運輸委員会 第5号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1984/04/19
会議録
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○瀬谷英行君 大臣にお伺いしたいのでありますが、国鉄の問題を考える場合に、累積債務をどうするかということの処理が決まらない限りは、いかに臨調の答申があったとは言いながら、分割民営などと言ってもどうにもならぬであろう、こういう気がいたします。 したがって、この累積債務の処置を一体どのようにされるということであるのか。また、監理委員会等の意見というものを、これを聞くまでは大臣としては答弁ができないというふうに言われるのか、監理委員会とはどういうふうな接触でもってこの問題を処理されるように考えておられるのか、その点を最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 国鉄のいわゆる長期債務、累積債務でございますが、これは五十九年度の予算によりましても約二十二兆円ということでございます。一種のサラ金、いわゆるサラ金のようなかっこうで借金の利払いとその返還に追われるということで、いろいろの合理化をやりましてもこの問題が解決しなければ国有鉄道の再建はできない、また、働く人たちも意欲を失うような状況になる、こういうことが言えると思います。また、臨調答申にいわゆる分割民営化というようなものをやるにいたしましても、この問題についての処理が行われなければこれはなかなかむずかしいと思うのでございます。 こういう点から、政府といたしましては、国鉄再建監理委員会でこの問題を、分割民営化の問題を、その他国鉄の改革案とともに扱ってもらうということにいたしておるわけでございますけれども、それでは再建監理委員会に任せっきりでいいのかと申しますと、私はさようなものではないと考えております。政府としてもいろいろ考えまして、再建監理委員会と連絡を十分とる、そして再建監理委員会の答申にもこの考え方を反映してもらうということでなければならないと思っております。また、私の意見では、国有鉄道もこれはやはり企業者の立場から、専門家でございますから、これをどうしたらいいかということを考えてもらいたい、そしていい工夫があれば工夫をひとつ出してもらいたい、これは国民総裁にも実はお願いをいたしておるのでございます。 私ども運輸省といたしましては、この仕事は一応津島政務次官を中心に、長期債務をどうしたらいいかということの検討を既に開始を実はいたしておるという実情でございます。
○瀬谷英行君 やはりその再建問題と密接な関係がありますが、青函トンネルの問題について最終報告書が、運輸相の諮問機関青函トンネル問題懇談会から発表されておりますが、結局鉄道を利用する以外に方法がない、これはだれが考えたってそうだろうと思うんです。これは予想されたような結論のような気がするわけでありますが、さて一体、この八百億の金をだれが負担し、どうやって返済をするのかという問題とかかわってくるわけなんですが、第三セクターにするにいたしましても、例えば広軌一メートル四十三センチ半の軌条を敷くということになると、トンネルの間だけこの広軌の線路を引いてそこにカートレーンを走らせるといったようなことで採算が合うかどうか、ちょっと疑問な気がいたします。 もしこのトンネルに広軌の軌条を敷くということになれば、今盛岡どまりの東北新幹線が盛岡だけでとどまっておったのではこのトンネルとのつながりがないわけでありますから、当然そうなれば、盛岡から東北新幹線をここまで延ばして、北海道のどこまでつなぐかは別といたしまして、北海道まで青函トンネルも通れるようにするということを、これはいや応なしに考えざるを得ないと思うのでありますが、それらの点について一体政府はどのようにお考えになっておるのか。それから、この答申をどのように取り上げるお考えなのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 実は昨日、青函トンネル問題懇談会、これは運輸大臣の私的諮問機関でございますが、座長が新日鉄の斎藤英四郎氏でございます、答申を実はいただいたばかりでございます。新聞等に出ておりましたのでよく御存じだと思いますが、結論的には、鉄道として使うべしということになっておるのでございます。しかし、どのような方法で使うかということについては、おおむね三つの考え方がございまして、そのいずれがいいかということについては、まだいただいたばかりでございますから、これから検討をいたさなければならないと考えております。 いずれにいたしましても、この青函隆道は世紀の偉業と言われており、鉄道技術の粋を集めてこのトンネルを掘り上げたわけでございます。もう来年は本隧道が全通するというところまで来ておるわけでございます。私は、昨日の懇談会でも申し上げたのでございますけれども、この青函トンネルというものを使うということは、やはり国の立場、国土の高度利用という立場、北海道開発、北海道の立場、こういったような高度の物の考え方をしないと、経営、採算というような面だけで考えていくのではこれはなかなか成り立つものではない、かように思うわけでございます。そういった大きな立場から考えて、いかにすることがいいのかということだろうと思うのでございます。 経営形態につきましても、答申の中に一部触れられておりますが、先ほどの第一問で御質問になりました長期債務の処理の仕方、あるいは今後の国鉄の経営形態の問題、こういうものとも実は関連をこれは持っておると思います。これは、国有鉄道の二十二兆の長期債務の中には、青函トンネルほどではありませんけれども、似たような性格のものがかなりな部分を占めておるわけでございますね。ですから、これに対応する対策を考えると同じようなことが青函トンネルについても考えられなければ、これをただ単に国鉄で、開通したから借り料を払ってやれと申しても、これはもうとてもとてもたまったものではない、こういうことなんだと思っておるのでございます。 したがいまして、この青函トンネルをどう利用するかはまだ決定しておりませんが、利用するとすれば何らか特別の措置を講じなければ、これをこのまま赤字国鉄に押しつけて、国鉄がただ借賃約八百億を払ってやれということではこれはだめである。懇談会の方の答申もさようなことに相なっておりますので、そういう全体のこととあわせながらこの問題に対処してまいらなければならない、かように思っておる次第でございます。
○目黒今朝次郎君 国鉄問題に関連して、四月の十二日、北海道の自民党から共産党に至るまでの全国会議員、それから知事、首長あるいは各市町村会の議長さんなどが集まりまして、いろいろな理屈があろうとも北海道としては特に第二次ローカル線の廃止は絶対了解するわけにはいかぬという強硬な申し入れをされておるわけでありますが、それほど北海道の問題というのは深刻な問題を抱えておるわけであります。 そこで、今大臣の手元にやりましたのは、動力車労働組合の北海道の皆さんが約一年半、長くは二年ぐらい各線区別に全部洗いまして、最終的に北海道民の期待にこたえるためには、労働組合でありますが、多少労働条件の簡単に言えば切り下げがあったにしても、骨を切る思いをしても、この際道民のためにレールを残そう、そういう努力をしておるものであります。 それで、具体的に、今大臣のお手元にやりましたが、二枚目の共摘要求というところがありますね。この中には八項目書いてあるわけであります。端的に言うならば、単車運転あるいはレールバス、場合によっては運転士が切符を切ることもあるであろう、あるいは車両清掃、簡単な検査、修繕、信号の取り扱いなどなどについて、今機関士として持っている技術を一〇〇%発揮して住民の要求にこたえていく、そういうことで具体的な運動を起こしている。大臣にやった手元の右の方に線区別要求、士幌線と書かれておりまして、この士幌線の三番などについては、ここに臨時の踏み切り、住宅街がどんどんできておりますが、ここにやっぱり臨時停車場を置くとか、あるいは四番の、帯広−糠平間はお客さんがいないからこれは列車を減便するとか、そういう形で、お客さんが来るには老人や身体障害者が不自由しないように発着線を一番に変えるとか、随分きめ細かい、農協あるいは商工会あるいは学校、観光協会などなどによく話して線区別に全部ダイヤをつくっておるでしょう、ダイヤ。この時間は三両運転、この時間は一両運転、そういう形でやっていこう、全部線区別にありますがね。次は広尾線、池北線、約一年半から二年かかったんです。 こういう形で、労働組合としては言いにくいんですが、労働条件を切り下げてもこの際地域住民の要請にこたえて鉄道と地域住民を結んでいこう、そういう要求も地区でやっておるわけです。 この問題について、前段で申し上げた自民党から共産党まで含めたオール国会議員、全部の市町村がこれだけ熱烈な情熱を持っている北海道のレールの問題について、直接、運転をする乗務員がそこまで切り下げても、場合によったらレールバスでもいい、そういう形で取り組んでいこう、こういう悲壮な決意をしているんですが、聞くところによると、北海道総局は、この文書、申し入れをもらっても、本社なり運輸省から、そんなものに絶対交渉に応じてはだめだ、こう言われているというんで、こういう問題が出ても全然乗ろうとしない。ですから、私は各局が、特に北海道を中心にこの問題については、運輸省は運輸省なりに、国鉄は国鉄なりに、この問題についてテーブルに着いてやっぱり議論してみる、そういうことについてひとつ前向きに検討してもらいたいなあ、こう思うんですが、大臣と総裁からおのおの考え方を聞きたい、こう思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 先般一部新聞でも報道されました。今実物も、今というよりも、拝見をいたしたのでございますが、北海道の動力車労組からの提案は、私はこの提案そのものとしては極めて高く評価いたしたいと思っております。恐らく日本の労働組合、国鉄の労働組合の中からこのような意見が、ここまで徹底した意見が出たことはいまだかつてなかったのではなかろうか。みずからの勤務条件の悪化ですね。労働組合の側から言えば。悪化もひとつ耐え忍んでやっていこうじゃないか、こういうところまで来ておると思うのでございまして、そういう点ではまことに敬意を表する次第でございます。目黒先生の御指導も大変私はいろいろこれが出るまでにあったのではなかろうか、かように存じておるわけでございます。 この第一に書いてございます——皆さんはこの資料をお持ちでないので目黒先生にお答えをするわけですが、第一の、「北海道の地域開発、観光開発、沿線住民の足を確保し、乗客を国鉄に呼びもどすために、地方交通線の見直しをはかること。そのために、」ということで「その他」まで含めて九項目挙がっておりますが、これはもう全く私は、国鉄のローカル線についてこういうことをやれということを私の本にも書いておりますし、常に言っておることそのものでございまして、こういうふうにやらなければならない。こういうふうにやってこそ初めて地域の鉄道になる、住民と密着した鉄道になる、国民の足になる、こう思っておるわけでございまして、全面的にこれについては私は結構なことで、やらなければならぬことだと思っております。鉄道を鉄道として残すならばこれをやらなければいけない。鉄道をバスにかえるということ、そういう線もありますけれども、鉄道として残すならばこうしなければいかぬ、こういうことだと思っております。そのためには労働条件を一部いろいろ考えてもいいというところまで、これは大変な飛躍をここでしておると思います。 ただ、ここで私ども考えていただかなければならぬことは、このこと自体は私は高く評価しますが、再建特別措置法で地方交通線については、一応政令の範囲で指定したもの、これについて、釈迦に説法ですから私が申し上げるまでもありませんが、協議会を開いて相談をしていただくという仕組みになっておるわけでございます。相談も長ければ二年間、早ければ早いほどいいわけですが、御協議をいただくということになっておるわけでございます。ですから、この法律に従って協議会を開いていただいて、国鉄のままでやってもここまでやれば人がこれだけ余計乗るではないか、これだけ経費が下がるではないかというようなことをこの協議会の中でご議論をいただいて、これは結果的には政令以上の線になってしまうじゃないかということになれば、これは問題がおのずから非常に違ってまいるわけでございます。こういうことでございまするので、私は、国鉄当局と勤労とで御相談願うということはこれは、それも必要かと思いますけれども、とりあえずの措置としては。しかし、今実は第一次線、第二次線として指定しておるものについては、これは協議会の場で御相談を願う。それ以外のところで大いにこれはやっていただきたいんですよ。指定になっておらぬローカル線でこれをやってもらうとうんと違ってまいると思っておるわけでございます。 大体、率直なところを申し上げてさようなところでございます。
○説明員(仁杉巖君) 私も、今大臣から御答弁がございましたが、全面的に同じ意見でございまして、この具体的な提案に対しましても決して私どもが拒否するというような態度ではございません。 ただ、過去いろいろな経験もございますので、個々の問題につきましては、また北海道総局と勤労の御意見との間でいろいろ御協議を願うということだと思います。 全般的な問題といたしましては、大臣も最後に申されましたが、やはり第一次、第二次地方線の問題につきましては、今法律に基づいていろいろな処置が進められているわけでございますので、やはり協議会の席でいろいろ御協議願う。事実、協議会の席でいろいろな施策をとるということによって旅客がふえた、そのために協議会を中断しているという例もあることは先生も御承知のとおりでございますので、お互いに相協力いたしまして進めてまいりたいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 協議会がある、それは私もわかっていますが、しかしこの問題について、協議会は形式的にあるとしても、その協議会の中身を濃いものにすると、実りあるものにするという問題は、やっぱり国鉄の労使とそれから沿線関係、関係団体だと思うんですよ。 だから、今北海道の例を言いましたが、これがあるんです、これを見てください。これはうちの組合が足で歩いてつくった足尾プロジェクトですよ。これは、都民村をつくるとか、フルートレーンホテルをつくるとか、もう町の当局で古い機関車を使ってそこに客車を持っていって、寝台車を持って、そこでレクリエーション用の村をつくって、それで東京都とも話をつけて、町の方は土地を提供しますと。そこまでうちの組合が足で歩いてやっているんですよ、これは、こんな立派なものをつくって。こういうのを各線つくっているんですよ。ところが、これを高崎管理局に持っていくと、もう本社の意向があるからなかなかだと、こういうのが現状なんですよ。 だから、協議会はありますが、その協議会があることは否定しませんが、それを中身あるものにするためには、こういう勤労の提案について線区別に具体的に話に乗る、話に乗って労使が一定の合意に達すれば、それを協議会に持ち返して、これはバス転換しなくてもこのままでやっていけるということを、もう一回協議会から国鉄なり運輸省に、再検討してほしいということを協議会の意向として戻してくると思うんですよ。問題は、労使がどういうダイヤをし、どういう車両の運用をやり、どういう乗務員の運用をやり、どういう運営の形態をするかということを根本の労使が詰めない限りは、これは協議会を何ぼやったって空転しますよ。 だから、協議会にかかっている問題ででも、総裁が言ったとおり、前段として、こういう線区別の申し入れがあった線区については具体的に地方で交渉に応ずる、交渉の経緯を尊重しながら、見ながら、いわゆる協議会があれば協議会に持っていってそこでまたお話をするというふうに、運用面で十分にかみ合わせる、こういうことを北海道あるいは高崎、このほかにも私持っています、各地方で多少の時間のずれがあっても全部線区別にうちの組合員が足で歩いて調査していますから。そういうことについて交渉に応じてもらって、必要があれば協議会での関連は十分に労使で考えていけばいいと、こう思いますから、そういう運用についてひとつ総裁、きょうは時間がありませんからそのことだけお答え願いたい、こう思うんです。
○説明員(岩崎雄一君) 大きな問題について協議会で御相談申し上げることは大臣、総裁から申し上げましたとおりでおりますが、この中身になります技術的な問題点については、現在の地交線の状況に照らして具体的な施策がそれに見合う果実が期待できるかどうかというようなことも含めまして、十分に検討する必要があろうかと思います。そういう意味で、検討の上労使の交渉が必要なものについては交渉していくと、そういうことではないかというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 私は、この大事な段階で公労法の交渉とかなんとかということを言っておったら話にならぬ。片方はあんた、腹を切っても守ろうと悲壮な決意なんですよ。そんな形式にこだわらないで、職員が足で歩いて持ってきたいろんなアイデアについて、管理局長は率直に意見を聞いて、どうすればいいかということぐらいは総裁、そんな形式にこだわらないで、やっぱり話は話としてなるほどなと、いいところはやっぱり取り上げてやるというぐらいの度量と雅量が今日の国鉄を救うには絶対必要だ、そんな形式論ばかりやっていてはどうにもならぬと、こう思うもんですから、総裁からひとつそういうことを含めて、中身について指導するということでお願いしたい。どうですか。
○説明員(仁杉巖君) 今、先生の御指摘がございましたとおり、いろいろ組合の方から御提案をいただくということは画期的なことであるというふうに思っておりまして、できるだけ正面から取り組むように指導をいたすつもりでございます。
○瀬谷英行君 議事進行。 大臣が衆議院出席の関係がございますので、速記をとめて協議をさせていただきたいと思います。
○委員長(矢原秀男君) 速記をとめてください。 〔午前十時二十四分速記中止〕 〔午前十時四十七分速記開始〕
○委員長(矢原秀男君) 速記を起こして。
○安恒良一君 多少古い事件になるかもしれませんが、ことしの二月十八日の朝日新聞に首都高速道路における過積載、運転手のいろいろの事故の問題が出ていまして、これは新聞が特に取り上げておりますのは、事故による渋帯により一億一千五百万円も経済的損失を与えた、こういうことで警視庁の交通部が初めてこういう計算をしたいということを新聞は強調しているわけです。 そこで私は、その記事の中身を見ますと、国民的経済的損失を与えたことも非常に重要でありますが、実は三つの問題点を含んでいると思うのであります。この新聞はお持ちだと思いますから省略しますが、その中で一つは、三重県の業者が千葉から名古屋、大阪へと運んでいる、いわゆるこれは区域外運送違反の問題であります。二つ目には、一トン当たり四千五百円から六千円という運賃は、現行許可運賃の六〇%程度であるというふうに考えます。もちろんこれは帰りの荷物運賃としてもダンピングでありまして、まずこれは運賃料金違反であるというふうに私は思います。三つ目には、運賃値上げができない、その穴埋めに過積載で補おうとするいわゆる過積載違反である。 まさにこのような事件は、今日、トラック運送における輸送秩序混乱の見本そのものであるというふうに考えますと同時に、これは氷山の一角であるというふうに私は事実上思うわけであります。ですから、このような各種の違法行為が横行している事実について、運輸省としてはどのように実態を把握し、どのようにまず認識をされているのか、そのことについて運輸省の認識についてお聞きをしたいと思います。
○政府委員(角田達郎君) ただいまのお話は、堀江運輸という三重県を事業区域とする事業者が十二月七日、首都高速道路五号線で事故を起こしまして、その事故の内容が、ただいま先生御指摘のような、区域外運送あるいは運賃のダンピング、それから過積載というようなことが重なってこういうような重大な事故を起こしたということでございまして、私どもとしては輸送秩序の問題今真剣に取り組んでおるわけでございますが、こういうような事故につきましては非常に遺憾な現象だというふうに思っております。
○安恒良一君 ただ単に遺憾だけではなくして、今おっしゃった堀江運送についてはどういうふうにされたんですか。
○政府委員(角田達郎君) 本年の二月の一日、それから二月の二十七日、二回にわたりましてこの堀江運送に立入検査を実施いたしました。その結果、区域外運送、過積載違反等の事案が認められましたので、四月の十三日付で名古屋陸運局で車両の使用停止処分を決定いたしまして、近くナンバー領置等の執行をする予定でございます。
○安恒良一君 昨年の四月二十一日、本委員会におきまして輸送秩序確立に関する決議を行いました。その決議の中で、事業者に対する監督指導の強化、違法行為の防止に努めること、法令違反行為に対しては厳正な処分などについての措置を強力に進めることを本委員会の決議は求めておりますが、そこで、これまでの事業監査の実施状況、それから違反並びに処分の状況はどうなっているのか。資料をいただいておりますから、最近の新しい結論のところだけを時間がありませんのであれしていただきたいと思います。
○政府委員(角田達郎君) 一番新しいので私ども数字を持っていますのは五十七年でございますが、監査対象事業者数は二千四百二十九でございまして、それに対して処分をした事業者の数は六百三十五件と、こういう状況でございます。
○安恒良一君 今日のトラック運送業者の数はもう御承知のとおりだと思います。その数に比べまして、今局長が言われましたところの監査件数で、本当に十分な監督指導ができているんだろうか。 それから、ちなみにここ数年間の監査件数を見ますと、大体多いときで三千件、ほとんどが今局長が言われた二千二、三百件が監査対象事業者になっておりますが、私は今日のトラック運送業者の数に比べて、昨年せっかくそういう決議をしたにもかかわらずに監査件数が上がってないし、それから十分な監督指導体制ができているというふうには考えておりませんが、この点についてどのようなお認識をお持ちなのか、さらにどうしようとされるのか。
○政府委員(角田達郎君) ただいま先生御指摘のとおり、監査対象事業者数は年間二千ないし二千五百件、多いときでも三千件ということで、トラックの事業者三万五千件に対してそういうような数字でございます。したがいまして、事業者の総数からすれば監査の数というのは必ずしも十分というふうには私ども思っておりません。 そこで問題は、その監査の実施の、監査の中身の質でございますけれども、計画的にまた重点的に監査を行う必要がある、それから悪質な違反行為に対しては厳正な処分をしまして、またそれを公表するというようなことで、監査を受けた事業者はもとより、広くトラック運送業界の輸送秩序の改善に資するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○安恒良一君 そのような重点的もしくは悪質な業者に対する十分な処分、こういうことも十分必要であると思いますが、私は、十分な監督指導を行うためには、おのずからそれを可能とする体制を確立する必要があるんではないかと思います。 そこでお聞きをしておきたいんでありますが、これも資料をいただいていますが、運輸省の地方機関を含め貨物関係の監督指導を行う要員数は何人なのか、一番新しいやつ。 それからまた、貨物輸送監理官を配置しているが、それを増強する予算措置がとられてないのはなぜか、増員する考えがあるのかどうか。既に今年度予算は成立をしておりますが、今年度予算を中心に今言った問題について御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(角田達郎君) 第一点の貨物関係を、トラック事業関係を扱っておる職員の数でございますが、最近の数字では二百四十名前後ではないかというふうに私は承っております。 それからもう一点の貨物輸送監理官、これは貨物運送事業を直接取り締まっている担当官でございますが、これが五十八年四月一日現在では全国で十九名でございます。これに対しまして、これをもっと強化しなきゃいけないということで、五十九年度予算で四名の増員の要求をお願いしたわけでございますが、それが全部認められたわけではございませんが、二名の増員が可能になりまして五十九年度からは二十一名という体制で臨んでいるわけでございます。
