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101回国会衆議院1984/05/09

石炭対策特別委員会 第6号

発言数
201
登壇者
17
会派数
5
開催日
1984/05/09

会議録

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀誠君。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 先般の大臣の所信表明に関連いたしまして一、二点お尋ねをさせていただきたいと思います。  まず最初に、小此木通産大臣には、内外ともに大変厳しい今日、日夜通産行政に御努力をいただいておりますことに心から敬意を表す次第でございます。とりわけ石炭政策につきまして大変御理解をいただきまして、私ども福岡県の石炭の町の出身者といたしまして心から感謝をいたしておる次第でございます。  まず最初に、石炭政策の今日の現状認識について大臣にお尋ねをいたしておきたいと思います。御承知のとおりエネルギー需給の情勢を見てみますときに、我が国はもちろんでございますが、石油消費国の省エネルギーの努力、また石油代替エネルギーの開発導入等によりまして、今日非常に緩和傾向にあるわけでございます。我が国の石炭鉱業が置かれている今日の立場は、昨年四月OPECの石油の値下げが行われ、またあわせて海外炭の価格の低落、さらに加えて今日の円高の状況など、極めて厳しい経営環境になっているということは御案内のとおりであります。そういった中で五十八年度の基準炭価の引き上げが見送られておるわけでありますし、経営基盤の改善等が先送りとなり、また本年一月には有明鉱のあの大災害、そういった問題等によりまして、今後の石炭政策について国属的な支持にまで影響を及ぼしかねない。  そういった問題を今日提起している中で、先般大臣の所信表明にもありましたように、エネルギー供給における海外依存度が最も高い我が国といたしましては、我が国の唯一の資源であります石炭の対策というものは今日極めて重要であろうと思っております。同時にまた、石炭対策に対する期待も大なるものがあるわけでありますが、そういった面を含めまして現状の認識について大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 古賀委員御指摘のとおり、我が国の石炭鉱業をめぐる経営の環境は非常に厳しいものがあるということは十分承知いたしております。政府といたしましては、石炭政策の重要性にかんがみ最大限の支援措置を講じてまいる所存であることは言うまでもございません。具体的には石炭鉱業審議会第七次答申の基本的な考え方に沿った政策の展開に当面全力を尽くしてまいる所存でございます。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 今、石炭鉱業の置かれておる厳しい立場を御認識いただき、また触れていただきました第七次政策のことについて、私も若干お伺いをさせていただきたいと思います。  我が国の石炭鉱業を取り巻く厳しい環境を打開する、またどうしてもこれを打開していかなければいけないわけでございますが、そのためには今も大臣のお話の中にありましたように、五十六年八月に石炭鉱業審議会の答申を得ました第七次政策の実効性の確保を図るということが私は極めて大事なことではなかろうかと思うのでございます。御案内のとおり、この第七次政策の大きな柱は我が国の石炭鉱業の自立の達成を目指すというものであるわけでございますが、このため最も必要なことは何かと申しますと、端的に言って生産費に見合った炭価を確保することではないかというふうに考えるわけでございます。しかしながら、さきに述べましたように五十八年度は基準炭価が見送られ、本年度におきましても決して明るい材料はないわけでございます。いやむしろ昨年よりも厳しさは増しているのではないか。こういう現況の中で、今年度の場合、石炭鉱業合理化臨時措置法第五十八条の規定に従い、ぜひひとつ通産大臣がリーダーシップを持っていただき、早目に基準額設定のための諸般の手続を進めていただきたい。そうした中での対応方針並びに基準額設定についての基本的な考えをお伺いしておきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 基準炭価の設定につきましては、第七次答申の指摘も踏まえまして、御指摘の法律の五十八条の規定にのっとりまして、国内炭の合理的な生産費を基礎とすることは当然でございますが、同時に国内炭の安定的な需要を確保するという観点から、市場環境をもあわせて考慮して決めてまいりたいと考えております。したがいまして、今年度の炭価決定に当たりましては、賃金、採炭コストの動向、海外炭価格の動向等、考慮すべき指標が明らかになった後、これらの指標をよく検討いたしまして、さらに先生御指摘のように、昨年度炭価が据え置きになったというような事情をも十分考慮いたしまして決めてまいりたいと考えております。  手続の面では、法律にのっとりまして石炭鉱業審議会を開催するなど、各界の御意見を聞き、石炭企業の収支の改善と国内炭の需要の安定的な確保、この双方の観点を満足するような形で適正な炭価をできるだけ早期に決定してまいりたい、こういうふうに考えております。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 ぜひ今お答えをいただきましたような線に沿って御努力をいただきたい。重ねてお願いを申し上げておきます。  石炭需要の拡大についてお尋ねをしておきたいと思います。原料炭需要の確保とともに、今日それ以上に重要なことは、石炭全体の需要をどう拡大していくか、これが非常に大事なことだと思っているわけでございますが、今日の経済状況、社会状況の中で、最も大口の消費先であります石炭火力発電所の建設状況というのが、私は必ずしも順調に進められているというふうには思われないわけでございます。むしろ電力の需給状況を反映いたしまして計画の繰り延べが行われている現況ではないかと実は認識をいたしているわけであります。こうした現況の中で、当然海外炭の引き取りにも影響が出ておるでしょうし、こういった問題は、また我が国の対外的な信用問題にも発展をしかねない、そういうことで私自身非常に危惧をいたしているわけでございますが、皆様方の御見解をお聞きいたしますと同時に、今後石油の需給を考えてみました場合にも、御案内のとおり中東情勢というものは非常に不安定であります。また世界の経済の成長を見込むときに、中長期的に考えた場合には、またいつ石油需給の厳しさというものが我が国を襲ってくるかわからない。こういった状況もさることながら、昨年OPECの石油の値下がりがありましたにもかかわらず、なおる炭火力のメリットというものは大きいわけではないかと私は思っております。同時にまたベースロードとしての役割も果たし得ているわけでありますから、建設計画というものは、大変厳しい経済状況の中でありますけれども、また難しい問題を含んでいると思いますが、着実に今後も進めるべきだというふうに認識をいたしております。  長期エネルギー需給見通しに掲げられております石炭需要の達成見通しを含め、石炭需要拡大策についての御見解をお伺いしておきたいと思います。

豊島格資源エネルギー庁長官

○豊島政府委員 石炭火力につきましては、御承知のように原子力と並んで非常に有力な石油代替電源であるということでございますし、エネルギーにとっても石炭は大事であるわけでございますが、コストの点から見まして、石油がバレル当たり五ドル下がりましたけれども、当然のことながら依然として石炭価格の優位性は失われておらない。具体的には、石油は下がったけれどもやはりキロワット当たり十七円くらいいたしますが、石炭火力の場合は平均でございますけれども十四円くらいということは、非常に有利である、こういうことでございます。したがいまして、私どもとしましては、電源三法の制度の活用、それからそのほかに石炭火力発電所の新設、あるいは既設の石油火力につきましてはこれを石炭転換する、こういうことにつきましても補助金を出す、あるいは開銀の低利融資といいますか、そういうことをいたしております。  確かに経済成長、それからエネルギーの節約ということで全体のエネルギーの需要ももちろん落ちましたし、電力需要もそれにつれて落ちておりますが、しかし、ことしの施設計画では、大体今後十年で千三百万キロワットの設備を増加させて、六十八年度末には二千百万キロワットの建設計画を進めているということで、電力会社初め鋭意努力しておるところでございます。  そういうのが現状でございますが、全般的な問題といたしましても、石炭利用の拡充ということになりますと、当然いわゆる火力発電所だけでなく産業用の石炭転換ということも必要でございまして、そのための技術開発ということも当然進めておるわけでございます。短期的にはいわゆる油と混ぜるCOM、あるいはカートリッジ式のCCSというような利用技術、あるいは中長期的には石炭液化あるいはガス化、こういう技術開発を進めていきたい、こういうことでございます。  石炭の重要性はますます重要でございまして、そういう中期的、長期的、あるいはここ当面の問題として考えていきたい、こういうことでございます。(「ちょっと聞こえないんだけれどもね」と呼ぶ者あり)

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 古賀君、わかりましたか。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 私はわかりました。  次に、海外一般炭の開発及び輸入状況について若干お伺いをさせていただきたいと思います。  御案内のとおり、我が国の石炭政策をこれから進めていく中で、海外一般炭の開発及び輸入問題、これは大変重要な大事な課題になってくると思いますが、最近アメリカ並びに中国で大規模な開発プロジェクトの話が進められていると伝えられております。また一方では南アフリカ、豪州などと一般炭の輸入削減交渉も行われている。そういった状況の中で我が国は今後長期的に石炭需要を拡大していく政策を進めていくわけでありますが、この観点から、開発輸入が必要とされている今日、海外との取引を長期的な視点から友好的に進めるためには非常にいろいろな問題を含んでくると思っております。例えば契約は着実に実行することだとか、またお互いの信頼関係というものが大事である、またその信頼関係を維持していく必要がある、そういったことが大事なことではないかと私は思っておりますが、短期的な輸入交渉の経過、長期的な開発プロジェクトの概要、特にアメリカとの関係について価格面の見通し等を含めまして、現状と今後の見通しについてできるだけ詳しく御説明をいただきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 一般炭の需要につきましては、長期的には着実に増大していくものと考えておりますが、当面は御指摘のように電力需要が伸び悩んでおります。さらにセメント生産の低迷等を反映いたしまして大幅な需要増大は望みがたい状況でございます。  一方、海外炭の供給は、日本も参画いたしました新規炭鉱の出炭が開始されましたこと等もありまして、全般的に言ってオーバーコミットトメントの状況になっております。  このような状況のもとで、現在民間各社で一九八四年度の石炭引き取りの交渉を行っている最中でございますが、一部企業につきましては削減は避けがたい状況でございます。既に交渉中の一部企業にあっては、相当量の削減について当事者間で合意が得られたというふうに承知いたしております。  いずれにいたしましても石炭貿易の円滑な推進のためには、先生御指摘のように民間部門を中心とした緊密な話し合いを通じまして、当事国の関係者がそれぞれの立場を理解し合い、協力関係を維持発展させていくことが肝要と存じております。  海外炭の開発プロジェクトの概要でございますが、海外炭の安定供給を図るため、従来より我が国の企業は豪州、カナダ、米国等におきまして探鉱開発プロジェクトに積極的に参画いたしております。政府といたしましても、新エネルギー総合開発機構から、これら参加する民間企業への融資あるいは債務保証を通じてこれらの民間活動を支援、助成いたしております。石炭需要、先ほど申しましたように当面低迷はいたしておりますが、長期的には着実な増加が見込まれておりまして、探鉱開発には長期のリードタイムが必要であるということを考えますと、政府といたしましても引き続きこれらの民間活動を積極的に支援してまいりたい、こういうふうに考えております。  米国炭でございますが、輸入距離が長うございます。そのために他国の炭に比べまして輸入炭の中では最も高い部類に属するわけでございまして、平均より一割ないし二割高ということになっております。そのために米国炭の輸入は、こういう厳しいといいますか低迷した状況の中では減少の傾向にございます。米国からも強い輸入増大の要請もございますので、昨年十一月の日米共同政策声明に基づきまして、我が国の主要ユーザー代表等によりますミッションが今月十四日及び十五日に訪米いたしまして、中長期的な観点に立った石炭貿易の拡大の可能性並びに米国炭価格の低減の機会のスタディー、そういう可能性につきまして民間当事者間で話し合いを行うことになっております。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 鉱害問題についてちょっとお聞きをしておきたいと思います。  鉱害復旧事業の進捗状況について触れさせていただきたいと思いますが、御案内のとおり大変厳しい今日の国家財政の中で、石炭対策特別会計も非常に財政事情というものは厳しいわけでございますけれども、本年度の鉱害復旧事業費は五百十四億円が確保され、事業規模も七百億円となる見通しが立っているわけでありますが、そういった面を考えてみますと、まず順調に進められているということが言えるのではないかと思っております。しかしながら、内容的に掘り下げてみますと、最後の十年間ということで、非常に個別的にまた複雑多様化した問題の多い難しいケースが残されていると言えるのではないかと思っております。したがって、これに携わっていただく関係当局の方々は、今までも御労苦いただいているわけでありますが、より一層いろいろな面で御苦労を願わなければならない、そういうふうに認識をいたしておりますが、鉱害復旧長期計画を今日までどういうふうに進められてきているか、その状況、そしてこれから長期計画実施に当たって考えていただかなければならないいろいろな問題、配慮事項というものが当然あろうかと思いますが、そういった問題の実施状況、また一応これは六十七年までの十年ということになっておりますが、六十七年までには完全に復旧の見通しが立っているのかどうか、そういった問題について具体的に、ひとつできれば数字を示して御説明を願いたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 昭和五十七年十一月に公表されました鉱害復旧長期計画によりますれば、五十七年度から十年間で処理すべき鉱害量は復旧費ベース、事業費ベースで五千九百億円でございます、五十七年度価格でございますが。これを期限内に円滑に処理する観点から昭和五十七年度、五十八年度、両年におきまして、それぞれ七百億円の復旧事業を実際いたしております。五十九年度におきましても、先生御指摘のように七百一億円の予算を計上いたしております。そういうことで、できるだけ計画的かつ重点的に図っていきたいと考えております。  それから、長期計画において配慮すべき事項として指摘されておる項目が三つほどございます。すなわち、まず広域的に整合性のとれた復旧計画を作成せよという御指摘を受けております。それからさらに、他の公共事業との調整をやってむだな投資が行われないようにするということでありますが、調整をする。それから、農地関係につきましては、圃場整備工法との比較検討を行うべしというような三つばかりの御注文を受けておりますが、これにつきましては、鉱害復旧事業の実施に当たり積極的にこういう観点を踏まえまして取り組んでおるところでございます。  それから、八年余りが残された期間でございます。この中で残存鉱害の処理が完了するかどうかということでございますが、私どもといたしましては所要の予算を確保いたしまして、復旧事業の計画的、効率的な実施によりまして何とか期限内に復旧を終えるように最大限の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 限られた時間でございますので、最後に産炭地域振興対策の進捗状況についてお尋ねをしておきたいと思いますが、産炭地域振興対策の着実な進展というものは、ただいまお聞きいたしました鉱害復旧事業の推進とともに地域住民の大きな関心事であります。特に福岡県は、御案内のとおり産炭地域の振興対策にかける期待というものも非常に大きいわけです。そういった中で、この法律が延長後に制定されました経済生活圏における発展計画の総括的な推進状況、及び指定解除が見込まれる地域があるとすればその見通し等について御説明を願っておきたいと思います。具体的に小さな個別的な問題等につきましては日を改めてまたお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いをいたしておきます。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 御指摘のように、先般の法律改正、法律延長に伴いまして、産炭地域の振興につきましては、経済的、地理的一体性を図るという観点から、産炭地域を二十の経済生活圏に分けまして、当該生活圏ごとに構成する市町村の役割分担を明確にした上で地域の特性に応じた広域的発展を目指すということにいたしております。これらの産炭地域経済生活圏ごとの振興の基本的な方策、方向につきましては、国が策定いたしました産炭地域振興基本計画並びに実施計画に沿いまして各都道府県が関係市町村の協力のもとに産炭地域発展計画を定めることとなっておりまして、各種の事業はこの発展計画に沿って実施されているところでございます。  この発展計画は三年ごとにローリングすることになっておりますので、現在第二期目に入ったばかりでございます。五十八年度をもって終了いたしました第一期の発展計画の進捗状況につきましては、目下報告を求めている最中でございまして、完全に詳細まで把握するに至っておりませんが、例えば福岡県について見ますと、発展計画で想定していました各種公共事業、産業基盤、生活基盤の強化のための公共事業でございますが、これについて申し上げますと、金額ベースでこの三年間で約九〇%弱の達成率になっております。かなりの成果を上げておると私どもは理解いたしております。  それから、指定解除の問題でございますが、一定の解除基準に達した場合には一般対策にゆだねるべしという答申をいただいております。この基準というのは、御案内のとおり、産炭地域の経済圏に属する六条市町村の二分の一を超える市町村の財政力指数が全国の市町村の平均値以上になった場合、所要の経過措置を置いて解除するということになるわけでございます。  この基準について現在の情勢を申し上げますと、いわき産炭地域経済生活圏、宇部・小野田経済生活圏、筑後経済生活圏、この三つが全国平均値にかなり近づいているというような状況でございます。これらの地域の指定解除の時期が具体的にいつになるかということに関しましては、いろいろ数字がこれからの予測になりますので、具体的なことはまだ明らかに見通せるような段階ではございませんが、今後産炭地域振興対策の成果によりまして順次基準に到達し成果を上げて卒業されていくところがふえると私どもとしては期待いたしております。

