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101回国会衆議院1984/03/23

逓信委員会 第2号

発言数
290
登壇者
21
会派数
4
開催日
1984/03/23

会議録

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件の審査が終了するまで、随時参考人として日本放送協会当局の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 それでは、提案理由の説明を求めます。郵政大臣奥田敬和君。     —————————————  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認   を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 ただいま議題となりました日本放送協会昭和五十九年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。  この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。  まず、収支予算について概略を申し上げます。  受信料の月額につきましては、日本放送協会の最近の経営状況及び今後の見通し等にかんがみ、財政基盤の安定を図るため、改定を行うことにしております。  なお、今回、従来の普通契約及びカラー契約について、それぞれ新たに訪問集金及び口座振替の支払い区分に応じた受信料体系を設定し、口座振替につきましては、訪問集金より五十円割り引くことといたしております。具体的には、月額料金は、普通契約のうち、訪問集金は六百八十円、口座振替は六百三十円、カラー契約のうち、訪問集金は一千四十円、口座振替は九百九十円に、ただし、沖縄県につきましては、特例措置として、それぞれ百四十円低い料金に改定しようとするものであります。  放送法施行規則を改正し、昭和五十九年度においては、従前の予算科目の組み替えを行っておりますが、組み替え後の事業収入は前年度に比べ五百六億四千万円増の三千三百三十六億一千万円、事業支出は前年度に比べ二百十三億二千万円増の三千百四十九億円となっております。  この結果、事業収支差金は百八十七億一千万円となっております。  この事業収支差金につきましては、八十億九千万円を資本支出に充当するため事業収支差金受け入れに計上し、百六億二千万円を翌年度以降の収支均衡を図り、財政を安定させるための財源として、その使用を繰り延べることとしております。  資本収支におきましては、放送衛星等の新放送施設の整備、老朽の著しい放送機器の更新などの建設費として四百四十億円を計上しております。  次に、事業計画につきましては、その主なものは、難視聴解消を主目的とする衛星放送を開始すること、受信料負担の公平を期するため、新料金体系の定着及び受信契約の増加と確実な収納に努めること、国際放送時間の拡充及び一層の受信改善を図ること、業務全般にわたる見直しによる要員効率化の推進と経費の節減を図ること等としております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。  郵政大臣といたしましては、これらの内容を慎重に検討いたしました結果、受信料月額の改定は、受信料収入の伸びがほぼ限界に達している反面、事業支出は極力その抑制に努めても増加が避けられない現状において、協会の財政基盤の安定を図り、公共放送機関としての社会的使命を果たすためには、この際やむを得ないものと判断し、昭和五十九年度収支予算等は、おおむね適当と認め、お手元に配付されておりますとおりの意見を付することといたした次第であります。  以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどをお願い申し上げます。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 次に、補足説明を求めます。日本放送協会会長川原正人君。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の昭和五十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げます。  昭和五十九年度における協会の事業運営は、新メディア時代を迎え、新しい放送の実用化を推進しつつ、放送番組の充実に一層努めることといたしておりますが、受信料収入の伸びがほぼ限界に達しているため、財政上、極めて厳しい状況に置かれております。  このような状況を打開するため、協会は業務全般にわたり抜本的な見直しを行い、さらに、広く視聴者の意向を吸収するとともに、外部有識者による提言をも踏まえ、一層の工夫と効率化を進めることを基本として、昭和五十九年度から三カ年間の経営を見通しましたところ、新たな放送の時代における公共放送としての役割を果たすためにはやむを得ず、昭和五十九年度より受信料の改定をお願いしなければならないことになりました。  受信料につきましては、負担の公平を期するため、受信料体系の見直しを行い、支払い区分に応じて、訪問料金、口座料金の二本立てとし、訪問集金における普通契約において六百八十円に、カラー契約において千四十円に改定させていただくこととし、口座振替における普通契約において六百三十円、カラー契約において九百九十円とすることといたしております。  なお、沖縄県につきましては、特例措置を継続して、それぞれの月額において、本土に対し、百四十円を軽減することといたしております。  次に、昭和五十九年度の主な事業計画について、御説明申し上げます。  まず、建設計画につきましては、前年度の放送衛星二号の打ち上げに引き続き、将来の衛星放送継続に備えて、必要な設備の整備を取り進めるとともに、中波放送局の増力整備などを行うことといたしております。  また、テレビジョン音声多重放送の拡充に必要な設備の整備、国際放送の受信改善のための設備の整備、放送番組充実のための機器の整備等を進めるほか、老朽の著しい放送設備の取りかえを実施することといたしております。  次に、事業運営計画について申し上げます。  まず、国内放送では、新たな放送の時代を画する衛星放送を開始するとともに、テレビジョン、ラジオ放送とも、視聴態様に合わせて、番組の刷新、特別企画番組の充実等に努めることとし、さらに、ローカル放送についても一層充実することといたしております。  また、音声多重放送について、放送地域の拡充を行うほか、文字多重放送については、前年度とおり東京及び大阪において、聴力障害者を対象に実施することといたしております。  国際放送においては、国際間の理解と親善に寄与するため、放送時間を増加するとともに、海外中継放送を拡充強化し、一層の受信改善に努めることといたしております。  契約収納業務につきましては、受信料制度の周知徹底と新しい料金体系の定着を図り、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めることといたしております。  広報活動につきましては、視聴者の意向を積極的に受けとめ、これを事業運営に的確に反映して、協会に対する視聴者の理解と信頼を一層確かなものとすることといたしております。  調査研究につきましては、新メディアの開発研究と放送番組、放送技術の向上に寄与する調査研究を推進し、その成果を放送に生かすとともに、広く一般にも公開することといたしております。  以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたり、業務の効率化を積極的に推進することとし、要員について、年度内二百人の減員を行うこととしております。  また、給与につきましては、適正な水準を維持することといたしております。  これらの事業計画に対応する収支予算について申し上げますと、事業収支においては、収入総額三千三百三十六億一千万円を計上し、このうち、受信料収入については三千二百三十七億二千万円を予定しております。これは有料契約総数において、四十三万件の増加を見込んだものであります。  また、副次収入など受信料以外の収入についても、極力、増加を図ることといたしております。  これに対して、支出は、国内放送費などの事業運営費、減価償却費、支払い利息など総額三千百四十九億円を計上しております。  事業収支差金百八十七億一千万円につきましては、このうち、八十億九千万円を債務償還及び国際放送の受信改善のために充て、百六億二千万円を翌年度以降の財政を安定させるため、その使用を繰り延べることといたしております。  次に、資本収支は、支出において、建設費四百四十億円、協会業務に関連する事業を行う法人への出資に一億円、債務の償還に百八億九千万円、総額五百四十九億九千万円を計上し、収入には、これらに必要な財源として、事業収支差金、減価償却資金、放送債券及び借入金など合わせて総額五百四十九億九千万円を計上いたしております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。  以上、日本放送協会の昭和五十九年度収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の事業が視聴者の負担する受信料を基盤としていることを深く認識して、引き締まった、効率的経営を目指し、常に、視聴者の意向を積極的に受けとめ、これを的確に反映し、すぐれた放送を実施して、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 五十九年度のNHK予算の大綱が発表されますと、マスコミからは水膨れだ、あるいは甘さがあるというようなことでいろいろと書き立てられました。国民から受信料を得て運営されておるNHKだけにそうした批判については謙虚に耳を傾けなければならぬ、このように思います。しかし、人は減らせ、番組の質は落ちてもいいというような、言うならば臨調的な行政改革路線には私は賛成できないのであります。  公共放送の使命は、第一番に言われる報道にしても、あるいは娯楽番組にしても、あるいは教養番組にしても質の高い番組を人々に提供することにあると思います。公共放送は主食で民放は副食だというような例えをする人もありますが、日本じゅうどこでも受信できるNHKだけに質を落としてはならぬ、このことを私は強く主張をしたいのであります。質を維持してさらには番組を向上する、そういうためにどうしても必要ならば多少の受信料の値上げはやむを得ないのではないかというような人も実はたくさんあるわけです。しかし、今回提出された五十九年度の予算の大綱を見ますと、NHKが放送衛星を打ち上げて高品位テレビあるいは音声多重、文字多重あるいはテレビのステレオと言われますPCM放送、こういう先端技術のために膨大な投資をしておる、ここは私は大変問題があると思うのです。  以下、この問題についてNHKの見解を最初にお伺いをしたいのであります。  確かに赤道の上三万六千キロ、富士山の九千五百倍ほどもあるテレビ塔がそびえ立ってその先端から電波が出る、これはまさに日本の放送界にとっては画期的な出来事だと思います。今までの放送電波とは比較にならぬ事態が起きてくる、これもそのとおりだと思います。  今、離島の方では一カ月おくれで、ビデオテープでNHKの番組を見ておるという報道が新聞に出ておりましたけれども、そういう離島などの難視聴世帯にとっては大変な福音に違いないと思います。しかし、四十二万世帯という難視聴の世帯は現在のNHKの三千万世帯に比較をいたしますと二%にも足らぬ数字であります。そういう四十二万世帯のために膨大な金をつぎ込むということが一体いいだろうか、このつぎ込んだ金が一体四十二万世帯以外のものにどのように使われていくだろうか、これは大変関心の深いところだと思うのです。  確かにニューメディアの先兵とかあるいは衛星放送元年とかいろいろな言葉がマスコミ紙上をにぎわしておりますけれども、いよいよ衛星放送が五月から始まるわけです。そうなると、NHKは現在のテレビ二波、FMを含めてラジオ三波、さらにこの衛星二波というものを持つことになると思うのですが、一体この衛星放送というものをどのように位置づけるのか、将来展望はどのように考えておるのか。先ほど申し上げるように、四十二万の難視聴対策だけだということになるならば、これはとても国民の、視聴者の納得を得ることにはならぬと思うのですが、この衛星放送をどのように位置づけておるのか、将来の展望はどのように考えておられるか、最初にこれをNHKからお伺いしたい。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 ただいま先生から御指摘がございましたように、ことし放送衛星を一月に打ち上げまして、ただいま五月末の放送開始に向けて準備を進めているわけでございますけれども、NHKといたしましては、やはりNHKの難視聴の解消ということを放送衛星第二号というものの大きな目的としているわけでございますけれども、このニューメディアが放送に対しまして将来に向けて国民あるいは視聴者の多様な要望を満たしていく非常に大きな有効な手段であるということにつきまして留意をいたしまして、この衛星放送というものも長期的な見通しの上に立って実用化を計画的に推進をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。BS2におきましても、地上のテレビジョン放送の難視聴解消をするということが第一ではございますけれども、編成上の工夫をいろいろいたしまして魅力ある放送サービスも行いながら、その普及に努力をいたしたいというふうに考えるわけでございます。  衛星放送の持つ多様な機能というもの、衛星放送の中に持っております将来への可能性というものにつきましては、改めて申し上げる必要はないかと思いますけれども、やはり非常災害対策でございますとかあるいは全国各地の中継といったような効率的な利用方法もこの段階で確立をいたしたいというふうに考えますし、将来に向けては先ほど先生お話ございましたように、高品位テレビでありますとかPCM放送といったような多角的な利用の実現に向けて努力をいたしまして、これまで努力をいたしてまいりました開発成果というものを視聴者に還元していきたいというふうに考えるわけでございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 今お答えになった問題はまた後で触れたいと思いますから次に進みますが、衛星放送はメディアの特徴から見て全国画一放送になるわけです。したがって、NHKのこれからの放送というのは衛星放送中心というようなことになって、そのことが必然的にローカル放送の切り捨てにつながるのではないかという心配が出てくるわけであります。ローカル放送の重視というのは当委員会で何回か決議をしておるように、私どもは、ローカル放送を重要視しなければならぬ、評判も非常にいいし大事なことだということを何遍もここでやりとりをしてきたわけであります。それが切り捨てになるおそれがあるのではないかという心配が実は出てくるわけであります。  今、テレビが三十年の歴史を経たわけでありますが、この歴史を振り返ってみたときに、メディアが大体すべてのもののいわゆる中央集中化ということになってしまった。すべて中央に集中化されてきた。あるいはそれによって文化の画一化ということも言われておるようでありますが、そういう傾向がこの三十年の歴史を振り返ってみたときにあらわれておるように思うのであります。そういう画一化あるいは中央集中化、そういうものに対する反省がなければならぬと私は思います。  こうした観点に立ったときに、これからの衛星時代だから一体ローカル放送の充実と強化ということとはどういう関係になるだろうか、この点が非常に心配になってくることを先ほど申し上げましたけれども、私どもとしては、これからもローカル放送の充実と強化というものに対して力を注いでいかなきゃならぬ、このように思うのであります。これまでの地上波というのは、ローカル放送とそれから公共放送として全く民放とは異なる教養とか報道とかそういう基本的な放送がこれからも行われなければならぬ、このように思います。片や、この新しく出てくる衛星の波というのは、先ほどお話がございましたようにメディアの特質を生かしたいわゆる高品位テレビやそれから地上波にはない特徴を生かした専門的番組、言うならば付加価値的な利用を考える衛星の波でなければならぬ、このように思うのですが、具体的に将来NHKはこの付加価値的な利用をどういうものに求めようとしておられるか、これをちょっとお伺いしたい。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 このBS2におきましては、二つのチャンネルで地上テレビジョン放送の難視解消を図るということを基本に、総合教育テレビジョン番組を中心に編成いたしてまいりますけれども、先ほど申し上げましたように、この衛星放送の普及促進というための編成上の工夫も行っていきたいというふうに考えるわけでございます。  この衛星放送というものが、今先生御指摘のように、現段階におきましてはやはり全国同一の番組でございますけれども、私どもはローカル放送というものを非常に重要に考えていることは従来と変わりないわけでございまして、今度のこの三年間の経営計画にもローカル放送の充実ということを大きく挙げているわけでございます。将来につきましては、衛星放送の全国的な普及というものが大多数の視聴者に行き渡った場合におきましては、当然衛星放送というものの特質を生かすような考え方に立たなければいけないと思うわけでございますけれども、私どもは、まず現段階におきましては難視聴解消を目標といたしまして進みながら、将来の衛星放送の持つ可能性というものを十分に開拓をしていきたいというふうに考えているわけでございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 今の答弁を聞いておりますと難視聴という言葉がたびたび出てくるようでありますが、先ほど申し上げるように、これは確かに難視聴の解消に役立つことはもう言をまたないのであります。しかし、問題はそれだけであってはならない、このことをきょうは私は主張したいのであります。  次に、この衛星による放送と受信料のあり方について、NHKの考え方をお伺いしたいのであります。  放送衛星ゆり二号が打ち上げになったわけですが、この経費は約六百億円、そのうちNHKの負担は六〇%、三百六十億円、こういうことがこれまでの説明でございました。提出されました五十九年度予算の衛星直接経費は、設備と番組の制作だけで約百四十億円、その他すべてを含めますと二百億円を超すと聞いておるのであります。もしこのまま五十九年度に受信料を値上げしない場合、五十九年度の赤字見通しは約三百四十億円、このように聞いておるわけであります。この三百四十億円という数字は、今NHKが非常に努力をしておられる効率化あるいは経費の節減、そういう点を例えば五十八年度に例をとってみますと、効率化と経費節減とによって三百億円近い金が実は捻出される。これは大変な努力だと思うのですが、そういうことが私どもの耳に入ってきます。もし今回衛星放送の負担がなければ、受信料の値上げはもう一年ぐらい延ばされておるのではないか、このように計算上は出てくるのであります。さらに放送衛星三号、これはさらに費用がふえて約八百億円と言われております。この負担はNHKはさらに二号よりも増大することになるだろうと思われます。そうなれば、これから三年か四年後に再び受信料の値上げということが、今の状況から推察するならば出てくるわけであります。先ほどから何遍も答弁がございますが、四十二万世帯の難視聴解消のためにこの膨大な金が支出されるのだ、こういうことであっては一般の受信者の納得は到底得られないと思います。  このように考えできますと、衛星放送がある程度現行の地上の波の放送と違った番組を送り始めたときに、いわゆる受益者負担の原則に立って、衛星受信料の設定も考えてもいいのではないかと思われますが、これにはまた異論もあると思うのですけれども、この衛星料金というのは現在だって白黒とカラーテレビとあるわけですし、そういう点を考えますと、同じ考え方で付加料金として現在の放送法の枠内でそういうことは可能であるというふうにも考えられますが、NHKはこの点をどのようにお考えでしょうか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 今先生御指摘ございました将来についての衛星料金でございますけれども、私どもといたしましては、将来につきましてはこの普及の度合いあるいは番組サービスの充実、そういったような段階での費用の負担については、先生の御指摘のございました、直接受益者を対象とした料金の設定ということについても検討する必要があるというふうに考えてはいるわけでございます。そういった場合の新料金の設定ということは、現在の放送法の枠内で可能というふうに考えております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 五年の寿命の後に放送衛星第三号が出てくるということはもう既に想定されるわけですから、その時代は必ず来るに違いない。そのときに先ほどからいろいろ申し上げましたような内容でありますので、このことはNHKとしては今の段階から検討をしておかなければならぬ。そのときになって騒ぎ立てても始まりませんので、今のうちからそういう点についての検討を加えておかなければならぬし、そのことをある程度、現在の受信料を払っている方々にも周知してもらわなければ、四十二万のために何でこんな莫大な金を投じてやらなければならぬのか、その負担を何で我々が持たなければならぬのか、それがまた受信料の不払いにつながるようなことがあってはならぬわけでありますから、この点は十分考えて対処をしてもらわなければならぬ、こう思います。  これに関連して、次に今後のNHKの財政的な観点に立ってNHKの考え方をお聞きしたいのでありますが、放送衛星三号の段階になりますと、NHKの二波のほかに民放の一波が衛星放送に乗って出てくるということはもう既に周知されているとおりであります。このチャンネルをねらって今認可の申請を出している者は、マスコミによって既に十三グループが明らかになっておるようでありまして、なかなか熾烈な競争が、今のうちから始まっておるというふうに我々は理解しておるわけであります。  この第三号に民放が乗った場合、一体どういうことになるだろうか、これも今のうちから検討を加えておかなければならぬ問題点であろうと思うのであります。民間放送はこの三号に衛星放送のチャンネルを一チャンネル仮に使用した場合に、どういうやり方をするだろうか。既にいろいろなうわさが流れておりますが、現在ある民放の地上放送局のコマーシャルとの競合問題が出てくることはもう間違いないと思います。その競合を避けるために民放は衛星放送を有料制にするのではないか、こういうことが言われております。もちろん徴収方法についてはいろいろな考え方があって、今のところ定かではありません。しかしそうなれば受信料というものは今までのようにNHKだけのものではなくなってしまう。NHKと民放と両方に受信料というものが出てくる。これはいまだかつてなかったことでありますが、そういうことが出現する可能性は十分にあると思わなければならないと思います。  こういうふうにして民放も加わって、その民放が独自の受信料を取るという形になったときに、衛星の打ち上げあるいはその運営、そういうものを行うところの機構というものは、別な事業体によるいわゆる機構を設置する必要が当然出てくるのではないか。私はこれからこのことを郵政省とNHKに聞きたいんですが、NHKと分離をしたいわゆる通信衛星機構のような別の事業体が関係機関の協力によって設立されてもよいのではないか、このように思うのです。  おわかりいただけたと思いますが、打ち上げあるいはこの放送衛星の運営について、民放も利用し受信料も取る、NHKもこれを利用し受信料も取っておる。そうなってくると、そういう別な事業体ができてもいい、それは通信衛星機構のようなものではないだろうか、こういうように思うのです。そうでなければ、いわゆるソフト部分はNHKや民放がやる、放送衛星のハード部分というものはNHKから切り離して別な事業体にしないと、このニューメディア部門の財政負担がNHKの財政を極度に圧迫してNHKは再びそのために値上げをしなければいかぬ、こういうことになる危険性は当然私は考えられると思うのです。そうなってくると、この放送衛星のものをNHKが全部見ておるということになってくれば、これは先ほど申し上げるようにまたNHKの受信料の値上げにつながって、三千万の契約世帯というものの理解を得られなくなって、不払いがどんどん広がって、究極的にはNHKの財政を圧迫する、NHKの運営に大きな障害になる、こういうことすら考えられるわけでありますが、これからの、放送衛星二号の後に打ち続く五年後の放送衛星第三号の打ち上げは既に準備にかかるわけですから、その運営について民放が新しい受信料制度をとることばほぼ確実ではないかともう既に見られる今日、そのような事業体の問題について、NHKと郵政省はどのように考えておられるか、これをお伺いいたしたい。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 昭和六十三年度に打ち上げ予定の放送衛星三号につきましては、先生お話ございましたように、三チャンネルのうち二チャンネルはNHKでございますけれども、一チャンネルは新しく民放により利用されるということが予定されるということでございますが、その場合の有料方式ということのお話がございましたけれども、私どもは、やはり我が国の放送体制の基本というものは、受信料収入によるNHKとそれから広告料収入による民放、そういう併存というのが基本としてこれまでも行われてまいりましたし、今後もその基本が当然あるべきであろうというふうには考えているわけでございます。この放送衛星第三号によりますところの民放の有料方式というものがどういう形になりますか、私どもはまだつまびらかにいたしていないわけでございますけれども、当然それが直接料金を支払うというような形になってまいりますと、非常に受信料制度と似てくる点もございまして、NHKの経営あるいは財源に及ぼす影響というものは無視できないものが出てくるのではないかというふうに考えるわけでございます。  そうした中で、今先生新しい機構のお話があったわけでございますけれども、私どもといたしましては、それじゃそういった新しい機構ができました場合にも、その運営してまいりますところの具体的な財源が一体どういうふうな形で考えられるのか。現在の通信・放送衛星機構にいたしましても、これもNHKが出捐をしているわけでございますし、それからBS2との連結というような関係で、そういった問題がいろいろあろうかと存じますので、具体的にはちょっとその点についてはお返事申し上げられないわけでございます。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 BS2以降の放送衛星は実用に供するものであることは御存じのとおりでございますけれども、ただいまお話のございました経費の問題につきましては、開発あるいは運営等の経費は基本的には衛星の利用者が負担するというふうに私ども考えているところでございます。  その中で、BS2につきましては、先ほどNHKの方からお答えございましたように、NHKがこれを利用するということになっておるわけでございますが、BS3につきましては、NHKのほかに一般放送事業者が一チャンネルを利用するということになっておりまして、NHKの二チャンネルと一般放送事業者の一チャンネル、その利用割合に応じて分担をしていただくことにいたしております。BS2、BS3の段階、両方におきましては開発的要素というものがございますので、その点を勘案いたしまして国もその経費を分担して開発を進めるということになっているところでございます。  ただ、御指摘のように放送衛星開発のためには先行的、同時に短期間に、しかも多額の経費を必要とするという点がございます。したがいまして、BS4以降の開発につきましては、BS2あるいはBS3の経験あるいはユーザーの意見なども聞きながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、先ほどお話のございました有料放送でございますが、昨年の十一月十八日に郵政省といたしまして「放送衛星三号に関する当面の進め方」というものを定めました。これは、BS3の開発を進めるに当たって当面必要とする主要なポイントを幾つか固めたわけでございます。その中では、BS3による一般放送事業者は、基本的には現在行っておりますコマーシャル、つまり広告料収入と有料方式収入とにより行うものとするという考え方を示したところでございますが、この有料方式と申しますのは、実際に番組を見たいという希望をお持ちの方がそれに対して料金を支払うという方式でございます。これとコマーシャルによるものとの併用ということを私どもは考えているわけでございます。一方で、NHKの現在の受信料方式は、しばしば申し上げておりますように、公共機関としてのNHKを維持運営していくための公的な、非常に特殊な負担金という考え方をとっているわけでございまして、有料方式と申しますものとは性格的には異なるところがございます。ただ、それらが相互に影響し合うという点は当然起こってまいりますので、このあたりは、民間のBS3によります衛星放送が行われます中で、これもまた将来の問題として検討してまいりたいと考えているところでございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 確かに、お答えのように将来のことですから今直ちにどうだこうだということは断言できないことはよくわかります。しかし、もう既に計画的に国民の前に明らかになったことですから、BS3はあれだけの金額でいつごろ打ち上げる、内容はこうだと、みんなわかったわけですから、これに対してNHKも郵政省も的確な対策を今のうちから立てておかなきゃならぬ。その場になって大騒ぎをして、やれその結果また受信料が上がったとかいうようなことであってはならぬ。したがって、先ほどあなたがおっしゃったように、開発経費、私が新しい機構と言うのは、そういう開発経費、そういうものがすべてNHKに重くのしかかって、それがまた受信料にはね返って値上げ、それがまた財政の赤字になって運営が難しくなってくるという悪循環を来すのではないか、そのことを心配するがゆえに開発機構のようなものをつくって、この打ち上げの経費やあるいは運営については別な事業体がやって、NHKにはそういう点負担がすべてかからないように、民放もやることですから、新しい機構の方がいいじゃないか、そういう検討も加えるべきではないかということを主張したわけでありますから、これは検討事項にしていただいて結構であります。  もう一つ、ローカル放送についてお伺いいたしますが、先ほど冒頭に申し上げたように、放送衛星が上げられてそちらの方が中心になって、ローカル放送がおろそかになり、後退をするようなことがあってはならぬ、こういう点を指摘したわけですが、これについてそういうことのないように努力をしたい、こういう話でございましたから、それはそれなりにわかります。ぜひこのローカル放送というのは、それなりに立派な業績を上げて評価も高いわけですから、後退をしないようにしてもらわなければならぬ。去年のこの予算の審議のときに、私は県複局あるいは通信部の存在の価値について申し上げたわけですが、そのことはいささかも変わりはないというふうに思っておるわけです。  かつてNHKは、各ローカル局に放送劇団とかあるいは合唱団とか児童劇団とか放送作家グループとか、いろんなグループや劇団があったことを私はよく覚えておりますが、これはローカル放送の減少とともに姿を消してしまっておる。ほとんど今大局以外にはそれを見ることができない。このかつてあった放送劇団とか合唱団とか児童劇団とかというものは、地方文化の振興に非常に大きな役に立ったんです。そういう評価が今なお残っておるわけです。そういうことはやはりNHKはおろそかにしてはならぬ、私はそういうふうに思うんです。そういう意味で、このローカル番組の立派なものを一生懸命つくっておる各ローカル局のそういう人たちの意欲を減退させないように、今後のNHKの事業運営について、私は特段の配慮をしてもらわなければならぬ、このように思うんですが、ひとつ会長の御見解を承りたいと思います。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 大変示唆に富んだ有益な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。  放送衛星につきましても、御指摘のとおり、私どもはただ単に難視解消だけというふうには考えておりません。これだけの経費を投じて開発した衛星でございますし、またこの衛星の持つ能力というのは非常に多面的、多角的に将来発展、活用が予想されます。それは十分に活用して、視聴者の方にその利益を還元すべきものだと思っております。したがいまして、番組の編成等につきましても、着実な道を歩みながら十分新しいサービスができるように考えてまいりたいと思いますし、ローカル放送につきましても、これは衛星放送におきましても、あらゆる方途を考慮いたしまして、十分ローカルの実情が衛星放送からも紹介できるように、また衛星の技術がさらに発展すれば、全国放送だけでなくて、幾つかの地域に分けて放送することも恐らく可能になるであろうと思いますし、それからもちろん地上におきます私どもの持っておりますネットワークと有機的な連携をとりまして、各地方地方に対するサービスは十分に努めてまいりたい。