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101回国会衆議院1984/07/18

文教委員会 第20号

発言数
252
登壇者
21
会派数
3
開催日
1984/07/18

会議録

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、現在理事一名が欠員になっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、中野寛成君を理事に指名いたします。      ————◇—————

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本私学振興財団理事神山王君の御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。森文部大臣。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 国立大学の事務機器の購入をめぐりまして、大阪大学、文部本省の職員が相次いで逮捕されましたことは、現在文教行政が重大な課題を抱えている時期におきまして、国民の信頼を著しく損なうものとしてまことに遺憾に存じておる次第でございます。  文部省といたしましても、直ちに国立大学に係る予算事務処理体制等に関する検討を開始し、事件の原因、問題点等についての徹底的な究明を期したいと考えております。文部省、国立大学に期待されている社会的責務の重大さにかんがみまして、今回の事件を機に改善すべき点は改善し、かつ職員の服務規律の厳正な保持につき一層の徹底を図り、かかる不祥事が再び起こることのないよう万全の措置を講ずる決意でございます。  日ごろ、文部行政につきまして種々御指導、御鞭撻をいただいております文教委員長、そしてまた、理事、委員の皆様方に、こうしたことに対しまして大変御心配をちょうだいいたしまして、心から諸先生方を通じまして国民の皆様方におわびを申し上げる次第でございます。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 西崎官房長。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 ただいま大臣から申し上げました国立大学における物品購入をめぐる不祥事件につきまして、私から概要の御報告を申し上げたいと思います。  第一点といたしまして、六月十九日、大阪大学経理部長中曽根武は、大阪地方検察庁特別捜査部に収賄の容疑で逮捕され、七月九日、大阪地方裁判所に起訴されたわけでございます。  その公訴事実の概要について申し上げます。  中曽根は、大阪大学の予算要求、配分、調整及び物品購入についての業者の選定、契約内容などの審査等に関する職務を掌理しておりますが、昭和五十八年二月ごろから五十九年五月ごろまでの間、計十三回にわたり、オリエンタルマシン社社長辻宏志から、同社が大阪大学にワードプロセッサーを納入するに際し、予算措置を講じ、同社と随意契約を結ぶように有利なあるいは便宜な取り計らいを受けたことの謝礼として、そしてまた、今後も同様の取り計らいを受けたいという趣旨のもとに、そういう理解をしながら供与されて、知人名義の銀行口座に合計二百七十三万円の振り込み送金を受けたというふうな事実があるわけでございます。  また、中曽根武に対する贈賄側といたしましては、公訴事実として述べた辻宏志が六月十九日に逮捕されております。また、パシフィック科学貿易会社社長井上旻が六月二十九日、フクダ電子取締役総務部長永田明己が七月九日にそれぞれ逮捕され、そのうち辻宏志は七月九日に起訴されたと承知しております。  第二点として申し上げますと、七月十三日、文部省大臣官房会計課総括予算班主査鳥野党博が大阪地方検察庁特別捜査部に収賄の容疑で逮捕されました。容疑事実といたしましては、鳥野見は、各国立大学からの予算の増額要求などを査定、配分する立場を利用して、ワードプロセッサー等の購入を国立大学数校に取り次いだ謝礼として、五月一日ごろ金品の供与を受けたというものでございます。  次に申し上げますと、これらの事件に関しましていろいろと事態の解明を図る必要があるわけでございまして、経緯を申し上げますが、大阪大学におきましては、事務局においてワードプロセッサー等の購入に関する調査委員会を六月二十五日に設置いたしておりまして、種々の事案につきまして解明すべく現在努力中でございます。  文部省といたしましては、六月二十七日に調査官を大阪大学に派遣し、種々の点についての指導、助言をいたしたところでありますが、大阪大学における全学的な観点からの教職員の服務等のあり方が問題とされている点にかんがみまして、教職員の綱紀等に関する改善のための種々の調査を行うべきであるという勧告をいたしまして、その結果として、七月三日に教職員の綱紀等に関する委員会が設置され、活動を始めておるところでございます。  さらに、文部省といたしましては、文部本省の職員の問題が起きておる重大な事件でございます、したがいまして、事務次官を座長といたしまして予算事務処理体制等の改善に関する検討委員会を一昨日設置いたしまして、予算処理体制のあり方あるいは大事なり服務のあり方について抜本的な検討を行うべく検討を急いでおるところでございます。  文部省といたしましては、事態の究明、その他職員の服務のあり方、人事管理の問題を含めまして、今後とも万全の対策を改善の手だてとともに立てるべく努力をしてまいりたい。国立大学及び文部省に対する国民の信頼を回復すべく、心を新たにしてあらゆる努力を重ねてまいりたいというふうに存じておる次第でございます。  以上、概要を御報告申し上げました。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。臼井日出男君。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 きょうは、一般質疑でございますので、ふだんから私が考えていること、また最近の文教に関する出来事で幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。  今冒頭に大臣から、先般発生をいたしました大阪大学の不祥事について陳謝のお言葉をいただきまして、大臣も、前には臨教審の問題がいよいよ大切な時期を迎えてきておられる、また内部でこういう問題が起こられて、極めて大変だというふうに御同情申し上げる次第でございますが、私ども国民の目からいたしますと、数ある省庁の中でやはり文教関係の文部省というのは一番まじめな省庁であるという印象がありますし、また極めて臨教審の大切な時期でもありますので、今後はぜひともこういう問題については再び発生することのないようにしていただきたいというふうに考えているわけであります。  幾つか質問も用意いたしておりましたが、文部省の対応につきましても官房長の方からお話がございましたので、一言だけお伺いをしたいわけですが、今後二度とこういう問題が発生してはならないわけでありますし、新聞等によってしか私は理解をしておりませんが、保留予算の問題とかいろいろ内部でもっとしっかりと見なければいかぬ問題も含まれておりますので、この問題に対する大臣の今後の御決意等を承っておきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 文部大臣といたしまして、このたびの事件につきまして、正直申し上げて残念で残念でしょうがないというのが率直な私の気持ちでございまして、今臼井さんから文部省は一番まじめな役所だというふうに言ってくださったわけですが、単にまじめであるとかまじめでないということよりも、やはり子供たちに対する影響というのはとても大きい、そういうことを常に念頭に置いておかなければならぬ、それは文部官僚として最も重要な哲学であろうというふうに私は考えております。  いろいろと事情につきましては今検察当局が調査をしておるところでありますから、その辺の状況が全部判明をいたしませんと、私から細かなお話を申し上げるということはかえって失礼に当たると思いますので、いずれ十分な調査をいたしまして、またその結果を待って、文部省としての具体的な対応をいたしたい、こう考えております。  しかし、今御質問の中にございましたように、いわゆる予算の留保いたしますこととか、機種、機材選定の経緯とか、いろいろな従来のやり方についてはやはり検討すべき点があるのではないだろうか。ただ、国立学校というのは、御承知のとおり大学の自主性ということを私どもはある程度頭に置いておかなければならない従来の経緯もございますし、また国立大学と私立大学のあり方も違うでありましょうし、大学の自治といいましょうか、あるいは学問の自由というようなことも十分考えておかなければならぬ。そういう中で今日までの契約事務処理というもののシステムがあったわけでございますが、そうしたこともこの機会に十分点検をする必要があるだろう、こんなふうにも考えます。  したがいまして、先ほど官房長からも御報告を申し上げましたように、事務次官を長といたしまして検討会議を月曜日に設けることになりまして、そうした事務的な処理、契約の処理、あるいは今御指摘がありましたように予算の留保というような件、あるいはそうした大学と本省との関連、そういうことについてこの際十分に検討して、そして改善すべきところは改善をしていかなければならぬ、このように考えているわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、やはり職員の意識欠如によるというふうに私どもは考えるわけでございまして、文部省全体に対しまして、私は強く服務規律の厳正な保持、そうしたことに対して一層の徹底を図りまして、こうした不祥事の二度と起こらないように根絶をいたすように期したい、このように考えております。  なお、本人初め処分については、事態の解明を待って厳正な態度で措置をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○白井委員 当然のことでございますが、今お伺いをいたしました文部省の対応というのはこれはかなり早いと思いますので、調査の実を上げられて、今後二度とこういう問題が起こらないようにひとつ御努力をしていただきたいというふうに考えます。  臨教審の問題について、既に参議院の方に回っているわけでございますが、幾つかお伺いをしておきたいと思うわけであります。  十三日の参議院本会議の質疑の中において、中曽根総理大臣が教育改革七つの構想というのを議会の中で初めて御提示をされたわけであります。この問題につきましては、審議の内容等については従来から審議会の中でみずから検討して決めていってもらいたいというふうな話があったわけでありますが、このように具体的な七項目というものが限定をされて出てくるということになりますと、そういう点とどういうふうなすり合わせになるのかということもちょっと気になるわけでありまして、この七つの構想と臨教審の審議等について大臣の今あるお考えをお伺いをしたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 今、臼井さんから御指摘をいただきました総理の教育改革七つの構想と臨時教育審議会との関連といいましょうか、どのように位置づけていくのかというような意味でのお問い合わせだろうと思いますが、先般参議院の本会議の際にもそうした質疑が出たわけでございます。  教育改革七つの構想は、五十八年十二月七日に総理から明らかにされました教育の改革に対する総理のお考えでございます。これは教育が国政の重要課題であるという認識のもとに、教育改革への国民的な要請を踏まえまして、六・三・三・四制の学校制度の改革でありますとか、高校入試制度を改善をする、あるいは偏差値依存の進路指導を是正する、あるいは共通一次試験を含む大学入試制度を改善するように、あるいは国際社会に活躍し得る日本人の育成を目指す、こういうようなこと等、約七つの項目を明らかにされたものであります。私どもはそういうふうに理解をいたしておるわけでございます。そして、これら七つの構想は、長期的かつ制度の基本にかかわるものから既に関係機関等で改善を図っているものというふうに多岐にわたるものでございまして、いずれも教育改革を進める上で重要な課題であるというふうに考えておるわけでございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 この七つの構想は、今大臣がおっしゃったように、教育の基本の問題であることは事実であります。従来の文部大臣の諮問をする中教審、これをあえて総理大臣の諮問をする臨教審に格上げをして教育の見直しをする、この意義についてはいろいろございますけれども、その中で私が特に期待をするのは、従来文部省レベルでは解決のできなかった多くの問題、これが教育というものを考えますとやはり根幹の一つにかかわってきている。例えば、企業の学歴中心主義の採用制度あるいは採用試験のあり方、こういうものが、ひいては子供たちのいわゆる知的教育偏重、こういうものにつながってきているのではないだろうか。だれでも、自分の子供がいい学校を出ていい会社に勤めて高い給料を取る、このことを願わない親はないわけでありますから、やはりその辺から変えてもらわなくちゃ困る。それから幼保の問題につきましても、幼児教育の全般的なことを見直すということならば、やはり厚生省との問題についてもやらなくちゃいかぬ、こういうことがございます。  そこで、私どもは、従来文部省でできなかったこういう問題についてぜひとも積極的な一つの解決策を見つけていただきたいというふうに考えているわけでありますが、実はこの七つの構想は、文部省の中だけでも一項目を除いてほとんどもう既にやってきているもの、できるわけでありますから、これがかえって臨教審の審議に枠をはめてしまうのではないかというふうな気持ちを持つわけでありますが、こうした点はいかがでありましょうか。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 内閣委員会等でも、そしてまた当文教委員会でもたびたびお答えを申し上げ、先生方からのお尋ねもございましたが、臨時教育審議会がどのような教育改革に関する議論をするかについては、これは審議会自身で御判断をいただくということになろうと思います。総理といたしましては、これから参議院で御議論を始めるところでございますので、衆議院の論議あるいはこれから行われるであろう参議院の論議を踏まえながら、総理大臣としての諮問は改めて十分に検討して審議事項、諮問内容を考えていかなければならぬ。基本的には、先ほどからたびたび申し上げておりますように、包括的、基本的なものになるであろうというふうに考えております。したがいまして、総理の七つの改革構想というものは、また臨時教育審議会がそのことについて議論をするかしないかということは、これは審議会が御判断をされることでございますが、いずれも大変大事な、国民的な改革の要請の強い事項でございますので、恐らくこうした問題についても議論があるであろうということを予測はできるわけでありますし、私といたしましては、こうした問題も十分議論の対象にしていただきたいものだということは期待をしておきたい、こういうふうに思うわけであります。  ただ、今白井さんが十分御承知でお尋ねをいただきましたように、確かに、これらの問題の中では、先ほど答弁申し上げたように、文部省独自で改善を進めておるものもございますし、また関係の機関によっていろいろと御検討いただいているものもございます。しかし、教育改革の例えば試験制度のところだけでも、試験の選抜の方法だけを改善をいたしましても、やはり教育制度全体がこれに順応していくということでなければ、例えば選抜方式に、学力だけではなくてもっと人物を見なさい、あるいは文化やスポーツをやったところを評価してあげなさい、多様的な評価をしなさいと言ってそのような選抜方式をやっても、次の大学のところがそれを認めてくれるのかどうか。学力が中心の世の中の人間評価というものの体制が変わらない限りは、例えば中学から高校に移るところだけを改善したって、これは改善にはならない。共通一次ができましたときも、高等学校で生徒たちが文化活動やスポーツ活動をやる。その中で学問をやっておっても、その学問の到達程度を見るということが当時の共通一次の大きな意味であったわけでありますが、やはり現実にそれを施行してまいりますと、事、志とは大分違ったものになった。むしろ五教科七課目が大変苦痛に感じている。あるいは、二次試験はできるだけ改善をしてやってもらいたいというものであったはずなのに、二次試験そのものがまた受験生に大変な負担をかけているというようなことで、こういう制度も、部分的なものだけは改善をしなければなりませんが、やはり全体的なものをこれに順応させていくということでなければならぬ。  そういう意味で、文部省といたしましては、そうした選抜方式等々ももちろん進めていかなければならぬし、偏差値、これを教育の中で多用するようなことは慎むというようなことは文部省としても努力をしてまいりますが、社会全体がそれを受けていただかなければならぬ。そういう意味で、今度の教育改革は、行政各部に連絡する教育全体に対する検討を加えていただきたい。それも、政府全体の立場で、責任で、そして長期的な立場で検討していこうというのが今回の臨時教育審議会でございまして、そういう意味で、七つの構想も十分に参考にされるべき事柄でもございますし、文部省は文部省で独自に進めていかなければなりませんし、いずれにいたしましても、教育問題に対する国民の改革の要請というのは非常に高いというふうに私どもはそのことを受けとめておりまして、今後ともそういう立場で臨時教育審議会で御議論を進めていただく。同時にまた、文部省は文部省として固有の事務を、教育あるいは学術、文化の発展のために最大の努力をしていくということが大事ではないかというふうに考えております。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 この臨教審で取り上げる問題のほとんどは、先ほど申し上げましたように、中教審の四六答申等でも非常に多くのものが的確に指摘をされて、その後かなりのものが実行されているわけであります。その中で幾つかのものはまだペンディングになって残っている問題もある。その中で、例えば初中教育の中の「人間の発達過程に応じた学校体系の開発」、いわゆる六・三・三・四制の見直し等のことについて、できれば先導的試行をして実行してみようということになっているわけでありまして、これがまだ未実施のまま残っております。こうした問題は、もしこれが早く実施されているならば、逆に臨教審にとって大変大きな参考にもなるだろうと思いますが、現在まで実施をされておらない。私はむしろこういうものを早く手がける努力というものを一層すべきではないだろうかと考えているわけでありますが、この点についてはいかがでありましょうか。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 臼井さん御指摘のように、四六答申におきましては、それぞれの角度、それぞれの視点から実施をいたしておりますものもかなり大きな成果をおさめているわけでございます。その中で、今御指摘がございましたように、先導的試行のところ、あるいは幼稚園の設置義務、それから公立、私立学校に係る地方行政の一元化という問題、私立学校は各都道府県では教育委員会に属していないという面があるわけでございます。そうしたところが四六答申としてまだ未実施だというふうに、あえて指摘すればそういった点が挙げられると思います。  それはそれなりにそれぞれの理由もあるわけでございますが、今時に臼井さんから御指摘がありました先導的試行はどうなっておるのか、そしてこれをなぜ進めていかなかったのかというお尋ねでございますが、いわゆる先導的試行は、初等中等段階におきます学校体系のあり方に関しまして、現行の六・三制をそのまま根幹として、そして充実を図りながら、学校制度上特例を設けて、学問的に根拠のある見通しに立って、現行制度のもとでは十分には実施できない実際的な研究を積み重ねて新しい学校体系を開発していこう、そういうテスト的なものもあるわけでございます。こうした視点、提案というのは、今日の時点におきましても大変示唆に富むものでもございますし、また、臨時教育審議会などでこれから予想される学校制度全体の見直しの中でも、このことが一つの大きな柱になっていくであろうということは十分に予想できるわけでございます。しかし、この四六答申が出て先導的試行が出たという当時の新聞などを私はもう一度ずっと拾い読みをしてみますと、やはり今日と受けとめる状況はかなり違っておったと思うのです。特に教育関係の関係者の中からも、このことに対しては非常に批判的な声もございましたし、やはり国民的な要請という面も——国民的な世論というのはどういう形でとるのかわかりませんが、当時の新聞論調を見ましても、今のように教育制度改革を求めるという論調ではどうもなかったというような、そんな感じもあるわけでございます。そういう意味で、今日までその方策は、一部ではそのことをいろいろな形の中で反映をしておるということも一面あるわけでございますが、制度上そのことを取り上げていなかったというのはそういう理由にあるわけでありまして、今度の臨時教育審議会などでは、六・三制といういわゆる年限等も内閣委員会で随分議論があったところでございますので、先導的試行も含めながら新しい制度上の御議論が恐らく期待されるのではないだろうか、こういうふうに考えているところであります。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 臨教審は三年間の期限を切って実施をされるわけでありますが、この間の教育についてすべてその答申を待ってということではなくて、我々は独自の立場でもってどんどんと仕事は進めなければいけないわけでありますので、こうした先導的試行についても、できる限り早く実施をし得るならして、それが逆に臨教審の参考になるような形、六・三・三・四制の見直しなんという問題については、これは大変な大改革になると思いますので、ぜひとも文部省側におかれましても、こういう点について御研究をいただきたいというふうに考えるわけであります。  それから、これから少し細かい問題にもなりますので、文部大臣のほかにもどなたか御答弁いただける方があればひとつ御判断をいただいてお答えをいただければと思うわけであります。  私学補助の問題について少しお話をお伺いしたいと思うわけでありますが、昨年の七月、ちょうど今ごろでございますが、大学の引き続く不祥事がございまして、その集中審議が七月二十七日に行われたわけであります。東京医科歯科大の教授の選任にまつわるいろいろな問題、あるいは国士館大学の理事が刺殺されたという問題、あるいは九州産業大学の補助金の不正受給の問題等いろいろあったわけでありますが、その後、当局はこれらの学校に厳しい対処をするというふうなことになって実際やっていただいたわけでありますが、どのようなことになっているか、お伺いをしておきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 具体的な事例の対応でございますので、政府委員から答弁をさせます。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 私学助成が我が国の学校教育において果たしている役割の重要性ということにかんがみまして、私ども、従来からその充実に努めてまいったわけでございます。ただ、ただいま御指摘のように、幾つかのケースについて、甚だ国民の信頼を損なうような事態が起こりましたことについては、私ども大変遺憾に存じておるわけでございます。  具体的に、特に問題を起こしてまいりました九州産業大学、国士館大学等についての対応については、かねて当委員会の御審議を通じまして、御報告もいたし、お答えをしてきておるわけでございますけれども、五十八年度におきましては、補助金の不正受領等管理運営に著しく適正を欠いております学校法人等に対しましては、原則として五年間、経常費補助金の交付をしないという極めて厳しい制裁措置を制度化いたしまして、具体的には、九州産業大学、国士館大学の両大学に対してはこの措置を適用したわけでございます。  なお、この両大学を設立しております二法人のほかに、二法人にその措置が適用されておるわけでございます。なお、九州産業大学につきましては、五十八年二月に補助金の一部について加算金を含めまして二十五億八千万円を返還させるというような具体的措置を講じたところでございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 私は、こうした問題について、悪いものはもう厳しく取り締まるということが必要であろうかと思います。実は昨年この問題について、自民党の立場でありますが、かなり厳しく突っ込んだ質問もいたしたわけであります。昨年の概算要求の時点で、その後の実際の支給率等を見ますと、従来より増して厳しいシーリングというものがかかってきた。一罰百戒というか、何かもろもろの一連の事件というものがそうした私学の補助についてもかなりの影響を与えているのじゃないかという気がしてならないわけであります、そういうことはないと思うわけでありますが。  今の問題に関連をして、例えばことしの三月ごろの新聞を拝見いたしますと、従来は規制の対象にしていなかった理事等の給与についてもさらに厳しくやっていくというふうなことも出ておりますが、こうしたものの総体的な抑止策といいますか、何かお考えになっておれば、簡単にお話しをいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 今、臼井さんから、相次ぐ私学の不祥事があった、そのために五十九年度予算案、私学助成についてはかなり厳しいシーリングがあったのではないか、まあ臼井さんはそう思っていないけれどもそういう意見もあるというお話でございました。  毎年私学助成は、私立学校助成法の精神を生かして、私どもはでき得る限り二分の一助成を一つの目標として努力をしてきたわけでございます。したがいまして、従来でございますと、全体的な予算のシーリングよりも、成果としては、最終的にはかなり大きな積算をさせていただいて、私学予算としては充実したものを組めたわけであります。しかしこうした情勢の中で、従来もシーリングの枠はございましたが、そのシーリングを超えてでもという意欲が、国会の論議も踏まえ、先生方のそうした熱意も非常に多かった。しかし五十九年については、私学助成費も聖域ではない、政策経費としての一律一〇%シーリングをはめられた。そういう情勢の中で、私は当時党の立場におりましたから、そういう立場から見ると、国民の声などもにも耳を傾けると、従来のように抑えられた以上に予算を積み上げる、そういう意欲というのはどうも当時の状況としては出てこなかったということでございまして、そういう中で全体的なシーリングの枠の中でおさめた。ただし、直接義務教育諸学校との関連性もありますので、高等学校以下については十分にその点は配慮していかなければならぬだろうというのが高等学校以下の予算であったというふうに考えます。  したがいまして、一つの不祥事の学校があるから私学全体をそれて並べて見るということは酷なことになるわけでありますけれども、やはり私学全体も、文部省と私立学校の学校法人との関係、先ほども申し上げたように、大学の自主性あるいは学問の自由、自治というものを考えますと、文部省としての指導の限界もあるわけでありまして、この国会が始まりましても、国士舘大学あるいは九州産大等々で与野党を通じて皆さんからいろいろな御指摘をいただきましたが、そこに文部省としての指導をしていく限界というものがあるわけでありますので、やはり私立学校が全体としてこの問題を受けとめてみずから考えていっていただかなければならぬということだろうと思うのです。そういう意味で、私学助成のあり方についてはいろいろと、文部省としても、また私学全体みずからがぜひお考えをいただきたい。単にお金の積み上げたけしていくということが本来の私学の助成に合うのかどうかということでございまして、例えば給与の面につきましても、確かに、私立学校の場合はいい教官を迎えていかなければならぬという面から見ると、国立大学よりもある程度賃金の面では高くなければなかなかうまく先生方が採用できないという面もあるのかもしれません。しかし、意外に、理事あるいは事務系統のところにもう少し一度精査してみる必要があるのではないだろうか、こんなふうに私は考えておりまして、事務当局にもそのように指導しておるところでございます。  必要がございましたら、事務当局からお答えをざせたいと思います。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 五十年から私学振興助成法が成立をして、自来私学補助というのはだんだんと実績を上げてきたわけでございますが、五十五年をピークとして全体の経常経費に占める割合というのは補助が減ってきてしまっている。これはもちろん政府自体の財政の厳しいものがある、これが影響しているということは当然でありますけれども、その精神の中にあります二分の一補助は、あくまでも単なる上限を制限するものではなくて、目標規定であるというふうに私は考えているわけでありますが、その条文の判断いかんにかかわらず、現実に支給率というものは落ちてきている。既に五十年度の段階まで下がってきてしまっているわけでありまして、ぜひともこういう点については、本来の趣旨に立ち返ってひとつ大いに御努力をいただきたいというふうに考えておりますが、その御決意のほどを聞かせていただきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 六十年度の概算要求はこれから作業が始まるわけでございますので、全体的な財政計画の枠組みはまだ定まっておりませんので、今の段階で私からとやかく申し上げることはかえって御迷惑になることではないかと思います。  ただ、今臼井さんから御指摘のように、私たちが本当に苦労して努力をして、私学助成法をまさに議員立法でつくり上げて今日まで努力してきたわけでありますから、この二分の一の精神はどうしても生かしていきたいというのは、これは、私は大臣という立場でありましても、また個人的にも、ぜひその方向に向かって努力していかなければならぬ。そこにいらっしゃる稻葉大先生などもまさに当時からも御指導いただきながら、この法律を私たちはつくり上げてきたわけでございます。  ただ、そういう中で、恐らくことしの予算も大変厳しいということも予想されますけれども、私立学校の助成の八割が現実的には人件費に充てられている。国立学校等あるいは一般義務教育諸学校等の教職員の定数による給与の予算というものは、いわゆるシーリングの枠外にあるということになるわけですね。やはりそういうことなどが私学界の中からも強い不満になっている、この点は自民党の皆さんからもたびたび私は指摘を受けているわけでありまして、こうしたことが今度の予算編成の中でも、これは聖域ではない、同じように政策経費としての対象になるであろうというふうに予測はできるわけでありますが、そうした点の、現実の私学助成の八割近くが人件費になっているのだということの実態も考えますと、私学の予算についてはやはり十分に考えておかなければならぬ点がたくさんあるのではないか。私は、今の段階では、そういうことを十分踏まえて概算要求に対応していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 今、具体的な六十年度の問題についてはこれから決まってくる問題なのでというふうなお話がございました。  きょうの新聞に出ておったわけですが、今度自民党と相談をして、シーリングという手法はやめて概算要求基準というものを設ける、これは実質的には現段階ではそう変わるものではないというふうに私は思っておりますが、それと同時に、こういう話し合いの中で、ほぼ昨年同様、経常経費についてはマイナス一〇%、投資的経費についてはマイナス五%ということはほぼ固まったというふうなことも出てきておりますので、そろそろ煮詰めの段階に来ているだろうと思うわけでございます。私ども自民党の文教部会でも、来年度の予算に向けてぜひとも政府にも、我々も頑張ってやるから、しっかりやってもらいたいというふうなことを決議してお願いをしているわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、一昨年度はシーリングがマイナス五%でございましたが、私学助成についてはこのシーリングの枠を超えて要求ができているわけでございますね。昨年はマイナス一〇%から始まった。私は、ぜひともことしは気持ちとして、シーリングが何%になるかわかりませんが、やはりそういうものを乗り越えてひとつ御努力をいただきたいというふうに考えているわけなんです。特に、今回の概算要求基準というものを取り入れる際に、暮れの予算の決定の際に大いに話し合いの余地があってめり張りをつけるというようなことにもなっておりますので、先ほどもちょっとお触れになりましたが、私学助成についての意気込みといいますか、そういうものをひとつお聞かせいただきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 先ほども申し上げましたように、現時点で財政全体の方向が示されておりません中で、国務大臣という立場で申し上げることはどうかと思うわけでございますが、文教行政を預かる文部大臣という立場でございますと、今臼井先生から御指摘いただきましたことは一々私はごもっともであろうというふうに考えます。  新聞で承知をいたしたところでございますが、昨日総理と藤尾政調会長との予算に対するお話し合いがあったようでございまして、けさほど三塚自民党政調筆頭副会長にお目にかかる機会がありましたので、少しその内容等も耳にいたしました。党としては予算は党主導で持っていきたい、もちろん全体的な枠は守っていかなければならぬが、もう少しやはり政策にプライオリティーをつけて、政策優先順位、緊急性は何かということを党としては考えていかなければならぬのではないか、こういうことを三塚政調副会長は言っておられましたので、私は大変ありがたいことだなと思いました。先般も自民党文教部会、文教制度調査会で六十年度予算概算要求に対します党の考え方をお示しいただきまして、私どもも大変感謝をいたしておるわけでございます。  そういう中で、先ほど申し上げましたように、私学の置かれている特殊性あるいは私学の予算は実質的にはいわゆる人件費が大変多いのだということ等も十分考えていかなければならぬ。そういう面において、ぜひひとつ党の方でも、優先順位は何かということを十分念頭に置いたそうした予算のお手伝いをいただきたい。文部大臣といたしましては、先ほど申し上げましたように、私学の大変重要な国に対する役割にかんがみまして、私学振興助成法の精神を体して最大限の努力をして頑張りたい、こう思う次第であります。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 大変はっきりとした御決意をいただきまして、心強く思います。私ども文教に関係をしている議員は、こぞって強力にバックアップいたしますので、ひとつ大いに頑張っていただきたいというふうに考えております。  今お話をしてまいりましたとおり、国の大学に対する助成というのが極めて厳しくなってきてしまっているというふうなことがあるわけでありまして、先般私立大学側から「私立大学——きのう・きょう・あした」という白書が出たわけでありますが、この中の財政のところでも出ておりますが、私立大学の教育研究条件というものは極めて厳しくなってきているのだ、特に財政の補助の減少によって深刻な打撃を受けているというような記述もあるわけでございます。  実は、十六日の新聞で慶応大学の企業からの委託研究費の流用事件問題というのが出ておりまして、教授が辞職をされたというようなことも出ているわけでございますが、こうした点について文部省側の基本的な考え方をお伺いしておきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 慶応大学の問題は新聞等で承知をいたしておる程度でございますが、当該教授が委託研究費を研究上必要な経費以外の経費に流用したことが問題になっておる、こういうふうに私どもは承知いたしております。しかし、私は、委託研究というのは大学が本来持っております使命をしっかり踏まえて行うものであるというふうに考えておりますし、教育研究上もそういう意味では有意義なものである、適切な手続、方法等によって受け入れることが望ましい、こういうふうに考えておるわけであります。やはり学術研究というものは、国民のニーズにこたえていくということが促進をしていく大きな精神にもなるわけでございます。ただ、その委託研究というのが、一つの常識の枠の中で定められていかなければならぬだろう、こう考えております。  先ほど冒頭に申し上げましたように、大学の自主性あるいはまた学問の自由、自治ということも十分念頭に置いて進めていかなければならぬ問題でございますが、大変大事な問題であるというふうに私どもは認識をいたしております。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 今大臣がおっしゃったとおり、これは私は必要なものであるという認識の上にたって御質問させていただいたわけでありますが、この問題については私大連盟側もかねてから考えておったようでありまして、産学協同憲章づくりというものを進めているんだということがその翌日の新聞に出ております。先般慶応大学の石川学長にお目にかかった際も、私立大学側もぜひとも自分の力で経営をしていくための努力をしたいというふうな決意を表明されておられたわけでありますが、こうした企業からの研究費補助もそれなりの独自の努力のあらわれであるというふうに私は考えておるわけであります。こうした点について、産学協同憲章、これはいかなるものかわかりませんが、私立大学の自分の努力による財政の自立、こういうものに対する御見解等も承っておきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 産学協同憲章につきましては、具体的な段階ではないというふうに承知をいたしておりますが、新聞等では、慶応の石川塾長は、私大連盟の会長というお立場でございましょうか、そうしたこともお話しになっておられますということを承知をいたしております。基本的な方向としては、委託研究ということも含めて私学の研究体制の推移、そうしたことも十分踏まえまして、やはり重大な問題だろうというふうに考えておりまして、関係団体とも今後相談をしていきたいと思っております。今伝えられておりますいわゆる産学協同憲章については、まだ具体的な段階ではないというふうに承知をいたしておるわけでございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 次に、幼稚園の一〇二条園問題についてお伺いをしたいと思うわけでありますけれども、五十七年四月に私学振興助成法の一部を改正いたしまして、一〇二条園問題について、志向園問題等について改正をして、五年間の期限をさらに三年間延長ということに決まったわけでございます。学校教育法第百二条の「当分の間、学校法人によって設置されることを要しない。」という条項についてでありますけれども、先般の改正の際にも三角局長の答弁にそのようにあったわけであります。この考えは変更はないかどうか、聞かせていただきたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 一〇二条園で、学校法人によらないことができるという規定が学校教育法にあるわけでございますが、これは当時、幼稚園の実態並びに幼稚園教育の振興を図る観点で、学校法人という制限をした設置形態に限定することについては適当でないという判断で、学校教育法でそういう規定が置かれたわけでございます。したがいまして、そういう形で置かれた幼稚園が現に存在するわけでございますから、そのこと自体は今も変わらないというふうに思っております。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 いよいよ来年の三月でもって法律が切れるわけであります。附帯決議にありますとおり、もう再延長しないということも出ておるわけで、そろそろ具体的なことも考えていかなければならない時期だと思います。この幼稚園の学校法人化について、かなり進んだという意見もあるし、いや進んでいないではないかという意見もあるわけであります。現在でもまだ三割強の幼稚園が法人化できないで残っている。私はこれはある意味では進んでいないのじゃないだろうかというふうにも考えておりますが、この原因についてどういうふうにお考えになっておられるか、お聞きをしたいと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 学校法人化について、先生の御指摘は、必ずしも十分進んでいないのではないかということでございます。そして、法人化が必ずしも十分進んでいない原因としてどう考えているのかというお尋ねでございますが、私どもが今日まで把握をしている状況で申し上げますと、その理由は幾つかあろうかと思いますけれども、法人化につきまして、それぞれ宗教法人なりあるいは個人立の場合に、その関係者の合意を得ることがなかなかできないというようなことが基本的には多いのではないかというぐあいに把握をしております。そのほか、幼稚園児の減少期を迎えての今後の幼稚園経営の問題、あるいは用地の取得、借用等について具体的に地主との交渉が難航いたしておりますとかそのほかの理由があろうかと思いますが、大きい点はそのようなところにあるのではないかというぐあいに考えております。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 だんだんと一〇二条園は減ってはきているわけでありまして、法人化している幼稚園もかなりありますけれども、その反面、幼稚園を廃園せざるを得なくなった国もかなり多いということも指摘をしておきたいと思うわけであります。  先般五十七年の改正時に、附帯決議に基づいて政府は所要の措置を講ずるようにというふうなことになっておるわけであります。このいわゆる「所要の措置」というのは極めてあいまいでありますが、かなり広範囲な判断もし得るのじゃないだろうか、そういうふうに私は考えています。その後、文部省としてはどのような措置を講じてこられたか、お伺いをしたいと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のように、附帯決議で言われている点につきまして、私どもとしましては、それぞれ幼稚園に関する関係者の会議等におきまして、学校法人化のための具体的な促進について指導もいたしておりますが、特に個人立幼稚園を学校法人化する場合の基準の取り扱いの問題につきまして、基準を緩和することにつきましては既に五十一年に通知を出しておるわけでございますけれども、先般の法律改正の施行通達におきまして、重ねて、各都道府県の実情を勘案しながらその運用の弾力化に努めるということについて通知をいたしておるわけでございます。私どもとしては、その基準の弾力的な運用ということで学校法人化が促進されるよう、各都道府県の取り扱いとして積極的な運用で行われるように指導をいたしておるわけでございますけれども、具体の数字につきましては、臼井先生先ほど御指摘のような現状にあるというのがただいまのところの状況でございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 各都道府県に弾力的な運用ということを言っておられるということを聞いて安心をしているわけであります。一〇二条園というのは戦後の混乱期の中でそれなりの大変重要な役割を果たしてきていると私は思います。特に、現在でも一〇二条園が残っているところは大都市に多いわけなんです。それはなぜかといいますと、都市地区でかなり土地も狭隘である、そういう中で幼児教育に努力をしてきた園が多いから中心区で残らざるを得ない。なかなか学校法人の枠の中にはまってこないというのが大きな原因の一つであろうというふうに考えてきたわけであります。  結局、振り返ってみますと、歴史的に一〇二条園というのはそれなりに貢献をしてきた。そして、今や学校法人化という大きな国の文教の施策の方針によって、いわば弱者として追い詰められてしまっているということも考えられますが、そういう点で一〇二条園の振興についても何らかの方策を持つ必要があると私は確信をしておるわけでございますが、いかがでございましょうか。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 当時の経緯は先生方もよく御承知のとおりでございまして、私立幼稚園に対しても国の助成をという、幼稚園を大事にしていこう、そして、今臼井さんから御指摘がありましたように、戦後の日本の発展期といいましょうか、その中に大変大きな幼児教育に対して果たしていただいた役割、そういうことを考えて助成措置をしていくということにおける特例措置で今日まで来たわけであります。法律的に時限立法でございましたので、ここにいらっしゃる石橋さんなども、当時文教部会長というお立場で大変御苦労をいただきまして延長をさせていただきました。先ほどから政府委員が申し上げておりますように、学校法人化を促進していただくことがあくまでも基本的な約束でもございます。でき得る限りそうした方向を今努力をして指導をいたしているところでございます。  ただ、事情がいろいろございますし、これは単に幼稚園の一〇二が云々ということよりも、幼児全体が減少していくという事態も十分考えておかなければならぬ。そういう中で、この問題は極めて重要な問題でございますし、そしてまた、従来の経緯を踏まえながらも大変深刻にも受けとめている点でもございますし、なお一層事務当局が関係者とも十分に調整をしながら、鋭意解決ができる方策をぜひ見出してまいりたい、このように考えているわけでございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○白井委員 おっしゃるとおり、学校法人化というのは大前提で、これを推し進めるということは大切なことであると考えております。しかし、先ほど申し上げましたとおり、いまだもって全幼稚園の中の四割弱程度の園が法人化できずに残っている、こういう現況を見逃しては、これからの幼児教育というものは考えることはできないと思いますので、ひとつ御研究のほどをお願いをいたしたいと思います。  幼保の調整の問題でございますが、この問題も臨教審に当然諮問すべきテーマだと考えておりますが、いかがでありましょうか。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 これもしばしば予算委員会等でもまた文教委員会等でも取り上げられた問題でございます。これは大体、目的そしてそれぞれの法律が違っておるわけでございますが、現実的にはほとんど同じような行き方をしておる。そしてまた、これは地方によって非常に偏在をいたしておりまして、幼稚園が圧倒的に幼児教育のウエートを占める県もございますし、私の石川県などはもう圧倒的に保育所が多い。結局、幼稚園と保育所とのスタートの違いみたいなものがございまして、そういう中でむしろ地方の行政機関がこのことについては非常に困惑しておるだろうというように思います。したがって、従来いろいろな話し合いもなされてきましたが、やはり文部省、厚生省両省という一つのセクショナリズムというのはどうしても強く出てしまう。私は幼保一元化というものを臨時教育審議会でも検討すべき事柄であるというふうに申し上げただけで、私のところには随分保育関係から抗議が来るんですね、幼稚園と一緒にしようとしているのかと。そうではないので、もう少し幼児教育を受ける子供たちの立場になってあげなければならない。何か私の選挙区などで保母さんと言ったら怒られまして、保母先生と言えというのです。そういうふうに、保育所も学校教育みたいにしているんだよということを意識を持たなければならぬほど同じようなものになっておる。そのために市町村長などは大変苦労しておられるのではないかと思うのです。何か幼稚園をつくると別のものをつくるような感じがする。子供たちに優越感を与えるのじゃないかというようなことも心配される面が、かえって幼稚園教育が伸びてこないということでございますから、やはり教育を受ける立場、それから教育機関を進めていかなければならぬ行政の立場、そういう中で、この際、幼保というもの全体を、これが保幼であっても幼保であってもいいと思うのです。全体的な問題を本当に議論しないで、今はどうも役所だけ、それに関係する団体だけがお互いに議論をむき出しにしておるというような感じが私はしないでもないというような感想を実は持っておるわけでございます。臨時教育審議会の中でこれを検討する課題だというふうには私は申し上げる立場ではございませんが、十分議論をしていただく大事なテーマではないかなというふうに考えておるわけであります。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 先ほど学校法人化が進んでおらないというふうに私は申し上げたわけですが、その進んでおらない原因の一つとして、例えば日大とか早稲田とかこうした大学、一つの大学で何万人もの人がいるこうした大学と、片や幼稚園の場合は平均して二百人に満たない人員である、こうした幼稚園と、学校法人という同じものでもってくるめてしまわざるを得ない現在の制度、こういうところに私は一つの大きな問題点があるんじゃないだろうかというふうな感じもしているわけであります。  五十八年二月に行われました法制審議会の商法部会で、小規模会社法の制定に向けて検討開始をしたということがありますけれども、類似のケースとして、例えば小規模学校法人特例、先ほど申し上げました大きな学校と、幼稚園のような極めて小さいものとを同じような規格でもって規制をする、これは無理なんではないだろうか、こうしたものを文部大臣の諮問機関等で検討してみていただくというふうなことはいかがでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 学校法人制度、大学の大規模のものから幼稚園まで現在の法制で対応していること自体について、検討を要する点があるのではないかという御指摘でございます。  確かに、その問題点もあろうかと思いますが、現行の学校法人につきまして、いわばその公共性を高めるという観点から、必要な資産の保有あるいは役員構成、そういうような基本的な点で規制をしておるわけでございますけれども、いずれもそれらは最低基準ということで決めておるわけでございます。そのほか、個々の学校法人が幼稚園なり大学なり、その学校種別、学校規模に応じまして具体的には寄附行為で定めることになっております。  さらに、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、幼稚園につきましては、私学振興法に基づく助成が開始されることとなりました際に、基本財産等の面でさらに従来の基準の緩和ということもいたしておるわけでございます。  こういうことで、確かに法制的には一つでございますけれども、それぞれの学校種別に応じて具体的にそれは内容的なものがそれぞれ定められるという観点からすれば、御指摘のような形を、法律の形ではなくて何らかさらに具体に示すということについては今後の検討課題かと思いますが、現実の対応としては、私は現行の私立学校法の定めにおきましても、十分それらの点の学校種別に応ずる対応ということは法律的には可能な事柄だというぐあいに考えております。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 もう時間がございませんので、最後の質問とさせていただきます。  来年度の予算編成に向けて、今いろいろお話をしてまいりましたように、一〇二条園も歴史的に十分に役割を果たしてきた、そういう中で、これは無理を承知で、大幅な何らかの新規予算の要求をしてもらいたいという気持ちを持っているわけでありますが、ぜひともこのことについて御努力をいただきたいと思っております。  そして、志向園に対する問題を最後にお聞きしたいわけですが、五十九年の経常費補助については、概算要求から予算編成終了までの時期に交付をするように指導していただきたいというふうに私は考えておるわけでありますが、いかがでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 具体的に今年度の経常費補助についての御指摘でございますけれども、都道府県が学校法人化の志向園に対しまして補助金を交付するに際して、地域の実情、個々の学校法人志向園の法人化の努力状況等を的確に把握した上で補助金の交付をしてきておるわけでございます。特に五十九年度末に期限が到来するものの扱いについては、法律なり附帯決議等の趣旨を十分踏まえまして適切に対応するように指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。