古賀誠自由民主党・新自由国民連合

○古賀委員 時間でございますので終わりますけれども、最後に、大臣並びに政府委員の皆様方にお願い、御要望申し上げておきますが、大変短い時間で十分のお尋ねをすることができませんでしたけれども、ただ言えますことは、今日の我が国の石炭鉱業は大変厳しい環境下にあるということでございます。また同時に、何と申しましても資源のない我が国での唯一の資源である石炭でありますから、そういう意味で今後とも石炭政策に大変御理解をいただきますと同時に、石炭政策の強力な推進のためになお一層御努力いただくことを心からお願いを申し上げます。また我々の福岡県は石炭六法によっていろいろな面でこれから開発を図っていき推進を図っていかなければいけない町であります。そういった石炭六法による推進につきましても、皆様方の特段の御配慮を賜りますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 岡田利春君。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 先般の大臣の所信表明に関連して若干お尋ねをいたしたいと存じます。  所信表明に盛られておることは具体的に今年度の予算で示しておるもの、こう思うのであります。そういう意味で、今年度の石炭政策の顔はいわば特別会計の石炭勘定の予算にある、こう理解をいたしております。しかし、今年度エネルギー関係の予算は、特に油の価格の低下に伴って石油税を三・五から四・七%にアップをする、あるいはまたLNG、LPGについても一・二%を課する、こういう新しい方針を打ち出しておるわけであります。一方石炭関係は、これは従量税でありますからキロリッター当たり六百四十円、そして百十円の暫定措置がそのまま延長されて、これが財源になっておるわけであります。したがって、ここ数年財源の伸びが期待されないわけでありますが、この傾向はエネルギー関係全体についても、円高になれば当然税収は減ってまいりますし、石炭関係は従量税でありますから、そういう意味でも数量的にそう伸びの期待ができないのでありますから、財源確保についてはそう伸びは期待できないという前提に立って我々は残念ながら物事を考えていかなければならぬのではないかと思うのですが、短期的に数年先の石炭関係の財源についてどう判断をされておるか、承りたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十九年度の石炭勘定予算は、その財源となる原重油関税収入が大幅な減収を余儀なくされたこと等から、前年度に比べまして大幅に減額になったところでございます。このうち石炭鉱業合理化安定対策費は、第二次肩がわりの終了に伴う再建交付金の減少等、当然減的な要素もございますので、そういうことから前年度比特に大幅な減少になっております。しかしながら、これらの当然減的な経費を考慮いたしますれば、実質的には横ばいないし微増という形を確保したものと考えております。  しかしながら、今後の石炭鉱業合理化安定対策費の充実につきましては、石炭鉱業の健全な発展を図るという観点からも重要でございますので、原重油関税収入の動向も十分考慮しながら適切に対処してまいりたいと考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 そこで、今年度の特別会計を分析をしますと、合理化、安定対策費は今言ったように、マイナス五十億で四百五億円、三一・六%のウエートであるわけです。鉱害対策費は四五・五%で五百八十三億、これは前年度対比マイナス五億円です。産炭地域振興対策費は八十五億で、マイナス三億で六・六%。労働省関係予算は百八十二億で、マイナス二億で一四・二%。その他が二十八億でプラス・マイナス・ゼロ、ウエートが二・二%、こういうことになっておるわけですね。いわば年々合理化安定対策費というのが減っていくわけであります。  このうち補助金を分析をしてみますと、大体三つの補助金は三百二億なんです。トン当たり計算をすると、千七百万トンで割ればトン当たり千七百七十七円という計算になるわけです。露頭がありますから若干上回っておりますけれども、そういうことになるわけであります。これなんかも西ドイツの補助金あるいはまたフランスあたりに比べると、日本の補助金というのは決して高い水準ではないわけであります。低い水準にあることは間違いのない事実だと思うわけであります。  一方において、石炭企業というものは依然として赤字の状態にある。こういう状況を考えると、予算の配分について再検討しなければならぬのではないのか。財源は伸びない、そして政策は進めていかなければならない。その場合に、当然ウエートが変わってまいるのでありますから、予算内のウエートについても再検討する必要があるのではないのか。炭鉱というのは、つまずいたら、つぶれればそれで終わりなわけです。鉱害の場合は若干おくれたって、今はもう大体半分越してきているわけですから、苛みたいに災害が発生するなんということは少なくなってきている。そういうところを考えると、これからも石炭政策の進め方について、財源の配分について再検討の段階に来ている、こう私は言わざるを得ないと思うのであります。この点について何かお考えがあれば承っておきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 特に私どもは予算編成に当たりまして、先生が申されました各分野別、合理化、鉱害対策、産炭地振興あるいは労働省関係予算、分野別に一定のシェアを設けて、それによってやっていくという形じゃございませんで、いろいろ各方面で必要な経費を最小限度計上した結果のシェアが今おっしゃったような形に推移しておる、こういうことで、シェアは結果論でございまして、私ども先ほども申しましたような合理化対策、これも極めて重要な施策でございますので、この点に必要な予算につきましてはできるだけ確保してまいりたい、こういうふうに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 労働省もおりますけれども、労働省予算は合理化安定対策費に対して四五%のウエートになっておるのであります。そしてその労働省の予算の内容をさらに検討してまいりますと、百八十二億のうち百六十億円が緊就と開就によって占められておる、これが労働省関係予算の内容であります。結局、今炭鉱労働者は十一月現在で二万五千百七十二名の人が炭鉱で働いているのです。そして長欠者は六百九十七名を抱えておるというのが、今の炭鉱の現状であります。したがって、これに関連する場合には、これに大体七倍掛けるというのが常識ですね、産業連関表なんかで考える場合には。それが現状なわけです。それでは緊就は今日幾らになっているか、今年度は千九百名であります。開就は三千百名で、合計五千名というのが、この緊就、開就の数字であるわけであります。  こうなってくると、私は、政策の整合性についてどうなのか、再検討する必要があるのではないのか、こう言わざるを得ないのであります。特に炭鉱労働者の場合には、労働省もおわかりのように五十五歳で定年であります、坑内であろうと坑外であろうと。坑内は年金がつくにしても、坑外は年金がつかないのであります。そういう状況に今あるのが、現行、稼働している炭鉱労働者の実態なわけであります。緊就の場合には、既にもう私とほぼ年齢の変わらない段階になってきておる。恐らく一番若い人は五十七歳ぐらいじゃないでしょうか。ごく二、三名しかいないはずであります。もう六十歳以上が圧倒的に多くなってきているわけであります。  そう考えてみた場合に、これはどれがいい悪いという問題じゃなくして、政策の整合性という面でどうあるべきなのか。こういう点では、当然勘定全体を省を乗り越えて検討しなければならぬ段階に来ておるのではないのか、残念ながらこう言わざるを得ないわけであります。もちろんそこに労働者がおって地域社会があるのでありますから、一遍にさっときれいにはいかぬでありましょう。しかしながら、ここまで来るとやはりこういう政策について再検討して、そして政策の整合性といいますか、そういうものを求めていく、こういう努力がなければ私はおかしいと思うんですね。この点について、私のこういう考え方について、もしお考えがあれば、通産、労働の両方から伺っておきたいと思います。

守屋孝一労働省職業安定局高齢者対策部長

○守屋政府委員 私ども離職者対策といたしまして、確かに先生御指摘のような二事業をやっております。  特に、緊就事業につきましては、これは当時、三十四年でございましたか、大量の炭鉱離職者の発生に対応して緊急に臨時的職場をつくって、そこに就労していただくことによって生活の安定の道を得るという緊急対策として出発したことは事実でございます。ただ現実には、この事業が実施されております地域というのは、労働力需要が非常に乏しいというのもまた現実の姿でございます。  そういう意味合いもございまして、この事業を今日まで続けてきておりますが、私ども三十八年の改正以降、この緊就事業については新規に適格者として登録した方々はございません。したがいまして、先ほど先生がおっしゃいましたように年齢が高齢化してくるというのは、新規に入れておりませんから、これは理の当然だろうと思います。ただ、この事業も、福岡の筑豊地帯の旧産炭地、こういう非常に疲弊した地域において産炭地振興が進められる中で、こういう就労事業もある意味ではその産炭地振興の一翼を担っておるというふうに考えております。したがいまして私どもも、事業そのものを今廃止するというようなことは考えておりません。これはやはり今後ともそれぞれの時点において必要な見直しということは当然必要でございますが、今後さらにある期間、ある程度においてこれは継続実施せざるを得ない事業であるというように基本的には認識しております。  では、しからばどのような見直しをしたかということになりますと、五十九年度におきましては、この就労日数を月当たり一日削減しております。特に七十歳以上の高齢者の方々につきましては、就労日数をさらに削減いたしまして月当たり十五日。これは今までは二十三日就労でございましたが、一般的に二十二日就労にし、七十歳以上の方々については十五日就労というような見直しをしながら、今後ともにこの適正な運営に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 緊急就労の発生の起源というか歴史については私は十分承知をしておるわけであります。もうそういう使命は終わったんではないのか。しかし、そこに失業者がおるという現実があるわけですが、それは普通一般の就労事業でやればいいわけですよ。もうそういう段階に来たのじゃないのか、こう言いたいのです。そこが私は認識の問題だと思うんです。  開就についても、従来、開就というのは炭鉱労働者家族、その一定割合というのが大前提であったものが、それが現在もう既に崩れているわけですから、これは間違いない事実なんです。そういう意味で再検討しなければならぬのではないか、こう言っているわけです一ですから、今守屋さんから答弁がありましたけれども、多少見直しをするという段階ではなくして根本的に見直しをしなければならぬ段階に来たのではないのか、こう私は言わざるを得ないのです。ですから、多少見直してはなくて相当、今日の時点でも二十年近くの経過があるわけでありますから、基本的にどうあるべきなのかということを検討する段階に来た、こう言わざるを得ないのですが、いかがですか。

守屋孝一労働省職業安定局高齢者対策部長

○守屋政府委員 今のお話は、一般の失対事業に吸収してはどうかというような御指摘かと存じます。しかし、この事業は何のために行われたかということでございます。この緊就事業を行われている地域というのは、もともと石炭以外にほとんど見るべき求人がない、労働力需要がないという地域で、石炭が出なくなった、そのためにこういう事業をやらなければならないという、まず労働力需給の面で非常に厳しい状況にある。さらに言えば、これは福岡が中心になりますが、この地域は同和地域という問題を抱えておるという二重の苦しみを持った地域でございまして、私は、これを直ちに一般対策に解消してしまうということは、果たして今までの石炭政策を進めてきた過去経緯と、また今後の対策を進める基本的方針としてはいかがなものかというように考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 例えば夕張の場合、後でこれも現状を聞きたいと思っているのですけれども、もうすでに労働者、失業者の滞留があるわけですよ。ですから、そのときそのときによって政策が必要なので、一定時間が経過すれば政策の使命は終わっていくわけですよ。全部が死ぬまで政策がなければならぬなんということにはならぬでしょう。労働省だって六十五歳以上のやつは雇用保険を払わぬと、こう言っておるわけですから。そういう法律を出しておるわけでしょう。ですから私は、そういう意味で素直に言っておるわけですよ。素直に、ここまで来ると再検討しなければならぬ段階に来ておるのではないのか。もちろん内容的に十分配慮をしなければならぬ面もあるでしょう。しかし、そういう意味でも基本的に検討しなければならぬ時期に来ている。私は、これは党とか、そういうものを超えて、そういう実態にあるということは率実ではないかと思うのです。したがって、そういう意味で私は、どうあるべきかということについてひとつ十分検討してほしいということを申し上げておきたい、こう思います。  そこで、今日の石炭経営の実態について伺っておきたいわけです。  先般賃上げのときに、五十八年の五社平均の赤字はトン当たり九百五十円だ、二年前の五十七年は三百四十円でありましたけれども、九百五十円になったと、こう発表されておるわけです。そして春闘は一片百八十二円で、扶養家族第一順位が千六百円上がって三%アップ、これで春闘は三社が妥結をしているという状況にあるわけであります。そして五十八年には炭価値上げについては凍結されておるという状況であります。したがって、今日の石炭企業の経営の実態は、今私が申し上げました点の指摘でいいのかどうか、こういう点が第一点であります。  同時に、昨年は炭価の凍結が行われましたけれども、五十九年度の基準炭価の問題について政府の方はどのような態度を持っておるのか、この機会に承っておきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十八年度の石炭企業の採算状況でございますが、今各社とも決算の作成に急いでいるところでございまして、最終的な報告を受けておりませんので確実な数字を私ども把握いたしておりませんが、状態といたしましては、先生御指摘のような状況に基本的にはなっている、基本的な見方としてはこういうように考えております。そういう非常に厳しい状況でございますので、今年度の基準炭価の決定につきましては最大限の努力をしたいと考えております。御案内のように、石炭鉱業合理化臨時措置法の五十八条に基づきまして、石炭の生産費、石炭の輸入価格、石炭以外の燃料の価格その他の経済事情を考慮して、石鉱審の意見を聞いて決めるということになっているわけでございます。これによって私ども決めていくことになるわけでございますが、今年度の炭価の決定に当たりましては、賃金、採炭コストの動向、海外炭の価格の動向等、考慮すべき所要の、すでに賃金は明らかになっておりますが、所要の指標が明らかになった後に、これらの指標、並びに昨年度の基準炭価が据え置きになった事情等を十分考慮いたしまして、石炭企業の収支の改善とそれから国内炭需要の安定的な確保、双方の観点に立ちまして、適正な価格を早期に決定してまいりたい、こういうふうに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 第七次政策の基本からいうと、炭価政策が非常に重要なウエートを占めておるということは、文脈の流れから見ても当然言えると私は思うのです。したがって、第七次政策というものは一定の炭価値上げの発射台の上に立って展開をされたというのが本当だろう、こう私は思います。  そこで、残念ながら企業間の格差というものが増大をいたしておるわけです。企業間の格差というものを認めたのは第六次政策で、これを予算的に裏づけをしたのが第七次政策であったと私は思います。したがって、従来の政策手法からいえば、企業間の格差の拡大ということは炭価の値上げでは解決しないわけですね。いいところはいいわけですし悪いところは悪いわけですから、炭価を上げてもその格差は縮まらないわけです。炭価政策では格差は縮まらないのであります。そうすると、この格差の是正を図るということは、個別企業対策を前提とする我が国の石炭政策である限り、そういう前提である限りは、やはり政策費の傾斜配分を行うという一つの手法があるでしょう。もう一つは、過去三回行った、負債を整理をする、肩がわりを行う。この二つの手法が、過去の石炭政策の個別企業対策を前提とする場合の格差是正の手法であったと思うわけであります。これ以外に何か手法があるでしょうか。あるなら何かお示し願いたいと思いますし、個別企業対策を前提として格差是正をやるとすればこういう手法以外にないということはお認めになるのではないでしょうか。いかがでしょうか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 御指摘のように、炭鉱間の自然条件による格差は予想以上に厳しくなっております。石狩地区の急傾斜炭鉱等の経営は今後とも厳しい状況に置かれるものと考えております。このため、五十九年度予算におきましては、御案内のように安定補給金の格差をさらに強化をしていく、石狩地区については千百五十円を千四百円に引き上げ、さらに坑内骨格構造の補助金につきましても、急傾斜鉱山に比較的多い断面積の小さな坑道の補助限度額を引き上げたわけでございます。さらに、保安の補助金につきましても、急傾斜流し込み充てん工事の限度額を大幅に引き上げた。こういうような形で個別企業に対する自然条件の格差に対する配慮はしたつもりでございますが、基本的には七次答申にもございますように、格差につきましてはすべて企業の自助努力というものがやはり基本である、政府はそれを支援していくという形に指摘をされておるわけでございます。  今後の対策についてでございますが、今年度かなり思い切った格差是正対策を講じたばかりでございますので、この辺の施策の浸透状況あるいは推移を見きわめた上、さらに検討を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 私は、今以上に格差が開いていくということになれば、石炭政策は基本的に成り立たないと思うのです。そうすると、類似した項目で補助を増額するというようなことでは解決しないのでありますから、その場合には、もし本年炭価も上がらないなんということになってますます苦しくなっていくと、これはもう第四次肩がわりに走らざるを得ない、こう言わざるを得ないのですね。そういう非常に重要な年が今年度の石炭政策であるという点について特に指摘をし、十分今後の政策展開について慎重な配慮を願いたいということを申し上げておきたいと思います。  第四番目は、今年度の需給見通しについて。最近の需給関係というのは、これは不幸にして三池災害もございましたから、貯炭の状況も八十八万トン、北海道に原料炭、一般炭が偏在をしているという状況で推移をしておりますので、需給関係については非常にいい状況に推移しているということが言えると思うのです。そこで、昭和五十九年度の需給の見通しについてはどういう展望を持っているのか。同時にまた、需給計画を決定しなければならないように合理化法は定めてあるわけですが、ともすればこの需給計画の決定というのは、いつでもおくれるわけです。下期になってから決まるということになるわけであります。今年度はいつごろまでに需給計画を決めようとしているのか、この点について承っておきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十九年度の需給見通しにつきましては、石炭鉱業審議会の需給部会でできるだけ早い機会に御検討願う予定でございまして、現在内部的な詰めを急いでいるところでございます。そういう事情でございますので、現時点で確たる数字、見通しを申し上げる状況ではございませんが、いろいろな今までの需給両業界のヒアリングを通じましての我々の印象は、おおむね順調に引き取りがなされ、国内炭在庫も適正な水準で推移するであろうというふうに一応見通しております。具体的な数字はこれから詰めてまいります。  それから需給計画の策定の時期でございますが、昨年は夕張炭鉱の閉山問題等もございまして、実際御指摘のように九月にずれ込んでおるわけでございます。今年度はできるだけ早く、今月あるいは来月早々にでも決めたいということで、今準備を進めているところでございます。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今日の一般炭の需給問題について一点承っておきたいと思うのです。それは、現在安定補給金の対象になる石炭というのは、四千五百カロリー以上、もしくは三千ないし四千五百カロリー未満の粒度三ミリメートル以上のものが安定補給金の対象になるわけであります。したがって、一般炭の需要確保について、いわば外割りをする場合には、ほぼその二〇%をめどにして国内炭も使用する、そういう前提に立って、その工場に対して一般炭輸入の外貨の割り当てをする、これが今日需要確保の一環としてとられておる政策であるわけであります。しかし、もちろん安定補給金の対象になっているのは石炭であるということにはなるのですけれども、最近ちょっと顕著に目立っておるのは、例えば四千カロリーぐらいの炭だけ持ってこい、自分の方は高カロリーの炭を輸入する、例えば六千五、六百カロリーの炭を輸入する。国内の方にはローカロリーでなければだめだ、四千カロリーのものを持ってこい、こうなるわけですね。これではちょっと問題が出てくるのではないか、こう思うのであります。そういう意味で、もしこういうことが続くとすれば、安定補給金の対象外のスラッジとかそういうものを活用しなければならぬという問題だって考えなければならぬと思うのですね。例えば電発には六千カロリーから六千三百の炭を持ってこいというわけでしょう。どこどこにはこの程度の炭を持ってこいということで選炭をすると、残ってくるのは四千カロリー、それからそれ以下のものが出てまいるわけですから。  そうしますと、例えば三井三池に認めているように、高サルファの石炭に対しては低サルファの外炭の輸入の割り当てを認める。同様に、特に北海道あたりが顕著な地域でありますけれども、低カロリーのそういうものが出る場合には高カロリーの石炭の輸入を認めるというような政策を何か考えないと、今言ったことを野放しにしておくと問題が出てくるのではないのか、こう私は思うわけであります。そういう私の考え方について無理があるのでしょうか。そう考えざるを得ないということが極めて必然ではないかと思うのですが、いかがでしょう。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 雑炭の問題について考えますと、これは国内炭の専焼火力等におきましてサルファ対策あるいはカロリーの調整用の石炭として使用されておりまして、重要な地位といいますか一つの分野も確立しておるわけでございます。したがいまして、我々の需給見通し、先ほど申しましたいわゆる外貨割り当ての基礎にもなりますし、輸入割り当ての基礎にもなります需給見通しにつきましても、国内炭の供給源の一つのソースとして位置づけておりまして、そういう前提に立ってIQの運用を行っておるということでございますので、基本的には今までのところ問題は生じていない、こういうふうに考えております。  カロリーを勘案して割り当てを行っていくというのも一つの考え方であろうかと思いますが、何しろ年間六回、百社弱の企業に対して割り当てを行っておるわけでございますから、それをカロリーで換算してやっていくというのは非常に手間のかかる、あるいは使用者に対しても過重な負担をかけるというような面もあろうかと思いますので、この辺は慎重に検討してまいりたいと思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 今私が指摘をしたのは、そうどこでもやっておるという意味じゃないのですが、そういうこともあり得る、あり得たということを指摘をいたしているわけです。したがって、私はやはり北海道の特に三千五百程度の低カロリー、これをどう一体資源として活用するかという点については、ぜひ今後の石炭政策として御検討願いたいということを申し上げておきたいと思います。  時間がありませんから三点についてそれぞれ一問ずつお伺いいたしたいと思います。  一つは、最近石油コークスの輸入数量というものが非常に顕著に出てまいったわけです。五十六年二百十七万七千トンだったものが、五十八年には三百四十三万二千トンという実績が出ている。大体アメリカからのが九〇%程度のウエートを占めている、こう伺っているわけです。そこで、このオイルコークスの価格の動向、それと数量の二、三年間の趨勢から考えて、今後オイルコークスの需要についてはどういう動向をたどるかという点についてどう判断をされているか、この点が第一点であります。  それから第二点の問題は、これは労働省にお尋ねしますけれども、夕張の離職者の問題でありますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、最近の状況と再就職の見通しについて一体労働省はどのように実態を把握しているか、この点が第二点であります。  そして第三点は、これは保安の関係の問題でありますが、先般有明で炭鉱災害が起きたわけであります。炭鉱であれだけ深部に展開してまいりますと、私はやはり自主保安体制というものをどう確立をするかという点でいろいろ考えなければならぬと思います。現在の保安管理体系というものは、鉱業権者があり、保安管理者がおり、監督員がおる。そして、これにそれぞれ補助者がついている。そして保安係員がそれぞれの部署に展開をされている。労働者的には指定鉱山労働者、有資格鉱山労働者、これは若干のそれぞれの教育をする。こういう職員体系で保安が管理をされておるわけであります。ところが、最近の災害動向を見、自主保安という側面から考えていくと、最も直接現場の先端にいる保安係員のダブルチェックを一体どうするかという問題を避けて通ることはできないのではないのか。私はしばしばこの問題を提起をいたしているわけです。何も特殊な係にせいということを言っているのではありません。例えば有資格鉱山労働者のように一定の教育をする。例えば坑内災害が起きた場合に、どちらの方に誘導したらいいのか、係員だけ覚えていてもどうもならぬのであります。そのためにはやはりそういう先山に、ある一定の教育をしておかなければならない、全体を教育することは難しいのでありますから。そういう意味で、有明災害も自主保安体系の中の問題としてこの点を問うているのでは在か、こう私は言わざるを得ないと思うのです。前にもこの問題を私は提起をしてあるわけです。ぜひ今後検討してもらいたいと思うのですが、この点についてどうか。それぞれ御答弁願って質問を終わります。

