商工委員会 第19号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1984/08/03
会議録
○梶山委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。甘利明君。
○甘利委員 本日は、私にとりましての初質問であります。稚拙な部分につきましては、さらに勉強させていただくことで御理解をいただきたいと思います。 今回は、限られた時間でもありますので、中小企業の問題並びに原子力の問題について幾つかの質問をいたしたいと思います。 まず初めに、中小企業問題、特に投資減税や機械設備の法定耐用年数にポイントを置いてお尋ねをいたします。 戦後、我が国経済は幾多の困難を乗り越え、現在、世界経済の一一%を占める文字どおり経済大国へと成長してまいりました。その中で大きな役割を果たしてきたのが貿易と技術力であり、そして、それを支えた中小企業の歯を食いしばった努力であります。昭和三十年代半ばに始まった我が国の高度経済成長は、豊富で低廉な石油、そして鉄鉱石などの天然資源を大量に海外から輸入をし、進歩した技術力と良質な労働力を駆使し、大規模な装置型産業を生み出してまいりました。鉄鉱、アルミ、石油化学などの素材産業分野並びに自動車あるいは家電、カメラなどの精密機械の加工分野では目覚ましい発展が遂げられ、その結果、多くの製品が輸出競争力をつけ、欧米の先進工業国と国際市場において互角あるいはそれ以上の勝負をしてまいりました。二度にわたる石油ショックを経た後、経済は低成長へと移行してまいりましたが、依然として我が国は世界に誇る技術力を持ち、成長の余地を大きく残しております。 こうして過去の経緯を考えましたときに、少資源国である我が国が今後も先進国に伍して繁栄をしていくためには、技術革新を大きく前進をさせ、国際競争力ある商品を開発し、貿易立国、技術立国としてさらに研さんを積むことが必要不可欠であると私は考えますが、まず最初に、現在の我が国経済全般にわたる状況をどういうふうに御認識をされているか、また、今後の我が国経済の見通しをどうとらえておられるか、これはぜひ大臣にお伺いしたいと思います。
○小此木国務大臣 甘利委員御指摘のとおり、これまで我が国は、恵まれた国際貿易環境のもとに、官民挙げての努力によって発展してまいったことは言うまでもございません。勤勉な国民性、また、ともすれば創造性に欠けると言われた国民的体質を是正して、外国からの技術の導入をさらに一層発展させた、このような形の中で経済が発展してきたことも、言うまでもないことでございます。 しかし、我が国経済は現在、国際的な産業調整の必要性の増大あるいは欧米からの技術導入件数の停滞あるいは資源エネルギー情勢の不安定化、いろいろな変化に対応していかなければならない難局にあることも否定できません。そして、これらの変化に適切に対応しながら、産業構造というものを一層高度化して、我が国経済社会の活力の維持あるいは国民福祉の向上を図るとともに、国際社会の発展に貢献していくことが肝要でございまして、このためには、特に官民を挙げての積極的な技術開発の増進等が大いに必要であると私は考えます。
○甘利委員 私も、秘書時代を通じましてここ数年間、選挙区に帰りますと、もうすぐ景気は回復します、もうすぐですからと何度も何度も言い続けてまいったわけです。 しかるに、昨今も大手企業の倒産が頻発をするなど、どうも実感として景気が回復をしていない。どうもこのままでは私などはオオカミ少年にもなりかねないわけでありますけれども、本当のところ、景気の実態はどうなんでしょうか。特に、中小企業の景気はいまだ回復されずに、依然として厳しい状況が続いているように私には見受けられますけれども、お尋ねをいたします。
○小此木国務大臣 五十七年の十二月以来、中小企業の倒産の件数はウナギ登りでございまして、我々はこれを深刻に受けとめ、いかにすべきかということに非常に頭を悩ましてまいりました。この六月に至って、十数カ月ぶりに初めて倒産件数というものが減ってきたのでございますが、減ってきたからといって、景気が完全に回復したとその一事によって断定するということは確かに早計でもございましょう。 しかしながら、私は、ああ景気がよくなったなあという感じを持つまでに至った景気の回復というものは、これは相当なものじゃないかと思うのです。しかし、現実に数字の上では、確かに輸出関連中小企業を中心として景気が上向きになってきたことも事実でございますし、また、いまだに地域的、業種的にはばらつきがございますけれども、日本全体でもって景気が回復したということは、私はやはり、数字が証明しているものと判断いたしておるわけでございます。 詳細な面にわたりましては、政府委員から答弁させたいと存じますので、御了承願いたいと思います。
○石井政府委員 中小企業の景気回復の問題でございますが、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、今回の景気回復がまず輸出の増大という形で回復が始まったために、どうしても中小企業の場合でございますと、輸出の増加による生産誘発係数と申しますか、これは概して大企業の約半分程度でございます。 したがいまして、輸出の増加の中小企業の生産を引き上げる効果というのは、大企業の半分とはいいましても、それなりの効果を上げておりまして、加工分野、精密機械関係あるいは電気機械関係、こういった加工型の機械産業分野を中心として拡大をしてきたわけでございますが、さらに、設備投資の活発化がこれに加わりまして、最近におきましては、基礎素材型の中小企業分野におきます生産拡大も起こってきております。さらに、これに個人消費等の盛り上がりがございましたら全般的な中小企業の景気回復に結びつくのではなかろうかというふうに期待しておるところでございますが、ただ、消費関連が一進一退というのが今の実情でございまして、勤労者世帯の時間外賃金あるいはボーナス、こういったものの増大によりまして、私どもとしては、個人消費がさらに力強く回復することを期待しておるわけでございます。
○甘利委員 早く実感を持って景気回復が図られるようにぜひ切望するわけでありますけれども、私は現在の厳しい経済環境を考えましたときに、我が国経済が今後さらに発展をしていくためには企業の設備投資を活性化していく必要があると考えますが、税制上どのような措置が講じられているか伺いたいと思います。
○福川政府委員 設備投資につきましての税制上の措置でありますが、今年度からエネルギー利用効率化等投資促進税制、それから中小企業新技術体化投資促進税制、一般によくメカトロ税制と称しておりますが、そういったような設備投資の減税を実施いたしておるところでございます。従来から中小企業の購入いたします機械装置または特定基礎素材産業の活性化という観点から、これにつきましての特別償却等の設備投資の促進のための諸税制を実施いたしておるわけでございますが、今先生お話しのように、設備投資こそ構造の改善を図り、なおかつ内需を振興するという意味で非常に重要なことでございますので、私どもとしても、この税制の活用をさらに進めてまいりたいと考えております。
○甘利委員 今御説明をいただきました投資減税の資料がここにあるわけでございます。知っていれば聞くこともないのですが、どうもいま一つ効果が顕著ではないような気がするわけであります。今後さらに投資減税を拡大していくということが私はぜひとも必要であると考えますけれども、通産省のお取り組みはいかがなものでしょう。これもひとつできれば大臣に伺いたいと思っております。
○小此木国務大臣 新たな設備投資減税につきましては、現在我が国の設備投資が中小企業を中心にいたしまして順調に回復しているところでございます。さらに、今局長が御答弁申し上げましたように、今年度、エネルギー利用効率化等投資促進税制あるいは中小企業新技術体化投資促進税制というものを厳しい財政事情の中で行ったことは御承知のとおりでございますが、今後この設備投資を行った後の動向、そういうものの効果等を見詰めながら、中長期的視点に立って投資負担が軽減されるような措置を私どもは検討していく必要があると考えております。
○甘利委員 私の敬愛する小此木通産大臣のことでありますから、きっと私どもの期待にはこたえてくださると確信を持っております。 さて、先ほど日本経済の命運は技術革新にかかっていると私は申し上げましたが、技術革新の著しい設備につきましては、法定耐用年数を短縮させる必要があると私は考えますけれども、これについてはいかがなものでしょうか。
○福川政府委員 我が国におきます減価償却資産の法定耐用年数でございますが、これは費用の期間配分という観点から、資産の物理的寿命に経済的な陳腐化を加味して客観的に定めるという考え方をとっておるわけでございます。私どもは従来から、この法定耐用年数と現実の設備の使用期間との乖離があります場合には、その実態を十分把握した上でしかるべき措置を財政当局と協議をするという対応をとってまいっておるところでございます。今お話しのように、大変技術革新が進んでいるようなもの、こういうものにつきましては新規産業用機械の耐用年数の特例といった措置もございまして、私どもとしてもそういった実態に合わせた耐用年数の適用ということを働きかけてまいるということを考えていく等、従来からとってまいっておるところでございます。
○甘利委員 大変に前向きな御回答をいただいたわけでありますけれども、具体例を挙げますと、例えば印刷業におきましては設備の高性能化と申しましょうか、コンピューター化が急速に進んでいるわけであります。しかるに、関連設備の法定耐用年数はといいますと、これは資料によりますと実に十一年。これはたしか昭和五十年度に、十二年から十一年に一年を短縮されたはずでありますから、約十年間、十年前から一向に変わってないというわけでありまして、この技術革新の世の中、三年や四年程度は短縮してもいいのではないかというふうに私は思いますけれども、いかがなものでしょうか。
○福川政府委員 先生御指摘になられましたように、印刷関係も、印刷、製本、写真製版業界におきまして製本あるいは印刷の高級化、高速化、こういった必要性から、大変エレクトロニクス化いたしました設備の導入ということが進んでおる点は、私どももそのような認識をいたしておるわけでありまして、そういうことからいきますと、従来の設備の陳腐化のテンポが速まってくる、新鋭設備への更新ということがハイペースで進むという状況になりつつあるというふうに思っておるわけでございます。私どもも、このような現状から、印刷等の設備の短縮につきまして、使用の実態等を十分研究をいたしまして、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
○甘利委員 私もいろいろ頼まれているものですから、これはぜひ具体的に御検討いただきたいと思います。 中小企業問題の最後になりますけれども、中小企業が二十一世紀に向けて克服をすべき緊急の課題であります技術、エネルギー、地域経済の再活性化、これらのためには設備面での近代化にとどまらず、研究開発活動も活発化をさせるということが大変重要であると私は考えますけれども、大臣の御見解を伺います。
○小此木国務大臣 二十一世紀の新しい産業構造への道程を考えますときに、これまで我が国産業構造を根底部から力強く支えてきました中小企業が今後果たしていく役割には一層重要なものがあることは言うまでもございません。したがって、その活力の源泉たる研究開発等の活動に対する施策の充実が必要であるわけでございますが、このような基本的な認識に基づきまして、広く意欲のある中小企業を対象として、研究開発活動を初めとする技術の向上のために、先ほども申し上げましたように、税制であるとか、あるいは金融等の総合的な施策を通産省といたしましては今真剣に、検討いたしておるところでございます。
○甘利委員 ぜひ、通産省ここにありというくらいの頑張りを見せていただきたいと思うわけであります。 次にエネルギー、特に原子力の問題について御質問をさせていただきます。 そもそもエネルギー政策は、それぞれの国のエネルギー需要の動向や資源の賦存状態を踏まえて選択をすべきであるということは言うまでもございません。社会的ストックに乏しく、今後もなお成長の余地を残しながら、石油あるいは天然ガス、石炭等に恵まれない我が国にあっては、原子力開発をベースとしつつ、その障害を取り除いていくということが賢明な選択であると私は考えます。 政府は、先般五十九年度から六十八年度までの電源開発計画を決定をいたしましたが、その中で、六十八年度末の原子力発電所を現在の二倍強に当たる五十二基、これは現在運転中のものが二十五基というふうに聞いておりますが、それからすると二倍強に当たる五十二基でありますけれども、五十二基にふやすとしております。そうなりますと、六十八年度には電力供給構成中原子力発電が全体の三分の一を占めまして、文字どおり電力供給の主役となるわけであります。 原子力開発を進めるに当たっては、まず第一に、何よりも安全性の確保を最重点として推進をしていくべきであるわけでありますが、また同時に、本当に原子力が安全であるならば、その原子力の安全性についても国民にその実情をよく知ってもらうという面も極めて重要であると考えますが、その点についてはいかがなものでしょうか。
○柴田政府委員 原子力発電は、先生御指摘のとおり、今後電力供給あるいは広く一次エネルギー供給の中で主流をなしていくものと考えられるわけでございまして、国民にその安全性をよく理解していただく必要があるわけでございます。そのため現在、国といたしましては、実物または実物に近い機器を用いた安全性実証試験を行っているところでございまして、その結果を広く広報しているところでございまして、五十九年度におきましては、約六十八億円の予算を使って行っておるところであります。また同時に、国といたしまして講演会の開催、パンフレットの作成、映画の作成等各種広報事業を行っているところでございまして、本年度約八億円の予算を予定しております。また、地方自治体に対しましては、県あるいは市町村に対する広報事業助成という形で五十九年度十三億円を交付しているわけでございまして、過去においてもずっと予算をふやしてまいりましたけれども、今後ともこの充実に努めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○甘利委員 今後安全性の問題とも関連をして解決を迫られている問題が幾つかあるわけでありますけれども、その一つに原子力発電所の廃炉の問題があると思います。 一口に原子力発電所の耐用年数は三十年というふうに言われていますけれども、仮にそうであるとすると、あと十年もいたしますと、もうそろそろ耐用年数を迎える原発が出てくるわけでありまして、この廃炉の問題はかなり現実的な問題となってくるわけであります。 そこで、この廃炉問題についてどのように対処しておられるか、伺いたいと思います。
○小川政府委員 ただいま先生が御指摘になられましたように、まだ時間的余裕はあるというものの、いろいろ詰めるべき課題の多い廃炉問題、そろそろ取り組まなければならないというふうに私どもも認識しております。そのため現在、総合エネルギー調査会の中に原子力部会、さらにその下に原子炉廃止措置対策小委員会というものを設けまして、こういった廃炉に伴ういろいろな技術開発だとか、廃棄物の処分だとか、資金の調達であるとか、そういった具体的な問題について詰めまして、廃止措置の基本的なシナリオを固める検討を開始いたしまして、来春のころをめどに報告をまとめる予定でおります。
○甘利委員 この廃炉に当たってはさまざまな研究がなされているようでありますけれども、いずれにしても、これは相当なコストがかかるんじゃないだろうかと思います。この廃炉コストをどういった形で電気料金に組み入れていくのか、そこら辺の点について若干の御説明を伺いたいと思います。
○小川政府委員 御指摘の廃炉費用につきまして、その発生した時点で費用を捻出するか、あるいはあらかじめ先立ってその費用を積み立てておくかといったような議論が、御指摘のように負担のあり方ということで問題になるわけでございます。 ただ、これまではその費用の算定につきまして、まだ処分方法が確立しておりませんでしたものですから、そういった将来発生する廃炉費用についての負担をどうするかということは固まっておりませんでした。しかし、先ほど申し上げました原子炉部会におきまして、この廃炉の具体的なシナリオの検討を開始いたしましたので、そういった検討結果を踏まえまして、今後その費用負担のあり方、資金調達のあり方を検討していくように考えております。
○甘利委員 いろいろな方式を検討中ということでありますけれども、海外等でも廃炉の方式については、大体三種類くらいが検討されている。密閉管理方式と遮へい隔離方式、そして撤去解体方式が大体主な方式のようでありますけれども、廃炉の方法によっても当然そのコストというのは違ってくると思います。けれども、一説にはこれは数十億から数百億かかる、中には、新聞によりますと八百億かかるというような試算も外国ではされているようであります。そうした廃炉コストを考慮しても、なおかつ原子力発電のコストというのは他の発電コストと比較しても安いということが果たして言えるのかどうか。 これは二十一世紀は原子力発電に依存するわけだと思いますけれども、その根幹にかかわる問題だと思いますので、できれば具体的な数字でお示しいただければありがたいと思うのですが。
○小川政府委員 通産省のモデル試算で見ますと、昭和五十八年度に運転開始をいたします発電所の初年度コストでございますと、原子力につきましては一番安く十二円五十銭程度ということで、石炭火力が十四円とか石油が十七円、LNG十七円に比べて安いということでございます。ただ、それにつきましては、先生御指摘の廃炉コストは算定しておらないということで、私どもの今の数字に対しては、廃炉費用等を織り込んでないバックエンドの費用を追加しなければいけないということだと思います。 私ども、今までの得られた知見によります、おおよそのエスチメードでございますと、こういった廃炉等は入っておらないバックエンド費用は、十二円五十銭と申し上げました原価に、おおむね一割程度上乗せになるという見通しを持っておりまして、一割程度の上乗せがございましても、ただいま申し上げました、ほかの発電原価との比較におきましても、まだ原子力の経済性は損なわれないという見方はしております。しかし、不確定な部分を踏まえての今の見込みでございますから、さらに廃炉そのものについて具体的な検討を原子炉部会で進めまして、そこをきっちりした見通しを持って、より正確な見通しというものを今後持つようにしていきたいと考えております。
○甘利委員 ひとつ、安全性とコストの二点につきましては、ぜひ十分これからも研究をしていただきたいと思います。 それから安全性に関連して、以前から論議されている問題でありますけれども、原発から発生する低レベル放射性廃棄物につきましては、現状はどういうふうに対処をされているか、ぜひ伺いたいと思います。
○松田政府委員 原子力発電所から発生します、いわゆる低レベル放射性廃棄物につきましては、さまざまな方法で容積を減らしまして、セメントあるいはプラスチック等で固化いたしまして適切な処理を行い、安全にドラム缶に封入した上で貯蔵庫にためておるというのが現状でございます。 昭和五十八年度末現在その保管量は、二百リットルドラム缶で総計約三十七万本という数字でございますが、発電所にございます。その貯蔵施設の保管能力は現在約六十四万本という状況でございます。各発電所によって若干規模は異なりますけれども、トータルといたしましては、当面の運転に伴って発生する廃棄物を十分貯蔵して保管していく能力があるということでございます。 なお、発生します廃棄物の固化技術につきましても、さまざまな技術開発に伴って新しい施設が導入されようとしているという状況でございます。
○甘利委員 まだ質問をしたいところでありますけれども、もう時間もなくなってまいりました。 原子力は我が国の将来のエネルギー事情を託すわけでありますから、安全性とコストの問題につきましては、さらに十分にぜひ御尽力を願いたいと思います。 時間も参りましたので、これで私の質問を終わります。
○梶山委員長 次に、加藤卓二君。
○加藤(卓)委員 甘利先生と同じように、昨年の暮れに新人として皆さんの仲間入りをさせていただいた加藤卓二でございますが、なれないために何か失礼がございましたら、あらかじめ御了承願いたいと思います。 中小企業を代表するような形で皆さんに薦められて出てきた加藤は、戦後基幹産業である製鉄だとか、また石油を初め電機に限らず大変高度成長しておる中で、アメリカ型の産業というのですか、電化製品初め自動車、それにスーパー等、通産行政のよろしきを得て大変大きく伸びてきている現状の中で、どうも中小企業が大変苦しい思いをしている。これは、とにかく通産行政が、大変適切な措置というよりも、自由経済を非常に大事にしてくれた大きなあらわれじゃないか。 ただ、言えることは、自動車やなんかはすそ野を大変大きく広げてくれた。関連した石油の需要も伸ばしていただくと同時に、その課税のよろしきを得て揮発油税とか重量税、これは一部問題になるところもございますが、そういうような形の中で道路も大変よくしていただく。おかげでメーカーだけでなく、すそ野にはディーラー、そしてまた、それを整備する整備工場だとか、私は、大変うまく大きく育ってきた産業じゃないかと思うのです。 中には、大型のスーパーみたいに中小企業を大変、痛めつけたというのもいささか問題があるかもしれませんが、何かと物議を醸すような問題も多い業種もある。そういう中で最近VAN等を通じる情報化社会が来るという。その中で、中小企業をぜひそういうすそ野の中にも入れていただけるように、メーカーサイドの大きな支援がいただけるような形でお願いしたいと思うのでございます。 とにかくアメリカ型の発展、今後もVANは大きく産業の中の中心をなしてくるように思うわけでございますが、情報化が大変進んでいく中で、中小企業が取り残されないようにするための役目を通産省はどんなふうに考えておられるか。そういう観点から、来年度中小企業の情報化に対する通産省の施策等に関して、特にこれから農地を提供する関東近県の農家の方だとか、日本の農地を提供する農業従事者に対しての思いやりがどんなふうになるか、基本的な大臣のお考えをお聞きしたいと思うわけでございますが、よろしくお願いいたします。