臼井日出男自由民主党・新自由国民連合

○臼井委員 県は県なりの独自の判断というものがあると思いますけれども、各園としてはそういう補助があるということを前提に既に予算措置をしているわけでありまして、保育料を途中で変えたりすることはできないわけであります。ですから、そういう点については、法律は法律でありましょうが、やはり情を持って、先ほどのお話にもございましたが、運用の弾力的な活用で各都道府県にぜひとも御指導いただきたいというふうに考えております。  実は、きょうは救援基金の問題について大蔵省に、前にちょっと質問させていただきましたので、質問いたしたいと思っておりましたが、またできなくなってしまいました。きょうは恐らくできないのではないかと思ってお断りしていましたが、質問事項は差し上げてございますので、御検討いただいて、また次の機会にぜひともよろしくお願いいたします。  以上をもって質問を終わらせていただきたいと思います。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 午後零時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十二分休憩      ————◇—————     午後零時三十二分開議

船田元自由民主党・新自由国民連合

○船田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐藤徳雄君。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私は、きょうの朝日新聞の社説にも掲載されておりました、文部省の汚職事件と言えば非常に嫌な表現なのでありますが、新聞紙上がそのように表現しておりますので、その問題について文部省の考え方をお尋ねしたいと思います。  御承知のとおり、今日教育問題が非常に大きな国民的な関心を呼び、そしてまた、本国会においても健保と並んで教育改革の問題は極めて重要な法案の一つとして位置づけられ、既に内閣委員会等でもあるいは本文教委員会等でもかなりの議論がありましたけれども、その中身については御承知のとおりであります。すなわち、非行の問題あるいは校内暴力の問題、そして共通一次、高校入試、偏差値教育、さまざまな課題があり、そしてそれを解決しなければならないという非常に重要な時期にこのような事件が発生したことを私は非常に残念に思うわけであります。  時間の中で文部大臣からも見解はお伺いをいたしますが、まず最初に私がお尋ねをしたいのは、文部省の大臣官房総括予算班主査鳥野見博氏が逮捕されたことは、既に新聞報道で明らかになっておりますので御承知のとおりであります。したがいまして、鳥野見博氏が逮捕されました事実関係について明らかにしていただきたいと思います。法務省刑事局の方、いらっしゃっておりますか。

北島敬介法務省刑事局刑事課長

○北島説明員 お答え申し上げます。  ただいまお尋ねの鳥野党博の逮捕事実の概要でございますが、昭和五十九年五月一日ごろ、株式会社オリエンタルマシン代表取締役辻宏志から、同社の販売するワードプロセッサーなどを神戸商船大学などの国立大学に購入してもらうに当たり、予算の配賦等に有利、便宜な取り計らいを得たことに対する謝礼並びに将来も同様の取り計らいを得たい趣旨のもとに供与されるものであることの情を知りながら、七十万円のわいろを収受したという事実でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 新聞でも七十万円その他金品を受け取ったと報道されているわけでありますが、七十万円のほかに新聞に報道されているような事実があるのでしょうか。いかがですか。

北島敬介法務省刑事局刑事課長

○北島説明員 ただいま申し上げました逮捕事実について現在身柄を拘束の上捜査中でございます。したがいまして、それに関連して何かほかの犯罪があるかというふうなことにつきましては、お答えは差し控えさせていただきたいと思っております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それは現在捜査中であるということだと理解をいたしますが、それでは、今お答えの中にありましたオリエンタルマシン社長辻宏志が贈賄容疑で再逮捕されたとこれまた新聞が報道しているわけでありますが、再逮捕されました事実関係について明らかにしていただきたいと思います。

北島敬介法務省刑事局刑事課長

○北島説明員 辻につきましては、新聞等で御承知のとおり、当初の事件につきましては既に起訴済みでございますが、その起訴と同時に、先ほどの鳥野見の被疑事実に対応する、要するに鳥野見にわいろを贈ったという容疑で再逮捕してございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それでは、今お答えの中にありましたように起訴されたようでありますが、新聞報道によりますと、大阪大学経理部長中曽根武氏もまた収賄罪で起訴されたようになっているわけであります。起訴事実について明らかにしていただきたいと思います。

