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101回国会衆議院1984/05/15

社会労働委員会 第14号

発言数
93
登壇者
11
会派数
3
開催日
1984/05/15

会議録

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。多賀谷眞稔君。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 法技術的な問題ですけれども、例の「再就職手当」、これは五十六条の二に書かれております。五十六条というのとは類型が非常に違うのですね。五十六条よりも前の条文というのは、これは労使の保険料に政府の補助金、こういう形のものである。そこで、五十六条の二と言えば当然五十六条のと大抵同じようなものが追加されたと普通は考える。ところが五十六条の二は、これは労使の保険料だけで賄うということになっておる。こういう条文の整理というのはちょっと安易過ぎはしませんかね。法制局、どうですか。

大出峻郎内閣法制局第三部長

○大出政府委員 お答えを申し上げます。  ただいまの先生の御質問は、雇用保険法の一部改正の中で、第五十六条の二「再就職手当」という条文を追加することについての関連をした御質問がというふうに思います。  これにつきましては、雇用保険法の現行の「第五節就職促進給付」、この五節の次に五十六条の二という形でもって規定を加えよう、こういう内容のものであります。ただいま先生の御指摘は、五十六条というのが第五節の前にありまして、そのすぐ後に五十六条の二というのが続かないで、それは実は第五節の冒頭に来る条文になっておる、これが非常にでき上がった法律の姿としてわかりにくいんではないか、こういう御指摘であったかと思います。  この点につきましては、私ども立法の段階におきましては、章とか節の最初に条文が参ります場合には、できるだけ枝番のないような形でやるようなそういう整理もやることが多いわけでありますが、ただ、それをやりますというとその次の条文も動いてこなければいけない。こういうような事情もございまして、そのような場合には、一つの条文が動きますというといろんなところに条文の改正が影響をしてくるというようなことが間々あるわけであります。そういうことで、本件の場合におきましては、いろいろ検討いたしましたが、第五節の冒頭でありますけれども、枝番という形で、五十六条の二という形で加えたわけであります。なお、改正法案におきましては、これは「第五節中第五十七条の前に次の一条を加える。」こういう形をとっておりますので、五節の冒頭に来るという改正方式をとられていることは明らかであります。それからもう一つは、目次のところでございますが、目次のところにおきましても、五節の冒頭にありました五十七条というのを五十六条の二というふうに改めているような次第でございます。  枝番というものはできるだけない方がよろしいかと思いますけれども、やはりその後条文をつけ加えるというような形になりますというと、技術上時としてやむを得ない場合があるということでございますので、御了承を賜りたいというふうに思います。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 実は、私自身が雇用保険法の一部改正の労働省の資料をいただきましたときに、現行法と改正案を対比してあった場合、これは節のことが書いてなかったものですから、私自身が、再就職手当は労使のほかに国庫補助金が入るんだ、こう実は誤解をしたわけです。これをどこに入れるかというのはそれほど重要なんですよ。ですから、五十六条の二なんという言葉で類型の違うものをやるべきでない。これは素人が見ると大変間違いを起こす、こういうように思うので、今後御注意を願いたい。我々も、衆議院の法制局で修正するときは、必ず仕方がないから条をずらすんです。条をずらすと大変影響のあることも知っていますよ。しかし、ちょっと安易過ぎるんじゃないかということで御注意をしておきたい、こういうように思います。  続いて、唐突に出された雇用保険法の改正で、もう職業安定所の現場は大変混乱していますね。あなたが答弁をされておるのと現場の意見と全然違うんですね。現場は、これがこういうように改正になったらどうなるか、といろいろ検討していますが、現場は大変混乱をしています。その状態は逐次報告をされておると思います。とにかく現場の意見を聞かないで、法律を国会に出してその審議中に、これが改正になったら現場の君たちの意見はどうなんですか、こういう集約をするような状態では、こういう権利義務を扱っておる官庁としては非常に困る。この点も注意をしておきたい。  それからもう一つは、賞与、期末手当、ボーナスというものを保険給付の中から排除をした。その排除をするなら排除するで、そのことへの配慮が全然なかったと僕は思うのです。これは六〇%というと総収入の四五%でしょう。総収入の四五%になるわけでしょう。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 トータルで見た場合には、平均的に四五から四九くらい、そんなようなところです。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 大体ILO等で四五%という給付率は、日本の決められた賃金ということになると六〇%、これが該当するというのが常識なんですよ。これは厚生年金も皆そういう計算をしておる。ですから、今度の失業給付というのは、これは六〇ではなくて四五%ということになる。そうすると、各国のものを見せていただいたわけですが、元労働省の遠藤さんが書いたもの、役所にいたころ書いていますね。そうして各国の社会保険の内容を紹介しています。各国はボーナスなんという制度がありませんから、皆大体六〇ですね。あるいは六八。ドイツあたりが六八という数字が載っています。日本はそれに対応して四五ですよ。非常に低い。今までは期末手当を入れておったからそれほど矛盾は起こらなかったけれども、もし下げるとするならばまず附加給付が必要なんですよ。家族手当、そういうものを全然入れてない。決まった賃金ということになるならば、必ず扶養手当がどうなるのか、こういうのが入ってくるんですよ。あなたの方はばっさり切って、後の手当てが全然なされていない。そういう点もおかしいのですよ。厚生年金だって扶養手当とか、母子年金だって給付を下げればそういうものは必ずくっつくんですよ。今までは賞与を入れておりましたから余裕があったと言える。ところが、今度決まったのはボーナスを除いた賃金の六〇ですから、実質は四五に下げるわけですから、四五に下げれば当然何かそういうものを考えなければいかぬ。  大体、読んでみますと、失業の経験のないあなた方がつくっておるのだ。大体浪人したことのない者がつくった法案ですよ。ですから落ちた――落ちたと言ってはおかしいけれども、失業した実感がない、生活が四五%下げられたという実感がないのだ。ただ乱用している者を何とか取り締まろうという観念で一貫しているのです。どうもそういう不親切がこの法案の中にはあちらこちらに点在をしておる、こういうように思います。これはひとつ問題指摘だけをしておきたい、こういうように思います。  それから、給付制限の自己退職ですね。自己の過失または責任という事由による退職問題。これは今までは自分の事由による退職というのを認める場合は一カ月、これが今度三カ月になるのですか。その点どうですか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 今まで一カ月であったものが三カ月になるという原則でございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 そうすると、一カ月も二カ月もなくて三カ月になるのですか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 今まで自己都合退職ということで扱っておりましたものが三カ月でございますが、一カ月あるいは二カ月あるいは三カ月というものが全然ないわけではございませんで、例えば受給者で再就職をいたしまして比較的短期に自己都合退職をしたというような場合には二カ月とかあるいは一カ月とか、こういうようなケースも検討をしておるところでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 今まで一カ月の給付制限をした事例は今度は三カ月になるのですか、あるいは二カ月になるのですか。今まで二カ月であるというように給付制限をしたのは今度は三カ月になるのですか、どうなるのですか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 今まで二カ月にしておりましたものは三カ月になります。それからまた、一カ月については原則として三カ月になります。ただ、今申し上げましたようなケースについては二カ月あるいは一カ月もあり得る、こういうことでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 大体、今まで一カ月のものが三カ月に延びるというのはどうも解せないのですね。給付制限を受けて三カ月ということになりますと、一週間の待期期間があるでしょう。それから三カ月間制限を受けるわけです。それからいよいよ窓口に行って認定を受けるわけです。認定が大体二週間から三週間ですよ。そうするといよいよ金が入るのは、ですから九十日、百日じゃないです、三カ月は一カ月を三十日とすると九十日、それに待期が一週間だから九十七日、それに認定までが三週間、二十一日。そうすると百十八日ぐらい後じゃないともらえぬということになるのです。約四カ月ぐらい後でないと、二週間分から三週間分の失業給付がもらえぬということになるのです。全然その間収入がないのですから、生活は大変なことだと私は思う。大体、そういうことについて現場がどういうように対応しているかを考えないで法律ができておるのではないか。百二十日間もらえないのですから、これは大変なことになるのです。私が聞いたのは、一カ月を三カ月にするのですかと言ったら、一カ月を原則的に三カ月とおっしゃる。百二十日間、四カ月、どうして生活するのですか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 たびたび申し上げておりますように、正当な理由のない自己都合退職というものについては三カ月というのを考えておりますが、その正当な理由という点については、いろいろ時代の変化に合わせて見直しをするということを一つ申し上げておるところでございます。  それからまた、三カ月という点につきまして、これは自己都合退職する場合の慎重な判断をぜひ期待をするということであり、そういう状態の中で、自己都合退職する場合にはよくよく考えてくださいよ、こういう一つの要素があるわけでございます。その中には、離職をしてその間どう生活をつなぐかというような問題もよく考えてやってくださいよということであり、それからまた、再就職をされるということであれば、これは安定所の紹介という形で再就職されれば、再就職手当というものは給付制限期間中でありましても給付する、こういうことで考えておるところでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 具体的な事例については後から質問が村山さんからあるわけですが、どうも頭の中の議論であって実態に沿わないのじゃないか。これは大体保険ですよ、手当じゃないのですよ、自分で金を出しておるのです。そういう失業があった場合を考慮して初めからお金を納めておるのです。その観念がない。何か政府が生活保護のように与えるのだ、失業手当なんだ、こういう観念のようにしか見受けられない。例えば会社にいろいろ不都合があって解雇したとしても、しかし本人からいうと保険を払っているわけですから、それに余り制限をつけるというのは本来おかしいのじゃないかという感じを持つのです。  そこで、時間もありませんが、正当な理由の判断は大体だれがやるのですか。だれの権限で行うのですか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 まず、基準につきまして安定審議会等の意見を聞きまして決めまして、それの具体な適用については安定所長が判断をする、具体的には安定所の窓口職員のところで判断をする、こういうことになるわけですが、その判断の要素となる事項については、離職票においてそれが記載をされ、そしてその記載された事項については、本人と事業所との関係において一応本人も了解をした離職事由、こういう形になるわけです。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 本人の申告を最大限尊重するという要因が入っているんですね。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 ただいま局長から申し上げましたように、実際の判断は安定所長の権限で行うわけでございますが、安定所長が判断をいたす際には、十分離職者と申しますか受給者の考え方と申しますか、主張も取り入れた上で判断するということでございます。