○小此木国務大臣 加藤委員が、戦後の日本の経済の発展を非常に素直な目でごらんになっておられると、深い敬意を表する次第でございます。 また、VAN等のいろいろな問題の御質問がございましたけれども、我が国社会の情報化が急速に進展するものと見込まれる中で、中小企業は、率直に言って大企業に比べて格差が見られるということが今の状態でございます。 そこで、従来からオンライン化を中心とする情報ネットワーク化が中小企業経営の合理化あるいは効率化に資するものであることから、通産省といたしましても、中小企業のコンピューター導入等に対しまして積極的に支援してまいったものでございます。今後は大企業と中小企業の情報化格差を是正するとともに、中小企業も情報化によるメリットを享受して経営力の向上を図ることが必要であることは言うまでもございません。このために情報化による中小企業の取引関係への影響を十分に配慮しながら、中小企業の情報化への対応努力に対しまして、さらに通産省といたしましては支援を行ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○加藤(卓)委員 今大臣から大変適切なお話をいただいたわけでございますが、とにかく情報化社会が来るということで、中小企業の人たちというのはどんなふうなものかという形で非常に関心を深めると同時に、非常に心配もしている。実際の話、自動車やなんかは私たちも比較的素直に入れて、私たちの知っている人たちもこの世界へ入ってきたわけでございますが、ただ、関東内陸部の開発について、私の方は、工業再配置計画という形で通産省の方でいろいろ東京都内にある工場を誘導地域、関東初めいろいろなところへ移す努力をなさっておるのですが、これもどうも見直す時期に来ているんじゃないか。当時とすれば大変適切な措置であっても、非常に多様化される産業の構造の中で何か非常におくれている問題、逆に、はっきり申しますと、どうも情報化社会が来るという形になるわけでございますが、関連産業だとか試験場だとか研究所だとか大学やなんかを誘致できた場所もございますでしょうが、逆に言いますと、産学一体が叫ばれているときでございますので、その工業再配置計画の見直しをいかが考えておられるかということ、それに情報関連のサービスだとか研究所だとかもぜひ加えていただけるような考え方がございますかどうか、御答弁をお願いいたします。
○小此木国務大臣 今の工業再配置計画は、昭和六十年を目標といたしまして過疎過密の同時解消を図るとともに、主に基礎素材型工業の適正配置に重点を置いた計画としているところでございます。 近年、安定成長経済への移行、産業構造の知識集約化への進展等、工業再配置計画を取り巻く情勢には著しい変化がございまして、このために、このような時代の変化に対応した新工業再配置計画を策定すべく今検討作業を鋭意行っているところでございます。
○加藤(卓)委員 工場というよりも、今後関東の内陸地区の誘導地域に指定される場所の中で、過疎と過密というか非常にばらつきがあるように思うのです。 私の県は埼玉県で、革新系の知事さんがおられた関係で、この間選挙をやった中でどうも対決姿勢があるんじゃないかと言われて、私たちもそう信じてきていたのですが、最近知事さんは東京の方へもどんどん出てこられるし、大変積極的に政府との対話を図っていきたいというふうに見受けられるわけでございますが、関越高速道路ができたときに、あの辺でエアポケットみたいにちょっとおくれている場所が残っているんじゃないか。工場誘致する場合に水資源という非常に良質な資源を持っているところでございますし、また関東内陸の中でも東京に非常に近いところという形で、埼玉県北に対しての——大臣にお答え願うにしては少し小さい問題のようですが、武蔵の国を治める人が天下を治めるんだという観点の中で、通産大臣からの御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
○小此木国務大臣 知事さんがそのような意欲をお持ちになり始めたということで、大変結構なことでございます。中央との接触をもっと深めて、私どもは埼玉県の発展を祈る次第でございますが、そのようなことに関していささかも協力を惜しむものではございません。どうか一層御奮励いただきたいと存ずる次第でございます。
○加藤(卓)委員 大変前向きな姿勢、感激し感謝するわけでございますが、通産行政に携わる皆さんの方でも、ぜひこれを頭の中に入れておいていただきたいと思うわけでございます。 先ほどから中小企業の問題、いつも皆さんが大変心配してくれる問題なんですが、これは私も専門分野としてこれから一生懸命勉強していきたいことなんです。甘利先生も、中小企業が極めて厳しい状況下にあるのだということを指摘なさっておられましたが、私もこの点は同感でございます。大変厳しい中小企業が今日の日本経済をつくってきたんだという気持ちは私たち自負の中にあるわけでございます。 中小企業が石垣となって、その上に大きなお城ができている日本の経済機構を発展させるためには、今後とも中小企業を発展させたいという形で、技術力の向上を図るとともに、中小企業に対する情報の提供も整備していただきたい、そんなふうな形で中小企業庁長官にぜひお考えをお聞きしたいと思います。 その場合に、産地にある組合だとか、いろいろな団体をどんなふうにお使いになるかも、あわせてひとつお話し願いたいと思います。
○石井政府委員 我が国経済の基底を支えております中小企業の活力の源泉が技術開発にあることは申すまでもございません。その意味におきまして、現在、情報提供体制の整備等のいわば基盤整備を行い、さらにそれに加えまして、中小企業の研究開発活動の活発化の支援を総合的に講ずるように、六十年度に向けて検討を重ねておるところでございます。 具体的に情報提供体制の問題を申し上げますれば、現在、中小企業事業団を中心といたしまして地域情報センターを設けてございますが、このオンライン化を進めることによって、中小企業への情報提供の基盤をつくり上げることをさらに一層進めていこうというふうに考えておりますし、さらに中小企業が、そういった情報提供体制を活用できるような電子計算機等の導入に関しましては、十分その有効活用を図れる、いわば企業の活力になるような形で導入していただくようにOAセンターというのを設けまして、その相談指導に当たっておるわけでございまして、そういった面からの基盤強化のための施策をこれからも続けていきたいというふうに考えております。 先ほどの産地組合を技術開発、研究開発活動の中で十分評価して位置づけるという御指摘に関しましては、私どもこれまでの産地組合の、いわば産地法によります事業活動の中で研究開発活動に対する大きな役割が認識されるわけでありますので、施策の実施の効率化という側面も考えながら、産地組合の役割を適切に評価いたしまして、今後の技術開発力向上の施策の中で位置づけを考えてまいりたいと考えております。
○加藤(卓)委員 厳しい環境の中で今企業倒産が非常に叫ばれている、言われているとき、ほとんどその大多数は中小企業だと思うのですが、倒産防止共済制度というのがあるわけであります。これも、来年度は見直しの時期に来ているということで、大変重要な制度でございますので、その見直しを図るについての中小企業庁の方のお考えをまずお聞きしたいわけでございます。
○石井政府委員 倒産防止共済制度につきましては、法律上少なくとも五年ごとに見直せということになっております。来年度がその時期にございますので、現在見直しの作業を行っているところでございます。 具体的に申しますと、中小企業政策審議会に共済制度小委員会というのがございますが、この小委員会で現在基本的な事項につきまして御検討、御審議をいただいているところでございます。 その内容としましては、現在の掛金の額がこれでいいのかどうか、あるいはそれに関連いたしまして、共済金の貸付額が現行二千百万円という限度額がございますが、これがそのままでよろしいのかどうか。そのほかに、基本的に見直すべきものにはどういう問題があるかということについての御審議を急いでいただいておりまして、その結果をもちまして早急な改正法案の作成に入りたいと考えております。
○加藤(卓)委員 また中小企業問題になるわけでございますが、金融情勢は大変急速な自由化がいろいろ進展しているわけでございます。この組合金融の中心であるところの商工中金を取り巻く環境も自由化に備えなければならないだろう、そういうふうなことを考えておるわけでございます。これはよその諸官庁とも関係がございますので、御答弁は別に必要ではございませんが、私たちも中小企業の倒産を防止——倒産してからでは大変なので、親企業のそういう方たちの問題は、体力的にも十二分に企業として耐えられるわけでございますが、最近は大型の企業の倒産も非常に問題にされるときでございますので、中小企業の基幹であるところの商工中金の自由化に備えての体力づくりをぜひ強化していただきたい。特に、倒れてからどうのこうのという問題よりも倒れる前の施策をぜひお願いしたい。 日本の、中小企業並みの企業を今日の大企業に育てた通産の英知をぜひ十二分に中小企業の方にも回していただきたい。大企業はほっておいても、むしろ通産省並みの制度のできている、通産省だと言われるような自動車会社もできているわけでございますので、その通産が持っている大きなエネルギーと英知をぜひ中小企業に傾けていただきたい。とにかく商工中金の問題は、国鉄とかいろいろな問題の中で、保護するつもりでやった政策が、むしろ束縛する政策に変わらないように、ぜひひとつ適宜な御処置をお願いしたいと思うわけでございます。特にこの問題は質問だけでやめさせていただきます。 なお、中小企業の問題に関して、この間私ほかの会議に出たときに、国土庁の人たちと文部省の人たちが集まって合同で産学一体、要するに学校の配置を上手に考え直そうじゃないかというような討議をなさっていたときに、通産省がおられたかな、ちょっと私も失念しておったわけでございますが、こういう問題は非常に大事な問題だろうと思いますし、特に産学一体という形でいきますと、関東のとにかく近いところ、学校群はちょうど一時間とか一時間半ぐらいなところに配置転換するというような形を考えたときに、そのめぐりに試験場だとか、研究所だとかをぜひ持ってきていただければ、そういうふうな考え方を持っておるものでございますが、それに対してもぜひひとつ、バイオテクノロジーだとかいろいろな問題が叫ばれておるときに、学者がなかなか外の方へ、遠くの方へ行きたがらない。ところが、関東近県でも、ぜひ学者や学校に来てもらいたいところが残っておるということを、ひとつ中小企業庁また通産省の幹部の皆さんが再度認識していただけるよう、非常にしつこくなるようではございますが、それが通産ひいては国のためになることだと思いますのでお願いするわけでございます。 特に産学一体に関して中小企業庁の方でどんなふうに考えておられるか、時間が少しあれのようですが、一言お話がいただければと思います。
○石井政府委員 資金力あるいは人材という面で不足がちな中小企業の場合には、外部の研究活動主体からの支援というのが不可欠でございます。その意味では、産官学といいますか、そういった連携体制による中小企業の技術開発の推進ということが極めて重要な課題でございますので、五十八年度から地域フロンティア技術開発制度というのを実行に移しまして、地域ごとの技術のシーズを、先端技術を取り入れることによってこれを大きく育て上げていこう。その過程におきまして公設試験研究所あるいは国立の研究所あるいは地元大学の支援を受けまして、産官学一体化した中小企業の技術開発を進めようということで、五十八年度に十三地域、本年度におきまして八地域、全体で二十一地域がそのフロンティアによる技術開発の実行に着手したわけでございます。 そういう意味からいたしましても、私どもといたしましては、特に各地域商工会議所から強く要望されておりますのは、地方大学といいますか、地方に理工系学部の分散を進めてくれという要望が非常に強いわけでございますが、先ほど申し上げました中小企業のいろんな面の研究開発活動の要素におけるハンディキャップを補足する意味からも、私どももそういった方向で努力を重ねていきたいというふうに思っております。
○加藤(卓)委員 昨今、ベンチャービジネスが大変問題にされるというより取り上げられているわけでございますが、このベンチャービジネスをやる中小企業、とにかく危険なことはベンチャーにやらして、もうかるようになったら大企業という形でないようにぜひひとつしてもらいたいというような話がございますが、とにかく若い開発力、体力のない、要するにベンチャービジネスをどんなふうに育てていくおつもりか、ひとつ中小企業庁の方でお答えいただければと思うのです。
○石井政府委員 ベンチャービジネスの育成問題に関しましては、昨年の十二月以降、中小企業庁長官の私的諮問機関としてベンチャービジネス研究会を設けまして、その育成方策につきまして検討を重ねてきたわけでございますが、去る六月十八日に同研究会の中間報告書が提出されまして、私どもそれをベースに現在振興方策について検討をいたしておるところでございます。 具体的に申し上げれば、やはり若い、かつ研究開発支出が三割強といった大きな負担を抱えながら技術開発に取り組んでいく場合におきまして、一番問題なのは初期段階における安定的な経営資金の確保というところにあるわけでございますが、これに関しましていかなる支援方策を講ずべきか、特に先ほど御指摘の大企業との関連で申し上げれば、ベンチャーキャピタルという存在がございまして、ベンチャービジネスに対して専門的に投資あるいは融資を行う機関がございますが、こういったものも、どちらかといいますと技術開発が成功をおさめ、商品化の段階になりましてからようやく投資が始まるという状態でございまして、肝心の初期段階における資金不足をまだ十分に補える体制にございません。そういったベンチャーキャピタルをどう誘導していったらいいかということも検討課題ではなかろうかと思っておりまして、来年度の施策の中で具体的にどう対応すべきか現在検討を進めておるところでございます。
○加藤(卓)委員 最後になりますが、まとめる意味で通産大臣にひとつお願いしたいのですが、中小企業が我が国の経済において活力ある要素として、より一層の役割を果たしていくためにはどのようにお考えかという形で、ひとつまとめていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○小此木国務大臣 中小企業は、委員がるる述べられたように、我が国経済の中核であり、また戦後の日本経済の復興の原動力であったものは私は日本の中小企業にあると思うのでございます。経済の変化、技術の革新的な変革の中で中小企業が堅実さを持ちながらも、一体あすの我が企業はどのような状態になっていくのであろうかという心配や、あるいは先に対する不安というものは、中小企業が懸命に頑張れば頑張るほど、そういう不安な状態というものは常に中小企業者の胸の中にあると思うのでございます。しかも今申し上げたように、技術革新の急速な進展、そういうものが厳しい環境に一層拍車をかけるような状態にございますが、しかし、通産省といたしましては、このような不安を解消させて、より一層積極的な役割を中小企業が果たすような状態をつくってあげなければならない、これが通産省の中小企業に対する対応であると考えているわけでございます。 したがって、このような積極的な対応を可能とするためには、今後技術力の向上政策を含めていかにするか、そういうような施策の一暦の充実を行いまして、その活性化を図ってまいる所存でございます。
○加藤(卓)委員 以上をもちまして質問を終わらしていただきますが、今後とも、企業経営にも経験のある大臣の大きなひとつ通産行政に対しての御尽力、それから御指導をあわせてお願いしまして、終わらしていただきます。どうもありがとうございました。
○梶山委員長 後藤茂君。
○後藤委員 大変短い時間でございますので、多岐にわたって質問することは差し控えさせていただきまして、主として金属鉱業政策にかかわる政治課題と、それから地方交通線の廃止に絡んで通産行政はどう対応していくのか、特に今回は足尾線を中心にしながら政府に対して質問をしてみたい、かように考えているわけであります。 まず金属鉱業政策でありますが、大臣も御承知のように、銅、鉛、亜鉛といったような非鉄金属というのは産業の米であります。しかも、最近は大変数少なくなっておりますが、国内鉱山におきましても、資源のない我が国において、こうした有用な非鉄金属資源というものが産出しております。ただ、厄介なことに、こうした非鉄金属というのは国際価格でありまして、しかも、これが乱高下している、幾つかの政治的な対応策をとっておかないと国際的な乱高下のあおりを受けまして、こうした国内の鉱山もその存立基盤を奪われていく、こういう産業であります。 そこで、お聞きいたしたいのでありますが、最近どうも低位でこうした市況が低迷いたしております。そうした中で、一方緊縮財政、財政再建ということで国内鉱山に対する鉱業政策予算が最近は減少の傾向を見せているのではないか。この点につきまして国内鉱業、鉱山あるいは非鉄金属鉱業の重要性は私が申し上げるまでもないと思うのです。これはまずエネ庁長官の方からお伺いしたいのですが、今後の予算的な措置あるいは金属鉱業政策に対する政策的な課題というものはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○柴田政府委員 国内鉱業資源の確保は非常に重要でございますけれども、先生御指摘のように、昨今の財政事情からこの確保のための予算が微減している状態ではございます。特に国内資源開発に必要でありますところの、従来やっております三段階調査、広域調査、精密調査、探査補助金、こういうものも若干減少しているわけでございますけれども、いずれもこれらの調査によって従来非常に効果を上げているわけでございます。最近におきましても北薩、串木野地域における有望な金鉱床の発見あるいは中竜地域における鉛、亜鉛鉱床の把握等の成果を上げているわけでございまして、来年度予算を現在検討中でございますけれども、今後とも必要な予算の確保に十分努力してまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○後藤委員 先ほど長官の答弁の中で、三段階探鉱の点に触れていただいたわけですが、減耗産業でありますから、これは確認鉱量を掘ってしまいますと、これまた存立の基盤が失われるわけでありまして、どうしても新しい鉱脈を見つけておかなければならない。最近見ておりますと、探鉱技術が非常に高度化してきたことと、それから関係者の努力によりまして、今長官の御答弁にありましたような成果を上げていっているわけです。減耗産業が持っておりますこうした性質から考えてみましても、三段階の探鉱につきましては、積極的な対応策をお願いしておきたいと思うわけです。 それと関連いたしまして、鉱業審議会に鉱業政策懇談会というものが設置されて、鉱業政策の中長期的な政策課題というものをひとつ検討していこうということがかねてから構想されているわけです。ところがここ三、四年ですか鉱政懇の開催がなされていない、金属鉱業政策の中長期展望というものをどう考えておられるのかということに対しまして、私は若干の危惧を持っているわけであります。せっかく鉱業審議会が幾つかの政策提起をしていくわけですから、ぜひ鉱業政策懇談会等を開いていきながら、それの基礎となる衆知を集めた政策提起ができるように、長官、これは今後の課題として取り組んでいただきたい。これは二言で結構でございますから、お聞きしておきたいと思います。
○柴田政府委員 後藤先生のおっしゃる方向で我々も努力してまいりたいと考えております。
○後藤委員 先ほど言いましたように価格が大変低迷いたしておりまして、本委員会におきましても超党派で強く要望いたしましてその制度ができました、金属鉱業緊急融資制度、これの基金が枯渇してきてしまっているのではないだろうかということを心配いたしております。この制度を何としても継続させていただきたいし、同時に、その財源確保に万全を期していただきたい、このことにつきまして、長官どう対応されておられますか。
○柴田政府委員 金属鉱業緊急融資制度は、御案内のように五十三年度の補正予算で成立させていただきまして、自来年々非常によく活用されてきているわけでございますけれども、昨年度、融資原資が枯渇してきたという状態がございまして、財源の手当てを昨年度一応行ったところでございまして、当面はある程度余裕が出てきております。非常に有用な制度でございますので、今後ともこの制度が円滑に実行できるように、十分の配慮を払ってまいりたいと考えております。
○後藤委員 金属鉱業政策は私は四つの問題があると思うのです。一つは、先ほど提起をいたしました、長官から御答弁ございました、探鉱を三段階にわたりまして充実強化をしていくということ。それから国際的な価格の乱高下に対しまして、これが大きな激変をしないように、先ほど提起をいたしました緊急融資制度、このことが二つ目の問題。もう一つは備蓄の問題。この備蓄の中で、昨年の国会におきましてはレアメタルの備蓄について、その措置がなされたわけであります。また鉱業審議会にもレアメタルの小委員会が設置されたと聞いているわけでありますけれども、このレアメタルの備蓄が現在どのような状況に来ているのか、あるいはまたレアメタル資源の探鉱あるいは開発もこれから同時に進めていくべきだと考えるわけですが、長官いかがでありましょうか。
