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101回国会衆議院1984/03/10

予算委員会第五分科会 第1号

発言数
569
登壇者
43
会派数
5
開催日
1984/03/10

会議録

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めみことになりましたので、よろしく御協力をお願いいたします。  本分科会は、総理府所管中環境庁及び農林水産省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。  昭和五十九年度一般会計予算、昭和五十九年度特別会計予算及び昭和五十九年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。山村農林水産大臣。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 昭和五十九年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。各位の御協力を得て御審議いただくに当たりまして、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。  言うまでもなく、農林水産業は、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料の安定供給を初め、活力ある健全な地域社会の形成、地域住民への就業の場の提供、国土・自然環境の保全などの重要な役割を担っており、我が国経済社会の発展と国民生活の安定を図っていくためには、農林水産業の着実な発展を図ることが不可欠であります。  ひるがえって、今日の我が国農林水産業をめぐる町外の状況を見ますと、食料消費の伸び悩み、農産物の需給の緩和、農産物価格の低迷、就業者の高齢化の進行、木材需要の停滞、漁業経営問題などに加え、行財政改革の観点からの農林水産行政の効率的な推進の要請、諸外国からの市場開放要求の高まりなどその環境は一段と厳しいものとなっております。  このような状況にかんがみ、私は、農林水産業に課せられた役割が着実かつ効率的に果たされることを基本とし、二十一世紀へ向けて夢のある明るい農林水産業・農山漁村の実現を図るべく、長期的展望に立って、各般の施策の積極的な展開に努め、総合的な食料自給力の維持強化と国民生活の安定を図ってまいる所存であります。  そこで、昭和五十九年度の主な農林水産施策について申し上げます。  第一に、農業につきましては、土地利用型農業の体質強化を中心に据えて、農業構造の改善、生産基盤の整備、先端技術の開発等を通じて生産性の向上を一層推進するとともに、「たくましい稲づくり」や「健康な土づくり」の推進など、安定した農業生産力の確保を図っていくこととしております。  また、水田利用再編第三期対策や総合的な生産対策め実施等を通じて、需要の動向と地域の実態に即して農業生産体制の再編整備を推進するほか、日本型食生活を中心とする望ましい食生活の定着促進と主要食料の需給及び価格の安定を図るなど健康で豊かな食生活を確保することとしております。  第二に、林業につきましては、農林業の一体的振興、地場資源の活用等を図る林業地域活性化対策を推進するとともに、林業生産基盤の整備、林産物の流通加工対策、国土緑化対策の推進等により、林業の振興を図るほか、国有林野事業の経営改善を一層促進し、国土の保全、水資源の涵養等森林の公益的機能の高度発揮に対する国民の要請に積極的に、こたえていくこととしております、  第三に、水産業につきましては、二百海里体制の定着化、水産物需要の低迷等の情勢に対処して、漁港、沿岸漁場等の漁業生産基盤の整備、  「つくり育てる漁業」の展開等を図るほか、漁業生産構造の再編等、漁業経営体質の強化を図るための各般の経営対策を実施するとともに、海外漁業協力の推進等による海外漁場の確保、消費者ニーズを十分踏まえた水産物の流通・加工。消費の各般にわたる対策の充実強化を図り、水産業の振興と水産物の安定的供給に努めることとしております。  さらに、時代の要請に応じた「豊かな村づくり」を進めることとし、農業・農村整備計画の策定、生産基盤と生活基盤との一体的な整備の推進等農林漁業を基盤とする、豊かで活力に満ちた農山漁村の建設を促進することとしております。  以上申し上げました農林水産施策の推進を図るため、昭和五十九年度農林水産関係予算の充実に努めた次第であります。  昭和五十九年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて三兆四千五百九十七億円で、対前年当初予算比四・一%、千四百七十億円の減額となっております。  本予算におきましては、厳しい財政事情のもとで、財政及び行政の改革の推進方向に即し、限られた財源の中で、質的充実に配慮しつつ、予算のより重点的な配分に努め、農林水産行政を着実かつ効率的に展開するよう努めたところであります。  以下、農林水産関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと思います。よろしく御審議くださいますよう、お願い申し上げます。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 この際、お諮りいたします。  ただいま山村農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔山村国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、予算の重点事項について御説明いたします。  (土地利用型農業の体質強化を目指した構造政  策の推進)  第一に、国土資源を有効に利用し、生産性の高い農業を実現するため、構造政策を推進することであります。  今日、土地利用型農業の規模拡大と生産性向上を実現し、その体質強化を図ることが、緊急の課題となっております。  このため、土地利用型農業の経営規模の拡大に資するよう中核農家を中心に兼業農家等を幅広く包摂し、農用地の利用調整活動等を行う地域農業集団を広範に育成するとともに、土地利用型農業の生産性の向上に重点を置いた新農業構造改善事業後期対策等関連施策を推進することとしております。  (需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開)  第二に、需要の動向に応じた農業生産の再編成と生産性の高い農業生産体制の整備を図ることであります。  まず、水田利用再編対策につきましては、五十九年度以降の三カ年を期間とする第三期対策を発足させることとし、奨励補助金等として二千七百二十九億円を計上しております。  次に、耕種部門の統合・メニュー事業である新地域農業生産総合振興対策につきましては、土づくり、稲づくり等に重点を置き、三百七十一億円を計上しております。  また、畜産関係の統合・メニュー事業である畜産総合対策につきましては、畜産振興資金供給事業を発足させる等肉用牛生産の振興に、重点を置き、二百八十一億円を計上しております。  (農林水産技術の開発・普及等)  第三に、農林水産業・食品産業等の生産性の飛躍的向上等に資するため、官・産・学の連携強化による総合的なバイオテクノロジー先端技術の開発を拡充する等農林水産技術の試験研究を推進することとしております。  また、引き続き普及事業の的確な推進を図るとともに、一九八五年農業センサスを実施することとしております。  (農業生産基盤の整備と活力ある農山漁村の建設)  第四に、農業生産の基礎的条件である農業生産基盤の整備につきましては、食料自給力の強化、生産性の向上及び農業生産の再編成に資する事業等に重点を置いて推進することとし、八千九百十九億円を計上しております。  また、農業・農村整備計画の策定、生産基盤と生活基盤との一体的な整備の推進、新農村地域定住促進対策の発足等農林漁業を基盤とする活力ある農山漁村の建設を進めることとしております。  (農産物の価格・流通・消費対策の推進等)  第五に、健康的で豊かな食生活の確保を図るため、農産物の需給と価格の安定に努めるとともに、日本型食生活を中心とする望ましい食生活の定着促進を図ることとしております。  また、食品産業の近代化と流通の合理化を進めてまいります。  以上申し上げましたほか、国際協力、備蓄対策を推進するとともに、農業者年金制度の適切な運営、農林漁業金融の充実、災害補償制度の円滑な運営等に努めることとしております。  (森林・林業施策の充実)  第六に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。  木材価格の低迷、経営諸経費の増高、林業生産活動の停滞等林業情勢が厳しさを増していることにかんがみ、林業地域の活性化を図るための対策を推進することとしております。  また、国土保全対策の充実と林業生産基盤の整備を図る観点から、治山、林道、造林の林野関係一般公共事業について二千八百五十八億円を計上しております。  さらに、木材産業の体制整備、国土緑化対策等の充実を図るほか、新林業構造改善事業、間伐促進総合対策、林産集落振興対策、松くい虫対策等を推進いたします。  (水産業の振興)  第七に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。  水産業の振興と水産物の安定的供給の確保を図るため、漁業生産基盤としての漁港の整備を計画的に進めることとし、千六百四十一億円を計上しております。また、「つくり育てる漁業」の展開を図ることとし、沿岸漁場の整備開発、栽培漁業、沿岸漁業構造改善事業等を推進いたします。  また、漁業経営をめぐる厳しい状況にかんがみ、各般の漁業経営対策を推進するほか、水産物の消費拡大対策の充実等を図ることとしております。  さらに、新資源・新漁場の開発、漁海況情報サービス事業、漁場環境保全対策等を推進いたします。  (特別会計予算)  次に、特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計につきましては、米の政府売り渡し価格の引き上げ、管理経費の節減等食糧管理制度の運営の改善合理化に努めることにより、一般会計から調整勘定への繰入額を三千九百五十億円に減額しております。  また、五十四年度から計画的に実施している過剰米の処分に要する経費として、一般会計から国内米管理勘定へ千四百五十二億円を繰り入れることとしております。  国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業の経営改善対策を強化することとし、事業運営の改善合理化等の一層の自主的努力とあわせて、国有林野における造林及び林道事業並びに職員の退職手当に要する財源について資金運用部資金の借り入れを行うほか、一般会計から所要の繰り入れを行うこととしております。  このほか、農業共済再保険等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。  (財政投融資計画)  最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等による総額八千四百八十七億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。  これをもちまして、昭和五十九年度農林水産関係予算の概要の説明を終わります。     ―――――――――――――

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。  質疑持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔にお願いを申し上げます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川俣健二郎君。

川俣健二郎日本社会党・護憲共同

○川俣分科員 今大臣が、二十一世紀に向かって          やまむら夢のある明るい山村、山村と書くのですけれ一とも、この明るい山村に非常に決意を込めた所信表明がありましたが、その中で、農山村の中で全国民が山林に現しもう、こういう起点で、少しPRのにおいはするのですが、お尋ねしたいと思います。  そこで、山というのは工場で工業製品をつくるのとは違って、国民に山に親しんでもらう、こういうことがなければなかなか山というのは育たないものだなと思っております。昔、うちのおやじ方は撫育、撫育という言葉を使っておったのですが、なでる、育てるということ、これは今でも林野庁が使っているんでしょうかね。今は保育だけでしょうかね。やはりなでて育てるという気持ちがないと雪から守れない、降雪から守れない、風雨から守れない、こういうような感じがしてしょうがないのでございます。  そこで、現しもうという観点もあって、さらに財政措置的な考え方もこれありでしょうが、分収育林、これは親しんでもらおうという割にはちょっと言いにくい言葉なんですな。分収育林というのは否かむような感じがしないでもないのですが、これはいつごろからこういう呼び方をしてきたのだろうかなという感じがするので、それが一点。  それから二つ目は、今民有林には制度化されてきておるのですが、そういったものの状況。  それから三つ目は、発足して、一般の受けというか、関心の度合いというか、そういうところはどうなんだろうかな、こういったところをまず当局に聞いてみたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 分収育林という言葉は最近の言葉でございまして、昨年の国会で、民有林におきまして新しい制度を導入する場合に初めてこれは使った言葉でございます。  同じ考え方の内容につきましては、昭和五十一年から私ども、国の助成、指導によりまして、公有林を対象といたしまして特定分収契約設定促進特別事業という名前でこれを進めたわけでございまして、これは五十八年度までに全国二十カ所、六百十五ヘクタールの設定が見込まれておるわけでございます。このほか各地におきましてもやはりこういう事例が数十カ所見られるわけでございます。  そこで、さっきちょっと申し上げましたように、九十八国会におきまして、分収造林特別措置法の一部を改正することによりまして、民有林にこの分収育林という新しい制度を導入したわけでございまして、昨年の十月から法の執行をいたしまして、以来、分収育林推進要綱によりまして、各都道府県に対しましてその指導をしてまいっておるわけでございまして、特にこの分収育林の今後のねらいといたしましては、各県に今後つくっていただくであろう森林整備法人、これの育成強化も現在進めておるところでございます。  これは昨年の十月に発足したわけでございますので、現在、市町村であるとかあるいは森林整備法人などによりまして募集が始められ、その準備が進められているという状況でございますが、一般の民間の方々のこの育林に対する度合というのは大変高うございます。それで、五十一年からの特定分収契約という形でやった場合におきましても、募集する口数よりもはるかにと申しますか、二倍から十倍というふうな応募口数があったわけでございまして、私どもは、やはりこれからは国民挙げて緑づくりをするという面におきましては、こういう制度も積極的に進めてまいりたい、かように考えているところでございます。

川俣健二郎日本社会党・護憲共同

○川俣分科員 一般に非常に高い、募集よりも二倍ないし十倍、その内訳が気になるところですが、そこに住んでいる人方、村民、町民ですね、地域住民、ここに高いことを私は望むのですが、あるいは官庁ですね、役場を初め組合とか。非常に投機的な野心というか、そういうところから高いのかなという感じがしないでもないのですが、それは後にしまして、今度は国有林の分収育林制度という法案を予定しておるわけですが、民有林と国有林の対象だけが違うのか、民有林でやってみて反省の上でちょっと手直しをしてやり方を変えるというようにしておるのか、その辺ですね。  それから、さっき予算は省略されましたが、どの程度の予算がのっているかということですね。  それから三つ目は、将来――将来のことは余りわからないと思うのでございますが、どの程度の規模でやりていこうとするのか、その辺の三つをまず伺います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 最近は、先ほど先生御指摘のとおり、緑資源の確保に対する国民的要請が大変高うございますし、国有林の資源状況を見てまいりますと、やはり若い造林地が大変あるわけでございまして、この際、国民の方々の参加による国有林野の整備を進めるということも、これは国有林に対する御理解をいただく面からも極めて大切なことだろうと思っております。  そこで、今回国有林に導入することを考えました内容を申しますと、国有林の中齢級と申しますか、二十年生を超える形とかヒノキの人工林につきましては、現在の評価額と、それから今後の育林費用相当分というものを国民の方々に負担してもらいまして、将来それの伐採収入が得られる場合におきましては、その持ち分に応じた分収をしていこう、こういう考え方でございまして、各営林局の杉とヒノキを対象にしまして、大体二十一年生ないし三十年生を一口大体五十万円程度といたしまして広く公募いたしまして、契約の相手方を定めまして、その対象の林分の状況を踏まえまして、持ち分の割合とか育林の方法とか伐採の時期というようなものを内容とする契約を締結するわけでございますが、この契約をいたしましたならば、その契約の定めるところによりまして、伐採までの二十年ないし三十年間というのは、国の責任におきまして保育管理をしていく、こういうことになるわけでございます。  そこで、民有林の場合との、基本的な考え方でありますが、特に違いと申しますと、対象地が国有林でございますので、行政財産であるところの国有林に対しまして権利の設定をするという特例の規定を設けなければならぬわけでございまして、その規定を定めまして、契約以後におきましては国の保育管理の責任ということでこれを進めてまいるわけでございますので、国有林野法の改正ということによりまして進めていくことに相なるわけでございます。  そこで、国有林の場合におきましては二者契約という形をとるわけでございます。土地が国でございまして、管理経営を国がやるということでございますので、費用負担者対造林者それから管理者ということになります。二者契約でやるということが国有林の場合でありますが、民有林の場合は二者契約もしくは三者契約というような二つの形がとられると思いますが、そういう基本的なところにおきまして違いますものですから、今度制度改正をするということに相なったわけでございます。  そこで、五十九年度の私どもの予算案でどう考えているかということに相なるわけでございますが、五十九年度が制度発足の初年度でございますので、準備もございますし、十分御理解もいただかなければならぬ、こういうこともございまして、収入といたしましては一億一千六百万円を計上しております。それから、歳出につきましては、分収育林の設定調査を行うとか、あるいは制度を推進するに必要な経費であるとか、それから契約に伴うところの標識設置というような諸経費を七百九十万円計上しているところでございます。  それでは、今後分収育林をどの程度やってまいるかということに相なりますが、これは私ども、これから分収育林を進めるに当たりましては、その対象とする株分が、やはりその森林の状況であるとか立地条件から国民の皆さんがこれに参加しやすいようなところを選んでいかなければいかぬと思うのでございます。  それから、やはり私ども長期的に見まして、収入の平準化と申しますか、植えつけましてから五十年で収入が上がるのを、一応契約期間で費用負担を見ていただくということで収入の平準化を図るというふうなこと、あるいは自己収入の安定化を図るというようなことも考えながら進めてまいるわけでございますが、対象者の問題がございます。そこで、国民の皆さんが国有林に対しまして、育林分収に参加する意向調査、これも今調査しますと、ぜひやりたいという人やら、あるいはできればそれに参加したいという人が六〇%を超えているような実態でございますが、ことしこれを初めて進めるわけでございますが、そういうPRをし、理解をいただき、応募の状況を踏まえながら今後の計画をしてまいりたいと思っているわけでございますが、特に五十九年におきましては各営林局で一カ所ないし二カ所、まずそういうのを進めまして、それでその実行の状況、応募の状況等を検討しながら、これから長期計画を立てて進めてまいりたい、まずは当面営林局一カ所ないし二カ所、そういう対象地を選んで進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。

川俣健二郎日本社会党・護憲共同

○川俣分科員 大体アウトラインがわかってきましたのですが、見方によっては、財政的に非常に窮屈になってきた、昔は黒々としておった会計、当時は国に一般会計で金を持ってきた働き頭の一人だったのですが、だんだんに乱伐、過伐のあおりを受けてきた年代になってきたものですから、そうしたら特別会計に追いやられた、こういうことなんです。そこで、金がないから一口五十万だよといったたき売りの金集めで、皮肉な言い方だろうが、こういうことのように受けとめられるのか。  これは長官でなくて事務当局でいいのですが、一億一千六百万というのは五十万の口の収入なんですか。それから、参加しやすいところというところに私も関心を持つのですが、単に株買うように、株式を毎朝株屋が見るように、おれの五十万の口がきょうの雨で大分育ったかな。国会議員の中には山を持っている人がございまして、一雨降れば百万もうかったと言っている人がいるそうですが、それは別として、単に五十万の口を買えばいいというごとではなくて、自分が買ったところへレクリェーションとかそういった面も欲しいのじゃないかなという感じもしまして、その辺少し聞かしてくれませんか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 五十九年度で考えておりますのは、先ほど申しましたように、各営林局一ないし二カ所ということでございまして、現在二百四十口を一応予定しているわけでございます。育林分収のねらいとするところは、国民の皆様に国有林を御理解いただく、開かれた国有林という言葉がいいかどうかあれですが、要するに国民の共通の財産である中身について御理解いただく。  育林分収で一口五十万の山でございますが、そうしますと、現地に行きまして自分の山がどういうふうに管理されているかということを見ながら、場合によってはその周辺の国有林を視察するとかあるいは国有林の森林の状況を御理解いただくというようなことも、また秋には場合によりましてはキノコをとるとか春は山菜をとるとかいうようなことも当然関連として考えていって、広く国民に御理解いただくというようなことをあわせてやることが、国有林事業を広く国民に御理解いただく上からも大事なことだろうというふうに私ども考えておりまして、これらもあわせてこれから検討してまいりたいと考えております。

川俣健二郎日本社会党・護憲共同

○川俣分科員 そうすると、一億一千六百万というのは五十万の収入ですか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 五十万円一口ですが、民の所有分は保険を掛けなければいけないものですから、細かくなって恐縮でございますが、これが一万八千円掛けますので一口当たり四十八万二千円ということになりまして、それの二百四十口で一億一千五百六十八万円、こういうことで計算をしておるわけでございます。

川俣健二郎日本社会党・護憲共同

○川俣分科員 二百四十口で感ずるのですが、やはり何となく投機的なことになろうかと思うのでございます。その辺が気になるだけに、十分その辺を勘案して当たってもらいたいと要望いたします。  それから、キノコ、山菜のお話も出ましたのですが、山というのはその近くの人が非常に親しむのですね。かつてヘリコプターで除草剤をまいて山菜もヤマメなんかも大分だめになって、さらに今度労働者もだんだん使わなくなったという窮屈な世の中になって、おらは営林署は要らなくなったんだなという――賃金をもらって雇われるということもあるのですが、何となく村人が一緒に山を守りてきたという感じがするのでございますよ。ところが、今はそろばんずくだものだからそういう親しみがない。追いやられる。それに加えてヘリコプターで除草剤を上からまかれてくる。私は非常に気になるのですが、そういうようなところへ一口五十万というのが入ると、やはりどうしても投機的という傾向になるんだろうと思いまして、その辺を篤と案じておるものの一人でございまして、せっかく林野庁の職員の皆さん方が知恵を絞ってつくり上げようとする分収育林制度を二十一世紀に向かって実りあらせるために、しかも国民が山林に親しむもとになるように、開いてみたら、将来十年くらいたってみたら、何のことはない、東京にいる投機屋が、金持ちがそこのあれをまず出してきたというようなことにならなければなという感じがするだけに、最後でございますが、その辺山村さん、若干聞かしてもらえませんか。それで終わります。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃいましたように、何といっても地元の人に愛されて、地元の人が関心を持っていただくということが私は大事だろうと思います。また、特に国民全体の要望にこたえていくということもやっていかなければならないわけでございまして、今度の分収育林の実施に当たりまして、今先生言われました遠くの人が投機的にというようなことにならないようにということでございますが、投機的に投資をするというようなことが生じないよう、そちらの面は十分に配慮して適切な管理をやっていくように、これは事務当局と我々もともに努力してまいりたいというぐあいに考えております。

川俣健二郎日本社会党・護憲共同

○川俣分科員 では、終わります。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。  次に、宮崎角治君。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 私は、長崎一区選出の公明党の宮崎角治でございます。  今回質問させていただく機会を得ましたので、実は、今をさかのぼって昭和二十七年、そして二十八年四月に国の直轄事業として、あの有明海という壮大な海を埋め立てて農地と水という問題が大きく浮かび上がって、バラ色のプランとしてスタートしたわけでございますが、二転三転浮きつ沈みつしてまいりました今日、三十年余りを経過しているわけであります。前の農林大臣でありました金子大臣のときに、南部総合開発事業というのをチェンジして、諌早湾のいわゆる防災工事という形に衣がえしたわけでありますが、いろいろと毎年毎年着工予算というのが出てきているわけでございますけれども、隘路、障害になっている問題がいろいろあろうかと思いますゆえに、これがなかなか進まない。今回も全体計画、着工予算等出ているわけでありますが、いわゆる実施に踏み切れない隆路というものが那辺にあるのか、まずこの辺から、一番詳しい局長さんあたりに、その経過なりあるいはこれからの方向なり、そういったものにつきましてひとつお尋ねしてみたいと思っています。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 先生御案内のように、昨年、正確に申しますと一昨年の暮れに、五十八年の予算編成に先立って、当時の金子農林水産大臣の方針といたしまして、従来の長崎南部総合開発事業を打ち切って諌早湾の防災干拓事業として着手するということになったわけでございます。  その基本となる考えは、諌早湾における潟化の進展と、それから既往の水害等の経過にかんがみ、防災的な必要、国土保全上の必要性がこの総合干拓事業については非常に高い。しかし、一方においては、有明海の漁業関係者の合意を得られないでは着工に踏み切れない。そこでこの際、防災を重視し“国土保全を重視して、思い切って規模を縮小し、合意の可能性を探りながら、縮小した規模で早期に事業に着工できるようにするということが経過であったわけでございます。  問題は、その締め切り規模の縮小をどう考えていくかということでございまして、これは文字どおり今日の我が国の最高級の学者、技術者にお集まりいただいて専門委員会をつくりまして、約半年間詳細な検討をしたわけでございます。合意の可能性という点からいけば、できるだけ規模を縮小することが好ましいわけでございますが、同時に、諌早水害を想定し、高潮を想定して、どの程度の締め切り規模であれば防災上安全が保障できるかという点での検討であったわけでございます。昨年の秋に、三千九百ヘクタールという締め切り規模の方針が打ち出され、農林水産省といたしましても、この方針を前提として事業に着手するという方針をとったわけでございます。  そういう前提で、実は昨年の十一月に、当時の金子大臣が佐賀県に赴かれ、私もお供いたしましたが、有明漁連の皆さんと話をいたしまして、従来の、南総の干拓事業は絶対反対というのぼりはおろしていただく、今後テーブルに着いて話し合いを進めるという条件の整備ができたわけでございます。  その後の経過を申し上げますと、その後、新内閣になりましてからも、現大臣にもあるいは私にも有明漁連の皆さんからお話がございました。現時点では、何回か説明を聞いたが、まだ締め切り規模の三千九百ヘクタールについては正式には納得できないという点で、七点ばかり疑点が提出されました。これについて追加説明を求められております。私ども、今後とも誠意を持って有明漁連については話し合いを進め、必要最小限度と考えられる締め切り規模について最終的な合意を何とか確保できるように努力したいと思って鋭意努力中のところでございます。  なお、予算につきましては、そういった状況で、従来と事情が大きく変わってきたという事実に着目いたしまして、着工費八億七千万、全体設計費一億三千万を計上いたしまして、できるだけ早期の着工の条件ができるようにということで予算の計上を図っているわけでございます。  問題は、これからの私どもの努力、長崎県の御協力、一緒になって、どうやって有明海の関係漁業者の皆さんとの間に合意を確保できるかどうかということと、それからもう一つは、やはり長崎県の御努力で長崎県内における関係漁業者の正式の合意をどうやって得られるかということが、着工に踏み切れるかどうかの前提であろうと存念しているわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 有明漁連のそういった問題点、それから問題は湾内と湾外、湾外といっても今のところ二つの組合がございまして、県外は佐賀、熊本、福岡、こういった県外の皆様方のコンセンサス、しかし内部的な問題については長崎県が中心にならなくちゃいけないわけではございますが、湾外について、いわゆる他県の問題につきましては、これは国といいますか農政局といいますか、そういったところでの接点をしなくちゃいけないと思うわけでありますけれども、実はきのうまでの時点で私がキャッチした範囲、また現地踏査をした中では、影響調査をしなければどうなってくるかわからないので、その影響調査はすべきではないか、その上に立って賛否の問題もあるだろうということがあるわけでございますけれども、これについては、湾内は県がやるとして、湾外の熊本、佐賀、福岡の県に対する国としての対応についてはどのように進められているのか、この辺をもう少ししかと承っておきたい。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 長崎県内、つまり諌早湾内と島原半島の漁協、二つのグループがあるわけでございますが、この問題の解決と、有明漁連、つまり佐賀等三県の漁業者との関係の調整という問題につきましては、基本的には、佐賀、福岡、熊本の問題は一義的に農林省が折衝に当たる、県内の問題は一義的に長崎県が折衝に当たるという基本的な筋道があるわけでございます。  ただ、率直に申しまして、なかなか微妙な問題がございます。実は県内漁業者と県外漁業者との間にそれはそれなりに横の連携もあり、一つの関連もございまして、同時並行的に進めていくということがやはり非常に大事なんではないだろうかということが、長崎県の知事さんと私との間での基本的な認識でございます。しかし、そうは申しましても、建前としては、やはりまず県内を片づけて、しかる後に県外に協力を要請するというのがこの種の話の筋道であろうという問題もございますし、それからまた、当然、締め切りの内側になる諌早湾の問題は、従来の一回妥結したことのある補償交渉のラインで考えるのが筋道でございましょうけれども、それ以外は、いずれにせよ影響の問題になるわけでございますから、影響というのはやはり工事現場の距離の近いところから大きく出てくる。近いところの解決が遠いところの解決の一つの参考の基礎になるという実態もあるわけでございますから、やはり同時並行的という努力の方向を確認しながらも、まず基本的には諌早湾内の問題を片づけ、島原半島に及び、それから佐賀、福岡、熊本という順序でお話をしていくというのが常識の筋道であろうという面もありますので、その南面をにらんで、水面上、水面下での話し合い、説明を繰り返していくということが必要だろうというふうに認識しているわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 県内を片づけてから、そして水面下、両方がうまくタイアップしてと言う。そうすると、先般、有明漁連の皆様方が大臣に陳情においでになったと思いますけれども、今後のスケジュールとして、じゃどういうような方向でいかれるのか、その辺をこの問題につきましては最後にお伺いしたいと思っております。  最後の最後には、山村大臣に要望でございますけれども、三十数年もかかっておりますこの大きいプロジェクトにつきまして、ひとつ何とかこの辺で漁民の皆さん方に――千三百人の漁民の皆さん方は、国や県に対して、いろいろな行事、いろいろな施策について、相当困難を来している中で協力してきたわけでございます。蛇の生殺しじゃないけれども、この辺で何とか早期着工への大きい足がかりと歩みを進めてもらいたいというような気持ちで、最後に大臣にお願いしたいと思っておりますが、今後のスケジュールにつきまして局長にお願いします。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 スケジュールと申しましてもあらゆる努力を、先ほど申し上げましたように水面上、水面下で並行して進めることだろうと思いますが、まず県内問題としては、諌早湾の締め切りの外側に出る漁業者に対する影響補償の問題の話し合いを進めていただく、それから島原半島についても、基本的には国土保全に着目したこの防災干拓には了解するが補償問題は保留するという姿勢で進んできているわけでございますから、まあすべて確定的と言うとまたいろいろ摩擦も起きますから、私そう明言はいたしませんが、そういう方向で進んできているわけですから、その土俵に上がった島原との話し合いをこれと並行しながら進めていただくということが第一だろうと思います。  それから第二は、有明漁連の問題でございまして、これは私ども今膨大な範囲を進めております。有明漁連の皆さんも三千九百にはなお了解しないとおっしゃりながらも、三千九百についての私どもの説明について非常に具体的な御質問を寄せておられます。これは実はなかなか専門的な説明だったものですから、素人わかりのしにくい点もありますので、今比喩で恐縮でございますが、今までの縦の説明を横の御質問に答えた説明に、その技術的な説明を変えまして作業を進めておりまして、この作業ができましたら、同時に私どももできるだけ早く有明漁連の皆さんと話し合いなり説明をやっていきたいと思います。まずこれを片づけることが先決であろうと思います。  何と申しましてもこの種の問題でございますから、そういう形で話し合いを進め、一方においては具体的な実施工事に入りますための必要な補完的な地質調査等を進めながら、そういう幾つかの努力が一致したところで着工に踏み切るということで、御指摘を踏まえまして最大限の努力を尽くしたいと思っているわけでございます。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私も有明の漁業関係の皆さんとお会いしまして、本当に長期にわたっていろいろ御迷惑をかけているというお話も伺いました。この干拓事業につきましては、長崎県と一体となりまして、漁業関係者に対し、防災対策上必要なこの三千九百ヘクタールという締め切り規模について、今局長からお話ししたようにいろいろ説明し、御理解と協力を求めておるところでございます。  今後とも関係者と合意を図るために誠意を持って話し合いを進め、この干拓事業の早期着工、これに精力的に取り組んでまいるつもりでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 それでは、テーマを変えさせていただきまして、今度は水産庁並びに海上保安庁に関係する問題につきまして若干お尋ねしたいと思っております。  私の住む長崎県は海に囲まれておりまして、今日まで非常に、一衣帯水の中国並びに韓国並びに国交をやっていない北朝鮮並びに台湾等々の、長崎県周辺海域におきます韓国漁船を初めとして外国の漁船の出没が、国内、県内の漁民の操業を邪魔するといいますか、漁獲に対して非常に危険な、不安な、生活権に結びつくような重大な問題が今日まで起きているわけでございます。  そういう安全操業の確保の面からいたしまして、本省としてどのように実態の把握をなさっているのか、また、これにつきましてはそれそのパートでデータ等々もおありだろうと思うわけでありますが、後ほど質問を進めさせていただきたいと思うわけであります。  まずこの辺から、状況把握とまた対処策につきまして御質問いたします。

渡邉文雄水産庁長官

○渡邉(文)政府委員 最近よく言われますように、漁業の国際化あるいは漁船の大型化に伴いまして各国間での操業の入り会いというものが非常にふえてきておるわけであります。  御指摘のように、長崎県の周辺水域におきましても、昭和五十年ごろからだと思いますが、壱岐、対馬方面に韓国のトロール船が出漁してくるようになりまして、部分的に領海とかあるいは専管水域内の操業あるいは日韓の漁業協定で決められております我が国の底びき漁業が禁止されている期間あるいは水域の中で韓国船が操業するというような状態が、昭和五十年ごろから見られるようになってきたわけであります。その後徐々にふえてまいりまして、非常にふえましたのが昭和五十五年ごろからふえてきたというふうに記憶しているわけでありますが、さらに漁船の出漁する水域につきましても壱岐、対馬方面からさらに南下をいたしまして、野母崎周辺にも違反操業あるいは不法操業といいますか、そういったものが見られるようにな。ってきたわけであります。  この間、水産庁といたしましては、当然のことながら海上保安庁あるいは長崎県とも御協議申し上げ、協力しながら、監視あるいは取り締まり体制の強化に努めてきたわけでありますが、反面韓国政府に対しましてもそういう不法といいますか、違反操業の防止について、韓国側としても韓国の指導船あるいは監視船を派遣する等によりまして、厳しく取り締まるべきであるということを強く申し入れをしてきたわけでございます。特に昨年の八月末に日韓定期閣僚会議の席上、日本側の金子前農林水産大臣から韓国の朴農林水産部長官に対しまして強く本件の取り締まり強化について申し入れを行い、それから私自身も昨年の十月中旬に訪韓をいたしまして、本件につきましても強くその取り締まり方について申し入れをしたわけであります。  韓国側としましては、そういった違反操業をなくすために韓国政府としても最善の努力をしますということをお約束いただいたわけでありますが、そういったこともございまして、その後韓国側も時々しか出していなかった監視船を出す機会をふやすとか隻数をふやすとかいうふうなことによりまして、壱岐、対馬周辺、野母崎等にも韓国の監視船に来てもらいまして、取り締まりを強化してもらうということによりまして、違反の件数はかなり減ったわけでございますが、しかしながら最近になりましてまた違反操業が散見されるようになりまして、違反操業が報告される都度、私どもが韓国側に対しまして外交ルートを通じまして厳重に申し入れを行っているわけであります。申し入れを行いますと、すぐ向こうも監視船を出してくるわけですが、監視船が来ますと、韓国のそういった不法操業をした船は一たん逃げるわけですが、また監視船のちょっとのすきを見て入り込むというような、ある意味ではイタチごっこみたいなことが繰り返されております。  いずれにいたしましても、一件でもこういったことが減るように、あらゆる機会を通じて韓国政府に申し入れ、その実行を要請していくつもりでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 これは保安庁だと思いますが、韓国漁船に限っての現在までの検挙といいますか、この事案について、もしわかっておればひとつお教え願いたいと思います。今言われるように、追いかければ逃げる、また見えないようになったら出てくる、そういったイタチごっこ的なことによって大変な問題があろうと思いますけれども、この辺の検挙について、もしわかっておれば定かに願いたいと思っております。

吉田孝雄海上保安庁警備救難部警備第一課長

○吉田説明員 先生御指摘のとおり、非常に地理的に近い長崎市周辺においては、韓国漁船が不法操業するというケースが最近とみに多くなっております。  海上保安庁では巡視船艇、航空機を動員いたしまして取り締まりを強化するとともに、水産庁とも連絡をとって情報の交換をしておりますけれども、なかなか悪質化が目立っておりまして、最近においては巡視船に対して抵抗する、刃物とか鉄棒を振り回したりするというふうなケースが起こっておりますし、また夜陰に乗じて先ほどのようなイタチごっこが起こるというような状況にもなってきて、非常に取り締まりがやりにくくなってきております。現在までに、五十二年海洋二法が一つの節目の時期と思われますので五十二年からの数字を見てみますと、五十二年から五十八年の十二月三十一日まで保韓国漁船が領海内で侵犯をし、検挙した隻数が五十隻。それから、漁業水域について侵犯し、検挙された隻数、すなわち漁業専管水域ですね、対馬周辺の漁業専管水域において検挙した隻数が七十八隻という多量に上っております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 五十隻、七十八隻という大変な検挙の数でございまして、私も直接対馬方面に行きまして漁民の方々の生の声を聞いているわけでありますが、相当漁具に対する被害とか、あるいはまた向こうの船のつくりが大変巧妙なつくりをしているために、大変に漁獲が減少しているということと、私の調べでは漁具の被害がこの二、三年で、五十六年から五十八年まででございますが、二億二千三百万という漁具の被害が出ているようなデータをもとにしておるわけでございますけれども、それではこういった問題についての解決方法というのは外交ルートしかないのか。あるいは日韓漁業協定の問題とか、あるいはまたそれぞれの監視の強化とか、あるいはまた水産庁から出向いてのいわゆる向こうの方の要人との会談とか、共同パトロールとか、その事例を幾つか挙げてみたときにどのような解決策があるのか、その辺についてひとつお聞かせ願えればと思っております。

渡邉文雄水産庁長官

○渡邉(文)政府委員 韓国と日本、特に九州周辺は島も多く、大変狭い水域に非常に多くの隻数の船が入り会って操業しておるわけでございます。国際的な現在のルールといたしましては、旗国主義といいまして、領海とかあるいは決められたルールに違反した、先ほどの水域違反みたいなものは別といたしまして、一般的には公海上におきます取り締まりは相手国の船が、船のフラッグの所属する国が行うというのが国際的な慣例でございますので、韓国漁船のそういった不法な行動に対しましては韓国船が取り締まる、領海等の侵犯はまた別でございます、日本が取り締まりますから、というルールになっております。したがいまして、先生御指摘のように、日本国の監視船が直接そういった不法操業を行う韓国船を、例えば水産庁の取り締まり船が捕まえるということがなかなかできないわけでございますので、やや間接的になるかもしれませんが、その都度韓国政府に強く申し入れ、機会を得るごとに強く向こうの取り締まりの強化について要請する以外には一応道はないわけでございます。  ただ、本件につきましては韓国政府も十分その問題を知っておりまして、昨年の秋、私ども向こうの長官とやりましたときもそれなりに大変恐縮をいたしておりまして、できるだけの努力をしますということで、連絡をするたびに非常に誠実に取り締まりの強化をやっていただいておるわけですが、問題は、行っております、そういう物の言い方が適切かどうかは別でございますが、韓国の漁業者自体がアウトローといいますか、そういった漁業者がいるようでございまして、完全に一網打尽で一件も起こさないというようなことについて物理的になかなか難しいという面もあるわけであります。しかし、いずれにしましても大変大事な問題でございますので、今後とも努力をいたしたいと思います。  それからまた、漁具の被害につきましては、先ほど申しましたように、狭い海域でお互いに入り会っておるわけでございます。お互いに漁具の被害を起こし合うということがございまして、民間同士で漁具の損害についての交渉のルールができております。例えば日本側は大日本水産会、それから韓国側は韓国の水産業協同組合中央会がそれぞれ定期的に会合いたしまして、その間に生じましたそれぞれの相手国に対する加害、あるいは逆に言いますと被害額につきましてその立証等相談をして弁償金の決定をするということのルールが一応できております。それで現在までのところ運用されておるわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 鋭意努力されておられる姿はよくわかるわけでございますが、この辺で我が国の巡視艇、警備艇といいますか、速力にしてもあるいは構造にしても高性能の船の常駐が必要ではないかと思うわけであります。例えば三十メートル級、長崎とか佐世保にそういった常駐配備といつ点については、ゼロシーリングの中でございますけれども、お考えがあるのか、御計画があるのか。いろいろと予算的な問題もあろうと思いますか、今後のそういった巡視艇の高速化された、高性能の配備常駐についてのお考えを最後にお伺いしたいと思います。

吉田孝雄海上保安庁警備救難部警備第一課長

○吉田説明員 御指摘のとおり三十メートル型と申します巡視艇、これは三十ノットを超える高速か出るわけでございますけれども、これが韓国船その他の違法船について極めて有効であるという結果が出ております。  我が方といたしましては、現在対馬に七隻、唐津に一隻、合計八隻を配備しておりまして長崎県周辺を警備しておるわけでございますけれども、残念ながら長崎、佐世保にはもっと速力の遅い船しかございません。したがいまして、我々としてはぜひ欲しいわけでございますけれども、御承知のとおりの財政事情でございますので、先生の御趣旨を体しまして財政当局ともよく相談して、うちの方としては前向きに考えていきたい、こういうふうに考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)分科員 当面するいろんな諸問題、課題またはプロジェクト、そうしてまた死活問題につながる日本の漁業の問題等々につきまして政府のお考えをお尋ねいたしましたが、今後ともより住民のサイドに立たれた方策を強力に進めていただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて宮崎角治君の質疑は終了いたしました。  次に、岩垂寿喜男君。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 私は、日ごろ日本の国有林の管理やあるいは自然保護のために御努力をいただいている林野庁御当局並びに農林省に対して敬意を表しながらも、林道と自然保護の関係についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思っています。  最初に、南アルプススーパー林道の問題から質問してまいりたいと思っておりますけれども、これは皆さん御記憶かもしれませんが、私どもはこの林道の開通に反対をいたしてまいりました。それはあの地域の地質が非常によくないということや、あるいはいわゆる過疎対策というふうな面でも役立つものではないということを一つ一つ指摘して反対をしてまいりました。私自身があそこまで出向きまして、北沢峠まで出向きまして、林野庁や環境庁やあるいは政府当局に対してそのことを強く訴えてまいりました。ところが、当時の予算で四十八億八千万円で完成をされまして、一昨年になりますか、八月、九月の台風十号、十八号の豪雨で山梨県側の被害が林道崩壊や橋の流失なとで百九十六カ所、被害額が約七億一千万円、このうち五十一カ所、約六億七千万円に九九・二%の国庫補助がついている。     〔主査退席、谷垣主査代理着席〕 長野県側で言えば五十五カ所、約一億五千七百万円のうち四十八カ所、一億五千六百余万円の国庫補助、これは九七・三%に当たります。両県分を合わせて林道建設費の六分の一に上る国民の血税というものが、八億円以上になりますけれども、一夏の災害復旧のために注ぎ込まれざるを得ないという状況がございます。また、一昨々年になりましょうか、八月の台風被害では、地元負担は山梨県側だけでも十六カ所で約二千万円、長野県側は十カ所で一千万円というあんぱいになっています。それだけの努力をしながらも、なおかつこの林道の山梨県側はいまだに開通見通しが立っていないという状態にございます。  私は、きょうはいろいろなものを持ってきたのですが、これは毎日グラフでございますけれども、「自然の怒りが報復した」「南アルプス林道大崩壊の現場を行く」という、この写真をぜひごらんいただきたいと私は思うのです。全く惨たんたる事態であります。私は、ぜひこの写真を農林大臣にも御拝見をいただきたいと思いますが、心が痛む思いがいたします。自然災害は数年ごとにやってまいります。これは確実に来ます。そのたびに膨大な国費が費やされている。その上復旧工事自身が自然災害というものを新しく生んでいるという、いわばイタチごっこを繰り返しているわけであります。  そこで、私はぜひお尋ねをしておきたいのは、京都大学の四手井名誉教授は皆さん御存じのとおりです。急峻な山岳地帯の森林は真ん中を道路で切り開いてしまうと森そのものを支える力が弱くなる、南ア林道はもともと地質も弱いところで林道を通すことに無理があったと語っておられますけれども、いわば税金のむだ遣い。地元にしてみれば、森林開発公団に対するいわば借金の返済、それから道路の維持費、復旧費用、大変な負担を地元が背負い込むことになっているわけでございます。この事態について、林野庁はこの現実をどうお考えになっていらっしゃるか、まず第一にお尋ねしておきたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 南アルプススーパー林道でございますが、これは五十五年六月に供用を開始されたわけでございますが、今日まで暫定法で、災害復旧事業といたしましては百十七カ所、九億四千万円と相なっております。この災害復旧事業の中で大部分は五十七年の台風十号、十八号によるものでございまして、箇所で見てまいりましても全体の八五%・復旧事業費としましても全体の八八%を占めておるわけでございます。この台風につきましては、御承知のとおり、それまでに例を見ない異常な豪雨によりまして山梨、長野両県で被害を受けたわけでございますが、公共土木施設を初めとしましてその額が大変多く、山梨で九百八十四億円、長野で千四百十一億円に及んだわけでございまして、申し上げましたように林道も被害に遭いましたが、全般的に大被害を受けたわけでございまして、私ども、これはいわば不可抗力であるというふうに実は理解しておるわけでございます。  そこで、この林道の今後につきましては、山梨県、長野県側にそれぞれ二万ヘクタールに及ぶ森林資源があるわけでございますので、やはりこれの森林整備、育成、管理という問題もございますし、治山事業の実施によりまして林地を保全復旧しなければならぬ地域もございます。さらに、この南アルプスの自然景観を活用しまして、保健休養の場としまして四氏への提供、あるいは地域の振興という面で極めて重要な役割を果たすものと私は考えております用地元からの復旧に対する要請も極めて強いわけでございますので、早期復旧をいたしましてこれらの役割を果たしてまいりたい、かように考えておるところでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 地元から要求があるから補助金を際限なく出していくという形になってしまうのです。先ほど申し上げたように、災害というのはいつもやってくるのです。大きな災害でなくたって、自然崩壊その他で春先になったら通れないという事態が毎年繰り返されているじゃないですか。これは国民の血税のむだ遣いと思わぬですか。林野庁はいつまでもこうした国庫補助を続けていくおつもりなのか、御答弁を端的にいただきたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 南アルプススーパーにつきましては、今申し上げましたような重要な役割がございますので、やはりこれを有効活用するように早期復旧してまいりたいと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 際限のない補助金で、そしてそのたびに道路が不通になっている、そんなことをいつまでも繰り返していることについて何らの反省がないとすれば、重大な事態だと言わざるを得ない。  会計検査院おられますか。――今林野庁からの答弁がありましたけれども、こういう事態をどうお考えになりますか。

大橋顕治会計検査院第四局農林水産検査第三課長

○大橋会計検査院説明員 林道工事の検査に当たりましては、それぞれの林道開設の目的に適合して計画設計がされておるわけでございますが、それらにつきまして会計検査院といたしましても検査をいたしております。  なお、ただいま御指摘のございました南ア林道の例につきましては、実は現在工事中でございまして、ただいまの先生の御意見を十分に留意いたしまして今後の検査を行ってまいりたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 私は南アルプススーパー林道の教訓を踏まえて、続いて青秋林道の問題についてお尋ねをしたいと思います。  これは私が言うまでもございませんけれども、西日本の照葉樹林、東日本のブナを代表とする夏緑広葉樹林、いずれも日本の基礎とも言える二大文化圏の舞台となった歴史的にも重要な森であることは申すまでもございません。  西の照葉樹林は既に切り尽くされて、今や鎮守の森とか、あるいはわずかに自然公園に残る程度であり、ブナ林も、同じように戦後の大面積皆伐による拡大造林計画などによって、各地で分断、伐採をされてまいりました。ブナ林はまだかなり残っていると言われていますが、それはいずれも林道や伐採などによって分断されたものをまとめて積算したものであって、人為的なインパクトを加えない、いわば分断されてない面として残っているブナ林としては、私はこの白神山系のブナ林が最大であり、むしろ唯一のものだというふうにさえ思います。  この地域のスケールメリットというのは、私が申し上げるのは釈迦に説法ですが、将来はかり知れない大きな価値を持っている。スケールメリットとして存在をすることに非常に重要な意味を持っていると思うのです。特に、日本最大の遺伝子貯蔵庫という意味を持っていることも強調しておかなければなりません。  同時に、実はこの地域は、すぐ保護を必要とするような貴重な野生生物がたくさんすんでいます。特殊鳥類天然記念物のイヌワシが周年生息をし、同じく特殊鳥類天然記念物であるクマゲラの採食痕や鳴き声なども確認されていることは御存じのとおりでございます。特殊鳥類クマタカ、オオタカ、あるいは本州東北部のわずか数カ所で繁殖が知られているだけのシノリガモ、これなども観察されていることは御存知のとおりであります。特に奥赤石川周辺、これは白神山系でも最もよくブナ林が発達している場所なんですが、大型の野生鳥獣の密度が非常に高い。これは五十八年度の調査などでもはっきりしている。クマゲラの生息などを含めて確認をされてきているところであります。  これは環境庁にお尋ねをいたしますけれども、白神山系のブナ原生林、これは言うまでもなく日本最大の規模を持っていることは御承知のとおりですし、古くから人が入っていないという原生ブナ極相林、それは全く他に例を見ないというふうに言われていますけれども、この極相林についてどんなお考えを持っていらっしゃるか、環境庁の御見解を聞いておきたいと思います。

山崎圭環境庁自然保護局長

○山崎(圭)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生が御指摘いただきましたように、環境庁が実施しております自然環境保全基礎調査の結果によりますると、第一回四十八年度あるいは第二回五十三年度の調査でございまするが、白神山地のブナ林というものは人為の影響をほとんど受けていないという特徴がありますし、また面的な広がりにおいても面積的に大変大きな規模を有している、こういう特色、特徴を持っていると考えます。また、この地域はこれまた先生御指摘のように貴重な野生動植物の生息地である、こういうことで我が国有数の自然に恵まれた地域といいますか、そういうことであるというふうに認識しております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 一昨年の八月に、林道着工に先立って秋田県あるいは青森県が測量設計会社に委託をして全体計画調査報告書というものがつくられました。実はこれが着工に対するきっかけ、これにからいいのだということできっかけになっているわけでありますけれども、その後の調査によってこのアセスメントというものが動物、植物、土質を含めて極めて不正確なものであるということか明らかになってまいりました。その後伺うところによれば、県が動物三人、植物三人、地質地形一人の三班で、計八人の専門家によって昨年の五月から十月までの期間五回にわたって現地調査をいたしました。その中間報告が行われているようでございますが、環境庁はこの報告書を手に入れていらっしゃいますか。

山崎圭環境庁自然保護局長

○山崎(圭)政府委員 手に入れておりません。先生今お話しのように秋田、青森両県が林道の着工に当たって調査を実施したというととは聞いております。  なお、私どもこの白神山地一帯の保存という意味から、五十七年に自然環境の保全、保護のために遺漏のないように配慮してほしい旨の通達を出しますと同時に、再三御相談にも応じ御指導申し上げてきて、こういう背景を受けまして、先生御指摘のように秋田県が昨年五月から例の調査をいたしておりまして、今月末くらいにはまとまる予定である、こういうふうに承知しております。また、青森県においても五十九年度においてこのような調査が計画されているところでございますが、いずれも申し上げましたように入手といいますか、一つは私どもの指導に基づいたものにつきましてはまだ結果が出ておりませんし、前段の部分についてはそういうことがあったというだけで、私ども中身は承知しておりません。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 これは新聞にまで出ているのですよ。環境庁が早く手に入れて、本当に自然をお守りになる気持ちがあるならば、そのことの検討をお始めになるのが筋じゃないですか。これだけの社会的問題になっているのです。  お尋ねしますが、そのいずれの資料とも入手し次第私に見せていただけますね。

山崎圭環境庁自然保護局長

○山崎(圭)政府委員 後段の私どもが御相談にあずかりつつその調査をお願いした分につきましては、結果がまとまり次第私どもに当然いろいろ御報告もあると思うので、これについては先生にお渡しできるといいますか、お知らせすることは可能かと思いますが、前段の部分はどうも私どものあずかり知らぬといいますか、ちょっと即答ができかねますので、保留させていただきたいと思っております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 県の了解を得て届けるように努力をするということをお約束いただけますか。