多賀谷真稔日本社会党・護憲共同

○多賀谷委員 私は問題点を指摘したにとどまりましたけれども、これは多くの問題を抱えております。最初に内務省的発想ではないかと言ったわけですけれども、どうも本当の失業した人の立場に立っていろいろ審議がなされていない、そういうように感ずるわけです。ただ乱用を規制するという点に極めて重点を置いておられるというのは、非常に残念に思い、問題指摘にとどまって、一応質問を終わりたいと思います。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 村山富市君。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 今、多賀谷先生からも御質問がありましたように、本来この法案は、前回に失業保険から雇用保険に変えたときの情勢と、余り大きな情勢の変化はないのです。あるとすれば、当初予想したよりも失業が深刻であるということと、それから不況を反映して保険財政が厳しくなっておる、したがって、給付の総枠を抑制しなければ国庫負担が膨らんでいくからという、そういう関連で今回の法改正がなされたというふうに言わざるを得ないと思うのです。したがって、本質的な議論をもっとしなければならぬと思うのですけれども、時間の関係もありますから、きょうは、この改正案ができた以後いろいろな影響も出てくると思いますから、そういう問題点について若干の確認をさしていただきたいという意味で、これから御質問を申し上げたいと思います。  第一に、今申しましたように、今回の法改正を前提として五十九年度予算は編成されておるわけです。その五十九年度予算の中で、三百三十一億円の赤字が計上されておりまして、保険財政収支に改善が見られない、それは一体どういうふうに理解すればよいのか、実際には財政運営上支障のない状況に改善されるとの見通しに立っているのかどうか、そういったことについて承りたいと思うのです。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 昭和五十九年度予算は改正法の成立を前提として編成されておりまして、失業給付費として一兆三千百三十億円、歳入としては国庫負担二千九百十億円、保険料収入九千八百八十九億円を計上しております。失業給付費一兆三千百二十億円のうち、求職者給付として一兆一千五百十一億円、就職促進給付として千六百十九億円を計上しております。求職者給付分は再就職促進等により大幅に改善をしますが、改正法の施行予定が七月であること、初年度でもあり、再就職手当を受給する者が通常の見込みを上回ることも予想されるなどの事情があるために、就職促進給付について、当年度の保険料を財源とするもののほか積立金を財源とする約三百三十億円を計上して、予算を編成したものであります。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 今回の雇用保険法の改正案で、これから想定されまする厳しい雇用と失業の状況を踏まえた場合に、中長期にわたって制度の見直しをせずに今回の改正でやっていけるという確信があるのかどうなのか、その点についてもひとつ見通しを明らかにしていただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 改正後の制度運営の状況がどのようになるかは、再就職手当制度の創設等による受給者の就職促進の効果がどのようにあらわれるか、また景気の動向がどうなるかなど、現時点では必ずしも正確な見通しを立てにくい面もあります。いずれにしても、今後適切な経済の運営に努めるとともに、昨年十月に閣議決定された第五次雇用対策基本計画に沿った雇用対策の充実強化を図るほか、今後の雇用保険制度の運営を適切に行うことによって、中長期的には健全な運営が確保できるものと考えております。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 雇用保険財政の実態を見てみますと、先般も同僚の網岡委員から厳しい質問もございましたが、当然国が負担すべきと思われる事務費や人件費、施設整備費などの大部分を保険財政から支出されている。それは他の社会保険制度には見られない扱いであって、従来は積立金の運用収入で賄っておったというふうに説明されていますけれども、雇用保険財政の赤字が問題になって厳しい状況にあるときに、しかもそのために給付の抑制や六十五歳以上の制度からの排除など、労働者に一方的にしわ寄せがなされるような状況にあるときだけに、私は当然国庫で負担すべきものについては国庫で見るようにすべきであり、仮に臨調答申を踏まえて大蔵省が言うように、事務費等については国庫負担で見るのはやめなさいというような意見があるにしても、その事務費というのは一体どこまでが限界なのか、どの事務費を見るべきなのかということについてはやっぱり意見があると思います。したがって、これからは、今のように職業紹介担当職員の人件費やあるいはその庁舎等の営繕費まで保険財政に負担させるということは、やっぱり不当ではないかというふうに言わなければならぬと思うのです。  そこで、来年度以降の予算編成においては、失業給付費について実勢に見合った国庫負担を確保することはもちろん、事務費負担の現状についても改善をさせるという方向で大臣に頑張ってもらいたいと思うのですが、その決意のほどを承りたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 雇用保険受給者の再就職の促進を進めるための職業指導や職業紹介は、雇用保険の事業運営の一環でありまして、このための職員の人件費などを雇用保険財政の中で負担することには問題がないと考えております。また従来から、運用収入、雑収入等を事務費に充当しながら、国庫も一定額を負担するという慣行になっているところでございます。  臨調答申もあり、また国家財政も厳しいことから非常に困難な状況にはありまするが、せっかくの御指摘でもございますから、必要な国庫負担の確保については努力をいたしてまいります。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 これは若干やっぱり見解の違いがあると思うのですけれども、私は、保険で見るべきものと一般会計で賄うべきものと、はっきり区分をしておく必要があるのではないかというように思いますから、今後ひとつ十分検討していただきたいというように思います。  それから次に、今回の改正の提案に当たりまして、保険料率の引き上げなど労使の負担増を避けるという前提に立って改正をしたのだというふうに政府は説明しているわけですが、何よりも大事なことは、失業者を出さないようにするための行政努力こそが重要であるということは言うまでもございません。したがって、この改正後の推移を見て料率問題を考えるという意見もあるようでありますが、安易にこの料率の引き上げをするとかというようなことのないように、今後の見通しについても明らかにしていただきたい、このように思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 今後の保険財政の見通しについては、再就職手当制度の創設や景気の動向などもあり、その改正効果については正確な見通しを立てにくい面もありますが、これまでのような受給者の急増傾向や滞留傾向は改善できるものと期待しております。  しかし、雇用構造の変化に対処しながら、失業の未然防止と離職者の早期再就職を図るために、雇用対策の充実強化を図ることが肝要でありまして、このための努力を今後とも行ってまいりたいと思います。  いずれにせよ、中央職業安定審議会の答申においても、全体的な支出の効率化を図ることによって、安易な保険料率の引き上げにつながらないよう努力すべきであるという旨の御指摘もあります。保険料率を引き上げるような事態には至らないように雇用対策に万全を期するとともに、制度の効率的な運営に最大限の努力をしてまいりたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 先ほど多賀谷先生の御質問にもございましたが、本来労働者は職業選択の自由という基本的権利を持っておる。この権利を行使することによって不当な差別を受けるようなことがあってはならないことは当然であります。