○柴田政府委員 レアメタルの備蓄につきましては、現在国家備蓄が五日分、共同備蓄が五日分、民間備蓄が二日分で合計十二日分の備蓄がございます。また本年度中にさらに国家備蓄を二日分、共同備蓄を二日分、民間備蓄〇・八日分、計四・八日分を積み増す予定でございまして、本年度末には十六・八日になる予定でございます。現在の目標としましては、五十八年度から始まりまして六十二年度に六十日ということでございまして、この目標に向かって今後とも努力してまいりたいと思います。 また、国内のレアメタル資源につきましては、地質鉱床学的見地や過去の知見から見て、レアメタルを含有する鉱床が数多く存在していると考えられることから、今後十分な調査を行うことによりまして、探鉱開発に結びつく有望な鉱床地域を発見する可能性は十分あると考えております。このため、先生お話にございましたような、鉱業審議会鉱山部会の中にレアメタル総合対策特別小委員会を設置しまして、今後のレアメタルの中長期的安定供給の確保を図る観点から、国内レアメタル資源の探鉱開発促進策についても検討しているところでございます。
○後藤委員 最後に、金属鉱業政策でもう一点。 休廃止された鉱山、しかし、そこからはなお坑廃水が流れているわけであります。これを処理していかなければならない大変重要な仕事を背負っていくわけでありますが、これも超党派でこの委員会におきまして、休廃止された鉱山の坑廃水対策というものについては、ひとつ国も緊急に、積極的に対策を講じていこうではないかという制度が確立されてまいりました。この制度が確立されましてからもう四、五年になりましょうか。時間が経過いたしてまいりますと、こういう坑廃水対策というものは、どうしても通産行政の中におきましても、あるいは大蔵サイドにおきましても、どうも重要視されていかない危険性を私は感ずるわけであります。これは、長い間日本経済を支えてきた非鉄金属でありますし、その鉱山が休廃止になった、そこから出てまいります坑廃水の処理、これは大きな課題でありますから、一層充実をさせていかなければならぬ、かように考えるわけであります。 最近の予算の概算要求基準等を見ておりましても、若干心配をいたしておりますので、立地公害局長、ひとつこの点につきまして、積極的な対応策についてのお考えをお聞かせをいただきたい。
○平河政府委員 休廃止鉱山から流出する坑廃水の処理対策について、現在国が以下のことをやっておりますので、逐次説明させていただきます。 まず第一に、鉱害防止義務者の存在する鉱山にありましては、企業に原因行為のない、いわゆる自然汚染あるいは他社汚染分に係る処理費用に対しましては国から補助金を出しております。なお、自己汚染分に係る処理費用に対しましては、金属鉱業事業団を通じます低利融資をいたすことにしております。 次に、鉱害防止義務者の不存在の鉱山にありましては、地方公共団体が行っております処理に係る費用に対して国から補助金を出す、こういう施策を行っております。 別途、坑廃水処理対策をより効率的に実施するために、金属鉱業事業団におきまして金属の回収技術あるいは微生物による坑廃水処理技術等の技術開発を鋭意行っているところでございます。 予算の規模は、最近こういう財政事情でございますけれども、ほぼ横ばいを確保すべく頑張っているところでございます。
○後藤委員 以上で金属鉱業政策についての私の質問を終わりたいのですが、大臣、今私が申し上げましたように、金属鉱業というのは、特に鉱山は減耗産業でありますから、探鉱に対しては鋭意努力しておかなければならない。あるいは国際的な価格の変動、これが一遍に激変状況に入って鉱山がつぶれるというようなことにさせないように、緊急融資制度というものを確立していかなければならない。あるいは備蓄体制につきましても、その対応策を強化をしていかなければならない。それから休廃止いたしました鉱山の坑廃水処理に対しましても、財政的措置を講じていかなければならない。 主な四点の問題について私が指摘をいたしておきました。これから予算編成にも入っていくわけでありますけれども、こうした我が国の金属鉱業の抱えている非常に重要な課題に対しまして、ぜひひとつ大臣の積極的な取り組みをお願いをしておきたいと思うわけですが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 後藤委員の議論等も踏まえまして、今後必要な対策を十分講じてまいる所存でございます。
○後藤委員 それでは、先ほどの二つの点、一つは金属鉱業政策、もうひとつは国鉄の財政再建にかかわる特定地方交通線の廃止、この一次、二次にわたります廃止の問題に関連をいたしまして、通産行政とのかかわりについてお伺いをしてみたいと思うわけであります。 まず最初に、国鉄の貨物輸送が大変な赤字を累積してきている、今後の展望も必ずしも明るくない、こういうことから、五十五年の秋に国鉄再建法が制定をされました際に、一億一千万トン体制ということで出発をしてきたわけであります。ところが、ことしの二月、七千七百万トン体制、そして、聞くところによりますと、来年三月には七千万トン体制、こういう方向に進むと言われる。この貨物輸送がすべて通産にかかわる貨物だということではないのですが、農水省にかかわるものとか、いろんな物資が輸送されているわけですけれども、通産行政とのかかわりというものは大変大きいだろうと思うのです。それぞれの貨物輸送量の削減、合理化が決められていく際に、当然通産大臣に対しての協議といいますか、あるいは了承といいますか、そういうことがその都度、つまり合理化計画、トン数の削減に関連をいたしまして了解を求めてくるといいますか、協議の場が設けられてきておったんだと思うのですが、いかがでございましょうか。 〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕
○福川政府委員 当省所管の物資の輸送ということは、産業政策と深いかかわり合いを持っている点は今先生の御指摘のとおりでございます。 国鉄の再建計画の実施に当たりまして、私どもも従来から、例えば銅鉱石あるいは石炭といった当省所管物資で鉄道に依存してきたもの、こういうものにかかわります路線につきまして、まず第一次の廃止路線、これについて、そういった実情に合わした形で、そういった関連線を除外してもらいたいという働きかけをし、また、例えばことしの二月に廃止が予定されておりました当省所管物資取扱駅の存続といったような話し合いを運輸省といたしておるところでございます。 最近、第二次の廃止路線につきまして、五十七年十一月でございましたかに国鉄が廃止の承認申請をいたしました際に、私どもも運輸省に対しまして、当省所管の物資の輸送の確保という観点から、他の交通体系の整備等も見ながら、地元の状況を十分踏まえて、慎重に対応してもらいたいということを累次申しておるところでございます。 しかし、最近、六月二十二日に一部の線が第二次の廃止路線ということで承認が行われたわけでありますが、今後地元の協議会等の場が設けられまして、その後の輸送のあり方が論議されるわけでございますので、今後とも私どもとしては、地元の市町村等の意見が十分尊重されながらこの地元協議会が行われて、妥当な解決が見出されるということを期待をいたしておりますし、私どもとしても必要に応じまして、地元協議会の動向等を見ながら、運輸省とは連絡をとりつつ対処してまいりたいと考えております。
○後藤委員 今の産政局長の答弁では大変歯がゆい思いなんです。我々この商工委員会におきましても、この問題について真剣な論議をしなかったということを今省みて悔やんでいるわけでありますけれども、やはり運輸行政ということが中心だし、膨大な赤字を抱えているし、余りくちばしを差し挟んでいくと、その責任を一方においてかぶっていかなければならぬということも通産行政の上ではあったんではないかというように揣摩憶測を実はするわけであります。 ですから、今の産政局長の御答弁を聞いておりましても、大変形式的に、通産省としても一応こうした産業政策なり、あるいは物資輸送の面について支障のないようにひとつよろしくという、大変儀礼的な要請程度に終わっているのではないか。あとは地元の協議でよりいい方法を考えていただければ結構だというくらいにとどまっているのではないかという、大変歯がゆさを実は持っているわけです。一次から二次にわたりまして、そして現地の状況等を見ていますと、これでよかったんだろうか、あるいはこれからこれをまた変えるということができないだろうかということに実は私も胸を痛めているわけであります。 こうした法律がつくられる過程におきましては、当然通産も了承を与え、あるいは協定を結んでいく、こういうことがなされただろうと思うのですけれども、ちょっと先ほどの産政局長の答弁の中におきまして、さあっといってしまって、現地の地元協議というところに入ってしまっているわけですが、通産としてはこれに了承を与えていったのだろうか、あるいは協定等は結んだのかどうか、さらにはまた、その際に関係の業界あるいは労働組合なり、こういった関係各団体の意見というものは聞いてみたのだろうか、この辺に少し配慮が足りなかったのではないかという気がするのですけれども、そういったことは万般すべて目配り、気配りをしてきたということであればそれで結構ですが、いかがでございましょうか。
○福川政府委員 この特定地方線の取り扱い、これにつきましては、法律的に申しますと、これは運輸省が責任を持って処理をするということでございまして、私どもについて関連のありますものを連絡をしてくる、あるいはまた、私どもが得ました情報に基づきまして運輸省に適切な対応を求める、こういうことでいたしておるわけでございまして、例えば第一次廃止路線のときなどは、私も一部石炭に関係いたしておりましたけれども、運輸省ともいろいろかけ合いをいたした次第であります。 私どもとしても、関係の業界の要望、これについては十分聴取をいたしまして、運輸省にもその旨十分伝え、私どもの意見も述べるということで対応をいたしておるわけでございますが、他方また、国鉄の再建と、こういう新しい政策目的ということからの調和で、現在政府全体として、そういった地方ローカル線の廃止路線の承認という手続にいっておるわけでございまして、私どもとしても、従来の業界の意見は十分運輸省にも伝えたつもりでございますし、私どもの見解は運輸省の中で、運輸省が御判断なさる上に判断要素として十分取り入れるように働きかけを行ってきたつもりでございます。
○後藤委員 判断要素として取り入れられたと通産の方は思っておられるでしょうけれども、例えば五十五年十二月に再建法が成立いたしまして、その後五十六年三月ですか、政令が出ているわけであります。その政令の第一条の三号を見ますと、「その区間における貨物輸送密度が四千トン以上であること。」こういうように出ているわけですね。この一日四千トンということになりますと、一カ月十二万トン、産政局長、これは大変な貨物輸送量なんです。ちなみに聞いてみますと、米の出荷期あるいは果物等が季節的に集中的に送られる時期等を見ましても、大体月に約十万トン前後、そうするとこの基準そのものが非常に高いと私は思うのですよ。政令の細かいところまで通産がかかわってはいっていないのだろうと思うし、また省が違いますから、今の行政というのはやはり省が違っていくと、なかなか物が言いにくいということはわかりますけれども、これはちょっと高い基準過ぎやしないだろうかというように私は考えるわけです。 結局、運輸省の方から聞いておりますと、大体ほとんどの路線というものはトラック等の陸上輸送にかわってきている、あるいは仮に廃止をいたしたといたしましても、陸上トラック輸送にほぼかえ得る、後はもちろん地元の協議をしていただきながら、第三セクターなり、廃止するなり、そのほかトラック輸送に切りかえるなりということを考えてもらいたいという程度でこの問題を処理しようとしているわけです。 これは大臣、大変なことだと私は思うのですね。法律ができてしまったということでちょっと物が言いにくいのだということはあるかもわかりませんけれども、私は、法律ができたときには、その法律を実施をしていくために責任を負っていかなければならぬということは一つあると思う。しかし、そもそも法律というものは、法律ができたその日から見直しということを常に考えていかなければならぬ課題だと思うのです。しかも、既に法律ができまして約四年近くたってきているわけであります。政令が出されましてからでももう三年半経過をしてきているわけです。こうした実情を超えた基準というものは、これは運輸省のいろんな文書を見てみましても必ずしも根拠が明確ではないのですね。こういうものに対しまして、やはりもっと通産の側から物を言っていくべきではないだろうかというように考えるのですが、産政局長、いかがでしょう。
○福川政府委員 この地方交通線及び特定地方交通線の選定につきます基準は、今先生お話しのように、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法の施行令において定められておるわけでございます。 運輸省の考え方は、鉄道の営業線がいわゆる鉄道特性を有しているかどうか、鉄道特性と申しますのは、先生も御承知のように、都市間、大都市圏旅客輸送及び大量定型貨物輸送という考え方をとっておるようでございまして、そういった鉄道特性を有しているかどうか、こういう観点でこの基準を設けておるというふうに承っております。現在のところ、この法律に基づきまして出した政令、これにつきまして運輸省としてはこの基準を見直す考えはないというように承っておるわけでございますが、それぞれ代替輸送が可能であるのかどうか、その採算性がいかがなものであるのか、あるいは地元の輸送条件等がその周辺住民に対して不便であるかないか、地元協議会でいろいろ協議が行われるわけでございまして、私どもとしては、全体の交通体系の中で適切であるかどうかということから、当省所管物資の輸送に支障がないかどうか、これを十分検討をして、地元協議会等で、ここで連絡をとりながら、また運輸省にも働きかけをしていく、こういうことで対応をいたしたいと考えておるところでございます。
○後藤委員 この政令の基準というのは、局長、非常に高過ぎるのです。ですから、これは単に足尾線の問題ということを超えて、ぜひ強く主張してもらいたいと思うのです。 国鉄再建法の規定によりまして、足尾線が特定地方交通線に選定されるのに対して、それぞれの関係知事の意見書を求めておるわけですね。各意見書をずっと見てみました。例えば、足尾線の問題につきましても、栃木県知事が意見書を提示いたしております。私は、いい意見だなと、こう思う言葉があるのです。それは「特定地方交通線の廃止問題は、単にその採算性、輸送量によることだけで判断されるものではなく、輸送効率が良いといわれる幹線も、その他の路線により裏打ちをされ、大都市もその活力は、地方によって支えられている事実を踏まえた上で、国土の均衡ある発展に着目し慎重に対処すべきであります。」という意見書を出しているのです。 産政局長に特に申し上げておきたいのは、どうも最近の通産行政を見ておりますと、例えばテクノポリスであるとか、ニューメディアであるとか、バイオテクノロジーであるとか、ハイテクノロジーだとか、あるいはファインセラミックスだとか、こういうことについては大変意欲的に取り組んでいる。先端技術なり先端産業を育成していくということは通産としても大変得意の分野でありますし、また、これは予算が大変つきやすいということもある。重厚長大関係あるいは基礎素材産業というものは、結局は産構法等にも見られるように、ネガティブなリストに追い込まれていってしまう。そうじゃなしに、新素材もいいでしょうけれども、こうした基礎素材というものに対してももっと目を向けていくべきである。 軽薄短小という言葉を言われておりますけれども、日本列島全部が半導体だとか、あるいはハイテクノロジーの産業分野だけでつくられるとは考えられない。列島の均衡ある発展というための経済構造をつくり上げていくためには、長い歴史の中で地場産業なり伝統産業なり地方産業というものがその地域の生活、経済を支えてきておるわけですから、何としてもこれを守り得るならば守る政策というものをとってもらいたいと思うのです。軽薄な産業構造というものにしてしまったら悔いを千載に残しはしないかという心配を私はするわけです。最近、通産省の八〇年代の産業構造ビジョンを引っ張り出して説もうとしたら、三、四年前でとまってしまっている、新しい構想が全く出されていない、こういうことも産政局長はこれからの産業構造ビジョンを一体どう考えていくのか。 それから、今のようにただ軽薄に走り回ろうとしているのに対して、もう一度足元を見詰めていきながら、地場産業なりあるいは地方産業なり、長い歴史を持っておる、例えば足尾の古河鉱業、これは自溶製錬技術というものは世界に冠たるものを持っている、こういうところの基盤を奪わないような対策というものを講じていくべきだと私は思います。大臣、ひとつこの点はこれからの通産政策を進めていく上においてバランスある、均衡ある、今の知事が言っておるような、都市が大きく発展するのは地方に支えられているんだ、また基礎素材に営々と努力してきた産業によって支えられているんだという観点を踏まえていってほしいと思うわけです。大臣いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 前段の足尾線の問題でございますけれども、この国鉄財政再建緊急措置法、この政策を審議する段階では私は与党の交通部会長であり、また、この法案を成立させたときには衆議院の運輸常任委員長であったわけでございます。したがいまして、この法律によって行ったこと等を今どうしろと言われてもいかんともなしがたい、私は、今日の状況の中で、法律が下ったその形の中で、これにいかに対処するかということが重要だと思います。 先回りの答弁で恐縮でございますけれども、私は私なりに当時の様子を調べてみましたが、通産省としてはそれなりの措置をかなり温かくやったという状況は、運輸省あるいは国鉄等の関係者からよく聞きまして理解したわけでございます。今後私は、そのような関係者と協議しながら、今の立場でどうやってこの問題を解決していくかということに努力してまいりたいと存じます。 また、ともすれば現在通産省が新しい技術のみに目を奪われて、基礎素材産業あるいは地域産業の活性化をなおざりにするようなことがあるのではないかということでございますが、決してそのようなことはございません。新たな産業分野、事業分野を切り開くことも当然行わなければなりませんけれども、それとともに伝統的な基礎素材産巣あるいは地域産業、そういうものの活性化を図っていく努力は十分やってまいるつもりでございます。
○後藤委員 温かい配慮をしていただいていることに対しまして、そのことを否定しているわけではないのです。 ただ大臣、私も現地へ行ってまいりまして、原料鉱石を製錬所へ持っていく、これと重油等が月に約一万四千トン輸送されているわけです。それから硫酸あるいはからみ、砕石等々がこれまた月一万六千トン今度は出ていっているわけです。重要な動脈になっているわけです。 ですから、まずこのことを念頭に置きながら、運輸省の鉄監局の国有鉄道部長が意見書に対して答えている、いわゆる答弁書の足尾線についてのところを読んでみますと、こういったことが全くネグられてしまっている。「貨物輸送については、旅客輸送と異なり、中間的な基準や道路等の基準がないが、」今言いましたように、例えば四千トンの問題にいたしましても必ずしも明確な基準がないけれども、「これは、荷主が経済合理性に基づき輸送手段の選択を図ることが可能であり、また、道路が必ずしも線路と接近し、又は並行していなくとも、トラック輸送への転換が可能と考えられるからである。」というように意見書に対して木で鼻をくくったような答えになっているわけです。 ところが現地はそういう状況ではありません。例えば今の原料鉱石あるいは硫酸等を送ったり入れたりするのに月に約三万トンの輸送がなされる。これを仮にトラックにしていくということは実は大変なんです。いろいろ調べてみますと、今硫酸用のタンク車保有量が百五十両、五千百トンある。最大が四十トン、平均三十四トン。これを十トンタングローリーの特装専用トラックに置きかえていくと、大変なトラックを購入していかなければならない。恐らくこういう特装車ということになりますと一千万円ぐらいはかかるだろうと思うのです。片一方、百五十両ある専用車の場合は備蓄ができるのです、専用車ですから。ところがトラックの場合は備蓄ができません。そうすると備蓄基地というものを各地につくっていかなければならぬということになるわけです。これはもうほとんど用地取得においても不可能でありましょう。それから現地に行って聞いてみますと、現在の稼働率で進めていくとトラックが一日約二百四十台ぐらいの輸送量になっている。これまた大変であります。 そこで、それではパイプラインでどうだ、あるいは河川に並行させて輸送することはどうか。これは消防庁なり建設省なりからもう全くだめだということを言われている。そうすると、トンネルを掘ってパイプで輸送するとか、あるいは陸上パイプ輸送ということもできない。河川に沿わすということもできない。トラック以外にないということになりますと、仮に道路を拡幅する手段をとったといたしましても、ここにかけていきます危険な面と財政投資の増大を考えていくと、足尾線を廃止することによって国鉄の再建にコンマ以下くらいの利益が仮にあるといたしましても、もっと大きな財政的損失をしはしないか。しかも、先ほども言いましなように、あの地域の自溶製錬技術は世界に冠たるものを持っている。私も素人でよくわかりませんけれども、製錬所を見せていただきまして、この点をうなずかせられるような状況であったわけです。 こうした地方産業の長い歴史を持ってきておる足尾線を切るということによりまして、その製錬所というものがその存立の基盤を失ってしまうという深刻な状況になっていく。この足尾線を残していき、いろいろな知恵を出していくということが今一番大切ではないかと思うのです。 この問題に対して先ほど先回りして答弁をというようにお聞かせいただいたわけでありますけれども、これからのバランスある産業構造を考えていく上においては、こうした足を切り捨てていかない方策はないか、ぜひひとつ大臣から運輸大臣なり国鉄当局に対しまして——石炭のところも北海道に二カ所ばかりあります。こういったところと関連をして現地もぜひ見ていただきたいと思いますが、大臣ひとつ足尾は残していってやる、法律をつくったから、この基準に合わないからもう切ってしまうのだ、後は地元で協議をして何らか方策を考えなさいということではなしに、国対委員長もやっておられたわけですから、やはり政治家がこういった問題に対してどういうように対応していくかということの判断の選択があっていいと思うのです。ぜひひとつ大臣の前向きの御答弁をお聞かせをいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 経過の説明を交えた後藤委員の御熱意ある御意見はよく拝聴いたしました。しかし、先ほども申し上げましたように、当時私は、立法府において、法律を成立させた委員長でございますから、その法律をどうこうしろと言われても、それは正直申し上げてできない相談でございます。したがいまして、国鉄の担当常務理事あるいは運輸省の大臣あるいは担当局長と、今後、こういう中でいかなる手だてがあるかということを十分検討いたしまして、法律そのものは、これは決まったことでございますから覆すわけにはまいりませんけれども、何かいい手だてというものを真剣に考えてみたいと存じます。