山崎圭環境庁自然保護局長

○山崎(圭)政府委員 県と打ち合わせをして、させていただきたい、こういうふうに思っております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 それでは林野庁に伺いますけれども、測量設計会社の調査報告書では、御存じのように植生では貴重なもの、特に保護すべきものはないということになっている。動物はニホンカモシカを除き特に保護すべき貴重な両生類、爬虫類、淡水魚類、昆虫類など見当たらないということになっている。  しかし、専門家の現地調査では、例えば幻の花と言われているサンリンソウだとかあるいはトガタシジョウマとか、貴重な植物も発見されている。今私が強調したように、国の天然記念物のクマゲラあるいはイヌワシなども生息が確認をされていることは申し上げたとおりでございます。  地質についても、これは県の調査に当たった東北大学の内藤助教授が「路肩が落ちやすく維持管理も大変で、客観的に見て林道を通すのは難しい」と述べておられます。それだけじゃございません。地元の弘前大学などの地質学者によれば、当該地域は複雑かつ急峻な地形、雪崩の多発地帯、破砕帯が多く、断層が多いなどのことから、工事中はもちろんのこと、仮に開通してもかの南アルプススーパー林道以上に維持困難と指摘されています。きょう私は写真を持っていますけれども、自然崩壊のたくさんの実例の写真もございます、この地域に。南アルプススーパー林道や白山スーパー林道など多くの山岳道路が示すように、当該地域も今申し上げたような台風や融雪期の土砂の崩壊によって林道開通後の維持管理が非常に難しい。開通してもさらにそのための地元あるいは国の費用負担というものは膨大なものになる。  そこで伺いますが、林野庁はこのきっかけとなった測量設計会社の調査報告とその後の調査との間に事実の大きな食い違いがあるということをお認めになりますか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 五十六年度にいたしました全体調査は、当該利用流域の中につきましての自然環境及び国土保全上留意すべき内容と路線の位置づけなどを明らかにするということでありまして、内容的には環境アセスメント要領に基づく各種状況調査あるいは動植物の保護等についてもそれなりの分析をされたものと理解しておりますが、現在秋田県におきましてはこの全体計画の調査を補完して、林道建設を進める上での自然環境の保全にさらに万全を期すという観点から実施されておるということでありますので、私どもはこの両者を十分踏まえて検討したいと思っています。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 最初にアセスをやって大丈夫だといって工事を始めて、その途中からいろいろな調査を始めて最初のアセスとさまざまな食い違いがある、これは現実だと思うのですよ。これをもうちょっときちんと見てくださいよ。工事をやっている最中に調査しつつやりますなんというのじゃ、こんなものは本当のアセスにならないのです。  私、実は去年秋田と青森へ行きました。現地調査しました。そのときに、秋田県知事がこうおっしゃいました。何であんな急峻な尾根みたいなところに道路を通すのですか、こう言いましたら、あそこは青森県と秋田県の県境だから、ここを通せば両方とも文句はないだろうということで設定をしたというようにおっしゃっていました。この見解は科学的な見解ですか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 その答弁は始めて伺いましたので、これは確かめたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 白神山系、あの地域には峰越しに相馬-早口林道というのもある。あるいは建設省の奥地産業開発道路尾太線などが開通している。これはいずれも雪のために十一月中旬から五月下旬までの八カ月間、一年の三分の二近くが通行不能です。その上に融雪期や台風シーズンなどの土砂崩壊による通行不能期間を合わせて考慮すれば、利用期間はたった四カ月です。ちなみに、私は去年七月に現地視察のときに、隣接の弘西林道というところを通ってみました。六十キロ、半日かかりましたけれども、その間すれ違った一般の車はゼロです。林業関係の車でさえ五、六台です。あれほど鳴り物入りでつくられた林道にもかかわらず、地元では多くの人たちが過疎対策、経済交流にほとんど効果がないと言っている。その言葉を、実はきょうは時間がないので読むことはできませんけれども、例えば新聞で西目屋村長、この人は、青森県側の林道の出口ですが、誘致した方です。何と言っていますか。  ――じゃあ、青秋林道についてはそんなに熱烈に期待しているわけではないんですか。   ああ、ないな。反対者もいるもの。ただ、村に残ってる者のために山の方へ林道を通すことによっていい森を造りたいということ。  ――別に秋田県側とつなぐ必要はないんじゃないですか。   ええ、ありません。向こう側と道をつなぐのは広域基幹林道として補助金をもらうための手段。ここからここまでと路線がつながらないと国が補助金を出さないからですよ。   村に反対者がいるのは、弘西林道の教訓から来てるんです。林道を通すことで工事や造林の収入はあったが、できてしまったら自分たちの得るものはない。いたずらに人が入って来てゴミを散らかしたり、山火事を出したり。 ということになっている。  しかも、もう一つの大川林道促進期成同盟の会長の三上さんの言葉。「おらだぢは青秋林道を造ってくれと言ったのではない、大川林道を造ってくれと言ったんだ。いつの間にか青秋林道になっちまった」。その中で、細かくは読みませんけれども、「村人の間では「木を切り過ぎた秋田側が、ブナを欲しがってる。秋田の代議士が、選挙の票集めに陰で動いている」といったウワサも広まっている。事実、青森側はブナ資源の保存がよいのに対して、秋田側は県境近くまで、ブナを切り出した後の無残なハゲ山が迫る。」云々。これで地元が求めているということになるでしょうか。  それだけじゃない。例えば林道をつくるおかげで土砂が崩れる、ダムがふさがってしまう。国の予算の投資効果というものを考えてほしいのです。現に、例えばここでは秋田県側ですが、藤里町の町議会の意見書が出ている。これはブナを守ってほしいと書いている。それだけじゃない。紫波里ダム管理事務所や地元の営林署に対して、とにかく守ってくれないと治山治水も十分できないし保水もできない、したがって十分な配慮をしてほしいという文句が出ている。これが秋田県の意見です。自然保護団体が挙げて反対していることは言うまでもありませんけれども、そういう状態に対して林野庁はもう一遍謙虚に耳を傾けていただきたい、このことをお願いしますけれども、いかがでしょうか。簡単に答えてください。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 青秋林道の開設促進につきましては、能代の広域市町村圏組合を初めとしまして

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 長官、もう時間がないからその次に移ります。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 待ってください、大事なことですから。  秋田県の議会では陳情に対しまして全会一致で促進の決議をしていただいていますが、それは地域の過疎化対策、林業振興に対して極めて重要であるというところから出ているということを御理解いただきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 私が言っているのは、あなた方のそういう立場もあるけれども、こういう意見もあるということを十分参考にしていただきたいと申し上げたのです。それだけです。  それで、実は私はお願いがございます。それは、人工衛星のランドサットのデータなんですけれども、白神山系一帯には四万七千ヘクタールのブナ林がある。私は、この地域の環境保全について次のように提案をしたいのです。  それは、森林保護地域ということで一万六千ヘクタールぐらいをとっていただいて、日本最大の遺伝子プールとして、また日本の文化の基礎とも言える歴史的環境として二十一世紀の国民の森に指定をする、それを後世に伝えていくように努力願いたい。  二番目は、四千ヘクタールぐらいですけれども、森林観賞地域としてバードウォッチングやサンクチュアリー、そういうところの地域にしてほしい。つまり、自然観察や森林浴の道みたいな形で林道も使ってほしい。  残った二万七千程度ございます。これは周辺のブナ林については、その資源を枯渇させることのないように理にかなった施業をしていただきたい。私は、自然保護だから一本も木を切ってはいかぬと言っているわけではないのです。そうじゃなしに、せめて極相ブナ原生林くらいは私たちが後世に残していく財産として御考慮いただきたいということをぜひ提案をしたいと思うのです。  その上で、最後に、もう時間がございませんから申し上げますが、今申し上げたように日本文化のルーツを伝えるとも言うべき歴史的環境として、あるいは二十一世紀の国民の森として白神山地のブナ原生林を後世に残すために、林野庁が成り行きに任せるのではなくて、英断をもって客観的かつ総合的な学術調査に乗り出していただきたい、このことをお願いをしますが、いかがでしょうか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 貴重なブナの天然林につきましては、最近社会的な関心を集めております。さらには、先般私どもの林政審の答申におきましても、この天然林施業、広葉樹施業の積極的推進が提言されていますので、私ども五十九年度には学術経験者を含めまして総合的な調査をしてまいりたい、かように考えておるところであります。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 そのためには、植物や動物や地質など、各般にわたり国民の納得のいく学者や専門家の人選をお願いして、そういう調査委員会として機能させていただくことをお願いをしますが、いかがでしょうか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 まず青秋林道につきましては、秋田、青森両県がその設置を強く希望しまして、環境アセスメントの実施等総合的な検討を加えまして、この森林資源の合理的な利用と保全を図る、さらには地域振興に資するという観点から、私ども両県の主張に基づきまして、五十七年度以降両県が事業主体となって実施しておるものでございます。  そこで、私ども五十九年に予定しておりますブナ林の総合調査というのは、広範にわたりますところの森林の施業のあり方の検討に資するものでございまして、林道の開設とは直接関連して行うものではございませんが、その結果につきましては十分配慮したいと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 もう一度お尋ねをしますが、その調査の結果、つまりブナの原生林を残すということの調査の結果、青秋林道などの問題が当然含まれると私は思うのです。その調査のいかんによっては、青秋林道計画の全面的な見直しということも含めて再検討をお願いするというふうに理解してよろしいか、農林大臣の御答弁をいただきます。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 青森、秋田両県で自然環境に十分配慮してということでやっております。しかし、先ほど長官から申し上げましたが、関係市町村、地域住民、これらの皆さんの開設熱意が大きいということでございますので、計画を中止ということはちょっと考えられない、こういうぐあいに思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 何のために調査するのですか、それならば。林道は通しますけれども自然環境の保全のためにブナの原生林の調査をします、何のための調査委員会なんですか。私の言うのは、客観的に調査をした結果やはりこれは残した方がいいという意見が出たら、計画の再検討を含めて御配慮願いたいと言っているのです。当たり前のことじゃないですか、これは。問題は、地元の住民、それがあるから何でもかんでもやっていきますという議論にはならぬと思うのです。農林大臣は国全体のこと、日本の歴史のことを考えているから、それだから私は聞いているのです。だから、計画の再検討を含めて十分検討いたします、再検討いたしますと答えてください。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 これは、直接の関係ということで調査をするわけではないのでございますが、しかし、調査の結果というのは十分配慮いたします。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂分科員 これは補助金の関係がございますので、その点を私はきちんと押さえたわけです。  ありがとうございました。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて岩垂寿喜男君の質疑は終了いたしました。  次に、田中慶秋君。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 都市近郊農業政策について若干御質問したいと思います。  御案内のように、都市の農業というものが今大変ピンチに陥っているということは御承知のとおりだと思いますけれども、そういう中で、農家みずから、生産者を含めて、農産物に対する自己の原価意識とか、これだけかかったからこういう品物がこういう形で売れるという問題は非常に厳しいわけでございまして、工業製品等々から比較しますと、こういう問題について、やはり何らかの形で都市近郊農業を含め全般的にこの農業政策というものが今見直しの要求をされていると思いますけれども、大臣はその辺どういうふうにお考えになっておりますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃるとおり、都市近郊の農業というもの、これは都市に住む住民に対する野菜等の供給、都市に対する緑や空間の提供など、これらの重要な役割を果たしております。また、都市地域には農業に意欲を持って取り組む灰家も相当数存在しております。しかし、この都市農業のうち市街化区域内の農業につきましては、その基盤となる農地は都市計画制度上、都市施設整備の進展等によって次第に宅地等に転換される性格のものでございます。このために、土地変盤整備等効用の長期に及ぶ施策は行わないこととしておりますけれども、都市施設整備のテンポ市との関連もあり、当分の間農業は存在するものと見られること等から、農業者の意欲にも配慮して、野菜関係の諸施設や当面の農業の維持に必要な病害虫防除事業、災害復旧事業等は実施していりということでございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 今大臣が都市近郊問題を含めて述べられておりますけれども、御案内のように、緑地としての役割やあるいはまた個々の農業でのものを考えてまいりますと、この辺で緑地の問題あるいは農用地の問題と、将来とも宅地等々の問題について、大臣みずから、これは建設大臣との関係もありますけれども、農業を守る立場とそういう問題を含めてある程度線引きをする時点に来ているのじゃないか、こんなふうにも思います。その辺についての考え方をお伺いします。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 都市近郊農業につきましては、ただいま大臣御答弁申し上げましたように、野菜とか花井とかあるいは一部の中小家畜等の供給基地として重要な役割を持っておりますし、まさに先生が御指摘のように緑の空間として大都市の内郡並びにその周辺における重要な機能を果たしているわけでございます。  そこで問題は、都市近郊という考え方でとらえた場合、市街化区域の問題と市街化調整区域の問題におのずから制度上の別の規定が起こってくるわけでございます。  私ども、一つは、市街化調整区域の問題につきましては、これはやはり農業の施策の一環として同列に扱っていて、それぞれ必要な施策を講じておりますが、特に今御指摘のように、全国的に線引きの見直しを行う際に、今後とも農業の行われる見込みのあるところについては市街化区域から市街化調整区域に戻すといういわゆる逆線引きの手法というものもかなり導入いたしまして、首都圏とか近畿圏等ではかなりの面積が見直しの過程で市街化区域から市街化調整区域に戻ってきているわけでございます。そういう形でまず問題を調整していくということがひとつ基本にあるだろうと思います。それから二番目は、市街化区域自体をどう考えるかという問題でございます。これは、御案内のように都市計画法の建前からいって、十年以内に市街化を図るべき区域という基本的な概念規定があるわけです。その連続線上で物を考えるということはやはり避けることができませんけれども、現実にはなかなか宅地化されないという地域もたくさんあるわけでございます。さりとて逆線引きの形で表へ出ていくということは、地主の現実の感覚からいってなかなか具体化しない。そういう場合どうするかという問題があるだろうと思います。  これにつきましては、やはり先ほど申し上げましたように基盤整備等効用が長期にわたるものにつきましては抑制的に、原則的には認めないということでいかなければなりませんけれども、それでも、例えば施越し工事の一部とかあるいは災害復旧とか、そういったものについては考えておりますし、それからまたさらに、融資の方法での道は一定の範囲で開いておるわけでございます。それ以外の施策は農業の実態に即して考えていくことが重要ではないだろうか、そういう意味においては、野菜に関連する各般の施策、そういったものについては所要の措置を講じているわけでございます。  また、さらに基本的には、今のいわゆる生産緑地制度の活用ということをやはりそろそろ重視しなければならない時期だろうと思っておりまして、生産緑地の指定という問題についても、御指摘も踏まえましてこれから十分検討し、前向きに調整していきたいと思います。  また、当分営農を継続する意思と条件を備えた者については、いわゆる宅地並み課税の実施に当たりましては、例外措置を設けまして徴収猶予の形で農業の継続を可能にする方途を開いたことは御案内のとおりでございます。  そういう意味で、それぞれ区域の性格に応じてなるべく現実的に、しかし実態を尊重して処理してまいりたいと思っているわけでございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 特に市街化調整区域のところで、農用地指定あるいは緑地指定を受けておりますけれども、そういう中で、御案内のように将来ともそれが農地として適地がどうかというものもあるわけですから、そういう点で線引きそのもののあり方がいろいろばらばらだったところに大きな問題があると思う。そういう点で、将来とも農業を守る立場あるいは都市の緑を保存する立場と、反面、首都圏における住宅が少ない、住宅が必要とされている問題を含めて、具体的にその線引きの基本的な姿勢が今ばらばらのために大きな問題と期待をかけられている。そういう点を詰めて、これから年度別に、従来五年あるいは十年別に線引きの見直しがされてきましたけれども、それを積極的に、ここはこういう形で線引きをする、見直しをする、そういう姿勢が今欠けているような気がするわけです。それは、建設省もあります。しかし、農業を守る立場で必ず農林水産省が関連するわけですから、その辺の姿勢をもっと明確にしていただきたい。その辺についてお尋ねいたします。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御案内のように、従来と違ってかなり弾力的に線引きの見直しをする道を昨年から開いておるわけでございます。その中には、今申しましたように、逆線引きという問題も含めているわけでございます。  私どもといたしましては、この問題に取り組む基本というのは、やはり農地としての団地性が確保できるかどうかという問題と、もう一つは水利用についてもスプロールを防止できるかどうかという問題でございます。いわゆる面積が広がったとか縮まったということよりも、今日の混住化の進展の中で土地、水の利用秩序というものが維持されているかどうか、スプロールが防止されているかどうかということが非常に大事だろうと私は思います。そういう意味で、そういった点を重視した指導を建設省とも打ち合わせておるところでございまして、今後も御指摘を十分頭に置きまして具体的な対応を考えてまいりたいと思います。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 次に、農地あるいは農地営農に対する相続時点においては相続税の猶予という問題があるわけですけれども、実は驚いたことに、自然保護、緑がこれだけ騒がれているときに、山林について相続税の猶予というのはない。そうしますと、一方において自然保護、山林、今もブナの問題が騒がれておりましたけれども、現実問題としてこういう問題が明らかになってきた。これが相続税のときに、少なくとも自然保護を提唱している立場が、こんな立場になってきますと、この辺少し問題があるのじゃないかと思うのですが、その辺ちょっと教えていただきたいのです。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 実は林野庁長官が今おりませんので、私から答弁する資格も能力もございませんが、林地についてはかなり長期にわたる相続税制を設けていると思いますので、また必要がございましたら、後刻改めて林野庁から御説明させていただきたいと思います。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 私が調べている範囲においては、森林といいますか、山等についての相続税は相続税猶予がないという話があるわけですけれども、その辺、もし私の方が間違っていたらあれなんですけれども、わかっている範囲の中でお答えいただきたいと思うのです。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 専門が一人もおりませんので、まことに申しわけございません。御通告していただければ準備したのでございますが、改めて説明させていただきます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 わかりました。この問題については、また後日にさせていただきます。  それから次に、農林水産大臣、そういう問題があるわけですから、自然保護を提唱している立場と税制面のこういう問題があるということだけ認識をして、あなた自身がこれから大蔵との問題、いろいろな問題があろうかと思いますけれども、その辺について自然保護を守る立場で、緑を守る立場で、あるいはまた林業を推進する立場で、その辺の考え方だけ……。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今先生おっしゃいました自然保護を守る、緑を守る、そういうような立場で今後私の方も大蔵の方とも前向きに折衝してまいります。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 次に移らしていただきます。  今、貿易摩擦等の問題によりまして、けさの新聞でも、大臣はオレンジあるいはまた牛肉等について精力的な話も昨日の委員会でされておるようでありますけれども、基本的に日本の農業が、これから農業を産業として生活していく場合において体質的な整備がないといつも農業がしわ寄せを受ける、こういうような感じを受けるわけです。そういう点で基盤整備そのものがもっと重要視され、そのことが逆に自由化なりあるいはまた輸入等の問題について対応できる体質ができてくるような気がするわけです。単なる小手先だけでオレンジ、牛肉、こういうものだけじゃない、基本的に農業の基盤整備ということが望まれているわけですけれども、これらについてどう考えておりますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃいましたように、我が国農業をこれからも進展させていくには、何といっても一番大事なのは基盤整備であるというぐあいに私も理解しております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 そこでお伺いしたいわけですけれども、大臣はこのオレンジ等の問題について直接アメリカに行って交渉するくらいの意欲があるということですけれども、例えば今日本のミカン、かんきつ類の問題一つとっても、減反を強いられていることは事実だと思うのです。そして、現実には農家の人たちがこれから新しく再出発をするために何を求められているかということで大変戸惑っているわけですけれども、単にこの輸入枠拡大という問題だけでなく、これらに対して、日本のミカン、かんきつ類の将来に対してあなたはどういうふうに考えられておりますか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 我が国の果実生産全体は、近年の需要の動向に応じまして全体として見ますと縮小傾向にございます。その理由はいろいろあるわけでございますけれども、一番大きな理由は、消費が多様化してきておることにあると私は思います。  減っております果実の消費を眺めてみますと、温州ミカンでありますとか、輸入品ですとバナナでございますか、そういう大量消費型の、値段からいいますと極めて安い大勢の人に愛好されております果物が減っておる。かわりまして、いわゆるマイナークロップと申しますか、比較的少量生産品種が伸びてきておる。これは果実の世界だけではございませんで、いわゆる果実的野菜と申しましてスイカとかメロンとかイチゴといったものがございますが、そういったものの中におきまして、かつて百万トンの生産を確保しておりましたスイカのようなものは多少減りぎみでございます。  そういった果実の消費の多様化の中において今後の我が国の果樹生産をいかにしていくか、こういうふうに問題を考える必要がございまして、温州ミカンの面積の縮小ということも単純な縮小ではございませんで、今後の可能性のある果実に作付を転換していく、こういうことの一環としてやっておるわけでございます。もちろんそういう庸勢が厳しい際でございますから、ただいまアメリカとの間で問題になっておりますオレンジの自由化あるいは大幅な枠の拡大は何とかしてこれを回避いたしまして、国内の果樹生産が安定的に経営を維持発展させていくことが可能なように最大限の努力をいたしたい、かように思っております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 ミカン栽培等を一つとっても、五カ年計画で大体二割強の減反を強いられておるわけですから、そういう点では、全般的に多様化されているということだけじゃなくして、もっと精力的に、減反をする前に、逆に三十万トン近いミカンですか、こういうものを含めて、何でも減反すればいいという考え方はよくないと思うのです。そういう点では、それを逆に、向こうがこっちへオレンジの枠の拡大を言ってくるのだったら日本の、ミカンも向こうに食べてもらうような、そういう取り組みがされてしかるべきじゃないか、それが本当の自由化じゃないかなという気もするのですが、その辺どうなんですか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 我が国の温州ミカンで申しますと、年間に約二万五千トン程度のものが輸出されておるわけでございます。輸出先の主なるところはカナダ約一万五千トン、それから韓国約五千トン程度、これは缶詰原料としての保税加工用であります。その他アメリカ合衆国が千トン前後だったと記憶いたしますが、その他の国を含めまして今申し上げたような数量に相なっておるわけでございます。  アメリカ合衆国の場合で申しますと、輸入制度上はもう既に自由化されておるわけでございまして輸出が可能なわけでございますが、我が国のかんきつ類の中にはかんきつ潰瘍病という病気がございまして、かつてこれがアメリカに持ち込まれまして大変大きな被害を与えたという経過がございます。したがいまして、戦後、このミカン輸出を解禁してもらうに当たりまして、植物検疫の面において大変厳しい条件を付せられて、その中で輸出をしておる状況でございまして、現時点で解禁をしております州はたしか六州でございます。私どもといたしましては、その州の数をふやしてもらうことについても検疫の世界においてアメリカと再々交渉いたしておりますし、同時に、州の数が単純にふえただけで検疫の条件が改善されなければ日本側の事情としてそうは出せないという問題もございますので、我が国の側でこのかんきつ潰瘍病に汚染されているものをいかにして向こう側に出さないようにするかという努力も積み重ねまして、両々相まって今後の輸出拡大を図ってまいりたい、かように考えております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 いずれにしても現行協定期限切れが三月末ということですから、大臣はけさの新聞で、向こうに行って積極的にその辺の交渉もするぐらいの意欲があるようです。そうしますと、今のような関税問題を含めて、向こうからの問題だけじゃなくこちらの問題も先方に積極的に、それらについて引き下げるとか時間の問題、そういうことをやる意欲があるかどうか、その辺どうですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃいますように、私もそっちの意味も含めてやってまいります。今、アメリカが輸出しておる金かんきつのうちの四割を日本が輸入しておるわけでございますから、今度の農産物交渉に当たりましても、日本農業を守るということを念頭に置いて交渉に当たってまいるつもりでございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 それじゃ、あと大臣にお聞きしたいのですけれども、私は、農産物、食糧という問題は、これから日本の、時には戦略物資的な要素を含めて大変重要な、日本の国を守るためにも重要な問題だと思います。ところが残念なことに、今農業基本法は日本はあるのですか。あったらちょっと答弁願いたいのですが……。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 農業基本法は三十六年に制定されまして、農業の使命ということで国民食糧その他の農産物の確保、こういうものを通じまして国民生活の安定を図ることを農業の基本的な使命ということで定めております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 そうしますと、その基本的な使命はよくわかるのですけれども、具体的にそれに付随して日本の長期的な農業という問題について、今の農業基本法と現実に置かれている農業問題は大分違うと思うのです。その点について大臣どう思いますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今先生おっしゃいましたように、農業基本法が三十六年にできましてから農業を取り巻く経済社会情勢が大きく変化してきておる、いわゆる自立経営農家育成等が必ずしも進展しない実情にあるということは認めないわけにはいかないと思います。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 いずれにしても、農業基本法の精神がもっと生かされるならば、農業の安定化も図れるでしょうし、農業後継者もこれほど心配しなくて済むわけです。そして、逆に今専業農家が少なくなって兼業農家、こういう実態を見たときに、やはり農業基本法の精神をもっと私たちの生活に密着している農業問題に生かせるように工夫をする必要があろうと思うのです。その辺、もう一度大臣、答弁してください。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 実態についてちょっと私の方から実情を御説明申し上げますが、基本法全体は、やはり国民の食生活に合った、需要に合った農産物をつくっていくということが生産の面では大事だと思います。その後の展開を見ておりましても、日本経済が高度化をしてきた、その過程におきまして国民の食生活も非常に変わってきております。畜産物、野菜、果樹とか、そういうものにつきましては、農業生産の面でも特に施設利用型と言っておりますが、園芸あるいは豚とか鶏とか、こういう畜産物につきましては非常な伸びを示しておりまして、大体需要の相当部分は国内自給ができる。  今御指摘の兼業の問題あるいは農業後継者の問題は、土地利用型と言っておりますけれども、米あるいは麦とか、専ら土地に依存するものについてはそういう問題が出ております。米の場合には、やはり機械化が進み、農業労働もごくわずかで、婦人の方あるいは兼業の方でも片手間でできるというように生産の態様も変わってきた、技術も変わってきたという点にまた根源がございまして、逆に、米につきましてはある意味では余る。現在の時点では確かに需給問題は出ておりますけれども、基本的には米自体は千三百万トンは十分とれるというような状況でございますので、その点につきましては兼業必ずしも悪いということは、私どもは現在の土地利用型農業を見ておる限りでは申せない。  ただ、先々考えました場合に、先生御指摘のように後継者の問題だとかあるいは土地、地価の問題だとかあるいは規模拡大、特にこれは土地利用型でございますからそういう問題がございますので、これについては先生御指摘のように、私どもとしては今後の政策にはそういうものを重点的に取り込んでいくという方向で努力をしているわけでございます。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 兼業必ずしも悪くないという発想、私もそう思います。しかし、専業で食べていけないから兼業するのですよ。食べていければそんなことはないのです。ですから、今の農業指導そのものが余りにも農業の後継者の問題、専業の問題を含めてそういう形になっていないでしょう。やはりそういうところに大きな問題が出てきていると思うのです。例えば稼働率が一年にわずかな、それこそ十時間か二十時間もないような機械を購入するのです。補助金を出して奨励をして、現実には機械の月賦を払うために苦しんでいるでしょう。そういう指導をしているのが今の農政なんです。だから、私は農業基本法の精神になってないということを申し上げているわけであります。そういう点も含めて申し上げているのですから、誤解のないようにして、これから農業指導というものをちゃんとしていただかないとその精神が生か一されてこない、こういうことを申し上げるわけです。  次に、御案内のように、今二百海里問題もいろいろなことが出てきておりますけれども、現実には漁業そのものが大変不振で困っている。例えばけさの新聞でも、大臣ごらんになったかもわかりませんけれども、神奈川でも、長い間伝統的な定置網というものがあったわけですけれども、六組合あったのが、赤字がふえて二つ廃止せざるを得なくなった、こういう実態が現実に出てきております。これだけ深刻になってきておることは現実なんですけれども、これらに対してその振興対策を何か考えられているかどうか。

渡邉文雄水産庁長官

○渡邉(文)政府委員 御指摘のように五十二年に世界各国が二百海里を引きましてから、また、それと相前後しまして石油価格が大幅に上がる、それからよく言われますように飽食時代を迎えまして国民の胃袋もいっぱいになってきまして魚の消費が伸び悩む、ということが幾つかございまして、現在の我が国の水産業が大変難しい状況にあるのは御指摘のとおりでございます。その中で、遠洋漁業につきましてはそういった国際的な問題もございましてなかなか見通しの立てにくい面があるわけでありますが、粘り強い漁業交渉を行いまして既存の漁業権益を守っていくということに今後の施策の重点を置くよりほかにないと思っております。  一方、御指摘の沿岸漁業の重要性でございますが、遠洋漁業がそういうことでなかなか先の見通しが持てないということになれば、反射的に沿岸漁業の重要性というのは増してくるわけでございまして、現在も栽培漁業あるいは沿岸漁場整備事業等、かなりの国費を使いまして沿岸漁業の振興には努めているわけでございます。  なお尺定置漁業あるいは沖合漁業、それ以外にも幾つか分類はあるわけでありますが、沖合漁業等につきましては、資源の管理に注意をいたしました漁法、操業を続けて適正な漁獲努力というものを続けることが今後の基本施策になろうかと思います。  定置につきましては、何といいますか、とる漁業というよりもむしろ待ってとる漁業でございますので、むしろその年々の海温、水温あるいは資源の長期的な動向等によりましてかなり漁獲に振れがあるのが現実でございます。ただ、省エネルギーという面でいきますと、油は余り使わない漁業でございますので、今後の沿岸漁業の中でも一つの大きな、重要なものとしまして私どもその振興には努めてまいりたいというふうに考えております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 時間も余りありませんが、ただ、水産漁業がこれだけ不振のときに二百海里の問題等々が非常に厳しい状態になってきているわけで、沿岸漁業が見直しをされ、魚礁の整備や栽培漁業が盛んに言われているわけですけれども、もっともっと精力的にやらないと、この人たちは本当に食べていけないのですよ。それは現実やっていただいていることはわかりますけれども、これでは今の漁業に従事している人たちは現実に食べていけない。ですから、もう膨大な赤字をしょって、長い間続いた定置網でさえも今やめざるを得ない。それは確かに水温の変化とかいろいろなことがあるかもわかりませんが、それだけの問題じゃないと思う。そういうことを含めて、大臣、悪いけれども、これからの水産漁業不振対策という問題についてあなたの決意のほどだけを聞かせてください。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 実は、ちょうど私ども用選挙区銚子を含んでおります。この漁業振興という面につきましては、ひとつ精力的に取り組んでいきたいと思っております。

田中慶秋民社党・国民連合

○田中(慶)分科員 以上で終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。  次に、横江金夫君。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 私は、同和問題、この一点につきまして農林水産大臣のお考え方をお聞かせいただきたいというふうに考えておるわけであります。  全国の農山漁村部落の実態について、言うまでもなく日本社会の歴史的発展の過程におきまして形成されましたこの同和問題、身分階層構造に基づく差別の問題であります。日本国民の一部の集団が経済的、社会的、文化的に低位の状態に置かれ、現代社会においてもなお著しく基本的人権を侵害されて、市民的権利と自由を完全に保障されてないという、最も深刻にして重大な社会問題であるというふうに私は思うわけであります。職業の差別あるいは婚姻の差別、そして生活の貧困さ、もっと多くの問題がありますが、これらの問題について、特に農村の生活の面から、いわゆる部落の皆さん方の貧しさの実態をとらえてみたいと私は思うのです。  この部落の皆さんは、一部の方は別でありますけれども、ほとんど農業や漁業で生活を立てていけない状況にあります。兼業として日雇い等の不安定な仕事、出稼ぎによって収入を得なければならない状況にあると思うのです。私はまさに憂うべき実態だと思いますが、冒頭申し上げましたように、今日のこの農山漁村部落の実態、動向について大臣はどのように把握をしておみえになるのか、まずこれからお尋ねをいたしたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 同和関係地区は全国で約一千市町村、約四千地区でございます。関係農家数は八万三千戸でございます。このうち、御指摘のように二種兼業農家の比率はかなり高くて七六%、経営耕地規模は三十アール未満が三九%、五十アール未満で見ると六二%、平均経営規模も五十四・五アールという形になっております。また立地条件を見ましても、一般的に経営が零細なほかに立地条件も悪いという問題があるわけでございます。これは現実として受けとめていかなければならないと思います。  かような意味で、農林水産省も国の地域改善対策の一環として、特別措置法に基づき、対象地域における農林漁家の経営の安定と生活水準の向上を図るために、各般にわたる施策を特別の予算を計上して従来からも実施していることは御案内のとおりでございます。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 確かに兼業の関係につきましては、特に今お話がございましたように第二種の兼業の皆さん方が七五%、実際に専業の皆さん方は全体の八%しかない。しかも、規模におきましても五ヘクタール以下の皆さん方が六〇%少しあるという感じ、こういうような関係から、生活の実態が厳しいということは今お示しのとおりのことでよくわかるわけであります。  今、いろいろな施策を得まして経営安定に努力をしておみえになるというお話でございますが、省からいただきましたこの同和対策事業の中でいろいろな予算も実は計上されておりまして、その中におきまして、今御答弁をいただきましたような零細な皆さん方に対する経営安定に関しての施策は、多方面にわたって努力をしておみえになるということでございます。しかし実際には、例えばほんの少しの皆さん方の大型と言うのですか、一般的に言うならば大きくはありませんけれども、一ヘクタール以上の皆さん方に対するいわゆる農業基盤整備等々については確かに御配慮をいただいていると思いますが、お話のありましたように、そういう零細な皆さん方に対して経営安定について実際にその実を施されておるのかどうかということについては、失礼でございますが、甚だ実は疑問に思うわけであります。その部分についてひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 地域改善対策特別措置法に基づきます国の地域改善対策の一環として、先ほども申し上げましたように、農林省としては各般にわたる施策を講じております。具体的には圃場整備、かん排、農道等の土地基盤整備事業でございますが、これらにつきましても、採択基準等については十分配慮いたしまして事業を実施していることは御案内のとおりでございます。それからもう一つは、経営規模の小さい農家の皆さんが集約的な農業によって所得を上げていくという視点から、園芸施設や畜産施設の導入事業についても、他の一般施策とは異なりましてかなり濃度の高い行政を実施しております。  このほか、造林保林道事業、漁港改修、漁場改良造成等の事業につきましても、特別の補助率、採択条件で事業を実施しているわけでございます。もちろん所得機会の安定、雇用の安定という問題は農林省の施策だけではなくて、関係各省一体となって取り組まなければならない問題でございますし、我々は農林漁業の改善という視点から問題に取り組んでいるわけでございますが、今後とも関係各省との連携を強化いたしまして、総合的な努力をさらに続けたいと思っております。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 言葉の上では確かに農道とかあるいはその環境整備とかについて、いわゆる新法の目的に基づいておやりになっているというお話でございますけれども、実際には実を上げていない。現実の零細の皆さん方の生活実態というのは、いま示されたような形で成績が上がっているというふうには正直申し上げまして考えられないのです。先ほど申し上げました大型化の関係については私は理解しますが、零細の関係については今言われるような大きな成果は上がっていない、言葉だけに終わっていると私は思うのです。もっと言うならば、しからば今の第二種兼業の七五%の皆さんや、三ヘクタールないしは五ヘクタール以下のそういう零細な皆さん方の真の生活の実態というものをあなた方はどのような形で御調査をしておみえになるのか、調査に絞ってひとつ御答弁をいただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 同和地区にかかわります総合的な調査というのは、国自体としては五十年以来なされておりません。しかし農林漁家の実態ということにつきましては、私どももこういった対策予算をきめ細かく、しかも相当の金額を計上して実施するわけでございまして、絶えず関係府県から事情を聴取いたしまして、問題の所在を伺いながら対応しているわけでございます。今後とも引き続き実態の把握について十分意を用いてまいりたいと思いますし、また、そういった実態の把握を基礎といたしまして、先ほども申し上げましたように、採択基準の引き下げの問題とか補助率の問題にも配慮しているつもりでございます。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 各関係町村の事情聴取によって漁家の実態を掌握しておる、こういうお話でございますが、その関係町村の実態調査、事情聴取というのは例えば府県とか市町村段階の担当からお話を伺うということで、全体の問題からいきましても、例えば指定区域以外の皆さん方については関係の市町村の皆さんからお話を聞くだけです。実際に指定区域以外の方がたくさんあることについても、これはただ話を聞くだけ、事情を聴取するだけですから、それ以外にあるにしても、そこまでの踏み込んだ調査というのは事情聴取ではできないわけなんです。  これは全体的な問題ですが、今私が焦点としています問題の中身の話にいきましても、例えば先ほど話がありました経営形態の専業だとか耕地面積とか、あるいは円とか畑等々の関係だけについては事情聴取はされますが、五十年の調査はどういう形で行われたか私は知りませんけれども、例えば生活の中身、年齢構成あるいは農業所得、これは一番大事なんです。生活の一番のもとである農業所得あるいはまた稼働日数、あるいは内容的に兼業の場合に何の仕事をしているのかという、こういう問題の調査はしておみえになりまずか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 今御指摘の中で、例えば経営耕地面積別とかあるいは専兼業別だとか田畑別とか、そういった調査はしておりますが、いわゆる農業所得、兼業所得を含めたトータルとしての所得とかその他御指摘の点については、農林省自体としてはやっておりません。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 そうしますと、今多方面にわたって配慮しておる、そしてこの山村部落についての手当てとしては相当努力をしておみえになるということでございますけれども、現実には生活の中身がわからない状況の中でただ予算化をしていくということで、真にその対象者の皆さん方のための、もっと言うならば一番必要だというような施策は薄いような感じが実は私はするのです。そういう場合におきまして、今申し上げましたような経営実態とあわせまして、所得の問題、稼働日数の問題、兼業の中身の問題、一番大事な調査をしなければいけないこれらの問題について御調査される気持ちはどうなんでしょう。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 なかなか難しい問題がございます。実は同和対策の問題は、農林漁業対策だけではカバーできるものでないことは御案内のとおりでございますが、農林漁業施策という点から問題をとらえた場合においては、他の一般施策の場合でも同様でございますが、やはり平均的な意味での経営条件とかあるいは地帯条件というものを想定して、その中で問題を考えていくということにならざるを得ない。個々の農家というふうにはなかなかいかない点があると思います。ただ、事業の実施自体につきましては、先ほども申し上げましたように、各県からの事情聴取等を通じまして具体的な事業というものを聞きまして、それで補助事業を実施しておりまして、そういった要請は具体的な要請という形では受けとめて調査をしているつもりでございます。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 あくまでも事情聴取ということを念頭に置いてみえるわけでありますが、同対審の答申からいい、あるいは旧法また新法の精神からいっても、どんな場合でも実態を把握しなければ適した施策は出てこないと私は思うのです。対象の皆さん方もそれについては強く希望してみえると思うのです。だから私はこの際、もう新法についても三年しかないという状況の中で、もちろん農林水産省だけの問題ではない、全体の問題だということでございますが、この部落の皆さん方の占める割合は八割が農村の皆さんなので、そうであるとするならば当然その実態をつかんでいく、こういうことは積極的にしていかなければいけないと私は思うのです。  例えば、農業の実態につきましては農業センサスというのも五年ごとに行われているのです。これはもう一〇〇%中身が調査されて、今私が申し上げましたような作物の内容、複合経営の状況に至るまで細かく調査をされているわけなんです。そういう調査をされている事実があるということからいって、今あなたが言われているようなもの自身を、何もやってないのじゃないのですから、これを活用することによって、そして今私が申し上げました皆さん方のそういう要求や希望に対して、また法の精神に基づいて施策をしていくということは一番急務であって肝要だと私は思うのです。この辺はどうなんでしょう。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 次の農業センサスは六十年に実施することになっております。これは、我が国農業の基本構造とその動向を明らかにする目的で、六十年二月を調査期日として調査を行い、十一月に公表というスケジュールを組んでおります。  さて、この結果を同和関係農家の実態把握に利用できるかどうかという問題につきましては、結局個票の探索ということに触れるわけでございまして、調査の目的の違いもございます。経費の問題もありますので、なお今後検討していかなければならないと思います。しかし御指摘もありますので、そういった点の検討を踏まえながら、総理府、行政管理庁、関係省庁とも今後相談をしてまいりたいと思っております。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 私は、今、関係省庁との御相談というお話がありましたけれども、行革臨調からいって、改めてやりなさい、予算をかけなさいということであるならば、これは今のお話のように経費の問題も出てくると思うのです。ところが、農家の基礎資料あるいは農林業の実態を調査していく中で現実に行われるのですから、新しくやる場合だったら会もたくさんかかるという経費の問題が出てきましょうけれども、行われているものから活用していくということについては経費の問題もさほど心配はないのじゃないでしょうか。これがまず一つ。  それから、個票の問題について目的が違う云々という話でございますけれども、目的が違うのでしょうか。私は、農家全体の中の部落農民の問題、基礎資料を調べるという点からいくならば何ら目的も違わないと思います。どういう点がいけないのでしょうか。その点はどうなんでしょう。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 こういった個々の経営に即して行います調査については、いろいろな内容の把握でございますから、どう利用するかについてはおのずから制約もあり、そういった利用等については、政府全体でもいろいろ相談をしなければならないという問題もあるだろうと思います。それから個票を別の視点から探索するという点でございますので、根っこからやるよりは確かにお金はかからないと思いますが、かなり経費のかかる点もございます。そういった事情がありますので、私、決して今ここで断定をしているわけではございませんから、なお検討をしなければならない点があるだろうということを申し上げたわけでございます。そういった検討を踏まえながら、先生の御指摘も受けまして、関係省庁にもわたる問題でございますので、総理府、行管とも十分相談してまいりたいという趣旨のことを申し上げたわけでございます。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 若干前向きの御答弁だと思いますが、個票の探索についてもう一つ伺っていきたいと思うのですね。例えば五十年の実態調査のとき、これは総理府がおやりになったのですか、そうですね。そのときはこのセンサスも御利用になったのじゃないですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 五十年の調査は、御指摘のように政府全体でやったわけでございます。その政府全体で調査をやるという方針と取り扱いのもとでこのセンサスも利用したということでございます。したがって、政府全体として調査するということが基本にあったことは御了解賜りたいと思います。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 総理府が実態調査をした、しかし、あくまでもこの一九八〇年世界農林業センサス要綱そのもの、センサスそのものの実態は、国全体、政府全体がやったといいましても、おのずと現実的には違うと思うのです。これは利用したということなんですよ。しかも、現在の農家全体の中の部落の皆さん方の問題は農林省の中の問題なんです。だから、個票を探索することは五十年にそういう実績があるのですから、総理府は国全体だと言うけれども、実際には農林省の中の問題なんです。そうであるならばさほど難しい問題ではないし、その辺の個票の探索の問題については、経費の問題は私は知りませんけれども、関係省庁と相談をされる場合の問題としてはもう実績があるのですから、私はセンサスの活用というのはできると思うのですが、いかがでしょう。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 五十年の調査の際には、政府全体として総理府の指導のもとに調査を行いまして、農業関係については、農業センサスを利用して再集計、整理したという経過があるわけでございます。この問題につきましては、調査も含めて、政府全体としてどう扱うかという問題が基本にあることは御案内のとおりでございますので、そういった点も踏まえてやはり関係省庁と相談しなければならないということを申し上げたわけでございます。  それから経費の問題も、実は厳しい予算の制約のもとでございまして、特に一般庁費等については厳しい制約もあることは事実でございます。しかし、そういう御指摘もございますので、そういった点を検討しながら各省とも相談をしてみたいということを申し上げたわけでございます。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 大臣はどうなんでしょうか、今のセンサスを活用して部落農民の実態をつかむということは。今予算の話がありました。これからアメリカへお行きになって、貿易摩擦などいろいろな問題を含めて今最高に努力される大臣でございますが、国の中の問題、これも大事なことなんです。しかも国の中で農林省として行われていまして、現実にわかっているのですよ。活用するだけなんです。金がどのくらいかかるか知りませんけれども、センサスを活用して実態をつかむ、そして適切な施策を施す、こういうことについて大臣はどのように考えておられますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今局長から答弁をしましたように総理府それから行管、これは会もどのくらいかかるか全然わかりませんから、それらを含めて検討させたいというぐあいに考えております。(横江分科員「前向きに」と呼ぶ)前向きに検討します。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 それでは大臣の答弁で、この辺につきましてはその結果を期待いたしております。  つきましては、漁業の関係についてもこの際御質問申し上げたいと思います。  水産庁の調査によりますと、漁民の皆さん方は、調査の結果として掌握してみえる数字は四千三百何がしたというように伺っておりますが、昔から虐げられながら、しかも漁業一筋で生き抜いてきた部落漁民でその地域における漁協へ加入できないたくさんの方がお見えになる、そういうことが水産庁自身の調査の結果によっても出てきておるわけなんです。この辺はどういう理由でそうなっているのか、現状はどうなのか、ここらあたりにつきましてひとつ御説明を賜りたいと思うのです。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 昭和五十五年現在の数字で、いわゆる漁村の関係市町村数は約七百、地区数は百九十、漁家数は三千四百でございます。  水産庁の調査との関係でございますが、例えば組合員資格の問題等について、これは組合の定款で決めておりますけれども、現実に参加しておられない方もあるという実態もありますので、従来から水産庁が関係府県を通じて指導しているところでございまして、そういう不当な理由で加入を拒んだり何かすることがないように、今後とも行政指導を強化するという方向で水産庁も努力しているところでございます。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 時間も関係がありますけれども、今定款に基づいてというお話がありましたが、相当多くの人が昔からやっていながらどうして加入できないのか。加入しなければ実際には密漁という形になって、全く生活の保障がないわけなんですね。これは途中で漁業者になるという話ではなしに、音からの、しかも先祖代々からという形からいくならば、府県に強く指導しておみえになりますけれども、この皆さんの生活を保障するということはもう当然だと思うのです。この点についてはもっと強力な対応をしてもらわなくてはいけませんけれども、どういうふうにお考えになっておりますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 漁協は、私が申すまでもなく、正当な理由がないのにその加入を拒むことはできません。そういう意味においては、こういう問題に関連して、条件を付して組合員資格を制限することについては認められないということになっております。  結局問題は、組合員資格を有しながら現実に加入できないという実態があるかどうかという問題でございますが、そういうことが必ずしも皆無ではないということも一部に聞いておりますので、従来から関係府県を通じて指導しているところでございますが、御指摘も受けまして、その点さらに遺漏のないように指導を強化させたいと思っております。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 強く対応していただきたいと思います。資格があって入られないなどということはもうむちゃくちゃですよ。しかも水産庁としてその事実を承知してみえるならば、この対応をもっと明確にしてもらいたいと思います。  それからもう一つは、啓発の関係について御指摘をしたいのです。農協、漁協の中におきまして同和問題推進担当者というのが設置されるということが通達で決まっておりまして、鋭意努力していただいているようでありますが、農協、漁協の設置の状況についてひとつ御説明いただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御指摘のように、農協、漁協におきます同和対策推進担当者の設置につきましては、かねてから地方局、県を通じて鋭意指導に努めております。五十八年四月一日現在で、農協では千三百十一組合、漁協では百三十四組合となっております。なお、その設置の状況は満足すべき状況でないことは否定できません。そういう意味において、その職務の重要性について農漁協がみずから十分認識いたしまして設置を推進するよう、さらに今後も指導を強化していきたいと思っております。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 百人以上の企業の中で推進担当者の設置数を見ていきますと、パーセンテージでは八五・五%という高率のパーセンテージが出ているわけです。今あなたが言われました千三百十一とか、あるいは漁協の百三十四というのはどれぐらいのパーセンテージになりますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 全国の農協数、漁協数に対して申し上げますと、農協の場合が約三割、漁協の場合が五%弱でございまして、特に漁協の設置がおくれていると思いますが、問題のこういった必要性が特にある地域の漁協の数、農協の数というものについては今手元に資料を持っておりませんので、十分実態の把握に努め、先ほど申し上げましたように設置を督励してまいりたいと思っております。

横江金夫日本社会党・護憲共同

○横江分科員 大臣、このように今、農協については三〇%、百人以上の会社企業については八五・五%、しかも漁協についてはたった五%なんですね。これは冒頭申し上げましたように、地域的には八割の皆さんが農山漁村にお住みになるのです。農林省がもっと積極的に、ただ通達一本で済ませるのではなしに――こんな数字というのは熱意がないのですよ。新法の精神をしっかりと考えるならば、こんな数字が今発表されること自身がおかしいのですよ。だから、今全体で五千というお話がございますけれども、全体の企業の場合もそうでございますから、当然この辺の問題についてももっと積極的な熱意を示していただきたいと私は思うのです。  最後に、同和対策、そして今申し上げました点の大臣としての決意を伺いまして、時間が来ましたから終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今、横江委員おっしゃいました農協、漁協、これらに、対しましてこの趣旨を徹底させます。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて横江金夫君の質疑は終了いたしました。  次に、草野威君。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 最近、食品加工の技術が大変発達しております。特に水産物、中でも魚肉練り製品とか魚卵食品、こういうものに対する加工技術が非常に発達してまいりまして、いわゆるコピー備品、このように名づけられまして一般庶民の食がんをにぎわしているわけでございます。この問題につきまして最近何かと話題があるようでございますけれども、私は、まず本日はいわゆるこのコピー食品につきまして、一体コピー食品とは何であるのか、またその安全性、そういうものを含めまして若干質問をさせていただきたいと思います。  まず初めにお尋ねしたいことは、いわゆるコピー食品とは一体どういうものを指しているのか、定義みたいなものですね。それから現在市販されているものの種類だとか、さらにその生産量、販売高というもの、それから今後の需要の動向、またこういうコピー食品に対しまして、海洋資源の活用というような見地からさらにこれを積極的に育成をしていく、こういう方向であるとか、そういうことを含めまして農水省のお考えをひとつ承りたいと思います。

渡邉文雄水産庁長官

○渡邉(文)政府委員 先生御指摘のように、最近いわゆるコピー食品というものの出回り量がふえております。先般来は、公正取引委員会からその表示についての御注意があったところであります。別に法律的にコピー食品の定義があるというふうに私ども理解しておりませんが、常識的には疑似加工食品とでも言いましょうか、形とか色によりまして本物と似せてつくられた魚肉練り製品あるいは魚卵食品というふうに理解をしておるわけでございます。  それで、それの最近におきます消費動向といいますか生産動向でございますが、これらのいわゆるコピー食品は、その原料が大きく分けまして二つに分かれます。一つは、スケトウダラに代表されます冷凍すり身内を利用いたしまして加工されたもの、それからシシャモの卵等魚卵を使用したものと二つに分けられると思いますが、その前者の冷凍すり身を利用したものにつきましては、関係の業界から私ども聞き取りましたところ、例えばカニ風味かまぼことかホタテ風味というふうな風味をつけましたかまぼこ類をコピー食品といたしますと、その関係の数字は大分増加傾向にございまして、昨年度で約五万トン程度、これは練り製品の全体が大体百万トン弱、九十五、六万トンと私ども思っておりますので、それのおおむね五%程度がいわゆるかまぼこ類の中で他の風味をつけたものではないかと思っておるわけであります。それからシシャモ等の卵を利用してつくられましたかずのこ風味的なものにつきましては、昨年二千五百から三千トン程度つくられたのではないかというふうに推定をされておりますが、強いて本物のかずのこの数量と比べてみますと、三〇%前後のウエートになるのではないかというふうに考えているわけであります。こういうようないわゆるコピー食品と呼ばれまつ加工食品につきましての私どもの考え方でございますが、先生御指摘のように、最近国民の食生活が大変多様化してまいりまして、ニーズも非常に多様化してきているわけであります。一方、御茶内のように水産物の消費が伸び悩んでいるというようなこともございまして、水産物の消費の拡大あるいは資源の有効利用に資するという面もあろうかと思われるわけでありまして、その面を考えればそれなりに意味のあることではないかというふうに考えておるわけであります。反面、消費君サイドから誤認されまして問題を起こすような事態が生ずることが好ましくないことは、消費者保護の観点から言うまでもないことでございますし、さらに水産物の消費拡大という意味におきましても、消費者の信用を失うということになってもいけないわけでございますので、今回の公正取引委員会の御注意等も十分徹底させるように手配をいたしておるわけでありますが、今後とも公正取引委員会との連絡を緊密にしながら関係業界を指導してまいりたいということでございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 ただいま水産庁の方から水産物の資源の活用ということと、さらにまた消費者保護、この両面からのお話があったようでございますが、公正取引委員会によりますこの疑似加工食品に一関するアンケ-トが発表になっております。これを見てみますと、「いわゆるコピー食品に関する意見」ということにつきまして、コピー食品を知っているというふうに答えた人の中で「そういう食品があってもよい」というふうに答えた人が五一・六%と半数を超えているわけですね。それからもう一つの調査によりますと、コピー食品に対する消費者の考え方について、その第一位は「本物とまぎらわしい表示はすべきではない」こういう問題点もまた指摘されているわけですね。  そこで、私は公正取引委員会にお尋ねをしたいと思いますが、二月二十九日にこの表示方法に対する規制を発表されております。業界に対する指導という形で発表されておりますけれども、これを読んでみますと、大きく分けて三点出ております。一つは本物と紛らわしい商品名をつけないとか、また本物の含有率を表示するとか、さらにまた本物でない旨を書いたり、その主原料の名前を表示するとか、こういうことが出ております。そこで公正取引委員会にお尋ねしたいことは、この主原料名の表示だとかその含有盤のチェックだとか、これは実際できるのかどうか私はちょっと心配もあるわけでございますけれども、このチェック方法はどのようにされるお考えでしょうか。

鈴木満公正取引委員会取引部景品表示監視課長

○鈴木説明員 先般、いわゆるコピー食品、公正取引委員会では形状及び色を本物とそっくり似せた疑似加工食品と申しておりますが、これは魚肉練り製品と魚卵製品、先ほど農林水産省がおっしゃったとおり、同じ基準で我々疑似加工食品というふうに呼んでおるわけですが、これは本物と色とか形がそっくりでございます。消費者に本物であると誤認されるおそれが強いために景品表示法上の問題がございましたので、調査をして、この誤認を排除するための表示基準を作成いたしました。  先生御指摘のとおり、三点主にございまして、今御指摘の点は、三点目の主要原材料名及びその含有率を表示することということをお願いしておりまして、その主要原材料、含有率というのが分析できるのかという御指摘かと思いますが、私どもは景品表示法違反の疑いがございましたら、独禁法の手続規定を準用しまして立入検査等を行うことができることになっておりまして、実際に問題がございましたらば事業所に立ち入ってチェックをするということもできるようになっておりますので、これは実際の正式の手続をとりましてやらなければいけませんけれども、そういう形でチェックできることになっております。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 公取の方としてはそういう事業所に立ち入って書類上のチェックができると思いますけれども、そういう加工食品に対する技術的なチェック、これはどうなりますか。

鈴木満公正取引委員会取引部景品表示監視課長

○鈴木説明員 技術的なチェックといいますか、我々が問題にしますのは商品の中身、つまり、主要原材料が全然入っていないのに五〇%入っているという表示をした場合に不当表示の問題となるわけです。その場合には事業者を呼び出しまして事情聴取をするさらにそれで疑問があれば場合によっては事業所に立ち入る、あるいは帳簿を検査する、そういうことでチェックをするということでございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 私が伺ったのは、そういう技術的なチェックを一体どこがされるのか。公正取引委員会ではそういう技術的なチェックなんというのはできないわけですね。帳簿によって何がどのくらい含まれているのじゃないだろうかという程度の判断はできても、実際に一〇%入っているとか二〇%入っているとか言われていても、それを技術的にはっきり確認できますか。そういうところのチェックはどこがおやりになりますか。これは農水省の管轄になるかどうかわかりませんが、こういうことは一体どこがされるのですか。