特に今御指摘のありますように、NHKはやはり地方の放送局はそれぞれの地域における情報あるいは文化の中心になるべき存在だろうと思います。いろいろ財政事情等もあり、また世の中の進展に伴いましてやる仕事は変化してまいりますけれども、常にその各地域の情報、文化の中心であるべく大いに努力をしてまいりたいと思います。  今度の事業計画の中におきましても、ローカル放送につきましては格段の拡充を図りたいと考えておりますので、今後ますます御指導をいただきたいと思います。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 時間が来ましたので、最後にひとつ要望をしておきたいことがあります。  中国残留孤児の問題であります。この中国残留孤児の問題は、先ほど日中両国で口上書が交換をされて、肉親捜しがこれから計画的に行われるようになった、こういう報道もされておりまして、大変結構なことだと思います。この残留孤児が日本に来て、テレビの番組を通じて、非常にNHKの報道によって効果が上がっておる、これは大変いいことだと思うんです。「シルクロード」も大変結構ですが、こういうものにNHKがもっと力を入れて、できるならば特別に調査団を旧満州東北地方に送ってそしてビデオを撮って、全国的にそれを放映するとかそういうような努力をおやりになったならば一層効果が上がるのじゃないだろうかということを私はかねがね考えておりました。  二十五年ほど前に私は長春に行ったときに、数人の御婦人が日本人だと言ってきまして、私は一人子供を頼まれて、とうとう二十五年前に捜し出しましたが、そういうことを自分で経験をしておるがゆえに、あの旧満州の孤児の問題というのは大変重要な政治課題だと思っています。もう一刻も許されない。むしろこれからはだんだん難しくなってくる。日にちがたてばたつほど難しい。だから、一日も早くこれをやらなければならぬ。そのためにはNHKの果たす役割は非常に大きいというふうに思うんです。ですから、「シルクロード」のようなことはできないにしても、例えばビデオを撮ってそれを放映をするとか、そういうような調査方法でもひとつNHKが考えられたらどうだろうか。それは外交的な問題もございますから難しいでしょうが、郵政大臣は外交的なものの専門家ですから、その点はまた郵政大臣の方でも努力してもらって、何とかテレビ番組というものを一〇〇%以上活用して、ぜひこの中国残留孤児の問題が少しでも解明する方向に行くように努力をNHKにしてもらいたい。  もう時間が来ましたからこれ以上のことを申し上げませんが、この点についてお考えがあればお伺いをして終わりたいと思います。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 中国に残留しておられる孤児の方々の問題については、これはまことに人道上の問題でございます。NHKができることがございましたら、できるだけのことはしたいというふうに考えております。  ただ、この問題につきましては、やはり非常に微妙な政治問題といいますか、国際問題と申しますか、政府間での話し合いも大変必要といいますか、そういう面もございますので、この点はまた政府側の方の処置と対応いたしまして努力をしてまいりたいと考えております。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 どうも貴重な御意見ありがとうございました。  確かにテレビがあの中国残留孤児捜しに果たしておる役割というのは、もう本当にドラマ以上の、私もいつもあの肉親との場面を画像から得て涙している一人でございますけれども、先生も御一緒だと思います。  ただ、箕輸大臣当時も、この問題に関しては民放も、NHKももちろんでございますが、大変な協力は約していただいておるようでございます。私も主管省である厚生省に働きかけまして、いま御指摘のような方向にぜひ一日も早くそういった現地取材も含めてできるような努力をいたしたいと思っております。ただ、もう先生先刻御承知のとおり中国側の受け入れ態勢の問題もございますし、そしてまた養父母、これは先生方の御努力で大体解決しておることでございますけれども、やはり養い父母の手当の問題等々背後に政治的な問題も多少残されておりますので、そういった点も勘案いたしまして、一あと残されて千秋の思いで待っている方々がまだ相当数おられることもはっきりしておるわけですから、できるだけ放送行政を預かっておる立場としても御協力申し上げなければいかぬと思っております。頑張って努力したいと思います。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部委員 終わります。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 鈴木強君。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 最初に電波監理局長にお伺いいたしますが、民放のFM放送、これは既に免許をおろしてよろしいということでチャンネルプランが決まっておる地域がございます。そこがなかなか遅々として進んでおりません。特に私の山梨の選挙区も、これは出願者が多くてジグザグしているのですけれども、現状はどうなっておりますか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 お答えいたします。  民放のFM放送の問題でございますけれども、五十七年十月に第四次のチャンネルの割り当てをいたしました。この対象地区は二十二の地区でございます。そのほかに、第三次で割り当てをいたしました中で金沢地区が一つ残っているわけでございますが、現在までに予備免許をいたしましたものが五つございます。それから一本化調整の依頼をいたしましたところが十一ございます。したがいまして、予備免許あるいは一本化調整の依頼に至らないのが六の地区残っておるわけでございますけれども、お話のございました山梨県につきましては、残りました六の中に入っている状況でございまして、つまり、今のところ一本化調整の御依頼を申し上げるまでに至っていないという状況でございますが、私どもといたしましては、できるだけ一本化の依頼ができるような状況になることを期待を申し上げているというところでございます。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 郵政省が積極的に乗り出していただくことが必要だと思うのですね。あっち向いたりこっち向いたりしていたらなかなか進まないのですよ。せっかく割り当てがあっても、それが宝の持ちぐされになっているわけです。NHKの方は既に全国にFMがある、こうなっているわけですから、やはり民放も早くやってほしいという気持ちには変わりないわけですから、そこでお互いに互譲の精神で譲らなければこれはできないわけですから、その積極的な役割をひとつ今後も果たしてもらいたい。大臣、これは大変難しい問題ですから、事務当局でなくて大臣もひとつ乗り出して、積極的な一本化の調整をやってくれませんか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 本当に、あまねく余り地域格差のないような形で波の恩恵を受けるというのは、これは地域の皆さん方の大変な熱望でございます。残されたところも御指摘のとおりあるわけでございますので、一日も早くそういう方向になるように努力いたします。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 それで、大臣に最初にお尋ねをいたしますが、今提案されておりますNHKの五十九年度の予算は、受信料が値上げされるということを前提にして編成をされておるのでございます。大臣の先ほどの御説明によりますと、値上げの理由はNHKの「最近の経営状況及び今後の見通し等にかんがみ、財政基盤の安定を図るため」と言われておりますが、ちょっとこれは抽象的でよくわかりません。したがって、いま少しく全国の視聴者になるほどなというふうに理解してもらえるような説明をしていただきたいと思います。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 NHKの経営状況でございますけれども、五十八年度の予算におきまして、予算上百七十億円の赤字が計上されております。この百七十億円は、最終的には若干縮減されるであろうというふうに予測がされていると承知をいたしておりますが、それが一つ。それから、これから先三カ年間の見通しにおきまして、一つは受信料収入の伸びがほぼ限界に達しているという点がございます。それから支出の面におきまして、NHKの方で大変な御努力の結果としまして、三カ年間で六百人という要員の効率化を予定をしておられます。なおかつその他の経費につきまして徹底した削減を行うということによりましても、なおかつ収支の不均衡が避けられないという状況にあると私どもも見たわけでございます。そこで、協会の財政基盤の安定化を図るという観点、そしてまた公共放送機関としてのNHKの社会的使命達成のため、受信料額の改定はこの際やむを得ない、このように判断をした次第でございます。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 今、電波監理局長な言ったとおりでございますけれども、私も、初めての仕事が、この公共料金の値上げばかり続いているときにNHKの値上げという形で来たものですから、本当に抵抗を感じたことは事実でございます。率直に申し上げます。したがいまして、人員の効率化も、そういった人減らしの面も含めて、今後ともぎりぎりいっぱいの努力を払ってくれるか、あるいは現状はどうかという形に関しても、精細にいろいろな意見を聴取したことも事実でございます。しかし、他方やはり国民は非常に最近番組内容のサービスの充実も望んでおりますし、先ほど来御指摘ありましたようにニューメディアに対応する公共放送機関のあり方等々いろいろな国民要望も踏まえて考えるときに、この際つらいけれども聴視料を負担願うことによってその使命を全うし、今後の経営安定ということが全うできるのじゃなかろうかと決意したわけでございます。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 私の聞きたいポイントは、今のこともそうですが、前回五十五年度に料金改定をなさった際、五十七年度までは料金値上げはしないで済むということを言明しておるわけです。しかしこれが一年間、五十八年度は値上げをしないで済んだわけですね。したがって、この間におけるNHKの全職員の努力というものは、私は評価していいと思うのですよ。そういうふうな評価の上に立って、このまま行けば、五十八年度百七十億の赤字が出てくる。来年度は三百三十三億、合計五百億の赤字が出てくる。今まで、実際NHKが国会に毎年予算を提案してくるわけですから、我々も経費の節約を含めてできるだけの努力を要請してきましたね。ですから、実際その負託にこたえているのかどうなのかということがやはり基本なんですよ。私は、率直に言って、今申し上げたように、少なくとも一年間値上げをしないで済んだということの努力は、これはみんなで評価していいと思うのです。鉛筆一本でも紙一枚でも節約をして、そしてできるだけいい番組をつくりながら視聴者の御迷惑になる受信料は上げないでおこうという、そういう基本的な姿勢に立って会長以下努力されたということは私は認めていいと思うのです。  だからこそ我々も今度も、これは公共料金の値上げですよね。しかし我が党も、公共放送の必要性というものをますます十分に認識をし、過去NHKはこれだけの努力をしてきておるということも評価し、やむを得ずと言うとあれですが、とにかく賛成していこうという態度を決めているのはそこにあるわけです。ですからその辺の分析を、大臣御就任されて日が浅いのですけれども、しっかり勉強されておりまして、敬意を表しますが、もう少し事務当局あたりは、そういう国会で約束した三カ年の計画というものがどういうふうにやられてきたかという、その成果の測定というものをちゃんとやった上で、もし足りない点があれば、その点はぴしっと、こうしなさい、これはこうやりなさいということを指摘しつつ前進的な意見書を出さなければだめじゃないかと思って私は質問をしたわけですよ。  ですから、大体今の大臣のお考えでわかりましたが、そこで問題になるのは、今武部委員からもちょっと触れられましたが、五十九年に上がるわけですから、六十年、六十一年どこう参りますね、一体協会として責任を持ってここまでは前回と同じように値上げをしないでも済むということがはっきり言えますか。言えたら言ってください。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 私どもは、今度の五十九年度予算を提出するに当たりまして、三カ年間の経営の見通しを立てました。もちろんこの前提といたしましては、消費者物価の値上がり等、大体現在の程度、三%ということを一つの前提といたしておりますけれども、そのもとに計画を立てまして、少なくとも、三カ年間はこの料金をもって必ず実行いたしますということを国会に提案しているわけでございますから、その三カ年間は絶対に値上げは考えません。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 私ども資料を拝見しますと、五十九年度は百八十億黒字になるわけですね。先ほども説明がありました。六十年度は九十五億、六十一年度は赤字十一億になりますが、繰り越しがございますので、たしか百八億ぐらいの剰余金が出ると思いますから、恐らく六十一年までは大丈夫だろう、普通考えてみてもそう思うわけでございます。しかし、ぜひひとつできるだけの努力をされて、前と同じように少しでも受信料を上げないで済むような最善の努力をしていただきたいということを私は強く要望をいたしておきます。  そこで大臣に意見書のことでちょっとお伺いしたいのですが、大臣の意見書を拝見しますと、今後協会は事業計画等の実施に当たっては、特に配慮すべき点として、四つを挙げているわけです。これは一般論として私はよくわかります。ただ、この際ひとつぜひ大臣とそれから会長の所信を明確にしておいていただきたいのは、その第一項にございます「業務運営体制の見直し、要員の一層の効率化等経営の合理化を徹底するとともに、極力経費の節減に努めること。」と言っておるわけでございます。この点につきましては、効率化あるいは合理化、これはなかなか難しいものでございまして、私も労働組合運動も長いことやってまいりましたが、やはり効率化、合理化というようなものをやる場合には、そこに働いている労働者、NHKには日放労という労働組合があるわけですから、その組合と十分話し合いをして、そこに働く者の深い理解と納得を得なければこれは成功しない、私はこういうふうに思います。大体合理化というのは、NHKの場合で言うならば、視聴者の方々もよくなる、経営をする経営者の方々もよくなる、それから、そこに働いている人たちもよくなる、このメリットというものが均等に、完全に均等とは言いませんけれども、配分されていくことが合理化の三大条件だと私は心得ております。私は全電通におりまして、四千二百万の加入電話をふやす際に、合理化問題については正面から取り組んでやってきた経験から徴しても、このことは非常に大事なことだと思います。したがって、大臣がここに述べられた点につきましては、今私が申し上げたような、あくまでもこれは話し合いをして、そして理解と納得を得て進んでいく。時には意見が合わないこともあるでしょう。しかしできるだけ納得を得て、そして働く人たちの意見を尊重してやるということでなければならぬと私は思うわけです。そのしわ寄せが働く者に行かないようにということを私は思って、この点を大臣に、意見書を書いた立場でどうかということを伺っておきたい。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 先生の御意見には全く同感でございます。私がここに経営の効率化あるいは合理化を書いたのは、全く働いている人たちのたゆまない努力によってこそ初めて達成されることでございます。わけて、公共放送の機関であるという使命感に燃えて、働く職場の皆さんが真剣になってやっていただかなければ、番組内容の充実、サービスも含めて達成できないことでございますから、その点は会長以下経営側も、労使一体体制のもとで、こういったできるだけ年限を延ばして受信料値上げにつながらないような形と同時に、番組内容の充実にも使命感に燃えて頑張ってくれるだろうと期待いたしておるわけでございます。全く同感でございます。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 大臣から明確な答えがございましたから、わかりました。ぜひそういう趣旨で協会側もこれから、日放労ともよく話し合いをしてやっていただきたいということをつけ加えて、これで終わります。  それから次に、犯罪報道の呼称の基本方針というものについてちょっと伺っておきたいのですが、NHKは今日まで逮捕者とか被告人については呼び捨てを原則としていたわけですね。ところが、今回、人権尊重とテレビの特性を考慮し、逮捕、公判段階では、原則として呼び捨てにしない、こういうように改めたわけですね。  何か、突如出てきたような気がするので、この背後に何があるのかなという気が率直に言って私はするのですね。  世界人権宣言第十一条一項を見ましても、これは明確に「犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する。」それから国際人権規約b規約第十四条二項には「刑事上の罪に問われているすべての者は、法律に基づいて有罪とされるまでは、無罪と推定される権利を有する。」こう書いてあるわけですね。確かに今まで、最近の免田事件や財田川事件や、いろいろな問題があります。何十年もの間獄中につながれて、何々と呼び捨てされて、そして大変つらかったと思うのですね。ですから私は、前から呼び捨てにすることについては抵抗を感じておりました。そういう意味においては、今回こういうふうにNHKが考え方を変えたということについては、私は基本的には賛成なんですね。だけれども、どうもちょっと、なぜ今の時期にぽかっと出てきたのかという疑問が一つあるわけです。  それからもう一つは、例えば逮捕段階では、逮捕者の地位、立場、職業等を含む肩書または容疑者という呼称をつけ、○○社長、○○容疑者と表現するということになっておりますね。しかし、この肩書と容疑者について、やはりそこに差別の扱いがあるのではないかというふうに思いますね。それから肩書が二つあった場合も三つあった場合も、一体何にするのか。そういうものがどこでどうなっていくのか。第一線で頑張る記者の皆さん、そしてデスクヘ来ますね、どこの段階でどうするのか、その点がよくわからぬわけです。私は、言論、報道、表現の自由というのは、憲法に障されておりますから、そのことについては百も承知です。ただ、放送法における公序良俗を害してはいけない、これを日本放送協会の放送番組の編成の基準にしなければならぬ。ですから、出てきた背景、ちょっと疑問ですけれども、今申し上げたような、例えば新聞協会とか民放連とがそれぞれの機関もあるのでしょう。しかし、これは基本的にはそれぞれの社が決めることですから、私がそれについてとやかく言うわけじゃありません。しかし、せっかくそういう機関もあるわけですし、読売新聞社を初めその他いろいろ、私はここに新聞、テレビ等の編集に対する倫理綱領を持っておりますけれども、そういうところとも若干のお話し合いをするようなことも必要ではないかなという気がするものですけれども、何か圧力があってつくったのじゃないでしょうか。そして、今私が疑問に思った点はどうなるのでしょうか。そこだけ答えてください。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 犯罪報道のあり方につきましては、最近の人権意識の高まり、それから社会の変化に伴う犯罪の多様化といったことがございます。マスコミ各社とも、かねてから重大な関心を持ってこの犯罪報道をどうすべきかということを考えてきたわけでございますが、特に五十六年の五月に新聞協会が「報道と人権」というシンポジウムを開きました。このシンポジウムをきっかけに、犯罪報道のあり方を検討しようというふうな機運が高まってまいりました。五十七年の一月には、既に新聞の方は朝日新聞が、それから五十七年の七月には読売新聞が、それぞれ新しい基準を明らかにしております。  NHKでは、逮捕者あるいは被告人につきましては、慣行として呼び捨てを原則にしてまいったわけでございます。ところが、放送、特にテレビにおきましては、呼び捨てというのは、新聞が持っておる活字メディア、活字が持っているイメージと違いまして、非常に強い印象を視聴者に与えるというふうなことがございます。そこで、現場での議論が絶えずあったところでございます。こういう機運の中で、昨年の一月から、ちょうど一年前でございますが、報道局での検討が始まりまして、その一年間のいろいろな検討の結果、成案がまとまって、この四月から実施をしようというふうなことに決めたものでございます。なお、共同通信でも昨年の十二月から新しい基準を実施しておりますし、それから民放では、ことしの二月からフジ・サンケイグループが、被告人には被告というのをつけよう、そういう原則を明らかにしております。しかしながら、NHKのように逮捕段階から新しい基準をつくりましたのは、マスコミ各社に先駆けたものでございまして、これについては新聞協会の方でも、それを受けて何らかの検討が始まるものかと思われます。  それから、先生御指摘の、今の時期になぜ呼称を変えたのかということでございますが、これは今申し上げましたように、今急に決めたのではございませんで、過去の長い経過の中で、しかも一年間の検討結果を経た上で決めたものでございます。あくまでも判断の理由あるいは背景というものは人権尊重の基本精神を貫いて報道するという姿勢そのものでございまして、NHKの中には報道と人権に関する委員会というものを常設をいたします。今後も、犯罪報道を初めとする報道と人権の問題については、多角的にかつ慎重に対応したいというふうに思っております。  それから、もう一つお話がありました逮捕時に肩書があった場合とない場合ですね。このことにつきましては、確かにそのことでまた新しい差別が生ずるというふうな危険性がございます。私どもとしては、差別を生じたりあるいは不公平感というふうなものを抱かせることがないように、例えば肩書のある方でも必ず一遍は何々容疑者というふうな呼称を使って、差別感のないように、不公平感のないようにというふうなことに心がけたいと思っております。以上でございます。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 人権尊重という意味からいいますと、私はいいことだと評価はしているのです。ただちょっと、一年間やったとおっしゃるけれども、どういうふうなことなのか、よくその点も子細に聞かなければわかりませんが、何か唐突に出てきたような気がいたしましたものですからお伺いしたわけでございます。  その次に、いよいよことしの七月二十八日から八月十二日の十六日間、国際オリンピック大会がロサンゼルスで開かれることになります。まずここで聞いておきたいのは、放送権料は幾らで、NHKと民放はどういうふうに分担するのか、それから、施設の利用費ですね、それから、現地番組制作費、こういったものは一体どうなっていくのか、それから、放送時間はどのくらい考えているのか、それから、取材要員としてはどの程度を派遣しようとしているのか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 ロサンゼルスのオリンピックにつきまして、今のお尋ねにお答え申し上げたいと思います。  まず放送権料の分担でございますが、御高承のとおり、ロサンゼルス・オリンピックの放送権料交渉というのは、当初向こうから四千三百万ドルという非常に高い金額の提示で始まっております。最終的には、相当長い経緯がございましたけれども、放送権料は千六百五十万ドル、それから技術提供料等のサービス料が二百万ドル、合計一千八百五十万ドルというふうなことで契約を締結いたしました。  この千六百五十万ドルにつきまして、NHKと民放連との負担割合は、ミュンヘン大会あるいはモントリオール大会の際の分担比率をそのまま適用いたしました。したがって、NHKが八六・七%、民放連が一三・三%というふうな分担率になっております。  民放連といたしましては、従来の大会同様に、NHKと民放側とが放送を同時にやった場合、視聴状況に非常に偏りが起こる、つまりNHKの方が見られて民放は見られなくなってしまうというふうな偏った状況が起こるであろうというようなことを予測しながら、モントリオール大会のおよそ十倍に当たる五億を負担するというふうなことになるので、この比率を適用してくれというふうなことを求めてきたわけでございます。NHKとしましては、今後ますます高騰が予想されるオリンピック放送権料や制作費を考えますと、日本ではNHKと民放が一体になって交渉し、あるいは制作をするというふうなことにしなければいけないというふうに思います。したがって、民放側が所要経費のために脱落しないようにするために、ある程度営業の可能性を図った上で譲るべきは譲るというふうにしなければいけないだろう、こういう判断をいたしまして、今のパーセンテージになったものでございます。  また技術提供料、サービス料が二百万ドルというふうなことになっておりますけれども、これにつきましてはNHKが全額負担するかわりに、共同制作費、これが日本円にして九億円ほどかかります、この金額を五〇%、五〇%、つまり折半するというふうなことで同意を求めまして、それで民放連、NHKの合意が成立したものでございます。  それから、現在計画を民放連と一緒に立てておりますけれども、放送に当たって派遣する要員というのは、現在のところ団長以下八十三人というふうに予定しております。このうち五十三人がNHKで三十人が民放というふうなことでございます。経費は、先ほど申し上げましたように、折半でございます。  それから放送計画でございます。NHKでは、今まだ競技の最終的なスケジュールが決まっておりませんので、その決定を待ちまして決めたいと思っておりますけれども、オリンピックは非常に国民的な関心を呼ぶものでございますから、十九時三十分または二十一時四十分からというふうなことで、なるべく的確にかつ漏れなくといいますか、国民の期待にこたえるオリンピック番組を編成したい、かように思っております。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 わかりました。  次に、五十八年度予算の承認の際に附帯決議をつけてございます。それは、当委員会でいろいろ論議いたしました結果、国際放送については拡充強化をする必要があるということでございました。したがって、その趣旨の附帯決議をつけました。それは、ここで申し上げるまでもございませんが、政府とNHKは、国際放送の交付金の増額を図ることと、送信施設の抜本的整備拡充計画を早急に樹立し、実現を図るように決めてあるわけでありますが、この点、実は政府の方も昨年同額の十億六百万を出しておりまして、そのほか改善費として二億五百万円が出ておるわけでありますが、ちょっと時間が実はなくなりました。したがって、現在まで政府、NHKが国際放送に対してどこまでやろうとする考え方をお持ちで、そして現状はどういうふうな経過になっておるか、そこのところをひとつ文書で後で出していただけませんか。ちょっと時間がありませんので、恐縮ですが、そういうふうにしていただきたいと思います。  その次には、これは会長、職員の給与の問題についてですが、昨年もたしかこの委員会で論議がございましたが、NHKの職員と同業他社との賃金格差というのははっきりしております。悪いです。私、ここに膨大な資料がありますが、これをちょっと見ましても、例えば三十五歳を例にとってみた場合に、他の放送会社を出して大変失礼でございますから、例えばA社といいますが、そこが三十三万三千円、それからB社は三十万九百九円。ところが、NHKの場合には二十七万八百四十円なんですね。低い。それから三十歳の場合をとってみると、A社が二十九万四百六十七円、B社が二十八万三千九百五十円、NHKは二十二万二千五十円、ここにも差がある。それから、念のために一年間の収入について一時金を含めて調べてみましたが、三十五歳の場合ですと、A社は五百五十三万円、B社は七百五十万八千二百円、NHKは四百七十二万九千五百円、これも少ない。三十歳を見ても、A社が四百四十一万円、B社が五百八十八万四千五百円、NHKが三百七十七万四千八百円、これも少ない。したがって、さっきもお話を私申し上げましたが、これから三年間、非常な新しいニューメディアの時代に入って、しかも放送衛星が五月から上がります。そういう中で定員をふやさずにやろうなんという考え方のようですけれども、大変なことになると思うのですね。ですから、さっきも大臣がおっしゃったように、非常に私は大臣のお気持ちはありがたく受けとめました。本当です、これは正直言って。そういうやはり気持ちがなければ、これは成功しませんよ。ですから、会長、できるだけ同業他社との格差を縮めるように努力してくださいよ。幸い弾力条項も私たちこの国会の中で途中で変更したのです、これは。そういういきさつもありますから、ぜひその点は配慮いただきたい、こう思いますので、その点だけ会長から、当事者からちょっと答えてください。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 私も、協会の職員の賃金が同業の他社に比べて低いということはよく承知しております。私としても、その責任からいっても、できるだけの処遇を職員にしてあげたいというふうに考えております。ただ、何分受信料という全国民の負担の上に成り立っている財政でございますので、やはり社会的な配慮も必要かと思いますけれども、しかし、その範囲内であるいは予算の許す範囲内で私は最大限の努力をして職員の処遇を考えてまいりたいと考えております。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 それから、最後になりますが、新しい番組を編成して、四月一日からですか、おやりになるようでございますが、ニュース、報道、ローカル放送、子供向け番組、娯楽番組、教養番組、学校教育番組、それから再放送を含め、衛星の第一テレビ、第二テレビ、いろいろございます。しかもテレビの文字多重放送、音声多重放送、これらは、文字は東京、大阪だけですから、実用化試験局でございますけれども、できるだけこれをふやしていくということですね。それから音声多重は一日平均三時間やっておりますけれども、これもふやしてもらわなければならぬ。盛りだくさんの要求があるわけですね。何といっても、勝負は番組ですよ。視聴率がいいとか悪いとかということをゆうべも何かテレビでやっておりましたけれども、それはそれで私はいいと思うのですよ。NHKというのは、たとえ何人であっても、視聴率が少なくとも、本当に国民が欲しい番組というのをつくってやるのがNHKの使命だと思うのですね。そういう意味で、これからの番組の編成についてはぜひ最善の努力をして、これがもう目玉でございますから、NHKが滅びるも栄えるもここにあると思うのです。そして国民の教養を高め、文化の向上に尽くすというのが放送法の精神です。そのためにひとつ全力を尽くしてもらいたいと思うのです。  大臣は「おしん」さんはごらんになったですか。そしてどんなに感じたですか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 時々でしかございませんけれども、小さいおしんさんの苦労している時期のときはよく見ましたけれども、最近は余り見ません。まあ生き方には大変感動いたしております。私なりに大変教わるところも多い番組だと思っております。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 お忙しいお体ですからね、再放送があってもなかなか見られないと思うのですが、私は、若者にとっては、確かにそういう苦しい時代があったのかなという認識を十分持ってくれたと思うのです。我々が昔話をしても、わら草履を履いて一里の道を、足袋をはかないで雪の中を通学したなんと言ったってわからないですよ。そんなことはおっさん昔のことだというので、わからぬ。しかし、あのことによって、私はそういう気持ちがわかってくれたと思うのですね。それからもう一つは、我々のような高年齢者になりますと郷愁があります。同時に、我々は修身を教わったんですが、そういう意味からいって、今の時代に対する不満みたいなのが我々にはありますね。そういうものに対して「おしん」というのが共感を得た。明治、大正、昭和にわたって非常にその移り変わりというものが描写されておって、視聴率は五〇%を超しているということでございます。まさにNHKのヒットだったと思うのですね。しかし、大臣おっしゃったように、初めの小林綾子さんのやっていたとき、あの迫力というのはその後だんだん衰えているね。これはみんなが言っていますよ。それで作者の方もちょっとくたびれたのか、失礼なことですけれども、あと一日、二日で終わるそうですけれども、そういうふうな感じを、これは感じですよ、感じをしていることを私は多くの人から聞くわけです。しかし、ヒットだった。ですから、こういう番組をNHKもつくれば、これがNHKだ、こういうことになる。これはぜひその点で頑張ってください。  経営委員長、せっかくおいでくださいましたが、大変だと思いますよ、ひとつ番組の編成についてはぜひ委員長としても頑張ってください。そして、さっき言った全体のNHKが前進できるような体制を経営委員長としてもぜひ執行部と一緒になってやってください。お願いします。