豊島格資源エネルギー庁長官

○豊島政府委員 私の方からオイルコークスの問題について申し上げたいと思います。  オイルコークスの最近の輸入といいますか主として輸入でございますが、需要は非常にふえておりますが、大体鉄鋼業とセメントというのが多いと思います。鉄の場合には、石炭に含まれているサルファ等の不純物を除くということでございますので、これは値段も関係あるかもわかりませんが、どちらかというと必要なそういう理由がございますので、今後とも使用は続くであろう、こう思います。ただセメントは、どちらかといいますと石炭に比べて安いということが前提で相当ふえた、こういうことでございます。最近の情勢を申し上げますと、価格につきましては、一時は石炭よりかなり安いという感じであったのですが、最近は、日本の需要がふえただけではないと思いますが、やはり需給の問題がございまして、石炭よりむしろ高くなってきているということでございます。したがいまして、例えば五十九年度あたり見ますと、セメントはむしろ相当使用は減るのじゃないか、こういうことになっています。したがいまして、鉄は大体使用は続くがセメントにつきましては値段いかんということでございますが、この値段がどうなるかということにつきましては、もう少し様子を見ないと、今のところは高いけれども、これは安い状況になればまた使う、こんな感じではないかと思います。

守屋孝一労働省職業安定局高齢者対策部長

○守屋政府委員 夕張の離職者の関係の状況について申し上げます。  四月末現在におきまして、今まで出ました求職者総数は累計で二千三百五十一名でございます。このうち四月末までに、これは就職決定者も含めましての話でございますが、四月末までに就職した方々は千百二十三名でございまして、このほかに夕張を離れて他地域に移転された方もございますが、また職業訓練を受けるために他地域に移転されている方もございまして、そういう方を除きまして、夕張に現在滞留されている方々は六百四十八名でございます。  私どもといたしましては、この方々については、夕張地区あるいは道内だけでの就職というのはいろいろ難しい面もございますので、京浜であるとか、あるいは場合によっては大阪というような大需要地に向けての求人開拓をさらに強力に行いますとともに、職場見学であるとか、あるいは既に就職した方と未就職の方との交流会をつくるとか、このようなきめ細かい方法を講じまして、より一層こういう方々の就職促進をスムーズにするように努めてまいりたいというふうに考えております。

石井賢吾通商産業省立地公害局長

○石井政府委員 先生御指摘の、先山に対します保安教育の徹底を図ること、それからその先山に対しまして、保安係員といいますか保安技術職員に対する助言者的な資格といいますか、そういった機能を与えたらどうかという点につきましては、かねがね部内でも十分検討いたしておりますし、また関係方面の意見も聞いておるところでございます。  特に、第一点の保安教育の徹底という意味におきましては、極めて御示唆に富む御指摘だと思うのでございますが、先山といいますのは御承知のように各社、各山におきまして態様がまちまちでございます。大先山とか先山、あるいは中先山といったような態様のものもございますし、そのグループの大きさもまちまちでございます。そういった先山に、いわば保安係員の助言者としての資格を一律に与えるということになりますと、今度その裏腹に、その法的な責任範囲をどうするのかといったような問題もございますし、それから、ある意味で生産と保安という両面を先山が見ていかなくてはいかぬということになりますと、若干双方の面で双方に手薄なところが出てきやしないかといったような問題がございまして、いろいろ意見を聞いておりましてもまちまちな意見が出てまいっておるということで、なかなか収れんできにくい状況であるのでございますが、御指摘のように、まさに現場が保安体制確保あるいは自主保安体制確立のいわば肝心かなめのところでございますから、その各社、各山の態様に応じまして現場の実情に一番合った方法はどうかということで、今後とも十分検討させていただきたいというふうに思っております。

岡田利春日本社会党・護憲共同

○岡田(利)委員 終わりますが、最後の問題ですね。これはやはり時とともに変わっているわけです、現場の状況というのは。もうそんな、係員なり職員と鉱員が意思の疎通ができないような炭鉱がやっていけるはずはないのですよ。保安も一体でなければならぬし、すべての意味で一体でなければならぬ、そういう状況ですよ。だから、やはりそういう意味では状況が変わってきているのですから、そう今答弁のような心配をされなくても、ちゃんと相談をしてやる気があればやれるのだと思うのですね。ぜひ検討を願いたいということを申し上げて終わります。  ありがとうございました。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 中西績介君。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私は鉱害問題について二、三お聞きをしたいと思っております。  そこで、まず残存鉱害量が現状どれだけあるのか。ただ問題は、五十六年ごろに法律の延長をいたしました際に、いろいろ資料等が提出をされましたけれども、その後、二次鉱害なりあるいは追認などがありまして相当変更されておるのではないかということを感じますので、この点見直し等含めて現状どうなっておるのか、簡単にお答えください。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十七年の十一月に鉱害復旧長期計画が策定されたわけでございますが、それによりますれば、五十七年度から十年間で処理すべき鉱害量は、復旧費ベースで約五千九百億円でございます。その後新たに調査はいたしておりません。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 そうなってまいりますと、これまでの鉱害復旧の実績の結果とあわせ考えた場合に、現状からすると法案の最終年度、六十六年度末になりますとどういう状況になるだろうかということを非常に不安な気持ちで見ています。この点数字がわかれば、大体推計なりが出ておれば示していただきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 先ほども申しましたように約五千九百億円、五十七年度の価格でございますが、これを何とか期限内で円滑に処理するようにとの観点から、五十七年度、五十八年度につきましてはそれぞれ約七百億円の復旧事業を実施いたしております。五十九年度におきましても七百一億円の予算を計上いたしております。こういう形で計画的にできるだけ期限内に処理したい、こういうふうに考えておるところでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 実際に今出てきておる追認されたものだとか、いろいろなものを含めまして、今局長が言うペースでいけば、大体この年度内に終えるという一応の見通しなりを持っておられるかどうか、その点もう一度。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 予算の確保というのが一番大きなポイントかと思いますが、石炭対策特別会計石炭勘定、必ずしも余裕があるわけではございません。その乏しい中でできるだけ計画的に予算を配分し、何とか期限内に処理いたしたい、こういうふうに努力いたしたいと考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 ですから、今言われた例えば五十七年度の復旧実績の見込みが六百八十億なら六百八十億として推計をしてまいりますと、あと残る年度内で、これから出てくるであろう、既にもう二次鉱害等が出始めていますから、そうしたこと等も含んで一応の試算なり推計をしておかないと、今後の予算を大変厳しいだけにどう配分をしていくのか、あるいはこれはだめだろうということを予測することはできませんけれども、よくないことなんですけれども、そうなった場合のこと等もあわせ考えながら、こうした行政のあり方なり何なりを私たちが十分見きわめる必要もあろうかと思いますので、この点はどうですか。確信を持って言えますか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 長期計画の数字でございますが、この中は、これは厳密な鉱害の認否の判断を行う以前の予測値でございますので、御指摘のようにこのときに入っていなかったものが新たに認定されたというようなケースもあろうかと思います。同時に、このときに入った数字もその後の調査で鉱害の認定から外れるという場合もあり得る、そういうふうな観点から、私どもそういう形での数字、これに適合したもの、これに載ったものはどうなっているかというような形での統計はとっておりませんが、基本的には大きな数字の変更はなかろうか、こういうふうに存じておりまして、先ほど申しましたように、予算の計画的な配分によりまして何とか期限内に処理いたしたい、こういうふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 こうした中で、今いろいろ鉱害復旧をめぐって不公平さが目立ってきたのではないかということが取りざたされたり、あるいはそのことが被害者側からすれば不信感を増幅したり、いろいろあるわけです。したがって、やはり一番の問題というのは、私たちが調査をして見ますと、たとえば原則がゆがめられておるのではないかとか、さらに順位をお互いに話し合って決定をしておることを無視する部分が出てきたではないかとか、あるいは無計画な復旧がされておるのではないかなどなど、いろいろ問題を提起する人たちが近ごろは急速に多くなってきています。  そうなってまいりますと、私は従来からずっと指摘をしてきたのでありますけれども、一つの部落を実際に鉱害復旧をする場合に虫食い状態で、いろいろな順位なりなんなりを決めておるものを無視して中に入り込むというようなことによって順位の変更などが勝手気ままにやられるようなことになって、そこには計画そのものもないかのごとくいろいろ問題が出てくる。そうすると今度残されたところは、その鉱害だけでなしに、そこに雨が降ればそのことによって起こる二次的な鉱害がまた出てくるというような問題等もあるわけですね。ですから、こうした点についての認識が当局ではどのようになされておるのか、従来よりも問題がないというのか、従来よりずっとこうした問題が増幅してきたというようにお考えか、この点どうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 御指摘のように集団による長時間にわたる陳情等がふえておりまして、そのために鉱害の認定やあるいは復旧が優先的にそういう人たちに認められるというような疑いが持たれておるわけでございますが、そういうことのないように私ども通産局並びに事業団を十分指導してまいりたいと考えております。私どもといたしましては、あくまでも優先順位につきましては、被害者の意向はもちろん参酌いたしますが、被害の危険度、認定の時期、あるいは御指摘のような工法の経済性、あるいは地形条件等々を総合的に考慮いたしまして、最も適正な順位を決定してまいりたいというふうな考え方で、すべての案件に臨んでおるわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 そうしますと当局の態度としては、こうした問題について改めて気を引き締め直してやるということのようですけれども、従来よりやはりそうした問題がたくさん出ておるというように理解してよろしいですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 非常に大勢の集団による長時間にわたる陳情、交渉等がふえてきておるということは事実でございます。そういうことは、何か我々が原則を曲げて行政をしておるような疑いを持たれる一因にもなっておりますし、同時に関係職員の健康上の問題もございます。そういうこともございますので、先ほど申しましたように、そういうことのないように通産局あるいは事業団の対処方針を十分指導してまいりたい、こういうふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 問題は、新聞等でも、いろいろ鉱害を業とする者、こういう人たちが出てきておるというようなことで、ある新聞では鉱害屋という言葉を使っておるようでありますけれども、私はそうした言葉は使いたくないんですが、とにもかくにもまじめなグループはやはりちゃんと事業団なり局の方なり、こういうところで民主的な対応をしていただいて、今までの措置の仕方なりなんなりにやはり問題があったということをお感じになりませんか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 処理方針が非常に不公平になったり、あるいはゆがめられたというふうに私ども考えておりませんが、交渉あるいは陳情の受け方等々の認識についてやや不足したところがあったのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 その一つの例として、例えば委任状の問題があるわけですね。委任状というものの持つ法的なもの、あるいは常識的なものを含めましてどのように皆さんお考えになっておるのか、当局として受け取っておられるのか、この点あたりがある程度明確にされておらないと、今までのようなままでいくと、まじめにやっておるところあたりが、そうした委任状だとかなんとかでなくて実際にみんなで討論をして、例えば一つの部落がございますね、そこで十分な討論を経て、そして順番まで全部決めて、そしてこの方式でもって何とか一定の年限を設定をしてやってほしい。その場合、当局側なり事業団の方からは財源措置だとかなんとかいうものを十分理解のいくようにしてもらって、そのことによってお互いの共通の理解の中でそうした処理をされていけばいいと思うのです。  というのは、私が経験をしておるのは、例えばある県で高等学校の新設だとかあるいは改築だとか、いろんな順番あたりを十分住民の皆さんと納得のいく形で、何年次の何番目にこれをしますというようなことをやっておくと、おもしろみがないと言う人がおるんですよ。そして陳情に来らっしゃることで何か優位に立って処理をする。だから、今まであったそうした民主的な制度そのものを全部パァにしてしまって、そして今度はあたかも自分が権力を握っておるから何でもできるというような格好でやったところがあるんです。私はそういう認識があるんじゃないかという気がしてならぬわけですね。  ですから、私が言うのは、少なくともそうしてちゃんと年限をお互いの中で両方で話をして、大体この年度内ぐらい、十年なら十年。そうすると、ここは百戸なら百戸あると仮定をいたしますと、平均ペースでいけば一年間で大体十戸。しかし、予算の出入りもあるでしょうから、それにプラスマイナスは当然あるべきですけれども、その中で十分話し合いをして順位まで決めておっても、今度は逆に委任状と称して、それを持っている人たちがいろいろこの中に入っていってそれが崩れてしまうようなことがあるということを聞いたこともあるし、今度の新聞の情報などによりますと、そうしたことがやっぱり事実出ているわけですね。そうなってまいりますと、この委任状というものの性格づけなりあるいは措置をこれからどうしていくのか、この点答えてください。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 被害者とその代理人との間でいろいろな委任契約が結ばれているということは事実でございますが、私ども鉱害復旧の手続との関係で申し上げますれば、委任による授権の範囲というのは鉱害認定の申請にかかわることに関してのみでございまして、施行者である事業団等が独自の立場でみずからの判断で主体的に決定すべき復旧順位の問題、さらには入札手続等にまで委任が及ぶということはとうてい考えておりません。ただ、その辺の認識が第一線まで十分徹底し、第一線の交渉にまでその辺が反映されておるかどうかにつきましては我々もさらに努力すべき点があろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 結局、認定のときのみということで、そのことは一線の皆さんに反映されておるかどうか、こういうことを今言われましたけれども、問題は、そうした委任状をある特定の人に託した方が個人的な判断の中では有利になるという判断が働けば、これはやはり委任状を特定個人に付託するわけですね。だから、そこにやはり何か理由があるはずなんですよ。そのことについて検討してみたことがございますか。なぜそこに委任するかということの経過なり何なりを通じて、なぜだろうということを追求したことがございますか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私どもといたしましては、委任状の有無によりその優先順位あるいはルールを曲げるというようなことは一切いたしておりませんので、その辺の利害得失等についていろいろ今まで分析をしたということはございません。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 結局、そういう特定の人に依存をしたり依頼をするということが、先ほど言われた、例えば認定が普通の事業団だとかあるいは通産局、地域では通産局になるわけですけれども、そこにいろいろ参りまして個人で話をしても、なかなかそれが、極端な言い方をすると無視されるとかあるいは言い分が十分理解をされておらない。個人に対してはそういう場合もある。  ところが、例えば私自身が今いろいろなところでそういうことを聞いて、この点はどうなっておるだろうということで、私も通産局なりに話をすることがございます。そのときは、例えば十年も十二年もかかって周国会体がそうした鉱害認定されておるのに、その地域だけが依然としておくれておるとか不公平さがあってはならないということを主体に置いて、僕らはそうしたものを科学的な調査なり何なりをすることによって、やはりこれは鉱害として認定すべきではないかということを主張するわけです。ですから個人的にそれを措置した場合に、私たちがそこに入らずにやった場合には依然としてそれが認定されないのに、私たちが入った場合にそれが認定されたということになるとこれは本当はおかしいことなんです。個人ではできないけれども、どこかに委任をしたり依存をすればそれができるというその可能性。ということになってまいりますと、結局個人ではどうすることもできぬからということで、そうしたことが現象としては出てくるのではないかと思っています。  それともう一つは、個人の場合には八年も十年もかかってできないことが、二年間もしたら委任したところがそれができたということになれば、その話を聞けば今度は他の人がその人に委任をするということになるわけですよ。これほどわかりやすい話はないわけなんで、結局そうした鉱害を主な仕事とする人たちが、その人たちに力を与えたような結果になってしまうわけです。だから、ここいら辺がやはり一つの問題点としてあるのではないか。私たちは、まともにこの鉱害というものを論議する場合に、よほど公平に、しかも計画的に、皆さんが納得をするような体制をどう組み込んでいくかということがやはり今まで欠けておったのではないか、そのことがそうしたことを生み出してきたという経過があったと思うのです。ということになれば、今度はそこをこれからどのようにしていくかということにならなくてはなりませんから、その点で先ほど私は、何か手落ちなり欠陥なりあるいは何かがそこにあったんではないかということをお聞きしたんですけれども、そうしたことを直接行政として、この点がやはり問題であったというようなことを自覚をするようなことはないですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 確かに交渉のやり方、陳情の受け方、あるいは先ほど申しましたようにその前提として委任状の範囲についての認識の徹底等等について、我々としてもなお検討を要すべき事項はあろうかと思います。私どもといたしましては、そういうことによって事業の執行等がゆがめられたりあるいは不公平になっておるというふうには考えてはおりませんが、そういう疑いを持たれること自体が非常に問題でございます。そういう観点から、そういうやり方につきましては今後とも早急に検討を続けてまいりたいと思っております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 私は局長の答弁でまだ非常に不満なのは、結局委任状の法的な性格だとかいうことが現場に一線に徹底しておらなかったとか、そうした法的措置だとかなんとかで物事を割り切っていけば、それは簡単なものですよ。それが徹底すれば何でもなくなってしまうということになれば、これは簡単なことですよ。しかし問題は、やはり今までの経過があるわけでしょう。経過の中でそうしたものが生み出されてこられたとするならば、どこかで欠陥があったわけだね。その欠陥を今言う一線まで反映されておらなかったということだけではなくて、ほかに毅然とすべきは毅然とすべきでありましょうし、それから今度は、むしろ人間的な接触の中で解決をしていかなくてはならぬわけです。片や被害者ですよ。何といったって被害者ですからね。それを鉱害復旧をすることによって今までの被害を軽減をしたり、あるいは原型に復旧することによってなくしていくということなんですから。  まず第一は、被害を与えておる者が例えば有資力であるならば、私はこの前から言うんだけれども、計画を出せと言っても出さぬでしょう。例えば三井の社長なんかにはそのことを言っても、何だかんだ言ってなかなか出しません。そうした計画なり何なりが一般の人に理解されて、お互いのコンセンサスの中でそういうものがやはり理解されなければ、鉱害行政というのは成り立たぬわけですよ。それを、今度はある特定の人が言ってくればちょっとしてやるとか、甘い汁をなめさせるとかいうことをやるから、いつまでたっても我々が考えるような正常な形になり得ないでおるわけでしょう。だから、まず第一にやるべきことは何なのかということ。  だからこそ、私は一番最初にお聞きしましたように、例えば残存鉱害量はどれだけあるのか、それをこれから復旧実績に沿ってあと残り七年ですから、その間にどれだけのものができるか。ここら辺のまず信頼関係がなければ、いやそれは恐らくできぬじゃろう、もうおれたちあとに残された日にはどうなるだろうとなったときには、もう正常でなくなるわけですよ。そうした基本的な問題にどのようにして双方の理解が成り立っておるのか。信頼があるのか。だから例えば三年待ってくれあるいは四年待ってくれと言ったときに、信頼されておるときにその人が果たして待ってくれるかどうかにかかってくるわけでしょう。待ってもらわなくてはならぬわけです。そのときのお互いの信頼ですわ。これなしに鉱害行政を正常なものに引き戻すということは私は困難だと思います。ですから、そうしたものを難しいから難しいからと言っておった日には、もう終わりまで同じようなことの繰り返しになりますからね。そうならぬようにするためにはどうするかといった場合に、例えば今まで事業団がとってきた措置なりあるいは当局がとってきた措置なり、そうしたものの中の改めなければならぬ点については率直にみずからが出していくということがなければ、私はこれは到底不可能だと思います。ですから、この点について十分検討をしていただけるかどうか。今ここで具体的に言えと言ったって、検討もしてない中でそんな具体的なことは言えないでしょうから、まだあとあとありますから、一定の期間を置いてから再度質問しますから、そのときにしていただきたいということが一つです。  それからもう一つは、私は地域をずっと調査して回りますと、不当な復旧価格ではないかという声が出てくるわけですね。そうしたときに、皆さんの場合にはそのことを十分審査会なりいろいろな機関にかけましてやっておるはずですから、それが出てこないであろうと思うけれども、そうした声が出てくる。ですから、こうした問題等につきましても、大変重要な中身でありますから、十分制度的なものまで含めまして、これからどうしていくかということを検討していただけるかどうか。この二点、もう時間がございませんので、お答えを願って終わります。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 鉱害の復旧につきましては、これを計画的、効率的にやっていくということが一番大事なことでございます。私、先ほど陳情の受け方を中心に申し上げましたが、そういう観点から行政全般について再検討といいますか、直すべきところは直していきたい、こういうふうに考えております。  それから、価格の査定の問題でございますが、これにつきましても現在二回にわたる、事前の査定あるいは事後における完了検査等々がございますが、これらのやり方につきましてもなお問題があるとすれば、その辺の改善につきましても検討してまいりたいと考えております。