○安恒良一君 そこで大臣にあれをしなきゃならぬのですが、どうしても私は、監督指導体制の強化をするためには、監理官の増員を図らないとできないと思うんですね。今私の手元にあるやつで陸運局別に見まして、十九名しかいない。たった十九名ですよ。それを四名、せっかく運輸委員会であれだけの立派な決議をしたんですが、四名増員を要求したというんですね。まあ、要求の四名もお粗末だと思うんですがね、数が。ところが、それをまた半分に削られて、二名しかふえないと。ところが、監督対象は三万からあると。しかも、私が新聞で申し上げたようなそういういろんな違反の事実が数々起こっている、こういうような中身ですね。 なるほど行財政改革、小さな政府、安上がりの政府ということはわからぬわけじゃないんですが、そのこととこういうような必要な、しかも国会で自民党から各党まで満場一致で決議をしたことなんですから、そのことの実行について、まあ四名要求したらたった二名で、それでも五〇%とったとおっしゃるのかもわかりませんけれども、そこらではなかなか私は、こんなことをやっておったんじゃいつまでも輸送秩序の確立ということはできないと思いますが、ここのところは大臣のお考えなり今後の御決意なりをちょっとお聞かせ願いたい。
○国務大臣(細田吉藏君) 私も数年間、全日本トラック協会会長も実はいたしていまして、この貨物輸送秩序の問題というのは非常に難しい、しかも非常に重大な問題でございます。本院からの決議についてもよく承知いたしておるところでございます。私はやはり、基本的にトラックというものの持っておる重要度がもう非常に変わってまいっておる。特にことしの二月、鉄道の貨物輸送の大変革がございましてまた様子が変わってきて、状態がよりひどくなってまいっておるのではなかろうかと、かように思っておるのでございます。 したがいまして、今増員についてのお話がございましたが、私どももちろん不十分だと思っております。しかしながら、これについてはさらに努力を続けてまいりますけれども、役人の数をふやすことによってこれに対応するということにはおのずからもう非常に限界があると思っております。どうしてもこれは業界が、各県にトラック協会があり全国に全日本トラック協会がございますが、協会がそれこそ最大の仕事としてこの問題を取り上げなければならない。自衛上も、トラック業界の自衛上もこれをやってもらわなきゃならぬのじゃないか。そういうことで、後からの御質問にも出るのかもしれませんが、その方面で相当の人間の数も増すし、やり方についても考え直していくということが今全体に必要じゃなかろうか。 役所の方は増員しないとか、役所が逃げるという趣旨ではございません、その方も大いに努力いたしますが、なかなかこの行政機構改革、行政改革の中で自動車のこれだけ乱れた輸送秩序に立ち向かうというのは、これは容易ならぬことなんでございまして、その方もやりますけれども、あわせてやはり業界が自粛をする、そして自衛をしてもらうということに一層の力を入れたい、かように存じておる次第でございます。
○安恒良一君 私は、すべてを役人でと言っているわけじゃないんですが、何しろ十九名や二十一名ではどうにもならないんじゃないでしょうか。だから一方これらについてもやはりふやすようにしてもらわないといけないだろうということを申し上げているわけですから、誤解がないように。 そこで、今大臣もちょっと触れられましたが、運輸省は、昨年の六月七日に、トラック協会に対しまして輸送秩序改善指導員を増員するようにという指導をしているようでありますが、その後の経過はどうなっていますか。
○政府委員(角田達郎君) ただいまお話しの輸送秩序改善指導員は、五十七年度末で全国で百十六人ということでございます。これに対して、陸運局長から委嘱しているわけでございますが、五十八年度中に、一県を除く、一県と申しますのは熊本県でございますが、これを除くすべての都道府県トラック協会において増員がなされておりまして、この熊本につきましても近くこれは五月中には増員が完了すると思いますが、五十九年度におきましては、陸運局長からの委嘱を受ける指導員の数は百六十三名、こういうふうに私ども計画をしております。この百六十三名に対する陸運局長の委嘱につきましての予算措置は、五十九年度予算案に計上されておるわけでございます。
○安恒良一君 私の手元の資料ではこれは百十五の数字があるんですが、五十八年は幾つになったんですか、そして五十九年が百六十三になるんですか、ちょっと言ってみてください。
○政府委員(角田達郎君) 五十九年度は百六十三名になるわけでございます。
○安恒良一君 五十八年は何……。
○政府委員(角田達郎君) 五十八年は、五十七年度末、つまり五十八年の三月末日現在で全国で百十六名と、こういう数字でございます。
○安恒良一君 そうすると、百十六名が百六十三名に増員をされる、こういうことですね。 私は、運輸省みずからが専門官を増員せずに、民間の団体であるトラック協会の指導員の増員を、陸運局長が業務を委嘱する、こういうことはどうかと思いますが、まず運輸省自体もやはり増員に努力する、一方、大臣も言われましたように、役人だけではとても十分でありませんから、トラック協会の方に輸送秩序改善指導員の増員を要求していく、こういうふうにきちっとやっていただきたいと思います。そうでないと、私は、民間の輸送秩序改善指導員だけの力によって輸送秩序の確立のための監督が十分に機能するというふうに思えないのです。この点はどう思われますか。私は、ここはふえることも結構ですが、やはり輸送秩序確立に向けての監督指導の十分な機能を発揮するためには、民間がふえると同時に専門官がやっぱりふえていくということがないと十分な監督指導の機能を果たし得ないものだと考えていますが、そこらはどうなりますか。
○政府委員(角田達郎君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、私どもの職員の数、貨物運送、トラック運送事業者を監督する職員の数自体につきましても、これは今後も増員の努力を続けてまいりたいと考えております。それから、それと、業界のただいま御説明しました輸送秩序改善指導員の増員につきましては、今御説明しましたとおりに、増員を図るように業界を指導してここまで持ってきたわけでございますが、問題は、この指導員とそれから私どもの輸送監理官との連係動作でございまして、この輸送秩序改善指導員がやはりそれなりの効果を上げるためには、いろいろな情報をこの指導員が持ってきてくれる、それに対して、それを真剣に受けて取り組む我々の方の、陸運局、陸運事務所の輸送監理官を初めとする関係の職員の熱意と努力ではないかと思います。 先ほど申し上げましたようなことで、一応の体制は、できるだけの体制はつくったつもりでございますが、今後ともこれが本当に機能するように、指導員とそれから我々の方の職員との連係動作をきっちりとやるようにこれから指導を強めてまいりたいというふうに考えております。
○安恒良一君 私は、この運輸省の監督指導体制の強化、すなわち、監理官を増員を図ると同時に、トラック協会の指導員に対して、資格権限の付与などについて、付与する、そういうことで、官民が一体となった体制強化を考えるべきであるというふうに思いますが、トラック協会指導員の資格と権限についてはどういうふうに合され、どのようにこれから——私はやはりこれを強化をしていかなけりゃ、数をふやしても権限がないとなかなかこのことができないと思いますが、そういう問題点についてどのように考えられていますか。
○政府委員(角田達郎君) 輸送秩序改善指導員につきまして権限を付与する問題でございますが、これはやはり、身分は民間の方でございますので、この方々に法的な、例えば立入検査等の権限を付与するというようなことにつきましては、なかなか法制上も問題があろうかと思っております。この指導員につきましては、ほかのいろいろな類似の制度を参考にいたしまして陸運局長の委嘱という組み立て方を今しておるわけでございますが、これに、ただいま申し上げましたような立入検査とかいうような法的な権限を付与するのはなかなか難しい。そこで私どもとしては、先ほども申し上げましたように、この指導員がいろいろな調査をし、情報を持ってきていただく、これに対して私どもの輸送監理官を中心とする関係の職員がこれに真剣に対応いたしまして、その情報なり調査結果に基づいて適正な立入検査をし、あるいは厳正な処分をしていく、こういうようなことでこれからも対処していく必要があろうかというふうに考えております。
○安恒良一君 大臣、これは、このところを大臣にぜひ研究してもらいたい将来の課題として私は申し上げておきたいと思いますが、業界みずからに自浄能力を発揮させることが必要だ、こういうことを大臣も強調されました。これだけ業者が多いし、役人の数からいって、私はこの事業者団体に対して監督指導の権限の一部をやっぱり付与して、特に今言われたようにいわゆる輸送監理官というのは、ふえてこれで二十一人なんですよね、二十一人。片っ方の指導員は、今お聞きをすると、今回は百六十三人にもなるわけですね。百六十三人と二十一人の間に情報を密にして、それから、と言っておったのではなかなか私はうまくいかないと思うんで、ですから、権限の一部を付与をして、大臣がおっしゃったように内部から規制を図ることについて、もう検討すべき時期に来ているんではないかと思います。 例えば、御承知のように、類似したものとして労働省に労災防止指導員という機構がございます。そういうもの等を参考にして、やはり今立入検査なんかはどうも民間のあれにと言われても、せっかくこれだけの人に付与しておるのに立入検査はあれしかできないなんということじゃね。恐らく私は、この指導員について一応陸運事務局長が立入検査のあれを与えておると思うんです。実質的には、もしくは指導官を伴ってとかなんか書いてあると思うんでありますが、私はもう、三万幾つの業者がおって百鬼夜行、まさに百鬼夜行。それをするために業界からもこれだけの百六十三名を委嘱するんですから、その人が本当に輸送秩序改善指導員として機能が発揮できるように権限の一部をやっぱり付与してやって、そして大臣がおっしゃったように、業者みずからが自浄作用をするという方向にも考えるべき時期に来ていると思いますが、大臣、この点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(細田吉藏君) おっしゃるとおりだと思います。したがいまして、どの程度の権限、どの程度の機能が与えられるかということにつきましては、これは何といっても民間に委嘱するわけでございますから、役人と同じというわけにはまいらないと思いまするけれども、何らかの方法が考えられないか十分検討をさせていただきたい、かように考えております。 なお、一言つけ加えて申し上げますと、この輸送秩序問題というのは、先ほどもお答えいたしましたけれども、実はもう一つ奥に根があるわけでございまして、これは荷主さんの協力を得なければ実際はできないのでございます。片や荷主さんは、ダンピングを、そして過積みを非常に強く求められるわけでございます。それに弱い運送業者が結局生きていくために無理と知りながらいろいろやるという問題がございまして、ここらの根本問題もあわせて解決してまいらなければならぬ、荷主の協力というものを基本的には考えてもらわなきゃならぬ、かように思っておる次第でございます。
○安恒良一君 もちろん大臣御指摘のとおりで、それがために昨年いわゆるこの本委員会において、その荷主の協力のところまで含めて八つの決議がしてあるわけですから、その決議を忠実に行政としてどんどんやっていただければ、大臣の御指摘のところも解決ができるわけです。そういう意味で八つのことを本会において満場一致で決議していますから、どうぞひとつ。 そこで、次は労働省関係で、ちょっと運輸省にお聞きをしたいんですが、御承知のように、これはもう時間がありませんから私の方で数は申し上げていきますが、八三年三月三十一日現在で、二輪車を除く自動車の中でトラック関係が千四百七十八万四千百四十六台あると。もう中身を言う時間がありませんが、運輸省統計ではこれを大体八百七十七万台を対象にされているようでありますが、その統計を見ますと、八二年四月から八三年三月までで五十一億七千百六十二万トンの貨物輸送がされています。国内貨物輸送の九〇%をトラックが運送している、これは運輸省の中の資料。そこで、これを営業用トラックに絞りますと、いわゆる路線事業で働いている人、その他区域で働いている人、この数がちょっと私は八一年の資料しかありませんから、一番新しい資料でトラック運転手がどれだけおるか、ちょっと報告をしてください。
○政府委員(角田達郎君) ただいま先生のお持ちの資料が最新の資料だと思います。今いろいろ調査いたしましたが、最新の資料が陸運統計要覧で五十八年度版で出ておりまして、これが五十七年三月三十一日時点の数字でございます。その数字で申し上げますと、路線トラックに従事している者が六万三千七百二十五、それから区域トラック事業に従事している者が四十九万六千八百七十七名、こういう数字がただいまのところ一番新しい数字でございます。
○安恒良一君 私も八一年ですからちょっと古いなと思って聞いたんですけど、それが新しいということならやむを得ません。 そこで、そういう労働者がおると。ところが、これは営業用でございまして、自家用トラックの中でトラック輸送に専任をしている労働者の数を入れると、さらに大臣、この数は大きな数にこれはなるわけであります。 ところが問題は、この労働者の労働実態は非常に過酷なものでありまして、各種の調査がございます。賃金、労働条件等々の調査がありますが、特にその中で、時間問題において非常に不規則、長時間労働がいわゆる常態化をしている。その統計資料は、これも時間がありませんから私の方から申し上げますと、労働省の毎月勤労統計調査、運輸省の自動車運送事業自動車運転手の実態調査の結果、それからトラック協会が出しています。それから東京都労働経済局など各県の調査もございます。さらにトラック労働者で組織しております運輸労連の実態調査もございまして、私はこれらの調査をつぶさに調べました。 そうしますと、そこで大きい問題があるわけでありますが、御承知のように、労働省は一九八〇年週休二日制等労働時間対策推進計画を策定して、労働行政を進めているのは御承知のとおりであります。ところがトラック労働者の現状は、もうそれとはるかにかけ離れた現状にあるということを申し上げなければなりません。そこで労働省は、本委員会や社労委員会の議論の中で、労働行政面から、一九七九年の十二月二十七日基準局から、自動車運転手の労働時間の改善基準に対する、いわゆる私たちは二七通達と呼んでおりますが、を出されたのであります。それに基づいて監督が実施をされておりまして、私は八二年の四月から八三年の三月までの監督を実施をされたのは資料を自分で持っていますから、これは読み上げてもらう必要はありません。 そこで一九八三年の、去年の四月からことしの三月、まだ四月ですから統計が出ているのかどうかわかりませんが、これはどれくらい二七通達に基づく監督を実施されたのか、ちょっと聞かせてください。八二年の分までは私のところにあります。
○政府委員(望月三郎君) 五十八年度の上半期の数字まで手元にございますが、これは監督件数がトラック関係で三千十一件監督をやっております。
○安恒良一君 下半期はまだ集計されてないんですか。
○政府委員(望月三郎君) 今集計中でございます。
○安恒良一君 それじゃやむを得ません。集計をしたら早急にお知らせを願いたいと思います。 私の手元にあります八〇年から八二年までの調査ですね、大体皆さん方がやられたのがほぼ五千前後の箇所を監督指導をされているように資料によると思うんですが、常に五〇%を超える事業所においてこ七通達違反の事実が確認をされていますね、この資料によりますと。ところが、もう通達以降既に満四年を経過しているわけであります。にもかかわらずに、このような実情にあるというところに、調査をしているのが五千カ所ぐらいある。これは第一線の監督官が実は二千人ぐらいしかいないんですから、かなり重点的にやられているとは思いますよ。思いますが、それにしても満四年たっても依然として五〇%を超える事業所が二七通達に違反をしているという、この事実で考えますと、ここでこの問題はやはり徹底的に掘り下げて、より効果ある行政の実を上げるためのことを考えなきゃならぬところに来ているのじゃないかと思うんです。 そこで私は、一つの方法としては、この二七通達を法として格上げをする。単なる通達でやっていろいろやってみたが四年間たっても依然として五〇%を超えるところが守らぬという現状ですから、守らせるためにはこの通達を法律として格上げをすることを既に考えるべきところに来ているんではないか、こういうふうに思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(望月三郎君) 先生おっしゃるようになかなかこの業種は難しい業種でございます。この自動車運送事業は中小零細企業が多くて、先ほど来のお話の中でございましたように、過当競争が非常に激しい。それから、事業場外の労働という性格から労務管理が十分徹底しがたいというような点で、先生おっしゃるように早急に大幅な改善ということが非常に困難な面があるわけでございます。 私どもといたしましては、先ほどの数字で申し上げましたように、五千事業場というものを大体毎年一斉監督をしてやっておるわけでございます。その結果、若干ながら、例えば数字で申し上げますと、トラック関係では五十五年のときの違反が六一・六%でございましたが、五十八年度の上半期は五三・七ということで七・九減っていると。これも微々たるものではないかということになるかもしれませんが、過去の傾向を見ると若干ながら基準違反というものが減っておるということでございまして、決して満足すべきものではございませんが、これらをさらに今年度も重点業種にいたしまして徹底して改善をしていきたいと思っております。特に悪質なものにつきましては司法処分を含めて厳正な措置を講ずるという姿勢で、行政を進めていきたいと思います。 それから、法制度の上まで上げてやるべきではないか、こういう御指摘でございますが、私もそのお気持ちはよくわかるのでございますが、この改善基準が指導基準でございまして、労働条件の改善を図るとともにあわせて交通事故の防止に資するという角度から、現在労働基準法で規制されてない事項、例えば拘束時間、運転時間、休息時間等を主たる内容としておるわけでございますので、直ちに基準法を改正しろということについてはなかなかまだ問題があるのではないか、こう思うわけでございます。したがいまして、これは過当競争その他の問題もございますので、私どもとしては現在の監督指導というものをさらに一歩進めていくとともに、運輸省当局ともよく相談をしながら基本的な経営の問題、そういうものともあわせて労働者の労働条件の改善を図っていきたい、こういうように考えておるわけでございます。
○安恒良一君 これまた時間がありませんから、次の運輸委員会か社労委員会でまたやることにしまして、私はやはり通達だけではどうしてもうまくいかないと思いますから、これを法として格上げすべき時期に来ていると思いますが、またいずれ労働大臣にでもお聞きをしたいと思います。 そこで、当面はこの通達を中心にやっていこうということのようですが、私の手元にはいわゆる「五十九年度労働基準行政の運営について」ということで、トラック運送、自動車運転者の労働条件の確保についての局長通達ですか、これが私のところにあるわけですが、これは去年の国会の決議を踏まえて「五十九年度労働基準行政の運営について」として策定が出された。今あなたもそこの中でちょっとおっしゃったんですが、一、二点聞いておきたいんですが、悪質な違法が認められる事業者についてというこの中で、重大悪質な違法、法律違反、重大悪質なということがここに書いてあります。「なお、重大又は悪質な法違反が認められた事業者に対しては、」と書いてありますが、その中身は何でしょうか。 それからいま一つは、「司法処分を含め厳正な措置を講ずること」とお書きになっていますが、司法処分を含む厳正な措置とは何をやられるんでしょうか。 それからいま一つ。この中で大臣もちょっと言われたんですが、荷主に対する協力要請が書いてありますが、これもその方法論がないと意味がないんですが、方法、その中身はどういうことなんでしょうか。 それから、この方針をもらって今度は各都道府県ごとに運営方針については策定をされると書いてありますが、その内容と各監督署の執行する具体的な計画、これは今ここでしゃべるのは長い時間がかかるならば、後から文書でも結構ですし、説明に来てもらいたいと思います。 そのことと、そして最後にあわせてお答えを願いたいんですが、この通達のよって来るところでありますところの一九七九年のILO百五十三号条約、すなわち路面運送における労働時間及び休憩時間に関する条約、これは我が政府は賛成票を投じられておりますが、この我が国における批准の日程をどう考えられているのか。 以上のことをひとつ一括してお答え願いたいじ、それから今言ったような各都道府県ごとの運営方針の策定とか、それから各監督署の執行の具体的計画、これは長くなるようだったら後で文書なり説明に来てください。
○政府委員(望月三郎君) お尋ねの私どもの「昭和五十九年度労働基準行政の運営について」という内部通達でございますが、これで書いてございます「重大又は悪質な法違反」というのはどういう具体的なケースか、こういうお尋ねかと存じますが、改善基準そのものは待機時間とかあるいは休息時間というような点がございますので、労働基準法に規定がございませんので、それについてはこれは強力な行政指導ということでございますが、普通の労働時間についての非常に長いものないしは休日労働についての違反、そういうような例は非常に悪質でございますので、そういうものについてはこれは強い態度で以後是正をするようにということともに、守らなかったら司法処分にするという態度で臨んでおるわけでございます。 それから、都道府県の労働基準局あるいは各監督署ごとに行政の進め方の年間の監督計画というのをつくっておりますが、これは都道府県別でございますので、監督署が四百近くございますし、四十七の都道府県でございますので、それはまた後ほど御説明に上がりたいと思います。 それから、荷主に対する計画的な発注というような荷役方法の適正化という点につきましては、私どもは地域ごとの業界の集団指導と、あるいは自家用車の場合は専属的な工場等がございますので、そういう工場主に対して指導をするという形のやり方でやっております。 最後に、ILOの百五十三号の条約について日本政府としてはこれに賛成投票をしたわけでございますが、全体としての方向としては、これはやがて批准に向けてやらなきゃならないということで国際的な協調という角度から賛成をしたわけでございますが、ただ、その中身を見てこれからの国内法の整備ということになりますと、この条約が一人親方や賃金のために雇用されないその家族というものも適用範囲に入れてやるということになっておりますので、我が国の労働基準法の適用対象が労働者に限っているという点が一つネックになっておりまして、この辺をどうするかということについて私ども検討をいたしておる段階でございます。
○安恒良一君 これも時間がありませんから、私は改めて時間をとって、これまた関係委員会で追及しますが、ぜひこの際要望だけしておきます。 そういう問題点になるところを探すんじゃなくて、前向きにやっぱり取り組んでもらいたい。でないと、せっかくこれまたこの前この委員会で決議したことの実行に、行政面が十分でないということになりますから、申し上げておきます。 時間がありませんから、最後に国鉄総裁と運輸大臣にちょっとお聞きしたいと思います。 この前私は、東海道・山陽新幹線の雪害による国民に与える経済的損失と対策についてお聞きをしました。 その後私の手元に、損失金額が二十四億国民に影響を与えている、影響を与えた人間は五百八万人だということで、この計算方法についていろんな意見を持っていますが、とりあえずこれはこれのままにしまして、そこで二、三日前今度はまた新聞が報道したんですが、この前私一つ評価した六十六年度に向けての新幹線のスピードアップや車両の改善その他については、既に皆さんの国鉄の常務理事会で決定をしたと、ばっとこれが報道が出たんです。 ところが私が雪害についてお聞きしたら、若干のやりとりがあったように大変な不愉快な思いをしたんですが、今検討中だとこう言われ、そして、できたら予備費でやりますと。私はどうもあの新聞の常務会は、こっちの方は早速常務会で決定してまた次の新聞で大々的にアピールされている。本委員会で私が追及したことについては、検討中である、できたら予備費でやる、これじゃちょっと本末転倒しとりゃしませんかと思いますから、一つは国鉄総裁に聞きたいのは、具体的に、検討中と言われているがその結論はいつ出るのか。そして、もう今は四月ですから、来年の冬に向けての具体的改善計画はするのか。こういう華々しい面だけは常務会ではあんと決めて新聞にばあっとアピールする、国民はその点を評価すると同時に、その前にしてもらいたいことがありはしないかというのを国鉄に求めていると思いますが、その点どうかと。 それから運輸大臣にやっぱりお聞きしておきたいんですが、どうも私は国鉄の姿勢はちょっとそういうところが狂っていると思うんですね、そういうところが。だから国鉄を指導監督される運輸大臣としては、ことしの冬、国鉄の計算だけでも二十四億、とてもこんな金額ではありません。精神的、物的損害を計算するととても二十四億じゃありませんし、五百八万の国民に迷惑をかけているわけですから、監督大臣としての運輸大臣はどういうふうにされるのか。 この点についてちょっと総裁の考えと運輸大臣のお考えをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(仁杉巖君) 東海道新幹線の雪害対策については、その後も鋭意検討を進めておりまして、この前もお話ししたと思いますが、なかなか別線にするというような案では大変だということで、とりあえず重点を温水散布方式というような形にしております。これについてもこの前御説明したと思いますが、上越新幹線等のように路盤が全部コンクリートの場合には、散水量を非常に増すということができますし、また水の回収もできるというようなことで、割合しやすいのでございますが、東海道新幹線の場合には盛り土路盤があるというようなことで技術的にいろいろ問題があると思っておりますが、その辺につきまして、少量の水で相当温度を上げたやり方というようなものでどういうふうになるかというようなこと、これは既にいろいろな面で研究を進めておりますが、それをさらに細部検討いたしておりまして、大体五月いっぱいぐらいには結論を出したいと思っております。 そういたしまして、予算につきましては私どもの方、今年度の工事経費の実行予算についてまだ全部を詰めておるわけではございませんので、決して予備費でやるというようなことでなしに、とりあえず試験を含めながら数十億のオーダーでこれを実施してまいりたいというふうに今考えております。そういう実験を含めまして方法が確立いたしますれば、来年度等に引き続いてなるべく早くこれを完成するように努力をいたしたいと思っております。