吉武信日本放送協会経営委員会委員長

○吉武参考人 お言葉のとおり、私、番組第一だと思っております。特に今芸能番組といいますか、そういう面が出ましたけれども、この報道に、何か大事件があったときなど、もしおくれますと、NHKにとっては重大な問題だと思っております。したがいまして、協会を信頼して、協会のお役人を、会長さんを任命しているのですから、できるだけ信頼して、細かいことを経営委員会でやるべきではないというように基本的には思っておりますけれども、羽田沖の事件のときその他、経営委員会でも非常に議論が沸きました。報道と番組に関しては、もちろん経営基盤ということも大事でありますけれども、本当に一生懸命やっていただきたいし、今おっしゃるように、六〇%の視聴率などというものは本当にありがたいことですから、私、非常に一生懸命やっておられるというように思っております。なお非常な関心を経営委員の皆さん方も持っておられることを申し上げておきます。どうもありがとうございます。

鈴木強日本社会党・護憲共同

○鈴木(強)委員 ありがとうございました。     —————————————

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件に対して、本日、国際電信電話株式会社常務取締役児島光雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 阿部未喜男君。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 協会の皆さんはきょうは大変忙しい中を御出席いただきまして御苦労に存じます。  最近NHKの番組が非常に好評を博しておる点につきましては、私どもまことに同慶に存じておるところでございます。一層の努力をお願いしたいと思います。冒頭お願いしておきますが、申し合わせた質問時間が非常に短うございますから、答弁も極めて簡潔にお願いいたします。  それでは質問に入ります。  まず、協会の方に、NHK経営計画に関する審議会というのをおつくりになったようでございますが、これはどういう性格のもので、どういう目的でおつくりになったのですか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 この審議会は、私どもが、五十五年度からの経営計画が終了いたしまして、それに引き続く経営計画として五十九年度以降の経営計画を策定しなければならないというふうに考えまして、その段階におきまして、昨年でございますけれども、NHKの定款に基づく会長の諮問機関としまして各界の有識者の御意見をちょうだいして、五十九年度以降の経営計画をつくるに当たって、できるだけ幅広くかつ有益な御意見をちょうだいしたいというふうに考えて設置したものでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 放送法の十三条には、「経営委員会は、協会の経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する。」こうなっておりますが、こういう特殊な審議会をつくらなければならないというのは、経営委員会が本来の能力を果たしていないから諮問されたのですか。どういうことですか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 経営委員会のそういう重要事項決定の権限を侵すとか、あるいは経営委員会の機能不十分ということでやったものでは決してございません。まず、この経営計画をつくるに当たりましては、執行機関である私どもが十分な検討をして、万全を期した経営計画の原案を策定しなければならない。その上で、これも経営委員会にお諮りしなければならないわけでありますから、私ども執行機関がそういう長期の経営計画をつくるに当たりまして、十分に議論をいたしながらやりましたけれども、独善に陥らないようにできるだけ各方面の御意見をちょうだいしようと、私の、会長の諮問機関として、まず経営計画をつくる前提として御意見をちょうだいしようということでつくったものでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 同じく放送法の二十六条、「会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する。」こうなっております。したがって、協会の経営の基本に関する部分は、設けられておる経営委員会が方針なり計画をお決めになる、それを受けて会長以下の役員がこれを遂行される、それが大体協会の経営の基本の姿勢ではないのですか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 経営の基本のところは、御指摘のとおり、経営委員会の指示に基づきまして私どもが執行に当たっていくということでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 それならば、経営委員会が自分たちの経営の計画をまとめるに当たってそういう諮問機関をおつくりになったというのなら、私は理解ができるのです。しかし、経営委員会がおつくりになったのではなくて、会長の諮問機関としておつくりになった。会長がおつくりになるなら、それはあくまでも執行の方の関係になるわけでございます。しかし、先般ちょっと伺いましたところによると、この審議会から料金の値上げもやむを得ないという答申をいただきましたのでと、まるで第三者が料金引き上げが妥当であろうというふうな答申をしてくれたから料金の引き上げに踏み切ったというようなお話でございますけれども、しかし、本来これは経営委員会がみずからの権限で決定し、責任を持つ性格のものである。私は率直に言いますが、経営委員会が十分な機能をしておるならば、屋上屋を重ねてこういう審議会を持つ必要はない。時間がないから急ぎますが、経営委員会が本当に機能をしているかしておらぬか、これから会議録を全部出してもらう。経営委員長、どうでしょう。

吉武信日本放送協会経営委員会委員長

○吉武参考人 今会長からお答えしましたように、会長の諮問機関と、私ども放送法で決まっておる重大問題に関しての権限と職責を持っている委員会とはちょっと違うように思います。もちろん阿部先生の御指摘のとおり、値上げをするなら経営委員会で決めればいいじゃないか、まさにそのとおりのことでございます。したがいまして、そういう意見は私どもの中では相当ございました。一番最初に会長からそういう気持ちがあるというふうなことを聞いたころは、委員の中に数名、ごく少数ですけれども、もし値上げをするなら経営委員会で議決して堂々とやればいいんじゃないかというような意見もありましたし、私も実はああいうものをつくるのはどうかというような意見を持っておって、雑談ではお互いにそういうことを話したことがございました。  しかし、実際にこれをやっていくとなりますと、各方面の方になるたけ御理解をいただきたいし、開かれたるNHKとして皆さん方の意見を聞きたいし、主婦の方なんかにも御理解をいただきたいというようなことをいろいろ議論しておりますと、同じようなことじゃないかという気はしながらも、そういう調査会をつくって執行部がいろいろと検討なさることも、外に対してマイナスよりプラスが多いのではなかろうか。実はそういう気持ちになって、あうんの呼吸と申しますか、協会の方でどうしてもやりたいという気持ちが出てきたのと、それでは始動として、問題の発端としてそういう調査会なり何なりを設けて皆さん方の意見をお聞きになるのもいいでしょうというようなことになりました。この機関をつくるに関して、たしか二回ぐらい会長から経営委員会に御報告がございました。重要問題に関しては、報告事項、議決事項のほかにいろいろ御報告をいただくのですが、最近は非常に率直にいろいろ意見を出していただき、経営委員会の意向を徴していただいておりますから、たしか二回ぐらいその問題を経営委員会で議論したと思います。そして、それではとにかく始動としてそれをおやりなさいというような立場で、経営委員会の仕事ではありますけれども、それは一月でしたか、四月前の二月か三月ごろの話ですから、一年先の議決のときには経営委員会独自で考え要しようということで、そういうことを報告事項として了承してまいりました。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 経営委員長のお考えはわかりましたけれども、私が申し上げましたように、協会の性格上、だれが考えてもこれは値上げをする以外に方法がないのですよ。公共放送の性格上、皆さんも恐らく賛成だと私は思うのですが、こんな隠れみのをつくって、審議会がこう言いましたから値上げをさせてくださいなんというのは自主性がなさ過ぎると思うのです。今経営委員長のおっしゃるように、なぜ経営委員会なり執行部が勇気と確信を持って、これ以外に方法はありませんということを国民に訴えないのか。隠れみのみたいなものをつくって、そこに隠れて自分だけいい子になろうとするその経営姿勢が、私はどうしても納得できないのです。これからもうこういうことに金は使わないように、立派な経営委員会があるはずですから、そうしてもらいたい。  そこで、経営委員長にお願いしておきたいのは、これは検討事項でしょうが、人事等の問題、これはちょっと問題がありましょうから必ずしも公表しなくていいですが、開かれた経営委員会として、経営委員会の議論の内容等については公表していただくことを原則としてやってもらいたい。いかがでしょうか。

吉武信日本放送協会経営委員会委員長

○吉武参考人 その点は実は何回も経営委員会では議論してまいりまして、そういう御要望が各所から出ていることも私ども承知しております。ただ、放送法にありますように、協会には経営委員のほか会長、副会長及び七名以上十名以内でしたか、役員を置くということになっておりまして、経営委員も非常勤ではございますけれども一応協会の役員ということになっております。まあ役員会の一種ということになります。したがって、形の上でもこれを公開するということはどうかということも考えます。と同時に、やはりいろいろな議決をするような場合に、なるたけ率直に経営委員の皆さん方に議論をしていただきたい。今度の値上げの問題でも、経営委員だけの議論を相当やりました。そういうものを公開することが果たしていいことか、結果としてどうだろうかという点で、なお踏み切れないものがございまして、現在非公開の方針をとっております。  ただ、今申されたような格好で、受信料というものによって運営されているのだから、国民に対しても開かれたところを見せればどうかという御意見に対して何か方法はないかというようなことを従来考えておりますけれども、今のところは経営委員会のスポークスマンとしての委員長が記者会見をするとか、あるいは「ニュースの窓」に出るとか、御要望がありましたらいつでも記者会見には応ずる態度をとっております。現在のところは、まことに御要望に沿いかねるような点ありますけれども、一応のメモだけはとっておりますが、議事録というものもとっておりませんし、非公開の方針で現時点においてはやっていきたいと思っております。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 大臣、政府が任命した経営委員でございますが、その経営委員会が何をやられるのかわからぬで、それで我々が経営委員会に任せておくわけにはまいりません。したがってこれからは、必要に応じて経営委員会の審議内容について国会に提出をしてもらうことがあり得る、こういうことをひとつ理解してもらいたいと思うのですが、大臣、どうお考えですか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 経営委員会が今まで、非公開はわかりますけれども議事録も何もとってない状況で審議が進められておるということは今聞いて知ったようなわけでございますが、確かにNHKという公共的な機関の上にあって重要事項決定権を持つ経営委員会でございますから、スポークスマンもさることながら、今後経営委員会の委員長ともそういった議事録体制の整備は御相談申し上げていくべきが至当であろうと思っております。御相談申し上げます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 せっかくの大臣の御答弁ですから、検討事項にしておいていただきます。大臣も検討したいとおっしゃっていますから、検討事項として残しておきたい。何かありますか。

吉武信日本放送協会経営委員会委員長

○吉武参考人 今、メモしかとっておりませんと申し上げたのはちょっと行き過ぎでございまして、簡単な、議事録というまでにはいきませんけれども、ずっと速記的な議事録はやっておりません。ただ、一応のメモ、メモといいますか、一応の経過のものはとっております。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 次に移りますが、大体今回の値上げの基本になるのは向こう三年間の経営の見通しのようでございますが、もし受信料の値上げをしないとすれば、向こう三年間に予想さるる累積赤字はどのくらいの額になるわけでございますか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 千三百二十一億程度の不足となるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 私の手元に、同じ日本放送協会が一月に出した資料がございますけれども、この資料によりますと、累積する赤字はおおむね千五百四十八億。この一五四八というのは私の頭から離れないのです。これが向こう三年間に予想さるる赤字の累積である。ところが二月に出てきた資料には千三百億、こうなっておるわけです。どうして一夜にしてこんなに変わってくるのですか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 私どもは、NHKの経営財政につきましては、でき得る限り視聴者側に……(阿部(未)委員「ほかのことはいいです、なぜ変わったかだけ言ってください。時間がない」と呼ぶ)これは収支をできるだけ詰める努力をいたしてきたわけでございます。千五百四十八億というのは昨年の秋に立てた見通しでずっとやってまいったわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 そこで非常に疑問が出てくるわけです。私のところのは一月になっていますが、一月の協会の資料では千五百四十八億になるのだ、こう僕らは思い込んできたわけです。ところが、新しい資料では千三百億にしかならない、こう言う。それならばもう少し節約すればゼロになるのではないか、一カ月でこのぐらい変わるなら、もうちょっと節約したらゼロになるのではないか。これはちょっと言い過ぎかもわかりませんが、その辺が、節約をすればこれだけ変わってくるというなら、まだまだ節約の余地は残っておるのではないか。この数字が措信できるものかどうか疑問に思わざるを得ないのです。これは簡単にわかりやすく説明してください。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 時期のずれが一つございます。先ほど坂倉が申しましたように、去年の秋に先ほどの審議会に提出しましたときの私どもの詰めた数字がそういう数字でございまして、その後実はそれに対しまして、先ほど経営委員長からもありましたけれども、経営委員会から、なおもう少し努力できぬかという御指摘もありました。それから私どもさらに中身を洗い直したことと、それから一点だけ、これは非常に数字的な問題ですけれども、千五百四十八億というのは、値上げをせずに借入金をした場合の金利まで含めた数字でございまして、先ほど坂倉が言った千三百二十億は、その金利は、値上げをすればそういうものは要りませんので、それが約百億近い金利が計算のダブりといいますか、差がございましたので、それは御理解いただきたいと思います。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 百億はわかりましたが、それにしても減ってくるのが一月百億ですから、十二カ月で千二百億減るのではないかと思って、もう少し待ってみたらどうだろうかという気にもなったのですが、次の質問に移ります。  先ほど同僚議員からもお話がありましたが、大変な効率化、僕らは合理化と呼んでいますが、協会が合理化に取り組んでいく。合理化は、さっき同僚議員も言ったように三者が納得できる内容のものでなければならぬというふうに考えるのですけれども、まず第一点、五十九年度二百名の人員整理を行う、三年間を見通して六百名の人員整理を行うことで予算上どのくらいの余裕ができるのですか。

横井昭日本放送協会理事

○横井参考人 お答え申し上げます。  三年間の六百人の減に伴う人件費の減は約八十二億でございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 恐らく計画によれば新規採用を抑える形になると思うのです。したがって、向こう三年間の見通しの中では、僕は六十億と思ったのですが、八十億ぐらいの節約になる。それは三年間全体の計画の千三百億という赤字の中では、その意味では余り大きな額にならないのですよ。ところが協会の合理化の一番大きい柱にこの二百人の人員整理、千五百人の削減を持ってきておるけれども、財政的に眺めてみるならば、今申し上げたように千三百億の中の三年間でわずかに八十億程度の予算の縮小といいましょうか、節約にしかならないわけですよ。一方では、さっきお話があったようにニューメディアの時期を迎えてたくさんの人手が要るでしょう。新しい開発にも人が要るでしょう。いいサービスをするためにも人が要るでしょう。そういう意味からするならば、私は今直ちにこの計画を変更せよとかするなとか、そういうことを言うのじゃありませんが、余り大きな額ではないということが私の頭の中に浮かんでくるわけなんですよ。これだけ鳴り物入りで大きな騒動をしながら、この人員の削減というものは向こう三年間を見通した程度ではそう大きなものではない。将来ずっと行けば別ですよ。別ですが、今とりあえず協会は三年間の計画をつくった。その三年間の計画の中ではわずか  わずかと言っては悪いが、大した額ではないではないか。千三百億の中のわずかに八十億程度のものではないのか、これはもっと生かした金の使い方があるのではないか、そういう意味で、そう大した額ではないのですから、さっき同僚議員からもお話があったようにパートナーである労働組合、働く人たちの側の意見も十分取り入れながらどういうふうに措置していくか考えてもらいたい。これは考えてもらいたいのですが、いいでしょうか。

横井昭日本放送協会理事

○横井参考人 先生御指摘のとおり、財政的に言いますと八十二億でございまして、全体の三年間の総経費から見ると微々たるものです。  問題は、効率化はやはり視聴者の理解と信頼を得る、それからさらに協会の中のこれからの財政基盤を確立する、こういう意味で我々はやっているわけで、そういう意味からいうならば何としてもみずからを厳しく律していく、そういう点で業務の刷新を図るためには要員の削減が不可欠の要素としてある。それをインパクトにして協会の業務を見直していきたい、こういう気持でおるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 協会の気持ちはわからないわけではありません。しかし、その三年間を見通してやるならば、後ほど申し上げますが、ニューメディアで使うか使わぬかわからない、わずかに難視聴の解消だけをするのに何百億も金を使うという、逆に率直に言いますとさしむき役にも立たぬものに膨大な金をつけていくことから考えれば、このことが必ずしも絶対のものなのかどうなのか。三年先から考えてみることじゃないのかということも言えると思いますので、十分議論をして話し合いをしてもらいたい、こう思います。  それから次にお願いいたしますが、放送法の三十二条の受信のできる設備というものはどういうものを言うのですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 お答え申し上げます。  放送法三十二条におきましては……(阿部(未)委員「簡単に言ってくださいよ。テレビならテレビだけ」と呼ぶ)はっきり言いまして協会の放送を受信できる機能を備えた受信機だというふうに考えております。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 それを持っておる人は「協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」となっていますが、これはどう理解していますか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 ちょっと御質問の御趣旨とずれるのかもしれませんが、先ほど来お話がございましたように、現在の受信料の性格と申しますのはNHKの業務を維持運営するための視聴者による負担金、特殊な負担金というように考えられるわけでございまして、それを法律的にまた実体的に保証していく上から契約についての義務を課しておるというふうに考えていいのではなかろうかと思います。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 私もそのとおり理解しておるのです。  そこで、それではそういう受信機を持っておる方、設備を持っておる者、これは設備が対象ですね、全部契約していますから。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 その点につきましては三十二条の三項でございますが、協会は第一項の契約の条項につきまして郵政大臣の認可の中で受信規約で定めるというような形になっておりまして、その受信規約におきまして、世帯の場合には世帯に二台以上の受信機が設けられた場合におきましても一つの契約とみなす、一つの契約とするというような形で定めておるところでございます。したがいまして、世帯の中で二台以上の受信機がある場合でも一契約というようなことでいたしておるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 大臣、余りお詳しくないと思うのですが、今契約の対象が世帯になっておるわけですね。世帯になっておるのですが、非常に不明確で、もともとこの法律の基本はそういう設備、いわゆる受信機に対して契約をするという性格だと私は思うのです。したがって、免除規定を適用しなければ、二台目以降を一つの世帯が持った場合には二台目からも金をもらわなければならない理屈になるのです。それを世帯という言葉で置きかえてやってきたから大変な問題が起こっておる。例えば家と事務所が続いておるときは同一の世帯です、世帯というのは別々ですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 事業所等の場合には設置場所ごとに契約を締結しなければならぬという形になっておるわけでございますが、具体的な適用の場合に、例えば個人業種で住居と店が連機しておるような場合など、一つの住居とみなされるような場合には、世帯契約の中で契約を締結するという形になっておるわけでございます。  したがいまして、具体的な例で申しますと、例えば床屋さんだとかあるいは全く個人で経営しておられる商売のところで、商売の中でありますようなテレビの場合には世帯契約の中に包含しておりますほか、特に大規模の事業所等におきます場合は、典型的な例でございますけれども、それらの事業所におきましては設置場所ごとに契約を結んでいただいておるということでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 ホテルの各部屋にある受信機はどういう考え方で契約するのですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 設置場所ごとでございますホテルの場合には、当然事業所でございまして、設置場所ごとに契約を結ぶことにいたしておるわけでございまして、部屋ごとということでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 なぜホテルは部屋ごとに世帯になるのですか。世帯という概念はどういうものなんですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 世帯と申しますのは、生計と住居をともにする人の集まりということで理解されておりまして、この場合には特に一般の生活世帯ということでございます。それから事業所につきましては、法人だとかそういうようなことで、世帯とは異にする生産的なあるいは商業的な一つの組織というふうに考えてよろしかろうかと思います。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 ホテルの場合は世帯ではないでしょう。機械を対象にして契約を結ばなければおかしいのですよ。世帯を持っておる人がいて泊まるのですよ。受信して見る人は、別に世帯を持っておる人がそこに泊まり合わせて見るだけなんですよ。したがって、あれは設備が対象になっちゃう。設備に対象がない限り理屈は成り立たぬはずですよ。どうですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 御指摘のとおりでございまして、ホテルの場合には設置した者というのはホテルの経営者でございまして、確かに視聴されるのはホテルの利用者であります世帯の方が視聴になるのかもしれませんが、設置した者が契約を締結しなければならない義務当事者でございますので、ホテルの経営者ということになるわけでございますし、ホテルの場合にはホテルの客室ごとに設置されておりますテレビにつきまして契約をしていただくということになっておるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 その場合は、世帯ではなくて客室ごとに契約をするということは、客室ごとに受像機があるから、いわゆる設備があるから契約するんであって、世帯だから契約するんじゃないでしょう。泊まらぬ人もおるのですよ。なぜそれが世帯になるのですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 私の御説明がちょっと不十分であったかと思いますが、現在の受信規約におきまして、「放送受信契約は、世帯ごとに行なうものとする。」ということを放送受信契約の単位を定めております規約の二条第一項に定めておりまして、それと同時に第二項におきまして、「事業所等住居以外の場所に設置する受信機について」は「受信機の設置場所ごとに行なうものとする。」というように、世帯の契約とそれから事業所等の契約につきましては明確に区別いたしました二つの体系の中で定めておるということでございます。したがいまして、ホテルに設置されておりますテレビの契約については世帯契約とは別の体系の契約だということでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 世帯じゃないでしょう。何が対象になるかと言ったら設備に対して契約する以外にないでしょうが。だから片方では設備を対象に契約しながら、片方では世帯を対象に契約をするという矛盾を犯さざるを得ないことになっておるでしょう、今の体系は。それを今僕は聞いているのです。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 契約の単位をどのように定めるかということにつきましては、結局のところ生活の実態だとか、あるいは視聴の実態に即して定めるということにせざるを得ないわけでございます。諸外国の例をとりましても、国によりましては……(阿部(未)委員「諸外国ではなくて、日本の放送法の話をしておるのだから」と呼ぶ)受信機ごとに定めることにいたしている場合はございますけれども、その運用といたしましては、全世界的に世帯を単位に契約することにいたしておりまして、結局それは生活の実態に即した形で定めるということではなかろうかというように考えるわけであります。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 参考までに言っておきますが、これは後から決算のときにもう少しやります、きょうは時間がありませんから。言っておきますが、例えば病院に入院した場合は、その入院されている患者がどんなに長く入院されておろうともこれはあなたのところは世帯とみなして、同一世帯とみなして契約をしないのです。この場合は。ところが、我々国会議員の場合、たとえ六カ月で落ちてやめるかもわからぬでも、両方ですよ、事務所の方も取れば、それから宿舎の方も契約するのです。そうでしょう。まるきり基本がなっていないのですよ、これは改めて議論しますが。だから世帯で対象にしておるところもあれば、設備を対象にしておるところもある。そういう運用をやらざるを得ないところに今NHKの契約対象に対する矛盾がある。これはもう少し整理しなきゃいかぬのじゃないかというのが、僕の質問したいところなんです。これはまた後で決算のときにやりますけれども、これはおかしいのです。取りやすいところから取るということになっておるのです。いいですか。  それでもう一つ大臣、大臣の事項ですから。初めから受信機を中心にしていきさえすれば、二台目からは例えば半額とか三分の一とかというような形で取ることも、これは法律上可能なんですよ。一台目は千円、二台目からは今度は五百円にしてもらいましょう、三台持つお方は、三台目は二百円、それも可能なんです。それをなぜ検討しないかと僕はもう今まで何度も言ってきたけれども、そういう点については協会が一向に耳を傾けようとしない。まことに私は残念なんですよ。もう少し国会を大事にしてもらいたい。それで僕は言ってきておるのですからね。きょうはこれはやめておきます、後がありますから。  その次に、国際放送についてですけれども、国際放送の予算というのは非常に予算書上わかりにくいのですね。これを見ますと、二十三億か何かなっていますが、実際に国際放送のために要する協会の予算はどのくらいになるのですか。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 お答えいたします。  国際放送の直接経費につきましては二十三億、予算書に書いてあるとおりでございますが、これを行います要員、それから機材の減価償却相当分を集計いたしますと、五十九年度は四十六億七千万になります。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 この四十六億の国際放送に要する費用のうち、政府から命令されてやらなければならない費用はどのくらいになりますか。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 先生御存じのとおり……(阿部(未)委員「別に存じておらぬから、何ぼになるか言ってくれ」と呼ぶ)国際放送につきましては九条の二にございますNHKの業務として本来やるべきものと、それから三十三条によって……(阿部(未)委員「そんなのいいから何ぼかかるかということ」と呼ぶ)命令につきましては命令書にありますように、金額の範囲において実行するようにということでございますので、私どもはその金額は十億六百万相当の経費というふうに認識しておるわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 ここがまた違うのですよ。命令をした分については政府が負担しなければならぬというふうになっておるのですよ。これが基本なんです。命令をした分は当然政府が負担するんだ。しかし、それが予算を超えてやるわけにはいきませんよというふうになっている。したがって、命令をした分は政府が負担するのが原則であって、ただしかし国が予算を決めた場合には、その予算を超えてやってはならないというのが法の建前であって、予算が先にあるのですか、命令された分は払うというのが先にあるのですか、どっちですか。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 私ども具体的に命令を受けます場合には命令書の形で参りますが、命令書の中には報道すべき内容と金額が明示してございますので、その金額の範囲で仕事をしろというふうに受け取っているわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 したがって、それが基本的には郵政省の責任になってくる。これは鴨さんの方ですか。あなた方が命令したのは、NHKに国際放送をやってもらって一体どれくらいお金がかかるとお考えになっているのですか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 我が国の国際放送の問題でございますけれども、放送法三十三条で命令いたします命令放送の費用につきましては、放送法三十五条により国の負担とされておりますが、私どもがこの国の負担として提出いたしておりますのが十億六百万円でございます。その範囲内で実施をしていただくということでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 できっこないでしょう、それは。だから今までも何回もこの委員会で僕は取り上げてきたのですよ。命令をしたらそれに見合うものは当然国が出さなければならない。かつて亡くなった大平さんが大蔵大臣のときに僕が質問したら、大蔵大臣が、必要なものは出します、ちゃんとこうおっしゃったのですよ。だからその後、ちゃんと話し合いをして決めていかなければいかぬ。一体命令したものが何ぼになるのだろうか、その計算さえできぬまま命令して、そして金額だけ決めてこれでやれというのは大体命令する方も無理なんですよ。しかし、これは内容が非常に複雑です。自前でやるのがあるし、命令した分があるのですから。そこで私は提案をして、命令した分と自前でやる分の割合をつくりなさい、自前の分が六割なら六割、四十三億の六割、それで四割は国が命令した分として国の負担にしなさい、そのことを話し合いなさいということをこれまた私は日が酸っぱくなるほど協会にも言ってあるし郵政省にも言ってある。もう何年になりますか。全然誠意を持ってそういうことを検討しようとしていないじゃないですか。進んでおるなら進んでおると答弁してください。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 私ども国際放送の重要性ということで、厳しい財政状況の中でございますけれども、これまでも極力交付金の増額に努力してまいっております。これからもそのつもりでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 大蔵省、お見えになっておりますね。大蔵省はかつて大平大蔵大臣がこの委員会で約束された、必要なものは出しますというこの考え方に変わりはありませんか。

