P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
101回国会衆議院1984/05/15

商工委員会エネルギー・基礎素材及び鉱物資源問題小委員会 第1号

発言数
8
登壇者
4
会派数
1
開催日
1984/05/15

会議録

渡辺秀央自由民主党・新自由国民連合

○渡辺小委員長 これより商工委員会エネルギー、基礎素材及び鉱物資源問題小委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  先般、私がエネルギー基礎素材及び鉱物資源問題小委員長に選任されました。小委員各位の格別の御協力をお願い申し上げます。  エネルギー、基礎素材及び鉱物資源問題について調査を進めます。  本日は、特に長期エネルギー需給見通しと最近のエネルギー情勢及び基礎素材産業の現状について政府から報告を聴取いたします。最初に、豊島資源エネルギー庁長官。

豊島格資源エネルギー庁長官

○豊島政府委員 お手元に「長期エネルギー需給見通しと最近のエネルギー情勢について」という資料をお配りしてございますので、これに基づきまして簡単に御説明申し上げます。  表題の次のページをごらんいただきたいのですが、長期エネルギー需給見通しは昨年の十一月に改定をいたしました。その背景について一のところに書いてございますが、御承知のように石油需給が緩んで、昨年はOPECが結成以来初めて基準価格を五ドル下げるということをいたしました。それから一方、日本のエネルギーの需要構造等変化しておりまして、特に顕著なのは、従来、GNPの増加に伴いましてエネルギーも伸びておったのですが、五十五年、五十六年、五十七年度の三年間はGNPが三%以上伸びているにかかわらず、エネルギーの需要は三%以上むしろ落ち込んでいる、こういう状況になりました。  したがいまして、一昨年の五十七年四月に長期エネルギー需給見通しをつくったばかりでございまして一年しかたっておらなかったのですが、内外情勢の変化ということで、この見通しとエネルギー政策の総点検を昨年の四月にお願いいたしました。一応、八月に政策の総点検とそれから見通しについて、ここにございますように幅を持った数字が出たわけでございますが、その後専門家の検討を待ちまして十一月に最終的にできたということでございます。  それで、2に需給見通しの概要でございますが、策定に当たっての基本的な考え方ということでございまして、まず第一に、最近のエネルギー需給というのは非常に緩和基調にあるということでございますが、IEAその他の機関でも発表されておりますように、大方の見方は、一九九〇年代になると再び需給はタイト化する、それから価格も上がるということで、例えばIEAあたりでは一九九〇年代には四百ないし八百万バレルの需給不足、ギャップができる、それから実質価格は三十七ドルくらいに上がろう、こういう見通しをしております。そういう基本的な中長期的な見通しに立ったわけでございます。  それから第二として、先ほど申しましたように、GNPが伸びる中でエネルギーは減るということですが、これはいつまでも続くわけではございませんで、今後はそういう省エネとか産業構造の変化はございましょうが、エネルギーの需要は緩やかにやはり経済成長とともに伸びていくということでございます。  それから制といたしまして、考慮したファクターということでございまして、第一次石油ショック以来、日本のエネルギー供給構造は脆弱であるということで、セキュリティーということを非常に大事にしておった。今後ともその考え方は変わらないわけでございます。同時に、基礎素材部門等に見られますように、エネルギーコストの高騰ということが、いわゆるそういう産業分野における不況ないしは国際競争力の低下を招いておるということで、やはりコストの低減ということを考えなくちゃいけないということでございまして、したがって、セキュリティーとコストとを両方勘案した、いわゆるベストミックスといいますか、最適バランスということを追求していく必要がある、こういう見方で需給見通しも改定したわけでございます。  それで、具体的にどういう内容かということにつきまして、次のページ以下申し上げたいと思います。  目標年度としましては、従来六十五年度をとっておったわけですが、六十五年となりますと、原子力発電所とかその他のエネルギー手当てで現在進めておるのをそのままやって大体目標達成ということになりますので、政策目標年度としては新しく一九九五年、七十年度というのをつくりました。また二〇〇〇年という展望は、従来どおり展望の年次としては設けたということでございます。  それで、エネルギー需給がどうなるかということでございますが、昨年の八月に経済審議会で「八〇年代の経済社会の展望と指針」というのが出されております。従来五%成長というのを四%程度に落としたわけですが、そういう成長率の鈍化ということも織り込み、それから五十五年以来エネルギーの消費が減っておった、こういう現実的な実態をも踏まえまして策定したのがその下に書いてある括弧の中の数字でございまして、原油換算でございますが、五十七年度三・九億キロリットル、これに対しまして六十五年度四・六億キロリッター、七十年度五・三億キロリッター、七十五年度の試算としてはおよそ六億キロリッターということでございます。