北島敬介法務省刑事局刑事課長

○北島説明員 大阪大学事務局経理部長中曽根武に対しましては、昭和五十九年七月九日付で大阪地方裁判所に起訴しております。  その公訴事実の要旨は、昭和五十八年二月十八日から五十九年五月十六日ごろまでの間、前後十三回にわたり、事務機器等の販売を目的とする株式会社オリエンタルマシン代表取締役辻宏志から、同社が販売するワードプロセッサーを大阪大学に購入してもらうに当たり、有利、便宜な取り計らいを得たこと並びに将来も同様の取り計らいを得たい趣旨のもとに供与されるものであることの情を知りながら、合計二百七十二万円のわいろを収受したという事実でございます。  一方、贈賄側の辻につきましては、これに対応するわいろを贈ったという事実で同日起訴しております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 大臣、きょうの朝日の社説をお読みになったかどうか存じませんが、非常にショッキングな表現できょうの社説は載せられているわけであります。つまり「戦後、文部省の本庁で汚職事件が起きた記録はない。「清潔な文部省」というイメージさえあった。しかし、こんどの事件の経過をみると、そのイメージはうす汚れてくる。」実はこういう表現になっているわけであります。  そこで、これ以上発展しないことを願うわけでありますが、本事件は文部本省いわば中枢にまで波及したと理解せざるを得ないわけでありますけれども、こういう状態になりました諸悪の根源というのを一体どういうふうに文部省自体はとらえておられるのか、その点もお答えいただきたい。と同時に、今国会の中でも非常に重要な問題として今なお議論されております政治倫理の問題についても大きな関連を持つものである、こう思っているわけであります。何も政治家だけが政治倫理の問題ではありませんで、そういう問題を絡めまして、このような諸悪の根源は一体どこにあったのか、ひとつ明快にお答えをいただきたいと思います。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 ただいま先生から御指摘のこの問題が起こりました原因並びにその基本の問題でございますが、本事件にかかわりました本省職員並びに大阪大学職員の問題としてとらえれば、公務員としての基本的な倫理であり、あるいは服務の基本という問題に背馳する問題で、許すべからざる行為であるということにつきましては御指摘のとおりでございます。その点につきましては私どもとして大変遺憾でございますが、この事件が生起しました経緯、実情を私ども現時点で考えますると、物品購入という一つの予算処理の手続におきまして、物品購入の予算の執行体制に問題があったのではないか。原因といたしましては価格の設定あるいは業者の選定という問題があるわけでありまして、業者の選定につきましては特に慎重な手続が必要でございます。そういう点において大阪大学等におけるシステムが果たして適当であったかどうか、その点につきましては、私どもも従来から経理部課長会議等での指導に尽くしてきておるところでございますが、なおこういう事件が大阪大学において生起したということは、まことに指導において徹底を欠いたという点で反省をいたさねばならないというふうに厳しく受けとめておるわけでございます。  さらに、本省職員においてこういう問題が起きたという点につきましては、私どもも信じられない気持ちであったわけでございますが、この点においての問題は、やはり予算全体を統括する本省の問題といたしまして、同様な意味における公務員としての基本の倫理、服務の問題が片やあることは当然でございますが、予算の執行の本省における事務処理体制に遺憾な点があったのではないかということも反省する次第でございまして、そのような意味における今後の改善の検討を直ちに開始しておるところでございます。御指摘の点についての私どもの反省のもとに立って、今後こういうことが再び起こることがないように努力をしてまいらねばというふうに、現時点で厳しく受けとめておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 また新聞の社説を引用させてもらって恐縮でありますが、この中には幾つかのことが記載されておりますけれども、特に私が重要視して読みましたのは、「第二の課題」として提起をしている内容であります。つまり「「灰色の人物」を一掃することである。」こういうことを朝日の社説は主張しているわけでありますが、ロッキード事件の問題につきましても、灰色議員の問題についてかなりの疑惑、そして追及あるいは社会的な批判、そういうものが集中したことは、私が述べるまでもなく御承知のとおりであります。私は、この種の事件の問題について「灰色の人物」という表現そのものが非常に気になるわけでありますが、そういう心配が存在をするのかどうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 先生御指摘の点は、現在逮捕されております大阪大学の経理部長及び本省会計課の総括予算班主査以外に、新聞紙上で一部報道されております各大学におけるワードプロセッサー購入事件に関連しての問題かと存ずる次第でございます。  私どもといたしましては、オリエンタルマシン社とのかかわりにおいてこのような経緯をたどった二人の逮捕者の問題としては、個人としての倫理なりあるいは公務員の基本としてのあり方にもとるという点で極めて遺憾であったわけでございますが、ワードプロセッサーを購入した各大学においてこの二人と同様な事態がまだあるのではないかという点については、私どもとしてはないことを信じておる次第でございます。  しかし、その点において、紙上伝えられておる点と、さらには捜査当局においてどのような経緯をもって今後お取り調べが進むかという点は、私どもも見守ってまいらねばならない点でございまして、私どもとしては私どもの立場で、本件に関しての問題を厳粛にとらえて、各大学におけるいろいろな処理についての調査等は進めてまいりたいというふうには思っておるわけでございます。しかし、捜査との関連におきまして若干差し控えねばならない点もございますので、現時点におきましては、先生御指摘のような広がりについては私どもはないことと信じておる次第でございます。  以上でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 関連いたしまして、この問題につきまして他の国立大学に波及するのではないかという新聞報道も一部なされているわけでありますが、具体的には後ほどお尋ねいたしますが、国立大学あるいは文部省本省そのものに拡大するということはない、こういう確信をお持ちでしょうか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 現在私どもの把握しております実情におきましては、そのような事態はないというふうに信じておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 拡大しないことをまさに願っているわけでありますが、昨日の参議院の文教委員会において、我が党の久保亘議員がこの問題について多分質問したはずであります。その際に、この事件をきっかけにいたしまして省内に事務処理体制の改善検討委員会を発足をさせるというお答えがあったそうでありますが、改善検討委員会が発足をされたのかどうか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 ただいま先生御指摘の、本省における本件に関連いたしましての種々の検討をすべき委員会組織の問題でございます。一昨日、事務次官を座長といたしまして、国立学校に係る予算事務処理体制等の改善に関する検討委員会を設けた次第でございます。  この組織の構成といたしましては、ただいま申し上げましたように、事務次官を座長といたしまして、官房長、高等教育局長、学術国際局長、それから人事、総務、会計各課長、大学課長、学術課長というふうな構成をとりまして、このメンバーによりまする種々の検討を重ねてまいりたいということでございます。  内容といたしましては四点ほどございます。  第一点としましては、本省並びに大阪大学に関連いたしまして、国立大学の機器購入の事実関係についてその経緯なり道筋についての究明をしてまいりたい。  それから、第二点といたしましては、何と申しましても予算執行処理に関しましての意思決定のシステムが問題ではないかということを私ども厳しく認識いたしておりますので、この予算執行処理に関する意思決定システムについての再検討をすべきではないか、これが第二点でございます。  それから、第三点といたしましては、やはり先ほども御指摘がありました倫理、服務の問題として、倫理上、服務上の問題点について改善し検討すべき点ありや否や、これについての検討が第三点でございます。  第四点としましては、教職員を含めまして広く国立学校に関する服務の問題、それから教官もかかわります予算その他の事務処理の問題、国立学校における運営の問題を検討課題として検討してまいりたい、こういうふうなことを一昨日の第一回の委員会におきまして決定をいたしました。  これらにつきまして、私どもも早急に事務的に検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 今お答えいただきましたいわば検討委員会の任務といいましょうか、それらについて四点を述べられたと思っているわけであります。しかし、私は、第二点の予算執行処理の意思決定の再検討ということにつきまして非常に疑義を実は持っているわけであります。つまり、先ほどもお答えがありましたが、信じがたいとかあるいは信じられないとかいろいろな表現の談話が新聞の中で実は載せられているわけであります。そうしますと、現在のシステムと申しますのは、予算執行処理の意思決定が鳥野見自身が思うままに左右できた、こういうようなシステムになっているがゆえにその改善の検討の必要がある、こういうふうにとらえたのでしょうか。どうですか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 この点につきましては、大学における予算事務処理の意思決定のシステムの問題と、それから本省における予算事務処理の意思決定の問題と二つあるわけでございます。  国立大学における予算事務処理の意思決定といたしましては、支出負担行為担当官という予算上の制度とか支出官とか予算経理上のシステムがあるわけでございますが、先ほど申し上げました物品購入の決定というふうな事柄に係ります場合には、複数の人間による討議を経た契約当事者、相手方の決定とか、その間におけるいろいろな判断要素がいろいろなチェックシステムで検討される必要がある、こういうふうなことを思うわけでございまして、そういう点についての今後の十分な検討が必要ではないか、これが第一点でございます。  それから、先生御指摘の、具体に総括予算班主査の問題としましては、現在におきましても総括予算班主査一人で追加配分予算の決定が行われるわけではございません。予算班の中に第二予算班という組織もございまして、そこには主査もおるわけでございます。係がまず国立学校からの申請を受け付けまして、会計課の中で担当部局がまずその申請の検討をし、それから総括予算班主査の方に上がってくるというふうなシステムをとっているわけでありますから、一人の総括予算班主査の判断のみで本件についての処理が行われたというわけではございません。しかし、こういう事件が現実に起きたわけでございますから、私どもとしましては、その反省の上に立って、現在におけるシステムをさらに改善する何らかの検討点がありはしないかということをこれからも十分詰めてまいりたい、こういうふうな気持ちでおるわけでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 六月二十二日の文教委員会におきまして、中野委員の方から、もちろん文部省の本省にまで波及する前段の段階でありましたが、いろいろ質疑応答が実はなされているわけであります。私もその会議録を丹念に読ませていただきましたが、この事件の問題に対しまして文部省は現在調査を進めている、こういう答弁が実は載っているわけであります。あれからかなり日にちがたっているわけでありますが、文部省の責任において調査を進めている、こういうふうに理解をしているわけでありますが、今日までにおける調査事実はどの程度まで判明したのか、お答えいただきたいと思います。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 まず、先般の文教委員会で私がお答えいたしましたとおり、私どもとしても、本件については厳しく受けとめ、みずからの調査を行いたいということで、大阪大学につきましての調査は私どものできる範囲での仕事として進めておるわけでございました。その途中におきましてその調査の続行を控えざるを得ないという事態も生じたわけでございますが、現時点で判明しておるところで申し上げますと、大阪大学でオリエンタルマシン社からワードプロセッサーを購入した事実としましては、法学部が二十五台、三千百九十七万円余、それから基礎工学部が十三台二千六百三十一万円余、計三十八台で、これが五千八百二十八万四千五百円になるということでございますが、これは報道による数字でございます。しかし、私どもが厳密に調べたところによりますと、五十八年度としましては法学部が二十五台、基礎工学部が十三台、教養部が二台、言語文化部が一台、事務局が二台ということで、五十八年度は四十三台、こういうふうなことでございます。  このオリエンタルマシン社からの購入につきましての経緯でございますが、すべて随意契約によっておるということが判明いたしております。この随意契約によることにおいて、全体の金額との関係でそれは果たして適当であったのかというところが問題点でございまして、私どもとしてはどういう経緯とどういう判断のもとに随意契約が行われたのかということを具体に調査をしたかったわけでございますが、関係書類が現在捜査当局に提供されておりまして、随意契約を行った経緯とその判断のプロセスについてはちょっと把握することができなかった次第でございます。  それから、パシフィック科学貿易からの医療機器購入につきましても調査をいたしましたが、この点につきましては、昭和五十七年度に医学部附属病院で一件ございまして、それから微生物病研究所附属病院で一件ございました事実が判明いたしております。  大阪大学に関連いたしましての調査のために、六月二十七日に文部本省の人事課調査官をキャップといたしまして計五名の調査団と申しますか、私どもの方の調査団として大阪大学に派遣をいたしまして、その調査団によりまして大阪大学のいろいろな事実関係の把握をするべく努力をしたわけでございますが、いろいろな書類関係がほとんど捜査当局に提供されているという実庸におきまして、詳細については私どもがつかみがたいというふうな結果がございます。しかし、私どもが調査団を派遣いたしましたゆえんは、ワードプロセッサーの問題以外に大阪大学におけるいろいろな問題があるのではないかというふうな御指摘もあったわけでございまして、大阪大学における教職員を含む服務の問題というものを大阪大学において真剣に検討してほしいという勧告をいたしまして、その結果といたしまして、大阪大学において教職員を含む綱紀倫理の委員会を組織しまして、ワードプロセッサー以外の問題についても大阪大学において検討をし改善すべき点があれば改善したいというふうなことで、現在作業が進んでおるというふうな実情でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私はここに非常に問題があるなど今のお答えを聞いて感じたわけであります。つまり、総額にして五千八百万である、しかも随意契約である、こういうお答えであります。競争入札、競争契約というのはもちろんあるわけでありますが、とにかく国民の税金を使うわけでありますから、その使い方について微に入り細にわたり慎重でなければいかぬ、私はこう思っているわけであります。  そうしますと、その随意契約の額の限定範囲というのは幾らになっているのでしょうか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 大阪大学における四十三台の購入金額は先ほど五千八百万と申し上げましたが、これは報道による金額でございまして、失礼いたしました。四十三台に係ります総体の金額は六千六百二十一万というふうに御承知をいただきたいと思う次第でございます。  それから、ただいま御指摘の随意契約に関しまする会計法令上の扱いといたしましては、原則として金額においては百六十万以下というふうな規定がございます。ただし、その購入すべき物品の性格とか、それから契約における特殊な扱いの必要がある場合には必ずしもこの金額によらないで処理できる場合がある、こういうふうな随意契約の原則がある次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 その百六十万以下というのは、例えばワープロの場合は一台について百六十万というふうに理解してよろしいですか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 契約におきまして、やはり契約の総体の金額としてとらえるのが通常でございます。したがいまして、全体金額としてまとまった契約をする場合に、ワープロ一台でなくて例えば五台購入するというふうな場合は百六十万の五倍になるわけでありますから、仮に一台が百六十万以下であっても、それが何台がまとめて購入される場合には百六十万を超えるものとしての扱いが必要になるというふうに理解をいたしております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私もそうだと思うのです。そうだとすれば、当然競争入札があってしかるべきだというふうに通常考えるわけでありますが、どうして大阪大学の場合については随意契約でそのまま押し通したのですか。その点どうですか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 そこが、先生御指摘のとおり、私も先ほどお答えいたしましたように問題点でございます。いかなる理由によってすべてが随意契約で処理され、その随意契約で行った経緯と判断の理由は何かというところが私どもも調査すべき問題点と認識しておりまして、その経緯が大阪大学においてどういうふうなことで処理されたかということを詰めたいわけでございますが、現時点では、書類関係その他が捜査当局の方へ提供しているという経緯もこれありで、ちょっと調べが難しいというのが現状でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そういたしますと、随意契約の裁量権はどなたがお持ちなんですか、例えば大阪大学の場合。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 大阪大学の場合においては、これは一般の大学を通じて申し上げられることでございますが、最終的には事務局長であると理解しております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 まあ今問題点の一つだというお答えでありますから、やはりここのところにメスを入れないと見逃してしまう場合もありましょうし、あるいはこういうルーズな随意契約が長期にわたって行われるという危険性も感じないわけではないわけであります。この随意契約の問題について今度の検討委員会が検討の対象にする考えがありますか。どうですか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 大阪大学の場合はこれから詰めて調べてみなければわかりませんが、個々の物品購入の意思決定において、仮に事務局長が最終決定者であるといたしましても、大きな組織として大学の場合その決定を専決であるとか代決という形で下の方にゆだねているというケースはあり得るわけでございます。そういうふうに代決、専決でゆだねている場合において、全体の責任体制において今回のような事件が起きるという点がもしあるとすれば、その点について十分改善をし、検討を重ねていかなければならないというふうに思うわけでございまして、先生御指摘のとおり、予算事務処理執行上の改善検討すべき点はないかという点においては、まさに先生おっしゃいます随意契約のところなども中心にいたしまして検討する必要があろうかというふうに考えておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 細かいことをお尋ねして恐縮でありますが、これまた新聞報道によりますと、オリエンタルマシンの商法は、例えばプリンターつきのワンセット百二十万円から百五十万円する価格が三〇%から五〇%値引きをして大学に売ってある、こういうふうに報道されておりますが、それは事実ですか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 私どもが把握しておる限りにおきまして、そのプリンターに係る値引きの割合は承知しておらないわけでございますが、このワードプロセッサー自体に係ります値引き率は五%から八%ぐらいの値引き率であったのではないかというふうに承知いたしております。これもなお私ども今後精査してまいらなければならないというふうに思いますし、ただいま先生御指摘のプリンター関係につきましても、今後可能な限り調べをしてまいりたいというふうに思っております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 同じ質問でありますが、法務省の刑事局いかがですか。

北島敬介法務省刑事局刑事課長

○北島説明員 先ほど申しましたような被疑事実につきまして、現在捜査中でございますので、その内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 刑事局の方にお尋ねしても、捜査中でありますからいつでもそういうお答えきり返ってこないことを残念に思うのでありますが、ひとつしっかり頑張っていただきたい、こう思います。  さて、次に文部省にお尋ねいたしますが、先ほど来から幾つか見解が述べられましたけれども、鳥野党博逮捕によって明らかにされました、そして文部省が今日まで把握をしております事件の概要についてひとつ述べてみてください。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 事件の概要といたしましては、現在私どもが承知いたしておりますのは大阪大学に係りますワードプロセッサーに係る事案と、それから本省の総括予算班の主査に係る事案、こういうふうに二つの問題として承知しておるわけでございまして、大阪大学に係ります事案の事件の概要といたしましては、六月十九日に中曽根武が逮捕され、七月九日に起訴されたという事実、そしてその公訴事実の概要としては、先ほど法務省から御説明がありましたとおり、オリエンタルマシン社の社長辻宏志からいろいろな便宜な取り計らいを受けたことの謝礼としてあるいは今後も同様な取り計らいを受けたいというふうなことで、そういう趣旨にあることを知りながら、銀行口座に二百七十三万円の振り込み送金を受けていた、そういうふうな内容というふうに承知をしているわけでございます。それから、そのような相手方につきましては、オリエンタルマシン以外にパシフィック科学貿易会社という医療機器の会社、フクダ電子という会社等が起訴されておりまして、この点は中曽根武にかかわるものとして贈賄があるというふうに私どもは承知をしておるわけでございます。以上が大阪大学関係でございます。  それとは別の問題として、総括予算班主査鳥野党博の逮捕が七月十三日に行われておるわけでございまして、この点につきましては、先ほどお話が出ておりましたように、予算を各大学に対して査定配分する立場というものを利用してワードプロセッサー等の購入を国立大学数校に取り次いだ、そういうふうな謝礼が支払われておるというふうなことで逮捕の事情が述べられておるわけでございます。  事件の概要としては現在私どもそういうふうに承知しておるわけでございまして、以上、二つの問題として認識をしておるわけでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 オリエンタルマシンから大阪大学以外に今問題になっておりますワープロを購入した他の国立大学は存在しますか、しませんか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 私どもが予算執行をしておりますプロセスは、大体各大学からワードプロセッサー購入についての予算の申請が来るわけでございまして、その契約の相手方をしかと承知しているわけではございません。したがいまして、各大学でワードプロセッサーを購入している経緯は多々あると思うわけでございますが、その相手方がオリエンタルマシンである場合がどの程度あるかということは、かなり綿密に調べてみないとわからないわけでございます。そういう実情調査を私どももするべく着手しようと思っておったわけでございますが、その点につきましても、捜査当局においてのいろいろなお調べが進んでおるような経緯がございまして、私の方の事実調査はしばらく差し控える方がよろしいというふうな御判断もあるものでございますから、現時点においては、その点の私どもとしての立場の調べを控えておるという次第でございます。したがいまして、現時点において他大学でどの程度オリエンタルマシンとのかかわりがあるかということは必ずしも明確になっていないというのが現状でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 大学の名前を明らかにするという、固有名詞を使うということは非常に慎重にしなければいけないと私も思いますし、同時に、購入したからといってそういう事実が必ずしも存在するとは限らないわけであります。しかし、世間一般的には、この種の問題をきっかけにいたしましてかなり疑惑の目で見られていることは事実でありますから、したがって、今お答えの中にもありましたとおり、ひとつ十分調査をされた上で、もしうみがあったらうみを出してしまう、そして再びこのような事件を起こさない、こういう確信で調査をお願いすることを要望しておきます。  さて、鳥野見氏が主査を務めました総括予算班は、予算の範囲内で各大学へ配分を調整したようでありますが、先ほど来この問題について若干触れましたけれども、これをチェックするあるいは再調整をする、こういう機能はなかったのですか。その点、どうなんですか。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 先ほど申し上げましたように、総括予算班主査だけが予算の配分なり追加調整についての権限を持っているわけではございませんで、役所の組織といたしましては、会計課内部における各般のいろいろな検討を経て総括予算班主査に書類が回り、そしてそれからさらに上部の方に書類が回るというふうな仕組みでございます。したがいまして、先生御指摘のように、なぜ鳥野見氏がそういう点にかかわったことを看破できなかったかというふうな御指摘だと思うわけでございますが、これは鳥野見氏個人にかかわる倫理なり服務の問題としてその点が内に秘められておるというところで、その周囲ではなかなか事態がわからなかったということもあろうかと思うわけでございます。それにいたしましても、全体の仕組みの中でこういうふうなことが起きないようなシステムを、未然に防止すべきシステムを考えねばならないということは、私どもとしても現時点で痛感しておるわけでございまして、何らかの手だてについての今後の検討課題であるというふうに考えておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 法務省刑事局の方、大変御苦労さまでした。あとお尋ねする部分がありませんから、お引き取りをいただいて結構であります。  さて、この事件の中身について言及する気はきょうは余りありませんけれども、しかし、追加予算の問題が実はかなり大きくクローズアップされているわけであります。したがいまして、追加予算の仕組みについて、どういうふうになっておるのか、そしてまた、鳥野見氏の例のように、ああいうぐあいにいってしまうのかどうか、その仕組みについてひとつ御説明をいただきたいと思います。

西崎清久文部省大臣官房長

○西崎政府委員 国立学校に関する予算は、原則として年度当初に学生数、教官数、講座数等を基礎として配分するという仕組みになっておるわけでございます。しかし、国立学校の維持管理経費の中にはいろいろな性格のものがございまして、例えば人件費でありますとか——人件費と申しますれば、年度途中の採用に要する経費とか年度末の退職手当に要する経費とか、不確定要素のものがございます。それから、例えば留学生経費、これは留学生が実際に来てみて、諸謝金とか職員旅費とか校費など年度当初不確定なものもございます。それから実習船経費、実習船の運航費、航海日当、嘱託料などいろいろとあるわけでございまして、経費の性格上当初に確定しがたいもの、あるいは大学の教育研究計画の具体化により対応すべきもの、それから年度途中における不測の事態に対応すべきもの、大きく分けますと、先ほどいろいろ例示を申し上げましたが、三つに分類できるかと思います。そういうふうな、年度途中に対応すべきものとして、一部経費を本省に留保し、各大学からの追加予算の申請に基づいて各大学に配分示達を行う、こういうふうな仕組みになっているのが実情でございます。  そのような追加配分をする中で今回の問題が起きておるということがあったわけでございます。その点について、私どもとしては、追加配分のシステム自体はやはり必要なものだと思っておるわけでございますが、このような事件が起きたこと自体についての問題点については今後とも十分検討してまいらねばならないというふうに考えておる次第でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 この問題についての最後の質問をいたしますが、本事件につきまして、特に先ほどからお答えの中でも出ておりますとおり、文部省から逮捕者を出したということは、文部省にとっても教育そのもの自体にとりましても、極めて不祥事であり残念なことであります。  文部大臣、この点につきまして国民に対してどういう説明をなさるのか、あるいは大臣の所見をお伺いしたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 午前中、当委員会の冒頭に私からもおわびを申し上げましたが、正直申し上げて、このような事態になりましたことに対しましては、本当に残念なことでございまして、そういう意味で、今先生からも御指摘ございましたし、午前中臼井さんからも御指摘ございましたように、ちょうど今、教育問題が極めて重要な国民的な関心を持っていただいている大事なときでございますだけに、こうした事態、本省から逮捕者を出したということについては、ただただ残念だと申し上げるしかございません。捜査中でございますので、今後の本人の処分等につきましては、その捜査の段階の区切りを経てからというふうに考えております。しかし、今御指摘がございましたような、いわゆる予算の執行あるいは物品購入のいわゆる仕組み等々につきましては、早速事務次官を長といたします検討委員会を設けまして、これまでの事態の解明を今急ぎ、そして早急な改善策を打ち出したい、こういうふうに考えておるわけでございます。  文部大臣としての国民に対する所見はいかがかということでございますれば、先ほど申し上げましたように、文教委員会そしてまた国会を通して国民の皆さんに、かかる事態になりましたことに対しまして深くおわびを申し上げる次第であります。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 さて、時間も余りありません。次に、私は、東北福祉大学の問題に触れて幾つかのお尋ねをしたいと思います。  五月十一日の文教委員会で、山原委員が東北福祉大学のいわゆる隠し口座問題で質問をされています。会議録も出ましたから、私もそれを十分読んだわけでありますが、文部省のこの場合の答弁は、野球部の関係のお金である、そういうことを説明を受けているんだという回答がありました。しかし、私は非常にこの問題についてあいまいだなという感じをどうしても抱かざるを得ません。したがいまして、時間も余りありませんから、端的にお尋ねいたしますから、長々の答弁ではなくて簡単明瞭なお答えをひとついただきたいと思います。  その第一は、東北福祉大学に、七十七銀行、口座番号二五六−〇一五四五三九、こういう口座番号があるわけでありますが、この通帳のあることを知っておられますか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 大学側の説明を受けまして、承知しております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 これは何の口座でしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 大学側の説明によりますと、御指摘の口座は、昭和五十五年に、学校の職員、八木哲夫氏でございますけれども、先般御説明したとおりでございますが、野球部が優勝いたしますとかあるいは全国大会出場等に伴いまして、祝儀金、せんべつ等をいただく、それの保管を野球部から依頼をされまして、管理をきちんと行うために設けられましたもので、名義人は先ほど申し上げたとおりでございますし、また、その名義人の住所は仙台市国見一丁目八番一号で大学の住所と同様になっております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 そうしますと、いま一度お尋ねしますが、名義人は八木哲夫経理課長でしょうか、それとも大竹栄総務部長でしょうか。どちらですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 名義人は八木哲夫氏でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 この口座は個人のものですか、大学のものですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先ほど御説明しましたような形の金、野球部がいただいた金の管理をきちんとしておくために八木哲夫氏が名義人として管理、保管しておったということでございますので、もちろんこの金全体は学校法人の資金ではないというぐあいに私ども理解しております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 会計検査院の方いらっしゃってますか。同じ質問です。どうですか。

土居徳寿会計検査院第二局文部検査第一課長

○土居会計検査院説明員 お答えいたします。  私どもの検査は七月三日から三日間で、お尋ねの件の帳簿につきましてもあるいは通帳につきましても検査の一過程で目を通したわけでございます。ただ、その内容を証明する証票というものですか、こういうものがほとんどなくなっておりまして、メモ等で確認し、あるいは報告者の説明を聞いたという段階でございます。趣旨は、ただいま文部省当局から御説明のあったような内容のものが大半を占めておるようでございますが、中には必ずしも性格が明らかでないと思われるものもございまして、通帳自身の名義は先ほどの個人になっておりまして、その内容からは、どちらに判断しろ、こういう点でございますが、これはただいま計数その他を分析しておりまして、直ちにお答え申し上げるのにはちょっとまだ固まっておりませんが、ただ、そういう状況で確定が極めて困難であるというふうに考えております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 この前の山原委員に対するお答えは極めて不可解な部分がたくさん載っているわけなんです。今宮地局長からのお答えでも、私は非常に疑問を持たざるを得ないわけであります。つまり、例えば会計上そのようなことは必要ないし、あるはずがない。これは地元の新聞を見ても明確に記載をされているわけでありますが、実は全面否定しているわけですね。こんな口座もないし、そういう金もないということで、当初は非常に否定をした立場に立っておりまして、新聞にもそのような談話が何回か実は載せられているわけであります。また、これらは公認会計士の監査、文部省それから私学振興財団、会計検査院の調査などを通じて公正である、こういう談話も発表されているわけでありますが、その点について御判断はいかがでしょうか、宮地局長。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先ほども御説明をし、その際申し上げたわけでございますけれども、この通帳に預けられております金そのものが学校法人の会計のものでないということは、その点からすれば恐らく学校法人等は関与していないということについて説明をしたことではないかと、ただいま先生の御指摘の点はそういう点を申し上げた点ではないかと私は考えております。  そして、大学側から説明を聞いたところによりますと、本来の用途でございます野球部の合宿経費等への支出のほかに、後援会が学校を後援する金、例えばバレーボール大会の費用でございますとか、あるいは父兄懇談会費用などの一時立てかえ等にも利用していたということが説明をされております。これらはもちろん本来の学校会計とは関係のないものと考えておるわけでございますが、本来野球部そのものへの祝儀金、せんべつ金等の管理の方法いろいろあろうかと思いますけれども、例えば今申しましたような他の目的に一時立てかえを行うなど、具体的にはその管理に適切を欠いている面があることは否めないと考えております。したがって、学校会計そのものではございませんでも、学校と関係を持っておる会計ということでは適切に管理をするよう注意をし、私どもとしても指導したわけでございます。大学側でも、本件口座につきまして、その管理に適切を欠き、誤解を招いたということを反省いたしまして、この口座を清算し、昭和五十九年五月九日同口座を廃止し、残金は東北福祉大学後援会に寄付したという報告を聞いております。     〔船田委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 冒頭、口座番号を申し上げて、こういうものが存在しているのかどうかと言ったら、している。これですよ。これが口座のコピーです。この中身を順次私は質問をいたしますが、局長がそのようなことを確信を持っておっしゃるなら、私は非常に重要な問題がこの中に存在していることを指摘しないわけにはいきません。したがって、私は、コピーでありますけれども、もって十分調べました。これをごらんになって調査をした経過がありますか、ありませんか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 ただいま先生お示しのようなものは私ども直接には見ておりません。大学側から説明を聴取したところでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 それじゃ、会計検査院の方にお尋ねをいたします。  多分、今月の三日から三日間ぐらい五人程度で会計監査の方が仙台に行かれまして大学側に直接検査をされたと思うのですが、その事実はありますか、ありませんか。

土居徳寿会計検査院第二局文部検査第一課長

○土居会計検査院説明員 先ほど申し上げましたように、七月三日から五人で、十二人日で検査を実施いたしました。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私学財団の方いらっしゃってますか。ちょっとお尋ねをいたします。  東北福祉大学に対する補助金が交付されているわけでありますが、ここ五年間における年度別の補助金額を明らかにしてください。

神山正日本私学振興財団

○神山参考人 お答えいたします。  五十五年度に運動場用地買収として四億五千五百万、五十六年度に運動場の造成並びに校舎鉄筋新築のために六億円——失礼いたしました、融資と間違えました。  補助金につきましては、五十四年度に一億五千六百八十九万三千円、五十五年度に一億八千八百三十一万三千円、五十六年度に二億四千六百二万六千円、五十七年度に二億六千二百六万八千円、五十八年度に二億七千三百八十万八千円の補助をいたしております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 途中で読み違えたようでありますが、その読み違えた分についてお尋ねをいたします。私学振興財団が東北福祉大学に対して融資をした事実がありますか、ありませんか。

神山正日本私学振興財団

○神山参考人 先ほどちょっとお答えいたしましたが、五十五年度に運動場用地買収としまして四億五千五百万、五十六年度に運動場造成並びに校舎鉄筋新築のために六億円、それから五十七年度にその二年次分として運動場造成、校舎鉄筋新築のために六億円、五十八年度に体育施設用地買収のために四億四千万円、四年間に計二十億九千五百万円の融資を行っております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 これは文部省と会計検査院の両方にお尋ねをいたします。  この口座の帳簿を見ますと、五十七年六月十八日に四百四十万円が入金をされておりますが、それはどこからの入金ですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 電話で先方に照会をいたした結果で聞いておる点はございます。四百四十万円は、総合運動場造成工事の請負業者が同工事の第二回支払い分として受領した金額を預金いたしましたその利息分ではございますが、野球部の運営費として充てられたいということで寄附をしたものというぐあいに報告を聞いております。

土居徳寿会計検査院第二局文部検査第一課長

○土居会計検査院説明員 お答えいたします。  やはり業者からの入金というふうに検査では理解しております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 工事を請け負った社名を明らかにしてください。どこですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 大学側からの報告によりますと、総合運動場造成工事を請け負いました業者は株式会社地崎工業仙台支店というぐあいに報告を聞いております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 局長、あなたはそういう答弁を電話で報告を受けて答弁したのだと思うのですが、おかしいと思いませんか。しかも、先ほど私学振興財団の方からの御説明によりますと大変多額な補助金も交付されておる、そしてお金も貸しているわけであります。それは何に使ったかについては先ほどの私学財団からのお答えのとおりなのであります。請け負った、つまり札幌市にある地崎工業から、いわゆる隠し口座と言われていたこの預金口座に四百四十万円ものものが、野球に使ってくれなどと請け負っている業者から金が入ってくるということが私は納得できないのですよ。どうお考えですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先生のお尋ねにつきまして、大学側から報告をいただいたことについて私はお答えを申し上げておるわけでございまして、先ほども御説明で申し上げましたように、先ほど先生最初に御指摘のございました口座の金額その他につきましては、学校法人の会計そのものとは全く別の野球部の資金に使われる金というぐあいに私ども承知をしておるわけでございます。したがって、野球部の運営に充てるための寄附ということが行われること自身については、私は適切でないというぐあいに判断をすべきかどうか、その点についてなお検討する点はあろうかと思いますが、本質的にはそこはかかわりがないものではないかというぐあいに考えております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 私はそういうとらえ方に問題があることを指摘しなければいけません。会計検査院は専門でありますから、そして、特に私学財団、両方から今の問題についてひとつ所見を伺いたいと思います。

神山正日本私学振興財団

○神山参考人 私学振興財団といたしましては、当該大学に補助金を正当な手続、融資についても正当な手続によって融資しておりましたので、その使途については、もちろん五十六年六月三十日も融資対象物件あるいは補助金の支出等について調査しておりますが、それはあくまで学校会計の書面あるいは通帳に限って調査しておりまして、その点では特にそのような報告を受けておりませんので、これ以上のことについては私学振興財団も存知してないわけでございます。