日高壮平大蔵省主計局主計官

○日高説明員 かつて大平大蔵大臣が先生の御質問にお答えしたことは十分承知いたしておりますが、私どもといたしましては、現在の厳しい財政状況のもとで、なおかつ郵政省関連の一般会計予算が総額二百四十億程度と厳しい、非常に小さな金額だというような状況がございますので、そういう状況のもとにおきましてもできる限り増額する方向で努力をいたしておるということでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 極めて立派な答弁で、さすが大蔵省で、大臣がかわっても考え方は変わってないです。それなら郵政大臣、あなたの責任です。僕が提起しておる、大体どのくらいが妥当かは話し合ってください、協会が本来国際放送の中で何割を負担するのか、それから国が命令分として何割を負担するか話し合いをして決めていただいて、毎年毎年交付金が多い、少ないという議論をせぬで済むようにやっていただきたいと思うのです。いいですか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 極力検討してまいります。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 本気でやってもらわなければ困りますよ。  もう時間がなくなりましたから、実はニューメディアについてもう少し聞きたかったのですけれども、ただこれだけは聞かしておいてください。  さっき同僚議員から質問がありましたが、受益者負担という原則からいくならば、ニューメディアによる、いわゆる衛星放送による受信、この人たちには特別の料金を考えるかどうか検討する、こうおっしゃっていましたが、もう五月から始まるのです。そして一部パラボラアンテナをつければ、これは見えるのです。それをほったらかしておっていつごろからどうするのか、このニューメディアの開発の費用を全部、私は見なくていいという人までおっかぶせるのか、その辺を明確にしておいてください。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 先ほどもお答え申し上げましたけれども、放送衛星というのは難視聴解消というのが一つの大きな目的でございますし、NHKといたしましてはNHKの本来の大きな使命として全国の難視聴解消ということを今までもやってきたわけでございます。そしてそれは受信料でやらせていただいてきたわけでございまして、そういう意味では、難視聴解消という大きな目的の中にこの放送衛星というものを打ち上げるということは御理解いただけるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 難視聴解消だけで使う金にしては大き過ぎるのですよ。将来にわたっても負担が大き過ぎる。しからば直ちに一般の地上波を受けておる方々がパラボラアンテナをつけて衛星放送の受像をするかとなれば、これは私は率直に言って非常に疑問があるのです。だから難視聴解消だと、四十二万世帯のそのために文句なしにこの金を負担せよというのは無理があるような気がするから、先ほどから同僚議員も、新しい料金の体系を考えるかどうかということを質問しておるのですから、これはぜひひとつ考えてもらいたい。もう答弁は要りません。  それから、国際放送の重要性はさっき鴨局長も言っておったが、重要であると言うだけじゃだめなんですよ。重要なら重要なようにちゃんと手だてをしなければ意味ないのですよ。この委員会でも決議してますがね。そこで今度二億五千万かなんか、大蔵省からもらってきて、八俣の送信所、あとは何かNHKが責任を持ってやることになっておるようですけれども、あれは国際電電が附帯業務として今運営をなさっておる。国際電電、あれは大体赤字ですか、黒字ですか。

児島光雄国際電信電話株式会社常務取締役

○児島参考人 ただいま先生からお問い合わせのありました国際放送業務でございますけれども、毎年、最近では約十億の赤字を出しております。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 これも大臣、まことにけしからぬ話で、株式会社でしょう、こっちは。株式会社に重要な国際放送の運営をお願いしておいて、その株式会社が毎年十億も赤字を出しておるのに知らぬ顔をしておるというのは、これは協会も悪いが政府も悪いと僕は思うのです。国際放送の重要性は、中曽根さんみずからが先般言ったでしょう、施政方針演説の中で。在外邦人の子弟の教育についても心配りをしなければならぬ。教育について心配りをするなら、その前に情報について僕は心配りしてもらわなければならぬと思っておるんですが、幸い当委員会はそれをやらなければならぬということで、八俣の送信所を新たにつくり直して国際放送の電波が十分届くようにしようじゃないかと決めておるのに、これは郵政省が悪いのか大蔵省が悪いのかわからぬけれども、民間の株式会社に十億円も赤字を出させて知らぬ顔してほおかむりして、国際放送は大事でございますなんか言ったって世の中通りますか。通りっこないでしょう。ですから、これはまさに本来なら直ちに打ち切るべきだと思うのです、国際電電は。そして国際電電の本来業務で少しでも料金を安くしてやるというのが本当だと思うけれども、今直ちにそれがいかぬですね。今すぐやってはいかぬから、これも検討課題として近い将来に国際放送の重要性を考えて、国際電電におんぶするのをやめて、自前でNHKと政府が国際放送が十分やれるような措置を講じてもらいたい。これも希望しておきます。  そこで最後ですけれども、会長、先ほど同僚委員も申し上げましたが、大変な時期でございます。それだけに協会は、やはりパートナーである働く人たちの意見を十分聞いて、そしてこの重要な時期を乗り切っていってもらわなければならぬと思いますので、十分組合と話し合いをして、例えば給与についても大きな格差の問題がありました。あるいは人員整理の問題でも、金額から見ればそう大したものではないという金額上の問題もありました。そういうものを含めて十分な話し合いを進めながら、この難局を乗り切ってもらうように格段の努力をお願いしまして、延びましたが私の質問を終わります。  答弁あったら、一言言ってください。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 労働組合とは十分に意見を交わして意思疎通を図って、これを実行してまいりたいと思います。

阿部未喜男日本社会党・護憲共同

○阿部(未)委員 終わります。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十三分休憩      ————◇—————     午後一時二十五分開議

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を続行いたします。森中守義君。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 何分にも時間がございませんので、要領よくお尋ねしますから、ひとつ簡潔にお答えいただきます。  どうなんでしょう、大臣も会長も、国際放送が毎年大きな問題になりますが、これはどこまでどういう方法でいけば最高のものになるのですか。そういう目標をお持ちであれば、この際お示しいただきたい。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 今数量的にどこまでどのようにという最終目標は私は持っておりません。やはり国際放送というのは、国際情勢の変化に対応していろんな手だてを考えていかなければいけないというふうに考えております。特に御指摘のラジオの国際放送というものは、もちろん時間量も多い方がそれはよろしいし、出力も多い方がよろしいわけですけれども、おのずと限度もありますし、特に最近のようにまたテレビジョンというものが非常に発達してきておる段階においては、いろんなメディア、手段というものを考え合わせて時代の変化に対応して考えていかなければならない問題ではないかと思っております。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 国際放送につきましては短波を用いておるわけでございますけれども、受信が良好に行われるということが当面の最大のポイントでございますので、まず八俣の送信施設の改善を行うということ、それと海外の中継局を確保するというこの二点が当面の課題であるというふうに考えております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 それで、ちょうど去年の今ごろ予算審議の最中に中継局をカナダに一つつくる、こういうお話、これはどうなりましたか。ことしの予算の中ではシネスとガボン、この二つが出ておるようですが、カナダはどうなっておりますか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 本年度におきましてはシネスが確保されております。それから来年度、五十九年度につきましては、それにガボンにおける中継をNHKの方で行う計画になっておりますが、御指摘のカナダというのは私もちょっと思い当たるところがございません。海外で考えておりますのは、ガボンのほかにはパナマ、それから南西アジアのしかるべき対象とする地域というふうに考えております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 そうしますと、ことしは確かに八俣が大分高額な金を入れて一応決着がついたようですが、これで、在来短波で非常に難しいとされていた。日本のジャパン東京の聴取状況というのはもう飛躍的に改善されるんですか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 現在の八俣の送信施設はKDDの所有のものでございますけれども、老朽化してきているという実態で、同時に出力も百キロワットというものでございます。計画ではこれを三百キロワットのもの四台、百キロワットのもの四台ということで、NHKが経費を負担し、KDDの協力を得て改善をするということでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 時間がないのだから聞いたことによく答えてもらわぬと困る。要するに相当パワーアップをやるということも知っている。ですから、それによって在来の短波によるラジオジャパンというものは片がつくのか、こう聞いておるわけです。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 失礼いたしました。出力が向上するということだけでは必ずしも受信改善は十分にはならないわけでございますので、海外中継局の確保ということがそれに加わって、御指摘のような状態になるということ保でございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 このごろ逓信関係も非常に国際的になってきまして、今度総理の訪中に当たって円借款、こういうものに関連して、たしか天津、広州、広東、こういう三局を結ぶ電通のネットワークの改善策を提案されているようですが、中国側の反応はどうなんです。それから北京の郵電要員訓練センター、これはどうなんですか。

奥山雄材郵政省大臣官房長

○奥山政府委員 ただいま先生からお話がございました第二次円借款の交渉がただいま進められておりますが、その中におきまして、最近、中国における近代化の推進の見地から、電気通信分野への資金協力が急速に比重を増してきております。そうした中におきまして、今回、天津、上海、広州の電気通信網の改善計画に対する円借款と、あわせまして北京の郵電訓練センターに対する、これは無償でございますが、無償の資金協力の協議が進められる運びになっております。  この点につきましては、今日の最終段階に至る円借款決定までのプロセスにおきまして、相互に日中両国間の対応する各機関におきましてこれまで鋭意交渉を重ねてまいりまして、日本国郵政省と郵電部の間におきましても相互に合意が得られる運びになりつつあるということでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 川原会長、NHKも随分中国関係にはいろいろサービスを提供されてきているようですが、殊さらに、これから日中間における放送文化の交流というようなことは何か計画ございませんか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 従来も各種の番組の共同制作あるいは交流、それから技術面での、私ども、お手伝い等をやってまいりましたが、基本的に個別のものをばらばらするのではなくて、中国側の放送局と私どもの間に基本的な何か約束、協定みたいなのを結んで、総括的に協力を進めていきたいということを考えて、これは非公式に寄り寄り今話を進めておるところでございます。恐らくそういう形のものがまずできて、多方面にわたる協力ができるものと思っております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 大臣、国際放送は短波だけがすべてじゃもちろんない、もう少し多面的に考えてみたらどうかと思うのですね。  私の手元に、これはNHKから出されたものですが、「放送文化」一九八三年十二月号の内容に、協会の職員である清水眞一さんという人の記述があるのですけれども、非常に興味深く読みました。この人によると、こんなことが言われているのですね。要するに、東南アジアの各国に日本の海外協力事業団から相当金を出している。郵政省、わかっておりますか、ちょっと国別に教えてください。

奥山雄材郵政省大臣官房長

○奥山政府委員 お答え申し上げます。  放送関係の東南アジアに対する経済協力の実績でございますが、過去十年のスパンをとって申し上げますと、有償の円借款といたしましては、インドネシアのテレビ放送網と中波のラジオ放送網が、それぞれ十九億円並びに二十億円でございます。  それから無償の資金協かといたしましては、アフガニスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、インドネシア、タイ、ビルマといったような各国に対しまして、テレビの放送局の建設あるいは中波のラジオ放送網の建設等々、総額で百六十億円程度の協力を行っております。  なおこのほかに、インドネシアに対しましてはラジオ、テレビの放送訓練センターというものの計画が進捗しておりまして、五十九年度中にもさらにまた専門家を派遣した上で、八千万円程度の機材の供与を行う予定にしております。  さらに、人の交流でございますが、放送関係の集団研修の受け入れといたしまして、これも東南アジア等から、ほとんどの国々から五十八年度だけとりましても数十名の参加を受け入れております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 円建てかドル建てかわからぬ。もう少し親切に答えなさいよ。ビルマが十七億ドルから十八億ドル、バングラデシュが約四十億ドル、スリランカが三十七億ドル、インドネシアが約二十億ドル、タイが十七億ドル、こういうことで既にハードの面においてはかなり援助しているわけですね。ここまでは国際関係の非常に顕著な伸びが出ている。ところが、でき上がった後、つまりソフトの面で全然手が伸びていない。でき上がったこういう番組事情というのを調べていますか。我が国が資金援助をした国々の、五カ国あるが、五カ国で外国の番組がどういったように使われているのか、わかっていたら教えてください。

奥山雄材郵政省大臣官房長

○奥山政府委員 日本から資金援助を行いましてハードの建設を完了しました国々におけるその後の番組の実際のつくられ方あるいは使用のされ方等につきましては、私どもの方では把握はしておりませんが、ソフト面におけるアフターフォローといたしまして、番組制作分野における専門家の派遣、あるいは逆にそれらの国々からそういった専門家を受け入れるということで、相互に共同制作やら番組交換についての意思疎通を図り、協議を行っているということでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 これはビルマでは番組が外国物を四四%、バングラデシュが二八%、スリランカが五〇%、インドネシアが二〇%、タイで約五〇%であるが、日本のものはどこにもない。ですから、これはハードの面で仏はつくった、魂が入ってない、ソフトが全然ない。これが本当にこういう関係の諸国と友好関係を促進したことになるかどうか。ここですよ、問題は。だから私は、短波だけ、ラジオジャパンだけが国際放送じゃない、こう言っているわけです。もう少しこういう中身に入って、しかも資金援助も相当やっているわけだから、これは全部、海外協力事業団から出た金ということであれば、税金ですよ、これは。それならばもう少しこういう次元から物を考えて、せっかくNHKで立派な番組をつくっておられるわけだから、このあたり相談して、少なくともこういう国々の何%かぐらいに日本の文化が入っていくような、日本の状況が入っていくような、そういう番組の提供を考えてみたらどうなんですか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 御指摘のとおり、私どもはもちろん国内における放送が第一の仕事ではございますけれども、相当の番組を制作して、それのストックも持っているわけでございます。できるだけこれを海外に提供して日本の実情を紹介したい、そのようにできるだけ努力もしてまいりましたが、まだまだ力が及ばずといいますか、実情を申しますと、今、先生から御指摘のありました、私どもの清水が調べてきましたとおり、一つは言葉の問題、つまり東南アジアの国々ではやはり何といってもイギリスのかつての勢力のもとにありましたので、英語というものが非常に普及しているわけでございますけれども、日本語そのままの番組ではなかなか受け入れにくい。それならば、それを英語に吹きかえればいいわけでございますが、そうなりますとまた相当の経費がかかるということで、私どもとしてそこまでの経費を今受信料で負担するわけにもまいりませんので、それをしかるべきいろいろな協力の財団等と協力いたしまして、できるだけ外国に受け入れられやすいような形で、しかも値段も相応の値段で出したい、折々相談をし、ぜひその方向に力を入れたいと思っておるところでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 これはもちろん無償ではできませんよ。それは非常に高額な金です。  ただし清水さんはここまで言及しております。言及というよりむしろ提言をしておる。会長、これはあなたの出されたものだから一遍お読みになってください。十二月号の五十七ページに、「日本と同じ様に言葉の上でハンディキャップがある西ドイツは、トランステルという組織を政府が作り、西ドイツのテレビ番組を海外向けに改編し、英語、フランス語、スペイン語、アラビア語の各言語版を制作して、格安で第三世界のテレビ局に提供している。 日本のテレビ番組の海外頒布を促進するためには、国際版制作費を含む素材費を西ドイツの場合の様に公的資金が負担し、アジア各国のテレビ局が使い易い形の素材をそろえる必要がある。さらに長期的な展望に立つならば、トランステルの様な組織を日本に創設することを真剣に検討すべき」ではないか。こういう提言をしております。これは非常に傾聴に値する。こういうところも国際放送の一つの大きな大枠だと思う。短波をどうするこうする、また助成金や交付金を高いか安いか、こういう議論ばかりで国際放送が終わるものではないというところまで、これはやはり大臣、考えなければいかぬのじゃないでしょうか。  NHKがいろいろ計画しようとすると、金を出さないで口は出す、こういうような郵政省の姿勢ではだめ。そういうことじゃなくて、ちょっとあなた、赤の囲みをしてあるこれをよく読みなさい。検討して一遍相談してくださいよ。大臣、金は出さないで口ばかり出しておってはだめだよ。大臣、お持ちになっていていい。私はまだあるから役人にも見せてみなさいよ。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 はい。またリコピーをとってみんなに勉強させます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 ただ、私が概念的に申し上げたことだから、概念においてあなたはどうなんですか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 大変大事な御示唆をいただいたと思っております。  確かに海外援助問題等々でテレビ等の施設をつくってくれという援助希望が物すごく多いわけです。先生の御指摘になった国々も、日本はハードの面でほとんど全額円借等々で負担をしながら——先生の言うのは後の、アフターケアといいますか、ソフトの面で全然努力してないじゃないか、ほとんど外国物ばかりで、ともかく日本もハードな面で施設を応援したのならソフトの面でもう少し気合いを入れて援助をして文化協力をしたらどうだということだろうと思うのです。  確かに言葉のハンディキャップはありますけれども、日本の、特にNHKが制作しているテレビ番組などは国際的にも十分通用する番組もたくさんございますし、恐らくその国の言葉に吹きかえてやったりすれば、日本の文化紹介も含めて大変に国益に沿う面がたくさんあろうかと思います。ですけれども、これは郵政省だけでやるのも無理ですし、NHKだけにその負担を全面的にやれといっても、今こうした経営の問題で値上げもお願いをしなければいかぬという状態ですけれども、これはハード援助だけではなくてソフト援助の文化協力の面で関係のJICAとか外務省等ともよく相談して、確かに国際放送だけが日本の文化紹介じゃない、テレビあるいはこういった面を通じて各国にわざわざ施設までつくったのだから、その面を最高度に生かせという御助言であろうと思います。私も関係各省とも積極的に相談してまいりたいと思います。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 大変結構な答弁でした。  一期半期の大臣というけれども、何かいい仕事を残していきなさいよ。このくらいのことをやってもちっともおかしくない。役人に任せておいてはだめです。国際放送と言えば交付金だ、短波をよくしたい、パワーアップをやればいい、これだけのことしか考えぬわけです。それはあなたの仕事ですよ。役人任せのことをやめてみずから陣頭指揮をやってNHKに負担をかけないように頭脳をかえなさい。いいですか。  それからBS3、これについて去年の十一月十八日に郵政省は「放送衛星3号(BS−3)に関する当面の進め方について」という文書をまとめた。ここのところで午前中同僚委員からちょっと質問があったようですが、今十三グループの競願が出ておりますね。これは一体どういうように処理しますか。在来の国内のチャンネルの場合には郵政大臣がその権限を放棄して地方の知事に調整を委任して非常に混乱を巻き起こした。私はこういう調整委任なんというのは電波法、放送法に定める大臣の権限放棄だから許されない、こういう昔からの持論ですよ。一体今回の十三の調整をどうするつもりですか。よくささやきもある。またまた利権が絡まってくるのじゃないか、いろいろ言われます。  それから「その他」の一項に「BS−3による一般放送事業は、基本的には広告料収入と有料方式収入とにより行うものとする。」こうある。一体有料方式とはどういうことを意味するのか。もちろんこれは民放に与えたものを指すわけでしょうが、どういうことになるのですか。ちょっと具体的に聞かせてください。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 放送衛星三号の利用の仕方でございますが、放送衛星三号につきましてはテレビジョンの放送が三チャンネル行えるということでございまして、そのうちの二チャンネルはBS2の後継ということでNHKに利用してもらうということを考えておりますが、残りの一チャンネルにつきましては民間の放送事業者、一般放送事業者に使ってもらうという考えでございます。このテレビジョン放送のチャンネルにつきまして申請を受け付けましたところ、テレビジョンに関しましては十二件の申請が提出されております。BS3は打ち上げは六十三年度でございますけれども、五十九年度から開発に着手する必要がございますので、一般放送事業者分の開発経費を負担するものを速やかに決定する必要があるという状況でございます。そこで先ごろ大臣から、経団連の稲山会長に申請の一本化調整を依頼をしたところでございます。郵政省といたしましては、できるだけ早く新しい会社が設立できるように取り運んでまいりたい、このように考えているところでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 経団連の稲山会長に一本化を相談した、こういうことですか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 御指摘のとおりでございます。  それから先ほどちょっと申し落としました有料方式収入でございますが、あるチャンネルあるいはある番組につきましてそれを見たいと希望される方から料金を徴収して視聴していただく、こういう方式でございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 実際問題としてそんなことできますか。NHKも聴視料を集めるのに非常に苦労しておる。これは民放にやらせるというのですか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 昨年の十一月十八日に「放送衛星三号に関する当面の進め方について」というのを、私ども、考え方を固めたわけでございますけれども、その中で、今御指摘の、一般放送事業者につきまして「広告料収入と有料方式収入とにより行う」ということにいたしたわけでございますが、有料方式にいたしますためには、スクランブルというものをかけて、一定の条件と申しましょうか、そのスクランブルのかかりました電波をデコーダーというもので解除をするということでそれが見られるような技術的な工夫がなされるわけでございます。  もう一点の、料金の徴収の仕方につきましては、いろいろな方式が考えられるところでございますので、その辺はこれから具体的な問題として、新しい会社あるいは私どもといたしましても、どういう方式があるかというふうなことについての検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 それから進め方について「BS−3による放送衛星局の免許に必要な免許方針等については、今後更に検討の上策定することとする。」こう言っているが、この時期はいつごろですか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 ここに掲げました、十一月十八日に決めましたのは、免許をするに当たりましての非常に大きなポイントだけを取り上げたわけでございますけれども、ただいま御質問のございました免許方針につきましては、技術的な点も含めて、これから先、BS2の状況なども見ながら固めていきたいと思っているところでございます。  時期につきましては、現在の段階では、明確にいつというふうにはちょっとお答えいたしかねる状況でございます。しかし、免許方針ということでございますので、なるべく明確な形のものを、しかるべき時期に固めたい、このように考えております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 この中にこう言っているのですね。「人的、資本的構成においては、特定の分野に偏しないこと、及び少数の者に支配されないこと。」これを条件にしている。これが免許方針の中に具体的に入ってくる、こういうことでしょう。それで、稲山会長に調整を委任したということになると、必然的に何かこの項が殺されてくることになりはしないかな。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 ここに書きました「人的、資本的構成においては、特定の分野に偏しないこと、」「少数の者に支配されないこと。」この考え方は、私ども、一般的にも放送行政の上で考慮いたしている点でございますけれども、放送衛星に関しましては、特にそれが日本で初めての民間放送、一般放送事業者による放送であるということ、それから、御承知のように、一つの衛星で一挙に全国をカバーできるものであるという側面もございますので、そういった点から、特に特定の分野に偏しないあるいは少数の者の支配に属さないというふうなこと、さらには衛星放送事業として多面的な試みあるいは実施が可能となるように広く、大げさな言い方をいたしますと、国家的な見地からこの衛星放送に取り組んでまいりたい。そしてまた、新しい民間放送事業者については、そのような形のものになることを期待をいたしているというところでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 これは大臣、こういう作文は作文としまして、一応、言っていることは了承できますよ。しかし、現実的に、その排除さるべき、「偏しないこと」なんというのがもし侵されたような場合には、調整に対して介入しますか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 先生の御心配になるのは、恐らく、十二社申請の中で、それが広く国民利益を代表した人たちが参加した会社になって、新しい一波を使うのかどうかということであろうと思うのです。それで今度の十二社を子細に検討いたしました。ところが、ほとんどは各マスコミ系統が、それぞれ各社が出しておるというのが大勢でございます。そのほか流通産業とかいろいろな形がございますけれども……(森中委員「財界」と呼ぶ)財界もございます。そういった十二社の提出している形が過度にマスコミだけに集中しないように、そしてまた、特定の会社だけにそういった波が集中して、この新しい初めての民間一波という原則が侵されないようにするために、実は経済界を代表されて、広くそういった申請者の中から最もマスコミにも偏せず、公正なジャッジをしてもらえるであろうということで、調整をお願いしたわけです。  今、先生の御質問は、調整が非常に偏ったものになった場合に、おまえは介入するのかということであろうと思います。当然、その調整が偏ったものであれば、私としては委任した本旨と違うわけですから、そのときについてはきちっとした処置をとりたい……(森中委員「介入する」と呼ぶ)介入します。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 会長、大臣も一緒ですが、この予算案の扱いに非常に不満がある。それは、原案が確定した日にちはいつなのか。郵政省に提出されたのはいつなのか。電波審議会にかけたのはいつなのか。閣議決定、国会提出、これは審議を始める前まで随分冷や冷やしましたよ。国会のこういう状況は状況ですけれども、全くこれは暫定をしなければいかぬのじゃないか。月間五十億の歳入欠陥になる、こんなことNHKに負担をかけられぬ。だからこういう値上げ関係のものというのは、本来、公聴会などをやるべきですよ。しかも、放送衛星という新時代を迎えたときに、その基盤である協会予算を審議する。これはもう非常に短い時間で、三十分、四十分で何を議論できますか。本来ならば、視聴者の代表などにちょっと来てもらって、参考人の意見聴取ぐらいはすべきなんだ。協会が求める学者、そういう人たちの御意見だけじゃなくて、国会が必要とする学識経験者などにお越しいただいて、参考意見などを聞いて、どうするかを決めなければいかぬ。だから、そういうことを見ますと、予算の扱いについても非常にまずい。少なくともこういう時期であれば、こういう中身のものであれば、受信料改定ということが前提になっておれば、そのつもりで協会も予算の作成を急ぐ、郵政省の取り扱いも急ぐ。そして国会に早目に持ち出してきて、少なくとも公聴会、参考人の意見聴取ができるぐらいの、そういうぐあいに余裕を持たしてもらいたい。非常に不満ですよ。このことが一つ。  それと、今度の意見書の中に、何か協会に対して、今まで国会がつけていた附帯決議に似たようなものを大臣、つけていますね。協会に特段の云々という、これは非常に耳ざわりが悪い。これはどういうことですか。協会の財政に権力が介入しようという、そういう道を開くという意味ですか。その二つをちょっとはっきりしておいてもらいたい。その二つのこと。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 NHKの予算審議に当たりまして、国会で十分御審議いただけるよう余裕を持って提出すべきであるというのは、御指摘のとおりでございます。  ただ、今回につきましては、国の予算編成のおくれ等との関連もございまして、若干、提出がおくれたわけでございますが、NHKの方から予算が郵政大臣あてに提出されましたのが、二月の三日でございます。それから、電波監理審議会にお諮りをしましたのが二月十四日、そして国会に提出をさせていただきましたのが、二月二十一日でございます。  それから、大臣意見書の中で、御指摘の、従来、附帯決議に書いていたという点は記の4かと思いますけれども、この点につきましては国際放送の強化ということでございまして、八俣の送信所の施設が出力も小さく、老朽化が著しいということで、その整備が緊急の課題になっていたわけでございますけれども、五十九年度からNHKの経費負担によりまして、八俣の送信施設の整備強化に着手することになったわけでございます。国といたしまして、従来の交付金に二億五千万円を増額して国際放送の充実に資することとしたところでございますが、今後とも郵政省としては交付金の増額に努力する所存でございますけれども、国際放送の重要性ということにかんがみまして、NHKにおきましても、我が国唯一の国際放送の実施主体ということで一層の国際放送の充実を図っていただきたいという考えで意見書に記載をした次第でございます。(森中委員「これからの扱い」と呼ぶ)  ただいま申し上げました当面の特に緊急の課題になっております八俣送信所の施設整備につきましては、国際電電の協力を得て、NHKがその経費を負担するということで、四カ年の計画で整備をする。内容といたしましては、三百キロワットの送信機四台、百キロワットの送信機四台という内容で、総額約百四十三億円をかけて整備をするということに計画としてなっております。  なお、先ほども申しましたけれども、国といたしましても、国際放送の重要性ということで、今後とも交付金の増額にできるだけの努力をしてまいるつもりでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 鴨局長、銭のことを言っているのじゃないんだよ。予算案の扱いを言っているんだよ。全然その返事がないじゃないですか。八俣のことも聞いていない。予算案は少なくとも国会で審議することになっているわけだから、その審議権を十分尊重しなさい、こう言っているのです。衆議院でこうやれば、参議院ではなお困りますよ。少なくとも受信料の改定などという場合には、やはり国会でもう少し広い視点から各界各方面の意見を聞く必要がある。少なくとも公聴会は開かなければいけませんよ。そのくらい余裕を持つような取り扱いをしてほしい、こう言っているわけです。これは大臣と会長からひとつ。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 全く先生の御指摘のとおりだと思います。公聴会等々を開いて、国民生活に最も関係のある公共料金値上げ、しかもNHKという私たちに最も身近な問題点として、当然そういった審議の経過措置は必要だと思っております。  ところが御存じのとおり、これは言いわけになりますけれども、今回の場合は、総選挙、そして引き続きの予算編成等々で、時期的にもNHKとしては大変やきもきしておったのではなかろうかと拝察いたします。しかし、新しい次年度予算編成の段階を何としても早急にお願いしなければいかぬというような段取りになりまして、私たちも、短時間ではございましたけれども、NHKの本年度予算の内容に対しては子細に検討を加えたことも事実でございます。一番申しわけないのは、先生方の御審議にある程度の時間と、そしてそういった内容精査の時間を私たちが計らうことができなかったという点については、大変申しわけなく思っております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 これからはどうしますか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 今後二度とこういうことのないように措置いたしてまいります。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 今大臣からお話のありましたとおり、私どもの予算の編成がおくれまして、大変国会の審議に時間がなくて御迷惑をかけまして申しわけないと思っております。  五十九年度予算につきましては、今大臣のお話しのように、私どもの予算と非常に密接な関係を持っております国際放送の交付金等の扱いが、国の予算の決着を見ないと私ども最終的に編成ができなかったために、そういうおくれる事情が一つございましたけれども、今後、できるだけ早い時期に予算の編成を終えまして、十分の御審議をいただけるように進める覚悟でございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 さっき電波監理局長が言った八俣の問題、四年間で百四十三億NHKが出してくるのだけれども、これはKDDが整備をする。施設の財産上の帰属はどういうふうになるのか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 八俣の整備につきましては、老朽度が激しいということでNHKがこれを整備をするということでございますが、財産上といいますか、やり方といたしましては、設備負担金というような方式でやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。  これは、施設はKDDの所有でございますけれども、NHKとしてはこの施設の利用権を取得いたすわけでございます。NHKとしては、当然これを無形固定資産として、この利用権についての減価償却というようなこともやっていくわけでございます。そしてこの施設を専用するということで、運営費をKDDに払うという形の方式でやっていきたいというふうに考えているわけでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 これで終わりますが、もう一つ、五十七年の二月十六日に、大規模地震を予知する緊急警報放送の実験をNHKほか八社に郵政省が認可をしたのですが、これは既に実用できるような状況になっていますか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 御指摘の緊急警報システムでございますが、野外実験等を行いまして、昭和五十七年の十二月に、その技術的条件につきましては電波技術審議会の答申を得たところでございますが、ただ、この緊急警報システムは、深夜などに災害に関する緊急情報を住民に漏れなく伝達する、そのために自動的にテレビやラジオのスイッチを入れて放送を行うというものでございますので、その運用につきましては、住民に無用の混乱を招くことのないように適正に運用することが要請されるところでございますので、現在、その技術面以外の実用化に向けましては、防災関係機関あるいは放送事業者等と協議を行いながら、制度的な検討を行っているところでございます。  実用化に当たりましての無用の混乱を招くことがないようという点での二、三の問題といたしましては、例えば、このシステムを使用して放送いたします災害の範囲をどのようなものにするか、あるいは、このシステムを使用して放送する判断は一体だれがするのか、あるいはまた、このシステムを使用して放送する地域的な範囲をどのように決めるのか等々の問題、これらを制度的な側面から詰めていこうというところでございます。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 川原会長、そうしますとこれから、今までのように総合チャンネルと教育チャンネル、それと宇宙二チャンネル、四つのチャンネル、この四事業を遂行していくのはなかなか大変ですよ。ことしの予算案にはそういうような将来展望が出ているかと思ったら、ほとんどそういうものが出ていない。ですから、この予算案は予算案として、継続的にどうして財政基盤を固めていくのか、早急に内部の検討が必要だと思うのですが、どうお考えになっていますか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 今の御指摘の点はまさにそのとおりだと思います。私どもは、この五十九年度計画で仕事が終わったのではなくて、まさにニューメディア時代の取っかかりの幕があけただけの話でございまして、これから先この新しい技術革新の成果というものを、高度情報化社会と言われるこれからの時代の中でどのように協会がそれと取り組んでいくか、そして本当に我々が国民のためにこれらの新しいメディア、その成果を十分に国民の利益として還元していけるか、そのためには我々が部内的にどのような新しい仕事をし、また我々の組織なり私どもの業務体制を改革してそういう時代に適応するような新しいNHKになっていくか、それがこれから一番大事なところだと思います。そのこととあすからでも我々は取り組んでいかなければならないというふうに思っております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 午前中阿部質問の中で、値上げのときは何かちょこちょこっとつくって隠れみののようなことをしている。そういうやり方じゃなくて、通常のときに、四チャンネルというのはなかなか大変だ。しかも、一万五千のうちの千五百人を削る。人がむしろふえるというならこれは理屈が合うけれども、削るなんていうのは常識的に考えてもこれはあり得ない。そういうものを含めて、何か値上げのために隠れみのをつくったと言われないような、そういう恒常的な機関でも何でもいいですから、もう少し見識のある、財政の基盤が確立しなくて事業があり得ないわけだから、そういうことを検討される一つの検討機関でももう一回おつくりになったらどうですか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 今のような御意見、十分に私ども検討させていただいて新しいNHKをつくり上げていきたいと思っております。

