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101回国会衆議院1984/08/01

大蔵委員会 第37号

発言数
15
登壇者
5
会派数
2
開催日
1984/08/01

会議録

瓦力自由民主党・新自由国民連合

○瓦委員長 これより会議を開きます。  税制に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党・護憲共同

○伊藤(茂)委員 短時間でありますが、若干質問させていただきます。  私ども大蔵委員会のみんなの気持ちであると思いますが、社会は公平でなくてはなりませんし、税も公平でなくてはなりません。また、そういう方向を実現するためには、さまざまの努力や研究をしなければならないというわけであります。後ほど租税特別措置法の一部改正という形で私どもも共同提案に加わらせていただきまして、いわゆる代替ガソリン、フエルガソリンというものについての対応措置をとるというふうに考えておるわけでありますが、私どもも、製品の比重がわずかに異なるだけで課税されないというのは、業界の秩序にも影響いたしますし、また広い意味では、石油業界に働く労働者の立場から見てもふさわしくないと思います。それらを規制することは妥当な立法であろうと思います。その立法に関しまして、私どもいろいろ勉強いたしましたが、さらに二、三お伺いをしたいと思います。  第一は、実態のことでありまして、フエルガソリン専門店あるいはその量の面で、最近急増をいたしておるようであります。五十七年、五十八年、五十九年、最近の状況、それらがどうなっているのかということをひとつ御説明をいただきたい。  それから二つ目には、やはり実態ですが、どのような形で出回っているのか。聞きますと、税金部分が全く安くなる原価なんでしょうが、有税のガソリンよりも二、三円安いぐらいでぼろもうけというふうな状態になっているというふうにも伺いますが、流通の状態がどういう実態であるか。  それから三つ目には、それは今課税物件でないが、課税物件になった場合、その差額になりますか、税のいわゆるはね返りというのがどの程度になるのか。  その三点を簡単に御説明ください。

松尾邦彦資源エネルギー庁石油部長

○松尾政府委員 最初に、いわゆる代替ガソリンの流通の状況でございますけれども、いわゆる代替ガソリンは、台湾、韓国等からベンゼン、トルエン、キシレン等のいわゆる芳香族、BTX類を輸入いたしまして、国内でこれに灯油などをブレンドした上で流通ルートに乗せられているようでございますけれども、その実態は、基本的には代替ガソリン専用スタンドなどで販売をされているようでございます。  この代替ガソリン専用スタンドは、本年春以降急速に設置数がふえてまいっておりまして、本年四月現在調べたところでは、二十六店程度の営業中または計画中のものがございましたけれども、この二カ月間でも三十六店に増加する勢いでございまして、地域的にも、沖縄、九州から始まりまして関西から関東へ、さらには関東も大分北の方へと販売活動が広がりつつあるようでございます。流通の実態につきましては、ただいま申し上げましたような専用のスタンドを中心にいたしまして販売されております。  価格につきましては、その地域のガソリンの小売価格と大きく相違するものではなく、他方、仕入れ価格の方はガソリンの卸売価格に比べてかなり低い水準で行われているというふうに承知している次第でございます。  量につきましては、私どもの調査では必ずしも全量をきちっと把握していると言い切れない面もあろうかと思いますけれども、最近、月間二千キロリットル程度ないしそれ以上販売されているものと思われますが、大蔵省の方の輸入面からのお調べによりましても、最近二カ月間では二千数百トンのいわゆるBTX類の輸入が行われており、これがただいま申し上げたような代替ガソリンの用途に使われている量ではないかというふうに推定されるところと承っております。