土居徳寿会計検査院第二局文部検査第一課長

○土居会計検査院説明員 先ほど冒頭の発言で申し上げましたが、検査が現時点で終わったばかりでございまして、計数等を整理中でございますので、にわかに即断申し上げるわけにはまいりませんが、かつ証拠書類等の大半がないというわけでございまして、今判断を直ちにこの席で申し上げるわけにまいりませんが、一応得ている感触として申し上げますと、先生御指摘の金額がそういう業者から入ったことは事実のようでございまして、そのこと自体が適正かどうかということにつきましてはまた別途の判断があろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、この経理を証する書類等が大半についではない、そしてその内容を立証できないというような経理自体が大学法人の関係において行われたということについては、極めて適切を欠くものであるというふうに考えます。  以上でございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 極めて不十分ではありますが、少なくとも文部省よりは明快な答えですよ。  私が調査をした内容によればこういうことなんです。工事契約に従えば工費は出来高払いになっているはずです。ところが、昭和五十六年十月、まだ二億円分に当たる工事が残っているのにもかかわらず、その建設費が工事担当の北海道札幌市にある地崎工業に支払われているのです。しかも、この地崎工業は、この金を工事が完了するまで六カ月間仙台の七十七銀行八幡町支店に定期預金いたしまして、年利五・五%、この利子課税分を除いた四百四十万円を小切手で大学の幹部に渡し、幹部が当初隠し口座と言われていたこの口座に振り込んでいるのです。おかしいじゃありませんか、野球の寄附なんて言ったって。しかも、この内容を精査してみますと、学生の親が出しているであろう後援会費で賄われているのです。出されている財布は、野球部であろうと何であろうとも学生の親から出されているものなんであります。通常野球部に寄附行為はあり得るでしょう。しかし、文部省から補助金が交付され、私学振興財団からもお金を借りておる、そして工事をやっていて、その請け負っている会社からどのような名目であれお金が渡ってきているというこの事実は、私は大変不純なものを実は感じるわけであります。いま一度文部省にお尋ねいたします。見解を示してください。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先ほど御説明をした点に尽きるわけですけれども、いわゆるその口座につきましては、学校法人の会計に直接かかわるものではないけれども、管理の面で必ずしも適切でない面があったということについて既に学校法人側に対して私ども指導しておりまして、それを受けまして、その口座について廃止をし、その残金についてはこの後援会に入れるというような措置を具体的にとられておるところでございますので、御指摘のように、私どもとしてはその口座についての管理について適切でなかった点については、既に学校法人側でも具体的な対応をしているものというぐあいに理解をしているところでございます。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 もう時間が来てしまいましたので、残念ですが中身については余り触れることができませんが、しかし、事実はどうあるか私もよくわかりませんけれども、この中を見ますと、明らかに会計担当者がメモしたのが載っているわけです。そうしますと、上京して文部省に何回か来ているわけでありますが、来るたびに何十万というお金が支出されているのがこの中に記載されているのですよ。適切であるかどうかはこれを分析すればわかるのでありますが、会計検査院の方は、まだこの証拠書類がない、これから調査だ、こういうことですから、その調査を十分私も見守って、次回の機会がありましたら深く突っ込んでお尋ねをいたしますから、ひとつ十分調査をお願いしたいと思います。また、文部省もぜひそのような調査を進めていただくことをお願いしておきたいと思います。  そこで、東北福祉大学の後援会の問題について若干お尋ねいたしますが、会員数は何人ですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 東北福祉大学の後援会の会員数でございますが、これも大学側からの説明を伺ったわけでございますが、五十八年度会員数は三千八百九十六名という報告を聞いております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 ついでにずっとお聞きします。  学生数は何人ですか。会費の額は幾らですか。会費の徴収方法はどういう方法をとられておりますか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 学生数は五十八年度在学者数で三千九百十六名でございます。五十八年度の年会費は二万円ということを聞いておりますが、徴収方法については伺っておりません。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 後援会の会長さんはどなたですか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 大学側から説明を伺ったところによりますと、この後援会の会長は三塚博というぐあいに伺っております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 後援会の監査はだれが行って、いつやったのか、わかっていますか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 それも御質問がございましたので大学側に問い合わせをいたした結果についてでございますが、昭和五十九年五月二十六日、場所は本館会議室、監査人は木村毅郎、大田孝義、渡辺哲夫、立会人が佐藤松次郎というぐあいに聞いております。

佐藤徳雄日本社会党・護憲共同

○佐藤(徳)委員 既に時間が終了したという知らせが参りましたので、残念でありますが、これで終わりますけれども、会計検査院の方がお答えの中で示しておりますように、現在調査中である、こういうことでありますから、私が先ほど提示をいたしましたこの口座の中身を十分お調べをいただいてお知らせいただきたい、こう思います。内容によってはさらに質問を留保いたしますから、ぜひひとつそのように受けとめていただきたいと思います。  残余の時間につきましては我が党の田中議員が関連質問がありますので、残念でありますが、以上をもちまして私の質問を終わります。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 田中克彦君。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 大分きな臭い話題の質疑が続いたわけでありますが、私も、折が折でありますだけに、ちょうど六十年度の概算要求の時期にも差しかかっている、たまたま来年からはいわば六十年代の文教行政のあり方が問われている、こういう時期でありますだけに、二、三問題点を絞りましてお伺いをいたしてまいりたいと思います。  御承知のように、六十年代の高等教育の計画的な整備指針ともなるべき文部省の大学設置審計画分科会のまとめなるものが六月六日に新聞紙上を通して発表になりました。これは第二次ベビーブームと言われる六十一年から六十七年をピークとして百八十五万人から二百五万人にふえていく十八歳人口、これを中心に大学のあり方を検討されてきたものだと聞いておりますが、この骨子として三つの柱が立てられております。  この一つの柱として、第二次のベビーブームに対しまして約八万六千人の定員増を図る、こういうことであります。現在の進学率三五・六%に推移すると仮に仮定をいたしましても、五十八年で六十一万三千人の大学入学者が六十七年には七十二万九千人と予想される。実に十一万六千人の増、こういうことになるわけであります。したがって、これに対応する考え方としてこの方針が打ち出されたもの、こう見るわけであります。しかも、この中身というのは、要するにこの期間中恒常的定員増が四万二千人、このベビーブームの期間だけに限りましての暫定的な定員増が四万四千人、こういう形で打ち出されている、こう聞いているわけであります。この定員増につきましては、全国を上二地域に分けて、しかもこの十八歳人口の集中が予想される都市部、東京、名古屋、大阪の三大都市を中心にこの配分率が約五五%、残る四五%については極力地方に分散をする、こういう考え方が打ち出されておりますし、そのほか、単位互換制や昼夜間の開議、履修コースの多様化など、開かれた大学づくり、あるいはまた国、自治体、民間が協力し合う第三セクター方式というようなものとセットになってこの三本柱が立てられているわけであります。  したがって、これらの審議会の方針が、いわば六十年度の概算要求あるいは六十年代と言われる期間の中で六十七年のピークへ向かってその対応を急がれる、こういう方針から検討されてきたものと受けとめているわけでありますが、現時点で、これに対して具体的にどのように来年度予算の概算要求から対応をしようとしているのか、その辺わかっておりましたらぜひ聞かせていただきたい、こんなふうに思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 六十一年度以降の高等教育の計画的整備についての報告は、先生御指摘のような形で述べられているわけでございます。恒常的な定員増四万二千人ということでございますが、仮に毎年度均等に行うというぐあいに仮定をいたしますと、各年度六千人の定員増ということが必要になるわけでございます。  そこで、五十六年度から五十九年度までの大学、短期大学の定員増でございますけれども、この間の年平均が約七千七百人という状況で推移をしてきておりますので、私どもとしては、もちろん財政状況、いろいろな問題点がございますので、必ずしも楽観は許さない点もございますが、従来からの推移から見れば、この程度の定員増は実現可能なものではないかというぐあいに想定はいたしておるわけでございます。  次に、いわゆる臨時定員増、期間を限った定員増の問題でございますが、これについても、ほぼ毎年度六千人程度の定員増が必要となるということが述べられているわけでございます。教育水準の維持ということはもちろん必要なことでございまして、それを落とすことのないように措置をしなければなりませんが、教員組織なり、具体的に校地、校舎等の基準につきまして弾力的な対応ということは考えていかなければならないと思います。これは御案内のとおり、六十七年以降さらに七十五年度に向かって十八歳人口が将来さらに急減をしてくるという時期を見越して、そういう期間を限った配分増という考え方で対処をしようということでございますので、校地、校舎等についての基準を弾力的に対応するということで、この点については既に設置審議会の基準分科会等でも議論をいただきまして、現在設置基準の改正につきまして審議会から答申をいただき、具体的に設置基準の改正の準備をただいま進めているところでございます。  次に、期間を限った定員増についての設置者別といいますか、国公私別の対応でございますけれども、現在の設置者別の割合ということで考えてまいりますと、やはり国立大学について約八千人程度見込むということになるわけでございます。各国立大学について、先般受け入れ可能数の調査ということについて既に実質的な調査もいたしておりますけれども、各大学では、もちろん教官組織の強化、例えば非常勤講師の配置でございますとか、いろいろ各大学ごとの事情は述べられておるわけでございますが、国立大学で対応すべき数としての八千人については、大学側の努力としては何とか受け入れられるのではないかというような数字が出てきております。  なお、現在文部大臣に対して申請が行われております六十年度の開設予定の規模でございますけれども、これは私立の場合でございますけれども、五十九年度開設の認可数に比べますとかなり多い数字の申請が現在出てきておりまして、この点は定員増に対するそれぞれの取り組みとしては熱意を持って取り組んでいただけているものというぐあいに私ども理解をしております。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今のお答えの中にも、第二次ベビーブームと言われる人口が十八歳の大学入学の時期に差しかかるということから、当然恒常的な受け入れ、この枠もふやしていかなければならないし、このブームの期間の臨時的な定員増というものを図っていく対応を迫られている。こういう実態は今の答弁からもそれに対応する考え方の中でわかったわけでありますけれども、そういう状況が一つの側面としてこちらにあります。  それと同時に、私がもう一つの点としてお伺いしたいのは、最近、これは臨教審の中でもよく言われますし、文部大臣も時々口にされるわけでありますが、いわば二十一世紀へ向けてそれに対応した人間づくり、こういうことがよく言われました。今まさにそういう時期に差しかかっている、こう思うわけでありますが、それはどういうことかと言えば、いわばエレクトロニクスだとかバイオテクノロジーだとか新素材、こういうものの開発、先端技術と言われるようなものが非常に急速に進んできております。こういう産業発展の状況に備えて、これに見合った研究者なりエンジニアなり、そういう者を養成していくことが非常に急務であると言われておりますし、これからの日本の国力というものはこの面での人材に支えられるものが非常に大きいだろうということは容易に想像できるわけであります。もう一面からは、産業界からもこの種の要望は非常に強く出されているというのを私ども伺っているわけであります。  そこで、七月三日明らかになりました通産省構想なる筑波学園都市内に大学院を持つ四年制の私立大学を設置するという構想、これは特に業界筋から強く要求されて、工業技術院の筑波研究室、研究センターですか、これと人材の面でも研究の面でも交流できるような、共同研究ができるような施設としてこの大学を位置づけるというようなことを強く要求してきているというような話を伺っております。特にこれは総合研究開発機構の委託を受けて、先端技術研究開発環境のあり方という中で、東大の大島教授が中心にまとめられて要望が出されているというようなことが新聞に大きく報道されています。いわば産業界からこういう強い要求がある、また、私どもこれからの要求にこたえていく、大学教育のあり方という面から見ても、確かに一つのそういう新時代に向かっての転換期を迎えているであろう、こういうふうに思われるわけであります。  通産省の方、見えておいでになりますが、業界筋のこういう構想が生まれてきた経過、それから、新聞にはああいうように大きく報道されましたが、現状どんなふうになっているのか、検討段階、こういうものについての業界の様子等も交えて、この構想を発表された経過についてちょっとお答えいただきたい、こう思います。

本田幸雄通商産業省工業技術院総務部計画課長

○本田説明員 お答えいたします。  人材育成等一般的な要望といたしましては、五十四年経済同友会、それから五十五年関西経済同友会から、人材育成についての要望がございました。それから、先生の今御指摘ございました先端技術大学構想につきましては、今月三日でございますが、大島恵一東大名誉教授、それから経済同友会副代表幹事の牛尾治朗氏等から要望がございました。  この経緯は、実は昨年の十二月から来年の六月にかけまして、一年半かけて総合研究開発機構で二十一世紀に向けての先端技術環境調査ということで現在調査中でございますが、その調査の途中に、先端技術大学のようなものが必要であるという構想が大島先生を初めとする研究会の方から出まして、それを受けて、途中経過として通産省の方に話を持ってこられまして、お話は聞いたわけでございますが、構想そのものにつきましては、総合研究開発機構における調査を現在やっている最中でございますので、その進展を待ちまして、通産省としましてどんな支援ができるかについて検討したいというふうに考えておるわけでございます。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今通産省の答弁はお聞きになったとおりであります。  したがって、私はここで文部省の方にお伺いをするわけでありますけれども、産業界からもそういう動きが具体的に既に始まってきている、そういう状況の中で、いわば二十一世紀を目指す大学教育のあり方というものが従前からずっと議論されてきているし、文部省内部でも十分にその対応というものについては検討されてきている、こう思うわけであります。私どもちょっと不審に思いますのは、いわば民間の業界、産業界の方からそういう要求が強く出て、それは結構な話じゃないかという形で通産はその構想を一応支持する、そういう態度表明になった、こう受けとめます。しかし、考えてみますと、筑波学園都市のいわば国立の試験研究機関とタイアップして、もちろん民間と国立がタイアップすることは私、大変結構なことだとは思いますけれども、国立の大学がそこにあって、その国立の研究機関と国立の大学がタイアップしてより一層の共同研究の成果を上げる、こういうことならば、だれが考えてもそれはごもっともだ、こういう話になるわけでありますが、民間が先行してしまったこういう形、そのことは、文部省の大学教育のあり方、広い視野で日本全体のこれからの大学教育のあり方を二十一世紀に向かっての対応としてとらえて考えてみた場合に、これは文部省ちょっと後手ではありませんか。私はそんな感じがいたしているわけであります。業界の要求は要求として、文部省のことに対する反応あるいはまた考え方、こういうものについて改めてお答えをいただきたい、こう思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 先端技術開発のために、私どもとしては、いわばその基盤となります大学を中心とした基礎研究の充実が必要だというぐあいに考えておるわけでございます。そして、そういう先端技術開発を担うすぐれた研究者なり技術者の大学における養成を図ることも大事なことだというぐあいに考えております。大学における基礎研究の充実を図りますとともに、大学院における研究者の養成を初め若手研究者のための施策にも力を入れてまいっておるわけでございます。  ただいまお話のございましたいわゆる先端技術大学としての構想については、私どもとしてはまだお話は伺っておりませんが、私立大学として設置をするということになりますれば、もちろん文部大臣に対する認可申請というような形で出てまいりますので、それを待ちまして処理をされるということになろうかと思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 大学設置は結局文部大臣に申請が出てきてそれを認可する、当然のことだと思うし、それでは待ちの行政ということになってしまうので、私が聞いていたのは、そういうことではなくて、二十一世紀へ向っての全体としての高等教育の展望というものを踏まえてやっていくとすれば、むしろ文部省の方がそういう点についてもっと前向きなものがあってしかるべきじゃないか、そういう意味のことを私は質問したわけですから、今の御答弁、私十分納得できませんけれども、問題をひとつ移します。  さっき申し上げました第二次ベビーブームの大学進学者の増加の問題、それからもう一つは、この二十一世紀の新しい先端技術産業の技術開発の問題、この二つをあわせて考えてみましたときに、全国的にも今ある国立大学の中の新しい学部の設置、またあるいはさっき話がありましたような新しい大学の設置、こういう問題が具体的に出てこなければならない、こう私は思うわけであります。  そこで、これは全国的な状況の一環として位置づけられると私は思っておりますけれども、実は私のところには山梨大学工学部というのが古い伝統の学校としてあります。今、全国的にもテクノポリス構想なるものが地域指定を受けて進んでおりますけれども、私のところも同じようにこの要求を出しております。ここで今、先端技術の開発に備えて、コンピューター、メカトロニクス、情報通信等のデータ情報処理技術、半導体、各種機能素子、ファインケミカル等の材料、物性、技術等に係る技術者の養成が急務である、こういう位置づけの中から、先端技術の技術者を養成するコースとして情報科学科を新設していこうという積極的な考え方がこの国立大学の中に実は出てきております。しかも、これを六十年度に検討して六十一年度にはスタートしたい、こういうことで、大学内では既に、九つの学科があるのですけれども、その中の醸造学科を除いてほかの学科から定員を十人ずつ引き出し、あと三十人ふやして新しい学科としてこれをふやしていこう、こういう考え方が出されております。もちろん、さっき言われましたように、新しい大学の設置は法律で定められますし、学科は省令で定めるということになろうと思いますから、当然文部省の考え方で決まっていく、こういうふうに思うわけであります。  そこで、それらのことについて今文部省としては既に検討されているんでしょうか、またされる用意があるんでしょうか、その辺のことについてお答えいただきたいと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 山梨大学ではかねて学部増のことにつきまして調査費を計上して対応いたしておるわけでございますけれども、国立大学の整備につきましては、今日脚案内のとおり財政的にも大変厳しい対応を迫られているというようなこともございまして、私ども、そういう中でも真に必要なものについては対応していくという姿勢で従来から考えておるわけでございます。  御指摘の山梨大学の工学部の中の学科の問題で、新しいものを目指してということで、今先生御指摘のような学科についてただいま大学の中でいろいろと検討されているということについては話を伺っておりますが、六十年度での要求ということではまだ大学からお話は伺っておりません。恐らく大学内部で目下学科の改組その他のことも含めまして新しい構想を検討している段階ではないかと思っております。  一般論として申し上げますと、国立大学の整備について、私どもは時代の要請にこたえて真に必要なものについては、財政的に大変厳しい中でございましても、もちろんそれぞれの大学での検討の成熟度といいますか、そういうものを十分見ました上で具体的な対応をしていかなければならない、かように考えております。片や、それに見合いましてといいますか、既存の国立大学の学部学科の改組、転換ということも一面検討しなければならないこと、臨調に指摘されるまでもなくそういうことは私どもとしてもやらなければならない対応ではないか、かように考えております。  したがいまして、山梨大学の工学部の学科のお話でございますが、大学側で現在検討が行われているということは伺っておりますが、その検討が実際どういう形で煮詰まって出てまいりますか、具体的な要求として出てまいりました段階で私どもとしては検討させてもらうということになろうかと思います。

田中克彦日本社会党・護憲共同

○田中(克)委員 今答弁の中で六十年度にというお話がありましたが、山梨大学が考えているのはそんなに性急なことを言っているわけではありません。六十年度に検討していただいて六十一年度には開設できないかということで検討を急いでいる、こういう状況でありますので、その辺をそのように御理解いただきたい、こう思います。時間が迫っておりますので、特に私は、全体の今の情勢の中から筑波に先端技術大学をつくるというような状況もあるとすれば、文部省自体が、今ある大学の中で内部的に検討が始まっている、そういう動きに対して、もう少し敏感に積極的に反応してもいいのではないかというふうに思いますので、その点の検討をぜひお願いしておきたい、このように思います。  そこで話題を移しますが、筑波に民間で先端技術大学が開設される構想が明らかになったということに関連をいたしまして、実は非常に残念なことでありますが、午前中ちょっと質疑も出ましたが、私立大学の名門と言われる慶応大学で、理工学部の藤岡知夫元教授が、昨年の夏企業からの委託研究費の一部を目的外に流用して問題になって、ことし三月責任をとってやめたという事件が大きく新聞にスクープされました。これは、企業の委託研究費が大学として全学的に統一された取り扱いの規定がなくて各学部の判断に任せられておる。しかし、学内の学事振興資金や学外の文部省あるいはまた日本私学振興財団、民間の学術振興財団の補助については、研究助成室でつくっている取り扱い規定なるもので、補助金の支出の場合支出の費目ごとに区分して報告することになっている。区分の中に会合費はあるけれども、その場合には必ず記録を提出しなさい、しかもこの場合に酒等については絶対提供をしてはならないというふうに明記されていると聞いております。そういう状況の中で今回の事件は起こったわけでありますけれども、問題がなぜ起こったかといえば、同大学の慶応工学会なる試験研究委託費を受ける窓口としてつくられた財団にそれが一たん入って、そこから研究費が研究室に流れるというシステムであったために、大学側はこのことについてチェックできなかったということが新聞でも報道されているわけであります。  私、そういう状況の中で二つほどお伺いをしたいわけですが、一つは、要するに、当初予算の枠とは別枠の、いわば文部省が持っております配分の予算が結局年度内に各大学に配分されるというシステムであるために十分にチェック機能が作用せずに事件として起こった、こういうことがさきの佐藤議員の質疑のやりとりの中でもありました。まして私立大学で、いわば大学が受け入れるのではなくて、これを受け入れるための機関としての財団法人が受けてそこから研究費が流れるというシステムであったために、さきのようにきちっと取り扱い規定も決まっているのにこれに準じた取り扱いができなかったというところに、実はこの二つの事件の共通した問題が潜んでいるわけであります。  そこで、私は文部省にも伺いたいわけですが、私学に対していわばそういうもので折り目を正していくように行政上の指導監督をしなければならない文部省が、こういう条件があればやはり同じような事件が起こってくるということになれば、これはちょっと私学に対しても示しがつかないのではないか、こういうことになりますから、このことについてどうお考えになっているか、それが一つ。  それからもう一つは、時間がないから一緒に聞いてしまいますけれども、実は、産学協同とか言われまして、いわば産業界の要求にこたえて、文部省の私学振興資金も要らない、民間レベルで先端技術の大学をつくりましょう、こういう状況にまで進んできているわけですね。だとすれば、今慶応大学で起こっている研究委託、新しい技術開発、こういうものがこの産業界と私学の関係の中にもっともっと積極的に進んでいく条件というものは横たわっているわけです。そうだとすれば、ここでさっき検討委員会の話も出ましたし、産学協同憲章づくりの作業に取りかかった、こう言われておりますけれども、この作業に取りかかっている私学連盟の中央大学の学長さんでさえも、大学と別のところで資金を受けるというのはよくない、こういう意見もあるけれども、そうじゃない意見もあって今激論をするんだ、こういうことを言っておられるわけです。そうだとすれば、この辺のけじめをかなり強力にきちっと立てないと、これから進んでいくであろう新しい先端技術の開発、そういうための技術者の養成、それと私学との関係、研究委託、こういう一連の関係の中で非常に問題が起こる可能性が一層強くなる、こういうふうに憂えざるを得ないわけでありますが、私はそれに対しての文部省の心構えを聞いておきたいと思うのです。

大崎仁文部省学術国際局長

○大崎政府委員 最初に、慶応大学の問題でございますけれども、慶応大学の理工学部では、ただいま御指摘ございましたように、慶応工学会という財団法人がございまして、その慶応工学会が受託研究等のいわばあっせん的な仕事をしておるということでございます。それで、慶応工学会を通じました受託研究につきましての経費の使用についての決まりというのがそれほどはっきりは決められておらなかったようでございますが、去る六月に慶応大学の理工学部で教授会で申し合わせをいたしまして、一つは、委託研究は学科主任を通して必ず学部長に届け出るということと、それからもう一つは、研究費の使途につきまして、ただいま先生からお話がございましたように、大学の通常の研究費の使用規則に準じてこれを使うこととするという二点の申し合わせをいたしまして、事態の適正化を慶応大学の理工学部としては図っておるというのが状況でございます。  一般的に見まして、受託研究というようなものにつきまして、直接これを大学が引き受けないで財団法人等で引き受けることの可否につきましては、いろいろ議論があるところでございまして、それぞれ大学あるいは学部の事情等によりまして現在ある姿にあるわけでございますが、ただ、どういう形をとるにいたしましても、やはり大学の自主性、主体性に基づきまして適正な手続、意思決定が確保されるシステムでなければならないというふうに私ども考えておるわけでございます。  先般、二月に学術審議会の御答申をいただいておるわけでございますが、その御検討をお願いしました際も、大学の研究と社会的な協力連携との関連につきまして重要な項目として検討をお願いいたしたわけでございます。学術審議会の御答申では、大学がその教育研究上の基本的な使命の達成という基本を踏まえた上で、大学の主体性のもとに個別の具体的な協力要請にこたえるということは、大学の研究に対しても非常にいい意味での刺激を与えるというケースも少なくないわけでございますから、そういう基本を踏まえた上で積極的に協力をしてはどうか、ただ、もちろん研究の内容につきましては、大学の社会的使命にふさわしく、大学の教育研究上有意義なものであるというものを引き受けることが適当であるというような御答申もいただきまして、各国公私立大学の方にも参考までに送付申し上げておるところでございますが、今後、私学団体あるいは国立も含めましてよい慣行がさらに改善形成されていくように、私どもとしても努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 午前中にも申し上げましたが、産業界の求めによって学問が進められるということ、そういう形がいいか悪いかは別といたしましても、やはり民間が求めていくということで科学技術がどんどん進歩していくということになるわけでございますから、そういう意味では、産業界から多様な協力要請があるということは、文部省としては好ましいと考えております。ただ、これはあくまでも大学が本来の使命を踏まえて主体的に協力するということが意義あることであるというふうに考えておるわけでございまして、その中にも、いろいろ今田中さんからも御指摘がございましたけれども、大学と産業界の中に一つの大きなきちんとした方向づけがなされて、そして大学の学術研究が進められていくということは、日本の将来の教育にとってもすばらしいことであるというふうに私どもは受けとめているわけでございます。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 佐藤誼君。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 大阪大学ワープロ購入に関する贈収賄事件及び文部省会計課に及ぶ汚職事件、これについては、本日の委員会の冒頭、文部大臣から陳謝と今後の対策、またそれに官房長から事件の概要について説明があったところであります。私は、国民の立場から、この事件の重大性について若干の所見を述べて、質問したいと思うのです。  東京医科歯科大学、さらに、若干内容は異なってまいりますけれども、国士館大学、九州産業大学、ずっと一連の大学を中心とした、言うなれば教育汚職事件というのがあったわけですね。そういう一連の汚職事件に国民はやるせない気持ちで来たと思うのですよ、特に教育に関連しただけに。ところが、その事件がついに文部行政の本丸ともいうべき文部省の中枢の、しかも教育財政を締めくくるかなめの会計課にまで及んできた、そこにまで事件が起こったということは、極めてこの問題の意味が重要だと私は思うのですよ。これは本当に国民から言えば、今までの事件もそうだけれども、事中枢まで及んだとなりますと、どうしてくれるのだ、そういうことで、一日も早い疑惑の解明と、二度と再び起こしてはならないということに対する強い期待を持っていると思うのです。ですから、事件は皆同じような事件でありますけれども、出先の大学で起こった事件というものと、またその中枢にある文部省の会計課、しかも予算総括主査ですか、そういうかなめのところで起こっているというのはやや異質のものだというとらえ方をしなければならぬのではないかというふうに一つは思うのです。  それから、同時に、先ほど文部大臣も言われたけれども、今私たちが、マイナスシーリングという状況の中で、残念ながら、教育あるいは文教予算全体が抑制そして削減ということが進む、その中での四十人学級の凍結であるとか、あるいは私学助成の削減であるとか、あるいは学校建築の抑制であるとか、加えて育英資金有利子制度の導入であるとか、国民はひとしくそういう財政困難の中で厳しい対応が迫られていると思うのですよ。その中で、予算を締めくくるところの、しかも教育行政の予算執行のかなめにある会計課の、しかも総括予算主査ですか、ちょっと固有名詞は違うかもしれませんが、そこでこういう事件が起こり、しかもその権限と地位を利用して予算執行に当たって金品の授受まで行うなんということになったら、まさに病膏肓に入るという感がやはりすると思うのですよ。  先ほどから文部大臣も遺憾の意を表明し、今後の対応についても言われたし、経過の説明もあったけれども、受けとめ方として、国民の立場から言うならば、もう後がない、どうしてくれるのだ、ここまで来ているという問題の重要性をこの事件としてとらえておく必要があるのではないか。したがって、それに対する対応をどうするかということを急ぎながら万全を期さなければならないのではないか。そうでないと、まさに教育行政全体に対する国民の信頼というのは失墜をするし、ひいては政府自体に対する失墜になるのでありまして、その辺のところは重大な受けとめ方をしていると思いますが、私は以上のような見解と所見を持っております。文部大臣の受けとめ方、その中には背景と原因まで含めて、どう受けとめているのか、そしてまた、今後の対応についてあるいは対処について、これから具体化されていくでしょうけれども、重ねての決意のほどを私は最初に承っておきたい。  その大臣の所信の前に、先ほどもありましたけれども、きょう法務省の刑事局の方も来ていると思いますから、この事件の概要については現時点で大体わかりますから、新聞その他の報道やら先ほどからの答弁でわかりますから、現在の捜査状況、それから今後捜査に当たって法務省はどのような方針と決意で臨むのか、この点だけを聞きたいと思うのです。その後、文部大臣からの所見を聞きたいと思います。

