P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
101回国会参議院1984/03/29

運輸委員会 第2号

発言数
5
登壇者
3
会派数
2
開催日
1984/03/29

会議録

矢原秀男公明党・国民会議

○委員長(矢原秀男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  まず、運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣から所信を聴取いたします。細田運輸大臣。

細田吉藏自由民主党・新自由国民連合運輸大臣

○国務大臣(細田吉藏君) 私、第二次中曽根内閣の発足と同時に運輸大臣を拝命いたしました細田吉藏でございます。  参議院運輸委員会の皆様方にいろいろと御指導、御支援をいただかなければ運輸関係の仕事はうまくまいりません。この上とも何とぞよろしく御指導、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。  運輸行政の基本方針について申し上げます。  第百一回国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し所信の一端を申し述べ、各位の御理解を賜りたいと存じます。  運輸を取り巻く諸情勢を見渡してみますと、内外経済は、ようやく景気が底離れをしつつあり、輸送需要も回復する兆しが見えますが、我が国の経済構造がソフト化し、輸送サービスの質的向上への要請が強まるとともに、輸送量が経済の伸びほど伸びなくなっております。また、我が国経済社会の国際化の進展等も著しく、運輸を取り巻く環境は大きく変化してきておりますので、これらの変化に的確に対応していくことが、今後の運輸行政の展開に当たり極めて重要な課題となっております。  もとより運輸行政の要請は安全の確保であり、また、国民の求める良質な輸送サービスを将来にわたって安定的に確保することが基本的課題であると考えております。私はかねてより直接間接に運輸行政に携わってきた経験から、その重要性を十分認識しているものであり、以上のような考え方のもとに全力を挙げて運輸行政に取り組んでまいりますが、当面する諸問題につきましては、次のとおり所要の施策を積極的に推進してまいる所存であります。  まず第一に、国鉄事業の再建の問題であります。  申すまでもなく国鉄事業の再建は国政上最重要の課題の一つであり、政府といたしましては、総力を結集してこれに取り組んでいるところであります。  現在、日本国有鉄道再建監理委員会において、経営形態問題、長期債務問題等を含めた国鉄再建の全体的方策について鋭意検討が進められているところでありますが、運輸省といたしましても、同委員会に積極的に協力するとともに、職場規律の確立、新規採用の原則停止、設備投資の抑制、地方交通線の整理の促進等の緊急対策の推進に努めているところであります。五十九年度の国鉄の予算案においては、大幅な要員縮減や工事規模の圧縮による経費節減等に一層努力するとともに、運賃改定等により収入の確保に努めることといたしております。運輸省としては、国鉄の事業の再建に全力を傾注し、今後とも国の基幹的交通機関としての使命を全うできるよう取り組んでまいる所存であります。  第二に、運輸関係社会資本の整備であります。  まず、港湾につきましては、海上輸送需要への対応、エネルギーの安定供給の確保、地域振興、海岸保全等の観点から、流通拠点港湾、エネルギー港湾、地方、離島の港湾等の整備を促進するとともに、海岸事業の推進に努めてまいります。  次に、空港につきましては、将来の航空輸送需要に適切に対応し、均衡のとれた航空輸送網を整備していく必要があります。このため、我が国の国際的立場からも緊急の課題となっている関西国際空港の建設について、事業主体として特殊法人たる株式会社を設立するほか、東京国際空港の沖合展開、新東京国際空港の整備を進めるとともに、地方空港についてもジェット化等の整備を進めてまいります。  整備新幹線は、今後の進め方につきまして、従前からの方針に沿い、関係機関等と協議をいたしてまいりますが、当面、所要の準備作業や調査を推進してまいります。  運輸関係社会資本の整備は、産業活動や国民生活の基盤を築くものであり、今後とも計画的かつ着実にその整備を図る所存であります。  第三に、国際関係への対応であります。  我が国の経済社会の国際化の進展、国際的な相互依存関係の深化等の国際環境の中で、運輸行政の分野におきましても、国際関係への配慮が強く求められております。  このような認識から、第二パナマ運河建設構想への協力を初め、開発途上国の経済社会開発に欠くことのできない鉄道、港湾、空港、船舶等の整備に関する経済技術協力につきまして、積極的にこれを推進するとともに、国際協調の前提である相互理解を深めるため、国際観光を振興し、人的交流の促進に努めてまいります。  外航海運につきましては、我が国の総合安全保障の見地からも重要な課題である海上輸送力を確保するため、日本船を中核とした我が国商船隊の整備を図っておりますが、日本船の国際競争力の低下、国際海運秩序の変化等の問題に直面しておりますので、中長期的な視点に立った今後の外航海運政策のあり方について検討を行っているところであります。  