○国務大臣(細田吉藏君) 申し上げるまでもなく、東海道・山陽新幹線は国有鉄道の顔であると言ってもいいぐらいな代表的なものでございます。また、これが停滞することによる損害も、今御質問の中にありましたように莫大なものでございます。来年の冬は今日のような事態がないようにぜひとも、他のことを排しても、苦しい中でも国有鉄道の方でやってもらわなければ困ると、このような指導をいたしたいと思っております。
○小柳勇君 明日から国鉄の運賃値上げが実施されます。したがいまして、この委員会でもっと早く十分な論議が必要ではないかと私どもも考えておったのでありますが、きょうになってしまいました。 ただ、我が党としては、全国六カ所で、運賃値上げの問題についてもいろいろ意見を聞いてまいりました。全国各地でもそうであろうが、国鉄運賃値上げについては反対である、特に今回の格差運賃値上げについては反対の意見が多数である。しかし大臣は決裁されて、明日からの運賃値上げであります。したがいまして、きょうはこの運賃値上げを中心に質問をいたします。 まず、さっき瀬谷委員からも長期債務の問題で大臣に見解を聞いたようでありますが、国鉄が今、言うならサラ金地獄であると、大臣はこの「ロード」という雑誌にお書きになっておる。まさにサラ金地獄のような情勢である。第二臨調でも国鉄の問題をいろいろ論議された中で、国鉄再建計画なるもの、あるいは経営改善計画なるものを内閣が出しておられる。その三本の柱は、一つは政府の助成、一つは国鉄の努力、そしてその次に国民の負担、この三本の柱で国鉄を再建していけよというのが勧告であったし、それから政府の方針であろうとも思うのであります。 しかるに、国鉄は努力をして、特に緊急十項目など着々とその実績を上げてきている。労使が一体となって予想以上に速い速度で国鉄緊急十項目の対策は完成しつつある。そして、人件費につきましても物件費につきましても、大臣もここに書いておられるように年間八百億も節約した。しかしながら、一千百億円からの利子負担がふえてまいる。言うならば、一生懸命の労使の努力というものは結局利子の支払い増加にも及ばぬではないか、言うなれば、国鉄の経営というのは今サラ金地獄であると、大臣自体がこう書いておられる。 したがって、その国鉄の今一番混乱している問題は長期債務、年度間のこの経営だけにつきましては六十年度では赤字ではないと我々は理解している。言うなら、今日まで長い間の累積赤字の利子及びここ数年間の経営の赤字、こういうものに対する利払い、そういうものでもう四苦八苦でサラ金地獄の国鉄経営である。 したがって、時間が少ないから、もっとたくさん言って質問しなければなりませんが、長期債務の問題及び特別の人件費あるいは退職金、年金問題につきましては別途の機関でやっていますから、この金の処理について早急に政府として考えなきゃならぬと考えます。大臣もここで、こういう長期債務については低利の債券でも発行して早く処理しなきゃならぬと書いておられるが、まずこういうものを解決しないで国鉄に、国鉄再建とか、労働者頑張れとか、あるいは管理者頑張れとか言っても、私は、国鉄の労使が投げ出さないで一生懸命に働いているのが不思議なくらい。政党あるいは政治が借金をつくって、不採算線の赤字をつくって、今になってその帳じりを全部国鉄の労使の責任であるかのごとく喧伝している。 したがって、いろいろ過去のいきさつはありますけれども、今のこの長期債務について早急に解決しなければ、私は国民も運賃値上げなどに理解を示さぬと思う。国鉄監理委員会などもいろいろ検討中と聞いておるけれども、小さな労使関係にまでいろいろ政府に対して答申をしておられるならば、これらの根本的な問題について早急に何かの方策を出すべきであると思うが、大臣の見解を聞きたい。
○国務大臣(細田吉藏君) 小柳委員のおっしゃることはもうそのまま私も雑誌にも書いておりますが、そのとおりだと思っております。 ただ一点だけあなたのお説の中で、私は意見がちょっと違うところがございます。政治家がどんどん線をいろいろつくって長期債務をつくったと、こういう御発言でございますが、私は、これは政治家がやったことには違いありませんけれども、国民の要望も強かったということも事実なんでございまして、やはり国鉄に投資をしたこと自体は、もちろん不適当なものもございます、ございまするけれども、全部が全部、二十二兆という累積債務のうち恐らく七割ぐらいが建設に基づくものでございましょうが、やはり相当国民のお役に立っておる、その金の出し方が国有鉄道の借金という形で出たところに問題があるんで、何かちょっと伺いますと自民党、政府がどうこうというふうに聞こえますので、そういう点だけを除きましてはもうおっしゃるとおりだと思っております。 いずれにしましても、長期債務になって残っておるということは、建設に対する金の出し方を当初から考えていかなければいけなかった、それが今日の国有鉄道の状態をもたらしておるということはもう数字がはっきりいたしておるわけでございます。これを、労使がサボっておるということだけによって国鉄が今日の状態になっておるというようなことを言う方が世間にはありますけれども、私どもはもうさようなふうには考えておりません。労使が十二分にうまくやったというふうにも考えておりません、いろいろ至らない点もあったということは認めざるを得ないと思っておりまするけれども、それによって今日の国鉄の状態がすなわちできたというふうには考えておりません。したがって、先ほど瀬谷委員にもお答え申し上げましたが、長期債務の問題はこれを片づけるということは、何としても真っ先に考えていかなきゃならぬということでございます。ただ、国の財政が非常に窮屈でございますので、その中でどうやっていくか、かなり知恵が要る、工夫が要る、こういうふうに思っております。 しかしこの問題を解決しなければ、このハードルを越えなければ国有鉄道の改革、再建はない、かように確信をしておりますので、できるだけ早い時期に、これ政府を挙げて解決しなければならぬ問題でございますので、解決の方向に持っていきたいと、かように考える次第でございます。
○小柳勇君 次は、国鉄総裁に質問しますが、けさも尖鋭隊という右翼の車が国会の横で、「役人が高い給料をもらっていて何にも知恵がないから運賃値上げをするんだ」と、「運賃値上げ反対だ」と、もうあのマイクいっぱい上げて運賃値上げ反対を言っています。けさ総裁のNHKのテレビの対談も聞きました。総裁も運賃値上げしたくない、利子のない金が欲しいんだとおっしゃっている。歴史的に、特に今回格差運賃値上げです。 格差運賃なんというものをやられて、しかも地方の方ではわずかに五十億、千八百億の中で五十億、そのために地方の本当にお年寄りや通学通勤、汽車が欲しいそういうところに運賃を高くする、そのような思想的にもあるいは運賃値上げ自体についても私は反対であるが、総裁の見解を聞いておきたいんです。
○説明員(仁杉巖君) 今先生の御指摘のように、運賃値上げの中で今度格差運賃というようなものを取り入れておるわけでございまして、その中で地方交通線に関するものにつきましては五十億程度ではないかという御指摘でございます。この地方交通線に格差運賃を取り入れるというのは、先生も御承知のとおり昭和五十四年の閣議了解の中にそういう考え方が出ておりまして、昭和五十五年の暮れに成立いたしました国鉄再建臨時措置法の中でもそういう考え方が出ております。その後も国鉄は値上げをしておりますが、その中ではまだ格差運賃を取り入れるという、いろいろな事情があったと思いますが、取り入れてはおりませんでした。今回取り入れました一つの契機といたしましては、国鉄の再建監理委員会というものができまして昨年の八月緊急提言をされた。その中で強くこの点について御示唆がございました。いろいろ検討をしたと思いますが、やっぱり一歩踏み込んで格差運賃を入れていくというような考え方に国鉄もなり、運輸省とも御相談の上でこういう形にしたというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 総裁は最近おかわりになったんですから責めたくないけれども、政府の助成金が前年に比べまして五百四十二億円削減されているわけです。この運賃値上げをやる前に総裁及び国鉄幹部諸君は、大蔵省に対してあるいは政府に対して、どういうふうな陳情なり交渉をやったか聞いておきたい。
○説明員(仁杉巖君) 私ども、この助成金が五百二十一億五十九年度において前年度より減らされているということでございました。これらにつきましては、少なくとも前年並みにしていただきたいということはかなり強く申し上げたのでございますけれども、国のゼロシーリングというような中でこういう結果になってし量ったということでございます。
○小柳勇君 大蔵省から見えていますね。 今言ったとおりです。運賃値上げがまたあしたから実施されるけれども、政府の方針も、国鉄再建については政府ができるだけ助成をするんだ、国鉄も努力せよと。その後、利用者負担ですよ。にもかかわらず、もちろんゼロシーリングはわかるけれども、今までになく前年対比五百四十二億円を削減した。そういうものがどれだけ国鉄経営についてジグザグしているか、また国民に対して運賃値上げけしからぬというそういう声になっているか。もちろん会計が苦しいことはわかりますけれども、少なくとも初めの予定を踏襲するぐらいのことをやっていかなければ国鉄を再建できな 大蔵省の見解を聞いておきたいんです。
○説明員(日高壮平君) 五十九年度の予算編成におきましては、御承知のように、いわゆる財政改革をさらに進めるという観点から、制度に切り込んだ形で各般の歳出削減策を講じたということでございます。その結果、国債費及び地方交付税を除いたいわゆる一般歳出において三百四十億円ほどのマイナスの予算ということになったわけでございますが、その一環として、国鉄の助成につきましても、今先生御指摘がございましたような形で削減をせざるを得なかったという実情でございます。 国鉄の再建問題につきましては、今までも労使双方の御努力がいろいろな形で行われていることは十分承知しておりますが、現在のような国の財政事情ということを考えますと、今後とも、いわば国の財政支出といいますか、助成といいますか、それに安易に依存することなく、やはり運賃改定等も含めて、労使双方による経営の合理化ということを進めていただく以外に道はないのじゃないかというふうに考えているところでございます。
○小柳勇君 もう一回ね。 安易ではないですよ。国鉄も、さっき言ったように人件費も物件費もうんと削減しています。そして、もう再建計画によって合理化も進めておる。特に、人員整理なども予定以上に一年も早く実施している。にもかかわらず足らないから、政府に対して助成金をお願いしているわけだ。 これは、どんどんどんどん努力したら、助成を削っていけば、本当にもうサラ金地獄だよ。人件費がふえるために努力するとか、あるいはもっとレールをよくしようとか、いい車をつくろうとか、そのために努力をしているわけだ、みんな国鉄の職員は。にもかかわらず、利益があったら助成金をどんどん削っていく。さっきも言ったように、長期債務あるいは最近の累積赤字、これは国が見ていかなければ、国鉄はほかに金を持っていないわけだ。もちろん財産処理などもやっていますよ、できるだけのことをやっているけれどもね。したがって私は、国鉄の弱さあるいは運輸省の弱さ、それが残念だ、本当は。大蔵省にもっと言って、大蔵省をねじ上げて、前年どおりの助成をやれよと、その上でやりましょうと、なぜ全部でやらないか、残念だ。それは後で大臣にも言いますけれども。 大蔵省、もう一回。また来年のこともある。来年また運賃値上げしようなんて考えている。来年のこともありますから、大蔵省の見解をもう一回聞いておきたい。
○説明員(日高壮平君) 今後の財政事情につきましては、予算委員会においても、いわば今後の仮定計算とかいろいろな形で資料を御提出しているところでございますが、現在の状況におきましては今後の財政事情が急によくなるという事情にはございません。したがいまして私どもとしては、国鉄の助成という問題につきましても、今のあるいは今後の財政事情を念頭に置いて考えた場合には、いわば、現在のところがもう限度いっぱいに来ていると、したがって、ふやしていくということは極めて難しいというふうに申し上げざるを得ないところでございます。
○小柳勇君 ずっと論議しても平行線でしょうから。 経済企画庁見えていますか。——これから、国鉄だけじゃありません、国鉄から民鉄から、ずっと秋まで値上げが見通されるが、一体、物価上昇なり、あるいは国民生活の実態について、どのように把握しておられるか聞きたい。
○説明員(糠谷真平君) お答え申し上げます。 五十九年度の政府経済見通しにおきましては、消費者物価全体の上昇率でございますけれども、これは二・八%と見込んでおります。この中で、五十九年に入りましてから交通関係の公共料金幾つか値上げが実施されているわけでございますが、一月に大手民鉄の十二社、それから二月に東京、横浜地区のタクシー運賃の改定が実施をされているわけでございます。それから今後の予定でございますが、あす、二十日から国鉄運賃、その後、名古屋、神戸、京都、都市の公営交通関係の運賃改定ということが予定をされているわけでございます。今申し上げました交通関係の公共料金を全体総合いたしまして、五十九年度の消費者物価に及ぼします影響が大体〇・二%程度ではないかと、このように試算をしております。 ですから、二・八%の消費者物価全体の上昇率の中で、今申し上げました交通関係公共料金の上昇の及ぼす影響度合いが〇・二%程度と、このように試算をしているところでございます。
○小柳勇君 経企庁、例えば運賃値上げをする場合、運輸箱から、あるいは国鉄から、あらかじめ経済変動についての相談なりあるいは諮問がありますか。
○説明員(糠谷真平君) 公共料金の取り扱いにつきましては、その重要度といいますか、及ぼします影響度合いに応じまして、物価問題に関する閣僚会議で議論をいたしますとか、あるいは経済企画庁と協議をいたしまして所管省庁が処理をしていただくという形で区分けができておりまして、ただいま申し上げましたような交通関係の公共料金につきましては、運輸省から私どもに御相談をいただきまして、それから物価問題に関する閣僚会議というもので御了承をいただいて実施に移す、このような形になっているわけでございます。
○小柳勇君 ここに世論調査がありますけれども、交通通信費というのが一番今家計に響いているという世論調査が出ています。したがって、あなたの方で物価調整をやっていかれると思うけれども、秋にまた他の交通機関の運賃値上げも申請されるようですけれども、労働者の賃金もことしは非常に抑えてあるわけだ。したがいまして、生活が苦しくなる、家計では交通通信が一番重荷になるという世論調査がありますから、十分頭に入れながら、後の経済計画なり運賃値上げの協議などについて配慮していただきたいと思います。 大蔵省と経済企画庁、ありがとうございました。 それから国鉄の方に、今回の地域格差運賃値上げをやったその真意を聞いておきたい。
○説明員(須田寛君) ただいま総裁も御答弁申し上げましたように、大まかに申し上げて三つぐらいの理由があったと思うんでございますが、一つは、やはり地方交通線の経営収支というものが、幹線系のそれと非常に大きな格差を生じてまいったということが第一でございます。それから第二点目には、地方の並行しております私鉄、バス等との比較におきまして、地方交通線関係におきましては相当国鉄の運賃の方が割安になっておりまして、かなり乖離が見られる、そういった運賃調整上の問題、これが第二点かと存じます。それから第三点目には、先ほど来お話がございましたように、いろいろ関係の各委員会、審議会等からも国鉄の企業的な運賃体系ということでの御答申、御意見等をたびたびちょうだいをいたしておりますので、そういったようなことも勘案しながら御申請申し上げた次第でございます。
○小柳勇君 その第二点に言われた、他の会社の私鉄の運賃に比べて低いから上げたと。 低いから乗るんでしてね、お客は。それこそ公共輸送であって、低いから上げます、そうしたら会社が喜ぶだけですよ。私は、格差運賃を見ながら、何か会社が、国鉄もっと運賃上げいと、そうしたら対等の競争ができると。そういう圧力がかかったような気がしてならぬわけだ。それなら例えば、今S切符なんかやっているけれども、これは飛行機のお客をなるべく国鉄にとろうと。だから、それじゃ、格差運賃を上げるならば、格差的に下げる運賃もあってよろしいと思うんですね。したがって、もう一回、しかも将来ともこの格差運賃を考えるのかどうか。 もう一つ私が危惧するのは、例えば、再建監理委員会などは、結果はどうなるかわかりませんが、民営分割などを考えていると。分割した場合にはすぐ、これから二倍なり運賃を上げないとやっていけない。これは第三セクターもそうですね。そういう地ならしをしているんじゃないかという、これは私の思い過ぎならいいけれども、そういうことを考えるが、将来についても格差運賃をやる、これがベターですと。ベストではないがベターですと、そう担当者としてお考えかどうか、聞いておきたい。
○説明員(須田寛君) 今の先生の前段のお話でございますが、地方交通線とそれからバス、私鉄との格差というのは、大体国鉄の二倍ぐらいに向こうの方はなっております。したがって、今回私どもが一割程度割り増しをお願いいたしましてもとても近づくものではございませんので、それによりましてお客様の流れが大幅に変わってくることはないと思いますけれども、幾らかでも違和感を少なくしたいという、そういった気持ちが根底にあるわけでございます。 ただ、先生おっしゃいますように、やはりお客様に御利用いただかなければ運賃が成立いたしませんので、地方交通線におきましても、一般的にはこういったことで改定、値上げをお願いする次第でございますけれども、やはりお客様が割引によりましてふえる、結果的に増収になるという場合につきましては、幹線系におきましても地方交通線につきましても、決して割引等の企画商品の設定等を妨げるものではございませんので、その辺はきめ細かく考えまして、全般的には収入増のために値上げをお願いいたしますけれども、個々の区間、具体的な線区の実態に応じましては、そういった割引が効果がある場合には当然考えてまいってしかるべきだというふうに考えております。 それから、後段のお話でございますが、これからもやるのかという御指摘でございますが、私どもは今回初めての試みとしてこういったことをお願い申したわけでございますので、まず今回改定をさせていただきました後の結果を十分トレースいたしまして、よく実態を調べてまいりたい、お客様の動き等についても、十分調べてまいりたい。その上でのことになるわけでございますので現時点ではまだ仮定の議論ではございますけれども、やはり私どもの気持ちといたしましては、今度の制度をさらに深度化をお願いすることになろうかと、こんなふうには考えておりますけれども、まだ具体的に明年以降さらに追っかけてお願いするかどうか、あるいはどのようにお願いするか、そういったことにつきましてはこれからの結果をよくトレースいたしましてから決断をしたい、こんなふうに考えております。
○小柳勇君 運輸審議会の会長の談話、これは私の公開質問に対する返事ですけれども、この中で、原価を償わない、言うなら赤字の多いところですから運賃を上げましたと書いてある。本当に原価主義をとっておるのか。原価とは一体何か。今先進講風でも原価主義か、負担能力主義か、いろいろ論議されております。国鉄貨物は、かつて十三等級だったのがゼロ等級になりました。赤字が多いから運賃値上げしますなんて言ったって人は全然それは信用しませんね、この権威ある審議会会長の談話の中にそんなことも書いてあるけれども。一体その基準は何ですか。
○説明員(竹内哲夫君) 今回の運賃改定によりまして、地方交通線、先ほど出てまいりましたように今回の特別運賃によりまして五十億円ということでございます。これがどの程度効果があるのかということとも関係があるのかと思いますが、私ども幹線と地方交通線ということで従来から区分経理をやってまいったわけでございます。幹線につきましては、もちろんかなりの輸送量があるということでありますが、国鉄自体の企業努力によりましてかなりその改善をされる傾向にあるというふうに考えております。しかし、全般的には地方交通線の方は、かなりの企業努力をやりましてもなおかつその収支というものは悪化傾向をたどっていくという状況の中にあるわけでございます。それで、全体としての収支、これはもちろんコストにつきましては人件費、物件費並びに資本費等を経費として見ておるわけでございますけれども、鉄道の性格上どうしても固定部分が非常に多いわけでございまして、結局地方交通線の輸送量が小さいということから、単位当たりのコストが幹線に比べまして地方交通線につきましてはやはり三倍ないし四倍のコストがかかるという結果になっているわけでございます。 したがって、一人当たりあるいは一トン当たりの損失額もそれに応じまして、まあ幹線でございますと一人五円程度ということでございますが、地方交通線の場合にはこれが約十倍の五十円程度ということでございます。それだけ国鉄がその分につきましての負担をしているということでもございますし、そのために国も地方交通線に対しては助成をいたしておるわけでございます。 それと、先ほど須田常務理事から御説明しましたような周囲の客観情勢、客観的な状況というものを考慮いたしまして、今地方交通線につきましてはやはり何らかの、幾分かの負担増をお願いするということはやむを得ないことではなかろうかというのが、一番基本的な今回の割り増し運賃の根拠にあるのではないかというふうに思っております。
○小柳勇君 日本国有鉄道は公共企業体ですからね、全般的に全部の路線、幹線からローカル線まで日本国有鉄道であって、ばらばらでやるならこれはもう各私鉄と同じような形態ですから民営の方に考えていく、それならそれでまた別に理由が立ちますね。今過渡期だから今の答弁で次に進みます。 運輸大臣、もちろん一生懸命国鉄も努力しているんですから運賃値上げについてももっと慎重であってしかるべきであるし、格差運賃については運輸審議会でも若干問題が残っているようですが、格差運賃について特に次には慎重に検討するように希望するが、いかがですか。
○国務大臣(細田吉藏君) 私は、国有鉄道の運賃値上げというものはなるべく避けるべきものだ。実は法律改正がありまして政令で運賃が変えられるようになって、毎年、五年続けて上がっておりましてね。去年、これを上げないで何とかしろということで、私ども上げない方向で頑張ったわけでございます。したがって五十八年度は六年ぶりに値上げなしということになったわけでございます。今年度は、今いろいろお話がございましたが、我々としてもいろいろ努力をいたしましたが、どうしても予算の編成の過程において千八百億ほど何とかしてもらわなきゃならぬということでやむを得ずなったものでございますので、私はこれを毎年続けてやるというようなことはなるべく避けたい、避けるべきであるということで、そういう方向で努力をしたいと思っております。 それから格差運賃につきましては、これはもう小柳先生には釈迦に説法でございますけれども、純粋の議論をいたしますればいろいろな議論があるわけでございまして、運輸委員会でもずうっと歴代にわたって、長きにわたって議論をしておられるわけで、我々は国鉄の運賃というものは総合原価主義でやるんだといってずっとやってきたわけなんでございまして、ことし初めてこういう形になったわけでございます。これは先ほどもお話がございましたが、やはり国有鉄道の公共性と企業性のうちの企業性といいますか、その点をむしろ強く見るという一連の流れの中での一つのこれは傾向で、こういう形のものが臨調の答申に出たり監理委員会の勧告の中に出たりしておるものだと、かように考えるわけなんでございます。したがって、議論があり、またたった五十億のためにこれだけの人が泣くのかというような御意見があることも十分承知しております。また運輸審議会にもそういう御意見が反映をかなりされ、答申にもいろいろそれに対する対応も出ておるようなわけでございます。 そういうことでございますので、今回やりました結果については、十二分に私どもこれをトレースするというか、フォローするといいましょうか、十分見ていかなければならない。かように考えておる次第でございます。