北島敬介法務省刑事局刑事課長

○北島説明員 事件の内容についてはほぼ御承知と存じます。その事実につきまして、現在、大阪地方検察庁におきましては、関係の被疑者の身柄を勾留の上、鋭意捜査中でございます。したがいまして、今後の見通しというふうなことを今この場で申し上げる段階にはないわけでございますが、事実の解明に全力を尽くし、また、今後の事態の推移に即応して、大阪地検において適宜適切に対応するものというふうに考えております。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 今日の時点におきまして、先ほども御答弁申し上げ、また冒頭にも私の見解を申し上げ、おわびを申し上げたわけでありますが、文教行政が極めて重大な時期でございますし、また国民の大変大きな関心をお持ちいただいているときでもございます。また、単に公務員といいましても、文部省という子供たちの教育のお手本になっていかなければならぬ立場でありますだけに、相次ぐこうした不祥事が起きたことに対しましては、本当にただただ残念である、こう申し上げて心からおわびを申し上げる次第でございます。  事実関係につきましては、検察当局の捜査の結果を待たなければ詳細については今私どもは知り得るわけにはいきませんが、しかし、現実の問題としては、予算執行あるいはまた人事管理、服務規律の保持、そうした点に対しまして、事実の事件とは別個に、この問題の重要性にかんがみまして、文部省といたしましては月曜日に国立学校に係る予算事務処理体制等の改善に関する検討委員会を設けまして、事務次官をこの長に充てまして、こうした問題について根本的な検討を下すことになっております。こうした不祥事の根絶を期したい、こういう気持ちで臨んでおります。  また、この事態におきます本人等の処分につきましては、事態の解明を待って厳正な措置をいたしたい、こう考えている次第であります。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 刑事局の方おいでになっているわけですが、捜査の途中でありますし、これ以上捜査の状況を聞いても答える限度があると思うのです。したがって、先ほどから言っているように、国民注視の問題でありますし、しかも文部行政の中枢に起こっている、後がないという事件だと私は見ますから、この点はひとつ徹底的に厳正に捜査をしていただきたい、このことを私はお願いしまして、きょうの刑事局に対する質問は終わりたいと思います。お帰りになって結構です。  そこで、文部大臣から今、根絶を期したいという旨を含めた決意の表明がありました。もちろんこれは、今後の事件の捜査の進展によって具体的な事実が判明してくるわけでありますし、また同時に、それをにらみながら改善対策というものを検討していくわけですから、具体的な点はそれに沿って出てくるものだと思いますが、ただ、捜査の結果を見、その事実に基づいて厳正なる対応措置をするということを言われましたけれども、これは当然だと私は思うのです。しかし、国民の立場から見たときに、この種の事件がただ単に担当の者がしかるべく処分をされたということで済むのかどうか。事は極めて重要だと私は思うのですよ。しかも中枢のところで起こっているわけですから、それを放置したわけではないだろうけれども、当然指揮監督の任にある者もあったはずです。このことを考えたときに、ひとり当事者の責任というだけで済むのかどうか、この辺について大臣の今時点における所見があったら重ねて私は聞きたいと思う。これが一点。  それから、もう一つは、先ほど佐藤徳雄委員からもいろいろ質問があった中にあったのですが、これは確かに服務規律の問題であるとか個人の倫理性の問題というのは当然あります。これは言うまでもないことです。しかし、私は、予算の獲得から始まり配分、調整、執行に至る権限の配置と機能と構造と、こういうところに問題があったのではないか。言うならば、今の事件に関連すれば、それをきちっと抑え込むチェック機能が不十分であった、こういう機構上の問題に極めて大きな側面があったのではないか。これは鳥野見氏だけに限らず、こういう属人的なものだけでなくて、今の機構のままでいくならば、第二の鳥野見、第二の中曽根が出てこない可能性はないと私は思うのです。ですから、この種の問題を属人的なものに矮小化することなく、機構の問題まできちっとメスを入れていかなければならないのではないかというふうに思うわけです。これはどなたも思うことだと思いますがね。  特に、具体的な事実に沿って言えば、先ほども質問がありましたけれども、我々国民にわからぬのは未配分予算、取り置き予算と称して、それの配分なり調整なりの主たる権限が一総括主査の権限の中に入っておって、これは事実かどうかわからぬけれども、新聞の報道の限りでは、例えば「事実上鳥野見の裁量で左右できるため、総額だけが決められ細目が具体的に予算化されていない点に目をつけ、自ら大学の担当者に辻を指名していた。」こういう記事があります。こういう形に、野放しとは言わぬけれども、状況になっておったということ自体が、私は大きな問題をはらんでおったのではないかと思いますので、この辺の問題についてこれから解明し、そして対応されると思いますけれども、この点について現時点でどう考えるのか、これを第二の質問にしたいと思います。  以上、二点まで質問いたします。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 佐藤さんのお尋ねの第一点でございますが、もちろんこのたびのこの不祥事に対しまして、本人のみの処分をし、それで責任を済ませる、そんなものでないということは言うまでもないことでございまして、御指摘がございましたように、やはり服務規律の保持あるいは適正な予算執行等々については、文部省としては十二分に反省をしていかなければならぬというふうに考えております。  ただ、もちろんこうした事件を起こす本人をかばい立てをするということは私どもは全く不必要なことだろうと思いますが、まじめに一生懸命仕事に従事をいたしておりますこうした公務員に対しまして、いろいろな形でいろいろな魔手が伸びるという環境については、こういう公務員の直属の長にある私として、また一面政治家の立場から見ましても、こうした産業界といいましょうかあるいは競争の激化といいましょうか、そういうことに対して私も非常に憤りを持ちまして、恐らくこうしたことを最初から考えてこの任にあったわけではない、仕事の面からいえば極めて有能な士であったというふうに私どもも伺っておりますだけに、有能な士であるだけにこうした予算の総括主査という大事な仕事をベテランとしてやっておられた、その人にこうした魔が差したといいましょうか、私は本当に残念なことだと思っておりますし、また、そういう形で仕事を売り込まなければならぬということについて、私はそういう関係者に対しても実は大変激しい怒りを覚えているわけでございます。もちろん本人をかばい立てしたりそういう気持ちで私は申し上げているのではありませんが、これは佐藤さんも同じ政治家としてわかっていただけると思うのでありますが、文部省全体に対してまた教育全体に対して国民から不信を買ったという点については、本当に何とも言えないいら立ちと腹立たしさを覚えているというのが実は正直なところぞございまして、決して本人のみの責任で済ませるということではなくて、私を含めてそのことは十分に反省をしていかなければならぬ、こう考えておるところでございます。  二つ目の、権限、機能あるいは構造というところを先生から御指摘があったというふうに承知をいたしますが、こうした事態を二度と起こさない、先ほど申し上げたように不祥事の根絶を期したいということから、当事者たちは捜査結果を待たなければなりませんが、そういう結果を待たずして——実はこの事件が起きましたのは金曜日でございますので、もう月曜日には文部省の中に検討委員会をスタートさせて、そして、先ほど申し上げましたような予算執行の面あるいは購入に対するいろいろな仕組み、こうしたところに問題がないのか、新たなる制度を考えなければならぬ、こういう観点からこの委員会のスタートをいたしておるわけでございまして、文部省としても、まさに不退転の決意を持って、こうしたことが二度と起きないように最大の配慮をしてその対策を講じていかなければならぬ、こう考えておるところでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 事件は徹底的に捜査究明しなければならぬですが、同時に、先ほど大臣も言われたように、この種の事件をこれが最後だという形で根絶していかなければならぬし、ある意味においては今まさに天の時でもあろうかと思うのです。そういう点で、私は朝野を超えてそれぞれ知恵を出し汗を流さなければならないのではないか。私は、今まで医科歯科大学の問題からこの問題を取り上げてまいりましたけれども、非常に根が深いということを感ずるわけですよ。したがって、先ほど文部省内にも端的に言えば検討委員会に類するものを設置して対応を急いでいるということでありましたが、それはそれで結構だと私は思うのですが、我が党としてもこの点は極めて重視いたしまして、先日国会内におきまして大議論になりまして、名称としては教育汚職調査対策特別委員会、こういう形のものを設置いたしまして、国民の信頼を回復するために社会党としても、つまり党のレベルとしても、他党のことはまだよくわかりませんけれども、このことについてはきちっと示しをつけなければならぬということで今進めているのです。しかし、行政府である文部省がそういう委員会を設置して対応するのは結構でございますし、また政党はそれぞれの立場でやられるのも結構だと思うのですが、国民から選ばれた代表であり国権の最高機関である国会が、これを黙視とは言わないけれども、この種問題について何らかの対応とアクションを起こさなければならないのではないかと私は思うのです。そこで、国会においても、名称、機能は別にしてもやはり何らかの調査対応する委員のようなものを設置して、国権の最高機関としても我々が汗と知恵を出して提言していくということもあっていいのではないか。この辺は、国会といえば、文教でいえば理事会等の検討になると思いますけれども、この点はむしろ文教委員長にその辺について検討してもらいたいと私は思うのだけれども、その点どうですか。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 ただいまの御意見につきましては、また理事会でいろいろと御意見をお伺いしたいと思います。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 理事会で検討ししかるべく対応するというのは、この種は当然の対応だと思いますから、それはそれで結構だと思うのですけれども、なおこの事件についての集中審議は明後日の午前中また残されていますから、きょうは時間が限られておりますし、他の質問の予定もございますので、私の方からは以上でこの問題は打ち切っておきたいと思います。  次の質問に入ります。次の質問は、鹿児島県の阿久根中学校に起こったいわゆる業者テスト拒否による処分事件について質問をしてまいります。  この件については、私は昭和五十八年七月二十七日と昭和五十九年四月十八日に質問を行ったわけでございます。その際、文部省として事件の調査をするという旨を、瀬戸山文部大臣、森文部大臣からそれぞれ約束をされたわけでございます。この事件について文部省はいつ、どこで、だれとだれが会って調査をされたのか、このことについて、内容は結構でございますから、お尋ねしたいと思うのです。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 昨年の八月八日、十六日及び十七日にまず文部省において、鹿児島県の教育委員会から事情を文部省の担当官が聞いたわけでございます。また、十九日は文部省担当官が鹿児島県において県の教育委員会担当者及び阿久根市の教育長からそれぞれ事情をお伺いしたわけでございます。さらに、本年の五月二日人事異動等の取り扱いについての事情を中心に鹿児島県教育委員会の人から聞くというような調査をやったわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 そうすると、これは二回調査をやったわけですが、一遍は現地、一遍はつまり五月二日の方は文部省に来ていただいた、こういうことですね。それから、調査に行った方あるいはこちらで面談された方は、局長じゃなくて、つまり政府の説明員に相当する人じゃなくて、課長か課長補佐ですね。それから、調査された方は、現地の例えば教育の現場、学校、そういうところまで行かれたのかどうか。それから、調査に行って何かそれに裏づけするような資料をもらってきたのかどうか、以上四点を追加して質問します。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 こちらで調査に当たりましたのは本省の課長補佐クラスの担当でございます。そして、相手は学校教育課長、それから教職員課長の担当課長でございます。  それから、現地に出向いた際に文部省の職員が直接学校に行って調査したかどうかという点でございますが、直接学校に出向いた調査はしておりません。市の教育長、県の教育委員会から事情を聞いたわけでございます。それはどうしてかといいますと、よしにつけあしきにつけ、文部省が直接事件が発生したときに学校に乗り込んでいっていろいろ校長とか教員から話を聞くのは筋道としてやはりおかしいと思います。あくまで、それぞれの市町村の教育委員会、都道府県の教育委員会の管理者がいるわけでございますから、それのルールに従って調査をしていくのが、地方自治のたてまえというか、戦後の教育行政のたてまえになっているということでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 そういう理由は聞いておりませんから、事実だけ聞いておりますから……。  それから、今事実の関係で行ったときに裏づけるような資料をもらってきたかどうかということに対する答弁漏れ。  それから、ついでですから関連して申しますと、課長補佐だからどうこうというわけじゃなくて、答弁する人が行って直接会わないとうまくないじゃないかということを私はこの前の二回にわたる質問のときに言っているわけだ。大臣が行けなければ、ここで答弁する人が行くべきだ。ところが、ここで答弁し説明員になっている人は行ってないのだ。また、ここでも聞いてないのだよ。これじゃ、間接的な報告を受けてここで答弁するしかないじゃないか。私の場合には直接学校まで行って全部調べて資料の裏づけまで持ってきているわけだ。そうしないとかみ合わないわけです。この点、私は、調査をやったのは結構だけれども、極めて不十分だというふうに言わざるを得ないのです。さっきの残った質問だけ。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 現地に行きまして県の教育委員会を通じて必要な資料はいただいて帰っているわけでございます。  それから、答弁者が直接行くべきではないかという御指摘でございますが、担当局長としてはいろいろな事件について一々現地に出向いてやるというような時間的余裕もなかなかございませんし、通常、役所の場合にはそういうものを補助するためにそれぞれの職員が配置されておりまして、その報告をもとにして行政を執行するというような立て方をしておりますので、そういう判断の上で今回の事件については先ほど申し上げた人を派遣したわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 職制によって上下をつけるわけじゃないけれども、ここで真相を究明したいと言うからには、過去の関連がどうこうとか時間がないとか言っているけれども、私は、事件によっては直接調べて、ここで明らかにする場合に双方とも同じ事実関係に基づいて話をするということでなければならぬのではないか、この点だけは、私は不満の意を表しながら、強く要望しておきたいと思うのです。忙しい、忙しくないといったら、我々だって忙しいですよ。そんなことを言うならば、政治家の方が忙しいのだ。そういうことを言われると我々も一言言いたくなるのですけれども、私たちの場合には徹夜しても行ってきたのですよ。その辺のことは考えてもらわなければ困るのです。それだけ私の方から申し上げておきます。  それから、次は、鹿児島でテストを行ったという教研式の検査用紙、つまりこれですけれども、これについて質問したいと思うのです。時間がありませんから、私の方でまとめてずっと質問していきますから、端的に答えてください。その理由、説明は要りませんから、事実関係だけ答えてください。この用紙をお持ちですか。いいですね、つまり「教研式・全国標準中学診断的学力検査」、これについて質問いたします。  一つは、ここに財団法人応用教育研究所学力検査研究部というのがあります。それから、下の方を見ますと、社団法人日本図書文化協会というのがあります。それから、その下に株式会社図書文化社というのがあります。この三つの言うなれば法人に対し、元文部省の公務員、役人は関与しているかどうか、これが一番。  二番は、教研式の問題を作成したのはどこか、著作者、著作権者。私の推定ではこの財団法人応用教育研究所学力検査研究部ではないかというふうに思うのですけれども、共著とありますから。これが二番目の質問。  三番目は、教研式に類する業者、こういうテストを行っている業者は全国で何社ぐらいあるのか。  四番目、教研式は昭和五十八年度の発行部数はどのぐらいであったか。そして、この種の業界のシェアとしては何%ぐらい占めているのか。例えば具体的に、四社あって、その全体の半分を占めているとか、そういう意味です。  五番目、鹿児島県でこの教研式のテストが使われていることは御案内のとおりです。その教研式ペーパーテストを販売し、そしてこれに基づいてテストを実施している団体はどこか。例えばこれで言いますと、発行所、発売元と二つありますね。このいずれかなのか、全然別の会社なのか。  六番目、鹿児島全県ではどの程度これが利用されているのか。  七番目、私が聞くところでは、鹿児島県では九〇%以上と聞いているのです。とすると、なぜ特定業者のテストだけが鹿児島県で利用されているのか。これはあなた方の調査の結果ということになると思います。  以上七点、端的で結構です、結論だけ。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 まず、文部省のOBがこれらの会社にいわゆる天下っているかどうかという点でございますが、少なくとも私の承知している範囲内では、そういう事実は全くございません。  それから、この教研式を書いている著者、著作権者というのは一般的に、「財団法人」の下に名前が数人書いてありますが、「共著」になっておりますから、その人たち共著者が著作権者であるというふうに思うわけでございます。  それから、テストを実施しているのは学校でございまして、それを具体的に供給しているのは、ここで言う日本図書文化協会がそういう具体的なデータ、テスト用紙というものをそれぞれの学校に配付するということでございます。  それから、この種のテストが、いわゆる標準学力検査と言われるテストが全国で約四五%程度使われているようでございますが、その中で主な大手と言われるのは四社ありまして、一つは日本図書文化協会、一つは日本文化科学社、一つは田研出版株式会社、一つは株式会社金子書房、こういうところが主な大きな会社であると言われております。その中で鹿児島県は日本図書文化協会のものがほとんど使われているという状況でございます。  したがいまして、その使われるに至りました経緯はよくわかりませんが、鹿児島県では相当古い時期からこういう標準学力検査をやっているわけでございまして、その中でいろいろな経緯をたどりながら、県の教育委員会の指導、並びに市町村はその内容を実施するための予算措置を講ずるというような形式を繰り返して、現在の時点では今申し上げました日本図書文化協会の内容のものを利用しているということでございます。  なお、その日本図書文化協会が全国のシェアでどの程度のものであるかというのは、正確にはわかりませんが、私たちの調査したところによりますと、全国のシェアで約七〇%を超えていると思われます。  ちょっと答弁漏れがあるかもしれませんが、以上でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 もうちょっと突っ込んで聞きます。  鹿児島県の場合には各市町村ごとにこのテストを行うための予算を組んでいるようであります。それは、一つの費用として、このテストの用紙代なり実施に当たっての手数料になるか何かそういう形で支払われるのだと思いますけれども、そういうお金、つまりテストの用紙代あるいはそれに付随する経費として支払われたものはどこに入るのですか、鹿児島の場合。どの会社、どの団体に入るのですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 市で予算化して、その予算執行をやるわけでございますから、この学力検査を実施するテスト用紙を作成しているところ、並びにその事後の処理をする会社としての日本図書文化協会に支払われるというふうに理解します。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 最後に理解しますとありますが、これは事実関係を突きとめたのですか。私から言うと、その辺を調査することが調査の目的の一つであったと思うのです。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 そこまでは調査しておりません。というのは、どういう形で市の予算執行をされているか、だれと契約してどうしているかというような観点での調査をしているわけではございませんので、この調査がどういう趣旨、目的で、どういう形で実施されているかということを中心に調べたわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 引き続いて質問していきます。  このテストの種別が業者テストであるかどうかという議論を随分、過去二回にわたってやったわけです。私はそのことに関連があると思うから、この種のテストをやれば当然金を払うわけです、その金はどこに入るのか、このことを聞いているわけですよね。今ので言うと、調査していないようでありまして、あなたの方の想定だけしか答えとして返ってこないのですけれども、言えることは、こういう公的な機関でない、社団であろうが財団であろうが、そういう一つの団体がテストをつくって、そして日本図書文化協会ですか、ここで実施をしてそこにお金が入っていく、こういう関係は、今答弁があったようですからその程度にとどめまして、次の質問に入っていきたいと思うのです。  そこで、次に、我々はこのテストのところを広い意味で業者テストの範囲内に入ると思っているわけですけれども、そういう意味で業者テストに関連して、一般論としてまず質問いたします。  まず第一に、文部省はどういうテストを業者テストと呼んでいるのか。二番目、よく偏差値より人柄とか、選挙のときなども言われているし、内閣総理大臣などもそういう言葉を使っていますね。偏差値、偏差値教育という言葉がよく使われますが、文部省はどのような内容を持ったものを偏差値あるいは偏差値教育と呼んでいるのか。つまり偏差値教育というのはどのような内容のものを指しているのか、文部省はその点どう考えているのか。それから、偏差値教育は教育上問題があるということは今までしばしば指摘されてきておりますし、文部省の通達の中にも業者テストの関係でそれに類することを言っております。その偏差値教育の教育上弊害と思われる点は何なのか。つまり端的に言えば、後段の質問は、文部省は偏差値教育をどのような内容のものとしてとらえているのか。同時に、教育上から見て偏差値教育はどの点に問題があるか、また弊害があるととらえているのか。以上です。端的に答えてください。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 文部省の通達その他でいわゆる業者テストという名で呼んでいるのは、次のような内容のことを言うわけでございます。一般的に、民間の会社が行うもので、生徒が自分の相対的な学力を把握し、志望高等学校ないしは大学などの選択の資料にするために、受験技術上いろいろ受験の技術を身につけさせる、そういうために行われるテストでございして、これはあくまで、学校選択における一つの貴重な資料として民間の行うテストを利用するということを、通常業者テストと言っているわけでございます。  それから、偏差値というのは一般的に、業者がやろうと、それから学校でやろうと、ないしは教育委員会でやろうと、ある意味において自分の実力がどういう位置にいるかということを客観的に把握するために一つの方法として出されるのが偏差値であろうと思います。したがいまして、偏差値そのものが悪であるというふうには考えないわけでございます。ただ、そういう偏差値を業者が勝手に自分たちの、学校の教育とはかかわりなく、受験技術上の内容としてテストをして、そのテストの集約をもとにしてこの程度の偏差値であればどこの学校に入れるというようなデータとして一般的にちまたで使われる、そういう形の利用に対しての依存、これはよくないということがしばしば是正を求めている文部省の態度でございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 業者テストと呼んでいるのかということについていろいろありましたけれども、今の答弁では非常に不鮮明でわかりづらいのですね。  昭和五十一年八月に文部省の職業教育課で、業者テストとはというその概念規定、用語の規定がしてあるのです。これをあなたは否定されますか。つまり業者テストとは「業者の作成に係る中学生向けのテストでその採点処理を業者が行い、その結果の諸資料を各中学校や生徒に送付しているものをいう。」こう書いてあるのです。つまり、業者が作成するということ、その採点処理を業者が行うということ、その結果を中学校や生徒に送付する、この三つの条件だけ言っているのですよ。そして、以下ずっとありまして、教員の研究団体がこのようなテストを行っている場合にはそれも業者テストの中に入るということを言っているのです。入らないのは何かというと、「都道府県又は市町村の教育委員会やその所管する教育センター等の公的機関の行うテストは除外される。」こうある。  ですから、はっきりしているのは、今言った三つの条件、そして逆の立場から言えば公的なテストでないものは皆含まれる、こういう言い方なんですね。つまり、業者テストに対比されるのは手づくりのテストでしょう、常識から言ったって。これは当然含まれない。しかし、客観的なそういうテストであっても公的なものは含まれない、こうなっているのです。  では、その業者テストの最低の条件は何かというと、業者がつくって、業者が採点し、中学校及び生徒に送付している、そういうものだ、これは最低の条件として言っているわけであります。これは否定されますか。  それから、この前、五十八年七月二十七日、あなたは次のように言っているのです。「一般的な業者テストというふうに言われるものは、業者が問題を作成し、そして採点処。理を業者が行い、その結果をそれぞれの学校に送付するこれははっきり言っているのですね。つまり、今の昭和五十一年の職業教育課で出した概念と同じことをあなたは国会で答弁しているのです。そんなに難しく言わなくてもいいじゃないですか。今私が言っていることを否定されますか。一般論として私は聞いているということを言っているのですから。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 少し詳しく申し上げないと、私が言うことが正確に理解していただけないと思いますので、少し時間をかりて申し上げます。  まず、業者テストというのは、先ほどおっしゃるように、民間の会社が志望校選定のための資料として使うということでございまして、検査の内容は、どちらかといいますと高等学校における出題傾向などを踏まえて作成されるわけでございます。そして、当該学校との教育関係とは全く別に、学校の教育活動外に行われる。したがいまして、通常は土曜日であるとか日曜日、業者が一つの事業として展開する、それを子供が任意に参加して受けるというような形でございます。そして通常、中学三年生が中心になりまして年数回行われる、そして経費は私費負担であるというのが、業者テストの内容でございます。  標準学力検査というのは主体が学校である。そして、それは学校の正規の教育活動の中で実施される。そして経費は公の負担で処理されることが多い。いわば市町村の予算で処理されることが多い。そしてその利用目的というのは、生徒の学力の実態を把握いたしまして、それぞれの学校における指導計画の作成や子供の指導の具体的方法について役立たせるという目的であって、志望校選定の振り分けのためのデータとして利用しないということでございます。検査の内容も、履修すべき学習内容に照らして、生徒の学力がどの程度進んでいるかということを客観的に把握するための問題として作成されるわけでございます。  通常は、学校が授業計画の一環としてやりますから、全校の子供が参加するという全員参加ということでございます。そして通常は年一回程度、しかもそれは一学期に実施されているところが多い、こういうのが標準学力検査でございまして、この種の検査は今後とも児童生徒の学力を客観的に把握するために必要であろうと思います。  前者の業者テストは、選別のための進路指導のために利用されるということ、それに業者の力をかりて採点も、それから経費も何もかも相手任せというような形でやられる、それを通常我々は業者テストと言っているわけでございまして、そういうふるい分けを厳格にするという意味から、五十八年十二月八日付の事務次官通達では、志望校選定のための偏差値等の資料を得ることを目的とするいわゆる業者テストというような、定義と申しますか、そういう制約をつけてその自粛を求めたというわけであります。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 長々と見解を述べているようですが、私は端的に聞きます。  鹿児島県で行った教研式テスト、つまり先ほど見たこれですね。これは今までの、私が先ほど引用しました五十一年の通達、それからあなたがこの前五十八年七月二十七日ここで答弁している業者テストという概念の中に入らないのですか、入るのですか。私は、このテストは、先ほど引用した五十一年の通達、それからこの間五十八年七月二十七日にあなたが答弁した業者テストの概念から言えば、その範囲内に入るものだと思うのです。あえて言うならば、テストの種類というのは、業者テストに対比するものは標準学力テストではないのです。業者テストという概念に対比するものは手づくりのテストなんです。違いますか。そこがまず一つ問題だと思うのです。  それからもう一つは、対比されるとするならば、言うならば学校を含めた公的な、先ほど言ったあなたの五十一年の通達にもありましたような、都道府県あるいは広い意味では文部省、こういう公的な機関のテストであればこれはまた別の問題だと思うのです。これは今議論の対象になっておりませんから、問題は、業者テストかどうかということで種別をするならば、業者テストか、手づくりのテストか。そして業者のテストには、先ほどあなたが言われたような、学校、個人、そういうような極めて地域性の濃いところの、言うならば個別的なテストと、全国一律というテストとあると思うのです。それから、その目的も、進学のためとか学習指導のためとかいろいろ種別はありますけれども、業者テストに対比するものは、基本的には手づくりテストであり、業者テストには個別的なものと全国一律のものがあるのじゃないか。  では、その内容は何かというと、個別であろうが全国であろうが、共通しているのは——その目的は別ですよ、その個人なりその学級なりその学校なりが全体の中でどういう位置を占めているかという表示がはっきりしている。これを表示するために、偏差値を使って序列をあらわしている点は共通しているのじゃないでしょうか。これをカリキュラムの編成なり学習指導に使う、これをねらいとする場合もあるし、専ら進学のためというねらいをする場合もある。しかし、その物そのものは、ねらいをどこに置こうとどっちにも使えると私は思うのです。ですから、業者テストに共通しているのは、先ほど言った、業者がつくり、業者が採点をし、その結果をその学校なり本人に通知する、しかもその統計処理の仕方はすぐれて客観的表示として偏差値を使い序列化している、これがあなた方も通達で言っている業者テストの基本的な概念の中に入ってくる、私はそう思うのでありまして、標準学力テストとして殊さら業者テストと対比すべきものじゃないだろうと思うのです。業者テストの一つの種別だと私は思うのです。その点どうですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 業者テストを民間の業者がつくったテストであるという意味でおっしゃるならば、それはそうだと思います。しかし、ここで申し上げているのはあくまで、民間のつくったテストの中でも、学習指導要領に準拠しながらそれぞれの学年の進路度合いに応じて科学的な出題内容にいたしまして、この子供の実態がどうであるかというのを客観的に調べていくいわゆる標準学力検査、こういうような内容のものであれば、通達で言っているいわゆる業者テストではない、そこまで規制の対象にしていない。  かつて、文部省が全国の学力テストを実施したわけですが、国がみずからそういう学力テストをやるのはけしからぬというような話があり、しかし実態としては、自分の学校、子供たちが全国的にどういう位置づけにいるかということをやはり知りたい、そして今後の教育上の資料にしていきたいという根強い教育界の要求というものはずっと続いてきていると思うのです。それを受けて、民間の業者の中でそういうことを科学的に調査研究して、そしていわば民間レベルでそういういい問題をつくって学校の現場におけるサービスというか、資料に提供していく、そういう意味での標準学力検査、これは業者テストとして追放されなければならない、決してこういうふうに申し上げているわけではないわけであります。  そういう実態の把握でございますから、先ほど申し上げましたように、一年生、二年生、三年生、鹿児島では大部分、八割の子供たちが一学期に実施されるわけです。そして、その一学期の成績をもとにして、この子ではどういう点に力を入れて教育していかなければいけないかという指導上のデータとして利用されているわけです。そして、その子がそういう形で勉強を集約していって、そしてどこかの学校に進学していく場合に、そういう今までずっと勉強してきた成績、成果、そういうものが全く無関係で全く利用されていない、そういうふうにはならないと思うのです。ある意味での関連性はあると思うのです。しかし、それは民間の業者がやろうと、学校の先生が調べたテストであろうと、ないしは教育委員会が行ったテストであろうと、そういう意味での利用というのは当然あり得ると思うのです。しかし、あくまで業者テストとして追放を強く主張しているのは、学校の序列化を進め、試験問題が一般的にその学校で出ている問題を中心に、しかも三年生に集中的にやって、そして十二月とか一月ぐらいの段階で業者の序列化したその内容によって進路指導を決定する、そういうやり方の業者テストはよろしくない、こういうことを言っているわけであります。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 私は業者テストという範疇に入るんじゃないかということを言っているわけです。そして、弊害が最もよく出る、そういうスタイルのものと、今あなたがいみじくも言われたような、標準学力テストと称して学習指導その他にも利用できるという面の業者テストもあると私は思うのですよ。特に、今あなたを言われたような業者テストの範疇に入るけれども、極めて弊害の大きいものについてはだめだと言っている、簡単に言うと。標準学力テストも業者のテストの中に入るんだけれども、しかしこれはその目的その他が違うしということを言われましたね。しかし、目的とか全員参加とか金などというものはやり方でどうにでもなるわけです。簡単に言うと、目的はここに置くんですよと言えばいいわけです。例えば、いみじくも鹿児島県教委で出しているのも、標準学力テストをやるのは、「教育課程の適切な編成と実施、指導法の改善等を図ること」以下云々、これは書いてあればいいことですから。それから、全員参加していると言ったって、これは学校でそういう指導をすれば全員参加しますよ。予算なんていうのはやる気になればできますから。問題は中身がどうなのかということなんです。中身が、それは確かにそういうカリキュラム編成なりそれから学習指導なりにも使われるかもしれぬけれども、使い方によっては大変マイナスの方向にも使われる、目的はそうであっても違う方向に利用される、こういう可能性を持っており、しかも偏差値で表示する点については共通ではないか、そういう種類の中に入って、しかもマイナスの部分を大きく持っているんじゃないかということを私は指摘しているわけです。  もっと具体的に言いますと、あなたはこの前の答弁の中で、標準学力テストというのは、進路指導であるとか、それからその子供たちの学力を個別に認定するための手段というようなものには使っていない、こういう趣旨のことを言っていますね。これは議事録に書いてありますから。ところが、実際はこういうふうになっているのかということなんです。あなたは標準学力テストは進路指導に使われていないと言う。それはどこまで客観的な表示を利用してカリキュラム編成だとか学習指導上実際利用されているのか。それから、個別の認定ということで個別的なものに指導されているのか、いないのか。あなたは個別的なものには利用されていない、学級の位置づけだと言う。それでは、実態はどうかということが問題なんです。それで、あなたの方も調べてくださいよと言うのだけれども、私が聞いた限りの調査では不十分です。どんな資料を持っておるかについても極めて不十分な資料しか持っていない。そこで、私の方から資料を提供しながら明らかにしていきたい。いいですか。  昭和五十八年四月九日、同じ鹿児島県内の高尾野町教育委員会が「標準学力テストの実施について」という通達を出しているのです。この中に次のように書いてあるのです。この調査の目的、つまり標準学力テストの実施の目的です。「昭和五十五年度公立高校入試結果資料からみて出水地区生徒の学力低下が著しいことにかんがみ、その向上対策の一環として、問題点を把握し、指導方法の改善と個に徹した学習指導資料として学校内で利用して、児童生徒の学力向上を促すことを目的とします。」と書いてある。途中にはいろいろありますが、中を抜けば、「昭和五十五年度公立高校入試結果資料からみて出水地区生徒の学力低下が著しいことにかんがみ、」「児童生徒の学力向上を促すことを目的とします。」となっている。ですから、この調査の出発の問題点になったのは高校入試なんです。それにかんがみて学力向上をするのです。はっきり書いてあるんだ。進学指導とか入試とは無縁ではないのです。県教委では確かに「教育課程の適切な編成」とか「指導法の改善」とか言っているけれども、実際にはこういうようにやっているのです。  それから、もう一つは、実際に個々の進学指導なり個々のものに使われていないのかどうか、学級単位であるのかということです。  これは各学校に送付されるテストの結果です。マークシートに基づいた採点の結果です。後で見てもらってもいいのだけれども、これには学級の位置づけ、標準偏差、個人個人の得点と偏差値、全部出ていますよ。氏名が、一番「イケダ シ」、「シ」というのは本人の名前の頭文字だと思うのですが、これがずっとありまして、このクラスは阿久根中学校の二年三組で一番から五十一番までずっと名前がありまして、その得点、偏差値六十五、五段階五、指数百二十四、国語六十二、五段階評価で四、社会六十四、以下ずっとあって、個人個人の得点、偏差値、学級、学年、全部あるのです。これはどうにでも利用できるのです。  ですから、私は、それではこれがどのように利用されていますかということで、当該阿久根の中学校の教育委員会、当該の学校、先生全部に聞きました。あなた、これ利用しているのです。個々の進路指導にちゃんと利用しているのです。ちゃんとこういうふうに表示されているのです。しかも、その学校、クラスの位置づけが全部出ていますから、同じテストをやりますから、全国的にどういう位置づけか、県内でどういう位置づけか、学内でどういう位置づけか皆わかるのです。比較できます。あなたの学校はできがいい、悪い、全部序列化されていきます、学年、個人全部を。そうすると、おのずと皆さん考えてみたってお互いに競争心をあおることになるんじゃないですか。学校ごと、学級ごと、個人ごと、しかも偏差値で序列が出てくるのですから、これが偏差値の弊害でなくて何ですか。しかもそれは、実際学校の中ではこれを利用しようと思えば大変結構なものでしょう。例えば、これが一年であろうが、二年であろうが、何も進路指導に使うというのは三年だけのテストじゃないのですよ。今全体が進路指導であり進学指導ですから、これは二年生ですけれども、この二年生のテストはもう三年早々に使っているのです。あなたの子供はこのテストで言うと何番ぐらいですからどこどこの学校ですね、だけれどももう少し頑張ればどこどこへ行けます、ちゃんと利用しているのです。これは私は現地に行って調べてきたのですから。これがテストの実態なんです。ですから、業者テストかどうかといえば、業者テストの範囲内に入っている。全国一律という、名前は標準というのを使っていますが、その中に入るものであって、それは、目的はこうなっている、学校全体だ、しかも予算はこうなっていると言ったって、実態はこういうものであって、進学指導のためのものでもあり、しかも個別的にどのようにでも使える資料になっているということです。しかも、これを現に使っているということです。  こういうことを全県下の教育委員会が指導して、しかも特定の業者のテストを一斉にやらせて、相互に比較して、末端ではこれを利用している。これが業者テストの一面を持った弊害を持っていないのですか。私はそのことをあえて指摘しておきたいのです。どうですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○高石政府委員 まず、出水の例が出されたようでございますが、それぞれの市町村の親たちといたしまして、自分たちの子供の進学について、一生懸命勉強して、そしてそれぞれの学校に進学してもらいたいという希望を当然親たちが持っているわけでございます。したがいまして、そういう気持ちと子供の適性、能力、それから将来の進路希望、そういうものに合致してそれぞれの目的を遂げさせてやるという形で学校教育が展開されているのが実態でございます。そういう意味では、まさに、出水地域が仮に高校進学率が非常に低い地域であったとするならば、そういうような気持ちから行政上の対応をするのは当然のことであろうと思うのです。したがいまして、学力を向上させるためにいろいろな方法、先生方の研修を強化することもございましょう、そして生徒にもっと勉強させるような雰囲気づくりをすることも大切でございましょう、いろいろな施策を展開して対応していくというのは当然のことであろうと思うのです。  それから、御指摘のありましたいろいろな詳細なデータが、まさに標準学力検査で求められるデータであって、それが求められないようで、ただテストの結果だけがこうであったああであったというだけでは、標準学力検査ではないと思うのです。やはりそういうような学習の成績とか実態というものを、教師が客観的につかみ、また子供たち自身がそういうことを認識していくということが、学習を積み重ねていく上に非常に貴重なことになるわけでございまして、そのことのために利用されることがいけないというふうに言えないと思うのです。要は、最終の段階で、高等学校、大学等へ進学をするときに、そういう点数だけで物事を処理するという体制はよくないということと、そういう蓄積、努力というものの積み重ねはもっと詰めていかなければならないということでございまして、そういう意味で、私は、標準学力検査というものによって客観的な学力の把握が学校単位ないしは子供の単位で掌握されて、そしてあすの学習にそれが生かされていく、これは教育上当然展開されてしかるべきことだと思うのです。これがストレートに生のままで全部入学試験の進路指導に八〇%、九〇%の決定を持っているということであれば、いろいろ反省していかなければならない点はあろうかと思うのですが、少なくとも学期初めに一回テストをされる内容がそこまで利用に耐え得る内容にはならないと思っています。     〔委員長退席、船田委員長代理着席〕

