのか、この二点についてお伺いします。
○国務大臣(岩動道行君) まず、宇宙ステーションの平和利用の問題ですが、私ども当初からこの問題については重大な関心を持ってアメリカ側と接触をいたしてまいりました。ベッグズ長官が来日をして私と会談をいたしましたが、私どもはその点についてまず最初に確認したのが平和利用という点でございまして、先ほど局長も答弁しましたように、これはあくまでも民生用のものであると。そして、アメリカ側が特に強調しておりましたのは、これは商業目的なんだと、参加するということはインベストメントなんだと、そういったような考え方でアメリカも平和利用である、民生用であると、こういうことを強く私どもに申しております。私どもはそれを信頼しているわけでございます。 一方、よそのヨーロッパでどうなのかということも私どもは確かめておりますが、数日前にドイツの高官が見えたときにこの点について話し合いをいたしましたら、ドイツとしてもこれは民生用として、平和利用として、参加する場合にはそのような立場でやっていきたいということを強調い たしておりました。そういったようなことで、ヨーロッパでも恐らく参加する国々はそういうような姿勢でアメリカと対応していくのではないだろうか、また私どももそのような観点からヨーロッパ諸国あるいはカナダとも話し合いをして、その点をしかと確かめながら進めてまいりたいと、かように考えております。 また、参加する場合の経費の問題でございますが、これはまだ財政当局と具体的な話をする段階に至っておりません。参加するとすればかなりの経費がかかるわけでございまして、従来の宇宙開発計画の予算の中でこれを賄うということは非常に困難であろうと考えております。やはり別にこれは考えていただかなければならない。そうしませんと、宇宙基地計画のために既存の計画が非常におくれてしまうとか、そういったようなことは好ましいことではないので、私は、別途これは考えていただくような方向で今後制度の中で検討さしていただきたい、かように考えておるわけでございます。 一方、これは政府だけでやるべきものではなくて、やはり民間でも相当のメリットが出てくるはずでございますので、民間にも参加をしていただく、こういうことで財界の宇宙関係の幹部の、首脳の方と会談をいたして、そのような点についての協力を要請をいたしておきました。しかしながら、民間では、できるだけ政府の方でやってくれと、こういう対応でございますが、今後私どもは具体的な計画、そして資金的にもどの程度のものが必要かということを考えながら、民間とはさらに分担をしていただく方向で努力をしてまいりたいと考えております。
○塩出啓典君 新聞報道等では、SF映画「スター・ウォーズ」のように、現実には米ソが宇宙というものを軍事的に利用しようという動きが非常に活発でございます。宇宙迎撃兵器システム、BMDの研究開発に米議会が予算を出そうとしておるとか、あるいは衛星攻撃ミサイル、ASATの第一回発射実験を行ったとか、先般の報道では大変ソ連の方にはるかにアメリカはそういう面では先を越されておる、 〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕 だから宇宙での軍事利用をやめるようなそういう交渉をやらないという、そういうふうなことも報道されておるわけですけれども、私はやはりこの際、我が国が宇宙というものを軍事利用には使わないという、こういう国際協定でも結んで、そういうのを条件に、もちろんこれはアメリカのみならずソ連の方もそうしてもらわなきゃいけないわけですが、そういう方面にやはり努力をしてもらいたい。これはまあ外務大臣がやることでございますが、科学技術庁長官も我が国の閣僚の一人として、宇宙というものが軍事利用の競争の場にならないように努力をしてもらいたい、私はこのことを強く要望いたしておきます。 それで次に、日中の原子力協定の問題についてお尋ねをいたしますが、先般中曽根首相が訪中をいたしまして、鄧小平氏との会談で、この日中原子力協定の締結ということにかなり話が進みそうだ、こういうように承っておるわけでありますが、大体この原子力協定についてはどういう状況であるのか、いつごろこれがまとまりそうなのか、これは外務省からお答えいただきたいと思います。
○説明員(山田広君) 外務省の原子力課長でございます。 先回、二月の末から三月の初めにかけまして第三回の日中原子力協議がございました際に、次回協議につきましては五月末を目途に北京で開きましょうという話をしておりまして、これにつきましての具体的な日取りにつきましては、今後外交ルートを通じまして中国側と詰めてまいりたいと思います。きょうの新聞等でも、例えば米中原子力協定というのができたというようなこともありまして、ひとつ日中の原子力協議についてもいわば弾みがついたような格好になるかと思いますが、私どもとしましてもできる限り積極的に中国側との話し合いを今後進めてまいりたい、かように考えております。
○塩出啓典君 いろいろ中国もこれから原子力発電所もかなり建設するんではないか、このように言われており、アメリカにしても、あるいはカナダ、フランスあるいは西ドイツ、それぞれ一つの市場としてやっぱりねらっているんじゃないかと思いますけれども、そういうときに当然平和利用ということが問題になると思うんです。そういう点、私の感じでは、国によっては余り平和利用の問題、例えば査察の問題等について余りやかましく言わない。その方が輸出はしやすいわけですからね。けれども、日本はやっぱり国内世論から見ても、そういう問題については我が国の国民性は非常に敏感でありますし、そういう点は厳重にやっていかなければいかぬ。そうなると、競争条件に負けるという、そういう問題があると思うんですね。まあ両方あると思うんですが、余りしゃくし定規に理想論ばかり言って商売ができないというのでもこれは困るでしょうし、そのあたりの問題についてはどのようにお考えですかね。