○小柳勇君 この運賃値上げの審議をされる運輸審議会に我々は公開質問状を出しました。それに対する返事、会長から私に返事が参りました。その返事の末尾に要望事項としてこう書いてある。「危機的な経営状態となっている国鉄の再建のためには、正常な労使関係を確立するとともに、現場職員のサービス意識の徹底を図る必要がある」、そういう必要があると、そういうふうにわざわざ要望が書かれている。 国鉄の労使関係が運輸審議会の場で論議されて、要望としてこう来ておりますが、まず国鉄労使関係について運輸大臣はどう把握しておられるか聞いておきたい。
○国務大臣(細田吉藏君) 国有鉄道を動かしておるのはそれこそ、労使という言葉がいいかどうかわかりませんが、約三十五万人の国鉄の職員が総裁以下一緒になって動かしておると思っております。毎朝テレビで放送しておりますが、大抵国有鉄道は円満に動いておる、一日に地球の何回りもするほどの列車が動いておると思っております。これは非常に大きく言えば、国有鉄道の労使関係がこういう結果をもたらしておるものと、かように考えております。しかしいろいろな点において、これは労使関係のことでございますから、摩擦が起こったり矛盾が起こったりいろいろしておることは、これも否めないことなんでございます。また、そう申しては大変恐縮でございますが、一部職員の中に不心得なといいましょうか、目に余るような行動があることも間々あるように思っております。しかし大局としては、労使間の円満な協調といいましょうか、国有鉄道を愛する気持ち、これはもう双方が持ってやっていただく必要があり、大筋においてはそういう方向で、特に最近はその点国有鉄道危機でございますから、その危機感というものが労使双方に相当に浸透してまいっておると、かように存じておる次第でございます。
○小柳勇君 私ども先般、全国六カ所で衆参の国会議員が四、五人ずつ出て調査をいたしました。特に、五九・二合理化の後過員が二万四千人も出ている。その過員の配置転換なりあるいは転任なり、そういう処置が完全にいっておるであろうかということで調査をいたしました。 ところがここに、これは一鉄道管理局ですけれども、過員をそれぞれ詰所なり事務室に全部詰めて、ひどい表現ではタコ部屋、そこに集めて朝点呼をやる、そして一日大した仕事もない。ある衆議院議員から私は、一触即発、もしも暴力事件でも起こったならまた新聞で騒がれて大変ですよと、そういうことの意見を聞いた。したがって私は、副総裁なり職員局長に、わざわざ常務理事に本社に行ってその実態を話して、早急に解決するように申し入れてきました。それは解決されておるかどうか、総裁から聞いておきたい。
○説明員(太田知行君) 二点お答え申し上げたいと思いますが、第一点は余剰人員全般についてでございますが、数はまだ把握しておりません。年度を越したばかりでございますので、今いろいろヒアリングを行い具体的な状況の把握に努めておりますので、いずれ正確な数を我々把握することができますが、しかしながら、現状においてかなり多数の余剰人員が発生しているのは事実でございます。それで、国鉄が公企体として発足して以来、余剰人員を抱えた時期が二つございました。最初はいわゆる定員法の時代でございます。これは非常にレアケースでございますので別といたしますと、昭和四十四年、五年ごろに動力車乗務員を二人乗っておりましたものを一人にしました。そのために一時的に四、五千名の余剰人員が発生したというのが実質的には最初のケースでございましたが、これはその後二、三年で解消しておりますので、実はこの五十八年度五九・二ダイヤ改正を主一とする合理化施策によって余剰人員が発生したというのが、実質的には国鉄にとりまして最初のしかも相当大規模な規模での体験でございます。 こういう状況に対応いたしまして、それぞれの管理局あるいは工事局でありますとか工場でありますとかいう地方機関におきまして、自分のところの実情に応じながら創意工夫を凝らしてその活国策を凝らすというふうに努めているところでございます。今申しましたように初めての経験でございますので、必ずしもその創意工夫が十分ではない面もございます。スタートいたしましてからいろいろ補充的な措置を講じ是正に努めている状況でございます。 それから二番目に、具体的に先般もお話がございまして、先生の示しておられる箇所を大体承知しているのでございますけれども、その地区におきましては、その管理局の特性が貨物に非常にウエートがかかっておりまして、このたびのダイヤ改正が貨物を主眼とするものでありましただけに、よその地区に比べまして余剰人員の発生状況が非常に多うございます。それだけに抱えている問題もたくさんございまして、管理者の方も組合側の方もそれぞれ対応に苦慮しているところでございます。そういう現実に直面いたしまして、一生懸命知恵を出し工夫を凝らして対応を講じているととろでございます。しかしながら、若干その設備面におきまして不十分な面があったと聞いております。私どもの方からも特に改善について指示をし、現地当局におきましてもいろいろ改善策を講じつつございます。既に是正したものもありますし、その準備に着手しているものもございますし、早急に是正すべく準備をしているというものもございまして、今タコ部屋というお話がございましたけれども、決してさような状態ではないというふうに確信している次第でございます。
○小柳勇君 過員があって、この職員たちは不安だから組合を通じて団体交渉をやろうとするけれども、これは団体交渉事項ではない、管理運営事項である、一方的にやってよろしいというようなことで、それがまた職場のいざこざの一つの大きな原因になっておるようだが、そういうものこそ、理屈じゃないよ、みんなここに五人も十人もあるいは三十人も集まっておったらいろいろ話しているだろう、一日。不安だから組合を通じて現場長なりあるいは局に交渉する、それは当然であって、これを拒否して一方的にやってよろしいなんていうことはそれこそおかしいんじゃないかと思うが、どうですか。
○説明員(太田知行君) 団体交渉のあり方あるいは現状についての御指摘でございますが、今のお話若干誤解がおありのように存じますのでこの際少し詳しく状況を御報告申し上げたいと思います。 団体交渉はそのとおり、もう御承知のとおり労使の団体的な労働関係でございますので、労使の間で団体交渉に関する協約を結んでそのやり方なり方法を決めておるわけでございます。ある意味では、団体交渉がその本来の機能を発揮するように能率よく、そして円滑に進めんがための労使の知恵であろうかと存じます。さてそこで、この余剰人員に関する問題につきまして、この団体交渉のあり方、随分いろいろと論議してございます。さっきも申しましたように国鉄の民族にとって実質的に初めての経験でございますので、余り先例もないわけでございますのでいわば手探りで知恵を出す必要があったわけでございます。 そこで問題になりました第一点は、余剰人員が発生しているというその事実そのものを団体交渉の対象にすべきであるという主張が組合側からあったわけでございます。これは団体交渉を進めるという手法、ルールその他から見ましていささか抽象的過ぎるのではないか、もちろん団体交渉になじまないものにつきましても、労使で話をぜんがために事前協議でございますとか経営協議の場というのは設けておりますから、そちらの場でいろいろ論議するのにこれはむしろふさわしいいわばテーマでございまして、団体交渉の場でこれをそのまま総論として取り上げるのはいささかなじみにくい。余剰人員が発生することによって、そのことによって労働条件にいろいろもちろんこれは問題があり得るわけでございます。その問題点を特定してそれを労使の場で論議するというのはまさに団体交渉になじむ事項だと我々は考える、そういうことであるからぜひ、余剰人員そのものが団体交渉であるというとらえ方ではなくて、具体的に問題を提起し、そして交渉の促進を図ろうじゃないかということを我々は申し、また地方においても、全部が全部ではございません、ごく一部のところでそういう総論的な主張がありまして、そういうところについては今のような主張を述べ、具体的な問題提起を求めてきたところでございます。 団体交渉をしないではないかという点について、今のような側面が一つあるということをまず申し上げておきたいと思います。 それからその次に、そういう具体的に特定したテーマという呼びかけに応じて、かなりな管理局では出してまいっております。それなりにもちろん我々の目で見て、そうやって具体的に持ってきたものの中にも団体交渉になじむものもございましょうし、なじまないものもございましょうし、さてその仕分けをどっちにするかで論議を尽くさなければいかぬものもいろいろございますから、上がってきたものが全部が対象だというわけじゃありませんが、しかし話し合いの場を設け、その処理に努力しているのは事実でございます。 先ほどお話のあったある地域におきましても、やはり組合側も初めての体験でございましょうから戸惑いがあったと存じますが、今の具体的な問題提起も都合四回にわたりまして、五九・二ダイヤ改正を済ませた後いろいろ状況を見ながらやはり問題意識を持ってきたんだと思いますが、二月二十一日に一回、三月には三回、合計四回に分けて相当膨大な要求ないし申し入れが来ております。それについて、それはもう各駅別、Aの駅ではこうこうこういう問題、Bの駅ではこうこうこういう問題、Cの機関区ではこうだという、膨大でございますので一挙に俎上にのせるというわけにはまいりませんので、ただいま仕分けをやって効率的な、能率のいい団体交渉が上がるように一方では努めながら、一方では解決のつくものについては既に実施している、こういう状況でございますので、一概に余剰人員問題に関してその団交を拒否しているというのは、実態的に見て決してさようなことはございませんので、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○小柳勇君 長々と言われるけれども、何か理屈をつけて選別するから、現場が納得してない、そういうことでは。言うなら、もう管理者も労働者も一体となって国鉄を再建する段階だから、少し規約とか規則とかよりも、もっと大幅にみんなを集めてどうしたらいいかということを話し合う、団体交渉する、なぜそれができない。 特に私は、もう時間が来たから問題を残しておかなきゃならぬが、いまあなたは過剰人員と。私は過員ということをずっとこれ今まで言ってきたから過員と言ったが、あなたは過剰人員と今言い直したようだけれども、これ聞いておきたいが、全国総務部長会議が四月十一日にあって、あなたの発言の要旨、過員と呼ぶな、過剰人員と今後呼べ、社会党議員ががたがた言っているようだが、この問題は管理運営の事項だ、組合と協議する必要はない、断固として既定方針でやれ、総務部長会議であなたがそういうような指令をしておるようだ。 そういうのは、もう済んでいるところはそれでいいわけだ。済んでないところはこれから一日も早くこれだけの、言うならタコ部屋、これを解決しなきゃならぬ。私はもうこういうことを、一現場の問題を、これだけの議員がおられるこの貴重な時間に委員会でやりたくなかった。これは衆議院でもやったようだけれども、納得していない、衆議院の議員も。現場も納得していない。いろいろ法律上あるいは規則上言葉の使い分けはあろうけれども、今一番大事なことは、これだけの諸君があしたに希望を持って、家庭を持っているんだから希望を持って、そして一日も早く正規の仕事にかかる、それこそが国鉄総裁の仕事じゃないかと思う。 もし選別して、ここのところは何だと。例えばここの職場、現場長がここの職場で配置転換する、それはそれでいいだろう。配置転換したらタコ部屋に入らぬわけだ。この職場から別の職場に行く、これは労働条件の変更ですよ。そういう心配があるから希望を出しておるだろう、自分の希望はどうであろうか、かなえられるだろうか、いろいろ心配でしょう。そういうものがあるから、自分では現場長に言えぬから組合を通じて話そうとする、それが何で悪いだろうか。私はそういう教条的な、それでは国鉄再建できぬと思う。これは言うまでもないことだけれども、かつてある工事局で大変混乱したときに、局長は自分で地下足袋履いて、酒提げて肉持って行って、現場で仕事が済んだら一緒に酒飲んで、そうして職場を改善し、工事を完成された事実を知っています。そういうものがないと私は今国鉄再建できぬと思う。 だから、労働者といろいろ感情の対立があるような管理者はかわってもらう。そしてこの際は手を握って、世間に対して一緒にやっておりますという姿を出してもらう。でなければ、私は国民の支持を得れぬと思う。その上で大蔵省にも、うんと助成金出してくれ、あるいは監理委員会に対しても、我々も言うけれども国鉄みずからも言って、民営分割など大変なことで運営できないんだからと、そういうことをしなきゃ、ただこの一地域の局の職場問題でも、もしも何かあって大きく新聞に出たら、国鉄全部がそのようにとられます。だから、言い分はあるかもしれぬけれども、この際ひとつもっと大きな腹を持って、早急にこの問題を解決する。全国的にこういうのがありますから、早急に解決してもらいたい。総裁から聞いておきたい。——あなたはいい、あなたからはまた聞くから。各委員会で聞くから。
○説明員(仁杉巖君) 過員、過剰人員と申しますか、この問題について今太田常務からもお話しいたしましたけれども、労使ともに多少の戸惑いがあるということは事実のようでございまして、私も着任直後にちょっとこの問題非常に気にいたしまして、いろいろ調査をさせ、また、対策についてもいろいろと勉強をさせておるところでございます。今先生の御指摘のように、この時期に労働者と申しますか、労使の間で腹を割った話し合いと申しますか、そういう心の通じ合いということが非常に大切であるということは、私前から信念として持っております。いろいろ労働慣習上、今太田常務から御説明したようにいろいろな問題があると思いますが、それらの問題を含めまして、労使の心を開いた話し合いというようなものができるように指導してまいりたいと思っております。
○説明員(太田知行君) 総務部長会議での私の発言をおっしゃいましたので、ちょっと御報告申し上げたいと思います。 まず、過員という用語につきましては、過と欠とがありまして、要員需給表という私どもの仕事の上の進め方のルールがございまして、その中には過、欠、こういう表現がありますが、合理化によっていわば余ってきた人員を、要員需給表上の表現に従って過員、欠員という言い方では愛情がわいてこない。単に数字的な処理に相なるから、単なる表現上の問題ではなくて、この問題に取り組む我々の姿勢を明確にする意味においても、余剰人員という言葉を使おうじゃないかと。それからまた、世の中の普通の用語法、慣例としまして、過員という言葉はなかなかなじんでいただけない。不況業種その他においても余剰人員という言葉が一般化しておるんだから、世間にわかる言葉でみんなでこの問題を論議し合おう、こういう提唱をまずしたわけでございます。 それから、途中でお話ございました社会党の先生が云々というのは、そんなことは一切言っておりません。 それから、管理運営事項だから断固ということも言っておりません。私が言った趣旨は、こういう状況で先ほど申し上げましたように国鉄民族として初めての体験である、戸惑いもあろうし先例もなかろう、しかし一人一人の職員はやはり自分たちの将来について不安もあれば不満もあるだろう、この問題に対処するには諸君はまず愛情を持たなければいけない、諸君が愛情を持って、その愛情が管理者の全員のものに相なるように努力をして、そして一人一人の職員に職員として接する、管理者というのは先輩でありかつ上司であるわけなんですから。そういう態度が必要であると、こういうことを訓辞したつもりでございます。 それからまた具体的には、団体交渉のあり方については、これはもうみんなプロでございますから多くを言う必要がございませんので、団体交渉になじむものにつき、それは一生懸命話し合いをしなさい、しかしながらなじまないものについては、これは相応の対応はきちっと整理をしてやらざるを得ませんよということを言ったつもりでございます。 それからもう一点申し上げたいと思いますが、話し合いが全くないというようなことではございませんで、例えば五九・二ダイヤ改正というのはこれはもう大変な合理化でございました。一年以上前に提案をし、本社は本社で中央本社部間の交渉をやり、地方はそれぞれ地方交渉をやってまいりましたが、無慮、延べにいたしますればもう何万回という交渉をやったと思います。相当両者の間には主張に開きがございましたけれども、その何万回の交渉で少しずつ、一歩ずつ一歩ずつ主張点を、食い違いを埋めてまいりました。最終的にはやはり、若干は食い違いがあったと思いますが、大局的な見地に立って一週間前にこれを妥結し、円満な円滑なダイヤ改正の実施に踏み切ったというのは、まさに団交路線、話し合い路線の一つの大きな成果だと存じます。 それからもう一つ、ついこの間でございますが、三月三十一日には内達一号がまとまりました。これなんかも、もういわば二十数年来の懸案が一生懸命交渉してまとまったと。一方ではそういう努力をし、積み重ねているということは評価していただきたいと思います。
○委員長(矢原秀男君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 —————・————— 午後一時二十一分開会
○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉村眞事君 私は最初に、国際協力の問題につきまして二、三運輸省の御見解を伺いたいと思います。 現在我が国は経済大国ということで、国際的な場における発言の力が非常に大きくなってきておる、こういう事態を踏まえて、南北間の協力あるいは先進国相互の間の依存関係に日本が果たしていかなければならない役割というのは、ますます大きくなってきておるように思うわけであります。 その国際協力の中で、従来から運輸関係の国際協力というのが相当のウエートを占めておるように思うわけでございますが、この辺の従来の状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(西村康雄君) ただいま吉村先生から御指摘がありましたように、運輸部門におきます国際協力というのは年々各国からの要望も強く、我が国が実施しております国際協力の中でも非常にウエートを増してきております。 国際協力の意義は、先ほど先生が言われたとおりでございますが、私ども運輸部門の国際協力は、他の国際協力の部門もそうでございますが、特にいろいろな特色があるので、そういう点で今後ますます重要性を増してくるというふうに思っております。 その一つは、輸送基盤というものを発展途上国ではぜひとも整備しなければいけない。発展途上国は、まず一次産業の振興をやり、そしてやがて工業化をしていくというためには、一次産品の輸出、あるいは工業製品等の輸入ということが極めて重要なわけでございますが、そういうためには、鉄道なりあるいは港湾というものの整備が非常に強く要請されてきております。あるいはまた航空、飛行場というものの整備も同様に強く要求されてまいりますし、その他まず海運の整備ということで、船舶というものの調達もまた非常に要請されてきているわけですが、そういったことのほかに私ども、インフラ面で発展途上国に協力するということは、これらが長くその国の国民に使用されるということがございます、二十年、三十年、四十年と。それは、日本という国がそこに非常に協力したということを心理的に評価してもらえるということも一つございますし、また、その国のいろんな仕組みが日本というものと緊密化して、いろんなテクニック等が日本のやり方を継受するということにもまたつながってくるというように思います。そういうことで、発展途上国に対して運輸の部門で協力するということは非常に重要な意味がある。 また、そういうことのほか、我が国にとりましても、運輸の部門で協力するということは、我が国との交易をしっかり確保していくということからもぜひとも必要なことで、特に海上輸送路の整備にかかわる協力というのは非常に重要なわけでございます。 そこで、わが国全体の円借款の供与の中での比率は、四十一年から五十七年度までの累計の実績では金額ベースで二割ということでございますし、開発調査の実績ではやはり同じ最近の五十三年から五十七年度の五カ年間では件数では一四%というふうになっておりますが、円借款の供与につきましては年々運輸部門の状況、ウエートは増しているということを御報告させていただきたいと思います。
○吉村眞事君 特に、開発途上国に対する国際協力について従来からいろいろ議論があるところでございますけれども、その中で、日本の場合の国際協力が相手方の立場を十分考えないうらみがあると。まあ、日本のやり方をそのまま持っていって、それで日本のやり方を押しつけるというとおかしいんですけれども、十分にその地域の実情にマッチしていないような点があるというような議論、批判も従来あったように思うわけであります。今審議官から説明がありましたように、運輸関係の問題、これはその国の基本になるものでありますし、そしてその効果はその国にとっては大変大きなものでありますから、今後ともふえていくと思うんですけれども、この実施に当たっては、十分にきめ細かく相手方の事情を把握し、それにどうやったらうまくマッチできるかというようなことを、きめ細かに対応してあげるというのが基本的な姿勢でなければならないと思うわけであります。 従来、運輸省の場合、各部門が行政の姿として縦割りであったこともあって、それぞれのところの要請が来た場合に縦割りの部局でそれぞれ対応していかれるというようなことで、私が今申し上げたようなきめの細かい対応に若干欠くるところがあったのではないかという気もいたしますけれども、今後運輸省においては、組織をそれにふさわしいような方向に変えられるというようなことも聞いておりますので、その辺の今後のあり方等について御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(西村康雄君) 今お話がありましたように、日本の国際協力というのが、とかくそういう意味では海外の要望、各国とぴったり合っていないという面もなきにしもあらずということで、そういう点は、他の先進諸国が長い期間発展途上国とつき合ってそこの文化開発、経済開発をしてきたという歴史の差というものをつくづく感ずるわけで、戦後の日本の努力によりましてそういう点でのギャップを逐次埋めてきたということが言えるかと思います。その結果、各国とも日本をようやく評価してきていると、自由諸国第二位の地位ということも加えまして、ようやく日本の対外協力というものを評価し出してきているということが言えようかと思います。 また、御指摘のように運輸省の組織が縦割りでございまして、港湾は港湾、鉄道は鉄道というような形で受け入れてきたわけですが、私ども今後の、ことし七月に予定しております国際運輸局というような組織の新しい改革を通じまして、今までのやり方を既に変えるべき努力をしてきているわけですが、その総合化に一層努力していきたい。特に最近の国際協力の要望としますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、物資の輸出入のためには内陸部の物資を海外へ出す、あるいは海外から入れた製品を内陸部へ送るという一貫したシステムが必要なわけです。そういう意味では、鉄道と港湾を複合化して整備していくということが何にも増して要求されているわけで、そういう複合プロジェクトというのがこれからますますふえてくるというのが、世界の各国からの要望の趨勢だろうと思います。 そしてまた実際に、各国の要望というのは一つの国の経済なり産業のあり方から出てくるものでございますから、出てくる形が鉄道なり港湾なりばらばらのプロジェクトであっても、その根は一つの経済政策をどうやるかということが基本になっているわけで、そういう意味では、これから国際運輸・観光局は総合的に、一体その国がどういう交通なり運輸の体系を必要としているかということを調査して、そしてその中で各国と相談しながら、こういう仕組みがいいんじゃないかということでプロジェクトを整理していくということ、これは各国とそういう早い段階から、計画の段階から協力してやっていく、そういうような手法を通しまして、各国の経済開発に積極的に協力をしていくという姿勢をとってまいりたいと考えております。