したがってこの原則からするならば、雇用保険の求職者給付を行う際に、失業の理由によって必要以上に給付制限をするということは不当ではないか。現行の給付制限の期間が一カ月ないし二カ月になっておる、この前提に立つならば、こういう給付制限も当然撤廃をすべきであるというふうに思いまするけれども、今回の改正によりますると給付制限をさらに強化をして三カ月に延ばすということになっておりますが、これは極めて不当であるというふうに思います。しかも、給付制限の基準については見直しをするという政府の答弁でありますけれども、その見直しをする基準については何ら明らかにされておらないわけです。本来、今回の法改正については、やはりその基準を示してもらう、その基準を踏まえた上で法案の審議をするということでなければならぬと思いますけれども、残念ながらその基準はまだ今後の検討課題で明らかにされておりませんので、私は具体的な事例に基づいて、こういう場合にはどうなりますかということについて若干確認を求めておきたいというふうに思いますので、お答えをいただきたいと思います。  法第三十二条に基づく基準によれば、「自己の責めに帰すべき重大な理由」、労働協約または労基法に基づく就業規則に違反をしたとして解雇された場合ですね、この場合には給付制限を受けることになっているわけですが、例えばAさんという人の場合、転勤を命ぜられたが、妻の病気、子供の就学等の理由で単身赴任もできず、転勤を拒否した。そのために業務命令違反として解雇された。この場合のAさんの言い分は正当として認められるかどうかということについて、見解を聞きます。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 具体的事例になりますと甚だ難しい事例がいろいろあるだろうと思いますが、先生御質問のような事例だと、あるとすれば、真にやむを得ない事由があるのではないかというふうに思うわけでございます。単に就業規則違反だからといって形式的に判断をするということではなく、やはりその中には実質的な判断も加えられるべきことだろうと思います。そういう意味におきまして、正当な理由があるのではないかというふうに思うわけでございます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 同じく、法第三十三条で「正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合」制限されることになっていますけれども、次のような場合はどうなるか、明らかにしていただきたいと思います。  例えばAさんがプログラマーとして就職したけれども、勤務が残業の連続で、休日出勤など不規則状態にある。したがって不眠及び食欲不振が続いて、同僚の労働者はこれらに耐えて働いているけれども、Aさんの場合にはついに耐えられなくて離職をした。こういう場合には正当な理由として認められるかどうか。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 現在の基準でも、体力の不足等いろいろな肉体的原因に基づきます退職の場合は、正当な理由ありというふうに取り扱っているわけでございます。個々具体的な問題になりますといろいろあるかもしれませんけれども、医学的に見ましてそういうような方が勤務を継続することができないというような場合であるとすれば、正当な理由があるのではないかというふうに思うわけでございます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 なお、例えば仮にBさんと例をとりますと、電機メーカーで働いていたけれども、彼には保育園に通っている子供さんがあって、奥さんも働いている。したがって、夫婦で交代に子供の迎えに行かなければならぬ。そこで、残業などもそういう条件のない同僚と比較してなかなかできにくい。こういう環境にあるために上役や同僚から冷たく扱われる。そういう待遇に耐えられなくて職をやめた。離職をした。こういう場合には正当な理由として認められるかどうか。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 現在の基準によりますと、上役または同僚から故意に排斥され、また著しい冷遇を受けたことによって退職した場合というのは、正当な理由があるということになっております。その意味におきまして、先生御指摘のような事案、個々の事案によっていろいろ判断があるかもしれませんけれども、一般的に申し上げますと、やはり故意に著しい冷遇を受けたというように認められる場合には、当然正当な理由があるということになるだろうと思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 次に、例えば会社が倒産をして離職をした。この人は当然雇用保険受給資格があるわけですけれども、離職をする前に彼の取っておった報酬は二十七万円相当の手取り賃金があって、ローンの返済等もあるために、それと同程度ぐらいの収入がないとなかなか生活ができない。たまたま就職情報誌なんかを見て、それと同程度ぐらいの収入が得られる職があったので、詳しい労働条件なども不明のまま再就職をした。しかし、この額は税込み及び残業手当も含んだものであって、当初考えておったときと条件が大分違う。したがって一カ月ぐらいで辛抱し切れずに離職をした。こういう場合には正当な理由と認められるかどうか。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 現在の基準でも、採用条件と実際の労働条件が著しく異なるという場合は、正当な理由があるということにいたしておるわけでございます。先生御指摘のように、就職情報誌等に掲載されました求人条件と実際の労働条件が異なるというような場合であれば、正当な理由があるというふうに言えるのではないかというふうに思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 次に、例えばA子さんという人がおって、これまで何度か流産をした。今度また妊娠をしたが、医師から、通勤条件を変えない限り正常出産は無理、こう言われて離職をした。もちろん出産に支障のない職場があれば再就職をするという希望はあるわけですから、この場合、基準の通勤困難となって退職したというこの正当な理由として認められるかどうかということについて承ります。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 先生御指摘の場合、端的に申し上げれば、個々具体的の場合によって異なるかもしれませんけれども、一般的に申し上げれば正当な理由があると考えていいのではないかというふうに思うわけでございます。ただ、どういう理由で正当な理由ありと認めるかということになりますと、通勤困難となって退職したという場合にも考えられるでございましょうし、あるいは体力の不足あるいは心身の障害というような理由によって正当な理由があるというふうにも思えるということでございまして、それは個々具体的ケースの判断の問題だろうというふうに思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 個々のケース、ケースでいろいろ違いはあると思いますけれども、今申し上げましたように正常な出産に支障がある、その支障は通勤上の困難性が原因になっておる、こういう場合に離職をやむを得ずしたというような事例はやはり正当な理由になりますね。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 先ほどお答えいたしましたように、理由をどういうふうにつけるかいろいろあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、一般的に申し上げれば正当な理由があるというふうに考えていいだろうというふうに思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 また、ある人は、結婚することによって夫の老父母の扶養をしなければならぬという状況になった。それで、今の働いておる職場からするとなかなかそれができない。したがって退職を余儀なくされた。そこで扶養可能な仕事に再就職を希望しておる。こういう場合にはやはり正当な理由として認められますか。