○国務大臣(岩動道行君) 日本の原子力利用については、平和利用ということに徹して今日までやってまいりました。と同時に、海外への協力につきましても平和利用を原則としてやっていく、それを建前としていかなければいけない、こういうことを原子力委員会でも認識をしてやっているわけでございます。したがって、今度の原子力協力協定の前に、先般、秦山の原子力発電所に対する圧力容器の輸出の問題がございまして、これについて私どもはやはり平和利用ということに徹して交渉を続けてまいりまして、この点については満足すべきそれなりの話し合いができたわけでございます。そのような過去の経緯も踏まえて、私どもは中国が原子力の平和利用でその国の経済を現代化していくということについては十分に理解ができますので、今後ともこのような方向で進めてまいりたいと思っておりますが、やっぱり平和利用ということをきちんとしていかなければいけない、かように考えておるわけでございます。 したがって、先般方毅さんがお見えになったときにも、私は冒頭に原子力の協力については平和利用ということを強く申し上げておいたわけでございます。したがって、基本的にそのような中で具体的に協定の中身をどのように決めていくかということはこれからの問題でございますが、大体私どもも先方の方が私どもの日本の立場というものは理解をしていると思います。と同時に、きょう米中間での基本的な協定の内容が発表されておりますので、これも十分に参考にして進めてまいらなければならないと思っております。
○塩出啓典君 私は、できればこういう例えば原子力発電機器等を輸出する国々がお互いに協定を結んで――我が国だけ厳しいけれどもほかの国は非常に緩やかである、それでは非常によくないんじゃないかと思うんですね。そういう意味では、今後はやっぱりある程度国際的にも、余り特定の国が条件を安くして売り込もうというようなことは、平和の上からも非常によくありませんし、また我が国にとってもプラスにならないんじゃないかと思いますね。そういう意味で、国際的にそういうものを決めるとか、そういうような話は、動きはないんですか。そういうお考えはどうですか。
○政府委員(中村守孝君) 国際的には、原子力機器の輸出につきましては、いわゆる核不拡散の観点から、核兵器を有しない国に対する輸出につきましては、ロンドン・ガイドラインということで過去話し合いをしまして、いろいろな輸出する資材等についてお互いに話し合って合意しておるわけでございますが、核兵器を有する国についての問題が一つあるわけでございます。それにつきましても、米国その他はいわゆるボランタリーサブミッションと申しますか、自発的にIAEAの査察を受け入れるという形でまいってきておりまして、今回中国がまだIAEAに加盟したばかりというような状況にございますので、そこがほかのいわゆる核兵器保有国であってもアメリカ等と違う点がありますので、ちょっとそういう意味で特異性があろうかと思いますが、中国との関係につきましては、ただいま大臣から御答弁ございまし たような方針で今後折衝に臨んでまいりたいと思っておるわけでございます。
○塩出啓典君 それでは最後に、ちょっと時間がもうないので、詳しくは次に譲りたいと思うのでありますが、文部省にお尋ねしますが、今後放射線とか放射能とか、あるいは原子力、こういう問題についてはやはり国民の正しい認識が必要じゃないかと思うんですね。わずかの放射能でも、これが針小棒大して騒ぐこともよくありませんし、しかしまた一方、例えば医者が使うレントゲンだって、歯医者が使うレントゲン撮影の放射能だって僕は決して安全とも言えないと思いますし、そういう意味でもうちょっと放射線の量等についての量的な感覚、そういうものを国民全体がもっと知っていかなきゃいけない。そういう意味で、教育が僕は非常に大事じゃないかと思うんですが、そういう点は今どうなっているのか。もう時間が一分しかありませんので、一分以内にひとつ。
○説明員(中島章夫君) 簡単に御説明をさせていただきます。 小・中・高ということでございますが、原子力あるいは放射線ということでございますので、小学校の発達段階では無理ということで、中・高で指導をすることにしておりまして、教科では主として理科と社会科でございます。 例えば中学校の理科につきましては、第一分野、第二分野、第一分野というのは物理、化学でありまして、第二分野というのは生物、地学でございますが、そういう中でエネルギー資源等について指導する際に原子力についても触れておるわけであります。 それから、高等学校につきましても、今度新たに理科Iというのを設けまして、これは全員に必修ということになっておりますが、その中で「自然と人間」という環境問題を特に取り上げまして、太陽エネルギー、原子力の活用について指導をすることにいたしております。 それから、さらに詳しくは高等学校の物・化・生・地のそれぞれ選択科目がございますが、その中の物理におきまして、放射能や核エネルギーの性質、その利用等について取り扱っております。 これは理科でございますが、社会科につきましても、中学校の公民、それから高等学校の現代社会というところで今度の新しい学習指導要領では内容を全部精選してまいったのでございますが、こういう資源、それからそのエネルギー、それからその活用等につきましては、積極的にその部分を増加いたしまして指導するようにしているところでございます。
○塩出啓典君 今ガイガーカウンターみたいなものは、大体全国の中学校、高等学校等で何台ぐらいありますか、それだけお答えいただきたい。
○説明員(中島章夫君) ガイガーカウンターにつきましては、実は理科教育振興法というのがございまして、昭和三十六年から高等学校については、俗に理振法と言っております補助の対象にしておりますので、高等学校については、もうほとんどの学校に入っているのではないかと考えております。 それから中学校につきましては、新しい学習指導要領に関連をいたしまして、昭和五十六年からその補助品目に加えたところでございますので、これからおいおいふえてまいるという状況ではないかと思いますが、お尋ねのどれぐらいの台数ということについては数字をつかまえていないところでございます。