○吉村眞事君 それでは具体的なプロジェクトについて一点伺いたいわけでございますが、数年前からパナマ運河の、第二パナマ運河といいますか、これを拡張あるいは新しくつくるというような構想が起きてきておるわけでございますが、現在この構想がどういう状況にあるか、簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(西村康雄君) 第二パナマ運河の問題と申しますのは、これは非常に早い時期からアメリカとパナマで議論をされてきたわけで、特に新しいパナマ運河条約に基づきましてアメリカとパナマは新しい運河を建設することについて調査しようという相談をして、これが条約の中にうたわれてきたわけですが、昭和五十七年の九月末にようやくアメリカとパナマ政府が、両国の間で運河調査のための、フィージビリティースタディーをするためのどういう体制がいいかということを検討する準備委員会を設置するという合意ができまして、それに基づきまして日本にもその参加を求めてきたわけでございます。 これ以来日本は準備委員会に参加いたしまして、第一回が一昨年の十二月、以来四回会合がありまして、さらにその下のワーキンググループの会合が二回ということで、今日まで、どういうフィージビリティースタディーをやるべき体制がよいか議論してきているわけでございます。この調査体制の結論が出ますのが、ことしから来年の適当な時期までにできるだけ結論を出したいというのが関係国の気持ちでございます。それがそういうことで準備委員会が結論を出しましたところで本格的な調査に入っていく、この調査は今のところ三ないし五年ぐらいの期間で調査が行われるんじゃないかというようなことでございます。 この第二パナマ運河の構想というのは、現在パナマ運河を通っております船舶がかなりふくそうしておりまして、パナマ運河の両方の入り口で船がかなり待たされるというような状況がありまして、もう既にパナマ運河がかなりいっぱいになってきている。今後の長期の世界の経済の拡大を考えますとこのままではやれないということで、何らかの意味で太平洋と大西洋をつなぐいろいろな手段を考えなきゃならないということでございます。この運河の構想についてはいろんな形が考えられるわけで、新しい運河を掘るということから、現在の運河を拡幅改修する、あるいは現在三段階で水位を調整しておりますが、これらの水位調整を単純化してもう少し全体の輸送量をふやすというような案までございます。どのような案がいいか、これから調査委員会で今後検討していくわけですが、こういう構想が具体化しますと、我が国を初めこの運河を利用している各国にとりましては非常に経済的な利益が出る。先ほど申しました世界経済の拡大がここで抑制されないで円滑な発展が期待されるということで、もしこれができません場合にはかなりの迂回路ということになり、世界経済の発展を制約するということに相なろうかと思っているわけでございます。 そういう意味で、この運河自身の建設の意義がございますが、我が国にとりましても、世界的なこういうプロジェクトに協力していくということは、世界各国に対しまして、日本が経済大国として世界の中で協力していったということがまた評価されるのだという点でも、非常に重要なプロジェクトだと考えております。
○吉村眞事君 国際的に最近では同時不況とか、もう世界全体がいろんな経済的な動きが大きく一つの形で影響を受けてくる。現在、国際的同時不況が徐々に解消しつつあるということになっておりますが、まだ十分なことにならない。こういうことを考えますと、今審議官が触れられた運河の利用面から見た大きな効用と同時に、大きなそういった国際的なプロジェクトというものを起こして、世界の各国がそれに協力をしていくことによって国際的な総需要を喚起するというような観点も、今後の考え方の中には入れていっていただく方がいいのではないかというふうに思います。 そういう意味で、最近、聞くところによりますと、パイプラインの敷設が進んできた問題、あるいは全体的に荷動きが少なくなって需要が減ってきた問題等に絡んで、必ずしもパナマ運河を大々的にやらなくてもいいというような意見もときどき見かけるわけでありますけれども、ただいま申し上げたような観点も含んで、どうぞ政府としては前向きに検討、対処をしていただきますことを御要望申し上げておきます。 それでは次に、港湾の問題について二、三伺いたいと思います。 現在港湾は五カ年計画によって整備をしておられるわけでありますが、現在実施中の五カ年計画も大分終わりに近づいてきておりますし、また経済社会情勢も大分変化をしてきておる。今後のこういった変化に対応して、長期的にどういうふうな態度で取り組んでいかれるおつもりか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小野寺駿一君) ただいま先生からお話がございましたように、最近の世界の情勢あるいは我が国の諸情勢がいろいろ変わってきておりますが、これからの我が国の経済社会の発展の方向という点を考えてみますと、これからはやはり二十一世紀に向かって、先端産業の発展などを柱といたしまして、国際化、情報化、都市化というふうな道を歩きながら、安定的に成長していくと考えられるというふうに思います。そのような状況に対応いたしまして、港湾に寄せられる要請というものも変わってこようかと思います。 それを取扱貨物量という点で見ますと、現在、おおむね二十八億トン程度の貨物を扱っておるわけでございますが、従来、原油の輸入でございますとか、あるいは鉄鋼の生産に伴います鉄鉱石の輸入などの鉱石類の輸入というふうな大宗貨物が昔は非常にふえたわけでございますが、高度成長時代が過ぎたわけでございますから、そのような貨物の大きな伸びというものはこれから先は期待できないというふうに考えております。しかしながら、一方では、プラント類でありますとか、あるいは各種の高度の工業製品の輸出の増加でありますとか、それらに伴いますところの我が国の経済の活発化というふうなことに関連いたしまして、今後とも港湾の貨物は緩やかながら着実に増加していくと考えられるというふうに思っております。 したがいまして、そういう状況に対応しての今後の港湾整備ということでございますが、それらのどういう貨物がどういうふうにふえていくかということ、あるいはどういう要請が出てくるかということなどにつきまして、従来以上にきめ細かく情勢の方向というものを見定めながら対応をしていかなければならないということになろうかと思います。その際に、中でもやはり、輸送の近代化、合理化というふうな状況に対応できるような埠頭を整備するとか、あるいは新しい都市空間の整備を図るとか、あるいは臨港交通施設の整備を従来ともまた違った形で進めていくとか、あるいは安全に対する国民の関心も非常に高まってきておりますので、そういうことに対応いたしますところの安全対策の充実というふうなことが求められてくると思っております。 そういうことでございますので、私どもといたしましては、このような港湾をめぐる諸情勢の変化に適切に対応するという観点から、これからの変化等に対しまして細かく検討をいたしてまいりたいというふうに思っております。今のところでは、昭和六十一年から第七次港湾整備五カ年計画を発足させなければならないというふうなことも考えられますので、その前に長期的に港湾の整備はどうあるべきかというふうな施策を策定いたしたいと考えておりまして、そのための作業を既に開始いたしているところでございます。第七次五カ年計画策定に当たりましては、そういう新しい施策、勉強できた施策を反映させながらつくってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○吉村眞事君 今御説明があったような考え方で港湾を今後整備していかれるということですけれども、最近、都市再開発というようなことが非常に各地で問題になってきております。 港湾の場合も、近代港湾が発足をして以来相当の時間もたっておることでもありますし、ただいまおっしゃったような新しいニーズにこたえていくというようなことになると、港湾の場でもそういった再開発というような問題がいろいろ問題になるのではないかと思うのでございます。それで、現在そういった問題が起こっておる港湾があるかどうか、あればその場所がどこであるかというようなことをまずお聞かせいただきたいわけです。 あわせて、再開発を実施していく場合に、最近、都市再開発が民間活力の導入という観点から非常に取り上げられてきております。港湾の場合も、現在の近代的な港湾の場合には、再開発といっても一つの埠頭をつくり直すというようなことだけでは済まないだろうと思うわけで、相当広い範囲の港湾地域、港湾の区域を一体として再開発をするというようなことが必要になるのだろうと思うんですが、その場合にやはり民間活力を導入するというような方向も考えておられるのかどうか、もし考えておられるとすればその場合に問題がないのかどうか、そこら辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小野寺駿一君) ただいま御指摘がございましたように、港湾におきましても再開発ということが非常に重要になってきているというふうに思っております。すなわち、今申し上げましたような、最近の経済社会の国際化あるいは情報化、都市化というふうなことが既に進みつつございますし、それに関連いたしまして、既に、港湾に入ってまいりますところの船舶の大型化でありますとか、あるいは貨物のコンテナ化を初めとする荷役の近代化というものが順次進んでおるわけでございます。そういう事柄に対応いたしまして、従来の港湾の形だけでは対応できないというふうな状況が出てきておりますので、既に港湾の再開発というものを順次進めつつあるというのが現状でございます。なお、その際にあわせまして、先生から今お話がございましたように、近代港湾ができましてからかなり時間がたっておるということでもございますので、港湾施設そのものの老朽化、陳腐化というものも進んできておるということも背景にあるわけでございます。 そういう状況に対応して現在実施しております港湾の再開発事業を二、三申し上げますと、昭和五十九年度におきましては、東京港、横浜港、神戸港、鹿児島港などの十八の港で再開発の事業を行っております。 これらの内容というものを若干申し上げますと、これらはいずれも物理的に港湾施設が老朽化しているという状況などを背景といたしておりますが、中でも清水港、大阪港、北九州港、函館港などにおきましては、船舶の大型化あるいは荷役方式の近代化に対処いたしまして、係留施設の大型化とかあるいは埠頭用地の拡大というふうなこともあわせて再開発を行っております。 また、東京港、鹿児島港、三角港などにおきましては、今申し上げましたような港湾の機能をこの際あわせて増強するということとあわせまして、旅客のための利便を増進するというふうな観点も含めまして再開発をいたしております。 また、横浜港、神戸港、青森港、福山港というふうな港におきましては、緑地の整備でありますとか、公害防止などの環境改善ということも、この再開発計画の中にあわせて進めるようにいたしておるわけでございます。 さらに横浜港では、それらの観点からする再開発とあわせまして、横浜の都心の交通混雑をこの際緩和する、あわせて港湾に出入する特に大型車両の円滑な交通を図るというふうな観点も入れまして、臨港道路を整備するというふうなことをいたしておるわけでございます。 このような港湾の再開発を進めていきます場合に、港湾だけの観点からする再開発ではなくて、都市の再開発と一体的にさらに大きな規模で再開発を進めていくというふうな観点の港もございまして、これは現在横浜において昨年から着手いたしておりますところのMM21というふうなものに代表されようかと思いますが、今後そのような場面も順次出てくるのではないかというふうに考える次第でございます。 そのような、都市の再開発とあわせて港湾の再開発等を進めていくというふうな場面におきまして、制度上問題はないかという点の御指摘でございますが、現在のところは、港湾にかかわる諸制度、都市にかかわる諸制度というものを有機的に援用といいますか、活用いたしまして、そういう範囲の中でそれらの再開発事業が円滑に進められているのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。 しかしながら、これから先、具体的にいろいろな局面でいろいろな課題が出てまいろうかと思います。将来に向かってそれらの場面におきましては、私どもといたしましては、それらをそれぞれの場面において円滑に進めるために、一層の勉強も進めていかなければならないというふうにも思っておりますが、あわせて、新しい制度を導入することが必要であるというふうな場面がありましたときには、前向きに積極的にそういう制度の改正等にも当たっていく必要があるのではないかというふうに心づもりをいたしておるところでございます。 なお、ただいま御指摘の中に、民間活力の活用という点と港湾における再開発の円滑な遂行という点での関係という点についての御質問があったわけでございますが、この点につきましては、そもそも港湾におきましては各種さまざまの民間の活動が行われておるわけでございまして、そのことと、公共的な立場からする活動あるいは公共的な立場からする施設の整備というものについての調和と申しますか、分担関係と申しましょうか、そういうものが、過去百年来そのときどきの社会情勢等に応じながら、必要な改正を重ねながら今日に至ったと思うわけでございます。今後、一層民間活力の活用ということが我が国にとっても非常に重要な場面に参っておりますが、現在のところでは、現行制度のもとにおいて、必要な民間活力がかなり活用できているというふうに私どもは今のところ考えておる次第でございます。 今後、この面につきましても、課題が出てまいったときには前向きで検討し、対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○吉村眞事君 終わります。
○桑名義治君 行革の一環といたしまして、電電が新しいいわゆる株式会社になるという法案が出されるようでございますが、それに伴いまして第二電電構想等が財界の中では取りざたをされているわけであります。 その一環といたしまして、国鉄におきましても通信事業への進出がいろいろと取りざたをされているわけでございますが、この点について国鉄としては、現段階ではどういうふうなお考えを持ち、あるいはまた多少なりともその話し合いが進んでいるのかどうか、その点について伺っておきたいと思います。
○説明員(坂田浩一君) お答えします。 先生御承知のように、国鉄は都市間を最短距離で結んでおります鉄道の用地を所有しておりますし、また、かつ線路に沿っていわゆるケーブルを引くための管路といいますか、の整備も進みつつある現状でございます。したがいまして、光ファイバーを敷設して新たに通信事業に進出するという場合を考えても、比較的有利な条件を備えているのではないかと、かように考えている次第でございます。 また、国内でのいわゆる通信網としても、自営通信網といたしましても、全国にまたがる通信網を持っておりまして、その規模も、電電公社を除きますと最大の規模ではないかというふうに言われております。したがいまして、そういったことの建設なり維持をしてきた管理の実績もございますし、そういったことで総合的なノーハウの蓄積もありますし、また技術屋もおるということで、参入についての可能性について、現段階でいろいろ勉強いたしているところでございます。 主としてその内容につきましては、やはり何といいましても今後の事業の採算性の問題でございます。もう一つは、技術的な諸問題を勉強しているところでございます。 特に、事業の採算性につきましては、何といいましても、新規に参入した場合にどれだけの顧客が得られるかどうかという点でございますし、もう一方、けさの報道にもございましたが、今ある近距離の料金と遠距離料金のいわゆる遠近格差と言われるような問題にかかわりまして、長距離の料金の推移がどのようになるのかというような点の見きわめが必要であります。 また、一方では、技術的な諸問題といたしましては、ネットワーク構成上の問題、あるいはいわゆる基幹については鉄道は都市間を結んでおりますが、アクセスといいますか、そういった面については何も持っておりませんので、当面いろいろやるといたしましても、電電公社との接続の問題も出てまいります。そういったことで、現段階では、そういったことの見きわめをするというところで鋭意検討をしている段階でございます。
○桑名義治君 国鉄への三菱商事あるいは三和銀行等の働きかけがあるという情報と同時に、建設省と道路公団についても同じような働きかけが行われておる。それと、先ほど申し上げましたように、京セラを中心にしましたいわゆるソニーあるいは西武、そういったところとの提携による新しい第二電電構想というものが、ほぼ具体的に浮かび上がってきているというのが現在の状況でございます。そういった意味からも、経済界におきましては、第二電電構想というものは新しい今から先のいわゆる産業である、こういう大きな位置づけを持ちながら取り組んでいるようでございます。 そういった中で、国鉄がそういう意向を一応持ちながらも、余りにも逡巡をしておるならばこれまた乗りおくれてしまう、そういう懸念もあるわけでございます。そういった意味から私は今回この問題を取り上げてみたわけでございますが、国鉄総裁としては、現段階で、こういう新しいいわゆる通信事業への参入ということについてはどういうふうなお考えをお持ちでございますか。
○説明員(仁杉巖君) 今坂田常務から具体的ないろいろな話を御説明いたしましたが、確かに国鉄が新しく第二電電のような形をとるには有利な条件を備えているということでございます。これは私が就任前からいろいろ勉強しておったようでございますが、私就任いたしましてからも、強力にこれを進めるように指示をいたしていろいろ作業をいたしております。ただ、今御指摘がございました三菱であるとか、三和であるとか、あるいは経団連を中心といたしました動き、あるいは京セラ、これらと具体的にまだ話を詰めるというような段階までは至っておりません。 これはいろいろの状況がございますけれども、一つは、光ケーブルを東京−大阪間に引くというようなことはこれは非常に簡単にできると思いますが、それから先をどういうふうにしていくかというようなことで、いろいろ世の中では思惑を持ちながら動いている方がたくさんございますので、その辺をどういうふうにネットワークを組んでいくか、そして実際のお客様を獲得できるかというような問題がまずございますし、それから電電の電話網と結ぶならば、そこに今度は交換設備というようなものの技術的な問題もあるというようなことがございます。 一番大きい問題は、これは仮定の問題になりますけれども、採算性がうまくいくだろうかということが非常に難しい問題になってまいります。今坂田常務が申しましたように、きょうも遠距離の通話料金を非常に下げるというような情報もございますし、かてて加えて都内料金を上げるというような問題が出てまいりますと、英国の例にもありますように、新規参入の業者が非常に苦しい目に遭うというようなこともございますので、その辺、法案の行方あるいは郵政省の考え方、電電の考え方あるいは協力会社の考え方というようなことについて、今模索をしているというようなことでございます。 しかし、先生のおっしゃるように、余りほっておきますといろいろ問題も出てまいりますので、もうそろそろ具体的に煮詰める方がよくはないかというような考えで、今事務当局には、例えば東京あるいは大阪、その辺から先をどうしていくかというような問題について具体的に詰めるような指示をいたしておりまして、なるべく早く結論を出したいというふうに考えております。
○桑名義治君 第二電電構想の中では、とりあえず東京−大阪間ならば採算ベースに完全に乗るだろうということで動いているようでございます。 いずれにしましても、この問題はやはり国鉄側は、置かれている立場から見た場合には、これは一番有利な立場であろう、こういうように思うわけでございます。鋭意この問題については、余り拙速であってもならないし、余り緩慢にやったんじゃ乗りおくれるというような、非常に微妙な要素をこれは含んでいるわけでございますが、その点を勘案しながらひとつこれは推進をする方向の方がベターではなかろうかと私は思うわけでございます。 大臣、この問題についてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(細田吉藏君) 私は、今の総裁からのお答えがすべてを尽くしておると思いますが、前向きでやっぱりやることを進める方向で検討してもらうことは大変結構なことじゃないかと、かように思っております。しかし、十分採算等を慎重に考えてやらなきゃならぬことはもう、これまた総裁の申したとおりであろうと思います。いずれにいたしましても、複数化に伴う一つの有力な候補として国有鉄道が何らかの役割を果たすということは、私はいいことだと、かように考えております。
○桑名義治君 次にお尋ねしておきたいのは、仁杉総裁が十六日の日に記者会見を行っています。その記者会見の内容が、十七日の読売新聞には一面に大きくこれ出ておりました。総裁の、今のこの時期にこういうふうな記者会見をなさった真意というものは那辺にあるのかということを、ひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
○説明員(仁杉巖君) 今、御承知のとおり国鉄が非常に難局にあるということでございまして、その原因が、長期債務の問題にもありましょうし、また年金の問題にもあるとか、いろいろそういう問題はございます。それからもう一つは、輸送量がこの五十年ごろを契機といたしまして減り続けているというような実態もございます。 そういうことを構えまして、今、分割民営化というような議論も、もちろん臨調の答申の中から出ておりまして、監理委員会もいろいろ御討論になっているような状況でございます。しかし、いずれにいたしましても、国鉄が企業体として成り立つという前提がないといけないというふうに私は考えておりまして、これにつきまして実は就任直後から、データも国鉄は自分自身できっちり持っておりますし、それからこれをいろいろ計算するスタッフもきちっとしたものを持っております。ほかの機関よりもはるかに充実したものを持っているという前提に立ちまして、今我々は六十年の再建計画というものについていろいろと作業いたしておりまして、それの変更等も考えておるわけでございますけれども、もう六十年というと来年のことになります。これから先、少なくとも六十五年ぐらいのときに、一体国鉄が、まあ分割民営とかいうことは別にいたしまして、今の体制のままでいった場合にどうなるであろうか。それを一応見きわめた上で、それに対応して、どういうふうに考えていくべきかということを国鉄としても勉強してみる必要があるというので、とりあえず六十五年時点ぐらいの時期におきまして一体国鉄がどうなるかという作業をしたわけでございます。 まだ、これにはいろいろ仮定が入りますし、それからいろいろな考え方が入ってまいりますので、一つの案というわけにはいかないと思いますが、一応いろいろな前提を置いた作業をしてみておるところでございますが、その中間報告を見ておりますと、実は黙っておりましても年に二兆円ぐらいの債務がふえていくということは皆様御承知のとおりでございます。いろいろ合理化であるとか、いろんなことをやっていったらばそれが減るような方向がとり得るであろうかというようなことを考えてみたわけでございます。また、一方において、飛行場の整備であるとか、高速道路の展開であるとか、車の増加であるとかいうような問題も織り込んで見ないといけないということで作業いたしておるわけでございまして、まだ最終結論を出したわけではございませんが、どうも我我が常識的に考えておりましたように、六十五年ぐらいになって、やっぱりこのままで参りますと、棚上げ分も含めまして三十兆を超えそうだという常識が、どうやらいろんな計算をやってみてもやはり同じなような結果が出そうであるという報告を受けました。 国鉄の、再建というのは、決して国鉄だけでできるものでもございませんし、いろいろな方面のいろいろな御議論を、また御協力を得なければできないわけでございますが、私が申しましたのは、やはりどうも国鉄の前途はなかなか難しいということを皆様方に申し上げておいた方がいいかなという感じを持ちまして発表したわけでございまして、別にこれを契機にどういうふうにするというような他意があって申したわけではございませんので、まあ我々の作業の第一報を申し上げたという、第一報として実態を申し上げるというようなつもりで、新聞記者の質問に答えたわけでございます。