参考としてございますように、五十七年四月に策定いたしましたときは六十五年度の見通しは五・九億キロリッターでございまして、二二%の下方修正ということになっておるわけですが、この五・三億キロリッターから四・六億キロリッターに大体七千万キロリットル減ったわけでございますけれども、大体半分は発射台といいますか、五十七年度がそのまま減って下がってしまったということで、半分は伸び率が経済成長に伴い、またエネルギーの弾性値も小さくなったということで、そういうことの修正かと思います。それから七十五年度は六億キロリッターとなっておりますので、ごらんのように需要の規模というのは大体十年おくれになった、こういうふうにお考えいただければと存じます。  それから主要点としては、産業構造の変化、省エネルギーの進展等による産業部門のシェアの低下、それから生活水準の向上、業務部門の拡大等による民生部門のエネルギーの需要の増大ということが各部門別積み上げによって大体明らかになっております。  今後の伸びは、下にございますように七十年度まで大体年率二・二%でございます。経済成長を四%としますと、結果論でございますが、四で割りますと〇・五五ですか、従来〇・六四という弾性値でございますから、やはり弾性値は若干低くなっておるということでございます。  それから、部門別に見ますと産業、運輸、民生ということでございますが、民生が非常に伸びておって、産業の伸び率は平均値以下である。運輸が若干平均値を上回るということでございます。念のために申しますと、民生の中には例えばビルとかオフィスの需要も入っております。この伸びの中には、いわゆる冷暖房というもの、空調関係もございますが、同時にオフィスオートメーションの関係の電力需要等の伸びも入っておるので、家庭生活だけではございません。  それから、エネルギー供給源別の構成につきましては次ページにございますが、エネルギーの量的、価格的安定供給、それからその特性等を考えて行ったわけでございまして、次の表をごらんいただきますと、ここに出ておる数字でございまして、六十五年、七十年、七十五年と、こういうことになっております。  そこで、この表はまた後で触れるといたしまして、主要点を申しますと、一番上に総供給量が書いてございます。これは先ほど御紹介した数字でございますが、一番下に石油というのがございます。五十七年度二・四億キロリットル、それが六十五年度も同じでございまして、七十年度が若干ふえる。それから七十五年度がちょっとふえるということでございますが、この中をごらんいただきますとおわかりのように、エネルギーの需要量の増加分のほとんど大部分は石油以外で賄うということでございまして、石油自身は非常に微増ということで、一千万キロリットル程度しか七十年度になってもふえないということでございます。  なお、構成について申しますと、電力等はさらに石油の消費は減ります。それから産業用は相当減っておりますので大体横ばい。ふえるのは交通部門ということで、電力、産業等において減った部分が自動車とか航空機等の需要で相殺されて若干の増加という姿でございます。その結果、②にございますように、石油の依存度は五十七年度六二%、これは四十八年度は大体七八%でございましたが、六二%に落ちておりまして、これが六十五年度五三%、七十年度四八%になることになっております。なお、七十五年度は展望、試算でございますが、四二%ということでございます。なお、五十七年の見通しては、六十五年度の石油依存度は四九%でございましたので、若干石油依存度が上がったじゃないかということでございますが、これは需要が伸びなかったということでございまして、石油の消費量は当時六十五年度二億九千万キロリットルと考えておりましたので、そういう意味からいうと、絶対量が減っておる。しかし、全体の需要が伸びなかったので、それだけ代エネの入る余地が少なくなったということで、需要規模は七十五年度が大体六億キロリットルでございますので、そういう同じ需要規模を想定すると七十五年度は四二%ぐらいになっておるということで、決して脱石油政策の後退ではないということでございます。  それから石炭につきましては、ここにございますように前回よりは相当減っておりますが、大体七十年度が一八%、七十五年度二〇%ということでございます。伸びは一般炭が大部分でございまして、一般炭の中でも電力用炭が全体の伸びのほとんどを占めるということで、特に七十年度以降電力用炭の伸びが着実にいく、こういう感じです。  原子力につきましては、代エネの最も中心的な役割を持つということでございまして、現在は天然ガスと同じぐらいでございますが、七十年度以降天然ガスよりも比重を高めていくということになっております。  それから天然ガスにつきましては、代替エネルギーでございまして、現在都市周辺の火力発電所あるいは都市ガス用の原料として導入促進を図っておりますが、価格が石油と等価であるということと、テーク・オア・ペイ条項ということで、需要が減退してもどうしても引き取り義務があるということがございまして、代替エネルギーの中ではどちらかというとエコノミーの点で有利でないということもございます。したがって、七十年以降は余り伸びないということで、原子力が伸びるのに対してLNGについてはある程度頭打ちになっていくという姿でございます。  水力、地熱等は国産エネルギーでございますので、引き続き安定供給ということで重視しておりますが、量的にはそう大きなものではないということでございます。  それから新エネルギー等につきましては、計画的、重点的かつ効率的に進めるということでございます。現在はソーラーがかなり大きな比率ですが、六十五年度あたりでも八百万のうち四百七十万はソーラーということでございます。