○佐藤昭夫君 国際障害者年が設定をされまして既に久しいわけですが、我が国においてもこの障害者の福祉対策について年々関心が高まってきているわけでありますけれども、我が国は経済大国と言われながら、その障害者に対する施策、中でも補助機器の開発とその普及、こうした点で欧米に比べて大きく立ちおくれているというふうに言われているわけであります。私も当委員会で既に何回か指摘をしてきたところでありますが、国の科学技術予算がとかくビッグサイエンスに偏重していると。むしろこうした福祉対策、障害者に対する施策、こういう面にもっと光が当てられるべきではないかというふうにも私は思うわけでありますが、そうした点で、障害者がその可能な能力を最大限に生かして、社会にも積極的に貢献をして生きていけるように、日本の進んだ科学技術がもっと役立てられていく必要があるんじゃないかというふうに思うわけであります。 こうした点で、まず科技庁、労働省、通産省、それぞれにお尋ねをいたしますが、身体障害者用の補助機器の研究開発についてどういう取り組みがされてきておるか、予算措置も含めて、この三年間どういう予算が組まれてきたかということを、まずそれぞれ御説明願いたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) お答えいたします。 科学技術庁としましては、複数省庁にまたがるような研究を主体としてやっておるわけでございますが、ただいま科学技術振興調整費というのがございますけれども、これの前身でございました特別研究促進調整費というものを利用しまして、過去においてかなりのものを研究開発を進めております。 例を挙げますと、マイクロコンピューター制御による電動式全腕義手の開発に関する総合研究、これは一億四千六百万円でございますが、五十年から五十三年度にかけてやっております。また、寝たきり障害者等の日常生活介助機器システムの開発に関する総合研究、九千二百万円でございますが、五十三年から五十五年度にかけてやっております。それから、動力補装具等の開発に関する総合研究、これは四十六年から四十八年、ちょっと古くなりますけれども七千九百万円。それから、感音難聴者のための音声信号処理機構に関する総合研究、これは五十四年、五十五年の二年間にわたりまして五千四百万円やっております。 科学技術庁の場合は、全体の全省庁における研究開発の総合的な調整ということでございまして、その後各省庁のこの種の研究開発が非常に進むようになりましたので、この関係のはその後特別にやっておりませんが、各所で開発されました技術成果というものが、実際の製品化する場合にまた金がかかるものでございますけれども、そういうものについて新技術開発事業団の制度を利用しまして、例えば電子義手の製造技術というものあるいは仮名文字・点字同時印字タイプライター等、そういった身体障害者の活動を補助するための機器等の開発を行ってきております。これらはそれぞれ七千六百万円、あるいは五千六百万円という金額としては大きなものではございませんが、そういった制度を活用してきているところでございます。
○説明員(藤原正志君) 労働省関係につきまして御説明を申し上げます。 先生お話がありましたように、障害者雇用につきましては、補助機器等によりまして職域が大きく広がるというような、非常に有効な手段の一つであることはもう間違いないわけでございます。その意味におきまして、労働省でも研究を進めているところでございますけれども、具体的には所沢にございます国立職業リハビリテーションセンター、また身体障害者雇用促進協会というのがございまして、そこでいろんな研究を実施をしております。 次に、予算の関係でございますけれども、私ども補助具の関係のほかに、いわゆるソフト的な面の調査研究も中心に進めておりますので、両方含めまして過去三年間の状況を申し上げますと、五十七年度につきましては三億三千万円、五十八年度につきまして二億九千万円、五十九年度二億九千万円というふうな額になっております。 なお、その研究の中身でございますけれども、つい最近新聞等にも報道されておりますとおり、例えばコンピューター関係のプログラムの関係でございますけれども、点字によるところのプログラムが組めるようなシステムの開発等を中心に行っております。
○説明員(林俊太君) 身体障害者のための福祉機器の研究開発につきましては、民間だけではなかなか研究開発進まないということで、私ども工業 技術院では、昭和五十一年から医療福祉機器技術研究開発委託制度というものを発足さしております。この中で、福祉機器につきましても研究開発を行ってきているということでございます。 これまで、昭和五十八年度までの八カ年でございますが、その間に総額で二十四億三千二百万円の予算を投入いたしまして、モジュール型の電動車いすを初めとする七テーマの福祉機器につきまして研究開発を終わったというところでございます。 今年度におきましては、新たに研究開発に着手いたします体温自動調節器、それから継続テーマとして下肢機能の補助装置、身体障害者用の介助移動装置、それから盲人用読書器と、合計で四つのテーマを今年度取り上げるということでございます。 それで、予算の過去三年の数字でございますが、五十七年度四億四千四百万円、五十八年度四億五千四百万円、それから五十九年度は三億六千三百万の予定ということでございます。 また、このほかに工業技術院の傘下の研究所がございますが、そこで従来から福祉関連の試験研究を行ってきているということでございまして、この方の予算は過去三年間、五十七年度二千六百万円、五十八年度三千九百万円、それから本年度は四千四百万という予定でございます。
○佐藤昭夫君 ただいまも各省庁からそれぞれの取り組みの概要について紹介があったわけでありますけれども、いずれにしましても、耳の聞こえない方々にとっては、テレビの多重放送とか福祉電話、ミニファックス、さらには文字電話と、こういうものが非常に励ましになっておると思いますし、視覚障害の方々のための声の出るワープロとか、あるいはコンピューター用の点字のディスプレー、こういうものが開発をされてきておりますから、これらのものが大きく普及をされていきますと、そうした障害者の人々も新たな職業につき、その分野での力が発揮できる、こういう有力な武器といいますか励ましになる。こうした点でぜひ一層、国としてもこれらの機器が安い価格で普及ができるよう一層の努力をされるよう強く望むものであります。 こうした点で労働省にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、現在はいわゆる公務員試験制度については点字試験制がないという、こういう障害がありますけれども、こういった機器をもっと積極的に普及をする、各省庁、特殊法人、こういうところがそれを取り入れるということによって障害者の方々がこういう分野に就職ができるような、そういうひとつ働きかけ、呼びかけを労働省から積極的に他省庁に対して行っていただきたいということを強く望むものでありますけれども、こうした点についてはどうでしょうか。