なお、定期船同盟の行動規範に関する条約につきましては、加入のための準備を行っております。  国際航空につきましては、昨年十二月に日米航空協議を再開したところであり、今後、両国航空関係の不均衡の一層の是正を図ることとしております。その他の国との航空関係につきましても、我が国をめぐる国際航空網の充実に努め、国際航空の公正かつ秩序ある発展を図るべく努力してまいります。  第四に、地域交通政策の推進であります。  地域交通は、新しい地域社会づくりの基盤となるべきものであり、地域ごとの交通計画の策定、推進等を通じて、今後とも地方公共団体との連携を深めながら、効率的で質の高い地域交通体系を形成してまいります。  都市交通の分野におきましては、都市高速鉄道、都市バス等の整備改善を進め、公共交通機関を中心とする交通体系の確立を図ってまいります。また、地方交通の分野におきましては、地方バス、中小民鉄、離島航路に対する助成等を行い、地域住民の生活基盤として不可欠な公共輸送の維持を図るなど、日常生活に必要な輸送サービスの確保に努めてまいる所存であります。  第五に、貨物流通政策の充実であります。  産業構造の変化と利用者ニーズの高度化、多様化に対応して、効率的な輸送サービスを提供することが必要であります。このため、陸海空にわたる効率的な貨物流通体系の形成、消費者物流の健全な発達の促進、荷役の合理化や輸送効率の改善等による物流効率化施策の推進、情報システム化や、内航船舶の近代化等による物流産業の合理化施策の推進を図ってまいる所存であります。そのほか、運送に関する秩序の確立に努めるとともに、港湾運送事業については、近年の荷役革新に対応した事業規制に改めてまいる所存であります。  第六に、造船不況対策と船員対策の充実であります。  造船業は依然として市況の低迷を続けており、当面の対策として操業調整勧告を行ったところでありますが、さらに財政資金の確保等により、経営の安定化に努めるとともに、技術革新を積極的に推進し、造船業の近代化を図ってまいります。  船員対策につきましては、新しい船員制度の円滑な実施を図るとともに、船員の教育訓練体制の整備に努めてまいります。また、依然として厳しい船員の雇用情勢にかんがみ、船員雇用対策を今後とも積極的に推進してまいる所存であります。  第七に、運輸に係る安全、防災対策及び環境対策の推進であります。  先ほども述べましたように、安全の確保は運輸行政の要請であります。このため、輸送機器の安全性の確保、交通安全施設の整備、輸送従事者の健康管理体制の充実等により、事故防止に万全を期するとともに、交通事故被害者の救済対策の充実にも努めてまいります。また、宿泊施設の安全性の確保、海上における広域哨戒体制の計画的な整備等による海上保安体制の強化を図ってまいります。  昨年は、日本海中部地震、中国地方を中心とする七月の豪雨、台風、三宅島噴火等多大な災害に見舞われました。防災対策につきましては、異常な自然現象の早期的確な把握とその予警報が重要であり、静止気象衛星を初めとして気象業務体制の一層の充実強化を図ることといたしております。また、大規模地震対策、海上防災体制の充実につきましても、遺漏なきを期してまいります。  交通公害の防止対策として、発生源対策や周辺対策等所要の施策を推進するとともに、海洋汚染の防止につきましても、監視取り締まり体制の強化、環境整備事業の推進等の施策を講ずる所存であります。  第八に、新海洋秩序への対応及び海洋の開発利用の推進であります。  海洋問題につきましては、国連において海洋法条約が採択され、船舶の航行、深海底資源の利用、海洋環境の保護等に関する新海洋秩序についての世界的な合意が形成されつつあり、我が国も昨年これに署名をいたしましたが、運輸省としても、同条約の批准に備え所要の準備を積極的に進めてまいります。また、資源と国土空間とに恵まれない我が国にとって海洋の開発利用は重要な課題であり、このための海洋の調査、技術開発等にも積極的に取り組んでまいります。  このほか、運輸部門における利用者保護対策、エネルギー対策、身障者対策等の推進を図るとともに、運輸関係技術の開発の推進、観光レクリエーション施設の整備等に努めてまいりたいと考えております。  最後に、運輸省の機構改革について申し述べます。  運輸省の現組織は、昭和二十四年に確立されて以来今日まで三十数年を経過しましたが、運輸を取り巻く経済社会環境は大きく変化してきております。これに伴い、運輸省に課せられている多くの重要な行政課題に適切に対処し、総合的かつ効率的な運輸政策の推進体制の強化を図るため、昭和五十九年度において中央地方を通じた大幅な機構改革を実施したいと考えております。  すなわち、本省においては、運輸行政の総合的運営の確保を図り、国際運輸、地域交通、貨物流通等の各分野ごとに政策を総合的かつ効率的に推進し得るよう、従来の縦割りの組織体制を抜本的に再編するとともに、地方においても、海運局と陸運局とを統合した地方運輸局の設置を図ることにより、地域の特性に適合した運輸行政の一層の推進を図る所存であります。  以上、運輸行政の当面する諸問題につき述べましたが、これらは、申すまでもなく委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援をお願い申し上げる次第でございます。