一部オイルサンド、オイルシェールが入ってまいります。それから七十年度になりますと、やはりソーラーが相当大きいのですが、そのほか太陽光発電あるいは石炭液化が一部若干入ってくる、こういう姿でございます。  以上が見通してございます。  次に、四ページ以降の最近のエネルギー情勢について申し上げたいと思います。  まず、石油情勢でございますが、この表をごらんいただきますと、世界の需要は一九七九年にピークでございまして、五千二百万バレルあったわけですが、八〇年、八一年、八二年、八三年と四年間連続して減っております。大体七百数十万バレル減っておるわけでございます。八四年につきましては、百万バレルぐらい初めてふえるということになっております。この点についてまた申し上げますが、若干上向きになってきたということ、これは北米それから日本等の景気の回復ということもあろうかと思います。特に本年、第一・四半期においては寒さ、厳冬というのも相当ございますが、そういうことで若干ふえるということでございます。  それから一方、生産はどうかということでございます。御承知のように生産は当然減ってきておるわけでございますが、特に注目すべきことは、七九年のOPECという欄をごらんいただきますと、三千百万バレルとございますが、これが八三年には千七百万バレルということで千四百万バレル減っております。先ほど需要については七百六十万バレル減っておるということでございますが、OPECの生産は千四百万バレル減っている。需要の減退の倍減っておるわけでございまして、これは在庫の取り崩しと、それからここにございますように非OPEC、共産圏からの供給の増大、非OPECの自由圏ではメキシコ、北海、それからアメリカ等もふえております。そういうことでございまして、それによってOPECは需要の減退以上に非常に打撃を受けておるということでございます。  そこで、五ページでございますが、そういうことでOPECとしては、スポット価格も相当下がるということもございまして、このままではいけないということで、昨年の三月、二十九ドルに五ドル下げるとともに、千七百五十万バレルという生産の上限を決めたわけでございまして、今日までそれが大体守られているということかと思います。  それでアラビアンライトの表、これは基準原油でございますが、これについて若干申し上げますと、五ドル下げた後のスポット価格の推移は、七月から八月にかけては公式価格、GSPを若干上回っております。その後だんだん緩んで、特に十一月から十二月にかけては一ドル近く下がるという状態が起こったわけでございますが、年末からことしにかけまして、寒波のために需要が増大するということ、それからイラク・イラン戦争等がございまして、若干戻したということでございますが、その後また不需要期に入って若干安くなっておるということでございます。  ただ、現在問題となっておりますのは、生産枠とディファレンシャルという二つの問題がございます。一つは生産枠でございまして、先ほど申しましたように、百万バレルぐらいことしはふえるということでございます。現在の生産は大体千七百五十万バレルという生産枠にほぼ等しいところでございますが、一部のOPECの石油大臣あたりは、ことしの後半は、需要期に入りますと千九百万から千九百五十万バレルになるだろうということを言っております。したがって、生産水準がふえるに当たって、その配分をどうするかというのが今後の問題でございまして、サウジアラビア等はスイングプロデューサーとして、需要が減ったときには自分のところは減らすんだから、需要がふえたら自分のところはふやすということを主張しているわけですが、その他の国はそういうわけにはまいらぬということを言っておりまして、これが一つのポイントでございます。  それからもう一つは、ディファレンシャルということでございます。従来は北アフリカの軽質油、アラビアン・ライトの価格差というのが問題で、これが大き過ぎるとそれが売れないとかいうことをいろいろ言っていたのですが、現在は重質油とのディファレンシャルというのが問題となっておりまして、ここにございませんが、アラビアン・ヘビーというのは公式価格、GSPは二十六ドルでございますが、実際は二十六ドル九十セント、一ドル近く高くなっております。これは御承知のように重質油分解設備というのを各国ともみんな持つようになりましたので、それだけ値段が安いとむしろヘビーを買った方が得であるということでございます。  ほかの例で言いますと、メキシコのマヤ原油というのは非常に安かったのを、どんどん今回まで三、四回上げております。そういうことで、どうもこのディファレンシャルを直すべきではないかという意見もございますが、これも意見の一致を見ておらない。サウジアラビアあたりでは、むしろまぜて売れるんで、ヘビーで稼いでライトで吐き出すということでいいんじゃないか、こういうようなこともございまして、まあまあ何とかいけるわけですが、軽いものしかつくってないところは打撃を受けておるということでございまして、この二つが今後の問題点かと思います。  それから、イラン・イラク戦争につきましては皆様御承知のとおりでございますので、特に触れる必要はないかと思いますが、陸上ではイランが攻勢をかけておるということでございますが、これは必ずしも成功はしておらない。それから海上ではイラク側が優勢な空軍力で攻撃をしておりまして、どうもイラン以外の船も沈めておるということで問題となっております。