○後藤委員 もっとたくさん現地の状況を申し上げたいと思うわけですが、これは大臣も、関係者の皆さん方から十分にお聞きをされておると思いますので、繰り返しをいたしません。今、法律で一応決めた、したがって、それは守っていかなければならぬという大臣でございますから、その枠を乗り越えることはなかなかできないと思いますけれども、もう一度、状況を十分に踏まえて、そして、この対応策というものについて、ひとつ真剣に努力をお願いしたい、このことを強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○森(清)委員長代理 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 最近、百貨店、チェーンストア、大規模ショッピングセンター等、いわゆる小売産業、特に大型の小売産業の店舗が、長い間の日本の風慣習になっております正月の休日、この正月に営業するところが毎年毎年ふえてきておるわけです。そのために、総評、同盟、中立労連、新産別、日本の四つのナショナルセンターが、挙げて、この小売産業に従事しておる労働者の生活という立場に立ちまして、正月の三が日休業は、申し上げましたように、日本の商習慣にもなっておるわけでございますので、せめて正月ぐらいは世間並みに何とか休ましてほしいという声を代弁して、百貨店協会あるいはチェーンストア協会等々の関係団体に、毎年、正月前に協力要請を行ってきておるわけです。しかし、業界間の競争は、それとは逆にますますエスカレートしてまいりまして、この正月の三が日休業、三が日休み、そういう慣習が毎年後退をし、悪化していくばかりであります。こういう状況を、通産省として、どういうようにお考えになっておられるか、まずお答え願いたいと思います。
○矢橋政府委員 まず、大規模小売店舗の休業日に関しましては、大店法に基づきまして、年間の休業日数につきまして、地元中小小売商の意見も十分に踏まえました上で商調協あるいは大規模小売店舗審議会の議を経まして、調整が行われているわけでございます。したがいまして、その範囲内でございますれば、休業日をいつにするかということは、個々の企業の営業方針によっているのが実情かと考えております。 正月の初売り日につきましては、各地域の地元での商慣行等によって、地域の実情に応じてケース・バイ・ケースに決められているものと考えております。
○和田(貞)委員 労働省の方からお見えになっておられると思いますが、今も申し上げましたように、日本の商習慣上、圧倒的に強者の立場に立っております百貨店だとかチェーンストアだとか、そういう大規模の小売業界が正月に営業するということを拡大することによって、そこに従事しておる労働者だけでなくて、これらの大店舗に品物を納入しておる納入業者あるいはそれを運搬する運送業者、その他の関連業者というのは比較的中小零細の企業が非常に多いわけであります。そこに働いておる労働者が、経営者もさることながら、もういや応なしに、そのあおりを食らって正月に出勤せざるを得ないというようになっておるわけです。 正月の休日というのは、従来からの、申し上げましたように、商習慣上からも大体三日間は休むということになってきておったわけですが、そういう制度がだんだんと崩壊している、こういう現状を、労働者の福祉という立場に立って、労働省はどういうように考えておるのか、労働省の方からひとつお答え願いたいと思います。
○逆瀬川説明員 百貨店等大規模小売店が正月三が日の営業を休むかどうかということでございますが、基本的には各企業の営業政策の問題でございまして、労使が十分話し合いしていただきまして決定していただきたいと考えております。また、この問題は顧客サービスと関連する問題でもございます。そういうことで、労働省といたしましては、先生御指摘のように、働く労働者に影響が小さくございませんので、昨年の十一月に、都内に店舗を有します大手十六百貨店の人事労務担当の役員を招きまして、この問題につきまして、慎重に検討して対処していただくよう、できるだけ正月三が日は休業するよう要請したところでございます。また、十二月には、消費者団体の代表を労働省に招きまして、協力方を要請したところでございます。必要に応じまして今後ともこうした要請は続けてまいりたいと思いますが、なお、地域によりまして、一斉正月休日について条件整備が進んでいるところがございましたら、当該地域を単位といたしまして、労働省として何らかのお手伝いをしたいと考えているところでございます。
○和田(貞)委員 そういう要請、行政指導を労働省としてはやっておられるのですが、商業活動に従事しておる労働者の数あるいはその家族を含めて、一体どれだけの人口になるのか、あるいは、先ほども申し上げましたように、納入業者あるいは運送店を初めとした関連企業に従事している労働者あるいはその家族を含めて、全国的な規模でどのくらいの数になると把握しておられるのですか。
○矢橋政府委員 小売業に直接従事いたします従業者数だけで六百三十七万人でございます。したがいまして、その家族、関連事業を含めますと数千万に近い数字になろうかと考えております。
○和田(貞)委員 今お答えになられたように、それだけの大きな人口の分野に波及していっておるわけです。これはもちろん大店舗法の規制調整事項に、先ほど通産省の方からお答えになったように、休日の日数あるいは閉店の時刻というものが書かれておりますが、正月の三が日、もっと言うならば、いまだにやはり日本の習慣上、盆、やぶ入り、そういうものもあるわけですね。そういうような、いわば商業活動の長い間の習慣として、正月や盆は休み、従業員も労働者も休みというようなことに従来からなってきておるわけです。その中で、やはり競争をあおるために一つの大店舗が一つの地域でその習慣を破って正月営業するということになりますと、その付近にある同様の店舗あるいは商店街はじっとしておれないというのが今日の状況だと思うのですね。 だから、その点をとらまえて、ただ大店舗法にそのような規制がされておらないんだということだけでそれを見逃すということになりますと、今おっしゃられたように、家族を含めて、関連産業に従事する労働者を含めて、あるいは納入業者を含めて、かなりの広範囲にわたって、せめて正月ぐらいは一時に小売商に携わっておられる方々というのは、日曜祝祭日は社会的な流通の責任を果たすためにずっと年間を通じて働いてきているわけですね。だから、せめて正月や盆ぐらいは、盆ということはこの際言いませんけれども、せめて正月の三が日くらいは世間並みに休みたいという気持ちは、家族を含めてどの方も持っておられると思うのですね。そういうようなことをただ法律的に規制の対象になっておらないからということで見逃すということはいかがなものかというように思うのです。 これに対して、もう来年の正月が近づいてくるわけですから、今から来年の正月を目がけて、少なくともこれがエスカレートしていかないように何らかの行政措置というか行政指導、あるいは、国会は間もなく終わるわけでございますので、この国会で大店舗法の改正は、まあできないと言えばできないですが、合意があればできることにもなるわけですから、あとまだ八日まで国会があるのですから、やろうと思ったらやれるのですから、そういう点を含めて何らかの措置を考えるというお考えはないのですか。
○矢橋政府委員 先ほども申し上げましたように、正月の初売り日につきましては、一言で言いますと各地域の実情に応じて決められている場合が多いと考えるわけでございます。特に二日から営業を開始している事例というものにつきましては、例えば近隣の状況に合わせるとか、地元商店街からの要請もあってそのようにしたということもかなりあるように聞いております。先ほど来先生の御指摘の諸点もございまして、いずれにいたしましても、正月営業の問題につきましては、一つの地域住民の生活の利便の問題、もう一つは従業員の労働条件の問題等々という諸般の観点から慎重に考えなければならないことだと思っております。 それで、もし具体的に当事者間で紛争と申しますか、そういった問題が起こりました場合には、当事者間での十分な話し合いを指導するなどいたしまして、ケース・バイ・ケースに適切に対処していきたいというのが現在の私どもの考え方でございます。
○和田(貞)委員 これは余り人ごとのように考えてもらいたくないのです。人間としてだれしも同じ思いを持っておるのです、家族を含めて。あなた方自体もやはり正月三が日休みです。あるいは企業の方に働いておる方々も、生産部門を含めて一般的な会社は正月は三が日休み。盆ともなれば、これは休日の振りかえ等をやって、俗に言うところの盆休み、やぶ入りというようなことで民族の大移動が間もなく始まるわけなんですね。だから、小売商に携わる労働者も家族も同じ思いを持っておると思うのですよ。だから、人ごと的に考えるのではなくて、自分たちもやはりそういうようなことが望ましいということであれば、ただ自主的に、地域的に見守っていくということでなくて、何らかの強い行政指導というものをぜひとも持ってもらいたいと思うのですが、もう一度お答え願いたい。
○矢橋政府委員 確かに、先生御指摘のような労働者の福祉の問題、あるいは場合によっては周辺の小売商に与える影響の問題等、いろいろ大きなマイナス面もあり得るわけでございますが、同時に消費者利便という問題もございまして、そこのところの兼ね合いをどう考えていったらいいかということは大変難しい問題であると考えておるわけでございます。 そこで、冒頭申し上げましたように、現在は、年間の休日の言ってみれば総量を調整いたしまして、その総量の範囲内でその店の営業方針あるいは地域の実情に応じて適当に休みを配分してもらうという仕組みをとっているわけでございまして、先ほど私から申し上げましたように、例えば正月二日から営業を始めているというようなケースには、周りに合わせるとか、あるいは逆に商店街の方からの要請を受けてそのようにしているという例もあるわけでございまして、一律に正月三が日の営業がいい、悪いということはなかなか現状では決めかねる問題ではないかという気がいたしておるわけでございます。 しかし、先生のおっしゃいました労働者福祉の問題等々、非常に重大な要因をはらんでいる問題であることはよく承知しておるわけでございまして、今後さらに実情につきまして把握に努めますとともに、この問題について真剣に勉強してまいりたいと考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 消費者ニーズということを言われるわけですけれども、実際問題として、正月の三が日に百貨店へ行かなければ、あるいはスーパーに行かなければ、チェーン店に行かなければ、商店街に行かなければという、各家庭ともそういう生活実態じゃないと私は思うのです。恐らく、日々の日用品あるいは日常生活必需品を買い求めるために正月三が日は営業をしてもらわなければ困るというような消費者はいないと私は思うのです。ただあいているから、正月のお小遣いもあるから子供がおもちゃを買いに行くとか、子供にねだられておもちゃを買いに行くとか、電気製品の一部を買いに行くとかというような客に限られておるのじゃないかと私は思うのですが、そもそも正月の慣習上三が日間休んでおったのを、それを打ち破ってでも二日から開店する、三日から開店するというような大型店舗ができてきたというのは、一体どこにその原因があるとお考えなのですか。
○矢橋政府委員 先ほども申し上げましたように、いろいろなケースがあろうかと思うわけでございます。例えばでございますが、一つは近隣の状況に合わせるといったケース、あるいは商店街と歩調を合わせて大規模店もやってもらった方が都合がいいという要請がある場合もございましょう。それから、最近のいわゆる消費不況から、それぞれの大型店が何とかして年間の売り上げを伸ばすための最適な営業日がいつであるかということを模索した結果というものもあるいはあろうかと思いますが、いずれにいたしましても。いろいろな状況あるいは地域によっていろいろな前提がございまして、一律にはなかなか原因を得にくい問題ではないかと思っております。
○和田(貞)委員 私は、最近の経済状態、消費者の懐が非常に寒くなっておるということで個人消費が伸び悩んでおる、そういうことから全国的な企業競争が激化をしていって、少しでも販売率を高めよう、こういう営業競争によって長い間の慣習が打ち破られてきておるということになっておるのじゃないかと思うのです。私は、労働福祉の立場からも、あるいは労働者の生活、家族の思いということからも、あるいは商業活動の公正な競争をさせるという立場からも、長い間の慣習の正月三が日間というのはぜひとも休業日にさせるために、強力な行政指導なり何らかの手を打ってもらいたいと思うわけであります。 大阪の例を挙げますと、これは五十六年ぐらいまでは各店舗とも正月三が日間は休んでおったのですよ。ところが、関東の百貨店が大阪へやってきた、そうすると、それが二日から開店するということになってくると、三日から開店しようか、あるいはさらに二日から開店しようかということになってきて、五十七年、五十八年、五十九年、毎年毎年これがエスカレートしてきておるわけです。五十八年まではまだ四日から開店をしておった大型店舗がほとんどだったのです。ところが、五十九年から一律に三日から開店する、まだ二日まではいっておりませんけれども、三日から開店するというようなことに変わりつつありまして、正月の三が日間を全く休業日にしておるのは松坂屋と大阪の三越だけに限られてしまっておるということになってきているわけです。 そういう競争をあおる一つの店舗がその地域にやってまいりますと、今申し上げたようなことになるわけです。これは確かに法の規制がないために行政指導がなかなか難しい、地域の事情によって異なる、あるいは原則として企業の労使関係で決めるべきだ、消費者のニーズは正月営業というものに指向しているというような理由は後からつけ足しておる理由であって、一つの企業がこれを荒らすということになりますと、全体の企業、全体の店舗としてそうなっていくわけです。 だから、現行法の大型店舗のままではどうにもいけないということであれば、大型店舗法の九条を、休日あるいは閉店の時刻ということだけでなく、せめて長い間の慣習となっておった正月の三が日間は、公正な商業活動の競争をさせていくという立場からも通産省としては法の改正を含めて、三千万に及ぶ関連企業の労働者や家族を含めて、そういう望みにこたえるというようなことを考えられないか。あるいは労働省としても、最近のように先端技術が非常に先行してまいりますと、労働者の福祉ということだけでなくて、雇用の確保ということが非常に大きな問題になってくるわけですから、そういう点を含めて通産省なり労働省の方はもっともっと強い姿勢、決意でこのことに対処してもらいたいと思うわけなのですが、もう一度お答え願いたい。
○矢橋政府委員 ただいま先生から、最近の正月の初売りの状況について具体的なお話を承ったわけでございますが、確かに百貨店につきまして、五十九年の正月の初売りが若干早まっている傾向にあるということはよく承知をしております。ただ、これが特に近年になって全国的かつ急激にそのように早まっているかということにつきましては、必ずしも言いきれない面があろうかと考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、この問題は先ほど来先生がるるお述べになりましたような重大な問題をはらんでいる事項でございます。かつまた、私からも申し上げましたように、非常に複雑ないろいろな要素が絡み合った問題でございまして、私どもといたしましては、本日の先生からの御指摘を踏まえまして、場合によったら労働省ともよく相談しながら、真剣にこの問題につきまして勉強をしていきたいと考える次第でございます。 〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕
○和田(貞)委員 最後に大臣のお考え方をお聞かせ願いたいのですが、先ほどからも言っておりますように、いわゆる大型店舗、百貨店、チェーンストア等、そこに働いておる労働者、その大型店舗に納入する業者、あるいはそのために運搬をする運送店その他関連事業に携わっておる労働者の数、それに家族を含めますと、今も通産省の方からお答えがありましたように大方三千万に近い人口が、商業活動の習慣上正月三が日というのは長い間休みになっておったのが、最近は毎年毎年三日から開店するようになり、二日から開店するようになり、それがエスカレートしていっているわけですよ。この問題は五十六年以降なんですよ。 それらの従業員、労働者あるいは家族の皆さん方は、日本の商業活動というものは欧米諸国と違いまして、日曜日、祭日を振りかえて年間を通じて国民生活に供給機能を今日までつくってきておるのです。だから、せめて正月くらいは休みたい、家族と団らんして過ごしたいという望みは、役所に勤めておる音あるいは会社に勤めておる者、公社に勤めておる者、国民等しく同じ思いを持っておると思うわけです。 この商業活動が非常にエスカレートして、正月の休みをなくしてしまってきておるということになっておるわけですが、正月が近づいてくるわけですから、来年の正月にはこれがますますエスカレートしていかないように、これに歯どめをかけるために、公正に商業活動をさせるという立場に立って通産省が、あるいは労働者の福祉を促進していくという立場から労働省が、この法の改正を含めてぜひとも英断な措置を講じてほしい、こういう強い要望を私は持っておるわけでございますので、最後に通産大臣の方から考え方をひとつ述べてもらいたいと思います。
○小此木国務大臣 大型店で働く人たち、あるいはその家族の方々、さらには、そこに納入する人たちの正月の初売り問題は、いわば一つの労働問題としてとらえてみても大変な問題でございます。 和田委員の御意見、十分理解いたしますけれども、しかし反面、大型店の地域の事情あるいは実情等にも非常に複雑な問題があることは委員も御理解いただけるものと存じます。したがって、通産省といたしましてはケース・バイ・ケースで処理する場合もございましょうし、あるいはもっともっと勉強しなければならない問題等もあると思います。そこで、私、当局に命じまして、この問題が実情その他複雑な面を抱えているだけに今後大いに勉強させていきたいと存じます。
○和田(貞)委員 大型店舗、これに関する条項の改正を含めて、ぜひともひとつ早急に検討してもらいたいという意見を最後に申し添えまして、質問を終わりたいと思います。
○梶山委員長 次に、渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 大規模小売店舗法並びにそれの実際の運用等について質問いたします。 まず冒頭に、大臣から承っておきたいわけですが、この法律が非常に複雑で難解、また、通達運用、そういう通達行政の部分が非常に多いわけです。そういう意味でまず第一に、大店法とこれから略称しますが、この大店法の立法の趣旨と国会の答弁とが食い違った場合にはどちらが優先するのか、大臣答弁と政府委員との間ではどちらの答弁が優先し、また、それにずれがあった場合にはどうするのか、まず承っておきたいと思います。