○桑名義治君 この記事をずっと読んでみますと、新聞の中にも書いてございますけれども、一番のメーンは、六十五年度には長期債務三十兆円という膨大な赤字になりますと。民営にしろ分割にしろこの債務の問題を棚上げにしてはいかなる形態であろうとも今後の運営は、再建はできませんぞ、したがって、政府あるいはまた監理委員会に対して、この問題を何とかしてくれないとどうにもなりませんぞと、警告なりあるいは要請なりをしたように思われてならないわけです。そして、それがメーンになりながら、今後のいわゆる交通事情というものが、交通体系というものがこういうふうになっていくということをお述べになっていらっしゃるんではなかろうかと、私はこう思うわけでございますがね、これは間違っていますか。
○説明員(仁杉巖君) 私は中間報告の結果だけを申し上げたんでございますが、結果として先生のおっしゃるような、結果としてはそういう方向になるのではないかというふうに思っております。
○桑名義治君 いずれにしましても、国鉄再建問題というのは非常に重大な問題でもございますと同時に、非常に難しい問題でもございます。国鉄だけの努力ではこれは解決できる問題ではございませんが、その与えられた分野の中での最大の努力をひとつ惜しまないでいただきたいことを申し述べておきたいと思います。 そこで、まず特定地方交通線の問題についてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。 特定地方交通線の第一次廃止線については、もう協議期間が二年を超えたところもございます。で、見切り条項をこの段階でいわゆる官が発動するのかという問題が、やはりそれぞれの関係地域については一番の関心事でございます。この点をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(永光洋一君) 先生御案内のとおり、再建法上は協議開始後二年間ということになっていますが、この期間が経過した場合におきまして「協議が調わないことが明らかであると認められる場合に」云々ということになっておりまして、第一次選定の協議会を始めますときにも、いろいろ地方とお話をしまして、この条項をどういう形で運用していくかということを御相談して始めたわけでありますが、そのときにも、「協議が調わないことが明らかである」という意味は、協議が調う見込みがあるときはもうできるだけその期間にとらわれずやはりその線区の廃止の問題について地元と話をしていきましょうと。したがって、期間が来たらすぐ廃止に踏み切るというようなことはないのですというような方針で、協議会を始めたわけでございます。 今そろそろ大分期間が来たようだというお話でありますが、現在十五線代替転換なりあるいは第三セクターへの移行が決まっておりますが、それらはすべて一応協議期間内に大体話がついたものでありまして、現時点において協議期間で廃止が決まっておりませんものが三線か四線ございます。それにつきましてもほぼ精力的に詰めるだけ詰めた形になっておりまして、全然どうにも先の見通しがないというものはないわけでして、そういう意味ではまだ協議の調う見込みがあるということで、今精力的に詰めておるところであります。 さらに、確かに七月以降、五十七年の七月から協議会を始めたものが半分以上ございまして、それがことしの七月になりますと満了いたします。したがって、それをどうかというお話だと思いますが、今お話ししましたように、一応めどとしてはその七月なりあるいは九月なりということしの二年目のめどに対して精力的に詰めていきたいと思いますけれども、期限が来たからと一申しまして、協議が進んでおりますればさらに協議が調うべく努力をするということで、直ちに二年が来たら云々という考えは現在のところ持っておりません。
○桑名義治君 それじゃ確認しておきますが、五十七年の七月から協議を始めたところが多い、したがって七月になれば二年が来る、しかし協議が今後調う可能性が少しでも残っておるならば見切り発車条項はこれは発動をしないで従来どおりに話し合いを、さらに煮詰めていく、この姿勢に変わりはないと、こう確認しておいていいですか。
○政府委員(永光洋一君) そういうことでございますが、ちょっとあれですが、少しでもというのはちょっとあれでして、やはり両方で非常に熱心に精力的に詰めでいっている段階において、途中で突如としてもう二年が来たからということは我我としてもやるつもりはございませんので、やはり地元としてもバスなりあるいは第三セクターに転換ということでどうしたらよかろうかということで熱心に模索し、協議をする段階においてもうちょっと考えようではないかというときに、もう考えてもだめだよというようなことは我々としてもいたさないということでございます。
○桑名義治君 そのように、第一次の廃止線についても非常に困難な問題を抱えたわけでございます。 そこで、第二次のいわゆる選定線について関係知事の意見書が十四県から提出をされておるわけでございますが、第二次選定線について運輸省としては一括承認を与える方向のようですけれども、一次もままならぬ現在、二次を改めて承認をする、こういうことのようでございますけれども、この点について大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(細田吉藏君) 第一次が全部解決してから第二次という考え方もあるいはあるかもしれませんけれども、やはりそういうわけにもなかなかまいらない。法律並びに政令の定めておるところでございますので、第二次を今指定すべく、国鉄からの申請があって関係の都道府県知事に意見を聞いておる段階でございます。でございますから、第一次が今鉄監局長が申しましたが進行しておる途中でございますが、ここから始めて第二次について御検討いただく、こういう段取りにいたしておる次第でございます。
○桑名義治君 いずれにしましても、この特定地方線のいわゆる廃止問題は地域にとってはやはり重大な問題でございまして、国鉄という立場から考えた場合、これは赤字を抱えておる。先ほども論議に出ておりましたけれども、地方の運賃値上げをしても五十億ぐらいしか寄与度がないというような状況の中で、またこういう問題を惹起しているわけでございます。地方のいわゆる都市の生成の過程を見てみますと、国鉄の駅が最初にできて、そこから新しい町づくりが始まってきたという一つの歴史的な経過の中で、やはり地域住民の国鉄駅に対する、国鉄の路線に対する愛着というものは非常なものがあるわけでございます。そういった意味からも、あるいはまた地域開発、あるいはまた地域振興というそういった立場からも、これは重大な問題にも地域ではなっておるわけでございますので、その点ももう一度よく酌んでいただきたいと、こういうふうに思います。 そこで、次の問題に移りたいと思います。 この三月末で締め切られた五十八年度のいわゆる国鉄収支決算見通しが速報で発表をされているわけでございますが、予算との対比で運輸収入と経費がどのようになっているのか、また、その結果単年度赤字の純損失はどのような額となっているのか、それから五十八年度末の累積赤字の額はどういうふうになっているのか、これを御説明願いたいと思います。
○説明員(竹内哲夫君) 五十八年度の運輸収入は、ただいまのところまだ概算でございまして正確な数字はもう少したちませんとはっきりいたしませんが、現在のところでの見通しては、予算に対して約千二百億円のショートをすることになるのではなかろうかと見込んでございます。この内訳は、旅客で五百億円、それから貨物で七百億円ということでございまして、かなりやはり貨物収入の減少のウエートが非常に高いという実態でございます。 その結果、当初予定をいたしましたいわゆる純損失が増大するのではないかという御懸念もあろうかと思いますけれども、この面では、五九・二に行いました貨物合理化あるいは年度内に行いました要員規模の削減あるいは物件費の節約というようなことで、このショートいたす可能性のあります千二百億円は経費面で何とかカバーができるのではないかというふうに考えております。したがいまして、五十八年度予算では一兆六千八百九十億円という損失を見込んだわけでございますけれども、損失額はこの範囲内におさまりそうだということで、かなり経費減の効果というものが貢献をしてきているのではないかというふうに思っております。 その結果五十八年度末の累積赤字も、これまた当初見込みましたように、一般勘定で五兆三千三百十五億円、それから特別勘定で五兆三千二百二十一億円、合計十兆六千五百三十六億円、この範囲内に大体おさまる見込みだというふうに考えております。 それからなお、今年度末の債務残高でございますけれども、合計いたしまして二十兆三千億円、大体その程度の規模になるのではなかろうかというふうに思っております。
○桑名義治君 今御説明がございましたけれども、運輸収入が予算に比べて約千二百億円不足した、こういうお話でございますが、この原因は大体どこにあるんでしょうかね。
○説明員(須田寛君) お答え申し上げます。 今御説明がございましたように、貨物で約七百億、旅客で約五百億ショートいたしておりますが、旅客、貨物共通の問題といたしましては、やはりやや景気が低迷をいたしておりまして、その意味でもう一つ需要が盛り上がらなかったということが基本にあると思います。そのほかに、特に貨物におきましてはやはり輸送構造の変化、これは荷主さんがいろいろ輸送手段の変更をなさったり、あるいは空港輸送の燃料がなくなったりというふうな、そういったようなこと、それから雪害によりまして非常に大きな影響を受けた、そういったような原因が考えられます。 それから旅客におきましては、やはり最盛期でございました昨年の夏のシーズンでございますが、天候が非常に不順でございまして、かつ非常にお客様の多いお盆の時期に台風が参りまして、これで相当大きなダメージがございましたことと、それからやはり貨物と同じように全般的な景気の低迷、それからこの冬の雪害、こういったような悪条件が重なりまして低調に推移したものと、このように考えております。
○桑名義治君 半年度だけを見た場合には、そういう気象条件なりあるいは景気の動向なり、そういうものが大きく影響したことは考えられるわけですが、それと同時にやはり、国鉄離れとよく世の中で言われておりますけれども、これがさらにひどくなったのではないかという、そういう見方はございませんか。
○説明員(須田寛君) 個々にケースを見てまいりますと、例えば高速道路が開通いたしました中国地方でございますとか、あるいは空港が整備されました秋田でございますとか広島でございますとか、そういったところを見ますと確かに先生御指摘のような現象が地域的には見受けられるところがございます。ただ、昨年度は運賃改定をお願いいたしておりませんので、その面からお客様が大量に流出するというようなことは一切ございませんでしたし、比較的他の交通機関への流出というのはむしろ少なくて済んだのではないかと、こんなふうに思っておりますが、地域的には今申し上げましたようなかなり影響を受けた地域もございますので、その辺はもう少し分析してみたい、かように考えております。
○桑名義治君 なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、先ほどからの仁杉総裁の記者会見の談話の中で、六十年から六十五年度の間にはさらに一層そういう空港の整備あるいは道路の整備等でいわゆる収入がダウンするおそれがあると、こういうお話を現実に総裁がなさっておるわけですね。 ということは、言葉をかえて言うならば国鉄離れという言葉にもなるわけです。国鉄離れと言えば言葉がちょっと嫌に聞こえますけれどもね、そういう客観情勢というものがやはり旅客収入に微妙に影響してくるおそれがある、こういうことをある程度は認識をしながら予算の上にも計上し、シビアに物を見ていく必要があるのではなかろうか、こういうつもりで私はこの問題を今取り上げているわけでございます。その点はどうでございますか。
○説明員(須田寛君) 先生御指摘のようにやはりこれはかなり厳しい情勢があることは事実でございますが、ただ、昨年度だけではございませんが、最近私ども非常にいろんな意味で営業努力を、口幅ったいわけでございますがやっております。したがいまして、そういった他の交通機関の動きも十分見きわめまして、私ども企画商品と言っておりますけれども、いろいろ割引をやりますとか、あるいは輸送、ダイヤの面でのサービスの改善に努めますとか、いろいろそういったことにはかなり努めてまいりまして、我々なりにそれなりの実績は上がったというふうには考えております。 しかしやはり、極端に高速道路が大々的に開通いたしましたり、例えば空港の便数が激増したりしたようなところにはどうしても抗しがたいものがございますが、全体といたしましては、かなり体質的にそういったものと勝負ができると申しますか、営業が成っていくような状況、こういうものが次第に生まれてきたように思っておりますので、なおその辺はこれからも努力を続けてまいりたい、こんなふうに思っております。
○桑名義治君 国鉄の改善の努力は見るべきものがあるわけでございますが、そこで五十八年度の決算収支見込み額と経営改善計画の上の数値との関係はどういうふうになっているのか、これを伺っておきたいと思います。なぜかというと、これ六十年度で一応終わるわけでございますので、現在の段階でこの数値がどういうふうな動きになっているかということを比較対照の上で御説明願いたいと思います。
○説明員(竹内哲夫君) 経営改善計画との関係におきましては、やはり何と申しましても旅客輸送量は当初横ばいないし微増と、それから貨物につきましては横ばいないし微減という程度で計画を組んだわけでございますけれども、実績はかなり状況が違ってまいってきております。旅客に関しましては、五十八年度まだ実績が的確につかめておりませんけれども、輸送量から見ますと計画に対しまして九六ないし七%、貨物につきましてはこれは七〇%前後ではないかというふうに考えております。したがいまして、収入もそれに関連をいたしまして予定をかなり下回るという実情でございます。ただ、全体の経営収支の状況でございますけれども、経費面で当初予定をかなり大幅に引き下げてございまして、その関係から収入減と経費減というものがかなり相関をもって推移してきているというような状況でございますので、必ずしも全体として大きく悪化したというところまでは何とかいかずに済ませられるのではなかろうかというふうに見ております。 ちなみに、私ども一応収支の試算を三つの区分に分けていたしておるわけでございますけれども、幹線につきましては、もちろんこれもかなり資産充当を当初予定よりふやしたというようなこともございますし、経常的な収支で必ずしもいい状態だということは申せませんけれども、しかし五十五年当時ありました幹線におきます赤字が、五十五年度では四千二百億円程度であったわけでございますが、これが、五十八年あるいは五十九年度におきますこのところの要員規模の削減だとか物件費の節減等によりまして、何とかここで損益で黒が計上できるというようなところまで参ったのではなかろうかというふうに思っております。 しかし一方では、先ほど来お話に出ております地方交通線関係につきましては、五十八年度末で第一次の特定地交線については転換をする。それから五十九年度末では、第二次につきましても転換を完了するという計画でおりましたけれども、これはかなりずれ込んできておるわけでございますし、また収入面につきましても、ことし初めてお願いをしております割り増し運賃も一〇%程度の規模でございますので、収支両面からいいまして、当初計画よりこちらの方はかなり悪い状況で推移をしているという実情でございます。 さらに、特定人件費につきましてはほぼ予想をしたとおりでございますけれども、若干年金の負担額が増加しているというようなことで、これは若干でございますけれども、どうも悪化しつつあるんではないのかというふうに思っておりまして、全体として見まして、確かに収入は非常に落ち込んだわけでございますが、かなり幹線部分におきます経営改善の効果というものが出てまいりまして、予定より悪化は避けがたいと思いますけれども、その悪化の程度というものが、この収入減による影響というものを相当大きくカバーを全体としてはしているというのが実情ではなかろうかというふうに思っております。
○桑名義治君 先ほどからいろいろ国鉄の収支決算の見通し並びに経営改善計画との比較、この論議を少ししてみたわけでございますが、このことについての大臣の御感想はどうでございますか。
○国務大臣(細田吉藏君) 私は、少し長くなるかもしれませんが、こういうふうに考えております。 運輸収入の増加については、客観的な条件は非常に悪い。ということは、景気の問題もございますし、対抗機関、航空機並びに自動車の問題もございます。悪いのでございますが、しかし国有鉄道の営業努力というものはまだまだ私は足りないと、かように思っております。今、須田常務理事からいろいろお話がございました。一時よりはかなりやってもらっておると思いますけれども、もっともっと努力をしてもらわなければならぬ。セールスですね、セールスはもっとやらなくちゃ、一般に商売はですな、我々のところへでも証券会社から知らぬ者が電話をかけてくるぐらい熱心に売らんかなの姿勢でやっておるところでございますから、国有鉄道はそれこれ前垂れがけで、ここのところこういう時代でございますから、単に営業部門の関係の人だけでなくて、挙げてやってもらう。また大勢の先輩もおられますから、私も先輩の一人なんですけれども、先輩ももっともっと売り込んでもらわなきゃならぬ、営業政策を十分に立ててもらわなきゃならぬと、かように思っております。 そして今、収支関係ではどうやらということは、合理化によって収入の減った分を支出の減で賄っておると申しておられます。それはもうそのとおりなんですが、私は、いずれにしましても、一方で増収を図りながら、とにかく経営の収支というものだけは何とかもうこれは賄えると。借金と投資の問題については、これはどうするかということを考えてやらなければいけない。しかし、経常の収支だけは、これによって借金がふえるということだけはとにかく防ぐ、できるなら運賃改定もやらないで、とにかくその赤字がふえるという分だけは、そしてそれが積み重なるということだけはなくするということに何とかしてこぎつけられないか。そうして一方の投資の問題どこれまでの借金の問題を片づけると。そうしませんと、これはもうどんなことをやりましても、分割民営化だとかいろいろ言いますけれども、総裁の新聞発表じゃありませんけれども、私はやれない、計画しても実効が上がらないというふうに思います。 で、私は、総裁が累積債務が三十兆というようになるという計算が出ておるという新聞発表をしておられますが、これは計算の仕方によっては私は出ると思います。しかし、そうしたのではこれはもう困るんで、それまでに設備投資のあり方というものを考える、経営のあり方の赤字を考えるということで、累積債務三十兆円などにいたしては相ならぬと、かように考えておる次第でございます。
○桑名義治君 大臣の国鉄再建に対するいろいろな構想を伺ったわけでございますが、その中で、やっぱりセールスを一生懸命やらなければだめだと。もう単年度は、単年度なりの収支は、少なくとも黒字にしていかなきゃいけないというお話でございます。そのためにはセールスをうんとやらなければならないと。 そのセールスでございますが、今たくさんの商品が出てまいりました。たくさんの商品が出て、今度は利用者は迷うんですね、現実に。あれがありこれがあり、もうあれがありこれがありで、いろいろ割引制度が出る、あるいはパック、もういろんなものが出ておりますが、これもう少しわかりやすくできないですかね。
○説明員(須田寛君) 御指摘のような点が若干あることは事実でございますが、今回運輸審議会からもそういった割引制度の簡明化、体系化をせよというふうな御指示を大臣を通じて伺っております。したがいまして、私どもも大いに勉強をいたしまして、今ございますいろんな割引制度を極力体系化する、そしてお客様への御案内方法を工夫いたしまして、極力わかりやすい、御利用いただきやすい制度にするように、今回の運賃改定を機に心持ちを新たにして取り組みたいというふうに考えております。
○桑名義治君 五十九年度予算で一千八百億円の運賃値上げによる増収が計上されて、いよいよ二十日から、あしたから行われるわけでございますが、平均八・八%、こういうことになるようでございます。で、実際に現状の段階で、いわゆる運輸収入が伸び悩んでおる段階で、この一千八百億円の増収が可能なのかどうか、ここら辺はどういうふうに見ておられますか。
○説明員(須田寛君) 確かに厳しい客観情勢ではございますが、今回お願いいたしました運賃改定は地域別運賃を導入させていただいております。つまり大都市では据え置きないしは抑制をいたしましたし、地方交通線では割り増しをちょうだいする、こういったようなことでございまして、言いかえますと、私どもの方から申し上げますと、非常に企業的な運賃、営業のしやすい運賃に一歩近づけることができたというふうに考えております。競争力が強いというふうなことにつながるかと思います。 したがいまして、そういった運賃体系をフルに活用いたしますと同時に、先ほど来いろいろ御指摘をちょうだいしております営業活動、こういったものに全力を集中いたしまして、それらを前提といたしまして私どもは確保できるものと考えておりますし、またそのようにしなければいけないと、このように存じております。
○桑名義治君 そこで、今回の場合を見てみますと、幹線については平均が九・四%、それから地方交通線については平均が一六・三%、こういうような値上げになるわけでございますが、地方交通線の割り増し運賃による収入は、午前中も論議がちょっとなされておったわけでございますが、五十億円というわけでございます。わずか五十億円のために地方交通線に割り増し運賃を導入すること、これはいろいろな面から見て少し不合理なような気がしてならないわけです。国鉄側のいろいろな説明がございました。いわゆる地方の私鉄との運賃の格差問題やら、いろいろ説明がございました。しかしよく考えてみますと、ローカル線を走っている汽車というものはもう大体古い汽車がつけてある。それから旅客のそれぞれのいわゆるサービスという面につきましても、比較すると、幹線とローカル線というのはサービス面においてもこれ非常に落ちる。 そういうものを総体的に眺めたときに、少し酷ではないかなと、こういうふうに思うわけでございますが、この点について大臣は政治家としてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(細田吉藏君) 私は、地域別運賃というのは、今度やることになっておりますが、基本的にはいろいろ議論があるんです。これは長いこと国有鉄道は総合原価主義で全国一本でやっておったわけです。もう私どもが政府委員をやっているころには、総合原価主義でございますといってずっと説明してきたものなんでございます。そこで、問題はあるのでございますが、今情勢は、けさほども答弁に一部ございましたように、臨調の答申の方向あるいは監理委員会の方からの申し出、そういったいろんなものでございますし、それから法律も特別措置法で地方交通線には特別な措置を講ずる。そういう企業性といいましょうか、今須田常務も言ったんですが、競争といったような考え方からこの地域別の運賃を設けろということがここ数年非常に強い傾向になってきて、それを初めて今度実施するわけです。ですから、率直に申しまして、私はこれかなり、非常に地方の皆さんから見ると迷惑だということで陳情も我我の方へもうんと来ておりますし、運輸審議会にも来ております。ですから、そこに非常に問題があることはわかりながらこれをやるということなんですね。地方の鉄道で今度上げるようなところの地方鉄道と比較すると国鉄が安い、都市の運賃では地方鉄道より国鉄がところによっては倍ぐらい高いと、こういったようなことも入っておるわけですね。しかし結果的に、これをやることは私はかなり、何といいましょうか、そういうことを申しては大変不謹慎かもしれませんが、冒険といいましょうか、ある意味じゃもう非常に、一応今度初めてやることでございますので、どのような結果が出るか実は私は政治家としてという反面、実務のこともやった者としても非常に心配しておる、こういうのが偽らざるところなんでございます。 これがどういう結果が出てくるかということは十分注目して、虚心坦懐にこれは見ていかなくちゃいかぬ、かように思っておるんです。 ではやめたらどうかということなんですが、今やめる方向にないわけなんで、ずっと、やれという方向で国会の審議も参っておりますし、法律も参っておりますし、臨調も監理委員会もなっておるものですから、これはやるということで、問題があることは私も十分承知をいたしております、そういった意味で十分今後の状況は見きわめてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○桑名義治君 そこで、運輸審議会は、今回の地方交通線の割り増し運賃導入による国鉄離れについて、今後の輸送需要の動向、それから増収効果などを検証した上で今後の運賃のあり方を検討してほしい、こういう要望事項が付されております。さらに、地方交通線に割り増し運賃が適用されることにかんがみ、利用しやすいダイヤの設定等輸送需要の実態に即した輸送サービスの改善に努めるよう国鉄を指導すること、こういう条項があるわけでございますが、こういう条項に対して、運輸省としては国鉄にどういうふうに指導をなさったのか、あるいはなさるおつもりなのか、その点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(永光洋一君) 要望事項が五つございますが、合理化等につきましてはもう御承知のとおりと思いますので省略いたしまして、第三番目の、いわゆる導入後の問題について、輸送需要の動向なり増収効果等をよく見きわめてそして今後のあり方についてということでございますが、我我も全くそう思いますので、今大臣が言われましたように、今度、運賃改定をあしたからさせていただいた後、ローカル線の運賃の実態等を十分検証いたしまして今後のあり方について考えたいと思いますし、この点につきましては、国鉄の方とともども検証方につきまして打ち合わせを行いたいと思っております。 さらに、第四項におきまして、利用回数の多い乗客の負担を緩和するための適切な措置ということにつきましては、回数券なりあるいは定期運賃につきましてこれは指導いたしまして措置をいたしたところでありますし、さらに、そういうふうにお客さんに余計運賃をいただくということでサービスも、地方交通線については余りよくないという御指摘もありますので、乗り継ぎのダイヤの改正とかあるいは同数とか、そういう面でのサービスの改善につきましては国鉄にもこの旨を強く言っておりますし、今後のダイヤ改正等に当たりましてこの点の実現方を図るように指導をいたしたいと、かように思っております。
