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101回国会衆議院1984/08/07

社会労働委員会 第32号

発言数
23
登壇者
5
会派数
3
開催日
1984/08/07

会議録

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、児童扶養手当法の一部を改正する法律案、内閣提出、医療法の一部を改正する法律案、内閣提出、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案の各案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。渡部厚生大臣。     ―――――――――――――  児童扶養手当法の一部を改正する法律案  医療法の一部を改正する法律案  厚生年金保険法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

渡部恒三自由民主党・新自由国民連合厚生大臣

○渡部国務大臣 ただいま議題となりました児童扶養手当法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  児童扶養手当制度は、死別母子世帯に対する年金制度の補完として昭和三十七年に発足し、これまで母子福祉年金にあわせて逐次改善が図られてまいりました。しかしながら、制度発足から二十年以上を経過した今日、年金制度の成熟とともに、母子福祉年金の受給者はほとんど消滅する一方、離婚が年々著しく増加し、今や母子家庭の大宗は離婚による母子家庭で占められるに至っております。これに伴い、児童扶養手当の受給者数は昭和五十九年度で六十万人、これに要する財政負担も二千五百億円という巨額に達する見込みであります。  今日、社会保障施策全般について、本格的な高齢化社会の到来と厳しい行財政環境の中で、自立自助の促進、社会的公正の確保、施策の効率化等の観点から根本的な制度の再編、見直しを行うことが急務とされておりますが、本制度については、第二次臨時行政調査会の答申においても、社会保障政策上の位置づけ、費用の一部についての地方負担の導入等について検討が要請されていたのであります。  以上のような諸事情にかんがみ、このたび行政改革の一環として、現行制度を基本的に見直し、これを母子家庭の生活安定と自立促進を通じて児童の健全育成を図ることを目的とする純粋の福祉制度に改めるべく、本改正案を提出した次第であります。  次に、この改正法案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、手当の額につきましては、これまで年収三百六十一万円未満の場合一律に月額三万二千七百円を支給することとしておりましたが、これを所得に応じて二段階とし、所得税が非課税となるおおむね百五十一万円未満の場合は三万三千円、百五十一万円以上三百万円未満の場合は二万二千円を支給することとしております。この所得制限の額及び手当の一部制限額については、政令で定めることとしております。  第二に、離婚してもなお父は子に対し民法上の扶養義務を有することにかんがみ、改正法施行後の新規認定分から、離婚時の夫の年収がおおむね六百万円以上であるときは、特別の事情がある場合を除き、手当を支給しないこととしております。  第三に、手当の支給は、十八歳未満の児童を対象に、原則として七年間とすることといたしました。ただし、七年を経過した時点で児童がなお義務教育を終了していない場合には、義務教育終了まで支給を継続することとしております。  第四に、費用負担につきましては、一般の福祉施策と同様に、地方負担を導入することとし、改正法施行後の新規認定分から国が十分の八、都道府県が十分の二を負担することとしております。  以上のほか、母が婚姻によらないで懐胎した児童については支給対象から除外し、また、支給要件及び支給期間について改正に伴う所要の経過措置を講ずることとしております。  なお、実施時期は、本年十一月を予定しております。  以上が、この法律案を提出する理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  現行医療法は、昭和二十三年に我が国医療の基本法として制定されて以来、医療体制の充実を通じ、国民医療の確保、向上に大きな役割を果たしてまいりました。  しかしながら、我が国の、医療体制については、病床の増加等量的には相当程度の整備が行われてきた反面、病院、診療所などの医療資源が地域的に偏在している、あるいは医療施設相互の機能の連係が十分でないといった指摘が、かねてよりなされているところであります。また、近年の一部医療機関における不祥事は、医療に対する国民の信頼を揺るがしておりますが、これを回復するためにも、制度の改革が強く望まれております。  殊に、本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、医療需要は今後ますます増大し、かつ、多様化していくことが予想されるところであります。二十一世紀を目指すこれからの医療は、このような状況を念頭に置いて、医療資源の効率的活用を図りつつ、人口の高齢化、医学医術の進歩、疾病構造の変化に対応して、国民に対し適正な医療をあまねく確保していくものでなければならないと考えます。そのためには、病院、診療所のあり方等を含め、医療制度について見直しを行い、時代に即応した制度の改革を図っていくことが必要であります。  このような観点に立った見直しの第一歩として、都道府県ごとに医療計画を策定して地域における体系立った医療体制の実現を目指すとともに、医療法人の適正な運営を確保すべく、医療法の一部を改正する法律案を第九十八回国会に提出し、御審議を煩わしたのでありますが、第百回国会において衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。  しかしながら、医療制度の見直しは、本格的な高齢化社会において、すべての国民が適正な医療を受けることができるようにするための基盤づくりとして、極めて重要なものであることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。  以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、医療法の目的を、病院、診療所等の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することとしたことであります。  