○矢橋政府委員 ただいまの先生の御質問の件は、私ども、周辺中小小売業者の訴え、あるいは異議申し立て等におきますところの原告適格の問題あるいは勧告の行政処分性の問題に関しての御質問であると拝察する次第でございます。そのことに即しまして、ただいまの先生からの御質問につきましてお答えを申し上げたいと思うわけでございます。 御承知のとおりでございますけれども、いわゆる江釣子裁判、これは通産大臣のジャスコに対する店舗面積変更勧告の取り消しを求める訴えでございますが、これにつきまして昭和五十七年三月に東京地方裁判所において判決がおりておるわけでございます。判決にいわく、まず通産大臣の変更勧告は行政処分性がない、二つ目は周辺中小小売業者には原告適格性はないということでございまして、そういった観点から判決は却下ということになったわけでございます。そして、この件自体は現在東京高等裁判所において控訴審が係属中でございます。したがいまして、本件の結末はまだ出ていないわけでございます。 他方、話はさかのぼりますが、昭和四十八年の大店法制定時の国会答弁におきまして、周辺中小小売業者の原告適格性につきましては、周辺中小小売業者にもそれが認められる旨の国会答弁を野間委員に対します当時の橋本政府委員の答弁として申し上げた次第でございます。そのときにはそのように申し上げましたことは確かでございます。 しかしながら、その後になりまして、具体的には昭和五十三年三月十四日に不当景品類及び不当表示防止法の案件にかかわる最高裁判所の判決が出たわけでございます。いわゆるジュース判決と言われるものでございます。そこでは、これは景表法の話でございますが、たとえ法目的が消費者保護であっても、個々の消費者には不服申し立ての適格性はないという最高裁判所の最終判決が私どもの国会答弁以後出されたという事情があるわけでございます。こうしたことから現在、法制定当時の国会答弁と異なる見解を私どもとしては表明せざるを得なくなった次第でございまして、その間の事情は今申し上げましたような最高裁判所の判決ということに基づくことでございますので、ぜひとも御理解をいただきたいと考える次第でございます。
○渡辺(嘉)委員 先回り答弁をいただいたわけですが、私はまず冒頭に一般論として承った。しかし、あなたの方からそういう答弁が出たわけです。 そこで重大な問題があると思うのです。第一は、それならばこの立法の趣旨、あなた方は政府答弁でもその当時は周辺小売業者には裁判の適格性はある、あるいはまた勧告その他に対してもこれは訴訟の対象になる、こういうように考えていた。またそれで説明もし、立法してきた。ところが最高裁のジュース判決で消費者には云々、これで変わったとするなら大変なことなのです。立法の趣旨を裁判所のよその問題の判決で変えたと今おっしゃったが、それならばその趣旨に沿った法改正を直ちにしなければならぬということと、いま一つは、じゃ私はもう一遍聞いておきますが、昭和四十八年の立法のときの橋本政府委員の国会答弁、今おっしゃったとおりです、周辺小売業者には裁判の適格性はありますよ、あるいはまた勧告に対しては、これも大臣も含めて行政訴訟の対象になります、こうおっしゃっていたわけですが、これは今は生きていないのか生きているのか、ひとつ明確にお答えください。
○矢橋政府委員 最初の私からの答弁で原告適格性のことを申し上げたわけでございますが、ただいま先生から、行政処分性の問題について重ねて御質問がございました。 そのことについて申し上げますと、変更勧告に関します法制定当時の通産省の答弁は、議事録によりますと、勧告と命令を一体として答えておりますために、勧告のみについても行政訴訟が可能であるかのごとき表現にとれるといった表現になっていたことは事実でございます。ただ、勧告が行政処分ではないことは明らかでございまして、当時の答弁の趣旨は、勧告、命令と一緒に続けて言ったわけでございまして、勧告の次に命令がかけられた場合を想定して答えたものであると考えておる次第でございます。 なお補足して申し上げますと、勧告が行政処分でないことは大店法の十七条に「不服申立ての手続における聴聞」の規定があるわけでございます。その対象を初めから法文で命令のみに絞っている。つまり勧告については対象にしていないという条文があるわけでございまして、そのことから見ても、勧告だけでは行政処分性がないということは私どももそのように考えておりました。ただ、先ほど申し上げましたように、勧告、命令と続けて表現をいたしましたものですから、若干紛らわしい答弁になったことは、当時の話でございますが非常に恐縮だったと存じておる次第でございます。 それからいま一つ、最高裁判所の判決によって大店舗法の法の目的を変えて読むのかという御質問でございますけれども、大規模店舗法の法律の目的は一条に書いてございますように、「この法律は、消費者の利益の保護に配慮しつつ、大規模小売店舗における小売業の事業活動を調整することにより、その周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図り、もって国民経済の健全な進展に資することを目的とする。」本法のこの目的自体は毛頭変更がないものであると考えておる次第でございます。
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんので、余りいろいろ長々と読まないようにしていただきたい。お互いもうわかっておるわけです。的確な答弁だけいただければ結構ですから、お願いをいたしておきます。 そこで、もう一点聞きたいわけですが、まず第一に、その当時の橋本政府委員はこの勧告についてもあるいはまた命令についても、それを担保するものとして行政命令を用意しておる、罰則も用意しております、だから許可制に近いのですよ。こういう担保用意をして出してあるわけですね、勧告に対して。そういうような意味から、この勧告に対しても当然今度は訴訟の対象になると大臣は判断されたと思うのです。ですから、その当時の中曽根通産大臣は、明らかに勧告、変更命令があった場合にはもちろん訴訟の対象になりますけれどもと国会で答弁をされたわけです。 だからこの答弁は今でも生きておる。生きておらなかったら、国会に対する答弁は、ありだったけれども、その後変わりましたというような国会審議の軽視は、これはあり得ないと思うのです。そういうような意味において今私が聞きたいのは、勧告は、このように国会審議の場では明らかに大臣が答弁された、ですから、今でもこれは生きておる。生きておらなかったら何か明確にこれを変えたものを出さないと、私は、国会の審議が誤ったまま行われた嫌いがあると思うので、この点を明確に御答弁いただきたい。これにつきましては大臣の方からも一遍お聞きしておきたい。 それから、周辺小売業は当然これは適格性がある、これは橋本政府委員も何回もきちっと答弁していらっしゃるわけですから、これはあると私ども思いますが、この点に変わりはないかどうか。
○矢橋政府委員 問題は二つあると思います。一つは、周辺中小小売業者に原告適格性ありや否やということと、二番目は、大店法に基づく勧告にいわゆる行政処分性があるかどうかという二つあろうと思うわけでございます。 そこで、まず最初の原告適格性の問題につきましては、立法当時の橋本政府委員の答弁の中で、ありとお答えをしたわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、昭和五十三年三月十四日の最高裁判所の判決によって、そのような答弁はその後維持できなくなっておる、つまり通産省としても見解を変えざるを得ない状況になっている、そういうことでございまして、したがいまして、当時の答弁は現在では甚だ申しわけないことでございますが、通用しないという状況にあることを率直に認めざるを得ないと思うわけでございます。 次に、二番目の行政処分性の問題につきましては、確かに先生御指摘のように、当時の中曽根通産大臣は勧告、命令云々という表現をとっておりまして、それを読みますと、勧告だけでも行政処分性があると読まれる可能性のある、ちょっとあいまいな表現をとったことは事実でございますけれども、先ほど来るる申し上げておりますように、勧告が行政処分でないことは別途明らかであろうということでございます。 例えば先ほど申し上げました法十七条の「不服申立ての手続における聴聞」の規定の中に命令だけしか入ってないということも一つの例証でございますし、もともと勧告はあくまで勧告であって処分ではないということかと思うわけでございます。したがいまして、その点については当時の答弁があいまいといいますか、誤解を招きやすい表現をしたことは事実でありますけれども、私どもとしては、勧告が行政処分でないことは当時からそう思っていたということでございます。 二つの問題につきまして御答弁したわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 また後ほど質問しますが、時間がありませんのでどんどんと質問していかぬと進みませんので……。 今度は事前商調協のことを承りたいわけですが、これは法文に明確な表現はないわけですが、これを運用上やっていらっしゃる。そこで、静岡の例を申し上げますが、この静岡では事前商調協がまとまらなくてああいう結果になっているわけです。まとまらなかったということで商工会議所へ答申をした。商工会議所はそれを受けて常議員会でこう決めたということで通産に出しているわけです。これに対して通産はどういうふうに受けておられますか。
○矢橋政府委員 静岡案件のことでございますが、その前に、大型店の出店調整に当たりましては、地元関係者の意見を十分に反映させていくことが大切であるわけでございまして、大店法の調整手続に従いまして商調協において各委員及び地元関係者の意見を聴し、十分な審議を行うことが最も適切な方法であると考えておる次第でございます。つまり商調協における意見の集約に可能な限り努力していくことが基本であると考えております。しかしながら、商調協におきます調査審議が円滑に進みませんで非常に困難な状況にあるような場合には、通産局、都道府県、市町村及び商工会議所、商工会等の四者で今後の商業調整の進め方について十分協議していくことにしている次第でございます。 具体的に、ただいま先生御指摘の静岡案件の場合でございますが、たび重なる商調協開催努力にもかかわらず、反対行動等によりまして再三にわたりまして商調協が流会となりました。そこで、商調協会長あるいは商工会議所会頭といたしましては、これ以上の審議継続は困難であるという結論に立ち至ったものでございまして、関係者が協議をいたしました結果、次の段階に進めるのはやむを得ないというふうに判断したものであると承知をしております。
○渡辺(嘉)委員 それでは今、商工会議所のそういう常議員会で決めたことを有効とされておるのかどうか。それから、商調協ではまとまらなかった、そうすると今度は五条に基づいて正式商調協ができてくるわけですが、このときに商工会議所に諮問してまた正式商調協をつくる。その委員の人選をまた前のままやったらあかぬわな、かわりの人を出しておかなければならぬ。前のものはまとまらなかった。だから当然そういうふうな指導が四者協議会等でも出てくると思うのですが、今度の正式商調協、新しい人選をされる、そういう指導をされるかどうか。
○矢橋政府委員 有効と見るかどうかという御質問でございますが、どうしても開催ができないということで何度も流れたあげくのことであります。それから、実は商調協においては五十七年以降だけでも、勉強会とか運営委員会というのを合わせて三十回以上やっておりますし、それから最終的に事前商調協をそこで打ちどめにすることはやむを得ないということを会頭が判断をし、見解を出すに当たりましては、商調協会長が行ったアンケート調査による商調協委員の意見聴取の結果でありますとか、静岡市内の有力商業団体の長からの意見聴取あるいは会議所常議員会の議員二十四名からの意見聴取、そういったことをもとに相当の詰めを行って商工会議所会頭見解ということを出した、そういった経緯からいたしますと、まことにやむを得ない、理想的な姿では決してございませんけれども、経緯、その間の関係者の努力、そういったことを総合勘案いたしますと、まことにやむを得ないことではなかったかと考えているわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 今の静岡の件につきましては、さきに我が党の後藤茂先生からも強くその不当性についての意味を含めて質問があったわけですが、今の回答もはなはだ合点がいかないと思うのです。 いま一つは前橋市の例を申し上げますが、前橋市が先日正式商調協を開いたということですが、非常に異常な状態だったと聞いておりますが、この点はどうですか。
○矢橋政府委員 確かに結果的には異常と言えば言える状況でございます。と申しますのは、最終的に三十一日の午前一時に商調協を開催したということでございまして、そういうことに結果としてなったわけでございますが、午前一時といえば夜中でございまして、普通でございましたら余りそういうことはない、そういった意味では確かに異常と言えば異常であったかと思うわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 この点は詳細に調べて、全く異常だと思うのです。その日の六時にやりますよといって福祉会館へみんなを集めた。ところが、どういうわけか知らぬが、ぱっと中止になって流れちゃった。そうして夜中の十二時ごろにみんな家に帰って寝ておったら呼び出しがかかって、一時から開きますよ。午後一時ならともかく午前一時に商調協をやるというようなことは、こんなことは異常に決まっておる。そういうやり方をする。あるいはまたいろいろ聞きますと、その商業者委員も、前橋市の商店街連絡協議会等の認知を受けたものでも何でもなくて商業者委員が出ておる。あるいはまた前橋市の商工会議所の会頭は、これはもう認めようじゃないかというような含みで進めておられたらしいのです。 この商工会議所の会頭は、調べてみたら佐田という方が会頭だそうですが、この方は、今まで大規模店舗が出てくるたびにその工事は大部分がその佐田建設が受けておるとおっしゃるのです。上毛シルクプラザ五十四年を初めとして、前三百貨店の増改築、ニチイ前橋、まっせい、伊勢屋、その他全部ここに載っておる。これを全部やっていらっしゃる。こういうことでは果たして商工会議所にそういうことを——周辺の中小商工業者、小売業者にとっては生きるか死ぬかの問題なんです。こういう商工会議所に任せておいて、そこの人選によって商調協委員が選ばれて、夜中に行われてそれでオーケーだ、こんなことは私は許されぬと思うのですが、これについてと、いま一つは、私はこんなものはやり直しさせるべきだ。通産省の役人さんは出ておったかどうか、出ておったとすれば、こんな異常なことはやめなさい、こう言うべきだと思うのですが、その点どうでしょうか。
○矢橋政府委員 結果として午前一時の開催になったことは事実でございますけれども、最初から夜中の一時を予定してやったわけではございませんで、連日小委員会等を繰り返しまして議論を煮詰めてきた。そして三十日の日もずっと一日じゅう小委員会等で検討を続けてまいりました結果、意見の集約が見られる見通しとなったため、引き続きまして商調協を開催して審議及びいわゆる結審ということでございます。ですから、初めから夜中を設定したらばおかしいわけでございますが、結果として非常にイレギュラーな時間になったという事情にあったようでございます。 それから、通産局は知っていたではないかというお話がございましたが、通産局の職員も実はこれに出席しております。東京通産局の担当課長ほかが出席しておりますが、これも七月三十日の午後に意見がまとまりそうだという連絡がございまして前橋に向かった。そうしましたら話が煮詰まりまして、結果遅くなって、ずっと出席をした、こういう状況でございまして、結果として午前一時になりましたけれども、最初からそのように設定した、こういうことではないわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 大分違うのですよ。まとまりそうになったから夜中の一時に開いたんじゃない。結果はまとまらなくて両論併記が出たことは事実でしょう。まとまってないじゃないですか。それから、午後六時にやるということは通知が出ておる。まとまりかけたなら何も夜中にやらなくたっていいじゃないですか。夜中にやることはまた別なことがある。むしろ明くる日の十時なら十時に、きちっとその間準備をして、いろいろな整理をして行うのが当然だと思う。いま一つは、そういう商工会議所に大事な諮問の意見を聞くような仕組みそのものは好ましくない。いろんな事例を見ておっても好ましくない。この点どうですか。
○矢橋政府委員 私、まとまりそうだと申し上げましたのは、結果から見ますと確かに両論併記の形で最後にまとまったわけでございますが、両論併記の形でも一応のまとめであるという意味において、まとまりそうになったのでと、このように申し上げた次第でございます。
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんから、まだこのくらいあるのですけれども、一点に絞りますが、そういう報告の受け方あるいは判断の仕方、国会では適当に答弁しておく一適当じゃありませんが、いわゆる適当に答弁しておく、こういうふうにこの場で過ごすことじゃないと私は思う。現場においては、長年培ってきた商店業者は生きるか死ぬかという問題を味わうのです。私も現実にそういう中小業者をたくさん知っておるのです。一つ間違えば倒産、首つりにつながるのです。そういう深刻な問題をあげつらうのに、この大店法は昭和四十八年に制定されてもう時代的にも無理だと私は思うのです。また、いろいろな意味で運用上この法文だけでは不備な点が多々あるので、この際、これを見直し、改正する時期が来ておると思う。 いま一つは、先ほど申し上げたように、四十八年の国会審議では周辺の中小小売業者にも適格性あり、訴訟の対象になると言っておったが、今はありませんとおっしゃる、勧告は言葉の言い損ないみたいな説明があった。これは本当に国会審議の軽視ではないかと私は思うのです。もしも、そういうことがあったとするなら、当然法の改正なり委員会に諮って対応を考えるべきなんであって、今ではもう四十八年にした答弁は生きておりませんよというようなことでは、あのときの国会審議が生きておる、だからこの法律も生きておると私どもは考えておるが、国民にも大変な疑問を与えることになる。こういう点をまず通産は実態を的確に認識し、誤った、あるいは無理なそういうやり方は指導によって改めさせる。 それから、静岡あるいは前橋等の実例から見ましても、今後、人選を商工会議所に一任することは好ましくない。もちろん一任じゃありません、いろいろ聞くとは書いてありますが、都市計画、公害、交通、教育、非行の問題がいろいろありますから、この際、そういう人選は地方議会等の同意事項のようにして、全体としてこの問題に対応していくことが必要ではないかと私は考えます。 先ほど申し上げた大臣の答弁あるいは橋本政府委員の答弁等とのいろいろな大きな問題も含んでおりますので、この点については大臣の方から一括して御答弁をいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 いろいろな経過をお聞きいたしましたけれども、大型店の出店の調整に当たりましては、消費者利益の保護に配慮しながら周辺中小小売商の事業活動の機会を適正に確保することが必要であると考えております。特に周辺中小小売商等の関係者の意見も十分に聴取しながら、適正かつ円滑な調整を図ることが必要であると認識いたしておりまして、今後もこの線に沿いまして誠意を持って進めてまいりたいと考えております。
○渡辺(嘉)委員 こういういろいろな問題がありますので、この大型店法に対しましては、私ども社会党は独自な案を作成いたしまして次回には出す、こういうことになっておりますので、どうか政府の方でもこれの見直し、改正に積極的に当たっていただきたいことをお願いしまして、質問を終わります。
○梶山委員長 午後一時十五分委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時十六分開議
○梶山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。木内良明君。
○木内委員 七月二十三日、大手ミシンメーカー、リッカーが和議申請をしました。事実上倒産しましたが、今回の倒産は戦後四番目の大型倒産であり、消費者あるいは関連中小企業への多大な影響が心配されているところでありまして、これらの関係の被害は最小限に食いとめられなければならない、こう考えるわけであります。また、この問題に関しまして、我が党は、過日、通産大臣に対しまして、前払い積立金の保全等の消費者保護の立場からの施策並びに関連中小企業の倒産防止対策等について万全の措置を講ずるよう申し入れを行ったところでありますけれども、この経緯も踏まえて若干質疑を行いたい、このように思います。 今回のようなこういう前払い積立販売業者の倒産は、単なる個別業種、個別企業の経営問題及び下請関連企業の連鎖性という影響のみにとどまらず、契約者のすそ野が極めて広いという点から、異なった意味での社会的影響性が極めて大きいと言わざるを得ないわけでありまして、こうした点に立ちまして、私は、重大な問題意識を今回のこの倒産に抱くわけであります。加えて、きょうは質疑の中で、割賦販売法に基づく、いわゆる行政と業者とのかかわり合い等についての問題まで、これは非常に象徴的な倒産ということでございますので、お尋ねをしてまいりたい、こう思います。 前払い積立金につきましては、二分の一の前受け保証金は返還されることになっておりますけれども、残りの二分の一につきましては返還が不明確でございます。消費者債権である前払い積立金については、賃金等の労働債権と同様、先取特権を認め、優先的に確保することは消費者保護の観点から必要である、このように私は考えるわけであります。この点について、リッカーが出している和議条件の中では明確にされておりませんし、今後、東京地裁の管轄下で進行する和議の手続の過程の中で明らかになってくると思われます。 そこで、通産省としては、直接介入はできない立場でありますけれども、消費者保護の徹底を図る立場から、東京地裁等に対して申し入れや意見具申等により、可能な範囲での働きかけを行う必要がある、このように考えるわけであります。先日、通産当局からもらいました資料によると、「なお、本件については和議開始申し立てがなされているので、消費者保護の観点から、裁判所等と密接な連絡をとりながら必要に応じて所要の要請を行うこととしたい。」このように私は聞いているわけでありますけれども、可能な範囲での働きかけというのが、どの領域まで可能なのか、また、申し上げた点についての通産省としての基本姿勢、対応をまずお尋ねします。