中西績介日本社会党・護憲共同

○中西(績)委員 ちょっと時間があるようですから、最後に、皆さんが陳情の受け方だとかいろいろなことで画一的に物差しではかったみたいなことをしますと、今度は被害者側がいかにまじめにそれに取り組み一その中身によって差をつけろとは言いません、言わないけれども、その誠意が通じるようなものにしていかぬと民主的なものは壊れるわけですね。特定のものになってくるわけです。ですから、ここいらを、十分今までの段階の中で皆さんが措置されておったかどうかということを含めまして、もう一度検討をし直していただいて、そして後日またこれらの問題につきましてはお聞きしますので、検討の結果をお答えいただきたいと思います。  以上です。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 多賀谷眞稔君。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 今中西委員から鉱害について質問がございました。私も最近は地元に帰る機会が多かったものですから、いろいろ鉱害の問題についてよからぬうわさを耳にしました。また、ある新聞は鉱害問題を連続して十三回もキャンペーンをしております。また「「鉱害屋」排除に立ち上がる住民 行政もルールの確立を 委任状を渡すな」こういう記事も出ております。今鉱害問題についてお話がありましたから、続いてこれをまず最初に質問したいと思います。  今委任状の問題が出ました。委任状というのは交渉から認定まで、認定後その順位であるとか工事についてはこれは委任状の対象にしない、こういうことを言われておるのですが、これは最初からの方針ですか、途中で変わったのですか、そういうように最近確立をしたのですか、これをお聞かせ願いたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 委任状の範囲についての考え方は、当初からそういう考え方でやっております。ただ、その辺の徹底を欠いたという点につきましては、今後その辺の徹底を十分図ってまいりたい、こういうように考えております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 当初からじゃないでしょう。大変議論をして、そうして通産局や事業団が英知を絞ってこういう線を確立して、委任状のひな形を示したのでしょう。当初からならこんなに乱れておりませんよ。それは、こんなに乱れたから何とか方法はないのか、こういうことで英知を絞ってできたのが委任状のひな形だ。ですから、委任状そのものを初めからネグレクトしたのじゃないのです。方法がなかったのですね。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 委任状の範囲についての私どもの考え方は当初からそういうことであったわけでございますが、ただその辺の徹底を欠いておるということの反省から、それを徹底する意味でひな形もこしらえた、そういうことでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 それにしては随分行政が乱れておるのですよ。そうして、この委任状が実は取引の対象になる、こういううわさを聞くわけですね。ですから、まず被害者から委任状をとって、そしていわば交渉をして認定してもらう、ここで世話料といいますか、それを取る。それは必ずしも多くないかもしれませんが、それが必ずそういうものを業としておるかどうかわかりません、そこまでいっておるかどうかわかりませんが、業としておると最近見られておる、そういう人々は、今度は請負業者から工事についてピンはねをしておる。請負という業がなければ、ただ被害者との対の問題なら、そう大きな金額にならないかもしれない。しかし、今仕事がないものですから、工事請負業者は、結局自力では難しいからそういう委任状を持って交渉をする人に今度は逆にくっつくようになる、そして仕事をもらうという形になっておるわけですね。こういう点は十分把握されておると思いますが、どういうようにお考えですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 委任状を伴いまして被害者から謝礼を取るとか、あるいはそういう請負業者からリベートを取るというようなうわさを私どもは耳にしないわけではございませんが、その辺の事実を確認しておるわけではございません。ただ、御指摘のように、委任状の範囲についての徹底が不十分な点がございましたので、そういう疑惑を呼んでおるわけでございますので、そういうことのないように、今後、範囲の徹底あるいは交渉の仕方等につきましても改善を図ってまいりたいというふうに考えております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 徹底徹底と言って職員についてやかましく指示をしても、その対応は個別的にはできないですよ。ですから、個人に幾ら徹底して、窓口の職員にそのことをやるように規律の確立を求めてもなかなか難しい。だから、やはり組織的にそういう制度をつくって運営をしなければ今日のような状態は払拭できない、僕はこういうように思うが、どうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 御指摘のように、第一線のみにその責任を負わせるというのは、状態からいって必ずしも適切ではございません。したがいまして、組織的に対応していくということが肝要と存じております。その点は先生の御指摘のとおりでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 ここに三原先生もいらっしゃいますが、大正炭鉱というのが閉山になりました。膨大な鉱害を持っておる。そこは、大部分は中間市に所在しておった。そこで、中間市の場合は鉱害事業団の委託を受けまして市の行政がタッチしたのですよ。ですから、順位等の問題について我々に相談のあることはない。これは市会が市当局を含めて順位を決める。ただ、工事量がことしは少ない、何とかふやしてもらいたいということはあったけれども、個別問題は起こっていないですね。こういうように事業団が一つ一つ認定をしてその職員が対応しておっても、とても難しいと私は思うのですよ。どこかそういう民主的な官というものが第一必要じゃないですか。職員も永久就職の場じゃないのですよ。法律は時限立法ですよ。鉱害は今から六十七年までに終わります、こう言うのですよ。そういう職員が、命をかけてやらなければならぬこういう問題が果たしてできるかどうかですよ。昔、三井田川炭鉱の鉱害課の職員には殴られ手当というものがあったのですよ。残念ながらこういう事実があったわけです。ですから、永久就職のところではんとした会社に入っておる者でも、実戦においては容易ならぬ状態になっておる。ましてやこういう臨時立法における、時限立法の中の職員でしょう。ですから、自殺者が出るのです。大臣、第一線の職員は自殺者まで出るのですよ。ですから、個別に対応しろと言ったってそもそも無理なんですよ。これは組織的にどういうように運営をしてやっていくかということが一番必要である。それには民主的なルールというものが確立されなければならぬ、こういうように思いますが、どういうようにお考えですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 実質的に対応していかなければならぬという御指摘ごもっともでございます。その一つの方法として中間市の例を挙げられまして、市町村による施行、順位の決定等々の御提案がございましたけれども、これにつきまして私どもも組織的な計画的な対応の一環として検討してまいりたい、こういうように考えておりますが、ただ過去におきましては各市町村ともできるだけ鉱害事業団に一元的にやってほしいという要望を強く出しており、自分でこれを引き受けるというところは比較的少数であるという今までの実情はひとつ御理解いただきたいと思っております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 だから住民が自分で立ち上がらざるを得なくなったのですね。貝島、大之浦炭鉱の膨大な被害、宮田町では宮田町全地域鉱害被害者組合連合会というのができている。これは行政も入っているのですよ。そこで、おれのところはこれで対応しようという、そういう自主的なものをつくっていかなければ到底今の職員で対応しろといったってできませんよ。ですからそういうのを助長するとか、そういう政策に援助をするとか、手をかしてやるとか、何らかそういうものをつくっていかなければできないのじゃないですか。どうです。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 自治体等がそういう関係で積極的に参加していただくということは我々の歓迎するところでございますので、そういう方向で受けとめてまいりたいと思っております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 町に話をしても、町も難しい、一元的にやってくれとおっしゃる。それは全体的な枠とか一元的にやらなければいかぬですよ。しかし、具体的にAという家が何年度、Bという家が何年度なんというのは、やはり何らか官が査定して、お互いに納得さしてやる以外にないですよ。だから横から入ってくる、そういうものが出てくるわけですね。ですから不満が増発する。今中西先生がおっしゃいましたように、金を出してもその方が早いです、こういう事態が起こるのですよ。  そこでもう一つ聞きますけれども、見直し工事。この見直し工事というものが、また利権屋といいますか、そういうもののピンはねの対象になっておるのですね。要するに査定をして、そして認定価格が決まる。その上に交渉する人が、委任状を持った人が見直し工事の費用を取ってくる、これはおれが取ってきたんだと。大臣、現実に若松の白島備蓄基地の問題で、どこで事件が起こったかというと、県が、いわば公団といいますか、県が出した金額に上乗せをした。この上乗せはおれが取ってきた、分けるのは自由じゃないか、こういう物の考え方があるのですよ。大体おまえたちが交渉しておったのはこれぐらいのことだ、おれが見直しをしたのだ、だから見直し工事は当然おれの自由裁量に行くじゃないか。これがまたそういうピンはねの対象になる。新聞でも鉱害屋と書いておる。皆さんは皆、鉱害屋と、こう言っている。これがピンはねの対象になっておる。一体どういうようにこの見直しをして、見積もりを変える場合にはどういう手続をとっているのですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 通産局による実施計画の認可の時点では、復旧の対象になる家屋の被害度あるいは材質等が正確に把握できない場合がございます。そういう物件につきましては、工事の実施中に見直しを必要とする場合が生ずるわけでございます。この場合は、施行者は実施計画の変更の認可申請を行う必要がございまして、通産局はそれを受けて現地調査を含めこれらを審査して必要な査定を行っておる、こういうことでございます。この場合、現地調査の報告が重要な要素を占めるわけでございますので、調査の担当者の公正な判断が要求される、こういうことでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 見直しというのが非常にルーズに行われていますから、最初の査定価格というのはいいかげんなんです。そのうちに、工事進行中に見直せばいい、こういう考え方が出ておるから問題があるのですよ。ですからいやしくも査定をして、その金額というものは職員は自信を持って決めたのでしょうから、見直すという場合には審議会か何か省内につくるべきですよ。そうして最初評価をした人が責任を持って説明する、そうして、いや実はこういう事情で見直さざるを得なくなりましたと、審議会で、これは外部の人を入れる必要はないのですが、その意見を聞いて訂正をする。そうしなければ権威も何もなくなりますよ。ですからピンはねの対象になる。ですから私は、そういう点においてはやはりそういう制度的な改正というのが必要ではないかと思うのですが、どうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 見直しにつきましては、その調査の方法あるいはそれを審査する体制等につきまして、御提案のようなやり方も含めまして検討してまいりたい、こういうように考えております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 大臣、この鉱害というのは、大臣になられていろいろお聞きになったでしょうけれども、実に行政が複雑なんですよ。これは有資力と無資力というのがある。そうして有資力といいましても、今筑豊炭田の場合は操業しておる炭鉱はありませんから、それは三井鉱山でも山野炭鉱とか田川炭鉱というのはつぶれて石炭を出していない。三池とか北海道で操業しておる。それから全然石炭をやってない企業がある。もう石炭から一切引いた企業もある。しかし、これは会社があるのですから有資力だ。ところが無資力というので資力がないのですけれども、しかしその系統の会社は隆々としておるのです。しかし鉱害は無資力ですよね。こういう会社もあるのです。いや実に行政が乱れておるのです。乱れた原因は一つは役所がつくったのです。  これは昭和三十年、合理化法が出たときです。閉山をする場合には、言うならば政府といいますか、当時は整備事業団です、これが鉱区を含めて全部買収する、そうしてボタ山まで買収の対象に入れる。ですから、その土地建物は全部整備事業団の財産になったのです。土地もですよ。ところが途中で、最終の鉱業権者ですから、鉱業権が譲渡されておるわけですから、そこで被害者が押しかけるというのも一つあったでしょう。ところが、炭鉱の中に非常によくない炭鉱がありまして、整備事業団がやるから高くつく、おれがやれば抑え切るのだと言って逆に整備事業団を訴えた、要するに政府を訴えた業者もあるのです。そこで、ほとほと役所は手を上げて法律を改正した。そうして、もう鉱業権は移動しません、封鎖します。そうして全部封鎖して、鉱業権は移動しませんから、最後の鉱業権者です。それが無資力になれば無資力の鉱害です。しかし、我々はそんなばかなことがあるかと反対したのです。反対した結果、この合理化法にはそれがまだ生きているのですよ。部長、知っておられますか、この合理化法には「買収」という項があるのです。これは私どもがそんなばかなことがあるかと……。三十一条に「買収」という条項が残っておるのだ。これは法律が生きておるのですよ。生きておるけれども、現実には行われていない。ですから、最初は鉱業権が移動した。そうしてその鉱業権は今、新エネが持っています。ですから、賠償は新エネがやらなければならぬ、こういう形。あとは御存じのように新しい封鎖が起こっている。こういう非常に乱れた体制の中に鉱害があるのです。石炭を全然一かけらもその会社として掘らなくても、賠償は受けなければならぬ。ところが、会社が分離しておったばかりに、一方の方は同じ会社、同根の会社でありましたけれども、全然鉱害の被害の賠償はしない。それは無資力ということでやっておる。そこで今日、昔の産炭地事業団、今の整備公団、鉱害復旧事業団、こんなのが行政の中にばらばらにあるわけですよ。  ところが、最初の法律をそのまま今日まで存続させておきますと、そういう二つに分ける必要はないのです。あの筑豊炭田の土地は全部政府が持っておるわけです。家屋も土地も全部、政府の所有権です。ですから、鉱害復旧も楽であれば産炭地振興も極めて楽なんですよ。岡田利春君と私が欧州に石炭政策の実態を見に、ちょうど連休を利用して行ったのですが、昭和四十三年です。ベルギーのボルナージュ、ここは要するに炭鉱がつぶれれば債権、債務が全部IDEAといいまして、これは経済開発市町村連合組合、今広域組合というのが市町村にあります、あれと同じですね。国が八〇%、県が一〇%、市町村が一〇%、金を出してつくっておる。ですから、鉱害もやってくれるのですよ。しかし、土地を全部持っていますから、産炭地の振興もやっているのです。こういうように一本化されているのですよ。日本のは、まさにばらばら行政なんです。こういうところに問題が物すごく複雑になっている。ですから、そういう意味においては、いろいろ乱れた中で今日まで来ておることを非常に残念に思うのですが、やはり今から整理をして、なるべく行政を簡素化しながら整理をしていく必要があるのではないか、私はこういうふうに思います。  そこで、石炭政策について若干質問いたしますが、大臣、今の鉱害についてどういう認識であるのか、ひとつお聞かせ願いたい。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 多賀谷委員御指摘の御意見を踏まえて、今後計画的に努力してまいりたいと存じます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 なかなか——しかし大臣も通産大臣から大蔵大臣とか、あるいは総理大臣という道もまだ十分可能性があるわけです。池田総理が言いましたよ、自分は経済の、ほかのことはうまくできたというのです。海運と炭鉱がうまくできなかったが、海運はもううまくできそうだ、あとは石炭だけだ、こう言ってくれたのですけれども、なかなかうまくいかなかったわけです。  しかし、残念ながら私どもが長い間石炭に携わってきて、そうして私どもが昭和三十年、合理化法案が出たときに対案を出した。その法律が今でも私はそういう方向であったらよかったのにという感じを持ちます。と申しますのは、有明炭鉱が今日存続をしておる、新夕張炭鉱はつぶれてしまった、この二つを考えてみますと、どこにその原因があったのかということを考えると、一つは、イギリスの国有でもフランスの公社制度でも、イデオロギーだけじゃないのですよ、あれは。イギリスは英米法ですから、土地所有権者が地下まで鉱業権を持っているのです。ですからイギリスというところは非常に鉱業権が小さくて、鉱区が分立しておったわけです。そこで、これを何とかして統合する方法はないかと考えて、社会化の前から国有という問題が起こっておる。それからフランスとかドイツというのは、これは大陸法ですから、初めから鉱業権というのは土地所有権とは別個なんですね。ところが、やはりフランスも非常に乱立をしておったから、適正規模にしたいということで公社制度をつくって全国を八つにしたのです。  ですから、適正規模というのが必要なんですよ。有明はその適正規模に乗ったわけです。なぜ乗ったかというと、日鉄鉱業というのが最初開発したのです。水で行き詰まった。もし出水事故が起こったら、あの二つの立て坑の中で水位が上がると同時に全員死ぬのですよ。そこで、あの水が三川鉱に向かって流れることができれば、これはどこかへ行って、あの広い百年も続いた三川鉱ですから、そんなに大きな被害がなくても済むということで、あれは適正規模炭鉱にしたのです。それが有明が今日存続しておる一つです。  もう一つは、電源開発のように炭鉱というのは本来利子の要る金で開発をしてもできない。懐妊期間が長い。しかも結局、何か事故が起こったら本体がつぶれてしまうのです。そこで最初我々が考えたのは、開発だけは石炭開発株式会社というのにして、鉱業権者は皆鉱区を持っているのですから現物出資すればいいじゃないか。そうしなければ日本の開発はできないよ、こう言ったのです。だから日鉄鉱業の場合は、釜石鉱山の黒字をあそこにつき込んで、御存じのようにあれは政府資金をほとんど借りてないのです。自己資金でやったのです。ですから、あれが容易に引き受け手があったというのは、北海道の新夕張炭鉱のように債務が多いから引き受け手がないのとは違うのですよ。大臣、そういうことを考えられて政策をつくらなければならぬわけですけれども、そういう状態の中で幾多の問題があります。  そこで二千万トン。今この二千万トンの意義を一体どういうように見ておられるか、これをお聞かせ願いたい。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 前段の問題でありますけれども、決して私、ふまじめな気持ちで申し上げたわけではございませんが、ついこの間まで国対、議運の専門屋でございまして、今、立場変わった現在、いろいろと多賀谷委員の御指導をいただくことにいたします。  さらに、今の二千万トンの問題でございますが、政府といたしましては、貴重な国産エネルギーである国内炭の重要性ということを踏まえまして、保安の確保ということに最大限の配慮を払いながら、引き続き石炭鉱業審議会第七次答申の基本的な考え方に沿った政策の展開を今後も図ってまいる所存でございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 もう少し具体的に、唯一のエネルギー資源であるというのはどういう価値がありますか。  私が聞きたいというのは、世に二千万トンぐらいあってもなくてもいいんじゃないかという、何も同じじゃないかという議論があるのですよ。やはりそれについて我々は答えなければならぬ。二千万トンぐらいあってもなくてもいいという議論については、我々は二千万トンというものはこういう意義があると答えなければならぬでしょう。ですから、これは部長でも結構ですけれども、一体通産省としてはこの二千万トンというものはどういうところに価値を見出しているのか、これをお聞かせ願いたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 あくまでも海外炭等に比べまして供給の安定性という面で大きな価値があろうかと思います。それから、今後海外に進出するにいたしましても技術を保持し、これを発展させていくことが必要でございますが、そういう意味で現存炭鉱の体制を維持するということは、技術開発、技術の維持という面で非常に重要な意義があろうと思います。それからさらに海外炭の取引におきましても、国内に一定の量の炭鉱が現存しておるということは今後の取引において大きな力になっていくだろう、そういう観点から極めて重要なことと考えております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 それを前提とするならば、今の二千万トンをどう整理するかという政策が次に出てこなければならぬですね。ですから、それは今岡田さんからもお話がありまして、岡田さんは二点言われました。一つはこの企業の格差をいわばどう是正してやるか、もう一つはこのままでいけば第四次肩がわりをやらざるを得ないのじゃないかという二点の指摘がありました。個別企業の体制の中で二千万トンを維持するというならば、これはどうしても考えざるを得ない。これについては格差問題というのが今からどういうふうに前進するのですか。八次答申に向かってどういうふうにしようとしているのか、もう少し具体的にお聞かせ願いたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私ども、まだ八次答申を検討いたす段階に来ておりませんので、八次答申でどう考えているのかということはまだお答えを用意しておらぬわけでございますが、格差の是正につきましては七次答申の一つの大きな柱でございます。その後七次答申が施行後二年を経過いたしておりますが、その間の経験にかんがみまして、なお自然条件の格差というものはさらに開いておるという認識のもとに、本年度安定補給金の格差をさらに強化する、あるいは構造補助金、保安の補助金等につきましても、そういう自然条件の差を十分配慮した手厚い助成を実施したということでございまして、当面それらの成果を見守りながら、さらに必要とあらば七次答申の基本的な方向に沿った範囲内で具体的な施策を検討してまいりたい、こういうように考えております。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 既存の炭鉱会社が海外開発、これは国内の生産というものは限度があるわけですから、これを拠点として海外に出ていくという体制が今できているのですか。既存の会社が海外に出るという体制ができているのですか。もう少し言うならば、あれだけ膨大な輸入をしておる原料炭というのは、既存の炭鉱の手から離れているでしょう。最近の石炭火力による輸入引き取りの問題も、ほとんど既存の石炭会社からは手が離れている。電力は電力、セメントはセメントという形になっておる。こういう状態はほかの産業にないですよね、大臣。非鉄金属を見てごらんなさい。やはり鉱石を自分で開発をして、その基盤は国内の鉱山に技術を求めているのです。ところが石炭の場合は全然違うのですね。そして国内の炭鉱会社は海外とは余り関係がない。若干あるにしても、余り出ていってやるという体制にない。どうしてそうなったのか。一体どういうようにお考えですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 既存の炭鉱会社も親会社等を通じまして海外開発に、全面的にその社だけでやるというケースは少のうございますが、かなりのものに部分的に参加をするというケースはございますし、私どももそれにつきましてはNEDOの資金等を通じましてその助成に努めているところでございますが、最近の石炭の需要の伸び悩み、あるいは最近一時的にはオーバーコミットメントになっておりまして、引き取りは削減するというような状況になっております。そういうような事態も反映いたしまして、さらには石炭企業の体質がまだ弱い、海外炭の開発に進出するには体質がまだ弱いということがございまして、最近ではそう活発ではございません。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 大臣にちょっとお話をしておきたいんですけれども、日本の炭鉱は私企業ですね。しかし、日本の炭鉱ほど資本主義で脆弱なものはないのです。外国に比べてごらんなさい。ドイツは鉄鋼会社が石炭を経営しているでしょう、あるいは石炭会社が鉄鋼を経営しておった時期もある。そうして石炭会社自身が四割、自家火力発電にして電力会社に売電しているんですよ。ですから鉄鋼と石炭、電力というのはぴしっとしておるのですよ、資本系統が。日本はまるっきり違うでしょう。炭鉱会社は昔、若干汽船をしておった。しかし、もう汽船は石炭をたかない。鉄道は、九州は三菱が鉄道を経営しておった。北海道は北炭がしておった。これは国有鉄道になって分離されたでしょう。製鉄は、三菱も三井も製鉄所を持っておった。今の室蘭の製鉄所は北炭、釜石の製鉄所は三井。それから兼二浦とか清津も三菱が持っておった。これも日本製鉄株式会社ができて全部国策会社になったでしょう。これも石炭の手から離れた。電力も部分的に持っておったけれども、日本発送電ができて分断された。炭鉱は裸である。こういう状態の中で、普通の各国の資本主義の中における炭鉱と違うんですよ、日本の炭鉱というのは。需要業界と全然関係のない、単独の炭鉱だけを経営しておる会社ができておるわけです。そういう点に一つ問題があるんですよ。  今日の鉱害だってそうでしょう。もうおっぱいがなくなって乳も出ないようなおばあちゃんにすがっておるのですよ、有資力は。しかし三菱だって、三菱工業が生んだ旭硝子だって三菱化成だって、みんな同じ資本が行っているわけでしょう。そういう今までの累積の鉱害が全部今出ておるわけです。それを今の炭鉱会社で背負っているわけです。ですから、資本主義で自由競争だといっても、炭鉱だけはひとりぼっちで置かれておる。ここに日本の大変な悲劇がある。  時間が来ましたから、ひとつ大臣、これをどういうように思われるか。私は私企業でやるということを今、否定しません。しかし、日本の炭鉱というのは特殊な状態にあるのだということをよく認識をしてもらいたい。ドイツは私企業ですね。ところが、ドイツの私企業は、この前岡田さんと二人で行きましたが、ルール炭田株式会社というのをつくったのです。あのルールが一社ですよ。自由競争ですよ。しかし、ドイツはこの会社に入らないものは今までの補助金は全部打ち切る、こう言ったんですよ。今までの制度、援助を全部打ち切るなら入らざるを得ないでしょう。九割入っておるのですよ。それは何かというと適正規模でしょう。そういうようにいろいろな国はみんな工夫しているんですよ。ところが残念ながら日本はそういう点が足らなかった。あの経団連の会長の植村さんが日本の炭鉱を一社にしようという構想を立てられたのです。これが四次計画。ところが、それを寄ってたかつて壊してしまったんですよ。残念ながらそういう歴史を持っておる。そういうことを十分認識をして、八次政策をどう組むかというのはみんな英知を絞ってやらなければならぬけれども、こういう状態にある。少なくとも海外開発だけは何とかして既存の炭鉱がある程度の開発をできるようにしなければ、もう技術の保持もできない、輸入すればいいんですから何も日本の技術なんか要らない、こうなるように思うのですが、最後にお聞かせ願いたい。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 まことにいい御意見を聞かせていただきまして、今後もよく勉強いたすことにいたします。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 斎藤実君。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 通産大臣にまず最初にお尋ねをいたします。  長期エネルギー需給見通しと石炭政策についてお伺いしたいと思いますが、昨年十一月に長期エネルギー需給見通しが改定されました。新しい見通しでは、全体として見た場合、現実の体制に近、ついたものとして一応評価いたします。しかしながら、個別に見てまいりますと、特に石炭においては前回見通しに比べて昭和六十五年度におきまして総量では四千五百万トン、一般炭だけでも二千三百万トンも減少させる見通しになっておるわけでございます。所信表明で大臣が、石炭に脱石油の重要な担い手の一つとして大きく期待をしているというふうに述べられたわけですが、現実の体制は反するのではないかと思うのです。脱石油を基本的な政策としている総合エネルギー政策の考え方から見ても問題が残るのではないか。この中で特に一般石炭について二千三百万トン減らした理由と、総合エネルギー政策における代替エネルギー導入促進の考え方について、まず最初に伺いたいと思います。