特にイラク側は、短期決戦ということもございまして、石油の輸出基地でありますカーグ島を攻撃するということをほのめかしており、一方イランは、そこをやられたんでは困るんで、もし、そこをやられてイランの輸出ができなくなった場合には、当然のことながらホルムズ海峡を封鎖する、あるいはサウジアラビアの輸出基地を攻撃するぞということを言っておりますが、実際問題としてイランとしても相当自分の経済の問題がありますので、これは最終的な手段かと思います。  それで、現在ホルムズ海峡を経由しておるのは八百二十万バレルということで、先ほどの五千幾らの二割弱、十数%でございますが、日本の場合は六〇%以上を依存しておるということで、この情勢については注目する必要があろうかと思います。いずれにしましても、備蓄もございますし、国際的な協力も、IEAを通ずる緊急融通スキームもございますので、前回のような問題にはならないかと思いますが、依然として注目すべき問題かと存じます。  時間もございませんので、それ以下簡単に触れたいと思いますが、主要先進国のエネルギー消費の動向で、依然として省エネ、脱石油は続いておるということでございまして、イギリスを除けば経済成長はある程度伸びておるし、若干減っておるところもございますが、それ以上にエネルギー消費は減っておるし、それ以上に石油消費は減っておるということで、石油依存度も下がってきております。ただ、ここにある数字ですと若干石油依存度の低下は頭打ちになっておるかと思いますが、七八年程度に比較しますと、いずれもかなりの減でございます。  それから、その下の欄で主要先進国のエネルギー需給でございます。八二年、ちょっと数字が古うございますが、これは各国のエネルギー供給ソース別の比率でございます。ごらんになりますと、アメリカ、西独、イギリスは石炭の比重が非常に高いということでございます。フランスは原子力の比重が割と高いわけです。フランスについて申しますと、一九九〇年までに原子力を大体三〇%ぐらいに持っていこう、石炭と天然ガスで大体三〇%ぐらい、石油を大体三〇%ぐらい、その他を一〇%ぐらい、こういう計画を立てております。日本は、先ほどの表でございますが、石油を五〇%強、石炭は一八%ですが、ガスと原子力は一一、二%、こういうことかと存じます。  それから、我が国のエネルギー需給でございますが、先ほども申し上げましたように、特に二次ショック以降産業構造の変化、省エネルギーというのが進みまして、三年間GNPは三%以上伸びたのに、下にもございますが、エネルギーは三%以上減ったということでございます。  ただ、五十八年度につきましては、猛暑、厳冬という季節的要因もございまして、ようやく低下に底を打つということでございます。例えば石油について申しますと、ここに書いてございますように、年度当初は三・九%の減少というのを見込んでおったわけですが、実際は四・四%増加、上下八%の狂いが出たわけでございますが、これは厳冬の影響が非常に大きいということでございまして、その次のページにもございますが、例えば灯油につきましては、五十八年度下期は二二%もふえておるというようなことでございます。そのほかについても同様でございますが、灯油の中に典型的に見られるように、そういうことでございます。それから運輸用の軽油とか石化分のナフサというのもふえておる。それから産業用C重油も大幅に減るということでございましたが、これもほぼとんとんまでになっておるということでございます。それから電力の需要につきましても、当初三・一%の伸びが四・九%、これは冬の暖房ということがございます。それから大口電力あたりも、セメントを除きまして七月以降伸びに転じておるというようなこともございまして、予想よりは相当上回っておるということでございます。  五十八年度のエネルギートータルではどうだろうかということで、これは最終的にはまだ出ておりませんが、四%ぐらいは伸びるのじゃないかということでございます。四月から十二月もその程度になっております。  それからその結果でございますが、その下にもう一つ表がございますが、最近の二次エネルギー危機以降どういう姿になっておるかということでございますが、エネルギー需要、石油供給も一次ショック以後やはりふえておりまして、二次ショックの始まった五十四年までふえ続けたわけでございますが、五十四年をピークにしまして減り続けておるわけでございます。石油は三億一千七百万キロリッターから二億四千万キロリッターに減ったわけでございますが、エネルギーの消費以上に減っております。そのかわりに代替エネルギーがふえておりまして、それで全体として四億四千三百万キロリッターから三億八千八百万キロリッターに減ったということでございます。その中で特に顕著なのは、天然ガスと原子力でございまして、石油ショックの起きたときには天然ガスは大体一・五%ぐらい、原子力は〇・六%ぐらいで、石油換算で六百万ないし三百万キロリッターということでございましたが、五十七年度はここにございますように二千七百万、二千六百七十万、大体七%ぐらいまでふえておるわけでございます。五十八年度につきましては四―十二月の数字しか出ておりませんが、石炭を除きまして依然としてふえておるわけでございます。  なお、石炭につきましては、電力用炭は相当伸びておるわけですが、セメント、鉄鋼の不況による消費量の減少ということで、代エネの中で、ちょっとこれエネルギーといえるかどうかわかりませんが、減っておるということでございます。  大体二十分ぐらいというお話でございますので、とりあえず私の説明は、あとございますが、終わらせていただきたいと存じます。