齋藤邦彦労働省職業安定局雇用保険課長

○齋藤説明員 御指摘のように、養父母の扶養が可能な仕事につきたいということを前提にいたしますと、原則的には正当な理由があるだろうというふうに思われます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 以上、幾つかの事例を申し上げましたけれども、やはりいろいろな事例が今後想定されると思うのですね。したがって、基準の見直しに当たりましては、現行の基準をよりきつくしたりあるいは給付を抑制することになるような見直しはすべきではないというふうに思うのです。それで、就業形態やあるいは労働者の生活実態等を十分勘案をして、あくまでも失業者を保護する、可能な限り本人が希望する仕事に再就職をしてもらうというようにすべきだと思うし、そういう立場に立ってこの見直しをすべきではないかというように思うのです。したがって、この見直しに当たっての見解を承りたいというふうに思うのです。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 失業給付に関する重要事項を定めるに際しましては、あらかじめ中央職業安定審議会に諮ることとされております。今回の改正に際しても、給付制限基準の見直しなどについて、中央職業安定審議会に諮り、その意見を聞いた上でこれを定めることといたしております。  第一線機関におきましては、個々の求職者の実情にも配慮しながら、失業給付はもとより各種の援助措置を活用しながら、早期に再就職することができるよう求職活動を積極的に援助してまいりたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 なお、過去において大きな非難を受けて廃止をした事例があるわけですけれども、いわゆる給付適正化通達というものを出したことがあります。これからまたいろいろ厳しい状況が想定されるだけにそういうことがまた心配をされるわけでありますが、給付の抑制あるいは受給者への締めつけ等を行うような発想に立った制度の運用、そのためにまたこの適正化通達みたいなものを復活するというようなことは恐らくないと思いまするけれども、そういう問題についてもこの際明らかにしておいていただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 今回の改正法案が成立した場合には、改正法の施行に必要な政省令等を定めることとしているが、給付制限制度及び納付命令制度の運用基準の見直しについては、国会における御論議を踏まえながら、中央職業安定審議会にもお諮りした上、制度の趣旨、目的に沿った形でこれを行うことといたしたいと思います。  なお、いわゆる給付適正化通達の復活になるような取り扱いをすることは考えておりません。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 次に、訓練延長給付の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。  最近、職業訓練受講希望者に対して、雇用保険財政等の関係もあって、職安における窓口での規制がより強化されてきておるのではないかというふうに思われる節がございます。例えば安定所で面接を受ける場合、あなたは就職をする希望がありますかということを聞かれます。本人はありますと答える。訓練校を希望する理由は一体何ですか。技術を身につけて就職を求めたい。具体的にどういうところに就職する考えですか。まだ決めていませんので就職に役立てるために訓練を受けたい。就職先なり自分で探す具体的な見通しがあるかどうかというようなことについて、質問をされた場合になかなか明らかにし得ない。訓練を受けながらその期間に一生懸命探したいと思います、こういう問答が繰り返されるわけですね。そうして見通しが余り明確でない者については指示をされない、こういう事例がたくさんあるのではないか。同時に、安定所の窓口を経ずして直接訓練施設に入校の申し込みをして、あるいは入所の申し込みをして試験を受けた、そして入って、初めてこういう制度があるということを知って安定所に申請をしたという場合に、なかなか後追いの指示というのがやられない、こういう事例がたくさんあるように聞いておるわけです。  具体的に事例を申し上げますと、ここに朝日新聞に投書されたものがありますけれども、ちょっと簡単に読んでみますとこういうのがあるわけです。「失業給付金の不平等に泣く」ということで、   私は今、雇用保険の失業給付金で生活しています。三月末に職業訓練校を受験し、女性は初めてという自動車整備科に合格しました。十年以内に一級整備士免許を取って、クラシックカー専門の店を持ちたいという、メカに弱い私にはとても無理だと思っていた夢が、目の前いっばいに広がり始めました。   訓練校の先生も、「これからは女性もこういう分野の職業に進出してほしい。頑張って下さい」と期待を込めて迎えて下さいました。ところが、私の夢も、先生の期待も、あっという間に断たれてしまいました。   ふつう、訓練校に入校した場合、職業安定所の指示があれば、給付日数分が終了した後も、卒業するまで失業給付金が支給されます。私の場合、卒業してから就職しようとしても、女性として初めての職種であるため、受け入れが不可能に近い、大学を出ている、という二つの理由で、給付の延長が認められませんでした。   安定所で再三、給付延長の指示をお願いし、最後は涙で声が出なくなりました。まだまだ、女性には厳しい雇用の不平等、学歴の逆差別があることを、いやというほど味わいました。   入校式当日だけの生徒でした。こんな状態では経済的に、卒業まではとても通えないのがわかっています。悲しい気持ちで早々に退校届を出しました。 こういう事例があるわけですけれども、原因がどういうところにあるのかまだ明確ではありませんけれども、こういう投書が出ておる。  それからまた、大阪府の場合に、再審査の請求を出している事例というのが幾つかあるわけです。これを見ましても、例えばこういう事例があります。   昭和五八年三月二日 失業の届け、求人に河内柏原職安に来所する。同時に、以下の事情で、職業訓練を受けて、仕事をみつけたいと希望する。その事情は、退職した会社からの給料が、 退職前には遅配が日常化し、その会社が工場、土地を売って三月から四月頃遠方に移転するという状況の中で、二月二〇日、会社をやめなくてはならなくなったこと。 それで職業訓練の手続をしたわけですけれども、この人の場合には後追い指示がされているわけです。ところが、同じような状況で退職をして学校に入った方が後追い指示が得られなかったということで、その事例を申し上げますと、   昭和五十八年三月十日で前の仕事を離職し、私個人で就職先を探していた所なかなかみつからなかった。その時に前の会社の人に職業訓練校というのがあると聞かされ、このまま就職先を見つけるよりも、訓練校で技術を身に付けた方がいいと考え、布施職業安定所に願書をもらいに行きました。その際、職員に手当を受けながら訓練校に行かしてほしいと言った所、離職票を願書締め切りの三月十六日までに出してくれと言われました。しかし、離職した日が三月十日で、会社に問い合わした所、離職票は三月二十八日の給料日にしか出せないと言われたので、三月十六日までには出せないと職員に言いました。するとその職員は、それなら四月四日までに出してくれればよいと言われたので、その日は帰りました。そして、三月十五日に安定所に願書をもって行き、手続きをしました。その時の係の人は、以前の時の職員とはちがい、女子職員でした。その女子職員にいままでの事  情を説明したら、離職票を三月十六日までに出さなければだめだと言われました。それでは以前の話と事情がくいちがっているのではないかと言った。その時に、このあいだの職員がきて試験を受けるだけ受けてみると言い、その後で合格したのなら、受講指示は出せるとは言えないが、まだわからないので合格発表のあと安定所に来てくれと言われました。そして第一希望の電子計算機科は不合格だったが、電子機器科には合格した。そして、三月三十日に安定所に行き、電子機器科に合格したことを言った。すると、受講指示は出るか出ないかまだわからないと言われ、失業保険の説明会の時にわかると言われた。