鈴木満公正取引委員会取引部景品表示監視課長

○鈴木説明員 我々は、原材料が例えば五〇%入っているかどうかのチェックは書類調査で、例えば工場日誌であるとか、そういった帳簿等をチェックしまして確認をすることができるわけであります。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 大臣、お聞きになっているように公正取引委員会がこのような指導要綱を発表されましたが、書類上のチェックはできるけれども技術的なチェックはできない。他の機関ではどうかわかりませんけれども、そういう点がコピー食品の一つの大きな問題だと思うのですね。これは一つの問題点として指摘しておきます。さらに、この指導の法的な強制力、これは一体どうなんですか。簡単に答えてください、時間がないから。

鈴木満公正取引委員会取引部景品表示監視課長

○鈴木説明員 独占禁止法第四十五条、四十六条によりまして事業所に立ち入ることができることになっております。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 法的な強制力は持っているということですね。  もう一点伺いますが、このように厳しく法的な裏づけを持った強制力のあるものであるとすると、この際、水産加工食品とは直接関係ないのですけれども、関連した食品、例えば畜産物それから農産物、こういう食品に対しても、いわゆるコピー食品というように名づけられてもおかしくないものがあるのではないかと思うのですね。例えば例に挙げますと馬肉入りのコンビーフ、馬肉が主原料となったコンビーフ、こういうものは、缶詰の表示を見てみますとはっきりコンビーフという名前が書いてある。主原料は馬肉であるけれどもコンビーフという名前で表示されている。それから果実が全然入っていない、いわゆる無果汁のジュースが売れております。無果汁のジュースでも、容器にはその果実の絵が堂々と表示されている。これは畜産物だとかほかの農産物ですけれども、これは今回の公取の規制と直接関係はないのでしょうけれども、こういう他の食品に対してどういう関係が出てくるのだろうか、この際ひとつその関連を伺っておきたいと思うのです。

鈴木満公正取引委員会取引部景品表示監視課長

○鈴木説明員 今回の私どもの表示基準は、形状及び色を本物に似せた魚肉練り食品及び魚卵食品でございまして、その他のものについては規制の対象外でございます。御指摘のニューコンビーフ及び無果汁の乳飲料につきましては、その形状及び色が本物と似ていないということで今回の規制の対象外でございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 そういうことじゃだめですよ。そんな問題じゃないって、それはごまかしですよ。絵が似ていないと言ったって、例えばイチゴならイチゴの絵が堂々と出ているわけです。名前もイチゴと印刷されているんじゃないですか。そういうものが実際市販されている、国会の中の売店で売っていることをあなた方も御存じなわけですよ。それからコンビーフだって、馬肉入りのコンビーフがコンビーフという名前を使っているじゃありませんか。それが絵や名前がはっきりしていないからいいと言うが、今回の皆さん方の規制からは対象外でしょうけれども、実際には他の農産物だとか畜産物でもそういうものが堂々と売られているんじゃないのですか、そういうものはどうするのですかということを尋ねているわけです。この点をやっているときょうは時間がなくなりますから言いませんけれども、よく研究してください。次に移りますが、私は、いわゆるコピー食品を水産庁としてもこれからどっちかといえば積極的に育成していく方向、このようにさっき受けとめました。そうすると、いわゆるコピー食品という品物は、加工されればされるほど食品添加物、こういうものの使用がふえてくると思うのですね。そうすると安全性の問題につながってくると思うのですけれども、その安全性の問題で農水省に伺いたいことは、今JASの対象にされておりませんけれども、この問題については今どのように御検討されておりますか。

小野重和農林水産省食品流通局長

○小野(重)政府委員 まず、JASをいわゆるコピー食品に適用するかどうかという問題でございますが、今はJASを適用しているものはございません。これは御案内のようにチルド食品が多いわけでございまして、一定時間たちますと品質が変化する、こういうことがございますので、品質検査という面から難しいというのが主たる理由でございます。しかし今後の問題として、例えば冷凍食品としてのいわゆるコピー食品といいますか、その種のものが出回って、それも一定の市場での評価が得られるというようなことでありますと、そういうものについてJAS規格を設定するかどうかという問題になるわけでございまして、今後の検討課題ということにいたしたいと思っております。  それから食品添加物の問題でございますが、御案内のように食品衛生法上、食品添加物については一定のものを、食品衛生法上認められたものを使用できるということになっているわけでございますが、その場合の表示の問題等につきましては、JAS規格が設定される場合にはそういうものについても表示するということになっておるわけでございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 JASの問題については引き続き検討ということでございますね。  この安全性という問題でもう一つ伺っておきたいのですが、いわゆるコピー食品、現在まで全国の例えば食品衛生監視員、こういう制度があるわけでございますけれども、そういうところからの苦情だとか問題だとか、こういうことは現在までにお聞きになっておりますか。

玉木武厚生省環境衛生局食品衛生課長

○玉木説明員 そのような苦情、質問は現在のところ来ておりません。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 そうすると、大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、例えばこれから新製品がどんどんできてまいると思います。そういうものが学校給食に使われるようなことになった場合、こういうことについて大臣はどのようにお考えになりますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 これは学校給食側と相談しまして、いいものはいいということでやっていきたいと思います。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 いいものはいい。わかりました。  次に、さっき話が出ました食品添加物の問題でございますけれども、現在、厚生省で食品添加物の表示について全面表示を考慮、検討されているということでございますけれども、その実施時期についてはいつごろを予定されておりますか。

市川和孝厚生省環境衛生局食品化学課長

○市川説明員 食品添加物の表示問題につきましては、現在指定されているものの一部につきまして既に行われているわけでございますけれども、これを拡大するという方針のもとで現在検討会が設けられておりまして、検討が進められております。この検討会での御報告がいつごろまとまるかということを明確には申し上げられないわけでございますけれども、私どもとしては、でき得ればおおむね一年程度を目途に報告書をまとめていただきたいということで検討会にお願いしている段階でございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 食品添加物の問題でございますけれども、最近問題になっております酸化防止剤BHAの問題につきまして、この際ひとつお尋ねをしたいと思います。  このBHAは魚介冷凍品など加工食品、また煮干しだとか食用油とかバターだとか、こういう食品に現在使用されていると伺っております。これの発がん性の問題で厚生省としても検討した結果、全面禁止の措置をとられまして、昨年の二月一日から使用禁止という予定になっておりましたけれども、その前夜突然これが延期された、このように伺っておりますが、その理由はどういうことでしょうか。

市川和孝厚生省環境衛生局食品化学課長

○市川説明員 BHAにつきましては、ラットにおける動物実験の結果、ラットの前胃と称される部分にがんの発生が認められたということが発端になったものでございます。そこで、そのレポートに基づきまして、食品衛生調査会におきまして一昨年五月に検討が行われたわけでございます。その結果、食品衛生調査会におきましては、このラットに見られた前胃部のがんというものの所見を踏まえまして、この添加物については直ちに禁止するということではなくて、一定の経過期間を置きながら使用を規制していくべきであるという御答申をいただいたわけでございます。  その後、この所見に対しまして特にアメリカから、日本の国民にとって有害であるともし言うのであればアメリカ国民にとっても有害であるというような観点から、ぜひアメリカの専門家にも検討させてほしいというふうな申し出がございました。それに基づきまして日米英加四カ国の学者先生方による専門家会合が開かれたわけでございます。しかしながら、その専門家会合におきまして安全性について評価がなかなか一致しないということがございましたために、昨年の四月に開催が予定されておりましたFAO・WHOの食品添加物専門家委員会という場でさらに多数国の専門家の手で検討評価してはどうかということになりまして、厚生省といたしましてはこの結果を待つことといたしまして、使用規制の告示の施行を延期したものでございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 今の御説明だと我々はああそうですかと簡単に納得できないわけですね。先ほどのお話の中でございましたように、ラットによる実験については、WHOでも発がん物質と認めるには少なくとも二種類以上の動物に発がん性が認められなければならない、このようになっておりまして、その後昨年の秋、ハムスター等の実験によって発がん性が認められておる、こういう結果が出ておるわけですね。そういうふうになっておりながら現在も使用禁止を延期している。私はこれは非常に問題じゃないかと思うのですね。今の御説明の中にありましたように、欧米諸国とのいろいろな関連によって使用禁止を延期しているということでございますけれども、これは大臣、非常に重大な問題だと思うのです。直接は厚生省にかかわる問題ももちろんあると思いますけれども、外国への配慮ということと国民の命の取引なんということになったら大変な問題だと思うのです、そういうことはないと思いますけれども。したがって、このBHAの問題に対する使用禁止という観点から言えば踏み切るべきじゃないか、このように思いますので、この問題についてはまだ後ほどあわせてお答えいただきたいと思います。  時間がありませんので、最後にEDB、これは殺虫剤でございます。このEDBの問題でございますけれども、御存じのように、現在アメリカでかんきつ類を倉庫の中で薫蒸するときに使っておるわけでございますが、これも発がん性物質であるということで、アメリカではことしの九月一日から使用禁止、こういう措置が発表されているわりでございます。しかし日本政府、これは農水省だと思いますけれども、日本政府の要求を理由にされて日本向けは対象外というようなことが新聞等で報道されておりました。  この問題につきまして伺いたいことは、まず第一点は、現在EDBの日本到着時の残留量の上限はどのくらいになっているか。それから、これの検査は業者が自主検査をやっているということでございますけれども、この充実強化を図るべきじゃないか、これが第二点目でございます。この点について先にお答えをいただきたいと思います。

玉木武厚生省環境衛生局食品衛生課長

○玉木説明員 アメリカから入っておりますかんきつ類のEDB薫蒸の件でございますが、いわゆる検疫関係での食品衛生のチェックでは〇・二三ppmということになっております。  それと、業者に自主的検査をさせておるが十分な体制はできておるのかということでございますが、この自主的検査は厚生大臣が指定しました指地検査機関で厳正なチェックがされておりますのし、我々としましてはそのデータについては問題はない、このように考えております。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 最後に大臣にお伺いをいたします。  先ほど申し上げましたように、このEDBにつきましては、発がん性物質であるということでアメリカではことしの九月一日から使用禁止になる、それが、農水省だと思いますが、農水省の要求によりまして日本向けは対象外になった、この点をひとつ確認をさせてもらいたいと思います。それと同時に、アメリカでは使用禁止になっているそういう殺虫剤が、日本政府の要求によって日本に輸入されてくるかんきつ類には使用されておる。これは一体どういうことかと思うのですね。確かに現在、農産物問題がいろいろと日米間でありますけれども、これも先ほど申し上げましたように、国民の傘とてんびんにかけられてしまったらこれは大問題だと思うのです。非常に重大な問題だと思いますので、この辺のところはひとつ大臣から最後に御答弁をお願いしたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私は、国民の命という問題は何をおいても最優先で取り扱うべきことと思っております。そしてまた、我が国からということは今担当の局長から……。

小野重和農林水産省食品流通局長

○小野(重)政府委員 農水省がアメリカ政府に延期方などにつきまして申し入れたという話でございますが、そういうことはございません。いずれにしても、この問題はまさに食品の安全性に関する問題でございまして、厚生省と私ども協議してこれから対処していきたいと思っております。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 時間が参りましたけれども、済みません。  最後に。農水省からの要求じゃないということでございますが、この点は一体どういうようになっているのか。大事な問題ですから伺っておきたいのですが、新聞等の報道によりますと、「最大の輸入先である日本の殺虫処理要求を主な理由に、使用制限対象から外した。」こういうような報道でございますね。これはどういうことなんですか。こういう要求というのはどこから出ているのですか。政府からの要求じゃない、一体どういうところからですか。それともこういう報道は間違いでしょうか。

小野重和農林水産省食品流通局長

○小野(重)政府委員 この関係ではトウモロコシと穀物関係を私ども担当しておりますが、これは薫蒸剤ということで使っておるわけでございます。先ほどの果実関係ということになりますと私、担当でございませんので、より具体的なことはちょっとお答えできませんが、私の承知しておる範囲で穀物についてのEDB問題についてお話しした次第でございます。

草野威公明党・国民会議

○草野分科員 大事な問題でございますので、後ほど調査をして、ひとつ資料でお答えをいただきたいと思います。お願いいたします。  以上で終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて草野威君の質疑は終了いたしました。  午後零時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十分開議

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小林進君。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 日本の農業における専従者と第一種兼業と第二種兼業の数をちょっと教えてもらいたい。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 五十八年におきます専兼別の農家の戸数をお答え申し上げます。  五十八年二月現在でございますが、農家総数が四百五十二万二千戸、このうち専業は五十九万六千、一三・二%、第一種兼業は七十三万一千、一六・二%、第二種兼業は三百十九万五千戸、七〇・七%でございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 ここでお伺いしたいのですけれども、日本の農家の一年間の総所得、総収入と言ってもいいが、これは幾らになっていますか。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 農家経済調査しかございませんが、全体の売り上げで、国民生産額大体十兆強でございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 総額は十兆になる。  日本の農家の一年間の一戸平均の総収入……。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 五十七年度でとりました場合に、二月当たり、農業粗収益が二百五十八万円、農業所得が九十五万円、農外所得が四百一万円、農家所得といたしましては四百九十六万円でございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 今のは五十七年度ですが、農家の一年間の総収入は四百九十六万円で、その中に占める農業収入が九十五万円、これは比率にすると二割いってないわけです。二割切れますね。だから、農家農家と言っておきながら所得面から見れば、ただうちが田んぼや農村にあるというだけであって、生活実態や所得の実態は決して農業で暮らしているわけじゃない。農業収入は二割、あとの八割以上は農外収入で暮らしている。これは平均でしょう。(角道政府委員「平均でございます」と呼ぶ)まして、これが第一種から第二種兼業までいったら、第二種兼業の一年間の総所得の中に占める農業収入はどんなものですか。一〇%までいっていますか。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 第二種兼業農家だけをとりました場合、農業粗収益が百三十四万円、農業所得が四十四万円でございます。農家所得は五百四十一万円、農外が四百九十七万ということで、御指摘のとおり、第二種兼業農家については一割を切れる状況でございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 そこで問題は、第二種兼業というのは所得は五百万円をオーバーしているが、その中で農業で得る収入は四十万円というんだ。もう一割を切れて八%か七%しかいってない。これで一体農業者といえるのですか。彼らは農業という土地は持っている。しかし、その土地は資産なんだ。財産ではあるけれども、自分の生活を支える生産手段ではない。それから果実を得て生活するという観念はない。これはただ土地持ちだ、資産持ちだというだけの存在にしかすぎない。これを一体農業者と位置づけていいんですか。私はそれを聞きたいんだよ。  農村に住んでいるから、百姓の家に住んでいるからあれはみんな百姓だと考えていくところに、日本の農業政策あるいは労働政策のあいまいなところがあると私は思うのだ。私の言いたいのはそこなんだ。一体これを農業者の範疇の中に入れて農業政策の対象にしてよいかどうか。例えば、後で触れますけれども、ことしも六月か七月ごろになると、また生産者米価の闘争といってじゃかじゃか来るんだけれども、こういう人たちは、生産者米価を上げて自分の所得生活に一体どれだけのものがはね返ってくるんですか。こんなのははね返ってきやしないだろう。むしろ農外収入、こういう方々が勤めている農外の雇用先は一体どこですか。これはバラエティーに富んでいるから大まかに、その調査があったら教えてもらいたい。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 今手元に資料を持っておりませんが、大体出稼ぎが一番多うございますし、あるいは農外の場合には建設業等、人夫とかそういうものが多うございます。反面、農協であるとかいわゆる勤め人、そういう方々も相当程度おられますが、圧倒的に労働者、出稼ぎだと思います。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 今お話しのとおりなんですよ。この第二種兼業は、農業には興味がないんだ。資産だけは放さない、財産家だ。昔のいわゆる小作人と今の第二種兼業の観念の違いはそれだけなんだ。おしんと変わりはないのですよ。おしんは山形の小作人の娘だ、百姓には変わりはないが、百姓では食えないから、おしんは六つか七つで子守に出されて、その子守で働いた収入を農家の自分のうちへ送って生活をした。今の百姓だってそのとおりだ。百姓では食えないじゃないですか。たった八%か七%しか自分の生活を維持する収入がないんだ。九十何%は今おっしゃった出稼ぎです。日雇いです。あなたは建設業とおっしゃったけれども、建設業は日雇いなんです。土建屋の下で日々雇用といって毎日毎日雇われて、地球の表面を削ったり掘ったりしながら生活をしている。百姓で食えないのは同じなんです。ただ彼らは、背は小作人で小作人いじめされながら卑屈な生活だった、今は悪いことに、自分は百姓でなくなったけれども、農地解放で土地を持っているものだから、まだ資産家の気持ちで、ブルジョアの気持ちでいる、これで困っちゃうんだ。何にも生活の足しにならないものを持ちながらも、気持ちだけは何か物持ちのような心境でいるわけだ。  そこで私が申し上げたいのは、もし今おっしゃるように四百何万戸ですか五百万戸に近い農民のうちの大半が、三百何十万戸か四百万戸に近い人たちは、もはや農業というものには生活の依存ができなくて、出稼ぎや日雇いで食っているということになれば、その人たちは、しかし、その日雇いや出稼ぎに一体国の保護がありますか。いわば日雇いなら日雇い健康保険というのがあるでしょう。あるいは最低賃金法という法律があるでしょう。あるいは失業手当があるでしょう。あるいは日雇いで雇用保険というものがあるでしょう。そういう制度が全部適用になっておりますか。むしろ私が言いたいのは、そんなのは農林省の農業政策から外して労働省にこれを移管して、今私が言ったそういうもろもろの法がきちっと行われるように処置していくのが行政じゃないですか。これは農林省だけに言う問題じゃないです。政府全般が取り組まなければならない問題だけれども、こういう百姓でない人をみんな百姓の範疇に入れてがたがたやっているから、いわゆる農水行政というものがきちっといかない。これ、外したらどうです。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 先生もおっしゃいますように、専業あるいは第一種兼業的に農業に依存している方々が農業の担い手になる、それで食っていけるのは非常に望ましい姿だと思いますし、私どももそういう方向に政策は持っていっております。しかしながら、実態問題として考えました場合、今の二種兼業農家の方々の持っている経営耕地面積は大体四十四%、これは先生御指摘のとおりでございます。これを業態別に見ました場合に一番問題になりますのは稲作でございます。これは現在二種兼業農家が稲作生産に占める比率は五三%でございます。日本の米の半分以上が二種兼業農家で占められている。反面、養鶏であるとか養豚であるとか畜産あるいは果樹、野菜等にまいりますと、専業農家あるいは第一種兼業農家が過半数、六割、七割、多いものは九割以上を占めているというのが実態でございまして、私どもも今後の政策の方向としては、そういう農業が主たる方々がこういう生産を占めるという方向に持っていくのが至当だと思います。  ただそれには、先ほど先生からお話がございましたように、稲作の場合には、農地についても資産保有的な意味合いが非常にございまして、やはり農地をなかなか手放さない。また反面、兼業の場合も、不安定な兼業が多い。景気の衰退、不況になりますと、レイオフ等で一時帰郷させられる、そういう場合に農地があれば何とか生活ができるというような面もございまして、やはり二種兼業の方々はなかなか農地を手放さない、そういう問題がございます。私どもとしましては、政策の方向としては、先生御指摘のように、専業農家あるいは一種兼業農家、こういう中核的な担い手になる方々は、特に土地利用稲作につきまして、これを主体になるような方向に今後とも持っていくということは必要だと思っております。  ただ反面、米の場合に、私ども、いろいろな農地の集積であるとかそういう基盤整備的な場合には農業専業的な方を中心にいろいろお願いできますけれども、米価のことになりますと、専業農家がつくられる米も兼業農家がつくられる米も同じ米でございますので、価格の面で差別はできないということで、価格政策につきましては選別的なことはできかねるというわけでございます。  今御指摘のように、今後私どもの政策の方向としては、例えば今地域営農集団とか土地利用の増進を図るためのいろいろなグループづくりをやっておりますが、その場合には専業農家、兼業農家が一緒になりまして、兼業農家の方々が専業農家的な方に農地の利用権を貸すとか委託をする、あるいは請負に出すとか、そういう形でできるだけ専業農家の方々に土地利用権が集積されていくように、そういう方向でいろいろ考えているわけでございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 それは、委託だとか請負は私も反対する理由はありません。農地の集約も私は必要だと思っています。ただ問題は、第二種兼業はあなたがおっしゃっているように非常に不安定なんです。だからこそ最後のよりどころとして田んぼや資産を放さないというんだけれども、これを不安定のままに放置して一体いいか悪いかの問題です。出稼ぎも不安定ですよ。日雇いも不安定だ。  話は別だけれども、今全国で五十万の土建業者があります。大企業もあるけれども、あしたは唐が閉まって逃げてしまうなんという吹けば飛ぶような土建業者もいる。ここで働いている五百万の日雇い労働者の大半は農業者です。第二種兼業です。けれども、これはみんな職業が安定しているわけじゃないし、先ほど言っている国のいろいろな政策の保護を受けているわけじゃないのです。てれで、今は不景気になればなるほど買い手市場だから、毎日雇って、おまえはおれのところで働きたくなければもう来なくたってよろしい。これは便利だ。大臣、聞いてください。農家から行った五百万の一日雇用の労働者です。これが選挙になったら、日当はくれるが、仕事はやらぬでもいいから、おまえ山村先生の選挙運動をしろ、二十票持ってこい、票を持ってこないからあしたから雇わないんだ。今はみんな買い手市場なものだかり、大企業の方が今度は下請、孫請の小さな企業に、おまえ仕事はまあいいからあの先生の票を何十票持ってこい、雇っている諸君を動員して票集めをやれ、こうやってみんな票集めをする。けれども、いや私は心から小林先生を尊敬して小林先生のために票を集めてやったけれども、あしたは来なくたっていいと言われるから、泣き泣き、自分の生活の問題だから一生懸命に山村先生の票集めをする。こういうように、第二種兼業が農業者でなくなると同時に、選挙になると土建屋の生活問題に絡んで全部保守党の選挙運動をやらせるという、日本の民主政治の政治体制までも根幹から揺すぶるような恐るべき異常な姿が生まれてきている。  だから、私は今時間がありませんから言うけれども、これはどうしても、むしろ雇用なら雇用で、日雇いなら日雇いでちゃんと安定する一不安定とおっしゃったことは実にそのとおりなんです。安定するような保障政策というものを新しく成り立たせる、これは私は労働大臣にも言いますよ。そうして農村は農村で、あなたのおっしゃるように集約農業なり、国際社会に出て国際の農業に太刀打ちできるような、それが農業政策でなくちゃいかぬですよ。農業問題と言えば三百六十五日、国庫補助金ください、悪く言えばこじき運動だ。何をしたって国民の税金をください、くださいが農民運動だとか農業政策だなんというのは、だめですよ、そんなことは。そういうことで、きちっと腹を決めてやってもらいたい。  それに関連して言うんだが、ことしは、三月に入ったが、いよいよまた六月になると生産者米価、年中行事だ、生産者米価の闘争があると私は思いますが、ことしの生産者米価、米の値段、これはどうされるつもりですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 本年の生産者米価の取り扱いについては、まだ何も決めていない次第でございます。私どもといたしましては、例年どおり食糧管理法の、需給事情その他の事情に配慮しつつ、再生産の確保を旨とするという法律の規定に基づきまして、米価審議会の御意見を十分に承りまして適正に決定するつもりでございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 あなた方もだんだん利口になって、生産者米価の闘争になってくると、右手で〇・二%上げます、一・七%上げます、やれ三百十五円生産者米価を上げました、こう言いながら、こっちの方では流通奨励金をふんだくったり、なくしてしまったり、右の手で上げたような格好をして、左の方でごそごそと取って、差し引きして生産者農民がちゃんと損するような農政をやる。  それを具体的に言えば、去年も一・七%、三百十五円ばかり上げたけれども、ギザ三つだけれども、片一方で流通奨励金というものをすぱっと切っちゃったのです。六百円あったのを二段階で、四百円減らして、二百円減らして取ってしまう。差し引きすると、百姓は何も上げてもらった恩典はない。  私はことしのことを聞くが、生産者米価に関連して良質米奨励金というのがありますが、これは一体どうやるお考えですか。去年は、生産者米価を上げるときには大分もめましたね。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 昨年の生産者米価におきましては、先生おっしゃられますように、流通関係の奨励金を、マル自の米につきまして支払うはずのお金でございますが、これを切ったことは事実でございます。ただしこれは百億でございまして、全体として二百四十億の中の百億でございまして、その残りは合理化によりまして捻出するということを考えた次第でございます。  ことしの良質米奨励金についての対応につきましてはまだ何も決めておりません。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 松浦君、君は、上手に何も決めておりません、決めておりませんと言って、そしてごまかせばいいだろう、小林進なんというのは大きな声を出すけれども、三十分たったらやめるんだからと。そういう誠意のない返事はだめだ。つまりは良質米奨励金だ。三段階ある。その三段階をそのまま旧年どおり保持をしていくかどうか、あなたの信念を聞くんだ。  同時に、減反のいわゆる奨励金だってことしは減らしますね。だって五十九年度国家予算の中にもちゃんと減反の奨励金を減らすように組んであるわけです。減らしますでしょう。それもひとつ努めて誠実味のある返事をしてください。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 五十九年度以降いわゆる三期対策の水田利用再編奨励金につきましては、原則的に十アール当たり八千円減らすという考えでございます。その中におきまして、一定期間たちましたら定着したものとして奨励金打ち切りになります永年性の作物それから転換畑等につきましては、従来の五万円という最高の奨励金を据え置くことといたしております。  それから、とかく問題の多い保全管理等に交付いたしております奨励補助金につきましては、八千円のほかにさらに五千円引き下げる、一万三千円の引き下げ、かようにいたす所存でございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 あなたたちは小手先の手練手管でおやりになるが、総計においては減らすのでしょう、総額においては減らすのでしょう。そうやってあなた方は片一方の手でこちらの方へ色をつけたつもりで右手でみんな痛めつけていくわけなんだが、あなた方の農政を見ていると、ちっとも百姓の方に顔を向けていないのですよ、財界の方に向いているんだ。  先ほど官房長が、農業の一年間の総所得は十兆円と言った。この十兆円に対して土光臨調は、ある銀行の某部長は、名前を言うと悪いから某部長にしておくが、こう言っている。百姓が一年間かかっての総生産が十兆円、それに対して要する費用は国費を含めて二十兆円だ、二十兆円も費用をかけて十兆円の総生産しかない、これほど勘定に合わないばかな商売はないんだから、それを保護育成したり余分な金を出したりすることにこれまで日本の経済が破綻したり赤字になったりした理由はあるのだから、良質米奨励金もやめちまえ、減反奨励金もやめちまえ、これはやめるべきだ、こういう答申がなされていることはあなた方も御承知のとおりだ。あなた方はその方向へ向かって進んでいる。去年の答申のとき、あなたは農林水産大臣でなかったかな、そのときには確かに財界に向かって、もう米価の値上げはいたしません、むしろ生産者米価は原則として下げる方向へ持っていきます、もろもろの奨励金はやりません、減反もいわゆる奨励金も減らします、あなた約束しているはずじゃないの、しているんでしょう、だから減らすのでしょう。その場へいってしっぽを出すようなことは言わぬで、今きっぱりと減らしますと言ったらどうですか。財界との約束もありますし、土光さんとの約束もありますからことしは減らします、確かに十兆円に対して二十兆円も、二倍も金がかかっていますからこんなばかな商売はありません、はっきり言ったらどうですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 決してそのような約束をいたしておるわけでもございませんし、また、そのようなことから判断をいたすわけではございません。  ただ良質米奨励金につきましては、自主流通米の価格形成の結果というものを判断いたしますると、果たして現状において現在の水準を続けていくことが適当かどうかという議論はあるわけでございます。さような観点から、今後いろいろな判断を加えていくことは必要であるというふうに考えておりますけれども、先生のおっしゃるような意味で私ども良質米奨励金について判断をいたすつもりはございません。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 ちっとも答弁に満足しているわけじゃないんだけれども、どうも時計がどんどん進んでいくものだから、ここで議論やってももう始まらないから次に移りますけれども、佐野君、これからオレンジと牛肉で君は二十四日まで行くそうだが、そのうち大臣が行かれるんだが、その経過によっては――もう時間がないから質問しませんが、ただ言いたいことは、それに関連をして、一体アメリカの農業者は、いわゆる日本のとっている減反というものをどれぐらいやっているか、この数字はおわかりでしょう。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野政府委員 お答えいたします。  一九八三年のアメリカの減反計画の実施状況を申し上げますと、トウモロコシ、ソルガムの場合が、減反計画に対する申し込みが三千九百四十万エーカー、小麦の場合が三千二百十万エーカー、米の場合で申しますと百七十万エーカーでございました。  ただ、八三年はアメリカといたしましても、夏の熱波の影響もございましたし、結果的には少し強烈にやりすぎたかなというふうに考えておるようでございまして、八四年、本年におきましては、アメリカの減反計画は相当規模縮小される見通してございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 今も言われたように、私も大ざっぱな計算ですけれども、アメリカの農業者は、エーカーで言われたけれども、四千万ヘクタールくらい農産物に対して減反をしていますよ。日本はあれだけ減反したってまだ七十万ヘクタールまでいかないでしょう、六十何万。アメリカの西千万から見ればスズメの涙の減反だ。そのアメリカが減反をしながら、この前、日本の愛媛県かなんかのミカン農業者がアメリカのロサンゼルスに行ってロスの農民と対話をしているのを私は克明に読んだり見たりしているが、しかし彼らは、私どもはこんなに大きな犠牲を払っている、けれども自由主義経済を守るために私どもは文句を言わない。一体日本の工業者は何だ。自動車だ、家庭電器だ、アメリカの企業を皆破産に追い込んだり、倒産させたりして失業者を山ほど生んでいるではないかにもかかわらず、私どもは自由主義経済の建前上、日本の企業の進出で泣く泣くじっとして我慢している。その見返りとは言わぬが、わずかに牛肉の五万トンやオレンジの十二、三万トンくらいを買わないで、何で血みどろに争わなければならぬのか。お互いの国がその受けている犠牲の評価、質、量からいえば日本なんか問題にならぬじゃないですか。彼らはこれを言っている。  私はそれを聞きながら、アメリカの言い分にも一理あると思っている。彼らは日本なんかの何十倍も減反をしながら、なおかつ闘って苦労しているんだから、だから私は農林大臣、あなたに言いたい。アメリカに行って、そんな牛肉の三万や五万トンで血みどろのけんかをするのはやめなさい。そのために受ける日本のミカン農家や牛肉農家の損失は、日本の企業は進出してもうけるだけもうけているんだから、その損害は日本の企業から取ったらいいじゃないか。自動車産業、家庭電器、アメリカの市場を荒らしまくってもうけているその日本の企業からそれをもらって、ペイしてもらえばいいじゃないか、補償してもらえばいいじゃないか。敵を間違っているのじゃないですか。敵は足元にいるんですよ。日本の農民をここまで追い詰めて、日雇い労働者にしたり出稼ぎ労働者にして食えなくしているのは足元にいるのだから、その諸君から補償してもらうという政策をひとつおやりになったらどうですか、農林大臣。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私の場合、大蔵大臣でございませんから、税金をもらったりなんかするわけにもまいりませんし、とりあえず私は、何はともかく農林水産大臣として日本の農業を守るというのが私の使命でございますので、それを前提にして交渉に当たってまいります。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 時間も参りましたから結論を急ぎますが、日本の農業を守る気持ち、わかります。ミカン農家を守ってください、畜産農家を守ってください。守るためには、彼らが輸入のために受けた損失は、その農民を犠牲にしてもうけている日本の企業からその分を補うようなそういう政策をやってください。そうすれば山村農林大臣は銅像ができて、天下に名だたる有名な農林大臣になりますから、それをやってもらいたい。  なお一つ、私は農業問題で申し上げたい。私は新潟県の山間地帯です。どこへ行っても、町村に行って聞くのは、この村で嫁さんのない若い者が幾らいやるかと私は聞くのです。どんな人口の二千や三千の村へ入っても、三十五歳から四十歳過ぎくらいで嫁のない農業者が大体八十人、六十人、五十人、実にどこに行っても全部嫁がない。あなたはそんな細かい農業政策をやるよりは、農村をだれよりも愛するなら、ひとつ農業者に嫁を見つけるという具体的な政策をやってもらうわけにいきませんか。調べてください。これは農林省に言っておく。各農村と称する市町村の中で、三十五歳以上から四十歳、嫁の持てない農家の主人が一体どれだけいるか、これだけ調べてください。そして、その具体的な政策をひとつやっていただきたいと思う。共産党の林君がやめろよといってそばに来たからそろそろやめますけれども……。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 一言だけお答えいたします。  確かに独身男性というのはどこの地域でもおるわけでございまして、農村部に限らず、都会地にもおるわけでございます。それが本人自身の主義主張によりましてそういうことになっておるのか、嫁さんをもらいたくてももらえなくてそうなっているのか、これはなかなかプライバシーの問題にもかかわるわけでございますので調べにくいテーマであるということは御了解いただけると存じます。したがいまして、嫁さん対策といえども、行政が直接的に手を差し伸べるということに非常になじみにくい性質のものでございまして、私どもといたしましては、若い農村青年男女がいろいろ交流の機会をつかんで、その中から結ばれていく、こういうことが一番自然なのではないか、かような考えで施策を考えておるわけでございます。

小林進日本社会党・護憲共同

○小林(進)分科員 まあ具体的にやってくれ。  これで終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて小林進君の質疑は終了いたしました。  次に、林吾郎君。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 時間がありませんので、二問だけいたしたいと思いますが、一つは畜産関係で、殊に肉牛の関係で質問をずっと述べますので、ちょっと必要な数字だけはメモをしていただきたいのです。  言うまでもなく畜産農家は、減反政策に対する見返りとして一時農水省も奨励したことがあるのです。そこで私、非常に細かくて恐縮ですが、地元の調査をしてみたのですが、長野県に上伊那郡という一つの郡があるのですが、そこに伊那農協というのがあるわけですが、この伊那農協で今特別対策農家として指定されているのが二十三戸あるわけです。その二十三戸の借金が十二億から十三億の負債で、一戸当たり五千六百二十五万円ということになっているわけですが、そのうち返済のめどの立たない分が六億円の金額で、一戸当たりにして二千六百九万円、最高の人は三百頭の肉用牛を抱えておって、その借金が一億三千万円一で、そのうちめどが到底立たないのが五千万円だと。これはもう言うまでもなく、最近の畜産ということになりますと設備投資が非常にかかりますからこういうことになるわけですが、そこで、そういう状況のもとで、対応はしておると言うけれども、事態が少しも変わっておらない。ますます深刻になっておる。  そこで、酪農負債整理資金の大幅な活用が必要になってくるわけですけれども、五十七年度単年度で行われた肉畜の経営改善資金制度、これは五十七年単年度だったのですが、このような制度を仮活させる必要はないのか。要するに二十三戸の特別対策農家のうちでそういう制度資金を借りているのは四戸だけで、もう一つ酪農負債整理資金というのがありますね。これはあなたも御承知だと思う。これに該当しているのが一戸もないわけですね。だから、二十三戸の対策のない畜産農家のうちで、それでも五十七年度の肉畜経営の改善質金を借りているのは四戸だ、あとの十九戸はもつ何の措置も受けておらない。自創資金は幾らか借りているようですけれどもね。ですから、どうしても五十七年度単年度でやった肉畜経営改善資金、この制度をもう一度考える必要があるのではないか。最近テレビでも北海道の畜産農家のことをやっておりましたけれども、ほとんど経営の自信がない、百万円もしたような牛が、売るときには二十万円程度でどうにもならないという例が出ておりましたが、あれが全般的な例だとは思いませんけれども、NHKでも問題にしなければならないような事態になっておりますが、これに対して、こういう特別な経営資金を考えなくていいのかどうか。あるいはこういう実情に対して対策をどうするのか。それで、農協の方も実は困るわけですね。資金を貸し出しているものですから、それにやめろと言えば、今度は農協も心中しなければいけないことになりますから、いやでも応でも資金を出して仕事をやらせているという実情ですので、これに、対する対策をお聞きしたいと思います。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 先生御指摘の個別事例に入ります前に一般論を申し上げますと、酪農につきましては、御承知のように、計画生産推進の過程で、やはり投資がやや大き過ぎたという方々がかなり大規模な負債を持っておりまして、これは五十六年度から五カ年計画で経営も改善していただく。これは経営だけでございませんで、家計あたりもきちっと締めていただいて、それから農協なんかも非常に安易な貸し付けをしておりましたのを反省していただいて、あるいは高い過怠金なんかを取るのをやめるとかいろいろな条件緩和もしながら、前向きに経営改善をしていただく方について特別の融資制度をやったわけでございます。それによりまして、約三千数百戸が対象になりまして、既に五十六、五十七年度で約三百億、それから五十八年度につきまして、多分百四十億前後の長期低利資金に乗りかえをしまして、その成果は大変上がってまいっておりまして、既に、いわばそういう特別融資を借りなくてもいいという、卒業する方々も一割ぐらい出てきている。それから、乳価その他周辺状況もよくなってきておりますので、酪農について、いわば全般的に申しますと、明るい条件ができてきていると思っております。  それから、肉用牛につきましては、先生御指摘の五十七年度の特別融資と申しますのは、子牛の価格が大変高くて、それから資材費も比較的、例えばえさなんかも高騰した時期の累積が、五十六年から五十七年にかけて出てまいりました。そういう経営を立て直しますために、五十七年度単年度でございますが、六百五十億円のいわば借りかえ資金を用意をいたしまして、これも単に借金を乗りかえるというだけではなくて、経営の仕方なりあるいは家計等についても十分改善をしていただき 農協も運営態度を是正していただくということを条件にやったわけでございます。これも一般論で申し上げますと、その後、子牛の価格も安定してまいって、実は最近におきましては、子牛の価格はむしろ若干安過ぎる状態でございますので、こういう肉用牛を肥育している農家にとっては、経営的に非常にいい条件、したがいまして償還等、これは私どもが全国の数字で見ます限りは、一頭当たりの借金の額も減ってきているというのが実情でございます。  今御指摘の具体的な事例については、私、詳細には承知をいたしておりませんが、そういう中でも、やはり経営の格差が出てまいりましたり、あるいはその後における資金運用が必ずしも適切を得ないような場合に、償還条件にいろいろと問題が出てきているのがございますが、こういう個別案件につきましては、先生も御指摘の自作農資金の中の経営を改善しますための貸し付け、これは個別の貸し付けとかあるいは特認の貸し付けとかいろいろございますが、そういうものを導入をいたしまして、極力そういう経営状態が打開できるように、経営の基本的条件は、今は決して悪くないと思いますので、そういうことを指導してまいるつもりでございますが、詳細につきましては、いずれ今御指摘の事例も検討させていただきまして、どういう資金手当てができるものか考えてみたいと思います。  ただ、一般的に申しまして、肉畜の経営改善資金のようなものを今設けるような事態ではないのではないか。最近の状況から見ますと、経営条件とすれば、むしろ、私どもの方でいろいろ団体の要請等を聞いておりますけれども、大きな問題としてその点が取り上げられているというような事態はないようでございます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 今お答えになったのは官房長ですか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 畜産局長でございます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 実情と、あなたの今言われているのとは大分乖離があるようですから、もっと実情を調べられまして、もし五十七年度に設けられました経営改善資金のようなものを、これは額は別としても、予算関係がありますからね、設ける必要があるんじゃないかというような事態を認識された場合には、そういうことを考えるおつもりはあるのですか。それは事態に応じますからね。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 私ども五十七年の政策をやります際には突如としてやったわけではございませんで、かなり前向きに調査もし、関係団体等とも話し合いをしながらやってきたわけでございますが、現段階で私ども、肉用牛あるいは養豚経営の中で何か一般論として、個々の農家ということではございませんが、全体として経営条件が非常に悪化をしているので負債整理資金がぜひ必要だというような意味での団体からのお話なりそれから対応を求める声は聞いてはおりません。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 大臣、非常に難しい問題で今後の事態の推移がいろいろあると思いますが、私たちの認識している畜産農家の実情は、今畜産局長の言うような実情とは大分乖離していると思うのですが、そういう中で、肉牛の量が幾らであるにしても、そういうものが外国から入ってくるということが畜産農家に与える精神的な打撃あるいは経営の実情からいっても大きな衝撃になることは間違いないと思うのですね。そういう中で農水省の事務局レベルにおいては枠の拡大はやむを得ないではないか、そこで話をつけるというようなことも相当聞かれております。山村農水大臣は、昨日の予算委員会でも日本の農業をつぶすようなことは自分としては断固として反対していくとおっしゃっていますけれども、その辺の兼ね合いですね、あなたの意図は非常によくわかるのですけれども、将来の見通しとして実情がそういう方向へいくのかどうか。あなたにここでそう言えと言ってもなかなか難しいことですけれども、そのままで通れますかどうですか、見通し、どうですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私の農産物に対する輸入の基本姿勢といたしましては、何といっても我が国農産物の需給動向、これを見た上で我が国の農業が発展していくというのと見合った形で、調和のとれた形で輸入するべきであるというぐあいに基本的に考えております。そしてまた私としては、衆議院の農林水産委員会で昭和五十七年四月ですか、決議もいただきました。そして、本年一月、私が大臣になりましてからすぐに申し入れもいただきました。その趣旨は、農業者が犠牲にならないように我が国農業を着実に発展させるということが趣旨だったと思います。その趣旨を私は踏まえて交渉に当たってくるということを申し上げております。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 そうすると、日本農業と調整のとれるそういう範囲においては、アメリカの要望についても妥当なものと考える場合には受け入れる。今の答弁ではそういう弾力性も考えているということですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 これから交渉に当たるわけでございまして、手のうちはひとつ勘弁していただきたいと思います。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 その手のうちを聞きたかったのですけれども……。  次に、酪農のことですが、牛乳です。加工牛乳の標準価格については、昨年は一キログラム当たり九十円七銭で、農協ではことし九十九円七十五銭を要求しているようですが、ことしはどんな見通しですか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 三月の末に、御承知の加工原料乳の不足払いの法律に基づきまして審議会を開いて決定をいたすわけでございます。現在鋭意そういう材料となりますような数字、これは現在の生産条件がどうなっているかというようなこと、それから需給の状況が。どう変化をしているか、あるいは畜産経営がどのような展開をしているかということを数字を集めておりまして、こういう数字をもとにいたしまして判断をいたすわけでございますが、御承知のように、五十七年以降は比較附過剰状態もなくなってまいりまして需給もほぼ堅調にきておりますが、また一方では生産性の向上も見られておりますので、今申し上げましたような種々の事情を勘案いたしまして三月末までに適正に決定するつもりでございます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 大分掘え置きという意見も強いようですが、まだそういう方針で決まっているというわけじゃないですか。いろいろの資料を勘案して今後決めるという段階にあるわけですか。正直なところを言ってください。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 加工原料乳につきまして決めますといいますのは実はたくさんございまして、生産者に対しまして保証価格を決めるということ、それから、それを前提といたしましてバターとか脱粉の安定指標価格を決めるということ、それから、メーカーが仕入れます……(林(百)分科員「加工牛乳の保証価格だけを聞いている。それだけでいいです」と呼ぶ)保証価格につきましても、今申し上げましたような数字を勘案中でございまして、決めたわけではございません。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 そこで、これも長野県の例です。全国的な例かとも思いますけれども、生乳の飲用の範囲の拡大について、幼稚園の方は生乳を飲ましておるのですが、保育園の方はどうなっていますか。厚生省の土井さんが来ていますね。どうなっているのですか。

土井豊厚生省児童家庭局企画課長

○土井説明員 お答えいたします。  保育所におきましては脱脂粉乳を使っておるところが数の上でかなり多うございまして、保育所。の約三分の二で脱脂粉乳を使っているという状況でございます。もちろんこれは脱脂粉乳だけを使っているわけではございませんで、生乳等も適宜使っているだろうと思いますけれども、以上のような状況に相なっておりますで

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 年間二十万トンも生産している長野県で、保育園の方はまだ三割以上がニュージーランドから輸入している脱脂粉乳を飲まされている。しかし、これは余り子供に好かれないということで使用しないで積んでおるというようなところがあるのですけれども、同じ生乳について厚生省の方と幼稚園の方とどうしてそういう差別がされているわけですか。

土井豊厚生省児童家庭局企画課長

○土井説明員 保育所の関係を申し上げますと、脱脂粉乳につきましては成長期の子供に必要なたんぱく質であるとかカルシウムであるとかそういったものが比較的多い、それからまた、生乳に比べて値段も安いということで、先ほど言いましたように、かなり多くの保育所でこれを使っているという実情でございます。幼稚園の関係、ちょっと具体的なことは私承知しておりませんが、保育所についてはそのような事情で比較的多くの脱脂粉乳が使われている、そういう状況にあるというふうに考えております。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 長野県で調べましたら、幼稚園の園児は八三年度で百二十四幼稚園で一万七千九百八十八人、保育園の園児は六百八十一保育園で六万三千三十七人で約五倍あるのですけれども、これは農林省の方としてはどうなんですか。保育園に幼稚園と同じように生乳を飲ませるわけにいかないのですか。脱脂粉乳が積んであるのです。さっき厚生省の方では滋養があるとかなんとか言っていますけれども、子供が飲まなければしようかない。農林省に言わせると、それは厚生省がやることだと言うし、厚生省に言わせれば、農水省がやってくれなければ困る。何だか知らないけれども、両方で意見が違っているようですね。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 一般会計で助成をいたしまして消費の拡大をいたしておりますのは、御承知のように、学校総食でございます。学校給食の中で、小学校それから中学校等につきまして、ことしは二百cc一本四円というような援助をいたしまして、これはいろいろと量を拡大するようにやっておるわけでございますが、農林省といたしましては、それ以外に若干でもそういう消費拡大に役立てたらということで、これは政府の直接の財源ではございませんが、畜産振興事業団の差益を使いました援助といたしまして、妊産婦とかあるいは老人ホームとかあるいは幼稚園といったものに対して一定の定額助成の道を開いているわけでございます。しかし、これにはおのずと財源上の制約がございます。しかも最近は、特にこの事業団の差益につきましては、これは牛肉から生まれてくる差益でございますので、肉の振興の方に重点的に使うべきであるというような御議論等もございまして、財源にどうしても制約がございますが、私どもはこれらの財源を使いまして極力有効に消費拡大が行われるようにと、その点先ほど厚生省から御答弁がありましたように、厚生省につきましては、保育園につきまして厚生省の事業としてのある種の助成がございますものですから、そういうものと競合を避けながら運用をしておるわけでございます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 農水大臣、これはお手並み拝見なんと言わなくていい問題ですが、酪農振興法の二十四条の三を見ますと、生牛乳について「これを学校給食の用に供することを促進するほか、集団飲用を奨励し、」とあるんですね。その他「必要な措置を講ずる」、なるべく飲用の範囲を広げるように書いてあるわけですね。それから一方、全国酪農経営安定対策連絡協議会の方では、五十九年度予算要求の中に、飲用促進奨励金交付事業の対象に保育園児を加えることというのを全国連絡協議会でも言っているわけなんですよ。  それで長野県も、国がそんなに渋っているのなら長野県も独自で資金を出して生乳の消費範囲を広げなければならないのではないかというような問題まで来ておりますので、この問題について農水省がもっと積極的に生乳の消費範囲を広げるように、振興法の二十四条の三の精神に基づいて保育園児の方にも生乳を飲ませるような方向へ、山村さん、努力なさったらどうでしょうか、あなたも子供をお持ちのようですから、

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私の子供は一番下が小学校四年生になっておりますが、それにしましても、先生言われるように、この生乳の需要の拡大ということには努力してまいりますが、懐の都合もあるようでございますので、それらと勘案しながらやらしていただきたいと思います。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 厚生省の方では保育園の実情を調べているのですか。ニュージーランドから来ている粉乳がとういうように使われて、実際みんな消費されているのですか。我々の調査ですと、使われないで積んであるんですよ、子供が好まないということで。全くむだになっているんですよ。その資金を生乳の方に回せば生乳の消費が拡大されるのですが、どうでしょうか。

土井豊厚生省児童家庭局企画課長

○土井説明員 私どもの方では、毎年度各県を通じまして、大体どのくらい脱脂粉乳を希望するかという希望量を聞いております。その希望量に基づきまして必要な量をお渡しするという処理をいたしておりますので、先生おっしゃるような大きなギャップというのはないのではないかと思っておりますが、なお長野県につきましてそのような事情があるという御指摘でもございますので、また別途調べてみたいと思います。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 農水大臣にお聞きしますが、さっきも私質問して、非常にデリケートな段階にあると言うのですが、肉牛とオレンジの輸入についてはほんのわずかなもので、アメリカが今やもう強硬に政治的なものとして、実情よりはむしろ政治的な、保護主義を打破するんだというような意味で強制してきていると思うのですね。アメリカだって農業の保護をやっているんで、何も日本だけガットに提訴される理由はないので、保護をされているわけですが、これの実際のあなたの見通しとしては、これがいつどういう手続でどういう交渉の順序になっていくのか、あなたの見通しとしてはどう考えておられますか、それを説明してください。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 現在、塚田総務審議官を渡米させております。そうして、これらの交渉についての日程等についていろいろ詰めさせております。アメリカ側からも強い要望がございまして、何とか三月中に妥結したいというようなことを強く言ってきておりますし、また日本側としましても、一応の農産物の協定というものによりまして、アメリカの議会内での対日強硬派に対するある程度の抑止力にもなっているということも伺っておりますので、できれば三月いっぱいに何とか妥結したい、その方に向かって今審議官を向けておるところでございます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 それじゃこれで終わります。  そうすると、大体三月をめどにしてこの問題については何とか日米両国の間で決着を図りたいと。これはいろいろの要因がありますからね、農水大臣の考えどおりにいくかどうかは別として、あなたとしてはそう考えているということですか。それと、話し合いということになるわけですが、一方的にこっちの言うことを向こうに了解させるということですか。どういうことですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 まず、最終的には話し合いということになろうと思います。ただ、この前も私申し上げましたように、これは予算委員会でございますが、そうかといって、無理な要求ということで話し合いがつかないというようなことになって、向こうの要求どおりそれをのむのかということになりますれば、それはやはり我が国農業というものを守っていくという立場に立って物を考えるわけでございますので、何が何でも三月中に全部話を決めてしまうんだということでいくのではございません。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 これで終わりますが、そうすると、無理な要求ではないとあなたがお考えになった場合には、話をつける考えだ、こういうことですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 我が国農業が発展していくというのを前提にして、これを頭の中に入れて交渉に当たってまいります。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 どうもよくわからない。頭に入れて交渉して、それであなたとしては話をつけたいんですか。それとも、もうあくまで頑張って、話がつかなければつかないでやむを得ないということなんですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 これは先ほど申しましたように、無理な要求でないという場合には、これはもちろん話はつけます。