森中守義日本社会党・護憲共同

○森中委員 終わります。どうもありがとうございました。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 畑英次郎君。     〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 それでは、まず経営計画の関係からお尋ねを申し上げたいと思うわけでございます。  午前中から始まっておりますこの審議の中でいろいろやりとりがございまして、ただいまも川原会長からそれなりの経営に対するあるいはまたNHKのあり方に対します考え方、そういうものが表明をされたわけでございますが、私はひとつ角度を変えて申し上げます。これは四年前の五十五年の値上げの際あるいはまた五十一年の値上げの際にもそうではなかったかと思いますが、その都度やはり長期ビジョンに立っての経営基盤の確立、なおまたNHKのあり方、いろいろ論議がされたのではないかと思いますし、NHK側におかれましてもそれなりの組織、機関をつくりまして調査研究を重ねられた上で今日までの歩みがあった。しかしながら、それをずっと振り返ってみますと、大変失敬な言い方でございますけれども、どうしても大体同じパターンで問題を処理せざるを得ない、そういうような矛盾をNHKさんのお立場でも会長とされましても感じながら、今回の受信料の値上げを含む予算案の編成ではなかったかなというようにも私は考えるわけでございます。今回の経営計画、五十九年度からの三カ年の計画、こういうものを踏まえましてこれからの経営展望の中におけるいわゆる事業経営の基本方針といいますか、そういうものにつきまして会長とされましてはどういうお考えであるか、再度ひとつ御意見を、御意思を伺いたいと思うわけでございます。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 五十一年度と五十五年度、御指摘のように私ども料金の改定をお願いいたしました。そして今五十九年度に、近々の間では三たび料金の改定をお願いせざるを得ないという事態でございます。このことについては、御指摘のとおり、協会として何らかの新しい施策は考えられないかということを必死になって考えたわけでございますが、基本的には、何といいましてもテレビジョンの普及がもう各世帯、家庭にほとんど頭打ち状態まで普及し尽くしましたものですから、受信料の増がどう努力いたしましても年間一%ちょっとぐらいしか期待できないという中で、いろいろな物価の上昇もございます、人件費の上昇もございますが、さらに加えて新しい時代に対応すべき基盤の整備、放送衛星の開発を初めとしてそのような経費もどうしてもかかってくるという状況の中で、私ども安易に値上げということは考えたくなかったのでございます。そのためにいろいろな効率化ということも考えて、既に五十五年度以来要員の削減を含めての効率化と経費の節減等を展開してまいりました。  さらに五十九年度以降においてもかなりのものを考えているわけでございますけれども、それでもどうしても経費が賄い切れないということでこのような提案をするに至ったわけでございます。ただ、私自身も過去の経緯をずっと振り返りまして、五十一年度、五十五年度のときは、率直に申しまして石油ショック以来のあの異常な物価高騰というもののあおりといいますかしこりというものが残っておりまして、それに対応するということが主たる原因であったわけでございますが、五十九年度の場合には少しく趣を異にしてまいりまして、物価の方はむしろ鎮静化している。この先よほど大きな変化がなければ、景気の回復等が望ましいことではありますけれども、物価としてはそう大きな変化はないのではないかということで想定をいたしておりますけれども、それにも増して私ども自身が開発してきました文字多重放送であるとかあるいは放送衛星であるとか、その放送衛星からさらに引き出されるであろう新しいメディアの開発等々が今山積しておりますので、それに対応するためには、今ここで私どもが一つのパイオニアとしての役割を演じることもやはりNHKの仕事であろう。そして、これは将来日本の視聴者、国民の方々にとってその利益は必ず還元し得る。そのときにはまた新しい形での協会の財政も考え得るであろう。ただ、今現在、それではそれをいつに想定して協会の財政の新たな展開があり得るかというと、残念ながら今三年の計画を立てた中ではそこまでは至っておりません。  しかし、私どもはこの三年の中においてもその次に展開されるであろう世の中の変化、高度情報社会の中におけるNHKの役割、仕事、その中から新たな財政的な展開も考えなければいけない。いつまでも単純な値上げの繰り返しを考えていてはいけないというふうに考えております。ただ、今具体的にそれではどうするのかということをお答えできないのはまことに申しわけないのですけれども、その努力は続けてまいりたいと思っております。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 具体的に受信料の問題に的を絞って申し上げますと、今回の改定率は三カ年平均で一五・五%というように相なっておるわけでございますが、従来のそういった一つの流れ、なおまた現実の姿の中からしました場合には、午前中の論議でもございましたように、六十一年までは絶対に受信料の改定、値上げはしない。しからば六十二年以降はどうなるのであろうかということは当然考えるわけでございますし、逆に申し上げれば六十二年以降はあるいは六十三年ごろには少なくともまた受信料の値上げをせざるを得ない、こういうことを受けとめる姿が大方ではなかろうかというように私は思うわけでございます。  そこで私はこの辺で受信料の、表現がまずいと思いますけれども、限度額といいますか、受信料の逆に言いますと可処分所得とかあるいは生活費の中に占めるパーセンテージとか、これはコンマ幾つといったような小さな数字には相なりましょうが、受信料、NHKの関係を、見る、聞く、これについては大体この程度までは国民の方々が負担をして、その受信料の限度額の中で経営をやっていただく、そういうふうなとらえ方をそろそろ考えてみるべきではないのかなということも思うわけでございまして、そういうようなことを考えました場合には、やはり受信料制度といいますものがこのまま維持できるかどうかということも検討材料ではなかろうかというように思います。  今言った支出の中に占める受信料の限度額、こういうものを踏まえてその切り盛りを考えていく、大変失敬を言い方でございますけれども、現在の予算のつくり方の中では支出が先に立って、支出を踏まえて受信料の値上げをせざるを得ないという考え方、私の言わんとするところは、受信料というものはこれ以上はふやし得ない、そういう中におけるNHKの対応はどうすべきかということももう少し突っ込んで論議をすべきではなかろうかなというように考えるわけでございますが、この辺に対する会長の御意見はいかがでございましょうか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 なかなか示唆に富んだ御意見だと思います。今まで私どもが協会の経営の一番の原則として考えておりましたのは、NHKという企業は、放送法で定められましたとおり、できるだけすぐれた番組が日本全国あまねく到達できるようにするのが最大の任務である、その意味では、それに必要な経費を国民の方々に分担していただくんだということで、確かに御指摘のとおり私どもが努力はするけれども、どうしても必要な経費はひとつ御負担願いたいということから、大正の末以来六十年近い私どもの歴史を見ましても、これは日本の資本主義社会の物価の動きとある程度連動はしているわけでございますけれども、結論的にはある一定の期間を置きながら料金を改定させていただいてきた、そういう歴史があるわけでございます。私ども、あるいはその上に安住していたかという反省もございます。ございますが、基本的には私どもの仕事をこの範囲は必要だというふうに社会的にもしお認めいただくならば、それは何とか全国の受信者に御負担していただきたいという気持ちは変わっておりません。  しかし、さらばといって、先ほど来御指摘ありますように協会が今のテレビ二チャンネル、ラジオ三波、それに加えて放送衛星からまた二チャンネルの電波が出るようになるわけでございまして、メディアの技術の開発、メディアの発展とともに、それではNHKは限りなくチャンネルをふやしていくのか、巨大化していくのかと言えば、それは私どもはとるべきではないだろう。新たなメディアの開発が進み、それがどのように今の社会に受け入れられ普及していくか、その過程においては、私どもある時期において今持っております私どものいろいろな業務の範囲というものは当然再検討していかなければならぬ時期が必ず来る、その時期をいつとするかは別としまして、新しい、例えば放送衛星でも文字放送でもこれが普及をしていって、かつそこで私どもが新たなソフトといいますかサービスを考えて、それが相当の受益感を伴うような内容になり、かつ普及をする時期において今持っております私どもの仕事を当然再検討していかなければならない。それは、別にその時期を待って検討するということではなくて、私どもとしてはこの三年間の計画の中においてもそのことに着手していかなければいけない、そして協会が本当に自分で、受信料の中で賄うべき仕事はどこまでなのか、あるいは新しいメディアの開発に伴って、それは協会自身がするのではなくて協会の関連の事業体において処理し得るものもあるのではないかということも十分に検討していきたいというふうに考えております。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 会長のお立場でもかなり突っ込んだお考えを持っておられるようでございますが、逆に申し上げますと、私は二十五、六年前の受信料と新聞の購読料は大体同じ金額ではなかったかなというようなことが記憶にあります。当時テレビが大体三百円か三百何十円かじゃないかと思いますが、新聞も大体そのくらいの購読料金ではなかったかというふうに考えております。そうしますと、最近の実態から見ますと、まだ新聞代の方が、きょうは新聞社の方には申しわけありませんけれども、高くなり過ぎているのかなというようにも考えて、NHKさんの方がかなり受信料を抑えたのかなというように、いささか敬意を表さなくてはならぬかなというようにも考えるわけでございます。  ただいま会長のお答えにもございましたように、私は、現在、NHKさんはテレビが五月以降結局四波、それに第一、第二、FMと七波、さらに文字多重、音声多重等を考えますと、これは業務のいわゆる拡大、肥大化、それが受信料にもかなりかぶさってきておるんじゃないかなというように受けとめざるを得ないわけでございまして、この辺でNHKの守備範囲、NHKさんのお立場では公共放送としての、とりわけ最近ではニューメディアのパイオニア的な立場、責任を果たしていかなければいけない、これは十分わかります。そういうものがある二足の時期努力をされますと定着します。その時期には従来持っておりました他の分野のものを外してNHKさん自身がスリムな体質をつくり出していく、こういうことをやるべき時期はもう近いのではないかというように私は思うわけでございまして、さような意味合いでの、これはマスコミの集中排除等の問題もございますけれども、そろそろその辺を御検討願うべきではないかなというように思うわけでございますが、この私の考え方につきましてはどのようなお考えでございましょうか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 スリムな経営というところが議論があるいは分かれるところかもしれません。  私どもも、先ほども申し上げましたように、いたずらに肥大化していくということは経営自体も考えていかなければいけないことで、むやみとそのメディアをふやし、その負担を受信者にお願いするということであっては経営自体も時によっては危うくするおそれがあると思います。その意味では社会的に十分納得していただけるような経営の規模であり、実態でなければいけないと思っております。その辺は、今言われておりますニューメディアというものが実際問題としてどの程度まで今の情報社会の中で国民に本当に利用されていくんだろうか。私どもも確かにニューメディアの幕あけというよう宣言い方をしておりますけれども、かつまた私どもはその技術革新の先頭に立っている企業でございますので、この成果はできるだけ国民の方々に還元したいとは思っておりますけれども、それがどういう形で今の社会に受け入れられていくのであろうかということはよほど慎重に考えながら運営してまいりたいというように考えております。  したがいまして、スリムという表現になるかどうかわかりませんが、社会的に納得の得られるような新しいメディアの活用であり、そして私どもの経営であり、それが受信者の方に支持していただけるような経営でなければいけない、そういうふうにこれから考えてまいりたいと思っております。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 具体的に申し上げればラジオあたり、これは外してもいいのかなというふうにも私は思いますけれども、そのラジオも第一、第二からそのうちの一波を外して、あるいはまた残されました一波の中の番組の編成の仕方を変えていくとか、そういうようなことで、その辺も当然検討を加えなくてはならない時期じゃないかなということをもう一度申し上げておくわけでございます。  そういう中で、先ほど来今度の予算編成につきましての御苦心の跡はそれなりにうかがい知ることができるわけでございますが、これは一部新聞等にも報道されておりましたけれども、とりわけ川原会長におかれては今度のいわゆる要員効率化計画といいますか、そういうものの中で千五百という数字を出されて一万五千人体制というものに持っていくということが示されておるわけでございますが、これはいささか前回の値上げのことに絡んで申しわけありませんけれども、前回の場合にはいわゆる五十五年の改正に当たりまして千二百という数字がかなり強く印象づけられておるわけでございますが、これはもうNHKのお立場でおっしゃるのは効率化に伴う減員である。しかし、その後いわゆる新しい事業なり仕事の需要があって増員もせざるを得なかった。ですから私どもは、あるいは大方同僚の、あるいは先輩の方々は、これは純減ではないというように受けとめたかもしれませんけれども、やはり一般の国民のお立場では千二百、こういうものが純減するんだというように受けとめておったと私は思うわけでございますが、この辺が今日までの、前回のいわゆる受信料の改定以後の歩み、純減という数字ではどういう姿に相なっておるのか、お示しを願いたいと思います。

横井昭日本放送協会理事

○横井参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり私どもは要員の効率化とそれから経営の合理化というのは、NHKが公共放送であるという前提からするならば、視聴者、国民の理解を得るためのなくてはならない基本的な条件であるというふうに考えておりますし、また、将来のニューメディアに対する局内の基盤を整備する意味においても、この効率化、合理化をやっていかなければならぬ、こういう観点から五十五年度に五カ年の効率化計画を出しまして、国会でも御説明を申し上げたわけでございます。先生御指摘のとおり、先生方には十分御理解いただいたと思うのですけれども、私どもの効率化千二百というのは各年度ごとに事業計画を立てて、その中で事業計画に基づく人員増を最小限に抑えて純減をやっていこうということで御説明を申し上げたつもりでございますけれども、一般的にはその趣旨が徹底してなかったうらみがあったんだろう、こういうふうに考えまして、五十九年度以降は純減という形で打ち出したわけでございます。  今、先生の御質問にあります五十五年度以降の状態はどうなっているか。五十五年度に効率化計画を出しましたときに、効率化、五十五年に百名、五十六年に二百名、五十七、五十八、五十九でそれぞれ三百、合計千二百名の効率化をしたい。単年度の事業計画の中で純増を、主としてローカルの拡充とか、番組の充実とか新しい放送サービスに対する要員増を最小限に抑えていくという形で五十五年に純減五十、五十六年に純減百二十、五十七年に純減百七十、五十八年もほぼ純減百七十が達成できる見込みでございます。したがって、五十八年度末には純減五百十、三%の純減が大体達成できる、こういう見通してございます。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 これは、千二百という数字の方が頭の中にこびりついて、今御指摘があったように五百幾つといったような数字、何となくだまされたのではないかというような受けとめ方をしやすいケースではないかというふうに私は考えます。なおまた、それに伴いますPRといいますか、周知徹底といいますか、やはりこういうものも足らなかったというように私は考えるわけでございまして、この辺はこれからもひとつ御配慮をお願い申し上げたいというように考えるわけでございますが、そういう中で五十九年度以降の要員効率化計画、これは千五百純減だということに相なるわけでございますが、しからば純減が千五百でございますからその間の増員計画もこれまた当然あろうかというふうに思うわけでございまして、その五十九年度以降の増員計画はどういうことに相なるわけでございましょうか。

横井昭日本放送協会理事

○横井参考人 お答え申し上げます。  五十九−六十五年度の効率化計画は純減千五百、要員数一万五千人に到達するという中で、五十九−六十一の三カ年計画の中で純減を毎年二百ずつ、合計六百、効率化は三カ年で千名というふうに想定しております。五十九−六十五の中では効率化を二千五百していく、その中で純減を千五百していく、こういう意味で申し上げますと、五十九−六十一の三カ年の中では大体千人の六百人の減でございますから、一年度当たり百三十人ぐらいの要員を見込んでおる。これは過去の五十五年以来の経緯を見ました場合の大体予想される数値でございますし、特にこれから放送衛星が打ち上がって、それに伴う制作等の業務がふえてくる、新しいメディアに対する開発業務がふえてくる。それを二千五百と千五百のプラス千という範囲内で我々は何としてでも新しいメディアに対する体制を整えていきたい、こういう決意で臨んでいるわけでございます。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 そうしますと、五十五年の際の表現の方法をもってすれば、今度の五十九年、本年度の予算の編成に当たって立てました要員効率化計画におきましては、二千五百名いわゆる効率化を進める中におきましては人を減らしますという理解でいいのではないかと私は思うわけでございます。ですから、私はそういったところの一貫性、これを持っていただくことが必要ではないかということをまず御指摘を申し上げておきたいというように考えます。  今度の場合は、逆に申し上げれば、千五百といったような非常に言葉は悪いかもしれませんけれども、良心的な表現でもって御説明に当たられたということに相なろうかと思いますが、いずれにしましても、この点につきましては引き続き効率化の問題に御協力を賜りたいと思います。  そういう中でちょっと気になりますのが、大体千名の増員だということになってくるわけでございます。が、それはニューメディア関連その他によって増員をしていかなくてはならないということはそれなりに理解をいたしますが、先ほどの事業の守備範囲あるいは肥大化、こういうことの関連の中で千名というものがどういう分野での増員の必要性、この増員をせざるを得ない根拠、これをもう少し具体的にお示しを願いたいと思います。