そして数日がたち、指示が出るのかどうか不安になり、再度安定所に行ったところ、女子職員が受講指示は出ないと言い、ショックを受けた。私は、その職員のあいまいな手続、応対に不服を感じるとともに、ぜひ受講指示を受けさせてほしく、ここに、「受講指示が出せない」との決定に対して、再審請求を要求する。 こういう文面ですね。これは個々のケースですから、この文面だけではなかなかその事情はわかりませんけれども、しかし、こういう状況に置かれておって、せっかく再就職を希望して訓練校に入ったのにもかかわらず、後追い指示が得られなくて学校をやめたというふうな事例があるのではないか。そういうことが、言われるように正当な扱いでなくて、その人は以前ならば当然指示が受けられたものが、状況が厳しくなったためにその指示が受けられないというふうな扱いを受けたとするならば、これは法の趣旨に反するわけですから、そこらの点についてはどういうふうに理解したらいいのですか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 いろいろなケースについて御指摘がございましたが、行政の運営の方針としましては、特にこの訓練延長給付について最近厳しく運用している、こういうことはございませんで、むしろ、訓練の受講が受給者の再就職を促進すると認められます場合には、積極的に延長給付の運用を図っていくという方針でおるわけでございます。  ただ、保険の受給期間を延長することを主たるねらいとして訓練を受けたいというような方も率直に申しましてないわけではない、特に保険の受給期間が切れそうなところで訓練受講をにわかに希望するというようなケースも中にないではないというようなことで、そういう訓練延長というものについて私どもは積極的に活用していきたいのですが、その辺の問題との兼ね合いで、ただ無審査で、本人が希望すればみんな訓練延長しますということをしているわけではない、そういうところとの兼ね合いの問題があろうかと思いますが、方針としては積極的に訓練延長はできるだけやっていきたい、こう考えておるところでございます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 いろいろ実態を調べてみますと、地域によっていろいろな違いはあることは言うまでもありませんけれども、例えば職安ごとに訓練定員との見合いの中で訓練校への指示枠を決めているところもあるわけです。安定所によっては必ずしも希望者が一定していませんから、例えば定員がありますね、その定員に達しておらない、訓練定数に達しておらないにもかかわらず、その指示枠があるために希望者が入校できない、こういう矛盾も出ている現状もあるわけです。  これは私が調べた範囲でも、表にするとよかったのですけれども、必要があればまた後で提示しますけれども、これも大阪の場合ですが、例えば定員が三百五十名、そして応募者が九百十九名あって、入校が三百二十三名、この三百二十三名の入校者の中には、指示枠で六十二名というものも入っているわけですね。これは六十二名です。そうしますと、まだ定員が三百五十ですから二十七名というのが余裕があるわけですよ。その場合に、入校希望者があってもやはりその指示枠に制約されてなかなか入校ができない、学校としては定員がまだ余っているのだから全員入れたい、こういう、学校と安定所との調整がうまくいかないようなこともあり得るのではないか。しかも、学校としては受け入れたいから受け入れて、そして、さっき言いましたように安定所に後追いの指示を申請したところが、なかなか枠があって指示が得られなかったというようなこともあって、せっかく入った訓練生がみすみす学校をやめていくというようなこともあるのではないかというふうに考えてまいりますと、私はやはり、実際の運営の面で少し検討を加えていく必要があるのではないかと思うのです。  そこで、具体的にお尋ねをしたいと思うのですが、例えば指示枠を決める場合でも、職安と訓練校あるいは訓練所等々が定数等の関係で十分調整できるようなことにする、そういう協議というものが必要ではないかというふうに思うのですけれども、そういう点についてはどうでしょうか。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 やはり基本的には、こういう訓練を受けたいという方についてできる限りそういう訓練の機会を付与していくということで努力すべきものであるわけでございますので、そういう訓練の指示枠に縛られて受講できないというようなことは、やはりできるだけ避けなければならぬということでございまして、御指摘ございましたように、こういう受講指示計画というものにつきましても、安定行政と訓練行政というものが十分連携しながら、あるいはまた地域等によりましても、安定所間でのやはりそういう枠の融通というような問題等もございますので、そういうようなことなどしながらできる限り希望に応ずるようにしていきたいというふうに考えるところでございます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 今私は一カ所だけ申しましたけれども、大阪府下の場合は、松原、堺、守口、東淀川、芦原、夕陽丘、大阪総合身障というふうに区分をして調査してありますけれども、全部が定員が充足しておらぬわけですね。充足しておらぬ中でも、指示枠というものが極めて少ないわけですね。そういうところで、今例示しました再審査の請求とかこういう事例が起こっているわけですからね。ですから、学校としては十分受け入れる余裕があるという実態があるわけですから、そういう点については、学校あるいは訓練所と職安とが、十分そうした定数と指示枠の関係というものは事前に協議をして、そして調整し合う、そしてやはり可能な限り、入校者の正当な理由がありさえすれば希望に応じられるような措置を考えてやる必要があるのではないかというふうに思いますから、その点をもう一回御答弁ください。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 御指摘ございましたように、こういう受講指示を希望する者に対しましては、十分その希望を職業相談の過程ではっきりさせまして把握をし、そして訓練校と協議をし意見の調整を行いまして受講指示を行っていく、こういうことで進めているところでございまして、今後とも訓練校との緊密な連携を図って進めていきたいと考えております。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 そこで、もう少しく突っ込んで具体的に見解を聞きたいと思うのですけれども、例えば能力開発訓練ですね。能開訓練の場合に受講希望者を、従来の安定所から指示されてくるという一方的な扱いではなくて、訓練施設でも受理していく、そして両者間の協議を通じて入校の扱いを決めていくとかそういうことをすることの方が、今申し上げましたような矛盾も解消されて全体としてうまくいくのではないかと思いますが、そういう点について今後実態に即して検討していくお考えがあるかどうか、お尋ねしたいと思うのです。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 こういう雇用保険受給者が直接訓練校に行くような事例につきましては、入校が決まります前に訓練校から連絡がございますれば、本人に対して必要があれば受講指示を追加して行うということもできるわけでございまして、できるだけ事前の職業相談の過程で本人の意向把握に努めていきたい、こう考えておるわけでございますが、そういう御指摘のような事例についてもできるだけ対応できるようにひとつ検討してまいりたいと考えます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 いろんな事例を調べてみますと、生涯職業訓練促進給付金というのがありますね。こういう給付金の扱いなどについては、支給の申請をする手続を、県立の訓練校はできるようにしてあるのだけれども、雇用促進事業団立の訓練施設の場合にはまだそれができるようになっていませんね。したがって、県立の学校と同じように、雇用促進事業団立の訓練施設でも扱えるようにした方がスムーズにいくのではないかというふうに思うのですが、その点はどうでしょうか。