林百郎日本共産党・革新共同

○林(百)分科員 それじゃいいです。微妙なことですから、これ以上聞きません。  終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて林吾郎君の質疑は終了いたしました。  次に、矢山有作君。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 時間がありませんので極めて簡潔に聞きますから、お答えの方も要点を簡潔にお願いします。  最近米の需給が逼迫していると言われておるのですが、農林大臣、どういう状況ですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 五十八年度産米につきまして、四年連続の不作にはなりましたが、前年度米の持ち越し等もあり、また十月末までには新米が多量に集荷されますので、当面の米の需給に問題はないと思っております。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 しかし、五十九米穀年度で大体需要が千五十万トンぐらい見込んでいますね。五十八年産米が千三十七万トンですか、十三万トンぐらい足らぬ。それで、こういう状況の中でどうも私どもが聞くのには、これではとてもやれぬというので、何か五十三年産米ですか、超古米、これなんかも売却を考えておるというようなことのようですが、どうですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 ただいま先生申されました数字はそのとおりでございまして、それに加えまして、需要がございますので五十三年産米につきまして十万トンから十五万トン程度、需要に応じて売却をしたいと考えております。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 それで、今まで五十三年産米はもう大分使ってきていますね。これは私どもが聞くのには、もう低温貯蔵米というやつは済んでしまったのでこれから出していくというのはどうも常温貯蔵米の方に手をつけて、これを売却していくのではないかというふうに聞いているのですが、そのとおりですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 低温貯蔵米につきましては去年も売却をいたしておりますので、ことしは常温の五十三年産米が中心になると思います。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 そうなると、これは問題だと私は思うのですね。常温の貯蔵米というのは何回にもわたって殺虫剤なんかを使ってきたやつでしょう。それを何の調査もしないで主食用に回すというのはかなり問題をはらんでいるのではないかと私は思っているのですが、この点どうですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 米穀の保管につきましては、日常から倉庫内の換気あるいは通風、環境整備等には十分努めているわけでございまして、病虫害の発生を防止しにくい場合に限りまして薬剤のガス薫蒸ということをやっておるわけでございます。  五十三年産米につきましても、確かに先生おっしゃられますように何回かの薫蒸を実施しておりますが、これは薫蒸の実施後にその都度十分な換気も行っておりますし、また、この薫蒸剤は非常に沸点の低いものでございまして、揮発性が非常に高いものでございます。したがいまして使用役速やかにガスは消失するということでございまして、安全性に問題はないと思っております。特に、食糧庁で使用しております薫蒸剤は農薬取締法できちんと検査を受けたものでございまして、当然登録農薬でございますが、名前を申しますとメチルブロマイド、エキボン、燐化アルミニウムの三種類に限って使っております。昨日の予算委員会におきまして同趣旨の御質問があったわけでございますが、厚生省の方もこの点につきましては同じ見解を述べておりました。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 これはこれから出していくわけでしょうから、その結果を見なければ、どういう問題が起こるか起こらぬかと言って今の時点では論議できませんが、しかし、やはり問題をはらんでいるのではないかと私は思うから、これは十分に調査をやって出すなら出すというふうな慎重さを特に希望しておきたいと思うのです。  今このお話を聞いておりますと、五十三年産米を十万トンか十五万トンぐらい売っていけば大体心配のないようなことを言っておられるのですが、今までいろいろ調べてみると、もうすでに十一月から二月までの期間でかなり見通しに狂いが出てきているのではないですか、供給については。見通しよりもかなり大幅な売り渡しをやっているのではないですかね。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 先生おっしゃられますのは多分政府管理米の分野ではないかと思います。十一月から二月、つまり第一・三半期の期間でございますが、これに対しまして二百十七万トンという計画でございましたが、これよりも一、二万トンぐらい多いかなという感じがいたします。ただ、この場合よく考えてみなければならないのは、実際の需要の方はさほどふえているとは思いません。むしろ減っていると思います、消費段階では。むしろ政府米の売却が多くなっている、つまり流通の段階でかなりあるのではないかというふうに考えております。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 売却が多くなっているというのはどういう見方なんですか。需給逼迫が伝えられているような状況だから、買いの方が多かったという意味ですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 去年、五十八米穀年度におきましてもその端境期につきましては必ずしもゆとりのある需給の操作ではございませんでしたものですから、そこで、かなりきめの細かな操作をやってまいりました。そのような状況のもとにおきまして、去年から、どちらかと申しますと政府管理米がよけいに実態よりも売られているのじゃないかという感じがずっといたしてまいったわけでございます。その中でまた消費者米価の値上がりもあったものでございますから、そのための仮需等もございまして、一方におきまして、家計消費の方を見てみますと、例えば食糧庁の行っておる調査あるいは家計調査の内容を見てみますと、間違いなく消費は減っているわけでございます。ひどいときには対前年比三ないし五%ぐらい減っておりました。政府の売却の方がふえて、消費の実態の方が減っているとなりますと、どうしても流通段階で在庫がふえてきたのではないかというふうに考えている次第でございます。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 ところで、買い入れの方の、集荷の方の予定はどういうふうに考えておられるのですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 集荷につきましては、もともとは一千九十五万トンというのを前提にして買い入れを行おうと思ってまいりましたが、残念ながら四年連続の不作でございまして、そこまではとても買い入れができないという状態でございまして、大体七百二十万トンぐらいを目標に今買い入れを実施中でございます。実績は大体去年と同様の水準に現在来ておるわけでございますが、七百万トン弱というところでございます。ただ、私どもとしましてはさらに通年買い入れということで、この買い入れにつきましては一層努力したいというふうに考えております。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 努力されなければ大変なことになるでしょうから、努力はされるのでしょうが、私ども現地で聞いておる情勢はなかなか難しいですよ。楽観は許さないですね。それから、去年の段階でかなり新米の早食いをやっているでしょう。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 去年の新米の早食いにつきましては、私どもの推定で大体六十五万トンぐらいではないかと思っております。ただ、これは毎年五十万トン早食いをやっておるわけでございまして、それが常にずれずれになっているという格好でございまして、去年はやや多かったかなという感じがいたします。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 今ちょっとやりとりして受ける感じで、食糧庁の方、農林省の方では、いや心配なんだとは言えないからいろいろおっしゃるのだろうと思いますが、需給の逼迫の状況というものは大体明らかな事実じゃないか。私ども産地におりましてもそういう話を聞きますから、したがって、この需給操作はよほど配慮してやられぬと問題が起こってきやせぬかと私は思います。  その点についてはそれだけにしておきまして、何か三月から六月期は米の販売制限をやるのだということで踏み切られたようですね。その後、七月以降はどうなるのですか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 まず、販売制限とおっしゃいましたけれども、実はそうではございませんので、その理由をちょっと説明いたしたいと思います。  先ほど大臣からもお話がございましたように、ことしの米の需給につきましては、ゆとりのある操作とは申せませんけれども、操作に万全を期すれば米の需給に問題はないということを申し上げた次第でございますが、また、先生も一千三十七万トンを前提ということを申されましたけれども、これは政府管理米だけではなくて、農家の保有米を含めた全体の需給でございます。したがいまして、政府管理米の分野ということになりますれば、自主流通米といわゆるマル政、政府米、この二つの操作になります。そこで、この政府管理米の方も全体といたしましては今特に問題があるというふうに考えていないわけでございますが、ただ、ひところに比べまして確かに政府米の在庫水準が減っているということは事実でございます。  そこで、先生の御注意もございますように、やはりうまくこのような操作をしているということになりますと、全期間かつ全国的にむらなく安定的に供給をしていくということが必要になってくると思います。つまり、地域的、時期的な偏在を避けていくということが非常に必要であろうというように私ども思っておるわけでございます。さようなことから、第二・三半期におきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、どうも第一・三半期における米の売却の状況から考えて必ずしも政府の売り渡している米の量に対しまして需要がそれほどついてきておるわけではないという感じがいたしますので、そこの調整が必要なこと、それから第二に、第二・三半期、まさに三―六月でございますが、これも実需に見合った形で供給を行っていくという必要があるのではないかということを考えまして、実は二百二十四万トンという数字を決めたわけでございます。これは六百六十万トンの一部なんでございますが、この二百二十四万トンが前年の同じ時期の実績に比しまして五%強少なかったものですから、それでカットというふうな一部報道になったわけでございます。しかしながら、私どもはこれは決してカットをするというような意味ではございませんで、もちろんお米屋の店頭に米がなくなるということは絶対にいたさないつもりでございますし、かつまた適切にこれを供給していくつもりでございますが、やはりここで引き締めをしながら、実需に見合った形で供給することによって一番問題の七-十月をうまく越していくということを考え保ている、これが必要であると思ってこのような措置をとったということでございます。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 御存じのように新米が出回るのは九月の半ば過ぎですから、この点は今から予測してどうこう言いませんが、非常に厳しい状態になる可能性があるということだけは十分大臣の方もお考えになって対処されぬと大変なことになりますよ。そこで、米の売却制限が、そういうような売却制限という言葉がいいのかどうか、そういったことが行われておる。それから、最近米の逼迫状況の中で新稲作運動という聞きなれぬ言葉ですが、こういうことが始まった、こういうのだ。そういうことをやりながら水田利用第三期対策というものを強行しよう、私はこの意図がわからぬのですか、大臣、これはどういうことなんですか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの日本の米の潜在的な生産力で申しますと、第三期で千三百七十五万トン。米の消費の方は一千万トンをちょっと上回る程度でございますから、何もしないでいきました場合には年間に二百万トン以上の米が余ってくる、こういう事情にあることは御了解いただけるものと思います。しかしながら、そういう中で米を計画的につくっていくというのが水田利用再編対策の趣旨でございますけれども、第二期におきましては不良な気象条件に見舞われたことが災いいたしまして、計回どおりの米が現実にできておらない、こういう状態があるわけでございまして、先ほど来お尋ねのような需給関係が多少緊張ぎみであるということの一つの原因になっているわけでございます。そこで、今度の不作の原因というのを分析してみますと、確かに気象条件が悪かった、これはもう何年に一度というふうな低温とかその他の原因があるわけでございますけれども、反面におきまして農家側のいわば社会的な要因と申しますか、それによりまして米の被害が増幅された、こういう傾向も否めないわけでございます。したがいまして、第三期の計画をつくるに当たりましては、計画上織り込んだものは少々気象条件が悪くても確実にとっていく、こういうことが必要であろうと思いまして、基本技術の励行あるいは従来ございました米の生産組織の活性化ということを中心といたしましてたくましい稲づくりということを進めてまいりたいと存じまして、大臣の御提唱による新稲作運動を進めたいと思っているわけでございます。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 時間で細かい議論はできませんが、そこで、私は第三期対策を見ておって一番問題になるのではないかと思ったのは、米の需給計画をつくっているわけでありますね。これで単収をたしかあなたの方からもらった資料では四百八十一キロに見ているわけです。これはどういう根拠で四百八十一というのを出されたのですか。簡単に願います。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 これは五十九年度から六十一年度までが第三期でございまして、その間の米の単収を平均的に幾らに見るか、こういうことでございます。もちろんその気象条件が例年並みであるということを前提としてはじいたものでございます。  この計算のプロセスといたしましては、五十八年の平年単収が四百七十八キロでございます。これに対しまして、平均すれば二キロ程度の毎年の上昇がある、こういうふうに見まして、三年間でございますから、その年央である六十年のところで三年間の平均単収が出てまいるわけでございます。四百七十八に対しまして毎年二キロずつ上積みをいたしますと、六十年では四百八十二キロになりますけれども、これは実際に米をつくっておる田んぼの単収でございますから、水田利用再編対策、つまり転作がなかった場合の収監ということになりますと、それよりは多少低日になるということでございまして、四百八十一キロというふうに見ておるわけでございます。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 それは私は納得できませんね。あなたの方から来ていただいて、需給課の方から聞いたのですよ、最近の単収はどうなっているんだと言って。そうしたら、時間が気にかかるのですが、昭和五十四年で四百八十二、五十五年四百十二、五十六年四百五十一二、五十七年四百五十八、五十八年四百五十九、こういうふうに言っているのですよ。  それで、ここに作物統計があるのですよ。これは一九四七年からの作物統計ですよ、三十七年間。これにずっと出ているのですが、一あなたの言った数字が間違っちゃって、私へ需給課から来た数字とこの作物統計の数字は合っていますよ。これはどういうことなんですか。いいかげんなことを言ってはだめですよ。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 平年単収というのは当然実収とは乖離するわけでございまして、今おっしゃられましたのは実収だと思います。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 わかりました。そうすると、四百八十一キロというのをはじき出したのは平年単収、つまり一〇〇%の作況指数と見て出したわけですね。だから私は問題があると言うのですよ。一〇〇%の作況指数というのは今まであったのですか。あなた、ずっと見てごらんなさい。作況指数を一〇〇と見ることが大体問題なんですよ。これを見てごらんなさい。ちゃんとあなたの方の資料を見たって、出ているじゃありませんか。この二十年間で作況指数が一〇〇を下回った年は八年に及んでおるのですよ。最近七年間では大体平均が九八でしょう。そういう状況なんですよ。そういう状況の中で一〇〇に見るということ自体がおかしいのじゃないですか。だから、基準単収をこんなに。大きく見ておるということは、私はこの第三期対策の一番問題点だと言うのですよ。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 この基準単収は潜在生産量を幾らとして見るかということを一つのファクターとして織り込んでおるわけでございます。米の需給の計画上、どこにどういうゆとりを見ていくかという問題はおのずから別の問題でございますから、これは作柄が普通でありせばどれくらいとれるかという計算のプロセスと御理解いただければよろしいと思います。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 冗談じゃないよ。米の需給計画を立てるのに今までの単収がどのぐらいあったかという実績を全然度外視して、これで一〇〇%やれるんなら、どれだけでいくのだ。だから四百八十一だ。それに対して、大体作付潜在面積がこれだからといってそろばんをはじき出すこと自体が問題じゃないの。需給計画を立てるんでしょう。需給計画を立てるのなら、実際に米が単収どのくらいとれる、つまり供給の面が実際にどのくらいあるんだということを考えながら需要を体して米の需給計画を立てなければ。そんな、実際からかけ離れた、平年作でありせばこうなるんだといって最近例にない過大な見積もりをして供給の方のそろばんをはじくというのは大変な間違いじゃないですか。大体この一九四七年から後の状況をずっと見てみると、一九七八年に四百九十九キロになったのが初めてですよ。これが最高だ。それで、少ないときは、六〇年代のときには四百キログラムを割っているときがある。八〇年代になってからは、私が先ほど言ったとおりだ。  そういうような、米の実際の単収がどれだけあるかというのを度外視して需給計画を立てる。農林水産大臣、どう思う。もう事務局はいいですよ。そんなでたらめな立て方をしてどうなると思う、農林大臣。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 平年単収に対して実収がどうなるかというのは毎年毎年違ってくるわけでございます。御承知のように、昭和五十三年の場合には四百六十キロの平年単収と見ておりました。これも前の年に比べれば平年単収を相当高く見ておったわけでございますが、先ほど御指摘のように実際には四百九十九キロとれたわけでございます。翌年の場合には平年収量をさらに六キロ上げてみて四百六十六キロというふうに見ておりましたが、実際には四百八十二キロとれたということで、上下の変動というのはこういう農作物の場合避けられないわけでございます。そこで、潜在生産量としては平年的なものとして見る、こういうことであろうかと存じます。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 潜在生産量で需給計画を立てることに問題があるのじゃないかと言うのですよ、とれるかとれぬかわからぬのに。四百八十一キロという単収を見ておられるというのは、先ほど言ったように八〇年代に入ってはないじゃないですか。八〇年が四百十二でしょう。それから四百五十三、その次が四百五十八、その次が四百五十九ですよ。これしか実際には上がってないのに、それを四百八十一平年作ならいけるんだという見方で需給計画を立てることが僕は問題だと言うのですよ。潜在生産力で需給計画を立てるというばかなことがありますか。実際にどれだけとれるか、供給力がどのくらいあるかということを実際と余り乖離しないような計画を立てていかなければ、そんな潜在生産力で見ていったら、あなた、消費の方もいろいろな見方が出てきますよ。少なくとも実態に合わせた計画を立てなければだめじゃないですか、こんなことをやっていたら。農林大臣、あなた、私の言っているのを聞いていてどう思う。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 長期的にこれを見てみますと、確かにここのところ四年ばかりは下回っておりますが、前のところへいきますと一〇〇%を超えているところもございます。昭和四十年代ですか、三十年の前半等を見事と、私が聞いたところでは、普通ですと四・二キロくらいの上昇というところを二キロ上昇ということで見たということで、いいのではないかと思っております。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 全く頼りない農林大臣だな。あなた、そんな見方をしていたら大変ですよ。  食糧政策研究会というのが-ありますね。そこは、この作物統計なんかずっと見ながらどういうことを言っているかというと、先ほどちょっと触れました水稲の作況指数が二十年間で一〇〇を下回る年が八年、最近七年間は平均を見て九八になっている。安定供給を考慮に入れて考えた単収というのは、作況指数やや不良、九八から九五、その下限が、不良、不良というのは九四以下、この上限あたりで押さえておくことが妥当なところとなるのじゃないか、こう指摘しているわけですよ。それで考えてみると、政府が言う潜在生産力というのは四百八十一キロ、それの九四、五の作況指数でいくということになるとちょうど何ぼになるかといったら、単収が四百五十から四百六十キロになるんだ。そのことは、先ほど来言っている八〇年代になってからの数字と大体合っているのじゃないですか。あなたのところが言ってくれたのは、先ほど言ったように、五十三年の四百九十九キロ、これ以来どんと下がってきて、八〇年代に入ったら先ほど言った数字だ、四百十二、四百五十二、四百五十八、四百五十九キロと。だから、潜在生産力だと言ってあなたが固執する四百八十一キロに、あの食糧政策研究会が言っておる作況指数九四、五で見るなら大体四百五、六十キロ、つまり最近の単収に一番マッチした数字がここへ出ているのですよ。だから、私はこの米の需給計画というのは間違いじゃないのかと言っているのです。農林大臣、どう思います。私の言うことを無理だと思うのかね。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 統計の平年単収の見方につきましてちょっと御説明申し上げます。  今先生御指摘のように、確かに五十五年以降作柄が落ちておりまして、五十五年の作況八七、五十六年、七年、八年と九六という御指摘のとおりでございます。ただ、過去二十年を見ました場合には、作況一〇〇以上は十一回ございます。作況一〇〇未満が九回、平均しまして大体一〇〇、一番多いときには作況で一一二というのもございますし、五十年代には一〇八、一〇五という年代もございます。また、実収から見ました場合には、五十年代の初めは、御承知のとおり五十年が四百八十一キロ、五十二年が四万七十八キロ、五十三年四百九十九キロというふうに高い水準になっております。  やはり技術の進歩がございますので、私どもも平年単収を見ますときには、長期の傾向を見ながら、技術向上によってどの程度単収の平均値が上がっていくかということを見ておりまして、先ほど大臣からおっしゃいました四・二キロというのは、長期的には過去にはそう思っていたわけでございます。それが、最近異常気象がございまして若干単収が減ってきているということで、安全サイドに見まして、先ほど農蚕園芸局長から説明しました二キロアップという程度に押さておりますが、長期の技術向上等から見てまいりました場合には、やはり私ども、この四百八十一キロというのは安全サイドに見ているというふうに考えております。やはり米の需給計画でございますから、足りない時点で考えますので、過去のようにまた大きい豊作がございますと備蓄鐘がふえてくる、不作を前提にしますとそういうことですし、逆に豊作を前提にしますとまた足りないような場合もあるというので、需給計画上はやはり平年作の一〇〇というものを見ながら安全サイドにどのように米を生産をしていくか、そういうこともございまして、第三期の水田利用再編対策におきましては、需給上は七十万ヘクタールの転作面積でありますけれども、私ども、第三期におきます備蓄というようなことも考え六十万ヘクタールの規模にしたということで、安全サイドに私どもは見ているつもりでございます。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 今いろいろとおっしゃっているけれども、なるほど過去二十年間で一〇〇を下回ったのは八年ほどだ、あとはずっと上回っているのだ、作況指数が一〇〇を超えていることがあると言うのですが、一番重視しなければならぬのは最近の傾向じゃないのですか。最近、減反減反と押しつけることによって農民は稲作に対する失望を抱いて、今捨てづくりでしょう。本気で稲作に取り組んでいる農民が一体どのくらいおると思っているのですか。大部分の農民は捨てづくりですよ。まさに土曜日曜百姓ですよ。それでどうにかこうにかやっているわけでしょう。ですから、最近、八〇年代に入ってから、何ば強弁されようと四百五、六十キロの単収しかないのですよ。これが将来、新稲作運動によって四百八十にも四百九十にもなると思っているのですか。私は、そういう漠然たることで需給計画を立てられると大変な問題が起こってくるんじゃないかということを心配しているわけです。だから、私は、四百八十一キロというのは最近の状況から見て極めて高い見過ぎだ、これになると供給側の方が追いつかないという状況になってこやせぬかということが心配ですからこのことを言っているのですが、あなたの方はあくまでも固執されるのなら、これはすれ違いですから時間のむだだから、もうこれ以上やりません。五十九年産米がどうなるかということを見た段階でまた議論いたしましょう。  農林大臣、あなた、全部事務当局に任じておいて、ああこれでいいんだ、説明をそうかそうかと言っておったのではだめですよ。あなた、お帰りになってもう一遍作物統計を出して米の需給計画と照らし合わせて、一体これで本当にいけるんだろうかということをよう考えておいてください。また改めて農林水産委員会にでも出て聞かしてもらいますから。  どうも話がややこしくなってはかどらぬようになったのですが、一つだけ最後に聞いておきます。  他用途利用米制度を導入されましたね。これはどうなんですか。将来主食用が足らぬようになったというので、安く買い入れた他用途利用米をこそっと主食に回す、そんなことをやるのじゃないでしょうね。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 他用途利用米は、先生御案内のように原材料用のお米の需要に見合うようにつくっておりますので、さような事態を想定はいたしておりません。

矢山有作日本社会党・護憲共同

○矢山分科員 では、これでやめますが、私はそういうことをやってもらったんじゃ大変だと思う。ところが、米の需給が逼迫してくると、何遍も何遍も殺虫剤をかけた五十三年産米、超々古米だ、これですら主食に回そうという農林省でしょう。だから、困ってきたら、超古米のそんなものよりは他用途利用米で安く入れた方を主食に回した方がよかんべということになるのじゃないか、そういうおそれを多分に持ちます。これは、そういうことにならぬように警告しておきます。  以上で終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて矢山有作君の質疑は終了いたしました。  次に、遠藤和良君。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 最初に、大臣にお尋ねをいたします。  これは通告外の質問で恐縮なのですが、けさの新聞報道によりますと、大臣がこの夏にも訪ソを実現される、こういうニュースが書かれておりますが、新聞報道でも言われておりますが、閣僚レベルの訪ソは五十四年以来の五年ぶりである、こういうことでございまして、大変国民の皆さんの期待も大きいと思います。  具体的にどういうふうなことをやられるおつもりなのか、まずその抱負を最初に伺っておきたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 実はまだ正式には来ておりません。水産庁の方で聞きましたところ、月曜日に来るのじゃないかというようなところでございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 実現いたしましたらぜひとも実り多い外交を推進していただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  ところで、本論に入りますけれども、私は農業の基盤整備事業の重要性につきまして若干の質問をいたしたいと思います。  現在の日本農業を取り巻く環境というのは内外ともに大変厳しいものがございまして、新農政研究所の武田邦太郎先生はこういうふうなことを言っております。一つは都会の産業とバランスのとれた生産性を高めていくことが大事である、二つ目は輸入が自由化されましてもびくともしないような農業の体質を強化することが大事である、三つ日は食糧の安全保障の観点から自給率を高めていくことである、この三つはどうしても取り組んでいかなくてはならない政治の課題である、こういうふうに言っているわけでございますが、私も同感でございます。  こうした問題意識を持ちまして日本農業のあり方を考えました場合、どうしても帰着する問題は農業の構造そのものを改善する、こういった問題にならざるを得ないのではないか、こういうふうに思うわけでございます。農政審議会が五十七年八月二十三日に出されました「八〇年代の農政の基本方向」、大変によくまとまった資料でございますが、この中にも「健康的で豊かな食生活の保障は、国土資源を有効利用し生産性の高い農業を実現することを基本として行われなければならない。このためには、今後、政策の重点を構造政策に置く」こういうふうに明確に書いてあるわけでございますが、この構造事業の重要性について農林大臣はどういうふうな所感をお持ちであるか、お聞きしたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 構造政策というものを私は最重要なものであるというぐあいに考えております。価格政策から構造政策へ重点を変えるべき時期に来ているのではないかというぐあいに考えております。特に土地利用型農業の生産性の向上、これが大きく問題になっておるわけでございますが、構造政策の推進の条件を随時やっていこうということで、地域農業集団の活動を通じた中核農家の規模拡大等の実現を図りたい、また土地改良書業等の計画的な推進を行っていきたい、新農業構造改善事業等の推進、これらを重点にして進めてまいりたいと思います。  詳細につきましては事務局から御報告します。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 構造政策、特に今日日本の農業の実態から見ますと、土地利用型農業の構造政策をどうやって決定させていくかということが重要な課題だろうと思います。構造政策を論ずる場合いろいろな視点があると思いますが、まずその一つは、規模拡大と土地利用の面的集積だろうと思います。既に農用地利用増進法制定以来、約十二万五千ヘクタールの利用権の設定が進んでおりますが、ある種の限界に近づきつつあることは否定できない事実でございます。これをどうやって加速させ広げていくか、そういう意味で昨年から地域農業集団の育成ということで全国的に集落単位で地権者が話し合う、受け手の方は必ずしもその集落の範囲でなくてもよろしい、そういう設定のもとに、また内容につきましても単なる利用権の設定だけではなく、作業受委託も含む規模拡大とか地方の維持問題とか機械の共同利用問題とか、あるいは里山の開発や裏作の導入問題とか、そういうふうに幅広く広げまして話し合いを進めるという方針を決めております。これを今日一万七、八千団体が既に形成されておりますが、どうやって加速させるかが課題だろうと思っております。  二番目は、やはり基盤整備問題だろうと思います。なかなか財政の厳しい状況のもとでございますが、何とか長期的に見れば、昨年御決定を願いました第三次の土地改良長期計画に予定した事業が消化できるようどうやって事業を確保していくか、またその効率的実施を図るかが課題だろうと思っております。  そういった問題とともに、さらに構造改善事業その他の助成事業を通ずる資本装備の改善の問題とか、あるいは担い手の資質向上という各般の施策を総合的に講ずることが今日の重要な課題だろうと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 先ほどお話の出ました土地改良長期計画、五十八年四月中旬の閣議決定、これを読んでみますと「食料は総力の維持強化に資することを目的とし、昭和五十八年度以降の十箇年間に総額三十二兆八千億円に相生する事業を実施するものとする。」こうございます。これは大変な数字でございまして、これをこのままやるとすれば毎年大体一二%ぐらいの予算を増加していかなければならないのではないかと思うわけでございますが、本年の当初予算を見ておりますと、昨年が九千億三千八百万円でございまして、本年は八千九百十九億四千七百万円、こういうことでございまして、マイナスになっておるわけですね。一二%ずつ上げていかなくてはならないのにマイナスになっているということでございまして、これは今年度ばかりではなくて来年度も再来年度も恐らく財政が厳しいものでございますから、それほどの予算はとれないのじゃないかと考えるわけでございます。  こう考えてみますと、この閣議決定そのものは初めからつまずいておる、挫折しておる、こういうふうな印象を持つわけでございますが、大臣はこの点をどういうふうに受けとめておりますか。また、十年では無理だ、十五年か二十年ぐらいかけてやる、こういうおつもりなんでしょうか、いかがでしょうか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 ちょっと長期計画の内容について簡単に御説明申し上げます。  確かに十カ年間で三十二兆八千億という計画を決めておりますが、同時に閣議決定の際に「この計画は、長期経済計画その他の総合的な施策と必要に応じ調整を図り、その実施に当たっては、今後の農業事情、経済事情、財政事情等を勘案しつつ、弾力的な推進を図る」ということになっております。確かに非常に財政窮迫の折に、他の長期計画を持った公共事業同様、基盤整備事業についても計画で想定した規模に比べるとスタートにおいて低い数字になっておることは私どもも残念なことだろうと思います。しかし、私どもとしては、一方においては事業の効率的実施、他方においては今後の予算確保への努力を通じて何とかこの計画を維持しながらそれに近づける努力をすることが、まだ二年目の話でございますから、今日の状況では重要なことではないだろうかと思っております。第二次の土地改良長期計画も実は十カ年で金額ベースそば大体消化できたわけでございますが、この間における賃金、物価の上昇で事業量ベースとしてはかなりの積み残しになったことも事実でございまして、事実は事実として受けとめなければなりませんけれども、二年目のことでございますので、そんなような気持ちで取り組むべきであって、今計画の中身自体を改定したりいじるべき状況のものではないだろうと思っております。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 ただいま局長からお話ししましたとおり、今の厳しい財政事情のもとで、ほかの公共事業を抑えられたときにこれだけ上がるのはなかなか難しかったということは御了解いただけると思いますが、効率的な事業の実施、そしてまた私に与えられたのは何といってもこの事業を推進していくための予算獲得であろうと思います。最大の力を払ってまいります。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 よろしくお願いいたします。  次にお伺いしたいことは、土地改良計画、この事業と食糧の向総力ないしは自給率との関連でございますけれども、この閣議決定でもその主目的を「食料自給力の維持強化に資することを目的とし、」こういうふうにうたっているわけでございますが、過去にも第一次の土地改良計画がございまして、昭和四十年から四十七年に予算規模で二兆七千億あるいは第二次は四十八年から五十七年でございますが、十二兆四千億使っております。これによりまして食糧の自給率は一体どの程度上昇してまいりましたか、具体的な数字で示していただきたいのですが。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 ちょっとあれでございますが、私ども、その文書にもございますように、食糧の自給力、つまり食糧生産のエネルギーを高めていくという意味で特に生産基盤、いわば入れ物についてその重要性を評価して計画をつくっておるのが土地改良事業であり、その長期計画である、かように御理解いただきたいと思います。  そこで具体的には、私ども食糧の自給力の強化という視点で基盤整備がどういうかかわり合いを持つかと申しますと、いろいろな面がございますが、一番基本は、まず農用地造成による優良農用地の確保だろうと思います。先ほど先生も御指摘がありました長期見通しでは、約五百五十万ヘクタールの農地が要るだろうという見方をしているわけでございます。現在五百四十一万ヘクタールの農用地がございまして、今後十年間に約四十二万ヘクタールの壊廃は過去の趨勢等から見て織り込まざるを得ないだろう。そうするとその差、つまり五百五十万と、五百四十一万から四十二万を引いた差は農用地造成で確保していかなければならぬ。過去の趨勢等から見ると、自力開墾で大体四万ヘクタールは期待できるので、十年間に何とか四十七万ヘクタールの農用地造成を図りたいという意味で、まず入れ物の問題としてはそういう評価をしております。  あとは結局、単収の問題、汎用化による転作可能性の問題、もう一つは用排水の分離や区画整理等を通ずる機械の導入による労働生産性の向上という視点でございます。  単収の増加の問題につきましては、基盤整備による物的次生産性の向上以外に、品種の問題とか営農技術の問題等が全部絡んでくるわけで、単収の増加趨勢は長期見通しで各作目ごとに織り込んでおりますが、これらはいずれも相乗効果として織り込んだものでございます。  それから圃場の汎用化の問題につきましては、稲作転換対策の推進ということも考慮しつつ、また用排水が分離された圃場区画の実現ということが結局土地の利用効率を高めていくし、作目の選択を自由化していくという本質に着目いたしまして、これを第三次の土地改良長期計画では大体七〇%の整備水準まで高めていきたいということで織り込んでいるわけでございます。  そういったわけで、計量的な意味ではストレートに関係してくるのは農用地造成なり規模の問題でございますが、その他の点についてもこの土地改良の努力を織り込んだ形で長期見通しの達成は可能であるというふうに我々は考えているわけでございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 定盤的な論議というのはなかなか難しい、これはよくわかるわけでございますが、ここに同じく農政審議会の自給率の見通してございますけれども、昭和五十七年度に穀物の自給率は三四%ある、六十五年には三〇%、これは増加じゃなくて減少なんですね。減るだろうという見通しをしております。この基盤整備事業というのは自給率を拡大するという大きな目的がございますけれども、とりあえず自給力を拡大するのである、あるいはもう少し言葉を変えて言うならば、土地の持つ潜在的な生産能力を拡大していく問題である、このように思うわけでございますが、土地の持つ潜在的な生産能力、これは基盤整術事業、十年計画によりましてこの程度増大します、そういう見通しなり指数、この辺を少し数字で答えていただきたいわけでございますが、どうでしょうか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 まず入れ物の規模と申しますか、これにつきましては、先ほど申し上げましたように四十七万ヘクタールの造成ということで、五百五十万ヘクタールの規模を確保するということを考えているわけでございます。  そこで、物的な生産力という意味でもう一つ問題になりますのは単収であろうと思います。例えば長期見通しの中では、十ヘクタール当たりの単収の見通しについて水稲については年率〇・七%、小麦については〇・五%あるいはミカン等については二・四%、サトウキビについては一・八%、飼料作物は二・一%というふうに単収の増加趨勢を私ども織り込んでおります。  この増加趨勢というものは基本的には過去のトレンドを基準にしたものでございますが、これは過去における品種改良の努力、耕種技術の改良努力、それから土地改良の成果というものが過去の趨勢の中にも織り込まれたものでございます。その意味におきまして、長期見通しが考えている単収水準というものは、これを実現する重要な手段として土地改良を行う効果を期待しているというふうに考えているわけでございますが、いずれにどれだけ帰属するかということはいろいろ昔から確かに議論もある点でございますが、なかなか作業もできませんので、トータルとしてとらえているというふうに御理解をいただきたいと思います。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 これは定性的な議論で終わりそうでございますけれども、日本の農業の将来をはっきりと確定したものにするためにも、いろいろなファクターはありますけれども、コンピューターも発達している世の中でございますので、大臣、十年後には日本の農業はこういうふうに潜在的な生産能力も向上するんだ、あるいは日給力も増大するんだ、給率の見通しについてもこういうふうな数字がはじき出されるのだという目安をぜひひとつおつくりになってはいかがか、こういうふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 大臣のお答えの前に、自給率につきまして私の方から御説明申し上げます。  一つは、穀物の日給率が六十五年で三〇になるではないか。これは、穀物の中には実は米、小麦、大・裸麦等がございまして、特に飼料穀物、トウモロコシが入っております。トウモロコシは、日本では、北海道を考えましても収量も非常に低い、生産費もかかるということで、畜産のえさに必要であることはわかっておりましても、日本ではなかなか生産が難しいという事情がございまして、ほとんど外国に依存しております。  今後、六十五年を見通しました場合にも、食生活がやはり畜産物に依存する傾向はますます高まりますので、その場合には飼料穀物の輸入というのはどうしても入ってこざるを得ない。反面、米等を考えました場合には、六十五年におきましては、私どもの推計では七十六万ヘクタール余ってくる。この米が仮に輸出できるとかあるいはえさに使える、そういうような状況になりますと、米だけ見ますと、米の自給率というのは一〇〇%以上になるわけでございますが、残念ながら米の主食用需要という観点から見ますと、米の増産ということは考えられないわけでございます。  また、小麦につきましては、現在大体一二%くらいになっておりますけれども、これも日本の風土から見ますとやはり適作ではない。そこで品種の改良の努力をいたしておりますし、日本めん用については六十五年には一〇〇%日給という目標で考えておりますが、小麦全体では一二%増、そういう状況になります。  こういうことを踏まえまして、将来の日本人の食生活に不要なものはつくらない、むしろ国内で必要なものにつきまして生産を転換していくということで、農産物の需要と供給につきましては六十五年の見通しというのはすでに定めております。そういうことで、そういう長期目標のもとに今後進めていきたいと考えております。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今官房長からお話ししましたとおり、特に飼料穀物につきましては、これは畜産物の需要がふえるということで、えさという関係がございますので、これは先生御指摘のように低くなるというようなことになってしまいますが、しかし、全体を含めて、今先生御指摘いただいたような線でひとつみんなに勉強させていきます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 よろしくお願いします。  それから、私、何でこの問題に固執しているのかと申しますと、これは食糧の安全保障という観点から大事な問題なんです。いわゆる農産物というのは生き物でございますので、物の備蓄にはおのずから限度がございます。また、金もかかります、余分なお金が。したがって、土地の生産力という形で備蓄を図っていく、これは非常に大事なことではないかと思うわけでございます。  今の日本の日給力でございますが、カロリー計算しますと国民一人当たり大体二千カロリーくらいだ、こういうふうに伺っておりますが、二千カロリーというのは、大体何にもしないで寝ているという状態になるわけですね。例えば今外国から食糧が入ってこなくなるというふうな不測の事態が起こりましたらどういうふうな対応をされるのか、国民も大変不安を持っておるわけでございますが、その辺の考え方をちょっとお伺いしたいと思います。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 現状におきましては、カロリーの面で見ますと、外国から入ってまいりますのは大体五三%程度というのが実情でございまして、今の二千カロリーというお話は、私ども、先ほど来先生御引用なさっております農政審の答申で輸入が途絶した場合、その場合どうなるかということだと思います。それは、その場合に、私ども現在の米あるいは畜産物につきましてもカロリーの高い芋類等に転換をしていくという前提をとった場合には大体二千カロリーというのが想定でございまして、これは実際の日本人の栄養必要量からいきますと、通常の新陳代謝量、基礎代謝量は大体千四百五十カロリー、千五百カロリーでございますから、軽作業なり通常の程度の作業はできるというのが大体二千カロリーというふうに考えておりますが、やはり現状から見ますと約二割程度のカロリーの低下ということになりますので、これにつきましては、今後私ども不測の事態に備えて食糧をどのように確保していくか、そのためには平素から生産力、特に土地、水、人、そういう生産条件を整備をしていくということがやはり必要だと考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 時間がございませんのでこの辺で論議をおきますが、大変に重要なことでございますので、慎重に計画を立てていただきたいと思います。  イギリスでは自給率が三〇%から七〇%になったという話も伺っておりますし、何かあると日本ではゴルフ場も全部つぶしてサツマイモを植えなくちゃいけない、こういう状態になりますと大変なことでございますので、基盤整備事業の推進をよろしくお願いしたいと思うわけでございます。  具体論に入りますけれども、全国的な圃場整備の進捗状況、これはいかがでございましょうか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 昭和五十六年末現在で調査したものでは、全国の水田の整備率は約三一%でございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 全国平均でなくて、全国の都道府県の進捗状況をお伺いしたいわけでございます。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 全国の県別の資料は別途また御要望があれば出させていただきますが、それではちょっと例で申しますと、全国では三一・一%でございますが、やはり北陸、東北の整備水準が進んでおりまして、西日本はおくれている。例えば近畿は二〇・二%、中国は一八・六%、四国は五・九%ということでございます。  県でどのくらいかということでございますが、県ごとの資料は今ここでちょっとまとめたのも準備しておりませんので、県全体の問題はまた別に資料として提出させていただきます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 私の手元に全国水田の整備率一覧があるのでございますけれども、これによりますと、いまおっしゃったように東高西低でございますね。特に、私は徳島県でございますけれども、全国平均三一%の中でも徳島県は五、六%という非常に低い傘なんでございます。この格差ですね、これを一体どういうふうに解消されるおつもりなのか、その辺の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 過去二十年間、圃場整備事業につきましては北陸と東北が非常にウエートを持って進んできた。これは、やはり圃場整備の効果が顕著にあらわれてくる、団地としてもまとまりがあるということで強い地元の要望があり、事実、予算もそういうふうに配分されてきたというふうに御理解いただく必要があると思います。  一方、西日本につきましては、圃場面積が狭いし傾斜地も多いために経費が割高につくということで、必ずしも地元の要望が強くなかったことはございます。しかし、最近、生産力の向上、特に構造政策の進展、農用地の流動化という視点から相当強い要望が出てきていることは事実でございます。  私どもとしては、この西日本の水田の整備率を高めるためにはいろいろな手口や手法が要りますが、一つは、中山間や傾斜地が多いという事実に着目いたしまして、事業の施行基準等について弾力的な配慮が要るのじゃないだろうか。それから二番目は、非常に小規模な事業が必要になってくるわけで、そういう意味においては構造改善事業その他の非公共の基盤整備事業の積極的な活用を重視してまいりたい。三番目は、事業の配分というものにかなり要望を取り入れたウエートの差が要るのではないだろうか。この点につきましては、私、既にこの二、三年来国会でもお答えしておりますし、はっきり申し上げますと、五十七年以降全国の圃場整備事業の中で西日本だけは伸び率を高くしてきておりますし、特に今徳島の例がお話にございましたが、徳島等は、例えば五十八年度においては圃場整術の予算全体は前年並みだったわけでございますが、一五一・四%という配分になっておりまして、こういう形で、第三次の土地改良長期計画の実施過程においてはやはりおくれた地域に重点がかかってくる形にしてまいりたいと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 先ほどの第三次計画では整備率七〇%を目標にしておる、こういう話でございましたので、ぜひおくれている地域にきめの細かい、その地域に合った政策を考えていただかなくてはいけないと思うのです。例えば規模の小さなところにも適用できるような考え方、こういうところはどうでしょうか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 非常に財政の厳しい制約下でございますし、それから投資効率の問題、端的に言うと償還の問題も起こってくるわけでございます。それだけに、今日の状況の中ではなかなか難しい問題もございますが、先ほど申し上げましたように、小規模な事業として採択できる事業種類を十分に活用する問題とか、それからもう一つは、工費をできるだけ節減するという視点において、必ずしも従来のように三反歩区画だけを原則に考えないで例外を弾力的に認めていくという思想等を取り入れて取り組んでまいりたいと思います。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 時間が参りましたので、最後に一つだけお願いをしておきます。  圃場整備をされました土地を今度はどう有効に利用するかという問題でございますけれども、私は、中核農家の育成に資するようないわゆる生産性の高い営農指導を、その地域のおのおのの実情に合わせましてきめ細かく講じていかなければならない、そうでなければせっかくつくった土地が死んでしまう、こういうように思っているわけでございます。こうした点を含めまして、地域の農業協同組合への営農指導の情報の伝達などを含めまして政府の対応を聞かせてもらいたい。つまり、ハードな土地改良事業が行われた後、ソフトとも言える営農指導をどういうふうな考え方で進めていくのか、この基本的な方向をお聞きしたいわけでございます。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 まず、圃場整備等の土地改良が行われました跡地についての営農指導は、農業改良普及事業の中でも特別重点を置きまして指導をいたしております。  それから農業の中心となる担い手と申しますか、私ども中核農家と呼んでおりますが、これが地域の農薬生産の基幹を担い、また、地域農業の推進役としてもその役割を果たしていくということは、今後の日本農業の振興を図る上において大変大事なことだと存じております。したがいまして、普及事業の中におきましては、昨年法律改正が行われまして農林水産大臣が農業改良普及事業の運営に関する指針を定めることになっておりますが、その中におきまして、中核農家を重点的な普及対象として位置づけてまいりまして、これに即しまして県の指導が行われるように相なっておるわけでございます。具体的には技術問題、経営問題が中心でございます。そのためにまた普及員の資質のレベルアップも必要でございまして、研修強化等の努力もいたしております。  また、一人の普及員が何もかも指導することはなかなか難しゅうございますので、末端の普及員に対して普及上必要な情報の伝達、これは当然農協等に及ぶものもあるわけでございますけれども、そういう普及情報の伝達をもっとシステマチックにできるような仕組みをつくるということで目下手がけておる最中でございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤分科員 どうもありがとうございました。よろしくお願いします。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて遠藤和良君の質疑は終了いたしました。  次に、滝沢幸助君。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 やや順序が秩序立っていないことになるかもしれませんので恐縮ですが、時間も短うございますから簡明にお答えを願いたいと思います。  今ほどの質問、答弁を承っておりましてある程度理解した面もございますから、その点ははしょりながら、確認になりましょうけれども、今、第三次の土地改良長期計画十カ年というのが二年目かになっているわけでございましょう。そこで、何か今、三〇%台の改良済みをこの十年間に七〇%台までに上げたい、こういうことでやっていらっしゃると承ったのでございますが、そのとおりですか。そうしたならば、日本の耕地の面積はいかほどの面積になろうとしておるのか、そこら辺どうでしょうか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 まず農用地の規模でございますが、これにつきましては五十七年末の農地面積が五荷四十一万ヘクタールでございます。これに対して、過去の趨勢から見て、今後大体十年間に四十二万ヘクタールの壊廃が行われるだろう。一方、長期見通しでは、必要な六十七年末の農川地面積は約五百五十万と見られる。そういう意味において、差に当たります約五十一万ヘクタールを造成に期待していく。このうち山己開墾が、過去の趨勢等から十年で大体四万ヘクタールくらいございますので、約四十七万ヘクタールを農用地造成で期待することにしております。  もう一つ、今御指摘のございました整備水準でございますが、これは田畑別に申し上げますと、水田では五十七年末の整備済み面積が九十五万ヘクタール、畑は八十二万ヘクタールでございます。六十七年末には、水田については整備面積を百九十三万ヘクタールに持っていきたい、その差である九十八万ヘクタールは今後の整備量として期待する。畑につきましては若干水田とは事情が違いまして、造成される農地が先ほど申し上げたように四十七万あるわけでございます。これは同時に整備された農地になるわけでございますから、この四十七万を頭に置きまして、六十一万を農道の整備等を通じて整備し、四十七万の造成地面積を合わせ、つまり百八万に現在の八十二万を合わせて百九十万まで持っていきたい。そういたしますと、田畑を合わせて三百八十三万ヘクタールの整備済み面積を期待しておりまして、これが先ほど申し上げた農用地面積五百五十万ヘクタールに対する約七〇%の整備率ということで長期見通しを立てているわけでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 ということで整備をしていくのだけれども、話はやや古きになりまして私も記憶が定かでございませんが、池田総理大臣が、農家を十分の一にするとか三分の一にするとかいうようなことをおっしゃって世の中を騒がしたことがありました。背の話になりました。ところが今、国の現実は、兼業農家やそういうものがふえましても農家戸数は案外減らないということになっていると思うのですけれども、今おっしゃった整備計画が達成されました十年後には農家戸数はどのくらいになりますか。そして農業就業人口はどのくらいになり、一種兼業、二種兼業ということで分けていったならば、特に専業農家、こういうあたりの分布はどうなりますか。計画としてどうしたいのですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 先ほど大臣からもお話がございました長期見通しの数字で申し上げますと、五十年の農家戸数四w九十五万に対して六十五年の予測は四百十万、ちなみに五十五年は四百六十六万であったわけですが、四百十万と見ております。さて、問題は就業人口と中核農家の戸数でございますが、就業人口については、五十年の七百九十万が六十五年の予測では五百二十二万という予測をしております。それから中核農家戸数は、五十年が百二十五万戸に対して六十五年予測では七十万戸という予測を立てております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 そういけば少しはよくなるかもしれませんけれども、大臣、私はここで一つの提案があるのです。  それは、何といっても独立国家であるならば食糧の自給率、これは政府のおっしゃる数字と私たちが申し上げている数字とは多少ずれがありますけれども、しかし、仮に穀類で言うと三〇%台、全体で七〇%台とおっしゃいますけれども、日本の牛が食べている飼料はほとんど全部輸入だとするならば、言い方によっては肉は一〇〇%輸入と言ってもいいようなことになるわけで、その議論はしばらくおくといたしまして、総じて日本の食糧の自給体制は弱い。先ほど国土庁や建設省に申し上げたことですが、いつまでも平和が続く、いつまでも災害が起こらぬ、いつまでも凶作がなしという考え方は国家経営上非常に危険なことでございまして、侵略はあり得る、地震はあり得る、凶作はあり得るということが国家経営の一つの心の準備でなくてはなりません。そういう意味からすれば、食糧の自給率をもっと上げなくてはならないのだなというふうに私は思うのですけれども、大臣、いかがですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 滝沢委員おっしゃられるとおりで、いわゆる国の安全保障につながる、農は国のもとなりということを考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 そこで米のことでありますが、せんだって一般質問で申し上げたとき大臣からもお答えいただきましたが、食糧の制限、言うならば減反政策は愚策である、これをやめるべきである。「豊葦原の瑞穂の国に生まれきて米が食えぬとはうそのような話」というのは戦後の歌人の歌ですが、今だったならば「瑞穂の国に生まれし農民が米つくれぬとはうそのような話」となるのじゃないでしょうかな。そういうふうに思いますときに、もっと米をつくらせて、ただし、ここからが私の提案でございます。今のところ全部玄米にして集荷して保存するのでしょう。私はそうでなくて、もみで保存しようじゃありませんか。もみならば五年、六年の貯蔵に耐えるのです。これが一つです。  もう一つは、保管を農家にさせようじゃありませんか。農家に倉庫を持っている人もあり、これから農家の倉庫をつくるというならばこれに援助等をして、少なくともあの戦前のように、自分でつくった米を自分が蓄えることのできる倉庫を整備させようじゃありませんか。これは一朝事ある場合、火事でも爆撃でもそうでありますが、何万と集めた倉庫が一つ吹っ飛べば大変ですね。農家に二十俵、五十俵、百俵ならば大したことありません。そういう発想でございます。これが一つの原則ですな。  もう一つは、自然の大原則として、その地方に生息する動物はその地方の草なりそういうものを食べるのが自然だと私は思うのです。ところが、いまの食糧政策を見ておりますと長距離運送ですな。そうではなくて、甲という町でとった米はまず甲の町が食う、そして足らざる分は隣の乙の町から、余った分は隣の丙の町にというふうに小規模輸送ですな、この原則を立てよう。そしてその輸送は、例えばあなたのうちでは供出の設計はどうかな、五月まで持っていてくれるか、ならば五月までもみで保存してちょうだい。そして運んでくるときも、どうぞひとつあなたの車で持ってきたならば運送料も払いますよ、保管料は五カ月で幾らです、こういうぐあいにして一カ年間の食糧の集配体制を確立したらどうかな、こういうふうに思うのです。  これは逆に言うと、ちょっと意地悪い話で気にしないでください。大規模輸送をするために運送業省が息つく、そして全部一カ所に集荷するために倉庫業者が息つく、こういうことではいかぬのでありまして、私は、一番健康な方法は、今申し上げたとおり農家がそれぞれもみで保存し、そして農家が運ぶというような体制、これはどうかなと思うのですが、大臣どうですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 ただいまの御質問は、まずもみで保存したらどうか、そしてそれを農家に保管させろ、そしてまたできるだけ近くで、足りないのはすぐ隣の町から、また余ったら隣の町へ隣の村へというようなぐあいにやったらどうか、一つのお考えでございますが、今、官房長の方からこれに対して農林水産省の基本姿勢を申し上げます。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 もみ貯蔵の問題というのは私ども長年考えてきた問題でございますが、実は経済的な問題が一つございまして、玄米で保管する場合ともみで保管する場合とでは、まず保管容積ということがございます。そこで、政府がもみで持つということは非常に難しいという結論でございます。  その次の問題として、それでは農家がもみで持ったらどうか。戦後、食糧管理法の体制を一昨年にやっと変えましたけれども、やはり食糧につきましては配給という原則がございまして、生産者から消費者に公平に配っていく。したがって、生産者の方もできるだけ余裕なものは持たないというのがむしろ今までの食糧政策の基本であったわけでございます。ところが、最近この四年ぐらい不作が続いておりますし、また世界情勢あるいは気象状況を見ましても、先生御指摘のように不測の事態というのは非常に重要な問題でございます。私どもから見ますと、災害の際に農家が自分の米がない、むしろ政府に配給してくれという米作農家が大分ふえております。これは米作農家としてはある意味では問題があることではないかと思っておりまして、先生おっしゃるように農家、それから備蓄の観点からいきますと、一般消費者家庭も米びつが今ないわけでございます。ただ米屋からバックで買ってくる。そういう不測の事態等を考えますと、やはり農家あるいは一般家庭にも、一般家庭は備蓄とは言えないかもしれませんけれども、ある程度買い置きのもの、余裕を持ってやるということは必要かと考えております。ただ、現在の米の生産あるいは需給の事情でございますので、長期的な課題としましてそういうことはやはり検討に値すると私どもは考えております。  それから地場消費の問題でございますが、まず米について申し上げますと、やはりできるだけ地場輸送、コストがかからないということを考えておりますけれども、消費者の方々が米についても非常に口や舌がおごってきたといいますか肥えてきたといいますか、北海道の方々は北海道でとれる米を嫌いまして、むしろ新潟や宮城からそういう米を入れてくる。まずその辺の食慣習から改めませんとなかなか問題のあることでございますので、私ども、米についてはできるだけ地場消費、地場配給ということを原則にしながら、消費者の方々の多様な好みに応じてやっている。それ以外の野菜その他のものにつきましては、先生おっしゃるように、ある程度地場のものは地場で消費をしていくというのが一番正しい姿だと思いますけれども、こういう世の中でございますので、消費者の嗜好に合わせた流通というものを考えていく必要があるということでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 話は変わりますけれども、今のお話の中で、これは答弁がないのですけれども、倉庫を農家に持たせるべきです。そして、それに対して建築基準法上の特例とかあるいは税制の面の特例とか貸付制度とかひとつ検討して、農家がそれぞれ自分でつくった農作物を保存できるような力をもっとつけさせてちょうだいしたい。これは必ずいつの日か日本にだって非常の事態がありますから、私はそのことを午前中も各委員会を通じて強調してきたのですけれども、ここでも申し上げさせていただきます。  ところで、基盤整備事業について、私は一番大事なのは農家の心の基盤を整備することだと思うのですよ。ところが、今農家は前途に対する希望を失っております。これは補助金づけで来たことにあるのではないかなと思って、私はせんだって大臣に絹のこと、繭のことであんなことを申し上げたのですけれども、実際、私はこの手で田を植え、この手で今も稲を刈っております。五百十一人の中でも今も毎年田を植え、稲を刈る人は少ないと思うが、その一人の私が言っておることですから、どうかひとつこれは耳を傾けてちょうだいしたいな、こう思うのです。その農家の心に自信と勇気と希望を持たせる農政を私は申し上げたい。そういう中で申し上げるわけで、どうかひとつそこら辺のところの配慮は、ちょっと許していただくならば、役人的発想で聞かないでいただかなくてはわからぬことでありますが、これは本当の話ですから、ひとつ局長さん、課長さん、耳を傾けて聞いてちょうだいしたいのです。  実は、この基盤整備は、農家に希望がありませんものですから子供が後を継がぬわけです。私もあと二年で六十歳になりますけれども、今、私に対して、田んぼの整備をする、特に問題なのは三反歩にするというのだけれども、五畝歩とか三畝歩程度の四角な田んぼになっている場所をいわば再整備するような場合の一つの課題なのですが、これから十五年間農協から借金する、そして三反歩の田んぼにしろと言われても、これはちょっと心配なわけです。あと何年自分は百姓できるかな。ちょっと体でも疲れたら、病気したら、東京に行ってある程度成功している子供のところに転がり込もう。そうしたら、お父さん、お母さん、裸で転がり込むのはいいけれども、農協に対する二十年間の借金があと十年残っているのは困るということなのですよ。ですから、それはいいことかもしれないけれども乗れないというのが実際あるのです。  ところが皆さん、これは市町村長が自分の政治力をかけて説得するのです。私は、三分の二の賛成があればできるという法律の規則も承知しておりますし、それは少数だとおっしゃれば少数ですよ。だけれども、町村長さんがおっしゃるには、この部落の構造改善がまとまらぬことにはおれは県庁に行けない、そうして県庁に頼んでいる学校も道路もぺちゃんこだ、どうかひとつ頼むわいということで、あるいはあんたの息子は役場に勤めているのにあんたが反対するのはけしからぬじゃないか、あんたは町会議員も長くやったのにどうなんだという口説き方でまとめていらっしゃるのですよ。また場所によっては、土地改良区をつくることに対する同意と工事施行の同意をいわば操作したりしている例を私は多々知っているのです、どことは言いませんけれども。それを決して責めているのではありませんよ。そういうことなんです。それを私はおとといだかおいでになった課長補佐の諸君に、実態を知らないのじゃないのか、こう言ったわけです。そうしましたら私の後援会長諸君がもうじゃんじゃんと電話をよこして、君は構造改善の事業を妨害するような演説をするそうだが、そうならばこれは大変だぞ、おまえのこの次の選挙は。いや、選挙のことはどうでもいいけれども、どうなんだと言ったら、町村長が国の色変えて頼みに来ているからと言うわけですよ。  そういうことはだめです。知らぬは本省ばかりなりと言うのですよ。県に皆さんが照会しますと、県はたちまち市町村長にハッパをかけたり、市町村長は兄弟、親戚、後援会長を説得して滝沢を黙らせる、こうなるわけだ。しかし、私は国を思い、農政の将来を案ずればこそ言っているわけですから、もう少し大きい次元からとらえられて農民の心に希望と勇気を持たせれば、構造改善賛成ということになります。田舎のお父さん、構造改善するならばどうぞひとつ送ってやりますということになるのですよ。そこら辺の道理をひとつわきまえてお仕事をやってちょうだいしたい、これは要望しておきます。  これはちょっと耳寄りみたいな話なのですが、私は最近アメリカさんとお会いしました。言質になるといけませんから官職、氏名は申しませんけれども、例の牛肉、オレンジですね。これはつまりは、言ってましたよ、日本語うまいですな、果物のことはくだらぬ、しかし、これは双方の国の信頼の問題だというふうなとらえ方をしていました。そこで、牛肉、オレンジについてどのような御判断を今なさろうとしているのですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 現在、何とかこの三月末で交渉の妥結を見たいということで、塚田総務審議官を渡米させておるところでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 一つには農家の立場を考えてくださるのと、日米両国の関係というものを重視した立場で当たってちょうだいしたいのであります。これはわんわんといろいろの大会をやっておりますし、毎日お手紙、ましてや大臣のところへは来るでしょう。だけど見てごらんなさい、全部裏表印刷です。そしてはがきはちょうだいしたはがきでしょう。御自分で四十円のはがきを買って、御崎分の発想でお書きになっているのじゃないのですよ。これはすべての運動がそうだから私は日本の政治を憂えるわけでありますが、団体からはがきをちょうだいして、文章も印刷して、そこに名前を書けばいいという程度の、それも何か一人一人がポストに行ったかどうかも、あるいは集めていく者があって一緒にぽっとぶっ込むかもしらぬ。そういうことで本当の農民一人一人の声を――大臣が本当に日本の農政の状態を説明して、アメリカとの関係がどんなに大事かということを説明してちょうだいすれば農家は納得するんだな。これは案外団体によって操作された世論というのが日本の国に、この牛肉、オレンジだけだとは言いません、すべてそういうものじゃないかな、こう思います。  私は総理大臣の答弁を得る機会ありませんけれども、私が特に歴代総理に熱望していることは、アメリカ大統領のごとくテレビを通じて本当のことを言う。きのうの議会を見てごらんになったと思うが、議会だからあんなことを答えたけれどもおれは本当はこうなんだ、これさえ皆さんが我慢してくれれば将来の日本はこうなるという説明をきちんとなさる必要がある。これを勧めようと思っておるのですが、総理大臣の答弁を求める機会ありませんから、大臣からひとつ……。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃるように、日米関係というものは我が国にとっては本当に最重要課題でもございます。特に、今度の農産物交渉で話し合いによって農産物が輸入されるということによって、アメリカ国内におけるいわゆる対日強硬派というものに対してかなりの抑止力が働いておるということも伺っております。そういう意味もございまして、前大臣が三月いっぱいにということを申しておったわけでございますから、私も後任の大臣として、日米関係というものを頭に入れながら、少なくとも我が国とアメリカが仲よくやっていけるというのを頭に入れながら、ただし、我が国農業が犠牲にならないようにということを念頭に置いて交渉に当たってまいります。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 大臣、その外人がおっしゃることには、これはさっき申し上げたとおり、官職、氏名を言わぬのは責任を問わない意味からでありますが、そのかわりミカンをアメリカに売ったらどうなのか、こう言うわけですよ。私は、いや、あなたの方はミカンは要らないと言っているでしょうと言ったら、それは合衆国だと言うのですよ。州によって要らぬと言う州もそれはあるけれども、すべての州がそうではない、州に直接誠意をもって当たるならば、州によっては買うでしょう、そういう状況だと言うのですよ。ですから、牛肉はそれとして、オレンジで仮にこちらが譲歩しても、そのかわりにミカンが売り込める、輸出できるならば、これは一つの分別じゃありませんか。そんなような話もあるわけで、大臣、そこら辺の情報も収集されまして、賢明な対処をされたらいかがですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 事実は、日本のミカンというのは特にカナダなどではテレビフルーツと言って、テレビを見ながら食べられるということでかなりの量が輸出されております。アメリカにも一部輸出はいたしておりますが、いま先生が言われたような御趣旨を体しまして、今度の交渉のときにもその話もいたしてまいります。現在も、全州ではございませんけれども、今先生言われたように一部の州では入っておるというような状況ですが、細かいことは事務局の方から……。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 日本のミカンにつきましては、アメリカは既に輸入を自由化いたしております。ただ、州によりまして植物防疫規則がございまして、植物防疫上規制をしております。かつて日本のミカンをアメリカへ輸出したときミカン潰瘍病という病気がございまして、その関係で植物防疫上向こうは輸入を規制しておるという状況でございますので、防疫関係の方で話がつけばこれらの輸出が可能になる、また、アメリカの方でもそういうことも検討しているというふうに承知をいたしております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 それで伸びるミカンの輸出は少なくとも、実際、農家に対してどの程度の経済面の助けになるならぬは別として、日本の農家に対して日本政府の姿勢を示す意味においては一つの希望になるかなと存じますので、どうかひとつミカンの輸出の方を州ごとの折衝を通じてちょっとふやしてちょうだいできないか、そうしたらオレンジの方も案外納得もできよう、こうも思うわけであります。  そして最後に、これはちょっと要望しておきますけれども、先ほど申し上げましたように、基盤整備のことについて、知らぬは本省ばかりなりということで申し上げているわけで、市町村長のそうした向分の政治力、自分のメンツにこだわっての説得の仕方はいけない、こう言っておるわけであります。そういうことをここで我々が発言することによって、いやしくも本省が県なり市町村に対して、君のところは何か滝沢が言うのには要らぬのか、それなら削るみたいなことはあってはならぬことでありますから、それとこれは別です。私はどこの町がどうこう言っているのじゃなくて、本省の姿勢というものも農民の声を直接聞くという態度、それは決して役所を通じてだけとか団体を通じてだけではなくて、どうかひとつそういうような農家の痛みもわかっていただかなくてはならぬ、こういうふうに思うので、これが逆にまた福島県に対するハッパかけにならぬように念を押しておきます。どうですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御指摘のとおりだと私も思っております。先生のところにそういう話が奉ったという話を今ここで横で聞きまして、私も、つまらぬ、心ないことをしたと言ってちょっと怒っていたところでございます。また、そんなことで予算の配分その他を決めるつもりはいささかもございません。そういう御懸念には及ばないと思いますが、なお御指摘の点は、十分行政庁として注意をいたしまして執行に当たりたいと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢分科員 ありがとうございました。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて滝沢幸助君の質疑は終了いたしました。  次に、吉原米治君。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 御苦労さんでございます。  農林水産省所管の中で、林野庁と水産庁に主として御質問をさしていただきます。  林野庁の方に最初に御質問するわけでございますが、中国電力が島根県で原発の二号炉を建設するということは御承知であろうと思いますが、原発の二号炉建設に伴って出てくる土砂の土捨て場といいますか、その場所を隣接地に設けておるわけです。その予定地の中に国の指定しておる保安林が実は何カ所かあるわけでございまして、この保安林は、御承知のように土砂流出防備保安林ということで指定を受けたものでございますが、この種の保安林の解除をする場合の林野庁の基本的な姿勢といいますか態度といいますか、せっかく土砂流出防止ということで保安林に指定して、それを解除する場合ですから、よほど慎重にやってもらわなくちゃならぬのです。一般論も含めて、このケースの場合、どういう条件が満たされた場合に一体解除できるのか。また、現に地元の県から解除申請が上がっておるはずでございますが、それにどう対応されようとしておるのか、最初にお尋ねをしたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 保安林の解除でございますが、これは大きく二つに分かれております。まず、保安林の指定の理由が消滅した場合というのが第一点でございます。第二点は、公益上の理由によりまして必要が生じた場合でございまして、一定の要件、基準を倣えたものに限りまして解除を行うとしております。  具体的に若干触れますと、原則としまして、傾斜二十五度以上の急傾斜地の保安林の解除はしないことにしております。これ以外の保安林につきましては、ほかに適地を求めがたい場合でございまして、かつ保安の効果を低下させないような代替施設が講じられ、また環境保全につきましても十分配慮がなされているという場合に、必要最小限の面積につきまして解除をしているところでございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 今回の島根の原発の二号炉建設に伴う予定地は、今の一般論ではお答えにならぬと思うのです。具体的にどういう対応をされようとしておるのか、もう少し詳しく。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 現在、先生御指摘の中国電力の島根原子力発電所二号機の建設に伴う保安林解除につきましては、昭和五十八年十一月十八日に農林水産省に保安林解除の申請書が出されております。これは御指摘のように、保安林の種類は土砂流出防備保安林でございまして、解除面積は一・八四ヘクタール、資材置き場〇・四三ヘクタール、土捨て場一・四一ヘクタールでございまして、事業主体は中国電力株式会社ということになっております。この保安林解除申請につきましては、現在慎重に検討中でございます。  以上でございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 そうしますと、最初に解除に当たっての林野庁の基本的なお考え方をお聞きしたのでございますが、その中でたまたま触れられておりますように、公益上の理由がある場合、それから保安林として指定をした理由が消滅をした場合、端的に言うとこの二通りあるということですね。  ところが、公益上の理由の場合は、いかなる理由のもとでも公益上の目的で使用するのだから解除をするということではないはずでございまして、当然、前段にも申しておられる指定理由が消滅したとは考えられない。したがって、今度の申請は公益上の理由だということで解除申請をされておると思いますけれども、この保安林の場合は、先ほど言われましたように土砂流出防備の保安林であるために、保安林を解除して土砂の流出防止の対策が一体万全を期せられるかどうか、こう考えてみた場合に、当然のこととして防災施設が保安林解除の条件になるんじゃないか。つまり、土砂流出防止のための調整池などをつくるということが付随的に出てくるという問題だと思いますが、その点はどうでございますか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 私どもといたしましては、先ほども触れましたが、代替施設の設置等の措置が確実であるというふうに認められますと、保安林の指定解除要件に照らしまして、それらを判断しながら適切に処置してまいりたいと現在審議中でございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 解除に当たっては代替施設をきちっとつくるということでないとだめだ、こういうお答えだったと思います。そこで、この代替施設、具体的に言えば調整池でございますが、この調整池を、今、中電側は、実は個人の用地を買いまして所有権の移転登記をもう済んでおる、こういう建前で申請をしておるわけでございます。  ところが、お聞きになっていらっしゃるようにこの土捨て場の予定地の中に、昔から耕作をしておった農民の方々が大体三十人ぐらいで共同でため池をつくったという経過がある。当時、関係者の皆さんは労役奉仕もあっただろうし、あるいはまた県からしかるべき補助金ももらってため池をつくったという経過がある。それを三十人のうち二十人の同意が得られたからということで、しかるべき代償を払って中電側は買われた。その後残る十人の皆さんは、所有権はおれたちにもある、確かに今農業をやめて水を使ってないはれども、所有権を他に転売するということは、我々に黙ってけしからぬということで、中電側が保安林解除に伴ってその代替施設としてつくろうとしておる調整池が、実は所有権をめぐってまだ争いがあるということは御案内のとおり。そういう争いがあるということが現に認められておりながら、保安林を解除する条件の代替施設ができないということははっきりしておるわけです。  少なくとも私が心配しておるのは、もし仮に、そんなことはもう二十人の同意を得たのだから、あるいはもう所有権の移転登記も済んだのだからどんどん工事はやらせてもらいます、こういう中国電力側の態度だとするなら、いよいよもってこれは解決がつけられない。もちろんここまで来れば、もう銭金の話じゃないということで大変感情的にもなっております関係で、当然本訴になる。本訴になって、所有権で十名の皆さんの主張も入れられた判決が出た場合に、せっかく代替施設はつくったといたしましても原形に戻さなければならぬという問題が起こる。私は大変な問題が起こると思っておりますのであえてお尋ねをするわけでございますが、もともと言いますと、所有権をめぐって争いがあるということがわかっておりながら申請した地元島根県側にも問題がある。だけれども、解除に当たっての主管庁である農林水産省、なかんずく林野庁としては、軽々に解除をしてもらっては相ならぬ。先ほどから繰り返して申し上げておりますように、代替施設をつくらないのだから土砂流出防備保安林の理由が消滅していない、少なくとも所有権をめぐる内輪の争いには直接関与しなくても、保安林解除に当たっての代替施設ができないのだから、したがって解除ができない、こういう態度でないと筋が通らないと私は思うのですが、もう一回長官の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 御指摘の調整池の用地につきまして、その所有権をめぐって現在争いがあるという事実は私どもも承知しております。先ほども触れましたとおり、私ども、本件の保安林の解除申請につきましては、現在慎重に審査中でございます。  いずれにいたしましても、重ねて申し上げますが、林野庁としましては、代替施設の設置などの措置が確実であるということが大前提になりますものですから、そういうことをまず見ながら、保安林指定解除要件に照らしまして今後適切に判断していこうということで、現在慎重に審査中でございます。御理解いただきたいと存じます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 しつこいようですが、確認のためにもう一度お尋ねをします。代替施設ができない、つまり調整池あるいは土砂流出防備のための施設、こういうものが確実につくられるんだという見通しがない限り解除はしませんと。したがって、その代替施設がつくられるかつくられぬかというのは、一にかかって土地の所有者の争いが解決をして、市電側がしかるべく住民の皆さんの主張も取り入れて争いがおさまったら私はできると思うのです。ですから今の長官のお答えを裏を返して言いますと、少なくとも代替施設をつくる予定地の所有権をめぐって争いのあるうちは解除できない、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 重ねて申し上げて恐縮でございますが、私どもの保安林解除の要件としましては、先ほど触れましたように、代替施設の設置がなされまして措置が確実になされた場合には、保安林指定解除要件に照らしてこれを適切に処理するということでございまして、あくまでも代替施設がつくられることが前提になるということでございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 今の長官のおっしゃる意味は、代替施設が構築された後ということでございますか。施設はつい簡単にできません。かなりの金額が要るわけでございますが、そういう施設をつくった後解除するのか、あるいはその施設が所有権の問題で片づいた、だからもういつでも着工できるし、完成も間違いない、そういう見通しが立ったときを指しておっしゃっておるのか、もう一回お尋ねしておきます。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 重ねて申し上げますが、代替施設等の措置が確実であるということがはっきりしまして、私ども、あくまでも保安林の指定解除要件に照らしまして適切に措置するということでございます。これはあくまでも公益上の理由で解除するわけでございますので、それを解除するに当たりましては、代替施設の設置というものが、保安林の転用に係る解除の取り扱いについてということで細則が決められておりますので、そういう施設が措置された段階において要件に照らしまして適切に対処してまいりたい、こういうことでございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 ちょっと質問と答弁がすれ違っておるような感じがするのです。長官の御気持ちはわかるのですが、そうすると、工事が終わってから解除するのか、それとも、こうこうこういうことで所有者の争いも解決がつきました、だから問題なく工事はできますと中電側、申請者の方が言ってきて、それをまた林野庁の方も確認をされた段階でなら解除ができるのだ、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか、今の長官のお答えを。だから、前なのか後なのか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 私の表現が悪いからあるいは御理解いただけないかと存じますが、代替施設の設置などの措置が確実であるということがはっきりしまして、解除要件に照らしまして適切に判断していこうということであります。(吉原分科員「その確実だというのは工事が終わった後なのか、見通しがついたときなのか。」と呼ぶ)見通しがついたときでございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 わかりました。  それでは続いて、見通しがついたときに解除になる、代替施設は工事が進みます。今まで大変大きい昔のため池のようなものがあって、今度は上流に立派な施設ができる。ところが、調整池がつくられる下流側の皆さんが、大雨の降った場合にどうなるだろうか、下流側の河川もまだ改修が思うように進んでない、昔ながらの小河川でございますから、洪水に対して、水害に対して大変心配を持っていらっしゃいます。関係者はそういう意味で不安を持っておるのですが、この調整池ができて、その後――その後というよりも、林野庁が解除を認めた段階で早速中電側は工事を促進するわけですが、下流側の皆さんは、もし林野庁がこういう状況の中であえて解除をされるとするなら異議の申し立てをしようということで、関係者の皆さんはどうも話し合いをしているようです。ですから、その場合には林野庁は一体どういう対応をしようとされるのか、お尋ねをしたいと思います。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 保安林の解除に当たりまして、これに異議をお持ちの、直接それに利害関係を持たれる方につきましては、森林法三十二条によりまして意見書を提出することができることになっております。この意見書が出されました場合には、法の定めるところによりまして、その内容を聴取の上適切に処理するという形で私ども進めてまいりたいと思っております。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 保安林の解除の最終的な権限というのは農林水産大臣がお持ちになっていらっしゃると思います。今話をはしょって質問を交わしましたので、十分御理解を願ってない点があるかもわかりませんが、非常に問題になっておるということだけは認識をしていただきまして、解除に当たってはひとつ慎重な態度で御配慮を願いたいと思いますので、一言。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 保安林は、水源の涵養、また防災等重要な役割を果たしていることから、その解除につきましては慎重に行っているところでございます。特に、中国電力の島根原子力発電所の建設に伴う保安林解除につきましても、現在、森林法に基づく保安林制度の趣旨に照らして、慎重に審査を行っております。慎重に行うということにします。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 それでは林野庁の方はよろしゅうございますので、お引き取りください。  続いて、あと十分ばかり残っていますから、水産庁にお尋ねをしたいと思います。  これは日本海側一円に言えることでございますが、特に近年、西日本等の日本海側では、韓国船の不法操業によって日本漁民は大変に悩まされておる。この間の二月十三日にも、実は島根県沖で三十トンクラスの韓国船、これはアナゴかご船のようでございますが、沿岸から五マイルの地点で操業しておる。こういうのを目撃をして、最寄りの、この辺は浜田の保安部になると思いますが、連絡をして、巡視船が連行して浜田の港へ連れて帰った、こういうケースもあるようでございまして、これは何もきょうやきのうわかった話じゃございませんが、大変こういうケースが多くなってきておる。したがって、農林水産省の権限の枠外かと思いますが、こういった不法操業に対する取り締まりといいますか、領海侵犯というものに対して、海上保安庁等々関係の皆さん方と、日本の漁民の立場を擁護する、あるいは安心して操業できるようなそういう体制づくりのために水産庁は一体どういう努力を今日までされておるのか。それがまず一つでございます。  それから、特に漁業資源の保護のために毎年六月一日から八月三十一日まで、これは底びき船でございますが、こういう休漁期間中の操業が非常に目立つ。せっかく漁業資源を育成しよう、あるいは絶やしてはならぬということで漁民の皆さんがそういう配慮をしておるのにもかかわらず、韓国側の方は遠慮会釈もなく、むしろ休漁期間の方が日本漁船がおらないからということもあるのかもわかりませんが、この休漁期間中にそういう状況が集中的にあらわれてきておるという問題、二つ目の御質問の趣旨はそうでございますが、少なくとも借款でも供与しようかという相手国でしょう。つまり、国と国との国交が回復されて友好国である。一体、その韓国との間でこの程度のことが話し合いができぬのか。お互いに漁業資源を守るために休漁期間を設けておるのだから、ひとつ韓国側もぜひ守ってほしい、この程度の話は幾らでもできる日本と韓国との関係だろうと私は思うのです。そういう意味で、これは後ほどまた大臣の所見もお聞かせ願いたいと思うのですが、今まで農水省として韓国側に申し入れをした経過があるのか、あるいはそれに対して韓国側はどういう対応をしたのか。最初の一点目の不法操業の取り締まりの問題もあわせて、ひとつ時間の関係で一括お答えを願いたい。