渡辺秀央自由民主党・新自由国民連合

○渡辺小委員長 御苦労さんでした。  次に、構造改善法の施行状況について、山田審議官から聴取したいと思います。

山田勝久通商産業省大臣官房審議官

○山田(勝)政府委員 お手元にお配りしました縦長の「特定産業構造改善臨時措置法の施行状況」というものに基づきまして、簡単に現況を御説明いたしたいと思います。  昨年九十八国会におきまして、この法律を可決をしていただきまして、五月二十四日、ちょうど一年前でございますけれども、法が施行されております。現在まで二十二業種、ここに一覧表がございますけれども、二十二業種、うち二十一業種が通産省の所管でございます。残りの一つが砂糖でございまして、農林水産大臣の御所管でございます。なお、この法律ができます前に、ちょうど昭和五十三年でございますけれども、第一次石油ショック後の不況対策ということで、特定不況産業安定臨時措置法というものがございました。これは過剰設備の処理を中心といたしまして施行してきたわけでございますが、その継続案件と申しますか、継続業種が十一業種、それから今度の法律の結果出てまいりましたものが、新規業種と申しておりますけれども、十一業種、合計二十二業種でございます。  現在の施行状況の御説明に入る前に、簡単にこの法律制定までの経緯をちょっと回顧してみますと、第一次石油ショックと第二次と、両方にわたる石油危機を契機としまして、原材料、それからエネルギーコストの上昇がございます。そして構造的な困難に陥っておりました基礎素材産業をひとつ前向きに構造改善しようということでございました。まず、産業構造審議会の中に基礎素材産業対策特別委員会、円城寺次郎さんが委員長でございましたけれども、これを五十七年八月に開催をいたしました。その答申を受けまして、私ども通産省では、いわゆる山中六原則と申しますか、当時の山中通産大臣の指示によりまして、次の六原則のもとに新しい法律と新しい構造改善政策を行っていこうということを決めたわけでございます。  その第一が、縮小と活性化ということでございます。単に設備過剰を縮小するだけではなくて、技術開発等々、いろいろ前向きの活性化を図っていこう。従来の特定不況産業安定臨時措置法がやや縮小化ということだけに目を向けていたわけでございますが、今度のものはひとつ活性化もやろうということでございました。  それから第二番目、この特定産業ということになりますと、いろいろ地域別に集中しておるものが多うございます。したがいまして、雇用あるいは地域経済への影響の緩和ということも、またこの法体系その他で行っていこうというのが第二のポイントでございます。  それから第三でございますけれども、総合的な対策を実施しよう、いろいろ活性化投資などの税制あるいは金融上の応援も、またこの法体系以外にひとつ行政として行っていこうということが第三でございました。総合的な対策の実施。  それから第四番目が、民間の自主性の尊重ということでございます。この法体系の中にもいろいろその考え方が入っておりますが、単に通産省がこうしろということではなくて、まず業界の自主的な努力あるいは考え、そういったものを通産省がサポートしていく、こういう道筋をとるというのが第四でございます。  それから第五は、競争政策の重視と開放経済体制の堅持ということでございます。とかくカルテルということになりますと、やや競争制限的になるおそれがございますので、この辺を十分注意をして、まず競争政策とこれら産業政策との関連について十分詰める、それから外国との関係におきまして、波打ち際での保護主義はとらぬ、こういうことで競争政策と自由貿易というものとの関連を十分注意をするというのが第五番目でございます。  それから第六番目でございますが、永遠にやっているというものではございませんで、対策の時限性というものをうたった。この第六番目までの原則のもとに、昨年御審議をいただきまして成立をしたのがこの法律でございます。  ざっと見ていただきますと、いろいろ時点を追いまして、二十二業種ありまして、まず、構造改善基本計画というものを作成いたします。そして、その場合には関係の審議会の意見を聞くというプロセスがございます。それから処理すべき過剰設備の量を初めとする構造改善の内容が提示されまして、そして告示というプロセスで現在各業種が行われているわけでございます。  次のページでいろいろ対策がございますけれども、中心になっております対策に応じまして、その施行状況を御説明させていただきます。  まず第一が、共同行為の指示ということでございます。この対策のいわゆる縮小と活性化の、まず第一の縮小の方でございますけれども、これは構造改善基本計画で定められた過剰設備の処理ということがございます。先ほどの自主性ということによりますので、第一義的には事業者の自主努力によるけれども、事業者の自主努力だけでは円滑に設備処理ができない場合には、主務大臣が事業者に対して共同行為を実施すべきことを提示することができるわけでございます。この場合、二十二業種ございますけれども、現在自主的に業界が過剰設備の処理を行っている業種が十七業種、後ほどの表でどの業種がどうかということを申し上げますが、十七業種。  それから主務大臣の共同行為指示によるもの、いわゆるカルテルを結んでいるものが五業種でございます。エチレン、ポリオレフィン、塩化ビニール、化成肥料、それに洋紙、この五業種が共同行為の指示ということでございます。  それから第三の項目でございますが、事業提携、今度はこちらは販売の方でございます。産構法に基づきまして事業提携計画というものがございまして、十五計画にわたりまして販売提携、これはこの産業の流通面における合理化ということを図るために十五計画が実施されているわけでございます。十五計画の一覧表はそこにございますけれども、これにつきましては公正取引委員会とも十分な調整を行い、これを承認したわけでございます。一覧表がずっとございますので、ちょっと目を通していただければと思います。なお、各参加の企業名が各業種ごとに載っておるわけでございます。  それでは、この横長の一覧表をちょっとごらんいただきたいと思います。  ちょっと字が細かくて恐縮でございますけれども、この一覧表を見ますと、大体どのくらいの設備処理をやっているのか、現在の設備能力全体に対してどのくらいの規模になるのだろうかということがちょっと真ん中に書いてありますので、それをすうっと眺めていきたいと思います。  まず、一番上の電炉でございますけれども、これが処理目標値が三百八十万トン、一四%という規模でございます。これは共同行為の方はございませんで、自主的に行っておりまして、まず構造改善の主眼点というものは高効率設備への集約化ということを目標にいたしておるわけでございます。  それから、割合に典型的な業種でございますアルミでございますけれども、これが九十三万トンということで、これは前からの継続も含めております。