角谷正彦大蔵省大臣官房審議官

○角谷政府委員 今流通の実態につきましては通産省からお話があったところでございますが、代替ガソリンの主な原材料といいますと、これはBTX類といいまして、ベンゼン、トルエン、キシレンでございますが、こういうものにつきまして韓国あるいは台湾から代替ガソリン向けということでいろいろ輸入されております。  そういうものの数量につきまして、内々税関等を通じまして調査いたしました結果を申し上げますと、大体こんなふうな推計になるのじゃないだろうか。つまり、五十七年度の輸入量は約八十トンでございました。五十八年になりまして年間約千四百トンということで、相当、十倍以上に膨れ上がっております。五十九年の一月から六月、上半期だけでございますけれども、全体で六千八百トンということでございますので、年間に引き直すとまた十倍ぐらいになっておりますが、特に、そのうち五月につきましては二千五百トン、六月につきましては約二千百トンということで、このところ急速な勢いでこれがふえておるということが言えるのではないかと思います。  なお、これにつきまして、揮発油でございますと、揮発油税及び地方道路税がかかるわけでございます。御承知のように、揮発油税につきましてはリッター当たり四十五円六十銭、地方道路税につきましてはリッター当たり八円二十銭、両方合わせまして五十三円八十銭という税がかかるわけでございますが、これらの代替ガソリンにつきましては制度的にかからない、こういう仕掛けになっております。したがいまして、仮に五、六月のベースで輸入が行われまして、それがそのまま代替ガソリンということで販売されるということになりますと、ごく単純に計算いたしますと月当たり大体一億五千万円程度の揮発油税を取り損なっている、こういうことになるのではないかと思われます。  以上でございます。

伊藤茂日本社会党・護憲共同

○伊藤(茂)委員 資源エネルギー庁に伺いたいのですが、このような製品で現実には車が走っているということになるわけであります。こういう油が将来ともガソリンエンジン用の燃料として安定して存在するのかどうか。存在するとすれば、またそれなりのさまざまの行政対応とか、内容、品質その他の指導もあるでありましょう。また、聞きますと、エンジンの順調な滑りにちょっと問題があるとか、あるいはパッキングが早く腐るとか、あるいはまた沖縄とか西日本の方の気温の高いところでは車が順調にスタートをするけれども、気温の低い方とか冬場とかというときには問題が伴うとか、いろいろ聞くわけであります。こういうものについて、当面対応で、特に税金の面からこういう措置を、後ほど提案されるような措置をいたしますけれども、こういう物品が車を走らせる燃料として将来ともふさわしいものなのかどうか。さまざまな研究か勉強もなさっているそうでございますが、その辺の御判断をお伺いしたいと思います。

松尾邦彦資源エネルギー庁石油部長

○松尾政府委員 私ども通産省といたしましては、いわゆるフエルガソリンの現物をサンプル購入いたしまして、実際に自動車五台を使いまして専門の学者の方々等に客観的な分析もお願いしたところでございます。  それによりますと、いわゆる代替ガソリンは、先生も御指摘になられましたように、温度が低いときのエンジンの始動性に問題がある場合がある、こういうことがこれまでのところでもわかっておりますし、そのほかの運転性につきましては、いわゆるノッキングのほかに、専門用語ではサージング現象と言うのだそうでございますけれども、車両の前後の方向に低周波の振動があり、一言で言いますと、がたがた前後にぶれるというような面でも円滑さを欠く場合が見られております。また、排ガスの性状につきましても、炭化水素あるいは窒素酸化物などが道路運送車両法で定めます許容基準を超える車も見られます。また成分の面から見まして、自動車に使われております部品の面でゴム等を侵食しやすい成分がガソリンよりもたくさん入っておりますために、長期的には自動車の燃料系統の部品を侵す可能性が懸念されるというようなことがございます。長期的な検討を必要とする課題もございますので、現在私ども、研究の継続をお願いしているところでございます。  したがいまして、先生御指摘の自動車燃料として位置づけ得るものであるかどうかという点につきましては、最終的にはこうした問題点を十分解明した上で判断されるべきものだと考えておりますので、私どもといたしましても引き続き所要のデータの収集に努めてまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、現在私どもの理解している限りでは、この代替ガソリンが技術開発の要素のゆえに国民経済に受け入れられているという基盤があるわけではなく、先ほど大蔵省の方からも御説明がございましたように、ただガソリン税がかからないという利点を利用して急速に出回っているということは明らかなことではないかと思いますので、この点をいつまでも放置するのは適当でなく、所要の措置が早急に講じられることが私どもとしては必要じゃないかと考えている次第でございます。