渡邉文雄水産庁長官

○渡邉(文)政府委員 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、ここ二、三年、韓国漁船の、日本、特に山陰地方におきましてそういった不法操業が行われ出したわけでございます。御指摘のように二つ問題がございまして、一つは領海侵犯という操業、これは論外でございまして、当然逮捕、罰則を科すというようなことが保安庁によって行われておるわけでございまして、私どもの方も、そういう意味では、保安庁とは極めて緊密な連絡をとっておるつもりでございます。  別途、そのことも含めまして、広い意味で不法操業と私ども申しておるわけでありますが、ただいま先生から御指摘ございましたように、日本の沿岸で六月から八月まで、夏場、資源保護のために底びきを日本漁民に我慢をさせております。その時期にそれを知りながら韓国船がそこに入るというのは道義的にも許せないことでございますし、また、日韓の漁業協定を結びましたときの合意の議事録にもそのことは慎むという約束になっておるわけでございまして、これら違反操業につきましてはその都度外交ルートを通じまして、あるいは年に一遍日韓漁業共同委員会というものが開かれておりますので、その席上を使いましても、そういった不法操業を取り締まるように強く韓国側に申し入れているわけであります。  特に、昨年の八月に日韓定期閣僚会議というのがございまして、私どもの金子農林水産大臣から韓国の朴農林水産部長官に対しまして、これはかなり強い調子でその規制の強化について、ルールを守ることについて申し入れましたところであります。それからさらに私自身、昨年の十月に韓国との漁業交渉のことがございまして韓国に行きました際にも、韓国の水産庁庁長に本件の問題について強く申し入れをしてまいったわけであります。いずれの場合も、韓国側は違反操業につきましては大変恐縮をいたしておりまして、それの絶滅を図るという意味での最善の努力をするということを私どもに約束をしているわけであります。  若干韓国側の立場での発言に触れますと、韓国側としても手を焼いている、いわばアウトロー的な漁業者がいて困るんだというようなことも言っておりました。しかしそれはそれとして、そういうことでは困るので、日本沿岸にも韓国の巡視船あるいは指導船を派遣してくれということで強く申し入れました結果、そういったこともありましてですか、昨年の夏以降、夏場はちょっと違反が激しかったのですが、それ以降急減をいたしまして、何件かの領海侵犯事件はその後も起きてはおりますが、いわゆる底びき網の違法操業の件数は激減して今日に至っておるわけであります。ただ反面、山陰沖は減ったのでありますが、九州沖で最近若干増加傾向がございますので、これにつきましても外交ルートで強く申し入れをしているところでございます。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 そろそろ時間が来ましたので、ひとつ大臣にお願いをしておきたいのですが、どうも最近、こういう問題が起きてから対応の仕方が変わったのかなと思っておるのですが、今までは日本漁船に対しては非常に厳しい取り締まりをされる。しかし、韓国船がそうやって領海侵犯して不法操業しておるにもかかわらず、逮捕するでもなく、あるいは罰金等の処置をとることなく、何か警報といいますか、マイクでもって区域外まで出ろ、そういう指導をされた期間が何ぼかあるはずなんです。それを日本の漁民の皆さんが見て、おれたちが領海侵犯でもしたら大変なことだ、韓国漁船に対しては日本の保安庁、保安部の皆さんは大変紳士的といいますか、穏やかな取り締まりじゃないか、こういう不満も出ておるようでございまして、交渉の場もたびたびあるようでございますので、上層部と話されたら、それはけしからぬことをしましたと言っておるかもわかりませんけれども、現にそういう不法操業が絶えないというこの事実は否定できないわけでございますから、大臣もどうぞひとつ韓国側に厳しく申し入れをしていただきたい。決意のほどをお聞かせいただきたい。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 前大臣が韓国側に申し入れ、そしてまた韓国の漁船の不法操業といいますか、これが鎮静化の方向へ向かったということも聞いております。そこで、今後も粘り強く、海上保安庁とも密接な連絡をとりながら韓国側にこれは申し入れていくという態度を続けてまいりたいと思っております。

吉原米治日本社会党・護憲共同

○吉原分科員 終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて吉原米治君の質疑は終了いたしました。  次に、沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 大臣を初め職員の皆さん、関係者、土曜日で大変御苦労さまでございます。大臣どうしてもと言うならば、最初五分間ぐらい休憩を与えますから、どうぞ行ってきてください。その間、ほかの方とやっていますから……。  環境庁、おいでになっておりますね。この分科会は、農林と環境と合同で一緒に質問をするようになりました。若干両方に交錯することがあると思いますが、その点はお許しをいただきたいと思います。  環境庁が振動規制法を定めました基準というもの、これは国民の生活を守るために平素御配慮なり御苦労をいただいていることに敬意は表するのでありますが、特に振動の分野で、これはなぜ農林省との関係で言うかといえば、いわゆる農林の事業との関係の調整のものなので、あえてこの分野でお伺いをしたわけでありますが、どういう条件を想定をして六十五なり七十なりのデシベルを決めたのか、その基準についてまずひとつお伺いいたします。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 振動規制法に基づく現行の基準でございますが、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的として、対策の技術水準も加味して、中央公害対策審議会の十分な審議を経て定めたのが現在の基準でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 もう少し具体的に言って、どの程度を六十五デシベルと言うのですか、あなた、体を動かしてひとつ見せてください。六十五デシベルというのはどの程度なんですか。物でもいいです、物を動かしてみてください。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 現在の基準は七十五デシベルになっておるわけでございます。この測定は、工事の敷地境界で測定するということでございます。大体七十五と申しますと、現象的には浅い睡眠に影響があるという程度の振動でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 だから、物を動かして、どの程度のものなのか、コップでも何でもいいです、紙でもいいですよ、示してみてください。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 この七十デシベルと申しますのは、物理的に測定しました振幅の大きさに周波数による感覚を補正してデシベルという単位ができているわけでございます。だから、実際ここであらわすというのは非常に難しゅうございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 では、六十五、七十、大体震度一ぐらいである、それはそれぞれの技術屋の方のことでありますから、私はそういう専門でありませんので不明な点があるのでありますが、おおむね震度一である。これは交通だの何かを呼んできておりませんけれども、とすると、この間の地震なんというのが震度四ですね、我々、国会の中にいたときに感じた程度は。震度一といったら、ほとんど感じるか感じないかといった程度、我々のぼろの家じゃ、夜中に通るトラックの音でドドドンドンやられたら、もう震度二以上の振動がするわけでありますが、それを基準にした相手の客体といいますか、いわゆる影響を与えてはならないものの条件というものはどういうことを想定しておりますか。それでは、もう少し後で答えられるのなら、後でまた答える時間をつくりましょう。  それから、法律の解釈は、正当な、それぞれ合法的なものと合法的なものとの間において、それぞれの相互の原因、被害、原告、被告あるいは原因者、被疑者、被害者、そういうものの区分になることが前提であるというふうに我々は一般的には考えるわけでありますが、環境庁の場合の、例えばデシベルを利用する場合に、相手が不法の建築物であったり、あるいは特別、建築基準法をきちんと守っていなかったりした場合にもこれは適用するわけでありますか、いかがですか。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 振動規制法におきます規制区域にありましては、当事者同士の、例えば居住開始の時期とかそういうことのいかんを問わず、振動の発生原因者は生活環境を損なわないよう振動の規制基準を遵守する必要があるわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 そうすると、既得権を尊重するという建前に立つという考え方、例えば海の中というか沼の中に建てても、例えばこれの振動があれば、それは不法建築であるけれども、やはり違法な行為である、こういうことになりますか。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 私どもでは、あくまでも生活環境を損なわないよう規制基準を遵守していただくということに尽きます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 法律解釈としてちょっと問題があると思うのですが、法のもとにおいて平等である、これはすべての国民の同一の基準ですね。そして、片方に違法性があって、その主張する権利は存在するわけですか。国の建設行政が悪いかどうか、これは別問題であります。例えば沼地に家が建ては、くいを打たなければなりません。湿地帯については、建築基準法の十九条だと思いますが、そこでは、湿地帯には埋め立てをして施工しなければならぬということが法律で決まっていますね。その決まっていることを建築主事が見逃すなり、あるいはそれを黙認をするなり、あるいは全然関知しないで建てられた家、言うならばそれは違法的な建築物になるわけですね。そうじゃありませんか。まず、どう解釈していますか。そういう点はどういうふうに解釈しておりますか。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 振動規制法は、あくまでも生活環境を保護し、健康の保持に資するための法律でございます。だから、いま申し上げましたとおり、生活環境が損なわれておれば規制基準を守っていただくということになります。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 そうすると、相手が法律違反であろうと、言うならば、例えば建て主が、大工さんが、建築屋さんが手抜き工事であろうと、ともかくその安寧といいますか安定度を傷つけるようなことになれば、この振動規制法は生きるんだ、だから、それはあくまでも原因者負担という形になって振動の工事はできない、こういうことだというふうにあなたの方は解釈しているわけですね。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 要するに、生活環境を保全するということでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 そのことは第三の抵抗物は一切ない。憲法というかあらゆるものに優先するそれは基準である、こういう環境庁の考え方か政府の考え方か、その辺も含めてお答えいただきたい。それは第三者に対抗条件はない。これはあらゆるものに優先する基準である、そういうことと解釈してよろしいですか。

松隈和馬環境庁大気保全局特殊公害課長

○松隈説明員 いわゆる振動規制法に基づきます基準は、まず振動の大きさについては……(沢田分科員「いや、そういうことを聞いているんじゃないから、対抗物はないのかどうかということを聞いているんだから、対抗条件がないんならないでいいんだ。それを聞いているんだから、そのとおり答えてください」と呼ぶ)生活環境の保全が目的でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 それがすべての前提だということですね。  そこで、建設省と農林省おいでいただいているのですが、大臣来られましたから、大臣の佐原は私も昔軍隊の時分にいたことがありますからよく知っておりますが、あの辺も水路が多いところですね。水路が多いし、今土地改良の事業もやっておると思うのですね。しかも、高度成長のときに相当乱開発もされて、今も若干話しましたが、土地基盤整備といいますか、地盤の整備だとかなんか割合おろそかにされたままで湿地帯に家ができたり、がけのところへできたりという状況は大臣も散見されていると思うのであります。  そこで、この振動規制法という、大臣も知らない、知らないというとこれは失礼ですね。六十五デシベルというのを御存じですか。どの程度の動き方か。いや、今までやっていたことなんですから大臣……(山村国務大臣「わかりません」と呼ぶ)わからないですね。これは震度一、こういうんだそうです。震度一というと大体見当がつくという気がするのでありますが、大臣、これは非常に予算と関係してくることで会計検査院も来てもらっているのですが、これは今後の予算の計画を立てたりそれから事業を執行する上において極めて重要なウエートを持っているわけであります。例えば鋼矢板を打ち込み、引き抜きをやりますと、鋼矢板のⅡ型で大体六メートルくらいなものでありますが、同一の土質で同一の作業条件でやると仮定をいたしましてパイプハンマーでやりますと二百十九万くらいの金額で上がる。これは百メートル単位に一応単純計算をしたのです。ところが、圧入機によりますと六百二十八万九千円かかるわけであります。片方は大体二百万、片方は六百万、実に三倍以上の金がかかる。ですから、設計する場合には、原則的に一般的な土地改良その他農民の負担でやるわけですからこんな無振動、無騒音という式のぜいたくなものはとてもできないですね。農林大臣が認めるというなら話は別なんですよ。家を建てたのは建設省その他が国の政策で建てたわけです。今も境界と、こういうことを言っているのですが、これによると、それぞれの市の条例によって違うのですが、五十メートルの範囲、こういうことを言っている。これくらい金額が違ってくるのですね。  そうすると、全国の土地改良事業あるいは全国の建設省の仕事はこの六十五デシベル以上に絶対なる。だから、何を基準に六十五なりを決めたのか。だけれども、音もしないし、近所の人は助かるだろうと思うのですよ。これは非常に住民を御考慮いただいた考え方だと思うのですが、その反面、これだけ大変な費用を要するというマイナス面、デメリットがあるわけです。それが我慢できるかできないかの問題が非常に微妙な問題になってくる。農林省と建設省に来てもらっているのですが、これはすべてに優先するんだと環境庁はばかの一つ覚えみたいなことで言っているのでありますが、それが実際に守れるかどうか。そこで、今度会計検査院にも来てもらって、全国でこれが守られるような条件で過剰投資ということにならないかどうか。あるいは過剰な見積もり価格によっての施工ということにならないか。その辺をそれぞれはどのように判断をしているのか。設計したときには例えば安い方で我々やる。途中で市役所へ持っていく。そうすると、市役所では改善命令というのがあるんですよ。時間がないから最後まで言ってしまうのですが、改善命令は時間と振動の防止の方法と二つある。大臣、十五条を見ていた方がいいから……。それで、設計変更ということになってしまう。設計変更をしたら金が余計にかかること、これもまた明らかな事実ですね。そういうことを無振動でやっていくということがこれからめ国の方針なのか。六十五デシベルをきちんと守っていく、七十五なら七十五を守っていく、これで確約できるのかどうか。これは大臣としてお答えいただきたい。――大臣は少し予備知識がなければ、断言することですから、責任問題になってはいかぬから、建設省、農林省、会計検査院も含めて、その点はきちんと環境庁の言うとおりにいけるのかどうか、その辺ぴしゃっとお答えいただきたい。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、騒音規制法の場合も振動規制法の場合も、一定の基準に該当するものについては知事が市町村長の意見を聞いて地域を決め、さらに改善勧告は、まさに御指摘のように、市町村長が出すという建前になっておるわけでございます。ただ、具体的な問題といたしまして、そう多くは耳に入っておりませんけれども、確かに御指摘のように、工事費の一部がこれによって著しく増高する結果になるということは事実でございます。  これをどう考えていくかという問題、これはまず基本的には法令の問題として、私ども事業を実施する立場では重視していただかなければならないと思います。しかし、基準なりその具体的な運用なりについては、御指摘のような点があれば、これから関係各省集まって議論を詰めなければならぬ点もあると思いますので、そういう意味でいろいろ相談をさせていただきたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 今生きた法律でこっちは動いているんだ。これから相談して法律を変えるというものではないのですね。生きている法律であり、現在これが動いている。例えば今も見せたけれども、この二百十万の方で持っていって市の方でだめだと言われたら、それからまた期間がうんと過ぎてしまう。御承知のように、土地改良事業なんというのは農繁期とか用水期を外れて十月ごろからやる。正月休みがあった後で工事になっていくのが大体常識だね。そのときになって設計変更になったら今度三月末に終わりっこない。当然四月になる。これは継続事業で何かしなければならぬ、そんなみっともないことはできないということになる。そういうことに必ずつながってしまう。といって最初から見積もりが三倍も高い、こっちでいきますと四倍にもなるのですが、鋼矢板による護岸工法でやった場合と間知ブロックによって護岸をやった場合とではさらに金額の倍率は上回る。予算査定の中で必ずこうだといっていくんならいい。ところが、業者の方はそれでいって市から言われれば、もし、それを守らなければ指名停止になってしまう。そうでしょう。指名停止になるのじゃいやだ、じゃ設計変更でやってくれるかといったら片方は予算がないからだめだという。こういうことになるでしょう。だから、今言うように検討してじゃなくて、これで今現実生きて動いているんだよ。実際問題としてこれじゃできない。最初からもしこの三倍まで組んだら、会計検査院は何と言うか。恐らく、こんなべらぼうなぜいたくな工法はないじゃないかと言うに決まっている。会計検査院にいま答えられてしまうと困ってしまうから、答えなくていいということにするけれども。これは、受ける農林省も建設省もその点どうですか。そういう問題を持っていると思いませんか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御指摘のように、確かに法律自体は生きているわけでございます。したがって、私どもは、例えばこの問題とか埋蔵文化財の保護という問題で現実に工費が割高につく、自治体の負担もふえるし、国の負担もふえるし、受益者の負担もふえるという現実があるわけでございます。  私、先ほど申し上げましたのは、この法律の運用の問題なり基準の問題をどう考えていくか、そういう法の建前をなるべく生かしながら、負担の少ない、幾らかでも負担を軽減できる手法なり方法がないかということがやはり現実の対応としては問題だろうと思います。そういう意味で、きょう厳しい御指摘を受けたわけでございますが、農林省だけではございませんで、もちろん環境庁はどうお考えになるかという問題がありますし、関係各省、事業官庁同士、同じ歩調で考えなければならぬ問題がありますし、さらに検査院なり大蔵省の立場でどうかという問題もありますので、この問題について少し相談をさせていただきたい、勉強させていただきたいという意味で申し上げているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 松隈さんという人、答えなくて結構だけれども、あなたのような物の考え方でこれからの時代、すべての問題を判断する、それは環境庁にいるから環境で命を落としてもいいやという気概は立派だと思いますよ。立派だと思いますが、やはり総合的な見地から物を見る、そういう立場も必要だと思うのです。時間がないから、大臣もわかったと思うので、環境庁の考え方の頑固徹な、わけのわからない考え方だけで、それだけで律せられる条件というものは今ない。また、予算もそう組めないでしょう。いろいろ細かいことがあると思うのですが、これはひとつ御検討をいただきたい。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃるとおり、今の苦しい財政状況の中にありまして、予算獲得でさえなかなか容易でないところへ、またそんな高くなることを、そうかといって農民の方はこれを待っているという状況で、なかなか難しい問題があろうと思いますが、そこは政治でございますから、いろいろ相談して何とかうまいぐあいにやってもらいたいというぐあいに考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 もう一つは、今度はまたあなたの方に関係するのですが、大臣、これは地下水の汚染を何とか防いでいかなくちゃならぬのではないかというのが次の提言です。時間が少なくなりましたから提言なのでありますが、この地下水、農林白書の中にも、ページ数は一ページですよ、農林省の管轄で地下水の問題に触れているのは。言うならば、極めてお粗末な状況である。地下水が将来の日本の最大の資源の一つだと私は思っている。もちろん農業が日本の最大な行政の一部を担っているという状況から考えまして、地下水を汚してはいかぬ。シンガポールへ行けばわかるように、水も飲めないというような状態ですよ。そういうことでない、緑なす、またこの豊かな水資源を守っていきたい。  そこで、今建設省がやっている地下還元方式というのがある。これは水が出るからやらないのですが、これはやはり何とかある程度の地域を指定して、例えば浦和水脈があります、あるいはどこどこの水脈がありますという地下資源の現況というものを把握しまして、それを汚染させないような仕組みというものだけはきちんととっておく必要があると思うのです。これは農林省も同じ、環境庁も同じなのだが、そこでお答えをいただきたいと思うのです。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 地下水汚染の問題は、最近特に言われております問題は、一つは、汚染原因がどこにあるのかという問題であります。農業にも一部汚染原因があるのではないかという指摘があるようでございますが、現実には、畑地や水田にかんがいされた水がちか浸透する際に微生物による分解、ろ過を受けるので、私どもは農業の立場からストレートに地下水汚染の原因が出てくる場合は割合少ないのではないだろうかと思っております。  そこで問題は、一つは、私どもとして少し原因調査の幅を広げながら有効な対策を考えていきたいと思いますが、やはり問題は、どうやって水を汚さないような地域社会の運動を盛り上げていくかということも非常に重要であろうと思っております。  そういう意味で、今回、国会に提案をする予定で検討しております農振法、土地改良法の改正の中でも、地下水の汚染の防止等も含めた水利用の問題等について、住民協定というか集落協定を結ぶ方式等も検討しているわけでございます。さらに、御指摘の点は、各地でいろいろな形でいろいろな原因で考えられておりますので、少し広範に調査をいたしまして、問題に取り組んでまいりたいと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 極めて短い時間ですので、大臣、これは細かい点は申し上げません。地下水の保護ということは、日本の将来に極めて重要な問題である。ですから、あらゆる角度から検討して、水銀だとかシアンだとかカドミウムだとか、そういうものが紛れ込まぬように万全の対策が必要であるということをきょうは肝に銘じておいて、ぜひそれぞれの部課に伝達をしておいていただきたい。  次に、時間がなくなりましたけれども、畜産事業団の問題は、私もう何回かやってきたわけでありますけれども、大臣、肉の日は何日だか知っていますか。――あなた、そこまで言わなくたっていいんだよ。それはまあわからぬだろうと思う。私も聞いたんです。ニクらしい話なんですがね、二十九日だというのでございます。二月の場合には四年に一回しかない、こういうことでございます。しゃれみたいになりましたけれども、とにかく百万トン入っている中で、肉の指定店で安売りをやっているのは大体一万九千トン、二万トン弱でございます。これでは大衆還元に対して極めてサービスが薄いだろう。これは何回かやって、畜産事業団もうけ過ぎじゃないか、飼料だ何だというところへは大分予算補助も出しているけれども、このごろ円が高くなって一般の消費者もまた安い牛肉が買えるわけなんだから、そういう形で消費者にも還元してやったらどうだ、それじゃ月に二日はつくりましょうと当時答弁した。そうしたら、いつの間にか一日はわからなくなって、僕も実は肉の日が二十九日だということは初めて知ったのでありますけれども、聞いてみたら、実際にはそう安くないと言うんだ。二十九日に買った奥さん方に聞いてみたら、そんなに変わらないと言う。じゃ指定席じゃないんでしょうと言ったら、それはなかなかわからなかったらしいのですけれども、実際にはこれだけ出ているけれども、どうも流通があいまいである。もう時間がなくなりましたから、ひとつ大臣の決断で、百万トンのうち二万トンで消費者対策をやっているというのじゃ、これは少しお粗末じゃないか。二十万トンというのならまだ話もわかりますが、せめてその程度ぐらいの普及はやっていただいて消費者に還元する、円高もさらに加わったわけですから、配慮されるように要請をしまして、一言答弁してもらって質問を終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 確かに日本人の場合、牛肉は余り食べておらないようであります。私が聞いたところ、年間三・九キロ、アメリカ人は三十四キロ食べているそうでございます。それに比べまして、確かに先生言われるように、安くしてうんと食べてもらう、いいことでございますが、きょうはあいにく担当の局長が来ておりませんけれども、今先生言われた趣旨を徹底していきたいというぐあいに考えております。一〇沢田分科員 じゃ終わります。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。一 次に、沼川洋一君。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 先般の豪雪によりまして、農作物等が被害を受けました。この対策について何点かお尋ねをしたいと思います。実は私、地元の問題でございますので、極めてローカル的な問題も出てくるかと思いますが、御了承いただきたいと思います。  御案内のように、熊本県におきまして、一月十八日から十九日にかけましてかつてない大雪が降ったわけでございますが、この雪のためにビニールハウス等の多くが倒壊をいたしまして、中の農作物等を初め大きな被害を受けたわけでございます。県の調べによりますと、二百七十四億円という大きな被害が上がっております。特に今回の災害の特徴といいますと、何せ地元では三十九年ぶりの大雪、このように言われておるわけでございますが、御案内のように、ふだん雪に非常に縁の薄い南国の熊本で雪が降ったということで、言ってみれば施設園芸始まって以来の出来事でもございました。したがいまして、雪に対する無防備といいますか、無認識といいますか、そういう面が災害の額を大きくしたという一面も確かに指摘をされておりますけれども、むしろそれよりか、それほどかつて経験したことのなかった大雪であった、このようなことが言えるのではなかろうかと思います。特に、私も被害調査にずっと回りまして、被災農家の激励に回ったわけでございますが、そのときに一つ聞いた話でございますけれども、十八日の深夜からの異常な雪の降り方に家族全員をたたき起こして、いわば動員して、雪おろし作業をやったわけですが、自分の圃場をずっと一回りしてもとのところへ帰ってきますと、またもとどおり雪が積もっておる、そういう話も現地から聞きまして、このことからいかに異常な状況であったかということが御推察できるのではなかろうかと思います。  特に今回の特徴として、ぜひひとつこれは農林水産省の方で御認識いただく上におきましても申し上げておきたいと思いますが、今度被害を受けた農家というのがほとんど中核農家です。言ってみれば農業のリーダー的な立場の方がもろに被害を受けているという点が一つございます。  それからもう一つは、最近ビニールハウス、こういった関係で、若い農業後継者の方が非常に意欲を持って取り組んできておりますし、言ってみれば若い農業後継者と言われる人たちが被害を受けている、これが今度の一つの特徴ではなかろうかと思います。したがいまして、御質問申し上げる前にぜひ申し上げておきたいのが、災害の金額もさることながら、むしろその中身ですね、私もいろいろ回りましたときに、初めて今回、いわば後継者資金等を借りて、限度額が四百五十万でございますけれども、四、五人のグループで大きな連棟ハウスをつくって取り組んで、一作もとらないまま被害を受けた、そういうことで非常に大きなショックを受けておりまして、心配しますのか、被害金額というよりか、そういう中核的な立場の方とかあるいは農業後継者の方が、そのことでショックを受けて今後農業への意欲をなくすという点をむしろ私どもは重要視いたしております。御案内のように、熊本県は農業県でもございますし、そういうことをどうかひとつ踏まえて今彼の対策をぜひともお願いしたい、こう思うわけでございます。そこで、まず第一点でございますけれども、天災融資法の発動についてはどうなっているか、今彼の見通しについてちょっとお伺いしたいと思います。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野政府委員 お答えいたします。  ただいま先生も引用なさいましたように、都道府県の報告はおいおいまとまっておるわけでございますが、天災融資法を発動いたしますためには、私ども政府側の資料で被害状況が把握される必要がございますので、全国的にそれが確たる数字が整いますためにはやはり融雪を得たざるを得ないという状況でございますので、その点若干御猶予をいただかざるを得ないというふうに思っております。  現在までのところ、把握されております被害の中心はビニールハウスの損壊でございますけれども、これにつきましては天災融資法の発動を待ちませんでも、農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設災害復旧資金がございますから、そういうものを活用していただいて、被害の復旧に取りかかっていただけるものと思っております。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 確かに天災融資法そのものに、ちょっと現状の災害等にそぐわないようなそういう面をたくさん感ずるわけでございますが、発動されるまでに非常に時間がかかるということで、現在すでに熊本県では末端金利二・七%ということでそういったつなぎ融資をやっておりますので、当面のそういった問題は別としても、これが今後また県の財政負担になっていくという面で、ぜひともひとつまた早い発動をお願いしたいと思います。  時間がありませんので、次に進みたいと思いますが、豪雪による被害で今後ビニールハウスなど農業施設の復旧とか農林業経営の維持のために非常に多大の経費を必要とするわけでございますが、もちろん県としても非常に努力をしておるところでございますけれども、国としてこれらの対応をどうされるか、お尋ねしたいと思います。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野政府委員 私どもの方で災害復旧のために用意しております資金制度といたしましては、ただいま申し上げました農林漁業金融公庫の主務大臣指定施設災害復旧資金がございますが、同時に農業近代化資金を災害復旧のためにももちろん御利用いただけるわけでございまして、これらの資金を組み合わせてお使いいただければと思っておるわけでございます。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 いろいろと細かい具体的な問題をたくさん抱えて、恐らく県の方からもいろいろと要望していると思いますけれども、どうかひとつ冒頭に申し上げたようなそういう認識に基づいて、ぜひとも御努力方をお願いしたいと思います。  ここで、せっかく大臣おいででございますので、先ほどからちょっと後継者の問題に触れておりますが、農業後継者の育成という問題は農業の中でも全国的な問題でございまして、老齢化が非常に進んでいる、一方では若い農業後継者がどんどん減少している、そういう中で国として後継者の育成にどういった考え方を持っていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 我が国農業を取り巻く内外の情勢はまことに厳しいものがございます。その中にあって後継者の育成というのが大きな重要な問題でございます。何といっても農業を魅力のある産業として持っていかなければならない、これがまず第一であろうと思いますが、それと同時にまた住みよい農村をつくっていかなければならぬ。豊かな村づくりというのも提唱いたしておりますが、後継者が意欲を持って農業に取り組めるようにすることが基本的には重要であるということを考えております。  諸施策につきましてはまた担当より御説明申し上げます。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 今大臣からお述べになりましたように、後継者対策につきましては、広い意味の対策と、後継者そのものを対象とする狭い意味の対策があるわけでございます。広い意味では、農業が一生をかける職業として情熱を燃やすに足る産業である、そういうことを後継者自身が認識されて農業にいそしむ、こういうことができるような環境をつくっていく、こういうことになるわけでございまして、村づくりの対策もそうでございますし、基盤整備その他の対策も当然それに包含されるわけでございます。  いま一つの狭い意味の後継者そのものを対象とする対策といたしましては、各都道府県に農業改良普及組織がございまして、それらの普及指導員が学校等と連携を保ちながら、青少年が農業に魅力を感ずる、興味を持つ、こういうことの活動を日ごろから展開しておりますし、また自分で農業をやってみようと思う方のためには、各都道府県において県立の農業者大学校というのがございまして、実践的な教育研修を実施いたしております。  そのほかに、農村青少年がそれぞれいろいろなグループ活動を通じましてお互いに研さんし合う、また先進地等に勉強に行く、こういう機会をつくるようにいたしております。  さらにまた、自分の経営の中におきまして後継者が新しい部門をひとつ自力でやってみようというものにつきましては、冒頭御指摘がございましたような後継者育成資金というものの貸付方も実施いたしておるわけでございます。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 特に農業後継者の問題について、大臣からお考えをお聞きしましたけれども、やはりこれからの農業の担い手として、政治が今までどちらかというと、若い農業者が将来に夢と希望を持って農業に取り組み得る場づくりということに対して、いろいろとやってこられたと思いますけれども、まだまだ問題がたくさんあると思いますし、特に自分の出身の県を言うとおかしいわけですけれども、熊本県の場合なんか、全国的に問題になっている中で比較的若い農業者が多いのです。北海道、茨城に続いて、基幹的農業従事者が十六歳から十九歳までで八百人おりますし、二十歳から二十九歳までとなりますと九千人おります。全国でたしか二位ではなかったかと思います。ですから、特に熊本にとってはそういった若い人に目を向けて、そこから農業の活性化を図る、そういう力を入れておるわけでございますけれども、どうかひとつこの問題は特に力を入れていっていただきたいと思います。  そこで、そういったことにも関連しますので、ぜひともひとつ国の対策としてお願いしたいわけでございますが、冒頭にも申し上げましたように、今回の被害でやはり後継者で一作もとらないで、後継者資金を借りて四、五人のグループでやっていますものですから二千万ぐらいの大々的なハウスをつくりまして、そして被害に遭って、何人かの方に会いましたが、初めての被害でショックを受けて、もう農業はやらぬ、やっぱりどこかに勤めたい、そういう弱音を吐いておる人もおりました。私どもいろいろと激励してきました。  そこで、ひとつお願いしたいわけでございますが、現在後継者資金を借りて、これは制度上七年でございまして無利子でございますけれども、早速これを返済しなければなりませんが、返済期間について、こういった特殊のケースとして何かひとつ御配慮いただけないだろうか、これが一つでございます。  それからもう一つは、こういった後継者資金について、制度上再度貸し付けというのが非常に困難なように聞いていますけれども、再度の貸し付けの道をぜひともひとつ講じていただきたいと思っておるわけでございますが、この点いかがでございますか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 まず、貸付金の償還が非常に難しくなっておるという問題でございますが、これは私どもも実は後になってから気がついておるわけでございますが、何と申しましても農業は自然を相手にする産業でございますから、不測の気象被害というのがあるわけでございます。その意味で、園芸施設共済というのが農業保険の中にございまして、これに加入しようと思えば当然道が開かれておったわけでございます。必ずしもその普及度は高くないという問題がございますので、今後こういう目的のために資金を借りるという場合には、努めて共済の加入の問題ということを進めてまいりたいと思っております。  ただ、既にもう被害を受けました方につきましてはそういうことを申し上げてもしょうがないわけでございまして、改良資金制度の中にも災害等の理由によって償還が困難になったというものにつきましては償還金の支払いを猶予するという制度がございます。その制度の範囲内におきましては、償還猶予の道を当然講じていくというつもりでございます。  それから、再度貸し付けの問題でございますが、これは後継者育成資金に限りませず技術導入資金の場合も同様でございますが、制度の趣旨からいいまして一農業者につきましては同一種目の資金の貸し付けは一度に限る、こういう原則があるわけでございます。そこで、同じ方にすでに限度いっぱい貸しております場合に、再度貸し付けをするということはいかがなものかというふうに思っております。強いて申し上げますならば、技術導入資金の中におきましても別個の目的を持って同じような施設をつくるということは制度的に可能でございまして、その場合には同一種目でございませんから制度的には道が開かれておるわけでございます。具体的に県が貸し付けをするかどうかという問題になりますと、県の保有いたしております資金の総量の問題もございますし、貸し付けの優先順位という問題もございますので、被害者に当然貸し付けられるという保証はないわけでございますが、制度論としてはそういう道も開かれておるということで御了解いただきたいと思います。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 今の答弁を伺って、一つは、農業共済の問題でございますけれども、確かに今回被害で調べてみましたら、全体の二割しか加盟していない。これが改めて問題になりまして、農協等でも非常に奨励はしておったと思うのですけれども、やはり冒頭に言いましたように、全く予期せぬ雪の被害ということもありまして、今まで雨、風の被害の経験は幾らかあったものの、そういうことで共済に入っていなかった。入っていないのが悪いんじゃないかと言われればそれまでですけれども、やはり八割方が今となっては入っていなかった。だから、何とかそこに救済措置をお願いしたいと思うわけです。  最初お願いしました償還期限の延長という問題でございますが、幾らか猶予するということでございましたけれども、もっと具体的に、何年ぐらいの猶予を考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 これは当年被害を受けまして当年支払いができなくなったというものにつきまして、その年の償還分を翌年に支払うことができるという仕組みでございます。最長の期限が七年でございますから、その償還、あらかじめ約束されております期間が七年より短い場合でございますと、七年までは延ばせるわけでございます。七年目に被害を受けた場合どうかということになりますれば、翌年持ち越しということも可能であるということでございますので、そもそもの資金の性格が比較的短期であるということから、他の公庫資金等に見られますような非常に長い期間にわたる貸し付けというのはそもそも初めから予定していない、こういうことでございますので、支払い猶予の制度によって受けられます恩典と申しますか、これは非常に限られたものであるということになろうかと思います。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 ちょっとよくわからなかったのですが、では一作もとらず、七年の期限の人は一年間の余裕があるわけですか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 今申し上げましたように、本年償還が予定されたものがあったといたしまして、本年の支払いはできないという事態が出ました場合に、その分を翌年に持ち越すという意味の支払い猶予、こういう制度があるわけでございます。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 それからもう一点の、再度の貸し付けの道を講じていただきたいということですけれども、いろいろお話を承りますと、同一種目の資金は制度上貸せない、そういうことです。  そこで、ひとつ大臣にお伺いしたいのですが、先ほどちょっと農業後継者の育成の問題をお尋ねしましたけれども、やはりこういうのが大きな問題になるかと思って心配するのは、せっかく若い農業者が意欲を持って取り組んでいるやさき、資金の問題が一つの大きな壁になって、そこから農業への意欲をなくし、脱落していく。こういう問題を考えますと、これは制度があるのですから、制度に従ってやらなければなりませんけれども、もっと運用面で弾力的な措置というのを、こういうときこそ、いつも後継者育成をおっしゃるのだったら、何か考えたっていいんじゃないか。例えば再度貸し付ける場合だって、少なくとも十年くらいの期限をとって考えていただきたい、こういう声もございます。また、その償還につきまして、経営が安定してくれば繰り上げて償還ということも結構でございますが、何かそこに弾力的な法の運用という面で、大臣、こういう問題いかがでございますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今先生おっしゃいましたように、農業後継者育成資金で特に意欲を持って農業に取り組んでおる後継者がショックで離れるというようなこと、本当にお気の毒というようなことでございます。しかし、これにつきましては、ひとつ実態に応じて我が農林水産省としてもできるだけのことはしていきたいというぐあいに考えております。ただ、それをどういうぐあいにということは、今先生のお話もございますし、早速勉強させていただきます。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 局長、今のをちょっと……。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 ただいまの問題でございますけれども、農業改良資金の制度は国が三分の二の助成をいたしまして、県が三分の一の負担をいたしまして、都道府県の中の特別会計というふうな性格で運用されておるわけでございます。  国が助成をいたしますに当たりまして、制度の枠組みにつきましては法律その他によって決められておおわけでございますが、その法律の枠組みの中におきましてどういうものに貸し付けていくかということについては、県の運用の幅というのはもともと大変広いものでございます。先ほど申し上げましたように、異種目の資金を再度貸し付けをするということは制度的には認められていることでございます。  ただいまお話のございました後継者等に改めて貸し付けをするかどうかという問題も、第一義的には都道府県の御判断にゆだねられている問題だというふうに理解をいたしております。  ただ、後段お話のございました七年を十年にということになりますと、制度の枠組みにかかわってまいりまして、これは法定の最高の期間でございますので、これを超えるということになりますと現行法上はできないということになろうかと思います。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 一応非常に難しい問題があるようでございますけれども、最後にもう一つお尋ねしたいのです。  やはり改良資金の問題でございますけれども、この資金造成のための補助金といいますか、国の方でたしか五十六年度までこの補助金が出ておったようなわけでございますが、例えば熊本県の場合ですと、大体七千五百万ぐらいの補助金がついでおりました。五十七年度からこれが打ち切られておりますが、これはどういうわけでございますか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 この改良資金制度をつくりました当初、国と県が資金造成をいたしまして、ある時期になりましたならば自転をしていく、つまり償還金で新たな貸し付けをしていく、こういうものとして制度を発足させた経過があるわけでございます。その後、新しい資金を追加いたしましたり、また、その資金枠を拡大するという必要がございましたものですから、五十六年度までは毎年資金造成に対する助成をやってきたわけでございます。  五十六年度末におきまして、各都道府県を通じます資金造成額が約一千億円に達したということから、毎年の償還金によりまして、大部分の都道府県におきましては自転させていくことができる、こういう段階になりましたものですから、五十七年度以降新規の助成を休止をしたというふうに相なっておるわけでございます。  その後の経過を眺めてみますと、全国的に眺めますならば、大体各県保有しております資金の回転によって必要な貸し付けはできる、こういう状況になっているというふうに理解をいたしておるわけでございます。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 この改良資金の問題について、ちょっと私も詳しいデータを調べたわけじゃございませんけれども、いろいろと聞いております範囲で、私の認識は、全国的に非常にばらつきがありまして、例えば熊本県の場合なんか需要が非常に多うございまして、むしろ枠が足りぬというのが実情でございます。ところが、他県のいろいろな話を聞きますと、これが執行残で残るというところもあるようでございます。特に今度切られたというのは、行革とかそういう面もあるのじゃなかろうかとは思っておりますけれども、熊本県みたいに非常に若い農業後継者が多い、しかも需要が多くていつも枠組みが足りない、こういう県に対して何か特段の御配慮といいますか、そういうことができないわけでございますか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 私も実はそういう話を若干耳にする機会がございまして、県によりましては、資金の積立額が足りないということから県単独で資金造成をしておるという例も耳にいたしておるわけでございます。また一方、ある年度で見ますと、資金貸付残がある、こういう県もあるようでございまして、これを何らかの形で県間の調整ができないものかという問題意識は持っておるわけでございます。  ただ、これを具体的に展開いたします場合にいろいろ問題がございまして、一つは、ある年にたまたま貸付残が出たといいましても、翌年以降に資金需要が膨らまないという保証がないわけでございますから、資金残が出たところがそれをどこかに回すということについてなかなか賛成いただけないのではないかという問題。第二には、そういう貸付残のようなものがございまして余裕金の運用ということが行われますと、その運用益については、資金の元本と申しますか、ファンドの中に繰り入れをするという建前になっておりますので、その県においては将来に向かって貸付枠がふやせるという利点があるわけでございます。それから、第三の問題といたしまして、県間の調整をすると申しましても、その調整の仕組みと申しますか、機構と申しますか、そういうものについていかなることが考えられるか。これは似たような事例と申しますか、制度が他の省にもあるやに聞いておりますけれども、今日の時点で全国的に調整をする仕組みをつくるということは、なかなか難しいのではないか、そういう点が問題でございます。私どもも問題意識としては持っておりますので、さらに研究をさせていただきたいと思っております。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 お話を聞いて非常に難しい面もあるようですが、確かにこれは補助金ですから、各県公平に分配されなければなりませんが、例えば、全国的に若い農業者の数に応じて、その辺に基づいて何か考える、そういった発想はできないものでございますか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 当初造成をいたしましたときにそういう要素なども考慮に入れまして、県別の造成額と申しますか、国から見れば補助額というものを決めていって今日に至っているわけでございますから、その当時におきますところの県の総合的な需要と申しますか、それは過去の造成額に反映しておったというふうに考えておるわけでございます。  ただ、その後、県ごとの農業情勢も変わってきておりますし、また、資金に対する需要の強さというものも変わってきておりますので、そこで、今申し上げましたように、県間ででこぼこを調整をするということが何かできないか、こういう問題意識が生じてきたわけでございまして、先ほど申し上げましたような理由で大変難しい問題がございますけれども、さらに研究させていただきたいと申し上げておるわけでございます。