○矢橋政府委員 前払い積立金の優先返還の問題でございますが、私どもといたしましては、現在、契約商品の提供あるいは代物弁済といった方法につきまして、リッカー及びその子会社を指導中でございますけれども、このことと並びまして、消費者の希望に応じまして前払い金が直接消費者に還元できれば一番よい方法であると考えておるわけでございます。したがいまして、このため裁判所の理解を得るということが一つ重要でございますし、また、他の債権者の説得等につきまして、リッカー株式会社及び株式会社リッカー・ファミリークレジット、両社に対しまして十分な指導をしてまいりたいと考えているわけでございます。 ただ、この問題につきましては、既に和議の申し立てがなされておりまして、和議法上の制約等を受けることは当然でございます。そのことにつきまして、連日のように東京地方裁判所の担当判事と打ち合わせをし、かつまた、私どもの立場から、消費者対策の上でなるべく有利になるように御要請もしているところでございます。 実は、前受け金の法律的性格につきましては、最終的には裁判所の判断によるというほかはないわけでございますが、今日までの裁判所との間の打ち合わせ等で、私どもは次のようなことになるのではないかなと現時点では考えております。そして、そのことについて今から申し上げたいと思います。 まず、消費者が契約の解除によりまして取得をいたしますところの前受け金返還請求権というのは、一般の優先権のある債権あるいは別除権といったものではございませんので、和議法上の特別の扱いは恐らく困難であろうと考えるわけでございます。したがって、一般の和議債権として処理することにならざるを得ないのではないかと現状では考えているわけでございます。 そこで、一般の優先権のある債権あるいは別除権といったものではないのでと申し上げましたけれども、その一般の優先権のある債権とはどういうものかと申しますと、例えば従業員の給与とか日用品の供給、それからこれは余り例はないかと思いますが、葬式の費用といったものが優先権のある債権として定められております。また、同様、優先権のある別除権といたしまして、租税あるいは質権、抵当権、そういったものにつきましては和議法上の特別の扱いができるようでございますけれども、前受け金返還請求権はそういうものには入っていないのではないかと考えているわけでございます。この結果、前受け金の返還請求権は、和議条件平等の原則、これは和議法第四十九条第二項で準用されておりますところの破産法第三百四条の規定に服するということでございまして、この原則下にあって、前受け金について全額を返還するためには、不利益を受ける他の債権者の同意が必要であるということになっているようでございまして、この同意に向かって会社が努力するように指導をしているところでございます。
○木内委員 今いろいろ御説明いただきましたけれども、極めて大きな矛盾があるわけであります。通産省は裁判所に対して、消費者保護の立場から、有利に事が運べるようにアプローチをしていかれるという趣旨の発言をなさいました。今いろいろと御説明を聞きますと、和議法上の特例的措置は、少なくとも消費者の先取特権に対しては適用されないという、長々と説明がありましたけれども、結論から申し上げればそういうことでありました。簡単に言えば、今回の消費者保護という立場に立って行政を進められるお立場で、これは極めて遺憾なことである、こう思うのです。消費者保護になっていないというのが実態ではないでしょうか。 御説明はよくわかります。法律に準拠しての見解はよくわかるのです。しかしながら、それは通産省としてはあらかじめわかっていたことでありまして、裁判所に対して要請を行っていくという報告を私どもにしておりながら、具体的にこの要請内容についての結実を見ていないというのが実態である、このように判断せざるを得ないわけであります。この点どうでしょう。
○矢橋政府委員 裁判所と打ち合わせをしております事項は、ただいま申し上げました前払い積立金の優先返還の問題もその中に入っておりますが、そのほか、いわゆる契約商品の引き渡し、つまり前払いで一定のところまで積み立てた人が現時点において追加金を出して当初予定の物を引き取るとか、あるいはそこで通常の割賦、後払い割賦に切りかえて予定した商品を受け取るとか、あるいは予定した商品ではないけれども現在までにたまったお金の範囲内で代物、別の物の引き渡しを受けるといったようなこと、そういうことも含めまして、そういうことを裁判所がお許しいただくように裁判所にお願いをしているわけでございます。 それから、今の前払い積立金の優先返還の問題にいたしましても、いつ発生した権利かということによりまして、もしも七月二十三日以前に発生したというふうに裁判所が認定する場合には、裁判所の許可が要ります。これは保全命令との関係で許可が要るわけでございまして、先ほど申し上げました和議法上の問題のほかに、そういう場合には裁判所の許可もいただけるようにお願いをしておるわけでございます。確かに、前払い積立金の優先返還という問題につきましては、率直に申しまして和議法上の制約があるわけでございますけれども、そのことを含めまして、いろいろな点について裁判所との間で鋭意打ち合わせをしているということでございまして、私どもとしては一生懸命やっているつもりでございます。
○木内委員 通産省は、たしか二十三日に、代物弁済の促進の申し入れについてリッカー並びにこのクレジット会社にやっておられる。七月二十四日には両社から、その指導に準じて対応する旨の発言があったわけであります。しかし、今も矢橋さん言われたように、財産保全命令が存在する、こういう過程の中で、代物弁済の実行としてのいわゆる在庫品の処分等も法律的にはできなくなるでしょう。今ちらっと二言だけおっしゃいましたけれども、裁判所の方から許可がもらえる、こういう答弁がありました。これはどういう基準によって許可が出るか出ないかが決まってくるのでしょうか。通産省の熱意の問題でしょうか、あるいは今後の再建計画と、この法律に基づく見通しによってこの許可は下されるものでしょうか、簡単に答えてください。
○矢橋政府委員 代物弁済等の話と前払い金をお金で直接返す話と、若干状況が違うと思います。 そこで、直接お金でもって返すことにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、和議法上の制約があり得るので、債権者の同意を取りつける必要があるということにつきまして、会社にそのような同意を取りつけるように指導しているわけでございます。それで、裁判所の許可云々と申しましたのは、七月二十三日以前に発生した金銭債務の弁済は裁判所の許可が要る、そういう保全命令との関係についての話だけでございまして、そのことについては消費者保護の見地から、仮に裁判所の許可が要る場合にも裁判所の許可をいただけるように今お願いをしている最中でございます。 それからもう一つ、契約商品の引き渡してございますとか、あるいは代物弁済が和議手続中で可能かということでございますが、このことにつきましても、裁判所と十分な相談をしながら進めてまいる必要があることはもちろんでございますが、現物による代物弁済あるいは残額の支払いによる契約商品の引き渡し、あるいは後割賦、通常割賦への切りかえといったことは、実は日常の営業活動においてもかなりの頻度で行われていることでございます。最初前払い式でスタートしたお客が最後まで前払い式で全うするということはむしろ比較的少なくて、途中で商品を何らかの形で引き取るということの方がむしろ多いということでございます。つまり、これはいわば通常の営業活動に入るのではないかということで、現在のところ、この現物の問題につきましては和議手続の中でも可能ではないかとの感触を得ておるわけでございます。
○木内委員 今私が代物弁済と財産保全命令との関連について申し上げたのは、先ほど答弁の中に、この二点について言及された部分があったものですから申し上げたわけでありまして、この問題だけにかかわって時間を費やすことは甚だ不本意でございますので、ぜひ裁判所等への要請活動、これは鋭意精力的にひとつ行っていただきたいことを今希望しておきます。 後ほど触れるところでありますけれども、今政府の方は大分冷静に、対岸の火事を見るようなさまとは言いませんけれども、そういう印象を私は受けたわけでありまして、実はこれは通産大臣の業務監督権限等の問題にも絡んでくるわけでございまして、重大な責任が政府当局にあると言わざるを得ない倒産に至る経緯というものがあるわけであります。したがいまして、これはぜひいわゆる当事者としての責任の自覚と熱意をあわせてお持ちいただきたい、このことを要請しておきます。 既にミシン等を購入している者に対するアフターサービスについて万全の措置を講じなければならないことは当然でありますけれども、今も若干触れられた通常業務の今後の活動の中で、部品供給等のメンテナンスやアフターサービスについては支障が生ずることも当然考えられるわけでありまして、こうした問題については今後業界全体の協力による対応も必要であると思われるわけであります。 仄聞するところによりますと、上位数社を初めとするこのミシン業界、いろいろな思惑が、思惑と言うと言葉は悪いですけれども、今回のこの倒産に関する考え方のばらつきがあるようでございますけれども、通産省としては、一つに、このリッカーだけに限らず業界全体に対して、この倒産問題関連でどのような行政指導あるいは協力の要請を行っていかれるおつもりか、これは申し上げたメンテナンスあるいはアフターサービスといった問題からかなり重要なことであると思います。
○木下政府委員 アフターサービスにつきましては、リッカー側といたしましても、今後の営業活動を継続していくためには不可欠なものであるということで、消費者の信頼を回復するためにもぜひそれを進めていきたいということを言っております。 私どもといたしましても、消費者が購入しましたミシンのサービスが行き届かなくなることのないよう、裁判所等とも十分相談しながら、アフターサービスに万全を期するようにしたいと思っております。 業界全体の協力態勢でございますが、御承知のようにミシンメーカーのうち大手メーカーの一つがこういう事態になったわけでございまして、ミシン業界全体としては、ミシンの販売の信頼性を回復するということからも、必要があれば協力をしていきたいという姿勢を示しておりまして、現在のところ具体的な問題とはなっておりませんけれども、今後私どもとしては、十分関連企業も指導して、ミシン全体の販売及びアフターサービスが今後も続けられるよう指導してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕
○木内委員 今の答弁というのは、業界に対してそうした事態が発生すれば協力を要請していくというのは、通産省としては当たり前のことでして、実際の感触を実はお聞きしているわけでありますけれども、これは答弁結構です。どうぞ施策というものが後手後手に回らないように、今の段階から業界に対する十分な根回しも行っておいていただきたい、このことを要請したいと思うのです。 メンテナンスやあるいはアフターサービスの問題、さらにまた消費者保護といった、すそ野の広い社会的影響を持った倒産問題でございますので、これまでのような大沢商会であるとかマミヤ光機、これらの倒産関連とは若干趣が違うわけでございまして、それなりに通産省としても重大なこの問題の善後策に本腰を入れていただかなくてはいけない、この意味から通産大臣の御決意をひとつお願いしたい。
○小此木国務大臣 リッカーの問題に関する消費者保護対策といたしましては、その子会社に対しまして前払い方式による顧客の新規募集の停止あるいは前受け金の集金停止、さらに消費者の希望に応じまして残額の支払いによる契約商品の引き渡し等を行うよう直ちに指導いたしたところでございます。今後は、これらの指導の実施状況を把握するとともに、事態の推移に応じまして、さらに適宜適切に指導してまいりたいと存じます。 また、会社が割賦販売法に基づきまして供託委託契約を締結している日本割賦保証に対しましては、法に基づく供託の指示に備えて供託上所要資金を準備するように直ちに指示いたしたところでございます。 またさらに、関連下請中小企業対策といたしましては、既に七月二十七日、リッカーを中小企業信用保険法に基づく倒産企業に指定いたしまして、倒産関連特別保証の迅速な適用を図ったところでもございます。また、中小企業倒産防止共済制度に基づく貸し付けの迅速化、政府系中小企業金融機関の倒産対策貸し付けの積極的活用、下請取引のあっせん等、各種施策の機動的運用に努めておりまして、連鎖倒産の防止に全力を尽くしてまいっておるところでございます。
○木内委員 大臣、今申し上げたように、社会的すそ野が、消費者という存在があるために非常に大きな関心を払って対応しなければいけないことだと思うのです。特に前払い式取引というものについては、単に個別の企業の関連企業のみにとどまらないという特殊性があるわけでございまして、当然今の大臣の御決意の中からうかがえることでありますけれども、他のこうした業者に対するヒアリングあるいはチェック等も行われていかなければならない、こういうふうに思うのです。 前払い式取引の実態として、資料によると、前払い式割賦販売の業者数が五十六社あります。前受け金の残高で四百三十億円、前払い式特定取引、いわゆる友の会、これが三百五十五社、千三百二十一億の前受け金の残高、こうした同種同業界に対するチェックは行われていますか。
○矢橋政府委員 前払いの業を行っております者の状況はただいま先生御指摘のとおりでございます。 これに対する私どもの監督体制の問題でございまするけれども、消費者保護の観点から、これらの前払い式取引は許可制の対象に法律でなっているということでございますし、また割賦販売法に基づきまして、定期的に財務あるいは営業に関する報告を提出させております。また、必要な場合には帳簿書類等を検査するために前払い取引業者の本店、その他の営業所に立入検査をすることができることになっております。また、財務諸表が法定要件を満たす場合には契約締結禁止命令等の発出ができるようになっております。 このように、監督のための仕組みは整っているわけでございまして、この仕組みの中で私どもとしては、ヒアリングあるいはデータの収集その他の問題も含めまして最大限の努力をいたしまして、このようなことの起こらないように最大のウォッチをする必要があると考えておるわけでございまして、今後ともそのようにするつもりでございます。
○木内委員 このようなことの起こらないように最大限の努力をされるということでございまして、これは今後の決意だと思います。また、既にこれまでもそのように対応なさってきた通産省の御努力を私は評価したいのでありますけれども、例えば財務諸表であるとか損益計算書、これのいわゆる閲覧、それからヒアリング、企業別の事情の調査、こうしたものは審議官が言われたように今の制度の中で行われ得るわけであります。このリッカーにつきましても四月ないし五月ごろヒアリングが行われたと聞いております。にもかかわらず、このような事態が予知予見できなかった実態があるわけでしょう。 私がこう指摘することをあらかじめそれこそ予測して答弁をいただいたような感じもあるわけでありますけれども、最大限の努力を払ってもなおかつこのような倒産を防止できなかった、予知予見できなかったという問題を私は指摘したいのです。割賦販売法によりますと、例えば四十三条「報告の徴収」というのがあります。「主務大臣は、」中略ですけれども、「割賦販売業者に対し、その営業に関し報告をさせることができる。」同じく二項についてもそういうことです。あるいは立入検査につきましては、「帳簿書類その他の物件を検査させることができる。」こうした、いわば義務規定にはなっていないわけでありますけれども、制度は整っているわけです。 そうしますと、私ははっきり審議官にお聞きしたいのですけれども、今回の倒産が予知できなかったその理由は一体何なのだろうか。法律的な制度上の欠陥なのか。であるならば、この割賦販売法をさらに強化していかなくてはならないという結論です。あるいは制度が整っていて一体何が問題かといえば、今度はこれを運用する行政サイドの問題になるわけでしょう。最大限の努力はしました、結局だめでしたでは済まないのがこうした問題なのではないでしょうか。審議官、この点……。
○矢橋政府委員 この問題につきましては、当然リッカー株式会社及びその子会社につきましても、先ほど申し上げましたような割賦販売法の規定に基づきまして財務状況等について定期的にチェックを行ってきたわけでございます。特に本年に入りまして、経理内容についての事情聴取あるいは立入検査も行ってきたわけでございますけれども、それにもかかわらず今日のような事態を招く結果になったことはまことに残念であると考えておるわけでございます。会社のいわゆる経営蹉跌問題ということにつきましては、なかなかわかりにくい要素もあるというのが実態ではないかと思うわけでございます。それで、やはり今後は、先ほども申し上げましたように、より幅広くデータや情報を収集、分析してウォッチを強化していくということで最大限の努力をもって対処いたしたいと考える次第でございます。
○木内委員 審議官、今言われた、より幅広くデータや情報を集め得るような御努力をされるということですが、具体的には何をされますか。
○矢橋政府委員 まだ今日時点で今後具体的にどうしていくかということは、ここで申し上げるほど実は具体的な作業計画はできておりませんけれども、例えば毎年年度末にいろいろな財務諸表等の提出が行われるわけでございますが、そういう機会をとらえまして、単に書類を受け取るということでなく、あわせて状況のヒアリングを行うといったようなことも今後は考えなければならないかと考えておる次第でございます。
○木内委員 今審議官の言われました内容で、この実現が制度化あるいは規則として行われるような方向でぜひ御検討願いたいと思います。 仮にこの制度にまだ未熟、不備、不徹底とは言いませんけれども甘い部分があれば、私ども消費者保護の責任ある立場の者としては、国会においてこの法改正を、今国会で行われたばかりでありますけれども、さらに行っていかなくてはならない、こうも考えるわけでありまして、どうか運用の段階で御努力を願いたい、このように思います。 いろいろと、チェック機能の問題でございますとか、業者からの報告義務あるいは改善命令の法的な強制力等についても、この場で言及をしたいと思いましたけれども、極めて時間が少なくなってまいりましたので、申し上げた内容について要請をして、この問題については終わりたいと思います。 〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕 次に、下請関連企業への問題でありますけれども、再三にわたって私も当委員会で申し上げたところでありましたけれども、みずから必死の経営努力を行っているにもかかわらず、環境的あるいは他律的要因によって倒産を余儀なくされる中小企業の実態ほど悲惨なものはない、このように思うわけであります。中小企業の経営の安定あるいはその発展のための諸制度がいろいろございます。加えてまた、倒産防止のためのいわゆる倒産防止共済制度というものも整っているわけでございますけれども、この倒産防止共済制度につきまして、一、二点だけ絞り込んでお聞きしたいと思います。 前回の委員会で私も触れたわけでありますけれども、大沢商会等の倒産で危機感が広がって、中小企業倒産防止共済制度への加入がその後急増したというふうに聞いているわけであります。この制度のいわゆる財政的基盤の強化あるいはまた恒久的な制度の運用という意味から、加入促進を図らなければならないことは、この制度の持つ、いつに変わらぬ要求される必要性であるというふうに思うわけであります。私はきょうはぜひ中小企業庁長官に要請したいのでありますけれども、こうした倒産の機会と言っては語弊がありますけれども、危機感が広がる社会的環境の中で、こうした倒産問題を一つの引き金にして、この共済制度への加入の促進を図っていただかなくてはならない、こういうふうに思うわけであります。 そこで、問題点につきましては過日の一般質疑で私はいろいろ申し上げたわけでありますけれども、特に問題になりますのは、単独に親企業、固定の企業から受注をいたしております下請企業の場合、倒産防止共済制度に加入するということは親企業に対する不信感のあらわれではないのかということで、実は相当に有形無形のプレッシャーがかかるという実態があるわけであります。 それからもう一つは、倒産防止共済制度という、このネーミングの問題。おまえはおれのところの仕事をしていて、つぶれそうだから、このつぶれるのを防止するための共済制度に入るのかなんということで圧力がかかってくることが実はあるわけでありまして、この前も私は申し上げたのだけれども、検討願うという答弁がありました。このネーミングの問題というのは、本質を変えずにネーミングだけ変えてもどうということはないかもしれませんけれども、感覚的にはかなり中小企業の経営者の方々はそうした問題については敏感なんです。このネーミングの問題が第二点目。 それからもう一点目。時間の関係でこちらからの主張が多くて申しわけありませんけれども、過日新聞紙上で報道されておりまして、仮にこれが事実であるとすれば私は通産当局の御努力を高く評価したいわけでありますけれども、この制度のいわゆるメリット、恩典の問題であります。報道されるところによれば、来年度からこの倒産防止共済制度の基本的な洗い直しによって、これまで不可能であった技術開発の資金の融資をまず行わせようじゃないか、あるいは限度額の引き上げも行おうじゃないか、こういうようなことが報道されていたわけであります。これが事実だとすれば、私は大変な前進だと思います。倒産のときだけ用をなすこの制度、結局掛け捨てじゃないか、掛け捨てじゃないという認識があれば親企業への不信感のあらわれじゃないかということで、加入に対してちゅうちょ逡巡する傾向になってしまうわけであります。このいわゆるメリットの問題。 それから、要望でありますけれども、仮にこの制度の根本的洗い直しが行われるのであれば、技術開発のみならず、運転資金、設備資金等にまでこれを広げていかれるように検討すべきである、このことをまとめて倒産防止共済制度に関して申し上げたいのです。 あと三番目のテーマについてお聞きをしなくてはいけませんので、簡単に答弁を願います。