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 それはあなたの方で実態を調べていないから議論がかみ合わない。先ほどから、私が質問すれば、こういうふうに推定しますとか、こういうふうに聞いてまいりましたとか。私たちは現地に行ってちゃんとこういうものを調べて、聞いてきているのですから。今のやりとりは議事録に残るでしょうから、私は、国民の皆さん、鹿児島の皆さんにもよく読んでもらいたい。事実が何よりも証明していると思いますから、それ以上私は追及しません。  そこで、時間がありませんから、私は、最後に、それに対する見解を述べながら、再度もう一つ質問していきたいと思うのです。  あなたも言われた標準学力テストというのは、あなた方も通達に出している業者テストの範囲内に入るものだというふうに私はまた思うわけです。しかもそれが、一斉テストによってむしろ客観的に個別的、集団的な偏差値による序列化を明らかにしていく、そういう問題点を持っている。そして、先ほどあったように、進路指導、入学試験にも利用するとともに、実態的には相互間を対立することによってむしろ競争を激化させて、そして、先ほどあなたも言われた偏差値教育の弊害を公然と公的に助長させていくという側面を持っている。そういう点から、昭和五十一年の業者テストの通達、既に出ていますね、詳細は私は言いません。業者テストの弊害、これは偏差値教育の弊害、以下云々ということに触れた通達です。しかも、ごく最近、高校入試改善という、検討委員会から出ていますね、答申。恐らくこれが今度高校入試の改善になっていくでしょう。この方向からいっても、偏差値教育をむしろ助長するという方向に働いているのが実態ではないかということを私は言いたいわけなんです。  我々は逆の方向を今たどろうとしているのでしょう。偏差値教育から、いかにより人間的な教育、つまり偏差値よりは人間をという方向に進もうとしている。そのために、皆さんも通達を出し、入試の改善をやろうとしているし、教育改革もその方に向かっていこうとするのに、公然と県教委の指導のもとに、今のような全国的に全県的に個別、集団的に序列化して、競争をあおり立て、進路指導、進学指導にも使えるようなものを、しかも公的な金まで出してやらせるということは、方向として問題があるのじゃないか、この問題を私は特に指摘をしておきたいと思うのです。しかもそれが、皆さんやってくださいよというだけであるならば、それはやり方として許容できる部分もあるかもしれぬ、指導助言、お願いであるとするならば。私から言わせれば、そのように大きな弊害の側面を持つこういう標準学力テストを、指導助言の域を超えて、職務命令ということでやらせるということは行き過ぎではないか、これが一点。しかも、それをやらなかったからといって処分までするということは、教育行政としての二重、三重の誤りではないかということを私は主張したいわけであります。  そこで、時間がありませんので端的にお聞きしますが、校長が職務命令を出した根拠は何か、つまり法制的、教育的に何か。端的に答えてください、私も端的に最後の質問をいたしますから。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 職務命令についてのお尋ねでございますので、私の方からお答えを申し上げます。  職務命令を出しております法的根拠といたしましては、地方公務員法の三十二条に、先生御案内のとおり、「職員は、その職務を遂行するに当って、」「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」という規定がございます。また、校長が職員に対して上司であるということにつきましては、学校教育法の二十八条に、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」という規定がございます。これらの規定が根拠であると考えております。     〔船田委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 学校教育法、「所属職員を監督する。」これを主たる根拠にしているようであります。ところが、今回の事件は、たまたま学校を離れようとしたのを離れるなといったそういうような問題じゃなくて、テストについて職務命令が出されて、そのことで処分を受けているわけです。では、そのテストというものは、テストの種類は別にしても、どういうものであるのか。これは教師の教育指導内容に属する一環でしょう。つまり、教師の教育内容、子供の発達段階に応じて、どのような教材をどのようなプログラムつまりカリキュラムに基づいてどのように指導するか、ガイダンスするか。これはすぐれて教員免許状を持っておる教員の専門性と自主性にかかわる教育指導の範疇に入る問題じゃないですか。そういう内容について、校長が監督ということだけでその内容まで入って職務命令を出し、違反したからといって処分するというのは行き過ぎじゃないですか。どうなんです。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 標準学力検査の趣旨等につきましては、先ほど来初中局長からお答えをしておるとおりでございまして、こういった検査をやるかやらないかということは、校長の校務をつかさどるという権限の範囲内のことであると考えておるわけでございまして、それに基づいてなされた職務命令に違反をしたというケースについて処分等が行われるのは、やむを得ないことであろうと存じます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 それは、悪いけれども私から言わせれば教育を知らない者の判断と見解である。例えば、今の教師の教育指導のことに触れて申すならば、御承知のとおり、教育基本法十条というのは何のために規定があるのかということです。これは教育行政の限界を示しているのですよ。前段の部分は、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を」負う。その後段のところが重要なんですね。教育行政は、教育諸条件の整備なんです。これは県教委、地教委、まあ校長も管理職としてその系統の中に属するならば、教育諸条件の整備なんです。教育の内容については、校長の監督と指導のもとで、それぞれの専門的な免許状を持っている教師が自主性と専門性の範囲内でやるのが本来の教育なんです。それを踏み越えてはならないということで、教育行政は諸条件の整備ということでそこに限界を定めているということをやはり考えておかなければならぬのじゃないでしょうか。  それから、学校長の権限の問題で、今監督とか云々と言われました。しかし、校長というのはすべての免許状を持っているのじゃないのですよ。数学も英語も国語もみんな持っているのじゃないのです。特定の免許を持っているだけなんです。したがって、英語、数学、国語まで全部知っているわけじゃないのですよ。そのことについては所属職員に全部そのために免許状があるのですから、その専門の先生に任せるのです。ですから、指導監督ということはできても、その先生が自分の免許状に基づいた専門的分野で自主性と責任において、どのような教育をやり、どのような指導をやり、どういう結果を生んだか、つまりテストですね、それに基づいてどうするかということは、その免許状を持っている先生方の専門性に属することであって、免許を持っていないところの校長がとやかくそこまで踏み入れるべきものではないのです。しかもそれは、免許状は持たないにしても同じ同僚なり先輩として指導助言はできると思う。しかし、それを踏み越えて職務命令まで出すなんという見解はないと私は思う。これは教育というものの本来のあり方、しかも法の正しい裏づけからいうならば、私はおかしいと思う。  それから、特に、今申し上げたような教師の自主性というのは、そういう意味で法制的に教育指導の分野については言うなれば限界が定められているし、内側から見れば、教師の専門性は免許法によってそれが規定されているのです。だから、免許状のない者は教壇に立てないのですよ。それが専門性なんです。そこまで踏み越えて、校長がこの指導助言の域を超えてテストについて職務命令まで出す、つまり教育指導の分野で。これは行き過ぎだと思う。ですから、私は百歩譲っても、一つの問題は、テストそのものが先ほどから言っているように問題のあるテストである。繰り返しません。しかも、そういうテストに対して、各先生方の自主性と専門性を超えた内容まで指導助言を超えて職務命令を出していくというのは、行き過ぎじゃないか。百歩譲っても、少なくとも指導助言の域を超えるべきではない。今回の阿久根の場合を見ましても、いろいろなことはやりました。しかし、先生方は、自分たちの教育上の信念と立場から、このテストはやるべきでないし、やらないということを言っているわけです。それに対して、やりなさいというふうに、実態は強制して職務命令を出したでしょう、これは行き過ぎではないかと私は思うのですが、重ねて、どうですか。

阿部充夫文部省教育助成局長

○阿部政府委員 お言葉を返すようになって恐縮でございますけれども、校長が個々の教員の個々の教科のやり方についてどうこうしようという指示をしたというケースでは今回はございませんで、標準学力検査というものを行って、その結果を今後の当該学校の教育に役立てようではないかという方針を決めて、それの指導をしたわけでございますし、また、その指導につきましても、繰り返し何回にもわたって指導したが聞き入れられないということで、最終的に職務命令を発したということでございますので、これは当然やむを得ないことであるというふうに考えておるわけでございます。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 何遍も繰り返し要請したから最後は職務命令を出してもいい、こんな根拠どこにあるのですか。そんなものはないのですよ。何遍お願いして指導助言しようが、それは一つの限界なんです。やったけれども聞かなかったから職務命令だ、そんな理由はない。この問題は、標準学力テストそのものが問題を持っていることは先ほど私が指摘したとおりです。しかも、そういうテストをやってください、お願いしますとして、百歩譲って、先生方が自分たちで相談して、じゃやりましょうか、これならまだしも、やりたくない、やらない、自分たちの専門性の立場からいっても。それをあえて指導助言を超えて職務命令まで出したということ、これは問題。しかも、違反したということでそれを処分するということは、教育的にも極めて問題がある。  この問題を全体的に位置づけてみたときに、皆さんも私たちも、共通の問題は何かというと、今日の教育の荒廃でしょう。これは御承知のとおり、今の学歴社会を背景にした過熱な受験競争、それが生んだ偏差値教育、それに便乗した業者テスト、受験産業でしょう。これを我々は何とかしなければならぬというふうにやっているんじゃないですか。つまり、教育の荒廃の根源を断つためにその辺のつまり偏差値教育をどう改善し、そしてむしろ人間らしい教育をどう行うかということを今目指しているわけです。そういう意味での教育改革が叫ばれているときに、特に偏差値教育として問題にされるこういう標準学力テストを、しかも偏差値による序列を内容にしたこの業者テストの実施を求めていって、しかも職務命令で強制して処分するところまでいっているというのは、法律的に見ても教育的に見ても、二重、三重、四重の誤りを犯していると私は思う。こんなことを繰り返していったら、教育の荒廃もなくならないし、入試の改善もないし、偏差値教育の改善もないし、むしろ偏差値教育を裏に持ったところのそういう教育を、テストを、公然と公的な機関が指導して、予算の裏づけを持って、聞かなければ業務命令でやっているのですから、教育の方向が逆行しているんじゃないか。これを鹿児島県で堂々とやっているのですから。日本の教育をこれから改革しようというときにこれは大きな問題である、私はこのことを最後に訴えまして、文部大臣から、最後に、教育改革の方向から見たときにどう思うか、この所感を聞きたい。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 佐藤さんの御質問に対しまして政府委員からいろいろ御答弁を申し上げて、私もお話を伺っておりました。たびたび申し上げておりますように、偏差値を使ってそのまま進路指導に充てるということであればこれは業者テストである、こういうふうに申し上げているわけであります。あくまでも、最初の段階で子供たちのそれぞれの個性、一人一人の適性というものをまず把握をして、そこから教育を展開するというためにこの標準学力テストをお願いしたということであろうと思うのです。先生まさに先ほど御指摘の中に、手づくりのテスト、業者テストより手づくりのテストだ、こうおっしゃいました。まさに手づくりのテスト、手づくりの教育をしていくためには、最初の段階で、いろいろな学校から子供たちが入ってきているわけですから、その子供たちそれぞれの個性、能力というものをまず実態として把握をするということは大切じゃないでしょうか。そこから手づくりの教育がスタートするというふうに考えます。そして、先生もおっしゃっているように、偏差値より人間性、まさにそのとおりでありまして、そういう形の中から、人それぞれの能力、適性、個性というものがあるわけでございますから、そういうものをしっかり把握して、先生のおっしゃるような、いわゆる偏差値より人間性を大事にした教育をしていこうという、その資料として最初にお願いした、こういうことでございます。  第二点の問題は、先生もおっしゃったように、信念と立場でやらないんだ、こう決めたんだ。信念と立場でやらないんだと決めちゃったということになれば、やはり校長としては、教育の指導でこういう方向でやりたいというように決めた。それに対してはお願いをしてやるという考え方で指導をしている。それをやらないということになった。しかもやらないと決めたんだとこうおっしゃる。そういうふうに決めてしまったということになれば、これは、人間社会における決められたことをお願いをしていくということはやはり大事なことなんじゃないでしょうか。特に教育的立場を当然考えていかなければならぬというふうに思います。

佐藤誼日本社会党・護憲共同

○佐藤(誼)委員 文部大臣はなかなかの良識と識見を持っているというふうに私は見ておりますから、それはそうなんですけれども、今の見解などを聞きますと、私はかなりいただけないと思うのです。ここですべて尽くすわけにはいきませんから、これは何も阿久根中学校の問題だけではなくて、今後日本の教育の荒廃をどう改善していくかということで、いずれまたやりたいと思います。ただ、今の標準学力テストが、意図いかんにかかわらず、先ほど申し上げたように、高尾野教育委員会の通達にもありますように、ちゃんと入試の指導や入学試験のためにも利用されているという事実や、あるいはこういうものがちゃんと各学校で利用されているという事実。これは一般論で言っているのじゃなくて、こうありたいと思って実施したテストが実はこういうふうに利用されているという、この事実に基づいて物を判断し議論しなければならぬ。その点から言うと、冒頭述べたように、お互いに客観的事実を踏まえて議論して、よりよいものを求めていこうじゃないかということに対して、私はきょうの議論はいささか不本意である。それはなぜかというと、あなた方の方の調査は極めて浅いし不十分だ。この点を最後に指摘いたしまして、私の質問を終わります。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 池田克也君。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 本日は、大阪大学の汚職問題につきまして各党からいろいろと質疑が出されております。私も重大な関心を持っておりますが、来る二十日にこの問題を中心テーマとして審議が行われる、こういう理事会の決定でございますので、本日はこれに触れないで、別の問題についてお伺いをしたいと思います。  最初に、自然教育園の問題についてお伺いをしたいと思います。以前に私、文教委員会でこの問題を取り上げたこともございますので、大臣も御記憶かと思います。東京のことでございますので、大変恐縮でありますけれども、本年の四月二十日に運輸審議会が地下鉄七号線、新しい地下鉄の敷設でありますが、この免許をおろした。大変びっくりいたしまして、私もこの問題に長年深い関心を持っておりましたので、運輸省にも実情をお伺いしたような次第でございます。  この地下鉄七号線がなぜ問題かといいますと、港区の白金台にございます国立科学博物館の附属自然教育園、太古の自然をそのまま残した、恐らくもう東京では唯一と言われるそういう自然の姿をたたえた教育園でありますが、その目の前の道路を掘り下げて地下鉄工事が行われるであろう、こうした問題がそれに絡んでいるわけでございます。  所管している文部省として、運輸大臣がこういう決定を下されたわけでありますが、そういう決定を下す前に、何がしかの連絡、事前の打ち合わせがあったかどうか、お伺いをしたいと思います。

宮野禮一文部省社会教育局長

○宮野政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。  運輸省の方で路線の免許が出されるまでには、私どもの方に対して公的な御照会はございません。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 運輸省はお見えになっていますか。——これはいわゆる自然教育園の問題と重大な関連があると私は見ておりますが、なぜ自然教育園を所管する文部省と連絡協議がなかったのか、お尋ねをしたいと思います。