伊藤茂日本社会党・護憲共同

○伊藤(茂)委員 あと一つずつ大蔵省と資源エネルギー庁に伺いまして、終わりたいと思います。  大蔵省に伺いたいのは、私ども検討して十二月一日実施ということになっているわけでありますが、混乱なくこれが施行されるためにはさまざまの手配が必要だと思います。塗料用の原料部分としてのものは除外されなければならないなどなど、さまざまなこの執行のための附帯した手続をしなければならないということで、今国会で議決をいたしましても若干の時間が必要であるという現実があると思います。国会で議決した後、今もそうでしょうが、効果あらしめるためのさまざまの手配をきちんとやらなければならない。その辺の対応とかポイントを、立法後行政の側でどのようにお考えになっているのかが一つであります。  もう一つ、資源エネルギー庁に伺いたいのは、いろいろ実態を伺いますと、沖縄から始まってこういう問題が起こっている。業者の皆さんなど含めまして、非常に困るし心配だ、加速度的にそれが広がりそうだという現実がございます。またそれ以上に、この数年来の過当競争という事態がございまして、しばしば社会問題としても取り上げられている。そういう過当競争のベースの上にこれが起きているというのがいろいろ深刻な事態を生んでいる原因ではないだろうか。今回の問題は当面処理の対応をいたしますけれども、過当競争などを含めた、ユーザーにとっても市民にとっても、また業者にとっても安定したシステムというものにどのように持っていくのか。一つずつ、それぞれお答えください。

角谷正彦大蔵省大臣官房審議官

○角谷政府委員 先ほどから御説明しております代替ガソリンの最近の流通状況から見ますと、これに対しましてなるたけ速やかに課税することが望ましいというふうに考えているわけでございます。  ただ、代替ガソリンに課税するということをいたしますと、技術的にも新たに課税対象を拡大するということになりますので、石油製品のうちで、今御指摘ございましたように、塗料の製造等に用いられるものなどにつきまして、これが新たに課税対象に入ってくるということになります。したがいまして、これらのものにつきまして、自動車用に流れることのないように、一定の用途あるいは規格を定めまして所要の免税手続をとるということが必要になってくるわけでございます。このための、いろいろな関係石油製品がどういうところで生産されあるいは流通されているかといった実態につきましては私どもにおいて大体把握しているところではございますけれども、制度を実施するに至ります過程でなおいろいろな意味で作業が残ってわるわけでございます。  一つは、関係石油製品の用途等につきまして、さらに細部にわたる調査あるいは解明を行いますための期間がある程度必要でございます。それから、これらの調査結果に基づきまして免税措置の細目を固めまして、関係の政省令、通達等を整備するというための若干の期間が必要でございます。あるいは、そういった免税の細目について関係業界に徹底させまして、生産体制の整備等対応を整えさせることも必要でございます。  そういったことから、若干の猶予期間を置いてこういうことを実施する必要があるのじゃないかというふうに考えているわけでございます。