第二は、医療計画についてであります。  医療計画は、都道府県がこれを作成し、対象となる区域の設定及び必要病床数に関する事項を定めるものとするほか、病院の整備の目標、医療施設相互の機能の連係、医師、歯科医師等医療従事者の確保その他医療を提供する体制の確保に関し必要な事項を定めることができるものとしております。  この医療証画の策定を通じて、地域における各種医療機関の役割を明確にし、その機能の連係強化を図ることによって、地域の医療需要に沿った医療体制の確立を目指していきたいと考えます。  医療計画の達成の推進のための排置といたしましては、国及び地方公共団体は、病院等の不足地域におけるその整備等必要な措置を論ずるように努めるとともに、病院の開設者等は、その建物、設備等を病院に勤務しない医師、歯科医師に利用させる、いわゆる病院の開放化に努めるものとしております。  さらに、都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者等に対し、病院の開設その他必要な事項に関して勧告することができることとし、これにより病床の適正な配置を図ることとしております。  第三は、医療法人の運営の適正を確保するための指導監督規定等の整備についてであります。  まず、医療法人の役員に関し、理事及び監事の定数並びに欠格事由を定めることとしております。また、都道府県知事の認可を受けた場合を除き、医療法人の開設する病院または診療所の管理者はすべて理事に加えることとするとともに、その理事長は医師または歯科医師である理事のうちから選出することとしております。  次に、都道府県知事は、医療法人の業務または会計が法令に違反している疑いがあると認める等の場合には、医療法人の事務所に対する立人検査を行うことができることとするとともに、このような違反等の事実が判明した場合には、必要な措置をとるべき旨を命じ、その命令に従わないときは、業務停止命令または役員の解任の勧告を行うことができることとしております。  最後に、この法律の施行については、医療法人に関する規定は公布の日から起算して六月を経過した日から、医療計画に関する規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から、それぞれ施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  厚生年金保険の事務を初めとする社会保険関係事務は、地方においては都道府県の地方事務官によって処理してきたところでありますが、この地方事務官制度は、人事権及び予算椎が厚生大臣に、業務上の指揮監督権が都道府県知事に属するという変則的な制度であるため、その改革についてさまざまな議論が行われてきたところであります。  さきの臨時行政調査会の答申におきまして、地方事務官制度はこれを廃止し、社会保険関係事務については、大部分は国において処理し、地方公共団体が完結的に処理し得る福祉年金関係事務は都道府県において処理するという方針が示されたところであります。  本法律案は、この答申の趣旨に沿い、社会保険関係地方事務官制度を廃止するため、社会保険各法その他関係各法律について所要の改正を行おうとするものであります。  次に、法律案の内容について御説明申し上げます。  第一に、社会保険関係事務につきましては、老齢福祉年金関係事務を除き、都道府県知事への委任を廃止し、これらの事務は、社会保険庁の地方支分部局の長に委任することができることとしております。  第二に、社会保険庁の地方支分部局として統括社会保険事務所及び社会保険事務所を置くこととしております。統括社会保険事務所は厚生省の社会保険関係事務の一部を、社会保険事務所は統括社会保険事務所の所掌事務の一部をそれぞれ分掌することとしておりますが、これらの機関はいずれも都道府県の保険課及び国民年金課並びに現行の社会保険事務所の所管がえてあります。  なお、これに伴い、都道府県に置かれていた地方社会保険医療協議会は統括社会保険事務所に置くこととしております。  第三に、これらの改正に伴い、地方事務官たる職員は、老齢福祉年金関係事務に従事し地方公務員となる者を除き、その大部分が総括社会保険事務所または社会保険事務所の職員となることとしております。  第四に、国の職員となる者が国家公務員等共済。組合法に基づく共済組合に加入することとなることに伴う経過措置等を講ずるとともに、関係法律について所要の改正を行うこととしております。  最後に、この法律の施行時期は、施行のための準備に相当の期間が必要であることを考慮し、公布の日から起算して三年を超えない範囲内で政令で定める日としております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 内閣提出、職業安定法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。坂本労働大臣。     ―――――――――――――  職業安定法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 ただいま議題となりました職業安定法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  近年、我が国の労働問題をめぐる経済社会の環境は著しく変化しつつあります。これに対応する労働行政組織のあり方につきましては、行政改革の一環として、また、関係労働施策を総合的かつ効果的に実施する観点から、その改善を図ることが重要な課題となっております。  すなわち、その一は、地方事務官制度の廃止の問題であります。  職業安定行政では、これまで、国の機関である公共職業安定所長に対する指揮監督等の事務を都道府県知事に委任しており、これらの事務に従事する職員の身分は地方事務官となっております。この地方事務官制度につきましては、人事権及び予算権が国に、業務上の指揮監督権が都道府県知事に属するという変則的な制度であるため、その是非がかねてから問題とされてきたところであり、その廃止が関係各方面から求められております。  その二は、地方労働行政体制の再編整備の問題であります。  労働行政のうち、労働基準行政及び婦人少年行政の地方事務については、それぞれ地方支分部局として都道府県労働基準局及び都道府県婦人少年室を設けて処理しており、また職業安定行政の地方事務については、地方事務官制度により都道府県において処理いたしております。