宮川知雄労働省職業訓練局長

○宮川政府委員 御質問の生涯職業訓練促進給付金につきましては、中小企業だけでなくて大企業までも含めまして、在職労働者の能力開発のために使っていただきたいというもので、その申請をどこへ出すかということでございますが、五十七年に発足しておりますが、最近はその利用率も大変高まってまいりまして、やっと世の中に理解されてきているようでございますが、まだ日が浅いということもございますし、結局地域の実情、特に業界との連携、そうした面が大切でございますので、今のところは県知事に機関委任し、したがってその系統の県訓校等が扱っているわけでございます。したがいまして雇用促進事業団立の訓練校においては扱っておりませんが、もうしばらく様子を見させていただきたいと思いますが、公共訓練施設自体の活性化、つまり団立校につきましても、労働者あるいは企業のニーズをしっかり肌身で捕捉するということからいきますと、生涯職業訓練促進給付金の事務等も自立の訓練校で扱うということももちろん一つのやり方でございます。ただ、今申し上げましたように日も浅いことでございますので、御指摘の点は十分念頭に置きながらもうちょっと推移を見させていただきたい、かように考えます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 経過はわかりますけれども、現状を踏まえてみて、雇用促進事業団がつくっておる訓練施設で扱ってはならないし、扱うことは不都合がある、そんな理由はないと思いますから、私は、現状をより効果的に運営していくためには当然そういう扱いをしてもいいのではないかというふうに思います。大臣には実態はまだよく頭に入っていないかと思いますけれども、訓練を受けることによって、より就職、再就職が可能になるように本人も努力するし、そういう手だてをしてあげようという意味でつくられているわけですし、しかも、訓練校で訓練を受けて修了した人たちは、全国的にはわかりませんけれども、私が調査した範囲では七割ぐらいは訓練校の職員が再就職の世話をしているのです。ですから、訓練を受けている生徒、失業者の実態というものはある意味では一番よく知っているわけですから、そういう人の意見がこの制度の運営に十分反映できないというようなことではやはり問題があるのではないかというふうに私は思いますから、今申し上げましたような点につきましては今後積極的に前向きに検討していただきたいというふうに思うのですが、大臣の見解も承っておきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 おっしゃる気持ちはよくわかりますので、前向きにせっかく検討をいたさせます。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 次にお尋ねをしたいと思いまするけれども、今日の雇用失業情勢を考えると、むしろ対象者の拡大や日数の増加など延長制度を拡充すべきであるというふうに思うのですけれども、これからその基準の見直し等が行われる際に、少なくとも現行の各種の延長給付の条件あるいは日数、基準といったようなものが引き下げられることがないようにすべきだというふうに思いますが、その点についての見解を承っておきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 現行の各種の延長給付の日数、基準等につきましてはこれを維持していきたい、こう思っております。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 現在雇用保険の一般加入となっている産炭地の開発就労事業、あるいは炭鉱離職者緊急就労対策事業等々の扱いについては、関係労働者の要望を尊重し適切な措置がとられるようにすべきであるというふうに思いますけれども、その扱いについての見解を承っておきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 産炭地域開発就労事業、炭鉱離職者緊急就労対策事業等の諸事業における就労者につきましては、それらの人たちの生活実態、諸事業の間あるいは地域間の整合性等を考慮するとともに、就労者の意向などの把握に努め、無理のない取り扱いを定めることといたしたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 これは先般の質疑の中で、同僚の池端議員からも指摘をされて強く要請がございましたけれども、日雇保険の不適用地域の扱いについて、当時と今日とではもう交通機関が発達して、道路の状況などというものも随分変わっているわけですから、当然現状の見直しはやるべきだというふうに思いますけれども、その点についてはどういうふうになりますか。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 日雇い労働者の就労形態にかんがみまして、日々公共職業安定所に出頭して職業紹介及び失業の認定を受けることができるかどうかという観点から、日雇労働被保険者の範囲が定められております。具体的には、原則として日々公共職業安定所に出頭できる地域に居住している日雇い労働者を被保険者としているところでありますが、このような制度の仕組みは維持する必要があると考えております。なお、現在の適用区域はこのような考え方に基づいて定められており、従来から必要に応じそれぞれの地域の実情により見直しを行ってきたところでありますが、今後とも必要に応じて見直しを行ってまいりたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 船員保険と雇用保険との扱いについて、通算制をつくるということについては制度的に難しい点もあると思うのです。しかし、それと同じようなことが効果的に実現できるように、言うならば通算制が確保できるような必要な措置を講ずる必要があるのではないか、また講ずべきではないかというように思いますが、この問題に対する扱いについての見解を承っておきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 船員保険と雇用保険の通算制につきましては、被保険者の範囲、保険料負担、給付水準など、両保険の制度の相違、事務処理上の問題など困難な点がございます。しかしながら、今回の改正では勤続期間をも考慮して給付日数を決定することとしているところでありまして、船員保険の被保険者として長期間勤務していた人が、陸上勤務にかわって、その後短期間のうちに離職せざるを得なくなったような場合には、個別延長給付の対象とすることによって配慮することが適当であると考えております。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 次に、今回の法改正で失業給付額の算定方式が変更されて、言うならば一時金が含まれないという不当な扱いを受けることになったわけです。