○説明員(藤原正志君) お話しの視覚障害者の関係が中心だろうと思いますけれども、例えば、現在国家公務員につきまして見ますと、先生お話がございましたように、点字によるところの資格試験制度がございません。前提として試験制度があるわけでございますけれども、私どもつい先日、具体的には四月の二十日でございますけれども、私どもの方の職業安定局長から人事院の任用局長に対して、ぜひひとつ点字による資格試験の実施について検討していただきたいということについて申し入れを行ったところでございます。 そこで、その具体的な職域の関係でございますけれども、採用につきましては各省が採用するというようなことになるわけでございまして、私ども雇用を進める上で各省に対しまして、特に私どもの労働省で昨年四月に全盲の職員を採用してございますが、その経験等を踏まえまして、お話がありましたとおり、例えばワープロを使うことによりまして職域が大いに広がるというような私ども実績といいますか経験も持っておりますので、その辺を含めまして、具体的には例えば各省の人事担当課長会議等の場を通じまして職域の拡大、採用等につきましてお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 そこで、大臣にお願いをしたいというふうに思うわけでありますが、先ほど来ありますように、これらの障害者の方々に対する補助機器、これが大きく普及をしていけば非常に励ましになるわけでありますけれども、ところが障害者団体の方々にお聞きをしますと、日本の場合、福祉の先進国である欧米に比べると、一つは今日本で実際に使われておるこの機器の半分ほどが輸入品だ、そういう意味で非常に欧米に比べて日本の開発はおくれておるということが関係者の方々からも言われております。また、実際にどういう機器の開発をするかという問題を進めるに当たって、例えばミニファックスなどについても最初の段階から障害者の意見をよく取り入れてああいうものがつくられたならば、もっとでき上がった段階で使いやすいものになったはずなのにと、こういうことがこれらの方々からも声が出ている。 こうした点で、実際にさっきの説明にもありましたように、予算という点で見ますと、トータルで見てもまあせいぜい十億円ぐらいと、一年間。そして、それがむしろ五十七年から五十八年、五十九年と減る傾向にある。こういう姿になっておるというのは、これはいかがなものかというふうに私としては思わざるを得ないわけですね。こうした点でぜひ、この科学技術行政を取り仕切る科学技術庁長官でもありますし、国務大臣の一人としてこれを機会にひとつ他省庁の関係大臣、こういうところにも大いに呼びかけていただいて、こういう分野に一層力を入れるという方向での働きかけ、努力をひとつ科技庁長官としてお願いをしたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(岩動道行君) 御指摘の身体障害者に対する新しい科学技術を活用してその方々の生活を便宜にしてあげ、あるいはまた働く場所をふやしていく、こういうことは大変大事なことだと認識をいたしております。そういう点で既に科学技術会議では、昭和五十二年に「長期展望に立った総合的科学技術政策の基本について」、あるいは昭和五十五年には「ライフサイエンスの推進に関する意見」等でその重要性も具体的に指摘をしておるわけでございます。その内容についてはまだ必要があれば担当の方から申し上げますが、そういったようにして全体として私どもも十分に配慮をして、それによって各省庁がそれぞれの分野でいろいろな御苦心をなさって、機器の開発とかあるいは雇用の場とかいろんなことをやってきておられると思います。 しかし、十分だということはまだ申せないかもしれません。したがって、これから努力をしてまいりますが、私きのうでしたか、ドイツ博をちょっと視察をしてまいりました。そのときに大変感銘を受けましたのは、身障者用の自動車です。全部自動で操作ができる。まず乗るときには、ドアをあけてくださいという声をかけるとドアがあく。そして乗る。ドアを閉めてくださいと言えばドアが自然に閉まる。それからスタートをしてくださいと言えばスタートをする。ギヤを変えようと思えば、ギヤを変えてくれと言えば、その指示したとおりの声に従って動いていく。あるいはラジオにしましても、ラジオを入れてくださいと言えばラジオが鳴る。音をもっと大きくしてくださいと言えば音が大きくなる。こういったようにすばらしいものが展示されてありまして、さすがに立派な福祉的なことをやっているなと、まさに先端技術をうまく活用して身障者に対する思いやりのある科学技術が生かされているということを目の当たりに見たわけでございます。 それに似たようなことは日本でも既にでき上がりつつあると思いますけれども、なおそのようなことを見ましても一層私ども努力をしなければならない。したがいまして、これから関係省庁と十分に協議をし検討して、身障者のためにおこたえをしてまいりたいと、かように考えております。
○佐藤昭夫君 そういう科学技術という面を通して障害者の方々に対する施策の一層の充実に努力をしていきたいという御答弁でありますけれども、こうした点でどうでしょうか、科学博覧会がいよいよ大詰めに近づきつつあるわけですけれども、こういった博覧会も一つの場として活用しな がら、日本の場合相当の技術力を持っておる大企業が、こういう分野というのは需要も多くないから余り利潤が上がらないといったような気持ちも働いてかと思いますけれども、余りこういうところへ大企業が熱心にならない、こういう傾向があるという指摘も関係者の間からはあるわけですね。ですから、そうした点でああいう科学博覧会という場を運用をしながら、ぜひこの問題の重要さを啓発をし、国の機関としても企業としてもこういう分野に一層力を入れていく一つの契機にしていくという意味で、あの博覧会において、展示の内容なんかは最終的にはまだ決まってないというふうに聞きますので幸いでありますし、ぜひ今申し上げたような趣旨の内容をできれば盛り込む、こういう方向で検討をしていただきたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(赤羽信久君) 今回の科学万博は、テーマといたしまして「人間・居住・環境と科学技術」というのを標榜しておるところでございます。