松尾邦彦資源エネルギー庁石油部長

○松尾政府委員 揮発油販売につきましては、先生も御指摘のとおり、大変過当競争体質が強い業界でございます。もとよりこの背景には、二次にわたるオイルショックを経まして需要の停滞が著しくなりましたこと、あるいは石油製品が本来持っております商品の特質といたしまして、製品差別性がございませんで勢い価格競争に走らざるを得ないというような商品の特性なども背景にはあるわけでございますが、いずれにいたしましても、元売段階、ガソリン販売業界それぞれの過当競争体質が非常に市況の不安定を招き、安定供給の基盤の構築から見て大変問題の多いところだと思っている次第でございます。  私どもといたしましては、かねて国民生活、産業活動に最も基本的なエネルギーである石油の安定供給の担い手たる石油産業が十分な国民経済の負託にこたえられるような安定供給基盤を構築するように、石油産業の構造改善につきましてその方途につきいろいろ御審議をいただき、元売につきましてはただいま集約化等々の構造改善を進めているところでございますけれども、末端の販売業界につきましても、中小企業が多いという特性を十分踏まえながら、実情に即した構造改善の方向をただいま長官の私的諮問機関のもとで鋭意検討中でございます。その方向に即しまして、中小企業施策等も活用しながら、何とか供給基盤を安定するような政策の実を上げてまいりたいと考えております。

伊藤茂日本社会党・護憲共同

○伊藤(茂)委員 短い時間の質問をさせていただきましたが、以上で、我が大蔵委員会が、戦後、昭和二十二年の第一回国会以来、記念すべき記録と事業を達成したことを確認いたしまして、質問を終わります。(拍手)      ————◇—————

瓦力自由民主党・新自由国民連合

○瓦委員長 この際、租税特別措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、理事会等において協議を続けてまいりましたが、その結果に基づき、中村正三郎君、伊藤茂君、坂口力君及び米沢隆君から、四派共同をもって、お手元に配付いたしておりますとおりの租税特別措置法の一部を改正する法律案の起草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。  この際、提出者から趣旨の説明を求めます。中村正三郎君。

中村正三郎自由民主党・新自由国民連合

○中村(正三郎)委員 租税特別措置法の一部を改正する法律案の起草案につきまして、提案者を代表してその趣旨及び大要を御説明申し上げます。  御案内のとおり、近時、フエル等と称するいわゆる代替ガソリンが自動車用燃料として各地で販売されておりますが、この代替ガソリンは、通常のガソリンに比し比重が重いことから、揮発油税法において比重〇・八〇一七以下と定義されている揮発油には該当せず、揮発油税及び地方道路税が課税されておりません。  しかし、最近、この代替ガソリンが広範囲に出回り始め、量的にも相当拡大する兆しを見せており、このまま放置すれば、揮発油税制度等の円滑な維持に支障を来し、これらの税収にも無視し得ない影響が及ぶおそれが生じてまいりました。  このような事態に対処するため、当委員会の各党派間で御協議願いました結果、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党派間で代替ガソリンに対し、両税を課税すべく所要の立法措置を講ずることについて合意に達し、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。  なお、今回の措置は、最近における代替ガソリンの流通状況等に照らしてとられる特別の措置であり、代替ガソリンの動向等についてはなお今後の推移を見守る必要があるところから、租税特別措置法の一部改正により対処することとしております。  以下、本起草案の大要を申し述べます。  まず第一に、炭化水素油と揮発油以外のものとを混和して一定の規格の揮発油類似品としたとき、または一定の規格の揮発油類似品を保税地域から引き取るときは、これを揮発油とみなして、揮発油税法及び地方道路税法を適用することといたしております。  第二に、揮発油とみなされる揮発油類似品のうち、塗料の製造用等の用途に供されるものとして一定の規格を有するものについては、免税措置を講ずることといたしております。  以上の措置は本年十二月一日から施行することとし、また、法施行日において五キロリットル以上の揮発油類似品を所持する販売業者等に対して手持ち品課税を行うこととするほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が本起草案の趣旨及び大要であります。  何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。     —————————————  租税特別措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

瓦力自由民主党・新自由国民連合

○瓦委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  お諮りいたします。  租税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、お手元に配付の起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

瓦力自由民主党・新自由国民連合

○瓦委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

瓦力自由民主党・新自由国民連合

○瓦委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十二分散会      ————◇—————

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