こういう扱いが、今後、労働者災害補償保険の休業特別支給金等に連動して廃止をされるというようなことがあってはならないというように思いまするけれども、これは大変心配されている向きもありますから、ここでひとつ心配されている皆さんが安心できるように御答弁願いたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 労災保険の休業特別支給金につきましては、失業給付額の算定方式の変更を契機には廃止することは考えておりません。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 最後に確認をしておきたいと思いまするけれども、失業給付事業の収支改善は、本来雇用対策の積極的な推進によって失業者、受給者をなくすことによって行われなければならないと思うのです。特に、現状及び高齢労働者が一層増加する今後の雇用失業情勢等を考える場合に、再就職が困難な中高年労働者の雇用確保のための抜本的な対策が重要であり、雇用創出などの具体的な施策を早急に進めなければならぬというふうに思います。今回の法改正の論議の過程で中央職業安定審議会でも指摘があっておりますが、雇用対策基本問題小委員会で検討されているように聞いております。この小委員会から結論が出された場合に、その結論から早急に、具体的に施策を推進できるようにしなければならぬと思いまするけれども、こうした問題に対する労働大臣の取り組む決意についてこの際お聞きしておきたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 雇用構造の変化に対処しながら、失業の未然防止と離職者の早期再就職を図り、完全雇用を達成することは雇用対策の基本的な目標であります。第五次雇用対策基本計画は、この基本的目標の達成に向けて、構造変化に対応して労働力需給のミスマッチの解消を図るための雇用対策の基本的方向を示したものであり、この方向に沿って雇用対策を進めてまいりたいと思います。  人口の高齢化の中で、特に高年齢者の雇用就業対策は緊急な課題であると考えておりますが、中央職業安定審議会雇用対策基本問題小委員会において今後の雇用対策の具体的なあり方について検討を進めていただいているところでありまして、労働省としては、その検討結果を踏まえながら、鋭意検討の上、逐次対策の具体化に努めてまいりたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲共同

○村山(富)委員 以上で終わります。

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 浦井洋君。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 雇用保険の審議が三巡をいたしまして、大分内容が極めて明らかになってきたわけでありますが、私は、今度のいわゆる改正案の内容というのは、給付水準の引き下げであるとか給付制限の強化であるとか高齢者の勤労権の否定、こういうことを柱とした大改悪案であるというふうに言わざるを得ないのであります。大岡裁判で三万一両損という言葉がありますけれども、この案では、政府、財界は一両の得、失業者だけが二両の損というひどいものであるというふうに言わなければなりません。その意味では、戦後政治の総決算を目指す中曽根内閣の福祉やあるいは社会保障、こういうものの切り捨ての重要な一環をなすものであって、私どもとしてはこれは断固として反対をしなければならぬと考えております。  それから修正案についても、この大改悪案を何とか矯正したいということで努力をされた関係者の方々の御努力には私は敬意を表するものでありますけれども、なかなか政府やあるいは与党のガードがかたくて、我々が望んでおった換骨奪胎的なところにはやはりほど遠いと言わざるを得ないので、まだ現行法の域に達しておらないというふうに言わざるを得ない、そういう点でこれにも反対をせざるを得ないということを冒頭に申し上げておきたいと思います。  そこで質問をしたいのでありますけれども、三点であります。  一つは、やはり大臣にお聞きするのでありますが、六十年度六十歳定年制ということが、これが大努力目標になっておるわけでありますが、これと労働時間の短縮について政府として大きな努力を払っていただきたいと思うわけでありますけれども、ひとつ大臣の決意を聞いておきたいと思います。  もう時間があれですから全部列挙いたしますが、二番目の問題は、日雇失業保険についてであります。  今回、日雇いの給付日額が三段階から四段階になったわけでありますが、そうなると、四段目の最下段が千七百七十円ということで余りにも低過ぎる。だから、三段階のままで金額をやはり上げるべきではないかというふうに私は考えておりますが、御意見をお伺いをしたいと思います。  それから、その日雇失保についてでありますが、現行法の四十九条で自動変更の項がありますけれども、やはり給付の内容は、労働省の方は三・五対六・五ぐらいで余り不均衡ではないという御意見のようでありますけれども、私は、やはり法に書かれておるように「著しく不均衡」になっておるというふうに考えるわけでありまして、法四十九条を適用して自動変更をすべきではないか、このように考えるわけでありますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。  それから最後の第三点は、先ほど出ましたけれども、事務費の問題であります。失業保険全体として見ますと、国庫補助が八億五千万になったときの事務費が四百四十八億、五十四年度であります。現在事務費は五十九年度で六百十六億、しかも国費は据え置きということであります。これが雇用保険の赤字の一つの大きな原因になっておることは皆さん方も認めておられるところでありますから、もっとやはり国庫負担をふやす努力をしなければならぬのではないか、このように私は考えるわけであります。  以上、三点についてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 六十年・六十歳定年の実現につきましては、これは高齢者対策の最初の一番大切な基礎づくりとして努力をしてまいりましたけれども、今のところ、大体主流にはなりつつありますが、まだ一段と努力をいたさなければならぬと思っております。引き続きこれには最大の努力を傾けていきたいと思っております。  それから、労働時間の短縮につきましては、先進諸外国と比べてやはりいささか労働時間が多過ぎるという指摘もございます。これにつきましては、私どもといたしましても、引き続き努力をいたしていきたい。新しいMEなどの導入を控えて、そして生産性を上げながら、その職場に混乱をもたらさないようにしながらも、労働時間の短縮というところに結びつけていかなければならぬ、こう思っております。