これはいろんな意味を持っておるわけでございますけれども、人間の福祉に貢献する科学技術をと、そこへ焦点を当てるというのが一つの重要な課題なわけでございます。したがいまして、福祉、特に身障者の方のための科学技術というのも重要な課題と考えておるわけでございます。 まだ出展の内容が最終的に明らかにされてないのが多うございます。御指摘のとおりでございますが、政府出展の中のテーマ館におきまして、未来の生活コーナーという部門がございます。ここで、これは画像展示でございますけれども、身障者のモデル的な、何といいますか、生活のシステムの開発状況、そしてそれが完成した場合の想像される生活の姿、これをアニメーションまたは実際の機械を写しました画像として展示する、これは既に決まっておるところでございます。あと民間の出展あるいは外国の出展につきましては、内容の詳細がわかっておりません。また、それぞれ開幕まで詳しいことを発表しないところもあるようでございますが、御趣旨のような点もございますので、十分注意を喚起しながら今後の内容の完成に向かって進めていきたいと考えております。
○佐藤昭夫君 終わります。
○山田勇君 核燃料サイクル基地の建設問題についてお尋ねをいたします。 準国産エネルギーとして原子力利用を推進していくのには、ウランの濃縮、再処理、廃棄物処理の核燃料サイクルを確立することが不可欠でありますが、ウラン濃縮及び使用済み燃料の再処理に関し、現状と見通しについて科学技術庁の見解をお教えください。
○政府委員(中村守孝君) 濃縮ウランの確保の問題と使用済み燃料の再処理の現状と今後の見通しという御質問でございますけれども、お答えさせていただきます。 まず、ウラン濃縮でございますが、現在我が国の原子力発電に必要な濃縮ウランにつきましては、米国との間で原子力協定に基づきまして約五千百万キロワットの原子力発電に必要な濃縮役務を、これは専門的用語で申しますと六千トンSWU・パー・年ということでございますが、この量を確保しております。さらにフランスとの間で、ユーロディフという会社でございますが、昭和五十五年以降十年間にわたりまして毎年九百万キロワットに相当します原子力発電に必要な濃縮役務の供給を受けることになっております。したがいまして、これらによりまして昭和六十年代の末ごろまでの濃縮ウランの供給は賄えるという状況にございます。 ただ、いつまでも濃縮ウランを外国に依存しているという状況は我が国のエネルギーセキュリティーの上から好ましいことではございませんので、これを安定的に供給を図る意味で自主技術の開発を進めてまいったわけでございまして、既に人形峠で遠心分離法によりますウラン濃縮のパイロットプラントが運転中でございますし、その先に続きます原型プラントの建設準備を進めております。近く着手したいという状況にございます。それで、さらにこの原型プラントに続きまして民間の商業ベースでのプラントを建設するということにいたしておりまして、これは原子力委員会が定めました原子力開発利用の長期計画におきまして、昭和六十五年ごろに運転を開始いたしまして徐々に規模を拡大いたします。昭和七十年ごろには千トンSWU・パー・年、それから七十五年ごろには年間三千トンSWUという程度の規模とするように定めておるわけでございますが、こういった目標に向かって漸次濃縮ウランの国産化率を高めていきたいという計画を持っております。 それから、使用済み燃料の再処理でございますが、これは当然のことながら、燃え殻の中から燃え残りのウランが出てまいりますし、プルトニウムという新しい燃料も出てまいりますので、資源のない我が国ではこれを有効に利用していくということから、使用済み燃料を再処理するという方針を立てておるわけでございます。現在、国内では動燃事業団の東海再処理工場というものがございますが、小規模ながらここで再処理が行われておりまして、昭和五十二年以来現在までに約百七十四トンの使用済み燃料を処理しております。ただ、この施設は規模も小そうございますので、多くは外国に現状では依存するということになっておりまして、英国の核燃料公社、さらにはフランスの核燃料公社との間で、合計で約四千六百トンの使用済み燃料を再処理してもらうよう委託契約ができておるわけでございます。これによりまして、大体昭和六十年代の半ばごろまでは使用済み燃料の処理ができるという対応になっております。その後の使用済み燃料の再処理につきましては国内での再処理工場の建設、これは商業ベース、民間ベースで行うということで現在準備を進めているわけでございまして、先ほど来問題になっておりますように、青森県に立地するということで先般電気事業連合会長の方から青森県に打診したということで、この会社の再処理工場の具体化に一歩前進をしたという状況にございます。
○山田勇君 その核燃料サイクル基地の建設には、電気事業連合会は、四月二十日、青森県に立地の要請を行いましたが、核燃料サイクルの確立は、僕はやはりこれは国を挙げて取り組むべき緊要の国民的課題であり、青森県の方でも国の明確な対応を求める声が強いことを重視すべきであると思います。政府は、国のこの原子力政策に沿って、国家的プロジェクトとしてこの核燃料サイクル基地の建設を推進すべきだと考えるのですが、その基本方針を示していただきたいと思います。
○政府委員(中村守孝君) 先生御指摘のように、ウラン濃縮工場あるいは再処理工場、さらには低レベル廃棄物の敷地外貯蔵というものは、我が国のエネルギーの供給を支えていく上で極めて重要な施設であるわけでございまして、この点につきましては、原子力委員会が我が国の原子力行政を長期的にどう展望していくかという中で、これらの施設の重要性なり長期的な計画のあり方、こういったものについてお示しをしているところでございます。具体的な計画の中身につきましても、当然のことながら関係事業者から事情を聴取しつつ、国の核燃料サイクルとの整合性を図りつつ、いろいろ検討していかなければならない問題でございます。 ただ、立地の問題につきましては、個々に国が直接関与するというよりも、施設の責任者たる者がまず一義的には選定をし、地元の御同意を得ていく、その過程におきまして、国としても重要なプロジェクトでございますから、国として入っていくべきところには当然いろいろ応援をさせていただこうと、こういうことでございます。ただ、ただいまの段階では、まず当事者である事業者と地元の関係者との話し合いが先行すべきである、そういう状況にあると考えております。