沼川洋一公明党・国民会議

○沼川分科員 御答弁の中で検討意識は十分持っていらっしゃるということで、ひとつ、ぜひまた今後そういった検討をなさっていただきたいと思います。  災害問題だけ御質問いたしまして時間がそろそろ参りましたけれども、何回も申し上げておりますように、天災融資法がどうなるか、これはまた別としましても、現在の被害額だけでも、たしか国で全国的な被害の統計をされておる金額が三百五十億近くだったと聞いておりますが、その中で熊本が二百七十四億ということは、熊本県がいわば局地的な被害を受けておるわけでございまして、今後、資金需要等も含めましてのいろいろな対策に、ひとつ、ぜひともまた国の御援助をお願いしたいと思います。また、今日までいろいろと御尽力いただきましたことに対しましては、私も熊本県選出の国会議員といたしまして、心から感謝申し上げたいと思います。  なお、後継者の問題につきまして、何も熊本県だけの問題ではございませんし、小さいことかもしれませんけれども、そういった資金需要といった問題が壁になって農業意欲を失うようでは後継者対策とは言えませんし、制度上の難しい問題もあるでしょうけれども、どうかそういう面にもっと道を切り開いていただいて、そういう面からまた後継者の育成を図る、ぜひともひとつお願いをいたしたいと思います。  また、全般的に中核農家が被害を受けているということで、農業全体に及ぼす士気といいますか、そういう面で心配いたしますし、県の方からもまたいろいろ要望があると思いますが、どうか今後ともこの取り組みにつきましてはきめ細かな対策を御要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて沼川洋一君の質疑は終了いたしました。  次に、永井孝信君。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 まず初めに、大臣に基本的な考え方をお聞きしたいと思うのでありますが、農業政策がかつての米の増産政策から今減反転作へ変わってきたわけですね。これは、今の食糧需給状況から見てこのまま引き続きそういう政策を維持すべきだとお考えになっていらっしゃいますか。それとも、さらに農業政策そのものを新たな視点から転換させるべきだとお考えですか、お聞きいたします。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 米の問題につきましては、先生御存じのとおり、近年、四年不作ということもございましたが、しかし、生産力としては依然として需要を大きく上回っておるのが現状でございます。したがいまして、米需給の均衡を確保し総合的な食糧自給力の向上を図るためには、やはり今後とも水田利用再編対策の着実かつ的確な推進が必要と考えております。また、今後の水田利用再編対策の推進に当たりまして需要の動向と地域の実態に即した転作の定着化を一層促進することがその課題であり、五十九年度から発足する第三期対策につきましてもこのような基本的な考え方に立って推進してまいりたいというぐあいに考えております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 そうすると、今の大臣の所信からいきますと、現在の土地改良政策というのですか、進めていますね、圃場整備、これは今までの政策を踏襲するという立場でこれからも継続されていくわけですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 土地改良は構造改善につながるわけでございますが、これはやはり積極的に推進していくという基本姿勢でいこうと思っております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 そこで、具体的な問題をお聞きしていきたいと思うのでありますが、米の増産対策として行政の側が積極的な姿勢を示した当時、いわゆる土地改良法かてきた当時、その当時に米の増産ということの目的にまっしぐらでいろいろな施策を講じてきているのです。ところが、今大臣が言われておるように、食糧需給体制をめぐる考え方というのは私どもはまた別の意見を持っておるのですが、それはきょうはさておきまして、米の増産対策として進めてきた土地改良が現状に即しなくなってきている場合は、農水省として基本的にはどういうふうに対応されますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 戦後、土地改良の歴史自体は幾つかの大きな転換をしております。御案内のように農業基本法の制定を契機といたしまして、一つは選択的拡大という視点から水田造成を目的とした干拓事業等を抑制的に取り上げると同時に、水田の純粋な用水補給等のかんがい事業については抑制的に考えてきた。逆に今度は、機械化を進めていく、構造政策を推進するという視点から面的整備ということで三十アールを基準とした区画、用排水の分離という政策を進めてきているわけでございます。現在の時点におきましても、この基本線は変わっておりません。やはり構造政策の強化ということは、大型機械化を進めるという意味で面的整備が必要でございますし、また同時に、そのためには用排水の分離が要る。それからまた、先ほど申し上げました選択的拡大という視点との関係、それは特に稲転との関係を投影して考えますれば、やはり排水対策等が特に重要であるという形で、それぞれの時代の要請に応じて細かくハンドルを切りかえながら予算の重点を変えてきて実施しているわけでございます。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 そこで、さらに細かい問題で恐縮なんですけれども、分科会の意義からいって御勘弁いただきたいと思うのですが、兵庫県に西脇市という市があります。これは山間に点在する農村地帯なのでありますけれども、この西脇市の中にかつて昭和三十年から三十四年にかけて五カ年計画で農耕地区画整理事業として国にも大変な御負担をいただきながら改良工事をやった地区があるのです。その総面積は、その当時対象になりましたのはざっと百二十四町歩を超えているわけです。直接の対象地域ですね。このときの改良工事は、その目的が、機械化されていくということもあって、今までの人力によって農業を営むというよりも機械化を図っていくということでありますから、その機械が入れるような農道がないということから、まず農道を広げること、そうして排水船を改善すること、この二つを目的にして、しかも機械化されるわけでありますから、今もやっておられることでありますけれども、一定の区画をきちっと決めて機械化に適応することというような目標を持って実はこの当時やられているのです。  ところが、ちょっと事情を説明しないとおわかりいただけないと思うのでありますが、この当時は今言ったように米の増産ということが最大の目的でありますから、その工事によってその後光の塙産体制そのものにはさしたる影響はなく目的を木たすことができた。ところが、今大臣も言われておるように減反政策はこれからも続けるという基本姿勢を持っていらっしゃる。その中で、御承知のように減反割り当てが強制的に行われているわけですね。あるいは転作奨励も行われている。ところが、この当時は機械を入れる農道をつくるしとに主眼点を置いたものですから、その百数十円歩の土地が実は湿田化してしまったわけです。では私どもの地元の言葉では不毛の田と書いて不毛田と読むのですけれども、かつては裏作がありまして、大臣御承知のように、昔は小麦をつくったりいろいろなことをしておりましたね。そういう小麦などを裏作でつくることもできない土地を私どもの地元では不毛田と言うのです。いわゆるその不毛田になってしまったのです。しかし、米をつくるという面においては別に支障がない、水稲ですからたくさんつくれるわけです。  ところが、現状は、機械がさらに発達をしてきて、私は直接農業をやったことはないですけれども、コンバインなどが導入されまして、いわゆる湿田地帯になったために、コンバインを入れるとキャタピラも全部ひっくるめて埋まってしまうものですから、せっかく農道を広げてもらったけれども、現実は稲を刈り取るときは人力に頼らざるを得ないという実情に置かれてしまっているのです。それでも、減反政策がなければまだいいのでありますけれども、減反政策と転作奨励が強まってきた。ところが、今言ったように湿田地帯になってしまったものですから、転作が第一きかないのです。  こういう実情がありまして、県や農政局の方にも地元からいろいろな要望を出してきて、その都度その都度の改善を求めてきているのですが、まずその事実は御存じですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御指摘のように、この地域は、用水補給の用水は同一用水系統で百四十六ヘクタールあり、そのうち百二十四ヘクタールを受益面積として区画整理を団体営で四年間で実施いたしました。ただ、排水系統で見ますと、御案内と思いますが、東側と西側の二系統に大別できる地形でございます。この西側のうち、いわゆる稲作転換等を円滑に進める視点から、第二期対策のときから排水対策特別事業というのを土地改良の中で起こしまして、地下水が地表面から七十センチ以上の地域については排水対策の特別対策をやっております。この事業として、条件に該当いたします七十五ヘクタールを採択いたしまして五十六年から県営事業で実施しております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 私はこの問題が出たときに、お答えになったように農用幹線の排水対策特別事業としてこの事業に着手する以前の段階で現地も調査をしたことがあるのです。そのときに調べてみると、昭和三十年当時に施工した排水路の改修が、いわば少し計算間違いがあったのではないかと囲われる節があったのです。それはどういうこと札というと、長さ二キロメートルにわたる排水路の勾配が二センチ程度しかない。これでは水が流れるわけがない。それが当初の計画どおりであったのか、あるいは工事の施工のときにうまくいかかかったのか、これは過去のことでわかりません。しかし、現実になかなか排水の用をなさないということなどもあって湿田化したということがありますから、排水対策の特別事業というのは、いわば湿田化させてしまった原因を取り除く、そういう目的も持っておったと思うのです。  そこで、今言われたように、水路総延長二千七十九メートルでありますけれども、この二千七十九メートルのいわゆる基本的な排水路といいますか、真ん中をずばっと抜く排水路の工事に今かかってもらっているのですね。五十八年度が全部予定どおり進んだとして、進捗率は三二・〇四%という数字になっています。国の方でも大変な御努力をいただいて補助をいただいておるのでありますが、この排水路の特別事業が施行されたときは五カ年計画で計画されたわけですね。現実は三〇・二%しか進捗していないということになると、このままいっても五カ年計画で達成することは極めて難しいという条件があるのではないか、私たちはそう見るわけです。しかも、今行財政改革が叫ばれているときでありますから、予算的に大変いろいろな制約が出てくる。もし五十九年度で予定どおり進捗するような予算的な裏づけがなかったら、ますます工期は延びていくわけですね。随分とあちこちでダムをつくったりいろいろなものをつくって、それがまともに工期内に完工しないものだから、必要経費が高まってくるということで問題になって、私も国会で取り上げたことがありました。同じことでありまして、これが七年、八年、九年とかかっていくということになると、当初の計画をはるかに上回る経費が必要になってくる、こう思うのですが、まず、今進めてもらっている排水対策の特別事業としての五十十年度の予算措置は予定どおり措置をしていただけるようになっているかどうか、お答えいただきます。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 直轄事業の予算は当初から枠組みを決めておりますが、補助事業でございますから、補助事業の予算の配分は予算の成立後決めかいと思っております。  そこで、率直に申し上げますと、毎度おしかりを受けていることでございますが、公共事業の非常に厳しい抑制の中で事業を実施しておりますし、また一方においては、設計変更とかあるいは賃金、物価の上昇等もありまして工期がおくれていることは否めません。私は、この地区の排特事業については、今の段階では五十九年完了は無理であって、何とか六十一年度ぐらいに完了させる方向に持っていくそのグループではないか、この地区だけではなくて全体として事業がおくれておりますが、排特だけはなるべくおくれを少なくするようにという前提で考えてまいりますと、六十一年完了ぐらいというふうに見ております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 六十一年に完了の計画で進めたいということでありますから、ひとつそれは再度狂わないように十分にお願いをしておきたいと思うのであります。  そこで問題は、その幹線排水路が六十一年にできたとして、それだけでこの湿田対策にはなっていかないのですね。これはもう専門家でございますから十分御承知だと思いますが、実は支線排水路が完了しないとこの目的を果たすことができないのです。そこで、今から申し上げることでひとつこれから積極的な対応をしてもらいたいと思うのでありますが、この地域、ざっと全体の農地が百四十ヘクタール、百四十町歩ほどあるのですね。この百四十ヘクタールの農地全体が湿田化しているわけでありますから、これの支線排水路をつくりたいということを地元の農家の方も、あるいは自治体も含めてそこのところは一致しておるわけです。ところが、今農政局とか県とも話し合いをしていろいろな御努力をいただいているのでありますが、この百四十ヘクタールのうち、支線排水路をつくる場合に、一応予算措置を行おうとしたときにいろいろな補助も必要になってくる。その補助を出すとすれば、百四十ヘクタールのうち七十八ヘクタール程度しか対象にできないという意向が示されているわけです。どういうことで七十八町歩程度に圧縮をされるのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 いろいろな話が入りまじっているわけでございますが、今先生御指摘の小排水路の整備、暗渠排水の整備は土地改良事業の費目としては土地改良総合整備事業で実施することになると思いますし、その要望は私どももしかと受けとめております。  そこで、実はこの地域においては地域改善対策として実施してくれという要望があるわけでございます。地域改善対策として採択をするといたしますと、例えば同和関係の農家の受益面積がおおむね五〇%以上の地区、隣接地域である場合は三〇%以上で、これを含めて根っこの部分と合わせて総体として四〇%以上になる地区という条件がございます。これは補助の内容その他が非常に優遇されたものでありますので、そういう要件を決めているわけでございます。したがって、すべてを地域改善対策事業として採択することはできないという意味に御理解をいただきたいと思います。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 その地域改善対策特別事業として措置をする場合七十八ヘクタールだ、一応こう言われているわけですね。これは今言われたように、その対象にすべき基礎条件、これはどこでどうやってそれが決まっているのですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 地域対策の予算全体については、採択条件、補助率等いろいろ優遇された措置を講じております。そこで、補助要綱で明確に決められております。これは予算折衝を通じて決められている原則でございまして、今申し上げましたように同和関係の農家の受益面積が五〇%以上の地区、それから隣接地域についてもある程度拡張基準がございまして、同和関係農家の受益面積が三〇%以上であり、根っこの部分と合わせて四〇%以上という基準を決めているわけでございます。したがって、この基準自体は明確な基準でございますので、それを適用すれば七十八ヘクタールが地域改善対策事業のうちの土地改良総合整備事業として採択することができるということを申し上げているわけで、それ以外のものをいわゆる土地改良総合整備事業一般として採択できないという趣旨のことを申し上げたわけではないというふうに報告を受けております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 そうすると、その基準は特別事情のある場合に弾力的な運用というものは一切不可能なんですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 これはいろいろ御議論があると思いますが、やはり優遇された条件で実施する事業でございまして、大変要望も強い事業でございますので、基準自体は非常に厳格なものとしてあります。  ただ、先ほど申し上げましたように、隣接地域について、一体としてやればいいという要件を緩和してある点は、実は経過もあってできた緩和の拡張部分でございます。そういう意味においては、この地域対策事業として実施することについては予算の経過、建前からいって、そういう形で御勘弁願いたい。しかし、ほかの部分については、一般の土地改良総合整備事業として並行実施することについては十分検討させていただきたいと思います。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 特殊事情だけ申し上げて、その基準が厳格なものであるとするなら他の適用条項を最大限生かしてもらうということにならざるを得ないとは思うのでありますが、若干申し上げてみますと、百四十ヘクタール余りの農地というのはその地域では一体的なものとして存在しているわけですね。  例えばライスセンターというものがございますね。このライスセンターも百四十ヘクタールを対象につくられて運営、維持がされているわけです。そうして今御指摘のように地域改善特別措置法の適用をしてもらおうということを地元は強い要望を持っているわけでありますが、この地域の中には、いわゆる同和地区と言われている地域が三カ村といいますか、今の言葉で言いますと三カ町といいますかね、三カ村ございます。この農家の割合というのは、その百四十町歩の全部の三二%ちょっとなんです。言われたように五〇%という基準からいくと下回っているのです。三二%。しかし、農耕地の面積では五一%を超えているのですね。しかも、これが農耕地は七〇%以上が基準だ、こう言われるのでありますけれども、きちっと対象地域の農地というものは固まって存在しているということになっていない。やはり飛び地もあるわけですよ。そうすると、全体の自然排水路をつくるときに、ここからここまでは地域改善特別措置法に基づいてやる、ここ以外は別だ、こうなりますと、やはり実際の対応としては問題が生じてくるような気がしてならぬわけですね。だから、そういう特殊事情というものが配慮できないものなのかということを私はお伺いをしてみたいと思うわけです。  それは、百四十ヘクタールをここまでは同和地域、ここまではその他の地域と区分が明確にできないという状況もある。そうして、全体の自然排水路ができていかないと、結果的に湿田対策になっていかない。この地域改善特措法の第一条にも書いてありますけれども、「対象地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上雑に寄与することを目的とする。」という条文の精神からいっても、あるところは補助が非常に優遇されているからいいけれども、その片方は逆に農家の負担が大変なものになってくるということになりますと、これは農業そのものを破壊することになってしまう。地域の融和性もなくなってしまう。こういう気がするものですから、この辺の関係について、農政を進める立場から、弾力性を持たせることができないか、もっと実情に合った対応ができないかということをお聞きしてみたいわけですね。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 私、もう少し事情をよく確かめてみたいと思いますが、私が報告されたところでは、実は今先生御指摘がありました耕地で五一%という比率は、対象になる七十八ヘクタール分で計算するとそうなっている。逆に言うと、だから七十八ヘクタール分は地域対策としてやれるというふうに聞いておりますが、事情をよく調べてみます。  そこで、実は率直に申し上げまして、同じような地域において補助率の違う事業が実施されているというケースはほかにもあるわけでございます。私ども、やはりそれぞれ地帯の特徴や歴史的経過やいろいろなものを踏まえまして優遇すべきものは優遇するという道をとっているわけでございますが、たまたまそれは優遇された条件であるだけに、厳格な基準等で運用しなければ、財政の立場からいっても、またほかの地域との、その地域の中ではよくてもほかの地域との均衡上問題があるという問題があるわけでございます。そういう意味で、この問題は技術的になかなか難しい問題を持っておりまして、おっしゃるようにそれは高い総合補助率で一本でやれればそれにこしたことはない、事業もやりいいということは事業を実施する我々の立場からいけば同感でございますが、そこはやはり優遇された補助体系というものの持っている一つの宿命と申しますか、そういう側面がございますし、こういうケースはほかにもございますし、それは他の地域とのバランスという問題もございますので、その辺の事情は御高承賜りたいと思います。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 実情はできるだけ正確に把握するように、私もそれは専門的じゃありませんので、少しはとらえ方の数字上の問題の間違いもあるかもわかりません。それは訂正するにやぶさかではありませんけれども、しかし、私は冒頭に大臣にお聞きしましたように、これからの日本の農業政策というのは極めて大変な転機を迎えると思うのですね。その転機を迎えるときに、農業で自立していけるようなことを考えていくのも国の大事な政策だと私は思うのですね。また、そうあるべきだと思うのです。いわば、一言で言えば生きた農政というものを農民の側は期待をしているわけです。  かつての私の地元では専業農家が非常に多うございましたけれども、最近は専業農家というのはもう一%あるかないかというぐらいにまで農業で自立できない状態に立ち至ってしまっている。しかも、そういう条件の中で、今問題にしている地域は、僕らの兵庫県で言えば、極めて珍しいほど水田地帯が広範囲にわたって維持されている地域なんですよ。そして、最初に国の援助もいただいてつくった、土地改良法に基づいて行った事業というものがその当時では何とか辛抱できたけれども、減反政策、転作奨励という今の時代になってくると当てはまらない。かつては裏作で小麦などがつくれておった土地がつくれなくなってしまった。そのときに、全額国が負担をしてやったのならやったでまたそれの対応があったのでありましょうけれども、その最初にやったときの補助率で言いますと、国が三〇%でしょう。県が五%・地元が六五%負担をしておるのです。いわば農民の感情としては、当時六五%負担をして土地改良をしてもらった。それが結果的に裏目になって、今の時代にそぐわなくなってしまった。だから、転作と言うのなら転作ができるような状態にしてくれ。それは地域改善特措法もあるしその他の法律もありますけれども、農民の負担をできるだけ、最大限軽減をするような立場でやってもらいたい。どの法律が適用されようと、農民からすれば構わないわけですね。どれが一番有利かということは、農民の方も知恵を働かしていろいろ法律を調べていますけれども、何が適用されようとも農家の方の負担が軽くて済む、そして転作奨励に合うような農政に対応できればいいわけですから。一般の市民の方々が一々法律を知っておるわけじゃないし、我々だって全部はわからないわけですから。  そうすると、生きた農政という立場から、今言われたように特措法を適用する場合に一定の制約条件がある。その制約条件が厳しい。だとすると、他の地域の問題も関連はあるけれども、その七十八ヘクタール以外の残された地域については特段の配慮というものがあってしかるべきだと思うのですが、もう時間がなくなりましたので、大臣の方も含めて、これからの農政を推進していこうとする基盤を踏まえて、ひとつ私のこの要望についてのお答えをいただきたいと思うのです。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 十分検討させていただきますが、ちょっと参考までに申し上げますと、地元で負担をどういうふうにプールして処理するかどうかという問題と、二つの事業として並行した事業のそれぞれの補助率の問題はイコールではございません。そういう意味においては、地元でどういうふうに扱ったらいいかどうかという問題と、それからもう一つ、できるだけ有利な地域改善対策の中で採択できるのはどこまであるかという問題とはおのずから区別して議論されていいのではないだろうかと思います。  御指摘の点もありますので、できるだけ優遇が可能な方法については十分研究させていただきますし、地元の話もよく聞いてみたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今言われた、国策に沿ってやってきてそれが変わってきたということでございますので、何とか優遇措置できるものならば、早速勉強してまいります。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井分科員 時間が参りましたので終わりますが、ひとつ生きた農政ということで、再度くどいようでありますけれども、できたら現地の農政局も現地へ入っていって、ひざを交えて話し合いをしてもらって、農家の方々の御要望も聞いていただくぐらいのことは、忙しい中ではありますけれども、ひとつそういう面も御配慮いただくということをお願いをして、一応時間が参りましたので終わります。  どうもありがとうございました。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。  次に、辻第一君。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 私は、農林省が畜産総合対策事業の一環として実施をしておられる総合食肉流通体系整備促進事業に関連をして質問をいたします。  この事業はいつから開始をされたのか、現在まで何カ所の施設がつくられたのか、まずお尋ねをいたします。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘の事業は、昭和五十年から事業開始をいたしております。全体で五十七年度までにやっておりますのは、新設いたしたもので三十六カ所でございます。それから、増設をいたしましたものが二十八カ所でございます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 次に、この事業で採択をされたけれども住民の合意が得られなかったというような状況で中止をされたことがあるように聞いているのですが、そのようなことがありましたか。     〔谷垣主査代理退席、小渕(恵)主査代理着席〕

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 実は事業の申請がこちらに出てまいりまして、それを採択しなかったという事例はございません。しかし、今御指摘のように、事業を採択いたしました後に、事業実行の途中におきまして問題を生じて、そのままの姿では実行できなかったというのが二件ございます。しかし、これは事業が実行できなかったわけではございませんで、年度を繰り下げまして、対象とします場所等を変更しまして、いずれの場合も目的の事業は完成をいたしております。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 次に、その補助対象事業の採択基準に関連をして質問をしたいと思うのですが、このような食肉流通センターを本当に建設をし、運営をスムーズにやっていく場合は、業者であるとか地域の住民の方であるとか、そのような方々の同意は非常に大切なことだと私は考えるのですが、いかがでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘がありましたように、この事業の趣旨は食肉流通の近代化、これは我が国の場合、どう申しましてもこの食肉流通につきましてはいろいろ古い慣行等もございますし、それから、非常に規模が小さくて現在のような合理的施設になっていない場所も多うございます。  したがいまして、まず第一に、この事業に関連をいたしております屠畜業者の方々、卸とか買参の方々、これはいずれもいろいろと従来の長い商売慣行がございますので、この調整をいたしますことが大変必要でございます。したがいまして、この事業を実施します際には、そういう関係業者の方々が将来の合理化も踏まえていろいろと意見を闘わされて合意をしながらやっていくのが普通でございます。  それともう一点、施設自身は従来のものとは違いまして近代的で、そういう意味でいろいろと公害とかいう問題が出ないような施設ということでやるわけでございますが、よくし尿処理場とかじんあいの焼却場とかいうところにありますように、周辺にいろいろ影響を及ぼすのではないかという意味でのいろいろな御心配がある事業であろうかと思います。そういう意味でも、そういうものの周辺で影響を受けるおそれのある地域の方々との調整はかなり重視をしながら事業をしてきた経緯一のある事業でございます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 いわゆる屠畜業者を中心とした業者であるとか地域の住民、そのような方々の同意を得ることは大変大切なことだと思うのですが、それは運用通達の別表(2)事業実施計画書の添付書類の中にあるわけです。「オ 当該施設の設置に伴う地域住民との同意書等関係書類」「カ 総合食肉流通施設整備事業の場合は、再編整備対象と畜場(廃止と畜場)の関係者(開設者、運営者及び副生物利用業者の代表者)の同意書」というのがあります。この同意書は、先ほど来申しておりますけれども、同意ということが非常に大切だということ、そのことを、地域住民の実態的な同意と申しましょうか、それの保証としての同意書、あるいは屠畜業者あるいはその関係業者の方のこれまた実態的な保証としての同意書ということで理解をしてよろしいですか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 これは私どもかなりの数多くを経験いたしておるわけでございますが、「同意書等」という形にいたしておりますのは、同意書というような形もございますし、例えば住民の方々との公害防止協定書というような形もございます。いろいろな形がございますので、私ども画一的にこの同意書というものを見ているわけではございませんで、そういう関係が調整されていることが私どもにもわかり、そういうことが納得できるような形のものを出していただいて、そういう形でそういう調整がついているということを知るために運用しているわけでございます。  個別事案につきまして、例えばどういう範囲の同意だとか、そこまでは私どもとしては形式化いたしておりませんけれども、私が先ほどから申し上げておりますような趣旨が貫徹されるようにということでございます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 もちろんその施設の運営とか採算性という問題も十分に検討されることだと思いますが、いかがですか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御承知のように、屠場自身は完全民間ベースでの採算はなかなか難しゅうございまして、そういうことで、最近の施設の多くは都道府県なり市町村なり公的団体がある程度出資もしたりしまして、運営の経費が余り増高しないようにということでやっておりますが、経常的な運営経費は赤字が累積するようでは困りますので、私どももある程度、これは開業いたしましてすぐというわけにはいきませんが、ある程度先行き経営採算がとれるであろうということを計画していただきまして、その中で収支計画等をつくらせまして、その見通しがある程度得られるということを必要の条件といたしております。特に最近におきまして、ある程度こういう施設がどんどんできてまいりますと、物によっては過当競争になるということでもまずいわけでございます。そういうことを十分注意し、そのあたりを県と、あるいは地方農政局等でよく審査をさせた上でまず合理的に運用ができるという可能性を見ることといたしております。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 次に、奈良県の問題でお尋ねしたいのですが、奈良県にこの事業での食肉流通センターの建設計画があります。大和郡山市筒井地区丹後庄というところが建設予定地になっているわけでございます。県の予算も五十七年、五十八年には計上される、そして繰り越されて五十九年度も二十億という予算が組まれようという状況であります。もう土地の買収も済んでおるという状況でございます。そして、一日に牛が大体三十頭、豚で百頭ないし百二十頭の屠畜解体処理がされる、このような屠畜場を含むのだということであります。これに対しまして、立地選定、いわゆる位置決定について、また手続上の問題と申しましょうか、そのような問題で業者の方や住民の方、その他関係者の方が反対といいましょうか、賛成をされていない、この計画の白紙撤回を求める大きな運動が起こっているということであります。  これにつきましては、農水委員であります我が党の津川武一議員も奈良へ来ていただいて、この一月二十二日と二十三日に現地の調査もしたわけであります。それを受けて、先般、農水大臣にも御要望を申し上げたということでございます。またそれ以前にも、畜産局食肉鶏卵課あるいは近畿農政局にも私も何回も住民の方、業者の方と足を運んでお願いしたということでございます。  その立地の問題点で申しますと、県立の盲学校、聾学校の真隣、隣接したところが予定地になっているわけです。当然、学校の子供さんの父母の方、教職員の方なんかも反対されますし、地元の住民も白紙撤回ということで大きな反対が起こっているわけであります。この障害者、目の見えない子供さん、あるいは耳が聞こえない、物が言いにくいというような大変な障害を持っていらっしゃる子供さんの通っていられる学校のその真横に、このような一日に牛を三十頭、豚を百頭以上屠殺をし解体をするような屠畜場をつくるということは教育の原点にもとるものでありますし、教育環境を破壊する、教育環境椎を踏みにじるものだと言わざるを得ないわけであります。  文部省の学校施設設計指針というのがあるのですが、これにも、学校をつくるのに好ましくないところという中にこの屠畜場が入っているわけです。この盲学校、聾学校の隣ということだけじゃなしに、この地域には半径一キロメートルで言えばたくさんの学校があるわけですね。あるいは幼稚園もあるということであります。言うならば、文教地域に近いと言ってもいいほどたくさん学校がある地域だと思うのです。また、この地域は近年住宅がどんどんふえて住宅地になってきているという地域でもあるわけであります。このように見てまいりますと、教育環境を破壊することになりますし、住環境を破壊することにもつながるという、大変なことであります。  次に、この郡山というのは、奈良県を三つに分けますと北の方に位置するのです。北和、中和、南和と、こういうふうになるのですが、この屠畜業者の方は主に中南和に位置しておられるということで、北和には一か所しかないのですね。県下に六カ所屠畜場があるのですが、一カ所しかないということ。そういうことも含めて、業者も反対をされているという状況であります。ここにも位置の問題があるわけであります。そしてまた、畜産をやっておられる方も中南和が中心であるといういことであります。  それから、この地域は古くから遊水地という役割をしておったわけであります。法律的に遊水地ではないのですけれども、古くから、実際大雨が降ります出水の時期には、この地域が水をためるということで治山治水対策になっているというところであります。ここを埋め立てて屠畜場にしようということは、これまた専門家などに聞きますと、許せないことだということであります。一昨年、奈良県は大変な水害に遭いました。もう奈良県はどんどん宅地開発も進む、その他で治水能力がなくなってきているわけで、水害を防止するためにも大変重要な問題だということであります。  このように、立地の問題は、教育の問題でも、また住環境を守る問題でも、あるいは遊水地として防災対策の問題でも、あるいは業者の地理的な関係でも、大変な問題点があるということでございます。  この問題について、私どもは繰り返し繰り返し申し上げているわけでありますが、近畿農政局を通じて畜産局へこういう御報告があるのかどうか、それを通じての御認識があるのかどうか、いかがでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 私ども、こういう助成をいたします場合には、普通の場合でございますと、正規の申請が出てきます段階から事案に対していろいろ聞くわけでございますが、実はこの事案はまだ私どものところに正規の申請の姿としては届いてきておりません。しかし、先生からのお話等もございまして、私ども、事案にどういう問題点があるかということは、近畿農政局を通じてお話は承っております。  先生今お挙げになりました幾つかの問題点についてでございますが、業者の方々、これは六カ所でいろいろ業務をなさっておるわけでありますが、大変小さな非近代的な施設でありますから、これを合理化するということは業者の方々も問題はないと思いますが、そういうものをどこにつくるか、それからどこにつくった場合に最も効率が高いかということについては、業者の方々でよく相談していただく必要があろうかと私どもは思っております。  それから、その次御指摘になりました教育施設に隣接するという問題でございますが、これにつきましては、文部省のお考え等について県の方もいろいろと御意見を聞かれておるようでございます。私どもとしてお願いしなければなりませんのは、屠畜場というもの、これは屠畜場といいますと特にそうでございますが、食肉センターといわれますものがどちらかというと歓迎される施設ではございませんので、極力施設の内容なり運営をよくして周辺の方に御迷惑をかけぬようにということでやっておるわけでございますので、余りこれがあちこちで嫌われますと、実は合理化でどこにも行くところがなくなるということがございます。私どもとすれば、施設の設計の仕方とか、あるいはその後の運営の仕方ということで環境面でのマイナスをなくする、また、それに必要な運用のための協定も結ぶというようなことで、御不便をかけぬようにということでやっておりますが、いずれの問題にいたしましても地元の問題でございますので、地元でよく調整をしていただくことが必要であろうかと思っております。  もう一つ、遊水地というようなお話もございます。これは当然そういう土地を使いますときに都市計画上の問題とか、いろいろ問題点があろうかと思います。河川管理の問題もあろうかと思いますが、これも地元におきまして、こういうものをつくったことによっていろいろ混乱が起こっては困るわけでございますので、よく調整をお願いする必要があろうかと思っておりまして、そういう問題点につきまして、私どもまだ申請とかそういうものを受け取っておらぬわけでございますが、そういうことを向こうへよく伝えでございます。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 次に手続上の問題で申しますと、この建設予定地の選定が業者や住民、学校関係者の意見を聞くことなく、食肉流通センター建設促進協議会という県の機関、それの用地小委員会で決められるということですね。すでにもう五十六年末には用地の買収が始まる、そしてそういうようなのが住民に広まって、その中から、どうなんだということで、やっと地域住民や学校関係者に説明をするということなのであります。屠畜業者には、もう買収も終わって県の予算もついて、五十七年の五月にやっと一方的な説明がある。こういう業者や住民を無視した、住民側で言えば住民自治というのでしょうか、あるいは業者の方はもう本当に無視をされたという形で進められたということであります。  時間がなにですが、このような状態で、五十七年五月には、住民がいろいろ話し合っている、その途中で抜き打ち的に測量のくい打ちがやられるということです。また、五十八年の一月には県の教育委員会が埋蔵文化財の試掘だということで二百五十人の県警の機動隊を動員して強行する。もちろん、そのときには住民サイドで十人近い負傷者が出た、こんなことまであったわけです。そして、五十七年の十一月三十日には大和郡山市の都計審、そして十二月にはこれも押し詰まって奈良県の都計審が、これまた強行されるというような形でやられたということです。そういうことであります。  これに対して住民は、本当に教育を守る、生活環境を守る、住民自治を守るということ、業者の方は本当に中小の食肉業者の営業を守る、重要産業を守るという立場も含めて御異論があり、反対をされるということであります。住民は、五十七年三月には一万八千名、五十八年の三月では三万四千名の署名を、郡山市が八万八千人ぐらいですから、その有権者の半分以上の署名を集められるという大きな運動、もう八百人ぐらいの団体で陳情を県にも何回もされるというような運動が起こっておるということであります。しかも、いまだに続いていると思いますが、見張り小屋をつくって交代で毎日何人かが見張りをしておられるというようなことでもあるわけであります。何としても教育を守る、住環境を守る、住民自治を守るということで本当に大きな運動が行われているというのが現状なのであります。こういう現状に対しまして、農水省として、さしあたって近畿農政局だと思うのですが、住民合意ということが大切なんだというようなことでも具体的に指示をされているのかどうか、その点はいかがでしょう。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、この事業が円滑にいきますために、関連の業者の方々なりあるいは周辺の方々との間で円満な形で物事が進むように、私がちょっと伺ったところでは都市計画審議会の中でもそういうことを進めてやるようにというお話もあるようでございます。それから運営について、公害防止について、いろいろと周辺の方々の御心配ないようにというようなことも添えて都市計画審議会におかけになっておるというようなことも聞いておりますので、そのような形で、いわば周辺の方々との間でこの問題がもう少しスムーズにいくような形になっていただいて事柄が進むのが望ましいんではないかと思っておりますが、実は私どものところには一切まだ申請も来てないという事案でございますので、余り出しゃばり過ぎてもこれはかえってまずいかとも思っておりますが、事柄が円満にいくようにというようなことは気をつけております。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 時間がありませんので、もう少しそこのところを詰めたいのですが、次へ行きます。  奈良県の屠畜業者の大体ほとんどの方が入っておられる奈良県食肉協会というのがあります。これは官製の会ではないのです。それ以外に、同和食肉事業協同組合だとか奈良県食肉事業協同組合連合会というのが官製のがあるのですが、県は、そこのところが同意をしている、こう言われているのですね。ところが、実際は屠畜業者のほとんどが奈良県食肉協会に入っていらっしゃる、その九割方の方がこの屠畜場に反対という御意見なんですね。反対と言ってもいいと思うのですが、それで近畿農政局にも、ちょっと目時は忘れたのですが、私ども、住民の方と一緒に行ったこともあるのですね、この業者の方と。それから五十八年十二月に、奈良県食肉協会の代表の方が知事にあてて、中南和における食肉業の振興策と屠場の近代化についての要望というのを出されたわけであります。これと同じような趣旨のものを、それぞれの市だと思いますが、出されたのです。御存じですか、それは。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 私はまだ見ておりません。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 それでは、これをひとつ見ておいてください。  その中で、見ていただいたらわかると思うのですが、本当に全く話がされなかった、一方的に決められた、まことに遺憾だということであります。そして長い間、明治以来地場産業として頑張ってきた、それが統合されて遠い郡山に行くということになりますと、関連産業も含めてそこの地場産業はもう大変な事態になるということで、十分話し合いの場を持ってほしい、三カ所の近代的なものにつくりかえてほしい、そういう要望だと思うのですが、要望を出しておられるわけであります。実際問題として屠畜業者の大半の方がそういう反対と申しましょうか、異論と申しましょうか、同意をしていらっしゃらないということであります。このことについても大略御存じでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御承知のように、奈良県の場合は畜産の総生産量も決して大きい方ではございませんで、現在の六カ所の屠場の処理能力というのは著しく小さいわけでございます。そういうことでございますので、現時点となりますと、ある程度近代化し大型化いたしますときは相当の規模を持ちませんと、幾らつくりましてももっと集荷力の大きい、あるいは県外――奈良は御承知のように周辺にいろいろ持っているわけでございますので、そういうところへかえって荷が持っていかれるという心配もございます。ですから、この辺は、私、今先生御指摘の三カ所とかそういうことがいいかどうかということで申し上げるのじゃないわけでございますが、やりますときにはかなり合理的な施設を目指しませんと、中途半端なものでございますと、先ほど先生も御指摘になったような採算割れの事業になるということがございますので、これは県あたりとも十分相談してみなければならないと思いますが、まだそこまでそういう話し合いはしたことはございません。     〔小渕(恵)主査代理退席、谷垣主査代理着席〕

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 今の局長の意見についても私はまた異論があるのですが、農水省としてはこのような中小の食肉業者の生の声といいましょうか、その意見を十分反映をして行政を進めていただきたい。本当に地場産業を守る中小食肉業者の振興対策を実体あるものにしてやっていただきたいということを重ねて要望をして、最後に大臣にお尋ねをしたいと思います。  この前は御要望申し上げましてありがとうございました。先ほど来お話をしているわけですが、このような食肉センターの建設や運営が本当にスムーズに進められる、農水省の施策の所期の目的が本当に達せられるというためには、業者の方、殊に屠畜業者の方、地域住民の方の同意ということが非常に必要だと思うのです。これに対して大臣はどのようにお考えになっているのか、これが一点。  もう一点、先ほど来るる述べましたように、御理解いただけたと思うのですが、本当に教育を破壊し住環境を破壊する、また業者の営業にとっても大変な状態になる、そして住民自治も踏みにじるような形で進められている、こういうことでございます。私は、これではこれを無理に推し進められてもスムーズな運営ができない、この計画は白紙に撤回をしていただく、そして改めて新しい選択をしていただく、このような指導をしていただきたい、住民の意見をよく聞いて、業者の意見をよく聞いて進めていただきたい、このように思うわけであります。  この二点について大臣の明快な御答弁をいただきたい、このように思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 せんだって辻委員から陳情もお受けいたしました。しかし、現在に至りましてもまだ奈良県から事業の申請が提出されておらないという状況でございますので、具体的に農林水産省として云々できる立場ではないわけでございます。当然これは県において調整していただく問題であろうと思います。しかし、何にしても遺憾のないように関係部局に指示してまいります。

辻第一日本共産党・革新共同

○辻(第)分科員 最後に、本当にこのような建設一計画に私は納得できない。そのために地域の住民、父母あるいは教職員の方あるいは業者の方、本当に大変な御苦労をいただいている、苦しい状態を続けていらっしゃるということであります。そのことが農水省の施策の中で起こっているということにもかんがみまして、十分な御指導や御対応をいただきたいということを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。  次に、塩田晋君。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 農林水産省予算に関連いたしまして、農林水産大臣、関係局長並びに林野庁長官にお伺いいたします。     〔谷垣主査代理退席、島田(琢)主査代理着席〕  第一は、兵庫県の三木市というところに三木山という国有林がございます。これの開発につきまして、国の構想、この処理の仕方につきましてお伺いいたします。その国有林の利活用についてどのようなお考えをお持ちか、お聞きいたします。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 三木山の国有林につきましては、三木市の南の非常に条件のよい丘陵地帯で約四再ヘクタールの孤立団地でございまして、都市近郊に存在する森林という立場から見てまいりますと、生活環境保全に配慮しながら、森林公園あるいは公営住宅等の都市的な土地利用が図られることが国土の有効利用の観点からも望ましいものと考えております。現在、兵庫県並びに三木市におきまして、当該国有林につきまして、公共あるいは公益事業の用途に利用すべくいろいろな構想が練られておると伺っております。私どもも、これに関連しまして私どもなりにいろいろと調査検討を進めて、この調整が図られるように現在努力しておるわけでございますが、いずれにいたしましても、この三木山の国有林全体につきましては、地域の振興あるいは住民の方々の福祉の向上という観点から、適切な土地利用計画に沿った利活用がなされるように私どもこれから検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 それでは国有林を、相当広大なまとまった面積のものでございますが、適当と認められる計画があればこれを払い下げるということについては確認できますか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 ただいま私が申し上げましたように、公共公益用ということを最優先でこれに取り組んでまいりたいと考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 公共的な用途に使われるものであるならば払い下げは考えておるというふうに考えてよろしゅうございますね。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 そのとおりでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 これはまとめての構想か、それとも部分的に切り売りといいますか、あるいは虫食い的なそういう方向が考えられておるのか、どちらでございますか。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 先ほど申し上げましたように、兵庫県あるいは三木市におきまして非常に重要な緑地の地帯でございますので、総合的に、やはり地元の方々の有効利用という面から取り組むのが私は望ましいと考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 私もそのとおりだと思います。三木山の開発構想につきましては、私は二年前のやはり予算委員会の第四分科会におきまして、ちょうどこれは二年前の三月八日でございますが、私はかなり詳しく問題点、そしてこのような開発の構想がいいのじゃなかろうかということで申し上げでございます。これを繰り返す時間がございませんが、その中身のいろんな置かれている条件その他は今も変わっておりません。同じ状況だと思いますので、私自身の開発構想というものも二年前に申し上げたとおりでございます。ただ、当時国鉄三木線の特定地方交通線の廃止の問題がございまして、これはまだどうなるかわからないという段階でございましたが、ことしに入りましてからこれが廃止を決定されたところでございます。先ほども他の分科会でこの問題を質問してきたところでございますが、具体的に第三セクターで運営されるということになっておるわけでございます。その手順につきましても具体的に詰めたわけでございます。その状況は変わっておりますが、やはり神戸電鉄の志染駅と国鉄三木駅との間を連絡する新線建設でありますけれども、そう長い区間ではございませんが、国有林の三木山を通るということにつきまして、二年前に申し上げたのと状況は変わっておりません。そして、公共的な利用として市民ホールだとかあるいは場合によっては市役所、最近にも、雇用促進事業団の中高年雇用促進センターの建設も決まってまいりつつあります。そしてまたその他の体育館、センター、みんな各種の公共施設が北の方から市の計画によりまして進められておるということでございます。その辺が二年前と若干変わってきておるところでございますが、基本的に変わっていない。この新線建設あるいは駅をつくる問題にいたしましても、非常に問題があるわけでございます。しかし、例えばそこに公共住宅を大量につくって新市街地を造成するということ、またこれには、公共的なものとすれば県営住宅なりあるいは住宅公団等が手がける、こうなりますと、鉄道建設自体も鉄姓公団が扱えるといった問題もございまして、全体的に開発が進むという内容でございます。  そういった一体的な開発が考えられるところでございますが、例えば県におきましては、ゴルフ場を一時つくってどうこうしたらどうかというような構想があったり、あるいはそれを森林公園にしてはどうかといった構想があったり、いろんな構想があるようでございます。市と県は必ずしも一致しているように思われないのですけれども、林野庁としては何かどこかプロジェクトチームに研究を委託したりされたようなこともあったかどうか、国としてどういうお考えをお持ちか、そのことについてお伺いしたいわけです。