これはずっと歴史が古いわけで、今回の分と前からの分を合わせまして、何と五七%の処理目標値になっておるわけでございます。これは構造改善の重点といたしましては、重油火力発電を石炭転換するということ、それから新しい技術、これは溶鉱炉法と呼ばれておりますけれども、この研究開発を進めるということでございます。なお、この技術開発につきましては後ほどの表に予算措置が行われておりますので、また後ほど御説明いたしたいと思います。  それから化学繊維関係が五つございますけれども、これが旧法のもとでの処理済みでございまして、追加の設備の処理はございません。なお、重点といたしましては、高効率設備への生産集中と高速多糸条製糸設備等の導入、こういうことを行っているわけでございます。  それから化学肥料、これが五業種ございます。アンモニア、尿素、湿式燐酸、落成燐肥、化成肥料でございますけれども、これが二〇%、尿素に至っては三六%、一七%、三二%、一三%、こういう範囲内での設備処理でございまして、この構造改善の重点につきましても、生産の集約化ということが一つ大きな目標ということになっておるわけでございます。  それから合金鉄、いわゆるフェロシリコンでございますが、これが一四%の処理目標でありまして、生産の受託、委託関係をやるということでございます。  それから紙、これが一番新しい指定業種でございますが、洋紙と段ボールでございます。洋紙の方が一一%、段ボールの方が二〇%ということになっております。段ボールの方が、恐らく景気その他いろいろ影響を受けるところが大きいということでございましょう。こちらの方の構造改善の重点ということになりますと、これは一つは生産集中ということでもございますし、原燃料のコストダウンということのために新しい設備を入れるということもございましょう。段ボールの方は生産の共同化、事業提携というカルテルがございます。  それから石油化学、後ほどいろいろ詳しく御説明があると思いますけれども、四業種ございます。エチレン、ポリオレフィン、塩化ビニール、エチレンオキサイドでございます。この方は共同行為ということによって設備処理を行う典型的な業種でございますが、構造改善の目標といたしましては、高効率の設備への生産集中化でございますとか、ポリオレフィンにつきましては、共販会社を四つ設立して、逆にこれを核といたしまして、生産も含めて流通の合理化を行うということでございます。塩化ビニールにつきましても、同じように四つの共販会社を設立いたします。そういったことで石油化学関係四業種、これが比較的典型的なこの法のもとでの業種でございます。  それからあと硬質塩化ビニール管と砂糖が、これは法律が政令に委託をしております業種でございますけれども、これが設備処理関係でいいますと一八%ないし二六%でございます。それぞれ生産受委託関係の事業提携ということで合理化を進めているのが現状でございます。  あと、その次のページは、これは先刻先生方も御存じの法体系の概要でございますので説明を省くわけでございますが、まず、業界の自主的な動きというものがございます。もちろんその前に、この法律自体が業種を指定している、もう大体これが改善するべき業種であろうということであらかじめ法定されているものがございます。また、それ以外に政令で指定することが、例えば砂糖のようにございますけれども、まずは一応大枠がありまして、その後業界の自主的な見解というものがあり、また関係審議会の御意見ということがございまして、後刻また公正取引委員会と意思の疎通がございまして、最終的に主務大臣が指定、承認、いろいろ手続がございます。  このほかに、次のページにございますようないろいろ予算あるいは金融、税制上の措置という努力を行っているわけでございます。  五十九年度関係につきまして概略御説明いたします。  まず予算でございます。  燃料転換。そもそも石油危機ということで始まりましたものでございますし、この基礎素材関係が自分で持っている火力発電所が歴史的にかなりございますので、この辺をひとつ石炭火力に切りかえようということのための補助でございます。九十六億円という一つの枠の中の三十七億がこの関係に使われるわけでございます。  それから第二番目が技術開発でございます。単なる縮小ではなくて、これをひとつ前向きに行っていこう。例えばアルミでございますと、今現在のままでは世界一コストが高い。しかし、エネルギーを余り使わない新しい方法はないだろうか、それによって生き残れるということがございます。それが溶鉱炉法ということでございまして、これに対して三億五千万円を、継続でございますけれども計上いたしております。  そのほか、溶融還元鉄、それから廃液利用の製紙技術開発、こういうことで、こういう前向きの施策も同時に行っているというのが今度の法律の精神でございます。  それから税制でございますが、活性化投資ということでいろいろ特別償却制度をお願いをし、初年度一八%の特別償却という一つの制度を設けていただいております。  それから、そのほか法人税関係でございますけれども、過剰設備の廃棄によって生ずるいろいろの欠損金につきまして特段の臨時措置をとっていただいておるわけでございます。  それから事業提携をひとつ強化しよう、これはこの法律の一つの目標経路でございますので、この辺の事業集約化ということによるいろいろの税制上の恩典というものによりまして、この法律の施行の円滑化を支援するということでございます。  それから財政投融資でございますが、特利ということで、基礎素材産業の活性化設備投資に対して開銀から融資をする、その枠が百七十億円、前年度が百五十億円でございますから、この割合厳しかった財投の枠の中で、この辺はいささか注目をしてつけていただいた箇所でございます。  それからエネルギーの有効利用あるいは産業技術の振興融資、これは従来からある制度を特段この法律の対象にも活用しようということでございます。  それから運転資金というものが実はございます。基礎素材関係の設備処理をいたしますと、例えばその事業所を閉鎖する、あるいは事業所が半分しか稼働しない、そうなりますと、いわゆる退職する方も出てまいるわけでございます。そういった方々への措置をスムーズにするために、会社としては当然運転資金が必要になるわけでございますが、そういった面での低利融資制度、これは金融債引受措置というやや迂回する制度でございますけれども、これによって資金を捻出したわけでございます。  それから、従来からございます特定産業信用基金というものがございますけれども、これを活用しようということでございます。  以上、法律の体系を支援するという意味で、予算、税制、財投の措置も今年度やらしていただいておるわけでございます。  二十分ちょうどになりましたけれども、ちょっと概略御説明させていただきました。