○桑名義治君 そこで、地方線は、地元の方が一番言われている問題は何かと言えば、結局本数が少ないということが一番よく言われますね。したがって、長く連結するんではなくて、地方交通線には、レールバス等を導入してしょっちゅう走らせるというような方向の方がベターではないか、こういうような御意見が非常に強いわけでございますが、こういうような、いわゆる地方線にレールバスを導入する、そういう御意見はお持ちでございませんか。
○説明員(須田寛君) 今一部の国鉄のローカル線を転換した会社で、レールバスを運行しようという計画があるやに聞いております。レールバスも大分性能が変わってまいりましたのであるいは今後の検討に値するかと存じますが、過去にレールバスを導入いたしましたときに、それが行き詰まりました理由が幾つかございまして、一つは、やはりどうしても私どもの方のローカル線は通勤通学のお客様が大変多いものでございますから、そういったところで非常にレールバスが対応が難しいということで、それから、過去のレールバスというのは、耐用命数も余り長くなくて余りコスト減に実はつながらなかったというふうな難点がございますので、やや私どもは今までは消極的な考え方を持っておるわけでございます。 今一部のそういった地方鉄道でレールバスの御計画もございますものですから、そういった状況等もよくにらみ合わせながら今後の取り入れ方は検討してまいりますが、従来はそういうことで、私どもはややレールバスについては消極的でございました。ただ、今先生おっしゃいましたように、編成両数を見直しまして、極力お客様の少ないときは編成を短くして、そして列車の増発にそれを充てる、こういったようなことは今後十分検討してまいらなきゃいけない、また、現に一部では実施をしておる、こういうような状況でございます。
○桑名義治君 そこで、今回の割り増し運賃を導入するに当たりまして、いわゆる地方交通線と幹線とにまたがって乗車する場合、この場合に運賃計算キロというものを採用しているわけでございますが、これと擬制キロと言われるものとどういうふうに違うんですか。御説明願いたいと思います。
○説明員(須田寛君) 擬制キロと申しますものに実は明快な定義がないというふうに私ども思っております。いろんな考え方がございますが、私どものように運賃を実務として担当いたしております者につきまして考えております擬制キロと申しますのは、あくまで全般的に、つまり、運賃に異なった賃率を適用いたします場合には、あくまで賃率は一本にいたしまして、実際上の適用いたします営業キロを延ばしたり短くしたりいたしまして結果的には運賃を違うようにする、運賃の格差をつけるということで、全部キロに置き直して運賃をちょうだいするのを私どもは擬制キロと、こういうふうに言いならわしているわけでございます。 今回お願いいたしておりますのけ、実は、地方交通線の中だけとか幹線の中だけをお乗りになります場合はあくまで従来どおりの基本原則でございまして、実際のキロで計算をいたします。ただ、今先生御指摘のございましたように、またがります場合だけキロの伸縮によりまして運賃を計算するという、非常に限定したところだけにキロの伸縮を導入しておりますので、私どもが従来使ってまいりました定義の擬制キロとはやや異質なものだと、こういうふうに考えておりまして、私どもは擬制キロという言葉は今回の方法には使っていないわけでございます。
○桑名義治君 そういうような御説明、があるというふうに私は思っておりましたけれども、しかし、幹線といわゆるローカル線とを結ぶ場合についてのみローカル線の部分を一・一に換算するわけですから、したがってこれは擬制じゃないですか。そこら辺がどうもわからない。 特に僕がきょうここで問題にしたいのは、その擬制キロの場合は運賃法の第七条の二、それから今回の場合は運賃法の十条の二の二項、これを適用していると思うんですよ。で、七条の二と十条の二の二項、これがどうも相反する意味合いを条文が持っているというふうに考えられてしようがないわけです。十条の二の二項、これを拡大解釈していきますと、どこまでも運賃が変則的ないわゆる値上げにつながっていく。ところが七条の二は、一つの枠をはめてきちっと限定をしているわけですね。だから、どうもこの関係は再度見直していく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(永光洋一君) 今先生が御指摘になったような議論というのはあるわけでございまして、そういう御質問を受けるわけでございますが、我々としましては、十条の二の二項という条文は、今七条の二をお引きになりましたが、その他に三条の二項という問題もあると思いますが、本則的には三条の二項なり七条の二が運賃法の原則であろうと思いますが、やはり、異なる賃率でローカル線と幹線とを決めた場合の計算方法については運輸大臣がこれを決めるということを、改めて再建法の附則で十条の二の二項として入れましたときに、いわゆるその計算方法でやる場合に限っては特段運輸大臣の認可を得てできるというふうに解して改正したものと我々は思っております。
○桑名義治君 だから、大臣の認可さえ取れば運賃は伸縮自在、幾らでも変更ができる、こういうふうに極端に言うならば解釈もできないわけはないんです。そこで、こうやったいわゆる拡大解釈をどんどんどんどん運賃に適用していきますと、いわゆる鉄道運賃法の第一条の二項、ここに四つの項目が分かれておるわけでございますが、この項目に違反をするのではなかろうかというふうにも考えられますし、今から国鉄が将来どういう経営形態になるかわかりませんけれども、だんだんだんだん私鉄並みの認可制度になっていくんじゃなかろうか、その一つの、いわゆる一里塚として今回のこういう運賃制度が施行されたんではなかろうか、ここまで我々は考えたくなるわけでございますが、その点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(永光洋一君) 運賃法の一条の二項に原則を書いてございますが、これはやはり国鉄の運賃につきましての基本的な原則でありますので、公正妥当なものであること、あるいは原価を償うものであること——この四項につきまして、それは全般的な運賃の決め方、あるいはそれぞれの計算方法等につきましても当然念頭に入れるべきことではないかと考えておりますし、それは確かに全国一律運賃ということで従来までやってきておったわけでありますけれども、逆に申しますと、非常に独占的な地位を失って競争的な状況の中で幹線と地方交通線の営業のいわゆる収支が非常に格差ができてきた、あるいは利用者に対する、むしろある意味での均衡を失するようになってきたという面からいいまして、今回の程度の運賃の格差を設けることは、また逆に公正妥当なものでないということではないというふうに考えますし、また原価を償うという点も、いろいろ考え方はあろうかと思いますけれども、今申しましたように、それぞれの線の原価にできるだけ反映するという考え方ということも許容されるものではないか、こういうふうに考えておりますので、少なくとも第一条二項のこの基本的な原則とというものは一応踏まえながら今回の運賃の改変を行ったというつもりでございます。
○桑名義治君 今の答弁、僕は答弁になってないと思うんですよ。いずれにしましてもちょっと無理な答弁ですな、確実に。
○国務大臣(細田吉藏君) 私から言いましょうか。
○桑名義治君 後でお伺いします。 そこで、今回の運賃値上げの問題、地方交通線と幹線がまず違いますね。それと、幹線の中でも、大都市の国電区間とそれ以外の区域間がまた違う、もう大変に複雑多岐にわたっているわけです。今後こういう方向でどんどん運賃を決定するとするならば、これはもう既に国鉄のこの運賃法というものを改正していかなければならないような状況の中に最終的に入っていくんじゃなかろうか。そうとするならば、むしろこの運賃法を改正して、法律上擬制キロ一本に絞っていく、これの方がむしろ僕はベターじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その点どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(細田吉藏君) ちょっと私から、先ほどの鉄監局長の答弁に追加して少しお答えしたいと思います。 この運賃法の第一条の第二項の四つの項目というのは、これはもう昔から問題になっておるのでございます。この四項目というのは、実を申しますとある意味では、厳密に解釈しますと相互に矛盾をするのでございます。特に第四号に「賃金及び物価の安定に寄与すること。」と書いてありますが、これを厳密に考えていきますと運賃値上げというのはできないということになる、こういうことにもなるわけでございます。 そこで、これはもとから問題になっておるんですが、この中で解釈としては一番重点を置いて考えられるのは、「原価を償うものであること。」、この第二号が一番重点を置かれて考えられるべきものであるというのが、法制局なり政府の在来の考え方でございます。そういうことでございまするので、御質問のような御議論が出ることはこれはもう当然だと思います。特に、今度こういうものが出てまいりますと、十条の二の項目のようなところが、これは法制局の解釈でここまではやれるということで十条の二がついたわけでございますが、これ以上に自由自在なことになるということになりますると私は、これは私の解釈でございますが、運賃法というものを根本的に見直さなければならないのではなかろうかというふうに思っております。かたがた、一方で分割民営化問題というものが出ておるわけでございますので、そういったこととの関連においてどう考えていくかということもございます。したがって、今あなたのおっしゃった擬制キロ一本というような御発想もこれ貴重な一つのサゼスチョンとしてちょうだいいたしまして、今後運賃がどうあるべきかということについて検討していかなきゃならぬ、かように考えておる次第でございます。
○桑名義治君 時間が来たのでやめます。
○小笠原貞子君 きょうは、自衛隊と米軍の訓練空域の問題について、空の問題としてお伺いしたいと思います。 雫石の事故が起こりましてもう十三年になろうとしています。あの大変な犠牲を強いられた教訓から航空保安体制——航空路監視レーダー、ARSRや、その情報処理システムのRDP等々の地上管制施設の整備が図られたということは、一定に評価していいことだと思います。しかし同時に、その主要な機器、技術の導入で空の安全が担保されているかというと、必ずしもそうではございません。むしろ、重大な問題が新たに生じてきているということも確かなことだと思います。とりわけ、東北、北海道地域の上空における安全性は、ここで改めて警鐘しなければならないことだと思うのです。 その東北、北海道空域に今度ようやくVOR航空路が設定されました。これは一歩前進と言えると思うんです。その中で、東京−釧路間のVOR航空路については、昭和五十年我が党の石間議員が取り上げて以来九年たちました。で、ようやく決まったわけでございます。 まず最初に、そのVOR新航空路の経路と自衛隊との関係、そしていつから運航するのか、釧路並びに帯広も含めて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(山本長君) 新しい航空保安施設でございますVORを中心にして全国の航空路網を再編するという計画で、全国にわたって実施を進めつつある段階でございます。関東から西日本に至ります航空路については、でき上がりました。東北、北海道地区がまだ残っております。 この東北、北海道地区におけるVOR航空路を設定いたしますときに、やはり防衛庁、米軍の訓練空域との調整が必要でございます。御質問の釧路なり帯広なりに東京から参りますルートは、そういった訓練空域を避けまして、千歳に向かって真っすぐ北上いたしまして、そしてほぼ九十度といいますか、曲がりまして東へ行って着陸するという、直角三角形の二辺を運航しておるという状態でございます。これをなるべく同行化したいということで作業を進めておりますが、具体的に申し上げますと、青森の沖合にございます訓練空域、これは米軍の訓練空域、自衛隊の訓練空域両方ございました。まだございますものもございます。この航空路の設定につきまして、両者と運輸省と長年折衝をしてきておったわけでございますけれども、米軍の訓練空域につきましては、去る二月の十六日に訓練空域を移転するということが完了いたしました。それから防衛庁の訓練空域につきましては、防衛庁の訓練空域と民間機のこの航空路との調整を図るということでもって、訓練空域を物理的に全くなくするというわけにはまいりませんけれども、いわゆる分離をするという考え方でもちまして、時間分離をして安全確保を図るということにつきまして基本的な了解に達したところでございます。 ただ、三角形の二辺を行っておりましたのを真っすぐ直線で行くかというと、必ずしもそうでございませんで、若干宮古の沖から東へ行きましてそれから北上するということで、やはり三角形の二辺を通るということは変わりないのでございますけれども、直角三角形の二辺というよりは鈍角の三角形の二辺ということで、若干短絡になるということでございます。基本的なそういう合意に達しておるわけでございますので、現在事務的な細部の詰めというものを行っておる最中でございます。 いつごろまでにでき上がるのか、設定されるのかという御質問でございますが、私たちといたしまして何月というところまで今言えませんが、夏までにはと思っております。まあできれば六月末というふうな目途でやっておるのでございますが、この辺のところは若干変わってくるかもしれませんけれども、目途といたしましてはそんな目途で作業を進めておると、こういうことでございます。
○小笠原貞子君 それじゃ、その新航空路によって距離と時間というものが変わってくると思います。また、距離が変わってくれば運賃が違ってくると思いますが、どれくらいの違いがあって、それについてどのような対処を今されようとなさっているか。
○政府委員(山本長君) 先ほど申し上げましたように、直線というわけにはまいりませんでしたものですから、当初考えました距離の短縮ほどには短縮いたさないという点がございます。距離で申し上げますと約六十キロ程度短縮になるというふうに考えております。 〔委員長退席、理事桑名義治君着席〕 ジェット機でございますので、時間で申し上げますと約四分ぐらいが短縮になるというふうに考えております。 それから運賃というふうなお尋ねでございますけれども、運賃の要素としていろいろな償却の要素、金利の要素、あるいは人件費の要素、たくさんございますのですが、なかなか複雑でございますが、一番端的なことを申し上げれば、燃料は少なくなるということが一番端的な例でございます。これを現在の需要などを勘案いたしまして一人当たりということで換算いたしますと、片道約三百円というふうな試算が出るわけでございます。
○小笠原貞子君 このVOR航空路の設定に伴い、とりわけ先ほど述べられましたように、東京−釧路及び東京−帯広のV35航空路は、自衛隊のB訓練空域というものを、それからまた米軍のR129というのを、若干横切っていくという形をとらざるを得ないということになりますね。 ところが自衛隊は、これを通してやるからと、簡単に言えば、その代償として訓練空域を大幅に拡大しろという要求がされているという事実がございます。具体的にどの空域が拡大されるのか、自衛隊としてどの空域を拡大しろと要求しているのか。その実際との空域ということを教えていただきたいし、先ほどおっしゃいました米軍のR129、二月の十六日ですか、移転したと。しかしこれも拡大されておりますね、今までの範囲と比べますと。その米軍のR129、これはどれくらい拡大されたのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
○説明員(平井磨磋夫君) 関係いたします自衛隊の訓練空域はいわゆるA、B、C、Dと四つございますが、主に拡大がなされますのはDの空域ということでございます。これが一番大きく広がるという格好になっております。 それから米軍の百二十九号でございますが、これが若干広がるということでございます、広げた結果になっております。
○小笠原貞子君 広がりましたね。どれくらい広がったか。
○説明員(平井磨磋夫君) 五百平方キロメートルばかり広がっております。 以上でございます。
○小笠原貞子君 今おっしゃいましたそれに続けて、自衛隊の訓練空域の拡大というのは、私調べてみますと、A訓練空域。A訓練空域というのは北海道上空になるわけですけれども、それはどういうふうに要求されて、どういうふうに調整して、拡大するという形になっておりますか。
○説明員(前原隆久君) A訓練空域につきましては、高度は今まで二万四千フィート以上だったものが二万フィート以上に変更になる予定でございます。
○小笠原貞子君 それじゃこれは高度が下げられるということですね。 それじゃその次、D訓練空域です。D訓練空域は今までどれくらいで、そしてどれくらい拡大という要請で検討されているのでしょうか。
○説明員(前原隆久君) D訓練空域につきましては今折衝中でございまして、まだ確定いたしておりません。それで現在の面積はほぼ、これ概算でございますけれども千八百平方海里でございます。
○小笠原貞子君 じゃC訓練空域は幾らくらい拡張という交渉になっていますか。
○説明員(前原隆久君) C訓練空域につきましてもまだ折衝中でございまして確定いたしておりませんので、ただいまの時点では申し上げる段階には至っておりません。
○小笠原貞子君 それじゃ松島からの進入管制区、これはどういうふうに拡大されてきますか。
○説明員(平井磨磋夫君) 松島の進入管制区につきましては、このVORのルートの設定と並行していろいろ検討を進めまして拡大がなされておりますが、平面的に大体二倍ぐらいの面積になりまして、高度的にはまだこれもこれから決めるわけでございますが、現在五千フィート一律になっておりますが、六千から一万メートル、六千フィートないし一万四千フィート、段差をつけまして、幾つかの区域に分けまして設定をするということでただいま協議中でございます。
○小笠原貞子君 今お答えいただきましたA訓練空域は、広さは関係ないけれども高度で下げて、自衛隊の方にサービスするということになります。それからDの訓練空域、これは今おっしゃいませんでしたけれども、私どもの調査をいたしましたところ、現在六千百二十平方キロメートル、これが約倍以上、ちょっと計算いたしますと倍以上になるということを私ども調査をいたしました。それからC訓練空域ですね、これも約千二百キロメートル平方拡大ということも私どもの調査でつかんでおります。それから松島のは、今おっしゃったように平面で約二倍、高さも五千フィート、六千から一万メートルというふうに段差をつけてなさる、こういうことでわかったわけなんです。 お答えにならなかったD訓練空域、約二倍というようなことは、これは私調査して大体その程度というふうに考えてよろしゅうございますか。それからCも、千二百キロメートル平方というふうに広さを考えておりますが、いかがですか。
○説明員(前原隆久君) 正確な数字はまだ私どもの方では設定しておりませんけれども、ほぼ先生のお説に近いような形でいくのではないかというふうに現在の時点では理解しております。
○小笠原貞子君 今大臣もお聞きになったと思うんですけれども、新しい空路で自衛隊なんかの訓練空域を通してもらってより速くということは大変結構なんだけれども、今おっしゃったようにA訓練空域、D、C訓練空域、松島の進入管制というのが非常に面積的にも拡大されているし、高度の面でも非常に広げられていくということになりますね。 こういうことになりますと、これはちょっと大変だなと、そう思うんですよ。これは等価交換なんていうものじゃなくて、自衛隊や米軍にサービスがうんとなされているということになると思うんですね。例えばA訓練空域、これは北海道ですけれども、私は北海道だから一番気になるんだけれども、この地上、北海道の地上ぴったりと言っていいくらい大きな面積、北海道の上ですね。そして、ここのところは面積は変わりないけれども、今まで二万四千フィートだったのが二万フイートまで四千フィートは調整区域になると。ここも自衛隊さん使えるということになるわけですね。これ高さで相当なサービスを提供するということになるんです。 そこで、北海道の空港がどんどん整備されましてジェット化が進んでいるわけですよ。釧路、帯広、旭川もジェット化ですね。そして六十年には北の女満別がジェット化される。六十年前半になりますと今度は稚内、これがジェット化されるという計画になっているわけです。ジェット化されるということは、今までと違って高度が必要になってくるわけですね。今までのYSのみたいに低く飛ぶというわけでもない。それにもかかわらず、四千フィートというものを調整区域として引き下げたということ、そしてほかの訓練空域を見ても非常に倍近いというような広げ方をされているということは、これはもうまさに軍事優先ということになっていくんじゃないか。民間航空を守らなきゃならないというあの雫石の教訓からするならば非常に逆行した形になってくるというので、北海道はもちろん、これは全国的にも非常に心配することなんです。 そういう意味で、大臣お聞きになって、こういうことについてはなるべく抑えなければならない、なるべくじゃない、極力抑えなければならない。そして運輸省としては民間航空の安全を優先させるという立場に立って考えていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでございますか。