豊島格資源エネルギー庁長官

○豊島政府委員 御指摘のように四千五百万トン、一般炭につきまして二千三百万トン減らしたわけでございますが、一般炭の需要は御承知のように電力、あるいはセメント等産業もございますが、非常に電力が大きいわけでございます。電力につきましては、五十七年につくりましたときには大体GNPの伸びが五%ぐらいということで、毎年大体四・三%ぐらいずつ電力需要が伸びる、こういうことであったのですが、御承知のように、ことしは別でございますが、ここのところ電力需要は余り伸びない。去年やりましたときには大体三%を切るぐらいの伸びしか長期的にも見られない。それからセメントも生産が不調であったということで、そういう現実的な見直しになったわけでございます。ただ、このことは決して石炭の代替エネルギーにおける役割ということを軽視しているわけではありませんで、たまたま需要の伸びが落ちたということに伴いまして、実際に建設する発電所というのがそれに現実的に合わせたということでございますが、七十年あるいはそれから先を考えますと、石炭の火力といいますか、一般炭の需要は相当伸びるということを考えております。  なお、代替エネルギー政策をどう考えておるかということでございますが、御承知のように、最近における石油の需給というのは緩和されております。したがって価格は弱含み、こういう状態でございますけれども、御承知のように長期的にはいずれ需給もタイトに価格も上がる。しかも日本のエネルギー供給構造はいまだに石油に六〇%依存しておる、こういうことでございまして、さらに中東における政情不安定等もございますので、今後とも石油の安定供給確保も必要でございますが、同時に代替エネルギー政策は従来どおり進めていくということでございます。そういう観点から石油代替エネルギーの開発導入につきまして予算的措置、税制、金融面の諸施策は従来どおりさらに強化していく、こういうことで進めておるところでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 石炭の需給見通しを低下させている原因を考えてみたときに、石炭火力発電所の建設計画繰り延べの問題が大きいのではないかと思うわけでございます。景気の動向等を反映して電力需要が低下していることは御承知のとおりでございますが、石炭火力には灰捨て場等の問題はあっても、原子力のような立地上の難しい問題はないわけですね。現に例えば電発の磯子火力のように、密集地域で立派に環境基準を下回る稼働をしているところもあるわけでございまして、石炭火力が優先されるような政策努力が今最も必要ではないかと思うのですが、石炭火力の現状と消費する石炭の数量、石炭火力の建設計画、転換計画について御報告をいただきたい。

小川邦夫資源エネルギー庁公益事業部長

○小川政府委員 冒頭御指摘の石炭火力について促進をしているかどうかという政策態度につきましては、私どもこれまでも電源三法の制度を活用するだとか、あるいは石炭火力の新設、既設火力の転換といった石炭火力化についての補助金を出すとか、あるいは開銀融資、これを政策的に大いに活用するという姿勢でおることは先生御案内のとおりでございます。  そういった背景下でどういう現状かというお尋ねでございますが、現在の石炭火力発電所は十八カ所、四十ユニットが稼働中でございまして、その設備容量は八百二十三万キロワットということで、全体の発電設備の五・七%を占めておるわけでございます。これに消費されている石炭は、五十八年度時点でございますが千八百万トン、こういう状況でございます。  建設計画、転換計画がどうなっておるかというお尋ねの部分でございますが、五十九年度の電気事業者の施設計画、これが一番新しい数字でございますが、今後千三百万キロワットの石炭火力の設備を増加するという計画になっておりまして、六十八年度にはこの千三百万キロワットが加わってトータルとして二千百万キロワットという数字になる。そうしますと、全発電設備に占める石炭火力の割合は、現在の五・七%が六十八年度には一〇・三%になるという数字になります。このうち転換についてはどれだけかという部分にお答えしますと、現在は既に十一ユニット、百七十二万キロワット転換を完了しておりまして、これからの転換工事あるいは計画中のものは九ユニット、二百三万キロワット、それだげの計画がございます。このような状況でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 次に、最適エネルギーミックスの考え方と国内炭についてお尋ねいたします。  新しい総合エネルギー政策におきましてはエネルギーのベストミックス論が言われているわけでございまして、これはエネルギーにおきまして安定性と経済性をいかに調和させて確保するかということだろうと私は思うわけですが、我が国のエネルギー政策を考えた場合に極めて当然の考え方であると思います。しかし、国内石炭という立場から見ますと、特にコストの面で問題なしとしないのでありまして、率直に聞けない点もありますが、この考え方は、個別のエネルギーごとの問題よりも、全体のエネルギー政策のあり方として考えるべきものではないかと思うわけです。最適エネルギーミックスという考え方からすると国内炭はどういう位置づけになるのか、伺いたいと思うのです。国内石炭は貴重な国内資源でありまして、安定性を代表するものでありますので、この点を重視した政策展開を一層図るべきではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。