○石井政府委員 倒産防止共済制度については、確かにそういった御指摘の懸念が存在するかと思っております。その意味におきまして、私どもは昨年四月から金融機関を窓口にして加入促進を図ったわけでございますが、さらに親企業サイドの理解を得る必要があるということで、全国下請企業振興協会、これは下請企業との関連のみならず、発注先である親企業との接触を非常に大きく持っておりますので、この振興協会を加入窓口とすべく委託契約を締結したわけでございまして、できるだけそういった親企業の理解を得ながら加入促進を図るという手段を今後とも強化したいというふうに考えております。 その意味におきまして、御指摘のネーミングの問題、確かに一考を要する面がございますが、率直に申し上げまして、もう既に実施六年になっておりまして、その間の実績も定着化しているという意味におきまして、その改正を図るということがどういう影響を持つだろうかということについて、なお検討を要する問題ではなかろうかと思う次第でございます。 それから第三点でございますが、制度のメリットを極力拡張するための見直しを図れという点でございますが、御承知のように六十年度、五年目の見直し時期に当たってございますので、私ども、現在基本的な見直しを行っております。 その中で、先生御指摘の運転資金供給を図れるようにできないかということは、私どもも非常に強くその必要性を痛感しておるところでございます。共済加入をしておりながら、運転資金不足ということで制度から脱退をされている方が全体の四、五%に達しております。そういう方々は、せっかくの貸し付けを受け得る権利を放棄して脱退をしておるわけでございますから、そういった運転資金枯渇の段階では、共済加入者に対しまして、その掛金の限度内で運転資金を供給するということであれば逆に脱退も防止できますし、またその方のいざというときにこの共済制度がワークするわけでございますから、そういった面の制度づくりを行う必要があるのではなかろうかというふうに思っておりまして、そういった点を含めまして、できるだけこの秋口までに一つの結論を得べく検討を進めていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○木内委員 今大変前向きの答弁をいただきましたので了としたいというふうに思います。特に貸し付け制度等のこの制度のメリットについては、ぜひとも前向きに改正を願いたい、こういうふうに思います。 それから、石井長官、六年たってしまって大分なじんでいるからもうこのネーミングはね、というお話がありましたけれども、これは今後への大きな必要性があるわけでありますから、再度これは御検討願いたいと思うのです。実際にそうなんです。私のところへ随分中小企業者の方からお話が来るのですけれども、倒産防止共済ですかということでおっしゃる方おられるのですよ。実は国会関係各機関の皆さんともいろいろ御相談したのですが、私も実はいいネーミングがこの発言の機会までに得られれば提案しようと思ったのですが、なかなか見つからないわけでありまして、まことに同苦しているところでありますが、ぜひ検討願いたいことを申し上げておきたいと思います。 次に、限られた時間でございますので、かなり雑駁なテーマの取り上げ方になってはなはだ恐縮でございますけれども、官公需の問題についてお尋ねします。 七月二十四日、昭和五十九年度中小企業者に関する国等の方針が閣議決定されたことにかんがみまして、私ぜひこの問題についての質疑を行いたい、こう思っているわけであります。 実は、過去五年間における「省庁等別官公需実績の推移」というのを見ますと、省庁によっては三〇%以下のところ、あるいは三〇%台のところ、あるいは高いところでは七〇%以上、こういうふうに非常にばらつきがあるわけであります。問題にしております官公需の問題については、官公需法が制定されたときの審議の経過をたどってみますと、五〇%というのが今後の考えられるべき理想的な目標達成率である、こういうことが言われていたわけごあります。その後年々歳々官公需の目標値への達成率については国会で議論をされてまいりましたけれども、そのたびにこの五〇%の数字というものがかなり遠いところへいってしまったという認識を、私は会議録をずっと見てみまして持っているわけであり為す。 まず、お聞きするわけでありますけれども、省庁別にこのようにばらつきがある原因をどのようにごらんになるか。そして、例えば中長期的に官公需の目標達成というものをプランを立てることによって年次計画を設定し、年次的にこの実現を着実に五〇%に向けて実行することは考えておるのかおらないのか、この二点、まず簡単にお答え願いたいと思います。
○石井政府委員 第一の、各省別にばらつきが大きい、特に、平均の発注比率の低いところが数省庁あるではないかということでございますが、その理由といたしまして、私どもそれぞれの各発注先と協議した結果でございますが、やはりそれぞれの省庁の目的が防衛とか国内治安あるいは空港整備といったような特殊な事業を遂行するために、他の機関に比較いたしますと高度な技術を要する設備の購入あるいは工事を実施するといったようなことで、その関係で大企業向け発注比率が大きくなってしまうということではないかというふうに認識をいたしておるわけでございます。 それから第二の、中長期的な計画を立てて、これに年次プランを合わせて実現していったらどうかという御指摘でございますが、私ども現在の契約目標の設定ということは、実行に当たっての具体的な裏づけのある目標を設定いたしたいということで、現実に予算が作成されまして、その後各発注先におきます事業ないし事務の予定を踏まえまして、関係者と協議の上で具体的な目標設定をいたしておる、そういうような作業手順を進めております。その方が裏打ちのある目標が策定できるのではないかという考え方で行っておりまして、そういう着実な努力を今後とも積み重ねたいというふうに思う次第でございます。
○木内委員 今長官言われました、実行性のある目標ということになりますと、実質的に五〇%というのはかなり厳しい数字であるとの認識をお持ちになっておられ、その上での御発言であろう、こういうふうに実は思わざるを得ないわけであります。 私は、ここで一つの提案をしたいのです。大臣もお聞き願ってぜひ御答弁願いたいと思います。 これまで目標設定といいますのは、官公需の総予算について、すなわち今も長官の方から答弁ありましておわかりのように、当初から中小企業へは発注できないものも含めてこの領域を定めているところに一面の問題がある、私はこのように判断するのです。したがって、考え方を変えまして、ここで発想の転換をして、毎年の閣議決定というものは、官公需の総予算から、そもそも中小企業へは発注できないもの、例えば大型プロジェクトでございますとか電算機等の特殊なもの、大企業へしか発注できないものがあるわけでしょう。この予算を初めから取り除いてしまいまして、そしてあとの官公需予算はすなわち中小企業へ発注可能なものである、この領域を明確に区分をしてしまう。そうしてこの目標に対して各省庁が努力をするようにしていくというのも、私は、この五〇%という目標値がかなり架空のものになってきつつある現在、大事な発想の転換ではないかと思います。 しかし、ここで問題になるのは、では大企業向け発注と中小企業向け発注というものが当初から区分されてしまったならば、例えば前者においては大企業用の聖域になってしまうことが非常に問題になりますので、そのためのチェック機能をこの官公需法に付加することも大事であろうし、このこともあわせて申し上げるわけであります。こうでもしなければ、当初言われておりました五〇%なんというのはまことに実現不可能な、それこそ長官の言葉をかりれば、実効性のない目標ということになってしまう懸念が私はあるわけであります。 これは大臣、私は今非常に大事な提言をしているつもりでありまして、作業も複雑になるかもしれません、あるいは手続等についてもいろいろクリアしなければならないハードルはあろうかと思いますけれども、申し上げた趣旨を御理解いただいて、ぜひ明快な御答弁を簡単にお願いできればと思います。
○小此木国務大臣 御提案に関しましては、中小企業の受注機会の増大ということを考えれば、非常に有益な御示唆であると考えます。真剣に検討いたしたいと存じます。いずれにいたしましても、通産省といたしましては、中小企業の官公需受注機会の増大のために全力を傾けてまいりたいと存じます。
○木内委員 最後に大臣から大変内容のある答弁をいただきました。 以上で終わります。
○梶山委員長 横手文雄君。
○横手委員 私は、非鉄金属鉱業政策に関する当面の重点事項について、大臣並びに関係省庁に対して御質問を申し上げます。 銅、鉛、亜鉛及びニッケルを主とする非鉄金属資源は、諸産業の基礎資材として、また国民生活にとって必要不可欠な重要物資であることは言うまでもありません。 我が国における需要も、経済の発展に伴い年々増大し、鉱石輸入量は自由世界において第一位、地金消費量においては米国に次いで第二位を占めております。しかしながら、これを支える我が国非鉄金属産業は、労使の懸命な努力、国の支援にもかかわらず、長期にわたって厳しい状態に置かれております。その原因は、その価格が変動が激しい国際価格によって決定されること、したがって、国内鉱業のコストとは全く無関係であり、しかも近年は国際価格低迷が続いていること。国内的には、エネルギー費の上昇、鉱害対策費の増大、鉱床の深部移行等によってコストは上昇の一途をたどっていることであります。このため、閉山が相次ぎ、労働者は職場を失うという悲劇が続いております。 ここに資源労連、産業政策委員会から出されているレポートがありますが、それによりますと、昭和四十年四月時点で、我が国の鉱山数は中小が三百三十九、大手が六十、合計三百九十九、従業員数四万六千六百人とあります。そして今日、五十七年四月現在では、中小が六十六、大手が六、合計七十二。つまり昭和四十年時点において三百九十九の鉱山数は、一昨年の四月には七十二、従業員数四万六千六百人が、今日では一万四百四十九人、このような激減をいたしておるところであります。私は、我が国の経済発展に伴い、海外鉱石に大半を頼らざるを得ない実情は理解をいたします。しかし国内鉱業に対しても、これの活性化のために国の政策をさらに充実強化することが重要であります。 その第一の理由は、激動する国際政治経済情勢の中、我が国経済安全保障のために国内鉱山は最も安定した供給源であること。第二は、海外資源開発のために鉱山技術の涵養の場として必要であること。第三は、海外鉱石を入手する際のバーゲニングパワーとしての必要性が高いこと。第四は、国内鉱山のほとんどが山間僻地であり、いわゆる過疎地に存在をいたしております。我が福井県における和泉村の中竜鉱山にも見られることであります。したがって、これらの地域は他に見るべき産業がなく、地域経済を支える重要な産業であること等々、まことに多面的な多重性を持っております。 私は、具体的な質問に入ります前に、まず冒頭述べてまいりましたことに対して、この国内鉱山育成強化策の必要性について、大臣の御所見を承りたいと存じます。
○小此木国務大臣 鉱業政策の基本は、鉱物資源の安定供給の確保にあることは言うまでもございません。このため、国内外の探鉱開発を積極的に促進することが重要であります。また、これにあわせまして、鉱業界の経営の安定化に努めるとともに、緊急時に対応したレアメタルの備蓄などを推進し、今後とも総合的な鉱業政策の実施に努めてまいる所存でございます。
○横手委員 大臣の積極的な姿勢をお示しいただいた答弁を踏まえまして、以下、質問を続けてまいります。 第一は、国内探鉱助成等の充実についてであります。 政府は、鉱床賦存地帯の解明及び探鉱のために長期探鉱計画に基づき広域調査、精密調査、企業探鉱助成のいわゆる探鉱三段階方式で進められているところであります。そして、鹿児島県菱刈の金鉱脈の発見を初め幾つかの成果を挙げておられます。したがって、業界の方々もこれに大きく期待をしておられるところでありますが、一方では、企業が行う探鉱開発に結びつくような改善、工夫を望んでおられますが、今後いかように対応していかれるのか、これらにどうこたえていかれるのでありましょうか。 また、広域、精密調査に係る国の予算は、業界の増額要望にもかかわらず、このところ毎年減額をされております。厳しい財政事情は理解をいたしますけれども、国の宝物を探すことであります。仮に増額とまではいかなくても、せめて減額は食いとめ、我が国の鉱床の開発のために努力をすべきだと存じますが、この点について政府の見解をお伺いいたします。
○柴田政府委員 国内探鉱開発を積極的に促進するために、先生御指摘のように、現在広域調査、精密調査あるいは新鉱床探査補助等の三段階の促進策を行っているところでございまして、相当な成果を挙げてきているところでございます。 この三段階調査について少し工夫すべきではないかというような御発言がございましたけれども、その点は先生の御発言の趣旨も踏まえまして検討してみたいと思いますし、さらに、厳しい財政事情ではございますが、今後とも予算の確保に努める所存でございます。
○横手委員 ぜひ積極的な対応をお願い申し上げます。 今述べてまいりました企業が行う探鉱開発とマッチするような方法、これらの問題については、きょうは時間がございませんし、業界あるいは労働組合からそれぞれ要望書が出ているところでございますから、今後の課題としてぜひ取り組んでいただきたいと思います。 次に、中小鉱山企業に対する助成の強化についてであります。 今申し上げましたように、三段階方式の一環として中小企業向けに新鉱床探査費補助金制度があり、また特定中小鉱山に対し国が積極的に指導助言を行うとともに、鉱床周辺調査及び坑道掘進に対して助成措置を行う等を目的とした特定中小鉱山振興指導事業補助金制度、これらの制度がございます。このことによって中小鉱山は国の助成を受け、経営基盤の確立に大いに役立っているところでありますが、しかしなお、申し上げてまいりましたように厳しい状況にさらされているのであります。中小鉱山の実態をよく踏まえて、今後ともにこれら助成制度の強化が必要でございますけれども、これらに対する政府の対応の方針はいかがでございますか。
○柴田政府委員 中小鉱山を取り巻く経営環境の厳しさにつきましては、我々も十分認識しているところでございまして、昨年度末で累積赤字が七十億円というふうな高い数字に達しているわけでございます。この辺を踏まえまして、先生の今の御指摘にもございますように、従来、中小鉱山につきましては新鉱床探査補助金によってその探鉱活動の促進を図ってきたところでございますけれども、五十八年度からは、中小鉱山のうち百人未満の零細鉱山を対象といたしまして、鉱床周辺調査及び坑道掘進に対し助成措置を行うとともに、鉱山技術者の研修及び副産物の用途開発事業に対しても助成措置を講じてきたところであります。 さらに五十九年度に入りまして、この特定中小鉱山の対象範囲を、従来の百人から従業員数三百人まで拡大いたしまして、対策の拡充強化を図ってきたところでございますが、今後ともこれら施策の推進に最大限の努力を払ってまいりたいと存じております。
○横手委員 大変力強い御答弁をいただいたわけでございますが、中小鉱山は御承知のとおりの状態の中にあり、これらの国の助成制度に対して大きく期待をしているところであります。その期待にこたえるべく、これら制度の充実強化をどうかお願い申し上げます。 次に、金属鉱業経営安定化融資制度についてお伺いをいたします。 本制度が発足をいたしました昭和五十三年当時、相次ぐ国内鉱山の閉山によって、この業界は大変なことでございました。しかし、この制度が発足をして、その閉山の回避に大きく貢献した画期的な制度であり、高く評価されたのであります。そして今日もなお本制度は業界の支えになっているところであります。 しかし、本制度の根幹であります利子補給原資が枯渇してしまいました。したがって、政府としても他に財源を求めるなど、いろいろと努力をしておられるところについては敬意を表するところでございますが、ただ、それは行き当たりばったりの政策ではなくて、この制度の存続のためにあらゆる努力を傾注すべきと思いますが、この方針について政府の施策はいかがでございましょうか。 〔委員長退席、田原委員長代理着席〕
○柴田政府委員 金属鉱業経営安定化融資制度は、価格変動が著しい非鉄金属の特性にかんがみ、価格低落時に国内鉱山の経営を安定させるため低利の資金を融資するものでありまして、本制度の重要性については我々も十分認識しているところでございます。 御指摘のように、利子補給財源につきましては、昨年度逼迫してまいりましたので財源の手当てを行ったところでございまして、当面は問題を生じないと見込んでおるところでございますけれども、先生の御趣旨も踏まえまして、今後とも円滑な融資の実行に努める所存でございます。
○横手委員 この制度につきましては、申し上げてまいりましたように、その根幹をなすのは利子の補給制度であります。これが空っぽになったということは業界の皆さん方にとっては大変なショックであります。 御承知のとおり、この価格が低迷をしているときにこれを共済をし、一定の金額に上がったときにまたその財源に戻す、大変理想的な制度でございますが、しかし、借りる方はあるけれども戻す方はなかなかないというところに、この制度の資金の枯渇が生じた原因であろうと思います。他に財源を求めながら、しかも、これが恒久的に存在をしていくということが、業界の皆さん方が今後もこれらの業界に取り組むための大きな支えになっていると思いますから、ぜひそのことについて御努力をいただきたい、このことをあわせてお願い申し上げる次第であります。 次に、休廃止鉱山坑廃水処理対策についてであります。 すべての産業は人類の進歩と幸せのために存在すべきものであり、産業の廃棄物等によって人類に害を与え、今までもむしばむようなことは断じて許されません。人の命は地球よりも重いという言葉は我が国最高裁の名言であります。したがって、鉱害防止のために国及び地方自治体、企業が一体になって、あるゆる努力をしておられることに対し敬意を表すると同時に万全を期していただきたいと思います。 しかし、長い歴史を持ち、しかも適切な処置が行われていなかった鉱山にあって、これは我が国の宿命の一面もあります。したがって、それらの影響が今になって人体に取り返しのつかない事態を招いてしまっていることはまことに残念なことであります。私たちは、私たちの世に、さらに子孫の世代に、かくのごとき悲劇を絶対に起こしてはならないのであります。この観点に立って、以下、質問をいたします。 本年三月、宮崎地方裁判所は、土呂久鉱害問題について、住友金属鉱山に対し、損害賠償の支払いの判決を言い渡しました。これに対して、住友金属鉱山は控訴いたしました。私はここでこの裁判の是非について議論するつもりはございません。これは今なお係争中のことであり、行政がこれらに対して発言をするということは差し控えたいという大臣の答弁をよく知っているからであります。 しかし、この問題について全国の鉱山周辺住民は深い関心を持つと同時に、ある種の不安を感じているのではないかと思われます。つまり、被害に対して裁判所は現在の鉱山権者に対して責任を持てという判決を言い渡しました。一方、企業は、私は過去も現在もこの地で一切の採掘作業をしていないから責任は負えませんと言って控訴したのであります。 全国の周辺住民の皆さん方がこの状態を見て、もし自分たちのところであのような事件が起こったら一体どうなるのであろうかということ、さらに、業界の皆さん方は、そこまで業界が持ち続けていかなければならないのであろうか、言葉が適切かどうかわかりませんけれども、まさに終身刑を背負ったまま企業の命ある限りであろうか、こんな悩みが聞こえるような気がするのであります。そして、そのことはまた新しい開発の阻害にも通じかねない問題であります。水処理の期限等を含めて、これらの問題に対し、大臣の御所見をお伺いをいたします。
○小此木国務大臣 休廃止鉱山から流出する坑廃水につきましては、公害を防止するためにその坑廃水処理を継続する必要がございます。このため、政府といたしましては、補助金であるとか低利融資等の助成策を講じているところであります。今後とも、坑廃水処理の円滑な実施を図るべく、所要の措置を講じてまいる所存でございます。