このような体制について、労働行政を総合的、効率的に推進する上で必ずしも十分でない面がある等の指摘がなされてきたところであり、それに対応して再編整備をすることが必要とされてきたところであります。  これらの問題につきましては、臨時行政調査会は、昨年三月、長年の懸案であった地方事務官制度を廃止し、職業安定関係事務は地域性、独自性の強い事務等を除き国で処理することとすること、及び都道府県労働基準局と婦人少年室を統合するとともに、地方事務官制度の廃止に伴い国に移管される職業安定関係事務を吸収して、都道府県労働局とすることを答申したところであります。  政府は、この答申の趣旨に沿って鋭意調整を進め、関係法律案を今国会に提出する旨閣議決定いたしておりましたが、今般成案を得ましたので、中央職業安定審議会等関係審議会にもお諮りの上、本法律案を提出することといたした次第であります。  次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一は、職業安定法を初めとする職業安定関係法律の一部改正であります。  現在、都道府県知事に委任している公共職業安定所長に対する指揮監督の事務等はこれを都道府県労働局で処理することとし、この措置により、職業安定関係の地方事務官制度を廃止することといたしております。なお、緊急失業対災法等の職業安定関係法律につきましても、所要の規定の整備等を行っております。  第二は、雇用対策法の一部改正であります。  国と地方公共団体は、公共職業安定所の行う職業紹介等の事業と地方公共団体の講ずる雇用に関する施策が密接な関連のもとに円滑かつ効果的に実施されるように、相互に連絡し、協力するものといたしております。  第三は、労働省設置法の一部改正であります。  労働省の地方支分部帰については、都道府県労働基準局及び都道府県婦人少年室を廃止するとともに、それらの組織と国に移管される職業安定関係事務を行う組織を統合して、新たに都道府県労働局を設置することといたしております。  また、労働基準法等関係法律につきまして、都道府県労働局の設置に伴う所要の規定の整備等を行っております。  最後に、この法律の施行につきましては、そのための準備に相当の期間が必要であることを考慮し、この法律は公布の日から起算して三年を超えない範囲内で政令で定める日から施行することといたしております。また、職業安定関係地方事務官は相当の都道府県労働局の職員となること等所要の経過措置を講するとともに、関係法律について所要の改正を行うことといたしております。  以上、職業安定法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 平石磨作太郎君外四名提出、母子保健法の一部を改正する法律案、平石磨作太郎君外四名提出、児童福祉法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。平石磨作太郎君。     ―――――――――――――  母子保健法の一部を改正する法律案  児童福祉法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石議員 ただいま議題となりました母子保健法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と概要について御説明申し上げます。  我が国の母子保健対策の淵源は、児童の健全育成を目的とした昭和二十三年施行の児童福祉法にまでさかのぼりますが、その必要性から、母子一体の体系による母子保健活動が行われるようになりましたのは、昭和四十年に制定された母子保健法からであります。顧みて、当初、法案を諮問した社会保障制度審議会の答申には、「母子の健康確保の方向にわずかに一歩を踏み出したにすぎないもので今後引き続き改善をはかるべきである」と指摘しております。しかし、その後二十年近くを経た今日に至るも、法の整備や制度、施策の確立は十分とは言えず、なお、今後の施策改善にまたざるを得ない状況にあります。医療水準が高いと言われる我が国において、現に妊産婦死亡率は、先進国にあってアメリカ、オランダ、イギリス及びスウェーデン等より依然として高く、十万人対西ドイツの二十・六人に次いで二十・四人と、世界で二番目という上位を占めているのであります。これについては、昨年七月、中央児童福祉審議会の「今後の母子保健施策のあり方」の中でも「妊娠の異常や新生児の先天異常に起因する死亡についてみるといまなお比較的多くみられ、妊産婦死亡についても欧米先進諸国の水準には今一歩のところにある。」と指摘しているところであります。このような背景には、人口の都市集中化とそれに伴う核家族化の進行、住宅事情及び各種公害による生活環境の悪化などの諸問題が相乗・ふくそうしてもたらされていると考えるものであります。さらには、全勤労者五千七百万人の三分の一を占め、我が国の経済活動に大きく貢献している勤労婦人に対し、労働基準法を初めとする労働法制の不備・欠陥、そして労働条件の劣悪がもたらす母体の健康障害も大きな原因であります。これが貧血や不妊症及び妊娠中毒症を誘発するばかりか、未熟児や先天性異常など心身障害児を生むに至り、その後の母子の生活に多大な影響を及ぼすと言っても過言でないと思うのであります。その意味で、男女雇用平等法の制定に伴う労働基準法等関係法律における母性保護規定の見直しについては、重大な関心を払わざるを得ません。  一方、人生八十年時代の高齢化社会を迎えて、我が国の人口動態の推移を見るとき、人口が長期的に増減なく、再生産率一・○を維持するに必要な一夫婦当たり二・一人の出生数が、十年以上にわたり減少傾向を見せ、昭和五十七年には一・七七人を記録するに至っています。現在、人口の伸び悩みに国力低下を危倶しているフランスの一・八人をも下回っている現状であります。将来の我が国の発展を考えますとき、この実態が一時的現象であると否とにかかわらず、また、婦人の出産に関する意識の変革云々はともかくとして、憂慮いたしますことは、極少産社会がもたらすものは、稼働人口の六十五歳以上の老人を扶養する扶養率を高くし、年金などの後代負担の重圧を招来して、社会保障の長期計画策定にも重大な影響を及ぼすと思うからであります。中央児童福祉審議会意見にもあるように「豊かで活力ある福祉社会を築くためには、子どもたちを心身とも健やかに産み育てることが従来以上に重要な課題となる」ことは疑いもありません。