○山田勇君 この核燃料サイクル基地の建設に要する公的資金の確保及びスケジュールについては、現在これは政府、今先ほど局長の答弁がありましたように、業者間でいろいろと今検討中と聞くので、これはまた後日この委員会で質問することにしますが、事業の重要性にかんがみ、政府の資金援助の充実を私は強く要望しておきたいと思 います。これは答弁は結構です。 それに続いて、核燃料サイクル基地の建設については、地元住民の理解と協力を得るのには、国が安全対策に万全を期すもとともに、地域振興に十分な対策を講じることが不可欠と考えます。政府は核燃料サイクルに関し、第一に安全技術の現状と今後の対処方針、第二には安全規制、この技術と安全規制上の対処方針についてどのような意見をお持ちでしょうか。
○政府委員(中村守孝君) ウラン濃縮再処理等の施設につきまして、一番安全性というものが問題になる。これにつきましては、私ども既に動力炉核燃料開発事業団におきます東海再処理工場あるいは原型プラント、ウラン濃縮のパイロットプラント等での運転経験を持っておるわけでございまして、建設並びに運転計画を持っておるわけでございますし、外国におきます再処理工場あるいは遠心分離機の工場等いろいろ実例もあるわけでございまして、特に工場の中でのいろいろ機械がふぐあいで生産が一時停止するというようなことは確かにございますけれども、人的な被害あるいは環境に対する被害、こういったものは今日までないわけでございます。そういった意味では安全性というものは十分確保されておるし、今後ともなお一層安全については留意し、慎重にやっていかなければならないと思っておるわけでございますが、さらに地元の方々の御不安等につきましては、必要に応じ、また十分な御説明等当然施設当事者からもしましょうが、先々政府としても地元の関係者方とお話し合いをするような機会がございますればいろいろ御説明をしてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、地域の振興方策につきましては、これまた現在電源三法によりまして原子力発電所等につきましてはいろいろな施策がなされておるわけでございます。再処理施設の建設等につきましては今後の問題でございます。まだ私どもも具体的にどうということを検討しているわけではございませんが、電源三法等の諸制度の適用ということも十分考え得る対象でございますので、地域の振興に役立つ問題であれば、そういった点も検討してまいりたいと思っておる次第でございます。 あと、安全規制面の取り組みにつきましては、また安全局長の方から説明いたします。
○政府委員(辻栄一君) 今般の核燃料サイクル構想におきまする商業用のウラン濃縮工場、商業用の再処理工場及び低レベルの放射性廃棄物の敷地外貯蔵施設、これにつきましては、いずれも原子炉等規制法に基づきまして安全規制をやりまして、これについては科学技術庁が担当していくということになっているところでございます。 具体的に個々に若干詳しく申し上げさしていただきたいと思いますが、商業用の濃縮工場につきましては、原子炉等規制法第十二条以降の諸規定がございます。これに基づきまして、加工事業の許可、この際には安全審査も行うわけでございますが、これを行いました後、設計及び工事方法の認可あるいは施設検査等の一連の安全規制を行うことを予定しているわけでございます。これについての安全の指針類につきましては、「核燃料施設安全審査基本指針」及び「ウラン加工施設安全審査指針」がございまして、これに基づきまして諸般の審査を行っていくということになっております。 次に、再処理工場につきましては、同じく規制法の四十四条以降の諸規定がございます。再処理事業の指定をまず行うわけでございますが、この際にも安全審査を行うわけでございますが、その後、設計、工事方法の認可、使用前検査、こういった一連の安全規制を行うわけでございます。これにつきましては、安全審査の指針が非常に問題になるわけでございまして、ただいま原子力安全委員会におきまして鋭意検討が進められているところでございます。既にまとめられましたものといたしましては、「核燃料施設安全審査基本指針」、それから「核燃料施設の立地評価上必要なプルトニウムに関するめやす線量について」、こういった指針類がございます。また、再処理施設の安全評価の考え方というのを現在、安全委員会の核燃料安全基準専門部会、そこの再処理施設小委員会というところで検討中でございまして、これがまとまりますればさらに詳細な基準についての審査を行うということを予定しているところでございます。いずれも再処理工場の具体的な立地が決まる時点までには間に合うようにということで諸般の検討を進めているところでございます。 また、低レベル放射性廃棄物の敷地外貯蔵につきましては、現行法のもとでは、事業所外廃棄ということで原子炉等規制法五十八条の二というのがございますが、ここで廃棄についての確認を行うということになっておりますので、その規制を適用していくということが考えられるわけでございますが、この点につきましては、敷地外貯蔵を含めました放射性廃棄物の陸地処分の進め方であるとか、あるいは安全規制のあり方につきまして、ただいま原子力委員会及び原子力安全委員会の各専門部会で鋭意検討が進められているところでございます。この検討の結果を踏まえまして必要に応じ所要の措置を講じていくという考えております。 いずれにいたしましても、今後の核燃料のサイクルの三施設につきましては、万全の安全規制を行って安全確保に遺漏ないように努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○山田勇君 最後にお尋ねしますが、この核燃料サイクル基地の建設について地元の理解と協力を得る上で障害となるのは、国の原子力行政に対する不信であります。これは言うに及ばず、青森県むつ市と国とが原子力船「むつ」の新定係港建設について交わしておりますこの五者協定が履行されない場合は、地元の原子力行政に対する不信は決定的となるということになります。