○平河政府委員 大臣がお答えしました措置の内容について補足説明をいたします。 休廃止鉱山におきます坑廃水の処理につきましては、本来ならば止水等の恒久対策ができれば一番望ましいわけでございますけれども、一部なお技術的理由等により恒久対策を実施し得ない場合がございますので、その場合には次善の策としまして、坑廃水処理をいたしまして公害の発生を防止しよう。先生御指摘のように、企業がいつまでもやらなければいかぬ、負担が大きいのじゃないかというお話でございますので、そのために政府としてもいろいろな措置を考えている次第でございます。 まず、金属鉱業事業団におきまして昭和五十三年から低利融資を行っております。 なお、企業に原因行為のない、いわゆる自然汚染あるいは他社汚染、こういう分につきましては補助金制度を設ける等の助成策を講じているところでございます。 また、止水のための坑道耐圧密閉技術を初め水処理費の低減のためのいろいろな技術の開発等も金属鉱業事業団で行っているところでございます。 今後とも、このような措置を実施することによって、公害防止の円滑な措置を講じてまいりたいと思っております。
○横手委員 具体的な政策について論ずる時間もございませんので、重ねて政府にお伺いをいたしますが、今御説明がございました、現行かくのごとき制度の中で進めておりますということは承知をいたしております。しかし、なおそれでは不十分ではございませんかということを申し上げているのであります。 そこで、このことのために、今も少しお触れになりましたけれども、政府の施策、業界への指導、さらには、これら公害防止のための水処理のために新しい技術開発が大変必要なことであります。そして、これらのコストを引き下げていく、しかも、それが長もちをするようなもの、あるいは場合によってはその中に含まれているものを人為的に摘出をして、そして、ほかの産業にほかの原資としてこれを振り分けていく、そのことによって、その処理費との間をとんとんに持っていく、こういうようなこともこれから考えていかなければならないことだと思いますが、こういう点についてどのように考えておられますか。 さらに、このことについてはただ精神論だけではできないのであります。これを裏づける財政措置等を含めて、もう一遍政府の見解をお伺いいたします。
○平河政府委員 坑廃水処理事業にかかわります技術開発の内訳について簡単に御説明いたします。 金属鉱業事業団が行っております技術の内訳でございますけれども、ただいま先生から御指摘ございましたように、金属の回収技術を含めまして、坑廃水の生物処理技術、坑道の耐圧密閉技術というような具体的な技術開発について五十九年度研究を行うことになっております。
○横手委員 その研究開発の現段階における見通しはいかがでございますか。
○平河政府委員 ただいま実験設備が完成した段階でございますので、今後これの運転研究を続けるという段階になっております。
○横手委員 積極的な御努力をひとつお願いを申し上げたいと思います。 次に、レアメタルの総合対策についてお伺いいたします。 今日、我が国産業は先端産業分野へ大きく飛躍しようとしております。そのために高度な機能を有する新素材の研究開発が活発に行われております。その目的は、新金属材料に磁気性、超電導特性、半導体特性などを持つ新金属材料の開発であります。このような新素材を生み出すために必要不可欠な資源がレアメタルであります。したがって、レアメタルの需要は飛躍的に拡大されるものと予想されます。しかしながら、レアメタルは国内外に多く賦存していることは認められておりますが、その多くがまだ資源量の把握さえ行われておらず、供給体制は未整備であると言わざるを得ません。新素材分野における技術革新に即応するため、レアメタルの安定供給確保を図ることはまさに必須の課題であると思いますが、政府はいかなる対策をとろうとしておられるのか、その方針をお伺いいたします。
○柴田政府委員 レアメタルにつきましては、先生ただいま御指摘のとおり、将来の新素材のもとをなすものとして極めて重要なものと我々も認識しているわけでございます。国内的にも十分調査すれば有望な鉱床が発見できるというふうに我々も思っているわけでございまして、そのため現在鉱業審議会鉱山部会の中にレアメタル総合対策特別小委員会を設置いたしまして、今後のレアメタルの中長期的安定供給の確保を図る観点から、国内レアメタル資源の探鉱開発促進策について検討をしていただいているところでございまして、この検討結果を待って順次施策に移してまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
○横手委員 時間が参りましたので、最後に大臣にお尋ねいたします。 申し上げてまいりましたごとく、鉱業は国の重要な基礎原材料の供給者でありながら、再生不可能な減耗資産を経営基盤としております。そして、それの補てんはリスクの高い探鉱活動による以外に道はございません。しかも、その価格は変動激しい国際相場に準拠しているため、不安定な経営活動を続けざるを得ないという宿命にあります。したがって、労使並びに所在自治体においては、将来にわたる安定操業のために鉱業基本法の制定を求める声も強いのであります。新しい産業には欠かすことのできない基礎素材産業として、しかも、それが厳しい環境の中に置かれている業界として、国の政策の中にもっと大きく位置づけ、活性化を図るためにあらゆる努力を傾注すべきと存じますが、大臣の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○小此木国務大臣 国内鉱山は最も安定した供給源であり、また地域社会の中核的存在であるとともに、海外開発のための鉱山技術蓄積の場として重要な役割を果たしていることは十分認識いたしておるところでございます。このような観点から、今後とも三段階探鉱促進策、金属鉱業経営安定化融資等の各種施策の推進に鋭意努めてまいる所存でございます。
○横手委員 どうもありがとうございました。
○田原委員長代理 野間友一君。
○野間委員 時間がありませんので、前置きを省略して端的にお伺いしたいと思います。 最初に、鉱山の保安行政の重要性についてであります。 御案内のとおり、この重要性について私は二つあると思います。一つは、今の鉱山が大規模な採掘あるいは大型機械化、こういう中で起こってくる事故も非常に大きい。このことについては、夕張のあの悲惨な事故あるいは三井三池の有明鉱の事件、これが既に証明済みであります。もう一つは、休廃止鉱山の鉱害対策、これは非常に急増しておりますので、これまた大変重要になっておるわけであります。そのことについての通産大臣の認識をまずお伺いしたいと思います。
○平河政府委員 鉱山保安行政の重大なことについては私ども認識しておるわけでございます。本件につきましては、保安重視の立場に立ちまして行政の効率化を進めるというような臨調の答申もありますけれども、私どもは、保安確保の行政の重要性にかんがみ、今後とも鉱山の保安の確保には万全を期するとともに、鉱山保安行政の一線に携わる職員の士気等についても十分の配慮をしてまいる所存でございます。
○野間委員 そこでお聞きするわけですが、札幌と福岡の鉱山保安監督局、これを中央通産局に附置するというようなことが今検討中だと私は聞いておるわけですが、これは非常に問題だと思います。まず、局を局に附置するというようなことは通産省の中ではかつてなかった出来事だと思うのです。ただし昭和三十七年ですか、同じ福岡あるいは札幌の鉱山保安監督部が局に昇格するというときに、一時の経過措置としてなされただけというふうに私は理解しておりますが、そのとおり間違いありませんね。
○平河政府委員 御指摘のとおり、昔附置されていた時代がございまして、その後独立した格好になっております。
○野間委員 だから、これはまさに機構上も異例の措置になるわけです。仙台とそれから東京、これなど五つの鉱山保安監督部、これは現在それぞれ地方通産局に附置をされていますね。これは恐らく間違いないと思いますが……。
○平河政府委員 東京と仙台については先生の御指摘のとおり附置されております。
○野間委員 そこで、今検討中の福岡と札幌の附置の問題ですが、これはいっとき附置をしてすぐにまた部に降格する、格下げするという懸念を私どもは持つわけですけれども、これは格下げの前提として通産局に附置をされるのじゃないでしょうか。検討中、どうですか。
○平河政府委員 臨調答申でも附置だけが言われておりまして、格下げはございません。
○野間委員 格下げそのものはないというふうに今言われましたので、そのとおり確認をしておきたいわけです。今までの経過からしても、そういうふうに格上げのときとか、あるいは格下げのとき、いっときの経過として、あとはまた機構改革という非常な不安がありますので、もし、これが附置ということになりましたら、会計課など共通の管理部門が統合される、これは独立性の非常に強い行政の望まれる保安行政が低下をすることを非常に懸念するわけでありますから、その点しかと今の答弁を私たちは確認しておきたいと思います。 それから次には、仙台と東京の鉱山保安監督部の統合問題についてであります。 この仙台の監督部は秋田を中心に多くの鉱山を抱えておりますし、東京の監督部は、鉱害問題の原点と言われます足尾鉱山を初め安中あるいは日立、こういうものを抱えております。さらに全国の七割近くを占めると思われますが、石油、天然ガス鉱山の保安業務、これも行っておるわけであります。確かに鉱山の数とか、あるいは鉱山労働者数は減っておりますけれども、この二つの監督部では休廃止鉱山の数とかあるいは鉱山施設、補助金工事、それらの量はずっとふえていますね。非常に重要だと思いますが、そのとおり間違いありませんね。
○平河政府委員 間違いございません。
○野間委員 さらに、もしこの二つが統合された場合には、新しい部の管轄区域が静岡から青森、一都十六県という膨大な広さになるわけですね。こうした体制でどうして突発事故に対応できるのか、私たちは非常に危惧するわけですが、この保安重視という立場を堅持されるならば、昨年も両監督部の統合は見送られたわけですけれども、今概算要求の大変重要な時期でありますからお尋ねしますが、今年もこれは当然見送る必要があると思いますが、いかがですか。
○平河政府委員 両部の統合問題について見送りましたのは、三池事故の災害のとき、事務量が非常に煩雑でございまして時間を延ばした次第でございました。来年度の予算要求に向けて検討を進めておるところでございます。
○野間委員 しかし、先ほどこの二つの地理的な状況とか、あるいは仕事の中身、とりわけ七割近くを占める石油あるいは天然ガス鉱山の保安業務、これは非常に重要でございます。こういうようなことを今認めたわけでございますから、それでもなおかつ統合するという見地から進められるわけですか。とんでもないことですよ。
○平河政府委員 先生御指摘のように、保安行政の中身については万全を期するような方向で考えております。
○野間委員 だから、統合してどうして万全を期することができるのですか。統合によって今よりもどうやって強化するのですか、具体的にその方策を教えてください。
○平河政府委員 統合しましても広域運営ができるように、内部で十分対応できると思っております。
○野間委員 その中身を聞いておるのですよ。今言葉だけで言ったって、そんなのだれも信用しませんよ。統合するということは整理縮小するためにやるわけでしょう。矛盾じゃないですか。
○平河政府委員 細かい中身につきましては今から検討するところでございますが、先生御指摘の意を体しまして、保安重視の観点から十分検討する所存でございます。
○野間委員 非常に重要だということはあなたは認めたわけでありますから、今の答弁、しかと承りまして、妙なことがあったら私たちは決して承知しないということをつけ加えておきたいと思います。 それから、同じく新年度の予算要求に関連する問題として、いわゆる繊検と工検、これの統合計画の問題であります。 当委員会でもやりました繊構審あるいは産構審の答申、新しい繊維のビジョン、これが新しく脱皮する繊維産業として、これから脚光を浴びるわけでありますけれども、そういう中で繊検の果たす役割は非常に重要だと私は思うわけであります。新しい繊維ビジョンの中でも二カ所にわたって、繊検が、技術開発あるいは産地における零細企業の技術指導、繊維製品の品質向上対策、こういう政府がとるべき対策の中核を担うということが位置づけをされております。これは通産省の位置づけ、同じだと思いますが、いかがですか。
○児玉政府委員 繊維製品検査所は、現在繊維製品の試買等消費者行政もやっておりますし、幾つかの繊維製品につきましては輸出検査もあわせてやっております。さらには、繊維関係の工業標準化法の運用の関係で、工場の立入検査でございますとか、JISの原案作成といった非常に重要な仕事をいたしているわけでございまして、繊維製品検査所のこうした大事な機能については、基本的には変更しないように考えていくつもりでございます。
○野間委員 「基本的には」という、そういう余計なことが入るからいかぬわけですよ。結局、落とすということでしょう。ことしの十月に工検と統合するわけでしょう。これは役割を低めるものとしか理解できないのですけれども、どうなのですか。「基本的には」というのはだめですよ。
○児玉政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、ことしの一月の閣議決定に基づきまして、繊維製品検査所と工業品検査所を統合いたすわけでございます。両方ともそれぞれの分野で似たような仕事をしているということもありまして統合するわけでございますが、このことによりまして、従来繊維製品検査所がやっておりました機能を低下させるとか、そういうことは一切考えていないわけでございます。
○野間委員 今「基本的」が抜けましたがね。 繊検は今十カ所に分散していますね。ここは本所と申しますかヘッドクォーターがないのですね、機構上。ところが、一方工業品検査所は本所を持っておりまして、結局統合すれば現在の工検の本所を中心としたスタイル、体制になりはせぬだろうか。そうなりましたら、まさに繊検が工検に吸収合併されるというようなことになりはせぬかと非常に危惧するのですけれども、その点いかがですか。
○児玉政府委員 先ほども申し上げましたように、統合いたしましても、従来から繊維製品検査所が果たしております機能についてはこれを十分に発揮できるようにする考えでございまして、現在具体的に準備中でございます。決して繊維関係の機能が工検に吸収されて埋没するというふうなことにはならないように十分気をつけてまいりたいと思っております。
○野間委員 繊検部門の予算あるいは人員の拡大について、京都とか愛知の尾西、津島、富山の高岡、こういう産地の各市議会から、繊検の機能強化の意見書が大臣あてに来ておると思います。今事務局の方から、繊検の機能を低下させないようにしたいのだというような答弁がありましたが、こういう自治体、産地の強い要望を踏まえて六十年度の予算要求に対して大臣はどのように臨もうとされているのか、決意を聞かせていただきたいと思います。
○児玉政府委員 ちょうど六十年度予算につきまして省内でも具体的な検討に入るところでございまして、先ほどから私申し上げておりますように、繊検の機能を落とさないように、各支所におきましても、また地元との連携も十分に保ちながら仕事をしていかなければならないわけでございます。そういう方向で今後具体的に予算要求の中身を固めていきたいと思います。
○野間委員 今の答弁、これは私はいいと思うのですが、そうしますと、産地の業界との十分な協議あるいは特に関係する全商工の組合の皆さんの意向も十分に反映して、機能低下しないように、一方的にこれを強行しないということは確認できるのですね。
○児玉政府委員 この統合の問題につきましては、具体的に進めていくに当たりまして、当然それぞれの現場で働いております職員との間で十分な意見交換をしなければならないわけでございまして、現にそういうことをやっておりますが、それぞれ一人一人いろいろな事情があるわけでございますから、そういう点も踏まえまして、今後とも十分配慮しながら対応してまいりたいと思っております。
○野間委員 大臣、なかなか答えがないのですが、今の繊検、工検の統合について予算面あるいは人的な面での強化、補充、これが各産地からも意見書が随分出ております。御案内のとおりです。これについて、予算要求についてどういう態度で臨まれるのか、ぜひそういう要望にこたえてほしいということをお尋ねしたいと思います。
○小此木国務大臣 統合に当たりましては、今審議官が答弁いたしましたように、労働者側の意見も踏まえ、また処遇等も十分考えまして処置いたしたいと存じます。
○野間委員 それじゃ、別の質問です。 中小企業関係についてですが、行革審の意見書が出ました。これを私今拝見したのですが、この中で中小企業関係について、十一ページですが、「中小企業対策費は厳に抑制する。」こういう厳しいことが書いてあるわけであります。先ほど、午前中から大臣も随分答弁されておりましたが、戦後の日本の経済の担い手の大きな柱が中小企業であることは言うまでもありません。今、戦後最悪の苦境の中で倒産もウナギ登り、こういう状況で、しかも倒産の中身を調べてみましたら不況型の倒産が非常に多いわけです。この中で「中小企業対策費は厳に抑制する。」というような行革審の意見書が出ておりますけれども、これはとんでもないことだと思うのです。大臣、いかがですか。
○石井政府委員 臨時行政改革推進審議会におきまして、いろいろ中小企業対策費の討議が行われた結果、幾つかの案が出てまいったわけでございますが、先生御指摘の、結語はまことに厳しい指摘であることは御指摘のとおりでございますが、その前段をごらんいただきますと、中小企業が最近置かれております厳しい環境に対しまして、その活力を生かすように中小企業対策を行えという前向きの方向を示しつつ、ただ、全体として効率的な予算編成を図れという趣旨と私ども理解いたしまして、前段の部分についての方向に即して今後検討してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○野間委員 中小企業が厳しいということと、対策費を厳に抑制せよというのは全く矛盾なんで、今非常に微妙な答弁をしましたけれども、やはり重要な位置づけがある中小企業ですから、予算をうんとふやさなければだめですね。 そこで、時間がありませんので最後にまとめて、この中小企業対策についての、予算編成についての考え方と決意を大臣に求めたいと思いますが、午前中にも質問がありましたけれども、情報化時代、これを迎えて、大企業に対しては、新聞報道や答弁にもありましたけれども、いろいろな施策が予定されておるやに私たちは聞いておるわけであります。ところが、中小企業対策としての情報化時代にどう対応していくのか、具体的にどういう施策をとっていくのかということについては、私はあることは承知しておりますけれども、非常に不十分であります。こういう情勢を踏まえまして、特に情報化時代に対応する中小企業に対してどういう新規の施策なり、あるいは考え方を持っておられるのか、そして、それに対する予算をどうされるのか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○石井政府委員 御指摘のように、中小企業が情報化の潮流に対しまして積極的に対応していくことが必要であることは申すまでもございません。その方向に即しまして、これまで、例えば中小企業の情報提供、これに対する、言うならば中小企業の情報化に対応する基盤の整備と環境の整備という観点から、中小企業事業団及び地方の地域情報センターとのネットワーク化ということで、情報提供のネットワークを整備していこうということが一つの方法でございますが、同時に、中小企業自身がコンピューターの導入等、大企業と比較いたしますと大きな差がございます。そういったものを企業戦略に役立つような形で導入していく場合に、例えば現在では中小企業事業団のOAシステムセンターというものを設置いたしまして、これの相談指導をやっておりますが、大変な件数でございます。 こういった機構の充実を図り、あるいは今年度から税制でスタートいたしましたメカトロニクス税制といいますか、新技術体化投資促進税制でございますが、こういうものの活用によりまして、中小企業者の電算機、コンピューターの導入を促進してまいりたいと思っております。このほか、中小公庫等によります情報化促進貸し付け制度が五十九年度から動き出しておりますので、そういった施策の充実を進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○野間委員 大臣に最後にお尋ねをするわけですが、中小企業関係は、今も若干の指摘がありましたけれども、ほかに情報とそれから技術者、こういうものに対して、非常に不足しておるからということで強く要求もしておるわけですね。 それも踏まえまして、最後にお聞きしたいのは、中小企業対策費、これは三年連続マイナスになっておりますから、こういうことのないようにきちっと予算要求をしてほしいというのが一つと、それから情報化時代に対応したやはりきめの細かい政策、中小企業にぜひひとつ新機軸を出していただきたい。このことを強く要望するわけですけれども、答弁を求めて終わりたいと思います。
○小此木国務大臣 情報化の進展あるいは技術革新という荒波の中で中小企業が非常に厳しい環境にあることは、もちろん私どもはよく承知いたしております。 年来、通産省といたしましては、中小企業対策費を一般会計の中でかなりな部分を、財政事情が非常に厳しい中にもかかわらず獲得してきたことは御承知のとおりでございます。しかし、このような時代にあって、ただ単に予算の大幅な獲得ということは、もちろんいたしますが、それはそれといたしまして、やはり技術革新の時代にどのように中小企業が対応すべきか、大企業と格差をつけられないためにはどのように行政を指導していくか、このこともまた重要でございます。通産省、中小企業庁挙げて中小企業対策に関して今後大いに温かい配慮を保ちながら、この政策を推進してまいる所存でございます。
○野間委員 終わります。
○田原委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十六分散会