豊島格資源エネルギー庁長官

○豊島政府委員 昨年のエネルギー対策の総点検、需給の見直しとともに総点検をいたしたわけでございますが、その中でセキュリティーというのは一番大事ではありますけれども、セキュリティーだけの観点でなく、やはり経済性といいますか、コストとの関係を同時に十分配慮する必要がある、こういうことでございます。そういう意味で、例えば原子力とか、海外炭は非常に安いわけですが、石炭をベストミックスという点から見ますと、セキュリティーを確保しつつコストも低減させるということだと思います。  しかし、国内炭についてそれではどう考えるかということが次に問題になるわけですが、この点につきましては、常に言われておることでございますが、五十六年八月の石炭鉱業審議会の第七次答申という中でも、「総合的なエネルギー政策の立場に立って考えた場合、国内炭はエネルギー供給の安定性と安全保障機能を高める役割を果たし得る」ということでございまして、数量的にはわずかでございますが、この貴重なエネルギー資源の国内炭というものにつきましては、やはり従来同様、保安の確保を最大限配慮するということを前提としつつ、引き続き七次答申の基本線に沿ってやっていくという考え方に変わりはございません。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 長期エネルギー需給見通しにおきましては、国内炭については引き続き千八百万トンから二千万トンということで、これは現実と若干差はありますけれども、努力目標として私どもは理解をしているわけでございますが、ただ単なる努力目標だけではなくて、現実的にこの目標達成のために真剣な努力の裏づけがなければならないと思うのですね。ただ単なる目標であってはならぬと思うわけです。  現在の第七次政策におきましても、新鉱開発と消滅鉱区の再開発を一つ大きな政策課題としているわけでございますが、現在実施されている石炭資源開発基礎調査についてお尋ねいたしますけれども、その第一点は調査の全体計画、これは資金計画も含む。二点目は調査の実施期間と実施状況及びその成果。三番目に現段階における将来の生産量増加の見通し及び新鉱開発の可能性について伺いたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 御指摘の石炭資源開発基礎調査につきましては、将来の新鉱開発の条件が成熟した場合に備えまして国内の未開発有望地域について調査するということを目的といたしておるわけでございますが、石炭鉱業審議会の第七次答申を踏まえまして五十七年度から発足したものでございます。  調査地域及び調査方法等の調査計画につきましては、新エネルギー総合開発機構に設けられました学識経験者から成る委員会において毎年度策定され、同機構が実施するということになっておるわけでございまして、予算につきましても石特会計の石油代替エネルギー勘定から毎年度十八億程度が計上されております。今後とも調査の着実な実施に必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  調査の成果でございますが、実績でございますけれども、五十八年度までに陸上で三地域、海域で二地域の物理探査及び試錐を実施いたしております。五十七年度から着手したばかりでございますけれども、既に各調査地域におきまして将来の稼行対象になり得る炭層を発見あるいは確認するなど大きな成果を上げておると理解いたしております。また、我が国の石炭の探査、解析技術というのは、過去、欧米諸国に比べまして劣っておったわけでございますが、本調査を通じまして解析技術が急速にレベルアップされたという面もございまして、本調査の物理探査技術が中国における日中炭田の共同調査にも利用され応用されるというような成果も上げておるわけでございます。  将来の開発見込みでございますが、そういうふうにいろいろ探査の面では成果を上げておりますけれども、これが具体的に開発に結びつくというためには、やはり需給状況あるいは開発に係る企業の体質強化というような問題もございますので、民間の自主的な判断にまちながら必要に応じ助成してまいりたい、こういうふうに考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 次に、国内石炭政策についてお尋ねいたしますが、現在幌内炭鉱の経営問題が課題になっているわけでございます。さきにエネルギー庁長官が幌内に対して近代化資金及び経営改善資金の返済履行期日を六カ月延長したわけです。これは二月十八日に通産大臣から道知事に対しての、国として全面的に支援をするので道としても協力してもらいたいという要請がありまして、六カ月以降も経営安定が見えるまで国が全面的に支援をするという意味で理解しているわけですが、今後のこの取り組みについてお伺いしたいのですけれども、この経営の現状と今後の見通しについて、どうなっているのか、どういう方向になるのか伺いたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 幌内炭鉱の再建整備計画につきましては、各方面の協力を得まして、北海道あるいは民間金融機関の協力も得まして、本年三月二十九日に再建整備計画の変更を承認したわけでございます。  同社の再建に当たりまして、国といたしましては五十八年度末に御指摘のように近代化資金の返済猶予及び経営改善資金の再貸し付けを実施するなどの支援を行ったわけでございますが、今後とも労使の一層の努力を前提といたしまして支援を続けてまいりたいと考えております。  計画の見通しといいますか採算状況でございますが、昨年度は非常に大幅な減産がございました。そのために経常損益で三十四億円ばかりの損失を出すに至りまして、これが経営危機の主たる原因になっているわけでございますが、五十九年度につきましては、今回策定されまして承認されました再建整備計画が着実に実施されますれば、八億円程度の経常の利益を生むという見通しに立っております。四月以降一カ月余りの実績でございますが、ほぼ計画どおり、やや計画を若干上回るようなペースで生産が今続けられております。今後とも労使の一層の努力を期待いたしたい、こう考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 炭価問題ですが、依然として赤字経営を続けている石炭業界にとっては炭価引き上げが経営改善の重要な手段となっているわけでございます。しかし、五十八年度では需要業界の経営状況、海外炭の価格の低下などがあって見送られたという事態が起きたわけです。この結果、大手五社の五十七年度経営損益におきますと、トン当たり三百四十円の赤字が本年度では七百円前後と拡大する見込みになっているわけですが、このことは第七次政策の石炭鉱業の自立達成という政策目標から遠のくばかりではなくて、無理な合理化推進が災害を呼ぶという結果になるのではないか。そこで、基準炭価制度と政策の関係と、五十八年度末の損益見通し、五十九年度における炭価の見通しについて、三点伺いたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十八年度の石炭鉱業の収支につきましては、現在各社が決算の作業中でございまして、現時点で明確な数字は把握できておりません。ただ、五十八年度の炭価が据え置かれたようなこともございます。それから災害による減産もございます。それからベースアップも行われております。そういうことを考慮いたしますと、五十七年度末、御指摘のように五社平均でトン当たり三百四十円の赤字を出しておりますが、これがさらに悪化しておることも事実でございます。具体的な数字は今決算の結果を見て御報告いたしたいと思います。  五十九年の炭価の問題でございますが、御案内のとおり石炭鉱業合理化臨時措置法の五十八条で、石炭の生産費、石炭の輸入価格、石炭以外の燃料の価格その他の経済事情を考慮して決めるということになっております。その具体的な考え方につきましては七次答申で指摘をされておるわけであります。私どもといたしましてはそのラインに沿って五十九年度の基準炭価を設定してまいりたいと思います。具体的には今年度の炭価決定に当たりまして、賃金、これは既に出ております、採炭コストの動向、海外炭価格の動向等考慮すべき所要の指標が明らかになった段階で、これらの指標を十分検討いたしまして、さらに御指摘のように昨年度基準炭価が据え置かれたというような事情も十分配慮いたしまして決めてまいる。その際、石炭企業の収支の改善と国内炭需要の安定的な確保、双方の観点から総合的に判断してまいりたいと考えております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 これは大臣にひとつお答えいただきたいのですが、御承知のように第七次政策が策定された当時と現在を比較しますと、相当の環境の変化というものが出てきておる。そこで、現時点におきまして第七次政策をどう評価するか、これは随分論議があるところなのです。  そこで、第七次政策期間は五十七年から六十一年まで、答申におきましての当時の政策見直しの背景ないし基本的な考え方は既に大きく変貌しておるわけであります。これは客観的に見ましても、事実上国内炭政策の完全見直しを迫られていると言っても私は過言ではないと思うのです。一つには、七次政策の基本は、石炭鉱業の自立努力を軸にして、政府の政策補完と需要業界の協力によって自力達成を目指すということであります。ところが、その後の情勢変化にありまして、安定化のために不可欠な条件であります炭価、それから需要、この二本柱がいずれも崩れてしまって厚い壁に阻まれているわけであります。しかも、海外炭との価格差はさらに拡大傾向にある、内外炭価格差は一般炭を中心に縮小傾向をたどるとした第七次政策の前提は基本的に変化をしておるわけです。したがって、供給の安定性と経済性を調和させ、その適切な組み合わせの中での政策体系を形成することが必要、こういうふうに言っておった第七次政策の理念と枠組みは、もはや明らかに二律背反と言わざるを得ない状況になっていると私は思います。  こういう石炭の現状と、それから第七次政策が現状には合わない状況になっているということについて大臣、これはどう評価し、どのように考えていらっしゃるか、まず伺いたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 斎藤委員の御意見ではございますが、国内炭の生産状況は多少減りぎみではございますけれども、おおむね安定的に推移いたしているわけでございます。また、生産能率も着実に上昇しておりまして合理化も進展している、かように承知いたしております。このために、五十六年八月の石炭鉱業審議会第七次答申の基本的な考え方に本質的な変化はないものと私どもは理解いたしておるわけでございます。したがって、たびたび私が申し上げましたとおり、政府といたしましては引き続きこの基本的な考え方に沿った政策に努力してまいるつもりでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 大臣、率直に今の客観情勢を見詰めてみますと、炭価と需要の二本柱というものは崩れてきた。それで今後何がポイントかというと、基本的に国内炭の位置づけの明確化といいますか、もう一つは国のてこ入れの強化あるいは業界体制の問題等もありますけれども、ひとつ総合的に新しい視点に立ってお考えをいただきたい。国内石炭産業を守る意味でお考えをいただきたいと思うのですが、再度御答弁をいただきたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 ただいま御説明申し上げましたとおり、当面その判断でやってまいりたいと存じます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)委員 時間が参りましたので、終わります。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 宮崎角治君。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 先日、我が国で一番長いと言われております、また大きいと言われております、総延長が五十四キロにも及ぶという、そしてまた日本最初の洋式機械化を導入して開設いたしました長崎県の高島という炭鉱に入坑したわけであります。これは御承知のように六百五十メートルの地底、そして人車で相当かかった現場、それからまた徒歩で数百メートルという切り羽の最先端まで足を運んでみたわけであります。この五月二日、所要時間約四時間を要して一応現地を踏査してまいりました。こういった中で、先般の一月の有明鉱の事故とも関連をする問題とか、また私なりに坑内の状況を一応照らし合わせてみまして、まさに今日抱えております石炭産業の大きな幾つかの問題点を肌身に感じてきたわけでございます。  今までの質問者を通して、また答弁を通して考えられますことは、現在、第七次答申が生まれたときの社会的な情勢、経済情勢等々から踏まえまして、今ここでもう見直す段階に来ているのではないか。特に先ほどから、この七次答申をしっかりと基本に置いて忠実に考えもし、また対応し、全力を尽くしていくということは、再三にわたる答弁でわかるわけでありますが、再度確認の意味で、現状の把握といいますか認識といいますか、そしてこれからの八次答申への大きな、また石炭対策の見直しという面も含めまして、ひとつ具体的に定かに所信を伺いたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 本日たびたびこの問題に関する御質問がございましたけれども、しばしば申し上げますとおり、国内炭の生産状況は近ごろやや減りぎみではございますけれども、おおむね安定的に推移していると私どもは判断いたしておるわけでございます。生産能率も着実に上昇しておりまして、合理化も進展いたしておるものと承知いたしております。このために、五十六年八月の石炭鉱業審議会第七次答申の基本的な考え方に本質的な変化はない、かように理解いたしておるわけであります。したがって、引き続き政府といたしましては第七次答申の線に沿ってその政策を推進してまいる、かように考えておる次第であります。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 変化がないという形で、この七次をそのまま進行させていくということでございますが、では今のままの維持ということで考えてよろしいのかどうか。八次については、いわゆる五年から十年のローテーションで見直していかなければならぬというのが今までのお話にあったわけでありますけれども、そうしますと来年、再来年がいよいよ第八次になるんじゃないか。そういった見直しの問題は全然頭にないのか、当局のひとつ明快な所信を伺っておきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 第七次答申の適用期間は六十一年度末まででございます。先ほど大臣の御答弁ございましたように、我々としては、当面七次答申に沿った政策の展開に全力を尽くしてまいりたいと考えておりまして、八次政策の準備作業は現在のところ行っておりません。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 いろいろと社会情勢が刻々と変化している中で、石炭政策に対する対応といいますか、あるいは見直しといいますか、あるいはまた微修正といいますか、こういったものが非常に要求されるのではないかと思うわけであります。  なぜならば石炭の問題は、昭和二十年の秋にマッカーサー司令部よりいろんな問題でけちがつきました。日本のいわゆる石炭産業の勃興ということをカットし阻止しようという問題で、いろんな案が出たわけです。英国や中国の問題も出ました。三者三案の中で、マッカーサー司令部によってその圧力というものが強権的に出されたわけでありますが、そういった意味で、非常に日本の石炭産業については政策面が大きくクローズアップしてくる。そういった過去のいろんな経過を見ていきますと、私は相当政策面で対応していかなければならない重大な問題になっているんじゃないかと思うわけであります。  そこで一つお尋ねしたいのは、具体的に例えば先ほどの答弁で、電力需要が非常にダウンしてきておる、あるいは横ばいである、需要の問題が大変大幅に望まれないということで、また国内のいろんな民間の活力を助長していくための支援をやっていくというようなお話もございましたけれども、私がここでお尋ねしたいのは、国内炭とそれから外国炭、これの輸入関係、そして国内に使う産業のいろんな需要の問題、こういったことはどうなっているのか、その辺をひとつもう少し定かにお聞かせ願えればと思います。  具体的に言いますと、外炭だけが、石炭だけが関税もかかっていないわけでありますが、それに対応するために、国としては非常な企業への制裁、あるいはまた国内炭使用についてのいろんな規制、行政指導等々もあろうかと思いますが、この辺をひとつもう少し教えていただきたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 国内炭の需要を確保するために、私どもといたしましては従来から石炭につきまして輸入割り当て制度をとっております。この割り当て制度の運用に当たりましては、あくまでも国内炭の優先使用の原則に立って割り当てを行っておるところでございます。幸い需要者の協力を得まして、最近特に需給が輸入炭によって混乱するというような状況にはなっていないと考えております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 私がお尋ねしているのは、ちょっと今の答弁とニュアンスが違うわけでありますが、どれくらいの割合で国内の産業面にいわゆる国内炭の使用というものを行政指導しているのか。端的に言いますと外炭は何割ぐらい買ってよろしい、しかし、国内炭はひとつこれだけの使用をしろというような行政指導がないのかあるのか。あるとなれば何割をしていらっしゃるのか。その辺をひとつ教えていただきたい。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 一般的には国内炭の優先使用の原則に立っておりますので、国内炭で足らない分を輸入炭で補うという形になっておりますが、具体的には原料炭につきましては、最近原料炭の生産が減少いたしております。そういう点もございまして、総需要の大体六、七%が国内炭でございます。電力につきましては五〇%程度になっております。それからその他一般産業、紙パルプあるいはセメント等の一般産業の需要につきましては、総消費量の二〇%を目安として輸入割り当ての運用に当たっておるところでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 私が省からいただいている「長期エネルギー需給見通し」という五十八年十一月十六日付の表でございますが、これでいきますと、五十七年度の実績が九千四百五十万トン、うち国内石炭が千八百二十万トン。今言われた二〇%からすると、ちょっと割ってみると一九・四%になりゃせぬか。六十五年度の見込みでありますけれども、これが一千八百万トンから二千万トンまでのという範囲ですから、千八百万トンでいきますと一六・七、二千万トンでいきますと一八・五%というこういった見通し、あるいはまた現在の実績等から見ますと、国内炭は余り使われていないような感じがしてならないわけでありますが、この辺についてひとつ私に間違いがあったら訂正方を、また明快な答弁を求めたいと思っております。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 今おっしゃった数字は、全体としての平均でございます。そういう見通しになるということはそのとおりでございますが、具体的な割り当てといいますかの方針は、先ほど申しましたように、原料炭につきましては足らないところを補うという意味で、現時点では六、七%は国内炭が使用されている。電力は、ちょっとつけ加えますと北海道電力等は今、全量国内炭でやっております。将来輸入炭も入ってまいりますが、そういう特殊な事情もございます。電力は、平均すれば五〇%程度になっているわけでございます。その他一般産業が二〇%。これを平均すると、先ほどおっしゃったような一八、九%というような数字になるわけでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 そこで私、ある電力会社が試算した一つのサンプル的なものがございますが、火力発電に要する費用として、例えば一キロワット当たりの建設費とかあるいはキロワットアワー当たりの発電の原価とかの問題が出ているわけであります。建設費でいきますと、一般水力が六十一万円であり、石油火力の方は十三万円、LNGの方が十八万、石炭火力が二十三万、原子力は三十万。それから発電原価にいきますと、一般水力が二十・二円、石油火力が十七・六円、LNGが十六・九円、石炭火力は十三・九円、原子力は十二・四円、こうなっているわけでありますが、これからまた油もコストアップという話も聞いております中で、とにかく油と比較してみたら、五十九年四月の場合では相当石炭が安い。そこで問題は、外国炭と国内炭をブレンドして使用した場合でもやはり油より安いのじゃないかという問題もありますので、この辺についての、国内炭の使われているいろいろな産業に対する活力、またその支援について、より一層のお力添えを、また御指導をしていただきたいと思うわけであります。  次に、労働大臣にちょっとお尋ねしたいわけでございます。先ほども出たかと思いますけれども、現在働いている三十四大手、中小の坑内員、坑外員の皆さん方は、五十五歳で大体定年。一部嘱託制度をやっているところもございますけれども、これは内部の組合とのいろいろなコンセンサスもあろうかと思いますが、労働力の確保という意味からして、せめて坑外の皆さん方には六十歳定年をというのが私の考えであります。労働力確保の問題から必要ではないか。その定年制延長についての大臣の、ひとつ定かな答弁と所見を伺っておきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 この問題は、御案内のとおり本格的な高齢化社会が我が国にも到来をいたしておりまして、高齢者の雇用機会を創出するということが私どもの大変な重要政策になっておる、これは御案内のとおりでございます。その一環といたしまして、昭和六十年六十歳定年の一般化、これが私どものスローガン、目標になっておる。このために積極的な指導援助も行っておる、こういうわけであります。  そこで、お尋ねの石炭産業でございますけれども、この石炭産業におきましては、確かに厳しい面もありまして、人員整理だとか合理化が進んでおるという問題もございますけれども、基本的には坑外員については六十歳までの定年延長が行われるということは大切なことだと思っております。しかし、この石炭産業の現下の実情などもよく踏まえまして、そして労使の話し合いを進めていただきまして、そして定年延長が促進をされまするように指導援助を私どもも努力をいたしたい、こう思っております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 それでは労働大臣、どうもありがとうございました。  最後にお尋ねしたいのは、冒頭申し上げましたように本日は時間がございませんので、はしりという程度でございますが、次回はもっと詳しくいろいろとまた論陣を張っていきたいと思っておりますけれども、実は今、安定補給金と坑内補助金、そして保安補助金という三つの補助金制度があるわけでありますが、かつて安定補給金というのは、五十六年が一トン当たり四百五十円でしたか、五十七、五十八、五十九と据え置かれて、今トン当たり二百五十円というのが高島炭鉱の実情じゃないかと思います。ところが北海道と比べてみますと、石狩地区は大体千四百円ぐらいのトン当たりの安定補給金になっているようであります。これの格差といいますか、どうしてこういうような違いが出てきたのか、この辺について少し定かに願いたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 石狩地区は、一つは内陸でございますので、いろいろ輸送その他の条件、立地条件の問題が一つございます。それから今おっしゃった石狩地区の中でも急傾斜鉱山、これは平均の傾斜度が三十度以上でございますが、これにつきましては、従来は千百五十円だったのでありますが、ことし値上げをいたしまして千四百円になっております。一方、高島炭鉱は海岸炭鉱でございまして、従来三池等と一緒に二百五十円だったわけですが、これを、高島炭鉱はいろいろな事情がございまして二百五十円で据え置いております。その他の海底炭鉱は二百円に引き下げておりますが、この違いは、一つは先ほど申し上げましたように立地条件と傾斜度、この二つに着目いたしておりまして、高島炭鉱の場合は大体中傾斜ということで十度から二十度の間ということでございます。そういう傾斜度と立地条件に着目いたしまして四つばかりの分類に分かれております。今のところメルクマールとしてはそういう考えでございます。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 それでは二番目の坑内補助金でございますが、私も入ってみて、無尽蔵に板を敷いたような鉱脈というのがある、炭鉱の西側においては新たに探査によって相当の炭層の発見ができている。こういった場合、国としてのあるいは石炭政策の一環としてのそういった補助対象にならないのかどうなのか、この辺についてひとつ新区域の発見について、開発鉱としての採択の問題等についてはどのように考えられているのか、定かに願いたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 高島炭鉱の西区域の開発は、調査も終わり、これから着手しようという状況になっておるわけでございますが、この区域の開発につきましては、補助金の交付に当たりまして、これから検討してまいるわけでございますが、御指摘のような新区域の開発というような形での助成を考えてまいりたい。新区域開発になりますと手厚い助成になるわけでございますが、そういうことに乗るような方向で考えてまいりたいと思っております。