横井昭日本放送協会理事

○横井参考人 お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたように、協会の事業計画が単年度事業計画でございまして、そういう意味から申しますと、詳細に今ここで申し上げられるほど現実に詰まっていない。その中で言えますことは、ローカル放送の充実というのがまず第一番にある。それから次に、放送番組の充実として国際化社会における衛星中継等がこれからますます盛んになって出てくる。第三点目には、先ほど申し上げましたいわゆるニューメディアによる番組の制作とか編集とかあるいはニューメディア絡みの技術の開発とか、それからその他としては視聴者活動、営業活動等々において、大体過去の経緯からすると一千名ぐらいが七年間に要るのではないか。現実には二千五百を目標にして結論として千五百の純減をやっていこう。ですから、プロセスにおいては今度逆で二千五百が二千二百であって、結論として千五百の純減をやるということもあるいはあるかもわからぬ。だけれども私どもとしてはとにかく効率化二千五百、純減千五百ということを目標にしてこれからの年度年度の計画を実際に打ち立てて、それを国会の場でも御審議いただきたい、こういうふうに思っているわけでございます。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 NHKのお立場では、やはりテレビ等で申し上げれば、その質といいますか、こういうものがかなり大きくハイレベルで要求をされる。私は、やみくもにただ人を減らすばかりが能でないという認識は持っておるつもりでございますが、しかし、先ほど来申し上げますような意味合いにおける受信料の限度、こういうものを踏まえました場合には、人的資源における効率化もさることながら、事業そのもののスリム化を図る、進める、こういうことも一つこれからの大きな問題じゃあるまいかなというように考えておりますことを重ねて申し上げておきたいわけでございます。  これも今の問題に絡みますが、そういう中で今度の四月以降でございましたか、放送時間が夜三十分延長されるようでございますが、そういうこととすれば、その三十分延長する、これもかなりいわゆる支出増になるのかなというふうに思うわけでございますが、三十分延長しなければならない、あるいはこの経費との関係、この辺についてお答えをお願いしたいと思います。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 放送番組の中身は、視聴者の方にまず信頼できる情報を提供する、それからためになる番組を提供する、それから楽しめるものを提供するということだと思うのです。その中で、今私どもが把握している国民の生活時間調査によりますと、午後の十一時以降に起きていらっしゃる方が大体三〇%近くいらっしゃる。その方々は、例えば仕事の関係で遅くなるとかあるいはそういうふうな時間帯での生活をしていらっしゃるという方が多いものですから、その方々に対して何らかの意味のサービスをすべきじゃないか、十一時ちょっと過ぎたところで放送が終わるということでは十分その期待にこたえられないというふうに思います。したがって、その時間に、今回は十時半から十一時二十五分まで情報あるいは解説的なものを主とした番組を組みたい、その後三十分いわゆる教養的な番組あるいはローカルでつくった番組、それからタイムリーなインタビュー番組とか、それから気象情報の番組、そういうものを入れまして十分にサービスをしたいというふうに考えております。これに対する年間の予算は大体一億ちょうどくらいを予定しております。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 それでは次に、衛星放送の関係に移らせていただきます。  この衛星放送の関係でございますが、御関係の皆様方の御努力でゆり二号でございますか、今順調に移行しておるようでございます。実は私も最近知り合いの方々からよく耳にするわけでございますが、衛星放送、これはNHKのお立場での前宣伝と言っては大変失礼でございますけれども、かなり行き届いて、期待を持っていらっしゃる向きが多いわけでございますが、そういう中でとにかく受信施設費が高い。パラボラアンテナが十二万、チューナーが十三万、それに工事費等を加えますと大体三十万円かかるのではないかなというふうに考えます。そうしました場合に、私はこの放送衛星を打ち上げました一つの大義名分は、一つのといいますよりも大方の大義名分は難視聴の解消ということでございます。私は、今四十一、二万と言われる難視聴のお立場の方々がこれから三十万円近い金をかけまして、衛星放送の受信施設をやるということは常識的には考えられないので、衛星放送はあくまでも難視聴解消であるというお立場を、ひとつ大臣いかがでしょうか。大臣も一国民としましてどうお考えになるか、お答え願えると結構だと思います。     〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 今度のBS2は主たる目的が難視聴解消ということで、大変な高い星を飛ばしたわけでございますけれども、今現実にお伺いしているだけでも、新しく衛星放送で受信できるようにするときには合計三十万近い経費がかかるということで、これは大変だ。ある程度の集合地のところは少し大きなものをつけて、それで有線で見れるようにNHKの方としても当然技術協力もすることでしょうし、あれですけれども、今お話しになったのは散在した難視聴家庭と申しますか、そこに波を届けて見れるという形になるときには、今言われたとおりの御負担がかかることになるわけです。私も心配いたしまして、小笠原の父島とかそういったところはNHKも技術協力いたしまして、大きなパラボラですか、をやって、そして有線で、できるだけ経費を安くして見れるような形で準備中のようでございますが、今言った散逸した、本当に散在している御家庭に届くという形にするのは、難視聴解消とはいえもったいない、大変な経費だな。むしろ全国に降らすことのできる波ですから、難視聴解消が主たる目的で上げた星ではありますけれども、できるだけ恩恵はあまねく、一般の視聴者にも新しい番組内容、精選された番組内容で見れる機会をつくっていただきたいものだな。余りにも星が高いものですから、そう思います。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 まことに大臣のお答えは我が意を得たりと言ってはぐあいが悪いのですけれども、当然皆さんもそういうようにお考えになるんじゃないかと思うわけでございます。  合いみじくも大臣の答弁の中にございましたように、この問題の一つの解消策は、いろいろ問題はあろうかと思いますが、三十万もかかってはたまらぬから助成はできないかという声が私の関係者の中では、知り合いの中では多い。これは御参考に申し上げておきますが、なかなか難しいというふうに私自身もお答えはしておきました。そういうような衛星放送に期待と関心のある方々でも三十万ということでは到底手が出ない。あるいは量産体制が整えばコストダウンしますよと言っても、その時期はいつですかというような質問が返ってきますとなかなかお答えがしにくい。そういうふうな意味合いでございますので、この辺はひとつこれからの検討課題としまして、郵政省側におきましても、なおまたNHKのお立場におきましても御検討を賜りたいというように考えるわけでございます。  そこでもう一点は、この衛星放送が五月の十二日でございますか、始まりますと、総合、教育、これの再放送ということに主体が、難視聴解消という意味合いからいいますと、総合が九〇%、教育が七〇%でございますか、それは同時再放送ということに相なります。こうなってまいりますと、ただいま郵政大臣の答弁にございました魅力ある番組というものとは——私は、一般の国民大衆の方々におきましては、これほどの金をかけて同時再放送をやって、肝心かなめの、従来難視聴といわれた方々は受信施設もつくれない、そしてまたたまたまこういう程度の経済負担ができる方におきましても、地上波の総合テレビ、教育テレビと同じものが流れている、何をしているんだというようなお気持ち、あるいはまた受信施設の普及に拍車をかける、そういう役目をすら果たし得ないのではないかというように考えるわけでございます。  これは私も従来からこの委員会でも申し上げたことがございますが、やはりこの際一既存の民放のお立場ではNHKさんが新しい番組で衛星放送をやるということはモアチャンネルになる、いささかこれに対する抵抗があることも理解できますが、この辺はいま少し工夫をしていただくべきではないかというように思うわけでございます。従来関係者の方々がおっしゃっておられました建前の大義名分とはいささか違った要素が入るかもしれませんけれども、番組のあり方につきましてはもう一遍思い切ったお考えを示されるべきではないか、かなり質の高い、ためになるあるいは娯楽性もある、そういうものをつくり出しませんと、衛星放送の受信というのは全然伸びないのではないかなというように私は思うわけでございます。この辺につきまして、会長とされましてはいかがお考えでございましょうか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 大変有益な御意見だと思って拝聴いたしました。  私どももこの放送衛星につきましてはかなりの開発経費、打ち上げの経費をかけておりますし、さしあたり主たる目的は難視聴の解消ということで打ち上げますが、この放送衛星は非常に大きな能力を持っております。大きな能力という意味は、新しいメディアとして単に今までのテレビをそのまま流すだけではなくて、例えば音声につきましても、PCMといって地上のFMよりはるかに質のいい音声放送も出せるはずでございますし、先々にはあるいは高品位テレビジョンも可能でございますし、そのほか静止画放送というようなものも十分できる能力を持っております。これはもちろんそういうことを十分計算に入れた上での衛星放送であったわけでございますが、御指摘のように単に難視聴の解消だということで地上と同じ番組をやっていたのでは普及もいたしませんし、何のための衛星かということになろうかと思います。できるだけ編成上の工夫等を凝らしまして魅力のある番組を放送して普及の促進を図りたい。これはすぐそのままつながるわけではございませんけれども、テレビの放送のありよう一つをとりましても、去る三月二十日私どもは一日非常に変わった形の編成をやってみました。これについては批判的な御意見もたくさんちょうだいしましたし、私どもあれでいいと決して思っておるわけではございませんけれども、テレビの放送のあり方というものもどんどん変わっていくし、既にほかに国等ではまた新しい形の放送も出ておりますし、そういうものを考えれば、この衛星放送の利用の仕方もまたいろいろあると思います。あるいは今度オリンピック等があれば、地上の放送の制約を超えてあのオリンピック期間にはこの衛星をフルに活用して受信者の方に十分に御利用になっていただけるような放送も考えたいと私は思っております。  さしあたりは、総合放送等はほとんどそのままになりますけれども、しかし多くの方が御利用になれる夜間あるいは土曜、日曜の午後から夜にかけましては、再放送等の時間等うまく活用して斬新な編成をいたしまして、なるほどこういうものもできるかというものをごらんになっていただきたい。それによって普及も図っていきたい。かつまた山村僻地の難視聴地帯だけでなくて、むしろ今大都市周辺では地形の問題、それからビルディングの影響等でなかなか良質な電波が届かないというような実情でございます。そういうところではこの衛星放送がまた別の意味の都市部における難視聴の解消にも役立つはずでございますし、そういう点でも御利用いただけるのではないか。これは鶏と卵なんですけれども、今確かにアンテナと附属設備で三十万近くかかりますけれども、ある程度普及の速度がつきますとこれはメーカーの方も大量生産に移れますので、最近のIC等の技術開発の傾向を見ておりますと、あるはずみがつけばかなりのコストダウンができるのではないか。しかし、それにはまた番組が魅力あるものでなければそれは普及はしないぞという御指摘もありますので、そこはどちらが先かと言われれば、もちろん番組の方が先になると思います。さりとて番組の制作はまた余り大幅にやりますと制作費がかさんできてそれこそ料金にはね返らざるを得ないような事態が参りますので、そこは大変難しいところでございますけれども、一つのきっかけは、やはり私どもが新しい何か編成上の工夫あるいはそれを超えたサービスをこの衛星で少しずつでも開始していくことではないかというふうに考えております。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 私はこれ以上申し上げませんけれども、三十万円程度負担をできる御家庭にありましては、逆に申し上げますともう既に何らかの手だてをもちまして難視聴の解消は終わっていらっしゃる、そういう姿じゃないかというように思うわけです。ですから、これによっての難視聴解消という実績ができ上がるのは都市型の云々という範囲で、それがどの程度の数字になるかは知りませんけれども、ごくわずかじゃないかなというように考えますので、これは従来の既存民放等のお立場あるいはまたこれを一つの大義名分にせざるを得なかったという要素もあるのかなというように思いますのでこれ以上は申し上げませんが、この辺につきまして郵政省の局長のお立場ではどうお考えか。今の番組のあり方の問題、そのほか受信施設の三十万円という問題、これについてざっくばらんな一つのお考えをお漏らし願えれば結構でございます。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 BS2でございますけれども、難視聴解消を主目的とするという点はございますが、先ほどからお話が出ておりますように、あわせて衛星放送の普及発展を図るということもまた重要なことでございます。せっかく打ち上げた衛星という面がございます。受信料との関連も今、会長からのお話のあったとおりでございますが、私どもといたしましてもある程度の番組編成上の工夫が行えるようにということで、現在上がっております星の使い方といたしまして、衛星の教育テレビジョン放送の予備免許の際に、地上の教育テレビジョン放送よりも条件を緩和をしたところでございます。中身といたしましては、教育教養合わせて八〇%以上、教育は全体の五〇%以上、こういうところで二面性があるわけでございますけれども、その可能な限りでの番組編成上の工夫をできるようにという気持ちでございます。  受信機の問題でございますが、ささやかではございますけれども、物品税の問題、これまたここの委員会に関係の先生方のいろいろお力添えもいただきながら、物品税の当面の非課税措置というふうなことをとらせていただこうとしているところでございますが、この値段の方もやはり普及と関連をいたします。一方で大量生産によるコストダウンということのためにも、先ほど申しました番組上の工夫ということが相まっていくであろうというふうに考えておるところでございます。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 私はこれはNHKさんのお立場ではやはり魅力ある番組を積極的につくって流したい。いわゆる再放送といいますか同時放送、そういうものの要素を少なくしたい、そういうお気持ちをお持ちになっていらっしゃるのではなかろうかというふうに考えますし、郵政省の方ではこの辺は既存の民放との関係もあって、なかなか難しいというお立場をとるのかなというように考えますが、時間の関係もありますからこれ以上は申し上げませんので、今申し上げました問題点を引き続き御検討賜りたいと思います。  そういう中で、昨年のときにも問題になりましたけれども、衛星放送におけるローカル番組のことにつきまして、これは衛星放送の中におきましてもこれから技術の進歩、そういうものを期待をしまた努力をしながらやっていくということでございましたが、これにつきましてもひとつ大いに御検討を賜りたいというように考えるわけでございます。このローカル放送の問題は余り突っ込んで申し上げるといろいろ当たりさわりがある面もあろうと思いますけれども、私は特に、今申し上げましたように衛星放送におけるローカル番組、これにつきましても引き続き御配慮をお願い申し上げたいと思うわけでございます。  最後にお尋ねをしたいわけでございますが、こういったニューメディアが非常に開発をされまして、いわば高度情報化時代、高度情報化の社会を迎えようとしておりますときに当たりまして、これから先のNHKを含めまして経営のあり方、これがいろいろ論議を呼んでくるんではないかというふうに私は考えます。これにつきまして、監督官庁であります郵政大臣としましての御認識、お考えの内容、これを伺って私の質問を終わりたいと思います。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 午前中からの論議の過程で大変勉強を実はさせていただいております。しかしNHKの料金は、今回の問題とは別にして客観的に外から見た場合、受信料というのは比較的、世界的な水準からみると安いところにあることも事実でございます。先ほどは新聞との比較で言われましたけれども。しかし他方、国民サイドにとって見ればこれは安いほどいいので、ただなら一番いいのですけれども、そういうわけにもいかないという、公共放送としての役割も果たさなければいかぬということでございます。  私も今回の予算案を通じて、NHK側にはスリムになれと、先生御指摘のとおり経営の効率化もやれ、人員の純減も図れということを極力御要請いたしました他方では、ニューメディア時代に対一応した技術対応体制を整備しろ、あるいは番組サービスの内容において質的な向上を図ってくれなければだめだ、あるいはまた国際放送等において、自主放送の面においての充実を図れ、言ってみれば人とお金のかかる面ばかりを、国民的な要望としてはあるわけでございます。そういうことからいいますと、今回の予算審議を通じまして、今後の経営のあり方、ニューメディア時代に対応するあり方ということになると、NHK当局としてもいろいろ勉強させられたんじゃなかろうかと思うのです。  受信料一つにしても、私も今まで受信施設で取っておったと思ったやつが、世帯はもう一緒くたということになりますと、これからの新しいニューメディアに対応した形で、一世帯でテレビを何台も持つのはもう当たり前な時期でございますし、いろいろな面を考えるとまだまだ政治家としても検討してあげなければいかぬ面もあるし、かといってNHK自体がもう経営努力もさることながら新しいメディアを利用して、今御指摘になったようなモアチャンネルという形ですけれども、それがまた国民の本当のいい意味の教養番組にもなり、また、新しいサービスの面にも役立ち、むしろ多少高くてもどうしても見るという魅力がある、内容的になっていった場合、あるいは多面的なこの星を利用したサービスの面をNHK独自にも工夫していただく等々考えますときに、私たちも注意深く見守ってまいりますけれども、NHKの労使双方公共機関としての役割を他面維持しながらもそういう形に不断に勉強していってほしいということを心からお願いしたいと思っております。

畑英次郎自由民主党・新自由国民連合

○畑委員 終わります。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 竹内勝彦君。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 このNHKの予算審議に入る前に奥田大臣に、本委員会では大臣きょうが初登板です。一点だけ今非常に国民が注目しておるというか、焦点になっておる問題でございますが、特に通産省との調整、そういった面でいろいろ難航しておるという問題は、電気通信事業法原案に盛り込んだ問題でございますけれども、これは郵政省といたしまして二十七日に予定をしておるわけでございますけれども、今までの両省の問題で、それはこの第二種にかかわる認可の問題、それから完全に自由にせい、こう言っておる通産省との問題でございますが、その辺の通信の秘密、それから国民の通信の私権にかかわる重要な問題で、郵政省の言っておること、私もよく理解できます。しかしいろいろな行政の面におきましての調整があるわけでございますので、今までの経過とそれから二十七日もすぐでございますから、今後どういうようにしていくのかいろいろあります。郵政案だけで調整できなくともいくとか、あるいは必ず調整を図るとか、調整が図れない場合はおくらすとか、どうなっておるのか、その辺まで含めて最初にその面を御答弁ください。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 今もう連日、新聞、テレビを通じて問題になっている問題ですから率直に言わしていただきますが、問題点は第二種業種の中のVANの問題でございます。一種事業という形は回線を持っておる回線屋さん、二種事業はその回線を今度は借りて、私たちの言葉で言うと通信役務を行う業者を総称して二種業者、この中にはVANもございますけれども、はっきり言ってテレックスの形もファクシミリも図形や文字伝送する形もございますし、また回線を借りて電話業も営むこともできるというようなことですから、その中のVANについて今通産、郵政との間で対決というような形で表現されておるわけです。ただ、郵政側の主張というのは簡単なんで、通信回線を利用して情報であれ、文字であれ、声であれ、何であれ、ともかく通信回線を利用して運賃をもらう業者は全部通信主管庁たる郵政省が当然関与していくべき業界であろうということであります。VANについても同じことで、私たちは情報のパッケージをいろいろな配送システムを通じて相手方に届けるという形においてVANシステムはまさに通信業務、通信あるいは情報処理業務、通信を頭に冠した業務であるということになるわけでございます。ですから、私たちはこのVANに関して大型の全国ネットを有するようなVANに関しましては不特定多数という原則も入れまして、これは国の中枢神経、情報面からいいましても通信処理の面からいいましても相当大きな能力を持ったものでございますから、これは許可制として設備の責任を持っていただかねばいかぬ。これはユーザーの側からいっても当然だろうと思います。また、他方一般VAN、というのは数の少ないコンピューター群をオンライン化して真ん中で処理していくというような一般VANに関しましては、これは届け出でいいでしょう。こういった情報化社会の時代にできるだけ多彩なメディアで事業の活発な、情報の活発な交信もやってほしいということですから、これは届け出ということで住所なり所在地なり態様なりを私たちが把握している形でいいのじゃなかろうか。したがって、届け出制を主張しておるというのが現状でございます。これに、外資の緩やかな規制も私たちは主張いたしております。ということは、これは特別大きなVANに関してのみでございますけれども。そういった三点の主張を踏まえておるわけでございますが、他方通産側は、ともかくVANは情報処理の事業であるからアメリカ並みに全面開放しろ、自由化しるというのが通産側の主張であります。しかし、この双方の主張というものが相当開きがありますものですから、両大臣で調整をしてくれということでございました。しかし、現状の点からいうと調整は成らずということで、お互いの立場は主張を認め合ったということになりました。そして、ではその結果をどうするのだ、二十七日の法案提出を間近に控えて、そのままでは電気通信事業法案もパアになってしまうじゃないかということになりますと、そうではありません。結局、両方の大臣として、双方の主張は合意点には至らなかったけれども、これをひとつ党のサイドに持ち上げて、徹底的な検討の上で裁定というかはっきりしたジャッジをしていただきたいということで、目下党の各機関において調整を行っておるというのが現状でございます。  したがいまして、結果的な見通しとして一体どうなるのだ、結論はということになりますけれども、大体の見通しとしては、二十七日が政府の今国会の法案提出期限ということに一応明示されておるわけでございますが、何とかしてこの日までに間に合わしたいと目下調整中というところでございます。では、率直日言って見通しはどうだということになりますと、二十七日までに何としても、私たちはターゲットをそこに置いておるわけですから、そういう形で調整にこぎつけたい。なかなかデリケートな状況に至っておるというのが現状でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 これは簡単に終わろうと思ったのですけれども、えらい詳しく説明してくれたのでちょっともう一点だけ。  調整がつかなくても出すのか、それだけ。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 やはりこれは政策審議の過程で私たちは政府案を一応党に検討していただくということで、党内の調整がついて了解が得られない形のままで出すということはできないと思っております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 NHKに経営問題、予算の問題、若干質問をさせていただきます。  まず、NHKの経営計画に関する審議会調査報告書が昭和五十八年十二月に出ておりますが、ここにも「NHK当局が調査報告書の趣旨を十分尊重し、新たな時代における公共放送事業体にふさわしい先見性を備えた経営計画を策定して、今後NHKが果たすべき役割を一層明らかに」していただきたい、こういう趣旨のものが報告されております。ニューメディア時代を迎え、NHKの位置づけ、これがもう昔とは全然変わってきていますね。公共放送というものが日本で出発したそういうものの中からはもう大きく変わってきておる、そういう中での今後の位置づけをどのように考えるか。また、財政基盤は今後この同じパターンでいくのか、大体三年か四年で値上げしていくのか。それからあとは経営の効率化でございますが、どのように推進していくのか、その点に関してまずNHKから御答弁いただきたいと思います。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 確かに時代が非常に急速に変わっております。その中で私どもの役割も当然変わらなければならぬ点もあります。しかし、やはり公共放送事業体としましては、激しい社会の変化と技術革新の中においても時代を先取りしながら先駆的な役割を果たす責任はあると思っております。それは今御指摘のとおり、技術革新、新しいメディアをただ取り入れて協会のメディアを膨らまして、足りない経費をいたずらに視聴者の方に負担をしていただく、そういう経営であってはやはりならないというふうに思います。技術革新とそれから社会の変化、社会の変化というのは人間の心あるいは価値観の変化ということが非常に急速に進んでおりますので、その中でこの技術革新の成果であるニューメディアというものがどういう形で取り入れられていくのか、そのことをやはり慎重に見きわめておかなければいけない。いたずらに技術革新でこういうことが可能だというだけで私どもは新しいメディアの拡充に取りかかるつもりはございません。その点は慎重に考えながら、公共放送事業体として今までに私どもの持っております幾つかのラジオ、テレビのチャンネルといいますか、メディアと新しいメディアとの有機的な関連をよく考えまして、国民にとってどれをどのように使うのが一番プラスになるのか、利益を還元できるのか。その中で、協会としては新しい事業体、新しい事業にはもちろん全精力を挙げてまいりますけれども、同時に今までの仕事の中でやはり整理すべきものは整理していかなければいけない。新しい仕事を展開するためにも今までの仕事を抜本的に見直して、スクラップ・アンド・ビルドと申しますか、転換できる仕事は転換し再編成できる仕事は再編成して、能率的な形でその新しい仕事に向かっていきたい。そのために、もちろん今の受信料制度というものは大切にしていきたいと私は思います。  こういう制度というものは世界でも非常に数少ない制度でございますし、全部の受信者から受信料をちょうだいしつつ、あまねく全国に放送のサービスをしていくということは非常に少ない経営形態であり、これは私は日本の放送の事業体の中の大変な特色でもあるし利点だと思うし、この受信料制度というものは大切にしていきたいと思いますけれども、同時にNHKとしましては、いつまでも受信料制度の上に安住するといいますか、それだけを頼りにするのではなくて、新しいメディアに伴って新しい収入の道が考えられないかどうか、その点も十分に考えていきたい。幸いにして一昨年でありましたか、放送法の改正もあり、NHKが必要とする関連の事業体に対する出資も認められております。あるいは文字放送の第三者機関というような制度もできてきております。また、私どもが過去長い間蓄積しました財産であるいろいろなノーハウといいますかあるいはデータというものも数多く持っておりますし、これを今言われておりますニューメディアの手段に提供することによってそれによる収入を上げるということも考えられないことはないわけでございますから、そういった面で財政の安定策ももっと多角的に検討してまいりたいというふうに考えております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 私が記憶しているのは、今回四年間で値上げになりましたね。その前は三年間だと思いますが、大体何年間ぐらいで値上げになってきているか、それから今回の値上げで今後の長期的な財政基盤、これはどのくらいもつのですか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 これまでNHKは五十一年度も五十五年度も三年の長期の経営計画を立てまして、そして御審議をいただいて、その四年目につきましては据え置いたといったような形できたわけでございますけれども、今回の経営計画も、お手元にございますように五十九年度から六十一年度まで三年間で収支を均衡させるという経営計画であるわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 今まで大体三年ごとの値上げを繰り返してきておる、これがこのままずっと、本委員会で同じようなことを、値上げ値上げでいかなければならぬ、確かに資本主義の日本の国でございます。では今のNHKにほかから財政的基盤を何かやれといってもできるわけがないですね。したがいまして、今回衛星が打ち上がった、五月からいよいよ衛星放送の実用の段階へ入っていく、もちろんこれは難視聴の解消のためにいくのか、あるいは高品位テレビを含めてもっと新たなものに進んでいくのか、これはまだまだ論議しなければならぬ問題ではないかと思いますが、その中で、例えばこの衛星放送によって今後いわゆる二チャンネルふえたと見なげればいかぬ、これが難視聴解消のためだけならば、全く同じものを放送して難視聴のところだけ何とか解消しますよ、こういうことで持っていったならば二チャンネルふえたことにはならぬ。だから、私が最初に言ったような、もしも二チャンネルふやしたんだ、ふやしたかわりに国民にもっとこういったいいものを提供できるんだとなればまたそういうものに対するそれなりの、前は白黒のものからカラーへかわるときのそのものにおきましては格差がある、現在もついておりますが、今はもうほとんどカラーですね、そういうものが何かの形で出てくるのかどうか、私が今言わんとしておるのは、この放送衛星を利用することによってまた料金が変わってくるのかどうなのか、その方向性を考えているのかどうなのか、それを御答弁いただきたいと思います。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 先ほど会長からも申し上げましたように、今後ニューメディアの時代に入りまして、この衛星放送の持っている能力をどう具現していくかといったような将来のあり方ということにかかわってくるわけでございますけれども、私どもは、やはりこの実用化が進みまして普及状況というものが大多数の方のところまで及ぶ、あるいは受益感の高い放送サービスといったような段階におきましては、そういったカラー料金と同じような衛星の料金といったようなものも当然検討していく必要があるというふうに考えているわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 これは審議会の調査報告の中にもありましたように、ニューメディア実用化の態様といたしまして、今後の放送衛星を利用しての態様が今のような形で一応はっきりしてきましたので、ではこれでBS2が利用されますね。そして今度はBS3が、今の予定では六十四年とこちらは承知しておりますけれども、それももちろんこのBS2が利用されて、その次の段階でBS3が利用されていく、二チャンネルというものが確保されていく。あとはこのBS3はどういうものに利用できるのか。例えば民放だって衛星を利用していきたい、こういう声は多く出ております。これをどういうように考えておりますか。まずBS3への準備、進行、それからこれの利用状況、これをどう考えておりますか、郵政省。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 BS3でございますけれども、BS2の後継機という意味合いにおきましては、BS2で行いますNHKの二チャンネルの放送をBS3で実施をするということを予定いたしておりますが、昨年の十一月十八日に郵政省といたしまして主要なポイントを決めましたBS3の当面の進め方の中では、BS3につきましては三チャンネルの放送が可能であるという考え方で、NHKの二チャンネルを除きました残りの一チャンネルにつきましては一般放送事業者、いわゆる民間放送の放送を行わせるために利用するという考え方でございまして、この一般放送事業者用の一チャンネルにつきましてはテレビジョンで衛星放送をやりたいという申請が十二件出てまいっております。目下この十二件の申請につきましての一本化の調整を、つい先ごろでございますけれども、大臣から依頼をしたという状況でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 放送衛星を利用しての料金の体系も先ほど答弁いただきました。そうすると、料金もちょっと今までのものとは変わってきますね。そうすると、財政基盤という面も変わってまいります。  そこでNHKにお伺いしておきたいのですが、この間、NHKのある報道の記者が民放へ行かれました。私もちょうどあのニュースを見ておりまして、何をあいさつするんだと思っていたら、一身上の都合でNHKをやめることになりました。どういうことかなと思っておったら、ある民放の方に行かれた。報道関係の記者なりNHKのそういった立場におられる人たちが民放の方へかわっていかれた、これはもちろんNHKのいろいろなものもあるでございましょうけれども、その財政の面や、個人にとってみれば給与の面や、いろいろな面での魅力から選択されていったのではないか、こう考えますので、この状況を最近のもので結構でございますが、御説明ください。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 先生おっしゃったのは報道局の記者ではございませんでアナウンサーのことではないかと思いますが、森本アナウンサーが一身上の都合で退職いたしまして、フリーの仕事をするというふうなことになったわけでございます。これは別に、例えば待遇上の問題とかそういったことが主原因ではございませんで、本人が協会に二十年おりまして、ちょうど四十五歳になり、自分の持っている素質からして単なるアナウンサーとして過ごすのではなくてもっと幅の広い仕事をしたいというふうなことで申し入れがありまして、それで退職して、さしあたりの仕事として民放のキャスターの仕事につくということでございます。そのような例が最近では、この五年ぐらいの間で見ますと六件ぐらいございますけれども、その中の四件はいずれも定年になって退職をした者が行ったケースでございます。現役といいますか、現役のアナウンサーが行ったケースは二件でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 男女の性別と年齢をちょっと教えてください。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 二つの件といいますのは、最近出ました森本アナウンサーでございますが、四十五歳、男性でございます。それからもう一人は、昭和五十六年に頼近という女性アナウンサーが出ております。年齢の方はたしか二十七、八歳だったと思いますが、詳しくは存じておりません。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 ほかの件も……。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 定年退職した者でございますから、いずれも五十七歳または五十八歳のメンバーでございます。男性、スポーツアナウンサーが二名おります。それから、いわゆる司会のアナウンサーが二名おります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 今アナウンサーの面で、あるいはキャスター、そういった面でのあれでございますが、そういった例はほかにはございませんか。