後出豊運輸省地域交通局鉄道業務課長

○後出説明員 お答えいたします。  私どもも、自然教育園の自然の保全については重大な関心を払っておりまして、今後地下鉄の建設に当たりましても、その自然の保全には十分に配慮していくべきだ、保全は確保すべきだという考えではございます。ただ、私どもの考え方といたしましては、工事を具体的にどのように実施していくかという問題であろうと考えておりまして、免許につきましては、だれを事業主体にさせるか、あるいは起点と終点をどこにするか、主な経過地をどことするかという面での決定でございますので、御指摘の自然教育園の保全につきましては、今後の工事の問題ということで、法的には工事施行の認可という手続がございますから、そちらの手続の段階で先ほど申しましたような自然の保全については十分確保を図りたいという考えでございまして、今後そのような考え方で文部省とのお話し合いも十分進めていきたい、こういうことで考えでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 例えば、地上を目黒から岩淵まで行くという話じゃないんだと思うのですね。重ねて運輸省にお尋ねしたいのですが、地下を掘っていくということが大前提だと思うのですね。しかも、その路線につきまして、確かに免許は起点、終点を決めるだけなんだというお話もあるのですが、途中経過地も当然ある程度の予測をつけての路線の話だと思うのです。そうすると、どこをどう考えても、目黒通りの地下を掘っていけば当然のこととして自然教育園の地下を掘っていかざるを得ない。これ以外のことを想定されて免許がおろされている、それは今初めて私伺ったのですが、もう一本免許があるのですか。その免許の方が大事で、それがおり省ければ実際の工事にかからない、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。もう一遍運輸省お願いします。

後出豊運輸省地域交通局鉄道業務課長

○後出説明員 地下鉄の工事を現実に進めるためには、まず免許のほかに、これに引き続きまして工事施行の認可という手続が必要でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 わかりました。  工事施行の認可というのがなければ地下鉄の工事は動かない、つまり具体的に進まないというふうに考えていいんでしょうか。

後出豊運輸省地域交通局鉄道業務課長

○後出説明員 そのとおりでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、その工事施行の認可というのはどういう手続で認可されるんでしょうか。

福田安孝運輸省地域交通局陸上技術安全部鉄道施設課長

○福田説明員 お答えいたします。  免許後、詳細な実際的な実施計画と申しますか、実際の細かいどこを通るかというようなルート、それからどのようなつくり方をするかというような事柄を含めまして、そういう面の計画を立てまして、その計画を立てた段階で認可を申請するという手続になっております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 認可を申請するんですが、その認可をだれがどういう手続でおろすかということをもうちょっと詳しく聞かしていただきたいのです。

福田安孝運輸省地域交通局陸上技術安全部鉄道施設課長

○福田説明員 認可の権限者は運輸大臣でございます。したがいまして、事業者である帝都高速度交通営団から申請がなされまして、最終的に運輸大臣が認可をおろすということになっております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、運輸審議会の答申を得て運輸大臣が免許をおろしますね。この免許と工事認可とはどういう関係なんですか。詰まるところ一体ですか、別個ですか。私、素人なのでその辺よくわからないのですけれども、もうちょっと教えていただけませんか。

福田安孝運輸省地域交通局陸上技術安全部鉄道施設課長

○福田説明員 先ほども後出課長の方から答弁させていただきましたが、免許の時点では一応主たる経過地を主体に考えておりますが、さらに実際的なルートを決めまして、そのルートでどのような設備にしていくかということを、実際に実施する設計というものをつくりまして、それを認可するということでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 どうもわからないんですね。そうすると、工事のやり方とかそういう認可に伴ういろいろなものが不適当だということになったら、もともとの免許が執行されないで凍結されるということになるわけですか。

福田安孝運輸省地域交通局陸上技術安全部鉄道施設課長

○福田説明員 そういう免許を凍結するということではなくて、工事のやり方でございますから、そういう工事の内容をさらに煮詰めて変更していくということになると考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 例えば今回のように、地下を掘っていくわけですから地下水脈の問題もあり、自然をどのように守るかということが、これはなかなか目に見えない、心配する者にとってはなその解きにくい問題がここに横たわっておるわけです。私は決して個人の利害のために申し上げているのじゃないのです。この自然の森、太古の自然というものは、子供たちを教育したりあるいは私たちが日本の文化というものを考えるときに、一たん壊したらどれだけお金を費やしてもこれを復元することはできないわけです。ですから、文化財保護、天然記念物指定というのは非常に詳細に詰められて文化財保護法はできております。文化庁はそれを所管しております。そうした意味で、その問題を所管する委員会として私は申し上げているわけです。人を運ぶ、そして工事をする、これは運輸省の所管としていらっしゃることで、これも大事なことだと思います。けれども、本来、免許をおろすに当たっては、単なる工事の認可問題ではなしに、どこを通るんだということを、これは重大な影響を持つんだから、当然文部大臣あるいは文化庁長官と相談の上で、おろす手続は配慮があってしかるべきだったのじゃないかな。  私は、今のお話を聞いていまして、免許はおりた、方法論なんだ、方法論で行き詰まったら免許がおりてしまっているのだから何とかしてください、これはないだろうと思う。しかも、事が今回のような天然記念物の保護という問題に絡むのですから、その部分のやり方はどのようにしていくか、これはいろいろ技術の問題もあろうと私は思います。ともかく知恵を結集して、いろいろな意味でこれを守る、守るためにどうしたらいいか、これについては十分な配慮をしていかなければなりませんのに、その一番取っ始まりの免許という段階で文部大臣とやりとりがなかった、文部省とやりとりがなかったというのは、今になってから申し上げてなにかと思いますけれども、いささか運輸省としてワンステップ足りなかったのじゃないかな、私はそんな気がするのですが、いかがでしょうか。

後出豊運輸省地域交通局鉄道業務課長

○後出説明員 私どもといたしましては、先ほど申し上げたとおり、自然教育園の環境の保全につきましては、工事の施行の方法として十分に担保できるという考えを持ちまして、その手続としてはもちろん文部省とも十分にお話をさせていただくという考えでございましたが、免許につきまして特に御相談申し上げなかったということでございます。今後、その御趣旨にのっとりまして、工事施行の認可の手続に際しまして十分お話をさせていただきたいと考えているところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 運輸省は文化財保護法の八十条というのを御存じですか。文化財保護法の八十条には、「史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならない。」という規定があるのです。今回の運輸大臣の免許はこの文化財保護法に違反していませんか。

後出豊運輸省地域交通局鉄道業務課長

○後出説明員 もちろん、私どももこの規定は承知しております。ただ、免許に際してこの規定の適用の有無ということよりも、具体的に工事を実施する場合にこの条文の適用するしないの問題が起こるというふうに理解しております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 文化庁はいかがですか、一体どこの段階で物が言えるのでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 文化財保護法八十条の規定の解釈でございますが、具体的に天然記念物等の文化財の保存に影響を与えるような行為をしようとする場合でございますので、具体的に申し上げますと、工事に着工する前段階といたしまして文化庁長官の許可が必要という意味でございまして、具体的な工事方法その他が不明な段階でございますれば、影響があるのかないのか判断をいたしかねるわけでございます。したがいまして、自然教育園の生態に影響がありそうな具体的な工事が明らかになった段階で許可を必要とする、むしろ影響があるとすれば許可を必要とする、そういうように考えておる次第でございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、今のお話のように、免許のときは仮にどうだと言われてもわからないという文化庁の答弁ですから、次の認可の問題ですね。当然この認可の段階で、今運輸省のお話は十分影響を回避していけるというふうなお話ですが、これは運輸省だけで決めるものなんでしょうか。どこか利害関係、自分たちはつくる使命を帯びているという人間にとっては大丈夫だと思うでしょうし、自然を守る側にとっては心配だと思うでしょうし、客観的な状況の中でこれが審査されて大丈夫かどうかが明らかにされなければならない、当然これが文化財の守り方だと私は思うのですけれども、これはどちら側の答弁でしょうか、まず文化庁どうでしょうか。

宮野禮一文部省社会教育局長

○宮野政府委員 先ほどの運輸省の御答弁ですと、これから工事施行認可の手続が始まるということでございますが、恐らく事業主体である帝都高速度交通営団の方で具体的な事業計画の詳細をおつくりになるのだろうと思います。その前段階といたしまして、本年五月十八日に運輸省側から私どもの方にお申し越しがありまして、私ども科学博物館を所管しております社会教育局と今お話の出ました文化庁、それから運輸省と帝都高速度交通営団、現実に自然教育園を所管しております科学博物館という関係者が集まりまして、まず第一回の連絡会を持っております。今後、ほかの問題は別といたしまして、この自然教育園に対する影響につきましては、この関係者の間で打ち合わせて、これからどのような影響が出てくるかということを相談していくことになろうかと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 文部省、文化庁それから運輸省、営団ですか、その三者が結論を出すような機能を持つのでしょうか。

宮野禮一文部省社会教育局長

○宮野政府委員 ただいま申し上げました連絡会といいますか、これは関係者の打ち合わせみたいなものでございまして、そのための最終的な結論を出す場では必ずしもないかと思います。どのような影響が出てくるかに際しましては、いろいろな科学的な調査というかデータ、あるいはどのような機関があるか私門外漢で存じませんけれども、専門的な調査機関等の調査を仰いだ上で結論がやがて出てくるのではないかと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私は、運輸省から、少し時間がかかると思いますけれども環境アセスメントを提示してしっかり状況を調査する方向だと伺いましたが、事実ですか。

福田安孝運輸省地域交通局陸上技術安全部鉄道施設課長

○福田説明員 お答えいたします。  ただいま御質問のアセスメント調査につきましては、現在までに事業者である交通営団の方で既存の資料等をもとにいたしまして種々の調査をいたしてまいっておりますが、さらに都条例に基づく詳細な調査を推し進めていきたいということでございます。さらに、その調査によりまして環境評価書の案を交通営団の方でつくりまして、これを都条例に基づきまして東京都が評価するというような手続をいたしてまいります。運輸省といたしましても、東京都の実施いたします環境アセスメントにつきまして、その結果を十分尊重してまいりたいと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうすると、この環境調査は営団が主体になってやる。しかし、前にもある会社がホテルをお建てになるということで取り上げたことがあったのです。あのときは、たしか自然教育園の運営委員会は地下二階、地上十二階という案を、これでは影響が出ると否決しているわけです。そしてその後に、地下一階、地上九階というふうに規模を縮小いたしましてイエス。これもいろいろ議論したところなんです。なぜ地下二階がだめで地下一階ならいいのだ、おかしいじゃないか、このことは私だけでなくて、厚生大臣をおやりになった林さんなんかも国会で発言していらっしゃるのです。要するに非常に微妙なんです。地下二階、地下一階、そのくらいの違いでイエスかノーかが分かれる。このように自然教育園の運営委員会というのは当時、昭和五十年当時ですけれども、ホテル側から出された文化財保護法八十条に基づく影響についての申し入れですか、これについて答えをしているのです。地下二階でだめで地下一階でいい、こういう非常に微妙なことが過去にあったのです。私が、あったあったと言っても仕方がないのですが、その辺の事実をたしか文化庁は御存じだと思いますが、確認の意味でお伺いをいたしますが、そういうことが過去にあったということについて御承知でしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生今おっしゃいましたように、四十九年にこのような構想が出されまして、その後文化庁といたしましては、五十年に現状変更等の許可申請を受けまして、そのような形で修正された内容のものについての現状変更等のいわゆる許可の必要性がない、つまり保存に影響がある行為とは考えないという形で通知を差し上げたという経緯がございます。実情はただいま池田先生がおっしゃったような形であったと理解いたしております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 重ねて次長、恐縮ですけれども、今の御答弁の中で一つだけ確認をさせていただきたいのは、地下二階というときにノー、これは影響があるので適切ではない、こういう答えを出しているのについても私が申し上げたとおりだ、こう理解してよろしいでしょうか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 当時、その建設側と科学博物館側との間の内容の合意に達しました計画につきまして、文化財保護法上の観点から文化財の保存に影響を与える行為ではないという理解の仕方をした、そういうことでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 その前段階に一つあるのです。要するに、地下二階地上十二階という建物を最初の案として持っていたのです。このときに文化庁は、この建物の建設は影響があるので適切ではない、こういう返事をしているのですよ。今の段階ではそういうのがあって承知しているというふうには御答弁いただけませんか。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 ただいまお答え申し上げましたのは、五十年の九月に文書をちょうだいいたしまして現状変更等の許可申請を受けて、それに対する対応を申し上げたわけでございまして、それ以前の構想の段階は事実上の御相談の段階で、つまり事実上の御相談の段階で適切でないという判断を示したものであろうと思います。詳細は把握しておりませんが、当然このようなケースでございますれば事前の御相談等もございますし、その段階における非公式といいますか、公文書の形ではない意見あるいは見解の表明であったであろうと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 今やりとりをいたしましたのを大臣も聞いていらしたと思うのですけれども、これは非常に微妙なんです。確かに工事をしていく側から見れば、絶対に大丈夫です、ぜひやらしてください、こうなるのです。ところが、今申し上げたように自然を守るということ、これは文部省、文化庁、よほど慎重であっていただきたい。この役所が、言うならばこの問題についてどういう姿勢をとるかによって、本当に人類の遺産と申しましょうか、そうしたものが守れるかどうかということになるのではないか。私はそういう意味でこの問題を勉強し、こうして取り上げているわけです。決してこのことによって一個人が、あるいは一つの政党が、あるいは特定のグループが潤うとかどうとかというものでは全くないことを、これは大臣も御理解いただけると思うのです。また、それについて十分な調査が行われ、大丈夫だということになれば、人々の利便になる交通機関ですから、これまた私はとやかく言う筋のものではない。しかし、どちらかといえば、十分な配慮をし、一つ一つ納得のいくような状況を積み上げていかなければ問題としては余り軽々にゴーサインを出すべきではないんじゃないかなというのが私のこの問題についての認識なんです。  これは現地を一遍大臣にも見ていただきたいと思いますけれども、子供たちを教育する立場に立ち、学校の教壇であるいは書物でどれほどのことを教えても、百方言を費やしても、太古の自然というものを子供たちに見せることはできません。また、東京のような日本の人口の一割を持つ地域ですから、どこかほかへ子供たちを連れていって、それは北海道の奥にも原野がございますし古い自然もあると思います、九州にもあると思います、しかし教育というものを考えるときに、そうした生きた教材というのは非常に重要なものであって、それで私はこの問題をこうして取り上げておりますけれども、大臣として、運輸大臣とも協議をしていただいて、慎重な配慮と、今日本の社会で使える最高の科学技術を使って調査をして、そして、鉄道の敷設についても今かなり高騰しております。掘削して通していくのに一メートルが何千万とか聞いております。そうしたことについてもいろいろ費用がかかると思いますが、もし万一これについてゴーサインを出すにしても、それなりの十分なる技術的なあるいは資本的な配慮をして、していかなければならない。この問題は、特に文化財を保護する文部大臣から、まあ当面細田運輸大臣ですが、運輸大臣にも呼びかけていただいて、納得のいくような調査をやる。人々の心配があるわけでして、署名も集められまして届けられております。その扱いについてもいろいろと途中経過があったように聞いておりますけれども、その問題を超えて、本委員会を一つのきっかけにして、運輸大臣と文部大臣の間で協議をされるように私は要望したいのですが、聞いていらしていかがでしょうか。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 池田さんの今御心配になっております自然教育園、ちょうどあそこは高速道路の目黒へ出る出口のところで、昔の迎賓館のあるところですけれども、何かホテル建設をめぐってもたしかいろいろ論議があったところでございますので、大変貴重な自然のものだというふうに私もよく承知をいたしております。そういう自然教育園を大事にしようという池田さんのかねがねからのお考えといいますか、それは私も十分承知をいたしておりますし、とにかく大事に守らなければならぬ。一度破壊をしてしまったら、これは将来お金をかけても復元はなかなかしにくいというそういうお考えについては、特にあなたはあの地域の方でもいらっしゃるわけですから大変大事にしておられるということを私はよく理解をいたしております。  また、同時に、都市交通ということを考えましても、狭隘な道路事情にもございますし、たしかこの七号線の延長線上に目蒲線があるのですね。何かフォークソングで僕は目蒲線というのが、一番東京でおくれた電車だというとてもかわいらしい歌がたしか一年ほど前はやっていました。その目蒲線と機能を十分に果たさせていこうということもあるのだろうと思いますから、これもまたあなたの選挙区の目黒の皆さんにとっても、交通至便の意味からいっても大変大事なことでありまして、恐らく両方ともあなたにとっては最大の関心事だというふうに私は考えますので、大変御心配になっておられるということは十分よく承知をいたしております。  今政府委員からもまた運輸省の方からもお答えを申し上げておりますように、路線決定、環境アセス等々もこれから順を追っての作業を進めていかなければなりませんから、当然その問題が乗り越えられなければならぬ大事なところでございますから、御心配の向きのようにそのまま路線決定をしてそして工事認可があるというふうに私どもは考えられません。既に四者でしょうか五者でしょうか、話し合いを始めているということを今、加戸次長から申し上げておりますように、当然、今後運輸省、関係機関とともに協議を進めさせていきたい、こういうふうに思います。運輸大臣とすぐ直接会ってどうこうしたらということもございますが、まずはひとつ、事務当局で十分お話し合いをさせることが大事だろうというふうに思いますし、恐らく道路の下を掘るということでございますから、地下水とかいう問題は大変大きなことでございますので、この点についてはかなり慎重な調査が必要であろうというふうに私も素人ながら感じます。先生の御心配の点を、今この国会の論議を経て運輸省も十分承知をいたしておると思いますし、また、文化庁の担当の方もそのことを十分に踏まえながら協議を進めさせていきたい、こういうふうに思います。必要があれば大臣とお話をすることもあってもいいと思いますが、両省とも十二分にこのことについて関心を持っておるようでございますから、今の段階では、まだ事務当局に十分その協議を進めさしていくということが適当なことではないかというふうに感じます。また、御心配の点もございましたり、また先生も地元でありますから、いろいろとその都度的確に御指導をいただきたい、こういうふうに思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 大臣の丁寧な御答弁でございました。今回のこの地下鉄問題、私は今は確かに地域におりまして、目蒲線の話も具体的に大臣から特定の路線についてお話があったわけでありますが、これに限りませんで、この隣接地にまた、あるビール会社の移転に伴って土地の再開発の話が持ち上がっておりまして、そうするとまた、そちらの側でもかなり広範に道路をつけたり、高層ビルが建ったりという話が出てくるわけですね。ですから、次第次第に自然が追い詰められるという事実は、これはもうある面では都市の宿命かもしれません。しかし、宿命だからといってそれに屈服していたのでは物は守れないという気持ちを持つわけです。  それから、大臣も御承知のように、目黒の駅は、大地を掘り割りのように割りまして山手線を通しておりまして、そこに目蒲線がついてくるのですが、それとホームを接続していくためにはかなり深いところを掘る、あるいはかなりの大土木工事があの辺に展開されていく。私は自然教育園の問題を非常に気にしておりますので、広い地域でこの自然をどう守るかという問題、単に鉄道の話が持ち上がったからこれに対して対処の打ち合わせをするというのではなしに、全域をよく配慮をされまして、むしろ片っ方で免許という既定事実ができる、それに対応して、認可の前にというのじやなしに、かなり早くから情報を集めながら、どうこれを守っていくかという、言うならばプロジェクトチームみたいなものを科学博物館の中につくっていただいて、そして、いろいろな土地開発の話が持ち上がるについて必要な対応、技術的な知恵、あるいは物を言う、こうしたことを早くからやっていかなければ、押せ押せになって抗し切れないで自然を破壊してしまうということがあるのじゃないか。私の取り越し苦労だというふうに受け取られれば困るのですけれども、それぐらいの気持ちで申し上げているわけでして、ぜひその辺の処置をくれぐれもよろしくお願いをしたいと思う次第でございます。  運輸省の方、ひとつ慎重にやっていただきたいということを重ねて申し上げたいので、一言答弁をいただきたいのですが。