渡辺秀央自由民主党・新自由国民連合

○渡辺小委員長 御苦労さまでした。  次に、野々内基礎産業局長から事情を聴取したいと思います。

野々内隆公正取引委員会経済部調整課長

○野々内政府委員 「基礎素材産業の現状について」という資料をお手元にお配りしてあると思いますが、現状のポイントを申し上げます。  まず鉄鋼業でございますが、最近の景気は、御承知のようにアメリカ経済の上昇、それに伴う輸出の増加というようなことを反映いたしましてかなり生産がふえておりまして、五十七年度が一億トンを割っておりましたが、五十八年度は、本年に入りまして上昇いたしまして一億十八万トンという形で、やっと少し一億トンを超えだというような状態でございます。それで、鉄鋼会社の経理も、五十八年度の上期は赤字でございましたが、下期には若干の黒ということで、大手の六社ぐらいをとってみますと、大体上期で五百億ぐらいの赤でございましたが、下期で半分ほどを返しまして、通年では二百五十億前後の赤字でとどまるというふうに見込んでおります。  他方、韓国とか台湾からの鋼材の輸入、これが非常に速い勢いで伸びておりまして、ここに数字が書いてございますが、五十七年度で百八十九万トン、五十八年度で三百二十四万トンということでございまして、いろいろなものを足しますと、大体五百万トン近い輸入でございます。これは率にいたしますと全体の五%程度でございまして、アメリカは今二〇%を超える程度の輸入になっております。ただ、その五%程度輸入になりましても、特定の部分、特に厚板とかホットコイルというような特定の部分に集中的に輸入が行われておりまして、その部分の国内の相場を冷やすという形で鉄の経理に非常に大きく影響をいたしております。輸出元は大体半分以上が韓国でございまして、あとが台湾、それから遠くではブラジル、最近ルーマニアが大変ふえてきておりますが、こういうような発展途上国からの輸入がふえてまいりまして、将来、こういうものと対抗してどのように鉄鋼業を合理化していくかということが大きな問題になるかと思います。  他方、御承知のように鉄は粗鋼ベースで一億トンのうち三千万トンぐらいが輸出でございますので、輸出の動向というのは非常に影響するわけでございますが、アメリカでは通商法二〇一条によりまして輸入制限の提訴が行われておりましたり、あるいは既に議会ではアメリカの鉄鋼の輸入を総消費の一五%に抑えるというような議員提案も出されておりまして、かなり保護主義的な傾向もございますが、私どもは、アメリカに対しましては秩序ある輸出ということに心がけるようにいたしておりまして、また四半期ごとにアメリカ政府との間の協議を行いながら、問題のない形で輸出を伸ばしていきたい、かように考えております。  輸出は、アメリカが最近非常にふえてきておりまして、大体六百万トン程度、中国が七百万トン程度で非常に大きな市場でございますが、輸出は何としても不安定な要素もございますので、秩序ある輸出を心がけながら、国内の合理化というものに引き続き努める必要があるというふうに考えております。  鉄の国内需要は、半分ぐらいが建設関係でございますが、御承知のように公共事業が横ばいというような状態でございますので、やはり設備投資が伸びないと鉄鋼の国内需要が伸びないというような状態でございますので、国内の設備投資の動向及び先ほど申し上げました輸出、三千万トンの直接輸出のほかに自動車とかVTR、機械という形で間接的な輸出もございまして、大体鉄の需要のトータルの半分ぐらいはこういう直接、間接の輸出で占められておりますので、輸出の動向というのが非常に影響するわけでございます。  それから、石油化学でございますが、御承知のように構造改善をいたしておりますが、これも国内の景気の回復、それからアメリカの景気の回復、こういうもののおかげで最近かなり生産がふえております。従来アメリカから日本への石油化学製品の輸出がございましたが、アメリカの内需がふえたおかげで日本向けの輸出が落ちてまいりました。それから、東南アジアに出ておりましたアメリカの輸出が落ちたということで、その部分を日本が埋めるという形で輸出も伸びておりますので、年間エチレンベースで四百万トンぐらいの、かなり高いベースにふえてきております。現状では、休止中の設備を除きますとフル稼働であるというふうに言っていいかと思います。  ただ、輸入はやはり依然として大体一割ぐらいの状況でございます。これも五十七年度は二百億ぐらいの赤字でございましたが、五十八年度は下期から回復に転じまして、私今、手元に持っております大手五社で見ますと三百億を超えるような黒を出しておりまして、最近かなり経理の改善が見られております。  ただ、非常に問題なのは二点ございまして、今現在景気がいいというのは、アメリカの景気がいいということが非常に影響いたしておる、これは鉄と同じでございますが、アメリカが大統領選挙の後今のような景気が続くのかどうか、これが非常に大きなポイントでございまして、もし景気のスローダウンあるいは落ち込みが大きいと、アメリカの輸出余力があって日本、東南アジアに輸出をしてくる、あるいは日本からアメリカ向けの輸出が落ちるということで、需要に大きな影響が及びます。  もう一点は、シンガポール、サウジアラビアというような国が石油化学のプラントをつくっておりますが、これが稼働を始めます。既にシンガポールはことしから稼働を始めましたが、サウジアラビア、それからカナダ、台湾というような国で来年から石油化学プラントの稼働が始まります。一度に日本の総需要を超えるような能力増が行われるわけでございますので、これらの輸出先としましては、やはり日本は非常に魅力のある市場でございます。したがいまして、アメリカの景気の後退、こういう中進国あるいは産油国のプラントの稼働、この二つが重なりますと、日本の石油化学にとって大変問題になると思います。