川口幹夫日本放送協会専務理事

○川口参考人 ほかにもプロデューサーあるいはディレクターというところに若干おります。ただ、いずれも自分の、何といいますか、適性、能力、そういうものを考えてNHKをやめて別な仕事についたというケースが主でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 NHKとしての認識はそういう認識であるということを承りましたが、私どもは、四十数歳、それから二十数歳、ほかにも、何しろまだまだ一生懸命やってもらわなければならない、そういった人たちが、むしろもっとNHKで本当にいろんなものを訓練を受けたり、また自分自身を磨いてきたり、いろいろなものを生かしてさらに公共放送である、国民のためにやってもらうのが、これは国民から見れば筋だと思います。  したがいまして、ぜひひとつそういった人たちが本当にNHKで魅力あるものとして仕事ができる、そういう体制を、今回のこの値上げを一つの契機といたしましてもぜひそういった努力をお願いしたいと思いますが、会長どうでしょう。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 私どもの職員がやはり長年にわたって経験を積み、技能を磨き、能力を高めていっているわけでございますから、でき得べくんば定年を迎える日まで、あるいは迎えた後も協会のために働いてくれることを期待しております。そのために私どもとして何をなすべきかということは今後とも考えていきたいと思っております。  ただ、世の中の一つの変化というものもございまして、これはアメリカ等の場合、一番典型的でございますけれども、番組の中に出てくるアナウンサー、キャスター等の場合、いわゆる契約制をとって短期間の契約で非常に多額の契約金を払うというような例が非常にたくさんございます。日本の社会も、先ほども申しましたけれども、やはり激しい変化をしておりますので、そういう変化の中でテレビに従事する人間等にとりましてそういう形の就業の仕方というものもあるいは出てくるかもしれない。いわゆる終身雇用というのが今我が国の雇用制度の主流をなしておりますけれども、こういう雇用のあり方についても何がしかの変化があるいは将来出てくるかもしれない。そういう事態の場合には、我々が今まで考えておりましたような職員の遇し方についても何か別の考えがあるいは将来出てくるのかもしれない。そういうことも含めまして、私どもはやはり職員の処遇のことは十分に考えてまいりたいと思っております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 中曽根総理が、この二十二日の参議院予算委員会で有害図書の法規制について「言論の自由の尊重は当然だが、最近の例は、あまりにもひどすぎる。犯罪をそそのかすようなものもあり、放置出来ない。青少年の精神環境を守るため伝家の宝地を持っておく必要があるのではないか」、いわゆる青少年あるいはまた少女雑誌等が余りにも目に余るような、そういうものがある。それは図書の問題で言われておるわけでございますが、これは各党どういうように対応していくか。我が党におきましても、その面においての協議の段階へは入ろう、こういうことで考えておりますが、図書はそこへ行って買ってこなければ、あるいはそこへ行って見てこなければ、やはりこっちの意思がないと見ることができませんね。ところが放送の問題になると、これはテレビがいつでもひねってある、そういうようなときには黙っていても流れてくるんですよね。これは放送、確かに報道の自由、表現の自由がございます。そういう中で、どうでしょうか大臣、前にもここで論議したことがございますが、例えば民放も含めて、普通にテレビを見ていて、ある段階に来て、子供と一緒に見ているのが恥ずかしくなるような、そういう経験はないですか。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 大いにあります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 そこでこれは非常に難しい問題でございます。私はここでは何とも言えません。ただこの放送に関しても青少年の教育上これはどうしても守っていかなければならない、そういったものが私はあると思うのです。したがってそういうものでの、まあ今後どういうふうに進めていくかはわかりませんが、どうでしょうか、郵政大臣としてこの放送問題に対して有害、まあ決めつけるわけではございませんが、それが論議になってきたときには、この有害放送の規制に関する何らかのものを、これは法制化なんということは非常に難しい問題でございましょう。しかしそれは今後の論議の問題だと思いますが、何らかのその論議をしていくお考えはないかどうか御答弁ください。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 先生の御指摘のように、時々青少年にいかがなものであろうかというシーンにぶつかるケースが多いわけでございます。ただしきょう御審議願っているNHKにはそういった形は、私もずっと見ているわけじゃありませんけれども、万々ないと信じております。しかし本当に今御指摘のように、伝家の宝刀とまでは言いませんけれども、何かひとつ少しは規制をして、びりっと、これは主に民放の経営の方の話になると思いますけれども、それくらいの何か効き目のある措置ができないものだろうかということは率直な気持ちでございます。  しかし、あの放送法三条ではえらい規制が、はっきり申しまして、番組に対してはいかなる者も関与できないというくらい、いわば言論、表現の自由というのが確固たる形で法定されております。また他方、郵政省として放送行政を預かっている立場でできることは、法定されておる放送番組審議会、そこに各局とも相当な立派な学識経験者がおるわけですけれども、それが十分機能していないというところに残念なところがあるわけですから、折ごとにこの番組審議会のメンバーに対しては大臣として御要望申し上げておる。いわば適正な番組作成に全力を挙げていただきたいということは言っております。そして、民間とNHKとの合同で番組向上の委員会というものもございまして、これも毒力定期的に開いておるし、これはNHKと民放とが一緒になってやっておるわけですけれども、各局の報道のあり方とかあるいは番組のあり方についてはなかなか真摯な研究討議が行われておることも事実です。事実、規則は幾らでもあるのです。民放でも放送制作の基準では、犯罪の態様を余り英雄視させたらいかぬとか、あるいはセックスなんかでも過度に刺激を与えるような形はやっちゃいかぬとか、いろいろ犯罪の手口を教えるようなことはやっちゃいかぬとか、何十項目にわたってあるわけですけれども、それをちゃんと守っておってくれれば今のような御指摘の問題はないわけです。  ところが、他方、番組制作の自由が保障されており、片方でいろいろな番組審議会等々の制度はあっても、今度はそれを客観的にこれはおかしいじゃないかと思った場合に、相手を引っ張ってきてやっつける制度というものはまだないわけです。ですから口で言いっ放しになるわけですけれども、私たちはたゆまず、テレビが青少年に与えるあらゆる面の過度な影響というものは会合のたびに率直に申し上げております。それは民放の社長の会合であれ、番組編成の場合であれ、一番効き目のあるのは免許を再免許するときに−どっちかというとそういう流れをやるところは癖のある、波は大体決まっておるわけですから、そんなことを言っちゃいけませんけれども、そういう傾向は多々あると思う。そういうときにもやはりちゃんと再免許の際にはもちろんやっているわけですけれども、残念ながらことしはそういう年ではございませんで、来年でございますけれども、そういう点で事あるごとに先生方のきようのこういった御論議も非常に1各民放番組編成制作、経営者も含めて、こういった論議が国会の場において、しかもNHKの予算審議の過程において先生方がこれだけ憂えておられるという形の警告は確かに大変いい効果になってあらわれてくることを私は期待しておるわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 つけ加えておきますが、言論の抑圧になるようなことのないように、その点だけを一言つけ加えておいて、今大臣が言われたような本当に今後の日本というものを考えていく上において大事な問題ではないかと思いますので一ぜひよろしくお願いしたいと思います。  そこで、CATV、今後当然いろんな放送がこれまた入ってきます。アメリカ等の例を見ればもう百何チャンネルもあるようなところもあるわけですし、要望に応じて双方向のCATVあるいはペイテレビ、そういうものでその要望に応じての供給をしていく、こういったものは当然今後出てくると思います。  そこで、大体のもので結構でございますが、最近のCATVとFMの全国の申請並びに許認可の実態、それと私、京都でございますので、どうしても関西の方に興味がございますので、その中で京都と滋賀のこのCATVとFMの申請並びに認可あるいは今後の見込みなりをちょっと答弁してください。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 CATVの関係でございますが、これは許可申請としてのものでございますけれども、現在申請を受理いたしておりますものが、自主放送を行うという施設で十四件、それから難視聴対策の施設といたしましては二十四件、合計三十八件でございます。  近畿と申しましょうか、今手元にございますのでは、京都あるいは滋賀に関する数値を手持ちをいたしておりますけれども、京都について申しますと、現在許可施設が八、五十以上五百以下の届け出施設が六百二十、五十以下の小規模施設が六百三十九という状況にございまして、CATV施設の設置許可申請といたしましては、今申しましたものと別に二件提出がされております。滋賀県につきましては、許可施設はございません、届け出施設が二百十三、小規模施設が百七十八という状況でございまして、許可申請は現在のところ出ておりません。  それからFMでございますけれども、現在第四次のチャンネルプランで二十二の地区にチャンネル割り当てをいたしております中で、現在までに五つの地区に予備免許を与え、そして十一の地区につきましてはいわゆる一本化の調整をお願いしておるという状況にございます。  このFMの関係の京都、滋賀の状況、これも京都、滋賀のものにつきまして手元にございますものを申し上げますと、京都地区につきましては、昭和五十七年十月の周波数割り当てに対しまして七十三件の免許申請が提出をされております。郵政省といたしましては、まだ一本化の依頼ができる状況になっておりませんけれども、できるだけ早期に一本化できるように関係の方面と折衝中でございます。滋賀県につきましては、免許申請が一件提出されておりますが、同県につきましては、現在周波数の割り当てを留保している状況にございます。他の地域と同様でございますけれども、FM放送局の経営基盤等を考慮しながら、周波数の割り当てについて検討していきたいというふうに考えております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 ちょっと局長、そのCATVの京都の二件というのは中身はどんなものですか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 京都で出ております二件のCATVの設置許可申請でございますが、株式会社によりますものが二つでございます。規模といたしましてはおよそ六百程度、許可申請の必要なものが五百以上ということでございますので、それを若干上回った程度の規模のものでございます。最近のいわゆる都市型のCATVと言われるほどの規模のものではございません。ただその中の、二つのうちの一つは京都市の中京区において実施をしたいという申請でございまして、これは規模は小さくございますけれども、自主放送を二チャンネル行いたいということで申請が出ております。  もう一件の方はデベロッパーによるものでございまして、放送内容としてはいわゆる再送信ということでの計画を持っているものでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 その二件の許可見込みはどうなっていますか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 作業の状況にもよりますけれども、ことしの六月ごろにはという腹づもりでおります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 もう時間でございますので、もう一点だけ国際放送の問題に関してちょっとお伺いしておきますが、この「時間の拡充及び一層の受信改善を図る」具体的にどういうようにやっていくのか。それから、今回の予算はこれでわかります。しかし今後の予算の補てん、こういったものも含めて国際放送への取り組みをNHKとして御説明いただいて、質問を終わります。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 この八俣の送信所の整備につきましては、この中で三カ年で百十八億という設備負担のための建設費を計上しておりますけれども、これは四カ年の計画でございますので、さらに全体でございますと百四十三億という形になるわけでございます。  それから放送につきましては、三時間のゼネラルサービスを新年度、この四月から実施していきたいというふうに考えているわけでございます。  それから海外の中継局といたしましては、アフリカのガボンからの中継局を六時間という形で実施していきたいというふうに考えているわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 ちょっと予算のことを。予算の面での今後の考え方はどうするのですか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 国際放送についてでございますが、私どもといたしましては、国際放送の重要性ということにかんがみまして当然今後もこれに力を注いでいきたいというふうに考えるわけでございます。しかしながらこの予算につきましては、やはり国内の放送を受信されておられる視聴者の受信料ということでございますので、これに対する限度、限界というものがあろうかというふうに考えているわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)委員 終わります。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 小谷輝二君。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 最初にNHKの事業計画につきまして、昭和五十五年度に比べてNHKを取り巻く環境は非常に変化をいたしております。またNHKの公共放送事業体としての役割、またニューメディア時代を迎えるに当たりましてNHKが果たすべき使命等の重要性がますます大きくなってきたのではなかろうか、このようにも考えられますし、また我が国の文化の向上を初め国民生活に役立つ公正で質の高い放送、この確保が重大な使命ではなかろうか、このように思うわけでございますが、最初に大臣並びに会長にこのような時代を迎えてのNHKの使命等について御見解を承っておきたいと思います。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 御指摘のとおりこういう高度情報化社会あるいはニューメディアの進展という時代を迎えまして、私どもの果たすべき役割はますます重くなっていると思います。  特に公共放送事業体として、時代の先駆的な役割を果たすべきものとしてニューメディア、やはりいろいろなものがございます。文字放送という新しいものも私ども既に始めておりますし、衛星放送も間もなく放送を開始いたします。そのほかCATVとか各種の放送事業体の外側を取り巻く世界においても、非常に新しい手段が開発されております。その中で、こういう放送事業では民放も含めまして一番長い経験を持ちます私どもNHKとしましては、その中心となって国民の生活に一体どのようなソフトが一番必要なのか、一番役に立つかということをいつも考えて、そのための開発に努力をしていきたいというふうに考えております。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 全国あまねくということで大きな公共放送事業としての役割を果たしてきたということは万人が認めるところであろうと思います。今後ともこういった公共的な放送機関として新しい高度情報化社会にも対応したそういったメディアの多彩なプログラムといいますか、番組を国民に提供して頑張っていただきたい。他方、何せ国民の聴視料という形の公共料金体系での経営でございますから、常に不断に経営の効率化というものにも努力をしてほしい、心からそう願っておるわけでございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 今回の事業計画を見てみましても、人員の削減等がなり努力をしようとされておることにつきましては敬意を表するところでございますが、要員の削減計画の中身を見ますと、五十九年度から六十五年度二千五百名減員して、さらに新規の業務に必要な要員として千名増員、差し引き千五百名の純減をするということになっておりますが、今後NHKの業務が新しい技術の発展に伴いさらにますます多様化していく時代に、果たしてこれだけの大幅な人員削減をやることが可能なのかどうか、危惧するものでございますが、この辺の内容について御説明をいただきたいと思います。

横井昭日本放送協会理事

○横井参考人 お答え申し上げます。  我々の要員の効率化と経営の合理化ということは、我々が国民、視聴者の理解と信頼を得る必須の基本的命題である、そういうふうに考えております。  それからまた、既に放送衛星が上がってこれから新しいメディアのサービスが始まるわけでございますけれども、そのための基盤を整備するという意味からもこういった効率化と経営の合理化が絶対に必要な条件である、こういう考え方から五十五年度以来効率化計画を実施してきたわけでございますけれども、御指摘のように五十九年度以降は七年間で二千五百名という効率化、増を千名やって純減千五百をやるという非常に厳しい経営の姿勢を打ち出しているわけでございます。この二千五百の減につきましては、大まかに言って六つの視点から我々は考えております。  その第一点は、組織改正により部局数を削減していくということでございます。それから第二点は、本部並びに管内担当放送局にありますスタッフとか管理業務体制の縮少を図っていく。第三点は業務についての集約、再編成を行っていく。第四点は、地方放送局体制の見直しを行っていこう。第五点は、関連団体を活用しながら業務の機能的分担を図っていく。第六点は、外部委託を拡大しながらNHKの仕事の中身をもう一回見直していこう。こういう六つの観点から、効率化二千五百名をとにかく七年の中で実現させていきたい、こういうふうに考えているわけで、各年度の実施計画につきましては、現在五十九年度の案を策定中でございますけれども、その中で実際の御審議をまたいただくということになろうか、こういうふうに思っております。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 三年計画の中で副次収入というのですか、この増加を見込んでおられますけれども、特に五十九年度の予算額を見ますと、十六億八千一百万円、伸び率四一・五%、このようになっておりますが、これはどのようなものを具体的に盛り込んでおられるのか。また六十一年度までの三カ年間での増加を極力見込むということでございますが、その主なもの、計画はどのようになっておりますか、お伺いしたいと思います。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 お答えいたします。  五十九年度の副次収入の増加につきましては、今おっしゃいますように四億九千三百万ふえているわけでございます。これは大きく分けまして二つございまして、主として技術系統によりますものと、それから番組の二次利用に依存するものと二つでございます。いずれも番組利用にいたしましても技術の利用にいたしましても、そのチャンスを待つということが大事だと思います。それにつきましては、関連団体たとえばNHKインターナショナルというものが海外に番組を売る場合の接点として設けられておりますが、それの活躍に依存するものあるいは技術系統につきましてはNHKエンジニアリングサービスというものがございますが、こういうものの活躍を契機にいたしまして、なるべく接触面を多くして、NHKの持っているいわば財産を多く利用してもらうというところで、それぞれ活発に活動してもらうというところが副次収入をふやす要因でございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 さらにお尋ねしますけれども、この計画を見ますと、五十七年度までは決算額が示されておりますけれども、当初予算額と決算額との差が余りにも大きいわけでございまして、五十七年度の決算額よりも五十九年度の予算額の方が少ない。しかも五十七年度の予算額の約七〇%決算額が多い。このような状況ですけれども、これはこのような甘い予算でいいのかどうか。国会は私初めてですのでわかりませんが、このような大きな差があるという理由はどういう理由なんですか。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 副次収入につきましては、見込めるだけ多く見たいのは私どもの本心でございますけれども、収入でございますので余り大きく見積もってしまっても事業計画にそこを来すということでございますので、予算といたしましてはかなり確度の高いものを計上しております。五十七年度なんかについては、海外への番組の提供などがふえましたり、技術の提供について引き合いが多かったりという状況が実行上出てまいりましたものですから非常にふえたわけでございますが、そういういわば偶然的な要素が翌年度も翌々年度も続くかという問題についてはかなり慎重に考えなければいけないことでございますので、翌年度予算のときには確実なものを計上するということになりますので、実行との差で申しますと多少低目になるということが出てまいるわけでございますが、これまた実行上できるだけふやしていこうということの努力は例年やっておるわけであります。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 五十五年度で約五〇%以上ですか、五十六年度でも四〇%以上、五十七年度は七〇%、余りにも大幅な伸びですけれども、むしろこのような三年間ここに出でおる要素は、連続して大幅な伸び率が決算額で出ておるわけですけれども、なおかつ五十七年度の決算額よりも五十九年度が下だ、こういうふうな当初から予算として見込まれるということについては意欲が問われるのではなかろうか、このように思います。この点についてどうもいまの説明でちょっとみんな理解しがたいのではないか。予算というものはもう少し厳格に見積もって、しかも目標を立てて努力をしていかなければならぬ、こういうことが言われるのではなかろうかと思うのですが、いかがですか。

渡辺伸一日本放送協会理事

○渡辺参考人 五十七年あたりのふえておりますのは、実は番組の内容によりまして、「シルクロード」が非常な好評を博しまして、これが書物になって売られているという場合がございまして、これの権料が大きく上がってまいりました。  それから、過去には「未来への遺産」という番組がございまして、これもまたかなりの引き合いがあったというようなことでその年度その年度の番組内容によっても非常に違うわけでございます。それを一律に見るというのはいささか収入の見積もり方としてはいかがかと思っておりますので、一応見込まれるものの番組など確かめながら計上しておるわけであります。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 三年間の事業収支につきまして六十一年度で収支過不足がゼロになる、こういうことで予算が組んであるわけでございますが、六十二年度以降三年間の計画、この数字の伸びを見てまいりますと、先ほども質問がございましたが、六十二年度、また六十三年度には再び料金値上げが俎上に上ってくるのではなかろうか、このように予想されますが、この点についてはいかがでございましょうか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 私ども今回、五十九年度から六十一年度の三カ年の経営計画を策定するに際しましては、先ほどから会長が繰り返し申し上げておりますように、視聴者の方の伸びが頭打ちになってきている。こういう状況の中でできるだけその収入につきましては収納計画というものを立てまして、できるだけ多くの収入額というものを見通し、そして支出につきましては、衛星放送を初めといたしますニューメディアあるいはローカル放送、そして先ほどからお話の出ております国際放送、こういった重要などうしてもNHKとして充実させていかなければならない、そういう特別なものを除きましては物価上昇分も経費増はしないという形でもってこの経営計画を策定いたしたわけでございます。そして初年度、五十九年度百六億の繰り越し、そして六十年度七億の繰り越しをもちまして、六十一年度の収支の不足分百十三億を埋めようという三カ年の経営計画を立てたわけでございます。そういう意味で相当厳しい経営計画になっているわけでございますけれども、私どもといたしましては、今後とも効率的な事業運営を徹底いたしましてこの経営を進めてまいりたいと考えておりますけれども、六十二年度以降につきましては、先ほどから申し上げておりますように、将来の衛星放送のあるいはニューメディアの動向という将来のあり方といったようなものも総合的に検討いたしまして、受信者の方々に対する御負担を極力少なくするように努力をしていきたいというふうに考えてはおりますけれども、この計画、この三カ年の計画としてはぎりぎりの経営計画という形の収支でございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 今回受信料の値上げが提案されておるわけでございますが、まずNHKの受信料の負担というのは公平でなきゃならぬ、これは大前提であろうと思います。そこで、現在受信料の不払いはかなりの数字に上っておるわけでございますが、この実態はどうなのか、この点の御説明をいただきたいと思います。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 御指摘ございましたように、受信料の制度の本旨からいたしましても、すべての視聴者の方々に公平に御負担いただくということでなければならないわけでございますが、まことに残念なことではございますけれども、契約者の中に一部滞納と申しますか、をいたしておる方々もございます。この滞納契約者の方々は昭和五十年直前から非常に伸びてまいったわけでございますけれども、昭和五十五年以降はその増加に歯どめをかけ得てまいっておりまして、若干ではございますが、減少させることができてまいっております。五十八年度上半期末現在におきましては、九十八万九千の契約者が、滞納というような形で受信料の支払いを的確にいただいていないという状況に相なっておる次第でございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 九十八万九千、約百万、このような人々が一応は滞納ということでありまして、数字で今御報告いただいておりますが、なおかつ意図的に未契約、これはどのくらいあるのですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 現在のところおよそ十二万の方々がございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 百十万からの滞納者並びに未契約者が一応数字として調査の段階で上がっておるわけでございますけれども、私は今まで地方議会に長い間籍を置いておりました。その関係上現場の実態はかなり詳しく知っておるつもりでおりますが、実質上現場でホテルまた宿泊所、寮、このようなところ、なおかつ新しく造成された住宅地域等でこの受信契約がどのような形でなされておるのか、どのように契約が進められ、受信料が徴収されておるのか、この点担当の方に御説明をいただきたいと思います。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 現在NHKにおきましては全国で約三千万の契約をいたしていただいておるわけでございますけれども、実は三千万の契約がそのまま安定的に継続されるわけではございませんで、その中の約一割に達するものが転居だとかそういった形で移動されるわけでございます。他のサービス事業でございましたならば、契約を開始し停止する場合には、利用者の方の方から供給者に対しましても必ず御連絡をいただいた上でサービスの供給停止を求めざるを得ない、そういった事情にあるわけでございますが、放送の場合には御自分で受信機を設置されるならば特にNHKの方と御連絡をされなくても視聴できるという放送の特殊性の中から、転居等に際しましてなかなかNHKの方に御連絡いただけないというようなことの中で、転居だとか移動につきましての契約の継続確保という点が大きな課題になっておりまして、私ども現在の契約業務活動をやります際に、いわば移動者、転居契約者の的確なフォローということに努めてまいっておるわけでございます。また、特に都市部及びその周辺におきましては転居と同時に宅地造成あるいは住宅の建設等によりまして新たに入居される方々が多いわけでございまして、それらの地域に対しましては特に集金人あるいは外務職員等を重点的に配置いたします中で極力速やかに契約をいただくように努力をいたしておるところでございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 これはあくまでも申告ということのようですが、申告がなされていない簡易宿泊所、また寮、こういうところはそのままいりまでも放置されておるのが現状ではなかろうかと思います。また、ここらに対して的確なNHK自身の対応ができてない、このような実態がかなり多いのではないか、このように想定をされます。したがって、もしそのようなNHKの対応の不備によって未契約者が多かったり、また滞納者が多い中で、まずこれを整理せずに現在契約どおりに料金を支払いしてきた人に対してさらにNHKの経営上どうしても金が要るということで料金の値上げを要求して果たして通るかどうか、説得力があるかどうか非常に疑問に思うわけであります。したがって、今までの数字の上から見まして確かに五十五年度からはふえてないとはいうものの解消の域には達していない、こういう状況であります。だから、今後この問題について、要するに滞納者また未契約者の解消等について今までよりも変わったどのような説得力のある処置を講じられるのか、この点の御説明をいただきたいと思います。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 御指摘のように、受信料制度の趣旨から申しましても、すべての視聴者の方から公平に負担していただくというようなことでなければならないわけでございまして、私どもも外務職員それから一般の集金受託者等々の陣容の中で極力措置してまいっておるわけでございます。ただ、こういった公平負担の徹底ということにはどうしても要員経費をさらに強化していくというようなことにもなりがちなわけでございますけれども、現在協会の置かれている環境の中で経費の増高につながるような施策というものを進めることは許されるものではないというように考えておるわけでございます。そこで、実は昨年の十二月でございますけれども、新しく業務体制というものを再編成することにいたしました。その措置といたしましては、いろいろございますけれども、端的に申しますと、特に外務職員の場合に、集金期を一期二カ月でやっておるわけでございますが、二カ月の間に正規の勤務時間といたしまして午後九時まで二カ月に十五日間の勤務を、それから日曜日に三日間の勤務を正規の勤務時間でシフトいたしまして、いわば昼間御不在の世帯、あるいは特に独身の方々などで、とかく御不在の方々で夜だとか日曜日に御在宅の方も多いわけでございますので、そういった生活スタイルに合わせた、協会といたしましてのいわばぎりぎりの体制をとることにいたしたわけでございます。  そういうような業務体制の強化の中で、一方、五十二年から特に滞納関係について対処してまいりました特別営業対策員というものが全国に百九十名おるわけでございますけれども、この百九十名の方々につきましては今年の九月をもちまして一応廃止するというふうなことを考えております。  もっとも、この点につきましては、今回の事業計画の中でも御審議いただいております口座振替というような形で、安定した一つの支払い区分の中で御利用いただくところへ極力御協力をお願いする措置とあわせてそういったことを進めてまいりたいというように考えておるところでございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 概算しまして、全視聴者の約四%近い人たちが未契約、未払いなんです。このような状況の中で、今までの料金でも一年間で一万五百六十円という金額になるわけですが、概算して百億ですから、これだけもし完全に徴収できれば、料金値上げも今直ちにやらなければならぬということにはならない。このような状況の中でNHK自身も、現在まじめに契約どおりに料金を払っている人たちに、料金値上げにもっと説得力のある、要するに滞納者の滞納解消計画というものを出さないと、これはちょっと、滞納者がこれだけあるんや、資金が足らない、だから今まで払っておる人にさらに上積みをしてもらいたい、こんな説得力のない料金値上げはないと思います。  ここらをまず整理して、このように努力した、ただし生活保護世帯とか、また身体障害者とか、老人家庭とか、また生活困窮世帯とか、低所得世帯とか、こういうところに対してはこれだけの減免をしたということでこれだけの負担を願いたいということなら、まだ話がわかる。だから、今まで対応が不十分で、しかも五年間いろいろ対応してきたけれども、解消に至らない。ふえることをやっととどめた。要するに滞納者がふえることは何とかとどめたというふうに終わっている状況の中で、これは非常に説得力も弱い。したがって、今後、先ほどお尋ねしましたら六十二年、六十三年にもまたそのような料金値上げも考えざるを得ないということのようでもございますから、ここらできちっと、どのような形で公平を期することができるか、この体制を確立すべきではないか。そうでないと、善良な人たちに説得力を欠くのではないか、このように思うわけであります。これは会長並びに大臣にお尋ねしたいと思います。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 御指摘の点は長年私どもが非常に苦心をしているところでございまして、確かに三%あるいは四%という数であっても料金の徴収ができてない、あるいはお払いいただいてないという方がいるということは非常に残念なことでございます。そのために私どもは結局一軒一軒お訪ねしまして、昼間いらっしゃらなければ夜、夜いらっしゃらなくても今度は休みの日というふうにしてお訪ねして、一度行って会えなければ二度、二度行って会えなければ三度という形にして料金をいただくしかないわけでございます。  ただ、残念なことに、その辺までまいりますと、現在の八百八十円とかあるいは千円とかいう料金をいただくために相当の生活を抱えている人間が何度も足を運んでいきますと、正直言って採算の面からいうと完全にもう一部の地域では採算に合わない状況に来ているわけです。人手をつぎ込めばつぎ込むほど経費の方がふえてくる。しかし、そこは公平負担という点からいうと、採算という観点からだけでも処理はできない。ちょうど洪水のときに堤防の水があふれかかっておるところ、こういうところはもう本当に土のうを積み上げて、人間の手で支えるしかない。今そういう形でやっておりますけれども、残念ながら、これ以上は何とも進展をしないというのが実情でございます。  そこで、今度私ども一つの案として考えましたのは、今二カ月ごとにちょうだいしておりますけれども、二カ月ごとにお伺いして料金をちょうだいする、あるいはそれでも会えない場合には何度でもお伺いするというような手間を省くために、銀行口座から振りかえていただければお互いにそういう手間が省けて、逆に私ども人手があけば、その人間をもって今の未払いになっている方の家へもっと足しげく派遣できるのではないか。そういうためにもこの口座制度というものに特別の料金を設定いたしまして、そしてできるだけ多くの方が銀行口座あるいは郵便貯金の口座から振りかえていただく、そして私どもの方の人手を浮かしてといいますか合理化をして、その人間がそういう未払いになっているところにもっと頻繁にお伺いできるように図っていきたいというふうに考えているわけでございます。それでも、これが果たしてどこまで減るかということは、正直言いましてなかなか難しい問題だと思っております。しかし、難しいからといってあきらめることはいたしません。繰り返してそういう手を考えてまいりたいと思っているところです。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 NHKの受信料と申しますものは、公共機関としてのNHKの経営を維持するための特殊な負担金という性格を持っているところでございます。その公平な負担という点につきましては、五十九年度のNHKの収支予算に付します郵政大臣意見にも、「口座振替制度の積極的活用等一層効率的な営業活動に努めること。」という旨の意見も付したところでございますけれども、基本的には何にいたしましても、NHKが受信者の皆様から理解それから信頼をいただいた上で受信料を徴収するということが可能になってくると思いますので、私どもといたしましては一層のNHKの努力を期待をしているというところでございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 時間が来たようですから、終わらせていただきます。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 西村章三君。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 限られた時間でございますので、けさほど来の同僚委員の質問につきましてはできるだけ重複を避けましてお尋ねをさせていただきますので、お答えの方も要領よくお答えを願いたいと思います。  まず最初に、今回の料金改定の動きが出ましてから、いわゆる世間のNHKに対する風当たりというものは一段と厳しいものがございます。各新聞社の社説あるいはNHKに関係する記事、また読者の投書等とたくさんあるわけでございますが、筆をそろえてといいますか口をそろえてといいますか、受信料の改定にそれぞれの立場から疑問を投げかけております。また、いろいろな注文もつけております。協会の経営の態度が安易だと非難をしたものもございました。また中には、現行の受信料制度あるいはNHKそのものの経営形態にまで言及をしたものもございます。  そこで、これらの批判について一体どのように受けとめておられるのか、当事者であるNHKの会長さん並びに監督官庁の郵政大臣の方からまず見解を承りたいと思います。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 私どもの料金問題について、新聞、雑誌等のジャーナリズムのいろいろな批判というものは、私どもとしてはこれは謙虚に受けとめております。私どもの今までの経営の姿勢なり体質というものについての御批判が主としてあろうかと思います。この中には確かに、私どもとして反省しなければならないものも幾つかございます。したがいまして、私どもはそれらの批判を謙虚に受けとめて、その反省の上に立ってこれからの経営に当たりたい。そのためにこそ今度の経営計画においても、また五十九年度の予算においても、事業の効率的な経営ということに非常に力を用いております。これは途中の議論としては、無理ではないかという議論さえ部内にはありましたけれども、私どもはやはり経営の姿勢をここで、これくらいの経営の能率化といいますか効率化を図らなければ社会の納得は得られないだろう、そういうふうに考えております。  しかし中には、私どもがたびたび説明申し上げておりますけれども、多少誤解をもとに御批判があるものもありますし、それについては率直に、そういう取材に当たられた面におきましては、私どもはさらに重ねて説明もし、次の機会には正確に私どもの経営の内情を理解していただきたい、そういう申し入れも行っております。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 今回のNHK料金の改定に当たって意見書を付するときに、率直に厳しく悩んだことは事実でございます。しかし、今年度収支で百八十億近い赤字計上が見込まれておるという現状に立って、今後、いわばスリム化しろという、経営の効率化、体質、機構の合理化等々を、もちろん断行もする計画を持っておるわけでございますけれども、それだけではとても、こういった収支予算の見通しにおいて非常に厳しいものがあり、経営基盤を崩すような状態をこのまま放置していくことは、逆に公共放送としての大切な機関としての役割まで損なっていくのじゃなかろうかということもございました。したがって意見書を付するに当たっては、NHK当局の人員の削減計画、一年間純減二百名体制というものをこれから七カ年にわたって行う、こういったこと、あるいはニューメディアに対応して仕事もふえる、純減した体制の中で逆に増員という形を、国民の期待にこたえるように経営努力をやってくれ等々のことを踏まえまして、NHKの今後の経営体制を厳重にと申しますか国民にかわって見守っていくということで、今回の意見書を付することに同意したわけでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 それぞれの最高責任者がこれらの批判を謙虚に受けとめておられる。真摯に受けとめてそれを今後のNHKの経営の中で生かしていきたい、こういう姿勢が見られますことはまことに結構なことだと思います。これは誤解は十二分に解いてもらわなければなりません。その努力もしていただかなければなりませんけれども、言葉だけではなしに、これからも国民から信頼をされるNHKの確立、この一点に向かって御努力をお願いいたしたいと思うのであります。  そこで、重ねて会長と大臣にお伺いをしたいのであります。これはいささかとっぴな質問で恐縮でございますが、私は前回の五十五年の改定のときにもお尋ねをしたのですけれども、それぞれの責任者が現行の受信料額を高いと思っておられるのか、安いと思っておられるのか、率直にひとつ答えていただきたい。