これは、核燃料サイクルに関していろいろお尋ねをしたわけですが、地元の県会、市会、そして県、市の幹部の皆さん方と私ら話をする中で、やはりネックとなるのは、この五者協定が履行されるかということに対する不信感がかなりある。そういう形の中で、原子力船「むつ」の扱いについては、あえてきょうの委員会では長官にはお聞きしません。これは八月まで我々も待たざるを得ないと思います。これは何ぼ言っても長官を苦しめるような立場になるわけです。八月まで待ちますが、しかし、中川科学技術庁長官が地元へ入られてやられた、そして交わした、歴代の科技庁長官がやられた五者協定が履行されるかされないかが、この核燃料サイクルの基地の建設に大きな重要性を持つものですから、長官の御意見として、この五者協定は履行されるというふうに長官の方からもひとつ御答弁をいただきまして、私の質問を終わらしていただきます。
○国務大臣(岩動道行君) 原子力の平和利用を進めていく上で一番大事なのは、何といっても安全性を確保して、そして立地点における地元の方々の特別な御理解と御協力がなければやり得ないことでございます。そういうようなことで、先ほど来、核燃料サイクルについても、そのような観点から私ども重大な関心を持って事業者の進め方を見守っているところでございますが、青森県につきましては、「むつ」についてもそのようなことで、「むつ」のあり方については八月までに検討さしていただくということでございますが、それにいたしましても、いわゆる五者協定は政府と地元の関係者の方とのお約束でございますから、これは守っていかなければいけない、遵守したいと。そういうことで、大湊から「むつ」を移さなければいけない、そのためには港を関根浜につくる、このお約束は、結論がどうありましょうともやりましょうということで、既に五十八年度の予算の執行におきましても、昨年の二月から三月にかけまして若干の工事を着工いたしましたし、また五十九年度もそのような予算がつけられておりますのでそれを着実に実行していく、これが地元に対するお約束を守っていく一つの道であろうと思います。したがって私どもは、今後とも地元の御理解と御協力を、忠実に誠実にお約束を守ることによって信頼をさらに堅持してまいりたいと、かよ うに考えております。
○野末陳平君 先ごろ宇宙開発事業団が日本人の宇宙飛行士を公募しておりましたけれども、その応募状況ですが、男女別とか年齢とか職業別、いろんなデータがおありと思います。どんな特徴があったのか、それが知りたいと思いまして、第一次の選考結果などを踏まえてちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府委員(福島公夫君) お答えいたします。 宇宙開発事業団は、昭和六十二年にいよいよスペースシャトルを使いまして第一次材料実験をやるわけでございますが、ここで初めて日本人の宇宙飛行士が誕生するわけでございます。そういうことで、昨年の十二月からことしの一月まで募集を行ったところ、五百三十三名の応募がございました。男性が四百八十八名で、女性が四十五名でございます。年齢別に見ますと、二十歳未満が四名、二十歳代が百九十二名、三十歳代が二百七十名、四十歳代が五十九名、五十歳代が七名、それから六十歳を超えている人が一人と、非常にバラエティーに富んだ人たちが応募していただいています。職業別に言いますと、公務員が九十一名、会社員が二百二十八名、自営業が十二名、学生が八十名、その他百二十一名となっております。 これを書類選考をやって、四月にその書類選考の結果が発表されましたけれども、当初の予定を少し大目に超えまして、合格者が六十四名になっております。そのうち、男性が五十九名で、女性が五名となっております。年齢別に申し上げますと、二十代が十七名、三十歳代が四十二名、四十歳代が五名となっております。職業別に言いますと、公務員が十五名、会社員が二十七名、学生八名、その他十四名、こういうふうになっております。残念ながら、男女別の年齢別はちょっと聞いておりません。 我々としますと、カナダが集めたときには四千名ぐらい応募があったとか、ESA全体では二千名もあったという話でございましたが、英語という特別日本人には難しい言葉を使わなければならぬということを考えますと、西ドイツが七百名、フランスが四百名というのに比べると、五百三十三名というのは非常にいい状態であったんではないかと考えております。
○野末陳平君 そこで、これは書類の選考だそうですが、これから二次、三次とだんだん厳しくなっていくのでしょうが、やがて近い将来、正式決定を見まして、日本人宇宙飛行士の第一号ということになるんでしょうね。これはどうでしょうか、しっかりした、なかなかいい人材が確保できそうな感じですか。
○政府委員(福島公夫君) 事業団の選考方針で、最終決定されるまではどこのだれが応募している、あるいはどなたが合格しているということは発表しないことになっておりますので、私どももこれ以上の詳しいことはわかりませんが、ただそれでもどうだというのは、私もやっぱり関心が強いものですから、事業団の担当者にどうだどうだと聞いたところ、予想以上すばらしい人たちが来ている。そういう意味で、書類選考ではもう少し少なくして絞ろうと思ったところが、絞り切れないぐらいいい人が来ておる。特に女性五名につきましては、その中にもすばらしい人が入っているということでございますので、大いに期待してよろしいのではないかと思います。
○野末陳平君 そうなりますと、やはり推薦方式などをしないで公募というのは非常によかったのじゃないかと、今のお答えで予想はできるんですけれども、どうでしょうか長官、やはりこの第一次の結果だけで言う限り、これは期待どおりのことだったんですか、それとも期待以上だというふうな、その辺はどうなんですか。
○国務大臣(岩動道行君) 今、局長から申し上げたように、すばらしい人があって、これから二、三人に絞るのも大変難儀するんじゃないだろうかと思うような感じでございます。二、三日前にドイツのスペースラブの宇宙飛行士が私のところへ訪ねてきましたけれども、この人もすばらしかったけれども、それ以上の人が日本にいるんじゃないかというくらいに今私は考えております。