したがいまして、先ほど山田審議官から御説明がございました構造改善、これを積極的に進めまして、現在比較的経営がよくなってきております、この余力を使いまして、設備の処理あるいは新しい技術開発、こういうことに進みたいと思っておりまして、来年は日本の石油化学にとって正念場ではないかというふうに考えております。  それから、化学肥料につきましては、現在構造改善を進めておりますが、これは、肥料価格安定等臨時措置法という法律がございまして、指定された肥料につきまして、購入側である全農とメーカーが価格の取り決めを行うという法律でございますが、これが本年六月で期限切れになりますので、さらに五年間の延長ということで、農林水産委員会で審議をお願いいたしております。参議院が既に終わりまして衆議院の審議待ちという状態でございます。  それからもう一枚、「主要基礎素材産業の現況」という資料をお配りいたしておりますが、今申し上げたので尽きるかと思いますが、一つこの資料の下から二つ目に「アルミニウム」というのがございます。これは相場変動が非常に激しい商品でございます。この「生産」のところをごらんいただきますと、五十八年度生産が二十六万トン、輸入が百三十八万トンということで、圧倒的に輸入が多い。アルミは電力料金が非常に大きく響きますが、我が国の場合は諸外国に比べまして電力料金が高いものですから、残念ながら競争に負けているという状態でございます。この「価格推移」のところをごらんいただきますと、五十七年の六月にはトン当たり二十九万一千、それが昨年には四十七万まで上がりまして今また三十六万九千というふうに、相場の変動が非常に大きいもので、これが経営を不安定にいたしております。これを今後どういうふうに安定化させていくかということが当面大事な問題かというふうに考えております。  それからもう一つの「「基礎新素材研究会」の設置について」という資料がお配りいたしてございます。最近省資源、省エネルギーとか、あるいは情報化の進展ということで、各種のエレクトロニクス関係の機械の開発が行われておりますし、また航空機とか海洋開発とか高度な技術の開発が行われますと、それに使われる素材はやはり高度な素材が必要になってまいりますので、最近、こうしたユーザーの要請を受けまして、素材産業では新たな機能を持った新しい素材の開発が非常に盛んになっております。そこで、こういうものを促進し、あるいはバックアップするという観点から、基礎産業局の中に基礎新素材研究会あるいは基礎新素材対策室というものをつくりまして今後促進をいたしていきたい、かように考えております。  通産省におけるこの新素材の取り組みは、産業政策局におきまして全体の取りまとめを行っておりまして、例えば将来の見通しというような研究発表をいたしておりますが、それによりますと、紀元二〇〇〇年では新素材の需要は約十兆円に達する、それから、関連のものを入れますと市場規模が六十数兆円に達するというような見通しを産業政策局で発表いたしております。それから生活産業局では、セラミックスあるいは炭素繊維というような新素材の振興をいたしております。私ども基礎産業局では、主として金属、樹脂系の新素材について研究をいたしておりまして、あるいは技術開発は工業技術院が分担をいたしておりますが、こういうものを取りまとめて、通産省全体として将来の新素材対策を進めたいというふうに考えておりますが、検討項目といたしましては、ここにございますように、金属、樹脂系の新素材の分析あるいは動向、特にユーザーの動向ということに重点を置いております。  こういうものは機能という点にポイントを置いておりまして、例えば自動車のエンジンでございますと、これは現在鋳物が使われておりますが、アルミでも使いますし、それからセラミックでもいいということで、そういう自動車のエンジンに適した素材であればどういう素材でもいいということで、今後こういう素材の動向というのが機能中心でいきまして、素材間の競合というものが非常に激しくなると思います。また、特定の素材だけではなしに、例えばプラスチックと鉄のサンドイッチのような複合素材というものも既に一部実用化されております。  それからプラスチックでも電気を通ずるプラスチック、現在、電気は金属を使っておりますが、もしプラスチックが電気を通ずるようになりますと、非常に軽くて加工しやすい素材ができるわけです。  それから形状記憶合金というような、一定の温度では一定の形になるという合金が一部開発されておりますが、例えば、アメリカでは航空機のパイプの接続に使いまして、低温では非常に小さな穴になるパイプをつくっておきますと、この接続は、上空に参りますと、温度が冷えますと冷えるほどパイプの接続がきちっと締まってくるというようなふうに現在使われております。日本では、一部エアコンの空気の吐き出し口の調整にこの形状記憶合金が使われております。  いろいろな新しい素材というものが、従来の既存素材を改良し、あるいは複合することによって使われておりまして、これが今後、我が国の機械産業あるいはいろいろな産業の高度化、こういうものを支えるという状態でございますので、今後通産省といたしましては、積極的に推進をいたしたい、かように考えております。  大変はしょりましたが、現状の御報告を終わらせていただきます。

渡辺秀央自由民主党・新自由国民連合

○渡辺小委員長 以上をもちまして政府からの報告聴取は終わりました。  速記をちょっとストップしてください。     〔速記中止〕

渡辺秀央自由民主党・新自由国民連合

○渡辺小委員長 それでは、速記を起こしてください。  政府に対する質疑は後日行うことといたします。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