加藤孝労働省職業安定局長

○加藤(孝)政府委員 日雇い給付金についてのお尋ねでございますが、御指摘ではございますが、最近におきましても、賃金額の低いものがまだ残っておるということなど、御指摘のような著しい不均衡という状況にはございませんので、私どもとしては自動スライドを行うような状況には至っていない、こう考えております。  また一方、最近におきます日雇い労働者の賃金額の分布が、賃金の高い層につきましてはその給付額が必ずしも十分とは言えない状況になってきておる。あるいはまた今回の改正において、一般被保険者に対する基本手当の日額を引き上げるというふうにいたしておりますということとのバランスの問題、それからまた、従来国会等におきまして日雇い労働者求職者の給付金を多段階化すべきである、こういうような要望等も出されておるわけでございます。こういったような事情を勘案をいたしまして、現行の三段階の上に新一級を設けまして四段階にする、こういうことで御提案を申し上げておるところでございます。  それから、事務費の国庫負担の問題につきましては、これは現在、雇用保険積立金の運用収入の使い道につきまして、特に法律上制限がないわけでございまして、従来から運用収入あるいは雑収入等を事務費に充当しながら国庫の方も一定額を負担する、こういう慣行でやってまいったわけでございます。で、一般会計は御存じのように非常に財政的にも厳しい状況にあるわけでございますし、また、こういう事務費の国庫負担につきましての臨調の答申等もございまして、非常に困難な状況にございますが、今後におきましてもその増額に努力をしてまいりたいと考えております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 終わります。

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十四分開議

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  この際、愛知和男君外四名から、本案に対する修正案が提出されています。  提出者より趣旨の説明を求めます。愛知和男君。     ―――――――――――――  雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する   修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

愛知和男自由民主党・新自由国民連合

○愛知委員 ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  その要旨は、  第一に、基本手当日額表の百分の八十以内で百分の六十を超える率を乗ずる賃金日額の範囲をさらに拡大し、三千二百十円以上七千七百五十円以下とするものとすること。  第二に、特定不況業種または特定不況地域離職者等で就職が困難な受給資格者であって、改正に伴い所定給付日数が減少するものについては、改正前の所定給付日数に達するまでその者の給付日数を延長することができるものとすること。  第二に、六十五歳定年等により離職した高年齢受給資格者については、特例として基本手当等を支給するものとすること。  第四に、六十五歳に達した日以後に雇用される者は、政令で定める日までに、公共職業安定所長の認可を受けたときは、高年齢継続被保険者となることができるものとし、所要の規定を整備するものとすること。  第五に、船員保険の失業部門についても、第二から第四までに準じた修正を行うものとすること。以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。  この際、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。坂本労働大臣。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府としてはやむを得ないものと考えます。     ―――――――――――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  雇用保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、愛知和男君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     ―――――――――――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 この際、愛知和男君外四名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合、五派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。池端清一君。

池端清一日本社会党・護憲共同

○池端委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、雇用保険制度の維持及び適正な運用を図るため、次の事項について努力をすべきである。  一 定年延長二雇用延長の促進等高年齢者を中心とした失業の防止並びに早期再就職の促進及び雇用就業機会の増大等雇用就業対策の充実、強化に努めること。  二 給付制限制度については、職業選択の自由に十分配慮しつつ、雇用保険法の趣旨を踏まえ、運用基準の見直しを行うこと。特に、離職理由に基づく給付制限制度の運用基準については、労働者の生活の実態、経済社会の変化を考慮して見直しを行うこと。  三 不正受給の防止対策の強化拡充を図るとともに、納付命令制度について、その趣旨、目的に沿った運用が図られるよう運用基準の見直しを行うこと。  四 雇用保険制度の適切な運営に努めることにより財政の確立を図り、今後、安易に保険料率の引上げを行わないよう努めること。また、必要な国庫負担額を確保するよう努めること。  五 雇用保険制度の運営状況及びその問題点を中央職業安定審議会に適宜報告すること。  六 婦人労働者の就労機会を確保し、併せてその失業を防止するため、パートタイム労働者対策の充実、育児休業制度の充実等に努めること。  七 五人未満事業所等の未適用労働者及び一般労働者と同様の状態にあるパートタイム労働者の加入促進に努めること。  八 マイクロエレクトロニクスを中心とする技術革新の進展に対応して、雇用の安定、職業能力の開発向上、労働安全衛生の確保、労働時間の短縮等が図られるよう対策の充実強化に努めること。  九 公共職業安定所における職業紹介機能及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等の増加に伴う諸問題に対応するため必要な指導を強めること。  十 失業者の再就職の促進のために、最近の経済社会の変化に応じた職業能力の再開発について検討を行い、職業訓練等その整備充実を図ること。  十一 船員保険失業部門についても、前記の事項の趣旨に沿って、雇用対策の充実等制度の維持及び適切な運用を図るよう努めること。  十二 船員の置かれている深刻な雇用情勢にかんがみ、失業予防等雇用安定対策の一層の充実強化を図ること。  十三 国際的な漁業規制による船員の雇用失業情勢の悪化に伴い、船員保険非適用の漁船船員について、その実態を考慮し、適用拡大の検討も含め特段の配慮を払うこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  愛知和男君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂本労働大臣。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。(拍手)     ―――――――――――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 お諮りいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 この際、休憩いたします。     午後一時四十三分休憩      ――――◇―――――     午後七時七分開議

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同、社会民主連合所属委員の出席を要請いたしておりますが、いまだに出席がありません。この際、理事をしてさらに出席を要請いたしますので、しばらくお待ちを願います。――御出席を要請いたしましたが、いまだ、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党・革新共同、社会民主連合所属委員の出席がありません。やむを得ず議事を進めます。  この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。  ただいま本委員会において審査中の内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会及び大蔵委員会から、それぞれ連合審査会開会の申し入れがありました。これを受諾するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の開会日時につきましては、委員長間におきまして協議の上決定いたしますが、明十六日午前十時三十分開会の予定であります。  次回は、広報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後七時十六分散会      ――――◇―――――

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