宮崎角治公明党・国民会議

○宮崎(角)委員 ありがとうございました。ぜひひとつこういったことでお願いしたいと思います。  最後に、私は炭鉱の坑道に入った報告とお願いをしたわけでありますが、聞いてみると、また調べてみると、例えば池島炭鉱では、西橋所長みずから毎週一、二回坑道に入って陣頭指揮をしている。高島炭鉱でも、茂木所長以下、次長を初め、ずっと毎週一、二回入っている。こういった、その長が実際現場に行って激励をし、現地踏査をして、さらにまたこういった資源の問題についての対処をしている姿を見たときに、生き残るための厳しい自助努力といいますか、これがもうありありと見えるわけであります。そしてまた、職、労、企業一体となって、全山を挙げての生き残るための努力というものが非常に払われているということをつぶさにキャッチしてきたわけでございまして、幾たびとなくこういった危機突破の問題、特に四百名の減員の問題とか賃金カットの問題とか、更生面でのいろいろな問題について努力している姿を見たときに、この一年間を通して、また徐々に可能な限り炭鉱を見せてもらいながら、石炭産業についてのいろいろな問題を提起していきたいと思っております。  以上をもって私の質問といたします。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 滝沢幸助君。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 三井三池の例の事故も、大臣以下関係者の努力によりまして一応の決着を見まして、その労を多としたいと思います。  当面する石炭問題について二、三御質問申し上げたいと存じますけれども、先に触れられた点もあろうと思いますので、重複します点は御了承ちょうだいしましてお尋ねをしたいと思います。  まず一番最初に、先ほどのお話を承っておりましても、第七次のいわゆる石炭政策は、これは私たちが見ますれば、競合エネルギー情勢等が急激に最近変化をしてきておりまして、政策遂行上に大きな支障を来す事情も多々あるのではないか、つまりは見直しをされるべきではないのかというふうに思うのでありますが、先ほどの御答弁を承っておりますと、変えなさる意思はないというようなことのようでございますが、そのとおりですか、大臣。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 結論から申し上げればそのとおりでございますけれども、しかし我が国の石炭鉱業をめぐる経営環境というものは極めて厳しいものがあることは、十分私ども承知いたしております。  そこで政府としては、石炭政策の重要性にかんがみまして、これに最大限の支援措置を講じてまいる所存でございます。具体的には、たびたび申し上げましたとおり第七次答申の基本政策に沿って今後もその政策を展開してまいるということであります。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 わかりました。  そこで、御存じのとおり海外炭価格のいわば低下、これは為替レートの円高というようなこともあるでございましょうけれども、さらには国内炭価の据え置きというようなこともありまして、承れば輸入炭におきましては原料炭でトン当たり一万二十円、国内炭では二万三千六百六十円、一万円の開きがあるわけですね。また一般炭につきましては、輸入物が一万二千百七十円につきますのに対しまして、国内炭が二万百十五円と示されておりますけれども、このように輸入物と国内炭の炭価は開いてきているわけであります。これは需要業界の不振というようなこともあるではありましょうけれども、こういう事情は大変厳しい環境と言わなくてはなりませんが、今おっしゃるように基本の政策そのものは変えることがない、こういうようなことでございます。  しかし、実際に手がけていかれる場面場面におきましては、事実上いろいろの工夫がなされる必要があろうと思いまして、いわゆる変えたと同じような結果になるのじゃないか、こう思うのでありますけれども、政策的な対応というものは今後どのようになさるのか、もう一度。変えぬということに何もこだわらずに、変える変えないということじゃなくて、実際問題としてはいろいろの工夫が必要じゃないのかな、こう思うのですが、いかがですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 七次答申の基本的な方向に沿って政策を展開するということは大臣の御説明のとおりでございますが、その中でやはり具体的な事態の進展に応じまして、例えば今年は格差是正のために安定補給金の限度額を変える、そういうような具体的な工夫といいますか、政策の強化というものは常々心がけてまいりたいと考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 そういうことだと思うのです。そうでなくてはいけませんが、そこで予算の面を見ますると、合理化というのですか、前向きな予算のウエートが実は低下してきておりまして、例えばことしの予算を見ますと三一・六%というようなことであります。しかし、これは実際は時代の要請と逆なのではないか、こう思うのですが、そこら辺はどうでしょうか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 確かに今年度、石炭勘定は関税収入の大幅な減収によりまして、前年度と比べまして大幅な支出予算の面での減額になっております。このうち御指摘の石炭鉱業合理化安定対策費につきましては、第二次肩がわりの終了に伴う再建交付金の減少等の当然減的な経費がございますので、そういう関係から大幅に減少いたしております。ただ、私どもといたしましては、特に合理化対策費を軽視するというような観点ではなく、各分野、合理化、鉱害、産炭地あるいは労働省関係、各分野に必要な最小限度の、乏しい予算の中でございますので必要最小限度の予算を計上した、その結果合理化予算の比率が減少したということでございまして、中身を眺めて見ますと、当然減経費を引きますと合理化対策は横ばいないし若干の微増というような形におさまっております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 わかりました。  ところで、石炭需要業界の、実情というものは、今後の経済の見通しは、いろいろの言い方はあるのでしょうけれども、しかし目に見えた大幅な好転というのは望めないのではないか。これはただ単に炭価の輸入物と国内物との格差というだけではなくて、業界を取り巻く各種の事情は非常に厳しいものが続く、こういうふうに思うのでありますが、五十九年度では需給の見通しというものはどんなふうに見ておいでですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十九年度の需給見通しにつきましては、今後できるだけ早い機会に石炭鉱業合理化、審議会の需給部会で御検討願う予定にいたしておりまして、今その準備作業を内部で急いでおるところでございます。そういう意味で、現時点で具体的な数字をもって申し上げる段階ではないわけでございますが、今まで需要供給両業界のヒアリングを通じまして得ました感じを申し上げますと、おおむね順調な引き取りがなされ、国内炭の在庫も適正な水準で推移するであろうというふうに考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 おおむね順調に進むというようなお見通しのようで、それは大変結構なことでありますけれども、そこの中で国内炭の優先引き取りという原則、これを将来も貫く、そうして輸入割り当て制度はそういう考え方の上に立って今日までの方針を貫いていく、こういうことだと思うのです。その点、御見解はどうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 需要業界もおおむね非常に不況でございます。経営が苦しいわけでございますが、一方、御案内のように内外炭格差が原料炭で一万円以上、一般炭でも八千円程度の開きが出てきております。こういうようなことを背景に、需要業界の中では、国内炭の引き取りを一部には減量してほしいというような要請があることは、これは事実でございます。ただ、私どもといたしましては、需要業界の理解を求めながら、引き続き国内炭の優先引き取りの原則に立った輸入割り当てを行ってまいりたい、こういうふうに考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 石炭利用の拡大、今お話しのとおり努力していただくわけでありますけれども、これは石炭の今後の各種の利用の分野を開拓、拡大していくという面が一つには必要なことでありまして、また、その技術の向上、進歩が必要だというふうに思うわけでありますが、現在政府としてどのように取り組んでおられるのか、これはどうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 まず、石炭の利用の拡大を図りますためには、石炭の持つ不利な面といいますか、具体的にはハンドリング面あるいは環境面のデメリットを解決していく必要がございます。この面から石炭利用技術の開発を私ども積極的に推進しているところでございます。  具体的な中身といたしましては、石炭のガス化、液化、あるいは流動床燃焼技術、高濃度スラリー技術、コール・カートリッジ・システム技術、石炭灰の有効利用技術等について積極的な技術開発を推進中でございます。今年度で申しますれば、大体今申し上げましたような利用技術を全部加えますと三百億ぐらいの研究開発を推進いたしております。政府といたしましても、石炭利用の拡大の重要性にかんがみまして、今後とも石炭の利用技術の開発を積極的に推進してまいりたいと考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 今おっしゃったようなことにつきましての政府のとられる措置、責任、立場、これと業界の協力体制というのはどういうことですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 今申しました研究開発、いろいろな予算を使いまして、実施主体もいろいろに分かれております。例えば、新エネ機構がこれを直接実施する場合もございます。あるいは石炭技術研究所、石炭業界の共同研究機関でございますが、それが中心になってやる場合もございます。また、需要者が研究する場合もございますし、機械メーカーと石炭鉱業が共同で研究するというような場合もございます。いろいろなテーマによりまして、できるだけふさわしい組み合わせで、できるだけ業界の協力といいますか協調体制の中で研究を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 おっしゃるようなことですが、しかし、一面からいうと、何といっても石炭はいわば斜陽産業、黒ダイヤと言われた時代は遠い昔でありまして、そういうことだと思うのですが、長期的な視点に立ちまして、このエネルギーのコスト低減のために産業界の省エネルギー化が進んでいくことでありましょう。エレクトロニクスのことを中心としました先端技術産業の発展開発に伴いまして、産業構造そのものも、さらにこれは省エネ化していかなくてはならぬわけでありますが、このような厳しい変化の中で、石炭産業が斜陽産業と、言われながらも、しかしこれが生き残っていくというために、どのようなことが必要なものであろうか。石炭のより高度な利用を図ることによりまして需要を拡大する、これがぜひとも必要だと思うのでありますが、政府としてのこのような面のお考えを、重複しまするけれども確認させていただきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 利用技術全般の研究体制につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、御指摘のさらに高度な利用という面では、石炭化学あるいは炭素繊維の製造等のテーマがございます。これらにつきましても、民間企業から技術開発の動向及び技術開発の成果につきまして今いろいろヒアリングをしておるところでございまして、これらの成果を踏まえまして、必要な研究開発の推進につきましては今後とも十分検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 石炭の灰の始末につきまして、これもいろいろと利用の研究が進んでいると聞くわけであります。セメントに利用する、ないしは肥料に、あるいはまた埋め立てのことに使う、こういうことだそうでありますが、こういう面についての最近の進みぐあいはどうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 石炭需要の拡大に伴いまして大量に発生する灰の有効利用技術は大変重要な問題でございます。現在、石炭灰の発生量のうち肥料、セメント等の原料として約三〇%が有効利用を既にされております。さらに人工軽量骨材あるいは魚礁等の新しい有効利用技術につきまして、現在技術開発を推進しているところでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 お伺いしました一連のことにつきまして、そのような政策を進めていかれるにおきまして、他者との協力関係等に隘路がありますか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 利用技術の研究開発に当たって、他省庁との連携あるいは関係で険路があるというふうには聞いておりません。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 それなら結構でありますが、ややともすればお役所の仕事、各省間の連絡が不十分なために上がるべき成果が上がらぬという例を多々見るものでありますから、老婆心ながら心配するわけでありますけれども、どうぞひとつその間のところは役所の壁を破って、業界のため、また国のエネルギー産業のために御研究を願いたい、こう思うわけであります。  そこで、一つは労働組合等が研究しましたものによりますと、原子力発電所の廃棄物、これなどもいわゆる旧坑の充てんの際に利用できるのではないか、こういうのでありますけれども、こういうことは可能ですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 労働組合でそういう検討が進められていることは私どもも承知いたしております。ただ、日本の炭鉱の場合、地質条件が非常に悪うございますし、水分が多いというような特殊な事情もございます。現に廃棄物の処理に当たりまして、産業廃棄物を某地域で廃鉱を利用して処理しようとしたところ事故が起こったというケースもございますし、あるいは水質を汚濁したというふうな事例もございます。そういうことを踏まえまして、やはりあくまでも安全、環境保全に十分留意しながら検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 労働組合の話が出ましたついででありますが、業界との協力体制のことは先ほど承りました。これにつきまして、労働組合の協力なくしては事実上今日の各種産業は進まぬということになっておるわけでありますから、そういう面につきまして、いわゆる労働組合との協力、言うなれば業界と労働組合そして通産省というような三つの協力体制の歯車が合理的に回転していかなくてはならぬことでありますが、その辺の事情はどうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 石炭産業における労働の重要性については御指摘のとおりでございます。そういう観点から、従来から石炭政策の立案に当たっております石鉱害の委員にも労働組合の代表が入っておるわけです。また、私どもいろいろ政策を立案するに当たりましても、いろんな機会を通じまして、労働組合の全国的な団体とは十分連携をとって御相談しながらやっているというのが実情でございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 わかりました。  なお、それはそのようなお答えでありましょうけれども、どうぞひとつ、私たちは労働運動というものの前提を、生活擁護の部面と、ないしは世界観とか政治的主張とかという面を切り離して、少なくとも主たる部門においては、いわば労使一体でこの企業の存続と発展に取り組む、よってもって日本の経済、産業の発達に寄与するというふうなことが原則であるべきだ、このように理解しているわけでありますが、議会の答弁としてはなかなか容易ならざることでありまして先ほどの御答弁のようになるのでありましょうけれども、そのようなことにつきましての御苦労がありますか。組合対策についてのことです。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 先ほど申し上げましたように石炭政策、今七次政策が実施されているわけでございますが、一次から七次まで常に労組との対話、何らかの形における対話を通じてやっておりますので、私ども具体的な点で支障を来すというような事態にはぶつかったケースはございません。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 安心しました。これは何も石炭関係についてのみ申し上げておるわけじゃなくて、国政遂行のほとんどの部門について言えることだけれども、特に農政とかいわゆる石炭のように多大な国費を注入して業界を守ろうという立場をとられている産業については、労使間のないしは政府と労働組合間のイデオロギー論争みたいな、いわば非生産的な議論にエネルギーや時間を費やすことでなくて、どうぞひとつ懸命なる取り組みを希望申し上げたい、こう思います。  そこで、これはちょっと話が原則論に立ち戻りまするけれども、今、国の石炭対策のあり方、これはエネルギー対策としての部門が主でありますか、それとも一万六千人、十五鉱とかいうのだそうでありますが、そのほかに大体同じぐらいの露天掘りをしているものもあると聞きまするけれども、それらの産業に残って働いていらっしゃる労働者の方々の雇用の安定確保ないしは生活の擁護というような部面に対する対策が主でありますか、その比重はいずれですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私ども通産省でございますので、やっております限りやはりエネルギー対策が重点になろうかと思いますが、石炭政策全般といたしましては雇用の問題も非常に重要な問題でございますし、産炭地域の振興といいますか、炭鉱いずれも地域社会と密接な関係がございまして、その町にはその炭鉱しかないというようなケースが非常に多いわけでございます、地域振興とも極めて密接な関係がございますので、これら三つの観点から総合的に推進されているものと理解いたしております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 答弁がうまいものですからちょっとわからぬのですけれども、エネルギー対策として国家的見地からの石炭対策が主なのか、それとも、いわば黒ダイヤと言われたあの黄金時代からの生き残りの産業としてのこれを今後も持続していく以外にはないという立場の対策、言うなれば先ほど申し上げました労働者の雇用の安定、生活の問題ということが主なのか、いずれが日本政府としての石炭対策の正面玄関で、いずれが裏玄関ですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私どもは、政策のよりどころといたしております石炭鉱業審議会の七次答申、あくまでもやはり基本的にはエネルギー対策として石炭対策をとらえております。ただ同時に、労働対策あるいは地域振興対策もあわせて考慮しようというのが七次答申の趣旨と我々は理解いたしておりまして、いずれが主なのか従なのか、なかなかその辺私どもは具体的に決めつけられるものではないと思っております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 そういうことだと思います。  そこで、もとの話に返りますけれども、そういう場合に労働省ないしは自治省、具体的には市町村というようなものとの連携の上で実際お仕事をやっていらっしゃるならば、格好いい答弁としては、十分に連絡がとれて何の支障もございませんということが格好いいのでございますけれども、実際苦労されていると思うのです。その点については何か御注文がありますか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 各省の関係でいいますなら、労働省とは予算の問題その他を含めまして非常に緊密な連絡をとってやっております。それから産炭地振興につきましては、対象官庁は非常に多うございます。これの連絡をできるだけ密にするために各省連絡会議というものを設けまして、大体月一回あるいは四半期一回、できるだけ頻度を多くして各省連絡会議を開きましてやっているわけでございます。こういう結果、例えば夕張の閉山に伴います地域振興対策等につきましても比較的まとまりがよかったと私ども理解いたしております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 県や市町村との関係において相互に隘路といいますか、これは困るという、ないしは今後の課題として残される問題というものは具体的に何ですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 産炭地域の市町村の会あるいは知事の会あるいは議長の会等が組織されておりまして、予算の編成等に当たりましてはこれらの組織と十分連携といいますか、要請を受けて十分御相談しながらやっているつもりでございます。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 時間もあれでありますが、私は、既に石炭対策は、先ほど申し上げました、かつて華やかなりし石炭産業、それが時代の変遷とともに斜陽化してきている、その後始末としての後ろ向きの対策の時代は終わったのではないか、また終わるべきなのではないか、これは前向きのエネルギー産業という立場を中心としました国家の産業の総合的対策の中で考えられるべき時代なのではないか、またそうなくてはならない、いつまでも古き時代に対する後始末の対策、後ろ向きの対策として低迷していてはいかぬ、そういうふうに思うのでありますけれども、この石炭産業が産業全体の中に占めるべき位置は今後どのように変化をしていくのですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 エネルギーの中における石炭の利用は、石炭全体、海外炭も含めまして石炭の利用全体の比率につきましては、先ほど長期エネルギー見通しで御説明があったように、決して比重が落ちるわけではなくて、むしろ上がっていくというふうに考えておるわけでございますが、国内炭の推移につきましては、今後の需給状況その他を十分見きわめないと、位置づけについてなかなか具体的な数字をもって申し上げる段階ではなかろうと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 そうしますと、エネルギー産業としての今後の位置づけ、それを前面に押し出して対策としていかれるというわけでありましょうが、しかし、いろいろ変化していくわけであります。特に日本の石炭というのはあと何年掘れば、何か一年間に二千万トンぐらいずつ掘っていくのですか、千六、七百万トンを中心として考えていきたい、こういうふうにお考えですね。とするならば、今後何年掘れるものなのか、そこら辺のところはどのようになるのか。そういうことを考えますと、エネルギー政策全体、特にこれは大きく考えていけば安全保障というようなものにもつながってくるわけでありますから、エネルギー産業というとらえ方の中で石炭産業は今後どのように位置づけられますか、そこら辺もひとつお聞きします。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 残存炭量の問題につきましては、いろいろ調査はございますが、具体的な数字につきましては今後のボーリング等々の調査を待たないと確定できないわけでございますが、石鉱審の第七次答申でも、各鉱山とも少なくとも十年以上の残存炭量を持っているということは指摘されておりますし、先ほど申しましたが、私どもも新鉱開発に備えまして現在石炭資源基礎調査等も陸域、海域を通じて行っておりますので、石炭産業の将来につきましては決して悲観しているわけではございません。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 私が農村にありまして見ておりますると、後継者つまり子弟が父親の仕事を継ぐかどうかということが何よりも一番如実なる将来性の指針、バロメーターなんですね。そういう意味からいいますと、石炭産業の労働者の子弟がお父さんのお仕事を受け継ごうとしていらっしゃるような数字が出ておるのかどうか、その点の状況はどうですか。若い人たちがこぞってつこうとする産業こそが将来性のある産業、これはまた政府の目から見ても手厚い手助けのある産業、こう見ていい。こういうふうな見方をしているわけですけれども、その点はどうですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 労働者の平均年齢は戦後ずっと延びてまいりまして、だんだん老齢化したわけでございますが、ここ数年は大体横ばいあるいは若干若返り、炭鉱によって若干事情は違いますけれども、平均すれば横ばいないし若干若返りということで、若年労働者の就職もかなり盛んになってきておるというふうに考えております。もちろん炭鉱の子弟が同じ炭鉱に就職するというケースも間々ございます。いずれにしましても、労働者の確保というのは石炭鉱業の重要な課題でございます。したがいまして、まず働きがいのある職場ということで、鉱山の安定ということが第一でございますし、生活環境等につきましても十分配慮していかなければいかぬ、こういうふうに考えております。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 終わりますけれども、先ほどの三井三池の事故、またがってのあの夕張の事故を考えましても、これは大変なことでございます。しかし、これは石炭業界が将来性に陰りがあって、会社の経営もなかなかの赤字というようなことがその一つの原因ということであろうと私は思いますので、そのようなことでは、今ほど年齢も若返り将来性よろしいということでありましても、またいつああいう事故が発生をせぬとも限らぬ。要すれば、あのような事故がなくて安全に発展していく前提は、この石炭産業の将来性の展望が明るいということと一緒でなければならぬ、こう思うのでありまして、その意味におきましても手厚い対策、あるいはまたしっかり対処していただきたいということになろうかと思います。その点につきまして、どうかひとつ今後遺憾なきを期していただきたい、こう思うのであります。大臣、ひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 石炭産業を取り巻く現状というものが非常に厳しい状態であることは事実でございます。しかしながら、この産業が絶望とは言わないまでも非常に望みが薄いという証拠もどこにもないわけであります。将来非常に明るいという見通しを持つ学者もいるわけでございます。かような中で、委員いろいろ御議論ございましたけれども、政府としてはエネルギー対策の大きな要素としてこの産業を振興させる、厳しい中にもこれを支援してまいるという考え方にはいささかも変わりはないということを御承知願いたいと思います。