秋山智英林野庁長官

○秋山政府委員 先ほど申し上げましたように、ただいま兵庫県並びに地元の三木市がそれぞれ計画を持っておりますので、私どもやはり先ほど触れましたように、地域の皆さんの土地の有効利用、しかもこれは非常に重要な緑地でございますので、総合的な利用という見地からこの問題についてお話ありますと、私どもも私どもなりに適地調査というのはいたしておりますが、十分調整を図ってまいりたい、かように考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 私も、一括して全体的に利活用が十分に図れるような利用開発を進めてもらいたい、このことは長官が言われたことと同じ意見でございます。ぜひとも虫食い的に、あちらからこちらから周辺から食われていくような利用の仕方というものにならないように、できるだけ全体的に総合的な計画、構想を進めていただきたい。また調査もしていただくそうでございますが、その点について、今後とも十分に各関係市なり県の意向を聞いて調整を図って、この問題にひとつ取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。  続きまして、ダムの関係でございます。三木市の周辺に呑吐ダムというのがございます。また、加西市と多可郡の関係で糀屋ダムというのがあります。正式には国営かんがい排水事業の東播用水地区、これが呑吐ダムだそうですね。そして加古川西部地区、これが糀屋ダムだそうでございますが、その工事の進捗状況、今後の見通しにつきまして御説明いただきます。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 まず、糀屋ダムを含みます加古川西部地区でございます。御案内のようにこの地域は、例えば八千代町の水源補償問題と糀屋ダムの用地補償問題等が難航いたしまして、非常に長期間を要したという経過がございます。しかし五十八年に至りまして、水源地の補償等懸案の諸問題についてようやく解決のめどがつきました。そういう点で、実は予算全体が非常に厳しい中でございましたが、事業の進捗を何とか図りたいということで五十八年には対前年比一一八・四%の予算を計上し、また五十九年度には、予算全体がマイナスになっておりますが、特にこの地区については一〇八・二%の予算を計上しております。実施体制も整備されましたので、早期完了に向かって推進できるだろうと思っております。一応現時点では六十二年度完了ということで、実は昨年の国会においても私そのようなことを申し上げましたが、どうにかできるのではないだろうか、こう思っているわけでございます。  それから、呑吐ダムを含みます東播用水でございます。これにつきましても、五十九年度の予算につきましては、対前年比で一〇二・六%の予算を計上しております。現時点では六十二年完了を予定しております。これは実は現在手続中の計画変更がございますので、この計画変更をすべて含めて、何とか六十二年完成をすることが可能ではないかと思っておるわけでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 いわゆる呑吐ダムにつきましては、皆さん方の御努力によってかなり急ピッチに進んでおることがわかりました。糀屋ダムにつきましてはかなりおくれておるということが今回答されましたが、工事のおくれた原因は何でございますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 経過があっておくれましたが、先ほど申し上げましたように大部分の懸案課題が片づいて、五十八年からは本格的に推進できるようになったわけでございます。いわゆる水源つけかえ工事に伴いまして八千代町の合意を確保することに非常に手間取ったということ、それから糀屋ダムの用地補償問題について手間取ったということでございます。大部分の問題が現時点では解決しております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 若干まだ残っておるようでございますね。これは早くやっていただきませんと、ずっと以前の段階で協力した人とまだ解決していないところとかなりギャップが出ますと、そこに住民感情はもとより、いろいろな問題がそのために起こっておるわけですね。この糀屋ダムにつきましては、御承知だと思いますが、中国縦貫道の建設が非常に急ピッチに進められたということのために、糀屋ダムが先に着手したのだけれども非常におくれた原因の一つにもなっているという説もございますね。それやこれやで、まだまだ芳田地区だとかあるいは八千代地区で問題が残っておると思いますね。早期にひとつ解決して、糀屋ダムの完成に努めていただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御指摘のように大分手間取ったことは事実でございます。三月一日現在で申しますと、あと一・七ヘクタール、二十二筆の土地問題を片づければいいところまでまいりまして、御指摘もありますし、私どももそう思っております。できるだけ早期に解決して完成に近づけたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 それから、受益者負担の問題がございますね。これはこれからもまだ問題になりつつあるところでありまして、特に加西地区の農業の関係、それから西脇の工業用水の問題もあるようでございますが、この糀屋ダムによりまして受益されるとされておる農家を中心とした方々の問題、これはどのように進めておられますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 今御指摘のように、地元負担の軽減という視点からとらえますと、他の水利事業との調整、共同実施ということが一つの有力な手法なり、かぎになるわけでございます。  まず第一に、この事業は、当初から西脇地区とその周辺に工業用水を供給するという目的で、兵庫県の水源開発事業という、農業用水と工業用水の共同事業を予定して出発したわけでございます。この問題は、既に供給水量も費用の負担区分も決まっております。  現在新しく問題になっておりますものは、加西市の上水道の新規参加の問題でございます。水量的にもなお若干の余裕を持っておりますし、また地域社会の需要にもこたえるゆえんであり、また同時に、反対の効果といたしまして負担の軽減にも役立つものと思います。そういう意味で、その新規参加の可能性につきまして、水利用計画、アロケーション等各面にわたりまして、現在、県、地元との協議を進めているところでございます。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 加西市の上水道の問題につきましても、協議を進めていただくにつきましては話し合いを十分に尽くされまして、スムーズにこれが進むように格別に御配慮をお願いします。  もう一つお聞きしておきたいと思いますのは、この用水の計画の中で工業用水は西脇地区だけなのか。加西市の地区は高台が割合多くて、面積の非常に大きい市です。農業が中心のところでございますけれども、土地があるということで、工業用地としても今後期待されるところがあるかと思うのです。ところが、残念ながら加西市は水が非常に不足しておるということですね。そういった観点から、工業用水という魅力がここから得られるのかどうかということについてはいかがでございますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 加西市の工業用水の参加の問題は私どもまだ聞いておりません。しかし、全体の水量なり水盤計算、水利用の計画を考えると、若干まだ余裕があるというふうに認識しております。そういう意味においては、貴重な資源の有効活用、負担問題等も考慮いたしまして、御要望があればできるだけ前向きに話を進めたいと思います。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 西脇地区への工業用水の水量は、当初のものと変わっておりませんか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 変っておりません。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 この問題はできるだけ早期に解決をして、相当長期にかかって今ここまで来ている問題でございますので、ひとつ関係者の皆さん方の御努力によりまして、また指導を強化していただきまして解決を図られるようによろしくお願いを申し上げます。  次は、圃場整備の問題でございます。私も田舎でございますが、私たち圃場整備につきまして要望が強く、いろいろとお骨折りをいただきました。結果、圃場整備はかなり進んできております。皆さん方の御努力に対しまして感謝をするところでございます。しかし、あちこち回りますと、圃場整備を進めてもらいたいという要望がまだ非常に強いのです。それから圃場整備を進めているところでも、ごく少数ですけれども、かなりのトラブルがある向きもありますね。こういった問題についてどのように把握し、また努力しておられるかをお聞かせいただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 まず圃場整備、特に兵庫における推進状況でございます。先ほども申し上げましたが、全般に西日本の圃場整備が地元の要望なり地形等の状況からおくれている、そういう意味においては、今後かなり西日本に重点を置く予算の配分なり事業の運営を考えなければならないということを申し上げたわけでございます。兵庫県は、実は西日本の中ではかなり進んでいる県でございます。しかし非常に強い要望がございますので、五十八年の予算でも、予算全体は据え置きでございますが、兵庫県の枠については一〇八・五%という、わずかでございますが、格差をつけた配分が行われたというのも要望を反映しての問題であろうと思います。  さて、推進上の問題でございます。なかなか難しい問題が特に近畿や関東地方ではございます。それはやはり都市化が進み、混住化が進みまして、中核的な大きな農家と通勤兼業農家の間にかなり意識の差がある。さらに、後継ぎのない農家等に消極的な機運があるという問題があると思います。私どもは、圃場整備事業も最終的には構造政策の最も有力な手段として、土地の利用調整と結びつけながら、それが十分の効果を発揮することが非常に重要であろうと思います。そういう意味で、昨年から地域農業集団の育成という形で、土地の地域社会における集団的利用調整を全国的にかなり独力に進めておるところでございますが、その過程で、中核農家への利用の集積とか土地利用の面的集積を中心に考えるわけでございまして、このことと圃場整備事業の推進を十分連携させながら、特段の配慮を払っていきたいと思います。  それからまた兵庫県等では、中山間地帯等で、整備基準等で問題が技術的にあることも想像されます。こういった点については、地域の実情に応じた弾力的な運営ということで、実は一昨年来かなり思い切って通達を出しておりまして、そういう基準等については弾力的な運営を図ってまいりたい、このように思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 この圃場整備事業を進めるについては同意率というものが問題になろうかと思いますが、同意率が高くないから不採択になったようなケースもございますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御案内のように土地改良事業は、いわば私有財産の形成という側面を持つ受益者負担制度を前提とした制度でございます。土地改良法は三分の二の合意ということで強制できる仕組みになっておりますが、今日の多様化した社会のもとでそれを一律に強制することには非常に問題があるだろうと私どもは思います。特に圃場整備事業は面的整備で、まさに土地の形状自体を変える話でございます。そういう意味においては、採択に当たっては、私どもは、同意率九割以上は確保してほしい、事業を実施するまでには一〇〇%同意をとってくれということでやっております、そうしなければ紛糾は避けられないし。  ただ、やはりその過程でいろいろな問題がありまして、十分話し合って了解していただくことが事業の効率的実施の上から好ましいわけでございますが、私ども、ごく一部の方にどうしても異論がある場合は、特に事業上問題がない場合は、地区除外というようなこともある程度弾力的に考えております。事業の性格からいって高い同意率は前提にせざるを得ませんが、そういう点は、現実を解決する具体的な方法としていろいろなことを準備いたしまして、十分考えてまいりたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 この問題は、一〇〇%同意ということを目標にやるべき問題だと思います。今、地方の自治会長さんなり町内会長さん、区長さんと言われるような人たちはこの問題で非常に苦労しておられます。朝から晩までいろいろな紛争がありますから非常に苦労しておられます。そういった点をよく御考察いただいて、温かい、また力強い御指導のほどを御要望申し上げます。  続きまして、山間地における農地を守るための水害対策につきましてお伺いいたします。  この問題につきましても、私は二年前の予算分科会で、同じく農林水産省の関係におきまして質問をいたしました。そのときはまだ災害がなかった状態で、小さな災害が毎年起こっているということで、これは大変なことになるから早く手を打つべきだということを強調したのです。ところが、これは難しい問題があって、検討しますということを言っていただいたのですが、小さな谷間で、川の上流の方に散在している部落、農家、そして谷が幾つもある、そういう地形のところで集中豪雨があると、今まで全然川がないところに水がどっと出る、普通の水路では受けられない、そうこうしているうちに田畑も流され、新しい川が田んぼの中にできるというような状況ですね。曲がっている川もえぐられる。そうならなければいいがなと言っておったら、不幸にして昨年の九月の水害がもうまさにそのとおりに起こったわけです。川というと建設省だ、山から来るのは林野庁だ、農地、ため池、水路は農林省だ、そういう問題は個々にはいろいろやっているけれども全体的にはなかなか解決できない、行政の谷間だということで御検討願っておったのですが、災害の方が先に来てしまいまして非常に不幸なことでございましたが、この問題についてどのようにお考えでございますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○森実政府委員 御指摘のように、省際問題等もあってなかなか難しい点もございますし、それからまた、住民の方の受益関係との関連で難しいこともあることも事実です。しかし、重要な課題だろうと思っております。そこで私ども、かなり厳しい予算の制約はございますが、農地保全等防災的土地改良事業については、非常に留意をして予算編成を行っているつもりでございます。特に老朽ため池の整備事業の一部につきましては、実はことしから、災害関連事業でも緊急性を要するものは実施できる道を開きまして、事業の緊急実施等を考えておりますので、兵庫等の地形のところで老朽ため池等の多い地域では、かなり有効に作動するものと思っております。  御指摘の点は、結局土砂崩壊、渓流のはんらん等の事例にどう対応していくかということが中心だろうと思います。中心はやはり承水路や防災ダムの設置等で対処するという筋道でございますが、先ほど申し上げました防災的な土地改良事業あるいは一般の土地改良事業をどういうふうに組み合わせるかということは、現地の実情を十分把握した上でやらなければならないと思いますし、それから治山治水事業とも十分連携を図っていかなければならないと思います。     〔島田(琢)主査代理退席、谷垣主査代理着席〕 そのような意味で、私どもも今後の行政の心構えといたしまして、そういった地域社会から市町村、県を通して出てくる地域の防災的な事業の総合的な手法の整備につきましては、農林省の中でも我々の局と林野庁が、さらに我々がまた建設省河川局と十分打ち合わせて、できるだけ穴のあかないような努力をさらに続けたいと思っております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 大臣、今の問題は中山間地の問題であり、事業についての採択の基準等が合わないような場合の谷間になっているような問題でございます。具体的には西脇市の中畑というところ、それから黒田庄町の門柳という地区、ここで問題が起こっているのですが、その後の農地等の復旧事業につきまして、私は最近も行きました、災害直後に入りましたのと最近入ったのと。非常に復旧が進んでおりまして、農林省初め関係者の皆様方の御努力に対しまして御礼を申し上げます。つきましては、こういう地域はあちこちにあると思うのです。またこれからも起こり得ることでございますので、大臣、ひとつどのようなお考えで対処していかれるかをお聞きいたしまして、質問を終わります。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生の御質問、山間地の農地を守るためにどのような防災対策をしておるかということであると思いますが、農地の災害を未然に防止するためということで、農地防災事業、農地保全事業等を積極的に進めておるのが現状でございます。また一般の土地改良の場合は、農業の生産性を高めるということを目的として実施しておりますが、防災効果も有しており、近年、山間地の土地改良事業を進展し、その効果を発揮してきているというぐあいに考えております。また今、局長からお話がございましたように、具体的な施策につきましては、現地の事情を十分把握した上で、治山事業、治水事業等と十分な連携をとりながらやってまいりたいというぐあいに考えております。

塩田晋民社党・国民連合

○塩田分科員 ありがとうございました。

谷垣禎一自由民主党・新自由国民連合

○谷垣主査代理 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。  次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 私は、主として農業問題の中で養蚕の問題を質問いたしますが、それに入る前に、農林大臣の農政に対する基本的な考え方というものについてまとめてちょっと報告していただきたい。     〔谷垣主査代理退席、島田(琢)主査代理着席〕

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 我が国の農業を取り巻く内外の情勢というのはまことに厳しいものがあります。海外からは市場の開放要求、そしてまた国内にありましては行財政改革の立場から、効率的な農業の推進ということを言われております。しかし、我が国のこのような情勢に対処して、農林水産業の有する役割が適切、かつ効率的に発揮されるような、生産性の向上を基本とする農林水産業の体質強化に努めてまいるつもりでございます。活力ある農山漁村の建設、これに当たってまいりたいというぐあいに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 基本的には、自由化を抑え、そして国内における行財政という外圧と内圧、こういうものを防いで、足腰の強い農業をつくって生産性を高めていく、こういうことについては異議がないのですけれども、そうであるとするならば、我々が前々からいろいろ要求して、農林水産省が五十五年十一月七日に長期展望というものを出した。八〇年代の農政ということで、これはいろいろのところで研究し、問題になったことですが、それが現在どういうようなことになっているのか。米あるいはミカン、養蚕、この三つについて大筋が見通しのようになっているのか、それとも著しく狂っているのか、その辺を報告してもらいたい。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 私ども、閣議におきまして、六十五年の長期の主要農産物の需給見通しを出したわけでございますが、今御指摘のミカンあるいは生糸につきましては、確かに六十五年の見通し等から見ました場合、乖離がございます。  米につきましては、今、五十五年以降四年の不作ということがございまして、生産においてはむしろ私どもが考えておりました以上に縮小しているという状況がございますが、これにつきましては、この四年間の不作は主として異常気象が大きな原因であるというように考えております。そういう意味で、私どもとしては、これ以外のものにつきましては、大きな流れは長期見通しに沿って動いているというように思っております。  養蚕につきましても、六十五年見通しを、当時におきましては生産量で三十万俵ということを考えて見通していたわけでございますが、現実には五十七年度が二十二万俵、五十八年度二十一万俵ということで、長期見通しの線から比べました場合、生産量は非常に減退をしているという状況でございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 今話をされたように、これは閣議で決定をしたことですからね。六十五年の長期展望というものは、農政審議会の議を経て閣議で決定をして進めてきたものですね。ところがそういうぐあいに著しく狂っている。なお、国会においては、農業は国の安全保障であるという立場から、五十五年においてもそれから五十七年の段階でも、その前段階においては自給力を高める決議を行い、それから後段では自由化に対する反対の決議を行ってきました。国会でもそういう努力をしたにもかかわらずなかなか思うようにいかない。  ところで、農林省の予算というものを見ると、私が最初に国会に出たころには、昭和四十七年、四十八年ころは国の予算の中で一四%からの比率を占めておりましたが、現在、五十九年の段階では一〇・六%、これは昨年に比べても一千四百七十億円の減であります。大臣が前段で足腰の強い立派な農業をやるんだと言いながらこういうように予算が著しく後退をするということになれば、計画もうまくいかない、予算も裏づけがないとするならば農業というのは厳しいじゃないですか。この点は大臣どうですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 農林水産予算は、先生御指摘のように、国民に対して最も基礎的な物資である食糧の安定供給に係る重要な予算でございます。農林水産省は二年引き続き縮減を受けておりますが、御存じのとおりの厳しい財政事情であって、これを考えますときに、農林水産予算だけをということはなかなか無理なことでございますし、残念であるがやむを得ないという考えを持っております。しかし、内容では、農林水産業をめぐる諸情勢に対応するために質的な充実、これに配慮してあります。また、重点的かつ効率的に配分しておりまして、農林水産行政を行う上で支障はないというぐあいに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 かっては「男山村新治郎」ということで大分勇名をはせた歴史もあるのだから、今度は農林大臣になって――今は大変危機ですよ。米だって大変でしょう。在庫がなくなって古米を食わせるようなことをしている。それからミカンも、せっかく一人前の木になったものを、アメリカからオレンジが入ってきてミカンの木を切ってしまう。養蚕にしても、米の減反の裏づけとして補助金を出して桑園をつくらせたが、今や過剰で今度は生産調整をしなければならない。こういう状態に追い込んだということは、農薬を本気になってやろうという者が意欲を失うどころではない、日本の農政というものは一体どっちへ向いているんだ、こういうことになるのではないですか。だからこの際、山村農政というものの筋金の入ったものを一本出してもらいたいと思うのですけれども、これはどうです。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 おっしゃるとおり、ミカンにつきましては何といっても需要の方の減退、生糸につきましても五十三年から急速な減退というようなことで、いろいろな見通しが誤ったと言われると本当にそのとおりのような状況にございます。これに対しましても、鋭意減反そのほか無理なことをお願いしておりますが、今までの外国からの輸入量などというものも、生糸につきましてはかなり輸入制限も行っておりますし、かなり難しい情勢下にはありますけれども、私としては、また輸入なども縮減という線で努力してまいりたいと思います。そのような線で、特にオレンジ、ミカン等につきましては今後の日米交渉等もございますし、それらについても、日本農業が着実に発展するというようなことを十分念頭に置いてまた交渉もしてまいりたいというぐあいに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 そこで、養蚕問題に入っていきますけれども、養蚕業は日本の民俗的な、伝統的な産業であることは御承知のとおりですが、それがずっと在庫がたまるということで生産農家は価格を据え置き、あるいは引き下げまでする。そしてまた製糸工場に働いている労働者も、工場の操業停止をするというようなこと。国会においては、特別立法にして在庫の放出をするような手当てもした。そしてまた一元輸入、二国間協定という努力をしたにもかかわらず、今日、十七万五千俵ですか、十七万俵を超えるような在庫が事業団もあって、それに対する金利、倉敷等が一千八百億を超えるという状況になっていて、これだけの努力をしたにもかかわらずこういう事態になったということは政治の責任、行政の責任じゃないのか、こういうふうに思うのですが、行政の責任としてどういうようにしたらこの問題を処理できるのか、そういう展望はどうなのか、こういう問題は大臣どうですか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 ただいま蚕糸業が置かれております情勢は大変厳しいわけでございますが、その要素を分解してみますと二つ問題があるような気がいたします。一つは、内需が大体五十三年ごろをピークにいたしまして毎年毎年落ち込んできている。平均いたしますと、大体三万俵ぐらいずつ下がってきているのじゃないかという気がいたします。五十三年の約四十六万俵に対しまして昨年は三十万俵を切った、こういう状況でございます。いま一つの問題は、我が国の養蚕、製糸は、かつては世界的にその値段と品質等において世界市場を席巻したわけでございますが、狂乱物価のころを境にいたしまして急速に国際競争力を失ってきておる。こういう二つの情勢の中で、今日の養蚕業が大変厳しい状況にあるというふうに考えておるわけでございます。  御指摘ございましたように、消費の減ってまいります過程におきまして、輸入の縮減ということにつきましても通産省の御協力を得まして、生糸はもちろん、絹糸、絹織物についても輸入量を減らす努力をいたしてまいりたい。しかしながら、需要の減退の方がさらに足が速いということで反比例的に事業団の在庫が膨らんだ、こういう経過であるわけでございます。何といっても、需給改善を図る以外にはただいまの置かれている問題を解決する手段はない、こういう意味におきまして需要拡大あるいは輸入削減という努力は引き続きいたしますけれども、ここまで来ますと国内産においても相当な減産をせざるを得ない、こういう判断に立ち至ったわけでございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 今、局長からの答弁があったのですが、在庫が多くなったのは需要が伸びないということもありますけれども、一元輸入、二因間協定があり、通産省もかなり努力をしたにもかかわらず、五十五年以降の着物地等の輸入を見ると、当初二四%のものが今では、五十八年には四三%と輸入が伸びているわけです。どういうところから伸びたかというと、それは二国間とちょっと離れたところの台湾、韓国、香港、シンガポール、マカオ、タイ、フィリピン、こういう国々が入っている。そういうところからどんどんふえてきて、しかもそのふえ方というものが、面積で入るというよりも目方の重いものがどっさり入ってくる、こういう形になっていて、在庫の伸びが非常に多い。そこで、何としても国内の農家にそういう犠牲をしょわせるとするならば、今までもしょってきたんだから、それならばここで絹織物や生糸や繭の輸入を中止する、もっと抑える。全然中止するというわけにもいかないけれども、極力抑えて国内の生産を守っていかなければいけないだろう。前の国会での小島局長の答弁は、発展途上国だから全部抑えるわけにもいかない、こういう非常に消極的な答弁になっているけれども、これは少し積極的に、生産者にわかりやすくしないと、n山化品目だからこれはもうどうにもならないのだというようなことだけではぐあいが悪いと思うのですが、この辺はどうです。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 私どもも、かねてから輸入数量を減らすということについては相当な努力をしてきたつもりでございます。御指摘のとおり、繭、生糸、絹糸、絹織物、いずれも既に自由山化してある商品でございますので、この輸入数量を減らすためには相手国との話し合いを土台にして減らすよりしょうがないということでございますが、五十三年を一〇〇といたしますと、生糸では五十七年度協定で既に二九%という水準まで減らしてきております。絹糸の場合で同じく五十七年で五〇%くらいまで減らしてきております。それから絹織物は、御指摘ございましたように、面積ベースでは六割くらいの水準まで減らしておるわけでございますが、輸入数量を圧縮する過程で、輸出国としては従来の裏地を中心とする軽めのものから表地の方に移行する傾向がございますから、生糸換算数量では面積ベースほどは減っておらないということはございますが、極力削減の努力はしてきておるわけでございます。御高承のとおり、自由化品目であるということの難しさというのは、今日問題になっております例えばオレンジのようなもの、これは自由化してない品目でございますが、なおかつもっと買えという要請が来ておるわけでございます。自由化しておる品目についてここまで減らしてくるという努力は、なかなか並み大抵なものではなかったということは御賢察をいただきたいというふうに考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 通産省見えていると思いますが、面積だけでなしに目方の方も一緒にしてこの問題は両方で考えるべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、通産省は面積だけを取り上げているが、これはどういうことですか。

竹内征司通商産業省生活産業局繊維製品課長

○竹内説明員 ただいま先生の御指摘ございました輸入数量の抑制に当たりまして、面積だけではなくて重目、重量にでも変えたらどうか、こういう御要求につきましては、国内の各所におきましてあることは私どもも承知いたしております。ただ、この問題は大変難しいところがございまして、交渉は二国間の話し合いベースでございますから、相手側の納得を得ながらやっていかなければならない、こういう性格のものでございます。したがいまして、五十年発足当初、面積におきまして規制していただきたいということで二国間でお願い申し上げまして抑制してもらっておるわけでございまして、これを直ちに重みにするということは相手国の事情等もあり、非常に実現困難なところでございます。私どももかねがね二国間におきましては、公式、非公式の場を通じましてお願いはしております。お願いはしておりますけれども、なかなか合意点に達するに至らない、こういうような状況にあるわけでございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 何としても、国内の養蚕家がだんだん減少してくる。茨城県を見ても、去年だけでも全体の一割の養蚕農家が減ってしまっている。今度農林省が考えておるようなことをすると、群馬県一県ぐらいの農家が減ってしまうのではないかというような心配をする向きもある、またよく内容はわかりませんが。     〔島田(琢)主査代理退席、主査着席〕 そういうふうに生産農家はだんだん自分の生産を落としていくし、それから外国からは入ってくる、こうなってくると、国内でいろいろな努力をしてみても何の意味も持たない。長期展望というものは閣議で決定したんだ。そのときには農林水産大臣も通産大臣もみんないたはずだ。閣議で決定したものがいつの間にか、それはその当時の決定であって今は情勢が違うんだということで三年のうちに全く違ったものをつくってしまったのでは、これに従ってきた、まじめに考えてきた生産者は戸惑ってしまう。あるときには生産をしなさい、ぐあいが悪くなったら今度は減産をしろということではどうにもこうにもならない。これでは政治に対する信頼性を失うのですね。これは大臣から答えてもらわなくてはいけないが、一体こういう状況はどうしたらいいのですか。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 確かに六十五年見通しというものがあるわけでございますが、需要につきましての見通しは、あくまでも過去のいろいろな趨勢などをもとにいたしまして立てたものでございます。昨今の絹全体の消費の減退というのは一時的な需要の増減ということではなくて、国民の着物離れということに伴います構造的と申しますか、消費の減退であるという気がいたすわけでございます。御承知のように、日本の絹需要は約九割が和服の需要というふうに見られておりますけれども、昨今の国民生活の洋風化に伴いまして、着物をだんだん着なくなっているという事実は厳然としてあるわけでございまして、そういう先の需要変化を十分見通せなかったということをおっしゃられますと、確かにそこまで見通せなかったのは私どもの責任であることは間違いないわけでございます。  しかし、逆に申しますと、需要がそういうふうに減ってきたという現実を踏まえてこれに対応していくことが行政の努めである、かように考えておるわけでございまして、需要の維持拡大の対策、それから供給の調整ということについて全力を傾注していくのが私どもの仕事ではないかと思っております。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 今局長から御答弁いたしましたとおり、需要の拡大、これもやってまいります。それとまたあわせて減産もお願いするというようなこともございまして、先ほど来局長が答弁しておりますとおり、輸入の削減というのはかなり難しい問題、それを乗り越えてやっていきまして、これからまだまだ難しいということになるかもしれませんが、私といたしましては、今後とも輸入の縮減というものに努力してまいります。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 消費の問題ですけれども、これは通産省の方に伺いますが、原料としては一キロにも満たないものによって原料が出されて、最終消費者に渡るときには何十万という価格になる。この問題はもうすでに委員会でいやというほど言われてきたけれども、これが常に改まらないというのはどういうところに原因があるのですか。

竹内征司通商産業省生活産業局繊維製品課長

○竹内説明員 ただいま、原料価格に比べまして製品価格あるいは着物の価格が非常に高いのではないか、こういう御指摘でございます。ただ、着物は、御存じのとおり白生地では役に立ちません。これに絵をかいて染めていく、着物として売り出すということが必要でございます。その過程におきまして、染色屋さんあるいは絵をかく人、技術を持った非常に零細な業者が大変努力してつくられておる、その過程で大変な人手を食うということは先生よく御存じのとおりだろうと思います。その過程によりまして値打ちが相当違ってくることも事実でございます。したがいまして、こういうところはもうやむを得ないところでございます。  先生の御指摘の点は、恐らく、そのほかの流通過程におきまして非常に高くなっておるのじゃないか、こういう御指摘かと思うわけでございますけれども、確かに繊維の流通過程は非常に多重構造になっておるという点はございます。しかしながら、これは絹製品だけではありませんで、繊維製品全般におきましても非常に多重構造になっておるわけでございます。これは一つは、繊維の歴史的な特色から商品のリスクの問題、売れ残りの問題、そういうふうなものをお互いヘッジをしながらやっていくというふうなことで、歴史的過程で長年の間続いてきた、自由競争の中でできてきたシステムでございます。それなりのメリットもデメリットもございます。我々といたしましては、できるだけメリットを殺すことなくデメリット面の解消を図ってまいりたい、こういうふうに考えるわけでございますけれども、歴史的に形成されたものでございますので、一朝一夕にこれを解決するということは大変困難だろうと思います。繊維製品の流通構造全般の問題としてとらえまして今後努力してまいりたい、このように考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 それぞれ努力をしておることは承知をしておりますけれども、なおそういう工夫をして需要を伸ばしていくことを考えてほしい。  農林水産省に尋ねますが、今、養蚕団体と生産調整、減産の話をしているようですね。まだ団体との間では最終的に話はまとまっていないようだが、漏れ聞くところによると、減産をした場合でも奨励金とか補償金とかそういうものは全然出さない、こういうようなことを聞いているけれども、これはよくない。国が米の減反のかわりに桑園をつくらして、今度余ったから勝手に減産をしろということでほおかぶりをするなんということは許せないことで、一方においては決めた政策、長期計画が誤り、一方では輸入が増大をする、そこへもってきて今度は減産をやれということになったら、これは往復びんたの上から足でたたくようなものだから、農家はそのままではつぶれてしまう。こういうことはよろしくないと思うし、これは大臣の方に要請したいのですが、早急に通産省及び関係者と生産者と一緒になって長期と短期の見通しと方向を出して、生産農家なり生糸の労働者が安心できるような措置を講じてもらいたいと思うのですね。その二点についてお答えをいただきたい。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 まず、減産の具体的な方針が現在どういう段階であるかということでございますが、計画生産推進協議会という生産者団体、それから地方公共団体等を含めました協議の場を設けまして、基本的な物の考え方についてはおおむね意見が一致するという段階まで来ております。ただ、具体的な目標につきましては、現在、生産者団体の中におきまして組織協議に付せられておるという実情にございますので、その意見集約を待ちましてさらに私どもの役所の方で煮詰めたい、かように思っております。  それから奨励金の問題でございますけれども、今回の減産につきましては、私どもは企業で申しますと操短のようなものであるというふうに理解をいたしておるわけでございます。過去の前例に照らしましても、養蚕についても桑園の転換ということを実施したことがございます。また、ミカンにつきましても御高承のとおり面積の縮小ということをやっておるわけでございまして、そういう作付転換を伴います場合に、これについての何らかの助成をしたという前例はあるわけでございます。今回の場合にはそこまで実は考えておるわけではございませんで、現有桑園の中で、端的に申し上げますならば掃き立て数量を減らすという形で臨時応急の減産をする、こういうものでございますから、企業の操短について助成をした前例がないというふうな意味におきまして、今回の措置について直接的な奨励金等の助成をするつもりはないわけでございます。ただ、この対策を進めるために必要な事項につきましては今後十分検討いたしまして、減産推進に役立つことがございますればさらに相談をいたしたい、かように考えております。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 現在、蚕糸業の健全な発展を確保する観点から、中長期的な需要動向及び蚕糸業の方向について学識経験者をもって構成する研究会を開催し、検討いただいておるところでございます。この検討結果を待ちまして今後の蚕糸業の健全な発展を図るための適切な諸施策を講じてまいりたいというぐあいに考えます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 終わります。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。  次に、古川雅司君。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 若干御質問を申し上げます。  最初に、三年越しの牛肉、オレンジを初めとする日米間の農産物自由化・枠拡大の問題でございますが、いよいよ大詰めを迎えまして大臣も大変御苦心をしていらっしゃることをよく伺っております。昨日流れました情報では、三月いっぱいの決着に最大限の努力を払うとしながらも、大臣は米側からの無理な要求があれば三月にはこだわらないというふうにおっしゃったと伺っておりますが、また本日の情報によりますと、この中旬の間に事務レベルの交渉を済ませて大臣の訪米も含めて今月内には決着を見るということでございまして、当然毎日状況が変わっていく激しい動きもあると思いますけれども、大臣、その辺どうおとらえになっているのかお答え願います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私の農産物輸入に関する基本的な考え方というのは、何といっても、我が国の農産物の需給動向を見た上で我が国農業が着実に発展するということと調和のとれた形で輸入しなければならないということが基本でございますので、今月いっぱいという期日でございますが、前金子大臣がお約束して今月いっぱいに何とか話し合いの決着をということでございますので、できれば今月いっぱいに話し合いの決着をつけたいとは思っておりますが、ただむちゃくちゃな要求というものが出てきた場合には、何も今月いっぱいということにはこだわらないというのが一番初めの質問に対する私の基本姿勢でございます。  それとまた、今どのようになっておるか、中旬には事務局をやってというようなことが今御質問ございましたが、現在塚田総務審議官を渡米させておるところでございます。塚田総務審議官の帰国を待ちまして、その報告を受けて、できれば今月内に決着をつける方向に向かって努力をしたいというのが基本的な考えでございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 無理な要求があれば三月にはこだわらないという大臣の御発言には、並み並みならない御決意が秘められていると私は思います。決着を見るには当然米側の通商代表部、USTRと対決をするわけでありますが、先般来日をいたしました全米農民連盟、すなわちナショナル・ファーマーズ・ユニオンのカーペンター議長の発言が評判になっております。彼は、レーガン政権は、農政のみずからの失敗に対する批判をかわすために自由化問題を執拗に日本に迫っているという発言をいたしております。日本の国民、日本の農民を代表して訪米を決意なさる以上は、当然こうしたことも含めて交渉をお進めになると考えられますが、この点はいかがでございますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 ファーマーズ・ユニオンのこの発言、私も存じております。ただ、レーガン大統領は共和党ということでございますが、ファーマーズ・ユニオンは民主党系の団体であるということも伺っております。ただ、私といたしましては、この交渉に当たりまして、衆議院の農林水産委員会での一昨年四月の決議、そしてまた本年一月私が大臣就任早々申し入れもございました。この趣旨は、農産物輸入によって日本の農業者が犠牲にならないように、我が国農業が着実に発展していくようにやるべきであるという趣旨でございます。私は、この趣旨にのっとりまして、このことを頭の中に刻み込みまして今度の日米農産物交渉に臨んでまいる、その基本姿勢でまいります。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 いよいよ決着を間近にいたしますと、日米双方の考え方の隔たりの大きさが問題になるわけでございますが、いずれにいたしましても決着はどう見ても日本側の譲歩、一歩後退ということが心配されるわけでありまして、将来を展望いたしますと、この一歩後退によって日本の農業が根こそぎ完全な崩壊にこれからずるずる引っ張っていかれる。既に牛肉、オレンジに限らず、今進められている交渉の過程においても十三品目が挙げられておりますし、こうしたことを続けていきますと日本国内における主産地、生産地における打撃ははかり知れないものがあるわけでございます。私の広島県におきましても牛肉、ミカンともに生産地でございますし、特に牛につきましては、子牛の価格を初めといたしまして長期の低落傾向で負債も累積をいたしているのが現状でございまして、非常な苦しみの中にございます。したがいまして、非常な関心を持ってこの交渉の成り行きを見守っているわけでございますが、交渉の決着という段階に至って以後の日本の生産地、日本の農民の受ける打撃ということについては大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 この日米農産物交渉に臨みます私の基本的態度は、あくまでも日本農業を守る、日本農薬を堅持するという立場をとってまいります。先ほど申しておりますように、農林水産委員会の決議、申し入れの趣旨を踏まえて交渉に当だってまいります。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 最初にきのうの大臣の御発言を引用させていただいたわけでございますが、どう見ても日本農民にとってはアメリカ側の要求というのは非常に無理な要求である。その程度の問題、その判断というのはいわゆる政治的な判断にゆだねられるでありましょうが、この交渉の決着によって今後受ける農民の打撃はだれもが何よりも心配しているところでございます。決着は先の問題になりますけれども、現在までの交渉の経過を見てまいりまして非常に心配をされることは一歩後退という事態でございまして、その場合に私たちが生産地の農民の皆さんに対して、相手があることだから仕方がないんだという弁解で済まされることか。あるいはまた、日米交渉の過程で一生懸命御努力はなさって御苦労はしていらっしゃるけれども、交渉の結果こういうことになってしまったのだという責任の所在から、政府が今後生ずるそうした農民の損失に対してどう対応していくのか。いわゆる今後の生産の継続を断念していくというふうに導いていくのか、あるいは損失をこうむった農民に対して既に具体的な救済策というものを考えながらこの支渉の決着に向かっていらっしゃるのか、その点をひとつ明確にお示しをいただきたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 はっきり申しまして、まだいろいろな数字だとかなんとかが出てきておるわけではございませんで、今までは事務当局のスケジュールのようなものを詰めておるわけでございますので、その数字が出てきておりません段階でどうこうということは今申し上げられないと思います。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 これは先ほどの繰り返しになりますけれども、農民の皆さんが、一歩後退ということが将来日本の農業生産の完全な崩壊につながるということで大変な懸念をしていらっしゃるわけでございまして、それは一度に来るわけではなく、こうして段階的に一寸刻みに追い詰められていくということが当然起こってくると思うのであります。仕方がないんだ、犠牲になれということでは済まされない、そういう事態に来ていることも事実でございまして、この交渉に臨むに当たって、特に大臣の御訪米ということになれば、そこまでをひとつお踏まえになった決意を固めて、たとえ一歩でも半歩でも後退というような事態になった場合にはどう責任をとるかということもひとつ心に秘めて臨んでいただきたいということをお願い申し上げたいのでございますが、大変僭越な言い方でございますけれども、大臣の御決意を伺っておきたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生の今おっしゃられましたこと、頭に刻み込んで行ってまいります。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 では、次の問題に移らせていただきます。  大臣は、御就任以来、たくましい稲づくり、健康な土づくり、豊かな村づくりというビジョンをお掲げになりまして農政に取り組んでいらっしゃるわけでございますが、ここでいわゆる米の問題について一つだけお伺いをしておきたいと思います。  政府が米の売却を制限をしているというふうに伺っているのですが、これはどういうことか。そしてまた、大臣がおっしゃったこのたくましい稲づくりということは、これまで米をたくさんつくるなと言いながら、いわゆる新しい稲作運動を起こすということを意図していらっしゃるのかどうか。  会計検査院の昭和五十七年の決算検査報告の中でも、この減反政策すなわち水田利用再編対策について効果が上がっていないという指摘もございました。米の消費拡大につきましても、残念ながら余り見るべきものがない。  そういう事態の中で、米が足りない、かなり古い米を放出していかなければならない、そしてまた新しい稲作運動を起こさなければならないというような事態であるとすれば、そこに大変な農民の戸惑いというものが生じてくるのではないか。日本の食糧政策の根幹を揺るがす問題でもあると思いますので、この際このたくましい稲づくりということも含めて、大臣の御所信をお伺いしたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 米は構造的には過剰基調にあることは、先生御存じのとおりでございます。その上に四年連続の不作というようなこともございました。これは天候によるところが一番大きな原因であろうと思いますが、そこで安定供給ということを考えた場合に、計画的に計画をしたものがそのとおりとれていくということで、いわゆる天候不順にも負けないたくましい稲で計画的に供給するという意味から、このたくましい稲づくりというのは打ち出したわけでございます。  また、米が足りないのではないかということにつきましては、食糧庁長官の方からお答えさせていただきます。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 昭和五十九米穀年度の需給の状態について私どもが予測をいたしておりますことをまず申し上げたいと思います。  ただいま大臣のお話にもございましたように、四年連続の不作ということで、五十八年産米が一千三十七万トンという収穫量でございました。この収穫量をもとにいたしまして五十九米穀年度を越えていくわけでございますが、前年産からの持ち越しも十万トンございますし、それからまた五十三年産米についても引き続き売れる見込みでございまして、十万トンから十五万トンあるいはもうちょっと需要があるのではないかというふうに考えられますので、需要の状態から見ましても、米の需給につきましては基本的には問題がないと考えておるわけでございます。  ただ、ただいま先生から御指摘のございました、政府の管理するお米の売却をカットするのではないかというような新聞の報道がございましたが、これは若干御説明をさせていただきたいと思うのですが、ただいま申しました基本的な需給の関係は、これは農家の消費も含めた総体の需給でございます。ところが、私ども政府管理米と申しておりますが、いわゆる自主流通米、それに政府が直接受け持ちで管理する米を足しました政府管理米、これが足りるか足りないかという問題が実は出てまいったわけでございます。  この点につきましても、基本的には私どもは特に問題はないというふうに考えておるわけでございますが、何分にもひところに比べまして政府の在庫量がかなり低下しておることは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、かなりゆとりのある需給操作ができるという状態ではないということは、率直に申し上げざるを得ないというふうに思います。  そこで、私どもは、このような状況下で全期間かつ全国にむらなく安定供給をしていく、つまり時期的あるいは場所的に米が偏在するという状態を避けようということを考えておるわけでございます。  さような状態で考えてまいりますと、一年を三つに分けまして、第二・三半期と言われておりますことしの三月から六月における売却予定量を設定したわけでございますが、これを六百六十万トンの中の二百二十四万トンということで設定したわけでございます。その際、新米穀年度に入りましてからの供給実績、これは需要は実際にはやや落ちているにもかかわらず政府の売却が多い、つまり流通の布庫盤がかなり多くなっているのではないかということを考えまして、この調節を考え、かつ、この三月から六月におきましての真の需要量というものを見詰めながら売却操作を行っていく、そうすれば一番肝心な端境期でございます七月から十月の期間におきまして政府米のかなりの手持ちを持ってゆとりのある売却操作ができるということを考えまして、その期間二百二十四万トンということを考えたわけでございますが、実はこれが前年の売却の実績に比べまして五%ほど低かったものでございますから、あるいはこれはカットするんじゃないか、こういうふうに伝えられたわけでございます。  しかしながら、これはあくまでも供給の予定でございまして、このようなことで私どもできるだけ実態に即応した売却を行っていくつもりでございますが、決して消費をカットして、例えばお米屋さんの店頭に米がなくなるといったようなことを考えておるわけではございません。必要があれば供給をしていくわけでございます。このような売却の操作というのは、ただいま申しましたようなきめの細かな需給操作をしていって、国民にいささかの不安も与えないような形で需給を操作してまいりたいということから出たことでございまして、さように御理解をいただきたいと思います。  なお、今後の問題といたしましては、ただいま政府の在庫も少なくなったということを申しましたけれども、実は毎年四十五万トンの在庫の積み増しもしていこうということを第三期の転作対策の中で考えている次第でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 御説明を伺いましたが、何せ四年連続の不作という異常な事態の中でございますから、操作というのに非常に難しい点があるのはよく理解できます。こういう異常な事態の中で、従来進めてきた米の消費拡大ということはこれからどうなさるのか。さらに進めていくのか、あるいはここでとんざするのか。それからまた、先ほど会計検査院の決算報告の結果で御指摘をした水田利用再編対策についても従来のペースで進めていくのか、あるいはここで大きな見直しをしていくのか。それから、大臣がスローガンに掲げられましたたくましい稲づくり、大臣からその内容について少しお伺いしたわけでございますが、そうしたいわば新しい稲作運動というものをこれから長期的な展望に立ってやっていくという方針をお決めになったのか、その点いかがでございましょうか。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 消費の拡大について御説明をいたしたいと思います。  確かに当面の需給はゆとりのある操作ではないということを申し上げたわけでございますが、しかし、あくまでもお米の生産そのものは、潜在的な生産量ということを考えますると、これは非常に大きな潜在生産量を持っておるわけでございまして、基本的には需給は過剰であると申し上げざるを得ないと思います。したがいまして、短期のものではなくて長期的な政策といたしましては、どうしても米の消費拡大は今後とも続けていくべきであるというふうに考えておる次第でございまして、やはり日本型食生活というものを定着していくという基本的な考え方のもとに、消費の拡大についても従来どおりの方策をとる。例えば学校給食の問題につきましても、同じように、学童期からお米になれ親しんでいただくということを考えているわけでございます。したがいまして、五十九年度予算でお願いを申し上げておりますのも、五十八年度予算はこの消費拡大の関係が二百四十億でございましたが、ことしは二百六十億ということでお願いをしておる次第でございます。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○小島(和)政府委員 昨年の十一月でございましたが、会計検査院から水田利用再編対策の実施状況につきまして幾つかの改善を求められておる事項がございます。項目は五つほどございますのでちょっと申し上げますと……(古川分科員「わかっております」と呼ぶ)いずれもその水田利用再編対策の二期対策の実施状況に関連しまして求められた改善事項でございます。五十九年度から水田利用再編第三期対策に入りますので、この機会に検査院の御指摘の点も含めまして制度の内容を大幅に改善をいたしておりますので、御指摘の点はおおむね解消したというふうに私どもは考えております。  それから、最後におっしゃいましたたくましい稲づくりの問題でございますが、大臣から概要申し上げましたが、これは官民一体となって農家、農村指導者に稲作改善に関する機運の醸成と基本技術の励行等を通ずる作柄安定を図っていく、こういうことでございまして、中央段階、県段階、それぞれ関係者が打ち合わせをいたしまして強力に運動を展開してまいる、それによりまして、気象条件が仮に不良でございましても、需給計画に織り込みました予定生産量は確保したい、こういうねらいを込めて実施いたしておるわけでございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 米の在庫量の低下ということについての御答弁があったわけでございますが、既に五十二年産米も売却の段階に入っている。そこで非常に心配されておりますことは、いわゆる人体上の安全性の問題でございまして、在庫中に繰り返し殺虫剤をかけているということで、その安全性が確かなものかどうかという不安が非常に高まっておりますけれども、この点について明確な答御弁をひとつ……。

松浦昭食糧庁長官

○松浦政府委員 この点につきましては、まず米の保管管理でございますけれども、日常から倉庫内の通風換気あるいは環境整備といったことにつきましては細心の注意を払っておるわけでございますが、病虫害の発生を防止しがたいという場合に限りまして薬剤をガス状で作用させる、いわゆる薫蒸方法というものをとっておるわけでございます。ただ、五十三年産米につきましてもこのような薫蒸を実施しておりますけれども、まず第一に、薫蒸の実施後はその都度十分な換気を行っておりまして、ガスは全部排出するようにいたしておるわけでございます。  それからもう一つは、使用している薫蒸剤についてでございますけれども、これはいずれも沸点が非常に低いものでございまして、非常に揮発性の高いものでございます。したがいまして、使いますると速やかにガス状になって消失する、そういう特性を持った農薬でございます。したがいまして、五十三年産米につきましては安全性に問題ないというふうに考えておるわけでございます。特に食糧庁で使用しております薫蒸剤は、農薬取締法に基づきまして非常に厳重な検査を受けた、そういう農薬でございまして、名前もメチルブロマイド、エキボン、燐化アルミニウム、この三種類に限って使っている次第でございまして、安全性には問題ないと思っております。  それから、実はきのう、予算委員会の一般質問がございまして、その中で同趣旨の御質問が厚生省に対してもあったわけでございますが、厚生省の局長の方から私どもと同じ見解、厚生省は特に安全の問題については最終的に責任を持つ官庁でもございますので、そちらの方からも全く同様の趣旨の御答弁があったことをつけ加えさせていただきたいというように思います。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 いわゆる食べ物が発がんの原因になるのじゃないかという不安が非常に高まっているときでもございますし、動物、特に猿の奇形などがその例に挙げられていろいろ不安材料になっております。そういう時期でもございますので、こうした食糧の人体上の安全性ということに対しては、ひとつ今後とも手を緩めないで厳重な監視をしていただきたいということをお願い申し上げておきます。  あと残り時間が短くなりまして、これは簡単にお伺いするような問題ではないのでございますが、三問目といたしまして、現在のような財政事情のもとでなぜ農業のいわゆる補助金制度に対して批判が集中をしているのかという問題でございます。農林水産省とされてもこの点にいろいろと苦慮をされまして、近年いわゆる統合メニュー化というような対策を講じていらっしゃるわけでございますが、農林予算の六割を占めるこの補助金が農業の近代化に一定の役割を果たしてきたということは高く評価をされているわけでございます。それに反して、地域的な特性であるとかあるいは農民側の事情を無視して非常に画一的であり、あるいはまた縦割り的であり、非経済的であるという批判も後を絶たないわけでございますけれども、現在の財政事情ということを前提にいたしますと、こうした批判に対して、やはり具体的に明確な対応をしていくときに至ったのではないかと考えるわけでございますが、この点いかがでございましょう。

角道謙一農林水産省大臣官房長

○角道政府委員 お答え申し上げます。  最初に、農林水産関係の補助金につきまして不当事項等が例年指摘されております事例、私ども遺憾に思っております。ただ、御承知のように、農林水産関係の補助金の補助対象は大体小規模な団体あるいは県等が多いということ、それから同時に、間接補助が大半でございます。そういうことで件数が多く、また会計事務等にふなれな小規模な団体が多いということも違反の多い原因でございまして、私ども、例年のように厳しく取り締まるし、また、改善すべきものは改善をしているということで、最近は件数につきまして若干減ってきておる、金額につきましても減っておる方向にございますが、今後こういうことのないようにさらに努力を続けたいと思っております。  それから、補助金につきましては、農林水産関係の補助金の必要性は先生もう十分御承知のとおりでございまして、やはり農林水産関係の行政を的確に進めていくためには補助金は不可欠ということだと思いますが、反面、現下の財政事情、非常に厳しい、赤字公債に相当依存しなければいかぬような財政事情でございますし、また一面におきましては補助金の硬直性あるいは執行の合理性といいますか、そういうこともいろいろ指摘されておりますので、私ども、従来からも補助金の執行の仕方あるいは合理化には努めてきているところでございまして、今御指摘のように昭和五十七年度には思い切りまして、地域の創意を生かし、できるだけ同種の事業はまとめていく、また地域の希望に応じての事業ができるというようなことから事業のメニュー化、統合化ということに踏み切りまして、当時千二百件余りありましたものを六百件に縮小したというようなことを初めといたしまして、自後、毎年のように今補助金の合理化ということにつきましては、私ども特段の意を用いているところでございまして、今後ともその方向については努力をしてまいりたいと思いますが、ただ先ほど冒頭申し上げましたように、補助金というのは農業、特に投資力の少ない、また零細な農家にとりましては農業行政を進めていくためには不可欠な手段でありますので、これにつきましては十分御理解をいただきたいと思っています。