したがって母子の健康、特に誕生してくる自動の健全育成のための施設の確率が緊急を要するのであります。 しかしながら、現行母子保健法においては、その対応が極めて困難であります。したがいまして、母子保健施策の一層の充実を推進するために本改正法案を提出する次第であります。  次に、改正案の概要について申し上げます。  まず、総則の部分についてでありますが、母子保健に関する国及び地方公共団体の責務の強化を図り、その施策の基本方針については、有機的連携のもとに総合的かつ計画的に策定され、実施されなければならないことといたしました。さらに、母子保健に関する教育の普及については、学校教育、社会教育においても、より普及に努めることといたしました。また、母子保健に関する重要事項を調査審議させるため、厚生省に中央母子保健審議会を置くこととし、都道府県並びに市町村にも母子保健審議会を設置することといたしました。  次に、母子保健の向上に関する措置についてであります。  第一には、出産費の支給を新たに設け、二十万円を限度として、社会保険と調整して支給することといたしました。なお、出産費は、当面、現金給付としますが、将来は現物給付とすることを附則に規定いたしました。  第二には、健康診査の徹底強化であります。妊産婦または乳幼児に対する健康診査を拡充強化するとともに、新たに、妊娠可能な年齢の女子に対して健康診査を行うことといたしました。また、母子健康手帳制度の趣旨を踏まえ、生涯を通じて健康に関する記録がなされる国民健康手帳制度の実現について検討をすることを、附則に規定いたしました。  第三には、妊産婦等の受診に関する緩和であります。健康診査の結果に基づき、妊娠または出産に支障を及ぼすおそれがある疾病にかかっている疑いのある者が、必要な診療を受けることができるようにするため、医療費の支給等の援助を行うことといたしました。  第四には、妊産婦ホームヘルパーの派遣であります。日常生活あるいは乳児の保育の上で必要と認められる妊産婦の家庭に、その申し出により、ホームヘルパーを派遣することができることといたしました。  第五には、母乳による育児についてであります。母乳による育児の正しい理解が深められるよう配慮することを規定いたしました。  第六には、家族計画に関する施策であります。家族計画に関し、相談に応じて必要な指導及び助言を行うとともに、必要に応じて受胎調節のための器具または医薬品を交付することができることといたしました。  第七には、母子保健のための地域組織の育成等であります。母子保健に関する活動を推進するため、母子保健推進員を置き、地域組織の育成を図ることといたしました。  第八には、母子保健施設の充実であります。従来の母子健康センターは、母子保健センターと改称し、従来の助産事業中心から本来の保健指導業務を中心にするとともに、家族計画に関する業務も加え、名実ともに母子保健のセンターとし、市町村に設置することといたしました。また、必要に応じ、安静を必要とする妊産婦の休養、乳児の養育を目的として母子休養施設を設置できるようにいたしました。  第九には、市町村長の事務の拡大であります。以上のような各施策がきめ細かに実施されるよう、都道府県知事から市町村長にその事務を移行いたしました。  第十には、助産婦等の専門職員の確保であります。国及び地方公共団体は、保健婦、助産婦等の専門職員の養成に努めるとともに、現在の職員に対しては研修の実施に努めることといたしました。  最後に、その他、調査研究体制の整備及び安全な出産を確保するための体制の整備等に対しても、国及び地方公共団体が努力すべきことにいたしております。  以上がこの改正案の骨子でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。  次に、児童福祉法の一部改正案につきまして、その提案理由と概要について御説明申し上げます。  「国の将来はその国の児童を見よ」と言われているように、子供の健康を守り、丈夫に育てるということは、家庭の幸福にとっても社会の繁栄にとっても重要なことは申すまでもありません。  まず、健康な子供を生むことであり、このためには母性の健康管理が第一であります。  また、児童の健康診断、保健指導並びに医療給付を徹底強化し、もって健全育成を図る必要があります。  しかしながら、児童が罹患する疾病は複雑化、長期化しており、これに対する医療費の援助は必ずしも十分なものとは言えない現状にかんがみ、慢性特定疾出出の児童に対し、医療の給付を行い、児童の福祉の向上とあわせて患者家庭の医療費の負担軽減に資するために、この改正案を提出する次第であります。  次に、改正案の概要について申し上げます。  第一には、小児慢性特定疾患医療に対する給付についてであります。  都道府県知事は、血友病、悪性新生物、その他の治療が長期間にわたり、医療費の負担も高額になる疾病にかかっている児童に対し、その治療のために必要な医療の給付を行うことによって、児童の健全な育成とあわせて、その家庭の負担軽減を図ることといたしました。  第二には、小児慢性特定疾患医療の給付の内容についてであります。  その内容は、一、診察、二、薬剤または治療材料の支給、三、医学的処置手術及びその他の治療、四、病院または診療所への収容、五、看護、六、移送、といたしました。  第三には、小児慢性特定疾患医療の実施についてであります。  この医療の給付は、厚生大臣の指定した病院、診療所または薬局に委託して行うものといたしました。  第四には、小児慢性特定疾患医療の給付に要する費用についてであります。  この医療の給付に要する費用は、国及び都道府県の負担といたしました。  以上がこの改正案の骨子でありますが、何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。(拍手)      ――――◇―――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 多賀谷眞稔君外四名提出、国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。多賀谷眞稔君。     ―――――――――――――  国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関   する法律の一部を改正する法律案     〔本号未備に掲載〕     ―――――――――――――