奥田敬和自由民主党・新自由国民連合郵政大臣

○奥田国務大臣 率直に答えろということでございますけれども、私の立場からは、極力安いほど国民に還元できるわけですから、そういった気持ちです。  では、今回の値上げにもまたいろいろな御批判もあるかと思いますので言わせていただきますが、私は、先ほどの各マスコミが非常に厳しく批判したという、そういった建前論的な気持ちもよくわかります。しかしそれなら、他方マスコミ自体、新聞自体の、勝手に値上げすると言ったらおかしいですけれども、値上げしている現行の状況から見ると、NHKのこういった料金体制というものは、広く国民の批判の中で、ある程度厳しく対応してまいっておるんじゃなかろうかと思います。そのことは安い高いという形にかわっての率直な気持ちでございます。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 少なくとも私どもは、私どもが今実施しておりますサービスの質なり重なりに比べまして今の料金は  この料金は対価ではございませんので簡単にそうは言えないのですけれども、そういう観点からいいまして、そんなに高いものとは思っておりません。  特に物価のここ十年なり二十年なりの動きの中で、私どもとしてはそれなりに努力をしてまいったつもりでございますし、他の各種の物価の変遷に比べれば、できるだけ低く抑えてきたつもりでございます。ただしこれは対価というものではございませんから、それだけで比較はもちろんできないわけでございます。もっと経営の努力の方法があるのではないかという御指摘も十分あると思いますけれども、なおかつこれからもできるだけ料金は低く抑えるように努力してまいりたい、さように思っております。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 まことに優等生の御答弁でございます。この高いか安いかという問題は、もう極めて主観的な問題であります。ただ、お二人とも客観的に、他の料金と比べれば安いんではないか、こういうニュアンスのことであったと思うのであります。  私がなぜこのような質問を申し上げたかといいますと、実はきょう配付をされておりますこの資料の中にもございます、これは今回の料金改定に直接につながりましたいわゆる経営計画に関する審議会の説明資料の中にもございました、他の公共料金と比べてNHKの受信料というのは、いわゆる値上がりの倍率が低いという結果がこの表には出ております。  同じ所管の郵便料のはがきが四十三年から五・七一倍。これも封書の方は比較をされておりませんで、はがきの方だけが挙げられているのですが、五・七一倍。そして受信料の方は、今回の改定分を含めても二・二四倍あるいは二・一三倍。電話料金、電気代並みだ、こういうことで、この安いという観念が、まだこれからも受信料の改定が可能だという、極めて気持ちの上で余裕ができたり、あるいは安易な気持ちになりはせぬか、こんなことを私は心配するのであります。言うなればNHKに非常に都合のいい表ではないか、こう思っておるのであります。  しかし同じNHKの、出ております資料、昭和五十七年に長期ビジョン審議会の調査報告書というのが出ております。その中で視聴者を対象とした世論調査の結果として、現行の受信料額について「高いか、安いか」という質問に対しまして、会長よく聞いてください、八百八十円が安いか高いかという質問に対してその回答は「ちょうどよいと思う」というのが四二%、「少し高いと思う」というのが二六%、「かなり高いと思う」というのが一六%でございまして、全体の八四%は、ちょうどよい額があるいは幾らか高いという答えが占めておるわけでございます。  これはどちらもNHKの審議会の説明資料でございますが、これら二つの調査結果というものは、片一方は他の料金と比べて安いのではないか。しかし、倍率が高くないからといって、それはイコール金額が安いということにはつながりません、もちろん当然のことであります。しかし、もう一つの方は、視聴者の方は料金が高いという判断が明確に出ておるのです。今度の料金改定には、五十七年のこの資料、あるいは今回の経営計画に関する審議会の資料ですから、当然反映をされていると思うのですが、この相反する二つの要素というものをどういう形でお受けとめになったのか、まずそれを聞かせていただきたい。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 御指摘のような受信者の反応というのはあるわけでございます。これは恐らく今の日本の放送制度の中でコマーシャル、スポンサーをとって経営をしている民間放送、これが直接受信者からは料金を取っておりません。そういう民間放送が多数存在する中で、私どものNHKが受信料の負担をお願いしている。そういう観点から見れば、直観的には、片一方は払っていないのにNHKは取りに来るという感覚は正直あると思います。私どもとすれば、民間放送の経営は経営なりに、それはめぐりめぐっていろいろな商品価格の中にそれだけのコストは入ってきているはずなのでございまして、その気持ちはありますけれども、しかし、視聴者等の感覚からいえば恐らくそういうものとの比較から、ほどほどか、あるいは片一方はただなのにというお気持ちがあるのはよくわかっております。恐らくそういうお気持ちがそういう数字にどうしてもあらわれるのではないかというふうに考えます。  それから、私どもが先ほど申しましたように、過去においてそれほどの値上げをしなかったというか、あるいは逆に、しないで済んだ裏には、これは正直申し上げまして、ある時期にカラーテレビジョンというものがかなり急速に伸びた、いわばそういう売り上げの増といいますか受信者の増が私どもの経営を助けたといいますか、その中で経営ができたということはございます。そういうものが統計的に見ればかなり低く抑えてきたという結果にもなっていることはそのとおりでございまして、それは十分承知の上で、しかし私どもとしては相当の経営努力はしてきた、そしていろいろな物価の情勢の中では私どもの努力、価格をかなり長い間上げずに、今回の料金改定に至るまでも三年の計画を何とか四年間は延ばしてきたという、その努力は評価していただきたい、そういう気持ちでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 二つの相反する審議会の説明資料をどう生かされたかということを私はもっと具体的に聞きたかったわけでございます。今の会長の答弁で経営努力ということについての成果はそれなりに私も評価をいたしておりますので、この問題はこれでおきまして、次の問題に移りたいと思います。  受信料の額の改定について具体的にお尋ねをさせていただきます。  今回の料金改定の中で、カラー契約が訪問集金で一八・二%、口座振替で一二・五%、普通契約が訪問集金で三〇・八%、口座振替で二一・二%とそれぞれ改定がなされておるのですが、カラー契約に比べまして普通契約は改定率が二倍近く高くなっております。この理由は一体何ですか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 カラー契約と普通契約の格差につきましては、今までも普通契約の方が非常に少なくなっている、それから放送におきましてはすべてカラーの放送ということでやっておりますので、このカラー契約と普通契約というものは一本化をすべきではないかという御意見も審議会等でいただいているわけでございますので、そういったことで私どもといたしましては、現在の段階では一本化ということはいきなりとる施策としては考えていないわけでございますけれども、その格差が広がらないように、従来の格差三百六十円をそのまま維持するということで、改定率という形からいいますと普通契約の方が率が高いという結果になっているわけでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 普通契約が少なくなったからいわゆる改定率が高い、こういう今のお話でございます。前回はカラーも普通も同率だったのですね。今度なぜ普通だけ格差をつけたのか、このことを尋ねておるのですが、今おっしゃったように、これは審議会の答申にも出ておりますが、いわゆるカラーと普通契約の一本化のための地ならしといいますかあるいは布石のためといいますか、そのために今回は格差をつけたんだ、こう受けとめてよろしいですか。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○坂倉参考人 少なくともその格差を広げないという立場に立って……(西村委員「広がっておるじゃないですか」と呼ぶ)額としては広げないということで、一本化の方向ということを将来に置きながらこの料金を出しているわけでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 そうすると、もう既にNHKの方では、今までの議論の中で一本化をするという方向性というものは決まっておるわけですか。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 カラーと普通の料金を一本化するということを私どもまだ決定はいたしておりません。ただ、いろいろな審議会とか外部の御意見を伺う中で、これは一本化を早くした方がよいではないかという御意見をいただいているのは事実でございます。それから私ども部内においても、結局今の番組はすべてもとはカラー放送ということを前提で制作されておりまして、コストという面から見ると、受像機は白黒であってもコストはカラーの料金がかかっているというのも事実でございまして、その辺を勘案しまして、将来恐らくこれは一本化することが考え得るのではないか。しかし、今またそれは決めておりません。そういうことは考え得るのではないかということで今回、率の方は普通料金はやや高くなりましたけれども、金額の差だけにとどめさせていただいた、こういうことでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 今回新しく制度として、いわゆる口座振替料金がつくられました。この割引制度をつくられた理由それから、訪問集金と比べて口座振替が、これも五十円の料金格差がついているわけですが、この五十円という金額の算定の根拠は一体何ですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 お答え申し上げます。  現在の受信機の普及がほぼ限度に達してまいっております中で私どもの契約収納業務といたしましては、そういった厳しい中におきましてもやはり契約を確保、増進し、確実な収納を図っていくということが必要になっておるわけでございますけれども、その場合、銀行あるいは郵便貯金等におきます口座の自動振替によってお支払いいただくということが収納の上でも非常に安定した、確実な収納を図られるわけでございますし、また労力の点につきましても、コスト的に軽減が図れるわけでございます。  したがいまして、コスト的な点から申しますと、過去、訪問によりまして業務を行っておりました当時は、まず四千件について大体一人ぐらいの集金人がどうしても必要であるわけでございますけれども、そういったことからいたしますと口座振替によるメリットと申しますのは、現在でも約二千百名ぐらいの節減効果を上げ得ているのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。そういったものをコスト的に勘案いたしますと、月額一件当たり五十四円というような原価上の差があるというふうに考えられるわけでございます。そういったコスト上の点を根拠にいたしながら、また契約者の方々にわかりやすく、なおある程度魅力のあるという額としてはどの程度が望ましいかということを勘案いたしまして、五十円の料額格差を設けた次第でございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 五十円の格差というのは一件当たりの集金コストに匹敵するものだ、こういうことですね。  そうすると、別な観点からお尋ねをいたしますが、訪問集金が五十円高い、いわゆる五十円上積みをされておる、この性格というのは、例えばそば屋の出前料であるとか食堂の出前料であるとか、わざわざ行ってもらってくるものだからと、こういう性格のものだと理解をしていいのか。片方の口座料金の五十円値引きというのは、いわゆる視聴者の方が振り込んでくださるからそのサービス料金だ、こういうことも考えられるわけでございます。どちらが値引き、どちらが上積みと考えておるのか。まず、本来的にはどちらの料金をとろうとなすったのか、このことと今申し上げた二つ、サービス料と見るのか、あるいは出前料と見るのか、この辺の考え方はどうなんですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 お答え申し上げます。  受信者の方々からいろいろな御理解、ただいまお話がありましたような受け取り方はあろうかと思いますけれども、私どもといたしましてはどちらがどっちということでございませんで、やはり口座振替によっていわゆるコストメリットと申しますのを口座利用の方に還元するというような形で、いわば支払い区分に応じた公平負担を図っていくという考え方でこういった制度を設けたわけでございます。  また、どちらが元かということになりますと、この点につきましてはいろいろ制度上の解釈の仕方があろうかと思いますけれども、将来は口座振替が中心になりまして契約収納業務が運営されていくことになるわけでございますので、実態的な面からしますと、口座料金というものを軸にしながら業務を展開していく必要があろうかというふうに考えております。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 郵政省の考え方はどうでございますか。どちらが基本だと思われますか。

鴨光一郎郵政省電波監理局長

○鴨政府委員 私どもといたしましても、今NHKの方からお答えがありましたように、どちらというふうに決めつける特段の考えを持っているわけではございませんけれども、ただ、口座振替の料金の設定ということは、そのことによります営業活動の効率化によるメリットを受信者に還元するという点、前納割引と同様の趣旨のものでもあろうかと思います。いずれにしましても、具体的な受信料の月額はNHKの収支予算の中で決められていくわけでございますが、今のNHKのお答えのように私どもも理解をしているところでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 これは営業費の節減といいますか、特に最も大きなウエートを占める人件費にはね返る訪問集金を一件でも少なくしようとする意図は理解ができるのでありますけれども、この制度そのものも問題がないわけではない。例えば視聴者間に新たな不公平の拡大をもたらすようなことになりはせぬかということも考えられるわけであります。  口座料金は、年払いでいたしますと一万八百九十円、訪問の場合は毎二カ月徴収をされますと一万二千四百八十円でこの差は約千五百九十円、月額の視聴料に直しますと一・五倍ということになります。これはカラーでございます。白黒の普通料金で年払いということになりましても六千九百三十円。六千九百三十円とこの訪問の一万二千四百八十円を比べますと約倍になるわけです。大臣、倍になるのですよ。もちろんこれは白黒とカラーとの違いということも言えるのでありますが、これは一面視聴者間の不公平の拡大につながる、こういうことも私は当然言えると思います。  私はここに一枚の新聞社の投書を持ってきておるのです。「矛盾多い受信料 公平な徴収望む」という見出しなんです。これは主婦の方でございますが、ちょっと読み上げます。「NHKの受信料が約一三%値上げされるという。」この数字は間違っておりますが、「この受信料に以前から不信の念を抱いている。」「私も一時、不公平さに腹が立ち払うのをやめた。」でも余りしつこく催促に来るのに負けて払うことにした。「それも白黒テレビの分である。白黒テレビでよいからとにかく払ってくださいと言われた。」こういう投書があるのです。会長ごらんになったことございますか。このことからいいますと、約倍近い料金格差が出てきた。一つの新しい不公平感がここに拡大をしないかという危惧を持ちます。これが一つであります。  それからもう一つは、先ほど来公共料金と比べましたけれども、電話、電気、ガス、他の公共料金もこのような特別の割引制度というものは導入しておりません。公共的な事業体が、いわば出前料的など言いましたら語弊がございますが、このような制度に果たしてなじむのかどうか。やむを得ざる措置だということでお考えではないかと思うのですけれども、公共企業体の公共性を持った機関のあり方としてこれが果たして妥当なのかどうか私は非常に疑問に思っておるのです。皆さんは全然疑問に思っておられませんか。その辺のところはどうでしょう。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 ただいまの御指摘の第一点でございます。確かにカラー契約と普通契約の種別の差がございますのでそういった御指摘はあろうかと思います。ただ現行の受信料額におきましても、普通契約の十二カ月前納額が五千七百二十円でございまして、カラー契約の月額を年額にいたしますと一万五百六十円になりまして、その倍率は一・八五倍ということになっております。それからいたしますと、実は先生の今の一・八倍というのは比率は若干下がってはいるということでございます。また、表現を変えますと、現在カラーで月額で八百八十円をお支払いいただいております方が仮に口座振替の一年前払いを御利用いただきますならば、月額換算で九百八円ということになりまして、八百八十円から大体三十円くらいの料額の上げ幅にしかならない。選択の上ではそういった非常に有利な選択もできることも御理解いただければというふうに考えたりするわけでございます。  それから、公共料金につきましてそういった口座料金を設けるのがどうかという御指摘でございます。先ほど来申しておりますように、受信料制度と申しますのはすべての受信者によります公平な負担が必要なわけでございますけれども、契約収納経費と申しますのがかさみますとそれだけ受信者に多くを負担していただかなければならぬ。それを口座振替というような形でできるだけコスト的に抑制可能な料金制度を設けることによりまして、全体として受信者の方々に御負担いただく料金というのを極力抑制することができるならば、それは公共放送としての趣旨に沿ったものになるのではなかろうかというふうにも考えたりするわけでございます。もちろん他の公共事業におきましてはそういったものはございません。その点につきましては先ほども申しましたが、他の電気だとかガスだとかという点につきましては、放送の場合と違いましてサービスの供給を受ける際に必ず事業者の方に連絡をした上でなければサービスの供給が得られないということもございますし、また、料金が支払われなければ、場合によりましてはサービスの停止を事業者として踏み切るというふうな一つの決め手もあるわけでございますけれども、受信料制度におきましては、やはり理解と御協力のもとで運営していかなければならぬということからいたしますと、何らかの料金的な魅力を講じまして推進していく必要があるのではなかろうか。また他の公共事業におきましては、現在既に八割近い口座振替の率になっておるわけでございますけれども、NHKの場合には大体半々ということになっておりますのは、結局そういうふうな一つの経済的な魅力の中で推進していく必要と、また可能性というものを示しているのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 この問題だけではなしに、今回の改定の中では、いわゆる料金の前納制度ですね。これにつきましても半年払いと一年払いとがある。従来は同率で割り引いておったわけでございますが、今回の改定によりますと、掛金の少ない半年払いの方は従来の八・三%から六二二%に引き下げられておるのですね。この理由は何ですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 前払いの割引率につきましては、従前、一年前払いの場合に一カ月分、六カ月前払いの場合にはその半月分というような形で長く定着してまいったわけでございますけれども、その割引率をいわば利回り的に見ますと六カ月の割引率が十二カ月の割引率に対しまして非常に高いわけでございまして、そういうような点はおかしいじゃないかというような問題を指摘される視聴者の方々の声もあったわけでございます。そういった中で長らく定着してまいりましたことを考えますと、そう大きな改定が許されるわけではございませんで、従前の割引率を、八・三%でございますが、六カ月前払いにつきまして六・三%の割引率にいたしたということでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 この一連の料金改定の措置を見ておりますと、取りやすくしてできるだけ取れるところから取ろう、こういう感じを私は非常に抱くんであります。しかし、そうはいいますものの料金の徴収ということは極めて大事なことであります。これらのことをやることによって特に口座料金のふえる見通しをどれくらいと立てておられるのか、その数字だけ明らかにしていただきたい。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 五十九年から六十一年までの三カ年間におきまして五百万件の口座振替の増加というものを見込んでおりまして、現在ほぼ五〇%、五〇%でございますけれども、五百万の増加がありました段階におきましては、全契約のほぼ三分の二が口座振替によって運営されるということになるわけで、それを目標といたしております。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 その営業経費の効果、これは金額的に見積もってどれくらいになりますか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 お答え申し上げます。  五百万件に相当いたします直接的な経費の節減額は、三カ年で七十三億円というように考えておりまして、それは五百万件でございますが、もとから現在既に千五百万件が口座振替を利用していただいておりますが、根っこからそれを積算いたしますならば、三カ年の累積経費節減額は約三百七十億円というように考えておる次第でございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 これから口座振替制度は全体の約三分の二に年々増加をしていくということでございます。確かにこのいただきました手元の資料におきましても、五十五年度の千百九十六万一千件、四一・九%からいたしますと飛躍的に伸びてくる、こういうことでございます。昨年の五十八年度におきましても、もう既に千五百三十三万二千件、五一・一%まで上がってきておるんであります。しかしこれに伴いまして、本来は口座振替がふえますと必然的にといいますか、常識としていわゆる訪問集金の方が減少するのが当たり前なんでありますけれども、この資料によりますと、委託集金人の人員は昭和五十五年度に三千九百五十七人でありましたものが年々逆にふえてきておる、五十八年度に至っては四千百二十一人、全くこれは逆なふえ方をいたしておるのですが、この現象はどういう理解をしたらよろしいのですか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 お答え申し上げます。  集金取扱者とその受け持ちの件数を考えます場合に、やはりその受け持ちの件数で考えていかなければなるまいかと思いますが、新聞等に報道されました契約件数につきましては、郵便局にお願いして集金していただいております件数等も含めた件数に実はなっておる点もございまして、一応直接的な比較としては難しいのではなかろうかというように考えておるわけでございます。ちなみにこれを、沖縄を除きまして本土におきます一般委託地域というものを考えました場合に、五十年に三千七百四十八名の集金人がおりましたが、現在決算値として確定しております五十八年度をとりますと、三千九百七十四名、これに対応いたします契約件数といたしましては、二千百三万七千件が五十七年度に二千五百十三万五千件というような形になっておるわけでございまして、一人当たりの委託集金人の取り扱い件数というものは相当向上を見ておるのではなかろうか。当然その過程におきましては、全体としての契約件数の増加の中で参っておりますので、減少させるところにまでは至っておりませんけれども、いわば生産性と申しますかそういった点では効率を確保し得ているのではなかろうかと考えている次第でございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 そうすると、先ほど答弁をされた口座振替が三分の二まで達するという時点では委託集金人の数字というものは計算されておりますか。

林乙也日本放送協会理事

○林参考人 その間におきまして契約全体といたしまして百二十九万件がふえるわけでございますが、そういったことを加味いたしまして三カ年で委託集金人を百三十名の減員を図っていきたいというふうに考えております。また、実はこの十二月に新しい業務体制を講ずることといたしましたそういった絡みにおきましても、百九十名の特別営業対策員というものを解消するというようなことをこの三カ年の計画の中で考えておる次第でございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 新規の受信契約もありましょう、あるいは契約移動という問題もありましょう。しかし、口座振替料金がどんどんふえるにつれて委託集金人というものは減らなければつじつまが合わないのです。これは常識だと思うのです。ところが、今のこの時点では全く逆になっておる。口座振替もふえるかわりに委託集金人もふえておる、こういう感じなわけでございます。先ほど口座振替によって七十三億円の経費節減ができるということでございましたが、五十八年度で委託集金人は四千二百四十人、支払い経費の方はおよそ二百億円を超えておる。一人当たりに対する支払い額を平均いたしましてもおよそ四百七十万円以上になる、こういうことでございまして、これはもっと効率的な運営のやり方が必ずある、私はそのことを申し上げたいのであります。  大臣も聞いておられまして、これはどうなんですか。口座振り込みはどんどんふえていっておる。委託集金人もそれにつれてふえていっておるというのではこれはつじつまが合わないのですね。本当に合理化と言うならばそういうところにもっとメスを入れて営業費全体を節減をしていく、このことが非常に大事だと思うのです。最後に会長から一言聞かしてください。

川原正人日本放送協会会長

○川原参考人 私どもの部内の議論でももちろんそういうことは議論いたしまして種々検討しているわけでございます。余り言いわけはいたしませんが、細部の数字は別といたしまして、口座払いの方がふえていけば当然事務は合理化されるわけであります。その限りにおいては委託集金人の数も当然減るわけでございます。ただ、先生も御指摘のように、実は口座になられた受信者もなおかつ年間一〇%くらいお引っ越しをされる。ところが、その方の私どもへのお届けはほとんどゼロだ。結局その方をまた、集金じゃなくて実はそのお引っ越しの跡を追っかけて契約を探して歩いている。そして、さらに毎年四十万くらいの新たな受信者を開拓していかなければならない。結局そこのところでいつも私ども議論がぐるぐる回るわけでございます。やはりそこのところにある程度の増要素が出てくる。しかし、林が申し上げましたように、それを含めましてなおかつ今後は百六十人の集金人と百九十人の特別の要員、合わせて三百数十人は減らそう、こういうことを考えておるわけでございます。

西村章三民社党・国民連合

○西村委員 もう時間が参りましたが、私は何も委託集金人さんの生首を切れというようなことは申し上げておりません。そういうところにももっと合理的な運営がないものか、このことを常に姿勢として持っていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。  持ち時間が終了いたしました。たくさん問題が残っておりますが、いずれまた決算のときにやらせていただくことにいたしまして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

志賀節自由民主党・新自由国民連合

○志賀委員長 次回は、来る二十六日月曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十五分散会      ————◇—————

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