矢原秀男公明党・国民会議

○委員長(矢原秀男君) 次に、昭和五十九年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関し説明を聴取いたします。津島運輸政務次官。

津島雄二自由民主党・新自由国民連合運輸政務次官

○政府委員(津島雄二君) 私は、昨年の十二月二十八日に運輸政務次官を拝命いたしました津島雄二でございます。  運輸行政は、ただいま大臣からお話がございましたように、重要な課題を抱えておりますので、その責務の重大さを痛感いたしております。この責務を果たしてまいります上で、委員長初め当委員会の委員の皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。  それでは、昭和五十九年度予算の大綱につきまして御説明をさせていただきます。  まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は二十七億二百七十万九千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百八十九億七千二百十四万六千円を含め一兆四千六百七十七億七千二百十四万五千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、比率で三・四%の減 少になっております。  次に、特別会計について申し上げます。  自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆五千七百十四億八千五百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千四百七十四億八千三百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額四百六億九千七百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千五百七十七億八千百万円余をそれぞれ計上いたしております。  また、昭和五十九年度財政投融資計画中には、当省関係の公社公団等分として一兆七千六百四十三億円が予定されております。  運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、まず第一に日本国有鉄道の事業の再建を推進することといたしております。  国鉄の事業の再建につきましては、五十七年九月の閣議決定及び昨年八月の日本国有鉄道再建監理委員会の緊急提言の趣旨を踏まえ、引き続き、職場規律の確立、新規採用の原則停止、設備投資の抑制、貨物営業の合理化、地方交通線の整理促進等の緊急対策の推進に努めているところであります。  五十九年度におきましては、予算人員二万八千九百人の縮減を初め、工事規模の大幅な圧縮等経費の節減に一層の努力を傾注するとともに、所要の運賃等の改定による増収額一千八百億円を見込み、あわせて総額六千四百八十八億円の助成を行うことといたしております。  第二に、交通基盤施設等の整備を促進し、国民生活の安定向上を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、五カ年計画に基づいて、それぞれの事業の計画的かつ着実な推進を図ることといたしております。  また、鉄道につきましては、東北新幹線の都心乗り入れ工事、都市高速鉄道の整備等を推進することとし、整備新幹線の今後の進め方につきましては、従前からの方針に沿い、関係機関等と協議をしていくことといたしております。  第三に、外航海運対策といたしまして、貿易物資の安定輸送を確保するため、財政資金により外航船舶の整備を促進することといたしております。  また、観光対策といたしまして、海外観光宣伝事業等を推進するとともに、国民の観光レクリエーション活動のための施設を整備していくことといたしております。  第四に、経営改善に努力している地方バス、中小民鉄、離島航路等に対し、地方公共団体と協力して助成を行い、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、確保に努めてまいります。  第五に、造船対策といたしまして、造船業の経営安定化のため、船舶輸出の確保を図るほか、過剰施設の処理に関する助成を行うことといたしております。  また、船員対策といたしまして、船員雇用対策及び船員教育体制等の整備を積極的に推進することといたしております。  第六に、北西太平洋海域等における船舶の航行安全体制を確立するとともに、広大な海域における我が国の権益を確保する等のため、巡視船艇及び航空機の整備を推進するとともに、海洋情報システムの整備を進めるほか、海洋調査の充実強化を図ることといたしております。  第七に、安全防災及び環境保全対策といたしましては、広域的な気象観測に重要な役割を果たす静止気象衛星三号の打ち上げ計画を引き続き推進するとともに、地震、火山対策、交通安全対策、交通被害者救済対策、空港周辺対策等の充実強化を図ることといたしております。  なお、運輸行政に課せられている多くの課題に適切に対処し、総合的かつ効率的な運輸政策の推進体制の強化を図るため、中央地方を通じた大幅な機構改革を実施することとし、本省においては、運輸行政の総合的運営の確保を図り、国際運輸、地域交通、貨物流通等の各分野ごとに政策を総合的かつ効率的に推進し得るよう、従来の縦割りの組織体制を抜本的に再編するとともに、地方においては、海運局と陸運局との統合により地方運輸局を設置し、地域の特性に適合した運輸行政の展開を図ることといたしております。  なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります「昭和五十九年度運輸省予算の説明」及び「昭和五十九年度日本国有鉄道予算の説明」によりまして御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして、昭和五十九年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。

矢原秀男公明党・国民会議

○委員長(矢原秀男君) 以上で運輸行政の基本施策に関する運輸大臣の所信並びに昭和五十九年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関する説明の聴取は終わりました。  なお、本件に関する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十五分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