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷議員 私は、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・同民連合を代表して、ただいま議題となりました国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。  七十七日間という会期の大幅延長があったにもかかわらず、本委員会が内閣提出の国民年金法等の一部を改正する法律案を議了できなかった原因が二つあります。  その第一は、健康保険制度の改正を初め、政府が福祉削減の行革法案を余りに数多く出し過ぎたことであります。そして第二は、政府案が、五十九年度における給付改善措置と、六十一年度における制度改革とを無理に接合したものであったことであります。  現行制度の枠内で給付改善を行うことは、五十九年度の財政状況等の制約のもとで論議の余地は狭く、一方、基礎年金制度の創設を初め、年金全体の制度体系を再編成する道をめぐっては、これと比較にならないほど慎重な検討を要することは、当初からわかり過ぎるほどわかり切った問題であります。しかも、五十八年度には物価スライド措置が見送られ、年金生活者の実質生活は低下の一途をたどっているため、五十九年度における改善が焦眉の魚となっているのであります。  本案は、このような見地に立って、政府案から五十九年度改善措置の部分を切り離して提案したものであります。  すなわち、まず、拠出制年金につきましては、公務員給与の改定及びこれに連動した共済年金の額の改定等を考慮し、昭和五十九年度において、特例スライドを実施することとしております。改定率は、共済年金と同じく二%であり、また、実施時期は、厚生年金保険、船員保険については四月、国民年金については五月としております。なお、昭和五十七年、五十八年両年度の物価上昇率のうち、今回実施の二%分を控除した部分については、次回スライドの際あわせて引き上げる扱いとしております。  福祉年金につきましては、拠出制年金の改善にあわせて年金額の改定をすることとし、老齢福祉年金で申し上げますと、月額二万五千円を月額二万五千六百円に引き上げることとしております。実施時期につきましては、本年六月といたしております。  また、特別児童扶養手当の額につきましては、福祉年金に準じて本年六月から改定を行うこととしており、福祉手当の額につきましても、本年六月より所要の改定を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  午後一時三十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午前十時四十八分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十七分開議