古川雅司公明党・国民会議

○古川分科員 最後に、大臣にお伺いしておきます。  農業基本法のいわゆる自立経営農家の育成ということについては多分に私は失敗をしたという認識をいたしております。ここで、その建て直しをしていく中で、この補助金制度の大幅な見直しということが大きなかぎになってくるのじゃないかと思いますが、この点は施設や機械の投資額というものの低利の融資という方向に大きな検討をする必要があるんじゃないか。ぜひひとつ大臣の御在任の期間中にこうした補助金が、農民の皆さんの創意工夫であるとかあるいは技術革新であるとか、自立自営の意欲を増進させるという方向につながっていくように、若干の競争原理も導入しながら手直しをしていく、そういうチャンスではないかというふうに思うわけでございます。御決意を伺いまして私の質問を終わります。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 先生おっしゃいましたとおり、補助金が本当に農民のために有効に使われるという方向につきまして、今後とも勉強して、そういうふうに進んでまいりたいと思っております。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて古川雅司君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田利春君。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 大臣、先ほどの夕刊の報道によれば、昨年金子農林大臣がカメンツェフ・ソ連漁業大臣を招待をして、そのときに金子農林大臣に対してカメンツェフ漁業大臣から改めてソ連側に招待があった。選挙が終わって山村農林水産大臣に改めてソ連側から招待があって、伝えられるところによればこの招待に応ずる、こう報道されておるのですが、大体、訪問されるとすればいつころ訪問されるのか、また正式にソ連側にそういう回答を与えたのか、その点ちょっとお聞きいたしたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私も新聞を見まして早速水産庁に聞いたわけでございますが、実は聞きましたところ、月曜日に何か正式に来るようでございます。そして、いつということになりますと、それは正式に来た上でこれはひとつ検討さしていただきたいというぐあいに考えております。   ただ、私、前の予算委員会ですか農水ですか、答弁した覚えがございますが、要請があれば参り一たいという基本姿勢は変わりません。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 今やはり日ソ関係の、特に水産関係の問題は、今年は非常に重要な年だと思うわけです。そういう意味でも親善友好、しかも相互理解をお互いにざっくばらんに話し合うことが今日一番大事ではないか、こう思うのであります。特に、アメリカと日本の関係というのはむしろ非常に問題が多いのであって、ソ連と日本の関係に、おける漁業関係というのはむしろ一定の枠組みができている。ただこれは毎年協定で短期なわけですね。これをどう一体長期的に安定をさせるか、このことが今やはり日本側としては最大の課題ではないか。同時に、最近違反が非常多いわけです。サケ・マスの場合でも北洋の場合でも多いわけです。  そうしますと、これは一体どこに原因があるのか。いろいろありますけれども、一つには、やはり漁場の問題にあるわけですね。だが、伝統的に考えますと、今漁場の変更をするとか拡大するということは、これは至難なわざだと思うのです。しかも、ソ連側のクォータに対する実績は三〇%程度でありますから。そうすると、何らかの措置をしなければならぬのではないのか。そのためには、前にカメンツェフ漁業大臣が来て提案をいたしました日ソの両国における漁業に関するジョイントベンチャーの問題、もちろんこれはソ連側と相互主義でありますから、相互に認めるというソ連側の態度がなければできませんけれども、それがもしソ連側として認めるならばそういうことを考えてみる。あるいは、今度の漁業交渉で小名浜とナホトカの相互寄港が決まったわけでありますけれども、この問題から考えてみますと、日ソ間というのは二百海里という厳格な協定の枠組みにあるわけですから、音の公海と違って何か便宜を提供したからそのことによってソ連側が極端に有利になるということはないわけですね。魚をとるには、漁区からそれから期間から漁網から一切協定されておるわけですから。そうすると、例えば漁船を修理してほしいというならば、漁船の修理が認められる客観的な条件ができ上がっておるのではないのか、こんな気がするわけですね。そういうことも考えながら、安定的な漁場の拡大とか漁場の変更を含む、しかも長期協定を結ぶ、あなたは訪ソされるときにはそういう展望に立って訪ソされた方がいいのではないか、私自身長年この問題に取り組んでまいりましてこういう意見を持っておりますので、きょうは水産庁からだれも来ておりませんから、率直にお伝えをして御検討願いたいということだけを申し上げておきたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 まだ正式に来ておりません。月曜日に来るそうでございますが、そういうようなこともございまして具体的にどうという問題については私もまだよく勉強もしてございません。ただ、今先生が言われたジョイントベンチャーの問題、また長期の問題、そしてまた漁場の問題、これらにつきましては日本の国益というものを十分考えながらやってまいりたいというぐあいに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 時間がありませんから、きょうは酪農問題について御質問したいということで御通告申し上げておるわけです。  そこで、初めに最近の乳製品の在庫状況について御説明願いたい、こう思うわけです。特に事業団在庫のみならず民間在庫を一体どう把握をするのか。これは昨年、一昨年も民間在庫の把握というものが本当に確立したのかどうなのかということについて多少議論をしたことがあるわけでありますけれども、特にこれから安定計画的な生産、そして安定的な需要、こういう前提に立って酪農政策を進める、こう考えますと、民間在庫の動向というものを的確につかむということが非常に重要だと私は思うのです。そういう意味で、最近の乳製品の在庫の状況は一体どう推移しているかということをひとつ御説明願いたいと思います。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘がございました五十六年でございますか、民間在庫の把握の仕方にいろいろ問題がございました。それ以降、私どもは当時はサンプル調査をいたしましてランダムにサンプルしたものである程度延ばしていたわけでございますが、バター、脱粉をつくっておりますメーカーは限られておるものでございますから、全数調査に切りかえまして、しかも毎月毎月、特に価格決定段階のときには毎月出しましてそれを公表いたしまして、関係者からもまあ間違いのない数字だと信頼できるような数字にしてやることにいたしております。  御承知のように、五十四、五十五に大変過剰在庫でございましたが、五十六年を転機にいたしまして在庫はかなり落ちついてまいりました。最近の状況を申し上げますと、昨年の暮れで申しますれば、バターで申しますと、民間在庫は一万三千トンぐらいでございます。それから、事業団在庫をいたしておりますものは千トンでございます。それから、脱脂粉乳で申しますと、事業団在庫をいたしておりますものが九千トンでございまして、民間在庫が二万四千トンばかりと考えております。傾向で申しますと、十一月ごろが下がったわけですが、それからむしろふえぎみでございまして、御承知のように、生乳の生産の伸びがある程度大きく伸びておりますけれども、飲用牛乳の伸びがとまっておりますので、我々の感じからいいますと、少し在庫がたまる方へ向かってきておると思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 そうしますと、現在の在庫状況は、事業団、民間含んで、従来農林水産省が発表した水準からいえば、現時点では大体正常な在庫の状況だ。ただしかし、今後の傾向として在庫が増加していくのではないか、こう理解をしていいのではないかと思います。  ただ、昨年の春から十月ごろまで事業団の在庫を放出いたしておるわけです。この事業団在庫の放出の競争率を見ますと、大体一・六から三倍というような競争率になっているわけです。この状況というのは一時的なものなのか、またはどういう、需要が伸びたからと、簡単に言えばそれまでなんでしょうけれども、何か状況としてこのような現象というものはどういう背景によるものか、お聞かせ願いたいと思うのです。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御承知のように、五十四年、五十五年、大変在庫もふえまして、価格の水準も下がってまいりました。そういう中でやはりまた脱粉を使いましたようないろんな用途のもの、例えばいろんな発酵乳のようなものだとか、あるいはアイスクリームとかヨーグルトとかいった製品がかなり需要が増してまいりまして、需要の規模自身がある程度大きくなったと考えております。私どもとすれば、そういうことはある意味では大変望ましいことではございますが、最近若干懸念をいたしておりますものは、本来生乳、生の牛乳からそのまま使われてもいいものが、こういういわば特定乳製品の方から回ってまいりますことは、農民所得の確保の問題あるいは効率的な財政運営の問題、いろいろ考えまして問題があるわけでございます。直ちにそれを大いに心配しなければいかぬということではなかろうかとは思いますけれども、そういう商品が、いわば高級化現象の中ではむしろ生乳を使っていただくことが望ましいということもございますので、その辺の問題を今後慎重に検討しなければいかぬと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 例年同様に中央酪農会議は、また昭和五十九年度についての需給計画について一応発表いたしておるわけであります。これによりますと、飲料向けあるいは乳製品向け、いずれも前年対比プラスの方向で、トータルをして二・〇二%の伸び、七百八万八千九百トン、こういう一応の計画を立てられておるわけです。  今、前段で私は在庫の状況について説明を聞いたわけですが、そういう意味で牛酪が一応需給計画を発表している飲料向けあるいは乳製品の中でも特定乳製品あるいはその他の乳製品、そして二%程度の微増の方向で計画生産に入るという点について、昨年の結果を見ますと、若干、乳製品の場合には五万トン程度農林省は下げたわけです。今説明を受けると、牛酪の傾向はむしろ抑えぎみにいかなければならない、こういうことになるのではないかと思うのですが、見解を承っておきたいと思います。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 牛酪が設定をいたしております需給計画表、今先生御指摘のとおり、全体で対前年比二%ちょっとという比較的穏やかな伸びを全体で考えております。私ども最近の飲用向けの動き等を見ておりますと、この全体の数量としますればおおむね妥当な水準で算定をしているのではないかと思います。  ただ、先生も御指摘のありましたように、これが用途向けにどう仕向けられるかという点につきましては、私どもとすればさらに検討を要することではなかろうか。先ほどちょっと申しましたように、同じ乳製品に回ります場合でも、特定乳製品としていくのかその他の乳製品としていくのかというような用途の問題もございますので、私どもは現在慎重に検討いたしておりますが、全体としてはほぼ妥当と考えますが、用途別につきまして似もう少し我々の内部でも検討しなければいかないと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 昨年来、特に飲料向けの乳価の問題は、極めて大きな政治問題でもあり、自民党は自民党自体でいろんな対策委員会をつくって、この対応をいろいろ考えてきた。農林省は農林省で、またこれに対するいろんな施策を考えてきた。野党の方もこの問題についてはそれぞれ独自の立場でその対応策を考えてきておるのですが、多少改善の傾向がありますけれども、なかなか顕著な改善の成果が上がったとは言えないと私は思うのであります。そこで、大体今までも対策を進めてまいったわけでありますから、大体方向性については何か得られたのではないのか、私はこんな気がするのであります。しかし、目標とする昭和五十三年七月決定の取引条件に飲料乳価が到達をするということについては、まだまだほど遠いお話ではなかろうか、私はこう思います。  そういう点で農林水産省としては、それぞれ一年間努力した結果、この五十三年七月決定の取引条件とまではいかなくても、ほぼ近いところまで回復できる見通しというのはあるのかないのか、この機会に率直に聞いておきたいと思うのです。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 先生御指摘の五十三年決定の生乳価格、これは御承知のとおり名目的なものでございますけれども、関東地方の標準ということで工場渡しで百十八円二十一銭六厘ですか、というような数字がございますが、具体的な取引価格はやはりそのときどきの需給事情に応じまして生産者団体と乳業者の間で決定されておるわけでございます。  この決定後に、御承知のような過剰な時期が参りまして、建て値がだんだん下がってきたわけでございますが、先生も御指摘がありましたように、ここ二年間生産者の方につきましても計画生産に協力していただきましたし、それからメーカその他の流通業者につきましても、やはり基本的食糧であります牛乳の価格がみだりに大きく変動するということは望ましくないということで、昨年九月にも局長通達というものを流しまして、いろんな形でのいわば適正乳価というものへ誘導したわけでございます。  最近やはりそういうことが若干ずつ効果が出てまいりまして、これは農家の手取りを統計の数字を使って調べている手法がございますが、その数字の上でも昨年一年で改善されておりますし、ことしに入りましてなおその改善の傾向が著しいわけでございます。  ただ問題は、これはやはり基本といたしましては、需給に大きく変動されるわけでございますので、やはり計画生産を忠実にやっていただくとか、あるいは産地間市乳価格競争というものに対しておのずと限度があるものにしていただく。それからもう一つ、やはり市乳プラントが私ども過剰だと思っております。これを整理をしながら乳業者間の相互不信をなくするということも必要かと思います。  それから、末端段階でのいわば乱売というようなことにつきましても、これはおかけさまで、とんでもなく安く売っております牛乳の比率がどんどん落ちてまいりまして、かつて百八十円以下というものが四〇%ぐらいあった時代がありますが、現在は百八十円以下というものはすでに一五%程度まで下がってきているという数字もございます。これは先生も御指摘のように、なかなか目に見えてある日ぴしっとなるという、これはむしろ日に見えてぴしっとなれば、いろいろと今度はまた公正取引の問題もあるわけでございますし、そのあたりは関係者の理解を得ながら、生産者にとっても納得ができ、消費者にとっても利用しやすい価格という方向へ誘導するつもりでございます。これは関係者もその気でございますし、行政の方も、日々の行動の中でそういうことが実現できるような体制づくりに専心したいと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 そうすると、次に、乳製品の最近の価格の動向についてどう把握されておりますか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 乳製品につきましては、五十七年、五十八年の期間を通じまして比較的堅調に推移をしてまいっております。私どもとしますれば、安定指標価格に対する比率等もだんだんモダレートになってきておりますが、ここ最近の動きといたしましては、比較的、先ほど申しました需給の緩和と申しますか、在庫も若干ふえているということも表に出てまいりました結果、最近は若干弱含みではございますが、しかし安定指標価格の水準は維持しているというのが現状でございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 そうしますと、大体局長の答弁を今聞いていると、五十九年度の場合、飲料乳の消費もほぼ中略の計画並み、これは一。二%のプラスとありますから大体四百二十四万トンぐらいの水準ではなかろうか。そしてまた、最近の市乳の乳価の動向あるいはまた乳製品の動向、そしてまた在庫の状況、こういうものを勘案してまいりますと、特定乳製品向けの生産量は二百四十万トンということに大体合意ができるのではなかろうか、こう思うわけであります。もちろん財源の問題もありますけれども、昨年は大体二百二十二万トンを牛酪は考えたのですけれども、限度数量は二百十五万トンで決まっておるわけです。ですから、そういう経過を見ますと、一応算式としてはじき出せば、限度数盤の場合には二百四十万トン程度に設定することが、財源は別ですよ、算式上は無理がないんではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 限度数量につきましては、御承知のように、過剰の中でかなり長い間据え置いてまいりました。百九十三万トンということで据え置いてきたわけでございますが、昨年、御承知のような需給状況の中である程度価格も安定させますことも必要だと考えまして、二十二万トンの増の二百十五万トンにしたところでございます。これは私どもとすればかなり思い切った水準にまでやったことでございまして、その時点におきましては安定指標価格との関係でいろいろと問題があろうかと思いましたが、幸いなところ、昨年一年ほぼ均衡のとれたことできたわけでございます。  最近の様相でちょっと申し上げましたように、若干弱含みで在庫も出てきている、こういう非常に敏感な商品でございまして、ちょっとやわらかくなりますと在庫が出過ぎるというようなこと、過去二回ばかり大変苦しい経験をしたことがございますので、この限度数量の問題については今はかなり慎重に考えるべきときではないかと思っております。  それともう一点。先ほど申しましたように、本来市乳からいって製品になってしかるべきもの、例えば高級アイスクリームとか高級ヨーグルトというようなものがこういう特定乳製品を経由してまいるということにつきましては、やはり国民経済的に見ましても問題があるのじゃないかというようなことも考えておりますので、私どもはそういう意味も含めた上でこれから詰めてまいりますけれども、中酪の掲げております特定乳製品の数字と私どもが今考えておりますいろいろな検討の中には、やはり違った要素が出てくるのではないかと思っております。ただ、私どもとすれば、これはまだ検討の途中でございますので、検討の結果適正なものにしていきたいと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 いずれにしても、先ほど前提なるものを聞いてまいったわけです。そして、市乳と原料乳価の間に、輸送額というものを簡単にしてもなおかつ価格差がありますと、どうしても市乳の方に伸びていく。のみならず、今局長が指摘をされたように、ヨーグルトとかいろいろな面にも、他の乳製品の方向にも経由していくという傾向があるのだと思うのですね。そういう意味で、限度数量というものは計算上出てきたものはある程度きちっと確保するということが大事じゃないのか。私に言わせると、二百四十万トンでいえば、局長の言ったことをそのまま入れたって二十万トンはプラスしなければならぬではないかなという感じを私は非常に強く持っているということを申し上げておかざるを得ないのであります。  そこで、もう一つお聞きをしておきたいのは、全国の酪農家の負債の状況、特に大型の北海道その他の関係の負債の状況。もちろん負債関係は、最近は微増の傾向にとどまっているということになっておるのです。だが、この統計は非常に危険だと思うのですね。例えば経営的に見て、ABCD階層に分類をしてこの負債の状況を見ると、何か背中にアワ立つような数字も出てまいるわけであります。  先般、共産党の津川委員が予算委員会で質問しておりましたけれども、あれは根室の中春別農協のことなんですけれども、あれなんかはかつて特一、特二のパイロットファームのはしりですわね、世銀から金を入れて。そして、今日新酪につないできたという、長い構造施策の道を歩み通してきた地域でもあるわけです。これなんかは根本的に分析をしてみないとならないわけです。農協そのものがもうもたぬわけでありますから、はっきり言いますと。  そういう点で一概に平均数字で理解するというのは非常に難しいのでありますけれども、いずれにしてもヨーロッパ並みの酪農経営を目指す、特に北海道の大型酪専の場合には、過去三年間負債整理対策の整理資金を入れて努力をしてまいっておるわけでありますけれども、これでは解決できないものが出てきたのではないのか、工夫しなければならぬ面があるのではないのか。当初五カ年計画でありますから、あと二カ年あるわけであります。大体三カ年見ますと、今までのやり方では限界に来ているのではないのか。これは今度の畜産審議会でもこういう問題についていろいろ議論されると思いますけれども、乳価の問題にも関係があると思います。  そういう意味では、新たな面で負債対策というものを考えなければいかぬのではないのか。私、大体三年間で農林水産省も総括ができたんではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘がありましたように、負債の問題を考えます場合には、全体としての数字のほかに個別の経営ということも必要かと思います。先生もお挙げになりましたように、全体の数字では負債総額もモダレートになってきておりますし、さらに戸当たりとかあるいは一頭当たりの借入金というようなものは減少してきておりますし、それから資産の増加、預貯金増とかいういい数字が出てまいっております。これは当然酪農の面についていい条件ができてきておりますからそうだと思いますが、御指摘のように、非常に短い期間に多額の投資をなさった方につきましては、そういう一般論以外の要素がございまして、償還金をさらに長く分割しなければいかぬということで、御指摘のように、五十六年から五カ年間の制度をつくったわけでございます。  特に北海道は、この資金を一番大きく活用なさっているわけでございます。たしか三千数打戸の貸付を行ったわけでございますが、私どもの手元の数字では、そのうち約一割ぐらいの方々が既にその貸付を受けなくても自立できるようになった、そういう意味でプラスの面はあったかと思います。残っていらっしゃる方々の方が、どちらかというと悪い方が残るわけでございます。そういう意味で、新たな何らかの施策をという御質問がと思いますが、私ども一応五カ年間でこの長期低利の資金をやるということを制度的にも約束しております。  それからもう一つは、その後の経営条件はあのとき想定しましたよりもかなりよくなってきておりますので、そのあたりを組み合わせながら、これは道庁にも申しておるのですが、一戸一戸わかることでございますので、個別の指導をしながら、さらに、例えば自創資金を活用するような場合もありましょうし、それから物によっては道自身も考えておりますように、他の経営主体へ移すというようなことも考えているのもあるようでございますので、その辺のことをさらに詰めていきたいと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)分科員 ある程度今まで政策を進めてきた酪農家を相当大多数安定させると考えれば、乳価では解決しないわけですね。乳価というのは平均政策ですから、よい人はぐっとよくなるし、悪い人はいつまでも悪い、格差は縮まらないのであります。そうすると、大型の場合には負債対策を非常に適切にやるということによって救われるものが出てきて、安定化して非常に層が厚くなっていくという面で、私はなお一層引き続きせっかくの努力をこの機会に要望しておきたいと思うのであります。  同時に、昨年も御指摘をしましたように、大型酪専のモデル事業の新酪農村の場合においても、そういう問題が出ております。ぜひ御検討願いたい、こう思うのです。いずれもやり方によって安定する条件はあるわけでありますから。ただ残念ながら、生産制限の中で飛び込んだ人は、今粗収入で三千万ちょっとなんですね。しかも、その人は借金はないのですよ。自分で借金は持たないで入っているわけです。だから、そういう時期なるがゆえに、例えば自動給飼機なんか二、三年で取りかえるような状況も出ているわけです。これを取りかえるとその分だけ赤字だ、これならつけないで労力を使えばとんとんでやっていける、こういうぎりぎりぎっちょんの農家があるわけですよ。これはせっかくやってきた事業でございますから、九十四軒しかないわけでありますから、ぜひこれは道庁ともタイアップをして、適切な対応と対策を講ぜられるように心から希望しておきたいと思います。  時間がありませんので、最後に大臣にお聞きいたしておきたいと思うのですが、今申し上げましたように、乳価の額というのは、いずれにしても最終的には算式によってはじき出されてくるわけです。問題は、農民の要求する算式の要素と農林省の算式の要素が違うものですから、そこで要求と農林省の価格との差が毎年出ておるということであります。特に、今は北海道一本に絞っておるわけでありますから、労賃の場合もそうでありますから。いずれにしても、これだけ構造改善政策を進めてきた。農林省だって血の出る思いでやったでしょう。これを受けている農嶋側だって、本当に血の出る思いでついてきたわけですよ。これを安定させないで日本の農業はないと私は思うのですね。しかも、規模的に言うとこれは既にECを上回っているわけです、国際的な規模なんですから。そうすると、いろいろ財政上の問題があるけれども、その中でも工夫をすれば今までの努力の結果が安定すると私は確信をするわけであります。  そういう点で、この問題についてぜひ大臣の所見を承っておきたいと思いますし、事務当局でももし何かあれば承って、終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 この加工原料乳の保証価格等につきましては、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして、生乳の生産条件や需給事情の変化、酪農経営の状況等、各種の要素を総合的に考慮いたしまして、畜産振興審議会の意見を聞いた上で、三月末までに適正に決定することとしていきたいというぐあいに考えております。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて岡田利春君の質疑は終了いたしました。  次に、村山喜一君。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 大臣に初めにお伺いたします。  きょうの夕刊に「日米農産物 月内解決へ一括交渉」、例のガットに提訴をしました落花生などの十三品目も含めて、農相が訪米をして最終的に決着をつけるであろうという記事が出ております。この真実性というよりも、流れはこういうことになるだろうと思うのですが、大臣はどういうふうになると認識していらっしゃるのですか。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 実は今塚田総務審議官を渡米させておる最中でございまして、あす帰る予定でございますか、電話連絡そのほかもどのようなぐあいに――そういうような詳しい報告は私は全然受けておりません。塚田審議官の帰りますのを待って、その報告を受けまして、どういうぐあいにするか決定していきたいと思います。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 実は三月三日に二千名の農民の集会が鹿児島でございました。鹿児島は御承知のように、和牛も日本一でございますし、豚もブロイラーもそうでございます。それにミカンの生産地でもございますので、ちょうど二千名の農民がまなじりを決して集まった。実はきょうも私の地区では農協の幹部や市町村長が集まりまして、この問題を成り行きを見ながら非常に心配しておりまして、帰ってこい、こういうことでございましたが、いやきょうおれは予算分科会で特に畜産の問題を中心に山村農林大臣にお尋ねをして、しゃんとした性根を聞かしてもらうために残るからということで質問をいたすことになりましたので、初めに申し上げておきたいと思うのです。  私たちも、塚田審議官が明日帰ってみえて、その報告によって、来週ですか、事務レベルの、あるいは専門家会議でございますか、そういうためにだれか代表がまた行くであろうというふうに聞いておりました。したがいまして、こちらの出方というものは、その報告を聞いた上でないと、どういうふうに出ていくのかということについてまだ決定をしているわけじゃないと承っておりましたので、先ほど大臣にちょっとコメントを求めたわけでございます。  そこで、日米農産物交渉の牛肉とオレンジの問題についての内容は、交渉の中身が発表されておりませんので定かでございません。しかしながら、例の高級牛肉だけではなくて一般牛肉の問題まで含んだ要請があるらしいと巷間伝えられているわけです。  たまたま先般オーストラリアのホーク首相が日本に参りました。そのときに、米国のクォータがふえた場合にはオーストラリアも枠がふえるものだと考えている、こういうような話がございました。そうなりますと、これは日米間の当事者でやっているわけですが、オーストラリアあたりと提携をしながら日本に農畜産物の枠の拡大を迫ってくるという外交的な動きがキャッチされるのかどうか。これは日米間の問題だけでとどまるという認識をされているのかどうか、その点はいかがでございますか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○佐野政府委員 お答えいたします。  ホーク首相が参りましたときの中曽根総理との間の共同声明では、第三国との貿易問題を処理するに当たってオーストラリアの犠牲において処理をするというようなことはしないということが書かれた文言がございます。  それで、これは何も特に牛肉だけのことではございませんで、オーストラリアは石炭その他、同様の趣旨の関心を持っている品目が幾つかございます。そこで、それの解釈をめぐってホーク首相が今先生御指摘のようなことを述べたことがあるということは事実でございますが、これは全くホーク首相の誤解でございまして、そもそも牛肉につきまして国別の枠というものはないわけでございますから、アメリカの枠もございませんし、もちろんオーストラリアの枠もございません。したがって、何と何が比例するというようなものでも全くございません。その後オーストラリアも、ああしまったということは気づいておりますから、その点の御懸念は今やなくなっておるものと思います。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 そこで、日本の場合は、牛肉は今でも需要と消費との関係で外国から輸入しているわけですね。その場合には、日本の牛肉が不足をしているから入れているのであって、あり余るほど入れていく必要はないわけですね。  そこで、輸入の目的というものは一体どういうことになるのか。大臣は、日本農業というものを大事にして、特に大型家畜というものが日本農業から消えていくようなばかなことは、所管大臣としておやりになるはずはない。またしかし、一面において日本の国内の価格が対外的な競争力を持ち得るようなことも考えていかなければならぬ。さしあたってはEC並みの価格を目指してやっていくんだというように考えているわけですが、輸入の目的というものはどういうことなんでしょう。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘のように、国内で牛肉を生産いたしておりますけれども、現状で申しますと約七割くらいが国内で生産されておりまして、三割が輸入に頼っているわけでございます。  もちろん私どもとすれば、国内で合理的に生産できるものは極力国内生産をしたいということでございますので、昨年通過させていただきました酪農及び肉川牛生産の振興に関する法律に基づきまして昨年の十月に合理化のための基本方針なるものを定めておりますが、その中でも「合理的な国内生産による供給を基本としつつ、国内生産で不足する部分」を計画的に輸入するという表現になっております。もちろんこれは必要なものを入れませんと、現在の価格安定制度で旧内牛肉を安定させておりますが、それが不足しますと暴騰するということでございますので、私どもは必要なものを入れて価格を極力安定的にするという形で運用しているわけでございます。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 そこで、これは数字を確認したいと思うのですが、五十七年度の需要量の問題、それから国内生産、それから外国からの輸入の枠の設定の問題ですが、五十八年度はどういうことになっているのでしょうね。というのは、国内生産のベースが枝肉ベースで三十四万九千トン、需要量が四十九万トンで、残りが輸入枠の割り当てで十四万一千トン、これは間違いございませんか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 枠で申します場合は御承知のように七月から六月までのベースでございまして、実は生産量等統計をいたしております年度のベースとちょっと違っておりますので、五十八年ではちょっと申し上げにくいのですが、五十七年の数字で、年度で申しますと、需要量が総体で四十七万七千トン、これは部分肉でございます。枝肉に七掛けをした数字でございます。それに対して、岡内生産が三十三万八千トン、それから輸入量が十三万九千トン、これが年度ベースの間違いのない数字でございます。  枠を設定いたしますときの計算はそれをずらしてやりますので、現段階で、今先生がおっしゃいました数字がそのままいいかどうか、私ちょっとお答えできませんが、五十七年の数字でございますれば、今ので間違いございません。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 そこで、消費量も伸びていますし生産も伸びている、こういうふうに見てまいりますと、年度で計算をするのはそういうような方式だと聞きましたが、部分肉ベースで換算をしてまいりますと五十八年度は前年度よりも約六千トンぐらいふやして輸入ができるという状況にあるのじゃなかろうかと見ているわけでございますが、どうでしょう。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘のように、私ども五十八年度の枠を設定いたしますときに、国内生産と需要の伸びとを想定いたして、さらには事業団の在庫という問題も若干考えなければいかぬわけでございます。実は五十八年度の枠といいますのは、これは総枠は日豪間の協議でございますけれども、前年におきまして既に協定が切れておりまして、暫定的なこととして決めたことでございますが、今おっしゃいましたように六千トン程度の増加は十分可能だということで、これは協定ということではございませんが、私どもの方でそれだけの割り当てをしているわけでございます。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 そういたしますと、これは大体四・四%ぐらいの数値になりますね。  そこで、需給の見通しの問題、これは昭和六十五年の見通しがございますが、その数字から増加率が出されているのがございます。大体需要が三・五ないし四・二ぐらい伸びていくであろう、今の消費ベースから見ましても大体そういうことが言えるのではなかろうかと思うのです。そうなりますと、先ほどの許容と価格の安定、生産不足分の輸入とそれから許容、その安定のための目的を持った二つの数値からいえば、大体輸入枠の問題は国内生産との関係、需要との関係で出てくるわけでございますから、このベースで問題をとらえていけば日本側の考え方というものが出てくるということに相なりましょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 私ども、基本的には長期見通しの線を一つの需要の見通し、これは先生御指摘のとおり幅で考えております。一本の線ではございませんで幅で考えておりますが、そういうものと岡内生産の見通しの差が輸入さるべきものの数量でございます。  ただ、あの見通しと現実の輸入ということになりますと、やはり短期的にはどうしても旧内生産に相当の振れがございます。例えば、東京ラウンドで協定をいたしました五十三年の次の年は、実は国内の牛肉の生産が大変沈滞をいたしまして、対前年比一挙に二万トンという輸入をしたというようなこともございます。したがいまして、私ども全体の幅とすれば先生御指摘のようなことを頭に置いておりますけれども、もう少し短い期間で見ます場合には、これは国内生産をある程度予測する手法がございます。現在おります牛が何頭でというのはわかっておりますので、そういうものも使いまして国内生産も推定いたしますが、非常に大局的に申しますれば、先生御指摘のような、今やっております需要と供給の見通しの中で輸入可能量というものを想定しているわけでございます。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 大臣、今お聞きのとおりで、中曽根総理の発言を聞いておりましても、やはり貿易の拡大均衡を目指す、一層の市場の開放を目指していく、自由貿易体制を守っていかなくちゃいけませんというような総理大臣の演説もございました。こういう状況の中で日本農業を守っていかなければならぬという問題があるわけですね。  現実に旧内の子牛の、特に和牛の価格が非常に低迷をしておりまして、生産意欲の問題にも関係がありますし、この自由化、枠拡大の問題についてはやめてもらわなければおれたちはやっていけないぞというような、非常にせっぱ詰まった気持ちが農民の中にはございます。そういうような問題を踏まえてまいりますと、枠拡大は阻止だと言って気勢を上げているわけですね。大臣、そういうような日本の農民の心と、それから総理大臣のそういう政治姿勢という問題をどのように考えながら、これからの、やがてはあなたが代表として交渉に臨まれなければならない時期が来るであろうと思うのですが、その場合は今の日本の畜産の状態というものを踏まえながら、どういうような決意で取り組みをされるおつもりであるのか、お聞かせを願いたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 私は農林水産大臣でございます。目木の農業を守るという立場を堅持してやってまいります。特に一昨年の四月、衆議院の農林水産委員会での決議もございます。本年一月早早、私が大臣になってすぐに農林水産委員会からの申し入れもございます。この趣旨は、農業者が犠牲にならないように今後とも我が国農薬を着実に発展させていくということを念頭に置いて農産物交渉に当たれという趣旨でございますので、私もその趣旨を踏まえてこの農産物交渉に当たってまいります。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 そこで、肉専用の子牛の価格安定の問題ですが、五十七年度は価格差補てん金はたしか百十七億出されたと思うのです。五十八年度は、第一・四半期の段階では五十四億という数字でございますが、本年度の見込みは一体幾らぐらいになるのか。それから、五十九年度の予算を見てみますと、これは三十一億八千七百万円しか予算に計上してございませんね。これは一体何頭分を見込んだ数字でございましょうか。これで足りるんでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 御指摘の五十八年度の基金によります補てんでございますが、上期で約百十五億出しております。下期につきましてもほぼ同額程度の支出が必要かと思っております。  それから五十九年度予算、これは基金造成のためのあれでございますが、五十八年が十八億でございましたものを三十二億ばかり要求いたしておりますが、この前に、現に補てんができなくなります場合は、いきなり県で積んでいただきます前に、全国の基金、これは中央の基金がございまして、そこに積み上げてあります資金を県の協会にお貸しをする。しかも、今までは金利を取っておりましたが、五十八年度からは無利息でお貸しをするという形で、この基金がなくならないようにということをしております。  五十九年度の積み立てにつきましては、頭数につきましては約六十一万頭分のものが計算の基礎としてございますけれども、これは積み増しをしていくという性質の金でございます。私どもとすれば、余り価格低落が長く続きますといろいろと資金的に問題がありますので、いろいろな対策もやっておりますが、対策よろしきを得ればある程度基金が充実することは可能でございますし、それにも増しまして、昨年の法律改正によりまして、従来は普通の民法法人でございましたものを今度の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律で特別の法人にいたしまして、その存立もはっきりさせましたし、国の財源的な手当てもはっきりできるようにしてございます。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 そこで、今たしか二十九万二千円ですかね。特に雌牛の子牛の価格が低迷しておりまして、二十一万円くらいという状況でございます。この状況は大分続いているわけです。去勢牛の方、雄の方は価格が割合に安定をしているようでございますが、そういうように雌の価格が低迷している。そういう中から、これは国が二分の一、県が四分の一それに生産者が四分の一という形で負担しているわけでございますが、二十九万二千円と二十一万の差は八万になる。八万の九割が補償ですから、そういう意味においては、もらうときにはいいのですが、もらうための原資を、八万円の四分の一の二万円を出しながらそれだけはもらっていきます、それがずっと続いてこれから一体どうなるのだろう。特に輸入枠拡大の問題の中で、余計に入ってきたらおれたちの子牛の価格はさらにまた下落をするのじゃないかという心配を抱きながらやっているわけですね。だから、基金に積み立てるための資金を出していくのさえも大変じゃないか、こういうような気持ちが農民の中にあるのですが、ピッグサイクルという言葉は私も聞いていましたが、カウサイクルというのもあるようでございますが、長期的な展望をどういうふうに押さえながら子牛の価格の安定を図っていこうというお考えがございますか。これは単に基金で差額の補てんをするだけでは畜産農家の気持ちはおさまらないと思うのでございますが、ほかの方法があるならば明らかにしていただきたい。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 この子牛問題は大変牛肉問題の根源のような問題でございまして、こういう対米問題も含む将来の肉用牛生産の不安ということからいたしますと、どちらかといいますと乳雄の方に早く影響が出る性質だと思います。といいますのは、外因から入ってきます牛肉は、一番初めに競合しますのは乳雄でございます。ところが、今度の問題が起こって以来も乳雄でございま低落をいたしませんで、どちらかといいますと和牛の専用種の方が低落率が大きいわけでございます。これは何と申しましても、乳雄は御承知のようにかなり経営も安定させた酪農経営から出てまいりますけれども、専用種の場合はまだまだ飼っていらっしゃる方の規模が小そうございます。平均三頭でございますし、五頭以下の方で五五%供給しているということでございますので、基本はやはり繁殖経営の規模を大きくして安定させるということにあろうかと思います。  そのための施策をいろいろと考えておりますが、それと同時に、短期的には、せっかく飼ったものが所得が下がってはいかぬということで、先ほど申しましたような基金を法律で運用すると同時に、そのうちの必要な原資を入れているわけでございますが、実は先生も御指摘のあったような雌牛の価格が下がるというのはどうも望ましいことではございません。要するに規模拡大のための雌牛が安くなるということでございますので、これは昨年の十月にこの雌牛を保留しまして、頭数をふやすために特別の助成もしたわけでございます。そういうようないろいろな臨機応変の措置もいたしますが、やはりその基本にあるものは肉専用の繁殖農家の経営をなるべく大きな方へ誘導していくということにあろうと思いますので、この点はいろいろな私どもの施策をそこに集中いたしまして、なるべく早い時期に、しかしどうしても肉専種の場合は専業的だけではやれませんものですから、米とかその他の複合の仕方等も考えまして、今度の基本方針の中にも一種の目標を定めでありますが、そういう方向へ誘導してやりたいと思っております。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 時間の関係で最後になりますが、いわゆる国際価格との比較の中で、今、八二年の価格の対比の数値が出ているのを見ましたが、日本の場合には枝肉キロ当たり千二百円だ。それに対してECの場合には、日本を一〇〇としたときに六五・三、まあ七割弱だ。これは現在の段階ではどこまで縮まっておりますか。  そしてまた、そういう国際的な競争力を持ち得るためには、五十九年度はどこまでを目指しながら、六十年とか六十五年という長期的な目標もあるでしょうが、それを進めていく方針はどういうふうになっているのですか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 実はこの種の数字は為替の変動なんかで一番大きく差が出ますものですから、最近時点ではとっておりませんが、一般論として申し上げますとECが三割安、アメリカが半分、豪州が三分の一というのが常識的な数字かと思います。  そこで、私どもECを目指してと申しておりますのは、国内価格をどんどん下げていくという趣旨ではございませんで、どちらかというとECというのはこういう面では既に完成の域とでも申しますか、それなりの形になっておりますので、向こうの価格政策の運用等を見ておりますと、実は向こうが上がってくる。日本は、乳雄で申しますと昭和五十年に価格安定帯をつくりましてから、五十四年が一〇〇を超えました以外は全部一〇〇の中でずっと上げずに来ておるわけでございます。こういうプロセスの中でさらに努力をして近づけようということでございますが、具体的な考え方としましては、まず第一には、先ほど申しました子牛生産の規模を拡大していくということが一つかと思います。それから肥育の段階では、今の非常に購入飼料多投型のものから自給飼料の比率を高めるための飼い方に変えなければいかぬ。それからもう一つは、御承知のように目木の場合は子牛段階での事故が大変多く、例えば酪農の場合は一五%ぐらい事故がありますが、そういう事故を下げることによって子牛生産を容易にしていく。それからもう一つ言われておりますことは、肥育期欄が大変長過ぎて効率が悪いということで肥育期間め短期化。こういうかねがね言われておりますものを全部経営の中に組み込みまして、コストを上げないでも肥育の頭数をふやして経営が成り立つようにというようなことをやっていきたいと思っております。

村山喜一日本社会党・護憲共同

○村山(喜)分科員 大臣、最後は要請を申し上げておきたいと思うのですが、先般私は開拓地に入ったのです。そこには大学の畜産を専攻したような若い連中が入っておりまして、大型畜産を目指して放牧を中心にしながらやっているのですよ。その連中が言うのには、我々はEC並みの農業にもは負けようとは思いません。ただ非常に困っているのは、あの田中角榮総理が日本列島改造論をぶち上げて以来、土地価格が物すごく上昇して、こういう山林原野でもなかなか土地が手ごろな値段で入らなくなった。そういえば、アメリカの三十七分の一しかない日本の国土の方が価格は高いということになっているんですから、農地の価格というものをそういうような農業が成り立つような意味において、やはり有効利用という問題を進めていく場合には大臣としてもぜひお考えをいただいて、そして日本農業が競争力があるような状態をつくってもらうようにお願いをしておきたいと思いますが、どうぞ。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 日本の場合、特に農業面積でアメリカの百五十分の一、そして価格は三十三倍というようなことも聞かれております。これらの問題を含めまして、何といってもそれだけ大きな差というものを持ちながら農業を続けるということは容易なことじゃございません。今先生言われた農地の価格というものを安くしていくという方向にも努力を重ねていきたいと考えております。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて村山喜一君の質疑は終了いたしました。  次に、菅原喜重郎君。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 大臣には、夜遅くまで全く御苦労さんでございます。  農水委員会でも大臣に質問の時間をとっておりますので、今回は分科会でもありますので、地元からの要望を中心にして質問をしてみたいと思います。  今岩手県では、畜産基地として国内食糧自給体制の一角を担いまして、その畜産の振興を図る上から飼料作物の生産や基盤整備の充実強化に財政措置も手厚く講じて諸施策を高めております。このような関係で、畜産農家の規模拡大も着実に進んでいる農家、それから経営も向上して安定を見ようとしている農家も多く出ているわけでございますが、いま一歩というところで低迷している農家もあるわけでございます。  ついては、要望を御質問いたす前に、日本国内の畜産経営の実情を政府はどのように把握しているのか、まずこのことをお知らせいただきたいと思うわけでございます。これは局長の方よって結構でございます。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 大変大ざっぱな申し上げ方になろうかと思いますが、まず大家畜の酪農、それから肉用牛生産でございます。  酪農につきましては、ここ数年の生産調整の効果が出てまいりまして、需給が均衡してまいっております。それに加えまして、いわば市乳価格筆にも改善が見られておりますので、一般論で申し上げれば、酪農は若干ずつでございますが、内容的に好転してきているということが言えるかと思います。  それから肉用牛生産につきましては、実は素畜を生産いたしております繁殖農家につきましては、ここ数年来先ほど申しましたような価格低迷がございますので、基金等で補てんをいたしておりますが、経営的にはやや苦しいような状況になってきております。  逆に、その子牛を買ってきまして肥育をいたしております経営は、かつて五十四、五年ころの高い子牛を使いましたときは問題がございましたが、最近はむしろ子牛価格が低迷をしてきたこと、それから資材費が比較的安定しておりますことをもちまして、やや好転をしてきているかと思います。  それから養豚経営につきましては、これはいわば約百万トンぐらいの計画生産の線上をうまくいっておりまして、市況も好調でございますので、現在比較的好調かと思います。  それから採卵鶏は、これは昨年若干低迷をいたしました時期に問題が起こりましたけれども、最近計画生産の徹底等もございまして、最近は基調は非常に好調でございます。  ブロイラーは、製品価格が若干弱含みに推移しておりますが、これは比較的大規模経営でございますので十分耐え得る状況にあるのではないかということでございます。  大変大ざっぱに申しますと、今のような感じでおります。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 最近安定している農家と、規模拡大を行った結果今どうしても過剰投資になって、もうちょっとてこ入れすれば大丈夫、安定する可能性のある農家の中で資金源にも苦しんでいる、そういう農家も一、二割あるわけでございます。  そこで、こういう農家は、借入金でよいので、そういう経営の態様を健全経営に持っていくための融資態様を、何とか枠拡大あるいは簡単に借りられるような方法がないのか、そういう声がございますが、政府はこういうことにつきまして、昨年酪農振興法を改正しているわけでございますが、やはり肉用牛についても今後力を入れていくとしているわけでございます。  そこで、こういう畜産経営に対する負債整理資金の対策状況というのがその後どうなっているのか、この点もまたお知らせいただきたいと思うわけでございます。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 資金対策といたしまして二通りございますが、まず、先生も御指摘のございましたような、過去におきまして急速に投資をした結果償還ままならぬような固定化負債を持っているという方々につきましては、まず酪農につきましては、昭和五十六年度から酪農負債整理資金というのを設けまして、金利で申しますと特認は三・五%、普通でも五%でございますが、償還も三年据え置きで特認は二十年、その他の場合でも十五年という比較的有利な資金に乗りかえをさせております。これは五年間の経過措置、五年間続けてやるということでございまして、三千数百戸の方々がこの恩恵を受けておりまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、すでにこの資金によって経営改善されている農家も相当あろうかと思います。  それから、肉用牛と養豚それから若干の養鶏につきましては、五十七年度に肉畜経営改善資金というのを設けまして、これは先ほど申しましたように、比較的子牛価格が高かったり資材費が高かった時代の負債が累憎いたしましたものをやはり同じように借りかえをするということで、総計で六百五十億円、金利で申しましても特認は三・五%、一般五%でございまして、償還期限は一年据え置き七年償還という比較的有利条件のものをつくりまして、これは単年度に必要量を貸したわけでございます。  これらの資金はいずれも単に金利の安いものに借りかえるというだけではなくて、農業協同組合の経営のあり方とか、それから借り受けなさる農家みずからの経営とか家計について相当の改善をしていただくということでやっております。これらはいずれもある程度の成果を上げつつあると思っております。  それから、こういう一般制度のほかに、御承知の自作農維持資金というものを使いまして、個別農家で資金の借りかえによって経営がうまくいく方については毎年度の措置としてやっているわけでございます。  以上が、どちらかといいますと後ろ向きと申しますか、経営を立て直すという関係の資金でございますが、前向きの資金といたしましては、御承知のように昨年の法律改正をしましたときにも、農林漁業金融公庫の中でいろいろな資金がありますけれども、例えばこれはこの前の改正とは直接関係ありませんが、自立経営の育成資金のための総合資金だとか、あるいは肉用牛につきましては肉用年経営改善資金、そういうような資金も前向きにやっておるわけでございます。  それからことしの予算といたしまして、特に私ども畜産の今後の投資のあり方としましては、なるべく余り大きな金をかけずに地道に施設を充実していくという意味から、特に畜産振興資金という無利子資金の創設をいたしておりまして、今御指摘の畜産農家の前向きの資金として役立てていきたいと思っております。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 融資制度に対する大変手厚い枠拡大をしていただいておりますことには、私からも敬意を表しておきます。  それで、今度は指導関係でございますが、一応融資あるいは現在制定されておるところの補助制度の中の補助を受けるにしても、日本の畜産農家の育成の基準というものをどこいら辺に置いて国際競争力との対比で今のところ指導していこうとしているのか。先ほどEC並みという言葉が出てきたわけでございますが、私自身は一応長い経験から、アメリカ畜産並みに持っていかなければならないし、持っていけるのじゃないか、政策のよろしきを得れば十分に持っていけるのではないか、こう思っておるわけでございますが、当分畜産農家、殊に肉牛生産農家の指導の水準というのは、EC並みの畜産物価格に到達した安定経営ができるというところに国が目標を置いておるのかどうか、そこら辺のところ、お伺いしたいと思います。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 私どもEC並みという言葉を使い始めておりますのは、一つには、御承知のように、アメリカの場合酪農経営と肉用牛経営は完全に分離されておりますが、日本の場合は肉用牛生産の七割が酪農から出てきておるという実情とか、土地の広がりはECの方が日本よりはるかに恵まれておりますが、少なくともオーストラリアとかアメリカのような新大陸型の国に比べて土地条件が似通っているということを含めて、当面の目標をむしろECあたりに置いた方がいいのではないかということでございます。  その場合どうやって到達するかということでございますが、御承知のように酪農につきましては、北海道、東北等の大型酪農は既にECにおけるどちらかというと大きな規模の国、オランダ等の国の規模に頭数等においては行っているわけでございます。何せ向こうは非常に長い期間をかけて着実に今の経営にたどり着いたわけでございますが、日本の場合は非常に短い時間で追いついてきたという意味で、例えば御指摘のような負債問題その他の弱点を持っておるわけでございます。  そこで、この酪農が短期間にかなりの努力をしてECに追いついたと同じようなことが肉用牛生産においてもやはり可能なんではなかろうか。その場合に最も学ぶべきこととしましては、購入飼料に多く依存するのではなくて、せっかくの未利用の土地資源というものをもっと利用することが大事だということ。それからもう一つは、着実な規模拡大を図りますためには、全部が全部専業大型化ということをねらうのではなくて、土地利用を稲作とか畑作と結びついた形でもう少し複合の中での牛肉生産等をふやしていけないかどうか。それから、生産の中でもう少し合理的な生産と申しますか、先ほどちょっと申しましたように、子牛の事故率一つとりましても、事故率を下げることは生産に大いに助かるわけであります。肥育期間一つをとりましても、数カ月長いということはそれだけコス高の生産をやっているわけでございます。そういうようなことを昨年の法律に基づきます近代化の基本方針の中にモデル的に書きまして、例えば土地制約が非常に大きいところでは三十頭前後を目標にするとか、あるいは土地制約のない北海道等については百頭を目標にしていくとかいう規模だとか、生産コストの低減のために飼料自給の目標率を今の低いものからある程度高いものへ持っていくとか、それから、これも申しましたような、例えば経営期間の短縮化の問題、そういうことは一日当たりの増体量ということにも及びますけれども、そういうことも今度の目標に書きまして、これを着実に実行に移していけば、余り遠くない将来にEC水準まで行けるのではなかろうかというようなことで指導しているわけでございます。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 今のEC並みに対するところの指導目標は、大体私の目標としているところに似たり寄ったりでございます。ただ、この際これは技術的な問題にかかわるわけでございますが、何といいましても購入飼料に依存するところの経営指導、これは改めさせないと、とても国際水準の畜産経営はできないわけでございます。こういう点で、実は自給率の問題を、今のこの重点の中でもありましたが、今後融資とか補助対象の中にぜひこの自給率の計画枠というものを、少なくとも六〇%以上を自給させるような計画を持たせてしりをたたくし、融資やいろいろな助成を手厚くしてもらいたい、こう思うわけでございます。実はこの経営期間の短縮という概念は、これはやはり濃厚飼料や何かに頼るところの概念になっているのではないか。むしろ粗飼料の生産ということで、この粗飼料の自給率に合うならば融資また既存制度の補助の枠も拡大をして対応してやっていただきたいというのが私の願いでございます。  それから、今答弁の中で、稲作、畑作との複合で十分にEG並みにやっていかれるんだという見通しも指導目標の中に入れているようでございますが、私は、このことについても、これは非常に農林省の方々の指導範囲が広がったんじゃないか。今までの農林省の補助基準や何かを見ておりますと、複合形態という考え方について大変意を強められているわけでございますが、ややもすると当初はアメリカやECの問題に対応して日本の経営は規模が小さいということで、どうしても経営規模、土地の規模拡大の面での指導が中心になっていたんじゃないか。しかし、日本は、水田を裏作化できる基盤整備を完了いたしますと、大変な複合農業として発展性のあるところでございまして、絶対盟の生産は、国土が小さいから一億二千万の人口に対しては大変な問題があるといたしましても、価格につきましては、安い自給飼料さえ確保できるなら十分に対応できる、私はこういう見通しをつけているわけでございます。  そこで、稲作、畑作との複合経営ということを今後重点的に指導の中に取り上げていけるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 最初の御質問の中で、粗飼料の給与を上げることをこれからの施策でいろいろと誘導すべきじゃないかという御指摘でございますが、御承知のように、今度の法律改正をしました結果、各都道府県は酪農とか肉用牛の近代化計画を立てることにいたしておりますが、さらに約二千の市町村につきまして、今後市町村段階でのそういう近代化計画をつくっていただくことになっております。私ども、それをつくっていただく段階で、今御指摘のありましたように、ただ家畜の数をふやすというだけではなくて、背後地の土地利用をどう考えて、どのように粗飼料を供給する可能性を拡大しながら家畜を入れるかということを厳重にチェックをしていきたいと思っております。そういたしませんと、ただただ外国飼料に頼ったものになりまして、いわばせっかくの草食性動物としてのメリットが生かされぬということでございますので、それはきちっとやっていきたいと思っておりますし、さらに、今回の予算の中でも草地管理用機械等も無利子融資をするという形で、そういう自給飼料の供給を優遇するような考え方も入れているわけでございます。  それからもう一つ、複合の問題でございますが、実は特に複合が問題になりますのは、まず第一に和牛の子牛生産農家でございまして、これは御承知のように、平均でも三頭しかまだないわけでございますが、これを五頭以上層で相当飼わせるようにしますということを考えて目標を定めましたけれども、何と申しましても、これは単に牛だけで生計を立てるというようなことは計算上も不可能でございます。そういうことを考えますと、当然水稲なり畑作と結びつく必要がございますし、現に結びついてもおるわけでございますが、そのことがまた家畜の腹を通した堆厩肥を畑へ戻す、水田に戻すということで光なりその他の畑作物の生産性を上げていくという、そういう意味で、畜産が中に入っていることによって他の経営部門も強くなる、そういうメリットもございますので、これは土地条件の制約が大きい場合小さい場合に分けて掲げてありますが、そういう複合的なものをその中に入れまして、目標頭数、牛の数は若干少ないのですが、経営としては頭数の多い専業型と十分バランスするという計画目標を定めて、そちらへ誘導していきたいと考えております。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 今局長から指導方針、複合農業の指導についての方向をお伺いして、さらにお願いしたいところなんですが、融資制度ですと自分たちが目主設計いたしますので、過剰投資、自己負担率が増大するということは極力抑えられますが、現在畜舎の建設等について、上家が、この補助金の建築基準が厳しいとどうしても過剰投資になります。そこで、家畜というのは、長い経験から、飼料さえ十分に与えていくと、すき間風が入らない、風音をしのげる程度の上家であっても十分肥育できるものでございます。それから、基盤をしっかりしまして尿を一滴も逃さない、そしてそれを畑地に還元する、今地方問題もやかましく言われておりますので。そういう点で、現在の補助の中の、上家と基礎をつくる面とを分離して、いわゆる補助対象になる分がたくさんございますので、こういう点もひとつ検討して、二段階に、上家はもうかってからつくらせるとか補助対象にまたするとかいう、一度に完全なものをつくらせるよりも二段階で補助対象とするというようなことも検討していただきたい、こう思うわけでございます。こうなりますと、今まさに経営が悪化しましてどうしようかなと思っている農家の救済策にも随分おもしろい効果があらわれてくるのじゃないか、こう思っているわけでございます。  そこで、先ほどお伺いいたしましたいわゆる家畜振興資金の、今度新しく五十九年度に創設した県三分の一、国三分の二の基金で七十四億ほどかが一応予算化されているようなんですが、これは酪農家の対象にはならないわけですか。しかし、酪農家でも飼料生産の場合は対象になるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 酪農も実は肉用牛生産の重大な担い手でございます。したがいまして、そういう今先生御指摘のような飼料をつくるための各種の管理機械その他のようなものについては、これも対象にするつもりでございます。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 時間もなくなってきましたので、要望の中なんですが、肉用牛価格安定事業の強化が要望されております。基金の補てん財源の充実強化を図るとともに、保証基準価格及び補てん率については現行制度を維持するように要望するというわけですが、もう一つ、学校給食用の牛乳供給事業の継続実施も要望されているのですが、この点はどうなっていくわけでしょうか。要望どおりに維持できるわけでしょうか。

石川弘農林水産省畜産局長

○石川(弘)政府委員 子牛価格の安定のための集金造成につきましては、前年が十八億でございましたのが、三十二億ばかりの原資を要求いたしております。それから、補てんをいたしますときの基準価格については、これは県によって違いますが、現行水準程度を考えております。  それから学校給食につきましては、これは学校給食の助成の単価等につきましては合理化をいたしておりますが、量をふやしていただければ、それなりの、消費拡大に協力していただける程度に応じて財源がふえるというような仕組みも考えまして今後ともやっていくつもりでございます。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 最後に、大臣にお伺いするわけでございますが、実は牛乳や米の消費向上について、私がヨーロッパに行きました二十年前に、コーンフレークスが入ってまいりまして今までのオートミールの食事を駆逐し始めておったわけです。私、それを見まして、向こうではそういう高いものが入ったと言いながらもコーンフレークスを牛乳とジャムと一緒にこりこりするうちに食べる。正さんを食べる時間はなにですが、朝晩の非常に忙しいときは消費が伸びております。そういう点で、日本でも玄米のフレークスに牛乳やジャム、ブルーベリーその他を学校給食等に昼だけでも提供するとおもしろい消費拡大になるのじゃないかと思いますので、これを研究してもらいたい。  それから、ぜひ夢のある畜産、国際競争力を持って十分に対応できるような畜産経営をさせるための若者に対する育成機関、そういうことについて大臣はどのようにお考えか、その点をちょっとお伺いいたしまして、もう時間ですので私の質問を終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○山村国務大臣 ライスフレークスの問題につきましては、これはそのまま米の消費拡大につながるわけでございますので、早速研究させてみたいと思います。  また、畜産経営の担い手をどのように育成するかということでございますが、畜産経営は家畜を飼育するために年間を通じた労働力を必要としますが、一方でそのことによりまして年間を通じた安定的な農家所得というものが得られるという利点があるわけでございます。このために他の農業部門に比べまして専業農家の割合や中核的な担い手の割合が高く、また後継者についても自営農業に従事している者の割合が高くなっておるのが現状でございます。担い手の育成に当たりましては畜産経営を魅力あるものにする、これが基本であると考えております。今後は、酪農、肉用年等の大家畜生産を我が国土地利用型農業の基軸として位置づけ、EC並みの水準を目指して経営体質の強化と生産性の向上に重点を置いて生産対策、価格対策等各般の施策を総合的に推進してまいりたいというぐあいに考えております。

菅原喜重郎民社党・国民連合

○菅原分科員 どうもありがとうございました。――以上をもって終わります。

武藤嘉文自由民主党・新自由国民連合

○武藤主査 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十二日午前九時より開会し、農林水産省所管及び総理府所管中環境庁について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時三十三分散会

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