○野末陳平君 そうしましたら、これをきっかけに本格的に宇宙飛行士を養成するような機関でもつくって、日本もこれだけそんな人材がいまして、それで何人かに絞られちゃってというのはもったいないから、今度の公募の状況を踏まえまして、さらに本格的に前向きに生かすという方向はどうなんでしょうね。
○政府委員(福島公夫君) 今回は第一次材料実験ということでございまして、最終的には三名程度ということでございますから、非常にいい人材がいれば三、四名になるかもしれませんが、それだけを残しまして、ここで最終的に残った人は宇宙開発事業団の職員として採用することになっております。 これから難しいんでございますが、第一次と言うんだったら第二次、三次があるんではなかろうかという考えと、それから宇宙基地計画というのは、本当にこれに参加できるとすれば、また当然搭乗宇宙飛行士というのも必要になるわけでございます。特に宇宙基地計画につきましては、今回の第一次材料実験は一週間だけ宇宙へ上るわけでございますけれども、宇宙基地になりますと、できれば常時一人は乗せておきたいということで、恐らく三カ月か六カ月置きに交代させるとしてもかなりの人が必要になるということも考えられます。しかし、そこまでは今の段階では、財政当局ともまだ話が煮詰まっていない段階で余り先走ったことを言うわけにまいりませんけれども、そういう人たちをもし募集したとしても、今回の経験から見ると、かなりいい人が集まるのではないかなというように考えております。
○野末陳平君 昭和六十三年のアメリカのスペースシャトルに日本人の宇宙飛行士第一号が乗り込むという場合、これは大体どういう実験をやるようなことになりそうですか。今のところ何か有力な案というのはどんなものがあるんでしょうかね。
○政府委員(福島公夫君) どういう実験をやるかということにつきまして、実はかなり前から産官学の専門家から広くテーマを募集しておりました。約六十テーマというものが、これならいけるんじゃないかなという、考えられるんじゃないかなというテーマはあったれけでございます。現在私どもが持っております科学技術振興調整費というものがございますが、これも使いまして、宇宙実験に先立ちましていろいろと実験装置の試作試験とか、あるいは実験手法あるいは実験条件等を検討するための地上予備試験というようなものを行っておりまして、その段階でいろいろ実際やってみようとすると、こういう実験はできるけれども、こういう実験は難しいというようなことがだんだんわかってまいりました。 そういうことで、今後宇宙環境で十分な成果が期待できるテーマというものを三十ぐらいに絞ってみたいと考えております。三十テーマが全部一週間でやれるのかどうかということもまたこれからの問題ではございますけれども、その中には、例えば材料分野におきましては、地上だと非常に比重が大きく異なるためになかなかうまく攪拌できないために均一な合金というものができない、あるいは化合物の半導体というものをつくろうと思うときに非常に精度のいいものがつくれないというようなものが、無重力状態だと比重と関係なしによく混合されますので、こういったものをつくるのには非常に有利ではないかというようなことが考えられておりまして、そういうものは多分このテーマの中に取り入れられるのではないかと考えております。 また、今度は逆に、将来その技術を地上で物をつくるのにもう一度フィードバックして使う。例えばシリコンの結晶というものでございますが、シリコンの結晶成長、酸化メカニズムというものが、純粋な無重力状態で解明しますとその理論がわかりますので、地上でシリコンの単結晶を引き上げるときにも非常に有効に役立つといったようなものもございます。 それから、ライフサイエンス関係で言いますと、 いわゆる電気泳動装置を用いました生体の材料分離の技術、これは一つの例挙げますと、これが使われるかどうかは別としまして、牛の雄と雌の染色体、これは非常にわずかながら電気的な差異がございまして、これを電気的な電位の差をうまく利用しますと分離することができます。雌の方がいいらしくて、雌の方だけを集めて人工受精することによって乳牛がどんどんできるということになるわけでございますが、地上ではその電位差が非常に小さいためにどうしても完全には分離しないというために効率が下がっておるが、しかし無重力状態でやりますとそれがきれいに分かれるといったような例もございます。 そういったものが考えられているわけでございますが、まだ今申し上げたのが全部実際にやるかどうかということにまでは行っておりません。
○野末陳平君 個人的にも非常に楽しみにしているんですけれども、こういう未来の夢を追求するような宇宙実験については、やはり十分に基礎的研究を固めて、いい成果が上がるようにお願いしたいと思うんですよ。 そのためにも大臣にお願いしておきますが、産業界の協力というか理解というか、その辺がこれからますます必要になるのではなかろうかと思いまして、そこがいまひとつどうなっているのか心配でもあるので、その辺を今後どうしていくか、そのあたりの大臣の御所見をお伺いして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(岩動道行君) 先般、財界の宇宙関係の責任者の方々とお会いしたときにもその点を特に申し上げました。そして、どういうことに関心を持っているのかという話も伺ったのですが、やはりそういう無重力の宇宙の中で何かもうすばらしい物が出てくるのじゃないか、それに乗りおくれてしまったら大変なおくれをとってしまう、やっぱり行って乗って実験をして、そして新しい材料を見つけたいと、こういう気持ちが大変強いということをおっしゃっておる方もございました。したがって、日本人はそういう点においては人後に落ちないパイオニア精神を持っておりますので、これからユーザーの方とお話し合いをして、そして参加をしてもらって、お金も出してもらう、こういうことの方にこれからまた努力をして、官民挙げての成功へ向かっての道を探っていきたいと、こう思っております。
○委員長(高木健太郎君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 次回は五月九日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時散会 ―――――・―――――