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  請願の審査を行います。  本日公報に掲載いたしました請願日程五千四百四十五件を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。  各請願の趣旨につきましては、既に文書表等によって御承知のところでありますし、また、先刻の理事会において慎重に御協議願いましたので、その結果に基づき、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中  学童保育施設の国庫負担に関する請願三件  民間保育事業の振興に関する請願三件  障害福祉年金の引き上げに関する請願三十一件  障害者対策に関する長期計画具体化等促進に関   する請願  労災被災者の脊髄神経治療に関する請願三十件  脊髄損傷治療技術の研究開発に関する請願三十   件  労災年金の最低給付基礎日額引き上げに関する   請願二十九件  食品の安全対策に関する請願以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 また、本日までに本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、医療保険例度等の改正に関する陳情書外百十七件であります。念のため御報告いたします。      ――――◇―――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  内閣提出、医療法の一部を改正する法律案  内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律   案の両案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  内閣提出、児童扶養手当法の一部を改正する法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  次に  平石磨作太郎君外四名提出、短時間労働者保護   法案  藤田高敏君外四名提出、短期労働者及び短時間   労働者の保護に関する法律案  平石磨作太郎君外四名提出、母子保健法の一部   を改正する法律案  平石磨作太郎君外四名提出、児童福祉法の一部   を改正する法律案  多賀谷眞稔君外四名提出、国民年金法及び特別   児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を   改正する法律案  厚生関係の基本施策に関する件  労働関係の基本施策に関する件  社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び   人口問題に関する件並びに  労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関す   る件以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

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○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認印証を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 御大議なしと認めます。よって、さよう決しました。  また、閉会中審査におきまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

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○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

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○有馬委員長 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事小沢辰男君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 

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○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

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○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、理事に今井勇君を指名いたします。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十三分散会      ――――◇―――――

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