○政府委員(山本長君) 大臣の答弁の前に一言簡単に御説明いたしたいと思いますが、前半の訓練空域の問題と、松島の進入管制空域の問題と、二つに分かれると思いますけれども、松島の進入管制空域につきましては、この空港で自衛隊が、数十機の訓練機を持ってジェット機でもって訓練をしておるわけです。この空港に離発着させるために必要な空域が、これは安全上どうしても防衛庁側においても必要でございます。従来から、この空域が非常に狭いということで拡大の要望があったわけでございますが、私たちのVORの航空路網というものの計画が固まりますまでは、それだけを切り離して解決するわけにはいかない、こういうことで今まで延びてきておったわけでございます。防衛庁側には、VOR航空路網の検討と同時に検討して決着をつけましょう、こういうことでございました。そしてVORの航空路網の話し合いが相当進んでまいりましたので、今言いましたような進入管制空域を平面的に拡大し、かつ高さにおいても段差をつけながら認める。この段差をつけながら認めるというのも、民間航空機が飛びます高度がございまして、近いところは割合低く、中間はその次、アンカレジの方へ行くときには高く、この高度に分けまして、必要な民間航空機の高度よりも下へ、もちろん十分垂直間隔をとりつつも、それよりも低い高度で使ってもらう、こういうことで調整ができておる、まだ実施いたしておりませんが、そういうふうな考え方でございます。 それから、空域というのは広いようでございましても、実際航空の立場から見ますと、日本の空域というのは非常に狭うございます。民間航空機の面から見ましても防衛庁から見ましても狭いという感じでございまして、この点につきましては、絶えず民間航空機の側から見て、自衛隊あるいは米軍の方の訓練空域について削減をしてもらいたい、こういうふうな折衝と同時に、今度は防衛庁側も現在の訓練空域は非常に使いづらい、広くしてもらいたいという、こういう両方の要望が強いわけでございます。これにつきましては、私どもは、面積的に先生がおっしゃるように広くなろうとしているという要素はございますけれども、しかしながら民間航空機の航空路との関係におきましてセパレートして安全を確保する。それからさらに、流れの円滑化と申しますか、これを阻害しないということをやはり私たちは基本原則といたしまして、それは守ってもらうという範囲において防衛庁と折衝もし、防衛庁もそれを理解しつつ、お互い立場を尊重しながら折衝を続けている、こういう思想の上に立ってやっておるということを御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 私は実は防衛庁長官もいたしたのでございますが、日本の自衛隊機の訓練空域が非常に窮屈で困っておることは、今航空局長からの話があったことも事実でございます。したがって、機会あるごとにこれの拡大ということに防衛庁として努力しておるわけでございまして、先生の御意図もそういうところにはないとは思いますが、ただ大きくすることがいけないということになりますと、これは見解の相違ということになると思います。ただし、私どもは民間航空の安全ということを守らなきゃならぬ立場にあることはもう言うまでもないところでございますし、雫石のようなことが二度とあってはなりません。したがって、譲るべからざるものは絶対に譲ってはいけない、これはもう当然のことでございまして、頑張るところは最後まで頑張る、いかなることがあっても頑張らなきゃならぬ、このように考えておる次第でございます。
○小笠原貞子君 私が一番初めに雫石の問題から入りましたのは、やっぱりお互いに調整しながら、お互いにと言いながらもああいう事故が起きましたし、その後も自衛隊との関係でニアミスでいろいろと危険な状態があるというようなことは避けられない事実なわけです。 だから、そういう意味からいっても私は、もう一度繰り返して、じゃ思い出していただきたいんだけれども、あの雫石の事故の教訓から航空交通安全緊急対策要綱というのがつくられましたですね、御承知だと思います。そのとき説明された内村航空局長はこう言っていらっしゃるんです。自衛隊の訓練空域というものを完全に空港の空域及び航空路の空域から外しましたところに設定いたしましたと。同時に、海上に移すということになりましたというふうに説明なすったわけですよ。 私はやっぱりそういう立場に立って、細田大臣も今は防衛庁じゃなくて運輸省の運輸大臣なんだから、そういう立場に立ってぜひ、調整はすると言われるけれどもやっぱりまず何よりも民間航空の安全と優先、これをしっかり考えて対処していただきたいということを重ねて、それは御異議ないと思いますが、よろしくお願いします。大丈夫ですね。
○国務大臣(細田吉藏君) 民間航空路の優先ということについては、私ども堅持してまいりたいと、かように考えます。
○小笠原貞子君 それじゃしっかり頑張ってください。 次に、運賃の問題について具体的にお伺いしたいと思います。 航空運賃といいますのは、従来は総合原価主義が強かったのが、最近は路線別原価主義というような形で考えられてきているようでございますが、具体的に調べてみますと随分大きな矛盾が見つかったわけでございます。 特に北海道を中心として、北の方です。北の方の航空運賃が相対的に高い、かなり高い、具体的に言って。ということが事実今やられているわけなんです。そして表にしてみましたけれども、例えば、北、東京−釧路、そして南、東京−長崎、これを比較してみたんです。距離を一キロ当たりの運賃で計算いたしますと、東京−長崎は一キロメートル当たり二十六円三十銭になるんです。ところが東京−釧路は三十一円八十銭、こうなってくるわけです。そうすると、ここで一キロについて五円五十銭北の方が高い計算になるわけです。これを距離に掛けて計算いたしますと、もし東京−釧路を長崎並みの一キロ二十六円三十銭で計算いたしますと東京−釧路はどれだけ高いかといいますと、ここに出ておりますように片道五千九百八十円、往復にしますと約一万二千円です。片道で六千円高いんですわ。そしてこれはちょっと会社も調べてみたら、全日空と東亜と入っているんですけど、同じ会社を東亜と東亜というふうに比べてみると、東京−釧路の方が東京−長崎よりも利用率が高いんですよ。利用率は高い、そして距離も短い、それなのに片道六千円、往復で一万二千円高いということはこれは、千円高い、二千円高いんじゃなくて、けた違いに往復で一万二千円高いというのはちょっと納得できないんですよ。見解の相違じゃなくて、数字ですからね、納得できないんですわ。 それから今度、キロ数で一千キロ以下を出してみたんです。そうしまして札幌−名古屋、それから鹿児島と名古屋、名古屋を基点にしまして北と南を調べてみました。そしたらここでも、一キロ当たりの単価で言うと、鹿児島−名古屋、南の方は二十六円八十銭なんです。ところが札幌−名古屋、北に行きますと三十三円十銭と、ここでも差が出てきております。だから、これを距離に掛けてまいりますと、片道でやっぱり六千百六十円、往復にしますと一万二千三百二十円、ここでも余計北の方は高くなっている、こういうことです。 それから、もっと近いところ、距離の短いところ、札幌と仙台、そして南、仙台と名古屋、こういうふうに調べてみますと、札幌−仙台はキロ当たりが三十一円五十銭、名古屋−仙台になりますと二十七円三十銭、ここでも一キロで結構差が出てくる。だからこれを距離に掛けますと名古屋−仙台というのが札幌−仙台よりも二千六百三十円安い、札幌−仙台は二千六百三十円高い、片道で、という結果になってまいります。 それから、うんと近い距離、三百キロ以下の近距離で調べてみますと、札幌−釧路は原価が一キロメートル当たりが四十七円三十銭。札幌−釧路、北は。南の大分−鹿児島というところを見ますと、これ三十七円五十銭ですね。九円八十銭一キロで違ってくるわけです。だからこれをキロで掛けていきますと、札幌−釧路、北の方はまさに大分−鹿児島、南に比べると、こんな近距離で二千五百五十円、往復にすると五千百円高いということになるんですわ。 私、北だから言うわけじゃないんですけれども、本当に北の方が高いんですよね、大臣。北海道、鉄道は外されるわ、飛行機は高いなんていうと、北海道の人間はどうなっちゃうんですか、私断然これ不合理だと思うんですよ。これを是正していただきたい。どうお考えになりますか。
○政府委員(山本長君) 若干御理解願いたいと存ずるのでございますけれども、航空輸送というのは戦後のものでございますけれども、とりわけ四十年代になりまして発展した、ここ二十年に発展した交通機関というふうなことが言えるかと思います。したがいまして逐次新しい路線が開設をされていったわけでございます。したがいまして、その路線を開設するときにその運賃を設定する。そのときの運賃と申しますのは、そのときのコストとそれからそのときに見込まれるところのその路線の需要、需要とコスト、需要に基づく収入とコストの関係で運賃が決まってくるわけでございますから、そのたびごとに運賃を決めて設定をしていった。したがって、必ずしも古い歴史を持つ国鉄のようには、キロ当たり幾らということで全国一律にと、企業体も違いますし、それから逐次そういうふうになってきたというふうな経緯もありまして、その都度運賃を設定してきたという経緯がございます。 そうしているうちに今度は、直行路線というものが出てきたわけです。 〔理事桑名義治君退席、委員長着席〕 先生の御出身の釧路と帯広にいたしましても、やはり札幌へ行く路線というものが最初にありまして、そして札幌から釧路、帯広へ行く路線があって、その後直行路線ができた。各地でそういうことが言えるわけでございます。そのときにどうしても短い路線というのがコストが高くつくということで、例えば札幌−帯広とか札幌−釧路ということになると、長い路線よりはキロ当たりに換算すれば高い運賃、キロ当たりにすれば高くなる。それを、直行経路をつくりましたときには、いいか悪いかこれは今評価はいたしかねますが、合算運賃ということで、今までの二つの経路で行っておったやつを合算したものを直行運賃にしたと、こういうふうなことで、その後相当長く航空運賃は値上げというものがありませんでしたけれども、値上げをしなければいかぬ時期が四十年代の後半というか、五十年代に入ってから出てきた。そのときに、最初のころは、全国の運賃体系というものを一遍に崩してしまうというのは非常にやっぱり、おっしゃるように安くすべきところがある反面、今度は会社の経営を維持していくためには物すごく高くしなければならぬというところが出てくるわけでございます。そこで、そういう激変を緩和をするというところから、そこで妥協といいましょうか、運賃をつくる場合の一つの激変緩和というようなことになってくるわけです。短いところではもっと高くしなければならぬけれども、余り高くできない。遠いところはもっと安くしてもいいけれども安くし切れないと、こういうふうな、ここで激変緩和措置が必要になってくるわけでございます。 そこで、先生のおっしゃるのは私はもっともだと思うんです。路線を、需要とそれからコストというものを比べて、同じような路線であり同じような需要については同じような運賃にするというのが当然だと思うのです。そこで私たちは、今までの運賃面の、個々を見れば非常にアンバランスだということを是正していくために、運賃改定いたしますときには、やはり路線原価というものをはじきまして、それに近づけるようにいたしております。一挙にできないという面がございますので、そういうふうな考え方でだんだんと路線の原価に近づくように収れんをさせていくという方針でもって、これはいま運賃値上げの問題が既に出ているわけではございませんけれども、そういう機会をとらえて利用者から見て不合理だなと思われる運賃体系を是正していくという方針でやっていきたいと考えておる次第でございます。
○小笠原貞子君 一言。それなりの歴史的ないろいろな面から見た事情というのは、お話しになったとおり事実だと思いますけれども、今、現実面でこういう矛盾が出てきているわけですよね。短距離と長距離を比べたんじゃなくて、同じ短距離同じ長距離で北と南となぜ違う、こうなれば違うのがおかしいじゃないかということになるわけでございますので、徐々にとおっしゃいましたけれども、どうかこの矛盾というのは、これは言われればそのまま矛盾として出てきちゃっているわけですから、ぜひ今後こういう点に留意をされて積極的に是正をしていただきたいということを重ねて大臣にもお願いしておきたいと思います。
○国務大臣(細田吉藏君) まことにごもっともな御意見でございまして、これに対して航空局長からいろいろるる御答弁を申し上げましたが、やはりこれは機会を見てできるだけ是正をしていくという方向でなきゃならぬと思います。さようにいたしたいと思います。
○小笠原貞子君 よろしくお願いします。
○伊藤郁男君 私は、内航海運の不況対策に関連して質問をしていきたいと思います。 御承知のように、内航海運は我が国産業の発展を支える基幹的な輸送機関でありますけれども、五十五年から構造的な不況に直面しておりまして、輸送実績もここ三年連続マイナスとなっているわけでございます。そこで、この過剰な船を減らすために、内航海運業者みずからが日本内航海運組合総連合、いわゆる総連合ですね、これを中心にいたしまして血のにじむような自主減船を行ってきているところです。運輸省当局も、海造審内航部会の答申を受けまして、昨年とそして五十九年の今年度二年続きで、貨物船と油送船ですね、この二船種に内航船腹量の最高限度量を設定いたしまして、二カ年で貨物で十四万トン、油送船で十二万立方メートル、この処理目標を示してきているわけであります。 そこでまず第一に、この最高限度量設定の効果はどのような形であらわれておるのか、この点をまず御説明いただきます。
○政府委員(犬井圭介君) お答え申し上げます。 ただいま先生からいろいろ御指摘ございましたように、内航海運が非常に不況でございます。特に一般貨物船とタンカーは大幅な船腹過剰ということで、今官民一体になって船腹量の削減を行っておるということで、それを実効あらしむるために五十八年、五十九年と二年続きまして船腹の最高限度量を決めまして、それを目標に今先生がおっしゃいましたように、貨物船については十四万トン、それからタンカーについては十二万トンを目標にして二年間に削減するということで努力しているところであります。 最高限度量の設定の効果についてお尋ねがありましたが、ただいま申し上げましたように、最高限度量を設定することによって、そこまで内航総連合の方で船腹の削減を行うという一つのそれが目標になるというそういう効果はございます。したがいまして、そういう内航総連合を中心とする船腹量の削減対策を円滑に推進できるようになる、これが第一の効果でございます。 第二には、実は内航海運業法に規定がございまして、最高限度量の設定期間中はその設定が行われる船腹につきましては、その内航海運業の健全な発達が阻害され、内航運送の円滑な運営に著しい支障が生ずるおそれがあると認められるような自家用船の使用を行わないように運輸省として求めることができる、つまり自家用船の使用の規制を行うことができるというのが第二のメリットでございます。 第三の効果といたしましては、これは今度の税制改正で実現したわけでございますが、最高限度量の設定されている船種につきましては、その船舶を売って他の償却資産に買いかえるような場合に、それが内航海運業の構造改善に資するという場合には、圧縮記帳制度という課税の特例が適用されることになる、このことによって船腹量の削減に資するという制度がとられるようになりました。 最高限度量の設定の効果というのは、主としてこの三つであろうかと考えております。
○伊藤郁男君 そこで、第二に、自家用船の使用というんですか、その規制を行うことができるということなんですが、ところで最近、一部不心得者といいますか、無届け、無許可の自家用船が不法運航をしていると。しかもこれは、最近は急増をして、要するに、横行していると、こういうように言われているわけでありますが、その実態はどのようなものでしょうか。
○政府委員(犬井圭介君) 先生先ほど御指摘がありましたように、官民挙げて血のにじむような努力で船腹量の削減をしているときに、いわば違法に船腹をつくってそれを運航するというようなことが行われるということで、残念なことですがそういうことがある程度は存在するわけでございます。 最近の例といたしましては、昭和四十五年の万博の後、自家用船として建造された船舶の自家用船としての仕事がなくなったために、その自家用船が営業行為をやるというような事態が起きまして、一時、瀬戸内海を中心にいたしまして、五百隻ぐらいの自家用船が営業行為をやっているという事態がございました。これを正常化して是正するために、官民挙げてかなり努力をして、最近ようやくその正常化が行われたということであります。 特に最近問題になっておりますのは九州方面でございますが、従来のはしけとか台船を改造いたしまして、かなり大きいバージ、これは横にちゃんと枠のついているような、貨物船に似たような格好をしているわけですが、そういうバージをつくりまして、それをプッシャーで押して、それで運航していると。しかもそれについて、内航総連合が行っております船腹調整規程によるスクラップを出さない。そのスクラップを出して内航総連合の承認がないと、運輸省の海運局に対して事業計画の変更の認可とかそういうこともできませんから、いわゆる違法の状態でそういうバージを運航しているというものがかなりございます。あるいはまた、最初からそういうバージにプッシャーがついたものを無断で建造するというような事態もございます。ところが、今度のケースは自家用船に限りませんで、現在、そういう船が九十隻程度ある、バージが九十隻、プッシャーもほぼ同数ぐらいあるというふうに言われておりますが、その大部分は実は営業船、つまり内航海運業を経営している者がこういうことを行っているという事態がございます。 そういうことに対してどういうふうに対処すべきか、今いろいろ検討しているという段階でございます。
○伊藤郁男君 内航海運業者が、みずからスクラップ・アンド・ビルドといいますか、千トン建造するのに千五百トンスクラップ船にする、こういうまさに厳しい血のにじむような努力をやっているわけですよね。それを逆なでするような、そういうような不法運航、そういうものをやっぱり放置しておくわけにはいきませんですね。 したがって、どのような対策、方針で運輸省当局としてはこれに対して臨もうとされておるのか、この点についてお伺いいたします。
○政府委員(犬井圭介君) 今御説明申し上げましたような実態があるわけでございますから、我々としては、実態をよく調査した上でこれにどう対処するかということを検討している段階でございます。 従来から、内航海運業法違反に対する対策としましては、運輸省による行政指導、それから内航総連合によるこれに対する協力、それから海上保安庁の取り締まりというようなことをコンバインしてやってきたわけでございまして、先ほど申し上げました瀬戸内の自家用船の正常化についても、この三本の柱でそれなりの成果を上げてきたというふうに考えております。 今回の場合も、実態の調査をまず行っているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、大部分が営業船であるということがございます。しかも、その大部分が既に内航海運組合に加入している人たちであるという実態もございます。したがいまして、まず内航海運業界の内部問題ということでもございますので、内部でもって問題が解決されて、船腹調整規程に基づくスクラップを行った上で海運局の認可なり免許なりを受ければ、それはそれで正常化され、問題が解決されるわけですから、まずそういう努力を今いたしているわけでございます。 どういうことをやっているかといいますと、個個の約九十隻の事業者というのはわかっているわけですから、そういう事業者に対して、地方の各内航海運組合あるいは中央から人が行っていろいろお話をして、そういう手続がとられるようにいろいろ説得をしている、いろいろお話し合いをしている、そういう段階でございます。そういうことを推し進めておりますので、その経緯を見守りながら、本当に悪質であるというものにつきましては、海上保安庁の方にもお願いして取り締まりを願うというようなことを考えざるを得ないんじゃないかというふうに考えております。
○伊藤郁男君 プッシャーバージにつきましては、先ほども九十隻程度ということの話を聞きましたので、これはその程度に、しておきます。 問題は、もう一つこれに関連して、ちょっと行政指導の面で考えていただきたいものがあるわけですが、それは、二十トン未満のプッシャーで適法なものでも、二十トン未満のブッシャーとそれから約千五百トン積みのバージをセットで運航する、このような場合は、乗組員が六名から八名程度の千六百トン積みの船舶と同じ輸送能力を持つことになる、こういうように言われているわけですね。にもかかわらず、このプッシャーバージは一人で運航できる、これで適法だ、合法だと、こういうことになっているわけですね。これが、私に言わせるといわば法の盲点をついたやり方ではないかと思うわけですね。そういう意味で問題があるわけです。 それからまたもう一つ問題は、これは大変危ないんですね。日本近海というのは、要するに気象、海象が意外に厳しいわけです。したがって、盲点をついたこういうようなプッシャーバージが自由にこういう海域を飛び回るということは、安全運航上大変問題があるのではないか。将来いろいろな問題が起こらなければいいんですが、そういう問題が起こる可能性もある、こういうように私は危惧しておるわけでありますが、そういう点につきまして運輸省としての行政指導をしっかりやっていただきたいと思うんですが、この点についての御意見をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(仲田豊一郎君) 先生ただいま御指摘のございましたプッシャーバージにつきましては、実は船舶職員法上、船舶の用途とか大きさとか、推進機関の出力とか航行区域、そういうものに応じまして船舶職員の種類、員数それから資格というものが決まっているわけでございます。この中で、そのプッシャーバージ、今までの形態で申しますと、バージの方は、ほかの関係法例えば船舶法なんかの関係もほぼ同様かと思いますが、船舶職員法では、いわゆる被曳ばしけ——引かれるはしけ、押されるはしけも含みますが、こういうものと同様に法律の適用除外になっている、そういうことになっております。それから、その押していく方のプッシャーの方でございますが、これはちゃんと動力がついておりますので立派な船でございます。したがいまして、通常の形で要求される船舶職員が乗り組んでいるということでございます。 御指摘のその新しい二十トン未満のプッシャーバージ、これはどうも新しい形のようでございまして、昔は非常に大きな百トン以上のものが通例であったようでございますが、二十トン未満のプッシャーバージで沿海区域を航行するというのが出てきたようでございまして、この場合の船舶職員の乗り組み基準、最低基準でございますが、これは御指摘のとおり一名でございます。 もちろん法の予定するようないわゆるプッシャーとバージとの関係では、今申し上げたような一名ということでいいという前提であったわけでございますが、最近新しい事例といたしまして、両者が一体となったかなり大きな形が出てきていることも事実でございますので、このようなプッシャーバージがかなりの数あるということもまた事実でございます。したがいまして、こういうような実態を十分これから把握していかなくてはならない。現在把握している実態は極めて断片的でございまして、どうも最低基準一名と言っていますが、実際には一名で運航していないようで、やっぱり六名がそこらは乗っているというようでございます。ただ全数的に把握しておりませんでこの辺は明らかでない。そのぐらいなければ恐らく安全と思っていない、少なくとも運航をなさる方は思っていない。したがって、最低基準よりも多い員数を乗せておるということかと思いますが、今後こういう実態についても十分把握して、法の予定してないような形の運航、しかも不安全な形の運航をしているということですと非常に問題でございますので、実態把握と問題点の検討を今後やっていきたいと思っております。
○伊藤郁男君 その点はひとつぜひ早急に、実態把握と問題点の摘出と対応を考えていただきたい、こう思います。 最後にもう一点だけお伺いをしておきたいのですが、これは大臣からお答えをしていただいた方が将来のことですからいいと思うのですが、来年度からいわゆる関西新空港の建設がいよいよ始まるわけですが、この建設工事に伴って大変な輸送需要が発生してくるだろう。これが予想されるわけでございます。山を切り取って埋めるわけですから、そういう意味で大変輸送需要が出てくると。そのために、目先の利益のために自家用新船をつくろうとする動きがかなりあるのではないか、こういうように言われているわけでございます。 私は、これは将来大きな禍根を引き起こしてくる。先ほども局長が言われましたように、四十五年の万博のときに五百隻余って、これが要するに海の白トラとなって運送秩序を乱していったわけであります。沖縄の海洋博のときもそうだったですね。そういう万博なり海洋博に限定された目的をもってつくられたものがその後不法船になっていってしまう、こういう実態があったわけでありますから、したがってこういうことを再び引き起こさないために、この関西新空港の建設のための海上輸送につきましては、内航海運業法及び内航海運組合法の立法趣旨を尊重して、営業船の活用を第一義に考えていくべきではないか。 それが内航海運の不況対策の一助ともなりますし、将来の混乱を防止するもとにもなる、こういうように思いますので、そういう方向で当たっていただきたい、このことを要求したいわけでありますが、大臣の御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(細田吉藏君) 不況の内航海運という見地からも、これは今おっしゃったのはまことにごもっともな提案でございまして、これから関西新空港株式会社でやるわけでございますが、私ども、それから地方公共団体、また民間の参加者一緒になって、今のおっしゃったような方向でぜひこれはやらせるように私の方で強力に指導してまいりたいと思います。
○委員長(矢原秀男君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時四十五分散会 —————・—————