後出豊運輸省地域交通局鉄道業務課長

○後出説明員 先生の御趣旨を踏まえまして、今後、地下鉄の七号線の建設に当たりまして自然教育園の自然を損ねることのないように、十分営団を指導し、我々としても配慮してまいりたいと考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 問題を別に移していきたいと思います。それは私学助成の問題でございます。  いよいよ来年の予算編成の時期でして、文部省としてもいろいろ忙しい作業をしていらっしゃると思うのですが、最初に、来年の予算編成について文部省の方針はどんなふうになっているのだろうか、森文部大臣の胸中はどのようなことを構想として描いておられるのだろうか。臨教審の法律も出てまいりまして、私たちも審議をさしていただきましたけれども、国民的関心事であることは論をまちません。これほど教育の問題が毎日マスコミをにぎわし、いい面も悪い面も、きょうも話題になりましたが、出てまいりまして、あらゆる世論調査の中で国民の関心が高まっておりますので、臨教審の結論待ちということもありましょうが、具体的に明年の予算から何らかの具体的な動きがあるべきだろうし、また大蔵省との折衝もあるでしょうが、まずは文部省の一つの方針として、こういう点でここを大蔵省に理解をさせて予算を獲得していくんだ、大づかみで今の時期まだ頭の中が固まっていないというお話になるかもわかりませんが、多分もう既にがっちりした構想があるのじゃないか、こう私は思いまして、まず冒頭にお伺いをしたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 池田さんの御質問にいささかおしかりをいただくかもしれませんが、現在の段階におきましては財政全体の枠組みがまだ定められておりませんので、その中で来年度の概算要求の作業は間もなく始めるということになるわけでありますが、いずれにいたしましても、財政全体の枠組みが設定をされておりませんので、今の段階で、私といたしまして来年度予算についてどうするこうするということは、この場所では申し上げることは適当ではないというふうに考えております。ただ、こういう財政状況の中でございまして、その財政状況の中で、これは国務大臣の一人として、財政再建、それから行政改革というこの全体的な考え方を私もやはり遵守していかなければならぬというふうに考えております。  しかしながら、教育の予算につきましては、池田さんからも御心配がありましたように、このところ年々非常に厳しい抑制状況下に置かれておりまして、教育が聖域であるべきか、いや、そうではないのだといういろいろな意見もございますけれども、そういう中で教育予算が非常に窮屈であるということ、そして教育政策を進める上において大変難しい段階に立ち至ってきているということ、そういう時点を私は現状認識として持っているわけでございますので、行政財政計画全体については国務大臣としてはこれに従っていかなければなりませんが、文教行政というものを預る文部大臣という立場で、その中で教育行政全体を進めていく上での必要な予算をどう獲得していくかということについて、率直に言って、今非常に頭を痛めているところでございます。  しかしながら、何としてもやるべきことはやっていかなければならぬというふうにも考えておりますので、既に何か構想を固めておるかということでございますが、構想はまだ固める段階ではございませんが、必要な政策経費はぜひ進めていきたい、こういう固い決意を持っておるというふうに申し上げておきたいと思います。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 教育が多様化、国際化、いろいろな要請がなされております。特に特色ある教育というのが私学に求められている。これも何度も大臣から私も伺っておりますが、こういう要請にこたえて私学が一体どうあるべきか。独自の建学の精神、これも守っていかなければならない。しかし年々、公共性と申しましょうか、そうしたことも要請されてくるわけだと思うのですね。  そういう状況の中で、私、特に予算につきまして局長の答弁をお願いしたいと思うのですが、今大臣は全体的に文部省予算についてまだ固まっていないというお話ですが、しからば、私学振興について高等教育局長として、省内におけるこれからのさまざまな課題がここに押し寄せ、機構もせっかく新しく改革いたしまして従来になかった体制がいよいよここででき上がったのじゃないかと私は見ているわけですが、明年度の予算に限りませんが、お金のことばかりではなくても結構ですが、私学振興について宮地局長の御答弁をいただきたいと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のように、高等教育行政全般について今回機構改革が行われまして、高等教育局ということで、国公私立全体の大学、さらに専修学校専門課程を含めまして、高等教育行政を全般的に取り運ぶという形で文部省の体制も整えるということに相なったわけでございます。具体的に六十年度の概算要求についてのお尋ねは、先ほど大臣からお答え申し上げたとおりでございます。  特に私学助成についてということでお尋ねがあったわけでございますが、私ども大変情勢が厳しいということは十分念頭に置いておるわけでございますけれども、私学が我が国の学校教育において果たしております役割の重要性、そのことについては十分認識をしておるつもりでございます。そういう点で、私立学校振興助成法の精神を外しまして、私どもとしてもできるだけの努力を尽くしてまいりたい、かように考えているところでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 大臣にお伺いしたいのですけれども、五十七年七月三十日に第三次の臨調答申が出まして、これには「私学助成については、当面総額を抑制し、その配分に当たっては、私学の独自性が十分発揮され、その質的向上が図られるよう、適切な教育・研究プロジェクトについての助成を重視する等の改善を図る。」どこを見ても第一次以来総額抑制、こうなっているのです。ところが、文部省から各大学にも要請が行っているようですが、六十一年度から十八歳人口が爆発的にふえる、こういうような状況になって、私学がそれを吸収するというような要請もあるわけです。したがって、ここにうたわれているような総額抑制ということとは矛盾するのです。こうなってくると、結局そのしわ寄せは父兄負担になっていく、ここのところが臨調の答申と十八歳人口が六十一年からしばらくの間ふえていく、しかしやがてまた減っていく、これは非常に頭の痛い、先ほど大臣が頭の痛いとおっしゃった部分じゃなかろうかと思うのです。しかし、現実にはやがてその時代がやってきて、子供たちも大学へ行かなければならない、親も応分に経費を負担していかなければならない、ここは非常に大きな分かれ道になってくるのだと思うのです。  端的にお伺いしたいのですが、総額抑制ということでやっていけるのでしょうか。私は難しいのじゃないかと思っているのですが、御答弁いただきたいと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 これまでの私学助成は、確かに近年いわゆるゼロシーリングあるいはマイナスシーリングによって抑制を余儀なくされておるわけであります。今そういう中で先生が一番心配をされましたところは、結局それが父兄にはね返ってくるのではないかということでございますが、今日までのところは私学も大変改善努力をしてくれておりまして、ある意味では父兄負担の費用の値上げ幅がここのところはむしろ一番低位に落ちついておるということでございまして、その点については私どもも大変感謝をしておるわけでございます。  引き続き来年度予算編成に対して私学をどうするかということは、先ほども申し上げたように、非常に窮屈であり、また非常に心配をいたしておるところでございますが、私どもは、私学助成法の精神、私立学校振興助成法は、私どもがつくり上げて私どもが議員立法で国会にお願いした、いわば私どもにとって大事な政策でございますから、それをまた皆様方にいろいろと御指導、御支援をいただいてきておるものでございますので、私学に対しましては十二分の予算措置はしていかなければならぬというふうに決意をいたしておるところでございます。     〔委員長退席、船田委員長代理着席〕  全体的に私学予算はただ積み上げていくことだけではなくて、やはり実効の上がる予算の仕組みというものもそろそろ考えていかなければならぬ時期ではないだろうか。  先ほどもどなたかの御質問の中にあったと思いますが、定員二百名ぐらいの幼稚園、幼稚園と高等教育機関を一緒にすることはいささか問題がありますけれども、何万という学生を擁する特定の大学、そういうことと同じような形に片づけていいのかという議論が先ほどの委員となたかからもありました。私どもも、ただ端的に、N大学百何十億、これは自分の大学であなたの大学でもあるから申し上げていいと思うのですが、早稲田大学はたしか八十億か九十億もらっていると思います。それをすぐそのままに何%上乗せをしていくというやり方が本当はいいのかどうか、やはりもう少し個性のある、あるいはまた、地方の若年のそうした世代を大都市に流出をしていくということをむしろ防いでいるそういう地方の大学などに、もう少しめり張りのきいた予算措置というものがあっていいのじゃないだろうか。単に教職員の定数だけに上乗せをしていくというやり方がまたいいのかどうか。私学というのは、ある意味では日本の教育の中で今日まで大変大きな役割を果たしてきているわけですから、どちらかというと、最近の私学は国公立の教育機関とそう変わらないようになってきている。そういうことで本当に私学の助成ということは意味があることなんだろうかということを考えますと、やはりユニークなそして建学の精神をしっかり大事に守っていくそういった私学に対してのめり張りをきかせていくということも一つの方策ではないだろうか、私はこんなふうにも考えているわけでございます。全体的な予算はいつまでもこういう総額抑制の期間が続くとは考えられませんけれども、現時点の中では、もちろん予算を獲得することには十分の努力はいたしますものの、予算の配分等についてはやはり私学全体でも考えてもらわなければならぬ点もたくさんあるのではないか。そういうことを十二分に考えて、端的に言えばまだまだむだの多いところもあるのではないだろうか、そういうことを少しこの機会に十分調整していく、あるいは精査していくということが、大事なポイントではないかというふうにも私は考えているところであります。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 これは局長にお伺いすることになると思うのです。大変細かいので恐縮なんですが、「私立大学等経常費補助金(特別補助)」、こういう一覧表があるので拝見したのですけれども、この中で私おやと思ったのは、「教員等の養成」というものについて、五十八年度ですが、前年比で六七・三%、随分とカットされているように私は思うのです。もちろん伸ばしているところもありますが、「特色ある教育研究」「公開講座」などというところには一四二・五とか一五六・一とかこういう積み上げがなされて、確かに特色ある教育がなされているのです。「教員等の養成」というのが六七・三。これをぱっと見て思いますことは、大体私学での教員養成というのはそろそろトーンダウンして、いわゆる開放性ではない教員養成の方向に路線をつけかえようという気持ちかな、こんなふうに私この一覧表を見て思っていたのです。私はこの予算のつけ方は施策をあらわしていると思うのですが、この辺いかがでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 「教員等の養成」ということでの特別補助の交付が五十八年度御指摘のような形で減っていることは事実でございます。それは、具体的にそれぞれ小学校、幼稚園及び養護学校教員養成のための教育を行っております大学等に対しまして、これは小学校教員等が漸次減少してまいってきておるというような事態が反映されているかと思うのでございますけれども、そういう大学等に対しまして、当該学部ごとの卒業者数に単価を乗じた額を調整率を出しまして増額をするという仕組みでございますので、現実にそういう学生が減ってきているという事情を反映して金額が落ちているということでございまして、いわば政策的にそういうことを誘導して実施をした結果というぐあいに御理解はいただかない方が適切かと思うのでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 わかりました。  細かいことで恐縮ですが、同じく行管勧告、五十八年七月四日の「私立大学等経常費補助金の配分方法等の見直し」という改善の意見の中で、「補助効果が一層高められるようその配分方法の見直しを行うとともに、経常費補助金の算定を適正に行うため専任教員の認定の範囲を一層明確にする必要がある。」こういうのがあるわけです。  私、ある新聞でちょっと見たのですけれども、私学で助成費の対象になっている教員の資格、経歴が間違っておったというようなことで、その問題がいろいろと報道されていたのをちらっと見たことがあります。私学の中におきましては、私の承知するところでは、教員の呼び方なんかにもいろいろバラエティーがある。例えば客員教授であるとか、特任教授というのもあるのだそうですね、専任教授、それはいろいろとあると思いますし、国立大学におけるような状況とは一概に同じであるとは言えないと思うのです。かなりばらつきがあるだろう。私はそれは結構だろうと思うのです。そういう状況の中で、私学の特色というものがあってしかるべきだと思うのですね。しかし、公共性を持つ大学が、こうして公費の補助を受けて、そして何とか頑張って子供たちの教育をしてもらおう、こういう状況の中からは、今ここに行管が指摘したように、専任教員の認定の範囲を明確にしなさい、どうもこれがちょっとあいまいな部分もあるのじゃないか。週何時間授業を持つ人が専任で、そこから先はそうじゃない、これは一概に線の引けないなかなか難しい問題があるのじゃないか。また、兼職の場合に、弁護士さん、お医者さんと兼職だった場合にどうだ、これは対象外だということになるのですが、では、ほかのそれに規定されていない先生方の場合だったらどうなんだろうか、その先生がどこかほかへ行って講演料、テレビの出演をした場合にどうなるのだろうか、この辺はなかなか難しい部分に差しかかってきているのじゃないか。しかし、国家の要請の中で範囲を明確にしていくべきだという主張はもっともだと私は思いますし、文部省として、こういう私学というものにおける、言うならばアフターサービスといいましょうか、アフターケアといいましょうか、そういう方途についていろいろ検討なされて、私が聞くところでは、一つの道筋を今歩み始めたようなお話を伺ったのですが、今私が幾つか長々と指摘をいたしましたが、そうした問題についてどうしようとしているのか、どの点が問題なのか、御答弁いただければと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のように「補助効果が一層高められるようその配分方法の見直しを行うとともに、経常費補助金の算定を適正に行うため専任教員の認定の範囲を一層明確にする必要がある。」という指摘をいただきまして、それらを受けまして、従来から傾斜配分ということを考えてまいってきておったわけでございますけれども、財政資金の効率的運用を配慮いたしまして、教育条件を勘案して、いわゆる傾斜配分をさらに強化をし、具体的には、給与水準の高いものあるいは収入超過となっているもの等について補助の抑制を図るというようなことなどをいたしまして、配分方法の見直しを行ったところでございます。  なお、具体的に、専任教員の認定方法の点でございますけれども、例えば、発令の関係で専任教員として発令されているというようなこと、それからまた、やや細かい点になりますけれども、給与月額関係が基準額以上であるということ、基準額としては、例えば教授、助教授の場合は十二万円というようなことを示しております。それから勤務関係では、一週間の割り当て授業時数が平均六時間以上であるというようなことなどが従来から言われておったわけでございますが、五十八年度の主な改正内容といたしましては、発令関係につきましても、年度当初までに発令された教員であるということで、さらにその点を厳しく対応いたしておるわけでございます。それから給与関係につきましても、各月ごとに基準額以上ということで、例えば平均月額が基準額以上でありましても、これを下回る支給月があるというものについては対象から外すというぐあいに、それらの点を相当きめ細かく厳しく専任教員としての認定の内容として考えているわけでございます。  そういうようなことで、配分方法の見直しについては、五十七年度さらに五十八年度につきましても、配分方法の見直しを行っておりまして、それらの点は、先ほど申し上げたような点を中心に行っておるわけでございますが、先ほど大臣の御答弁にもございましたように、そういう配分方法の適正な見直しということについても、私どもとしても既に取り組んでおるわけでございまして、これらの点については今後なお私学振興財団とも十分対応しながら、適切な配分についてより一層の努力をしてまいりたい、かように考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そのようにしていろいろと私学について助成がなされていくわけなんですが、私、先ほどもちょっと質問の後段でお伺いしていたのですが、こういういわゆる国民の税金を投じて大学の経営をより健全なものにしていこうという趣旨で、ある意味では、先般ここで審議をいたしました日本育英会法、育英奨学、個人に対してそういうことだったのですが、大学についても、大学というものを対象にした場合にそういうふうな形に、私はそういうふうなお互い連携かなというふうに思うのです。育英会の場合には、個人がどういう成績だったのか、どういうふうな出席日数だったのか、いろいろございまして、激励したりあるいは戒告、警告したりというような段階で、払いいことだと思って見ておりました。いわゆる大学もやはり国民の税金を投じて助成をしていくわけですから、もちろん大学の自治は大事ですし、自浄作用も尊重しなければなりませんが、ある意味ではやはり何らかの対策を講じてやっていかなければならない。  それで、私、資料をちょうだいして拝見しておりましたら、学校法人運営調査委員というふうな制度が設けられて、八百万ぐらいでしたか、たしか予算が五十八年度からですかつけられて活動しているというふうに承りましたのですが、私が今申し上げたような趣旨であるのか、これからどのような動きになっていくのか、お伺いをしたいと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘の学校法人運営調査委員のことでございますけれども、これは五十九年度から新たに予算計上をいたしたものでございます。従来、私立大学の運営につきまして、私ども適切に運用してまいってきておるわけでございますが、やはり個別の調査の上、それぞれ補助金の返還、打ち切りというような大変遺憾な事態の生じているケースも出てきておりまして、それらについては、全般的に事務次官通知で、管理運営全般の再点検、適正化というようなことで、各学校法人の自主的な努力と申しますか、そういうことを促すようにして、従来からも注意を喚起してきておるわけでございます。  従来、教学面と申しますか大学の教育内容面につきましては、従来の大学局でございますけれども、視学委員というようなことで、それぞれ専門の分野の方々に大学の先生方にお願いをいたしまして、視学委員という形で大学の、例えば新設の大学の教育内容でございますとか、カリキュラムでございますとか、あるいは専任教員数の充足状況でございますとか、そういうようなことについて、大学の教学面での指導はそういう方々の御協力をいただいて行っておったわけでございます。いわばそういう教学面に対しまして、学校法人の運営面といいますか、そういうような面につきまして、これは文部省から個々の大学について直接対応することはいかがかということもございますし、学識経験者の御協力を得まして、私立大学の経営内容あるいは管理運営というようなことについて指導助言に当たる学校法人運営調査委員を、先ほども申しましたように、五十九年度から新たに置くことにいたしたわけでございます。  予算額としては必ずしもまだ十分ではないかと思いますけれども、そういう点で、具体的な、例えば管理運営の関係で申しますと、理事会とかあるいは評議会の開催状況でございますとか、あるいは理事者側と教学側の協力関係でございますとか、そういうような事柄につきまして、学識経験者の参加を得まして、それぞれ学校法人の管理運営面についてアドバイスをするというような体制を整えて、先ほど申しました補助の基準の見直しとあわせまして、個々の具体的な学校法人の管理運営面の適切な処理ということをより積極的に打ち出そうということで、そういう体制をとったところでございます。     〔船田委員長代理退席、委員長着席〕

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうしますと、この新しい体制というのは、例の国士館とか九州産業大学とか、いろいろと世上問題になりました、大臣からもお話がありましたように、この五十九年度の予算編成に当たっては、そういう状況もあったので今までの壁を乗り越えてまでという意欲が起きなかった、このようなお話でございましたが、こういうような社会的ないろいろな現象を一つの動機として、大学の自浄作用を高め、管理運営について助言をするという、言うならば文部大臣の権限を代行する、こういう形の機関だと理解していいのでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のような、社会的にも非常に私学全体の信頼を裏切るようなケースがあったことは甚だ遺憾でございまして、それらに対しては、私ども全力を挙げて取り組んでまいっておるわけでございます。先ほど御説明をいたしました学校法人運営調査委員というものは、むしろそういうようなものに対する指導と申しますよりは、いわば事前にといいますか、そういうことのないように事前にそういう事柄を防止するというような観点から、より積極的に学校法人全体の管理運営面についてアドバイスをしていこうというようなところにねらいを置いているものでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 そうしますと、何がしかの権限というものが、帳面を見るとか、あるいは地方であれば、いつ幾日に行くから、みんなそろっていろいろとこちらから事情を聴取するからそのための準備をするようにとか、いろいろこちらとして権限を持って調査する、あるいは勧告をする、こういうふうないわゆる審議会のミニ版というのでしょうか、そうした力を与えられたものでなければ実効性がないのじゃないかと思うのですが、この辺はいかがでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 基本的には、学校法人の管理運営の実態を実地に調査をしまして必要な指導助言を行うということになるわけでございます。  なお、具体的には、文部省設置法施行規則の中で、「運営調査委員は、上司の命を受け、文部大臣が所轄庁である学校法人の経営につき特に指定された事項に関し、調査及び指導、助言に当たる。」ということでございまして、もちろん、上司の命を受けて、文部大臣が所轄庁である学校法人に対しまして、いわば文部省が直接やるという形にかわりまして、特に私学であるということも十分念頭に置いた形でこれを運営してまいりたいと考えておるわけでございまして、基本的には、指導助言という立場に当たるものでございます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 大変興味ある新しい動きだと私は思って、期待をしていいのじゃないか。ただ、反面、次第次第にそういう監督強化という声も出てくるんじゃないかと思いますから、十分気をつけていかなくてはならないと思うのです。メンバーは何か二十人ぐらいというふうに伺いましたし、大体メンバーも選定されて発令される状況なんでしょうか。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 ただいまのところ、人選等についてはただいま取りかかっているところでございまして、具体的な実際の発足というのは秋ぐらいではないかというぐあいに考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私の友人で大学の事務局長をしている人が、こういう話をしておりました。税制調査会に、公益法人の税の優遇を削っていく、こういう動きがあって、五十八年、つまり去年の十一月から十二月に答申がなされた、例えば、大学の収益事業として食堂経営の場合、売り上げの三〇%が免税されているけれども、免税額をさらに下げる、つまり税金をたくさん払わなくてはならないような事態になっている、あるいは税率を上げようという動きがあるけれども、どうだろうか。  この私学の経営と税制という問題について、きょうは大蔵省は来ていただいておりませんけれども、文部省として掌握しておられる面があったらお聞かせいただきたいのです。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 学校法人に対します税制のあり方、これは学校法人の全体の観点から見まして、従来いろいろな面で優遇措置を講ぜられてきておるわけでございます。特に、今御指摘のお話は、学校法人等が非収益事業に属する資産運用によります金融収益は非課税ということになっておりますが、さらにこれに新たに課税をするというような問題が議論としては出されてきておるわけでございます。それから、ただいま御指摘のような収益事業に対する課税の範囲というようなものについても、それぞれ従来の優遇措置について引き下げるというような形で議論が出ているということは私どもも承知をしておるわけでございます。  もちろん税制全体の中での取り組みでございますが、私どもとしては、私学税制が現在置かれております状況、そして学校法人の経営全体の内容その他の健全化というような観点から、税制上必要な優遇措置というものについては今後ともぜひ確保すべきものではないかということで、これはもちろん今後財政当局その他とのいろいろな場面での折衝という問題が出てまいるかと思いますけれども、私どもとしては、学校法人の健全な育成、発展という観点から所要の措置を講ぜられますように、今後とも努力は傾けてまいりたい、かように考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 同様に、寄附者への免税額の制限、これも、私学の経営の場合に、寄附というのは父兄から仰いでおるわけですし、また篤志家からも来ている。これは非常に貴重なことだ思うのです。特に、かつての日本の私学の出発なんかを見ますと、いわゆる篤志家が、校地とかあるいは発足に当たるかなりまとまった大きなお金を寄附している。その意図するところを体して、割と、私学として今日もなおずっと尾を引いておりますように、すっきりした形の校風が続いている。こういう点から考えますと、私は、私学の経営には寄附というものは非常に重要な意味を持っているんじゃないか、これについて税制を大幅に緩和して、篤志家のそうした教育に対する行為というものを喜んで受けていくべきじゃないか、戦後の私学経営の中で、そうした部分が何か小さくなってしまって、むしろ国の費用をつぎ込んできた、これは私は一概に悪いとは言えませんけれども、道はまた別な形で開かれるべきじゃないかという気がするわけなんです。この寄附者への免税額の制限問題については、局長並びに大臣の方から、これは政治的な問題を含んでいると思いますので、お二人から御答弁いただければと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘の点は、私学税制の課題の中の一つといたしまして、現在、学校法人に対する寄附として、所得の二五%を限度といたしまして寄附金額から一万円を控除した金額については所得控除されるというのが現在の仕組みでございます。その一万円控除といういわゆる足切り限度額でございますが、その限度額を引き上げることについて議論が出たことは事実でございますが、その件については、ただいまのところ現行制度を維持するという形で五十九年度の議論は終わっておるわけでございます。御指摘のように、私学というものが基本的には個人の善意の寄附というようなことなどが非常に貴重な、いわば私学経営のための資金ということであるということは十分私どもも認識をしているわけでございまして、財政当局の税制上の全体的な観点からの議論がいろいろあることはわかるわけでございますけれども、基本的には、そういう個人の寄附というような事柄が学校法人の非常に貴重な資金ということで活用されるということについては、私どもとしても十分意を用いてまいりたい、かように考えます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 関連して、先般育英会法案を審議したときにたしか附帯決議になっていたと思うのですが、育英事業についても篤志家の道を開こう、いわゆる育英財団のようなものを今よりもっと緩和して開いていったらどうだ、こうしたことも、たしか最後の段階でしたけれども、附帯決議に盛り込まれたように私は記憶をしております。これは今までになかった、どちらかといいますと政府あるいは自民党からの強い提案であったように私は理解しておりますが、これは非常にいいことじゃないか。これは大臣、ぜひ推進をしていただきたい。そうした篤志家の教育に対する配慮、これは重ねて申し上げるようですけれども、日本の資源は教育だけだ、私たちもそう思っておりますし、そういう理解を持っている国民は多いと思うのです。そういう状況の中で、いい教育を若い人たちにして、日本の未来を世界に貢献できるようにしていきたいという人たちは実に多くいらっしゃる。私の地域でも、農家の土地を継承したような方々は、単なるアパート経営ではなしに寄宿舎にしたらどうだろうかとか、あるいはここで何らかの教育的な貢献ができないだろうかとか、そういう話を折々町内の青年の集まりなんかでは私たちも聞いているわけです。やはりそうした若い人でさえもそういう気持ちがある。けれども、税制上余りいい道はないようだし、さあ具体的にはなかなかお役所の許可も難しかろうし、どうしたらいいのだろうかというふうな話があって、ともかく難しいようだというふうな結論になってしまうのですね。  私は、もっと教育改革の大きな流れの中で、そうした費用もかかることですが、それを惜しまないという国民もいらっしゃる、そういうことを配慮して、育英の財団であるとか、あるいは今ここに出てきたような寄附の体制であるとか、こういう問題をやはりそれなりの研究を積み重ねて道を開いていくことがこれからの教育改革には大きな力になるのじゃないか、こう思っておりますが、大臣の御所見を承れればと思います。

森喜朗自由民主党・新自由国民連合文部大臣

○森国務大臣 私学は、基本的には、先ほどから池田さんのお話にもありましたように、篤志家また民間の浄財をいただいて大きく発展をしていくということが一番好ましいことだというふうに私は思っております。また、今日の日本の国民の力から見て、教育に投資をしていくことも将来への日本の大きな繁栄へのまた一つの保障にもなるわけでございます。どちらかといえば、若い学生諸君には、すべて公費にお願いをするよりは民間の篤志家やそうした好意ある皆さんの力によって学ぶことができたということは、教育的見地からいっても、お上にすがるということよりもかえって教育的効果はあるのではないかなというふうに、これは私見ですが、私はそんな感じも持っているわけであります。なお一層そうしたことに対して、先ほど税制の面で宮地局長にもお尋ねがありましたように、そうした面でもやはりいい方向、いい制度を生み出すようにしていかなければならぬと思いますし、私学もまたおおらかにそうした民間の資金をいただけるように、それには、やはり先ほど申し上げたように、私学らしい、建学の精神がどこへ行ったかわからぬような私学では意味がないことで、国公立の後ばかり追いかけている私学に意味はないわけでありますから、私学も体質を改善していかなければならぬというふうにも思うわけであります。  いずれにいたしましても、民間の活力を注入といいましょうか、そうして、新しい私学の存立というものも築き上げていくことは大事な課題だろうというふうに私は考えておりまして、文部省も、関係者とも十分協議をしながらそういう方向が促進できるようにいろいろな制度もまた検討していきたい、こういうふうに考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 私学の助成、まだまだいろいろと問題もあり、お伺いしたいところなんですが、時間もなくなってまいりましたので、あとちょっと、前回も聞きましたが、そろばんの問題の後の問題、それから文楽の問題、二つだけ残しましてお伺いしたいので、よろしくお願いをしたいと思います。  これは以前、四月十三日でしたか、私この委員会でそろばんの問題を取り上げまして、大臣から大いに賛意を表された記憶があるわけでございます。その後、私もこの問題についていろいろと御意見を承っておりまして、例えばアメリカが非常に熱心なんですね。先日私の友人がアメリカから参りまして、ほぼ一カ月ぐらい日本じゅうを見物してつい先ごろ帰ったのですが、おみやげにそろばんが欲しいと言うのですね。これは大変びっくりしました。それで、あちこち探したのですが、余り売ってないのです。デパートを見てもそろばんは売ってないのですよ。それで、売っているのは押せば答えが出るやつばかりなんですね。それでどうなったのかというと、かなりあちこちデパートを回ってようやくそろばんを見つけたのです。こんなような状態で、これは驚いたな、僕ら世代が世代なんですけれども、町を歩けば読み上げ算の声が聞こえたような時代でしたものですから、ちょっと意外な感がしたわけです。  重ねて私はお伺いしたいのですが、先般宮地局長の御答弁の中で、教員養成大学の中に教材研究というのがある、その中で二単位を課してやらしているので、これで大体そろばんに触ったことがないなんて学生はいないはずだというような趣旨のお話を承ったのですが、私その後いろいろお伺いしたのですが、ちょっとその教材研究というものが必ずしもそろばんを含んでないみたい、大体何にするか大学によって自由な配慮がなされているというようなことで、結論としてそろばんを知らない算数の先生はあり得るというような認識になったのですけれども、これはもう一遍御配慮が願えないものだろうか。「読み書きそろばん」と言われるように、数というものを概念として教える場合に、やはり一、二、三、四があって、さて最後がない、それで五になって、次にげだが上がっていく、これは現実問題として非常にわかりやすいですね。こんなことから、私としてはこれについてこれからもいろいろ勉強もし、文部省としてももうちょっと力を入れてもらえないものかな、こんな気持ちを持っておるのですが、御答弁いただければと思います。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 御指摘のような四月十三日の文教委員会での論議について引き続いてのお尋ねでございますので、私からお答えを申し上げます。  その際に申し上げましたのは、算数の教材研究の授業の中で指導が行われているというのが建前でございますということで申し上げまして、ただ、実際の個々の大学の授業におけるそろばんの指導の取り扱いということは、個々の大学での対応になるということになるわけでございまして、その際もちょっと申し上げたわけでございますけれども、さらに教科教育につきまして、日本教育大学協会の研究促進委員会というものが置かれておりますものですから、そちらの委員長の方にでもお話を通しまして、その日本教育大学協会の研究促進委員会が開催をされます機会に、先生から御指摘のあった点は十分お伝えをしまして、何らかそこで具体的な検討をしていただくようなことで対応いたしたい、かように考えております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 もう一つ重ねて恐縮なんですが、指導要領なんですが、算数の教科書では、六社の教科書の中で、大体三年生三学期で八時間珠算が充当されている。八時間では、専門の方に聞きましたのですけれども、ほとんど足し算、引き算が精いっぱい、掛け算まではいかない、足し算、引き算もどうだろうかという状態で、結局親御さんとしては近所の塾へ通わせるというふうなことにもなってくる。せっかくのこういう教科書にあるんだし、もうちょっとふやせないものだろうか、こんなような御意見も出たわけでございまして、今御答弁いただいて、それに決して不満だというわけではございませんが、重ねて、こうしたカリキュラムにも機会があればもうちょっとゆとりを持たせ、こうしたものをしっかりやる、こうしたことはいかがなものかと思っておりまして、お尋ねをする次第でございます。

宮地貫一文部省高等教育局長

○宮地政府委員 小学校の学習指導要領の関係のお話でございまして、ちょっと私から御答弁申し上げるのはいかがかと思いますけれども、前回のやりとりは初中局の方で御説明をしたとおりでございまして、その際、具体的にそろばんを小学校でどの程度指導するかということは、他の指導内容とのバランスの問題、学習負担ということを十分考慮しなければならない点もございまして、その扱い方の基本を修得させるという考え方で、現在の学習指導要領でそういう取り扱い方について基本的に説明をしているわけでございます。  教員養成大学の問題については、先ほど申し上げたような形で対応いたしたいと考えておりますが、そろばん教育の現在の小学校の学習指導要領のあり方については、現行の規定で対応するということではなかろうか、かように存じております。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 ありがとうございます。  最後に、文楽の問題を一言だけ申し上げたいと思うのですが、これは私、不勉強で文楽について決して詳しいわけではございません、人からいろいろと承ったお話をするわけでありますが、率直に申しまして、文楽に携わる方々の生活が厳しい、こういう問題をもう一遍御検討いただきたいという趣旨でございます。  大阪に国立劇場文楽劇場ができて、私も行きたかったのですが、どうしても行けなかった経過があるわけですが、今日まで小屋はできた、そしていろいろな催し物がなされているようでありますが、東京にある国立劇場と比較して、いろいろとその施設をお使いになって文化活動をなさる方々の暮らしが随分と違うというふうな声でございまして、片っ方の方は自動車がずらりと並んでいるけれども、片っ方は電車に乗ってくる。これはどっちがどうで、いいのか悪いのか、私も電車で通っておりますけれども、それを私とやかくするわけじゃありませんが、例えば年収百万ぐらいである。文楽をいろいろとやっていらっしゃる技芸員という方々の生活で、いい方で百万円くらい、月に四、五万くらいの収入だという方々もいる。つまり、いろいろと運営あるいは自主公演というものについて十分な予算処置がなされないで心配だ。やはり日本を代表する貴重な文化財であり、芸であって、もっともっとこれについて今後とも配慮していくべきだ。第二国立劇場が今後できていくけれども、入れ物だけではなしに、そこで働く方々、むしろ地味な基本的なことをやっていらっしゃる方々も当然それに加わっていらっしゃるわけで、文化庁として、国として、これについてもっとライトを当てるべきではないか、こういうお話を承りまして、私も国会が終わって機会があれば現地を見に行きたいと思っておりますが、私、この場をおかりして、この問題について文化庁としてどのような対応、どのようなお考えを持っていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。

加戸守行文化庁次長

○加戸政府委員 先生おっしゃいましたように、文楽は我が国の伝統芸能の中でも非常に重要な大きな柱でございますし、昭和三十年に文楽を国の重要無形文化財として総合指定いたしまして、それ以来文楽の伝承、保存につきまして、文化庁としても意を尽くしてきているわけでございます。  先生御指摘なさいましたように、太夫、三味線、人形といったこういう技芸員の方々の待遇といいますか、収入が低いことは事実でございまして、他の分野に比べればそういった面の努力をしなければならない分野だと考えておるわけでもございます。  幸いにして文楽劇場が本年の三月にスタートいたしまして、五十八年度と五十九年度だけを比べます限りにおきましては、例えば最低の出演回数というものも、五十八年度の百二十日から、今度は国自体が直接主催する事業として百三十八日を確保いたしましたし、それから出演料につきましても、五十九年度は単価アップをさせていただき、あるいは養成費という形での国のそういった面での技芸員の方々の収入に資するということも考えておるわけでございまして、またしかし、それでも私ども十分とは考えておりませんし、もちろん出演料といいますものは興行収入と見合う性格のものでございますから、国民の理解が得られ、文楽劇場が常に盛況を続け、その中で収入の道あるいは出演料が上がっていくということも期待したいとも思っておるわけでございますが、足りない分野につきましての文化庁の今後の努力をお約束させていただきまして、答弁とさせていただきます。

池田克也公明党・国民会議

○池田(克)委員 終わります。ありがとうございました。

愛野興一郎自由民主党・新自由国民連合

○愛野委員長 次回は、来る二十日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十七分散会

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