滝沢幸助民社党・国民連合

○滝沢委員 ありがとうございました。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 私が最後ですから、ひとつ頑張って、よろしくお願いしたいと思います。  きょうは鉱害復旧の問題にしぼってお尋ねをしたいと思います。  臨鉱法が延長されてからもう三年たつわけでありますけれども、先ほどからの議論でも五十七年が七百億、五十八年度が同じく七百億、ことしも大体七百億というような工事予算で横ばいをしておる。マイナスシーリングというようなことが言われている中で、鉱害予算については、私も大蔵省に押しかけていって談判した口ですけれども、多くの人たちのそういう努力でとにかく横ばいになったということ、そのこと自体は私は評価すべきだと思っております。しかし、金額的な横ばいということでは、物価の上昇やあるいは工事単価の変動も考えてみると、これは先細りしてきているのではないかということを感ぜざるを得ないわけですけれども、実態はどのようになっておりましょう。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 確かに物価上昇がございますので、金額が横ばいであるとすれば、着通単純に考えまして工事量は実質的に減るということでございますが、私どもといたしましては、こういう厳しい財政事情でございますので、入札制度のメリットを十分考慮しながら、一層厳密な復旧費の査定あるいは計画的な遂行等を通じまして、実質面でもできるだけ減退しないように努力してまいりたいと考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 一方では今でも続々と鉱害の認定申請が出ておるわけであります。これはどれぐらい出ておりましょうか。それから、その中で臨鉱法の延長後どれぐらい新たな認定が出たか、これから今申請中のものの処理が進めばまたさらに認定の件数もふえるでしょうし、そういうようなことも含めて、今のペースでいって、そういうような現実的な数字の動きから見て果たして臨鉱法の期限までに完了できるという見通しが立つかどうかという点も、この機会にはっきりお答えをお願いしておきたいと思うのです。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 五十七年度の初めに認定済みで未復旧の件数は、家屋について申し上げますと一万五百戸でございまして、年間二千五百戸程度の復旧をするといたしますれば、約四年分が五十七年度当初にございました。その後、五十九年度の初めにはこれが一万二千戸になっておりまして、四・八年分ということになるわけでございます。このほかに認定申請済のもので認定される見込みのものが約六千戸ございます。これが二・四年分に当たります。したがいまして、大ざっぱに申しまして、現在認定済みの残というのが七年分、一万八千戸ございます。残された期間は、御案内のとおり八年三カ月ということでございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 さっきも出ましたけれども、地元におりますと、今度も期限内では無理ではないかというような声が早くも出始めているわけであります。  先ほどの、復旧を事業団任せにせずに市当局が直接施行者になってやっている大変熱心だということで出ました中間市の例をちょっと調べてみたのですけれども、家屋で言うと残存鉱害の戸数は認定済みが六百三十九戸なんです。大体、中間市の場合は年間百戸ぐらいのペースなので、これだけなら何とかなりそうという感じがするわけですけれども、市の当局者によると、認定申請を今後すべきじゃないかと思われるような家屋が別に七百十八戸くらいあると言うのですよ。そうすると、これを合計すると千三百五十七尺はるかにオーバーをしてしまうということになるわけです。私は今、任意に一つの例を挙げたのですけれども、筑豊の市町村は大体こんなような状況じゃないのでしょうか。だから、期限内に終わるかどうかという不安が非常に広がっているということじゃないかと思うのですが、実態はこういうようなことじゃないですか、いかがですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 全体的な認定の残の問題は先ほど私申し上げたとおりでございます。この中間市が例外なのかどうか、私どもそこら辺の具体的な検討はいたしておりませんので、ちょっと返答を留保いたしたいと思いますが、何とか予算を確保いたしまして、期限内に計画的にこの復旧を終えたいというのが私どもの目標でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 私も、今財政が非常に大変だということはよく承知をしております。この少ない鉱害復旧の予算を本当に最大限効率的にまた公平に活用をして復旧を進めていくという立場から、昨年の三月二十五日の当委員会で、いわゆる鉱害屋、鉱害ボスなどが暴力団などと結託をして策動をしている、ここにメスを入れなければ本当の意味で効率的、公正な鉱害復旧は進まないということを指摘をしたわけであります。ところが現実には、ますますそういう鉱害ボスなどの策動というのが目立つようになって、最近盛んに新聞などでも取り上げられたり、キャンペーンが行われたりするというような状況なんですね。私は非常に残念に思うのですが、こういうような鉱害ボスやらをここまでのさばらせておるということについては、当局の彼らに対する甘やかせの姿勢というのも非常に大きな要因じゃないだろうかというふうに思うのですが、この点どういうふうな反省をお持ちでしょうか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 確かに御指摘のように、近年、被害者から委任状を取りつけました特定の代理人を中心に、被害者が数十人あるいは数百人という規模で通産局あるいは事業団の九州支部に集団で陳情を行って、この応接に相当の時間と労力を要していることは事実でございます。そういう事実から、鉱害の行政があるいは一部の者にゆがめられて利用されているのではないかというような疑いを呼んでおること自体、我々非常に遺憾に思っております。そういう意味で、今後の対応といたしましては、陳情を受けるルールづくりを厳格に行いまして、応接など時間の制限の問題、あるいは人数の制限の問題、あるいは交渉テーマについてあらかじめ了解をするというような問題等につきまして、厳格なルールづくりを通産局並びに事業団の支部で今最終的な詰めを行っている段階でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 私が後で話をしようと思うことを先に答弁してくれましたけれども、そこへ行く前に、私は昨年のその委員会で、鉱害ボスがどんなことをやっているかの一つの事例を挙げたのですよ。田川郡金田町というところの長浄寺というお寺の復旧に、私が聞いているのでは三億円近いお金が事業団から出た。ところが、もうどう見てもそんなにかかるような代物ではないといって地元で評判になっているし、それを私のところまで訴えに来た人がいるという事実を指摘して、それについてメスを入れなさいということを言っておったのですけれども、果たしてそのことについてその後、もう一年以上たっておりますけれども、何かしてくれましたか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 通産局及び鉱害事業団に実態の確認といいますか報告を求めたわけでございますが、このお寺の山門、鐘楼は、一般家屋と違いまして構造が複雑で、彫刻があるなど特別な建物である、また材料もケヤキ等、特別なものを使っているという意味で、構造につきましては建築の専門家に設計調査を依頼し、材料につきましては数店舗から見積もりをとって厳格な査定を実施したと聞いております。また、工事が完成した後に鉱害事業団及び通産局がそれぞれ検査を実施しまして、実施計画に従って施行がされておるかどうかということも確認いたしております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 この鉱害問題で、ボスの暗躍ぶりを描いた続き物を新聞がやっているのですが、その中にちょうど私が問題にしたものが書いてあるのですよ。どんなふうにそのことを書いておるかというと、「山門は高さ約三・五メートル、直径三十五センチほどの柱二本に、切り妻の屋根をのせた。柱、けたの材はケヤキ。ケヤキも高級材なら、柱一本が一千万、二千万円かかってもおかしくない。だが、木材プロの目は「どう見ても、山門に億のカネをかけた代物ではない」という。鐘楼の広さは約三十平方メートル。各地の寺で見かける「普通」の鐘楼なら、建築費は一千万円前後。この寺の鐘楼も、だれが見ても「普通」である。」こういうふうに生々しく描写してあります。  あなたは、彫刻があるとか材料が高級であるとか言いましたけれども、柱をちょいと立てて、上にそういうような切り妻の屋根を乗せたという程度のものがそんなにするのですか。あなたは、公平にやりましたと今またお答えになっていらっしゃるけれども、それは余りにも下の方から上がってきたものをあなたもうのみになさり過ぎておるのではないですか。私はきょうはそのことは、あなたは現場をごらんになっていらっしゃらないのに感覚的に受けとめろと言っても無理だから、もう一遍指摘をしておきますから、それは私、一つの甘やかせの事例だと言っているのに、それは公平であったということでまかり通らせているようではこれは正されていかないので、その点もう一遍言っておきたいと思います。  それで、きょう特に私、申し上げたいのは、さっきから委任状のことが出ております。私もこれには大変関心を持っておるのですが、当局は委任状で行政を曲げたことはない、初めから認定に限っていた、その後のことについては自分たちはそういう委任状の中で業者の選定とかそういうようなことも書いてあるからということに左右されていないというふうに言っておられるけれども、実際にはそのボスが推す業者がそのまま指名を受けてやっている事例がほとんどじゃないですか。私がこのキャンペーン記事の中で見せていただいた数字によると、宮田町の四つの地区では、その事業団への登録業者がその周辺で三百二十社あるけれども、現実に宮田町の鉱害復旧の指名を受けた業者というのは、その宮田町でもない、町外の二社にほとんど限られているというのですよ。その周辺に三百二十社もあって、公正に指名競争入札が行われておって、どうしてほとんど二社だけに限られるというような結果が出るのでしょうか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 ある特定の期間をサンプルとしてとりまして、事業団の入札工事を十件サンプルとして調べたわけでありますが、このうち町内業者に落札したものが五社、町外業社が四社というような状況になっています。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 そうすると、この新聞に書かれている数字は、これはインチキだというお話ですか。私もこれは自分自身が直接調べてみるまでもない、大体こんなところだなと思ったから引用してみたのですが、あなたが言われるのは、何か余りこういうようなはっきりした傾向などというのは資料繰ってみても出てないというふうに聞こえるのですが、そうなんですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私どもの調査ではそういうことでございまして、今の新聞記事の根拠については私ども理解しておりません。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 それじゃちょっと質問の角度を変えますけれども、その委任状の持ち主が推す業者を指名競争入札の中に入れるということ自身が、私はそもそも疑惑を招く行為につながると思うのですよ。委任は認定までで後は全く自分たちは効力を認めていないという立場だったら、もうすっきりとそういうボスが推すような業者に指名入札の機会を与えるというようなことをやめてしまったらどうか、そうしたらそういう議論の起こる余地はないと思うのですが、いかがですか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 被害者の希望は参酌するということはいたしておりますが、あくまでも事業団が主体的に一定の基準に沿って入札参加業者指名を行うということは今後とも徹底してまいりたい、こういうふうに考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 それじゃだめですよ。鉱害ボスが何を目的にしてどうやってもうげるかといったら、認定を取りつけて、そして自分たちが業者を抱えているのです。その業者に仕事をとってやる。そのときにピンはねをしてもうけるのですよ。何かそういう仕事を一生懸命やることによって被害者からお礼をちょうだいするとかいうような形でもうけるのじゃないんです、この人たちは。そのピンはねで稼ぐのですよ。だから、そのピンはねの機会をきっぱり断ち切るかどうかが鉱害ボスを筑豊でなくしてしまう保証ができるかどうかですよ。あなたがそこであいまいなことを言っている限り、来年もまた同じ議論になりますよ。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私どもとしては、あくまでも入札規定その他のルールにのっとりまして厳正に指名業者を選定している。そのための選定のシステムにつきましても今後検討を加えてまいりたいというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 その検討する中に、今私が言った、まさに鉱害ボスが自分の抱えている業者に注文をとることを通じてもうけるのだから、そういうことが起こらないようにする意味で、それを排除することも含めて検討しますか。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 先ほど申しましたように、被害者の意向そのものは一つ考えなければならぬ問題だと思います。そういうものもございますが、私ども聞いております鉱害屋と言われる者の取り扱いも含めまして、全体的な中での適正なルールを考えてまいりたい、こういうふうに考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 そのことについては今後見守っておきたいと思います。  それでもう一つ、私が特にきょう言いたいと思うのは、この鉱害ボスなどとの話し合いの仕方なのですね。話し合いの仕方なんて私、極めてのんきな言い回しをしたけれども、実際には集団つるし上げなんですよ。私もいつか福岡通産局に行ったら、鉱害部長が、きのうの夜徹夜でやられて私ふらふらなんですよと言われて私に応対をするような場面に出っくわしたのですけれども、部長までそういうような状態でやられておるのですよ。だから一般の職員などは、徹夜でやられる、机をひっくり返される、暴力団まがいの脅迫的な言辞でやられるというようなことはもう日常的に起こっていると見ざるを得ないわけですね。だから私は、こういうことについてはきっぱりとしたあなた方の対処が必要になっていると思うのです。さっき交渉ルールというようなお話がありましたが、もう一度はっきり答えてください。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 非常に多数の集団による陳情が長時間行われ、これが日常業務の円滑な施行に、あるいは職員の健康上の支障というようなおそれも生じておることは事実でございます。また同時に、こういうような機関が集団の圧力に屈して行政を曲げているというような疑惑を持たれていること自体も非常に遺憾に存じておる次第でございます。こういうような観点から、福岡通産局並びに鉱害事業団に対し、秩序ある陳情となるように、陳情時間や陳情人数に関する厳格なルールづくり、さらには陳情に際して事前に陳情項目の整理を行う、こういうことにつきまして現在指導を行っておるところでございます。具体的な対応ぶりにつきまして各機関で今最終的な詰めを行っておるという段階でございます。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 そういうルールをきちんと設けるということは、私はそれはそれなりに評価します。ただ私、念のために申し上げておきたいと思うのですが、このような交渉ルールをつくると、しばしば鉱害ボスみたいな者が暴力団みたいな者と結びついてそういうものを実力で突破しちゃう、結局それを守らされて規制を受けるのは善良な一般の被害者だといういうようなことになりかねないのじゃないかという点で、私懸念を持つのです。だから、そういうようなことにならないように、鉱害ボスを厳しく取り締まるためにルールをつくるのだ、一般の善良な人たちのことについては十分耳を傾けるようにそれが運用されていくということについて、この機会にはっきりしたお約束をいただいておきたいと思います。

村田文男資源エネルギー庁石炭部長

○村田(文)政府委員 私どもが厳格なルールをつくろうという趣旨は、あくまでも被害者を公平に扱い、いろいろな疑惑を招かないようにする趣旨でございます。同時に、職員の健康、日常業務等ございますが、そういう観点からあくまでも公平に扱っていくのをルールづくりの原点にいたしたい、こういうふうに考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 だから、公平というのが機械的な公平になって、結果としてはそれの一番厳しい適用を受けたのは一般のごく普通の被害者であったというようなことにならないようにという点は、私もう一遍念を押しておきますよ。  それで、さっきの交渉のあり方の問題ですけれども、私がさっきから引用している新聞の記事などを見ますと、銃砲刀剣類所持等取締法違反に該当するのじゃないかというようなケースまである。ひょっとするとドスの類までちらつかせるとかいうふうにこの記事は読めますが、私もそこまで具体的に聞いたことはないけれども、しかし、労働組合の交渉などだったら、さっき私が言ったような机をひっくり返したりとか、そんなことになったら、たちまち警察ざたになるのじゃないかと思うのです。きょうは警察の方にもお見えをいただいておると思うのですが、こういうことの取り締まりが今どのように行われているかという実態と方針をお尋ねしておきます。

上野浩靖警察庁刑事局捜査第二課長

○上野説明員 お答えいたします。  お尋ねの件に該当するかどうかわかりませんけれども、私ども、それに類する事犯といたしまして二件検挙をいたしておるわけでございます。一つは、五十七年の九月十日でございますが、福岡市の博多区にございます福岡通産局の会議室におきまして鉱害復旧要求の交渉過程で発生いたしました福岡通産局の課長に対する公務執行妨害事件が一つございます。それからもう一つは、昭和五十八年四月十五日でございますが、同じく博多区にございます新エネルギー総合開発機構九州支部におきます鉱山撤去に関する交渉の過程で発生いたしました同九州支部職員に対する暴行事件で一件検挙いたしております。  いずれにいたしましても、不法事犯がございました場合には適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 ぼつぼつ時間が切れそうなんですが、大臣に、そこで黙って最後まで聞いていていただくのはまことに申しわけないから、最後に、今申し上げたような鉱害ボスの跳梁をきちっと取り締まるということが、私は効率的な公平な鉱害の復旧を今後進めていく上で決定的に重要だと思うんです。ひとつ大臣の責任でそこのところを強力に進めていくということについて決意のほどを伺って、私のきょうの質問を終わりたいと思います。

小此木彦三郎自由民主党・新自由国民連合通商産業大臣

○小此木国務大臣 複雑な事実関係もあるようでございますので、政府委員がいろいろと説明、答弁したことで御了承願いたいと思います。

小沢和秋日本共産党・革新共同

○小沢(和)委員 これで終わります。

上坂昇日本社会党・護憲共同

○上坂委員長 以上で、本日の質疑を終わります。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二分散会

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